予算委員会第一分科会 第3号
- 発言数
- 510 件
- 登壇者
- 53 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/03/02
会議録
○橋本主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算及び昭和五十六年度政府関係機関予算中、法務省所管について審査を進めます。 まず、政府から説明を求めます。奥野法務大臣。
○奥野国務大臣 昭和五十六年度法務省所管予定経費要求の内容につきまして、大要を御説明申し上げます。 昭和五十六年度の予定経費要求額は、三千四百三十億七千五十四万四千円であります。前年度予算額三千三百二億三千六十五万五千円と比較しますと、百二十八億三千九百八十八万九千円の増額となっております。 さて、予定経費の増減について、内容を大別して御説明いたしますと、第一に、人件費関係の増は、九十三億八十八万九千円であります。これは、昇給等の原資として職員基本給の増額分が主なものでありますが、そのほかに、法務事務官、検察事務官等の新規増員三百五十二人及び部門間配置転換による法務事務官の振りかえ増員二十一人に要する人件費が含まれております。 ここで、増員の内容について申し上げますと、一、特殊事件、財政経済事件、公安労働事件、暴力事件、公害事件等に対処するとともに、公判審理の迅速化を図るため、検事四人、検察事務官八十八人、二、登記事件、国の利害に関係ある争訟事件及び人権侵犯事件に対処するため、法務事務官百六十二人、三、刑務所における保安体制、医療体制及び教化活動の充実を図るため、看守六十五人、看護士(婦)七人、教官二人、四、非行青少年対策を充実するため、少年鑑別所教官七人、保護観察官十四人、五、出入国審査及び在留資格審査に対処するため、入国審査官十人、六、暴力主義的破壊活動に対する調査機能を充実するため、公安調査官十八人となっております。 なお、前述の検事につきましては、沖繩における検事定員の恒常的欠員のうち四人を本土定員に振りかえたものであります。 他方、昭和五十四年十月の閣議決定に基づく「昭和五十五年度以降の定員管理計画の実施について」による昭和五十六年度定員削減分として、三百六十六人が減員されることとなりますので、これを差し引きますと、七人の定員増加となるのであります。 第二に、物件費関係の増は、四十四億四千九万五千円であります。 これは、事務量の増加に伴って増額されたもののほか、積算単価の是正、事務の合理化、能率化を図るため、事務機器等の整備充実並びに保護司実費弁償金及び人権擁護委員実費弁償金の単価引き上げに伴う経費の増額等であります。 次に、主な事項の経費について概略を御説明いたしますと、一、法務局、地方法務局において登記、供託、戸籍等の事務を処理するために要する経費として四十四億五千八百二十九万二千円、二、検察庁において刑事事件を処理する等検察活動に要する経費として二十六億三千七百四十九万九千円、三、拘置所、刑務所、少年刑務所、少年院、少年鑑別所及び婦人補導院の被収容者の衣食、医療、教育、作業等に要する経費として二百三十五億九百六万六千円、四、保護観察に付された少年等を更生させるための補導援護に要する経費として三十五億二千百三十一万九千円、五、出入国の審査、在日外国人の在留資格審査及び不法入国者等の護送、収容、送還等に要する経費として六億三千四百二万五千円、外国人登録法に基づく在日外国人の登録等の事務を処理するために要する経費として十一億三千二百七十一万六千円、合計十八億六千六百七十四万一千円、六、公安調査庁における破壊活動防止のための調査活動等に要する経費として十八億五千四百十六万六千円が計上されております。 第三に、施設費関係といたしまして、法務局、検察庁等の庁舎及び刑務所、少年院等の収容施設の新営整備に要する経費として百三十一億九百八十五万二千円が計上されております。 最後に、当省主管歳入予算について一言御説明申し上げます。 昭和五十六年度法務省主管歳入予算額は、六百九十七億二千四百五十一万四千円でありまして、前年度予算額六百八十一億五百六十万九千円と比較しますと、十六億一千八百九十万五千円の増額となっております。 以上、法務省関係昭和五十六年度予定経費要求の内容について、その概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
○橋本主査 これにて説明は終わりました。 —————————————
○橋本主査 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山喜一君。
○村山(喜)分科員 私が、きょうお尋ねをいたしますのは一点だけでございますが、その前に、きょうの新聞を見てまいりますと、朝鮮半島、台湾出身者の永住資格を緩和するということで、入管令の改正が今国会に提案をされる準備が進められているという報道がございますが、これは事実でございますか。
○奥野国務大臣 いわゆる難民条約批准の問題がございまして、それを批准しますと、かつて日本国籍を持っておった方々、そういう方々についての取り扱いにいささか均街を欠く面が出てくるのではないか、こう判断をいたしまして、かつて日本国籍を持っておられた方々につきまして、その子供さんたち、定住は認めておりますけれども、三年ごとに切りかえを求めている方々につきましても、申請によりまして永住を許可するというようにしたい、こう考えまして、それを基本にして若干入管令につきましての改正を進めておるところでございます。
○村山(喜)分科員 そこで、中身が、これにちょっと触れられておる問題が、これから私が質問をします帰化申請の問題との関係の中で関係がございますので、その一点だけ、中身についてお尋ねいたしますが、永住者の家族の永住許可条件については、現行の素行善良、独立生計維持能力の二要件を削除する、こういうようなことが記事に出ておりますが、事実でございますか。
○伊藤説明員 御承知かと思いますが、現在の入管令のいわゆる一般永住の許可要件の中に、独立生計能力とそれから素行善良という二つの法律要件がございますが、現在私ども考えております改正法案では、終戦前からわが国に在留しております朝鮮半島出身者及び台湾出身者とその子孫につきましては、この二つの要件を取っ払いまして、申請があれば無条件で永住を許可するということで現在検討を重ねております。
○村山(喜)分科員 実は、私の知人がやってまいりまして、五十四年の四月十一日に帰化申請をした。そのやってまいりましたのは兄貴と該当者でございますが、その理由が、法務省の方に尋ねましたら、委員会の答弁の中では具体的な個人の名前を出してもそれはお答えできないという取り扱いになっておりますからということで御注意をいただいておりますが、五十四年の四月十一日に本人は帰化申請をしたわけです。具体的な名前までは申し上げませんが、それの父親が朝鮮の慶尚南道の出身で日本に当時から居住しておりまして、三十四年前に死亡しているわけです。その該当者の母親というのは日本人でございます。だから朝鮮の国籍を持っていた人と日本人との間に生まれた子供でございますから、外人登録上も日本人の名前がつけられておるわけです。それと私の知人の妹が結婚をした。もちろんそれは日本人でございますが、その間に子供がもう二人おるわけです。ところが、学校に行くようになりまして、その子供たちが、二年生と今度一年生に上がるわけですが、なぜ私のところは二つ名前があるのだろうということを言い出して、いろいろ調べてみますと、母親の方は自分の子供を私生子という形で届けている。なぜかなれば、主人になる人が日本人の名前は持っておるけれどもそれは外人登録上の名前であって、戸籍から言えば朝鮮の戸籍になる、こういうことでございまして、日本の戸籍というのは父系主義というのですか、母系主義ではないものですから、そういうようなことでどうも子供たちの教育のために都合が悪い、ついてはぜひ日本人として、もう韓国語も知らない、日本で生まれ、日本の生活をしているわけでございますから、帰化申請したわけでございます。ところが、なかなか帰化申請というのは長くかかるようでございまして、本省の方に参ったのは一年余り過ぎでございますか、姫路から神戸を経まして本省の方にやってきた。私のところにやってきましたので、私としてもできるだけ本人たちの希望をかなえてやりたいと思いまして法務省に連絡をいたしまして、法務省の方では連絡は受け付けていただいたのですが、その後返事が何にもない。それで、私としては法務省というのはきわめて冷たい役所だなと思っておったのです。そうしたら何かこういう理由でこの人については希望に沿いがたいという意味の連絡をしようということが私のところにあったらしいのですが、連絡が届かなかったというのがわかりましたので、冷たい行政を進めている法務省の姿勢について問題を提起しようとは考えません。 そこで、この際、永住資格の緩和というところまで難民条約に関連をして緩和措置をとられようとする中にありまして、この国籍法に定めます帰化の条件という問題がどういうふうに今後取り扱われるのであろうかということを明らかにしておかなければならないと考えましたので、あえて質問をいたすことにしたわけでございます。 そこで、お尋ねをしてまいりますが、在日朝鮮人はどの程度帰化しておるのか。それから、法務当局としては在日朝鮮人の帰化申請についてはどのように対処しているのであろうか。また、在日朝鮮人の帰化申請について、歴史的な経緯から考えてまいりましても、帰化の許可ということについては、永住資格の緩和もとられるような段階の中にありましては帰化の条件についてはある程度の緩和措置を考えていいのじゃないだろうか、こういうようなことを考えるわけでございますが、その点についてまずお答えをいただきたいのでございます。
○中島(一)政府委員 お答えを申し上げます。 まず最初に、どの程度在日朝鮮人が帰化をしたかという点でございますが、御承知のように在日朝鮮人の帰化が問題になりましたのは、昭和二十七年の四月二十八日、講和条約の発効によりまして、いわゆる在日朝鮮人が日本国籍を喪失したという時点からでございます。その時点から昨年の十二月まで、五十五年十二月までに在日朝鮮人で帰化が許可になった人が何人ぐらいおるかという点でございますが、その間帰化になりました人数は十万二千四百五十五人でございます。 なお、参考のために、五十五年度中ではどうかと申しますと、五千九百八十名ということになっております。
○村山(喜)分科員 そこで、在日朝鮮人の帰化申請については、在日朝鮮人の団体として朝鮮総連と民団というのがありますね、これは帰化の条件に対して影響がございますか。
○中島(一)政府委員 その前に先ほど御質問ございました点について、後の部分の答弁を忘れましたので追加させていただきます。 在日朝鮮人の帰化申請について法務省としてはどのように対処しておるかという御質問がございましたのですが、帰化をするかどうか、日本国籍を取得するかどうかということはその外国人本人の意思に基づく問題でございますので、私どもの方で積極的に勧奨するとか勧誘するとかというような事柄ではないと思いますけれども、御本人が日本国籍を取得したい、帰化したいという希望がございました場合にはできるだけその希望に沿うように処理すべきものであるというふうに考えております。特に在日朝鮮人につきましては、その置かれております歴史的ないきさつというようなことからいたしまして、なるべく本人の希望がかなえられるようにという方向で対処すべきものであるということで処理をいたしております。 また、現実の問題といたしましても、在日朝鮮人の多くの人は日本国内に生活の基盤を持っておるあるいは親戚その他の周囲の人も日本国籍を持っておる人が多いというようなことで、日本社会に対する同化も進んでおるわけでございますから、素行が不良であるというような特別の事情がない限りは原則として帰化が許可されておるというのが実情でございます。 その次に、ただいまお尋ねございました民団に属しておるかどうかというようなこと、どういう団体に属しておるかということが帰化の許可に影響があるかどうかという点でございますけれども、確かに民団でありますとか朝総連というような団体がございまして、それに属しておる在日朝鮮人がいるということは事実でございますけれども、本人が真に日本国籍を取得したいということで申請をいたしました場合には、過去においてその朝鮮人がどのような団体に属しておったかというようなことは帰化の許可には影響がないということで処理をいたしております。実際問題といたしましても、朝総連、民団、いずれの団体に属しておった人も許可になっておるというのが実情でございます。
○村山(喜)分科員 そこで、この該当者の場合は不許可になったものですから、なぜ不許可になったのだろうかということで、法務大臣が帰化を許可するに当たりましてこういう者でなければ許可することはできないという、国籍法第四条に許可条項というのがございますので、この一から六までの該当事項を調べてみたのでございますが、どうも三を除いてほかに見当たらないということに帰結をする。第三号の「素行が善良であること。」というのが帰化のきわめて強い条件になっております。 そこで、帰化の六条件の中の第三号の「素行が善良であること。」という判断の基準というものは一体どうなっているのだろうということがわからなければ、この人は素行が悪いからだめですよ、身持ちが悪いからだめですということで、簡単にやられたのじゃ、せっかくの希望の意思を持ちながらそれがはねられてしまうということになりますので、素行が善良であるということは一体どういうようなことなのかということをお示しを願いたいのです。そうでなければ、これは一般的な基準というものがなければ法律の公正な運用というものはできないはずだと考えるのでございますが、素行善良の基準というものはどういうところにあるのか、この際明らかにしていただきたい。
○中島(一)政府委員 素行善良という点は確かに、ただいま御質問の中にもございましたように、他の要件とは異なりまして、法律の条文を一読すればその内容が明確になるというようなものではございません。結局その人の生活歴、素行歴、身分関係というようなものを全般的に把握をいたしまして総合的に判断をするということになるわけでありまして、そういう意味では一般的な基準というものはないというふうに申し上げざるを得ないかと思うわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、在日朝鮮人だけでもすでに十万件を超える帰化の許可をいたしておりますので、その間におのずから基準らしきものが結果的にでき上がっておるということも事実でございます。 たとえば、素行善良という点で一番問題になりますのは前科というようなことでございます。しかし、前科と申しましても、その間の内容は多種多様でございますので、一概に申せないわけでございますけれども、たとえば罰金というようなこと、罰金の前科があるというようなことを例にとって申し上げますと、罰金刑につきましては、罰金に処せられた者がその後罰金以上の刑に処せられることなくして五年を経過したときには刑の宣告は効力を失うということに。なっておりますので、刑の宣告が効力を失った後までもなお、罰金の前科があるということを理由に素行が善良ではないと言うことは、これは適当ではなかろうというようなことも考えておるわけでありますけれども、そうは申しましても、これは罰金といいましても多種多様でありますので、その間に具体的な事件事件についておのずから軽重がある、要するに個別的な事件について考える、こういうことにならざるを得ないのではないかというように考えておるわけでございます。
○村山(喜)分科員 今日、韓国の人たちや朝鮮の戸籍を持っている人たち、いろいろな風俗営業やそういうようなサービス業関係のような仕事が中心に、製造業関係も若干ありますが、職業の選択の上からそういう人たちが多いように見受けるわけです。いろいろそういうような関係で風俗営業とかあるいは交通事犯とか、こういうようなものによりまして罰金を受けて、そのために素行が悪いから外されたのかなと思ったのですが、刑が罰金を受けた後五年間同じような刑に処せられない限りにおいては効力を失う。これは短縮がされるものなのか、五年たたなければだめなのか、そこら辺のなには解釈によりましてあるいは実態によりまして違うのですか。
○中島(一)政府委員 先ほど申し上げましたように、基準というものは個々具体的な事件事件について判断をする、こういうことでございまして、一応の考え方というものも社会情勢の変化によってまた変わっていくということもあり得るわけであります。それで、罰金と申しましても、その罪質もございましょうし、あるいは同じ犯罪についても動機もあれば情状もあるということでございますので、その内容をよく見て個々具体的に検討するということになります。こういう車社会の時世でございますから、ごく一般的に申しますならば、ただいま御質問の中にもございましたように、道路交通法関係の罰金というものは、一般の罰金よりも軽減をして考えてもよいのではないかというようなこともあるわけでございます。
○村山(喜)分科員 このほか、そういう刑罰、前科にはないが、たとえば税法上の問題等で不適正な申告をしているというようなことが出た場合には、それが訂正をされた時点においてその条件は満たされるということになるわけでしょうか。
○中島(一)政府委員 納税の義務は憲法三十条の定めるところでありまして、非常に重要な社会的な義務であるというふうに考えておりますので、納税態度に問題があるという場合には素行善良とは言いがたいのではないかというふうに考えておるわけでございます。この点の調査をいたしますために、納税証明書あるいは確定申告をしておる人につきましては確定申告書などの提出を求めて調査をするというようなこともいたしておるわけでございまして、調査の結果明らかに過少申告をしておるという場合には、修正申告を勧めまして、修正申告が出た段階で、それに基づいて判断をしておるというような実情でございます。
○村山(喜)分科員 これは先ほど、永住資格の緩和の中には素行要件というものは今度は削るのだ、こういうことでございますが、帰化の条件はそれよりもなお厳しくしなければならないというふうに差をこうしてつけておるというのは、やはり法務省の方針として、その条項については今後も残しておくという考え方、それは変わりがないわけでございますか。それとも今度こういうような入管令法の改正によりまして、もしこれが国会において、今度の国会では成立するだろうと思いますが、その場合に、そういうような考え方に立った場合には、法律は改正をしなくても、この条件についての基準と言えば基準があるような、一般的な基準がないと言えばないような、まあ解釈条項によって、いままで行政実績が十万件もあるわけですから、それによって積み上げられてきたものの一つの枠というのですか、その中で処理をしてきたけれども、それを緩和する意思があるのか、またそれとも、従来のような解釈で今後も進めていこうというお考えであるのか、その点についてお答えをいただきたい。
○中島(一)政府委員 入管令の問題は、在日外国人を外国人のままでどう処遇するかという問題でございますし、帰化の問題は、その外国人に日本国国籍を取得させるかどうかという問題でございますので、その間におのずから差があるのではなかろうかというふうに考えるわけでございまして、さしあたり国籍法のこの条項をどういうふうに改正しなければならないということは考えておらないわけでございます。しかし、入管令の取り扱いが変わるということが帰化の処理にどのような影響を及ぼすものであるかということは今後検討してみたいと考えております。
○村山(喜)分科員 そこで、最後にお尋ねしておきますが、一たん不許可決定を受けた者は、それでも帰化申請をずっとして、自分の子供はやはり日本人として取り扱いをしてほしいという親の気持ちは変わりがないわけでございます。たまたまこの人の場合にはそういうようなことでどうも素行が悪いということで、調べてもらったらそのような軽微な問題でひっかかっておる。それを改めた場合にはそれはまた考えていただけるものだというふうに思うのでございますが、一たん不許可処分になった者についてはどういうような条件の中でそれが回復をされるのかということをお尋ねをしておきませんと、その希望にこたえる、その人に対する回答にならない、こう考えますが、不許可になった場合、どういう条件でその次には許可されるのか、それについてどうお考えでございますか。
○中島(一)政府委員 何か問題点があるということで不許可になったわけでございますから、その問題点が改善をされたということであればこれは許可が考慮されることになるわけでございまして、現実の問題といたしましても、その問題点が改善されたからということで再申請をされまして許可になっておるというケースが非常にたくさんあるというのが実情でございます。
○村山(喜)分科員 私は、やはり帰化条件という問題についてはある程度の制限条項がなければよくないだろうと思うのですが、今日、車社会の時代でございますし、交通事犯を起こして罰金を取られたからあなたはだめだよ、それから税金のなにでは、本人からまだ聞いていませんのでどういうような関係で二重になったのかわかりませんけれども、その申請が適正でないというようなことをきわめて微細にわたりまして法務省は調べていらっしゃるようでございまして、そういうふうに調べること自体が悪いとは私は思いませんが、余りにもこれを厳しくするということはいかがなものだろうかと考えるわけでございます。今度永住資格の緩和に当たりましても、その素行条件まで削ってあげましょうという一つの気持ちをお示しになっている以上は、こういうことであればだめですよという一般的な原則を明確にした上で、その原則が社会通念上、それならそれはそうだというふうにみんなが思うようなことであれば仕方がないのですが、交通事犯というのはこのごろ非常に多くて、駐車違反でもやられることもあるわけですね。そういうような点から考えてまいりますと、余りにも帰化条件を厳格に解釈をして、帰化させないんだというふうに受け取られるようなことはまずいのじゃなかろうかというふうに私は思いますが、今後のこの法の運営、執行に当たりましての法務大臣のお考えを最後に承りまして、私の質問を終わりたいと思います。いかがでございますか。
○奥野国務大臣 今回、出入国管理令の改正もいたしまして、日本が独立いたしました以後日本で生まれた、両親は日本国籍を持っておった、そういう方々につきましては、申請があれば無条件で永住を認めよう、こう考えているわけでございます。したがいまして、そのような関係にある方が帰化を願い出られる、すでに多数の許可をしているわけでございますけれども、その運営につきましては、やはり出入国管理令の改正の趣旨も踏まえて運用に当たらなければならない、こう考えておるわけでございまして、いま村山さんのお気持ち、私もよく理解できるわけでございまして、十分それらの点も考慮しながら運営の改善に努めていきたいと思います。
○橋本主査 以上で村山喜一君の質疑は終了いたしました。 次に、稲葉誠一君。
○稲葉分科員 きょうは法務大臣に、これは二月二十二日ですか、静岡の自民党の政経文化パーティーで講演されたということがいろいろ新聞紙上で出ているわけですね、ですけれども、私はこれが、出ていることが必ずしもあなたの真意を伝えていないところがよくありますから、あなたの真意を私はむしろお尋ねをしたい、こういう立場でお聞きをしたいというふうに思います。 一つは、この中に「憲法の制定経過や、米国の相対的な力の低下など国際情勢の変化についての認識を示した上で、」これはこれでいいのですが「外国が日本に求めているものに対し「そんなことをいわれても日本の憲法は許さないよ」ということで、簡単に済むんだろうかといいたい」というふうなことがあるわけですね。ここら辺のところは余りに簡単過ぎてよくわからないものですから、あなたの真意というがお気持ちを説明をお願いしたい、こういうふうに思っております。
○奥野国務大臣 昨年、静岡県の相良町の自民党の政経文化パーティーに来て四十分講演をしてくれという約束をさせられていたわけでござ、います。そこで、約束どおり四十分余りのお話をしたわけでございますけれども、いささかも改憲に触れるような議論はしていないのに、新聞の見出しだけが多弁法相、また改憲論議などということを書かれる。何かあおっておられるような感じがするわけでございまして、大変不本意な思いを深くさせられたものでございました。 私がそこでお話をしました考え方は、戦争前後から今日を振り返ってみまして、当時予想もしなかった大きな経済繁栄を遂げている、しかし国内の情勢、あるいは海外が日本についていろいろ批判をしている、そういうことを考えてみると根なし草の繁栄のように思えるんだ、だからここで国内のことについても思いをめぐらしたいし、また海外が日本についていろいろ批判していることについても、それをそれなりにわれわれ反省をして、そして今後のお互いの進むべき道を模索し合おうじゃないか、そうすることによって根なし草に根が生えて日本の将来が安泰になるんじゃないだろうか、こう思うということを申し上げたわけでございました。その中で、海外ではたとえばウサギ小屋に住んでソシアルダンピングをしているじゃないかというふうな批判もあるようだ、あるいはまた、アジアで難民が出ておっても素知らぬ姿勢を日本は示しているじゃないかという話がある、あるいはまた失業を輸出してきているというような批判もある、あるいはまた、日本は国際社会の役割りを分担していない、金もうけばかりに専念している、また、みずからがみずからを守る努力についても十分でない、いろいろな批判がある、それはやはり素直に一応われわれ反省してみようじゃありませんか、仮にその中で憲法に触れるものがあっても、やはりその憲法そのものをじっくり考えてみる姿勢は必要じゃないのだろうか、憲法あっての国でなしに、回あっての憲法だからというような話をしたわけでございましたら、その憲法の部分だけがことさら抜き出されて書かれているわけでございまして、いかにも私が改憲論議を中心に物を言っているようなあおり方をされる、大変不本意な感じを持っているわけでございますが、申し上げました趣旨はいま申し上げたとおりであります。
○稲葉分科員 私は、新聞というのは読むものであって読まれるものではないというのが私の信条なんですよね。みんな日本人というのは読まれてしまうのですよね。だからその点はわれわれはもっと注意しなければならぬと思う。読むべきものなんです。 それはそうなんですが、そこで、だけれども、そんなことを言われても日本の憲法が許さないよという意味は、結局どういうことを言われているのか。いまたくさん言われましたけれども、その中で、たとえば外国、どこの国か知りませんが、日本の国防力というか防衛力といいますか、そういうようなものをもっともっと拡大をしろというふうなことを言われても、それは日本の憲法が許さないというふうなことでそれをはねつけるということがいかにもあなたとしては不本意だ、ここのところはこういうようにとれるわけですね、だから、それは防衛力との関係で日本の憲法が許さないよということを言っておられるのじゃないでしょうか。
○奥野国務大臣 私は常日ごろ、これだけの日本になったわけでございますから、やはり国際社会の役割りを分担していかなければ国際社会からきらわれ者になってしまうのではないかということを心配しているわけであります。そういう国際社会の役割りを分担する意味においては、国際連合の一員でございますし、やはり国際社会の問題は国際連合が役割りを果たせるようなものになっていかなければならない。そうすると、国際連合の中でいろいろな議論が行われる、そしてこういうような進め方をすべきだというような話が仮にまとまってくるとした場合に、いやそんなことは日本は受けられないよ、こうすぐ決めつけてしまわないで、やはり憲法の解釈その他いろいろ考えていかなければならないのではないだろうか。憲法はいささかも改正論議することもいけないんだというような、タブー視すべき性格のものではないんだという意味を私は申し上げているわけでございます。
○稲葉分科員 憲法の改正のことを論議してはいけないなんて決して私は言っておらないんで、タブー視してないわけですよ。ただいまあなたの言われることは、国際連合の例を引かれましたけれども、これはアメリカの例を引くと差し支えがあるからというので恐らく国際連合の例を引かれたんだと私は思います。それで、国際連合なら国際連合からこういうことをやってほしいということがあったときに、日本の憲法があって、その憲法がとりでになってこれはできませんよということがあり得る、だからその点についてはもっと弾力的に運営をしていかなければいけない、かたくなに憲法をとりでとしてはねつけたりなんかするような姿勢というものはとるべきではないというか、そういう点については反省を要する、こういうような意味に私お聞きしたのですが、そういうふうな意味でございましょうか。
○奥野国務大臣 憲法そのものも考えよう、日本の進むべき道も考えよう、両者を比較検討して、そして最終的な判断をすべきだ、こう申し上げたわけ。でございます。
○稲葉分科員 そうすると結局は、いまのような憲法を膠着した解釈ではなくてもっと弾力的に運用をしていくべきだというのがあなたの本意だ、こういうようにいまお聞きできるのですが、それでよろしゅうございましょうか。
○奥野国務大臣 憲法も、情勢の変化に応じて国の進むべき道に合わなくなった場合には、やはりその改正も検討されてしかるべきものだ、こう思っております。
○稲葉分科員 それから、いま言われたことで、根なし草の繁栄ということで、根なし草という言葉がよく出てくるのですが、意味がよくわからぬのです。アメリカのだれでしたっけな、ひ弱い花とかなんとかいう本を書いた人がいましたね。何とかスキーだったっけな、忘れましたが、その根なし草という意味はどういう意味なんでしょうかね。
○奥野国務大臣 私が静岡でお話をした中で、こういうことも申し上げました。日本はエネルギーを石炭から油に切りかえた、そのことが日本の経済繁栄に大きな力になった、いま日本のエネルギーの七割は油に依存している、その油は全部海外から買ってくるんだけれども、買ってくる七割は中東から買ってきているんだ、長い船路を経て日本に持ってくるんだ、中東はきわめて険悪な情勢にある、この油が入ってこないということ狂なると日本の経済は大変打撃を受けるんだ、こんなことも話したわけでございまして、そういう一連の、根なし草の根のない一つの例として御理解いただければいいんじゃないがと思います。
○稲葉分科員 そうすると、こういうことでしょうか。あなたはいまの日本の憲法をよく平和憲法と呼びますね。そういうことについては抵抗を感じられるのでしょうか。その点はどうなんでしょうか。
○奥野国務大臣 別に抵抗は感じません。
○稲葉分科員 そうすると、抵抗を感じないとすると、どういう点がこれは平和憲法の平和憲法たるゆえんであるというふうにお考えなんでしょうか。
○奥野国務大臣 日本の憲法は、前文を見ましても平和主義を強調しているわけでございまして、憲法の前文が憲法の基本的な態度あるいは基本的な原理を明記しているのだ、私はこう思います。そういうところに強くにじみ出ていると思っております。
○稲葉分科員 しかし、あなたは、憲法の前文に「諸國民の公正と信義に信頼し」ああいうところに考えるべき点がある、問題があるというようなことをいままで言われておったのじゃないでしょうか。
○奥野国務大臣 私は、平和主義を強調することを決して悪いとは思っていません。しかしそれだけで終わったらいけない、こういう心配を持っております。
○稲葉分科員 きょうはあなたのお考えだけまたお聞きしていきたいと思うのですが、国と憲法とを並べて、国が滅んでも憲法があればいいんだとか、また逆なことだとか、そういうことをだれも言っているのではないのだと思うのですよ。国と憲法を並べて、どっちがどうで、どっちが滅んでも片一方が残ればいいとか、それと並行的に並べて考える考え方というのは、これはどうなんでしょうか。おかしくありませんか。
○奥野国務大臣 おっしゃるとおり、ばらばらのものではないと思います。
○稲葉分科員 そこで、よく書いてあることには、教科書には国を守るということは一行も書かれてないということですが、国を守るということ、国を愛するということが教科書に書いてあろうとなかろうと、それは一般国民はみんなそういう考え方、国を愛するという気持ちは底には持っているのじゃないか。ただ、その愛し方、国の守り方というものの具体的な対応、考え方が違うということではなかろうか、私はこういうふうに思うのですね。 あなたとしては文部大臣もやられたのでしょうから、そうすると結局、教科書に国を守るということ、それから国を愛するということをはっきり書け、そして国民の頭にそれを強く植えつける、こういうようなお考えなんですか。
○奥野国務大臣 教科書の今日の姿を心配しておられる方々がいろいろなことを書物に書いたり言ったりしておられるわけでございます。そういう人たちの主張しておられるところを見てまいりますと、かつてあった、国に愛情を持つような記事が最近においてはなくなってきているのだ、こういう心配をされておるわけでございます。自分の国に愛する気持ちを持たなければ守る気持ちが出てこないのじゃないか、こういう考え方もあって、若干その国を守るという関係の記事が教科書からなくなっているということは申し上げました。
○稲葉分科員 それから、国会の審議のあり方について、これは私、議論があると思うのですよ。これは皆さん方国務大臣としても自由に論議していい、こう思うのですね。私は、いまの国会のあり方が万全だとは思ってないですよ。この前、大臣はおられなかったかもしれませんが、物価と減税の集中審議のときに、私どもの党の堀昌雄さんが約二時間近くにわたって質問されました。非常に内容のあるいい質問だったと私は思って、ああいう質問こそが本来の国会のあり方だ、私はあれを聞いておりまして、こういうふうにしみじみ思ったのです。それから考えると私どもの、ことに私の質問なんかは、どうも勉強が足りないということを率直に感じたんです。 そこで、ただあなたが言われたことで、情けない国会だという言葉が出てくるのですね。情けない国会というのは、言い方によってでしょうけれども、内容がよくわからないですな。どういうことでどういうふうに国会というものが情けないのか。それはあなたの御意見というものをひとつ遠慮なくお聞かせを願いたい、こういうふうに私は思うのです。
○奥野国務大臣 どういう表現を使ったのか知りませんけれども、私は常日ごろ、国会は言論の府でございますから、言論の府にふさわしい、内容の充実した議論が絶えず続けられていくということを心から期待いたしておるものであります。
○稲葉分科員 それはだれでもそうです。私もそう期待しておるわけです。 ただ、あなたの言われたことで、ここにも出ているのですけれども「「押し付け憲法といったのはけしからん。国会は審議しない」というような、情けない国会ではどうにもならない。本当に自由かっ達に論議して、日本の進むべき道について反対意見であっても、謙虚に耳を傾ける国会になっていかねばならない」私もこの後半はそのとおりだと思いますね。言論の府ですから、言うことに対して理論的にやはり聞くべきものをちゃんと聞いて、その上に立って冷静に判断をして議論を築き上げていかなければいけない、こういうふうに私も思うのですが、私はそういうふうにやっているつもりなんですけれども、なかなかそう理解されないので申しわけございませんが……。だけれども、この「国会は審議しない」というようなことを言って、それが情けないというのはどういう意味なんですかね。もう少し具体的に説明を願いたい。そういうふうに言っておられるから、具体的に何を指して言っておられるのか。——腰、痛いのですか、総理大臣の席に座られたらいいじゃないですか。
○奥野国務大臣 ちょっと、どの表現を使ったのか自分自身に記憶はないのですけれども、問題は、言論の府らしく言論が濶達に続けられるようであってほしい、審議中断などがない国会であってほしいな、こう思っておるわけであります。
○稲葉分科員 だけれども、審議中断というのは別にだれもやりたくてやっているわけじゃないのですよね。それはそういうふうな状態になって——私はずっと聞いておりますと、国会での審議は、これは私どもの力が足りないということは確かにありますよ、ありますけれども、答える方も——あなたは本当に率直に答えてくださる方ですよ、だけれども、大抵の大臣なり政府委員は率直に答えないのですね。絶えず話をはぐらかして別の方向から答えている。だから、結局論議がかみ合わない場合が非常に多いのですよ。これはやはりぼくは日本の国会の悪いところで、このままいくと国民の信頼を失うようになってくるのじゃないかと考えておるのです。だから、あなたの「情けない国会」というのは、一つの言い方だと思いますよ。私もある点においてはどうも野党の質問も少し、何と言ったらいいのかな、また舌禍を起こすといけないから注意しないといかぬけれども、勉強不足のやつも多いですよ。多いですというのは取り消しますが、そういうのもたまにありますね。(笑声) と思いますが、だけれども、あなたどういうふうに言ったかわからぬと言っても、みんなほかの新聞を見ていると、いろいろなことを言って、審議しないなんというのは情けない国会だ、どうにもならないというようなことを言っておられるのですね。そういう点については、もう少し率直にあなたのお考えをお聞かせ願っていいのではないか。どうも聞いていますと、あなたも自分の都合の悪いところになると、やはりよく記憶がないとかなんとか言って逃れる。政治家というのは大体そういうふうなものですがね、私はどうしてもそういう点があるような感じがしてなりません。だから、ついこの間のあれですから、まだ十分記憶に足かなところがあるのだと思うので、何で国会が情けないのか、どういう現象を見て情けなかったのか、これは少しく御説明願えていいのじゃないでしょうか。
○橋本主査 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○橋本主査 速記を起こして。
○奥野国務大臣 記憶が定かにないという、これは表現の問題なものですから、どういう表現をしたのかははっきりは覚えていない、こういう意味で申し上げておるわけでございます。 先ほども申し上げましたように、国会が自由濶達な論議を通じて国民の理解を求めていく、国民から国会の論議に大きな期待を寄せられる、そういうような国会ということになってまいりますと、必ずしも一〇〇%その責任を果たしている、こう言えないのじゃないかという気持ちを持っておるわけでございます。それは必ずしも野党だけの責任だと私は言っておるわけでもない。与野党みんながそういう心がけを持って国会のあり方を工夫する、そして国民の期待にこたえられるような国会にしていかなければならない、こういう気持ちから申し上げておるものでございます。
○稲葉分科員 また、あなたの言われた中で「「家」が持っていた親孝行などの良さまで流し去られた」というようなことを言われた、こうなっていますね。この「家」というのは何を指したのかよくわかりませんが、日本の古い伝統というかな、そういうふうなものを指され、それからまた、義務と権利との関係についてもいろいろ言われておるようですね。そこら辺、率直な腹蔵のないあなたの御意見というものをお聞かせ願いたい、こういうふうに思います。
○奥野国務大臣 憲法で個人の尊厳と両性の本質的平等がうたわれたり、あるいはまた、法のもとにおける平等がうたわれたりしてまいりますと、家の制度、矛盾があるわけでございまして、戸主権というものがございましたし、あるいはまた、親でありましても父親に特別な地位が認められたりしておったわけでございます。そういうことから家の制度、改正論議もあったようでございますけれども、結局廃止されたわけでございました。それはそれなりの意味を持っておったわけでございますけれども、本来家の制度が持っておった長い間の伝統といいましょうか、家庭にありまして親に孝養を尽くす、あるいは祖先に対してはそれなりの感謝をささげていく、そういう気風まで悪いもののように押し流されていった。それはひとつ、われわれやはり親というものに対しては孝養を尽くすその気持ちは再確認していくべきじゃないか、こんなこともございまして、もしそういう気持ちが強ければ、今日家庭において子供が親に暴力をふるう、そういうことも幾らかは変わっていくのじゃないかな、そういう意味で、青少年のあり方から関連してそういうものを申し上げたというふうに記憶いたしております。
○稲葉分科員 そうすると、親に対して孝という言葉は、日本の伝統では忠孝一致ということがずっと叫ばれてきたわけですね。そうすると、親に孝であり、同時にそれは天皇に対する忠ということも日本人の間から押し流されてしまったのだ、こういうことに連結するのでしょうか。
○奥野国務大臣 全然そういうことは申しておりません。
○稲葉分科員 それでは、前に質問したことで、もう一遍返るのですが、十分でなかったような気がしますのは、これは各新聞によって大体同じなんですよ、前の方から言いますと「日本は大きな経済発展をとげたが、世界から国際社会の役割を分担しようとせず、自らの国を守ることにも十分な努力をしていないなどと批判も受けている」確かにこういう批判が一部からあることは事実ですね。それが正しいかどうかはまた別の問題として、批判は確かにありますね。さらに「外国の求めているものに対して、日本は「憲法が許さない」というだけで済むのかな、といいたい。」ということを言っておられる。 これは前にお聞きしたかもしれないのですが、この「外国」というのは、あなたは外国と言われているけれども実際にはアメリカということに、とる人はとるのじゃないでしょうか。アメリカは日本の防衛力の増強、軍備の拡張をいろいろな面から求めておる。これに対して、日本は平和憲法というものがあって許さないということでこれを拒否しておるという点が日本にはある。私は、その憲法があってこそ、日本に対するアメリカから、その他の国からの軍備の増強というものをチェックする一つの大きな機能を憲法が果たしておる、こういうふうに思う。だから、われわれはこれを平和憲法と呼んでおる、こういうふうに考えるのですがね。あなたの言われる「外国の求めているものに対して、日本は「憲法が許さない」というだけで済むのかな」ということは、憲法が認めていない、許さないということを言っているということはいかにも不十分だ、あるいはけしからぬ、けしからぬとまでは言わぬかもわからぬが、とにかく不十分だ、けしからぬに近いというところまでのようにこれは聞き取れるのですね。ここらのところをもう一遍ゆっくり説明を、あなたの真意というのが誤解されるところです、ですから、ゆっくりわかるようにお話しを願いたい、こう思うのです。
○奥野国務大臣 私がその日にお話ししましたことの中には、戦争前後のことも申し上げておるわけでございまして、日本が満州に進出する等のことから国際社会で非常な不興を買ってきた。そして日本品不買運動が世界のあちこちで起こされたのだ。と同時に、日本がダンピングしているということで強い批判を受けたのだ。そういうことも日本が戦争に入っていった一つの原因になっているのではないかというようなことも言っておるわけであります。そして今日の時代において国際社会から、私は先ほどちょっと申し上げましたように、ウサギ小屋の問題、難民の問題、失業の問題、防衛の問題、いろいろなことを言われておるわけでございまして、アメリカ一つだけにかかずらって物は考えておりません。国際社会でいろいろな批判があることは、やはり謙虚に耳を傾ける姿勢、そして反省すべきものは反省していかなければならない。それが日本の将来を安定に導くゆえんだという意味合いで申し上げたわけでございまして、アメリカとか、いま稲葉さんおっしゃいましたようなことを頭に置いて申し上げたことじゃ全然ございません。
○稲葉分科員 いま、あなたのおっしゃったことで、たとえばウサギ小屋の問題だとか輸出の問題だとか、いろいろありますね。そういうものは憲法と関係しないのじゃないでしょうかね。ここで憲法と関係するのは防衛の問題でしょう。だから、ある国、それはアメリカでなくてもいいですよ、何でもいいですよ。そういう国からいろいろ軍備の増強を求めておられるのに対して、日本の憲法がそれを許さないからと言って、そしてはねつけておるということに対する、あなたの心の中にあるうっせきした不満というかな、そういうふうなものが、この言葉の中にあらわれているのではないでしょうか。だれが見ても、そういうふうに思いますよ。憲法が許さないというのは、憲法九条があって日本の防衛は限度があるということを意味しているとしかとられないのじゃないでしょうか、率直にお考えをお述べ願いたいと思うのですね。
○奥野国務大臣 率直にお答えしているつもりであります。ことに稲葉さんからのお尋ねでございますから、特に率直にお答えしているつもりでございます。 先ほども私、国際連合の話を申し上げたわけでございまして、また国際連合でいろいろなことが話される、その過程で日本の反応もいろいろあるわけでございまして、やはり日本が国際連合の中で相当な役割りを積極的に果たすような努力をすることが、国際社会において、日本もこれだけの大国になってきて、それなりの役割りを果たしてきていると認められるようになってくる動機になるのじゃないだろうかな、こうも思っておるわけでございます。私の頭の中にありますのは、率直に申し上げますと国際連合でございます。
○稲葉分科員 国際連合が頭の中にあったというのは、私はちょっと理解しにくいですね。国際連合の評価というのはいろいろありますからね。それをここで言うと、またあれになりますからやめますけれども、そうすると、あなたに言わせると、国際連合でも何でもいいです、国際連合から要請があったことに対する日本の努力が十分じゃない、足りないということをお考えになっておられるから、いま言ったような言葉になってきたのじゃないでしょうか。まだまだ足りないという点があるからという意味ではないでしょうか。
○奥野国務大臣 国際連合において積極的な発言をする、そして国際社会に日本が貢献できる、そういう立場を得ることが大事じゃないか。なかなかむずかしい問題ではございますけれども、ぜひそうあってほしいなと念願しておるわけでございます。
○稲葉分科員 これは、いまあなたの言われた言葉は何か具体的事実を指して言っておられるに違いないと思うのですね。そうでなければ抽象論というのはあり得ないわけですから、国際連合から、どういう具体的な要請があり、それに対して日本は、日本の憲法というものがあって、それができないとかなんとか言ったのか。たとえば国連派兵の問題なんかありますね。当然そういうような問題につきまして言われておるのでないと、私は筋が通らないように思うのですが、どうでしょうか。
○奥野国務大臣 この数年を顧みますと、難民問題なんか国際連合でかなり努力をなされておる問題だと思うのですけれども、日本の協力は、当初は必ずしも十分ではなかったと思います。だんだん日本が積極的な協力を示し出してきていると思うのでありますけれども、問題はいろいろあるだろうと思いますし、また、いま予想していない問題もいろいろ出てくるだろうと思うのであります。しかし、いま申し上げましたような積極姿勢をぜひとりたいな、こう思います。
○稲葉分科員 難民の問題が憲法とどういう関係があるのですか。
○奥野国務大臣 私は具体的に、こういう問題があるから憲法に触れるという、そういう気持ちで申し上げておるわけではございません。
○稲葉分科員 憲法に触れるということ、憲法に関連するということを言っておられるなら、難民の問題は憲法とは関連しないのじゃないでしょうか。あなたの答えはなかなか紳士的なんですよ。紳士的ではあるけれども、なかなかそういう点はポイントを外すのですよ。そういう点ありますね。憲法が許さないということを言っておる、その重要な点については、あなたはどうも記憶が定かでない。これは防衛の問題について言っているとしか、だれが見たって常識的に考えられないわけじゃないでしょうかね。余りくどいことを、同じことを何回も言ってもしようがありません。私は、この前も申し上げましたように、くどいことが大きらいですから、きわめてあっさりした人間ですから、だから言っているのですがね。 時間が来たそうですから、あれですが、いずれにいたしましても私は、あなたを多弁だなどと決して思っていませんよ。多弁法相、また何とかかんとか言っていますけれども、そんなことはどうだっていいじゃないですか。新聞の言うことは、それは新聞に好きなように書かせたらいいじゃないですか。われわれは、ただそれを読めばいいので、読まれちゃいけない。読まれちゃいけないので読めばいい、こう思うのです。読まれちゃうから、あなた自身も読まれちゃうから、そんなことは別に気にしないで、あなたの信念を通していかれたらいいじゃないか、こういうふうに思いますね。またお互いに紳士的に議論を尽くして、別の機会でゆっくりやりたい、こういうふうに思います。 矯正局長、申しわけありません、きょうできなくて済みませんでした。それは一般質問の中で、もっと時間をとってゆっくりやりますから、楽しみにしていてください。 それじゃ終わります。
○橋本主査 これにて稲葉誠一君の質疑は終了いたしました。 次に、草川昭三君。
○草川分科員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。私はけさの新聞に出ました出入国管理令の改正要綱と、それから難民条約の関係等についてお伺いをしたいと思います。 難民条約ということにつきましては、ベトナムの難民の問題から問題が起きてきたわけでございますし、国連の条約批准の要請もあるわけでございますので、近く国会でも審議をされるということが伝えられておりますが、難民条約は、あくまでも戦乱だとか災害だとか宗教、国籍あるいは政治的な意見の違いによって、自国で迫害を受けるおそれがある場合に国外に脱出をする、これを保護するための国際条約だと思うわけでございますが、それは私どもは、ぜひそれでやっていただきたいわけでございますが、それに伴って、実は第二次世界大戦前から日本に居住歴を有する、特に在日韓国、朝鮮の方々、これらの方々は、それなりの歴史的な経緯があるわけでございますから、それとこの問題をすりかえる形で解決をするというのですか、従来からのいろいろな要望を解決するということは、私は本質的には間違っておるのじゃないかという意見を、かねがね実は持っておるわけであります。 その意見は別といたしまして、きょうはまず法務省にお伺いをするわけでございますが、難民条約の提出に伴う法務省としての国内法の整備については、どのようにお考えになっておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○大鷹政府委員 現在難民条約の批准が予定されておりますので、それに伴いまして入国管理令の一部改正法案を検討中でございます。それは大体大まかに言いまして三本柱になっております。一つは難民関係、もう一つは、いろいろなその時代の要請に応ずる入管手続の改正、三つ目が、先生、先ほどちょっとお触れになりました長期在留者の法的地位の安定の問題でございます。
○草川分科員 そこで、けさの新聞を見ますと、この時代の要請に対応する改正と長期在留外国人の法的地位の安定化ということについては触れられておるわけでございますが、いわゆる難民関係ですね、法務大臣を認定権者とすること、難民認定及び取り消しの手続、難民旅行証明書の発給等については、実は出入国管理令の一部改正の法律案の骨子には発表されていないわけであります。これは一体、外務省の関係になるのか法務省の関係になるのかわかりませんので、きょうは。ちょっと急ではございますが外務省においでを願ったわけでございますが、外務省としてはどのようにお考えになっておられるのでしょうか。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘の点につきましては、確かに今朝、新聞に出ておりました法務省御発表の要綱等には出ていないのでございますが、現在、外務省といたしましては法務省その他関係省庁と、それらの点を含めまして協議中でございます。
○草川分科員 そこで、きょうは厚生省の方はお呼びしておりませんが、この前、厚生省には国民年金の適用の問題、なかんずく三十五歳以上の方方に対する年金の適用という問題を取り上げて、いろいろと申し上げたわけでございますが、何か、この難民条約の問題に絡む国内法の整備というものの一本化が非常におくれておりまして、関係省庁の間での意見の統一がなかなかうまくいっていないやに聞いておるわけでございます。 私は、この関係法規を一本化するということについては、それなりの努力をぜひしていただきたいと思うのですが、何か、この難民条約の審議を法務委員会に付託をするというようなことが一部新聞で伝えられておるわけであります。どこの委員会で審議をするかというのは国会の問題でございますから、これを法務省に聞くということはいかがなものかと思いますけれども、この難民条約に関連する関係法規で、財政的あるいはその他いろんな関係があると思いますが、一体何が一番ネックになるのか。あるいは、その法務委員会に付託をされるやに新聞で伝えられておることについての法務省当局の御見解を賜りたいと思うのです。
○大鷹政府委員 現在この問題はまだ関係省庁の間で協議中でございます。法務省全体としましては、入国それから在留関係、これは非常に関係がございますので、主としてその方面から、この問題の検討に加わっておるわけでございます。
○草川分科員 審議の問題はまた別といたしまして、この難民関係の中で、どのように法務大臣が認定をされるのか、これはいま出ておりませんけれども、私どもは実は外国人登録法及び出入国管理の問題を二つ考えてまいりますと、ずいぶん関連する問題がございますし、あるいは、きょう発表をなすっておられますところの出入国管理令の中に触れていませんいわゆる潜在居住者の処遇についての問題があるわけでございます。 実は、この潜在居住者というのがかなり相当な数に及ぶということが言われておりますが、難民との関係で、どのように潜在居住者の処遇ということを今後考えられるのか。特に、いま日本にかなり長期にわたって潜在居住者が多数いるということを言われていますけれども、これは単なる密入国ということではなくて、家族との再会を願って来るとか、特にこれは戦後の混乱の際に離散をした親族を頼って入国をする方々も多いわけでございまして、人道上対処されるべきものも非常に少なくない、こういう意見があるわけでございますが、一方でこの難民条約という認定の問題と絡めて、法務省の見解をお伺いしたいと思うのです。
○大鷹政府委員 ただいま草川先生御指摘の潜在在留者、これはかなりの数に上ると言われております。この人たちは結局はいわゆる不法入国者でございます。不法入国者につきましては、古い時代、つまり平和条約が発効する前から日本に居住していて、その後一たん日本を離れて、その後不法入国をした人とか、こういう方々につきましては法務大臣談話によりまして、その後特別な在留を認めているわけでございます。ただ、こういう新しい不法入国者につきましては、私どもはやはり法の規制の枠内で対処しなければならないと考えているわけでございます。 なお、親族訪問等につきましては、正規の手続をおとりくだされば、原則として、そういう者は入国は認められているわけでございます。
○草川分科員 以前に法務大臣の談話を発表されたと同じような処置を、今後また、いずれかの機会に潜在居住者に対する待遇の問題で考えられるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○大鷹政府委員 この問題は非常にむずかしい問題でございまして、ただいまのところ、そういう措置は考慮いたしておりません。
○草川分科員 いま局長の方もおっしゃられましたように、家族招聘の入国許可緩和のための改正というのは、実際は今度の中には触れられていないわけでしょう。ですから、そういうことならば私は別の意味で、家族の招聘入国許可緩和の考え方をぜひ実現をするようにされたらどうかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○大鷹政府委員 親族訪問、家族招請、こういう問題につきましては、法改正を必要とする問題はないので、今度の入管令一部改正の中には盛り込んでおりません。
○草川分科員 では、その改正が必要でなければ、いわゆる必要書類の問題だとか滞在期間の問題だとか、六十日を経過をする場合の外国人登録証明書の交付の手続等についても私は柔軟な対応を立てられるよう要望をしたい、こう思うわけであります。 それで今度は外国人登録法のことについてお伺いをしますが、これも私は過去に何回か取り上げさせていただいた経過があるわけでございますが、外国人の登録証明書の常時携帯、それから呈示義務のある程度の免除というようなことも考えたらどうだろうかという意見が、かねがねあるわけであります。 これは密入国者が多い現状では、そういうことは一切まかりならぬというのが当局のお考えではございますが、これも、いわゆる戦前からの歴史的な経過の中で永住権を持ち在留をする方々にとっては、日常生活上いろんな関係があるわけでございますから、これは法務省に言うということよりも警察関係になるわけでございますが、少なくとも、その日常生活の居住権の範囲ということを少し柔軟な形で考えたらどうか。 あるいは、かねがねこれも指摘をしておりますけれども、外国人登録のいわゆる指紋押印、押捺と言うのですか、これの簡素化ということを考えたらどうか。指紋は終生不変でありますから、十二歳のときでございますか、一回やれば、もうそれでいいのではないだろうか。あるいは行政簡素化の立場からも、いま三年でございますか、これをアメリカ並みに十年ぐらいまで、切りかえ手続の簡素化ということを考えたらどうか、こういうことを指摘をしておるわけでございますが、この点についてはどのようなお考えか、お伺いします。
○大鷹政府委員 ただいま登録関係についていろいろ御質問が出ましたので、お答えいたします。 まず携帯義務の点でございますが、これは在留している外国人の身分関係、居住関係を、その生活する場で把握する必要に備えまして、いつも携帯していただくということにしておるわけでございます。この原則自身は動かすことができないと思いますが、他方におきまして、先生御指摘の点も含めて多少柔軟に対処できないか、一応検討はいたしております。 具体的に、いま私どもが検討できるのじゃないかと思っておりますのは、携帯義務の年齢的な制限でございます。現在、十四歳以上の人はすべて携帯義務があるわけでございますけれども、この点についてどうかということを現在具体的に検討いたしております。 それから指紋の点でございますけれども、やはりこれも先生御自身おっしゃいましたとおり、指紋は生涯不変で万人不同ということでございますので、これを押捺してもらうことは私どもとして変えるわけにいかないと思います。ただし、この具体的な運用におきましては、いろいろとまだ改めてもいい点があるかもしれません。 そこで私どもといたしましても、現在鋭意その可能性について検討しているところでございます。たとえば指紋押捺の回数はどうか、それからさらに登録証の期限についてお話がございましたけれども、現在三年ごとに更新ということでございますが、これは在留期間の長い人、短い人、いずれにつきましても一律にそういうことになっておりますが、これがどうしても必要かどうかとか、そういう点につきまして現在一生懸命検討しておるところでございます。
○草川分科員 たしか去年、私が同様な質問をさしていただいたときには、三年ぐらいのめどで、これを検討したいというようなことをおっしゃられましたが、もう一年もたったわけでありますが、一生懸命検討していただくことは結構でございますが、めどをもう少し明らかにしていただきたいと思うのです。
○大鷹政府委員 昨年の国会で努力目標といたしまして両三年以内に改正案を国会にお諮りできるようにしたいというお答えをしておりますが、その後一年たっておりますので、この場におきましては、今後両二年以内に、できればそういう案をお諮りしたいというふうに考えておると申し上げておきたいと思います。
○草川分科員 そしたら結局三年先ということになってしまうわけなんで、こういうことは実際当事者は大変な苦痛があるわけであります。特に二世、三世という幼い方々には、指紋押捺の問題等については心理的にも非常に大きな影響力を与えることになりますし、私どもかねがね言っておりますけれども、二年前には国際人権規約というすばらしい一つの規範というものを私どもは内外に表明をしたわけでありますから、難民条約の問題に関連して、いままでの問題点を解決するという姿勢ではなくて、やはり国際人権規約というものを締結したその精神に従って行動をされるならば、私は、いま申し上げたことについてはもう少しピッチを上げていただきたい、こういうように思うわけでございますが、ぜひそのスタンスというのですか、基盤は、国際人権規約の立場から問題提起をしたい、こう思うのですが、いま一度局長の御答弁を願いたいと思います。
○大鷹政府委員 ただいま国際人権規約についてお話がございましたけれども、私どもといたしましては、現在の登録法の制度は国際人権規約の精神に反するものとは考えておりません。しかしながら、先生からたびたび、なるべく早くというお話でございますので、できるだけ御希望に沿うように運んでまいりたいと思います。
○草川分科員 ぜひその要望を申し上げて、登録法の問題は終わります。 今度はちょっと文部省の方に、これも私がねがね申し上げておることでございますが、永住権を持つ在日外国人の子弟の方々の国体に対する参加の問題を取り上げてきておるわけでございます。昨年は、永住権を持ち、それから高体連に加入しておる子供さんたちが国体に参加をするということについては前向きに取り組む、こういう御答弁を得ておるわけであります。しかし、現実には国体実施要領というのは一年前に決められるわけでございまして、ことしの国体は滋賀で行われるわけでございますが、在日外国人の参加の取り扱いは従来どおりであるという方針が伝えられておりますが、その間の経過あるいは展望についてお伺いしたいと思います。
○戸村説明員 ただいまの先生の御質問にございますように、滋賀国体の開催実施要綱は昨年の十二月に決定いたしまして、すでに都道府県体育協会の方へ配付をしたというような報告を受けておるわけでございます。 昨年の十一月の法務委員会の席でも先生の御質問にお答え申し上げたわけでございますが、国民体育大会委員会におきまして、継続して、ただいま審議を行っておるというふうに報告を受けておるわけでございます。できる限り早目に結論を出していただけるようお願いを申し上げておるところであります。
○草川分科員 そのことは結局、今度の滋賀の国体に間に合う形での督促になっておるわけですか、滋賀の国体にはもう全く間に合わないのか、もうそろそろ時期的にも近づいておるわけでございますが、まだ可能性ありと判断をしていいかどうか、示唆程度で結構でございますから、お答えを願いたいと思います。
○戸村説明員 ただいまもお答え申し上げましたように、滋賀の開催実施要綱につきましては、昨年の十二月にすでに決定を見ておるわけでございます。したがいまして、滋賀国体には、このことについてはもう間に合わないというふうに御理解いただきたいというふうに思います。できる限り早くということで督促をしておるわけでございます。
○草川分科員 私どもは、そういう意味では間に合わなければ仕方がないわけでございますし、これは文部省がやるわけではございませんから、国体という組織がやることでございますが、何回か申し上げますけれども、やはりいろいろな意味で日本の諸団体の中には民族べっ視という問題もあるでしょうし、それをことさらに政治的に拡大をして物を見る人たちもいるのではないだろうか、こう思うわけでございますから、いま触れましたようにせっかく内外に国際人権規約というようなものを宣言をしたわけでありますから、特に子弟の問題等について、私はもう少し門戸を開くような形で文部省が行政指導なり要請をされることを特に強く望んでおきたい、こういうふうに思う次第でございます。 それから、同じく文部省の方がお見えになりますから、いわゆる子供の就職の問題にも関係するわけでございますが、一時、国立大学の教職員に外国人の採用という問題でいろいろと話題になったわけでございます。あるいはまた日本学術会議でこの問題が表明をされておるわけでございますが、特に私は、きょうは大きな話ではなくて、現実に地方公務員というのですか、教職員の採用が在日外国人の方々にどのような影響を及ぼしておるのか、実態はどうか、このことについてお伺いしたいと思います。
○国分説明員 お答え申し上げます。 在日外国人の教職員への任用の問題でございますが、先生御案内のことかと思いますが、公の意思の形成の参画にかかわる者等につきましては、公務員の当然の法理として日本国籍を有することが必要であるというふうに解釈され、運用されてきておりまして、小中学枝の教員についても、そのようなことから運用されているというのが現実でございます。
○草川分科員 全国的な小中学校で部分的には、教育委員会で採用を認めているところもあるわけでございますが、そのようなことについて、どの程度の実績が、把握されておられますか。
○国分説明員 お答え申し上げます。 私どもが承知している範囲で申し上げますと、外国人を採用している県、市は、大阪府と大阪市というふうに承知いたしております。
○草川分科員 一部三重県等でも採用されておるということを私ども聞いておりますけれども、いまの御答弁ではないようでございますから、また改めて実態をつかんでいただきたいと思うのですが、いわゆる二世、三世になってまいりますと、かなり学歴水準も高くなってまいっておるわけでございます。そして就職等についても、公の機関になかなか採用されていないという問題もあるわけでございまして、門戸を狭くするということは、私は、先ほど来から主張しておる立場から申し上げて、決して得策ではないと思うのです。門戸を狭くするあるいは差別をするということ自身がかえって一つのゲットーというものをつくってしまい、差別というものが相変わらず残り、それが矛盾の拡大につながっていくという、こういう意見を持っておるわけです。かなり学歴水準等も高くなってきておりますから、ぜひ差別のないように採用を促進されるよう働きかけをしていただきたいし、あるいは全国の知事会議等におきましてもこの問題は何回か論議をされておることでございますから、ぜひそのような方向にしていただきたいと思います。 時間がございませんから最後になりますが、国民金融公庫等政府系金融機関が、外国系信用組合に対して代理店業務を認めておるわけでございますが、これはまだ非常に数が少ないと私は思うのです。商工中金は、大手の信用組合に代理店業務二十一、これが一番多いのです。中小企業金融公庫が十三、環境衛生金融公庫がわずか五行、それから住宅金融公庫五行、大手のみということになりますが、これらの人々の窓口というのが非常に少ないわけでございまして、一番利用度の多いこの外国系の信用組合に対して、代理店業務ということを大胆にもっと拡大をすべきだと私は思うのですが、大蔵省の御意見はどのようになっておられるのでしょうか。
○日向説明員 外国系信用組合に対します政府関係金融機関の代理店指定につきましての御質問でございますが、先生も御案内のように、政府関係金融機関の代理店の指定につきましては、外国系信用組合におきましてもあるいは私ども国内の金融機関につきましても、その指定については全く同一でございます。つまりその代理店におきます経営の健全性、業務委託をした場合の処理能力並びに顧客の利便ということを総合勘案いたしまして、これによって判断しているわけでございます。 ただいま御指摘のように、商工中金等につきましては相当数多く指定をしているが、国民金融公庫、住宅金融公庫についてはその指定が少ないということでございますが、国民金融公庫、住宅金融公庫等につきましては、五十五年度からその指定が始まったわけでございまして、その歴史が浅いという経緯もあるわけでございます。私どもといたしましては、ただいま先生の御指摘にあった点も踏まえまして、利用者の利便という点に十分考慮を払いまして、外国系信用組合につきましても、政府関係金融機関の代理店指定につきまして十分な考慮を払っていきたい、こう思っております。
○草川分科員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、実は国民金融公庫の場合は、進学ローンの取り扱いについては代理店業務がなされておるわけですけれども、一番零細な方々が利用するところの一般の国金業務の貸し付けが非常に少ないわけなんで、とりあえず国民金融公庫の業務の一般業務について拡大をしていただきたい。 それからいま、別に差別をしていないというようなお話がございましたが、実態を調べますと非常にこれは政治的な絡みもございまして、なかなかスムーズに代理店業務の許可がおりていないというような実例もあるわけです。一々細かいことを申し上げませんけれども、国金業務にしてもあるいは環境衛生金融公庫、住宅金融公庫、こういう点については今後利用が非常に多くなるわけですから、積極的な対応を立てていただきたいということを特に大蔵省の方に申し上げて、私の質問を終わりたい、こう思います。どうもありがとうございました。
○橋本主査 以上で草川昭三君の質疑は終了いたしました。 次に、小林政子君。
○小林(政)分科員 私は、きょう国籍法の改正問題と沖繩の無国籍児の問題についてお伺いをいたしたいと思います。 昨年七月十四日から三十日までデンマークのコペンハーゲンで開催されました婦人の十年世界会議で、採択をされました婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃条約、これに日本政府は署名をいたしているわけでございます。この条約は、御承知のとおり、あらゆる分野において婦人の性に基づく差別、これを排除し、男女平等の基礎として婦人の地位の向上を図っていこう、こういう中身でございますし、この実現を目指すことを締約国は義務づけられたわけでございます。日本政府もこの責務を負ったわけでございますけれども、きょう外務省においでいただいていると思いますので、いつごろこの批准がされるのか、外務省としての腹づもりをひとつはっきりとお聞かせをいただきたいと思います。
○関(栄)政府委員 外務省といたしましては、昨年六月二十七日、婦人問題企画推進本部で申し合わせが行われました趣旨にのっとりまして、この条約の批准は、わが国の政府が現在実施しております国内行動計画後半期の重点課題の一つでもございますものですから、なるべく早期にこの批准を実現したいということで、現在関係の省庁と鋭意問題点を洗い出すとともに、国内法の改正あるいは新しい法律の制定の必要の有無等について鋭意検討中でございまして、なるべく早く批准にこぎつけたいという意向を有しております。
○小林(政)分科員 去る二月十七日に婦人問題企画推進会議が後半期に向けての報告書を作成いたしております。婦人問題企画推進本部長である内閣総理大臣にこの報告書が提出をされておりますけれども、その報告書の中でこう書いてあるんです。「しかしながら、署名後の政府の対応は、同条約批准に向けて、国内法制等の条件整備に積極的に取り組んでいるとは言いがたい」こう指摘をいたしておりますけれども、早期批准に向けて、外務省として一定のやはり目標を明らかにして、各省庁とも十分連絡をとりながら、いつごろまでにまとめていこうとしているのかという方針を相談しながら出していくということは当然のことではないでしょうか。この点について具体的にどのように考えていらっしゃるのか、再度お伺いをいたします。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 確かに先生ただいま御指摘のように、先般の総理大臣官邸におきまして総理大臣に提出されました「国連婦人の十年後半期に向けて」という婦人問題企画推進会議の報告書の中には、その点が指摘されておりますけれども、婦人差別撤廃条約の批准のための国内法の整備につきましては、非常に多岐にわたりまして問題点がございます。それから、外務省といたしまして協議を必要といたします関係も十数省庁にわたっておりまして、現在鋭意やっているわけでございまして、この報告書にございますように、私どもといたしましては、こういう御指摘に必ずしもあるような事態ではなくて、外務省といたしましては鋭意やっておるということを申し上げたいと思うわけでございます。先日も外務大臣から国会でお答え申し上げましたように、五年以内のなるべく早い時期にというのが外務省の意向でございまして、そのために全力を挙げて努力をいたしているわけでございます。
○小林(政)分科員 次に法務大臣にお伺いをいたしたいと思いますけれども、御承知のとおり、婦人差別撤廃条約九条の二項、ここで「締約国は、婦人に対し、子の国籍に関して男子と同等の権利を与える。」ということが規定されております。しかし、わが国の国籍法は、出生による国籍取得については、出生のとき父が日本国民であるということが規定されていて、結局父系優先主義を採用しているわけでございます。これは男女平等の理念をうたった同条約九条に明らかに抵触をするものではないか、このように思いますけれども、これについての大臣の認識と、それから去る予算委員会の集中審議の際に、土井議員の質問にお答えになられまして、父母両系主義をとってまいりたいという意味の御発言をされたわけでございますけれども、これは子供の国籍取得に対して性による差別があり、その取り扱いが格差があるという点で男女平等の原則に反するという立場を確認されておっしゃったのかどうか、この点も含めてお伺いをいたしたいと思います。
○奥野国務大臣 いま御指摘になりました婦人差別撤廃条約と日本の国籍法の規定、矛盾がある、こう思っておるわけでございます。したがいまして、条約批准までの間には国籍法を改正しなければならない、こう判断いたしております。 御承知のように、国籍法は、血統主義でありますけれども、父系主義をとっているわけであります。男女平等ということになりますと、男女両系主義に改正しなければならない、こう考えておるわけであります。ただ、そういたしました場合に二重国籍が多発しますので、どうにかして多発する二重国籍を少しでも減らすわけにいかないものだろうか、こういうようなことで現在調査をし、検討をしていあということでございます。
○小林(政)分科員 具体的には二重国籍が多発をするということは、すでに実施をされている各国でもそれをおっしゃっていました。私はその前に、大臣大変積極的な姿勢をお示しになりましたので、いろいろな審議会にもかけなければならないだろうし、あるいはまた調査もしなければならないし、そういう期間はあると思いますけれども、これは大体いつごろに目標を定めて、最短距離でこの法案の改正をおやりになろうとしていらっしゃるのか、この点をひとつまずお伺いをいたしたいと思います。
○中島(一)政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま私ども民事局におきまして。大臣の御指示もございまして国籍法改正についての準備作業に着手いたしまして、これを継続中でございます。 国籍法改正をいたしますには、その他の国内法との関連もございますし、その他に検討すべき問題が多岐にわたっておりまして、先ほど御質問にもございましたように、法制審議会の審議もしていただかなければならないだろうというふうに考えております。なるべく早くというふうに考えておりますけれども、着手いたしてみませんとどういう問題が出てくるか、現在考えております問題以外にどういう問題が出てくるか、その問題についての解決に、現在予想しております困難性に加えてどのくらいの困難性が出てくるかという見通しがまだ確たるものがございませんので、はっきりした期日を申し上げることは困難でございますけれども、これはもう一日も早くということで私ども全力を挙げて努力をいたしたい、このように考えております。
○小林(政)分科員 私は期日をおっしゃっていただけなかったのは大変残念でございますけれども、しかしできるだけ早くと、それがどういう意味の時期を指しているのかわかりませんけれども、やはり一定の目安をつけて、最終段階までにできればいいなどというようなことではなくて努力をしていただきたいというふうに思います。 いま奥野法務大臣も、この問題は二重国籍が多発する、この問題等についていろいろと御心配もされているということでございますけれども、子供の国籍取得について、近年、父母両系主義に国籍法を改正する国が非常にふえてきております。また、国際交流が進み国際結婚も増加しております今日、結局血統主義を採用している外国人との婚姻の場合には二重国籍が出てくるということは、趨勢といいますか、当然のことではないか、このように思っております。 そこでまず、最近わが国の国際結婚というのは一体どのくらいあるのか、そしてまた、その中で一番多いのは、私が聞いているのでは在日朝鮮人の数だというふうに伺っておりますけれども、また帰化の件数などもこの際明らかにしていただきたいと思います。
○中島(一)政府委員 お答えを申し上げます。 一九八〇年、昨年一年間の数字で申しますと、夫が外国人で妻が日本人という婚姻事件が二千八百十件ということになっております。それから夫が日本人で妻が外国人という件数が三千九百二十一件ということになっております。 それからもう一つお尋ねがございました帰化の件数でございますけれども、大体年間九千件程度の帰化が許可になっておりまして、そのうち在日朝鮮人関係につきましては、約六千件くらいというふうに承知をいたしております。
○小林(政)分科員 私いただいた資料で見ますと、ちょっと数字が違うのですよ。これは七九年の統計の数字でございますけれども、妻が朝鮮人の場合は二千二百二十四人で、夫が朝鮮人の場合は千五百九十七人、合計で三千八百二十一人ですか、そうしますと、ちょっと数字が違いますけれども、国際結婚をされている数の中での五六・八%が在日朝鮮人ということが、はっきりこの数字の中では出てまいります。 私は、帰化の点についてもいろいろと後ほど申し上げたいと思いますけれども、配慮をしてもらわなければならないのじゃないかというふうに思っております。 そこで、私実は昨年の七月、国連婦人十年の世界会議のときに、国会から派遣をされましてその会議に参加をいたしました折に、実はドイツ、スウェーデン、デンマーク、スイスを訪問いたしまして、具体的に各国の重国籍回避策あるいはまた無国籍の問題を対象にして調査をいたしてまいりました。 ドイツでは、これはもう大臣も御存じだと思いますけれども、やはり重国籍多発を承知の上で一九七四年に国籍法の改正に踏み切った、これは内務省のレーアン国籍担当参事官からお話を伺いました。それは、やはり重国籍発生の回避の達成よりも、子供たちがドイツ国籍を所持しないことによる不利益の解消という点の方がむしろ優先すべきだ、こういう立場からこうした問題等がやられたものだというふうに考えておりますし、二重国籍回避は国際条約の締結でなければ非常にむずかしい、なかなか合意ができないということも強調をされておりましたし、国内法では結局自国民の権利放棄をしてもらうというような形しかとれない、こういうようなことも言っておりました。しかも、その中で、二国間協定や複数国間協定など、条約を結んで国籍離脱の国際的な保証をどうしても取りつける必要がある、こういうようなことも言っておられました。 私は、各国が共通している問題で、この二重国籍を完全に回避するということは不可能ではないか、このような印象を強くしてまいりましたけれども、重国籍回避のために、私は、国民的義務が生じる成人に達する前に、やはり日本でもいずれかの国の国籍を選択をするというような、こういう制度を改正に際してはおとりになることが重要ではないか、こういうことも思ってまいりましたので、ひとつこの点についても見解を伺いたいと思いますし、また、この制度を実効あるものとするために、各国に国籍離脱に自由の原則の立場で理解を示してもらうという国際協定とかあるいは条約とか、こういうものをやはりやらないといけないのではないか、このように痛感をいたしておりますので、これは大臣の御見解を伺いたいと思います。
○奥野国務大臣 るるおっしゃいましたこと、私もよく理解できます。二重国籍を完全に回避するということでは、国籍法の改正を父母両系主義にはできないと思います。したがいまして、ある程度やむを得ない、やむを得ないけれども、なろうことならできる限り少なくしたい、これが私たちの考え方の基本でございます。
○小林(政)分科員 次に、簡易帰化の問題についてちょっとお伺いをいたします。 締約国は、婦人にその国籍の取得、変更または保留について男性と同等の権利を認めるということが九条でうたわれておりますけれども、国籍取得について、簡易帰化の要件について国籍法第五条、第六条で日本国民の妻と日本国民の夫と不平等に扱っているという、この問題について帰化要件に差があるということは条約九条に抵触するのではないか、こういうふうに思いますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
○奥野国務大臣 おっしゃっていますように、それも私たちの検討の課題にいたしております。
○小林(政)分科員 そうすると、この問題等についても男女平等といいますか、同権といいますか、そういう立場からひとつはっきりとした態度をおとりをいただきたい、このように思います。 次に、私は沖繩の無国籍児の問題についてお伺いをしたいと思います。 御承知のとおり、無国籍児は全く無権利の状態で長い間放置をされてまいりましたし、その母親の生活なども非常に悲惨なものでございますし、やはり根本的な解決は国籍法の改正以外にはあり得ないのではないか、このように考えております。今後、この無国籍児を生じないというために、その可能性を本当になくしていく、そのために一体どのような対策を法務省はおとりになろうとしているのか、まずこの点をお伺いいたしたいと思います。
○中島(一)政府委員 お答えを申し上げます。 沖繩における無国籍児を全面的になくすということのためには、やはり国籍法の改正が必要であろうということはただいま御指摘のとおりでございます。それまで、国籍法の改正が行われますまでの間は、帰化制度によってこの救済を図る以外にはないのであろうというふうに考えておりますので、該当する帰化事件につきましては、なるべく容易に帰化の許可が与えられますような手続をとりたいというふうに考えておりまして、私どももそういうふうに対処いたしておりますし、関係の法務局、地方法務局にもそういう指示をいたしておるような次第でございます。
○小林(政)分科員 国籍法改正前という、前段のところであのような状態が放置されておることは許されないわけですから、これはいま法務省がおやりになっているような超簡易帰化といいますか、私自身沖繩へ行って、現地へ参りましていろいろと話を聞いてまいりました。本当にこういう措置を早急にとることは一つの救済策として重要な問題ではないか、このように思っております。 しかし、在日米軍基地の五三%が沖繩にありますし、毎年四百組からの国際結婚が行われ、国際児が一年間に約四千人くらい生まれているというふうにも言われております。国際福祉相談所が無国籍の子供を自分たちのところで掌握をしているのは三十八名と言っておりましたけれども、いろいろの情報などで恐らく七十名から八十名くらいいるのではないか、このようなことも言われております。法務省は、こうした実態についていままで調査を余りされてなかった。私は法務省にも行きました。そして今後この問題については前向きで取り組んでもらいたいというふうに思いますけれども、もちろん親権の問題、あるいはまた子供たちの教育の問題、福祉の問題など大きく改善はしてはおりますけれども、しかしまだまだ、この国際福祉相談所などのお話を聞きますと、実態がわからない、調査もされていない、こういうことが言われているんです。この点について具体的な対策をお伺いをいたしておきたいと思います。
○中島(一)政府委員 お答えを申し上げます。 国籍法の改正の問題もありまして、その資料としても必要であろうかと存じまして、沖繩における無国籍児の実態調査を始めたいと考えまして、今春から着手をいたす予定にいたしております。調査を進めまして、その実態を把握して適切な措置をとりたい、このように考えております。
○小林(政)分科員 時間がなくなってまいりましたけれども、最後に、本日の朝日新聞に、国連難民条約への加入に伴う出入国管理令の見直しがこの報道の中では検討されているようでございますけれども、具体的にどのような内容なのか、簡潔にまず御説明をいただきたいと思います。
○大鷹政府委員 今朝の各紙に報道されておりますとおり、現在出入国管理令の改正を検討しております。これは一口に言いまして三つの大きな柱から成っております。 一つは難民関係でございます。これは今度難民条約批准ということが予定されておりますので、それにあわせて改正するものでございますが、難民の認定の問題であるとかあるいは難民の永住問題、そういうことについて考えております。改正がふえることになると思います。 それから第二の柱は、長期にわが国に在留している外国人の法的地位の問題、主としてこれは朝鮮人、韓国人でございますけれども、この方々の法的地位をもっと安定化しようという措置を考えております。 それから第三番目に、入国管理も時代の要請に応じて変わらなくてはならない面がたくさんございます。そういうものにつきまして、たとえば在留資格の問題等々たくさんございますけれども、こういう問題につきまして、一連の改正をお諮りしたいと考えておるわけでございます。
○小林(政)分科員 出入国管理令の改正案、本当に日本に在留し、将来も日本に住む意思を持つ外国人について永住権の条件を大幅に緩和するということは、大変時宜に適したもので、むしろ私は遅きに失したのではないだろうかという感じを受けております。歓迎をしておりますけれども。 これと直接の関係ではございませんけれども、国籍法に関して、日本人と結婚をした外国人の帰化についても、やはり男女の格差を是正すると同時に、その居住年数等の帰化条件を緩和をするということが情勢に適した方向ではないだろうか。このように、帰化条件の緩和について前向きにひとつお取り組みを願いたい。これは国籍法とは直接の関係はございませんけれども、しかし、事帰化の問題でもございますので、その点について御答弁をお願いいたしたいと思います。
○中島(一)政府委員 お答え申し上げます。 日本人夫と日本人妻の間で帰化条件について差があることは男女平等に反するのじゃないかという点もございまして、先ほど大臣からもお答えいたしましたように、国籍法の改正が問題になっておるわけでございまして、その際、ただいま御質問ございました在留期間その他の帰化条件を緩和するかどうかというようなことも、あわせて検討することになろうというふうに考えております。
○小林(政)分科員 帰化条件を緩和するのはどうであろうかとは、どういうことなんですか。
○中島(一)政府委員 外国人夫に合わせるとすれば、現在よりも帰化条件を厳しくするということになります。外国人妻に合わせるということになれば、現在よりも帰化条件を緩和するということになります。それを含めて、どうあるべきかということを検討することになろうというふうに申し上げた次第でございます。
○小林(政)分科員 私はむしろ、差別を解消するという立場から、帰化条件そのものを、現在の日本国民の夫に課されている帰化条件を三年なんということじゃなくて、もっと一年ぐらいに短縮をすべきではないか、緩和すべきではないか、このように考えておりますので、その点について御答弁を願って、私の質問を終わりたいと思います。
○中島(一)政府委員 たとえばの話でございますけれども、外国人妻につきまして、日本人の妻たる外国人女性につきましても、在留期間の一年を要求するということになれば、現在よりは帰化条件は厳しくなるということになるわけでありまして、それでいいのかどうかというようなことを含めて全般的に検討をする、こういうことを申し上げたわけでございます。
○橋本主査 以上で小林政子君の質疑は終了いたしました。 次に、横山利秋君。
○横山分科員 最初に、いま話題になりました入管法なんです。 〔主査退席、横路主査代理着席〕 実は私ども社会党は、数年前から亡命者保護法案を国会に議員提案をいたしまして、速やかな亡命者の保護を図るべきである、こう言ってまいりました。今回政府が入管法の提出をされる準備をされておるわけですが、私どもが提案いたしました亡命者と政府の言うところの難民と、どこが違いがありますか。
○大鷹政府委員 ほぼ同じでございます。
○横山分科員 その難民であるかないかの判断は、御準備なさっております法律案ではだれが定義をするのか、またそれに対して異議のある者はどうすればいいのか、どうお考えになっていますか。
○大鷹政府委員 難民の認定手続の細部につきましては、現在まだ検討中の段階でございます。
○横山分科員 物の考え方として、難民というものは、東から来ようが西から来ようが南から来ようが北から来ようが、つまり政治的な理由で日本へ助けを求めてくるわけでありますから、イデオロギーとか政府の外交政策とか、そういうものから離れて難民保護をする、これが立法するとするならば基本精神であると思いますが、いかがですか。
○大鷹政府委員 私どももそういうラインでこの問題を考えております。
○横山分科員 この点については、立法に当たっている担当者でなくて、大臣もそのお考えであると理解してよろしゅうございましょうね。
○奥野国務大臣 基本的にそうあるべきだと思います。
○横山分科員 それでは、法律案の上程を待ちまして十分議論はいたしたいと思います。 難民を含めまして、私は毎国会法務大臣に、人権の問題について最も強力に、法務大臣が人権の擁護者として高い次元で、特に高い次元でお考えを願いたいということを主張してまいったものでございますが、その中で同和問題についてお伺いをいたします。 「部落地名総鑑」、この問題が話題になってからきわめて久しゅうございます。にもかかわらず、「部落地名総鑑」がこの日本の社会の中で横行しておるという事実については、きわめて遺憾千万でございます。 手元にございます資料をもちましても、差別図書の中には、人事極秘「部落地名総鑑」、「全国特殊部落リスト」、同じく「全国特殊部落リスト」、「大阪府下同和地区現況」、「日本の部落」、「特別調査報告書」、「分布地名」、「同和地区地名総鑑全国版」、「投書のリスト」等、実に多いのであります。 どうしてこんなものが横行しておるかという点を調査された文書を読みますと、「部落地名総鑑」の作成者である興信所や探偵社が作成するに至った動機について、ある人は「一九六五年以降から興信所の仕事をしたが、結婚の身元調査依頼の内で、まず九九%といってよいが、相手が部落民でないかを調べてくれという依頼であった」「また、企業からも人の採用や管理職登用にあたって、調査対象者が部落民でないかどうかも入っていた。なお、企業の場合は、一社だけでなく、数社の調査機関に、同一人物の調査を依頼しており、今や興信所や探偵社は、企業の人事部調査係の仕事をしている」「こうした結婚調査や人事調査の依頼状況を見て、「部落地名総鑑」を作れば売れて、もうかるということで作成した」。 こういう作成者の告白、反省等があるわけであります。 ある銀行に至っては、 「企業、とくに金融機関は、会社の信用を重んじます。そこで人の採用にあたっては、資産があって、社会的に名声の高い家の子女を採用しようという採用方針を持っています。このことは、うらを返せば、部落差別の結果、まずしく、社会からも偏見の目で見られている部落民を採用しないということにつながっています。 そこで、人事採用にあたってチェックしたいということで、「部落地名総鑑」を購入しました」。 この間もあなたに聞いたところ、あなたは理想論をおっしゃっておるのですけれども、こういうことが現に市井、社会、大企業の中で横行しておるわけであります。そして、この調査に当たって会社は買ったということを隠す。そして、事実上採用を拒否する。そして、これを握っておるある人間は、会社へ行って、そこが買ったという証拠、領収書を持って行って、これをばらすがいいかといっておどす。全くけしからぬ話でありますが、おどす。これらの調査に行った人間に対しては調査拒否をするというようなことが実際問題として横行しておるわけであります。 これらの問題について一番の相談相手は法務省人権擁護局、下部の人権擁護部、そういうところなんであります。ところが、さて、その法務局でやっております取扱件数を調査によって聞きますと、法務局が取り扱った件数とそれから実際に市井で起こった件数とでははなはだしく開きがある。市でやった、県でやった、あるいはまた解放同盟が自発的にやった事案と比べますと、余りにも法務局の活動状況が少な過ぎる。法務局の活動は実際問題として、言ってくれば、陳情を受ければやるということであって、積極的に乗り出すことがない。こういう状況は私がしばしば指摘したとおりなんであります。 そこで、この種の続発する問題について、法務局、法務省の人権擁護局の運動のあり方について少し考えるべき点があるのではないか。いまは、人権擁護部が一つの問題について、自分のところには何の権限もございません、そんなことをしてはいけませんよと言うだけである。それに対して、これを買ったあるいは差別をしたところに、警告書を出したり何かするということも余りない。それから、全国的にさらに人権擁護局がこの種の問題についてPR活動をする予算も余りにも少ない。したがって、私どもとしては、このような状況から一歩、法務大臣が号令をかけて、この種の問題について徹底的に思いを新たにして、具体的に展開する方法があるのではないかと思うのですが、いかがですか。
○奥野国務大臣 おっしゃっていますように、今日なおいわれなき部落差別が残っていることは恥ずかしいことだと思います。同時にまた、人権擁護局を持っております法務省として、その責任の重いことを痛感いたしております。また、人権擁護委員、民間の方でこういう面において大変積極的に御協力いただいている、この連合会の佐藤会長も、自分たちは何よりも、都落差別の根絶に最大の力を注いでいかなければならないと、自分なりの自覚を語っておられたわけでございます。 いま横山さんから、何か違った方法を考えなければならないのじゃないかという御指摘もあったわけでございますけれども、責任の重さから考えまして、遅々として問題が解決していないことにつきましては申しわけない気持ちも持っているわけでございます。今後あらゆる機会をとらえて、部落差別の根絶に向かってさらに一層努力をしていかなければならない。ときには人権擁護週間などもあるわけでございますけれども、こういうものの運び方についても何か工夫を要するのではないか。問題は心の問題でございますから、根気強くたゆまず努力をしていくことが、究極的には最善の道じゃないだろうかと思っているわけでございます。しかし、気持ちを新たにして解決への努力を工夫していきたいと思います。
○横山分科員 人権擁護局長、具体的な意見はありませんか。
○鈴木(弘)政府委員 お答えいたします。 ただいま大臣も申されましたように、部落差別事象というものは差別意識の問題でございます。啓発というのはいささか迂遠だという感じはいたしますが、差別事象の解消のためには、結局意識の変革が抜本的かつ最も効果的な方法だ、私どもこのように確信して、啓発活動に積極的に努めてまいりましたし、今後もそのようにいたす所存でございます。
○横山分科員 ここに綜合警備保障株式会社の「調査業務案内」がございます。これは身元調査の書類でございますけれども、それらの関連する調査の中で「特殊調査報告書」というものがございまして、印刷にはこの種の問題とは書いてありませんが、「その他」として「マル特」というのが書いてあります。どう考えてみても、これは同和地区の問題についての調査を依頼したと見るよりほかはないのであります。 この際、興信所のありようについて私は政府の意見を伺いたいと思うのでありますが、興信所は個人、法人の秘密調査をするのが、何といってもオーソドックスな物の考え方であります。今日、プライバシーの尊重ということが天の声、地の声であるときに、この興信所は個人の秘密、法人、企業の秘密というものをあらゆる方法をもって調査しておるわけでありますが、その調査の限界というものがあるはずであります。時間の関係で、私の言いたいことを全部言ってしまうつもりでございますが、一体に興信所というものは、各国の状況を調べてみますとほとんどが許可制度である、調査員はライセンスを持っておるというのが通常であります。これはテレビなんかで大臣も時たまごらんになると思うのでありますが、みんなライセンスを持っておるのですが、日本では野放してあります。この種の問題がやかましくなりまして、大きな興信所では身元調査はもう原則としてやめるという傾向が生じてまいりました。これはそろばんの問題もあると思うのでありますが、それにしても、個人のプライバシーをあらゆる方法で調べることについては、一体野放しにしておいていいものであろうかということが考えられるわけであります。はなはだしきに至っては、その調査によって握った個人のプライバシーを他に転用する、あるいはまた、夫婦両方から依頼されて、知らぬ顔して、両方にプライバシーを出してもうける、こういうようなことがあるわけであります。 これとちょっと次元が違うのですが、警察庁の監督下にあります警備保障ですね。警備保障に関する法律を先年国会で決めたわけでありますが、その中で欠格条項というのがあるんですね。欠格条項は、刑務所へ入ったことがあるかとか、前科があるかとかいうようなものも含んでおります。警察庁は、きわめて厳しいこの欠格条項を守らせると言っておるのです。そういたしますと、警備保障会社が採用するに当たって、とことんまで本人の身元を調べる。いわゆる前科があるかないかということは一体どうして知るのだろうか、知られるはずがないわけであります。けれども、それを知らなんで採用しておったら警察庁からしかられる、こういうことにもなってまいります。ここのところは大変むずかしいことでありますが、そのほかにも保護司の問題がある。保護司は、刑を終わって出てきたく間をある時間保護をする、その場合、保護司はいろいろなことを知らなければならぬということになりますと、どうしてもプライバシーに触れることになる。その者の刑の有無その他、プライバシーを保護司がどうして知っておるのかというと、これは役所が知らせるわけですね。役所は一体保護司に知らせていいのだろうかという問題が生じてまいります。 いまプライバシーの問題はきわめて大きな声になっておりますが、それらを含めまして、プライバシーの保護法を制定すべきではないかという意見があるわけであります。役所では一体このプライバシーについての基本的な研究をどこがやっていますか。
○坂本説明員 お答えいたします。 行政管理庁行政管理局で情報システムの担当をしております管理官でございますけれども、先生お話しのように、最近におきまして、わが国におきましてプライバシー問題が非常に大きな問題になっております。昨年の九月二十三日でございますけれども、OECDから勧告が出されております。そういう勧告もございまして、行政管理庁といたしまして、やはりわが国におきますプライバシーの保護につきまして何らか対応措置を講じないといけないということで、実は、東京大学の元学長でございますが、加藤一郎教授を座長にいたしまして、ただいま研究会を発足させております。一年ほどかけまして、何らかの成案を得たいものと思っております。 私どものいまの観点でございますけれども、プライバシーとは一体どういうことなのか、プライバシーの意義といいますか定義といいますか、そういったものから少し勉強してまいりたい、そういうふうに考えている次第でございます。
○横山分科員 私も二、三年プライバシーの問題を検討いたしておる人間でございますが、いま政府のお話しのように、きわめて広範な問題であるから、一つの結論といいますか、法律案に整理するのはなかなかむずかしい点がある、自分でもそう思っております。しかしながら、そうは言いましても、間口を広げないで、いま直面いたしております市井の問題に限定いたしますと、少なくとも私は、興信所法というような趣旨のものをつくるべきではないか、問題をまず限定して、そう考えるわけであります。 たとえば興信所法には、業としての許可制度、調査員の登録制度、そして調査員たるの欠格条項、調査方法の制限、調査事項の転用禁止、双方受託の禁止、守秘義務、罰則等の趣旨をもちまして、今日、法人であろうと個人であろうと、プライバシーを調査することをもって業とする者、それだけではないと興信所の人たちは怒るかもしれませんが、大体常識的にそういう主たる目的を持っております興信所等、この種の問題について、いま申し上げましたような趣旨で興信所法を私は制定すべきではないか、こう思いますが、法務大臣、どうお考えになりますか。
○鈴木(弘)政府委員 御質問にお答えいたします。 興信所の業務につきましては、その業務行為を行うにつきまして、現在の法制といたしましても、刑法あるい住民法その他、郵便法など特別法でございますが、それぞれ住居侵入に関するものあるいは脅迫、強要あるいは名誉棄損、侮辱、そういう関係の規制があるわけでございますし、あるいは軽犯罪法ではのぞき見を禁じておる、こういうこともございまして、一応の規制はあるわけでございます。 しかしながら、いま御質問にございましたように、さらに業界を指導監督し、あるいは健全な育成を図るという意味におきまして何らかの、いまおっしゃいましたような制度を考えていくのもそれなりの理由があろうかと思います。私ども、興信業界に対して何らかの規制をするのがいいのではないかという見地で、いろいろ検討しているわけでございます。 ところが、まず先ほどお話に出ましたプライバシーというものの概念がわからない、現在なお生成過程の権利だ、それであるのに、興信業界に対して適切な指導というものは、前提がはっきりしない以上むずかしい問題じゃなかろうかというようなこと。あるいは、興信業者と一口に申しますが、電話一本、机一つを借用して仕事をする一車屋、こういうものから、組織人員の整った大手企業というものがございます。こういうものを指導監督するということにつきまして、大手企業は比較的それに従い得る、このように思うわけでございますが、一車屋というような連中といいますのは、あるいは暴力団あるいは右翼団体、こういうものとのつながりを保持している、こういう連中でございまして、なかなかこれを指導監督していくのがむずかしいのではないか。あるいは、いままでに最も問題になりました地名総鑑、こういうものを発行しておりますのはそういう一車屋が多いわけでございまして、こういう連中は違法あるいは違法すれすれの行為をいろいろやって仕事をやっておる、その一つとして地名総鑑を発行する、こういうようなことでございまして、必ずしも興信業者と言えるかどうかわからないというような問題もございます。それから、興信業者の仕事の内容といいますのは、企業の信用調査、それから個人の身元調査、こういうものでございますが、そのほとんどは企業の信用調査、こういうことになっておりまして、果たして企業の信用調査というのが現在何らかの規制を要するほどの問題が起きておるのかどうか、こういう点の問題もあるわけでございます。それから身元調査といいましても、これはいまだはっきりした概念があるわけじゃございませんでして、そういう点でもいろいろ法制上疑義がございまして、いままで検討を続けておるわけでございますけれども、はなはだ困難な問題が多い、こういうのが実情でございます。 なお、こういう問題につきましては同和対策に関する関係各省との連絡会におきまして、なかなか問題があるのだというようなことをお話しして検討を進めておるわけでございます。これが現在の実情でございます。
○横山分科員 電話一本、机一つでやっておるところがあることは私も承知をしておりますが、そういうところであればこそよけいに、そういう興信所まがいのものがそれによってどんな悪事をやっておるかということが容易に想像されるわけであります。だから、ピンからキリまであるということは理由になりません。むしろキリのようなものはこの際許可制度によってやめさせるべきだ。人間のプライバシーを調査する上においては、少なくとも一定の規模、一定の社会的信用のある調査機関でなければやれないんだ、こういうふうにすべきだと思います。 そこで、いまもう一つ話がございました各法にによって一応のものはあるとおっしゃる。ひとつそれを一遍整理をして私にいただきたいと思います。 それから法人の問題については、私はいま、法人の信用調査については必ずしも特に問題にしておりません。個人のプライバシーに限定をして、また興信所等に限定をして、問題提起をしぼってやった方が作業がしやすいと思っておるわけです。いま法務省からお答えがございましたけれども、この種の問題の役所における検討並びに作業並びに取りまとめを、法務省が主たる責任を持っておやりになるつもりですか。それとも、この種の問題が立法されました場合には主管庁は警察庁になるのですか。そこら辺の話はついていますか。
○鈴木(弘)政府委員 お答えいたします。 目下いろいろそういう点を関係各省連絡会議において検討しておるわけでございますけれども、先ほど申しましたようないろいろな問題がございまして、どういう形で規制していくかということが出てまいりませんとなかなか所管庁というようなものも決まりませんが、なおこの点の検討につきましては一層努力いたします。 それから、先ほど先生おっしゃいましたような点については、さらに検討いたしたい一と思います。
○横山分科員 要望いたしたいのですけれども、どこが責任個所がわからないような仕事というものは、円滑な責任体制とは言えないのであります。ですから、この点については少なくとも法務省の管轄でこの作業をするのか、あるいは自治省の管轄で作業をするのか、その点は一遍責任個所を明らかにしてもらいたい。もちろん協力はとにかくお互いにしてもらわなければいかぬけれども、私どもの相談相手ということもございますから、この点、法務大臣にその責任個所を明らかにするようにひとつ所管大臣同士で話をつけてもらいたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○奥野国務大臣 御指示の線、よく検討さしていただきます。
○横山分科員 最後に、先般私が法務大臣にお願いをいたしました同和対策特別措置法の強化ないしは改正については、しばしば声を強くして申し上げておるわけであります。大臣は、先般、八月までには政府が結論をつけるとおっしゃっておったのですけれども、私は、少なくとも、しばしば申し上げるように、この人権問題については法務大臣が最も責任ある大臣だ、だから、本件に関しては法務大臣が自分の政治力を最大限度に発揮をされて、一刻も早くこの強化、改正についての推進役になってもらいたい。私が二、三の例を挙げましたように、この種の問題は、私は率直に言いたいのですけれども、理想的な、全くこの種の問題が絶滅することはあり得ないのだ、残念ながらあり得ないのだ。だから、特別措置法というのは数年間の時限の事業をやる法律であるけれども、本来この種の問題というものは人間ある限りなくならないんだ。だから、長期にわたってこの法律は存置しなければだめなんだ。いまの状況からいいましても、やはりそれを明らかにして、社会に堂々とこの問題を主張し、解決のために全国民が、法律がある、その法律によってお互いに気をつけなければならぬということが明示されなければだめなんだ。法律がないところに意味があるのではなくて、法律があるところに意味がある、同和問題についてはこう達観をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。大臣の努力を願いたいのです。
○奥野国務大臣 この間も、横山さんは、部落差別は根絶できないとおっしゃるし、私は、部落差別は根絶できると考えておりますと、こう申し上げたわけでございました。根絶するのにはどういう方法を用いていくことが一番よいか、これはまたみんなで考えなければならない課題だと思います。 具体の法の延長の問題につきましては、総理みずからが八月までに結論を出したい、こうおっしゃっているわけでございますので、私も総理のその方向づけにまっていきたい、必要な意見は総理に申し上げていきたい、こう思っております。
○横山分科員 とにかく大臣が、きょうはぎっくり腰だそうですけれども、憲法にあれだけの問題を提起されるような大臣なら、この同和の問題にこそ本当にあれだけの熱情を注がれたら、私は国民の関心は一変すると思いますから、あなたの努力を切に期待して質問を終わります。
○横路主査代理 以上で横山利秋君の質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————◇————— 午後零時三十分開議
○池田(行)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。沢田広君。
○沢田分科員 大臣がまだおいでになりませんので、大臣が来る前に事務的なことで若干お伺いをいたしておきたいと思います。 現在、これは法務省が所管をしているということではないのでありますが、各省がやっております公共事業、地方自治体を含めまして土地の買収が行われているわけでありますが、その土地の買収の登記の関係が非常におくれて、昭和二十二年ごろから戦後のもの、もちろん戦前のものもあるわけでありますが、土木関係、建設関係なんかにおいては実に未登記が多い、地籍そのものが不明確である、こういうようなところもあるし、特に河川台帳、土地台帳、道路台帳、こういうものの不整備は目を覆うばかりだと思うのであります。いわゆるこの登記事務に公共事業関係を特に優先させるという意味ではないのでありますが、やはりもっと円滑な登記事務、また合法的、整合性のあるものにしていく道はどういう方法で行政指導なりをやっているのか。どうもこの登記というのは裁判所に次いで市民にはなじみが浅い、こういうこともあるわけでありまして、結果的には昭和。二、三十年ころ買った土地は、いまにしてみると相当な値段になってしまう。おやじが死んでせがれになったら、そんなことはおれは知らないということになる、あるいは第三者に転売されてしまう、こういうことで公共団体それ自身がいまは弱っているのではないかと思うのでありますが、そういう実態についてはどのように把握をされておられるか。全然そんなことは知らないのか、把握していてしようがないなと思っているのか、これでいいと思っているのか、この込まずひとつお答えいただきたいと思うのです。
○中島(一)政府委員 お答えを申し上げます。 現在の日本の登記制度というものは対抗要件ということになっておりまして、売買その他所有権の移転につきましては当事者の意思表示だけで効力を発生する、その上で第三者に対抗するために登記をする、こういう構成になっておるわけでありまして、権利の移転について登記をするかどうかということは当事者双方の意向によることでありますので、申請がありました後の手続を迅速にするとか適正にするとかいうことは法務省の所管の問題、登記行政の問題でありますけれども、それ以前の問題につきましては私どもの方としては十分的な把握をいたしておりません。しかしただいま御質問ございましたように、売買だけは行われたけれども登記の申請がないというような事件が、いろいろな理由に基づくものであろうと思われますけれども、かなり多数存在をしておるというようなことは承知いたしておる次第でございます。
○沢田分科員 多数存在しているのは各省にまたがってそういう事例が多い、民間の問題は別にして、いま質問しているわけですから、そういうふうに理解していいですね。——じゃ、首を縦に振っていますからそのとおりだ、こういうふうに理解をして……。 それで、大臣来られたからでありますが、こんな細かいことをなぜというふうに言われると思うのですが、いまの行政の中でいま言った登記というものが手がつかない。十年前、十五年前のものを退職者か何かを雇って一筆一筆各省は歩いてやっている。ときには北海道、大阪と、こういうかっこうになって、かえって買い取り直した方が安くなっちまうくらい費用がかかってしまう。 そこで、私は、一つは提言なんですが、ある所有権の移動をしないにしても、都道府県知事等の認可を得て職権で、たとえば行方不明になっているとか、あるいはその所在が不明だということの場合には、とりあえずの暫定抵当といいますか、暫定の登記といいますか、こういう形において行われる仕組みというものは考えられないか。この間事務当局からは、売買契約が一これからの分はこれでいいんだろうと思うのです。売買契約が済んでたらば、そのことによって公正証書をつくる。公正証書をつくって、もし本人が承諾すれば仮登記を設定する。だけれども、こういう指導も全然各省にはやってないんじゃないですか。その点はいかがですか。
○中島(一)政府委員 通常の場合でありますと、売買が行われましたときに売買契約書をつくる、その他の手続をするわけでありますが、それとあわせて登記義務者から、登記に必要な書類、権利書でありますとかあるいは委任状でありますとか印鑑証明でありますとかというものを徴するわけでありますので、どういう理由でそういうものが徴してなかったのか、あるいはそういうものは徴してあったにもかかわらず、その後登記がされなかったのかということがわからないわけでありますが、それはそれといたしまして、ただいま御質問ございましたように、職権であるいは当事者一方の申請もしくは嘱託によって登記をするということは、現在の不動産登記法の根本原理にも影響を及ぼす問題でありますので現在の制度ではできないことはもちろんでございますが、直ちにそういうふうに制度を改めるということはいかがなものであろうかというふうに考えております。
○沢田分科員 これは公が優先してしまうことになりますが、ただこれが正常、ノーマルな状態において公共の福祉に反せざる限り個人の所有権が保護されるという憲法のこの精神というものはもちろん生かしていかなければならぬ。しかし、そのことによって二重売買になったり、たとえばそのときに銀行の抵当権が入っている、そうするとそれを外さなければできないんですね。そのうちにそのおじいちゃんが死んじゃえば、今度七人、八人の子供の判こを全部もらわなければ、たとえば川で言えば、せいぜい五メートルなら五メートルの幅だけの部分を分筆することがまずできない。分筆をして、それから今度は登記をするわけです。その費用を全部、買い主が市町村であるか建設省であるか農林省であるかは別として、それを全部負担をしながらやらなければ進んでいかないという業務のあり方は果たして整合性があるのかどうかという点について若干私は疑問を持っているわけなんですね。ですから、たとえば銀行の抵当権は、本来売買すれば外さなければならぬというのが大体契約書になっているわけですね。白地で渡さなければいかぬということになっている。ところが、抵当権がついている。そうすると、その借金を返さない限りは抵当権は外れない。そうでしょう。外れなければいま言ったようにどうにもならない。そのうちに死んだりなんかしたら今度は相続の問題でごちゃごちゃしちゃう。そのうちに第三者に売られたりなんかしたらもう対抗条件が失われちゃうんですね。契約それ自体が下手やると無効になっちゃう。そういう事態を防ぐために、公共的な場合については暫定措置というものを考える必要性があるのじゃないか。基本的にはあなたのおっしゃっているとおりなんですよ。その間のプロセスを埋め合わせる方法がないと大変困るのじゃないか、混乱を起こすのじゃないかというのが私の提言なんです。御検討だけでもいただきたいということが一つ。 それから、いま私が言ったように、公正証書をつくり仮登記が可能である、こういう方法を各省に行政指導していただけるかどうか、その点もひとつお伺いをしたい。この二つです。
○中島(一)政府委員 売買当時すでに抵当権の設定があるとか、あるいは分筆しなければ登記ができないとかいろいろな事情があるわけでありまして、買収する側としてはそれを御承知の上で買収をされるわけでありますから、その事情があるにもかかわらず自分の権利が将来にわたって十分保全されるであろうというような方法を講じておいていただきたいというのが現在の不動産登記法のたてまえでございます。しかし、売買が行われました後にいろいろな事情が起こるというようなことも考えられますので、先ほど御質問にもございましたような仮登記の制度でありますとか、あるいは一方の当事者だけでできます仮登記仮処分の制度でありますとかというようなものも不動産登記法としては準備をしておるわけでありまして、そういう制度を活用していただきたいというふうに思うわけであります。 そういうものを法務省の立場としてPRし指導するか、こういうお尋ねでございましたけれども、それぞれ各省には法律の専門家もおいででありますし、あるいは弁護士その他の専門家もいらっしゃるわけでありますから、そういう方々に御研究をいただきたいわけでありますけれども、登記の手続はどうなっておるかというようなことをお尋ねがございましたときには、法務省あるいは法務局関係にはいろいろそういう相談に応じておる部門もございます。司法書士会、調査士会等におきましてはそういう相談にも応じておるわけでありますから、十分にそういう相談を活用して、PRといいましょうか、指導を行いたいというふうに考えております。
○沢田分科員 そういうふうに言いますからあえて言うのですが、司法書士会にしてもあるいはその登記所にしても、そういう行政指導を現実は全然やってくれないのですね。あなたのおっしゃるようなことではない。各省もそこまで理解をして仕事はやってない。どこかの省でそのことをやっている省があったらお目にかかります。全然ない。これはそのまま放任されているのが現状です。だから河川台帳も道路台帳も何もできない。では見せろといって見せられる省があったらお目にかかりますよ。そういう現状ですから、あえて私はその点を法務省としてもよく協議をして、こういう点についてはこうだということを指導する部分は指導してもらいたいし、万全を期すようにこれは要請して、次に行きます。 大臣、腰が痛いそうでありまして、お見舞いを申し上げますが、余りハッスルし過ぎたせいなんじゃないかという気がしないでもありませんが、大臣にちょっとお伺いいたします。 スペインで二・二六事件まがいの問題が起きました。私はいつも言うのですが、日本が襲われた例というのは元寇の役が一回ある。あと第一次大戦のときに、襲われたとまではいかないけれどもとにかく襲われそうになったことがある。日本はとにかくとるものがない。石油があるわけじゃない、金があるわけじゃない、あるいは鉄が出るわけじゃないし、資源的には何も得るものはない。そういう条件の中で軍備というものを持つことが、二・二六事件もあり、スペインの今度の二・二六事件もある。えてして鉄砲とか武器なんというのは、味方同士に向かって、時の権力の争い、源平もそうですし室町もそうですし、日本の歴史をたずねていくと武器というものは内戦といいますか、国内の権力争いに使われる率が高い、少なくとも歴史的には。そういう歴史的な感覚で見ていくと、二千分の一の確率しかいま外敵が来る可能性はないんだ。二千年たって元寇の役一回だった。源平から室町、あるいは騎馬族から農耕民族から、日本の歴史をたずねていってみて、外からという例は少ない。日本は攻めていったことはたくさんある。そういう状況から見て、内部で持つ武器というのは必ず内部の国民を殺傷するために使われる。これは私の一つの見方なんですね。日本民族の中の見方なんです。 大臣は、もういままでもさんざん言われてきているでしょうから繰り返して言うことはありませんが、そういう一つの見方から見て、持つことは危険だと私たちが言っているゆえんはそこにまず一つあるわけです。日本という国の存在的な意味というものは、基地的には有効価値があるかもしれませんよ。太平洋をにらんで、言うならば墨俣域みたいなものですね。だから、そういう意味においての基地的な価値はあるかもしれぬが、それ以外の価値はないというふうに見ますると、大臣の発想をやはり変えてもらわなければいけないのじゃないか。大臣の思っているような方向に行くことは、かえって日本民族を滅ぼしていく道につながるのじゃなかろうかという、これは私の素朴な歴史観的な物の見方からする発想なんですが、スペインの問題と関連して大臣はどういうふうにお考えになっておられますか。
○奥野国務大臣 私は抑止力が必要だ、また日本が海外においていろんな主張をしていきます場合にも、国としてある程度の力を持っている、それが主張の裏づけになるのじゃないかなと思います。 同時に、いま二・二六事件などの例をお出しになりました。当時の日本の政治の運びといまの日本の政治の運び、明治憲法と新憲法ということになるわけでございますけれども、全く違っている。明治憲法には統帥権の独立てありますとか、あるいはまた憲法そのものではございませんけれども、軍部大臣現役武官制というものがとられておった。同時にまた、明治憲法ではいろんな事項が大権事項に専属しておったわけでございまして、国会が関与できませんでした。公務員の問題、行政組織の問題についても国会は関与できませんでした。 新憲法では、あらゆる問題が国会の責任になっておるわけでございます。同時に、内閣も国会がつくるわけでございます。したがいまして、私は国会さえしっかりしておれば、いまおっしゃったような御心配も一切心配するに足りないことじゃないだろうかな、こう思っておるわけでございます。しばしばシビリアンコントロールが問題になるのですけれども、私は国会さえしっかりしておれば心配は何も要らないじゃありませんか、こうまでたびたびお答えをしておるわけでございます。
○沢田分科員 お腰が痛いようですから、質問するのにもちょっとかわいそうな気がしてしまうのですが、国会がしっかりしてさえいればというのがまた一つ問題なんですね。そこが問題です。インフレが起こる、あるいは賃金が少ない、庶民が悩む、そういう状況になってこの政治でいいのかといったときに起きてくるのがファシストであり、あるいはスペインの国会占拠であったわけですね。ですから、われわれは国会はしっかりしていると自分たちで思っていても、言うなら武器を持っている人たちから見ればだらしがないと思うかもしれないのですね。思ったときにこんな政治ではだめだというように考えれば、ことしあたりから昔の陸軍士官学枝の卒業生はいなくなるわけですね。いわゆる戦争を知らない連中が、今度は皆上の方になってくるわけです。戦争の厳しさなんというものは映画で見るぐらいにしか感じない人たちがずっと成長してきている。その人たちが考えるものから見ると、ああいう教育の方法でやられますと、こんな国会だらしがないあるいはこの政治はだらしがない、そう思うかもしれない。ですから、そういう教育の方法でやられてきてもしそういう発想になってきたときには、いまあなたがおっしゃるように国会はしっかりしていると自分で思っていても、制服組はそう思わないかもしれない。その可能性はあるでしょう。絶対そうだとは言い切れないでしょう。どうですか。
○奥野国務大臣 国会と申しますことは、結果、国民と国会ということになってくるのかもしれません。やはり国会がいろんな面において常に留意をしていかなければなりませんし、また絶えず活発な議論を起こしていかなければならないと思います。それらの議論は、マスコミを通じて国民にそのまま周知される社会になっているわけでございますので、それらの意見がまた国民の支えにもなっていくのじゃないだろうかな、こう思っておるわけでございます。 同時に、誤解があってはいけませんので申し上げさせていただきたいのですけれども、私は強大な軍隊を持てというようなことを言ったことはございません。ただ、日本にふさわしい抑止力は持っていかなければならない、それは武力だけでそう言えるものではない、やはり精神的なものも大事なものだと思っておりますよ、こう申し上げておるわけでございます。
○沢田分科員 防衛問題はまたあしたか何かやられるそうですから、きょうはそういうことまでは触れませんけれども、その可能性がある。その情報が徹底した、何がした、スペインはあれで一応おさまった。しかし、ああいう事態が今日世界のどこかで起きているということは事実ですね。そのことが日本に起きないという保証は、ただシビリアンコントロールができているから絶対起きないという、絶対という言葉は使えないんじゃないか。だから、その点は意見の食い違いが若干あるようですが、時間がないんで、その点はいまおっしゃったことが答弁になっているとは私は思ってないんです。その絶対の保証というのがない。しかも、隔離されている社会の人たちです。かえってもっと市民と混合していればそうでないかもわかりません。しかも、隔離されてそれぞれが思想が教育され、あるいは物の見方がされている、そういう状況の中で起こってくる条件というものは、それはとぎにはあなたがおっしゃるようなものとは限りませんよということを私は言いたいわけです。これはひとつぜひそういうことを頭の中に入れながら、憲法論議ということの意味だけで言っているんじゃないんですね。そういうことの起きない事前の措置が必要だということで述べているわけですから、その点はひとつ要請しておきます。 次に、時間がないですから、出入国管理令の改正を今度の国会へ出していただく、こういうわけですね。
○大鷹政府委員 その方針でございます。
○沢田分科員 いままでそれぞれの委員からも質問があっただろうと思いますから、簡潔にお伺いをいたします。 公務員の採用関係はどうなるか、それから公団入居問題はどういうふうになるか。いわゆる公の機関に住める場合の条件はどうなるか。それから国民金融公庫などの金融機関の借り入れその他の条件はどうなるか。それから年金とか健康保険、そういう問題の条件については、永住権といいますか、そういうようなものにしても関係はどうなるか。その点は全然考えてないんなら考えてない。今度の改正についてはそういうものが関連してくるであろう。その、であろうと思う状況に対応した皆さんの考え方はどうなっておるのか。いまのところないんならないでしようがないですから、そういうものについてはどう考えておるのか、その点ちょっとお答えいただきたい。
○大鷹政府委員 先ほどお尋ねのあったのは入国管理令の改正に関することだったと承知いたしますけれども、ただいま先生がお挙げになりましたいろんな事項のうち、入国管理令に関係ありますのは永住の部分だけでございます。永住に関しましては、難民に認定されました人たちに現在の永住の要件をもっと緩和したものを適用したいと考えております。 さらに、この機会に、長期在留しております外国人、これは朝鮮半島出身者が大部分でございますけれども、こういう人たちにつきましても、法的地位を安定化させるという見地から、永住への道を開きたい、こう考えております。つまり、申請があれば永住を認めるということにいたしたいと思っております。
○沢田分科員 だから、永住を認めた場合のいわゆる受益するものは何か、いわゆる権利として確保するものは何かということなんですね。時間がないから、もうそこまで一足飛びに言っちゃったわけです。三年に延ばしてそれを延ばすとか、そういう細かいものはありますけれども、いわゆる永住したときの国民的な個人の権利として受けられるもののいま言ったものはどういうふうになるんですか、考えているものはどうなんですかということを一足飛びに聞いたわけです。まだそこまでいってない、その細部はまだ不明ですと言うんならそれでもいいんです。永住権がくれば当然の権利として発生する、こういうふうに解釈してよろしいということならそれでいいです。どっちなんですか。
○大鷹政府委員 ただいま先生からお話のあった件につきましては、実は法務省所管でございませんのでお答えできないわけでございます。ただ、入国管理令の立場から申しますと、先生がおっしゃいましたように、永住になりますと三年ごとに更新ということがございませんし、それから就職なんかにつきましても何の制限もない、こういうことでございます。
○沢田分科員 だから、法律的に見れば、いままで問題になっていた社会保障の問題、健康保険の問題、それから金融機関の利用の問題あるいは公団入居の問題あるいは公務員採用の問題等々の問題も一般の国民と平等の権利として扱われる、こういう方向で、この法律が成立すればそのことによって、そういうものは各省がそれぞれ考えて訂正していくんだ、こういうふうに解釈していいわけですね。大臣、ひとつ……。
○奥野国務大臣 いまの問題は、難民条約批准に伴いまして難民の処遇をどうするかということがございます。難民の処遇に伴いまして、当然従来から日本におられた方々の処遇をそれ以下にできないわけでございます。したがいまして、そういう問題もあわせまして、今度難民の処遇は、かなりいまおっしゃいましたようなところへ道が開かれていくことになるそういう法案も、厚生省が中心になると思いますけれども、この国会に出したいということで検討を続けているところでございます。
○沢田分科員 じゃ、検討していると言うから、出すことはほぼ確定と見て考えでいいですか。
○奥野国務大臣 関係省庁の間で出したいということで努力をしているところでございます。
○沢田分科員 続いて競売の問題で若干、これは指導をお願いをするということなんですが、競売という場合に、いまの競売法はかたかなで書いてあるくらい昔の法律なんであります。裁判所が一応決めるんでありますが、競売業者というのが厳然として残っている。要するに、裁判所と競売業者というものは、ある意味においては一つのエリアをつくってその業界が成立しちゃっているということの状況がある。特に、利害関係者がその物件を払い下げてもらいたいと思っても、なかなかそこは競売業者が介入しちゃってうまくいかない。私が第一に申し上げたいことは、競売業者が入るとどっちにしても貸し付けのときの金融機関なりその他の条件が問題があるということなんです。それは民事契約でされてくるんですから、これは法律上有効である。しかし、銀行、金融機関はその担保能力があるなしにかかわらずそれに抵当権を設定する、払えなくなるから競売に付す、こういう事態が起こる。サラ金じゃありませんけれども、競売によって親子なり夫婦なりが大変悲痛な目に遭う。こういう状況を何とかなくしたいというのが私のいま言おうとしている趣旨なんですね。法律は法律としてそのままあります。しかし、そういうことによって、おやじが道楽したか、おやじが事業に失敗したか、それは別として、その家族にまでその被害を及ぼすことのないような方法というのはとれないのだろうかというのが、実は私の言わんとしている趣旨なんであります。 しかし、どうも法律の手続を聞くと、裁判所へ行けば競売法で落とされれば不動産屋の値によって買い戻さなければ結局はいや応なしに立ち退かざるを得ない。強制執行が行われてしまう。その間に何かワンクッション置けないかどうか。あるいはその人の借りている金額が月賦で払うということが可能でないのか。もとはたとえば二千万であったかもしれません。競売屋が落としたのは三千万円で落とします。そうすると、今度は三千五百万でなければそこに住んでいる者はそれを引き取れない。それは話し合いですから、結果的には。片方はもうけなくちゃならぬ。そうすると、当初二千万だったものが今度は住んでいる人自身については三千五百万でなければ不動産屋から買い戻せないという状況が生まれてくる。まさに一種のサラ金と同じ現象が出ている。 もうあと時間が二分ぐらいですが、この競売業者というものを、一つには、競売業者として指定されている——指定されているというか集まっちゃっているこの集団に対してもっと民主化をしてもらいたい。そして、まず第一の、これは法律上はどうにもならないかもわかりませんが、できるならばそこに住んでいる人であるとかあるいはそれの継承者であるとか、そういう者には特別に競売法の中においてもある意味においては有利に取り扱ってもらえる道を開くことができないかどうか、それによって追い出されていってしまうということの中にフンクッションを置いてもらうことはできないかどうか、これは提言をしておきます。 ちょうど時間がなくなってしまって——一分前ですね。概括的に以上で、細かいことは言えませんけれども、そういうことの中で競売に付されて一般の国民が不幸な目に遣わないように、実はそういう競売法にしてほしいというのが私の言わんとしていることの一つ。それから、競売業者のいまの悪質なものについて適正な民主化なりあるいは行政指導を行ってほしい。以上二点についてだけお答えをいただいて、あとは要請にしておきます。
○中島(一)政府委員 お答えいたします。 債務者の不動産を引き当てにして金を貸した、その他取引関係に入った債権者の保護ということも一方において考えなければならない、あるいはまた債務者の保護ということも考えなければならない、その調和の上に民事執行に関する法律ができ上がっておるわけでございます。従来は、ただいま御質問にございましたようにかたかなで書いた古い法律であったわけでございますけれども、昨年法律が改正になりまして、現在の民事執行法はひらがなで書いた昨年から施行になった新しい法律でございます。この新しい法律におきましては、ただいま御指摘のございましたような問題点についても十分な配慮をいたしておるわけであります。たとえば、悪質な不動産屋を競売から排除するというような点でありますとか、あるいは競売の日時、場所を公告して一般の方々にも競売に参加してもらいやすくするとかいうようないろいろな配慮をしておるわけでございますけれども、その運用が重要でございますので、ただいま御質問のような趣旨も裁判所に伝えまして御趣旨を生かしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○沢田分科員 終わります。
○池田(行)主査代理 以上で沢田広君の質疑は終了いたしました。 次に、渡部一郎君。
○渡部(一)分科員 きょうはまず質問を始める前に、最高裁からもわざわざ御出席をいただきまして感謝をいたしております。 私は、名誉棄損並びにプライバシーを侵害する社会的風潮に対して御質問いたしたいと存じます。 最近、社会的な影響力の強い悪質なジャーナリズムの営業主義というものがわが国でもきわめて強くなってきております。憲法に規定する言論の自由というものは民主主義の基礎として堅持しなければならぬのでありますが、最近の週刊誌等による有名人のスキャンダル報道というのは目に余るものが存在いたしておりまして、特に有名人が秘匿したがる情報であればあるほどジャーナリズムがこれをかぎ回る。悪質な例では、マル秘情報がうまく入手できない場合にはスキャンダルがあるかのようにでっち上げの見出しをつけ、一たん紙面上に掲載されると、そのことが事実であるかどうかの厳密な検討もなく針小棒大に繰り返し報道する。そして終局的には、事実であるかどうかにも関係なく社会的に真実として定着してしまうというようなケースさえ見られるのであります。これではプライバシーや個人の名誉がはなはだしく侵害されることになるわけであり、憂慮にたえないのであります。このような風潮に対して、大臣はどういう感想を持っておられるか。
○奥野国務大臣 いまお話しございましたように、一部の出版物に見られる報道関係、私も残念に思っております。言論、出版、表現等々の自由権は、人類多年にわたる努力の結果確立されてきたものだと思います。それだけに、これを守っていくためには、それぞれがまたこれらの基本的人権の由来を深く自覚していかなければならない。自分の人権だけを主張するのではなくして、相手の人権を尊重する、この姿勢も大切だと私は思うのですけれども、一部の出版物に見られるような事情は、みずからの人権だけを強調して相手の人権を無視してかかっている。これでは基本的人権を育てるわけにいかないんじゃないだろうかなという心配も持っておるわけでございまして、基本的人権そのものについての考え方をもっと深く多くの方々に自覚していただかなければならないのじゃないかな、こんな気持ちを深く抱いております。
○渡部(一)分科員 刑法の名誉棄損罪にかかわる事件例としてはどのようなものが存在し、科刑はどうであったか。むしろ科刑が余り適当でなかったという感想を私は持っているわけでございます。それからまた、刑法の名誉棄損罪に関する規定は刑罰が著しく軽過ぎるという意見もございますが、この罪刑を含めて刑法の罪の刑全体の軽重を見直す必要があるのではないかと思われますが、いかがでございましょうか。
○前田(宏)政府委員 名誉棄損罪の具体的事例でございますが、最近いろいろと出ておる事件があるわけでございますが、その内容を申し上げること自体関係者の名誉にもかかわることでございますので、むしろ統計的なことを申し上げた方がいいんじゃないかと思いまして用意しております。 検察庁の受理人員でございますけれども、昭和五十年には六百九十八人、五十一年には七百八十三人、五十二年には五百二十七人、五十三年には七百三十一人、五十四年には六百二十一人、このような数字でございます。こういうふうに受理されをした事件の比較的多くのものは、当事者の示談等によりまして告訴が取り消されるというようなことで不起訴にされる場合が多いわけでございます。しかし一部の者は起訴されておりまして、お尋ねの科刑状況でございますけれども、いま申しました五十年から五十四年までの五年間で見ますと、懲役あるいは禁錮に処せられた者が二十三人、うち執行猶予が十四人、罰金に処せられた者が二十三人というような数になっております。
○渡部(一)分科員 名誉棄損事件の起訴人員の状況というものを最高裁の方からいただきましたところでは、起訴率が昭和二十一年から五十四年まで大体四・三%の低率であります。これは情報文化社会における発達を考えますと、この起訴率が固定化しているというのは、名誉棄損に関する法律の効用というものが非常に減少しているように見えるわけであります。このような四・三%程度の起訴率、また科刑の状況からいって刑事、民事両面にわたって金額が非常に少ない点等を考慮いたしますと、名誉棄損罪は市民の名誉の保護にほとんど役に立っていないという学者間の評価というものは非常に重大な指摘だろうと私は思っているわけであります。 さて、この点を含めまして、名誉棄損の公開裁判において告訴人、被害者を法廷に証人として召喚し、被害事実について立証させる場合、個人の名誉の保護という観点から見て公表の制限を考慮する必要があるとの学説もありますが、現行の法規においてそれが可能かどうか、また対審の公開が憲法上の要請であることから考えて、名誉の保護手段として何らかの法制をする必要があると思われるかどうか、こうした点について最高裁の方からお伺いしたいと存じます。
○小野最高裁判所長官代理者 ただいまの点でございますが、名誉に対する罪、この公開禁止のお話でございますが、これは憲法に公開の規定がございます。確かに学説はいろいろ問題があるかと思いますが、とにかく公序良俗を害するおそれがあると決した場合には、対審は公開しないでこれを行うことができるとございますが、ただし書きに「政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する國民の権利が問題となってゐる事件の封書は、常にこれを公開しなければならない。」憲法八十二条二項にこうございますわけで、このいわゆる名誉棄損というものがどれに当たるかということは、これは学説上、出版に関する犯罪だという説もありますし、あるいは国民の権利、要するに言論の自由というものに関する犯罪だということで、これは公開禁止はできないのじゃないか、こういう説もあるところでございます。 裁判所といたしましては、具体的ケースによってどう判断するか、まさに裁判官が全員一致でどう決めるかということでございますけれども、学説上はそうなっておりますので、事言論に関することとなれば公開禁止はできないのじゃないかというふうに考えます。 なお、立法に関しましては、私どもといたしましては所管外でございますので、発言を差し控えさせていただきたいと思います。
○渡部(一)分科員 いまのお話でもう一つ重ねてお伺いいたします。 現に発生していることでございますが、マスメディアを利用いたしまして、相手を中傷、誹謗あるいは陥れる目的を持って、圧倒的大量の宣伝を行い、傷つけようとするケースがいまや発生中であります。こうした場合には、現行の規定を援用いたしますならば、いまお話しのような形でございますならば、取材の自由を過度に利用し、プライバシーの侵害、名誉棄損を行うことが理論上可能になると思われますが、いかがですか。
○小野最高裁判所長官代理者 裁判の審理を公開しなければならないということと、そこでどういうことが行われて、それがどういうふうに報道されるかということとは一応別問題で、裁判の審理が公開されれば直ちにその内容が名誉を棄損することになるのかどうか、その辺は具体的なケースによって異なることだと思いますが、事公開ということはこれは憲法の要請でございますので、それは、もしそれに当たるといたしますれば、いかんともしがたいというふうに解釈いたします。
○渡部(一)分科員 いまはなはだ言いにくい質問を聞いていただいたわけでございますが、こういう憲法あるいは法規を制定する場合において、これほどの悪質なグループが登場し、裁判の過程の問題等を事細かに、しかもゆがめて報道する形において告訴人の名誉を傷つけるというケースが誕生してくるということは予想されなかったと私は思います。したがって、こういうことになりますと、憲法十三条の個人の尊重の条項に反することになるのではないかと私は思っているわけであります。したがって、憲法八十二条は裁判の公開の原則を定めておりますが、裁判の公開ということとプライバシーの保護あるいは名誉の保護ということは矛盾する場合もあるのではないかと思うわけであります。 先ほど法務省の刑事局長が、名誉棄損裁判の氏名を申し上げること自体名誉棄損に当たるおそれもありというきわめて厳格な立場で意見を表明されておられ、私は敬意を表するものでございますが、個人の名誉を尊重し、プライバシーを侵害しないことは、先ほどお述べになりました善良の風俗もしくは公の秩序を守ることに当たるのではないか、そういうふうにするならまだ救われる点もあるのではないかと思われますが、その点について裁判所の方はいかがお考えですか。
○小野最高裁判所長官代理者 確かにその審理が公開されるたびにあるいはそういうこともあろうかと思いますが、この憲法の規定を見ますと、公序良俗に反する場合、そういうときには公開しないでできるということが書いてありますが、ただし書きがございまして「出版に閲する犯罪」とかあるいは「國民の権利が問題となってゐる事件の封書は、常にこれを公開しなければならない。」とございますので、そういうことがありましても、このただし書きに該当する限りは、公序良俗に反するということで公開をしないことはできないというふうに解釈いたします。
○渡部(一)分科員 法務省の刑事局長に伺いますが、表現の自由あるいは報道の自由と刑法の名誉棄損罪の規定との関係はどうなっておりますでしょうか。刑法二百三十条ノ二の規定で、名誉棄損にわたる事実の摘示があっても、その事実が真実であることを証明できる場合にはこれを罰しないとしております。これに該当する公共性のある言論行為とはどんな行為でありましょうか。この点が率直に言って余りはっきりしていないところに問題があるような気がいたしておりますから、私たちの考えをたんたんと発展さしていかなきゃならぬと思いますので、御意見を承りたいと存じます。
○前田(宏)政府委員 先ほど来話してございますように、言論の自由あるいは表現の自由というようなものと名誉棄損との関係、大変むずかしい問題だと思います。それぞれ保護せられなければならないことでございまして、その調和というものはなかなかむずかしいと思いますが、具体的に御指摘の刑法の二百三十条ノ二の規定で「公共ノ利害ニ関スル事実」云々という要件があるわけでございます。これは抽象的に言いますと、多数一般の利害に関する事実ということでございまして、その一番典型的なものは、特に二百三十条ノ二の二項で規定がございますように、まだ公訴の提起されていない人の犯罪行為に関する事実、これは法律上も「公共ノ利害ニ関スル事実ト看做ス」というふうにされているくらいでございまして、そういうことから、一番典型的なものは、人の犯罪に関係する事実ということになろうかと思います。 なぜこれがそういうことでみなされるかということになりますと、やはりそういう犯罪の事実というものは捜査の端緒ともなるし、また、その捜査を行わないということになりますと、いわば怠慢ということもありまして、そういうことに対する公の批判というようなものを受けるということで、そういう観点からこういう規定になっているもの、かように理解しております。
○渡部(一)分科員 公開法廷での告訴人、証人の証言を求めることについてお伺いしたいのでございますが、被害者が名誉棄損あるいはプライバシー侵害で告訴したといたしましても、名誉を回復しようとして、あるいはプライバシーを侵害されたとして何かを訴え出ているこの被害者が、公開の法廷において証人として召喚される、証言をさせられる、そして、その結果として、今度はみずからの名誉の保護を維持し得ない状態に追い込まれるという自己矛盾が発生してくるわけでありますが、裁判所及び立会検事としては、裁判中に被害の防止についてどのような配慮をされておられるか。 またこれは、証人として喚問しておられる間に事実上それが報道されていく場合、平均して名誉棄損事件の裁判が二十一カ月という長期を要するため、繰り返し繰り返し報道されている中に名誉棄損がますます累加されてくる。この時間の方も問題だと思っているわけでございますが、こうしたことについて、裁判所及び立会検事としてはどういう努力をされておられるか、この辺をひとつお尋ねをしたい。
○小野最高裁判所長官代理者 この点に関しましては、それは具体的なケースで、あるいはまたどういうふうな証人ないし証人というような方々の必要性、その事件で果たして必要であったかどうか、いろいろ具体的ケースによって違うと思います。それを判断いたしますのは、その具体的な事件を担当した裁判所がいろいろ配慮するわけでございますが、たとえばこの名誉に関する罪でも、単に一般的な名誉棄損罪ということでございますれば、それが真実であるかどうかということは余り問題にならないということで、とにかく公表されたものが名誉棄損になれば、それが証明されればそれで済むということで、被害者の方に証人に出頭していただかなくても済むというケースが考えられるのじゃないかと思いますが、これが二百三十条の二のように公共に係るということで、事実の真否ということが問題になりまして、それが争点になったという場合には、その事実の真否を確定するという意味からどうしても被害者の方においでいただくというケースが多くなろうかと思います。ただ、その取り調べの段階で、証人に不当な侮べつ的なことがなかったり、あるいは不必要な尋問をして証人の名誉を害するということがないように、事事実の真相把握という上で必要である点に限って、それ以外の点は裁判所も訴訟指揮によってそういういたずらな名誉を害するということがないように。配慮すると考えます。
○渡部(一)分科員 遺憾ながら、それは余り正確なお答えではないように私は思っております。被害防止のために最大限どういう努力が行われておるかを私は伺っているのでありますが、たとえば、まことに申しわけないのですが、具体的に一例を述べますと、芸能界相かん図といって、日本の相当数の芸能人が相互に不名誉な関係にあったと述べられ、圧倒的にそうした報道が行われた。公開の法廷におきまして、証人に対し裁判官、検察官、弁護人がその問題に対して問い合わせをされました。本人たちから言えば、これはある意味で憲法三十六条の拷問の禁止あるいは十三条の個人の尊重に値するほどの事件であったと思われます。中には公判廷において泣き出された人まであり、私たちがそういったところでこんなひどいことをもう一回言われるのはどういうわけなのかということまでございました。したがって、そういう苦しみをさらに加重するようなことについてどういう努力をされておるのか、今後どういうふうにしようと思われているのか、そこを聞きたいわけであります。
○小野最高裁判所長官代理者 いまお話のありました芸能人の名誉棄損の問題、これは私どもの承知しておりますところでは親告罪でございますので、その人たちが果たして意思に基づいて告訴したのかどうかという告訴の意思を確認したと聞いておりまして、名誉棄損された事実の真否ということには及ばなかったように伺っておるわけでございます。 ただいまおっしゃいましたように、どういうことがあったかつまびらかにはしておりませんが、事訴訟指揮、これは裁判所ないしは裁判長に属します訴訟指揮に関することでございますので、私どもの立場としてはそのことについては申しかねるということでございますので、御了承願いたいと思います。
○渡部(一)分科員 刑事局にお尋ねいたしますが、名誉棄損の裁判は、被害者に対して名誉回復の期待を与えるよりも、かえってこれは被害者の方から見て多くの名誉棄損を裁判中にもたらし、被害者に苦痛を与えるため、また、刑事事件においてはその処罰がわずか千円という程度のものであり、本人にお金が入るものでもないし、また民事事件においても金額は非常に低過ぎる。そのため、被害者の苦痛が倍加するために件数において減少しつつあると思われますけれども、件数の動向はどのようなものでありましょうか。
○前田(宏)政府委員 警察庁の受理事件は、冒頭のお尋ねの際に大体の数を申し上げましたように七百件前後、横ばい状態でございます。したがいまして、特に御指摘のように減少しているというふうには思わないわけでございます。 それから、重ねてでございますけれども、先ほども最高裁の方からお答えがございましたようにこの罪はいわゆる親告罪、つまり告訴がなければ訴追ができないということになっておりますので、そういうことから、捜査中に告訴の取り消しがあるということになりますと起訴されないということで、起訴率も低いということになるわけでございます。そういうことで、被害者の方がどうしても処罰を求めるということで告訴をされますと起訴し得ることになって、裁判ということになりまして、御指摘のような問題が結果的に起こるわけでございます。 しかしながら、ある程度やむを得ないと言えばやむを得ないことにもなるわけでございまして、つまり裁判は原則として公開だということにもなっておりますし、また刑事裁判について申しますと、有罪の立証というものは原則として公開の法廷で裁判所が直接審理をされて証人から聞くというのがたてまえでございます。したがいまして、ある程度被害者の方が法廷で被害の事実を述べていただきませんと、目的とする有罪、つまり処罰ということが不可能になるわけでございます。そういうわけで、どうしても法廷で述べないで済ませるというわけにはまいらない場合が多いわけでございますけれども、その場合のいわば運用の問題といたしまして、先ほど最高裁からもお話がございましたように、また刑事訴訟法あるいは刑事訴訟規則の面でも、名誉の侵害にわたるような尋問をしてはならないとか、侮辱的な質問をしてはならないとかいうような規定も設けられておりますし、また訴訟法の上でも、場合によって裁判所外の尋問であるとか期日外の尋問であるとか、そういうような制度もあるわけでございますし、ある程度のものはやむを得ないと基本的には思いますけれども、運用によりましてそういう被害の拡大と申しますか、そういうものがある程度防げるようになるのじゃないかと考えております。
○渡部(一)分科員 いま刑事局長の言われたところによれば、かなりのことが訴訟指揮の際に、あるいは検察官が名誉を棄損された人に対する配慮はできるものと思われますので、その点は今後において十分の御配慮をお願いしたいと思います。 重ねてで恐縮でございますが、法廷における訴訟指揮に当たってきめの細かい対策、たとえば名誉棄損罪において告訴人を証人として法廷に召喚し、公然摘示された名誉を棄損する事実について細かく証言を求め——それはある意味でやむを得ないかもしれない、それを制限なく報道することを認めてしまう、そして裁判が決着する以前にそれがおもしろおかしく書かれてしまうというようなことになると、名誉棄損の上塗り行為になるのではないか。この点についてどのような訴訟指揮をなされるものか。どんなことができるのか。たとえば刑事訴訟規則の中で二百二条「裁判長は、被告人、証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人が特定の傍聴人の面前で充分な供述をすることができないと思料するときは、その供述をする間、その傍聴人を退廷させることができる。」と示されておりますが、こうした規定の適用によってもプライバシーあるいは名誉棄損の侵害をある程度救うことが可能ではないかと思われますが、その点いかがでございますか。 〔池田(行)主査代理退席、主査着席〕
○小野最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘のようなことでできる場合もあると思いますが、これはあくまでも特定の傍聴人ということでございまして、意図的に特にそういうことをするんだということが明らかになって、この人の前ではどうしても困るというような場合は、あるいは、それでできるのではないかというふうに思います。
○渡部(一)分科員 ここまでお尋ねしてまいりまして、大臣にまとめてお伺いしたいのでございますが、わが国の人権擁護制度の優秀なことは世界に冠たるものがあり、ユネスコにおいても表彰されているところでございますが、こうしたマスメディアを通ずる人権問題に対する対応はきわめて粗栄でありまして、先ほどからの論議を聞いていただきますと、いろいろ問題点の多い点も御理解いただけると思います。このような被害者救済を政策的にどうとっていくべきなのか、また立法上の措置としてどうするべきなのかが非常に課題になっているわけであります。今後プライバシー保護あるいは名誉の保護について、どのような政策を実施されるおつもりなのかをお尋ねしたい。 それからまた、OECDの勧告等もございまして、プライバシーについては政府の方針がいま決まりつつある途上だと思いますが、政府の方針をお伺いしたい。特にプライバシー保護の立法化の考えはないか、お尋ねしたい。といいますのは、現在裁判所でプライバシー保護につきましては判例の積み上げ中でありますが、これでは時間がかかり過ぎまして、その間の悪質な事件の発生というものを予防できないのではないかと思われるわけであり、今日の社会情勢では緊急を要するのではないかと思っているわけでございます。 意見をまぜて申し上げましたが、御答弁をいただければ幸いであります。
○鈴木(弘)政府委員 御質問にお答えいたします。 ただいまおっしゃいましたプライバシーの問題につきましては、おっしゃいましたように行政管理庁の方でプライバシー保護研究会というものをつくりまして、加藤一郎東大前学長が中心になって検討を進めてまいられる、このように伺っておるわけでございまして、私ども人権擁護機関といたしましては、やはりプライバシーの侵害ということが人権侵犯ということになりますので、どういう結果が出るかということを非常に重大な関心を持って見守っていこう、このように思っているわけでございます。 私どもは人権擁護機関でございまして、啓発をもって役割りといたしております。啓発に始まって啓発に終わるというのが私どもの仕事でございます。それで私どもといたしましては、国民の間に、自己の権利を主張する余りに他人の権利が尊重さるべきことを失念ないし軽視する風潮がある、これは先ほど御質問でおっしゃいましたようなことでございますが、こういうようなことを非常に重視いたしまして、このようなことのないように、ここ数年来、人権の共存ということを年間啓発の目標にいたしまして、そういう観念が国民の間に浸透するように努力してまいりましたし、今後ともそういたしたい、かように思っておるわけでございます。
○奥野国務大臣 渡部さんのだんだんの御意見、非常に重大な問題を御指摘になっていると思います。根本的には基本的人権についての正しい理解が国民の間に徹底することが大事だ、こう思います。まだ基本的人権の本来の意義、十分な理解が得られていない。特に出版界において行き過ぎた行為が非常に多い。これはやはり出版界自身が自粛してもらわなければならない。出版界の中に、そういう風潮を早くつくり出してもらいたいものだな、こう念願するものでございます。 同時にまた、プライバシーの問題については、御指摘になりましたOECDの勧告もあり、政府部内でも検討が続けられているところでございます。そういうことと離れて法的な措置が何かとれないものだろうか、いま御意見を伺いながら私もそんな気持ちを持ったところでございまして、今後とも十分われわれも工夫を重ねていかなければならないと思っております。
○橋本主査 以上で渡部一郎君の質疑は終了いたしました。 次に、井上泉君。
○井上(泉)分科員 私も、うっかり、きょうは最高裁を除くというこの分科会に最高裁の方に御足労願って、まことに恐縮ですけれども、お許し願いたいと思います。最高裁の方に私いろいろとお尋ねしたいことがあって構えておりましたけれども、公報を見ると最高裁は除くと書いてありますので、これはえらい無理なことを言ったな、こう思って非常に気を使ったわけですが、一部次の機会に残して若干お尋ねしたいと思うのです。 狭山事件というのを御存じだと思うのですが、いま、その狭山事件で石川君の再審を要求しておったのが却下されて、その再審が却下されたことに対して異議申し立ての訴えがなされておるわけです。こういうふうな事件で、もうすでに刑も確定しておるし、再審も却下したから、こういう事件、そう急いで調べることもないだろうというようなことで、裁判所の方が、故意とは公式の場ですから言わないと思うわけですけれども、非常にこの問題に対する処理が長引きはせぬか、一体いつごろこれはやるものだろうか、こういうふうな疑問を抱くわけでありまして、これは狭山という個別の事件に限らず、こういうふうな再審請求に係る事件というものは大体どれくらい時間的にかかるのか、一般的なものとして最高裁の御見解を承っておきたいと思います。
○小野最高裁判所長官代理者 ただいまの狭山事件のいわゆる異議書でございますが、これは昭和五十五年二月十二日に異議の申し立てがありまして、同年九月三十日に請求人及び弁護人から異議申し立て補充書が提出されたというふうに聞いております。 その後の経過でございますが、詳細は把握しておりませんが、この前の異議請求の原決定をした裁判所の期間、これは弁護人の方からもたびたび補充書というものが出ておりますし、その都度検察官の御意見も伺って多少長くかかった。しかし、異議審はちょうど一年ということでございますので、記録も相当な数に上っているというように伺っておりますので、まあ一年程度、これからどれくらいかかるか、はっきりいたしませんけれども、そう遅い方ではないのじゃないかというふうに考えております。 なお、これまでの異議審の経過時間でございますが、たとえば札幌高裁の白鳥事件は異議申し立てで終わったのですが、これは大体二年一カ月、仙台高裁の四十九年に受理した弘前大学教授夫人殺しという事件は大体一年七カ月、広島高裁松江支部の江津事件といいますのは、いま二年で現在審理中、大体一年以上はかかっているというふうになっております。
○井上(泉)分科員 そこで、もう一問お尋ねしておきたいのですが、裁判所に出された検察庁から送られた書類の中の証拠物件というようなものを弁護団が見せてもらいたい、示してもらいたい、こういうことを要請をしても、なかなか見せようとしないというようなことを言われるわけですが、これは裁判の公正を期する点からも、弁護士には、検察庁からどういう証拠物件が送られてきておるのか、当然それを示して問題はないではないかと私は思うわけです。私がここで問うのは不都合かどうかわかりませんけれども、裁判の公正という面から考えて、そういう証拠物件を見せない、示さないというようなことは、やはり裁判所としては間違っておるではないかと思うわけですが、この点はどうでしょう。
○小野最高裁判所長官代理者 この閲覧、謄写の関係でございますが、いわゆる確定記録、これは再審でございませんで、一番最初の刑を受けた、その記録でございます。この確定記録と申しますのは、いわゆる訴訟記録の方は、確定いたしますと検察庁の方で保管いたします。それから証拠物の方は、裁判所が没収したものは検察庁に引き継ぎまして没収の手続をしていただくということになります。それからその後の証拠物、これは一審で押収しましたものは一審の裁判所、それから控訴審で没収しましたものは控訴審の裁判所が、それぞれ保管するということでございまして、これは司法行政上のいわゆる裁判所が保管するということになっております。 再審請求がありました場合に、訴訟記録の方は検察庁の方が保管責任でございますので、検察庁の方に行って見ていただくということになると思います。裁判所が保管しております証拠物、これは証拠物を裁判所が保管しておりますということは、裁判が確定いたしましたら原則として、それは差出人、所有者でありますとか、その所持者に還付するといったてまえでございます。その方たちが受け取りに来ないとか、あるいは所有権が不明であるとか、あるいは、これまでに所有権を放棄するような意思表示をしているというようなものは国庫に帰属して、国で、あと処分をするわけでございますが、たまたま裁判所に残っているものは、裁判所の手元にあるということで、再審請求のために見せてもらいたいという申し出がありました場合には、裁判所では、これに応じていいという取り扱いをしているというふうに承知しております。
○井上(泉)分科員 もう一問。そういうふうに裁判所が応じておる。それで応じないということは裁判所としては不都合だ、こういう理解をしていいでしょうか。
○小野最高裁判所長官代理者 この物の保管の関係で、それが物でございますので、非常に重要なものでございまして、場合によっては、たびたび出し入れしていると壊れてしまうというようなことで、頻繁に出し入れしないようにしていただくというようなことは、あるいは御要望申し上げるかもしれませんが、再審請求にどうしても必要だということでありますと、それはその必要性ということも十分考えて、その裁判所の裁量によって決めているということだと思います。
○井上(泉)分科員 その裁量が非常に問題だと思うわけですけれども、これはまた次の機会にお尋ねすることにして、最高裁に対する質問は以上で終わりますから、よろしく。 そこで私は法務省の刑事局長にお尋ねをするわけですけれども、この狭山事件は再審が却下されて、またその却下の取り消し訴訟を提起しておるわけですけれども、その証拠物件の中で、前に、昨年の十月二十二日に横山委員の証拠開示請求に関する質問で刑事局長は、一切存在しない、出すべきものは全部出した、こういうふうに言われたわけですけれども、筆跡鑑定の上で重要な決め手であるボールペンの鑑定書については、これは出していないということで、そのボールペンの鑑定資料については調査をする、こういうことを言われたのですが、もう調査をされておるのか。どうでしょう。
○前田(宏)政府委員 ただいまの御質問の中にもございましたように、昨年・衆議院の法務委員会で横山委員から、たしか二回にわたってお尋ねを受けておるわけでございます。 当初は、まず出すべきものは出したので、残っているものはないはずだというお答えをいたしました。二回目のときには、重ねてのお尋ねでございまして、いろいろと検察庁の方にも聞いたわけでございますが、その場合に、ボールペンの鑑定書ということでございまして、ボールペンの鑑定書と言っていいかどうか、ちょっと言葉上は問題があるかと思いますけれども、裁判所に出ているものが、まず一つあるということをお答えをいたしました。それ以外に、まだないかということでございましたので、それはないということをお答えをしたわけでございます。 ところが過日、やはり上田議員の方から調査の申し入れと申しますかお尋ねを受けております。そのときにも、いまおっしゃいましたように、ボールペンの鑑定書というふうなことでございましたけれども、いろいろ伺ってみますと、実はボールペンの鑑定書ということではなくて、この事件の被疑者、つまり被告人でございますが、その人が自署した紙片、これが鑑定の対象となっておる、そういうものの鑑定書はないのか、こういうお尋ねであったようでございます。そういたしますと、どうも直ちにボールペンの鑑定書ということではないわけでございますが、関連のある鑑定書ということではなかろうかというふうに思うわけでございます。 そこで、その際に上田議員の方からも、そういうものがあるのじゃないかというふうに思われる資料と申しますか、そういうものも御提示があったということでございますので、若干観点を変えまして、そういうものなら、あるいはあるのじゃないかということで、念には念を入れて調べておるところでございますが、いま現在まだ明確なお答えをする状況にございません。
○井上(泉)分科員 そのボールペンの鑑定書というのは、これは科学警察研究所の年報に載っておるわけですが、これはお調べになったでしょうか。その認識があるでしょうか。
○前田(宏)政府委員 ただいま申しましたように、ボールペンの鑑定書ということで考えておりましたので、そういうものはないということになっておりますし、その点は変わらないわけでございますが、いま申しましたように、上田議員の方から警察の研究所の資料というものの御提示があったわけでございます。それがただいま御指摘の点ではなかろうかと思うわけですが、それによりますと、先ほども申しましたように、被疑者が自署した紙片というものの鑑定というふうになっておるわけでございます。したがいまして、全然いままで考えていなかったと申しますか、関連はございましょうけれども、いわば別の鑑定ということではないかということでございますし、そういういま御指摘のようなものの資料の御提示がありましたので、先ほどもお答え申し上げましたように、そういうことなら別な観点で、もう少し調べてみなければいかぬということに相なっておるわけでございます。
○井上(泉)分科員 それと同じような証拠の物件としての足跡の鑑定ですが、これはこの裁判の決定に非常に大きな影響を与えるものですが、この足跡は証拠の中でどういうふうに採用されておるのか、お答え願いたいと思います。
○前田(宏)政府委員 その点も昨年の法務委員会でお尋ねがあってお答えしたところでございますが、裁判所に出ております実況見分調書というものがございます。これは証拠調べを受けておるものでございますが、その実況見分調書には足跡と思量されるものの写真というものが四葉ついております。これはいわば遠景写真でございまして、足跡の接写写真とでも言うようなものではないわけでございます。 その点がどういうことであろうかという点が、これまでもお尋ねを受けているところでございますけれども、その際にもお答え申し上げましたように、実況見分調書には、いわば遠景写真が撮られているだけで、接写写真というべきものはないわけでございます。そういうものも当然あるはずじゃないかという御疑問も出ているわけでございますけれども、その点につきましては、本件につきましての東京高等裁判所の判決でも言っているところでございますけれども、その実況見分が行われた時点では、すでに足跡がついてから三十数時間以上もたっている状態で、いろいろと雑多な足跡がまじっておって、犯人の足跡そのものを判別することができなかったために、接近した写真、つまり接写写真というようなものが振れなかったのだというふうに裁判所自体が認定をされているところでございます。したがいまして、そういうものがあって出ていないというのではなくて、もともとそういうものが振れなかったために、ないんだという理解をしているところでございます。
○井上(泉)分科員 その写真は山崎巡査が撮影した。それで私の持っておる資料によると「本人の足跡が七十五センチから八十センチある、本職の身長が一メートル六十二センチあるから、被疑者は本職より背の低い男ではないかとそのとき推定した。なお、この状況を明らかにするため、山崎巡査に依頼して写真を撮影しました。右、報告いたします。」この山崎巡査が撮影した写真というのは証拠として取り上げて裁判所に出されたかどうか、その点どうでしょう。
○前田(宏)政府委員 ちょっとそこまでの具体的なことを手元に持っておりませんが、私の理解しておりますところでは、この足跡写真というものは前々から問題になっているところでございまして、あるものは一生懸命探しているといいますか、それを出さないということじゃなくて出しておるということで、検察官側に残っているものがあるというふうに聞いておりません。
○井上(泉)分科員 この狭山の石川君が、あれだけ字も全然知らなかった石川君が、何といっても自分の無実を晴らすためには字ぐらいは覚えなければいかぬ、こういうことで獄中で、もうりっぱに読み書きのできるまで文字を習得をした。私は、そういう心というものから考えても、石川君の性は善なりということが判断ができるわけであります。 そこで、再審が却下されて、それに対する異議の申し立てをしておる。そして異議の申し立てをする中で、これは裁判の結果ですからどうなるかわからないでしょうけれども、やはりその中でボールペンの鑑定結果とかあるいは足跡の鑑定の結果とかいうようなものは非常に重要なものと思います。何といっても、どんなボールペンでどんな紙にどう書いたか、本人の字がどうかということはそこでわかりますし、それからまた石川君は、そのときには字も全然知らなかったのですから、恐らく「石川一雄」とサインをするのにも大変な苦労が要ったと思うのですが、このボールペンをどういうふうな形で検察庁が証拠物件として取り上げておるのか。あるいはその足跡の鑑定というものがどんな足跡であったかということは、これは私は、犯人がそういう場所を歩いておるし、現在石川君は健康で足も何も太りも細りもしていないと思うわけです。だから、それと対比をすれば石川君の足跡であるかないかということは明らかになるわけなので、そういう点については調査を進めておると、これは二月にそういう話をされたのですから、これはいま調査がどうなっておるか。いま調査が終わっておるとは思わないのですけれども、こういう点についてはなお検察当局としては十分な調査をされて、石川君があの冤罪を晴らす重要な決め手として、弁護団が強く求めておるわけなんで、そういう点についてはきちんとしてもらいたい、こういうことを私は要望するわけですが、刑事局長、どういう御見解でしょう。
○前田(宏)政府委員 ボールペンの問題にいたしましても、足跡の問題にいたしましても、前から重要な争点の一つであるわけでございます。その点につきましては、確定判決までの裁判あるいは再審の裁判でも裁判所の判断も示されておるところでございます。しかしながら、いろいろとお尋ねも受けておるわけでございますので、検察官側といたしまして特に何か証拠を隠しておるというような疑いを受けても、私どもの立場からいいましても困るわけでございますので、念には念を入れて調査をしているところでございます。
○井上(泉)分科員 その裁判問題につきましてはまた次の機会といたしまして、私は帝銀事件の問題について若干お尋ねしたいわけです。 これは「五月会」という五十五年に出した弁護士会の機関誌ですが、その中で帝銀事件のアリバイについて裁判所の判断に対する所感として、松本嘉市というその当時の弁護士の方が、そのときの記録をずっと明確に書いておるわけで、要するに、平沢さんが犯人であるという決め手になるべきものとは反対に、この事件にはいわゆるアリバイというものが十分立証されて、それは法廷でもるる陳述をされて、るる弁護を展開をして、そうしてこれは絶対無罪だ、こういうことをそのときにも考えておったし、三十五、六年たった今日においても依然として無罪を確信をする、こう言って帝銀事件のアリバイについての所感というものを書かれておるわけです。 この弁護士の方は、何も特定の政党に所属する弁護士とかなんとかいうことではなしに、本当に老練な、今日、弁護士界の大御所的な存在、「五月会」の大御所的な存在の弁護士ですから、よもやうそは書かない、こう思うわけですが、そういう中で平沢さんが無理やり犯人に仕立てられて、そして今日死刑囚として宮城の拘置所に置かれておる。それでこの間も、これは有罪無罪争いではなしに、もう八十八の老人だからひとつ釈放してもらいたい、こういうことでお願いをして、中央更生保護審査会で審議された結果が、何かいわゆる被害者の感情から考えて無罪にすることはできないというようなことを言って、それを却下したわけでしょう。これについて大臣どうお考えになるのですか。
○奥野国務大臣 井上さんから帝銀事件の被告の問題についてたびたびお話を伺っておるわけでございます。高齢でございますから、私も情においてはいろいろ考えるととろがございます。しかし、昨年中央更生保護審査会がああいう決定を下したわけでございますし、同時にまた、再審請求で無罪になるかあるいは恩赦の決定を受けるか以外には出獄の道がないわけでございますので、私としてはやはり、現にまた再審あるいは恩赦の請求もなされておりますので、その推移を見守る以外には、どうにも、するすべはないということでございます。これらの決定を見守っていきたい、こう思っております。
○井上(泉)分科員 その平沢さんは、この間、一月。私が面会に行ったときにも、私は百歳まででも生きて元気にがんばって無実を晴らさなければいかぬ、こう決意を言われておったわけですが、その後平沢さんを救う会の事務局長の森川さんの息子さんの武彦君が養子縁組みをされて、そして二月の十八日が平沢さんの八十九歳の誕生日で、そこに面会に行かれると非常に喜んで、涙を流して喜んで、これで私もがんばる力がさらにわいた、こういうふうに言われておるわけです。 これは、八十九歳と言えば、普通何は人間の寿命が延びたといいましても、本当に高齢の部に属する平沢さんの年齢であるし、そしてそれが無罪ということを確信している中での、牢獄の中におけるがんばりが今日の高齢をまたから取ってきておると思うわけですが、こういうふうなものについて、保護局長、おいでになっておるようですが、何にもこれは道はないのですか。これはどういうことを講じたら一番先出せるか。大臣が決断をして判でもつけば出せるか、あるいはそのほかにどういうふうな便法があるのか、ひとつその辺のところをお教え願いたいと思うのです。
○谷川(輝)政府委員 お答え申し上げます。 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、確定いたしました収容者、受刑者につきまして、これを釈放する方法と申しますのは、恩赦によるかあるいはその事件が本当でなかったといういわゆる無実であったということが再審で明らかになってしまうということ以外には、方法はいまのところ法制上ございません。 先生も御承知のとおり、平沢につきましては、昨年十二月の十六月、中央更生保護審査会で恩赦不相当という議決がなされまして、そして直ちに本年の一月十六日に再びまた恩赦の申し立てがなされておりまして、現在中央更生保護審査会で寄り寄り審査を改めていたしておるところでございます。再審の方も、御承知のとおりいま継続中であるという状況でございまして、現在のところ、これを釈放する、刑務所から出す、拘置所から出すというような方法は法制上ございません。
○井上(泉)分科員 平沢さんに対する人間的な温かい配慮として、本人が今度息子さんを得たわけですから、これは牢獄の中で孤独を味わっておった平沢さんにとっては大変なことだ。だから外で一遍じかに、金網越してはなしにおまえの手を握りたい、こういう訴えがされた。私もぜひそういうふうな機会を早くつくりたい。 何ぼ元気だと言いましても、八十九歳ですから、八十九歳ということなら、きょう元気であったけれどもあした突然というようなこともあるし、せっかくそういう機会を得たのですから、何か母親が病気だとかあるいはだれそれが病気だというときには、一日、二日なり執行停止をして母親の見舞いをさすとか、あるいは葬儀に参加さすとかいうようなこともさせる道もあるわけです。そういう不幸のことで一時執行停止というかそういうことではなしに、こういう人間社会の喜びのことで一遍この社会に出して、武彦君と養子縁組みの握手をさせていただくような、そういう温情のある措置というものがとれないでしょうか。私は、一時執行停止ということはできないことはないのじゃないかと思うのですが、大臣どうですか。
○前田(宏)政府委員 先ほど来大臣あるいは保護局長からもお答えしたところでございますけれども、一般に自由刑の執行の場合には、刑の執行停止という観念といいますか考え方があり得るわけでございますけれども、死刑につきましては、死刑を執行するかどうかということがいわば執行なのでございまして、その執行の停止という、つまりいま拘束している者を途中で出すというような形のものは制度上ないというのが現行法の法制でございます。
○橋本主査 時間が参りましたから締めくくってください。
○井上(泉)分科員 時間が参りましたので、これで終わります。
○橋本主査 以上で非上泉君の質疑は終了いたしました。 次に、土井たか子君。
○土井分科員 このたび法務省は、難民認定法案などとあわせて出入国管理法として入管令の抜本改正についての御用意をお進めになっているやに私どもも聞いております。けさもそのことが大きくニュースとして報道されておりますが、新聞を読んだ限りでは、各社各様のある点については取り上げ方をいたしておりまして、もう一つその点がはっきりいたしませんので、ひとつお確かめをさせていただきたい、このようなことを前置きにいたしまして、少しお尋ねを進めたいと思います。 一九七三年に提出をされまして、私どももこれに対しては政治活動のチェックなどの項目があるということのために賛成をすることができなかった出入国管理令案というのがあったはずであります。あの節の四条十六号という個所にはどのような内容が用意されていたのか、ここでちょっとそのことについてまず御説明をしておいていただきたいと思います。
○大鷹政府委員 いま土井先生が御指摘になった当時の改正法案の中では、在留資格の一つとして、私どもまだ最終的には案が固まっておりませんけれども、今度考えております案には盛られていないものが一つございました。それは日本人の配偶者という項目でございます。これは一つの独立した在留資格として認めようというのが、当時の案にはございました。
○土井分科員 日本人の配偶者に対しての独立した在留資格を認めるという点が、今回はまだこれはお考えの外でございますか、それともやはり考えなければならないというふうなお考えで作業工事をお進めになっていらっしゃる、このようなことでございますか、いかがでございますか。
○大鷹政府委員 日本人の配偶者という在留資格は、今度の改正法案の中に盛ることは考えておりません。しかしながら、竿頭一歩を進めまして、実は日本人の配偶者につきましては永住要件を大幅に緩和するということを改正法案の中に入れるつもりでございます。したがって、入国に際しましては従来どおり一六−三ということで入っていただきますが、その後、従来永住要件として素行の善良であるとか独立家計とかいろいろなことがございましたけれども、これを一切取っ払って非常に簡単に永住できるようにいたしますので、したがって、そういう在留資格は必要ないのじゃないかと考えております。
○土井分科員 一足飛びに永住資格を緩和して認める。聞こえは大変いいのですけれども、具体例にいろいろ当たってまいりますと、それで果たしていいんだろうかと思われるような側面も実は出てまいります。現在の現行出入国管理令の四条の十五号では、もう御案内のとおり、外国人に対してその配偶者には在留資格ということの条項がちゃんと用意されているわけでございますね。そしてその外国人について言うならば、これもいろいろあると思います。留学生である場合もあれば、学術研究機関に従事するという方もあるし、それから演劇、演芸、スポーツ、宗教上の活動、さらには新聞、放送、映画、その他の報道機関の派遣員、いろいろあると思うのですけれども、そのために日本に来られる外国人については、その外国人の配偶者である外国人について具体的に在留資格を認めておる管理令という明定の規定が政令上あるわけですね。 ところが、日本人が外国人と結婚をして配偶者が外国人であるというふうな場合、これと同じように在留資格が認められているかというと、現実はそうはいっていないのです。外国人の女性と日本人の男性が結婚された場合は、案外この問題については難儀はございません。大体スムーズに事は運ぶようであります。しかし、日本人の女性が外国人の男性と結婚した場合、その外国人の男性というのは、自分の妻が日本人であるというそれに対するいろいろな配慮、それは全く在留資格の上でも入国管理のいろいろな手続の上でも考えられておりませんで、この点についてはいままでなかなか難儀があったというのが現実の問題なんです。 そのことに対しまして、いま局長の御答弁の限りではどうも私は安心がいかないという気がしてならないのですが、ひとつ在留資格の上でもこの点を明定の規定として置いておくという必要があるやに思います。かつて七三年の段階では明定の規定として置かれていた管理令が、今回は条文化するということに際して、お考えになっていらっしゃらないという理由はどの辺にあるのですか。
○大鷹政府委員 今度明文の規定を置かないつもりでおりますのは、実際上、運用で問題が解決できると考えておるからでございます。 いま先生から御指摘がございましたけれども、日本人の夫の場合と日本人の妻の場合では取り扱いが違うということでございましたけれども、運用に際しまして、法務省としてはそういう差は設けないようにいたしております。もちろん、外国人の夫の場合であっても、それから日本人の夫の場合であっても、生計が一応立つという何らかのめどは私どもは持ちたいと思っておりますが、その間何ら差別はしておりません。したがって、運用面でこの問題は十分に対処できるというふうに考えておるわけでございます。
○土井分科員 運用面とおっしゃいますけれども、それが万事恣意的な裁量に全部任せ切ってしまうことと、明定の規定があってそれに従って運用なされる場合とでは、大分にこれは運用の中身が違ってくるのです。運用面に万事任せてください、大丈夫御安心いただけますと言われても、現実に私も女性の一員でございますから、いろいろな実態例に当たりましてなかなかそこのところが安心できない。やはり明定の規定をしっかりとこの管理令の中に一条きちっと置いていただくということが必要じゃないか。これは一条というよりは、十六号というのがかつて合意されていた中身だったはずでありますから、四条十六号ということが今回は考えられていないという点、この点に対してはもう一たび再考を促したい気持ちです。どうですか、やはり明定の規定を御用意くださいよ。いかがですか。
○大鷹政府委員 せっかくの先生の御提案ですので、もちろん検討はさしていただきますけれども、しかしこの際、もしつけ加えさしていただきますならば、仮に在留資格としてそういうものを独立明文化いたしましても、特定の人に入国、滞在を認むべきかどうか、これは法務大臣の裁量になっております。したがって、そういう独立の項を設けたからといって、その人たちの入国、滞在のあれが変わるというわけではございません。 なお、先ほど先生の方から女性の立場として、日本人の妻が配偶者と一緒に日本で同居したいという場合にいろいろな困難があるという御指摘がございましたけれども、最近、そういう事例はだんだんなくなってきているはずだと私ども思っております。もし具体的にそういうことがございましたら、どうぞいつでも法務当局にその具体的な例をもって御指摘いただきたい、こういうふうに考えます。
○土井分科員 これは繰り返しになりますけれども、現行管理令の四条十五号では、外国人同士の配偶者に対して特に在留資格を認めている項目がある。ところが、日本人の外国人配偶者に対しては現行のこの管理令からすると明定の規定がない。 端的に言うと、これは運用に任せてください引こうおっしゃるわけなんですが、これは外国人の配偶者に対して明定の規定があるわけでありますから、同等に取り扱うというふうな点から考えても、日本人の配偶者に対しての取り扱いは、法制上の規定とするかしないかという点から考えていくとおくれていると言わざるを得ない問題なんです。したがいまして、これは重ねて申し上げますけれども、これは再考を促し、これを条文の上でも盛るということをひとつ切にここで申し上げたいと思います。よろしゅうございますね、局長。それは、首を振っていらっしゃるばかりでなしに、声として出していただかないと議事録に残りませんから。よろしゅうございますね、声として出してください。
○大鷹政府委員 せっかくの先生の御意見でございますので、さらに検討さしていただきたいと思います。
○土井分科員 それでいま、女性が外国人の男性と結婚した場合に、特に不利な取り扱いをやっているという例は最近ないと思う、このようにおっしゃっているわけですが、女性がりっぱに生計を立てて、そして生活をするということをきちっと構えておりましても、男性の皆様方の脳裏には、局長は違うと思いますが、本来女性というのは生計を立てる能力というのは男性に比べたら劣っている、りっぱに生計を立てていけるはずがない、極端に言うとそこまでお考えになっていらっしゃる方も中にはおありになるようでございまして、その点は運用に任せてくださいとおっしゃるときのその運用面が、だから気にかかる点も出てくるわけなんです。 具体的例があったらぜひお示しくださいということですが、ここでいろいろ具体的な名前を挙げてこういう例がありますと申し上げるのも差し支えがあろうかと思いますから、ひとつ具体的例を直に持ち出しまして問題にしていきたいと思っておりますが、そういうことが現実にまだまだありますよ。これを最近はなくなっておるとお考えになりますのは、やはり非常に現実に対して甘い考えたということを申し上げざるを得ません。こういうことからいたしましても、やはり運用面だけに賄い方を全部ゆだねてしまうというのはいかがかと私自身は思っている一人です。 さて、永住の問題、先ほど、一足飛びに、今度在留資格というのを飛び越えて、永住に対してこれを緩和するというふうなことをおっしゃいましたが、新聞の中では、いろいろこの在留資格変更の事由によって、たとえば観光客の資格で日本に来ていた女性が日本人と結婚することになった場合は、現行の取り扱いからいたしますと、観光からの資格変更というものが認められておりませんために、一たん本国に帰りまして結婚のためのビザを申請して、そしてそれを受けてもう一度入国しなければならないという、いろいろと煩瑣な手続が必要であったのが、今度はそうでなくなるということが記載されています。これは外国人の女性に限らず、日本の女性が外国人の男性と結婚をするという場合も同様の取り扱いであってしかるべきだと思うわけでありますが、これはそのとおりに理解しておいてよろしゅうございますね。
○大鷹政府委員 今度国会にお諮りするつもりにしております改正法案では、資格変更を非常に容易にできるようにしております。したがって、いま先生が御指摘になりましたような、観光のビザで入っております者が結婚の配偶者として滞在したいという資格変更の場合には、一たん外へ出なくとも、入国したまま、滞在したままできるようにいたします。その場合、日本人の夫である場合もあるいは日本人が妻である場合も全く同じように取り扱いたいと考えております。
○土井分科員 それからさらに、この永住許可について、日本人または永住許可を受けた者の配偶者または子供は、現行令では素行善良、「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有する」という要件を満たさなければならなくなっておりますが、こういう要件を満たさなくとも永住許可というものが与えられるということに今度は変わるわけでありますか、いかがでございますか。
○大鷹政府委員 そのとおりでございます。
○土井分科員 そこでその場合に、言うところの配偶者というのは男女ともに同等の取り扱いをする、このように考えておいてよろしゅうございますね。
○大鷹政府委員 その点も先生のおっしゃるとおりでございます。
○土井分科員 そうすると、この点は日本人の男性が外国人の女性と結婚する場合と日本人の女性が外国人の男性と結婚する場合と何らそこには差はない、取り扱いの上では同等である、このように理解しておいてよろしいですね。
○大鷹政府委員 そのとおりでございます。
○土井分科員 それでは、先ほどの在留資格について、日本人の配偶者に対する条項は、聞くところによりますと三月の十八日にこの管理令に対しては閣議決定の予定であるというふうに聞いておりますが、そうなんですか、いかがですか。
○大鷹政府委員 具体的な日取りはまだ決定しておりません。
○土井分科員 いずれにしても、それは閣議決定までの間にもうちょっとせんじ詰めていただいて、これを法文化するということの段取りをお考えいただかなければ意味を持たないと思いますので、その点もひとつここで確認をさせておいていただきたいと思います。よろしゅうございますね。
○大鷹政府委員 先ほどから何度もお約束いたしましたけれども、十分検討さしていただきたいと思います。
○土井分科員 さて、ほかにもこの入国管理令をめぐる問題点はございますが、きょうは国籍法の中身について、一、二お尋ねをしておきたい問題がございます。 先日、私は予算委員会の質問におきまして、国籍法の改正についても大まかなところを触れて、そしてあとは他に譲るということで質問をさせていただいたのですが、いま国籍法の改正の作業をめくって、二重国籍の多発が問題になるということを常に法務省としては指摘をされてこられましたが、どういうところにこの二重国籍の多発ということに対しての問題があるのでございますか。
○中島(一)政府委員 お答えを申し上げます。 従来も二重国籍というものはございましたけれども、現在の日本の国籍法のとっております父系主義ということからいたしまして、その人数はそれほど多くなかったというわけでございます。今度仮に父母両系主義ということをとるといたしますと、その問題がかなり多発してくるのではないかというふうに考えるわけでございます。日本国籍を有する人は日本人として処遇をする、外国国籍を有する人は外国人として処遇をするということでありますと、これは事柄がわりあい直截簡明なんではございますけれども、二重国籍ということになりますと、日本の国籍と外国の国籍とあわせ持つという人がふえてまいります。こういった人の処遇をどういうふうにしたらいいか。従来に増してそのケースが多発するということになりますと、その解消をどうすればいいか、あるいはそれでも残る二重国籍に対してどういう処遇をすればいいかということが問題になってこようと思うわけでございます。
○土井分科員 それは、二重国籍についての処遇をどのようにして回避するかという御苦心のほどをいまお聞かせいただいたのですが、二重国籍ということが具体的に起きますとどういう問題があるのですか。
○中島(一)政府委員 たとえば日本に在住する日本人が外国籍も持っておるということで、その外国の兵役の義務に服する必要があるのかどうかというような問題も起こってこようかと思います。あるいは、日本人であり外国の国籍も持っておる人が外国においていろいろトラブルが起こりましたときに、外交保護権の行使をどうすればよいかというような問題も起こってこようかと思うわけでありまして、さらには、いろいろな資格要件を付与する問題といたしまして、日本の国籍以外に外国の国籍を持っておる人をどういうふうに処遇すればいいかというような問題も考えられると思います。 それは、今後私どもの方で国籍法改正に関する情報を各省庁に伝えまして、いろいろと問題点を検討していただくということによって、どんな問題が起こってくるかわかりませんけれども、いま私どもが一応頭の中に漠然と考えております問題といたしましても、ただいま申しましたような点があるわけでございます。
○土井分科員 そこで、そういうことからすると、二重国籍を避けるということをどういうふうに持っていくかという方法として、大要二つの方法があるのじゃないか。一つは日本国籍を離脱するということ、もう一つはもう一方の外国の国籍を離脱するということ、この二つの方法があろうかと思うのですが、どっちの方に重点を置いていま法務省としてはこのことに対しての二重国籍を避ける方途をお考えになっていらっしゃいますか。
○中島(一)政府委員 ただいまの国籍法におきましても、日本国籍の離脱という方法は認められているわけでございますが、二重国籍が多発するということになりますと、こういった本人の任意の意思に基づく離脱の方法ということだけに任せておいていいのかどうかという問題が出てくると思います。その場合に、ただいま御質問の中にもございましたように、日本の国籍を離脱させる方法と外国の国籍を離脱させる方法ということが考えられるわけでありますが、その外国の国籍を離脱する方法があるかどうかというようなことも問題になってこようかと思います。現在、そういう点を中心にして諸外国に対して調査をいたしておるわけでありますが、その結果によりましていろいろと方法を考えてまいらなければならないというふうに思うわけでございます。
○土井分科員 国籍離脱の自由というのが憲法上もやはり保障されているわけでありますけれども、いままで法務省は、二重国籍回避のための手だてとして国籍法第九条がこの中身を持っているという御説明を繰り返し繰り返しされてまいりました。出生後二週間以内に日本国籍の留保の意思表示をしないと出生時にさかのぼって国籍を失う、こういう方式を国内の二重国籍回避にも考えてみるというお考えは法務省としてはおありになりませんか。いかがでございますか。
○中島(一)政府委員 ただいま御指摘ございました点もそうでございますし、それから日本国籍を取得する、日本国民として帰化をいたします場合に、現に持っておる他国の国籍と二重国籍にならないようにという規定も二重国籍回避の一つの方法であろうかと思うわけでありますが、それに加えて、何らかの解消方策を検討する必要があるのではなかろうか。たとえば諸外国の制度なども見てみますと、一定の年齢に達するまでに一定の期間日本に居住をしなかった場合には日本の国籍を失うとか、あるいは一定の年齢に達した後に他国の国籍を離脱することができるにもかかわらず離脱しない場合には日本の国籍を失うとかいうような、何らかのその他の方策をも検討する必要があるのではなかろうかということを考えておる次第でございます。
○土井分科員 それは、外国の例などもいろいろと研究調査をなさるという必要もあろうかと思いますが、現行九条ということと、もう一つは第十条の中身からいたしまして、いま諸外国の国籍法の国籍離脱条項と比べて日本の現行国籍法というのは一体どういう関係にあるのかということもお進めになっていらっしゃると思うのですが、諸外国の場合と現行日本国籍法の場合とでは、大要どういうふうにこの中身が違っておりますか。
○中島(一)政府委員 諸外国ということになりますと、数も多うございますし、制度もさまざまでございます。そういった点につきまして現在調査をして、それを踏まえてわが国の国籍法をどういうふうに持っていくかということを検討する必要があろうかと考えておる次第でございます。
○土井分科員 これは国籍離脱という点についてだけ申し上げれば、私も最近、国連の婦人年でデンマークまで赴きました節、西ドイツ、スイス、スウェーデン、デンマーク、それぞれ国籍法の改正をもうすでにしている国々の実態などもできる限り聞かせていただくために行ってまいりました。しかし、この点についていろいろ考え方を進めてまいりました節、やはり国籍離脱ということによる二重国籍回避には、どうも日本の現行国籍法の規定で十分できるんじゃないかという考え方も私たちの中にございます。わざわざその点について、国籍法の上で国籍離脱という観点から変えることが必要であるということで、さらにいろいろな御研究を積まれることもまあ無意味とは言えませんけれども、しかしこの点は、いままでも第九条によって二重国籍の回避のための意味はあるということを言われ、第十条について国籍離脱ということについての中身もこれは定められているということでもございますから、二重国籍回避の一つの手だてとしてある国籍離脱という点から言うならば、現行国籍法の規定で十分ではないかというふうな読みを、私たちとしてはこの点については持っているわけであります。これは後で御感想をひとつ、この点について明確な答弁をお聞かせいただくというのは短兵急なように聞こえるかもしれませんので、おいおい法務委員会の方ででもせんじ詰めてまいりましょう。しかし、いまの点について感触としてはどのように考えていらっしゃいますか。
○中島(一)政府委員 確かに現在でも離脱という方法はあるわけでございますけれども、先ほどから申しておりますように、二重国籍が多発してくるのではなかろうか。特に二代後、三代後には四重、五重の国籍、重国籍というものも出てくるのではなかろうかということを考えますと、現在よりはさらに積極的な方策を考える必要があるのではなかろうかということを考えるわけでございます。
○土井分科員 これはさらに、法務委員会の方で詰めてまいりましょう。 最後にもう一問だけお尋ねをしたいと思います。お尋ねというよりもひとつ努力方をここで申し上げたいと思うのですが、来る三月三十日に、国籍法違憲訴訟を提訴いたしまして、裁判所でずっと問題にしてまいりました、アメリカ人と結婚をいたしました日本の女性が、東京地裁でございますが、判決を受けるわけであります。三月三十日ということが予定になっておりますが、判決がございました場合、法務省としてはまずその趣旨を尊重していただきたいということ、これは当然のことだと思うのですが、もし法務省がこの裁判に負ける、敗訴をするというふうな場合においても、控訴をして、いま無国籍になっている子供の無権利状況というものを長引かせるということはひとつやめていただきたい。できる限り国籍法の改正の推進について努力することこそまず先決問題であるという姿勢でお臨みいただきたい、このことを法務大臣に申し上げたいと思うのです。実は、いま提訴をして裁判途上にございますこの事件では、この子供自身が無国籍でございます。この問題もあわせて御念頭に置いていただいて、いま私の申し上げたことについて法務大臣からの御意見を承って、質問を終えたいと思うのですが、法務大臣、よろしゅうございますね。
○奥野国務大臣 日本の国籍法、合憲という立場でおるわけでございますが、同時に、先ほど来よりるるおっしゃっているような方向で、いま改正を考えている最中でございます。いずれ判決がありました場合に、その時点でよく考えていきたいと思います。
○橋本主査 時間が来ましたから締めくくってください。
○土井分科員 よく考えていきたいと思いますというお答えは、いただかなくともそんなことは初めからわかっているので、いま私が申し上げたことは、たとえ法務省が敗訴という結果になりましても、いたずらに控訴をするということよりも、やはりこれは国籍法改正に向けて努力をされている最中でございますから、まずその国籍法改正に対して努力を傾けるということでこのことに臨んでいただきたい。だから控訴をするということをやめて、この国籍法の改正の方向に努力をしていただきたいという、こういう気持ちを含めて私は申し上げているわけで、法務大臣のいまの御答弁ではそこのところの意が通じていないように私には思われますから、再度お答えをいただいて、私の質問を終えます。
○奥野国務大臣 土井さんのお気持ち、よくわかっております。結果が出ましたら、よく検討さしていただきます。
○橋本主査 以上で土井たか子君の質疑は終了いたしました。 次に、平石磨作太郎君。
○平石分科員 まず大臣にお尋ねいたします。 私は、同和関係について御質問申し上げたいと思います。いまの同和対策事業特別措置法のもとにおいて、差別ということをどう大臣はお考えいただいておるか、一言で結構でございますのでお知らせいただきたい。
○奥野国務大臣 部落差別のことをおっしゃっているんじゃないかと思いますけれども、全くいわれなき差別が今日なお結婚、就職等の場合に現存していること、恥ずべきことだ、こういう気持ちでおるわけでございます。
○平石分科員 総理府はお見えになっていますか。——総理府の御意見を伺いたい。
○小島(弘)政府委員 ただいま法務大臣からお答え申し上げましたとおり、政府全体として恥ずべきことである、できるだけ早期に解決しなければならぬ問題である、こういうふうに考えております。
○平石分科員 いまのお考えをお聞きしまして、一般的な話としての御意見ではわかります。だが私は、この現行法がなせてきたか、そして部落差別というものの、いわゆる差別の痛さがわからない。私はやはり、行政を進める者としては部落差別の痛さ、ここをまず起点に置いてこの問題に対処していただきたい。 ここにたくさんの差別事件の例が挙がっております。もう社会のあらゆるところで差別が生まれておるわけです。したがって、結婚の問題や就職の問題、さらには職場での差別事件、あるいは教育現場におけるところの差別事件、地域、日常差別の実態が出てきておる。さらに行政関係においてすら差別が生まれておる。私はこういうことを見たときに、やはり部落の方々が差別を受けてみずから命を絶つ、こういったような状態が相次いでおる中では、やはりこの痛さというものを根底に置いての諸施策というものが必要ではないか。私は、そういう気持ちではやっていらっしゃるとは思いますけれども、この現行法ができてから非常に実態が変わってきました。新たな差別が生まれてきた。 そういうことから見たときに、行政担当として人権擁護に当たっておられる大臣として、私は、そういうこれからの差別に対する認識というものをひとつ改めていただきたい。どういうようにこれから対処したらいいのか。いままで人権擁護でやってこられ、特別措置法が施行せられていろいろ差別が変質をしてきました。そういうことを踏まえて、これからの決意あるいは対処の仕方、一言で結構ですからお知らせをいただきたい。
○奥野国務大臣 差別の問題、人間の心に発している問題でございます。それを解決するためにはあらゆる方法、あらゆる方面において努力を積み重ねていかなきゃならないと思います。 いま教育の現場でも行われている、企業の内部においても行われているという式のお話がございました。また法も、各方面において差別事象をなくする配慮を進めていくたてまえをとっているわけでございます。したがいまして、一口に、こうやれば問題は解決するのだ、そういうことではなかなか問題は解決しないと私は思います。みんながすべて、こういういわれなき差別・社会悪、これを根絶していかなければ文化国家とは言えない。人権というものは常に相手の立場に立つ姿勢が必要だと思うわけでございまして、そういう意味で、自殺者まで出ているじゃないかと御指摘になったのだろうと思います。やはり基本的人権というものを正しくみんなが理解する、そして相手の立場に立って物事を考える姿勢を失わない、そういう意味の自覚といいますかあるいは啓発といいましょうか、そういうこともさらに強力に進めていかなければならない。私は、一つの処方せんて解決をすると思っていては実りが少ないのじゃないかな、全般的に努力を根気よく続けていくということ以外に、そう簡単にいかないのじゃないかな、こんな心配をしているわけでございます。これからも大事なことでございますから、全力を尽くしていきたいと思います。
○平石分科員 いまの大臣の御言葉にありましたように全体が、社会一般にもそういったような、いわゆる同和対策事業特別措置法がなぜ生まれたか、ここからひとつ考えて物事を進めていただきたいと思うわけです。 そこで具体的なお話に入ってまいりたいと思いますが、大阪で落書きあるいは投書、こういったようなことで、大阪の人権擁護局が告訴をしております。これはやはり従来と差別というもののつかまえ方が違うてきたんじゃないか。差別は、ただ差別がありますからこれはいけないことでございます、やめましょう、法のもとの平等というような、そういうただのことでなしに、一つの差別事件としてそれをここで把握していくということは、対処の仕方が変わったんじゃございませんか。告訴に踏み切ったことは私は結構だと思うのですが、どういうことで告訴に踏み切ったのか、その理由をひとつお聞かせいただきたい。
○鈴木(弘)政府委員 御質問にお答えいたします。 ただいまおっしゃられました事件がございまして、大阪法務局で取り扱っておるわけでございますが、事柄自体きわめて悪質な事件だという認識がまずございます。それから、この事件というのはだれがやったかということが非常に調べにくいわけでございまして、事柄の悪質とそれから調べにくいというところから警察当局に捜査をお願いした、こういうことでございます。
○平石分科員 なかなか対処の仕方もむずかしい問題でございますが、これを契機にして、やはり差別という事象に対しての法的な一つのつかまえ方が法務当局のいわゆる人権擁護という立場から具体的にあらわれてきた、これは私は評価していいのじゃないか。したがって、すべてを告発せいとは私は申しませんけれども、ただ、従来の差別というものからは多少行政当局の、いわゆる法務当局の対応の仕方というものは一歩前進しておる、これだけは私も評価できると思います。 そこで、法務省がこの前、地名総鑑の関係資料を五十二年三月二十八日に衆議院予算委員会に要求資料として提出をしております。これはもう地名総鑑が発覚をしてから六年、そしてこのことによっていわゆる潜行的にこの差別というものが進められている、こういうことが言えるのじゃないか。この五十二年の三月二十八日に要求資料としてここへ出されておりますが、この以降においてこういったものがございますか、お知らせをいただきたい。
○鈴木(弘)政府委員 お答えいたします。 いままでのところ、法務省におきましていわゆる差別図書について調査いたしました結果は、差別図書の種類は八種類でございます。それから、そういう差別図書を購入した企業というのは二百十七社でございます。(平石分科員「それ以降はないのですか」と呼ぶ)最近までの調べ上げがそういうことでございます。
○平石分科員 ここに資料もございますが、八種類、九種類という形で地名総鑑が出されております。そして購入企業は二百十七社、このようにいま御答弁をいただいたわけですが、これを見てみますと、八つに分かれたこのそれぞれの種別において、部数は、「部落地名総鑑」としては五百部出されておりまして、これが処理済みという形で法務省からここに報告が出ておるわけです。具体的になって恐縮でございますけれども、この処理済みというのは、これは回収をしたとか、いろいろな形で一応五百部がはっきりわかっておるわけです。そして未回収というのが五十四部残っておる。そして一部は焼却処分をしていたことがわかった。それからあと残りの五十三部について、一部は東京駅でどこかに売った、あと五十二部は自宅において発行者が焼却処分にした、こういうことが記されておりますけれども、現に一冊また出てきた、購入したというようなことを聞くのですが、そういう事実はありますか。
○鈴木(弘)政府委員 御質問にお答えいたします。 お尋ねの地名総鑑につきましては、出版されたと認められる約五百部のうち、四百四十六部は法務局が現物を回収いたしました。残り一冊は販売先が不明、一冊は企業が焼却しております。そして、その残りが約五十二部ございましたが、これにつきましては発行者がみずから焼却したということでございましたので、焼却に使用した焼却炉を調べましたところ、本件地名総鑑の製本に使用したとじくぎ十数本が見つかったわけでございます。それで本人の供述は一応信用できるものであると考えました、したがって法務局といたしましては、可能な事案の解明は一応できたもの、調査を終了したものと考えていたのであります。 しかし、法務局において引き続き、同種地名総鑑の購入企業の発掘及び現物回収のための調査を続けてまいりましたところ、一冊が見つかった、こういうことでございます。したがいまして、この第一番目の種類の地名総鑑がいまだ多数出回っているということはないものと考えておりますが、発行者が焼却したという部数がすべてぴたりと合うというような物的な裏づけ証拠が得られたわけではございませんので、その意味ではいまだ回収されていないものがないとは断じがたい。したがいまして、当局といたしましては、引き続き購入保持している企業はないかを調査してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○平石分科員 簡単にお願いしたいと思います。いまの点はもうわかっております。だから、この後に出てきたのをどうするかということです、私のお尋ねは。前からのは説明は要りません。 そこで、地名総鑑というのは、これは法務省の方でこのようにしておられますけれども、非常にむずかしい。増版をしていく、こういったことも私はあり得るのじゃないか。このように考えてみますと、きれいに処理済みだといったような御報告はなされておりますけれども、また後から出てくる、ここがやはりむずかしいところであって、私はそういうことを考えるときに、前段申し上げたように、この差別というものについての認識をはっきり一つのものに据えてこれから対処していかないと、こういうことが後へ後へと出てくるのではないかということで、これを例に取り上げたわけです。 そこで、これは発行者がわからないとか、あるいはニュースソース、資料の入手先等が不明であるとかいったようなことがいろいろ出ておりますが、これも引き続き調査はしておるのですか。もしおわかり願っておれば簡単にお知らせをいただきたい。
○鈴木(弘)政府委員 御質問にお答えいたします。 地名総鑑等の差別図書の発行者あるいは発売者等は、机一個と電話一本を借用して商売をする、いわゆる一卓屋的なものがほとんどでございまして、中には右翼団体や暴力団とのつながりを誇示する者もあり、法務局の調査を拒否したり、行方をくらましたりしてしまう者や、あるいはすでに死亡した者などもございまして、事案の真相解明には多大の困難があるわけでございます。しかし、法務局の調査は任意調査でございまして、強制調査権はございませんが、これらの発行者らに繰り返し繰り返し接触し、説得を重ねて、二百十七の購入企業を解明したものでございます。 発行者等の中には法務局の調査に一切応じないというような者もございまして、調査が難渋いたしておりますが、さらに努力を続けて事件の解明を図っていきたい、このように考えておる次第でございます。
○平石分科員 そこで、この地名総鑑について、売買をもとにしてまたいろいろな複雑な問題が起きておるようです。ここにも領収書の写しがございますけれども、おたくの地名総鑑の買い入れの申込書を持っておる、この申込書を買い取ってくれぬか、買い取らなかったらこうするぞ、こういったまことに差別を食い物にするような犯罪行為が行われている。そして、ここに、二十万円というお金を払いました、受け取りましたという領収書の控えがある。こういう実態をどのようにお考えですか。簡単でいいです。
○鈴木(弘)政府委員 御質問にお答え申し上げます。 昭和五十三年七月ごろ、お尋ねの地名総鑑の購入企業のうちの一社が、ある男から同企業が、地名総鑑を購入した際の購入申込書でございますか、これを買い取るように求められて、二十万円で買い取った、そういう事実があったことは大阪法務局の調査でわかっております。 ただ、調査いたしましたところ、その買い取った企業は、その買い取りについては任意にこれを行ったものであって、決して恐喝されたものではないのだ、二十万円は恐喝されたものじゃないというようなことを言っておるわけでございます。それで、これも刑事事件になるかどうかというような事件で卑劣な事件でございますが、ただ企業の方が恐喝されたのではないということを言っておりますので、いまのところ、捜査するかどうかということは、本人の意思に任せるのが適当だということで様子を見てはおる、こういうところでございます。
○平石分科員 いま実態を把握しておられるようですが、犯罪を構成するかどうかはまだ未知教だ、こういうお話でございます。 それはそれといたしますけれども、やはりこういう行為が行われるということ、これは大きな差別の問題として、私は、法務当局は当然このことについて注意を喚起して、今後こういうことが続発しないようにやはり取り締まるというか、そのことを考えていただかねばならぬと思うのですね。今後こういうことが起きる可能性があるという問題についてどのように対処せられるか、簡単にお答えをいただきたい。
○鈴木(弘)政府委員 私ども人権擁護機関でございまして、その役割りといたしますのは啓発でございます。啓発に始まって啓発に終わる、こういうことでございます。しかも、こういう差別事象といいますものは差別意識がもとになっておるわけでございまして、いささか迂遠ではありますけれども、やはり最も抜本的で効果的な差別解消の方策というのは啓発だ、私どもそのように確信いたしておりますので、いままでも積極的に努力はいたしましたが、より積極的に、かつ、粘り強く啓発活動を続けて国民の意識の変革を求める、このようにいたしてまいりたいと思っております。
○平石分科員 特別措置法ができまして、これがもう来年の三月で一応期限切れということになってまいります。この法律ができて今日まで行政的に取り組んでまいりましたが、どのようにこれを評価しておられるか、これは総理府へお伺いしたいと思いますが、いわばこれの功罪といいますか、それについてお聞かせをいただきたい。
○小島(弘)政府委員 法律制定以来もう十一年余を経過してまいっておるわけでございますが、その間、物的施設と申しますか生活環境の改善等等、物的施設の整備の面については相当程度の進捗を見ておると考えております。なお、その他非物的な、いわゆる進学の奨励あるいは就労の改善というようなさまざまな問題についても相当改善を見ておるものと考えておりますが、なかなかこれは数量的に何割とかということになじまない面もございます。 われわれは、またさらに、これらのいままでの経緯、実績を謙虚に反省しながら、五十七年度以降いかなる施策が同和問題の早期解決に最も有効であるかということについて、真剣に検討してまいっておるところでございます。
○平石分科員 この法律ができてから、まことにこれは残念なことではありますけれども、非常にこの差別事件が多くなっておるわけですね。大臣もおわかりだと思います。法務省のこの調査を見ましても、年々これはふえておる。そして、運動体におけるところの調査との間には大きな隔たりがあります。 〔主査退席、横路主査代理者着席〕 運動体の方で調べた差別事件というものから見ると、法務省が実際に実態把握をしたものはいわば三分の一程度しかありません。それはそれといたしましても、これだけふえてきた。したがって、憲法で法のもとに平等である、人権尊重、こういう近代平和憲法のもとでこういうことはあり得べきことではありません。そして、法律ができてから以降、法律のもとで差別が増幅されておるということ、そういう点から、私は、この法律について、いま御答弁をいただきましたように、事業そのものをいろいろ進めてこられたわけですが、もちろん事業を進め、環境改善を行う、そのことは必要なことでありますから、当然のこととしてそのことを進めていいのですが、いま前段でいろいろと御答弁いただきましたように、やはり事業だけやれば事足れりだ、予算さえつけておけばいいのだ、こういうことでは私は部落差別の解消にはならない、こういう反省点があろうと思うし、そして、このことがもうすでに時間切れの秒読みに入ってきたわけです。それで今後の問題として、この特別措置法についてどのようにお考えになっておられるのか。この法律ができて大きく環境改善等が進歩してきました。前進をしてきました。だが、まだまだそういった面についても完全なものではありませんし、そしてこういう差別が増幅されるということを考えたときに、やはり国は法律というものをこれから先さらに内容を強化し、延長していくということが必要ではないか。この可否について大臣のお答えをいただきたい。
○奥野国務大臣 この法律の延長問題につきましては、総理が質問に答えられまして、八月ごろまでには結論を出したい、こうおっしゃっておるわけでございます。われわれもどうすれば差別問題が解決できるか、よい方法をみんなで工夫していきたい、こう考えておるわけでございます。
○平石分科員 いま大臣、総理が八月ごろには、こういうことの御答弁でございます。結論を出すということは、これはやはり前向きに考えていただくということですね。
○奥野国務大臣 延長するかしないかという結論を八月いっぱいには出したいと思う、こう答えておられます。
○平石分科員 法務大臣はどうお考えですか。
○奥野国務大臣 私もどういう方法を講ずることが解決に一番適当であるかということを真剣に考えていきたいと思います。
○平石分科員 先ほどからも申し上げましたように、非常に事業偏重といいますか、その事業については比較的進んでまいりました。私もこれには行政の中で取り組んでまいりましたが、同対法ができて運動体の方から非常に事業の要求が出てくる、そして、行政はどう対応するか。うろうろです。何にも対応すべき方途がないまま、私たちが長期計画をつくったのがようやく五年です。行政がこれに対応して立ち上がってきたのは五年かかっておる。そして、総理府に同封室ができたのも法律ができてから五年目にできております。このように全体の行政の対応がおくれたということもございます。そして、十年を迎えて三年間の延長になりましたが、事業としては大きな事業が残っておる。その事業だけとらえてみましても、五年は空白期間があった、このように私は考えておるわけです。そういう面から見ましても、やはりこれは延長すべきであろう。そして、さらに他の差別事象が出てくるということから考えたときに、教育の問題、人権の問題、福祉の問題、労働の問題、部落では生活保護法の適用者が一般の地域に比べて三倍もある、失業者がよその地域に比べて五倍もあるというこの実態を考えたときに、先ほど法務大臣がおっしゃったように、やはり総合的な面から見直しをして法律を強化、延長していかにゃならぬ、このように私は考えるものですが、大臣のお言葉をいただきたい。
○奥野国務大臣 部落差別を根絶しますためには、国も地方団体も国民みんなも自分の問題として真剣に考えていく、平石さんが先ほどおっしゃいました相手の立場に立つ考え方、非常に大事なことじゃないかな、こう思うわけでございまして、各省がそれぞれ役割りを分担していると思うわけでございますけれども、特に人権問題を担当しています法務省の責任も重いものだ、こう思っております。
○平石分科員 ここへ総理府総務長官がお見えいただければ非常によかったんですが、他の委員会においでるようで残念でございますけれども、私は、いま申し上げましたように、これがそのまま日切れになってしまう、そして。このように実態はたくさん増幅された形に出てきて、しかもそれが悪質化してくるという現状を考えたときに、もっと法を整備して総合的な立場からこの法律というものそして部落差別というものをいわゆる国の責任において、行政の責任において解決するように強く要望したいわけです。したがって、私どもは、これについては過去各政党が話し合って政府提案で出されてきました、そういう経緯を踏まえて、さらにいろいろと話し合いも持っておるわけですが、ひとつ政府も積極的にこれに対応していただきたい、こう思うわけです。大臣、ひとつお考えをいただきたいと思います。
○奥野国務大臣 おっしゃいましたように、当初各党間で話し合いをしてきたわけでございまして、私もしばしば話し合いに加わってまいったものでございます。事柄が非常に重要なことでございます。問題は、どういうような方法を進めていくことがこの部落差別を根絶するのに一番よい方法かということでございますので、いまの御意見もよく理解してみんなで結論を出したいと思います。
○平石分科員 以上で終わります。
○横路主査代理 以上で平石磨作太郎君の質疑は終了いたしました。 これにて法務省所管の質疑は終了いたしました。 —————————————
○横路主査代理 次に、総理府所管について審査を進めます。 環境庁に関する事項について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。 ただいま石油公団理事佐藤淳一郎君に参考人として御出席いただいております。 参考人の御意見は、分科員からの質疑によってお述べいただきたいと思います。 新盛辰雄君。
○新盛分科員 開発による自然破壊や公害の発生を事前に防止しようとする環境影響評価法案、懸案のいわゆるアセス法案について、昨年来、政府の原案がまとまりながら、産業界などの反対等もあってついに国会に提出をすることにならなかったんでありますが、今次の国会ではこのアセス法案を提出をするおつもりであるかどうか、大臣の決意をまずお聞かせいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 私ども、万難を排して努力をして御理解をいただき、この国会で御審議をいただきたい、こう考えております。
○新盛分科員 その万難を排してという言われ方は、昨年もそういうふうな前大臣のお答えもございましたが、いま自民党内部では、電源立地推進のたてまえからこのアセス法案を提出をすることはどうかという慎重論も出ているというふうに聞いています。関係閣僚会議等でも慎重に論議をしていくということでありますが、いま環境庁長官のお答えでは万難を排してということですが、また昨年のように提出をされないことになりゃしないかという危惧を持っているんですが、どうですか。
○鯨岡国務大臣 御承知のように、昨年は政府の案がまとまりましたのが五月に入ってからでございまして、したがいまして昨年とことしとを同一視することはできないと、私どもは考えております。 それから第二番目の御懸念でありました電源立地の問題、これは自民党の中にもそのために心配する組織ができたこと、おっしゃるとおりであります。そしてそのことは別にこの環境アセスメントと離反するものではない、また離反してならない、少しも離反するものではない、私はこう考えておるわけでございます。
○新盛分科員 総理府あるいは環境庁の二月十六日発表によります国政モニターの意識調査によりますと、九三%の人が早期法制化を強く望んでいる、しかも全国四十七都道府県、十政令指定都市のうちすでに十八自治団体が環境アセス条例や要綱を決めてもうすでに制定をしている個所もあるわけですね。こうした中で、いまおっしゃいましたうらはらの関係で、エネルギー開発と環境保全の両立という関係でこれは進めていくことができるのではないかといういろいろ御意見もあります。しかし、あくまでも環境保全が優先であり、そしてエネルギー開発導入はその上に立つものであるか、いわゆる両立てなくて、どちらが先かということを問われたら、大臣はどういうふうにお答えになりますか。
○鯨岡国務大臣 要するに経済の開発といいますか、経済の問題と環境の問題とどちらが先なのかというような質問が——先生の質問がそうだとは私は考えません。もしそういうことを言う人があったとすれば、このくらい愚問はない、私はこう思います。 それから、総理府の統計の話もありましたが、私は意を強うしておりますし、また当然のお答えが出たと考えておりますのは、わが国は戦争が終わってから大変経済的に惨めでございました。これを何とかしようというので、全国民が一生懸命になってやったわけでありますが、その過程においてどこの国も経験したことのないほどの公害というものに見舞われた。しかし、それも国民の英知と大ぜいの方の努力によってずいぶん解決してきたことであります。再びこういう災いをしてはならない、同じ過ちを再び繰り返してはならないということは当然のことでありまして、そういうところから国民のそういうお答えが出たんだと私は考えております。経済も大事、それから環境の保持も大事、こういうふうに私は考えます。
○新盛分科員 大臣は新大隅開発計画、昨年の十二月鹿児島県が策定計画したことについては御存じですか。
○鯨岡国務大臣 正式に私どもの方に示されたということはありません。ただ、新聞にも載っておりますし、そういう計画を書類によって送られたことはありますので、その限りにおいては承知しているということにもなりますが、正式にこういうことでどうだろうなどというようなことはいまだないのであります。
○新盛分科員 新大隅計画に対して、大臣が一月二十六日に新大隅計画の三号用地の石油備蓄計画に対する陳情団に対して、これは鹿児島県の宮原副知事に対するお答え、さらには二月二十日に新大隅開発地元期成会が陳情したことに対するお答え、そのことでいま先ほど冒頭から申し上げている大臣のお考えをお聞きするわけです。 大規模の埋め立てや国定公園の解除には同意しない、これまで一貫して環境庁はその筋に沿っていたわけであります。しかし、この日南海岸国定公園特別指定の地域の自然景観に致命的な影響を与えるので、国定公園の指定を解除する考えはないという、これは従来環境庁がそういうふうにお答えになっておりますし、つい最近中島発言として出てきたわけであります。しかし、大臣は一月二十六日に三号用地の石油貯蔵施設については景観上配慮すれば検討してもいい、考えるに値する計画だとおっしゃっています。これはどういうことなんですか。その真意をお聞かせいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 全くおっしゃるとおりの経過でございますが、先ほど申し上げましたように、開発計画というものは新聞に載っておりましたし、それから書類でも送ってまいりました。それによりますと、私は実際には見たことがないのですが、写真で見る限りにおいて非常にきれいなところで、あれは国が決めて公園にしているわけでありますが、それとはなじみません。あのとおりにもしやるんだとすれば、国で決めている法律、この公園というものは解除しなければならぬ、それは明らかであります。そのことを私の役所では再三にわたって言っていたんですが、私のところへやってきた案はいま先生がおっしゃったようにその一部であって、その計画どおりじゃない。しかもそれは松原とか砂原とかいうようなところを全部壊してしまって何かやるというものでもない。初めはそういう案だったのですが、そういうものでもない。海の中に出島をつくって、しかもその出島が遠くから見たらば島だけだというような形のものだ、だんだんこういうことになってまいりましたから、そういうものならば、計画が出てからでなければはっきりしたことは言えないが、考えるに値するだろうということを申しましたので、事前に私の役所が申しましたのも私が申しましたのも、私どもはそこに矛盾を感じてはいないのでございます。
○新盛分科員 それはどうも聞き捨てならないことでして、矛盾をしているんじゃないですか。まず歴史的な経過から思い起こしていただきたいと思うのです。四十六年十二月に新大隅計画というのが鹿児島県から発表されました。地元の強い不満の声が上がり、また運動も起こって、結局はこの住民の強い反対で四十七年八月、第一次案としてこれは廃案になったのです。その廃案になったのを今度は五十一年六月に縮小して、新大隅開発の新しい部面として日南海岸国定公園特別地域にいわゆる新しい各工業用団地をつくるという形で発表がされました。しかし、これに対しても——実はその計画自体は隠されておりまして、五十三年十月に重要港志布志港の港湾改定計画として今度は九十八ヘクタールのこの海浜の埋め立てを申請をして、これが五十五年六月、運輸省の埋め立て許可がおりているわけです。その際には、白砂青松の十六キロにわたるあの国定公園日南海岸の特別地域指定の個所、その一部分をすでにお認めになっておられる。しかも、これは解除じゃない、自然公園法で言う解除をしたんじゃない、こういうふうに言われておるのです。いま大臣がお答えのように、環境上の問題として決して白砂青松のところを侵しているんじゃない、こうおっしゃっていますが、実際にはこの九十八ヘクタールの埋め立てがいまなされつつある。しかもこのことに対して地元では埋め立て認可の取り消しを要求して鹿児島地裁に提訴中なんです。そういう状況を踏まえて環境庁の当局が、これまではよろしいけれども今後はもうこれ以上の埋め立ては絶対に許さない、こういうように明言をしておられたわけです。明言をしておられたその直後に実はいまの大臣の、矛盾しないとおっしゃいますが、五十五年十二月に、縮小版だとは言え、大体、ほぼ先ほど申し上げた第二次原案というのが実は今度の新大隅開発計画であるわけです。 それによりますと、三号用地で七百三十ヘクタール、これは海浜の埋め立て、一千万キロリットル石油備蓄、三十万バレル石油精製立地、二号用地二百五十ヘクタールの造船、機械ほか、一号用地七十ヘクタール、食品加工、合計千五十ヘクタールの国定公園内の埋め立てが計画をされた、こうなっているわけです。この十六キロの白砂青松の特別地域がもうすでに十キロ近くこの三号用地埋め立てによって侵される、こういうことになってきたので、これは大変だ、こういうことから両者からの陳情合戦になっているわけですね。だから、反対派の方々に対しては絶対これ以上の埋め立ては許しませんよ、賛成派の方から来られれば景観を配慮すれば半地下方式、四メートルの高さのタンクを出すのならば見てくれもそう悪いわけじゃない、だから最初に検討してもいいだろうと大臣はおっしゃったわけですね。ここのところで、やはり国定公園の解除というのはなされないまま備蓄を、環境という部門を外すという話がありましたが、そのことは別にして、どちらが優先をするかということの中で、環境庁としては、聖域に踏み込まれて環境庁が持っているいままでの既定の概念を侵される、それをしもお認めになるのか、こういうことです。矛盾しているわけです。このことを明確にお答えいただきたい。
○鯨岡国務大臣 詳細は担当の局長にお答えさせますが、先生、前から言われているこの案、地図で書けば一番上の方へ港をつくろう、これはよろしいということになっているわけですよ。反対はあってもその港をいまつくって、その工事は全体の一割ぐらいまではできている、こういうことでございます。それから、ずっと白砂青松があるところへいろいろなものをつくろうというのがいまの計画、それはだめですよ。それは困ります、その案は困ります。それでは私どもの方としては国定公園の認定を外して国定公園でなくしなければなりません。国定公園でなくすることは地元で賛成なのかと言うと、せっかくの国定公園をなくされては困るというのも地元の考え方のようであります。反対は幾らかあるでしょうが、大方の考えはそのようでございます。そこで、どう考えたのか、そこの一部のところへ出島をこしらえて、いま油は非常に困っているからあそこの一部に油を貯蔵するものをつくろう、それは松林も砂浜も全部いじらないでその前の方へ出島をつくろうという案を考えて持ってこられたから、それはどんなものをつくるのですかといろいろ聞いてみると、遠くの方から見るとタンクも何も見えないのだという話だから、それなら考えるに値する、もっと具体的なものを持っていらっしゃい、いまのところいいも悪いも言えませんよ、しかしそれならば考えるに値するな、こう言ったのでございまして、いままでの案をそのままやって松林も壊してしまいます、砂浜も壊してしまいます、それで、国定公園にしておけ、それはできません、こういうことでございます。
○新盛分科員 それでは態度の変更はない、あくまでも白砂青松の国定公園として、そのことについては解除していく気はない、こういうことをはっきりとおっしゃったので、じゃ、中島発言というのは否定されているわけじゃないですね。 〔横路主査代理退席、池田(行)主査代理着席〕 あくまでも、これ以上はもう許しませんよということについては環境庁長官もそういう気持ちですね。一問一答ですからイエスかノーで。
○正田政府委員 いま先生お話しの中島発言というのは、私どもの中島課長の陳情のときの話だろうと思っておりますが、その際も、安易に国定公園を解除しないという従来の基本的な思想に立って申し上げておるはずでございます。 さらに、いま大臣が大綱及び具体的な面において若干御披露申し上げましたが、その点においても変わっておりません。したがいまして、指定という問題とそれ以外の行為の問題と一応区別して大臣がお話しになった、こういうふうに御理解いただければありがたいと思っております。
○新盛分科員 それでわかりました。 その半地下式タンク備蓄様式、いわゆる自然を侵さない、環境を侵さない形であるならば、三号用地にいまつくろうとする計画を練り直してもっとそういうふうな面で検討するに値するのだ、こういう言い方をしておられるわけですが、原則的にはこれは石油備蓄のタンクをつくるのですから、見てくれがどうのこうのと言っても景観を侵していくことには間違いがないのです。出島方式か陸続き方式がわかりませんが、いまのところ出島方式が非常に有力だと言われておりますので、この辺はまだ明確じゃないのですが、結局地下式のタンク備蓄であればよろしい、こういうお考えなのですか。
○鯨岡国務大臣 よろしいとかよろしくないとかいう段階でないのです、詳しいことはまだわかっていないのですから。 ただ、これは私も先生も同じでしょうが、日本の石油の備蓄はよその国に比べて必ずしも多いわけではない。石油に依存するところが非常に大きい国ですし、値段もどんどん変わっていくのですから、備蓄するところをどこかにつくらなければならぬことだけは事実なのです。 そこで、そういう面で心配なさる方の気持ちに対しては敬意を表しますが、一方われわれの方は、先祖から伝わってきたこの景観を害することのないようにしなければならぬのが私の仕事ですから、その方面で一生懸命になってやらなければならぬ。だから、そこのところをこういうふうにして備蓄をしたいのだがどうだろう、こう言うから、どういうものをつくるのだ、こういうものをつくるのだという概略のことは聞きましたよ。概略のことは聞きましたけれども、それが海の流れなんかに影響しないだろうか、そういうこともこれから検討していかなければなりません。具体的な話が出ていないのですから、いいも悪いもいまは言えないのであります。
○新盛分科員 この志布志の新大隅開発というのは、国定公園内でやるのは恐らく全国で初めてじゃないかと思うのです。それだけに非常に問題があるわけです。これから環境評価があるいは備蓄か、電源立地の条件にどうなのかというきわめて政治的にも問題の大きいことなのです。 だから、ここで確認しておきますが、国定公園の場でいま計画されておる七百三十ヘクタール、二百五十ヘクタール、七十ヘクタールの合わせて千五十ヘクタールですが、大規模埋め立てが指定解除なしに行われるということはあり得ませんね。
○鯨岡国務大臣 細かいことはよく存じません、しばしば申し上げておるようにまだ相談を受けておりませんから。しかし、あそこのところを全部、当初の考えのように松林を壊したり、砂浜を壊したりしてやるものであるならば、公園の指定を外さなければできません。そういう公園というのはないのですから……。
○新盛分科員 わかりました。 続いて、きょうはエネルギー庁の森山長官が何か用事があって来られなかった、これまた問題があるのですが、いらっしゃらないから石油公団の方にお願いをいたします。 石油公団の方で、石油国家備蓄基地の第三次フィージビリティー、いわゆる立地可能性調査、FSとも言うのですが、この調査基地として第三次の志布志湾を決定されたのはいかなる理由でしょうか。
○佐藤参考人 石油公団は、国内の適当な個所に三千万キロの油を確保せいという政府からの御命令に基づきまして、しかも大車輪で急いでやれという御命令でございますので、精力的に各地の適地調査をやっております。その中で、いままでは北海道あるいは青森等々の北の地域につきましてはようやく立地の決定を見ておりますが、いかんせん南の方の地域についてはいまだに一カ所もございません。日本の油は現在のところ、先生御承知のように中東から持ってこざるを得ませんので、できますれば南の方にも備蓄基地をつくりたいというのがわれわれ石油公団の願いでございまして、かねてから九州方面を、各県を通じて御相談申し上げておるというのが現状でございます。そういう中にあって、最も南に近い鹿児島県からひとつ検討してみてくれないかという御要請がございましたので、いろいろ環境上の問題があることも十分承知いたしておりますけれども、われわれ石油公団の立場といたしましては、いわゆる物流的な問題からいきますと非常に好適な場所でございますので、できますれば実現したいなという感じはございますが、そういうことで、われわれの方としまして一貫して地方自治体からの御要請に基づいてやるといったてまえに立っております関係上、今回鹿児島県からそういう強い御希望もございましたものですから、一応調査いたしたいということに至った次第でございます。
○新盛分科員 南九州の方はそういう備蓄基地がない、これは石油として国家がやろうとするものはないのですが、喜入日石基地は現在あるわけですから、これでも大変問題があったのですが、こうした大きな、しかもこれまで東洋一、世界一と言われているのを上回るのが今度志布志に進出をするということになるのですけれども、第一次計画で四地点、むつ小川原、福井臨海、白島、上五島。第二次が四地点で、苫小牧の東部、金沢港、馬毛島、屋久島。第三次が男鹿地区、新潟東港臨海工業地区、志布志湾臨海。この中で金沢と屋久島は除かれたのですね。これは自然的な条件その他経済性においてもまずい。屋久島は中近東に一番近いのでしょう。これは自然的な条件等でなくなったことは結構なことですが、志布志が選ばれたという話はいままで全然なかったのでありまして、これは急遽出できたし、またこのことについて実は地元からの要請もあったというのですが、確かに志布志湾の半地下式あるいは中種子の半地下式、屋久島の地下式、串木野の地下式、こういうのがあって、いま一番大きくなっているのはこの志布志湾のことなのです。特にタンクの備蓄方式が半地下式を要望しているので、これにウエートを置いて調査を進めたい、すでに既存のデータを中心に、特に現地調査を行わずともこれは判断ができる、場合によっては補完的な調査もしなければならぬだろうと石油公団の方ではおっしゃっているらしいのですけれども、地元の住民とか皆さんに相談なしにおやりになるというのはどういうことでしょうか。データの上だけでやるのだという言われ方は、河野宏企画課長がそういうふうに明言しておられるのですが、石油公団としてはそういうことを地元と相談もなしにやっていかれるつもりなのかどうか、そして志布志はなぜこうして急に浮上したのか、ぜひひとつお聞かせいただきたいと思います。
○佐藤参考人 石油公団が国家石油備蓄基地をつくるようになりましたのはわずか二年半前からのことでございまして、現在やっております苫小牧にいたしましてもあるいはむつ小川原にいたしましても、もともと石油の備蓄の計画は全然ございません。われわれがこれからやる地点はいずれも当初の計画がない地点でございまして、その意味ではこの志布志につきましても、当初計画にあろうとかなかろうとかという問題は、われわれの場合は何しろ急な要請でやらなくてはならなくなった事業でございますので、そういう計画にのっていないというのはやむを得ないことだろうと思います。 それから、このフィージビリティースタディーの性格の問題でございますが、これはケース・バイ・ケースでやっておりまして、当該基地が過去相当の国の調査なり地方自治体の調査等が行われましてデータが蓄積されておる場合には、むだな費用を避ける意味もございまして、一応まずそのデータの解析をやってみようということにいたしておりまして、それでやってみまして、どうしてもたとえば地質がよくわからないとか、海象条件がまだ十分でないというふうな場合は、引き続いて補完調査をやろうというふうに考えております。志布志の場合は、目的は違いましても、工業開発ということでは相当長い間いろいろ調査をやってきた実績がございますので、まずそれを利用させていただくということで出発いたしたい、こう考えておるわけでございます。 それから、地元の方の御同意を得るか得ないかという問題でございますが、われわれ公団といたしましてはとにかく地方自治体の、県でございますが、県の御当局の御判断を得まして、そのお許しを得て調査に入るといったてまえにいたしておりますので、鹿児島県につきましてもそういうような手続で調査に入らせていただいたという経緯でございます。
○池田(行)主査代理 新盛君、時間ですので結論をお急ぎください。
○新盛分科員 時間が来ましたので、最後に、エネルギー庁の森山長官は、知事選挙の結果県民の意向は十分わかった、言うならば賛成反対が渦巻いているこの志布志、新大隅計画についてはもう圧倒的にと言わんばかりの話ですが、私、ここに新聞を持ってきていますけれども「高まる批判得票数」、もうすでに最初のころから見ますと大変な落ち込みです。だから、ただこうした表面だけを見て、地元の意向を十分尊重するということは口ではおっしゃっていますが、現実に進められていくことはもう強行突破ということでは、やはり自然を侵す問題にしても石油備蓄についても問題がありますので、ぜひ物わかりのいい鯨岡長官初め、そしてまた石油公団側の方もぜひとも地元の意向というものを十分に参酌をしていただきますようにお願いして、質問を終わります。大変ありがとうございました。
○池田(行)主査代理 以上で新盛辰雄君の質疑は終了いたしました。 次に、竹内猛君。
○竹内(猛)分科員 私は霞ケ浦の汚濁の防止問題並びに筑波の山で採石をしているその採石の問題に関して御質問をいたします。 まず最初に、琵琶湖に次ぐ広い霞ケ浦の汚濁に関して、環境庁の長官がかわるたびにしばしば霞ケ浦においでをいただいてよく検討されることについては感謝するのでありますが、鯨岡長官も先般霞ケ浦にお見えになりました。そうして記者会見をされて、よくこの汚い水を飲んでいるものだな、こういうふうにおっしゃったことについては、地元の者としては率直なお言葉として感謝をしているわけですが、問題はその霞ケ浦が一級河川であり、建設省が所管をしているという関係から、一つの省庁だけではなかなか取り上げられない問題がいろいろとあろう、それで、この際、とりあえずまず環境保守としてあの霞ケ浦の汚濁についてどのようにお考えになり、これをどうされようとしているのか、総括してお聞きしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 お話のように私は霞ケ浦を見てまいりました。それで、これはどうにもならないと思いました。 それで、いま霞ケ浦についてどういうことを具体的にやるかという御質問ですが、これをやればいいというようなことは私にはとても考えつきません。そして、霞ケ浦ばかりでなしに方々の湖の問題を研究するに及んで、これは本当に容易でない、これは大変なことだということに思いをいたしましたので、去年、中央公害審議会の方に、これはどうしたらいいでしょうということで斯界の権威に諮問をいたしました。その結果、ことしの初めに答申があったことは先生御承知のとおりであります。そこで、湖にはそれぞれ目的もありますし、それぞれの土地に分散されているわけではございますので、その土地の知事さんに、自分のところの湖ということで県民の方の意見も入れてどうしたらいいんだというその対策を立ててもらう、それに対して国が全面的に応援をする、そういうようなことにしてはどうかという答申でございますので、その答申の線に沿っていま総合的に湖沼の問題の対策の法律案を政府の内部で検討をしているところでありまして、一日も早く政府案をまとめて国会の御審議を願いたい、こう考えているわけであります。
○竹内(猛)分科員 全体として大変前向きに取り組んでいただくことは結構だと思うのですが、問題は、どういう原因からこのような汚れになったのかという点について、これはわかるだけひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○小野(重)政府委員 霞ケ浦は昭和四十七年に水質環境基準Aの類型指定を行っているわけでありますけれども、水質汚濁の代表的な指標でございますCODで見ますと、環境基準は三ppmということになっておりますが、これを大きく上回っている状況でございます。また、燐などのいわゆる栄養塩類の流入がありまして富栄養化が進んでおるわけであります。そこで、例年夏場にアオコが発生しまして、水道の水ににおいがつくとか、あるいは時たま魚が死ぬとかいうような問題が生じておるわけであります。 こうした水質悪化の原因でございますけれども、これは多岐にわたっておるわけであります。生活関係、産業関係あるいは畜産関係、養殖漁業関係、いろいろあるわけでありますが、どうするかということでございますが、非常に多岐にわたっておりますので、ただいま大臣がお答えいたしましたように、総合的な計画をつくって、それに基づいていろいろな施策を進めていく、そういう方向でいま考えておるわけであります。
○竹内(猛)分科員 総合的な計画は非常に結構なのですけれども、とりあえずこの霞ケ浦の水の問題を考えてみると、あそこの周辺の市民が約三十万近くいますが、ここの水道料金は、霞ケ浦の周辺が十立方メートル基本料金が九百七十円、それが一方メートル超すごとに百二十円、水戸では基本料金が二カ月で八百円、一立方メートル超すごとに六十円、こうなっておりますね。もちろんこれは現在水道事業をやっているからそれも含まれていると思いますが、活性炭を非常に使っている。そしてその水がうまくないということで、これは厚生省になると思いますけれども、こういうような状況のところがほかにあるだろうか、霞ケ浦は特別じゃないのか、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
○田中説明員 湖沼の水が富栄養化いたしますと、ある程度を超えますと味がまずくなるということでございますが、これは霞ケ浦に限らずダム、湖沼水等の汚染の進んでいるところでは見られる事例でございまして、そういうところでは活性炭処理をもってその水質の汚濁に対処している次第でございまして、これ以外のところにもございます。 それから、料金につきましては、基本的に水道の経営形態が地方公営企業法に基づきます独立採算制をとっておりますので、水道のつくられた時期、そのほか立地条件等によりまして、どうしても現在のところそれぞれの水道事業ごとに格差がある程度出てまいりまして、御承知のような近隣のところと比較いたしますと倍あるいはそれくらい高いという御指摘でございますけれども、全国平均から見ますと七百円ないし八百円、県の平均でも七百八十二円でございますので、たとえば土浦市の場合は若干平均よりも高いということが言えますけれども、基本的には水道事業の経営形態でそのような差が出ているわけでございます。 以上でございます。
○竹内(猛)分科員 水の問題は、これは毎日の飲料水ですから人間に被害がないようにしていかなければならないわけですから、法案が通ってその事業をしていく、そうしなければ水がきれいにならないとするならば、この水を、こういう活性炭をたくさん使って高いまずい水を飲んでいる、それに事故が出ないようにするためには何らかの配慮が必要じゃないか。特に建設省はこれは一級河川として管理をしているのですから、これについて建設省としては、水をきれいにする方法について努力されていると思うけれども、何かありますか。
○広瀬説明員 お答え申し上げます。 霞ケ浦は私ども建設省の直轄でございまして、私ども管理しております。四十八年でございますか、大変水質が悪化いたしましてアオコが発生し、養殖漁業がほとんど全滅になるというような事実を踏まえまして、私どもといたしましても何とか霞ケ浦の水質を浄化する方法はないかということでいろいろ検討しているわけでございます。 具体的に申し上げますと、水の華が発生いたしました前、私どもの直轄管理になりましてから以来も毎年相当の調査費を使いまして霞ケ浦の汚濁の原因は何かとか、その汚濁の対策はどうかということを種々検討しているわけでございまして、現在でも水質調査は続行いたしておりますとともに、汚濁のヘドロのしゅんせつであるとか、それからそのほか浄化用水導入の計画であるとか、そういう計画を具体的に検討中でございます。
○竹内(猛)分科員 四十八年あるいは四十九年、二カ年にわたって続いた霞ケ浦の被害というものは、四十八年の場合には干ばつ、コイが死んで、そのときに常陸川の水門をあげるという声が非常に強かった。これについて建設省は全くあけない。その翌年は今度は塩水が逆に水田を襲ってきた。そのときにも霞ケ浦の水との関連をつけようということで農民の方から要請があったけれども、これまた常陸川の水門をあげない。こういうことで常陸川の水門というものが、本来治水のために三十八年にできたものを、最近では鹿島の工業用水を守るための、工場の水に塩分が入ってはくあいが悪い、だからコイが死のうがたんぼが塩で枯れようが、構いなしにあそこのところを閉めてしまう。一体常陸川水門というものはそういう任務を持っておるものなのかどうなのか、この点はどうですか。
○広瀬説明員 お答え申し上げます。 常陸川水門は、先生御案内のとおり利根川洪水の常陸川への逆流を防止することによりまして、霞ケ浦周辺約二万ヘクタールございますが、その二万ヘクタールの農地、家屋の浸水被害を守ることを目的といたしますとともに、渇水時におきましては、逆流してまいります塩害を防止するために計画されたものでございまして、昭和三十八年度に完成したものでございます。
○竹内(猛)分科員 そうだとすると、コイの死んだときには当然水の入れかえをして霞ケ浦の中のあのため池のような汚い水をきれいにすべきじゃないですか。そういうのをやらないというところにあれだけコイが毎日百トン以上死んでいる。そしてその霞ケ浦の中には恐ろしく小さな魚が腐って臭い、アオコが浮いた。そして、そこの青年の人たちは霞ケ浦をきれいにするためにはあの常陸川の水門を爆破したいという要求をした。そのときに私どもは、そういう気持ちはわかるけれども、国会議員としてそれがいいとは言えないということで抑えたことがある、そうしたら、その翌年になったら今度は逆に塩水が出てきて、また霞ケ浦の水とまぜれば幾らかはよくなるわけだけれども、それに対しても門をあけないということになると、常陸川水門というのは、いま言われた三十八年にできたときの考え方と今日と違っているじゃないか、だからあの水門が閉鎖されたままにある限り、何ぼ法律ができても実際はきれいにならないというのが一つの見方なんです。その見方が間違いかどうかということについて、これは議論しなきゃならない、どうですか。
○広瀬説明員 お答え申し上げます。 三十八年度に完成した水門でございまして、その水門の操作に当たりましては、私ども先ほど申し上げましたように洪水の防御、それから塩水の防御ということを目的としておりますが、何しろ霞ケ浦という大変広大な面積がございまして、その中でいろいろの利害関係のある生活を営んでいるわけでございまして、その辺の利害関係の調整が先生御承知のように大変むずかしいわけでございまして、私ども実際の水門の操作に当たりましては、県知事並びに関係者等の意見を聞きまして操作をしているのが現状でございます。
○竹内(猛)分科員 こういうようなお話でございまして、これは環境庁長官もよくお聞き取りをいただきたいのですが、県知事は建設省に預けられたことだから、建設省の許可がなければ開けないと言う。建設省は知事の方に任せてある、こういうことではまず霞ケ浦の水の基本的なものの一つが解決しません。これは問題としてひとつ残しておきます。 第二の問題は、この霞ケ浦の水をきれいにするために、あの中に非常にヘドロがたまっていますが、ヘドロが揚がらなければきれいにならないという、そのヘドロの量、扱い方についての問題は大変むずかしいことになると思うから、問題として指摘をしておきますが、利根川と那珂川から導水をする、そしてあの水をきれいにしていくんだ、つまり水を動かさなければあのままではどうにもならないという点について、導水計画というものはうまく進んでいるのかいないのか、どういうことになっているのですか。
○広瀬説明員 お答え申し上げます。 霞ケ浦の水質汚濁を防御するためにいろいろな対策がございますが、先般御説明いたしましたように、やはりきれいな水を導入するということがいろいろの方策の中で大変効果のあるものではないかということで私ども計画したわけでございまして、具体的には那珂川の水を霞ケ浦の方に導入して浄化しようということでございまして、現在私どもの手で実施計画調査を実施中でございます。
○竹内(猛)分科員 その那珂川の水の実施計画調査はいつ終りますか。
○広瀬説明員 実施計画調査でございますので、いつ終わるということをここで申し上げる性質のものではございませんで、地質調査であるとか関連調査であるとかいろいろな調査がございますが、そういう調査とともに、地元の方々とのいろいろの接触、御了承等もございますので、いつ終わるということをここで申し上げる段階には至っておりません。
○竹内(猛)分科員 ここも同じように結論がまだはっきりしない。いいことはわかっていても、現地地元では、那珂川地区では反対していますね。霞ケ浦に水を持ってくるということはとんでもないと反対をしている。ですから、これは実施が終わらなければどうにもならないと思うのですけれども、一定の目標がつかなければ、法案との関係で非常に、審議がしにくい。 その次、これは農林水産省の問題です。霞ケ浦の周辺はカンショの産地であって、日本一の豚の産地です。豚だけでなくて酪農、養鶏、農業が盛んでありますから、そこで畜産のふん尿が流れ込む。現に毎日のように流れ込み、時には大量のものが流れ込んでいる。そして、時には警察が環境基準違反で逮捕するというところもあります。ついこの間もありました。このように養豚が盛んですが、この問題は霞ケ浦の汚濁に深い関係がある。これについて今度の予算の中にも一定の予算が組み込まれているけれども、これを優先的に、環境庁のこれからの提案の湖沼問題の法案の中身を審議すれば出てくると思いますが、これらを審議する中で、農村におけるふん尿が海に流れ込まないように土地に還元をするような方法というものをとっているかどうか、これについて農林省の方からお答えをいただきたい。
○三浦説明員 お答えいたします。 いま先生御指摘のように、茨城県は全国一の養豚県でございまして、豚の数も七十四万頭、そのほかに乳牛であるとか肉牛であるとかあるいは養鶏、これも非常に盛んな地域でございます。この茨城県における畜舎排水による水質汚濁の問題の発生件数というのは、県の調査によりますと五十四年には百三十件、うち豚にかかるものが百八作でありましたが、五十五年度になりましてこれがそれぞれ八十八件、七十四件というふうに漸減するような傾向にございます。 ただいま御指摘のございました畜舎排水に起因するところの水質汚濁問題につきましては、県の厳しい指導下にありまして漸次改善されているというふうに承知しておりますが、私ども、この家畜排せつ物につきましては、これはいま先生が御指摘のような農地の地方の維持増進を図る上での非常に貴重な資源であるのではないかというふうなことで、土地還元を基軸といたしまして家畜排せつ物の処理を考えるのが基本であるというふうに考えております。 そのような考え方に立ちまして、五十六年度におきましても前年度に引き続きまして、まずはいろんな環境問題の調査それから指導をやるというために、畜産経営環境保全総合対策指導事業という事業を組んでおりまして、これによりまして予防的な対策と、問題発生対象に対する迅速かつ適切な処理を進めてまいるということで対処しておりますし、また、先ほどの考え方のもとに畜産農家を組織化したり、あるいは耕種農家群との組織提携を図ったり、さらには、より広域的な家畜ふん尿の堆肥化を進めての流通というふうな面に力を尽くしてまいっておるところでございます。 なお、非常に規模が大きくて、問題が発生して現地ではどうにもならないというふうな場合には、公共事業の中で、移転をして草地の造成とかあるいは総合的な環境整備を行うための事業も仕組んでおるところでございまして、これらの事業を駆使いたしまして、何とか、いまの土地還元を基軸とした問題の解消に今後とも努めてまいりたい、かように考えております。
○竹内(猛)分科員 このほかに工場の排水、廃液、それから家庭の雑排水等々が原因です。なお農業の面から言えば、肥料が溶けないまま流れ込んできて燐、窒素になっていくという点もあるし、霞ケ浦の中ではコイを養殖していますが、それのえさが非常に密度が高いために残って落ちて腐っている、こういういろいろな要素がありますけれども、大きな要素としてはいま言った部分がある。 そこで時間もありませんが、先ほど長官からお話があった湖沼環境保全特別臨時措置法はいつごろ出して、これは予算との関係はどうなるかという問題をちょっとお尋ねします。
○鯨岡国務大臣 予算には関係はないのです。そこで、先ほども申し上げましたように、どうにもならない状態になっていますから、これをこのままに過ごしますと、私は総理にも言うたのですが、後で何とかしようというときには大変なお金がかかる、いまのうちにやれることはやっておかないと、お金の面だけでもそうだし、またどうにもならなくなりますから、各省庁それぞれ関係がありますので、せっかくいま、まとめておりますが、早くまとめて、ぜひ、この国会で御審議をいただきたい、こういうふうに考えているわけであります。 重ねて、せっかくの御質問でございますので、先生の御心配ありがたいと思いますが、どうか日本じゅうの人が、この湖沼の問題は大変なんだ、このままにしておいたらえらいことになるぞということについて理解をしてもらえるように、せっかくわれわれも努力をいたしておりますが、よろしくお願いを申し上げたい、こう思います。
○竹内(猛)分科員 この点で、先般環境庁が、霞ケ浦と諏訪湖が特に問題だという——私は諏訪の生まれだから諏訪湖のことはよく知っている。また霞ケ浦も、両方でワカサギを飼っているわけだから兄弟分みたいなものですね。この二つとも汚れているということで、大変関心が深いだけに、この法律を十分に審議をしてもらいたいわけですが、先ほどから尋ねていると建設省の取り組みがおくれているという感じですね。だから建設省は、那珂川導水がだめなものであるならば打ち切らなければならないし、いつまでも地質検査ばかりやっているうちに、一方の方は那珂川から水が来るんだ来るんだといっても来なければ、これはどうにもならない。せっかくりっぱな法律ができているのに立ちおくれてはまずいということ。 それから、もう一つ建設省に尋ねるわけですが、あそこの川口で砂利取りをしている者がいる。これは前から不思議でならなかったのです。この間から現地へ行ってみると依然としてこれは取っている。一体建設省がああいうところに砂利取りを認めたのかどうかということで被害者がいろいろ文句を言ってくる。これからどうせよということじゃないのですが、とにかく、いつ、どういう会社に、どこで、これを取ってよろしいという許可を与えたか。会社の名前、それから許可を与えた時期、取る場所、こういうことについてちょっと明らかにしてもらいたい。
○広瀬説明員 お答え申し上げます。 いままでのすべてといいますと、私ちょっと調査をしてまいりませんでしたので、ここ最近のものだけに対して申し上げさせていただきたいと思います。 霞ケ浦におきます砂利採取は、霞ケ浦骨材採取協同組合に対して一括して認可をしておりまして、採取量は、昭和五十五年から五十六年三月三十一日まででございますけれども、砂利については一万三千何がし、砂については二十五万何がしを許可いたしております。 それで具体的に土浦地先において採取しております業者は、先ほど申し上げました霞ケ浦骨材採取協同組合に所属いたしております寺川砂利、土浦砂利、霞ケ浦砂底、しだ産業、倉持の五つの業者であるというふうに報告を受けております。
○竹内(猛)分科員 この問題については、ここではもう、とやかくは申し上げませんが、われわれも現地を見て、また判断します。 それから環境庁の方に要請をしたいのです。実は、あの地区は水郷筑波国定公園というものが指定されているのです。その中で特に筑波山の一角、これは細かく言うと新治村の東城寺という部落を中心にして有名なユーモア村という村がありました。徳川夢声が文化人を集めて、そこで生活をしたユーモア村、これが東城寺というところにあるのです。 〔池田(行)主査代理退席、主査着席〕 この地域を中心に沢辺、小高という部落がありますけれども、ここで七つの会社が砂利を採取をしております。その量は茨城県の採取の四割になって、日夜ダンプが走っている。これを問題にするときに、採掘権の方が先にあって公園を後で指定したということから、昭和六十年までの採掘権はその会社に与えられている。そのかわりに、国有地を掘るものは国が指導するし、民有地については県が指導する、地元が指導するということになっておりますが、国有地を掘っているものは非常によく従っております。りっぱに跡地も始末をするようになっているが、民有地を掘っている東城寺部落の周辺にある会社三社がどうしても言うことを聞かない。砂利を取ればいいのだということで、道路を占有する、ほこりは出しっ放し、発破はどんどん鳴らして、地震の震度二ぐらいの響きが毎日している、こういう状態です。 ですから去年の五月に環境庁からも林野庁からも現地調査をしましたが、それにもかかわらず依然として態度が変わらないという状態ですから、これは会社に注意をしてもらわないと地元は大変迷惑だということであります。この点について、これはすでに努力をしていただいているわけですから、いまここで、とやかく言うことはないけれども、にもかかわらず直っていないということを申し上げながら、これに対する処置を指導してもらわなければ非常にまずいと思うのです。
○正田政府委員 本件につきましては、先生かねてから国及び県についていろいろ御指導を賜りましてありがとうございます。現状はまさに先生のおっしゃるとおりでございますので、県の所管事項ではございますが、さらに一層県と連絡をとり、住民の迷惑が早くなくなるような形で相談してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○橋本主査 時間が過ぎましたから終了してください。
○竹内(猛)分科員 もう時間ですから、これで終わります。 短い時間に大変大きな問題でございまして、法案が出ることを契機にして、建設省の方にも少し調査なり、それをスピードを上げてもらわないと、なかなか間に合わない感じもしますし、農林省の方でも、まだまだ海の中の魚の問題あるいはその他ありますから、その点についても別の機会に申し上げますが、なおこの霞ケ浦が、これは単に茨城県の人間が飲むだけじゃなくて、千葉県、埼玉県、東京の飲料水にもなっているわけですから、そういう点から考えてみて、ぜひきれいになるように、これはよろしくお願いをしたいということです。 それから……
○橋本主査 竹内さん、時間が過ぎておりますから締めくくってください。皆ルールを守っているのですから。
○竹内(猛)分科員 はい。それから採石の問題についても、ぜひ勧告をするようにお願いをして終わりたいと思います。
○橋本主査 以上で竹内猛君の質疑は終了いたしました。 次に、鍛治清君。
○鍛治分科員 私は、空きかん問題についてお尋ねをいたします。 この問題は国会でも幾度か議論をされておるのでありますし、また各省庁にわたっておりますので、きょうは答弁に各省庁の方おいでいただいておりますが、質問に対しまして、ひとつ簡明にお答えをいただきたいと思います。 最初に、この問題につきましては京都市の例で見ますように、ボランティアの活動から始まりまして、地方自治体を動かす大きな社会問題ということに現在広がってきつつございます。この件につきまして最初、環境庁から総括的に御答弁をいただきたいのですが、この問題の現況と、国としてどのような対策を講じようとなさっていらっしゃるのか、こういう点をお尋ねをいたしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 いまから十年にはなりませんが、八、九年前は、ジュースやビールのかんは八億本くらいと勘定していたのですが、いまは百億本ということでございまして、そのうちの三〇%くらいはリサイクルに乗るのですが、あとのものはリサイクルに乗りませんから、そこらじゅうに散らかされてあって、埋め立てなんかにもいくということで、これは資源の上からも、もったいないことは言うまでもないのですが、私どもの方から言えば、本来されいでなければならぬところがどんどん汚されていますので、いま先生言われたようにボランティアの人たちに依存をしてやっていましたが、それだけではとてもやっていけないということで、これに取り組んで地方自治体並びに業者渾然一体となって、いま対策を練って、できることからやっていくというのが現状であります。
○鍛治分科員 その中で最近、空カン問題連絡協議会というものを発足をして、いろいろと検討なさっておられるようでございますが、この協議会の目的、性格それから権限、位置づけ等についてお聞かせをいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 詳細には、担当の者が来ておりますから、それから答えさせますが、環境庁といたしましては、去年からずっとこの問題について各地どういうふうになっているのか調べておりまして、京都の御承知のようなこともありましたので、私どもの方は全国ずっと調べておりまして、そうやっている一方、やはり業者の人たちにも御理解いただかなければならぬと思いまして、私は業者のスタッフのキャップに集まってもらいまして、それでいろいろ相談をいたしたわけであります。 その際に業者の方から、どうも政府はいろいろなことを言ってくる。いろいろな人から、いろいろなことを言ってくる。たとえば通産省からも言ってくれば農林省からも言ってくれば環境庁からも言ってくれば、同じようなことをいろいろなところから言ってこられたのでは困る。そこで一つにまとまってやってもらうようにしてもらわなければ応接にいとまあらずということでございまして、そういう要望がありました。私どもの方は私どもの方で、業者の方もひとつ責任を考えてちょうだい、わかりました、こういうことでございましたので、いち早くわれわれはそのときのことを守って各関係省庁集まって連絡協議会をつくって、業者の方に何か物を言う場合でも何でも一本化してやっていこう、こういうことでございますが、詳細は担当の者から答えさせます。
○石川(丘)政府委員 お答えいたします。 ただいま長官から御説明ございましたように、去る一月三十日に各省庁、十一関係省庁ございますが、空カン問題連絡協議会を設けまして、広範な検討が始まったところでございます。 その内容とするところは単に空きかんというだけで、非常に単純な内容に思われますけれども、実は非常に広範にわたりまして、たとえばPRの問題から、あるいは再資源の問題等に至るまで非常に広範でございます。それで関係十一省庁がいろいろ知恵を出し合いまして、できるところからやっていくということで、一応六月末をめどにいたしまして検討を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○鍛治分科員 集まってのことで、環境庁が旗振りをなさっていらっしゃるようでありますが、一つの心配は、そういう各省庁まとまって、先ほどの長官の御答弁のように、業者の方からの注文もあったりしながらやっていらっしゃるということでありますが、問題は、その内容を検討されたものを、できることから順次ということでございますけれども、それを実施するについて、寄り集まってやっていらっしゃるわけですから、心配として、果たして本当にそれが実行できていくんだろうかということが大きな心配の一つになるわけです。その点は、はっきり実施できるものかどうか、お尋ねをいたします。
○鯨岡国務大臣 それは始まったばかりでございますから、すべてが万全にいくというふうには、私はそう甘く考えておらない、非常にむずかしい問題でございますから。しかしながら、この問題の重要性については何人も疑う者はいないわけでございます。それから、業者などにもいろいろなことを話をして協力してもらわなければならぬ。また、業者自体も考えてもらわなければならぬということもありますので、そういう点について、ばらばらで言っちゃまずいですから、その点についても、まとまってやっていくということはだれも異存のないところだと思います。 しかしながら、通産省には通産省で、たとえば空きかんを集めるといっても、アルミかんなんかの場合にはやや経済に乗るのですが、これがスチールかんの場合には経済に乗らないのです。あんなものを集めていると業者が損じちゃいます。そういうところをどうするかというような問題については、いろいろ業者の方のめんどうを見ている役所にすれば考えがあるでしょう。ですから、すぐに考えがまとまるということではありませんが、できるところから合意をして、合意できたものは強力にやっていこう、こういうふうに考えております。 また、条例なんかをつくるような場合でも、いま京都はああやって努力しているわけですが、どういうものをつくったらいいのかということを、よその国も、ヨーロッパはそうでもありませんが、アメリカなんかはずいぶん困っていますから、そういうものを見て、ひな形みたいなものがつくれたら混乱を防ぐために一助になろうかと、そう考えてやっているわけでございます。
○鍛治分科員 先ほどちょっと業者の問題が出ましたが、業者からの注文は結構なことではございますが、いろいろお聞きしていますと、私も地方議会におったことがありますし、いろいろと地方の公共団体等との話し合いもしたり、また一般の方々の話も聞きます。またこの前、環境庁が地方公共団体に対して行われたアンケートの調査結果ですか、これを見さしていただいても、メーカーや販売業者による収集とか清掃関係の率といいますか、それが大変低くなっている。そういうことではいかぬのじゃないかというような声がずいぶん強くあるわけですね。だから、そういう注文があるのならば、これは具体的には業者の指導等については環境庁にならずに農林水産省関係になるのでしょうか、これは農林水産省の方にお聞きした方がよろしいのでしょうかね、そこらあたり踏まえながら業者に対して現在までどういうふうな指導をなさり、どんなことを具体的にやってこられたのか、そういった点について、またこれからどういうふうに対処しようとなさっていらっしゃるか、そういった具体的なことがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。
○鷲野説明員 農林水産省としてお答えを申し上げます。 散乱している空きかんの処理、回収等についての事業者の協力は、事業者が持っております一般的な社会的責務の問題であろうと考えております。これまでも飲料業界の関係団体は、四十八年に食品容器環境美化協議会という団体を形成しまして、空きかん投棄防止のPRのほか、容器回収等についての研究とか、観光地等に対する美化キャンペーン等の事業をいろいろと行ってきております。五十六年度には、これにつきまして当省の補助金も拡充をいたしまして、さらに事業の拡大を図る、そういう方針でございます。 また、ごく最近には、こういった空きかん公害問題が非常にやかましくなってまいりました。そういうことも受けまして、当省の指導のもとに、新しく飲料かんにつきまして統一の美化マークをつけるということ、それからテレビ、ラジオ、新聞等を通じまして美化の呼びかけを一層拡大していくというようなことを決定したところでございます。 農林水産省といたしましては、こういった問題につきまして、これまでも必要な指導、援助を行ってきましたが、今後も環境庁とも連絡をとりまして、現実的で効果ある業界の協力を得られるような指導あるいは援助に努めてまいりたい、かように考えております。
○鍛治分科員 さっき長官もちょっと御答弁されておりましたが、協議会にも農林水産省が入っていらっしゃる。そういうところで協議された中で、たとえば農林水産省の段階で、これはやらなければいかぬというようなことが出てきました場合は、これは強力に推進をなさるということは、ぜひお約束をいただきたいのですが、その点はいかがでしょうか。
○鷲野説明員 先ほども申しましたように、これは事業者の持っている一般的な社会的責務の問題であろうと考えておりまして、そういう点で各省の連絡会議も設けられておりますので、そういうところの検討の成果も踏まえまして、必要な指導、援助は今後も続けていきたい、かように思っております。
○鍛治分科員 先ほどの長官の御答弁の中で、かんの材質の問題が実は出てまいりました。これは通産関係の担当になるんだろうとは思いますが、私たちも素人考えでわかりませんけれども、やはり再資源化の方向というものは非常に大切であろう。また、先ほどお話がありましたように再資源化の可能性が採算ベースに乗るということは、回収に対しては大きなメリットになるというふうに思います。そういう点について素朴な考え方ですが、技術的にはわかりませんけれども、スチールかんの方がいま多いようでありますが、アルミかんの方にかえていくという方向、これは中身にもよるというふうにお聞きしておりますけれども、私たち率直に素人で考えて、アルミかんであると、ほとんどのものを入れたって別に副作用的なものもなく、ちゃんとやれるんじゃないだろうかというふうに思いますし、それだと採算ベースに乗るということであるならば、そのかんの材質自体を、やはりアルミかんの方にかえていくという方向の考え方はできないのだろうかなというふうに思うのですが、その点について、これは通産の方でしょうか、ちょっとお尋ねいたしたい。
○角南説明員 飲料の容器にアルミかんをお使いになるかスチールかんをお使いになるか、実は第一次的には飲料容器メーカーでお決めになっておられるわけでございまして、通産省は、そのお決めいただいて御注文いただいて生産いたしますかんメーカーを所管しているという立場でございますので、スチールにせい、アルミにせいと、お納めする業界の方からはなかなか言いにくいような立場にある、これはひとつお断わりしまして、その上で一般論としてアルミかん、スチールかんの問題を申し上げますと、先生おっしゃいましたとおり、アルミかんには適さない飲料というのが実は一部ございます。つまりジュースでございますとか、炭酸水を含んでいない、すなわち内部に圧力のかからないもの、これはどうもアルミかんではだめだということでございます。それ以外のものは、ビールを初めといたしましてかなりアルミ化が進んでおりますが、炭酸系の飲料については、まだアルミ化は半分にいっていないという状況、これはおっしゃるとおりでございます。 アルミと鉄と、どちらがいいのかという一般論を考えるときに、確かに空きかんをスチールですと五十銭から一円、アルミかんですと二円ぐらいで、いま再生業者が引き取る。それだけの値段の差があることは事実でございますが、実は一つには、アルミかんに二円払ったといたしましても、実際問題として散乱しているアルミかんを拾い集める手間を考えますと、これは引き合いません。同じような意味で引き合わないということが一つ。 それからもう一つは、アルミかんをやった方が少しでもいいかもしれないという議論と同時に、二つばかりございまして、実際に使用するエネルギーというのは、アルミかんをつくる場合には莫大なエネルギーがかかる。それから二番目には、これは資源とは別の観点でございますが、万一捨てられて人手が届かない場合には、逆にアルミかんは百年も二百年も腐らない。その点、鉄は幸か不幸か腐ってくれる。この辺を考えましたときに、一概に簡単な、アルミがいいという結論は出ませんで、いろいろな観点から総合的に検討すべきものであろうか、こういうぐあいに考えております。
○鍛治分科員 技術的な内容というのはよくわかりかねるところがあるのですが、日本の技術というのは、戦後、追いつき追い越せで、いま世界でも最先端を行っている、こう言われておりますし、アルミかんも大変薄い膜で、確かに、握ればぷすっとつぶれるような感じですから、それを入れたときに内部に圧力がなければということもわからないこともないのですが、素人で考えると、あったまったものを封じ込める場合には、逆につぶれる可能性はあるけれども、同じ圧力で詰めてやっぱりそういうことがあるのかなという疑問も若干あるわけですね。 そういう意味合いも含めてではありますが、採算ベースのことだけ私も申し上げたのは大変うまくなかったかもわかりませんが、これはやはり、ごみ処理という観点からいきますと、皆さんが税金を納めたものをまた皆さんに還元する形で、やはり国や地方公共団体が一般財源の中から支出をして、いろんな設備をつくって環境をきれいにする、住みやすい状況にするということをやっておるわけでありますから、これは何も業者だけ大きく一負担はもちろんしなければならぬ部面もあると思いますが、それだけで採算に合わないからということではなくて、御答弁聞いていると、だからできないというようにも聞こえそうでありますが、そうではなくて、むしろ積極的な対応を、そういう財源を使ってでも、プラスしてでもやるべきであろうということが一つあるわけです。 そういう意味合いから私は申し上げておるわけでありますが、いまのスチールかんまたはアルミかん、どちらがいいかというのは、圧力と腐る方とおっしゃったわけですが、圧力関係からいきますと、技術的に何か改善ができるような気もいたしますし、むしろ回収という点で、これは一般のいまの乱れておると言われる教育の中での一つのルールを守らせる、そういう教育の面からも、そういうものを回収してやるということは非常にいい形での影響も出てくるような気もいたします。 だから総合的に、お金で勘定できないような形でのメリットが大変あるようにも思うわけです。そういう意味合いの中で、やはり再資源化という形をとれる、より有利な形でやれるようなものもつくりながら、こういう問題に取り組みをしていくということも必要だと思うのですが、そういう意味でのかんのあり方というものについての技術的ないろいろな本当の突っ込みというものは、むしろ通産省が指導してやらせながらそういう方向に行かしてもいいのじゃないかな、これは素人の考え方ですから技術的なことはよくはわかりませんが、そう思うわけですが、そういう点について、もう一度ひとつ答弁をお願いいたしたい。
○鯨岡国務大臣 鍛治先生のおっしゃること、全く同感であります。採算に合うとか合わないとかという問題は、商売やっているのですから当面は問題でしょう。しかしながら、この有限の資源を何ぼでも使って、それでもう一遍溶鉱炉に入れられるものを埋め立てにしちゃっていいというものじゃないのです。そういうことをやっているからみんな気持ちまで荒らびてきて、いろいろな問題になってくるのだ。冥利に尽きるという言葉がありますが、そういうもったいない、冥利に尽きることをやってはいけないということをわれわれは国民に考えていただきたい、こう思って業界の方に、かんにそういうことを書いてくださいよ。——書いてありますよ。それで見ると、書いてくれろというから書かなきゃ悪いと思って、虫めがねで見なきゃわからないように書いてある。そこでこういうマークをつけるように、これは業界が自分で考えて、今度はこういうマークをつけることになりました。これは業界の対応が非常に早かったと思って私は喜んでいるのです。 それから、テレビでたとえばジュースの広告なんかをするときに、ただこのジュースを飲むと気持ちがいいですよ。——あるでしょう。おっかさんが東京に出ているせがれに、野菜もとらなければだめよなんていうのがあるでしょう。あのときに、かんは自分で始末せいよと一声言ってくれたらいいじゃないか、こう言いましたら、なるほどそうだ、これからだんだんそういうふうにする、こう言うのです。 言いたいことは、先生のおっしゃったとおりなんです。採算に合うとか合わないとかという問題は瑣末な問題、われわれ政治家としては。現にさっきの通産省の話のように、アルミは電気をうんと使うというのですよ。いま電気がなくて困っていると言って騒いでいるのでしょう。その際に、電気をうんと使うものを一回こっきりでもって埋め立てにしちゃうということは、こんなもったいないことはない。こういうことで、御趣旨のとおりの考えでやっておりますから、どうぞひとつ今後とも御指導願いたいと思います。
○鍛治分科員 オール・アルミニウム缶回収協会というものがあって、これが相当機能していい形で流れているということは聞いているのですが、全国に設置されている個所が非常に少なくて、私たち考えてみまして、もっとたくさんの場所に設置して回収をするという方向はぜひとっていただきたいなというふうに思うのですが、この点についてお伺いをいたします。
○角南説明員 先ほど農林水産省の方から、業者の社会的責任というお話がございました。かんをつくっておりますかんメーカーも、社会的責任という見地からスチールかん、アルミかん、それぞれにかんの回収を促進するための特別の団体、組織をつくりまして、それぞれに活動しております。 オール・アルミニウム缶回収協会につきましては、現在全国に百六十カ所程度の拠点を設けておりましてやっておりまして、確かに拠点の数が多い方がよいわけでございまして、これの増加については今後とも努力、検討をしていくものと思っておりますが、ただ、この回収協会の活動の結果、アルミかんの回収率はスチールに比べますとまだ低いわけでございますが、年々着実にふえつつある。最近ですと二七%まで上がってきたという意味で、いままでの努力をある程度おくみ取りいただければ、今後ともこの方向での努力は払っていくように指導してまいる所存でございます。
○鍛治分科員 罰則関係の方ですが、ちょっと時間が詰まってまいりましたので、簡単なお答えで結構です。 警察関係にお尋ねいたしますけれども、投げ捨てはいかぬという罰則規定等はあるけれども、知らない方が多い。しかし、これはある以上、こういう問題については厳重に適用していいのじゃないか。さらに、最初出ました協議会の中で、第一回目の会合がありましたときに、新聞報道によりますと環境庁の方から、何か飲酒運転の減点などと同じように、ドライバーに対する反則制度というものをこの投げ捨てについては適用してもいいのじゃないか、そういうような提案もあったというふうに報道されておるわけでございますが、こういう点等についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○中島説明員 警察としましては、廃棄物の不法投棄について大量に投棄する者それからさらに悪質な者を重点に取り締まりを進めておりまして、相当力を入れておるつもりでございますけれども、体制その他いろいろの面がありまして、単なる空きかんあるいは吸いがらを捨てる、こういうような不法投棄事件についてまで手が回りかねているというのが実情でございます。 この問題につきましては、取り締まり以前に基本的なしつけの問題、あるいは啓発、広報の。問題、それから環境美化運動とかあるいは空きかんの回収運動といった行政施策と関連させて取り締まりを進めていくことが効果的である、こう考えておるわけでありまして、連絡協議会というような制度ができまして、そういった面で各種の対策が進められてまいることになるわけでありますけれども、それと関連させながら取り締まりを進めてまいりたい、こう考えております。 それから点数制度の問題、これは法律技術的な問題がございまして、空きかんの不法投棄というような問題については、道交法ではすべての人に禁止いたしております。点数制度は運転手の免許に関する問題でございまして、運転をしているドライバーだけに適用されるという、取り締まり上も非常にむずかしい問題がございまして、直ちに減点ということには制度上まいらない問題がございますので、御了承いただきたいと思います。
○鍛治分科員 飲酒運転については飲ました方も飲んだ方も悪いということになっているわけで、多少いろんなことがあってもそれくらい厳しくした方がこういう問題はいい、私はこういうふうに思うわけです。時間もございませんのでそういう御要望を申し上げて、検討して前向きに取り組んでいただきたい、こういうふうに思うわけです。 また機会があれば細かくいろいろと御質疑申し上げることにして、最後に提案でございますが、せっかく協議会が発足しているわけで、六月めどに一つの結論を何とか出して実施したい、できることからやりたいという御答弁でございました。こういう問題は一省庁だけが取り組んでもできる問題ではございませんし、その認識がいまずっと出てきておるようでございますが、国民の皆さん、地方自治体それから業者等含めまして、国の行政府も含めましてこれは大々的に取り組む必要があるだろう。 中途半端ではいかぬから、これもまた素人考えですが、ひとつ一カ月間くらいはっきりと空きかん不法投棄撲滅月間みたいなものをこしらえて、各省庁や警察を挙げて、ボランティアも含めて一斉にこの期間にやる。それから文部省あたりも、学校でちゃんと生徒にそういうルールも教えながら、いわゆる投げ捨てをやめて回収をする。そして悪いことをやった人はちゃんとひっつかまえて罰則を与えるということで、一斉にやったら大変効果があるのじゃないか。これは一遍やっても相当効果があるのじゃないかという気がします。こういう問題は、大げさなようですが、本当に国を挙げてPRしながら、マスコミの方々にも協力を願ってやるという方向でぜひやるべきではないだろうか。 一つには、実は私どもは議員ですから、選挙のときにいろいろ違反のポスターをぺたぺた張りまして、美化に大変なマイナスになることがずいぶんあります。これはこの前、九州の大分というところで市会議員の選挙がありましたときに非常に感心しましたのは、ちょっと応援に参りましたら、ふだん見つけているようなあちこちポスターをぺたぺた違反して張っているのを含めて、一切されいにないわけですね。 どうしたのだろうと思って聞いてみましたら、実は警察の方々が先頭に立って、いろいろ各役所の方々も出たようでございますが、もう徹底的に一つ一つ全部PRすると同時に、それをのけていっちゃっているんですね。もういやおうなしに、いろいろな人が全部寄ってきて、警察が先導しながらそういうのをやっていって、そしてまた変なところには単なる警告でなくて、厳しい警告もされているようで、みごとにきれいになっているわけですよ。そして一枚、二枚たまに取り残したのがありますと、見ていると、どこの党の人かわかりませんけれども、道すがらでも、自分のところがあるとあわててばっととまってのけていっているというふうなことで、そういう意味での非常にきれいな選挙ができておった。 そういうのを見て痛感するのですが、これは国を挙げてそういうふうにまず一カ月間ぐらい本気になって取り組んで、各省庁力を合わせておや力になる、こういうことによってこの問題が一挙にぐっと進むのではないか、こういう気がいたします。特に地方自治体でそういう空気が起こってくる中で、一地方自治体だけではどうにもならないという分野がずいぶんあるようでございまして、まずそこらあたりから手がけておやりになるということが必要じゃないかと思いますが、こういう点について最後にお答えをいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 何とかの日とか何とかの月間というのは私は本当は余り好きじゃないのですが、事ここまで至れば、いま先生の御提案は事を進める端緒になる、非常にわれわれ参考になります。ひとつ十分に参考にしてこれをやっていきたいと思います。 それから、お話の中にあった経済に合わないということだけで物を考えるべきでない。われわれ一代じゃないのですから、ずっと続くのですから、いま経済に合わないというのではなしに、ずっと長い目で見て経済に合うかどうかということだって考えてみなければならぬのだろうと思います。 それから処罰だって、これはいけないとか、これは処罰できないとか、処罰も余り好きじゃありませんが、自動車の中で飲んではっと表へ捨てて、あれはいけないのですから、いけないものはいけないようにしなければ、よその国では五万円ぐらい罰金を取るなんて、きれいな国がありますよ。だからそれもやらなければならぬし、町のビラなんかも選挙法で今度はなくなるのだとかいうようなことで、衆議院の方は通ったとかいうことでございます。あれはいいことだと思いますが、その他愛な映画のポスターや何か……
○橋本主査 できるだけ簡潔に願います。
○鯨岡国務大臣 男と女の裸の絵なんか、ああいうのはないようにわれわれひとつ努力していきたいと思いますから、いろいろ考えたことを教えてください。お願いします。
○鍛治分科員 では、最後にひとつ……
○橋本主査 時間がすでに過ぎておりますので、簡潔に締めくくってください。
○鍛治分科員 長官に大変御丁寧な答弁をいただきまして、その御決意を実施をしていただきたい。われわれにもこういう問題は責任がないとは言えませんので、一緒になってやるときには前向きでやりたい、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。大変ありがとうございました。
○橋本主査 以上で鍛治清君の質疑は終了いたしました。 次に、辻第一君。 ただいま日本道路公団理事持田三郎君にも参考人として御出席をいただいております。 参考人の御意見は、分科員からの質疑によってお述べ願いたいと思います。
○辻(第)分科員 私は、いわゆる西名阪自動車道の香芝高架橋の超低周波空気振動や騒音による公害問題について質問をいたします。 この問題はもうすでに長い期間の問題であります。それから国会の中で何回も質問をされておるという問題で、大臣もよく御存じの問題だというふうに思うわけでありますけれども、実際のところ、現在まで何ら実効のある対策がやられてこなかった、いまだに深刻な被害が続いておるというのが現状であります。私は、本当に国民が健康で文化的な最低限の生活を営む、そのような憲法の権利の問題から見てみましても、また、公害対策の基本理念の面から見てみましても、速やかに解決を図っていただく、このことが政府の責務ではないかというふうに思うわけであります。そして大臣よく御存じだと思いますけれども、この被害の実態についてしばらく述べさせていただきたいというふうに思うわけでございます。 私の地元でもございますので、私はこの被害を受けている方々から何度もお話を聞きました。現地にも赴きました。現地では実態調査にも参加してまいりました。また、環境庁から調査にお越しいただいた方にも御同道した、それから試験家屋というのがあるわけでありますが、そこでも私は二回ほどそれぞれ一時間体験をした、こういうことであります。 いま資料をお渡ししたと思いますが、その一ページ目にありますように、五十二年十一月ですか、二度にわたって被害者同盟、香芝町あるいは県が調べてまいりました。それに見られますように、本当にたくさんの方々が頭痛だとか不眠だとかいらいらだとか肩こりあるいはむかつき、そして県や香芝町が調べたのでは四十五人も鼻血が出るというような、そういう深刻な被害が出てきておるわけであります。しかもすでに昭和四十七年に四車線になり、四十九年ぐらいから地域の住民からこういう被害も起こっておるという声が出ました。そして社会的に大きな問題になったのは、五十二年十月に被害者同盟ができて、そこから大きな問題になってきたわけでありますけれども、もう最初から見ますと七年を超えておるというような状況ですね。 しかも昼間だけではなしに夜中、特に夜中の方がきついですね。四六時中、しかも七年間にわたってこのような状態が続いてきておる。そしていろいろ対策もやられたわけでありますが、実効のあるものがなかった。最近また大阪の環状線、松原線ですか、それとの連絡がとれまして、一層自動車の通過量がふえておるというような状況の中で、さらに被害はひどくなりつつあるというのが現状であります。 もう本当に、どう言いましょうか、四六時中でしかも七年間、家というのはお互いに帰ったら憩うということでありますし、また家庭の団らん、そういうこともできない。ですから、中にはいろいろな症状のために会社をやめたという人もありますし、どうしてもしんぼうできなくて転居をした人もある。それから、夜中に毎晩こわいと言って泣く子供が出てくる、こういう状態ですね。それから、いらいらしますから、家庭の中でけんか、トラブルというようなことも起こりやすい。まさに憲法で保障された状態に相反して、大変不健康で、そして非文化的な状態が続いておる、こういうことであります。私は、この状態を一刻も早く解決をするために御努力をいただきたい、このことを強く要望をするわけでございます。 しかもこの被害の原因、因果関係というのは、私どもから言わせれば非常にはっきりしているわけですね。それは、二枚目の資料にありますように、いろいろ調査をしてまいりますと、低周波では中央値で大体七十デシベルを超えております。それから、これは試験家屋のとこるだったと思いますが、ピーク値では九十デシベルを超えておるということであります。また、騒音の問題を見てみましても、これは五十二年でございましたか、ピーク値では七十ホンを超えておりますし、中央値では大体五十ホンから六十ホン、こういう状態であります。私も試験家屋でなにしてきたわけでありますが、本当に頭が重くなるような、それから、いらいらします。私は一時間の経験ですが、そういう状態。 こういうふうに調査をしてみますと、大変な超低周波や騒音があるということも明らかでありますし、それから、橋から遠くへ行きますと、無論低周波が低くなりますし、騒音も低くなりますね。それから、被害者の症状も遠くへ行けばだんだん軽くなります。うんと遠くへ行けば全くなくなる、こういうことですね。それから、この地域はもともと静かな田園地帯であったわけでありますが、ここへ高速道路ができて、どんどん車が走るということになってからこういう状態が起こってきた。 こういうふうに見てまいりますと、もう因果関係ははっきりしておる。この高速道路からこのような被害が出てきておることは明らかな問題だというふうに思うわけです。しかし一面、そのような低周波あるいは超低周波の橋からの発生メカニズムがどうなのか、あるいは超低周波の人体に及ぼす影響の科学的な、またあるいは病理学的なといいましょうか、そういうメカニズムがどうなのかということになりますと、これはまだ明確でないものもあるということでありますけれども、現地で見てみれば、もう疫学的に因果関係は明らかであります。 こういう問題が、いまだに実効ある対策ができずに、しかも現在の段階では、道路公団は、因果関係がはっきりしない、また発生メカニズムが科学的に明らかになっていない、そして規制の基準がはっきりしていないということで、道路の補修あるいは家屋の補修に限ってはするけれども、それ以外のことはしない、こういうことなんですね。現地の人は、そういういろんな症状が起こりますから、必ず医者にかかります。医療費がどうしてもかかりますね。それから、もうそこにいたたまれずに逃げていかれる、移転される、そういう方もたくさんあります。それから、家屋が傷みます。こういう状態。そういう面については何ら対策がとられていない、そういうものは拒否をされている、こういうのが現状であります。 こういう状況の中で、一刻も早くこのような被害をなくして、静かな夜を返してあげる、そして問題を解決していく、このことが緊急に求められている状態だ、私はこういうふうに心の底から訴えるわけであります。ところが、現在この問題が裁判で係争中でございます。そして先ほど申しましたように、基準もないということ、因果関係が明らかでないということで、道路公団は手詰まりというような感じで、ほとんど対策がとられていない、あるいはしようとしない、きわめて不誠意な状態であります。 それで、これまで公害問題というのは、基準のあるなしにかかわらず、やはり迷惑をこうむっている人たちに対する対応は何らかの形でしなければならない、このように言われたこともあるわけでありますが、大臣、いかがなものでしょうか。環境基準があるなしにかかわらず、規制基準があるなしにかかわらず、あるいは現在裁判で係争中であるにかかわらず、被害を受けている方に本当に適切な対応がされるべきではないか、こういうように思いますが、その点についてのお考えをひとつお聞きしたい。 それから、先ほど私がいろいろ長い間述べてまいりましたこのような状況、一刻もゆるがせにできない深刻な被害の状況に対し、現在実効のある対策がとられていないというような状況に対しまして、大臣はこの問題をどのようにおとらえになっているのか、そしてこの問題について今後どのように御対策をされようとしているのか、この二点についてお尋ねをしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 奈良県の香芝町の方々がいまお話しのようなことで迷惑をこうむっておられることはよく承知しております。そこで道路公団の方に、この対策を立ててくれるように話をしまして、幾つかの対策を立てていることも承知しておりますが、きょうは現に来ておりますから、また詳細にお聞き取りを願いたいと思います。 私の方としては、騒音などと同じように基準をひとつつくりたいと思いますが、これ、どういうものなのか、実際言ってよくわからないです。そこで私どもの方はお金をかけて、権威あるところにいま調査をしてもらっているわけです。そこへは、委員の方々にも御視察をいただいたようなこともありますが、なかなかこれ結論が出てこないということで、実は困っているわけなんです。 いまいただいたこの表を見ましても、ホンだけで見ますと、ここはかなり多いですよ。交通量も多いから多いですが、この程度のところはほかにもいっぱいあるのです。ところが、低周波という問題になってくると、なかなか方々にあるわけでないんで、全く困っている状態でございますが、鋭意学術的に検討を進めて、そして基準がつくれたらつくれるようなことにしていきたいな、こう考えているわけであります。
○辻(第)分科員 鋭意検討し努力をするというお話ですけれども、もうすでに七年もたってしまっていますし、社会的問題になってから三年もたっています。それから、先ほど私が申しましたように、本当に一刻もゆるがせにできないような状態でございますので、これまでの延長線になりますとまたなかなか先の話で、いつ解決するのやらという感じであります。本当にもっといろいろと皆さん方の一層の御努力をいただきたい、そういうふうに申し上げたいと思います。 次に、基準値づくりでございますが、五十三年の十一月七日、私どもの沓脱参議院議員が質問をいたしましたときの御回答で、五十三年度には物理的な影響を調べよう、五十四年は睡眠への影響を調べる、五十五年は住民健康影響調査、五十六年は住民反応調査をやっていこう、このようにして大体五十七年にはめどを立てたい、このようにおっしゃっておったわけでありますが、一つは、早く基準をつくっていただくことも非常に重要なことでございますので、現在までのところどのように進展をしておるのか、それからめどは、これまでどおり五十七年ということでしょうか、その点についてお尋ねをいたします。
○三浦政府委員 私ども、環境基準は一刻も早くつくりたいという気持ちで、いまいろいろ先生方にお願いして検討していただいているところでございますが、何せ環境基準をつくるとなりますと、どうしても因果関係とか、学問的な裏づけが要る。先ほど大臣からも御答弁がございましたように、先生はお医者さんでよくおわかりと思いますけれども、非常にむずかしい問題でございまして、五十二年から研究を始めまして、いま先生おっしゃいましたように、沓脱先生に御答弁申し上げましたように、五十七年まで、六カ年計画で予定どおり進めておりますけれども、いかんせん非常にむずかしい研究でございますので、どの時点で環境基準ができるかということは、私ちょっとこの段階で申し上げるわけにはまいりません。ただ、私どもの気持ちといたしましては、一日も早くつくりたいという気持ちで作業をやっております。
○辻(第)分科員 大変むずかしい問題であることは私もわかりますけれども、先ほど申しましたような状況でございますので、さらに努力をしていただきたいつそれから、五十七年というめどは、やはり無理でございますか。 それからもう一つ、五十三年の物理的な影響なんかは、人体実験的なものがあったので、私は非常に危険が伴うものではないかというふうにも思うわけであります。このような調査では私、疫学的な調査も重視をしてやっていただきたいということもつけ加えておきたいと思います。五十七年のめどについてもう一度……。
○三浦政府委員 一応五十七年目標にやっておりますけれども、それが終わったから、さあすぐ環境基準ができるかというと、これは私はちょっと自信がございません、余りにもむずかし過ぎますので。一日も早くひとつつくるように努力はいたしたいと思っております。 それから、いま疫学調査というお話が出てまいりましたが、疫学調査をするにしましても、やはりいろいろな調査項目が必要ですので、どうしても生理学的な影響、健康影響、こういうものをもう少し煮詰めませんと、なかなかどういう項目でやっていいかもまだわかっておりません。とりあえず、私ども五十六年には、生活に及ぼす影響というようなことで、ひとつ健康影響についてもアンケートのような形でやろうかな、こういうことでいま検討しておるわけでございます。
○辻(第)分科員 次に、道路公団にお尋ねをいたします。 先ほど来るる述べましたように、道路公団のこれまでの御対応というのは非常に誠実さに欠けておるというふうに私は考えておるわけでありますが、それは別として、質問を続けたいと思います。 まず、昭和五十三年一月三十一日に、公団の技術部長の通達で「低周波空気振動問題に係る技術上の当面の措置について」という通達を出されておるわけでありますが、これは「低周波空気振動に因る影響が予想される場合又は既に影響が生じていると考えられる場合における橋梁高架の構造等に関して」、それから「橋梁全体の剛性を高めるための措置又は橋梁端部の剛性を高めるための措置」など、数項目の指示をしておられるわけです。「既に影響が生じていると考えられる」橋梁は、香芝高架橋、中央道の葛野川、阿知川橋のほかにどんなところがあるのか、まずこの点が一つと、 次に、一この指示の中で「供用中の道路に係るものについては、十分な調査を実施し、その結果にもとづき適切な対策を講ずること」としております。この場合、「鋼銀桁の桁間隔の短縮、桁高の増高、鋼橋の端横桁の剛度増加、床板端部のスラブ厚さの増厚等の橋梁全体の剛性を高めるための措置又は橋梁端部の剛性を高めるための措置」と、「伸縮装置の設置位置及び形式」について検討するもの、このようにあるわけでありますが、香芝高架橋の場合はどのような検討、対応をしておられるのか、お尋ねをしたいと思います。 この二点についてまずお尋ねをいたします。
○持田参考人 お答えいたします。 五十三年一月三十一日に公団の技術部長名で、低周波で影響を受けているような橋梁ということでございますが、確かに西名阪の香芝高架、それから中央道の阿智村にございます阿智川橋、それから同じく中央道の大月市内にかかっております葛野川橋、これらについて住民から低周波の苦情というのが出ております。 それで阿智川、葛野橋につきましては、一応対策を技術部長通達の指示に沿って検討いたしまして、それぞれの処置をしております。それから西名阪の香芝橋でございますが、これにつきましては、この技術部長通達の中で、建設計画中の橋並びに建設中の橋、こういったものに対する、まず低周波に対する対応策というものを細かく述べてございます。 第二番目の供用中における問題でございますが、これはやはり十分な調査をしなければいかぬということが大前提でございます。したがいまして、香芝につきましてもそういった調査をやってございますが、何分にも低周波というものが新しい問題でございまして、公団も非常にいろいろ苦慮してまいったわけでございますが、この香芝につきましてはやはりいろいろ検討いたしましたけれども、伸縮装置の点について問題があるのではないかということで、伸縮装置の改造をいたしてございます。 その他、五十一年から毎年舗装の悪いところを直すとか、あるいはただいま申し上げました伸縮装置の改良あるいは遮蔽箱をその下に置きまして、そういったものの十分な解明はできませんけれども、何らかの処置をしてまいりました。 それから、全体的にやはりけた端部がどうしても荷重によって凹凸ができますので、こういった点につきましても路面を平滑にしよう、と申しますのは、やはり衝撃が起きますと、けたの振動とかいろいろ影響がございますので、そういったものも平滑にするというようなことで、趣旨に沿って五十一年から順次施工をしてまいったわけでございます。 以上でございます。
○辻(第)分科員 そして、香芝の高架橋の場合は、三宝げたと呼ばれる合成げた橋でありますが、これは私どもから見てみますと、一般的に合成げた橋の中ではどちらかといえば剛性が低いというふうに考えているわけでありますが、この三宝げた橋というのは、現在この構造のものをつくっておられるのかどうか、その点を一言でお答えをいただきたいと思います。
○持田参考人 お答えいたします。 香芝高架橋は三宝げたでございますが、三主げたが必ずしも剛性が低いというわけではございません。たとえば三主げたにいたしましても、やはり設計荷重、そういったものの計算上いきますと、三宝げたのけた高の高いけたと、あるいは四主げたでけた高が低い橋というようなことがございまして、必ずしも三宝げたが剛性が低いということではないと思います。 その後、現在やっておりますのは、三主げたは二部はあろうかと思いますけれども、ほとんど四主げたとかあるいはその他のPC橋、コンクリート橋、こういったものを計画、建設いたしてございます。
○辻(第)分科員 それでは、時間がなくなりましたので、建設省さんにお尋ねをするのですが、やはり三宝げた橋というのは現在もうほとんど使われていないということですか。現在つくるときには、三宝げた橋というのはやられていないということでしょうか。
○鈴木説明員 現在、橋梁の設計をする場合に、横げたの間隔を三メートル未満にするのが望ましいということにしておりますので、通常の場合には、いまの場合には旧主げたになると思います。
○辻(第)分科員 それで、建設省さんにお尋ねをするわけでありますが、私どもの考え方では、このように三宝げた橋などはやはり剛性が低いというふうに思うのですが、そしてこの橋梁がたわむことなどによって低周波、超低周波は一層増大をする、このように考えております。そして、建設省の橋の設計基準なんかでは一定のたわみ率を見ていらっしゃる。二十五メートルで七・五ミリ、こういうことでありますが、今後この橋梁のたわみ率をもっと少なくするといいましょうか、そういうふうに変えていただかないと、やはり剛性の低いものがつくられる、たわみや揺れの多いものがつくられるということになろうと思いますが、その点について、この橋の設計基準なんかを変えようとされていないのかどうか。その辺について。
○鈴木説明員 初めに、三宝げたは、先ほど道路公団の理事の方が答えましたように、必ずしも剛性が低いとは限らないわけでございますが、その点はちょっと申し添えたいと思います。 たわみ量でございますが、道路橋の仕様書に定められておりますたわみの許容量といいますのは、車両が安全に走行できるように、あるいは変形に伴います二次応力の影響がありますので、それに対して構造物が安全になるような、そういうような観点から定められているわけでございます。 それで、現在の段階では、橋梁のたわみと低周波空気振動の相関関係がはっきりしてないということ、あるいは低周波空気振動の規制基準というものがございませんので、その低周波振動に関する観点からいまの基準をきちんと変えるということはまだできないのじゃないか、かように考えております。
○辻(第)分科員 それではまた道路公団に戻るわけでございますが、この低周波公害の問題では、高速道路では高架橋のところでは至るところで低周波が出ており、騒音、振動の問題がある、私はこういうふうに思うのですが、その中で西名阪の問題が一番大きく問題になっていますね。ですから、西名阪の問題が特別の問題なのかどうなのかということ、もし特別であればどう特別だとお考えになっておるのか、その点をお尋ねしたいと思います。
○持田参考人 お答え申し上げます。 西名阪の香芝の橋につきましては、当時できておりました橋梁の設計指針のとおりやっておりますし、いろいろ問題はございますけれども、特殊なものとは考えておりません。
○辻(第)分科員 それから、道路公団には試験所というのがございますね。ここで、この低周波の問題、いろいろ御検討いただいているのではないかというふうに思いますし、それから西名阪のあの高架橋の低周波の発生メカニズム、こういうものはお調べになっているのかどうか。そして、もしお調べになっているのなら、その資料を、後日で結構ですが、ぜひ提出をしていただきたい。
○持田参考人 お答えいたします。 五十年に香芝地区でそういった低周波公害の問題が起こりまして、五十一年から騒音の調査、あるいは先ほど先生からお話ございました試験家屋を五十二年十二月に建てまして、それからその試験家屋でいろいろのデータをつくっております。また、試験所でもそういった低周波に対するいろいろな角度の調査をやっております。多岐にわたりますのでいろいろたくさんの資料がございますが、こういった資料を検討をいたしまして、また整理をしなければなりませんが、それが終わりましてから、御指示におこたえしたいというふうに思います。
○橋本主査 時間が切れましたので締めくくってください。
○辻(第)分科員 それでは、建設省もこの低周波の問題での調査研究をやっていられるように聞いておるわけでありますが、その資料も私どもに御公表いただきたいと思います。 そして最後に、大臣に一言お願いをしたいのですが、深刻な事態でございます。環境基準をつくるとか、その他のまたいろいろむずかしい問題がございますけれども、本当に一刻もゆるがせにできない状態でございますので、一層その点について御努力、御対策をいただきたい、重ねてお願いをする次第でございます。二言、決意と申しましょうか、おっしゃっていただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 せっかく勉強して、早く環境基準がつくれるように努力したいと思っております。
○橋本主査 以上で辻第一君の質疑は終了いたしました。 次に、竹内勝彦君。
○竹内(勝)分科員 最初に、湖沼の関係に関してお伺いしておきます。 まず、琵琶湖等淡水赤潮調査費並びに総量規制のための調査費、そしてまた、この琵琶湖の総量規制に関しては、前の長官が、五十六年度中には実施するのだ、こういうことも約束をしておる、そういった関係も含めて、国として現在どのような対応をしておるのか、予算面についてもあわせてお答えいただきたいと思います。
○小野(重)政府委員 まず淡水赤潮の調査費でございますが、五十四年度から淡水赤潮対策調査を実施しておりますとともに、専門家から成ります淡水赤潮検討会を設けて、種々の検討をしております。 予算の御質問でございますが、五十六年度で千四百八十三万五千円の調査費を計上いたしております。 次に、総量規制の関係でございますが、琵琶湖につきましては、五十六年度中に導入するということを目途に必要な調査を行っております。 その関係の予算でございますが、五十六年度では四千三百十五万円の予算を計上しておるわけでございます。 以上でございます。
○竹内(勝)分科員 この総量規制に関して、五十六年度実施という問題に関しては、どうですか。もう迫ってきましたけれども、これはできますか。
○小野(重)政府委員 五十六年度中に導入を目途に検討しているというふうに申し上げましたけれども、この水域の指定、政令で指定しますが、これをまず行う必要があります。これを五十六年度中には実施したい、かように考えておるわけであります。
○竹内(勝)分科員 御承知の、滋賀県の富栄養化防止条例で燐の規制が行われました。そこで、現在、その後琵琶湖の水質状況というものはどう変わってきておるのか、どのように掌握しておりますか。
○小野(重)政府委員 滋賀県で富栄養化防止条例をつくりまして去年の七月から施行しておるわけでありますが、琵琶湖自身についての燐がどういうふうになっているかということはまだ調査がされておりませんけれども、琵琶湖に流入する河川における燐の状態はわかっているわけであります。 五十五年とその一年前と比べますと、たとえば、これは一つの例でございますが、八幡川について見ますると、その下流でございますが、去年に比べてことしが大体四分の一に減っているというようなデータがございます。したがいまして、その効果というものが漸次あらわれてくるものというふうに期待しているものであります。
○竹内(勝)分科員 それでは、環境庁が考えておるいわゆる湖沼法、先日もその要綱が発表されておりました。湖沼環境保全特別措置法案という形で今国会に出すべく検討中である、このように伺っておりますが、その進捗状況、同時に今国会に出すのかどうなのか、その点あるいは問題点があるならどの点が問題点なのか、その辺も含めて御答弁をいただきたいと思います。
○小野(重)政府委員 湖沼の環境保全対策につきましては、去年の十月に中公審に諮問いたしまして、ことしの一月二十七日に答申をいただいておるわけであります。この答申の趣旨を踏まえまして、現在関係各省庁と折衝、調整をいたしているところであります。 そのねらいは、御案内のように湖沼が非常に汚濁に敏感で、汚濁を蓄積しやすいという特性にかんがみまして、一般の公共用水域における対策よりもより幅広く、いい対策を総合的に講ずる必要があるということで、都道府県知事がその湖沼に即した計画をつくりまして、それに基づきまして各種の規制あるいは各種の事業を総合的に実施していくということをねらいとしているものでございます。 進捗状況というお尋ねでございますが、現在関係各省庁と折衝している段階でございまして、今国会に提出することを目途に努力しているところでございます。
○竹内(勝)分科員 大臣、この前も、この湖沼法に関しては大臣としてもぜひ意欲的に取り組んでいく、このように所信を表明しておるわけでございますが、いまの話で、目途ということでございますが、どうですか、今国会にちゃんと出るのかどうなのか、大臣としてはっきりさせてください。
○鯨岡国務大臣 せっかく、政府の案をまとめて国会の御審議を願いたいと、鋭意努力をいたしております。
○竹内(勝)分科員 次に、各地において散乱している空きかん問題に関して若干質問をさせていただきます。 この空きかん問題に関しては、全国各地において大変な問題を起こしておるのは、これはもう御承知のとおりでございます。そこで、この空きかん問題に関連して各省庁間の連絡調整を図る、こういった意味で空カン問題連絡協議会というものがここで発足し、今後のこの方針に関して、具体的に何をやっていくのか、そういった面も含めて、いままでの状況、これは簡単で結構でございますが、御説明をいただきたいと思います。
○石川(丘)政府委員 お答えいたします。一この連絡協議会におきましては、空きかんの散乱の防止に関するPRの充実とか、あるいは市町村や地方公共施設、これは道路とか公園等でございますが、施設の管理者の対応はどうあるべきか、あるいはその容器の再資源化の問題といったような問題につきまして、一応六月末を目途にいたしまして一わたり検討を行いたい、当面できるところから対応してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○竹内(勝)分科員 空きかんに関しては、もう各地方自治体におきましてもいろいろなものが出ておることは御承知のとおりです。 そこで京都の場合を例にとりますと、空きかん回収条例案という形で先月も最終答申が出て、いよいよこれを実行に移していく、こういった意味では、いろいろ問題点があるやに伺っておりますけれども、今後いろいろそのプロセスの中で進んでいくわけでございます。そこで、たとえば京都の場合で、地方自治体と業者の間で設置されることになっている空きかん再資源化センター、こういったものがございます。これは京都市の場合で地方自治体と業者の共同出資です。そこでセンターをつくって、そうして事業者共同組織というものができて、そしてそのところで回収、資源のサイクル、こういったものを行っていく、こういう形ですね。こういう大規模なセンターの建設というものが空きかん処理の一環としてどうしても必要でございます。 そこで、再資源、回収といっても、採算ベースに合わなかったならば、地方自治体としてもやっていけるわけはないわけですね。そこで、地方自治体や業者にただ単に任せるというだけではなくて、この空きかん処理問題の一環としてどう取り組んでいくのか、つまり国としてもこの種のセンターのようなものに積極的に補助を出して、そして今後の問題として必要である、こう認めていくならば、この問題に積極的に取り組んでいく必要があるのではないか、こう思うわけでございます。通産省の御意見をお伺いしたいと思います。
○角南説明員 御指摘のありました地方自治体と事業者のこういう回収のための組織につきまして、現在の制度で通産省から直接補助金あるいは財政的な補助を出すということは、どうもなかなか困難に考えております。 ただ、通産省といたしましては、これまで財団法人でクリーン・ジャパン・センターというものの設立を指導してまいりました。この団体は経済界が中心になってつくっていただいたものでございますが、これにいろいろな補助金を出しております。その一環といたしまして、空きかん対策に着目いたしまして、ボランティアの組織化の見地から、ささやかなハードウエアの提供あるいはノーハウの提供ということについての事業を五十五年度から始めておりまして、この制度をたとえば京都市等で御利用いただけるということであれば、非常に喜んで五十六年度の対象として検討することが可能かと存じます。
○竹内(勝)分科員 通産省はそのように答えておりますが、どうですか、環境庁として、この空きかん問題、今国会におきましても論じられております。また、前臨時国会におきましてもいろいろな角度からこの問題等が論じられてきておる中で、長官としても、こういった社会問題にもなっておるものに何とか対処していかなければならない、こういう趣旨の答弁をしておりますが、これはいまや京都市の問題にとどまらず、全国的な社会問題になってきておる。これに対して国としてどう対処しようとするが。これは何しろその地方自治体に任じておけばいいんだというようなものでは済まないと思うのですね。こういう方向に持っていったならばよいのではないかという大臣のお考え、この点をここで明確にしておいた方がいいのじゃないか、こう思います。
○鯨岡国務大臣 環境庁では、去年から、いまの連絡協議会ができる前から、各地方ごとに、どういう実態であるかということを調べていたことは御承知のとおりであります。そして、いま連絡協議会というものができてやっていますが、各地方自治体に任せておけばいいんだと考えていないことは、それをもっても御承知いただけると思います。そして私は、この問題は半分以上はモラルの問題だと思いますよ。空きかんをそこらじゅうに捨てるのが一番悪いのです。ですから、そういうことをしない人間をつくれば半分以上片づきます。あらかた片づく。そこで、そういうようにするために文部省、それから総理府の方ともよく話をして、そういう教育というかそういうPRをどんどんして、自分のやったかすをそこらじゅうに捨てることは恥ずかしいことなんだというふうに思ってもらえるような運動をいま展開してもらっているわけであります。
○竹内(勝)分科員 長官、それはもうモラルの問題やそして良識に訴えてやっていく、これはみんな重々わかっているんですよ。そういうものも含めて、これだけ長い間京都市としても意見を交換し、こういった最終的な答申が出てきた。当初デポジット制度という考え方で、アメリカのオレゴン州等のそういったものも参考にしながらやってまいりました。しかし、これはいま検討課題になっております。いろいろな意見があるわけです。そういう中で、いま業者と地方自治体が力を出し合ってこういう回収センターというような形のものをつくってやっていこうという動きにあって、通産省としては補助金という問題はなかなかわが方としてはむずかしいというような答弁の中で、じゃ環境庁として一生懸命やるんですというならば、一体法的措置まで含めて、補助金の問題まで入れて今後どういう態度でやっていくのか、その点もう一度、済みませんが御答弁をお願いします。
○鯨岡国務大臣 御質問の要旨が地方自治体に清掃のための補助金を出したがいいというふうにお考えなのか、それとも経済的に合わないものをやっているんだから、経済的に合うものにして、それならば業者の方に補助金を出せとおっしゃっているのか、その辺のところがよくわかりませんが、私は、補助金というようなことでなしに、それはやっているんだとおっしゃいますが、表面上は国民のモラルに訴えて、恥ずかしくてできないというような方向に持っていく、あるいは罰則というものもいやですけれども、それも考えていただいてやっていくのが第一義だというふうに考えているのですが、いかがなものでございましょう。
○竹内(勝)分科員 私の言っていることは、この京都の場合は業者とそれから地方自治体と協力してやろうというのです。ですから、両面を言っているのです。どちらを答えてくれなんということを言っているのではないのです。したがいまして、両面も含めて、その補助金等も含めて環境庁としてはどういう考え方なのか、そこをもう一度、補助金のところをはっきりさせてください。
○鯨岡国務大臣 明らかにお答えいたしますが、私、いまの段階では補助金ということは考えておりません。
○竹内(勝)分科員 そこで農林省にお伺いしておきますが、現在ボトラーを指導監督する立場ですね。事業者が美化運動などにどのように取り組んでいるのか、また今後どのような考えを持っておるのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○鷲野説明員 お答え申し上げます。 かん飲料のメーカー等の事業者でございますが、空きかんの散乱防止の啓蒙とかPRの一環としまして、四十八年に飲料業界七団体から成ります食品容器環境美化協議会を設置しまして、空きかん投げ捨て防止についてのPRとか容器回収等に関する研究それから観光地等における美化キャンペーン等の事業を行ってきております。それ以外に個別のメーカーにおきましても、それぞれ自社で販売します飲料かんへの投げ捨て防止の表示を印刷するほか、美化の呼びかけ等を行ってきたところでございます。 ごく最近になりまして、空きかんの散乱が重要な問題になってきていることにかんがみまして、当省の指導もございまして事業者は、空きかん投げ捨て防止のPR等の活動を一層強化するために、新しい措置としまして、従来の飲料かんへの投げ捨て防止の表示に加えまして、飲料かんに共通の統一の美化マークをつけるということを決めました。それからまた、各メーカーがかん飲料のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌等の広告を行うに当たりましても、この統一の美化マークを活用すると同時に、音声や字幕等を通じまして美化の呼びかけをしよう、こういうことも決めておるところでございます。
○竹内(勝)分科員 空きかんの散乱を防止する観点から、さまざまな要素が考えられます。その中でまず、空きかん箱自体が整備できているのかという面を考えますと、非常に増加の傾向にある自動販売機、そのそばに空きかんを入れる空きかん箱がない面がうんとあるのですよ。自動販売機からジュース等を買った人は、その場で飲む場合もあります。しかし、持ち帰って移動して他の場所で飲む場合もございますけれども、しかし、いずれにしても自動販売機のところに今度は必ず空きかん箱を置いてその散乱を防ぐ、そういうことが考えられてもよいものでございますし、また空きかんをボトラーが回収して製かんメーカーに運搬する、そういう体制がまた必要ですよ。売る側も売るだけ売ってあとは知らないということは許されないわけでございますし、ボトラーが自動販売機のそばに必ず空きかん箱を設置する、そしてまた空きかんの回収を行う、こういった面に関しては空きかん問題に対するボトラーやメーカーの最低の義務じゃないか、こう考えるわけです。 たとえば関係省庁等ではっきりしてもらいたいのは、廃棄物処理法第三条にございます「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物の再生利用等を行なうことにより」として「適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。」、このようにあるわけでございますので、その面も含めてひとつ通産省あるいは農林省、厚生省に伺いたいわけでございますが、空きかん箱あるいはそれを回収していく義務というようなものも含めてどういう考え方を持っておるか、お伺いしたいと思います。
○角南説明員 自動販売機につきまして、自動販売機メーカーを所管しております立場からお答え申し上げます。 自動販売機がメーカーの手を離れましてから実際に設置するまでいろいろな経緯をたどりまして、なかなか簡単にはまいりませんが、通産省といたしましては、農林水産省その他の省庁とも協力いたしまして、これまで自動販売機の設置に絡みまして五十年十一月に四省庁の連名で自動販売機に統一ステッカーを張るようにと、これによりまして自動販売機の周囲の環境美化を促進するようにというようなことをやっております。 それからくずかごの設置でございますが、自動販売機工業会においてもこの問題につきましてさまざまな検討を行っておりまして、現在関係業界を含めましてその具体化に取り組んでおります。通産省としても今後この動きをさらに伸ばすよう適切な指導を行ってまいりたいと考えております。
○鷲野説明員 自販機のそばにごみ容器を設置するという点につきましては、事業者もかなりそういうことで努力をしておりますけれども、今後とも御趣旨の点を踏まえまして、自販機メーカーを所管する通産省やあるいは厚生省ともよく連絡をとりまして、検討してまいりたいと思います。 それからくずかごの設置につきましては、先ほどお答え申し上げました食品容器環境美化協議会で毎年千五百個のくずかごの設置をしておりますけれども、今後ともこの事業の継続を行ってまいりたいと思っております。
○杉戸説明員 お答えいたします。 空きかん等の散乱を防止するため自販機のそばにごみ箱を設置することにつきましては、先生御指摘のように、非常にこれは有効な方策と考えております。一次的には、これは当該自動販売機の設置者または管理者が行うべきであるというように考えております。また、一たん投棄されて広く散在しているごみにつきましては、これは土地、建物または公共の場所の占有者または管理者が清掃しなければならないのでございますが、市町村におきましても、必要な場所に公衆用ごみ容器を設けなければならないとされておりまして、その面につきましても、先ほど環境庁からも御説明がございました各省連絡協議会の場などを通じまして検討をさらに進めてまいりたいと思っております。
○竹内(勝)分科員 再資源化ということで通産省にお伺いしたいわけですが、今後、これは非常に重要な問題でございます。限られた資源の中でリサイクルをもって有効に行っていくということは非常に大事な問題でございますけれども、この空きかん対策の中での再資源化ということで、通産省としてどういう指導をしていく考えでございますか。
○角南説明員 まず現状でございますが、スチールかんが回収されまして、これがいわゆる電気炉メーカーで溶解され、または再生される。約四割くらいのものということでございます。アルミかんの方は、若干落ちまして二割前後というのが現在の状況でございます。 先生御指摘のとおり、再資源化ということではこの回収率をどこまで上げられるかということが一つのポイントかと存じますが、このために、通産省といたしまして空きかんメーカーを指導いたしまして、空きかんメーカーの一つの社会的責任としても空きかんの回収事業のお手伝いをさせていただく。具体的には、スチールかんメーカーがあき缶処理対策協会という組織をつくりまして、アルミかんメーカーはオール・アルミニウム缶回収協会、二つの組織をもちましてそれぞれPR、それから回収拠点の設置、あるいは農林水産省の御所管でありますボトラーの団体と非常にしばしば共同いたしまして実際の観光地におけるキャンペーン、くずかごの設置、こういうような事業をやっております。これが一つの柱でございます。 もう一つは、クリーン・ジャパン・センターという財団法人をつくっていただきまして……
○橋本主査 答弁簡潔に願います、竹内君の時間が来ておりますから。
○角南説明員 そこを中心にいたしまして地方自治体における分別回収ということについていろいろなお手伝いをしている、この二つの大きな方法からお手伝いをさせていただいております。
○橋本主査 竹内君、時間が参っておりますので締めくくってください。
○竹内(勝)分科員 それでは最後に、もう一度長官、これだけ各省庁にまたがっての空きかん対策という問題に関しては複雑な要素が絡んでおります。そういう中でぜひりっぱにまとめていただいて、そしてこういった社会問題にもなっておるものを、法的措置までは考えたくない、いろいろありますけれども、すべての面を含めて、それから先ほどの補助の問題に関してはいまのところ考えてないということですが、今後も全然考えないのか、その点も含めて検討していくのかどうなのか、そうでないと、この問題の解決はなかなかむずかしいのではないか、こういう意味から長官の今後の積極的な対応の仕方の決意を表明いただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○鯨岡国務大臣 大分世の中でこの問題大きく取り上げてまいりましたので、私は、いまお話しのように、まとめて、何とかひとつ十分な解決策をつくっていきたい、こういうふうに考えております。 それから補助金の問題、再度の御質問ですが、ボランティア活動などという、そういう活動に対しての補助金はあり得ると思います。しかし、経済に合わないものを回収するんだからというような意味で業者に補助金を出したり、あるいは固有の事務である清掃という問題に対して、かんに関して補助金を出したりというようなことは……(竹内(勝)分科員「地方自治体に対しては」と呼ぶ)地方自治体に対してもいまのところ考えておりませんし、これからの問題については、私、いまお答えすべき限度にない、こういうことでございます。
○竹内(勝)分科員 どうもありがとうございました。
○橋本主査 以上で竹内勝彦君の質疑は終了いたしました。 次に、小沢和秋君。
○小沢(和)分科員 山陽新幹線の小倉−博多間が、御存じのとおり、去年の十月から二百十キロにスピードアップをいたしました。そのために騒音や振動が非常に激しくなって、対策を要求する住民運動などが盛んに行われているわけでありますけれども、具体的にはまだほとんど手が打たれていないという状況であります。そのために、私数日前に行って発見したのですけれども、そのごく沿線の近所で、売り家と書いてあるのが見えると思いますけれども、砂子さんというお宅ですけれども、八幡西区の楠橋というところに住んでおられた方なんですけれども、たまりかねて引っ越してしまう、こういうような事態まで起こっているわけです。 まず環境庁にお尋ねをしたいと思いますが、ここは開業後三年はとっくにたっているわけであります。ですから、当然、少なくとも八十ホン以上のところはなくなっていなければならぬ地域だと私考えるわけですけれども、そうじゃないのかどうか、まずお尋ねします。
○三浦政府委員 先生御指摘のところは五十三年七月までに八十ホン以上のところを環境基準の達成地域にするということになっております。
○小沢(和)分科員 そうすると、五十五年十月からスピードアップをしたからということで八十ホン以上のところがあちこちに現実にできているわけですけれども、環境庁の考え方としては、そういうことはあってはならないことだ、直ちにそういう状態は解決されるべきだ、こうお考えになっていると思っていいでしょうか。
○三浦政府委員 新幹線鉄道の環境基準に沿っていろいろな対策が講じられる必要があると考えておりますが、先生いま御指摘の、時速二百十キロにスピードアップされた山陽新幹線の博多−小倉間の区域につきましても、八十ホン以上の区域については五十三年七月までに、八十ホン未満の区域はそれぞれ定められた期間内に環境基準が達成されるべきであると考えております。また発生源対策はもちろん、障害防止対策も含めて環境基準達成のための対策が講じられるべきであると考えております。
○小沢(和)分科員 国鉄の方お見えになっていると思うのですが、いま環境庁当局の見解は示されたわけでありますけれども、国鉄の方は、万全の措置を講じているとか、全力を挙げているとか、機会があるたびに言っておられるわけですけれども、いまの事態について国鉄としてはどう考えておられるのか、お尋ねをします。
○從野説明員 お答えいたします。 御案内のように、環境基準というものが五十年七月に定められたわけでございまして、私どもはその方針に従って十分いままで努力してまいったわけでございますが、残念ながら、非常に数も多いということもございまして、確かに若干おくれぎみでああということは事実でございますが、私どもは、これからも従来どおり懸命になってその基準を目指して努力を続けていきたい、このように考えております。
○小沢(和)分科員 これからも全力を挙げるというふうに言われるのですけれども、問題は、この地域については全力を挙げているのかどうかですね。私どもが聞いているのでは、地元の皆さんは、スピードアップがされるというふうに話を聞いて、あの防音壁が、御存じのとおりこの地域は地盤沈下の非常に激しい地域であったためにずっと下がって、車体がいわば浮き出たような形になっているために、いままでに比べると非常に騒音がまき散らされる状態になっている。少なくともそれぐらいは直ちに改善してもらいたいというようなことを言っておったけれども、こういうことについては全く手をつけずにスピードアップをやってしまった、こういうふうに聞いているわけです。この点については、今後もいままでと同じように放置をしておくつもりなのかどうか、お尋ねをします。
○從野説明員 あの地区につきましては、御承知のように地盤が余りよくないということもございまして、当初から二百十キロのスピードで安全に走行できるかどうかという点で若干危惧がございました。そういうことで、当初二百十キロで走るべきところを百十キロに抑えて走っておった。それがその後若干時日が経過いたしまして、一応大丈夫だという判断のもとに二百十キロに徐行解除したという経緯がございます。 それで、防音壁についても、当然そういったことをある程度予測をいたしまして、若干高目に高さをふやしてやっておったわけでございます。したがいまして、防音壁自体としての機能が発揮できなくなるような状況には立ち至っていなかったというふうに、私どもは一応判断したわけでございます。しかしながら、先生御承知かと思いますが、その継ぎ目のところで若干すき間ができたり、あるいは段違いになっているというような点もございますので、すき間等については早速一部手直しをやりました。それから、先ほど申し上げましたように、高さについても、段違いみたいな状況になっておりますので、これについてもいま手直しをやろうじゃないかということで、具体的なやり方について検討の段階でございますので、いつからと現段階で申し上げられないわけでございますが、近いうちにそれらについての処置を実施したい、このように考えておるわけでございます。
○小沢(和)分科員 御存じのとおり、いまの環境基準では、山陽新幹線まではこれは既設のものでしようがないけれども、それから先については開業後直ちに八十ホン以上のところはないという状態を実現しなければならぬということになっているわけですね。私は、この小倉−博多間については、スピードアップはこの精神でいかなければいけなかったのじゃないかと思うのです。だから、当然事前にあなた方は練習運転などをなさるわけでしょうから、それでどこどこが八十ホンを超えるというようなことを事前にチェックをして、家の方も手を打つとか、あるいは防音壁も上げる。私たちがいただいている資料では大体十ホン以上音がみんな上がっているわけですから、そういうようなことを事前にやってからスピードアップをするというのが当然だったと思うのです。その点から見て、私は非常に誠意のない態度だと言わざるを得ないと思うのです。 それで、防音壁についてはできるだけ早急に手を打つという御趣旨だと理解をしましたけれども、八十ホンを超えるような家も、私が伺ったところでは六十戸を超えるような戸数があると聞きましたけれども、これも早速手を打つということをお約束をいただけますか。
○從野説明員 徐行解除をやりまして当然騒音値が上がるであろうということは、私たちも予期をしておったわけでございまして、どのくらいになるかということで、およその見当もつけたわけでございますが、やはり家屋防音工というようなことをやる以上は、一応しっかりとした数字じゃないと、予測というのは地形とかそういったものによって違いますので、若干その辺についての危惧もございましたので、早速、徐行解除以後測定をいたしまして、先生御指摘のように六十戸ばかり八十ホンを超しておるということがわかりましたので、そういう御家庭に対しては早速私どもの方の現地の担当者がお邪魔をいたしまして、現在個個に折衝をやっておる段階でございます。中には若干、時期的に冬でございますので、必ずしもいますぐやるということが適当かどうかという点についての御心配もございまして、その辺についても十分実情を承りまして、三月に入れば——現在三月に入ったわけでございますが、一部やろうということで、これはやはりそれぞれの住んでおられる方の御事情というものがございますので、その辺を十分勘案しながら、できるだけ早く、しかもこれは数にいたしましてもそうたくさんあるわけではございませんので、話し合いがまとまり次第直ちにやるという態勢で実施をするというふうにいま準備をやっておる段階でございます。
○小沢(和)分科員 いま私は八十ホン以上のところだけ話をしましたけれども、御存じのように、環境基準では第一の類型のところは七十ホン以下に抑えなければならぬようになっているわけでしょう。だからもっともっといろいろな対策を早急に講じていただかなければならないのだと思うのです。 それで、地元の住民団体などの皆さん方が皆さんに対して要求を出したりしている。これに対しても、私が承知をしているのでは、全くゼロ回答と言っていいような状態で突っぱねているわけですけれども、こういう地元の皆さん方とも、一々私たちなどが話し合いを仲介しないと話そのものもできないというような状態ではなくて、どんどん国鉄の方も地元の皆さんの納得を得られるように誠意をもって今後話し合いをするということをここで約束していただきたいと思うのですが、いかがですか。
○從野説明員 この問題につきましては、先生御案内のように損害賠償ですか、そういったお話もあるようなわけでございまして、私たちと若干立場的に違ったようなお考えの方もかなりいっしゃるわけでございまして、その辺若干ぎくしゃくしておることも先生御承知のとおりだと思うのですが、先ほど来の御指摘にもございますように、八十ホン対策が五十三年七月という一応環境基準で示されました達成目標期間からおくれているということも事実でございますので、そういった点で、私どもといたしましては、これはやはり早くやらなければいかぬということで従来からも一生懸命やってきたつもりでございますが、個々の地区につきましてはそれぞれの事情もございまして、若干そういった点での相互の理解といいますか、そういったものが完全に一致しなかったという点はあるかと思いますが、いままでとおり誠意をもってこの問題に対処していきたい、このように考えております。
○小沢(和)分科員 じゃ、その問題はそれで了解をします。 それで、私がこの機会に国鉄当局にお尋ねをしたいと思いますのは、今度二百十キロにスピードを上げた理由として、路盤などが安定をして心配なくなった、こういうことが理由として言われているわけですけれども、私も含めて沿線の住民は、そのうち大事故が起こらなければいいがという心配を依然として持っておる。むしろこういうふうにスピードを上げたのでその心配を非常に強く持つような状況になっておるのです。国鉄当局は、いかなる根拠でこの路盤が安定して心配ないという状態になったと判断したのか、端的にお答え願いたいと思うのです。
○村上説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、この区間は地盤の悪いところでございまして、開業の工事を施工しましたときから地盤が沈下しておりますが、この地盤沈下は圧密沈下と申しまして、重い物が乗りますと地面の中の水が抜けていって地盤が下がるという現象でございまして、ある時間の経過がたちますとこれはおさまってくるという傾向のものでございます。開業以来、開業の前後からずっと測定をしておりますが、この一、二年は年間の沈下が一センチ以下というようなおさまり方をしておりますので、沈下に関しては不安がないというふうに考えたわけでございます。 それから、この区間は実は炭鉱地帯でございまして、古い炭坑の掘り残しがあるというおそれがある区間でございますが、これは建設のときから私たち心配をしておりまして、大学の先生等を含めた会議をつくって対策を議論しておりましたし、工事の実施に当たっては、数回にわたってボーリング調査で地盤を調べまして、危険のありそうなところにはモルタル等を注入をして地盤の改良を行った、あるいは橋梁等の大きい構造物は危険な個所より下までくいを入れておるということでございますが、念のために数カ所に計器を取りつけまして、傾斜や沈下が起こらないかということを監視してまいりました。これらの計器に全く異常がないということで、こういう地盤沈下のほかに、鉱害の対策も安心だという確信を得ましたので、スピードアップということにしたわけでございます。
○小沢(和)分科員 いまも話が出ましたように、ここは鉱害地帯なんですよ。大体あの地域で十八キロくらい昔の炭鉱跡地を走っているわけです。とりわけ遠賀川の周辺は、そこへもってきて粘土層が非常に厚いというような条件があって、ここは全国でも最も危険な地域だというふうにされて百十キロというスピードしか出せなかったわけであります。 しかし、それでは、この粘土層の方は、ある程度時間がたって圧密沈下などで安定をしてきたということをそのまま信用するとしても、問題は鉱害ですね。特に、鉱害の中でもいわゆる浅所陥没、これは御存じのとおり、ある日全く何の前兆もなしにぼこっとくるわけですよ。これがあったら本当に大変なことになると思うのです。これについてもその後心配ないということがわかったと言われるわけですけれども、鉱害対策については、いま言われたモルタルの注入ということをやられた程度でしょう。一体このモルタルの注入というのは何メートルくらいやったのか、浅所陥没というのは一体どれくらいまで危険があるというふうにあなた方お考えになっておられるのか。もうその点については心配は全くないというふうに言い切れるのかどうか、お答えを願いたいと思うのです。
○村上説明員 石炭を掘った跡の地盤の沈下は、いま御指摘がございましたような浅所陥没、浅いところがぼかっと落ちるという現象と、それから盆状沈下といいますか、全体がじわりと下がるという両方がございますが、浅いところが下がるというのは、過去の実例をその会議等で調べますと、大体二十メーター以下の浅いところが下がるということで、直径も大体四メーターから最大七、八メーター前後ということでございましたので、大事をとりまして一応念のために三十メーター以内までを徹底的にボーリングをしてモルタルの注入を行った。それから、十メーター程度の範囲の陥没のおそれを考慮しまして構造物のくいの設計等を行ったというのが設計の基本でございました。
○小沢(和)分科員 ちょっと資料を見ていただきたいと思うのです。——浅所陥没というのは、御存じのように半永久的に、いつになっても起こる危険があるというふうにされているわけです。それで、あなたはいま、地表から二十メーターくらいまでというのが危険な範囲だというふうに言われましたけれども、現実にはもっと深いところで幾らも起きているわけですよ。実際私は、通産省資源エネルギー庁の鉱害課長に先日このことについて改めてお尋ねした。どれくらいまで起こる可能性があるかと言って伺ったら、七、八十メーターまでは起こるというお答えだったわけです。実際あの地域は——ここに地元の皆さんがつくられた図面を持ってきましたけれども、この赤いのが国鉄新幹線の走っているところです。この周辺を見ていただいてもわかりますが、この赤い小さい丸が、浅所陥没がこの辺で起こった過去十数年の記録をつけておられる方から私、この図面をお借りしてきたのですよ。約四十カ所くらいあるのです。この図を見るとわかりますが、国鉄の新幹線の地域の路上でもかつて十数年前に起こったことがあるという印もついているのですよ。 それで問題は、あなたはいま三十メートルまでやれば大丈夫というふうに言われましたけれども、一番最近この周辺で起こったのは五十四年の六月八日ですけれども、この土盛りをしてあるのりじりのところから約七、八十メートル、ほんのわずかなところでこの浅所陥没が起こっているのですけれども、調べてみると、皆さん方が三十メートルまでグラウト工事をすれば大丈夫ということで、その三メートルまでのグラウト工事をやった地域に入ってない。つまりそこには炭層が走っていない、掘った跡がないということで飛ばして、グラウト工事をやってない地域で浅所陥没が起こっている。つまり、あなた方の三十メートルまでのところに該当する炭層がない、そういうふうに言っている地域のすぐ横手のところで現実に起こっているわけですよ。もしそれがあと何十メートルかこっちに近いところで起こっておったら、これは本当に大惨事を引き起こすところだったのじゃないかと思うのですよ。実際にこういう事例が出ておる。それでもあなた方の方は、この三十メートルまでで完璧なんだというふうに言われるのかどうなのか。
○村上説明員 いま先生御指摘のように、三十メーターで万全でないという不安があるということは理解されますが、私たちは工事の始まるときからここは鉱害地域だということはよく認識しておりまして、直下につきましては三回にわたってだんだんと幅を狭めてボーリングをしてまいりまして、そして空洞を見つけたところにはボーリングをしておりますので、地域が離れますと若干差があるかもしれませんが、線路の直下につきましては万全を期したつもりでございますし、それからボーリングモルタル等で三十メーターまで埋めまして、そこに仮に穴がございましても、過去の経験及びそういうふうにモルタルてん充したところがさらに浅所陥没するというおそれは一応ないものということで会議等で判断をしておりますので、線路の直下に関しましては心配がないというふうに考えておるわけでございます。
○小沢(和)分科員 いまあなたは直下は万全というふうに言われましたけれども、その直下のところが、三十メーターまでのところについては掘った跡がないということで手を打たなかった地域なんです。いまその資料をお渡しした一番表の図がそれに当たるのです。私自身そこへ行って見てきたんですから。だからそこでは走っていない。そのすぐ横手で陥没をしたということは、三十メーターより深いところで起こったというふうにしか考えられないんだと思うんですよ。炭層がそんなに急激に深くなったり浅くなったりということはあの地域ではないんですから。だとしたら、あなた方が三十メートルまで打ったから安全ということはこの一つの事実でも言えないんじゃないですか。しかも、重量が千トンもあるような、そして千五百人も人を乗せている列車が二百十キロの猛スピードで走るその地下に与える圧力、これが毎日何十回と加わるということになったら、あそこの辺の地下は七局も掘っておるというんですから、こういうようなところに影響を与えて浅陥になる。これは本当にその危険を真剣にあなた方に考えていただかなければならぬ。ここを二百十キロなんかでとうてい走らせることはできないんじゃないですか。
○村上説明員 先生にいただきました資料によりますと、盛り土の端から約七十メーター離れたところで陥没が起こっておるという資料でございますが、調査それからボーリング等は三段階に分けまして、最終的には盛り土部分はおおよそ五メーターピッチ、橋梁基礎部分はさらにそれよりも必要により短いピッチということでやっております。鉱害というのは……(小沢(和)分科員「浅いところを幾らそういうふうにピッチをやってもだめだと言うんですよ」と呼ぶ)一応七十メーター離れますと、炭鉱の鉱害の場合には線路の直下からはかなり離れたところということに私たちは鉱害会議等の御助言等もございまして判断したわけでございますし、その後、大きい構造物には傾斜計や沈下計の計器をつけて継続的に看視をしておりますので、一応心配はないというふうに考えておるわけでございますが、なお現地は万全の体制をとるためにいろんな検査等は続けていきたいというふうに考えております。
○小沢(和)分科員 いま全体として非常に大きな工法上の欠陥があるということを私、申し上げたんですけれども、特に橋梁とかあるいは高架の部分については、工期の短縮のために安全という点で重大な手抜き工事が行われているという重大な疑念をもう一つ提起したいと思うんです。 それは、グラウト工事というのは、予防というか、こういう事故が起こらないようにということで穴を充てんするものですよね。それでも万一起きた場合にどうするのかということについての工法というのがもう一つあると思うんです。あの新幹線のすぐ横を、道路公団だと思いますけれども、北九州直方道路というのが走っております。いま資料を差し上げてありますけれども、その設計の仕様などを見ますと、この有料道路でももちろんボーリングしてグラウト工事をやられたんだけれども、それでもまだ万全でないというので、もち焼き網みたいな構造の鉄筋コンクリートの構造物をずっと下に二層にわたって敷いて、直径五メーターの穴がぼこっと下にあいてもそれで支えることができるというような工事をやっているんですよ。ところが、こういうふうな工事というのは国鉄の方ではないでしょう。片一方の方は十トンとか十五トンとかいうようなトラックなどがせいぜいの重量物で、百キロぐらいの速さで走るんですよ。それでもこういうような万全を期した工法をやっておる。ところがあなた方の方は、そういうような万一起こったときにどうするかという安全装置に当たるものは全くないじゃないですか。これは一体どうしたことですか。
○橋本主査 土木課長、答弁は簡潔に願います。時間はちょうど切れましたから。
○村上説明員 御指摘の工法は、図面を拝見いたしますと、箱等を構造物の下にめぐらす工法でございますが、国鉄の構造物と道路の構造物は幅等が違いまして、私たちこの工法も同時に検討したわけでございますが、この工法よりも、構造物の外側に余分にくいを打つという工法の方が効果があるという判断でその工法を採用しておりますので、構造物の形の差はございますが、私たちの工法も決して設計や施工に手を抜いてないというふうに考えております。
○橋本主査 小沢君、時間が切れましたので締めくくってください。
○小沢(和)分科員 それじゃこの質問で終わりますけれども、いま国鉄当局が一言お触れになったとおり国鉄もその工法を考えておったということは、この「鉄道土木」という本で、山陽新幹線が開業をしたときに国鉄の技術者たちがあの工事を全体として振り返った中で書いております。これは工期が六百日もかかるような予定でおったものが、買収などに非常に時間がかかったりして大幅に詰めざるを得なくなったというので、やらなければならないということはわかっておったけれどもそういう工期の都合などからその工法を省いたんだ、直径九メーターの穴がぼこっとあいても大丈夫なようにということで……
○橋本主査 小沢君、簡潔に願います。
○小沢(和)分科員 ヒンジ結合ボックス基礎工法という工法を採用するということまで決めておったのに、時間が足りないということのためにこれを省いたということが言われているわけですね。これは私は全く重大な手抜き工事じゃないかと思うのですよ。あなた方もその点をお認めになるならば、当然これはスピードを大幅に落としたりしてここに対して抜本的な工事などをして、安全を保証した上で二百十キロで走るなら走るというふうにすべきではありませんか。
○橋本主査 土木課長、簡単に答えてください。
○村上説明員 確かにそういう工法も比較検討いたしましたが、決してその工法を採用しなかったのが手抜きではございませんで、そのかわりにくいを周りに打ちめぐらす。これは工事のスピードとかいろんなことはもちろん技術的に比較検討いたしましたけれども、技術者としてかわり得る工法をいろいろ検討いたしまして対策をとってございますので、決してその工法をとらなかったということが直ちに手抜きということにはならないというふうに私たちは判断いたしております。
○橋本主査 以上で小沢和秋君の質疑は終了いたしました。 次に、寺前巖君。
○寺前分科員 先ほども空きかんの問題で質疑があったようでございますが、私も聞かしていただきたいと思います。 まずは環境庁の担当の局長からお伺いしたいわけですが、この十年間ほどの間にずいぶん飲料用の容器としてがんが使われるようになって、そのためにずいぶん普及もしたという状況もあるわけですが、空きかんのために泣かされる人もまたたくさんふえてきたということも事実だと思うのです。一体年間どれだけ空きかんが出て、そのうち散乱をしている空きかんというのはどのくらい出ておるのか、それの中で、かんを利用することによって非常に普及度を高めた飲料業者は、どのくらい処理してきたものだろうか、回収してきたものだろうか、ちょっとデータを説明していただけますか。
○石川(丘)政府委員 お答えをいたします。 五十四年の空きかんの発生量は九十二億かんでございます。年間の散乱量の把握につきましては、資料も十分ございませんで、むずかしいわけでございますが、民間の調査機関等の推計によりますと、発生量の三ないし五%と言われております。 私ども、昨年九月に全国の市町村、三千三百ございますが、これを対象にしまして調査をいたしたわけでございますが、これによりますと、過去一年間に回収しました空きかんの量は四億三千六百万個ということでございますので、かなりの量が散乱しているもの。と思われます。 また、同じような調査でございますが、この結果によりますと、全国の空きかん散乱個所数は六千八百余ございますが、この中でメーカーあるいは販売業者等によって回収が行われている場所は、全体の〇・四%、二十四カ所でございますし、また市町村と共同で実施をいたしておりますところを含めましても一・四%、九十二カ所でございます。
○寺前分科員 データが弱いからやむを得ないということになるのかしれませんが、過般京都市で、散乱性の空きかんはどうなっているのか、予算的にもいろいろ準備した数字を聞かしていただきました。三分の一が散乱性だ、それで準備をしなかったら住民からの突き上げにはこたえられない、こう言っていますね。ですから、いまおっしゃった三ないし五%程度の散乱として見ておったら、自治体の苦しみはわからぬということになると私は思うのです。いずれにしたって、十年間の間に十倍以上のかんが広がったことは事実なんです。便利になったから散乱性が一層増大したということが言えると思うのです。 ところで、この空きかんですが、この回収は一体法的に言うとだれの責任でしなければならぬのか。もともとは、ほかした人がほかさぬといてくれたら何も問題ないわけです。だけれども、ほかされてしまった結果については、住民は迷惑を受ける、自治体は汚いじゃないかと言われる。さて、こういう状況の中で、その法的回収責任はどういうことになっているのか。これは厚生省ですか、御説明いただきたいと思います。
○杉戸説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、空きかんのようないわゆる散在性の廃棄物につきましては、散乱させないように各消費者が努力することがこれは第一義的に重要なことでございますが、一たん投棄され、広く散在しているものにつきましては、これは廃棄物処理法の第五条でございますが、その規定によりまして、土地、建物または公共の場所の占有者または管理者が清掃しなければならないこととされておりまして、市町村におきましても、必要な場所に公衆用のごみ容器を設けなければならないとされております。そして、清掃して、その結果排出されましたごみは、排出の状況に応じまして、当該場所の管理者または市町村が収集、運搬及び処分することになります。 〔主査退席、池田(行)主査代理着席〕
○寺前分科員 ぼくは処理の話を聞いているわけじゃなくして、回収というのは土地の所有者や、こうなるのですから、畑にほかされたらたまったものじゃない、空き地にほかされたら所有者がたまったものじゃない。ほかされぬようにしようと思ったら、網でも張って、へいでもつくらなかったらどうにもならぬ。そうしたら、たとえば京都のような観光都市の場合だったら、観光台なしということになってしまうわけです。そこらじゅうにへいをしなければならぬということになるし、また、そんなことは不可能なことです。ところが現実的に、法的に言うとその回収の責任は所有者やということになったら、たまらぬ、何とかしてくれということは私はここから出てくるだろうと思う。 そこで、いまボランティアの諸君たちの手によって、ともかくきれいにしようじゃないかということと、それなりに自治体の諸君が苦労して、その放置されているものの回収に当たっているわけですけれども、ここまでくると、本当に、そもそもかんを使って利益を上げている諸君たち自身の責任はどうなんだという声が出てくるのは私は当然だろうと思うのです。これは現に企業家の中でも、たとえばこの間も京都市でこういうことを商工会議所の役員さんが言っておられますね。企業経営者も、物をつくる場合、その処理が簡単にできるかどうか、再利用ができるかということまで考えて行動する必要があるのではないだろうか——私は、そういう段階にまでこの話が追及されていかなかったならば、本当に住民や自治体にとってはたまったもんではないということになると思うんです。 そこで、この飲料水関係の所管省は農水省でしょう。農水省の皆さんはこの観点で、企業者自身からも出てきている声に対して、今日どういうふうに指導をやっておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
○鷲野説明員 お答えいたします。 散乱している空きかんの処理、回収ということは、利用者の一般的な社会的責務の問題だというように考えておりまして、従来からも関係団体等を通じまして、美化とかあるいは回収等についての事業を行わしておりますし、また当省としても、それについて指導、援助等やっておりますが、今後ともこういった点について必要な指導あるいは援助を行ってまいりたい、かように考えております。
○寺前分科員 ここで環境庁の長官に、いまのお話を聞いてどういうふうにお感じになったかをお聞きしたいと思う。それは利用者、飲む人がほかしてくれなかったら済む話ですが、大量に便利にしたところから、便利さからほかすという行為が起こり出した。 〔池田(行)主査代理退席、主査着席〕 国道を走っておっても、信号のある、グリーンベルトの木が植わっているところにいっぱい、車からぼうんとほかしてますよ。それから河川。人のおるところは人それぞれが整備をする面もありますけれども、人の少ないところにほかし出される。山にほかされる。もう観光地の周辺の道路のわきにだあっとほかされる。かごがあればいいかしらぬけれども、大量になってくると間に合わぬというところまで広がっちゃった。さっきも申しましたが、企業主自身が、考えなけりゃならぬなということをこうやって言い始めている。この間も京都市で、この問題を観光都市として、このままにするわけにいかないということで、ひとつ検討してくれと言って審議会をつくって答申もいただいた。そして、いま京都市で進めているのは、企業の諸君たちに回収から再利用までの問題について一定の責任を負ってもらおうじゃないかということで、現実的にやれるところから、ともあれやろうという問題として、一つは、飲料メーカーの大手六社に聞いてみたら、六社の諸君たちが、かんを使っている六二%は私のところのシェアなんです、私の方も考えなければなりませんから一はだ脱がしてもらいましょうと言って、六社が中心になって百社近くの諸君たちが、ひとつ協力をしようではないかという姿勢になってきているわけですね。 その姿勢というのはどこまで進む姿勢なのか、それはこれから具体化していくのだから、これからの問題ですが、しかし、これは一京都市の問題で済まない話だろう、全国的に発生している問題だから。だから国として、全体として、こういう責任を企業主自身にも感じさせて、そして法的にも整備をしなかったならば、いまのままでいくならば、その土地の占有者というのか所有者というのか、そこだけに責任を任せていくというやり方では、どうにもならぬのではないか。担当の農水省は利用者の責任によりましてというようなことで、いまの時代を済まされたらたまったものではない、この声が強いと思うのです。 環境庁の長官にお聞きをしたいのですが、この際に、企業主の責任問題についても、また法的にも、この散乱性のごみについてどういうふうに扱うのか法的整備も検討しなければならない段階に来ているというふうにお感じにならないのかどうか、お願いをしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 いろいろ考えてやっていかなければならないということは痛切に考えております。農水省の言うことも、どうぞ御理解いただきたいと思いますのは、そして、われわれも全くその考えですが、何としても自分が買って飲んだ後、そこらじゅうにほかって歩くということはいけないのだ、そういうことをしてはならぬということ、そして恥ずかしい行為なんだということを、これは徹底しなければならぬ。それはもう言うまでもないことでありまして、これは寺前先生もそのとおりだと思われると思います。 そこで、しかしながら、こういう実態ですから、何かやはり業者の人も考えてもらえないだろうかというので、私どもが集めたわけではないのですけれども、期せずして、われわれとそういう会社の重役連中との会合が何回か持たれました。その中で、私どもが言わないでも、われわれもまた責任を感じなければならぬ、その人たちがそう言っているわけであります。ただ法的に言えば、そのジュースのメーカーやビールのメーカーには責任があるというふうに法律には書いてないです。しかしながら、そうかといって黙っているわけにはいかぬ、というのは業者の方から声が出て、いろいろの対策は、先ほどからの話があるように、テレビの広告に、その広告だけでなしに、かんの問題まで言及しよう、そういうことにもなってまいりましたし、マークなんかも大きくつけようということにもなってまいったわけであります。ただ、これからまだいろいろな対策があるでしょう。これはやってみなければわからぬ。いろいろなことをひとつ考えてやっていきたい、こう思っているわけであります。
○寺前分科員 現在の廃棄物の処理法によると、そのほかす人、利用者というのですか、その社会的責務というのですか、ほかしてはなりませんというのは、ちゃんと法的にも書かれている。それから、ほかされた土地の所有者の側も責任は書かれている。ところが、業者自身が自分らの問題として社会的責務を考えなければいかぬといま大臣がおっしゃったけれども、いま、もうこれだけ広がってきたときには、法的にも考えなければならぬという声が出てきている。しかし、そこには何も書かれたものはない。ただ社会的に問われ出しているから、だから、それなりの参加が始まってきている、これは私は、やはり大量に広がった段階において出てきた新しい姿だろうと思うのです。ところが、この分野が法的にも整備されていないとするならば、新しい時点にふさわしいように検討を開始すべきではないだろうか、私はそう思うのです。そういうところへきていると思うのです。 ところで、厚生省にお聞きをいたしますが、一体この散乱性のごみによって自治体がいまどれだけの財政的な負担を負っているか見当つきますか。たとえば一番問題になっている京都市、百五十万の都市ぐらいのところでは、散乱性のごみによって、どれだけの対策費が組まれているのか、使われているのか。あるいはボランティアの諸君たちの協力によって、どれだけになっているのか。さらに、このかんが広がったために、炉が傷む姿なんかはどうなっているのか。それらを総合すると一体どれだけ費用が自治体の負担になっているか、見当つくでしょうか。わかったら御説明いただきたい。
○杉戸説明員 お答えいたします。 空きかんだけにつきましては、どれだけ費用がかかっているかは明確に調査しておりません。
○寺前分科員 私は、参考のために申し上げます。 京都市の資料をもらいましたら、この原因者不明の投棄物の回収のために、五十四年度九百二十七万円、五十五年度九百七十二万円、一千万円という予算が、まずは不法投棄対策費としてあるのです。しかし、圧倒的にはボランティアの諸君たちの協力によって回収されているというのが実態なのです。市自身が使っているのは少ないのです。 そして、その不法投棄ごみの処理実績は全量で千三百二十トンで、そのうち四六・五%が埋め立て処理、あとが焼却後埋め立てとか破砕後焼却埋め立て処理というふうにやられている。これをもしも家庭ごみと同じ単価で処理できたとして計算をしていくと、市民一人当たり二十一円の負担というお金を使っていることになる。三億一千二百四十三万円ということになる。さらにボランティアの計算などをずっと入れると、どうしたって空きかん一個当たり三十五円は見なければならない。計算の仕方によったら、五十円から二百円ぐらいの間の計算の仕方も出てくる。いずれにしても、一個当たり大変なお金をかけなければ回収し、そして処理をしていくことにならない。ずいぶん傷められる。 そうすると、現在の廃棄物処理法に基づいたとしても、空きかんについては適正処理困難物だと言えないのかという質問に対して、科学的性状や経費や施設の損傷など、そういうことを総合して判定するのだけれども、これには当たらないという説明を従来厚生省からもらうんだ、こう言う。ところが、経費の面から見ても、ずいぶんお金がかかるし、それから炉の傷みぐあいから見ても、ずいぶん傷むものなんだ。たとえば定期オーバーホールを行っているけれども、その費用というのは五十四年度実績で二億八千三百七十万円、五十五年度で三億二千七百万円、そして火格子溶断事故発生回数は、五十四年度で十一回、五十五年度で十五回、焼却炉補修の経費が、五十四年度で一億二千八百四十万円、五十五年度で二億八千万円、そしてそれを分析してみると、鉄、シリカ及びアルミナが主成分である。どう考えたって、かんの結果だ。こうやって分析をしてみるにつけても、これが処理困難物として扱うことが、むしろ適正なのじゃないだろうか、本当に真剣に自治体の担当者は考えていますよ。こういうふうに現行の法の中においても、ずいぶん金がかかる、あるいは処理が非常に困難だという事態になっているのだから、現行法の見直しでも検討できないものだろうかということを声を大にして関係者は言うわけです。 ですから私は重ねて、自治体でいま条例をつくって何とかしようといろいろ苦労しているけれども、この苦労にこたえる法的な、あるいは制度的な整備を、環境庁として、ひとつ全体の取りまとめ役として、大臣はどういうふうにお考えになるのか。それはほかす者が悪いだけでは済まないところへ、広がりが進んでいるのだということを私は理解してもらわなければならぬと思うのですが、いかがでしょう。
○鯨岡国務大臣 がんこなようですが、私は、やはりほかす者が悪い、これをどうしても恥ずかしい行為だと国民が一人一人思うようにならなければならぬ。そのために関係方面と連絡をとって十分にそれをやっていきたいと思います。 それから、それはそれで、あたりまえのことなのですが、そこで先生言われたように京都の御努力、このことに対しては敬意を表しますし、また地方自治体その他みんなが努力していることにも非常な敬意を表します。私は、新しい考え方が生まれてこなければならないという先生のお考えには同感であります。いまの法制化など新しい制度も含めて対策を考えていきたい、こう思います。
○寺前分科員 厚生省に、時間の都合もありますから最後に、厚生省として来年度は一体どういう方向で自治体に協力をしてやっていきたいのか、考えて進めていこうとしておられる方向をお聞かせいただきたいと思います。
○杉戸説明員 厚生省といたしましては、これまで環境衛生週間を通じたり、あるいは減量化運動などいろいろ対策を講じてまいったところでございますが、この空きかん問題につきましては、環境庁の方で空カン問題連絡協議会を設けまして、各省に非常にまたがる問題でもございますので、検討を進めておられるところであります。その場を通じまして、私どもも今後積極的に。その対策に取り組んでまいりたいと思います。
○寺前分科員 環境庁の方で、事務当局で何か具体的に進められようとしていることは一体何か、御説明いただけないでしょうか。
○石川(丘)政府委員 環境庁といたしましては、ただいま進行中でございます協議会を一層活発に論議を進めまして、より対策が十分にとられるようにいたしたいと思います。 ただ、環境庁は国立公園等の所管もいたしておりまして、これにつきましてはみずから清掃を行うと同時に、利用の非常に多いところについては各種の助成を講じているところでございますが、一層促進してまいりたい、かように考えております。
○橋本主査 終わってくれますね。寺前君。
○寺前分科員 農水省としては、来年度どうしようとしておられるのか。
○鷲野説明員 先ほどお話ししましたように、これまでも必要な指導援助をやっておりますが、五十六年度はさらに補助金を拡充いたしまして、一般消費者向けの啓蒙普及といたしましてリーフレットの配布やポスターの貼付等に対する助成、それから散乱防止方策の開発、検討ということで海、山、市街地等の類型別に散乱防止方策を検討するための事業に対する助成、こういったものにつきまして総額で八百六十万の予算を計上しておるところでございます。
○寺前分科員 私は特に農水省にお願いをしておきたいわけですけれども、本当にそれは大臣がおっしゃるように、使う人がほかさぬでおいてくれたら、けりは簡単だ。だけれども山に海へ、いろんなところへずいぶん行くような時代になってくると、便利さに従属するというのが社会生活になっていく。そのときに。かんなどというものは、ほかされたら、ごみになるだけであって、それが腐って土の中に還元されていくというような性格のものじゃないということを考えたら、これの資源としての問題においてももったいないし、それからまた、これで社会環境が破壊されるということを考えたら、そういう意味でももったいないし、そういうことを十分に考えて、企業主の側が、このような社会環境を破壊していることに対する責任を感じさせて、改善をさせていくという問題について、特に指導されることを要望して、質問を終わります。
○橋本主査 以上で寺前巖君の質疑は終了いたしました。 これにて総理府所管中環境庁に関する事項についての質疑は終了いたしました。 —————————————
○橋本主査 この際、去る二月二十七日の野坂浩賢君の質疑に関し、主査より御報告申し上げます。 政府より、臨時行政調査会と地方制度調査会との関係について、次のような見解が示されましたので、読み上げます。 臨時行政調査会と地方制度調査会との関 係について 昭和五十六年三月二日 一 臨時行政調査会は、行政制度及び行政運営の改善合理化について調査審議する機関として設置されるものであり、地方制度調査会との関係におけるその調査審議の範囲は、前回の臨時行政調査会におけると同様であり、地方自治の本旨を尊重し、地方自治の問題については、国の行政との関連において調査審議するものであること。 二 具体的な調査審議の対象については、臨時行政調査会の委員として地方制度調査会会長が参加されていることに鑑み、臨時行政調査会において適切な選択が行われることを期待するものであること。以上であります。 本件に関し質疑を求められております。これを許します。野坂浩賢君。
○野坂分科員 よくわかりませんね。全く七色のにじみたいな関係で、どっちにでも解釈ができるようなかっこう、よくわかりません。 自治省局長にお尋ねをいたしますが、この行政管理庁のいわゆる第二次臨調ですね、これの調査審議の範囲は、国の行政制度及び行政運営の改善合理化の問題に限られて、地方公共団体の行政制度及び行政運営は地方制度調査会がやるべきであって対象外だ、こういうふうに考えられるわけでありますが、自治省としてはどうですか、見解は。
○砂子田政府委員 ただいま委員長の方から政府の統一的な見解が示されております。これは、わが省と行政管理庁との間で合意に達したものでございますから、それで御理解を願いたいと思いますが、基本的にはやはり地方自治の問題に関する審議調査の範囲というのは、先ほど委員長が申し上げましたように、臨時行政調査会、前の第一次臨調でございますが、それと同様であるというふうに、われわれは理解をしておることは変わっておりません。
○野坂分科員 ちょっと待ってください。私が質問したのは、読み上げたこれに対する自治省の見解いかんと聞いておるわけです。
○砂子田政府委員 先ほど申し上げましたように、いま先生が言っておられます中で考えられますのは、国と地方との関連がどのくらい議論されるかということがあろうと思いますが、それはやはり前の臨時行政調査会におきましても、国の関連する事項につきましては、地方自治についても議論されたわけでありますから、その点については、やはり論議があるものだと理解をいたしております。
○野坂分科員 この間は、たとえば道州制についてはどうかという見解をお尋ねをしたわけです。それは行政管理庁長官としては、当然審議するものであろう。最後には、林地方制度調査会長が委員であるから、その辺で判断できるかもしれない。あなたの方の見解、また前の石破自治大臣の見解は、それは地方制度調査会でやることであって、第二次臨調がやるというようなことは要らざることである、こういう見解を正式に委員会で示されておるわけですね、参議院の内閣委員会で。その関係については田中行政課長は明確にしたわけです。あなたの場合は若干違っておるわけですが、いま委員長から示された二の項「臨時行政調査会の委員として地方制度調査会会長が参加されていることに鑑み、臨時行政調査会において適切な選択が行われることを期待するものである」これは、第二次臨調の九名の皆さんがやろうということになったら、やるということですよ。あなたのところの大臣の見解とは違うのですよ。やる、やってもいいんだということなんですよ、これは。そうなんですか。
○砂子田政府委員 過般、私のところの行政課長が道州制についてお答えを申し上げました。ただ、実はこの問題、前にも地方制度調査会で議論されたことがございまして、御案内と思いますが、地方制の問題でありますとか道州制の議論とかいうことが大変議論されました。いま財界の方で提唱されておる道州制というものの中身と私たちが議論した道州制の中身というのは、実は違っておると私は思っております。 本来、地方自治固有の議論でありますれば、それは地方制度調査会でおやりになるだろうと私は思いますし、ただいま財界が持っている道州制というものは、国のブロック機関みたいなものを統一をする、そういう方向へ持っていく地方制だという議論が中にあるようでありまして、この中身を見ない限り、なかなかどちらだという議論はできないのだろうと思っております。そういう意味におきましては、そういう議論がどういう形で出てくるかということによって、調査審議の対象の範囲は変わるものだと思っております。 そこで、たまたま、いま読んでおる中にありますように、私の方の地方制度調査会の会長がこの臨調に入っておられますので、その選択というのは、そういうところで行われるであろうというふうに理解をいたして、これを書いてあるだろうと思っておるわけであります。
○野坂分科員 道州制については、やってみた段階で判断をするということですか。
○砂子田政府委員 その内容によって異なるだろうと言っておるわけでございます。
○野坂分科員 従来のような道州制のあり方であれば、それは臨調の権限外であるということでございますか。
○砂子田政府委員 従来と申しますよりも、府県の統合をするとか、あるいはそういう形でできる地方制あるいはそこにおける新しい自治体を創設をする、そういう議論であれば地方制度調査会に当然かかるものであると私たちは思っております。
○野坂分科員 この点については、行政管理庁長官にもお尋ねをします。時間をやかましく言われておりますから……(横路分科員「気にしなくていいよ」と呼ぶ)
○橋本主査 気にしろよ。時間厳守だよ。
○野坂分科員 地方公務員の定員問題あるいは給与の問題、そういう問題については第二次臨調はこれもおやりになりますか。たとえば教員問題とか警察官とか消防職員とか、そういう問題について両者にお尋ねをいたします。
○佐々木政府委員 先ほど委員長から読み上げましたとおり、具体的な調査審議の対象につきましては、臨時行政調査会において地方制度調査会会長が参加されていることでもございまして、そこで具体的に検討されることになると思いますが、たとえば、いま御指摘の道州制とか地方公務員の定員、給与問題につきましても、国との行政の関連におきまして地方自治の本旨を尊重しつつ調査会において適切に判断がなされるものと考えております。
○砂子田政府委員 ただいま行管からお話しになったとおりだと存じ上げます。
○野坂分科員 それでは、いま読まれた中で、この地方公共団体の範囲というのは一体何々ですか、自治省。
○砂子田政府委員 いまの御質問の地方公共団体の範囲というのは……(野坂分科員「いわゆるその審議の範囲ですね」と呼ぶ)公共団体に関する調査審議の範囲、そういう意味でございますか。(野坂分科員「そうです」と呼ぶ)これはもともと地方制度調査会の審議事項というのは、地方制度調査会法というのがございまして、その第一条に、この地方制度調査会がやるものは憲法にあります地方自治の趣旨にのっとって地方制度に関する審議調査をするということになっておるわけでございます。
○野坂分科員 はっきりわかりません。だんだんわからなくなってきたのですが、前句の臨時行政調査会と同様だ、だから定員についても賃金についてまでも臨調はやる、第二次臨調は何でもやるということですね、言うなれば。そうすれば地方制度調査会なんか要らぬじゃないですか。何でもやるから、この方が地方制度調査会よりも強い。相反するものが出てくる、またそこで調整をする。こういう調査会というものは混乱だけを生み出す危険性というものが非常にあるのではないか、こういうふうに思いますが、その点はどうかというのは両者からお聞きしますし、この統一見解というものは、この間、中曽根さんが言ったとおりですよ。給与もできるし、賃金もできるし、定員についても物を言えるし、道州制についても何でも言える。これは「期待する」林さんが入っておるから期待はするけれども、これ、あなた任せですよということで、これはこの間中曽根さんがおっしゃった中曽根案ですよ。自治省案は全く姿を消しましたですね。これでいいわけですか。どこにありますか、自治省の……
○砂子田政府委員 もともと第一次臨時行政調査会のときに御案内だと思いますが、あの審議の過程におきましても、首都圏行政でありますとか広域行政ということが議論されました。これはどういう形で議論されたかということになりますと、国の行政との関連があるということで論議されたわけであります。 今回のいろいろな地方自治に関する問題が出てまいりましても、それは機関委任事務の問題もありましょうし、許認可の問題もありましょうし、そういう問題が国との関係において論議されないなどということはないと私は思っておりますから、当然にそれは国の議論というのが地方の議論と同時並行に出てくると思います。それはやはり臨時行政調査会もそうでありますが、地方制度調査会におきましても、そういう機関委任事務でありますとか許認可について、国に徹底的にこれを見直してくれるようにということを申し入れているわけでありますから、そういう点が議論されるのは当然だろうと思いますし、そういう意味での関連においては、いろいろなものが議論されてくるということはあり得ると思います。
○野坂分科員 納得できませんな。あなたがおっしゃるように地方公共団体の固有の事務という中で一体何をやるかということですよ。それはたとえば登録とか教育とか水道とか、あるいは老人福祉とか消防、警察あるいは金の使い方。第二次臨調がやるのは、あなたがおっしゃったいわゆる機関委任事務、許認可の問題あるいは補助金の問題あるいは事務配分の問題ですね。こういう機能分担はいいわけですよ。だけれども中に入って、保育所を建てれば人も要る、幼稚園を建てれば人も要る、あるいは消防は足らない、火事がたくさんあるということになれば、これもやるという。それをやったら、それはその公共団体の特殊性ですよ、固有事務ですよ。それまで全部やるということになれば、もう地方制度調査会の存立意義はなし、こういうことになりますよ。これだったら、地方制度調査会も合併をして第二次臨調に全部任せればいい、こういうことになる。したがって、中曽根長官の言われるとおりに、これが収拾をしておりますから、もう何をか言わんやでありますけれども、私としては納得ができない。私としては納得ができません。 第一、入っておられるから良心的にやられるであろう、私はそれを期待する、あとはあなた任せです、こういうような統一見解がありますか。何を審議してください、行政全般ですから何でもいいですというようなあり方は、他の審議機関や地方制度調査会に重大な影響を与えるから、やはりその守備範囲というものは、総理大臣が任命するのですから、会長も決めるわけですから、その辺で、一体何をやっていいかわからぬ、何でもやれというようなオンパレードでは、これではやはり不親切だ、私はそう思うわけであります。そういう点についての行管庁の見解を承ります。
○佐々木政府委員 お答え申し上げます。 今回の臨時行政調査会は、先ほどの統一見解にありましたとおり、前回の臨時行政調査会の場合と、地方自治の問題に関してはほぼ同一の視点に一応立っているわけでございます。前回の臨調で調査審議をするものと同じだということはどういうことであるかというお尋ねも一つございましたのでお答えをいたしますけれども、前回の臨調の調査審議の範囲につきましては、前の答申の中にも明確に書いてあるわけでありますけれども、当調査会の調査の範囲は行政に関する問題のすべてと一応されておるわけであります。ただし、地方自治の問題は、前回の臨調におきましては、国との関連においてこれを調査審議する、その部分に一応限る、こうしたような言い方をしたわけであります。 したがいまして、今回統一的な見解としまして述べましたことも、同様に国との関連において、地方自治の本旨に反しない範囲において検討すべきものがあれば一応検討する。その具体的な内容につきましては、これは各界の有識者、特に地方問題につきましての最大の権威者であります地方制度調査会長がお入りになっていらっしゃることでありますから、そこでもって一応具体的にお決めをいただくことが適当であろう、このように一応望んでおるわけであります。 あわせまして、いま地方制度調査会との関係が全く同じようなことになるではないかというお話がございましたけれども、この両者は、いわば調査検討の視点においてそれぞれ全く異なる目的を一応持っているわけでありますし、もう一つ申しますと、臨調というのは、御承知のように、二年間に限られて臨時的に置かれる機関であります。この関係も前回と全く同じであろう、このように考えております。
○野坂分科員 第二次臨調は、いまお話があったように、二年間ですね。行管庁としては、当面の問題等については、七月ごろ概算要求をまとめる時期に一つの提案をしてもらいたいという期待がありますね。したがって、あと一年ばかりであれもこれもやる。みんな有識者の方ばかりであるということは私も認めております。ごりっぱな方だと思っております。そういう方々ですけれども、範囲をある程度お決めいただかなければ、良識に任せるわいというようなことでは、ちっともこの事業が進まぬと思います。国の行政問題等をやるだけでも一年や二年はかかると思うのです。いまのお話では、定員や給与まで全部一々やるということになりますと、混乱をより助長するのではなかろうかということを心配します。 第一、九十二条から九十五条のうち九十四条では地方公共団体がその財産を管理して、事務を処理して、行政を執行する機能を有するとある。だから、機能の分担は私はいいというわけです。たとえば地方事務官でおる国家公務員がおりますね。そういう者の身分をどういうふうにやるかというようなことはやれる。しかし、消防職員の増員の問題とか、幼稚園、保育所や老人ホームのことなんかまで一々やられたら、一体県は何をするかということです。地方自治体は一体どうしたらいいだろうか。こういうことで、高いところにおって、こういうことだ、こういうことだというようなことでは——やはりそれは県の固有事務である、そういうことをやってはいかぬということを私は特に指摘するわけです。 そこで、時間がありませんから、この統一見解はきわめて不明確ですね。いままでやられたことと同じで、何遍も言いますが、「臨時行政調査会において適切な選択が行われることを期待するものである」私は期待をしておりますが、結論が違ったらしようがありませんという意味ですよ、これは。こういう統一見解では納得ができません。私は納得ができない。だから、私は納得しないわけでありますから、さらに統一見解を深めていただいて、総理大臣がこれは決めるわけでありますし、総理大臣に答申をするわけでありますから、閣議においてこの辺の範囲をきちんとしてやってもらう。日本全国の行政全般をやるんだからというようなことでは、その守備範囲というものからして、納得ができないということを委員長に申し上げて、これで終わりたいと思います。
○橋本主査 せっかくのお話でありますが、主査といたしましては、両省が協議した結果のこの結論について納得をいたしております。 以上で野坂浩賢君の質疑は終了いたしました。 次回は、明三日午前九時三十分から開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時五分散会