予算委員会 第1号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1981/01/30
会議録
○小山委員長 これより会議を開きます。 昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算、昭和五十六年度政府関係機関予算並びに昭和五十五年度一般会計補正予算(第1号)、昭和五十五年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和五十五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上各件を一括して議題とし、審査に入ります。 まず、各件の趣旨について政府の説明を求めます。渡辺大蔵大臣。 ————————————— 昭和五十六年度一般会計予算 昭和五十六年度特別会計予算 昭和五十六年度政府関係機関予算 昭和五十五年度一般会計補正予算(第1号) 昭和五十五年度特別会計補正予算(特第1号) 昭和五十五年度政府関係機関補正予算(機第1号) 〔本号(その二)に掲載〕 —————————————
○渡辺国務大臣 昭和五十六年度予算及び昭和五十五年度補正予算の大要につきましては、先日、本会議において申し述べたところでありますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、その内容を御説明申し上げます。 まず、昭和五十六年度予算の編成の基本方針及びその概要について申し述べます。 昭和五十六年度予算は、公債発行額を前年度当初予算よりもさらに二兆円減額することを基本方針とし、前年度予算で第一歩を踏み出した財政再建をさらに一段と進めて、本格的な軌道に乗せるものとして編成いたしました。 一般会計予算におきましては、経費の徹底した節減合理化に努め、特に国債費及び地方交付税交付金以外の一般歳出を極力圧縮することにより、全体としての規模を厳しく抑制し、一般会計予算の前年度当初予算に対する伸び率を一けたにとどめました。 このため、各省庁の経常事務費を初めとする一般行政経費を極力抑制するとともに、政策的経費についても既存の制度、慣行にとらわれず根底から見直しを図りました。また、各種施策の優先順位を厳しく検討した上、限られた財源の重点的、効率的配分を行い、歳出内容の質的充実に努めたところであります。補助金等については、昭和五十四年末に決定された整理合理化計画に基づく整理目標の達成に努めるとともに、積極的に減額、統合、終期の設定等を推進いたしました。 さらに、国家公務員の定員については、計画的な削減を着実に実施するとともに、増員を極力抑制し、国家公務員数の縮減を図ったところであります。 これらの措置に加え、行政の整理簡素化を積極的に進め、その減量化を図る見地から事務、事業の整理、委譲を行うほか、昭和五十五年行政改革を引き続き着実に実施することといたしました。 また、歳入面におきましても、特殊法人からの国庫納付等を実施して税外収入の増収を図るとともに、現行税制の基本的枠組みの中で相当規模の増収措置を講ずることとし、法人税を初めとする五税目について税率の引き上げ等を行うこととしております。 これらの結果、一般会計予算の規模は、前年度当初予算に比べ九・九%増の四十六兆七千八百八十一億円となっております。また、このうち一般歳出の規模は、前年度当初予算に対し四・三%増の三十二兆五百四億円であります。一般会計予算の伸び率が一けたにとどまったのは昭和三十四年度以来二十二年ぶりであり、一般歳出の伸び率が五%以下にとどまったのは昭和三十一年度以来実に二十五年ぶりのことであります。 財政投融資計画におきましても、規模の抑制を図るとともに、政策的な必要に即した重点的、効率的な資金配分を行うこととし、前年度当初計画に対し七・二%増の十九兆四千八百九十七億円といたしました。 次に、公債につきましては、さきに申し述べましたように、その発行予定額を前年度当初予算より二兆円減額することとし、十二兆二千七百億円といたしました。この結果、公債依存度は二六・二%となり、前年度当初予算の三三・五%より七・三ポイント低下しております。この二兆円の減額は、そのすべてを特例公債の減額によっておりますので、特例公債の発行予定額は五兆四千八百五十億円となり、建設公債の発行予定額は前年度当初予定額と同額の六兆七千八百五十億円となっております。 特例公債の発行等につきましては、別途、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を提出し、御審議をお願いすることとしております。 また、公債の円滑な消化に配意して、資金運用部資金による引き受けを前年度当初予定より一兆円増の三兆五千億円とし、国債引受団による引受予定額を前年度当初予定よりも二兆七千六百億円圧縮して七兆百億円にとどめております。 なお、政府保証債の発行額は、一兆六千億円といたしました。 次に、昭和五十六年度予算の概要について、まず、一般会計を中心に申し述べます。 歳入予算の内訳は、租税及び印紙収入三十二兆二千八百四十億円、税外収入二兆二千二百七十三億円、公債金収入十二兆二千七百億円並びに前年度剰余金受け入れ六十八億円となっております。 歳入予算のうち租税及び印紙収入について申し述べます。 昭和五十六年度の税制改正におきましては、現行税制の基本的枠組みの中で相当規模の増収措置を講ずることとし、法人税率の一律二%引き上げを初めとして、酒税、物品税、印紙税及び有価証券取引税の各税について、税率の引き上げ、課税対象の拡大等を行うこととしております。 所得税については、その負担水準の現状や財政の実情に顧み、一般的に負担を軽減することは見合わさざるを得なかったところでありますが、最近における社会情勢の変化に対応して、財源面の制約をも考慮しつつ、家計を助ける主婦などに対する配慮として控除対象配偶者の適用要件を改正する等の税負担の調整を図ることとしました。 また、租税特別措置については、期限の到来するものを中心に洗い直しを図り、交際費課税を強化するとともに、エネルギー対策の促進に資するため所要の税制上の措置を講ずることとしております。 なお、関税率等につきましても所要の改正を行うこととしております。 これらの税制改正による昭和五十六年度の増収額は、一兆三千八百三十億円と見込んでおります。 次に、歳出の主な経費につきまして、順次御説明いたします。 社会保障関係費につきましては、前年度当初予算に対し七・六%増の八兆八千三百六十九億円となっております。その内容につきましては、今後の高齢化の進展等に備え、一律総花主義を排し、社会的公正の確保を旨として、給付の重点化、適正化を図るとともに、負担の公平化を着実に進め、社会保障施策を重点的に推進していくという基本的考え方に沿ったものとしております。 このため、老齢福祉年金及び児童手当については、比較的裕福な世帯の方にはできる限り自助の考え方に立って対処していただくこととして所得制限の適正化を図る一方、障害福祉年金等については、所得制限を緩和することとしております。また、社会的経済的に弱い立場にある心身障害者、老人、母子世帯、低所得者世帯等については、重点的に給付の改善を図るなど、社会福祉諸施策を着実に推進していくこととしております。 医療費については、人口の老齢化、医療の高度化等に伴い、今後とも必然的に増加し、それにつれて国民の負担も増加することが予想されるだけに、いやしくも乱診乱療、不当不正請求にわたることのないようその効率化、適正化を図ることが重要であります。このため、医療機関に対する指導、監査の強化を初め、社会保険診療報酬請求書の審査の改善充実、高額医療機器の適正配置と共同利用の促進、医療費通知の充実等各般の施策を推進することとしております。一方、医療供給の面では、僻地、救急医療の整備を初め、難病対策の拡充、がん研究体制の整備等、一層の充実を図っております。 さらに、雇用対策につきましても、高年齢者、心身障害者等の雇用安定のための諸施策に意を用いているところであります。 文教及び科学振興費につきましては、前年度当初予算に対し四一八%増の四兆七千四百二十億円となっております。その内容につきましては、公立文教施設の事業量の見直しを図りつつ、小中学校校舎等の改築や高校新増設建物に対する国庫補助制度の継続等に十分配意するほか、私立学校に対する助成、新大学の創設等各般の教育施策について着実な進展を図ることとしております。 また、科学技術の振興につきましては、資源に乏しいわが国が今後一層の発展を遂げるためにはその着実な充実を図る必要があるとの長期的展望に立ち、時代の要請に応じたプロジェクトの推進、基礎研究の充実等に重点的に配慮しております。 国債費につきましては、国債の償還及び利子の支払い等に要する財源として、前年度当初予算に対し二五・三%増の六兆六千五百四十二億円を計上いたしております。 恩給関係費につきましては、恩給年額の改定、公務扶助料の引き上げ等の改善措置を講ずることとし、前年度当初予算に対し九・九%増の一兆八千三十億円を計上いたしております。 昭和五十六年度の地方財政におきましては、一兆三百億円の財源不足が見込まれます。これに対しては、一般会計からの臨時地方特例交付金、資金運用部資金からの借り入れ及び建設地方債の増発等により所要の財源を確保し、その運営に支障が生ずることのないよう配慮しております。 地方交付税交付金については、国税三税の三二%相当額に臨時地方特例交付金及び資金運用部資金からの借入金を加えるとともに、前年度における地方交付税交付金の未交付額を加算すること等により、総額八兆七千百六十六億円を地方団体へ交付することとしております。 また、地方債につきましては、政府資金及び公営企業金融公庫資金を四兆三千六百三十億円に増額するとともに、一般市町村に係るいわゆる財源対策債については、原則として全額を政府資金で充当するなど、きめ細かい配慮をいたしております。 なお、この際、私は、地方公共団体に対しましても、財政再建に向けて、国と同一の姿勢により、歳出の節減合理化を推進し、財源の重点的かつ効率的配分を行うよう強く要請するものであります。また、これに関連し、定員及び給与についての適切な管理を行うようお願いしたいと考えます。 防衛関係費につきましては、「防衛計画の大綱」に基づき、国際情勢にも配慮し、経済財政事情等を勘案しつつ、質の高い防衛力の着実な整備に努めることとし、特に装備の更新近代化を図るとともに、基地周辺対策を推進することとしており、前年度当初予算に対し七・六%増の二兆四千億円を計上いたしております。 公共事業関係費につきましては、厳しい財政事情にかんがみ引き続き抑制を図ることとし、国民生活充実の基盤となる社会資本の整備に配意しつつその総額において前年度と同額にとどめることといたしました。 経済協力費につきましては、国際社会の一員としての責任を果たしていくため、二国間無償援助及び技術協力予算を中心に大幅な増額を図るとともに、国際機関に対する分担金等についても応分の協力を行うこととし、前年度当初予算に対し一一・二%増の四千二百五十四億円を計上いたしております。 中小企業対策費につきましては、中小企業の経営力の一層の強化、地域中小企業振興施策等の充実に努めるとともに、中小企業金融を円滑にするため、政府系中小金融三機関に対する出融資の拡充及び信用補完制度の拡大を図ることとし、前年度当初予算に対し二・六%増の二千四百九十七億円を計上いたしております。 エネルギー対策につきましては、厳しい国際石油情勢等のもとで、国民生活の安定と経済の着実な発展を確保する観点から特段の配慮を行い、石油の安定的供給の確保、石油代替エネルギーの開発利用、地元福祉に配意した電源立地の円滑化及び省エネルギー対策等の諸施策を積極的に推進することとし、前年度当初予算に対し一七・三%増の四千九百七十五億円を計上いたしております。 農林水産関係予算におきましては、総合的な食糧自給力の向上と農林水産業の健全な発展を図ることを基本として、食糧管理費については、米の需給均衡を図るため水田利用再編対策の大幅な見直しを行う一方、米麦の政府売り渡し価格の改定等の措置を講じ、財政負担の軽減を図ることとしました。また、引き続き地域農業生産の再編成、沿岸漁業の振興、林業活動の促進等に必要な経費を計上いたしております。 日本国有鉄道の財政再建問題につきましては、昨年、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法が制定されましたので、昭和五十六年度においては一方一千人に及ぶ定員削減等の思い切った経営合理化を推進することとし、さらに運賃等の改定を見込み、これらとあわせて必要な助成措置を講じております。 以上、主として一般会計について申し述べましたが、特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、一般会計に準じ、財源の重点的、効率的配分に努め、事業の適切な運営を図ることといたしております。 財政投融資計画につきましては、限られた原資事情に顧み、財政投融資対象機関の事業内容、融資対象等を見直すことによって、規模の抑制を図るとともに、資金配分に当たっては、エネルギー関係事業について、その重要性にかんがみ、引き続き配慮するとともに、住宅、中小企業、道路等の国民生活の向上とその基盤整備に資する分野に重点的に配意することとしております。 この財政投融資計画及びさきに申し述べました資金運用部資金による国債引き受けの原資に充てるため、産業投資特別会計百八十九億円、資金運用部資金十九兆四千八百二億円及び簡保資金一兆八千九百億円を計上するほか、政府保証債及び政府保証借入金一兆六千六億円を予定しております。 次に、昭和五十五年度補正予算について申し述べます。 歳出につきましては、農業保険費、災害復旧等事業費等、当初予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった事項等について措置を講ずることといたしました。 これらの措置に必要な歳出の追加額は一兆二千八十四億円でありますが、他方、既定経費の節減等により一千百五十九億円の修正減少を行うこととしましたので、この補正による歳出総額の追加は一兆九百二十五億円となります。 歳入につきましては、最近までの収入実績等を勘案し、租税及び印紙収入について七千三百四十億円、専売納付金等税外収入について三百二十億円、それぞれ増収を見込むとともに、前年度剰余金受け入れ三千二百六十五億円を計上しております。 以上によりまして、昭和五十五年度一般会計補正後予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に対し一兆九百二十五億円増加して四十三兆六千八百十四億円となります。また、その公債依存度は三二・七%であります。 次に、特別会計予算におきましては、以上の一般会計予算補正等に関連して、厚生保険特別会計、農業共済再保険特別会計等の十三特別会計について所要の補正を行うことといたしております。 また、政府関係機関予算におきましては、日本専売公社、日本国有鉄道、住宅金融公庫及び環境衛生金融公庫について所要の補正を行うことといたしております。 以上、昭和五十六年度予算及び昭和五十五年度補正予算につきまして、その内容を御説明いたしましたが、なお詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明いたさせます。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○小山委員長 これにて大蔵大臣の説明は終わりました。 大蔵大臣以外の大臣は御退席いただいて結構でございます。 引き続き、順次政府の補足説明を許します。松下主計局長。
○松下政府委員 昭和五十六年度予算及び昭和五十五年度補正予算の内容につきましては、ただいま大蔵大臣から御説明いたしたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして補足説明いたします。 初めに、昭和五十六年度予算につきまして申し述べます。 まず、財政の規模につきまして御説明いたします。 昭和五十六年度一般会計予算の総額は四十六兆七千八百八十一億円であり、前年度当初予算額に対し、四兆千九百九十三億円、九・九%の増加となっております。また、このうち国債費及び地方交付税交付金以外の一般歳出の規模は三十二兆五百四億円であり、前年度当初予算額に対し、一兆三千百七十二億円、四・三%の増加となっております。 次に、歳入について御説明いたします。 まず、税外収入は二兆二千二百七十三億円でありますが、その内訳は、専売納付金七千六百二十二億円、官業益金及び官業収入百二十二億円、政府資産整理収入七百二十九億円並びに雑収入一兆三千七百九十九億円となっております。なお、雑収入には、日本電信電話公社臨時納付金千二百億円等が含まれております。 前年度剰余金受け入れ六十八億円は、昭和五十四年度の新規剰余金から昭和五十五年度補正予算に計上された額を差し引いた残額でありまして、道路整備費に充てられるものであります。 なお、大蔵省証券及び一時借入金の最高額につきましては、国庫の資金繰りを考慮し、予算総則において五兆四千億円と定めております。 次に、歳出について、社会保障関係から御説明いたします。 まず、福祉年金については、老齢福祉年金の支給月額を二万二千五百円から、扶養義務者の所得に応じ、六人世帯の扶養義務者の年収六百万円未満の場合については二万四千円に、同じく年収六百万円以上八百七十六万円未満の場合については二万三千円に引き上げるほか、障害福祉年金の支給月額の引き上げと本人所得制限の緩和を行う等の措置を講ずることとしております。また、厚生年金及び拠出制国民年金については、五十五年度消費者物価上昇率見込みを基準として年金額の引き上げを見込んでおります。 児童手当につきましては、所得制限基準額を六人世帯について年収四百九十七万円から四百五十万円に引き下げる一方、市町村民税所得割非課税層について、手当額を月額六千五百円から七千円に引き上げる等の措置を講ずることとしております。 次に、社会的、経済的に弱い立場にある方々に対する社会福祉諸施策を着実に推進していくこととし、生活扶助基準の八・七%引き上げ等生活保護の改善、社会福祉施設入所者の生活費の引き上げ、児童扶養手当及び特別児童扶養手当の手当額の引き上げ、重度障害者に対する福祉手当の所得制限の緩和及び手当額の引き上げ、母子福祉貸付金の増額、原爆被爆者に対する諸手当の手当額の引き上げ等の措置を講ずることとしております。 このほか、心身障害児者対策として、国際障害者年記念事業を実施するとともに、引き続き家庭奉仕員の増員、障害者社会参加促進事業、障害者福祉都市事業の拡充等を図り、また、老人対策として、寝たきり老人短期保護事業、在宅の虚弱老人に対するデーサービス事業を拡充する等の措置を講ずることとしております。 さらに、医療につきましては、その効率化、適正化を図るため、医療機関に対する指導、監査の強化を初めとする各般の施策を推進するとともに、健康保険について医療給付の改正、現金給付の改善、保険料率の引き上げ等の制度改正を実施することとし、これにより、政府管掌健康保険の累積赤字を逐次解消していくこととしているほか、僻地、救急医療等の整備に努め、また、難病対策等を一層拡充することといたしております。 さらに、雇用対策につきましても、高年齢者心身障害者等の雇用安定のための諸施策について特に配慮しているところであります。 文教及び科学技術の振興につきましては、まず、公立小中学校等の教職員定数につき、五十五年度に発足した第五次学級編制及び教職員定数改善計画の第二年次分として所要の改善措置を講ずることといたしております。 次に、公立文教施設につきましては、学校建物の新増設、改築等につき所要の事業量を確保するとともに、小中学校危険建物の要改築基準の緩和措置を五十六年度においても継続することとしております。また、公立社会教育施設、公立社会体育施設等についても、所要の事業量の確保に努めております。 私学助成につきましては、引き続き私立大学等経常費補助の増額を行うことといたしております。 さらに、科学技術振興費につきましては、科学技術会議の方針に沿って研究の総合的推進調整を実施するため科学技術振興調整費を創設するとともに、次世代産業の確立に不可欠な基盤技術について研究開発を行う次世代産業技術研究開発制度を創設をすることとするほか、宇宙開発の推進等に努めることとしております。 国債費六兆六千五百四十二億円の内訳は、国債及び借入金償還費一兆三百二十一億円、国債利子等五兆五千六百五十三億円及び国債事務取扱費五百六十八億円となっております。 公共事業関係費につきましては、国民生活に直接関連する事業等について、その推進に配意しつつ、総額として前年度と同額の六兆六千五百五十四億円を計上することといたしました。 なお、内訳は、治山治水対策事業費一兆千六十七億円、道路整備事業費一兆九千十三億円、港湾漁港空港整備事業費五千二百三十四億円、住宅対策費七千六百十二億円、下水道環境衛生等施設整備費九千八百五十八億円、農業基盤整備費八千九百九十七億円、林道工業用水等事業費千八百六億円、調整費等百十八億円及び災害復旧等事業費二千八百四十八億円となっております。 経済協力費につきましては、わが国を取り巻く国際諸情勢をも勘案し、一一・二%増という大幅な拡充を図ることとしております。このうち主なものは、二国間無償援助千二百八十四億円、二国間技術協力七百九十八億円、国際機関分担金、拠出金等七百六十一億円、海外経済協力基金出資金千三百三十億円であります。 中小企業対策費につきましては、前年度当初予算額に対し二・六%増の二千四百九十七億円を計上いたしております。 このうち主なものは、中小企業事業団出資金七百三十億円、中小企業信用保険公庫出資金六百二十五億円、小規模事業対策費三百四十二億円、小企業等経営改善資金の原資に充てるための国民金融公庫に対する貸付金二百三十五億円であります。 エネルギー対策費につきましては、最近の厳しい国際石油情勢等にかんがみ、エネルギーの安定的供給を確保し、経済の安定的成長、国民生活の向上を図る観点から、厳しい財政事情下においても特にその充実を図っております。 このうち主なものとしては、一般会計から石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計への繰り入れ三千百八十億円を計上し、石油の探鉱等の推進、備蓄の拡充等の石油対策を充実するとともに、石油代替エネルギーの開発導入を推進することとしているほか、核融合研究開発として三百五十五億円、海外ウラン探鉱開発として五十七億円を計上いたしております。 このほか、電源開発促進対策特別会計において、電源立地特別交付金制度の創設等電源立地の円滑化のための施策を拡充することといたしております。 農林水産関係予算につきましては、食糧管理費について、食糧管理特別会計調整勘定へ五千六百七十億円繰り入れるほか、米需給の均衡を回復し、需要の動向に適切に対応し得る農業生産構造の確立を図る観点から、新たに水田利用再編第二期対策を発足させることとし、三千四百二十九億円を計上いたしております。また、沿岸漁業の振興、林業活動の促進等のための所要の経費を計上いたしております。 日本国有鉄道の財政再建対策につきましては、五十四年末に決定された基本方針に基づき、実増収率七・九%の運賃引き上げを図るとともに、定員一万一千人の削減等の経営改善措置を行うこととしております。これらの措置を前提として、助成面におきましては、地方交通線対策等に重点を置いてその拡充を図ることとしており、国鉄関係助成費として七千三百四十一億円を計上いたしております。 次に、昭和五十五年度補正予算につきまして御説明いたします。 まず、一般会計予算の歳出の補正について御説明いたします。 農業保険費につきましては、低温等による水稲、温州ミカン等の被害の異常な発生に伴い、農業共済再保険特別会計の農業勘定及び果樹勘定の再保険金支払い財源に不足を来すことが見込まれるので、一般会計から同特別会計の農業勘定及び果樹勘定へ再保険金支払い財源不足金を繰り入れるために必要な経費千四百四十億円及び共済金を早期に支払うため、農業共済基金が農業共済組合連合会に対し貸し付ける農業共済保険金支払い資金に係る利子交付金四十億円を追加計上しております。 昭和五十五年発生災害の復旧につきましては、その早期復旧を図るため、初年度の復旧進度を高めることとし、八百七十一億円を追加計上し、遺憾なきを期しております。 給与改善費千二百十三億円の内訳は、一般会計職員分四百六十二億円、他会計繰り入れ分二百三億円、義務教育費国庫負担金等分四百九億円及び補助職員分百三十九億円であります。 義務的経費の追加四百四十二億円のうち主なものは、国民健康保険助成費百二十七億円、義務教育費国庫負担金百二十三億円、老人医療費補助金百四億円であります。 国債整理基金特別会計へ繰り入れ二千百五億円は、財政法第六条に基づく昭和五十四年度の剰余金に相当する額等を繰り入れるものであります。 道路整備特別会計へ繰り入れ五百六億円は、揮発油税財源の同特別会計へ繰り入れの減少の補てん四百二十億円及び道路債券等の金利上昇等に伴う日本道路公団補給金等八十六億円を同特別会計へ繰り入れるためのものであります。 地方交付税交付金の追加額四千六十九億円は、今回の補正予算において所得税及び法人税の増収並びに酒税の減収を歳入に計上したことに伴う地方交付税交付金の追加額並びに昭和五十四年度の地方交付税に相当する金額のうち未繰入額を、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。 交付税及び譲与税配付金特別会計借入金等利子財源繰り入れについては、金利の引き上げ等に伴い、三百四十二億円を追加計上いたしております。 その他の経費の追加千五十四億円の主な内訳は、住宅対策費四百八十八億円、国際分担金及び拠出金三十三億円、野菜価格安定対策費三十億円であります。 揮発油税財源の道路整備特別会計へ繰り入れにつきましては、揮発油税収入の減少に伴い、四百二十億円の修正減少をすることとしております。 既定経費の節減七百三十九億円は、既定経費の節約及び不用額の減額を行うものであります。 次に、歳入の補正について御説明いたします。 租税及び印紙収入につきましては、最近までの収入実績等を勘案し、七千三百四十億円の増収を見込んでおります。 その他収入の増収三百二十億円は、専売納付金の増収二百四十四億円等であります。 公債金につきましては、建設公債に係る公債金収入を千七百億円追加し、特例公債に係る公債金収入を千七百億円修正減少することとしておりますが、総額につきましては当初予算額と同額であります。 前年度剰余金受け入れ三千二百六十五億円は、昭和五十四年度の新規剰余金のうち、同年度における地方交付税に相当する金額の交付税及び譲与税配付金特別会計への未繰入額に相当する額と財政法第六条の純剰余金との合算額を計上したものであります。 特別会計予算におきましては、以上申し述べました一般会計予算補正等に関連して、厚生保険特別会計、農業共済再保険特別会計等の十三特別会計について所要の補正を行うことといたしております。 政府関係機関予算におきましては、日本専売公社、日本国有鉄道、住宅金融公庫及び環境衛生金融公庫につきまして所要の補正を行うことといたしております。 なお、お手元に配付しております「財政の中期展望」について、この際付言させていただきます。 いわゆる財政計画の策定検討作業については、かねてから各省庁の協力のもとに作業の進捗を図ってまいりました。各方面からの強い御要請もあり、今回、試作品ではありますが、「財政の中期展望(昭和五十五年度−昭和五十九年度)」と題して、五十六年度予算をもとにした試案を取りまとめました。 この試案は、五十六年度予算における制度、施策を前提とし、その運営方針に変更がない等一定の仮定のもとに、これを将来に投影する後年度負担額推計を基本とするものであります。これは今後の財政運営のあり方について検討を進めていく上での一つの手がかりになるものと考えておりますので、参考資料として配付しました。よろしくお目通しのほどお願いいたします。
○小山委員長 次に、高橋主税局長。
○高橋(元)政府委員 昭和五十六年度予算及び昭和五十五年度補正予算のうち、租税及び印紙収入につきまして御説明いたします。 初めに、昭和五十六年度予算のうち、租税及び印紙収入につきまして御説明いたします。 昭和五十六年度の一般会計歳入予算のうち、租税及び印紙収入の額は三十二兆二千八百四十億円でありまして、昭和五十五年度の当初予算額二十六兆四千百十億円に対し五兆八千七百三十億円の増加となっております。 この租税及び印紙収入予算額は、現行法による収入見込み額三十兆九千十億円に、昭和五十六年度の税制改正による増収見込み額一兆三千八百三十億円を加算したものであります。 なお、この一般会計租税及び印紙収入予算額に、交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入となります諸税四千四百八十五億円、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計の歳入となります原重油関税千五百八十六億円及び電源開発促進対策特別会計の歳入となります電源開発促進税千四百二十九億円を加えました昭和五十六年度における国の租税及び印紙収入予算の総額は、三十三兆三百四十億円となっております。 以上が昭和五十六年度の租税及び印紙収入予算の規模でございますが、次に、その内容につきまして御説明申し上げます。 まず、昭和五十六年度の収入見込み額の基礎となっております現行法による収入見込み額三十兆九千十億円の見積もりについて御説明いたします。この額は、政府の昭和五十六年度経済見通しによる経済指標を基礎とし、最近までの課税実績、収入状況等を勘案して見積もったものであります。 所得税につきましては、雇用者所得の伸び及び過去の預金金利引き上げの影響等により、昭和五十五年度当初予算額に対して二兆七千六百九十億円の増収が見込まれます。また、法人税につきましては、生産、物価等の動向に見合って昭和五十五年度当初予算額に対して一兆二千二百四十億円の増収が見込まれ、その他の税目につきましても昭和五十五年度当初予算額に対して四千九百七十億円の増収が見込まれます。 以上を合計いたしまして、現行法のもとで、昭和五十五年度当初予算額に対し四兆四千九百億円の増収を見込んでいる次第であります。 次に、昭和五十六年度の税制改正の大要とそれによります増減収見込み額につきまして御説明いたします。 第一は、所得税の配偶者控除の要件の緩和等であります。 所得税につきましては、配偶者控除等の適用対象となる者の所得要件について、給与所得等に係る所得限度額を現行の二十万円から二十九万円に引き上げること等といたしており、これらの改正による減収額を初年度百六十億円、平年度百三十億円と見込んでおります。 第二は、法人税の税率の引き上げ等であります。 法人税の税率につきまして一律に二%引き上げるとともに、中小法人の軽減税率の適用所得限度を現行の年七百万円から年八百万円に引き上げることといたしております。これによる増収額は、初年度六千百十億円、平年度五千七百七十億円と見込んでおります。なお、法人税につきましては、このほか金融保険業の貸し倒れ引当金の法定繰り入れ率の引き下げ、交際費課税の強化、租税特別措置の整理合理化等を行うことといたしており、これらの改正による増収額を初年度百三十億円、平年度六百三十億円と見込んでおります。 第三は、酒税の税率の引き上げであります。 酒税の従量税率につきまして、清酒の特級、ビール、ウイスキー類等は二四・二%、清酒の一級は一四・五%、清酒の二級等は九・六%引き上げること等といたしております。これによる増収額は、初年度二千八百三十億円、平年度三千百四十億円と見込んでおります。 第四は、物品税の課税対象の拡大、税率の引き上げ等であります。 物品税につきましては、その課税対象の拡大を図るほか、乗用自動車等の税率の引き上げを行うことといたしております。他面、一部の物品の免税点の引き上げを行うことといたしており、これらの改正による増収額を初年度七百七十億円、平年度千二百三十億円と見込んでおります。 第五は、印紙税の税率の引き上げであります。 印紙税につきましては、定額税率及び階級定額税率を二倍に引き上げるとともに、階級定額税率の最高価格帯の見直しを行うことといたしており、これによる増収額を初年度三千六百九十億円、平年度四千二百十億円と見込んでおります。 第六は、有価証券取引税の税率の引き上げであります。 有価証券取引税につきまして、地方債証券、社債券等に係る税率を五〇%、一般の譲渡の場合の株券、株式投資信託の受益証券等に係る税率を二二%程度引き上げることといたしており、これによる増収額を初年度、平年度ともに五百九十億円と見込んでおります。 以上を合計いたしまして、昭和五十六年度税制改正による内国税関係の初年度増収額を一兆三千九百六十億円と見込み、これから関税率の改定等による減収見込み額百三十億円を差し引きました一兆三千八百三十億円を税制改正による増収見込み額といたしております。 以上述べました昭和五十六年度の租税及び印紙収入予算額を基礎として国民所得に対する租税負担率を推計してみますと、国税におきましては、一五・九%になるものと見込まれます。また、国税、地方税を合わせた負担率は、地方税の収入見込み額が確定しておりませんので一応の推算でございますが、二四・二%程度になるものと思われます。 次に、昭和五十五年度補正予算のうち、租税及び印紙収入につきまして御説明いたします。 今回の補正予算におきましては、一般会計歳入予算のうち、租税及び印紙収入につきまして増収見込み額を七千三百四十億円といたしておりますが、これは、最近までの収入実績等を勘案して、所得税、法人税等を中心に九千七百九十億円の増収を見込むとともに、物品税、関税等について二千四百五十億円の減収を見込んで計上したものであります。 なお、このほかに、交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入となります諸税につきまして七十六億円の減収見込み額を計上いたしております。 以上をもちまして、租税及び印紙収入につきましての補足説明を終わらせていただきます。
○小山委員長 次に、渡辺理財局長。
○渡辺(喜)政府委員 昭和五十六年度の財政投融資計画及び財政資金対民間収支見込み並びに昭和五十五年度の財政投融資計画の追加について、補足説明を申し上げます。 昭和五十六年度の財政投融資計画の策定に当たりましては、限られた原資事情の中で、財政投融資対象機関の事業内容、融資対象等を見直すことによって規模の抑制を図るとともに、政策的な必要に即した重点的、効率的な資金配分を行うこととしており、総額十九兆四千八百九十七億円の規模としております。これを前年度当初計画と比較いたしますと、一兆三千九十八億円の増加であり、その増加率は七・二%であります。 資金配分につきましては、エネルギー関係事業について、その重要性にかんがみ、引き続き配慮するとともに、住宅、中小企業、道路等の国民生活の向上とその基盤整備に資する分野に配慮することといたしております。 なお、五十六年度における地方財政の状況にかんがみ、地方債に充てる政府資金及び公営企業金融公庫資金の確保につき特段の配慮を払うことといたしております。 まず、運用について御説明申し上げます。 各機関に対する運用につきましては、財政投融資資金計画に掲げてございますが、ここでは概略を御説明申し上げます。 住宅関係につきましては、現下の住宅事情にかんがみ、住宅金融公庫において、引き続き無抽せん制をとることとし、所要の貸付戸数を確保するとともに、貸付制度の充実を図ることといたしております。 また、中小企業対策につきましては、中小企業金融の円滑化を図るため、政府系中小企業金融三一機関等の貸出額の拡充等に配慮しております。 農林漁業関係につきましても、引き続き経営構造の改善、生産基盤の整備等を推進することといたしております。 次に、道路及び運輸通信関係につきましては、日本道路公団等について計画的な道路整備の推進に必要な事業規模とするとともに、日本国有鉄道について所要の工事経費を確保することといたしております。 さらに、エネルギー関係につきましては、わが国が直面しているエネルギー問題の現状にかんがみ、引き続き重点的に配慮することとし、日本開発銀行等のエネルギー関連融資枠の拡大、石油公団等の事業の推進を図ることといたしております。 また、海外経済協力についてもその拡充を図るため、必要資金の確保に配慮いたしております。 次に、原資について御説明申し上げます。 資金運用部資金につきましては、前年度当初計画額に対し二兆九百八億円増の十九兆四千八百二億円を計上いたしております。 その内訳は、郵便貯金八兆九千億円、厚生年金及び国民年金三兆九千億円、既往の運用の回収金等六兆六千八百二億円であります。 簡保資金につきましては、前年度当初計画額に対し千九百八十億円増の一兆八千九百億円を計上しております。 また、政府保証債、政府保証借入金につきましては、前年度当初計画額に対し百九十億円増の一兆六千六億円を予定いたしております。 産業投資特別会計につきましては、前年度当初計画額に対し二十億円増の百八十九億円を計上いたしております。 これらの資金を合計いたしますと、二十二兆九千八百九十七億円となりますが、このうち十九兆四千八百九十七億円を昭和五十六年度財政投融資計画の原資に、また、三兆五千億円を一般会計において新たに発行される国債の引き受けに充てることとしております。国債引き受けに充てる三兆五千億円は全額資金運用部資金であります。 以上のほか、地方財政の円滑な運営に資するため、特例措置として資金運用部資金による交付税及び譲与税配付金特別会計に対する貸し付け千三百二十億円を予定しております。 次に、財政資金対民間収支見込みについて、御説明申し上げます。 昭和五十六年度の財政資金対民間収支見込みは、提案されております予算を前提として推計いたしますと一兆三千四百四十億円の散布超過と見込まれます。 すなわち、一般会計におきましては、前年度剰余金を使用することにより七十億円の散布超過、食糧管理特別会計におきましては、食糧証券の発行残高の増加等により二千九百三十億円の散布超過、資金運用部におきましては、持ち越し資金の使用により六千億円の散布超過、外国為替資金におきましては、昭和五十六年度の国際収支の動向等から見て一兆三千九百六十億円の散布超過がそれぞれ見込まれます。 そのほか、特別会計等の収支で九千五百二十億円の引き揚げ超過が見込まれますので、これらの要因を合わせまして、財政資金対民間収支全体といたしましては一兆三千四百四十億円の散布超過と見込まれます。 昭和五十五年度財政投融資計画につきましては、今回の予算補正において、昭和五十五年度特別会計予算総則第十七条第一項に掲げる資金運用部資金の長期運用予定額を補正し、日本国有鉄道に対し千百六十億円の追加、住宅金融公庫に対し五百九十六億円の減額、環境衛生金融公庫に対し百六十億円の減額を行うこととしております。この結果、昭和五十五年度財政投融資計画の追加総額は四百四億円となり、これを当初計画額十八兆千七百九十九億円に加えた追加後の計画額は十八兆二千二百三億円となります。 以上のほか、一般会計において新たに発行される昭和五十五年度の国債に対する運用を一兆二千億円追加し、追加後引受予定額は三兆七千億円としております。 今回の予算補正に伴って必要となる原資一兆二千四百四億円につきましては、全額資金運用部資金を予定しております。 以上をもちまして、昭和五十六年度財政投融資計画及び財政資金対民間収支見込み並びに昭和五十五年度の財政投融資計画の追加についての補足説明を終わります。
○小山委員長 次に、井川経済企画庁調整局長。
○井川政府委員 予算の参考として、お手元にお配りしてあります昭和五十六年度の経済見通しと経済運営の基本的態度について、その概略を御説明いたします。 まず、昭和五十五年度経済について申し上げます。 昭和五十五年度は、わが国経済にとって、第二次石油危機がもたらす影響から脱却を図る年でありました。経済運営に当たっては、年度当初から物価の安定を最重点課題としてまいりましたが、年度半ば以降、物価の落ちつき傾向と国内需要の拡大テンポの鈍化傾向とを踏まえ、物価の安定と景気の維持を図ることとし、昨年九月、八項目に上る経済対策を決定しました。 今後、この八項目の経済対策が着実に実施されることにより、物価の安定化傾向が進展し、経済活動が活発化する等次第に経済情勢が好転することが期待されます。 この結果、昭和五十五年度の実質経済成長率は、当初見通しどおり四・八%程度になるものと見込まれます。また、物価は、安定化の傾向を強めつつありますが、年度平均では、予想を上回る原油価格の上昇等により、消費者物価は七%程度の上昇となる見込みであります。 次に、昭和五十六年度の経済運営の基本的態度について申し上げます。 昭和五十六年度のわが国経済をめぐる内外環境は、第二次石油危機の影響が次第に吸収され、また、多くの先進国で年後半から景気の立ち直りが予想される等総じて明るさが増すものと期待されます。 しかしながら、国際的な石油情勢はきわめて流動的であり、また国内的には、再建下にある財政に多くを期待できず、民間需要の息の長い成長を持続する必要があります。 こうした情勢のもとで、昭和五十六年度の経済運営の基本的態度としては、第一に、景気の着実な拡大と雇用の安定を図ること、第二に、物価の安定を図ること、第三に、わが国経済の安全保障を確保する見地から、エネルギー等の重要資源の安定供給の確保等を図ること、第四に、国際経済社会におけるわが国の地位にふさわしい責任と役割りを果たすこと、以上の四つであります。 政府は、このような経済運営態度のもとにおいて、昭和五十六年度は、わが国経済を中長期的な安定成長路線に定着せしめるべき年であると考えております。個人消費支出、民間設備投資等の国内民間需要の堅調な伸びを中心として実質経済成長率を五・三%程度と見込み、また物価については、落ちつきの傾向が定着化することによって、消費者物価は五・五%程度の上昇になるものと見込んでおります。特に物価につきましては、その安定が国民生活安定の基本要件であり、経済の持続的成長の基盤をなすものであることにかんがみまして、物価の安定に細心の注意を払ってまいる考えであります。 また雇用については、生産活動の活発化等を反映し、失業者数が減少する等改善傾向が持続するものと見込まれます。 国際収支については、経常収支の赤字は依然続くものと予想されますが、赤字幅は前年度に比して漸進的な改善を示し、一・三兆円程度と見込まれます。 なお、以上申し上げました見通しの諸数値につきましては、わが国経済は民間経済がその主体をなすものであること、また、ことに国際環境の変化には予見しがたい要素が多いことにかんがみまして、ある程度の幅をもって考えられるべきであります。 以上、昭和五十六年度の経済見通しと経済運営の基本的態度につきまして御説明申し上げた次第であります。
○小山委員長 以上をもちまして補足説明は終わりました。 —————————————
○小山委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 ただいま説明を聴取いたしました各件審査中、日本銀行並びに公団、事業団等いわゆる特殊法人から参考人の出席を求める必要が生じました場合、その人選等諸般の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○小山委員長 次に、公聴会の件についてお諮りいたします。 昭和五十六年度総予算について、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、公聴会は、来る二月十二日、十三日の両日開会することとし、公述人の選定その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次回は、来る二月二日午前十時より開会し、総括質疑を行います。本日は、これにて散会いたします。 午後七時八分散会