本会議 第13号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/03/26
会議録
○議長(福田一君) これより会議を開きます。 ————◇————— 議員請暇の件
○議長(福田一君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。 稲葉誠一君から、三月二十八日より四月四日まで八日間、前田正男君から、四月二日より十二日まで十一日間、楢崎弥之助君から、四月七日より十五日まで九日間、右いずれも海外旅行のため、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも許可するに決しました。 ————◇—————
○議長(福田一君) 日程第一とともに、日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略し、両案を一括して議題とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。 ————————————— 日程第一 漁船損害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第二 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)
○議長(福田一君) 日程第一、漁船損害補償法の一部を改正する法律案、日程第二、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。農林水産委員長田邉國男君。 ————————————— 漁船損害補償法の一部を改正する法律案及び同報告書 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔田邉國男君登壇〕
○田邉國男君 ただいま議題となりました両案について申し上げます。 まず、内閣提出、漁船損害補償法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案は、近年における漁船の大型化等に即応して、漁船の運航に伴う不慮の費用の負担及び責任等の発生により、漁業経営が困難となることを防止するため、漁船船主責任保険臨時措置法に基づき、試験的に実施してきた漁船船主責任保険事業等を漁船損害等補償制度の一環として確立し、もって漁業経営の安定を図ろうとするものであります。本案は、去る二月十四日に提出され、同日委員会に付託をされました。 委員会におきましては、三月十九日政府から提案理由の説明を聴取し、三月二十四日質疑を行い、同日質疑を終了、直ちに採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対し、附帯決議が付されました。 以上、御報告を申し上げます。 次に、農林水産委員長提出、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案について、提案の趣旨を御説明申し上げます。乳業施設資金融通制度は、酪農及び乳業の健全な発達に資するため、乳業を営む者に対し、農林漁業金融公庫から、その乳業施設の改良、造成等に必要な資金を融通することを目的として、昭和三十六年に議員立法により創設をされ、自来、本制度に対し三たびにわたり延長措置が講ぜられ、昭和五十五年度までの二十年間に約百九十四億円の融資が行われ、中小乳業者を中心とした乳業の合理化と近代化に大きな役割りを果たしてまいりました。 しかしながら、乳業施設の改良、造成については、今後とも引き続き需要に見合った施設の改良拡充、零細施設の統廃合、立地移動による施設の適正配置等を進め、もって乳業の合理化、近代化を図り、国際競争力を強化していくことが必要とされております。 このため、本資金制度を以上のような実情に合わせて存続をさせるため、本年三月三十一日をもって期限の到来する本資金制度の貸付期限を、さらに五年間延長することとして、ここに本案を提出した次第であります。 本案は、三月二十四日の委員会においてこれを成案とし、委員長提出の法律案と決定いたしました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) これより採決に入ります。 まず、日程第一につき採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 次に、日程第二につき採決いたします。 本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。 ————————————— 日程第三 石油備蓄法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(福田一君) 日程第三、石油備蓄法の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。商工委員長野中英二君。 ————————————— 石油備蓄法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔野中英二君登壇〕
○野中英二君 ただいま議題となりました石油備蓄法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 御承知のとおり、石油ガスは、家庭用、工業用、自動車用、化学原料用、中小都市ガス用等幅広く使用されており、国民経済上重要なエネルギー源の一つとなっております。 一方、石油ガスの供給は、輸入量、輸入比率とも年々増加しており、輸入先も石油同様、中東諸国に偏在している状況にあります。 このような状況のもとで、石油ガスの安定供給を確保するため、石油ガスの供給が不足する事態が生ずる場合に備え、石油ガスの備蓄を行うことが緊急かつ重要な課題になっております。 本案は、かかる観点から、石油ガスの備蓄を計画的かつ着実に実施するため、必要な措置を講じようとするものであります。 その主なる内容は、 第一に、現行の石油に加え、新たに石油ガスを備蓄の対象とし、石油ガス輸入業者に対し備蓄の義務を課するとともに、石油ガス輸入業者が常時保有しなければならないものとする基準備蓄量を、前年の石油ガス輸入量の十日分から五十日分の範囲内とすること、 第二に、日本開発銀行等が石油、石油ガスの貯蔵施設等の設置に必要な資金を貸し付けたときは、政府は、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計から、日本開発銀行等に対して利子補給金を支給することができること等であります。 本案は、二月十九日当委員会に付託され、三月十七日田中通商産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、審査を重ね、三月二十四日質疑を終了し、討論を行い、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対し、石油ガスの備蓄基地の建設に当たっての防災保安の確保等を内容とする附帯決議が付されたことを申し添えます。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第四 日本航空株式会社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(福田一君) 日程第四、日本航空株式会社法の一部を改正する法律案を議題にいたします。 委員長の報告を求めます。運輸委員長小此木彦三郎君。 ————————————— 日本航空株式会社法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔小此木彦三郎君登壇〕
○小此木彦三郎君 ただいま議題となりました日本航空株式会社法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案は、日本航空株式会社の事業の発展と近年の変動する国際情勢に対応して、同社に対する政府助成の適正化を図るとともに、同社が民間の活力を十分発揮しつつ、一層自主的、弾力的な事業運営を行い得るよう措置しようとするものであります。 その主な内容は、 第一に、政府所有株式に対する後配制を廃止するとともに、補助金の交付に関する規定を削除すること、 第二に、社債発行限度を現行の資本及び準備金の二倍から五倍に拡大すること、 第三に、役員人数及び会長等の業務執行組織に関する法定制を廃止するとともに、役員の選任等に関する規定を整備すること、 第四に、毎営業年度の資金計画及び収支予算の認可制を廃止するとともに、これに伴い運輸大臣の指示及び新株発行の認可に関する規定を整備することであります。 本案は、二月十六日本委員会に付託され、三月三日塩川運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十日及び二十四日の両日質疑を行い、同日質疑終了の後、自由民主党の宮崎茂一君から賛成、日本社会党の吉原米治君及び日本共産党の四ツ谷光子君からそれぞれ反対の討論があり、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇—————
○議長(福田一君) 日程第五ないし第七とともに、日程第八は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略し、四案を一括して議題とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。 ————————————— 日程第五 所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第六 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第七 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第八 昭和五十五年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案(大蔵委員長提出)
○議長(福田一君) 日程第五、所得税法の一部を改正する法律案、日程第六、法人税法の一部を改正する法律案、日程第七、租税特別措置法の一部を改正する法律案、日程第八、昭和五十五年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案、右四案を一括して議題といたします。 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。大蔵委員長綿貫民輔君。 ————————————— 所得税法の一部を改正する法律案及び同報告書 法人税法の一部を改正する法律案及び同報告書 租税特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書 昭和五十五年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔綿貫民輔君登壇〕
○綿貫民輔君 ただいま議題となりました四法律案について申し上げます。 まず、内閣提出に係る所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 初めに、三法律案の主な内容について申し上げますと、 所得税法の一部を改正する法律案は、 第一に、配偶者控除または扶養控除の適用対象となる者の所得要件について、給与所得等に係る所得限度額を現行の二十万円から二十九万円に引き上げることといたしております。 第二に、妻と死別し、または離婚した者について、一定の要件のもとに、寡婦控除と同額の二十三万円の所得控除を認めることといたしております。 第三に、豪雪等災害に直接関連して支出した金額が年間五万円を超える場合に、その超える部分の金額を雑損控除として所得控除できることといたしております。 次に、法人税法の一部を改正する法律案は、法人税の税率を一律二%引き上げるとともに、中小法人に対する軽減税率の適用所得限度を年七百万円から年八百万円に引き上げることといたしております。 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案は、 第一に、法人税の配当軽課税率等を、法人税法の改正による税率の引き上げに対応して、一律二%引き上げることといたしております。 第二に、企業関係の租税特別措置について、適用期限の到来するものを中心に見直しを行うこととしたほか、登録免許税についても所要の整理合理化を行うことといたしております。 第三に、省エネルギー設備及び石油代替エネルギー関連設備等について、三年間限りの措置として、一定の要件のもとに、その取得価額の三〇%の特別償却と取得価額の七%の特別税額控除とのいずれかの選択を認めることといたしております。 第四に、交際費課税制度について、定額控除額を超える交際費支出額のうち、前年同期の交際費支出額を超える部分は、全額損金不算入として、課税の強化を図ることといたしております。 第五に、普通乗用自動車等に対する物品税の軽減税率について二・五%引き上げることといたしております。 以上が三法律案の主な内容であります。 三法律案につきましては、去る三月十八日渡辺大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、参考人を招いて意見を聴取するなど、慎重な審査を行いましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。 かくして、昨二十五日質疑を終了いたしましたところ、沢田広君から、それまで一括議題として質疑を行っておりました日本社会党提案に係る所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、意見の表明があり、これに対し、政府から、今後検討する旨の発言がありました。 引き続き内閣提出の三法律案について議事を進め、所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案に対し、正森成二君外一名から、日本共産党提案に係る修正案が提出され、趣旨の説明があった後、討論を行い、採決いたしました結果、所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案の両案につきましては、いずれも修正案は少数をもって否決され、両法律案とも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決し、また、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、三法律案に対しましては、附帯決議が付されましたことを申し添えます。 以上、御報告申し上げます。 次に、大蔵委員長提出、昭和五十五年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。 この法律案は、昨二十五日、大蔵委員会におきまして全会一致をもって成案を決定し、提出いたしたものであります。 御承知のとおり、さきの議長裁定第二項、すなわち「予算修正問題については、今後における財政再建の目途並びに財政状況の推移を踏まえ、昭和五十五年度の剰余金(予備費、不用額、自然増収など)によって対応できる場合は、各党関係者で実施について具体的に検討する。」との裁定に基づき、過日、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新自由クラブ及び社会民主連合の六党派間において、その取り扱いを協議いたしました結果、 一、財政法第六条の特例を設け、五十五年度剰余金は、その全額を所得税減税に充てる。 二、右の措置は単年度限りとし、議員立法を以って措置する。 との合意がなされました。 本案は、この合意に基づきまして、昭和五十五年度の歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例を定めることとしようとするものであります。 以下、本案の内容を申し上げますと、財政法第六条第一項は、各年度の歳入歳出の決算上の剰余金の二分の一を下らない金額を、翌々年度までに、公債または借入金の償還財源に充てなければならないこととしておりますが、昭和五十五年度の剰余金については、この規定は適用しないこととするものであります。 以上がこの法律案の提案の趣旨及びその内容であります。 何とぞ、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(福田一君) 四案中、日程第五ないし第七につき討論の通告があります。順次これを許します。伊藤茂君。 〔伊藤茂君登壇〕
○伊藤茂君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました所得税法、法人税法及び租税特別措置法のそれぞれ一部を改正する法律案の三案に対し、反対の立場から討論を行います。 私は、まず冒頭に、これらの法案を含め、政府のかつてない大増税計画、大衆増税路線に心からの抗議と怒りを表明せずにはおられません。 今日まで約二カ月近い大蔵委員会の審議は、政府提案によるメジロ押しの増税法案をめぐる激しい論争の連続であり、また、物価調整減税の要求をめぐる闘いでありました。私は、その論争の中で、家計の赤字に苦しみ、税の公平を求める切実な勤労大衆の声がほうはいとして議事堂を包んでいるという思いを深くしたのであります。 同時に、この国民の切実な声に耳をふさぎ、ただひたすらに増税法案の強行成立しか念頭にない者が、どうして次の時代を語り、今後の行財政の改革を担えるだろうかと痛感したのであります。 まず、所得税法の一部改正について触れます。 今回の提案に含まれている鰥夫控除の新設、パートタイマーの非課税限度の引き上げなどは、わが党が年来主張してきたものがようやく実現することとなったものでありますが、わが党が今回提出している所得税法の一部改正案と比べましても明らかなように、いま現在実現を迫られている重要な課題には、いまだ手も触れられていないのであります。 特に、すべての勤労国民が強く要求し、大きな世論として高まっている物価調整減税をかたくなに拒否していることは、断じて容認できません。 物価調整減税は、フランス、カナダ、オランダ、スイス、デンマーク、アメリカの州税など、多くの国ですでに法律として制度化され、OECDのレポートでもその必要性を指摘しております。言うならば、物価調整減税を行うことはすでに世界の常識、これに反対する日本政府のみが非常識と言わざるを得ないのであります。(拍手) 四兆五千億もの新年度、税の自然増加の六二%は勤労者の負担、一兆四千億もの新規大増税の大半は勤労大衆に押しつけ、ベースアップの二倍のテンポで税金がふえる、そんな国は日本以外に例を聞かないのであります。(拍手) さらに、一般消費税の再現ともいうべき大型新税について、総理は、政治生命をかけて、やらないという決意を表明されましたが、大蔵大臣は、やりたくないと言い、大蔵委員会に参考人として出席した政府税調会長は、間もなく特別部会を設置して大型消費税の具体的検討に入ると言いました。政府には三つの顔と三つの口があるのでしょうか。当然のことながら一つにしていただかなければなりません。 物価調整減税の制度化とともに、所得税法への給与所得者の確定申告選択制度、必要経費の実額控除制度の導入、キャピタルゲイン課税の強化が盛り込まれるべきであります。 次に、法人税法及び租税特別措置法の一部改正に反対する理由を申し上げます。 政府案は、大企業も中小零細企業、公益法人も一律二%の税率引き上げでありますが、現行の税率はそれぞれ四〇%、二八%、二三%でありますから、中小企業、公益法人の上げ率の方が、大企業のそれよりもずっと高いのであります。 しかも、大企業ほど数々の優遇税制の恩恵を受けて実効税率が低くなっている逆累進構造、膨大な内部留保、利益隠しの実態から見ても、不公平、大企業擁護であることは事実として明白であります。 その証拠に、国税に占める所得税、法人税の比率、比較を見ますと、勤労者の負担が大部分を占める所得税を一とした場合、法人税は一九六〇年に一・五であったものが、一九八〇年には〇・八と大きく低下しており、歴代自民党政府が、税負担を大企業に軽く、勤労者に重くしてきたことが浮き彫りになっているのであります。 さらに各種引当金を見ましても、実際の貸し倒れ発生率の五倍、六倍もの繰り入れを認めている貸し倒れ引当金、目的使用が十数%にすぎない大企業の退職給与引当金、先般の投機集団誠備グループ事件で改めて指摘されている法人株主の巨大化、受取配当益金不算入制度による大法人の税金逃れの構造を見るとき、政府の政策のどこに社会正義が存在するのかと問わざるを得ないのであります。(拍手) また、不公平税制の象徴的なものとして指摘されてきた租税特別措置の改廃、整理はきわめて不十分であり、土地税制の強化、医師の社会保険診療報酬課税の特例の廃止などの課題は残されたままであります。 今日、実態とかけ離れた法人擬制説に基づく企業税制は抜本的に改革されなければならないのに、今回の改正においてエネルギー減税を新たに採用して、大企業への必要以上のサービスを行い、加えて先般の公定歩合引き下げによって大きな利益を与えているのであります。 私は、このような大企業の状況と、家計の赤字に苦しむ勤労国民、史上最高水準の倒産続きの中小零細企業の現実とを比べてみましたときに、本法案と政府の態度を絶対に承認することはできないのであります。 私は、最後に、わが党を初め五野党の努力によって実現した所得減税に関するさまざまの措置を、政府が誠意を持って実行することを要求するとともに、ひたすら増税法案を押し通そうとしている政府・自民党の諸君に、栄枯盛衰の歴史をつづった平家物語にある「おごれる者は久しからず」という言葉を警告として申し上げ、反対の討論を終わります。(拍手)
○議長(福田一君) 中村正三郎君。 〔中村正三郎君登壇〕
○中村正三郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の三案に対しまして、賛成の意を表明するものであります。(拍手) 御承知のとおり、わが国の財政は、第一次石油危機後の停滞する経済の中で、公債発行という手段を使って景気の回復と国民生活の安定を図るという観点から、上手に経済をリードしてきたと言えると思います。 その結果、わが国の経済は、従来の高度成長から安定成長へと軟着陸をスムーズに行うことができたと申し上げても過言ではないのであります。 その反面、財政は巨額な赤字に陥り、いまだに特例公債を含む大量の公債に依存せざるを得ない状況が続いております。このような状況が今後さらに続くとすれば、高齢化社会の到来やエネルギー確保など、わが国が当面している課題に財政が機動的に対応することが困難となるばかりでなく、国民生活に必要不可欠な行政サービスの水準を維持することすら困難になることが予想されます。 財政には、国民生活の安定と経済の発展を図る上で大きな役割りを果たすことが期待されておりますが、その期待にこたえるとともに、インフレを未然に防止するためには、一刻も早く不健全な公債依存体質から脱却し、財政の対応力を回復することが必要であります。まさに財政再建は国民的な緊急課題となっているのであります。 自由民主党が、責任ある与党として、あえて安易な政策を排し、今回、歳出の節減合理化と税負担の引き上げという、当面は厳しいものの、あすの幸せにつながる道を選んだ理由もここにあるわけであります。(拍手) このような財政状況を踏まえて、政府は、昭和五十六年度予算におきまして公債発行額を前年度当初予算よりも二兆円減額することとし、このため、歳出面でまず徹底した節減合理化を行ったところであります。 しかしながら、このような見直しを行ってもなお、福祉、文教等の行政水準を維持し、国民生活の安定を図るためには、相当の財源が必要とされるところであります。今回やむを得ず法人税を初め、現行税制の枠組みの中で増収措置を講ずることとしているわけであります。 ただいま議題となっております三法案の内容を見ますと、所得税法改正案におきましては、きわめて厳しい財政事情にもかかわらず、パート等により家計を助ける主婦や父子家庭の父などにきめの細かい配慮が加えられ、減税が行われることとなっているのであります。 また、雪おろしの費用についての雑損控除制度の緩和措置が講ぜられることとなっておりますが、これは、今回豪雪に苦しまれた方々にとってまことに時宜を得た適切な措置と言い得ると思います。 次に、法人税法改正案におきましては、財政の現況に照らして経済の発展に支障を与えることのないように配意しつつ、法人税負担の引き上げが行われることとなっておりますが、一方、厳しい経営環境に置かれている中小法人については、軽減税率の適用所得限度の引き上げが行われ、負担の緩和が図られているのであります。 また、企業関係の租税特別措置の整理合理化につきましては、これまでの措置によりおおむね一段落したと考えられますが、今回、さらにその推進が図られることとなっており、交際費課税制度の強化、割引債の総合課税のための措置とあわせ、税負担の公平確保のため一層の努力がなされており、こうした税制に対する国民の理解を得るための政府の姿勢は高く評価されるところであります。 なお、新たに設けられるエネルギー対策促進税制は、わが国の当面する緊急の課題であるエネルギー確保に大きく資するばかりでなく、当面の景気対策の上からも大きな役割りを果たすものと期待されます。 以上、三法の改正案の内容を見ますと、国民に税負担の増加をお願いせざるを得ない状況の中にあっても、各所にきめの細かい配慮が加えられ、また、税負担の公平のための努力も十分なされていると判断されるのであります。 私は、以上述べましたような観点から、これら三法案について賛成の意を表明し、討論を終わります。(拍手)
○議長(福田一君) 薮仲義彦君。 〔薮仲義彦君登壇〕
○薮仲義彦君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の態度を表明し、討論を行うものであります。 まず、われわれが反対する第一の理由は、政府が所得税減税を見送り、勤労者を中心とする国民生活に巨額な実質増税を強いていることであります。 政府は、昭和五十六年度を財政再建元年と名づけて取り組んでおりましたが、国民の前に示された具体的な対応策は、行政改革や補助金整理などの歳出削減、不公平税制の是正が置き去りにされたままで、所得税の減税見送りによる実質増税、中小企業増税など、財政再建イコール増税という大衆増税路線の押しつけであります。 特に、所得税減税の実施について、われわれは、昨年八月の昭和五十六年度予算の概算要求以来今日に至るまで、一貫して要求し続けてまいりました。 今日のわが国の国民生活、なかんずく勤労者の生活は、去る十七日に発表された総理府統計局の五十五年平均の家計調査報告でも明らかなように、勤労者の平均賃上げ率は六・七%と、勤労者の要求よりも低い率で抑えられ、逆に、消費者物価の上昇は、政府見通し六・四%を大幅に上回る八%にも迫る高騰となり、所得の実質収入減を来しております。 加えて、所得税減税の見送りは、勤労者に対し一九・一%と二割に近い大幅な実質増税となり、可処分所得の実質減少をもたらしたことから、物価高と並んで、家計を火の車に追いやる原因にもなっております。 中でも、五十五年度の賃上げが低い率で済んだことは、勤労者が、政府の消費者物価の上昇見通しを信じ、かつ、第二次石油危機を労使協調体制で乗り切るために英断を下したことによるものであります。事実、わが国は、他の先進諸国に比べて、第二次石油危機の被害を最小限にとどめることができたと評価されております。 こうした勤労者の英断と節度ある態度及び困窮化する生活に対し、政府が所得税減税の実施などでこたえるのは当然の帰結であります。仮にも所得税減税が見送られることは、労使協調体制にひび割れを来すばかりでなく、今後のわが国経済の動向にも、所得の伸び悩みが個人消費の低下につながり景気の後退を招くという悪影響をもたらし、結果として税収減となり、財政再建の足場さえも崩しかねません。したがって、所得税減税を見送っている所得税法の改正には断固反対するものであります。(拍手) われわれは、いままで述べた認識のもとに、所得税減税の実施を要求してまいりました。 特に、公明党・国民会議を初めとする五野党の予算修正要求によって議長裁定がなされ、さらに、共産党を除く与野党によって所得税減税に対する合意を見たのであります。 この合意事項、特に自民党が所得税減税の実施に歩み寄られたことは、一応の評価をするにやぶさかではありません。しかしながら、合意事項が剰余金という枠づけである以上、所得税減税の成否は、挙げて政府・自民党の今後の財政運営にかかっております。再度この場をかりて、政府・自民党が所得税減税の実現に最大限の努力をされることを強く要求するものであります。(拍手) また、所得税法の改正に当たり、いわゆるパートタイマーなどの非課税限度額を現行の七十万円から七十九万円に引き上げられたことは、かねてからのわが党の要求でもあり、一応の評価をいたします。しかし、われわれの要求は非課税限度額を少なくとも九十万円まで引き上げるものであり、加えて、主婦がパートタイマーとして働かざるを得ない理由が、教育費の高騰など諸物価の高騰にあることをあわせて考えた場合、政府案程度の改正で賛成するわけにはいかないのであります。 反対する第二の理由は、法人税の税率引き上げが中小企業に対して過分の増税をもたらすこと、及び政府の不公平税制の是正に対する取り組みが消極的なことであります。 政府は、法人税率の二%引き上げを図っております。大企業の法人税の引き上げについては、政府税制調査会でも答申していたものであり、われわれも、わが国の法人関係税の実効税率が先進諸外国に比べて低いことなどから、その必要性を認めていたものであります。 しかし、政府の法人税の税率引き上げは、大法人も中小法人も一律二%引き上げるというものでありますが、増税の率から申し上げますと、大法人の基本税率四〇%の段階での二%の引き上げでありますから、増税率五%となります。一方、中小法人が多く適用されている税率二八%の段階での二%の引き上げは、増税率七%となり、二%の増税率の格差を生じております。いわゆる、その税負担は中小法人がより重くなるというものであります。 特に中小企業は、五十五年は倒産件数が史上第二位を記録し、その勢いは五十六年に入っても衰えておりません。また、景気の後退は、中小企業の経営環境をますます悪化させております。このことは、政府の総合景気対策が、各方面からの中小企業へのてこ入れを主要な柱とせざるを得なかったことからも明らかであります。 しかも、中小企業は、法人税の税率引き上げのほかにも、酒税、物品税、印紙税などの引き上げにより負担増を強いられ、経営苦に拍車がかかっております。 したがって、われわれは、法人税の税率引き上げについても、中小企業の経営に配慮し、少なくとも軽減税率の据え置きと、その適用区分の拡大を要求してきたところであります。しかし、政府は、われわれの要求に耳を傾けようとせずに、法人税の一律二%引き上げを図ることには、断固反対せざるを得ません。 次に、不公平税制の是正についても、政府の姿勢は積極的とは認められないのであります。 たとえば、金融保険業の貸し倒れ引当金の法定繰り入れ率を千分の五から千分の三に引き下げるものとしておりますが、その方法は経過期間を設けて行うものとしております。しかし、大蔵省の資料によっても貸し倒れ発生率は千分の一程度とされ、当面する財政状況とあわせて考えると、さらに積極的な取り組みがあってしかるべきであります。 また、租税特別措置についても、政府税調の、不公平税制の是正は一段落したとの判断に立たれたかどうかはわかりませんが、課税の公平化を図るためのグリーンカードの実施が、いまだにあいまいな部分を残していることを初め、社会保険診療報酬に対する課税の特例についても、先年の是正で事足れりとし、着手しようとすらしていないのが実情であります。 このように、不公平税制の是正に消極的な態度をとり続けていることは、国民の信頼が得られず、とうてい納得しがたいものであります。 以上の諸点を指摘し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長(福田一君) 木下敬之助君。 〔木下敬之助君登壇〕
○木下敬之助君 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、一括して反対の討論を行います。 わが党は、わが国経済の発展と国民生活の安定を図る立場から、来年度予算においては、行財政改革の断行と不公正税制の是正、大企業の法人税率の二%引き上げなどにより、大衆増税によらない財政再建予算を編成するよう強く主張してまいりました。 しかるに、来年度予算案は、行財政改革をないがしろにし、財政再建の名のもとに、国債の二兆円減額をそのまま大幅増税で賄おうとすることは、まさに大衆増税予算であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手) このような観点から、まず所得税について申し述べたいと存じます。 第一次石油危機を契機として、わが国経済は激しいインフレに見舞われ、次いで、長い深刻な不況に陥ったのでありますが、その痛手から回復したのもつかの間で、一昨年来、再び第二次石油ショックの影響をもろに受けたのであります。わが国経済は、このショックを、実質賃金の低下に見られるように主として勤労者の犠牲のもとに辛うじて乗り切ってきたのであります。 すなわち、昨年一年間の名目賃金は、前年に比べ七・〇%増加したのでありますが、消費者物価指数がこれを上回り、八・〇%上昇したため、昨年一年間の平均実質賃金は対前年比〇・九%減となり、戦後統計史上初めての賃金目減りという異常な事態を招来したのであります。 さらに、最近の物価情勢から見て、実質賃金の維持は困難であると見られているわけでありますが、現在の景気のかげりは、まさにこの実質賃金の減少による個人消費の低迷がもたらしたものにほかなりません。 このように、五十五年度の消費者物価上昇率六・四%という政府の公約をかたく信じて賃上げの自粛に努力した勤労者に対し、すでに政府は、その公約の達成を放棄し、かつまた、来年度予算において何らかの償いをしようとする姿勢がいささかも見られないことは、きわめて遺憾であります。(拍手) このような重大な失政に対し、政府がその責任を痛感されるならば、そしてまた同時に、政府が、来年度において個人消費を中心とする民間の活力により、五・三%の実質経済成長の達成を期待されるのであるならば、この際、勤労者や中小企業者に対する各種の大幅増税を取りやめるとともに、五十二年以来据え置かれたままになっている各人的控除の引き上げなどの所得税減税を行うべきであります。(拍手) この国民の切実なる要求をことごとく無視し続ける政府に対し、厳しい反省を求めるものであります。 幸い、議長裁定により、五十五年度の剰余金はその全額を所得税減税に充てることが与野党間で合意されましたが、政府がこれを誠実に間違いなく履行することを、ここに改めて強く要求するものであります。(拍手) また、このたびの所得税法改正案では、主婦の所得が七十万円を超えると夫の配偶者控除が打ち切られることとなっていたものを、来年度からこれを七十九万円に引き上げることは一歩前進であると認めるわけではありますが、しかしながら、主婦労働の実態、共かせぎ世帯の実情からすれば、少なくとも百万円程度に引き上げることが必要であります。この点きわめて微々たる改正にすぎないのは、まさに遺憾であります。 次に、法人税についてでありますが、わが党は、かねてより、法人税については、実効税率の低位、法人の担税力の余地、企業収益の回復等にかんがみ、大企業の法人税率を二%引き上げるとともに、中小法人の軽減税率の適用所得限度、現行七百万円を千二百万円に引き上げるべきだと強く主張してまいりました。 これに対し、今回の改正案は、税率の引き上げを大企業に対してのみならず、中小法人、公益法人、協同組合等に対しても一律に行われようとされ、同時に、中小法人に対する軽減税率の適用所得限度を八百万円に引き上げるにとどめておられることは、とうていわれわれの容認できるところではありません。 申し上げるまでもなく、金融機関の取引先企業に対する厳しい選別融資、公共投資の抑制、個人消費の低迷、住宅建築の不振、素材部門を中心とした在庫調整の大幅なおくれなどにより、このところ中小企業の倒産が相次いでおり、昨年一年間の企業倒産は、件数、負債総額とも五十二年に次いで史上二番目の大きな数字を記録したのであります。 さらに、今後緩和の方向にある金融政策の効果が中小企業に浸透するには時間がかかること、また、円高や貿易摩擦により、これまで景気の牽引力であった輸出の伸びが余り期待できないことなどから、企業倒産はまだまだ続くことが予想されるわけであります。 このように中小企業を取り巻く環境は、きわめて厳しい状況にあるにもかかわらず、財政再建の名のもとに、政府は、これに追い打ちをかけるかのように、中小法人に対しても二%の税率引き上げを求め、かつ軽減税率の限度額をわずか八百万円にとどめたことは、現下の中小企業経営の実態に目をつぶり、来年度におけるわが国経済の成長に果たすべき中小企業を初めとする民間企業の活力に及ぼす悪影響を全く無視したもので、はなはだ遺憾に思うものであり、政府の猛省を促してやみません。(拍手) 最後に、租税特別措置についてでありますが、わが党は、かねてより、交際費は原則として益金扱いとするよう主張してまいりました。これに対し、政府は、来年度の税制改正において、当初、交際費課税のかなりの強化を検討されていたにもかかわらず、最終的には、わずかばかりの課税強化にとどめられたことは、きわめて遺憾であります。 この交際費課税を初めとして、現行の租税特別措置には、なお見直しを要する不公正が温存されており、今後その不公正是正に政府が全力を傾注されるよう強く求め、議題となっております三法の改正案に一括して反対の態度を明らかにいたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(福田一君) 岩佐恵美君。 〔岩佐恵美君登壇〕
○岩佐恵美君 私は、日本共産党を代表して、所得税法、法人税法、租税特別措置法の三法の一部を改正する法律案について、反対の討論を行います。(拍手) 反対の理由の第一は、政府がまたもや、国民の共通の願いである所得税減税を拒否することによって、四年連続の実質大増税を国民に押しつけていることであります。 最近の新聞の投書欄は、高い税金への主婦の悲鳴と怒りの声で埋まっています。「確定申告で頭の痛い季節。苦手の数字と取り組んで、やっと申告を終えたものの、税金は高いし、厳しい。このうえ増税ではやり切れない。」また別の投書では「公共料金の値上げも目白押し。食費を切りつめることには限度があります。家計簿とにらめっこをして努力している私たちに、もう少し報いられる政治を、と願わずにはいられません」と言っています。 実際、勤労者は、実質賃金が戦後初めて年間を通してマイナスという最悪の事態に直面し、その中で、税金と社会保険料の天引き分の急激な増加からくる手取り収入の目減りによって、さらに大きな打撃をこうむっています。 政府が四年間も所得税減税をしないために、五十二年度に一万七千円程度であった四人家族の平均的な勤労者家庭の所得税負担は、五十六年度には実に四倍以上の六万九千円にはね上がり、しかも所得税納税者がこの間に約六百万人と異常にふえているではありませんか。 総理がしばしば使われる「思いやりに満ちた社会」「ゆとりある心と生活」などの美しい言葉に少しでも真実が含まれているのであれば、主婦のこの切実な願いにこたえて、何よりも真っ先に所得税減税に踏み切るべきです。(拍手) 日本共産党は、四人家族で三万円、総額六千億円の所得税減税を要求し、その財源として、大企業優遇の不公平税制の是正の具体的な修正提案を行いました。ところが、政府・自民党は、全く理由にならない理由をつけて葬り去りました。これは、国民生活を破壊して恥じない姿勢をまたもやあらわにしたものであり、絶対に容認することはできません。(拍手) 反対の第二の理由は、政府の三法案が、史上空前の増税を国民に押しつける一方で、不公平税制を温存し、拡大さえ図っていることであります。 法人税の一律二%の引き上げによって最も打撃をこうむるのが、いま深刻な経営難に陥り、倒産が再び急増している中小企業であることは明らかです。当然、税負担の公平ということから見るならば、昨年九月期に利益を五割以上もふやし、未曽有の繁栄を謳歌している大企業の税負担をこそ強化すべきであります。(拍手) しかし、政府・自民党は、日本共産党の、中小企業増税を中止するとともに年所得十億円を超える大企業の法人税率を四四%に引き上げるという当然の修正案を受け入れようとはしませんでした。ここにこそ、政府の大企業に甘く中小企業に冷たい基本姿勢がはっきりとあらわれているではありませんか。(拍手) そればかりではありません。三法案は、大企業優遇の不公平税制に何らメスを入れず拡大さえも図っていることは、きわめて不当であります。 たとえば、関連会社などからの配当金には税金を一切かけないという制度、額面をはるかに上回る価格で株式を時価発行したときのプレミアム利益に一円の税金もかけないという措置、さらには、海外に進出して万一損した場合に備えるという名目でつくられた海外投資損失準備金など、もっぱら大企業が恩恵をこうむっている不公平税制には全く手がつけられていません。 その上に、財界が強く要求した、エネルギー対策に名をかりたエネルギー投資減税制度をつくり、また、大手家電業界向けの製品保証引当金の対象の拡大さえ図っているのであります。これはまさに、大企業に至れり尽くせりの不公平税制の拡大ではありませんか。 第三の理由は、所得税減税拒否と中小企業増税によって大きくふくらむ税収が、平和を求める国民の願いを踏みにじって、軍備の大増強に充てられ、さらにまた、大企業本位のばらまき財政がつくり出した膨大な借金の穴埋めに使われていることであります。(拍手) 軍事予算は、一般歳出の平均伸び率四・三%を八割も上回る七・六一%と大きく拡大されて、ついに福祉の伸び率を追い越しました。これは、アメリカの強い圧力に屈したものであるということは国民に広く知られているところです。しかも、レーガン大統領は鈴木総理との会談で、さらに急速な軍事費拡大を約束させようとしていると伝えられます。 私は、軍事費を削って暮らしと福祉、教育の充実をと求める国民の圧倒的意見を全く無視して、憲法に真っ向から挑戦する戦争準備予算のために増税を図る法案は断じて許すことができません。(拍手) 最後に、総理と大蔵大臣は、五十七年度の新税導入を見送ると言いながら、その他の直接税、間接税での増税をたくらみ、しかも、五十八年度以降には大型間接税導入があり得ることを示唆しているのであります。 私は、五十七年度であろうと五十八年度以降であろうと、名前を変えた一般消費税であり、最悪の大衆課税である「課税ベースの広い間接税の導入」など、新たな増税を国民は絶対に許さないことを指摘して反対討論を終わります。(拍手)
○議長(福田一君) これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○議長(福田一君) これより採決に入ります。 まず、日程第五につき採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手) 次に、日程第六及び第七の両案を一括して採決いたします。 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(福田一君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手) 次に、日程第八につき採決いたします。 本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。 ————◇—————
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時九分散会 ————◇—————