予算委員会第三分科会 第4号
- 発言数
- 283 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/03/03
会議録
○上村主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算及び昭和五十六年度政府関係機関予算中厚生省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。
○大原(亨)分科員 きょうは二つの点について御質問いたします。 第一は、被爆者対策に関する件でありますが、それは本年度予算案に答申を受けまして調査費の四百万円を計上いたしておるわけであります。この基本問題懇談会の答申の中で非常に特徴的な点は、最後の節におきまして、「原爆投下以来三十五年を経た今日、」というふうに書き出してございまして、これはこの前のパラグラフにもあるわけですが、つまり繰り返して「特別の犠牲」、こういう問題を強調いたしまして、「必要の原則」を述べながら、たとえば多量の放射線を被曝したと推定される近距離被爆者に対する対策を述べております。最後のところで、「原爆放射線の身体的影響については、多くの事実が明らかにされているが、なお解明されていない分野がある。また、原爆放射線の遺伝的影響についても、現在までのところ有意な影響は認められていないものの、さらに研究を重ねる必要がある。このため、研究体制の整備充実を図ることにより周到な研究を進め、問題を逐次解明することが、被爆者に対する国の重大な責務であると同時に、世界における唯一の被爆国であるわが国が国際社会の平和的発展に貢献する道といえるであろう。」というふうに述べてあるわけであります。この調査費は影響調査から治療に至るまでの問題を対象とした総合的な問題であると思うのですが、たとえばどの範囲をもって調査の対象と考えておられるかという点が第一点の質問であります。
○大谷政府委員 従来、放射線影響研究所、放影研におきましては、寿命調査あるいは成人健康調査あるいは病理学的研究、子孫の死亡調査あるいは遺伝生化学的研究といったものにつきまして研究を行っておりますし、厚生省直轄といたしましては、原爆被爆者の悪性新生物に関する研究あるいは生活機能に関する研究あるいは健康状態に関する研究といったふうなことで研究を進めていただいておったわけでございます。基本懇の答申もいただきましたので、私どもといたしましては、放射線医学研究所あるいは原爆病院、広島大学原爆放射能医学研究所等の関係機関と連携して、そういった共同研究というふうなことが非常に大事であるという考え方に立ちまして、今回新しく千五百万円ということで共同研究を実施するということにいたしております。 先生御指摘の、調査とは何を言うかという問題につきましては、私どもの方といたしましては、ただいまのところ、被爆者子孫の遺伝的研究あるいは被爆者の分子生物学的研究というふうなことで共同研究をお願いしたらばどうかというふうに考えているわけでございます。
○大原(亨)分科員 これからそういう調査をされる際には、言うなれば被爆者の意見をも代表するようなそういう一つの民主的な組織、そういうものをおつくりになるのであるかどうか。 それから、お話がありましたけれども、たとえば放射能の影響調査あるいは医療の研究。広大の原医研もあります。長崎もあります。それから原対協の非常な検査の累積があります。諸検査、血液検査等ずっと精密検査に至るまでやっているデータが蓄積されておるはずであります。あるいは原爆病院とか広大の付属原爆病院とか長崎病院とかいうふうな治療機関もあると思います。そういうことを総合いたしまして、従来も決議をされたり要請がされたわけですが、それらを集約的、総合的に対象として調査をする、こういうふうに理解をしてよろしいか。
○大谷政府委員 趣旨といたしましては、先生御指摘のような考え方で、できるだけ従来の研究を踏まえて新しく発展させたいというふうに考えておりますが、先生が最初におっしゃいましたように、そういった被爆者の代表の方々をこういった研究計画に参画していただくというふうなことは考えておりません。従来よりもう少し幅広く放射線関係の研究者の方々に参画していただいて、研究計画というものを絞っていただいて、従来の研究成果を踏まえた上で新しい発展を期していきたいというふうに考えているわけでございます。
○大原(亨)分科員 専門家がその研究調査の中心になるということはわかります。しかし、市民感情、被爆者の感情等も十分理解した上で、そういう側面の専門家も参加できるような道を当然開いてもらう。こういうことだと思います。 それから私の考えですが、私も長い間、旧ABCCの問題等を中心にいろいろな変遷をたどってきておりますから、議論をいたしまして、たとえば日米共同研究になる前に、科学技術特別委員会で二時間余り関係研究機関全部出席を願って議論したことがあります。放射能の影響調査につきましては、旧ABCC発足当時は、これは明らかに占領軍が原爆の影響を研究することによって軍事的な利用をも考え、あるいは秘密の部面も残されたままで研究が進められたということで、市民感情から言えばモルモットだという考え方があったわけであります。検査の仕方にいたしましても、民族的な慣習が違いますから、感情を無視したような検査の方法をとりまして、問題がずっと引き続いたわけであります。 しかし、日米共同研究ということで再発足いたしまして、放射線影響研究所があるわけであります。私はこの問題について、私の見解を申し上げておくわけですが、つまりそういう経過があって、たとえば広島の場合でございますと比治山の上にございまして、しかも、かまぼこ兵舎という形で市民の上にあるというふうなことであります。患者あるいは被爆者の立場から見てみましても非常に貴重な検査をするわけです。非常な機械や組織的な身体の放射能影響調査をいたすということ自体は、私は非常に意義のあることをやってきたと思うし、また、そのデータというものは貴重なものである。貯蔵ができないぐらい解剖などの材料も、広大に一部は回りあるいは他の方の研究機関にも回っていると思います。そういうことで貴重な役割りを果たしてきたと思うのです。しかし、被爆者から言いますと、いろいろな感情があり、また山の上ですから非常な不便な点があるわけであります。そういう点を踏まえて、この放影研の治療の研究、広大の治療の研究、あるいは原対協の数多い検査の蓄積、あるいはこれから医療、そういうものと密接な関係で特別養護老人ホーム等もあるわけですから、それらを総合的に被爆者のために運営してもらいたい、こういう感情から言いますと、移転問題はたまたまこの市の公園を公園らしく活用するという博物館の構想からも出ておるわけですけれども、その問題については、そういう市民感情や経過を踏まえて、他の研究と総合的一体の関係で運営されるということの今回の答申を契機といたしましての新しい出発、こういう点において、十分従来の経過と私が申し上げましたような意見等も配慮いただいて、そして、この移転問題については前向きに検討いただきたいというふうに思いますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○園田国務大臣 いまの問題は、委員の各位からも非常に強力にお力強いお願い、また地元の強い意見もあり、厚生省の事務当局も大蔵省と非常に熱心に相談してきたところでございます。大体と思いましたが、まだなお大蔵省と厚生省の間の意見がぴたっとしておりませんので、いま御意見の方に従って全力を挙げて財務当局と相談をいたすつもりでございます。
○大原(亨)分科員 第二の質問ですが、先般、予算委員会におきまして、神戸市の近藤病院の問題に関係いたしまして、第二薬局の問題点を指摘いたしました。この第二薬局は、大蔵大臣も答弁されましたように、五二%、七二%の問題がありましてから、これは医師会自体がやっておるわけではありませんが、一部におきましては好ましからざる傾向があるわけであります、これは従来から一部の医療機関等にあったわけでありますが。それで、第二薬局は、私は日本の医療の改革の上においては看過できない問題であると思うわけです。第二薬局の現状についてお答えをいただきたいと思います。どのくらいいまあるのですか。
○山崎(圭)政府委員 第二薬局の実態につきましては、最近実は調査をいたしました、そしていまその調査の取りまとめ中でございますが、全国でおよそ概数として一千件くらいの報告がございます。おっしゃるように、第二薬局につきましては、私ども、第二薬局、第一薬局というような区分が別にあるわけじゃございませんが、いずれも薬事法上許可を受けた薬局であるという点は間違いのないところであります。しかし、非常に公共性の高いものでもございますので、一般の薬局と同じように構造的にもあるいは機能的にも医療機関から独立している、これが本旨でなければならない、こういう考え方で、許可に当たりましてもあるいはその後の運営におきましても指導を図ってまいったところでありますが、現状はさようなことでございます。
○大原(亨)分科員 たとえば近藤病院の場合、私もそれほど的確には把握しておりませんが、この点はかなり専門的な知識を要するので、マスコミ等においてもまだこの資料については、私もいろいろな報道を分析いたしてみますと、周知されてない点があります。ありますが、お話がありましたように、全国的に一千件も第二薬局ができるという傾向は、これは本来の医薬分業を促進することをたてまえにいたしまして、院外処方については五百円、そして、この処方を受けての保険調剤薬局の料金についても、それぞれの段階を設けて平均的には四、五百円の費用を払う、言うなれば、国民で言えば費用を払うわけであります。それが、第二薬局が医薬分業の独立した機関における相互チェックの機能を果たさないということになりますと、これは非常に大きな問題であります。 たとえば、第二薬局は、極端なのは処方せんを院外処方という形式で出しますが、しかしその処方を、窓から窓で裏側の方から表面だけ違っておる薬局の方へ回しまして、患者が薬局の方で薬をもらうというふうなことも事実上は半ば公然と行われておるわけであります。 医療法人について、新聞報道によりますと、富士見病院の例にかんがみて、独立した医療法人というよりも、むしろ医師が責任を持った医療法人ということで医療法を改正しよう、こういう考えが厚生省にあるというふうに言われておるわけですが、外国の保険調剤薬局は、薬剤師が経済的に独立をしておるということが分業の条件になっておるわけであります。日本の医薬分業の法律もそういう趣旨でありますが、しかし、医薬分業自体が日本では非常にうやむやな形になっておるわけでありますから、そういうようなところから医療機関に従属をした第二薬局が続出をいたしまして、そして税金対策をやる、所得の分散を図る、そういうことで事実上脱法行為を行っておるというふうに考えるわけであります。 第二薬局の問題については、医薬分業の本旨から逸脱するような、言うなれば医療機関に従属いたしました形の薬局であってはならない、こういうふうに私は思いますけれども、それに対する最近の現状を踏まえての厚生省の見解をお答えいただきたいと思います。
○山崎(圭)政府委員 おっしゃるように、第二薬局を開設する動機としましては、先生御指摘のような、処方せん料なり調剤料の収入が両方入ってくるというようなこと、あるいは所得の分散をそれによって図るということがあろうかと思います。そういうことで、第二薬局につきましては御批判が当然あるわけでございまして、とりわけて、みずから処方せんを発行する者が薬局を所有しまして調剤を行うという点では、医薬分業の本来の趣旨でございます処方せんのチェックでありますとかあるいは安全性向上につながるという意味での薬局の機能が本来的に期待できないおそれがあるのではないか、こういう御批判が当然ございます。そういう意味におきまして、私どもも、本質的には医療機関との独立性ということを問題の基本に置いて指導を徹底してまいりたい、こういう考え方でございます。
○大原(亨)分科員 薬局は医療機関から構造的、機能的、経済的に独立をしておるのが薬局の本旨であるし、そして、保険薬局といたしましてもそういう資格要件がある者が必要である、こういうふうに思いますが、そういう方針に従って、いまの医薬分業を非常にひん曲げた傾向を是正するということについて、一定の方針を持って処理をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○山崎(圭)政府委員 御趣旨まことにごもっともだと存じますし、私ども業務局サイドといたしましても、保険薬局との絡みもございますので、保険局とも連携いたしまして、御趣旨の線に沿って進めてまいりたいと思っております。
○大原(亨)分科員 これは保険局長、つまり医療機関や薬局の二重指定の問題ですね、あれは去年の議論では、衆参両院を通じまして審議されないで、非常に簡単に済まされたと思います。これは非常に大きな問題です。つまり、これからは医療機関でも、保険医として指定する医療機関については、患者の意向、被保険者の意向等が反映するような適正配置の問題等についてもやるべきである。それから薬局にいたしましても、保険調剤薬局の指定ということは、薬局を開けばすぐ保険調剤薬局というのではなしに、やはり被保険者の意見が反映できるようなそういう基準に従ってやる、そういうことで、たしか保険調剤薬局は三年間に一回見直しをして、そしてそういう保険調剤薬局を確認するという手続になっているというふうに思います。そういう際に、医薬分業の本旨にもとるような脱法的なそういう措置については、厳しく規制をする必要があるのではないか。そういうことは独禁法上も公取委員会の機能からも、私もいろいろ詰めてみましたが、これは政府が一定の基準や方針で規制する場合には何ら抵触いたしませんから、そういう点で、保険局のサイドの問題でありますが、その問題について見解を述べてください。
○大和田政府委員 保険薬局につきまして、先ほど業務局長申しましたように、医療機関との独立性というものが私どもも必要であるというふうに考えます。事実上院内薬局と同じような場合は保険薬局として認めるのは妥当ではないというふうに私ども考えるわけでございまして、そういったような観点から、私どもも、業務局の行政と十分協力しながら、第二薬局問題につきましては対処し、適正な施策をとってまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○大原(亨)分科員 現在の法律で第二薬局を事実上存在しないようにいたしまして、それで医薬分業が進んでいく場合に、曲がった形にならないようなそういう方針を貫くために、法律の改正は必要ではないですか。現行法の趣旨はそういうことですから、私はできると思うのです。ただ、ヨーロッパの法律ほど分業の際の薬局の薬剤師の独立性を法律上規制を強調していない、そういう点があるのですけれども、しかし、分業の原則を貫いて、例外的に医療機関の院内処方を認めている、例外がほとんどになっているというのが事実でありますから、この原則を貫くという方針もあると思いますが、法令上は何ら問題はないかどうか。
○山崎(圭)政府委員 衛生法規の目から見ますとさらに詰めてみなければならない点がいろいろあるかと思うのでございます。おっしゃるように、営業の自由というものが根っこにありまして、そして、その衛生法規が公共の福祉の観点から薬局の規制というものを行っておるわけでありますけれども、そこにはおのずから、物的な条件でございますとか、あるいはそこに携わる者の一定の資格を要求するというような人的な要件でございますとか、衛生法規としてはそういう限度で現在の法律が動いている、こういう関係があるということは先生も十分御案内のとおりでございます。したがいまして、医薬分業の目から見てそういうものを衛生法規として排除できるかどうか、これにつきましてはさらに勉強させていただきたい、かように考えておるところでございます。
○大原(亨)分科員 では、現行法で医薬分業の趣旨に従って、それを逸脱するような、ほかの目的でこの趣旨を曲げるようなそういう措置については、行政上の措置としてもやるし、それから保険調剤薬局の見直しの際においてもその点を考えて処置する、そういうふうに理解をいたします。 きょうは国税庁も見えておるわけですが、近藤病院の脱税問題、架空請求、不正請求の問題等を調べてみますと、申し上げましたような税金対策もありますし、それから最近は卸のトンネルをやりまして、そして、たとえば近藤病院でありますと、外来が一日約二百名以上であるそうですから、第二薬局を設けますと、院外処方と調剤で一人千円といたしますと一日二十万円、そして二十五日開業するといたしまして五百万円、十二倍いたしまして六千万円。そして、家族の名義や奥さんの名義でやっておりまして、そして薬剤師の名義をかりているというかっこうで、いままでの処方と同じようなかっこうでやっておる。薬局と病院の境を設けておってもいつの間にかなくなっておるし、中はツーツー、こういうかっこうのものがたくさんあるわけです。形は整えておっても内容が伴わないものがたくさんあるわけです。これはどういう意図がといえば、分業というよりも税金対策であり、院外処方せん料を含めまして、言うなれば一年間に五千万円以上の目的に沿わないむだな資源が近藤病院だけでも流れておる。その上にトンネル会社を設けておきまして、そして、いろいろの報道や事実を総合いたしますと、安い薬を買い集めて、薬価基準と買い入れました価格との差益を隠す。そういうためにトンネル会社を設けておるということであります。そういう所得隠しとか脱税の方法といたしましてやられておるわけであります。 近藤病院の問題について先般予算委員会でも議論いたしましたが、国税庁はその事実を把握いたしておりますか。
○冨尾説明員 国税当局といたしましては従来から、申告漏れ等の疑いのあるというようなものに対しましては、厳重な調査を行った上で課税処理をするということで臨んでいるわけでございます。 いま御質問がございましたいわゆる第二薬局とか、それから薬品の取引の中間に介在するトンネル会社というような問題については、基本的には薬事法を所管いたします厚生省の方でおやりになる分野でございまして、税法上は、薬局ないしは薬品会社が薬事法上の適正な許可を得た上で設立されている、かつその上、法人としての実体を備えている、ないしは薬局としての実体を備えているということでございますと、私どもとしては、その取引の内容等が病院との間できちんと行われているということでございますかどうかという実態を判断いたしまして、課税の問題を処理していくというのが基本的な姿勢でございます。先ほどの御質問にございました病院と薬品メーカーとの間に介在をして、いわゆるトンネルをして知的なことをやっているということもあるようでございますが、その辺につきましては、そういう形で不当に所得を減少させるというような形で、実際形の上だけの取引のような場合には、所得税法上同族会社の行為計算の否認という規定もございます。したがいまして、問題がある場合にはそれらの規定を援用いたしまして適正な処理をいたしたい、このように考えております。
○大原(亨)分科員 最後に、予算委員会のときも質問いたしましたが、抗生物質でもビタミン剤でもそうですが、安いのを買っておきまして、安いのを実際には使って処方はやりまして、そして一部は高い方で請求する。つまり銘柄別の薬価基準になっておりますから——私も賛成したわけですが、銘柄別になっておりますから、そういう振りかえをやれば、これは刑法上も詐欺横領、文書偽造、こういうことになるのだというふうに法務省は答弁をいたしました。これは税金上から言いましても明らかに脱税行為であります。四百円請求いたしまして四十円の原価のものを使っているというふうなことは、これは医師の道徳上も許されないことでありまして、お医者さんの中でもそういうことを指摘する人が多いわけでありますから、そういう点はきちっとしないと、薬剤の流通も、医道の確立といいますか本当の医療の荒廃を打破することもできない。そういう点についても、国税庁がきょう御出席でありますけれども、そういう点について着目をされておるのかどうか、簡単に一言だけお答えいただきまして、終わります。
○冨尾説明員 いま御質問のように、ある薬品を使ったにもかかわらず、別の高価な薬品を使ったということで診療報酬の請求をするということにつきましては、一般に水増し請求と言われるカテゴリーになるかと思いますが、そのような不正請求がありました場合には、私どもは不正請求の問題自体をどうこうと言う立場にございませんが、現在、租税特別措置法二十六条で、社会保険診療報酬として正当なものについては御承知の所得計算の特例が認められるわけでございますが、そのようなものでないものにつきましては租税特別措置法二十六条の規定の適用はないということになっております。したがいまして、私どもも、今後そういう医師ないしは病院の調査をいたします際には、以上の点も踏まえまして、今後十分にやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○大原(亨)分科員 以上です。
○上村主査 これにて大原亨君の質疑は終了いたしました。 次に、新盛辰雄君。
○新盛分科員 厚生省が進めておられます国立の南九州中核医療施設問題を主にこれから質問をしていきたいと思います。 二十五億の莫大な金を使って、五十三年に旧鹿児島大学病院の跡地に設けられました南九州の中核医療施設については、大臣も鹿児島においでになって御承知のとおりだと思います。全国的に初めてつくられたというふうに聞いておりますし、大阪にも循環器センターが設けられております。そうした中で、今回鹿児島の中核医療センターといいますか、まだ名称の方は定かではございませんけれども、これがすでにことしの七月一日にオープンということになっているわけです。この施設利用について、いろいろと内容がまだ不明でございますので、この面を含めてお聞きします。 まず、医療については全般的にいま大変問題が多くございますが、特に専門的な循環器系疾患とかがんの専門の病院として設立をされたというふうに聞いておりますけれども、この扱いについて、大臣としてはどういうふうにお考えになっておられるか、聞かしていただきたいと思います。
○園田国務大臣 御発言のとおり、先般鹿児島に参りまして、現地も拝見してまいりましたし、各地域の方々の御意見も聞いてまいりましたが、初めてのことでございますので、地域医療とどのようにうまく調和していくかということは非常に大きな問題であります。この病院は、南九州一帯を中心にした、がんと循環器系を専門にした高度の病院にするつもりで、いま建てて準備をしておるところでございます。
○新盛分科員 もうすでに施設としてはほとんど完工しているというふうに、私ども現場を見てよく存じております。これは三百床の入院を可能とする八階建ての大変広大な病院で、また内容としても充実をされることになっているのでしょうが、この病院のこれからの役割り、高度の専門的な治療を主体にすると言っておられるわけでありますが、設けられる内容について、どういうものかお聞かせをいただきたいと思います。
○田中(明)政府委員 大臣からお答えいたしましたように、現在建設中のいわゆる地域中核病院と言われているものにつきましては、南九州地域におきます循環器病並びにがんの高度な専門病院として運営いたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。それで、さしあたり入院患者のためのベッドを百床開きたい。外来患者としては大体百二十人を予定しておりますが、これにつきましても、ほかの医療機関で循環器病疾患あるいはがんの疾患というふうに診断された者につきまして専門の外来というふうに考えておるわけでございます。したがいまして、診療の科目といたしましては、循環器科、心臓血管外科、理学診療科、放射線科、麻酔科の五診療科を考えております。
○新盛分科員 先ほど大臣がおっしゃいましたが、地域の医療機関との調和を十分に考えながらというその立場でいかれるならば、従来国立の鹿児島病院というのがありました、その病院と今回できます南九州中核医療施設とのこれからの統合あるいはまたどちらが主体になるのかという問題については、中核医療センターがこれからは本院になり、旧国立鹿児島病院は分院になるのだというふうなことも漏れ聞いておるわけです。ところが、鹿児島地域いわゆる南九州地域では、特に人口比で全国でも第三位と言われる過疎県の鹿児島県にとっては病院の数が多い。そうした病院の数が多い中で今回中核医療施設をお設けになった。これは決してそのことがいいとか悪いとかではなくて、これからの旧国立鹿児島病院との調整をどうするかということにかかっていると思うのです。 いま医務局長がおっしゃっていますこの内容、診療科目について、地元ではかねがねから、いわゆる腎臓病患者に対して、特に腎臓移植の問題等がきのうも取り上げられておったようでありますが、人工透析の問題は非常に大きな社会的な問題でもございますし、地域の中でここの新しい中核医療施設で腎臓の透析を行うことができるようにという強い要望も出されているわけであります。このことについてはどういうふうにお考えになっておられるか、お答えいただきたいと思います。
○田中(明)政府委員 先ほど申し上げましたように、地域中核病院は循環器病並びにがんの高度専門病院として運営いたす所存でございますので、人工透析を主としてといいますか、人工透析の患者も取り扱うということは考えておらないわけでございます。ただ、循環器病疾患との関連におきまして人工透析を要するようなケースにつきましては、将来対応できるようにしてまいりたいと思っております。 〔主査退席、宮下主査代理着席〕
○新盛分科員 これは、循環器という形の中で高度の専門的な医療施設としてつくったということにおいては、従来の一般総合病院という性格にしてはならない。これは国立の従来ございます病院もありますし、その周辺にまた民間の医療機関もあるわけでありますから、総合的な病院にしてはならないことだと思います。しかし、とりわけ高度な専門技術を必要とし、また施設もそれに可能な設備をされるということであれば、なぜ人工透析治療というのはその中で考えられないのか。せっかく二十五億という莫大な金でもってつくられたものでありますし、全国でも初めてのケースでありますから、そうしたことについて御検討が願えないのか。いろいろこの地元の皆さん方の御意見なども聞いておりますと、何のために専門病院をつくったんだ、じゃ、国立病院の方が従来あったのであるから、その兼ね合いとしてこれはまた同一のものになってくるのじゃないか、こういう心配も一面あるわけでありまして、このことについては厚生省として積極的にお取り組みいただかなければならない問題だと思うのでありますが、どうですか。
○田中(明)政府委員 繰り返して申すようでございますが、この施設は循環器病とがんの高度な専門の病院という位置づけで今後やってまいりたいと思っておるわけでございますので、地域にはいろいろな医療に対する要求がございましょうけれども、それをいろいろ受け入れておりますと、先生もいま言われておりますように、一般病院的なものになっていく危険性もあるわけでございますので、われわれとしては、やはり循環器とがんの専門病院という位置づけで考えてまいりたいと思っているわけでございます。
○新盛分科員 性格として、循環器、がん治療、そしてその他治療の科目について、この人工透析治療については入らないけれども専門的なというこの内容ではございますが、では、在来の国立病院との関係、これは統合をしてやがては一本にされるおつもりなのか。その内容として、実は七月一日オープンに向けまして準備が進められております内容を漏れ聞きますと、在来の国立鹿児島病院二百五十ベッドあるうち、百ベッドを中核医療センターに移動する、こういうことになっているわけです。そのことは事実かどうか。そしてまた、あと残り二百ベッドをつくったのにそのまま放置されるというのは大変問題があるのじゃないか、逐次それを充実していくというお考えでしょうけれども、その準備作業の問題としてどういうふうに進めておられるのか、どうなのか。
○田中(明)政府委員 先生御指摘のとおり、さしあたりましては、新しくできます地域中核病院と現在の国立鹿児島病院を一つの機構として運営してまいりたいと思っておるわけでございまして、その際、地域中核病院には、現在でも国立鹿児島病院に相当数入院あるいは外来で治療を受けております循環器病あるいはがんの患者を含め。まして、また新たな循環器病あるいはがんの患者も受け入れるというような考えで、先ほど申しましたように、入院百床、外来百二十人という専門病院を予定いたしておるわけでございます。現在の国立鹿児島病院につきましては、したがいまして二百五十から百を引きました百五十の病院といたしまして、従来どおり一般の疾病を取り扱っていく。がん、循環器は新しい専門病院の方に移していくという考え方でおるわけでございます。
○新盛分科員 これは百床移すということで外来百二十人とおっしゃっているわけですが、この百ベッドを移すとしても、ドクターだとかあるいは看護婦だとか職員、そうした関係も当然起こってくるわけですね。国立病院の全体の枠組みとしては、行政改革の問題等もこれあって、厚生大臣かねがねから医療問題というのは非常に人命の保護のためにも充実をしなければならないのだ、しかし、全体容積は今度の予算の中でもふえたとは思われないのです。南九州中核医療センターで特別に要員配置がなされているようには見られないわけでありますが、こうした要員の措置については当面どういうふうにお考えになっているのか。旧来の国立鹿児島病院からお移しになられるということになれば、それだけ作業量としても変化が生じてくるわけですが、大体どれくらいの数で七月一日オープンに向けて陣容をお整えになるのか、わかっていると思いますが、どうですか。
○田中(明)政府委員 新しく専門的な地域中核病院を開設するに当たりましては、当然高度の医療を行うための専門家が普通の病院よりも数の面でもたくさん要るということになるわけでございますので、定員事情が非常に厳しい中ではございましたけれども、厚生省といたしましては、そういうような新しい専門的な施設を運営していくために、この鹿児島の地域中核病院について来年度四十三人の増員を予定しておるわけでございます。従来の鹿児島病院の定員は百五十五人でございます。したがいまして、増員が認められると合計百九十八人ということになるわけでございますので、かなりの機能充実と申しますか、高度な専門的な医療のための人的な充実ができるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○新盛分科員 新たな増員として四十三名、結局百九十八名というふうに、全体的に旧国立鹿児島病院と中核医療センターの要員配置としてはなる、こう理解していいわけですね。そうしますと、これはどちらが主体になるのですか。中核医療センターが、どういうふうに表現したらいいのでしょうか、本院というのか、そして国立鹿児島在来病院の方は分院、こういうふうな言われ方もしているのですが、これはどういうふうになりますか、性格の問題です、統合した形の中でそういう呼称で理解していいのかどうか。
○田中(明)政府委員 いわゆる本院、分院という言い方で呼ぶのは非常にむずかしいわけでございまして、従来の鹿児島病院は一般病院でございますし、今度の地域中核病院は循環器病とがんの専門病院ということでございますので、並列的に並べるというのがちょっとむずかしい関係にあるかと思いますけれども、一応私どもは、将来のことも展望いたしまして、新しくできます地域中核病院の方を本院というふうに呼ぼうかなというふうに考えておるわけでございます。
○新盛分科員 医療施設としての位置づけですけれども、将来どういうふうになるのか。最終段階におけるこの南九州中核医療センターというこの病院と国立鹿児島病院はやがて統合をするという計画なのか。当面は一応一般病院と高度な専門的な循環器系統あるいはがん治療の専門病院として進めていくけれども、将来は一般病院を含める統合を展望しているのかどうか、それはどうなんですか。
○田中(明)政府委員 新しくできます地域中核病院は、将来南九州地域におきます循環器病並びにがんを中心とした成人病センターという位置づけで整備拡充を今後とも行ってまいりたいというふうに思っておるわけでございまして、現在の厳しい財政あるいは定員の事情にかんがみまして、拡充に当たりましては、現在の国立鹿児島病院の吸収を図るということも必要であるかというふうに思っております。 〔宮下主査代理退席、主査着席〕 ただ、現在の国立鹿児島病院も地域の一般病院としての役割りを果たしておるわけでございますので、その点につきまして地域の住民の医療が支障を来すというようなことのないように、鹿児島県とも十分協議しながら、合併といいますか統合を進めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○新盛分科員 地元の意見も聞きながら、やがてのこととして統合も考えているんだというお話ですけれども、この病院の運営ですが、これからの問題として地元の意向を十分に尊重したい、その上で統合も考えていきたい、こうなりますと、また性格の問題に入っていくのですが、その担当者といいますか、中核医療センター院長というのか、もうすでに発令があった模様であります。鹿児島大学の医学部長が内定している、こういうことでありまして、この在来の国立病院とやがては統合していくという形の中で地元の意向を十分尊重するとおっしゃいますが、先ほど申し上げましたように、医療施設がひしめいている中にこうして厚生省がおつくりになってそこに無用の建物をつくったのじゃないか、むしろ、中核医療専門としてその役割りを果たすことができるのかどうか、そういうことに対する危惧を持っておられるわけです。だから、地元の意向を十分に尊重してほしいというなら、先ほど申しましたような人工透析の問題も、ただ単に木で鼻をくくったような言い方ではなくて、もっと積極的に進めてもらいたい。最近では人工透析器という新しい小型で家庭の中でも自分でろ過をして血液を清浄化するという器械もあるし、あるいは人工血液、ミドリ十字というのも最近学会で話題になっているわけです。そういうことなどを含めて、あるいはアフターケアとしての社会復帰、そうした問題についても、中核医療センターであるならば、当然ほかの一般病院でできないような問題を取り扱うことが魂を入れることになるのじゃないか、がんの問題にしてもそう、循環器系統の専門的な治療にしてもそうですね。そういうことが中心的になれば、名実ともに南九州の中核的な医療専門機関としての役割りを果たすのではないか。だから、統合だとか、一般病院を含めてやがてはその機能を発揮することができないので、当座はこれ一本にしてしまえというような安易な取り扱いをしてもらっては困るわけです。だから、その辺をしっかりと踏まえていただきたい。そのことについてもう一回聞かしていただきたいと思います。
○園田国務大臣 いまの病院の問題は、率直に筋から言えば、現在の鹿児島病院と今度オープンいたします地域中核病院とは、目的も性格も全然違う別個の問題で、緊密に連絡はしなければならぬが関係があってはならない問題でございます。これをうかつにすると、いまできる地域中核病院も何か国立病院か総合病院かわからないものになるし、いまの鹿児島にある国立病院も、せっかく地域治療に粘りができて地域の方々からも信頼されておるのに、これはこれでまただんだんしょぼしょぼ、診療所みたいなものになってしまって、ここに一般の鹿児島地域診療に欠陥が出てくる、これは明瞭でありますから、いまおっしゃるように、ここではっきりした見通しをつけてやらないと大変なことになる。そこで、そういう筋が筋どおりに行われずに、地域の鹿児島でも心配しておられるし、事務当局の答えを聞かれても何か奥歯にはさまったような答弁になっておりますのは、結局、いまの地域病院をつくる際に、財務当局との予算折衝で相当無理をして、そういうむだなことはできないから、これをつくるならこっちはどうするんだというようないきさつがあったのではないかと私は想像するわけであります。しかし、そういういきさつはあったといたしましても、さてそうなって、現在の鹿児島病院からベッドがこっちへ運ばれた、人員が一緒になったというだけでも、これは将来なくなるんじゃないか、こういうことになってくることがあるので、ここは、現在やることは余り変わらぬにしても、将来に対する見通しは的確にしておかなければいかぬ。そこで、財務当局ともいろいろあるから、かっこうとしては本院と分院の関係にするのかどうかわからぬけれども、内容そのものは厳然と区別をし、それから地域、目的もはっきりして進んでいかなければならぬ。 そこで、具体的に言いますと、先ほどおっしゃいました人工透析なども、国立病院の分野ではなくて、地域病院で専門的に、長期、慢性、こういうもの、高度なものは引き受ける、その他のものはいまの鹿児島の国立病院が引き受ける、こういう点をはっきりしていかなければならない、これがまた地元の方々の要望でもあると私は理解しておりますので、そういう点をはっきりしながら、今後の問題は逐次進めていくつもりでございます。この上とも御協力をお願いしたいと思います。
○新盛分科員 きわめて明快で、厚生大臣の方が十分理解をしていただいておりますし、地元の皆さんが危惧されている問題をずばり理解をしていただきましたことは、私どもとしてもこれから進めていく上できわめて有益なものだったと思います。 いま大臣もおっしゃいましたように、この中核医療の役割りということを充実させて、さらに七月一日オープンに向けて、地元の皆さんがなるほどそうであったか、これはこれからの医療の技術開発のためにもまた多くの皆さんを救済するためにもいいことだという理解が十分いくように、最善の御努力をいただきたいと思います。そして人工透析等についても、新たな観点に立って、ぜひ科目を設けられて作業を進めていただきますようにお願いをして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○上村主査 これにて新盛辰雄君の質疑は終了いたしました。 次に、松沢俊昭君。
○松沢分科員 私は、国立療養所病院の問題につきまして、若干御質問申し上げたいと思います。 これは一昨年の二月二十八日、この第三分科会で取り上げたことがあるわけなんでありますが、新潟県の村松国立療養所病院のことでございます。それで、その当時のお話からいたしますと、村松の国立療養所病院は、整備の条件が整っていると当時の橋本厚生大臣も認められておりましたのですが、その後、当時の佐分利医務局長も現地の視察などをやられまして、この分でいくならば、地域の住民が非常に待ちこがれているところの療養所病院の整備改築も間近なんじゃないか、こう思っておりましたけれども、もうすでに二年を経過しておりまするけれども、依然としておんぼろの病院のままになっておりますので、いままでのこの整備に関するところの経過は一体どうなっているのか、この点をまず御質問申し上げたいと思います。
○田中(明)政府委員 国立療養所村松病院につきましては、先生御指摘のとおり、現在の施設が老朽化いたしておりまして、これを新しく建てかえるということについて、地域の方々から強い御要望が重ねられているということは十分承知いたしております。また先生、一昨年の二月の国会におきましても、この問題をお取り上げいただいたわけでございますが、その国会での論議の中におきましても、前医務局長が申し上げましたように、国立療養所として今後村松病院をどういうふうに運営していくかという点が問題になっておるわけでございまして、先生御案内のとおり、これは、そもそもは結核療養所だったわけでございますが、結核患者が減りまして、現在ではむしろ老人性疾患の患者の方が多くなってしまっている。一番多いのが脳卒中関係の患者でございますが、そういう実態を考え、また、さらには結核患者は今後ますます減っていくのじゃないかということも当然予想されるわけでございまして、そうすれば、この施設は老人専門の施設としてやっていくべきか、あるいは結核といいますか、呼吸器系の疾患も取り扱っていくように考えるのかというような点で、県ともいろいろ討議を重ねておるわけでございます。 御存じのように、新潟県の国立療養所には、小千谷療養所がすでに脳卒中の専門の療養所として発足しておりまして、新潟県の脳卒中の患者の数を考えまして、さらにもう一つ、この村松病院をそういうような専門の施設として発足させていく必要があるかどうか、あるとすればどの程度の規模でやっていく必要があるのだろうかというような点につきまして、現在、県と検討を進めているという段階でございます。
○松沢分科員 局長の方からお話がございますように、確かに村松を含めまして新潟県には療養所病院が三つある。一県に三つもあるということになると、非常に数がよけいなように受け取られますけれども、御承知のように新潟県は、北陸三県の面積に当たる面積を持っておりますので、行政をやるにいたしましても、上中下と三つに分けて行政をやっている。こういうことでございますので、小千谷でリハビリができたからといって、下越の人をそこまで連れていくというわけにはなかなかいかぬわけなんでありまして、やはり場所からいたしましても、ちょうどいいあんばいなところに配置されておる、私は、こう考えているわけなんであります。 それともう一つ、その当時から言われておりましたのは、結核患者がだんだん減ってきている、だから、これから整備改築をするということになれば内容を変えていかなければならない、そして、また内容を変える場合においては、県の医療行政と密接なかかわり合いの中で変えていく必要があるのじゃないか、だから、病院側と県の衛生部と十分な連絡をとって、はっきりした方針を出してもらいたい、こういうお話も聞いておったわけなんです。 それで、県ともお話し合いをしたり、あるいはまた病院側ともお話し合いをして、そして県と病院の間におきまして大体方針を決めた、その方針というのは、脳卒中と老人の難病というものを併設した内容の病院ということで協議は大体整っている、こういうことも聞いているわけなんであります。 それで、大体の方針は出ているわけなんでありますし、それから病院の院長も、厚生省に参りまして、敷地の問題とかそういう点なんかの相談もしていかれたということも、実は聞いているわけなんであります。現在の病院の敷地というのが八千坪余りあるわけでございまして、厚生省の方では、それで十分なんじゃないかというお話も承っている、こういうことでございまして、佐分利医務局長の御答弁からしますと、何といっても地元の熱意なんだというお話でございますけれども、県の方でも、毎年厚生省に対して要望しております。また地元の町当局も、毎年東京に足を運んで陳情に来ておられる。地元の議会におきましても、特別委員会などを設置して熱心にやっておられるわけなんであります。だから、熱意という面からするならば十分だと思います。 それから、この前の五十四年のここの委員会では、局長から、病院をぽつんと建てるというわけにはいかぬ、だから、それにはやはり病院の環境というのが必要なんじゃないかというお話も承ったわけでございまして、そういう点からしますと、老人ホームから特養ホームからずらっと並んでいるわけなんでありまして、条件としては問題はない、こういうことになっていると思うのです。そうすると、もう二年間そのままになっているということになりますと、やはりそこには何かの原因があって、それで、なかなかはかどらないということではないか、こんなぐあいに実は考えますが、要するに、そこのネックになっているものは一体何なのか、その点を明らかにしてもらいたいと思うのです。
○田中(明)政府委員 先生おっしゃるとおり、地元の方は、本当に私どものところに何遍もお見えになりまして、地元の方の熱意という点ではわれわれ非常に、感心しておるわけでございます。 先ほど申し上げましたように、今後、この村松療養所をどういう形で運営していくかという点の詰めを、県とずっとやっておるわけでございまして、特別のネックはないと言ってもいいのじゃないかと思うわけですが、強いて申し上げれば、国立療養所の整備計画というのは、年次計画を立てまして、毎年何施設というようなことで予算の範囲内で行っておるわけでございまして、その優先順位の点で後回しになってしまったということであろうかと思います。 その後回しになったという理由は、先ほど申しましたように、一つは、先生は難病とおっしゃいましたが、われわれが聞いておりますのは、呼吸器系の疾患の機能を残す、これは現在いるお医者さんが、全部結核療養所の当時からのお医者さんで、お医者さんの専門から申しましても、院長さんその他病院の希望を聞くと、そういう希望が非常に強いわけでございますが、結核につきましては、将来の見通しは、さらに減少していくことが当然考えられるわけなんで、この呼吸器系の疾患を扱うようにするかしないかという点が一点あります。 それから、もう一点は、先ほど申しましたように、確かに新潟県は非常に広くて、小千谷の療養所だけで新潟県の脳卒中等の患者を全部扱うことは無理ではないかというようにも私、聞いておりますが、そこら辺の患者の発生数等の統計をとりまして、現在詰めを行っているという段階になっておるわけでございます。
○松沢分科員 五十四年の御答弁では、全国で療養所が百四十五あって、全然手をつけてないのが十二カ所ということに承ったわけでございますが、現在は、どんな状況になっておるのでしょうか。
○田中(明)政府委員 国立療養所の総数は、その後統合等もございまして、現在は百四十二になっておりますが、その百四十二のうち全く施設の更新といいますか改築が行われていないのは、村松と群馬県にあります長寿園という療養所の二つになっております。
○松沢分科員 そういう状況になっているということであり、しかも整備の条件というのは整っていると橋本大臣も答弁しておられるわけでありますから、それが一番最後ということになっているわけですが、それで、この目鼻は早目につけてもらわぬと非常に困るわけなんでありまして、率直に聞きますけれども、一体いつごろまでに整備を完了されるというお考えなんですか。
○田中(明)政府委員 先ほど申し上げました二つの点が問題になっているわけでございますので、非常に極端な言い方をいたしますと、統廃合も含めて、そういうことになるとは思いませんが、どういう形の病院にしていくかということについて、五十六年度でどっちにするかをはっきりいたしたいと思っておるわけでございまして、なるべく早く将来の方針を決めるように県の方ともこれから鋭意その問題を詰めてまいりたいと思っております。
○松沢分科員 そういうことにはならぬと思うけれども、統廃合のことも含めてということになりますと、そうすると、いままで一生懸命県から地元の市町村がやってまいった努力というものは、もしもそのようなことになれば水のあわになってしまうということになるわけなんでありますが、私の承っているところによりますと、県と病院側との協議というのは意思統一が行われたと聞いておるのですが、行われていないのですかどうですか。
○田中(明)政府委員 病院当局と県との話し合いというのは当然行われたと思いますけれども、われわれ厚生省といたしましては、この病院が将来どういう形で運営されていくかということにつきましては、病院の院長と県の責任者との話し合いで決まることではなくて、厚生省——厚生省には各地方に地方医務局というのがありまして、新潟県は関東甲信越の地方医務局の中にあるわけでございますが、場合によりましては、厚生省を代表する形での関東甲信越の地方医務局長と県の当局者との間で話し合われる性質のものである、したがいまして、究極的には、国と県との間で十分相談して国が決定するべき問題であろうかと思っております。病院の院長さん等の意見もその間において十分伺ってまいるのは当然であろうかと思っております。
○松沢分科員 この前の局長の答弁では、地域医療計画に非常に力を入れることになってきた。「そういう関係で、最近では、むしろ県の医療計画の中でどういうふうに位置づけられるか、地元住民あるいは知事さん、市町村長さんが一体どういうふうな施設のあり方を希望していらっしゃるか、そういったことを非常に重視するようになってきたわけでございます。」、こういう答弁になっているのですよ。ですから、私の方としては、県と病院側との協議というのを厚生省の方では非常に重視しておられるのではないかと思っておったのでありますが、もちろん、これは厚生省の施設なんでありますから、厚生省がまるきり関係がないということではないと思いますけれども、双方、県の医療行政という立場に立って位置づけを明らかにしてきた場合におきましては、厚生省の方では、それを十分尊重されまして、そして、その整備のために努力してもらう、こういうことになるのじゃないかと私は考えているわけなんですが、どうでしょうか。
○田中(明)政府委員 基本的には先生おっしゃるとおりでございまして、われわれ従来から都道府県に対しまして、地域の医療計画というのをおつくりいただきたい、その中におきまして、国立の病院あるいは療養所がある場合には、その地域の医療計画の中でその国立病院、療養所の性格というものをどういうふうに位置づけるのかという点もはっきりしていただきたい、それに対しまして、国は国としての方針といいますか、全国的な視野から見た考え方もございますので、県がお考えになるといいますか、おつくりいただく地域医療計画を中心といたしまして、国の病院、療養所について、われわれといたしましては、県の計画を十分尊重して、国の独自の考え方もそれに入れながら、県と御相談して決めていきたいというふうに思っているわけで、従来から、そのように全国の病院、療養所について、県と十分話し合ってやってきたわけでございます。
○松沢分科員 これは大臣に御質問申し上げますが、いま質疑の中でおわかりのとおり、二年前の大臣答弁といたしまして、整備の条件が整っているという答弁をいただいておるわけなんであります。整備の条件が整っているということであるならば、地元住民が熱心に厚生省に陳情に参っているわけなんでありますから、早目にこれについてのめどをつけていただかなければならぬと思います。しかも御説明によりますと、未整備、手がついてないというのが二カ所しかないということでございますので、さっきも局長の方からお話がございましたように、来年度中に目鼻をつけます、こういうことであるとするならば、来年度中にりっぱな療養所病院を建設してやるぐらいな確約をいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○園田国務大臣 御発言のように橋本君が大臣をしているときに、松沢先生から同様の御要請があって、これについて橋本君の発言は、松沢先生の言い分が正しいように思う、整備も逐次されているように思うから、県とも相談をしてという返事をされているようであります。 そこで二つの問題、一つは、なかなかお医者さんが集まりにくいが、どうやれば集まるかということ、もう一つは、療養所が老朽化して地域の方方の要請にこたえていない、この点ははっきりしておりますが、県の方で、これを将来県の医療のどういう位置づけをされるのか、老人専門にやるのか、あるいはどういうようにやるのか、この地域の一つの位置づけというものを、私はまだ県からは伺っておりません、地元の方からは、おいでになって意見を伺いました。 そこで、いまの発言もよく聞いておりましたから、地元の方々の要望にこたえつつ、これを踏まえて県当局とこちらから進んで協議をして、いまおっしゃいました方向並びに橋本君の発言がむだにならぬように努力をしたいと考えます。
○松沢分科員 ぜひそういうふうにしていただきたいと思います。 なお、県の方針が不明確のように局長は言っておられますけれども、県と病院側とは、厚生省の方からそういう御指示をいただいて、何回となしに打ち合わせをやって、大体の方針というのは、さっき局長が言われましたような方針で固まってきているはずなんでありますから、後は、要するに厚生省の方で力をかしてくれればその病院は整備できるのだ、私は、そう承ってきておるのです。 この点、大臣の答弁の方がもっと前向きなのでありまして、局長の答弁の方が何だかまだ県の方でまとまっていないようなお話なのでありますが、その辺は、療養所課の方にも何回となしに足を運んで、そして病院長も来ていますし、県も来ていると思いますし、それから市町村長、また議会代表も来ていると思いますので、その辺はどうなっているのですか、明確にしてください。
○田中(明)政府委員 県の御要望は、先ほど申し上げましたように、脳卒中を中心とした老人慢性病と、それから呼吸器系の疾患を取り扱うということで、従来私どもの方に要望が寄せられているわけでございます。私どもの方といたしまして、先ほど申しましたように、結核がどんどん減っていくということを考慮して、それを含めるのかどうかということで県の方に問題を投げかけて、現在詰めているということなのでございます。
○松沢分科員 そこで、先ほどから同じようなことを申し上げますけれども、積極的に県と詰めをやってもらいまして、御答弁にございましたように五十六年度内に目鼻をつける、こういうことにしていただきたいと思いますが、それで差し支えございませんでしょうか。
○田中(明)政府委員 県とできるだけ早く合意ができるようにいたしまして、五十六年度に目鼻をつけるように最善の努力をいたしてまいりたいと思っております。
○松沢分科員 これで質問を終わりますが、ぜひそういうぐあいにお願いをいたします。
○上村主査 これにて松沢俊昭君の質疑は終了いたしました。 次に、塚本三郎君。
○塚本分科員 私は、二月四日の予算委員会総括で質問いたしましたが、実は時間が足りませんでして、せっかく質問しようといたしました残余の部分で、なお重要だと思う点につきまして、厚生省にお尋ねをしてみたいと思います。 第一に、薬の流通の問題について御質問申し上げます。 実勢価格を無視して高値安定を続ける薬価基準、医薬品販売の自由競争の中で、なぜ厚生省だけが公正取引委員会や自治省に対立して流通経路をはっきりさせよと叫び続けるのか。万一、副作用のある薬が見つかった場合、回収を容易にするのが目的と厚生省は説明いたしております。 〔主査退席、宮下主査代理着席〕 薬品の卸の正常化を法律で縛るのは無理で、薬は全部製薬メーカーに系列化されております。乱しているとすれば、製薬会社自身が気をつけるべきだと思うが、いかがでしょう。 五十四年三月二十九日、厚生、自治、公取委員会の三者間で記帳義務化をめぐって異例の覚書が交わされました。その内容は「医薬品の仕入れ先、販売先の記録作成などの義務づけは新医薬品、経時変化の著しい生物学的製剤などであって、安全性の確保上特にその必要性が強いものに限って例外的に行うこととするが、結果的に医薬品の流通規制を招来するものであってはならないもの」というものであります。さらに覚書には「これを省令で定める場合、事前に三省との合意が必要」という一項目が付記されております。 そこで、薬を使用するのは専門の医者であって、一般の素人が使用する薬ではないから、流通に手を加えるなら、万一の場合の薬品の回収なら、むしろ医療機関に記帳を義務づけるべきだと思います。その点、自由市場のユーザーである医療関係者は、そのように指摘しています。 今日、国民総医療費は十三兆に達し、薬代金は約四兆円とも言われております。薬の値段が高いか安いかは、素人の私どもには計算しにくい。しかし、現金問屋が介在することによって自由市場では安く売られているとすれば、決して悪いことではないと思いますが、いかがでしょう。厚生省は、薬を高く売らせようとするために、安売りのルートを閉ざさんとするものに手をかしていると言われても答えようがないではありませんか。そういう点、三省で覚書を交わしたそのルールを乱してはならないというふうに思いますので、この点をこの際はっきりとお答えいただきたいと思います。
○山崎(圭)政府委員 医薬品の流通の問題に関連しまして、医薬品を記帳させる、こういうことについて、いろいろと関係省の間でも、あるいはまた関係業界の間でも、私どもも話をしてまいって、いま御指摘のようなそういう角度からの御疑問なり御批判もございました。しかし結局、私ども厚生省の立場といたしましては、流通規制を目的とするものではございませんで、あくまで医薬品というその物質の特性から見まして、保健衛生上の見地からこれを実施したい、かような考え方でございます。 したがいまして、対象医薬品につきましても、経時変化の著しいものに限定するとか、そういう整理を、全く保健衛生上の見地からして、記帳の義務に当たってもらう、こういう整理をしたわけでございまして、本質的な気持ちは、医薬品というものの保管、管理を適正にやってもらう、あるいは有事の際に迅速的確な回収の便に供する、こういうことでございます。基本的な考え方はさようなことでございます。
○塚本分科員 確認しておきますが、新医薬品あるいは経時変化の著しい生物学的製剤などであって、それはもう厚生省の立場から言えば、万全の措置を講ずるに越したことはありません。しかし、そのことによって経済的な秩序というものを乱してしまって、そうして結果として厚生省が高値安定に手をかすような非難を受けることのないように、この点だけを——いまのお答えで私は結構だと思いますが、これから具体的に実施される場合に重ね重ねそういうことを心配いたしておりまするし、どうしても万全を期するということになりますと、がんじがらめにされてしまうということは、結果として高値安定を厚生省がしておるのだという非難だけは断じて受けないようにここで念を押しておきます。よろしゅうございますね。
○山崎(圭)政府委員 全く仰せのとおりの気持ちで今後の運用に当たりたいと考えております。
○塚本分科員 それから私、二年前に厚生大臣及び大蔵大臣に予算委員会で質問いたしたことがございます。それは医療法人の相続についてでございます。 戦後、公的医療機関がきわめて手薄なときに、民間の医療機関に法人化を勧め、そして公的医療機関の手の届かないところをどんどんとふやさせた経緯があります。それは一応功を奏したと思います。ところが、三十数年たった今日、実はその医療法人なるものが膨大な資産を擁することになりました。これは地価の暴騰、さらにまた規模の拡大ということ等が幸いいたしまして、最初、たとえば一千万ぐらいの法人が時価で評価いたしますと二十億、三十億というような時価になる病院は、都心部においてはざらでございます。三、四十で開設いたしました理事長さんがもう七、八十の年齢で、相続をするときに相続税がほとんどの法人は払い得ない状態に立ち至っております。したがって、これを一部におきましては、地価だけは全く当時の時価で評価せよという意見も学者の間にはあります。しかし、それは今日、大蔵の立場では全く不可能な事態になっております。何億という相続税を払おうといたしましても、医療法人は、いわゆる公的法人と全く同じように、一円たりとも配当金が許されておりません。したがって、相続税を払う道が全くないのであります。したがって、その医療法人は、一代だけで経営はだめになってしまう。あえてそれを継続しようとすると、医師でないところの一般の企業が、これを取得してという形で、営利だけに利用されるという点が非常に多くなってきております。 したがって、私は、この点に対して厚生省と大蔵省に二年前に注意いたしておきましたが、なかなか具体化は運ばれておりません。幸い自民党の社労部会におきまして、三年ほど前に一つの案ができ上がっておりました。それは医療法人の中の持ち株の相続だけをいわゆる相続の対象とするということを中心として、そのかわり資産のふえた分だけは、この法人が解散するときには公的機関に寄付をするということにして、この相続を可能ならしめたらどうか。これを私は二年前に指摘しておきました。 ただ、大蔵省では、いろいろと案を詰めたのでありますが、いわゆる持ち株だけを相続する、そのことを、その法人の定款においてきちっと言明をし、本人も、県の衛生部長などに、そのことをきちっと一札入れて、再変更はしないようにということの原案ができました。しかし、法制局におきましては、相続だけ安く相続しておいて、その相続人が再び定款を変更して、放棄したところの位の資産に対して支配権が及ぶように、いわゆる定款の再変更をされても、裁判でそのことを提起したら、あるいは厚生省はだめだと言っても、憲法違反としてだめだと言えないかもしれないということの心配があって、大蔵省と厚生省との間におきましては、法人税の相続に対する懸案は解決されておりませんでした。 しかし幸か不幸か、医療法人に対して今度は相当監督権を強めようという医療法の改正が準備されております。その中におきまして、最後の項で「社団たる医療法人の社員に対する退社時の払戻額又は解散時の残余財産の帰属額を増加する定款変更は、認可しないものとすること。」というきちっとしたいわゆる法の裏づけがあれば、大蔵省としては、安心してそのような相続の道を開いてもいいという、厚生省と大蔵省との大体の合意ができ上がったやに聞いております。恐らくこうすることによって、相続する人は、医療の継続は可能でしょうけれども、財産取得としては全く損な道を選ぶのです。私は、これを選ぶ人はりっぱな人だと思うのです。財産はもはや放棄する、しかし、医療の社会的使命を果たすためには、いわゆる売買によって利益だけ得て医療を捨ててしまうよりも、医療を継続させてみずからが財産放棄をするという方がりっぱだと思います。しかしそれでも、いわゆる終戦直後に医療法人を設立した理事や理事長などには、それができたらありがたいという医療法人のりっぱな御意見が相当支配的にあります。だから、ぜひ実現させていただきたいということで、大蔵省と厚生省との詰めはどうなっておるのか、その点をお答えいただきたいと思います。
○田中(明)政府委員 先生のおっしゃるとおり、厚生省といたしましては、医療法人の永続性を確保するということが、医療法人制度を設けた趣旨から考えましても、きわめて重要なことであるというふうに考えておるわけでございますので、御趣旨の方向で今回予定しております医療法の改正の際に何らかの措置が講じられないかということを、現在、関係省庁と最終的な詰めを行っているところでございます。
○塚本分科員 大臣、これは二年間の懸案でございますから、ぜひその詰めを——恐らく一千万か二千万の株でもって十億、十五億という資産の相続をするとき、そのかわり解散するときは一千万だけの相続しかしませんよ、あとは解散するときには公共団体に寄付しますということを言う人は少ないと思います。それでは会社に十億売り払って私はお医者をやめたといって生涯安気に暮らせる人の方が、私は、損得から言えば、この方が功利的だと思います。しかし、いわゆる父親が生涯かけてつくったりっぱな病院だから運営だけはさせていただこう、資産は放棄します、これはりっぱな考え方だと思います。だから、もともと医療法人は、配当を禁止したこと自身が、私はちょっと異例だと思います、そのことによって相続税が払えないのだから。だから、せめてそのりっぱな心がけの人だけは実現できるようにしてあげる。変な事業団体や会社に売り払ってしまうことを息子にやられては、死ぬにも死ねないという七、八十のお医者さんがいま相当数おいでになりますから、これはぜひ一日も早く実現させていただきたい。大臣から一言お答えいただきたいと思います。
○園田国務大臣 御発言のとおりでございまして、経過もそのとおりでございますが、最後の詰めは、各省関係間でまだいっていないようでございますので、御趣旨の方向が実現するよう各省と詰めを全力を挙げてやります。
○塚本分科員 ついでに、私、ここで気がついたのですが、厚生省の医療法の一部を改正する法律案の骨子の中に、最近医療法人のいろいろな不祥事がありまして、その中で今度の案にこういう項目が入っているのです。「都道府県知事は、必要があると認めるときは、医療法人に対する立入検査を行うことができるものとするとともに、その運営が適正を欠くと認めるときは、必要な措置を命じ、これに従わないときは、当該医療法人の役員の解任等を命ずることができるものとすること。」、この一項が案に入っておるのですが、民間の法人に対して国がいわゆる解任権までここで明記しなければならないかどうか、これは訴えられたら憲法の問題にまでくると私は思うのです。だから、解任までといいますのは、これは厚生省ではなくて東京都の問題ですけれども、いわゆる紛争をしておるときに、都の衛生部が介入しまして追っ払ってしまって、役人がどんどん入って乗っ取っているところが二、三あるのです。だから民間の中に、一〇〇%民間で補助も何の恩典も与えておりませんところに、聞かないからといって解任することができるなんということは、それは例外中の例外で、聞かなかったところがありますけれども、それがために数千あります医療法人に対してこの法律をぼっと持ってくるということは、これは大変ないわゆる心理的な圧力を感ずるのです。だから、この解任という言葉をもう少し検討しなければいけない。二、三そういう役人が乗っ取っておるところがあるのです。日本でも有数の精神病院がそれで乗っ取られて、都の役人が次から次へと入っていっておるあれがあるのです。だから、痛くもない腹を探られますし、民間の会社に対して監督権限はいい、医療停止を何年間してもいい、だけれども解任するという、そこまでいくということは、これは医療法人の中でも相当の心理的影響になっております。 したがって私は、いまここでどうせよと言いませんけれども、もう少しこの関係者の意見を聞いてやわらげる方法を考えてやっていただけないか、そういう気がするのですが、いかがでしょうか。
○園田国務大臣 十分研究をいたします。
○塚本分科員 それで結構です。ぜひその点は研究をしていただきたい。これは、いかにも異例のことですから、それは本当に悪いやつがおって困り切っているのだけれども、全く一、二の例外の問題です。ところが、そのことを理由にして地方の役人が乗っ取ってしまって天下りでどんどんやって、一族が株主であってもゼロの形になっている、こういうのが二、三あるのです。 〔宮下主査代理退席、主査着席〕 だから、これを心配しておりますから、厚生大臣は、配慮の深い方ですから、ぜひこの点をもう一遍表現について配慮してあげていただきたいというふうに要望申し上げておきます。 それから、この数年、お医者さん、歯医者さん、これの新しい学校がだっとできてまいりました。いま医師が不足であって、大きな病院などでは医師を雇うのに大変な苦労をしている。ところが、この一、二年、開業する場所もなくなって、ばっと安く入ってくれるということで大変喜んでいるのです。いいことだと思う。いまは、これで適正配置というものの実がだんだん上がりつつあります。ところが、五年先から十年先になると、これが出てきたときのことを考えますと、逆に相当の荒廃が進んでくる心配がありますので、そういうときには、医学部あるいは歯学部の生徒をずっと締めていく必要があるのではないか。 将来の見通しですけれども、適正配置のためにぐっと広げた、広げたままでいつまでいくのかということになると、これはぼつぼつしぼっていかなければならない段階に来たのではないかという見通しを持つのですが、その点、御配慮をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田中(明)政府委員 先生御指摘の点につきましては、われわれの持っております数字でいろいろ試算をいたしますと、二十年後、すなわち昭和七十五年には、医師が二百五人、歯科医師が八十人というような数字になることが予測されるわけでございまして、この数字は、現在のイタリアあるいは西ドイツの医師の数字と大体同じである、また歯科医師につきましては、スウェーデンに近い数字であるということで、イタリア、西ドイツなどでは、医者が多過ぎて、医者の失業が出てきたというような記事も雑誌等に出ております。 二十年後のことでございますが、現在の時点をとらえますと、地域的に見まして、まだ医者がいないというようなところもございますし、また診療科によりまして、耳鼻科とか眼科とか、病院でも医者がなかなか来てくれないというようなこと、あるいはわれわれのように公衆衛生に従事している医者というのは、非常に少なくて困っているというような問題もございますので、二十年後に備えまして、今後、どういう分野でどのくらいのお医者さんが必要になっていくかというような点も考慮しながら、二十年後になったら非常に困った、あるいは三十年後になったらお手上げたというようなことがないように、文部省とも相談して努力してまいりたいと思っております。
○塚本分科員 あなた、ちょっと数字が違っておりませんか。二十年後なんてそんなとぼけた話はない。ちょっとあなたは数字が違っておりませんか。もう五年後になったら、大体欧米先進国と同じ状態になるんだよ。二十年後なんて、そんな話じゃないよ。それは僻地においてはそういうところはありますけれども、全国平均からしてみたら、いま東京や名古屋、大阪も大体厚生省試算のところまでいっているんだよ。適正なそこまでいっているんですよ。だから、五年後にはそういうところまで行き渡ってくる。だから、十年後くらいまではいいのじゃないかという見通しがありますけれども、二十年後にイタリアというのは、あなた、ちょっと数字のとり方がおかしいですよ。あなたのところで出した数字で適正配置になりますと、東京、名古屋等はすでにその数字になっているんだよ。そうじゃないでしょうか。
○田中(明)政府委員 現在、厚生省が計画しております数字は、医師については人口十万対百五十、歯科医師につきましては人口十万対五十ということで、これを昭和六十年までに達成したいということでやっておったわけでございますが、この数字は、昭和六十年を待たずに達成できるという予測がついております。 私が先ほど申しましたのは、ヨーロッパあるいは欧米でも医師、歯科医師の数が非常に多い、それで、ちょっと多過ぎるというので問題になっているような国の数字を取り上げましたので、ほかの国につきましては、必ずしも二百人というような数にはなっておりませんで、アメリカでは医師が百六十八人、歯科医師は五十二人というような数字でございます。
○塚本分科員 そうでしょう。ですから、六十年達成のものが東京や名古屋などでは、すでに五十五年で達成されておる、私、いいことだと思う。しかし、これらにかける国なり地方の機関の費用は莫大なんですよね。それで、かけて余ってきたなんということはしなくて、もうこの辺でぼつぼつそれを締めていって、そして、これから惰性で動いていく分については、実は六十年までの間に僻地にまで行き渡らせるという形で、五年先には大体厚生省の希望どおりになる。といいますのは、ここにかけるのは、国なりあるいは私学にいたましても莫大な費用です。一千万とか二千万とかという金が寄付金で取られる。こんな金をいま取って、もうこれから入る人は採算に合いませんよということも厚生省は知らしめて、そして実際いままでは必要でしたけれども、大都会の充足がこれから惰性で僻地に至りますから、ぼつぼつそういうふうに締めていって、どんなにたくさんの寄付金を出しても、また政府が補助金を出しても必要だという時代は過ぎ去りつつあるということの旗幟を政府として出すべきだということで私は提言したのです。 大臣、その点で見通しを立ててやってください。教育は五年先、十年先を見ておやりになるべきだということですから、医療については、そういう考え方をお持ちいただきたいと思います。
○園田国務大臣 厚生省の医師、歯科医師の養成の人数は、予想よりも早くなってきて、ふえ方のスピードが速いわけであります。かつまた、いま局長が申し上げましたのは、ヨーロッパ先進国で一番数が多くなってあっぷあっぷしている国の例を言いましたので、実際適正な人数から考えると、御発言のとおり、五年からせいぜいどんなにうまくいっても十年だと思います。 そこで、これは学校その他の問題もありますから、おっしゃるとおりに、いまから締めていって、ようやく五年後ぐらいにその効果がちびちび出てくる問題でありますから、よく関係各省とも相談をして、具体的にそういう方途を研究して、あっぷあっぷして大変なことにならぬようにいまから手を打ちます。
○塚本分科員 御期待申し上げます。 最後に、私、過日歯科医師の大学の先生から、こういう注意を受けたのです。歯医者さんの国家試験のときに、実地の試験があるそうなんです。そのときに、いわゆる自然の人間の歯を実験として使わなければならない。ところが、無傷の歯をということになって、私は、二、三本だと思ったら、前が十二本、奥が十二本と二十四本の歯をそろえなければ国家試験が受けられないのだと言うんです。ところが最近は、治療もいろいろなことが進んでまいったから、ちょっと虫が食ってもすぐ治しますから、そんな生きたいい歯を、そのまま実験材料に二十四本そろえろと言っても大変なことらしいのです。悪く考えるならば、お客様からうまくだましていい歯でも抜いておいてということにもなりはしないか、人道上の問題ですよと大学の先生が言うんです。それから、その実験材料でも、かたいのやわらかいの、みんな違うでしょう、個人個人で。そんなもの試験の不公平じゃないか。最近は、義歯といって、それと同じようなかたさで幾らでもできるのだから、もう自然の歯をやめにして試験の公平と人道上からも——歯槽膿漏のときは抜かなければならぬらしいのですが、それ以外のときは、やはりそんな生きた歯をきちんと二十四本そろえろと言ってみたって大変なんですよ。だから、そんなことは時代離れたから義歯でやるか、あるいは少しぐらい虫が食っておってもいいということで国家試験をしなければならない。これは恐らく文部省との関係がありますから、厚生省だけで答えられませんが、私、聞いてびっくりしたのですけれども、そういう事態だそうなんです。 だから、これはやはり大学の意見というものも参考にして、ぼつぼつそういう方向に転換することが理想的ではないかと思いますので、御提言申し上げますが、いかがでしょう。
○田中(明)政府委員 歯科医師の国家試験の実地試験で、昭和三十七年の春の試験から試験の材料として天然歯を使用いたしております。その後、受験者の数が増加してきたというようなこともございまして、御指摘のように天然歯の入手に非常に困難を来しているのが実情でございます。 厚生省といたしましては、この問題につきまして、先生御提言の人工歯を使う問題等も含めまして、現在、医療関係者審議会の歯科医師部会に設置されております歯科医師の国家試験検討委員会というところで、今後のあり方について検討しているところでございます。
○塚本分科員 歯医者さんの息子さんが跡を継ぐ場合には何とかなるんですよ。関係のない人の場合は、それをずいぶん高い値段で歯医者さんから分けてもらってくるのだと言うんですよ。私は、二、三本かと思ったら、前が十二本と奥が十二本で二十四本だそうです。大変なことになる。一本一万円ずつで買ってきたとしても相当なものでしょう。そうすると、今度は金になると言って、受験期になったらぽんぽんと抜かれる。まあ、そんなことはしないでしょうけれども、何百人と受けるんですからね。だから私は、笑っていたけれども、実は人道上の問題ですよと大学の学長から言われてびっくりしたのです。 ですから、これも将来、人道上から考えて、必要な場合は避けてはいけない問題だろうと思います。幸い同じ質でそれよりももっと上手に、いわゆる公平の原理に従ってやるためには、人工の歯の方がりっぱだということは、われわれが想像してもそうなんです。学長からそういう注意を受けまして、なるほどなと思ったわけです。これは政治家として放置しておいてはいけない。ささいな問題であるようだけれども、相当重要な問題だというふうに思いましたので提言申し上げますから、締めくくりに大臣にお答えをいただいて、私の質問を終わります。
○園田国務大臣 私もなるほどなと思いましたので、そのように早急に検討いたします。
○塚本分科員 御期待申し上げます。終わります。
○上村主査 これにて塚本三郎君の質疑は終了いたしました。 次に、西中清君。
○西中分科員 私は、きょうは腎臓病対策についてお伺いいたしたいと存じます。 日本における腎臓疾患は、近年著しく増加をいたしました。その死亡率も高く、特に二十代から若年層を冒しているという国民医療上まことに憂慮すべき問題と言わなければならぬと思います。 そこで、厚生省にお伺いしたいのですが、腎臓病患者の実態が厚生省の調査ではどうなっておるのか、お伺いしたいと思います。
○大谷政府委員 一口に腎臓病と申しましても、いろいろございまして、たとえば急性と慢性、急性でも急性腎炎、心血管性の腎障害あるいは代謝性疾患による腎臓病あるいは難病による腎臓病あるいはネフローゼ、こういうふうにございまして、何人いるかという問題については、非常にむずかしい問題でございますけれども、私どものあれでは、約数十万人ではないかというふうに想像しているわけであります。
○西中分科員 調査はされましたか。
○大谷政府委員 厚生省の難病研究班で腎糸球体障害研究班というのがございまして、そこで御研究いただいております。
○西中分科員 実態はまだつかんでおられませんね。それで、比較的実態がわかっておると思いますが、人工透析数、これはいま何名ですか。
○田中(明)政府委員 人工透析を受けている患者の数は、昭和五十四年の六月の実態調査によりますと、約三万ということになっております。 内訳を申し上げますと、約二万が男性でございまして、一方が女性でございます。 年齢別に見ますと、二十歳以下が三%、六十一歳以上の老人が一五%ということで、八二%、大部分が二十一歳から六十歳までということでございます。
○西中分科員 厚生省からいただいたのですが、数字に大分違いがあるようですね。しかしそれはよろしいでしょう。厚生省は約と言っているし、また潜在患者数はほとんどつかんでおられない。要するに、この実態については余り今日まで調査をされたことがない、これは事実だと思うのです。それは否定なさいませんね。いかがですか。
○大谷政府委員 先ほども申し上げましたように、腎臓という器官は体内の代謝の最終処理場でございます。いろいろな疾病によって腎臓がやられるということで、そういった腎臓だけがやられておるという調査はなかなか大変なことではないかというふうに考えるわけでございます。
○西中分科員 大変だからできておらない、それはわかりました。 そこで、問題をまず最初に人工透析にしぼってお伺いをしたいと思います。 末期腎臓患者の一つの治療である人工腎臓による血液の透析、人工腎臓ができる前はほぼ死亡につながったという事態であったと思いますが、これによって、機械に頼ってではありますけれども若干の光が当てられて、本来なら死亡に至っておる人が大ぜい助かっておるということは言えると思います。ただ、これについて国がどういう取り組みをしておるかということを私は問題としたいと思うのです。現在、国の施設として国立病院や国立療養所がございますけれども、人工透析を何カ所やっておるのか。平均して週に二、三回、仕事のようにして通っておられる患者が多いわけですが、これは一たん透析を始めるとやめるわけにはいかない、こういうものでございますから、患者にとっては非常に厳しい状況に置かれておるわけです。お聞きしますと、国の施設として国立病院九十六カ所、療養所百四十カ所ということでございますけれども、人工透析をしているのは幾つの施設で行われておるのかお伺いしたいと思います。
○田中(明)政府委員 厚生省関係の国立病院で二十九カ所、療養所で十三カ所、計四十二カ所の病院、療養所が設備を持って人工透析を実施しております。
○西中分科員 わずか四十二カ所という状況でございます。そのうちで夜間に透析されている病院は何カ所ですか。
○田中(明)政府委員 現在夜間透析を実施しているのは、国立療養所のうちの二施設でございます。
○西中分科員 透析をしなければ働くことができない患者が多いわけですね。夜にやってくれるのは二カ所。要するに民間任せで国はほとんどこれを放置しておるというのが実態です。私は非常に問題が多いと思う。これはやめるわけにいかない治療なんですから、週に何回かは必ずやらなければならぬ、死ぬまでやらなければならぬ、こういうことでございますから、民間に委託することもさることながら、国ももう少し力を入れていいのじゃないかと思いますけれども、大臣どうでしょうか。
○園田国務大臣 確かにそのとおりでございますから、十分検討いたしてこれの増設に努力をいたします。
○西中分科員 それから人工透析の問題ですが、この治療内容の水準がこれまた非常にでこぼこが多い。かつて国会でも問題になったようでありますけれども。京都の国立福知山病院でございますが、その後基本的に改善されておらないようでございまして、週三回程度透析が必要な人たちも二回しかしてくれない。それからどういう容体であっても対応してくれない。さらにまた医師の都合に合わせて透析を決める、要するに日にちを決める。休日、正月、いろいろと問題がある。しかも、せんだっては大雪に見舞われました。この人たちは、雪が降ろうが降るまいが透析を受けなければ命が危なくなるのですから、前の日から宿屋へ泊まって透析を受ける、しかも地域的に偏在が激しいですから、何十キロも汽車に乗って透析を受けに来なければならぬ。具体的に言いますと、京都では丹後から舞鶴まで行く。これは七十キロあります。こういうことを週に二回も三回もやらなければならぬという状況でございます。また治療水準も低いので別のところへ移る、余裕のある方は京都へ移る、こういう形で透析が行われております。いわば延命だけということでございましょう。この内容の水準も高めていかなければならぬと思います。 先ほど透析人数をお聞きしましたけれども、われわれの聞いておるところでは、現在三万六千人と言われております。この患者の医療費というものも、これまた非常に大変だろうと思います。これは国として、財政負担として患者一人当たり幾らぐらいの負担をしておるのか、聞かしていただきたいと思います。
○大和田政府委員 これにつきまして保険適用という面から見ますと、一人当たり月約六十万と見込まれておるわけでございます。これは五十四年度の社会医療調査から推計をいたした額でございます。
○西中分科員 仮に月六十万とすると、年間七百二十万ということですね。一般には八百万から一千万と言われております。これは大変な負担になっておると思います。こういう負担と個人的な負担、これはまた別に、先ほどから申しておりますようにいろいろとあるわけですね、大変な問題なんです。ですから私は、先ほどから申しておりますように、国において適正な配置ということをぜひともお考えをいただきたいと思うのですが、大臣いかがでございましょうか。
○田中(明)政府委員 現在透析の設備を持っておる施設の数は全国で千三百以上ございまして、透析機の台数も一万四千を超えるような数になっておりまして、全国的に見ますと、平均的に言えば問題ないような普及といいますか数があるわけでございますが、先生御指摘のように地域偏在という問題がございまして、先ほど例を挙げられましたような患者が困っているという地域がまだ残っておるわけでございますので、厚生省といたしましては、おひざ元の国立病院、療養所につきまして、年々そういう足りないような地域に設備をしていくということをやっております。また、この人工透析を含めまして地域医療体制の整備ということは、現在地域医療計画というのを立てて整備していくように県に指導しているところでございます。
○西中分科員 これはある機関の発表でございますけれども、慢性人工透析患者は年々急激なペースでふえておりますね。先ほど申しましたように現在三万六千人程度、これはどの程度までいくと推定されておりますでしょうか。
○田中(明)政府委員 いろいろな要因がありまして、将来どの程度にといいますか、何年後にはどのくらいになるかというところまで推定するのはなかなか困難でございますけれども、厚生省が持っております過去五年間のデータによりますと、毎年三千人程度増加しております。
○西中分科員 七万人程度までいくのではないかというような予測もされておるようでございますけれども、いずれにしてもこういう人工透析というのは、いわば一時しのぎと言ってはおかしいけれども、要するに救命ボートみたいなもので、本来ですと腎臓の治療というものは移植ということに重点を置いていくのが本当ではなかろうかと思います。 この点についてちょっとお伺いしたいのですけれども、この十年間で移植の手術は非常に進歩をしまして、いわばこれは抜本対策の一つというように言われておるわけですね。移植で患者が死亡するというケースはわりあい少なくて、回復すれば食事制限も余り要らない。ほぼ完全に社会復帰もできる。移植した腎臓が適合しなければまた人工透析に戻れる。再移植も可能である。国民性の違いもあると思いますけれども、日本の場合はこれが非常に少ない。アメリカあたりでは年間二千件からこの手術が行われておる。しかも腎臓移植というのは、人工透析研究会の調査では、日本の場合は大体生体移植が中心になっておる。生体より移植する場合と死体から臓器を摘出する場合とがございますけれども、これらの生体の提供者及び死体から臓器を摘出する費用について、大体平均して百万円かかると言われております。これはニューヨークに滞在しておられる大学の先生、日本の方ですが、アメリカにおいてもやはり七十二万円かかるというふうに言われております。 この問題について、現在わが国においては生体の場合ですと完全に自己負担しなければならぬ、だれもめんどうは見てくれない、こういう形になっておるわけですね。ですから、支払い能力のある方は腎臓を入手する、またその手術代も出せる。要するにこれが商品化というと言い過ぎかもしれませんけれども、金がある者はできるけれども金のない者はできないという形になる。発展途上国においては売買の対象になっておるということが大きな反省になりまして、欧米ではこれを健康保険の対象にした。日本ではこれが対象になっておらない。自己負担である。また、医師が自主的に、献身的に死体から移植する以外にない、こういう形になっておるわけでございまして、病人さんは健康保険でめんどうを見てもらえるから結構ですが、しかし、肉親であるとか知人であるとか友人であるとか、本当に人道的な立場から自分の体から摘出して提供している人たちがお金を出してやらなければならないということは、私は人道上問題があると思うのです。ぜひこれは健康保険の中においてめんどうを見ていただくように改正していただけたらと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○大和田政府委員 この問題につきましては、確かに御指摘のとおりでございます。人工腎臓を植えつける患者の方は健康保険で見ておる、ところが摘出をする方、きょうだいとか親とか腎臓をとられる方が金がかかるということでございます。これにつきましては実はいろいろ問題がございまして、いまのところなっておりませんが、大臣からの指示もございまして、この点は健康保険の適用あるいは公費負担を含めましていま前向きに検討を進めておるところでございます。
○西中分科員 これはぜひ大臣にお伺いしたいのです。私が言うのは、これからまだどんどんふえるのです。巨額な額がかかるのです。一人一人毎年八百万から一千万近い金が保険の中からかかっていっているわけです。手術をしますと七十二万から百万、入院して一年か二年で終わりなんです。成功すれば後要らなくなるのです。どちらが経費、国費がかかるか、考えれば簡単なことですよ。むしろ腎臓を提供する人がなくて困る状態だろうと私は思いますが、少なくとも人工透析で莫大な経費を使っておるわけでありますから、むしろ手術に力を入れるべきである、このように思うのでございますが、これはやはり大臣から答弁をいただかなければなりません。
○園田国務大臣 御発言のとおり日本では生きたまま腎臓を提供する人は非常に少なくて、むしろアメリカの方へお願いをして向こうへ手術しに行く人が多いわけであります。いまおっしゃいますとおり、金銭の問題もさることながら、人間の道として大事なことであるし、かつ健康な人が自分の体を割って腎臓を提供するというのは、非常に崇高な方であります。そういう方に金銭の負担までさせることは大変なことでありますから、これはぜひ何とかして国がどこからかお金を出せるようにしてもらいたい。こういうことで、実は私も先生と同じ意見で、事務当局にこの検討をなるべく早くやってくれと頼んでおるところでございます。
○西中分科員 これは財政上の問題もございますが、ぜひとも早期に実施をしていただきたいと存じます。 それから、ことしは国際障害者年と言われておるわけですが、内部障害もやはり障害者であると思います。ですから腎患者もこれからそういう立場で取り扱いをしていただきたいと私たちは思うのです。 去年、東京のある職安で、企業と身障者の皆さんが集団面接をされた。そのとき、非常に残念なことですが職安の方が、透析を受けている方は採用されませんよ、お帰りください、こう言われました。その場には数名の透析患者がおられたそうでございますが、結局とぼとぼと帰られました。 それからもう一つ、神奈川県の某大企業でございます。やはり数名の透析患者を採用しようとしたところ、これは健康組合が反対をした、就職がだめになりました。つまり、健保組合が人工透析の負担にたえられない。年間八百万もかかるような者を何人も抱えたらたまったものではない、こういうところから起こっておるのですね。こういう点について、労働省、厚生省、やはりこれは考えていただかなければならぬ問題だと思うのですが、いかがでございましょうか。
○若林説明員 前段の安定所の件についてお答え申し上げます。 人工透析を受けておられる方の就職は、大変にむずかしいというのは事実でございます。しかしながら、私ども安定所といたしまして、そういった方について集団面接で別な扱いをするというようなことはいたしておらないところでございまして、私どもこれまで調べました限りでは、そのような事実は承知いたしておりません。
○大和田政府委員 健康保険組合を所管しております立場から、いまのお話でございますが、またそのような例は私どもは聞いておりません。健康保険組合は、御承知のように採用につきましては事業所が採用する、健康保険組合がこれを判断する立場にないわけでございますので、恐らくそのようなことはないのではないかと思いますが、まだ私どもの耳には入っていないわけでございます。
○西中分科員 時間もありませんからあえて申しませんけれども、具体的事例とか会社名もわかっていますし、職安の場所もわかっています。だから、これは一度よく点検をしていただいて、よく行政指導をしていただいて、こういうことのないように……。逆に裏返して言えば、企業側から言えば、確かに昼間週二回も抜けられるような方には、企業経営上非常に困るだろうと思います。だからこそ、もとに戻りますけれども、夜間の透析ということの重要性も出てくるわけですね。 いよいよ時間がなくなりましたので大急ぎでまいりますけれども、この病気は早期発見、いわゆる自覚症状というものがむずかしい、自覚症状が出てからでは手おくれたというケースが非常に多いわけですね。ある面で言えば沈黙の病気、このようにも言われているわけです。しかも、統計からいきましても、零歳から二十歳までが二・八%、それから二十一威から四十歳で三六・六%、四十一歳から六十歳までが四五・三%、六十一威以上が一五・三%と、透析患者の数がこうなっておる。要するに、若年、壮年の一番働き盛りのところに透析患者が集中しておるわけですね。しかも、透析にかかってしまえばもう一生かかっておらなければならないわけですから、そういうことにならないようにするための早期発見、予防ということが非常に重要な問題だと思います。 これは京都における統計でございますけれども、京都市立小学校における腎疾患の児童、学童ですね、これは二百十四名、全体の〇・一七%ということでございます。これを見ましても、私は最初厚生省に実態調査をしておられるかということを聞きましたけれども、小学校以前、幼稚園からもどんどん最近では腎臓の疾患者がずっと出ておるわけです。ですから、その時点において早く発見して、そしてこの児童たちの病状を悪化させないように処置をとるということが大事だと思うのです。それでなければ本当に、ただ手おくれ手おくれで人工透析の患者がふえる一方だ、こういう状況は防げないと思います。 したがいまして、私が申し上げたいのは、この予防のために、保健所、医療機関等を通じまして、児童、幼児、学校生徒、それから特に、会社の検診を受けない中小企業、零細企業の人たち、御婦人、老人、こういった人たちの検尿等を完全実施する、そして日ごろから、この腎臓疾患、大変な病気であるからというPRをしっかりやっていただいて、各地方自治体等でもこの問題については真剣な取り組みをするようにしていただきたいと思うのです。よく政府の広報などということが雑誌なんかに載っておりますけれども、この予防から、そして腎臓病の恐しさから、そして今度は腎臓の提供者の募集、こういった面のPRも、政府機関としていろいろの宣伝をされておるわけでございますけれども、ぜひやっていただきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
○大谷政府委員 先生御指摘のように、腎疾患につきましては、まずこれを予防するということが一番大事なことだと思います。特に乳幼児から成人にかけましての上気道感染というものが腎疾患に非常に大きく影響しておるということで、私どもとしては、そういった場合に、ただ単にかぜだというふうなことで油断しないで早く治療して、腎疾患に至らないようにするということが第一でございます。 それから第二点といたしましては、先ほど先生おっしゃいましたように、できるだけ早く腎臓が悪いということを知るということが大事でございまして、このためにはいわゆる検尿、たん白定性検査というものをできるだけ各年齢時に行うということで、厚生省といたしましては五十三年度から始めました国民健康づくり計画ということで、すべてのライフステージにわたりましてそういった健康診査を行うということで、このたん白尿検査で陽性となった者につきましては精密検査をやって、これで発見された者につきましては安静あるいは運動の制限、食餌あるいは薬物療法等々のいろいろな、腎不全の大事に至らないような健康管理をやるというふうな三段構えの予防が非常に大事であるというふうに考えておりまして、今後とも国民健康づくり計画というフレームの中でこれを大いに進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○西中分科員 最後でございますけれども、ですから予防もこれからやらなきゃならない、それから腎臓の提供者もふやしていかなきゃならない、そしていざ手術というときには敏速にこれは対応しなきゃならない。それから人工透析にかかったときには、これはもう一生という状態ですけれども、ここから脱出する研究も進めなきゃならぬ。また、偏在したこの透析を、やはり格差をなくしていかなきゃならぬ。 それから今度、旅行ですね。患者の旅行、こういう場合にこれはどこでもできるというわけにはいかないのです。やはり病状というものはある程度わかっておってこそ旅行ができるわけです。そういった面からいきますと、たとえば腎臓手帳といいますかね、そういったものを発行しておれば旅行もできるようになるでしょう。 それから、いま言ったものを総合的にやっていくためには、単に学者の何人かの先生方にお願いして研究していただくというようななまぬるいことではこれはとてもできないし、手術、生体から移植するとか死体から移植するとかいろいろあるわけですけれども、こういう問題を迅速に行うためには、やはり一つの施設、センターといいますか、腎センターというようなものが当然必要になっておると私は思うのです。 大臣、最後でございますが、この問題について御答弁を願いたいと思います。
○園田国務大臣 いま御発言されましたすべての中から、総合的な研究体制、それからもっと大きなことは、案外腎臓についてはわれわれといえども知識が非常に薄弱であります。これの啓蒙運動、こういう点を十分注意をして今後努力をいたします。
○西中分科員 終わります。
○上村主査 これにて西中清君の質疑は終了いたしました。 次に、蓑輪幸代君。
○蓑輪分科員 私はまず最初に、保育問題の二、三点について厚生大臣の御所見をお伺いいたします。 厚生省では予算委員会で論議されましたベビーホテルの対応策として、規制するだけでは解決にならないということで認可保育所での夜間保育の導入をお考えになっているということのようですけれども、本来このベビーホテル問題は、これまでの保育行政に対する多くの要望と同時に関係者から行政上の問題点が数々指摘されてきたにもかかわらず、政府の基本的対応が欠如していたことによって一層問題を深刻化させてきたところから吹き出した、そういう問題の一つであるというふうに私は受けとめております。この問題で軽視できないのは、保育が営利を目的として行われているというところにあるというふうにも思います。これを放置しておくならば、営利主義的な大規模保育所の一層の拡大を許すということにもつながってくることになりますし、育児産業を育成していくということにもなりかねないと思います。そういう観点から、これは営利的な保育は許されるべきではないというふうに考えます。本来行政の責任において行われるべき児童福祉行政がその責任を免れ、民間に委託されるというような懸念をもたらすことは絶対にあってはならないことだと思います。児童福祉法あるいは児童憲章の理念に基づいて、すべての児童が社会の子としてその権利をひとしく行政の責任において受けられるようにするべきものだ、そうしなければならないというふうに考えます。 また私は、山上憶良の「しろがねもこがねも玉も仰せむにまされる宝子にしかめやも」ということにありますように、子供というのは親にとってもかけがえのない宝であると同時に、国にとっても重要な、これ以上ない宝であるというふうに考えなければならないというふうに思いますが、大臣のこれに関する御所見をお伺いしたいと思います。
○園田国務大臣 すべての福祉行政がそうでありますが、特に子供の保育が金もうけにされては絶対にいけない。これは、金もうけのためにこういう営業をされる方もさることながら、国自体の財政上の見地から保育の問題が束縛をされることはこれに類したことであって、一番注意しなければならぬことだと思います。 そこで、いまはやっておりまするベビーホテルから端を発した問題でありますが、こういう施設がどうとか危険だとかということよりも、これが金もうけのために始められたということが非常な問題でありまして、これの監督その他というよりも、こういうものに預ける人がいなくなるように、これを監督助成をして何とか無難なものにしようという考え方は間違いである。それよりもやはり国の保育所が夜間もやるとか、いままでのように、お役所みたいに朝の九時から五時までなどというかた苦しいことや、あるいはどこに働いておるか、職業は何かなどということで扱ったり扱わなかったり、何かお役所みたいな保育所であってはならぬ。これはかたかなの保育所になって、これをなるべく地域に分散をして、働くお母さん方が手軽に預けられるように講ずることが先決であるという意見は全く同じであります。
○蓑輪分科員 一方では出生率が低下しているというふうにも言われておりますけれども、それにもかかわらず働く婦人、特に母親労働者というのは今後ますますふえる傾向にありまして、決して減少傾向にはないというのが実態だと思います。働き続けるためには保育所を欠かすことができない、ますます需要が高まってきているわけです。 そこで、現在での未措置児童の問題について何点かお伺いします。 七九年の自治省の調査による「公共施設状況調」というものによりますと、保育所の対象者数は二百五十七万人を超えております。そうすると、およそ六十九万人の児童が未措置の状態に置かれているわけです。措置しなければならないにもかかわらず未措置であるという状態です。特に大都市周辺あるいは新興住宅地などではこの入所問題は非常に深刻になっておりまして、そうした中で現在の入所措置基準の実際の運用面においていろいろな問題点が出てきているということです。 たとえばまず第一に、自営業等の居宅内労働の場合などでは判定の基準等でいろいろ問題があり、父母外勤に比べますと不利益に取り扱われているという例を私は聞いておりますので、その点そういうことのないように、保育に欠けるという点での事実、実態を正しく判断されて措置されるべきではないかと考えます。 それから二番目に、パートタイマーで働く人にとって、実際の労働は正規の職員と少しも変わりないにもかかわらずパートであるということで所得が低い、それなのにパートだからということで保育に欠ける状態が緩やかだと認定されて措置されにくい状況があるということで私も訴えを聞いております。 それから三番目に、子供を保育してくれるところがあればぜひ働きたいというふうに希望しているのですが、現在働いていないがために保育に欠けるというふうに判断されないという問題点などもあるわけです。 こういういろいろな問題点を含めますと、先ほど申し上げました六十九万人ところかもっとたくさんの児童が未措置になっているというふうにも考えられます。私はこの際、こうした児童をすべて、さらにまた入所を希望するすべての児童が保育の権利を受けられるように御配慮をいただきたいというふうに考えますが、その点いかがでしょうか。
○金田(一)政府委員 ただいま先生御指摘のまず第一点の、保育に欠けた児童があるけれどもそういった児童が入れないじゃないかというお話でございますが、この点につきましては確か御指摘のように、団地ができたりそういったことで直ちに入れないケースもあろうかと思います。しかしながら、私ども御承知のとおり毎年七、八万人の保育所の定員増ということになっております。すでに二百万人を超える児童が措置されているわけでございます。また一方におきまして新しく生まれてくる子供の数も少なくなっておりますので、そういったことを見越して計画的に保育所を増設するように私どもは指導しているところでございます。 それからパートタイマーのことでございます。所得が低い云々というようなお話でございましたが、これについては私どもも実態を調べてみたいと思います。そういったことで区別はしていないと思いますが、なおよく調べてみたいと思います。 それから自営業のお話もあったわけでございますが、自営業につきましても私どもの方では措置基準でその家庭の実態をよく調べるように言っております。保育所の措置は申し入れがあったから必ず措置するということではございませんで、家庭の事情をよく調べてみまして、本当に保育に欠けているという場合であればこれは措置するということになっておるわけでございます。
○蓑輪分科員 ぜひ積極的な御配慮をいただきたいと思います。 次に保育料金の問題ですけれども、毎年毎年保育料が上がって非常に大変だという訴えを聞いております。また一方では市民税の非課税世帯、いわゆるBランクの世帯にまで保育料徴収がある自治体などで行われているというふうに伺っているわけです。これは一九七六年の中央児童審議会の答申を受けて先取りする形で進めているようなところがあるわけですけれども、これはA、B階層からは保育料を徴収しないというこれまでの厚生省の方針とは反するのではないかというふうに思います。そしてこれまで厚生省がA、B階層からは保育料を徴収しないとしてきた理由をお聞かせいただき、あわせて今後もA、B階層からは徴収すべきでないという厚生省の見解を明確にしていただきたいと思います。
○金田(一)政府委員 先生おっしゃいましたように、A階層は生活保護世帯でございます。それからB階層は前年の市町村民税の非課税世帯でございます。この両世帯につきましては徴収はゼロということで私ども指導いたしておるわけでございます。現にそういった措置費の流し方をしているわけでございます。 なお、先生おっしゃいましたのはどこの場合であるかにつきましては、後ほどお伺いして調べてみたいと思っております。
○蓑輪分科員 次に、小規模保育制度の問題ですけれども、現在措置定員の基準を三十名という形で国が補助しているわけですが、実際の運用上、三十名ということできちんと区切られますといろいろ問題もあるやに聞いております。国庫補助金交付の対象となる基準については、三十名にこだわらず弾力的にという要望が強く出ているわけですので、厚生省の御見解をお伺いしたいと思います。
○金田(一)政府委員 保育所の定員は従来実は六十人以上ということでございましたが、大都市地域における用地の取得難とかあるいは過疎地域等における要保護児童の減少に対応いたしますため、保育所の定員を三十人以上六十人未満ということで小規模保育制度を実施したことは御承知のとおりだと思います。 ただ現在は、四、五歳児につきましては先生御承知のように三十人に一人ということでございますし、経営上の問題等もございますので、三十人以下のものを正式に、実態として三十人以下を、後で少なくなったものはございますけれども、いきなり認めていいかどうかには経営上の問題もございますので、よく検討したいと思います。
○蓑輪分科員 弾力的運用も可能であるやに伺っておりますので、ぜひその線で進めていただきたいと思います。 保育の問題はいろいろあるわけですけれども、特に、婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃条約に関連して、ここでも前文や十一条二項(C)ということで保育の問題が掲げられております。この条約を批准する方向で政府が国連婦人の十年後半期行動計画を進めるに当たって婦人問題企画推進会議の意見が出されましたが、その意見の雇用・就労の部分と家庭・育児の二つの部分で「保育施設の整備や保育サービスの充実を通じて、男女双方が家庭や子に対する責任と労働の責任及び公的生活への参加との両立を可能とするような条件を整備すべきである」、「特に要求の高い乳児保育施設を充実することが急務である」というふうに指摘しています。 婦人の労働者はますます増加していくという実態と同時に、憲法ではすべての国民に勤労の権利が保障されている。そういうことにかんがみた場合に、保育所の問題の中で特に乳児保育、働き続けるための産休明け保育を含む乳児保育の充実は非常に緊急の課題だと思います。この産休明け保育を含む乳児保育についての厚生省の今後の取り組みについてお伺いしたい。 あわせて、保育所というのは、婦人が働く間単に子供を預かるという施設あるいは保管する施設ということであっては絶対にならないと思います。児童福祉法の理念である、心身ともに健やかに生まれ、かつ育成される、愛護されるということを絶対に欠かすことはできないと思うわけです。子供の心身の発達を促し、将来の日本を担うにふさわしい子供を育てることが、それこそが保育ということだと思います。その点で充実した保育内容というものも問われてきていると私どもは思います。 こうした観点から、先ほど申し上げましたように、保育は育児産業とか保育産業とか保育企業とかというような営利の対象となる余地を絶対に許さないということ、だからこそ、国の責任において保育のあらゆる面にわたって充実強化させる方向で厚生大臣の御努力をお願いし、最後に保育問題では、特に来年度の予算案について、戦後初めて軍事費の伸びが福祉予算の伸びを上回って、戦車やミサイルが福祉を踏みつぶしていくというふうに言われています。戦車やミサイルに子供たちが踏みつぶされないように、保育、福祉の充実に全力を尽くしてくださるように厚生大臣に重ねてお願いし、その点に関する御所見をお伺いしたいと思います。
○園田国務大臣 いま御発言になりましたように、社会の変化に応じて保育所の性格も変わってこなければならぬと思います。単にある時間子供を預かるという委託所だけではなくて、田舎等に参りますと、これが一つのしつけの場所だとして幼稚園的性格も持ってきております。かつまた、家族制度が今日のように変わってきた。そこで子供さんとお母さんがおる時間が少ない。中にはお母さんになってもおむつのはめ方も余り知らぬというお母さんもおるわけでありますから、保育所はそういうお母さんと国との連絡場所、お母さんに対するまあしつけというか心の配り方、こういうものも含めた保育所に変わってこなければならぬ、こう思います。 そこで、いまおっしゃいました、この乳幼児を預かるということは一番大事なことで、しかも先ほど言われたように、どんなつらくても国の将来は子供が背負うわけであります。その子供というのは乳幼児から、本当はおなかの中からでありますが、少なくとも十二、三歳までに子供の人格というのはできるわけでありまして、その後幾らじたばたしても子供の性格は変わるものではありません。こういう意味において、保育所は御発言のとおりなるべく全部の児童を収容できるようにしたいものでありますけれども、しかしそれは理想でありまして、なかなか私の力ではそれだけの予算がとれません。しかし、いろいろな方法を考慮すれば、たとえば役所であるとか病院とか、こういうものは厚生施設の中にそれを必ず設けるとか、あるいは大きな企業はその企業の中に企業自体でそういう施設をつくってもらう。これに対して国が物心両面の助成をするとか、こういうことが一番大事でありまして、厚生行政もさることながら、将来を担う子供さん、これがりっぱなものをつくれば大砲や飛行機が要る時代がなくなるということをわれわれは忘れてはならぬ、そういうつもりで努力をいたします。
○蓑輪分科員 ぜひ大臣のお話のとおりにお願いをしたいと思います。 次に、個室つき浴場業、俗にトルコぶろと言われている問題について、特にそこで行われている売春問題などを中心としてお伺いしたいと思います。 この問題は長年各議員によって議論されてきておりまして、厚生省や警察庁におかれましても十分もう御承知のことと思います。けれども、何年たっても問題はますます深刻になってきており、解決策もいろいろ提案されておりながら一向に講じられないまま今日に至っているというのが実態です。 昨年の暮れに日本弁護士連合会の方から個室つき浴場に関する調査報告書というものが出されまして、ここで詳細に実態やら対策やらいろいろ述べられているわけです。日本の政府としても、特に先ほど申し上げました婦人に対する差別撤廃条約の中でもこの売春問題に言及しておりますし、それとあわせて、これはもう男女平等問題というよりはそれ以前の基本的人権のじゅうりん問題、そして婦人の尊厳を侵して世界にも恥すべき問題であるというふうに私は思います。 最初に警察庁から、最近のトルコぶろの売春の実態とその傾向について、端的に御説明をいただきたいと思います。
○佐野説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘がございましたように、トルコぶろ営業に伴う売春という問題につきましては、私ども業態的に比較的そういう売春につながりやすいという観点から検挙に重点を指向いたしてございます。その結果昨年の数字で申し上げますと、五十五年中ですが、全国で百十五軒のトルコぶろを売春関係事案で検挙して、関係者も三百六十七人を売春防止法違反それから十七人を職業安定法や児童福祉法違反などの罪名で検挙いたしてございます。 この数字は、一昨年五十四年の数字で申し上げますと、五十四年はトルコぶろにおける売春防止法違反は百九十四人でございます。その他の件数が二十九人。それからさらにさかのぼりまして五十三年の数字を申し上げますと、売防関係の違反が二百十七人、その他が七という数字でございますので、ここ数年の中では、特に一昨年と昨年との比較では約倍近い検挙数を努力いたしたというふうに考えております。 それから、検挙した対象の営業所数ではどのくらいかと申しますと、五十五年が百十五軒でございます。それから、その前年が六十四軒、その前年の五十三年が六十二軒でございます。したがってこの数年で約倍に近い数字での検挙を見ておるという状況でございます。 もちろん売春はトルコぶろ関係者だけで行われているということでございませんし、その他にもいっぱいございまして、トータル的に売春防止法での検挙人員で申し上げますと約二千二百ございます。そのうちの先ほど申しました三百六十幾つかがトルコぶろでございますので六分の一程度がトルコぶろ営業関係で売春が行われているという実態でございます。 なお、検挙の罪質的な面で申し上げますと一般的には管理売春、これを私どもは暴力団の資金源になりやすいとか、あるいは人権とかそういう関係もございますので、取り締まりの重点としては第三者が関与して管理売春を行うというふうなものについて重点を指向いたしておるという状況でございます。 なお、さらに特徴的に申し上げますと、検挙の過程でやや変わってきておりますのは両当事者が余り罪悪感を持っておらないというふうな状況もうかがわれます。したがって、これは今後対策を講ずる上での何と申しましょうか、基盤的な要素の一つにやはりそういった問題も取り入れて考えていかなければならぬというふうな感じを持っております。 以上でございます。
○蓑輪分科員 これに関する犯罪もふえてきております。それにしてもこれはまだ氷山の一角で、実態を反映してないものじゃないかというふうに私は思います。トルコぶろが売春の温床になっているということはもう常識のようにも言われておりますし、この日弁連の報告書の中にある判決事例の中にもこれは公知の事実だとまで言い切っているわけですね。この辺について、売春を生み出すもととなっておるこのトルコぶろについての対策というのがいま緊急に求められているというふうに思います。いま御答弁の中で罪悪感がないというようなことを言われましたけれども、それは私は非常に問題だと思うのです。やはり日弁連報告書に出されておりますように、自分の体が金で買われるということは普通の神経だったら三十分でもがまんはできない、好きでやっているなんというのはとんでもないことだ、自分で一遍やってみたらいいということで、本当に自分たちの気持ちはわかってもらえないという痛切な訴えもあるわけなんです。そういうことをしっかりと受けとめていただかなければならないと思います。 それで、管理売春が行われているということも常識です。検挙あるいは処罰という点になると証拠との関係でということが言われるわけですけれども、具体的にこの管理売春をなくしていく、売春をなくしていくということについて、いままでの取り締まりの経験から警察庁としてはどのようにお考えでしょうか。
○佐野説明員 捜査のやり方としましては、御承知のとおりこういった密室での犯罪捜査でございますから数カ月ぐらい前から内偵を進めておって、それから数十人の人間で検挙活動に入るという点、こういう大量の捜査活動なり長期間を要するということがございますので、私どもとしましてはあくまで、管理売春と申しますと暴力団とかそういった組織的な面での絡みがございますので、特に刑事局の暴力団取り締まり、そういったところとの連携プレーによるトルコぶろ取り締まりというものを推進していくということを当面の考え方といたしております。
○蓑輪分科員 次に厚生省にお伺いしますけれども、トルコぶろの問題についてはもう売春対策審議会の方から再三にわたってこの問題が提起されているわけです。 五十年の要望では特に「トルコ風呂営業という風紀上極めて問題の多い営業を許可しておきながら、発生する風紀上の態様について規制を強めるということについては、既に限界があると判断する。今後は、この種の形態の特殊浴場を認めないという方向で検討を進めるべきである。」そして最後に「じ後は公衆浴場法を所管する厚生省が中心となって、迅速かつ適切な処理を行うべきである。」というふうに言われているわけです。 性の商品化、管理売春、そこでは搾取とか暴力団とひもの関係、あるいは暴力団の資金源になったり覚せい剤の巣になったり、はたまた政治献金も絡み、そして脱税で裁判が行われているというような諸悪の根源と言ってもいいほどです。 こういう状況の中で、厚生省としてはこの深刻な事態をどのように受けとめ、今後どのように解決するおつもりなのか、御見解をお伺いいたします。
○榊政府委員 ただいまいわゆるトルコぶろについての日弁連からの調査報告書についてお話があったわけでございますが、われわれとしてもこの件についてはまことに遺憾に思っておるところでございます。しかし個室つきの施設形態を伴います公衆浴場、これにつきましてはトルコぶろ以外に家族ぶろとかあるいは老人、身障者に対する特殊なものがやはり必要性があるということはあるわけでございます。ただいまお話しの、異性の客に接するというふうな特殊なサービスを提供するというものを伴わない、いま申し上げたようなものの必要性もあるわけでございまして、私どもとして施設面に着目して、個室つきの浴場というふうなものを一律に禁止するということは非常にむずかしいのではないかと考えておるわけでございます。 厚生省としては、これは衛生行政の立場から公衆浴場の衛生の確保という面で仕事をいたしておるわけでございまして、いまお話がございましたような売春行為というふうな問題については、衛生行政の中での対応というのはなかなかむずかしいというのが実態でございます。
○蓑輪分科員 これは非常に納得できない答弁なわけですね。と申しますのは、厚生省が公衆浴場法を所管し、その浴場法に基づいて個室つき浴場が経営されているわけです。そして、そこで管理売春が行われていることは公知の事実であるということから見ますならば、それを生み出しているもとを変えていくということが当然あってしかるべきだというふうに思います。 もう時間がないようですので非常に残念で、今後もまた追及をしたいというふうに思いますけれども、きょうの新聞では、売対審の方から観光買春の問題についてまた意見が出ております。この観光買春ももちろんでございますけれども、あわせてこうした国内での売春を生み出すトルコぶろ問題についても、立法的な解決をも含めて積極的にやらないと、これは観光買春問題だけではなくて、諸外国に非常に恥ずかしいというふうに私は思うわけです。 そこで、このトルコぶろに関する問題について、今後ぜひ規制の方向ということを含めて、公衆浴場法改正という提案が日弁連からも出されておりますので積極的に進めていただきたいと思いますが、これに対する大臣の御所見をお伺いして質問を終わります。
○園田国務大臣 私は経験の多い方でありますが、残念ながらトルコぶろだけは行ったことがありません。しかし実情はよく聞いております。いまの御発言も、日弁連の提言も、確かにそのとおりだと思います。特に、公衆浴場法に基づいてわが厚生省が認可している、これは非常に大きな責任であって、今後認可する場合、このままでほっておいていいという理屈はありません。確かにこれは今後十分検討すべきだと思います。 ただ、やっていることを取り締まる、公衆浴場法だけ改正して、そして厚生省のお役人さんが、日本医師会をこわがっていると言われるような方が何だか恐ろしい人がうろうろしているところへ行って取り締れるかどうか、これはなかなか問題でありまして、風俗営業の取り締まりかあるいは売春防止か、どこで取り締まってだれに押さえてもらうか、こういう点については実績が上がるように検討しなければならぬと考えております。
○蓑輪分科員 最後に、ぜひその点で関係省庁と連絡を取り合って、大臣が積極的に取り組んでいただきたいと思います。
○園田国務大臣 承知いたしました。
○上村主査 これにて蓑輪幸代君の質疑は終了いたしました。 午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ————◇————— 午後二時開議
○宮下主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 主査が所用のためおくれますので、主査が御出席になるまで、指名により私が主査の職務を行います。 厚生省所管について質疑を続行いたします。新村勝雄君。
○新村分科員 私は、すでに商工委員会等で取り上げられた問題でありますが、輸入された不良大豆のその後の経路であります。これが優良大豆並みに食品の流通過程の中へ入っていった、こういう問題でございます。 これについては昨年の五月九日に商工委員会の流通小委員会で取り上げられまして、およその内容については討議されているわけであります。そのときに政府・厚生省及び各関係のところからしかるべき処置をするというようなお約束があったようでありますが、その後の経過、それからまたその後あらわれた若干の問題についてお伺いをしたいと思うわけであります。 まず、この問題についてのその後の厚生省を中心とする処理の状況について伺いたいと思います。
○榊政府委員 厚生省といたしましては、いまお話がございました流通問題小委員会におきます渋沢議員の御発言の意図を十分考慮いたしまして、直ちに横浜食品衛生監視員事務所を初めといたしまして関係の各県に連絡をとりまして、その事実関係の調査を指示いたしたわけでございます。その結果、食用外の用途に限定されました、ただいまお話しの大豆が食用に転用されたという事実を確認することはできませんでした。また、この関係の輸入業者を厚生省に招きまして事情聴取もいたしたわけでございますが、食品衛生法違反の事実関係というものを確認するには至らなかったのが実情でございます。 しかしながら、お話ございましたように、輸入検査の結果食用に供することを禁止されたものが食用に転売されるということは非常に重大な違法行為でございまして、かかる行為が国民に与える影響も非常に重大であるというふうなことで、厚生省といたしましては警察庁へも情報を提供いたしましてこの協力を要請したわけでございます。 またさらに、事件後、食品衛生法違反品の措置について、厚生省としても監視体制の強化を図るということから、いろいろ検討をいたしたわけでございますが、この措置が決まるまでの間、食用外用途への転用というふうなものを一時中止をいたしております。また、輸入関係業者に対しましても、そういった社会的な責任の重要性というふうなことで、本件に関係があると思われます七社に対しまして、今後の責任ある対応というふうなものを約束させております。 また、さらには、こういったことが将来起きないようにということで、今後の不正流通防止に関する指導要領というふうなものを検討いたしまして、監視体制の強化を図るというふうな措置を講じております。 以上でございます。
○新村分科員 いまのこの事態は確認できなかったというお答えでありますけれども、それはどういう意味であるのか。実際の、具体的な現場の事実を突きとめることができなかったというのか、あるいはそういう事態があったかどうかはっきりしない、そういうことなのか。これは、商工委員会においてもあるいはまた小委員会においても、参考人あるいは物的な証拠まで委員会に出して討論されたわけでありますから、この事態の全貌はほぼ明らかになっていると思うのですけれども、その点についての認識はどうなんでしょうか。
○榊政府委員 お答えいたします。 食品衛生法違反というような一つの事実関係を確認することができなかったということでございます。
○新村分科員 関係者を呼んだというお話もありましたし、いままでの経過からしてそういう事実があった、それから不良大豆が食用として流れたという事実についてはほぼ間違いなく立証されていると思うのですけれども、それらについてはいかがでありますか。
○榊政府委員 いろいろ、その御提供いただきました在庫カード等の書類といいますか、そういうふうなものだけで、先ほど申し上げました食品衛生法四条違反というふうな事実を立証することができなかったということでございまして、御質問の趣旨は、事実関係が明確であれば食品衛生法違反ということで告発措置なり何なりとれということになろうかと思いますが、それには十分な資料を得ることができなかったということでございます。
○新村分科員 すでにあの問題については、アナンゲル・フォーチュン号で積んでまいった一万九千トンのうち相当部分が赤ラベルが一度張られたものが、食品としての流通過程の中へ入っていった、こういう事実は、いろいろな具体的な事実からしてもその全容がほとんど明らかになっておるわけであります。それに対する事態の解明についての御努力はもちろんなさったと思いますけれども、それでもなおかつそれは明らかでなかったというわけですか。
○榊政府委員 先ほど来お話し申し上げておりますのは、食品衛生法四条違反という形で、私どもとして入手いたしましたいろいろな物的な証拠というもので告発することはむずかしいという形を申し上げたわけでございまして、そういったことからこれは、私どもが入手いたしております情報につきまして警察庁へも情報提供をいたしまして、警察庁としてこれについての協力をお願いしたいということでお願いしておるわけでございます。
○新村分科員 それでは警察庁にお伺いしますけれども、これは厚生省からの要請によってどのような、事態の究明についての、あるいはまた食品衛生法違反事犯としての捜査をされたか、これを伺います。
○中島説明員 お尋ねの件につきましては、警察庁といたしまして、昨年厚生省の方から連絡を受けまして、関係都府県において事実関係を中心に関係者数十人から事情聴取を行っております。しかし、何分にも日時を経過しておりまして、挙証上困難な問題もありまして、明白に食品衛生法に違反するという違反事実を確認するに至っておりません。 以上でございます。
○新村分科員 そうしますと、実際に問題になったあの物資の流れ、それから最終的にどこでどういうふうにそれが処理されたか、そこらの究明についてはいかがですか。
○中島説明員 物が流れたという蓋然性の高い事実関係は、これは承知いたしております。ただ、それが末端の方に参りました場合に食品衛生法に言う不良食品に当たるかどうか、それから上の方におきましては転用が認められておる分がございますので、その辺のところの関係がまだ十分解明できていない、こういう段階でございます。
○新村分科員 そうしますと、赤ラベル、食品に適さないという判定ですけれども、それはどういう意味を持つのか、これをお伺いします。
○榊政府委員 赤ラベルのつきましたものについては、これは食品衛生法上の違反食品であるというふうに、それを証するために赤ラベルをつけておるわけでございます。
○新村分科員 これがついているものは人間の食品としてはもちろんのこと、飼料にもいかぬということだと思うのですね。そうしますと、そういう物資が食品の流通過程の中に入っていったということは、明らかにこれは立証できるわけでありますけれども、そういった点について警察庁の方では、食品にも適さない、飼料にもいかぬという判定を受けたものが不幸にも流されたということでありますから、明らかにこれは食品衛生法違反であると思いますけれども、その点どうでしょうか。
○中島説明員 物が流れたという事実につきましてはある程度これは判明いたしております。しかしこれを刑事事件として処置してまいりますためには裏づけの立証をしてまいりませんと送致できませんので、現物がなくなっておる現時点において関係者がわかるかどうか、それからそのものが不良食品であったという結びつきがつくかどうか、その辺のところを慎重に検討しておる次第でございます。
○新村分科員 物が流れたということはいまお認めになっておるわけですね。物は自然に流れていくはずはないのですから、そこに必ずいろいろな人が介在してくるわけです。そういう一連の事態の中で、食品衛生法違反が明らかに認められると思うのですけれども、これに対する考え方、こういう不良食品が食品に添加をされる、回っていく、この事態に対する認識、それから事の重大性に対する認識の甘さがあるように思うのですけれども、それはいかがでしょうか。
○中島説明員 食品に適さない品物が流通することにつきましては、これは重要な問題だと認識いたしておりまして、十分取り締まりに努めておるわけでございますが、今回の問題につきましては非常に時日も経過いたしておりますし、末端で流通したものが不良食品であるという、そういったはっきりした鑑定が得られる見込みが若干薄い状態にございますので、その辺のところで日にちがかかってなかなか結論が出ない状況でございます。
○新村分科員 そうしますと、事の重大性は十分わかっておる、調査もされておる、現在はまだ結論が出ていないということですか。
○中島説明員 そういうことでございます。
○新村分科員 そうしますと、今後ともこの問題については引き続き検討し、しかるべき結論を出す、こういうことですか。
○中島説明員 いつまでもこの問題やっておるわけにまいりませんので、できるだけ早く結論を出したいと思います。
○新村分科員 すでに何回も申し上げておるとおり、食品ですからね。しかも人命にかかわる重要な問題ですから、一日も早く、食品衛生法四条違反でありますから、明確な決着をつけていただきたいわけでございます。 〔宮下主査代理退席、主査着席〕 それから再び厚生省にお伺いをいたしますが、この問題の起こったそもそもの原因というのは、何といっても食品が輸入をされ、陸揚げされ検査をされて、その後の物資の流れがどうなっているかということを厚生省あるいは関係諸官庁でよく把握をしていなかったというところにあると思うのです。 この問題はすでに御承知のように、川崎港に入港して荷揚げされ、七社で荷受けしたわけであります。そこで食品衛生法違反の不良品であるということの判定を受けて、赤ラベルを張られて甘粕損害貨物というところに払い下げをした。そして次に明糖油脂に転売をされた。その後の処置については誓約書が入っておるわけです。ところが実際には、甘粕損害貨物から明糖油脂に渡る中間において幾つにも分割されたわけですけれども、三社ないしは十社の手を経て明糖油脂に引き渡された、こういうことが明らかになっておるわけです。そして明糖油脂に引き渡されてから、さらに富士商事という会社に転売をされた。それから先が豆腐業者、納豆業者というふうに食品関係の各社に販売をされた、こういうことが明らかになっておるわけです。こういう経路については厚生省でも十分把握なさっておりますか。
○榊政府委員 その事件の内容につきましては、初めにもお答え申し上げましたように、昨年の流通問題小委員会等でもいろいろ取り上げられておりますし、私どもの方としてもこの内容についていろいろ先生方からも情報を提供いただき、その全貌についての流れといいますか、そういうふうなものについては承知をいたしたわけでございます。ただ先ほど来申し上げておりますように、その告発に至りますような事実関係について、私どもの方としてはなかなか十分な資料を得ることができなかったというのが実情でございます。
○新村分科員 荷受けの七社からは確かに誓約書が入っておりますし、荷受け七社としては甘粕損害貨物から全量を明糖油脂に売り渡したことにいたします、こういう文書が入っておるわけです。ですから文書上はこういう明らかな処理の方法が示されておりますけれども、実際に品物の流れはこの文書とは全く違った流れをしておるということが明らかになっておるわけです。 それはいま申し上げましたように、甘粕損害貨物から明糖油脂の間で三社ないし十社を経て転々と転売されておる、こういうことでありますが、これではとても、不良品の管理をする責任ある厚生省として、責任ある善良な行政をした、あるいは監視をした、指導をしたとは言えないと思うのですけれども、そこらの実情については御存じなわけですね。
○榊政府委員 御指摘のように、その辺の十分な監視といいますか、そういうものが不十分であったということはわれわれとしても考えておりまして、初めに申し上げましたように、そういったことで今後こういうことがないように一つの措置をとりたいということで、いろいろな監視体制の強化を改めて反省の上に立って図っておるところでございます。
○新村分科員 大いに反省をされて改善をしていただきたいわけですが、こういう場合には相当な量で、何千トンという量ですから、こういう判定をしたあるいは事態が起こった場合には、そのフォローが非常にむずかしい、しかも重要な問題だと思うのです。こういう場合には、運輸省に対して協力を求めるとか、あるいは直ちに警察庁にこういう事態があるということを通知するとか、横の連絡、行政機関同士の監視体制の強化ということはいままではおやりになっていませんか。
○榊政府委員 御指摘の点について、そういった事実がございました場合は、関係の行政機関とも十分連絡をとって進めるという考え方で従来おるわけでございますが、今回のこういう問題を一つの機会にいたしまして、さらにそういったものについて十分連絡を図って、御協力を得てやっていきたいというふうに思っておる次第です。
○新村分科員 そうしますと、本件については運輸省、警察庁、あるいは流通の問題については国税庁の問題もあるでしょうが、そういう関連の各省庁に御連絡をなさいましたか。
○榊政府委員 先ほど申し上げましたように、本件につきましては、厚生省の段階だけでは十分な事実を立証することがなかなか困難であるということで、警察庁に協力を要請したということでございます。
○新村分科員 これは流通を阻止するという立場からやるべきであって、この問題が起こってからやったのではすでに遅いわけです。そういう意味で厚生省の対応が必ずしも十分ではなかったと思います。そういう点についてはこれからひとつ改めていただきたいと思うわけです。 そうしますと、今回はこの流通を阻止できる段階で運輸省等には連絡をなさらなかったわけですね。それから、警察庁についても、これはかなり手の打ち方が遅かったという点があると思います。こういった点について非常に遺憾な点があるわけです。 それからまた、この問題は経済問題でありまして、しかも表面上は二つの会社の間の取引ということになっていて、その中に三社も十社も介在した会社があったということでありますから、当然これは税務の問題にも発展していくはずでありますが、そういう税務資料の提供とか、税務当局に対する情報提供等はなさいましたか。
○榊政府委員 その辺はいたしておりません。
○新村分科員 税務当局にお伺いするのですが、前の審議の過程でたくさんの具体的な資料が出たわけですね。もしも脱税等があったならば、あるかないかわかりませんけれども、そういった点についてもこの資料をもとにして十分調査すべきだということが委員会で言われたと思います。それに対して、資料は提供されたと思いますけれども、その資料については十分活用なさいましたか。
○谷説明員 お尋ねの企業の税務処理の状況につきましては、個別にわたる事柄でございますのでお答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、一般的に申し上げまして、課税上の問題があるとうかがわれるような資料、情報というものがあります場合には、これらを参考にいたしまして、申告の内容あるいは過去の調査実績というものを検討いたしまして、必要があれば税務調査を実施して税務処理をするということでやってきておるわけでございます。
○新村分科員 今後ともそういう面についてはひとつ十分お願いをしたいと思います。 それから、この問題について、特に食品等の場合に、輸入品が陸揚げをされ、それが不良品であったという場合には払い下げをするということのようでありますが、この流通過程が必ずしも明朗にいっていないという事実があるようです。それは、今回の場合には甘粕損害貨物が一手に引き受けたわけでありますけれども、この払い下げが、形は競争入札という形をとっておるようですが、事実上はほとんどが独占でこの会社にいつもいっておるという事態があるようですね。 それから、そういう不良品を引き受けて次の会社に売る場合に、この場合には、二社の間で契約を結びながらたくさんの会社がその間に介在して転がしたという事態でありますけれども、こういうきわめて不明朗な流通の現実がしばしば起こる。今回も起こっておるということで、その間に自由競争が阻害をされておる。また、転がしという段階できわめて不明朗なことがある。一説によれば、そういうように帳簿の上だけで転がして、それが暴力団の資金源になるというようなことも言われておるわけです。こういう不明朗な流通を正すという立場から、厚生省、何か今後改善するお考えはございませんか。
○榊政府委員 食品衛生法に違反する輸入食品が不正流通してはならないということは先生御指摘のとおりでございまして、そういったことで、実は本年の一月五日付をもちましてこの防止に関する指導要領を各輸入食品の監視員事務所に通達いたしたわけでございます。いまいろいろ御指摘がありましたような赤ラベル等につきましても、実際にその確認を強化する、あるいは輸送する場合の輸送に使用する車両と違反品とのチェックの問題、それから違反品を、これは大豆の場合ですと工業用の油脂の製造に用いられるわけでございますが、こういった処理加工をする事前に処理計画を地元の保健所に出させましてその確認をさせる、さらにはその処理量あるいは入庫量も十分記録させるというふうな指導要領を出したわけでございます。 いまいろいろ御指摘がありましたような違反品が不当に食品の方に流通することがないようにできるだけの措置をとるべきであるということで、いま申し上げたような指導通達を出したわけでございます。
○新村分科員 最後でありますが、これは警察庁にお願いするのですが、その取引、流通の過程で損害貨物に払い下げられたのは二万二千円から二万四千円ぐらいですね。ところが、それがその次の会社、これは表向きです、その次の会社には七万五千円程度で入っておるということで、その間に三倍もの莫大な値段の差があるわけでございます。その三倍もの値段が上がる過程でたくさんの会社が介在しておるということでありますから、その利益が不明朗な形で、これは確証はありませんけれども暴力団の資金源になるというような、そういううわさもあるくらいですから、こういう不明朗な流通についてはその実態をやはり明らかにしていかなければいけないと思うのですね。そういった点でもひとつ、この問題についてと同時に、今後の問題としても十分頭に置いていただきたいと思います。 それから、大臣に最後にお願いするのですが、先ほどからの本件の問題については大体側了解いただいたと思いますけれども、食品が、これは食品に適さないということで赤ラベルを張って、当然これは食品の流れから排除されていったわけですけれども、それが途中から再び食品の流通過程の中に舞い戻ってきて、それが最終的には豆腐屋とかあるいは納豆屋さんに原料として売られた、こういう事実なんです。ですから、こういうことが絶対にあってはならないわけであります。 この防止のためには、最近厚生省でも通達を出されたようでありますけれども、こういうことが絶対今後起こらないような万全の措置を、ひとつ大臣の責任においてとっていただきたいということと、本件はまだ完全に終局しておりませんので、この点についても、ひとつ納得のいく形での決着をつけていただきたい。それからまた商工委員会にもその最終的な決着の状況を報告をするということを大臣がおっしゃっておりますから、その点についてもひとつお願いしたいと思います。
○園田国務大臣 御発言並びに事務当局の答弁、しさいに承ったところでありますが、このような、食品として入れさせたものが途中で腐った、カビが生えた、そこで食品じゃないことに切りかえて入ったというもの、それから最初からそういうことを考えて飼料という名目で輸入をして食品に回すという、最初からの計画的な、こういうこともあると聞いております。こういう問題は野球のゴロみたいな、後から追っかけてはなかなかつかまらぬもので、これは当然船一杯の大豆のことですから、前から目を見張っておれば、これはトラックでどこへ運ばれて、どこへ行ってどうなったかということは、先回りして球を待っておれば、これは判明することであると思います。 ただ単に厚生省の持っておる十八の海、空港の検査だとか、あるいは後になってから警察の方の御努力だけでは、なかなかこれは未然に防止はできない。少なくとも輸入関係の通産省あるいは大豆その他の農林省、あるいは税関の大蔵省、警察、厚生省、これが一体になってこういうことは撲滅しなければならない。これは非常に大事なことであります。なお全力を挙げて、調査の結果は報告をいたさせます。
○新村分科員 終わります。
○上村主査 これにて新村勝雄君の質疑は終了いたしました。 次に、吉原米治君。
○吉原分科員 御承知のようにことしは国際障害者年でございます。完全なる社会参加と平等をテーマに、五つの目標を掲げて各国ごとに十カ年計画を策定することになっておりますが、園田大臣は、一昨年の九月二十一日、当時外務大臣をしていらっしゃいましたが、そのときに国際人権規約がわが国においても発効されました。その節、その推進に大きくしかも積極的に努力され、そして国際人権規約の締結は国際的にもまた国内的にも大きな意表を持っておるものであって、これを契機に人権の保障に関する従来の国内施策を一層充実強化しなければならぬ、こういう談話を当時発表されております。それを見まして、私は人権問題に深い御理解を持った大臣だなということで大変敬意を表しておるわけでございます。 そこで大臣に最初にお尋ねをしたいことは、前段申し上げました五つの目標をどう実現さしていくのか、また、国連が定めておる行動計画の中には、障害者の社会参加を奪い、制限することは差別行為であるとしております。そして公的機関が必要な措置を行う旨の勧告をし、障害者を一般から隔離しない、こういう原則が強調されておりますことは御案内のとおりであります。ところが、日本の障害者施策には今日まで隔離収容という考え方がございます。こういったことをどう是正していくのかなとなどの点を含めて、園田大臣のこれから十カ年計画を策定されるに当たっての基本的な考え方を最初にお聞かせ願いたいと存じます。
○園田国務大臣 障害者対策の問題はいろいろございますが、今年度を機会に大きく転換もしなければならぬ時期である。第一は、毎日新聞を開いてみますと、障害者が一般健康な人との差別待遇を社会から受けているという記事が目に入ります。本日も筑波大学の入試願書についての差別待遇があったのではないか、こういうことなどがありますが、これは全く、第一に啓蒙ということは非常に大事でありまして、これを機会に国民全般が障害者に対する考え方を変える。その変え方は、第一にそういう差別観念を持ってはならぬ。むしろその差別があるとすれば、それを一般国民の良識、良心、それから国家の施策によって、健常人と同じように社会の発展に参加できるという、健常人と同じような立場にこれを持っていくことが一番大事であります。 そこで、そのためには、やはり一番大事なことは、長期の行動計画が一番大事でございます。これはただいま特別委員会で検討してもらっておりまして、本年度中にはこの結論が出るわけでありまして、その結論をいただいたら、今度はわれわれがそれに基づいて十年間の長期行動計画をつくることに相なるわけでありますが、その行動計画は長期的な観点から、身体障害者の方々が、自身も歯ぎしりをかんで一般健康な人と一緒にやってもらう。また、一般の人及び政府は、健常人と同じように社会参加ができるようにいろいろな突っ張りなり支援をする、こういうことが重点であると考えております。
○吉原分科員 障害者問題並びに差別問題について大変御理解のあるお答えをいただいたわけですが、昭和四十年に実は同和対策審議会の答申が出されているわけであります。この同対審の答申の中には「地区における社会福祉の問題は、単なる一般的な意味での社会福祉ではなく、差別と貧困がかたく結びついた同和問題としての社会福祉の問題としてとらえるべきで、」部落の実態把握に基づいて社会福祉計画を樹立して、総合的、計画的に施策を実施することというふうになっております。 現在、特措法も残り一年足らずになりました。部落の障害者に対する施策は実情から見て全く実施されていない、こう言っても過言ではないと思いますが、この同対審の答申に沿って今日までどのような施策を講じられてきたのか。私どもが見聞をするところによってはいささかの前進もない。三年間の延長をされましたけれども、今日まで実態把握のみに追われてきたのではないかという気がしてなりませんが、なぜ今日までそれらしき足跡が残されていないのか、その理由を明らかにしてもらいたいと思います。
○山下政府委員 厚生省といたしましては、同和問題が非常に重要な問題であるという認識のもとに、御指摘の点も含めまして審議会の答申を踏まえまして、かつまた特別措置法に基づきまして、従来から福祉向上のための施策をできるだけ実施をいたしてきたところでございまして、具体的には生活環境施設の整備ということに非常に重点を置きまして、その高率補助、特別助成というふうなことを講じてきているのが第一点でございます。そのほか、隣保館あるいは生活相談員等の活動によりまして生活相談事業を実施しているというふうな点が第二点でございます。 なお、同和保育対策につきましては保母の加配等の措置を講じておりますほか、巡回保健相談指導、トラホーム予防の事業あるいは妊婦健康診査事業等の実施をいたしてきております。数字を若干申させていただきますと、法律が制定されました昭和四十四年から昭和五十五年までの関係の予算は、厚生省関係だけで二千九百五十億程度の予算が計上され、明五十六年度におきましては約七百億余の予算を計上いたしまして努力をいたしてきておるところでございます。 お話の中にございました地区の障害者対策につきまして特別の施策が講ぜられていないということでございますが、御指摘のとおりでございまして、従来は一般施策の中で、地区の実情を勘案をいたしまして、たとえば施設を整備したいというような場合にはできるだけ優先的に配慮する等のことはいたしておりますけれども、特別対策を行っておるということは障害者につきましてはなかったわけでございます。これは、わが国の障害者対策の当面の課題が、全国的に施策全般の充実強化が非常に急がれる、そしてこれをできるだけ推し進めるということは、同時にひいて同和地区の障害者の方の福祉の向上にもつながるという考え方で来たのも事実でございます。 そうではございますが、同和地区の障害者の実態を必ずしも十分に私ども把握していなかったということは率直に認めざるを得ないわけでございまして、現在関係府県と協力をいたしまして、その実態把握、基礎的データの把握に全力を挙げて取り組んでおるという次第でございます。
○吉原分科員 十年という経過があって、しかも延長された三年間の実績を見てみましても、いま御答弁がございましたように生活環境整備に重点を置かれ、まあ建物がりっぱになったということは確かに言えると思いますが、肝心な、いま私が質問しております同和地区の障害者は一般と比較して障害者対策が非常におくれておる。後ほど数字をもって御説明を申し上げますけれども、一般的に言う障害者問題と比較してこの件数がかなり多いわけでございますから、一般よりもレベルの低いところに力点を置いてそれをまず一般並みに引き上げて、それから一般施策を講じていくというのが順序ではないか。おくれておる、落ち込んでおるところはそのままにして一般施策を進めていただいても、落ち込んだところはいつまでも落ち込みっ放してございますから、そういう意味で地区の障害者対策には、ひとつ性根を据えて取り組んでもらいたい。 また生活環境整備等にかなり取り組んできたとおっしゃっていますが、非常に進んでおるところとそうでないところ、隣保館一つ建てるにいたしましても、比較的財政の豊かな関係市町村でも、豊かといってもそう豊かではございませんけれども、三分の二補助するといっても、実勢単価と違うといういわば超過負担の問題にたえられないというのが関係市町村の実情でございます。 そういう意味で、冒頭にお尋ねをした障害者年であるということを踏まえて、特に同和問題としての社会福祉あるいは同和地区としての障害者対策、こういうものを並行的に進めていただくようにお願いをしておきます。 そこで、いま部落の地区の障害者は、いわゆる部落差別と障害者差別の二重の差別のもとに大変劣悪な状態にさらされておるわけでございますが、先ほど言いましたように障害者の発生率を見ましても、一般地区の場合の一・四一%に対して部落は二・六七%であります。これは厚生省の皆さん方の方で調査なさったデータでございますが、これを見ましても部落の障害者の発生率が大変高い。さらに生活保護の受給率が、全国の障害者の四・九%に対して部落の障害者はその約七倍の三六・一%、就業率を見ますと、一般の三二・三%に対して部落は二三・九%、介護の必要な者は一般の一九・六%に対して部落は三〇・九%でありまして、こういう数字を見ましても、部落の障害者問題というのは部落問題と密接にかかわっているということが明らかでございます。 過般、一月十六日でございましたか、厚生省側と解放同盟の皆さん方との交渉の中でも、生活課長と更生課の課長補佐ですか、お二人の方がその交渉に出られて、障害者問題というのは部落差別と深くかかわりがあるということを認められて、これからの部落の障害者対策を事務レベルでも討議を始めますというお答えをなさっていらっしゃる。そこで、障害者問題と部落差別の問題はそういう因果関係にあるということをどのように認識をされ、また同和問題としてのこの障害者対策を今後どのように進めていこうとされておるのか。抽象論でなくて、たとえば生活保護者に対してはこういう努力をする、就業率についてはこういう努力をするというふうに、いま数字を挙げて申し上げました問題点について具体的にお答えを願いたい。
○山下政府委員 一般地区に比べまして障害者が多いのではないかということは、私どもも承知いたしておるわけでございます。若干の事例的なものでございますが、二倍とかそういう障害者の数というような状態になっておるところでございます。ただ、これにつきまして詳細なデータが欲しいということで、現在、関係府県と協力いたしまして、障害者の障害種類別の状況でありますとか等級別の状況、あるいは年齢別の状況といった障害者の基礎的データにつきまして、鋭意調査をいたしておるところでございます。できるだけ早く取りまとめてまいりたい、かように考えておるわけでございます。 従来の施策の概要につきましては先ほど御説明申し上げたとおりでございますが、今後、この実態調査の結果も踏まえまして、かつまた、今後の同和対策のあり方全般につきまして、総理府を中心にいたしまして現在検討いたしておるという状態でございますので、その上におきまして、その実態調査も踏まえまして所要の措置を講じてまいりたいと考えておるわけでございます。 具体的にいまどうかということでございますが、目下そういうことで検討中でございまして、できるものにつきましてはできるだけ優先的にやっていくということで努力させていただきたいと考えておるわけでございます。 なお、生活保護の受給率等も同和地区の方が高いということは五十年の調査でも明らかでございますし、かつまた、現在私どもも調査いたしておるところでございますが、恐らくそういう結果に相なると思うわけでございます。これにはいろいろな経済的要因、環境的要因等々、複合的に原因があるものと思っておりますが、そういった施策の充実によりまして対処してまいりたい。何分にも、生活保護自体は無差別平等の最後の社会保障制度という仕組みでございますものですから、その施策の中で対応していくほかないわけでございますが、実態調査をいたしまして、ひとつよく努力をいたしてまいりたいと考えております。
○吉原分科員 大臣、お聞きになったように、どうも調査は進められておるようですね。しかし、調査の結果は完全に把握されてないようです。なるほど事業をやる場合、施策を進める場合、実態調査というのは大事でしょう。しかし、特措法が発効されてから長年たっておるわけですが、いまもって実態の調査がどうも正確に把握されてない。正確に把握されてないから、ひとつ具体的に施策の方針を明らかにしてくれ、こう質問しても、目下実態調査中でございます。その実態調査の結果を見て具体的な計画をお立てになるようでございますが、いまのような現状でございますので、大臣もそういう現状だということをお認めになって、ひとつ大臣としての決意をお聞かせ願いたい。
○園田国務大臣 障害者の発生率が一般の地区と同和地区とでは約二倍に近い差がある。生活保護についてもそのとおりだというのは、一言にして言えば、政府の同和対策というものがまだまだすき間があって、でこぼこが完全に是正されてないという一つの証拠であると考えております。 この障害者の問題、それから生活保護者が同じ率になるように、でこぼこを埋めるためにこれに重点を置いてやらなければならないことは事実でありますが、同時にいまの措置法の期限が、五十七年の三月だと思いますが、切れる手はずになっております。その後これをどうやっていくか、これは非常に大事なことでありまして、いま総理府を中心に検討されているところでありますが、厚生省としては、残存事業ばかりでなくまだまだいろいろな点で問題等がありますので、そういうことを解決することを基本にしてこの問題にも臨む決意でございます。
○吉原分科員 実情はいま大臣も御認識になっておられるようでございますが、後でまた大臣の決意のほどをお伺いします。 その前に、中央心身障害者対策協議会の中に国際障害者年特別委員会という組織がつくられておるようでございます。その特別委員会で障害者、とりわけ最も困難な条件に置かれておる方たちの要求が十二分に反映されていかなければならぬと思いますが、この国際障害者年特別委員会の構成メンバーを見ますと、いま私が前段からしつこく質問をしております、非常に対策がおくれておると言われておる部落の障害者に対する施策、そういうものを確立するためには、一般の障害者だけでなくて、特別委員会に部落の代表の参加は当然のことじゃないか、こう思いますけれども、大臣の見解はいかがでございますか。
○山下政府委員 国際障害者年特別委員会の委員は、昨年の五月に内閣から委嘱いたしまして、現在まですでに二十回以上にわたりまして活発に御審議をいただいておるわけでございます。委員総数は六十名でございますが、その中に障害者御自身あるいは障害者関係団体代表の方も十数名お入りをいただきまして、各界各層の代表で二十回以上にわたりまして御審議をいただいておるところでございます。冒頭に大臣が申されましたように、今年中にひとつ長期計画の構想をまとめたいということで鋭意審議を進めておる状態でございます。せっかくの御提言ではございますが、そういうことでございますので、現段階では委員会の委員を差しかえるとか追加するというのはいかがなものか、かように存ずるわけでございます。 ただ、この国際障害者年に関しまして、また障害者対策につきまして十分御意見等を反映させていただくという方法は、あるいは文書で意見をお出しいただくとか、その他いろいろな方法があるのじゃないかと思いますので、今後ひとつ検討いたしてまいりたいと存ずる次第でございます。
○吉原分科員 六十名の委員の中に十数名の方がいらっしゃる、こういう御説明でございましたが、そんなにたくさん部落の代表の方はいらっしゃらないのと違いますか。
○山下政府委員 障害者の団体の代表の方あるいは障害者であられる方が十数名おられるということを申し上げた次第でございます。
○吉原分科員 障害者と一般論で言いましても、部落の障害者という面からいきますと、非常に発生率が高いということはお認めになっておる。障害者の団体の長が参画されても、部落の実情なり大変困難な条件下にある障害者の意見というのは必ずしも反映されないのじゃないか。これは対策がおくれておる地域から代表を送り込むことによって、より実を上げることができるのではないか。そういう観点から、私は部落の代表の数名はぜひ参加させるべきだ、こう言っておるのですが、それはできないとおっしゃるのですか。
○山下政府委員 六十名の委員で昨年組織されまして、すでにもう二十回以上にわたりまして審議している途中でございます。実は、この六十名の中に入ってない方、いろんな障害も種類別に、また団体別に多数ございます。そういった方からも意見の表明というようなこと等について御要望があるのは承知をいたしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、現段階で委員の追加、差しかえというのはいかがかと思うわけでございますが、十分御意見を承り、それを委員会の審議に反映させる、そういう方法については十分考えなければならぬ。実は、国際障害者年特別委員会、現在五つのプロジェクトチームに分かれて審議をいたしておるわけでございますが、その設置要項におきましても、積極的に関係者の御意見は承る、あるいは文書で御意見をいただいても結構でございます、必要に応じましては参考人として御意見を承るというようなこと等も決めておるところでございまして、御指摘のような御意見の反映につきましては、十分努力をさしていただきたいと思うわけでございますが、中途で委員の追加等につきましてはいかがか、かように考える次第でございます。
○吉原分科員 委員の任期は決まっておるのでございますか。
○山下政府委員 二年でございます。
○吉原分科員 そうすると、任期切れの段階で検討はなされる気持ちはございますか。二年でもう終わってしまうのですか。
○山下政府委員 当面この特別委員会につきましては、昨年とりあえずことしの障害者年に当たりましての事業というものを急遽決めていただきまして、それはことしの予算に反映をさして、いろんな事業をやるわけでございます。引き続き昨年末から現在にかけてやっておりますことは今後の長期行動計画、これを策定する、こういう形で進んでおるわけでございます。 この長期行動計画につきましては、最初大臣も申し上げましたように、できれば今年中に十二月ごろまでにこの特別委員会としては御意見を出していただいて、それを受けて政府の推進本部で策定に入るという形を考えておるわけでございまして、特別委員会につきましてはその後の姿についてはまだ決まっておらない。一応二年程度で終わるんじゃないかという感じを持っているわけでございます。
○吉原分科員 それじゃ時間が参ったようでございますから、大臣に最後に、大事なことをひとつお尋ねをしたいので、ぜひいい御答弁をお願いしたいと存じます。 部落差別の問題は依然として後を絶たないわけでございまして、法務省が取り扱った差別事件は、昭和五十四年の資料でございますが、千七百四十三件起きております。いわゆる部落地名総鑑を初め差別資料の刊行とかあるいは配布、こういったものも後を絶っておりません。同対審の答申が目指した同和問題の完全解決にはほど遠い現実でございます。 また昭和五十四年の十月に、当時の法務大臣、古井法務大臣でございましたが、大阪の住吉区の被差別部落の現地調査で、地区の状況を視察をされてその場で談話を発表しておりますが、地区の状況から見て、特措法の三年延長では十分な事業はできない、期限切れの時点で何らかの方策を考える必要がある、こういう発言をなさっていらっしゃいます。 ところで、いま大臣もいみじくもおっしゃった特措法は、来年三月で切れるわけでございます。いま申し上げましたような差別問題が少なくともなくなるまでは、引き続きその内容を強化充実して延長すべきと思いますが、いかがでございますか。
○園田国務大臣 就職試験あるいはその他の問題等で差別待遇が依然としてあちらこちらに出てきておる。その差別待遇自体よりも同和地区に対する理解が全く不十分であるという今日の情勢というのは、まだまだ半ばにもいってないような気がいたします。それから施設その他がまたおくれている。それが保護者、身体障害者の発生源になっている、こういう点は十分認識をいたしますので、今後それを意識しつつ努力をいたします。
○吉原分科員 終わります。
○上村主査 これにて吉原米治君の質疑は終了いたしました。 次に、清水勇君。
○清水分科員 質問に入る前にちょっと大臣に、いま吉原委員に所信を披瀝をされたことに関連をして私からも重ねて強く希望を申し上げておきたいと思います。 大臣も先ほど来決意を込めて述べておられるように、残念ながら残事業も多いし、同和行政をめぐってなさねばならない点がまだたくさんあると思います。民主主義のわが国で部落差別が根絶されないということは非常に恥ずかしいことですから、ひとつ園田大臣としても、閣内等で今後この法の延長等の御議論があるはずでありますから、リーダーシップをとってぜひひとつ前向きにがんばっていただきたい、強く希望申し上げておきます。 さて、本題に入りますが、せっかく大臣がおられるわけでありますから少しく申し上げてその所信を承ってまいりたいと思います。 実は戦傷病者等援護法、非常に長い法律ですから全部呼びませんが、この法律で国は軍人軍属あるいは準軍属が戦争遂行のために受けた傷病について一定の援護を障害年金等の支給という形で行っておるわけです。ところが、同様に戦時下にあって国が戦争遂行上たとえば中等学校以上に義務づけていた軍事教練、そのさなかに負傷をして障害者になって今日までずっと呻吟をしている。 〔主査退席、宮下主査代理着席〕 しかるに、この障害者がそのまま放置をされて顧みられないという事例がございます。県を通じて厚生省に何とかならないかという訴えを行っているわけですが、残念ながら、気の毒だが現行法ではいたし方がない、こういう冷たい答えしか返ってこない。実はこんなことでいいのか。これは地元の信濃毎日という新聞なんですけれども、のみならず、ことしは国際障害者年だと言われるにもかかわらず、現行法があるから仕方がないということで放置をされているのはひどいのではないか、こういうキャンペーンもあるわけでありますし、私のところへも御本人が訴えられ、都合、長野県の国会議員七人ぐらいのところに訴えておられる。じゃ私が代表して一回厚生大臣と篤と相談をしてみよう、こういうことからきょう申し上げるわけなんであります。 まず最初に、大臣、長野市のこれは市川長四郎さんという方なんですけれども、そうした訴えが行われていることを御存じでしょうか。
○持永政府委員 先生御指摘になりました市川長四郎さんから、軍事教練中の負傷につきまして援護法の適用をしてほしいという訴えがあることは、私ども承知いたしております。
○清水分科員 局長からそういうお話なんでありますが、この市川さんの負傷というのは、時間がありませんからくどくど申しませんが、負傷のとき及びその後の処置をめぐって明らかに当時の金沢師団が介在をしていることは、当時の学校長であるとか軍事教練を行っていた配属将校、これも確認をされて私どもにも意見を述べておられる。擬装弾中に、本来あってはならない実弾が混入をされていて、これが暴発をして左ひざの貫通銃創を負う。自来三十何年、じき四十年になるわけですけれども、左ひざ硬直で非常に不自由な状況に置かれる。やっと習い覚えた洋服職人としての技術でいま細々と洋服店をやっているのですけれども、寄る年波で、年波といいましょうか、最近は疼痛がひどくなった、仕事にもならない、あすからの暮らしがどうなるかというような境遇に実は泣いているわけなんですね。 私は、いろいろな機会を通じて園田さんの発言を感服して耳にしているわけなんでありますが、いずれにしても厚生大臣とかあるいは厚生省とかという、社会的に最も恵まれない、国で何とかしてやらなければならないという境遇にある人方に対して、法律がこうなっているからやりようがないのだよ、あるいは援護法が受けられなくて疼痛でこれから仕事ができなくて困ったら、生活保護か何か受けたらどうかというような意見も援護局の中にはないではない。これは本末転倒、趣旨が違うのじゃないか。そういうところから、心の通った、なるほどと胸を打つような、そういう政治判断といいましょうか、法律だけをしゃくし定規で解釈をしてこれを盾にするというのじゃなくて、そういう取り扱いが行われていいんではないかなという感じを持つのですけれども、その点どうでしょう。
○持永政府委員 市川長四郎さんの事件につきましては、私どもの方いろいろといま先生が御指摘になりましたような事実の経過も伺っておるわけでございますが、毎度繰り返しになってそれも形式だとおしかりを受けるかもしれませんが、援護法と申しますのは、先生も御承知のとおり国との間にある程度の使用関係のあった人たちにつきまして、国が使用者としての立場から処遇をするというようなことでございます。市川さんの場合は、残念ながら軍事教練中のいわば教育活動の一環としての中での事故でございます。したがいまして、そういう意味合いでの援護法の適用は非常にむずかしいのじゃないかというふうに考えますが、この問題につきましていろいろ調べてみますと、私ども確かにこの問題の対応の仕方についていろいろ問題があったんじゃないかというような点も感じられます。また関係者などが対応した場合にいろいろと間違ったことも教えたような事実もあるようでございまして、そういう意味合いから県としての対応も親切を欠いた点もあるかと思いますので、十分その点、御理解をいただくように説明させていただきたいと考えております。
○清水分科員 実は、私そういう答弁を期待をしていたわけじゃないのです。たとえばこの市川さんのような事件というのは希有なケースですよ。しゃばにそうざらにあるというケースじゃない。しかし、法律がどうもひっかかる部分がないからやりようがないとおっしゃられるのだけれども、ぼくはそこで大臣に申し上げたい。 実は去年、新宿でバスの放火事件がありましたね、犠牲者が出た。ある婦人は勤め帰り、家へ帰る途中買い物をした。これは明らかに労災補償の対象になりませんよ。しゃくし定規にはめて判断すれば、いかように言われても労災補償の対象になりません。やりようがありません、それで済むことかもしれません。だがしかし、大臣も閣議で、これは気の毒じゃないか、何とかしてやるべきじゃないか、それは所管外の話だけれども、そういう判断をされて物を言われているということを私は仄聞している。 私は、法律というものは常識の集大成だと思いますよ。なるほど直接国家と契約をして雇用関係になかったかもしれないが、あの当時のことを想定すれば、軍事教練拒否できましたか、できはしませんよ。そういう中で、あってはならない事故が起こって、申し上げたような経過になっているわけですね。たとえば新宿のバス放火事件の問題についても、なるほど法律を盾にとれば適用はできないのだけれども、しかし気の毒だ、何とかしてやれまいかといって法律をあえて拡大解釈をして労災補償の適用をしたわけでしょう。 ですから私は、皆さんを責めるのじゃないのですが、そういうこともあるわけですから、援護法はかくかくしかじかのたてまえ、それはわかっているのです。私、わかって申し上げている。しかし、そのときの傷が、いままでは何とか若かったから仕事もできたけれども、もうどうにもならない。困ったら生活保護なんということをおっしゃるのならば、ざらにあるケースならば一つを認めれば全部に累が及ぶ、大変なことだということですが、ちょうど新宿の放火事件のようにほとんど全国探したってこんなケースはないのですよ。それゆえに準軍属に準ずる程度の特別な配慮ができるのかできないのか、せめてその程度のことを考えてみよう、検討してみよう、もう一回実情を洗い直して、できるならば何らかの救済措置を検討してみよう、ぼくはこういうような温情といいましょうか心の通った御判断といいましょうか、そういうものがあっていいんじゃないか。特にその点は理屈っぽいことを申し上げて恐縮なんですけれども、大臣からちょっとお聞かせ願いたい。
○園田国務大臣 いまおっしゃったことを理屈っぽいとは承っておりません、私、全く同意見でありまして、非常に図られた方あるいは救いようのない方、こういう方々を何とかして支援をすることが厚生行政の目的であって、できている法律はその手段であります。ですから、これでかからなければこれ、これでかからなければこれと、どこか一つひっかけると言ったら悪いけれども、その手段は便法でありますから、これは研究をしていくべきである。 市川長四郎さんですか、この方は障害福祉年金ももらってない、何ももらってないわけです。ですから、援護局で言うのはこれは当然事務的な判断でありますけれども、援護局に限らず厚生省では、自分のところに来られたら、自分の担当をしている法律ではどうも適用しない、気の毒だ、何とかして入れてやりたい、入れる方法がなければほかの局と連絡をしてあなたの方でひとつ出す金はないかというようにしてやるのが私は本当のことだと考えますので、今後ともこの点についてはよく事務当局と相談をして、何か方法がないか研究をいたします。
○清水分科員 この点はぜひしかとひとつ御検討いただき、前向きに解決をしていただきたい。市川さんも、ことしは国際障害者年だ、こういうことで非常に期待があるんですよ。だからそれにふさわしい措置をひとつぜひお願いをしたい。 さて次に、せっかくの機会ですから豪雪地域の対策に関連をしてちょっとお尋ねをいたします。 実は、豪雪地域の保育所の建設に当たっての国の補助単価なりあるいは国庫補助のあり方なりについて見直しを求めたいという意味で申し上げたいと思うのです。 たとえば長野県の一番北の外れに栄村というのがあるのです。新潟県との県境にあるのです。この村は冬場常時三メーターないし四メーターという積雪地、年間十八メーター、十九メーターという降雪がある。だから従来は保育園なんかへ通いようがない。車が動かないわけですから。ところが幸いにここ二、三年来消雪パイプが幹線道路などに施設をされました。おかげさまでいまマイクロバスぐらいのものならば冬場も通行が可能になったおけです。ですから村は、とにかく父兄からのニーズが非常に強いわけですから認可保育所を七カ所ぐらいつくりたい。いままでは認可保育所がなかったわけですから、つくっていきたい。 ところで、こういう豪雪地帯の場合には積雪のことを考えてどうしても基礎を高くしなければならぬ。普通の無雪地ならば一階建てで当然なわけですけれども、そういうものですからどうしても基礎を上げなければならぬ。結果として実質的にいわば二階建ての保育所になるという形態になるわけです。そうすると建設費もその分だけ高くなる。まあ釈迦に説法で失礼な話ですけれども、こういう豪雪地というのはえてして山間辺地をたくさん抱えていますから自主財源が非常に乏しいのです。この村も五%か六%しかない。だから保育という今日の社会の要請にこたえるために保育所をつくっていくというような場合には、勢い国なり県等の特別なバックアップを求めざるを得ない。 そこで、この建設費に対して、たとえば建設費自身も基準単価が実勢価格と大分ギャップがありますね。そういうことがありますから、いま私が申し上げたような実態に即して、何とかこういうところに対しては基準単価の見直しあるいは国庫補助のかさ上げといってみても基準があってむずかしいのでしょうけれども、そういう点を一考願えないものか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○金田(一)政府委員 保育所の施設整備費国庫補助単価につきましては、全国を四区分いたしましてそれぞれの都道府県に適用される単価が定められております。これは先生御承知のことかと思います。特別豪雪地域につきましては、施設の所在する都道府県の区分にかかわらず最も高い単価を用いることにいたしております。五十六年度におきましては補助単価を七・三%引き上げるということにいたしておりますが、今後とも建築資材費等の動向を見まして改善に努力してまいりたいと思っております。
○清水分科員 最も高いというのは、つまり北海道並み単価を適用する、こういうことですね。ところがあの一覧表を見ましても、保育所等の場合には、これはちょっと性格が違いますけれども、重度身障者施設などと比べると十二万何ぼに対して十一万何ぼというような格差があるわけですから、私がいま申し上げたような意味で、そういう点も含めていささかの改善が考えられるかどうか、もうちょっとひとつ。
○金田(一)政府委員 施設整備費の国庫補助単価が設定されております施設は、先生ただいま三つのランクがあると言われましたが、実はたくさんの施設がございます。 したがいまして、これらにつきまして簡単に御説明いたしますと、第一の最も高いグループと申しますのは重症心身障害児施設等でございまして、これらの施設は病院と同様の特別な設備構造が必要でございますため最も高い単価ということになっております。それから第二のグループは精神薄弱児施設、乳児院等の主として心身障害児関係の施設でございますが、これらの施設も他の施設グループと異なる設備等が必要でございますので、第二グループということにいたしております。第三のグループは上記以外の、保育所だけではございませんで、三十五種類の施設がございます。養護施設、母子寮等もその一部でございます。 そういうことで、補助単価の設定に当たりましては、実は保育所が一番下というような、三ランクに分ければ下かもしれませんが、一般的な施設が第三グループでございます。これを基準的な単価といたしまして、これによりがたい特別な施設についてさらに高い単価を定めるということにしておるわけでございまして、保育所が特別低い単価というわけではございませんので、その点ひとつ御了承を賜りたいと思います。
○清水分科員 いま説明された点は私もよくわきまえているのです。たださっき申し上げたような村の財政事情、あるいはいままで保育所も設置できなかったが消雪パイプ等を通じ設置できるようになった。そうしてみると予想以上の建設費がかかる。かかるけれども村人の、父兄のニーズにはこたえなければならない。そこで特段の配慮を願いたいということでもありますし、それからこういう村のことですから県を通じて申請が上がってまいりますけれども、優先的に厚生省としても配慮をしてもらいたい、こういうことだけを要望しておきます。 次に、患者輸送用雪上車のことについてもお聞きをしたかったわけでありますが、時間の関係もありますし、参議院の方でも少しやっているような経過があるようでありますから、これはきょうはカットします。 そこで、自治省お見えですか。——自治省の方にお聞きしたいことは、これは本来建設省所管事項でもあろうかと思いますけれども、たとえば住民生活に欠くことのできない市町村道、ここでことしのような豪雪に対する除雪、これはことしばかりではない、豪雪地帯は毎年のことですけれども、こういう市町村道の除雪費に対する補助制度といったようなものが確立をされてしかるべきではないか、自治省としてはどういうふうに考えておられるか。 それからいま一つは、豪雪債というのがあるわけであります。私は前の八十七国会か何かのときにも自治大臣に申し上げたのですけれども、率直に言いまして辺地債とか過疎債並みに普通交付税でカバーするような配慮ができないものか。聞くところによると、豪雪債も二百億から出ているように承知をしておるわけでありますから、その全部を一遍になんといったって容易ではないでしょうが、少なくとも当面財政指数の低いところくらいには何とか豪雪債を辺地債、過疎債並みにカバーしてやる、こういったようなことを自治省としては考えるべきではないかと思うのですが、いかがでしょう。
○池ノ内説明員 市町村道の除雪費補助につきましては、すでに先生建設省の方からお話をお聞きになっておられるのじゃないかと思いますけれども、自治省といたしましては御案内のとおり、通常の年の市町村道の除排雪経費につきましては、普通交付税の寒冷補正ということで交付税の割り増し措置をしております。さらに、ことしのような通常年を上回るような降積雪量の場合には、特別交付税でさらにその上乗せをするということで措置をしてまいっておるわけであります。ことしにつきましてもそういうような考え方で現在特別交付税の配分につきまして準備を進めておるところでございます。 そこでお尋ねの市町村道の補助の問題でございますけれども、御案内のとおり特別交付税は枠がございますものですから、対応には限度がございます。そういうことで、私どもといたしましても建設省あるいは国土庁に対しまして、幹線市町村道の除排雪費の国費補助につきましてひとつ検討していただきたいということを申し入れをいたしまして、いま関係省庁で折衝しておるところでございます。
○清水分科員 そこで、これはぜひさっき申し上げたように、厚生省にも申し上げたのだが、豪雪地域の自治体というのは自主財源が乏しいし、予定せざるこういう支出をもろにかぶるということになると他の行政を犠牲にせざるを得ないということになるわけですから、少なくとも建設省のみならず大蔵省あたりともきちっとこれがカバーされるようにぜひひとつ努力してもらいたい。 それから去年まで自治大臣だった後藤田さんもここにおられて、去年もここで少しやったことがあるのですけれども、ことしの豪雪は異常と言い、したがって各方面からいろいろ除雪費等の持ち出し分を——特交といってみても去年冷害があって特交枠が少し小さくなっているわけですから、特交だけでカバーといったってなかなかカバーできない。当然のこととして予備費がなんかも動員してめんどうを見てもらわなければならないという実情だと思います。 そこで、いまも特交というお話があったけれども少なくとも予算に対して、そうですね、長野県なんかの豪雪地帯を見ましても、はなはだしいところは十倍も支出をしている。平均的に三ないし五倍も予算をオーバーして除雪費を支出せざるを得ないというような状況が出ているわけですから、こういうところはひとつ特交なり、特交で足りないと思いますから、予備費なりこういうものでカバーをする、そういう基本的な態度で臨んでもらいたいと思いますが、その辺の所信はどうでしょうか。
○池ノ内説明員 自治省といたしましては、できるだけ地方財政の負担軽減という立場で物を申しておるつもりでございますので、御趣旨のように努力をしたいと思います。
○清水分科員 それでは時間もありませんから最後に一つだけ所信を聞いておきたいのですが、実はことしの豪雪でこれは何とかしなければならぬということもあって、いま国会に、たとえば雪おろしの控除については所得税法の七十二条、雑損控除を従来年間所得の十分の一を超えた部分だけめんどうを見てやろう、こういうことだったが、またはと入れて五万円を超す場合についても雑損控除の対象にしましょう、これは一歩前進だと思います。ただしかし、豪雪地帯の住民の中では税金を納めるほどの所得がないという世帯がいっぱいあるわけです。そういうところにはさっぱり恩恵がない。しかし、豪雪のために一様に生活上のたくさんの被害をこうむっている。これは紛れもない事実なんです。 ですから、そういうことも思い合わせて考えると、いまわが党が提案をして与野党の各党にも御相談をしているわけですけれども、何らかのそういう生活被害に対して交付金というのでしょうか、どう言ったらいいでしょう、一定の見舞金を自治体を通じて支給をし、いささかでもそうした生活被害をカバーしてやろう、こういうことで一生懸命私どもも奔走しておるわけでございます。そういう方向について自治省としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○池ノ内説明員 地方財政につきましてお助けをいただくという面では非常に私ども歓迎することだとは思います。しかしながら、交付金制度そのものといたしましては現在あるいろいろな制度、厚生省にも制度がございますけれども、いろいろな制度でどの程度対応ができるのかという問題なり、あるいは個人災害につきまして公的救済というものはどの程度やるべきかというような基本問題もございますので、検討すべき問題が多々ある法案ではないかというふうに考えております。
○清水分科員 どうせこれは一回閣議の話題にもなると思うのですが、いま私が申し上げたことについて、園田さん、厚生大臣という立場で何かお感じになることがありましたら最後にちょっとお聞かせ願いたい。
○園田国務大臣 十分承りましたから、そういうチャンスがありましたらまた私の発言をいたしたいと思います。
○清水分科員 お願いします。 終わります。
○宮下主査代理 これにて清水勇君の質疑は終了いたしました。 次に、春田重昭君。
○春田分科員 私はきょうは障害者対策について何点かお尋ねしてまいりたいと思います。 まず第一点は授産施設の問題でございます。 現在障害児を抱えている父母の願いの最大として、義務教育終了までは学校なり養護施設がございますので安心なわけでございますけれども、義務教育終了後、いわゆるそれからの進路というのが最大の不安になっておるわけです。そこで自治体や、また社会福祉法人等が授産施設をつくっておるわけでございますけれども、この授産施設、特に通所授産施設につきまして若干質問を展開してまいりたいと思いますが、国の助成の基準というものがありましたならば最初にお伺いしたいと思います。
○山下政府委員 五十四年度から通所専門の身体障害者の授産施設制度が創設されたわけでございます。当初、規模三十人ということでスタートいたしておりましたが、昨年でございましたでしょうか、現在は二十人規模までの通所授産施設を助成の対象とするという扱いにいたしております。
○春田分科員 私は大阪でございますけれども、先日も大阪のある市の通所授産施設をこの目で見てきたわけでございますけれども、非常に好評である。定員は非常に枠が狭いものですから、順番を待たねばならないというぐらい非常に好評を得ているわけでございますが、いわゆる国の基準が二十人ということでございますけれども、この授産施設は二十人以下なわけです。したがって国の対象にならないいわゆるミニ授産所なんですけれども、このミニ授産所が私の地元でも、また全国的にも相当ふえてきていると聞いているわけでございますけれども、このミニ授産所の扱い方につきましては、厚生省としてはどういうお考えを持っておられますか、お尋ねしたいと思います。
○山下政府委員 非常に小規模の授産所と申しますか共同作業所と申しますか、各地でできてきておりまして、それに対する御要望が非常に強いということは私どもも承知いたしておるわけでございます。そういう経緯もございまして三十人を二十人まで引き下げたということもその一つであるわけでございます。 ただ、ただいま御指摘ございました二十人よりもさらに小さい共同作業所と申しますか、五人、十人でもという御要望の趣はわかるわけでございますけれども、やはり国が正式の助成の施設として取り上げるということになりますと、どうしてもそこで働く障害者の方の健康管理、あるいは一たん災害が起こった場合等に対する災害面についての配慮、こういったことも必要でございます。あるいはそこの場に常時勤務いたします職員の方の労働条件ということも考えなければなりません。さらには国が助成する一つの施設として経営するわけでございますから、経営上の安定性も必要なんでございます。そういった観点で考えますと、どうしても最低二十人の規模は必要じゃないか。いろいろな御要望があることは承知いたしておるわけでございますが、そういう形のところまで国も努力いたしてきておるわけでございますので、どうか障害者の方も努力されまして、そちらの正規の施設へ近づいて切りかえていただくということに御努力をいただけないだろうかというふうに思うわけでございます。 なお、どうしても二十人に満たないという場合、どういう考え方で対処するかという問題がございます。それにつきましては、実はいろいろな手段を考えておりまして、たとえば身体障害者福祉センターの小型のものにつきましてデーサービス事業というようなものを助成いたしております。ここでは軽作業でありますとか創作でありますとかいろいろな機能回復訓練等をやることができるようになっております。本来福祉センターの一環として行うわけでございますから、特に定員の定めはいたしておらぬわけでございます。また、前々からございますところの収客の授産施設がございます。その収容の授産施設のちゃんとしたものがあるのに外部から通所してこられるという道も開いているわけです。基本の収容授産施設というしっかりした施設があるわけですから、そこに通っておいでになる場合には、一人でも二人でも五人でもその定員は問わない、そういう形で対処いたしてきておるわけでございまして、通所授産施設ということで考えます場合には、ひとつ二十人規模までに御努力いただけないだろうか、かように考えておる次第でございます。
○春田分科員 私の地元では収容施設もございませんし、また二十人以上規模の通所授産施設もございませんので、そういう点で何とかミニ授産所に国の助成を願っておるわけでございます。 ところで、このミニ授産所が相当ふえてきているということでございますが、国としてはその実態をつかんでおられますか。
○山下政府委員 正確な数字を現段階では把握をいたしておりません。
○春田分科員 相当私の地元の例からいってもふえてきているわけです。たとえば、私の知っているところは、公共の施設でございますけれどもその一部屋を借りまして、わずか十名前後でございましたけれども、そういう通所授産施設として使っているわけです。こういうことで、自治体は相当把握しているわけでございますから、吸い上げようと思ったらそうむずかしいことではない。そういう点で、私は実態を調査していただきたいと思うわけでございます。 二十人という一つの線が出ているわけでございますが、これは何か法的な根拠、基準があるのですか。
○山下政府委員 先ほど申し上げましたように、一つのまとまりというものを考えまして、施設としての場の、健康管理面、災害面での安定性ということと、同時に経営面での安定性ということもあわせ考えて、またそこに障害者の方をお世話する人も配置しなければいかぬわけでございますので、そういった職員の配置ということ等も考えまして、最低二十人規模ぐらいにまとまっていただきたい、かように考えておるわけでございます。国の補助としてはそういう考え方で割り切っておるわけでございます。 なお、補完的と申しますか、先駆的と申しますか、そういう意味で各種の民間補助がございます。たとえば共同募金あるいは各種の基金といったものがございます。そういったところの助成等につきましては、これはこれで決して否定をするつもりはないわけでございますが、国として助成ということになりますれば、先ほど来申し上げているような線で御努力をいただきたいと考えておる次第でございます。
○春田分科員 確たる法的根拠はない、こういうことですね。
○山下政府委員 法律で決められたものではございません。予算措置で、実施要綱で決めておるわけでございます。 〔宮下主査代理退席、主査着席〕
○春田分科員 昨年、五十五年ですか、三十人から二十人にしたわけでございますが、もっと下げろという私の主張なんでございます。やはり限度がそっちの方にもあると思うのですけれども、そうしたミニ授産所が相当数の上に出てきている、実態の上に出てきている、こういうことでございますから、やはりこの実態に合わせて国の方も考えていただきたい。大阪府の場合は、昨年まで十人の通所授産施設については補助を出していたわけです。ところが、五十六年度からは十名を七名にする、こういう形で地方自治体もそれなりの努力をやっているわけですよ。そういう点で、国の方もさらに実態に合った助成をしていただきたい。 大臣、どうでしょうか。
○園田国務大臣 ただいま事務当局から言いましたとおりに、だんだんこの授産所が手近に各所にできるように人数を下げていくべきだという御意見は、各方面から強いわけであります。そこで三十人を二十人にしたわけであります。私の方でも許す限りそういうことをしたいわけでありますが、ただ、人数を小さくして小型にしたために授産所としての能力が低下するというようなことがあってはいけませんので、その点を注意しつつ、財源等も考えながら、いまのような答弁を事務当局はやっているわけであります。 しかし、実際に二十人以下で各所で苦労しておられるところのあることもまた、私も承知しておりますので、そういう過渡期の施設に対しては何か方法はないか、こういうことも事務当局とよく相談をして、財源的にもその他にも、もっと小さく下げられる時期が早く来るように努力をいたします。
○春田分科員 同じ障害者でも、精薄者の方は通所授産施設も十五名以上は補助の対象になっているわけですよ。身体障害者の場合は二十人以上と、同じ障害者で差別されているんですね。そういう点から言っても私は、どこで一線を引くかということが問題になると思いますけれども、いわゆる精薄者の方は十五名以上というのがあるわけですから、これを下げても決して悪いことではない、こう思うわけでございまして、そういう実態に合わせて助成枠を広げていただきたいと要望しておきます。 さらに、この通所授産施設、これは身障者が対象でございますけれども、そこに精薄者が同時に通所した場合、この精薄者に対しては現在国の補助はなされているんですか。
○山下政府委員 たてまえといたしまして、やはり身体障害者の場合と精神薄弱者の場合とでは障害の特性に差があるわけでございます。そのことはすなわち、処遇に当たりましての指導技術や建物構造、そういった面からも、全く同じでいいかという問題が残るわけでございます。したがいまして、一応分けた制度ということで現在制度ができておるのでございます。 実際問題として、大体は身体障害者の方なんだけれども、そこに精神薄弱があられる方が若干入られるという場合にどうかということでございますが、これは、いまのところはやはり精神薄弱者の方は精神薄弱者の授産施設の方にお入りを願いたいということで指導をいたしてきておるところでございます。
○春田分科員 ということは、そういう実例があった場合でも精薄者の場合は補助の対象になっていない、こういうことですか。
○山下政府委員 施設をお使いになっておられるわけでございますが、その部分にかかる運営費の助成は、一応身体障害者の授産施設につきましては身体障害者の定員で補助をいたしておるということでございます。
○春田分科員 ここでも同じ障害者として区別されているわけですよ。確かに障害者のための施設かもしれませんけれども、小さい市町村によってはそう障害者の方がいないということで、いわゆる身体障害者の施設に精薄の方が通っておるわけです。いわゆる混合の施設になっているわけです。ところが、身体障害者の方には国の助成があるけれども、精薄の方が実際通っていながら、現実には補助の対象になっていない、これが実態なんですね。これもおかしな考え方でございまして、要は同じ障害者なんですから区別してはならない、現にそういう形で精薄の方が入っている場合は助成すべきではないか。厚生省としては、身体障害者は身体障害者の施設、精薄は精薄の施設をつくったらいいじゃないか、こういうお話になるかもしれませんが、先ほど言ったように、小さい市町村によっては、公共の建物の一部を借りまして、そこに身体障害者を中心にしながら精薄の方も通っているわけですよ。こういう面で、やはり実態に合った助成をすべきじゃないかと思うのです。 この点、大臣、どうお考えになりますか。
○山下政府委員 最初に申し上げましたようなことで、障害の特性、これに差がありますためにそういう仕組みになっておる、そのこと自体はそれで一つの行き方だと思っておるわけでございますが、御指摘のような事例も生じてくるかと思います。そういう場合の取り扱いにつきましては、先生の御指摘でございますので、これは実は私どもの方の局と児童家庭局と両方にまたがる問題でございますから、両局でひとつ十分相談をいたしてみたい、検討いたしてみたいと思います。
○春田分科員 次に、第二点といたしまして国鉄の運賃割引制度につきまして質問していきたいと思いますが、国鉄、運輸省の方はお見えになっておりますね。 現在国鉄の運賃割引制度には、身体障害者の方たち、肢体不自由者、それから耳とか目の見えない方に対してはそういう制度があるわけでございますが、心臓、呼吸器、腎臓等の内部疾患者、こういう方たちには国鉄の割引制度がないわけですね。また精薄者にも適用されてない、こういうことでございまして、これまた先ほどの論法じゃございませんけれども、身体障害者福祉法に同じ内部障害者の方たちも対象となっていながらこの国鉄の割引制度につきましては区別されている。内部障害者は対象外、こうなっておるわけですね。この点、どうお考えになっていますか。
○高倉説明員 お答えいたします。 国鉄の身障者割引につきましては、福祉法を制定後昭和二十七年から実施しておるわけですけれども、この制定当時の身障者の区分に従いまして、現在先生のおっしゃられるように内部疾患者については適用していないという状況でございますが、実情を申し上げますと、身体障害者の割引と国鉄運賃にかかわる公共割引負担の軽減対策につきましては、五十四年の十二月の閣議了解に基づきまして関係省庁で御検討いただいておるというような状況でございまして、国鉄みずからの負担においてさらにこういうものの拡大、負担の拡大をするということは非常にむずかしい状況でございます。
○春田分科員 昭和五十一年十月八日の衆議院運輸委員会の附帯決議、さらに五十二年十月二十八日の運輸委員会の基本方向、さらに五十五年十月三十一日の運輸委員会における提言という形でそれぞれこうしたいわゆる政策実行の面におきましてはその担当部門の負担とする、こうなっておるわけですね。それで運輸省としましてはこれらの問題についてはどういう努力をなさっておられるのですか。
○秦野説明員 御説明申し上げます。 ただいまの御指摘でございますけれども、各委員会から先生いまお話しございましたようにいろいろな提言あるいは決議等ございました。それを踏まえまして、政府では五十四年の十二月に閣議了解をいたしました。この公共負担の問題につきまして、もちろん身体障害者割引の問題あるいは通学定期割引の問題、いろいろな問題がございますので、いわゆる公共割引と称されておる部分につきまして関係各省庁で検討会を開いて早急に結論を出すという形になっております。それを受けまして、今日まで十回近く、厚生省を初めといたしまして関係の省庁の方々にお集まりをいただいて検討会議を開いておるわけでございます。 しかしながら、先生御承知のとおりこの問題は非常に長い歴史のある問題でございます。また複雑な問題でもございますので、大変慎重に扱わなければならないというように考えておるわけでございます。ただ、事柄の性質上可能な限り早く結論を出して、その結論に従って措置をしていきたい、このように考えております。
○春田分科員 運輸省を中心に各省との折衝が行われておるということでございますけれども、厚生省としてはどういうお考えを持っておられますか。
○山下政府委員 障害者の福祉の問題、昨日もお答え申し上げたところなんでございますが、やはり国、地方公共団体、これが公的施策として大いに推進をするのと同時に、やはり国民の各階各層すべての方が障害者問題を認識し、理解をして協力していただくということが必要じゃないか。現在障害者の方は、国鉄のみならず、航空運賃あるいはNHKの受信料あるいは有料道路等々の割引をいただいております。私どもとしては非常に感謝をいたしておるわけでございますが、私どもはそれはそれらの公共事業体の立場におかれて障害者の福祉のために努力していただいているものと考えておりまして、これを厚生省が予算を取ってそれを補てんするという考え方は私どもとしてはとり得ない、そういう立場で厚生省の意見は申し述べておるところでございます。 ただ、ただいま運輸省からお答えございましたようなことで関係各省集まりまして十分相談はいたしてまいるわけでございますが、率直に厚生省の意見ということでございますれば、私どもの意見はそのようなことでございます。
○春田分科員 この前も説明を受けたわけでございますけれども、現在の身体障害者の方たちのこの割引制度によって大体三十六億円ぐらいが国鉄の負担になっている、さらに内部障害者の方たちを入れたら四十億円、こういうことですから内部障害者の方たちは四億円だけなんです。そういう点から言ったら、国鉄全体の年間一兆円の赤字から比べればほんのわずかな額でございまして、いいじゃないか、こういう考え方を持つわけでございますけれども、ちりも積もれば山となるですから、これは国鉄としては何とかこの割引制度をなくしていきたい、そして国の方で負担していただきたいということでこうした決議がされてきた、こう思っておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても何回も論議をされてきておりますが、ことしは国際障害者年でございますから、従来の制度の充実はさらにしていきながら、いままで光の当たっていないそういう谷間の方たちにもさらに制度を見直していく、これもことしの障害者年の大事な意義じゃないかと私は思うのです。そういう面でこの問題につきましても前向きにひとつ検討していただきたい、こう思っています。時間がございませんからこの問題につきましてはこれで終わります。運輸省と国鉄の方は結構でございます。 第三点といたしまして雇用の問題でございます。今年は社会への完全参加と平等ということで国際障害者年のテーマになっておるわけでありますけれども、福祉、健康、生活環境、教育、こういった面の中で一番おくれているのはやはり雇用の面なんです。そういう点で身体障害者の方たちについては、各企業は雇用促進法によりましていわゆるそれぞれの雇用率というのが定まっているわけでございますけれども、未達成のところが非常に多い。データによりますと、一般の民間企業で大体企業数からしたら四八・四%というものが出ているわけであって、半分以上は達成していないわけです。そういう面から、いわゆる一年間で相当伸びてはきておりますけれども、まだまだ半分が達していない、こういう現況でございます。 そこで、労働省の方がお見えになっておりますのでお尋ねいたしますけれども、こうした未達成の企業に対してはどういう具体的な指導をなさっているのか、お尋ねしてみたいと思います。
○若林説明員 身体障害者の雇用率につきましては、先生御指摘のように一・五%の雇用率でございます民間企業につきましては、現状は一・一三でございまして、未達成企業の割合が四八・四%、半分が未達成ということでございます。特に大企業の雇用率が低いという現状でございまして、私ども雇用率の達成指導に当たりましては、まず大企業を中心にいたしまして、法律に定められております雇用率の達成計画の作成命令というものを出しておりまして、これまで一千百十六件出しております。さらにこのような命令を受けました企業が計画に沿って適切な実施を行ってないというものにつきましては適正実施の勧告というものを出しておりまして、これが百十三件に及んでおります。 こういう大企業中心に指導しておりますが、業種別に見ますと、化学工業、卸・小売、金融・不動産、こういったところが低い現状でございますので、こういうところも重点的に指導いたしておりまして、指導の仕方といたしましては個別指導を強力に進めているところでございます。しかしまた、この雇用の問題は、労使の皆様方の御理解が必要でございますので、こういった雇用率の低い業種につきましては、業種別の労使会議といったようなものを開きまして、労使に雇用の促進を要請しているところでございます。
○春田分科員 雇い入れ計画を出させる、なおそれでも悪質なところは勧告する、こういうことですね。勧告してもなお指導どおりしなかった場合はどうするのですか。
○若林説明員 法律の規定によりますと、適正実施勧告を出されたところで雇用に対する取り組みがきわめて消極的であるというところにつきましては公表することができるとなっております。
○春田分科員 いままで公表したことはあるのですか。
○若林説明員 これまでのところございません。
○春田分科員 百十何社が勧告されているわけですね。なおかつその中でも悪質なところは公表していく、こういうことでございます。雇い入れ計画は千百何社ですから、百十何社というのは一〇%。なおかつそれでも悪いところは公表するということでございますけれども、その公表する時期というのは、大体勧告してどれくらいの時期の間に計画どおりやらなかった場合に公表するのですか。
○若林説明員 法律の規定によりまして、計画の作成命令、勧告と一つの段取りを踏んでいるわけでございまして、勧告を出しましたのは昨年でございます。なお、私どもはその勧告に基づきます実施の状況というものを現在指導している段階でございまして、現時点で公表の時期等は格別定まったものを持っているわけじゃございません。
○春田分科員 ところで、未達成の企業につきましては納付金という形で一人当たり三万円取っておるわけです。ところが、雇用納付金そのものが、ここでも論議されてきましたけれども免罪符みたいになって、納めればいい、そういう風潮が強いわけですね。そういう点で、私は、この三万円の額をもうちょっと重くしてもいいんじゃないかということで、この見直し、また雇用率につきましてももう一回見直す必要があるんじゃないかと思うのです。そういう点、労働省はどうお考えになっていますか。
○若林説明員 御承知のように、身体障害者雇用促進法におきます納付金の制度というのは、事業主の身体障害者を雇用するに当たりましてのいわば経済的な負担の調整を行うというものでございまして、この納付金を支払ったから雇用の義務が免れるというものではないわけでございまして、これは全く別でございます。私どもは、納付金を徴収いたしましても、あわせて計画を出させまして、強くその義務の達成を迫っているわけでございまして、事柄としてはこれは全く別の問題でございます。 いま御指摘の雇用率とか納付金の検討の問題でございますけれども、法律で雇用率は五年ごとに定めるということになっておるわけでございまして、ことしの十月がその五年目に当たるわけでございます。したがいまして、私ども先ごろ身体障害者雇用審議会にこの検討をお願いを申し上げた次第でございます。それとあわせまして納付金につきましても検討いただくようにお願いを申し上げました。
○春田分科員 最後に一点だけお願いします。 特殊法人は一応一・八%の雇用率になっておるわけでございますけれども、実際は一・三四で非常に低い。企業数からいっても六三%が未達成になっているわけです。この特殊法人につきましては納付金制度はないわけですよ。そういう面で、これは国また都道府県や市町村の機関と同じような性格を持っているわけですから、国の助成やいろいろな出資があるわけですから、そういう面においては、特殊法人は民間企業と違ってさらに高い率で当然でございますし、雇用率を達成してもあたりまえだと思うのですよ。ところが、現実は六三%が未達成である、納付金も取っていない、こういうことでございますから、特殊法人についてももう一回見直す必要があるのじゃないかと私は思っておるのですが、この点の答弁をいただきまして、終わります。
○若林説明員 先生御指摘のように、特殊法人の雇用率の現状がまだ一・三四%であり、また未達成法人の割合も六三%でございます。やはり民間に率先して雇用を進めるべき立場にあるわけでございますし、特殊法人につきましては私ども相当強力な指導を行っておるわけでございます。昨年五月、さらに十二月に、私ども職業安定局長が人事担当の役員の方及び監督官庁の方にもお集まりをいただきまして、直接雇用の達成についてお願いを申し上げましたし、また、未達成法人につきましても個別に文書でお願いを申し上げるなどをいたしておりまして、今後とも強力な指導を続けてまいりたいと考えております。
○春田分科員 終わります。
○上村主査 これにて春田重昭君の質疑は終了いたしました。 次に、岡田正勝君。
○岡田(正)分科員 大臣、私は広島県第三区から出てまいりました。毒ガスで有名な大久野島のすぐ隣の三原というところから出てきたのでありますが、広島県は四十七都道府県の中で人口において面積において生産力において全国第十位です。それ以外の特徴はありません。ところが、非常に不名誉な特徴が二つほどあります。何かと言いますと、一つは、原爆の洗礼を受けた県でありますし、いま一つは、御承知でありましょうが、日本でただ一カ所破廉恥にも毒ガスを製造しておった県ということでございます。この二つはいずれも国の責任によって起こったものでありますが、この二つの大きな災厄によって県民の多数が苦しめられておるという現況は、実力大臣である園田さんはよく御存じのことであろうと思うのであります。 さてそこで、原爆の援護法制定の問題につきまして七人委員会の答申が先般出されたわけでありますが、まことに頭のよい人がつくっておるので文字どおり玉虫色でございます。一体援護法の制定についてどうなるのだろうかという県民の非常な心配がありますので、その点につきまして大臣の所見を伺いたいと思うのであります。
○園田国務大臣 援護法については、長い間地域の方々、特に広島、長崎の方々、被爆者の方々及び関係のある議員の方々が、非常に強く切実に叫び続けてきておる問題であります。私も厚生大臣に就任する前は、長崎のお隣でありますからそういう立場に立って後からついてきたものであります。現段階では、懇談会から出されました結論というのは、断ち切ってはいないが口は閉められておるという微妙な表現であります。 そこで、いまの援護法については、一つは、援護法というのは国と契約関係のあった軍人軍属、こういうものが対象につくられた援護法でありますから、いまの被爆者の方を対象に援護法というのはなかなか問題がある。もう一つは、一般戦災者との均衡上国民的合意を得ることがむずかしい。指摘するだけではありますけれども、こういうように懇談会から出されておりまして、政府としてはそれをとったかっこうでありますけれども、いま出ております二つの法律案というものをまとめて、何か地域の方々の御意向が、現実的な損得よりも気分が晴れるようなことはないものかなと私は考えておりますが、現在のところは、援護法制定については非常に困難な状態でございます。 そこで、そういうことに対する、援護法はできないが、何か被爆者の方々に、少なくとも国が非常に心配をしているということを表現するために、先生方のお力もかり、事務当局も非常に熱心にやったのが、今度の、年に一回の大会のときの家族の出張旅費だとか、それから寝ておられる方の管理費とか、その他各種の新しい手当を設けたり増額をしたということになっておるわけでございます。
○岡田(正)分科員 大臣は実力大臣であり、言いたいことはずばずばっと言われる、海外にまで非常に名前の聞こえた方でありますので、いまのお答えには決して満足はいたしませんが、しかし、出口を閉められたような形の状態の中でいかにすべきか、それを前向きに考えられまして、現在あります原爆二法をまとめて何とかいいものができるだろうか、皆さんの気分が晴れるようなことはできないだろうかということに努力をしてみたいという決意を伺いまして、これ以上私はこの問題についてはお伺いしないことにいたします。期待をいたします。 さて、その次の問題でありますが、いまのお答えの中でちょっと触れられましたが、そのために家族の大会への出張旅費とかそういう点もいろいろ考慮して改善を図ったというふうにおっしゃっているのでありますが、私ども現地におる者からいたしますと、現在、例年のごとく出されてきております諸手当のアップ率がどうも満足がいかぬのであります。これはいろいろ限度がある問題でありますから、いい悪いは論じられませんけれども、まだ援護法の制定にも進まない、そのかわりのものにも進まないという段階にある今日とすれば、もっと予算上で配慮されてしかるべきではないか、手当の増額等の配慮をもっとするべきではないかというふうに考えておるのでありますが、この問題についてはいかがでございましょうか。
○大谷政府委員 確かに、先生御指摘のように手当の増額が図れれば非常によろしいわけでございますけれども、私どもといたしましては、全体の横並びを考えまして、老齢福祉年金のアップと大体並行してやるということをここ数年来やってきておるわけでございます。しかし、それにいたしましても、たとえば医療特別手当につきましては、老齢福祉年金の四倍にプラス二千円というふうに、特に今回の基本懇答申の御意思を受けまして、近距離被爆者に対しましてはそれ相応の増額を図った、こういうふうに私どもとしては努力いたしたところでございます。たとえば健康管理手当などにつきましては、老齢福祉年金と大体同額ということでスライドしている、また保健手当等も同じようにスライドしているというわけでございます。
○岡田(正)分科員 続いて、同じ問題でありますが、この諸手当を支給なさるに当たりまして、所得制限がいろいろついておりますね。この所得制限というのは、原爆の洗礼を受けた人たちに対して諸手当を支給する上においては不要なものではないか、こういうことはやめるべきではないかというふうに私は思うのでありますが、当局の考えはいかがでありますか。
○大谷政府委員 今回の基本懇の答申におきまして、原爆被爆者に対しては広い意味での国家補償の見地に立つべきだ、しかし、これについては、いわゆる国家賠償を認めるというのではなしに、国民的合意を得た相当の補償であるべきだ、こういうふうに指摘されておるわけでございます。また一方では、先ほども申し上げましたように、近距離被爆者の方々に対しては手厚く処遇するようにというお話もございます。そういった意味におきまして、今回初めて、従来からすべての手当に対しまして所得制限を課していたのでございますけれども、医療特別手当及び原爆小頭症手当、その二つにつきましては所得制限を撤廃するというふうにいたしまして、あとの健康管理手当あるいは保健手当、こういったものにつきましては従来どおり所得制限をお願いする、こういうふうにいたしたわけでございます。
○岡田(正)分科員 ありがとうございました。そういう作業が逐年進んでいきますことを心から期待するものであります。 さて、今度は毒ガスの問題でございますが、この毒ガスの関係につきましては、御承知であろうと思いますけれども、昭和二年から終戦までにおけるところの製造いたしました毒ガスの量は締めて二万三千トンでございます。常時五千人程度の方々をお使いになりまして、しかもそれが憲兵の監視下にあって、出勤、退勤はもちろんのこと、工場内における作業におきましても厳しい監視のもとにあったわけであります。言うならば強制的な労働に従事しておったわけでありまして、記録をお読みになればおわかりになると思いますけれども、たとえばゴムの作業衣等にいたしましても、三交代で昼夜のべつ幕なしの勤務をしておりますのに、一つのゴムがっぱ、いわゆるゴム防毒衣、そういうものをみんなが続いて使うわけでありまして、それを洗ったり干したりという手入れのいとまも全然なく、汚れたままそれをつけて作業に従事したというような状態であります。しかも、つくっておったものは、びらん性の毒ガスで有名な、ドイツ軍が一番最初に発明いたしましたイペリット、さらにルイサイト、ホスゲンあるいは青酸ガス、砒素ガス、塩素ガス、催涙ガス、そういうものを多量につくっておったわけであります。 そこで、そういう不完全な防毒対策のためにずいぶん被害を受けられまして、今日まですでに死亡されました方は約八百名になんなんとしております。さらに生き残っていらっしゃる方が、旧令共済の方を承ってみますと二千五百三十六名いらっしゃる。それから一般の学徒あるいは女子挺身隊、こういう徴用関係の方々が千七百四十八名生き残っておりまして、合計四千二百八十四名が現在いらっしゃるわけでありますが、若い人でももうすでに四十九歳であります。年をとった方は七十歳を超えております。こういう人々はほとんど例外なしに、気管支か皮膚があるいは神経か、どこかをやられておりまして、一家の主柱たるべき人たちが実際には生計を営むことができないという非常に悲惨な状態になっておるのであります。 そこで、大臣、あるいは初めてごらんになるのかもしれませんが、実際に毒ガスの障害に遭った人たち、その工場に勤めておった人たちの状態を見ていただくために、ここへ写真を持ってまいりました。ここに出ておりますこれは男性のシンボルなんです。これは解説がつかないと全く見当がつかぬような写真でございますが、ごらんになっていただきたいと思います。 こういう悲惨な障害を受けたまま今日まで過ごしてきておるわけでありますが、こういう人たちに対して実際はどういう手当てをしておるであろうかということを考えてみますと、厚生省の中に特別措置の要綱があるとは申しますものの、原爆二法のような法律に基づくものではございませんね。厚生省でおつくりになりました要綱に基づいて予算措置を受けておるだけでございます。私はここに非常に疑問を感ずるのでありまして、これは国の政策によって、昭和二年から終戦まで、国際法違反ということが明らかであるにかかわらず破廉恥にもつくってきた。この恥ずべき毒ガス製造行為、この作業に憲兵の監視下において国民を徴用して従事せしめたということは、私は当然国の補償によってこれを償うべきであるというふうに考えておるのでありますが、いまそれに対する法律も何にもありません。この点につきまして、大臣、どう思われますか。私はまことに奇妙な気がするのであります。
○大谷政府委員 先生お話しのように、旧令共済組合員につきましては、特別措置要綱に基づきまして手厚い措置がなされているわけでございます。厚生省の方では、旧令共済組合員に該当いたしません動員学徒あるいは女子挺身隊員の方々に対しまして、それと横並びで健康診断の実施、医療費、健康管理手当あるいは保健手当の支給ということを行っているわけでございまして、特に保健手当は先生等のお話もございましたし、五十五年度から新たに追加するということをやっているわけでございますが、これにつきましては、確かに法律という形ではございませんけれども、特別措置要綱と横並びで毒ガス障害者に対する医療費、健康管理手当及び保健手当の支給要綱、それから健康診断実施要領、これを厚生省で定めまして、それに従いまして実施いたしておりまして、私どもとしては、できる限り漏れなく同じように、そういうふうに手厚くやってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○岡田(正)分科員 確かに五十五年度から前進をいたしましたことは、私も認めておりますし感謝をしておる者であります。 ただ、私がどうしても納得できませんのは、この際、外務省にお尋ねをしたいと思うのでありますが、大久野島で昭和二年から終戦まで毒ガスを二万三千トンもつくってきたということの行為は国際法違反ではないかと思うのでありますが、その点いかがですか。
○野村説明員 お答え申し上げます。 戦時中、先生御指摘の島におきまして毒ガスが製造されていたということがあるわけでございますけれども、実定国際法と申しますか、国際法上毒ガスの使用は禁止されておりまして、ただ、その製造とか保有自体は禁止されておらない。したがって、当時毒ガスを製造し、これを保有したということがあったからといいましても、そのこと自体から国際法違反と言うことはできないのではないか、そういうふうに考えております。
○岡田(正)分科員 重ねてこの際、これは重大な問題でありますから、御質問しますが、この毒ガスを使ったら国際法違反であるけれども、使わないで、つくること、持っておることについては違反ではないと思うということでありますが、もう終戦後ずいぶん時間がたっておりますね。三十六年目を迎えておるわけであります。この辺の研究は十分になされておるはずでございまして、これはつくって持っておるだけなら、使わなかったら国際法違反ではないのかどうか、この点を、後日大変大きな問題に発展をする可能性がありますので、はっきりした返答をいただきたいと思います。
○野村説明員 先生御承知のように、この問題につきましては幾つかの条約がございまして、その条約にはっきりとこういった毒ガスの使用は禁止するということを書いてございまして、その製造その他については直接触れておらないということでございまして、したがいまして、現在の実定国際法上におきましても、確かに製造することはもちろん望ましくはないとは思いますけれども、国際法上はそのこと自体でもって違反ということは言えない、そういう状況でございます。
○岡田(正)分科員 これは核と同じようなことになってきましたけれども、とにかくもう一度聞きますが、それでは、言うならば、使わなければ条約違反ではない。だから、つくることはいい、持っておることはいい。これをつくったり持ったりするということは、使おうという意思がなかったらつくるはずがないと思うのですね。これは、キリストの教えではありませんけれども、心姦淫すれば何とやらというのがありますね。それと同じでありまして、私は信義を重んじなければならない国際社会の中にある日本として考えましたならば、使わなかったら違反ではないんだから、あとは何やったっていいさというものでしょうかね。この点いかがでしょうか。恥ずべき行為だと思いませんか。
○野村説明員 日本の立場といたしまして、いま御質問がありましたわけでございますけれども、日本は毒ガスをつくるつもりもなければ、それを保有もしていないということでございますけれども、私が御説明申し上げましたのは、現在国際法上どういうふうに毒ガスの保持自体がとらえられておるかということにつきまして、現在の実定国際法上こうだということで御説明申し上げた次第でございます。
○岡田(正)分科員 この際、外務省とそれから大臣とにお答えいただきたいと思いますが、国際条約では条約上毒ガスというものは使用してはならない、こうなっておるのだから、別に使ったわけではないのでいいじゃないですかということを言いますが、実際は、この間の大東亜戦争で実際に使った実績があるでしょう。アッツ島の方なんかではどんどんぶっ放したでしょう。そういう記録が残っておりませんか。そのことが一つ。 それから、使わなければよろしいという条約になっておるから、使ってないから条約違反ではないのですといういまのお答えですが、使っている実績があるのではないかという質問が一つ。 いま一つは、そういう使ってはならないと言われておるものを、国際的に決めておるものを、いつ使ってもいいように製造し持つことは、これは正しいことですか、正しくないことですか。この方だけは大臣からもひとつ感想を聞かしていただきたいと思います。
○野村説明員 いま先生から、実績と申しますか、そういう御質問がございましたわけでございますが、当時と申しますか、第二次世界大戦中でございますが、日本軍が毒ガスを使用したということは承知しておりません。
○園田国務大臣 国際法規上から言えば、外務省の野村君が言ったとおりに、使用に関する規定があるわけでありますから、使わなかったらそれに違反するものではないとは思いますが、それならよかったか、こういう反間を受けると、いいとは言い切れないところであります。この前の戦争で日本軍がこれを使用したということは、私は当時は全くの下級指揮官でありまして、第一線指揮官でありますから、承知しておりません。
○岡田(正)分科員 非常に率直なお答え、ありがとうございました。一遍調べてみてください。アッツ島の方では使用するべく現地へ運搬をして、それで使用したか、あるいは余りの極寒のために使用不能になったか、何かに終わっておるはずであります。これは私も調査機能を持っておりませんから、話を聞いておるだけでありますので、一遍よく調べておいていただきたいと思うのです。もしそこで使っておったということ、現地まで運搬しておったということが事実なら、これはもう国際法違反は事実ですよということになるわけでありますから、後日の問題として調査結果をひとつお知らせいただきたいと思います。第二次大戦全部の中で使ってないかどうか、あるいは戦地へ運搬してないかどうか、ひとつお調べをいただきたいと思うのであります。 さて、いま大臣も率直にお答えいただきましたように、私は、このつくること自身がもう良心がとがめるような悪魔的行為であるのにかかわらず、その悪魔的行為のために善良なる国民を軍の指導下に置いて、憲兵の監視下で五千人からの人間を働かせておいて、その人たちが、いまお見せいたしました写真のように無残な姿になっておっても、国は一切知らぬ顔をする、そんなことが許されていいのでしょうか。熱血漢と言われる、情熱家と言われる、福祉に特別の理解があると言われる大臣の性根を私は聞きたいのです。 考えてみてください、大臣。現在日本にある法律だけをとってみましても、いまそこで犯人が逃げていく、あれをつかまえてくれ、助けてくれ、協力してくれと言って警察官が頼めば、それを善良な国民が行ってそれに協力すれば、その協力したときにもしけがをしたり亡くなったりしたら、当然補償をしているじゃありませんか。いま山林に火事が起きている、そして消防士が行ったけれども、二十何人、呉の大火のように全部煙に巻かれて死んでしまった、人手がなくなった、民間を動員してでも消さなければいかぬ、こういうようなとき、あるいは土砂崩れが起きておる、生き埋めになった、みんなで助けてくれと言って掘った、ところがそこへまた山崩れが来た、そこで死んだりけがをしたりした、そういう人にはすべて補償をしておるではありませんか。 さらに、ことしの一月一日から、行きずり殺人で亡くなられた、補償の対象を求めようにも求めようのない人ですら、わが日本においては、死亡の場合八百万円、労務災害の最高に値するような障害を受けた場合には九百五十万円の補償をするということが発足しておるじゃありませんか。 何で憲兵の監視下の中において、そしてむごいほどこき使っておいて、戦争が済んだら知らぬ顔をするのですか。医療の手当は補助している、健康診断はやらしている、健康手当は出している、それでいいじゃないか、そんなものでしょうか。私は、毒ガスに関する限り、これは逃れようのない国の責任があると思うのでありますが、ひとつ大臣のお気持ちをこの際お聞かせいただきたいと思います。
○園田国務大臣 いまの御意見を聞いているだけでも、非常につらい思いがいたします。特に、この写真で拝見しましたイペリットというのは、この写真は初期のころの写真であって、この水ぶくれは必ずつぶれて溶けていくはずであります。目玉などに一滴入れば、三日間ぐらいで目玉というのは液体になって流れ出します。正直言って、イペリットなどというものの治療法というのはないのじゃないかと私は思います。 なお、ホスゲンなどという窒息性、それから一番軽いものは催涙性、両方ともこれを吸いますと、気管支がやられ、そしてだんだんそれが回って、後では結核状の非常なつらい気管障害を起こすはずであります。憎むべきことではありますが、だれの責任といえば、これは戦争の罪でありまして、まことに無残である、こう思うわけであります。 いろいろこれに対する治療その他の措置はやっているようでありますが、それでいいとは決して私は思っておりません。十分相談をして、事務当局ともいろいろ案を練って、そういうことに対する問題を一つずつ解決していきたいと思います。
○岡田(正)分科員 大臣の非常に率直な、明快な御回答をいただきまして、ありがとうございます。患者の諸君も大変喜んでくれると思います。 この毒ガスにやられました人たちは、もう一たんかかったら治ることはないのであります。いまの医学では治す方法がないのです。ただ、それ以上悪くならないように何とか手当てをするというだけに必死になっておる。そして死を待つだけです。そして死ぬときには、口いっぱいに血のかたまりを吐いて死んでいきます。無残なものです。 しかも、それが国の徴用によってその島へ連れていかれて、行きも帰りも船の中も憲兵の監視下にあって、家に帰っても自由はなく、工場の中でも監視下に置かれて、ふらふらになっておっても、医者が健康上七割治っておりますと言ったら直ちに作業につかせる。それほどむごい使い方をして、そして今日生き残っておるのがこの四千二百八十四名なんです。もう老い先も短うございます。この際、ぜひ大臣のお力で何らかの前進がありますように、私は重ねてお願いを申し上げる次第であります。 さらに、大蔵省からお見えになっていますね、いま一つお尋ねしておきます。 昨年の分科会のときにもお願いをしましたけれども、唯一の現地に最も近い病院、この忠海病院におきまして、耳鼻咽喉科の医者がおらぬというので、みんなが泣くように頼んでおりましたが、私も昨年お願いしました。善処いたしますということでありましたが、善処の結果はいかが相なりましたか。
○野尻説明員 お答え申し上げます。 確かに、昨年も先生から、忠海病院における耳鼻咽喉科の新設を検討するようにというお話がございました。その後慎重にいろいろ検討したわけでございますが、まず、御承知のように忠海病院は、先生がおっしゃいましたように、ガス障害者の治療のための基幹病院として年々整備をしてまいりまして、四十八年から今日まで、大体二億一千万程度のお金を財政資金としていただきまして、それによって病棟あるいは外来棟等すべて整備は終わっております。また、医療器具、機械につきましても、その中でおおむね六千万ぐらいのお金を投下いたしまして、そういう形での整備はすべて整ってきております。 いまの耳鼻咽喉科の話でございますが、実はこの病院は、基幹病院とは申しながら、内科中心の病院でございまして、ベッド数も四十四という非常に小規模の病院でございます。したがいまして、こういう小規模の病院に新しい耳鼻咽喉科を設置するというようなことがなかなか困難な事情にございます。まず第一には、耳鼻咽喉科の専門医師の確保というのが非常にむずかしい状況になっておるわけでございます。また、申し上げましたように、この小規模病院にそういう別の診療科をつくるということ自体がなかなか困難な事情にございますし、そのために、ガス患者のために実は指定病院というのがございまして、その近辺に三原の三菱病院とかあるいは呉の共済病院とか、これはそれぞれ総合病院でございまして、そこいらには総合病院でございますために耳鼻咽喉科も併置されております。大変申しわけございませんけれども、当面はそういったところを御利用いただくことによって対処させていただきたい。 なお、内科の充実の方は一層図りまして、五十五年度において内科の医師一名を増員して、当面の対処策を講じているところでございます。
○岡田(正)分科員 ありがとうございました。時間が参りましたのでこれをもって終わりますが、皆さん本当にまじめに検討していただいておるようで、ありがとうございます。 だがしかし、この毒ガスをつくろうかというようなまことに不便きわまる場所でございますから、海を隔てた本土でございますけれども、そういう不便な場所であるだけに、私は、診療施設もお粗末ということでは済まされないような気がいたします。どうぞその点、指定病院の拡大もこれからどんどん努めていただきましょうし、そして法律的な設定の問題も、大臣、再度再度お願いをいたしますが、老い先短い人たちです、もう生計を営む力も持っておりません、病院へ行けといっても、三原まで行けといったら時間が何ぼかかりますか、片道が一時間半かかるのですよ。そういうところへ通っていけというのが無理ですよ。ほとんどの人が耳鼻咽喉をやられているのですよ。イペリットに直接触れた人はいまのような状態です。そのことをひとつ御勘案をいただきまして、とにかく、ここらを指定病院につくったからそこらに行きなさいということだけで済まさぬように、ぜひひとつ、これはお願いになりますが、大臣にも大蔵省にも再度お願いをいたしまして、私の質問を終わります。 委員長、ありがとうございました。
○上村主査 これにて岡田正勝君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして厚生省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の格段の御協力によりまして、本分科会の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。 これにて散会いたします。 午後四時四十一分散会