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94回国会衆議院1981/04/23

本会議 第21号

発言数
51
登壇者
19
会派数
5
開催日
1981/04/23

会議録

福田一無所属議長

○議長(福田一君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 各種手数料等の改定に関する法律   案(内閣提出)

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 日程第一、各種手数料等の改定に関する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事大原一三君。     —————————————  各種手数料等の改定に関する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔大原一三君登壇〕

大原一三自由民主党

○大原一三君 ただいま議題となりました各種手数料等の改定に関する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  最近における経済情勢の変化等に顧み、政府においては、今般、各種の行政事務に係る手数料等の金額につきまして、行政コスト、物価動向等を勘案して統一的な観点から全般的な見直しを行い、費用負担の適正化を図ることといたしております。  本案は、各種手数料等の改定に当たり、法律改正を必要とするものにつきまして、関係法律を一括して改正することとして提出されたものであります。  その内容は、不動産の鑑定評価に関する法律等三十四法律に規定されております各種手数料等の金額または金額の限度額につきまして、所要経費の額の増等を勘案して、おのおの所要の引き上げを行おうとするものであります。  なお、この法律案に基づく各種手数料等の改定は、本年五月一日から実施することを予定いたしております。また、この改定に伴う昭和五十六年度の国の歳入の増加額は約四十一億円と見込まれております。  以上がこの法律案の概要でありますが、本案につきましては、去る四月十七日渡辺大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、審査に入り、一昨二十一日質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対しましては、附帯決議が付されましたことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 地方交付税法等の一部を改正する   法律案(内閣提出)

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 日程第二、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。地方行政委員長左藤恵君。     —————————————  地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔左藤恵君登壇〕

左藤恵自由民主党

○左藤恵君 ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、地方財政の現況にかんがみ、  第一に、昭和五十六年度分の地方交付税の総額について、昭和五十年度から同五十二年度までの各年度の借入金の償還方法を変更することによりその増加を図るほか、一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる臨時地方特例交付金千三百六億円及び同特別会計において新たに借り入れる千三百二十億円を加算しようとするものであります。  なお、借入金千三百二十億円については、昭和六十二年度から同七十一年度までの各年度に分割して償還することとし、そのうち、千百三十億円についてはその十分の十に相当する額、残余の百九十億円についてはその二分の一に相当する額を、償還が行われる各年度において、臨時地方特例交付金として当該各年度の地方交付税の総額に加算することとしております。  また、昭和五十六年度の普通交付税の算定については、公園、清掃施設等の公共施設の整備、教育水準の向上、社会福祉施策等の充実に要する経費の財源を措置するほか、財源対策債の縮減に伴い、必要となる投資的経費を基準財政需要額に算入するため、単位費用の改定等を行おうとするものであります。  第二に、風俗営業等取締法等十二法律に定める地方公共団体の手数料の額またはその上限について改正を行い、受益者負担の適正化を図り、あわせて財源の確保に資することとする等の措置を講じようとするものであります。  本案は、二月二十六日当委員会に付託され、四月二日安孫子自治大臣から提案理由の説明を聴取した後、五日間にわたって質疑を行い、特に十五日には参考人の意見を聴取するなど、本案を中心として地方財政全般にわたって熱心に審査を行いました。  去る二十一日質疑を終了し、次いで、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提出の修正案並びに日本共産党提出の修正案について、それぞれ趣旨の説明を聴取いたしました。  次いで、討論を行い、採決の結果、両修正案はいずれも賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第三 農林水産省設置法の一部を改正す   る法律案(内閣提出)

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 日程第三、農林水産省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。内閣委員長江藤隆美君。     —————————————  農林水産省設置法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔江藤隆美君登壇〕

江藤隆美自由民主党

○江藤隆美君 ただいま議題となりました農林水産省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、農業に関する技術上の総合的な試験研究等の推進を図るため、農林水産省の本省の付属機関として農業研究センターを設置することとし、これに伴い農事試験場を廃止しようとするものであります。  本案は、三月三十一日本委員会に付託され、四月十六日提案理由の説明を聴取し、審査を行い、四月二十一日質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し、附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第四 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出)

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 日程第四、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。逓信委員長佐藤守良君。     —————————————  電波法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔佐藤守良君登壇〕

佐藤守良自由民主党

○佐藤守良君 ただいま議題となりました電波法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、最近における無線局の免許申請者及び無線従事者国家試験の受験者の増加に対応して、行政事務の簡素合理化と、申請者等の利便の増進を図り、あわせて、諸外国の動向にかんがみ、アマチュア無線局については、外国人にも免許を与えることができるようにするとともに、違法な無線局の増加に対処するため、罰則の規定を整備する等の改正を行おうとするものであります。  まず第一に、郵政大臣は郵政省令で定める無線設備について、技術基準適合証明を行うとするとともに、郵政大臣の指定する者、すなわち指定証明機関にも、これを行わせることができることとしております。  また、指定証明機関は公益法人であること等の指定の基準を定めるとともに、その役員の選任及び解任、業務規程並びに毎事業年度の事業計画及び収支予算については、郵政大臣の認可を受けなければならない等の指定証明機関の監督の規定を設けております。  第二に、郵政大臣は、技術基準適合証明を受けた無線設備のみを使用する無線局については、簡易な手続により免許を与えることができることとしております。  第三に、郵政大臣は、その指定する者、すなわち指定試験機関に、特殊無線技士、電信級アマチュア無線技士または電話級アマチュア無線技士の資格の無線従事者国家試験の実施に関する事務を行わせることができることとし、この指定試験機関の指定の基準、その役員の選任及び解任等についての郵政大臣の認可、その他の監督等については、指定証明機関に準じて定めることとしております。  第四に、アマチュア無線局については、相互主義により、日本国民に対して同種の無線局の開設を認める国の国民に対しても、免許を与えることができることとしております。第五に、現行電波法は、郵政大臣の免許がないのに、無線局を運用した場合は、処罰できるとしておりますが、これを、郵政大臣の免許がないのに、無線局を開設した場合にも処罰できることとしております。  なお、罰則に規定している罰金等の額を改定するほか、その他規定の整備を行うこととしております。  本案は、三月十八日当委員会に付託され、四月十六日山内郵政大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、昨二十二日討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第五 農業者年金基金法の一部を改正す   る法律案(内閣提出)

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 日程第五、農業者年金基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。農林水産委員長田邉國男君。     —————————————  農業者年金基金法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔田邉國男君登壇〕

田邉國男自由民主党

○田邉國男君 ただいま議題となりました農業者年金基金法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、農業者年金の給付額につき、最近における農業所得の推移と国民年金等の給付改善の内容を勘案し、昭和五十六年七月以降所要の引き上げを行うとともに、保険料の額を財政再計算に基づき、昭和五十七年一月以降年次ごとに段階的に引き上げる等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、四月十五日亀岡農林水産大臣から提案理由の説明を聴取した後、慎重審査を重ねた結果、四月二十二日質疑を終了し、続いて採決を行いましたところ、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、年金財政充実のための各種方策を検討すること等の附帯決議が付されました。  以上、御報告を申し上げます。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第六 商工組合中央金庫法の一部を改正   する法律案(内閣提出)  日程第七 商工会の組織等に関する法律の一   部を改正する法律案(内閣提出)

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 日程第六一商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案、日程第七、商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。商工委員長野中英二君。     —————————————  商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案及び同報告書  商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔野中英二君登壇〕

野中英二自由民主党

○野中英二君 ただいま議題となりました両案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。  御承知のとおり、商工組合中央金庫は、政府系中小企業金融三機関の中でも、中小企業者の組織金融機関として、中小企業金融の円滑化に大きな役割りを果たしております。  本案は、かような商工組合中央金庫につきまして、資金の確保を図る等の措置を講じようとするものでありまして、その主な内容は、  第一に、商工債券の発行限度を払い込み資本金及び準備金の額の二十倍から三十倍に引き上げること、  第二に、一所属団体の出資口数の限度を現在の五万口から所属団体の出資総口数の百分の一に引き上げること、  第三に、商工組合中央金庫の所属資格団体として、都市再開発法に基づく市街地再開発組合を追加すること 等であります。  次に、商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  最近、地方の重要性が再認識され、地域振興における中小企業の役割りに対する期待が高まっておりますが、商工会に対しても、地域の商工業の一層の振興を図るとともに、地域社会において重要な役割りを果たすことが期待されております。  本案は、かような実情にかんがみ、商工会の事業活動をより一層促進しようとするものでありまして、その主なる内容は、  第一に、商工会の目的に「社会一般の福祉の増進に資すること」を加えること、  第二に、商工会の事業範囲を拡大し、商工業に関する調査研究、商工業に関する施設の設置、運用及び社会一般の福祉の増進に資する事業を追加すること、  第三に、定款で定めた場合は、商工業者以外の者を商工会の会員とすることができること、  第四に、商工会及び商工会連合会の理事の定数を二十人以内から三十人以内に、全国連合会の理事の定数を十人以内から十五人以内に増員すること 等であります。  両案は、去る三月十六日当委員会に付託され、四月八日田中通商産業大臣からそれぞれ提案理由の説明を聴取し、以来、参考人を招致する等、慎重に審査を重ね、昨四月二十二日両案の質疑を終了し、それぞれ採決の結果、両案とも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  国務大臣の発言(農業基本法に基づく昭和五十五年度年次報告及び昭和五十六年度農業施策、林業基本法に基づく昭和五十五年度年次報告及び昭和五十六年度林業施策及び沿岸漁業等振興法に基づく昭和五十五年度年次報告及び昭和五十六年度沿岸漁業等の施策について)並びに食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び総合食糧管理法案(安井吉典君外八名提出)の趣旨説明

福田一無所属議長

○議長(福田一君) この際、農業基本法に基づく昭和五十五年度年次報告及び昭和五十六年度農業施策、林業基本法に基づく昭和五十五年度年次報告及び昭和五十六年度林業施策及び沿岸漁業等振興法に基づく昭和五十五年度年次報告及び昭和五十六年度沿岸漁業等の施策についての農林水産大臣の発言並びに内閣提出、食糧管理法の一部を改正する法律案及び安井吉典君外八名提出、総合食糧管理法案についての趣旨の説明を順次求めます。農林水産大臣亀岡高夫君。     〔国務大臣亀岡高夫君登壇〕

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 農業、林業及び漁業の各昭和五十五年度年次報告並びに昭和五十六年度において講じようとするそれぞれの施策につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一に、農業について申し上げます。  農業基本法制定以降のわが国農業の動向を見ますと、農業は、増大する食糧需要に対応して生産を伸長させ、生産性を高めつつ国民の基本食糧の大部分を供給するという役割りを果たすなど、国民経済の発展と国民生活の向上に寄与してまいりました。  しかし、農業生産は、畜産物、野菜、果実等が大きく増加しましたが、麦、大豆は減退し、米は供給過剰状態が続いております。また、農業の製造業に対する比較生産性は大幅な是正には至っておりません。他方、農家の生活水準については、農家の一人当たり家計費は、勤労者世帯のそれを上回っておりますが、これは、主として兼業所得の増加によるものであります。農業構造の面では、中小家畜、施設園芸等では経営規模の拡大が進みましたが、稲作等では農地価格の上昇などから経営規模の拡大が停滞的に推移してまいりました。  最近の農業をめぐる情勢を見ますと、穀物などの国際需給は、昨年の世界的な異常気象の影響等により逼迫に向かい、穀物の在庫率は近年になく低い水準にあり、また、長期的にも楽観できない状況にあります。  食糧消費につきましては、経済の安定成長下において、国民の実質所得の伸びの低下等に伴い食糧消費支出の伸びの鈍化が見られます。また、わが国の食生活は、米、魚、野菜を中心に畜産物等を組み合わせた日本型食生活が形成されつつあり、平均的に見た国民の栄養水準はバランスのとれたものとなっておりますが、脂肪分の多い食品が高いテンポで増加を続けるならば、栄養の偏りが問題となるおそれもあります。  農業生産につきましては、畜産、園芸等が順調に伸びておりますが、五十五年には記録的な冷害により米を中心に大きい被害が発生いたしました。  農産物の需給は、米の過剰が続き、牛乳、ミカン等多くの農産物も需給緩和傾向が続いており、農産物の生産者価格は低迷しております。  こうした中で、農家経済を見ますと、五十四年度の農業所得は前年度を下回りましたが、農外所得の伸びなどにより農家総所得は前年度を上回っております。また、五十五年には、冷害の影響により農業所得は前年をさらに下回って推移しておりますが、農業共済金の早期支払い、農外所得の増加等により農家総所得はなお増加しております。  水田利用再編対策は、五十四、五十五年度とも目標を上回って実施され、麦、大豆、飼料作物等の作付が大幅に増加しておりますが、今後とも転作等の一層の推進と定着化を図ることが必要となっております。  農業構造の面では、借地による農地流動化の兆しが見られ、基幹男子農業専従者のいる農家を中心に規模拡大など、経営の発展を図る動きが見られます。  このような農業の動向の中で、農政の当面する重要な課題は、  第一に、農業生産の再編成等を通じ、総合的な食糧自給力の維持強化を図ること、  第二に、農産物価格及び農業生産資材価格の安定を図るとともに、流通加工の合理化を進めること、  第三に、農地の流動化等農業構造の改善を一層推進するとともに、農村の計画的整備を図ることであります。  このような最近の農業の動向を踏まえ、五十六年度の施策としては、食糧の総合的な自給力の維持強化を図ることを基本として、地域の実態に即した構造政策の推進、需要の動向に即応した農業生産の振興、農業生産基盤の整備、住みよい農村の建設と農業者の福祉の向上、農産物の価格安定、流通加工の合理化と消費者対策の充実、農業技術の開発と普及事業の拡充、備蓄対策の推進、国際協力の推進等、各般の施策を進めることとしております。  第二に、林業について申し上げます。  まず、木材需要は、五十四年には増加したものの、五十五年には住宅建設の著しい不振から減少が見込まれております。一方、供給は、外材のシェアが七割近くを占め、その内容については製材品輸入の増加が目立っております。  次に、木材価格は、五十四年から五十五年にかけて大幅な上昇と下落を示しましたが、五十五年の価格の下落、取引量の縮小は木材流通加工部門に深刻な不況をもたらしております。  林業生産活動につきましては、五十四年には、丸太生産量は増加しましたが、造林は依然として減少を続けております。また、五十五年末から五十六年初めにかけて、東北、北陸地方を中心に大規模な雪害が発生し、その早期の復旧が課題になっております。  さらに、現在不況に見舞われている木材流通加工部門につきましては、木材需給両面のさまざまな変化に対応し、住宅部門との連携、間伐材の有効活用等により、合理化、近代化の方向を見出していくことが必要となっております。  このような状況のもとで、今後の重要課題は、  第一に、間伐の促進等、森林資源の整備と国土  保全対策の充実を図ること、  第二に、木材の需給及び価格の安定と国産材供給体制の整備を図ること、  第三に、活力ある山村の育成と林業の担い手対策の充実整備を図ること であります。  以上のような最近の林業の動向を踏まえ、五十六年度におきましては、林業生産の増進、林業構造の改善、林産物需給の安定及び流通加工の合理化、林業の担い手対策の強化、国有林野事業の経営改善等、各般の施策を推進することといたしております。  さらに、雪害につきましては、先般、いわゆる激甚災害法の一部改正をいただき、森林災害復旧事業が制度化されたところであり、その適切な運用により森林被害の早急な復旧を図る所存であります。  第三に、漁業について申し上げます。  最近におけるわが国漁業をめぐる情勢は、海洋新秩序の形成が進む中で、水産物需要の停滞、燃油価格の高騰など、きわめて厳しいものがあります。  水産物の生産量は、一千万トンの水準を維持しておりますものの、今後、その安定的供給を確保していくためには、わが国沿岸域での生産振興と、きめ細かい漁業外交が必要となっております。  水産物の需要は、経済の安定成長への移行の中で、食生活の変化などによりその伸びは鈍化し、今後は消費者の嗜好に合った水産物を安定した価格で供給していくことが重要となっております。  一方、漁業経営は、燃油高騰の影響の浸透により厳しい環境に直面しております。  このような状況のもとで、今後の重要課題は、  第一に、わが国周辺漁業の振興、きめ細かい漁業外交の展開等と流通加工の合理化を進めること、  第二に、漁業経営の合理化を図るとともに、生産構造の再編について取り組むこと、  第三に、豊かな漁村づくりと漁業従事者の福祉の向上を図ること であります。  以上のような最近の漁業の動向を踏まえ、昭和五十六年度におきましては、わが国周辺水域における漁業の振興、水産業経営対策の充実、漁業生産基盤の整備と豊かな漁村の建設、海洋水産資源の開発と海外漁場の確保、水産物の流通加工、価格、消費対策等の充実、漁業従事者の養成確保と福祉の向上、漁場環境保全対策等、各般の施策を進めることとしております。  以上をもちまして、農業、林業及び漁業の各年次報告並びに講じようとする施策の概要の説明を終わります。  続いて、食糧管理法の一部を改正する法律案の趣旨説明を申し上げます。  食糧管理法は、昭和十七年に制定されて以来、戦中戦後を通じ、そのときどきの食糧事情等の変化に対応しつつ、国民食糧の確保と国民経済の安定に重要な役割りを果たしてまいりました。このような基本的役割りは、中長期的には楽観を許さない食糧事情を考慮すれば、今後ともなお重要な意義を有するものと考えられます。  しかしながら、食糧管理法は、食糧の絶対的不足時を念頭に置いて制定されているため、厳格な配給制度に見られるように、消費者需要の多様化等、現下の種々の経済環境の変化に弾力的に対応しがたい側面を有するとともに、規制内容と経済実態の乖離が生じ、法律の条項が遵守されがたいという問題も生じております。  したがって、政府が、国民の必要とする米穀を自主流通米も含めて管理するという現行制度の基本は維持しつつ、需要動向や流通実態に即応し、過剰、不足いかなる需給事情の変動にも的確に対応し得るよう管理制度の内容を改正する必要があります。これにより、稲作農業の安定を図りつつ、国民の必要とする主食たる米穀を安定的に供給するという食糧管理制度の基本的役割りを、今後とも政府が責任を持って全うすることが可能になるものと考えております。  以上の理由により、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の主な内容につき、御説明申し上げます。  第一は、通常時における厳格な配給制度の廃止及び緊急時における配給の実施等のための規定の整備であります。  現行制度における消費者までの配給割り当て及びこれを基礎とした配給計画並びにこれらを担保するための購入券規制を内容とする厳格な配給統制につきましては、通常の需給事情のもとでは存続させる意義が認められず、また、国民一般にとって遵守しがたい規制となっておりますので、これを廃止することとしております。  しかしながら、需給が逼迫するなどにより米穀の安定供給に著しい障害が生ずるような事態においては、現行制度のような公平配分の考え方に基づく配給統制の仕組みを発動し得ることとし、このための所要の規定を設けることとしております。  第二は、需給調整その他の法目的遂行のための米穀の管理に関する基本計画の樹立及び消費者に対する米穀の供給計画の策定であります。  厳格な配給統制を廃止した状況のもとで国民に対する米穀の安定供給を実現していくためには、政府が生産者と消費者との間に立って、品質などの要素にも配慮しつつ、責任を持ってときどきの需給変動に対応するという考え方のもとに、政府の米穀の管理の方向づけを明確にする必要があります。  このため、農林水産大臣は、毎年、米穀の管理に関する基本方針などを内容とする基本計画を樹立し、公表して、米穀の生産、流通、消費に関する基本的な指針とすることとしております。  また、この基本計画に即して消費者に対する適正かつ円滑な米穀の供給を確保するため、農林水産大臣は、毎年、都道府県知事の意見を聞いて、都道府県段階までの米穀の具体的な供給計画を策定し、その概要を公表することとしております。  第三は、米穀の流通業者の地位と責任の明確化であります。  生産者から消費者までの米穀の流通を実際に担うのは集荷業者及び卸、小売の販売業者でありますが、品質面も含めた必要量の確保、価格の安定、流通の円滑化等による国民に対する米穀の安定供給を図る上で、これら流通業者の適正な活動を確保することが重要な意義を有することとなります。このため、集荷業者については農林水産大臣の指定、販売業者については都道府県知事の許可を要することとして、その地位と責任を法律上明確にするとともに、これら流通業者の効率的かつ活発な活動の展開を期待することとしております。  第四は、これまで申し上げてまいりました主要な改正に伴い、またはこれらと関連して行う改正事項であります。  すなわち、  第一条の目的規定につきまして、その用語を今回の改正の趣旨に即したより適切な表現に改めること、  自主流通制度につきまして、基本計画及び供給計画とも関連づけて法律上の位置づけを明らかにすること、  政府の米穀の売り渡しの方法につきまして、随意契約を原則といたしますものの、例外的には競争契約にもよることができるという道を開くこと等の改正を行うこととしております。  以上が、食糧管理法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 提出者松沢俊昭君。     〔松沢俊昭君登壇〕

松沢俊昭日本社会党

○松沢俊昭君 私は、提出者を代表して、ただいま議題となりました日本社会党提出に係る総合食糧管理法案につきましての趣旨の説明を行いたいと思います。  御承知のように、わが国の農業は、米を初め牛乳、果樹など、主要な農畜産物に対しまして生産調整が強行され、生産農民は厳しい生活と経営の中に苦しみ、悩んでいるのが実情であります。  一方、国内の穀類自給率は年々低下してまいりまして、政府の長期見通しからいたしますと、昭和六十五年になりますと三〇%に低下するとしているのであります。これは、麦を初めとする大量の外国の農産物の膨大な輸入の結果でありまして、このような財界優先の経済、貿易政策を根本的に変革し、生産農民が農業に希望の持てる農政の確立なくして、国民の皆さんへ食糧を長期的に安定的に供給することは不可能であろうと確信いたしております。  かかるゆえに、本院におきましてもまた、昨年の四月、全会一致で食糧自給力強化に関する決議が行われ、その中において、今後の農政のあるべき基本方向を広く国の内外に表明しているところであり、この基本方針のもとに農業政策の具体化を真剣に論議をいたしてまいったところであります。  このため、わが党は、かねてより食糧、農業の基本立法として、食糧自給促進と備蓄のための農業生産振興法案の制定準備に取りかかってまいりました。  その基本的な考え方は、国民の栄養基準量を最低限度一人一日二千六百カロリー、たん白質八十五グラムの摂取を目途とし、穀物自給率を十カ年計画で七〇%まで高めようとする前提でございます。  そのため、国が農畜産物自給促進と備蓄の計画を年次別に定め、それに従って農業生産体制の整備強化を図り、もって国民に対する主要食糧の安定的な供給を保障することといたしております。  ただいま提案しておりますこの法案は、わが党の農業生産振興法を前提として、国が主要食糧を総合的に直接管理をし、いささかたりとも一億一千万有余の国民に食糧の不安のない体制をつくろうとするものでございます。したがって、政府が提出している食糧管理法の一部改正案とは、根本的にその発想が異なっていることをここに明らかにしておきたいと思います。(拍手)  政府は、今回の改正に当たって、現行の食管法の基本を守りつつ、制度と実態の乖離部分、たとえば使われていない購入通帳の廃止あるいは縁故米、贈答米の容認など、現状追認をするものであって、制度に大きな変革はないことを強く印象づけておりますが、私たちは、食糧管理の根幹を根本的に変革するものであると理解をいたしております。  すなわち、自主流通米制度や買い入れ限度の法制化であり、米の直接全量管理体制から部分管理体制へと一歩踏み込んだことを示していると言わなければなりません。  また、このこととは別に、改正するのであるならば、戦時中の強権供出など、農民の基本的人権をじゅうりんする制度は、当然のことながら見直さなければならないと思うのでありますが、政府は改正しようとはしておりません。  このような政府の改正案は、生産農民に対し、米過剰のときは生産の制限と低米価を押しつけ、不足のときは強権の発動で米を集荷しようとするものであり、消費者にとってもメリットのない、権力者の得手勝手な改悪案と言わざるを得ないのであります。  これに対し、わが党の提案は、新たな食糧管理体制をつくり上げる中で、民主的な手法で自給力を高め、その価格面で生産者、消費者の利益を守り、配給の思想を堅持しながら、国民に対して食糧の安定供給を図ることとしたほか、あわせて、平時から計画的な備蓄を行うことを盛り込むこととしまして、食糧の安全保障体制の確立に向けての法体系の整備を行うこととしたところであります。  以下、この法案の主な内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、食管対象品目の拡大であります。  本法案で管理する主要食糧は、米穀、麦のほか大豆、トウモロコシ、コウリャンなどの食糧とし、総合食糧管理体制を整えることにしたことであります。これは、国民の食生活の変化により動物たん白の摂取が増加し、それがため家畜のえさとなる穀類を野放しにしておくことができない状況になってきたと判断しているからであります。  第二は、米穀の管理制度を民主化することであります。  まず、その一は、米穀の政府買い入れにつきまして、別に法律で定めるところにより、生産された米穀を、その生産者の売り渡しの申し込みに応じて政府がこれを買い入れなければならないものとしております。そして、その買い入れ価格は、新たに設立されることとなる農民組合の代表と政府との協議により決定するものとし、協議が難航した場合には、当事者の申請に基づき、総合食糧管理委員会があっせんまたは調停を行うものとし、また、一定期日までに価格決定ができない場合には、その委員会の仲裁によって決定するものとしております。  その二は、米穀の政府売り渡しにつきまして、米穀を食料用として売り渡す場合には、配給計画に従って行うものとし、その価格は、政府が総合食糧審議会の意見を聞いて、消費者の家計安定を図ることを旨として定めることとし、その価格決定に当たっては、国会の承認を受けなければならないものとしております。そして、生産者、消費者の利益を守る二重価格制による適正米価の実現を図ろうとしたところであります。また、米穀をえさ用として売り渡す場合の標準売り渡し価格は、畜産業の経営の安定を図ることを旨として定めるものとしたことであります。  その三は、農林水産大臣が毎年、総合食糧審議会の意見を徴して食料用米穀の配給計画を定めることとしたことであります。配給の実施は、卸売販売業者及び小売販売業者が、その割り当てを受けた数量の範囲内で消費者の買い受けの申し込みに応じてこれを売り渡すものとして、消費者の段階では買い入れの選択の自由を保障することといたしております。  その四は、米穀の需給が逼迫し、供給確保が困難になったときは、米穀の生産者に対し、その生産した米穀を政府に売り渡すべきことを勧告することができるものとし、その勧告に従って政府に米穀を売り渡した場合には、その生産者に出荷協力交付金の交付ができるものとしているのであります。  その五は、米穀の生産者がその生産した米穀で、市町村長の許可を受けた数量のものを無償で譲渡する場合には、譲渡売り渡しの制限を緩和し、これを認めることといたしたのであります。  第三は、麦、大豆、トウモロコシ、コウリャンなどの管理制度を新たに設けたことであります。  その一は、麦の政府買い入れ及び価格につきまして、米穀の場合と同様、生産されたものを生産者の売り渡しの申し込みに応じて買い入れをしなければならないものとし、その場合の政府買い入れ価格は、米穀の政府買い入れ価格の決定方式の規定を準用するものとしております。  その二は、麦の政府売り渡しに係る標準売り渡し価格は、食料用のものについては消費者の家計安定を、また飼料用のものについては畜産業の経営の安定を旨として定めるものとしております。  第四は、主要食糧の輸出入の規定の整備を図ったことであります。  すなわち、政府みずからが行う主要食糧の輸出入は、総合食糧審議会の意見を徴して行うものとし、その輸入を行うに当たっては、いささかたりとも国内生産を阻害することのないよう十分配慮し、また、その輸出を行うに当たっては、開発途上国の通常の輸出を阻害することのないよう配慮して行うものとしております。  また、米穀、麦などの輸出入を行おうとする者は、農林水産大臣の許可を受けなければならないものとし、その輸入した米穀または麦は、政府に売り渡さなければならないものとしております。  第五は、主要食糧について、計画的な備蓄を行うことを法に明記したことであります。  第六は、主要食糧の価格、譲渡に関する命令、調査、報告、検査、罰則など、本法の目的を達成するための管理に必要な規定を整備することにいたしております。  なお、本法施行に要する経費でございますが、主要食糧の範囲の拡大、備蓄に要する経費などを含め、初年度で約一兆四千億円を要すると見込んでおります。  以上がこの法律案の趣旨及びその内容であります。  食糧は人の命の安全を保障するものであり、いささかも国民にその不安を与えてはなりません。今後の食糧事情は、昨年の内外にわたる気象災害などに見られるような短期変動があらわれているほか、長期的に見ても世界の穀類需給の逼迫は必至の状態となっております。まさに、食糧問題はエネルギー問題とともに国民生活を守る最大の課題でもあります。また、この課題の解決こそが八〇年代の政治の責任であろうと思います。  わが党が本法案を提出したゆえんも実にここにあるのであります。  何とぞ、賢明な各位の慎重な御審議を賜りまして、満場一致可決をしていただけるよう心からお願いを申し上げまして、終わります。(拍手)      ————◇—————  国務大臣の発言(農業基本法に基づく昭和五十五年度年次報告及び昭和五十六年度農業施策、林業基本法に基づく昭和五十五年度年次報告及び昭和五十六年度林業施策及び沿岸漁業等振興法に基づく昭和五十五年度年次報告及び昭和五十六年度沿岸漁業等の施策について)並びに食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び総合食糧管理法案(安井吉典君外八名提出)の趣旨説明に対する質疑

福田一無所属議長

○議長(福田一君) ただいまの年次報告等についての発言及び趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。小里貞利君。      〔小里貞利君登壇〕

小里貞利自由民主党

○小里貞利君 食糧管理法の改正案及び先ほど報告ございました農林漁業三白書に関連をいたしまして、私は、ただいまから自由民主党を代表して、鈴木内閣総理大臣及び亀岡農林水産大臣に質問を申し上げます。  長い間の懸案となっておりました食糧管理法の改正問題も結論を得て、さきに提案の運びとなり、さらにまた、先ほどは農林漁業三白書も提出されまして、この二十年間の農業及び農政の動向が総括されております。一方、時あたかも行財政改革に関する論議が盛んになり、その中にあって農業、農政の振興についても論議が大いに行われ、こうした状況を踏まえて、この機会に、私は長期的視野に立って、食糧政策と食管制度のあり方を中心にして、政府の見解をお伺いいたします。  まず第一に触れなければならないのは、国民の食生活における米の位置づけや食糧の安全保障及び農業と食糧政策の基本問題であります。  最近、緊迫感の高まっている国際情勢と、そしてそれらの情勢を背景として、わが国でもいわゆる総合安全保障の問題が各界で大きく取り上げられております。この総合安全保障の中には、広く経済、外交などの問題も含んでおりますが、私は、一国の平和と安寧を守る厳然たる基礎は食糧の確保にあると思います。  食糧は人間生活の重要な必需物資であり、また節約にも限度があり、この特性が、石油など他の物資とは国民生活に占める位置づけにおいて根本的に異なるものであります。ところが、近年、わが国の飼料穀物や大豆などの輸入量は相当量に達しております。一方、今後の世界の食糧需給は、異常気象、発展途上国の人口増などにより、中長期的には楽観を許さないものがあります。  このような見通しに立つとき、昨年四月に本院でも決議されたように、平素から食糧自給力の維持強化に努め、一億を超える国民に食糧を安定的に供給する一貫した体制をつくっておくことは、きわめて重要な食糧政策であると同時に、国政の基本でもあります。先ほど農林大臣から報告がございました農業白書でも、その重要性に触れ、食糧自給力の維持強化の必要性を主張されているところであります。  特に、米は国民にとって最も基本的な食糧であり、すなわち、わが国の気候風土は米作が最も適しており、栄養的に見ても、カロリー源として、あるいはたん白源としてすぐれたものであります。この際、食生活における米の位置づけと、米を中心にした食生活の定着の方針を明確にしていただきたいと思います。  次に、先ほど述べた内外の情勢を踏まえ、政府は、食糧の安全保障についてどのように考えているか。あわせて、その趣旨に沿って、農業の健全なる発展とともに、国民経済にも貢献のできる農政の展開についての基本的な考えをお伺いいたします。  さらに、農政の基本方向との関連で、食管制度の今日的な意義についても御所見を伺いたいのでございます。  次に、食管制度の固有の問題についてであります。  これまで食管制度が、農家に対しては米の再生産を確保し、消費者に対しましてはその家計の安定を図るということを通じて果たしてきた役割りは高く評価すべきものであるし、そうした食管制度の基本的役割りは今後とも堅持し、むしろ、一層有効に働かせるということを基本理念としなければならないものと思います。  しかしながら、一方で現在の制度が戦中戦後の食糧不足時を前提としているため、制度のたてまえと実態が乖離するなど、種々問題が生じていることは事実であります。  したがって、私はこの際、食管法の改正を必要と考えますが、本法の改正に当たっては、さきに申し述べた制度の基本的役割りを的確に遂行するため、食糧の不足時だけではなく、過剰なときも含めて、いかなる需給事情にも柔軟に対応できるような制度に、言いかえるならば、だれもが守れて、また長続きのする制度に再構築をする方向で臨むべきだと考えますが、いかがでございますか。  そのようなことと関連いたしましく次の四つについてお伺いいたします。  その一つ、今回の法改正の基本的考え方は何か。また、今回の改正をして、米の部分管理をねらった食管制度のなし崩しではないかと指摘する向きがあるのでございますが、これについて政府の見解をお聞かせいただきます。  二つ目には、米の安定供給のためには、国が終始責任を持ってこれに取り組むための仕組みと、さらに具体的には、国が米の流通ルートを常に掌握しておくことが不可欠と考えるのでありますが、今回の改正では、その点につき、いかなる措置が講ぜられるのでございますか。  三つ目には、食糧事情はいつでも供給過剰ではないのであります。一たん緩急のあった折における消費者の米の安定供給につき、いかなる措置を講ぜられるのでございますか。  四つ目には、一部には、この際、部分管理方式や間接統制方式を採用して、大幅な自由化を図るべきであるとの提言がなされておりますが、こうした提言についてはどのように評価しておられるか、お尋ね申し上げます。  これらの諸問題について、政府の明確な考えをお伺いいたします。  最後に、林政についてお伺いいたします。  森林・林業は、木材などの林産物の供給ということに加え、国土保全、水資源の涵養など、多くの公益的機能を有しておりますが、これらの機能に対する国民的要請は日々顕著に高まっております。しかしながら、森林・林業をめぐる情勢には、木材需要の伸び悩み、林業活動の著しい低迷など、きわめてゆゆしいものがあります。そこで、森林・林業の厳しい情勢を克服するための林業政策の基本を、この機会に明らかにしていただきたいのでございます。  以上で質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。  まず、食生活における米の位置づけについてでありますが、米は、日本人の伝統的、基本的な主食でありまして、今後とも、わが国の食生活において重要な役割りを果たしていくことが望ましいと考えております。  最近、米離れといった声も耳にいたしますが、政府は、米の栄養的意義の普及啓発、米飯学校給食の計画的拡充などの対策を進めており、米と日本型食生活のよさを国民に再評価していただくよう努力してまいります。  総合的安全保障という見地に立ってわが国の安全を考えますとき、食糧の確保の問題がきわめて重要でありますが、そのためには、基本的には自給力の維持強化を図る必要があります。しかし、国土資源の制約などもあって、輸入に依存せざるを得ない面もあるのが現実でありますから、安定的輸入を確保する必要があり、また、不測の事態に対処するための備蓄の問題ともあわせまして、総合的な食糧自給力の維持強化を図る必要があると考えております。  今後の農政の展開についての基本的な考え方でありますが、農業と農村の役割りが適切に発揮されますよう、長期的な展望に立って、一、需要の動向に応じた農業生産の再編成、二、農用地の有効利用と利用権の集積等による中核農家の育成、三、農業技術の向上と優良農地、水資源の確保、四、農村の整備などを中心に施策を進めてまいりたいと存じます。  次に、今回の食管法改正の基本的な考え方でありますが、先ほど農林水産大臣の趣旨説明にありましたとおり、現行制度の基本は維持しながら、現在の経済実態と乖離を生じている諸条項、諸制度の改正を図ったものでありまして、御懸念のような米の部分管理をねらったという性格のものではございません。  以上、御質問にお答えいたしましたが、残余の点につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)     〔国務大臣亀岡高夫君登壇〕

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 小里君の質問にお答え申し上げます。  四つほどございましたが、一つ目の、食管の今回の改正の本義についてということでございますが、これは総理からただいま答弁がありましたので、省略いたします。  二番目の、安定的供給の具体的方策いかんということでございますが、通常時における米の安定供給の仕組みといたしまして、需給事情に的確に対応するため、毎年、品質面にも配慮した米の管理に関する基本計画を樹立するということを今度取り入れてございます。と同時に、消費者に対する供給計画を策定をするということでございます。  また、集荷業者の指定制、販売業者の許可制というものを導入いたしまして、集荷、販売の流通ルートを特定をいたし、流通業者の地位と責任を明確にして、消費者の需要動向に即応した流通業者の活発かつ効率的な活動を期待して、これを法定をいたしてございます。  また、需給が逼迫するなどの情勢が、こういうことはめったにないわけでございますけれども、もしあった場合には、公平配給の考え方に戻って、厳格な配給統制の仕組みを発動し得ることを法定をいたしてございます。  三つ目の、今回の食管法の改正は間接統制や大幅な自由化を図るべきであるという提言について、どういう態度をとったのかという御質問でございますが、国民の主食としての米の地位を考えますと、間接統制にしたり、あるいは部分管理方式にいたしましたりした際には、たとえば去年のような凶作の際、あるいは石油ショックがあったような際、一部の米の買い占めというようなことが起きたとすれば大変な混乱を起こすわけでございますが、日本が、戦後四十年間、食糧の不安を国民に与えずにこられたのも、この食管法のおかげと言えるわけでありますので、私どもは、このような部分管理や間接統制方式は、総理からも答弁がございましたように、今回の改正に当たってはこれをとらないという立場をとってありまして、こういう間接統制あるいは部分管理方式は、日本にとりましては現実的な方策ではないと考えております。  林業問題についての御質問でございますが、林業・森林をめぐる厳しい情勢を克服するための施策いかんということでございます。  なかなかむずかしい問題でございます。山から人はどんどん町へおりて、山には人不在という状態。木を植えようと思っても、造林面積がどんどん減ってきて、なかなかふえないという情勢。やはり林業は、郵便と同じく、人間の手によって発展せしめていかなければならない部面を持つ大変な仕事でございます。  これらの仕事に対して、政府といたしましては、いままで以上にやはり森林・林業の持つ公共性というものを重視をして、積極的な施策を講じてまいりたいと、基本的に考えております。  造林、林道、治山事業の計画的な推進を図っておりますのもこのゆえんでございますし、本年度の予算で、間伐促進のための総合的対策の実施を図ることといたしたのもこのゆえんでございます。  なお、外材輸入の安定化、国産材の供給体制の整備についても、予算措置をいたしておるところでございます。  さらに、新林業構造改善事業等の計画的な推進、基幹的な林業労働者の育成、確保などの施策を強力に推進してまいりたいと存じます。  以上で終わります。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 串原義直君。     〔串原義直君登壇〕

串原義直日本社会党

○串原義直君 私は、日本社会党を代表し、政府提出に係る食糧管理法改正案並びに農業、漁業、林業三白書に関連して、総理並びに関係大臣に順次質問いたします。  まず、農業白書に触れつつ、食管法改正案について伺います。  鈴木内閣は、さきに総合安全保障会議を設置し、ことのほか軍事力拡充に熱意を傾けているように見えてなりません。この姿勢に強い危惧の念を抱くのは私一人ではないでしょう。  わが党は、かねてから、国の安全保障にとって優先さるべきは、自国の国民食糧は自給することであると主張し続けてきたところであります。  鈴木総理、国の安全保障にとってまず必要なことは、戦車ではなく食糧の安定確保であると確信ずるものでありますが、いかがでしょうか。(拍手)そして、いかに食糧安保を説いたとしても、アメリカなどからの輸入依存を基本とするものであるならば砂上の楼閣であると厳しく指摘しなければなりません。所信を伺いたいのであります。  政府は、昨年十一月、農政審議会の答申を得て「八〇年代の農政の方向」を決定しました、それによると、穀物自給率は、現在の三四%から十年後には三〇%に低下するというのであります。  これは食糧の海外依存度をさらに高め、荒廃しつつあるわが国農業をより後退させる道を歩むものと断ぜざるを得ません。  昨年、国会は全会一致で、食糧自給力強化に関する決議を行いました。したがって、政府の決定した「八〇年代の農政の方向」は、まさにこの国会の決議に逆行するものなのであります。わが党は、総合食糧管理法案により、十カ年計画で穀物自給率を七〇%に高めるため、具体的な施策を提案しております。  今日、世界的な食糧不足は深刻の度を深めております。アフリカ等に見られるごとく、発展途上国の飢えはまさに悲劇です。加えて、異常気象は記録的であり、ソ連、中国など大国の食糧輸入増加は、わが国にとって強い関心を持つべき現実であります。昨年のわが国の冷たい夏も、われわれに重大な警鐘を鳴らしてくれたものと受けとめなければなりますまい。(拍手)  いつでも、どこからでも、食糧は金で求められるという安易な時代ではなくなっているのであります。わが党の主張する穀物自給率向上の長期計画が、近い将来、必ず政治日程に上るであろうことを強調しておきたいのであります。(拍手)  今年の農業白書でも触れているところでありますが、政府は八〇年代の世界の食糧事情をどのように見ているのか、総理の考え方をしかと伺いたい。  なお、政府は、国会決議を尊重し、自給率向上に向け、作目別に何をどのように生産するか、年次計画を立て、農政の方向を転換すべきであります。政府の方針をお聞かせください。  さて、政府は、かねてより食糧管理法の根幹を堅持すると、折に触れ国民に答えてきました。その基本は今回の改正でも変わらないのか。改正案は「「配給ノ統制」を「流通ノ規制」に改める。」となっておりますが、これは食管制度の根幹を崩すものではないのか、総理及び関係大臣の見解を示してもらいたいのであります。  私は、この際、わが国における主要食糧は米麦だけではなく、国内畜産に重要な影響を持つ飼料穀物の輸入と管理が野放しの状況であることを改め、米麦、飼料穀物、大豆を含め、総合的な食糧管理の上に、その需給と価格の調整並びに流通の規制を行い、国民食糧を安定的に供給すべきだと考えるのであります。政府の所見を伺います。  次に、今回の改正が、米の余剰時は生産調整、買い入れ制限を行い、不足時には強権による出荷強制を法に明記するという、平和憲法時代にふさわしくない強権的な法律にしたことであります。これほど身勝手な農民無視の政策が許されていいものでございましょうか。  ここで私が指摘するまでもなく、いまの米の過剰は、国内産米の二倍余に上る莫大な穀物輸入によって起きているのであります。もし、異常気象等によって穀物輸入が今日の半分になったとしたら、途端に米不足に陥ることは火を見るよりも明らかなことであります。その事態を想定し、慄然とするのは私だけではありますまい。  過般、政府の示した「八〇年代の農政の方向」に、「基本食糧である米については、公的に管理しておき、いかなる食料需給事情の下でも米の円滑な供給が確保できる仕組みを維持しておく必要がある。」と述べております。  これを受けて、自給率向上の努力を払わないまま、食糧確保の基本を輸入に求め、その軌道の上に、米の過剰と不足に対応しようとする危険な道であると言わざるを得ません。(拍手)したがって、この法改正のどこにも、生産からの視点がないことはまことに遺憾であります。  政府は、日本農業育成に熱意を欠き、農民の生活と権利をさらに無視せんとするのか、総理並びに関係大臣の所見をお聞かせ願いたい。  なお、今度の法改正で、自主流通米を法で認めたことは重大な問題を含んでおります。  いま、米の過剰を理由に、およそ四分の一に相当する水田減反政策が行われております。加えて、政府の買い入れ限度数量は年々減少し、その結果、米穀流通における政府米の比重は低下し、自主流通米の比重が高まっております。この自主流通米中心の流通は、不正規流通米、つまりやみ米の増加を生み、ひいては食管法を根本から崩壊させているのであります。  政府の改正案が意図するように、自主流通米を大幅にふやし、消費者価格を市場原理に任せた場合、ある日、何らかの要因によって需給が崩れたとしたら、消費者米価は旬日を経ずして高騰するであろうことは明白です。それは過去の米相場が厳しく教えております。  食管制度は消費者を守るためにあったとも言えます。米の流通に資本の介入を排し、消費者にいつでも正しい価格で安定供給する施策をどう確立しておくのか、伺いたいのであります。  また、今回の改正で、贈答米、縁故米を認めることにしておりますが、これは米の自由化ムードをあおり、不正規流通米の温床になるのではないか。仮に、毎日新潟からトラック一台、東京に縁故米として運ぶ場合、どこでだれがチェックするのか。よほど管理体制を厳重にしない限り、規制は不可能であります。  この点、法改正では、数量、手続など何ら明記されておりません。その具体的な対策をお聞かせ願いたい。(拍手)  さらに、米穀の全量管理についてであります。  今改正案では、政府が定める管理数量の中で、政府買い入れ数量、自主流通米数量が示されておらず、適正比率をどう考えているのか明らかでありません。政府が全量管理を基本とするならば、法のどこに明記されているのか、伺います。  次に、法二条において、米穀の需給の調整その他目的を達するために、毎年米穀の管理に関する基本計画を定めることとしております。このことを私は重視いたします。  そこで伺いたいのは、基本計画で示す見通しは米の生産調整とどう関連するのか。  第二は、この基本計画策定に当たって、農林水産大臣は、生産者、消費者、流通関係業者の意思をどう反映されるのか、伺います。  なお、最近、行財政改革を進めることにつき、農林水産関係補助金の削減が提起されております。不要不急な補助金整理は理解できるとしても、力の弱い第一次産業が崩壊することのないよう、十分な配慮が必要だと思います。この際、あわせて総理並びに大蔵大臣の考え方を伺っておきたいのであります。  次に、漁業問題についてであります。  さきに発表された漁業白書では、消費者の魚離れ、燃油の高騰などによって、漁業経営は厳しさを増していると指摘をしておりますが、その対応策は不鮮明であります。  政府は、海を守り、漁業経営安定対策の推進など、わが国の厳しい漁業環境をどう改善しようとしているのか、この際、明確にしていただきたいのであります。  次いで、敦賀原発の放射性廃棄物のたれ流し事件についてお尋ねいたします。  まず、強く指摘したいのは、放射性物質の管理のずさんなことであります。今回の事故についての管理体制、廃棄物処理の方法は、常識では考えられないことであると関係者は一様に驚いていると聞くのであります。  この際、敦賀原発を初め、原子力発電の安全性について徹底的な見直しを行うなど、厳しい対処を求めるものであります。総理初め、関係大臣から、現在と将来にわたる対策について明確にお答えください。  また、この放射性廃棄物の流出によって海水が汚染し、周辺漁民は漁獲物が売れず、生活権を脅かされるおそれも出ております。政府は、どのように対処するのか、具体的な対策について明らかにしていただきたいのであります。(拍手)  終わりに、林業について伺います。  わが国の林業をめぐる環境は、木材需要の伸び悩み、外材輸入の増加に伴い、造林など生産活動は停滞しております。したがって、重要な国民的課題として、林業の基盤整備と国土保全対策、国産材供給体制の整備、林業の担い手対策は緊急の施策であります。特に、七〇%に上る外材の輸入規制を行い、国産材の活用を図らなければなりません。総理並びに関係大臣の所見を伺いたいのであります。  以上、国民生活に多大な関連を持つ諸点について触れてまいりました。とりわけ、漁業、農業を含め、食糧問題は、エネルギー問題とともに国民生活を守るための最重要課題であります。そのねらいが、角をためて牛を殺す結果を生むことのなきよう声を大にして強調し、総理の明快なる答弁を求め、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。  まず、国の安全保障という観点からの食糧問題についてでありますが、国内で生産可能な食糧はできるだけ国内で生産できるよう、生産性を高め、自給力を維持強化することが基本でありますが、国土資源の制約から、かなりの程度、輸入に依存せざるを得ないことも現実でありますから、安定的輸入を図ること、さらには不測の事態に備えての備蓄など、総合的な自給力の維持強化が重要であると考えております。  八〇年代以降の食糧需給は、長期的には必ずしも楽観を許さないと見られますが、飼料穀物、大豆などとなりますと、国民の主食である米麦とは性格が異なってまいりますので、食管制度の対象をそこまで広げることは適当でないと考えております。  自給率の問題でありますが、国土資源に制約のあるわが国では、穀物の自給率を高めることに限界があることは否めませんが、先般明らかにいたしました長期展望のもとでも、食用農産物の総合自給率はほぼ現状並みの七三%程度を維持することとし、特に基本食糧である米、野菜、果実、畜産物につきましては、完全自給ないし相当高い自給率を維持することとしております。  次に、原子力発電所の安全性に関するお尋ねがございました。  今回の日本原子力発電株式会社の敦賀発電所における事故は、国民の原子力発電に関する信頼を損なうものであり、きわめて遺憾なことであると存じております。  現在、事故原因及び責任の所在を徹底的に究明しており、全国の原子力発電所についても総点検を実施しておるところであります。  また、今回の経験を踏まえ、今後、原子力発電所の安全管理行政の一層の充実を図るべく所要の検討を行いますとともに、電気事業者に対しても、安全管理に従来にも増して万全を期するよう、厳しく指導してまいります。  なお、これまでの調査によれば、魚類に放射能汚染は認められず、安全であるとの結論が出されております。  林業振興対策など残余の問題につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)     〔国務大臣亀岡高夫君登壇〕

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) お答えいたします。  政府の生産政策は、過剰のときには買い入れを制限し、不足のときには強制的に供出させるなど、農民無視だ、こういう御批判でございますが、もしそういうことであれば、今日まで、わが自由民主党、農家の支持を受けることができなかったはずであります。私どもは、やはり農民の立場に立って、常に心から農家の立場の農政を責任を持って実行をしてまいったと確信をいたしております。  今回の食糧管理法改正につきましても、そういう立場から、食管法の根幹はこれを堅持をして、そうしてあの食糧の非常に不足な戦時中に立法されたこの食管法、あの当時は非常に食糧が不足の場合の食管法、ところが米の過剰のとき、安定し、生産と需要が需給のバランスがとれておるとき、この両時の際の法律的配慮がございませんので、このいずれの場合でも発動することのできるような内容に改正をして、提案をいたしました次第でございます。  次に、自主流通米制度はやみ米の横行を許すのではないか、こういうことでございますが、この自主流通米も、今回の改正案で、これを法律の中で規定をいたしまして、やはり政府の管理の中において自主流通をさせるという方式をとっておるわけでございまして、この点は、消費者の需要に応じた米の安定供給という点で重要な役割りを果たしており、今後とも適切な運営を期することによって、私は、御批判のような点は起こり得ないと確信をいたしております。  さらに、縁故米の扱いいかんでは不正規流通を助長することとなるということで、トラックで新潟から米を送る例をお話しされましたが、この縁故米の限度というのは、個人間の非営利的な米のやりとりということでございます。したがって、トラック一台を米のやりとりというようなことは常識では考えられません。したがって、これらはよく司法当局とも、警察当局とも連絡を密にいたしまして、今後やみ行為のないように、きちんと処理をいたしてまいる予定でございます。  この縁故米とか自主流通米に対する御心配の余り、部分管理に通じていくのではないか、全量管理にならないのではないのではないかという御批判でございますが、そういうことのないように、今回は配給体制も集荷体制も法定をいたしまして、責任を持たせてこれを処理をし管理をしてまいるというふうにいたしてありますので、御安心をいただきたいと思います。  と同時に、全量管理が法律に書いてないじゃないかという御批判ですが、それは第一条の法の目的、第二条ノ二の基本計画、第三条の米穀の政府買い入れ、第九条の主要食糧の譲渡などの規制の関係各条項から見て、全量、政府が米を管理するということは明らかでございます。  基本計画と生産調整の関係でございますが、基本計画は米の流通管理についての指針でございまして、これをもって直ちに生産活動を拘束するというようなものではございません。この点は誤解のないようにお願いいたします。  また、基本計画は、米麦価のように直接かつ具体的に生産者なり消費者なりの利害にかかわってくるものではありませんので、法律に基づく審議会など第三者の意見を聞いて答申を得るというような仕組みにはなじみにくいと考えておるわけでありまして、このため、必要に応じ、米価審議会の懇談会等に報告する等の形式で処理していくのが適当であると考えております。  備蓄対策が法律に書いてないじゃないか。  ちゃんと書いてあります。今回の法改正において、政府は、毎年、米の需給調整その他の管理に関する基本計画を策定することを明定してあるわけでございまして、この中で、備蓄の問題もその計画の中にきちんと入れてまいるということでございますので、そのように御理解をいただきたい。  漁業をめぐる環境が厳しいと御指摘でございますが、この点はまことに厳しい次第でございます。  燃油の高騰、二百海里時代の到来、魚価の低迷等々、漁業家にとってはまことに苦しい、厳しい情勢であることは御指摘のとおりでございます。  このために、われわれといたしましては、周辺水域の沿岸漁業の振興、つくり育てる漁業の推進等を行うために、積極的な予算措置を講じてございます。さらに、沖合い・遠洋漁業についての漁業外交面での努力による漁場の確保、漁業経営の維持安定を図るための生産構造の再編成などの経営安定対策の推進、さらには金融措置等による負債の圧力の緩和といったような措置も講じてございます。  このようにいたしまして、厳しい情勢の中にある漁業者の方々が、何といっても一千万トンのたん白資源を全国民に供給してくれておるわけでありますので、この点はやはり、政府といたしましても、水産行政を重視をして処置をしてまいりたいと考えております。  さらに、今回の敦賀発電所の事故の件でございますが、これで漁業者の方々、大変心配されたようでありますが、すでに生じております被害につきましては、補償措置等につき、今後、当事者である日本原電と被害漁業者との間で十分話し合いが行われるように、福井県とも水産庁とよく連絡をとって指導をいたしてございます。  林業の問題も御指摘あったわけでございますが、資源、環境面での制約の強まりなど、経済社会が変化する中にあって、森林・林業の役割りに対する国民的要求はますます高まるものと考えております。と同時に、森林そのものが果たしております公共的役割りというものをやはり十分に認めていかなければならないと考えております。そういう立場から、今度の五十六年度の予算編成も、そのような立場で、間伐の実行等を重点的な施策として施行することといたしておる次第でございます。  外材の輸入規制をしたらどうかということでございますが、これはもう自由化になっておる品目でございますので、自由貿易で生きていこうという日本でございます。しかし、第一次産業である農林水産業、これらはやはり相手の国と十分話し合いをいたしまして、とことんまで話し合いをいたしまして了解を得、そうして、ともに立っていくことのできるような道を見出すということが大事かと思います。  先般、擬装乳製品のEC並びにニュージーランドとの関係につきましても、相当な両国の意見の食い違いがあったわけでありますけれども、徹底的に話し合いを続けた結果、合意点に達して、お互いが立っていけるような方策を見つけ出すことができたわけでありますので、この材木につきましても、業界等を十分に指導しまして、そうして、日本の木材業界並びに消費者の国民のプラスになるような措置を見出していくというのが私どもに与えられた責任であるということで、処理してまいりたいと思います。(拍手)     〔国務大臣田中六助君登壇〕

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 串原議員にお答え申し上げます。  このたびの日本原子力発電株式会社の敦賀発電所の問題でございますが、まことに遺憾なことでございまして、給水加熱器の漏洩事故に始まりまして、この漏洩事故は、敦賀発電所が報告の義務があるのに、何らこれを報告せず、その上、保修作業まで勝手にしたというこの事実、これについては私ども厳重に対処しなければならないと思っておったやさき、現実に事情聴取を行っておりましたところが、このたび一般排水路の中に放射能が検出されました。これは、何といっても言いわけのならないことでございまして、保安体制と申しますか、この措置について十分な配慮が行われてないと断定せざるを得ないわけでございます。  したがって、私どもは、この点、国民に対しまして、いままでの原子力発電所に対する信頼性について不安をここで生じたという強い反省を持っておりまして、係官を現地に派遣いたしまして、この体制をいま検査しているやさきでございます。結果が十分判明次第、私どもはこれについて厳正な態度をとっていきたいと思います。  将来に対することでございますが、原子力発電所は、わが国にとっても、これからのエネルギー問題にとって切っても切れない発電所の設置につながるわけでございますので、国民の信頼を得るためにも、より一層の安全性の確保に努力すると同時に、こういう事故のないように鋭意努力していきたいと思います。  これを契機に、私ども、原子力発電所全般にわたりまして総点検を、総理の指命によりまして指示しております。これからの対処あるいはこれからの調査の結果を踏まえて、さらに厳正な態度で臨みたいと思います。(拍手)     〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 行革に関連をして農林関係の補助金を削減されるのではないか。農業は一次産業で非常に重要だから十分配慮をしろ、こういう御趣旨と存じます。  補助金の削減、削減というよりも合理化削減、それは別に農林水産関係でなくて全体の問題でございます。農林水産関係が非常に重要な業種であることは当然わかっておりますので、その中でもすでに目的を果たしたもの、あるいはこういう御時世だから、こういうときにはもう御遠慮いただかざるを得ないかというようなもの等、それぞれ各省庁にあるわけでございまして、厳しい財政事情の折、農林水産大臣と十分に相談をいたしてやらせていただきます。(拍手)     —————————————

福田一無所属議長

○議長(福田一君) 吉浦忠治君。     〔吉浦忠治君登壇〕

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦忠治君 私は、公明党・国民会議を代表しまして、ただいま農林水産大臣からなされました昭和五十五年度の農業白書、漁業白書、林業白書についての報告並びに食糧管理法の一部改正案の趣旨説明に関連して、内閣総理大臣及び関係各大臣に質問をいたすものであります。     〔議長退席、副議長着席〕  御周知のように、わが国の農林漁業は、過去の高度経済成長における重化学工業優先の国際分業政策のもとで、産業的地位において後退に次ぐ後退を強いられております。この傾向は、減速経済へ移行した今日においても、なおとどまることなく続き、荒廃、衰退の一途をたどっております。  このことは、農業について言えば、稲作の大規模減反、農畜産物の輸入拡大や生産者価格の抑制、農業従事者の高齢、婦女子化等々といった形であらわれております。  ちなみに農業所得は、生産資材の値上がりもあり、昭和五十四年度には五・八%減少し、五十五年度には冷害の影響も加わりまして、四月から十二月の期間で見ると、何と一六・五%も減少しているのであります。一般労働者にとって賃金の目減り現象は大変な問題となっておりますが、農業者、とりわけ農業へ大きく依存している農家にとって、それを上回る深刻な事態を迎えるに至っているのであります。  漁業、林業についても同様、いま大きな危機に直面し、生産の担い手は確実に減少しているのであります。  これら農林漁業については、これまでの単なる政策の延長程度では再建、発展は不可能であります。政府は、農林漁業の再建、発展のために今後どのような政策的手だてを講ずるお考えなのか、まず総理の所信をお伺いするものであります。  以下、各白書に関連して簡潔にお伺いをいたします。  今年の農業白書においては、食糧の安全保障確保のため総合的な食糧自給力の維持強化を図る、このように必要性を説いております。  しかし、昨年秋、閣議決定した「農産物の需要と生産の長期見通し」においては、現在三四%ある穀物自給率を昭和六十五年には三〇%にダウンさせる見通しである、この点から見ても明らかなように、食糧自給力と食糧自給率の持つ意味は区別して考えられております。すなわち、政府は、いざというときには国内で生産できる、いわゆる潜在的な生産諸力を自給力という意味で使っております。  しかしながら、食糧生産は、そのようなどろなわ式で対応できる性格のものではありません。したがって、食糧の安全保障確保のためには、自給力の維持強化ではなく、あくまでも自給率の向上を政策の基本とすべきであります。  その場合、わが国においては、減反した水田等をえさ米づくりに活用することなどして、飼料穀物の自給率を高めることがきわめて緊要であると考えます。そして、そのことがとりもなおさずわが国農業の行き詰まりを打開する突破口となるものと確信するものでありますが、このことについて農林水産大臣の御見解を承りたい。  また、農業白書には構造政策推進の必要性が強調されておりますが、本来構造政策は、地価の安定や雇用、社会保障政策の充実など、農業政策を超えた総合的視点から、国が整合性を持たせながら進めるべき性格のものであります。事の重要性にかんがみ、総理及び国土庁長官は、この問題に対し、いかなる実効ある具体策を用意できるのか、明確な御答弁をお願いしたいのであります。  次に、漁業についてでありますが、今回の白書は、近年魚離れが著しく、その原因の一つに魚価の高騰があることを指摘しております。したがって、魚価の安定のためには、今後わが国沿岸海域における栽培漁業を強力に推進したり、内水面を積極的に活用し、水産物の安定供給を図るべきではないか。  また、近年水産物の冷凍品が急増している現状から見て、関係省庁が一体となり、在庫量を徹底して掌握し、商社等による魚の買い占め等の不当な行為は厳しく指導するなどして、魚価が下方硬直化している現状を打破していくような政策に力点を置くべきものと考えるものでありますが、どのようにお考えなのか。  また、林業については、世界的に森林資源が枯渇していく傾向であります。わが国においては、戦後植林した森林が、あと二十年もすれば本格的伐採期を迎えると予測されています。しかるに、仮にそうであったとしても、その時点で一体だれがその森林の木を伐採するのでありましょうか。  現在、林業就業人口はわずか二十万人足らずで、その多くは高齢化しております。近年は、高校新卒者で林業へ就業するのは年間四百人を割るに至っております。そのため、いま必要となっている間伐についてさえも遅々として進んでいない実情であります。今後、わが国林業を考える上でキーポイントとなる、この担い手の確保対策について、ここらで画期的な施策を講ずる考えはないのか、農林水産大臣にお尋ねをするものであります。  次に、食糧管理法、すなわち食管法の一部改正案についてであります。  米の不足を背景に制定された現行の食管制度については、米過剰の今日においては多くの矛盾が表面化し、世論の厳しい一つの批判の的となっております。しかし、今後懸念される世界的食糧危機が到来した場合、わが国においては食糧輸入の大幅縮小を余儀なくされ、そうなれば米への依存度を高め、わが国はたちまちにして米不足という事態を招くことになることは必至と言えるわけであります。  このような事態に対処するためにも、わが党は、食糧不足時において、米を安定的にして、かつ、公正な分配ができるよう平素から万全の措置を講ずべきものと考えるものであります。そして、そのためにも、適正な米価を補償し、農業経営基盤の維持を図るとともに、米を国家管理貿易品目とすることにより米の輸出入を厳重に規制するといった現行食管制度が持つ機能については、これを大切に守る必要があるものと考えるものであります。昭和四十八、九年における狂乱物価の中においても、米価だけは安定した価格で供給できたという実績は、まさに食管法が存在していたからと言えるのであります。  しかし、現行食管制度は、米の不足基調を背景として制定された統制色の強いもので、米の過剰基調には弾力的に対応できないことから、制度と実態の乖離とか、違法行為の横行等といった形で、さまざまな矛盾を表面化させているととも事実であります。したがって、今回の改正案が、現状追認程度とか、部分的改正ないしは運用面での多少の改善措置程度にとどまるものであれば、食管法への国民の信頼を高め、かつ、守りやすい食管とするためにも、それは必要な措置と考えるものであります。  しかし、今回の改正案が、さきに述べたような現行食管法が持つ重要な機能に支障を来す可能性をはらんでいるとするならば、その部分については、修正案の提起を含め、十分な歯どめ措置を講じておく必要があると考えるものであります。  以下、このような前提に立って、重要な問題点にしぼり質問をするものであります。  第一は、基本計画についてであります。  この基本計画とは、これまでの物量統制色の濃い配給計画にかわるもので、米の品質要素や需給調整色をも帯びた計画になるわけであります。となると、この計画は、運用次第によって、ことに中長期的には減反政策を初め、わが国の農業、食糧政策にも重大な影響を及ぼすことになるものと思わねばなりません。それだけに、この計画策定には慎重を期さなければならないわけでありますが、今回の改正案によりますれば、この計画は農林水産大臣が一方的に策定できるようになっております。  したがって、この策定に当たっては、現在、価格決定のみについての諮問機関となっている米価審議会を、主要食糧審議会という形に改組し、この諮問機関の意見を聞かねばならないものとすべきであると考えるものでありますが、どうか。  また、この基本計画に基づいて政府が米を買い上げる場合、従来にも見られたように、減反に一〇〇%協力しながら、なお発生した余り米についてはどう対処される方針なのか。あわせて御答弁をお願いするものであります。  第二に、自主流通米についてであります。  今回の改正案においては、これまで政令でもって運用されてきた自主流通米に法的根拠を与えようとするものでありますが、この自主流通米の存在については、すでにこれまでの流通形態の中で定着し、この存在を肯定する生産農家も多いことから、今回の改正の趣旨に基本的に反対するものではありません。しかし、その取扱数量を無条件に認めることは、米の自由化を促進し、緊急時において政府による直接管理という方向へ容易にバックすることが困難となる懸念があります。したがって、その数量は全流通量の三分の一程度にとどめるほか、万一、自主流通米として売却できない場合は、政府が責任を持って買い上げる旨について、法律事項として明定すべきものと考えるものでありますが、どうでしょうか。  第三は、やみ米業者の取り締まりについてであります。  農林水産大臣及び国家公安委員長は、正米市場関係をも含めて、やみ米業者について徹底して取り締まれる自信があるのかどうか。  また、米の生産農家が直接消費者へ贈る縁故米についての公認は許されるとしても、消費者が買い求めた米を他の消費者へ贈る贈答米については、やみ米業者の発生を誘発しがちになるだけではなく、供給計画をも大きく乱す要因となりがちなことから、贈答米の公認については再検討されるよう要求するものでありますが、どうでありましょうか。  第四は、米価の問題についてであります。  米価については、今回の改正案とは直接関係はないものの、米価抑制のため、今後は、その運用面において、需給均衡的要素を色濃く導入してくることになるのではないかと懸念されておりますけれども、この点はどうか。また、現在再検討しているという新しい米価算定のあり方とはいかなるものか、再検討の作業日程もあわせ、その見通しをお尋ねいたします。  最後に、政府は、本食管制度を部分管理へ移行させるという方針は、今後とも全くないものと断言できるものかどうか。これについて総理の明確な答弁をお願いし、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。  まず、農林漁業の再建、発展のために今後どのような政策を考えているかとのお尋ねでございます。  わが国の農林水産業は、農業の経営規模拡大の停滞、林業の需要の伸び悩み、水産業における二百海里規制の強化の問題など、それぞれに困難な問題を数多く抱えているのが現状であります。  このため、今後の農林水産行政は、長期的な展望に立って、農業については、需要の動向に応じた農業生産の再編成の推進、経営規模の拡大を軸とする生産性の向上、豊かな緑を持つ地域社会としての農村の整備、林業につきましては、林業生産基盤の整備、植林、間伐対策の推進、水産業につきましては、わが国周辺水域における漁業の振興、漁業経営の安定対策などに重点を置きまして施策を進め、農林水産業の未来に明るい展望を切り開いてまいりたいと考えております。  次に、農業構造政策の推進のためには、農業政策を超える広い視野のもとに、整合性のある対策を講ずべきではないかとの御意見でございましたが、御指摘のとおり、農業構造政策を通じてのわが国農業の体質の強化は、総合的な視点に立って進める必要があり、政府におきましても、従来から農地の有効利用とか、地価対策とか、農村地域の雇用対策でありますとか、各般にわたる施策の総合的な推進を図ってまいったところであります。  食管制度について、今後部分管理に移行しないと断言できるかとのお尋ねがございましたが、先ほど小里議員にもお答えいたしましたとおり、部分管理といったことは全く考えておりません。  残余の質問につきましては、所管大臣から答弁させます。(拍手)     〔国務大臣亀岡高夫君登壇〕

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) お答えいたします。  食糧の安全保障確保のために、食糧自給力の維持強化じゃなくて、自給率の強化というふうにしろと、こういうことでございますが、私どもといたしましては、昨年の四月に本院で、食糧自給力の強化に関する決議というものをしていただいたわけでございますので、この院の趣旨を尊重いたしまして、あらゆる角度から日本の食糧を自給をしてまいるということで、全力を挙げてきておるところでございます。  先ほど総理からもお答え申し上げましたとおり、日本でできるものは、できるだけ日本で生産をする、どうしても地理的条件、気候的条件によって及ばないというものについては、やむを得ず輸入をするという立場で施策を進めてまいりたいと考えます。  それから、飼料穀物の自給率の向上を図るため、えさ米づくりに積極的に取り組めという御指示でございますが、飼料米については、確かに、日本独特の水田という耕地を利用して生産ができるという、その意義は私は大きいと考えます。したがいまして、このえさ米も、超多収米、超多収穫のえさ米が生産される技術が確保されればという前提がつくわけでございますが、現在、農林水産省におきましても、超多収米の造成に全力を挙げておるところでございます。  皆さん御承知のように、脱粒性が非常に強い。それから、えさでございますから、食べるお米のような値段で供給したのでは、えさの用をなさないわけでございますから、これは、どうしても価格を安く生産するという条件があるわけでございます。これらにもかなうだけの、やはり単収の多い超多収米でなければならない、そういうことを確立した上で農家に奨励をしてまいりたい、こう考えておりまして、それまでは生産調整の転作作物の対象とはいたしませんということを申し上げてきておるところでございます。  魚価安定のために、もろもろの施策をやるべしという御主張、全く同感でございます。  栽培漁業に強力に取り組み、内水面もこれを積極的に利用するという方向に対して、農林水産省としても努力をいたしますとともに、やはり沿岸漁業、さらには遠洋漁業等、条件が非常に厳しくなっておりますけれども、あらゆる施策を講じて漁業者の経営安定に資していく所存でございます。  魚の買い占めで不幸な事件を起こした例が過去にあったわけでありますが、あのように、冷凍水産物のいわゆる在庫調査というものがいままでなかったということで、昨年から二カ月間に一遍ずつ、この冷凍水産品の在庫調査というものを常に把握をしておって、これを各市場等に提供いたしまして、魚価の安定並びにこの冷凍水産物で不当な利潤を上げたり、投機を行ったりすることのできないように指導してまいりたい、こう考えておるわけでございます。  今後のわが国林業を考える上で、労働力対策が大変大事ではないか、御指摘のとおりでございます。  先ほども申し上げたとおり、木は農作物のように機械化することがなかなかむずかしゅうございます。いろいろ機械化を研究、工夫はいたしておりますけれども、全工程を機械でやるというところまでには、はるかに時間がかかるわけでございます。二十万人しかいない、二千四百万ヘクタールに及ぶこの広大なる日本の山地、林地、これをやはり常に美林、緑化にしておくということが、日本民族発展の基礎であるわけでありますから、そういう観点から、この林業労働者の確保をするには、やはり林業に日本一億国民がどれだけ深く認識をし、そうして投資をしていくか、やはり木を植えるため、山を維持するために、国民一人一人が山を維持するのだ、われわれの力で維持するのだという気持ちをみんなで持って、そうして、やろうという世論が起きてくれば、おのずから山に行って働こうという人も出てくるわけでございます。やはり山で働く人が相当な所得を得ることのできるような仕組みを今後ぜひとも研究し、考えていきたい、こう考えておりまして、私は、これが労働問題の基本である、その上に労使の間の話し合いをするということが大事でありますので、その点を進めてまいりたいと思います。  次いで、今度、食管法の改正の問題でございますが、基本計画を一方的に農林水産省で決めるというのはいかぬ。  これは一方的に決めるわけじゃございませんで米価審議会、現在も米価審議会がございますので、懇談会等をお開きいただいて、そこに報告をして御了承を得るというふうに考えておりますので、御了承を賜りたいと思います。  それから、超過米をどうするかということでございます。  生産調整に協力して、なおかつ、その上に超過米ができたという場合にはどうするかということでございますが、これは食管法を改正した後でも、従来どおり、やはり自主流通米として集荷、販売をするように努力をしていただくというふうに考えております。  自主流通米を無条件に伸ばすのは、米の政府管理の上で危険であるという御指摘でございますけれども、私どもはそう考えておりません。需給の状況を勘案の上、基本計画の定めるところに従って適切な運営によって、やっていく考えでありますから、需給に応じた集荷と計画的な販売によって売れ残りが生じないようにするのが基本と考えております。もともと生産調整によって需給のバランスのとれるように当初から見込んでいくわけでありますので、この点は私どもの考えがいい、こう考えておるわけであります。  仮に、需給の変動によって売れ残りがどうしても出たという場合には、これまでにおきましても実情を勘案しながら政府が引き受けておるわけでございますので、そういう必要性がない、こう考えておるわけでございます。  それから、正米市場も含めて、やみ業者を徹底的に取り締まれる自信があるか。  そのために今回の食管法の改正をさせていただいたとも言えるわけでございまして、この点は、集荷業者、販売業者、これを法定をいたしてございますので、今後は、司法当局、警察当局ともよく緊密な連絡をとって、縁故米等に便乗する不当のやみ業者に対しては、厳しくこれを取り締まってまいる、こう考えております。  総理から、部分管理は絶対にしない、こう申し上げておりますこの食管法の改正でございます。それについて米価の問題の質問でございますが、生産者のためには何も考えてないじゃないかという先ほどの御批判もありましたけれども、そういうことではございませんで、この生産者米価を決める条文はそのままにいたしておるわけでございまして、米の需給事情その他の事情に配慮しつつ、米穀の再生産の確保を旨として生産者米価を決めていく、こういうことでございますので、この点はひとつよく御理解をいただき、また今年産米の米価も、やがて時期が参りますが、その際にも米価審議会でよく御審議をいただいて決定をしていきたいと考えております。(拍手)     〔国務大臣原健三郎君登壇〕

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) お答え申し上げます。  地価の安定策があるのかどうか、それについての御質問でございます。  最近における地価の動向を今年の地価公示によって見ますと、三大圏の住宅地における変動率が高いというこれまでのパターンとほぼ同じで、大した変化はございません。しかし、上昇率はやや鈍化する傾向にあることが特色であります。  最近の地価上昇は、住宅地が中心となっておりますが、これは効用増によるもののほか、根強い住宅地の需要に対して供給が不足しておることが主な原因であると考えられるところであります。しかし、過去におけるような投機的な土地取引は、すでに影をひそめておるものであります。  それで、土地政策としては、長期的には過密過疎を解消し、国土の均衡ある利用を図ることが必要でありますが、当面の対策としては、第一は、土地取引について引き続き厳重な監視を行います。第二は、国土利用計画法の的確な運用を図ること等により、投機的な土地取引の抑制を図ります。第三は、農住組合制度の活用等による市街化区域内農地の宅地化の促進を図る。第四、遊休地の活用。第五、都市再開発の推進等による宅地供給の促進を図ることを中心として、地価安定のための諸施策を総合的かつ積極的に講じていくことが必要であると考えておるところであります。  以上、お答えします。(拍手)     〔国務大臣安孫子藤吉君登壇〕

安孫子藤吉自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安孫子藤吉君) 米穀等の流通秩序の維持につきましては、所管行政官庁の適正なる行政施策によりまして、その実効を十分に期待し得るものと考えておるのでありますが、取り締まりにつきましては、その行政措置が十分に効果を上げることができるようにという立場から、需給関係等の情勢に応じまして的確に対処してまいりたいと存じておるところでございます。(拍手)     —————————————

岡田春夫無所属副議長

○副議長(岡田春夫君) 横手文雄君。     〔横手文雄君登壇〕

横手文雄民社党・国民連合

○横手文雄君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題になりました農林漁業三白書並びに食糧管理法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問を行います。  いまや食糧資源問題が国際的に重要視されつつあるとき、わが国農業の現状は、米減らしの減反政策以外に農政なしと言われる心細い状態にあります。  農業白書は、基本法農政二十年の概観から始め、わが国の農業がいびつな構造に陥った、このことを認め、その原因に言及しておりますが、私は、今日の農政の混迷は、今日まで農政を展開した政府・自民党にあると言わざるを得ません。(拍手)  すなわち、農政の長期的展望を持たず、その場しのぎの場当たりの政策に明け暮れた自民党農政の体質こそ、日本農業の自立的発展を阻害した元凶であります。政府は、農業の再建を進めるに当たって、基本法農政をどのように総括し、今後の農政展開にいかに生かそうとするのか、総理の率直な見解を求めます。  第二に、食糧の安全保障についてであります。  昨年の第九十一国会において、食糧の自給力強化に関する国会決議が採択され、それを受けて、政府は、日本の農業、食糧を守るために万全の対策を講ずることを約束したのであります。  しかるに、昨年十月、農政審議会の答申を受けて閣議決定した昭和六十五年度の農産物生産見通しでは、穀物自給率を現在の三四%から昭和六十五年には三〇%に引き下げるとしております。また、今回の農業白書においても、国際的な農産物需給は今後不安定に推移すると、このことを認めながら、生産性を度外視した国内自給率の向上は現実的ではないと断じております。  この政府の姿勢は、さきの国会決議に矛盾するものであり、農政不信を招く大きな原因となっております。この矛盾について、生産農民に対しどのように説明されるのか、お尋ねいたします。  第三に、白書は、農業担い手の高齢化が進行し、将来農地を手放す農家が百七十万戸と予想しておりますが、これは、将来わが国の農村社会、農業構造を根底から揺るがす問題であります。  政府は、高齢化の進む農村に対し、年金など離農者への社会福祉、農村の整備、さらに農業後継者の育成などの総合的対策をどのように進めるのか、お伺いいたします。  次に、白書は、農地の流動化が進むことを予想しております。確かに、日本農業の体質を強化し、生産性の高い自立経営を育成していくには、経営基盤の拡大は避けて通れない課題であります。にもかかわらず、これは過去二十年間、基本法農政の目標に掲げられながら、見るべき成果がなかったという事実があります。政府は、農地の流動化に今後本格的に取り組んでいく決意があるのか、将来の農業構造の展望を含め、具体的な方針を明らかにしていただきたいのであります。  次に、林業白書についてお伺いいたします。  今日、わが国の森林資源の将来と林業及び関連業界は、かってない困難な状況にあります。白書は、木材需要の伸び悩み、外材シェアの拡大による価格の低迷、国産材市場の圧迫など、林業生産活動が著しく低下していること、さらには林業の担い手、資金の不足による造林、育林、間伐の立ちおくれなどの実態を報告しております。  かかる現状を放置するならば、昨年閣議決定された林産物需給の長期見通しが達成される保証は全くないと言わざるを得ません。そればかりか、国土保全、水資源涵養など、森林の持つ公益的機能の発揮にも支障を来すのであります。  このような森林・林業の現状を克服するためには、いまこそ政府の抜本的かつ強力な施策の推進が必要であります。林業振興に関する政府の基本方針をお伺いいたします。  次に、漁業白書についてお尋ねいたします。  わが国の漁業経営は、二百海里国際規制の強化、燃油価格の高騰、生産地魚価の低迷により厳しい環境下に置かれていることは白書の指摘するとおりであります。  しかも、漁業には、経営コストの増大を価格に転嫁し得ないという制約が課せられており、このまま推移するならば、漁業経営は悪化の一途をたどり、将来にわたって水産物の安定供給に支障を来すことは必至であります。政府は、漁業経営の安定を図るため、各般の施策を急ぐべきであります。  わが党は、水産物の安定供給を確保するため、わが国周辺水域の水産資源を見直し、大規模栽培漁業の振興を強力に推進すべしと提唱しております。この点、あわせて政府の漁業振興に関する基本方針をお伺いいたします。  次に、食糧管理法の一部を改正する法律案について質問いたします。  今回の改正は、これまで政府が食管法の政省令等で手直しを加えた予約限度制、自主流通米制度など一連の措置を食管法本体に組み入れた、いわば現状追認と理解いたします。しかし、食管制度改善の具体的中身は政省令にゆだねられており、政府の運用を見なければわからないというのが事実であります。  このため、国民の間には、今回の法改正を契機に、将来食管制度の根幹を改変する意図が政府にあるのではないかという危惧を抱く向きがあります。私は、総理に対し、将来とも食管制度の根幹を堅持していく方針で法改正に臨まれたのかどうか、明快なる答弁を求めます。  第二に、政府が策定する米の管理、流通の規制に関する基本計画についてであります。  このねらいは、米の過剰時代に対応して、需給の調整機能を強化することにあると理解いたしますが、基本計画の内容とその運用によっては、生産農民に与える影響、きわめて大きなものがあります。  すなわち、現在、水田利用再編対策として、関係者の協力のもとに実施されている米の生産調整が強制的に拡大されはしないか。さらに、品質格差の拡大など、生産者米価の抑制につながるのではないかという懸念であります。こうした問題に対する政府の明快なる御説明を求めます。  第三に、米の備蓄についてであります。  政府は、昨年末の政府在庫米が六百五十万トンあったことなどを理由に、米の需給不均衡を強調されておりますが、冷害による凶作で主食用の米は底をつきかけ、現在、政府在庫米のほとんどは加工用、飼料用というのが事実であります。とのことは、国民生活にとってきわめて重大なことであります。  したがって、政府も、食糧の安全保障を確立する見地から、備蓄の重要性を再三強調されてきておりますが、この際、従来の備蓄方式を見直し、備蓄に関する国の責務並びにその基本計画を食管法に明記すべきと考えますが、この点に対する政府の見解を求めます。  第四に、流通面の改善についてであります。  政府は、流通業者の地位と責任を明らかにし、不正規流通を取り締まる方針を打ち出しました。この意味するところは、法改正の趣旨にもあるように、消費者の多様な需要に食管制度が十分に対応していくための制度改善と理解しますが、その成果は、今後の運用を見なければわからないというのが事実であります。  その具体的運用に関し、まず消費者にとってどのような利点がもたらされるのか。また、流通の各段階で競争原理を導入する方針をとるのかどうか。さらに、この制度改正を通じて、米の消費拡大がいかに図られていくのか。以上三点について、政府の明快なる答弁を求めます。  あわせて、不正規流通を取り締まる具体的方策を明らかにしていただきたいのであります。  第五に、財政再建を図る見地から、食管制度を効率的に運営する要請が高まっていますが、この点に関する政府の見解をお伺いいたします。  最後に、私は、地域経済の発展のかなめとして農林漁業を位置づけ、確固たる長期展望に立ってその再構築に着手するよう、政府に対し強く要望して、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。  農業基本法制定以降今日までの間におきまして、畜産物、野菜、果実等の部門では、需要の動向に応じた農業生産の選択的拡大と経営規模の拡大が進んだのでありますが、稲作等土地利用型農業部門では、規模拡大の立ちおくれなど多くの問題を残しているのが現状かと存じます。  したがいまして、今後の農政を進めるに当たりましては、昨年農政審議会から御答申をいただきました「八〇年代の農政の基本方向」などを踏まえまして、需要の動向に応じた農業生産の再編成、農用地の利用権の集積による中核農家の育成など、諸般の施策を講じてまいりたいと存じます。  今回の食管法の改正は、制度の基本を維持しながら、現在の経済状態と乖離を生じている諸条項、諸制度の改正を行うものでありまして、これにより需給事情の変動に応じて安定的に米の供給が図られることになると存じますので、生産者、消費者、さらには国民経済全体にとりましても、法改正の持つ意味は大きいと考えます。  以上、御質問にお答えいたしましたが、その他の点につきましては、所管大臣から答弁をいたします。(拍手)     〔国務大臣亀岡高夫君登壇〕

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 横手議員にお答えいたします。  政府といたしましては、先般の国会における食糧自給力強化決議を踏まえまして、自給力の維持強化に努めてまいりたいと考えております。  先般政府が明らかにいたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」、これは閣議決定をさせていただいたわけですが、これも国会の決議を十分踏まえて、私も何回か農政審議会に出席をさせていただきまして政府の考え方も述べさせてもらい、そうして答申をちょうだいしたわけでございまして、国会の御決議の意向は十分反映されておるものと確信をいたします。  したがいまして、今後、私どもといたしましては、日本型食生活の定着を図っていくために最大の努力をするということが基本でございます。と同時に、国内で生産可能なものは、先ほども申し上げましたとおり、極力これを国内で賄うということを基本といたしまして、もろもろの施策を強力に推進をしてまいるということでございます。  また、農地の流動化を進めることはまことに重要なことであることは、われわれも大分前から感じておったわけでありますが、なかなかその環境がうまく成長いたさなかったということがあるわけでございます。かつて、農地管理事業団法という法律を提案をいたしまして、三回国会に出しましたけれども、これが成立を見なかったという例もございまして、あのとき、できておればなという思いもいたすわけでありますが、しかし、遅まきながらも、昨年農用地利用増進法というまことに適切な立法をしていただいて、政府といたしましては、これらの法律を中心にして農地法、農業委員会法とあわせまして、この実施を円滑に行って規模の拡大に資していきたい、こう考えておる次第でございます。  と同時に、農地の貸し借りというものが、農村の地域社会の信頼関係の確立によって今後円滑に進むように指導してまいりたい、こう考えます。  林業の基本施策についての問題につきましては、申し上げてまいりましたように、やはり林業に対する基本的認識というものを確立をいたしまして、そうして林業の持つ公益性、公共性というものに対応できる処置を政府としても確立をしてまいりたいというのが基本でございます。  と同時に、特に造林というものに一工夫、二工夫もしてまいりませんと、一年間に、二千四百万ヘクタールの全林野に対して十九万ヘクタールしか植林をしないなんて、そういうことであったのでは、本当に四十年後、五十年後、一体日本の森林、林産物というものはどうなるのかということを心配せざるを得ないわけでありますので、それらのことを踏まえて施策を進めてまいりたいと考えます。  また、間伐促進のための対策を強化することといたしましたのも、そういうためでございます。外材輸入の安定化、国産材の供給体制の整備等も、これまた力を入れてまいらなければならないと考えております。  以上のようなもろもろの林業施策を講じますが、何としても、その基本的考え方を確立をするということが大変大事であるというふうに認識をしてやっておるところでございます。  漁業につきましては、本当に的確に御指摘をいただいたわけでございますが、御指摘のとおり、わが国の周辺水域における、いわゆるつくり育てる漁業の振興ということ等、やはり栽培漁業というものを進めてまいりたい。昭和五十五年度は十六億尾のサケの放流もいたしております。これがやがて四年後には九万トンの大きなサケになって日本に上がってくる、こういうことでございますので、これらの点を強化してまいりたい。  沖合い・遠洋漁業につきましては、何としてもこれは外交面の問題でございますので、これは外務省ともよく緊密な連絡をとりましてやってまいりたい。日ソ漁業関係の問題も、日米の漁業関係の問題も、ASEANの漁業関係の問題も、ニュージーランド、豪州関係の問題につきましても、とにかく、先ほど申し上げましたようにとことんまで話し合う、こちらの立場も、相手に何と思われようと、こちらの漁業者の立場に立って強く主張するということを私は試みておるわけでございますが、これが大変いい成果を上げているような感じがいたしますので、今後もこのような態度で漁業外交を緊密に進めて、そうして漁業者の利益を守っていきたいと考えます。  さらに、食管改正でございますが、基本計画を立てるわけでございますが、これは米の流通管理についての指針というものでございまして、これをもって直ちに生産活動を拘束するという意図は毛頭ございません。  生産調整につきましては、これまでどおり生産者の理解と協力のもとに推進していくことに変わりはございません。決して、これは強制したって成功するものではございません。やはり、農家の皆さんは、本当に理解した上でないとなかなか腰を上げて積極的に協力してもらえませんわけでありまして、五十三年から今日まで、生産調整が年ごとに計画を上回った減反成績を上げてこれたのも、やはり政府の、協力を要請するその誠意を示さなければならない、こういうふうに考えて、決して強制はいたしてまいりません。  備蓄については、これはもう今度の食管法にも直接備蓄の問題を条文を設けて法定はしておりませんけれども、米の需給調整その他の管理に関する基本計画の中に当然含まれておるということで、ここで備蓄の問題を取り上げてまいりたいと考えます。  さらに、消費者、生産者のために、この改正案はどうなのか、利益があるのかということでございますが、私どもは、大いにある、こう考えておるわけでございます。  やはり石油ショックの際にも、それから昨年のあの異常な冷害凶作の際にも、米に不安を感じなくて済んだ。したがって、食管制度は守られるように、そうして、消費者のためにも生産者のためにも、現行の制度が、基本を存続してもらった方が非常にありがたいということは、米価審議会でも消費者の委員からも強く主張を受けておるわけでございますので、守られる食管法ということにいたしておけば、消費者、生産者からも大変信任を受けるものと考えます。  不正規流通の取り締まり等についても、やはり厳然たる態度で臨んでまいりたい、こう考える次第でございます。  また、小売の新規参入など、販売業者制度の改善については、政府売却の改善その他の条件整備を進めながら、自立性ある販売活動の必要性、制度内容の連続性、地域の実情等に配慮して、その改善整備を図っていきたいという考え方を持っております。  また、食管財政負担軽減についてのお話があったわけでございますが、米の需給均衡の早期回復、両米価の適正な決定、集荷、保管、運送等各般にわたる業務運営の改善合理化を図りまして、機構、定員についても、引き続き社会情勢の変化等を踏まえ、簡素合理化を図る方向で努力してまいる所存でございます。(拍手)

岡田春夫無所属副議長

○副議長(岡田春夫君) これにて質疑は終了いたしました。

岡田春夫無所属副議長

○副議長(岡田春夫君) 本日は、これにて散会いたします。     午後四時四十七分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  鈴木 善幸君         大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君         農林水産大臣  亀岡 高夫君         通商産業大臣  田中 六助君         郵 政 大 臣 山内 一郎君         自 治 大 臣 安孫子藤吉君         国 務 大 臣 原 健三郎君  出席政府委員         食糧庁長官   松本 作衞君

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