予算委員会 第14号
- 発言数
- 242 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/02/21
会議録
○小山委員長 これより会議を開きます。 昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算、昭和五十六年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題とし、一般質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平石磨作太郎君。
○平石委員 厚生大臣にお伺いをいたします。 長い間運動もなされ、そして原爆被爆については、いろいろと今日まで運動が展開されて、私たち野党が被爆者援護法を提案し、そしてその被爆者援護法のいわゆる撤回といったようなこともございましたが、やはりその論点になったことは国家補償ということが一つの論点でございました。したがって今回、そういった経過を経ながら、厚生省は、原爆被爆者対策基本問題懇談会に原爆被害者に対する救済について諮問をしておる。それが出されたわけですが、この受けとめ方を厚生大臣はどのように受けとめておられるか、一言簡単にお伺いしたいと思います。
○園田国務大臣 懇談会は終始熱心にやられまして、私も特別に出ていって、いろいろお願いをしたことはございますが、厚生省としては、この懇談会の答申を尊重してなるべくそういう方向で努力をしたいと考えております。
○平石委員 この懇談会の答申を尊重せられた、こういうお話でございますが、この中に出ておりますことは、やはりいままで厚生省がこの対策については社会保障のエリアの中でやってこられた、しかも特別の社会保障制度であった、こういう認識のもとに今日まで来ました。ところが、五十三年三月最高裁の判決によりまして、この救済の中にはやはり国家補償の見地に立って云々といったようなことが示されたわけです。これを受けて今回の答申がなされておりますが、その答申の中身もやはり広い意味での国家補償といったことで行うべきであるということが示されておるわけですが、今回政府が提案をいたしました原爆二法を見さしていただきますと、そういったことが出てない、やはり社会保障のエリアの中での今回の改正になっておるわけですが、これはどういうことなのか、ひとつお知らせをいただきたい。
○園田国務大臣 基本懇の御意見は、御発言のとおりに、広い意味で国家補償の見地に立つべきであると主張しながら、また、立つべきものとしても、その具体的内容は、結局は被爆者の福祉増進を図るところをねらいとするものであると指摘をしております。 そこで、現行法がございまするが、基本懇の意見においては、現行施策については一応評価がなされておりますので、これを基本にして基本懇談会の方針が通ずるようにしたい、こう考えておるわけでございます。
○平石委員 それで、この基本懇の考え方を見てみますと、やはり広い意味の国家補償というのは、一般戦災被害者と比較したときに特別の被害である、こういう認識に立ってのごく広い意味での国家補償といったようなことを基本懇は出しておるわけです。そうなりますと、一般戦災者との明らかな区別がそこにはある。そして、その明らかな区別というのが、いわゆる社会保障でなしに国家補償という形のことを求めておるのではないか、このように私は考える。したがって、そういう意味から見てみますと、さらに後段の方で国家との特殊の関係が云々ということも示されておりますが、国家との特殊な法律関係ということになりますと、原爆被爆者はそういったことがございません。一般の戦災者と何ら変わるところがない。そこに私は政府の対応において困難性が出ておるのではなかろうか、このように考えるわけですが、そうですか。
○園田国務大臣 そのとおりでございます。
○平石委員 そういたしますと、ここで古い法律で現行法ではありますが未帰還者留守家族等援護法、この援護法は、一般の海外在留者、これに対して国家補償という形でこの第二条で取り上げておるのですが、そうしますと、この未帰還者留守家族等援護法を見てみますと「この法律は、未帰還者が置かれている特別の状態にかんがみ、国の責任において、」とある。この「特別の状態」というのは、終戦のときのあの悲惨な状態、これへ未帰還者として取り残された方々、そういう特殊の状態を踏まえて国家補償という形で一般の戦争被害者とは区別をしてここで取り扱っておるわけです。この見地から考えたときに、私は、特別の被害である被爆者と一般の被害であるところのいわゆる戦災者、この特別の犠牲と特別の状態とに差異がありますか、お伺いしたい。
○大谷政府委員 基本懇でも特別の損害ということを認めているわけでございますけれども、これにつきましては、すでに政府の方では、原爆被爆者の特別措置法あるいは医療等に関する法律におきましても、それを明らかにしているわけでございまして、ちょっと申し上げますと、特別措置につきましては「原子爆弾の傷害作用の影響を受け、今なお特別の状態にあるものに対し、その福祉を図ることを目的とする。」、また、医療等に関する法律におきましても「原子爆弾の被爆者が今なお置かれている健康上の特別の状態にかんがみ、その健康の保持及び向上をはかることを目的とする。」としておりまして、これにつきましては、先ほど先生おっしゃいました未帰還者のあれと全く同じ考えに立っていると私どもは考えておるわけでございます。
○平石委員 同じ考えということでも多少の相違がございます。やはりここに被爆者救済において所得制限がある、所得制限の制度を取り上げておるということは、やはり社会保障のエリアの中でのということになるわけです。だから、この未帰還者の留守家族援護法、これにはそういったものは出ておりません。ここの点から考えたときに、尊重し、そのままあの基本懇の考え方を受け入れて私は十分可能だと考える。そういう意味で、いまいわゆる支給率が九六%、四%は所得制限がかかっておるわけです。そして今回の予算原案においても、所得制限というものが一部撤廃をされて、いわゆる医療特別手当といったような形に前進は見ておりますものの、制度の上においてはやはり所得制限がある。私は、あの基本懇の答申をそのまま受け入れて、そしてこういった方々に対する日本の救済の法制としてこういう法制もあるのだということから考えたときに、やはり国家補償という形で所得制限の撤廃はすべきである、このように考えるわけですが、いかがですか。
○大谷政府委員 基本懇の答申におきまして、広い国家補償の理念に立つべきであるとしても、それは相当の補償であるべきだということを申しているわけでございます。また一方では、原爆被爆者の直接強い影響を受けた者に対して手厚くすべきだということも、基本懇の答申の中で述べられておるところでございます。したがいまして、今回政府は、この基本懇の趣旨に沿いまして、近距離被爆者の方々に対しまして、医療特別手当及び原子爆弾小頭症手当につきましては、所得制限を撤廃するということにいたしました。しかしながら、その他の一般的な社会保障的な立場に立っている諸手当につきましては、他の社会保障との並びで所得制限をそのまま続けるということにいたしたわけでございます。
○平石委員 どうもちょっと最初の認識が足らぬようです。やはり特別の犠牲に対しては、それに相当し得る補償、こうなっておるわけでして、その特別という形で区別がなされておる限りにおいては、それに対する相当の補償だと私は理解するわけです。したがって、未帰還者留守家族等援護法の特別の事情ということにかんがみてのあの処置に対してと同じような処置が私はとり得る、このように理解をするわけです。したがって、これは強く要望をいたしまして、時間の関係もございますので、これを終わらしていただきます。 次に、母子保健法についてお尋ねをいたしますが、現行の母子保健法は、昭和四十年にできたわけですが、当時から比べますと、非常に時代は変わってまいりました。したがって、わが国のいわゆる乳児死亡率というものも非常に少なくなってきました。これは大変結構なことであり、この法律がそれだけの効果を上げておるとは私考えます。だが、そういった中でいわゆる後期死産、この後期死産というのは、妊娠八カ月から十カ月、あと二月、このときに亡くなる、いわゆる死産をするわけです。それと出産後一週間以内に亡くなっていくという早期死産、この状態を見てみますと、非常に死産が多いわけです。 そういった関係から数字をちょっと申し上げてみますと、新生児の死亡は年間で一万七百七十三人、それからそのうちで一週間以内に亡くなったというのが八千六百八十六人、約八割、それから妊娠八カ月以降に死産をしたというのが一万六千件、こういった数字が出ております。そして妊婦の死亡率につきましても、西ドイツが先進諸国のうち最高で十万対比で三十四人、それから日本が十万対比で二十八・一人、こういうように非常に高率を示しておる。そしてこれができ上がった当時に社会保障制度審議会が母子の健康確保の方向に一歩を踏み出したにすぎない。各部面に未熟、不備、不徹底な点が多い、今後引き続き改善を図ることを条件として了承する、こういうことが言われておるわけですが、その後そのままになっておる。そうして将来やはりこういったことの改善を行うべきであるということが指摘をされておる。そしていま申し上げたような状況から、やはりWHOでは、将来母になる者、現在母になりつつある者、すでに母となった者、これらを全部健康診査の対象にすべきだということの勧告も出ておる。こういうことを考えたときに、私どもは、これは早く抜本的な改正をすべきである、こういう見地に立って、四十四年以来たびたび国会に独自の改正法案を提案してまいりました。そして一昨年あるいは去年四百万余りの署名を持って政府に陳情申し上げた。こういう経過もありまして、厚生大臣は、これについていま検討をしております、そして少なくとも五十六年夏ごろにはこれの検討を終えて秋ごろには成案を得たい、こういうことの答弁もなされておるわけですが、これに対する見通しをお聞かせいただきたい。
○金田(一)政府委員 ただいま先生お話しございました母子保健法の関係でございますが、ただいま各分野の専門家の御協力を仰ぎまして、家庭保健基本問題検討委員会の審議が進められておるわけでございます。一昨年の六月から始まりまして、現に精力的に検討が行われておるわけでございます。 その内容といたしましては、ごく簡単に申し上げますと、二十一世紀を展望いたしました新たなより次元の高い家庭保健対策を樹立するため、多角的な観点から母子保健の新しい制度、施策の検討が行われておるわけでございますが、ただいまのところ、本年夏ごろをめどといたしまして検討結果がまとめられるというように私ども伺っているところでございます。 そういう意味で、この検討結果が終わりましたところで今後の法案の処理について検討が行われるわけでございます。ただいまのところは、夏ごろまでに検討結果がまとまるということを私どもは聞いているわけでございます。 以上、現在までの取り運びについて御説明申し上げました。
○平石委員 大体夏ごろには終わるということですが、その内容においてちょっとお伺いしておきたいと思うのですが、いまWHOがやっておるように、いわゆる妊娠可能な者、ここまで健診その他については広げるというお考えがあるのかどうか、差し支えなければお知らせをいただきたい。
○金田(一)政府委員 ただいま申し上げましたように、家庭保健基本問題検討委員会で種々の観点から御検討がなされておりますので、この結果を待ちまして、私ども、また具体的にいろいろ対策を樹立してまいりたいと思っております。
○平石委員 次は、ベビーホテル、いままさに新聞その他で報道されておりますが、このベビーホテルについては、すでに厚生省は実態調査をなされておるようであります。したがって、この実態を見さしていただきますと、まことに劣悪な状況、しかも雑居ビルの中において行われておる、あるいはこの対象を見てみますと、全国で五百八十七カ所の調査が上がっておりますが、経営を考えてみますと、ほとんど九〇%が個人経営、しかも経営の実態は、何らかの形において夜間に行われておるものが九〇%、そして二十四時間なされておるものが三六%と報告に出ています。この実態を見たときに、保護者の職業形態は調査に上がっておりません。だが実態は、恐らく夜間働かねばならないといったような方々がほとんど大半だと思います。 そこで、この対策については、たびたび委員会で指摘されておると思いますけれども、新聞報道によりますと、厚生省は総点検をし、悪質なものは閉鎖命令も出そうか、こういったようなことが言われております。 そこで、お伺いをしたいのですが、そういった実態を把握したときに、児童福祉法の二十四条にはどう出ておるかといいますと「市町村長は、保護者の労働又は疾病等の事由により、その監護すべき乳児、幼児又は第三十九条第二項に規定する児童の保育に欠けるところがあると認めるときは、それらの児童を保育所に入所させて保育しなければならない。但し、附近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護を加えなければならない。」これは措置権者としての市町村長にそういった義務規定があるわけです。そして、この生活実態から考えたときに、いわば要保護措置児童と私は認識できる。こうなると、これは行政責任というものです。だから、答弁にもありました、あるいはテレビも見させていただきましたが、旅行するときに預けていこうか、こういった方も中には含まれておるようです。これは行政責任とは言えません。やってあげれば行政サービスとしての範疇に入る。だから大半の方が、そういう生活実態の中で子供の福祉を守るためには行政責任である。そして、いま認可保育所で厚生省はこういったことをやらせておるわけですが、いまの認可保育所の運営状態、通常の勤務状態でお預かりするという時間帯では合わないわけです。この実態を把握して、そしてこれが措置を要する児童なのか、実態を調査すべきである。それが全然出ていない。私は、調査がいけないとは言いませんけれども、行政責任の分野の児童であるかどうかという観点からの調査もして把握すべきである、このように思うわけです。したがって、その調査の結果、措置を要するような行政責任の分野の子供であるのなら、これにどう対応するのか、大臣のお答えをいただきたい。
○園田国務大臣 厚生省で行いました調査は、とりあえず見当をつけるための一応の調査でありまして、これはまだ非常に粗漏であることは御指摘のとおりであります。したがいまして、都道府県の協力を得て早急に調査する手はずをいたしております。その手はずの結果に基づいて、いろいろこれに対する対応の策、対応の策とは、いま危険であるとか非常に設備のないベビーホテル、これの改善あるいは立入検査、場合によっては閉鎖命令、これも早急にやらなければなりませんが、その場合、それからはみ出してきた赤ん坊をどこで受け入れるか、こういうことも大事でございますから、とりあえずは、いまの保育所というものの概念を切りかえて、保育所は朝から夕方までやるものだという考え方から、場合によっては夜間のもの、あるいは昼夜二交代のもの、それから、もう一つは役所、企業、事業所等で厚生施設としてそれぞれ働く人の身辺にそういうものを施設してもらう、それに政府の方で何がしかの助成をやると同時に行政指導をやる。それからまた、いまのベビーホテルも、程度はいいがすれすれというものは、なるべく政府が指導したり補助したりして、これを引き上げて有資格のホテルにするとか、いろいろいま検討しておるところでございます。
○平石委員 いまの大臣のお答えで大体いいわけですが、いまのこういった保育体制の秩序、通常の認可保育所にいわば準ずるような形でいま無認可保育所というのがたくさんある。だから、それから漏れたものが無認可保育所に行く。これは昼、形態は同じこと、そして夜間のこういうものがある。だから、ベビーホテルを考えるときには、この無認可に対することをも考えないと大変なことになる。したがって、いまの認可保育肝に準ずるような形において、少なくともベビーホテルあたりで一般の方がやっておられるが、保育は制度の上から言いますと、やはり一定の履修をして資格を持った保母さんがやっておられる。だから、こういったものに対しては、少なくとも保母一名は入りなさい、こういう一つの基準をつくる。それから、施設の基準についても、認可の基準には合わなくても、これだけの安全施設はつくりなさい、こういったいわば準ずるような一つの施設基準もつくっていく。そして保母さんが少なくとも一名は入る、あるいは人員に応じて二名は入るというような形においてそこに一つのエリアをつくる。そして行政責任を果たしていく。これはいま私が申し上げた二十四条のただし書きに、保育所がない場合は適当な方法でやりなさいということが法の上から許されておるのだし、やらねばならぬことでございますので、そういうことを考えたらどうか。そして、それに対しては、いま地方団体において、無認可につきましては、そういった一つの助成基準とか、あるいは安全基準といったようなものが行われております。それに対する助成も出ております。そういった実態をも調査いただいて、そして、それをそのまま国の方で何らかの方法で財政援助をしてやるような形にすれば市町村長の責任も果たしやすい、こういうように私は感ずるわけです。そういうお考えをお持ちなのかどうか、もう一回お答えをいただきます。
○園田国務大臣 私も、御意見のとおりに考えておるわけでありますが、これは急ぐ問題もございますので、今後とも、いろいろ皆さん方の御意見を承りつつ、各方面の意見も聞きながら、間違いのないようにしていきたいと考えております。
○平石委員 次に、児童手当についてですが、児童手当につきましては、前々からいろいろと御質問を申し上げた経過もございます。ところで、今回の予算の原案等を見てみますと、児童手当については、まさに福祉の切り捨てという一つのねらい撃ちを受けておるのではないかというような心配をするわけであります。 そこで、今度の内容を申し上げてみますと、もう御案内だと思いますけれども、いままでの支給率ががくんと落ちておる。そして平均におきましては七・六%落ちておるわけであります。七九一五%の支給、しかも非被用者である一般の方々のものがやはり三・五%落ちておる。こういうようなことで来年度以降どういうようなことになるのか非常な心配を持っておるわけですが、大蔵大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
○渡辺国務大臣 今回の児童手当につきましては、私は、限りある財源の中でございますから、どちらかというと所得の少ない階層の人を手厚くして、それ以上の方には何とか御猶予願いたい、そういう考えで実は予算前に四百十六万円という額を示したわけでございます。厚生省といろいろ話し合いましたが、厚生大臣からそれではとうてい承服しかねるというような強い御主張がございまして、話し合いの結果四百五十万円ということにしたわけであります。 今後の問題はどうなるのかということについては、今後の財政事情、経済事情、いろいろ考えなければ確たることをここで申し上げることはできません。
○平石委員 いま今後の財政事情云々という大臣のお言葉がございました。それは当然なことだと思うのです。 ところで、いま日本の若い方々は子供を産みたがりません。そして、一世帯当たりの人員の統計を見てみますとずっと落ちてきておるわけですね。現在三・二五、数字の上ではこうなっている。そしてこの内容は三子以上、こうなっておるわけです。もう三人産むという家庭は少ないのです。このまま放置しておいたら消えてしまう運命にあるのです。ここが心配なんですね。それはただ児童手当を出すから云々というそんな心配じゃないのです。日本の民族の活力、これからの産業発展におけるところの産業労働者、若い働き手が急激になくなってくる。これは民族の活力からいったときに大変なことになる、私はこう思うわけです。 そして、なぜ子供を育てないか、これはいろいろな原因がありましょう。教育の問題あるいは子供を養うということと子供を養わない家庭、この精神的負担と物質的負担は大変な違いがある。私がこの前論議をしたときに、大蔵省は財政面からの均衡をおっしゃいました。会社で扶養手当が出ておりますよ。税でも控除がありますよ。それにさらにこんなものを出すのですか。公平論から言うたらまことにそのとおりです。だが、そのもう一つ奥に、子供を養っておる家庭と養ってない家庭との格差、そして子供を養ってない御家庭の方も年が寄っていくんです。急激に寄ってくるこの高齢化社会を子供を育てた家庭の子供が支えるんです。その公平感を見ていただかなければならぬ。そして、あらゆる施策があって、日本の若い者が子供を産んでいただいて、民族の活力というものをつけてもらうように。ただこの児童手当一本ではいきません。それは承知の上ですが、そういったことを考えたときに、一人までおろすべきだ。そして、子供を育てない御家庭の方も、老人になったときは、育てた方の支えがないと高齢化社会は乗り切れません。そういうことを考えたときに私は、財政事情もありますけれども、もっと将来ということを考えてひとつよろしくお願いをしたいと思うわけです。大蔵大臣、ひとつ御感想をいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 平石さんのような見方もあると思います。しかしながら、いろいろ政府のサービスというものは負担との関係ででき上がっておるものでございますから、仮に一人までも児童手当を支給するということになれば非常に莫大な金額が必要になる。その負担も喜んで出しましょうということであるならば考えないわけではないけれども、皆さん負担の増加は余り喜ばないということになると、やはり給付と負担との関係でどういうふうにするかというときは、そのときの政治判断でやるほかはないということでございます。 それからもう一つは、児童手当はヨーロッパでやっておるわけですが、給与体系というものが日本とかなり違いまして、日本は大体年配になると月給がふえるいわゆる年功序列型賃金、ところが先進国の方は必ずしもそうじゃない。職階制なんというような話がはなはだ徹底しておって、フランスあたりでも極端なようです。年限がたって子供がふえても月給はそんなに上がらないという国とまた違うことです。それから、会社などが児童手当を出しておるなどという点も違いが見られるようです。制度の違い、賃金体系の違い等いろいろございますから一概には申しませんが、いろいろ皆さんの御意見も聞いて、財源に余裕でも出てきたときには研究はしてみたいと思っております。
○平石委員 この問題については論議が絶えませんから終わらしていただきますが、一言要望しておきます。 第三子からというのはいまの世界の国の中ではたった四カ国ですよ。大臣、ひとつお知らせしておきたいのですが、日本とモーリシャスとベトナムと、もう一つどこかの国でした。だから、先進諸国はほとんど第一子からということになっております。そういう実態もございますので、先ほど前段申し上げたようなことをもひとつ判断基準の中に入れていただいて今後よろしくお願いしたいと思います。 それから次は、国際障害者年を迎えております。いま障害者対策ということについて、障害者年で大変政府の方もこの推進方については、推進本部をつくって対処しているわけです。 ところで、こういった単なる行事的なものでなくて、やはり身体障害者自身が乱立し、更生をし、さらには社会への参加、こういった形でがんばっておられますが、この自立の助長というようなことにつきましても十分行政としても考えていかねばならない。また、社会の方々もこれに対して温かい理解を持って受け入れてあげる、そして社会全体で、やはり健常者と同じような社会の一員として参加し得るような社会づくりも必要です。そういう意味で政府が推進対策本部をつくったことは、私はまことに時宜を得たことだと思うのです。 ところで、総理大臣を長とするこの推進体制の中に、これから社会参加を平等な形において行い、その大きな柱になるのはやはり雇用の関係、そしてみずから働きに参加をするという障害者、この意味から考えて、この副本部長に総理府総務長官と厚生大臣は入っております。これは当然のことです。ところが労働大臣は入ってない。私はこれは片手落ちだと思う。政府が本当に取り組むという姿勢があるのかどうか、この一事をもってしても私は妙に疑いたくなる。なぜ労働大臣がこれに入れないのか。これはどういう理由で入ってないのか、長官にお伺いしたい。
○中山国務大臣 お答えをいたし一ます。 先生も御案内のように、今年国際障害者年を迎えるに当たりまして、昨年三月二十五日に政府は閣議におきまして推進本部の設置をいたし、総理大臣を本部長、総理府総務長官並びに厚生大臣を副本部長ということにいたし、そうして各省次官をいわゆる幹事というふうにいたしました。職務分担といたしましては、本部を預かるのが総務長官であり、いわゆる庶務全般を総合指揮するという立場で厚生大臣に副本部長に御就任をいただいておるということでございまして、私どもは、いま先生御指摘のように、労働の問題は非常に重大でございますので、労働事務次官にも幹事にお入りをいただき、そしてそこで身体障害者の完全参加、平等という国際障害者年の理想を達成するために、職業訓練校における身体障害者の職業訓練及び雇用機会の上昇のために格段の努力をいたしておるところでございまして、そういう仕組みの中で、労働省自身も事務次官がいわゆる首脳部に入って企画、推進しておるということを御理解賜りたいと考えております。
○平石委員 それはわかっておるのです。わかっておるのですが、大臣がどうして入れぬのかと思うのです。やはり労働大臣が雇用の最高責任者ですよ。事務次官が最高責任者じゃない。この姿勢です。どうして入らぬのかなと私は非常に疑問に感じるわけです。そこに労働大臣もいらっしゃるけれども、これは意図的にのけたのか、忘れたのか。大臣のことを聞いておるのです。
○中山国務大臣 重ねてのお尋ねでございます。身体障害者の方、心身障害者の方々、このような方々のいわゆる完全参加、平等という問題は、平素実務を担当しておる事務の責任者である厚生大臣がすべての役所の代表的な立場ということの責任者として御参加をいただくという考え方でございますが、実際の問題といたしましては、政府の各省がそれぞれの役所において、この国際障害者年の事業の推進のために、あるいは文部省におきましても大蔵省におきましても、あらゆる分野の役所あるいは地方公共団体を総括する自治省におきましても自治大臣が責任を持って推進するということが必要でございますので、そのように入るとなれば全大臣を参加させなければならない。それでは閣議というもので運営することになるものですから、そこで事務次官ということで、大臣にかわって、いわゆる副本部長である厚生大臣のもとで各省の行政が総合的な政策を推進しておるというふうに考えております。
○平石委員 理解はできません。総合的にやるのは当然のことだからこうしておるわけですが、私がいま申し上げたように、障害者の対策の柱になるのはやはり雇用ですよ。そして技能の習得もやらなければならぬ。いろいろ技能訓練もやり、そういった行政を行っておるのです。そしていわゆる身体障害者雇用促進法、これについても労働大臣が責任者です。いまこれの成績は悪いですけれども、そういったことを推進する立場から考えても、自治大臣もそれは地方団体その他を糾合して総合的にやることはわかります。閣議のようなことをせいとは私申し上げていない。だが、私は少なくとも厚生大臣と労働大臣は入らなければと思う。これはいまの御答弁でも一つも理解ができません。言い出しても一つもおさまりがつきませんからこれでとどめますけれども、ひとつ御一考を願いたい。 次に、身体障害者のことにつきましてお伺いをいたしますが、いま社会の変わり方によっていろいろな形で身体障害者が出ている。したがって、この身体障害者福祉法というのが昭和二十五年にできた。そしてそれが今日まで来ておるわけですが、非常に障害者の範囲が広くなってきた。そしてさらには、介助を全面的に受けなければならないといったような方々も生まれてきたわけです。こういった幅広い原因不明の病気がたくさん出てきて、厚生省ではこれらの研究体制もしいておられる。そして難病ということでいろいろ研究治療をしておるけれども、結局原因不明でわからない。植物人間といったようなものも出てきますし、あるいは記憶を喪失してもうさっぱりわからぬ、こういったようなものも生まれてくるという現状です。ところが、この身体障害者福祉法は、御案内のとおり更生ということが目的になっておるわけです。身体障害者の方が更生をして社会に復帰するのは当然のことだから、これを私は否定はいたしません。当然そのことは必要なことでございますから、このことを否定する意味で申し上げておるのではありませんけれども、これではちょっと範囲が狭くなってきて、いま申し上げたような方々を救済することができない。ここで出てくるのが身体障害者とは一体何かということで、身体障害者をいわゆる評価し、認定していく問題にかかってくるわけです。そういたしますと、身体障害者のいわゆる等級表といったものを見直す時期に来ておるのではないか、このように考えるわけです。そういう考え方を持っておられると思うのですが、厚生大臣どうですか、ひとつお答えをいただきたい。 〔委員長退席、三原委員長代理着席〕
○園田国務大臣 身体障害者の対応の問題が、いままでは言葉は別として、これの保護という方がどうしても重点になっておった。これが保護から社会参加へという変わり目であって、またそうしなければ本当の対応策にはならぬ。ここへ福祉法の改正の問題であるとか、あるいは先ほどから指摘されている問題が出てくると思います。 そこで、一つは、その社会復帰、社会参加がどのようにしてもできない重度の方々があります。その重度の方々に対する対応策、それから社会参加ができる、たとえば学校でも特殊学校よりもなるべく普通学校へ最初から入ってもらう、社会で自力更生の道をたどってもらう、それのために各省がそれぞれの立場でこれを支援をする、こういうことに変わってこなければならぬと考えております。今後はそういう方向で御意見も承りながらそれぞれ努力をする所存でございます。
○平石委員 そういうお気持ちをどのようにあらわしていくかという問題にかかってくるわけです。いま大臣の答弁にもちらっと触れておられましたけれども、この身体障害者福祉法というのは重症になればなるほど排除されるわけです。重症で、もう全然機能がなくなった、植物人間のような形に落ち込んでしまった人は身体障害者手帳をいただけないんです。これは不合理です。それより軽度のものであれば身体障害者手帳がいただける。ここに更生という法の目的がそぐわなくなってきている。だから私は、そういう大臣のいまのお気持ちはよくわかるわけです。そして、その方方が救われるような、少なくとも日常生活において機能がなくなってきた、こういった方々、いわば残念ではありますけれども自立更生の見込みのなくなった方、そういう方が障害者手帳もいただけないし、それに対する国からの援護措置もいただけない、こういう状態にいまの福祉法からいけばなってくるわけです。だから、この法の目的というもの、更生ということは当然考えねばなりませんが、もっと広げていただいて、そして日常生活に支障のあるようなそういう重症の方々が対象の障害者として障害等級に入ってくるように、あるいは精神的な――いままでのこの身体障害者を通覧してみましても、障害等級は、身体障害者というのは手がない、足が欠損したあるいは目が見えない、耳が聞こえない、こういった外部の疾患、これではどうも対応できないということで、途中から内部疾患である心臓とか腎臓とか呼吸器とかいったものが中へ入ってきましたけれども、精神的な障害、こういったものはまだ入っておりません。そしてその障害の部位、いわゆる個別的に手の欠損だとか足の欠損だとかあるいは聴覚を失ったとか、こういった部位部位で押さえておるから、全身が障害を受けたといったような、脳性麻痺といったような形であるものは入らないという、ここは私は不合理だと思う。もっと幅広い形においてこの等級表といったものを見直す時期が来ておる。しかも、これは早く見直さないと、そういった方々がどんどんふえておる一方で、この人たちの援護、救済といったようなことがそのまま放置されてしまうということになるわけでございますので、これは早急にお願いをしたいと思うのですが、大臣のお答えをいただきたいと思います。
○園田国務大臣 福祉法の改正及びその中に盛られておる等級の変更、決定、こういうものは御承知のとおりいま審議会で各部会に分かれて検討してもらっておりまするから、その結果も待って早急に努力をする考えでございます。
○平石委員 労働大臣にもお伺いをしてみたいのですが、労働大臣は、いわゆる労働によってこういった機能障害が起きてきたといったことについては労災保険法をもって執行しておるわけですが、このように日本の法制の中ではもう十指に余る障害等級があるわけだ。そして十指に余る障害等級があるが、それぞれもちろん目的に応じて違います。考え方も違いますが、やはりそこには格差があり、不統一であり、そして不合理な面も含まれておる。たとえて申し上げますと、両方の上肢、この上腕のところの二分の一が下へ欠損した、こういう場合を見てみますと、身体障害者福祉法と国年法、公共企業体の共済法、これは二級になるわけです。それから労災法では四級、このように、これは一例ですが、たくさんあります。そういうように基準が非常にまちまちであって、それに対する援護措置も違ってきておるわけです。そういうような不合理保もあるということで、これの見直しも必要です。 そして、労働大臣は労災保険法でそういったことをやっておられるわけですが、これについては、いま職業病といわれる白ろう、抹消神経をやられておるわけです。これは外からながめてみますと、五本の指もありますし、五体はりっぱです。だが機能がなくなって白ろうになっている。これは抹消神経。中枢神経が入ったところがありますけれども、抹消神経としてもう手の機能を失ったといったような者についでこれが認定できるのかどうか。私いろいろ聞いてみますと、お医者さんの話では、何とかいくようにいろいろと考えて取り扱いをいたしますけれども、むずかしい面がございます、いまの等級の面では非常に困難ですというようなことを聞いておるわけですが、これについても一考せねばならぬことではないか、このように考えますが、大臣のお答えをいただきたい。
○藤尾国務大臣 お答えをいたします。 私も本当にそういった細かい技術的な判定というようなことについては知識はございません。でございますから、その点につきましては政府委員をして答弁させますが、平石先生御発言のとおり病気あるいはけがの状態、これを類型的に全部一から十四までの中に入れてしまうのだというようなことはできるわけではないわけでございまして、お一人お一人の方々がそれぞれみんなその程度が違っておると私は思います。でございますから、私どもの場合には、そういった全部違っておりますものにつきましても全部満点というような措置がなかなかできにくいということで、先生御指摘のとおりもどかしい点もございますし、あるいはその適用が違っておるようなところもあるということは私は正しかろうと思います。でございますから、そういった点はできるだけ実情に合わせまして、そしてそういった障害を受けられた方方ができるだけ復帰できるように対応できるようにというような観点からお手伝いをしていかなければならぬ。そのような基準を変えていけということでありますならば変えていくのにやぶさかではございませんから十二分に対応をしてまいりたい、かように考えます。
○平石委員 いまの大臣のお言葉で大体考え方はわかりましたので、時間の関係でこの程度にとどめさせていただきます。 ところで、この障害者に対する施策の中で、いわゆる自立更生といった面での観点からお伺いを進めたいと思います。 このような障害者の方々が自立更生をしていくということになりますと大変なことなんです。本人ももちろんのこと、社会も大変なことです。だから、リハビリとタイアップをしながら、あるいはお医者さんともタイアップをしながら職業訓練を行う、あるいは言語障害の者は言語障害についての矯正をしていかねばなりません。そのように施策はたくさんあるわけです。そして、そういった方々が今度社会に出てまいりますと、いま雇用促進法がありますけれども、この促進法によって企業側に何とかこの雇用率を達成するまで雇用してほしいという行政指導がなされておる。ところが実際に行ってみますと、そこには競争の原理が働いておるわけです。そういう競争の原理の中へこういった障害者の方々が入っていかねばなりません。ここに考えてみなければならない一つのものがある。いま私たちは、こういった方々を社会が受け入れるということになりますと、その競争の原理に打ちかっていくだけのものを備えてやらなければならぬ。そうしないと社会は受け入れてくれない。受け入れにくい。雇用率が達成できないというのもそこに原因がありましょう。 そういう意味で、いままでのやり方というものについても、十分その点を考えてのやり方をしていただきたい。大変な苦労はあろうと思います。苦労はおろうと思いますけれども、そういう考えのもとにやらないと、いわゆる完全参加、平等ということをテーマにする国際障害者年――完全参加という形になりますと、私たちはややもすれば保護主義に陥っていく。そういうことは考えてないでしょうけれども、やはり保護主義でもってそういういたわるということは大変温かい気持ちで結構なことなんですけれども、そのことがかえって現実の社会へ出たときに果たして対応できるかな、それに打ちかてるかなという心配も一方にあるわけであります。 そういうことを考えてオーストラリアにけいれん性麻痺センター――これは脳性小児麻痺の人ばかり集めておる。これはもう政府の方も御存じだと思うが、ここは不可能なことはないというレポートであります。どんな人であっても、必ずどこか一点は十分開発をし、訓練をしていくならば、健常者と同一ないしは健常者以上に能力を発揮せられる。あそこでは、一例を申しますと、もう手も足も動かない、そういう脳性小児麻痺の方が首だけは動く。そうしますと頭にリングをして、それでタイプを打っておる。物すごい速さでタイプをばあっと打っている。健常者はかなわぬ。そのように、一つ一つ能力の開発をしていくならば、必ずそこには健常者以上の能力を発揮いたします。 このレポートは非常にりっぱなレポートでありますが、このけいれん性麻痺センターと併設をした産業センター、これは半導体をつくっておるわけです。そして非常に高度な技術と、そういったものを――健常者は便所あるいは昼食の時間に食事を構えてあげる、こういうサーバントみたいなものです。全部脳性小児麻痺の方がやっておる。そして高い生産性を上げて、オーストラリアでは少なくとも三五%ぐらいのものをつくっておる。非常に生産性が高いですから、その給与も日本円にしまして二十万、三十万です。だから十分社会生活ができるわけです。こういうような例もございますので御一考願いたい。 もう一つ御紹介申し上げておきますが、これも厚生省、労働省御案内だと思いますが、岡山県にあります新生電器さん、私ここへも行ってきました。ここでもいまのようなお話を聞きました。ここはどういうところかというと、ちょっと御紹介申し上げますが、そこの従業員は、健常者が七十四名、それから障害者が百十八名です。ここで健常者と同じように机を並べてやっておりますが、非常に成績がよろしい。初めは別々の棟に置いて工場でやってもらったが、成績が悪いので、健常者の中へはめ込んで一緒に並べてやってみますと、むしろ障害者の方の能力が高いということを社長さんからお聞きしたわけです。これらを考えたときに、今後の行政のあり方あるいは指導、訓練について、そういったことを考えながら、競争原理に打ちかつように持っていっていただきたい。そのためには、更生のできる者、そしていわば植物人間になって全面介助をもらわねばならない、介助を受けねばならないといったような形に、ここもある程度幅を広げて区分をするような形にして、やはりいまの障害等級の中へ入れていただいて、更生のできる者はそういった形で訓練をしていく、お医者さんとタイアップしてやる、そして介助の必要な人は障害等級の中に入れていただいて、それぞれの援護措置を講ずる、こういう形にお願いしたいと思うわけです。 時間がございませんので、この問題はこれで終わらしていただきます。 次は、これはローカルの問題にかかってきますが、運輸大臣お見えいただいておりますので……。ほかの大臣の方、労働大臣、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。それから大蔵大臣も結構でございます。 運輸大臣にお伺いいたしますが、国鉄再建法が昨年の十一月末にできました。そして国鉄再建のために、地方ローカル線については少なくとも赤字路線として廃止をしようということで、政令の作成に精力的に取り組んでおられると思うのですが、いろいろ取りざたされる対象路線等で関係の地区の方々は大変な不安に陥っておる。これはどのような形で早く政令ができるのか、いわば注視をしておるわけですが、このめどはいつごろになりましょうか、お伺いをしたい。
○塩川国務大臣 できるだけ早く政令を制定いたしたいと思っております。現在、各省庁との間で話し合いをいたしておる段階でございますので、いつということはまだ確定的に申し上げるわけにはまいりません。しかし、御承知のように、いわゆる国鉄再建法で定められております国鉄が運輸大臣に提出いたすことになります国鉄経営改善計画、この計画を作成するのに約一カ月近く要するということを聞いております。でございますから、その作成ができ得るような期間を見計らって、それまでには何としてもこの特定地方交通線の政令を定めなければならぬ、こう思っております。
○平石委員 一カ月ぐらいかかるということは、いま大体二月の終わりですから、結局三月いっぱいということですね。
○塩川国務大臣 国鉄経営改善計画は三月いっぱいで提出することになります。(平石委員「政令は」と呼ぶ)政令は、その計画書を作成しますのに約一カ月ほどかかりますから、その計画作成に間に合うようにやはり定めなければならぬ、こう思っております。
○平石委員 その計画作成に間に合うように政令を公布せねばならぬ、こういうことですが、そうすると今月末ごろになるわけですか。
○塩川国務大臣 大体それに相前後して制定しなければならぬと思っております。
○平石委員 これができ上がってからもう何カ月たちますか。法律が成立してからいろいろ新聞報道その他取りざたされるところを見ますと、十一月だ、あるいは十二月だ、あるいは一月だと後へ後へずれ込んできておるわけです。これをつくるということがいかに大変な作業か、その大変な作業というのは、やはり地方ローカル線を廃止されたら大変なことになるということが背景にあるからできないのだ。そして政府の内部においてすら調整中だといういまのお答えでありますけれども、なかなか調整が困難な状態になっておるのではないか、私はこういうように考えるわけです。 そこで、私どもはこの法律が仕上がってからそれぞれの関係省に陳情いたしました。地区あるいは四国地方の国会議員団各党ともすべて、あるいは地方議会におけるところの各党全員そろって陳情に上がったこともございます。そういうように地元としたら、関係対象路線に入ろうというところは、北海道といわず四国地方といわず非常な関心を持っておるわけです。国土庁へも陳情に行ったわけですが、その際国土庁長官に、私たちにはまことにありがたい激励の言葉までいただいた。大臣、やはりあの気持ちでいらっしゃいますか、長官にお伺いしたい。
○原国務大臣 いま平石先生の御意見、ローカル線を廃止するという法律ができてきておるのですが、御案内のように政令はだんだん、十二月になり一月になり、いま二月に入り込んできております。現在、運輸省とわれわれの方とも折衝をいたしておる最中であります。 それで、それはたびたび、ことに高知県の皆さん方からはしばしば御陳情いただきました。私の関係で、地方から言いますと北海道と高知県が一番熱心で、何回となく、本当に何回来たか勘定してみないとわからぬほどで、その熱意、情熱には私ども大いに感動させられておるところでございます。でありますから、いろいろ国土庁としても地域の整備に合うように、地域の実情に応じて合理的な交通線の整備を図ることが必要であると考えております。地方交通線対策は国鉄の経営再建のために重要であることは認めますけれども、また他方、地域の開発、整備に及ぼす影響、これは地域によってその影響度は違いますが、二十年も三十年も運動してようやくそこにでき上がった線が、ようようやれやれと思っておるところで削られるというような特別の事情のある線については十分また考慮してもらわねばならぬ、こういうように考えております。
○平石委員 いま国土庁長官は、地域の実情あるいは産業経済に及ぼす影響、こういったことを踏まえながら考えておられるということで、大変私も意を強くするわけです。 ところで運輸大臣、私たちが陳情に上がった際に、高知県から政令案に対して、こういう方法で、あるいは何とか政令案の中へ入れてほしいがというようなことで、少なくとも七十、八十キロ程度の二県にまたがる幹線については認めていただきたいという案までつくって大臣のところへ陳情に上がったわけです。大臣は、これはいいものをいただきました、これはいい知恵をおかりしましたと非常に喜んで、おほめの言葉をいただいたのですが、どうですか、いま国土庁長官がおっしゃったように経済その他地域の発展に関係があるという形で、いま調整中だと言うのですが、政令づくりにそういったことを受け入れるようなお考えはございますか。
○塩川国務大臣 地域住民の生活圏の確保並びに地域の発展、そういうものは当然考慮いたしておりますが、しかしそれは全国至るところ、全部の地域がそうでございます。でございますから、その中にありましても代替交通機関に切りかえる方が国民経済の面から見、また国鉄の経営上から見ても合理的であるという路線につきましては、これを特定地方交通線として廃止をする、こういう基準を作成するその話し合いをいま各省庁とやっておる、こういうことでございます。
○平石委員 実情はそうですが、私は、ただ輸送密度だけで判断せられては困るということを申し上げたい。だから高い立場に立って政令基準をつくる、いわゆる選定基準をつくる場合に、そういう幅広い観点からながめてほしいということです。そしてそういう立場でいけば、これは具体的にどこどこをどうするというようなことは大臣もできないと思います。だが、日本列島に国鉄とか私鉄とか、さらには国道あるいはバイパス、自動車幹線道、こういったようなものを地図の上にずっと積み重ねてみる。恐らく京阪神とかあるいは東京近郊、これは真っ黒くなってしまう。田舎の、たとえば高知県あたりを見ましたら大きな網の目です。ここが私は問題だと思う。それだけの人口密度があり産業が発展しておりますから、そこが密度が高くて真っ黒くなるのは、これは結構なことです。これは結構なことですが、やはり地方にも国民がおるのです。働かねばなりません。産業も興さねばなりません。通学もせねばなりません。そういうこと全体を考えていただいてどのような形になるか、総合的な交通体系から考えたときに、どこどこがどうかということを見ていただきたい。鉄道は鉄道だけで、二千人以下だからというような形ではさっと切られることがあっては困るということを申し上げておきたい。そして地方の話もよく聞きますとか、あるいは政令をつくるときには国会の皆さん方の御意見も聞いてつくりますとかいう答弁が再々出ておるわけですが、私たちの言うことを、いまお尋ねをしても、調整中で一日も早くというだけのことで、一つも話が通じていかないというもどかしさも感じておるわけですが、ひとつそういったことを考慮に入れてつくっていただきたいと要望しておきます。 次に、時間がなくなって大変申しわけないのですが、農林大臣お見えいただいておるわけですが、農業の基本的な考え方について時間の許す限りお願いしたいと思います。 総理の諮問機関の農政審議会から、昭和六十五年度を目途として農産物の需要と生産の長期見通し、それと八〇年代の農政の基本方向という二つのなにが出ておるわけです。しかもこの長期見通しにつきましては、昨年の十一月七日に閣議決定がなされておる、そういう閣議決定事項なんです。 いままでの農業というものが、御案内のとおり昭和三十五、六年ごろから大変高度成長期へ入って、労働力がなくなってくる、あるいは耕地がなくなってくるといったような形でだんだんと落ち込んできました。そして、この八〇年代の農政の基本方向の中にも、食糧の安全保障ということが述べられております。したがって、農政を預かる大臣としては、食糧の安全保障という立場からどのように考えておられるか。 そして、その中で具体的にいわゆる自給力の維持向上ということが述べられ、さらに、たびたび自給力の維持向上が言われる一方で、自給率がだんだんと落ちてきておる。このことから自給力と自給率というものは一体何なのかわからないわけですが、簡単にお答えをいただきたい。
○亀岡国務大臣 昨年農政審議会からの答申に基づきまして食糧の需要と供給の長期見通しというものを提示をされ、これを閣議決定したところでございます。 平石先生御承知のとおり、高度所得国家とでも申しますか工業国家とでも申しますか、そういうところで、第一次産業である、おてんとうさまを相手にしておる産業である農業、これは労働生産性も土地生産性も非常に低いわけでございます。したがいまして、ほっておけばだんだんと農業者は農業を去る、こういうことでございますけれども、そういうことでは、これは生命から二番目に大事な食糧を生産する人がいなくなっては大変でございますから、やはり思い切った農業基本法というものを制定をし、そうして思い切った国家投資を行って、その農業者の生活の保障という点まで支えてきておる。そういう努力をしておるにもかかわりませず、最近になって外国からの農産物の輸入というものが非常にふえてきておる。 昭和五十四年度の統計によりますと、一年間二百八十九億ドル、石油の半分、こういうふうになって年々ふえておる。もうことしなんかは恐らく三百億ドルを超しておるんじゃないか。そういうことではいかぬ、やはりもっと農業に力を入れるべきであるという国会での全党一致の御決議を昨年ちょうだいしたわけでございます。日本の農政の一つの大きな足がかりというものを国会でおつくりいただいた。この国会の決議を踏まえまして、自給力を強化をしていこう。自給力というのは、総合的な食糧の自給をしてまいりますための能力と申しますか、そういうものを指しておるわけでございまして、昨年国会で御論議をいただいた際にも――率というのは、ただ単に消費する量で生産する量を割るといったような比率であるわけでございますけれども、自給力ということになりますと、工業製品から食料品その他加工品からいろいろまぜまして、そういうものを自給する力、こういうふうに見ておるわけでございます。 いずれにいたしましても、自給力を強化してまいらなければならないという国会の意思決定に沿いまして、農政審議会からの答申をいただいたわけでございます。これを閣議決定をいたしまして、そうしてこれを基礎にいたしまして具体的な政策展開をやってまいろう、こういうことでございます。
○平石委員 懇切丁寧な御答弁をいただきまして、時間が非常に切迫してまいりました。 私がお聞きしておることは、自給力、自給力とおっしゃるわけですが、いままでの御答弁といまの御答弁にもございましたが、自給力は潜在的な生産諸力である。これが国民の中では、自給率やら自給力、これは使い分けられますとわからぬわけです。だから、いわゆる水資源とか労働力、耕地、農地等についてその生産力をいわゆる諸力として、自給率を高めるためにはこれが必要なんだ、これはよくわかるのです。 ところがその一方で、いわゆる穀物自給率はどんどん、すでにこの長期見通しを見ましても、六十五年には三〇%に落とそうかという予想が出ておる。こういうことを見てみますと、いわゆる国民が見たときに政府は力を入れるなと見ておりますけれども、現実にはそうでないということが出てくる。 それから、この諸力の中で数字を見てみますと、国土庁でつくったいわゆる三全総、それから農林省がつくった農地についての五百五十万ヘクタールというものが、五十年につくった長期見通しとそれから五十五年十一月に発表した政府の閣議決定の数字とを見ましてもばらばらなんです。そして、六十五年を見通した今回の政府の閣議決定の耕地についても、五十年のときには耕地面積として六十年が五百八十五万と出ておるわけです。ところが五十五年につくったものを見てみましたら耕地のことは書いてない。欄外のところに五百五十万ヘクタールと見込めばといったようなことが出ている。だから、基本になる耕地について非常にばらばらである。 これはずっとやりたかったのですけれども、時間がございませんからもう終わらせていただきますが、お百姓さんがやろうかと言うのに基本になる耕地がばらばらですよ。自信がないことがもうこの農林省の表の中にあらわれておる。そのことだけを指摘しておきます。 それでは厚生大臣にお伺いをしたいのですが、いま下水道の普及してないところに水洗便所がどんどんつくられている。そのために浄化槽設置といったことが基準ではございますけれども、この保守点検が悪い。このために河川が非常に汚れておる、中には汚物がそのまま流れるといったようなことで河川が汚され、蚊とハエが発生をする。蚊とハエのいわゆる駆除についても、さらにこういった河川が汚れておることについて、保守点検その他のことについてお伺いをしたいわけですが、どのようにしてこれをやっておられるか、ちょっと簡単にお答えをいただきたい。
○園田国務大臣 国民の水洗化に対する要望の高まりにつれて御承知のごとく屎尿の浄化槽が飛躍的に数がふえまして、五十三年末には約三百三十万基になっておる。これに対する保守点検、これが十分でないことは御指摘のとおりでございます。 そこで、定期的な保守点検と屎尿浄化槽の適正な維持管理の徹底を図るために、管理者に対する啓蒙活動、維持管理業者の指導に努めておりますが、五十五年からは指定検査機関による検査を年一回以上受けさせることとして維持管理の強化を図っております。今後ともこれは十分注意をしてやりたいと考えております。
○平石委員 この問題はいずれ常任委員会へ譲りますけれども、これは大変なことになっております。だから非常に苦情が多いということは、私のところへもこんなに来ておるわけです。これは言葉でもいろいろ苦情を聞きますが、非常に大きな問題になってきますので、年一回の保守点検とかいったようなことでは済まされない。しかも、これには罰則もないから十分な管理が行われておりません。このことについてはまた常任委員会に譲ってお伺いをしたいと思います。 時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。
○三原委員長代理 これにて平石君の質疑は終了いたしました。 次に、小渕正義君。
○小渕(正)委員 まず、運輸大臣にお尋ねいたします。 磁気浮上方式、要するにリニアモーターカーが現在国鉄を中心に宮崎でずっと開発が研究されておる。それからあと一つ、日航を中心にしてHSST方式といいますか日航方式と言われているものについてその開発研究がずっと進められているが、この状況については運輸大臣は承知されておるのかどうか、まずその点からお尋ねいたします。
○塩川国務大臣 技術的な内容については詳しく承知いたしておりませんが、研究が進んでおる進行状態等につきましては承知いたしております。
○小渕(正)委員 その中で、日航方式といいますか、日航が開発しておるHSST方式ですか、これで昭和五十四年度に国の補助として六億円が予算化されている。しかも、これが五十四年度全然使われないで五十五年度に繰り越されたが、現在もう五十五年度を終わろうとしているのに、これは一つも手がつけられていない。この要因は、なぜこんなことになっているのか、その点についてはいかがですか。
○塩川国務大臣 二年度にわたりまして予算計上いたしまして、現在なお使用されておる状態ではございません。 これにつきましては、この技術は御承知のように西ドイツから導入されまして、日本航空の技術陣で鋭意開発をしてまいりました。ところで、この技術は総合的に見ましたらなかなか大きいプロジェクトになってまいりますので、ただ単に日本航空一社だけでは、これが将来の実用化に生るまでの研究はなかなかむずかしいであろうということから、国が補助金を出しますとともに、この技術開発をいわば鉱工業技術研究組合の方式に切りかえて、その研究組合で開発し実用化へ持ち込んでいきたい、このように思いまして、日本航空、関係者とも協議し、現在その研究組合の設立について協議をいたしておる段階でございます。
○小渕(正)委員 ただいまの答弁は、表面的にはそのように私も理解いたします。しかしながら、その背景にどういう問題があるかということについて、若干問題の指摘をしてみたいと思うわけであります。 いまさら私が申し上げるまでもなく、これからの新しい時代の交通システムとして、このリニアモーターカーというのが大きくクローズアップされているのは御承知であろうと思います。現在日航では約二十億円余り使って、約一・五キロの状態のところを時速三百キロまで走らせることに成功した。これをいよいよ実用的な試作車に入らせようとしておるのが現状ではないかと思いますし、国鉄の方では宮崎で現在やられておるが、またこれとは若干違った角度で、二十六秒の間を時速約五百キロばかりまで成功したというようなことが伝えられているようでありますが、いずれにいたしましても、それぞれそういう方式で研究されているのは間違いないと思います。 そういう中で、騒音がない、大気汚染がない、公害がない、そういう意味で省エネルギー的な、最もすばらしい方策として特にクローズアップされてきているのが、この日航方式のHSSTではないかと私は思います。われわれ素人から見ましても、問題をちょっと聞いてみたわけでありますが、この点については国鉄も二百七十億近くかけて現在開発をやっておるようでありますが、技術的にはいろいろと前途はまだまだかなりむずかしいようであります。そういう意味では、この日航方式が一歩先んじておったということは、どなたが見ても言えるのではないかと思うわけであります。 そういう中で、いよいよ新しいそういった実用化の段階における、約七十人か八十人くらい乗せていけるものを試作をしよう、そういう試験をしようというところのそういうプロジェクトとして新しい会社をつくってそして踏み込もうとしたやさきに、実は運輸省を中心にして、いま大臣が申されたような研究組合方式なるものが持ち込まれてきた、こういうふうにわれわれは受けとめておるわけであります。 端的なことを申し上げますならば、これは週刊「ダイヤモンド」の去年の六月十四日に出された記事でありますが、要するにこの実用化のためには大体三百億近くの費用が見込まれる。そこで昭和五十三年十一月、日航が当時の自民党政調会に働きかけ、成田空港のアクセス用として、五十三年度補正予算一億円を運輸省は日航に委託する。五十四年度以降については、日航技術陣の主導する株式会社を設立し、これに出費を助成する。日本開発銀行の融資及び同行の債務保証による民間融資を導入する。こういう方針を決めて、この結果、それが大蔵省、自民党、運輸省、日航の間で合意事項となって、三年間三百億円の資金で実用機のプロトタイプをつくろうとして、その新会社の資本金を五十七億円とするというような形で、こういう方向へいよいよ滑り出そうとしておったやさきに、運輸省の松本航空局長から、親会社の日航が債務保証してはならないというクレームがついた。それからいろいろとそういった問題から、開銀や興銀等の金融機関も、日航が債務保証しないのはだめだということで、要するにいろいろそういう関係があって、この日航を中心に、新しい会社の中でいよいよ実用化の段階に滑り出そうとした、当時の自民党関係、大蔵省その他も含めたそういうものが、そういうところで、一つの運輸省のそういう横やりから、こういう形での滑り出しがストップされてしまった。こういうふうに実は週刊「ダイヤモンド」では書いてあるわけでありますが、この点について大臣としてはどのようにお考えですか。
○塩川国務大臣 ただいま「ダイヤモンド」の週刊誌でございますか、その記事でお話しになりましたが、それは私は、全くうそとは申しませんけれども、しかし多分に一方的な見方でもないかと思います。 実はこの研究開発は、先ほど申しましたように、研究を進めていくに従いまして、とても一航空会社だけで、まあ日本航空といったら世界に冠たる会社ではございますけれども、しかしやはり航空業という一会社でございます。そこでこれだけの膨大な研究開発を進めていくということには一応の危惧を持ったのであります。 そこで、まず最初株式会社をつくってそこで研究しようかという考えも確かに日航でございましたけれども、再三熟慮いたしました結果、日本航空の方から運輸省に対しまして、実は株式会社方式でやるというのを考えたけれども、しかしながら本事業の国民経済的性格並びに研究開発体制のあり方等について各方面の御意向をいろいろ参酌した結果、鉱工業技術研究組合方式の方向によることとするのが望ましいので、その方向についてぜひひとつ推進していただきたいというのが、昭和五十四年十二月二十一日、日本航空株式会社代表取締役朝田静夫さんから運輸省に申し入れがあった、こういう経過でございます。でございますから、いままで研究開発を進めてまいりましたその日本航空の貴重な技術の研究成果と、それから実験をやっていましたその経験、それらをそのままこの研究組合に引き継いで、そして研究組合によって総合的な技術の結集を図って進歩せしめたい、こう思っておりますので、決して運輸省が横やりを入れたというようなことはございませんので、その点の誤解だけはひとつ払拭していただきますようにお願いいたします。
○小渕(正)委員 いま大臣がお答えになりました、日航の社長からそういう方式を言ってきたのだという御説明ですけれども、問題は、そういうふうに運輸省のそれぞれの関係者が、日航がそう言わざるを得ないような状況にしてしまったということが、実はこの週刊「ダイヤモンド」にいろいろ書いてあるわけですね。もっと中身をいろいろ読めばいいのですが、もっとおわかりだと思います。 要するに、先ほどから言うように、松本航空局長が日航を呼んでいろいろいちゃもんをつけるとか、また、今日まで日航方式で研究しておって、それに一部賛助的な役割りを果たしておって、新しい会社経営の中でそれに加わってやっていこうとしておった一部建築業界、建設業界についても、運輸省が直接呼び出していろいろな圧力を加えた。そういういろいろな事実がこれだけでなしにほかの資料にもはっきり出ています、そういう関係の中で、日航は何といったって運輸省の子会社ですから、結果的にそういう圧力に屈して、先ほど言う朝田社長が日航から申し出たというような形にせざるを得なくなったのは、そういう背景の中から出てきたのではないか。したがって運輸大臣は、日航がこういうことを言ってきたんだというのではなしに、運輸省がそういう研究組合方式という形でやれということで、そういう形の方向で新会社をつくることはまかりならぬということで指導したのではないか、われわれはこういうように思うのですが、その点はいかがですか。
○塩川国務大臣 お答え申します。 先生、いろいろとそういう御心配をしておられますが、実際はそういうことではございません。また、そういう問題をいまの段階で明確にしておきませんと、これからHSSTの研究を進めていくのに双方そういうわだかまりを持って進めていったんではうまくいきません。 そこで私は、先ほど答弁いたしておりますように、そもそも一航空会社が、将来何百億の研究費になるかもわからぬこういうものに、その債務を保証し、そしてスタッフも割愛してやっていくということについては、確かに一抹の心配がございます。しかも現在、航空会社というのは国際的に非常な競争裏に立たされておって、日本航空の経営そのものも決して絶対安定だというような状況でもない、その上にさらに何百億かかるかわからぬ研究につき込んでいく、しかもそれが航空機の開発あるいはその利用ということに関してであるならばいいでしょうが、そういうアクセスに関しての研究につき込んでいくということについて、これは日本航空の中にもやはり一抹の不安があったことは事実でございますし、そこらはやはり航空局と相談をした結果としてなったのでございます。松本航空局長からそういうゆがんだ指導をしてそういう方向に行ったというようなことはないし、また、そういう認識が後に残ってこれからのHSSTの研究を進めていくということになりましたら、双方にとってもこれは不愉快なことであろうと思いますので、私たちは日本航空の開発してきた技術を土台にして、その上に新しい研究組合をつくって、みんなが協力し合った中で進めていきたいと思っておりますので、どうぞ御認識を変えていただきたいと思います。
○小渕(正)委員 その研究組合方式はどういう構成の中でやろうとされておるのか、指導されておるのか、まずその内容をお尋ねいたします。
○塩川国務大臣 まだ構成メンバーとかあるいは研究対象事項というようなものは正確に私は承知いたしておりませんけれども、一応重電機関係並びに土木関係それから車両関係、そういう主な企業のスタッフには呼びかけております。このことにつきましては、通産省の工業技術院とも連絡を取り合いまして協議いたしまして進めておる状況であります。
○小渕(正)委員 先ほどから運輸大臣は非常にもっともらしいことを言われておるわけでありますが、研究組合方式の中でやるにいたしましても、問題は、その研究組合の構成メンバーによってまた問題があるのではないかというふうに私は実は思います。 いろいろ資料を私なりに見てみましたところ、要するに研究組合方式というものは、日航方式でいまようやく世界的なトップレベルまで成功したこの技術をそのまま吸い上げてしまおうというところに大体ねらいがあるようであります。いま申し上げました重電三社その他、現在研究組合の構成メンバーに入ろうと予定されているところは、すべてこの日航方式について全然違った角度からとらえて研究されているような会社ばかりでありまして、そういう意味では、いままでどちらかというと開発の相手側といいますか競争相手といいますか、そういう人たちの入っているメンバーの中に日航が入ってこいということ自身が、業界の常識的な見方から言って大体むちゃな話ではないかというふうに私は思うわけであります。それだからこそ、日航においては、いままでこの問題がまだまだ日の日を見ずにおるのではないか、われわれはこういうふうにこの問題を理解しておるわけでありますが、その点いかがですか。
○塩川国務大臣 これは結局技術の評価の問題でございまして、私はその技術の点につきましてはまだ弱いものでございますから、その技術関係は、担当いたしております政府委員に、内容等あわせまして答弁させます。
○石月政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のように、常電導磁気浮上方式には幾つかの方式がございます。ただいまのところ技術研究組合はまだできておりませんけれども、そういう状態でございますので、私どもといたしましては、できるだけ、効率的に一番よろしい常電導磁気浮上方式を開発する必要がある、そういう観点から、運輸技術審議会の方で、今後の常電導磁気浮上方式の開発の指針を調査しております。そのために五十五年度は五千万円の調査費を計上いたしまして、そこで東京大学の八十島先生を委員長とする調査会を設け、電機、車両各分野の最高のメンバーを集めまして、今後の常電導磁気浮上方式の適用分野、開発目標、基本技術方式の比較検討というようなことをやっておるところでございます。したがいまして、そこで研究調査いたしました結果を参考にしながら、どのような技術方式を開発するかということが研究組合のメンバーになる皆様方の協議のもとで決まっていくことでございまして、日本航空のHSST技術を吸い上げるというようなことではございませんし、また、日本航空も積極的に資料公開をいたしまして、その各方式の長所短所をいろいろ議論しているというのが現状でございます。
○小渕(正)委員 技術的なことは私も素人ですから余り申し上げませんが、要するに今回のこの研究組合方式というのは、日航が当初考えた新しい別会社方式によってこれからこれをもっと推進しようというのを運輸省指導によって研究組合方式でやろうとしておる、その構成の中で、私が先ほどから言うような、開発当事者から見るならばいわば競争相手となるべきようなところを構成に入れて、そういう中で、このあれによりますと、日航の技術陣は一切手を引いてしまうということを条件にして研究組合方式でいこうとしておる、それだったならばわれわれも入ってよろしいということで、民間のほかの重電三社といったものがこの研究組合方式の構成メンバーとなろう、こういうふうになっておるということが実は週刊「ダイヤモンド」の中で指摘されておるわけです。 要するに、今日まで世界的に非常に貴重な技術を開発してきた月航の技術陣はみんな手を引いてしまえ、しかしいままで開発してつくり上げてきたそれだけは、ノーハウは全部出してしまえ、そして後はわれわれでやろうではないか、端的に言うならば、これが現在仕組まれているところの研究組合方式じゃないか、そういうことがいろいろな資料の中で出ておるわけでありますが、この週刊「ダイヤモンド」その他の交通関係のいろいろなこういった専門誌の中には、そういう意味で非常に不明朗なものがあるということをすべて言っているわけであります。そういう形で、当然そういう日航の今日までの技術を盗み取ってしまうのじゃないか、そういう非常識なことをやろうとしているのが今回の研究組合方式じゃないか、こういうふうなことで世上はいろいろ言われておるわけであります。 したがいまして、そういった点から私はお尋ねいたしますが、先ほど技術関係の専門委員会、調査委員会等をつくっていろいろやるということを言われておりましたが、そのメンバーがまたいま私が申し上げたようなことを裏づけるに足るような形に大体なってくると思います。 ちょっとお尋ねいたしますが、専門的でありますが、EMLと言って、これは運輸省を中心にしてやはり磁気浮上の関係での開発に取り組まれて、ある程度のところまでいってもうやめたという、このEML方式というのが運輸省でやられたというふうに聞いておるわけでありますが、この点は事実かどうか、まずその点からお尋ねいたします。
○石月政府委員 お答え申し上げます。 EML方式というのは、運輸省が昭和四十九年度、五十年度に、磁気浮上方式の一つといたしまして基礎調査、それから五十一年度より三カ年をかけまして概念設計調査を行いまして、一応低公害鉄道としての常電導磁気浮上方式の一つという形で検討を終えた磁気浮上方式の一つでございます。
○小渕(正)委員 要するに、これは運輸省が中心になって、当然運輸省だけではなしに、東大とか国鉄とか日立とか、いろいろそういうところの人たちの総合的なあれでやられたのじゃないかと思いますが、そういうことで、実はこのEMLは結果的には時速四十キロしか出し得なかったということで、これは一応もうやめた、やめたというのは悪いですが、一応この開発は中止したというふうに理解しているわけでありますが、その点はいかがですか。
○石月政府委員 運輸省といたしましては、ただいま申し上げましたように基礎調査、概念設計を終えたところで、その方式のシステムの全体像が明らかになったというところで打ち切っておるわけでございますが、今後この調査を民間においてたとえば実用化を検討するということは、運輸省の資料を使って今後発展させていくべき問題である、このように考えておるわけでございまして、運輸省が実用化段階まで踏み切る必要はない、基礎調査として、この方式というのはどのようなものであるかという全体像を明らかにしたということでございます。やめたわけではございません。
○小渕(正)委員 それはそれでわかります。問題は、このEMLにタッチした人たちが、今回のこの技術開発調査委員会の中の車両技術専門委員会ですか、そういう先ほどいろいろ言われたようなものを審査するのだ、技術のそういう状態のものについていろいろ検討するのだというそのメンバーに、こういう人たちが皆ここで入ってきておるということですね。だから要するに、EMLでやられた人たちは、もう四十キロでほかってしまって、これはいま言うように民間にこれからやるのだからということでありましょうが、それぞれこういう技術的な開発をやろうとしている側から見るならば、逆の違ったこういう方式でやっておった人たちのメンバーが今度は形を変えてこういう委員会という中に入ってきてしまって、そういう委員会の中に日航のおまえたちのものを出してしまえ、出せ、こういうふうなやり方をしているということをこういう週刊専門誌で書いておるわけです。だから、私もこれを読みまして、そういうむちゃなことを、合法的かどうか知りませんが、そういうやり方でこういう大事な問題を運輸省がどういうもくろみでやられているかわかりませんが、そういう不明朗なものが現在いろいろありまして、そういう関係から、せっかく二年前にある一定の技術水準にまで達したものがいまは足踏みしてしまっているということになっておるのじゃないか、かように問題を指摘したいと思います。 したがいまして、そういった点で、本当にこれからの新しい交通システムをつくるという意味で運輸省が本気になってやるならば、そういういままでつくり上げてきたような技術をいかに生かしていくかということをもっと尊重して、そういう人たちを大事にしながら、あとこれからの実用化の方向に向かってそういう人たちを中心にしてやっていくのが本当じゃないかと私は思うわけですが、その点いかがですか。
○石月政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のように、私ども磁気浮上鉄道の開発に当たりまして、運輸技術審議会で方向を決めていただくために、技術開発指針調査委員会というのをつくっておりまして、そこにEMLの関係者の先生方が入っておるのはおかしいではないか、こういうお話の趣旨ではなかったかと思いますが、現在磁気浮上の技術開発指針調査委員会というものを設けまして、これは八十島東大教授が会長となっております。そのメンバーの中には日本航空の方々も入っていただいております。また、この委員会のサブコミッティーと申しますか、下の専門委員会といたしまして、基本計画策定、車両技術、電気技術、軌道技術の四つの専門委員会を設けておりまして、この各専門委員長は確かにEMLの開発に関係いたしました先生方でございますが、お三方ともいずれも東京大学の教授でございまして、車両技術、電気技術、軌道技術にかけましてはわが国における最高の権威者でございます。やはりこれらの方々の英知を結集しなければいかぬという形で、こういう専門委員会をつくる以上、当然この方々に参加していただかなければならぬと私ども考えておる次第でございます。 また、この専門委員会の下に小委員会を設けておりますけれども、これらの小委員会のメンバーには、日本航空の技術者の方々も広く参加していただきまして、お互いの技術上の問題点について率直な意見を交換しているというところでございます。
○小渕(正)委員 形はそういう形の中でカムフラージュしてやっているわけですが、実態は、いま私が申し上げましたように、要するに日航が開発して世界的トップレベルにあるこのHSST方式の技術、ノーハウだけを吸い上げて、そして日航の技術陣には一切手を引かせて、そして違った人たちの中でひとつ今度は自分たちでこれをやっていこう、こういうのが現在までに、私がいろいろの資料から判断すると、そういう形の中で、それをいかに合法的にやっていくかどうかということで研究組合方式があり、そしてその構成メンバーがあり、そしていまの審議会がありという形にいっているのではないかと私は思うわけであります。したがいまして、私も余り専門的な技術のことはわかりませんが、いま国鉄が約二百七十億近くの金をかけて、未来の、次の新しい交通システムだということで取り組まれている国鉄方式なるものが、私ども素人が聞いてみましても、日航方式のものと比べるとかなり金がかかるし、国鉄の場合にはまだまだかなり大きな問題点を持っているシステムでありましょうし、磁気が発生してそれが人体に与える影響をどう防ぐかということで、まだまだこれからということで、そういう大きな課題を抱えているのが国鉄のリニアモーターカーらしいのでありますが、いずれにしましても、私はそういう技術論は申し上げませんが、要するに、これはドイツがやっておったと言われているわけでありますが、世界でも非常にすばらしいそういったものが、いままで申し上げましたような経緯の中で、そういう不明朗な中でここ二年間ぐらい開発がとまっておる、これは私は非常に問題だと思います。 したがって、そういう研究組合方式が、いま私が申し上げましたように、技術陣は手を引くということとか、それから先ほど言うように、いままでの開発をする側から見れば相手側といいますか、競争相手側の人たちを中心にして、そういうもので技術だけ吸い上げていくといったような、こういう方式は即刻やめていただいて、私は少なくともこういう技術的なものをどんどん開発するためには、やはり民間を中心にしたそういうレベルの中でこういった問題は推進するのが至当かと思いますし、またそういうことが、いまの行政改革その他のこういう状況の中では効率的なものだと思うわけであります。そういう点で、せっかく日航が開発した新しいすばらしい技術が本当に生かされて、そして早くこれが実用化できるように、そういうことでもう一度どのような形でいった場合が一番スムーズにいくかということでの検討をお願いしたいと思うわけでありますが、その点、運輸大臣の御見解をお尋ねいたします。
○塩川国務大臣 この技術は私たちもできるだけ早く開発してもらいたいと思っております。 さっきお話がちょっと出ておりました国鉄の同種類の研究でございますが、これとHSSTとはちょっと違うのでございます。これはもう釈迦に説法になりますので御説明いたしませんが、用途も違います。でございますから、双方研究開発をしていくべきだと思っております。ついては、このHSSTの研究につきましては、先ほども言いましたように研究技術者が一致してやっていく方向でなければいかぬ。これは非常に総合的な研究開発でございまして、もう簡単な研究じゃないようでございます。それだけに研究者のチームワークというのが大事でございますので、あそこがけしからぬの、あそこがいいのとかいうような、そういうことにわれわれはこだわることなく、本当に技術の粋を集めるような形で研究組合をつくっていきたい。当然そのベースとなりますいままで開発してまいりました日本航空の研究の成果というものは尊重をし、評価はしていきますけれども、しかしこれから新しい技術に向かうもので、未知の世界が開けておるのでございますから、そういうときには、ただいままでのいきさつだけにこだわるのではなく、新しい展開を求めるようなそういう技術の結集を図りたい、こう思っております。
○小渕(正)委員 その研究組合はまた新しい方式をやろうとしているのじゃないわけでしょう。要するに今度、日航がいままでつくり上げてきたものを実用化の方にどうするかという作業をしていく中には、いまのような研究組合方式でそれを主体にしてやっていこうということですよ。何もまたこれから新しい何か違ったシステムを研究しながら開発していこうということとは違うのですね、この研究組合は。だからそういう点で、先ほどから言っておりますように、せっかくそういったことでありますから、今日まで開発した日航の技術陣というのは当然そういう新しい場合における中心的役割りを果たすようなシステムの中で、そういう中でやられるべきじゃないか、この点を特に大臣にお尋ねしたいわけでありますが、いかがですか。
○塩川国務大臣 私も答弁がくどいかもわかりませんが、日本航空がやってまいりましたのは、素人の私が申すのは失礼かもわかりませんが、要するにアイデアを一つの技術に固めていこうという段階でございます。これからそのアイデアを実際の実用に持っていこうとしたら大変な技術のプロジェクトになってまいります。そういうこともひとつお考えいただかないと、この問題が大きく発展、前進しないと私は思っております。そこで、技術の総合的なスタッフを結集しなければならぬ、そのためには研究開発組合方式が最上ではないか、こう思っておるのでございまして、くどいようでございますけれども、あえて答弁させていただいた次第です。
○小渕(正)委員 くどいようでありますが、私も申し上げます。 要するに、一・五キロメートルの間を時速三百キロまで、七人乗った日航のHSST方式というのは、そこまでいったわけですね。いよいよこれを八十人乗りぐらいのもう少し大型の中でやろうかとしていたときに、研究組合方式というものが突如出てきて、いま私が申し上げましたような形になっておるわけです。それはもう間違いないわけですよ。だから単なるアイデアをどうのこうのじゃないのですよ。あと一歩進めてより実用化のもう一つ上の段階に進もうという場合におけるプロジェクトとしては日航の手に負えぬので、どういう方式の中でそういう金のかかるようなものをやっていくかということの中で、まず当初、日航が自民党政調会その他一緒になって別会社方式でやろうとしたのを、結果的には研究組合方式に変わってきておるわけですけれども、問題は、その研究組合方式でやるにしても、私が先ほど言うように、いままでベースとなっておる日航の技術陣がその場合においても当然中心にならなければいけない。ところが、いま言われている中ではそうではなしに、日航はいままでの分は全部資料を出せ、技術陣はシャットアウトだ、そういうやり方で果たして本当の正常なあれがやれるのかどうか。そういう民間のいままで非常に苦労して研究を重ねたものを――日航は必ずしも純民間ではございませんけれども、そういうものを圧迫するような、そういうのが運輸行政として正しいのかどうかということを私は指摘したいわけです。したがいまして、私が言っている意味を十分に御理解いただいて、これから運輸大臣、ひとつその点についての善処方をお願いしたいわけであります。いかがですか。
○塩川国務大臣 先ほども申しましたように、日本航空が開発してきた技術は尊重し、その上にこれから新しい技術の開発が総合的に必要なんです。確かに実験段階のテストは終わっておるようには思われますけれども、これからさらに省エネルギー上の問題はどうなのか、あるいはこれを大型化した場合のいわば橋脚等の構造はどうなのか、あるいはまた公害問題はどうなのか、まあ問題点はたくさんあるわけでございまして、それらを解明していかなければ実用化に結びつかない。そういたしますと、これはまさに、いままで築いてきた技術の上に新しい発展を期すということになってまいります。そうすると総合的なスタッフが必要なんだ。しかし、そういうことをやるにいたしましても日本航空が今日まで築いてきた技術というものを尊重し、その上に立って新しいものを発展させる。しかし、その場合もやはり小さい核だけでそれを発展さそうというよりも総合的にやった方がより完全で早いのではないか。その方式として採用いたしましたのが研究組合でございますので、その点はひとつ御理解していただきたいと思うのです。
○小渕(正)委員 その点については一応わかりますけれども、私がくどく申し上げますように、そういうことになればなるほど、日航の技術陣をシャットアウトするのじゃなしに、当然日航の技術陣も入れる中でやるべきであるということを申し上げておるわけです。その点について、大臣としての見解をお尋ねしておるわけです。
○塩川国務大臣 日航の技術陣のシャットアウトということは私も聞いておりませんし、やはり引き継ぎをし、あるいはその研究に参加していただく、それは当然起こってくる問題でございます。しかし、研究組合のこれからの研究の項目とか、あるいはその進め方については、これはまた別の問題であるかもわかりませんが、そこらはまあ混乱して考えないように私たちもいたしたいと思います。
○小渕(正)委員 もう時間がありませんので多くを申しませんが、要するに、いままで私がいろいろと今日までの背景について触れたわけでありますが、そういった不明朗なことは今後一つもないような形の中で、この問題は特に先ほどから再々言いますように、当然日航が主体となって開発した技術でありますから、これからもそれを中心にした中で、そういう人たちを中心にしてやるべきであるということを私は最後に念のために一応大臣にお願いして、この問題の質問を終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。
○塩川国務大臣 何遍も申しておりますように、日本航空の築いてまいりましたその技術を尊重して、その上に新しいものを築いていこう、この考えは変わりございません。
○小渕(正)委員 くれぐれもひとつ、ああいった業界誌の中で不明朗なことが運輸行政でやられているといったようなことがないように、そういう不明朗なにおいが少しもしないような形でこれから運輸行政をやっていただきたいということを特に申し上げておきたいと思います。 次に、運輸大臣にお尋ねしますが、現在関西新空港計画がずっと進められておるわけでありますが、今回このための予算が措置されておるわけであります。したがいまして、この件について若干の質問をしたいと思います。 関西新空港計画は、昨年九月航空審議会から答申を受けて、運輸省でこれを促進するというため、泉州沖の着工を前提にして予算要求を行ったわけでありましたが、結果的には、大蔵省の財政再建最優先という立場から、一般歳出のみでなくこういう公共事業全般の抑制、そういった問題を含めて、これは将来に非常に大きな負担を拡大するという事業でございますので、そういう点から特に厳しい方針で編成がされたのじゃないかというように思うわけであります。 したがいまして、そういう中でお尋ねしますが、工費が高過ぎて、財政再建を至上命題としている財政事情のもとで受け入れられるようなものではない、次に、空港の収支など経済性についてまだはっきりした見通しが立っていない、三番目に、環境影響その他建設公害を含めた詰めがまだまだ全然不十分で、地元が受け入れられるかどうかということについてもはっきりしたものがない、次に、現空港の存廃もはっきりせずして新空港計画がひとり歩きするようなことであってはいけない、こういう観点から、運輸省との間で厳しい折衝が行われて今回の予算計上になったのではないかというふうにわれわれは受けとめておるわけでありますが、その点について大蔵大臣、いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 大体ニュアンスとしてはいまあなたの言ったようなことなんですが、要するに、われわれとしても中長期的に見て関西国際空港というものは必要だという御主張はよく理解できますが、いま言ったような、いま直ちにこれをやるというほど財政上に余裕もございませんし、またもう少し詰めが足らぬのではないかということから、もう少し詰めてもらいたいということを申し上げているわけであります。
○小渕(正)委員 そういう関係の中で、運輸省は当初の航空審議会の答申による事業費約二兆八千億何がしだったと思いますが、それを修正しまして、総事業費約二兆三千億程度だと思いますが、そういうふうに非常に修正した形の中で分割施行をやっていきたいというのが、運輸省が今回出した方針だと思うわけでありますが、この修正計画については、そういった大蔵省の意向を十分取り入れた中で、それから大蔵省と運輸省のそういう話し合いの中からつくられたものかどうか、運輸省が独自の判断でそういう計画修正をしたものかどうか。この点はいかがでしょう、大蔵大臣。
○松下政府委員 運輸省で公表されました修正計回につきましては、私どもと協議の上で作成したという性格のものではございませんで、運輸当局におかれて検討、取りまとめをされたものでございます。
○小渕(正)委員 この運輸省の今度の修正計画によりますと、六十五年開港を目標にして一応の計画ができておるようでありますが、これでいきますと、見込み需要予測からいきまして年間約七万回ぐらい不足するということになると思いますが、そうした場合、当然これは伊丹空港との併用ということが前提だ、こういうふうに理解していいわけですか。今回の運輸省の修正計画の中での六十五年開港ということで示している計画の内容は、当然伊丹空港との併用ということが前提でこういう計画になったのかどうか、その点をお伺いいたします。 〔三原委員長代理退席、委員長着席〕
○塩川国務大臣 併用ということは、私はいま考えておりません。しかし、伊丹空港の問題につきましては、御承知のように関西空港が供用開始いたしましたその時点までに、存廃を含めてその扱いを決定するということになっております。そこで、関西新空港の能力と伊丹空港の存廃問題とは重大な関係があることは当然でございます。ついては、伊丹空港の処置が関西空港の営業開始までに地元自治体の意向を聞いてどのように決まるかということがもう最大の問題ではないかと思っております。たとえそこで廃止ということか地元の意向として決定したといたしましても、その廃止の時期をいつにするかということの問題もあろうと思います。その廃止の時期と関西新空港の第一期、第二期と進めていきます進行状態とは重大な関係がある、私たちはそのようにいま認識しております。
○小渕(正)委員 ちょっと時間がございませんので、この問題はまた別の機会に申し上げたいと思います。ただ、大蔵大臣にお尋ねいたしますが、今回開西新空港の予算の中で調査費が計上されておるわけてありますが、これについては、この意味するものは一体どういう性格のものか。たとえば、大蔵省としては着工を前提としない、何かそういうことでこの予算を計上したという報道がされておりますし、運輸省では、何といいますか、当然これはもう実質的にはゴーサインしたんだということで受けとめておるような報道もされておるわけでありますが、この点については、どちらかと言うと玉虫色的な性格のものなのかどうか、その点、大蔵大臣としての御見解をお尋ねいたします。
○渡辺国務大臣 最初からもう着工しないことを前提なら、調査費をつける必要はもちろんないわけであります。しかし問題は、着工をするというようなことについて、まだすぐ着工していいよというところまで詰まっていない。現実には、いまあなたが言ったように、採算制の問題とか、環境問題、アクセス関連公共投資その他いろいろな専門的な問題がまだ詰まってないじゃないか。それから実際費用の問題も、ただボーリングを少しぐらいやったからといって正確な費用の見積もりも出せませんからね。ですから、これだけの巨大プロジェクトですから、やはりしっかりした調査の上でないと困る。一方、財政的にも、そんなに世に言われるほど莫大な経費がかかるとすれば、当面それに応ずるだけの余裕はないということで、慎重にひとつ調査をしてもらいたいということであります。
○小渕(正)委員 では、大蔵大臣にお願いしておきますが、要するに、いま言われたようにこれは非常に大プロジェクトでございます。この財政再建厳しい折の中で、国民にいろいろな負担をよりお願いしなければいかぬような状況の中で、この問題についてはまだまだいろいろと未解決といいますか、まだまだ検討をしなければならぬような問題が実はたくさんあるわけでありますから、着工して金だけどんどんかけていったが、結果的には、使える空港になるまでにはそのために当初の予定よりまた金をつぎ込まなければならぬような、成田空港の二の舞だけはさしてもらっては困るわけでありますから、そういう意味で、これからのこの種問題について非常に慎重な態度で大蔵当局としても対処していただきたいことを特に私からお願いしておきたいと思います。 次に、国鉄の総裁お見えになっておりますね。――実はきょうの日経にも出ておりましたが、きのうのサンケイ新聞の朝刊で、国鉄が二百二億の損害賠償裁判について国労と、裁判の延引といいますか、お互いがそういう意味での話し合いがされたような報道が実はされておるわけであります。そしてきょうの日経を読みましても、自民党の桜内幹事長から高木総裁が呼ばれて注意を受けたというように報道されておりましたが、この点については、あのサンケイまたきょうの、自民党の桜内幹事長から注意を受けるようなやはりそういう性格の内容であるのかどうか、その点をまずお尋ねいたします。
○高木説明員 現在、私どもと組合とでは成田への燃料輸送の問題に関連していろいろ話し合いを行っております。組合としては、そういう機会をとらえては訴訟の問題についていろいろな申し出があるわけでございますが、私どもは、訴訟の問題は訴訟の問題でございますし、成田の燃料輸送は成田の燃料輸送であって、全然関係のない問題であるから、何ら相互にこれを結びつけて議論すべきものではないというふうに言っておるわけでございまして、先般の新聞報道は、私どもが考えていることと私どもから言えば多少事実に反する部分があります。それにしても、あれだけ大きな記事になりましたので、一体どうなっているのかというお尋ねが幹事長からございました。しさいに御報告をしてあるということでございます。
○小渕(正)委員 新聞で報道されたようなそういう事実はない、こういうことですね。どういう形でああいう報道がされたのか、きのうも職員局長が私のところへお見えになりまして、この質問をすると言ったら、状況を報告したいということで、要するに裁判係争事項の中の訴訟技術上の問題であって、何もこれはそういうふうにとられる性格のものではないんだということを言われておりました。しかし、実際こういう「総裁交渉の経緯と当面の行動について」これは国鉄労働組合の中央の戦術委員会か何かで配付された資料のようでありますが、これを読んでいきますと必ずしもそういうことじゃないようです。「交渉にのぞむ態度」ということで、現段階では組合としては何とか裁判を取り下げさせようとしているけれども、これは不可能に近いからこれはやめよう、しかしながら、引き続き取り下げについて組合としてはこれを要求していくけれども、これからは次善の策として、われわれの運行可能論に対し十分争う態度を明確にさせ、法廷で所要の措置をとらせるようにしていこうというのがこの裁判の方針なんです。そういう中でいろいろずっと出ておるわけでありますが、裁判に応じることができれば、この闘いは三月十九日の公判で明確になるが、かなり長期にわたることになるので、以後の闘いについては、十六日のまたなにで諮っていくということが出ておるわけでありまして、その中でこういうことが出ておるのですよ。これは高木総裁が言われるようなことではないと思いますが、「提訴以来五カ年を経過しているのに、原告側が早期結審に向けて努力を怠っているのではないかとの意見もあり、当局としても前々回の法廷において原告の代理人が訴訟を促進する方向の発言をしたことは事実である。しかし、今回、当局は組合側が法廷で主張している運行可能論について訴訟技術上争うこととした。したがって、早期結審にはならないし、」いいですか。「係争期間中といえども従来の労使関係を重視していきたい。」こういうふうなことを、今回の成田や何かの交渉の中で当局としてはわざわざこういう態度をもって、明確に組合にそういう姿勢を示しておるわけです、この文書によれば。そういうことが全然なかったかどうかです。
○高木説明員 ただいまお示しの書類がどういう書類か、私は見ていないわけでございますのでわかりませんけれども、推察するに、組合の中で議論するときに討論の材料としてつくったものではないかと思います。私が組合の委員長といろいろ話し合いをしたことは事実でございますし、それから、その過程において訴訟は一体どうしてくれるんだという話があることもまた事実でございますけれども、その訴訟につきましては、訴訟というのはやはり一つの闘いでございますから、お互いに原告は原告、被告は被告の立場で、どうやったらこの訴訟に勝てるか、なるべく早く結論に持っていくにはどうしたらいいか、あるいは一方から言えば、形勢の次第によってはこれは引き延ばした方がいいとか、いろいろなことが闘いとして行われているわけでございまして、われわれは、われわれの考え方に基づいてこの訴訟にぜひ勝たしてもらいたい、私の方は原告でございますから勝たしてもらいたい、そしてそれもなるべく早くそこへ持っていきたいという作戦計画を立てながらやっているわけでありますし、組合は組合で、またそれなりの作戦計画で被告側としてがんばっているわけでございまして、訴訟でございますから、あくまで訴訟として法廷の場で闘いをお互いに交わしておるということでございまして、いまお読みになりました部分は、これはまた組合の内部の作戦計画の一部がそこにあらわれているわけでございますので、われわれの関知するところではないわけでございます。
○小渕(正)委員 この書類は組合側の書類ですから私たち関知しないと言えばそうですけれども、しかし、当局側の弁護士が「われわれの提起している運行可能論は争わない。(早期結審)を主張していたころと比べれば、当局側の姿勢が変わったと認められる。これは組合の立場としては現段階では一定の評価はできる。」ということで、現在交渉中の合理化問題については一緒にいろいろと交渉していこうということになっておるわけです。だから、組合と当局側という当事者ですから、当局と全然何もないのに組合がこういうふうにして、当局がこういう姿勢を示しましたよということを大事な戦術委員会の資料として出すかどうか。われわれは常識で考えても考えられないことです。もし、これは相手が書いたことだからわれわれは関知しないということになれば、そういうことは全然ないならないということで、組合に対して取り消しのそういうことをしましたか。そういう何もないことをあるように言っては困る、取り消してくれということを当然抗議をしましたかどうか。いかがでしょう。
○高木説明員 先ほど来申しておりますように、これは組合の資料でございますので、別に私どもの方にそれを届けられたとかいうことは全くないわけでございますので、私どもの方としてはそのままにしてございます。
○小渕(正)委員 まあ詭弁もいいところでしょうけれども、当局側としては見たこともない資料なので何ら関知しないということでしょうけれども、これだけ新聞に報道され、しかも櫻内幹事長からおしかりまで受けるようなことで、また、きょうの新聞にも出るようなことで、それをいまのような私たち組合のことは関係ありませんから知りませんということで当局として済まされますか。これだけ社会的に大きな関心を持っている事項なんですよ。それは組合の書類でございましたから、組合が書いたのでしょうから、私の方では関知しませんからということだけで済ませるという、当局のそういう感覚こそ問題だと私は思うわけであります。そういうことであるからこれだけ社会的な問題になったわけですから、組合としてはそういう勝手なことを書いては困るということの抗議ぐらいすべきですよ。あくまでもそれをする意思はございませんか。その点いかがですか。
○高木説明員 まあ組合には組合の内部の事情もございましょうし、いろいろな文書がしょっちゅうつくられておるわけでございまして、私どもとしてそれを一々取り消せとかなんとかということを言うつもりはございません。
○小渕(正)委員 組合の内部のことだから、干渉することは不当労働行為ですから禁じられておるわけです。しかし、お互いの組合と当局の当事者同士の中で、片一方が全然関係もないことをそういうことで言っているということになれば、これを黙って見逃すこと自体おかしいのですよ。正常な労使関係だったらそうなんですよ。それをしないということは、当局がどこか頭が狂っておると言われてもやむを得ぬと思います。少なくとも労使関係の中において、たとえ相手の組合の内部事情といいながらも、交渉の中でこういうことが証明されたということが書いてあるわけです。それが事実でなかったら、そういう非常に第三者に社会的問題になるようなことを勝手に、誤解されるようなことをしてもらっては困るということは当然言うのが、普通の正常な状態の労使関係だと思います。それはあくまでもおやりになりませんか。
○高木説明員 何らかの形で組合からそういうことについて私どもの方に意思表示があれば、それは訂正を求めるということもございましょうけれども、組合の内部資料らしいものでございますので、私どもとしては内部資料について一々干渉することはしないということでございます。
○小渕(正)委員 運輸大臣、時間がないのでもうやめますけれども、こういう調子なんですよ。正常な民間における労使関係ではそういうことはあり得ませんよ。幾ら組合の内部事情ですからといっても、あなたたちのことを、こういうことを言ったということが書かれておるわけでしょう。それが新聞にすっぱ抜かれて、社会的にも大きな関心を持たれるような問題になっているわけでしょう。それを、ただいまのようなことで済まそうとしている当局を、これは運輸省としてもっと厳しく指導監督をやっていただきたいということを特にお願いしておきたいと思いますが、いかがですか。
○塩川国務大臣 私は、この裁判につきましては非常に重大な関心を持っております。でございますから、下位裁判ができるだけ早く決着がつくように念願いたしておるものでございますが、いまお尋ねの組合内におきます資料の扱い等につきましては、私は、国鉄の当局から事情を聞きまして、十分協議いたしたい、そして指導すべきところは指導いたしたいと思っております。
○小渕(正)委員 ひとついまのような状態ですから、運輸省はもっと指導監督を強化していただきたいということをよろしくお願いしておきます。 次に、問題を移しますが、官房長官お見えなのでお尋ねいたしますが、私たちは太平洋戦争の不幸な状態の中で新生日本としてスタートして三十数年になるわけです。俗に、一般に言われている戦後処理といいますか、戦争犠牲者に対していろいろなところから取り組まれて、国としていろいろな形での対策をやったと思います。そういう状態をすべて考えてみました場合に、わが国の場合、大体一般に言われているような、そういう戦後処理はもうこれで大体終わったというふうに政府としては判断されておるのかどうか。基本的なそういう認識をどのようにお持ちなのか。やはりまだまだいろいろと未解決で、やらなければならないような問題が若干残されているというような認識をお持ちなのか。そういう基本的な認識で結構ですから、政府としてのお考えをお尋ねいたします。
○宮澤国務大臣 戦争から生まれました犠牲につきまして、政府としても国会の御同意を得て、何がしかの償いをする措置を過去長い間やってまいりましたが、しかし戦争から生まれました犠牲の深さ、広さを考えますと、とうてい完全に償うということはできないほどのものでございますので、しょせんは国民の一人一人の立場でこれを受けとめていただかなければならないという感じがいたしております。 したがいまして、そのような認識のもとに、かつて昭和四十二年でございますが、引き揚げ者に特別交付金を出します措置をいたしましたときに、政府と与党との間で、本件措置をもってあらゆる戦後処理に関する諸措置は一切終結したものとするという了解をいたしました。このことは一切もう償うものはないんだという意味ではもとよりございません。切りがないほどの多くの犠牲を生んだということはよく承知しながら、しかし、あるところでやはり決着をつけなければ、かえってまた不公平感が生まれてくるというようなこともございまして、このような了解事項をいたしたわけでございます。したがって政府としては、ただいまこの了解事項の線で考えておるわけでございます。
○小渕(正)委員 政府の基本的認識はわかりました。 私がこれからお尋ねしたいのは、私も長崎なものですから、原爆被爆者援護問題については非常に重大な関心を持っているわけであります。そういう中で、実は過日、一年幾らかかりまして、これらの原爆被爆者対策についての基本懇の答申が出たわけです。それを見ますと、結果的には特別の犠牲という意味では原爆被爆者は理解するけれども、やはりこれは他の一般戦災者との関係の中において国民的公正を欠くようなことがあってはいかぬから、これ以上原爆被爆者に対してのいろいろな措置を講ずることは、何といいますか、国民的合意を得るのが非常にむずかしいだろう、要約すると、こういうのが基本懇の答申内容じゃないかと思います。 それで、実は先ほどちょっとお尋ねしたわけでありますが、要するに、原爆被爆者の特殊なそういうものは理解するけれども、戦争により受けた損害の他の一般の戦災者との見合い関係を考えるならば、もうこれ以上無理なんだ、こういうことになった結論だと思いますが、そういう点からいって、こういう答申につきまして、これは担当は厚生省になると思いますが、この基本懇の答申から考えて、これ以上原爆被爆者対策については、もう政府としては考えることはできないというような形で理解するのか。厚生省としては、この原爆被爆者対策を、この基本懇の答申を受けた上に立って、これからどのような対策を講じようとしておられるのか。そこらあたり厚生大臣の御見解をひとつ承りたいと思います。
○園田国務大臣 ただいまの基本懇の答申でありますが、御発言のとおり、政府は従来、弔慰金、見舞い金については一般戦災者との間の関係上なかなか困難であるということでやってきたわけでありますが、基本懇の答申も同様趣旨のことでございます。しかしまた一方、基本懇の答申の言葉の中には、こうこういう問題で懇談会は合意するには至らなかったが、国会や政府でおやりになるならば反対しないという意味のことも書いてあるわけでございまして、原爆については、援護法の問題、それからいまの弔慰金、見舞い金問題とありますが、これはなかなか実施は困難であろうと思いますけれども、今度の五十六年度の予算でも、新たなるいろんな問題を取り上げて、苦しい中に財政当局からも理解が得られたように、これで全部終わったとは考えておりません。現実の問題で苦しんでおられる方がたくさんおるわけでありますから、そういう問題については、今後ともいろいろ各方面の意見を聞いて努力をしなければならぬと考えております。
○小渕(正)委員 厚生大臣から前向きな御発言をいただいておるわけでありますが、先ほども原爆被爆者関係のこの問題が非常に特異なものだということでは理解は示しながらも、結果的には一般戦災者との対比の中でこれ以上の前向きな対策は非常にむずかしいようなことが触れられておったわけでありまして、いまの厚生大臣の答弁では、そういう状況に置かれておるけれども、可能な限りのことを考えていきたい、こういうことでありましょうけれども、そういう点では非常に心強く思いますが、やはり私はこの原爆被爆者対策について、事の内容をどうするか別として、一つのやはりきちっとした――いまは単なる医療扶助みたいな形だけでやられておるわけでありますが、やはり原爆被爆者援護法という一つの援護法というような法律の中でどういうふうな措置をしていくかというきちっとしたものをやらない限り、私はこの問題はいつまでたっても残された問題だと思います。 私は、この問題がいつまでも出てくるということでは、先ほど官房長官の見解がございましたけれども、戦後はいつまでたっても終わらぬのだという形になっていくんじゃないかと思うわけです。したがいまして、そういう意味でひとつ逆に言うと、わが国では一般戦災者といいますか非戦闘員が内地その他で空襲その他によって死傷された、そういう人たちとの兼ね合いということが国民的合意を得ることはむずかしいということになっておるわけでありますが、私は逆に原爆、私が被爆者だから言うのではございませんが、せめてそういった対策をきちっとすることが、そういう戦後処理として、しかも一般戦災者としても共感を受ける道ではないのか、逆に私はかように思うわけであります。そういう意味で、いま一歩突っ込んで、ここらあたりできちっとひとつ政府の姿勢だけは――確かにいろいろな医療手当、扶助ということでの財政的な面での姿勢は前向きに変わりつつありますけれども、やはり原爆対策としては、政府、国はこう思うんだという、一つの援護法的なものをきちっとまず整備されてから、そういう中でひとつ問題を考えていただくということができないのかどうか。その点いかがでしょうか、厚生大臣。
○園田国務大臣 援護法の制定については、各方面から強い要望が長い間続いていることは私もよく承知をしております。今度も被爆関係者に対するいろんな新しい予算を組んでいただきましたが、これは財政面からくる不可能ということではなくて、たてまえ上援護法は、やはり国家と特別の関係にあった軍人軍属、こういう者の対象が援護法である。それから弔慰金、見舞い金の問題は、一般戦災者との間の合意をどうするか、こういったてまえ論もあって非常にむずかしい問題になっているわけであります。しかし私は、過去の経緯もありまして、これを絶対できませんということを言い切るということはなかなかしたくないという心情が動いているわけでありまして、そういったてまえ論を何か整理をしながら、いまあります関係二法を一つにまとめるとかあるいは今度できました二つの手当その他も、健康管理の費用の引き上げ等も、やはりそういう弔慰金、見舞い金がなかなか困難であるからひとつ何とかしようということで、財政当局の理解も得てやったことでございます。今後ともよく検討はするつもりでおります。
○小渕(正)委員 そういう前向きな姿勢を例えて非常に心強く思いますが、私は再度お願いしておきますが、要するに、同じ第二次大戦で悲惨な敗戦の中で西ドイツ、これは自分の国内が戦場になった国でありますが、よく対比されて物事を考えられるわけでありますが、この戦後処理の中で西ドイツは、いち早く五〇年に戦争犠牲者援護法というものをつくり、それを年々歳々改正しながら非常に前向きで取り組まれて、いまほとんどこの戦争被害に対する国内問題は起こってないような状況にあるわけですね。いまさら私が申し上げるまでもないと思いますが、非常に進んだ発想のもとに、戦争犠牲者はすべてを国として責任を持って救済しようというか、救済という言葉がどうかわかりませんが、償いをしようということで、結果的には、財産のことにつきましても、日本でいう一般戦災者的なああいう空襲による財産の損失等についても、西ドイツの方ではそういった人たちまで含めている。しかも、通貨改革によって損害を受けた人たちまでも対象にして幅広い形の中で、まあ完全でないでしょうけれども、何らか国としての施策をやっているわけですね。まさに西ドイツと言えば、御承知のように長い間保守党政権であったわけです。いまの自民党政権と変わらぬような西ドイツの政情であったわけでありますが、そういう保守党政権でありながらも、事この戦争犠牲者問題についてはいち早くそういう大胆な発想で取り組まれて、そしていろいろ問題処理をされている。わが国では残念ながら、声を大きくしてそういう関係者が何か言いながら、長い間のそういう努力で少しずつ何かそういうものをつけ足している。終始一貫して政府として、こういう戦争犠牲者に対してどうするんだという明確なる一つの方針と政策を持って処してこなかったところに、こういう問題が次から次にまだまだ出てくるのではないか、私はかような気がするわけであります。 一部、まだソ連に抑留されておった人たちが現在帰ってこられたが、その抑留期間中の何か補償をどうするかという問題も出ておるようでありますし、次から次にまだ戦争関係のものがいろいろありますが、要するに政府が、戦後、こういう問題について少なくとも基本的理念だけは一貫して一つ持っておって、そういう中で問題を処してくればよかったんでしょうけれども、それがその場その場のつけ焼き刃的な形でやったのがいまでもこういう問題が尾を引いているのではないかと思います。したがいまして、ぜひ厚生大臣にお願いしますが、そういう意味でもう少し前向きに、いまも御答弁いただきましたが、これからもそういった立場に立っていただきまして、この原爆援護法関係についてのひとつ前向きな取り組みを特にお願いをしておきたいと思います。 次に、あと一つ質問ですけれども、「被爆地域の指定は、科学的・合理的な根拠のある場合に限定して行うべきである。」というのが基本懇の答申なわけです。しかし、残念ながらこの「科学的・合理的」ということの根拠がないままにこの被爆地域が指定されておるわけですね、結果的には。だから、いまそういうものを求めても無理でしょうけれども、いま長崎の場合は若干、地域是正、地域の拡大ということが緊急な県民的な要望として出ておるわけでありますので、いまそういった要望をしていることが私は最も、科学性はないにしても、合理性はあると思います。そういう意味で、この地域是正についても当局としてひとつ前向きに取り組まれることをお願いしたいわけでありますが、いかがでしょうか。
○園田国務大臣 これもなかなか問題があって、基本懇の意見の中にも出てきたことは御承知のとおりであります。私も天草出身で長崎と同じようなところでありますので、長崎の地域指定の特性は十分心得ておりますから、困難ということは知りながらも、皆さんと一緒に力を合わせて努力したいと考えております。
○小渕(正)委員 ひとつぜひ園田厚生大臣のそういう積極的な努力を期待して、この問題を終わりたいと思います。 時間が参りましたのですが、次に通産大臣にお尋ねいたします。ここ四、五日、前から自動車問題は貿易摩擦の最たるものとして出ておるわけでありますが、特にその中で、最近フランスにおいてわが国の輸出された自動車がほとんど埠頭にたなざらしされたままで、何というか、通関手続といいますか、いろいろそういう手続的な関係の中で意識的に輸入するのがおくらされているというような行動がよく新聞に出ておるわけであります。言ってみるならば、フランス政府の国鉄の順法闘争みたいな形で、何か意識的に日本車の輸入を非常に牽制しておるような感じをわれわれは受けるわけでありますが、これが今回フランスのみにとどまらずベルギー、オランダあたりのあの三国までそういう形の中で行われているやに報道されておりますが、これらの実態についてはいかがでしょうか。
○田中(六)国務大臣 経済摩擦、特に自動車摩擦につきましては、もう対米だけではなくてEC諸国にもこれが現実に行われておることは事実でございます。まさしく小渕議員御指摘のように、フランス、ベルギーなどにおきましても現在自動車摩擦がございます。特にフランスなどは、年次の型式の証明問題をめぐりまして、一応通関はしておるわけでございますけれども、そういう年次の型式についていろいろどうとかこうとか言って、結局それが埠頭とかそういうところでたなざらしになっておる事実があるわけです。というのは、フランスは三%にシェアを抑えられておるのですけれども、それ以上あるということで、そういうふうになっていると思いますけれども、私どもは、そういうことはどっちかというとガット違反でもありますし、この点の調査をよくすると同時に、またフランス政府に対しても文句というか、そういうクレームは言っておかなければならない。ベルギーなどにつきましても、十四万台もライセンスの残があるというようなことも言われておりますけれども、これもまた現実に調査はしておりませんから、十分調査した結果対処したいと思います。 いずれにしても、どうもEC諸国も自動車についていろいろなことを言ってきておりますし、私どもは特定地域に集中豪雨的なことは避けるということをたてまえとしてきておりますし、日本の開放貿易と申しますか自由貿易と申しますか、保護主義貿易に世界がなることは、ひいては日本の首を締めることになりますので、そういう点十分勘案して対処していきたいというふうに考えます。
○小渕(正)委員 いまのお話でまだ不明かもしれませんが、要するに、きのうあたりの新聞報道では、特にベルギー関係等においては、わが国が何か駆け込み輸出といいますか、そういうのを大量にやっておるやに報道されておるわけですね。そういう業界の密輸的なやり方が現在されておるのかどうか、その点はいかがですか。
○田中(六)国務大臣 輸出が多いというようなことから、裏を返せば駆け込み輸出というようなことで指弾されておるんじゃないかと思いますが、いま申し上げましたように、ベルギーの十四万台の残存のライセンスとかなんとかというようなことも、フランスのことにつきましても、またその他イギリス、イタリーのことにつきましても、私どもいま十分調査をしておりますし、先ほど申しましたように、駆け込み輸出というようなことは全然、行政指導というか自粛というか、私どもはそういうことについては特に注意してやってきておりますので、はっきり申し上げまして、駆け込み輸出というようなことはないというふうに信じております。
○小渕(正)委員 ひとつ通産省としても、フランスのああいった大統領選挙との兼ね合いでいろいろ内部事情はありましょうけれども、ガットに違反するようなそういう行為については、言うべきところはぴしっと言うという姿勢が、長い目で見た場合に、わが国の貿易立国としては、やはり正しいのではないかと思います。そういう意味で、ひとつ通産省として確固たる態度で対処してほしいと思いますが、その点いかがでしょうか。
○田中(六)国務大臣 駆け込み輸出とかあるいは失業の輸出とかいうふうにいろいろ言われますけれども、本質的には、日本のメーカーが安くてよくて燃料の要らない、いい、合理的な、一生懸命努力してつくっておる自動車で、それこそ額に汗を流してつくっておる自動車を各国がいろんなことを言っておること、これは言っては済まない話ですけれども、自分たちの努力が足りなくて、こっちのことについてだけいろいろ言っているのじゃないかという――政府が、私がこういうことを直接言うことはできませんけれども、そういう批判が現実にあるわけです。したがって、そういう声が日本の国内にも業者にもあることは、私はそれが全面的におかしなことだとは言えませんし、ある程度の理のあることでもございますし、そういう点につきましては、アメリカといえどもEC諸国といえども、やはり言うべきことは言わなくちゃいかぬという気持ちは十分持っております。
○小渕(正)委員 次に、これもいろいろ新聞等で報道されてある程度承知しておるわけでありますが、対中国プラントが中国の経済事情によりましてかなりキャンセルされるといいますか、そういった状況が新聞報道をにぎわしておるようでありますが、通産省として掌握している、わが国のそういう大型プラント類がそういう形でいま全部破棄されるといいますか、そういう実態は現在まで額にして大体どの程度、何件ぐらいか。その点、その中身まで質問通告しておりませんでしたけれども、もしおわかりであればお尋ねしたいわけです。
○田中(六)国務大臣 中国とわが国とは日中長期貿易見通しといいますか、貿易協定といいますか、そういうものを一九七八年から九〇年まで持っているわけでございまして、日本は大型プロジェクト、向こうは原油とかいろんな石油化学というようなものがあるわけでございます。御指摘のように、宝山の第二期、それから南京、北京、それから勝利というんですか、そういう三カ所の石油化学のプロジェクトのキャンセルみたいなことを言ってきております。しかし、これはいろんな近代化とかいうような向こうの計画の変更からくることでございますし、本当はそういうことを一方的に言われても困るわけでございますけれども、中国には中国の非常に重大なこともあるでしょうから、一応私どももそれは聞いておりますけれども、二十四日に向こうのそういう関係の人が来るそうでございまして、かなり長期滞在するそうです。したがって、そういう話し合いをして、どういうふうになっておるのか、もう少し具体的に詰めたいと思います。 それから、金額につきましては、約七千億ぐらいのうちの半分はいってないと思います。 そういうことで、いま申しましたように、長期取り決めてございますことから、具体的に聞いて、そして詰めてお互いに話し合えば、もう少し何とかなるんじゃないかという気もいまのところしますし、はっきり政府の態度というものを決めかねております。大来さんもせんだって十日から十二日にかけて行ってきて、一応報告は受けておりますけれども、私どもの正式の態度というものは、やはりもう少し話し合って決めた方がいいんじゃないか。一応向こうの言い分は、いま言った四カ所の問題と、金額はそういう程度だというふうに聞いております。
○小渕(正)委員 通産省はひとつそういった対策についても指導性を発揮されてやっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 これは外務大臣に関係があるかと思いますが、現在イラン・イラク戦争が中東で起こって、非常に悲しいことですが、ああいった戦闘地帯といいますか、ああいう国に対して旅券を出す場合には、民間からそれぞれともかく申請すれば、やはりああいうところでも外務省としては出すのかどうか、そこらあたりは外務省としては何らかの配慮を加えながらやられるのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○伊東国務大臣 お答えします。 ああいうところでも申請があれば出すということでやっていますので、この間イラクのラマダン副首相が来まして、日本の業界が引き揚げたのがどうも帰ってこない、協力してくれというような話があったんですが、これは建設業界とかいろいろ民間の人が向こうと契約していることですから、安全性の問題、いろいろありますので、私ども政府が中へ入ってどうこう言うわけにいきませんが、向こうの副首相と話しまして、なるべく再開に便宜を図ってもらいたい、そういうことは日本としては協力することはなるべく政府としてはやるからということを話したのでございますが、申請があれば当然出しております。
○小渕(正)委員 いまお話がありましたように、あの両方の当事国にわが国民間から大型プラント等の建設その他でいろいろ戦争前かなりの人たちが行っておられたと思います。いま引き揚げたと言われたが、戦争がああいう状態になったので帰ってこられているようであります。そういう先方からの要請でまた出かけていかなければいかぬような状況がいろいろと出ておるようでありますが、そういう人命が保障できるかどうかわからない戦争が行われているようなところに果たしてやらせるべきかどうかということで、それぞれの関係者で非常に迷っているのが実情じゃないかと思います。そういう意味では、これは通産省管轄になりますか、民間がそういう大型プラント関係でイランならイラン、イラクならイラクに向こうの要請でぜひ早く来て何とかやってくれと言われるのに対して、やはり人命尊重の立場からちょっとちゅうちょせざるを得ない。しかしながら、そういう関係の中でちゅうちょしておると、片一方ではどんどん出ていった、片一方は行かなかったということでまた非常にふぐあいが生ずる。こういう問題の兼ね合いがあって非常に迷っている、困っているような感じも、私耳にしているわけでありますが、そこらあたりについて、これは外務省ですか、通産省あたり何らかの指導をするようなものが、何か考え方がございますか。なかなかこれはむずかしい問題であるとは思いますが、いかがですか。
○田中(六)国務大臣 端的な例がイラクでございますけれども、いま小渕委員御指摘のように、戦争をやっているところでございますので、人命尊重ということを第一義的に考えなければならないと思うのです。そういう観点から、最近はイラクの方もプラントその他いろいろな工事を非常に急いでおりますようですし、安全だというようなことの保障もかなり――外務大臣がさっきも指摘しておりましたように、この前ラマダン副首相が来たときも、こういうことで大丈夫というようなことで、人命尊重ということが確立されるならばということで、最近も四百名くらい向こうに行っておるようなことも聞いておりますし、まず第一に人命尊重、それからいろいろな条件が整うならば向こうに行ってもいい。それから総合的な安全保障といいますか、エネルギーの問題もございますので、次善の策が次々にとられていくならばいいんじゃないか。しかし、何よりも人命尊重を第一義的に考えて対処していきたいというように考えます。
○小渕(正)委員 これで終わります。
○小山委員長 これにて小渕君の質疑は終了いたしました。 午後二時より再開することとし、休憩いたします。 午後一時一分休憩 ――――◇――――― 午後二時二分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村重光君。
○中村(重)委員 外務大臣、バチカンの元首でありローマの法王ヨハネ・パウロ二世がいよいよ二十三日に来日されるわけですが、国内はもちろん、海外にも非常な反響を呼んでいるようであります。――御承知のとおりに、現法王の前のパウロ法王は、国連にも出席をされて平和に対する訴えを強くされた。現法王は、年がお若いという関係もあるのでしょうが、各国を訪問されて意欲的な平和に対する訴えをしておられる。それから、大衆の中に飛び込んで、これまた非常に好感を持たれているわけであります。 御承知のとおりの日本が唯一の被爆国であるという関係もありまして、広島において世界に向けての平和アピールをされるということであるわけでありますが、このバチカン元首ローマ法王の来日に対して、外務省として、外務省ということよりも政府としてどのように評価をし、これに対応しようとしておられるのかという点について、外務大臣からお答えをいただきます。 それから、時間の関係がありまして、できるだけ私も簡潔に、意見を述べないで、すべての問題についてお答えをいただきたいと思うのですが、国家公安委員長、カラチで御承知のとおり爆弾騒ぎがあり、幸い、法王がその会場にまだ着いておられない、二十分前であった。それで死傷者が出たようですが、法王には何も影響はなかった。日本でも、極右、極左の何か動きがあるやに伺っているわけなんです。ただいま申し上げたように、大衆の中に飛び込んで接触をされる。何か日本武道館の方においても、青年との交歓等をやられるやに伺っているわけであります。警備の点についていろいろと心配をしておられると思うわけでございますが、この警備体制について具体的な点をお尋ねしようと思いませんが、万全の警備体制をおとりになる。しかし、余り警備過剰といわれるようなことでありますと法王の真意にも反することであろうと思います。その点、大変むずかしい警備という形になろうと思いますが、それらの点についてのお考え方もお聞かせいただきたい。以上です。
○伊東国務大臣 ローマ法王が日本を訪問されるというのは有史以来のことでございまして、ローマ法王がバチカン市国、一国の元首としてお見えになるわけでございますので、政府としましても一国の元首にふさわしい接遇をしよう、温かい気持ちでお迎えしようというつもりでございます。 ローマ法王、いま中村さんおっしゃったように、正義、自由とか人類愛ということをもとにした世界平和ということを主唱され、それを実行しておられるのでございまして、これは日本の平和外交ということから言いましても基本的には考え方は一緒でございますから、このローマ法王を温かくお迎えするということは、また日本の平和外交といいますか、これを世界に深く印象づけることにも私は役立つのではないかというふうに思いますし、長年、バチカンと日本との、両国の友好関係があるわけでございますから、法王の訪日を機に一層両国の緊密化を図っていくという意味で、私は大いに意義のある訪日だと思います。世界の情勢いろいろ考えて、意義のある訪日だと思いますし、一国の元首にふさわしい接遇をしたいというふうに思っておるわけでございます。
○安孫子国務大臣 ローマ法王の御来日を私どもは心から歓迎をいたさなければならぬと考えておるわけであります。しかし、中にはこれに反対する動きもございます。確かにございます。したがいまして、警察当局といたしましては万全の措置を講じて、そうした事故の発生しないように最大の努力をしなければならぬと思っております。 しかし、また一面、お尋ねのように、ローマ法王の御性格からいたしまして多くの方々に気楽に接触をされるということ、これは大変好ましいことでございますけれども、そういうこともございますが、この点を十分に配慮いたしまして、表面は過剰警備にならないように、しかし実質的には万全を期する、そうした体制をもちましてただいま準備をいたしておるのでございまして、最大の努力をいたして事故なきようにいたす所存でございます。
○中村(重)委員 ただいまのそれぞれのお答えの線に沿って対処していただきたいということを要請をいたしておきます。 次に、経企庁長官に経済見通しの問題について、さらにまた、第三次公定歩合の引き下げの時期、これは大蔵大臣、通産大臣と、それぞれお答えをいただきたいと思います。 経企庁長官は数日前、最近の経済は非常にむずかしくなったというようなお答えでありましたが、私は、予算委員会でありましょうともその他の委員会でありましょうとも、率直な考え方をお示しになるということはいいことだと思うのです。余り、こう言ったらどうだろうかというのでかみしもを着た態度、答弁というものは、好ましくない。 確かに政府見通しというもの、たとえば在庫調整の完了の時期、これも確かに見通しよりもはるかにずれ込むということが考えられる。それから物価の面におきましても、消費者物価は必ずしも鎮静をしたということは言えないのではないか。また、公定歩合が第二次引き下げにもかかわらず、信用金庫等におきましてはむしろ貸付利息が上昇の一途をたどっておる。アメリカの金利も、一時やや下降ぎみになりましたけれども、レーガン政権が登場いたしますと、再びまた、むしろ上昇といったような傾向すら見受ける。もちろんこれは、レーガン政権が一方においてはアクセルを踏み、他方においてはブレーキをかけるといった、両面のむずかしい政策を推進しようとしておるというような、いろいろな点もあるのだろうと実は思います。 それらいろいろなことからいたしますと、私は、公定歩合を引き下げるということは、これは景気を上昇せしめるという効果はあるけれども、通貨が過剰になってくるという、その規制の時期を誤るとむしろインフレを引き起こす、加速させるといったようなことになりかねない。それらの点を考えると、大蔵大臣の慎重論――これは、公定歩合の引き下げは日銀が決定をするわけでありますけれども、関係大臣はそれぞれ、公定歩合を引き下げるべきである、いや、もっと慎重でなければならぬと、それぞれ語っていらっしゃるわけでございますから、私の質問に対しましても、一応の考え方としてはお答えができるのだろうと思うわけでございます。 そういうことで、五十六年度の政府見通しをいま改めると、直ちに予算の修正なんという形になってくるのでございましょうから、その点に対しましては慎重なお答えになるであろうことは十分わかるわけでありますけれども、先日も経企庁長官がお答えになりましたような率直な考え方で、現状認識をどう見ておられるのかという点、それから公定歩合の引き下げについての考え方、その点について三大臣、それぞれひとつお考え方を聞かせていただきたい。
○河本国務大臣 こういう激動期でございますから、景気はよくなったり悪くなったりする、激しい動きをするのは当然だと思いますが、現在の状態を二言で申しますと、一年前に比べるとやはりある程度悪くなっておる、こう思います。たとえば産業全体の操業率、現実どれぐらいになっておるかといいますと、一年前には九二、三%までぐらい操業率は高くなっておりました。操業率というのは、八五%を超えますと、景気はある程度よくなった、九〇%を超えますと、相当よくなった、こういう感じが出てくるものでございますが、最近は一時よりは一〇%近くも落ち込みまして、八三、四%見当の操業率だ、こう思います。一年余りの間に急速に落ち込んだわけでありますから、不況感は相当深刻になっておる、こういうことだと思うのです。その影響もございまして、倒産が多発しております。ここ数カ月間は非常に高い水準が続いておりまして、この点は警戒信号だ、こう思っております。 なぜそういうことになっておるかと言いますと、一つは、やはり海外のいろいろな影響があろうかと思います。もう一つは、最終の需要が非常に落ち込んでおるということ、これにはいろいろな理由がございますが、いずれにいたしましても相当落ち込んでおるということが言えると思います。 それから、やはり経済活動を活発に進めていくためには、金利水準がある程度低くないとやりにくいものでございますが、現在の金利水準が相当高いということ、これなども景気の足を大きく引っ張っておると思うのでございまして、そういうことを分析をいたしますと、どうすればよいかということはおのずから結論が出てくるわけでございますが、最終需要を拡大するためには一体どうしたらよいのか、海外からの影響を最小限に食いとめるためには一体どうしたらよいのか、金利水準を低くするためには一体どうしたらよいのか、おのずからこういうことが課題になろうかと思いますが、しかし、いずれもむずかしい条件がありますので、そういう条件を解きほぐしながら政府部内で今後相談を続けていきたい、このように考えております。
○田中(六)国務大臣 最近の景気状況については、いま経済企画庁長官が申し上げたとおりでございまして、私ども最初は、物価と景気の両にらみとか言っておりましたけれども、物価は私はまあまあいいんじゃないかと思いますのは、卸売物価指数など見ますと、十月は一三・四、十一月が一一・七、それから十二月が九・六、七で、新年になりましてもう六・七に卸売物価は落ちているのです。それで消費者物価指数は、十月が七・八ですか、それから八・四、それから十二月が七・一で、一月は六・八で、むしろ〇・一卸売物価指数の方が下がっているというような調子ですから、物価は私はいいんじゃないかと思っているのです。 そうすると、景気の方を見ますと、これは私はこの前のときにある人に、世界全体が不況の波にどっぷりつかっているという表現をしたのですけれども、日本もまさしくそういうスタグフレーションの波の中にどっぷりつかっておって、このままほっておいたら、不況対策をやっても余り、意味がないとは言えませんけれども、非常にエネルギーが要るんじゃないか。と申しますのは、倒産件数が連続ずっと七カ月千六百、現在はそうですけれども、一月に千三百十三件。それから暦年の昨年一-十二月、これが一万七千八百八十四件、これもまた史上第二番目。それから、ことしに入って千三百十三件というのは、史上、日本で始まって以来の倒産なんです。 それから、いまの景況感を中小企業団体の四団体、それから、これはまだ正式な発表になってないのですけれども、わが省で二十数団体に対して、いまの状態はどうかということを百社を対象にして調べたところが、半分、五〇%はもう大変だというのですね。それから四〇%は、まあまあこのまま持続するんじゃないかということ、いいというのはわずかに一〇%なんです。いいだろうというのですね。そういうような情勢で、しかも在庫調整をずっと見ますと、それなら一-三でいいと思っておったところが、それがもう四―六となる。四―六でもまだだめで七―九というような状態で、これが在庫調整が、市場に生産されてある程度たまっているというんならいいんですけれども、売れなくてどんどんたまって在庫調整が延びているのですね。 こういう状態をどう見るかということで、われわれいつも自戒しているのですけれども、バンクレート、公定歩合については私どもが軽々に言うべきじゃないのです。ないのですけれども、いまの日本の中小企業者というのは、御承知のように三千四百二十九万人ぐらいおるのです。それで事業所が五百八十一万カ所あるのですが、いまの日本の産業の、製造業の九九・四%まで中小企業者が支えておるのに、こんなことをほっておいていいのか。いろいろなことを国会でやっていただいていますけれども、早くこれに対処しなければとんでもないことになる。その中で、つまり金利というものが大きな要素になるならば、公定歩合を――私どもはここで触れることはタブーでございますけれども、触れざるを得ないのです。公定歩合というのは、御承知のように私どもが口にして、さあ上げなさいとか、おろしなさいとか、下げなさいとか言ったときは遅いのです。本当の機能はしないのです。だから私は、そういう非常にシリアスな事態だということを国民の人に知ってもらうと同時に、国会でも皆さんに十分それを知ってもらいたいというのが本音でございます。
○渡辺国務大臣 公定歩合を下げるときには、貸出金利も下がらなければ意味がないわけであります。下げる必要があってその効果が出るようなときには黙ってやるものであって、私はそれ以上申し上げません。
○中村(重)委員 きょうはえらい慎重なんで、新聞では大いに大蔵大臣らしい考え方を、ずばりずばり言っておるようだけれども……。 通産大臣は、設備投資をやりたいけれどもどうにもならないのだ、金利が高いからだということ。私は必ずしもそうは思わないです。公定歩合の第三次の引き下げがあっても、中小企業というのは設備投資をやろうという意欲というものがない。少ししかない。設備投資をやろうという意欲を失っているというように思う。やりたい企業は一割程度しかないんだな。それを分類してみると、省エネ投資、それから非常に業績がよいところの企業は設備投資をやりたいという意欲も実はある。しかし、大多数はない。 そこで、いま大蔵大臣が答えられたように、公定歩合を引き下げても銀行だけがもうかって、実際には貸付金利というものが下がらないというような形になりかねない。それと、景気動向を左右するものは、これは個人消費であるということですね。これは五〇%以上を占めるのですよ。ところが、経企庁長官が言われるように、非常に落ち込んできている。それでは、公定歩合を引き下げることによって個人消費が上向くのか。その条件というものが整わなければ上向くということにならない。しかも、公定歩合を引き下げることによって預金金利に連動するという形になってくると、これはむしろ非常に警戒をして、財布のひもがかたくなる。そうなってくると、公定歩合の引き下げというものは、むしろ効果よりもマイナス面というものが多く働いていくのではないかということを警戒をしていかなければならぬというように私は思うのです。 それから、貿易にいたしましても、八%というような見通しをしておられる。アメリカにいたしましても、ECにいたしまして、日本に対する抵抗は非常に強い。先ほど通産大臣は自動車の問題について、自分の方が能率を上げないでおいて輸出が悪いんだと言うようなことは筋違いだということを言っておるけれども、それは端的に言わしてもらえば、私もそういったような気持ちがある。しかし、やはりアメリカに対する貿易に三分の一を依存しておる日本が、通産大臣が先ほどお答えになったような形でアメリカと、実際レーガンさんと鈴木総理が出向いていって、たしかその前に通産大臣が決着をつけるために先行するということも聞いているんだけれども、そういうことが言えるのか。なかなかそう簡単に、どこかで雑談をするようなことでは対応できないだろう。 かつて、かわった総理大臣がアメリカに行くことを参勤交代ということを言っておったが、私はそういう不見識なことは言おうと思いません。思わないのだけれども、やはりアメリカを中心とするところの日本の貿易政策ということからいたしますと、摩擦をなくするというようなことでないとうまくいかないだろうというように思う。してみると、貿易も、政府見通しのような形に伸びる条件というものはないのではないか。してみると、個人消費は上向かない、公定歩合を引き下げたが景気の上昇というような方向に急速に進んでいくというようなことは、そう楽観的に見ることはできないのじゃないかというような考え方を実は私は持っているわけなんでして、そういう意味で五十六年度の政府見通しは、私は残念ながら修正をせざるを得ない状態に追い込まれることは避けられないのではないかという考え方の上に立っているわけです。 まだたくさん実はあるわけですからいろいろお尋ねをしたいんだけれども、今度、八一春闘が始まりますが、やはり個人消費を高めていくということは労働者の賃金を抑えることがいいんだということ一辺倒という考え方は、私は間違いである。しかし、賃金を上げさえすればよろしい、それだけ個人消費が上向くんだという無責任なことは私は考えてはいません。もちろん、これは節度あるものでなければならないというように実は考えるわけでありますけれども、いままで政府であるとか財界がとってまいりましたような、ともかく実質賃金が低下をするような、そういうような対応というものは間違いであるというように実は考えていますから、いま組合が、労働者が要求しようとしておる一〇%の賃上げというものはこれは妥当な数字である、そのことはむしろ、政府が期待しているところの、日本経済というものを健全な上昇方向に進めていくという道につながっていくだろうと私は考えるわけでございます。 そういう意味で、経企庁長官は、公定歩合のことについてそのままずばりお答えにならなかったわけでありますけれども、これは日銀が決定権を持っているという意味で慎重なお答えだったのでしょうが、私のただいま申し上げましたことに対する反論でもあれば、それは結構でございますから、いま一度、率直な考え方を聞かしていただきたい。
○河本国務大臣 現在景気が落ち込んでおります背景はいろいろあるわけでありますから、金融政策だけで一遍に景気がよくなるものではございません。しかしながら非常に大きな要素になるであろう、こう思っております。 最近の設備投資の動向を見ますと、大企業の方は相当盛んにやっております。これはやはり自己資金を相当大量に持っておるということと、証券市場で相当自由に資金調達ができるということ、それからまた、有利な条件で金融機関から借り入れすることも可能である、こういうことから資金に困りませんから、どんどん計画どおり進めることができますけれども、中小企業は、設備投資をする場合には借入金でやらなければなりません。蓄積がない、自己資金がないということでありますから、外部資本に頼らなければならない。ところが、現在のような高い水準の資金を借りて投資するということはとても見通しが立ちませんから、やはりどうしても計画が延期されたり変更になったりいたします。 国全体の投資計画を見ますと、日本は中小企業の国でありますから、実は大企業は一つ当たりの単位の投資は非常に大きいんですけれども、全体の数を合わせますと中小企業の投資額の方が大きいわけなんです。その中小企業の投資が非常に落ち込んでおる。それはなぜかというと、金利が高い、金が借りにくい、ここに原因があるわけでありますから、やはりその一つを解きほぐせば景気回復の一つの大きな柱になるであろう、これは私は明らかな事実であろう、このように思います。
○田中(六)国務大臣 中小企業のことを申し上げておりましたので、私も一言つけ加えさしていただきたいのは、金利は経済政策で万能ではないということは、もちろんそうでございます。しかし、中小企業の場合、日本の場合、先ほど非常に膨大な中小企業者だということを言っておりましたと同時に、現在、百社に私どもが聞いたところによりますと、経営不振ということが倒産の第一の原因です。価格が低迷しておるということが二番目。三番目は、やはり金利が高いということを訴えておるのです。もちろん、長期金利と預金金利との連動というものを考えなければいけませんけれども、そういう中小企業者の人々がやはり三番目に金利が高過ぎるということを訴えておるという事実を申し上げておかなければいけないのじゃないかという気がいたしますと同時に、こういうふうに金利問題がなってきますと、投資の面で、いつあるんじゃないか、後もう少しすれば金利が下がるんじゃないかという期待感がどうしても経済には伴います。したがって、こういう情勢におきましては、やはり何かいろいろな方法を講じて一日も早い方がいいのじゃないかという気がしておるわけです。
○中村(重)委員 通産大臣が言われるように、金利を下げてほしいということは、大企業、中小企業を問わずある。しかし、金利を下げた、それが仕事を与える、設備投資をやって経済活動が活発になる、そういうことにつながる金利引き下げということでなければ、単に金利のみが下がった、それだけが得になったということだけにとどまるということになってくると、その効果は非常に薄いのだ。いわゆる環境整備ということに重点を置いた政策でないと、ただ声を大にして公定歩合を引き下げる、したがって金利を引き下げていくのだということだけに重点が置かれることは間違いである。本当に景気動向を左右する個人消費というものが非常に大切だということは何人も否定できないのだから、だから連動せしめるといったようなことになってくると、また逆作用ということも起こってくるわけだから、それらの点に対しては慎重な態度をもって対応していくのでなければならないということを実は私は申し上げているわけです。後でまた中小企業政策に入りますので、その際に申し上げることにいたします。 中国プラントと日米西独の石炭液化プラント、この問題について端的にお尋ねいたしますから、これまた端的にお答えをいただきたい。 先ほども中国プラントの問題については質疑がなされておりましたが、非常に残念なことには、私が総括質問の際にお尋ねをいたしました日米独の石炭液化プロジェクト、これが中止になるという形になって、どうしたらよろしいのか頭が痛いところであろうと実は考えるわけでございます。この点に対して、大蔵大臣と通産大臣から、対応策について考え方をお示しいただきたい。
○田中(六)国務大臣 日中間の経済問題は、これまた頭の痛い問題の一つでございまして、中国と日本は、一九七八年に長期経済取り決めというものを一九九〇年までやっておるわけでございますけれども、これが宝山の第二期工事の問題から、石油プラン上は勝利というところと南京、北京の東というところ、そういう石油プラントをストップしよう、つまり、これは中国の近代化の調整ということでそういうことになったわけでございますけれども、私どもは、数年前からそういう長期計画を取り決めてお互いにやっているわけでございます。したがって、一方的にそういうことをされても、民間投資のことではあると言いながら、経済全体に非常にそこを来します。 したがって、私ども政府は環境づくりということでやってきておりますけれども、幸いに、二十四日に、大きな向こうのチームが一月間ぐらい滞在する予定で来るそうでございますので、それを聞くと同時に、また、私の考えでは、日本側も民間のそういう関係のチームをつくって向こうに行って、相互にいろいろなことを聞いた上で政府がこれらに対処していく方がいいと思っておりますし、また、そうしなければならないと考えております。 日米独のSRCIIの問題でございますが、御承知のようにアメリカの一般教書付属書で、合成燃料開発公社ですか、そういうところにSRCIIの資金を一九八一年、つまりことしの十月から回す、そういうことを発表しております。これにつきましては、御承知のように日本もドイツもアメリカも三国で協調して金を出しているわけで、十四億ドルを日本が二五%、ドイツが二五%、アメリカが五〇%というシェアの分け方で、日本はすでに昨年度七十三億円を使っているわけで、ことしは勘定で百五十億円を計上しているのですが、これをどうするかということでございますけれども、先ほど申しましたように、会計年度が向こうは十月からでございますし、私どもはことし四月から出発するわけでございますし、これは一方的に向こうからそういうことを言われましても――よく調べますと、向こう自身もこれから議会で審議をするわけでございます。レーガンの一つの案でございますので、国会でこれがどのようになっていくかという十分な余地がございます。それから、協定でございますので、一方的にどうとかこうとか言われましても、これは大問題でございますし、私どもはそれを受け入れているわけではなし、これからの交渉を詰めていけばいいのじゃないかという気がしておるのです。
○中村(重)委員 大蔵大臣は、通産大臣がいまのような答弁だから、あなたはもっと慎重な答弁になるのだろうし、この前と変わらないようなお答えになりかねないので、私の考え方をもう一度申し上げるのですけれども、通産大臣、いまあなたは、本当の腹は、交渉したい気持ちはあるだろうけれども、そう甘いものじゃない、これは厳しいというお気持ちで、頭が痛いところだろうと私は思うのですよ。これは国際協定だから、向こうもそう自分の方が困るからというようなことで――日本も五十五年度二十億もうすでに出資しているわけなので、五十六年度の予算もたしか百五十一億計上しているということですね。これはそう簡単にいかぬ。レーガン政権の小さい政府というようなことで、これは恐らく打ち切りという形にならざるを得ぬだろう。西独は、財政的な関係から、アメリカよりももっと悲観的だというように考える。それならばこれは民間に切りかえたらいいじゃないか。これはそう簡単なものじゃない。国際協定ですから、民間という形になってくると協定の内容が変わってくるし、予算の面においても変わらざるを得ないわけだ。 だから、私は決してこれを喜んでいない。予算修正しろ、修正をしなければならぬじゃないかということで迫ろうなんというようなことでなく、この前もそうだったし、いまの心境も実は変わらないのだけれども、慎重にこれに対応して、できるならばいま通産大臣の願望が実ることを私は期待するわけです。そういう心構えであなたがおやりになるということであれば大いにやってほしいし、外務大臣もそういうことで対応していただかなければならないと思いますが、外務大臣の立場から考え方を聞かせていただきたい。
○伊東国務大臣 いま通産大臣からお答えしたとおり、これは代替エネルギーの問題としては非常に重要な問題でございますし、事の起こりは、アメリカからの話もあって協定ができたわけでございまして、これは二国間の協定ですから一方的に変えるということはいかぬ。事前協議が必要で、日本側としては、国務省の方へ大使館を通して何回も話しておりますし、これは今後とも非常に大切なプロジェクトだと思うわけでございまして、将来この計画が若干形は変わるようなことが、交渉でございますからわかりませんが、ドイツも三国の了解を得られる案をつくることを考えようということを閣議で決めているわけでございまして、日本としましては、通産大臣がいま言いましたような、この計画が大体そのままという案でもう大部分は達成できるというような方向で進めるように、外務省としても最善の努力をしたいと思っております。
○中村(重)委員 大蔵大臣、この中国のプラント中止の問題、外務大臣と通産大臣の考え方は、この委員会で他の同僚委員の質問に対してお答えをいただいているわけですが、両大臣の答弁の中からうかがわれることは、日中友好親善だ、子々孫々というようなことで、ここに相当ウエートを置いた対応策をしていくのでなければならないというような考え方が述べられているわけです。ところが、大蔵大臣のお考え方は、これは私は新聞でもって、考え方をどんなものだなというように判断をしたにすぎないが、あなたは、中国だけを特別扱いするわけにはまいらない、やはり東南アジア諸国とのバランスの問題があるというような考え方でもってい新聞を通じて示しておられる。私も、あなたのバランス論というものがそのとおりであるとするならば、それを頭から否定しようとは考えないですね。 しかし、中国との関係は、歴史的な関係というものを十分考えていかなければならない。あなたもお忘れでないことでしょうし、この戦争の犠牲、賠償の問題に対しましても、これは軍国主義者がやったことであって、国民がやったんじゃないんだ、人民がやったんじゃないんだ、そういうことで寛大な気持ちというか、笑みをもってこの賠償要求を放棄したというこの事実というものを忘れてはいけない。 同時に、中国との関係におきますと、財界が、私は政府もそうであったろうと思うのですが、十億も人口を持っている、それから豊富な資源がある、この市場、これに目がけて怒涛のごとく、やわらかい言葉で言えば潮のごとく、中国へ中国へと押しかけていった。経験のない中国に対して先進国家であるところの日本が、本当に技術の面において、あるいは経済の面においてアドバイスを正確にしたのだろうか。否、そうではなくて、むしろ短期の利益追求ということに重点が置かれ、長期協力の利益をお互いに求めていこうとする点に欠けておった点があるのではなかろうか、そのことがこの中国のプラントの建設中止という形に発展してきたということを私は否定できないと思う。それならば、バランス論だけで片づけられない点があるのではなかろうかと私は考える。 それらの点に対して大蔵大臣はどのようなお考え方であるのか。さらに外務大臣は、もういろいろ具体的になってまいりましたから、これからどう対応すべきかということについて、それぞれ考え方をお示しいただきたい。
○伊東国務大臣 中国の問題でございますが、私どもも問題の重要性というものを認識しまして、大来政府代表に行ってもらって、向こうの考え方を聞いて、そして大体の全容がわかってきたというところでございます。今月二十四日からでしたか、技術の輸入公司の責任者が来られまして、日本側の民間の、五つでございます、石油化学が四つ、製鉄が一つ、五つのプロジェクトの中止、延期ということが言われているのでございますが、そのおのおのについて具体的な話し合いがある、こういうことに段階はなっております。 私どもはそれを見守っているわけでございますが、いま先生のおっしゃるとおり、これは日中の長きにわたる友好関係ということから考えますと、非常に大きな問題ており、その友好関係に傷がつくというようなことになりますことは、単に経済的な問題だけでなくて、いろいろ考えてみましても非常に影響するところ大きな問題がございますので、私どもとしましては、その企業の話し合いの結果を静かに見守りながら、いま言ったようなことの傷がつかぬようにということでこれから対処してまいりたいというのが、私どもの率直な気持ちでございます。
○渡辺国務大臣 この間、外務大臣、通産大臣それから企画庁長官、三人、皆さんで中国に参りまして、それぞれのセクションと懇談をして会議をしてまいりました。そのときに、いま外務大臣や通産大臣からお話があったようないきさつの説明がありまして、中止については、それは石油やなんかの資源がもっとよく供給できると思って、そういうところに見込み違いがあったとか、少し急ぎ過ぎたとか、国内の財政事情で緊縮財政をやらなければならないいきさつだというような御説明がいろいろございました。 私どもといたしましては、そういうような中止をされること自体をどうこうと言うわけにはいきませんが、これは一方的にされては困ります、事前に言ってもらわぬと皆さん迷惑しますし、それから補償の問題を考えてもらわなければ困る、それから、やはりそういうことが続くと、今度何か協力しようと思っても、後になってまた中止になるのじゃないかと国民が思うようになると、日中協力関係がうまくいかなくなる、したがって、約束したものはやってもらいたいという率直な話もしました。 それで、金利の問題等についても話がありました。ローカルコストの問題についても話がありました。ありましたが、それはそう強い話じゃなくて、できるかどうかという話なのです。それについては、日本は御承知のとおりお得意さんがたくさんあって、それてそれぞれの国、大体同じような条件で、東南アジアを初めやっております、したがって、お国だけ余り特別なことをするということについては、いろいろほかから苦情が出てくることもございますしするので、その点は御了解をいただきたいというようなお話もいたしました。事実であります。それもそうだろうというようなニュアンスでしたね、大体が。別に無理なことは何も申しておりません。
○中村(重)委員 それは改めてまたやっていきますが、大蔵大臣のこの問題に対する考え方は厳し過ぎる。画一的過ぎる。もっと柔軟な態度で、本当に長い目で見て、日中友好親善、子々孫々、相互繁栄、そういう考え方の上に立っていかなければならない。東南アジアの開発途上国、特に非産油開発途上国、この深刻な状態は、またそれなりの立場の上に立って対処していかなければならないことであって、これはただ単にバランス論というような形で取り扱うべきものではない。だから、大胆、柔軟に、この二十四日に来日されるということでありますから、その際に、悔いを将来に残さないような対応をしてほしいということを強く要請をしておきます。 エネルギー問題は後に回します。 金の取引市場の問題についてお尋ねをするわけですが、法制局が商取法八条の逆転解釈を示してから、金の上場という問題が非常に活発に行われてきた。業界は言うまでもなく、通産省も研究会を開いて、これは二つに考え方が分かれておるようだけれども、慎重論と推進論。それから大蔵省筋でも、これにはむしろ前向きで対応していくといったようなこと、特に自民党の中では大変御熱心なんで、小委員会までつくって、この金の市場をつくっていくのだというような構えのようであります。これは現物なら私はわかるのです。しかし、先物取引の対象、いわゆる投機の対象に金をしてよろしいのかどうか。私は、大蔵省もこの問題については非常に慎重の上にも慎重な態度をおとりにならなければいけないというように考えるわけでございます。 法制局は、八条の解釈というものを前は、二十六年でしたか、これに対しては非常に慎重というよりも、上場商品として市場をつくるというようなことについては否定的であった。ところが、この商取法の対象外なのだからこれは自由だというような考え方の上に立ってあのような解釈をされた。それが先ほど申し上げたように活発な動きを展開されているということであります。 したがって、大蔵省、通産省といたしましても、これに対しては金市場をつくろうとする考え方の上に立っているのかどうか。それから、現在の商取の対象である取引、その場合はこれは対象になるのか。対象にしないということになってくると、それに対する影響をどう見ているのか。もしこれが倒産をするということになってくると、委託者に対して紛議を起こし損害を与える、大きな被害を与えてくるということになるわけでありますから、それらの点をどのようにお考えになっていらっしゃるのか、それぞれひとつ考え方をお聞かせいただきたい。時間がありませんから簡単に……。
○神谷政府委員 商取法八条の解釈の変更に伴いまして、私どもでは二つの研究会で現在検討を行っております。 一つは、八条の解釈変更によりまして、商品取引所に上場されている商品以外の商品の先物市場の開設並びにこれらの市場による取引は法の規制外になった、こういうことで一種の野放し状態になっておりますが、一般投資家大衆を保護するという観点から、このままの状況でよいのかどうかという点を、もちろん金から発した問題ではございますが、全般的な取引問題として現在検討中でございます。主として大衆保護の観点に重点を置きながら検討を行っております。 他方、この問題の発端になりました金につきましては、御指摘のように、上場すべきであるとか、あるいは先物市場をつくるべきであるとか、まだ時期尚早であるといういろいろな議論もございましたが、金に対する一般国民の関心が非常に高まっておりますので、資源エネルギー庁に金地金流通対策研究会というものを設けながら、主として金を取り扱っておる方々の上場に関しての考え方あるいは金取引一般の合理化についての考え方を現在お聞きしておるところでございまして、通産省といたしましては、先物市場を開設すべきか否かという問題については、これらの研究会の研究の結果を待った上で考えたいと思っております。 その場合、商品取引員はどのようになるのかという点につきましては、私どもとしては、現在、商品取引所の政令指定品目に金を取り上げるかどうかという観点から議論をいたしておりますので、そのような先物市場ができれば、当然、一般の商品取引所法に基づいての当業者がその構成員になるという形になろうかと考えられますが、金の先物市場をどうするかという問題の結論を出すことが第一義的な問題であろう、このように考えております。
○渡辺国務大臣 ただいま通産省からいろいろお話がございましたが、私どもといたしましても、金市場をつくる必要性、また問題点、それからメリット・デメリット、両方をいままで余り勉強したことないですから、これを深く掘り下げて研究してごらんなさいということで、目下研究中でございます。
○中村(重)委員 農林大臣、事務当局からお答えをいただいても結構ですが、いま神谷審議官は当業者にということであったわけです。当業者であれば、これは現物でいくわけです。問題は、先物取引が問題になるのです。金を先物取引で投機の対象にするということについては、私は非常に慎重なのです。しかも、それは当業者だけにやらせるということになってくると、現在の一般上場商品を取り扱っておるところの業者は、やはり大衆は金に魅力を持つから、金へ金へという形になってくる。そっちの方が、いまですら財務内容が非常に悪くて紛議を起こし、倒産をして、委託者に対しても非常な迷惑をかけている。農林省と通産省の現在の取引員というものは、当業者のみにこれをやらせるということになってくると大変な打撃を受けるであろう。そのことはいわゆる委託者に大きな損害を与えてくるであろう。そういう面からして、これまた、本当に慎重に対処していくのでなければならないというように私は考えるわけであります。 金ということになってくると通産省が中心になるわけでありますけれども、一般の上場商品はどちらかというと農林省の方が多いわけでありますから、受ける影響というものは、ただいま私が申し上げたような意味で大変な影響を受けるわけでありますから、農林省としての考え方もひとつこの際お聞かせいただきたい。
○亀岡国務大臣 金の取引の件に関しましては、中村委員の御主張はよく理解できるわけでございます。特に雑穀とか生糸とか取引所を運営いたしております農林省といたしましては、そちらの方に影響するところまことに大きいという御指摘、まことに私も理解できるわけであります。したがって、通産から申し上げましたとおり、いま政府においても各省とも、通産、大蔵等が中心になりまして、この取り扱いをどう方向づけて決めてまいるかという段階でございますので、農林水産省といたしましてもせいぜい勉強いたしまして、慎重の上にも慎重を期して、大衆に迷惑のかかるような方向に行かぬようにきちっとやっていきたい、こう考えております。
○中村(重)委員 結論的に申し上げておきますが、との商品取引に対して非常な紛議が起こってきている。そのことに対して、取引員が悪であり、委託者が善である、必ずしもそういうことを言うものではありません。しかし、農林、通産両省におきましても、これは本当に取引員というものを指導していくという面において欠けている点がなきにしもあらずであります。何か問題が起こったとき、いかにも検事か警察官のような態度でこれに対応していこうとする姿勢があるということを私は指摘しなければならないわけであります。まず、金の上場の問題よりも、現在上場されているところの商品取引、これが健全に運営をされる、そして、経営をする者にもそれから委託者にも被害を与えていかないというような体制をつくり上げることが先であって、いま金市場をつくって、しかも投機の対象とするということについては、慎重の上にも慎重な態度をもって対応してもらいたいということを要請をいたして、この問題はまた改めて、問題の推移に対処しながらお尋ねをしていくことにいたします。 中小企業政策を三十分やる予定でありましたが、もうすでに時間が参りました。公正取引委員会委員長がお見えでございますから、中小企業政策に関連をいたしまして見解をお尋ねいたします。 家電製品の取引の状況であります。家電メーカーの優越的地位、これは実に目に余るものがある。私が調査をいたしましたのを申し上げますが、量販店というのがありますね。量販店は系列でありません。現金取引でありますから、非常に安い価格でもってこれに販売する。一年たちましたならば普通販売の四〇%ぐらいで、これは秋葉原にほとんど売っているのでありますけれども、そこで販売をしている。系列店に対してはどうか。系列店に対しましては非常な締めつけをやる。そして、この売り上げが幾らだったらリベートを幾らにする、そして逆に、一つの標準がありますから、標準以下になってくるとこのリベートを今度は下げるということ、あめとむちの政策をやっている。そしてまた、その系列以外の商品を売っておるというようなことになりますと、こういう罰則的なやり方でもってリベートを抑えていく、あるいは取引を中止する、そしてその近所に新たな店を山さして、この店をつぶしていく、従来の系列店であったものをつぶしていくといった、悪らつ非道なやり方をやっておる。余りにも目に余るものがあります。 私は、商工委員会におきまして、具体的な事例を挙げていろいろこの問題に対処することを通産当局にも公取にも要請をしてまいりましたが、改まりません。むしろ、その取引内容に至りましては、露骨きわまるやり方。あなたはいま非常に熱心に、この百貨店の問題その他流通関係については、国民の消費生活に影響いたしますから、本当にこれに迅速に対応しておるということについては評価いたしておりますけれども、どうしたことか、この家電メーカーと小売店との関係ということにつきましては、どうも積極的な、しかも迅速な対応というものをしておられないということはどういうことであろうか。もう数年前から私はこの問題を言っていますから、ある程度調査をしておられるのであろうと考えますが、この点に対しては今後どう対処していこうとお考えになっていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたい。
○橋口政府委員 家電製品は、申し上げるまでもございませんが、生産額が四兆円を超えておりますし、国内マーケットが約六割でございますから巨大な市場でございますし、いまお話がございましたように、メーカーも有名企業、力の強い企業が多いわけでございますし、また、上位三社でマーケットシェアが六割を超えるというような寡占的な市場でございますから、いまお話がございましたようなことが起こりがちなマーケットでございますから、そういう点で、われわれとしましても、自動車と家電製品はいわば流通系列化に伴うもろもろの問題点の両横綱でございますから、従来から注意をしておるわけでございます。 いま先生のおっしゃいましたような価格の問題、それから系列店の排除の問題、これもわれわれの問題意識の中には十分あるわけでございまして、そういう点でいろいろ調査をいたしておりますが、われわれの調査は一〇〇%確実というわけではございませんが、系列店に対しまして、確か狂おっしゃいますように仕切り価格が高い、量販店に対しては低い仕切り価格で出荷をする、ただ、系列店に対しましては、後で相当程度のリベートがございます。リベートにつきましては、いま先生から御指摘がございましたが、そういうリベートを総合して考えますと、一般に伝えられるほど量販店価格と系列店価格との間にそう大きな相違はないという調査もございます。しかし、それは絶対に正しいというわけではございませんで、一応そういう調査があるということでございます。 それからもう一つは、家電メーカーの販売政策としまして、従来はかなり系列店重点政策でございましたが、最近は量販店指向が強くなっております。そういうことに伴う問題も、おっしゃいますようにあるわけでございますが、同時にまた、系列店の方も、たとえばナショナルブランドの系列店であればナショナルしか備えつけていないということでは、消費者の期待にこたえられないわけでございますから、これは自分自身の経験でもそうでございますが、ナショナルの店に行きまして他の家電製品の注文をすることも可能でございますから、そういう意味で、系列店に非常に強い締めつけがあるというふうにも認められないという調査もございます。 しかし、先生から御指摘がございましたし、われわれもまた、十四業種の流通問題の一つとして常に調査をいたしておりますし、最近もまた具体的に調査をする予定でございますから、いまおっしゃいました価格の問題、系列店の整理の問題等も含めまして、家電製品の流通全体につきましてさらに調査をいたしたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 公取委員長、リベートの問題は、一つの標準リベートがあるんだよね。そして売上高によって、そのリベートをやったりあるいは旅行に連れていったりいろんなことをやる。ところが、売上高が標準を下回ると、今度は標準リベートというものを下げていくというやり方。それから、店に出てきて、じろじろ、じろじろ店内を見回して、書いていって、そして今度はそれに対して罰則的なやり方をやるということは、明らかにこれは不公正取引であることに間違いない。この点はさらに再調査をするということでありますから、これに対して、本当に公正な取引がなされるように対応してほしいということを要請をして、終わります。
○小山委員長 この際、久保君より関連質疑の申し出があります。中村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。久保等君。 〔委員長退席、金子(一)委員長代理着席〕
○久保委員 私は、非常に限られた時間でございまして、本来でございますると電電公社に対する納付金制度を新しく設けるという問題について、実は少し詳しく政府当局のお考え等もお伺いをいたしたいと思っておりました。しかし、きわめて短時間でございますので、特に最近電電公社の総裁に御就任になられた真藤新総裁につきまして、最初に、電電公社のいま直面しまする問題きわめてたくさんございます、したがって、そういう問題を中心にして新総裁の方から御所見を伺いたいと思うのであります。 まだ総裁御就任になられて一カ月余でございまするから、細部にわたってのお尋ねは省略をいたしたいと思うのでありますが、しかし、今日、電電公社の直面します特に財務関係の問題にいたしますると、かつてない非常に厳しい情勢の中に置かれております。にもかかわらず、また今回、ただいま申し上げました納付金制度が創設をせられて、四年間にわたって毎年一千二百億円ずつの納付金を納めなきゃならぬというような法案がすでに国会にも提案をせられております。いずれこの法案についても十分に私ども、政府当局のお考えをお聞きしますが、しかし、われわれとしては、残念ながらどうしても理解することができません。この問題は昨年の十一月の末にも私お伺いをした問題なんでありますが、当時、行管の堀内政務次官の方からは全く何らの、私の質問に対する答弁がなされない。というよりも、答弁ができない。すなわち、月下すべては検討中だということで終始、実は委員会を逃げ切ったのであります。 この問題については、非常に従来と違った情勢がありますることは、特に当局、電電公社なり郵政省、さらには与党の通信部会、専門的に扱いまする通信部会においても、この制度には反対だということが明確に意思表示をされておる。そういう中で忽然と今回、法案となって国会に出され、また、これの裏づけとなる予算案の中にも、一千二百億円のいわば上納金的な形の納付金が計上せられております。 こういったこと等を考えますると、まことにこの扱いそのものが不明期であるし、同時にまた、今日の電電事業の実態というものを一体どの程度理解しておるのか、私ども実はきわめて不思議に思っております。資金的に申しまするならば大変な今日、なるほど、今日までのところ収支の差額にいたしましても黒字を続けてまいっておりますが、しかし、少なくとも昭和五十七年度あたりにはまず収支おおよそとんとん、八年、九年となりますると明らかに赤字が予想せらるる財務状況であるにもかかわらず、五十九年度までにわたって、五十六年度から四年間にわたる上納金的な納付金、こういう制度を創設しようというのでありますが、そういった点についても問題があります。 とにかく、そういう情勢の中で、今回新総裁御就任になられたわけでありますが、もちろん、電電公社の細部にわたる問題は別といたしまして、民間で長く、大変いろいろ豊富な御経験をお積まれになった新総裁が、電電公社の総裁として御就任になってただいまの電電公社をながめたときに、どういう御所見を持っておるのか。最初に、全般的な問題で結構でございまするが、限られた時間でございますので、簡潔に一言お答えをいただきたいと存じます。
○真藤説明員 いまの総括的な御質問についてお答え申し上げます。 私、就任いたしましてまだ五十日そこそこでございますが、今日までいろいろな説明を聞き、いろいろな問題に当たりまして感じておりますのは、この企業の中の人間の能力というものは非常に高いレベルを持っておるというふうに感じております。事務的な面、もちろんでございますが、技術的な能力というものに対しては高く評価すべきものを持っております。 問題は、この持っておる高い技術を急激な世の中の変革に、ことに情報化社会への変革にいかに早く合理的に具体化していくかということに、私のこれから先の使命がかかっておるというふうに考えております。そのためには、従業員、職員全体に、大部分に対しまして技術的に再訓練の必要がございます。それからもう一つは、物理的な再配置の大きな動きをやらざるを得ません。 そういうことで、まず、従業員の企業に対する協力体制というものをいかにしっかりしたものにするかということが第一と思います。そのベースの上に立ちまして、これから先急激に変化していきます情報社会に対応できるだけの近代化された技術に相当する投資を、世の中の要求におくれないようにするための資本をどうやって集めていくか。もちろん、そのためには、その年々刻々の企業の収支バランスがとれておりませんと十分に外部から資本をまとめることができないと思いますので、その辺のバランスをどうするかということのように考えております。 終わります。
○久保委員 電電公社が創設せられて今日でちょうど満二十八年余になりますが、公社制度に移りましてから、少なくとも公社制度を発足させた趣旨というものを今日一体どの程度政府当局が理解をしておるのか、これまた疑問に思わざるを得ないのであります。要するに、従来、それまでは国営で長い間やってきたわけでありますが、これに対して、企業としてのいわば能率あるいはまた自主性ないしは弾力性、そういった民間経営のいいところを取り入れようというので、国営企業から公社企業ということに切りかえたのであります。時間がございませんから、公社法制定に当たっての当時の佐藤榮作電気通信大臣の提案趣旨等のお話を申し上げることは省略をいたしますが、とにかく長い間国営でやってきたことによるいわばマイナス、非常に硬直した経営、こういったことでは国民の強い要望あるいは需要に応じ切れない。したがって、いま申し上げたように、企業性を十分に取り入れていく、また企業としての自主性も十分に確保してまいる、人事、財務その他の関係についても企業経営者の立場で十分に手腕が発揮できるようにしよう、こういうところに大きなねらいがあったわけであります。 したがって、経営の責任者である総裁が、電電公社の企業経営につきましては思い切った自主性と弾力的な運営をおやりになることが、当然求められておるわけなんであります。しかし、だんだんと二十八年間における運営の仕方を見ておりますると、これがきわめて硬直化され、財務上におきましても、あるいは人事管理の面におきましても、いろいろと制約にまた制約が重なるという状態になっておるのであります。私は、このことについては新総裁がいち早く、恐らく直感的に、こういう形では本当の公共的な重要なこの電気通信事業の任務を完遂することができないのじゃないか、そういうふうにお考えになっておると思うのであります。 総裁から、いまいろいろと当面する問題についての大綱的なお話がございました。特に従業員の技術的な再訓練の問題であるとか、あるいはまた配置転換といったような非常にむずかしい問題についても取り組まざるを得ない、こういうお話があったわけであります。その協力体制をしっかりしたものにしなければならぬ、あるいはまた資本の確保も図らなければならぬ、こういうことであります。資本の確保の問題は、先ほどもちょっと触れた納付金制度の問題がきわめて今日緊急な課題になっておるわけでありますが、この問題をまず一応、この場での御答弁としては横へ置いて、私は、従業員の協力体制ということについて総裁がどういう具体的な措置を当面おとりになろうとしておるのか、そのことをひとつ端的にお伺いをいたしたいと存じます。
○真藤説明員 お答え申し上げます。 今度の納付金によります金利負担というものは、平年度になりますと年間約三百七十億円、そのほかに料金の値下げを予定しておりますので、相当の減収になる可能性を持っております。 いずれにいたしましても、これを料金値上げをやらないといったてまえで経営する限りは、結局は私どもと従業員の一致団結、協力体制というものがあるよりほかにございません。そのためには、業績的に相当の成果が上がった場合には、やはりそれなりに職員に幾らかの還元をするということをお願いしつついまあるところでございます。国民に還元するのはできるだけいたしたという実績がすでにあるわけでございますから、それに対応する職員への御配慮を願いたいということを御了解を得るべく、いま総裁としては努力しているところでございます。
○久保委員 これは、いまもちょっとお尋ねした中に申し上げた、企業性を十分に発揮をしてまいる、また国民の強い要望にこたえてまいる。ところが、先ほど来お話があったように、またいまお話もございましたが、財政的な面、財務的な面ではむしろますます窮屈な、しかも非常に筋の通らない負担すら、この納付金制度という形で創設をしようとする動きがある。こういった中で国民に料金の値上げといったような形での負担をおかけすることはできるだけ避けてまいる、そういう中でひとつやっていこうとするならば、そこに予想以上のいわば生産性の向上、あるいは業績を上げることによって経費の節約を図るとかあるいはまた増収を図る、そういう形によってしか解決をする方法がないと私は思うのであります。したがって、そうなりますると、結局、人そのものが、要するに全職員が、総裁のお話にもありましたように一丸になってこの事業に取り組み、そして、いま申し上げたような成果を上げてまいる、こういうこと以外に、総裁としてこの道を切り開く方法はないだろうと私は思うのであります。いま関係方面にお願いを申し上げておるといったような御答弁なんですけれども、そのこと自体が、一体企業そのものにどれだけの独自性と、また、どれだけの一体国民に対する責任を果たし得る姿で総裁そのものが動いておられるのかどうか、これは私はきわめて疑問だと思うのであります。 したがって、たとえば給与の問題にいたしましても、法律上は非常にこれは明確に規定せられておるわけです。電電公社法の第三十条の「給与」というところで規定がございます。これは法律で決まっておるところでありますが、「職員の給与は、その職務の内容と責任に応ずるものであり、且つ、職員が発揮した能率が考慮されるものでなければならない。」すなわち明確に、職員が上げた能力に応じた給与でなければならぬ、これはもう義務規定であります。しかもこれは法律であります。したがって、給与問題一つをとらえてみても、この面をいかに総裁が生かして運用せられるか、そういったことが、いまお話のあったことに対しての答えでなければならぬと私は思うのでありますが、この点、総裁からもう少し明確にお答えをいただきたいと思うのです。
○真藤説明員 いま御質問の中で、具体的に申しますと、基準外賃金の〇・四カ月というものが従来支給されておりましたけれども、それがいまいろいろな議論の対象になっておるわけでございますが、総裁といたしましては、いまの御質問の趣旨は十分体しております。一方、国の企業であるためには、やはり関係の方々の御了解を得て実施した方がいい、また、そういうふうにすべきだというふうに考えまして、御了解を求めることにいま努めておるわけでございます。さしあたりの年度末の問題につきましては、従来支給された額を基準にいたしまして今度支給できるようにお願いして回っているということでございます。
○久保委員 総裁の御就任早々、非常な御苦労をいただいておるようなことにつきまして、いまのお話を承って私も理解ができるところであります。しかし問題は、やはり物事にはすべてタイミシグがある、しかも最終的な決断をいつ下すかという問題がやはり非常に重大だと私は思うのであります。これは何といっても大きな、しかも非常に重要な事業を預かる総裁御自身の非常に大きな責任だろうと思います。したがって、もちろん、できる限り関係方面の御理解をいただき、また御協力もいただくという意味では、十分にいわゆる根回しと申しますか、そういったことは必要だろうと思うのであります。しかし、それをただ続けておりましても、結局、あらゆる人たちに満場一致で御理解をいただかなければ行うことができないんだということでは、一体その事業に対する経営の責任はどこにあるんだということにもなりましょうし、問題は、やはり事業は人であります。したがって、その人そのものに失望感を与えたり、あるいはまた、何か士気の低下を来すようなことがあってはならぬと思うのであります。そういう点では、民間からおいでになった総裁は、役人とは違った、企業に対する非常にフレッシュな感覚をお持ちだろうと思うのです。総裁のお気持ちの点はわかるのでありますが、しかし、その程度では事態の解決にはまだ若干時間がかかるような感じがいたすのです。実はそういう悠長な時間はないのではないかと思っておるのですが、その点、いかがでしょうか。
○真藤説明員 おっしゃるとおりに時間も余り残っておりません。しかしながら、最後の瞬間までそういう方針でいきたいと思います。最後の瞬間が来ました場合には、いまの御趣旨に従って解決していきたいと思っております。
○金子(一)委員長代理 堀昌雄君から関連質問のお申し出がありますので、これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 いまの総裁のお話を聞いておりまして、いろいろと御心配になっておる点があるようでございます。いまここで関係大臣が、大蔵大臣、郵政大臣、官房長官お見えでございますから、いま民間がら新しく総裁を迎えて、民間では考えられないような、当事者能力がゼロといういまの公共企業体のあり方、これは私、重大な問題だ、こう考えておるわけであります。 そこで、昨年の二月一日の当予算委員会において、大平総理大臣が塚本委員の質問に答えておられまして、これらの問題で表に出して処理するものはきちんと処理するようにしたい、それについては官房の方で進めたい、こういうことを昨年の二月一日の予算委員会で御答弁になっております。 まず最初に官房長官から、公社の総裁がこのような問題についていろいろ御苦労をいただいておるけれども、なおかつ、ここではっきり御答弁ができないというようなことが、果たしてこれでいいのかどうか、まず、官房長官からお答えをいただいて、主管大臣である郵政大臣、さらには財政の関係の大蔵大臣から、公社の総裁が責任をもって処理することでよろしいという御答弁があってしかるべきだと私は考えておりますので、その方向に沿ってひとつ政府側の見解をお尋ねしておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 一方におきまして、昨年大平総理が、いわゆるやみ手当、やみ休暇と言われるものについて、新しいルールの上に立って、処理すべきものは処理をし、改めるべきものは改めたいと考えています、ということを申し上げました。それを受けまして、官房においていろいろ、この問題は複雑な問題でございますが、検討しておりますことは確かでございます。 他方で、先ほどからお尋ねがありますように、民間出身の新総裁に私ども非常に期待を申し上げておって、その御手腕を大いに発揮していただきたい、そのことがまた公社のために大事なことであると考えておる要素がございまして、そういう意味で、過去の経緯がございますので、問題が大変に複雑でございます。私ども内々では実はいろいろ検討いたしておるのでございますけれども、十分新総裁に私どもの期待をしておるような仕事をしていただきたいと考えつつ検討を続けておる、もうちょっとはっきり御返事を申し上げられましたらよろしいのでございますけれども、ただいまのところ、そういうことでございます。
○山内国務大臣 いろいろ久保委員から御質問ございましたけれども、私どもは、いま電電公社は重大な時期に達していると思うわけでございます。納付金の問題もございますし、さらにやるべきことはたくさんございます。遠距離の料金を下げること、あるいは日曜祭日はもっと割り引きしたらどうか、それからまた、遠距離の電話の敷設についてもいろいろ計画があります。したがって、重要な時期でございますので、十分にひとつ労使協調をやっていただきたいわけでございます。給与、手当等については労使の協調によっておやりをいただきたい。ただし、いろいろ制限がある。予算の問題、それから、挙げられました給与関係の公社法の三十条の問題、こういう点について、この範囲内では十分に自主的な能力を発揮してやっていただきたい、こういうふうに考えております。
○渡辺国務大臣 公共企業体職員の給与は職員の発揮した能率が考慮される、私はその必要性はあるだろうと思います。しかしながら、公共企業体の事業というのは公共性が一つある、一つは独占性、独占している。また、その運営は非常に国の財政や国民の負担と密接な関係があります。そういうことを考えますと、基本的には能率が考慮されるということはわかるけれども、その給与は、国家公務員及び民間企業の従事者の給与等を考慮して決定する必要もあるというように考えています。 なお、いまお話が出ました一時金の話ですか、それらの問題については所管庁から何も聞いておりません。
○堀委員 もう時間がありませんから、これだけ一つ申し上げておきますけれども、この問題の処理を過てば、全電通という労働組合、長年にわたってストライキもやらないで、団体交渉で一番まじめに労使協調をやってきておる組合は、大変な危機になる。新総裁に、ともかく手も足もくくったままで総裁として仕事をやれなどということを政府が求めるということは、道理にかなわないことでありますから、どうかひとつ、新総裁の決断を皆さんは尊重するということで処置をしていただきたい、これを申して、私の関連質問を終わります。
○金子(一)委員長代理 時間はよろしゅうございますね。時間が参りました。
○久保委員 私も余り時間がありませんから、最後に、特に政府の、大蔵大臣なりあるいはまた郵政大臣、官房長官、いま堀委員からのお話もございましたように、状況はもう御存じだと思うのでありますが、とにかく障害物を取り除く。もちろん、法律に違反したことをやってもらいたいと申し上げておるわけじゃございません。しかし、もうとにかく、話を聞いておるとみみっちいような話で、どうも総裁みずからの御手腕を発揮しようと思っても発揮できない。そして、じんせん事態をたんたんと悪い方に追いやっていく。 しかも財務的な問題も、きょうは時間がありませんから、とうとう大蔵大臣にもあるいは行管長官にもお尋ねすることができませんでしたが、しかし財務的に考えても、最も業績を上げて非常に順調にいっている健全経営を、だんだんと赤字経営に追い込むように、追い込むようにやっているとしか思えない。なぜ、健全経営は、さらにますます健全な方向に進むように持っていくことを考えないのか。手を縛り足を縛り、そしてわずかばかりの収支差額が出た、そうすると、四年先の展望はないが、ここ一年だけ、二年だけ黒字が出ると、もうそれでもって四年間、とにかくこの納付金を取り上げる。こういったようなやり方を見ていますと、経営者の立場から考えると全くこれは落第だと私は思うのであります。 そういったことについては、新総裁、非常に痛感をしておられると私は思うし、また、痛感をしておられつつあるのじゃないかと思いますが、新総裁を迎えた現在の状況を、新総裁が十分にひとつ御手腕を発揮することができるように、関係の大臣、ぜひひとつ御奮発を願いたいと私は思いますし、いま申し上げたように、余り具体的には申し上げませんけれども、障害物を取り除くのに私はそう多くの方々が反対しておるとは思えません。しかし、率直に申し上げて、ほんのごく一部の諸君たちが、諸君と言ってもいいか、あるいは単独と言ってもいいか知りませんが、とにかくそういうものによって電電公社の大事業が左右せられるようなことについては、まことに私は醜態だと思うのですね。だから、その点について強くひとつ政府の積極的な御協力をお願いをして、私の質問を終わりたいと存じます。 大蔵大臣、一言、せっかく出てきたのだから。
○渡辺国務大臣 私の方は直接の電電公社の担当じゃございませんので、それらの問題については主務大臣から答弁していただきます。
○山内国務大臣 現在のところ、予算の点とか、いわゆる横並びの点とか、いろいろ制約がございますけれども、しかし、その範囲内では十分に大いに力を発揮してやっていただきたい、こういうように考えているわけでございます。
○金子(一)委員長代理 これにて中村君、久保君、堀君の質疑は終了いたしました。 次に、東中光雄君。
○東中委員 通産大臣にお伺いしたいのですが、先ほども御質問があったようでありますが、SRCII、石炭液化プロジェクトの計画の問題であります。 きのうのレーガン米大統領の発表した米経済再建計画で、SRCIIの計画から米政府エネルギー省はおりるということになったように思うのです。この前の二月十二日の参議院の予算委員会での質疑で、米国の行政管理予算局のストックマン局長が予算の計画、予算を切ると言っておるという情報について、それはまだ内部の問題で、決まっておるわけじゃない、よく調べてみるのだというお話であったようですが、天谷審議官がアメリカへ行かれて、きのう帰ってこられたと聞いておるのですが、結局アメリカ政府としては、この計画の実施主体から外れるということが決まったのではないでしょうか。その間の事情をお聞きしたいと思います。
○田中(六)国務大臣 レーガン大統領の教書の付属書にSRCII、つまりソルベント・リファインド・コールという液化計画を、合成燃料開発公社というところにことしからゆだねようということです。 それで、これは御承知のように、実は福田総理大臣のときからなんでございますけれども、日本とドイツとアメリカで石炭液化について共同開発しましょうという話し合いから進んで、昨年に予算化されたわけでございますけれども、昨年七十三億円、日本側は出したわけです。ことしも石特会計の中の石油代替勘定の中に百五十億円を計上しておるわけです。そういうことで、日本とドイツとアメリカとの三国で共同開発しようという協定がちゃんとできておるわけでございまして、国際協定でございますので、一方的にこれを破棄するということは常識上ないわけです。 それで、アメリカではこれを全く断念したというわけではなくて、一般会計、日本で言えば一般会計みたいなところからそういう燃料開発公社にゆだねようということで、その予算そのものはどの程度とうなるかということじゃなくて、まあやるということははっきりしているわけです。したがって、向こうからそういうことが発表になったわけですから、ちょうど向こうの会計年度はことしの十月から始まるわけでございますので、そういう点の具体的なことにつきましては、結局協議というようなことになるんじゃないかというふうに思います。
○東中委員 昨年の七月三十一日に結ばれた日本とアメリカ、あるいはアメリカとドイツのいわゆる三国協定でありますが、これはあくまでも米政府のエネルギー省が実施主体になって、もちろん、ガルフ・オイルの子会社との契約に基づいてやるわけですけれども、とにかく主体はアメリカ政府である。そのプロジェクトに日本政府も参加をするということになっておったわけですから、アメリカの方が政府としてはやらない、だって予算から削っちゃうわけですから、ということになれば、この協定の実施は不可能になるんじゃないか。その後どういうふうに石炭の液化プロジェクトを進めていくかということについてはまた別の問題として、アメリカ側も全くほうりっ放しにしておくということじゃなくて、合成燃料開発公社で規模を縮小してとかそういう話が出ておるようでありますけれども、それはまた別の話になるのではないか。今度の予算に計上されておるのは、昨年の七月三十日のアメリカ政府と日本政府との協定に基づいて、その四年間のうちの一年として百五十億が計上されておる、これの実施はいまやレーガン政権のこの発表で不可能になった、こう思うのでありますが、そうだとすれば、次にどうするかということは、これは確かに交渉されるならされるでいいのですけれども、これが不可能になったことには間違いがないのですから、予算としては、この分についてはいまの時点で修正すべきではないか、こう思うのです。
○田中(六)国務大臣 私どもは、SRCIIの計画は不可能になったとは考えておりません。と申しますのは、これはアメリカが一方的にそう言っているわけでございまして、カーター政権とレーガン政権がかわったからといって、国際的な問題でそれが全く変わるというようなことは、普通、近代国家としては問題だと私は思いますし、私どもはいまのところ変える意思はございませんし、したがって、これからはネゴシエーション、つまり交渉だと思います。そういう点では、私ども、いまのところ計画を変えるつもりはございませんし、一方的に向こうが言っているので、それが政府の問題ということと公社の問題と仕分けしておりますけれども、私どもは、液化計画そのものが本当は何とか実現すればいいことだし、特にドイツもかんでおることでございますし、三国協定でございますし、そう軽々にそういうふうにいけるものじゃないというふうに判断しております。
○東中委員 そうすると、レーガン政権が米経済再建計画として、政府としてやることはやらない、規模も含めてほかの方法を考えるということを言っているのを、そういうことは去年の七月三十日の協定からいって国際的には許されぬことだということで、あくまでも、向こうが公式に発表しておるわけですから、それを押していくというわけですか。どうも、主体がかわるわけですからね。向こうは予算を削るということなんでしょう。そしたら、日本としても予算を削るのが、修正するのが当然のことじゃないですか。その点はどうなんでしょう。
○田中(六)国務大臣 たびたび申し上げておりますように、これは協定でございまして、一国がその協定を、私はまだ完全に破棄しているとは思っておりませんけれども、極端なことを言いまして、もしもそれをギブアップする、断念すると言った場合に、はい、そうですか、私のところもやめましょうというようなことは、私は協定の精神に反すると思います。やはりこれから十分いろいろ手当てしたり交渉したりすることが、それの方が普通の道じゃないでしょうか。
○東中委員 それは、そういうふうにやられることは、私はそのことにいまどうこうと言っているわけじゃないのです。しかし、レーガン新政権がそういうふうに予算を削るということを公にした以上、それについての見通しは、規模を変えるとか、先ほど言われたような合成燃料開発公社ということになってくれば、これは変わってくるわけですからね、主体が違うわけですから。そういう場合はそれについての交渉をされるというのは、私たちはこういうプロジェクトに日本政府が入っていくのがいいかどうかということについては反対の考えを持っていますけれども、しかし、政府がそれをやられるというのは、これは政府の立場でいいと思うのですが、しかし、組まれておる予算は、あの協定に基づいてアメリカ政府主体のものなんだという点から言えばそうでなくなる。レーガンはああ言ったけれども、また日本から交渉したらやはりこれは復活するということになるとでも思っていらっしゃるのか。どうもそこらはちょっとよくわからないのです。
○田中(六)国務大臣 向こうの気持ちを判断していろいろやるのも一つの方法でしょうけれども、私どもは一つの協定というもので、しかもそれはアブノーマルじゃなくてノーマルな線でいくわけでございますので、あくまで私どもの主張を貫いていくという方針が政府のとるべき方針でございます。 それからもう一つは、これはもちろん一つの、ちょうど大蔵省原案みたいなものでございまして、向こうでも議会で審議するわけでございます。しかも会計年度が十月でございますので、その間、私ども交渉する余地もございますし、それから前の政権のエネルギー相、私どものカウンターパートでございますけれども、そういう人も私どもに通じてきておるのは、自分たちが決めたんだから、何とか一生懸命やるからというようなことも言ってくれておりますし、私どもはそういうことを前提にいたしまして、あくまで私どもの正しい方向で交渉するという方針に変わりはございません。
○東中委員 大蔵大臣に言っても同じことだと思いますから言いませんが、私たちは、これは実際上、米政府が実施主体としてのプロジェクトは、こういう状況では不可能だと当然見るべきじゃないかというふうに考えておりますので、やはり堂堂とそうした処置はとっていくべきではないかということを申し上げておきたいと思います。 次に移りますが、自治大臣にお伺いしたいのです。 小選挙区制についてですが、前任者の石破自治大臣は、御承知のように去年の七月二十日のNHKテレビ政治座談会で小選挙区制について発言をされまして、衆議院の制度をいまのままにして政治資金の明朗化を図るとか政界の浄化を図るとかあるいは派閥解消を図るとか、これはやはりむずかしい。小選挙区制にして公営選挙をやってもらおう、私は比例ということは言わぬ、こういう発言をされて問題になりましたが、そして最近では、公選法の特別委員会で社会党の堀議員の方から、小選挙区制、比例代表制ですね、西ドイツのこういうものを参考にするというか、提案するというか、ということが言われて、後藤田自民党選挙制度調査会会長代行でしたか答弁席におられて、賛成だという趣旨のことを言われておるわけですが、自治大臣としては小選挙区制についてどういうふうにお考えになっておるか、お伺いをしたい。
○安孫子国務大臣 選挙制度の問題はきわめて重要な問題でございまするが、これはやはり立法府におきまして、各政党政党がいろいろの問題を抱えておると思うのでございまして、その調整の上に立って一つの結論を出すべき性質のものであろうと考えております。したがって、その各党の間の合意を得られるようなことをひとつぜひお願いをいたしたいと考えておるものでございます。
○東中委員 自治省としては、小選挙区制を検討するとかあるいはそういう制度について研究を進めるとか、そういうようなことはやっておられるのですか、おられないのですか。
○安孫子国務大臣 もちろん研究は、いろいろな問題について自治省としてはやっております。しかし、自治省としての結論を出すというようなことはいたしておりません。
○東中委員 次の問題に移りたいと思うのですが、いま公選法の改正案が本院の特別委員会で審議がされておりまして、先日質疑打ち切りの採決が行われました。私たちは、この法律は非常に重要だと思っておるのですが、特にこの公選法改正で幾つか問題がありますけれども、特に問題になるのは、「政党その他の政治活動を行う団体」はその政治活動の中で禁止をするのが二百一条の五に決まっておりますけれども、新たに、政策の普及宣伝と演説の告知のための拡声機の使用禁止条項が加わる。もちろん、ただし書きの例外はありますけれども、そういう条項が入っているわけです。これは全面的な事実上の「政治活動を行う団体」の政治活動を禁止するに等しいというふうに考えておるわけであります。 そこでお伺いしたいのでありますが、「政党その他の政治活動を行う団体」という場合の「政治活動を行う団体」というのは、政治活動を行うすべての団体であって、政治資金規正法第三条一項の政治団体だけではない、副次的に政治目的を有するような経済団体、労働団体、文化団体等を含むというふうに私たち理解をしているのですけれども、そういうふうに解していいのかどうか。所管大臣の自治大臣と、それから、これは禁止規定だから犯罪構成要件の一部にも入ってくるわけですので、法務省も、そういう解釈でいいのかどうか、お伺いしたいと思います。
○安孫子国務大臣 お尋ねの点は「政党その他の政治活動を行う団体」、この範囲がどうかという点だと思います。これは、政治活動を主目的として、政治資金規正法で自治大臣等に届け出を要するものとされておる政党その他の政治団体が含まれておることは言うまでもございません。 次に、問題は、この団体のほかに副次的に政治目的を有する団体も含まれると考えられるけれども、ある団体がこれに該当するかどうかという問題は、その団体の規約や実際の活動、態様等によりまして、個別、具体的に判断されるべきものであるというふうに考えております。
○東中委員 法務省、どうですか。
○前田(宏)政府委員 ただいま自治大臣の方からお答えしたとおり、同様に理解しております。
○東中委員 政治目的を主たる目的としているものではなくて、経済活動あるいは労働運動あるいは文化活動、そういうものを主たる目的にしておっても、副次的に政治活動を、あるいは副次的に政治目的を持って活動する団体、これもまた入るということを言われたと思うのですが、それでよろしいですか。
○安孫子国務大臣 その態様については個別的な判断にまつよりほかなかろう、こういうふうに考えております。
○東中委員 それでは個別的にお伺いをいたしますが、総評といえば、日本国民ほとんどが知っておる大きな労働組合団体であります。これが「政治活動を行う団体」であるのかないのかということについて、自治省は個別的にどう思っていらっしゃるか。個々の小さい団体なら、それはわからぬということもあるかもしれません。 私、念のために、日本労働組合総評議会の出している「一九八〇年 総評はかく闘う」という本を持ってまいったのですが、総評は基本綱領というのを持っています。その基本綱領によりますと、「日本労働組合総評議会は、日本のあらゆる自由にして民主的な労働組合の結集された力によって、労働者の労働条件を維持改善し、その経済的政治的社会的地位の向上を図り、日本の民主主義革命を推進するとともに、社会主義社会の建設を期し、経済の興隆と民族の自由独立を達成して、自由と平等と平和の保障される人類社会の建設に貢献せんとするものである。」これが基本綱領の前文であります。 そして、行動綱領を見ますと、たとえばその第六項には、「われわれは給与所得税および一切の大衆課税を軽減し、退職手当に対する課税の撤廃、人頭割地方税反対のために闘う。」、九項を見ますと、「われわれは平和的民主的手段によって、社会主義社会を実現せんとする政党の強化と活動に協力し、日本の民主革命推進のために闘う。」、十一項は、「われわれは、再軍備に反対し、中立堅持、軍事基地提供反対、」「日本の平和を守り独立を達成するために闘う。」、こういうふうにいろいろ書かれております。規約は、こういった目的に沿ってやるのだともちろん書いてあります。 これは、いま言われた定義から言って、「政治活動を行う団体」になるのかならないのか、いかがでございますか。
○安孫子国務大臣 政府委員から答弁させます。
○大林政府委員 いま具体的な団体の名前を挙げられましてのお尋ねでありますけれども、「政治活動を行う団体」というのは、昭和二十三年の、つまり旧政治資金規正法上で言っておりましたところの「協会その他の団体」、これを現在の選挙法で「政治活動を行う団体」というふうに言い直しておることは、昭和五十年の改正時に十分御承知のとおりかと思います。したがいまして、現在の「政治活動を行う団体」の範囲というのは、旧政治資金規正法上の「協会その他の団体」の範囲と全く同じである。その内容は、先ほど大臣からお答えになりましたように、従たる目的を持って政治活動を行うという場合にも入る、こういう解釈を一貫して、しております。一その具体的な内容と申しますと、従たる目的あるいは副次的な目的と申しますのは、たとえば、その団体の規約、綱領あるいはその団体の過去の活動状況、そういうものを総合的に判断をするということになっておるわけでありますが、それでは、たまたま規約、綱領の中にそういうことが書いてあるからどうだというようなお話でもございましょうけれども、その団体のいろいろな目的の中でそういう目的がどういう位置づけになっておるかというような結果にまた、なってまいるわけでありまして、そこらあたりは、大臣からお答えになりましたような、その時点、時点における全体の中の位置づけの事実判断ということに結局なろうかと存じます。
○東中委員 これは犯罪構成要件なんですね。「政治活動を行う団体」が政治活動を行うについて、そのうちのこれこれのことはやってはいかぬ、ただし例外はある、それに違反したら処罰するぞ、こういうのですね。それが法律なんでしょう。その法律の適用を私のところは受けるのやら受けないのやらわからぬという状態のままで置いておくということは、これはまさに、知らしむべからず、寄らしむべしですか、そういう方向に進んでいくことになるわけなんです。個々の小さい団体だったら、それは政府の方はわからぬ。私がいま説明したからといって、それだけではわからぬというようなことはあると私は思うのですよ。しかし、天下の総評でしょう。世界じゅう知っている総評でしょう。そして、どういう活動をやっているかというのは知っているでしょう。この政治活動を行う団体に総評はなるのかならないのか。なる場合もあるし、ならない場合もある、そういう答弁をいまされたんだったら、そう聞きましょう。 しかし、いま私が申し上げたような綱領があって、そしてどういう活動をしているかというのは、たとえばことしの二月四日から五日、九段会館で行われた総評の第六十二回臨時大会、この議案書によりますと、スローガンは、「労働者の実質生活を改善する賃上げ、労働時間短縮、定年延長を闘いとろう。」「福祉切捨て・大衆負担の増税路線に反対し物価対策を充実させ、国民生活を守ろう。」その他、「政治反動と対決し、憲法改悪・軍国主義化の陰謀粉砕、平和と民主主義を守ろう。」まだたくさんありますけれども、そういうスローガンで動いている。そういう団体が政治活動を行う団体になるのかならぬのかということが、国会で答弁できない。なぜ答弁できないのですか。答弁してください。
○大林政府委員 政党あるいは政治団体あるいは政治活動を行う団体と、いろいろの表現をいたしておりますけれども、一般的に申しまして、政治団体というものの範囲、もうはっきり決めないと、構成要件がついておるんだから、こういうお話でございますけれども、確かに、いわゆる諸外国にも間々例はございます政党法というような法律がございまして、そこでちゃんとその範囲を決める、あるいは認定をするというような仕組みがあれば格別でございますけれども、そうでない場合、世の中にいろいろな団体があるわけであります、政治団体あるいは社会団体、労働団体あるいは文化団体、いろいろの団体があるわけでありまして、それぞれが非常に多方面の活動をしておるわけであります。そういうものの活動を個々具体的にとらえまして、果たして政治活動を行う団体と認定をすることになるかどうかは、結局、先ほど申し上げましたような、その都度その都度の具体的な総合判断ということにならざるを得ない、こう申し上げておるわけであります。
○東中委員 それなら、総評は政治活動を行う団体であるのかないのかというのは、私がいま言った、そして世間周知の総評の活動というのは、これはもう周知だと言ってもいいと思うのですが、それは総合的に役所としても認識しているはずです。その総評が、しかし、いま認定できるともできないとも決められないんだ、こういうふうに答弁をしている。 それだったら、国鉄労働組合があります。運動方針を見てみましたら、いろいろなことが書いてあります。たとえば「政治活動の強化について」「護憲運動の強化」「日米安保条約廃棄・軍事基地撤去の闘い」「原水禁運動と被爆者援護」「反原発闘争」「日中・日ソ・日朝友好国民運動について」、これは長くなりますから読みませんけれども、運動方針の中でそれぞれ、そういう問題に取り組んでいくということをやっていますし、現にそういう活動をしている。これは国鉄労働組合の八〇年度の運動方針案ですが、現に有効なものですけれども、国鉄労働組合は政治活動を行う団体であるかどうかということについて、やはり自治省選挙当局としては、認定ができないというふうに答弁されるのですか。それもお聞きしておきましょう。
○大林政府委員 先ほどお答えいたしましたことと同様であります。
○東中委員 そうすると、あらゆる団体についてそうなんですか。政治活動をやっておる、しかし、政治活動を行う団体であるかどうかは、政治団体ないし政党以外は、要するに政治資金規正法の届け出をしている、そういうこと以外はどれがどうであるかということは、政府としては何にもわからないということになるわけですか。
○大林政府委員 まあ団体の中には、労働組合もございましょうし、文化団体もございましょう、市民団体もございましょう、非常に雑多な団体が世の中にあるわけでありまして、その中のどの部門をとらえてこれは政治活動を行う団体であるということは、初めから申し上げるわけにはいかないと存じます。結局、その時点その時点の具体判断ということになろうかと存じます。
○東中委員 これは団体ですよ。そのときそのときの行動について言っているのだったら、そのときそのときの行動について見なければわからない。団体というのは、ずっと継続しているから団体と言うのであって、綱領を持ち、規約を持ち、運動方針を持って動いているのを団体と言うのでしょう。それによって法的性格というのは決まってくるのでしょう。その法的性格を決めることができない。天下に有名なこの総評でさえ、あるいは国労でさえ、あるいは全日農とかいろいろ団体あります。あるいは全国消費者団体の消団連もある。こういうものは全部その綱領で、たとえば物価引き下げをやる、物価値上げには反対だということで行動を起こすというふうに言っておる。しかし、それが政治活動を行う団体であるかどうかはわからない、こういう態度で選挙当局は臨んでいるということですね。うなずいておられますから、それではそうお聞きしておきましょう。 そしてその次に、今度新しくつけ加えられようとしておる「政策の普及宣伝及び演説の告知のための拡声機の使用」禁止というのがあります。「政策の普及宣伝」というのはどのようなことを言うのか、ひとつお伺いをしたい。
○大林政府委員 「政策の普及宣伝」というのは、現行法でも従来から使っておる言葉でありますけれども、政治上の主義主張、そういった施策を周知いたしまして理解と協力を求める、こういう趣旨に理解をしております。
○東中委員 悪性インフレと一般消費税の導入に反対をする、清潔な政治を求めるということを主要スローガンにして、団体がそういう演説会を開く場合は、その団体は政策の普及宣伝を行うものだということが言えるのですか、言えないのですか。
○大林政府委員 いまおっしゃいました内容は、内容的には政策の普及宣伝ということに当たろうかと思いますけれども、二百一条の五以下に書いてございます政策の普及宣伝というのは、当然に政策でありますから、政治活動を行う団体というものを前提として書いてあるのだろうと存じております。
○東中委員 だから、政治活動を行う団体が、いま言ったような悪性インフレと一般消費税導入に反対し、清潔な政治を求める決起集会を開いて、次々に弁士が立って演説をするという場合は、これは二百一条の五に言う、いま新設されようとしておる政治活動を行う団体の政策の普及宣伝ということになる、いまそういう答弁をされたわけですね。うなずいておられるから間違いないと思うのですが、その場合に、そういう集会は拡声機を持たぬで肉声でやるというようなことは、今日あり得ないわけです。拡声機を使う。そしたら、選挙中であればこれが犯罪になるということなんですね。そうじゃないですか。
○大林政府委員 拡声機の使用の問題で御質問でございますけれども、政治活動を行う団体が、いまおっしゃいましたようなスローガンなり主義、施策を掲げて集会をいたします場合には、現在の法律におきまして、選挙期間中は、政談演説会あるいは街頭政談演説のどちらの形態をとるかは別といたしまして、そういった集会が政談演説会であるとかあるいは街頭政談演説だということになりますと、すでに現行法でその開催自体が規制をされておるところでございます。
○東中委員 私はそういうことを聞いているのではなくて、追加される条文によって条文の構成要件の中に入るじゃないかということを言っているのです。従来からある分について入るかどうかということを聞いているのじゃないのです。この条項になって全部入っていくじゃないかということを言っているわけです。その点はどうです。本質的にそうなるじゃないですか。
○大林政府委員 政治活動の種類の中で、政談演説会あるいは街頭政談演説でスピーカーを使うということになりますと、その主体が政治活動を行う団体である限りは、確認団体以外はできないということでございます。
○東中委員 法務大臣は、この前いろいろ国会でも問題になりましたが、例の「週刊ポスト」で、憲法改正について、「この際、議論をつくして、その上でみんなで結論を出したらいいじゃないか。83年には、国政レベルの参院選があるわけですから、結論が出ればそこで国民の批判を求めたらいい。憲法改正を政策として掲げた政党が一敗地にまみれるかもしれないし、あるいは圧倒的勝利を得るかもしれない。それは、国民が決めることだと思うんですね。」この発言をされて、八三年の選挙に、もし憲法改正をやろうという結論が出ておれば、掲げてやったらいい、国民がいろいろ審判するだろう、こういうことですね。 そのときに、参議院選挙、衆議院選挙同時選挙ということがあるかもしれません。そういう選挙において、憲法を改正するかせぬかというのは、まさに、国民が決断を下すようなそういう重大な段階になっているわけですね。そのときに、憲法改悪に反対をする、あるいは護憲団体といいますか、そういう政治活動をやっておる団体というのはたくさんあります。総評だってそうですし、多くの労働組合がそうでありますし、市民団体、民主団体と言われるものはみんなそうなんです。だから、その選挙のときには、憲法改悪には反対だということで、それぞれの政治活動を行う団体が政治活動を起こすと思うのです。選挙で問われているからこそ、その選挙中に政治活動をやらなければ、それを掲げてきた政治活動を行う団体は、まさに自殺行為になるわけですからね。まさに、そういうことをやらなければいかぬ。 それをやろうと思ったら、自分のところの団体は政治活動を行う団体と言われるのかどうかわからない。そして、それをやるのに集会をやる、デモをやる、集団デモ行進によってそういう意思表示をしていくということをやるのは、これはもう当然のことだと思うのですね。しかし、マイクを持ってやれば、そしたら、政策の普及宣伝を拡声機を持ってやっておるのだ、それは犯罪であるということで、この規定ができれば抑圧されるということになると思うのですが、そういうことになりませんか。
○金子(一)委員長代理 だれですか、答弁者は。
○東中委員 それは、取り締まる場合は、起訴するのは法務省ですから法務省の管轄でもあるし、そして、そういう意味では自治省の管轄でもあると思うのです。
○奥野国務大臣 私の所管じゃないかもしれませんけれども、私の話が出ておるものですから、一応私、答えさせていただきます。 政党それぞれ、いろんな政治問題を検討しておられる。国の基本に関する法規であります憲法についても、どの政党も絶えず研究しておられる。大事なことだと思うわけでございます。その場合の一般論として、いま御指摘になったようなことを申し上げただけでございます。それをまずお断りをしておきたいと思います。 その次に、いまおっしゃった政治活動の禁止、私は、政治活動を禁止されていない、禁止されているのは、ただ選挙運動が行われている期間だけは自粛してくださいよというのが今度の改正の内容じゃないかな、こう思います。 同時にもう一つは、政治活動をやっておられる団体がみんな、あるいは公認候補者を立てる、あるいは推薦をする、それらの関係の人たちが選挙運動を通じて自分たちの政策をみんなに訴えておられるわけでありますから、それぞれの政治団体の考え方は候補者等を通じて十分に有権者に徹底されていくのじゃないかな、こう考えるわけでございます。したがいまして、いまお話を伺いながら、何か政治活動全体が禁止されるような誤解を与えるように思いましたので、私は、その点だけ、一応伺っていてこんな感じを持ちましたということだけ、お答えをさせていただきます。
○東中委員 選挙のときに憲法改正というような重要な問題はやはり諮ってやらなければいかぬのだ、こうおっしゃったわけですね。それぐらい憲法改正といいますか、改悪といいますか、これは非常に重要な政治課題だと思うのですね。日本の進路にかかわる問題、本当に重要な政治活動だと思うのです。だからこそ選挙でやらなければいかぬのです。そのときにはまさに政治活動がやられなければいかぬわけでしょう。それぞれの政治についての感覚を持っている人たち、団体、政治活動がやられなかったら、選挙はもう、ほかの者はじっとしておる、候補者だけ物を言うのだ、そういうことではないと私は思うのです。 投票を得、もしくは得さしめるためのそういう選挙活動は選挙に限定する、これはいいですよ。しかし、政治活動というのは、奥野さんはわざわざ次の国会までに結論が出るならば出してやるべきだ、そういうふうに言われたのは、結局、憲法というのはそういう性質のものなのだ。だから、そういう重要なときに、たとえば総評、あるいは憲法擁護を言っている憲法改悪反対国民会議、いろいろ団体があります、まさにそういう選挙のときこそはっきり言わなければいかぬのです。ところが、マイクを持ってやろうと思ったら、政策の普及宣伝になるから全部だめと、こういうことになるというのが今度の改正案ですよ。 政談演説会と言ったら、だれもが頭の中に描くのは、それは政談演説会で、うちのやっとは違うのだというふうに思っているのです、いままでの法律でいけば。街頭政談演説会と言えばそういうふうに思っていたのです。そういうふうな表現になっているのです。だから、労働組合がそういう決起集会をやろうが、一々警察が入ってきてどうこうということはせんかったのです。ところが今度は、政策の普及宣伝をやるための拡声機の使用禁止ということになると、政治的なことをやっているなということがわかったら、あとは、政談演説会になるのかならぬのかというようなことを考えるまでもなしに、マイクを使っているからだめだと、すぐ行動が起こせるようになっているのです。そういう点でこの改正案というのは、実際上の実務から言えば非常に重要な問題になってくる。その点は自治省、いかがですか。
○大林政府委員 改憲運動自体を取り上げてみますと、まさに政治活動の最たるものであろう、こうおっしゃるのはまさにそのとおりだと思いますが、現在の二百一条の五以下の選挙期間中の政治活動の規制と申しますのは、あくまで、片や選挙運動という規制がいろいろ事細かにございます。そういう規制がある中で個々の政治活動を行う団体がいろいろな行動を起こしました場合に、選挙運動の規制というものが実効性を失われてくるということを考慮して現在の規制が定められておるわけであります。したがいまして、そういう意味で、選挙運動ときわめて紛らわしい部門だけを取り上げて、限定的に現在規制をしておるところであります。 今回、議員提案によりましてマイクの使用ということがつけ加わったわけでありますけれども、政策の普及宣伝と申しますのは、先ほど申し上げましたように、政治上の主義、施策、いわゆる政策でありますから、当然の前提といたしまして、その主体は、一般の団体というよりも、政治活動を行う団体と客観的に認定されるような団体が当然の前提になっておるわけでありまして、そういう団体が行うかどうかというような事実認定の問題が入ってくるということを申し上げておるわけであります。
○東中委員 選挙中に、たとえば総評あるいは消団連、こういう非常に大きな全国的な団体が、減税をやれ、物価上昇をとめるということで何千人、何万人という集会を持つ、そういう事態が起こったときに、消団連も総評も、これは政治活動を行う団体であるのかないのか、自治省はいまだにわからぬのですから、やっている主体もわからぬわけですね。それで、やっておるときに、警察当局の判断としてこれは政治活動を行う団体だということになったら、犯罪が現に行われているという事態になるわけですから、そういう場合は警察はどうするのですか。 〔金子(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○中平政府委員 政党その他の政治団体、政治活動を行う団体であるかどうか、これの認定は、まことにこれはむずかしいわけでございます。したがいまして、私どもは従来、総評等につきましても各種の資料をいろいろな角度で検討いたしておりますが、いまだに適用は私どもとしては踏み切ってない、こういうことでございまして、政治活動を行う団体の認定というものはしかくむずかしいものでございます。したがいまして、ただいまお話のございましたように、そこに政治活動があって、マイクを使っておるからすぐに警察官が飛び込んでくる、そういうことは、まず、これは政治活動を行う団体であるかどうかについて慎重な判断を加えた上で措置されるべきでございまして、警察官が突然飛び込んでまいるということは通常は考えられないことであると、私はこういうように考えております。
○東中委員 この間、千代田区で区長選挙がやられておるときに、全学連が部か全体の宣伝カーの許可申請を出した。道路交通法の関係で警察へ申請を出した。そうすると、現に選挙が行われておるところはそういう宣伝はやることはできないんだということで、どうしても外せと言う。外さなければ許可証を出さぬものだから、外して許可証をもらった。これは警察が現場で判断するんですね。そうすると、全学連は政治活動を行う団体であるというふうに決めているわけですね。どこで決めてどういうふうにしたのか。 しかし、天下の総評は政治活動を行う団体なのか団体でないのかわからないのだと、こういうことでは、本当に認定の幅が物すごくあるわけですから、やりたいと思うところへ出ていって、おまえは政治活動を行う団体である、そして政治施策云々しておる、政治政策の普及活動をやっている、拡声機でやっているじゃないか、政談演説会がどうか知らぬけれどもやっておるじゃないかということで、犯罪にすることだってできるわけですよ。そういうことを現場で認定するのは一体だれなのかということを聞きたいのです。
○中平政府委員 ただいま御指摘の事例でございますが、これは中野署であった事例でございます。たまたま当時、選挙が行われておりました地域につきまして、選挙が行われていると、道交法七十七条に基づきます車の使用の許可の際に、御注意を申し上げたわけでございます。そうすると、向こうの方で自発的にその地域についてはやらないと、そういうことでございます。
○東中委員 申請を出していった人がそういうふうにしてほしいという意思を持っていたということは明白なんですよ。しかし、許可を出さぬから、そこはだめですと言うから、しようがないから書き変えているのですよ。それが自発的だと言うんだったら、そういう形で、政治政策の普及宣伝が警察の力によって事実として抑えられる、こういうことになるのがファッショ的な体制だと私は言うのですよ。言論弾圧の体制だと言うのです。いまやっているのはまさにそうじゃないですか。 自治大臣、国家公安委員長として、いま中平さんの答えたのは、わざわざ申請を持っていった人が注意を受けて自発的に変えたという、そんなことを言うたって通りませんですよ。事実上そうしてしまうということが非常に問題なんだ。だから、政治活動とか言論の自由とかいうものに対する規制の規定は、ちょっと見たら何でもないように見えることが、実は大変なことになってきよったというふうに思うのです。警察のいまの中平さんの答弁から見て、どう思われますか。そういう態度でいいんですか。国家公安委員長としてお答えを願いたい。
○安孫子国務大臣 委員長といたしまして、いまの答弁のとおりで私はいいと思っております。
○東中委員 取り締まり罰則があるわけですね。だから、刑事法的に言えば、これは構成要件が特定してなければいかぬわけです。構成要件というのは、罪刑法定主義からいってもそうなんですが、当然そういう性質のものなんです。ところが、天下の総評が政治活動を行う団体であるかどうかが自治省としてはいまだに決められない、こういう法律規定になっている。言葉ははっきりしていますけれども、内容的に言ったら何かわかりゃせぬ。そして全学連というような団体、それが申請を持ってきたということだけで、どういうことか知らぬけれども、千代田区では選挙をやっておるからだめなんだと事実上禁止をしてしまう。こういうことは、憲法改悪だとかあるいは有事立法だとか、徴兵制問題が非常に問題になるとか、こういうかっこうで非常にきな臭くなっているだけに非常に危険だと、厳格に法務省としても自治省としても警察当局としても解釈をする、こういう言論、政治活動弾圧立法になるわけです、結局この公選法の規定というのは。だから、断じてこれは容認できない。憲法の二十一条というのはどこかに飛んでしまうということになりますので、強くそのことを申し上げて、私の質問は終わりたいと思います。
○小山委員長 この際、藤原君より関連質疑の申し出があります。東中君の持ち時間の範囲内でこれを許します。藤原ひろ子君。
○藤原委員 日本共産党の藤原ひろ子でございます。 私は、乳幼児の対策について質問をさせていただきたいと思います。 昨年の通常国会で共産党・革新共同の田中美智子前衆議院議員がベビーホテルの問題で質問をいたしまして、政府に調査を要求いたしました。また、先日来、当委員会で同僚委員より次々と、劣悪なベビーホテルの実態が指摘をされてきております。私自身も、京都を初め大阪の豊中市などのベビーホテルの実態や、また、三十年来、夜間保育に献身をしておられます京都のだん王保育園の実態などを調査をしてまいりました。この実態の面につきましては多くの指摘すべき点がございますが、きょうは、実態そのものについては私は言及いたしません。私は、まず重要な点は、どういう立場からこれに対応するのかということが肝心だというふうに考えます。 国連は、二十年前、「人類は、児童に対し、最善のものを与える義務を負う」という児童権利宣言を採択いたしました。さらに、これよりも十年前にわが国では、「児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、よい環境のなかで育てられる。」そして、「すべての児童は、家庭で、正しい愛情と知識と技術をもって育てられ、家庭に恵まれない児童には、これにかわる環境が与えられる。」という児童憲章が宣言をされています。 これらは国家、社会が次代を担う子供たちを育てていく責務を高らかに宣言をしたものでございます。ベビーホテルの問題も、この児童権利宣言や児童憲章の立場に立って見なければ。なりません。私は、憲章の崇高な理念を想起するたびに、余りに現実とのギャップを感じるわけでございます。ここにこそ政治の責任が問われているのではないでしょうか。 数日前の当委員会で、政府はおくればせながら、劣悪なベビーホテルに対する規則を中心とする対策を講じようとしておりますが、適切な対策をとるためには、その前提として、実態に対する正確な把握が必要でございます。ところが今回の厚生省の調査では、全国二千カ所もあろうかと言われるヘビーホテルの実態をとらえる上では、量的に見ましても、また内容的に考えましても、氷山の一角にすぎません。したがって、全国的に、ベビーホテルだけではなくて、公的な保育行政から漏れているところのすべての保育の実態、これをこの際ありのままにとらえることが必要ではないでしょうか。また、そのためには、地方自治体に対して必要な調査費用の補助など財源的な保証もとるべきだ、こういうふうに思いますが、厚生大臣はいかがでしょうか。
○園田国務大臣 ベビーホテルの実態について厚生省はとりあえずの調査をいたしましたが、御指摘のとおり、これは大方見当をつけるための調査で、きわめて的確ではございません。そこで、直ちにこれに次いで、全国の都道府県の協力を得て、詳細な実態把握をするべく調査を進めるよう準備をしておるところでございます。
○藤原委員 この数日来、厚生省は、同僚議員の質問に対しまして、あれこれの思いつき的な対応策を答弁いたしておりますが、児童憲章、児童福祉法の理念に沿った対策をとるためには、なぜ、いまベビーホテルが生まれているのか、なぜこのような社会問題になるまでに至っているのか、その原因と責任の所在、これをまず明らかにすべきでございます。このことをあいまいにしては対策を誤るという危険すらあるわけです。 そこで大臣、ベビーホテルがなぜ存立をしているのか、その原因について厚生大臣の認識をこれからお聞きしてまいりたい、こういうふうに思います。 すでに大臣も御承知のように、不十分な厚生省の資料でも、またTBSの調査レポートでもわかりますように、ベビーホテルを利用をしている母親の九割、これは働く婦人でございます。TBSベビーホテル利用者調査、これによりますと、ベビーホテルを選んだ理由について、一つには、一年じゅういつでも預けられるから、また、昼夜の保育をしてくれるから、そういう理由が大変多いわけです。そのほかに、一時預けができるとか手続が簡単だ、あるいは産休明けから預かってくれる、こういう理由を挙げる人が多いという結果が出ているわけです。つまり、ベビーホテルに子供を預けるという原因の一つは、働く婦人、母親が労基法制定以来もう三十四年もたちますのに、いまだに八時間労働、拘束九時間、通勤時間も入れますと十時間近い保育に欠ける状態がある、こういう現実です。それにもかかわらず、公的保育所の大部分は八時間以内しか預かってくれない、こういう保育時間の問題がございます。 二つ目には、産休明け、つまり、子供を産みましてから四十三日目から預かるというゼロ歳児保育が決定的に不足をしているからでございます。これはゼロ歳児保育といいましても、実際は六カ月以上の乳児からしか措置していないからなんです。 三つ目は、社会の発展と表裏一体の問題として、婦人の多様な労働への参加、これが夜間保育を何としても必要だ、こういうふうにしているからだと思います。 そのほかにも、たとえば所得税の減税が三年間なされていないことによる実質的な保育料の値上げが、渡辺大蔵大臣、起こっているわけでございます。安いベビーホテルに子供を預けることやあるいは手続が繁雑なことなどなどが、ベビーホテルを存立させているという直接的な原因ではないかというふうに考えますけれども、厚生大臣の認識をお伺いいたしたいと思います。
○園田国務大臣 ベビーホテルが急速にふえてまいりましたのは、社会構造の変化、それから婦人の働く数がふえてきたこと、働く場所の多様化などという原因で、社会の変化による必然性がここへ来たと考えております。 一方、これに対して保育所というもの、乳幼児を預かるところはございましたけれども、これは残念ながら型にとらわれておって、朝の九時から五時までなどという、おおよそ預ける人が手軽に身近に、しかもいつでも預けられるという必要性にかかわらず、大変だ大変だと言いながらここまで来た原因があると思いますけれども、これは御指摘のとおり、国連憲章、憲法の規定、こういうものからもう一遍考え直して、ここを起点にしてこういう人々のお世話をやるべきで、零歳児、特に乳幼児は健康の変化が非常に激しくて、預かると、健康上急激な変化もありますし、あるいは大変なこともあるわけでありますが、そういうことに理由をつけて足踏みをしてはならぬ、こう考えております。
○藤原委員 ベビーホテルが存立をいたしますもう一つの大きな原因でございますが、これもすでに大臣御承知でしょうが、TBSのレポートで明らかになりましたように、本来であれば、乳児院とか学童保育所など保育所以外の児童福祉施設で措置しなければならないという子供たちがベビーホテルに入っているということです。三カ月も、いや、それ以上も預けっ放しの子供がいる。私、見てまいりました。また、両親ともいないという子供などなど、これは一体なぜでしょうか。六年連続をして一万件以上の中小企業の倒産が起きていますように、失業あるいは離婚、サラ金地獄といった中で、緊急に母親が働かざるを得なくなる、こうした社会的な保育需要がある中でベビーホテルの方に流れ込んでいるというふうに思いますが、大臣のお考えをお聞きいたします。
○園田国務大臣 ベビーホテルは、一部のホテルは、あるいはホテルで経営しているとか、あるいはもっとちゃんとした経営もありますが、大部分は、実に見るだけでも無残なような経営が多いわけでありますが、その経営状態もさることながら、こういうことがどんどんふえてきて、こうしなければならぬという社会現象を生んだというところがもっと悲惨だ、こう考えておりますので、早急にこれに対する第一、第二の対応策をしたいと考えております。
○藤原委員 いまの大臣の御答弁で明らかになったと思うのですが、ベビーホテルが発生をして社会問題化してきた背景の原因ですね、ここが明確でないということです。 一つは、公的な保育施設が、多様化した保育ニード、みんなの要求に対応し切れていないということがまず第一点。二つ目には、乳児院を初め母子寮や児童相談所などの機能も含めまして、日々起こる母と子とこれを取り巻く今日的な状況、これに対応し切れていないことです。 これを言いかえますれば、保育行政を初めとして、国の児童福祉行政全般が大きく立ちおくれてきた、その結果がいまあらわれているということではありませんか。つまり、今日のベビーホテルの抱える問題は、国の保育行政、児童福祉行政に直接的な責任がある、このことを大臣はお認めいただけるでしょうか、御答弁願います。
○園田国務大臣 厚生行政は幾らやってもそれでいいということはないと私は考えております。ましていわんや、各省の問題でさらにさらに手を打つべきであることはたくさんある、こういうふうに考えております。
○藤原委員 国の行政責任というのは明白だと思うわけです。人間には、あなたの名前どおり素直さが必要だ、率直さと謙虚が必要だと思うのですね。そういたしますと、どうでしょうか。昭和五十年の十一月に行政管理庁から「幼児の保育及び教育に関する行政監察結果に基づく勧告」これが出されております。ここには、社会的な要請から見て対応策を検討すべきだとして、長時間保育、夜間保育、無認可保育所の問題が指摘をされているではありませんか。大臣、この勧告の二十七ページを、恐れ入りますがお読みいただきたいと思います。
○金田(一)政府委員 二十七ページでございますが、前からずっと続いておりますので、二十七ページだけでよろしゅうございますか。
○藤原委員 二十七ページだけで結構です。
○金田(一)政府委員 二十七ページの一行目から読ませていただきます。 1 長時間保育及び夜間保育については、都道府県、市町村等を通じてその需要をはあくするとともに、中央児童福祉審議会の答申の趣旨を勘案しつつその実施の対象、方法及び体制等長時間保育及び夜間保育に係る方策の具体化を図ること。(厚生省) 2無認可施設については、次のような措置を講じてその改善を図ること。 ア 無認可幼稚園については、学校法人化への指導、その他必要な措置を講じて段階的に解消を図ること。(文部省) イ 無認可保育所については、必要な条件を整備して保育所としての認可を受けるよう指導するとともに、これが困難な場合、その保育需要を認可保育所に吸収できるよう認可保育所の整備・充実に務めること。 また、幼児数が少ない過疎地域等に設置されている無認可保育所については、地域の実情を勘案し、保育所定員の下限の引き下げを図ること。(厚生省) ウ 事業所内保育所……
○藤原委員 そこまでで結構です。 いまお読みいただきましたとおりですね。これがいまから五年も前に勧告として、同じ政府内から出ているわけですね。このときに厚生省がこの勧告を真っ正面から謙虚に受けとめて、これを拳拳服膺して行政施策に取り入れていたならば、今日のように、マスコミであるとか国会であるとか、また皆さんの運動の中で、これほどまでに指弾を受けるということはなかったのでないでしょうか。まさに行政の怠慢だと私は思います。多様化しつつあります保育行政に目を向け、決して背を向けてはなりません。 そこで、当面どのような対策をとるのかという問題でございます。 私は、厚生省がこの勧告をいまからでも正面から受けとめて本気で解決する姿勢に立てば、実現できる現実的な条件はあるということを指摘したいわけでございます。それは、すでに全国に二万一千カ所の公的の保育所がございます。二百万人を超える児童が措置をされております。また、保母の有資格者は、いまだ就業していない人ですね、未就業者も含めまして全国に約五十万人おられます。したがって、いまある公的保育所で産休明け保育の充実、勤労婦人の労働実態に見合った長時間保育、大都市を中心とした夜間保育の重点的な実施などが行われるべきであり、同時に、勧告でも指摘をされておりますように、ベビーホテルなどに流れているという保育需要を認可保育所に吸収できるという、認可保育所の増設をするなら、大部分はこれで解決できるわけでございます。 それでは、この中でいま何が足りないのかという問題になるわけですが、それは勇断をもって踏み切るという政府の姿勢と財源的措置が薄弱だと思います。 大臣、どうでしょうか。実現可能な現実的な対応、これをおやりになるというお考えがございますか。いかがでしょうか。
○園田国務大臣 過ちは改めるのは遅くでもよろしい、こういうことでありまして、現法制、現予算の中でも実行できることは幾らでもあるわけであります。私、いろいろ申し上げておりますが、これは決して思いつきではなくて、皆様方の御意見やあるいはこのベビーホテルから来る必然性で、これはやらざるを得ないという段階に来た、もうこれ以上猶予は許されない、こう考えておるわけでありまして、五年前から、まことに残念でありますが、残念ながら私が厚生大臣になりましたのは五カ月前でありまして、五カ月前から何とか五年間を取り返そうと思って一生懸命にこれからやるつもりであります。(「ずっと自民党だったぞ」と呼ぶ者あり)
○藤原委員 後ろの発言のとおり、ずっと自民党の政府がこれを担当をしておられたわけで、個人がかわったからといってその政策が引き継がれているわけでございますから、いまの御答弁どおり、この勧告を正面から受けとめて、現実可能なこのことを早速やっていただきたい。 二番目の解決策は、保育所以外の児童福祉施設の活用の問題です。 乳児院の機能をもっと発展させること。養護施設は全国で五百二十七カ所ございます。乳児院は全国で百二十五カ所、措置児はいま七五%、つまり、まだあいているわけです、乳児院は。だから、いまの乳児院は、月単位の措置というふうなことはやめて、週単位にするとか、あるいはまた、緊急一時預かりとか短期の通園などの機能を新たに持たせることがどうしても必要です。このときに、たとえば京都の乳児院の指月寮に行ってまいりましたが、ここの竹内先生がこうおっしゃいました。長期にわたって措置している子供と一時預かりの子供とは建物を別にするかあるいは入り口を別にしなければ、途中で迎えに来る、寝ている十時、十一時に迎えに来るときに、長く措置されている子供に害を与えないように――現場の先生方はここまで考えておられるわけです。 こういうこととあわせて、児童相談所やその他の児童福祉施設の機能ももっと拡充強化していくべきでございます。東京の新宿区にあります二葉乳児院に行ってまいりましたが、梅森院長初め職員の皆さん方の実践は実に感動的でございます。教育的な集団の中で、子供たちは明るい顔をして伸び伸びと育っておりました。このとき大切なことは、ホステスだから、水商売だから、こういう母親の職業でもって子供の入所を決めてはならないということです。いまその子がどんな状態に置かれているのか、この点で判断すべきでございます。また、学童保育所、こういうものももっと充実していくということも重要だと考えますが、大臣の所見をお尋ねいたします。
○園田国務大臣 先ほどの発言で、私が責任がないようなことにおとりいただいたのはまことに遺憾でございまして、責任の継承権、これは責任はあると存じます。ただ、大臣になってから五カ月でございますから、五年を取り返すようなつもりで一生懸命にがんばります、こういう決意を述べたわけであります。 ただいまの発言は、全く私もそのとおりに存じます。
○藤原委員 もう一つは、私が調査いたしました結果から言いましても、非常に不十分であっても、いまある施設を知らない人が多いということなんですね。 そこで、全国百六十一カ所の児童相談所がある。全国で三千名の婦人少年室協助員がおられる。千四十七名の母子相談員、さらには約十六万人の児童委員がおられる。こうした方々の相談機能をフルに活用をして子供たちの危機を救っていくことが重要ではないでしょうか。たとえば、婦人少年室が協助員のためにパンフレットをつくっておられます。私も一冊いただいております。こうした相談機能をもっと高める努力をすべきです。こういったことは多額の予算を必要とするわけではないでしょう。要は政府のやる気の問題ではないでしょうか。 同時に、私はこう考えます。それはテレビでテロップを流すなど、マスコミの力も使って全国すみずみまでこのことを周知徹底させる。このために広報にも力を尽くすべきだと思います。 大臣、死を選ばなくてもいいお母さんや子供が自殺をしているではありませんか。本当に胸が痛みます。母と子を救う施設や機能があるのに、このことを知らないでいるわけです。どうしても知らねばならないという人が知るすべもなくて放置され、死の道を選んでいるわけです。乳児院は捨て子が入るところだ、乳児院は暗いじめじめしたところだ、こういう認識しかしていないという国民が大多数いるわけなんですね。イギリスでは、毎日テロップで流している、こういう状況です。 大臣、政府の広報費は五十六年度予算で百三十四億六百七十二万円です。これだってやろうと思えばすぐにできるではありませんか。厚生大臣、いかがでしょうか。
○園田国務大臣 現在の施設の拡大、門戸の開放あるいは対象の拡大、受け入れ体制の充実とともに、これに対する、皆さんに対するPR活動、こういうことは全くそのとおりでございますから、一生懸命に直ちに始める所存でございます。
○藤原委員 これまで述べてまいりましたように、現在ある制度あるいは現在ある施設あるいは有資格者、こういった方々を積極的に活用して、また機能を高めていくならば、大部分は解決されると私は思います。そして一方で、働く婦人が保育と仕事を両立してやっていけるように、総合的で抜本的な対策を講じるべきだと思います。たとえば、民間企業に働く婦人に対しては育児休業制度を確立することは急務だというふうに思います。さらに、公的な保育制度を補完しております共同保育所、こういうところに対して現在、自治体が苦しい財政の中から単費でやっているわけですね。たとえば東京には保育ママ制度、京都ではこのことを昼間里親制度などと呼んでおりますけれども、独自で単費でやっているわけですけれども、非常な負担なんですね。ですから、これに対して国がもっと思い切った補助をすべきです。国はほったらかしです。同時に、良心的なベビーホテルに対しては、児童福祉の最低基準を下回ることのないように、法人化ができるように、厚生保険特別会計、こういうものがあるわけですから、融資の道を開くべきではないかと思いますが、関係庁の答弁を最後に求めます。 それから、時間がありませんから一括して答弁していただきたいと思いますが、総理府総務長官に要求をしたいわけです。 御承知のように、二月の十七日、内閣総理大臣の諮問機関でございます婦人問題企画推進会議、ここから、国連婦人の十年後半期行動計画の推進についてという意見書が出されております。当然のごとく、この意見書でもベビーホテルのことを扱っております。いままでの議論を聞いておわかりいただいたと思いますが、このベビーホテルの問題は、厚生省だけではなくて、総合的な対策を必要としておるわけです。したがって、総務長官は大いにリーダーシップを発揮していただいて、この問題に対する抜本的な対策が可能になりますように、後半期行動計画に行動施策としてこれを取り込んで実施をされるように最大限の努力を特にお願いしたいわけでございます。 では、厚生省、労働省、そして総理府総務長官の御答弁をいただきたいと思います。
○金田(一)政府委員 保育所の無認可保育所関係でございますが、ただいま共同保育所と言われましたが、そういった関係につきましては、これの解消につきましては、当該地域の保育需要に見合った認可保育所の整備を原則といたしております。そのため、従来から、認可保育所の設置のための助成を行う等の努力をしてまいったところでございます。 なお、事業所内保育所につきましても、融資その他の措置を講ずることによりまして、従来から助成いたしているところでございます。
○高橋(久)政府委員 民間企業における育児休業制度につきましては、勤労婦人福祉法に、事業主の努力義務として育児休業制度の導入が定められておりまして、私どもは、その普及を図るために育児休業奨励金制度あるいは特定職種、これは看護婦さんでございますが、特定職種育児休業利用助成給付金制度、また育児休業普及指導員の活用等によりまして、その普及を図っているところでございます。 なお、育児休業請求権が現在、国公立の施設に働く教員や看護婦等には認められておりますけれども、それ以外の方々にこの請求権の適用を拡大するという件につきましては、五十三年に出されました労働基準法研究会の報告におきまして、その育児休業請求権のあり方を検討すべきであるという御報告をいただいておりますので、現在、婦人少年問題審議会で今後の婦人労働法制のあり方を研究する中で検討をしてまいるということになっているわけでございます。
○中山国務大臣 お答えをいたします。 いま御指摘のように、十七日に総理大臣に対して意見書が出されております。国連婦人十年後半期の主要な目的の中にこういうものを盛り込めというふうな御意見でございますが、何を盛り込むか、ただいまいろいろと検討しているところでございます。 先生は、学校で長らく子供たちを教えていただいてきた方でございます。私はもとは小児科の専門医でございます。やはり子供たちを健全に育てることがどれぐらい大切かということはお互いによくわかっていることでございますが、政府が一貫してやっております中にも、それぞれ、その時代その時代によって育児に対する考え方が変わっております。昭和三十年初頭の厚生省の育児指導計画、報告というものは、大体親と子を離すという考え方で指導が行われてきたことは御承知のとおりであります。有名な森永砒素中毒事件の起こったころで、私も現実に病院で子供たちを診ておりました。最近は再び、子供と親を近づけなければいい子供ができない、こういうふうなことも専門家によって報告されております。 私どもは、現在の社会の最大の問題となってまいった青少年非行の問題の背後に一体何があるのか、社会のどの部分にどんな欠点があったためにこのような現象が出てきたかということにつきましては、党派を問わず、社会全体の問題として、政府は一度この機会に徹底的にその原因を追及して、新しい後半期五カ年計画に何を盛り込むかということを検討してまいりたいと考えております。
○藤原委員 最後に、いまの長官の御答弁でいろいろ討論すべき点があると思います。しかし、時間がありませんからそれは後に回しますけれども、子供と親を近づけるというふうなお医者さんの立場からの御見解、いまそうしたくてもできないという状況をるる述べたわけでございますが、婦人よ家庭に帰れというふうなことだけでこの保育行政が考えられては大変だ。だからこそ、この計画にきちんと盛り込んでいただきたいということを強調していることは、よくよく御承知だと思ってお聞きいたしました。よろしくお願いいたします。 大臣、最後にこのベビーホテルの問題ですけれども、いまの制度のもとでも、政府が次の日本を担います子供たちを真剣に考える姿勢と、それから軍拡大増税予算から千六百億円を超える在日米軍のための支出を削減する財源措置を講ずるならば、基本的に解決をしていく問題であるわけです。
○小山委員長 藤原君、簡単に願います。
○藤原委員 予算の編成当時に復活折衝最後の段階で、大臣、あなたは、軍事予算を増額するのに外務大臣まで走り回るのはいかがなものかと発言をし、福祉予算獲得のためには、ふところに辞表まで入れて奮闘されたと聞いております。もう一度あのときの気魄に立ち返ってもらって、るる私が述べました抜本的な改善策を勇断を持ってやっていただきたい。最後に御決意のほどを聞いて、時間が延びましたが、終わらせていただきます。
○園田国務大臣 この上とも一生懸命努力をいたします。
○小山委員長 これにて東中君、藤原君の質疑は終了いたしました。 次回は、来る二十三日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十分散会