予算委員会 第20号
- 発言数
- 238 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/03/07
会議録
○小山委員長 これより会議を開きます。 この際、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。この際、補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 それでは 大出 俊君 川俣健二郎君 坂井 弘一君 大内 啓伍君 を理事に指名いたします。
○小山委員長 この際、奥野法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。奥野法務大臣。
○奥野国務大臣 憲法問題に関する私の発言のうち、政府の統一見解及び国会対策委員長会談における確認に触れると解されている点については適正を欠きまことに遺憾であります。今後とも鈴木内閣の方針にもとることのないよう十分に留意いたします。
○小山委員長 昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算及び昭和五十六年度政府関係機関予算について発言を求められておりますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 委員長、若干の資料がございますが、配ることについてお許しをいただきたいと思います。よろしゅうございますね。 二十九年ぶりということでございまして、私はまだ十八年目でございますから二十九年昔は知らないのですけれども、総理は和の政治という政治姿勢をお示しでございまして、この予算委員会の冒頭にそれに対する質疑もございました。総理の所属される党の内部に向かって和の政治なのか、それとも野党を含むわれわれに向かっても和の政治なのかと。そうしたら、いや、皆さんに向かっても和の政治だとおっしゃったはずでありますが、どうもあれは和の政治らしくないのでありますけれども、とりあえず御心境を承りたいのであります。
○鈴木内閣総理大臣 私は、和の政治につきましては今後ともこれを堅持してまいりたい、誠心誠意、そのような姿勢で政治に取り組んでまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○大出委員 議長のお言葉もございますので、まさかと思いますけれども、ぜひひとつ、いまの御心境をお守りいただきたいと思います。 そこで、もう一点、総理に引き続いて承りたいのでありますが、総理は国防会議の議長でございます。その意味では防衛の責任者でございます。そこで、竹田前統幕議長が、実は私が関連質問いたしました時点ですでに一月に、ここに現物がございますが、要路の方々に、防衛庁の内部の制服の方のてっぺんの方々やあるいは内局の方々やその他関係のところに、相当長文の論文を流しておいでになる。したがって、週刊誌に出ましたのはその中のほんのごく一部でありまして、あのころに実は承りたいと思ったのでありますが、機会がございませんでした。 そこで、一つだけここで承りたいのは、広島の平和公園、原爆の被災地の中心に当たるあそこの公園に碑がございます。平和の誓いと言われたりいろいろしておりますが、そこに文章が書いてあるのでありますが、総理は文言、御存じでございましょうか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、寡聞にして承知しておりません。
○大出委員 「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と書いてあるはずであります。 ここに大原先輩がおいでになりますが、あそこで集会を開く一番最初のときに、私、中央の官公労事務局長でございまして、軍と県知事がなかなかあそこでやらせてくれません、許可をくれませんので、夜行で私、飛んでいきまして交渉に当たった経験がございまして、このときが第一回であります。したがって私、非常に大きな印象を持っておりますが、この竹田前統幕議長の長い文章を見ますというと、こういう姿勢ではよろしくないという非常に敬愛な気持ちで私はこのいまの文句を読んだのでありますが、こういう書き方をされると、何かちょっとむかっとくるのであります。そんなことで大変な犠牲が出たのじゃないという気がするのです、三百十万人も死んでいるのですから。 この竹田さんの文章の中に、四十一ページでございますが、つまり、「ソビエトがSS20などを極東に配置をした、あるいはバックファイア、核運搬手段の飛行機を配置した、ところが自衛隊は核は一切タブーだから研究もできない、」こういうふうに書いてきまして、後、欧州の例を挙げて、パーシングII型あるいはALCM等の配置を——もう一つはトマホークという巡航ミサイルですけれども、ここにはそう書いてありませんが、そういう対抗手段を核再編成ということで講じている。「そこで日本の場合、核使用のしきいを高くするために核装備を強化することは」と、まずうたっているのですね。核に触れている。「一方的に軍備を増強するソ連に対し、軍備を増強することに反対し、軍縮を叫ぶ人には理解できないであろう。」これはわれわれのことを言っているのですね、われわれも軍縮を叫んでいますから。そしてその次が問題なんですが、二度と過ちは繰り返しませぬからと誓う被爆者日本人には受け入れがたいであろう、しかし、非核三原則を標榜するからには、核の威嚇、恫喝には屈しないだけの物心両面の準備と覚悟をすべきである、日本は核の前には裸であるからと、こう書かれますと、核の前に裸でいる日本というのは、二度と過ちを繰り返しませぬからと誓う被爆者、これは日本人だ、だから受け入れがたいであろう、しかし、それならとんでもないことになるんだぞという恫喝に聞こえますね。裏を返せば、だから核装備をしろ。 いみじくも、金丸信さんがおやりになっておられるのでしょうか、先般問題になりました、川俣君から質問をいたしましたが、日本戦略研究センター、ここに竹田さんはおいでになることになったそうでありますが、金丸さんが主宰しておられるここで、箕輪登副会長、皆さんの方の党で言えば副幹事長ですね、この人が、竹田さんがここに来ることになったという記者会見をして、ここでいまの問題に触れている。制服組の皆さんが非核三原則のうち、持たず、つくらず、このことはともかくとして、核兵器を持ち込まずというのは、核攻撃に対して無抵抗になってしまうという意味で問題があると考えていることを竹田さんが制服の声を代表して物を言ったんだ、これがいまの私が読み上げたこれだ。そうすると、ここでこう言ったことのねらいというのは、持たず、つくらずはいいが、持ち込まずというのは外せ、こういうことだとなる。確かにそれらしくとれるように書いてある。この点を総理、一体どうお考えなんですか。 これを皆さんは非公式文書としてあわてて回収なさいましたが、それは一体いつかと言えば、例の二日に、ここで竹田発言が週刊誌に載って問題になって、中断をした。あわてて皆さんがお集めになった。私は、そういう姿勢は納得できない。あのときに官房長官も防衛庁長官も竹田さんをかばったけれども、これだけの文章が流されていて皆さんがそれをかばったということになると重大な問題、責任問題ですよ。総理、これどうお考えになるのですか、いまの点。
○鈴木内閣総理大臣 非核三原則を堅持していく、これは平和国家であり、また、原爆のああいう悲惨な洗礼を受けた日本としては、国民の誓いとしてこの非核三原則はあくまで堅持していこう、こういうことで歴代内閣も、政策として国会を通じて明確にいたしておるところでございます。 今後におきましても私は、核の廃絶、核軍縮、そして悲惨な核の戦争被害というものから人類を解放するように日本としても最善の努力をすべきだ、こう考えております。
○大出委員 制服の皆さんが本当にそう考えているんだとすれば、これは総理にしても防衛庁長官にしても、その責任者でございますから、じっくり話し合う必要があると私は思うのですよ。私も防衛問題、長いものですから、かれこれ十八年間やっているのですから、ずいぶん各連隊の制服の方々に会っています。いまでも知った方々、たくさんいます。だが、この方々、非常にすっきりしている、どなたを見ても。話してわからない人はない。だから、こっちの真情だって話せばわかる。こういう問題を放任しておいて、現職の統幕議長が、しかも制服の意思を代表しているなんということになるとすれば、大変なことです。時間がありませんからそれ以上申し上げませんが、この点は十分御留意いただいて、改めてまた承りますけれども、それなりの御配慮を願いたいと思います。 さらに、もう二点だけ、この問題についてつけ加えておきます。 この長い文章の中には、例の五十一年に「防衛計画の大綱」、つまり、所要防衛力に対しまして基盤的防衛力構想をつくった、このときに非常に諸説紛々たることになった。限定的小規模の侵略に対しては独力で対処する、こうなっているのですね。限定的小規模、当時数個師団ということでございますが、ところがソビエトが日本を攻めるなんというのは、そんな数個師団、小規模、そんなことは全くない。もしもソビエトが日本に入ってくるというなら、奇襲どころじゃない。過去の例から見ても、圧倒的大兵力で日本に攻めてくる、これしか考えられない。そのときにはそういう状況現示がどんどん長期にわたって出てきて、極東にどんどん兵員あるいは物資が集まってくる。紛れもないそういう状況でなければ、そんなことはない。限定的小規模で入ってくる、そんなことできやしない、あり得ない。ずいぶんこれ、議論になりましたが、ここで竹田さんは、いま私が申し上げたことを肯定している。限定的小規模、そんなことはない。もしあるとすれば、圧倒的な大多数の大変な兵力がやってくる。それには長い間の準備が目に見える、そういうことになるという意味のことをここに書いている。まず、それが一つ。 次に、侵攻ソ軍、つまりソビエト軍が日本に入ってくる、いずれの場合でも当面想定されるものは極東兵力の一部だ。圧倒的多数と言えば何年かかります。ところが、当面何かあるとすれば、それは本当に第二戦線的な対日侵攻可能な極東兵力のごく一部だ。そんなのは、極東ソ連の大型上陸艦というのは、つまり上陸用の揚陸艦ですね、十一隻しかない心イワン・ロゴフというのがございますが、イワン・ロゴフというのは戦車四十両、兵員八百名運べるのですけれども、これ一隻しかない。だから、そんなのが入ってもこれは問題じゃないというわけです。事実そんなことはないという意味ですがね。そういう分析をして緒言として、「限定小規模という架空の脅威と軍事的合理性を欠く防衛力とを俎上に乗せてその多寡を論じても議論はすれ違いに終わり混乱だけが残る。」これが結論だ。 防衛庁長官、この竹田さんの発言どおりにお認めになりますか、それだけ承っておきます。
○大村国務大臣 お答えします。 いろいろな議論があったわけでございますが、五十一年に策定されました「防衛計画の大綱」は、先生御指摘のとおりです。平時において準備すべき防衛力の構想でございまして、いま御指摘のように、小規模限定的な侵略に対して原則として独力で対応するということを基調にしておる、いわば独立国として備うべき必要最小限の構想であると理解しておるわけであります。そういう意味におきまして、御指摘のような問題は、防衛庁としましては現在考えておらないわけでございます。
○大出委員 じゃ、防衛庁長官は、竹田分析、竹田構想、竹田結論、あなた、お読みになったはずだから、これは間違いだと言い切れますな。
○大村国務大臣 いま御指摘の論文は、公表されたものではございません。したがいまして、防衛庁としては見解は差し控えなければいけないと思うわけでございますが、いま読み上げられましたような考え方につきましては、妥当なものではないというふうに私は考えておることを申し上げておきます。
○大出委員 それなら、この見解が制服の皆さんの諸説、見解を代表するものだ、つまり、制服を着ておられる現職の統幕議長としてお書きになっておるのですから、「初めに」という前書きがございますが、防衛庁をやがて去るに当たって、長年経験してきたことをまとめて提言をするというのですから、それならそのように——制服の皆さんがそういうふうに考えていると書いてある。そうでないようにあなた方の責任を果たさなければいかぬでしょう。お果たしいただけますか。
○大村国務大臣 先ほど申し上げましたように。制服を代表する意見として固まったものではございません。その点を御理解願いたいと思います。
○大出委員 国会で問題になってから皆さんが回収をされて、非公式だというふうになさっておいでになりますが、私は、余り審議のとまらない質問をしたことがないものですから、ただ、きょうだけはどうもそういうわけにいかないという枠をはめられておりまして、非常に困っております。 そこで、第二番目の質問に入りますが、海外漁業協力財団というのがございますが、鈴木総理、あなた、おつくりになったわけですな、いかがでございましょう。
○鈴木内閣総理大臣 私がつくったわけではございません。御承知のように二百海里時代の急速な到来、こういうことに備えて海外漁業の今後のあるべき姿、また、これから二百海里時代を迎えてどう対応していくかということに対して、海外で日本の漁業者が行う事業に対して融資その他の措置を講じようというのが自由民主党の水産政策議員連盟の意見であったわけでありますが、私がその取りまとめ役をやっておりました関係で、そういう政策を政府に進言をしてやったことは、当時を思い起こしてそのとおりでございます。
○大出委員 ということになりますと、つくらせたということになりますかな。しかし、これを見ますとあなた、つくったと言っておられる。これはサンデーインタビュー、読売の朝刊なんですよ。四十九年六月十六日、鈴木さんの大きな写真がちゃんと載っている。ここで、「海洋資源開発センターや、海外漁業協力財団をつくり、」あなた、ちゃんとつくったんだ。「つくり、今度は国際協力事業団も」つくりたいと考えている、あなたは述べている。見る限り、あなたはつくったという意識をお持ちである。 もう一つある。これは海外漁業協力財団ができ上がって、自民党総務会長として鈴木さん、御出席になってあいさつをなさっている。メインのあいさつ、「本日、海外漁業協力財団設立披露宴にお招きいただきありがとうございます。財団設立のため苦労、協力をともにいたしました皆さんとこの喜びを分かっことができますことを」つまり、ともになさったというわけですから、つくったお一人になるわけですな。どうですか。これは御否定にはならぬでしょう。
○鈴木内閣総理大臣 私は、昭和二十二年に国会に初当選をしたわけでありますが、その前は漁業組合運動、漁民運動をやっておりました。全国漁業組合連合会、そういうようなことで、国会に出ましてからも漁業政策の推進、漁民生活の向上、そういう問題につきましては特に力を入れてまいったわけでございまして、戦後のわが国の漁業法、水産業協同組合法その他水産漁業関係の立法等につきましては、私はいろいろな形においてこれに協力をし努力をしてきた、そういうことでございまして、これはこの問題だけで特に私がどうこうということではございません。水産政策全般についてやってまいったわけでございます。
○大出委員 別にきょうは、だからどうしようということでない質問になっておりますので、余りそう、御本人、総理、おっしゃっているのだから、あっさりこれはそう言いましたとお認めになればいいじゃないですか。書いてあるのだから、これは紛れもない。写真を見て、事実でしょう。書いてあるとおり読んだんだ。あなたがおっしゃっているとおり読んだ。そうひん曲げて答えぬでください。 それで、海外漁業協力財団、この際はっきりしておきたいのですが、民法の三十四条に基づく財団法人。財団基金、つまり設立の基本財産、これは一体どこから出て、どういうことでこしらえたわけですか。水産庁おいでになりますか。亀岡さん……。
○今村政府委員 海外漁業協力財団設立の基本財産は、一億円が国の拠出でございます。民間団体から一億円を拠出いたしております。民間団体一億円の内訳は、日本鰹鮪漁業協同組合連合会が三千九百六十万円、日本トロール底魚協会が三千九百六十万円、南米北岸底曳網漁業協会が千九百八十万円、大日本水産会が百万円ということに相なっております。
○大出委員 いまお話がございましたが、その一億円は補助金ですな。基本財産二億円の半分一億円は補助金で出した、こういうわけですな。
○今村政府委員 補助金でございます。
○大出委員 それ以後今日まで毎年の補助金を、一体幾らであるか、ずっと並べてください。ちょっと、用意していただくまでに申し上げておきますが、四十八年から今日まで、四十八年にできたわけですから、毎年の補助金を並べてください。
○今村政府委員 財団の予算のうち貸付金の造成費として国が予算に組みましたのは、四十八年が十億、四十九年が二十五億、五十年が四十億、五十一年が四十七億、五十二年が五十二億、五十三年が四十五億、五十四年が三十九億、五十五年が三十八億ということに相なっております。(大出委員「今年は、五十六年」と呼ぶ)今年は三十八億でございます。
○大出委員 今年は三十六億のはずではないかと思うのだが……。三十六億で、大洋漁業から四億何がし返ってくることを当てにしてマイナス二億円にしておいて、四億返ってくるとプラス二億円になる、こういう計算じゃないの。ちゃんと答えてください。
○今村政府委員 五十六年度の財団の予算は、貸付金造成費が三十八億に相なっておりますが、これは五十六年度の貸付計画を九十八億七千万円と置いたわけでございます。前年度が九十五億三千万円でございますから、大体前年度の実績見込みの同水準と考えたわけでございます。その財源としましては、五十五年度からの繰越金が四十六億九千六百万円ございます。このうちには大洋からの四億二千万円の償還金を含んでおるわけでございます。
○大出委員 大洋からの金はいつ返ってきましたか。
○今村政府委員 大洋の金は、五十六年二月二日、四億二千万全額の支払いをいたしております。これは五十五年十一月四日に返すということを請求いたしまして、そのときに、五十五年十一月二十日付をもって返すように申し渡したわけでございます。大洋の決算期が一月でございましたものですから、二月まで待ってもらいたいということで、その間の遅延利息、これは年間、大体一四・五%ぐらいな水準になりますが、その七十四日分の遅延利息の千二百三十四万円を足しまして、四億二千万にそれを加算いたしまして、五十六年二月二日に回収をいたしたわけでございます。
○大出委員 私が二月二日に質問をいたしまして、関連質問でございますが、だから、私が質問通告をいたしましたら翌日に金が返ってきた。妙な話ですな。一体、返すのか返さぬのか、大洋の中でもいろいろあったそうでありますけれども、私が補助金等ということで質問通告をいたしましたら、だれが連絡したか知りませんけれども、私の質問のときには返っているということになさる、こういうことのようでございましたが、全くいみじくもそういうことになっているというわけであります。ここに当時の記事がございますけれども、ちょうど質問通告が出たら金を返してきた、こういうようなことであります。 実はこれは、借りた方の当人であるサン・マリーン・プロダクトの社長さんはロサンゼルスにおいでになって、訪ねていった方に答えているのは、大洋は連帯保証人だから分割返済をする、そういうことになっていると言っておられたわけでありますが、それが、それじゃ事済まないという判断を、水産庁がなさったか大洋がなさったか知りませんけれども、いみじくもそういうことになったようであります。 そこで、もう一遍申し上げますが、四十八年が十億、四十九年二十五億、五十年四十億、五十一年四十七億、五十二年五十二億、五十三年四十五億、五十四年三十九億で、五十四年までで、出した補助金の総額は二百五十八億円、それに七十六億足しますと三百三十四億という金になる。国民の税金が出されているわけですね。 そこで、明らかにしたいのでありますけれども、このサン・マリーン・プロダクトというのは——その前に一つだけ承っておきましょう。例の四つの、日本鰹鮪、日鰹連と言っていますね、三千九百六十万円の出資をした。日トロ、トロール鉛の協会ですね、三千九百六十万。南米北岸、これが千九百八十万。それから大日本水産会が百万円。こういうふうに金を出しているわけであります。資本金ですね、合計一億円。 こういうわけなんですけれども、さてそこで、南米北岸底曳網漁業協会、千九百八十万円という資本金を出していますが、この南米北岸底曳網漁業協会と非常に近い組織に金を貸していますね、漁業協力財団が。幾ら貸しておられますか。
○今村政府委員 南米北岸開発株式会社に、一件で二億七千万の貸し付けをいたしております。
○大出委員 株式会社の方ですな、二億七千万。
○今村政府委員 さようでございます。
○大出委員 これは、いいですか、こういうことをやっちゃいけないと私は思っているんですよ。後からまとめて言いたいのですが、時間がありませんからこの際言っておきますが、なかなかこれは、幾ら貸したかと言ったっていままで言わない。ところが、これは業務日誌がある。業務日誌に書いてある。いま株式会社の方ですねと私が申し上げましたら、皆さんなかなかおわかりいただきにくい点があるわけでありますが、なぜかというと、二重人格、二つつくっているのです。大臣認可に基づく三十四条法人、社団法人、その社団法人の方の名称は、南米北岸底曳網漁業協会という。ところが同じところの同じビルに、日信ビルというのです。ここに写真があります。同じところの同じビルに名前が二つ書いてある。「二階南米北岸底曳網漁業協会」その二階の同じところに「南米北岸水産開発株式会社」、これは株式会社だ。これは公益法人でも何でもない。ところが、この南米北岸底曳網漁業協会と、同じところにある南米北岸水産開発株式会社というのは、役員の理事長から何から全部同一人、登記名を見てごらんなさい。全く同一人、一人も違っていない、全員。だから、南米北岸底曳網漁業協会なる社団法人の役員、メンバーがそのまま南米北岸水産開発株式会社に名前を変えて民間法人をつくった。同じだ。そうしておいて、何と漁業協力財団から国民の金を二億七千万円借りている。どっちが借りたかと言えば株式会社の方が借りている。社団法人の方は借りていないかっこうになっている。役員全部同一人物、一人残らず。両方ここにある。それで早い話が、先ほどのように基本財産二億円のうちの一億円は、四つの民間団体、漁業団体が出資しました、こう言う。その中の南米北岸、いまの社団法人は千九百八十万円出資したことになっている。出資しているとは言いながら、同一の人物でつくった株式会社の方で二億七千万円借りていれば世話ないじゃないですか。二億七千万円片方で借りていて、片方で千九百八十万円出資したんなら出資にならぬじゃないですか、ばかみたいな話で。みんなこの筆法じゃないですか。国民の金を一体何と心得ている。こういうでたらめなことばかりやっちゃいけないと言うんですよ。千九百八十万円を出資したと言文は体裁はいいけれども、片方では二億七千万円金を借りていれば世話ないじゃないですか。こんなことだったらどこだってやる。こういうやり方が、一々国民の金を食い物にするというやり方だ。これは全くもってけしからぬ。 さてそこで、いまもう答弁二つしていますから、したのを合わせると、こういう結果になると申し上げている。片方で出資した、片方で金を借りた、こう言っているわけだ。しかも、役員が全部同じで、法人格だけ変えた。片方は公益、片方は全くの商業法人。 さてそこで、鈴木総理は、「週刊現代」に載っかった記事、サン・マリーン・プロダクトのプロマルサという子会社、現地法人がメキシコにある。エンセナダにある。それは幽霊会社だ。サン・マリーン・プロダクトもその幽霊会社だ、そういうふうに書いてある。ひとつ警察庁、検察庁どちらでもいいのですけれども、この鈴木さんが提訴したという、名誉棄損で訴えたそうですけれども、あのとき私は質問していますが、それはどうなりましたですか、その後。簡単に答えてください。
○中平政府委員 お答えいたします。 昨年の十一月八日に、「週刊現代」の十一月六日号に掲載されました記事につきまして、鈴木総理大臣の代理人の方から警視庁に対しまして、編集長及び記事執筆者二名、合計三名を名誉棄損で告訴があったわけでございますが、その後、昨年の十二月二十七日、鈴木総理大臣の代理人の方からの申し出によりまして、本件告訴は取り下げになっております。
○大出委員 それを調べてみましたら、総理官邸に二人の人が行って、口頭で、大分お騒がせしましたということを申し上げて、中身、内容については全くそのままで、したがって謝罪記事も訂正記事も一切そういうものはない、何となく、お騒がせしたということを口頭で申し上げて終わりにすることにした、こう言う。これはまた妙な話ですな。総理、これはどういうことなんですかね、ちょっと答えてください。——それじゃもう一遍言いましょう。総理、これは告訴されて、これは妙なことで、何か総理のところに二人の人が行って、何となく、お騒がせしましたということで、聞いてみたら、中身その他一切そのままで、謝罪その他も一切考えてもいないし、ただ、お騒がせをしたからということを申し上げて、まあ取り下げることにしました、きわめて政治的なことなのですけれども、そういうことですか。
○鈴木内閣総理大臣 編集長という方でしたか、お見えになりまして、いろいろ世間に誤解を与えるようなこと、御迷惑をおかけして恐縮をいたしておりますというような、そういう陳謝の意味合いのあいさつがございました。
○大出委員 中身の訂正云々だに一切触れないという約束でそういうことにしたと言っておりましたがね、人を介して聞きましたら。全くもって妙な話でございます。政治がかった話ですが……。 さて、本題に入ります、 皆さんのところに差し上げてあります資料の中で、こういう形になって、時間がないから、申し上げて後で質問いたしますが、この四つばかりの資料を実は差し上げてあるわけであります。 まず一番最初に、総理が名誉棄損だと言って訴えたサン・マリーン・プロダクトの幽霊会社というもの、これは一枚の紙を差し上げでありますが、つまり、この会社の登記簿の謄本です、サン・マリーン・プロダクトの。それを見ていただきますとわかりますように、この会社は百万円の資本金で始まった、百万円。四十九年の十二月二十二日、百万円。これが十二月二十二日に増資をいたしました。四百万円にした。一日違いです。さらに、今度は四十九年十二月二十四日、その翌日また増資手続をとりました。四百万が千六百万になった。五十年の一月六日に、四十九年十二月二十四日の変更届が効を発して、五十年一月六日に登記された。ところがその間に、四十九年十二月二十六日に変更届がまた出ておりまして、五十年一月六日に六千四百万円に増資している。ところが十二月二十八日にまた変更届が出ておりまして、これは五十年一月六日に八千万円、一日置きか二日置きにぞこぞこぞこぞこ上げていって八千万円まで増資した。株式も何でこれだけふやしたのか。これは一月六日にこうなったのですが、すぐその後に鈴木さん自身が団長でメキシコにおいでになることになる。 こっちの別なぺらぺらの方を見ていただきたいのですが、1というのに「海外漁業協力財団役員の氏名」というのがあって、その2に「日本・メキシコ漁業協力視察について」というのがございます。私が当初聞いたところでは、日本・メキシコ漁業協力使節団というのだそうでございますが、ここにございますように、団長は鈴木善幸総理であります。当時の鈴木さん。副団長は、これもおかしな話なんだが、金を貸す本家の海外漁業協力財団の理事長の荒勝さん。三番目が今村、当時の水産庁研究課、水産庁からも正式に人が行っている。ところが、この中に永谷園本舗の専務さんもおる。永谷博。聞くところによると、鈴木さんのスポンサーだとおっしゃるのですがね。材津さんという方と木村さんという秘書の方がおります。これだけが——公式だというのなら何で永谷園の方が入っていたりするのか。非公式だというのなら何で水産庁研究課の人間が行ったのか。それで癒着だと言われたくないのならば、何で海外漁業協力財団の理事長、元水産庁長官の荒勝さんが行ったのか。どっちから見てもこれは筋が通らぬ。だが、その前にあわててこれだけ増資をしておいて、年が明けて一月六日にこれが完了したら、ここに書いてあります一月十二日、その後六日たった十二日には現地メキシコ。しかも、サン・マリーン・プロダクトの社長の北尾さんが十二日から一月二十日まで八日間ばかり滞在された鈴木さんの一行に終始つききっておった。現地の日本人会の方々が証言をしています。ずっと一緒。まことに奇妙なことでありまして、私は幽霊会社だと思っている。全くでっち上げた会社だ。これは見ていただけば一目瞭然でしょう。しかも、この漁業協力財団の方だって、財団の役員が全部載っておりますが、初代、二代は水産庁長官が理事長、大場さんという方は海洋漁業部長、みんな水産庁のおえら方。そして常務理事の江原さん云々というのは、私の聞くところによると、これは裏をとっておりませんけれども、鈴木総理御自身の出身校の後輩だという。ということになると、これは全く鈴木さんの御一家みたいな感じであります。 さて、この横書きで書いてある方をお読みいただきたいのでありますが、簡単に説明させていただきますと、「大洋アメリカ」の表題で、「八島部長殿」、八島という印がございます。「冷凍三課殿」「一九七五年三月二十日大洋アメリカLA支店」これはロサンゼルスの支店です。「K・ノグチ」、この方が社内文書として本社に送っている文書です。たくさんございます。ほとんど全部裏はとれております。担当者も社内文書であることを認めています。「プロマルサ資本参加の件」「概略本日(三月二十日)テレックスにて御連絡の通り、さる三月十四日北尾、一円」、サン・マリーン・プロダクトの役員、北尾さんが社長、「安藤(大洋漁業本社冷凍三課長)畑本(大洋アメリカ)野口(大洋アメリカ)会談にて基本条件につき略々下記の通り取決め、これに基き、基本合意書をNYのTA(大洋アメリカ)弁護士に作成させております。出来しだい関係者サインの上、本社アプルーバル(承認)のためご送付申し上げますのでよろしくお願い致します。」 「記」、これは大洋が四五%の資本参加をしたわけであります。その中身が書いております。資本参加をしたのだから、財務経理担当のトレジュラー、出納担当者、これを出そうということがこの次に書いてある。 そして一枚あけていただいて、「敷衍説明記」というのがあります。ここには大変なことが書いてある。「プロマルサへの資本参加の動機は」、プロマルサというのは北尾さんという人がやっている、メキシコの現地法人を持っている宝塚に、あるペーパーカンパニーと言っていい。私はこれは幽霊と言っていいと思っているんですけれども、そういう会社。次々にとんでもない増資をしているのですから、大洋から金が入っていって増資をしたのですから。「プロマルサへの資本参加の動機は大洋のメキシコ進出、拠点作りのベースとして既に何がしかの事業実績のあるこのグループ(最近に至り日本政界の要人、及びメキシコ政府要人の抱き込みに成功し、メキシコ水産開発を利権化のメリットを確保しながら可能にしうる基盤を広げつつあり、ベースとしての利用価値が一層高まって来た)。」ここで言う日本政界の要人が、調べてみるというと鈴木さん、当時の鈴木さんだ。「の最大活用にあったわけで、たまたまこの個人金主に依存する中小企業が現地に貴重な人材と開発素材と、メキシコの仮面をかぶった覆面企業と云う絶好の条件に恵まれながら資金的な限界に達し、外部からの資金援助によって企業の存続発展と、組織化を計ろうとする意向と、われわれのメキシコ拠点作りの志向の条件とが合致したためにスタートしたものです。従って彼らにはこれ以上の資金負担能力はないので、資金の完全コントロールによって事業の完全コントロールをはかる方が絶対的に有利です。第二に、北尾氏の導入する財団資金は」、ここが問題なんですね。「第二に北尾氏の導入する財団資金は御承知のように今后何年かにわたり継続して出されるもので、」これはいろいろハプニングが起こりまして、中断をしたから表に出てばれてしまったわけでありますが、続いていればいまでも続いているわけであります。「何年かにわたり継続して出されるもので、従って今后初年度程度の財団資金が三年引出されるとすれば、プロマルサの資金は極めて潤沢になり、大洋としてファイナンスすべき金は」、つまり大洋が融資すべき金は「ごくわずかですむか、あるいは全く必要なくなる筈です。もっともこの点については通弊として」、意味深長なことを言っているのですね。「もっともこの点については通弊として」、商社マンの諸君の有する性格なんでしょうね。「政治家のからむこの種のファイナンス」、融資ですね。「政治家のからむこの種のファイナンスはその政治家の消長に著しく左右され非常に不安定ですが、」これは総理におなりになったのですから、これ以上安定したことはないのでありますけれども、「少なくとも本年度四億二千万円の融資は確定しており、これによって過去のTA(大洋アメリカ)よりのローン(貸付金)及び未収金など一切が回収されますので、大洋側もゼロからの出発となり、」これは国民の金です。大洋が出している金はちゃんと全部回収されると言っている、四億二千万の中で。これは九十万ドル回収しているわけですが、「プロマルサも身軽な健全体質となり(タダ同然の低利長期借入金のみとなり、これだけでも企業の収益力に絶対的にプラス)。大洋及びプロマルサ双方にとってのメリットはばく大です。北尾氏はこの財団資金導入の成功をバックに相当に強気の構えで資本参加後のプロマルサのファイナンス」、融資ですね。融資「の責任を全面的にTA」、大洋漁業ですね。大洋漁業「でみてもらう意向(財団資金は別)で、もし大洋にその意向がなければ、今年度の財団資金四億二千万円で大洋との資金関係を清算し、資本参加は白紙にし(すなわち他社と組む、A氏」、つまり鈴木さんのことです。「A氏(大物水産議員=自民党)は全漁連を示唆したとのこと)よくてコマーシャルベースの商品売買のみの関係維持迄大洋との関係を後退させることも辞さないと思います。」 三番目、「財務担当役員早急に派遣を」というのがございます。これもまた重要なのです。「役員派遣の問題はプロマルサ側異存なくオーケーしており、前述のファイナンスの責任をとる以上絶対必要です。これは」、ここからが問題で、「財団資金の導入に絡んで、財団融資の継続を容易にする為の財務諸表捏造粉飾の必要から」、こんなこと放任できませんよ。「財務諸表捏造粉飾の必要から」今度の四億二千万だって全部物を買ったことになっている。なっているんだが、同じ日に九十万ドル大洋アメリカに返している、二億四千万ばかり。その全部の証拠書類があるということと二億四千万金が返済されるということと両立はしない。受け取りが架空でなければ両立はしない。そうでしょう。「これは財団資金の導入に絡んで、財団融資の継続を容易にする為の財務諸表捏造粉飾の必要から来るもののほか、われわれとして資金使途、(財団資金を含めた)予算策定、資金計画、資金調達、経理の近代化等を通してプロマルサの財務、経理機能を整備し、内容を常に掌握管理する為に絶対必要です。」そしてその次は、北尾という人を評価をしている。評価の仕方、「北尾氏はいい意味につけ悪い意味につけ非常にワクにはめるのがむづかしい人、但し物事に対する好奇心、事業欲はおう盛でその為に精力的に動き廻るのは驚くほどです。従って彼にやらせる仕事は現在のA(大物水産議員=自民党)ルートをとことんまで活用し、せっせとプロマルサに財団資金を注ぎ込ませることが第一。」「何もこれはメキシコ事業に限定する必要はなく、エクアドルでもペルーでもよいから、できるだけ」、これは大洋が手を出しているところだ。「できるだけ政府の税金を引き出させることです。次に新規のプロジェクトのプロモーターとして定額の金を提供し、これを完成させる。金が足りなければ自分でまかなわせ仕上がったものに対して相応の利益配分を行う形。(彼には成功報酬と云う考え方は通用しません)」大企業の営業方針がよくわかります。 つまり、こういう社内文書がまだたくさんあります。こっちにも社内文書がございますが、そこで、私はこういうやり方というのは何としてもがまんがならぬ。 しかも、時間がありませんから、もう一つだけ申し上げておきますが、中部さんという大洋漁業の社長さんが、「二百海里時代はぐっとこらえて」という五十三年の展望と戦略を本社の社内の書籍にお書きになった。この中に、海外漁業協力財団の資金を使いやすいように銀行保証の問題などの検討をする必要がある。もっと金をいっぱい出させろというわけですよ。 そこで、ひとつ承っておきたいのですが、さて、大洋漁業に途中から九十万ドルぽんと金が抜けていったのですけれども、それで六億二千万。つまり皆さんに差し上げてある書類の中で「海外漁業協力財団のサン・マリーン・プロダクトに対する融資について」「一融資対象施設」漁船から運搬船から船着き場からトラックから無線電話から作業場、冷蔵庫を全部買って四億二千万、ちゃんと計画立っているのだ。このとおりやったというのだから受取は全部ある、こう言う。水産庁、あると約束した。融資条件、これはふざけてるでしょう、利率が年三分五厘。銀行の預金、郵便局の金だって、郵便局の皆さんが集めて、貯金の金集めて大蔵省資金運用部に持っていけば、預託利子だけで八分ですよ。郵政省に払う資金運用部の預託利子、皆さんが郵便局に貯金したときの預託利子、これで八分ですよ。八分以下じゃ政府資金の運用はできないでしょう。それを何と三分五厘。どこでだれが決めたんだ、一体。三分五厘。お手盛りじゃないか。そして利子支払いは年二回、償還期限五年据え置き以後十五年。五年間据え置きだ、三分五厘で。浮き貸ししたってもうかる。冗談じゃないですよ。大洋漁業にこんな金、浮き貸しさして、五年も六年も前に。一括して返したって、五年か六年か知らぬけれども貸しっ放しじゃないか。九十万ドル行ったっきり。私はこういうことを放任できない。こういうことは私は承認ができない、何と言われても。 そこで、ひとつ承りたいのですが、この受取を出してください。どうですか、亀岡さん、受取を出してください。シグ片山の会社の、何ですか、センコースズキという、ここに顧問だか何だか、顧問センコースズキ、二つ書いてあって、片っ方だけ提訴して、こっちは提訴なさってないのだけれども、この片山というのはにせ領収書づくりの名人だ。だからどうってわけじゃない。だからどうってわけじゃないが、この際、総理にそう疑いを差しはさむわけにいかないので、受取を出していただいて、なるほど受取に正当性があれば、今度は大洋に行った九十万ドルは何で行ったのだということになる。みんな買ってしまっているのに九十万ドル浮くわけないのだから。そこのところ、はっきりしてください。亀岡さん、いかがですか。
○亀岡国務大臣 大出君御承知のように、受取も企業の経営内容の一部でございますので、普通は出しておらないわけであります。しかし、当委員会からの提出を示唆されますればお出しいたします。
○大出委員 私が大洋漁業、どうも皆さん、おもしろくないのは、竹田五郎さんの、さっき私が取り上げたやつも、防衛庁さんに見せてくれませんか、もらえないんなら見せていただくだけでもいい、こう言ったら、ぴしゃり断わった。私、持っていて聞いたんだけれども。そうでしょう。今度は皆さんの方も、私のところに来て、いや、全部そろっておりますよ、領収書、受取はというわけ。私の方も、だから領収書は全部あって、九十万ドル、どうして領収書なんかわからないと言う。水産庁はそうおっしゃっている。 それで、私がそれじゃ受取見せてくれと言ったら、今度はおいでにならぬで電話で、漁業協力室長、昨年十二月二十日付、漁業協力財団の島田道夫さんという人が、何としても、どうもそれだけは御勘弁を願いたいのですと言って、一生懸命、電話の向こうで頭を下げてるんじゃないかと思うのですけれども、謝られて、それじゃしようがありませんと払いたしましたがね。やっぱりこういうことは、国民の税金なんだから、三百億からの。そうでしょう。どこにどんなふうに貸してあるかもわからぬ、全く。持ってこいと言ったら、金融機関だからそれは困るとかなんとか言って見せない。そういうことはいけません。出してくださいよ、受取。いかがですか。いいですか、それじゃ。出していただけますな。大丈夫ですか。
○亀岡国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、やはり企業の秘密に属することでございますので、いままでは出しておりませんけれども、委員会からの御意思で出すように言われれば差し出してまいります。 大出君、先ほどからいろいろ御説明ありましたが、私も実はこの問題について新聞に見えましたときに、まあ大出君と同じような気持ちで実は水産庁から事情を聴取をいたしました。そして、ほかの方はどうなんだということで、ほかの融資先等につきましても全部厳しく再点検と申しますか、するように申しつけたわけであります。もしこういうことであれば、やはり国民の税金も入っておるわけであるから、これは徹底的に法に従って処理をするようにと、こう指示をいたしたわけでございます。
○大出委員 委員会のというので、この予算委員会でやるんで、いつもそういう言い方になるのだが、委員長、これ認めますか。お認めになりますか。
○小山委員長 相談します。
○大出委員 相談する——きょうは、私はとめるわけじゃありません、いかにして、とまってしまうような質問にならぬようにというふうに考えてやっているわけですから。最終日でございますからね。 そこで、もう一つだけ承りたいのでありますが、厚生大臣、日本民宿組合中央会というのがございます。この方について、四分ぐらいしかないようでありますが、念のために……。 これは、民宿組合中央会は倒産をいたしまして、どうして倒産をしたかというと、これまた非常に不明朗なんですけれども、全国の民宿、ここにいろんな物資を流して売ってあげる、だからうちに物品を納入しなさいというので、至るところから物品を納入をさせて、さて一時間もたつというとバッタ売りで、秋葉原でばたばたばたばた売っている。さあ、それに気がついて方々から連絡が入る。問い合わせすると、いや、たくさんの政治家の方々がかくのごとく応援もし支援をしていただいておりますから、そんなことはありません。これは片っ端から写真入りですよ。金子さんの写真も出ている。これは第二部。その一、日本民宿協会中央会顧問議員各位の抱負、第三回民宿全国大会において。これは金子さんが悪いのじゃない。利用されたんでしょう。岐阜でこれは開いたから、地元だから、そういう利用の仕方なんでしょう。山下元利さんから植木さんから大平正芳さんから、いっぱい。伊東外務大臣、伊東さんも出ている。それから小渕恵三さん。ほら、金子岩三さんから今井勇さんから三善信二さん、中村太郎さん、たくさんいる。こういうようなものをばらまいたり、あと宮田輝さんのこういうやつを載っけたり。これは初代会長はどなたですか。
○榊政府委員 初代の会長は大野明さんでございます。
○大出委員 この方々が悪いとかなんとか私は申し上げる気はない。そうじゃなくて、これだけのものを流されて見せられれば、信用しない方がおかしいでしょう。だから、利用されたというふうに新聞に大野さんもお書きになったりされておられる。宮田輝さんが載っかっていますね、にこにこして。民宿だというんだから、これはまあ宮田さんを信用しますよ。こういう写真からあります。大野さんが契約の相手方になって判こをついているやつもあります。これはどうも私のような者は呼んでくれないんですね。 そういうわけでございますから、それで倒産をして、二億円の負債。つぶれた企業がたくさんございます、品物を入れて。しかもこれは、社団法人日本民宿組合中央会というのは公益法人。これも同じように株式会社民宿共済会、日本民宿組合中央会と同じところに共済会というのを一つつくりまして、さっき私が取り上げたと全く同じ形で、役員が二人ダブっています。そして、はっきり言って取り込み詐欺、こういうことでたくさんの人たちを泣かしちゃいけません。時間がありませんから多く言いませんが。 さてそこで、警視庁の方なり警察庁の方なり、その後これはどうなっているか。告発も六件ぐらい出ているはずでありますが、被害総額はどのくらいか、ちょっと言ってください。
○中平政府委員 この事件につきましては、昨年の九月二日からことしの一月二十六日までの間に、ただいま御指摘のありました二つの団体から詐欺の被害を受けたということで警視庁に告訴がございまして現在捜査中でございますが、告訴会社六社、約一億三千万円、そのほか十八社、約一億六千万円の被害があるというふうに報告を受けておりまして、現在、警視庁で鋭意捜査中でございます。
○大出委員 では最後に、国税庁にお願いをしておきましたが、この種の、つまり大臣認可の三十四条法人というのは非常に不明朗なんですね。日本民宿組合中央会などがやっておる方式なんですが、社団法人、財団法人、あわせて公益法人と呼ばれるもの、民法三十四条「祭祀、宗教、慈善、」宗教団体もたくさんあります。「学術、技芸其他公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノ」ということでつくられている隠れ法人。幾らあるかというと、おおむね四千四百八十六法人。厚生省所管だけで二百四十。それから、さっき問題にいたしましたが、農林水産関係で四百四十五法人、文部省で千五百八十三法人、通産が六百五十一法人、これだけあるのですね。 この法人は実は営利事業もやっておりまして、一昨年になりますか、私が調べたら、国税庁によると公益法人百六十三法人が総額二億八千万円の脱税をしていました。公益法人という名の隠れみのに基づく脱税、この辺のところをひとつ、脱税総額は一昨年、昨年どのくらいございましたですか。
○渡部政府委員 お答え申し上げます。 公益法人に対しまする課税状況でございますが、一番最近の五十四事務年度、これは五十四年二月一日から五十五年の一月三十一日までの間に調査が終了したものでございますが、対象法人数一万一千百四十四法人、所得金額が七百五十億六千六百万円でございます。
○大出委員 厚生大臣に最後に……。 幾つかの企業が倒産をいたしておりまして、これを何とかしてもらえないかという、本当にそれは切実な話があります。何とも聞くにたえぬ中身であります。せっかく一生懸命働いてやっと営業してきた、信用して持ち込んだら午後にはバッタ売りで秋葉原で売られていた、抗議に行ったら、こういう政治家の方々がいっぱいいるんだから心配ないと言われて帰ってきた、結果的に、不渡りが出た後なお品物を入れさせられた、取り込み詐欺だと。たくさんあるんですね。実は何とか救済の方法はないかと思っているんですけれども、厚生大臣、いかがでございますか、おたくが認可したことになっているんだから。
○園田国務大臣 この問題は、相当長く、数回にわたって御発言をいただいている問題でございます。 経過は御承知でありますから申し上げませんけれども、倒産の直接原因は、この会の最高幹部の一人が勝手に連帯保証人として債券を出した、小切手を出したということから倒産をした。その倒産直前から厚生省は立入検査をしておりますが、問題は、倒産とわかってから、いまおっしゃったようないろいろな、全く詐欺に該当するであろうと思われる事件をやって、そのためにその会の後援者とか名前とかそういうことに、一方では心配しながら、まじめな人がひっかかって借金をつくっているわけであります。 したがいまして、一つはこれの監督をさらに厳重にすると同時に、二度とあってはなりませんけれども、このように人を信用して逆にやられた、こういう人々に何かないかと思いますが、ただいま係争中でもありまするし、道義的にはそう思いますが、なかなか金の出しどころについてはこれまた大変でございますから、今後とも十分検討してみます。
○大出委員 終わります。
○小山委員長 次に、川俣健二郎君。
○川俣委員 私の質問は、新たな質問というよりは、一カ月に余る予算審議期間中に政府の食い違い、特に、ここの総括では確認されているのだが分科会に入ると当局の答えが変わってくるという、これはこのままにはしておけぬという問題、それから理事会預かりの問題、積み残しの問題等、お配りしましたように十八項目あるのですが、一時間ですから順次やっていきまして、この中でもし残った場合は、わが党の参議院議員を通ずるなりしてさらに詰めていきたいと思います。 その前に、日銀総裁の前川さんにちょっと煩わしましたので参考までにお聞きしたいのですが、いわゆる公定歩合の第三次といいますか、これをどのようにお考えでしょうか。 さらに、いろいろと大所高所に立って考えておられるのでしょうから、その効果といいますか、そういったところをちょっと教えていただきたいと思います。できれば準備率も、ついででございますのでちょっとお話を承れれば結構でございます。
○前川参考人 公定歩合の引き下げにつきましては、まだ具体的に決めておりませんので、一般論としての考え方を申し上げたいと思います。 景気状況はかげり現象がその後広がっているということでございますが、一方、物価につきましては、卸売物価はその後引き続き鎮静傾向をたどっておる。ただ、消費者物価につきましてはいま一つ、まだ前年比よりは高い水準の状態が続いておるわけでございます。そういうことから、総体として申し上げますれば、若干まだ問題がございまするけれども、金利引き下げを考える環境というのは変わりつつあるというふうに思います。 ただ、公定歩合を下げましても金利水準全体が下がらないということでございますると、経済に対する好影響は出てこないということでございまするので、そういう意味で、たとえばCPI、いまの消費者物価の今後の見通しがどういうふうになるか、そういうことから貸出金利を下げまするにも、金融機関の資金コストが下がらないとなかなか貸出金利が下がらない。また、長期金利につきましても、長期債の利回りが下がってまいりませんと長期金利が下がらないということでございまするので、そういうふうな金利水準全体を下げる環境にあるかどうか、また下げられるかどうか、その辺につきましてはもう少し見きわめが必要であろうかというふうに考えておるわけでございます。 海外の金利につきましても、アメリカの金利は少しずつ下がってきておりまするけれども、ヨーロッパの短期金利はこの一週間ほど上がっておるわけでございます。そういうことから、内外金利差の問題というものも、為替に対する影響というものを十分見きわめる必要があろうかというふうに考えております。 公定歩合の引き下げをしたときの効果はどうであろうかということの御質問がございました。金利を下げることによりましても、需要そのものをふやすという効果はございません。ただ、需要をふやす間接的な効果はある。企業の収益がそれだけよくなるということから、あるいは投資がふえる等のことによりまして需要が間接的にふえてくるという効果は期待できるわけでございます。物価が落ちついてまいりますれば金利も下げるべき環境になってくるわけでございまするので、そういう点をあわせまして企業収益に対する好影響が出てまいりますれば、それが最終需要に対してそれなりの効果が出てくるであろうというふうに思います。数字的にどのくらいの効果があるかということを判定することは非常に困難でございまするけれども、それなりの効果が出てくるであろうというふうに思っております。 預金準備率につきましては、預金準備率を下げることによりまして、金融機関は無利子で日本銀行に準備金として持っておる分が解放されるわけでございまするので、それだけ金融機関のコスト軽減に役立つということが期待できるわけでございます。もちろん、この準備率を昨年上げましたのには、その当時の物価の状況に応じて必要だと判断いたしまして上げたわけでございまするけれども、物価が安定してまいりますればそれを解除してもいい環境になってきているというふうに思います。その効果は、いま申し上げましたように、金融機関のコスト低下に役立つであろうというふうに思います。
○川俣委員 どうもありがとうございました。——結構です。 次に、順次確認しておきたいのですが、国鉄再建法によるローカル線の廃止の問題が、分科会はもちろんですが、あらゆる面から非常に論議されてまいりました。 そこで、いま取り上げる問題は二つです。一つは、第三セクターということになると一体赤字が黒字になるんだろうか、こういうことで私は聞いておるのですが、そこで自治省は、当然ながら地方自治の財政の実態からいって抵抗しておるわけです。これは当然だと思うんだが、これを政府の食い違いとは私は言いません。自治省といたしましては当然だと思うんだ。ただ、官房長官にこの辺は聞きたいのですが、内閣として非常に食い違って、総理大臣も積極的にこれをやらせたい、させたい、自治省は御免こうむる。特に狭い分科会に閉じこもると、いよいよ自分の意見を発揮して当然だと思うんだが、じゃ一体、この第三セクターというものはこれからどう展開されるだろうかということを、地方の住民は当然考える。その辺を官房長官、どう思います。
○宮澤国務大臣 この問題は、国鉄再建の見地から欠かせない措置でございますが、同時に、地方の住民から申しますとまことに大きな出来事でございます。国鉄あるいは国鉄財政もさることながら、地方住民の立場もきわめて大事に考えなければならない問題でございますので、したがって、国鉄あるいはいまの国鉄という見地からはこれは手放さなければならないといたしましても、地方として何とかこれはやはり置いておきたいと考えることは十分あり得ることであって、その場合には、ひとつみんながそれを支援してそういう体制をつくれるようにしようではないか、こういうことを考えておる、それが第三セクターといったような考え方であると思うのでございます。 もちろん自治大臣のお立場としては、現在の地方財政の立場からいえばそんなことは決して容易なことではないとおっしゃいますのはもっともでございますけれども、それでもなお地方でそういう要望が強い、そのときにどうするか、やはり考える余地は残しておこう、おかなければならぬではないかというのが法律の考え方だと思います。
○川俣委員 これを論議する時間はないのですが、私が言っておきたいのは、第三セクターに切りかえれば赤字が黒字になるんだという安易な考え方が政府にあるような気がしまして、第三セクターに転換してどうやっていくのか、そういうのを地方に任せるのではなくて、やはり国鉄再建法という法の体系の中から第三セクターというのは出てきたわけですから、ぜひ鈴木内閣としては、こういうようなまあ手引きと言っちゃ悪いが、ある程度指導理念を出さないといかぬのではないかということを申し上げておきます。 そこで二つ目は、この国鉄再建法によるローカル線廃止と政治倫理というか、明治以来、地方鉄道というのはどういう過程を経てきているかというと、昔の政治家というのは、あそこへ鉄道を引っ張るというのが一番大きな政治力というか公約というか——ところが、そうは言ったけれども、こういう世の中になったんだからしようがないんだ、そこで各政治家はそれぞれそれを控え目に言ってきた、なかなか国鉄も赤字になって大変ですと。 ところが、ここ二、三年の間に、依然としてそういうことを堂々と、いまより強めて言っている政治家がおられる。それはわかりやすくいえば鈴木総理大臣であります。いわゆる三陸縦貫鉄道、これは総理大臣を例に出して悪いのでございますが、私のところへ三十五年の選挙からずっと、総理の選挙公報というか公約を送ってよこした人がいる。さすが、三十五年当時は写真も若々しく、非常に美男子に写っておるのですが、このころはまだ郵政大臣におなりになって、この年で郵政大臣、総理になるという方はこのぐらいからやはり……。そのころは言っていなかった。ところが三十八年、三陸縦貫鉄道の早期着工、これを目指す。 これはどういうことかというと、皆さん、八戸から久慈線、それから盛線、三本の線がある。それをちょっとずつつなぐと、ずっと石巻の方へ行くいわゆる三陸縦貫鉄道という、東北のチベットと言われておる岩手のあれが非常に——これにみんな、なるほど、こういうようになった。今度はさらに四十七年、三陸沿岸鉄道が今度こそは完成する、できれば新幹線の鉄道ができると同時に完成を期す。ぱっと拍手を受けて、票がどんどん伸びてきた。それから五十一年、五十四年。もう五十一年といったら、ぼつぼつこれは真相を言うべきだ。総理大臣はずっと鉄道建設審議会会長を務めてきた。わからないわけはない。依然として公約のトップに書いてある。それから去年の最後の選挙、去年のいわゆるダブル選挙、こういうようにやってきた。 これは国鉄がこういう事情になったということで逃げればいいのですが、やはり政治家としての姿勢というか、公約上非常に大変な問題があると思うのだが、どのように反省していますか。
○鈴木内閣総理大臣 三陸沿岸縦貫鉄道の問題についてお尋ねがありました。 川俣さんの方の日本海の羽越線その他、これは地形その他の状況にも恵まれまして早く完成をいたしております。三陸縦貫鉄道の沿線は、人口密度から言っても日本海の方よりはさらにたくさんの人口がここに存在をしておる。また、世界の三大漁場と言われる三陸の漁場も控えておる。さらにまた陸中海岸国立公園地帯で、観光の面から言っても非常に将来有望なところである。そういうようなことがございますから、いま川俣さんからお話があったように、わずかの区間二一カ所でつながっていないために幹線的な鉄道としての機能を発揮していない、こういうことでございますから、地元の住民としては何とかこれをつないでほしい、これは政治家である川俣さんはだれよりもよく御理解がいただける問題であろう、私はこう思うわけでございます。 私は国会へ出ましてから、そういう地域の願いを何とか実現をさせていきたいということで今日まで努力をしてきた、こういうことでございます。また、着工もし、工事の方もほとんど九五%ぐらい進んでおります。もうわずかのところで完成というところにこういう国鉄再建の問題という大きな問題、地域の問題を乗り越えてこれを解決しなければならない、こういうような状況に相なっておりますので、私もその国鉄再建の問題と地域の住民の長年の願いと、この間に立って非常に苦慮しておる、こういうのが偽らざる心境でございます。
○川俣委員 まあそれを選挙民はどう聞き取るかわかりませんが、こういう新聞も届いた。届いたものだから読まないわけにいかない。これは岩手日報といいまして、鈴木総理を非常に支持されている新聞社なんですが、「ある夜の夢」「国鉄再建法による、地方交通線の廃止基準公表後のある夜、まことに変わった夢を見た。鈴木首相が辞表を提出したのである。辞表の提出先は明らかではない。総理大臣が内閣を投げ出す時は総辞職と、国民に信を問う衆院解散がある。それを鈴木さんが単独で辞表を出した。夢は好きなように独り歩きするから始末が悪い。」これは夢だからしようがないのだ。「理由は自民党総務会長を長い間務め、鉄道建設審議会長も十年以上にわたった。」私とは違うのです、同じ政治家でも。「この間、新線建設を促進し、鉄建公団設立にも関与している。同公団は大都市周辺の新線建設や民鉄の建設線にも寄与した。しかし、主力は地域格差の是正をうたった国鉄の地方線である。それがこんどの政令案でご破算になった。せっかく建設したのが、全通」全部通じようという、九五%の「目前に廃止される。時世が変わったとはいえ、多額の国費をムダ遣いの結果になった。選挙区の岩手県にも、顔向けならないというのである。とかく政治家の悪徳がうんぬんされる中で、」ここからよく聞いてくださいよ。「鈴木善幸という人は、清潔で責任感が強く、なんという純粋な政治家だろう。だからこそ派閥を超越して、総理・総裁になった。県民はその潔い態度に、ただただ感涙にむせんでいる。夢はここで終わったので、」ここで夢は終わってしまった。 そこで目が覚めて「現実に戻って、鈴木さんの政歴を考えたら、その集票力は沿岸漁民の支持のほかに、」さっき魚の話が出たが、「三陸縦貫鉄道の実現を待望する人々に支えられたといっても過言ではない。総選挙を重ねるたびに得票を伸ばし、それが内陸部にも波及効果となった。かくて、岩手一区における鈴木さんを確固不動にした。」「廃止・転換に対する住民の絶望感と、通勤通学の経済的な苦痛などを岩手日報で読み、公約の行方を改めて考えさせられた。」 これは、川俣さんも同じ政治家だからわかるだろうと言うのだけれども、あなたはずっと鉄道建設審議会会長だ。しかも、三十五年とか三十八年、四十二年、四十四年、私は選挙の年はみんな知っておる、おやじ以来だから。ところが、せんだってのダブル選挙にまで公約の第一項に出すというこの心臓ぶりは、ちょっともう一遍、釈明してみてくれませんか。
○塩川国務大臣 第三セクターをめぐります御質問で、しかも現在未完成のところの取り扱いの基本問題でございますので、私から御答弁申し上げます。 御質問の中にございました第三セクターについての、自治省とそれから運輸省との考え方に相違があるかという点でございますが、これには実は相違はございませんで、統一いたしております。昨年の十一月六日でございましたが、私と自治大臣との間に統一見解をまとめまして、その統一見解によりますと、「特定地方交通線の第三セクターによる鉄道輸送への転換については、現状からみて、第三セクターにより経営する場合でも赤字が生ずるおそれがあるので、地方公共団体が第三セクターに参加することについては、その財政負担を慎重に検討したうえ対処しなければならない。」こういう統一見解を出しております。でございますから、第三セクターになれば赤字が黒字になるというような安易な考え方でわれわれは取り組んでおらないということを、まず御承知いただきたいと思うのであります。 それから、御質問の第二の問題でございます第三セクターによる運用で、特にお尋ねの三陸縦貫鉄道についてでございますが、法に基づく政令を制定いたしますときに一番内閣全体として鋭意努力いたしましたのが、いずれの地域においても公平であるということでございます。この公平の精神を貫いていかなければならぬのでございまして、それによりましてそれぞれ地方団体にもその趣旨を十分話しておりまして、したがって、三陸縦貫鉄道につきましてはもう工事も九五%程度完成いたしておりまして、地方団体が中心となりまして、これの工事再開についてのわれわれへの相談が実は参っております。私は、このようにもうすでに完成に近いところで、しかも完成いたしましたら乗車効率がかなり期待できる地域につきまして、地方団体と十分に相談いたし、その措置を進めてまいりたいと思っております。
○川俣委員 お願いもしないのに運輸大臣が答弁されると、じゃ自治大臣もしゃべりたくなるのだろうと思うのですね。私の言っているのはそういうことじゃなくて、いま総理に聞いているのは、全国公平に第三センターにしたと大上段に振りかぶったことはおみごとだが、そうじゃなくて、総理大臣がこの間の選挙まで、もうわずかでつながりますからという選挙運動をやって、選挙公報の第一条に載せるなんというその態度を聞いているのであって、もうそれ以上総理大臣が言うことがないならこれで私はいいのですけれども、総理、いいですか。
○鈴木内閣総理大臣 政治家司土で、いろいろ選挙公約の問題はお互いに努力をしてきておるところでございます。ただ公約のしっ放しということではない、みんな努力をしておる。先ほど申し上げたような国鉄再建という全体の大きな問題と地方の問題がございます。そこで、私は自分の地元であるからといって、これを残存してもらいたいなどというようなことは考えておりません。したがって、この問題については別途地元の総意をまとめて、地元の意向に沿ってこれを何とか建設線として生かしていきたい、こういうぐあいにいま考えておるところでございます。
○川俣委員 それでは次に移ります。 ここでどうしても確認しておきたいのは、何回も出ました同和対策の問題なんですが、これはなぜ私が取り上げるかといいますと、一つは、せっかく総理がこの措置法の強化改正というものを前向きに答弁しておるのにかかわらず、分科会に入ってしまうと、担当官が非常に、ありていに言えば後ろ向きというか、その時期に来たら、そういう問題が来たらおいおいこれから検討してと、こういう言葉になりがちなので、ここでどうしても確認しておかなければならぬ。 なぜかというと、これは附帯決議もあったし、それから、わが予算委員の野坂委員に答えて、五十七年度概算要求までに、三年延長のときの決議の趣旨を踏まえ、法改正について政府として結論をまとめたい時期にも来ておる、いわゆる三年後の時期が来ておる。ところが、分科会に入るとそうではない、これが一点。どっちが本当か、総理でも官房長官でもどなたでもいいから、政府を代表して言ってください。 それから次は、時期の問題です。概算要求云々もありますが、時期はいつごろであるかということをここではっきり、附帯決議のこともあることですから確認しておきたいと思います。
○中山国務大臣 お答えいたします。 先生のお尋ねの点は、先般、予算委員会で総理が答弁されましたとおりでございます。
○川俣委員 済みません、総理大臣、それじゃもう一遍。
○鈴木内閣総理大臣 私がお答えした速記をお持ちのようでございますから、改めて申し上げる必要はないと思いますが、私がこの前申し上げましたことは、五十七年度の予算編成に向かって概算要求を各省庁からいたします。この同和問題につきましても各省庁から概算要求をするわけでございますから、その概算要求の取りまとめの段階までに、国会決議でありますとか国会審議の御意見等を踏まえて政府としては結論を出したい、こういうことを申し上げた次第でございます。
○川俣委員 総理府総務長官には、やはりこのぐらいはお話し願ったっていいのじゃないですか。予算審議はもう時間の問題だなんという気持ちはあるだろうけれども、やはりある程度最終的に確認するというのは、おたくの方の担当官が後ろ向きの話をしているからこそ、私もあえて貴重な時間にこの問題を取り上げておる。まだ後ほど出てきますから、よろしく頼みます。 そこで、今回審議の中には余り出なかったが、いままでずっと出ておりました環境アセスなんですが、これは新聞も一斉に、もう六度目だ。この前なんかは、私がここで締めくくりをやったときに、土屋長官ですか、もう十中八、九、九分九厘、そこまでいっているけれども、もうちょっと詰めて今国会に出しますと、汗だくになって、まあ土屋長官が本当に心のこもった答弁で私も引き下がったが、さて、それでは一体なぜ出せないのだろうか。出せない出せないで一年から六回目になったら、大骨、小骨全部取られちゃってナマコみたいに法案がなっている、こういううわさを聞いておる。ところが、それでもまだ出せないと言うのだ。それでもまだ出せないというのは、まだ何かがひっかかっているのだな。そうしたら、こういうことなんだ。電源立地に支障を来す、だから商工部会にとまっているのだ、したがって、電源立地推進本部の事務局長をこの懇談会のメンバーに入れてもう一遍やる。いよいよナマコどころか、何にもなくなっちゃう。そうだと思うのだ。 そこで、わが党もこの専門委員会で何回も出しておりますから、これ以上言いませんけれども、やはり環境アセスを出すというなら出すように、おのずから毅然とした態度が行政府としましてはあると思うのだ。たとえばこういうことです。公聴会、いわゆる住民参加という原則は、公聴会の規定が削除されておるのだ。これは出したって意味ない。それから自治体の独自性、自主性、これを否定しておる。こうやったらこうやれ、こうだ、こういうような考え方で法案を用意して出そうとしておるのか、鯨岡さん、どうなんですか。
○鯨岡国務大臣 諸般の事情は十分おわかりのことと思います。電源立地に支障を来すのではないかという心配は、一部にあることは事実であります。われわれはその心配はない、こういうことで、せっかく自由民主党がいま預かっておりますから、懇話会もできましたので、そこで鋭意検討をして国会の御審議をいただくということに努力をして、きのうも実は私は総理大臣にもお目にかかって、このことをお願いもし、御相談もいたしたわけであります。 そこで、いまの質問ですが、公聴会がなくなったというのは、なくなりませんで、あります。知事が必要を認める場合には公聴会を開く、こういうことになっておりますので、公聴会はあります。 それから、自治体の自主性ですが、自治体の自主性を重んじないでどういう事業をすることもできません。ですから、知事さんに御検討いただいて、知事さんの御意見を十分に聞く、知事さんはその際に、いま申しましたように公聴会も開く、それから地域を決めて。地域住民の意見をどんどんくみ上げてくる、そして知事さんの意見を評価に反映させていく、こういう仕組みになっておりますので、自治体を無視して、地域住民を無視してどんな事業だってできるものじゃないです。だから十分そのことは組み入れでございます。
○川俣委員 過去五回、今度は六回目ですけれども、同じように聞いてきたから、もうお手並み拝見と言う以外にはないので、これ以上伺いません。 その住民参加等の関係でもう一つ聞きたいのですが、今回の国会で、広域臨海環境整備センター、この名前に改正したわけです。長ったらしい名前をこういうように改正した。厚生省はフェニックス計画法案ということで出しておるわけですが、それを見て私ははっと思った。東京湾のど真ん中にごみを捨てる、山にする、それが土地になる、これは一石二鳥じゃないか。そこで運輸省が、これはいい、担当の厚生省が考えるより、運輸省が背伸びして、ひとつこれはわが方でやってみようかと、こういうことで、五十一年に護岸構想というものを出した。おや、運輸省がごみにまで手を出すようになったのかと、こう思った。ところが護岸工事だ、だから国営工事だ。では工事だけか。それじゃ一体、厚生大臣と運輸大臣との責任の分岐点はどこだろうか。だあっとトラックで運んでくる。そして東京湾の沿岸か川崎がどこかをごみの山にする。トラックであけていく、そのトラックからバージに乗せて、船でたったったったっと行く、そして今度はそこへあけてくる。こういうように、城壁のように矢板が立っている。そこへ台風がやってくる、波をかぶる、ごみが遊ぶ、外へ出る。そういったとき、だれがやるのです。厚生省の大臣はいわく、つくり方が悪いのだ、運輸大臣はいわく、投げ方が悪いのだ、捨て方が悪いのだ、管理が悪いのだ、こうなる。 そこで、これは一体どうなんだろうかなと、こうなる。そしてあれは住民団体の十八団体が反対しておる。それでも押し切ってやる。さっきの鯨岡さんの話じゃないが、環境はやはり住民の参加がなきゃいかぬ、こういうことなんです。ところが、これはもうかるらしいのだな、運輸工事としては。手ぐすね引いて待っている、運輸工事屋や土建屋が。ああ、これは間もなく法案ができるのだ、こうなる。そこで、その問題はひとつ運輸大臣から聞きたい。 それからもう一つ聞きたいのは、せっかくいま厚生省が中心になってリサイクル運動というのをやっておる。少しでも回収して再生産にならないのかと、ごみを捨てる方も片づける方も、住民と一緒になって、これは資源なんだから何とかリサイクル運動を起こそうではないかというやさきに、大きな捨て場ができた。東京湾が埋まるような捨て場をつくるというのだから、そうするとリサイクル運動というのとは逆行する。歯どめになる。その辺をどう考えているだろうか、これは厚生大臣に聞いた方がいいな。 では、まず運輸大臣から。
○塩川国務大臣 お尋ねの中でいろいろ問題がございますが、まず、この海面埋め立て処分をする護岸工事、これは運輸省の港湾局で港湾管理者と協議をし設立されるところのセンターの事業として行うものでございます。お尋ねの中に、風が吹いたらごみが散る、そういう埋め立て場ではございません。紙くずを捨てにいくのではございません。廃棄物となったものを捨てにまいります。これは川俣さんも御存じだと思うのでございますが、かつて東京都で、杉並区でございましたか、ごみ戦争というのがございまして、ごみというものは、どこで処分するにいたしましても、自分の家の前でやられたら困る。ところが、ごみは焼却し灰になりましても、灰捨て場がどこかに必要でございます。そこに問題点がございまして、ここで厚生省と運輸省、自治省とが相協議いたしまして、今回海面埋め立てを実施することになっておるのでございます。 これはお尋ねのリサイクルと逆行するのではないかということでございますが、そういうことにはならない。この法案で明確に、基本計画を出すときに、これは第二十条第二項第四号に書いてございますが、そういうリサイクルをむしろ促進するように持っていきたい、このように思っております。 でございますから、この廃棄物処分として埋め立てていくものにつきましての一定の基準を決めておりまして、その基準に基づいて埋立地で処分する、こういうことになっておりますので、ぜひひとつ御理解をいただきたいと思います。
○園田国務大臣 いまの問題で一番大事なことは廃棄物であります。この廃棄物は、そのまままた使えるか、あるいは処分して使えるか、その再生運動というのが最優先であって、煮ても焼いても食えないものを仕方なしに捨てる、こういうことで、第一は再生が大事であって、第二にやむを得ないものは捨てる、こうなってくると、これはやはり厚生省が一番大事なところであります。 二番目には、やはりこの場所が港湾内ということでありますから、第一は地方公共団体の協力がなければならぬ。次に、港湾でありますから港の中のこれに関することは運輸大臣が所管する、こういうことで、ただいまお願いしようとして準備している法律案は、厚生大臣と運輸大臣との共同管理ということになっております。 もう一つは、埋め立てを簡単に考えておられますが、この埋め立て技術というのは相当むずかしい問題がありまして、土で埋め立てる場合でも、その土質によってこれがなじむかなじまないか、埋め立ててもなかなか土地の効能を発揮しない場所があります。ましていわんや、焼いても煮ても物の役に立たぬやつを捨てるわけでありますから、これはよほど考えてやらぬと、さらにできたが失敗をする、こういうこともまた非常に重大な問題であると考えております。
○川俣委員 運輸大臣はとうとうと、もちはもち屋に任じておけというようなお話をするのだが、矢板だって長年もつわけではないのだ。相手は塩なんだ。私は紙くずが飛ぶと言っているのではないのだ。台風をかぶるだろうと言うのだ。そうすると、どうしても遊ぶ場面だってあるだろう、どういう捨て方をやるかわからぬけれども。ただ、私が思うのは、年代的に言うと運輸省の方からこれが発案になっておる。せっかく厚生省は、いま大臣から余り出なかったが、リサイクルという運動を起こしておる。なるべく自分のところのごみを自分で捨てよう、管理しよう、そこが国民運動としては大事なんだ。ところが、大きな捨て場が日本の国にできたよとアピールしたら、リサイクルなんかやらないで何でもやるという気分になるよ、これを言おうとしておるので、これはどうせ法案審議でやられると思うのだが、ぜひこの点を十分に留意されたい、これだけ申し上げておきます。 それから、この委員会で食い違いのあったのは擬装乳製品の輸入規制問題なのですが、これは外務省、農林省、通産省もかんでいる、ガットの問題で。なかなかこれは、私も聞いておって、詰まらない。統一見解が出ない。だれに聞いたらいいのかわからない。各大臣に聞けば、三人立てなければ公正にならない。農林省の規制への積極的な方向に各省の見解が違うため、うちの方の安井吉典委員ですが、安井氏は、各関係省の考え方をただした。これに対して伊東外務大臣は、国内の事情はわかるが、ニュージーランド、ベルギーなど相手国のこともある、まずまずの解決策を見出すことで農水省とも協議していると答えた。しかし通産大臣の田中さんは、貿易の自由化がたてまえで、自由化したものを非自由化するのはガットの問題もあり、むずかしいと、農水省と真っ向から対立した見解を明らかにした。そこで、今度は大蔵大臣もかんできた。国内物と対等にするには一七〇%の関税をかけなければならない、国際会議でも関税引き下げの方向の中で引き上げは実際不可能だ、輸入業者に対しては行政指導するしかない。そこで安井さんは、当然ながら、これじゃ閣内不統一ではないかと食い下がった。さあこれはどうしたらいいのでしょうか。 そこで、一番苦しんでおられるのは亀岡農林大臣になるわけだが、これは日本の自給率を高めるという意味からもそんなにせものをどんどん持ってきてはいかぬのだ、ロングライフミルクなんというのをもし許したら、それ待ってましたというので持ってくるのだから、そういったことも、今度は厚生省もこれに関係しなければならぬので、ひとつ農林大臣のいまの心境を聞きたいですな。
○亀岡国務大臣 心境はどうかと言われれば、苦労をいたしておる、一言で言えばそういうことでありますが、やはりわれわれも行政を担当して、これを進めなければいけません。進めるためには、相手もあることでございますので、先般安井委員から御指摘を受けまして以来、各省の調整を図りつつございまして、あの当時申し上げたように、三月中にできるだけ、私の心境として申し上げた日本の農家にも説明のつく、しかも相手国にも納得してもらえるというようなとことんのところまで話し合って、今後何十年にもわたってつき合いをしていかなければならぬ自由主義諸国家群でありますので、そういう立場で事を進めております。
○川俣委員 やはりこういうときが総理大臣なのです。そのために総理大臣がいるのだ。いま言った大臣方は、それぞれの立場でおっしゃるのは当然なのです。統一見解が不統一というのじゃないのだ。自分の省の管掌に当たる者は当然言うべきなのだ、通産だって。そのために親方がいる。総理がいる。総理大臣というものは清潔だとほめられているけれども、清潔だけではだめなのだ。清潔でもなさそうだ、さっきの魚の話を聞いてみたら。そこでいま農林大臣が悩んでいるという。恐らくそうだと思う。総理、どうですか。
○伊東国務大臣 ちょっと前に答えさせてください。 いま農水大臣からおっしゃったとおりでございまして、一番関係のありますのは酪農者でございまして、農林大臣が苦労しておられることはもうそのとおりでございます。この前、われわれ四人、ここでそれぞれ意見を述べたのでございますが、その後四省の責任者が集まりまして、今月末に乳価が決まりますから、その前に何とか具体的な解決策を見つけたい。いろいろな方法がございます。いろいろな方法がございますので、四省その点は考え方を一にしまして、本当にいま鋭意詰めているところでございますので、何とか酪農民の苦労が少しでも救われるようにということで努力しております。これは四者いま一致しております。
○川俣委員 総理の御意見は結構ですから、それではせっかくだから外務大臣、いつごろまでに詰めが終わるか、言ってください。
○伊東国務大臣 これはいま川俣さんがおっしゃったように、ニュージーランドでございますとかEC、ベルギーとかございますので、相手の国がありますから、何月何日とまでははっきり申し上げられませんが、三月末にはもう乳価を決める審議会もあるわけでございます。それまでには何とか具体的な適当な解決策ができるようにということで、いま鋭意詰めております。
○川俣委員 それから、この予算を見てみると、金額的には大したことはないかもわからぬが、石炭液化は西独とアメリカと三国の共同事業なんです。これは載っているのでしょう。ところが、軌を一にして、西独もアメリカのレーガンも、これは不必要だ、やらない、こういうように言明した。それは待てよ、それではこの予算はどうなるのかな、きわめてずぶの素人が聞くような話だが、これは渡辺さん、どうですか。
○田中(六)国務大臣 SRCIIの問題は、私ども、アメリカの年頭教書あるいは付属書で合成燃料公社に変えるということを聞いておりますし、正式の通知を受けておりますけれども、川俣議員御承知のように、これは協議並びに合意に基づいて協定されたものでございますので、アメリカと日本、アメリカと西ドイツという方式をとっております。したがって、合意、協議ということが先に控えておりますので、そういう余裕が十分ありますので、その点の向こうどの協議、合意ということを向こうもはっきりそれによって正式に決めるという段取りでございますので、そういうようなことを今後やっていきたいと思います。
○川俣委員 厳しい渋い大蔵大臣、どうですか。大概もう要らないじゃないの、これは。
○渡辺国務大臣 私どもは通産省の予算要求に基づいてこれは認めておるわけでありますから、通産省がその方針でやっている以上、それを直すわけにはまいりません。
○川俣委員 そういうことですか。 それでは、時間が迫ったので次に飛びます。 今回の豪雪で、本当に想像以上にひどいのは山林なんですが、これは政府というよりも与野党で、いま山林豪雪に対する特別措置法を議員立法すべく検討しておるようですが、もう一つ、鉱山、特に全国に散在する金属鉱山の被害がかなりある。 いまの鉱山というのは、御承知のように貿易自由化の波をかぶってから、自分の意思じゃどうにもならないロンドン相場に上げ下げされるわけですから、したがって、今回の被害はわりあいにここの予算委員会の審議に出なかったが、一つの山か二つの山くらい例を出して、一体どのくらいの被害があるのだろうか、そこでどういう対策を考えておるか。私の記憶では、伊豆の持越鉱山がダムが決壊して下流までずっと流れてどうにもならなかった、そこで低利で緊急融資というような手だてがあった、そのぐらいのことを考えておるのかどうかということ。あるいはまた、いま銅が五十万、亜鉛が二十万に下がると緊急融資を発動する制度があるのですが、これをもう少し、五十万じゃいかぬ、二十万じゃいかぬ、もっと高くても発動するというぐらいにしないと大変になるぞということを思うので、その辺をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○森山(信)政府委員 豪雪によります国内鉱山の被害を二つ三つ挙げてみろということでございまして、代表的なものを申し上げますと、三井金属鉱業の神岡鉱山、この方の雪害によります被害が約八億六千万円というふうに把握いたしております。それから日本亜鉛工業の中竜鉱山、この方の被害が一億六千万円というふうに考えております。 それから、こういった災害に対します緊急融資制度につきましては、先生も御案内のように金属鉱物の価格安定のための緊急融資制度がございます。災害によって直ちにこの制度を発動できるかどうかはかなり疑問がございますけれども、鉱山関係の疲弊というのは大変なことでございますので、間接的な意味での緊急融資制度の発動というものを考えてみたいというふうに考えております。 先ほど御提示のございました金額帯につきましては、相当前の金額でございますので、そろそろ検討すべき時期が来ておる、こういうふうに考えております。
○川俣委員 それから、急いで申しわけないのですが、建設省に、この予算委員会でいまのような豪雪、それから地震、いわゆる国土をベースとしたいろいろな質問がありました。そこで、わが国には五万分の一、二万五千分の一の地図がある。そこで質問は、琉球とか尖閣列島の方とか、まだ全然ないところがある。これは非常に大事な場所だから、こういったものをどうするのか。 それからもう一つは、この間、地震対策のときにつくづくわかりましたのですが、いまの日本の国の国土基本図作成事業というのは、やはりこの五万分の一とか二万五千分の一じゃいかぬので、二千五百分の一または五千分の一というのを国土基本図にしております。ところが、この国土基本図の作製の進捗状況がなかなか進まない。これは自治体にも一部出してもらう関係もあるのだろうが、政府がモデル定住圏だとか田園都市構想とかいろいろなことを出すのだが、これはやるかやらぬかは別として、これはもとは五万分の一とか二万五千分の一じゃとうていできないのです。五千分の一か二千五百分の一の国土基本図というものがなければいかぬのだ、こう私は常に思っておる。ところが、この国土基本図というものの作製進捗状況はどのくらいの比率でやっているのだろうか、一体これからどうするつもりか。地震対策、豪雪対策その他災害対策等を含めて、それからさっき申し上げましたように琉球とか尖閣列島は五万分の二もない。国土全体を管理するという考え方がなければいかぬのだと思うので、その辺をひつ建設大臣ですか、どなたですか、担当者でもいいです。
○丸山政府委員 まず、尖閣列島の地図から御説明申し上げます。 尖閣列島の地図につきましては、現在五万分の一及び二十万分の一の地図が刊行されております。二十万分の一と五万分の一でございます。なお、二万五千分の一につきましては現在編集中でありまして、今年度内に完成する予定でございます。 次に、五千分の一の国土基本図につきましては、目標といたしまして十九万平方キロ、日本の国土の半分についてつくりたいということで現在整備を進めておるわけでございますが、本年度末までに六万五千平方キロ、約三四%が完了する予定でございます。 それから二千五百分の一の地図につきましては、都市計画区域等、重要な地域につきまして四万七千平方キロを整備対象地域としておりまして、現在のところ一万三千平方キロ、整備率は二七%が整備されているわけでございまして、緊急に整備を図りたいと思いますが、なお十年くらいはかかると思います。
○川俣委員 建設大臣、このとおり二七%、この程度なんです。どうです、これは。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 ただいま報告したとおりでございます。国土地理院でせっかく処理いたしておりますけれども、なかなか精査等、精密なものを要するというよううなことで作業がおくれておるわけでありますが、国土の問題でございますので、せっかくこれからも努力を重ねて、早期にでき上がるようにいたしたいと思います。
○川俣委員 時間が参りましたので、最後に一点、これだけ聞きたいのですが、この高齢化社会対策、これはいやでもおうでも医療、労働、産業等、いろいろとあるわけです。わりあいにこの予算委員会では年金、医療その他論議されるのですが、いわゆる高齢化社会に適応した産業管理というか、これは一つの参考なんですが、アメリカのドラッカーという人が、わが国にもドラッカーの「現代の経営」、特に企業界にドラッカーブームというものがいま大変に起きておるのですが、あるいは「断絶の時代」とか「マネジメント」とかいろいろ出しておるのですが、今度は「見えざる革命」というものが出てきております。それをちょっと読んでみますと、「人口構造においてその重心が移動すれば、」いわゆる若手がいなくなって高齢化社会になってきたのだから「社会そのものが変化する。」これは当然なんだ。「社会の組織や問題はもとより、社会の風潮、性格、価値観が変わる。人口の重心移動が突如として起こることは稀有なことだが、もしそれが起これば、社会の骨格が揺らぐとさえいってよい。」これは「見えざる革命」が言っているように、やはり社会全体が変わってきたのだと思います。ところが、いままでのように、たとえば労働問題でもそうですよ、もう一年たてば六十歳定年にしようか、まず五十六歳から始めて一年刻みにいこうかなんという、定年延長をいかにもサービスとか特売のような感覚でいるのじゃいかぬのだ。もう人口構造は変わってきたのだというふうに、この「見えざる革命」ではいろいろなことを教えておるのです。 その辺、これは通産とかいろいろ聞きたいのだが、労働省の方に、担当者でもいいのですが、こういったものの対策というものをやはり腰を落ちつけて考えなければいかぬのじゃないか、こういうように思うのですが、その辺どうですか。これは最後でありますので……。
○藤尾国務大臣 お答えを申し上げます。 かねがね申し上げておりますように、私ども、この問題は避けて通れないわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、その避けて通れないところを通っていくためにどのような方法をとっていったらいいかということは十二分に考えております。 まず、何と申しましても、これは私どもだけでということにはまいりませんけれども、年金という問題がございまして、この年金に対しましてお働きを願う年齢をつなぐということが基本でございます。したがいまして、ただいま六十歳の定年とかなんとかいうことを言っておりますけれども、そんなことでは間に合わぬということでございますから、六十歳の定年制は定年制度といたしまして推進はさせていただいておりますけれども、それと並行をいたしまして六十歳前半層の方々のお働きのための措置を考えさせていただく、さらに、いまからもう一つそれを先に延ばすということを考えて、それに相当する措置を財政的にもまた制度的にも、いろいろ勘案をいたしておる最中でございます。
○川俣委員 どうも委員長、ありがとうございました。
○小山委員長 午後零時三十分より再開することとし、休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ————◇————— 午後零時三十五分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 順次発言を許します。坂井弘一君。
○坂井委員 財政問題から同和問題、さらに院法改正、定数是正等々、実は盛りだくさんなんですが、それを後にいたしまして、最初に、武器の輸出の問題についてお伺いしておきたいと思います。 総理にちょっとお尋ねいたしますが、わが党は、昭和四十五年と四十七年の二回にわたりまして武器の輸出禁止法なるものを実は提案をしたという経緯がございます。今国会においても、今日までこの論議が実は盛んに行われてまいりました。昨日議長裁定等もございまして、今後なお鋭意検討を続けて、果たして禁止法に至るかどうか、あるいは国会決議ということになりますか、あるいはそうもいかぬということになりますか、いずれにしろ検討協議の段階でございますが、ただ、総理の気持ちとして率直に承りたいと思うのは、私は、やはり武器輸出の禁止法なるものをこの際は制定することが望ましいのではないか、実はそういう感じを率直に持つわけであります。総理は御感想として望ましいと思われるかどうか、率直にひとつお答えをいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 お答えをいたします。 いまお話がございましたように、議長裁定の第四項目にもございます問題でございますので、これから国会で、各党でいろいろ国会としての詰めをやって結論を出そう、こういう段階でございますから、私は、この際、政府の責任者として意見を申し述べることは差し控えておきたい、こう思います。
○坂井委員 私は、禁止法をつくることがよろしいという立場に実は立つわけでございます。そこで、若干武器輸出禁止法制定に向かわしめるといいますか、そういう方向をにらみながら一、二問題点につきまして、参考にし得ればというつもりで申し上げたいと思います。 たとえば、韓国には防衛産業企業体というものがある。一体、韓国で言う防衛産業企業体というのはどういう企業なんだろうか、何社あるんだろうかということについて、通産大臣、おわかりでしょうか。
○田中(六)国務大臣 韓国の武器関係の会社につきましては、私ども、他国のことではございますし、十分把握してないのが現状でございます。
○坂井委員 照会されたと思いますけれども、韓国側の回答はいかがですか。
○田中(六)国務大臣 坂井議員の御要求もございますので、私どもはそういう方法をとろうというふうに目下思っておるところでございまして、まだ確実な返答を得ておりません。
○坂井委員 たとえば東亜目報でありますとか韓国内外経済等には、防衛産業企業体は二十八社あるんだというわけで、二十八社の実は名前を挙げておるわけですね。御承知でしょうか。
○田中(六)国務大臣 全部名前は覚えておりませんけれども、二十八社あるということだけは聞いております。
○坂井委員 では、この二十八社とわが国企業が資本提携をしておる、つまり合弁企業、こういう形のものは何社あるでしょうか。
○田中(六)国務大臣 合弁あるいは合資というような会社の数は、私、実はつまびらかにしておりません。
○坂井委員 では同じように、この二十八社の中で、技術提携をしているのはわが国企業で何社あるかについても御承知ないですか。
○古田政府委員 私どもの把握している限りでは、わが方の武器等製造法の許可事業者が、武器輸出三原則なりあるいは政府統一方針に反しまして、先生いま御指摘のような形の提携を行っているという事実は承知しておりませんが、念のために調査は進めていきたいと考えております。
○坂井委員 念のために調査というのでははなはだ困るわけでして、念には念を入れて慎重に調査をされた方がよろしかろうということを実はまずもって申し上げておきたいわけです。 それで、せっかく調査をされるというならば、韓国に限らず、わが国のいわゆる武器等製造法に基づく許可法人、武器製造メーカーが二十八社ございますね。この二十八社に限定してもよろしいから、この二十八社が外国企業との間で武器の製造にかかわって、技術なり資本あるいは武器の部品、半製品等も含めて、そうしたものが輸出された実績というものがあるのかないのか。現状においてつぶさに、わが国の武器等製造法の許可法人二十八社についてこの際調査をされる必要があろうと思うが、いかがでしょうか。
○田中(六)国務大臣 私の記憶によりますと二十六社だと思いましたけれども、それははっきりいたしまして、今後十分そういう点の調査をしたいと思います。
○坂井委員 御参考までに申し上げます。 ここにありますのが韓国関税庁発行の貿易統計月報、実はこれを抜粋してまいりました。今国会でも問題になっておるようでございますが、これを丹念に見てまいりますと、実に重要視せざるを得ないことが記載されております。 一つは、品目番号八七〇八−〇二〇〇、パーツ オブ タンクス アンド アザー アーマード ファイティング ビークルス モーターズド、つまり戦車その他装甲車両及びその部分品ということで日本から韓国に輸出をされた、こういうことになっております。三回にわたります。一九七八年四月二トン七百六十一キログラム、金額もございますが省略をいたします。一九七七年五月には九百キログラム、一九七七年八月には一トン五百キロ、こういうことであります。 これは先般、本委員会におきましては、わが方から輸出されたものが韓国の品目番号の中でこれをさらに細分化しておるので、ときにはこの分類が双方食い違う場合がある、この種の御答弁であったように思います。しかし、私がいま指摘しておりますこの問題につきましては、たとえばライフル銃あるいは散弾あるいはまた火薬類あるいはまた大砲の砲身と思われるようなものの半製品というようなことを指して言っているのでは決してありませんで、この月報に明記されておりますように、戦車及びその部分品という問題の提起でございます。したがって、このことについて、一体この戦車の部分品はどういうものであったのか、何月何日というところまで含めて、この製造メーカー、輸出業者それから相手側、これを詳細に調査されたらいかがかと思います。御調査いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田中(六)国務大臣 メーカー名並びに年月日、輸出先、そういうことにつきましては、私どもももちろん関連がございますけれども、通関実績でございますので、大蔵省の方から答えさせていただきたいと思います。
○清水政府委員 ただいま坂井委員の御質問のありました分類番号で申しますと八七〇八の〇二〇〇、韓国の通関統計の中に、日本からの輸入ということでいまの数量なり金額が載っているという問題でございます。 先生は、ここの戦車または装甲車、その部分品、これはもちろんこの番号の名称でございますが、調査せよということでございますので何らかこれは調査いたしたいと思いますけれども、私どもの方の通関統計では、この番号のところには掲上がございません。したがいまして、そこに食い違いがあるように見えるわけでございますが、私ども、先般来この問題がありましたので、一部調べたものがございます。 このころの年次でございますと、年間四百万件近い輸出申告がございますが、それを全部調べることはとてもできませんけれども、見当をつけて調べたものの中に、たとえばパワーシャベルのようなものの台座に使うような部品と思われるようなものの輸出申告がなされておるということがございました。そういうことから類推いたしますと、やはりこれはそのもの自体にかなりの程度汎用性があったというものがまず存在したことが想像されるわけでございます。その点が一つございます。 もう一つ、先般、本委員会でも御指摘がございましたので、両国の統計の食い違いを解明しようとしていろいろ研究いたしまして、その一つとして、外務省を通じまして相手側にも照会をいたしましたけれども、余り明快には究明ができておりません。この点につきましては、仮に逆の立場で、私どもがある外国から、たとえば多少の金額の違いがあるという場合にそれを一々全部調べてくれないかと言われましても、仮に手数は惜しまないといたしましても、個別の内容のものについては直接には答えかねるわけでございまして、同じような立場は相手側にもあるんだろうというふうにそんたくせざるを得ない、そのような事情もあろうかと思います。やや言いわけめいたことを申し上げて大変恐縮でございますけれども、私どもとしてはわが通関統計を信頼をしておるわけでございます。 一般的にはCCC、国際関税協力理事会で定めました四けたの品目を加盟国は基礎にはいたしております。ただ、それの適用におきましてはやはり具体的な貨物の認定の問題に遭遇するわけでございまして、そのような場合におきましては多少の認定の仕方の相違ということは時として起こり得る、そのような事情もあろうかと思います。しかしながら、さらにこれは時間をかけて研究はいたしていきたい、かように考えております。
○坂井委員 品目番号八七〇八で輸出などできるはずはないのです。そんなことは自明のことなんです。私の方から調査を要求いたしました。それに対しまして、通産省はずいぶん調査をされた。その間に相手側とテレックスの交信もあった。全部承知をいたしております。そういう中で実態的にはどうなのかということの克明な調査がなければ、わが方の通関統計上あるいは輸出承認の申請時における一連のたとえばインボイスでありますとか、それからいわゆる報告書のたぐい、そういう書面だけでもって、あるいは相手企業、輸出企業あるいは受け入れ例あるいは輸出メーカー、それだけ限りの調査の範囲内で、その言葉をうのみにして間違いありませんという結論を出すのは少少慎重であっていただきたい、実態をよく見きわめていただきたいということを私はあえてここで申し上げているわけでありますので、このことについては慎重な扱いをまじめにやっていただきたいと思います。大変困難だということは百も承知をいたしております。しかし、どうかひとつ慎重にやっていただきたい、厳正にやっていただきたい。 同じく韓国関税庁の貿易統計月報、品目番号八九〇一−〇一〇〇、これはワーシップス オブ オール カインズ、すべての種類の軍艦、八九〇一です。これがわが国からも韓国に輸出をされたということが、貿易統計月報に明記をされております。このことも通産省は承知をされているはずであります。一九七一年、七二年、七七年の三回、これも同じような趣旨でひとつ慎重な正確な御調査をお願いいたしたい。
○清水政府委員 ただいま御指摘の軍艦でございますが、たとえば一九七七年には日本から一万九百八十四ドルという数字がございます。それから日本からではございませんが、同じ韓国の輸入統計で、その翌年にはスイスから、個数のところが二個となっておりまして、金額のところが千百九十七ドルというような数字、それから一九七九年にはアメリカから九個ということで、その金額が千五百六十六ドルというような数字でございます。この数字から抱く一つの印象というものが当然あろうかと思います。やや奇妙な現象のようにも感じておりますけれども、金額の多寡の問題は別といたしまして、御指摘のように一九七一年、七二年にも先方の統計に数字が登場いたします。 したがいまして、私どもとしては、もちろんこれはわが方の輸出統計には載っておりませんが、急いで調べました範囲では、ここに掲上されている外国の方の輸出統計がどうかということが気になりまして見ました範囲で申し上げれば、やはりどうもそこにも食い違いがあるというようなことが出てまいりまして、どうもなかなか真相の解明がむずかしいというふうに感じておりますけれども、さらに慎重に検討をさせていただきたいと思います。
○坂井委員 通産大臣、いま申しました一連の調査をお願いしたわけですが、結果については本委員会に報告いただけますか。
○田中(六)国務大臣 ただいま大蔵省の事務当局から説明申し上げましたように、相手国のことでもありますし、実を申しますと非常にむずかしい点もございますけれども、坂井委員のお申し出もございますし、私どもできるだけ万全を期して調査していきたいというふうに思います。
○坂井委員 報告をしていただきたいとお願いしたのですが、調査の結果を報告いただけますか。
○田中(六)国務大臣 もちろん、その結果は御報告申し上げます。
○坂井委員 それでは宮澤官房長官にお願いいたしたい。 実は去る四日でございましたか、会計検査院法の改正問題をめぐりまして、自民党は今国会見送りだ、こういうことをどうやら御決定になったようだ。それでもって政府に対する申し入れがあった。恐らく宮澤官房長官がこの申し入れをお受け取りになったのだろうと思います。これは新聞報道でありますが、それが事実でありますれば、受け取られてどうお答えになったのでしょうか。
○宮澤国務大臣 会計検査院法の改正あるいは検査体制の強化の問題につきましては、たびたび国会で御決議がございまして、また、政府におきましても大平総理大臣時代に、国会におきまして、会計検査院の立場と関係各省の立場との調整を内閣としてやってみますということを申し上げておりました。私の前任者から私、引き継ぎまして、何度かそのような試みをいたしましたが、会計検査院の法改正についての考え方と関係各省のそれに対する反対論とが十分に調整できずにおりますことを今日まで申しわけないと思っておるわけでございます。 他方で、自由民主党でもこの問題には関心を持ちまして、ただいま御指摘のように、数日前に政務調査会長を初め関係者が多数集まりました。それで議論をいたしましたことは、かねて国会の御決議は、法改正の是非を含め会計検査院の検査体制の整備強化ということについてでございますので、法改正そのものの問題と、さらに体制の整備強化という二つ問題があるわけでございますが、私の聞きました自民党の当日の議論の大勢は、当面、やはり法改正について問題が多いので、検査体制の整備強化ということに重点を置いて考えるべきではないか、これが会議の大勢であったという報告を受けております。 それで、私いま考えておりますことは、会計検査院側の主張と関係各省との主張の調整は私なお引き続いてやってまいりたい、そのために全力を尽くしたいと考えておりますが、同時に、それに至りませんまでの間でも、現状において会計検査院の検査体制の整備強化を具体的に図る方法がないであろうかということは、関係各省にも集まってもらいましてさらに検討をしてみたい、こう思っておるところでございます。
○坂井委員 そうしますと、総理、いま官房長官にお答えいただいたわけですが、つまり、この院法改正については与野党合意でもって国会決議をした。言うなら、これは国会の意思として院法改正。二つあるのだといういまのお話は確かにそうでしょう。そうでしょうが、院法改正すべきや否やということで今日まで議論がずっときたわけですね。したがって、権限強化の問題等については、これは当然のことながらも、問題は法自体の改正だ、こういうところで議論がずっときた。その過程で、先般私がここに立ちましてやりとりをいたしましたように、あれやこれや大蔵省、通産省——大蔵大臣も、これは私は反対だなんて言ってえらい勢いよくおっしゃっておりましたが、いずれにいたしましても、院法改正という方向での国会決議であったことは紛れもない事実なんですね。 総理、どうでしょうか。こういういまのような申し入れがあったということですが、今後政府としてどうされるのか。今国会に少なくとも院法改正の方向をにらんで何とかまとめて提出をしたい、こうおっしゃるのが総理のお立場だろうと私は思うのです。いや、そうじゃない、今国会は見送りだ、もう院法改正はやらないのだ、権限強化だけで、陣容等も整えて、それで十分対応できるという総理は御判断なのかどうなのか。少なくともいま自民党が、国会で与野党が合意した国会の意思に対して、院法を改正しないのだというような方向で、見送りなさいという方向で政府・自民党に申し入れられたということについては、総理は総裁のお立場として感想をお持ちだろうと思うのですが、よろしいのでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 ただいま官房長官から御答弁がございましたように、国会の御趣旨のあるところは、私どもも前向きでこれにおこたえをしなければならないということで、せっかく会計検査院と各省庁との間の調整に努力をしておるところでございます。いまも申し上げたように、いまだその調整ができておりません、結論が出ておりませんが、会計検査院の役割り、使命の重要性というものは十分認識しておりますから、院法の改正がなされない段階におきましても、政府としては会計検査の適正を図るように最善を尽くしていきたい、こう思っております。
○坂井委員 では、問題を移しますが、同和対策事業特別措置法の問題です。 もう申し上げるまでもございませんが、来年三月末にこの期限が切れます。さきに三年延長を決めた、そのときの三項目の附帯決議をめぐって、本委員会においてもあるいは分科会等におきましても、ずいぶん議論がございました。そこで私は、一口で申し上げまして、この三年前の附帯決議三項目がいまだに実施されていないという、そういう認識であります。これはもうまことに遺憾としか言いようがない。 そこで、総理は、特に。第一項の「法の総合的改正」、これをにらんでの御答弁だったかと思うのですが、八月の概算要求段階でどうするか、つまり法の総合的改正及び延長ということを含めての御答弁だろうと思いますが、八月の概算要求段階で検討して結論を得たいという趣旨の御答弁があったようでございます。 私をして言わしめれば、こんな悠長なことでいいんだろうか、これまた、こうなるわけでございまして、少なくとも今国会でこの法の強化改正あるいは延長につきまして決着をつけるべきだと私は思いますが、総理は八月なんて言わないで、今国会中にそのめどを得たい、見通しを得たい、そうすべきである。総理の答弁を先走って失敬でございますが、そういう御答弁をぜひちょうだいしたいという立場から総理の御決断を促したいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 この法律は時限立法になっておりまして、五十七年度からどうするかということを私どもは考えなければならないのでございますが、政府としては、五十七年度予算の概算要求が各省庁から出てまいりますから、それを取りまとめる段階におきまして、各省庁の同和対策等にも支障を来さないようにしなければなりませんし、総合的に判断をして、その時点で方向づけをしたい、このように考えております。
○坂井委員 一歩踏み込んでいただきたいと思うのですね。 そこで申し上げますが、なぜ特別措置法が必要なのか、あるいはまた法の総合的改正が必要なのか、実はこのことを国民に啓発し理解を得ないままに、極端に言えば、ただ単に予算をつぎ込むということだけで今日まで来たところに根本的な問題があったのではないかと私は思います。 つまりこの特別措置法の強化改正、これを展望してみましたときに、現行法では確かに被差別部落の環境改善にはある意味では力を発揮した。しかしもう一方で、ねたみ意識というのでしょうか、そういう新たな差別を実は生み出してきたのではないか。つまりそのことは、最近非常に悪質化した差別事象、事件、そういうものにこうしたねたみ意識がひそんでいたということが象徴されているように実は私は思うわけであります。現行法では文字どおり環境改善だけの同和対策特別事業——事業法ですね。そこから発生してきた最近の悪質な現象ではないか、こう見ることもできるのではなかろうか。したがって、特別措置法の強化改正ということを考えたときには、現行法のマイナス面をプラス面に転化するようなこと、やはりそういう発想が大事だろう。それには差別意識というものを生み出すこの被差別部落の低位性と申しますか、たとえば、失業率は二八・五%で全国平均の十五倍、生活保護率は九・七二%でこれまた全国平均の八倍、賃金の年平均は百五十六万、これは全国平均を七十万円も下回っている。こういう低位性ですね。これを根っこから改善するという内容の強化改正、言うなれば人権でありますとか労働でありますとか、教育でありますとか福祉でありますとか、そういう部落問題の総体的な変革、こういうものを保障するというような内容の強化改正が必要ではないか。そうでありませんと、単に事業法として金をつぎ込むという側面だけでは、これは私は、人権の基本に関する差別の根底からの解消というものはなし得ないんではないか、実はこういう感じを率直に持つわけであります。したがって、いま申しましたような人権、教育、労働、福祉、そういうものを総合的に織り込んだ法の強化改正が必要である、私はそう思うわけでありますが、総理、ひとつ率直な御見解を承りたい。
○鈴木内閣総理大臣 いま坂井さんから同和対策の基本にかかわる有益な御発言もございましたし、また、当委員会初め委員の皆さんからもさらに御意見も拝聴してまいりました。国会にはまた決議もございます。そういう点を十分把握をしまして、それを踏まえて、概算要求取りまとめの時点におきまして政府としては方向づけをしたい、こう考えています。
○坂井委員 そこで一歩、総理の御決断を促したいわけでありますが、冒頭の質問に入りますが、いずれにしても、そうした法の強化、総合的改正、同時にまた法の延長というものをにらんで、今国会中にその見通しについて総理はひとつ御決断をされて、これだけの問題でありますから、それだけに比重の重さということを十分総理は御認識だと思いますので、八月と言わないで、今国会中に法の内容、同時に延長ということについての一つの見通しを持ちたい、こういうところまで御検討、御決断を進めていただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
○鈴木内閣総理大臣 坂井さんのせっかくの御主張でございますが、まだ時間もあることでございますので、先ほど申し上げたように、概算要求取りまとめの時点で政府としての方向を決めていきたい、こう思っております。
○坂井委員 衆議院の定数是正の問題は、実は五十一年に高裁の判決が出た。その前にすでに定数の是正のことが議論になりまして、是正された後で違憲判決が出たわけですね。今回の場合、総理、これは十分意をとどめていただきたい。最高裁判決がいつになるかわかりませんが、いろいろなことが伝えられます。少なくとも最高裁判決が出る前に定数是正をしなければならぬと私は思うのです。もし定数是正をしないままに最高裁判決が出たということになりますと、現行の定数配分規定といいますか、この現行の定数配分に対してもろに違憲である、こういう結果になるわけでございますから、その審判が出るわけでありますから、そういう形の中で、しばらく解散もなかろう、選挙もなかろうということですが、もしそんなことで解散選挙になったらば、憲法違反のルールで選挙を行う、これまた異常な事態になるわけであります。 総理、これは最高裁判決が出る前に定数是正はすべきである、これは当然だと思いますが、いかがでございましょう。
○鈴木内閣総理大臣 定数是正の問題は、区制の問題その他、現実には大変影響の大きい微妙な問題でございます。私は、この定数是正の問題は、国会におきまして各党各派において納得のいくような御協議がなされ、結論が得られるべきものだ、このように考えておるわけでありまして、最高裁の御判断がいつ出ますか、そういうことに対して政府から早めてくれとか遅くしてくれとか、そういう御注文を申し上げる立場にもございませんし、国会において十分各党各会派で御協議を賜りたい、こう思っております。
○坂井委員 ですから総理、総理は国会で十分譲論を尽くし、こうおっしゃるのだが、このことについては、われわれはかねがね、それはちょっと無理だろうから、権威のある公正な第三者機関にゆだねるべきじゃないか、こういう主張があるわけで、提案を申し上げてまいりました。このことについてはきょうは触れないとしても、つまり、いま国会で十分話し合い——確かに定数問題ということは、これは民主国家において、この代表制の確立というものが基本問題であって、政治問題としてもきわめて重要な問題だということはわかります。しかしながら、一方においてこの定数問題は、まさにこれは憲法問題なんですね。憲法問題だ、私はそう思う。それをおいて違憲の判決が高裁で出た、最高裁でどういう結論になるかは別といたしましても、このまま違憲判決が出るということになりますと、私は、国会の対応としてははなはだおかしなことになると思うのですよ、冒頭申し上げましたように。少なくとも総理の御判断として、御見解として求めておるものは、最高裁の判決が出る前に国会みずからが定数是正をする、司法の手にゆだねるのではなくて、国会みずからの問題だ、最高裁判決が出る前に定数是正があって当然だ、そうあるべきだ、総理もこういう御認識だろうと思ってお尋ねしたわけです。いかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 国会におきましては、公職選挙法特別委員会等もあるわけでございまして、理事会等において坂井さんの御主張等もおありになるわけでありますから、私は国会の場において、定数是正の問題について早くこうすべきだというような御意見でもあれば、各党各会派で持ち寄って意見の調整をし、結論を出していただきたい、こう思うわけでございます。 なお、この問題につきましての憲法との関連の問題についての御発言がございましたから、これは法制局長官から答弁をさせます。
○角田(禮)政府委員 御指摘のように、憲法十四条に絡まる重要な問題であると思いますが、最高裁がどういう判決を下すか、これは先ほど総理からも御答弁申し上げたように、軽々に予測することはいたしかねます。
○坂井委員 時間がなくなりましたので一言だけ。 大蔵大臣、私は前回、行政改革に関連いたしまして補助金の問題を申し上げました。実は大蔵省から、補助金の新設だ、廃止だ、合理化だ、どういうものがどうなったのかというわけで、一度資料として早くお出しいただきたい、こういうことをお願いいたしまして出していただきました。実は私なりにつぶさに見せていただきました。そういたしますと、きょうはもう中身をやる時間がございませんので、私が得た感想と結論だけ申し上げておきたい。 感想としては率直に、衣がえというのは実に多いんだなということ、大同小異だし、同工異曲と言うんでしょうか、あるいは五十歩百歩と言うんでしょうか、あるいは焼け太りと言うんでしょうか、実にこれがよくぞ新設されたものだな、あるいはこんなものがどうして廃止の件数に数えられるんだろうか、こんな感想を率直に持ちます。ざっと私、見ましても、たとえば廃止で四十五件、四十五件を本当に廃止する必要があったんだろうかと思ってずっと見たわけ。ところが、この廃止されたという件数に数えられる四十五件、金額で二百十五億八百四十六万六千円、これがまた別のところで新設で、このうち三十八件が新設になっているんですな。行革の廃止件数に挙がっている四十五件、ところがどうもこのうち三十八件が新設のところにまた出てくるわけですね。金額、新設二百十八億三千七百五十四万二千円、私をして言わしめれば、これまた実質的な廃止件数は七件、単純にこういう計算になるわけです。 そこで、これは前に農林省のことを申し上げましたので、今度はもっとはっきり言っておきます。農林省だけ言ったらいけない、各省にまたがりますな。環境庁、国土庁、厚生省、農林水産省、通産省それから建設省、もう各省です。ここにそれは一覧でずっとあるわけです。全部拾いました。 そこで、一つ提案がございます。新設、廃止あるいは合理化、これは前年度から今年度にかけてどういうものが新設になり、どういうものが廃止になったか、その目的、理由は何だったのか。また、合理化についても同じです。一連の流れがわかる、始期、終期の設定の状況もこうである、そういう補助金の前年度から今年度への流れがわかるというものをよく大蔵省で目を通していただいて、ひとつ国会に提出していただけないでしょうか。これは財政再建論議なりあるいは行政改革なりにきわめて貴重な資料になり得ると率直に私は思うわけです。大蔵大臣は、何かと言えば総論賛成、各論反対だとおっしゃるので、各論で反対いたしませんから、不必要なものは勇気を持ってやはり切るべきであろうと思います。政策の優先順位の問題、選択の問題等々、そういう判断もしなければならぬと思いますが、いずれにしましても補助金のそういう実態、流れ、ルートというものまで克明にわかるという内容のものを国会にぜひひとつ御提出をいただきたい。最後にお願いをいたしまして、御答弁をいただきまして終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 補助金の問題について大変御理解ある御発言をちょうだいして、私は大変力を得ているわけでございます。 一目でわかるリストをつくって国会に出せということでございますが、個々の補助金ごとに整理と新設を相互に関連づけて示すことが何かできないか。私も実は考えてみたのです。しかし、補助金というのはそれぞれその固有の理由または事情、そういうものがありますから、一概に関連づけてということは、言うべくして実際はなかなかむずかしい。ただ、いろいろ努力はしてみますが、せいぜい坂井さんの手元に出したぐらいのものがぎりぎりだと思います。どういう関連をつけておるかということがむずかしいのです。そうするとまた問題がよけいなことで、これはどうだとか、整合性がないとかなんとか必ず言われるのですよ。そこのところが、そう考えますと、役所は完全主義ですから、なかなか出せないということも御了解願います。
○坂井委員 それでも出していただけますね。そういうものでもいいです。
○渡辺国務大臣 あなたのところに出ておりますから、それにて御了解をいただきます。
○坂井委員 では終わります。
○小山委員長 次に、和田耕作君。
○和田(耕)委員 私は、最初に、いま日本に見えております中国の孤児、四十七人が見えておるのですけれども、いま各党の有志でもって、中国孤児のめんどうを見ようということで議員連盟ができているのです。自民党の根本龍太郎さんとか、社会党の山本政弘さんとか、新自由クラブの代表さんとか、私とか、各党の旧満州関係の者が集まりまして中国孤児の問題をいろいろ相談しているのですけれども、きのう実は四十七人の人が国会に見えまして、私どもも親しくお目にかかりました。本当に打たれる気持ちがいたします。四十七人、大体四十以上の男女ほぼ同数の人たちでありますけれども、本当に子供のように、ひたすら祖国日本に帰りたいという気持ちが満ち満ちておるのですね。私、お目にかかって、いままで、果たして本当にそういう気持ちを持っているのかなという感じもなきにしもあらずであったのですけれども、全部の人がひとみを輝かして私どもの言うことを聞く。何とかしてもらいたいという気持ちがにじみ出ておるのですね。 しかし、実情を見ますと、大体見当のついた人が十一人、あとの数人の人が身寄り等のあるということでありまして、四十七人の半分以上の人はちょっと見当がつかないという状態のようでございます。この人たちは、中国の方ではっきり日本人であるということを確認されて日本に来た人なんですね。私も、敗戦のときに満州の新京におりまして、ああいう収容所が幾つかできたところを親しく見聞して、思い出しておるのでありますけれども、本当に気の毒な人たちだと思います。しかも、こういうふうな形で来ておる者が、わからないで再び中国へ帰るということになりますと、まあそうならざるを得ませんけれども、どんな気持ちでお帰りになるのか、また、帰った中国でどういうふうな扱いを受けるのかということを考えますと、大変気持ちが暗くなるわけであります。 そこで、これは各省に関係したこと、特に外務大臣のお骨折りで、中国の方も正式に外交上の話し合いのルートに乗ったからこういうことになったと思いますけれども、これははっきり日本人であるということが確認できれば、里親という個人的なものでなくても、何らかの形で日本に帰ってもらうという措置ができないものか、こういうことをひとつぜひとも御検討いただきたいと思うのですが、総理、いかがでしょう。
○園田国務大臣 ただいまありがたい御発言をいただいたわけで、ようやく中国における遺児、孤児の日本訪問ができたわけでございます。おっしゃるとおり、全員がもう体をふるわせて泣きながら、祖国日本におりたい、こういうことでいっぱいのようであります。 しかしながら、実際に事を進めるとなるといろいろ問題がございます。すでにこういう方々は四十歳以上の方でありまして、結婚し中国に夫や子供がある方、それから国籍も、中国の国籍を持っている人、日本の国籍を持っている人、国籍がない方、いろいろあるわけでございます。幸いに肉親がわかった場合は別でありますが、わからぬ場合に、帰られた後、中国の御好意によって来たわけでありますから、特別の待遇を受けるとは、ひどい目に遭うとは、あるいは悪い感情を持たれるとは思いません。しかしながら、肉親がわからなければ、本人の希望によって、中国と相談をして日本に住むようにしてもらえるか、あるいはいまおっしゃった里親のようなものを探して奇特な方あるいは子供のない方に引き取ってもらうか、そういう点を私も考えておるわけでありまして、外務省にお願いをしてそういう手続を進めなさい、こういうことを言っておるところであります。 なお、遺児、孤児の数については、中国の方でもわかっておりませんし、わが日本の方でもはっきりわかりませんが、何万の数になるのではなかろうか、こう言われておりますが、御発言の趣旨に基づいて外務大臣にも相談をして、こういう方方の気持ちが通り、かつまた、日中両国の感情がスムーズにいくような処置をしたいと考えております。
○和田(耕)委員 これはひとつぜひともお願いをいたしたいと思います。これは数年前から問題が出ておりまして、各省の大臣の方々にもずいぶん心にかけていただいておるのですけれども、何しろむずかしい問題があることはわかりますが、しかし、はっきり日本人とわかっておるということになりますと、やる気になればいろいろなことが乗り越えていかれると思うのですね。この問題はぜひとも関係の閣僚を中心としてよく対処をしてあげていただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 今後とも政府としてもできるだけのことをしていきたい、こう思っております。
○和田(耕)委員 次に、いま労働組合を中心として非常に関心を持っている問題が、例の実質賃金の目減りの問題なんですね。これは大騒ぎをした予算修正の問題に発展していったわけですけれども、労働大臣はきのうでしたか——労働大臣は、いま労働組合の方の人たちは非常に徳としておられる、やはり労働者のために発言をしてくださる、こう評価をしておる人が多くなっておるのです。実質賃金の目減りの問題は、その内容は申し上げなくても十分おわかりのことでありますけれども、これは労働組合にとっては非常に大切なことなんですね。特に、石油ショックの後で日本の経済がどこの国よりも安定的に対処できたのは、だれが見ても、外国の人もそう見ておるのですけれども、労働組合の努力、協力ということになるわけです。これに対して労働大臣は、心を込めて何とかこの問題は考えたい、そして五十六年の物価の問題については特に発言をして、何とか物価を低目に抑えるようにしたい、また、五十七年を通じて減税等の措置についてぜひとも考えなければいかぬというふうな感じの記者会見をしておるのですが、労働大臣、これは間違いないですね。
○藤尾国務大臣 間違いございません。
○和田(耕)委員 この問題は、気持ちとして大蔵大臣、いかがでしょう。労働者の実質賃金の目減りの問題については、物価の問題は無論のことですけれども、労働大臣は五十七年度に減税等の措置を含めてやらなければならぬと思っているというふうに、鈴木内閣の閣僚の一人が申しておるのですが、大蔵大臣も、気持ちはそういう気持ちを持っておられますか。気持ちとしてです、実際やるかやらぬかは別として。
○藤尾国務大臣 私が申し上げたことでございますから、私がその件について若干申し上げた方がよろしいと思います。 この実質賃金の目減りという問題につきましては、それがどこに責任があるかということになりますと、これは何といいましても政治が責任を負わなければならぬということでございまして、これは総理大臣を初め閣僚全部がそのように感じておられるわけでございます。 そこで、実際の話を言いますと、総理大臣はそのようなことは申されませんけれども、五十五年度中に起こりましたその種の政治責任というものは、できれば五十五年度中に償う方法はないだろうか、こういうことで総理大臣御自身も非常に御苦労になられまして、大蔵大臣その他と御相談になられまして、かねがね、それをどのようにして埋めるか、埋める方法があるかないか、どうすればいいかということについてお考えがございます。それを私どもは漏れ承っておるわけでございます。 そこに、さらに私どもが考えますのは、それではそれが五十五年度中にできないということならば、この実質賃金の目減りに対する責任を単年度で償うということは、これはできれば一番いいわけでございますけれども、できないということであれば、これをさらに五十六年度に、あるいはさらに五十七年度にもわたりまして、私どもはこういった責任を償うということをせねばなるまい。 それは方法といたしましては、まず第一に、物価というものをいままで以上に低いところに抑える努力をいたしまして、そうしてお働きの皆様方の実質賃金を押し上げていく努力をとにかくやりたい、これが私どもにできます政治責任の第一でございます。 第二番目に、それでもなおかつなかなか埋まらぬというときには、これは今回のこの予算審議に絡まります一連の解決の中でも、ここでいろいろ問題になり、お話し合いをされましたように、各党御論議のような方法で、私どもが単年度でなくて時間をかけてこういった問題についてどのようにするかという御相談をさしていただいて、できることをどんどんとやっていくということが適当であろう、かように申し上げたわけでございます。
○和田(耕)委員 いま労働大臣から非常に適切な、また当然政府の責任として持つべき心構えをお話しになったと思うのですけれども、総理大臣も同じような気持ちと了解してよろしゅうございますか。
○鈴木内閣総理大臣 この賃金目減りの問題、これは私も大変頭を痛めてまいったところでございまして、しばしば経済対策閣僚会議等におきましても、勤労者の諸君の生活を考え、日本のこれからの経済運営の点からも、物価対策ということに最重点を置いてやってまいるということで努力をしてまいったところでございます。しかし、石油の予想を超えた値上がりあるいは冷夏あるいは豪雪、いろいろの問題等もございまして目標値を上回るという結果になり、五十五年度につきましては確かに目減りも出ておる、こういうことでございます。 この問題に関連いたしまして野党の皆さんからは、この際調整減税等をすべきだという御主張が強く出されました。政府としては財政再建という立場から、法人税あるいは酒税等々、一方において国民の皆さんに税負担をお願いをしておる、こういうようなことから総合的に勘案をいたしまして、この際はこれは何とか御勘弁を願いたいということも申し上げてまいったところでございます。しかし結論的には、衆議院議長の御裁定によりまして、これから五十五年度において余剰金が出た場合においては、これに対して減税の問題について各党で話し合いをし煮詰めていく、結論を出す、こういう裁定に相なったわけでありまして、私どもはこの各党間のお話し合いというものを尊重してまいる考えでございます。
○和田(耕)委員 大蔵大臣からも一言、その問題について御意見をいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 実質賃金が目減りをしたということはまことに、遺憾なことだ、私もそう思います。しかし、これは日本だけの現象じゃございませんでして、(「何言ってるんだ」と呼び、その他発言する者あり)いやいや、それはそこのところをわかってもらわぬと困るわけですよ。これは物価の異常な値上がりというもののために世界じゅう二けたのインフレ率になっちゃった。そういうようなことで、そういう状況のもとで実質賃金が目減りをした。しかしながら、日本では労働組合、家計あるいは企業、そういうようなものの対応の仕方がよかったために目減り率が一番少なくて済んだ、アメリカなんかよりも少なくて済んだということも事実なわけであります。そこでいま、そういうようなことで、やはり実質賃金をふやすためには物価の安定ということが一番大切なわけでございますから、物価の安定というものに最重点の力を入れていく。 なお、いま五十七年とかなんかになれば減税問題はあるのかというお話がございました。これにつきましては、やはり財政を再建をしてインフレを抑えていくということがいま最大に必要な課題であるという点にかんがみまして、当面の今回の減税についてはひとつ御容赦をいただきたい。 なお、議長の裁定につきましては、これはあの文章どおりのことでございまして、今後剰余金が出たような場合については、需要の問題、財政再建のめど、財政事情の推移、そういうようなものも踏まえて与野党の間で具体的に検討をするという申し合わせができているということを承知しておるわけでございます。 以上であります。
○和田(耕)委員 昨日の議長裁定の二項の問題、これはまあいろいろ、ああいうとっさのときの裁定ですから、それぞれ関係者で思惑違いあるいは理解違いというものがあるのは、ある程度やむを得ないと思いますけれども、そのことを考えながら私、いま質問を申し上げたのです。つまり心構えとして、これは五十六年度のことではなくて五十七年度のことを労働大臣は申しておるわけです。単年度でなくて、目減りの問題としてはこれは政府の責任として、減税等を含んだ措置をしなければならぬじゃないかという心構えを持つか持たぬかが大事なことなんです。ぜひともそういう心構えであってほしい。 私、きょう、この裁定の二項の問題についてもっと詳しくお聞きしようと思ったのですけれども、これは政府に聞いてもしようがないことでございまして、また、いま関係各党の間の話がありますからこの程度にいたしますけれども、大蔵大臣、そんなことを言ったって金はないんだなんということを軽々しく言わないで、やはりそういう気持ちを持ってぜひとも対処してもらいたい、このことを申し上げるわけであります。 そして第三でありますけれども、外交と防衛、特に防衛の問題について一言二言、お聞きをしたいと思います。 総理大臣は非常に懸命に、この年初めに東南アジアをお回りになった。これはいろいろの意味で大変大きな成果を持ったと思います。そのときに新聞等で拝見したのですけれども、フィリピンの大統領あるいはシンガポールのリー・クアンユー首相等々から日本の防衛力の強化の要請があったという新聞記事を拝見しておるのですが、これは事実ですか。
○鈴木内閣総理大臣 私のASEAN訪問の中におきまして各国の首脳の安全保障に関する考え方、これには若干のニュアンスの差がございます。 フィリピンのマルコス大統領は、フィリピンには米軍の海軍基地等も存在をしておる、ところが対岸のダナン、カムラン湾等ではソ連がその基地を利用しておる、そういうふうなことで、東シナ海が海上ルートとして非常に重要な役割りを持っておる中で、フィリピンのこの基地は重要な役割りを果たしておる、日本の安全保障、経済にも大きな貢献をしておると思う、こういう認識の上に立ちまして、日本はフィリピンに対して経済並びに技術協力をもっともっとすべきだ、こういうお考えでございます。これはフィリピンの立場としては、私は、そのお考えに立つということにつきましては理解がいけるわけでございます。 シンガポールのリー・クアンユー首相は、もともと、防衛力を整備し、そして自由陣営は力を合わせて世界の平和と安定に、特にアジアのわれわれとしてはこの平和と安定に寄与すべきだ、こういう純粋な意味での自由陣営の一員としての立場から防衛努力をやっていきたい、こういう主張をしておられたわけでございます。
○和田(耕)委員 もっと詳しく聞きたいのですけれども、時間がありませんから、私からひとつ考えていることを申し上げてまいりますから、間違っておったら間違っておると申していただきたいと思うのですが、いままでASEAN諸因は、日本の特に防衛力の増強等を中心とした、旧日本の復活を思わすようなことについてはかなり拒否反応を持っている。ところが、最近のインドシナ半島の状態とかあるいは東シナ海におけるソビエトの問題等を考えて非常に状態が変わってきておるということは事実じゃないかと思います、日本の防衛に対する見方が。 そして中国にしましても、十数年前にトインビーさんという人が日本に来たときに、日本が防衛力を増強するということはよくない、一番悪いのは中国と仲たがいをすることだということで、当時はたしか中国は日本に対して、防衛力の増強を軍国主義化というふうに非難をし、日米安保条約を非難をしておった。ところがこの中国が、日本の防衛力増強、安保の問題について肯定的だけではなくて、もっと促進していくような姿勢に変わってきているということも事実なんですね。しかもアメリカは、いまのホルムズ海峡の問題を中心として日本に防衛力の増強を迫ってきている。こういうときの予算ですから、私はよく組んだという面があると思います。こういうことを頭に置きながらアメリカのレーガンさんとか、当時はレーガンさんは決まっていなかったのですけれども、アメリカからどんなに言われるかということを心配しながらおずおずしたところがあると思いますけれども、とにかく七・六というところで抑えだというのは、私はある成果だと思います。 ところが、今度、総理大臣は五月の初めにアメリカへ行かれる。これはアメリカのおっしゃることも、中国が望むことも、東南アジアの言うことももっともだと思いますよ。これを無視することはできません。といって、金がないので何ともできない。どういうお答えをなさるのですか。細かいことは要らぬです。
○鈴木内閣総理大臣 日本の防衛努力の問題、これは国際的な平和と安定、安全保障の問題等、いろいろな角度からレーガン大統領並びに米国の関係首脳と話し合いをすることになろうか、こう思っておりますが、日本としてはあくまで日本憲法の精神に立ちまして、日本の防衛力というのは専守防衛に徹するものである、外部からの侵略に対して必要最小限度の防衛力を整備する、近隣諸国に脅威を与えるようなものにはならない、こういうような日本の立場というものがはっきりあるわけでございます。 世界の平和安定、特にアジアの平和確保のために日本として、前段で申し上げたような立場の上に立ちまして、われわれは着実に防衛力の整備というものを図っていかなければならない、「防衛計画の大綱」の水準に近づけるために努力をする、これははっきり日本の立場として申し上げなければならない、私はこのように考えております。 〔委員長退席、金子(一)委員長代理着席〕 しかし、それ以上のことを日本に要求されても、日本としてはそれはできないことでございます。日本の防衛というものを離れて軍事的に日本が何らかの役割りを果たすというようなことは、これは日本憲法の立場からいってできないことであります。しかしながら日本は、おかげでこれだけの経済力を持つようになりましたから、経済協力あるいは技術協力等々の分野におきまして世界の平和と繁栄、安定に寄与していく。特に、価値観を同じゅうする自由陣営の国々と連帯と協調を保ちながら国際的な責任、役割りを果たしていく。こういう日本の果たすべき役割り、国際的な平和国家としての役割り、分担というのをはっきり私は話さなければいけない、このように考えております。
○和田(耕)委員 もしもそういう日本の特殊の事情があるとすれば、金で済むことならやるだろう、もっと金の分担を引き受けよという主張があれば、これは引き受けますか。
○鈴木内閣総理大臣 財政もこういう非常に苦しいときでございますから、財政の問題ももとよりございます。しかし、日本国民のコンセンサスを得る、日本の防衛努力を今後やります場合におきましても、平和憲法によって立つ日本国民のコンセンサスを得ながらやらなければならない、私はこの点を重視しております。予算が少しかかりそうだから国民の感情なり気持ちを無視してもこれをやるんだというような考え方は私はとらない。やはり国民とともに日本の防衛、国防というものは考えていかなければいけない、このように考えております。
○和田(耕)委員 いろいろと意見があると思いますけれども、日本の意思というものをはっきりとお訴えをして、そしてできるだけの努力をしていただきたいと思います。 それにつけましても、防衛の問題を考えます場合に、艦船をふやしていく、兵員をふやしていく、ロケット、大砲をふやしていくということも大事でありますけれども、もっと大事なことは、現在、日本にとっては国民精神上の問題じゃないかと思うのですね。つまり、独立国家としての当然持つべき精神状態、こういうことで、総理が国民の合意とおっしゃるのもそういう面が多分にあると思いますが、これについてやはり真剣な努力をしておるという事実が出ないと、なかなかアメリカも、同盟国は納得しないと思いますよ。 日本にも相当有力な野党で、非武装中立という考え方を持つ勢力があります。野党だけではなくて一般の言論界の中にも相当有力にあります。これは私は賛成じゃありませんけれども、もしもこれから申し上げるような努力をしておれば、私は戦後の日本にとって有力な政策であることは間違いないと思います。私は賛成でないと申し上げておりますけれども。 というのは、たとえば学校で先生が、日本がもし侵略されるなれば日本がばかにされないような、あるいは侵略されるなれば守っていくというようなことをしっかりと教えておる、あるいはそういう政治的な姿勢として国民に対して、もし侵略されるなればゲリラ戦争でもやって抵抗するというそういう精神があれば、私は非武装中立という考え方は有力な一つの政策だと思います。私は賛成じゃないのですよ。しかし、有力な政策だと思いますよ。それほどに、現在の日本の防衛というものを考える場合に、そういう独立国としてのぎりぎりの精神状態というものを持たなければならない。それがないでしょう。総理、いかがです。
○鈴木内閣総理大臣 私は、日本国民がわれわれのこの国土を、また、われわれ日本人のこの自由社会を、この生活を、あくまで外部からの侵略等に対して守っていかなければならないという、この基本が一番大事だ、こう思っております。そういう意味で平和国家であり、そして民主国家としても世界でも人後に落ちないりっぱな民主国家になってきておる。また基本的人権も、日本ほど基本的人権が守られておる国はない、このように私は認識をしておるものでございます。 そういうような憲法の基本的なすばらしい理念の上に立って日本が今日の繁栄と安定を図っておる、こういう国こそ外部からの侵略から守らなければならないという国民の気持ち、こういう気概というものが一番大事だ、こう私は考えるものでございます。そういうものを惑わすような教育であるとか社会環境であるとか、そういうものは排除しなければならない、こう考えます。 と同時に、最近、国際情勢ということにつきましても、国民の目は広く開いてまいりました。国際的な諸情勢も十分勘案しながら、日本が必要な最小限度の防衛力は整備しなければならないという国民的な認識が高まりつつあるということも、私は非常に力強く考えておるものでございます。
○和田(耕)委員 私は、いま申し上げたとおり、日本の有力な野党も、不当な脅迫や圧力には屈服しないという精神状態を持って国民に接するなれば、非武装中立という政策を掲げながらかなりの支持を得ると思いますので、こういう機会にひとつお訴えをしておきたいと思っております。 それに続きまして、もう時間がありませんけれども、私がいま教科書問題を重視するのはそういう意味なんです。日本は平和なしには生きられない国なんです。民主的な国でなければいけない国なんです。そういう国としての日本を愛するという、そういう教科書の科目が全然ない。あったのをなくしているというそういうところと、そして間違いの多い教科書を間違わせるような勢力の多いところで多く使っておるという事実がある、教科書のシェアの問題で。よくお調べになってください。確かにそれはあります。そういう問題について文部省はもっと目を光らせていただきたいと思います。もう時間がありませんから答弁は要りません。 最後に私が申し上げたいのは国鉄の問題なんですけれども、きのうも、千葉を中心とした動力車労組の一日じゅうのストライキを通じて、二百万以上の人たちが大変な迷惑をこうむったと言われている。国鉄総裁、いらっしゃいますか。これはいいかげんに何とかならないものですか。
○高木説明員 昨日、千葉でああいう不始末を起こしまして大変申しわけなく思っております。私どもといたしましては、国際空港への燃料の輸送は、私どもの職員の間に反対がありましてもどうしてもいたさなければならぬ、それを重点に置いてまいったわけでございますけれども、本来旅客輸送とは関係のないことであるにかかわらず、そこで違法なといいますか、また常識を外れた行動が行われたわけでございまして、これは私どもの力の及ばざるところでございますが、これらに対しましては今後何とかしてこれを排除してまいりたい。何分たくさんの組合の中の一部の組合の行動でございまして、なかなか扱いにくいわけでございますけれども、こういうようなことを起こしませんようにしてまいりたいと思います。
○和田(耕)委員 きのうのストライキの一般の新聞の報道を見ておりまして、たとえばこういう記事がありますね。旅客は全部とまっているけれども、燃料輸送の貨車はどんどん走っている、これは何か複雑な裏がありそうなという感じの記事が非常に多いのですけれども、運輸大臣、こういう問題についていままで国鉄の労使が何回か話し合いをして、あるいは悪く言えば裏取引をしてというような話がよくあるのですけれども、今回、成田の燃料輸送という問題に関係をして国鉄の労使が何か、余りトラブルなしに燃料は輸送するから、例の二百二億円の裁判を何とかしてくれというふうな話し合いが実際にあったのですか、なかったのですか、監督官庁としていかがでしょうか。
○塩川国務大臣 一昨日行われました、そして昨日に続きました千葉勤労のストに対しましては、私も非常に残念な気持ちでございまして、国鉄再建に必死になって取り組んでおる最中に、その一番当事者である職員がああいう事態を起こすということはまさに申しわけない。したがいまして、今回、こういうことは国鉄において厳重な処分をすべきであるということを強く申しております。 そこで、先ほどお尋ねの例の二百二億の問題でございますが、私も国鉄の関係者に、再三再四にわたりましてこのことにつきましては問い詰めたのでございますが、言われるようなそういう約束は絶対ないと言っております。でございますから、私はそれをいちずに信じ、今後も裁判というものはやはりわれわれと違うところで行われておるのでございますから、裁判は裁判として進行せしめる、そしてできるだけ早くこの決着を得て、それに対応することについてはわれわれ運輸省としても国鉄とよく相談した上で協議いたしたい、こう思っております。
○和田(耕)委員 例の五十年の八日間のスト権スト、ちょうどあのとき私は社会労働委員会の理事で、テレビでコメントをしたことがありましたけれども、こういうかなり無責任な形のストライキに対する処置の問題と、いま国鉄が計画されておる合理化あるいは成田の燃料輸送なんというものと絡ましてはいけませんね。何回かありますけれども、絡ましてよかった例はいままで一つもないのです。これはぜひともきちんと始末をしてもらいたいと思います。裁判がきちんと行われた結果、その結果の処理についていろいろなさること、これは御自由だし、労使関係の問題としていろいろなすっていいと思います。しかし、国鉄としては無責任さを問うておるわけですから、国労としてはそうじゃないと言っているわけですから、これを法に照らしてきちんとした裁判をしなければいけません。こういう問題をあいまいにしてはいけませんよ。ひとつ総理大臣もぜひともこの問題は心にとめて、間違った、筋の違ったことをしてはいけませんということをお願いしたいと思います。 最後に、もう時間もありませんが、今度の埼玉県の富士児病院の事件で、厚生省は立ち上がりは非常に早いと私は思います。あれまではお医者さんが強かったので、渡辺大蔵大臣もよく知っておられるのですけれども、この十年間、同じ問題が全然進まないであった。確かにあった。しかし、富士見病院というあの異常な事態、国民がこれでどうするかという世論を背景にして、厚生省の打っている対応は非常に早いと思います。こういう早さは、転換期の八〇年代の初めにかけては必要ですよ。 たとえば文部行政もそうだと思います。校内暴力という大変な問題が起こっている。きょうこの問題に触れようと思って触れる時間がありませんけれども、こういうことを中心として、もっと学校内の問題については秩序を正していかなければなりません。学校内の問題は、依然として主役は先生なんです。いろいろな理由はありますけれども主役は先生なんですから、こういう問題についてはぜひともひとつお願いをしたいと思います。 国鉄の問題、国民の足の問題も、こう長く長くいつまでもめんどうをかけている状態ですから、この八〇年代で日本としても独立国家としてりっぱな精神を持たなければならぬ時期ですから、ぜひともひとつ腹を決めて、いままでの懸案でやらなければならないことが一向に解決できない問題を一つ一つ解決していくために、鈴木内閣は努力をしてもらいたいと思っております。 終わります。
○金子(一)委員長代理 次に、寺前巖君。
○寺前委員 最初に総理に、過般の三月五日の当予算委員会の予算案単独強行採決なるものについてお聞きをしたいと思います。 総理は、自民党の諸君がとった方針を事前に知っておられて、承認を与えておられたのかどうか、まずお聞きします。
○鈴木内閣総理大臣 国会の審議、予算委員会の運営という問題は、予算委員長を中心に各党の理事の協議等によりまして運営が進められていくわけでございまして、私がこれを事前に関知したということはございません。
○寺前委員 そうすると、自民党の諸君が、あなたは総裁だけれども、勝手にやったのだ、採決の瞬間まで知らなかったのだ、そういうことですか。
○鈴木内閣総理大臣 あなたもこの場面におられたと思いますが、小山予算委員長は、しばしばこの予算委員会の開会を延ばして、そして全員の委員が御出席の上で、正常な形で円満に予算委員会の審議が進められるように努力をしたことは、あなた自身もよく見ておられたと思うのでございます。しかし、その努力が実らないでああいう結果になりましたことは、まことに遺憾でございます。
○寺前委員 議長自身が、正常化の問題として、この審議は正常なものとは言いがたいというふうにあえて明らかにされたとおりです。正常でない事態をつくった、それは一にかかって、あなたがここにおりながら自分の党の諸君たちに対して待ったをかけない、それで和の政治だという言葉が通用するでしょうか。私はあなたの反省を強く求めたいと思います。 次に行きます。いろいろお聞きをしたいことがたくさんありますが、時間の都合がありますので、私は、まず公共事業の労務費調査の問題について聞きたいと思います。 委員長、大臣に資料をお渡ししたいのですが、行っていますか。行管庁の長官のところへ行っているでしょうか。あるいは建設大臣のところへ行っているでしょうか。 私は、実はこの問題を提起いたしますのは、いま検討中の本予算についても、公共事業が六兆六千五百億円組まれている。閣議ですでに決定された五十六年度の経済見通しを見ても、固定資本形成が二十三兆九千億という公共事業というのは非常に大きな位置を占めています。その公共事業の中で、過般聞いてみると労務費というのは大体三割ぐらいを見込んでいるというのですから、この公共事業で労務費が果たしていく役割り、それが国民と労働者にとっていい役割りをしているのか悪い役割りをしているのか、予算の中でも金額的に非常に大きいだけに、きちっとしておきたいと思うのです。 まず事務当局に聞きますが、三省協定に基づく公共事業の労務費調査というのはどのようにやっているのですか。
○宮繁政府委員 お答えいたします。 公共事業の労務費の調査につきましては、農林水産省、運輸省、建設省の三省が昭和四十五年八月に取り交わしました三省の事務次官の覚書に基づきまして調査を実施いたしております。調査の実施の時期は、毎年六月と十月にやっております。調査の対象は、公共事業のうち五百万円以上の工事に従事しております労務者を都道府県別、職種別に調査をいたしております。例年の調査におきましては、調査一回当たり工事件数約一万件、労働者数約十五万人程度につきまして調査を実施いたしております。
○寺前委員 聞いてみたら、事業所から賃金台帳の写しを持ってこさせて調査をしておられるようです。そこで、調査結果による職種別の労務費単価は、実際に払われた賃金日額を反映しているというふうに大体言えますか。
○宮繁政府委員 この公共事業労務費調査におきます賃金の調査の方法は、労働基準法の施行規則第五十四条に基づく賃金台帳を複写または転記したものを出していただいております。そして労働者の受取証明がなされております資料、これは原本を提示していただいておりますけれども、そういうものでチェックすることによりまして実施をいたしております。したがって、調査の結果は実際に労働者に支払われた賃金を反映しているものと考えております。
○寺前委員 それでは、大臣にお聞きをしたいと思うのです。 資料の一の六というところを見てください。これは高知県におけるところの実際の労働者が受け取っている状況と、それから、ただいま説明をしていただいた労務費のそれぞれの地域の賃金の状況との比較なんです。ごらんいただいたら、これは職種別に状況が違いますが、普通作業の労働者の賃金というのは、ずっともとへ戻って調べてみたら、こういうグラフになる。真ん中のグラフです。 ところが、約千人の労働者に対して、あなたは一体その時期にどれだけもらいましたか、明細書に基づいて知らしてくださいと御協力をいただいて、その協力に基づいてグラフをつくってみると一番下の黒い線のグラフになるわけです。すなわち、今日では、五十五年状況のところで言うならば、普通作業が七千二百七十円というのがその調査結果に基づくところのいわば賃金の計算になるわけですが、実際に受け取っているのは四千五百円だ。われわれがもらっている賃金と設計単価として計算されている内容との間には余りにも差があり過ぎるじゃないか、結局一体だれが得しているんだ、そんなばかな話があるのかいということで、各自治体ではどういうことになってくるかというと、歩切りという形でもって、おまえさんのところはもうけ過ぎなんだからもう少し安い料金でいこうかいな、そういう契約の話に変わっていく。あるいはまた、労働者の側から言えば、たくさん予算を組まれているのだからもっと支払ってあたりまえじゃないかということになるわけです。そういう話になって発展してきます。ところが、なかなか地場賃金との関係があってそうはもらえない。そこから労働者は、それだったら仕事量をもっとふやしてもらおうじゃないか、公共事業をもっとふやせるじゃないか、こんなむだな金の使い方があるかということでもって、自治体に向かって監査請求をやって、金の使い方にむだが多いのではないかという形であらわれてくる。いろいろな形であらわれているわけです。 そこで、そうなってくると、国の方で公共事業の労務費としてはこれこれの状況が反映した数字だというものをもって契約の計算をするのに、実際そうもらっていないということになると、国としてもたくさんなむだ遣いをしたことになるし、あるいはまた、労働者に対してもっと生活力、購売力を高めることになる、あるいは所得税減税にその金は使えるという性格のものになるのだから、どうしたってここにメスを入れてもらう必要がある。一体、調査そのものに間違いがなかったのかどうか、こういう疑問が出てくるわけです。 手元に配ってありますところの表について私がわかりやすく説明をしてみます。 一番最初の資料の一の一、これは高知県で五十四年六月、労務費調査対象事業所となった吾川郡の池川町の宝生建設というところの本物の賃金台帳です。真ん中に私がちょっと落書きをしてある欄があるわけですけれども、これは台帳そのものじゃありませんで、後から私が落書きをして計算をしたものです。そこで日額を見ますと、片岡さんという方が真ん中辺に載っていますが、これは世話役をやっておられる方です。五千四百円という日額の賃金が出ています。ところが、その下に山中絹恵さんという方が出てきます。三千二百円です。これが実際に支払われている賃金台帳ですが、たとえば山中絹恵さん三千二百円というのを、その次のページを見ていただいたら、そこには職安が求人をしているところの日当の額が出ておりますが、たとえば九十ページと書かれているところの安芸の職安を見ていただきますと、ここには土木請負業の作業員の女子の日額は三千二百円と載っていますから、その地域のその時期におけるところの求めておった賃金と大体一緒です。 ところが、その次の一の三を見てください。同じような明細書ですけれども、実はこれは三省協定をつくるために基礎調査をやった調査資料なんです。同じ事業所から出た調査資料を見ると、山中絹恵さんのところは私、落書きをしましたけれども、割り出して計算してみたら日額五千百円になる。あるいは世話役の片岡さんという人は一万円。要するに、調査に対しては一万円という報告の賃金台帳をつくり、実際には片岡さんは五千四百円だった。あるいは山中さんの場合は、五千百円で報告をして実際には三千二百円なんです。いわば倍ぐらいに水増しをしたものが政府へ集中していくわけなんです。 こういうようなでたらめをやった結果で公共事業の労務費を出しておったら、実際にはそれだけのむだ遣いが行われることになるじゃありませんか。これは特殊な調査だったら、ここだけの状態だったらこんなものは軽く外されてしまうことになりますよ。 しかし、実際にこの時期におけるところの三省協定の労務賃金はこの水準で計算しているということは、一の五の資料を見てください。その五十四年六月調査結果の軽作業員の高知県の数字を見てください。四千九百二十九円、五千円近くになっているでしょう。そうすると、ここの事業所の調査だけがインチキだったというのじゃなくして、高知県におけるところの全体の象徴的な調査と同じものを出しておったということになるじゃありませんか。職安の求人の日当額はそれの半分だ。ところが、公共事業をやっているところのこの労務費調査を見ると、倍に近いような数字があらわれてくる。これは全体の統計を見てもそうなっている。こういう調査をやっておるのは、私はゆゆしき事態だと思う。 そこで、行政管理庁に対して、思い余って、ついに高知県のこういう土木の軽作業などをやっておられる方々でつくっている組合が、私たちは全面的に協力するから行管の方でぜひ調べてくれ、私たちがもらっている明細書もお出ししましょう、事業主がどんなものを出しておるかわからぬのだから、そっちで聞いてくれと言って、先月直接訴えに行っておられるわけです。私は、これは非常に重大だ、一高知県の問題にとどまらないだろうと思うのです。 資料の二の一を見てください。ここにお渡ししてあるのは五十四年十月調査なんですが、新潟県北蒲原郡のニワヤマ組というところの賃金台帳なんです。この企業は倒産をしてしまいました。そこで労働者は未払い賃金の清算のため裁判所に払ってくれということで行って、本当の賃金を確認させるために賃金台帳をそこで初めて知ったわけです。 そこで、一番最初のが本物の賃金台帳ですが、たとえば、本物の賃金台帳の一列目に木村さんが出てきます。これは私がそこへ落書きしてみたのですが、実際に日額何ぼになるかというと五千三百五十円になるわけだ。ところが、これが後のインチキな賃金台帳で見ると、一万一千円で支払われたことになって出てくるわけです。二列目の人は四千七百五十円になっていますが、これは会社が倒産したものだから、その会社から出てきた調査表を拾って見ると七千二百円という数字で出てくる。この新潟県においてもやはり賃金台帳がこういうふうに変えられてしまっている。だから、役所が見る賃金台帳というのは全部むちゃくちゃになってくる。 さらに、資料の三を見てください。これは五十五年の六月に新潟県の十日町市の建設会館で、建設業界の調査対象事業所の人々を集めて説明会をやった。そこに、ゼネコンと普通言われていますが東京の方から大手の業者がやってきて、これから役所の調査があるけれども、役所の調査があるときには、そこに配られている右のような単価表で出してくれるように皆さんひとつ協力してくれ、たとえば土木の世話役だったら、五十五年の設計単価は一万一千四百七十円になっているけれども、今度出すときには賃上げなんかも起こるから七%引き上げ額によって、したがって出すのは一万二千円から一万二千三百円ぐらいの数字で皆さん書いてくださいよと言って、書き方はこういうものですよと言って、その次のページにあるような資料を配るわけだ。これもひどい話ですよ。こうやって高知県や新潟県で出てきている。 それで、私の方でつい最近、思い当たるままにあちこちに聞いてみたのですよ。高知県では資料の四に示されているように、中村市議会、土佐清水市議会、それからいろいろな町議会、村議会、五十四年にもう三省協定並みの賃金を払ってくれという形で出てきたのがこれだけあるわけだ、あんまり違うものだから。 総理はいまおられないけれども、総理の出身の岩手県の宮古市議会や岩泉町議会でも、去年の十二月に出ているわけです。宮古市議会からは政府に意見書まで出てきていますよ。「この設計単価と比較して実際の賃金は大幅に低額となっている。」と意見書にちゃんと書いてある。こうなってくると、全国的に、公共事業におけるべらぼうな、三割を占める労務賃金、そのうちの半分がふところに入ってしまう事態となったら、何のために公共事業の労務単価の計算をしたのかわからぬではないですか。私は非常に重大だと思うのです。 そこで、大臣に聞きます。行政管理庁長官は、地元で受け付けておられるわけですが、一体この事態に対してどういうふうにお考えになるのか、あるいは建設大臣は、一体この事態に対してどういうふうにお考えになるのか、御説明いただきたい。
○中曽根国務大臣 ただいまの件は、高知県におきまして行政相談案件として来ているようでございます。処理につきましては政府委員をして答弁させます。
○中政府委員 お答え申し上げます。 確かに先月の末に陳情書がございまして、現地の局で関係機関から事情聴取をしておりますが、まだ結果が参っておりませんので、その検討結果を見まして、建設省等関係省庁から事情聴取をいたしたいと思っております。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 御指摘のような公共事業の労務費調査の関係につきましては、従来から厳しい指導をいたしておるところでございますが、御指摘のような事実関係につきまして、いませっかく行管で調査中でございまして、この問題につきまして遺漏があるとすれば重大な影響がございますので、なお調査担当官あるいは調査対象事業所につきましては厳格な指導をやってまいりたい、このような所存でございます。
○寺前委員 厳格な指導というよりも、調査結果自身が大変な事態をつくっているのです。インチキがつくられている。ところが、この賃金台帳がこうですよというのは、単なる協力なんでしょう。インチキな台帳を出したからといって罰せられる性格のものでもないんだ。実際の労働者がもらっている賃金との間には違ったものが公然と出されて、それが根拠になっている。これはそういうことになってくると、大蔵大臣、こんな予算組んでおったら大変だよ。そうでしょう。何しろ五十六年度の経済見通しで言うと政府固定資本形成は二十三兆円で、労務賃金がその三割だといったら七兆二千億になる。そのうちで半分インチキだと言うたら三兆六千億円、これが土木の業者のために、労働者に出してやるんだと言って実際は違ったところに入っていっている。こんなむだな使い方になっているとすればえらいことですな。 これは調査の仕方そのものを改善してもらわなければ、大蔵大臣、予算でみんながまんしてくれよなんと言っておったって、がまんがほかのところでむちゃくちゃにやられておったら、たまったものじゃない。そういう性格でしょう。総理がちょっと出ておられた間に私言っておったのだけれども、岩手県の総理の足元の宮古市議会の決議が上がってきていますよ。こんな調査の仕方でひどい目に遭っておったらたまったものでないといって、去年の十二月に議会の意見書が上がってきている。だから、調査そのものが実態に合わない。調査の仕方を再検討する、見直してみる。具体的に提起したところの問題については調査に入るのは当然だと思う。同時に、そこの一企業の問題だけではない。全体についてもこれはメスを入れて、調査のあり方についても検討してもらう。そうしてもらわなかったら、本当にあなた、これだけの金額ですよ、固定資本形成で言ったら、三兆六千億円が、もしも半分こういうことになっておったというのだったら、えらい金額じゃありませんか。建設大臣、どうです。
○斉藤国務大臣 厳格な指導ということでは、具体的な問題となっておりますので検討さしていただきます。
○寺前委員 大蔵大臣、どうお感じになりましたか。そんな協力していただく、協力する人がインチキを出すということで広く行われ出してきている。こうなったら、予算組んでおったって、所得税減税がたっと出ている、四千億とか五千億とか七千億とかいろんな形で、それぞれの党が減税を言っています。いまのを見てごらんなさいな。政府の直接の予算の関係だけでも、もしもこれが半分ほかへ隠れて入り込んでおったら、一兆円ほかしていることになる。気楽に減税できますのや。そういう性格なんです。調査は非常に問題がある。あなた、どう思われます。
○渡辺国務大臣 私は事実関係をわかっておりません。政府の予算というものは、ある事業をするに当たって、それに対していろいろな単価を積算をして、それで各省庁が要求をしたものを査定してできておるわけでございます。あなたのおっしゃっている問題については、事実関係を私、わかっておりませんから何とも申し上げられません。
○寺前委員 事実関係がわからぬと言っても、だから私は資料を配っておるのです。だから、あなた、予算を組む方でも、やはりそこまで来ておるとするならば、もう一度建設省や関係の三省に、ちゃんとわかるような資料を出してくれと言って出してもらって、私ももう一回真剣に検討してみるというくらいのことを考えなければうそと違いますか。
○渡辺国務大臣 寺前委員の言うことは、要するに、積算単価をたたいて労務者を使っているということじゃないかと思いますが、だから正当な報酬が払われているのか、それがすべてであると私は思っておりませんが、あるいは例示的にそういうものがあるのかもしらない。したがって、これについてはやはり積算単価は厳正に実態に即したものでなければなりませんから、そういう点は厳に注意をしてまいりたいと考えます。
○寺前委員 時間の都合もありますので次に移りますが、防衛庁長官、さっき、竹田提言なるものをめぐって御答弁になった。あれは私の考えではない、個人的見解をやられた、簡単に言えばそういうことなんでしょう。ところが報道によると、一月の末、退任よりも前に、防衛庁の原事務次官、佐々人事教育局長、岡崎国際担当参事官、陸海空各幕僚長、統幕会議事務局各室長、自衛隊OB数人に、この提言なる文書が配られたと出ているのです。いろいろ竹田前統幕議長は言っておられますけれども、一つ取り上げてみると、日本は核の前に裸である、非核三原則を標榜するからには、核の威嚇、恫喝には屈しないだけの物心両面の準備と覚悟をすべきである、こうやって、文書をいま私が挙げた諸君たちの中に配られた。そういう配る自由というのは許されているのですか。
○大村国務大臣 ただいまのお尋ねにお答えいたします。 いま問題になっております文書は、竹田前統幕議長が個人的な論文としてまとめたものでありまして、これについての意見を求めるため部内の関係者に配付したものであります。したがいまして、防衛庁なり統幕会議を代表しての見解というものではありません。また、提言として提出したという事実もございません。その後、竹田前議長がこの文書を回収した、こういう報告を私は受けているわけでございます。
○寺前委員 どうやって、それは。意見を求めた。統幕議長はそういう意見を求めることができるのですか。あなたを補佐する人でしょう。意見が違うというのだから、あなたがこれを配らしたわけじゃない。個人的な見解だ。個人的見解で意見を求めに配るという自由があるのでしょうか。あなたの補佐役じゃないですか。補佐役が勝手にそういうことができるのか。自衛隊法の六十一条などには政治的行為の制限及び服務の宣誓というのがあります。政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張したり、またはこれに反対すること、政治目的を有する署名または無署名の文書、図書を発行し、回覧に供し、掲示し、もしくは配付し、あるいはこれらの用に供するために著作し、または編集すること、そういうようなことで、自衛隊の内外を問わずこれは許されてないということになっている。その職務自身があなたの補佐役である。あなたがそのことを意見を求めてやっているわけではない。勝手なことをやっておって、そしてそれは個人の見解で意見を求めておられるのだからよろしいということにはならないのじゃないのでしょうか。服務の面からいうならば、これは正しくない行為であったというふうに言わざるを得ないのじゃないでしょうか。
○大村国務大臣 お答えします。 ただいま申し上げましたとおり、個人的な意見について関係者の意見を求めたもので、先生御指摘の条文は、外部に対してこうした場合の適用のある規定でございますので、この場合には何ら関係がないと考えております。
○寺前委員 いや、あなた、統幕議長というのはあなたを補佐する人です。補佐する人が個人的見解で勝手にそこらを回ってよろしいということにはならぬでしょう。あなたは現に二月四日の当委員会で、自衛隊は内閣総理大臣及び防衛庁長官の指示する基本方針に従ってその任務を全うするよう十分に管理されるべきものと考える——そうしたら、その方針に基づいて仕事をするというのは当然であります。そうでなかったら、コントロールなんという言葉は要らぬことになるでしょう。ところが、勝手に意見を配って、そしてその意見どうじゃと言ってやっておってごらんなさい、あなたの方針と違うことを勝手に組織していることになるじゃありませんか。そうしたら、コントロールなんてどこへいくんです。制服主導型に自衛隊の中は動いてしまうということになってしまうじゃないですか。あなたが二月四日に委員会で言っておられたこととは大きく後退したことになる。違ったことじゃないですか。本当にあなたがコントロールをあえておっしゃるというならば、十分に管理する立場から見るならば、勝手な行為をとられたことは遺憾だという態度をとられるのがあたりまえじゃありませんか。
○大村国務大臣 お答えいたします。 何度も申し上げているとおり、部内において個人的な意見を関係者から聞くということでございまして、私が二月四日に申し上げましたのは、雑誌のインタビューで発言して記事になりましたことにつきまして、立場上不適正なところがある、よって厳重に注意処分すると同時に、部内に対しまして、責任のある立場の者が部外に発言するためにはあくまで慎重にするように注意を促す通達も出しているわけでございます。シビリアンコントロールを徹底させるという点につきましては一層励行している点をよく御理解願いたいと思います。
○寺前委員 あなた、冗談じゃないよ、そんなもの。あなたの知らぬことを勝手に統幕議長がそこらに文書を配付して回っておいて、意思を組織して回っておって、何があなたがコントロールしているか。あなたは浮かされているだけだ。コントロールは、逆に制服によってされていっている。私は、これは重大なあなたの間違った態度だと指摘をしておきたいと思うのです。 時間の都合がありますので、総理に聞きます。 ワインバーガー米国防長官は、四日の米上院の軍事委員会公聴会で、レーガン政権の軍事方針を包括的に明らかにしております。その中で、同盟国と共通の対ソ戦略を強化し、同盟国にも分担を求めるということで日本などについても触れております。日米首脳会談なりあるいは外務大臣がアメリカに行かれるという問題も近く行われるわけですが、そこで具体的に私は総理にお聞きしたいと思います。 第一点、共通の対ソ戦略をとるということを求めてきておりますけれども、あなたは共通の対ソ戦略をとるという立場をとられるのかとられないのか、これが一つ。 二番目に、中東における米軍基地の継続を支えるような軍事戦略から要請されるとするならば、そのときに経済協力に応ぜられるのか応ぜられないのか。 第三番目に、中東など米国を中心とした緊急投入軍維持のための費用分担に応ぜられるのか応ぜられないのか。 まずは三点についてお答えをいただきたいと思います。
○伊東国務大臣 私から先にお答え申し上げます。 順序はいろいろでございますが、中東における米軍基地の問題で何か経済協力等を要請されたらどうするかというお話でございますが、経済協力は、日本の独自な判断で、その国の社会経済開発でございますとか、民生の安定、福祉の向上ということを考えまして経済協力をやるわけでございますから、この点、中東のどの地帯あるいはアフリカのどの地帯、どの国というようなことも、これは自主的に経済協力は考えてまいりたいと思っているわけでございます。 それから、対ソ戦略というお話がございましたが、これは何もいまわれわれはアメリカから具体的な期待表明はないわけでございまして、どういう話になるか、これは全然わからぬのでございます。前に対ソ問題でやりましたのは、アフガンの軍事介入のときに経済措置につきまして西側の陣営が相談をした、協議をした。歩調を合わせて、ああいう武力介入はしないように、撤兵ということを国連決議の実行をしてもらおうじゃないかということで、経済的な措置につきまして協議はしたことがございますが、その他のことにつきましては、そういう軍事的な問題等について協議したことは過去においては一回も、対ソ措置というようなことではないわけでございますので、こういう仮定の問題につきましていまお答えをするのはどうかと思いますので、向こうへ行きましてどういう話になるか、よく向こうの話も聞き、総理がおっしゃるように、できることとできないことがはっきりしておりますから、緊急部隊に対する経費の問題等につきましてもいままで一回も話がないわけでございますので、これは憲法の制約もあるわけでございますから、そういう大原則の中で、できることできないことをはっきり考え、向こうに言うつもりでございます。
○寺前委員 総理に最後に聞いておきたいと思うのです。 過日、ローマ法王がお見えになって、各国の元首、政府首脳、政治経済上の指導者に次のように申し述べると言われて、人類同胞に向かって、軍備縮小とすべての核兵器の破棄を約束しようではありませんかと呼びかけられました。総理は、この呼びかけに対してどういうふうにお考えになるのか、それが一つ。 ところで、昨年の暮れに行われた三十五回の国連総会では、核兵器の不使用と核戦争の防止に関する決議が賛成百十二、反対十九、棄権十四で採択されていますが、被爆国日本が反対の態度をとったということについて国民は解せないわけです。ですから、ローマ法王が提起された問題と、国連に提起しておられるところの問題に対する日本の政府のとっている態度、わかるように御説明をいただきたい。 これで終わります。
○鈴木内閣総理大臣 ローマ法王とお目にかかりました際にお話がございました。前段の問題につきましては、私は、日本の平和憲法が志向しておるところは、まさに法王が世界の平和のためにアピールしておられる精神と共通のものである、今後ともわが国としてはそのような方向で努力してまいりたい、このように申し上げておるわけでございます。 なお、国連決議の軍縮に関する問題につきましては外務大臣から答弁させます。
○金子(一)委員長代理 簡単に願います。
○伊東国務大臣 いまの決議につきましては、日本としては、通常兵器と核兵器両方で、現実の問題として地域地域のバランスがとれているということで、バランス・オブ・パワーといいますか、あるいは脅威の均衡といいますか、そういうことが現実の問題としてありますので、具体的に核の包括的な実験停止とか、そういう具体的なすぐやれるというものについて、核軍縮に一生懸命努力していこうということでございまして、いまのような核兵器、通常兵器総合でバランスがとれているというような現実のもとにおきましては、いまのような決議ににわかに賛成することはできぬという態度でやっております。
○寺前委員 どうも理解できません。
○金子(一)委員長代理 次に、河野洋平君。
○河野委員 まず最初に、政治姿勢についてお尋ねをしなければならないと思います。 自由民主党は、かつて、増税を国民に求めて選挙をやって十分な支持が得られなかったことがございます。 〔金子(一)委員長代理退席、委員長着席〕 その六カ月後に、今度は増税は全部引っ込めて選挙を闘って多数を占められたわけでございます。昨今、自由民主党の方々のお話を伺うと、国民の支持を得ているんだから予算委員会の採決強行は当然なんだと言わんばかりの御議論がございますが、とりわけ増税について国民の支持が得られなかったという事実、そしてわずかその六カ月後に今度は増税は口をぬぐって一切言わない。自民党の候補者の方の中には、私は一般消費税その他には反対しますなんということまでステッカーを張って闘って当選なさった方まであるそうですが、そうやって数をふやして、国民の支持が得られているから野党の減税要求は一顧だにしないで、予算委員会は強行して採決してもいいと言わんばかりの発想があるとすれば、これは私は間違いだと思うのですが、総理、いかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 大平さんが選挙におきまして一般消費税の提案といいますか、そういうようなことに国民に受け取られまして、その総選挙の結果は、御承知のように全く保革すれすれのところまで落ち込んだわけでございます。その次の昨年の六月の選挙におきましては、わが党は一般消費税についての公約はいたしませんでした。財政再建でありますとかあるいは経済の安定成長の問題でありますとか、そういうような問題を公約の一つに掲げて選挙戦を闘い、国民の御支持を得て安定多数を与えていただいたわけでございます。 さて、そういう経過の上に立ちまして五十六年度の予算の編成に当たったわけでございます。ここで、もうこの最終の段階で繰り返し申し上げる必要もないと思いますが、財政再建は私の内閣にとりましては最優先の課題でございます。この政策課題はぜひ貫きたいということで、臨時国会におきましても、予算委員会等においてもこの点を十分御説明をし、各党の皆さんにも御協力をいただきました。歳出について、また歳入について思い切った見直しをしていきたい、そして公債の発行等も減額していきたい。六十年度から特例公債の償還が始まるということであるから、それまでに特例公債依存という体質を脱却したい、こういうことも御説明をしてまいったところでございます。 そういうような順序を経まして、いよいよ五十六年度の予算編成に当たりまして、私どもは、御承知のように予算の規模も全体で九・九%の伸び、また国債費並びに地方交付税を除きますと四・三%、二十数年ぶりの緊縮予算を編成いたしました。これに当たりましては、臨時国会で御説明を申し上げたとおり、歳出のいま申し上げたようなこともやりましたが、あわせて、足らない場合には現行税制の枠内で国民の皆さんに御協力をいただきたいというお願いの線に沿いまして五十六年度予算の編成ができた、こういうことでございます。 私は、この予算案の御審議を現在いただいておるわけでありますが、去る五日の日に、私どもは最後の終盤における総括質問、これを円滑にぜひ進めたいということで、河野さんの方にも御協力を要請いたしたわけでございますけれども、それが御出席を得られないままにああいうような結果になったということはまことに残念でございます。
○河野委員 私がお伺いをしていることと少しずれ違っておると思うのです。いま総理が一部お認めになったように、つまり増税を国民に理解をしてほしいといって闘った選挙では自民党はうまくいかなかった。つまり国民は……(鈴木内閣総理大臣「一般消費税」と呼ぶ)一般消費税、結構です。少なくとも国民は、増税については、つまりこれ以上の負担については、いまはうんとは言わなかったという事実がある。そしてその後わずか六、七カ月後に、今度は増税のゾの字も言わないで闘ったら、たくさん支持を得た。これはいま総理がお答えになったとおり。そこで、その数を背後に、背中にしょって、一兆四千億という増税を盛り込んだ予算案を自民党だけで可決するということには、つまり国民の感情からいうと、これはどうも問題があるんじゃないかと国民は思っている、そういうふうに私は思っているわけです。 そこで、総理から非常に丁重な御答弁がありましたから、余り細かいことをやりとりできる時間がありませんから、少し急いで申し上げます。 そこで、自民党のああいう強行採決という暴挙があって、その後、議長さんが議長裁定というのを下された。私どもは、議長さんの権威というものはやはり尊重しなければいかぬ。議長裁定というものを受けた。しかし、議長裁定の中にはどうもよく理解できない文言もあるから、この文言はどういうふうに読むんだろうかといってそれぞれ確認をしてみると、まあ議長さんの裁定を解説をすると、予算委員会でもう一回締めくくり総括をやりましょう。討論もやりましょう。採決の確認もやりましょう。その日程は予算委員会の理事会で協議をしなさい。さらに、所得税減税をひとつ考えましょう。つまり、予算修正問題というのは所得税減税という意味ですよ。これは政調、政審担当者であしたから具体的に協議をして、三月中に結論を出しましょう。物価安定のためのものは、前年度に準ずることにいたしましょう。武器輸出については、議運の理事会でひとつ協議をして、国会の意思を確定しましょう。憲法問題に対する閣僚発言というのは、これはやはり陳謝を意味するものですよという、そういう解説を拝聴して、なるほどそういうことかといって、私はいまここで質問に立たせていただいているわけなんです。 そこで、これから今回の質問を始めさしていただくわけですが、総理、この間の選挙が終わってからきょうまでの間に、新自由クラブが総理に何回か質問をした。田川代表の代表質問もそうですし、私自身も質問をさしていただいたのですが、その間のやりとりで不十分な点があるものですから、少し確認をさせていただきたいと思うわけです。 私は、実は昨年の九十三臨時国会の代表質問で総理に、ダブル選挙というものは余りいいやり方じゃなかったんじゃないか、衆議院は全部解散しちゃっている、参議院は半数改選だ、言ってみれば両院の四分の一の人しか残さずに、一カ月間政治的空白をつくってしまう、こういうやり方は、政治的には余りいいやり方とは言えないのじゃありませんかと御質問申し上げたところ、総理の御答弁は、あれは時期的に、内閣不信任案が提出されたその一つの帰結なんだ、政治的にはやむを得ざる結果であったと思っています、こういう総理の御答弁がございました。 私は、総理にまず最初に単刀直入にお伺いをしたいのは、あえて衆参同時選挙ということで、日本の政治に政治的空白を置くということは好ましいことではない、野党の不信任案が出て可決されちゃったからしようがない、やむを得ずやったけれども、御自身の選択ではああいうやり方は本来好ましいやり方でない、この間の本会議の答弁ではそう言っておられるわけですが、もう一度確認さしていただきます。
○鈴木内閣総理大臣 先般の衆参両院同時選挙は、野党の不信任案が成立をした、こういうことに起因するものであることは前に述べたとおりでございます。 今後そういうことをやるのかどうかということにつきましては、私は全然解散などということは考えておりませんから、そういうことに対して、いまの時点でどうこう私の考えを申し上げる立場にございません。
○河野委員 いま解散するかしないかなんて聞いていないのです。つまり、そういう政治的空白をあけるということは好ましいことではないとお考えでございましょうねという確認をしているのです。
○鈴木内閣総理大臣 いま私が申し述べたとおり、衆議院議員の任期は四年間ございます。任期満了までということになれば同時にはならない。いろいろな政治情勢によって変わるわけでございまして、いまどうこうということを申し上げる段階ではない。
○河野委員 田川代表が総理に代表質問でお尋ねをしたときに、総理からの御答弁が漏れている部分がございます。新自由クラブの田川代表は、国税庁の調査によると、企業の中に使途不明金というのが非常に多い、その使途不明金の処理の中に、どうも政治家に対する政治献金などが大分入っているところがあるのではないか、これがやはり政治献金の不明朗化をもたらしているのではないか、こういう質問をしたのですが、総理からは御答弁がいただけませんでした。 それで、実はもう少しきょうは詰めて伺いたいと思うのです。政治資金規正法というのは、受け手側の規制をしているわけですが、これは出す側、政治献金をする側、企業の側のモラルの問題もあると思うのです。最近の、総理も非常に心配をしておられた千葉県知事の問題なんかもそうだと思うのですが、企業サイドの問題もあるわけですから、ここでもう少し企業サイドにスポットライトを当てた政治献金の問題の処理、そういうことを考えるべきじゃないかというふうに私は思うわけです。法務省が商法の改正なんて言って、大分経営の監査というものを強化しなければいかぬということを考えられているようですけれども、私はこの際、もっともっと企業に対してモラル、倫理を求める。ただ倫理観を求めたって、これは求めているだけではだめなんですから、何か方法がないものだろうか。つまり出す側の、たとえば不明金の中身をガラス張りにするとか、そういう方法が必要ではないかというふうに私は思っているわけです。これについては、法務大臣、何か御所見がありますか。
○奥野国務大臣 政治資金の問題につきましては、政治資金規正法で明確にされていくべきものだと思います。同時に、企業の経理につきましてもできる限り明確にしていきますことが、債権者を保護しますとか、いろいろな意味において大事なことだ、こう考えているわけでございます。そういう意味合いにおきまして、会社法の改正について法制審議会からかなり細かい答申をいただいております。この答申の線に忠実に法案を作成いたしましてこの国会にぜひ提出いたしたい、かように考えております。
○河野委員 もし忠実に会社法の改正をおやりになろうとすると、監査役とかそういうものの権限を強化するという方向に行くのだろうと思うのですが、そう考えでいいですか。
○奥野国務大臣 お説のとおりでございまして、そういう権限の強化もかなり詳しく盛り込んでおります。
○河野委員 私は、電電公社のやみ手当と言われるものについて少し伺っておきたいと思うのですが、いま法務大臣は、民間企業の経営のガラス張りといいますか、公正化のために監査役の権限を強化するということを考えて法案をつくっておられるわけですが、電電公社の監事の方、見えていらっしゃいますか。電電公社の監事の方に、ここ一、二年間の電電公社の決算その他どういうふうになっているか、報告をしていただきたいのです。
○田中説明員 お答え申し上げます。 電電公社の決算の監査につきましては、公社法の五十八条に規定がございまして、当局が提出いたします財務諸表につきまして監査報告書を作成し、経営委員会に提出するということになっております。したがいまして、その財務諸表の監査を行うわけでございまして、そのためには、その作成に至りました決算時点における会計処理業務を総体として適正であるかどうかということを確認し、その信憑性を保証するというのが財務諸表の監査でございます。そのため、財務諸表の作成に至りました関係書類を経理当局から提出していただきまして、その書類に基づきまして、いわゆる会計基準の継続性あるいは妥当性を中心といたしまして適正であるかどうかということで、その信憑性を確認するということになっているわけでございまして、今回のような不正経理事態がその過程におきまして発見できませんでしたことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。
○河野委員 電電公社の二人の監事さん、まあ私は監事さんの責任だけを追及するつもりは全くありませんけれども、商法の改正をやって、監査とかそういう人たちの権限も強化するし、責任も重くしていこうという法律を提案しよう、民間にはそういうことをしようというのですから、これは公社公団の監事さんがもうちょっとしっかりして、不正支出みたいなものがちゃんと発見できて、しかもそういうものはチェックできるのでなければならぬと私は思うのです。少なくともこれだけ国民に大幅な税負担を求めるという以上、公社公団はもうちょっと姿勢を正してもらわなければいかぬと私は思うのです。これは監事さん、会計検査院から指摘をされるまでわからなかったなんていうことじゃ、何のために監事がいるかわからないじゃないですか。しかもそれは、ほんのちょっと、去年、おととしだけあったという話じゃない。長い間にわたってそういうことがあった。これはそのままというわけにいかないんじゃないですか。もう一回答弁してください。
○田中説明員 お答えします。 先ほど申し上げましたとおり、財務諸表についての監査を行っているわけでございます。今回問題が起こりましたのは、基準内外の流用の問題でございます、大きな問題になりますと。あそこに予算総則の問題と決算書の方は、私の方は監査報告書でございまして、決算書に上がったその時点につきましては、五項目ほどございますが、その点につきましては大体経営委員会に重要事項としてかかっている。ただ、あの問題になりました点だけが、当然あの問題につきましては流用があると上がってくるもの、その経営委員会の議決事項につきましてはわれわれは十分見ているわけでございますが、その他につきましては財務諸表について見ているというのが実態でございます。
○河野委員 非常勤で、決算のときだけ出てきて財務諸表を見るという監事とあなた違うのじゃないですか。常勤をしておられて、電電公社の経営全体について見ようと思えば見るだけの時間的余裕、権限、そういうものをお持ちじゃありませんか。——ちょっと待ってください。財務諸表を見るのが私の仕事ですから、こういうことならわかりませんと言うのじゃ、それじゃ監事は勤まらないと私は思いますね。じゃ、だれがこのやみ手当の問題をチェックするんですか。幸か不幸か内部告発があった、あるいはだれかからいろいろたれ込みがあった。そこで法務省がどこかが動き出した。それであわてて監事がどうしましょうと言うのじゃ、これは何のために監事がいるかわからないじゃないですか。これは冗談じゃないですよ。 先ほど法務大臣から御答弁もいただいたけれども、刑事局長おられますか。近畿電電その他捜査をしておられるようですけれども、その後のことはここで報告できませんか。
○前田(宏)政府委員 お尋ねの事件は、御案内のとおり会計検査院の検査報告がございまして、それを資料にされたかと思いますが、全電通の分会あるいは弁護士の方々から告発があったわけでございます。本年一月から大阪地検を中心にいたしまして捜査をしているわけでございますが、まだこの段階では具体的なことを申し上げるような状態になっておりません。(河野委員「引き続き捜査をしているという意味ですね」と呼ぶ)現に捜査を進めております。
○河野委員 これは理由のいかんを問わず、法的根拠のないものをやっている。こういうものを政府はお認めになるのですか。三月いっぱいにこれらについての支出を認めるとか認めないとかということが新聞で報道されていますけれども、こういうことは郵政大臣お認めになりますか。こういうことを認めておいて、そして大蔵大臣、総理大臣は、国民には増税を強いる。これはちょっとおかしくありませんか。ちょっと順次お答えいただきたい。
○山内国務大臣 電電公社の給与、手当等これらの問題は、労使いろいろ話し合いをされまして、協定を結んでこれは支給されているものでございます。しかし、何でもできるというようなことではございません。おのずから制限がございまして、予算の範囲内であること、さらには電電公社法によって給与の規定もございますので、その範囲内でおやりになっていることである。その点については、それで私はそのとおりやればいいと思っております。
○河野委員 郵政大臣、まあ少しかばったような答弁をなさるけれども、本当は郵政大臣も怒らにゃいかぬと思いますよ。これは明らかに基準外じゃありませんか。そういうことを労使が話し合って何でも——何でもやるとおっしゃらぬけれども、こういうことは労使が話し合ってやっているのですなどと言うのじゃ、これは納税者が怒るのはあたりまえじゃありませんか。これはもう少し毅然とした態度で臨んでもらわなくちゃ困ると思うのですね。これはかつて、たとえば鉄建公団とかその他いろいろな問題があったのです。それらは一つずつ、これはあれは違いますよ。周辺の環境は違うけれども、いずれにしても流用したものだ。そういう意味では、各役所ともに相当毅然とした態度をとっている。それなのに、ちょっと郵政省——ちょっと待ってください、大臣。私は持ち時間が余りないから、余りしゃべられると困るんだ。これは郵政省はそんななまぬるい態度でこの問題に対処されちゃ困る。困るということを申し上げておきます。私は答弁要りません。 それで……(山内国務大臣「ちょっと御説明申し上げますが……」と呼ぶ)いや私、持ち時間があるんですから。そちら側は持ち時間制限なしにべらべら——委員長、ちょっとこれはやめてください。困るよ、これ。(発言する者あり)
○小山委員長 山内君。
○河野委員 私は理事会で一定の時間しか与えられていないんだから、ぼくは要らないと言っているんだからやめてもらいたい。
○小山委員長 山内君、簡単に願います。簡単に。
○河野委員 それなら持ち時間の外にしてくださいよ。持ち時間の外にしてください。
○山内国務大臣 いま会計検査の指摘のございました基準外とかなんとかというのは、これは会計検査の指摘の問題でございまして、予算を流用して支出をしている、これはもう不当なことでございまして、われわれはこれはもうきちんと整理してもらわないといけない。(河野委員「それは不当なことは認めますね」と呼ぶ)ええ、それは。いまお話ございましたのは、ことしの三月に払うであろうという手当の問題というふうに私は聞いて答弁をしたのでございまして、その点は予算の範囲内であり、電電公社法の規定に沿ってやっているものである、こういうことを認めているということでございます。
○河野委員 ちょっと、いまの大臣の答弁は私は全く納得がいかないです。しかし、まあとにかく時間がありますから、考えていることだけは言わしてもらいたいと思うので、少し先へ残念ながら行きます。 国連大学の問題、ひとつ手短に御答弁をいただきたいのですが、私は国連大学を日本に誘致したというのは非常に意義があると思っているんです。せっかく誘致した国連大学ですから、ぜひこれはうまく育てていく必要がある。誘致だけしておいて、後はもう産みっ放しで、コインロッカーか何かに入れているようなかっこうで渋谷駅のそばにほうってあるなんというのはよくない。これはぜひ育てていただきたい。各国が、とりわけアメリカがちっともお金を出さないから日本ももう出さないんだ。まあ日本はずいぶん出しましたけれどもね。だけれども、これは外務大臣、アメリカが出せないときには日本が出すというのは大事なことじゃありませんか。アメリカができないんだから、アメリカがあっぷあっぷしてできないなら、その分は日本がもっと思い切って出してあげましょうというぐらいのことをやらないと、国連に対する協力にならないですよ。ちょっと出して、よそを見て、アメリカもどこも出さないからもううちはやめた。やめられれば国連大学はもう全部中途半端です。これじゃ、国連大学をせっかく日本に誘致してスタートしても成果が上がらない。ですから、これはアメリカがなんて言わないで、日本はやっぱり日本の能力に応じて、日本がどれだけ国連にあるいは世界に協力をするかという日本の決意でこれは協力する必要があると思うのです。 さてそこで、国連と日本との間の約束では、日本は首都圏に、東京メトロポリタンエリアに国連大学の本部施設をつくりましょう、その施設設備は日本が持ちましょう、こう言っているわけですね。こう言って誘致して、もうかれこれ七、八年たちます。何にもできていない。まだ土地も手当てができていない。どのくらいの土地の手当てがあるかと言えば、正直言って東京首都圏には、東京二十三区内にはちょっともう見つからないんじゃないですか、資金的な問題とかスペースの問題とか。そうすると、少し首都圏を外れても、筑波学園都市どうでしょうか、どこどうでしょうかという話になるらしいんだけれども、私はもう時間がありませんからやめますが、思い切って国連大学の本部は広島へ持っていきませんか、広島へ。広島は国際都市として、これから日本にとって非常に大事な都市だと私は思いますね。国際社会に日本が平和をアピールするためには、広島というものは非常に大事だ。だから、国連と少し相談をするときに、東京メトロポリタンエリアという約束だったけれども、それはちょっと無理だ、日本のどこかということで交渉し直して、東京以外のところでも本部が建てられるようなスペースがあれば、それは積極的にどんどんやっていくというふうにお考えにならないかということを外務大臣……。
○伊東国務大臣 お答え申し上げます。 国連大学の憲章で首都圏とこうなっているものですから、河野さんおっしゃるようにするには憲章直しからやらなければならぬわけでございます。それでいま文部省で、首都圏で探しておられるというのが現実でございますので、憲章まで直すということはこれはなかなか大変だなと思います、いま伺っておりましたが。いま文部省で、いまの憲章のもとで探すということをやっております。 それからお金の点でございますが、河野さん御承知のように、日本は一億ドル約束しまして九千万ドル出しております。ことし百万ドル、来年も百万ドル。一億ドルへ近づけますが、これは国連の機関でございまして、日本以外で約三億ドル出すということで、それが四千百万ドルぐらいしか出ていないわけでございまして、やはり国際連合の機関、国際的なものだということであれば、もう少し日本以外の国も出してもらいたいなと。そうでないと、なかなか大蔵大臣うんと言わぬだろうと私は思うわけでございます。ただ、もっと大学に真剣に取り組めという御意見はよくわかります。
○河野委員 最後に、一問だけお許しをいただきたいと思います。 国連大学、ひとつせっかく御努力をいただきたいと思うのです。日本から国連に対して出した返事に首都圏、こう書いて日本が答えた部分ですから、これはネゴシエーションが可能だと思うものですから御研究をいただきたいということでございます。 私は、実は校内暴力事件について少し文部大臣、厚生大臣の御意見を伺いたかったのですが、もう時間ですから申し上げてやめますが、校内暴力で一番のポイントは家庭のしつけだと思います。家庭教育だと思うのです。とりわけ、家庭教育といっても乳幼児、赤ちゃんのときの教育が一番大事なんです。つまり三つ子の魂百までと言うのですから。ところが、赤ちゃんの教育というのは、文部省もほとんど手が出ない。母親学級なんて言っているけれども、たかだか全部延べでやったって二万人か三万人しかできない。ところが、赤ちゃんを抱えておるお母さんは三百万人以上いるわけですから、文部省の母親学級じゃ本当に焼け石に水、だめですね。 そうなると、赤ちゃんに非常に近い距離にいるのは厚生省なんです。ところが厚生省は、どういうわけか、赤ちゃんに対しては身長と体重にしか興味がないみたいですね。もう少し赤ちゃんの頭とか心に厚生省がイニシアチブをとっていいのではないか。教育は文部省だからなんて遠慮なさらないでおやりになったらいかがでしょうか。 幼保一元化とかいろいろなことで、厚生省と文部省はいろいろ境目がややこしいようですけれども、しかし、その境目が結局青少年のいろいろな問題を惹起しておると考えますので、私は、厚生省、文部省はもっと役所間のなわ張りを捨てて赤ちゃんの、つまり三つ子の魂百までという乳幼児教育は——私は、何でもかんでも役所が介入すればいいとは思いませんよ。だけれども、乳幼児教育が非常に重要なんだということを意識した施策というものをぜひお考えいただきたい。厚生大臣の御答弁だけ伺って終わりにします。
○園田国務大臣 子供の教育の問題は学校で教えることとそれからしつけ、このしつけが非常に重要になってきました。しかし、社会の変革によって家庭のしつけというものが非常に変わってまいりまして、母親だけではできなくなってきて、社会全体の仕事になってきている。社会全体の仕事ということは、政府と母親が一体になってやるべきだ、こう考えると、私の所管している保育所、これが単に子供の健康を預かる預かり場所だ、こういう意味から抜け出ること、気軽に預けられること、それからもう一つは、しつけというものをもっと大事にする、同時に、預けに来る、帰る母親と一緒に子供のしつけについて話し合う、こういう使命を持ってきたと思います。 そうなると、具体的に言うと幼稚園と保育所が、両方で十年近くいろいろやっておりますが、なかなか両方の言い分があるようであります。歴史が違う、立場が違う、使命が違う。そういうことは抜きにして一元化、一体になるか、あるいは縦につなぐか。何にしても私はこれをつなげていかなければならぬ、こういうことは御意見と全く同じでございます。
○河野委員 終わります —————————————
○小山委員長 この際、野坂浩賢君、坂井弘一君、林保夫君、三浦久君、河野洋平君から発言を求められておりますので、順次これを許します。野坂浩賢君。
○野坂委員 私は、日本社会党を代表して、政府提案の五十六年度一般会計予算、同特別会計予算及び同政府関係機関予算に反対する討論を行いたいと思うのであります。 総理は、さきの施政方針演説の中でも、政治に取り組む基本的な理念として和の政治を説き、真心をもって事に当たり、話し合って事を決すると言いながら、事が起これば及び腰、理を論ずれば詭弁を弄して逃げるなど、これまでの委員会審議を通じて明らかにされた数々の言行不一致は、まことに残念でならないのであります。特に五日夕刻、自民党一党で単独強行採決を行ったことは、民主政治の根幹にかかわる問題であり、きわめて遺憾と思うのであります。鈴木内閣の和の政治の実体を見た感を深くするのであります。 わが党が追及した竹田統幕議長の発言内容は、それが二十六万自衛隊員のトップである点においてまことに重要な意味を持っていたのでありますが、政府は、事実上これを黙認しようとしたのであります。 また、現閣僚でありながら昨年の夏以来改憲論を叫び続けてやまなかった奥野法務大臣は、ただいま本委員会において鈴木内閣の方針に沿う旨の発言があったにもせよ、これを不問に付して改憲論議の高まりを期待しているのではないかとの疑念さえ感ずるのであります。 さらには武器輸出問題に対しても、財界の要請に屈して禁止法の制定に踏み切ろうとしない姿勢は、平和と民主主義の現行憲法は改正せず、武器輸出三原則は堅持するという総理の言葉と全く相反する態度であり、このぬえ的な総理の姿勢こそまず糾弾されるべきものであります。 次に、予算の内容についてでありますが、わが党が重大な関心を抱いているのは防衛費の増大であります。軍事費というものは、一度歯どめがきかなくなるととめどもなく膨張していく性格を持っておりますことは、わが国の過去の苦い経験にかんがみても明らかであります。ことに今日のように日進月歩の技術の世の中にあっては、少しでも新しいもの、性能のすぐれたものが要求され、しかも価格は年とともに著しく上昇してまいるのであります。E2Cの価格は、五十四年から五十六年までのわずか二カ年の間に四三%も値上がりし、いまや一機百二十三億円であります。こうなると、GNP一%以内という政府の方針も、遠からず破られるのではないかとの危惧の念が浮上してくるのは当然と言わなければなりません。 政府は、防衛費の伸びが社会保障費の伸びを上回ったことについてのわれわれの追及に対して、額が違うと弁解しているのでありますが、わが党は、この上回ったという事実にこそ大きな意味が存すると見ており、五十七年度以降は両者の差がさらに拡大していくことを憂慮しておるところであります。よって、わが党は、このような軍事増強予算に対して断固反対したいと思うのであります。 第二に、財政再建元年をスタートさせると称して、数々の無理やこじつけが行われていることであります。 その最も著しい例は、公務員の給与改善費であります。給与改善費は、御承知のように昭和五十三年度まで毎年五%を計上していたのでありますが、五十四年度二・五%、五十五年度二%と下げてきて、五十六年度は一%しか計上しておりません。ことしも、諸般の情勢から人事院勧告が出されるのは当然であり、一%でおさまるはずはないのであります。最初から補正予算を当てにするがごときは不謹慎であると言わなければなりませんが、これも一般会計の伸び率を一けた台に抑え込むための苦肉の策と思われるのであります。渡辺大蔵大臣は、給与改善費を全然計上しない方がよかったかもしれないが、野党からの要請もあって計上した旨の答弁をしておりますが、きわめて不遜な態度と言わざるを得ません。 また、各委員から指摘されたような住宅金融公庫に対する利差補給金の方法、電電公社からの納付金と財投資金の投入などは公債発行に等しいものであり、公債二兆円減額予算は実は国民を欺くものであると厳しく指摘するものであります。 次に、社会保障、福祉の切り捨てが行われている点であります。 ただいま申し述べましたように、防衛費の大幅増加のため、社会保障関係費の予算の伸びは六・七%にすぎず、内容の向上どころか、福祉の実質的切り下げが行われることになったのであります。なかんずく問題の点は、老齢福祉年金に収入により差を設けたり、児童手当について所得制限を強化している点であります。 児童手当は、わが国の次の世代を担う子供を養育することであり、わが国の人口政策にかかわるべき重要な問題であります。しかるに、本予算においては、財政再建に名をかりて所得制限を強化する等、相変わらずの財政主導型予算編成を浮き彫りにするものであり、断じて容認することはできません。ヨーロッパその他の先進国では、すでに五十七カ国が第一子から児童手当を出しているのであります。わが国も当然同様の措置を講じなければならないにもかかわらず、木を見て森を見ぬ愚を改めようとしないのはまことに残念であります。私は、この問題に対して、園田厚生大臣の、出生率の低下というのは民族の力が弱まったということでありますとの明快な答弁に期待し、日本民族の活力を将来に維持するため、思い切った政策の転換を求めるのであります。 文教予算について申し上げますと、政府は、予算編成の当初から、義務教育は無償と定めた憲法に違反して教科書の有償化を図ろうとしたのであります。さすがに自民党内の良識派の強い反発もあって、どれを撤回し、そのかわりとして、公立文教施設費を同額削減するという暴挙を行ったのであります。これは老朽校舎やプレハブ校舎でふるえている多くの児童のささやかな願いを踏みにじるものでありまして、全く許しがたい態度であると言わなければなりません。 物価問題については、昨年、わが党は、政府の消費者物価見通し六・四%は達成困難であるので、公共料金の引き上げは見合わすべきであると忠告したにもかかわらず、政府はこれを受け入れず、各種の公共料金の値上げを行い、特に、電力、ガス料金については、きわめて甘い査定をして大幅な値上げを認めたため、工業製品等の価格高騰を招き、二重、三重に庶民の家計を圧迫することとなったのであります。 また、昨年の夏からの物価動向にかんがみ、政府・与党に約束の五百億円の物価対策費を早急に使用して万全の策を講ずるよう強く迫ったのでありますが、冷夏による影響がおさまれば物価は鎮静するとして、わずかな支出をしたのみで適切な対応を怠っているのであります。しかも、いまや八%に迫っている物価上昇についても、政府は相変わらず原油代金の値上がりや異常気象のせいにしていることは責任回避もはなはだしいと強く糾弾するのであります。 このようにして、国民の生活は異常な状態にあるのであります。この苦しさとまた国民の期待にこたえるためには、何としても国民の全体の声であり野党全体の要求である所得税の減税を推し進めることが何よりも急務であり、緊急の姿であろうと思うのであります。 私は、以上の点を指摘をして、政府三案に反対し、討論を終わりたいと思うのであります。(拍手)
○小山委員長 坂井弘一君。
○坂井委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和五十六年度予算三案に反対の討論を行います。 まず私は、本予算委員会において五十六年度予算案を強行採決した政府・自民党の暴挙を糾弾せざるを得ません。議長裁定によって国会は正常化されたというものの、政府・自民党が議会制民主主義のルールを踏みにじり、本予算案の強行採決という議会史上まれに見る汚点をしるした事実は消えるものではありません。再びこのような事態を引き起こさないよう、政府・自民党に反省を促すものであります。 議長裁定によって合意された所得税減税の実施等につき速やかに措置をとるよう要求し、以下、昭和五十六年度予算案に反対する理由を申し上げます。 反対する第一の理由は、昭和五十六年度予算案に明確にされた増税再建路線であります。 政府は、昭和五十六年度を財政再建元年と称しております。そしてその根拠として、赤字公債発行額を五十五年度より二兆円減額したことを盛んに宣伝しております。しかし、この赤字公債二兆円の減額は、一兆三千九百六十億円に上る史上最大の大増税と四年連続の所得税課税最低限据え置きによる見えざる増税を引き当てようとしているのであります。大蔵省が国会へ提出した「財政の中期展望」は、この増税再建路線を一層あらわにしているのであります。第二は、所得税減税の実施が確約されたものの、われわれの要求には及ばず、依然として実質増税を国民に押しつけている点であります。 実質増税の中で、とりわけサラリーマンの税負担の増加は見過ごしにできない状況になっております。つまり、給与所得者の納税人員が著しくふえるとともに、五十二年度から五十六年度までの一人当たり給与額は二六・五%の伸び率にとどまっているのに対し、一人当たり課税額は五五・九%にはね上がっているのであります。 政府予算案に反対する第三の理由は、政府予算案が公共料金の軒並み値上げを強行しようとしている点であります。 政府予算案では、消費者米麦価、国鉄運賃、国立学校入学料及び検定料、郵便料金、塩など、公共料金の軒並み値上げを予定しています。これらの公共料金値上げは、五十六年度の消費者物価見通し五・五%の達成を不可能にすることは必至であります。われわれは、物価値上げの予算を認めることはできません。 反対する第四は、政府予算案が福祉後退を企図しているからであります。 社会保障関係費の一般会計構成比は、毎年低下を続けております。それにも増して、児童手当制度の所得制限の強化、老齢福祉年金の実質所得制限の強化と物価上昇に満たない年金額の引き上げは、福祉後退の実態を覆い隠すことはできません。われわれは、児童手当制度の所得制限の据え置き、老齢福祉年金の一律二万五千円への引き上げを強く要求するものであります。さらに、倒産の危機に見舞われている中小企業に対する対策はきわめて不十分、また、中高年齢者の雇用対策も見るべき具体策が講じられていないのは、中高年齢者の雇用不安に目をつむるものと言わざるを得ません。 以上申し述べ、昭和五十六年度政府予算三案に反対する討論を終わります。(拍手)
○小山委員長 林保夫君。
○林(保)委員 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和五十六年度一般会計予算、同特別会計予算及び同政府関係機関予算に対しまして、一括して反対の討論を行います。 昭和五十六年度予算編成の最大の焦点は、財政再建をいかなる方法で進めるか、行財政改革をいかに徹底して断行するか、さらには、生活不安解消を図る立場から所得税減税を実現するのかどうかなどであります。この見地から、わが党は、来年度予算においては、行財政改革の断行と不公正税制の是正、大企業の法人税率の引き上げなどにより、大衆増税によらない財政再建予算を編成するとともに、所得税減税の実行などを強く主張し、本予算委員会においてもそのための具体的な提案を行ってきたところであります。 しかるに、政府の昭和五十六年度予算案は、肝心の行財政改革をないがしろにし、国際の二兆円減額をわが国経済並びに国民生活全般に多大な悪影響を及ぼす大幅増税で賄おうとする大衆増税予算と断ぜざるを得ません。また、公共料金の軒並み値上げや福祉の実質的後退を図るなど、財政再建の美名のもとには国民生活を犠牲にすることをも辞さないとの方針を明確に打ち出しているのであります。このように、いまや国民的課題ともなっている行財政改革の断行、不公正税制の是正を積極的に行わないままに、大衆増税の実施があるいは福祉の大幅後退かという単純な二者択一の選択しかあり得ないかのような主張を繰り返し続ける政府の態度は、国民の意思を全く無視したものであり、われわれのとうてい容認できるものではありません。 また、わが国経済は、一昨年末の第二次石油ショックを実質賃金の低下に見られるような勤労者の犠牲のもとに辛うじて乗り切ってきたわけでありますが、昨年一年間の平均実質賃金は対前年比〇・九%城となり、戦後統計史上初めての賃金目減りという異常な事態に立ち至ったのであります。現在の景気のかげりは、まさにこの実質賃金の減少による個人消費の低迷がもたらしたものにほかなりません。 政府が、五十五年度の消費者物価上昇率六・四%という公約を守れなかったという重大な失政に対し、その責任を痛感されるならば、この際、五十三年度以降据え置かれたままになっている基礎控除、配偶者控除、扶養者控除などの引き上げ、並びに給与所得控除の引き上げによる大幅な所得税減税を実施すべきであります。 しかるに、これまでの予算審議の過程では、所得税減税に対する国民の切実な要求にこたえることなく、そり要求をことごとく無視し、さらには、減税要求を盛り込んだ野党の予算修正要求に対して何らの誠意ある態度も示さないままに、予算委員会における採決を自民党単独で強行したことは、まさに健全な議会制民主主義の発展を踏みにじる暴挙と言わなければなりません。政府・自民党に対し厳しい反省を求めたいのであります。幸い、昨日、所得税減税の実現に一歩踏み出した議長裁定案が出されましたが、政府はこれを誠実に間違いなく履行することを強く求め、私の反対討論を終わります。(拍手)
○小山委員長 三浦久君。
○三浦(久)委員 私は、日本共産党を代表し、昭和五十六年度予算三案に反対の討論を行うものでありますが、初めに、去る三月五日、自由民主党が単独で予算三案を強行採決したことについて触れたいと思います。一予算修正をめぐり各党で協議中に一方的に質疑を打ち切り、一党で強行採決をしたことは、戦後全く前例を見ない暴挙であり、議会制民主主義の乱暴なじゅうりんであって、絶対に容認することができません。わが党は、軍事予算の削減、六千億に及ぶ所得減税、社会福祉、教育予算の増額等を含む予算組み替え動議を提出する予定でありましたけれども、自由民主党のこの暴挙によってその機会が奪われたことはきわめて遺憾であります。今後かかる行為を繰り返さないように強く要求をしておきたいと思います。 さて、本論に入りますが、わが党が予算案に反対をする第一の理由は、政府予算が、軍事費を削り、暮らしと福祉、教育の充実をと求める国民世論に背を向け、憲法違反の軍事費を急増したことであります。アメリカ政府の圧力と日本の軍需産業の要求のもとに、アメリカの核軍拡の一翼を担う危険な軍事費は、予算編成の最初から別枠とされ、ついに福祉予算の伸び率を追い抜きました。しかも、新規軍備発注の大部分は後年度負担方式をとっており、これによって五十七年度以降の軍事費は二けた台の伸びを決定づけられ、今後も長年にわたって国民生活を圧迫する要因となっているのであります。 反対理由の第二は、大企業、大資産家優遇の不公正税制を温存する一方で、一兆四千億円にも上る史上最高の増税を国民に押しつけ、所得税減税の四年間連続見送りによる実質的な大増税、その上、五十七年度には課税ベースの広い間接税、すなわち装いを変えた一般消費税の導入を策し、減税を求める国民の要求にこたえようとしていないことであります。 反対の第三の理由は、国民にとって最も切実な福祉と教育費の露骨な切り捨てに着手したことであります。 老齢福祉年金は所得格差制度が導入をされ、児童手当も支給額据え置きと所得制限の強化が行われました。さらに政府は、老人医療費の有料化と失対事業の打ち切りもたくらんでいます。国際障害者年を迎え、立ちおくれた障害者対策の強化を求める国民の声にも、耳を傾けようとはしておりません。 子供たちの教育環境をよくして非行をなくしたい、落ちこぼれをなくしたいという父母と教師の願いに対する政府の回答は、高校建設費を初めとする教育施設費の大幅切り下げでありました。 以上指摘いたしましたように、昭和五十六年度予算案は、自民党の幹部ですら、今回の予算はやらずぶったくりの予算だから胸の痛みを覚えると言わざるを得ないほどに、徹頭徹尾反国民的な予算であり、断じて認められるものではありません。 日本共産党は、国民の生活と民主主義、平和を守るため一貫して闘い抜いてきた党として、本予算案に断固として反対の立場を表明するとともに、今後も軍事費を削減し、福祉、教育の充実をと願う国民とともに闘うことを明らかにして、私の討論を終わります。(拍手)
○小山委員長 河野洋平君。
○河野委員 私は、新自由クラブを代表して、議題となりました昭和五十六年度一般会計予算その他三案に対し、反対の討論を行いたいと思います。 私たちが政府案に反対する理由の第一は、政府が来年度を財政再建元年にすると言いながら、最優先すべき徹底的な行政改革と補助金の大幅な整理統合による歳出の合理化を怠り、歳入についても、不公正税制の是正など十分に行うことなく、財源確保の方途を安易な増税の路線へとその第一歩を踏み出したためであります。 新自由クラブは、昨年の予算編成作業開始のとき以来、一貫して行財政改革による歳出の削減を主張し、九月末には行政改革に関する四党合意として具体的な提言を政府に行ってまいりました。その後も、二度にわたる予算編成への提言の中で、抜本的な歳出構造の改革を求めたのであります。それはひとえに、今日の国家財政の窮迫に際し、国民の要求は増税よりもまず行政改革を先行させよという一点にあり、みずからの体質にメスを加えることなく納税者にのみ負担を強いるのであれば、やがては納税者の納税拒否運動さえも惹起しかねないと憂慮したからであります。ところが、ついに政府は歳出の構造改革に手をつけなかったばかりか、私たちの要求についても無視の態度をとり続けました。官僚の抵抗の前に国民の要求を放棄した、まさに政治は不在と言うほかはないのであります。 さらに私たちは、物価の異常な高騰による実質賃金の目減りが、勤労者を初めとする国民の家計を著しく圧迫している実情にかんがみ、所得税減税の必要性を説き、政府の決断を求めたのであります。サラリーマンを中心に減税を求める声は目に日に高まったにもかかわらず、政府・自民党はこれを無視し、それどころか、去る五日には、自民党単独で本委員会における採決を強行するというまれに見る暴挙を行ったわけであります。 総選挙の際には増税路線をひた隠しに隠し、多数をとると一転して数を頼りに増税予算を強行採決する政治の手法は、国民を欺くきわめて悪い政治というほか言いようがありません。 今日の社会において、公正の確保は最も優先されるべき課題であります。しかし、政府・自民党は、この時代的要請に目を向けることなく、不公正税制の是正への取り組みも十分ではありません。私たちは、さきの議長裁定に沿い、今後とも実質的な所得税減税の実施を迫っていく所存でありますが、政府の誠実な対応を求めたいと思います。 以上述べました点からも明らかなとおり、来年度予算案の編成並びに国会審議に対する政府・自民党の取り組みは、多数によるおごりに満ち満ちたものであります。主要閣僚による憲法改正に関するたび重なる発言や、武器の輸出に関するなまぬるい政府の対応策などにも、その弊害は顕著であります。 私は、最後に、鈴木内閣のこうした民を恐れぬ政治が間違いなく国民から痛烈な批判を浴びるであろうことを警告して、反対討論を終わります。(拍手)
○小山委員長 これに七発言は終了いたしました。 この際、念のため確認をいたします。 昭和五十六年度予算三件に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小山委員長 起立多数。よって、賛成多数で可決されたことが明確になりました。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 去る一月三十日に総予算の審査を開始して以来、終始真剣な論議を重ね、審査を終了するに至りました。 連日審査に精励されました委員各位の御労苦に対し深く敬意を表し、ごあいさつといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十分散会