本会議 第18号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/04/16
会議録
○議長(福田一君) これより会議を開きます。 ————◇————— 日程第一 在外公館の名称及び位置並びに在 外公館に勤務する外務公務員の給与に関す る法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(福田一君) 日程第一、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。内閣委員長江藤隆美君。 ————————————— 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔江藤隆美君登壇〕
○江藤隆美君 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案の内容は、 第一に、在ヴァヌアツ及び在ジンバブエの各日本国大使館を新設するとともに、在ソールズベリー日本国総領事館を廃止すること、 第二に、在マナオス日本国領事館を総領事館に昇格させること、 第三に、在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定すること、 第四に、研修員手当の額を改定すること等であります。 本案は、三月二十七日本委員会に付託され、四月七日提案理由の説明を聴取し、審査を行い、四月十四日質疑を終了いたしましたところ、自由民主党の愛野興一郎君から、施行期日に関する修正案が提出され、趣旨説明の後、採決の結果、全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。 なお、本案に対し、附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。 ————◇————— 日程第二 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出) 日程第三 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第四 昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(福田一君) 日程第二、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案、日程第三、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、日程第四、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。大蔵委員長綿貫民輔君。 〔綿貫民輔君登壇〕
○綿貫民輔君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 初めに、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について申し上げます。 この法律案は、最近における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることにかんがみ、当面の財政運営に必要な財源を確保し、もって国民生活と国民経済の安定に資するため、租税収入以外の歳入に係る特別措置を定めようとするもので、その主な内容を申し上げますと、 第一に、特例公債の発行等についてであります。 まず、政府は、昭和五十六年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、特例公債を発行することができることとしております。 次に、特例公債の発行は、昭和五十七年六月三十日まで行うことができることとし、同年四月一日以後に発行される特例公債に係る収入は、昭和五十六年度所属の歳入とする等、所要の規定を設けております。 第二に、日本中央競馬会は、昭和五十六事業年度については、通常の国庫納付金のほか、剰余金を基準とする国庫納付金の額が五百億円に満たない場合においては、特別積立金のうち五百億円と剰余金を基準とする国庫納付金の額との差額に相当する金額を昭和五十七年三月三十一日までに国庫に納付しなければならないこととしております。 第三に、日本電信電話公社は、昭和五十六事業年度から昭和五十九事業年度までの間、積立金のうち四千八百億円に相当する金額を、四年均等割で毎事業年度末までに国庫に納付しなければならないこととしております。 第四に、日本開発銀行及び日本輸出入銀行については、昭和五十六事業年度から昭和五十九事業年度までの措置として、利益金の処分の特例を設けることとしております。 すなわち、国庫納付金の額の計算上、利益金から控除すべき準備金積立額を計算する場合における貸付金残高に係る積立率を現行の千分の七から千分の五に引き下げることとするものであります。 第五に、一般会計の歳出の財源に充てるため、昭和五十六年度から昭和五十九年度までの措置として、産業投資特別会計から、予算で定めるところにより、一般会計に繰り入れることができることとしております。 以上がこの法律案の概要でありますが、本案につきましては、去る三月二十七日渡辺大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、農林水産委員会、逓信委員会との連合審査会を開いたほか、参考人を招致してその意見を聴取する等、慎重に審査を行いました。 審査の過程におきましては、特に、財政再建の方途、行財政改革に取り組む政府の姿勢、国債の償還と借りかえに対する基本的考え方、補助金行政の見直しと整理縮減のあり方、財政投融資計画と特殊法人の洗い直し、日本電信電話公社の臨時国庫納付金が公社経営に与える影響と今後における公衆電気通信事業の重要性、競馬の健全な発展と日本中央競馬会の適正な業務の執行等、各般の問題点にわたり熱心な論議が交わされましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。かくて、一昨十四日質疑を終了いたしましたところ、越智伊平君外三名から、自由民主党提案に係る、施行期日を公布の日に改めることとする修正案が提出されました。 次いで、原案及び修正案を一括して討論に付しましたところ、自由民主党を代表して麻生太郎君からは賛成の旨の、日本社会党を代表して戸田菊雄君、公明党・国民会議を代表して柴田弘君、民社党・国民連合を代表して玉置一弥君、日本共産党を代表して正森成二君からは、それぞれ反対の旨の意見が述べられました。 討論終局後、採決いたしました結果、修正案及び修正部分を除く原案は、いずれも多数をもって可決され、よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 なお、本案に対しましては、全会一致の附帯決議が付されましたことを申し添えます。 続いて、共済年金関係の二法律案について申し上げます。 両法律案の主な内容を申し上げますと、 第一は、国家公務員及び公共企業体職員の共済組合が支給しております既裁定年金について、恩給における措置にならい、昭和五十五年度の国家公務員の給与の改善内容に準じて、年金額の算定の基礎となっている俸給を増額することにより、本年四月分から、年金額を引き上げることといたしております。 第二に、公務関係年金及び長期在職者の受ける退職年金等の最低保障額を、恩給における措置にならい改善することといたしております。 第三に、現行の国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共済組合法に基づく遺族年金に加算される寡婦加算の額につきまして、本年四月分から、その額を引き上げるとともに、その遺族年金を受ける妻が、同時に退職年金等を受けることができる場合には、寡婦加算の支給に関し必要な調整を行うことといたしております。 第四に、遺族の範囲の改正であります。 現行法では、組合員期間が十年以上の者の配偶者につきましては、遺族の要件としてい死亡した者との生計維持関係を必要としない扱いとなっておりますが、これを、死亡した者との生計維持関係をその要件とする扱いに改めることといたしております。 第五に、昭和五十四年十二月三十一日以前に退職した高額所得を有する退職年金受給者に対しまして、昭和五十五年一月一日以後に退職した者と同様、退職後の給与所得に応じて年金額の一部の支給を停止することとする等、所要の措置を講ずることといたしております。 以上のほか、国家公務員の共済組合につきましては、共済組合間における短期給付の財政調整事業の実施等の措置を講ずることといたしております。 以上が両法律案の概要であります。 両法律案につきましては、去る四月十日渡辺大蔵大臣及び塩川運輸大臣から提案理由の説明を聴取した後、審査に入り、一昨十四日質疑を終了いたしましたところ、両法律案に対し、自由民主党提案に係る修正案がそれぞれ提出され、大原一三君から趣旨の説明を聴取いたしました。 両修正案の内容は、原案において法律の施行期日が「昭和五十六年四月一日」と定められておりますのを、「公布の日」に改める等、所要の措置を講じようとするものであります。 次いで、採決いたしました結果、両修正案及び修正部分を除く両原案は、いずれも全会一致をもって可決され、よって、両法律案は修正議決すべきものと決しました。 なお、両法律案に対しましては、全会一致の附帯決議が付されましたことを申し添えます。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 三案中、日程第二につき討論の通告があります。これを許します。戸田菊雄君。 〔戸田菊雄君登壇〕
○戸田菊雄君 私は、日本社会党を代表して、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に反対し、討論を行うものであります。 反対の第一は、その場限りの歳入確保策で増税再建に走り過ぎていることであります。 政府の財政収支試算、八〇年二月衆議院予算委員会提出表3は、新経済社会七カ年計画が想定する八五年度の日本経済の姿を前提に機械的に計算したにすぎないと言っております。このような政府の言い逃れの言動は無責任きわまりないものと考えます。 政府は、今日まで、財政再建のためには、八四年度までに赤字国債を打ち切ることが最大の政治課題だと強調し続けてまいりました。赤字国債の解消計画を早急に示す責任があったはずであります。すなわち、八一年度に国債発行額十二兆二千七百億円、前年度当初予算比二兆円減額をしたことで、財政収支試算が予定しておりました国債発行額十三兆四千億円、八三年度と十一兆六千六百億円、八四年度との中間まで八一年度で達成することになり、二年半程度繰り上がるはずであります。 また、財政収支試算が予想した税収よりも、法人税は減量経営等で好調であり、かつ所得税の減税見送りによる増税で、自然増収が政府の見通しよりもはるかに多くなること必定であります。 さらに、歳出増加率は、財政収支試算の見込みより少なくなるものと考えます。今回の特別措置法案は、歳出削減はおろか中期展望も示されず、国民の意思を無視して、史上空前と言われる大増税で、その場限りの歳入確保策だからであります。 第二は、国会の審議権を軽視し、制限する不法性についてであります。 今回の特別措置法案は、電電公社納付金、中央競馬納付金、政府関係機関の貸し倒れ準備金の取り崩し、日航株の政府保有分の処分など、それぞれ性格の全く違う異種のものを同じ法案に組み入れ、あまつさえ公債発行まで行うことになっております。 ことに電電公社に対する臨時国庫納付金は、利益積立金から四千八百億円を、八一年度から八四年度までの四年間に毎年一千二百億円を国庫に納付することにしております。当該公社の収支差額は、公社法第六十一条で資本勘定——仮に予算を上回った場合でも——に繰り入れることに決められております。すなわち、有形固定資産であり、民間企業の内部留保とは性格を異にし、すべては利用者に還元されているものであります。 また、公社の収支差額は減少傾向にあり、かつ八一年度予算では、夜間割引幅の拡大、五百キロ以遠の遠距離の引き下げ、利子の増大などで収支差額は大幅に減少し、八四年度以降は赤字となることが予測され、料金値上げは不可避の状況にあります。 さらに、電電公社の財投金額が、前年度の五百億円から一挙に三倍の一千五百億円に増加いたしました。これは一般会計への納付金一千二百億円の補てん策と言い得ましょう。すなわち、電電公社が、今回の一般会計納付金を金利のかかる財投資金で充当したわけであります。ほかに、政府関係機関設立の趣旨であります企業性、独立採算制などの見地から、また、現行電電公社法(一九五二年七月三十一日)の国会審議を経過し、原案にあった国庫納付金制度が国会修正で削除されました等々の経緯からいっても全く不当な措置であり、取りやめるべきだと考えます。このような、歳入確保のためには手段を選ばず、国会史上全く前例のない欠陥法案を上程し、国会の審議権を軽視し、制限することに反対するものであります。 第三は、国民に犠牲を強要し、不公平を拡大するからであります。 当該法案は、西ドイツの財政再建法をモデルにしたと言われております。その西ドイツは、歳出歳入の両面にわたって徹底した施策を講じております。たとえば歳出面では、数多くの徹底した歳出削減を実行いたしておるのであります。しかる後に歳入面では、租税特別措置法による大企業並びに大法人への優遇措置である政策減税の撤廃を初め、種々の検討を行い、均衡のとれた施策を実行したと言われております。 日本の歳出削減は無に等しい。あえて挙げれば、日本航空機製造を八二年度に民間に移管すること、八一年度以降二年間に許認可事項一千事項を目途に、廃止、統合、権限移譲などの計画を作成するだけであります。まさにつめ切り行革であり、「財政再建は厳しい歳出抑制、民間会社並みの減量経営でやり、それでも足りない分は国民に負担を願う」という、鈴木総理が繰り返し述べてきたことは全く絵そらごとに終わっております。 西ドイツの財政再建を自分に都合のよいものだけをつまみ食いをして、金集めのみに狂奔し、一方的に国民の犠牲と不公平を拡大する今回の措置に賛成できません。 第四は、政府系金融機関並びに公庫等の貸し倒れ引当金も、実態と遊離して積み立てられ、利益隠しとなっているからであります。 政府系金融機関は、開発銀行と輸出入銀行のほかに住宅金融公庫など八公庫もあります。それらの公庫の貸し倒れはいずれもゼロで貸し倒れ引当金の積み立てを行っております。それにもかかわらず、これらを除外したことは作為的であり、財政確保策としてはきわめて不十分であり、納得のでき得ないものであります。 第五は、財政再建の予算編成が一貫して大企業中心高度成長時の硬直した編成に終始していることであります。 政府の八一年度予算及び財政投融資計画の予算説明書の六十四ページでも明らかなように、一般会計の赤字解消を政策の最優先課題だと言いながら、八一年度予算では法案によって百六十五億円を産業投資会計に吸い上げております。そのうち一般会計には五十億円しか繰り入れておりません。残額百十五億円は産業投資に残したままであります。実に三倍の金を、大蔵省の手かげんで大企業、大法人の貸し付けに回そうとしております。このようなこそく的で何らの改善策もない、硬直した予算編成に反対するものであります。 以上、本案に対する反対理由を申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)
○議長(福田一君) これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○議長(福田一君) これより採決に入ります。 まず、日程第二につき採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。(拍手) 次に、日程第三及び第四の両案を一括して採決いたします。 両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。 ————◇————— 日程第五 蚕糸砂糖類価格安定事業団法案(内閣提出)
○議長(福田一君) 日程第五、蚕糸砂糖類価格安定事業団法案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事羽田孜君。 ————————————— 蚕糸砂糖類価格安定事業団法案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔羽田孜君登壇〕
○羽田孜君 ただいま議題となりました蚕糸砂糖類価格安定事業団法案につきまして、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 この法律案は、現下の重要政策課題である行政改革の一環として、特殊法人の整理合理化を図るため、日本蚕糸事業団と糖価安定事業団の統合を行おうとするものでありまして、その主な内容は、次のとおりであります。 まず、日本蚕糸事業団及び糖価安定事業団を解散し、新たに蚕糸砂糖類価格安定事業団を設立することとし、新事業団は、解散する両事業団の一切の権利及び義務を承継するとともに、これまで両事業団が実施してきました業務をそのまま引き続き行うこととしております。 次に、新事業団の役員につきましては、従来両事業団合わせて常勤役員十二人、非常勤役員五人でありましたものを、行政改革の趣旨に沿って、常勤役員九人、非常勤役員三人とすることとしております。 また、これらのほか、財務及び会計に関する規定を整備するとともに、両事業団の統合に伴う経過措置等を講ずることとしております。 委員会におきましては、去る三月二十六日亀岡農林水産大臣から提案理由の説明を聴取した後、四月八日には参考人から意見を聴取する等、慎重審査を重ねた結果、昨十五日質疑を終了し、続いて採決を行いましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対しましては、新事業団の業務の効率的な運営に努めるべきこと等を内容とする附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第六 住宅・都市整備公団法案(内閣提 出)
○議長(福田一君) 日程第六、住宅・都市整備公団法案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。建設委員長稲村利幸君。 ————————————— 住宅・都市整備公団法案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔稲村利幸君登壇〕
○稲村利幸君 ただいま議題となりました住宅・都市整備公団法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案は、日本住宅公団及び宅地開発公団を統合して、新たに住宅・都市整備公団を設立し、新公団に、住宅事情の改善を特に必要とする大都市地域等において良好な居住性能及び居住環境を有する集団住宅及び宅地の大規模な供給、市街地開発事業等の施行、根幹的な都市公園の整備を行わせることとするほか、資本金、管理委員会、財務及び会計等について所要の規定を設けることとしております。 また、両公団の統合等に伴う経過措置を講ずることとするほか、土地区画整理法、都市再開発法等の関連法律について所要の改正を行うこととしております。 本案は、去る三月二十七日本委員会に付託され、同日建設大臣より提案理由の説明を聴取し、以来、現地視察を行うなど、慎重に審査を進め、四月十五日質疑を終了、続いて日本社会党より、本案の名称、目的等の修正案及び日本共産党より、本案の全部を日本住宅公団法の一部を改正する法律案とする修正案が提出され、趣旨説明の後、討論を行い、両修正案は少数をもって否決された後、直ちに採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対しては、住宅を必要とする勤労者等のために公的賃貸住宅等の建設、適正な家賃による供給など、十項目の附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 国家公務員法の一部を改正する法律案(第九 十三回国会、内閣提出)、自衛隊法の一部 を改正する法律案(第九十三回国会、内閣 提出)、国家公務員等退職手当法の一部を 改正する法律の一部を改正する法律案(第 九十三回国会、内閣提出)及び地方公務員 法の一部を改正する法律案(第九十三回国 会、内閣提出)の趣旨説明
○議長(福田一君) この際、第九十三回国会、内閣提出、国家公務員法の一部を改正する法律案、自衛隊法の一部を改正する法律案、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び地方公務員法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。国務大臣中山太郎君。 〔国務大臣中山太郎君登壇〕
○国務大臣(中山太郎君) 国家公務員法の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 初めに、国家公務員法の一部を改正する法律案について申し上げます。 国家公務員については、大学教員、検察官等一部のものを除いて、現在、定年制度は設けられていないわけでありますが、近年、高齢化社会を迎え、公務部内におきましても職員の高齢化が進行しつつあります。したがって、職員の新陳代謝を確保し、長期的展望に立った計画的かつ安定的な人事管理を推進するため、適切な退職管理制度を整備することが必要となってきております。 このため、政府は、昭和五十二年十二月に国家公務員の定年制度の導入を閣議決定し、政府部内において準備検討を進める一方、この問題が職員の分限に係るものであることにかんがみ、人事院に対し、その見解を求めたのであります。人事院の見解は、一昨年八月、人事院総裁から総理府総務長官あての書簡をもって示されましたが、その趣旨は、より能率的な公務の運営を確保するため、定年制度を導入することは意義があることであり、原則として定年を六十歳とし、おおむね五年後に実施することが適当であるというものでありました。 政府といたしましては、この人事院見解を基本としつつ、関係省庁間で鋭意検討を進めてまいったわけでありますが、このたび、国における行政の一層の能率的運営を図るべく、国家公務員法の一部改正により国家公務員の定年制度を設けることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 改正の第一は、職員は、定年に達した日から会計年度の末日までの間において任命権者の定める日に退職することとし、その定年は六十歳とするというものであります。ただし、特殊な官職や欠員補充が困難な官職を占める職員につきましては、六十五歳を限度として、別に特例定年を設けることとしております。 改正の第二は、定年による退職の特例であります。これは、任命権者は、職員が定年により退職することが公務の運営に著しい支障を生ずると認める場合には、通算三年を限度とし、一年以内の期限を定めてその職員の勤務を延長することができるというものであります。 改正の第三は、定年による退職者の再任用であります。これは、任命権者は、定年により退職した者を任用することが公務の能率的な運営を確保するため特に必要がある場合には、定年退職の日の翌日から起算して三年を限度とし、一年以内の任期でその者を再び採用することができるというものであります。 改正の第四は、内閣総理大臣は、定年に関する事務の適正な運営を確保するため、必要な調整等を行うというものであります。 改正の第五は、国の経営する企業に勤務する職員の定年制度であります。これらの職員については、原則定年六十歳を法定し、特例定年の対象の範囲、勤務の延長の基準等は、当該企業の主務大臣等が定めることといたしております。 改正の第六は、以上の改正に伴う経過措置等であります。すなわち、任命権者、人事院及び内閣総理大臣は、この法律が施行されるまでの間、定年制度の円滑な実施を確保するため所要の準備を行うものとすること。この法律の施行の日の前日までにすでに定年を超えている職員は、施行の日をもって退職するものとすること。ただし、これらの職員についても、定年による退職者の例に準じて、勤務の延長及び再任用の措置をとることができるものとすること等であります。 以上の改正は、昭和六十年三月三十一日から施行するものとし、円滑な実施のための準備に関する規定は、この法律の公布の日から施行することとしております。 続きまして、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 国家公務員等の退職手当につきましては、民間における退職金の実情にかんがみ、これを是正する必要があると認められますので、政府としては、このたび、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律について、所要の改正を行おうとするものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、職員が二十年以上三十五年以下の期間勤続し、勧奨等により退職した場合に、法第三条から第五条までの規定により計算した額に百分の百二十を乗じて得た額の退職手当を支給するものとしていたのを、百分の百十を乗じて得た額を支給することに改めることといたしております。 第二に、職員が退職した場合に支給する退職手当の基準については、今後の民間事業における退職金の支給の実情、公務員に関する制度及びその運用の状況その他の事情を勘案して総合的に再検討を行い、その結果、必要があると認められる場合には、昭和六十年度までに所要の措置を講ずるものとすることといたしております。 以上のほか、附則において、この法律の施行期日及び経過措置について規定しております。 以上が国家公務員法の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。 よろしく御審議をお願いいたします。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 国務大臣大村襄治君。 〔国務大臣大村襄治君登壇〕
○国務大臣(大村襄治君) 自衛隊法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 自衛官については、現在、自衛隊法において停年制度が設けられておりますが、自衛官以外の隊員については、その制度がなく、一般職の国家公務員と同様の退職管理を行っているところであります。 このたび、一般職の国家公務員について、国家公務員法の一部改正により定年制度が設けられることに準じて、これと同様の理由から、自衛官以外の隊員についても自衛隊法の一部改正により定年制度を設けることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明いたします。 第一は、自衛官以外の隊員は、定年に達した日以後における最初の三月三十一日または防衛庁長官のあらかじめ指定する日のいずれか早い日に退職することとし、その定年は六十歳とするものであります。ただし、これらの隊員が特殊な職や欠員補充が困難な職を占める場合には、六十五歳を限度として、別に特例定年を設けることとしております。 第二は、定年による退職の特例であります。これは、任命権者は、自衛官以外の隊員が定年により退職することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認める場合には、通算三年を限度とし、一年以内の期限を定めて当該隊員の勤務を延長することができるとするものであります。 第三は、定年による退職者の再任用であります。これは、任命権者は、定年により退職した者を任用することが公務の能率的な運営を確保するため特に必要があると認める場合には、定年退職の日の翌日から起算して三年を限度とし、一年以内の任期でその者を再び採用することができるとするものであります。 第四は、以上の改正に伴う経過措置等であります。すなわち、防衛庁長官は、この法律が施行されるまでの間、定年制度の円滑な実施を確保するため所要の準備を行うものとすること。この法律の施行の日の前日までにすでに定年を超えている自衛官以外の隊員は、施行の日をもって退職するものとすること。ただし、これらの隊員についても、定年による退職の例に準じて、勤務の延長及び再任用の措置をとることができるものとすること等であります。 以上の改正は、昭和六十年三月三十一日から施行するものとし、円滑な実施のための準備に関する規定は、この法律の公布の日から施行することとしております。 以上が自衛隊法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 自治大臣安孫子藤吉君。 〔国務大臣安孫子藤吉君登壇〕
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地方公務員法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明を申し上げます。 現在、地方公務員につきましては、国家公務員と同様、定年制度は設けられていないのでありますが、近年、わが国人口の年齢構成が急速に高齢化しつつある現状に照らし、地方公共団体におきましても、高齢化社会への対応に配慮しつつ、職員の新陳代謝を確保し、長期的展望に立った計画的かつ安定的な人事管理を推進するため、適正なる退職管理制度を整備することが必要であります。 地方制度調査会等政府関係の調査会におきましても、つとにその答申において定年制度の必要を認め、また、地方公共団体からも定年制度実施の要望が繰り返し行われてきたのでありますが、国家公務員について定年制度を設けるための国家公務員法の一部を改正する法律案が提出されましたので、地方公務員についても、行政の一層の能率的運営を図るべくこれと同様の定年制度を設けることとし、この法律案を提出いたした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明を申し上げます。 まず第一に、職員は、定年に達したときは、その定年に達した日から会計年度の末日までの間において条例で定める日に退職することとし、職員の定年は、国の職員につき定められている定年を基準として条例で定めることとするものであります。ただし、特殊な職や欠員補充が困難なる職に任用されておりまする職員につきましては、条例で別の定めをすることができることといたしております。 第二に、定年による退職の特例であります。任命権者は、職員が定年により退職することが公務の運営に著しい支障を生ずると認めるときは、一年以内の期限を定めてその職員の勤務を延長することができるものとし、必要がある場合には三年を限度として更新することができることとするものであります。 第三に、定年による退職者の再任用であります。任命権者は、定年により退職した者を任用することが公務の能率的運営を確保するため特に必要があると認めるときは、一年以内の期限を定めてその者を再び採用することができるものとし、その任期は更新することができるが、定年により退職した日の翌日から起算して三年を超えてはならないこととするものであります。 第四に、以上の改正に伴う経過措置等であります。すなわち、定年制度の円滑なる実施を確保いたしますため、任命権者及び地方公共団体の長は、所要の準備を行うものとすること。定年制度が実施される日の前日までにすでに定年に達している職員は、この制度が実施される日に退職するものとし、これらの職員についても、定年による退職者の場合に準じて、勤務の延長及び再任用の措置をとることができるものとすること。県費負担教職員につきましては、その身分及び任用の特殊性を考慮し、これを再任用すべき地方公共団体を都道府県内のすべての市町村とすることであります。 これらの改正は、昭和六十年三月三十一日から施行するものとし、定年制度の円滑な実施のための準備に関する規定は、この法律の公布の日から施行することといたしております。 以上が地方公務員法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手) ————◇————— 国家公務員法の一部を改正する法律案(第九十三回国会、内閣提出)、自衛隊法の一部を改正する法律案(第九十三回国会、内閣提出)、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(第九十三回国会、内閣提出)及び地方公務員法の一部を改正する法律案(第九十三回国会、内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(福田一君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。愛野興一郎君。 〔愛野興一郎君登壇〕
○愛野興一郎君 ただいま議題となりました公務員関係四法案につきまして、自由民主党を代表いたしまして、総理に御質問をいたします。 公務員に定年制を導入するための定年制度法案及び国家公務員等の退職手当の是正を図るための退職手当法改正法案は、いずれも、昨年春の通常国会に提案されて以来、一年を超える月日を経ておりますが、この間、一回の審議すら行われていなかったのであります。特に、昨年秋の臨時国会におきましては、人事院の給与勧告の実施とあわせ、いわゆる公務員三法案として国会に再提出されたのでありますが、給与関係法案のみが成立し、定年制度法案と退職手当法案は、継続審査案件として積み残されたのであります。 このような経緯をたどってきた公務員関係の四法案が、本日の趣旨説明を機会にいよいよ実質的な審議の緒につきましたことは、まことに欣快にたえないところであります。(拍手) さて、現下のきわめて厳しい経済社会情勢と財政状況のもとで、国民が最も注視している問題は行政改革であります。鈴木総理は、すでに第二次臨調を発足させ、行政改革こそ内閣の最重要課題であり、これに全力を傾注して取り組むとのかたい決意を表明しておられるのであります。 そこで、この公務員関係の四法案についてでありますが、世論もその成立を強く期待し、これらの改正こそ、来るべき全般的な行政改革実現の先駆けとして注目しておるところであります。まさに、定年制度法案と退職手当法案への取り組みこそ、今後の行政改革の試金石としての重要な意味合いが込められているのであります。(拍手) そこで、総理にお尋ねいたします第一点は、これら公務員関係の四法案の成立こそ今後の行政改革実現の先駆け、試金石であるという考え方について、どのような御決意と御所見をお持ちであるか、お伺いをいたします。 次に、定年制度法案に関連してお尋ねをいたします。 現在、国、地方を通じ公務員には、一部の職種を除いて定年制度が設けられておらず、これにかわるものとして退職の勧奨が行われております。しかるに、この退職勧奨には法的な強制力がないため、これに応じない職員もおり、人事配置に支障を来したり、勧奨に応じた職員との間に不公平が生ずるなど、人事管理上悪い影響を及ぼすことがあると聞いておるのであります。 さらに、社会全体の高齢化の進行とも相まって、将来、勧奨機能が低下することも十分予測されるところであります。その結果、高齢職員が増加し、公務能率の低下や財政負担の増高を招くことも危惧されるところであります。 ここで目を民間に転じてみますと、約九七%の企業が定年制度を設けております。また、その実態は、昨今の厳しい経済環境のもとにおける減量経営の中で、五十五歳定年を六十歳定年に延長するため大変な努力が重ねられておるのであります。 このような情勢を背景に、世論調査を見ましても、国民の多くが公務員に定年制度を導入することが必要だとしておるのであります。 国におきましても、厳しい財政事情のもとで、安上がりの政府を目指して努力を重ねるべき時期に、ひとり公務員にのみ定年制度を設けないでいるということは、国民感情からも決して許されるものではないと考える次第であります。 定年制度法案を提出されるに当たっては、このような点も踏まえて検討されたものと考えますが、この際、改めて総理のお考えをお伺いしておきたいと思うのであります。 次に、退職手当法改正案についてであります。 さきにも申し上げましたとおり、この法律案は、昨年の春国会に提出されまして以来、今日まで一年以上も放置されたままでありますが、その内容は、退職金に関する官民較差の是正を図ろうとするものであります。 今日、行政と公務員に向けられる国民の目にはきわめて厳しいものがありますが、納税者たる国民の理解と納得を確保するためには、公務員の処遇のあり方を含めて、常に正すべきは正すという基本姿勢で臨むことが何よりも大切であります。この意味からも、今回の退職手当法の改正は、ぜひ成立させる必要があると考えるものであります。 さらに、この法律案は、実質的な予算関係法律案であるという点も忘れてはならないと思うのであります。この法律案により、今年度予算において、一般会計で二百十億円特別会計も合わせて総額五百億円の支出を節減できるとの見込みで、今年度予算にその減額が織り込まれておるとのことであります。したがって、一日も早い成立が強く期待されているのであります。 このような性格を持つ退職手当法改正案でありますから、速やかな審議により早期成立を目指すべきであると考えるものでありますが、総理はどのようにお考えか、お伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手) 〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。 昨年秋の臨時国会において、政府は、給与の官民較差を是正するための人事院勧告を受けて、国家公務員の給与改善を図る給与関係法案を提出し、その成立を見たのであります。 現下の厳しい財政事情のもとで、このような国家公務員の給与改善を行うに当たっては、その反面で、正すべきところは正すという姿勢で臨むことが、国民の信頼を確保していくために不可欠であると考えるのであります。(拍手) 御指摘の公務員四法案は、行政の能率的運営を図るための定年制法案と、官民較差の是正を図るための退職手当法改正案でありまして、政府としては、いずれもさきの給与関係法案とあわせその成立を強く期待していたところでありますので、この国会で速やかに御審議の上、ぜひとも成立させていただきたいと考えております。 次に、民間企業には定年制があるのに、公務員に定年制度を設けていないのは国民感情からも許されないのではないかとの御意見がありました。 確かに、民間企業においては、おおむね九五%という大部分の企業に定年制が実施されており、昭和五十三年三月の総理府の世論調査でも、六三%の多数が、定年制が必要であるとの意見でありました。 この法案は、行政の能率的運営を図るため、人事行政面においても長期的な展望に立った計画的な人事管理を行い、組織の活力の維持と職員の士気の高揚を図ることを目的とするものであります。 従来から各省庁において、慣行として一定年齢で退職勧奨を行ってきているところでありますが、制度的保障がありませんので、この際、より適正な退職管理制度としての定年制を導入する必要があると考えるのであります。 最後に、退職手当法案について御意見がありました。 公務員の退職手当については、民間の退職金の水準を公務員の退職金に反映させることが適当であると考えております。 今回の退職手当の改正は、公務員の退職手当が民間の退職金より一割程度上回っているので、官民の均衡を図るため是正をしたいという内容でありますが、国民の理解と納得を得るためにも、退職手当を引き上げるときと同様、引き下げるときも速やかに御審議の上、成立させていただきたいと思うのであります。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 加藤万吉君。 〔加藤万吉君登壇〕
○加藤万吉君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました国家公務員法の一部を改正する法律案外二法案について質問を行わんとするものであります。 総理、あなたにとって今年一月十一日は、生涯を通して忘れ得ぬ日でなかったではないでしょうか。現職総理大臣として満七十歳を迎え、なおかつ、かくしゃくとして国政に専念される姿は、その立場を超えて、私もまた陰ながら敬意と祝意を表した次第であります。 私は、総理が、その官職に必要な適格性と働く意思、労働能力が存在する限り、年齢には関係なく、その職務の遂行が可能であることを証明されたものであり、労働関係を終了させる定年制度も、身分の安定、生活権の立場から、総理と同様、その労働能力の限界によって決定されるべきであり、定年制を求める政府の基本政策もここに置き、中高年齢者の雇用の不安を取り除くべきであると信じますが、総理の御見解を承りたいと思います。(拍手) 総理、わが国においては、すでに六十五歳以上の人口は一千万を超え、人口構造に大きな変化をもたらし、労働力もまた、その需給構造において大きな変化をもたらしつつあります。人生わずか五十年、この物差しをもって政策化する時代は過ぎたのであります。 民間企業においても、ここ二、三年で最低年齢六十歳による定年制実施が五〇%になる条件も、単に労働者側の勤務条件要求に基づくものだけではなく、産業構造を支える労働力配置として、企業の側もその必要性を認めているからにほかならないのであります。 政府が樹立をした新経済社会七カ年計画や雇用対策基本計画においても、六十歳以上の就労構成をでき得る限り高める必要性を指摘をし、労働省は、五十五歳以上の雇用率を六%にする企業指導を行っていることからしても、最高年齢六十歳をもって労働関係を断ち切る本法は、この時代の要請に逆行するものであり、政府の政策の整合性の上からも全く矛盾するものであります。(拍手)この政府がとりつつある政策と本法との整合性についてどうお考えですか。 高齢化社会の中で、政府関係機関のみが若返りをするということは許されないのであります。今日、国家公務員全体でわずかに二・四% 地方公務員では〇・八%という六十歳以上の雇用率は、現在の高齢化社会において高過ぎるという立場から本法を提案されたのですか。民間企業の五十五歳以上の雇用率を高めることを求めている立場からも、政府関係機関こそが率先してその範を示すべきであると思いますが、総理大臣の見解を求めたいと思います。(拍手) 最近、官民格差論や役人天国論が横行し、加えて、政府の財政危機の大宣伝の中に、一般行政職にある公務員に犠牲を強いることによって国民感情におもねり、中央政府の支配体制の温存と強化を図る意図がすりかえられようといたしております。 私は、戦後、民主的に制度化されつつある公務員制度を、そのときの政府の政治宣伝の道具にさせてはならないと考えるのであります。働く人々の生活を左右する雇用問題が、スト権の代替機関として設置をされた人事院の意見を書簡で求めたとして、内閣及び国会への答申を受けることなく、分限規定の中で、政府の一方的かつ画一的に、法律によって労働関係を終了させるという本法は、公務員制度の基本的変更を意味いたしております。人事院の機能についてどのようにお考えをお持ちですか。 財政見直しが強調されているときに、現実には勧奨退職よりも年齢を引き上げ、給与財源をさらに拡大する本法施行の真意を総理にお伺いをいたしたいと思います。 次に、本法改正の提案理由に新陳代謝の必要性を強調されております。総理府の資料でも明らかなように、現に勧奨退職年齢は五十五歳から六十歳で三十六省庁が行っており、都道府県では、この勧奨退職によって一般職で九一%、現業職では約八割がやめておるのであります。結果として、国家公務員八十五万四千余人の中で約二万人、地方公務員に至っては、三百十一万五千人余の中で二万四千人余、わずかに〇・八%にすぎないのであります。 わずかに残ったこれらの人々の多くは、高度成長期における中途採用者が多く、やがて受給資格を得る年金を加え、自分の肉体的条件に合った第二の人生へのスタートを探し求めている人々であります。年金財源が危機的な状況にあるとき、むしろ働く意思と能力のある人々を、その人の肉体的条件と特性に合った職場に配置転換をし、労働力として活用してこそ、効率の上からも、年金財源の上からもとるべき施策ではないですか。 新陳代謝は順調に行われているのであります。わずかに在籍する職員の進路を妨げているものは年金への連動の不安と求人率一〇%という高齢者再雇用政策の立ちおくれにあるのであります。 私は、定年制法案に先立ち、公務員の任用、昇格、昇任、退職、管理、そして退職後の生活など総合的な検討を加え、同時に、官民共通の政策課題である、年齢による雇用差別を行っているさまざまな条件を取り除く法と政策こそ必要であり、行政改革の視点のみからとらえた本法に疑問を持たざるを得ないのであります。関係大臣の答弁を求めたいと思います。(拍手) この際、私は、労使が合意、協定で生み出しました勧奨退職についてお伺いをいたしたいと思います。 今日、行政の一部に弛緩があることを率直に認めたいと思います。特に高級官僚には、天下り、渡り鳥という退職後の安定したいすを目指し、事なかれ主義に日々を送る態度は目に余るものがあります。勧奨退職は、このような人々にとっては甘えの制度であり、国民の多くから非難を受けているところであります。 しかし、このことをもって一般職員に適用することは当を得ておりません。大多数の職員は、勧奨退職いわゆる肩たたきは、不安であり、苦痛であり、それを乗り越えて、組合も、またみずからも、官職の適格性について自覚をさせ、転職の道を選択させるという、労使間の知恵が生み出した勧奨退職協定を私は評価をし、行政もまたこの中で新陳代謝をみごとに果たしているという、絶妙な日本独自の合意、協定として大切にすべきであろうと思います。現に、八割から九割が五十五歳から六十歳の間に、この協定、合意によって退職をいたしているのであります。逆に、定年制をしき、六十歳にすることによって、政府機関の新陳代謝を阻むことになり、年齢はさらに高齢化することは必至です。勧奨退職の評価について、総理府長官の見解を求めたいと思います。 最後に、私は、本法制定によって、労働関係法に重大な影響の出ることを指摘をいたしたいと思います。 第一に、本法提出の経過についてであります。 この法が、職員の分限に係るものとして、人事院に書簡を送り、人事院も、一片の往復書簡をもって、職員の身分にかかわる問題を総理府長官あて返信されておるのでありますが、民間においても定年制そのものと年齢は、勤務条件の重要交渉条件であることなどから見て、法令の制度及び一般的制度の改廃として、国家公務員法二十三条に基づき、内閣及び国会に意見答申を行うべきであるにもかかわらず、これを怠ったことは、スト権、団交権否認の代替機関として設置をされた人事院の機能の放棄であり、自殺行為と言わざるを得ません。本法提案に当たって、本来、人事院が取り扱うべき案件としてその意見の申し出を受け、手続を経た後法制化されるべきであろうと思いますが、この経過と合法性についてお伺いをいたしたいと思います。 第二に、国家公務員のうち現業については公労法の適用団体であり、地方の現業もまたこの法を準用することを定めております。 公労法は、労働条件について団体交渉権及び協約締結権を認め、その最重要課題が身分にかかわる課題すなわち雇用契約の是非であることは論をまちません。すでに紹介をいたしましたこの往復書簡でさえも、このことに触れ、国の経営する企業に勤務する職員の定年制については、企業の自主性を考慮し、別に法律で定めることが望ましいと、団体交渉による協約化の道を指し示しているのであります。 しかるに本法は、定年制を、給与総額を定める特例法五条に別項として起こし、団体交渉案件から外すというこそくな手法を用いているのであります。もし、書簡どおり法制化するならば、公労法第八条団体交渉の対象にすべきであり、この改正案のように分限規定として一律に定めることは、労働者側の主張の場を奪い、交渉権の否認であり、公労法の適用される国家公務員の雇用について交渉の対象にしてはならないという、労働法全般にかかわる問題として重視をしなければなりません。 この際、定年制については、勤務条件、雇用問題としての立場から、労使間の交渉案件として、その職種に合った条件を協定化をするという方法をとるべきと思いますが、公労法上の団体交渉の範囲についてどうお考えですか、お伺いをいたしたいと思います。 第三に、国家公務員と地方公務員の関係であります。 国の定年制導入と同時に、地方団体まで拘束することは地方自治の本旨にもとるものであり、国と違った清掃、給食、ホームヘルパー等、多様な職種を持つ地方団体は、その固有の事業に合った労働条件が労使間で設定されるべきであります。 仮に、これら地方公務員の統一的基準を設定をするとするならば、これら職員の大多数で組織をしている中央における労働団体との中央交渉によってなされるべきであると思います。しかも、本改正案は、国と地方との関係を、国に準ずる規定から、さらに従属性を強める「基準として定める」としております。自治、分権を否認すると言わなければなりません。 以上三点について、労働関係法については労働大臣、人事院の機能とのかかわり合いについては総理府長官、地方団体については自治大臣の御答弁をお聞かせをいただきたいと思います。 以上をもって私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。 国家公務員の定年制法案と人事院との関係及び改正法案の趣旨についてお尋ねがありました。 この法案は、一昨年八月の人事院総裁の書簡に盛られた人事院の公式見解に基づいて取りまとめられたものでありますが、政府としては、この書簡は実質的には勧告ないし意見の申し出と同じ重みのものと受けとめているのであります。 この法案の意図するところは、行政の能率向上を図るため、人事行政面においても長期的な展望に立った計画的な人事管理を通じて、組織の活力を維持し、職員の士気を高揚させることにあります。 わが国においても近年高齢化社会を迎え、公務部内におきましても職員の高齢化が進行しつつあります。したがって、職員の新陳代謝を確保していくためにも、各省庁による一定年齢の退職勧奨の慣行から、定年制度を導入して、より適切な退職管理制度を整備することがぜひとも必要となってきていることを御理解いただきたいのであります。 その他の問題につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。 〔国務大臣中山太郎君登壇〕
○国務大臣(中山太郎君) お答えを申し上げます。 民間企業の定年制は年齢が延長してきており、六十歳定年が五割に近づいている状況ではないか。労働省令では、民間企業における五十五歳以上の雇用について六%以上を目指している。このような高齢者雇用促進の機運のあるときに、公務員に六十歳の定年制を導入することは、政策の整合性が合わないではないかという御指摘だったと思います。 私ども政府といたしましては、行政の能率向上を図り、もって国民の信託にこたえるためには、人事行政面におきましても、長期的な展望に立った計画的な人事管理の展開が必要である、さらに組織の活力を維持してまいり、職員の士気を高揚させることが必要である、こういう観点に立ちまして、政府は、昭和五十二年十二月に定年制度導入の方針を閣議決定した次第でございますが、それに基づきまして人事院にその検討依頼を行い、五十四年八月に示された人事院見解を踏まえて法律案を取りまとめ、国会に御審議をお願いしておるところでございます。 また、定年年齢につきましては、人事院の見解を踏まえまして、各省庁における勧奨はおおむね六十歳までに行われている実態、また第二には、民間企業においては六十歳定年が定着しつつあること、わが国の人口の高齢化傾向等、諸般の事情を総合的に判断した上で、原則六十歳といたした次第でございます。 高齢者雇用推進の機運のあるときに公務員に定年制を設けることは、国としての政策の整合性がないという御指摘でございますけれども、政府は、一昨年の八月の閣議におきまして、新経済社会七カ年計画及び雇用対策基本計画を決定しております。その中では、昭和六十年度までに民間企業の六十歳定年が一般化するように努めるという方針を明示いたしておりまして、昭和六十年に民間同様六十歳定年制を公務員に導入することは、国の雇用政策としては十分整合性があるものと考えております。 また、第二点のお尋ねでございますが、定年制法案が新陳代謝を意味するものであれば、現行の勧奨制度で十分解決できるのじゃないか。また、退職は第二の人生の出発点だ、こういうふうなことを公務員のために考えると、新陳代謝、合理化、財政負担軽減等が、この勧奨制度で十分行えるじゃないかというお尋ねであったと存じますが、退職勧奨は、職員個人に対して退職を慫慂するという事実上の行為でございまして、職員の退職は、あくまでもその職員の意思にかかっております。必ず一定の年齢で退職するという制度的な保障はございません。そのため、退職勧奨のみをもってしましては、長期的な、また計画的な人事管理を行いにくく、勧奨を受けてもやめない職員がいるために、職員間に不公平、不平等が生じている例が相当ございます。このように、勧奨による退職管理におきましてはおのずから限界がございまして、適正かつ円滑な人事管理を期するためには、必ずしも現行の制度が十分でないと心得ております。 また、近い将来、職員の年齢構成が非常なスピードで高齢化していくに従いまして、退職勧奨では十分な機能を果たし得ないという判断を政府としてはいたしております。 このようなことから、御指摘のように退職勧奨が現在までのところそれなりに機能してきていることは事実でございますけれども、本格的な高齢化社会を公務員の社会にも迎えるわけでございますので、現時点におきまして、より適切な退職管理制度としての定年制導入というものが必要であろうと考えておる次第でございます。 なお、退職勧奨制度を存続すべきであるとの御質問に対しましては、定年制度導入後も、その必要性が見込まれるということを人事院も指摘しております。各省庁において組織の実態に応じた人事管理を進めるために、退職の勧奨を行う必要性は定年制度導入後もあると考えております。 第三のお尋ねでございますが、定年制度という職員の分限の根幹にかかわる事項を法制化するときに、人事院勧告によらずに、単なる総理府総務長官と人事院総裁との間の往復書簡に基づいて措置をするということは、労働基本権制約の代替機能を有する人事院制度の否認を意味するのじゃないかというお尋ねでございますけれども、国家公務員の定年制度は、公務員制度の根幹にかかわる重要な問題でございますので、政府といたしましては、人事院の制度の趣旨を十分に尊重して、その意見を求めた次第でございます。これに対して、昭和五十四年八月に人事院総裁から見解が表明されました。そうして総理府総務長官あての書簡という形式をとっておりますけれども、総理の御答弁でもございましたように、人事院の公式な見解として政府は尊重しておる次第でございます。 第四には、現業の国家公務員について公労法上認められる団体交渉権、労働協約締結権と定年制法案との関係についてのお尋ねでございます。 現行国家公務員法は、現業、非現業を問わず、公務員の身分保障の基本である分限について、その基本的事項を法律及び人事院規則で定めることとし、公務員としての身分の安定を保障しております。 定年制度は、分限の中に位置づけられる新たな制度でございますから、五現業職員につきましても、他の分限に属する事項と同様に、労使交渉にゆだねずに法定することが適当であると政府は考えております。 しかしながら、定年制度は勤務条件としての側面も有しております。五現業職員に団体協約締結権が認められていることに配慮をいたしまして、制度の基本的枠組みは法定することといたしておりますが、六十五歳までの範囲内で認めることのできる特例定年の対象及び年齢等については、主務大臣等が決定できるように処置をいたしております。 以上でございます。(拍手) 〔国務大臣安孫子藤吉君登壇〕
○国務大臣(安孫子藤吉君) 今回の定年制の導入が地方自治の本旨に反するものではないかというような意味の御質問であったと存じますが、定年制度は職員の身分保障に関するものであります。また公務員制度の根幹にかかわる制度でございまするので、国家公務員につきまして定年制を導入する場合には、地方公務員につきましてもひとしく定年制度を導入して、公務員制度全般を通じて整合性を確保することが必要であると考えております。 なおまた、地方公務員の定年制度の導入に当たりましては、地方自治の本旨に従いまして、各地方公共団体の実情に応じた退職管理ができまするよう、定年及び退職日などの定年制度の実施に関する事項につきましては、各地方公共団体が条例で定めるものとしておるのでございます。したがいまして、今回の改正案が、地方の実態を無視し、地方自治の本旨に反するものであるとは考えておらぬ次第であります。(拍手) 〔国務大臣藤尾正行君登壇〕
○国務大臣(藤尾正行君) お答えをいたします。 ただいま総理大臣並びに総理府総務長官から御答弁を申し上げましたとおり、定年法といいまするものを導入をするということは、非常に大きな変革であるという見方もございますけれども、現に行われておりまする勧奨法といいまするものを、民間にならいまして、きちっとした制度の上にこれを定着させようというねらいに出たものであるだけでございまして、決してこのこと自体が、労働諸法規、労働者の権利といいまするものを侵害をするという性質のものではないということを私からも申し上げさせていただきます。 なお、今日、六十五歳以上の人口構成が一千万人を超えた、こういう一つの事実、こういったものに基づきまして、定年というものを六十歳にとどめおくということが果たして時代に合っておるかどうかという問題につきましては、私は、これから先かなりの年月を経ました後におきましては、改めて、この問題につきまして検討を要する時期が来よう、かように思いまするけれども、ただいま底御案内のとおり、それはそれといたしまして、とりあえず、日本国じゅうにおきまして六十歳の定年を制度的に打ち立てたいという時期でございますから、これに合わせまして六十歳の定年を国家公務員に導入をするということは、私は、その措置がきわめて逸脱をしておるということにはならぬということを申し上げたいと思います。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 上田卓三君。 〔上田卓三君登壇〕
○上田卓三君 日本社会党を代表して、ただいま議題となりました国家公務員等の退職手当法の一部改正案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。 まず最初に指摘しなければならないことは、今回の改正案が、わずか二カ年の間に公務員の退職金を八・三%も引き下げることによって、わが国の五百万公務員、公共企業体労働者の生活設計を根本的に破壊するものであるという点であります。 〔議長退席、副議長着席〕 わが日本社会党は、このような反動的、反国民的な改正案には断固反対であります。(拍手) 今日、わが国は、欧米諸国に比べて二倍から三倍の速度で、急速に高齢化社会を迎えようといたしております。高齢化社会の到来にもかかわらず、わが国の老後の社会保障は著しく劣悪であります。 いま大事なことは、公務員労働者、民間労働者のいずれに対しましても、高齢者雇用の拡大と老後の生活安定といった観点から、労働年限をさらに延長し、給与体系や退職金制度を根本的に改善することであります。現在でも低水準の公務員の退職金をさらに切り下げ、それを口実にして民間企業、中小零細企業に働く数千万勤労者の退職金をさらに圧迫しようとする法律改正は、まさに時代逆行であり、断じて許すことのできない暴挙であります。 しかるに、今回の改正案は、高齢化社会に向けて社会保障制度をどう改善し、公務員制度全体をどう改革していくのかといった基本的な考えを抜きにして、ただ公務員の退職金だけを取り出し、これを一方的に引き下げるものであります。財界主導の行政改革を積極的に推し進め、国民各層に公務員への反発を意識的にあおり立て、公務員退職金の引き下げを強行することを認めることはできません。 まして、今回のような公務員、公共企業体労働者との話し合いを抜きにした一方的な退職手当の引き下げは、労使関係を悪化させ、労働者の公務員制度改革への意欲をも損なわしめるものであり、断じて許すことはできないのであります。 今回の改正の提案理由は、ただ、民間事業における退職金の支給の実情にかんがみて、公務員の退職手当の額を引き下げる必要があるという点だけであります。 何十年も額に汗して働いてきた一般公務員の老後の生活設計を根本的に狂わせる法律改正を、たった一片の理由で強行するのは余りにも理不尽であります。昨年の人事院勧告は、公務員給与制度の抜本的な見直しを打ち出しており、いま急いで退職手当だけを改正する必要は全くありません。 総理の見解を伺うものであります。(拍手) 今回、公務員の退職手当引き下げの根拠とされています人事院の調査は一九七七年のものであります。この調査は現状から全くかけ離れており、徹頭徹尾、非合理的なものであります。調査の対象が行政職(一)だけであり、退職手当法の適用を受けている行政職(二)や三公社五現業が対象とされていないのも重要な問題であります。また、退職手当の算定モデルとなった職員の等級を、実際の退職者の平均に比べて意図的に高くしていることも許せません。 次に、退職手当の基本的な性格づけについて伺います。 退職手当法の第一条は、「国家公務員等が退職した場合に支給する退職手当の基準を定めるものとする。」と規定しております。したがって、法律は、退職手当が職員の長期勤労報償であるなどと何ら規定しておりません。このことは、退職手当が、一年しか勤務していない者についても支給されていることからも明らかであります。現在、日本の企業の大半が退職金制度を確立していることを見ても、退職手当が給与の後払い的性格を有するものであることは異論の余地がありません。 総理並びに政府の見解を伺いたいと思います。 退職手当は明らかに給与の一部であり、したがって、それは毎月の給与や夏、冬の手当等と同様に公務員の労働条件であります。退職手当以外の給与等は、人事院勧告に基づいて決定されております。しかしながら、退職手当については総理府人事局の所管であり、他の労働条件とは別個に制度改正が行われているのであります。 人事院は、国家公務員の労働基本権制約の代償機関として、公務員の労働条件全般の改善のために、その機能を発揮すべきであります。しかるに、重要な労働条件の一つである退職手当について、調査はするが勧告はしないというような現状で、果たして人事院の機能は保たれるのでありましょうか。 人事院の制度そのものの存在が問われておることになると思いますが、政府の見解をいただきたいと思うのであります。 また、三公社五現業においては団体交渉権が保障され、賃金はもとより、すべての労働条件が団体交渉によって決定されることになっているにもかかわらず、政府は、当該労働組合との協議も行わないまま、退職手当の改悪を一方的に行っているのであります。重要な労働条件の一つである退職手当を、団体交渉を全く無視して決定することは、悪質きわまりない不法行為であります。 政府並びに労働大臣の見解を承りたいと思います。 退職手当のような労働条件の基本事項は、労使の団体交渉で決定できるように法律を改正すべきであります。百歩譲って、退職手当を当面は法律で定めるとしても、関係労働組合と十分な協議を行い、合意を得た上で法改正を図るというのが、使用者たる政府の責任であり、民主的なやり方なのではないでしょうか。そうでないならば、人事院制度や公共企業体等の団体交渉事項は全く形骸化されると言わざるを得ません。特に今回の改正案は、一昨年の人事院勧告の閣議決定の際に不当に抱き合わせて決定されたものであり、認めることはできません。 総理と政府の明快なる答弁をいただきたいと思います。 総理、国民は財界主導の行政改革に警戒心を強めております。いま必要なことは、果たして一般公務員の給与や退職手当を引き下げることでありましょうか。断じてそうではありません。 行政改革において真っ先に手をつけなければならないことは、中央省庁から公団、事業団などに天下りする高級官僚を規制することであります。政府関係特殊法人労働組合協議会が発表した天下り白書によりますと、調査した七十二法人のうち何と七六・二%が天下り官僚で占められているのであります。彼らは、次から次へと法人を渡り歩き、目の玉が飛び出るような高額の退職金をかせいでいるのであります。 このようなことに対し、国民は憤りを感じ、綱紀の粛正と公正な行政改革を求めているのであります。一般公務員に対しては退職金の引き下げを一方的に押しつけ、高級官僚に対しては事実上野放しにしてはばからない、こうした弱きをくじき強きを助けるやり方が、一体鈴木内閣の和の政治とどういう関係があるのでありましょうか。 総理の率直な見解をお伺いしたいのでございます。 今日、退職の時期を迎えている公務員の皆さんは、戦前は戦争に駆り立てられ、戦後は、あの厳しい労働条件の中で低賃金にも耐え、また高度成長期には馬車馬のように働いてきた世代であります。そうしてようやく退職年齢を迎え、老後の生活設計を立てようとするとき、退職金まで削り取るのは許すことのできない残酷な仕打ちであります。 三十数年働き続けて、わずかな退職金を当てにして、外国からはウサギ小屋と呼ばれるささやかな家をつくり、ごくつつましやかな老後を送る、これが圧倒的多数の国民の姿ではないでしょうか。日米自動車摩擦を初めとする一連の経済紛争の背景には、ソシアルダンピングと言っても言い過ぎでない日本の勤労者の生活実態があるのであります。 政府は、財政再建、行政改革を口実に、教育、福祉を切り捨て、軍事力を増強し、国民に一方的な耐乏生活を強制しようとしております。しかしながら、増税、軍備増強、無謀な行政改革のもたらす結末は、一週間前のイギリスの黒人暴動でも明らかであります。政府は、国民に耐乏生活を押しつけるあのサッチャー路線の失敗を他山の石とすべきであります。 わが国に求められているのは、防衛予算を大幅に削減し、政府の責任で減税と雇用拡大を実現し、民間労働者、公務員それぞれの賃金、退職金を引き上げることなどにより最終消費を拡大し、景気回復を図るとともに、教育、医療、福祉を充実させるいわゆる日本型ニューディール政策を大胆に推し進めることではないでしょうか。(拍手) 最後に、国家公務員等の退職手当法の一部改正案について、ここに改めて関係労働組合との十分な協議をこらし円満な合意が得られるまでは、これを撤回するように強く要望いたしまして、私の代表質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 最初に、人事院が昭和六十年度までに給与制度を見直しすると言っているときに、退職手当の減額を先行させているのはいかがか、こういう御意見でございました。 総理府では、従来から、おおむね五年ごとに人事院に民間退職金調査を依頼し、その結果と国家公務員の退職手当を比較検討し、改正の必要があれば所要の措置を講じてきているところであります。 今回の改正も、官民較差の是正を図ろうとするものであり、国家公務員の退職手当を引き上げるときと同様に、引き下げるときも速やかに御審議の上、ぜひとも成立をさせていただきたいのであります。 なお、今回の改正は、退職手当の基本的制度の見直しを行うものではなく、給与制度の見直しと同様に、退職手当制度の見直しは昭和六十年度までに行うこととしておりますので、御理解をいただきたいのであります。 次に、退職手当についても人事院の勧告を待ってやるべきではないかとのお尋ねでありますが、退職手当の基本的な性格は、職員が長期間勤続して退職する場合の勤続報償であることは御承知のとおりであります。 先ほど申し上げましたように、総理府では、人事院に依頼した民間退職金の調査結果により官民対比等を行い、昭和四十八年に行ったように、官民較差の是正の必要がある場合には、勧告を待たずに所要の改正を行ってきているところであります。 次に、改正案について公務員関係の組合と十分話し合ったかとの御質問がありましたが、総理府では、退職手当法改正案を国会に提出するに当たっては、関係職員団体とも話し合いを行ってきたところであります。しかし、最終的には法律という形で国会の御審議を仰いで決定すべきものでありますから、国会の場で十分御論議をいただきたいと考えております。 最後に、特殊法人の役員の退職金についてでありますが、御承知のとおり、特殊法人相互間の役員のたらい回し的な異動については原則として行わない方針であり、厳しく運用しているところであります。また、特殊法人役員の退職金についても、適宜見直しを行い、その適正化を図っております。 以上のほか、残余の問題につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。 〔国務大臣中山太郎君登壇〕
○国務大臣(中山太郎君) お答えをいたします。 退職手当引き下げの根拠となっている人事院の民間退職金調査の内容、また五十二年度の調査は、時期的に古いのではないかというお尋ねでございました。これについてお答えを申し上げます。 いま鈴木総理からも御答弁申し上げましたけれども、昭和四十八年に——公務員の方々の退職手当が一般の民間企業と比べると低いということで、人事院が調査をいたしましたその調査が、昭和四十六年でございまして、九百二十九社について民間側の調査をいたしておりまして、それに基づいて公務員の退職金を二割上げろということでございました。上げるのが望ましいということで、先般、この退職手当法の改正を行ったわけでございます。 今回も、やはり人事院の調査によりまして、納税していただいている民間の方々と比べると一割余り退職金が高い、こういうことで人事院の調査が出ておりますので、政府といたしましては、この人事院の調査をもとに今回法案の御審議を願っているということをひとつ御理解を願いたいと思います。上げるときも人事院の調査に基づいて上げました。今回それを修正する場合も、ひとつ人事院のベースでやっておるという政府の立場を御了承願いたいと考えております。 次に、公共企業体職員の退職手当について団交事項と考えておる。少なくとも公共企業体職員も対象とする退職手当を一方的に改正するのはおかしいというお尋ねでございます。 退職手当は、広く公共企業体職員のみならず、一般職国家公務員、それから国会職員、判検事、裁判所職員等、司法、立法、行政の各分野の公務員の諸君に適用され、対象範囲が広く、その算定方法は、勤続年数に応じた支給率に最終俸給を掛けるという画一的な制度をとっておることは御承知のとおりでございます。 国家公務員の退職手当は、従来から法定主義ということでございます。さきに人事院の昭和四十六年度における民間退職金調査に基づいて官民比較を行った結果、公務員の退職手当が民間の退職金より、先ほど申し上げましたように二割程度下回っておりましたので、公共企業体職員をも含めて改善することといたし、昭和四十八年に退職手当法を御審議願い、改正をいたしました。 このようなことでございますので、ひとつ十分御理解の上、御審議を賜りたいと存じております。(拍手) 〔国務大臣藤尾正行君登壇〕
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま総理大臣並びに総理府総務長官から詳しいお答えがあったわけでございますので、私が重複したことを申し上げるまでもないわけでございますけれども、今回の国家公務員等の退職手当法の改正案は、昭和四十八年に支給率を引き上げましたときと同様に、私どもが国家公務員に関しまして準拠をいたさなければなりません人事院の調査結果に基づきまして、官民較差をなくそうということで、それが妥当であると私どもも認めまして、これを法律案にいたしまして御審議に供しておるわけでございます。 その間、私どもの人事院尊重、人事院の適正な活動ということも御勘案をいただきまして、どうか国会におかれましても、十二分に御審議をちょうだいをいたしまするようにお願いをいたします。(拍手) —————————————
○副議長(岡田春夫君) 田島衞君。 〔田島衞君登壇〕
○田島衞君 私は、新自由クラブを代表して、ただいま趣旨説明のありました国家公務員法の一部を改正する法律案外三つの法律案に関連をして、基本的な考え方については総理大臣に、具体的な点については総理府総務長官に尋ねてみたいと思います。 まず、総理大臣にお尋ねをいたしますが、その第一点は、提案理由の重要な背景とも思えるところの、国の財政に関する幾つかの問題点についてであります。 今日、国の財政はまさに最悪の事態でありまして、その再建の急務であることは何人も否定し得ないところでありますけれども、問題は、よって来る要因がどこにあるかであります。 国内外の経済情勢の激しい変化もさることながら、政治と行政の責任に係る部分は大変大きい。少なくとも国民には直接責任はないと考えるべきだと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。 次に、顧みれば、かつて高度経済成長期における税収の伸びは、大変着実な伸びを示しました。この着実な税収の伸びの中で気をよくし、それに甘えた行政の姿勢と、それを許した政治のあり方が慢性化をし、経済の成長がとまって、その上に第一次石油ショックが発生したにもかかわらず、それに直ちに対応するみずからの努力を怠り、もっぱら巨額の公債に依存し、あまつさえ本来、単年度の応急臨時措置としてのみ許されるべき特例公債を、事もあろうに逐年増発するがごとき無責任きわまる財政運営を行ったことは否定できないことであります。 その当然の結果として、財政は膨大な公債依存度によりその機能を失いかけ、目の前に公債の償還期を控えて、いやでもおうでも公債依存度を減少させるための施策を迫られることになったと思いますけれども、違うでしょうか。 第二点目は、そのような最悪の財政事情の中にも、依然として存在する次のような事実についてであります。 その一つは、昭和五十四年度の国の決算に対する会計検査院の検査結果によれば、不当事項や改善事項として指摘されたものが、金額で三百三十六億余円あります。さらに、国損額という言葉できめつけるには多少無理があるにしても、未完了補助事業等で関係法令に違背した処理がされていると指摘されているものを含めると、実に五千三百八十九億余円があるのであります。しかも、その会計検査は、国の重要機関の約八%に対しての結果でありますから、もしそれ、仮に一〇〇%の検査が行われたら一体どういうことになったのか、単純計算でも約五兆円以上の金額が浮かび上がることが考えられなくはありません。 五兆円という金額を考えてみれば、成立をした五十六年度の予算の中に大きな位置を占める一兆四千億の増税はやらなくて済む。また、大きな眼目とした二兆円の借金も減らせる。さらに、野党が懸命に要求した所得税の減税その他も、一兆六千億ものお金がそこに用意されるということになるのではないでしょうか。 次にもう一つ、たとえば国鉄等の赤字公共企業体の現状はどうでしょう。一部健全な組合を除いて、まさに国鉄労使の怠慢と思い上がりと無責任を要因として巨大な赤字経営を余儀なくされている。その赤字経営の穴を国民の血のにじむような税金で穴埋めさせておきながら、その上におんぶでだっこの運賃値上げの連発をし、赤字をよけいひどくするようなストを年中行事のごとく強行して国民の足を奪うなど、まさに国が経営する公共企業体の面目は皆無に等しいと言わなければならないと思いますけれども、総理のお考えはいかがでしょうか。 第三点、一方、これらの事実に対して、国の主権者と言うべき国民の側はどうでしょうか。さなきだに冷え切った景気の中で、またかまたかの、うんざりするような公共料金の連続的値上げ、それに連動するような物価高の中で、実質的な減収と言うべきか、あるいは実質的な増税と言うべきかの苦境の中で、歯を食いしばって働いているわけであります。しかも、それでも倒産は後を絶たない事実は御承知のとおりであります。 そこで、総理に勇気ある反省の意味も含めてお答えをいただきたいと思いますけれども、本来、政治と行政の責任において、行政改革等を中心としての歳出の有効妥当な削減に懸命の努力をすべきであって、かりそめにも巨額の増税を国民の肩に背負わせるがごとき財政再建の責任転嫁は断じてなすべきではないと思いますが、いかがでしょうか。 二つ目、行政に携わる者は、上は総理を初め、閣僚から第一線の公務員等に至るまで、わが身を削り、骨を切る覚悟を持って歳出の節減合理化を図ることが、国民に対する全体の奉仕者たる使命だと思いますけれども、いかがでしょうか。 次に、定年や退職手当の自粛等に関する一連の法律案等も、私は、いまごろ出てくるのがいささか手おくれだと思います。できれば、経済成長がとまり、その上に第一次の石油ショックがあって、これにあわてて、特例公債を四条普通公債のごとくに例年増発するようなことをやる前に考えるべきだったと思いますけれども、いかがでしょうか。少なくとも、その直後に用意すべきではなかったのでしょうか。 次に、四番目に、行政改革と財政再建をかけ声だけに終わらせることなく、注目する国民の期待にこたえるためには、立法府の責任も例外ではないと信じます。したがって、わが新自由クラブは、この点を重視して、現在議会制度改革推進本部を行政改革推進本部と並び設けて、立法府たる国会みずからの責任を果たす道を鋭意検討中であります。たとえば議員定数の削減の問題、たとえば議会運営の合理化の問題あるいはまた議員特権の自粛等についてであります。 行政改革は政府の責任にだけ任せるべきではなく、立法府たる国会も、文字どおり国民本位の良識に立ち、各党もそれぞれ党利党略を離れ、協力しなければならないと思いますけれども、総理は、自民党総裁を兼ねる立場から、どのように考えられておられるか、伺いたいと思います。 最後に、四つの法律案については、いささかの修正も考えることなく、不退転の決意を持って成立を期すべきだと思いますが、いかがでしょうか、総理。 次に、総理府総務長官にお尋ねをいたします。 本来、例外なしに、公務員等に不利な面、性格を持つ法律案が、その公務員の仲間によってつくられる場合には、おおむね穏当な内容がつくられるものでありますから、さして問題はないのかもしれませんけれども、まず一つ、定年法案について、定年制度というのは、それだけで必要にして十分な制度とは考えられないのではないかと思います。むしろ公務員等の給与制度の抜本的再検討との不可分の立場で検討されたときに、よりりっぱなものになるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 つまり、単純に一定の年齢になったからやめる、やめさせるではなく、一定の年齢に達した以後の給与額の調整措置を考えることによって、給与や退職手当等の高額化を抑えながら、しかも本人の勤続意思を尊重し、かつまたその豊富な知識、経験を行政に寄与させることもまた意義があることだと思いますけれども、いかがでしょうか。 現実には六十歳代というのは最も一般的に能力の充実した年代とも考えられるがゆえに、人件費の増加抑制への配慮だけで有能な六十歳代を退職させるのではなく、給与制度の見直しによって六十歳代を敬遠しない方途も、近い機会に検討されることが必要だと思いますけれども、人事院での検討を求めてみてはいかがでしょうか。次に、退職手当法案についてお尋ねしますが、官民格差をなくし、財政再建に寄与するための退職手当法の改正による自粛措置は、それを求める国民世論と行政みずからの誠実な奉仕精神の発露として評価をいたしますけれども、格差というのは官民の間にだけあるのではなく、官と官、官と公の間にもあることを忘れてはならないと思います。 そこで、人事院が公務員等の労働基本権に対してはまことに至れり尽くせりの考え方と、それから同じ公務員でも勤勉と怠惰との間には大きな価値差が存在するはずでありますけれども、これには一顧だにしない考え方は、強く反省を求めたいところでありますが、その人事院当局にも、親方日の丸的な発想の転換を求め、人事管理の適正合理化の立場から、戦後三十六年を経た今日、目の覚めるような給与制度の抜本的再検討を求めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。 最後に、たとえ全体の奉仕者たる公務員等の立場でも、定年を制限されたり退職手当をたとえどれほどでも削られることはつらいことであると察するだけに、よくその理解を深め、かつ温かい思いやりを忘れないことを希望して、質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) お答え申し上げます。 まず、財政の再建が現下の最重要課題でありますことは、田島議員御指摘のとおりでございます。このため、私は、先般成立した昭和五十六年度予算におきましては、二兆円の公債減額を基本とし、歳出の伸び率を二十数年ぶりに一けたにとどめるなど、その抑制合理化にできる限りの努力をいたしました。しかしながら、現行税制の枠内ではありますが、一兆四千億近い増税をお願いしなければならなかったのであります。 私は、このような措置が国民生活や企業活動にとって大変厳しいものであることはよく承知いたしております。他方、不健全な財政状況を放置しておくことによって生ずる将来の国民負担や国民生活への悪影響を重視せざるを得ないのでありまして、あえて増税をもお願いした次第であります。 財政再建の努力は、もちろん五十六年度一年で終わるものではなく、今後も引き続き推進し、特例公債の本格的償還が始まる昭和六十年度より前に、何とか特例公債依存の体質を脱却しなければならないと考えております。 五十七年度予算におきましても、財政の再建、特例公債の減額という大方針を堅持してまいりますが、五十七年度において再び大型増税をお願いするとすれば、どうしても現行税制の枠を超えた大型新税の導入を図るということになりかねません。私は、二年引き続いての大型増税、特に大型新税の導入はすべきでないと考えまして、五十七年度予算編成では、大型増税などは念頭に置かずに、財政再建に全力を尽くす決意をいたしました。 幸い、第二次臨時行政調査会が発足いたしましたので、この夏までに中間答申をいただきまして、五十七年度予算では、徹底した行財政改革により歳出の縮減合理化による財政再建に当たりたいと考えておりますので、よろしく御協力を賜りたいと存じます。 大型増税抜き財政再建のためには、現行諸制度の見直しに触れる厳しい歳出削減措置が必要であります。田島議員御指摘のように、政治、行政に携わる者が身を切り、骨を削る覚悟で財政再建に挺身しなければなりませんが、同時に補助金の削減、行政の役割りの見直しなどは、何らかの形で国民生活や企業活動にも関連してくることでありますから、何といっても国民の皆様に行財政改革、歳出の削減に深い御理解をいただくことがやはり基本ではないかと存じます。 田島議員は、立法府たる国会も行財政改革に責任を持つべきであると御主張なさいましたが、行財政改革に対する国民の御理解を深めていただくためにも、御意見はまことに傾聴に値するものと思います。ただ、当然のことではありますが、立法府の改革のことでございますので、立法府の中で御論議を進めていただく問題かと存じます。 また、本日趣旨説明の行われた四法案につきまして、政府は、行政改革の当面の課題として、その成立を強く望んでいるのではないかとのお尋ねがありましたが、まさにそのとおりでございまして、四法案につきましては、前国会から御審議をお願いしているところであり、今国会におきまして、ぜひ成立をさせていただきたいと強く希望いたすものであります。 最後に、本日趣旨説明を行った四法案に対する国民の声をどう受けとめているかとのお尋ねがございましたが、私は、四法案は行政の改善に対する国民の期待に沿うものであると考えておりますので、一日も早く国会の御賛同を賜りますよう重ねてお願いを申し上げます。 残余の質問には、所管大臣から答弁をいたします。(拍手) 〔国務大臣中山太郎君登壇〕
○国務大臣(中山太郎君) 田島議員の御質問にお答えを申し上げます。 いま御指摘の公務員の給与制度等を中心とした公務員の全体的な人事管理制度、こういうものに対しての抜本的な見直しをやることが必要ではないかというお尋ねでございましたが、人事院も、昨年の公務員給与引き上げの勧告に際しまして、人口構造の高齢化、高学歴化社会、こういうふうな基調の変化に伴いまして、給与制度の全般について総合的な検討を加えていくこととしているところでございまして、政府としても、人事院に対して、早急にこの結論を得るように努力をすることをお願いしておる次第でございます。 また、人事院自身も親方日の丸的な発想を変えろ、そうして真に国民の信頼のできるような公務員制度というものを考えろという御指摘でございますが、政府といたしましては、主権者である国民の信頼に十分こたえ得るような公務員制度が一日も早くでき上がるように、今後とも努力をしてまいりたいと考えております。(拍手)
○副議長(岡田春夫君) これにて質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○副議長(岡田春夫君) 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十六分散会 ————◇————— 出席国務大臣 内閣総理大臣 鈴木 善幸君 外 務 大 臣 伊東 正義君 大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君 農林水産大臣 亀岡 高夫君 運 輸 大 臣 塩川正十郎君 労 働 大 臣 藤尾 正行君 建 設 大 臣 斉藤滋与史君 出席政府委員 自 治 大 臣 安孫子藤吉君 国 務 大 臣 大村 襄治君 国 務 大 臣 中山 太郎君 総理府人事局長 山地 進君 ————◇—————