予算委員会 第16号
- 発言数
- 334 件
- 登壇者
- 54 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/02/24
会議録
○小山委員長 これより会議を開きます。 昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算、昭和五十六年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題とし、一般質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田耻目君。
○山田(耻)委員 きょうは、最初に大蔵大臣に、昨年の国会で所得税法を改正して五十九年一月からグリーンカードを実施するようにいたしたわけでありますが、そのことにつきまして若干お尋ねをしたいのです。 最近になりまして、政界、財界、経済界から見直し論が台頭いたしておるようであります。そもそもこのグリーンカード制実施の問題につきましては、この委員会でも終始議論されておりました不公正税制の是正、その中核として利子所得の総合課税をする制度として取り上げられたものでございまして、昨年来、大蔵大臣なり大蔵委員会で議論を深めてきた結果の所産でございますが、この問題について、昨今の見直し論に対して大蔵大臣はどのようにその実態を把握なさっているのか、またどのように対処なさってきたのか、その経過と実態をお聞きしたいのであります。
○渡辺国務大臣 グリーンカード制度ができたいきさつは、ただいま山田委員が御指摘のとおりでありまして、分離課税では高額所得者が得をするではないか、したがってそれは利子配当といえども総合課税にすべきだ、総合課税にするといっても、これはなかなか実際押さえようがない、そのためにメリット、デメリット両方あるかもしれないが、総合課税にするという前提に立てば、これはやはりグリーンカードで統一をして、その人が幾ら利息をもらったかということを把握しなければしようがない、そこからできたものでございますから、われわれとしては見直し論というものに耳をかすことはいまできないわけであります。また、私のところへもそういうことを言ってきている人はございません。
○山田(耻)委員 見直し論が出ておることはお認めでございますが、この法律を制定してきた経緯を踏まえて一顧だにしないという御返事のようでございまして、当時この法律をつくった責任者の一人として私も賛意を表します。 そういたしますと、法に定めるとおり、昭和五十九年一月から実施をなさるということについては、方針はいささかの変更もございませんね。その点改めて聞きます。
○渡辺国務大臣 方針はいささかも変更ございません。
○山田(耻)委員 わかりました。いろいろと内部事情も大変だと思いますが、不公平税制を是正するという国民合意の基本でございますから、いささかも内部の事情にかまけることなく、従前の法律制定どおりの実施をお願いしておきたいと思います。 引き続いて、いよいよ高齢化社会の窓口に立ちまして、昨日も民社党の米沢委員の方から大分御質疑がございましたが、政府の年金政策のあり方、時代に即応できる体制を整えているのかどうか、こうした点について数点お伺いいたしたいと思います。 御存じのように、現在のわが国年金制度は、大きく分けまして八つのグループになっています。しかし、地方自治体や民間団体を加えていますと、二十七のグループに分かれています。この二十七の年金グループは、それぞれ皆所管庁が異なっておりまして、その年金グループの事情もいろいろあろうかと思います。成熟度がずっと迫ってきているところとそうでないところ、それぞれ分かれておりますが、総体的に見て、年金の経営は苦しくなっておるように見受けられます。 お見えになっております大蔵大臣にしても通産大臣にしても、あるいは自治大臣、運輸大臣、総理府総務長官にしても、それぞれ同様のお感じをお持ちではないかと思いますが、それぞれの見通し、安定度について、ひとつ見解をお述べいただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 地方公務員の共済制度については、御承知のとおりに、十六くらいの共済組合連合体を組織してやっているわけでございます。府県職員、教員、警察、それから市町村、それからある市だけは別になりましてやっており、それから政令都市、そういうことに分かれてやっております。 そこで、強さの点から申しますと、いろいろ差があると思います。特にある特定都市の組合になりますと、やはり問題のある組合もございます。当面は何とか賄っていけるといたしましても、将来にわたって考えます場合にやはりいまの形でいいのかどうかという点については問題もあると思うのでございます。したがいまして、将来の課題といたしまして、これを一本化するなり、あるいはさらに統合を促進するというようなことも必要だろうと考えております。めいめいの団体の従来の経緯もございますので、早急にはむずかしいと思いますけれども、方向といたしましては、これを全部だんだんと統合いたしまして強化を図っていかなくちゃならぬ、かように考えておる次第でございます。
○渡辺国務大臣 国家公務員共済組合も全く同様な状態にございます。
○塩川国務大臣 運輸省といたしましては、一番問題は国鉄でございまして、御承知のように国鉄は職員の成熟度が非常に高い、したがって年金の成熟度が非常に高いのでございます。他の三公社の関係あるいは政府関係機関の実情を見ましても非常に成熟度が高いというところに悩みがございます。したがいまして、これが国鉄にも大きい財政的な負担を負わしておるという事実がございまして、早急に国鉄年金の改善を図っていかなければならぬ。特に現在、国鉄再建に向けてわれわれ努力しておる最中でございますが、この年金問題も並行して解決を図らなければならないと思っております。
○園田国務大臣 厚生年金も同じでありますが、御発言の中の八つの公的年金、これが各省でやっておりますので官民格差がだんだん開いてくる、そして理論としては一元化すべきでありながら、実際は一元化の方向に行かない。そこで、これをどうやってどこが責任者になってまとめていくか、これを考えなければならぬ段階だと考えております。 昨日の質問でも出たわけでありますが、率直に言って、山田先生御承知のとおりに、この調整のために閣僚懇談会が設けられておりますが、官房長官がおやりになる閣僚懇談会というのは、各省の意見が合わない場合にこれを調整するということが主体であって、とうてい官房長官の方で、こういう複雑な、しかも一元化の方向へ逐次混乱なしにだんだんまとめていくなどということは困難だと思います。そうすると厚生大臣の方で、これを責任者となって各省と連絡してやるか、総務長官ということもありますが、総務長官もいまのままの機構ではなかなかそれを引き受けるのは困難じゃないか。いずれにしても、これは関係大臣、特に総務長官と私が相談をして御発言の考えられる趣旨に従い努力をすべき問題であると考えております。
○中山国務大臣 お答えいたします。 いま各省大臣お話しのように、それぞれの年金のシステムにつきましては歴史もございますし、構成のシステム自身もそれぞれ特徴がございます。そういうことで、厚生大臣の御答弁のように、一挙に一元化するということは事実上非常にむずかしい。しかし、総理府が持っております老人対策室等で、先日来御質問のございました高齢化社会を迎えるに当たって年金をどう考えるかという問題につきましては、国民全体の大きな問題でございますので、年金の支給の時期あるいはまた御論議をいただいているような定年の時期、そういうものとの調整あるいは各省との格差の是正、こういう問題については、今後厚生大臣とも十分相談して努力してまいりたい、このように考えております。
○山田(耻)委員 それぞれ所管なさっておる各省大臣の方々から、年金のそれぞれの単位団体は、わしのところは安定しておるというふうな御答弁はございませんで、私が申し上げておる趣旨にほぼ御賛同のようでございまして、これらについての処置をこれからどうするのか、こういうことをお互いにお感じになっておられるようでございます。 そこで私は、運輸大臣に重ねてお伺いするのですが、きのうこの委員会で民社党の米沢委員から、運輸大臣の所管なさっておる国鉄共済、これはもう二、三年したら危機的状態になってパンクするということが言われておりました。私も、長年大蔵でそのことの実態はよく承知をしております。現実にこの九十四国会で年金法の改正が大蔵に出されておるようでございますが、それを見ますと、成熟度が極限まで来ておる。昭和五十五年度までは負担割合が千分の百四十七でございました。それに三〇%ふやして千分の百七十七が提案されるやに伺っております。これは負担割合が限界点に到達をするぎりぎりでございます。国際的にも国内的にも言われておりますが、この負担率は千分の百八十程度が限界のように私は聞いております。この状態を米沢委員は指されてパンクの状態に来たとおっしゃったのだと思うのですが、これを成熟度と申すわけです。だから、一・六人ぐらいの現役組合員で一人の受給年金者を見る、こういうことでございます。しかし、これは事情を調べてみると、自然に成熟した条件ではなかった、政策的に、人為的にこのような成熟がつくられたような気がするのです。それは戦後処理として当然政府が行うべき施策を国鉄共済が肩がわりをしていた。それは何かといえば、引き揚げ軍人の就職が国鉄にあっせんされてきた。二つ目には、中国、満州の満蒙開拓団、この特殊法人の人たちも同様の定めで国鉄に吸収されてきました。軍人の再就職、特殊法人の就職、外地鉄道の就職、そうして公務員の継続雇用、これらの条件がすべて国鉄共済に負わされてきたのです。期間の継続をしますから、年金資格を持って退職をすれば、当然年金額は差別なく支給されていく、こういう状態を一文の掛金ももらわなかった国鉄共済がなぜ負わねばならなかったのか。これが法的には追加費用となり、過去勤務債務となって国が見ておりますから、この点だけを私は厳しく追及はいたしませんが、そういう状態が今日の成熟状態を生み出しているのです。これはただ単に運輸大臣所管の国鉄共済だけの問題ではないと私は思いますが、厚生大臣所管の厚生年金関係でも、現在は十五人の組合員で一人のOB、年金受給者を見ておる。これはきわめて安定だという気持ちが統計的、数字的には見ることができると思いますが、これから二十年たちましたら、この十五対一の成熟度が五対一に変わります。そういう統計の数字を見るときに、皆さんおっしゃっていましたように、日本の年金制度自体が高齢化社会に入っていく昭和七十五年には、高齢化社会の中でほとんどは成熟度が増して苦しむ、こういうことになると思いますので、いま私が申し上げた国鉄共済の実態については誤りがございますか、運輸大臣にお伺いをいたします。
○塩川国務大臣 国鉄年金の沿革等につきましては仰せのとおりでございまして、それが成熟度を高めておる大きい原因であることは認識いたしております。そうでございますので、この年金の対策といたしまして、たとえば追加資源につきましては、毎年増額してまいりますものを財政当局に依存する。また、国鉄の一般年金につきましても、国鉄として負担し得る限界がだんだんと近づきつつあって巨大な額になりつつある、これがまた国鉄の赤字を増幅させておるという事実もございます。でございますから、これの根本的な対策を早急に講じたいとわれわれも思っておりまして、それがためには、これはただ単に国鉄共済だけで解決できませんので、年金制度全体についての根本的な改正を同時に図ってもらわなければならぬと思いまして、現在、大蔵省の中で専門家によりますところの研究会がつくられておりまして、そこの結論を待ちまして、国鉄といたしましても、それへの対処を図っていきたいと思っておるところでございます。
○山田(耻)委員 私が申し上げたことも大体誤りはなさそうです。こういう状態に立ち至った日本の年金行政でございますから、安定できる抜本的なものを早く、法改正などをいたして確立しなければなりませんことは当然だと思うのです。国民皆年金になりましたので、国民の皆さんも、老後生活をしっかりと守っていく年金の制度に深い期待を寄せておられますが、行政の不手際から、その年金制度に不安感を持たせてくることは申しわけないことだと私は思うのです。 そこで、先ほどからいろいろ御答弁くださった大臣の皆さんたちの御意見の中にもございましたが、いまの八グループ、小さく分ければ二十七グループになるこの年金組織を一本化する、こういう意見も出ておりました。日本の年金を一体化していく、一昨年でございましたか、私は、衆議院の本会議でその見解を述べて、いわゆる被用者の年金、これは給与を受けておる人々が入っておる年金関係のグループですが、この被用者年金を一本にする、もう一つは国民年金を一本にする、この二本立ての日本における年金制度を早く確立して、財源等も十分補てんしながら、措置をしながら年金制度の安定を図っていきたいということを提案いたしました。それらについて、私は、本委員会におけるこの審査の中でそのことを具体的に詰めていくその一つの萌芽としていまの一体化論があったのだとも思うのです。 そこで、なお詰めてまいりますが、二十七グループに分かれておるこの年金関係をできるだけ統合していく、まず分母を大きくしなければ、現行法制度の中においても、年金を受給なさる国民の方は安心できない。分母を大きくすれば、少しでも気持ちの安らけきを得るということもありますので、閣議でも年金閣僚懇談会をお持ちのようでございますので、きょうここに官房長官をお呼びすればよかったのですが、できませんでしたが、そういう状態でもありますので、大蔵大臣初め御出席の各大臣とも、やる時期については意見があると思いますけれども、一本化への方向については基本的には御賛同いただけるものかどうか、お伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 先生御指摘のとおり、いろいろないきさつ、利害が伴いますから、全年金を早急に一本化ということは、理想ではあるが手順が必要でしょう。われわれとしては、各種の共済組合がございますが、まずこれらの共済組合の統合一元化によって、そしていろいろな財政対策も含め勉強する必要があるということで共済年金制度基本問題研究会というものを発足させております。そこで学識経験者等の意見を聞いて、共済年金制度の抜本的な対策について検討を進めてまいりたいと考えております。
○山田(耻)委員 大蔵大臣のおっしゃるのは、一本化の前提の手順ですね。まず大蔵大臣所管の共済年金関係で懇談会、研究会を開かれて、そこで専門家討議に入っておられるということはわかります。それはすでに昨年の国会から出発させられておやりになっておることなので、そのあなたのお進めになっておる年金額は、いつごろおっしゃっているような共済の部分的統合についてその実効を上げられるのか、伺っておきたいと思います。
○松下政府委員 大蔵大臣のお答えいたしました研究会は、昨年の夏から発足をいたして審議を始めていただいておりますが、一応の審議期間は二年間と予定いたしております。ただ、先生御承知のように、非常に根の深い複雑な制度上の問題でございますから、二年間の検討期間の間私どもも極力先生方にお願いをして、具体的な御提案にまで審議の内容を深めていっていただくように取り運びの御協力をしてまいりたいと思っておりますけれども、ただいま先生がおっしゃいましたような具体案がそれでは二年後にはでき上がるのかどうかという点につきまして、事実どの程度まで掘り下げた具体案になるかという点は、私どももこれからやってまいりませんければしかと申し上げられない点もございます。
○山田(耻)委員 松下さんのおっしゃっていることは、現状を正直にお話しになったのだと思いますが、伺っておる私にとれば少し怠慢ではないかなというふうな気持ちがするのです。もう一刻を争わねばならない時期ですから、悠長に事を構えずに——二年間の任期期間中にできるかできないかわからぬというふうなことでは、私はとてもここでは、さようですかと言うわけにはまいらないのです。 そこで、いま基本年金懇、それに参加をしている単位共済組合はどこどこですか。
○松下政府委員 共済組合の関係はグループが五つございます。全部が参加をしていただいております。
○山田(耻)委員 それでは、まず運輸大臣所管の公共企業体三共済団体、国鉄、電電、専売がございます。この三公社のそれぞれ担当理事、総裁がお見えになっておると思いますが、その三公社の責任者は統合することに賛成なのですか反対なのですか、お伺いしたいと思います。——それでは、その構成員の一人である公務員は、先ほど大蔵大臣が統合せにゃならぬということをおっしゃっていました。そこで、まだ三公社、十一時にお見えになるようでございますので、運輸大臣、あなたが所管なさっておる三公社ですから、どういう内晴かお話しをいただきたいと思います。
○塩川国務大臣 国鉄共済といたしましては、まずいろいろな沿革はございましょう。それで財政の相違はございましょうが、でき得れば速やかに、少なくとも三公社だけでも一体化してもらいたいと思っております。このことは、国鉄総裁の諮問機関といたしまして年金問題の研究会がございましたが、そこでも結論は出ておるところでございます。 しかしながら、現状を見ますと、それぞれの公社の年金におきまして相当な財政上の相違がございますし、先ほど申しました沿革の相違もございまして、なかなか一体化されていかないというのが実情でございます。そこで、共済年金全体をどう扱うかということの根本問題が解決されないと前進しないと思いまして、われわれも一刻も早くその研究会における結論を待っておるというところでございます。
○山田(耻)委員 先ほど皆さんにお尋ねをした、基本的には一本化する傾向というのは、皆様のほとんど一致した意見でございました。いまの大蔵省内に設置をされた年金の基本問題研究会、懇談会は、その部分的な作業を進められておる。ここがいま大変入り口で混乱をしております。それは運輸大臣のおっしゃったとおりだと思うのですが、総論賛成、各論反対では、それは政治というものじゃないのです。私は運輸大臣塩川さんを責めるのはかわいそうだとは思いますが、あなたが所管大臣だから、あなたがしゃんとしなくちゃいかぬですよ。その意味では、いまの答弁も私小し心にひっかかるものがあります。だから、基本的には賛成だが各論は反対だと、うまくいかない。それではどこか行政の立場の抜けておるところがあると思うのです。それを十分詰めていただいて、後ほど三公社の責任者が来ましたら厳しく私が問いただしますので、どうかひとつ運輸大臣もなお一層の御協力を、総論賛成、各論賛成になるように措置をしてくださるように重ねて御努力を要望しますので、それについてのあなたの御意見を伺っておきたいと思います。
○塩川国務大臣 私の立場並びに国鉄共済としては、一刻も早く統合してもらうのが望ましい、これは先ほど申したとおりでございます。ところが、統合する相手方が、国鉄共済のような貧乏で借金ごっそり持っておって、そんなのと一緒になるのいやや、こう言っているのですから、これはなかなかむずかしいのです。ですから結局、共済年金全体をどうするかというこの根本問題をやってもらわぬと、その統合するという意思を強く言いましても相手方が逃げちゃうのですから、それが一緒になるように、それはやはり年金の根本問題が解決されなければならぬというところでございます。
○山田(耻)委員 あなた方は行政を担当なさる大臣ですからね。私は、国鉄のそういう立場で、貧乏世帯と金持ちが一緒になるかというお話し方をなさっておられますが、国鉄は、前提で、成熟度は自然成熟ではないよ、これは政府の政策成熟であるということを明らかにしたのはそのためなんです。それはあなた方閣僚の責任でもあるのですよ。だから私は、この成熟度というのは政府の責任でもあるんだから、そこを預かっておる各閣僚の皆さんたちは、今日の年金制度に対して腹を据えて一歩踏み出す以外には救済の道はない。これができるかどうかということを聞いておるので、いや貧乏だ金持ちだという議論をここで聞こうとは思いませんよ。何のために国鉄再建法というものを通したのですか。そのことではなくて、今日の現実のいまの問題、どう始末していただけるかということを伺っておるのです。
○塩川国務大臣 私といたしましては、一刻も早くその研究会での結論を得て、年金の制度の根本的な改善が図られるということ、これはもう非常に強く要望しておりますし、また、その研究会の結論を早く出してもらうようにわれわれも努力しておるところでございます。 しかし、当面の間どうするのかということでございますが、国鉄の負担もだんだんと大きくなってまいりました。また組合員の負担も、先ほどお話がございましたように、他の年金の組合員と比べまして高額の負担をしておることも事実でございます。でございますから、国鉄が負担する分につきましては、一応は借入金によりまして、その借入金の利子につきましては、共済並びに国鉄の経営に負担にならないように、財政当局に利子補給というような方法で措置をしておるというのが実情でございます。
○山田(耻)委員 当面の切り抜け策としては、国鉄に無利子で資金供与をして措置しておるということですが、確かに三公社に与えておる年金の制度は、公経済負担ということで国庫が負うべき支出金をそれぞれの企業に負わしております。国鉄のような今日の貧乏世帯の中で、その負担分を始末していくということは大変だと思います。負担割合が、申し上げたように千分の百七十七、限界が百八十と言えばあとわずかです。その負担を労使が負担していくということになると、国鉄財政再建の足を引っ張ることにもなろうかと私は思うのです。こうした問題は運輸大臣のお話でもよく理解できるのですが、申し上げた状態で早く一本化の体制をつくり上げて、高齢化社会の戸口に立った日本の年金が将来の老後生活を保障するという安定の度合いを早く国民に示すということがきわめて大切ではないかと私は思うのです。 そこで、大蔵大臣がお見えになりませんので松下主計局長に重ねてお尋ねしますが、問題は主計局長、あなたの決意なんです。確かにいろいろと困難な諸事情があろうかと思いますが、二年間のうちにこれを克服して、必ず統一への第一歩を踏み出して国民の皆さんの御期待にこたえるという決意で事に処せられるかどうか、重ねて御決意のほどをお伺いしたいと思います。
○塩川国務大臣 ちょっとその前に言いたいのですが、先ほど当面の措置のところで、国鉄といたしましては、共済の借入金をし、それによって財政当局に利子補給を要請しておるということを申し上げておきましたけれども、これはまだ措置はされておらないので、要求をいたしておる段階でございますので、誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
○松下政府委員 国鉄共済組合の問題は、確かに当面差し担った問題でございまして、これは至急に解決の方途を明らかにいたしまして、今後長期にわたって国鉄の職員あるいは退職者の方々の年金制度の安定を確保していくという必要がございます。この点につきましては、私どもも研究会の先生方と十分御連絡をとりながら、確実な対応策を見出していくように、できる限りの努力をする覚悟でございます。 ただ、この問題が、引き続きましてさらに大きな共済問題全体の問題となってまいります。これも放置できない問題でございますから、私どもとしましては、さらにその先を見通しながら、なお今後努力を重ねてまいります。
○山田(耻)委員 担当の各大臣は、一本化をしなくてはならない、こういう方向についてはほぼ御同意願ったわけです。その全体一本化の作業に準ずる一つの作業として大蔵省が担当しておる基本懇談会が進められておる内容をいまいろいろと事情を含めて申されたわけです。 ただ私は、この中で、運輸大臣が松下局長の前にちょっと言いたいということで述べられたいまの言葉、それは、利子補給をいま大蔵省に要求なさっている、まだ大蔵省がそのことに応じたというふうには聞いておりません、これらについて主計局長はどうなんですか。大蔵省はこの運輸大臣の述べられた意見に対して措置なさる気持ちはございますか。
○松下政府委員 利子補給の問題につきましては、これまでに予算要求を具体的にいただいたことがございますけれども、その時点におきましては、いろいろ議論を申し上げました結果、いまは幾つかの共済制度のうちの一つの制度に対します利子補給というものがまだ制度全体の運営になじまないのではないかということで見送られて今日に至っております。したがいまして、今後の問題といたしましては、五十七年度予算編成に関連をいたしまして再度御要求があるかどうかということでございますけれども、いまの国鉄共済を今後どのように持っていくかということの検討も、その時点では現在よりもさらに進んでおると思われますので、それらも勘案をしながら、この問題に次年度の予算編成の過程で結論を出していきたいと考えております。
○山田(耻)委員 私は、いま大蔵省でおとりになっておるその態度が、共済五団体の統合を進めていく作業をやっておられる懇談会のその作業までおくらせる結果になりはしないかと懸念するのです。乳飲み子が縁側から庭に落ちて、庭石で頭を割って出血をしておる。なぜ落ちたのかという議論ばかりしておったのでは子供は死ぬ。子供の手当てを十分して、二度とそういうことにならないように子守を交えて原因究明をしていく、これが一般社会の人間に対する措置でございますが、行政のあり方としては、余りにも遅々としてやられておる姿の中に私は不満を覚えるわけです。それは主計局長、国家の財政をつかさどっていかれるあなたとしては軽々にはお返事をいただけないと思いますけれども、この問題解決のためには、そこは大きなネックになっておるというふうにひとつ御理解をいただいて、なお前向きに真剣に検討していく、そうして運輸省から出された国鉄の利子補給に対して努力をお約束願うというわけにはいきませんか。
○松下政府委員 この問題は恐らく予算編成のときに要求が出て、それを査定するというような対立関係の中で解決をしていくということでは十分ではないのではないかと考えます。予算編成に先立って長い時間をかけて、これから運輸当局とも国鉄共済組合をどういうふうに持っていくのかということの相談をしながら、その相談の結果に従って今後の私どもの措置も講じていくという態度で臨みたいと考えております。
○山田(耻)委員 国鉄総裁、専売の総裁がお見えになりましたが、電電の総裁はまだですね。 それではお伺いいたしますが、ただいままで共済組合の年金全体を含めて御出席いただきました各大臣の見解をただしました。その第一は、今日の日本の年金関係を横断的に一本にして、そうして年金に対して国民が不安感を持たないような、そういう安定した年金行政をとるのが高齢化社会の戸口に立ったいまの日本ではきわめて必要ではないか、そういう質疑の中で合意が成り立ちました。そこで、その年金一本化への第一段階として、昨年八月から大蔵省の中には年金問題基本懇談会が設置をされた。二年間を期間として五共済の統一をまず図りたい、こういうことで懇談会は進められておるのですが、なかなか国鉄は貧乏だからだとか、おれのところは金持ちだからとか言って、一緒になる空気が成熟をしない。しかし、関係各省庁はそれらを理解して今後十分に統一への努力を続けていくことを約束されました。 そこで、一番問題になっております国鉄共済について、代表されて高木総裁からこの統一化についての見解、私が求めておる一体化への意見についてどうお考えか、お話を伺いたいと思います。
○吉井説明員 総裁は間もなく到着すると思いますが、まだ議場に参っておりませんので、かわってお答えを申し上げます。 国鉄共済組合といたしましては、先ほど大臣からもお言葉をいただきましたように、船後先生を主査とする研究会におきましても、この前途としてはやはり統合一元化という方向をぜひともお願いしたいというふうに考えておりますので、総裁参りましても同趣旨の御答弁を申し上げるかと思いますので、かわってお答えを申し上げます。
○山田(耻)委員 専売の総裁、ひとつお願いしたいと思います。
○泉説明員 お答え申し上げます。 国鉄、電電及び専売の三公共企業体の共済年金の統合問題につきましては、先ほどお話がございましたように、目下大蔵省の共済年金問題懇談会におきまして検討されておるようでございます。問題は、三者を統合するということと同時に、年金制度の基本的な問題、いわゆる官民格差あるいは官官格差などがございまして、そういった問題を含めて検討するのでないと、単純に三者を統合しただけでもなお将来問題を残すというふうに考えられますので、私どもとしては、深い見地から検討されるべき問題であろう。もちろん統合そのものについてはそういう方向だろうと思いますけれども、それとあわせて年金問題の基本的な点について検討されなければならない、このように思っております。
○山田(耻)委員 大蔵省に設置したこの共済年金問題の基本問題懇談会ですから、当然おまえとおれとは一緒になろう、その仲立ちを大蔵省はしているものではないと思うのです。そこには各界から専門家も出ておられるようですから、泉総裁のおっしゃっていた年金の基本条件に対しても調整をされながら、言われておるような官民格差、官官格差がないように配慮しながら、将来に向けての年全体制の統合へのモデルになっていくわけですから、当然そこらあたりは配慮されてやられているものと思いますし、松下主計局長のお気持ちの中にもその点が十分ありますことを私も伺ってまいりました。そういうことですから、専売公社総裁は統合へは賛成、そのためには基本条件もあわせて片づけていきたい、こういう御意見については当然だと思います。それで専売さんについては了解しましたが、電電公社の責任者に伺いたいと思います。
○真藤説明員 お答え申し上げます。 電電公社の考えといたしましては、この問題は基本的な問題ということを踏まえまして、慎重に時間をかけて検討していく必要があるというふうに考えております。いま専売公社の方から御説明がありました趣旨に沿って考えておりますので、それだけ御説明申し上げます。
○山田(耻)委員 少しどうも歯切れが悪いようでございますが、言いかえたら、確認をいたしますが、専売総裁は統合することは賛成、しかし共済年金の基本的な条件、内部の官官格差の問題あるいは民間との関係の官民格差の問題あるいは付帯給付の問題等々、基本問題の調整があわせてできなければならない、こういう見解を述べておられます。その点と同様でございますね、電電総裁は。そうして中身がそう充実されれば統合については反対しない、賛成だということだというふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○真藤説明員 十分な討議が行われ、しかも社会的に妥当性があるという結論が見えますれば、そのときに電電公社としてはよく対処したいというふうに考えております。
○山田(耻)委員 松下大蔵省主計局長が申しておりましたように、設置された基本問題懇談会ではいまのような意見が続出しておるのだと私は思いますが、これから二年間かけてじっくり詰めて、じっくり詰めてという期間が、電電公社総裁のおっしゃっているように相当時間をかけて審議をして、これにイコールされるものだと思いますが、やはり政治というのは無期限ではありません。政策決定するときには期限があります。だから、年金問題をやろうとするのは、高齢化社会の戸口に立ったいまですから、これから二十年したら民間の厚生年金すら成熟度が高まるという時期です。いまその出発点に立った三公社の皆さんたちと国家公務員の皆さんです。それが統合なさって、基本的に、申し上げておる被用者年金全体の一本化、この方向に踏み出していくモデル的なケースになるのです。その期間も一応二年間と設定をされて懇談会は昨年八月から開かれているのです。だから、それぞれ企業の責任者は、この懇談会に参加なさる代表の皆さんに対して、政策の基本を定めていくこの予算委員会の審議の状態を間違いなくつぶさに納得させまして、この予算委員会の審議の現状を間違いなくお伝え願って、それぞれここで御答弁願いましたような結論に向かって強力に踏み出していただきますように、私も質問を兼ねてお願いをしておきます。 それから、このようにして統一の議論でございましたが、申し上げたような分母を統一して共済を統合して一体化して、その上に単位共済が乗る、あるいは年金のファンドが乗る、こういう形になっていくことが当面の安定だ。間もなく大蔵大臣が見えると思いますが、やはり財源というものについてかなり不安感をお持ちではないだろうか。私は野党である日本社会党の国会議員でございますが、政府は持っておりませんので、申し上げる解決への政策の一端は私の意見だと思ってお聞き願いたいと思うのですが、すでに社会保障制度審議会からも答申を出されておりますが、基本年金構想、この基本年金構想について所管の各大臣はどのように御理解なさっておるのだろうか。御存じのように、基本年金構想とは、下部構造と上部構造に分かれて一つになります。下部構造は国庫負担で負う基礎年金です。その上に現在の労使が掛けておる保険数理に基づく年金が重なります。そうして一本の年全体系となって、これは全部の年金に同じ状態で横並びをします。そこで国庫負担となるべき下部構造については財源を国で持つわけですから、それでこの社保審の答申には、所得型付加価値税、それを課してその財源に充てるという目的税とする、こういう考え方が述べられておりますが、大蔵省関係では、道路税のこと等もあり、目的税については余り好感はお持ちでないと思いますが、特に高齢化社会に入るこれからの日本、国民皆年金の年金の財源を一般には使わない目的税として設置する、この基本年金構想についていかが所管大臣を含めてお考えでございましょうか、お伺いしたいと思います。
○松田政府委員 将来の年金制度を考えます場合に、社会保障制度審議会から御意見をいただいております基礎年金構想、これは御承知のように、一定の基礎になる年金の上にいわゆる二階建ての年金、こういうことでございます。確かにこの構想につきましては、将来の公的年金制度のあり方を考える上に非常に参考になる御意見だというふうに私たちも考えておりますけれども、現在八つに分かれておりますいろいろな制度、そういったものをこういったものにどのように円滑に移行させていくか、あるいは恐らく相当の財源が必要になろうかと思いますが、その財源につきましてどのようにこれを負担をしていくのか、いろいろと困難な問題があると考えております。したがいまして、こういった問題の検討をいろいろ重ねる必要があろうかと思いますので、現在のところ直ちにこれを実施することにつきましては非常に困難ではないかというふうに考えております。 さらに、この構想に盛られておりますいわゆる所得型付加価値税、この問題につきましても多額の費用を要するというようなことで、果たしてそういったような財源調達が円滑になされるかどうか、こういう問題もございましょうし、私どもとしましては、年金制度の財源をどのように調達するか、これを税というようなかっこうでするのか、あるいは保険料というような形でこれを調達するのか、いろいろと議論のあるところでございますが、私どもとしましては、社会保険方式によってこれを仕組んでまいるというのが現在のところ最も適当である、かように考えておるところでございます。
○山田(耻)委員 社会保険方式、保険数理によるのは現行の制度です。その現行の制度でも、私は、高齢化社会に入る二十年後はほとんど成熟度は強まってきまして、それは保険料徴収、いわゆる掛金率も限界に達すると思うのです。それだけでは年金財源は不足するということで、この基本年金構想というのを打ち出した中ではどうしても国庫負担分を強化していく。それも国民皆年金だから横並びで平等に強化をするということにいたしますと、その財源調達は、それはおっしゃっているように保険でやればいい。いわゆる組合負担率を高めればいい。しかしそれも限界に来ておる。だから当然保険数理によらずに国庫負担とするというように私は理解をしてきたところです。もちろんこうした具体的な問題はかなり詰めていかないといけません。うんと詰めていくわけでございますが、大綱的な理念としてはその基本年金構想について御同意なのかどうなのか。どちらにこまを進めていくか道もわからないというのでは、私は行政として十分を果たすことができないと思いますので、その基本年金構想について、お見えの各大臣から見解を伺いたいと思います。
○中山国務大臣 お答えをいたします。 基本年金構想そのものについてはいま政府委員が御答弁を申しましたが、先生御指摘のように、高齢化社会における年金問題につきましてはきわめて大きな問題点が存在していると私は思います。 まず、年金の原資に当たる資金と一般の消費者物価の上昇率、金利との関連でどうなってくるか、それが将来の原資にどういう影響を与えるか、これが一つの大きな問題点であろうと私は考えております。 もう一点は、一九九三年、つまりこれから十三年先に六十五歳以上の人口が一二%を超えるわけでございますから、おっしゃるようにこれが高齢化社会が完全に日本にやってくる時点だと政府は判断をいたしております。従来総理府におきましても老人対策室がございますが、ただいま役所の人たちには人に対する考え方から高齢化社会という社会変革に対する考え方を持って、その中に年金問題をどう位置づけるか、あるいは老人の雇用問題をどうするか、あるいは医療問題をどうするのか、家族制度をどう考えればいいのかというふうな総合的な中でわれわれとしてはこれからの道を求めていかなければならない、こういうふうに考えております。いま御指摘の基本年金構想というものについても、総理府といたしましても十分これから検討してまいりたい。原資がどうなるかという問題について、国庫の財源補助というものが将来必要になれば、それに対しては適当な措置が必要であろうと考えております。
○安孫子国務大臣 ただいま総務長官から御答弁申し上げたようなその趣旨、私もそのように考えております。
○園田国務大臣 それぞれ発言されましたとおり、基本年金構想は将来の年金のあり方を考える場合には非常に有力な方式であると考えますが、それに移るまでの財源、移行するための費用などをどうやるか、こういうことで、いま御発言もありましたけれども、そのために保険料を現在のままにして、新しい税を考えることは私の仕事でありませんが、これはちょっと国民の方にお願いするのは困難じゃないか。そうなるとやはり二番目に発言されましたように、現在の保険料が負担している分を税に振りかえるということが大体の過程ではないか。こういうことを考えて、基本構想については、そういう問題が見通しがつけば、これはそっちの方向へ前進すべきものであると考えております。
○塩川国務大臣 ただいま園田厚生大臣がお答えになった考えと全く同じであります。
○山田(耻)委員 国鉄総裁がお見えになりましたので、一点お伺いしたいと思います。 いままでこの予算委員会で、年金関係を所管なさる大臣の方々においでいただいて議論をいたしてまいりました。そして、高齢化社会に入っていく日本、間もないのでございますから、いま地方自治体を含めて二十七に分かれておる年金のグループを一刻も早く一本にして、そうして年金財政も安定させて、年金受給者国民に不安感を持たさないように措置する、その立場のそれぞれの見解を伺いました。各大臣とも統合することには御賛成でございました。 その第一弾として大蔵省内に共済年金基本問題懇談会を去年八月にお持ちになったわけです。そこで国鉄、電電、専売の三公社、国家公務員等五つの共済グループの統合を目指して議論をなさってきておるようです。その中には、大変申しづらいのですが、国鉄のような貧乏世帯と一緒になるのはどうも好ましくないという意見などもある。まあ国鉄は国民の反対を押し切って再建法を山さにゃならぬほど今日落ちぶれておりますが、この予算委員会できょうそのことを言おうとは思いません。いずれにしても、大蔵の中にできた基本問題懇談会で一日も早く統合に向かっていけるように、国民のコンセンサスにこたえるようにという私の意見を申し上げて、各担当の責任者から御答弁をいただきました。大蔵省はできるだけ問題点を整理して早く目的を達するように努力をしていく。運輸大臣は、国鉄再建の中で異常に公経済負担ということで国鉄が負担割合を負っておるけれども、その貸し付けを受ける金利だけでも補助してもらいたいという意見がありました。それらについて大蔵省も、予算編成のときまでに十分運輸省と協議をして結論を出したいという前向きのお話もございました。三公社のうちで専売公社総裁は、統合ということは賛成、そして統合に至る過程で各共済が持っておるいろいろな条件、たとえば共済組合相互間の格差、官官格差、それから国民その他と格差のある官民格差、こういう基本的な条件が整備されていくことを望む、それができれば統合に踏み切ることに別に異議はない。電電公社総裁も、専売公社総裁がおっしゃったことで私も賛成です、こういうお話であったやに私は理解しております。そこで、問題を主宰しておる大蔵省についても、なお積極的な前進、統一への総論賛成、共済合併の各論反対ということは、政治家としては許しませんよ、こういう立場を私は申し上げた次第ですが、国鉄総裁、あなたの所感をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○高木説明員 国鉄の再建計画の細目をいま立てておるわけでございますが、どうしても普通の形では経営再建ができないという結論のようなものが出ておるわけでございます。その原因はと申しますと、共済年金のための、私どもの共済会計ではなくて鉄道会計の方の負担が非常に大きなものになりますので、どうしても年金問題についてのしかるべき新しい考え方を御採用いただきませんと、経営自体が成り立っていかないというふうに考えておりますので、その意味で年金について抜本的な対策をお願いいたしたい。その具体案としては、私自身の諮問機関みたいなものをつくって御研究いただきました結果、やはり統合以外にないのではないかという御結論でございましたので、今度は政府に向かってそのことをぜひ早くお願いしたいという態度をとっておるわけでございます。 何で国鉄の年金はぐあいが悪いかと申しますと、一つは、わが国の中で年金制度が始まりましたのは国鉄から始まったわけでございまして、厚生年金等よりははるかに長い歴史を持っておりますから受給者の数がどうしてもふえるということが一つございます。もう一つは、よそ様と違いまして私の方は職員の数がどんどん減ってまいります。したがいまして、負担する人間が減り、給付を受ける人がふえるということになっておるわけでございまして、やはり年金のようなものは、もっと大きな袋をつくって、そこで相互扶助的な形でやっていかないと成り立つはずがないということを実は私どもの年金が具体的に証明する形になってしまったわけでございます。しかし、このことば十いずれ日本の老齢化現象等が進むのにしたがいまして、私どもだけじゃなくて日本全体の問題になるわけでございますので、いろいろな角度から御批判を賜りまして、私どもの事例をひとつたたき台にしていただいて今後の年金システムのあり方といったことの取り組みの研究材料にしていただく。しかし、研究に時間がかかっていては今度はなかなか年金会計が成り立たなくなり、赤字になります。今回また掛金を上げなければならない現状でございますが、従業員の方の負担ももう限度に来ておりますから、研究の材料にしていただくことではございますが、同時に、恐縮でございますが、早期の御結論を強く期待をいたしておるというのが私どもの立場でございます。
○山田(耻)委員 国鉄総裁のおっしゃったことは、むしろ早く統合してもらって、基本条件も片づけて一緒になってもらえるようにという御要望に近いお答えでございまして、私が問題提起をしておることと全くうらはらでございますので、それはそれで了解いたしました。 そこで大蔵大臣、しばらく御不在でございましたが、いま私は基本年金構想を申し上げておるわけです。このままいきますと、いまの国鉄が出された改正法案を見ると千分の百七十七の負担割合、これは企業なり組合員が負う負担率の限界に近づいています。それは国鉄が、成熟度が国策成熟度であるか自然成熟度であるかは別としても限界に近づいておるのです。しかし、それはあに国鉄共済だけではなくて、全国的に、差こそあれ、同じ速度で進んでいます。総務長官はそういう点を御理解願って、やはり何とかして負担率で、保険数理でこの年金財政をカバーしていくのには、高齢化社会に到達するとやがて限界に来るだろう、そこで基本年金構想については大略御賛同いただいたようです。 ただ、この中で、基本年金構想は、年金を二つに分けて二階建てにしまして、下部構造は国庫負担なんです。あなたの気には入るまいけれども国庫負担。上部構造がいまの保険数理に基づいた労使の掛金なんです。この下部構造の国庫負担分について、その時代は大変でございましょうから、所得型付加価値税、目的税を設定して、この国庫負担分の財源に、ほかには使わずにこれのみに充当していくという考え方に立てば、国民のコンセンサスを得るような御努力もいただいてその道をとるのが高齢化社会に入った日本の老後保障を安定させていく年金制度の基本ではあるまいか。社会保障制度審議会も答申なさっています。 これらについての見解を所管各大臣から伺ったのですが、税の問題もございますから、大蔵省としては目的税はきらいです。私も承知しております。しかし、この年金財源については、国民皆年金時代に入った日本です。大蔵大臣、どのような御見解をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 年金は保険料で賄うということをやってきておるし、これが定着しておるから、私はこれがいいのじゃないかと思う。しかしながら、これから非常に加速度的に年金に対する負担がふえるわけです。この負担は、これは国費でふやしていけなんて言われたって、とても率を上げるなんということは不可能に近い。そういうことになれば何か別なことをいろいろ考えなければならない。 一般的に言うと、たとえば支給年齢の延長というようなものを離れちゃって、そういう財源ができるのならばその方におぶさったらいいじゃないかというような、ややもすると歳出が安易に流れやすいというデメリットが一つあるわけです。しかし、いろいろなことを講じてもなおかついろいろな財政事情に問題があるというような場合には、一つの考え方でございますから、長期的観点に立って幅広く両面から検討をさせていただきます。
○山田(耻)委員 非常に厄介な問題でございますが、この年金政策はこれからの日本は避けて通れないのです。それだけに、めんどうくさいこと、つらいこと、メリット、デメリットも共存していますが、これらを十分御検討いただいて、そうして印本の、当初から申したように分母を一つにする年金の統合、これをなし遂げていく手順、その萌芽、出発点として、大蔵省の中に去年八月できた年金問題基本懇談会、これの成熟、それは将来統一していくモデルになるのですから、これを成功させていただきたい。 将来の年金展望に対しては、基本年金構想の考え方について伺ったわけです。これらの問題について、大変議論を呼ぶ問題ですけれども、特に野党である私から申し上げることは少しどうかという気持ちもしましたが、やはり将来のことを本当に心配すればどうかしなくてはならぬという気持ちが私は先行したものですから申し上げた次第です。大変お力添えありがとうございました。どうかひとつよろしくお願いします。 時間が来ましたので、終わります。
○小山委員長 これにて山田君の質疑は終了しました。 次に、瀬崎博義君。
○瀬崎委員 昨年の住宅の着工数を見てみますと、一月を除いて二月以降十二月まで各月前年を下回っているわけであります。また、特に七月から十一月までの五カ月間は二〇%以上の落ち込みを続けた。それから、四月約十四万戸の着工数、これが通常のペースと思いますが、七カ月後の十一月には一挙に八万八千戸、六〇%に落ち込んでいる、こういう状態でありました。このままいきますと、五十五年度の年間住宅着工数はどの程度の見込みだと思っていらっしゃいますか、建設大臣。
○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、五十五年度の住宅建設戸数につきましては、四月から十二月までの累計で九十六万一千戸と相当減少しております。このままでまいりますならば、昭和五十五年度は、私たちといたしましては百三十万戸を若干下回るのではないかというふうに見込んでおります。
○瀬崎委員 過去十年間振り返ってみますと、百三十万戸を割っているのが昭和四十九年ですね。最高だったのが四十七年の百八十六万戸であります。そうしますと、いまの局長の答弁からいってもわかるように、少なくも五十五年度は過去十年間の再び最低記録を立てるかもしれない。最高時に比べれば三分の二の落ち込みである。この事実は、今日の住宅建設の落ち込みがきわめて大きい、かつ深刻な傾向だ、根強い傾向だ、こういうことを示しているのではないかと思うのですが、建設大臣はいかがですか。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 先生御指摘のように、確かに落ち込みが心配されるような状況でございます。昨年が百四十九万、本年が百三十万を切って、百二十七万か八万になるのでしょう。大変御心配をかけて恐縮いたしておりますけれども、これはいろいろとやはり住宅需要の、環境の変化に伴う需要減ということも考えられますし、景気の停滞ということも考えられますし、また宅地事情から建築費の上昇という、いろいろな問題が錯綜して落ち込んだということも私たちはあわせて考慮し、対策をしなければならない問題ではなかろうかと思います。特にいま公営、公団のストックが二百三十万ございますけれども、いままでのように需要構造が確かに高所得者、高年齢者から低所得者、若年層と、非常に環境に影響しやすい方々へシフトしたという問題もございます。先生御指摘のような御懸念を考えながら、何とか質の向上を図りながら、いま申し上げました素因を追及して、御懸念に対応するような形で諸施策を進めてまいりたい、このように私は考えているものでございます。
○瀬崎委員 いま大臣は景気の停滞が住宅落ち込みの原因であると言われたのですが、かつて昭和五十年六月九日の予算委員会では、当時の福田副総理が「私どもが一番とにかくこの際やったらいいだろうというふうに考えておるのは住宅なんですが、これはまあ景気に対する波及効果が非常にまんべんなく行き渡るというメリットを持っております。」と言っている。つまりここでは、景気をよくするために住宅建設をやりたいんだ、こう言っているのですね。むしろ住宅建設の落ち込んでおることそのことが現在の景気を深刻にしているのじゃないですか。この福田副総理の答弁からいくと、今日の住宅建設の落ち込みが国民に及ぼしている、広く行き渡らしているマイナス波及効果はどう考えますか。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 景気の波及効果としての住宅建設と住宅需要のマイナス面とは、これは表裏一体の問題であろうかと思います。いまお示しいただきました一面も、確かに十分考慮すべき問題であろうかと思います。したがって、私たちといたしましては、非常に財政困難な折からではありますけれども、五カ年計画につきましても相当の配慮をしながら、住宅建設の経済に対する波及効果というものも十分考えながら積極的に努力するというような方向で進めてまいる所存でございます。
○瀬崎委員 住宅着工の推移を見ますと、五十二年が百五十三万、五十三年百四十九万、五十四年百四十八万、そしてここからまた二十万戸あるいはそれ以上五十五年度は落ち込もうとしているわけですね。これはきわめて深刻な事態だと思うのです。この住宅の減った分だけは確実に中小零細業者あるいは建設労働者の仕事は減っていますね。そういう人たちはいまどうして生活を支えていると大臣はお考えですか。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 御指摘のように、大変な心配をいたすのが当然のことでございます。したがいまして、積極的な住宅対策をとる方途しか方法はないわけであります。せっかく五カ年計画を御承認いただきまして、五カ年七百七十万戸を目標にいたしておりますけれども、特に零細の方々がいまの環境で非常に苦しんでおることは事実でございます。特に建設業全般から見ましても、住宅産業を中心に五十二年は五千百七十件ですか、本年度は五千百件、史上二番目の倒産件数ということで、先生御指摘のように、まさにその環境の中で住宅産業も苦しんでおるわけで、なお厳しい状況でありますけれども、計上されました予算の中で完全執行という面で何とか零細企業の建設業各関連の方々に援助の手を差し伸べてあげたい。したがって、建設業は御案内のように制度上不況業種に指定していただくとか、あるいは関連公共施設を積極的に推進してコストダウンを図って建設の環境を何とか上向きにしていって、そうした形の中で関連の零細の方々をお救いするというようなことで、いませっかく一生懸命で努力中でございます。 なお、今後の推移につきましても、先生御指摘の御配慮を十分考えながら対応してまいりたい、このように考えるものでございます。
○瀬崎委員 現在小規模な業者が困っていることだけはお認めになりましたが、その実態というものは想像外にひどいものですね。町場の大工さん、左官屋さんあるいは二、三人の職人を抱える親方は、十二月の本来なら忙しいはずの月に半分ぐらいしか仕事がない。一月は、それでなくても暇な月ですが、ほとんど仕事がない。こういう中で、自分の専門の仕事は横に置いておいて、早朝から中央卸売市場に行って運搬をやるとか、昼間パチンコで時間をつぶす。奥さんが夕方から飲食店のさら洗いに出ている、こんな状態とか、仕事がないから借金が返せなくなって蒸発する人がふえていることは倒産にはっきりあらわれているとおりだし、自殺未遂の人も出てくるし、こういう相談が本当にひっきりなしの現状なのですね。 そして、住宅需要が変わったとかなんとか言われるけれども、建設省の伊藤さんという住宅政策課長が最近論文を書いているのですね。「空家も約二百七十万戸と量的な面ではかつてない水準となった」とは言いつつも、「東京、大阪の大都市圏では、借家居住世帯、特に世帯人員四、五人の世帯を中心に劣悪な居住水準にあるものが二割近くもあること、現在の住まいに対する感じ方で、困っている点があるとする世帯」は「三八・九%の大きな割合になっていること」、とちゃんと認めているわけです。そして「住宅問題は多極性と困難性を強めている」こう言って、未解決であることをみずから確認しているわけです。一現に、公営住宅の応募状況等を見ますと、五十四年度では全国平均で応募倍率二・三倍、それから三大都市圏で三・九倍、高率なのですよ。公団、公営住宅に適切な処置さえとられておればまだまだ期待はかかっておるわけです。先ほど住宅を積極的にやりたいとおっしゃった。ところが、積極的にやると言いながら、公共住宅の建設を第四期住宅五カ年計画で大幅に減らしている。逆行しているわけですね。だから、一般論として積極的にやるというだけではなくて、この際具体的に公共住宅に力を入れるべきだ。そうすれば国民の住宅要求にもこたえ得るし、困っている小零細業者の仕事の足しにもなる。大臣、いかがですか。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。一方向として、計画として先生の御指摘のとおりでございます。ただ、御案内のような財政事情の中、それから先ほど申し上げましたようにいろいろと住宅需要構造、世帯数の有効需要とのバランス等々考えての結果の計画数でございまして、なお仁の問題につきましては、御指摘のような環境をよく勘案しながら、やはり前向きで取り組むという以外にいまのところお答えの言葉を持たないわけで、計画につきまして御理解をいただきましたならば、御指摘のような形で進めてまいる所存でございますので、御理解いただきたいと思います。
○瀬崎委員 結局お答えのしようがない、無策だというふうなことをみずからお認めになったような形ですね。それでは、政府が期待をかけている国民の持ち家の建設が進むかどうかという問題です。現在持ち家の建設が低下したのは、実質所得が低下してきた、そこへ今度の政府の出している予算なんか見ますと、税金はよけい取るぞ、公共料金は上げる、福祉は下げるでしょう。さらに国民所得に重荷がかかります。土地の高騰も続いているし、これに歯どめがかかる見込みが余りありませんね。そうして、民間のローンの金利が現在なお八・五二%という高水準でしょう。住宅金融公庫の金利すら一部八%適用が出てきた。大蔵省のゼロリストなんかを読んでおりますと、もっと上げるということを積極的にけしかけている。こういうような現状のもとで、では民間の住宅建設、これが急速に回復するという見通しが立つのでしょうか。いかがです。一言答えてください。
○豊蔵政府委員 お答えいたします。 先ほど御指摘のありました五十五年度の住宅建設の落ち込みにつきましては、先生御指摘のように地価の上昇あるいは建築費の上昇あるいは住宅ローンの高金利あるいはまた所得の伸び悩みといったようなことがその要因の大きなものであろうかと思います。最近の状況を見ますと、地価につきましても上昇率が鈍化してまいっておりますし、建築費につきましては反落傾向を示しております。また、住宅ローンにつきましても、昨年の十二月からある程度引き下げが行われました。そういったようなことから、徐々に住宅をめぐる環境も好転してくるのではないかということで、五十六年度も相当程度回復の見込みがあるというふうに考えております。
○瀬崎委員 全く根拠なしの回復期待というにすぎないと思うのです。だから、公共住宅は建てないし、持ち家は建たないし、といってこれといった妙案は持ち合わせておりませんというのが大体建設大臣、建設省の答弁でしょう。 それでは、いまちょっとやそっと回復しても追いつかないくらいの落ち込みがある現状で、中小業者の方は余り今後仕事が期待できないという状況でありますけれども、一般的な中小企業対策で救うのか。五十六年度の政府予算を見ますと、中小企業対策は二千四百九十六億円、わずかに二・六%伸びただけです。これは一般予算の伸び四・三%と比較しても非常に低い。異常に低いと言わざるを得ない。だから、予算全体に占める比率も従来は〇・六%、それでも少なかったが、ついにこれを割って〇・五三%に下がったじゃないか。だから、中小企業の苦境を認めながら、ではこれで中小企業に精いっぱいの対策をとったと言えるのかどうか、これは通産大臣の答弁を求めたいのです。
○田中(六)国務大臣 お答え申し上げます。 中小企業の全体の予算は御指摘のように約二千五百億、正式に言えば二千四百九十七億でございますけれども、それは御指摘のように前年度比二・六%のアップでございます。この予算の中に、中小企業事業団によります共同廃棄事業費といたしまして毎年二百十五億円ぐらいあるのです。それが今回五十六年度からゼロになっておりまして、その二百十五億円があった——つまりそれはなくなったわけでございますけれども、それがあったために非常にアップしておったのですけれども、これが五十六年度から全くゼロになっております。したがって、本当のアップ率は一二・五%ではないかと思います。したがって、二千五百億円の計上でございますけれども、実質的には一二・五%になっておると言えるんじゃないかというふうに思います。
○瀬崎委員 私が聞いたのは、これで苦境にある中小企業が救えると思っているのかということを聞いたのに、いま通産大臣の答えられたことは、いや、見かけ上低くなっているだけだ、その弁解をされただけなんですね。私は、きょうこの場で、この予算が多いか少ないか、こういう基本問題を謝しようとは思いません。では、これだけ中小企業対策費を圧縮してしまったということは事実なんですから、その中で一体緊急にできることは何なのか、果たしてそれを政府がやっているのかどうか、この点をただしていきたいと思うのです。具体的に追及をしたいと思います。 電電公社総裁、見えていますね。五十三年十月十九日、参議院逓信委員会で、当時の秋草総裁がこう言っています。「もし事実非常に数字から見てこれはけしからぬといった場合」、これはつまり元請が下請をいじめているという問題についてです。「もし事実非常に数字から見てこれはけしからぬといった場合には業務停止、商売の方を少し停止するというペナルティーを与えてやるぞという決意」で臨む、こうおっしゃっている。真藤新総裁、もしこれがけしからぬという具体的な事実を明らかにした場合、この国会答弁に沿って厳格な処置をとられますか、お伺いします。——総裁に聞いているんだ。総裁の答弁だ。
○山口説明員 お答えいたします。 五十三年の国会で前総裁の秋草総裁が、もしそういう不適切なことがございましたら厳正な処置をする、こういうふうに申しております。私どもも、先生御指摘のふうに、この建設業界の元請と下請の問題というのはいろいろ問題がございますので、その点につきましてはかねがね業界に対して強く適正なる契約、下請、元請の関係を持つように指導しているところでございます。
○瀬崎委員 にもかかわらず、電電公社の元請認定七十一社、この下請圧迫は減るどころか、むしろふえているし、内容も複雑になっている。ですから訴えを受けた私としては、どうしても事態の究明が必要だ、そのためには公社が元請にどういう発注をしているか、この実態をまずつかまなくちゃいけない、そのために、公社にある「電機通信設備請負工事予定価格の積算要領」つまり、公社が工事の予定価格をはじき出すための方法書といいますか、詳細なものがありますが、これを資料として出してほしいと要求したけれども、それを拒否してきた。その理由をもう一度簡単にはっきりさしてください。
○山口説明員 お答えします。 ただいま先生がおっしゃいました予定価格につきましては、予定価格といいますのは積算の内容でございますので、これを公表いたしますことは、やはりその後の競争入札におきます公社の積算の内容を公表するということになりますので、一般に私どもはこの内容については公表いたしておらないところでございます。
○瀬崎委員 ここに、これも同じくマル秘と印が打ってあります「公社積算内容と設計変更の要領について」こういう文書があるわけですね。これはただいま皆さんのお手元にお配りをいたしました「電々公社の発注上位十社」という資料、これは土木、建設関係での話でありますが、これの七番目、東洋電機通信工業の社内資料であります。この一、二を紹介したいと思いますが、まず公社に伺いたいと思います。 公社の先ほどあなたたちがマル秘だ、出せないと言われたその積算要領の中に、「電機通信設備請負工事予定価格の積算の一部を見積書により行なう場合の取り扱いについて」「電契二五七号」こういう文書が入っているでしょう。
○山口説明員 お答えします。 ただいまの資料につきましては私どもよく存じておりませんが、そういうものが一般的に公社の中で——これはやはり厳秘でございまして、公社の中から一般にそのものずばりが業界に流れていくということは、私どもは予想しておりません。何かの形で出たのかもしれませんが、私どもとしてはそういうものは部内秘にしております。
○瀬崎委員 私が聞いているのは、そうじゃない。公社の方にある資料を聞いているわけですね。積算要領を持っておられるわけなんです。その中に、公社が予定価格をはじくときに、自分のところではどうしても積算できない分については、業者から見積もりをとって予定価格をはじく場合もあるのでしょう。それについての「電契二五七号」という、一種の通達のようなものですが、これがあなたのところの積算要領の中にはあったでしょう、こう言っているわけなんです。その確認。
○山口説明員 お答えします。 大変申しわけございませんが、現在では確認してございません。
○瀬崎委員 あります。これにどういうことが書いてあるか。「特殊な工程または材料等で一般の方法により積算が著しく困難な場合」には、業者から見積もりをとって工事予定価格を積算してもよい、こういうものなんです。「見積書は原則として二社以上の専門業者から」取り寄せて、「その内容の適否を検討の上、適正価格を決定する」。さらにその「適正価格に〇・九を乗じた額を工事原価」とする、こういうふうに定めてあるのです、あなたのところの文書には。平たく言えば、専門業者からとってきた見積書が適正であると判断したら、そこから一割引いたものを工事の予定価格にしておけよ、こういうことなんですね。 では、私がさっき示しました東洋電機のいわゆるマル秘資料でその部分がどうなっているか。公社が「外注見積で積算する場合には、見積もり額に一〇%の査定をし公社価格として積算するので注意をする事」と、ここにちゃんと書いてある。言いかえますと、公社が業者から見積書によって工事原価をはじき出すときは一割引いてくるから、その分水増しして見積もりを出せよ、そうは書いてないが、読んだ者は必ずそうとれるようになっている。 また、この中には、マンホール管路を掘っていって前から埋めてあった公社の管が出てきた、他のガス管や水道管が出てきた、こういう場合には、それを保護する名目で工事費補正が行われるのでしょう。これに当たっても、管の太さによって二種類の単価があるから気をつけろということがちゃんと示してある。さらに部分的には、公社の持っている積算要領のコピーそのものがこの中にとじてある。 それから、これは元請が一番活用しておるところだけれども、「夜間補正」という部分があります。詳しく書いてあるから部分しか読めませんが、工事完成後記録写真を見て判定する。それで再積算するが、マンホールの場合は管路のランクと違い、一%変動があっても、ランクが変わる場合には全工程に対してランクの変動があるので注意すること。それで計算式があります。「夜間補正額イコール受注額掛ける〇・三掛ける夜間ランク平均値」。つまり、一部分夜間の工事であっても、写真判定で夜間工事だと認定されたら、昼間の工事の部分もひっくるめて夜間の補正がかかってくるのですよ。したがって、一ランク変わると受注金額の約五%の変更額になる。そしてその写真による夜間の判定の基準も書いてある。「マンホールの場合はベース鉄筋、側壁鉄筋、スラブ鉄筋状況さえ夜間であれば、その他の工程が昼であっても夜間と判定される」。だから大いにこれを応用しなさいということですね。ここから以下は書いてないが、これだけ書かれたら支店あたりではわかりますね。できるだけ昼間工事をやっておいて、ベース鉄筋やスラブ鉄筋だけ夜やっているという、そういう写真さえ撮っておけば、これで全部が夜間工事になっていくわけでしょう。ひどいのになると、昼間で工事は全部終わっているのに、わざわざ下請に指示して、夜照明をつけさせて、それで写真の見せ場だけ撮る。こんなことまでやられている。だから、これは文書になっていると同時に、実行されているわけだ。 私は、もちろん具体的な水増し請求をやっている工事名、工事個所を明らかにせよと聞きますが、しかしこれだけ私が言えば十分公社の方で調べられるはずだと思うのです。さっきあなた方は、国会議員が要求しても絶対に出せないといったこういう積算要領の内容なんかが何でこういう元請に知られているのです。その事情を言ってください。
○山口説明員 お答えします。 ただいま先生がいろいろ御指摘ございましたことにつきましては、私どもは実態を掌握しておるわけでございませんので今後調査いたしますけれども、しかし積算の内容といたしましてはいろんな条件、先ほど先生がおっしゃいましたような夜間施工あるいは昼間施工、マンホールの構築状態、そういうものにつきましては適正なる積算を私どもやっているつもりでございます。その運用につきまして、業者が夜間やらないのに夜間やっているような積算の仕方、見積もりの仕方をやっているということにつきましては私どもはよく把握はしておりませんけれども、もしそういうことがございましたら厳正に対処してまいりたいと思います。
○瀬崎委員 総裁お見えですね。一部長の答える問題じゃないのです。総裁、こういうことが行われているのをどうします。
○真藤説明員 今後詳細に監督の目を小さくしながら現実に即して処置するつもりでございます。
○瀬崎委員 これは動かしがたい事実であります。だから、本来昼間にでき上がるはずの工事を一部夜間に回して工事全体に対して夜間補正をうまくとっている。あるいはまた公社が業者から見積もりをとって予定価格をはじき出す。そういう見積書を出すときにはあらかじめ一割の水増しをして出している。しかもこれがちゃんと社の方針として、資料として出ている。こうなってきますと、これは電電公社の発注の公正さというものは完全に踏みにじられている。予算執行上も重大な問題だと思うのです。 会計検査院お見えになっていると思います。公社のあの空会議費で飲み食いした問題ではずいぶん実績を上げられた。引き続いてこういう発注における不公正についても会計検査院で検査をしていただきたいと思います。
○丹下会計検査院説明員 お答え申し上げます。 私どもは、これまで電電公社の検査につきましては相当努力してまいったわけでございますし、いま委員さんのおっしゃいましたような積算の問題についても相当努力してまいったわけでございますけれども、ただいま御説明ありましたような点につきまして大変参考になるものと考えておりますので、その辺のところを十分承知して、さらに検査を進めたいというふうに考えております。
○瀬崎委員 いま東洋電機通信の実例を私はここに挙げたわけであります、しかし、この表を見られてもわかりますように、ここの中の真ん中に書いてある受注率というのは、その会社の総完成工事高に占める公社工事の比率、公社への依存率といいましょうか、その横の倍率というのは、この十年間で、完成工事高、つまり売り上げを何倍に伸ばしたかということなんです。東洋電機というのは、もちろんほとんど公社に依存はしているけれども、十社の中では一番低いのです。そして天下りの数も一番ここが少ない。これがいま私の指摘したところなんです。こういう状態だから、では一〇〇%あるいはそれ近く公社に工事を依存している会社あるいは役員の三分の二以上が公社から来ている、こういうふうな企業だったらどうなっているか、これは推察に余りがあるわけです。だから、会計検査院の検査は当然のことながら発注全体についてやってもらいたい。こういうこともつけ加えておきます。 そこで、郵政大臣に伺いますが、このような大量の天下りがあるときに、そして東洋電機について言うならば皆局長とか部長とか本部の調査役でしょう。天下るときに自分が公社におったときの情報、知識、経験、当然おみやげに持っていくというのが私は常識的な見方だと思う。行ったら後むしろ元請会社の方が公社に対しては先輩になるわけでしょう。こういう状況のもとでこんなことが起こるんじゃないかと私は思うのですが、大臣はどう思われますか。
○山内国務大臣 いわゆる電電公社に就職をしていた者が退職をいたしまして、新しく民間業者に行く問題かと思いますけれども、いろいろ電電公社で得た技術を十分に民間で発揮をする、こういういい点は私はあると思うのです。そしてその民間業者の技術の向上になる、こういうこともあり得ると思いますので、いま指摘をされた点は十分に注意をしながら技術の向上に努めていただきたい、私はこういうふうに考えているわけでございます。
○瀬崎委員 私がいま聞いたのは、絶対に漏れてはいけないはずの公社の積算要領、予定価格の出し方が漏れている。こんなことが起こる原因に、大量の天下りがあるのではないか、こう聞いたのに答弁をそらしていらっしゃいますね。まあいいです。 この東洋電機通信は、公社との関係でもこういうひどい状態になっているのだけれども、下請に対してもまたひどい。これはかつてわが党の山中参議院議員がこの東洋電機の下請いじめを取り上げられたことがあるのですが、そのときは必死になって公社はこの東洋電機をかばったのであります。ところが、ここに東洋電機の同じく印だけマル秘と打ってある資料があります。これは各支店に対しまして工事予算率というものを示しているのです。たとえば立川支店線路部だったらその工事予算率は七〇%、土木部七四%、水戸支店の場合は線路部が七〇%、土木部七四%、松山支店は線路部が七四%、土木部は七六%、こういうふうにびしっと示しているわけですね。こういうことだから、もちろんこれが実行予算になってくるわけです、七〇%掛けられたものが。ここから現場が経費その他を取って下請に出すのですから、下請は結局公社の発注価格から見れば五割、六割に下がってしまう。一体こういうふうなやり方で、建設業法が定めております対等な立場での合意による請負契約締結の原則とか、あるいは発注者の地位を利用して不当に低い工事価格を押しつけてはいけない、こういうふうな条項を守っていると言えるのでしょうか。建設省の見解を求めます。
○宮繁政府委員 お答えいたします。 建設業は御承知のとおり総合組み立て産業でございますので、どうしても専門の業者を下請に使うということが実態でございます。しかし、この元請、下請関係につきましては、対等の立場で当然下請業者も適正な利潤を確保するように特に私ども指導いたしておりまして、そのために元請、下請関係の指導要綱というのをつくりまして、発注者にもお願いいたしまして、この点は十分注意していただくようにやっておるところでございます。
○瀬崎委員 局長、私の質問に答えていないですよ。こういう予算率を各支店に示して、これで抑えていく、こういうやり方が建設業法に沿っているのかどうか。だから、下請は原価に基づいて話をしようとしても、いや本店から枠を示されているから、事実上対等平等の話ができなくなっている、こういう事実に対してあなたはどう判断するか、こう言っているのです。
○宮繁政府委員 御指摘の事案につきましては、具体の内容を十分調査いたしました上で適切な措置をとってまいりたいと考えております。
○瀬崎委員 こういうふうなやり方ですから、東洋電機通信の下請で苦境に陥ったり、行き詰まったり、あるいは現在東洋電機の管理会社にされてしまったり、あるいはつぶれた業者、しかも、その下で今度は不払いに苦しむ二次下請業者、これがたくさん出てきているのですね。その一つが平山建設工業さんなんです。これは東洋の下請を五年間やって、十億円の工事の中で八千万円ほど赤字が出てきて、そして資金繰りにも行き詰まって二次下請に多量の不払いができた。そこで去年、元請東洋に救済を要請した。そして難交渉の末、九月に東洋はやっと千五百万円の値増しを認めたのだが、これを二次下請の支払いに充てさせるのではなくて銀行の返済に充てさせた。そして、平山さんの不動産が銀行担保になっておった、その担保を抜かした。そして今度はその不動産を元請東洋の担保に取って、二千万円ほど融資という形をとった。そしてその後は仕事を打ち切った。だからもう平山さんは本当にお手上げになって、現在約六千万円の二次下請に対する不払いというのは固定化してきている。建設省は、この業法に基づいて下請人の保護について通達を出していますね。そこでは、特定建設業者たる元請は下請に対し労賃不払いや他の下位下請にいやしくも、「いやしくも」という言葉が使われています。いやしくも損害を与えることのないよう、立てかえ払いとか資金援助とか十分の指導をせよと言っていますね。全くこれは逆なでするような行為じゃないかと思うのです。この点については、後日また詳しいことを建設委員会で追及したいと思うのですが、私は何件もこういうことを扱っていますが、これはひどいと思います。とりあえず建設省の調査と行政指導を開始してほしいと思うのです。
○宮繁政府委員 十分調査いたしまして、適切な措置をとってまいりたいと考えております。
○瀬崎委員 次に、今度はわれわれの身近なところで行われております公社関係の工事の話に移りたいと思います。 先ほども、積算要領については工事の入札の公正を図るため出せないとおっしゃったし、過去の答弁もそうなっています。しかし、ああいう大きな工事なら、これは一件ごとに条件も内容も違うのですから一々積算しなければしようがない。それでもこういう非常にいかがわしい癒着の疑問が出てきた。ところが、各家庭にありますようなああいう加入電話新設などの宅内工事あるいはコンクリートの電柱を立てる、こういう単純な工事や撤去の工事は、工事の内容とか条件はほぼ一律なんです。こんなものについて元請がその積算単価等について知らない、現在でも公正な入札が行われていると公社は本当。にそう思っているのですか。
○山口説明員 お答えします。 私どもといたしましては、やはり積算内容につきましては一切部外に出しておりませんし、あるいは業者としましては、長年の間に大体どの辺の価格であろうかということが推定できるかもしれませんけれども、そういったものについての正確な数字はわかっていないと思っております。
○瀬崎委員 きょうは電電公社の末端で実際に電話をつけに回っていらっしゃる下請の方々も傍聴にお見えになっていると思うのです。政府や公社がどういう答弁をするか注目されております。 お配りいたしました資料の三枚目をごらんください。ここに電電公社の宅内工事について、公社から元請への発注価格、元請から下請への発注価格、この推移表を示しておきました。これはいずれも最近のものであります。この公社から元請への発注価格、A社というのは近畿通信建設であります。B社というのは宮川電通建設であります。ごらんいただいたら一目瞭然にわかるでしょう。加入電話等新設、引き込み線ありの場合でわずかに百円の違いなんです。加入電話等新設、引き込み縁なしの場合では全く同価格であります。付属機器新設の場合でたった五十円の差です。この差が二、三百円開いているように見える電話機移転等とかあるいは加入電話種類変更なぎは数量が数個と非常に少ない。ほかが何千個に対してそういう単位です。ここらはちょっとばらつきをつけて入札らしく見せかけている。これを見。たらだれだって公正な入札の結果と思いませんよ。この結果をもってして、なお公正な入札が行われているというふうにあなたたちは言うのですか。
○山口説明員 お答えします。 その数字につきましては私どもよく把握はしておりませんけれども、先ほども申し上げましたように、業者間で長年のうちに大体この程度でやっていったという実績に基づいて、あるいはその実績の上に若干の各社ごとの差があると思いますので、そういうものが出ているのではないかと思っております。
○瀬崎委員 冗談ではないですよ。元請会社間では情報交換はまさに日常茶飯事になっている。もし本当に知らないと言うならば、知らぬが仏は公社ばかりなり、よほどそこはお人よしか、逆に本当に人が悪くて、あなたたちが事情を知っておって言っていないか、そのいずれかだと思いますね。大体こういうふうに全国で一日に何千、何万件と行われている工事で、価格が秘密に保たれるとしたらその方がおかしい。ただ、現在事実上公然化しているこういう公社の発注価格をあくまであなたたちがマル秘と言い張る、このことが一体だれを利しているのか、ここが問題なんです。 これは、いま実際に仕事をやっている下請業者の受注単価を見れば一目瞭然です。それがこの表の右側であります。私どももたくさんの方を知っておりますから、数社の方々からいただきました資料の平均値をここに出しておきました。もちろんこういう元請から下請に対する支払い明細書で判定できるものもありますし、またこのように「単契外注単価表」として、電話の新設工事から、電柱を立てたり撤去したりする工事から、皆単価一覧表にして出している元請もあります。違うのは資材を元請が持っているか下請が持っているかぐらいですから、それは適切な算定をして補正をしてあります。これを見てもわかりますように。いいところで半値、悪いところへ来ると四割ぐらいなんですね。さらに、中間業者が入っている場合は一割程度の中間手数料を取りますから、ここより低くなります。改まった改まったと言っているけれどもちっとも改まっていない。 そこで、これは建設省にお尋ねしたいのですけれども、確かに一件ごとの工事は一万円とか二万円とか非常に小さいのですよ。しかし、元請は全部特定建設業者の許可をとっている、こういう場合、たとえ工事は小さくても元請は建設業法の適用は受けているのでしょうか、受けていないのでしょうか。つまり、建設業法に定める元請の責任は果たさなければならないのか、果たさなくてもよいのか。
○宮繁政府委員 御指摘の場合も建設業法の適用を受けることになります。
○瀬崎委員 私もこれまでの国会答弁をつぶさに読んで、あれこれ理屈をつけて元請をかばってきたいきさつを百も承知しております。だから実際にいろいろ調べました。加入電話新設工事の場合は、電話機、付属機械、保安器、接地棒は公社の支給、屋外線、屋内線、ステップル、くぎ、ビニール管、木材等は工事単価に含まれている。材料費は、さっき言ったように工事費に込みで下請に出されている場合もあれば、一部元請が持っている場合もある。現場を見ましたが、およそ現場での工事はすべて下請業者がやっているわけでありまして、工事が終わった後、正確に通話がつながっているかどうか確かめるために電話局へ電話しますね。それを電話局で受ける人も下請の方からちゃんと配置をしなくてはいけないのです。これも下請業者がやっているのです。 それから、あなたのところにあります積算要領で見ますと、原価のはじき方として間接工事費などというものを見ているわけなんですが、それは現場代理人、主任技術者、その補助者の労務費や交通費、滞在費、さらには現場事務所設営費、材料保管設営費などを見込んでいるのですが、それらはすべて下請がやっているわけなんです。また安全対策費として、安全巡回費とか安全装備費とか安全教育費を挙げていますけれども、およそ電話の架設なんというものには安全パトロールになんて全然来ない。私も見たことがない。また、安全教育とか技能訓練、こういうものに金がかかるのだと過去答弁されていますけれども、これは電信電話工事協会がやっているわけなんですね。ですから、元請のやることといったら指示書を出すこと、それも事務所まで下請に取りに来させる、あと一月分の工事出来高を報告して金を払うだけだ。どこからどう見たってこんな半値や四割になるはずがないのであります。 建設省にお伺いしたいのですが、いま私が申し上げたのが工事の実態です。こういうのは事実上やってはならない一括下請に当たるんじゃないでしょうか。
○宮繁政府委員 お答えいたします。 建設業法では一括下請を原則的には禁止いたしておりますが、一括下請であるかどうかという判断は、一応私どもは、請け負った工事をそっくりそのまま請け負わせる場合、こういったようなこととか、あるいはまた建設工事の主体的な部分を取りまとめて他の一人の建設業者に請け負わせるような場合、こういう判断基準がありましてやっておりますけれども、具体の事案につきましてはもう少し検討さしていただきましてこれに当たるかどうか判断いたしたいと思います。
○瀬崎委員 その調査の際、この場合も果たしておのおの対等な立場での合意に基づいた契約と言えるのかどうか、また不当に低い工事価格を押しつけていないかどうか、下請の意見を聴取したことになっているかどうか、いずれもこれは建設業法の条項ですが、こういうことも調査してほしいと思います。 そこで、しばしば技能訓練だって金かかるのだということを公社が言っているものですから、これは労働大臣の方に伺います。 建設労働者の雇用の改善に関する法律というのがありますね。これは一体労働者の利益のためにつくった法律なんでしょうか、企業の利益のためにつくった法律なんでしょうか、その根本を伺っておきます。
○関(英)政府委員 お答えいたします。 建設雇用改善法につきましては、建設業が注文生産であり屋外生産であり移動生産であるというようなことから雇用面に不安定な面がございますので、その雇用面の改善を図るためにいろいろな助成措置等を講じようということでできた法律でございます。最終的には労働者の雇用の安定を図る、雇用の改善を図る、こういうことを目的といたしておりますが、その方法として、事業主を通じて助成したりいろいろな方法が使われるということがございます。
○瀬崎委員 この法律によって、雇用促進事業団から建設業者の団体に対して技能実習助成金などの建設雇用改善助成金というのが支給されていますね。事業団からあらかじめいただきました資料で見ますと、五十四年度の場合は実にこの電信電話工事協会がトップなんです。二百二十九件、三千百八十三万円を受け取っています。以下は一千万円、がた落ちなんです。電信電話工事協会では、この助成金をもらってどんな技能実習をやっているのですか。
○関(英)政府委員 電信電話工事協会につきましては、技能実習それから雇用管理研修、職長研修、こういった講習等を実施して、その実績に対して助成金を支払っているわけでございます。
○瀬崎委員 その中身をもう少し具体的にしてほしかったのですが、時間がありませんからこちらから言いましょう。つまり、一つのカリキュラムを組みまして、初心者の技術実習からだんだん高度なものにいって、コンピューターその他の関係、データ通信等の工事もできるように、そういうことをやっているわけですね。だから非常にこの助成金をたくさん使うわけなんです。その上、元請の企業が従業員をこの技能実習に参加させた場合有給扱いとせよ、こういうように雇用事業団は指導しております。そのかわり、企業に対しては、その派遣した労働者一人当たり三千円の助成金がもらえることになっているんです。返ってくるんですね、企業の側は。ところが、下請の親方やそのもとにいる労働者にも技能実習のため講習は受けなさいよという指導が行われているが、こっちの方にはこの三千円の目当補助が出ないわけなんです。大体この電信電話工事協会というのは、もう資本金一億円以上の大企業が圧倒的。正会員七十人というのは認定元請七十一社のうちの関東電気工事を除いた全部なんです。元請会社の団体なんですね。こうなってきますと、本来は技能実習のために——公社の仕事をしようと思えばいやでもおうでも習わなければならない技能実習を、この制度ができたおかげで、国から補助金をもらってやれるようになった。おまけに、そこへ労働者を参加させればその日当まで三千円は国から返してもらえる、こんなありがたいことになってきている。先ほどおっしゃった労働者の雇用の安定のためではなくて企業の経営の安定のため、こんなことになっているんですね。こんな状態だから、電話の架設をやる原価の中に大体技能の実習費なんて織り込むのはおかしいわけなんです。何にもかからない。こういう点は指摘をしておいて、この制度も相当いい制度には違いないと思うけれども、大臣の方で改善をしてもらう必要があると思いますね、本当に労働者に役立つように。 そこで、官房長官はお急ぎのようですから、進みます。 この電電公社の元請認定制度というのは、私は非常に害悪があると思う。認定元請業者というのは、昭和四十九年から六十九社、それが五十三年に沖繩県の二社と別の一社が加わり、逆に一社が外れていまの七十一社体制なんです。だから、事実上ここ十年近く元請の企業というのは固まったままなんですね。ところが、公社の発注は何ぼでもふえていくんですから、当然元請は急成長できることになるわけなんです。営業の苦労も何にもしなくたって、ちゃんと公社から仕事をおろしてもらえるようになるんでしょう。こんなありがたい企業は世にないと思いますね。自由経済の原則に最も反しているのがこの公社対元請の関係だと思うのです。 なぜこんなことが可能になるんだろうか。それはこの図を見ていただいたらよくおわかりです。何と言っても公社をめぐる巨大な取引から発生する諸悪の根源というものは、公社幹部の元請企業に対する大量の常識外れの天下りだと思うのです。私もかつて日本住宅公団の天下りを問題にしましたが、それでさえ世間で騒がれたのに、これはもうその比じゃないですね。この上位十社、役員総数百五十二人中八十六名、実に五七%は公社の天下り。完成工事高のほぼ全額を公社に依存している企業ばっかりですね。一〇〇%というのが二つもある、いわゆる公社以外の仕事をしないんですから。こうなってきますと、電電公社工事局と言った方がいいくらいだと思います。第二電電公社といいましょうか。ひどい会社になると、会長、社長、専務、みんな天下り。現在政府は、確かに公務員の天下りについては一定の規制を加えていますが、特殊法人から民間へについてはほったらかしなんです。ここを何とか手を入れない限り、こういう醜い黒い霧というものはなくならないと思うのです。ぜひ官房長官が閣議に諮って何らかの規制というものを打ち出していただきたい。官房長官の答弁を求めます。
○宮澤国務大臣 先ほどからお話を承っておりましたので、問題になっております点はよく御調の中から読み取れるわけでございますが、先刻郵政大臣も言われましたように、いわゆる民間の側で特殊法人にいた人々の能力なり経験なりをぜひ活用したいという場合が実際の場合しばしばあるであろうと思います。したがって、問題を一般的にどうと、あるいは規則でもってこうというわけになかなかいきかねるのではないだろうか。要は、関係者が気をつけまして公正でないようなことが行われないように注意をするということに尽きるのではないかと考えております。
○瀬崎委員 それは、公正を保つために何か実行しますね。それだけお答えいただいて退席いただいたらいいと思います。
○宮澤国務大臣 政府あるいは政府関係機関のそういう責任ある人々が常に公正に業務をやっていくということに心がけてもらいたいと考えております。
○瀬崎委員 それでは、いまの官房長官の発言を受けて、郵政大臣はどうされますか。
○山内国務大臣 官房長官から御答弁がございましたが、官房長官といろいろ相談をしながら、御指示を受けながらやりたいと思っております。
○瀬崎委員 それから、こういう七十一社でがっちり公社を取り囲んでいるわけであります。このまま続きますと、中小業者の割り込む余地がなくなるのですね。 そこで、中小企業者に関する国等の契約の方針という閣議決定を見ますと、「国等は、物品等の発注に当たって、数量面又は工程面等からみて分割して発注することができるかどうかを十分検討し、可能な限り分割発注を行うよう努めるものとする。」ここまでして中小業者への発注に努力せよと閣議決定しているのですが、では通産大臣、電電公社だけはこの閣議決定に従わなくてもいいというようにお認めになっているのでしょうか。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 これは毎年の閣議決定で、鋭意各省及び各公社公団等と詰め合わせをいたしまして、閣議決定の履行についての最大限の努力をお願いいたしておりまして、私どもも電電公社の場合も同じようにやっております。
○瀬崎委員 電電公社がそのらち外でないという答弁がありました。 そこで私は、これは必ず実行できるという問題を三つ提起します。 一つは、加入電話新設、撤去あるいは建柱工事、こういう単純な工事は小零細業者でりっぱにできるのです。電力会社などはそうしているのです。こういう個々の零細業者に直接発注することがいまの公社の体制でそのままは無理だというなら、それこそ官公需適格組合制度というようなものを活用する。それに対して、先ほどの労働省の建設雇用改善助成金という制度もがみ合わす。こうすれば、何もわざわざこんな資本金何十億の元請を通さなくたってりっぱにこの仕事はできると思います。郵政大臣として、公社にこれを指導なさる用意があるかどうか。
○山内国務大臣 電電公社のやる仕事もいろいろございまして、技術的に非常に高い水準が求められる工事もございますし、あるいはいま御指摘のような簡単な工事もございます。その程度に応じて、十分そういう点をわきまえてやるように指導してまいりたいと思っております。
○瀬崎委員 ぜひそれを実行に移していただきたい。 それにしても、固まった体制の変更にはやはり相当時間がかかると私は思うのです。当面、緊急の措置として——東京電力の場合、電柱を建てる、これは関東電気工事の一括元請を認めています。しかし同時に、元請の手数料を制限しているのです。ここは一工量という単位で発注しますが、元請手数料一割、わかりやすく言いますと、一工量百円で元請の関東電気に発注すると、元請は十円の手数料を取って九十円で下請におろさなければならない。そのほかに、別に四円とか五円とかの奨励金を出しています。これは元請はピンはねをしてはいけない、そっくりそのまま下請業者におろしなさい。こうなりますから、まあ電力会社にはほかにもいろいろ問題がありますけれども、この件に関しては、一応下請業者は保障されるのです。こういう方法も検討の対象になるのではないか、こう思います。これは公社に伺います。
○山口説明員 お答えいたします。 ただいま先生からお話がございました点につきましては、私どもは平素から元請業者に対しまして、下請を圧迫するような契約をしてはいけないということも申しておりますし、ただいま先生おっしゃいましたような例も今後参考にさせていただきたいと思います。
○瀬崎委員 三つ目は、建設省としても、これは全部大臣の特定建設業者なんですよ。だから、その三年ごとの許可更新に当たっては、技術力とかあるいは経営能力とかいう面だけではなくて、下請保護という、特定建設業者にとっては大事な問題ですね、こういう点でも、厳重な審査をして許可をおろすようにという措置を講じてもらいたいと思う一のです。いかがですか。
○宮繁政府委員 建設業法の法文の条項に基づきまして、厳正に措置してまいりたいと考えております。
○瀬崎委員 それから、こういう簡単な電話架設工事一件が、元請には一万二千円で発注され、下請に出るときには半分の六千円、ほかはそれ以下になる、これには二つの重大な問題があると思う。 一つは、利用者の国民の側から見たらどうなるか。これはまさに電話料や加入金を高く取られ過ぎているのではないか、もし適正な発注方法をとればこういう料金はもっと安くなるのではないか、こういう問題です。 いま一つは、利権集団化した元請企業がその独占的な発注者の地位を利用して、本当に天地の開きほどある弱小下請業者を圧迫しているのではないか、こういうことであります。 前者については引き続いて会計検査院の、後者については公正取引委員会の調査、見解を求めたいと思います。
○丹下会計検査院説明員 お答え申し上げます。 先生の御説明を参考といたしまして、今後ますます検査に努力したいと思っております。(瀬崎委員「これを検討するのかどうか、それを聞いておる」と呼ぶ)検査の中で検討させていただきたいと思っております。
○橋口政府委員 建設業における下請問題は、先生御承知のように、建設業法と下請代金支払遅延等防止法とダブルに適用があるわけでございますし、それからいまちょっとお触れになりましたように、最終的には独禁法につながる問題でございますから、よく実態を掌握いたしたいというふうに思います。
○瀬崎委員 時間がないのは大変残念ですが、次に進みます。 次も、別に新たな予算をふやさなくてもできる中小企業の対策として、いまも話が出かけております官公需を本当に閣議決定どおり中小業者におろすための具体的な手だてについてであります。 国際障害者年を迎えているのですが、官庁施設の身障者向け改造は、五十二年の建設省通達以後本格的になったと言ってもよいと思うのですが、昨年十一月の建設委員会の私の質問で、現在改造されたのは百九施設、対象になる施設は六千ある、本当に前途ほど遠しということが明らかになった。斉藤建設大臣は、障害者の方々への施設の新設、改造等については御指摘のように確かにおくれておる、じくじたるものがある、こうおっしゃって、今後身障者の期待にはこたえるかということに対しては、その心組みでがんばるという決意を表明されたのですが、具体的にはもう対策を講じられましたか。
○丸山政府委員 建設省が所掌しております官公庁施設は約六千ございますけれども、そのうち身障者用に設備を改良する必要のあるものは約千余あると考えております。そのうち、現在までに大体完了いたしておりますのは、先般百九と申し上げましたが、各省庁で行いましたものがございまして百八十ございます。それで、今後早急に整備すべきものといたしましては約一千あるわけでございますが、それを約五年間でやりたい。なお、本年度の予算は二億二千万でございますが、これを来年度は四億にふやしておりますから、来年度におきましても約二百ぐらいやりたい、こういう考えで進めておるわけであります。
○瀬崎委員 これは大臣の決意もありました。ぜひ実行してほしい。 そこで、これと中小業者の関係がどうなるかということなんですが、国会の建物でもスロープの取りつけ、便所改善、レール設置、簡易昇降機の設置などが進んでいるわけであります。たまたまここで参議院の例を挙げるのはなんですが、幸いにしてこの霞が関周辺でただ一つ参議院だけが分割発注を行っておりました。この点は事務当局に敬意を表したいのです。 スロープというのはあの二十センチほどの段差のところを、たとえば地下の廊下から議員会館へ入るようなところ、議面の入り口にもありますが、木でつくった十五分の一ほどの傾斜の台の上にカーペットを張るだけの非常に簡単なものです。衆議院のそこの議面の入り口だけコンクリート台であります。参議院はこれが四カ所ありまして、木の台の部分とカーペット部分を分けて発注しており、木の台の部分が七十万四千円、すなわち一基が十七万六千円なんです。カーペットが十五万円、一カ所三万七千五百円です。この分割発注は大変結構なんだが、この木の台の部分、これが何と資本金十二億円の特定建設業者松井建設に発注されているのですね。 次に便所。従来の奥の一区画のドア部分の仕切りを取り外しましてスペースを広くして、新しくアコーデオンカーテンで間仕切りをする、そして必要な手すりを取りつけ、洋式便所を設置し、若干タイルを張りかえる、こういう改造工事なんです。参議院三カ所でアコーデオンカーテンつきの仕切り戸などは建築部分とし、便所設置及び給排水は衛生工事と、分けて発注です。建築部分が八十一万円、一カ所二十七万、衛生工事七十九万、一カ所二十六万三千円。これも分割はいいんだが、建築部分はその松井建設へ発注。 レールというのが三つ目にあります。これは参議院の正面玄関や新館入り口の階段部分に取りつけられておりまして、車いすの車輪が外れないように、手押しのためですが、厚手のステンレススチールを長さ二メートルから三メートル、幅十五センチ、深さ五センチのコの字形にして置いてあるだけなんです。五カ所ありまして九十九万六千円、一カ所が二十万。これはちょっと二十万しないように思うんだけれども、まあ値段のことは別にして。板金の仕事と思いますが、これもその特定建設業者松井建設への発注なんですね。 せっかくの参議院事務当局の努力に敬意を表し、いろいろ事情があったんだと思うんだけれども、しかし本来こういうのは、実際やっているのは小規模業者がやっているのですから、小規模業者向きの仕事ではないかというふうに思うのですが、建設大臣どういう感想を持っていらっしゃいますか。
○丸山政府委員 いまのお話の点は、建設省の発注ではなくて参議院の発注だそうでございますが、建設省の考え方としましては、分割発注をやるのはやはり中小企業の補助、育成ということに目的があるわけでございますから、できるだけその線に沿ってこれからも進めてまいりたいと思います。
○瀬崎委員 それじゃ、そうなっているかどうか官庁の方も調べてみたんですが、衆議院の方は残念ながら一括して松井建設に発注なんです。霞が関の中央合同庁舎、これは五十三年度に七庁舎の便所改造、スロープ取りつけなどが実施されておりますが、これは松井建設ほど資本金十何億ではありませんが、やはり資本金二千万円の特定建設業者三和建設に発注されているのです。大体、大工さんや左官屋さんがやる仕事で、分割すれば二十万とか三十万になるようなものでしょう。同じ中小企業といえども、中堅でなくて文字どおりの小規模業者、いま一番仕事がなくて困っている業者向きなんですよ。私は、そういう点で、国際障害者年ですから、一方では大いに積極的に改造を進めてもらいながら、そういう仕事はまた一方では最も適したこの零細業者に発注する努力もしてほしいと思うのですね。これは建設大臣にひとつ伺っておきます。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 具体的な御指摘で零細中小の方々への御配慮でございまして、いままでの慣習等々もございましょうけれども、そうした面についても十分な配慮を持って、幅広くきめ細かい配慮を持ってそうした問題には取り組みたい、このように考えるものでございます。
○瀬崎委員 時間がないので大変残念ですが、高速道路とか空港の民家防音工事ですね。この間滋賀県の道路公団栗東管理事務所で調べたら、何とこれも百万から三百万程度の小規模工事なんですが、これに道路専門の大阪道路エンジニアリングとか、あるいは資本金一億円の大臣特定の笹川組、こんなのが公団の推薦業者になっているのです。こんなものはどっちみちもう下請させるに決まっているのですよ。そこで小さな大工さんたちが共同して協力会をつくりまして、そして管理事務所のあっせんもありましてその名簿を民家防音工事の家に知らせてもらった。そうしたらそこから数件やはり注文が来たわけなんです。きょうそういう方々も傍聴席に見えているのです。やはり中間マージンを抜かれませんからゆとりを持って丁寧な工事ができて、施主に非常に喜ばれた。だから非常に確信を深めて、ぜひこういう官公需を目指したいと来られているのです。これはお伝えだけしておきたいと思います。 そこで、時間でありますので、最後にこれは大蔵大臣にまとめて伺いたいと思うのでありますが、ことしの中小企業の予算というものが非常に少ないわけなんです。しかし、そういう限られた中でも、いろいろ工夫、努力をすれば、たとえば電電公社のあの大量の天下りからくる癒着関係というものを明朗にして、そして大手業者が牛耳っている仕事を中小企業に出すこともできるではないか、あるいはまた官公需については、いまお話し申し上げました身体障害者向けの改造などはまさにもう零細業者に持ってこいの仕事だから、そっちの方へやる努力をしたらどうか、実例も挙げながらお話ししたのですが、しかしこれで解決するような中小業者の状況ではいまないわけです。御承知だと思います。 今度のこの予算は、私が言うまでもありませんが、大蔵大臣はずいぶんと大なたをふるって概算予算も削られた。伸び率がわずかに二・数%、全予算に占める中小業者対策予算というのは従来の〇・六%、これでも低い水準だったのですが、これを割って〇・五三%に落ち込んでいるわけです。大蔵大臣はいまの時期に中小企業の対策がこの予算で万全だと思っていらっしゃるのかどうか。今後ともこのように中小企業対策というものは圧縮していかれるおつもりなのかどうか。今後の問題も含めてお聞きをしておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 予算書から見ますと二・六%で低いじゃないかという御批判を受けるのです。これはもう先生御承知のように繊維設備の共同廃棄事業二百十五億というものが切れちゃったものですから、それを除いて考えますと一二・五%増で、中小の費用は全体の予算のバランスから見ると極力づけたつもりでございます。中小企業の育成という点についてはいろいろなやり方がございますが、今後ともわれわれも努力をしていきたい。ただいまお話しになったようなことは大変結構なことで、われわれも常日ごろ言っていることであります。
○瀬崎委員 何かこの予算は十分つけてあるのだという弁解ばかり強調されるのですね。しかし、これは後日に譲りたいと思います。 以下、粟田さんの方から関連質問があります。
○小山委員長 この際、栗田君より関連質疑の申し出があります。瀬崎君の持ち時間の範囲内でこれを許します。栗田翠君。
○栗田委員 私、先日に引き続きまして、教科書問題で残りの質問をさせていただきます。 まず初めに、文部省が調査を約束しておられます事実についての結果をお答えいただきたいのです。 一つは、「疑問だらけの中学教科書」の「あとがき」に書かれていた、文部省が見本本を特定グループに渡したかどうかという事実についてもう一つは、原発、商社問題について文部省が参考意見を言ったと言っていらっしゃいますが、どなたがそれをお伝えになったかということ。それから三つ目に、正誤訂正表を再度提出していただけるようにお願いしましたが、それについての結論、これを伺いたいと思います。
○三角政府委員 御質問の「疑問だらけの中学教科書」の執筆者に対しまして、文部省が見本本を渡したという事実はございません。 第二点の原発問題につきましての意見を参考として文部省から教科書発行会社に伝えたということにつきましては、これは教科書検定課という一つの組織として、随時各会社にあるいは来省を求め、あるいは会社側が他の用務で来省をしたついでの際を利用して伝えたものでございまして、だれがいつということにつきましてはお答えをいたしかねるというふうに思っておる次第でございます。 第三点の問題は、前回も御質問があった次第でございますが、共産党からの昭和五十六年度使用中学校教科書の記述変更にかかわる申請数、内容変更状況(申請年月日、申請内容、教科書の変更前後の一覧表)、これにつきましては、これは教科書発行会社によります申請の一々の具体的な内容にわたるものでございまして、これらにつきましては申請者の利害関係も考えられることでございますとともに、今後の教科書の採択にも関係の及ぶことでございますので、文部省といたしましては、従来から文部省側からこれを公表するということをいたしておりませんし、今回のお求めについても御提出は差し控えさせていただきたい、こういうふうに、考える次第でございます。
○栗田委員 まず第一点についてですが、調査の結果文部省が見本本を渡した事実はないというお答えについては、私はまだ信じられません。それはなぜかといいますと、国立大学の講師ともあろう方が、またその学長が監修している本の「あとがき」にはっきりと書いていらっしゃるということ。それならば、これがうそだったらまた問題だということです。 もう一つは、先日の質問の後で各社がいろいろ記事をお書きになりましたが、たとえば東京新聞が当の森本氏にコメントをとっておられますが、この森本講師は「われわれのグループの手をわずらわして入手したもので、文部省から直接ではない」と微妙な発言をしているということが書かれております。これは直接渡したのは文部省ではないけれども、それを仲介したという点について否定していない発言でございます。 それからもう一つ、私が信じられないと言っておりますのは、実はきょうここに二本のカセットテープを持ってまいりました。これは例の問題になりました森本氏たちのグループが世界平和教授アカデミー主催の第二回学際研究会議でこの教科書問題を発表しております十二月十三日、この日の会議のテープでございます。これは公開の会議で録音も許されていたということでございますが、この中で質疑応答がされておりまして、市川さんとおっしゃる、これは文部大臣の二年先輩だとおっしゃる方が質問をしております。この教科書問題は重大であるから、自分は文部大臣と非常に親しいので、また一緒に行ってお話をしようではないか、また、こういうことは本にして出版すべきであるといった趣旨の質問をしておられまして、それに対して森本氏が答えているのには、少なくとも自分はいままですでに三回文相とも会っている、しかも一番最近は十二月十一日と推定される発言をしているのです。その中で、文部大臣に教科書の問題で幾度も話をしている、文部大臣は森本君がんばってくださいと激励もしてくださった、そういう答えをしておりまして、しかしまた引き続き、一時間ぐらい時間をとっていただけたら御一緒に会いたいといった趣旨の発言をしております。 私はきょうこの事実を時間がありませんのであれこれ追及いたしませんけれども、こういうさまざまな状況から見まして、いまのお答えは信じがたいと思いますので、改めて文教委員会などで、できれば森本氏を参考人にお呼びをしてはっきりさせたいと思います。 次に、それでは第二点に移りますが、自衛隊問題などのように世論が分かれています記述について、また学説が大きく分かれている問題で、かつ憲法の解釈にかかわるような問題について、いままで文部省は教科書にこれを書くときには両論を併記すべきだという主張をいつもしてこられましたけれども、このお考えは変わっておりませんか。
○三角政府委員 教科書の記述につきましては、一々具体の記述について検討をするということでございまして、物事のすべてにつきましていろいろな議論をすべて教科書の上に反映すべきだというような、そういう一つの方針というものがあるわけではございません。 ただ、検定の一つの基準といたしまして言っておりますことは、基本的には、政治や宗教についてその取り扱い方が公正であることというようなことがございますし、それから内容の記述の正確性に関連いたしまして、一面的な見解だけを十分な配慮なく取り上げていたり、未確定な時事的事象について断定的に記述していたりするところはないことというようなことがございまして、こういった原則に照らしてその場合場合で判断をさせていただくというふうにいたしてございます。(栗田委員「自衛隊問題はどうでしょうか」と呼ぶ)自衛隊につきましても、出てまいります教科書の記述に即して検討をし、最終的には教科用図書検討調査審議会の御答申をいただきまして、その御答申に基づいて結論を求めるというふうな運用をいたしてございます。
○栗田委員 時間がありませんので簡潔な御答弁をお願いしたいのですが、昨年暮れに、これは民社党の和田耕作氏が同じ問題で文教委員会で質問をしておられます。当時の初中局長である諸澤氏がこれに対してはっきりと答えていらっしゃいますが、「教科書の性格として、一つの意見だけを載せるわけにはいかない。こういう立場があるわけでございますね。これのよしあしはともかくとして、現実にはそうしているということです。」とはっきり答えていらっしゃいますが、このとおりだと考えてよろしいですか。二言で結構です。
○三角政府委員 ただいまのこの四月から用いられます中学校の社会科公民の教科書におきましては、著作者側から、いま御指摘のように、両論併記という字が果たしてぴたりとするかどうかわかりませんが、違憲論も書き添えた記述のものが出てまいりまして、それにつきまして教科用図書検討調査審議会においてこれらの教科書は合格という御答申が出ているわけでございます。
○栗田委員 奥野法務大臣に伺いますが、先日の予算委員会で法務大臣はこの問題にも触れられまして、自衛隊などの問題については義務教育の教科書では両論併記をしてわざわざ書く必要はないという御発言があったように聞いております。 ただ私伺いたいのは、自衛隊問題について学説が分かれているということ、また世論も全くぴたりと一つではなく分かれているということ、それについてはどうお考えでいらっしゃいますか。
○奥野国務大臣 自衛隊は国の独立を守っていく非常に重要な国の機関でございます。義務教育の児童生徒はまだ判断力もないわけでございますので、そういう判断力のない子供たちに憲法違反の疑いがあるというようなことで自衛隊に疑問を起こさせる、そのままで国民として育てていくことがいいんだろうかどうだろうか、大変疑問に思っておるわけでございます。合憲、違憲の両論のあることは承知しておりますけれども、国会では自衛隊法を成立さしているわけでございまして、その成立は合憲という前提で成立していると思います。自衛隊法が成立している以上は、私は合憲の推定を受けているものだ、こう考えておるわけでございまして、そういう性格のものでございますから、私は、義務教育の児童生徒にまで違憲の疑いがあるなんということを全部書いているということについては、大きな疑問を持ってきているものでございます。
○栗田委員 これはまたまた大変な御発言でございますが、いま憲法学者の間では自衛隊違憲論が八割です。専門の学者は八割違憲だと言っておられます。また、下級審におきましては、裁判所では違憲判決も出ておりますし、一方で、はっきりした合憲判決は出ておりませんけれども統治行為論などは出ております。最高裁ではまだ自衛隊そのものについて合憲、違憲の審判はされていないはずでございます。特に文部省はさっきもお答えのありましたような方針で、いま両論併記ということで合格させ、つまり検定基準にのっとっていっても、これは両論併記すべき中身であるという考えをことしの教科書に示していらっしゃるわけですけれども、それにもかかわらず法務大臣がこういうことをおっしゃっているわけでございます。 私、文部大臣に伺いたいと思いますが、所管でない大臣が、文部行政のあれこれについて、特に非常に重要な憲法にかかわる問題についての教科書の記載の仕方をいろいろおっしゃっています。しかし文部省としてはいま両論併記の立場で合格をさせていらっしゃる。一体こういうことを黙っていらっしゃってよろしいのでしょうか。お考えを伺いたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 お答えいたします。 ただいまの私に対する御質問は、教科書の検定の内容の問題であります。奥野法務大臣の御意見は御意見としてございますが、文部省といたしましては、教科用図書検討調査審議会の答申に基づきまして検定を行っておるのでありまして、自衛隊に関する記述につきまして、審議会によって合憲論と違憲論を併記した申請本を合格とするという答申が行われましたので、文部省といたしましては、これに基づきまして検定を行ったものでございます。
○小山委員長 これにて瀬崎君、栗田君の質疑は終了いたしました。 午後二時より再開することとし、休憩いたします。 午後一時二分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。日野市朗君。
○日野委員 私は、科学技術に関する何点かにわたって質疑をいたしたいと思います。 まず第一点でありますが、東海村の再処理工場についてお伺いをいたします。 現在、この再処理工場は運転をストップしておりますね。これは昨年の十二月二十五日に使用前検査合格書が出て、そしてことしの一月十七日から燃料棒集合体の勇断を開始したわけでありますが、ところが何と、一月二十三日にトラブル発生ということでございますね。一月二十三日には、使用済み燃料の溶解槽のジェットポンプの作動が不良だということで、操業がストップをいたしました。 これは私、非常に気に入らないのですが、ジェットポンプの作動不良という名称でこのトラブルを発表しているわけでありますが、その実態を見ますと、確かにポンプが動かなくなったことは間違いないのですが、ポンプに溶解液を送るパイプが詰まったわけです。溶解槽からその溶液を送り込むパイプが詰まったためにポンプが動かなくなった。ポンプが動かなくなったというのは結果にすぎないわけでして、それよりもっと大事なのはパイプが詰まったということですね。しかも、さらにもっと大事なことは、パイプが詰まったのはなぜかというと、不溶解物、つまり溶けなかったものがあったために、その溶けなかったものがパイプを詰めてしまった。さらに問題をずっと突き詰めていきますと、そもそもの問題点は、切断された燃料棒集合体、そしてその中には使用済み燃料が詰まっているわけですが、これを溶解する過程に大きな問題があった、こういうことになるわけですね。こういう状態を見てみると、この事故というのは、単にパイプが詰まった、ポンプが動かなくなったということ以前に、もっと致命的な燃料棒集合体を溶解する過程からそもそもの問題があったというふうに私は思います。 それからもう一つ、今度は二月の四日になったら、プルトニウム溶液の酸回収工程への混入という事故が起きます。その酸の回収工程にプルトニウムの溶液が混入したということでございますけれども、これはプルトニウム蒸発がんで酸が入っていて、それがちょうど百二十度になったときにヒドラジンを混入する、そしてヒドラジンとこの酸との反応を得てプルトニウムを抽出していくという工程なのでありますが、これは百二十度をぴちっととらえるということが非常に大事なことである。その百二十度をとらえるということが実際上はできなかったということで、これも非常に再処理の工程の上では大きなトラブルであろうというふうに私は思うのです。 それから二日たった二月六日になったら、今度は酸回収精留塔の蒸気配管に硝酸が混入したというような事故が起きます。それから十一日ばかりだった二月十七日には、今度は分析所における負圧警報の作動というような事故が起きる。立て続けに大事な部分で事故が次々と起きている、こういうふうに私、認識しているわけでありますが、これはそちら側から説明してもらうと非常に長たらしい説明になるので、時間の節約上、私の方から一応ずっと事故を概観してみたのですが、このような認識でよろしゅうございますね。
○赤羽政府委員 先生御指摘のような状況が発生したと認識しております。
○日野委員 私が気に入らない点は、いま事故の中でも申し上げましたけれども、これは昨年の十二月二十五日に使用前検査合格書が出たばかりなんです。 しかも、私が最初に挙げたジェットポンプの作動不良という事故でありますが、このパイプが詰まるということは、昭和四十四年に行われた安全審査のときはわからなかった。しかし、その後の運転経過の中で、これは物が詰まるということは知られていたことですね。それから、再処理工場の技術のもとになりましたサンゴバン社におけるいままでの運転実績の上からも、これは十分知られていた、これはどうですか。
○赤羽政府委員 御指摘のとおりでございまして、ジェットポンプの系統におきまして、その前のパイプが詰まるという現象が起きておりますが、これは安全審査段階の事故ではございませんけれども、その後の試運転等を通しまして、こういう現象が起きることはわかっておりました。また、サンゴバンでもその復そういうことがあるという情報がございます。そのために、四本のポンプがございますけれども、そのうちの二つにつきましては、穴をあけまして、対策がとれるように用意してございます。
○日野委員 それで、私、非常に疑問に思いますのは、このような詰まりがあったというような現象を確認しておきながら、また、サンゴバンにおけるそういう情報も得ていながら、きわめて安易に使用前検査に合格をさせてしまった、これはなぜですか。
○赤羽政府委員 使用前検査と申しますのは、原子炉等規制法の第四十六条に定めてございますけれども、その前に行われます設計及び工事の方法の認可が行われているわけでありますが、そのとおりにでき上がっていて、そしてその性能が総理府令に定めてあります技術上の基準を満足するかどうか、それを調べるために行うものでございます。ジェットポンプ自体は、たとえ不調になりましても、それがすぐに安全性に問題があるという部分ではございませんので、直接細かく検査をする対象としてはおりませんけれども、使用前検査では全体の運転が正常に行われているかということを確認しておりまして、その意味では、検査当時すべて順調に稼働していたわけでございます。
○日野委員 あなたはそうおっしゃいますけれども、それは使用前検査というのはどういう役割りを持っているかなんということはこっちはよく知っているのです。いままでも、科学技術庁の態度としては、十分に安全性に留意をいたしましていろいろなチェックを行うということは、科学技術庁は歴代の長官、それから政府委員の方々も常に強調しておられる。しかし、現実にはどうですか。これは非常に重大な部分に重大な欠陥があったということは、使用前検査の前からデータとしては得られているわけです。その点について、使用前検査の場合に当たっても十分に検査をしてしかるべきであろうと私は思うのであります。それがこの安全性に対する十二分の配慮というものではないかというふうに私は思います。いかがでございましょうか。
○赤羽政府委員 御指摘のとおりでございますけれども、安全性につきましては、直接関係する場所としない場所がございます。それからまた、原子力施設一般に安全性につきましては、機械の故障ということはあり得るものと考えて安全対策をいたしまして、そのために予備の設備を置くなり別系統で作動するなり、いわゆる多重防護の考え方をしているわけでございます。したがいまして、その機械が一つずつ、絶対故障しないという見地からの検査はしようとしてもできないわけでございまして、バックアップの方を重視するわけでございます。 なお、このジェットポンプにつきましては、液が送れなくなるというだけで、操業ができなくなるという問題はございますけれども、安全上の問題ではございませんので、穴をあけて導通が図れるような対策をしてあるということで所期の性能が出せると考えたわけでございます。
○日野委員 穴をあげたという非常に荒っぽいことで一応解決を図ろうとしているようですが、いままでも何度もこのパイプは詰まっているわけでございますね。いままでに溶解槽から出ているパイプについては何度も詰まった、そしてその都度、自然にそれがまた通るようになった、詰まり状態は解消した、だから大丈夫だと思って運転していた、こういうふうに私は聞いているわけでありますが、本当にそのような状態なんですか。
○赤羽政府委員 過去の経験におきまして、自然に通ったという場合もございますが、また、通す対策を行って通った場合もございます。いずれにいたしましても、詰まることがすぐ安全に影響するということではなくて、回を重ね、いろいろな対策を講じるうちにその原因を明らかにして、よりよい技術の蓄積に努めるという観点の問題だと思われます。
○日野委員 再処理工場というのは非常に高度な技術を要するものでありまして、系統的にも流れているわけですね。この各系統がばらばらというわけではない。ずっと一貫した作業を必要とする工程でございますね。しかもその溶解する部分、それからその溶解液を送り込んでいくパイプ、これに問題があったとしたら、その根本的な原因に迫らなければ問題の解決にはならないではないですか。その根本的な原因というのは解明されているのですか。私はまだ解明されていないと思う。どのようにお考えでしょうか。
○赤羽政府委員 過去におきます経験、外国の経験等を踏まえまして、まだ原因がはっきりしないということは事実でございます。そしてまた、起きた現象を見ましても一通りではないということでございますので、それを通す試験をいろいろやることによりまして実態がつかめ、そして原因にも及んでいけるものと考えております。
○日野委員 この問題ばかりやっていたのでは時間がなくなってしまいますから、次の事故について、大ざっぱで結構ですから解明をいただきたいのですが、大体ヒドラジンを硝酸液と反応させるというためには、これは非常に微妙な反応でございますから、百二十度という温度が必要になってくるわけですね。その百二十度という温度を人間の勘だけに頼るというような過程でこれを処理している。このようなことで酸の系統にプルトニウム溶液が混入しないという十分な保証はどこにありましょう。もしこれがアメリカあたりに聞こえていって、ここいらから、プルトニウムが漏れ出している、そのプルトニウムが管理の外に置かれるというようなことに対して疑念を持たれたら、これはえらいことになると思います。いかがでございますか。
○赤羽政府委員 御指摘のように温度のチェックが十分でなかった、これは勘でやっているわけではございませんで、きちんと測定し、きちんと操作するようなマニュアルがございますけれども、たまたま手違いが起きたという人為ミスでございますので、今後こういう管理体制の整備につきましては厳重に措置するよう申し入れているところでございます。 なお、プルトニウムが次の段階に移るということは一応あり得ることとして予想はしてございまして、たとえばプルトニウムが行った先で臨界が起きないように、中性子毒と申すものがございますけれども、これを充てんしてございまして、臨界にならないように配慮してございます。また、そういうことで、次に行ったものも確実に後に戻せるという形になっておりまして、国際査察上も、プルトニウムの行方不明は起きないという形になっております。
○日野委員 今度の場合は、プルトニウムが漏れだということが発見されるまで、ある程度の時間的な経過があったようでございますね。これは二重、三重にチェックする場所があるんだ、こうおっしゃるんだが、今度の場合も漏れてすぐにチェックはできなかった、そのことが現実にこれまでの事故の経過から読み取れるわけなんですが、もしこれがどんどんおくれていくというようなことが、人為的怠慢であれ、機械的なトラブルであれ、発生したら、これは重大なことになるだろうというふうに私、非常に危惧の念を持たなければならないと思うわけでございます。 この事故の問題については、後で詳しくまた、別の機会に十分伺いたいところなんですが、科学技術庁長官、私はあなたにも何度も聞いたし、歴代の長官にも、安全性に対する留意ということについて十分こちらから要請もし、その覚悟のほどをずいぶんと聞いているはずです。あなた方は常にそのたびに、十二分の安全性に対する配慮をと、こうおっしゃってきたわけですね。しかし私、今度の事故を見て、ああ、またやったかという感想を禁じ得ないのですね。実際、またかという感じです。私は、この使用前検査をするについて、本当にお役人的なことで、ちゃんと前に決められたとおり動いております、これではちょっと事は済まないと思うのですよ。しかも、これはプルトニウムの問題でありますから、国際的な影響力も非常に欠きがろうかというふうに私は思います。やはりこういうことは科学技術庁の担当者に幾ら言ってもだめなんであって、科学技術庁を指揮される科学技術庁長官その人の態度が下に大きく影響すると思うのです。いかがでございますか、科学技術庁長官にしっかりここのところはお答えになってもらわなければいかぬ。二度とこのような事故は起こしませんという覚悟のほどをぜひ聞かしていただかぬと、これはまた同じようなことを答えて、また同じような事故がということになりかねないと思うのですが、いかがですか。
○中川国務大臣 東海村の再処理工場で相次いでトラブルが起きたことはまことに遺憾でございまして、私どもとしてもまことに申しわけないことだと思っております。 幸いにして安全性については確保されておる。若干のトラブル、故障があったことではございます。そこで、こういうことはあってはならないことでございますから、管理体制をしっかりやるように、また原因をよく究明して、しっかりした措置をとるように、動燃の理事長を初め職員にしかと厳しい姿勢で臨んで、国民の皆さんに不安を与えないように、こういうふうにしておるところでございます。今後ともしっかりがんばってまいりたいと思います。
○日野委員 ところで、私、いまもずいぶん赤羽さんとやり合ったところでありますけれども、これはまだ、原因について不明の点が残っておりますね。私は、これはそう軽々しくこの運転を再開きすべきではないと思う。いかがでございますか、もし再開させるとすれば、その見通しなどお持ちですか。
○赤羽政府委員 御指摘のとおり、まだ原因の究明が済んでない面がございます。これらにつきましてはさらに原因を詰めると同時に、そのようなトラブルが起きないような対策というのも詰めていくように指導しております。 それから、人為ミスを初め体制上の問題あるいは職員の訓練といった問題も、大臣の申しましたとおり、再度厳重に行うよう要求しておるわけでございます。こういったことが全部整った後で、運転を再開する時期を検討したいと考えております。
○日野委員 いまの御答弁は、まだ再開のめどは立たない、このように伺っておきたいと思います。よろしゅうございますね。
○赤羽政府委員 現在のところ、時間がかかるか、かからないかを決める要素になると思われますのは、硝酸の回収塔でございます。これの工事の期間等がわかりませんと再開のめどはまだ立てられない状況にあります。
○日野委員 この問題は、実は再処理工場が再開するかどうかということだけではなくて、国際的な問題を含んでいるわけでございますね。周知のとおり、日米原子力協定によりまして、動燃の再処理工場というのは昭和五十六年四月末までに九十九トンを処理するということになっています。そして、カーター大統領の任期の切れるぎりぎりのところで、さらに昭和五十六年の六月一日までですか、五十トンの処理量を追加するという協定ができております。これは現在の再処理工場のトラブルによる停止ということから見ればもはや実現不可能になった、このように私は考えるが、いかがでございますか。
○石渡政府委員 先生御指摘のように、追加の五十トンを消化できるかどうか、非常に見通しが暗くなっていることは事実でございます。
○日野委員 これは私も、実現は事実上不可能である、こういうふうに考えざるを得ないと思うのですね。 日米原子力協定、これは再処理についてフォード大統領が非常に消極的な姿勢を示して以来、かなり日本側としては苦労をしてこの処理量までこぎつけたという日米間の交渉の経緯がございます。共同声明によって、まず当初の二年間九十九トンという処理量を協定をしたわけでありますが、後から追加した五十トンをも含めて、これができなくなったという場合、日米間の原子力協定をめぐって一体どのような問題が起きましょうか。外務省、いかがでしょうか。
○愛知政府委員 お答えをいたします。 再処理の枠が未消化になって残るということ、そのこと自体は日米原子力協定上特に問題になることはないと了解いたしております。
○日野委員 消化自体は問題にならないかもしれない。これはアメリカ側の従来の態度からすれば、少なければ少ないほどよろしい、こういう基本的な線が踏まえられているわけですね。ただし、これは国際間の問題としても、国際的な信義の問題が一つ残りますね。この点についてはどうでしょうか。いままでは、絶対、日本ではできます、やってごらんに入れます、こう言ってきたわけですね。これができなくなった、そうすると国際間の信義問題はどうなりますか。
○石渡政府委員 昨年末よりの日米間のお話し合いにおきまして、日本としてはこの春のキャンペーンで五十トンほどさらに追加してやりたいという強い希望を申し述べたことは事実でございまして、米国側としましては日本が困らないようにというような基本的な態度で応対してもらったわけであります。そういう意味で、結果として、もしこの枠が技術的に全部消化できないということになった場合に、はなはだ残念ではございますが、米国側の譲歩に対して報いることができなかったという結果になりますので、そういう意味では残念な事態になる可能性があるということかと考えております。
○日野委員 残念な事態であるという、非常に融通無碍な言葉で表現をされましたけれども、いままでの日米原子力交渉の経過を知っている者から見てみますと、まずフォードが声明をした、これは再処理については、原則としては一切ノーだという方向を打ち出しているわけですね。そして、次いでカーターは、彼独自の哲学から、核拡散防止の強化ということを真っ向から掲げて、さらに態度を硬化させた、それに対して日本は、アメリカに対してお百度参りをしたわけですね。中には国会議員団まで派遣して向こうの国会議員を口説き回るというような努力までずいぶん重ねてきたのですが、これが残念な事態だけで済みますか。一体、これからの日米の再処理をめぐっての話し合いというのはどうなりますか、見込みはどうですか。
○小宅説明員 お答えいたします。 アメリカ側の原子力担当者が、新政権の登場に伴いまして、今度相当大幅に変わっております。国務省の首脳部を含めましてまだ完全に任命が終っていないようでありますが、今後この米国の新政権の陣容が固まるのに応じまして、アメリカ側と接触をしていくことになります。その過程で、この新しい事態も踏まえていろいろ話し合ってまいりたいと思います。
○石渡政府委員 残念な事態と申し上げたわけでございますが、私どもは確かに、当初の日米交渉の経緯を踏まえまして、当時、九十九トン、二年間という条件を取りつけるためにいろいろな方々の御努力を賜ったわけでございまして、その成果を十分に活用することができないということについては、まことに申しわけない事態だと考えている次第でございます。
○日野委員 私はそういった過程、経過を知っておりますので、この再処理工場についての使用前検査も慎重を欠いたのではないか、その割り当ての枠をできるだけ消化したいというその思いのみにとらわれて、使用前検査についても万全を欠いたのではないかというふうに思いますし、それから、何とかこの枠を消化するということのゆえに、これからの再開についても甘い態度をとるのではないかということについて、私は非常に危惧せざるを得ないところであります。 それからもう一つ、わが国がいままで取り組んできた再処理、民間再処理工場も含めての計画、これは大幅に手直しをせざるを得ないのではないか、アメリカとの関係をも踏まえながら大幅に手直しをせざるを得ないのではないかと思いますが、いかがでございますか。
○石渡政府委員 再開の問題でございますが、ただいま安全規制当局の厳重なチェックを受けている段階でございますので、その十分なチェックを受けた上で判断をいたしたいという方針でございます。 それから、第二再処理も含めての計画ということでございますが、今日の時点になってまいりますと、二つの側面があるかと存じます。一つは、主として米国を意識した国際関係でございます。それから第二の問題といたしまして、やはり技術的に十分動燃の技術がうまくトランスファー、それを基礎として使っていくことができるかどうかという、二つの問題になるかと存じます。 前者の問題につきましては、まだ米国の新政権の原子力に対する基本的な姿勢、さらには対外政策にどういうふうに応じてくるかという点が明確でございませんので、その辺の推移を注意深く見守っているという段階でございます。それから、動燃の技術自体の問題でございますが、決して甘くということがないように、また、将来のことも十分考えまして厳正な方針で臨みたい、このように考えております。
○日野委員 では、問題を変えます。 今度は原子力船「むつ」について伺いたいわけであります。原子力船「むつ」は佐世保重工の岸壁につながれて、いま総点検、改修の工事が行われているようでありますが、進捗状況はどうですか、順調に進んでおりますか。
○石渡政府委員 先生御案内のとおり、遮蔽改修工事の着手がおくれておりましたが、昨年八月から本格的な工事が開始された次第でございます。その後の工事は順調に進んでいるという報告を受けております。 もちろん、諸般の情勢から着工がおくれましたこと、また、工事そのものが非常に未経験の仕事でございます。一方、作業の安全性あるいは作業に万全を期するといったようないろいろな困難な事情がございますので、現在、工事終了の時期について正確な読み、見通しを立てようということで努力をしているところでございます。もちろん、実際の工事を担当いたしますメーカーの全面的な協力を期待いたしまして、今後とも最善を尽くしてまいりたいというのが今日の事態でございます。
○日野委員 私、非常に気になりますのは、「むつ」は、下宿料も払わないで人のうちにのうのうといるような状態になっているわけですね。佐世保重工との係船契約、その係船料の話ですが、これはいままでずっと、係船料が決まらないままに経過しているわけでございますが、佐世保重工にいる間の、船をつないでおく係船代金ですな、これについての話は決まりましたか。
○石渡政府委員 五十三年の十月に佐世保に入港したわけでございますが、しばらくの間、係船料等話がつきませんでしたが、昨年の四月九日に至りまして、月額四千万円ということで係船料が決まったわけでございます。この契約では、契約期限は五十五年三月までということで、その後も更新されるということになっております。ただ、更新の期間等については両者その時点で協議するということでございます。また、更新後の契約額につきましても両者協議をするという条項になっておりまして、現在、両者で協議中ということでございます。 なお、そういうことで昨年四月に入って、新年度に入ってからの契約の締結、支払いということでございまして、俗に言う後払いみたいな形式でございましたので、あるいは五十五年度につきましてもそういう事態になる可能性もあるかと考えておりますが、いずれにしろ、両者で現在話し合い中ということでございます。
○日野委員 これは、いまの御説明では更新をしていくのだというお話でありますけれども、本当は、契約の更新というのは前もってやられていなければならないわけですね、いつからはどのくらいになりますよと。それが、ある時間を経過して、いままでの分はどのくらいにしますなんという更新というのは、実際はあり得ないわけですね。もうそこいらのところはやはり五十六年度の予算案が提出されるまでにはきちんと決まっているべきが筋合いであろうと私は思うのです。私は、五十六年度の係船料についてもまだ話が決まっていない、こういうふうに承知しているわけですが、いかがでございますか。 それから、あとは大蔵省の方にちょっと伺っておきたいのですが、大体、そういうことで予算をつけていいのですか。このくらいという見通しがきちんと立った上で予算はつけなければならないはずなんであるが、全然その見通しもまだ立っていないうちから、この予算案の上でどのように処理をしてあるのか、その点、伺いたいと思います。
○石渡政府委員 まず、契約期間の問題でございますが、「この契約の期間は、昭和五十二年十月七日より昭和五十五年三月一二十一日に至る間とし、甲又は乙より申し出がない限り、その後も更新されるものとする。」契約期間につきましての契約はこのようになっているわけでございます。したがいまして、甲乙両者からの申し出がございませんので、当然この契約は更新されるというふうに考えているわけでございます。 また、一応、月額四千万円ということで昨年の三月までの支払いが済んだわけでございますが、その後、両者、契約額について協議するということになっておりますが、物価の値上がり等の範囲。そういうことを考慮して契約金額が決められるという基本的な了解がございますので、全然見当もつかないという事態ではないというふうに理解しているわけでございます。
○日野委員 いまの御説明で伺いますと、やはりいまだ、きちんと決まってはいないということだけは争えないと思うのですね。そういう事態でこの係船料をどのように処理してありますか、この予算の中では。
○石渡政府委員 五十五年度予算及び五十六年度予算につきましては、五十六年十月までの月額四千万円ベースということで総額十四億四千万円、すなわち、当時の久保長崎県知事のあっせん案の線で予算を計上させていただいております。
○日野委員 余りこんな問題で時間もとれませんから、では次に移りますが、「むつ」の新定係港ですね、どうですか、これは大湊に一本にしぼった、しぼらざるを得なかったという事態でございますか。
○石渡政府委員 いろいろ検討をさせていただいたわけでございますが、何とか大湊を再度使わせていただけないだろうかということで、現在、青森県の地元の皆様に御検討をお願いしているという段階でございます。
○日野委員 新定係港に「むつ」を回航させていくということになると、それ以前にかなり大規模な陸上付帯設備所によって岸壁をも含めてこれをつくらなければならない。これは大湊を母港にするのとそのほかのところを母港にするのとではえらい違いになってくる。今度の予算ではそこいらはどのように考えておりますか。大湊を前提とした予算ですか、大湊以外のところを前提とした予算になっておりますか。
○石渡政府委員 現在御検討をお願いしている段階ではございますが、予算的には大湊を考えさせていただいて、そういう場合には陸上付帯設備、主といたしまして機能の一部を停止させております燃料交換施設を改修するということで予算を計上させていただいております。その内容といたしましては、マル債五十五億円という金額をお願いしておるわけでございます。
○日野委員 大湊を一応前提として予算を考えた、こういうことでございますが、大湊の現在の状況ですね、これがもう容易でないことは御承知ですね。しかし、あえて大湊一本にしぼって、これから青森県、むつ市、そういったところと交渉なさる。大臣、これでよろしゅうございますか。
○中川国務大臣 いろいろ検討いたしましたが、過去のいきさつその他等を踏まえ、やはり「むつ」を大湊にお願いするということで意向打診を行い、何とか話し合いがつけられないかと思って、鋭意努力をしているところでございます。
○日野委員 ではまた、もう一つ別の問題に移りたいと思います。 低レベル放射性廃棄物の海洋投棄の問題でございますが、これはいままでも、国内でも漁業団体を中心に非常に強い反対があった。ところが、今度は太平洋周辺諸国、ここいらからもかなり強い反対が次々と表明をされたという状況であります。科技庁も太平洋周辺諸国に人を派遣していろいろ説得などに当たったようでありますが、その結果どうだったでしょう。
○赤羽政府委員 わが国の低レベルの放射性廃棄物の海洋投棄計画につきまして、昨年の八月以降、四つのチームを十八の地域に派遣して説明してまいりました。その説明の内容は、わが国の考えておる計画、それからそれに対する安全評価の内容、ひいては現地の方々に対する影響の程度ということを御説明してきたわけでございます。 この結果、安全性についてはかなりよくやっているらしいなという理解がだんだん進みつつあるとは思われます。しかしまだ、それならすぐ捨ててよろしいというような十分な了解に達していないのが現状でございます。
○日野委員 大分苦しい御答弁のようですが、実は私の方でいま持っている資料、これは政府部内で非公式な資料と思われますが、「海洋投棄計画に対する太平洋地域の反応」ということで一覧表がつくってある。グアム、北マリアナ連邦、パラオ共和国、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、絶対反対。パプア・ニューギニア、ソロモン、ここの態度は、「計画に対する懸念の高まりとともに態度を硬化。最近では反対。」そのほかいずれも、懸念を表明するとか関心を表明するとか反対であるとか、こういうことを言っているようですね。このようなことは間違いありませんね。
○赤羽政府委員 各地域の政府が表向き意向を表明されたところと、われわれの専門家チームに対して意向を表明されているだけのところ、あるいは政府が直接ではなくて、たとえば国会議員等を通じて表明されたところ、いろいろございます。その内容につきましてもまた種々さまざまでございまして、表現をそのままとって絶対反対というところもあることは事実でございます。 ただ実情は、詳しく話し合ってみますといろいろございまして、たとえば、かつてアメリカ、フランスは何の断りもなしに核爆発実験を太平洋で行ってきた、それに対して日本は、非常にわずかなことなのに慎重に対策を行い、研究を行い、説明にも来た、その点を非常に多とする、それでまた、そういうことからして日本は誠実にやるであろう、そういう精神的な意味での理解を得ている面もございます。しかし、いずれにいたしましても、まだ原子力についての知識が十分ない地域でございますので、科学的な意味で心から納得できるというには、今後さらに努力を続けていかなければならないと考えておる次第でございます。
○日野委員 いや、そんな甘いことを言っていただいちゃ困るんですね。行ってどんな感じだったというようなことで言うのなら、私たちも、みんな絶対反対と言っているよ、新聞記者にもみんなそう言っているよ、新聞記事なんかにもそれが表明されているよ、こう言わざるを得ないのですね。私がいま持っている資料ではこう書いてある。さっき私が読み上げたような、さっき言ったような結論がそこから出ているわけですが、「我が国の海洋投棄に関し、太平洋周辺諸国から強い反対が表明され、本年八月以降、我が国の専門家が四回にわたり関係諸国を訪問し、海洋投棄計画の概要及びその安全性の説明を行った。その反応は、別表のとおりである。」こう書いてあって、そしてグアム以下、絶対反対という国がずらっと並んでいる。これが正式な各国の表明である、こういうふうに私は読まなければいけないと思うのですね。 やはり太平洋周辺諸国の反応というものは、決して好意的ではないところか、理解を示そうともしないという態度かもしれません。要するに、絶対反対という国が非常に多い。これはアメリカや何かはまたいろいろな、そのほかの外交上の思惑なんかもありましょう、オーストラリアとかですね。しかし、それも全部賛成だとは言っていない。中立だと言う。ただ、関心は有する、こういうふうに整理してあるわけですね。こういう状況で、いま赤羽さんが言ったような甘い態度でこのことに処したらえらいことになるだろうと私は思うのですね。これも非常に大きな国際問題化してしまっているわけですが、このような状況下で海洋投棄を強行するというようなことになったら、私は、かなり大きなリスクを日本は覚悟しなければならないだろう、そういうふうに思わざるを得ないわけですね。 それで外務省、いかがでしょうか。特に環太平洋地域だとか環太平洋構想などということで、ここいらの国との友好関係というものは非常に大事だと考えざるを得ない。それにまた、日本で非常に漁場が狭まって四苦八苦している水産業界がここいらの水域で操業するというようなことからも、これは非常に重大な関心を持たなければならないことだと思うのですが、こんなことを強行することはできないと私は思う。外務省の考えとしてはいかがでしょうか。
○愛知政府委員 外務省といたしましても、こういう国々との友好を害してまで強行してこの廃棄を行うということではなくて、あくまでもこういう諸国の理解を得た上でこの廃棄を行うということで、現在までは、科学技術庁が専門的な立場から安全性という面について説明等を行っているわけでございますが、外務省も、在外公館を中心にして、側面から各国の理解を得るように努力を続けておるところでございます。
○日野委員 外務省にもう一点ちょっと伺っておきたいのですが、これらの国々の反応について外務省としてはどういうような受けとめ方をしておられますか。お答えになれるならお答えをいただきたいと思います。
○小宅説明員 私どもといたしましては、在外公館及び科学技術庁が派遣した専門家チームの報告を受けておるわけでございますが、現在受けている印象からいたしまして、これら諸国のこの計画に対する反対というのは相当強いものがあるのではないかという感じは持っております。しかし、いま政務次官が申し上げましたとおり、これからも時間をかけて、これら諸国の理解を得るように外務省としても側面から努力していきたいし、あくまでも反対を押し切って強行するというようなことは、外務省としては好ましくないと考えております。
○日野委員 こういう国際的な状況、それから国内的な状況も水産業界は大反対であるということはすでに周知のことでありますが、どうですか。この投棄、試験投棄は事実上、少なくともここ数年は困難ではないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
○中川国務大臣 相手のあることですから何年先とは言えませんが、なかなか厳しいものがあります。しかし、努力の結果がなり理解の得られた面もあり、また非常にむずかしい部面もあり、両面ありますが、数年というようなことではなくて、なるべく早くいたしたいものだ、また、やってやれないことはないのではないか、しかし相当努力は必要だ、こう思っております。
○日野委員 いまの長官のお答えでもなかなかむずかしいということでございます。一方、特に原子力発電所などを抱えている電力業界なんかは、かなり低レベル放射性廃棄物がたまってきて非常に困っているという状況にあるようでありますけれども、現在、このような海洋投棄、試験投棄すら非常な困難に逢着しているという状況で、通産省の方としては、この点について従来は、科学技術庁にできるだけ早くやってくれ、こういうふうな態度で臨んできたようでありますが、実際、科学技術庁の方の立場としてもなかなか困難だという状況を踏まえて、業界の方に対して、これはもう陸上で何とか処理をするという技術の開発とか、それから陸上で何とかこれを保管するというような方法を指導すべきではないか、そういう方向に政策的な誘導を行うべきではないか、このように考えますが、通産省、いかがでしょうか。
○田中(六)国務大臣 通産省といたしましては、あくまで海洋投棄、陸上投棄を並行して研究対象にさせておりまして、現在、この両方の廃棄についてはできるだけ協力を得ていかなければならないという観点から、科学技術庁とも十分相談を申し上げましてやっておるのでございますけれども、あくまで一方に、陸上にするとかというようなことではなくて、海洋、陸上両方の面からの研究あるいは相談を続けております。
○日野委員 この海洋投棄をするについての予算的な処置、これは五十六年度に必ずしも海洋投棄をしなくてもいいように、予算上はその処理をしているような感じがするのですね。つまり、海洋投棄船に随伴する随伴船についての予算、これが一応つけられているようでありますが、これは従来から先送り先送りと、こういう形をとってきている。ことしもそのようでありますが、こういうような処置をとった根本的な思想というか考え方、これはどんなものでございますか。
○赤羽政府委員 御指摘のとおり、五十六年度予算には、放射性廃棄物処理処分対策に必要な経費としまして七千四百万円を計上してございます。この内容は、南太平洋諸国を初めとします関係諸国への説明のための経費、それから、国内、国外に理解を求めるための資料作成、啓蒙活動の映画作成等を考えているわけでございます。 試験実施のための費用としましては、五十五年度の六千八百万円、これが繰り越して使えますので、やれないことはないと考えております。ただ、一方で、OECDのNEAに対します義務としまして、新しい地点への海洋投棄を行う場合には一年前に通告するという規定がございます。そのことからいたしますと、仮に五十六年度中にやれたとしましても、それほどの経費が現在のところ必要でないという見込みでございます。
○日野委員 はっきりしていることは、実際上は五十六年度内にこの試験投棄を行うことは不可能である、こういうことですね。
○赤羽政府委員 ただいま申しました一年前の通告ということを考えますと、残りが一カ月余りでございまして、見通しはかなり困難になってきていると思われます。
○日野委員 ちょっと大蔵省に伺いたいのですが、このような状況にある試験投棄について、少なくとも随伴船に関する六千八百万円という予算の計上でございますが、これは不要ではないかと思います。いかがでございますか。
○松下政府委員 御指摘のございました六千八百万円は、五十五年度予算に計上しておりますけれども、五十五年度でこれを使用される見込みはございません。 そこで、この経費につきまして、これを不用として処理するかあるいは繰り越しの手続をとるかということでございますけれども、五十六年度そのものには元来この種の経費は計上してございませんので、科学技術庁の方でこれから御検討の上、この経費について五十六年度支出が可能となるように繰り越しの手続をとるべきであるという御結論になりましたならば、それに応じて御相談をいたしたいと思っております。
○日野委員 科学技術庁の方で繰り越しを決めればということでございますけれども、全体の予算が非常に厳しく締めつけられている中で、昨年もついた、しかもそれを使わなかった、恐らくもう一年たっても使う見込みはないであろうというときは、きちんと切っておく、整理をしていくということが財政上必要なことではありませんか。それをやらないから、試験海洋投棄などという、成るか成らないかわからないものがずるずる先に延びていくのですよ。やはりこれは財政的な面からもきちんと整理する必要があると思いますが、いかがでございますか。
○松下政府委員 繰り越し繰り越しでいつまでもずるずるするということは、財政の秩序の上から問題でございますけれども、元来、五十五年度予算におきまして繰越明許に計上いたしましたということは、この種の実験あるいは事業と申しますものは準備等にかなり時間がかかりまして、必ずしもその年度内で終わらないこともあり得る、しかしながら、その準備に取りかかるためにはまた予算を計上しておく必要もある、こういうことで計上されたものでございまして、五十六年度の歳出に改めてもう一回財源を必要とする経費ではございませんので、御指摘の点は、繰り越しが乱に流れないように私どもも注意してまいりますけれども、この経費につきましては、仮に繰り越しが行われたとしても、予算上は問題はないと考えております。
○日野委員 それは形式上の問題から言えば、まるっきり問題ないとは申しませんけれども、さほどの問題じゃないかもしれない。しかし、ここらをきちんとすることが、やはり大蔵当局としては、特に主計局としては必要であろうかと思います。 こういったいろんな観点から見ると、この海洋投棄という政策はもはや変更すべき時期ではないか、きちんとそこいらは踏ん切りをつけて変更すべきではないかというふうに思います。私は、そういう立場から最後に長官に、どうですか、この政策を変更するつもりはありませんか。
○中川国務大臣 海洋投棄については、日本だけではなくて世界じゅうが行っている定着したものであり、安全性についても十分自信を持っております。そこで、粘り強く交渉を重ねて、何としても——陸上投棄も将来やらなければなりませんが、並行して海洋投棄も成功させたい、そして原子力行政の生きを期したい、こう思っております。
○日野委員 終わります。
○小山委員長 この際、湯山君より関連質疑の申し出があります。日野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。湯山勇君。
○湯山委員 先日質問申し上げたことに引き続いてお尋ねいたします。 先日、私が御指摘申し上げたのは、いまお手元へお配りした資料の最後のページ、帝国書院の供給本の右の下から五行目の「廃水」という文字です。これが間違っていることはすでに明確になりましたが、この字は単なる字じゃなくて、手べんの「排」と麻だれの「廃」とは専門用語で区別されております。だから、原子炉を理解する上において非常に重要な字である。だから、たくさん他の教科書にも出ておることは、ごらんになればわかります。しかも、これが正誤訂正においてなされたということは、たとえて言えば、お医者さんが病人を治療しておって殺したような形で、災害で言えば二次災害あるいはダブル災害、ダブルミスということですから、性質から言っても、また検定の仕方から言っても非常に重要です。これについてはどう処理されるか。まず承りたいと思います。
○三角政府委員 前回、湯山委員から御指摘がございまして、私といたしましても、この廃止の「廃」という字は、原子力発電関係の専門用語としては一般的ではないというふうにお答え申し上げた次第でございます。私どもとしましては、原子力発電所の「ハイスイ」という字の表記につきましては、教科書としてはやはり専門用語として一般的な用法でございます手へんの「排水」を用いるよう会社側に対して指導していきたいと思っておる次第でございます。 ただ、御質問もございましたので調べてみたわけでございますが、会社側でも考えてこの字を使ったようでございまして、廃止の「廃」で申しております「廃水」は、利用した後の不要な水、水自体を指すものでございますし、手へんの「排水」は、水を外へ出すという、押し流すといいますか、そういうような動作を指すものとされておりまして、したがって、廃止の「廃」を用いるということが、これが絶対に誤りであるというふうには言い切れないというように考えておる次第でございます。
○湯山委員 先日、大臣は間違いであったとお認めになっておるのに、局長が私に文字の講釈をしたって何にもなりません。これはすでに発売になっておる本ですから、当然、会社側からまた改めて正誤の申請があって、大臣がお認めになれば、各学校の校長さんに通知しなければならない、そういう手続を速やかにとるように。ですから、字句の解釈なんか、局長、先日も言ったけれども、とんでもないことですよ。 そこで、その他の問題です。先日は、科学技術庁からの申し出がありまして、それによって正誤訂正が行われた。きょうは、その資料の一番上の「日本書籍 公民分野」の問題についてお尋ねいたします。このことについて、どこかから文書による申し出がありましたか。
○三角政府委員 ただいま配付されました資料の一枚目の関連でございますが、これにつきましては、昨年の夏に日本貿易会から文部省に文書によって意見が寄せられまして、その意見に関連しておるというふうに考えておる次第でございます。
○湯山委員 それについて、文部省はまた参考意見を述べましたか。
○三角政府委員 これにつきましては、関係団体からの意見の趣旨は、文部省から関係の教科書会社に対しまして参考までに伝えたという事実はございます。
○湯山委員 先日の原子力発電の問題もそうでしたが、きょうもまた、文部省から参考意見が関係会社に述べられた。参考意見を述べるというのは、検定手続に正規に認められたものですか、そうでないか。
○三角政府委員 手続上、特段に定めてはございませんが、教科書の内容の改善に何らかの関係のある資料がございますれば、私どもとしては、教科書の内容をよくする上に参考としていただくという趣旨でお伝えをするということでございます。
○湯山委員 では、正規の手続ではないですね。
○三角政府委員 これは事実行為としての指導助言に類することでございます。(湯山委員「正規の手続じゃない……」と呼ぶ)はい。
○湯山委員 参考意見というのは正規の手続でないということが明確になりました。 さて問題は、出てきたものを見ますと、ごらんいただきますように、全く文字でいっぱい詰まっていたのが今度は図面でいっぱいに詰まっております。これはもはや正誤訂正の状態ではなくて、異質なものがここへ出てきておる。こういうことまで一体、正規の手続によらないで認めていいかどうか。これはどうなんですか。
○三角政府委員 文部省といたしましては、この関係団体からの意見を参考として伝えたわけでございます。なお、同じころ、この関係団体の意見は新聞にもかなり詳しく報道されたこともございまして、会社としてはそれをも参考にして、いずれにしても会社の自主的判断に基づきまして正誤訂正の申請を行ってきた、こういう経過でございます。
○湯山委員 正誤手続の申請をしたということが問題じゃなくて、文部省としてはそれを認めたことが問題なんです、大臣としてですね。大臣、ごらんになってわかるように、これは同じもの、左のページにあるこの全体の文字を訂正したものとごらんになりますか。全然異質なものでしょう。大臣、いかがですか。
○三角政府委員 いま御指摘のこのページは教科書の本文ではございませんで、他の著作からの引用資料になっております。引用資料につきましてその一部に、会社側として適当でないあるいは不適切である、こういう判断をいたしました場合には、これは他からの引用資料でございますので資料を取りかえるという意味で、このページの全体をこのように改めるという申請を出してきたものでございます。
○湯山委員 引用資料であろうが欄外に書いてあろうが、教科用図書でしょう。したがって検定規則、この法律によって検定されるには間違いない、どうですか。
○三角政府委員 引用資料が適切であるかないかについても検定の対象としております。
○湯山委員 そのとおりです。だから、さっきのあなたの答弁は誤りです。引用資料だからといって検定規則を逸脱したりあるいは手続を簡略にしたり、いいかげんにすることは許されない。 そこで、この全然異質なものを持ってくる、全面文字なものを、世界地図と何か図面を持ってきて、しかも見出しまで違えている、これは一体検定規則の第何条によってやったのか、それをお示し願いたい。
○三角政府委員 引用資料の場合には、これは本文と違いまして教科書著作者自体の作ではございませんので、その一部を改めるということに問題があり、あるいは困難があるといった事情があったのではないかというふうに私どもは受け収めております。そして、ただいま御質問の根拠といたしましては、検定規則十六条四号という部分が該当するというふうに考えております。
○湯山委員 十六条四号のどの部分に当たるのですか。十六条四号にはかなり厳しい制約があります。それは「学習を進める上に支障となる記載」、どうしてこれが支障があるのか。学習を進める上で支障になって、しかも緊急に訂正を必要とする、この二つの条件をかなえていなければこれは認められない、これが規則です。一体どこが学習を進める上に支障となる記載で、そしてなぜ緊急を要するか。
○三角政府委員 原文の資料について見ますと、これは総合商社の問題点を非常に強調しておるものでございますし、また、通俗的な説明になっておりますために、総合商社に関する客観的かつ総合的な理解を与える上に問題があるということでございます。四号は、ただいまもちょっと御引用をいただきましたが、「学習を進める上に支障となる記載で緊急に訂正を要するもの」ということでございまして、私どもは、やはり教科書は非常に重要なものでございますし、その内容は常に改善を図られていくことが期待もされておりますし、望ましいということでございます。したがいまして、会社の側から本件につきまして正誤訂正の申請がございまして、文部省としても、その申請が妥当と認めたときにはこれを承認する、そういうような従来からの慣例に従って措置したものでございます。
○湯山委員 いまのように、通俗的説明で、客観的に総合的に問題があるということは、学習を進める上の支障とは違いますね。どこが学習を進める上の支障になるのか。学習というのは、一番端的に言うのは授業ですよ。たとえ内容が、問題ありましょうけれども、内容がある一方に非常に不利なことが書いてあったとしても、これを申し出たのは、先ほど言ったように日本貿易会、つまり総合商社や海運界、これのつくっている会ですが、たとえそこに不利な点があっても、不利だからという理由と学習の支障というのは違います。どこが学習の支障になるのか、明確に指摘願いたい。
○三角政府委員 教科書は各教科の学習におきます主たる教材でございまして、これは必ず用いなければならない、こういうものでございます。したがいまして、教科書の記述はできるだけ一面的になりませんように、かつ、バランスのとれたものに常に改善を図っていくということが必要であるということで私どもは考えておる次第でございます。
○湯山委員 法制局へお尋ねします。見えておりますね。 いま局長の答弁は、改善を図らなければならない、だから四号に該当すると言うのですが、改善を図らなければならないということがすべてこれに当てはまりますか、形式論理で言って。
○味村政府委員 お答えいたします。 教科書検定規則、これは文部省令でございまして、私ども法制局は関与いたしておりません。したがいまして、一般論として申し上げるだけでございます。 ただいま御指摘のように、問題は十六条の四号でございますが、十六条の四号は、「学習を進める上に支障となる記載」であることと「緊急に訂正を要するもの」であること、この二つが要件になっているということでございます。その改善をすることが望ましいという程度のものの中にはいろいろなものがあろうかと思いますが、この要件を備えているものでなければ十六条四号には該当しないということになるわけでございます。
○湯山委員 明確です。 局長、答えられないのですか。どこが学習を進める上の支障になると言うの。
○三角政府委員 内容的に申しまして、先ほども申し上げましたが、やはりバランスがとれ、一面的な記述になっていない、そして子供の物事に対する理解が誤らないような内容に改善していくということが重要であると思っております。
○湯山委員 誤らないようにとかバランスがとれているとかいうのは条件じゃないのです。学習を進める上に支障があるということを指摘してもらいたい。およそ——委員長、委員長にちょっとお尋ねしたいのですが、いまのようなはっきりした公権力の行政措置というものは、これは法治国において法の裏づけがなければならない。そこで当然、学校教育法なりなんなり、あるいは文部省で決めた省令なり、それによって行われているので、いい悪いなら論議があります。どこを適用するかと言うのに、それがいまのようにどうしても答えられないで、漠然と改善のためというような、ない言葉を使って指摘するので果たして審議が進められるでしょうか。本委員会がこれで正しい審議を進めておるということになるでしょうか。委員長、どうお考えでしょう。
○小山委員長 三角初中教育局長、もう一遍明快に、湯山君の質問に答えてください。
○三角政府委員 教科書の内容につきましては、常に改善をすることが望ましいわけでございます。したがいまして、先ほど来御指摘の検定規則の条項によりまして、正誤訂正ということで一号から四号にわたる条件に合致するものについては会社側がこれを文部省に申請をいたしまして、私どもは、妥当と認めた場合にはその修正と申しますか訂正を承認いたしておるわけでございまして、それで、ただいま御指摘のこの総合商社に関する事項も、先ほど御説明申し上げましたような観点から四号に該当するということで訂正の承認をし、会社側はそれに基づいて訂正を行ったということでございまして、原文の資料このままでは、やはり生徒に対する教育上、生徒が物事を正しく公正に理解をするという上で支障があるという観点でこれを認めたというわけでございます。
○湯山委員 ずいぶんでたらめな答弁です。一体どこが支障になるかというのを指摘している。漠然とそんなことを言ったってだめですよ。 じゃ、もう一つ聞きます。二枚目見てください。清水書院地理供給水、一番下。いま日野委員が質問しました一番下の一行です。もとの本は、「地元の人々の不安も大きく、反対運動で建設できなくなった例もある。」一方は「地元の人々の不安もあり、」、「大きく」を「あり」に直して、「反対運動で建設できなくなった例もみられる。」不安がある、その大きさは、反対運動で建設できなかった、こういう大きさです。これを直してどこが支障になるのですか。はっきり言ってください。
○三角政府委員 これにつきましては、原子力発電の不安などについて述べられておりまして、そして同じ清水書院の教科書には、その他の個所にも述べられておるものがあるわけでございます。三カ所にわたって、原子力発電の危険性や不安なとが述べられてございますが、原子力発電に対します石油代替エネルギーとしての期待が大きいということ、それから、この原子力発電の安全性につきましては、これについて慎重な調査研究や対策も行われておりますということ、それから、住民の間にはもちろん反対や不安もございますけれども、発電所を誘致しよう、そういう意見もまた一方においてあるということなどを踏まえまして、これはやはりバランスのとれた記述といたしませんと、原子力発電という事柄についての総合的な理解を与える上にやはり支障があるというふうな立場で私どもは考えておりまして、それで、会社側が申請を出してきたものにつきまして私どももこれに対応したということでございまして、その結果がこの資料に出ているようなぐあいになっておるというわけでございます。
○湯山委員 委員長、いまのあれで答弁になっておるのですか。やはりバランス、バランスと言って、改善、バランスで、ちっともきちっと指摘しない。本当にどうしてこれをやったか、ちっとも答弁になってないです。いいですか。
○小山委員長 三角局長、もう一度正確に説明を願います。
○三角政府委員 私どもはいただいま説明したとおりでございまして、ただいま説明した趣旨で、この検定規則第十六条四号に照らしまして会社側の申請を認めたということでございまして、説明になっていないかどうかにつきまして、私どもちょっと御趣旨がのみ込みかねる点もございますが、先ほど御説明したのがすべてでございます。
○湯山委員 法制局の答弁も、改善とかなんとかじゃなくて、授業を進める上に支障がある、しかも緊急性を要する、こういうことなんでしょう。あなたのは、改善する、バランス、これはちっとも進める上にも緊急性にも触れてないですよ。それじゃだめです。もういいですよ。 大臣、おわかりですか、指摘した点。ですから、時間がありませんから言いませんけれども、あなた方は、科学技術庁が言ってきたら、正規の手続にないいまのような、何というのですか参考意見——正規の手続には、ちゃんと指示あるいは修正を命じたり改善を要求したりする手続があるんです。これはこう出さなければならない、こうなっているのに、それを正規の手続でない参考意見というようなもので、科学技術庁が言ってくればやる、それからいまの総合商社が言ってくれば、これは全然正誤に限らない、こんな異質なものを持ってきて——これは正誤じゃありません、別なものを持ってきておるんです。こういうことをあえてやって、しかも、どの条項のどの項目のどれに当てはまるかは言わない。法制局も言われたように、いいかげんなことを言っています。これではとてもじゃないが、こんな検定はまことに権力検定、歪曲した検定としか言えない。 のみならず、それをできるだけ秘密にして、だれが言ったか言わない。さっきあなたは検定課の機構が言ったと言うんでしょう。機構が言ったのなら大臣、知っていますか。大臣の検定機構がいまのような、手続にない、参考意見というのをやってやらしておるんですよ。一体こんな検定があっていいかどうか。まして、さっき大臣が審議会の意見として方針をお述べになった自衛隊に対する二つの見解、これでも、この前指摘しましたように、そんな九条に対する解釈は変わってない、法制局も当時の総理も大臣も変わったと言うのを、変わってないという立場で合憲の線を推し進めようとしている。許されますか、こういうことが。さらに憲法の大事な前文を、一部をとっておる、それをのけて、最後に、国の、国民の名誉にかけてこれを実現することを誓ったという、世界に誇るべきわれわれのこの憲法の大事なところは落としている。一体こういうことをやらしていいのか。そしておいて、私がいま指摘して、大臣もこれは間違いだ、重要なダブルミスで、しかも内容的にも問題があるというのは、どうするかわからない。こんな不公平なことで一体検定できるかどうか。 以前もこういうことがあって、私はこれはテープを使わせと言ったら使わせなかった。しかし、ついに荒木文部大臣は踏み切ってテープを使わした。それを使わしておるから、前回も私がああいう指摘をし、今回もこういう指摘ができるんです。あれがなかったらもっと暗い検定です。検定官はどう言って射るかといいますと、こういう尊大な言い方ですよ。著者が心血を注ぎ、そして編集者が校正を厳にし、検定の段階でさらに検討が加えられた教科書に誤りはないはずである、こう言っておるんですよ。いいですか。これがいまのようなミスをしておるし、検定に誤りがなければ、さっきおっしゃったようにこんなひどい記事を何で最初合格させたのです。大臣、これを何であなたは検定したのですか、伺います。
○田中(龍)国務大臣 検定の制度につきましては、湯山委員が最も御承知のとおりでございます。 なおまた、検定の内容につきましては、それは秘匿を要しますので申し上げられないことも御存じのとおりでございます。 それから、検定に当たりまして、いわゆる教科書会社の方からの意見に対しましては、検定もこれを聞いて修正をすることも当然でございます。 ただ問題は、要は教科書の内容につきましては、常にりっぱな教科書をつくるということが冒頭において大原則でございまして、湯山委員も私もその点についてはちっとも違うことはございません。 しかし、この間から申し上げておりますように、日進月歩の客観情勢の急変に当たりまして、われわれはあるいは正規の検定制度の順を踏んでこれを行う、あるいはまた十六条四号のような場合もありまして、りっぱな教科書をつくろうというその一念に帰するのでございます。 手続その他の問題についてのいろいろな経過はるる申し上げたとおりでありまして、その検定の過程におきます若干の問題がありといたしましても、それはまた十六条四号という救済項目もあるわけでありまして、それに対しまして、本当に次の世代を担う青少年のりっぱな教科書をつくろうというところで御了解をいただきとうございます、
○湯山委員 ただ、いい教科書をつくろうという気持ちだけ先行して、そのためには何をやってもいいというようにお考えだったら重大な問題だと私は思います。そのことだけ、最後に大臣にお伺いします。
○田中(龍)国務大臣 何をやってもいいなんというのはとんでもないことでございまして、われわれは現在あります憲法を遵守し、そうして次の世代のりっぱな青少年の教育という重大な責任がありますことを、再度申し上げておきます。
○湯山委員 細部はまた文教委員会でします。 終わります。
○小山委員長 これにて日野君、湯山君の質疑は終了いたしました。 次に、草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。 過日のこの予算委員会の総括でもお伺いしたことがございますが、海外の軍事基地に対する日本の建築企業というのですか、あるいはいろいろなコンサルタントが参加をするわけでございますが、その点についてまずお伺いをしていきたいと思うわけでございます。 まず最初に建設大臣に、海外における軍事基地の建設に携わる場合の日本政府の原則的な方針というのをお伺いします。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 わが国の建設業者の海外活動は、業界の安定的発展等の観点から大いにこれを振興すべきものと、さきの御質問にもお答えいたしたわけでありますが、軍事施設の建設にかかわる工事請負につきましては、武器輸出三原則及び昭和五十一年二月二十七日の武器輸出に関する政府方針に沿って対処しておるということも、さきごろ御答弁申し上げたところでございます。 具体的には、直接戦闘の用に供される施設または武器の製造のための施設の工事請負につきましては、これを取りやめることを基本に、個々のケースについて関係省庁と協力しつつ指導してまいってきておるところでございます。
○草川委員 第二問でございますけれども、これは後ほどももう一回繰り返して聞くことになるかもわかりませんけれども、いわゆる海外の軍事基地に対して円借款はその対象になるかどうか、これは担当は経済企画庁になるのでございますか通産省になりますか、お答えを願いたいと思います。
○井川政府委員 お答えいたします。 海外経済協力基金の政府借款、円借款につきましては、相手国の要請によりまして出すわけでございますけれども、経済の開発それから国民生活の向上ということを主目的にいたすものでございまして、軍事目的に使うようなものということは対象にいたしておりません。そういうことで従来もやっておりますし、今後もそういう方向でまいるわけでございます。
○草川委員 そういういまの経企庁の方からの御答弁の上に立って、フィリピンにおけるスービックの海軍基地におきまして三十万トンのドライドックが現在建設をされておるわけでございますが、この件について防衛庁にちょっとお伺いをいたしますけれども、フィリピンにおけるアメリカの第七艦隊の基地はどの港になっておるかお伺いします。
○大村国務大臣 政府委員にお答えさせます。
○岡崎政府委員 スービックの軍港でございます。
○草川委員 第七艦隊の基地がこのフィリピンのスービックにあるわけでございますが、御存じのとおり、第七艦隊というのは大変大きな機動力を持つ部隊でございます。このスービックには、いわゆる航空母艦が入渠するドックがないわけでございます。実は私のいまからの質問のねらいは、この円借款の対象になりましたところのスービックのドックヤードというものが、将来第七艦隊との関連がどうなっていくのかということをお伺いしたいわけでございます。 そこで、まず円借款をする以上は、当然のことながら、その事業規模あるいは返済内容あるいは企業の今後の運営等についても詳しい調査をなされて、百十一億でございますか、円借款が行われておると思うのでございますが、どのような事業内容になっておるのか、お伺いしたいと思います。
○梁井政府委員 お答え申し上げます。 これはフィリピン側の政府資金でできました合弁企業と日本側の企業の合弁によってでき上がる修理工場でございます。その修理工場に対しまして円借款を供与したということでございます。
○草川委員 私の質問は、当然円借款をしたわけですから、その企業はどのような形でお金を返すか、年間にどういう修理を受け持つのか、こういうような企業の経営計画というのでしょうか、事業計画というものをお伺いしておるわけです。これはあらかじめ御通知申し上げておることですから、お答えを願いたいと思うのです。
○梁井政府委員 修理造船所の建設事業の概要につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、スービック湾に最大三十万重量トンの船舶を収容する収容ドックをつくるということでございますけれども、その具体的な主要設備につきましては、乾ドック一基、岸壁三基、クレーン三基、その他の建屋がございます。プロジェクトの総コストは六千八百万ドルでございまして、その中で、外貨分が三千七百万ドル、内貨分が三千百万ドルとなっております。実施主体者は、先ほど申し上げました合弁企業でございますが、フィリピン・シップ・ヤード・アンド・エンジニアリング・コーポレーションという会社と日本側の企業との合弁によってでき上がるわけでございます。 それから、事業を始めます前に、年度ベースの修繕の隻数及び売り上げ見込みにつきましても試算をいたしまして、円借款をつけるに先立ちまして、この企業が収益性があるということを確認いたしまして、円借款を供与したというものであります。
○草川委員 非常にはっきりしない答弁ですね。その程度のことでこの円借款百十一億が簡単につけられるとは思わないわけであります。日本のとうといお金を向こうのお国のために、民生の発展のために、一番最初に経企庁が言われたようなことでお貸しをしているわけでございますから、私は、修理だけの造船所が果たして成り立つかどうかという素朴な疑問があるわけであります。事前に私どもが経済企画庁に、どこの国の船の修理をなさるのですかと聞いたら、日本、香港、シンガポールあるいはフィリピンというようなお話を聞きましたが、フィリピンには、三十万トンの修理を必要とするタンカー船は実はないわけでございます。ということになりますと、三十万トンの修理をするドックを使えるのは、シーレーンの一番近くを通るところの日本のタンカー船でございましょう。しかし、御案内のとおりに、日本の造船所というのは世界で一番でございますから、日本で油を運んできてそこでオフになる、ただになって修理をするわけでございますから、フィリピンのスービック港までわざわざ行って修理をすることはないのではないだろうかということが、私の第二の疑問になってくるわけでございます。 そこで、当然のことながら、ここに第七艦隊の基地があるわけでありますから、三十万トンのドライドックといいますと、ちょうどエンタープライズとかレンジャーというような航空母艦の基本的な修理をするドックに転用されるおそれがある。あるいはそういうことを見越して何らかの話し合いが行われておったのかどうか。これはひとつ外務省にお伺いをしたいと思います。
○伊東国務大臣 必要があれば後ほど政府委員から詳細をお答え申し上げますが、借款をやりますときに、政府間で文書のやりとりをやったわけでございまして、この施設がいかなる軍事上の目的にも使用されないというフィリピンの政府からのはっきりした文書をもとにしまして借款をやったのでございまして、いかなる軍事上の目的にも使用しないということは、文書の上でも実ははっきりしておるのでございます。
○草川委員 それはいわゆる交換公文の中に明記をされておるのか、あるいはそれに付随をするところの議事録の中に明確に記載をされておるのか、どちらでしょうか。
○小山委員長 答弁は明瞭にやってください。
○梁井政府委員 その点は交換公文の中ではなく、交換公文と同時につくりました討議の記録の中に入っております。
○草川委員 では、その議事録の中にどのような文章で記載をされておるのか。私どもに御明示なさることができますかどうか、お伺いします。
○梁井政府委員 討議の記録は通常、外交交渉の経緯を記録にとどめるということで、外部に出すことを差し控えさせていただいておりますけれども、この中でフィリピン側は、いかなる軍事的目的にも使わないということを明言しているわけでございます。
○草川委員 私は先ほども、民間専用で果たして三十万トンの修理専門の造船所が運営できるかどうか疑問であるという立場から、お話をお伺いしておるわけでございます。しかし、いま、いかなる軍事上の目的にも転用しないということを言われておるわけでございますが、たまたま、このマラッカ海峡というのは、今日ではシンガポール、マレーシアあるいはインドネシアの三国の共同管理の国際水道になろうとしておりまして、その海峡は、ことしの一月から大型タンカーの通航についても規制が実施をされるというようなことが言われてきておるわけです。それだけに私どもは、この港の将来の収益性の問題についてかなり疑問があるわけでございます。 では、もう一度経済企画庁の方にお伺いをいたしますが、純粋な民間の運営だけでこの造船所がペイするかどうか、これが第一。 第二に、もしも戦略的な要請があって、第七艦隊の基本的な一つの付随をするいわゆる兵たん部隊としての使用がなされたときに、円借款を認めた立場上どのようなペナルティーを課すのか。あるいはそういうことが全くないから一切答弁しないならしないというのでもいいのですけれども、もしもあった場合にどのようなペナルティーを課されるのかをお伺いします。
○井川政府委員 本件につきましては、フィリピンの政府の要請に基づきまして、しかも十分そういう可能性——可能性と申しますのは、ベイをする可能性がある。しかも、先ほど外務省の方から答えがございましたように、軍事目的には供しないというふうな明確な約束があるわけでございますので、われわれはそれを信用して進めてまいるということでございます。
○草川委員 明快な約束があるということをおっしゃいましたが、あなたが明快な約束があるということを言われるだけの話であって、私はその内容をいまここで聞いておるわけです。非常に明快とおっしゃいましたが、その明快というのはどういうことが明快なのですか。具体的なその担保と称すべきものを言ってください。
○井川政府委員 先ほど外務省から答弁がございましたように、付属文書で、軍事目的に供しないという話があるわけでございますので、私たちとしてはそれを信用するほかはない、こういう考え方でございます。
○草川委員 では、いまこちらの方からも相手の国が言っておることだからというお話がございまして、そのとおりでございますので、それはそれで結構でございますが、少なくとも日本の円借款というものは、私のようなとうしろうにおかしいじゃないかという疑問を与えるような場所に供与をすること自身が問題であると私は思いますし、率直なことを申し上げて、いずれ緊急事態の場合は、もしも大事故があった場合はそういうことがあり得ると思うのです。いま政府側は、いかなる軍事上の目的にも供しないと言い切ったわけですが、そういう場合があったときに果たしてそういうことで本当にいいのでしょうか。だから、こういうときには私どもは、いわゆる円借款のあり方についてはいま少し配慮ということがあってしかるべきだと思いますし、そういうおそれがあるものは避けるべきではないだろうか、こういう意見を持っておるわけであります。そういう点について、外務大臣の御意見があればお伺いしたいと思います。
○伊東国務大臣 円借款につきましては、相手国の要請に基づきまして、それをもとにして考えるわけでございまして、こっちも調査をするとかいうことをやるわけでございますが、原則は、さっき申し上げましたように相手国の社会、経済開発あるいは民生の向上、福祉の向上ということが目的でございますので、どこにやるか、どの場所にやるかというときに、いま草川さんのおっしゃるように、李下に冠を正さずといいますか、なるべくそういうおそれのないところを選ぶということは、やはり考えておく必要があると思います。
○草川委員 では、次に移ります。 問題は、いろいろと戦略的なことが出てくると思いますけれども、最近、航空母艦に関する第七艦隊の増強計画ということがいろいろと出ておるわけでございまして、それだけに私は、このスービックのドックの位置づけというものが非常に重要になる時期がいずれ来ると思うのです。そういう意味で、私はさらにこの第七艦隊の問題と、日本のシップヤードというのでしょうか、兵たん基地の能力との関係について第二番目にお伺いをするわけでございますが、御存じのとおり、元アメリカの国防次官のジョージ・W・ボール氏がみえるわけでずが、この方が昭和五十四年の二月初旬に「ワシントン・ポスト」に、第二次大戦の、船を借りるというのですか、シンドリースということからヒントを得て、レンタル空母方式という構想が論文に出ておるわけです。これはもうかなり有名な話でございます。これは日本に二隻の大型の航空母艦を建造させて米国が借りたらどうだろうか、こういう意見があったわけでありますが、一時、アメリカの政府も真剣に検討したと伝えられておりますけれども、そういうことの打診が日本にあったのかどうか、お伺いをいたします。
○淺尾政府委員 お答えいたします。 そのような打診は全くございません。
○草川委員 そういう打診がないということでございますから、では第二番目に、日本のいわゆるドックヤードというのですか造船所で、こういう空母というような大型の艦艇が建造されるというようなことは絶対ないと理解していいかどうか、お伺いします。
○淺尾政府委員 お尋ねの趣旨が、アメリカ側が日本に依頼して、日本のドックでそういう空母をつくってくれる可能性があるかどうかということであれば、先ほどジョージ・ボールのことを引用されまして、私はそういう打診はないというふうに御答弁申し上げたわけでございますが、アメリカの海軍の部内でもそういうことは考えられないということを言っておりますので、アメリカ政府が日本に対して、日本の民間のドックを使って空母を建造するというようなことを言ってくる可能性は、いまのところ、私は非常に薄いというふうに考えております。
○草川委員 では、その次の質問に移りますが、いま日本の造船所というのはブロック建造方式というので、輪切りにして積み木のように船をつなぐというか、ジョイントをする方式が非常に伸びておるわけでございます。横須賀の艦船修理場、SRFというのがございますが、そこのドックで日本の企業にブロックをそれぞれ発注をして、そこで組み立てるというようなことは、これは一つの想像というのですか理論的な話でございますが、そういう理論的なことも、実は日米地位協定から言いますとあり得ることでございますが、もしそういう事実があるとするならば、それは許されることになるのでしょうか。
○淺尾政府委員 お答えいたします。 ただいまの御質問の点についてはいろいろ抽象的な点が多いわけでございまして、ここで特定して、そういうことがあるのかあるいは将来あり得るのかということをお答えすることは、差し控えさせていただきたいと思います。
○草川委員 では、具体的な話に少し入ってまいりますが、ちょうどいまから二年前になりますか、一九七九年四月八日、六万排水トンの空母レンジャーがシンガポールの沖合いのところでリベリアの船と衝突をいたしまして、空母のレンジャーは艦首部分を大きく破損をいたしました。縦十八メートル、横十メートルというのですが、これで横須賀の基地に入港しまして、一たん出まして、そして日本の造船所でその破損をした部分だけ、約九十トンぐらいの大きなところになるわけでございますが、それをブロックで新しくつくりまして差しかえるというのですか、そういう修理工事を行ったわけでございますが、この事実はどうでしょうか、運輸省にお伺いします。
○野口政府委員 お答えいたします。 本件につきましては、私どもも特別に、関係の住友重機械工業から実情を聴取いたしまして、ただいま先生がおっしゃいましたように、五十四年の四月から九月にかけて、空母レンジャーの船首部の補修工事について住友重機械工業から役務提供を行っておる事実がございます。
○草川委員 この内容がどうのこうのということは、日米地位協定で明確に許されておることでございますから、そういう事実が行われるのでしょう。私がここで問題を指摘したいのは、日米地位協定の中には備品、まあ需品というのですか、需品として考えられる範囲を超えるのではないだろうか。特にいま武器輸出の論議が出ておりますが、この地位協定ができたのはたしか昭和三十五、六年ごろの話だと思いますが、その当時は米軍に基地を提供しておるわけでありますから、米軍が欲しいもの、必要なもの、それはダイレクトで購入をされて、それぞれ戦闘任務につく、そのための協定でございますから、それは私どもも十分承知をしておるところでございますが、いまのように非常に大型の部分というものを輪切りをして、いわゆるブロックにして差しかえるというようなことになってまいりますと、日米の地位協定の備品としての範囲を超えておるのではないだろうかと思うのですが、その点の御意見は、どのようにお答えになるのでしょうか。
○淺尾政府委員 地位協定の上では、確かに需品という言葉がございます。それを受けまして昭和三十五年に合同委員会の合意ができておりますが、その中にいろいろなことが書、いてありますが、日本の法令との関連で書いてある中で、航空機の修理事業あるいは武器等の製造等書いておりますので、当初から、いま先生の言われましたような第一次産業製品のみならず、産業製品あるいは修理ということも、当時の地位協定からも予想されていたところでございます。
○草川委員 まあ、ずいぶん将来のことも考えておるわけですから、大型の差しかえということも予想されておったという御答弁なんで、そういう御答弁だと、いま武器輸出の問題が非常に論議になっておりますけれども、この問題さえ通れば全くのフリーパスということにもなるわけですよね。だから、私どもはそういうことを言いたくはございませんけれども、いまの答弁はちょっと、私がこの問題についてお伺いをする真意を御理解なすっていないのではないだろうかと思うのです。もしもそういう言い方をされるなら、先ほど来から言いますように、武器禁輸という問題は、この一つの米軍の地位協定というものを利用すれば、こういう言い方は決して私の好むところではないのですが、いまの御答弁がありますからあえて申し上げるわけですけれども、フリーパスになるのではないだろうか、大臣からお答えを願いたいと思います。
○伊東国務大臣 安全保障条約の六条に基づいて地位協定があるわけでございますが、これは米軍が日本に駐留し、日本の安全、極東の安全を守るということからの協定でございますので、いま政府委員から答弁したように、需品等につきましては自由に契約するといいますか、そういうことが原則であることは間違いないわけでございます。いま草川さんのおっしゃるように、そういう地位を利用して、たとえば日本の民間企業でございますとかそういうものがやれば、それは全く、まあしり抜けという言葉はなんでございますが、そういうことになるのじゃないかというような御疑問だと思いますが、私どもは地位協定の性質上、それを悪用し、乱用してそういうことが行われるということは考えられぬ、あり得ないというふうに実は思っているわけでございますので、この地位協定があるから武器輸出の三原則あるいは政府方針が全然しり抜けになってしまうんだというふうには私は解さないのでございます。
○草川委員 この質問は、私はここでとめておきます。 では次に、ジエゴガルシアの米国海軍の補助施設、しゅんせつ工事について、この前も私は建設省から御答弁を得ておるわけでございますが、ジエゴガルシアというのは、インド洋の真っただ中に浮かぶ非常に小さなサンゴ礁でございます。民間人は一人もいないというところでございますが、非常に戦略的な要衝だと言われておりますので、私が長々と申し上げるよりも、防衛庁から戦略的な位置づけについてお伺いした方がいいと思うので、御答弁を願います。
○大村国務大臣 お答え申し上げます。 ジエゴガルシア島の戦略的価値についてお尋ねがございました。草川委員御指摘のとおり、インド洋のほぼ中央部に所在する島でございますが、位置はペルシャ湾まで約四千百キロメートル、艦艇の行動で約六日、またマラッカ海峡まで約三千九百キロメートル、艦艇の行動で約六日という、地理的に重要な位置にあるだけでなく、この方面におけるただ一つの米軍基地であります。四千メートル級の滑走路、海軍通信施般、燃料貯蔵施設、港湾施設等も設置されて、米軍の航空哨戒、補給及び通信基地として使用されております。特に最近は緊急展開部隊、RDF用の装備、補給品等を積載した事前集積船の停泊地としても使用されているなど、戦略的に重要な役割りを有していると考えられます。 以上、お答えします。
○草川委員 いま防衛庁の長官からおっしゃられましたように、非常に戦略的な要衝でございまして最近特に注目をされておりまして、去年の「タイム」にも特集号が出ておるわけでございます。そのような非常に重要なところで、いまわが日本の建設業界はここで相当重要な作業の任務をしておみえになるわけでございます。一番最初に建設大臣がおっしゃられましたように、ここで滑走路の延長工事だとか港湾整備をやっておるわけでございますが、たまたまいま、日本の建設会社がここで、ドレッジャーというのですか、ドレッシング・アンド・ストック・ハイリングというのですか、海を深く掘って積土をいたしておりますが、これこそ直接戦闘の用に供する施設に従事をしておるのではないだろうか、お伺いをしたいと思うのです。
○宮繁政府委員 お答えいたします。 先ほど大臣から御答弁いたしましたように、私どもは、武器輸出の三原則と昭和五十一年の政府方針に沿って、海外工事につきましてもチェックをいたしております。その場合、具体的には直接戦闘の用に供される施設、たとえばトーチカとか砲台のようなもの、あるいはもっぱら武器の製造のための施設、軍艦を建造するドックのようなもの、こういうものについてはこれを取りやめるということにいたしておりますけれども、ジエゴガルシアのこの基地につきましては、ただいま先生の御指摘がございましたように、約五百万立米の土砂のしゅんせつとその堆積工事である、こういうことで、外務省、大蔵省等とも御相談しまして、この政府の方針に照らしまして本件の場合は問題がないものと判断をいたしたわけでございます。
○草川委員 そこで、いま外務省とも御相談というお話がございましたが、いま防衛庁の方からお話がございましたように、これは緊急展開部隊もいるわけでございますし、本格的に稼働いたしまして、いま非常に世界の注目を浴びておるところになるわけでございます。現地のいろいろな写真等もありますが、全くのサンゴ礁でございまして、これは民間人は一人もおる島ではございませんし、この写真を見ていただいてもおわかりのとおりに、かなりの戦略的な要衝であるわけでございますから、私は、いまの建設省の御答弁はちょっとのんびりし過ぎたような気がするわけでございます。 いま海外の工事、この前、建設省の方からいただいたのを地図でずっと見てまいりますと、スービックの軍港にいたしましても、いまのジエゴガルシアにいたしましても、グアム島にいたしましても、極東の非常に重要ないわゆる戦略的な基地に、日本が何らかの形でかかわりをいたしておるわけであります。これこそが私は、仮想敵国のいわゆる潜在的な脅威を助成するようなことに私どもが加担をしておるのではないだろうかという、素朴な心配があるわけであります。その心配を取り除いていただきたいがゆえに過日も問題を提起をしておるわけでございますし、今度総理も行かれるわけでございますが、アメリカの方も中東防衛の見返りというものを私どもに要求をしてくるのではないかということが盛んに言われておりますし、ここでも論議になっておるわけであります。 いわゆる基地整備に大変な巨額のお金がさらに投下をされておるわけでございますが、私はこういうような協力の仕方でなしくずしに協力をいたしますと、あるいは企業参加をいたしていきますと、機能分担をやがては認めざるを得ない状況に陥るのではないだろうか、こういう心配があるわけでありますが、私のこの心配に対してどのようにお答えになるのか、外務大臣からお答え願いたいと思うのです。
○伊東国務大臣 お答えを申し上げます。 中東と限定してもなんでございますが、特に前のブラウン国防長官が国会に報告をされたとき、ヨーロッパ正面、中東、もう一つは朝鮮半島ということで、紛争、国際緊張といいますか、そういうことの可能性のあるところということで挙げられたことがございましたが、その中で特に中東について言えば、あそこは日本が相当エネルギーの依存度が高いところだ、そこをアメリカが追加防衛ということでやっているので、日本としてもどういうことができるのかは別にして、そういうことはよく考えてもらいたいというような意味のことを国防報告の中で言われたことは確かでございます。 新しい政権になりましてから、これは大河原大使が会っておるのでございますが、ヘイグ国務長官あるいは国防長官とも会いましたが、その話はまだ、御両者からは出ておりません。そして、一般論としましては、アメリカは財政再建で非常に歳出も減らすのだ、そういう中で国防費はふやすという情勢にあるので、アメリカとしても日本その他の同盟国に信頼される国になるように最大の努力をするので、日本その他の同盟国も防衛について最大の努力をするように考えてもらいたいという意味のことを国防長官は言っております。国務長官はそのことは何も触れておりませんが、一般的なそういう努力をしてもらいたいという希望を述べております。 ただ、具体的にそれではどういうことかということは、これから大切なことは随時協議をしていくということで、いまの段階はまだ中東のどこ、どういうこと、どういう対応とかいうことは話題には出ておらぬのでございますが、これは私が三月に行き、総理がレーガン大統領に会われる段階でどういう話が出ますか、あるいは出るか出ないかわかりませんが、ただ、日本としては、いつも申し上げますように、憲法その他の法律の制約もございますし、できることとできないこととはっきりしているわけでございますので、そういう日本の立場ははっきり向こうに伝えて、法律上もできないということを、これは幾ら言われてもできないことでございますし、そのけじめははっきりして向こうに話をしようというふうに思っているわけでございます。 いま草川さんのおっしゃったこと自体で日本がそういうものに巻き込まれていくことが心配だとおっしゃったことは、私もそれはそれなりによくわかるのです。でございますので、日本としましてはそこは十分気をつけてまいりたいというふうに考えております。
○草川委員 時間がありませんので、これでこの問題については最後にいたしますが、いま外務大臣からも、国防長官の方から最大の努力をひとつ頼むと言われる、こういうような御紹介もございましたが、私は、向こうの国にしてみれば当然そういうことを言わざるを得なくなってきておると思うのです、特に経済的な背景から考えても。なるがゆえにこの海外の工事についても、なし崩し的に、ただ単なる軍事施設に協力をするというのではなくて、非常に危険な米ソの核対立、特にこのジエゴガルシアを初めといたします戦略基地はもう明らかに核基地になるわけでありますから、そのようなものに巻き込まれるということは、これはもう本当に大変な危険なことではないだろうか。 だから、失礼ですけれども、建設省の範囲内で海外工事結構じゃないかという形でこれに参加をしていきますと、抜き差しならないようなことが起きるということを、私はいま警鐘乱打というわけではございませんけれども、そういう心配を申し上げておるわけでございますから、ぜひともこれは、今度の首脳会談の中でも私どもの立場というものを明確に申し上げて、いま大臣がおっしゃられたように、私どもの中で、ほかの形で本当に世界平和のために寄与する日本のノーハウ、あるいは技術力、あるいはソフト部門で協力すべきものがあるならば協力すべきが筋だと思うのです。その点について、いま一度この私の見解についての御答弁を大臣からお聞きしたいと思います。
○伊東国務大臣 申し上げましたように、できることできないこと、これははっきり先方にも伝えまして、日本のできることの協力は、いま草川さんがおっしゃった例がいいかどうかは別にしまして、これはやる。ただ、できないという範囲のことは幾ら言われても無理だということで、先生のおっしゃった核の対決というようなところに日本が巻き込まれないようにということにつきましては、十分に注意してまいります。
○草川委員 では次に、第二番目の問題のホルムアルデヒドの発がん性問題ということに移ります。 ホルマリンというのはホルムアルデヒドの水溶液のことでございますが、このホルムアルデヒドは非常に用途の広い物質でございまして、私どもの着る繊維から木材、なかんずく合板というのですかそういうもの、あるいはまた、はだ着あるいは食器類、さまざまなものがありまして、いろいろな問題が出ておるところでございます。たまたま、国際化学エネルギー労連という国際的な化学の労働組合があるわけでございますが、これが一つの警告文を最近出しておりますが、労働省の方ではこのこについてと御存じでございましょうか。
○吉本(実)政府委員 ただいま先生がおっしゃったような事柄は、私どもは情報として承知しております。
○草川委員 この労働組合の警告文は、ホルムアルデヒドというものを米国の化学工業毒性研究所、CIITというのですが、ここでいろいろとテストをしたらラットにがんが出た、発がん性の物質であるということがこの警告文の中に出ておりまして、各国に対して、労働災害の立場からもひとつ早急に対応を立てろというような通達が出ておるわけです。 そこで、わが国の場合はこれは通産省の所管になると思いますけれども、わが国でもかなり大量のホルマリンというのをつくっておるわけでございますが、通産大臣としては、このアメリカの研究所の実験というものをどのように御理解をなすっておみえになるか、お伺いをします。
○田中(六)国務大臣 ホルムアルデヒドの問題は、これが毒性がある、発がんの材料にもなるということでアメリカで研究されているということは聞いております。通産省としてはその点について、これが非常に広範囲に利用されるということもありまして、十分情報を集め対処していきたいというふうに考えております。
○草川委員 それで、これは通産省が親元になるのかどこが親元になるのかわかりませんけれども。日本の国内でもこのようなことについて研究をされてみえるセクションがあると思うのですが、それはどこになりますか。
○榊政府委員 お答えいたします。 いまお話しのホルムアルデヒドの長期慢性毒性につきまして、厚生省においても現在、実験研究中でございます。
○草川委員 それで、厚生省としても実験中であるというのですが、アメリカのCIITの方から日本に対して何らかの情報を求められておるのではないですか。それは通産省が窓口になると思うのですが、どのようにお伺いをしてみえますか。
○榊政府委員 お答えいたします。 ただいまのお話の、米国の化学工業毒性研究所が実施いたしました動物実験におきまして動物の鼻にがんが生じたというふうな情報につきましては、私どもも承知いたしております。現在、これの評価についていろいろ専門家に依頼しているという段階でございます。
○草川委員 そこで、今度は農林省にお伺いをいたしますけれども、農林省もずいぶん木材関係、合板関係で、ホルムアルデヒドを媒体といたしまして合板なんかをつくっておみえになりますし、建築用資材をつくっておるわけでございますが、農林省としての対応はどのようになりますか。
○渡邊(文)政府委員 お答え申し上げます。 ホルムアルデヒドの毒性に関しまして、先生いま御指摘のように、米国のCIITの試験結果は私ども承知しておりますが、私どもの承知している限りにおきましては、現在まだ中間報告だというふうに理解をいたしております。 それで、従来からも合板につきまして、悪臭が出るということで消費者団体からもいろいろ苦情が参っておりましたし、林野庁、私どもと一緒になりまして、業界に対しましてはなるべく低ホルムアルデヒドの合板をするように指導をしてまいったわけでございますが、さらにそれを一歩進めまして、昨年の暮れにJAS、日本農林規格を改正いたしまして、低ホルムアルデヒドの表示ができるように改正をいたしたわけでございます。
○草川委員 農林省は、JASですか、その規格をつくられたというのですが、それは発がん性ということを予測してつくられたものですか、どうですか。
○渡邉(文)政府委員 悪臭が出るという消費者の苦情に対して、それにこたえるために行ったものでございます。
○草川委員 ですから、発がん性があるという情報をもとにしての対応は、まだ農林省としては立てられていないわけであります。 そこで私が申し上げたいのは、いまも各省庁ともまだ最終報告が出ていないと言っているのですが、そうではなくて、去年中に出た中間報告というのは、ラットの鼻に発がん性あり、これは一五ppmあるいは六ppm以上に発がん性がおるということがデータとして報告をされておりまして、最終報告というのは、たとえばラットの体全体にさらにプラスアルファが出るかどうかということを待っておるにすぎないわけであります。ですから、アメリカの場合は非常に対応が速いわけです。アメリカではすでに建築用の発泡スチロールというのですか、建築用資材については製造禁止というような措置をとっておるわけでございますが、建設省の場合はどうでしょう、そういうことについての御関心はどの程度持っておみえになるわけですか。
○豊蔵政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘のように、ホルムアルデヒドにつきましては、建材関係におきまして主として合板の接着剤として使用されておるということでございます。アメリカにおける研究におきましても中間報告が出たというところでありまして、私どもも最終的な結果がどのようになるか注視しております。 これの発がん性につきまして、仮にその性格等が明確になりました場合には、建材の生産段階の過程あるいはまた建築物における使用の問題等、関係省庁とも十分連絡を図りまして、適切な対処の方向を検討してまいりたいと思っております。
○草川委員 適切な対処ということを言っておみえになりますが、アメリカの方から日本の対応いかんということが、去年の七月に、外務省を通じて各省庁にいっておると思うのですが、その割りに非常に対応が鈍いということを私は言いたいわけです。外務省はこのような情報について、いつごろ情報をつかんでおみえになったわけでございますか。
○羽澄政府委員 お答えいたします。 いま先生から御指摘がありましたような、アメリカから日本はどうしているかという問い合わせがあったということは、申しわけございませんが、私いま存じておりませんので、早速調べてお答えいたしたいと思います。
○草川委員 外務省も外交問題があれではございますけれども、日本の国内の発がん性の物質等のことについては関心を持っておいていただきたいと思うのは、実は去年の七月十三日に、大河原大使から日本の通産省初め各省に、至急こういうことを調査してもらいたいという照会状が来た、その写しを私、持っておるわけでございます。大河原大使の方から、「化学品安全性(ホルムアルデヒド)の照会」、そしてこの中には、ホルムアルデヒドの安全性の問題について至急関係省庁の環境庁、厚生省、通産省、労働省に御照会の上、その返事を早くよこしてもらいたい、これは米国の消費者安全委員会からの問い合わせだというような問い合わせがあるわけでございますので、このような発がん性の問題については各省庁とも早急なクイックアクションがぜひ必要だと思うのです。特にカナダの場合は、建築用資材については、暫定的でございますけれども生産を中止しておるわけです。こういう情報について建設省は、いま非常にゆっくりとしたお話でございますが、このホルムアルデヒドの対応について、特に生産物についての対応をどのように考えられますか。
○豊蔵政府委員 お答えいたします。 建築用の資材等につきましては、建築物の部品等につきまして日本工業規格とかあるいはまた日本農林規格等によりまして一定のものを使用するといったような道が設けられておるわけでございますが、そういった意味で、通産省あるいは農林省の方で生産段階においての指導なりそういったような措置を受けた上で私どもも検討したいというふうに考えております。
○草川委員 これは私ども、ずっといろいろなことを申し上げてきましても、各省庁にわたりますと非常に残念なんです。どこかで窓口を決めてもらいたいと思うのです。環境庁長官もお見えになっておられますが、どこかで窓口を決めて、こういう問題についてはしっかりやっていただかないと困ると思うのです。私はこの問題について、横に広い場合は官房長官にお願いしたいと言ってあらかじめお願いしたわけでございますが、官房長官も、このような一般質問にはなかなかおいで願えません。偉い方ですから、私どものようなチンピラにはお答え願えないかもわかりませんけれども、私は、少しまじめに、省庁の横にわたる問題ならばどこかで早急に対応を立ててもらわなければいかぬと思うのです。 私は具体的にもっとショッキングなことを申し上げますけれども、農林省にお伺いします。 水産庁というのがありますけれども、いま内水面において養殖魚というのが非常に伸びておるわけです。これはニジマスについてもウナギ等についても、その収穫量が大変伸びておる。ひとつウナギだけを取り上げますが、昭和四十四年から五十四年に比べてどの程度ふえておるのかということをまずお聞きしたいと思うのです。概数だけでいいです。
○山内政府委員 ウナギの生産量の伸びにつきましては、昭和四十四年が二万三千トン、四十九年が一万七千トン、昭和五十四年が三万六千トン、漸増というかっこうで伸びております。
○草川委員 これは一つの統計ですから、統計をお聞きするのが目的ではございませんが、内水面において養殖魚というのが非常にふえておるわけですが、魚には病気があるわけです。その魚の病気に対する診断指針というのが水産庁編で出ておりますが、これを見ますと、たとえばウナギのわたかぶり病にはホルマリンを一五ppm程度散布することが対策になっています。それから、二、三例を申し上げますと、これもウナギのトリコディナ症、一種の皮膚の病気ですが、本虫の駆除は比較的容易で、ホルマリンを三〇ppmで十二時間程度の消毒でほぼ完全に駆除できる、こういうような指針が出ておるわけです。マスの場合、これもキロドネラ症、ホルマリン二〇から三〇ppmが有効である。マス、白点病、白い点が出るわけですが、これもホルマリン一対五千液に一時間つけるという、一時間つけて一週間から二週間おきにこれを繰り返す、こういうことをすれば治るという言い方をしておるわけであります。 アメリカのCIIT、化学工業毒性研究所では、二%程度では発がん性がないのだけれども、これが六%から一五%になると、九九%程度のラットが全部鼻に発がんをするということを言っておるわけです。だから、ネズミとウナギとコイと違うといえばそういう反論もあるかもしれませんが、現実に池の中にこの発がん性の数十倍というものを投与されるわけですが、これの規制が農林水産省にはないのですね。農林水産省は、そういうことをやってもいいとも悪いとも、何らの規則がないわけです。 だから、私どもはトータルな意味で、トータルシステムということを盛んに言うのですけれども、二つの縦割りの行政の中で自分たちの仕事が正しいと思っておると、こういう話になってくると思うのですね。だから、横から見た情報が、去年の七月に少なくとも、おい、大変だよ、ホルムアルデヒドというのは大変だよと言って、わざわざアメリカは日本に親切に照会をしてきておるわけですよ。ところが、たまたま、この水産庁の魚の病気の薬にまで日が届きませんから、どこかでUターンをしてしまう、建築用資材だとかあるいは接着剤だとか、厚生省で言うならば家庭局の子供のはだ着だとかというところに目がいっておるわけですが、もっと私どもに大切な養魚のところでそんなに大量なものが投下をされておるとは、実は思いもしなかったわけでございます。この点についての水産庁の御見解を賜りたいと思います。
○山内政府委員 急病の問題につきまして、主として淡水魚を中心といたしましての急病診断指針といたしまして、先生御指摘のような指導を現在水産庁としてやっているわけでございます。やり方といたしましては、池の中に一五ppmとかあるいは三〇ppm、どういう薄い濃度にいたしまして、ある期間、ある時間そこに置いて急病を治癒しなさい、こういうような方向でございます。 その当時といたしまして、当然のことながら発がん性、こういう問題についてもわれわれは十分了知しておりませんでしたし、ホルマリンの毒性等の問題につきまして、それ以外の問題として今後この問題等について、水産庁で現在設けております急病検討会におきましても、この問題を取り上げ。ければならない、こういう報告も出ておるわけでございます。 ただ、一点といたしまして、一五ppm、こういう水溶液にウナギ等をつけた場合におきまして、商品としてのウナギにつきましてのホルマリンの含有量というものにつきまして、過去いろいろ検体をやって調べているわけでございますが、ホルマリンの検出がほとんどされていない、こういう報告が出ておりまして、水溶液一五ppmが即ラットのppmの数字とはちょっと違う、こうわれわれは理解しているわけでございます。 いずれにいたしましても、養殖魚における急病の治療に関しましてのホルマリンの使用につきまして、もっと実態を調べまして、代替薬の開発であるとか、あるいはその薬をできるだけ使わないような方向で指導してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○草川委員 何回か申し上げますが、ネズミとウナギは違うということは百も承知なのです。そんなことを言っておるのではなくて、いまお話がございましたように、水溶液に溶かすと必ずしも直接投与と違うということも、科学的にはそうだと思うのですが、現実に魚の病気ということに対してホルムアルデヒドというものが何らの制約がない、こういうことで果たしていいのかということを言っておるわけです。片一方は発がん性があると言って、警鐘乱打をしておる。魚の病気の方は、私のところには関係ございません、投与したって、というような言い方なんです。だから、私が先ほど来から言っているのは、トータルシステムでもう少しこの問題の反省なり検討があってしかるべきだと思うのですが、その点で、大変お待たせをして申しわけございませんが、環境庁の長官にトータルの立場から、私は環境庁ぐらいしかないだろうと思うのですが、どうでしょう、御見解があればお伺いしたいと思うのです。
○鯨岡国務大臣 御承知のとおり、環境庁としては、理屈を言うわけじゃありませんが、環境の中、すなわち、空気の中とか、あるいは水の中とか、土壌とか、そういうものの中に分解性の悪い化学物質、いま三万とかなんか言ってますが、そのうち一番危なそうなもの二千ぐらいをとって鋭意それを検討しているのですが、まだホルマリンのことについては、お話にもありましたように、そういう面から言えばきわめて微弱だというのでやっておらないのです。しかしながら、いまおっしゃるように、トータルでどうかということは、どこかの国でこれは危ないよということを言えば、それを受けてそれは大変だということで検討をする、それをトータルで検討をして、これはあなたの方で研究しなさいよ、これはあなたの方で研究しなさいよと言うのは当然のことだろうと思いますので、どういうやり方があるか、よく検討してみたいと思います。
○草川委員 鯨岡環境庁長官は名前が非常にいいわけでありますから、ぜひ、この魚のことについては親切に、窓口になっていただいて処置をしていただきたいと思うのです。 最後になりますが、もう一回農林省にお伺いをいたしますが、この急病の問題について、ホルムアルデヒドを今後正式に動物薬物の医薬品として慎重な配慮をして発がん性に対応するというお気持ちがあるかどうか、お伺いをします。
○山内政府委員 御趣旨に沿いまして、発がん性等起こらないような方向で、ホルマリンの使用等について何らかの方向で指導、規制していきたいと、こう考えております。
○草川委員 じゃ、いまのことを具体的に展開されることを期待をいたしまして、次に移ります。 最後の問題でございますが、実は防衛医科大学のことについてお伺いをいたします。 これは防衛医科大学なり防衛庁の関連の問題点でございますけれども、今度の予算で、防衛庁の予算というのは非常にすんなりと対前年度比率ではアップをしていくわけでございますし、それなりの、私は防衛庁に対する一つのイメージを持っておるわけでございますが、実は財団法人防衛医学振興会の内容というものを若干お伺いをいたしますと、これはかなり低次元の問題が出てくるわけであります。きょうは一々細かいことを申し上げるには、少し本委員会になじまないような低次元な話があるわけでございますが、私は、そうではなくて、いま防衛問題というのは、これも防衛庁は防衛医科大学も含めての話になるわけでございますし、防衛医科大学は特別会計ではございません、いわゆる防衛費の本予算に関連をするものでございますが、それの付随をいたします財団法人防衛医学振興会というものについてお伺いをしますが、まず、この防衛医学振興会というものの目的は何なのでしょうか、お伺いをいたします。
○大村国務大臣 お答えいたします。 お尋ねの防衛医学振興会は財団法人でございまして、防衛医科大学の関係で設置が認められております公益法人でございます。 詳しい点につきましては、政府委員の衛生局長にひとつお答え……(草川委員「読むだけ読んでください。簡単に目的だけを」と呼ぶ)本会の目的は、自衛隊の任務遂行に必要な医学の研究の奨励及び助成並びに医学・衛生思想の普及、啓発等を行うとともに、防衛医科大学枝の教職員、学生及び防衛医科大学校病院の患者等に対する福利厚生、援護等を行い、もって、自衛隊の任務遂行に必要な医学の振興と社会福祉の向上を図り、防衛基盤の育成強化に寄与すること、これは寄附行為でございます。
○草川委員 大変正直に読んでいただいて、申しわけございません。 そこで、いまもお話がございましたように、防衛医学振興のためにサブとしていろんなことをやるわけでございますし、ここの理事者の名簿は、前の次官を初めといたしましてそうそうたる方が知見えになるわけでございますが、この防衛医学振興会の運営をめぐりまして部内紛争が起きました。この部内紛争については一々細かいことを申し上げませんけれども、内局の方もかなり関心を持ちましていわゆる調査に入ったということが言われておりますが、調査報告をお願いします。
○大村国務大臣 お答えします。 御指摘のとおり、監査をしております。その報告につきましては、政府委員の衛生局長からお答えをさせます。
○本田政府委員 御指摘のように、防衛医学振興会につきましていろいろ投書等が二、三あったわけでございます。それから労働省の方からの検査も受けたりいたしましたので、私ども、民法に従いまして認可した者といたしまして、民法の規定に従いまして昨年の八月十八日から三日間、検査を実施したわけでございます。そして、その結果と申しますのは、投書等にございましたいわゆる不正経理、そういったことにつきましても、衛生局だけじゃなくて専門家も入れまして、つぶさに書面及び聞き取り調査によって三日間にわたる調査をいたしたわけでございますが、不正経理につきましては、そういう事実はございませんでした。しかしながら、いろんな諸法規あるいは労働基準法に基づきます整備しなくちゃいけないこと、あるいは労働安全衛生法でございますか、それに基づきますところのいろんな事務的な体制というものがずいぶんと欠陥があったわけでございます。 それらのことについて、私どもは八月になりまして、その結果に基づきまして防衛医学振興会の方にその見解を求めるという形で文書を出したわけでございます。その結果、実は十一月になりまして回答が参りまして、一点を除きまして、すべて諸規則の整備等はできております。その一点と申しますのは、実はこの防衛医学振興会は、事務所が東京と、それから防衛医大がございます所沢の防衛医科大学の方の構内にあるわけでございますが、東京にあるということはどうも事務遂行上いろいろ問題があるんじゃなかろうかという指摘をいたしております。それがいまだに一本化されておりませんけれども、この三月の上旬には所沢市内に事務所を移すということに相なっておる、そういうふうに聞いております。 以上でございます。
○草川委員 そこで、単なる投書で内局が調査をするということも私は異例なことだと思うのでございますが、その前に、労働省の労働基準局の方にお願いしますが、防衛医学振興会経営の食堂従業員あるいは振興会の従業員の労働基準法違反等の問題で、五十四年の十月と五十五年め七月、二回ほど監査に入ったということが伝えられておりますが、その内容について御報告を願います。
○吉本(実)政府委員 ただいま御指摘の財団法人防衛医学振興会につきまして、先生御指摘のように、五十四年の十月、それから五十五年、昨年の七月、二回にわたり監督指導を実施いたしました。その結果、賃金の支払い、労働時間の管理、就業規則の整備等に関しまして労働基準法等関係法令に抵触する事実がございました。 これらにつきましてはそれぞれ是正の勧告を行ったところでございまして、同事業場についてもそれについて是正をいたしたという報告を受けております。
○草川委員 さらに、御存じのとおり、高齢化社会を迎えまして、高齢者を採用いたしますと労働省の方から雇用調整給付金というものが出るわけでございますが、防衛医学振興会において雇用調整給付金の不正受給があったということが言われておりますが、それはどのようなことになっておるのか。これは防衛庁の方から御答弁を願いたいと思います。
○本田政府委員 防衛医学振興会の職員である寡婦の方ということで、労働省の雇用保険法に基づきまして国の補助金をいただく申請をいたしまして、それをこの半年間、お金が入ったのはずっと後でございますが、いただいてきたということでございます。そういうことであったために、私ども調査いたしましたところ、これは明らかな誤りであるということから、現在、地元所沢の労働基準監督署と防衛医学振興会の方でどう処理しようかということで話し合いを進めておりまして、本日の段階では、当然のことながらそのお金を返すということに相なっております。
○草川委員 結局、わかりやすい言葉で言えば、下請企業から派遣されてきた社員を、防衛医学振興会の職員としてあたかも採用したかのごとく所沢公共職業安定所に申請をして、不正に受給をしていた、だからそれは返す、当然のことでございますけれども、これは一事ではございますけれども、どこかいまのあり方というのは抜けたところがあると私は思いますし、問題があると思うのです。この問題については、かねがね、数年前から防衛医学振興会の内紛問題が出ておるわけでありますから、いかにその従事をする方々が先輩であろうとも、いわゆる内局の方々ははっきりと、悪いものは悪い、いいものはいいという形でやられることがいまの防衛庁の基本的な姿勢ではないだろうか、私はこう思うわけであります。私は、防衛庁というものをもっと崇高な任務につく庁だと思うがゆえに、一定の尊敬の念は持っておるのでございますが、今回の指導は私はきわめて不満であります。 特に、この振興会とは離れた問題でございますが、私は、かねがね薬の購入について関心を持っておりまして、過日の委員会においても、国立病院あるいは日赤のような準公立病院、自治体病院等における薬の購入の値段についての比較表を出しました。本委員会に出したわけです。そして私は、防衛医科大学の薬の購入がいかがなものかというので、この表に書き込んでいただいたわけです。 ポピュラーな品物ばかりでありますから、値段はあえて申し上げませんけれども、薬の比較をいたしますと、実は国立病院が一番高い購入をいたしておりますけれども、それ以上に高いのが防衛医大の購入価格表でございます。いわゆる自治体病院では五〇%引くアルダクトンという薬でありますけれども、半分で自治体病院は買うのですが、防衛医大は二五%引きよりよう買っておりません。あるいは国立病院はそれでも二八%引いて買っておる。こういう数字が、全部が全部ではございませんけれども、例を挙げてまいりますとずいぶんそういう比較表が出るわけでございまして、私は非常に残念に思うわけです。 それで、親方目の丸とは申し上げませんけれども、病院経営というものについても、いま国立病院は国立病院なりに非常に苦労しておる、あるいは自治体病院は自治体病院で苦労いたしておりますし、準公立病院については特になおさらのこと苦労しておるわけでございますが、なぜ防衛医大の薬価購入は他の国立病院なりあるいは準公立病院、自治体病院に比べて高い薬を購入しておるのか。一事が万事とは申し上げませんけれども、そういうところにも問題点があるように思うわけでございますが、衛生局長の方はどのようにお考えになっておられますか、お答え願いたいと思います。
○本田政府委員 防衛医科大学校で使います薬は非常に数が多うございまして、二千種近くにも上るわけでございます。こういった薬品を私どもは注意しながら購入していくということは当然なことであるわけです。防衛庁におきましては、医薬品の購入をどうやっているかと申しますと、調達物品等の予定価格の算定基準に関する訓令というのがございます。その訓令に基づきまして、防衛庁以外の病院の調査をいたします。調査というのは購入価格を参考にするわけでございますが、そして予定価格というものをこの訓令に基づいて算定しているわけでございます。この予定価格によりまして、会計法の規定に基づいて指名競争入札を実施いたしまして、そして契約をするものでございますので、購入価格につきましては妥当であると判断いたしておりますけれども、毎年行います病院等の調査につきましてはより一層努力してまいりたい、かように存じております。
○草川委員 そういう局長の答弁があるから、では私、さらにつけ加えますけれども、抗生物質、一番使われる薬でございますが、たとえばケフリンという薬があります。これは自治体病院の場合は四五・三%引きで買うわけであります。国立病院は二七%引きで買っております。ところが、防衛医大は二五・三%引きで購入しておるではございませんか。そしてセファメゾン、これも私どもがいつも例を挙げるポピュラーな薬でございますが、自治体病院は四九・三%引きで買っておる。国立病院は二七%引きで買っておる。防衛医大は二五・七%引きで買っておるわけでございます。とにかく、一番高いリラキシンでも同じなんですけれども、買い方がだんな衆で買うわけですよ。それで特定の企業からは買わないということになっておるとおっしゃっておられますけれども、李下の冠ではございませんけれども、どこか狂ったところがある。少しだんな衆で運営をなさっておみえになるのではないだろうか。 そして、いま細かいことを申し上げるわけではございませんけれども、防衛医大の中に第二薬局というのが振興会によってつくられております。そしてここで収益を上げて、それがいろいろな助成に使われておるわけでございますが、本来、一つの病院の敷地の中に第二薬局というものは望ましいものではないということが言われておるのです。厚生省の方もそういう考え方で、第二薬局の問題がいま調査をされておるわけです。 それはどういうことかといいますと、一つの病院の中で処方せんを発行いたしますと、処方せん発行料で五百円取られるわけです。それで、その第二薬局で買うわけですから、保険行政からいいますと、五百円分だけ余分に保険当局は負担をしなければいけない。門の外で民間の方々が調剤薬局の看板を出して、防衛医大から処方せんをもらってそこで購入される場合に、初めて保険当局は五百円の処方せん料を出すわけです。同じ敷地の中で五百円をだれが負担するのかといえば、どこかのいわゆる保険財政が負担をすることになるので、こういうことすらも非常に簡単にまかり通っておるわけでありますが、もう少しこれは——私、このことは一概にやめろとは言っておりません。これはいろいろ背景がありますからやめろとは言いませんが、安易な運営が行われておるのではないだろうか、こういうことがございますので、最後になりますが、防衛庁長官、ひとつこの医科大学の問題等についても、これは特別会計じゃないわけですから、防衛庁の本予算の中に入っている問題でありますから、最後に長官の意見をお伺いしたいと思います。
○大村国務大臣 お答え申し上げます。 ただいま防衛医科大学の薬価の問題、そしてまた振興会のあり方についていろいろ貴重な御意見、御指摘がございました。 せっかく防衛医科大学が発足いたしまして、卒業生もだんだん送り出しているという最も重要な段階でございますので、先生御指摘のとおり、李下に冠を正さずという気持ちで一層その業務の適正化に努めてまいりたいと考えております。
○草川委員 以上で終わります。
○小山委員長 これにて草川君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、一般質疑は終了いたしました。 次回は、明二十五日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十七分散会