P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
94回国会衆議院1981/03/03

予算委員会第一分科会 第4号

発言数
560
登壇者
39
会派数
5
開催日
1981/03/03

会議録

池田行彦自由民主党

○池田(行)主査代理 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  主査所用のため、その指名により私が主査の職務を行います。  昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算及び昭和五十六年度政府関係機関予算中、総理府所管について審議を進めます。  防衛庁に関する事項について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横路孝弘君。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 初めに防衛庁長官にお尋ねをいたします。  先日、スペインで国会占拠事件というのがありましたですね。夕刊を見ておりましたら、スペインの国会の本会議場の議長席の下で軍人がピストルを構えて議場を占拠した、われわれ大変びっくりしたわけでございます。あの報道を見て防衛庁長官の感想——日本の自衛隊は大丈夫でしょうね。どうですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 お答えします。  スペインの国会の軍隊による占拠事件、私もテレビや新聞で拝見いたしまして、びっくりしたわけでございます。ただいま、わが国の場合自衛隊はそういうことが起こることはなかろうと思うかどうかという私に対するお尋ねでございますが、もちろんそういうことは絶対起こらないものと確信いたしております。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 歴代統幕議長の発言をめぐっていろいろな議論がございますが、私はこれは政府委員、内局の皆さんにお尋ねしたいと思うのです。  そういう議論の中に、制服組というのはいつも自分たちの意見を政策に反映する機会がないために、その不満が不規則発言になってあらわれるんだ、こういうことを言われる方がいるわけであります。防衛庁の政策の決定に当たって制服組というのは全く物が言えない、たとえば予算の問題にしてもそのほかの問題でも、そういうような状況に一体今日の防衛庁があるのかどうか、これはひとつ政府委員の方からお答えを願いたいと思います。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○夏目政府委員 防衛政策の策定あるいは立案に当たって、制服の人たちが軍事専門的な立場から自由濶達に検討を加えるということは当然望ましいことであります。また実際問題としましても、私どもの部内におきまして、たとえば長官、次官が主宰する参事官会議あるいは庁議というものを、定例的あるいは臨時に随時開いておりまして、その場でも制服の皆さんが自由に討議に参加するというふうなシステムになっておりますし、また実際の予算あるいは各種の計画の立案に当たっても、それは幕僚監部が原案をつくって、逐次それが各レベルにおいて内局との協議調整を経ながら、防衛庁案あるいは防衛庁の政策として決定されていくというふうな経緯から見て、私ども、制服の人たちが自由濶達に意見を述べるような雰囲気がないというふうには決して思っておりません。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 防衛庁長官、いまの点についてはどうですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいまの点につきまして、官房長がお答え申し上げたのでございますが、一般の案件につきましても、予算の編成に当たりましても、各幕僚監部の希望なり意見なりは十分読み取るように内部でやっているものと私も考えているわけでございます。また予算の要求を、編成の際に財政の事情でいろいろ制約を受ける場合におきましても、それぞれのルートを通じて財政状況をよく認識してもらって、その範囲内で予算を編成するということにつきましても、十分配意してその辺の意思の疎通は図られているものと私は考えておる次第でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 今日の民主主義国家においてシビリアンコントロールというのは、いわば政治の軍事に対する優先ということが基本だろうというぐあいに思うわけです。そうしますと、いまの御答弁を聞いていますと、予算や政策の決定過程には大いに参加をしているということでありまして、私は、歴代統幕議長の最近の発言を聞いておりますと、不満というのはそういう不満じゃなくて、実は、日本の憲法に基づいて戦後国会の中でいろいろ議論してきた枠組みというのがあるわけであります。そういう枠組みに対する不満が反映されていない、こういうようなことで外部に向かって発言をするということになっているのではないかというふうに私は思うわけです。  自衛隊法や防衛庁設置法を見てみましても、たとえば自衛隊法を見ましても、制服と長官との関係というのは、自衛隊法七条、八条、九条で基本的な方向というのは規律をされて、要するに長官を補佐するという形になっているわけです。したがって、外に向かって発言するにしても、あるいは国会へ出てきて発言するとしても、そういう長官の補佐という立場からの限度というものは私はしっかりある、つまり政治が決めるべき枠組みについて文句を言う、それを不満だから意見を言うということは、このシビリアンコントロールという憲法上の大原則から言って許されることではないというように考えております。これはどなたになるのでしょうか、官房長でしょうか、お答え願いたいと思います。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○夏目政府委員 いま先生の御質問の趣旨は、制服が国会に出て勝手なことを言うようなことはいかがかというふうな観点に立っての御質問だろうと思いますが、制服が国会へ出て発言をする場合に、政府が決めた政策の中で意見を申し述べるということは当然のことであろうというふうに思います。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 シビリアンコントロールというのは、いわば軍事に対する政治の優位ということでありますから、いろいろな政策に反映されるシステムというのは防衛庁の内部でできているという御答弁でございました。そうじゃなくて、そういうところに不満があるんじゃなくて、国会が決めている、あるいは憲法で決められている枠組みについてクレームをつけるということは、国会ということばかりじゃなくて、外部に向かってもそういう不満を表現をするということは、シビリアンコントロールの趣旨である、つまり政治が軍事に対して優位性を保つという基本的な原則から言って、それは間違いじゃないかという点はどうですか。私は、これは表現の自由があるとかないとかいう議論をよくしますが、全く違うレベルの問題だというふうに思いますよ。いかがですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいまのお尋ねの点でございますが、憲法なりあるいは国会で制定されました法律なりについて疑問を加えますことは、部外に対しましてはあくまで慎重でなければならない、私はさように考えている次第でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 慎重でなければならぬということじゃなくて、それはいけないのじゃないですか。許されることなんですか。そもそものシビリアンコントロールの趣旨というのはそうでしょう。軍人が政治に対して口出しをする、国の政策の内容について批判をするということが戦前どういう道をたどってきたか、こういうことの反省の上に今日の内局システムというのができているわけであります。世界でこれと同じようなシステムといったってなかなかないような、日本独自のシステムが平和憲法のもとでできてきたわけでしょう。したがって、個別の内部的な意思決定の過程は反映するシステムがあるといま皆さん答弁されたわけだから、そうじゃなくて、国会で議論して決められてきた枠組みについてクレームをつける、そのことを外部に向かって発言をするということは、シビリアンコントロールの趣旨から言って許されることですかと私は聞いている。慎重であるとかないとかいう問題じゃないと思う。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 その者の地位とか責任からいたしまして、そういった誤解を与えるような発言を部外にすることは適当でありませんので、あくまで慎重でなければならないということを申し上げたわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 適当でない、つまりそういうことはいけないことだということはいいのです。私は具体的な発言についてどうこう言っているわけじゃないですよ。一般論として言っているのですよ。一般論として、国が決めた最高の方針、憲法の枠組みというこの政策を批判する、そして外部に発表するということは許されますか。許されないことでしょう。それは皆さん、従来そういう答弁ですよ。答弁を指摘してもいいですけれども。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 そういうことは適当でないということをいまお答えしたわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 自分の意見を押し通すために、過去の歴史あるいは世界各国の歴史を見てみますと、ミリタリーが政治とつながり、あるいは政治をみずから思いのままにしようという形で、クーデターを起こすという歴史はたくさんあるわけであります。  そこで、ひとつお尋ねしたいのですが、最近さまざまな団体、私たちから見れば右翼と思われるような政治団体、あるいは政治家が主宰する団体に現職の自衛官が参加しているようなケースもあるようでありますが、こういうのは防衛庁として全く自由にしているのですか。     〔池田(行)主査代理退席、主査着席〕

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○夏目政府委員 申すまでもなく、自衛隊の任務は、国の防衛に当たり、必要に応じて公共の秩序の維持に当たるということが任務でございますから、自衛官につきましても、政治的な中立という立場で、厳正に職務を遂行しなければならない義務があることは当然でございます。また一方、自衛隊法には自衛隊の隊員の政治的な活動についての制限条項もございますし、そういうものの誤解のおそれのあるようなことは慎むべきであることは論を待ちません。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 自衛隊法六十一条「政治的行為の制限」、それから自衛隊法施行令八十六条、八十七条、たとえば八十六条の五号には「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対すること。」、八十七条の五号には、政党そのほかの政治団体の行為を援助することというようなことがございます。そうすると、たとえば非核三原則というのは政府の確立した政策だということが言えるだろうと思うのですね。それに対して、たとえば核武装を主張する、つまり政府の政策を変えて、核武装をしようというような政策をまとめて政策提言を行うというようなものであるとか、あるいは専守防衛というようなことでは国が守れないから、専守防衛という原則を変えるべきだというような主張をして、そういう政策の提言をするというようなことに現職の自衛官が参加するということは、この自衛隊法の趣旨から見て私は許されないことだと思いますけれども、いかがでしょうか。あくまでも一般論としてお尋ねをいたします。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○夏目政府委員 いずれにしても、自衛官が、あるいはわれわれ一般の公務員についても同様であろうと思いますが、公的な立場で、公的な場で、政府の政策を公然と批判し、反対するようなことは慎むべきであるというように考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 公的な場とあなたはおっしゃいますけれども、八十七条の二項を見ますと、たとえば「勤務時間外において行う場合」も同じ扱いだということが明確に明記をされています。したがって、職務時間が終わったからといって、いま私が言ったような政府の政策を変えよう、非核三原則はやめて核武装をすべきだというような政策を推進する、あるいはそういう政策をまとめるというようなことに参加するのは、やはり自衛隊法のこの政治的行動の禁止という点から見て問題になるのではないでしょうか。公的な場というばかりではなくて、勤務時間外の私的な行為についても、自衛官についてはわりと厳しい枠組みが決められているというように私は思うのですが、いかがでしょう。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○夏目政府委員 政治的な目的を持って政治的な行動を行うということは、御指摘の政令の八十六条、八十七条の趣旨から見て適当でないというふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 それから、たとえば八十六条の五号でいくと、非核三原則をやめて核武装をしろというような、つまり政府の政策と違う政策で、政策を変えようという目的を持って政策提言をするというような行為も、それに該当するわけでしょう。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○夏目政府委員 ただ、個人的な見解としてそういうふうな、たとえば非核三原則を批判するというようなことがあったとしても、この自衛隊法施行令の八十六条、八十七条には該当しないと思いますが、公然と政治的な目的を持って、あるいは政治的な活動の一環としてそういうことをすれば、問題であろうというふうに思います。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 ここには「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対すること。」ということになっているわけです。  私はきょうは特定の名前を挙げて議論することはいたしません。私が防衛庁長官にお願いしたいのは、最近さまざまな研究会ができています。国防研究会であるとか、戦略研究会であるとか、いろいろな名称の研究会がたくさんできておって、中には政治家が主宰をしているものもありますし、マスコミ関係が中心になってやっているのもあります。そういうところに自衛官のOBであるとか現職自衛官が参加して政策をまとめる、その政策を外部に向かって発表するという行為が行われてきているわけです。これがどんどん進んでいきますと、つまり、軍人は政治に対して物を言ってはいかぬという、戦後の枠組みを外す方向に一歩踏み出しているということが言えるのではないかと思うのです。私は、この外部団体への参加については防衛庁として十分に御研究をされて、枠をはみ出しているようなものについては、政治的行為は禁止するという自衛隊法の規定があるわけでありますから、慎重に検討されて対処を願いたいと思いますが、いかがでしょうか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいまの御提言、一般論としてという前置きでございますので、一般論としては私としても慎重に対処したいと考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 いろいろな外部団体にずいぶん参加しているケースがございますので、防衛庁としてもその辺のところを、いま御検討して対処するということでございましたので、ぜひそういうことで、シビリアンコントロールが守られるように内局の皆さんもひとつしっかりしていただきたいと思う。  では次の質問に移りますが、総理並びに防衛庁長官の訪米の問題について若干お尋ねをしまして、その後でガイドラインの問題に移りたいと思います。  去年あたりから西側の一員ということが大変強調されるようになったわけであります。しかし、先日鈴木総理大臣も、本委員会の議論の中で、西側の一員といっても軍事的な責任は負わないということを明確にしているわけであります。しかし、アメリカがレーガン大統領にかわって、西側の一員ということの意味は何かと言えば、それは西側の対ソ共同防衛だという主張、色彩を大変強くしてきているわけであります。私は、対ソ共同防衛の一員として自衛隊が位置づけられるということになれば、これは先日の総理大臣の答弁とも違いますし、憲法上の大きな問題も発生すると考えます。  外務省にお尋ねしますが、このレーガン大統領が言う対ソ共同防衛の一員という点について、日本としてはどのようにお考えですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 いまお挙げになりました特定の発言について、レーガン大統領が具体的にどういうことを考えているかつまびらかにいま承知しておりませんが、カーター政権のときにもあるいは今回の共和党政権になってからも、アメリカの考え方は、現在の国際情勢にかんがみて、西側諸国が同じ価値観念を持っていろいろな施策を行っていこうということでございまして、仮に対ソ共同防衛という言葉が出てまいりましても、それは、それぞれの国によって果たす役割りはおのずから変わってくるものでございます。要は、現状の認識において、日本として共通の価値観念を有するアメリカとの協調、連帯という基軸に立って外交を推し進めていくことになるかと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 これは公式の外務省の見解だとはされていないのですが、去年の七月二十七日に、安全保障政策企画委員会という外務省内部のグループがまとめて発表されたものがございますね。その中で「グローバルな軍事バランスの観点からみた増強の必要性」ということをおっしゃっているわけです。これは外務省が外に発表されている見解とは非常に異なるものでありますから、一つの考え方を示されたのだろうと思うのですが、その中で「NATO諸国とともにわが国としても広くグローバルな観点から自衛力の増強を図る必要があり、」、軍事的な意味でも完全に、西側の一員というような意味を大変強く打ち出しているわけですね。これはどういうことですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 御指摘のとおり、安全保障に関する外務省の研究委員会というのが昨年一年間作業をいたしまして、その中間報告という形で出した報告をいま引用されたかと思います。  これはまさに外務省の中で安全保障の問題について、従来安全保障の問題については外務省の特定の部局だけが関連してきた問題でございますが、やはり外務省全体として安全保障の問題について何らかの研究をする必要があるということから、この安全保障委員会ができたわけでございまして、その中で述べている点についても、日本の安全保障を考えていく上に、やはり東西の軍事バランスといいますか、安全保障の面での東西の軍事バランスは特に注目して今後の外交政策を推し進めていく必要があるということが、その報告の中に出ているというふうに私は理解しております。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 これがこのとおり外務省の政策だということになればこれは大問題でありますが、いまおっしゃったようなことだということで理解をしておきます。  今回の総理大臣の訪米について、先日外務次官がその訪米についての打ち合わせをしたということが言われているわけですが、その中で、今度の訪米の中でアメリカ側に対して、日本は防衛力の質的向上の青写真を示さなければいけないということで意見が一致して、各省庁間の調整に入ったというように伝えられているわけでありますが、この防衛力質的向上の青写真、アメリカ側に対してどういうことを皆さんの方で提案されるおつもりなんですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 日米首脳会談については五月の七日、八日というふうに予定されております。しかしその際の、首脳会談の議題についてはまだ何ら決まっておりませんが、総理訪問あるいは外務大臣訪米に際して、防衛問題が当然にアメリカ側からも提起されるであろうというふうに私たちは認識しております。  いまおっしゃいました防衛力の青写真という言葉は、次官の発言の中に必ずしもそのままの表現として入っているわけでございませんで、次官あるいは外務省の考え方としては、やはりこの防衛の問題について、従来アメリカ側はどちらかというと数字を挙げて同盟国に迫ってくるということでございましたが、共和党政権の考え方は、防衛問題についてそういう数字の問題を論議するのは不毛の議論である、むしろ防衛の実質について協議していこうということでございますので、今後の日米間の協議の過程で、防衛の実質について討議していくであろうというふうに理解しております。総理の訪米に際して具体的に防衛の中身についてまで議論するというふうにはまだ私たちも判断しておりませんし、ましてや、その防衛の青写真あるいは構図について首脳会談で討議するというふうに考えておりませんが、次官が言われようとした真意としては、恐らく、日米首脳会談に臨むに当たっては、安全保障の面、その中で防衛力についても何らかの哲学というものを持っていく必要があるということを言われたかと思いまして、現在のところ外務省としてその青写真というものを持っているわけではございません。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 どうもそれが、アメリカに行って新しい日本の政策がぽんと出て、帰ってきてから国会で報告、こういうパターンなんですね。そうじゃなくて、もし事前に何か方針なら方針を持たれるならば、やはり、本の国会に説明してから行くべきだというように私は思うのですが、いかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 いま申し上げたのは現在の考え方でございますけれども、首脳会談に臨むに際しては、当然日本側の対応策というものはいろいろ考えなくてはなりませんし、すでに再三申し上げているように、外務省として、日本の安全保障の問題については、自衛力の整備のみならず、日米安保条約の効果的かつ円滑な活用、それから非軍事面における日本の役割りというのがいわゆる三本柱でございまして、防衛力の整備については、その前提として、日本側の持っている平和憲法、非核三原則、専守防衛といういろいろな点がございます。この点についてアメリカ側はすでに理解しておりますが、さらに必要であれば、今後ともその点についてアメリカ側の理解を深めていくということでございますし、現に御指摘になりました点については、今後国会答弁その他を通じて、日本側の首脳会談に臨む考え方というものは必要に応じて順次明らかにされていくものと考えておりまして、アメリカ側から言われたから日本側としてこうするということでなくて、やはり日本側としてできるものとできないものというものを、会談に臨むに当たって、心構えとして持っていくという必要については私も同感でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 従来の国会答弁どおりアメリカへ行って話をするならいいんですね。その枠を超えて話をしてきて、しかもそれが、予算を拘束するのかしないのか、どうもあいまいなようなことまでお約束をされてくるから問題になるわけでありまして、そこのところはひとつしっかり事前に国会に報告をしてから行っていただきたいというように思います。  防衛庁長官もアメリカに行かれるのですか。これは行ってどういう話をされるのですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 まず、防衛庁の防衛に関する基本的な考え方は、しばしば申し上げましたとおり、国民の国を守る気概をもととして、必要最小限の防衛力をみずからの手で整備することと、日米安保条約を堅持しながら進めること、この二つを日本の大きな柱といたしているわけでございます。  安保条約の運営に当たりましては、毎年一回わが国の防衛庁長官と国防長官とが定期協議をするということになって、毎年行われているわけでございます。昨年は先方から参りましたので、ことしはこちらから出向く番になっているわけでございます。そこで、私といたしましては、通常国会が終了しまして、先方の都合がつけば、できるだけ早い時期に参りまして、日米間の協議をすることをいたしたらどうかということを考えているわけでございますが、まだ国会の途上でございますので、先方に対してそういう連絡とか、準備にかかっていることはございません。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 ガイドラインの問題をお尋ねしたいと思いますが、主として海上作戦のところをお尋ねしたいのです。  その前に、防衛協力のガイドラインに基づく共同作戦計画等の研究作業ですね。これはいわば防衛庁長官の指示に基づいて行われている。スタッフがどうだというような問いに対しては、スタッフは特定できないんだ、これは適時かわってずっとやっていくんだ、こういうことなんです。  じゃ、シビリアンコントロールというのは、一体その場所に対してどういうぐあいに働いているのかということをお尋ねをしたいのですけれども、これに対するチェックというのはどういう形でやっているのですか。しかもどういう観点からチェックを行っているのですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 まず、前提といたしまして、ガイドラインそのものは御承知のような経過ででき上がりました。それはむしろ制服が入らない形で決めまして、それをもとにしまして、それをさらに研究していくという段階で制服の作業にゆだねているということでございますので、基本的にガイドラインの線内であるということがまず第一点。  それから、長官の指示によりまして現在制服同士で研究しておるわけでございますが、指示の中にも、必要に応じ内局、具体的に言えば主として防衛局になると思いますけれども、内局との連絡調整をよくとるようにということを長官指示の中でも言っておりまして、私どもが必要に応じて内容に関与しておる、こういうことでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 その関与しているというのはどういう観点からやるのですか。憲法の上から見てこれはちょっと問題があるとか、法律の上から見て問題があるとかいうようなチェックの仕方をしているのですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 憲法の上からのことは当然でございますが、そういうことはガイドラインの前提に書いてございまして、三つの前提、すなわち憲法の関係あるいは非核三原則の関係、事前協議の関係、こういうことについては協議しないということが前提にはっきりしております。それは、そのガイドラインの中でやる作業でございますから、当然その点はチェックすべきものである、それから現行法令のたてまえの中でやる、相互に両国政府を拘束しないということからいいましても、そういう観点からのチェックも当然行われるべきものであるというふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 内局の方に対して報告があって、その報告を受けて、憲法や法律に関する違反事項がないかどうかというのをチェックするということですね。それで、これはまとまった場合、国会に対してはどういう関係になるんですか。報告があるんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 日米の協力につきましてガイドラインをつくりましたときに、ガイドラインそのものが日米協力についての具体的な構想なりその具体的な考え方を示しておるものでございまして、そういう意味では公表しておるわけでございますが、それから先の具体的な作戦計画なりそういった協議事項につきましては、内容を公表することは差し控えさせていただきたいというふうに考えておるわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 つまりそこが大変大きな問題のところでありまして、われわれは何にも知らされないで、ミリタリーレベルの研究といいますか、実際の実戦に対する対応措置がとられていくというところが大きな問題なんでありますが、これはこれから時間をかけていろいろ議論していきたいと思います。  そこで、「作戦構想」のところなんですが、一つは、共同作戦について日本はアメリカ側に防衛をしてもらうというメリットがある。アメリカの方の期待というのは一体何かということなんですが、八一年の国防報告の中で、これは有名なところですが、同盟国は太平洋へのオホーツク海、日本海からの主要な出口を閉鎖できるというくだりがあるわけです。いままでのアメリカのいろんな委員会における証言だとか軍事情勢報告などを見てみますと、アメリカの日本に対する期待というのはやはり三海峡閉鎖あるいは対潜作戦というのが中心になっているように私は思うんですが、それはいかがですか。このガイドラインの作業の中でどういう感じだったですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 ガイドラインの作業におきましては、御承知のように、ガイドラインのIII項は別ですけれども、II項について言いますと、安保五条の事態が発生した場合、つまり日本が攻撃を受けた場合の日米共同対処ということでございまして、あくまでもその範囲内のことでございますから、アメリカの立場からのいろんな希望ということは、それはあるのかもしれませんけれども、われわれのいまやっております作業は、あくまでも日本が攻撃された場合の共同対処についての作業でおる、このように御理解いただきたいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 私はどうもそうじゃないように思うのです。このガイドラインの「海上作戦」のところに「海上自衛隊及び米海軍は、周辺海域の防衛のための海上作戦及び海上交通の保護のための海上作戦を共同して実施する。」大きく言って二つに分けているわけですね。この「海上交通の保護のための海上作戦」というのは、日本の場合はどういう方法で行うんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 「海上交通の保護」と言います場合に、いわゆる内航と外航とあると思いますけれども、わが国周辺のいわゆる内航の海上保護ということになりますと、これは飛行機もあるいは艦艇もすべてのものが使われるわけでございますが、外航につきましては、いわゆる護衛艦隊の海上護衛ということが具体的には考えられます。内航につきましては、いわゆる重要港湾の保護とかあるいは海峡の保護とかそういうことも含めた概念でございますので、そういった作戦面も出てくるというふうに考えられるわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 そうすると、外航はいわば船団護衛方式である。これはいわゆる航路帯というものですね日それから内航の方は間接護衛方式で、主に海峡や重要港湾を中心として行うということですね。よろしいですかな。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 具体的なやり方としましては、外航の場合も必ずしも船団護衛という形をとるかどうか、これはいろんなケースがあり得ると思います。必ずしも昔のような意味で船団を組んでそれを護衛していくという形ばかりではないというふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 五十六年度の予算で、大型の護衛艦でああとか潜水艦であるとかずいぶん高いものをつくることになるわけなんですが、その海上交通路の保護といった場合に一定の目標というのはあるんですか。たとえば、よく有事を想定した最低の輸入量、原油であるとか食糧であるとかいうものを計算して、したがってこれだけの船が必要で、その船を守るためにこれだけの自衛力が必要だというような議論というのがあるわけですけれども、そこは防衛庁として何かそういうような作業を行って決めているのか。もし作業を行っているとするならば、一体どういう輸入量を確保するということを目標として行っているのかですね。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いま御指摘の作業といたしましては、防衛庁として行ったというわけではございませんけれども、古い時期でございますが、昭和五十年、五十一年当時に海幕の担当部局で作業を行ったものは一応持っております。  ごく概略を申し上げますと、大体年間六億トン程度の物資が現在日本に入ってきておる、それを有事の場合に最低限としてはどれだけ必要かということを、海幕なりの一応の算定をいたしまして一億九千万トン前後であろういうふうに見積もって、それを運ぶためにはどれだけの船舶が毎月わが国に入ってこなければいけない……(横路分科員「どのくらい」と呼ぶ)大体タンカーで四、五十隻、タンカー以外の貨物船で三百隻ないし三百四、五十隻、合わせまして三百五十ないし四百隻の船が毎月入ってくるという状態で大体一億九千万トン前後のものが入ってくる。そうすれば、国民生活の最低限でございますけれども維持できるであろうというような一応のラフな算定をしたものはございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 その一億九千万トンというのは内容はどうなっているのです。一番大事なエネルギーと食糧についてはどういう計算になっていますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 先ほど申し上げました担当部局の一応の計算でございますけれども、人口一億二千二百万とした算定でございますが、昭和六十年で原油を八千四百万トン、鉄鉱石を三千九百万トン、食糧を二千三百万ないし二千八百万トンといったものを中心に考えておるわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 その食糧でいうと、カロリーは何カロリーぐらいになりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 これは、先ほど申し上げました五十年当時の作業で、四十八年当時の厚生省の発表いたしました国民の栄養に関する統計がございまして、それで最低は二千百カロリーということを言われておりますので、それを一応のめどにしておるということでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 その場合、そういう船を守る、守るというかその方式というのはどういう方式になるのですか。何隻かまとめてやるんですか。そのためにどれだけの船が必要である、艦艇が必要であるというその計算の仕組みをちょっと御説明ください。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 まずお断りしておきますけれども、いまの作業がたとえば「防衛計画の大綱」で約六十隻という護衛艦の数を決めた作業と直接結びついておりませんので、その点はちょっとあらかじめお断りしておきます。  いまお尋ねの点は、毎月四百隻の船が入ってくる必要があるとしますと、一応計算上考えられることは、一個護衛隊群八隻でございますが、それで一応護衛ができる一つのめどといいますか限度といいますか、それは五十隻ぐらいの船団であろう。そうしますと、毎月八船団入ってこなければいけない、こういうことに計算上なるわけであります。それをいまの四つの護衛隊群で月に二回往復すればぎりぎりの護衛ができるという計算上の数値が出てくるわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 それはいわゆる南東、南西航路、二つの航路帯についてですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いま申し上げましたことは具体的にどの航路ということでなくて、抽象的に考えた数字の上での話でございますが、かねてから申し上げておりますように、わが国の海上自衛力の整備の目標としまして、航路帯を設けた場合には一応約一千海里程度ということを考えておりますので、一千海里程度を月に何往復できるかということで、いま申し上げましたように、一個護衛隊群が一往復できるであろうというふうなことを申し上げたわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 いまの資料を提出してもらえませんか。こんなに高い護衛艦、今度の場合ですと一隻六百億ぐらいでしょう。装備をつけると大変高いものになるわけですね。こういう買い物をするからにはそれなりの説明をちゃんとしなければいかぬと思うのですね。それは五十年当時やった計算であって、それとは別に今年度の予算要求が出ておるというのは、本来は筋の通らぬ話なのですね。しかし、そういう計算をやって五十六年度予算の数字を出してきているのではないようでございますからそれはいいとして、いまの計算されたものを国会の方に提出していただきたいと思います。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 最初にお断りしましたように、防衛庁としての作業でないということ、それから、いま申し上げました担当部局がやったわけですけれども、いろいろな仮定がございまして、必ずしも実態に合うかどうかということについて十分詰めたものではございませんが、そういうことをお含みの上で、よろしければ提出は可能であるというふうに思います。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 ガイドラインの方に戻りまして、「海上交通の保護」のほかにもう一つ 「周辺海域の防衛」というのがありますね。さらに、重要港湾、海峡防備、それから周辺海域における対潜作戦、船舶の保護、その他の作戦というのがありますが、この「その他の作戦」というのは何ですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 一応いま挙げましたようなことを挙げて、いわゆるその他にもいろいろあるという趣旨で書いておると思いますが、強いて挙げれば、対機雷作戦なんかは含まれると思います。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 これを見ると、「周辺海域の防衛のための海上作戦」というのは、その次の後段を見て、私がいま言ったように重要港湾、海峡防備、それから周辺海域における対潜作戦ということで大体理解してよろしいのですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 そのように理解していただいてよろしいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 つまりそこに自衛隊と米軍との食い違いが出ているのですよ。防衛白書によりますと、海上自衛隊の任務というのは主として二つある。一つは海上交通路の保護という問題、それからもう一つはいわゆる侵攻する勢力に対する上着陸阻止といいますか、それを海上において行うという二つの重要な任務を持っているということで従来から説明されてきているわけです。  ところが、このガイドラインを見ますと、周辺海域においては対潜作戦だけになっているのですね。そして、防衛白書で言うきわめて重要な上着陸阻止という点が全く抜けてしまっている。つまりそのことは、米軍は、日本の本土に対する上着陸作戦というのはあり得ない、これは前から言っていることですね、したがって、三海峡閉鎖と対潜作戦なんだ、こういう説明をずっとしてきたことをこの「海上作戦」のここの規定というのは裏づけているのじゃないでしょうか。     〔主査退席、池田(行)主査代理着席〕

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 御指摘のように文言ではそうなっておりますけれども、その趣旨は日本の周辺海域の防護ということでございまして、もし上着陸作戦等がございました場合に、それに対して防護作戦をとることは、これは私ども当然その任務の一つであると考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 その任務の一つというのはわかるのだけれども、この重要なガイドラインの中にそこが全く落ちている。その落ちているということは何かと言えば、アメリカ側の戦略と日本側の戦略の食い違いというのがここにあらわれてきたのじゃないか。たとえば「陸上作戦」のところを見ますと、「必要に応じ来援し、」ということになっていますね。それが海上、航空の場合はないわけです。そして海上のところでは、さらにいき言った上着陸阻止という項目が落ちているというところに、実は全体の流れとしてはアメリカ側の作戦というものが表に出てきているのじゃないか。それを日本の自衛隊が受け入れたというのがまさにここの陸海空の共同作戦のところの作戦構想じゃないのですか。  だから、その一番きわめて重要な、防衛庁がきわめて重要だと言っている、防衛白書の中で海上自衛隊の二つの任務として、一つは海上交通路の保護、もう一つは上着陸侵攻阻止と言っているその阻止の点が海上自衛隊の中の作戦構想から落ちているということは、つまり本土に対する直接侵攻というのは余り考えていないということでこれがつくられているのだというように思うのですが、防衛庁長官、いかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いまお読みいただきました「海上作戦」のところの「周辺海域の防衛のための海上作戦及び海上交通の保護のための海上作戦」この二つが大きな目的でございまして、前段の「周辺海域の防衛のための海上作戦」というのは、後段でいろいろ機能面が書いてございますけれども、当然、いま私が申し上げた対上着陸作戦に対する反撃ということも含まれているというふうに私どもは理解しておるわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 だから、この「海上作戦」のところは、初めは「周辺海域の防衛のための海上作戦」それから「海上交通の保護のための海上作戦」というぐあいに二つに分けて、あと海上自衛隊と米軍との任務分担をしていますね。その機能分担のときに、海上自衛隊の場合は重要港湾、海峡防備、それから「周辺海域における対潜作戦、船舶の保護」ということになっているわけですね。だから、自衛隊法で言う自衛隊の一番大きな任務のところがすぽっとこの中では落ちているということを私は指摘したいと思うのです。  では、その落ちているということがどういう形になっているかというところが問題なのですが、この「周辺海域における対潜作戦、」つまり海上船舶保護のための作戦と別に「周辺海域における対潜作戦、」というのを挙げていますね。この「周辺海域」というのは日本海やオホーツク海も含むのでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 文字どおり日本の周辺すべてを考えておるわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 日本の海上自衛隊の装備、艦艇、航空機の武装や装備を見てみますと、もうほぼ九割以上対潜作戦に主力が置かれているということは従来から指摘のあるとおりですし、海上自衛隊が持っている航空機なんか見ても、もうもっぱら主として対潜関係だということは言えるわけで、その装備や何かから見ても、余り日本の本土に対する直接上陸侵攻というのはないだろうというように見ている海上自衛隊の考え方というのがよくわかるわけであります。  そこで、一つお尋ねしたいと思うのですが、極東ソ連の海軍なんですが、これをSSBMとSSB、いわば戦略的な弾道ミサイルを搭載している原潜、それからSSGNとSSG、巡航ミサイルなど搭載している攻撃艦、それからSSNとSS、これに分けて、大体何隻ずついるのか、それをひとつお答えいただきたいと思います。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 極東ソ連軍の原子力潜水艦の内訳は……(横路分科員「原潜ばかりじゃなくて、その両方を含めて」と呼ぶ)潜水艦の内訳は未確認でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 戦略的な任務を負っている潜水艦は大体どの程度いるのですか、全体がいま百三十ですか、百三十のうちどのくらいですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 公刊されております資料にはいろいろな数字がございますけれども、防衛庁といたしましては、この内訳の数字は未確認になっております。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 内訳が未確認でトータルがわかるというのは、これはどういうことなんですか、御説明ください。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 防衛庁が公表しております資料の内容につきましては、どういう方法によって確認したか、あるいはどういう方法によって分類したか、それを申し上げることによりまして、情報収集手段あるいは確認の手法等が明らかになる場合がございますので、ある程度の概数をもってお許しいただくことになっておりまして、いまのところ全体の数以外は公表しておりません。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 いや、その全体の数字も防衛庁の数字は大分水増しがあるという話もありますけれども、ちょっとその中身、大体わからないの、戦略的な任務を負っている潜水艦、大体どのくらいとか、それがないと、ちょっとこれから先の議論が進んでいかないんだな。その戦略原潜を守るための機能を持っている潜水艦というのはどのぐらいあるか、沿岸防衛の潜水艦はどのくらいとか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 極東ソ連の潜水艦、これは昨年の一月現在でございますけれども、真二十隻のうち原子力推進の潜水艦は六十隻、それ以外の種類別の内容は未確認でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 それは防衛庁長官、どうしても出せないの。つまり海上交通路の保護というところに日本の場合重点を置いているという従来の説明でしょう。じゃ、一体その対象となる潜水艦というのはどのくらいあるのか。つまり極東ソ連軍といったって、いろいろな機能を持っておりまして、アメリカに対する攻撃を主とする戦略的な原子力潜水艦、その潜水艦を防衛するための潜水艦、それからアメリカの戦略的な原子力潜水艦を攻撃する部隊であるとか、その攻撃から守る部隊であるとか、日本海、オホーツク海の沿岸を守る部隊であるとか、いろいろな機能があるわけでしょう。そういう機能の中に皆さんが一番問題にしておるシーレーンに対する攻撃という機能を持っている潜水艦というのもいるんだという従来の説明なんでしょう。では、それがどのぐらいいるのかということを、いまの答弁では、知っているけれども言えないというわけなんですね。知っているけれども言えない、それとも知らないのですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いまのお尋ねは、結局いわば対日指向兵力をどのくらいと見ておるかということになりますので、それは公表を控えさせていただきたいというふうに思うわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 そんなことを言われて、こんなにたくさんの予算を五十六年度予算で計上して納得しろといったって納得しようがないですよ、それは。  これはちょっと委員長、諮ってください。そんな内訳ぐらいいいじゃないか、公表するのは。

池田行彦自由民主党

○池田(行)主査代理 それはどうですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 潜水艦の種別につきましては、これを確認する方法が多岐にわたりまして、それで本当に水上を浮揚してこれが明らかな形である場合は確認できるわけでございますけれども、そうでない場合は種々のいろいろな方法がございまして、そのはっきりした数字を出すということ自体がわが方の情報探知能力に影響するということでございます。ただ、先生の御質問でごく大体の感じということでございますのならば、これは必ずしも防衛庁が確認する意味ではございませんけれども、たとえばコリンズ報告の場合は、潜水艦は百十と見積もっておりますけれども、このうちの戦略任務の潜水艦が三十、それから攻撃任務の潜水艦が八十というふうになっております。このコリンズ報告の数字自身かなり不正確なところがございますけれども、先生がおっしゃる大体の概数、つまり半分以上かとかそういうような程度の把握の仕方でございましたら、一つの参考になるかと存じます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 海上交通路の保護と別に「周辺海域における対潜作戦」というふうに、周辺海域に対する作戦ということを周辺海域に対する対潜作戦と、つまり海上交通路を守るための対潜作戦じゃなくて、周辺海域のための対潜作戦というのをわざわざ分けてこのガイドラインの中に記述をしたというのは、主としてアメリカが期待している、つまりソビエトの戦略的な原子力潜水艦に対する対潜作戦の任務を日本の自衛隊に持ってくれということじゃないんですか。オホーツク海や日本海における活動の中心は日本の海上自衛隊がやるということになるんじゃないですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 その点は、先ほど御指摘の「周辺海域の防衛のための海上作戦及び海上交通の保護のための海上作戦」というの世作戦の考え方を二つに分けて言っておるわけですが、いまの周辺の対潜作戦、船舶の保護のための作戦、重要港湾、海峡防備のための作戦というのを、それをさらに機能的に見た面からとらえて表現しておるわけでございまして、特段変わったことを言っておるわけではない、その作戦の態様をさらに機能的に言ったということでございまして、特段、いま先生がお話しのような趣旨のことで対潜作戦ということが特に取り上げられておるというわけではございません。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 しかし、皆さんが従来から言ってきた対潜作戦の中身というのは、海上交通路を保護するという意味での対潜作戦じゃないですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 海上交通路の保護には当然対潜作戦を伴います。それは内航であろうと外航であろうと、当然対潜作戦は伴うわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 だから、従来から日本の海上自衛隊が置いていた対潜作戦機能というのは、海上交通路を保護するということだったわけでしょう。それに対してアメリカの方からクレームが来ているわけでしょう。そんなこと、海上交通路を守るといったって守れないのだ、むしろソビエトの戦略原潜を中心としたそういう勢力に対して対潜作戦を強化してくれという、それがP3Cの提供になっているんじゃないですか。今度皆さん方が、P3Cは来年度予算ですか、たくさん買うことになった経過というのは、そこにあるんじゃないですか。  アメリカの例の有名なナン報告と言われるものの中にも、日本の海上自衛隊の対潜作戦というのは船舶輸送を考えているけれども、そんなのは問題じゃないということを言って、むしろオホーツク海、日本海という太平洋に出てくる前の段階で海上自衛隊というのはその機能を持つべきだという主張がありますね。そういうことがこの海上作戦の表現になっているんじゃないですか。——岡崎さんの分野なのかな。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 ソ連の戦略潜水艦の展開の一般的な戦略から申し上げまして、必ずしも日本周辺に集中しているということはございませんで、むしろ従来の潜水艦はカムチャッカから東太平洋に向けて広く展開している。特にまた、最近SLBMの射程が延びたために、日本近海からという話もございますけれども、他方、本年の国防報告でも、ソ連の原子力潜水艦によるアメリカへの核攻撃、これはICBMと違いまして非常に短い時間でアメリカ本土に到達する、そこに利点があるというふうに書いてございますので、むしろかなり遠く外洋に出てからの攻撃ということが戦略的に重要であるようでございます。という意味で、日本周辺のソ連の原子力潜水艦の展開というものは、必ずしも戦略潜水艦が中心であるというふうには判断しておりません。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 時間が来てしまったのでちょっと残念なんですが、どうもアメリカ側の期待というのは、やはり海峡閉鎖と、対潜作戦の中身も、海上交通路じゃなくて、ソビエトの特に戦略原潜に中心を置いて発見し、それを攻撃するということに対する期待が大変強いというのが、いままで公表された資料ではっきりしているわけで、どうもこの「海上作戦」の項目を読んでみると、私がいま言ったような疑問というものが浮かんでくるわけです。  防衛庁長官、そういうことになりますと、今度P3Cを大変たくさん買うわけでしょう、そしてそういうことをずっとかなり事前の段階から共同でやるということになりますと、これは本当に核戦争の真っただ中に日本が突っ込むということになりますよ。その機能を分担するということになりますよ、日本側も。日本側もいわゆる核戦争の任務を受け持つということになりますよ。ソビエトの方の戦略原潜というのはもちろん核なわけでありますから、それを発見して攻撃するという能力を日本が持つということになりますと、しかもそのことがアメリカの戦略の中で位置づけられるということになりますと、これは大変なことですよ。防衛庁長官、そういう認識はあるのですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいまお尋ねの点につきましては、私といたしましても、いま政府委員が御答弁したとおりに理解しているわけでございまして、先生の言われるような巻き込まれるおそれはないものと考えているわけでございます。  また、現在進めております艦艇の整備あるいは航空機の整備、これは現在の「防衛計画の大綱」の範囲内で進めているものでございまして、私もこれを守っていきたい、さように考えているわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路分科員 これでやめますが、ガイドラインというのは内容を読めば読むほど大変上手にというか巧みにというか、できておりまして、ちょうどグラマンで吹っ飛んだ国会で多分議論が少ないんじゃないかと思いますが、国会としては大変大きなミステークをしたんじゃないかという気が、いまになって読み返してみると大変強くするわけですが、皆さん方のシビリアンコントロールを憲法、法律という枠の中でひとつ大いに発揮をしていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

池田行彦自由民主党

○池田(行)主査代理 以上で横路孝弘君の質疑は終了いたしました。  次に、栂野泰二君。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 いま鳥取県の米子空港それから美保基地の民間航空のジェット化と滑走路を五百メートル延長するということが問題になっておりますが、その点についてお伺いをいたします。  これはもう再三国会その他で確認していることでございますが、民間航空のジェット化については島根県側、つまり島根県と関係の二市三町、この了解がなければ絶対にやらない、こういうことになっているのですが、現在でもそのとおり確認してよろしゅうございますか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 お答えします。  ただいま美保基地の滑走路の延長問題についてお尋ねがございましたが、美保飛行場につきましては、先生御承知のとおり、運輸省が第三次空港整備五カ年計画により民航ジェット化のための滑走路の延長を計画していることは、防衛庁としましても承知しているところでございます。  そこで防衛庁といたしましては、本件に関しましては、従来島根県と当庁との間で合意された方針には変更がないと考えております。したがいまして、所管省である運輸省から具体的に協議があった場合には、同省と島根県を含む関係地方自治体との調整が下することを前提に、これに協力してまいりたい、そういう考えでございます。変わりはないという趣旨でございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 運輸省、いかがですか。

平井磨磋夫運輸省航空局飛行場部計画課長

○平井説明員 美保の飛行場につきましては、ただいま防衛庁長官からの御答弁にございましたように、暫定的にジェットを入れる計画、それから滑走路を二千メートルに延長する計画がございますが、この飛行場が島根県と鳥取県の県境にございます関係で、両県の間でただいまいろいろと調整をいたしていただいている次第でございます。島根県側の同意をも得ましてこれを実施いたしたい、このように考えております。(栂野分科員「同意を得なければしないかどうかを言ってください」と呼ぶ)同意を得た上で実施をいたしたいと考えております。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 お答え、簡単で結構ですから。  もう一つ。とりあえずは千五百メートルのいまの滑走路のままでグルービングをしてジェット機が飛ばせるんだけれども、将来的に二千メートルなければならない。したがって、五百メートルの延長の見込みが具体的にない限りは、千五百メートルのままグルービングで飛ばすということもしないという、これも従来の経過からそうなっているのですが、この点確認してよろしいですか、運輸省。

平井磨磋夫運輸省航空局飛行場部計画課長

○平井説明員 ジェット化それから滑走路の延長含めまして、いろいろ御相談をさせていただいて、同意を得てやりたいと考えておる次第でございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 そこで、いま島根県側との折衝状況はどういうふうになっていますか。

平井磨磋夫運輸省航空局飛行場部計画課長

○平井説明員 私どものお聞きしておるところによりますと、昨年の九月以来両県の間でいろいろと調整が行われておるようでございまして、特に問題が大きくなっておりますのは県境の問題だそうでございます。すなわち島根県と鳥取県の県境がちょうどあの飛行場の沖合いにあるわけでございますが、これが確定していないという長年の懸案があるようでございまして、その点がはっきりしませんと、埋め立てを前提とした滑走路の延長の同意がなかなかできない、このようなことがあるようでございまして、その点が一番の問題になっておるというように聞いております。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 いまそういう状況であるにもかかわらず、五十六年度予算に千五百メートルのままで民航機を飛ばすグルービングの予算が計上されております。こういうことをされますと、いまお話があったように島根県側にとっては県境が未確定、騒音がどうなってくるのか、中海の水質がどう変化するのか等々いろいろ問題がある。そう簡単に片づかない問題ばかりですが、予算が計上されると、何とかこの年度内に決着をしてくれという、こういう工作が非常に強くなってくる。これは島根にとっては非常に困る問題ですが、どうして島根県側が完全に了解してから後、予算計上するという措置をとらなかったのですか。

平井磨磋夫運輸省航空局飛行場部計画課長

○平井説明員 米子飛行場の滑走路の延長問題と申しますのは、ただいま行っております第三次の空港整備五カ年計画におきまして、二千メートルに延長するという内容が盛り込まれておるわけでございますが、残念ながらこれがいろんな調整のおくれのために今日に至っておる。しかし一方、その米子飛行場におきますところの需要というものは非常に旺盛なものがございますし、将来の需要の増加というものも非常に大きく予想されるということがございます。それから、地元の県、これは鳥取県側になるわけでございますが、県や関係の市におきまして、一刻も早く滑走路をかさ上げグルービングでもして、暫定的にも小型のジェットを入れてほしいという要望も非常に強いということもございますので一応この予算の手当てをいたしまして、早急に話し合いをしていただいて問題を解決して、実施をいたしたいというふうに考えた次第でございます。当然、予算の執行につきましては、両県の調整の模様を見まして、島根県側の同意を得てやりたい、このように考えておるわけでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 大変島根側を無視したやり方だというふうに私は考えておりますが……。  ところで、運輸省からもらいました資料によりますと、この騒音の関係ですが、現在と、ジェット機が飛んだ場合、それから将来仮に二千メートルに延長になった場合には今度は小型ジェット機だけではなく中型ジェット機も入るように書いてあるのですが、それでもなおかつ騒音の度合いは全く——全くということはないが、ほとんど変わらない。コンターでいきますと、七十WECPNLの線は島根側には全くかかってこない、こういうことは私は考えられないのですが、一体これはどういう根拠でこんな資料をつくったのか、お聞かせ願いたい。

平井磨磋夫運輸省航空局飛行場部計画課長

○平井説明員 ただいま御指摘のございました騒音コンターでございますが、お手元にお持ちかと思いますけれども、暫定的にジェットを飛ばした場合と、将来滑走路が二千メートルになりました場合に中型ジェットまでが入った場合とは明らかに図上でも大きさが大きくなっておる、違うようになっておると思うわけでございます。横方向につきましてはそれほどの差はございませんが、海上における姿、形をごらんいただきますと、かなり七十あるいは七十五の線の伸びが出ておるというふうに考えておる次第でございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 時間がありませんから急ぎますが、いずれにしてもこれは大変ずさんなコンターでして、もっときちんとしたものをつくってもらわなければ困ります。  そこで、この延長工事ですが、仮に島根側が了解した場合、これはいつごろから工事に着工して、幾らぐらいかかって、いつごろ終わるのか、工事の主体は運輸省なのか、それとも防衛庁なのか、また滑走路の延長工事が完了した場合にその管理は運輸省ではなくて防衛庁なのか。もし防衛庁になるとしますと、民間航空がジェット化になって、いま防衛庁のC1が飛んでいるわけですが、これに加わるわけですから騒音は倍加される。そうしますと、その騒音公害による補償というようなものは運輸省は全く関係なくて防衛庁一本になるのか、そこら辺をお答えいただきたい。

平井磨磋夫運輸省航空局飛行場部計画課長

○平井説明員 滑走路の延長工事につきましては、ただいま第四次空港整備五カ年計画の中身といたしまして検討中でございまして、いつ着手するか、何年に完成するかということは、いまのところまだ決まっておりません。ただ、滑走路延長工事にかかりますと、事業が順調に進めば約五年程度で完成するのではないかと考えております。  それから、工事費につきましては、約七十億円でございます。  それから、工事の実施でございますが、滑走路延長というふうな飛行場の外におきます民間航空独自の必要によります工事につきましては、運輸省がこれを実施する予定でございます。  それから、これが完成しました暁でございますが、滑走路のように一元的に管理をするような施設につきましては、防衛庁にこれを所管がえすることになると思います。  それから、航空機の騒音にかかわります環境対策につきましては、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に基づきまして、民間航空の飛行機も自衛隊の航空機とみなして防衛庁の方において対処していただくということになるわけでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 次に、今度の予算でC130ハーキュリーズの購入が出てきておりますが、この時点でC1からC130に切りかえた理由は一体どういうことなのか、その点をまずお答えを願いたいと思います。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 航空自衛隊の輸送機部隊の整備につきまして、かねてから中期業務見積もりの中でどういうふうに位置づけしていくか研究しておったわけでございますが、三十六機体制ということを一応考えました中で、全部C1の部隊でいくのか、他の機種等をミックスして輸送力の増強を図るという形でいくか、検討しておりました結果、結論としまして私ども三十六機のうち二十四機をC1、十二機をC130というミックスした形でいきたいという結論を得たわけであります。  そのねらいは、航空自衛隊の輸送機部隊の輸送能力のアップということでございます。したがいまして、C1からC130に切りかえたというよりも、二つの機種をもってミックスした形で運用していきたいということにねらいがあるわけでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 C130導入というのは最近になって出てきた問題ですね。いき言われたような、ただ輸送能力をアップするということで、私にはちょっと納得できない。C1が開発になったのは昭和四十一年ですね。このときにすでにC130というのはロッキード社が輸出用として製作していましたね。だからこのときにもC1を採用すべきかC130を採用すべきかいろいろ議論があったはずであります。その比較検討の結果、しかもC1は国産だということでC1採用に踏み切ったという経緯がある。C1がなぜC130よりもいいかという理由についてはいろいろ挙げられておりますが、時間がありませんから詳しく申しませんが、私が五十三年二月当時に、この美保基地のC1ジェットの導入問題があったときにも、手元にもらった資料でも、C1というのは大変すぐれた性能を持っておる、自衛隊に向いているということがいろいろ書かれているわけであります。中期業務見積もりの当初にもC130Hというのは全然出てこない。せっかく国産のC1、しかも莫大な開発費をかけてつくっている。それをなぜここに至ってC130に切りかえなければならないのか、いき言われた理由ではどうも納得しがたい。性能を見てみますと、C130は確かに足が長い。C1の三倍ありますね。ここら辺がC130に切りかえた理由なのかどうか、それが非常にウエートが高いのか、その点をお伺いしましょう。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 御指摘のように航続距離が長いということも一つの着眼点であります。と申しますのは、御指摘のように三倍近くあるわけでございますから、国内の遠い基地、たとえば硫黄島なんかを考えました場合には、いまのC1では運用上かなり困難がありますが、C130ならばそういった点は、あるいはピストン往復というようなことを考えた場合にも距離の長い方がよろしいということもございますが、それ以外にも搭載能力といいますか、ペイロードが大きいということも一つの重要な着眼点でございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 C1とC130のペイロードの比較もC1採用の当時十分検討されたはずですね。航続距離もしかりであります。特に航続距離の問題については、余り足が長い輸送機は専守防衛のたてまえ上ぐあいが悪いということで、C1を採用して、しかもC1についても航続距離性能を抑えて生産した、こういう経緯があるじゃありませんか。そういう経過があるのに、いま硫黄島云々とおっしゃいましたけれども、なぜそう安易に足が長い方がいいということをおっしゃるのか、その辺説明してください。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 当時、航続距離が長いことが専守防衛の趣旨に反するというような御議論はなかったように私は思います。といいますのは、これは輸送機でございまして、輸送機という性格上そういう議論はなかったのではないかと思いますけれども、いずれにしましてもC130を今回選びました趣旨は、先ほど航空自衛隊の輸送能力のアップと申し上げましたが、実際問題といたしまして、いわゆるORいたしましたことは、たとえば陸上自衛隊の空挺部隊をある期間輸送するという場合に、どれだけの輸送能力が要るか、あるいは航空自衛隊の戦闘航空団が急速展開する場合に、戦闘機そのものは自分で飛んでいくわけですけれども、あとのいろいろな後続部隊を輸送するその輸送能力を緊急に発揮する場合にはどれだけのものが要るかというORをいたしまして、その結果、先ほど申し上げましたようにC1とC130のミックスした形で運用することが望ましいという結論を得たわけであります。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 C130は滑走路が二千メートルなければ飛べませんね。C1は千五百で十分。そうしますと、現在美保基地にC1が入っていますが、将来二千メートルになったらC130ハーキュリーズの導入が可能になってくるわけですね。C130があと十二機入れられるわけでしょう。どこにどう配備される予定ですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 具体的な配備計画まで現在決めておりません。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 自衛隊の機雷敷設能力についてまず伺いますが、これはいまどうなっていますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 機雷敷設の場合は三種類考えられるわけでございます。一つは水上艦艇、これは機雷敷設を専門にする機雷敷設艦というのがございます。それから、掃海母艦もそれに使えます。それから、量はうんと少なくなりますけれども、潜水艦による機雷敷設ということも考えられます。それから、航空機による機雷敷設ということも考えられます。  以上、三つの手段による機雷敷設ということが考えられるわけであります。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 時間がありませんから先を急ぎますが、要するに艦艇による機雷敷設能力が非常に少ない。私の調べたところでは、C1は千ポンドあるいは二千ポンド機雷でも八発しか積めない、C130は千ポンドだと三十二発、二千ポンド機雷だと十六発積める、こういうことのようですが、そのとおりでよろしゅうございますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 C130の場合二千ポンド級で十個ないし二十個ということでございます。C1は、いま御指摘のように七個ないし八個ということでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 C1からC130に変えたという主たるねらいは、C130の方が機雷敷設能力が圧倒的に大きい、こういうことじゃないのですか。大体C130の導入というのは、二年ぐらい前は航空自衛隊ではなくて海上自衛隊で検討していたはずですね。それは、海上自衛隊ではC130は輸送機としてではなくて機雷敷設用の飛行機ということで検討していたのでしょう。そういう経過はありませんか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 そういう意見があったように私も承知しておりますが、C130の今回の導入は先ほど申し上げましたORを実施いたしました結果の結論でございまして、直接機雷の敷設を考慮したものではございません。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 いまはそういうお答えしか返ってこないのでしょうが、あと数分しかありませんけれども、三海峡の封鎖作戦についてお尋ねをいたします。  三海峡の封鎖というのは、一言で言えばソ連の極東艦隊を日本海に閉じ込めて太平洋に出させないようにする、こういう理解でよろしいのでしょう。いかがですか、長官。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 海峡封鎖作戦は、もしわが国に侵攻があった場合に、その侵攻しておる国の艦艇に対しましてわが国の自衛上どうしてもやむを得ない場合に考えられる作戦というふうに私どもは考えておるわけであります。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 ずばり言えば私が言ったような理解でいいわけなのですね。しかし、これは大変危険な作戦ですね。しかも、挑発的で攻撃的な作戦のわけで、こんなことをやればソ連がどういう態度に出てくるか、これは素人でもはっきりすることでございます。一体こんなことを皆さん本気で考えているのかどうか。国会議事録を見ますと、細田前長官の発言では、それは大変なことだから、日本が侵略されるかあるいは侵略される現実的なおそれがあるか、そういう場合でないと考えられないことだ、こういうことをおっしゃっておる。裏を返せば、日本が現実に武力攻撃を加えられた、あるいはそのおそれがある場合には三海峡封鎖作戦は考えられる、こう読めないでもないのですが、もう時間もありませんから結論的にお聞きします。  武力攻撃を受けるおそれのある段階で三海峡封鎖作戦をやるなんということは、とてもじゃないが、私には考えられない。さて、武力攻撃があった段階ではどうか。その場合に三海峡封鎖作戦をやって一体どういうメリットがあるのか、これまた私には想像できない。それはとにかく日本本土をめちゃくちゃな戦場にするということ以外には考えられない。  そこで、いま日米共同作戦研究が行われておりますが、この中で三海峡封鎖作戦というのが研究テーマになっているのかどうか、これはいかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 日米ガイドラインに基づく研究は、一つの想定を置きまして、その想定に基づいてやっておるわけでございますが、具体的にいまの御指摘の三海峡の封鎖というようなことを個別のテーマとして取り上げておるわけではございません。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 続いて伺いますが、この日米共同作戦研究は、新聞報道によりますと、塩田局長が宮澤長官とお会いになって、大体三月末ぐらいに一応の概要がまとまる予定だ、こういうふうにおっしゃっているように出ておるのですが、一体進行状況どうなっているのか、まとまったらその内容は国会に明らかにされますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 日米ガイドラインに基づく研究は幾つか項目がございまして、そのうちでいわばメーンとも言うべきものでございますけれども、共同作戦計画に関する研究だけは作業がかなり進展しております、ということをかねて申し上げている。その進展の状況は、いま御指摘のように、この年度内いっぱいくらいに一応の結論が出るのではなかろうかというふうな進度であるということを申し上げておるわけであります。  なお、まとまった場合に公表するかどうかということにつきましては、先ほどもお答え申し上げたわけでございますが、ガイドラインそのものに基本的構想なり考え方を十分示してある、それを受けた作業でございますということで、それ以上の作業内容は作戦計画そのものでございますから、これを公表することは差し控えさせていただきたいというふうに考えているわけであります。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 三海峡封鎖について政府委員からお答え申し上げましたが、私からも念のためお答えさせていただきます。  三海峡封鎖について、アメリカから要請があったことはございません。また、わが国独自の立場におきまして、有事における海峡防備につきましては、わが国を防衛するため真にやむを得ないと認められるときに、必要最小限度の範囲内で、わが国に対して武力攻撃を加えている相手国に属する艦艇の通域を阻止する場合もあり得るものと考えております。そういう範囲でございますので、あくまで慎重に対処してまいりたいということを重ねて申し上げております。

池田行彦自由民主党

○池田(行)主査代理 栂野君、お約束の時間が参っておりますので簡潔に。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 時間が過ぎましたが、長官がいま重要なことをおっしゃったので……。  そうしますと、有事の際には三海峡封鎖もあり得るとおっしゃったのですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 わが国自衛のため真にやむを得ないと認める場合にはあり得るということをお答えしたわけでございます。

栂野泰二日本社会党

○栂野分科員 これは大変な発言ですが、時間が過ぎたので……。

池田行彦自由民主党

○池田(行)主査代理 以上で栂野泰二君の質疑は終了いたしました。  次に、玉城栄一君。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 施設庁の方に伺いたいのですが、沖繩在の読谷補助飛行場の移設の問題について、その後の経過の御説明をしていただきたいと思います。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 読谷補助飛行場におきます落下傘降下訓練につきましては、昨年三月十八日の施設分科委員会において米側にその検討を求めております。その結果としまして、昨年十月九日に至り、日米合同委員会におきまして、本件訓練所の適当な代替地を検討するための特別作業班設置ということで合意がなされております。その後、現地におきまして代替地選定のための日米合同調査等を実施しておりますし、今後はさらに本作業班における調査及び討議を通じて、本件の早期解決を図っていきたいと思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 十月の九日に特別作業班を設置されて、移設について検討していらっしゃるというわけですが、これはどんなふうな作業をいまやって、何回ぐらい、その辺を詳しくちょっと御説明いただきたいのですが……。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 日米合同委員会におきまして特別作業班を設置しました目的は、読谷補助飛行場における落下傘降下訓練、これの代替措置をどこで行うかということで設けられた作業班でございます。落下傘降下訓練の適地というものを沖繩におきまして探しまして、それの実地踏査等を行っている。それから、その作業班そのものは、こちらの日米合同委員会の施設分科委員会の下部機構ということでございますので、現在その作業班の会議等を開きまして、そういった調査結果の内容等について検討しておる段階でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 沖繩でそういう落下傘降下訓練の適当な場所を探すということですが、これは、いつごろまで、そういう適当な場所を探されるのですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 第一に、調査の対象としましては、現在の沖繩のしかるべき基地あるいは訓練場ということになると思います。しかし、その一つ一つの地域にはやはり落下傘降下訓練を行うための適性といったようなものを検討しなければなりませんので、かなり慎重に考えなければならぬ。それから、私どもと米軍と共同して調査を行いますので、われわれとしては、早期解決を図って、そういった調査を続行していきたいと考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 早期解決とおっしゃいますけれども、言葉だけでおっしゃっていることであって、慎重にというようなことでもありますし、いつごろまで、そういう大体めどはどんなふうに考えて、慎重にあるいは早期にやろうとおっしゃっているわけですか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 ただいま施設部長の方からお答え申し上げましたが、落下傘降下訓練場というようなきわめて重要な機能を営んでおる訓練場でございますので、そのような訓練場を他に適当な土地を見つけるということは非常に重大な問題であり、かつ困難な問題でもございますので、この適地を求めるという作業にある程度時間をかけることはやむを得ないということをぜひ御理解を賜りたいと思います。  先ほど部長の方から申し上げましたように、現在特別作業班を通じまして実際のいろいろな調査等にもうすでに着手をいたしておりますので、私どもは、現地における実際の実務と同時に、特別作業班の会議を頻繁に開催して、早期にこの適地が求められるように促進してまいりたいと思いますが、現在のところ具体的にいつまでというめどを申し上げられるような段階にはございません。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 時間をかけるのもやむを得ないとか、困難であるとか、いろいろおっしゃっていますが、その作業班、頻繁というのは、これは十月の九日ですね。三月の時点ですが、何回ぐらいこれは持っていらっしゃるのですか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 昨年の十月にこの特別作業班を設置をいたしたわけでございますけれども、この特別作業班の会議を持つ以前に具体的な材料を取りそろえる必要があるということで、作業班の会議を開く以前に現地においてかなりいろいろな調査をしておりまして、本年の二月二十六日に第一回の会議を開きましたが、これはそれまでの間に調査をいたしたものを材料に日米間において議論をしたということでございまして、特別作業班の会議そのものを開くということよりも、私どもは実際の調査そのものが大切だというふうに考えておりますが、この調査を促進をしてまいりたいというふうに考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 とにかく移設ということについて、早急にだとかいろいろなことをおっしゃいますけれども、非常にむずかしいということもおっしゃいますし、非常に困難であるということもおっしゃっていますね。といいますのは、このことは皆さん方から提起した問題なんです。提供当時と現在とでは周辺の環境の変化等これあって、非常に落下傘降下訓練をする場所としては適当ではないということを皆さん方から提起されて日米合同委員会の会議にのせてきたわけですから、それを非常にむずかしいなんて、いまさらそんなことをおっしゃっていたのでは、これは例の伊江島射爆場と同じように——どうなんですか、大体できないということなのか、どれくらい時間がかかって移設が可能なのか、その辺はどんなふうに受けとめればいいのですか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 先生のおっしゃることは私どもよくわかるわけでございますが、読谷補助飛行場におきます落下傘訓練は過去においていろいろな事故があったということもございまして、地元の方からも御要望もございますし、日米間において、他に適当な地があるならば移してもよろしいという米側の意向もございましたので、私どもも現在特別作業班を設置してやっておるわけでございます。具体的なことはちょっと申し上げられませんけれども、必ずしもお先真っ暗だというふうに考えておりません。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 それじゃ、この読谷補助飛行場の現状についてはどうなっているか、御説明いただきたいと思います。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 先生御承知のように読谷補助飛行場は飛行場としては用いておりませんけれども、落下傘降下訓練場という形で米軍が使用しております。それから、同飛行場は近接する楚辺通信所の電波障害緩衝地帯というものにもなっておりまして、その機能も果たしております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 いや、そのことでなくて、農耕耕作者がいまいらっしゃるのですが、その辺の実態はどのように掌握していらっしゃいますか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 読谷飛行場地区においては、いわゆる黙認耕作というような形の耕作が行われていると思いますが、私、いまちょっと手元に資料を持っておりませんので、細部について承知しておりません。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 いや、それを伺いたいのですが、黙認耕作者ということですが、それは施設庁は承知の上でそういうことを許していらっしゃるわけですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 お答えします。  黙認耕作は、米軍施政権下におきまして、沖繩の農業育成というような見地もありまして米軍が許可を与えて一応耕作を続けてきた。施政権返還後、日本政府側が米軍に施設を提供しておるわけでございますが、その実態をとらえまして、現在は米軍が地位協定第三条の米軍の管理権のもとに引き続き耕作を行わしておるわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 それは、米軍がそういう黙認耕作を許してどんどんさせている、施設庁とされてはそのことを黙って見ている、こういうことになっているわけですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 米軍が管理権に基づいて黙認しているということと、日本政府としましては施政権が米側にある当時からの実態という形でそれを黙認しているという状況にあるものでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 施設庁の皆さん、この読谷補助飛行場の所有権者は個人でしょうか、それとも国なんですか、どうなっていますか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 大部分が国有地でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 御存じのとおり、この地域は所有権争いがずっと長い間続いている地域です。したがって、こういう黙認耕作者ということになってきますと、本来の所有権者でもない方もいらっしゃるわけですが、後々法廷でこれは問題にならないというふうに施設庁は判断していらっしゃいますね。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 法廷とおっしゃいましても私ども意味をくみ取りかねますが、国有地でございますので、私どもとしては将来も国有地として管理をしてまいりたいと思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 とにかく現状はそういう形で黙認耕作者の方々がどんどん耕作をしている、これにもいろいろ問題があろうと思います。また、そういうところで落下傘降下訓練をしようということ自体にも問題があると思うのですね。したがって、そういういろいろな点を含めて、施設庁とされては、降下訓練をする適切な場所ではない、移設を早くしたいということを皆さん方から提起されたわけですから、本当に真剣に移設の作業を進めていただきたいということを要望申し上げる次第であります。  それからもう一点、いま地位協定の三条ということがございましたので、この地位協定の三条によって米軍は基地の「管理のため必要なすべての措置を執ることができる。」というふうにあるわけですが、ちょっと改めて「すべての措置を執ることができる。」というこの三条について、どなたか概略御説明をしていただきたいと思います。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 地位協定に基づきまして、私どもとしましては米軍が必要とする施設及び区域を米軍に所要の手続をとりまして提供するわけでございます。提供した段階におきまして、その後の施設及び区域の利用につきましては米軍が一切責任を持って行いますし、米軍自身の必要性に応じて使い得るというように、われわれとしては理解しております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 そうしますと、米軍にこの基地を管理する義務があるというふうに理解してもよろしいわけですね。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 当然米軍が米軍の駐留目的に従ってその基地を使用しておりますので、基地の管理の責任といいますか義務といいますか、第一義的に包括的に受け持っていると思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 そこで伺いたいのですが、例のマツクイムシなんですけれども、これも沖繩に異常発生をしまして、昨年暮れから民間地域についてはもうほぼ鎮圧をしている。その被害の全体の約五〇%の嘉手納基地内についてはそのままの状況になっているわけですね。その基地内の被害の状況について御説明いただきたいと思います。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 沖繩におきまして一番大きいところは嘉手納弾薬庫地区でございますが、その他二、三の米軍基地につきましてマツクイムシの被害が昨年、従来に比してかなり発生した。昨年九月に沖繩県の方から伐倒駆除を要請されております被害木の本数といいますのは、嘉手納弾薬庫地区の三千八百本程度のものを含めて、全部で四千五百本ほどございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 ですから、この四千五百本がマツクイムシの被害を受けて枯れている、そういう状況について施設庁としてはどういう考えを持っていらっしゃるわけですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 先ほど幾つかの地区と申し上げましたが、米空軍管理と海兵隊管理区域等にもそれぞれございまして、キャンプ・ハンセン等の海兵隊の管理区域につきましては、海兵隊が昨年十月から駆除作業に入って、予定どおり進捗していると聞いております。  嘉手納弾薬庫地区で非常に大きく被害が起こった空軍管理区域につきましては、米軍から、例年にないマツクイムシの急激な増加のため米軍として用意していました手持ち資金が不足を生じた、全部の沖繩県の要請に応じられないということで私どもの方へ援助方の依頼があったわけです。それで、一応従来米軍がやっていたわけでございますが、施設、区域内のマツクイムシ被害をそのまま放置すれば区域の内外に蔓延するということもございますので、そういった影響も考慮しまして、緊急臨時的な措置としまして、現地米空軍で措置できない範囲に限って防衛施設局が駆除作業を実施するということで、すでに二月十日から作業を開始しております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 海兵隊区域については十月から実施している、嘉手納地域については施設庁の方でやってくれという依頼があったということですが、これは先ほどおっしゃいました基地の管理権等の問題からしまして、当然これは米軍が、基地内におけるそういう被害の状況については米軍の責任でそういうことはやっていくべきではないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 先ほど地位協定第三条のお話がございました。先ほど施設部長が御答弁申し上げましたように、米側が第三条によって管理権を持っているということは、米軍の活動が円滑かつ効果的に行われるようにということで排他的使用権を与えておるということでございまして、これは管理上の責任と申しますか、義務と同時に、管理権というのは一種の権利を与えているという性質のものでございます。  そこで、マツクイムシの問題でございますけれども、米側の方としては一応の予算措置を講じておったわけでございますけれども、非常に被害が大きいということで、その資金では足りないという事態が出てまいりました。緊急に措置をしなければならないということで、私ども政府部内でも関係のところといろいろ協議をしてまいりましたけれども、防衛施設庁においてこれを措置するということに決定をいたしまして、実行に入ったわけでございます。  そこで、これは米側でやるべきではないかというお話でございますけれども、地位協定で経費分担の問題が出てまいりますが、地位協定の第二十四条では、合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費は在日米軍に負担義務があるという原則がございます。ただ、維持することに伴うすべての経費という性格のものは、私どもの考えでは、在日米軍がその任務を遂行していく上で必然的に発生する経費であるというふうに考えております。そこで、本件のようなマツクイムシの問題でございますけれども、これにつきましては米軍の活動とは直接関係ないわけでございまして、基地の中にたまたまある松が被害を受けたということでございますので、こういう病害虫の発生というような自然発生的な災害につきましては、日本側でこれを負担することも地位協定上は抵触はしないというふうに考えております。もちろん、米軍が管理権に基づいてやるということも地位協定上何ら差し支えないわけでございます。したがいまして、そういう考え方から、米側の方で資金不足があるということでございますので、日本側の方として緊急臨時措置として今回これを措置するということに決定したわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 ちょっと伺っておきたいのですけれども、米軍側としては金がないからどうか施設庁でやってくれという要請があったということですが、それはどこからどこに、いつそういう要請がされておるわけですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 森林病害虫等防除法で本来都道府県がそれぞれの駆除の基本的なものを考えるわけですが、米軍基地につきましては昨年九月に沖繩県の要請が米側に対してあったわけです。その段階におきまして米側が検討して、被害が大きいのでということで、那覇防衛施設局の方に最初に御連絡があったと承知いたしております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 こういうことは米軍の要請がないとできないわけですか。いままでずっと基地内を放置されていたということはどういうわけなんですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 沖繩におけるマツクイムシの被害につきましては、従来は米軍がそれぞれの基地内を自主的管理で措置しておりましたので、日本側があえてそういったマツクイムシの防除に手をかさなくても済んでいたというのが実情でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 では、向こうの要請がなくてもできるわけですね。施設庁がこれはもちろん業者に委託するのでしょうけれども、要請がなくともできるわけですか、基地内に行ってそういう防除をすることが。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 この問題につきましては、非常にマツクイムシの被害が蔓延してきたという状況になりましたので、沖繩県におきまして、県それから米軍それから私ども、あるいは林野庁の関係も入ったかと思いますが、いかにすべきかということで協議を続けてまいったわけでございます。米側の方では、もちろん予算があれば私どもがやるけれども、予算が足りないので、その分を何分援助してもらいたいということが会議を重ねる過程において出てまいったということでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 御存じのとおり沖繩はリュウキュウマツですけれども、全体で八千本のうち、先ほどの御説明では、約四千五百本基地内の被害があって、それがずっとおくれて、二月の十日ごろからですか、施設庁がそろそろやろうかなどいうことなんですが、これは、民間地域においては防除作業は終えているのに、基地の中がそういう状態にあるわけです。ですから、一体米軍に責任があるのか、施設庁に責任があるのか、こんな状態でいいのかという非常に素朴な疑問が出てくるわけですね。施設庁の対応の仕方にしても遅い。一方は駆除しておいて、一方はそのままにほったらかされているという状態は決して許されるものではない、こういうふうに思うわけであります。これはしっかり早急にやっていただきたいわけです。  時間もございませんので、次に長官に伺いたいのですが、いまチームスピリット81、いわゆる米韓合同演習が行われているわけでありますが、これは六回印ということで、かつてない大規模な演習だということでありますが、在日米軍基地から、どの基地からどれぐらいの規模、そしてどういう演習の参加の仕方がされているのか、防衛庁の方からお答えいただきたいと思うのです。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 突然のお尋ねでございますので、ちょっと時間がかかりまして失礼いたしました。  今回の演習の参加、日本関連の米軍の参加規模でございますけれども、沖繩のアメリカ海兵隊及び岩国の海兵隊、これは計約一万二千名でございます。それから米空軍、これは沖繩の第一八戦術戦闘航空団、第三三航空救難飛行隊、第九六一空中警戒飛行隊、第三七六戦略航空団及び横田の第三四五戦術空輸飛行隊、合計五十八機でございます。そのほかに米海軍より第七艦隊空母機動グループ一個が参加しております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 これは言われているとおり六回目、大規模なそういう演習という認識を持っていらっしゃるわけですか、防衛庁も。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 昨年に比べますとかなり大きな規模でございますが、一昨年と約同規模で、これはもちろん過去の演習の中では大規模な方に属する演習でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 相当在沖米軍基地の主力が投入されているわけですが、私は沖繩出身でありますので、こういう演習が行われるたびに現地の県民含めて非常に不安に駆られるわけですね。  そこで、今度は長官にお伺いしたいのですが、今後わが国として、あるいはいつかの時点でこういうチームスピリットに合流して演習をするというようなこともあり得るわけですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 お答えします。  現在行われておりますチームスピリットの演習は、韓国と米国との共同演習でございまして、わが国としては何ら関係しておらないものでございます。また、将来どうかというお尋ねでございますが、そのようなことは起こらないと考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城分科員 最後に、よもやそういうことにわが国としてかかわりの絶対にないように強く要望して、質問を終わります。

池田行彦自由民主党

○池田(行)主査代理 以上で玉城栄一君の質疑は終了いたしました。  次に、部谷孝之君。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷分科員 私は、在日米軍岩国基地の沖合い移設につきまして順次お尋ねをしてまいりたいと思いますので、防衛庁、防衛施設庁、自治省等からそれぞれ御答弁をいただきたいと思います。  岩国基地は面積が約五百七十六万平方メートル、うち海上自衛隊の占用部分が約三万平米ありますが、アメリカの海兵隊の兵員約三千五百名、航空機がF4ファントム二十四機、A4スカイホーク十六機、A6イントルーダー十六機等を主力といたしまして、約七十機が常駐をしておりますが、この岩国駐留部隊はどのような任務を持っておるのか、また、これはわが国と極東の安全にとりましてどういう位置づけがなされておるのか、まず防衛庁長官の方から御答弁をいただきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいま岩国基地に関する米軍と自衛隊の任務とその位置づけについてお尋ねがございましたので、お答えいたします。  岩国基地には、海上自衛隊については周辺海域の防衛及び警備並びに航空救難等を任務とする第三一航空群及び対潜飛行艇PS1の運用に関する調査研究等を任務とする第五一航空隊岩国航空分遣隊が所在しており、また米軍については、ただいまお話がございましたように、米第一海兵航空団麾下の航空機による戦闘攻撃及び偵察を任務とする第一二海兵航空群、第一五海兵航空群及びこれらの部隊の整備、補給等に支援を行う第一七海兵航空団支援群等が所在しております。  そこで、岩国基地に所在しておる海上自衛隊の部隊は、もとよりわが国の防衛に任ずるものでございます。また、米国の岩国駐留部隊はわが国の安全に寄与し並びに極東における国際の平和と安全の維持に寄与するものでありまして、わが国及び極東の平和と安全のため重要な役割を担っているものと考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷分科員 大変重要な基地であるというお答えをいただいたわけでありますが、この基地は岩国市の市街化区域の中心部に位置をしておりまして、飛行機の墜落の危険、騒音、漁船の操業禁止、海上航行の制限など幾多の問題をはらんでおるのでありまして、また、昭和五十五年度の年間飛行回数は五万五千回に及んでおります。  この基地がわが国と極東の安全にとってきわめて重要な位置づけがされておりまして、いわば日米安保条約の核心をなすものである、そういう意味の御見解をいただいたわけでありますが、去年の三月にも本分科会におきまして、政府は、岩国基地の重要性にかんがみまして、これを返還するとかあるいは撤去をするという考えのない旨の御答弁を行っておられるのでありますが、現在もその考え方に変わりがないのかどうか。また、いま問題になっております基地の移設につきましてどのような方針をもって対処しておられるのか、お答えをいただきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 岩国飛行場につきましては、先ほど御答弁しましたように、防衛庁といたしましては重要な基地だと考えております。そこで、返還というようなことにつきましては、この前もお答えしておりますが、現在におきましても返還ということは考えておりません。しかしながら、ただいま御指摘のありましたように、岩国基地につきましては、隣接して工場群が存在する等いろいろ問題があるということはしばしば承っておりますので、基地の安定的使用を図り、周辺地域住民の生活の安定と福祉の向上に寄与するため、基地の設置、運用によりその周辺地域に及ぼす影響についてこれを防止、軽減するための施策を推進してまいる所存でございます。  また、ただいまお尋ねのございました沖合い移転に関する御要望の点につきましては、施設庁長官から答弁させていただきたいと思います。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 沖合い移設の問題につきましては、かねがね地元の方からの強い御要望等もございまして、昭和四十八年度から調査をいたしております。この調査は、沖合い移設が技術的に可能であるかどうかといういわば予備調査のようなものでございますけれども、昭和四十八年度から五十二年度までの間、地元構想というのがございますが、これは先生よく御承知だと思いますが、同じ規模のものを沖合い埋め立てをして約千五百メートル沖合いに移設するという構想でございます。これにつきまして、昭和五十二年度まで調査をいたしました結果、沖合い埋め立てが一応技術的には可能であるという結果を得ております。その後五十三年度と五十四年度に補足的な調査をいたしました。  ただ、この地元の構想どおり実施するためには非常に長い年月を要するし、かつ膨大な経費も必要であるということでございますし、また、わが国の現在の経済的事情、財政的な事情等も勘案いたしますと、実現に非常に困難な諸問題がある、あるいはまた、環境アセスメントをしなければならないという問題もございますし、跡地利用をどうするかという問題等もございまして、問題が非常に山積をいたしております。したがいまして、そのままの構想で実施に移すというのはきわめて困難であるということで、現在は、より経済的かつ効率的な方法はないかということで、五十五年度からそのための調査を行っておりまして、五十六年度においても引き続きその調査を行う予定にしております。現在、その結果を踏まえた上で向かうべき方向を見出したいと考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷分科員 四十八年から五十二年まで五年間予備調査が行われ、さらに五十三年には、技術的には移設可能である、しかし、数点の問題点があるのでさらにこの調査を進めていく。五十五年度までに調査費は大体二億三千万ほど上がっておるわけでありまして、また五十六年度の予算には四千七十万か四千六十万かの調査費が計上されておるのですが、こうした調査は五十六年度で打ち切って、五十七年度に決定したいというふうに伺っておるのですが、そういう理解でよろしいわけですか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 私どもの願望としてはなるべく早期に結論を得たいと考えておりますけれども、現在のところは、先ほど申しましたように、五十五年度と五十六年度においてより経済的かつ効率的な方法はないかという調査をしておるわけでございまして、これからも、五十六年度にやるということでございますので、その調査結果を見ないことには、五十六年度で調査を打ち切って五十七年度に云々というふうにはっきりとしたことを申し上げる段階ではございません。なるべく早く結論を得たいという願望は持っております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷分科員 この問題に対する御答弁が漸次弱くなってきておるような感じをぬぐうことができない。五十三年六月に、私のいわば前任者であります受田先生からの質問に対する御答弁がいろいろあったわけです。また、昨年は公明党の吉井君からの質問に対するいろいろな御答弁があったのですが、目がたつにつれてトーンダウンするような感じがしてならないわけであります。四十八年から延々十年間にわたっていま調査がされておるわけですが、意地悪く物を言う人は、これは与党の選挙対策でそういう引き延ばしをやって、いいかげんにやっているじゃないかと言う人さえおるのです。私はそんなことはなかろうと思いますけれども……。  五十五年度、五十六年度の調査に基づいて五十七年度の移設にかかわる施工計画最良移設案、そういうものの取りまとめが出される段階に来ておるわけですが、地元としては、五十八年度から事業実施を前提とした本調査をやっていただきたい、こういう強い希望を持ち、要請をしておるわけでありますが、その地元の希望に応じてあげるためには、当然、五十八年度の概算要求に間に合わせるというスケジュールを考えますと、五十七年の七月ぐらいまでにはその案が出てこなければ、五十八年度からのそうした事業実施を前提とした本調査に入れないと思うので、その辺に地元としてはいささかのあせりといいましょうか、御当局のもう少し積極的なお気持ち、あるいはスケジュールを急いでもらえないかというふうな気持ちが非常に強いようでありますが、その点はどのようにお考えでしょうか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 先ほど先生、調査が非常に長引いているという御質問がございましたが、調査を進めるに従いまして困難性がよりはっきり私どもにはわかってまいるということもございますので、勢い国会における御答弁も慎重になってきたということで、そのような御印象をお受けになったのだろうと思いますけれども、私どもの考えは終始変わっておらないわけでございます。  ただ、何分非常に膨大なプロジェクトでございまして、先ほど申しました五十二年度の一応の調査結果では、五十二年度価格において約六千億を必要とするという結果が出ております。現在では当然もっと大きな額になっておるわけであります。仮に十年間かかるとすれば、単純平均でも年間六百億を必要とする。施設庁の予算が二千七百億でございますから、それに比べれば非常に膨大な経費であることは一目瞭然、したがいまして、こういう大きなプロジェクトでそう簡単に結論を見出すことは非常に困難であろうと考えております。  ただ、地元の御要望は非常によく私ども承知しております。したがいまして、先ほど私申し上げましたように、私どもの気構えと申しますか心構えそのものは前向きでやりたいと考えておりますけれども、何分技術的な問題、環境上の問題、経費の問題等々、問題が山積しておりますので、はっきりとした具体的なスケジュールを申し上げる段階ではないわけでございますけれども、私どものいまの気持ちとしては、五十六年度の調査結果を踏まえて方向を見出したい、そういうふうに考えておるわけでございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷分科員 この沖合い移設の問題が起こりましたのは、四十三年に九州大学の構内に、ファントムじゃなくて、何でしたか、米軍機が落ちました。それを契機といたしまして、同じようなことが起こっては困るということで、非常に大きな不安の中から住民の要望が高まってまいりまして、市議会におきましても、県議会におきましても、また県内の市長会、議長会、町村長会、町村議長会あるいは商工会議所あるいはまたいろいろな企業群、同盟傘下の労働組合の皆さん、そういった方々の党派を超えた大きな願望から、山口県知事を先頭にしてこうした沖合い移設の運動、お願いがずっと展開されておるわけです。  もう一度ここで繰り返すのもどうかと思いますけれども、やはりここの点をしっかり腹の中に入れていただきませんと、なかなか前向きの御答弁をしていただけないような気がいたしますので、もう一度申し上げてみたいのです。  御承知のように、恒風は大体北風でありまして、北へ向けて発進をいたしますと、その中に帝人あり、山パルあり、三井石油、興亜石油のいわゆるコンビナート群、その周辺の海域にはタンカーが停泊しておるという状態ですね。そういうところで発進をしていくわけでございまして、今日まで大体五十件ほどのいろいろな事故が起こっておるわけであります。帝人の煙突がじゃまになるとかいろいろな問題がある。  そうしますと、そうした危険なところを避けるためにはなるべく早く旋回をしなければならぬ。そういたしますと、非常に無理な航法をとることによる危険が起こってまいります。また、低いところで、いわゆる市街地へ爆音をたたきつけるという形で発進をする、こういう状態であるわけでありまして、そうした問題の解決に市民がきわめて積極的なことは当然だ。  あの中に塩素ガスもあるわけですが、塩素ガス関係の一つの構造物の中に何か落下物が落ちたと仮定いたしますと、いま岩国市民が十一万人なんですが、十一万人のうちで半分以上、七万の人を緊急避難させなければならぬ、こういう事態が実は起こってくる。  私ごとで恐縮ですが、私は、実は岩国の旭化成工場の中で、ある仕事をしている中小企業のおやじの一人なんです。御承知のように、五十一年ですか五十三年ですか、あの岩国の通達沖で米軍の飛行機が落ちました。これは何か二十九歳の非常にベテランの操縦士であったために、とにかく工場や町へ突っ込んではいけないということで、死をもって最後まで操縦かんを握って、そして彼自身は死亡した、そういう事件があったのですね。もしそのパイロットがそれだけの責任感がなかったと仮定するならば、私は私の会社の従業員七十名の葬儀委員長をやらなければならなかった。また、その工場をかすめて上を通っておれば市街地へ直接突っ込む、そういう状態であるわけであります。それだけに、私の気持ちというものは非常に切実なものがあることをまずひとつ御理解をいただきたい、こういうふうに思うわけであります。  また、最近では、政府が非常に長期にわたって調査を続けられておることにがまんがし切れない、しびれを切らす、そういう状態が実はぼつぼつ出かかっておるわけであります。ほかの基地もいろいろありますけれども、そういうところで反対闘争あるいは撤去闘争、そういうデモ等が行われるのが通例でありますけれども、岩国につきましては、御承知のように、そうしたわが国と極東の安全のためにということで、迷惑であるけれどもわれわれもがまんしなければなるまい、しかし、これこれの問題があるからひとつ考えてもらいたい、こういう形で今日まできておるのですね。  ところが、昨年の九月に決起大会というものが行われたのでありますが、ぼつぼつその辺からもう受忍の限度にきておるのではないか、これからさらにそのような形で引き延ばしをされるならば、われわれは撤去運動に転すべきではないか、そういう意見さえ出始めたのです。  同時にまた、近くに川下地区というところがあるのですが、そこの区画整理が、建設省の方では認めておりながらなかなか進まないのですね。減歩に応じようとしない、そういう空気が最近ぼつぼつ出ておるわけでありますから、そういうことをひとつしっかり頭の中に入れて対処していただきませんと、ずるずるでは困ると思うのですが、時間がありません、端的に御答弁願います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 岩国基地の重要性につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。  そこで、いま地元で熱心に要望されている沖合い移転の問題につきましては、実は私、就任以来非常に関心も持ち、苦心を払っているところでございます。関係地方公共団体の首長の方々、議会の代表の方々、また、山口県出身の国会議員の先生方が党派を超えて、何とか早く結論を出せということをしばしば言っていただいておりますので、私としましても何とかめどをつけたい、そういう気持ちでいっぱいでございます。  しかしながら、先ほど施設庁長官がるる申し上げておりますように、いろいろな問題がたくさんございますので、現在進めておる調査の過程において、そういった問題を配意の上、何とか実行可能な案を見出したいという気持ちで、いま施設庁を中心に検討を進めているという次第でございます。  どうか、そういった点もひとつ御理解くださいまして、引き続き建設的な方向で御鞭撻を賜りたいと希望する次第でございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷分科員 それでは次に、未登記財産の問題についてお尋ねをいたします。  岩国基地関係の未登記財産、基地の総面積は五百七十六万平米、これはそのうち約二百二十万平米、全体の約三八%を占めております。筆数にいたしまして約四千筆、名義人は約七百五十人というふうに私は聞いておるのでありますが、ほかの基地では、この登記関係の事務処理がいろいろと進んでおるけれども岩国関係はおくれておる、積み残されておる、こういうふうに言われておるのであります。  この問題は、時間が経過いたしますと、当時の当事者はだんだん年をとられ、亡くなられていく、そして権利を持たれる方が子供、孫とだんだんふえてまいりまして非常にやりにくくなると思うのでありますが、こうした問題の早期解決、これについて現地では非常に強い要望を持っておるのですが、この点についてどうなさるのか、御答弁をいただきたいと思います。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 お答えします。  岩国基地の未登記財産についてのお尋ねでございますが、未登記財産の内容等につきましては、先ほど先生からお話しのございました内容とわれわれもほぼ同様に把握しております。  本件の処理につきましては、昭和四十三年の十月、大蔵省から関係資料等の引き継ぎを受けておりまして、今日まで私どもも努力いたしましたが、非常にわずかな部分しか処理しておりません。実際にそれ以来、名筆ごとの登記簿謄本のとりつけであるとかあるいはその公図とか、それから先生から御指摘のありました相続関係の調査とか、そういうのに日時を費やしまして、大部分が未処理になっておるわけでございます。  現在でも、こういった作業につきましては、なお今後も相当な整理をしなければ、何分大面積にもわたることでございますので、なかなか簡単に解決といいますか処理に入れないというようにわれわれといたしましては考えておりますが、今後さらにそういった関係資料の補完等に鋭意努力しまして、処理見通しがつき次第、関係の機関であるとか岩国市であるとか、それから関係の元地主の方々の御協力を得まして、具体的な処理方針を確立して処理していきたいと思っております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷分科員 類似のいろいろな施設を調べてみますと、防府の南北基地、美保基地、その他あるわけでありまして、大体防府とか美保、その辺は五十二年から五十六年までの第一次計画でスタートをしておるようでありますが、この岩国基地は第二次計画の五十七年から行うような計画であるというふうに伺っておるのです。これは時間がありませんので御答弁は要しませんが、そういうことであるので、おくれればおくれるほどむずかしくなるわけでありますから、ひとつ積極的に推進をしていただきたいと思います。  最後に、基地交付金の問題であります。これも昨年の本分科会においていろいろ質疑がなされておりますけれども、岩国は工業都市としてきわめて適当な場所である。あの豊富な工業用水もありますし、いろいろな溝もいいし、そういう意味できわめてりっぱな工業都市としての発展可能なところであるわけであります。こういうことを考えますと、もし基地なかりせば、平和産業のためにこれが利用できるとするならば、税の増収が六十億円ぐらいは見込まれるのではないか。現在の基地交付金が約十二億円ということになっておるのでありまして、これでは余りにも差が大きいのではないか、負担をかけておると思うのでありますけれども、こうした基地交付金について、また五年ごとに国有地における評価がえをされるということであります。五十五年度末に行って五十六年度から評価がえされる、そうした交付額につきまして前向きな措置、姿勢をとってもらえるのかどうか。  それと、もう一点。先ほど仮に六千億として十年間でやれば六百億というふうなことで、今後そういう予算関係で非常に難渋をしておるという御答弁があったのですが、そういう問題につきまして、最近いわゆる思いやり予算と言われるような方向にも向かっておるわけです。六千億、十年でやっても六百億、そうしたことなどを考え合わせて、ひとつぜひとも積極的に進めていただきたい、このように思うわけでありますが、以上、二点についての御答弁をいただきたいと思います。

渡辺功自治省税務局固定資産税課長

○渡辺説明員 ただいま御質問の二点のうち、第一点目、基地交付金のことについて私の方からお答え申し上げたいと思います。  これは、ただいま先生から御指摘ありましたように、昨年の当委員会のこの場でも御質疑がありましてお答えしたところでございますが、基地交付金は基地が所在しておることによりまして特に大きな面積をその市町村の地域内に占めるということがございまして、固定資産税の代替的性格と当該市町村に与える財政上のさまざまな負担といいますか、そういったことに対処するための財政補給金的な性格をあわせ持って交付するものでございます。したがいまして、ただいま御指摘のような意味での、もし基地なかりせばという基準で配分するという性質のものでないことは御了承賜りたい、こう思うわけでございます。  ただ、御指摘のように、基地が所在しますことによりまして多様な財政需要がその基地所在市町村に発生しているということは事実でございますし、御指摘の岩国の場合も基地の用途は飛行場で、しかも市街地の中央にあるということでございます。きわめて厳しい状況にあることは十分承知しておりまして、従来もそのことは私どもの念頭を離れないところでございます。したがいまして、岩国の場合を含めまして、今後とも基地所在市町村のこういった財政需要に対応いたしますために、基地交付金の増額を図ってこれによって対処してまいりたい、こういうふうな考えでございます。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 予算のお尋ねがございました。私、先ほどからいろいろ困難な問題があるというふうに申しましたが、何よりも先立つものは予算でございまして、この問題の解決がなければ本問題は実現できないわけでございます。いわゆる思いやり予算について言及されましたけれども、在日米軍の駐留経費の分担の予算がこれになじむかどうかというのはまだ一概に断定できない問題でございますが、非常に膨大な経費がかかるわけでございますので、予算的には何らか特別な工夫が要るのではないだろうかというふうに考えておりますが、いずれにせよこの問題を含めて検討してまいりたいと考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷分科員 終わります。

池田行彦自由民主党

○池田(行)主査代理 以上で部谷孝之君の質疑は終了いたしました。  次に、稲葉誠一君。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 防衛庁長官にお尋ねをいたしますけれども、防衛庁長官が考えるシビリアンコントロールに違反するという例を二つ三つ挙げていただきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 お答え申し上げます。  シビリアンコントロールとは、政治が軍事を統制することを言うものと理解しておるわけでございます。わが国の場合、国防に関する国務を含め、国政の執行を担当する最高の責任者たる内閣総理大臣及び国務大臣は憲法上すべて文民でなければならないこととされ、また国防に関する重要事項については国防会議の議を経ることとされており、さらに国防組織たる自衛隊も、法律、予算等について国会の民主的コントロールのもとに置かれていると考えております。  そこで、お尋ねの違反の点でございますが、例を挙げいというお話でございます。ちょっと挙げにくいのでありますが、たとえて申し上げますと、自衛隊が内閣総理大臣の命令がないのに防衛出動や治安出動をするような場合、そういうことは余りないと思いますが、仮にそういうことがあったとした場合、あるいは自衛隊の運営を国会の審議を要する法律、予算等に基づかずに行う、これもあってはならないことでございますが、仮にあったとすれば、そういう場合はシビリアンコントロールに違反するものではないか、さように考えている次第でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 私がお聞きしたい一つは、いま防衛研究というのをやっておられますね。これはあなたの方の、二月二十五日の安保委員会における防衛庁長官の発言の中にもその防衛研究のことがありますね。「防衛庁においては、従来から、防衛研究」、それから「「日米防衛協力のための指針」に基づく共同作戦計画等の研究」、それから「有事法制」、こうありますが、防衛研究ということは具体的にどういうことで、どういう研究をいままでしておるわけですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 防衛研究についてお尋ねがございましたので、防衛研究の趣旨について申し上げます。  この研究は、有事の際、わが国の防衛力を効果的に運用して、その能力を有効に発揮させるため、陸海空各自衛隊の統合的運用の観点から、各種の侵攻事態における自衛隊の運用方針、防衛準備の要領、その他自衛隊の運用と、これに関連して必要となる防衛上の諸施策について総合的に研究をするものでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 それはわかっているけれども、それは防衛研究の解説でしょう。字の解説みたいなもので、そうではなくて具体的にいまどういうふうに進んでいるかということなんです、それを聞いているわけです。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 どういうふうに進んでおるかということでございますが、今年の一月末をもって一応の成果を得まして長官に報告したところでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 それは国会に報告することになっているのでしょう。どういうふうになっているのですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 お答えします。  内容の性質上、国会に報告するということは申し上げたことはございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 おかしいな。それではあなた、シビリアンコントロールというものは政府のというか、国会の軍事に対する一つのコントロールも入っておるわけですから、当然それは国会に報告すべき問題ではないのですか。国会に報告すると何かぐあいの悪いことがあるわけですか。どういう点がぐあい悪いの。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 お答えします。  有事の場合におけるいろいろ作戦等にかかわる問題を含んでおりますので、いわばそういった場合の手のうちにわたるようなことが含まれておりますので、報告するのにはどうかと思っておるわけでございます。また、研究でございますので、研究に基づいていろいろ国会に審議を煩わさなければいかぬ、そういった場合にはそのルールに従うわけでございます。全く部内の研究であるという性格でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 防衛研究は、一月末にどこへ報告したというんでしたつけ。内閣総理大臣にですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 これは防衛庁長官の指示による作業でございまして、防衛庁長官に報告したわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 防衛庁長官は、それはどうしたの、あなた握っているわけですか。内閣総理大臣に報告したんですか、しないんですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 一応の報告を聞いたわけでございますが、総理大臣にはしかるべき時期に要点を報告いたしたいと考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 そこで、その防衛研究ということに関連をするのだ、こう思うのですが、いま自衛隊法の二十二条では、陸海空三自衛隊のうちの二つ以上で構成する、条文では「特別の部隊」と、こう言っていますね、これに対する統幕会議の議長の指揮権限ということが長官命令の執行ということで認められているわけでしょう。すると、それだけでは足りないからこのいわゆる特別の部隊、これはあなたの方では統合部隊、こういうふうに言っているのですか、その統合部隊以外の部隊に対する長官命令への関与ということによって統幕会議の議長の権限を強化しようとする案も当然その中に含まれておる。そうでなければ戦争なんか指揮命令が十分いかないからということで、それが含まれておるんだ、こう考えてよろしいでしょうか。そうでしょうね。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いまお話の中で指揮命令権という言葉がございましたが、いずれにしましても考えておりますことは、長官に対する補佐のあり方についての検討をしておることでございまして、統幕議長に指揮命令権を与えるという意味の検討ではございませんことをまず申し上げておきたいと思います。  それで、お話しのように、現在のところ統合部隊について統幕議長にそういう意味での補佐についての権限があるわけでございますが、これをさらに広げてはどうかという趣旨の検討がなされたことは事実でございます。     〔池田(行)主査代理退席、主査着席〕

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 だからいま、自衛隊法二十二条によるところの統幕会議議長の防衛庁長官命令の執行についての権限ですね、これについて、これを拡大しようという検討がなされたことは事実だ。それで答えはノーという答えですか。いいですか、そこをはっきりさせてください。これはシビリアンコントロールの一番大きな問題なんだから。ノーという答えですか、それ以外はできないという答えですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 先ほどお答えしましたようにこれは研究でございまして、そういうことをした方がいいという研究が出て、その研究が長官に報告をされたということでございます。これを実施に移すかどうか、実際にそのための所要の改正を行うかどうかということはこれからの問題でございまして、防衛研究としてはそういう提案がなされておるということでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 所要の改正というようなことからいうと、統幕会議の議長の権限を拡大しようということが防衛研究の中に含まれている、こういうことですな。それでなければ、いまのあなたのような所要の改正とかなんとかという言葉は出てきませんね。そうですな、これは。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 その点はそのとおりであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 わかりました。  これは大変大きな問題ですよ。統幕会議の議長の権限を強化しようとすることが、シビリアンコントロールとの関係で一番大きな問題になってきているんじゃないですか。どうもこの点が私は前から疑問だった、だから、中央指揮所というものをつくるのも、これに関連をしてくる。建物だからね、中央指揮所というのは。建物だからと言うけれども、実際はこれに関連してくるんだというようにぼくは考えておって、この前もしつこく質問したわけですが、今後も質問をしますけれども、きょうは分科会で、分科会を軽く見るというわけではないんだけれども、時間があれですからね。  それから、現行制度では首相による防衛出動命令が出たときでなければ特別部隊の編成というのはできないんですね。これもその出る前から、平時からそういう部隊を編成しておこう、こういうことも研究対象に含まれておる、こう承ってよろしいですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いまの御指摘の点も研究の中で指摘しておるところでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 この点については、非常に重要な問題を含んでおりますから、これは後で私どもの方でもゆっくり研究して、そうしてまた、きょうのあれでは無理ですから、安保委員会なり内閣委員会なりで質問を続けさせていただきたい、こういうふうに私は思います。(「中身はどうするんだ」と呼ぶ者あり)  中身は、だけれども、あなたの方ではあれでしょう、いま言ったようなのは、結局統幕会議の議長がいまのような単なる調整機関だということでは、あなたの方に言わせれば、これは有事にはもう対応できないということなんでしょう。そういう考え方を持っておるわけでしょう。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 防衛研究というのは自衛隊の運用に関する研究でございますが、これは現行法の中で実際の運用を研究していった中で、もしふぐあい点があれば改正をしたいという希望も出てくるといいますか、ある意味ではそれを見つけるということも一つの研究の目的にしておりまして、その点ではガイドラインに基づく研究とは基本的に性格を異にしておるものであります。  ただし、それはあくまでも研究でありますから、先ほど申し上げましたように、それを実際に移すかどうかの判断はまた別個に加えられるべきものであるというふうに考えておるわけであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 それが行われれば、統幕会議なり統幕会議の議長の権限はどんどん強化されてきて、内局、ことにあなたは、防衛局長かな、することなんかなくなっちゃいますよ。  そうすると、中央指揮所の中ではみんな位置がどういうふうになるのですか。防衛庁長官はどこの部屋にいるの、中央指揮所の中であなたどこの部屋にいて、統幕会議の議長はどこの部屋にいることになっているんだい。地下三階で地上二階が、何か全部で五階になるんでしょう。そこで海と空との間がバッジや何かでつながるでしょう。あなたのいる部屋と、統幕会議の議長のいる部屋とかなんとかというのはどういうふうになっているんだ、それは。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 中央指揮所ができた場合の部屋がどこになるか、詳しい点は聞いておらないわけでございます。それはひとつ済みましたらまた……。  ただ、私は、いままでの御質問を聞いていました私の感じを申し上げますと、防衛研究においていろいろな研究がなされることは事実でございます。そもそも防衛研究を行いました趣旨が、これまでの三幕の間の連絡調整を有効にするためにはどうするかというのがねらいでございますので、その一つの方法として統幕の権限の問題も研究の対象になったことはあると思います。しかし、それだけではございませんので、そういった問題を含めて私の手元に出ましたものを私は慎重に検討しまして、取り上げるべきものは取り上げる、取り上げるべきでないものは取り上げない。また取り上げた場合には、あくまでこれは法律改正を要するものは法律で御審議を願わなければいかぬわけですから、その辺のけじめはしっかり持っていきたい、さように考えておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 防衛庁長官、あなたは統幕会議の議長の権限強化のことについては賛成なんですか反対なんですか。あなたの考え方はどうなの。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 まだ出たばかりでございますから、これから慎重に検討してまいりたいと思いますが、やはりいろいろ問題がありますので、そういったこととの関連において改善を図らなければいかぬと思っておりますので、ただ一つの道だというふうには私は考えておらないわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 いろいろ問題があるって、どことどことどういうふうに問題があるの。防衛局長はいいです。あなたの考えているところで説明してごらんなさい。いろいろ問題があると言うのでしょう。いろいろというのは一つではないのだから、たくさんあるということなんだから、いまあなたの考えているところで出てきた防衛研究はどういう問題があるのですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 繰り返し申し上げて恐縮ですけれども、三幕をいかに連絡調整していくかという問題につきましていろいろ意見、研究が出ているということを申し上げたわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 また後でいろいろゆっくりやりましょう。  あなた、長坂覚という人知っていますか。防衛庁長官、あなた知っていますか。知っているか知ってないか聞いているのだよ。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 存じておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 だめだな、あなたは。あそこにいる岡崎君が笑っているから、岡崎君に聞いてみろよ。岡崎君のペンネームだよ。エッセイスト大賞をもらったでしょう、岡崎君が。だめだよ、自分の部下の書いた本とかペンネームもちゃんと知らなければ。あの本はなかなかいい本ですよ。岡崎君あそこにいるから聞いてごらんなさい、ぼくも買って読んだんだから。まあその話はいいけれども、あのエッセイもなかなかいいエッセイだから読んでごらんなさい。  そこであなたにお聞きしたいのは、二月二十五日に安保委員会で外務大臣が発言をし、それからあなたの方で、長官が発言しましたね。その中で違うところがあるのだよ。これとこれとで違うところがある。どういう点が違うか、あなたの方へ聞いたらわからないとか言っていたけれども、わからないことはない、調べてみればわかるのだから。わかりましたか、これとこれとで違うところがあるでしょう。どういう点が違うかわかりましたか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいま安全保障特別委員会における私の発言と外務大臣の発言とどう違うかという趣旨の御質問のようでございますが、外務大臣の発言も私聞いておりましたし、その点ちょっと整理したものがございますから、これを申し上げてよろしゅうございましょうか。  先般の安全保障特別委員会において、私は最近の国際軍事情勢に対する認識及びわが国防衛政策に関する最近の諸問題について所信の一端を申し述べましたが、この私の基本的見解が外務大臣と相違しているとは考えておりません。  私は防衛庁長官として、軍事的側面から最近の国際情勢についてその認識を述べたものであり、ソ連の軍事力の実態についても客観的事実であると考えております。この点は外務大臣も「今日、国際関係が全体として不安定化の様相を示している状況のもとで、わが国の安全と繁栄をいかにして確保していくかは、最も重要な課題の一つ」であると述べておられます。国際情勢の厳しさに対する基本的認識は、一致しているものと考えております。  また、外務大臣が「軍縮、軍備管理面での国際的努力が不可欠である」と述べておられるのでありますが、私としましても軍縮、軍備管理について、わが国は平和憲法の理念に基づき国際平和の実現のために、国連を初めとする国際的な場において実現可能な措置を一つ一つ積み重ねていくべきであると考えており、この点につきましても外務大臣との間で見解の相違があるとは考えておりません。  また防衛力の整備につきましては、御指摘の外相発言の中に「節度ある質の高い、自衛力の整備のために、着実に努力を積み重ねていく所存」である旨述べられておりまして、私としても同様の観点から、そのために中期業務見積もりをできるだけ早期に達成することが現下の急務であると申し上げた次第でございます。  また、いろいろあろうかと思いますが、主な点について気づいた点を申し上げますと以上でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 内容というか、重要なところの文章が違っているのよ。外務大臣はこういうことを言っているでしょう。一ページの三で「防衛面におきましては、わが国は平和憲法のもと、専守防衛を国是とし、」と言っているでしょう。あなたの方は、九ページのところで何と言っているかというと「あくまでも憲法の枠内において専守防衛、」云々と言って、平和憲法ということを言っていないじゃないですか。いまあなたは言い出したけれども、ここには平和憲法なんて書いてないじゃないですか。どういうわけなんです。だから、あなた方は日本の憲法というものを、これは言葉じりをとらえるという印象を受けるかもわからないが、そうじゃない。なぜ憲法とだけで、平和憲法と書かないのか。いまになって言い出したけれども、ここには書いてないのだ。だから、それはおかしいじゃないか、いまの憲法を平和憲法というようにあなたは見てないし、防衛庁としては平和憲法という言葉を使うことはタブーなんだ、そういうことなのかな。だから平和憲法と書かなかったの。どうして平和憲法と書かなかったんですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 同じ趣旨で申し上げたつもりなんです。「憲法の枠内」と平和憲法の趣旨に従いということを、私どもは同じ趣旨で申し上げているつもりでございます。それによって御理解を賜りたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 まあ書いてなくてもあってもいいけれども、外務省の方はちゃんと平和憲法と書いてあって、あなたの方は平和というのが抜けておるのだ。ただ憲法としか書いてない。ぼくはぱっと見て気がついた。だから、あなた方違うからよく研究しなさいと言ったら、よく調べてみたけれどもわからないと言うから、じゃこっちから教えることも必要ないかと思って聞いてみたんだ。まあそれはどうでもいいと言ってはおかしいのだけれども、考え方がそこに出ているのだ。こういう点、ぼくも楽しんでやったわけじゃないけれども、あなた方の方で気がつくかと思ったら気がつかない。それはいいとして、やはり防衛庁としては平和憲法という考え方をすることがまずいのじゃないかな。そういうように私には考えられた。  それはそれとして、そこでもう一つの問題は、三ページに「わが国周辺海域における米海軍力の低下は否めず、この地域の安全保障を考えるに当たって、留意すべき新たな要素となっております。」と言っておるね。「わが国周辺海域」というのはどこかということと、アメリカの海軍力が低下したことと日本はどういうふうに関係するのか。——岡崎君はわかったからいいよ。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 私に対するお尋ねだそうで、「周辺海域」は周辺海域であるということであります。  それから、第七艦隊がインド洋の警備についたために、一時的に空白状態が生じているということは申し上げました。(稲葉分科員」だからどうするのだ」と呼ぶ)周辺の防衛力を充実する必要がある、そのように考えておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 第七艦隊が行ったって、ハワイに第三艦隊があるでしょう。それを一緒にして考えなければいけないのじゃないですか。だから、こういう場合に具体的にどうするのかと聞いている。周辺海域というのはどこかということと、「この地域の安全保障を考えるに当たって、留意すべき新たな要素となっております。」というのは具体的にどういう意味なのか、では日本の自衛隊は新たな任務をしょって何をするのか、こういうことを聞いているわけです。  じゃあ岡崎参事官でいいよ。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 自衛隊の任務は私の所管外でございますけれども、そこに書いてございますのは、昨年の十一月の前半でございますが、約三週間にわたりまして西太平洋、すなわち東経百六十度以西及びマラッカ海峡の間におきまして、アメリカの機動部隊があの辺に一つもなかったという事実がございます。これは第三艦隊という御言及がございましたけれども、西太平洋というのは非常に広大な地域でございまして、東経百六十度以東あるいはマラッカ海峡以西から日本近海に機動部隊を派遣するのにやはり二週間ぐらい時間がかかるものでございますから、何か有事の際には、その機動部隊が到着するまでの間は米国の機動部隊の力を勘定に入れられないという意味で、これは新しい事態でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 いや、新しい事態はいいのだけれども、だから日本の自衛隊としてはそれに対してどう対処しようとしているのか、ということを聞いているのですよ。アメリカの第七艦隊が向こうへ行ったって、日本の自衛隊と関係ないじゃないですか。どういう関係をするのかということを聞いているわけですよ。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 そういった事態も起こっているわけでございますが、いずれにいたしましても、わが国の防衛力の充実につきましては「防衛計画の大綱」の線に沿って逐年進めつつあるところでございます。そして、自衛隊の現在の勢力につきましてはいろいろな不備な点が指摘されておるわけでございます。即応性が足りないとか、抗堪性が少ないとか、いろいろ指摘されているわけでございます。そういった点をできるだけ早く補っていきたい、「防衛計画の大綱」に従いながら、現在の中期業務見積もりを速やかに達成したいというのが防衛庁の考え方でございまして、これはまた、防衛庁設置法によって防衛庁に課せられた任務であると私は考えておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 わかっているのですよ。長官の答弁は一般論を言っているのです。ぼくが言っているのはそうじゃないのですよ。この書いてあるところで「留意すべき新たな要素」となっているから、これにどう対応していこうとしているのかということを、個別的な形で聞いているのですよ。そこのところが全然答えがないから、わけがわからないのですよ。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 たびたびで恐縮でございますが、一般論ではございますが、そういった情勢も念頭に置きまして、その一般論を個々に実現していきたい、そういうことを申し上げておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 何が何だかわからないですな。とにかくわからないように答えるのが防衛庁長官の役目だと思うけれども、そういう答弁では意味ないですね。  それではこれを聞きましょうか。SS20中距離弾道ミサイルがありますね。これはあなたの方の防衛白書を見ると戦略核に入れていますね。これは戦略核に入れるのは間違いじゃないですか。戦域核でしょう。戦域核という特定のものがあるというのを、これは具体的に分け得ないけれども、まあ戦術核になるのかよくわかりませんけれども、約五千キロでしょう。まあ四千何百キロでしょう。あなたの防衛白書では戦略核に入れている。これはどういうことなのか。それが一つ。  これは極東に数十基配備されていると言うけれども、これはNATO関係のところでも百二十基配備されているわけでしょう。それから極東に配備されている数十基というのはよくわからぬけれども、これは中国に対する関係で配備されておるので、日本に対する関係で配備をされておると考えるのは無理があるんじゃないでしょうか。そこのところはどうなんでしょうか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○岡崎政府委員 防衛白書のいずれの部分に戦略核として扱ってあるか、私よく存じませんが、ソ連軍の分類の中ではこれは戦略ロケット群に入っております。ただ、SALT交渉におきましてはこれは戦略核に数えない。また、それ自身がアメリカとヨーロッパの間で問題になっている問題点でございまして、これ自身、判断はいろいろあり得ると思います。  それから、SS20の到達範囲でございますけれども、これは全中国及び日本列島を含むすべての地域をカバーしているものと考えます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 だから、この書き方は、それは日本に向けてあれするとは書いてないですよ。非常に慎重に書いてありますね。「わが国を含む広範な地域を射程圏内におさめている」というふうに書いてあるので、これは非常に注意した書き方だと私は読んだとき思ったのですが、そのとおりですよね。  これは竹岡さんがああいうふうに言っているわけだ。竹岡さんは何か防衛庁の内部でうまくいかなかったのかな。だって、竹岡さんがああいうことを書いて新聞に投稿するなんていうこと自身がおかしいじゃないですか。何かが非常にあったことはぼくも聞いてはいるよ。ここで言うのはよしますが、当然次官にいく人が途中で首を切られちゃったんだから、これはこの人だっておもしろくないよ。だから新聞に投書したりなんかしているのだけれども、また話が横にそれるから、時間の関係があってあれですけれども……。  ただ、もう一つ問題は、これでやられたら、これは三つ一遍に動くのでしょう、これは動くと、三つくっついているわけですからね。これに対して対処の方法がないと言っているじゃないですか。防衛白書でもそういうことを言っているのですね。だから、これでやられたらおしまいなので、そうなると戦車なんか幾らあったって何の役にもたたないのですよ。こういうふうになってくるので、こんなことはあり得ないです。またこんなことをやるわけないですよ。ソ連にとっては一番大事なのはヨーロッパなんだから、その次が中国なんだから、その次は日本かもしれぬけれども。だからそんなことは考えられない。これは逆にソ連との経済協力なんかを進めていくことによって、ソ連の脅威というものを、あるかないか知らぬけれども、これをなくすという方向に進んでいくのが正しい行き方だ、こういうふうに私は思うのです。  時間が来ましたからやめますけれども、もう一つよく書物に出てくるのは、いまは七四式戦車でしょう、これは三億五千万かな、これは三菱重工かな、これに対して、非常に高い、だからXM1をアメリカから買えば二億ぐらいで買えるということが書物の中には書いてあるのです。そしてこのXM1の方が性能も優秀だというんだ。だから、こんな高いものを買っているのは非常におかしいということを書いてある。それから、海原さんの本には何かミサイルのことが書いてある。ずいぶん高いのを買って、もっと安いのがあると言ったら、結局やめになっちゃったと書いてあるけれども、海原さんの書いてあるのは古いときのことであって、ここでは問題にしません。あのときアメリカはあの品物がたくさんあったときだから、ダンピングしていたときだから安く買えたということもあるから、問題にしないのですけれども、ぼくがよくわからぬのは、XM1と七四式戦車とどう違って、XM1の方が安いというのは本当なのか。どうなんです、これは。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 値段の点でございますが、昭和五十六年度の予算案に計上されております七四式戦車標準車の一両当たり価格は三億四千二百万、先生のおっしゃった額と同じでございます。他方、アメリカのXM1の一両当たりの経費でございますが、一九八一会計年度におきましては約六億九千万円ということでございます。  それから、性能面につきましては、これはなかなか比較がむずかしいのでございますけれども、まず戦車砲、これは最大の攻撃力でございますが、これはいずれも一応いまの段階では百五ミリということでございます。射程力等火力の面ではほぼ同等の性能を持っております。それから、射撃統制装置あるいは機動力等の面でXM1の方が一回り大きいという点もございますので、そういった点では、新しい戦車だけに若干性能の向上は図られているという点はあると思っております。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 時間が切れましたので、締めくくってください。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉分科員 締めくくりじゃなくて、要望です。  きょうあたりのあれを見てみますと、バッジシステムで三千億の問題をめぐって、もう五つだの六つだのの商社が動いているということが出ていますね。これもまた変なことの疑惑か何かが生じてはなんですから、これは必ず政治家が介入するのだから、こういうのが来ると、みんなアリの群がるように入ってくるのだね。いろいろな人がいるからあれですけれども。こういう点については絶対に国民に対して疑惑のないように、はっきりさせてもらいたいと思うのです。政治家なんかは入れないでね。その点の決意だけ、ちょっと防衛庁長官から、バッジの三千億の問題を述べていただいて、終わります。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 後継バッジシステムの、次のものをどうするかということにつきましては、国民の疑惑を招くことのないように、公正な立場で進めてまいりたいと考えております。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 これにて稲葉誠一君の質疑は終了いたしました。  この際、暫時休憩いたします。     午後零時四十分休憩      ————◇—————     午後二時開議

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。東中光雄君。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 去る二月十六日に当委員会の総括質問で、ガイドラインの作戦準備段階のことについてお聞きしたのでありますが、要するに、日米両国政府がガイドラインによる「武力攻撃がなされるおそれのある場合」として判断をするとして、作戦準備段階の選択をするということになっておるのですが、その判断をする機関が何であるかということについてお聞きしたのであります。その際の防衛局長の御答弁は、「段階区分はいまから研究するわけです」、「具体的に段階区分がいまから決まるわけですが、一番最初の段階からすべて政府の最高首脳といった段階までにいくかどうかといったこともございますので、具体的にはいまから段階区分の研究によって決めていくということ」であります。要するに、段階区分の研究をいま制服レベルでやっている、その段階でだれが判断するかを決めるんだ、こういう答弁を何回もされているのですが、それでよろしいんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 段階区分がいまからの研究課題であるということは先日も申し上げたとおりでございますが、その際、政府レベルの判断で、制服には任せないということもあわせて申し上げたわけであります。  その基本的な考え方は申し上げたとおりでございますが、なお具体的には、段階区分ができまして、その段階ごとにどういうことをするかということが決まりまして、政府レベルという場合の具体的な判断をどなたに仰ぐかということはその段階で決めていきたい、こういうふうに申し上げたわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 それはどこが決めるのですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 考え方はいま申し上げたとおりでございますが、結局段階に応じまして、防衛庁長官限りの判断でよいのか、あるいは総理の判断を仰ぐ必要があるのかといったようなことが、準備段階の段階区分に応じて決められていくということになるのではないかと思っているわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 その段階区分を決めるのは、各幕のカウンターパートで協議しながらやっていくんだ、統幕の事務局が中心になってそれを統制しながらやっていくんだ、こういう答弁ですね。それで、できたものは発表しないということもいままで言っているわけですね。そうすると、全く制服レベルで決めたか決めないかわからない、しかもその段階区分というのは発表もしない、そして、どの段階になったら防衛庁長官でやるのか、あるいは総理に持っていくのかというようなことを決めようもないし、発表のしようもない、全くわからぬ段階で、制服の日米間の協議で区分を決めたそれに従って内部で勝手にやっていく、こういうことになるわけですね。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 研究作業は、しばしば申し上げておりますように、長官の指示によりまして制服同士でやっておるわけですが、それはあくまでも長官の指示に基づきまして、私たち内局との十分な連携の上で作業を行いまして結論を得るということでございますから、先生御指摘のように、全く制服同士でわからぬままやっていく、決まっていくというわけではないことはぜひ御理解をいただきたいと思うわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 それはあなた、昨年の十月三十日、衆議院の内閣委員会でわが党の中島議員の質問に対して答えられた答弁と、全く違うじゃありませんか。あのときはこう言っておりますよ。  現在統合幕僚会議事務局が中心になって在日米軍司令部との間で進めている、陸海空それぞれの自衛隊におきましては、在日米陸海空軍それぞれのカウンターパートで協議しながら、統合幕僚会議がその調整をやりながら進めておる、統幕会議の事務局が日本側としては統制をとってやっておる。「別に名前をつけて組織をつくってやっておるわけではございませんで、双方の関係者が、ときには向こうに行ったり、ときにはこちらに来たりというかっこうで進めておるわけでございます。」、「一々私どもが、内局の者が参加するということはいたしておりません。」。  いまあなたが言われたのは、報告してきたらそっちで決めるんだ、全然違うじゃないですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 具体的な作業の進め方は、いまお読み上げになりました、私がこの前お答えしたとおりであります。私どもが内局の立場で関与すると申し上げておりますのは、進行の度合いに応じて随時報告を受け、内容を見ておる、こういうことでございまして、具体的な作業はいまお述べになったとおりのやり方で進んでおるわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 統幕の事務局が中心になってやるんだ、内局は参加するというようなことはいたしません、そう言っておって、それで出てきたものをあなたの方で見るということですか。全然趣旨が違いますよ。  第一、その区分ができたら、その区分を発表するんですか。しないでしょう。その点はどうなんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 先ほども申し上げましたように、作業自体はそういうふうにやっておりますが、随時私たちの方に相談もあって、また私たちの方も見ながら、具体的な米軍との間の作業はいまのような形で進めておる、それは統幕事務局が中心になってやっておる、こういうことでございます。  でき上がったものを公表するかということにつきましては、しばしば申し上げておりますように、公表は控えさせていただきたいということでございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 公表しない、議会にも出さない、どういうふうになったのかわからない、作業は事務レベルでやるんだ、しかし、報告して一々指示をして内局がやっていくんだったら、こんな十月段階の答弁になるわけがないわけです。全くあやふやの状態で制服間で進めていっている、そのことによって日米共同作戦の作戦準備段階に入るか、入らぬかということを決めるのは、それもわからない。だって段階の内容は発表しないんだから。区分は発表しないんだから決めようがないじゃないですか。その区分は、発表しないでどうして決められるんですか。  防衛出動について言えば、これははっきりと、総理大臣が国会の承認を得てやると法律で決まっている。待機命令ということになれば、防衛庁長官が総理の承認を得てやると決まっている。作戦準備段階についてはどうか、何にも決まってない。しかも公表しない。区分がどこかわけのわからぬところでやっていって、それができた段階で決めるんだと言ったって、決めようがないじゃないですか。  全くこれは、日米共同作戦の作戦準備段階突入については、もう事実上制服レベルの話だけで進んでしまうという、非常に危険な状態にあるということを示しておると思うのです。私はもう断固としてこういうやり方というのは許されない、シビリアンコントロールなんてどこへ行ってしまったかわからない。アメリカンコントロールですよ。制服のミリタリアンのコントロールですよ。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 作業の進め方についてはいま政府委員が述べたとおりでございます。いまのところ、ガイドラインに基づく研究作業につきましては、作戦研究に関する部分が私のところまで上がっております。いま、準備段階の問題はまだ研究作業の過程でございまして、まだ私のところまで報告に来ておらないわけでございます。  お尋ねの準備段階の問題につきまして、作業がまとまりましたら、いずれ私のところへ来るわけでございまして、しかも、その研究に基づく準備段階の判定につきましては、これはもちろんシビリアンコントロールの問題でございますので、その判定につきましては制服に任すことはせず、防衛庁長官以上の責任において責任がとれる体制を貫く所存でございます。したがいまして、先生が先ほど言われましたようなことは起こるおそれがないわけでございます。  また、日本は日本として進めるわけでございますので、アメリカの方の進め方と必ず連動するというものでもないわけでございます。わが方の認定、判定に従って、しかも私以上が責任を負えるという姿で判定をいたすわけでございますので、ひとつその点は御理解を賜りたいと思うわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 作戦区分についてはすでに報告が上がっておるとおっしゃったのですが、その作戦区分というのは何ですか、ちょっとよくわからないのですが。——いや、防衛庁長官が言われたことですから長官から……。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 いまのお尋ねにお答えいたします。  ガイドラインにもありますように、数項目あるのです。作戦研究に関する部分につきましては、いままでの作業の結果が私のところまでごく最近報告があったということでございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 それは、日米共同の作戦計画なんかが含まれているということですか。そういうことですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いま大臣が申されましたのは、共同作戦計画のことでございます。それ以外の項目はまだだけれども、共同作戦計画については研究が進んでおって報告を受けた、そういうふうにおっしゃったわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 これは大変なことを初めてお聞きしたのですが、日米間の共同作戦計画がすでに一応の協議ができて長官のところまで上がってきておる、これは初めてお聞きしたのですが、それはそれとして、共同作戦計画あるいは計画というようなものについては、これはエンドレスにやっていくのだということがいままで答弁されておったことなのです。ところがエンドレスじゃなくて、いまやエンドが来た、報告があった、こういうことなのですが、それならそういう内容についての概要をはっきりしてください。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいまのお尋ねの点、確かにエンドレスということを申し上げております。そこで、いままでまとまったいわばその中間報告のようなものがあった、こういうことでございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 一応の日米共同作戦計画はすでにまとまって上がっておる、さらに引き続いてそれを情勢に応じて検討していくのだ、エンドレスにやるのだ、こういうことですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 共同作戦計画は、考えられる想定がもう考えればほとんど無限に、無数にあるわけでございますから、ある一定の想定を設けまして、そして、その想定についての作戦計画の研究をしているわけであります。その一つの想定については一応のめどが間もなくつくであろうという段階まできました、こういうことを申し上げております。  作戦計画以外の項目、ほかにありますが、それはまだ余り進んでおらないことと、作戦計画につきましても、いまやっております内容も一つの想定でございますから、今後はそれ以外の想定についても当然必要に応じてやっていく必要がある。  それから、いまやっております想定につきましても、いま先生おっしゃいましたように、今後のいろいろな条件の推移に応じて常に修正を加えていく必要がある、そういう意味で、いま進んでおります研究についても本質的にはエンドレスのものである、しかし一応の一つの段階としてのめどが間もなくつくようになる見込みだ、こういうことを申し上げているわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 たとえば去年のブラウン国防報告で、ヨーロッパにおいて大規模な戦争が起こった場合には、同盟国と協力をして日本海並びにオホーツク海から太平洋に出る海峡、三海峡を封鎖するということが行えるものと信ずるというふうにブラウン国防長官は言いました。一定の想定ということになれば、そういう三海峡封鎖を日米協力してやるということになれば、どういうふうに進めていくか、どういう体制でいくかというふうなことを一つの作戦計画として持つ、これは単なるセミナーとか図上訓練とかいうものでなくて、実際上の日米共同の作戦計画が一つの場合を想定してつくられている、またそのほかの場合も想定してつくる、こういうことになると思うのです。どういう場面でつくられておるか知りませんけれども、私がいま言ったような、たとえばそういう一つの場面を設定して、実際に行う作戦計画の作成がすでに防衛庁長官のところへ上がってきておるということなんですね。理解をはっきりするために聞いておるのですが。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいまお尋ねの点でございますが、これはガイドラインで明らかにされているとおり、憲法あるいは非核三原則、そういった現在の憲法それから重要な防衛計画に関する基本方針には触れない、こういう中身の作業でございますので、いま御指摘のような点につきましては全然やってないわけでございます。また、そういった集団防衛のような問題は憲法の精神から言いましても当然対象にできないわけでございます。申し出もございませんし、それもやっておらないわけでございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 ちょっと防衛局長、はっきりしておきたいのですが、私は、ブラウンの言ったそういう場面を設定して作戦計画をつくったのかと聞いているのではないのです。いろいろな場合があり得るから、そのうちの、たとえば日米共同して三海峡封鎖をやるというふうな場面を設定して、それについての、その場面であるかほかの場面であるか私は知りませんよ、しかし、たとえばそういう場合を設定して、日米共同作戦計画を少なくとも防衛庁長官のところへ出してくるような実務レベルでの協議ができた、それはそれで完結しておるというものではなくて、さらに検討していくだろうし、それからそのほかの場面も検討していくかもしれぬけれども、少なくとも一つの想定、一つの場面についての、これは単なる頭の訓練ではなくて、実際上の作戦計画として共同作戦の計画がすでにできたということですねと、こういうことを念のために聞いておるのです。どうなんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 まず最初に、いまやっておりますのは、作戦計画をつくっているのではなくて、作戦計画の研究をしているということでございます。  それから第二に、考えております事態は安保の五条で言うところの事態である、したがいまして御指摘のように、一例としてお挙げになったように、ヨーロッパで何か起こったから三海峡を封鎖するんだというふうなことは考えているわけではございません。  それから、いま最初に言いました、計画の研究なんですが、これはあくまでも研究であるという意味は、作戦計画として研究をしていきまして、いま申し上げましたように、そのこと自体は平和時である限りはエンドレスに続くと思いますが、もしいざ有事の事態が発生した場合には、それをベースにして作戦計画は実際につくられることになると思うのです。そういう意味では作戦計画のベースになりますけれども、いまやっておりますものは研究である、こういうことを申し上げているわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 三矢作戦計画がありましたね。そういう言葉で言うのが適切かどうかは別として。あれは、それこそどこかで一部でやっておったんだ、総理大臣は知らなかったと非常に憤慨された。今度の場合は日米で共同で、そして制服レベルで検討して、どういう場面か知らぬけれども、一つの作戦計画、こういうふうな場合にこういうふうにやるんだという計画ができて、防衛庁長官のところまで来ている。そのほかの場面についてはさらにまた検討していく、こういうことなんですね。     〔主査退席、池田(行)主査代理着席〕 要するに、内容をいま聞いているんじゃなくて、防衛庁長官のところに来たというから、その来たものの性質、性格を聞いているわけです。そこまで進んでおるのかと思って、ぼくは実はびっくりしているわけですけれども、そういうことですね。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いまやっております一つの想定に基づく研究は、いまおっしゃいましたようなところまで来ておる、こういうことでございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 これは大変なことをお伺いしたわけです。その想定は、とにかく侵略してくるものが想定としてあるわけでしょう。それで「自由陣営の一員として」と、いま盛んに鈴木内閣は言っておるわけです。そして、ソ連脅威論が一方でぶたれているわけです。そういう状態で、日米で共同して作戦計画を、とにかく共同研究の一つの場面の成果が上がっている。もちろん現実と関係のないことから研究していくというようなばかなことはないんで、いま盛んに言っているソ連脅威論、あるいはこういった国際情勢の緊迫度というふうなことを言われている中での実際上の研究なんですからね。訓練、学習じゃなくて、実際上の研究なんですからね。そういうものがすでにできておる。しかし、その概要についてさえも防衛庁は一切言わないという姿勢である。これはもう非常にいわば制服の独走、そこへ防衛庁長官がくっついていく、国会は何にもわからない、国防会議も何も知らぬ、こういうかっこうになっているように私は思います。  それと、またもとの論へ返るのですけれども、そういう協議をやっていって、段階区分をつくっていくわけです。しかしその結果は、いまのようにさっぱり発表されない。作戦準備段階の段階区分をつくるわけでしょう。その結果は、いま言われておるのと同じように、つくれましたということを言うだけで、何にも発表しない。そしてどの段階になったら防衛庁長官が命令をするのか、あるいは実務段階でやってしまうのか、あるいは総理大臣へ行くのかというようなことは、だから、その区分が明らかにできたとしても発表せぬことになるのでしょう。ところが、防衛出動やあるいは待機命令やということになったら、これはちゃんと自衛隊法上の根拠がある。作戦準備段階に入るということについては法的に根拠が何もない。しかし、それはいき言われている説明でいけばついに明らかにしないままになってしまう。そして実際にそれが動くときにはわからぬままに動いてしまう、こういうことになるんですね。私はこれは非常に危険な状態だと言っているのです。もっとちゃんと明らかにして、明らかにしなければ、シビリアンコントロールなんてどこにもありはせぬ。国会は何もわからぬわけでしょう。そういう点を言っているのです。こういう姿勢は直ちに改めるべきだということを強く要求しておきます。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 しばしば御説明しているところでございますが、当初の先生の御質問が、「おそれのある場合」が、防衛出動の「おそれのある場合」、準備出動の場合ですね、それと、こちらのガイドラインの「おそれのある場合」と範囲はどうか、こういうお尋ねでございましたので、そのガイドラインの方の研究はこれからでございますが、「おそれ」の範囲としましては、防衛出動命令の「おそれ」よりも若干前と申しますか、少し広くなる可能性があるということは、これまでも国会におきまして、ガイドラインが決まりましたときの国会におきましても、当時の政府委員からお答えしているとおりでございます。  でありますから、この段階がどう決まるか知りませんが、決まりようによっては、大部分は防衛出動なり準備命令なりと範囲が一致する。一致すればこれは当然法に基づく手続をとるわけでございますが、ごくわずか、少し先になるような場合もあり得る。  その場合の扱いをどうするか。この判定はあくまでシビリアンコントロールの趣旨を貫かなければならぬ、そういうことを私は申し上げているわけでございます。研究ではなくて、もしこれを実施に移す場合の判定はあくまでシビリアンコントロールの精神が貫かれるようにしなければならぬ、さように考えているところでございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 ガイドラインに言う「武力攻撃がなされるおそれのある場合」という項目があって、その項目の中の段階を区分していくんだ、こう言っているんですね。だから、その一番初期の区分が、すでに「おそれ」のある、ガイドラインで言う「おそれ」のある段階として政府が選択するという構造になっておるんだから、それは防衛庁長官、外務大臣が安全保障協議委員会で合意をしてきた文書にそう書いてあるんだから、ところが国会で聞くと、今度は、区分をしたその区分の段階によって決めるものが変わってくるんだ、こういう答弁をされるから、それはおかしいじゃないかと私は聞いているんです。しかもおかしいだけではなくて、その区分自体は内容は発表しないんだから、だから、だれがいつどうするのかということは明らかにするわけがないじゃないか、そういう構造にいまなっていますよ、このように謙虚に、揚げ足取りしているんでも何でもないんですよ、本当におかしなことになっていますよということを謙虚に言っているんです。根本的にこれは考え直さなければだめです。こういう日米ガイドラインコースといいますか、そういうことで日米が実際に協議をして、どんどん進んでいく、こんなことは絶対に許されぬ、このことははっきり言っておきます。  同じことはかり言ってもしようがありませんから次に移りますけれども、このガイドラインによる日米共同作戦の協議・研究とあわせて行われてきた、この間報告が出されたという防衛研究ですね。これとの関係をまずお聞きしたいんです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 防衛研究は、有事における統合的運用の観点から、自衛隊の運用と、これらに関連して必要となる防衛上の施策についてどのような問題点があるか、またはどうあるべきかについて総合的な研究を行ったものであり、防衛準備についてもその内容、要領等について概括的研究を実施しておりますが、これはあくまでも自衛隊の運用を中心とした研究でございます。  一方、日米防衛協力のための指針に基づく作戦準備の段階区分及びその内容に関する研究作業は、今後詰めていくことになろうかと思いますが、これは自衛隊と米軍がそれぞれ効果的な作戦準備を協力して行うための研究でありまして、防衛研究とは別個のものでございます。  なお、防衛研究の作業結果がこの研究作業上の参考となることは考えられるわけでございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 防衛研究の中でやられた五つの項目がこの前の国会で明らかにされました。その内容が、ガイドラインの共同研究でやっておる準備段階の内容と項目的には同じようなものがたくさんあるわけです。ガイドラインでやっても、日米共同作戦についての研究ですけれども、それに基づいて米軍と自衛隊はそれぞれ行動を起こす、こうなっているわけですね。だからガイドラインの研究だって、日米間での研究だけれども、やるのは自衛隊の行動について研究しておるということになるわけです。これはもう別個のものじゃなくて、やる主体が違うことは確かですけれども、アメリカ軍とやるのと防衛庁の内部でやるのとの違いはそれははっきりしていますけれども、同じ性質の問題についてやっているというふうに思うわけです。  それで、防衛研究の結果として明らかにされた第一の項目は、情勢の緊迫度に応じた段階的自衛隊の警戒態勢、監視体系についての段階区分をして、そういうことについての研究をやって、結論が出て報告があったということになっているわけですね。区分に応じていかなる措置をとったらいいかということになっておるわけです。これは警戒態勢、情勢の緊迫度に応じた段階、ということは、防衛出動が出されるとかあるいは待機命令が出されるとかいうよりももっとずっと前の段階ですね、「情勢の緊迫度に応じた段階的な自衛隊の警戒態勢」というんですから。そして、そこで区分がされる。監視、待機の態勢を区分してつくるんだということの研究結果が出された、こういうわけですね。これは監視態勢について何区分あるのか、そしてその区分についてどういう違いで区分をしているのか。日米共同作戦準備段階における段階区分、基準というのがあるわけですね。それとの関係もありますので、防衛研究はもう結論が出ておるわけですから、それはどうなっておるんですか、お伺いしたい。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 日米の方の段階区分についてはいまからの研究だということを先ほどから申し上げておりまして、現在、まだないわけでございます。  防衛研究によります自衛隊の、しかもいま御指摘の第一項は、いわゆる警戒態勢の区分でございます。これにつきましては、何段階に分けて、その段階でどういうことをするかという詳細につきましては控えさせていただきたいと思いますが、いまもお話がございましたように、一番初期の、たとえばレーダーサイトの部隊でありますとかあるいは通信情報の部隊でありますとか、そういうところの部隊の勤務体制の強化といったような段階から一番最高の警戒態勢に至る段階までを区分をしておる。しかし、いずれにしましても、これは自衛隊の中の勤務体制といいますか、そういった面の区分でございまして、いわゆる防衛準備的な、そういう自衛隊の外部との関係になるような問題ではなくて、中の勤務体制についての段階に及じた区分であるというふうに御理解いただきたいと思います。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 これはまた後でお伺いします。  次の項目に入りたいのですが、いま防衛準備というものとは違んだ、こうおっしゃったから、第二の条項では、情勢の緊迫に伴う防衛準備について研究をした、そしてその報告が出た。挙げてあるのは「自衛隊の人員の充足」と「作戦用資材の確保」というようになっていますけれども、そのほかにもあるのかどうか。  一体防衛準備というのは、自衛隊は防衛と言いますけれども、ほかの軍隊なら戦闘準備になるわけですね。自衛隊は防衛行動と言うんだけれども、それは軍事的な言葉で言えば戦闘行動準備だと私は思うんです。だから、そういう点で言えば、防衛準備の研究をやって、情勢の緊迫度に伴ってやっていくというんだから、やはりこれも段階があるんだろうと思うんです。ガイドラインによると、その準備段階というのは、いまの情報の問題と部隊の移動の問題と、私の言う単なる移動じゃなくて、それは集結し展開することまでを含む。さらに「部隊の行動準備、移動、後方支援その他の作戦準備に係る事項」こうなっておるわけですが、この防衛研究の第二に言う緊迫度に伴う防衛準備、どういうものが研究をされて、現行法上の範囲内の研究なのか、あるいは現行法の範囲だけではちょっとぐあいが悪いということも研究結果としては出てくるという研究なのか、そこのところをお伺いしたい。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 自衛隊の防衛研究に基づきます防衛準備につきましては、いまのところ段階区分を考えておりません。どういうふうな防衛準備をするかということだけの研究にとどまっておりますが、いまお話がございましたように、作戦用資材の購入でありますとか、あるいは人員を再配置する必要がありますとか、あるいは施設の応急抗堪化を図るとかといったようなこといろいろあると思いますが、そういう準備を考えております。  いま御指摘のございました、研究しておって現行法上ふぐあいであると思われる点があるのかということでございますが、これは日米ガイドラインの研究と違いまして、防衛研究の方におきましては、もしそういうふぐあい点があればそれを指摘するということを一つの目的としておりまして、そういう意味で、こちらの方の研究では、現行法制のこういうところを直した方がいいという意味の指摘はしておるわけでございます。しかし、これももちろん研究でございますから、直ちにそれを取り上げるとか直ちに実施するという意味ではございませんが、一つの問題点としての指摘はしておる、こういうことでございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 この前の予算の総括での答弁によりますと、塩田さんは「防衛準備の段階の研究事項でございます。」と、段階事項と言っているのですね。そこで、問題になったのが、いま言われたように人員補充の問題あるいは作戦用の資材確保の問題あるいは基地の抗堪性の問題ということについて、現行法そのものもそれでいいかどうかということを含めての研究をやったというふうに答弁されたわけですが、それについて結論が出たということですから、ここで問題になる現行法と言えば、隊法の七十条、人員補充の関係ですね、それから作戦用資材の確保の関係では百三条ということになっているわけですが、七十条なり百三条なりを変える必要があるということが——防衛研究の段階ですよ、何もそれを政府が採用したとかなんとかいう段階でないことは私も十分承知しています。しかし、公費を使って長官の命令で二年も三年もかかってやってきた防衛研究の結果として出された結論があると言うんでしょう。その結論は、七十条そのものはやはり変えなければいかぬというふうな研究結論になっておるのか、あるいはそれは変えなくてもよろしいということになっておるのか。研究結果の結論ですよ。百三条についてはどうかという点について答えていただきたい。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 七十条の予備自衛官の招集の時期、百三条の問題、いずれも現在別途有事法制の研究ですでに研究としては取り上げておる課題でございますが、そういう意味では防衛研究の場合も同じ趣旨の指摘をしておりまして、今後の有事法制の研究の課題になっていくだろうというふうに思っております。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 研究の課題じゃなくて、防衛研究をやったんでしょう。それで、課題としてこの二項目めの防衛準備ということでやった結果が出ておるんでしょう。課題じゃなくて結果なんですよ。その結果はどうなっているのか、その結果がいいか悪いかというのは、これは国会でも論議せにゃいかぬし、防衛庁の内局でも論議せにゃいかぬだろうけれども、いますでに報告が出されておると言っておって、その問題が問題になっておるんだ、それを早く招集せいとか、そうでないと困るとかいう意見になっておるのか、あるいはこのままでやっていくそのための研究でいいんだ、よう検討してみた結果このままでよろしい、そのためにはこういう運用の仕方をしたらよろしいというふうになっておるのか、そこのところを聞いているのですよ。研究をしたのだから、一定の結論が出たらその問題点を国民の前に明らかにして、そういうことをやるのはけしからぬということになるかもしれぬし、それはそうすべきだということになるかもしれぬし、そうすべきでしょう。そういう点で、この点については七十条の防衛招集の時期を早めるということになっておるのじゃないか。局長の口ぶりからいくとどうもそんな感じなのですが、そこのところをはっきりしておいた方がいいのじゃないですか。それ自体を国会でも論議するということでなければいかぬのですよ。その前提をはぐらかせてしまってやっていたら審議にならぬのじゃないですか、いかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 防衛研究の中で予備自衛官の招集の時期を取り上げておる、それを早くしてもらいたいということが出ておることは事実であります。防衛研究としては出ておるわけですが、それを受けとめてどうするかは、今後の有事法制の研究の作業の中で考えていくということでございます。  百三条も同様であります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 物件の収用とかいうことについては、いまの百三条ではだめだ、もっと早くできるようにすべきだという防衛研究結果の結論が出ておる、しかしそれを採用するかどうかは改めてまた検討していくのだ、こういうことですね。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いま百三条も同様でありますと言いましたので、百三条に書いてあることを全部というふうに受けとめられては大変困るのですが、百三条そのものを有事法制の方でいまいろいろ研究しております。それを受けとめて今後の防衛庁の百三条に対する考え方をまとめていきたいわけでございますが、防衛研究の方で七十条、百三条についてそういう指摘があったことは事実でございます。     〔池田(行)主査代理退席、横路主査代理     着席〕

東中光雄日本共産党

○東中分科員 有事法制の方で研究しておる、それはそうでしょう。しかし、有事法制のことがこの国会で大問題になって、政府でしたか防衛庁でしたか、統一見解が出された。そこでは防衛研究の結果が前提になって有事法制の研究に入っていくものもあると書いてあるのですね。その防衛研究の結果が出た、それとは関係なしにこれは別にまたやっていますというのでは、何のための防衛研究かということになるわけです。違うでしょう。百三条の詳細についていま議論しようとは思いませんけれども、とにかく時期なり範囲なりを広げる方向を防衛研究の結論として出してきた、そして今度はそれを法制研究という形で官房中心に検討しているという段階へ来ているのじゃないですか。それならそうとはっきり言ったらどうですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 大体いまお話のあったようなことでございまして、防衛研究で出てきた成果のうち、法制の研究にかかわるものは今後有事法制の方に取り入れてもらう、こういうことを先ほどから申し上げているわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 だから、七十条全体でないかもしれませんけれども、七十条、百三条も問題になってきておるということですね。  さらに、いまの第三項目の陸海空の統合的運用、対処構想の研究については、隊法二十二条、これもこのままでいいという結論なのか、これを変えるという結論なのか、そういう点はどうなのですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 防衛研究をやっていくに当たりまして、あるいはもっと以前からでございますが、自衛隊の場合、陸海空三自衛隊の統合運用ということにおいて非常に欠ける点があるのではなかいということがいろいろ指摘されておりまして、私どももそれを反省点の一つとして考えておりまして、今度の研究の中でもそれを一つのテーマとして研究したわけであります。  その結果、いろいろなことが考えられるわけでございますけれども、法制的な面で言えば、統合幕僚会議議長の権限が現行のままでいいのか、あるいはもう少し改正した方がいいのか、統合的運用という観点から改正した方がいいのかということについて研究をいたしまして、結論としては改正した方がいいのではないかという指摘が出てきておるわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 もう一々問うておる時間がありませんので申し上げませんが、この全体の経過を見ますと、防衛研究をやる、制服でやるということで、制服は自衛隊としてよりは軍隊としての立場から軍事的にいろいろ研究をやる、そうすることによってどんどん拡張していくわけです。  自衛隊は「陸海空軍その他の戦力」になって、これは保持することさえ許されないのだ。しかし、憲法九条といえども国の自衛権を放棄しているわけじゃないのだ、自衛権はあるのだ、だから現実に侵略があった場合に、断固として日本国民が政治的にもあらゆる手段を尽くしてこれに抵抗し、戦っていく、これは国の独立を守っていくために当然そういう姿勢でなければいかぬ。しかし、それは自衛権は放棄していないからそうなので、陸海空軍その他の戦力を持たないという憲法の規定がある以上は、そういう軍隊を持つべきではないのだ。なぜならば、自衛という名前だけでは——太平洋戦争さえ、あれは自衛のためと言って戦争に行ったのです。「自存自衛ノ為」こう言うのです。決然立って戦うのほかなきなりと天皇が言って、それで攻撃したのでしょう。みずから存在し、みずから守るというためにはあの太平洋戦争以外にないのだと言って行ったのですから。侵略戦争だ、そんなことを言ってやるのはだれもおりはせぬのです。軍隊というのはそういう方向に向いていくのだ。だからちゃんと押さえておく、軍隊は持たない、こうなっているのだ。それを持った。それは軍隊じゃないのだ、自衛隊だ、こう言っているけれども、実際に防衛研究をやらせたらそれは軍事研究をやるものだから、ほかの国はどうだと言ってほかの国の軍隊と同じようにやっていくものだから、どんどん先に進んでいく。準備行動が先になる。法律に規定がないけれども先にやるようになってくる。そして、制服の最高司令官の権限を強めていこう、統幕議長の権限を強めていこうというものが出てきている、こういう方向に来ているのです。それに内局が乗って動いておったのでは、これはシビリアンコントロールじゃなくてミリタリーコントロールなのですよ。向こうからの要求で、それを体裁を整えるようにやっていくだけだということになるのです。こういうやり方は絶対に許されぬことだ、私たちはそう考えているのです。  だから、こういう防衛研究などということで軍事的な研究にシビリアンが歩調を合わせていくようなやり方、日米共同研究ということで、これも制服の研究にシビリアンが歩調を合わせていくようなやり方、これは絶対にやめるべきだ、こう思うのですが、長官、どうでしょう。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 せっかくの御意見でございますが、私は、自衛隊は、日本国憲法のもとで保有が許されております自衛のための必要最小限の実力組織であると考えております。     〔横路主査代理退席、主査着席〕 しかも、防衛庁設置法、自衛隊法に基づいて設置が認められている、そういったものでございまして、いわゆる軍隊ではない、自衛隊そのものであると理解いたしているわけでございます。  その自衛隊の運営、管理につきましていろいろ不備な点がありはしないかという意味の研究を防衛研究において実施いたしているわけでございます。また、有事法制の研究においても進めているわけでございます。また、日米安保条約に基づく共同研究、ガイドラインに基づく研究は、安保条約を有効に運用するための研究であるわけでございます。それぞれ目的は違いますが、現在の自衛隊を憲法のもとにおいて、また関係法律の規制のもとにおいて運営を実効あらしめるという目的のために行われているものでございますので、決して戦前の軍隊のような、そういった方向に走るおそれはないものと考えておる、またそうさせてはならないものと考えます。しかも、シビリアンコントロールという政治優先の原則を貫くことにいたしているわけでございますので、そういった点につきましては一層注意を払ってまいりたいと考えている次第でございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 時間がありません。私は、全くかみ合わないというのを非常に遺憾に思います。  というのは、実際に動いておることを、戦前だって、軍閥があの破滅の戦争に入っていったと言うけれども、それぞれはそういうような場面から見ておれば、そう逸脱しておるように見えないようなかっこうでずっと進んでいったのですよ。これはまさに制服の主導で動き出してきている。しかも、制服とアメリカとの協議、ガイドラインの研究ですね、どれが先に進んで、そして今度は防衛庁は同じ問題について、たとえば作戦準備あるいは防衛準備という形で進んでいきよる、ということで非常に私は問題だと思っておるのですが、最初に申し上げました警戒監視体制の問題ですが、警戒監視体制の整備という問題が一つあります。同時に、体制ではなくて、警戒監視行動、哨戒行動というのがずっとやられてきていますね。ここ数年間飛躍的に強化されてきておると思うのですが、五十一二年度から、警戒監視の行動ですね、周辺海域、海空域における、その概要を述べていただきたい。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 警戒監視行動の実情いかんという御趣旨のお尋ねだと思います。お答えいたします。  専守防衛を旨とするわが国にとりましては、周辺海空域を行動する艦艇、航空機の動静など軍事的動向について常に適確に把握し対応に遺憾なきを期することはきわめて重要であることは改めて申すまでもないところでございます。その目的のため、現在自衛隊では全国二十八カ所に置かれているレーダーサイトを初め重要な海峡、港湾などに所在する沿岸監視隊または警備所、対潜哨戒機や艦艇により、常時警戒監視を行っているところでございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 現状は、抽象的にお伺いしましたけれども、五十三年度は、対潜哨戒は一日一機、わが国の周辺海域をやっておった。五十三年度からは新たに津軽、対馬両海峡に水上艦艇を常続的に配備して、それから対潜哨戒機の監視飛行をおおむね一日二機にした、これは国防白書に書いていますね。五十三年には五十二年段階からの倍になった、そして五十四年になりますと艦艇及び航空機をもって常続的に実施するようになった、そして監視海域をさらに広範囲に広げだということが国防白書に書いています。そして五十五年度は、わが国周辺の海域を行動する艦船に対しては対潜哨戒機や艦艇がそれぞれ常時警戒監視を行っている。だから、一日一機から一日二機になって、次は常続的になって、ただいまは、防衛庁長官が言われたように、常時船と飛行機とで周辺海域におる艦艇を監視しておる、こうなっているのですね。常時というのと常続的というのとどう違うのか私よくわかりませんけれども、いま、何機が、どの範囲において、常時、哨戒、警戒、監視に当たっているのかという点を明らかにしてほしいと思います。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 具体的な詳しい内容は控えさしていただきたいわけでございますけれども、概括的に申し上げますと、日本海の場合二分の一ということでございますから二に一回、東シナ海の場合も二日に一回——失礼しました。日本海の場合、毎日で二分の一でございますから、結局、区域を分けておりますので、一日ずっと出ておるということでございます。毎日二分の一と申し上げましたのは、日本海については、空域的にいえばとにかく一日出ておる、それから東シナ海は二日に一回、北海道周辺も二日に一回、こういうことでございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 範囲はどこからどこまでですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 周辺ということでございますので、具体的にどの範囲ということは控えさしていただきます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 防衛白書によると、五十三年、周辺海域の哨戒範囲を拡大した、こう書いてあるのです。だから、周辺海域だというだけではわからぬわけで、拡大する前と拡大した後とは明らかに違うのですから、いま周辺海域のどこまで行っているのかと聞いているのですよ。それ、言えないのですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 私いま覚えておりますのでは、東シナ海で海域を拡大したように覚えておりますが、具体的にはちょっといま正確に覚えておりませんが、いずれにしましても、周辺ということで、具体的にどこの範囲を哨戒しておる、警戒しておるということは、遠慮さしていただきたいと思います。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 遠慮さしてもらうというのは、露骨に言えば、秘密に属するから言えない、そういう意味なのか、ちょっといま記憶が定かでないから遠慮さしてもらう、調べてからまた言いますという意味なのか、どっちですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 具体的な哨戒の内容につきましては秘密でございます。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 ことしの一月八日に、「朝雲」という自衛隊の中で読まれておる新聞に、三幕僚長、いまの統幕議長になった矢田さんが、このことについてこう言っています。  「海上自衛隊はいま本土周辺の監視任務についています。バシー海峡を北上してくるのやウラジオストクを出て日本へ入ってくる船を、艦艇、航空機で監視しているわけです。また、八戸のP2Jもオホーツク海で航空自衛隊の支援を得て哨戒任務を行っています。日々そういう任務についている隊員は、平時のときと目つきが違うといわれてます。なにしろ相手とは五百メートル位の距離から監視するわけで、相手の顔が見えるんですから緊張感もありますし、それだけ使命感も強くなるわけです。」  ウラジオストクを出てくる船からバシー海峡まで、オホーツク海へ、何と航空自衛隊の支援を得てやっているというのですよ。あなたはそれは秘密だと言ったでしょう。ところが現在の統幕議長は、新年早々にちゃんとこう言っているじゃないですか。これは秘密漏洩ですか。この事実は認めますか。これはいいかげんなでたらめを言っているんだということになるのですか、どっちですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いまの記事は、バシー海峡まで、わが方が哨戒しているという意味ではないことは、その文脈から明らかだろうと思います。  それから航空自衛隊の支援といいますものは、これは航空自衛隊の持っておりますレーダーサイトの指示を受けますから、当然航空自衛隊の支援を受けているわけであります。

東中光雄日本共産党

○東中分科員 もう時間ですからやむを得ませんが、バシー海峡を北上してくるのやら、ウラジオストクを出て日本海へ来るのやら、オホーツク海へ行っておると、これは範囲をはっきり言っておるじゃないですか。そしてやり方まで言っている。しかも、五百メーターの近くまで行って、相手の顔が見えて緊張度が増して、目の色が変わってくるというようなことをやっているんだと言っているのですよ。私も船に乗っていたことがありますからよくわかりますけれども、五百メーターといったら、すぐそばですよ。輪形陣で編成を組んだって、わが陣の中で組んでおっても五百メーターといったら非常に接近した陣形ですよ。ところが、ソ連の艦艇に対して五百メーターのところまで、相手の顔が見えるんだ、緊張するんだ、これは明白な挑発行為ですよ。ソ連脅威論どころか、哨戒に名をかりた、まさに挑発行為ですよ。しかも航空自衛隊の支援を得てというのですから、航空自衛隊のF1にしろファントムにしろ、いまサイドワインダーはつけているんでしょう。実弾実装しているじゃないですか。それを支援を得て哨戒だと言う。これが警戒監視態勢と言えるかどうか。明白な挑発ですよ。こういうことについて、そういうことを実際やっているということを言っておる。  国会では、それは秘密で言えませんと言う。そして、この海幕長はこの間統幕議長になっている。一体どうなっているんだ。本当に危険な動きですよ、これは。防衛庁長官、こういうことが許されていいんですか。それでシビリアンコントロールと言えるのですか。こういうことを具体的に防衛庁長官は命令しているのですか。しかも、自衛隊法上の部隊の行動としては、自衛隊法六章に何にも規定がないじゃないですか、この哨戒というのは。スクランブルなら規定があります。海上警備なら規定がある。これは何の規定がないのにここまで行っている。内容は隠している。こんなことは許せません。ちゃんとした処置をとるべきだと思うのですが、どうです。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 異常に近づいておるという御指摘がございましたが、これはどこの国でもやっておる程度以上のことはやっておりません。それから航空自衛隊の支援というのは、先ほど申し上げましたようにレーダーサイトからの支援でございまして、現実に戦闘機が護衛するような形での支援ではございません。それから、先ほども申し上げましたが、バシー海峡とかウラジオストクとか名前が出ましたが、そこまで行っておるという意味ではございませんで、そこから出てくる艦艇についての監視の話でございます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 以上で東中光雄君の質疑は終了いたしました。  次に、加藤万吉君。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 シナ事変が大変緊迫の度を加えまして、やがて太平洋戦争に入るわけでありますが、昭和十六年、当時わが陸海軍は、その軍備の強化のために各地で基地建設を行いました。私は、これから大和、厚木、通称厚木基地と言いますが、この基地の収用、そして基地内にある個人名義の土地問題について御質問をいたします。  当時、軍が収用した、それぞれの土地を買い上げたわけですが、これの法的な根拠は、当時は何だったのでございましょうか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 お答え申し上げます。  現在の厚木海軍飛行場の当初の旧海軍省が買い上げた法的根拠といいますが、一般私人の方から売買契約に基づいて購入したものと承知しております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 第一次土地収用が四十三万坪ですね。土地の売買——防衛施設庁の言によれば売買ですが、これが始まったのが十六年六月です。おおむね第一次収用が終わったのが十二月です。半年の間に四十三万坪の土地が売買契約として成立をいたしたのですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 私ども防衛施設庁でございますが、旧海軍省の土地買収の経過については詳しいことを承知しておりません。また、申しわけありませんが先生御指摘の事実についても、私ども正確に把握しておりませんので、その辺のところについては、何とも私どもの方でお答え申し上げるわけにはまいらぬと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 旧国有財産を防衛施設庁が引き継いだわけでしょう。いわゆる管理を引き継いだわけでしょう。当然、管理引き継ぎ事項には、いわゆる当時の土地買収に伴う諸資料、経過あるいは当時の法律的な根拠というものは引き継がれているんじゃないですか。私はあえて言いますが、当時の国の条件から言えば、やはり国家総動員法、そしてそれに基づく陸海軍の土地収用令、これによって買収、収用されたんじゃないですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 私どもが承知している限りにおきまして、旧海軍の厚木飛行場で国家総動員法が適用されて国家総動員法に基づく土地の使用もしくは収用が行われたという事実は承知しておりません。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 この問題は法律的な争いになりますから、いずれ場を改めて明確にしておきたいというふうに思います。  その基地の中に名義上個人所有地になっている土地が幾つかありますが、この際私は、山口哲之助さんが所有する共同墓地の土地について伺いますが、これは今日も山口哲之助さんが所有する共同墓地、いわゆる個人所有地でございましょうか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 先生お尋ねの点は、綾瀬市桜ケ岡九百九十五番地で四百九十九平方メートル、山口哲之助氏ほか二十八名共有墓地となっている土地のことについてお尋ねだと思いますが、この土地につきましては、現在の名義人は山口哲之助氏ほか二十八名の共有ということになっております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 防衛施設庁が引き継がれたときに、当時、厚木基地は三万二千平米近くが個人名義でございましたね。今日残っている個人名義の地域は八百十七平米、そのうちに、いま御説明がありました地域が含まれているわけですが、どうしてこの地域だけが今日未登記になっているのですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 先生御指摘の数字、若干、私どもの方の現在まで処理したもの、あるいは現在まだ未登記になっているものについて違っておりますので、ちょっと御説明申し上げたいと思いますが、私どもが四十三年に国有財産の管理というので引き継ぎましたときに、約七万平米ほどが御指摘のような個人名義といいますか、まだ国有地でありながら登記漏れになっているという内容でございます。     〔主査退席、池田(行)主査代理着席〕 これにつきまして私ども四十八年度から、それぞれ名義人になっておられる方、旧地主の方々の御同意や、それから地元の大和市、それから現在綾瀬市になりましたが、綾瀬町の御協力等も得まして、四十八年度以降逐年、登記移転の承諾をいただきまして、現在までのところ七十名、六万三千平米ほどの未登記財産につきまして快く国へ登記がえさせていただきました。現在なお二十一筆ほど、七千三百平米ほどが綾瀬市、大和市にわたって未登記になっておりますので、この件につきましても、私どもの方は逐次、国への登記がえについて御同意いただきたいものと思っております。  それから、先生御提示の山口哲之助さんの方も、その七千三百平米の中に入っております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 五十四年三月十四日横浜防衛施設局の文書によりますと、昭和四十八年以降、計画によって処理をして、五十三年度に至るまでに合計三万二千八百八十・三九平米、こういう文書を私はいただいておるわけです。ですから、数字の違いはこの際余り問いません。問題は、その中の山口哲之助さん以下二十八人の共有の墓地が、なぜ今日まで未登記になっているか、この点について御説明いただきたいと思う。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 初めに、先生お挙げになった数字でございますが、綾瀬市関係の数字をお挙げになったと思います。実は、私が先ほどお答え申し上げましたのは大和市関係も含めてお答え申し上げましたので、綾瀬市の分だけということになれば、先生のおっしゃった数字で、ほぼ私どもの方の資料と一致するかと思います。  この件につきましては、先ほども申し上げましたが、昭和四十八年度以来、逐年計画で未登記財産の処理をするということで、大和市、綾瀬町とも御相談申し上げまして、未登記の処理については国としても若干金もかかることですし、逐年、予算の取得状況に応じて処理したい。その処理に当たっては、後から若干地価が上がるということもございますので、先に登記がえされた方と後から登記がえをされる方と不平等が生じてはいけないということで、市等も入っていただきまして、大和市なら大和市、綾瀬市なら綾瀬市で、いわゆる市ごとの同一単価で処理するということで、御同意をいただいた方から逐年処理したわけでございます。  先生御指摘の山口哲之助さんほか二十八名の措置につきましては、昭和四十九年の七月に、二十九名というのが現在の登記名義人でございますが、実際には相続等も行われまして、関係者の方が百六名になっていたそうでございますが、この際、先ほど申し上げました綾瀬町としての、皆さん統一的に御承諾いただいた平米当たりの千五百七十円という見舞い金を支給することで移転登記承諾書に全員御同意いただいたわけです。  当然それで処置できたわけでございますが、何分、二十九名の方の登記を百六名でございますかに直すということのために、それぞれの方々のそういった手続等をやっております間に若干の時間がたった。実は、この四十九年のときに、もうすでに山口哲之助さんという方はお亡くなりになって、相続人の方がおられたわけでございますが、五十三年五月になって、相続人の方から、上記の同意でございますね、移転登記承諾書につきまして、同意を変更して見舞い金の増額をしてくれというお話があったわけです。これに対して私どもは、すでに相当の方につきましては快く移転登記させていただいておりますので、そういう方々との均衡上からも、国としては、そういう条件ではむずかしいということを申し上げたわけですが、申し入れについて、そういった御主張をされておりました。  それから、さらに五十三年十一月には、旧地権者対策協議会事務局長と言われるような方から横浜局等にもお話がありました。ただ、この方は二十九名の所有者の方とは関係のない方でございます。それから、先ほど申し上げました山口哲之助さんの相続人の方から、さらに五十五年四月に至りまして、土地代金を受領していないというようなお話があったわけです。そのお話では、亡くなられた父上の貯金通帳に預入の記入がないといったようなことを証拠として、おっしゃっているようでございます。それから最近は、この方々は、そういった見舞い金の増額というのではなくて、現在の地価による買収といったようなことも御要求になっているようです。私どもとしては、この土地につきましては、先ほどから経緯を申し上げておりますように、七十名の方々がすでに基本的に国、公共団体ともお話し合いになった線で処理していただいておりますので、その線に従って、この点についても円満に解決させていただきたいと思っております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 百六名というのは、厚木基地の中の綾瀬分、そして施設庁が言う買収済みで未登記のもの、これが百六人なんです。いま山口さん以下のは、ここに土地謄本を持っておりますが二十八名、山口さんを入れて二十九名ですね。百六名の中の二十八名になるのか、この土地に限っては、とにかく山口さん以下二十八名なんです。いまお話に、この土地は買収済み、したがって未登記の、いわば登記を変更するために見舞い金程度、こういうお話に私は受け取ったのです。そういうふうに理解していいのですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 いま最初に百六名と申し上げましたが、実は登記簿上の所有名義人は二十九名、山口哲之助氏ほか二十八名で、これは現在も変わっておりません。ただ私どもは、見舞い金支給のための権利者といいますか、という方のために、これらの方々は、長年の間に物故されたり、あるいは相続等が行われておりますので、その方々の合計が百六人で、現在四百九十九平米の土地に対して、権利承継等を受けて何らかの形で権利をお持ちの方が合わせまして百六人になっております。その百六人の方々に対して、移転登記についてそれぞれ御承諾をいただいたわけです。そういう形で私ども処理してきましたので、今後ともその線で処理していきたい、と思っているわけでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 私が聞いているのは、いわゆるそれが買収によって、ただ終戦が近かったわけですから未登記になったというのか、それとも買収をされずに、今日そのままの形で未登記になったのか、こう聞いているのです。ここだけでいいです。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 買収は行われましたが、処理手続上で未登記になっているものと承知いたしております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 私は、基地の中に個人所有の名義の土地があるのは余り好ましい条件ではないと思っているのです。早急に解決しなければいかぬですよ。そのためには、地権者の方から言いますと、この土地は買収してない、こう言うのです。いまいみじくも御説明がありましたように、土地代金を記入すべき貯金通帳にその代金が入ってない、したがって未買収であり未登記だ。ところが、いまお答えでは、これは買収済みだ。しかも同じようなことが横浜防衛施設局長の名前で御回答をいただいておりますね。ここには、本件に関するいわゆる立証する資料ですね、いわゆる買収したということを立証する資料は旧海軍省の資料等を保有しております、こう御回答をいただいております。買収した資料があれば、あとは簡単なんです。当時買収はしたけれども、未登記なんです。したがって言うところの名義変更、いわゆる登記をかえるための見舞い金と、こうなるのです。ところが、そうでない、当時買収はしていないんだという一方の主張があるわけですから、その資料をお出しをいただければ、この問題の解決はできるのです。どうですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 未登記財産に関する資料のうち、こういった個人間のプライバシーにかかわるものの提出というものは、国会に対しての提出は差し控えさせていただきたいと思っております。御理解いただきたいと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 施設庁長官、見えていますか。私は、いま申し上げましたように未登記のいわゆる個人名義の土地が今日基地内にあるというのは余り好ましい状況ではない、解決すべきだ、こう思っているのです。いまの資料、個人のプライバシーの問題にかかわるということなんですが、私はどうもプライバシーにかかわるとは思っていないのです。御当人、いわゆる後の相続人の方にも私はお聞きをしましたけれども、プライバシーにかかわることは恐らくないと思います、こういう御返事でございました。どうでしょう、その基地内の個人名義の土地の解決の方向としては、当時買収をしましたという資料があれば納得する、あるいは登記に快く応ずることが可能なんですが、いま部長の答弁では、プライバシーにかかわることだから資料を提出できない、こう言うのです。私は地元に責任を持つ一人の政治家として、この問題は資料があれば解決するにもかかわらず、これが出ないということはどうも合点がいかない。資料請求しますが、どうですか。     〔池田(行)主査代理退席、主査着席〕

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 米軍の施設の中にあります未登記財産の問題については、先生先ほど来御論議がございますように、終戦前後の非常に混乱した時期の問題でございますので、恐らく旧軍においても登記の手続が十分になされなかったということだと思います。私も未登記財産が基地の中にあるということは好ましいとは思いませんので、早急にこれらの問題は解決したいと思っております。  ただいまの買収に関する資料については、従来個人のプライバシーに関するものということで提出を控えさせていただいたわけでございますけれども、先ほど来からの御論議で、相手方に対しまして、この資料を見せるということはやむを得ないというふうに考えます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 この買収をしたという資料、私どもに御提示を願えるのですね、いまの答弁では。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 大変恐縮でございますが、私どもは相手方本人にお見せをしたいというふうに考えます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 それでは聞きますが、その資料に基づいて——施設庁は持っていらっしゃると言うわけですから、いつ買収代金をお払いになったのですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 私どもの持っております資料では、昭和二十年の十一月に代金の支払いを下したものと承知をしております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 どこの、どなたにお払いになったのですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 先ほど来申し上げております山口哲之助氏外二十八名ということでお払いしております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 昭和二十年といいますと戦争が終わった後ですね、いまの日にちは。当時、この山口哲之助さんは綾瀬市におられたわけですが、昭和十九年の三月に、どういうことかわかりませんが、登記簿上によりますと、東京都葛飾区小菅町にいるのです。私、番地を調べましたら、何と小菅刑務所のすぐ際なんです。前の土地登記が変わりました、間違いでした、したがって小菅が本当ですということで、これは小菅に住所が移っているのですよ。  これは私は推測の範囲を出ませんが、当時何かのトラブルがあって、軍が、故意か意識的か、小菅刑務所のすぐ隣に、この人の住所をわざわざ移したのではないか。もし御指摘のとおりだとするならば、その代金は小菅に払ってなければいかぬのですよ。あなたはいま山口哲之助さん以下の人にお払いをしましたと言った。私はここに戸籍謄本を持ってきましたが、綾瀬市蓼川です。偶然かどうか知りませんが、昭和六年まで、この小菅町は東綾瀬町というのです。この間の経過は御存じですか。戦争前のことですから、なかなかむずかしいと思いますけれども、その代金は一体、この小菅町の山口哲之助さんに払ったのですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 土地登記簿の問題につきましては、確かに私ども何といいますか、当面する当時の責任でもなかったわけでございますが、そういったようなお話もありましたので土地登記簿等を調査してみました。たまたま、先ほど申し上げました山口哲之助さん外二十八名の方、要するに登記簿の共有名義人の方の中の柴田俊雄さんに関する土地登記でもって、全くそれと同記、むしろその錯誤によりというのがない移転登記というのがなされているのを見出しましたので、これは当時、登記書類上の手続のミスでございますか、柴田俊雄氏が東京都葛飾区小菅町千二百七十一番地に移ったということを誤記したものではないかと推定をされるわけです。それで山口哲之助さんが御指摘のいわゆる綾瀬の方にずっとおられましたということは、私どもの方も、そのように承知しております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 法律的な用語ですから非常にむずかしいのですが、錯誤により名義人住所を——名義人住所というのは、この名義人は山口哲之助さんなんです。これを移しているのですよ。ですから、あなたが言われた、どなたか知りませんけれども、その人によって云々じゃないのです。昭和二十年と言えば、その後この登記簿によれば、どこも住所は移動をしてないわけですから、ここの人に払わなければおかしいのですよ。ですから私は、この基地内の個人名義の土地を解決するには、売買した契約ないしは、この金を払ったという受領書を含めて出してもらわなければ問題の解決にならない、こう言っているのですよ。どうですか。  いま一度聞きますが、対象の個人にはお見せをしますということですから、いま山口さんはお亡くなりになっていますから、御子息さん、いわゆる遺産相続をするべき人に御明示願えるのでしょうが、同時に私どもにもいま一度、この領収書を含めて、資料を御提示いただきたい、こう思うのですが、いかがでしょう。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 私どもの方の資料を、先生おっしゃいましたように、山口哲之助氏の相続人の方々にお見せして、この問題を解決するというように今後進めたいと思います。  なお、国会等への提出等につきましては、先ほど施設庁長官が申し上げたとおりでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)分科員 それでは私は、この問題はほかの委員会でといいましょうか、当分科会では時間がございませんから、これ以上の質問はちょっと続行ができないと思いますので、山口さんのいわゆる相続人にお見せになった後、私はさらに、それまで質問を留保しておきたいと思うのです。  ただ申し上げたいのは、いま言いましたように、この当時の山口さんは、いずれにしても小菅にいるということがどうも問題の複雑さといいましょうか、当時の背景の深刻さといいましょうか、それらを物語っている気がするのです。これは大臣にお聞きしましたけれども、当時の四十三万坪を半年間に収用したというのですね。売買契約だというのです。私は、戦争中のことを知っていますが、恐らく国家総動員法、それに基づく土地収用令に基づいたものだと思うんです。  いろいろ聞いてみますと、当時の農家の家のまず井戸をつぶしちゃうんですね。住むことができませんから、やむを得ず立ち退かざるを得ない。そういう状況の中で土地収用が行われた、こういうんです。当局に言わせれば買収でしょうね。そのために半狂乱になった人もあるそうです。山口さんが当時何かの意思があって軍の買収に抵抗する、あるいはそんなことがあって、たまたま、軍が後ほど問題が起きるといけないということで小菅の刑務所のそばへ住居を移して土地登記を行ったということも考えられるわけであります。  したがいまして、この問題は戦争中の問題ですから、直ちに事態の解明を当委員会でということはむずかしいかもしれませんけれども、いまの資料を見た後で、基地内における個人名義の土地をなるべく早く国の財産あるいはそういう形に引き直すことが至当だと思いますから、その観点からいま一度御検討いただきたい、こういうことをお願いして、私質問を終わりたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 以上で加藤万吉君の質疑は終了いたしました。  次に、伊藤茂君。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 基地問題に関連をいたしまして若干質問いたします。  その一つは、今年一月九日、横浜市のノースドック、瑞穂埠頭に米海兵隊が突然上陸をした問題であります。地元の新聞など、また、市民も大騒ぎをいたしましたが、平和な正月の横浜港に突然米軍の大型揚陸艦三隻が入港いたしまして、大砲、軍用トラック、迷彩服の米兵約千人が東富士の演習場に移動し、「港に硝煙のにおい」というふうな報道もございました。関連をして伺いたいと思いますが、まず第一に、何でこんなことが起こったのか、米軍の方からどのような説明があるのか、いかがでしょう。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 先生御指摘の一月八日、九日にかけての米海兵隊による移動でございますが、富士演習場で訓練を行っております部隊は沖繩から参っておりますので、これはその交代のためのノースドックの使用でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 私が聞いたのは、いつもは静岡県下沼津の方に上陸をする、それがなぜ急に三年も四年も来たことのない横浜のど真ん中に入港したのか、その理由を聞いているんです。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 お答えします。  ただいま先生おっしゃいましたように、従来、富士演習場へ出入りする場合、沖繩からの在日米軍は沼津海浜訓練場及び沼津上下船積込積下訓練区域において人員、装備、物資等の積み込み、積みおろしをするのが常でございました。しかし、沼津海岸は季節により波浪も強く、船舶の接岸が困難になる等の気象条件上等の問題もあったと思いますが、人員等の輸送を安全かつ円滑に実施する必要から横浜ノースドックを使用した、そういうふうに承知しております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 神奈川県、横浜市に聞きますと、気象及び輸送上等の条件による措置であると言いますが、そういうことですか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 気象上の条件も、それから輸送上の便宜ということだと思います。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 私は、その説明を新聞、県、市から聞いて憤慨したんです。今年の一月、御承知のとおり、東日本の方は毎日からからの天気でありまして、一月六日、七日、八日、九日の天気の状況を全部調べてみました。横浜も快晴、静岡も快晴。横浜の方が晴れで静岡の方にあらしがあったというふうな天気は一遍もございません。ところが、米軍からの説明として特に気象上だというふうに県でも市でも説明されています。気象上などの理由によってやってきた。こんなことは子供だましというよりも、子供だってごまかされないということだと思うんですね。こういういいかげんなことでない措置といいますか、米軍との関係もきちんとしてやるべきじゃないだろうかと思いますが、いかがですか。ごまかしたってだめですよ。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 当日の天候というお話でございましたが、何分一個大隊規模、八百名ほどの人員でございます。それから戦車、火砲等も含みます移動でございますので、通常こういったものの輸送計画というものはかなり前広に立てておりますし、それから一方は富士演習場に来るために沖繩を出てくる、片方はそれに合わせて、余り時間的なタイムラグがないようにしまして富士地区から所望の輸送を行う、そういうものを一番短時間で要領よくやるためには、かなり前からこういった輸送計画というものを綿密に立てておると思いますので、当日の天候というよりは、一般的なその期間における天候というものを考慮しての輸送計画の実施だと思っております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 ごまかしちゃだめですよ。とにかく沖繩から来る。それでお天気の様子を大体ことしの正月以来想像してごらんなさいよ。静岡に来るか横浜に来るか。静岡に行くのが台風が来て危ない、横浜がからっと晴れている、そんなばかな天気はございますか。まあいいです。  とにかく、いずれにしても正月早々の横浜にとんだプレゼントで、町の真ん中を、バスには乗っているけれども迷彩服を着た兵隊さん、それからほろはかかっているけれども大砲や何か、みんなびっくりですよ。一体何のことだろう、こういうわけなんだ。しかも、お天気の都合で来ました。天気図を見るまでもなく、正月以来の太平洋側の天気を考えたらこんなばかなことはないんだ。とにかく市民を愚弄するような説明なんかしないようにしてもらいたいし、米軍の方にもきちんとした態度をとってもらいたいと言っておきます。  さて、続いて聞きますが、ほぼ五年ぶりですね、ベトナム戦争が終わって。あの当時にはベトナムに戦車を行かせるなということで、私も村雨橋にしょっちゅう行きましたけれども、いろいろ事件の起こった記念すべき場所であります。そこにほぼ四年か五年ぶりぐらいにこんなことになった。これは市民としても非常にびっくりするわけでありますが、米軍から皆様方が聞いたか問い合わせたか知りませんが、その説明では、何かこれは臨時措置であるというふうに言っているようでありますが、ノーストックに対する米軍の入港は年々減っておりますし、最近は月に二回ぐらい小型の貨物船が入ってくる。事実上遊休化をしておる。これが新たに活性化するといいますか、何かそういうふうな動きというふうに皆様はお考えになっているんでしょうか。そうでないんでしょうか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 初めに、ちょっと説明につきまして、大変申しわけないんですが、実は先生御承知だと思ったので、横浜ノースドックはきちんとした接岸装置のついている港の埠頭でございます。それに対して沼津海浜訓練場といいますが、名前は訓練場ですが、単に砂浜に小上陸用舟艇なんかがそのまま乗り上げられるような装置がついているだけで、大型の船は沖がかりしまして、それで小型の上陸用舟艇なりはしけなりに移して揚陸させているわけです。その意味で、神奈川県、静岡県の天候というよりも、そういった実際の積み込み、積みおろしの状態が全然違っておりますので、そのようなことでやっております。その辺、私の説明から落ちておりましたので申し上げます。  それから、横浜ノースドックの使用状態でございますが、横浜ノースドックは、港湾施設として米軍に提供しておりますので、現在でも随時米軍の使用は続いております。その意味では、爆発的にと御指摘でございましたが、われわれは、横浜ノースドックが米軍の運用上必要な港湾施設として今後も使われていくものと承知しております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 部長とそんな問答してもしようがないから、次の質問は施設庁長官に聞きたいと思います。  長官も御承知だと思いますけれども、私どもは、横浜の港は世界につながる川であると思っております。そうして御承知のとおりに、戦後長い間、町の中心部に多くの軍事基地を抱えてまいりました。何しろマッカーサーが一番最初に横浜に住んだわけですからね。そういうこともあって……。それで、いま全国第二の人口を持つ大変な過密都市の状態であります。また、そういう中で、ノースドックのすぐそばでありますけれども、横浜の今後についての二十一世紀を目指す大規模な計画といたしまして、都心臨海部再開発計画がいま進められているところであります。ほぼその計画ができまして、これから未来に向けたりっぱな町をつくろうというふうに考えている。また、いろいろと各方面から御協力をいただきまして、ノースドックのすぐそばを通るベイブリッジの建設なども、いよいよ本格工事がスタートするということになっております。  そういうところの町づくりの計画と、それからこのノースドック、瑞穂埠頭の計画ですね、これは目と島といいますか、くっついた関係になっている。ですから、市の当局も市議会の方からも、早く返還をしていただいて、国際的な港湾都市にふさわしいものにしていきたい。神戸なんかでも、ポートピアとかいろいろ国際的にもいい町づくりをしようとしておりますね。横浜でも当然のことです。  そういうことを考えますと、この返還ということは地元の非常に強い要望である。ところが、一月九日、突然こういうこともあった。臨時的な措置というふうに説明をされているけれども、事実上遊休化したものがまた活発に使用されるようになるのではないかと非常に不安になるという状況に置かれているわけであります。私は、ぜひこれは地元の要望にこたえて、いますぐここでどう返事をしろとか言いませんが、その要望にこたえて、いい町づくりが進むように、その方向に努力をするということが望ましいし、当然ではないかと思いますが、まず、施設庁長官、いかがでございましょう。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 ただいま先生るるお話がございました。この横浜のノースドッグに限りませんで、全国的にいわゆる基地問題、周辺の都市計画その他の問題があることはよく承知をいたしております。ただ、一方におきまして、政府としては、日米安保条約上の問題もございまして、米軍に対しまして施設、区域を提供し、安保条約の目的を達成させるという義務もございます。その間の兼ね合いが大変むずかしい問題でございますけれども、ただいまノースドックについて事実上遊休化しているというお話がございましたが、私どもは必ずしもそうは思っておりません。多少使用の状況が減少傾向にあるということではございますけれども、使用されているということには間違いございませんし、ここの地区は、御承知のように倉庫あるいは岸壁等がございます港湾施設として米軍に提供している地域でございます。  したがいまして、私どもがいままで非公式に米側と折衝している限りにおきましては、この返還というものは非常にむずかしい見通しにあるわけでございます。ただいま先生からいろいろお話がございました。今後地元の横浜市その他のいろいろなお話もよく承って、いまお話しの趣旨を体して対処してまいりたいというふうに考えております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 恐縮ですが、大臣、お話をお聞きになったと思いますが、まず、この横浜ノースピアの問題ですね。とにかく施設部長はいろいろなことを言いましたけれども、天気が悪くて参りましたと言って説明している。県の方にも市の方にも説明に参ったようです。県も市も市民感情を代表して、これは抗議行動ですね、声明や何かを出したりしたようであります。安保の現実というものを体して、何かごまかすような説明をするということではなくて、やはりはっきり事実を市民には説明をする。  それから施設庁長官は、なかなかむずかしいというふうな趣旨での答弁でございましたが、やはり将来の町づくり、しかも人口全国第二の町、こういうものを踏まえた今後の問題を考えなければ、安保がある、基地は要ります、米軍は必要だと言っておりますと言うだけでは、これは国民の納得は得られないということだろうと思いますが、実務的なことは別にして、防衛庁長官はどんな姿勢でこういう問題を処していきたいというふうにお思いになりますか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 横浜ノースドックの問題について御質問があったわけでございます。私も、このドックについては、かねてから地元から返還の要請がしばしばあったということも聞いているわけでございます。また、最近の使用状況を見ると、一ころよりは大分減ってきているということもあるようでございます。ただ、やはり安保条約がございますと、それに基づいて、米軍の必要とする施設、地域も提供しなければならないという政府の義務もあるわけでございます。今後の必要性等をさらに検討しなければならぬ問題もあるわけでございます。  横浜市長から、最近に至りましても施設庁長官あてに、最近新しい都市づくりもあるからという御要望もいただいておるので伺いますと、ノースドックというのはなつかしい瑞穂埠頭だそうでして、私もいささか郷愁も感じているわけでありますが、諸般の事情もございますので、いま施設庁長官がお答えしましたとおり、入念に検討してまいりたい、さように存ずる次第でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 次の問題に移ります。  いずれにしても、これから町づくりが進んでいく、国際的にも開かれた町になる、目の前に物々しいアメリカ軍の出入りがあるということでは、日米友好にも大変な支障になる状況が起きるではないかということを、あなた方にも米軍側にぜひ強く要求をしていただきたいというふうに思うわけであります。  次に、五十二年九月、横浜市緑区の米軍ジェット機墜落事件、ここにいらっしゃる三原さんが防衛庁長官のときに起こった事件でありまして、当時も大変御苦労されたと思うわけでありますが、その後、その真相、事故の原因を明らかにしてもらいたいということで、私も何回か質問書を出したり何かいろいろいたしました。その政府の答弁書では、米側より「アフターバーナー組立の年月日、部隊、場所について回答を得ている。」ということをいただいております。また、米軍側より得た回答の内容については、現に捜査中の事項であるので差し控えたいという回答もいただいております。ですから、この事故が起こったそもそもの原因を形成した組み立ての年月目、部隊、場所についてはアメリカ側から回答を得ています、捜査中の事項であるので差し控えたい、残念ながら、二年十カ月にわたる長期捜査は終了いたしまして、裁判がその締めくくりを迎えました。状況が変わったわけでありますから、その事実を明らかにしていただきたい。

水町治警察庁刑事局国際刑事課長

○水町説明員 本件事故はまことに痛ましい惨事でございますので、神奈川県警察におきましても、真剣にかつ慎重に捜査を行ってきたわけでございますが、昨年七月十四日に、刑事訴訟法の規定に基づきまして、関係書類を神奈川県警察から横浜地方検察庁に送付した次第でございます。  さて、米側の回答でございますけれども、捜査の過程において知り得た事項を逐一公表いたしますと、自後の捜査に支障を来すこともございますし、特に今回の事例のように外交折衝によって捜査上必要な事項を入手した場合に、これをすべて公表することは差し控えさしていただきたいと思います。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 何か参議院の予算でも、そんな答弁を外務大臣もしたようであります。大臣、恐縮ですが、私は気持ちを御理解願いたいと思うのですよね。日本はまさかアメリカの属国じゃないと思うのです。安保の是非とか厚木の基地があるのがいいか悪いかというのじゃなくて、ぼくは主権の問題だと思っておるのですよ。  もし自衛隊が同じような事故を起こした、人身事故が起こったという場合には、その経過その他を、当然でありますが、国民の前に明らかにするでありましょうし、アメリカ国内で米軍の飛行機が墜落をして人が死んだということになれば、その原因その他納得のいくまで国民に明らかにするでありましょう。日本で起きた事故について、その原因がアメリカ側に、あるいはアメリカの国内であったとして、これがわかっているのになぜ明らかにできないのか。私は、捜査はそう関係ないと思うのですね。  大臣、私は地元ですから、こうなんですよ、二人の子供さんを亡くした林さんという方がいらっしゃいます。これはいなくなった三原さんも御承知のことですが、この若いお母さんも最近大分お体がよくなりまして、私もたまに寄っては何かほっとしたような気持ちになります。そこのお父さんが私に言うのですけれども、寝ているうち、まくら元で、私はなぜこうなったのか、原因をはっきりして私に聞かしてくださいと言われる。お父さんが私に、伊藤さん、国会議員ですから、ぜひ明らかにしてください、聞いてくださいと言ってきます。一体何と説明すればいいのですか、これは。回答は得ている、捜査中だから言えませんでしたが、捜査は終わった。いつまで言えないのですか。いつまで隠しておくということなのですか、これは。私はこんな状況が続いたら、地元の政治家としても人間としても恥ずかしい思いがいたしますですよ。  どうですか、施設庁長官でも大臣でも、その子供を二人亡くしたお母さんのところに行って、実はこうなんですということを言えないのですか。きょうは警察庁の答弁だからあれだけれども、国務大臣として、やはり国民の理解を得られるような、そういう方向での努力を、警察庁、外務省、関係筋もあるでしょう、努力をしていきたいという気持ちはお持ちになりませんか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 いまお話のありましたように、遺族のお気持ちもありますので、できるだけ、原因等お話しできるような時期が早く来ることを希望するものでございますが、やはりいろいろ折衝の過程もございますので、ちょっと私の立場でその点がどうということは申し上げる立場ではございませんので、その点は御理解賜りたいと思います。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 大臣、私は、一人の人間として、政治家として考えると、こんなことでは、二人の子供を亡くして、その後大分元気になってこられましたけれども、心に残った傷も、体に残った傷も消えないだろうと思いますよ。その方に、アメリカ側から情報を得ています、いま言えません。ずいぶん慎重な御答弁をなさる大臣ですから、これ以上私言いませんけれども、ぜひ関係方面にも国務大臣として折衝されて……。  とにかく警察庁がかたくなですよ。担当されている方の話を聞くと、人間的にはよくわかりますということをこれはよく言いますですよ。そんなことぐらいの気持ちは持って、あなた方は日米安必要論の立場に立って運用されているわけですから、少なくとも生の軍人とは違った政治家としての気持ちを持って御努力をしていただきたい、前向きの御努力をぜひいただきたい。なるべく早く、その被害に遭った関係者にも、実はこうだったのだ、最低こういうことがないように、こうなっているのだという話ができるように私はぜひお願いしたいと思います。  あと残った時間が数分ですから、もう一つだけ伺わしていただきたいと思います。  これは東京の方の問題でありますが、米軍の山王ホテルの移転の問題。経過その他は詳しくは申し上げません。最近になりまして東京都庁が、安立電気が建てるところの代替地、その建設についての建築確認をおろしました。非常に私は残念なことだと思います。そもそも施設庁が都心部住宅地の真ん真ん中にこんな場所を選んだことがトラブルのもとでありまして、言うならばボタンのかけ違い。前に外務委員会でも話題になったようでありますけれども、アメリカのサイミントン委員会でも、外国で、非常に反対がある、そういうところで無理してここにつくれというふうなことを言われているのだというふうな報告も聞いているわけでありますが、最初からボタンのかけ違いではないだろうかという気がいたします。  それで、建築確認をおろした内容を見てみますと、これは東京都の建築指導部長、局長も了解されているようですが、反対同盟あてに、工事着工までに円満解決を図るよう最大限の努力をいたしますという念書が入っているようであります。また、東京都に対して、安立電気、直接建て主ですね、その方からも同じような趣旨の文書での意思表示がなされているようであります。  直接建ててもらいたいとやっているのは施設庁の方ですから、防衛施設庁としてはどういう態度で臨むのか。円満に解決を図るよう最大限の努力をいたしますという線でいくのか、後ろの方から早くやれ早くやれとけしかける姿勢をとるのか。どうですか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 この問題の経緯はもうすでに先生よく御承知のとおりでありますが、いまおっしゃいましたように、先般東京都から建築確認がおりたわけです。建築主である安立電気株式会社がこれから建築に着工するわけでございますけれども、その建築の成り行きについて私どもも重大な関心を持っておるわけでございますが、まあ法的には着工できる状態になったわけでございます。  他方において、実はこの問題は、御承知のとおり訴訟の後始末でございます。現山王ホテルにつきましては、一定の期限をもって所有者にお返しをしなければならない、こういう期限に迫られているわけでございます。したがいまして、私どもとしては、建築確認がおりた状態でございますので、建築には着工をさせて、建築は進めさしていただきたい。しかし、私どもがすでに地元の方々といろいろお話し合いをしている過程で、いろいろな考え方を申し上げておりますし、また、都の方からもあっせん案というものが示されておりますので、その線に沿って、今後とも私どもも、それから安立電気ともども、地元の方々と十分な話し合いをしながら進めていきたいというふうに考えております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 もう時間ですから、最後にもう一問だけ申し上げますが、現山王ホテルとの訴訟の関係、それからそのリミットがすでに過ぎているということは私も承知しています。皆さん方がいろいろとそれを延ばしてもらうようにお話をなさっているということも承知をしております。私は、関係する住民その他この港区麻布方面の何百軒かのお気持ちをよくよく聞かせれば、現所有者も、ホテル所有者も納得いただけるのじゃないかと思うのですよ。  私、最後にお伺いしますけれども、施設庁の方としては、たとえば一月以内とか三カ月以内とか、何か一つのタイムリミットを持って、安立電気早くつくれ、話があったら途中でいろいろ聞きおきましょうという姿勢でいくのか。そうでなくて、関係者の念書が入っておるわけだから当然だと思いますが、関係者が東京都も含めて、円満解決を図るように最大限の努力をいたしますという線をきっちり尊重していくのか。再度その辺をお気持ちを伺っておきたいと思います。  あの二・二六ではありませんけれども、とにかく「いまからでも遅くない」という言葉がありますけれども、私はそう思いますよ。やはり、何も大使館に近いからどうとか、何がどうとかありますけれども、これからの日米両国民の関係を考えれば、何かつくってみたって、白い目で見られて肩身が狭くて入れないみたいなことじゃ意味がないわけですから、その辺、最後にお伺いいたします。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 おっしゃいますように、あそこにはほぼ恒久的な施設がつくられるわけでございますから、今後の運営の問題もございます。地元の方々の理解と協力というものがやはり施設の運営にとっては必要なことでございますから、私どもとしては円満に話し合いを進めていきたいというふうに考えておりますが、ただ、先ほど申しましたように一方で期限がございますから、建築と並行して話し合いを進めていきたいという考え方でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)分科員 終わります。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 以上で伊藤茂君の質疑は終了いたしました。  次に、上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原分科員 いろいろお尋ねしたいことがあるのですが、若干の時間ですから、きょうは沖繩の公用地問題についてまずお尋ねをして、時間がありましたら共同演習の問題について少し触れてみたいと思います。  御承知のように、沖繩復帰の際に、米軍が不法不当に強奪をした土地の取り扱いをめぐって、大変国会が混乱をいたしました。しかし、当時も与党自民党が絶対多数を占めておったこともあって、沖繩における公用地等の暫定使用法というものが強行立法され、さらに五年後の五十二年にもまた、この公用地法が再延長を見たことは御承知のとおりです。今度政府は、三たび米軍用地を継続的に強制収用をしていこうという手続を開始をしておるようであります。しかも、土地所有者の意見を全く無視した形で進められていることに対してはきわめて遺憾であり、いろいろの問題が起こりつつあることも御承知かと思います。  そこで改めてお伺いをしたいのですが、仮に米軍用地収用特措法を適用するにしても、土地の所在、数量、地籍、土地の形状と隣接地との位置境界等が明確にされ、かつ、土地所有者による現地の認定及び図面等の確認がなければできないと思うのですが、目下第一次あるいは第二次と軍特措でもって強制収用している土地に対して、これらの諸手続が十分とられているとお考えなのか、御見解を承っておきたいと思います。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 先生御承知のように、先般政府としては、やむを得ず駐留軍用地特措法の適用の手続を進めるに至ったわけでございます。  現在内閣総理大臣の認定を終えて、土地調書の作成という過程に入っております。これは私どもが対象としております土地の一部でございますけれども、この土地調書の作成ができました暁において、沖繩県の土地収用委員会に裁決申請をしたいというのが現段階の状況でございます。  そこで、手続はきちっと進められているのかという御質問でございますが、もともと実は施設、区域として提供することについて御同意をいただけなかった方々の土地でございます。したがいまして、総理大臣の認定の際に意見書を添付することになっておりますけれども、意見書の提出が一部なかったということがございますし、それから土地の特定の問題で、一部の方々につきましてはいわゆる明確化作業の過程におきます押印がいただけないということがございます。それから、土地調書の作成におきましても、一部の方々について押印がいただけないという状況がございます。いま申し上げましたことは、私どもとしてはぜひ押印をいただきたいというふうに考えておったわけですけれども、いただけない状況でございますので、これはやむを得ずそのまま手続を進めざるを得ない。  たとえば土地調書の作成について押印をいただけない場合には、法律の規定に基づきまして、市町村長あるいは都道府県知事の押印によってかえることができるというその種の規定が全部ございますので、私どもとしては手続に瑕疵はないというふうに考えておりますので、この線に沿ってこれまでの手続を今後も進めていきたいというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 これまでも一、二回別の委員会でも取り上げてみたのですが、手続上瑕疵はないということで突っぱねておるような感じがしてならないのですね。「やむを得ず」ということですが、問題は、土地収用法を見ても、いかに私有財産に対する権利というものが法律で十分に保障されているか、あるいはまた、公共のために土地、物件等を収用する場合の手続をめぐっても、きめ細かく規定をされていることは指摘するまでもないわけですね。  そこで、この安保地位協定に基づく言うところの米軍用地収用特措法を見ましても、一定の手続を踏まなければいけないということが述べられております。第三条で、その土地等の使用または収用については「適正且つ合理的」でなければならないというふうにうたっておるわけですね。せんだって私も質問主意書も出してみたのですが、この「適正且つ合理的」とはどういうことかということについては、客観的に判断をして適正かつ合理的と思われると、非常に抽象的な概念で片づけておるのですね。事個人の重大な財産権に対して、そういう形で片づけるということは、やはり憲法上も、あるいは土地収用法、いわんや、われわれはこの米軍特措法を認める立場にありませんけれども、そういう法律に照らしても強権発動に間違いない、われわれはそういうふうに受けとめざるを得ないわけですね。  今回政府が強制収用しようとしている施設、土地等というものは果たして「適正且つ合理的」なに該当するのかどうか、客観的にそういう適正かつ合理的であると認められる、その客観的に認められるという内容について改めて御見解を聞かしていただきたいと思います。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 先生御指摘のように、土地収用法ないしは駐留軍用地特措法につきましては厳正な手続が定められているわけであります。そのうちの要件といたしまして、適正かつ合理的であるかどうかということが重要な要素であることは御指摘のとおりであります。駐留軍用地特措法に基づいて土地等を使用または収用するというような場合におきましても、すでに提供されております施設、区域の中の土地の場合には、安保条約の目的達成のためにそこを施設、区域として米軍に提供するということにつきましては、合同委員会を通じて協議し、かつ、閣議決定に基づいて、アメリカ合衆国との間に協定が締結されて、しかる後に提供するということになっております。  土地収用法と若干違いまして、今度は施設、区域として提供すること自体についてはもうすでに判断がなされておりますので、個々の土地についてそれを公用の徴収によって米軍の用に供することが適正かつ合理的であるかどうかを判断すれば足りるというふうに考えているわけでございます。  そこで、施設、区域の中にあります個々の土地が客観的に適正かつ合理的であるかどうかということ、これはまさに客観的でございますから、たとえばその土地がその施設、区域の中に提供されることなしに仮に民有地として残るという場合に、米軍の施設、区域として一体機能するかどうかというようなことも一つの重要な判断の基礎になるというふうに考えておりまして、そのような判断に基づいて、現在私どもが手続を進めている土地につきましては、すべて客観的に適正かつ合理的に米軍の用に供されるべきだというふうに考えているわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 どうも余り要領を得ないのですが、そうしますと、端的に言いますと、基地の必要性、要するに安保条約に基づく基地提供義務があるのだ、「適正且つ合理的」の解釈というのは、皆さんは、この基地の必要性、安保条約に基づく基地提供義務と「適正且つ合理的」というのは同義語というふうに解釈しているわけですか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 そうではございませんで、適正かつ合理的として判断するのは、基地が提供されることではなくて、私がいま申し上げているのは駐留軍用地特措法に限ってのことでございますが、個々の土地についてそれが適正かつ合理的な利用のされ方であるかどうかということを判断すべきだということでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 客観的に見て、適正かつ合理的でないと判断される現地の形状というのがあるわけですね。たとえば黙認耕作地であるとか、さく外であるとか、不要不急になっている基地も含めて、そういった特借法を適用するというのは適正かつ合理的ですか。客観的にそれが合理的だとわれわれは見ない。そういう争点もあるということもおわかりでそういったことを言っておられると思うのですが、質問主意書に対する回答書を見ましても、どうも皆さんの言うのは、基地提供の必要義務があるからそれが客観的に見て適正かつ合理的である、そういうふうにしか受けとめられないのですね。  それと、五十二年、公用地法による暫定使用が期限切れになるとき大混乱が起きたわけですが、あのときには御承知のように位置境界が不明である、地籍が確定できない、だから現行制度にはなじまないので、そういった地籍確定のために特別立法が必要だということで、御承知のように地籍明確化法というのができたのですね。今回も、私どもが理解をする限りにおいては、いま問題になっている土地は地籍が特定できない、確定されていないと思うのですね。同時に隣接地の位置境界も不明確である。しかも、所有者である地主の方々が立ち会いでそういった確認をした上ではないのですね。すべて皆さんが恣意的に、防衛施設局が恣意的につくった上で図面やそういった書類が策定をされている。これは、先ほど瑕疵がないとおっしゃったのですが、どう考えても明らかに瑕疵があるとしかわれわれには認められない。しかも、そういった地主の意見書とか立ち会いとか確認とかということはやらずに、単なる疎明なり疎明文書をもってやるということは、明らかに所有権に対する侵害であると言って差し支えないと思うのですね。そういう位置境界なり隣接地の位置境界、地籍というものは十分に確認されたのですか。地籍は明確になっているのですか。それと同時に、地主の方々からはそういうことに対して同意を得たのかどうか。このことについてもぜひ明確にしておいていただきたいと思うのです。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 いまの問題にお答えする前に、先ほど黙認耕作地についてお触れになりましたけれども、黙認耕作地についても私どもは、これはまさに文字どおり黙認でございまして、米軍としては、たとえば保安用地等について黙認耕作をしているという事例がございます。その区域そのものについては米側にとってはどうしても必要な区域でございまして、耕作をさせている限りは米軍の使用に支障がないということで黙認をしているという土地でございますから、この土地であっても、客観的に見て適正かつ合理的であるということには間違いないというのが私どもの考え方でございます。  それから意見書の添付についてお触れになりましたが、これについても、私どもの法律解釈からして、意見書の添付は、もし意見書が出なければこれはよろしいというのが私どもの解釈でございます。  それから、土地の特定の問題でございます。これは位置境界明確化法をごらんいただければよくおわかりになると思いますけれども、位置境界の明確化の手順がいろいろございますけれども、これはまず三角測量等から始まりまして、市町村界あるいは学界、小字界、そういうものをまず決める。それから地図の作成、編さんを行いまして、これを縦覧に供し、関係者の協議を経て位置境界を見出すという作業がございます。それから、復元作業と申しまして、これらの協議で確認された土地の位置境界を現地において土地使用者立ち会いの上で確認をするという手順を経て、最終的には国土庁長官の認証を得るというのが、位置境界明確化法の手順でございます。  この過程の中で、一部の方々について押印を拒否されている方々がございます。そのために、国土調査法の成果としての認証ができないという状態のものが一部の地域にはございます。しかしながら、この国土調査法の法体系と異なりまして、駐留軍用地特措法の法体系においては、現実に現地において各土地が特定されれば、必ずしも国土調査法に基づく国土庁長官の認証がなくても足りるというのが私どもの考え方でございます。一部の方々で押印をなさらない方々がございますけれども、それらの土地につきましても、すべてその土地が存在をする字界というのは明確に画定をされているわけでございまして、必要によりまして隣接地主等の立ち会いを求めたり、当該土地を実測するということは技術的には可能でございます。もう少し俗な言葉で言えば、本当に一部の方々の土地だけでございますので、周囲の地主の方々はすべて了承しているということであれば、おのずからその土地は特定されるということでございます。しかも、なおいま押印を拒否されている方々の主張は、位置境界そのものについての争いではなくて、ある方々は主義主張によって反対をしておる、ある方はその土地を返還してくれれば判こを押してもいいというようなことを言っておられるということから考えますれば、私どもとしては位置境界というものはおのずから特定されているというふうに考えておりますので、私どものいまの手続で瑕疵はないというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 あなたはいまきわめて重大な発言をしていますよ。一部の人であれば私有財産は侵害してもいいのですか。思想信条は自由じゃないですか。そういう認識だから、強権発動だとぼくは言っているんだ。冗談じゃないですよ。思想信条が異なれば、どういう形であれ土地を収用してもいいということですか。  では、位置境界明確化法にはどういうふうに書いてあるのですか。本来、地籍の明確化というのは集団和解方式でなければいけないということでしょう。与那原町では、大方の人が賛成をしておっても、その地域、小字ブロックに一人でも二人でも反対があるということで、明確化の認定作業ができないのじゃないですか。これはどういう意味ですか。集団和解方式でなければできないというのが、この法律を立法したときのそもそもの発想なんですよね。それは軍用地内には適用しないでもいいわけですか。一部の人の反対だからこれは踏みつぶしてもいい、思想信条の異なるやつの土地だったら召し上げてもいい、あなた、そんなばかなことがありますか。いまの発言は取り消しなさい。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 ちょっと私の言葉足らずで先生の誤解を招いたと思いますけれども、私が申し上げたのは、思想信条の自由云々のことに触れて申し上げたわけではございませんで、位置境界の争いによって押印をしないということではないという意味で申し上げたわけでございます。したがって、そういう方々についていたずらに私有財産を侵害する云々ということを申し上げたわけではなくて、私が申し上げたのは、先生ただいまおっしゃいましたように、確かに位置境界明確化法というのは集団和解と申しますか、全員の協議によってなされるということが法のたてまえであるということは、御指摘のとおりであります。ただ、駐留軍用地特措法によってその手続を進めるという場合には、全員の協議によって、最終的には国土庁長官の認証ということになるわけですけれども、その認証がなくても、駐留軍用地特措法においては土地の特定ができればよい、こういうことを申し上げたわけでございます。その特定というのは、先ほど申しましたように、周囲の所有者が全員自分のいまの土地についてすべて了承している、押印をしているということであれば、その中に囲まれた土地はおのずから特定されるであろうということを申し上げたわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 あなた方がいまおっしゃっていることは非常に飛躍があるのですよね。五年前、私が冒頭申し上げましたように、特定できない、だから別の法律が必要なんだということを言った。いまだって地籍は明確にされていませんよ。ただ、ここからながめてあそこあたりはあなたの土地でしたよ。それは特定ですか。そんなことで私有財産が確認できますか。その程度のことしか現実の問題としてやってないわけでしょう。そこに大きな問題がありますよということを私たちは言っているのです。  これは、こんなわずかな時間でいろいろ事例を出して議論することはできませんが、しかし、きょうあなたがおっしゃるように、国土調査法に基づかないでもいいんだ、一部の人が反対しているんだからこんなのは強権力で踏みつぶせ、あるいはまた、思想信条の異なる人々が反対しているんだからこれもやむを得ません、そういう立場なら、それならそれでまたわれわれも対応しましょう。きょうは、その点だけがはっきりしました。  そこで、これからの問題ですが、あなたは地主の意見書が出ていないとかいろいろ言いますが、この意見書は出ているんじゃありませんか。二回にわたって、権利と財産を守る軍用地の地主の会から、りっぱな意見書が出ているんじゃないですか。その中にもちゃんと、地籍の確定ができないのだ、私の土地がどこであるか特定できません、と言っているじゃありませんか。しからば、それに対してはどういうふうな御見解を持っていらっしゃいますか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 その前に、先ほどの御質問で、私が思想信条のことについて何か間違ったことを申し上げたかのごとく生生おっしゃいましたけれども、私は押印をなさらない方々がそう言っておるということを申し上げただけでありますので、私自身が思想信条の自由を云々するという気持ちは毛頭ございませんので、そのことを申し上げさしていただきたいと思います。  それから、意見書でございますが、私は二部の方々について意見書が出ないということを申し上げたわけでございます。法律上の手続で一定の期限をもって意見書を出すようにということを私どもは申し上げたわけでございますけれども、その期限内に意見書が出なかったので、いま先生お示しのものは期限が過ぎてから出てまいったわけでございますので、私どもは法律上としては意見書としては取り扱っていないわけでございますが、しかし、意見書に準ずるものとして参考にさせていただいておるわけであります。  それから、位置境界について特定されてない、あるいははっきりしないという、一部の方々にそういう御意見があることは承知しておりますけれども、私どもは、境界明確化法が立法されて以来、鋭意この法律のたてまえに基づいて膨大な作業を実施してまいりまして、現地の土地を特定するだけのいろいろな資料、地図その他がございますので、私どもはそれに基づいて位置が特定できるというふうに考えておるわけでございますので、もしそれらの方々が特定できないということであれば、具体的な資料をもって御提示をいただきたいというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そんなのは開き直りじゃないですか。人の土地を勝手に取り上げて、自分たちが勝手に特定をしておって、それは特定されていないと言ったら、その反証を出せなんというのは、おかしいですよ、そういうのは。まあ、それはいずれ裁判でもいろいろ議論されるでしょう。この意見書の取り扱いについても参考にする、そういう態度もいかがかと思いますがね。  そこで、内閣総理大臣の使用認定までは出ているわけですが、その後の土地物件調書など裁決申請書類の作成というのは一体どうなるかということ、県収用委員会への裁決申請はいつごろなさるのかということ、この辺について明確にお答えいただきたいと思います。  それとあと一点、自衛隊基地内の未契約地主はどのくらいあるかということと、また、自衛隊基地の末契約土地を強制収用できない根拠は何かということ、それで、この公用地等暫定使用法が期限切れになった段階においては自衛隊基地については返還をするということですが、返還後の跡利用は地主が自由に支障なくできるように復元補償なりそういう手だては講ずるのかどうか、この点も参考までに聞いておきたいと思います。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 自衛隊の土地につきましては土地収用法が適用できない根拠は何かという御質問でございますが、適用できないとは考えておりませんが、私どもは今回自衛隊基地につきましては土地収用法を適用するつもりはございません。  それから、土地を返還する場合には当然原状に回復して返還することになりますので、いわゆる復元補償、そういうものは実施するつもりでございます。  それから、駐留軍用地特損法の関係で土地収用委員会の方への裁決申請でございますが、いまのところ今月上旬前後に持ち込みたいというふうに考えております。  なお、未契約地主の数につきましては施設部長の方からお答え申し上げます。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 今年一月現在で暫定使用法の適用になっております土地でございますが、駐留軍関係は十五施設で二百三十二名、八十八万平米ほどでございます。それから自衛隊基地は三施設で四十四人、三万六千七百平米でございますか、となっております。本年一月一日現在の数字でございます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 上原君、時間が来ましたから締めくくってください。

上原康助日本社会党

○上原分科員 時間ですから最後に長官に、いまわずかの時間ですがやりとりしましたように、こういうきわめて重要な問題があるのですよ。長官は、この種の問題についてどういう御認識で解決しようとするのか。さっき施設庁長官が言うように、思想信条の違いだからとか、あるいは一部の人しか反対してないのだから、十分な手続とかそういう面が若干のあれはあっても強制収用していくんだ、そういう御認識では私はいかないと思うのですね。長官の考え方をまず一言聞いておきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 沖繩県に基地が集中しており、基地の運用によって種々問題を生じておることは承知しておるわけでございます。しかしながら、日米安保条約に基づき施設、区域として提供している土地については、政府はその安定的使用権を確保しなければならず、もとより契約に基づき使用権を取得することについて極力努力しているところではありますが、今般同意を得る見込みのない土地についてはやむを得ず公用収用の手続をとったものでありまして、あくまで慎重に進めているつもりでございます。この点を御理解を賜りたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 以上で上原康助君の質疑は終了いたしました。  次に、榊利夫君。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 南麻布の米軍用ホテルの問題で質問をいたします。  この問題は、米軍用の山王ホテルを港区南麻布の住宅街の真ん中の安立電気跡に移転しようという計画でありまして、すでに三年来付近の住民の皆さん方から猛反対が続いております。これについては、私どもの同僚である上田議員、安武議員も再三取り上げてまいりましたが、この山王ホテルについて昨年十二月二十六日までに移転するという約束があったようでありますが、その後の契約で一応借用期限が延長されたと聞いておりますが、まずいつまで延長されたのか、この点質問いたします。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 先生のお尋ねは現山王ホテルの点についてのお尋ねだと思うのですが、現山王ホテルの明け渡し期限は昨年の十二月に一応参ったわけですが、その際現所有者の方非常に御不満ではあったのですが、私どもの方もいろいろ私どもの事情を申し上げまして、三年の延期といいますか明け渡し期限の延長につきまして和解が成立しております。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 山王ホテルは、御存じのように戦後米占領軍が接収をいたしまして、三十年前の平和条約後もそのまま使用されてきたという経過でありますが、使用料が大変安かった、そのことが立ち退き訴訟の一つの理由になっていると聞いております口  占領軍は接収時に幾ら払っていましたか。それから、一九六九年に明け渡し訴訟が行われた時点に、防衛施設局は幾ら払っておりましたか。

伊藤参午防衛施設庁施設部長

○伊藤(参)政府委員 占領軍が当初接収しましたときのものにつきましては、何分三十年前のものでございますので、資料というものを有しておりません。  それから、明け渡し訴訟が昭和四十四年度に提起されているわけでございますが、本施設の借料総額は約一億四千万円でございました。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 ここにアメリカの上院外交委員会の資料がありますけれども、これによりますとアメリカ軍はずっと無料で使ってきた、こう述べております。そして一九七〇年会計年度で借用料額は三十六万ドル、当時の為替レートで大体一億二千九百万、いま一億四千万とおっしゃいましたけれども、大体その程度を日本の防衛施設庁、政府が持ち主に払っている、こういうことだろうと思います。常識的に考えまして、占領下長い間ただ同然に使われ、それ以後も大変安い——このことはあの土地から見ましても常識的に言えることでありまして、その点ではいわゆる訴訟問題というものも米軍のそういう態度、さらに防衛施設庁の一種の不手際、それが原因の一つをなしていると見ることができるのじゃないかと思うわけであります。ところが、そういう結果として米側は今度は代替施設を都心に求める。これは、先ほどもちょっと前の社会党の議員の質問にも引かれておりましたけれども、駅から徒歩十分であるとか、ヘリポートから車で十五分だとか、あるいは米大使館に近いといった三条件まで示されている。そこで防衛庁は、南麻布の住宅街の真ん中にその山王ホテル代替施設を求めているわけでありますけれども、私はこういういきさつというものは大変屈辱的と申しますか住民無視と申しますか、そう思うわけであります。  ところでお尋ねいたしますけれども、先日防衛施設庁の担当者に聞いたところによりますと、山王ホテルの代替施設を安立電気跡に建設するという問題は、施設庁の方から安立に申し入れたというふうに説明がありましたけれども、そうですね。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 これは経過を申し上げれば、現在の山王ホテルの訴訟の問題がありまして代替地を見つけなければならないということで私どもが適地を探しているという情報を安立電気の方が得て、非公式と申しますか内々の打診があって、それで私どもの方が適地を探すのに非常に困難をしていたわけでございますので、そのような土地があればということで、私どもの方がまた安立の方を打診した、それで安立の方ができ上がれば貸してもよろしい、そのようないきさつで現在のような状態になったということでございます。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 いまの説明でも施設庁の方から打診をし申し入れたという説明でありますけれども、昨年十一月二十五日の参議院内閣委員会で渡邊施設庁長官は安武さんの質問に答えて、安立の方から申し出がございましたと答弁されておりますが、これは違うのですね。どっちが本当ですか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 昨年の国会におきましていまのような経過を省略して私申し上げましたので、いま私が申し上げたのが事実の経過でございます。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 そうすると、十一月の国会での、安立の方から申し出がございましたというのは事実と違うということですね。取り消すということですか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 説明不足というふうに申し上げさせていただきたいと思いますが、もし誤解を与えているということであれば取り消しをいたします。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 そこは取り消されるのですね。  さて、ここで一つの問題がございます。それは、東京都への建築の確認申請をめぐってもどうもごまかしがあるように思うわけであります。厚生省、来ていただいていると思いますが、聞いていてほしいのですが、安立電気の田島一郎社長は、宿泊施設、仮称安立会館建設、こういうふうに届け出ておられます。まるでこれは宿泊施設、社宅か寮のような表現でありますけれども、しかし防衛施設庁の方は山王ホテル代替施設の建設、こういうふうに明記されております。どうも使い分けがされているじゃないか。防衛施設庁としてははっきりと安立の建築確認申請書に山王ホテル代替施設と明記させるべきでなかったかと思いますが、どうでしょうか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 実は安立電気と私どもの方との間では先ほど私申し上げましたような経過で話し合いをしておるわけでございますけれども、これは正式の契約ではございません。率直に申し上げれば、安立電気株式会社としては、私どもが建物ができ上がったらば借りてもいいという意向を受けて、いわば会社の責任においてと申しますか、危険負担において行っているということでございますから、その書類の上で米軍の施設というふうに明記することをちゅうちょしたのではないかというふうに考えております。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 仮に安立電気の方はちゅうちょした、ところが防衛施設庁の方は山王ホテルの代替施設だということを東京都の方にも出しておられるし、あっちこっちでも明言されているし、できたら借りてもいいですよという受け身じゃないのですね。もっと早く早くという姿勢じゃないですか、いままで。なぜあえて、宿泊施設といった非常に漠然とした表現——宿泊施設というのは何ですか、こう聞かなければ中身はわかりませんよ。ところが、ちゃんと裏打ちは山王ホテル代替施設と防衛施設庁はされておる。どうもそこでは策略的といいますか、使い分け、余りにもこの点ではすっきりしないのですね。私はこの点では、田島さんがここに見えていないので確かめようがありませんけれども、住民の側から見ればそういう疑問がいつもつきまとってきた、このことだけを述べておきたいと思うのです。  そこで、防衛施設庁と文部省にお尋ねいたしますけれども、この代替予定地の南麻布一帯には教育施設が大変多い。用地の百メートル以内にも学校教育法による慶応幼稚舎など三つの児童施設がございます。学校も、鈴木総理のお嬢さんもここの出身だそうでありますけれども、聖心女子学院初め十六校あります。関係者は幼児や女生徒の多い地域だけに、山王ホテルのように一日百人からの米兵が寝泊まりする、毎月三千人からの米兵が寝泊まりする、そういうホテル施設が建設されれば犯罪が多発をして風紀の紊乱等々起こる、大変心配だ。在住の外人、特に興味深いのは、アメリカ婦人があのあたりにたくさん住まわれているわけですが、そのアメリカ婦人が大変なことになると言って真っ先に反対しているという事実があるわけであります。聖心女子学院などももちろん強く反対をしている。こういう深刻な事実、これは防衛施設庁並びに文部省は御存じでございましょうか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 あの付近に学校施設が多いということはよく承知をいたしております。特にいまお挙げになりました聖心女子学院の関係の方々、私どもの方にもおいでになりましていろいろ御意見がございました。学院の関係の方々の御懸念は私どもよくわかるわけでございますけれども、しかし現在の山王ホテルの使用実績等から考えても、あの付近には、一、二偶発的なことがありますけれども、それ以外にはほとんど事件らしいものも起きていないという使用実績に照らしてみても、懸念するような環境悪化というものは招来はしないのではないかというふうに私は考えておりますし、また私どもは米側のこの宿泊施設に対する運営について信頼をいたしております。

垂木祐三文部省初等中等教育局中学校教育課長

○垂木説明員 御説明いたします。  山王ホテルの米軍宿舎が南麻布の方へ移転するということにつきましては、文部省といたしましては詳細は承知いたしていないのでございます。この問題につきまして地元の学校あるいは教育関係者等から直接文部省の方へ話を持ち込んできているということはないかと思っておるのでございます。都の教育委員会の方に問い合わせてみたわけでございますけれども、現在のところ、同様に地元の反対とか学校への影響というようなことにつきましては承知をしていないということのようでございます。先ほど施設庁の方からもお話がございましたけれども、現在の山王ホテルの場合におきましても、米軍の宿舎がそこにあるということで小中学校の児童生徒に悪い影響があったというふうには聞いていないわけでございますし、それから移転先につきましては、防衛施設庁の方で地元の関係者と十分相談をいたしまして配慮するということでございますので、私たちの方もそのように考えておるところでございます。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 承知していないじゃ困るんですね。これだけ東京じゅうにも知れ渡っているような問題で、しかも、ある集会に中曽根さんも出て、どうもそのことについてはと言って首をかしげたということも報道されておりますし、あるいは何もなかった、いままでの使用実績から見て危害を与えることはないとおっしゃいますけれども、五十二年六月の山王ホテルでの女性暴行事件なんというのは有名ですよ。あるいは裏庭から発砲した鉄砲の弾、ピストルの弾が首相官邸の庭に落ちたという事実さえあるじゃないですか。そこですよ、ほんのそばですよ。だから使用実績に照らしてこれは危険なんですよ。安全なんてそんなことは断じて言えませんよ。だからこそ心配があるじゃないですか。それについて、いや、存じ上げません、安心できますといったことは通りません。どうですかその点、そういう言葉は取り消してもらいたい。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 現在の山王ホテルを米軍が使用して以来もう二十何年かになるわけでございますけれども、その間、いまお挙げになりました二件、これも私どもは偶発的なものだというふうに考えております。また赤坂近辺で起きた事故というのはほとんど交通事故でございますので、私が承知している限りでは一般化したものではないというふうに考えております。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 実はここは日本の法律は及ばないのです。日本の警察も立ち入り権をお持ちじゃない。つまり米軍施設ですから、その中で何が行われているかということは警察の統計にも出てこないわけであります。交通事故だけだ。交通事故は公になるから目に見えてくるので、さっきの問題も公になったから目に見えてきたのですよ。だから、こういう点ではそういう実態をしっかりと見て、それについて地域の皆さんあるいは教育者、学校関係者、子供たちは大変心配している。そのことはしっかりと認識してもらわなければ、それを出発点にしなければならない、私はこう思うのです。  そこで、建築基準法の運用上の問題について建設省に聞いておきたいと思いますけれども、建築確認申請書に使用目的が宿泊施設と書かれているような場合、その建築物が旅館業法上問題がないかどうか、これを考慮するのが普通だというふうに私たち伺っておりますけれども、そう理解してよろしゅうございますか。

片山正夫建設省住宅局市街地建築課長

○片山説明員 建築基準法によります建築確認の場合は、建築基準法令といたしまして確認対象法令というのがございまして、その中に規定されております技術基準に申請にかかります建築計画が適合しているかどうかということを判断することのみでございまして、他の法令の許可等を伴いますものに盛られております各種技術基準につきましては確認の対象法令とされておりませんので、今回の建築確認に当たりましてはそれについては審査をしておりません。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 つまりその確認の要件には入っていない。しかし、大体その問題を考慮するということは通常だ、こういうふうに理解していいですか。

片山正夫建設省住宅局市街地建築課長

○片山説明員 基準法上の確認事務の中には、確認の対象法令でございませんので、確認の事務に限りましては審査の対象にしておりません。見ておりません。しかしながら、実際の地方公共団体の建築行政の中におきましては、建築計画に関連いたしますいろいろの法令につきましていろいろの行政指導をしているということは私どもも聞いております。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 行政指導をしている、通常そうだということですね。その確認をいただきまして、次に移ります。  旅館業法の第三条の三項は、周囲百メートルの区域内に学校や児童福祉施設、社会教育施設などがあるときは知事はこれに許可を与えないことができると書かれております。さらに第三条四項、このような区域では許可を与える場合にもあらかじめ当該学校校長、教育委員会などの意見を求めなければならない、こううたわれております。ところが、これまでのところ何ら地元の意見を求めていない、聞いていない。そのことを都民の皆さんが大変不可解に思い、また怒っておられる。私は当然だと思うのですけれども、その点はいかがお考えでしょうか。

田中治彦厚生省環境衛生局指導課長

○田中説明員 お答えいたします。  旅館業法に基づきます営業許可申請があった場合に、その施設の周囲おおむね百メートルの区域内に学校、児童福祉施設等があり、当該ホテルの設置によって清純な施設環境が著しく害されるおそれがあるときには都道府知事が許可を与えないことができるということになっておるわけでございますが、本件につきましてはその所管の省庁によりまして円滑に対処されるものと考えております。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 そのことはまたもう一度後で触れたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、安立の問題というのがホテル建設というのはもうはっきりしているわけですね。米軍ホテルか日本人用ホテルかはともかくといたしまして、ホテルはホテルです。それは少なくとも現段階では国内法のもとにある。日米合同委員会等々の合意、協定を経てアメリカ側に提供されていない以上はこれは国内法のもとにある、こう思うのですが、それはそうですね。法制局、どうです。

味村治内閣法制局第一部長

○味村政府委員 お答えいたします。  外国の軍隊につきましては原則として駐留国の法令の適用はないということでございます。したがいまして、アメリカの軍隊につきましては原則といたしましてわが国の法令は適用がない。ただ、現段階におきましてはまだアメリカの軍隊に提供されているというわけではございませんので、先生のおっしゃいますように、この建築しようとする建築物につきまして国内法令、日本国の法令の適用があるということでございます。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 したがいまして、地位協定の適用は将来のことだ。現在これはやはり日本の法のもとにあるべきでありまして、私がそのことで強調したいのは、そういう場合に国内法や住民の心の痛みというものを真剣に考えるべきであって、いやしくもそういう地位協定や米軍をかさに着て法の抜け穴を探すようなことがあってはならない、こう思うのであります。  ところが、実際には政府機関が管轄外の自治体や保健所にまで虚偽の施設名ないしは一種の脱法工作をしてきた疑いがあります。たとえば防衛施設庁は、すでに昨年、文書までじかに麻布の保健所に送って、安立跡地の宿舎で、民間のホテルや旅館を経営するものじゃない、建築後に施設庁に貸すことになっておる、防衛施設庁は宿舎を米軍に提供するので国内法が適用されないのだ、こう言っているわけであります。なるほど将来は国内法は適用されないでしょう。しかし、建築しているのは現在じゃありませんか。また、それがホテル目的であることも明白じゃありませんか。  こういう文書が防衛施設庁から自治体あるいは保健所に行っているということを厚生省は御存じですか。

田中治彦厚生省環境衛生局指導課長

○田中説明員 お答えいたします。  今回の山王ホテルの代替施設として提供させる施設のことにつきましては、厚生省といたしましては詳しい事情は承知していないのでございます。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 非常にはっきりしている。担当の厚生省も知らないうちに、いいですか、防衛施設庁の公式の文書というものが地方自治体の方に行って、しかもそれは国内法は適用されないのだ、こういう事前工作がやられているわけであります。こんなことは普通考えられないですよ。しかもその説明の中で、単なる宿舎だ。何ごとでしょう。ホテルじゃないですか。国内法が適用されない、これも明らかに時間の問題を捨てたものであります。したがって、ホテルの目的のもとで建てられるその設置場所が教育環境上どうか、このことを法律は問うわけであります。そして、迷惑を与えるようなことがあるならばあらかじめチェックしなければいけない、旅館業法は第三条三項でこのことをその基本精神としているわけであります。ここはあらかじめ規制する、こういうのが少なくとも客観的に見た法の精神だと私は思うのですけれども、その点についてはいかがでございましょう。厚生省、お答え願います。

田中治彦厚生省環境衛生局指導課長

○田中説明員 旅館業法は旅館業を経営しようとする者にその許可を受けることを義務づけているものでございます。したがいまして、施設の所有者あるいは賃貸人であっても経営を行わない者につきましては旅館業の営業許可を受けることを要しないわけでございます。したがいまして、今回の件につきましては、施設の所有者でございます安立電気は旅館業の営業の許可を受けることを要しないというように考えております。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 そこは一つ大きな問題がいろいろあるところなんです、時間がないので余り詳しくやれませんけれども。確かに「旅館業を経営しようとする者は」とありますけれども、ここには、みずから経営しようとする者はということは書かれておりません。これは非常に一般規定であります。それで安立は、米軍用ホテルの施設をつくる以上ホテル経営に直結する、それに加担する、こういう判断もあり得るわけであります。これは法的にいろいろ議論があるところ。百歩譲って、経営当事者が仮に米軍だとしましても、本件の場合には重要な問題がある。それは、ホテルの経営者がだれであるかにかかわりなしに、その設置の場所は疑いもなく日本人の土地です。しかも教育施設がある重要な地点です。旅館業法では禁止をされている地域であります。それを将来の問題を盾にして、これは適用外ですよ、適用外ですよ、——これはまさに脱法工作じゃありませんか。これは重大ですよ。私はこういうことは許されてはならないと思う。きょうあたりはもう建築許可が出た。清水建設は、もう建設を始めるから判こを押せ、こう言って病人がいるところまで迫っていると言われます。こんな非人道的なことは断じて許されないと思います。  ここでもう一度確認したいと思いますけれども、いまの説明で、その建築確認というのは建築にのみ行われるものだ、営業とは関係ないという説明がございましたけれども、とすれば、こういうように理解してよろしゅうございますか。建築について確認はされた、しかし旅館業法第三条三項による拒否の審査はまだ未了である、したがって営業には第三条による許可が必要だ、だから建築許可だけでまだホテル開業はできない、このことは明確に言うことができますね。どうでしょう。

田中治彦厚生省環境衛生局指導課長

○田中説明員 宿泊施設を設置することにつきましては、旅館業法の許可とは関係ございません。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 榊君、時間が来ましたから締めくくってください。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 それでは最後に移りますけれども、いずれにいたしましても、いま幾つかの問題をずっと見てきたところからもおわかり願えたと思いますけれども、やはりいろいろ不可解なところがございます。これからも、恐らく建築確認の問題でも、撤回要求であるとか異議申し立てたとかあるいは行政訴訟、いろいろ法律上の争いにも発展すると見られます。その場合、政府機関、防衛施設庁の責任はやはり問われないわけにいかないと思うのです。そういう点では、経過を厳格に調べていただいて、法と道理にもとるようなところがあれば正す、こういう真っすぐな態度をとっていただきたい。これが一つ。  それから、その点については文部省もあるいは厚生省も、これはよそのことだと言うのじゃなくて、行政指導の責任を持つそれぞれの省庁として、それぞれのところで厳正な行政指導をやってもらいたい、こう思うのであります。地元の納得がないことは明らかなんですから。このままいけば、米上院のサイミントン委員会で現山王ホテルについて大変心配したような事態が起こる。現に起こっておると思うのです。東京の真ん中に存在する人々はどういう感情を持つだろうか。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 榊君、次の質問者が待っておりますから、締めくくってください。

榊利夫日本共産党

○榊分科員 はい。  そういう点でどうかひとつ、日本人の憤りの感情、それができ上った施設を包むということにならないように、ぜひ代替施設等々についても真剣な研究をお願いしたい。このことを一言質問いたしまして終わりたいと思います。ちょっと一言だけ……。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 その前に、先生先ほど事前工作云々とおっしゃいましたけれども、これは大変不本意な話でございまして、建築確認の手続を進める上において、安立電気が麻布の保健所に説明を求められて、私どもの方も説明をしたというのが事実でございまして、事前工作云々ということは全くございません。  それから、ただいま先生御質問の趣旨でございますけれども、先ほどもお答えしましたように、私どもは米軍の施設、区域を運営するに当たりましては、地元の周辺の方々の理解と協力が必要であるという基本的な認識を持っておりますから、その意味において本件も円満に話し合いがつくように努力をしたいと思います。  ただ他方、現山王ホテルの明け渡し期限というものも迫っておるわけでございますから、建築確認がおりた段階で建築を進めさせていく傍ら、地元の方々とも誠意をもって話し合いを続けたいというふうに考えております。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 以上で榊利夫君の質疑は終了いたしました。  次に、土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 中期業務見積もりの中で、航空自衛隊のナイキJを装備する高射隊を整備するということが出てまいっておりますが、これが整備されると一体何個の高射隊になるのでございますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 中期業務見積もりのナイキ高射隊、全部計画どおりいきました場合は二十個高射隊でございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 そうすると、現在高射群については六個、高射隊については十九個ということであると思いますが、この点確認をさせていただきます。そのとおりですね。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 そのとおりでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 したがって、十九個を二十個にする、一個が整備されなければならない、そういうかっこうだと思いますが、この一個についての予定地というものをもうあらまし念頭に置かれておりますか。どうですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 この一個につきましては、関西地区の西部地区ということでかねてから検討してまいっておった一個でございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 じゃ、関西地区とまではおっしゃいますけれども、関西地区と申しましても広うございます。具体的に、関西地区の中であらまし念頭に置かれている候補の場所というのがあるであろうと思われますが、その辺はいかが相なっておりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いわゆる関西地区の西部といいますと、京阪神地方の西の方ということでございますが、そういうことで候補地を探しておったわけでございますが、今般その整備を一たん控えることに決定いたしております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 一たん控えるとおっしゃるところがこれは非常に気にかかるので、一たん控えるけれども全くこれでもう御破算にしてしまうというわけではない、一たん控えるという日本語の表現はそういうことだろうと私は思うのです。  そこで、一九八〇年の十月、青森県の車力村にナイキ基地が発足いたしました。これは第二十一高射隊ということになっているわけであります。いまその高射隊をずっと全国それぞれの高射群に従って見てまいりますと、第円高射群のところに入るはずの十五、十六という高射隊が実は欠番になっているわけでありますが、これがすなわち中期業務見積もりで、いまおっしゃった京阪神地区の不足分ということとしてお考えになっていらっしゃるのかどうか、この点はどうでございますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 第円高射群であることはそのとおりでございますが、いまの番号の予定が十五であるか十六であるか、ちょっとそこまで私いま確認できませんが、第円高射群の一個隊でございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 そこで、原則を一つまたお尋ねしたいと思いますが、ホークを陸上自衛隊、ナイキは航空自衛隊、こういうことになると思うのですが、そういうことになっている理由というのは一体那辺にございますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いずれもSAMと言われる対空高射火器でございますが、これを整備いたしました際に、いわゆる高空対処能力と低空対処能力に分けまして、高空対処能力を持ちますナイキを航空自衛隊、低空対処能力を持ちますホークを陸上自衛隊というふうに分けたわけであります。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 いまはホークを陸上自衛隊にし、ナイキは航空自衛隊とするという分類だけをコメントされたにとどまっているわけでありまして、なぜそういう分類ができたかという理由についての説明は何らお聞かせいただいていないのですよ。そうでしょう、防衛庁長官、お聞きになっていてそのとおりだと思うのですが。もう一度御答弁くださいませんか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 結局、防空態勢を考えます場合に、いわゆる要地防空としまして遠距離、広範囲の防空態勢につきましては航空自衛隊、野戦用とまでは申しませんけれども、どちらかというと移動的な、陸上部隊と行動をともにし得る低空対処能力のホークの方は陸上自衛隊になじむということでホークを陸上自衛隊というふうに分けたわけであります。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 ホークは陸上部隊と行動をともにするという意味で陸上自衛隊になじむ——。いまの御説明をそのとおりに受けて、そこから出発をして考えていきますと、ホークは、現在は八個高射特科群となっているわけですね、うち四個をホーク改にかえられるという予定がおありになるようであります。そのとおりですか、どうですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 そのとおりであります。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 そうすると、八個高射特科群という編成でこのホークは考えられているわけですから、そのうちの四個をホーク改にかえられた、あとの四個というのはどう相なりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 これはこれからの課題でございまして、空のナイキも陸のホークも含めまして後継SAMの問題の検討に入らなければいけない、そういう時期が来ておるわけでございますが、そういう検討もにらみながら、陸のホークにつきましても残りの四個群をどう持っていくか、それはこれからの検討というふうに考えております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 これからの検討とおっしゃるなら、これはどこまで押しても、そういう御答弁は表通りの御答弁だと思うのですが、中身は、現在空のナイキJの後継として考えられているものがある、何かというと、これはいろいろそれに対してはほかにも意見があるようでありますが、パトリオット、これが問題になっているようであります。いま、陸と空で共通兵器としてこれを計画中だということを私たちも内々聞いているわけでありますけれども、陸空で共通兵器としてあとの残りの四個に対しては計画をお進めになるというおつもりがおありになるのですか、どうですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 パトリオットが後継ナイキの候補の一つであることはそのとおりであります。  なお、陸上の残りの四個群につきまして、そのパトリオットのことを空陸共通の後継SAMとして考えているかどうかということでございますが、まだそういう検討はいたしておりません。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 これは表面切ってお尋ねをすれば恐らくそういうお答えしか現段階では出せないということで、そういう御答弁になってくると思うのですが、しかしいずれにしろ、やがてナイキJの後継として採用されるものに対しては、陸と空との運用についてどうなっていくかという問題は大きな課題になるだろうと思うのです。この陸空の運用ということについて、どういうお考えを現在お持ちなんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 後継SAMが何になるかということと同じく、もし先生の御指摘のように共通になった場合の運用はどうなるかという問題もあわせまして、いずれもいまからの課題でございまして、いまの時点で、どういう方向で検討しておるとか、そういうことを申し上げる段階までは至っておりません。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 ただしかし、それは検討課題であるということだけは確かでしょう。そのことに対して避けて通るわけにはいかないというのが、いまの防衛庁のお立場じゃないですか。それを中業の中で一つの課題として取り組む、そしてそれを検討していかざるを得ない、こういうことであるということだけは確かですね。どうですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 SAMXをどうするかという課題であることは、そのとおりでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 そのSAMXも含めまして、いま兵庫県の中には青野ケ原という地点がございまして、ここは第八高射特科群が置かれている場所でありますが、この地点についても、いま私がお尋ねを進めておりますホーク改にかえる、残りの四個はどうなるという、都合全部含めて八個の高射特科群の中でこの青野ケ原の役割りというものも検討課題の中に含めていま考えをお進めになっている一つの場所である、このように理解してよろしゅうございますね。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 特に青野ケ原がどうとかということでなくて、全般的にナイキ、ホークの次機を考えるときが来ておるという意味では、それはそのとおりであります。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 さて、先ほど私は、十五になりますか十六になりますか、その高射隊のナンバーは、ここに手持ちの資料がおありにならないのではっきりは覚えていないがという御答弁をいただきました地点について、具体的な地名というものはここの答弁の中でまだ聞かしていただいておりません。ただ京阪神ということが答弁の中では出てきたわけであります。しかし、前国会で三田という地名が固有名詞で呼ばれ、そしてただいまのこの国会の予算委員会の中で、わが党の政審会長がこの問題に具体的に触れて質問をされました節、御答弁の中で大村防衛庁長官が、三田市のナイキ基地の建設というものは一応「諸般の事情が整わず、その見通しを得るに至っておりません。よって、この際、ナイキJによる今後の部隊整備は控えることといたしました。」こう答えておられるのですが、これは端的に言うと、三田市のナイキ基地の建設というものは断念する、いまある建設計画というのは白紙撤回する、こういうふうにわれわれは理解をいたしておりますが、そのとおりでございますね。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 お答えいたします。  確かに当委員会の総括質疑で御質問がございましたものですから、私はその際、ナイキJによる今後の部隊整備は控えることとし、今後の防空能力の確保充実に関しては改めて検討することといたしたいという趣旨のことを御答弁申し上げたように記憶しております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 答弁についての確認をしているのですから、答弁の内容についてもう一度ここでお読みになっても意味がない。その意味するところは白紙撤回であり、三田市のナイキ基地の建設はここで断念されるということを意思表示されたのですねということを私はお尋ねをしているわけです。そのとおりに理解してよろしゅうございますか。     〔主査退席、池田(行)主査代理着席〕

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 「ナイキJによる」は控えること、さよう申し上げたわけであります。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 さあ、そこのところが問題なんです。「ナイキJによる」、しかし、ナイキJ以外の問題に対しては今後の課題である、こういうことに相なるかと思うのですが、ナイキJさらにはホーク、これの後継機を、先ほどの質問に対する御答弁でも出ましたとおりに考慮中であるという段階なんですね。それからいたしますと、この後継機について三田市を対象に考え方をお進めになるということはいかがなんですか。これは白紙撤回なすっているのでしょうか。白紙撤回なすっていますかどうですか、確認をしておきます。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 後継機については今後の検討問題でございますので、三田市云々ということをいまここで申し上げることは差し控えたいと思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 しかし、それは差し控えたいとおっしゃいますけれども、防衛庁とされては用地取得の問題、これなどもあったりいたしますので、この点はひとつはっきりさせといていただかないと、地元の方はすでに長官も御存じのとおりであります。市議会は挙げてこの設置反対の決議をしている三田市でございますから、したがいまして、これは三田、三田とおっしゃっても、ナイキJは言うまでもなく、後継機についてもそれは対象とする地点ではないということは、地元からは地元の声としてあるということはここではっきり申し上げておきたいと思いますが、そのことは長官としてはもう御承知おきのところですね。どうですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 地元で強い反対があるということは承知しております。  後継ナイキにつきましては、先ほど申し上げたようにこれから調査検討をして、いずれにするかを決める、また配置をどうするか、これから検討することにいたしております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 その調査検討といまおっしゃいます後継機につきましても、地元から反対の意思がある場所については、防衛庁としては設置することは差し控えなければならない、これは鉄則だと私は思うのですが、これはいかがですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 お答えします。  このナイキに限らず防衛庁の施設をつくるときには、なるべく地元の方の御理解と協力を得て進めたいというのは私の基本的な考え方でございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 だから、したがっていまの御答弁を裏返せば、理解と協力がないところにごり押しをして防衛庁としてはつくるというわけにいかないということにも相なるかと思います。それはそのとおりでございますね、長官。大変追い打ちをかけてしつこいような聞き方になるかもしれませんけれども、それはそのとおりだと思われますが、いかがですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 先ほどの答弁のとおりでございますので、そのままお聞き取り願いたいと思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 施設庁がきょうは御出席をいただいておると思いますが、施設庁の方では用地取得その他についてやはりお取り扱いをなさる庁でございます。三国の方のこのナイキJあるいは後継機についての用地の問題について、施設庁の方にまで防衛庁の方から声がかかっておりますか。それとも、そういうことに対してはまだ施設庁としては何ら問題になすっていらっしゃらないか、いかがでございますか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○渡邊(伊)政府委員 内局の方から私どもの方には具体的な話は全くございませんので、用地取得等の交渉には入っておりません。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 それでは、この問題については、後継機についてこれからの検討課題だとおっしゃる段階でありますから、おいおいこの問題については時を改めまして、私の方もいろいろ質問を通じて防衛庁に対してのお尋ねを進めることにいたします。  ただ、一つはっきりここで再度申し上げておきたいことは、やはりそれぞれの地域についてその理解と協力がないと、こういういろいろな配備問題なんというのもスムーズにまいりません。運用面においてもスムーズにまいりません。したがいまして、先ほど防衛庁長官の御答弁にもございましたが、三田市は市を挙げてと申し上げていいと思います、市議会の決議にもございましたとおり、土地の事情からいたしまして、ここにこういう基地を設置するということに対しては賛成はできないということがはっきり確かめられているという事情も重ねてここで申し上げておきたいと思います。よろしゅうございますね。  それで、もうあと一問、これはまるで違う質問をさせていただきたいと思いますが、二月の二十八日に米国を公式訪問されましたイギリスのサッチャー首相が、首脳会談の結果、ペルシャ湾岸の油田地帯を防衛するために国際緊急展開部隊というものを創設するということに対しての可能性を示唆されています。その結果、これは恐らくアメリカを中心にすでにフランス、イギリスの三カ国がそれに対して参加をするというふうなことが予想されるわけでございますが、何と言ってもペルシャ湾岸の石油に対する依存率というものを見てまいりますと、アメリカが五%、ヨーロッパが三二%、そしてわが日本が五三%。勢いこの問題に対して日本の出方はどうか、これは西ドイツと同様に非常に注目をされるところであろうと思われます。  そこで、防衛庁長官にお尋ねをいたしますけれども、これに対しましてアメリカ側から何らかの話し合いというものの結果、防衛費の増額をこのペルシャ湾岸の防衛問題について求められた節、防衛庁長官とされてはそれに対処するどういうふうなお心づもりがございますか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいまお話のありましたレーガン大統領とサッチャー・イギリス首相との会談のことは、新聞では拝見したのでございますが、内容についてはよく承知しておらないわけでございます。いずれにしましても他の国の会談でありますので、わが国としてこれにコメントする立場にはないと思うのでございます。  そこで、一般論を申し上げて恐縮でございますが、西側同盟諸国の間で防衛問題についての協議を行い、関係を強化することは望ましいことであると考えます。ただ、今回の構想がどのようなものであるか承知しておりませんが、いずれにいたしましても、湾岸防衛の国際緊急部隊を支援するといったような目的のために自衛隊を空輸とか海運に従事させるというようなことは、憲法上の問題もございまして許されないものと考えておるわけでございます。  また、お尋ねの費用の負担の問題、これは防衛庁の直接関与することではないと思うのでございますが、あるいは外務省からお答えしていただいた方が適当かと思うのでございますが、そういったお話がわが国に対してあったということは聞いておりませんし、これからあった場合にも、これは慎重に検討すべき事柄ではないかと思うわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 慎重に検討とおっしゃいますが、慎重に検討にも、イエスという方向での検討が、ノーという方向での検討かによって慎重さという中身も違ってくるのですね。先日、外務委員会の席でこの防衛費の負担の問題についての側面をお尋ねした節、これは外務大臣答弁ということよりもむしろ防衛庁長官の答弁がこれにふさわしい問題であるという外務大臣の御答弁なんです。いま防衛庁長官にお尋ねすると、防衛庁に聞かれる問題ということにはそぐわない質問であるという意味も含めての御答弁なんで、一体これはどう相なるかと思いながら私は質問をしているわけでありますが、やはり防衛費の負担というかっこうになってまいりますと防衛庁と無関係ではないので、このことに対してのお心づもりが防衛庁長官としてどういうふうにあるかということは、まだ具体的になっておりませんから仮定の問題ということにとどまりますけれども、しかしやはり事が重大であり、一たんそれが出てきてからどうのこうのという時点で取り上げて、いろいろとこの問題に対してわれわれが対処を国会という場所でしていくということでは遅いのですね。したがいまして、防衛庁長官のただいまのお心づもりのほどを再度お尋ねをしている次第です。いかがです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 政府全体として取り組むべき問題だと思いますが、私といたしましては、慎重に検討すべき問題であると考えておる次第でございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 慎重とおっしゃるのは、ノーというふうな方向でお取り組みをいただく慎重さでありますか、それとも、やはりいたし方がない、この筋やはり防衛費に対してはいささかのこれに対する負担をせざるを得ないであろう、そういうふうなお考えがいささかでもおありになるのですか。いかがです。これはどうですか。     〔池田(行)主査代理退席、主査着席〕

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 まだ申し入れもございませんし、検討いたしておりませんので、何とも申し上げかねる問題でございますが、政府全体として慎重に取り組んでいくべき問題だと考えているわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 防衛庁長官、ただ慎重に慎重にと繰り返し申されるのは私は奇異に感ずるのですね。やはりこういう問題に対して毅然たる態度があるならば、それは慎重にこの内閣で検討した結果をどうこうということになる以前に、防衛庁長官としては責任ある立場で、私はこう思うというところがなきゃならないと思うのです。  外務大臣は先日、防衛庁長官の所管に係る問題であるから、防衛庁長官に聞かれるのが適当と思われるかという前置きで、こういう問題に対して協力することは慎むべきだ、いかなる意味においても協力をすべきでないという基本姿勢だけは、はっきり持ちたいという御答弁もあったんです。防衛庁長官もそのとおりでありますか、どうなんですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 外務大臣がどういうおつもりで、そのように答えられたのか、私どもに連絡ございませんので、その点はお答えしかねるわけでございますが、私といたしましては、これは外務省も関係あり、防衛庁も関係あり、また、お金を出すのですから大蔵省も関係ある、そして最後は総理大臣がお決めになる問題じゃ狂いか。そういう意味で慎重に取り組むべき問題であるということを申し上げたわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 そのお金の問題とか外務省との連絡とか、最後は内閣総理大臣が裁定される問題であるとか、そういうことは、ことさらお聞かせいただかなくとも、私自身もわかっているつもりでございます。  ただ、防衛庁長官、これは従来から日本の防衛問題について、言うならば個別自衛権というのは日本としては政府がいままでお認めになってきた限りの問題でありますけれども、集団自衛権というのは、いかなる意味においても日本にはないということを、いままで重ねて繰り返し繰り返し明言してこられたはずなんであります。そういう点から考えまして、この問題はどのように防衛庁長官としてはお考えになるのですか。大蔵省は、それならばお金を出してよろしいという問題ではなかろうと私は思うのです。外務省の意見を聞いた上で考えるという問題じゃなかろうと思うのです。これに対して防衛庁長官としての毅然とした対処の仕方がおありになってしかるべきだと思っておりますから、再度の御発言をここで求めて、時間が来ましたから私は質問を終えたいと思います。大臣、どうですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 集団的自衛権の行使が伴うことについては参加できないということは、繰り返し申し上げているところでございます。  ところでお尋ねが、費用の分担を求めてきた場合にはどうか、こういうお尋ねでございます。だとすれば、これはちょっと防衛庁の所管の予算には上がってこないんじゃないかという感じがしているわけでございます。どこの省にお上げになるか、これはまた、その方針が決まらなければ決まってこない問題であります。  集団的自衛権行使を伴うような部隊の派遣とか、あるいはそういったことに類するようなことにつきましては、防衛庁としましては、あくまで容認できないという見解を改めて表明しておきます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 以上で土井たか子君の質疑は終了いたしました。  次に、永井孝信君。

永井孝信日本社会党

○永井分科員 防衛庁長官にお尋ねをいたします。  政府は、自衛隊は合憲である、こういう見解をしばしば述べておられるわけでございます。あえて言うなら私は違憲だと考えているのですが、それはさておきまして、自衛隊は当然のこととして、合憲であるという立場で存在している以上、憲法を守る義務を持っていると思うのでありますが、このことについて、まず冒頭に長官の見解を聞きたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 お答えします。  憲法を守ることは国民の義務でございます。また、自衛隊は憲法に基づいて、法律によって設置されているものでございますので、自衛隊員も憲法を守るべきことは当然であると考えております。

永井孝信日本社会党

○永井分科員 それでは、この憲法について、自衛隊の隊員に対して日常の教育というものはどのように実施をされているのか、これをひとつお伺いいたします。

石崎昭防衛庁参事官

○石崎政府委員 自衛隊で憲法教育をどうやっているかについて御説明いたしますと、新入隊員とか幹部とか、管とか土とか、それぞれの人たちに対して、それぞれの教育を与える機会に、コースによって若干違いますが、一定の時間を割いて、憲法その他の自衛隊法とか、基本的な法律の教育をやっております。もちろん、そのほか防衛大学校とか防衛医科大学校とか、そういうところでも同じことをやっております。コースによって、それに充てている時間は若干ずつ違います。  それから、どういうふうに教えているかといいますと、憲法の条文そのものをテキストとして教えることはもちろんでありますが、そのほか、各憲法学者のコメントを引用して教えるとか、あるいは、たとえば少年自衛官の場合は、ちょうど年かっこうが高校生くらいということもありますので、文部省検定済みの教科書——いま東京書籍という会社で発行している教科書を使っておりますが、そういう一般に販売されている教科書を憲法教育に使うというようなこともやっております。  それから、どういうことに重点を置いて教育をやっておるかといいますと、平和主義とか、民主主義とか、基本的人権の尊重であるとか、そういう憲法の基本的理念を教え、民主政治下における自衛隊の任務、隊員のあり方というようなことに重点を置き、かつ、政治的行為をしてはいけないというような心得も教える、そういうところに重点を置いて教えております。  なお、この憲法教育にしても、基本的な法律の教育にしても、私ども考え方としては、学校教育とか社会教育とか家庭教育を通じて平均的な社会人として育ってきた人を対象として行う職業教育というふうに考えておりまして、全く何もないところから、イロハから教えるというようなことではありませんので、一応の公民教育は受けてきた人たちということを前提として教育をやっているわけでございます。それは当然のことながら、国民の税金を使って教育をしているわけでありますから、職業教育として内容は厳しいものでなければならないので、一般常識に類するようなことに多くの時間を割く余裕がありません。そういう立場から、一応平均的公民教育を受け、平均的社会人として成長してきた人たちということを前提として教育を行う。  以上が、憲法その他の教育のあらましでございます。

永井孝信日本社会党

○永井分科員 それでは具体的な問題で聞いてまいりたいと思うのでありますが、いま御答弁を聞いておりますと、国民の税金を使って教育するのであるから、職業教育に力点を置いて、一般的な常識を教える時間は余り割くことができない、こういうことだったと思うのでありますが、やっぱり日本の社会に生きていく以上、社会人が必要とするような常識問題というのは、むしろ私は重視をされるべきじゃないのか。そういう教育が欠けているところから、自衛隊が社会の中におけるいろいろな問題を惹起しているように思えてならないわけであります。  そこで、基地が至るところにあるわけでありますが、自衛隊員に対して、地域住民との日常対応については、具体的にどのように指導されているのか。常識問題に時間を割くことができないということで、そういうことはおろそかにされておるのかどうなのか、これをひとつお聞かせください。

石崎昭防衛庁参事官

○石崎政府委員 ただいま申し上げました一定の時間を割いて憲法その他の教育をしておるというのは、学校その他の教育機関で行う教育のカリキュラムの内容として御説明をしたわけであります。自衛隊員に対しては、もちろん教育機関で教育する以外に、日常、隊で隊員として勤務する過程を通じて精神教育を実施しておるところでありまして、その内容は、使命感の高揚であるとか、規律の遵守であるとか、人格の陶冶であるとか、団結の強化であるとか、そういう隊員としての良識を涵養するという教育は、日常の勤務を通じて絶えず行っておることはもちろんでありまして、鉄砲を撃てればいい、戦車を動かせればいいということだけのことで教育をやっておるわけではありません。そういう人間としての良識を涵養するということは、日常の勤務を通じて絶えず指導監督しておるところであります。

永井孝信日本社会党

○永井分科員 私は、いまそういう御答弁を受けているわけでありますけれども、社会人として通用するような常識に欠けるような行為が新聞紙上にもあちこち出るわけでありますが、具体的な問題で、そのことについて私はお尋ねをしたいと思うのでありますが、長官、兵庫県に加西市というところがありまして、この加西市に青野ケ原という自衛隊の駐とん地があるのですね。そこに演習場も存在をしているわけでありますが、その演習場の前の民有地に、民有の学習の小屋を実は建てているわけであります。その学習の小屋、これは通称団結小屋と私たちは言っておりまして、月に二回なり二回なり、そこに平和を求めていく仲間たちが集まって、平和憲法はどうあるべきか、平和憲法のもとで、どういうことが地域の活動で展開されるべきが正しいかというふうないろいろな学習をやっているわけでありますが、その団結小屋というものが自衛隊の陸士長の手によって破壊をされたわけですね。  私の地元でありますので、私はここに全部写真を持ってきております。後で見てもらっても結構なのですが、当時地元の新聞にはかなりセンセーショナルな記事として掲載された。この破壊の実情というのは、この小屋の前に何の注釈も加えずに憲法第九条の看板を立てているわけであります。この憲法九条の看板が、ずたずたに、おのでもって破壊をされた。そして小屋の窓ガラスが全部破壊されて、小屋の外側の壁も全部おので切りつけられて、中へ入って、中の壁から、中に置いている学習のための机まで全部おのでぶち壊された。厳密に言うと、そのぶち壊した事件というのは、ことしの一月の十六日と十七日の二日間、御丁寧に二日間にわたってぶち壊しているわけですね。そのぶち壊した陸士長というのは青野ケ原の駐とん地の隊員ではなく、京都の隊員が青野ケ原の演習場に演習のために来ておったのですよ。その演習に来ている隊員が自衛隊の服を着て、自衛隊の器材を持ち出して、自衛隊のおのを持ち出して、これをぶち壊しているのですね。これを一体どのように受けとめられるか、あるいは、このことについての実情を隊から長官は報告を受けてますか、ひとつお聞かせください。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいま御指摘の事件のあらましの報告は受けておりますが、詳細につきましては政府委員の人事教育局長からお答えいたします。

佐々淳行防衛庁人事教育局長

○佐々政府委員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘の事件は、私どもの調査の結果、確認をいたしております。私どもの調査の結果では、陸上自衛隊中部方面第三師団の第四五普通科連隊第二中隊、御指摘のように京都の宇治に所在しております。この第二中隊に属しておる隊員の陸士長、この者は、この事件がございましたとき少年でございましたので名前はちょっと差し控えさせていただきますが、その少年が一月十五日から二十二日まで兵庫県加西市の青野ケ原演習場の整備作業に従事をいたしておりました。一月十六、十七の二日間、両日とも整備の作業を終了後、夜八時ごろ隊から抜け出しまして、一人で、この演習場の南入り口付近に設置されております。ただいま御指摘の団結小屋、ここへ参りまして、ブリキ製の立て看板が二枚、それから窓ガラスが五枚、室内の化粧ベニヤの板壁三枚、御指摘の木製の机一つ、合計被害額四万ないし五万ということで被害届が警察の方に出ているようでございますが、こういう損害を及ぼしたという事件がございました。  この件は、一月十九日に本人が自首してまいりまして、加西警察署の方において取り調べを受けまして、二月二十八日、これは建造物侵入、損壊及び器物毀棄だったと思いますが、これで事件送致になっております。  また、この事案につきましては、自衛隊員が勤務時間外とはいえ、このように他人の所有に属する器物を損壊するというような行為はもちろん許されるものではございませんので、一月三十一日付をもって停職三日間の懲戒処分に付しております。     〔主査退席、池田(行)主査代理着席〕

永井孝信日本社会党

○永井分科員 停職三日間という処分だそうでありますが、私がなぜ最前、自衛隊の隊員に対する教育問題を取り上げたかというと、憲法の教育をしているというなら、憲法の九条がいいとか悪いとか議論はあったとしても、その憲法の九条が現存の日本の憲法として生きている以上、その憲法の条文をめった打ちにするという、その思想を私は非常に危惧するわけですよ。本当に憲法というものを教育して、その平和憲法のもとで自衛隊の役割り、任務を持たせているということなら、憲法の九条をずたずたにするような行為は私は起きなかったと思う。この辺の関係について、長官、最高責任者としてどう思われますか。

佐々淳行防衛庁人事教育局長

○佐々政府委員 お答えいたします。  この隊員の動機と申しますか、なぜそういうことをやったのかという点についても十分調査をいたしました。警察の方も捜査、取り調べを行ったと思いますが、自衛隊といたしましても調査をいたしましたところ、本人は自衛隊員でございますし、自衛隊は合憲だと信じておりまして、日本の独立と安全を守るために一生懸命やっておる、そういう心境でやっており、日ごろは大変無口でまじめな隊員と承知をいたしておりますが、この団結小屋のところには、先生御指摘の九条の条文も確かにそれだけかかっておるのでございますが、自衛隊は違憲であるとか青野ケ原演習場を地元に返せというようなほかのスローガンもあったようでございます。これに対する抗議の意思表明として破壊をしたというのが本人の動機でございます。  この点、御指摘のように憲法九条のまで、はがさなくてもいいではないかという御指摘があろうかと思いますけれども、私どもの解釈では、この九条そのものを敵視してやったというふうには解せませんで、その団結小屋の全般的なスローガンと申しますか自衛隊違憲論に対して抗議の意思表示をした、こういうことだそうでございます。  しかしながら、先ほど申し上げましたように、私どもは、この行為を是認はいたしておりません。いかなる考え方にせよ、こういう暴力をもって他人の所有に属する財産を損壊するというような行為は許さるべきでない、かように考えております。

永井孝信日本社会党

○永井分科員 この憲法九条の看板と、いま御指摘になった基地を返せ、住民の運動として、そういうことがあっても私は何も不思議でないと思うのでありますが、しかし、その憲法の九条というのは全然かけ離れたところに、小屋の前に立ててあるわけですよ。そこまでぶち壊すということは憲法九条そのものを否定するという思想のあらわれではないか、私はこう考えるのであります。だから、憲法を守らせるというのなら、憲法を守らせるような教育をもっと強化してもらいたい、これがまず一つであります。  それともう一つは、この土地は御承知のように戦前に陸海軍がそれぞれ強制買収した土地でございます。その土地を買収した面積も、もちろん皆、資料でここに持っておりますが、時間がありませんので、そこまでは触れませんけれども、その強制収用した土地に演習場があるのです。そうして、その演習場の中に、いわゆる一般道路と言われている、われわれが日常通行する道路も通っているわけですよ。この道路は何人が通ろうとも、とめることはできないという道路なんです。その道路の付近に自衛隊が演習に来たときに駐とんするような建家が幾つか建っているわけですね。  それで私は、この問題が起きたときに宇治の駐とん地から派遣されている、その犯行を犯した隊員の最高責任者である窪田という中隊長に電話で申し入れをして、明くる目五人か六人、多くて七人くらいで、この問題について申し入れに行くということを事前に了解をとって、申し入れに行った。ところが申し入れに行ったら、舗装されているりっぱな県道があるわけでありますが、その県道から演習場の中を通っている一般道路の入り口で、私自身がピケを張られて入れてもらえなかったのですよ。入れるなという命令を受けているということで入れてもらえなかった。  私たちが抗議に行く、あるいは申し入れに行くにしてみたって、何百名、何千名というデモ隊を組んで行ったわけでもあるまいし、私たち肩書きがはっきりしている国会議員あるいは党の支部長、団結小屋の持ち主、こういう人たちが、ごく限られた人数で行くのに、なぜその一般道路をとめるか、そこでかなり押し問答がありました。ようやく中に入れたのでありますが、人が来れば玄関をあけて中へ入れて、そこでいろいろな話を聞くというのが普通の礼儀だと思うのでありますが、自衛隊の権限でない道路をとめる、私はこれは大変な人だと思うのですよ。  私も戦前の軍隊の端くれ、軍属におった経験もありますが、戦前は軍隊が軍の行動を行うときに必要に応じて民有の財産であろうと何であろうと徴発することができたのですよ。いわば、その道路をとめて私を入れなかったということは、自衛隊自身が、何かがあったときにはすべで徴発ができるという思想を持っているのではないか、私はこう危惧を感じましたので、もしそういう考え方があったとするなら、どの法的根拠に基づいて、そういう行為を隊長がとらせたのか、ひとつ回答願います。

佐々淳行防衛庁人事教育局長

○佐々政府委員 お答えいたします。  一月二十日に先生御指摘のようなことが確かにございました。私どもも実は、公道にピケを張って抗議に見えた先生方を阻止した、こういうお話だったものですから大変びっくりいたしまして、木銃でも構えて数十人でとめたのかと思いまして調べてみました。しかしちょっと事情が違うようでございます。  先生御指摘の加西市から小野市に至る県道三木−山崎線というのが通っておりまして、確かに、そこから演習場に入る道がございます。東道、この道のことであろうかと存じます。実は、この演習地内には、先ほど先生御指摘の小野市の市道七十八号線というのがもっと北の方に通っておりますが、この道路は公道ではございませんで自衛隊の管理に属する私道でございます。     〔池田(行)主査代理退席、主査着席〕  それで隊長に、この間の事情を説明を求めましたところ、先生がおいでになるということで二名の隊員をこの私道の東道の範囲内のところへ出しておいた。先生が車数台でおいでになりまして公道で一たんおおりになって、その現場の団結小屋をごらんになってから、またこちらの方へおいでになったものですから、ちょっとお待ちください、どなたでございますかと、まあこんな丁寧じゃなかったかもしれませんけれども、おとめをして……(永井分科員「本人がここにいるんだから」と呼ぶ)はい、本人がいらっしゃいますのであれですが、おとめをしてお名前を伺い、御用向きを伺い、そして中隊長に取り次いだ。その際、若干態度において歩哨の要領でもってとめたというような失礼があったかもしれません。しかし中隊長は、そこへ行って御用向きを伺ってお通しするようにという指示をしておったようでございまして、これがやや不徹底であった点は大変失礼をしたと申しております。

永井孝信日本社会党

○永井分科員 私がそこへ行ったのであって、本人が行っているのですよ。中隊長がそのように指示をしたと言いますが、中隊長自身がそこへ出てきておったのだから。いいですか、中隊長自身が出てきておって、私は、その人が中隊長だということがわからなかった。中隊長が出てきておって、何人か、二人じゃないですよ、もっとたくさんおりましたよ。その隊員が、ここから入ってはいけない、命令されていると言うのです。話をしていたら、そこに来ている人が中隊長だとわかったものだから、何であなたがとめるのか、そこでかなり時間を食って押し問答があってようやく入れたのです。だから現地の報告というものはかなり矮小化していると思うのです。  しかし、いずれにしても一般に通行を認めている道路で、私が申し入れ書を持っていったら入れないという、その行為自体が自衛隊の危険な思想につながる。幾らシビリアンコントロールと言ってみたって、そんなことを許しておもと、この間のスペインじゃないけれどもいつ国会が占拠されるかわかりませんよ。そのくらいの思想につながる危険性を持っているということを私は強く指摘しておきたいと思うのです。  もう一つは、隊長に対して、この問題を私たちが追及をした際に、隊長は、この事件は自衛隊とは全く無関係であります、個人の資格でやったのだ、こういうことで終始抗弁したのですね。自衛隊の隊員がいつから一般の市民になって、いつからまた自衛隊の隊員に戻るのか私ははっきりわかりませんけれども、総理大臣以下公人と私人を使い分けされるような時代でありますから、それをまねたのでありましょう。しかし、その事件を起こしたときは個人であって、そうでないときは自衛隊員だという詭弁で、この問題は処理するような問題ではないと思うのです。率直に非は非として認めるべきだと私は思うのですね。隊員がたまたま交通事故を起こした、自衛隊の車に乗っていて交通事故を起こしたということと違うのです。目的意識的にその団結小屋を破壊し、憲法九条の看板を破壊したということでありますので、これは私はもっと思想的に根が深い、こう考えているわけであります。  そうして、その抗議のときに、もうお聞きになったと思いますが、テープをとらしてくれという話があったのですね。どうぞと私は言ったのです。そのテープは何のために使うのかと聞くと、後で問題になってもいかぬので、上司にこのテープを報告しなければいかぬ場合があるということで、どうぞということで私はテープをとってもらったのでありますが、そのテープのことで若干のやりとりがありましたよ。やりとりはあったけれども、そのときに隊長は、この犯人の自衛隊の陸士長の犯した行為というものは、結果として考えるならば、その本人は英雄的行為でやったものだと私は思う——隊長が英雄的行為だと言って奨励したとは私は言っていませんよ。言っていないけれども、隊員の犯したことは英雄的行為だと思っていると推測ができるような、そこの思想を私は最初からずっと問題にしているわけであります。  そうして一月二十日のそのときに、私の名前にしたのではまずいので、その現地の責任者の名前で、ここにも持っておりますが、防衛庁長官あてに申し入れ書を出したのです。この申し入れ書の文章がいいとか悪いとか、かなりやりとりがありました。ありましたけれども、破壊した行為に対して、われわれは申し入れ書を出したのです。その申し入れ書を隊長は受け取れないと言ったのですね。なぜ受け取れないのかと言うと、そんなことは上司に取り次げない、こう言ったのです。だから、どうしても上司に取り次げないのなら、私が直接防衛庁長官に持っていこう、それでいいかと念を押したら、それなら預かります、上司に間違いなくこの書面は提出します、こういうことで、一月三十日付で回答をもらいたいということで十日間の余裕を見て渡したのですね。  三十日が過ぎても一向になしのつぶてだということで、私は防衛庁に電話をして担当者に来ていただきました。調べてもらったら、中隊長が一見三十日を過ぎた時点でなおかつ握っているということがわかったのです。これは約束違反ですね。まして防衛庁であるがゆえに、他の組織と違って、防衛庁長官の命令が下部末端まで即座に浸透する、徹底するというのが、私は防衛庁の特異な組織体系だと思うのです。逆に地方で問題があったときは、着実に上へ、そのことが上申されるというのも他の組織以上にできなければいかぬことだと思うのです。上司に上申しますと言ったものが、私は二月五日に防衛庁の担当者に来てもらったのでありますが、その時点で調べたら中隊長が握っているということなんです。これでは地方に点在する自衛隊の基地に係る問題で地方の隊で申し入れをした場合、防衛庁に一々上がってこず一向に上へ伝わっていないということになっていくわけですね。  片方で演習がある、そういうときは防衛庁長官名で要請がされる、あるいは師団長名で要請がされる。こういう演習があるから協力してほしいとか、いろいろなことが町内会とか自治体に伝達されて、それぞれ基地の周辺の自治体は、町内会を含めて全部徹底させて協力しているのですよ。ところが、その協力させられている側で問題があって、それを上げれば全然通じない、これは一体どういうことなんですか。都合の悪いことは全部握りつぶしですか。そして、いまだにこの回答はもらっていないわけですよ。この申し入れ書の内容に気に入る、気に入らぬがあっても、いずれにしても背景に思想的な問題があるのかどうか聞いているわけだから、ないならない、あるいは二度とこんな問題は起こさないようにしてもらいたい、このように対策を立てますという回答ぐらいしたらいいじゃないですか。そういうところに自衛隊の国民に対する——国民からの理解を求めるということができていくんじゃないですか。  せっかく申し入れを出したものが握りつぶされた。非常に私は不満です、私自身が行って渡したんだから。それほど地域の住民をなめるのか。たとえ一介の代議士であっても、代議士が直接渡したものをそれほど軽々しく取り扱うのか。私は念を押しているわけだ。上中できないのなら私が防衛庁長官に渡すと念を押して、いや、上申しますからということで渡したものが握りつぶされる。その関係について、一体どうなっておるのか、明らかにしてください。

佐々淳行防衛庁人事教育局長

○佐々政府委員 お答えいたします。  中隊長は決して握りつぶしておりませんで、この内容については、直ちにお約束どおり上部司令部に上申をいたしまして、私ども承知をいたしております。防衛庁長官にも、現物は行っておりませんけれども、この点は報告をいたしております。  それから、防衛庁は御承知のように、その性格上抗議文だとか陳謝要求とか、非常にたくさん参ります。どうかすると、一年に千件ぐらい参ります。これは全部長官名で、書面で回答、陳謝せよというのが参りますが、事の性質によりまして、長官と一士長の間には中隊長から大隊長から連隊長、師団長、方面総監、陸幕長とたくさんおりますので、それぞれの事案に応じて、責任と権限にもちろん段階がございますので、それによって私ども処理することといたしております。  本件につきましては、実は先生まだごらんになっていらっしゃらないかもしれませんが、二月九日付をもちまして、第四五普通科連隊長一等陸佐井上祐次郎の名をもちまして西村省吾様あてに「一月十六日及び十七日青野ケ原演習場隣接地において当連隊の一隊員が貴管理下の通称団結小屋を損壊いたしましたことは、個人の私的行為であったとは申せ、指導監督の立場にある私といたしましても、申しわけなく存じております。今後はかかる不祥事を起こさぬよう指導監督してまいる所存でありますので、よろしく御寛恕願います。」という文書による陳謝の意を表しております。

永井孝信日本社会党

○永井分科員 二月九日に陳謝の意を表されたということは、私はきょう電話で聞きました。ところが、私が防衛庁の担当者に私の事務所に来てもらってこの問題をお尋ねしたときに、実情を調べて先生に回答します、ぼくはそのとき追っかけて言ったのです。防衛庁長官名で出してもらいたい、そうしてそのことを上司と相談をしてくれ。その上司と相談したものは、その結果についていずれになろうとも先生のところへ御連絡いたします、こういうことだった。これがきょうまでないのですな。  どこへ行っても自衛隊はそれほどパイプが詰まっているのですかね。パイプが詰まるということは、一朝事あるときに何が起こるかわからぬ。防衛庁長官の知らぬときに、隊員やあるいは下部の師団長あたりが、防衛庁長官とパイプを詰まらせたままどんな事件を引き起こすかわからぬ口  今度の事件は、たまたま手おので小屋を壊したという事件だけれども、手おのであろうと何であろうと、自衛隊の保管しているものは同じだと私は思うのですよ。仮にこれが武器を持ち出してやっていたらどうなんですか。それほど、自衛隊というのは、他の企業と違って、人を殺せる武器をみんなに持たせている、保管をしているわけだから、そういう意味でも、より厳密にシビリアンコントロールというのは大事でしょう。それが、こういう状況でパイプが詰まる。幾ら聞いても返事が返ってこない、こういう状況ではどうにもならぬ。  したがって、自衛隊に対する憲法教育を行っていますと言うけれども、本当に平和憲法のもとにおける自衛隊であるとするなら、それなりに平和憲法の精神というものをもっと徹底して教育をする、地域住民に対して問題を起こさないようにする。いま、千件くらいの抗議があると言いましたけれども、一般に言われているような事件と違って、この種の行為というものは、器具を持ち出して壊したような事件でありますので、他の一般の千件の事件と同じレベルで私は見てもらいたくないと思うのでありますが、こういう関係について、むしろもっと積極的に対応することこそ自衛隊に対する不信感をなくすることじゃないですか。  私は、このことに対して大変不満を持っておりますので、時間が来ましたので、最後に長官の対応をお聞きし、再びこういうことが起きないようにしてもらいたい、こう思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 先生がせっかく要求書ですか要望書を御持参くださいましたのに、御返事がお耳に入るのが大変おくれたことを恐縮に存ずる次第でございます。  今回の事件は、先ほど政府委員から申し上げましたように、個人的な非行であると考えておりますが、しかし、隊員が時間外でも、他人の所有に属する建物なりあるいはその前に表示されている看板をみだりに破壊するというようなことは許されないものであります。こういったことが起こらないように、憲法を初め法令の励行につきましては、今後一層指導を徹底してまいりたいと考えております。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 以上で永井孝信君の質疑は終了いたしました。  次に、鈴木強君。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 防衛庁関係の最後の質疑者になりましたので、重複をする点があろうかと存じますが、その点は御容赦をいただきたいと思います。  大村防衛庁長官、現在の自衛隊の兵力というものは旧日本の陸海空の戦力と比べてどっちが大きいんでしょうか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ちょっとお尋ねの趣旨がよくわからないわけでございますが、ただ隊員の数とか装備とか、そういった能力……(鈴木(強)分科員「いやいや全体の総合戦力」と呼ぶ)四十年くらいの開きがございますので、比較するのはちょっと困難ではないか、さように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 そのくらいのことは防衛庁長官としてちゃんと勉強しておく必要があるのじゃないでしょうか。もう十数年前に、赤城防衛庁長官の前、あの人が官房長官のときでしたか、参議院の私の質疑に対して、日本の自衛隊は旧陸海空軍と比べて総合戦力は強い、大きい、こう一言言われましたね。そういうことがわからないですかね。もっともっと強くなっているはずだな。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ちょっと時点が違いますので、実質的に比較することは困難だ、ですから、隊員の数とか装備品の数とか性能とかいうことで具体的にお尋ねがあれば、それについてお答えさせていただきたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 時間がありますればやりたいのですけれども、時間がありませんからこれはまた後日に譲りましょう。  そこで、第一番に、日米の防衛協力についてお伺いいたします。  御承知のように、昭和五十三年十一月に日米安全保障協議委員会で「日米防衛協力のための指針」というのが決められてございますね。この指針によりますと、一つは、「侵略を未然に防止するための態勢」二つには、日本に対する武力攻撃に際し日米が対処する行動。それから三つ目が「日本以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合の日米間の協力」これらが決められているように思います。  今日までこの指針に基づいて日米協力が行われてきているとは思いますが、昭和五十五年八月の防衛庁発行の「日本の防衛」この冊子を拝見いたしますと、いままでに海上自衛隊と米海軍との間の共同訓練、いわゆる合同演習というのは、昭和三十年以降八十数回実施されている。その中にはリムパックのような五カ国、三週間にわたる大がかりな大規模の演習も行われているわけでございます。それから航空自衛隊につきましては、昭和五十三年末から米軍との共同訓練を毎月一回程度、戦闘機戦闘訓練を中心にして実施しておる、こうなっています。そこでもう一つ聞きたいところですが、統合幕僚会議と陸上自衛隊については、これまで日米合同演習は実施していないが、これらについても機会を得て実施したいと考えている、こう述べられております。  そこで、お伺いしたいのでございますが、ここに述べておりますような機会を得て実施したいと考えているという統合幕僚会議それから陸上自衛隊の日米間の共同訓練、こういうものについて具体的にその規模あるいは実施の時期、場所、こういったものが決まっておりましたら、説明していただきたいと思います。

石崎昭防衛庁参事官

○石崎政府委員 日米共同訓練についてでありますが、従来、海上自衛隊と航空自衛隊は数多く共同訓練をしてまいりましたが、陸上自衛隊はまだ一度も日米共同訓練をやっておりません。  そこで、昭和五十六年度からぜひそれをしたいということで、いまどういう内容のものにするか、いろいろ検討しております。検討しておりますが、きょうの時点で、いつ、どこで、どういう部隊が参加して、どういう内容の訓練をやるかという内容全般は全く決まっておりません。検討を続けている状況でございます。  ただ、やろうとしておる内容については、おおよそ考えておることは二つありまして、一つは図上訓練、縮小演習と言われる実動部隊を動かさないで図上だけで演練するという訓練、これが一つでございますが、もう一つは、小規模な部隊による通信訓練、これも通信部隊だけの訓練でありますから、大規模な部隊は動かない。そういうことで、昭和五十六年度中に考えております陸上自衛隊の日米共同訓練は、二つとも実動部隊を動かさないで行う訓練ということでございます。  それから、陸海空統合の日米共同訓練、これは将来いずれやらなければいけないと思っておりますけれども、いまは全然具体的な案はありません。これからおいおい検討を重ねまして、将来実現しなければいけないと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 そうしますと、五十六年度中に日米間における図上訓練と通信訓練、これは考えておられる、こういうことでございますね。その他の兵器を持っての共同訓練はいまのところまだ考えておらない、こういうことでございます。  そこで、通信訓練の場合ですが、これは日米間において当然周波数の割り当てその他については協議をされて、現在米軍が使用されております。波数については、無線の場合、全部防衛庁でわかっておりますね。

石崎昭防衛庁参事官

○石崎政府委員 その点については、われわれはまだわかっておりません。いずれ調べて合わせなければいけませんので、わからなきゃいけないのでありますけれども、まだいまわかっておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 それはちょっと私理解できないのですけれども、こういうシステムになっておるのじゃないでしょうか。日米合同委員会のもとに周波数分科委員会というのがございまして、その分科委員会のもとで技術連絡ルートというものがございまして、そこで周波数等については絶えず話し合いを日本としておる。そして文書で確かに出しておるはずですがね。ですから、米軍が使っている周波数が全然わからぬというのは、これはおかしいわけですがね。その点はどうですか。

石崎昭防衛庁参事官

○石崎政府委員 これは多分郵政省ではわかっておることだと思いますが、訓練を担当しておるわれわれのレベルでは全然まだわかっておりません。早急にわからなければいけないと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 それは、これから通信訓練をやろうという計画を五十六年度中にお持ちだと聞きましたので、少なくとも周波数はどの周波数を使ってやるかということがいまわかっていないということは、ちょっと不勉強じゃないですか。全部わかっていますよ、これは。出力が幾ら、周波数は幾ら。そうでないと、日本の国内におけるラジオ、テレビを含めまして、電波というのは世界的に一つの基準をつくって、それによって帯域を決めてやっておるわけですから、それ以外の周波数を勝手に出されると、他の公共的なあるいは民間の電波というものは妨害を受けるわけですから、そのくらいのことを防衛庁がまだ知らぬということはおかしな話ですがね。どうなんですか。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 詳細につきましては、これは郵政省がまず表に立ってやっておりますので、そちらの方と詳しく調べてみますけれども、私の記憶しておるところでは、一定の幅を郵政省から割り当ててもらっておる、そういうふうに記憶しております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 それは文書でちゃんと来ていますから、郵政省に行ってちゃんと調べなさいよ。そしてどの周波数を使っているぐらいのことを日本の自衛隊が知らなくて、話にならぬじゃないですか。日米協力もへったくれもないですよ、そんなことでは。それはひとつ大臣、早速調査さして明確にさしてくださいよ。いいですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいまの電波の件につきましては、早速調査します。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 そこで、五十六年度中に図上訓練と通信訓練をおやりになるそうですが、私は山梨県選出でございますが、あそこには御承知のように北富士演習場がありまして、いろいろ問題が起きておるわけでございます。  実は、どこからどういうふうに情報が入ってきたのか私もよくわかりませんが、日米合同演習が北富士演習場において行われるという前提のもとに立ちまして、すでにその反対運動を具体的にやっている人たちがおるわけですよ。私たちはまだよく聞いておりませんからわかりませんので、この際明らかにしていただきたいのは、将来重大器を使った日米共同訓練ですね、これは陸上自衛隊の場合、まだ決まっておりません、いつやるかもわかりません、それはわかりました。そこで、やるのは二つでございますね、この二つについて北富士演習場でおやりになるということはまだ決まっていない。しかし、そういう話がありますので、この際はっきりしておいていただきたいと思う。

石崎昭防衛庁参事官

○石崎政府委員 先ほど申し上げましたように、五十六年度中に行う陸上自衛隊の日米共同訓練の二つのものは、いずれも場所がまだ全然決まっておりません。そこで、北富士でやるとも東富士でやるとも、あるいはその他の演習場でやるとも、何とも申し上げかねるわけで、これから一番ふさわしい場所を選定していこうと思っておるところでございます。ですから、やらないともやるとも、ちょっと申し上げられないわけです。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 そうすると、やるという前提に立って、仮に重大器を用いないとしても、日米合同演習に反対という動きが出てきているのはそういうところにあるのではないかと思います。ですから、これはもう五十六年度といってもすぐですから、会計年度で。はっきりした方がいいと思うのです、やるならやる、やらないならやらないと。そういうことを明確にしていただいた方がいいと思うのですけれども、これはどうでしょう、長官が最終的に決めるんですね。北富士演習場でやるのかどうなのか、そこをひとつもう少し明確に、やらないならやらないと言ってくださいよ。やるかやらないかわからぬというそんなあいまいなことじゃなくて、もう五十六年度のことでしょう。

石崎昭防衛庁参事官

○石崎政府委員 さっき申し上げました演習、訓練に一番ふさわしい場所をよく検討した上で、決まりましたらもちろん長官に報告して承認を得てやることになります。われわれも早く決めていろいろ準備をしたいと思いますから、検討は鋭意進めたいと思いますが、さっき申し上げたことの繰り返しで恐縮でありますが、いまはまだ決まっておりませんので、やるともやらぬとも、ちょっと申し上げられません。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 それでは、これは私の意見ですけれども、図工作戦、これは問題ないですね。通信訓練であれば、これは日米間の言葉も違いますし、やりとりをスムーズにやるための訓練だと思うわけですから、極端に言えば同じ部屋の中で隊とこっちでやってもやれるわけでしょう。何も事を構えて、北富士演習場でやるとかあるいは東富士、北富士演習場にまたがってやるとか、そういうふうなことでなければやれないというのじゃないでしょう。ですから、いま北富士演習場はいろいろな問題があるのです。私たちは全面返還、平和利用ということを願ってお願いしているわけですが、なかなかそうもいかない。したがって、段階的にいまお願いしているわけですが、一部返ってまいりまして、さらにあの地域の全般的な開発のために使いたいという願いがあるのです。これは八十万県民の一人も反対のない願いでございます。ただ、いろいろな情勢がありますから、そこが非常にむずかしい。  そういう中ですから、ことさらにこういった通信訓練というものをあそこでまだやるかやらぬかわからないというあいまいな中で人心を動揺させることは、私は得策じゃないと思うのですよ。ですから、このぐらいのものはあそこでなくてもやれることですから、そうなさった方がよろしいと思うのですが、これは長官に局長は決めて相談すると言うですけれども、これはもう長官、そういうものなんです、通信訓練というのは。ですから、北富士ではこういう通信訓練はやらぬと、そういうふうにはっきりしてもらいたい。どうですか、もう一度。

石崎昭防衛庁参事官

○石崎政府委員 地元の皆様の御意向を背景におっしゃる気持ちは大変よく私どももわかりますが、通信訓練の場合は、おっしゃるとおり、単に電波のやりとりをうまくつかんでこなすというだけであれば、極端に言えばある学校の運動場の中でみんな集まってやってもできるかもしれませんが、これからやろうと思っている通信訓練は、そういうエレクトロニクスの性能の検証だけではありませんで、通信機を積み込んだ運搬手段の訓練とか、そういう通信そのもの以外の付随する部隊が移動してやるとか、どういう場所だったら感度がいいとか悪いとかいろいろな要素がございますから、一つの部屋の中でやれば済むというふうには思っておりません。どこか適当な演習場を選んでいずれやらなければいかぬ。  その場合、北富士演習場を使わずに済むかどうか、これはいま検討している最中でございますので、絶対あそこでやらぬということを申し上げられないのはちょっと残念でありますけれども、何分検討中でありますので、ひとつ御理解願いたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 私は、いま申し上げたことを強い私の意見として申し述べておきますから、十分参考にしていただきたいと思います。  その次に、自衛隊の装備のことについてお伺いしたいのですけれども、いま自衛隊の防衛のために必要な装備というのは、国内と輸入とに分けてどのくらいの比率になっておるのでございましょうか。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 五十四年度におきますところの正面装備の購入費につきまして比率を申し上げますと、昭和五十四年度の武器、弾薬、艦船、航空機の新規の契約額は約五千五百三十七億円でございまして、このうち国内調達額は約四千六百三十四億円でございます。したがいまして総額の約八四%、輸入額は九百億円で約一六%というふうになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 いま防衛庁では技術研究本部というのがございます。そこで国産の自衛隊の装備についていろいろ研究をされておるようでございますが、ライセンスによる生産等も一部ございますけれども、将来自衛隊が必要とする装備については、いまの数字を見ましても、国産の方がほとんどを占めているように思いますけれども、どうしてもいま国産化できないようなものは主にどんなものでございますか。それに対して今後どういう対策を持っておられるのか、これをお伺いします。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 装備と言いましても非常に範囲が広うございます。ですから、一応自衛隊がこれまで整備してきた範囲あるいはそれに似たものということで範囲をしぼりまして考えてみますと、これは実際にこれからどのくらい研究開発費にお金をいただけるか、人員をどのくらい割き得るか、そういったようないろいろな要素に関係するわけでございます。  現在の陣容なりそれからこれまでの大体の研究開発費の傾向といいますか、それが急に非常に大幅に上がらないというような前提を立てて考えざるを得ないということになると思いますが、私どもとしては、なるべく自前の研究開発によって、国産によってなるべくやっていきたいということで努力はしておりますけれども、何といいましても、自衛隊の場合には各国に比べますと整備をする数が少ない。各国に比べまして数分の一、場合によっては数十分の一というようなことでございますので、どうしても研究開発費あるいは機械等の割り掛け分が高くなるというようなことになりまして、そういった点は制約する面がございます。したがいまして、研究開発費の割り掛け分あるいは機械設備の割り掛け分がどうしても大きくなる。  逆に言いますと、非常に複雑精緻な、精巧なものにつきましては、一般的に言いましてなかなか研究開発がむずかしいというような状態もございますけれども、しかしながら一方におきまして、最近エレクトロニクス等につきましては、日本は非常にすぐれているという面もございますので、こういったものを利用いたしますところの装備につきましては、いま言ったような不利な要素を打ち消しまして、かなり国産化は進んでいる。一般的に言えばそんなことになると思います。  どうも若干抽象的で恐縮でございますが、突然の御質問なのでとりあえずこのぐらいにさせていただきます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 そうしますと、現在、どうしてもまだ研究開発途上にあって、外国に依存せざるを得ないというものについて、これから研究を進め、いつごろ完全に国産化するか、こういうふうな目標を立てておられるのですか。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 いまの御質問に直接答えることにあるいはならないかと思いますが、私どもとしましては、必ずしも全部をある日に国産できるというふうな目標を立てているわけではございません。なるべくなら国産化したいという要素もございますけれども、さきにも申し上げましたように、やはりコストとそれによって受けるところの利益というものの関係も十分注意してみないといかぬということでございますので、余りに国産品が割り高になる場合にはやはり輸入に頼らざるを得ないといったようなことも、こういった厳しい財政状態のもとでもございますので、やはり考えていかなければいかぬという点もございます。そういったようなことでございますので、そこら辺につきましては、今後の防衛費のあり方あるいは研究開発にどのくらいの割合がいくかといったようなこと、あるいは米軍との共通化の要請といったものも片やございますので、そういったようなことをいろいろ勘案しながら決めていきたい、そういうふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 そうしますと、技術開発をいま本部でしていただいているのですけれども、開発費はどのくらい年間使っておるか、もちろんはっきりと全部を国産化するということもむずかしいと思いますけれども、およそそういう目途を立てて研究を進めなければこれは話にならぬじゃないですか、そういうことを聞いているのですよ。どうしてもいま国産化できないというもの、それには時間がありませんから、また資料で出していただいても結構です。  それで研究開発費、来年度のはどのくらいありますか。

和田裕防衛庁装備局長

○和田(裕)政府委員 研究開発費につきましては、総予算二兆四千億のうち、占めておる割合は一・三二%でございます。実額で言いますと、たしか三百十七億でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 自衛隊の装備については、これは国民の税金ですから、購入に際しては国内、国外とも十分注意してやっていただきたいと思います。  五十四年度の会計検査院の決算監査の報告を見ますと、二つの事項が指摘をされております。今後こういうことのないように十分注意をしてやっていただきたい、こう思います。  時間がありませんので、これは私見で結構ですから、防衛庁長官にちょっとお伺いしたいのですが、実は金丸元防衛庁長官がことしの二月十三日に鈴木総理と会いまして、今後六年間でわが国の防衛予算を国民総生産、要するにGNPの約二・五%にふやすということを柱とした「防衛力整備に関する提言」というのを行っております。大臣はこれをお読みになりましたでしょうか。  それから、時間がありませんので、いまの防衛計画というのは、いわゆる平和憲法のもとに、限定された小規模侵略に対しての防衛大綱だと私は思うのですね。これを見ますと、とてつもない大変な問題を含んでおるわけでございまして、こういうことに対して長官としてもし御所見があったら承りたい、こう思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 金丸元防衛庁長官が防衛に関する提言を総理に出されたということは、新聞で承知いたしております。そこで、私も、金丸元長官からその提言の資料をちょうだいいたしまして勉強しているところでございます。元長官のお話は、総理というよりも総裁のところへ提出して、党の機関で検討していただきたいというようなことを申されておりました。  そこで、防衛庁長官といたしましては、先生御承知のとおり、現在、五十一年に策定されました「防衛計画の大綱」の線を実現すべく最大の努力をしているところでございます。また、そのころにできました、防衛予算の総額が対GNP一%を超えないことをめどとするという閣議決定の方針もございます。防衛庁としては、これらの方針を守りながら防衛力の充実に努めているわけでございまして、提言の中にあります対GNP二・五%というのはかなり隔たりがあるわけでございますが、せっかくの提言でございますから、参考としては検討させていただきたいと思っておりますけれども、率直に申し上げまして、そういった立場にあるということも御理解願いたいと思うわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)分科員 これは時間の関係で、きわめて中途半端なことで長官の御所見を若干承ったわけでございますが、時間も大変遅いし、決められた時間を守ります。これで終わります。  どうもありがとうございました。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 以上で鈴木強君の質疑は終了いたしました。  これにて総理府所管中防衛庁に関する事項についての質疑は終了いたしました。     —————————————

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 次に、北海道開発庁に関する事項について、質疑の申し出がありますので、これを許します。安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 いよいよしんがりになりましたが、北海道開発庁の関係について、私の持ち時間だけお尋ねをしたいと思います。  戦後北海道開発庁という役所が置かれて、四つの島に限定された日本の国土の中で、唯一の人口の収容力の期待ができるという意味で、北海道開発計画ができ、予算も特殊な扱いをされながら、今日まで来ているわけであります。しかし、きょう閣議決定された国鉄ローカル線の廃止の問題は、今日までの北海道の開発というその進みの中において、非常に重大な意味を私は持つのではないかと思いますので、たくさん問題はありますけれども、きょうはその辺にしぼってお尋ねをしたいと思います。  北海道の開発というのはもともと鉄道とともにあったと言ってもいいと思います。そして現実に、産業の開発のためにこの国鉄を敷設するのだという形で、開発計画の中に位置づけられてきて、歴史的使命を果たしてきたのではないかと思います。そして、現実にその国鉄を頼りにして住民の生活があるし、地域社会の命運もかかっているという場合も多いわけであります。  ところが、今度の政令の廃止基準によりますと、六十年度末までに全国で七十七路線が廃止されるという中で、北海道は第一段階で八路線、第二段階で十五路線、合わせて二十三線、千五百七十八キロの廃止という計画のようであります。全体で三十六本の国鉄の路線のうち、実に三分の二がレールをはがれてしまう。北海道の開発の歴史の中でこれぐらい重大な問題は私はないのではないかと思います。その重大性を大臣もよく御理解をいただいて、いろいろ御努力をされたとは聞いておりますけれども、人口密度が本州の四分の一なんですから、そういう中における特殊性というものが無視されて、住民の意思は抹殺されたのではないかという感じがしてならないのでありますけれども、どうですか、大臣。

富士野昭典北海道開発庁計画監理官

○富士野政府委員 北海道の鉄道の重要性につきましては、いま先生がおっしゃいましたように、開発を進めるとともに鉄道も敷設されてきたということで、いままでの開発というものについて鉄道の果たしてきた役割りは重要であると私どもも考えておりまして、そういう面から、今回の政令につきましては、私どもとしても、関係省庁であります運輸省とかなり精力的に、北海道の特殊事情と申しますか、特殊な国土条件というものを組み入れられるように折衝をしてまいった、そういうつもりでございます。  そういう結果、先生のおっしゃいますように、北海道の条件として、一つは非常に広いということがあるかと思います。そのために、かなり散在してあちらこちらに道民が住んでいる。したがって、鉄道のそれぞれの線の営業キロが内地に比べてどうしても長くなるということがございます。そういうことを今回の政令の中に含めることによって、北海道の特性というものを反映できるのではないかと考えられるわけでして、そういう点から、長大路線についての規定を配慮していただいたということがございますし、あと人口の問題につきましても、先ほど先生の申されました特定地方交通線の問題について申し上げましても、単に人口だけで鉄道をバスに転換する廃止対象路線として決めるということでなくて、営業線の長さと両縛りにすることによって、北海道の人口密度の点についても反映させてまいりたいということも考えて対処してまいりまして、私どもとしては、今回の政令基準について、北海道の特性についてそれなりに反映されているというふうに考えております。  以上でございます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 大臣、どうですか。いま御説明がありましたけれども、やはり新聞、テレビで発表されたら、たとえば美幸線、赤字全国一で、あそこの長谷部町長は、銀座で切符を売ったりして何とかして残そうという努力をしていた長谷部町長なども、新聞の報ずるところによれば、幾ら国のやることだって承服できない、レールは死んでも守る、こう言っていますね。白糠の千葉町長も、こうなれば国を向こうにして闘いをいどむよりほかにしようがない、こういう悲壮な決意を言っておるようであります。どうでしょう。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○原国務大臣 いろいろ御説、拝聴いたしました。  さしあたり廃止するというのを、初めは千キロと言っておった。その中で、北海道で国鉄を廃止するのは六百二十二キロを廃止すると言っておりました、運輸省は。それをわれわれは、北海道の特殊事情を言い、ぜひそれを内地並みに同じようにぶった切ることは承知できないということで大いにがんばって、最終的には八線の本当に短い線、ひげ線と言っておりますが、ひげのような約二百十四キロに減らした。初めに言ったのに比べれば三分の一に減っております。そういうふうにして、われわれはやるだけのことはやるし、がんばるだけはがんばりまして、ようやくここに落ちつきました。  また一方から言うと、どうも政府は初めの予定からおりてしまって、国鉄再建に効果が減ってくるというような悪口を言う新聞等も出ているほどでございますし、はなはだ十分ではございませんでしたが、私どもは、臨時関係閣僚会議その他におきましてもやるだけのことをやったし、まずまずこれで北海道開発にそれほど大した支障がないように今後とも気をつけてやりたい、こう思っております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 国鉄あるいは運輸省でもいいのですけれども、ちょっと確認しておきたいのですが、廃止路線第一段階のものと、それから第二段階のものがあって、新聞に大体発表されているわけでありますが、あれはあの辺でいいんですね。政府の正式発表では線名とキロ数しか出てないようですが、大体新聞に出ているのが該当だと見ていいんだろうと思うのですが、その点の確認をしたいということが一つ。  それから、きょうの発表の中でもなお書きが最後についていて、「代替道路の整備状況及び開発計画等による旅客輸送量の増加見込みの確認の結果変更することがある。」という書き方があります。ですから、まだ路線名等について変更の可能性があると見ていいのですか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 いま第一次選定の線名はどうだというお話でありますが、国鉄再建法の八条の二項の規定に基づきまして、選定は国鉄が行うことになっております。したがいまして、その選定をする時点においてその線が確定的になるということでございまして、現状では確定的なことを申し上げる段階でないと思うのですが、少なくとも選定の対象の候補と考えられるものが、いま申されましたように、第一段階で八線約二百十キロ程度あるのではないか、こういうふうに考えられるわけでございます。  そこで、いま申されましたように、代替道路の整備状況とかあるいは開発計画等による旅客輸送量の増加の見込みとか、そういうものを見込みまして、国鉄が選定をいたしこれを確認する、こういうぐあいになるわけでございまして、一応現在予想されたような形で新聞なんかには出ておりますけれども、現状われわれ考えておる段階においては、ああいうところの線が現状の予想される線でございます。しかし実際上の確定は後の段階になる、こういうふうに考えられます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 これからの手続でありますけれども、第一段階のものも、政令の基準によって国鉄が路線を選定して、大臣に承認の申請書を出す、知事にも知らせる。それから第二段階も一緒に行われるわけですか。第二段階のものは二年後にその作業が行われるのですか。二つに分けてお答えください。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 第一段階のものを今回調査いたしまして、国鉄が選定をいたしまして、これを、もし基準に適合しておれば、運輸大臣が承認いたしまして、協議会をつくり、所要の手続を経て協議に入る。したがいまして、第二次以降のものにつきましては今回は入っておりませんで、いま申されましたように、恐らく二年程度やった後で次の段階に着手する、こういうことになろうかと思います。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 第二段階までにかなり時間があるわけでありますが、それまでの間に地域開発や産業活動の大きな変化が生じた場合、たとえばいままで閉鎖していた炭鉱が再開発された場合とか、そういうようなことで交通需要にも大きな変化が出てくる、そういうような場合には、一応いまは廃止路線の中に入れてあるけれども、それを除外するというようなこともあり得る、つまり事情変更の原則の適用もあり得る、こう理解してよろしいでしょうね。まず第一段階がどんなふうに進むのかという状況を見てから考え直すべきだと思うのでありますが、どうですか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 まず一般的に申しますと、この法律はいわゆる旅客輸送についての代替を考えておりまして、したがって、開発状況等を見る場合にも、その開発によりましてどういうような輸送需要が発生するかということを考えまして、そして、現状の輸送需要あるいは輸送密度と両方勘案して将来需要を見るということはあり得ると思います。  したがいまして、現在のところ基準年次、五十二年、五十三年、五十四年の平均の輸送密度、お客さんの厚さと申しますか……(安井分科員「基準はわかっていますから」と呼ぶ)はい。旅客厚さの二千人未満で、第一次選定はひげ線から始めるわけですから、選定に当たっては一応その三年間の輸送密度を見ますが、現在工事に着手し、そしてある一定の明確な期間の中で輸送需要が発生するものは、一応それを取り込んだ形で輸送密度をはじいて、その基準に該当するか否かを判定いたしたい、こういうふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 運輸大臣と自治大臣の合意念書というのはどういうものですか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 合意文書と申しますか、政令あるいは法律をつくりますときに、その法律なり政令の手順と申しますか、今後円滑に関係省庁がうまくやっていく場合にこうやっていこうというような話し合いはするわけでございますが、そういうことでございますれば、この政令をつくりますときに関係省庁といろいろ今後の手順につきましてのお話し合いはいたしました。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 中身はそういうことなんですか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 そういうことでございます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 それは資料としていただけませんか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 これは、一般的に関係省庁とそういう話でやっておりますので、公表することは差し控えさせていただきたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 出している資料もいっぱいあるんですよ、合意文書については。大蔵大臣と自治大臣の財政の取り決めなんというのは、念書をきちんと国会にも出していますよ。もう一度御検討ください。  そこで、幹線との関係なんですけれども、伝えられるところでは、北海道は函館線、室蘭線、根室線、千歳線、夕張線の五線だけが幹線で、あとはみんなローカル線だ。しかし、宗谷本線だとか石北本線等も二百キロを超えるような幹線だと私は思うのですけれどもね。五本だけというのはちょっとおかしいと思うのです。つまり、幹線と地方線とでは料金が違うわけですね。春の値上げの上にまた秋の値上げで、恐らく二割も違ってくるのではないかと思う。そういうわけで、これは非常に重大な問題だと思うのですが、五線に限ったのはどういう意味ですか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 幹線の基準は一律に決めておりまして、三十キロ以上離れたところの十万都市を結ぶ線で、しかもその線のお客さんの厚みが四千人あることということで一律に考えまして、そしてそれに該当する線がいま申されました四線、それから、幹線としての基準に貨物輸送が四千トンというのがございまして、これに該当するものがあって五線になっております。したがいまして、北海道の場合はそういう基準に当てはめた場合に幹線としては五線が挙がっておる、こういうことでございます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 開発中の路線の問題なんですけれども、ローカル線の廃止に伴って地方開発線、AB線と言われるようなものも工事中止ということになるわけですね。いままで二千億円もかけたものがどぶに捨てられるという重大な問題だと思うのですけれども、これはもう五十六年度の予算から、開通一歩手前のものも含めて全部中止ということですね。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 AB線につきましては、五十五年度の予算から、開業後の輸送密度が四千人を超えると認められる路線については建設を継続しておりまして、四千人に満たない路線につきましては、いわゆる国鉄以外の者が、よく第三セクターなんと申しておりますが、鉄道運営を引き受けることとなったものに限りまして建設する方針で対処いたしておりまして、国鉄としては、四千人未満につきまして建設は現在のところは一応やめておるわけでございます。  四千人と申しますのは、このローカル線の政令基準にもありますように、いわゆる鉄道特性が国民経済的に見ても発揮し得ないところの輸送密度でございまして、そういうローカル線の基準の整合性と合わせた形でやはりAB線の建設を行うべきではないかと、こういうふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 その廃止された路線ですね、それやあるいは駅舎等があるわけですが、それはどういうふうにするのか。特に建設途中で工事中止となった場合には、そのまま放置されるとこれは非常に危険だし、大変な状態があるというので、地方でそういう問題も出ています。たとえば鉄橋なんかいいかげんにつくりっぱなしで、なくなったら、これは危なくてしようがないでしょう。ですから、その中止したりあるいは廃止した路線はどうするのですか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 確かにおっしゃいますように、AB線の建設につきましては、国鉄の財政等の観点からも、あるいは道路網が非常に発達したというような事情からも、こういうかっこうで消極的な形になったわけでございますが、これが五十五年からでございまして、確かにおっしゃいますように、一年、二年たちますつちにそういう事情も出てくるかとも思います。しかし、やはりわれわれとしては一応、その四千人未満でも地元でなりあるいは地方の私鉄事業者なりがひとつやってみようというときには、われわれとしてはそれを考えたいと思いますので、そういう意味では、中断はしておりますけれども、それに一応対応するような形というのは必要かと思いますが、いま申されましたような形での危険ではないかとかというようなことにつきましては、われわれとしては点検をして、そういうことのないような形でしばらく模様を見るということにいたしたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 いま第三セクターのお話が出たわけでありますが、きのう安孫子自治大臣は参議院の決算委員会で、この廃止のために地方自治体が財政的負担を新たにすることはできないと、第三セクター方式を否定する方針を明らかにし、そのことは運輸省にも伝えてある、こう言ったという新聞の記事があります。  ところが、いま夕刊を見ますと、きょうの閣議の後、鈴木総理の記者会見というようなことで、積極的に第三セクターをやるというところには政府が建設費も出すし、その移管を誘導するというふうに受けとめられる発言がありますね。どうも自治大臣のきのうのものと、いまの夕刊の記事と大分大きな食い違いがあるように思うのですが、どうですか。自治省からまず聞きましょうか。

井下登喜男自治省財政局調整室長

○井下説明員 地方交通線は、現在の採算の現況から見まして、第三セクター方式によって経営を行う場合も赤字が生ずるおそれが多分にあると考えております。その結果地方公共団体に負担が転嫁される危険が非常に大きいと考えておりますので、自治省といたしましては、昨日自治大臣も申し上げましたように、現行の国と地方との間の事務配分なりあるいは財源配分を前提とする限りは、地方団体が第三セクターに加わることは慎重でなければならないというふうに考えているわけでございまして、これは昨年の十一月六日、参議院の運輸委員会でございますが、運輸省と自治省の統一見解の中でもこの趣旨が述べられているところでございます。この辺については変わっていないわけでございます。  その財源措置についてでございますが、これは、建設費の方は運輸省の方であるいはお考えになるのかもしれませんが、私どもとしては、この第三セクターの経常的に発生する赤字について、一般論で申しまして、特定地域でこういった赤字を地方団体の共通財源であります地方交付税等で埋めるということは、これはやはり、地方公共団体の共通の財源でそういった措置をするということはきわめて不適当であるというふうに考えておりますので、仮に地方団体が第三セクターに加わる場合でありましても、その経常赤字というものについて財源措置をするという考えはございません。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 ですから、これは全くおかしいでしょう。自治省の見解と運輸省の見解と同じレベルで問題を議論して話がついていると言うけれども、これは全く違いますよ。いま国鉄でやっていて、赤字でどうしようもなくてお客さんが乗らないのを、自治体がやれば急にお客が乗って、黒字でもうかってもうかってしようがないような路線になるなんてことは考えられないじゃないですか。だから、きのうの自治大臣の言明と、それからあなたがいま言われたのも鈴木総理が言ったのと同じことですよね、運輸省は前からそう言っているけれども、全く違うじゃないですか。それはやはりこの予算委員会で提起した問題であるだけに、これはきちっとしてもらわなければ困ると思いますね。第三セクター、どうするのですか。きょうは、時間がないから私は詰めることはできないと思いますけれども、この総括質問の終わるまでに、ひとつ統一的な見解を明確にしていただきたいと思います。そのことをお願いしておきます。  最後に、北海道東北開発公庫の問題を伺っておきたいと思うのですけれども、五十五年度の設備投資は全国的にも若干減っているわけですが、北海道は五〇%近くの設備投資の減、しかし東北は二〇%ぐらいの減なんですね。それが公庫の融資の中にも響いてきているようであります。不況ムードは全体的な問題ですけれども、何で北海道だけが投資ムードがおくれるのかという問題ですね。もう少し設備投資を刺激するような方法を考える必要があるのではないか。そのための金利の引き下げということもありますね。こういうような御努力がひとつ必要ではないかということであります。  それからもう一つ、中小企業庁からもきょうおいでいただいておりますけれども、経営者や従業者の能力開発という問題も同時に重要な問題で、中小企業庁が全国を十二ブロックに分けて、いわゆる中小企業大学校ですか、それを、東京と大阪にはつくってあるが、あと全国にもずっとつくっていく。北海道は五十七年度の設置を目指している旭川市が北方圏産業経済センター構想でそれへの対応を要請しているというようなことも聞くわけでありますが、北東公庫の問題と、中小企業への対応の具体的な問題、この二点をひとつ伺っておきたいと思います。

大西昭一北海道開発庁総務監理官

○大西政府委員 北東公庫の問題についてお答え申し上げます。  ただいま安井先生から御指摘のとおり、北海道、東北も含めて全国的に、第一次石油ショック以降、工業の地方への分散というふうなことが非常に停滞ぎみに推移しております。中でも北海道は、東北に比べましてもやはり遠隔地であるという不利な立地条件のために、東北に比べても企業立地のおくれが見られるわけでございます。それが、勢いここ二、三年ばかりの北海道東北開発公庫の出融資の額につきましても、北海道の方が比較的伸びが低いというふうな問題にあらわれておるわけであります。  これは、一つは、北海道の工業の構造にも実は問題があろうかと思います。北海道の工業と申しますと、やはり地場資源型工業が主体でございまして、いわば重工業、軽工業と分けますと、そういう軽工業が全体の出荷額の約七割を占める。東北と比較いたしますと、機械金属加工型の工業等のいわば重化学工業を見ますと、東北の場合は約半分というふうな工業の構造に比べましても、比較的成長性の高い機械金属加工業というふうなものが北海道の構成が低いという点にも、やはり北海道地域への投資が比較的鈍いということがあろうかと思います。そんなことでございますが、ここ最近、北海道につきましても、苫小牧東部とか石狩湾新港地域の産業基盤の整備の進展につれまして、新しい企業立地の兆しも見られるような動きがございますので、ひとつ今後設備投資の伸びを私どもとしては期待をいたしておるわけでございます。  そこで、北海道の経済の実情からいたしますと、御指摘のとおり、投資活動が非常に停滞ぎみでございますので、最近、景気回復のために公定歩合の引き下げの論議もあるようでございますので、北海道東北開発公庫の金利は直接公定歩合とは連動はいたしませんけれども、長期金利に連動して北東公庫の金利も決められるわけでございますが、公定歩合の引き下げがもし実現すれば、できるだけ早期に北東公庫の金利も引き下げられるというふうなことで、私どもとしては、従来もそういう努力をいたしておりますけれども、今後ともそういう方向で対処してまいりたいというふうに考えております。

岩崎八男中小企業庁指導部指導課長

○岩崎説明員 御指摘のとおり、二月初めでございましたか、中小企業審議会から、現在東京と大阪にございます中小企業大学校を、その長期的な方向として、あと十、ブロックごとに整備していくべしという報告をいただいております。したがいまして、私どもといたしましても、その方向に従って今後発力していきたいと思っております。ただ、この報告にもございますが、それをつくる際、やはりそのブロック内の関係者、自治体等含めまして、どこにつくるというコンセンサスがありませんと、その後の有効な円滑な運営というのは望めないと思いますので、その点で、いま各ブロックごとにいろいろな調整をしておられるのじゃないかというふうに思っております。  北海道の場合、旭川市、芦別市、小樽市、現在この三つの市で、自分のところにそういう中小企業大学校を整備してほしいという御要望があるやに聞いております。問題は、そういうことを地元でいかに調整して北海道全体としてそれを盛り上げていくような体制ができるかということが一つあろうかと思います。ほかの場合は自治体も違いますので、なかなかそこもむずかしいと思いますが、北海道の場合は北海道内部の一つの問題かと思います。  ただ、もう一つは、これは長期的な方向でございますので、では、そういうのをどこから、どういうテンポでやるかということについては……

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 岩崎さん、簡潔に願います。

岩崎八男中小企業庁指導部指導課長

○岩崎説明員 今後、各地の状況を見ながら幅広い検討を踏まえて決めていくべき問題だというふうに思っております。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 では、締めくくってください。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 いまの第三セクターの問題について統一見解といいますか、意見の違いについて、主査の方に、適当にお取り計らいをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 理事の方に正確に伝えておきます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 終わります。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本主査 以上で安井吉典君の質疑は終了いたしました。  これにて北海道開発庁に関する事項についての質疑は終了いたしました。  以上をもちまして本分科会における審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  分科員各位の熱心な御審議と格別の御協力によりまして、本日ここに本分科会の議事がすべて終了することになりましたことを深く感謝申し上げます。ありがとうございました。  本日は、これにて散会いたします。     午後七時十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗