法務委員会 第15号
- 発言数
- 220 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/05/22
会議録
○高鳥委員長 これより会議を開きます。 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。 本委員会において審査中の内閣提出、難民の地位に関する条約等への加入に伴う出入国管理令その他関係法律の整備に関する法律案について、外務委員会及び社会労働委員会から、それぞれ連合審査会開会の申し入れがありました。これを受諾するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会の開会日時等につきましては、関係委員長と協議の上決定いたしますが、来る二十七日水曜日午前十時より開会の予定でありますので、さよう御了承願います。 ————◇—————
○高鳥委員長 内閣提出、出入国管理令の一部を改正する法律案及び難民の地位に関する条約等への加入に伴う出入国管理令その他関係法律の整備に関する法律案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鍛治清君。
○鍛治委員 議題となっております法案につきまして質問を申し上げたいと思います。 最初に、出入国管理令の一部を改正する法律案につきまして御質問を申し上げたいと思います。 過去、この出入国管理令につきましては、四回全面改正ということで提案がなされておるようでありますが、これが廃案になったという形のいきさつがあるようでございます。そのときに、過去四回の中で特に政治活動の規制の条項が盛られておって、これが大変問題になって廃案になるいきさつ、引き金になっておったということもお聞きしておるわけでございますが、今回その条項については削除になっておるようでございます。こういう点について、削除された形で十分対処できることになるのかどうか、この点について最初にお尋ねをいたしたいと思います。
○大鷹政府委員 わが国憲法のもとにおきます基本的人権の保障は、日本国民にだけ限られるべき性質のものを除きまして広く外国人に対しても適用される、こういうふうに解されております。そこで、政治活動の自由につきましても、外国人の地位にかんがみまして、たとえば意思決定とか、あるいは決定された意思の実施であるとか、こういうものに影響を与えようとするような活動を除きましては、外国人に対しても認められるべきであるというふうに解されております。 そこで、全面的に外国人の政治活動を規制しようということはどうかということで、今回は入れなかったのでございますけれども、いま申し上げましたような枠の外に出ますような政治活動につきましては現行の退去強制の対象になりますし、それ以外のものでも、在留更新制度の運用によりまして対応することができるということで、その点からも、今度は政治活動規制に関する条項は含める必要はないと判断したのでございます。
○鍛治委員 では次に、在留資格の問題でお尋ねをいたしたいと思います。 この条項につきましては、以前四回提案をされましたときには、四−一−一六号ですかで法務省令によるというふうなことでたしか出ておったと思いますが、その中でくくってありました医師とか語学学校教師、各種学校の生徒、日本人の扶養親族の問題、こういった等がくくられておった中で、特に技術研修生の項目だけが新設をされて今度この中に含まれておるわけでございます。特にそれだけを取り上げて新設した理由、さらに、以前四回提案されました中では、このほかにもくくられた中で、たしか新設という形で項目が上がっておったものが今回は削られておるというふうなことがあると思いますが、こういった関係、どういう理由でそういうふうな形にされたのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○大鷹政府委員 技術研修生は、最近に至りましてわが国の経済の発展あるいは科学技術の進歩等によりまして非常に数がふえております。年間一万五千名以上の人が技術研修ということでわが国に入国しているというのが実情でございます。こういう方々は、国のいろいろなプログラムあるいは地方自治体のプログラムあるいは民間の企業のプログラム等によって技術研修を受けるべく入国しているのでございますが、同時に、私どもといたしましては、これがいわゆる低賃金の労働者の移入ということにはならないように注意を払っているところでございます。したがって、その場合にはきちんとした研修計画があるとかあるいは研修を行わせる体制が整備されているということをもちろん私どもとしては確かめます。その上で、このたびそういう方々の在留の実態を把握しやすいように、技術研修生というものを独立した在留資格に掲げたわけでございます。
○鍛治委員 後段私がお尋ねしたのはどうでしょうか。くくった中で項目で出ておったものを、今回技術研修生だけ残してあと削っちゃったという感じがたしかあったと思いますが、そこらあたりはいかがですか。
○山本説明員 過去四回の法案では、ただいまお尋ねのとおり、いろいろな在留資格を設けておったわけであります。在留資格の整理と申しますか、そういうものを行っていたのでありますが、今回は、新しく設けるものとしては技術研修生のみであります。それは一体どうしてそういうことになっておるのかというのが御質問の御趣旨かと思いますが、過去四回の立法作業は、形式的にも現行の出入国管理令を廃止いたしまして新たな法律を制定する、こういう廃止、制定を目的とした全面改正でありましたので、在留資格制度につきましても、在留資格につきましても、根本的に見直しをしたということであります。 今回は、部分改正であるということから、時代の要請に対応すること、あるいは長期在留外国人の法的地位の安定を図るということに主眼を置いた作業を行いましたので、在留資格につきましても、近時技術研修を目的として入国する者がふえたという事実に着目いたしまして、どうしてもこの技術研修生という資格を設ける必要があるということから、これを新設するにとどめたということであります。 なお、しからば全部の見直しはいかがなっておるかということになるのでありますが、これは長期的な展望のもとにわが国の外国人管理制度を見直していく必要がある。その場合には在留資格制度、これはヨーロッパ諸国ではとられていない制度でありますが、こういう在留資格制度そのものもこれでいいのか、そういう制度を続けていくことの可否も含めまして今後検討を続けていくことになっております。
○鍛治委員 じゃ、次に進みまして、仮上陸の許可のところでお尋ねをいたしたいわけですが、この改正案の第十三条の三の中で「第一項の許可を与える場合には、主任審査官は、当該外国人に対し、法務省令で定めるところにより、住居及び行動範囲の制限、呼出しに対する出頭の義務その他必要と認める条件を付し、かつ、二百万円を超えない範囲内で法務省令で定める額の保証金を本邦通貨又は外国通貨で納付させることができる。」こういうふうに、現行法では二十万円となっていますのを二百万円という額に改正しているわけであります。 これは先日の横山委員の質問の中でも触れられておったと思いますけれども、これも過去のいきさつを見てみますと、先ほど出ました四回の提案、昭和四十四年、四十六年、七年、八年と四回提案をされました法案の中を見てみますと、四十四年度ではこの二十万円というものが五十万円という改正の形で提出されておりますし、四十六年から四十八年までにはこの金額が今度は三十万ということで下げられて提案をされておる。これが今回は二百万円という形になってきておるわけでございますが、二百万円という額に決められたことについて過去のいきさつを見ても、どうも余り納得しがたい経過が見られるわけでございますが、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○山本説明員 確かに御指摘のとおり、過去、仮上陸の保証金を五十万とし、あるいは三十万ということでお諮りしたことがあるようでございます。今回これを上限二百万ということにいたしたわけでありますが、その根拠は、この入管令現行の二十万という金額が決められました昭和二十六年当時に比べまして、賃金指数が十八倍強になっておる。また、ドルとの為替レートを比べてみますと、当時三百六十円であったのが現在一ドル二百円になっておるというような事情を考慮いたしまして、十倍といたしたものであります。 ただ、この二百万円というものはあくまでも保証金の上限でございまして、具体的なケースでこれを決定するに当たりましては、その本人の性格、資産、家族状況、こういうようなものを勘案して行うわけでありまして、要は逃亡を防止し、出頭を確保するという趣旨でございますので、その趣旨を達する範囲内でこれを決定していく、その趣旨を超えた無用の負担を本人にかけるような金額の決定をいたすということはございません。
○鍛治委員 その運用については適正にやっていただかなければならぬと思うわけでありますが、それと同時に、これは保証金ではなくて、これを保証書をもってかえ得るというふうにも聞いているわけでございます。この運営等については適正に行われているのかどうか、この点についてもお尋ねをいたします。
○大鷹政府委員 先生お尋ねの仮上陸の保証金につきましては、実際上現在までこれを徴収する必要を生じたケースは非常に少のうございまして、非常にまれでございます。
○鍛治委員 どうもちょっとはっきりしない御答弁ですが、いずれにしても、この運用については適正に行っていただきますように要望申し上げまして、次に進みたいと思います。 永住許可の問題でちょっとお尋ねをしたいのでありますが、法一二六−二−六該当者及びその直系卑族は、出入国管理令上の永住を付与するということにしてあるわけですが、その趣旨をお尋ねをいたします。そしてまた、今回の立法で、この関係の問題というものは全部解決をしたというふうにお考えになっているのかどうか、この点についてお尋ねをいたします。
○大鷹政府委員 戦前からわが国に居住しております朝鮮半島、台湾出身者及びその子孫のうち、その法的地位がまだはっきり決まってないままとなっておりますいわゆる法一二六−二−六該当者及びその子孫につきましては、その在留実態に見合うように在留上の地位の安定化を図る必要があるので、出入国管理令上最も優遇されている在留資格であります永住を申請に基づいて無条件に与えるということにするのが、今回の立法の趣旨でございます。しかしながら、私どもは、今回の措置はいわゆるとりあえずの措置でございまして、最終的な解決とは考えておりません。事実、法一二六はそのまま残されますし、さっき先生お尋ねの、これをもってすべて解決したかということについては、そうは考えてないというふうにお答えします。
○鍛治委員 これについてまた重ねてお尋ねしますが、この法案では永住許可の特例措置の対象者は、いまありましたように昭和二十七年の法律第百二十六号第二条第六項に規定する者及びその子孫ということになっているわけでありますけれども、刑罰法令に触れて退去強制の手続がとられた結果、在留特別許可を受けたいわゆるもと法一二六−二−六の該当者、あるいはまたすでに退去強制令書が発付されておるこの該当者、こういう人たちについては今回の永住許可の特例措置の対象になるのかどうか、これをお尋ねいたします。
○大鷹政府委員 法一二六−二−六に規定する者と今度の改正案でなっておりますけれども、これは、現在法一二六−二−六の規定で在留している必要があるということではないのでございます。したがって、もと一二六−二−六該当者であっても差し支えございません。 ただ、今度の特例永住を受けるためには、戦前から永住申請のときまで引き続き在留しているということが条件でございます。退去強制手続にはのせられたけれども法務大臣の特別在留許可を得た人は、引き続き在留している人と私どもは考えておりますので、こういう方々は申請があればこの特例永住を受けることができます。 他方におきまして、退去令状が発付されてしまって、現在入国者収容所にいる方とかあるいは仮放免されている方、こういう方々はすでに在留が否定されたものでございますので、したがって、今度の特例措置の対象にはならないということでございます。
○鍛治委員 今回の特例措置による永住を申請しない人たち、法一二六−二−六の該当者、それからその子供、孫、一六−二及び一六−三、こういう人たちはどのような法的な地位で在留するようになるのか、この点についてお尋ねをいたします。
○大鷹政府委員 そういう方々は従前のまま、従前の資格のままで在留されることになります。したがって、一六−二の方は一六−二のままで、一六−三の方は一六−三のままで在留されることになります。
○鍛治委員 退去強制のところでまたちょっとお尋ねをいたしたいのです。 これは二十四条ですね。ここのところで改正になりまして削除されたところがございますね。これと五条との比較になるわけでありますが、この二十四条の四号の中のハ、ニ、ホですか、これが現行法の中で削除ということです。ハは「らい予防法の適用を受けているらい患者」、ニが「精神衛生法に定める精神障害者で同法に定める精神病院又は指定病院に収容されているもの」、それからホが「貧困者、放浪者、身体障害者等で生活上国又は地方公共団体の負担になっているもの」、こういう項目が削除されているわけでありますが、これが、第五条の上陸の拒否の中に同じような形のものがあるわけですが、この中では、要するに二十四条で削除されていたところがそのまま生かしてあるわけでございます。若干変わっておるところもありますが、こういった点は、上陸と退去強制との違いというのはあるのですが、こういうふうな違いがどうして出てきているのかなと疑問に思うわけでございます。この点についてお尋ねをいたします。
○大鷹政府委員 上陸拒否の事由と退去強制の事由とは目的が違います。したがって、その間に当然差があるわけでございます。 御指摘のらい病患者であるとか精神病者、貧困者、こういう者はわが国にとって好ましからざる者として上陸拒否のあれになっておりますが、一たんわが国に入国した外国人でらい病になったような人あるいは精神病者それから貧困者、こういう者につきましては、たとえば国際人権規約ですべての人に人権を保障するというようなことが定められておりますし、さらに難民条約で、貧困を理由にその難民を追放することは許されないというような規定がございますので、そういう事実、さらに実際上こういうことで退去強制にしたという例が非常に少ないということも考えまして、退去強制事由の中からこの三つを落としたということでございます。
○鍛治委員 それじゃ二十五条の方、出国の手続のところでちょっとお尋ねをいたします。 これが現行法では、「入国審査官から旅券に出国の証印を受けなければならない。」こういうことになっているのが、改正案では「証印」が「確認」ということに変わっているわけでありますが、この点、どういうわけでこういう形で変えられるようになったのか、お尋ねをいたします。
○大鷹政府委員 わが国に上陸しました外国人の中には、たとえば病気になって緊急に上陸した人とか、あるいは遭難して上陸した人、あるいは今度お諮りしております難民の一時庇護制度ができますとその一時庇護によって上陸している人、こういう人がおりますけれども、こういう方々に対しましては上陸許可書というものを発給しております。そういう人たちが出国いたしますときには、その上陸許可書を入管当局で回収するという形で出国を確認するということになっております。したがって、出国の証印ではなくて、そういう形の確認をするという場合がございますので、今度こういう「出国の証印」ではなくて「確認」というふうに改めたわけでございます。 なお、遠い将来について申し上げますと、たとえば入国の手続が高度に電算化されまして、電算機がすべて読み取ることができるというような時代が来た場合には、証印ではなくて確認ということがもっとふさわしいということも考慮の中にございます。
○鍛治委員 いろいろありますが、ちょっと飛ばしまして、密入国者の問題でお尋ねをいたしたいのでありますが、この関係の取り締まり状況というものは一体どういうふうになっているのか。特に入国警備官などの定員が減らされてきているというように私は見ていて思うのですが、こういったことは私どもにとってみて余り好ましくないことではないかなという気がいたしておりますし、機動力等の問題を含めて、取り締まるべきはきちっとやるべきであろう、こういうふうに思っているわけですが、こういった点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○大鷹政府委員 不法入国事犯は水際で摘発することが肝要でございますので、入国警備官による摘発態勢を整えて、密航事犯につきまし、ては密航ブローカーや要注意船舶に関する情報収集に努め、密航者運搬の疑いのある船舶に対する厳重な捜索、それから船舶係留岸壁近辺さらには港内外のパトロール等を実施しております。 偽造、変造旅券による不法入国事犯につきましては、出入国指定海空港における入国審査官による上陸審査においてチェックすべく、主要海空港に紫外線鑑識器を配備するなどして厳格な審査を行う態勢を確立しておりまして、この種違反者の水際における防止、摘発に努めておるところでございます。 水際摘発を逃れ潜在している不法入国者につきましては、これが多数潜伏していると見られます地区を重点的に、関係地方入国管理局共助体制をもって集中的な一斉摘発をするなど、積極的な姿勢をもって摘発処理に努めております。 資格外活動事犯につきましては、この種事犯の防止策として、出入国海空港における上陸審査に際し、特に資格外活動のおそれがあると思われる外国人には、入国審査官が審査を厳格に行い、水際においてこういう者を発見して上陸を拒否する体制を一段と強化する一方、取り締まりの協力を 一般から得るためのPR、さらには関係業者に対する指導、警告等を行い、摘発に当たっては関係資料の収集、整備に努め、追跡調査を行うなどして積極的に追及し、鋭意摘発に努めております。 入国警備官の定員は六百八十七名でございまして、入国者収容所に百九名、八つの地方入国管理局に五百七十八名が配置されております。警備官の定数はこの五年間に微減しておりますが、本年度現在六百八十七名が配置されております。
○鍛治委員 この体制等についてはきちっとした形で対処できるように御要望を申し上げておきたいと思います。 それから、外国の方が上陸して入国審査を受けられるときに大変時間がかかるということで、評判が余りよくないというふうなことをよく耳にいたします。私も二度ばかり外国に行かしていただいて、帰ってくるときにずらっと並んで、終わるまでどれくらいかかるのかなと大変心配をしながら見た覚えがあるわけでございますが、こういった点についてやはりスピードアップをする必要があるのではないか。これは素人でわかりませんが、こういった関係は電算化してこういうものに対する対処というものはもっと図ることができるんではないかな、こういうふうに思うわけですが、この点についてお尋ねをいたします。
○山本説明員 上陸審査に時間をかけないようにすべきであるという御指摘はごもっともでございます。ただ、この上陸審査の仕事の性質上、片や不良外国人の上陸を拒否するために慎重に行わなければならないという面もございまして、スピードアップと慎重な審査と、言うならば二律背反の要請に応じなければならない困難な業務であるということを、まず御理解いただきたいと思うのであります。 さて、最近わが国へ入国する外国人が年々増加しておる、また、加えまして航空機が大型化しておりますために、特定の時間、たとえば夕方とかそういう時間に集中して上陸審査の業務を行わなければならなくなっております。入管局におきましては、これらの時間帯に多数の入国審査官を集中的に配置するというような工夫をいたしまして、限られた人員の中で効率的な職員の活用を行っておるところでありますが、本年度からコンピューター利用システムが施行されますので、これを次第に拡充いたしまして、今後も可能な限り上陸審査の簡略化、迅速化、サービスの向上に努めたいと考えております。
○鍛治委員 これも私が御質問申し上げた趣旨に沿える方向で御努力をお願いしたいと思います。 出入国管理令に関連して、私は法務は初めてでございまして、きわめて素朴な質問で、こういう質問はどうなのかと思いますが、私が若干疑問の点で御質問申し上げたいと思うのは、いまお答えいただいた大鷹局長、それからこの関係で総務課長、入国審査課長、このお三人は外務省から出てこられてその役を守っていらっしゃるようでございますが、これはどういうところからそういう形になったのか、大変素朴で疑問に思っている点でございますので、どなたがお答えいただくかわかりませんが、お答えをいただければと思います。
○大鷹政府委員 ただいま鍛治先生から御指摘ありましたように、入国管理局の任には外務省から三名の幹部が出向しております。これはなぜそういうことになっておるかと申しますと、歴史的な経緯とそれから仕事の性質、両面があろうかと思います。 その歴史的な経緯と申しますのは、昭和二十七年の八月に入国管理の仕事が法務省に移されるまで、外務省の入國管理部であるとかあるいは外務省の外庁であります出入国管理庁という形でずっと外務省がこれを所管してきたということがございます。 それから、仕事の性質といたしましては、入国管理行政というのは国内行政ではございますけれども、やはり非常な国際性がございますし、それから、外国人を取り扱うという意味で、外務省の行政と非常に密接な関連を持っております。そういうことから、現在三人ほど外務省から入国管理局に出向してきているという事情があるわけでございます。
○鍛治委員 それでは、管理令の関係はこれで終わらせていただいて、次に難民の地位に関する条約等云々の法律案についてお尋ねをいたしたいのです。 最初に、この改正法律案の定義のところで関連してお尋ねをしたいのですが、難民ということについてでございますけれども、これはぱっと考えました場合に、いわゆるインドシナ三国だけにという受け取られ方をされやすいわけでございますが、そういうことに関係なしに、地域的制限なしにこれは適用するという方向でお考えになっておられるのかどうか、そこらあたりを明確にお聞きをいたしたいと思います。
○大鷹政府委員 難民の認定につきましては、地域的な制限はございません。したがって、インドシナ半島出身者であろうとほかの地域からの人であろうと、難民認定の申請はできることになっております。
○鍛治委員 この難民認定は法務大臣がなさるようになっておりますが、この認定がなぜ必要なのか、また、難民の認定についての法的性格といったものについてお答えをいただきたいと思います。
○大鷹政府委員 難民条約は、第一条におきまして難民を定義した上で、第二条から第三十四条にわたりまして、難民に対し与える保護措置やそれから難民の権利義務等について規定しておりますだけで、難民の認定については全く言及しておりません。しかしながら、難民条約で定めております各種の保護措置を与える前提として、個々の外国人が難民条約に言う難民であるかどうかを判断するプロセス、過程が不可欠でございます。また、この判断は、各種の保護措置を与える行政庁の間で統一されたものであることが望ましいわけでございます。 そこで、わが国では法務大臣が統一的に難民の認定を行うこととしたものでございまして、国連難民高等弁務官事務所、UNHCRと英語では言っておりますが、各国に対しまして、もう各行政庁の個別の判断によるのではなく、公式の難民認定手続の設定を勧告しております。また、難民の認定は、個々の外国人が条約に定められた難民要件に該当する事実を備えているかどうかという事実の確認的性質を有する行為でございます。
○鍛治委員 この難民認定の場合にも、いまお話に出ましたこの発生の原因の確認の方法というのはきわめてむずかしいような気もいたしますが、そういった確認の方法というものはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。それから、この認定を受けた者はすべてわが国での在留を認められるということになるのかどうか、この点についてお尋ねをいたします。
○大鷹政府委員 難民の認定に当たりましては、申請を行いました外国人がみずから自分は難民であるということを証明しなくてはならない、挙証責任はその人にあるということでございます。もちろん、その場合、難民認定の手続の過程におきまして最も重要な資料は本人の陳述でございます。しかし、その本人の陳述だけでは十分ではないという場合があろうかと思います。そういう場合に、十分でないからといってすぐ難民ではないと認定するのはどうかと思いますので、その場合には、いろいろなほかの方法で、その難民の陳述をバックアップするということを考えなくちゃいけないだろうと思います。 その一つの方法は、その難民が来ました国における背景となった事情とか、そういうものを外務省を通じて調査すること、さらに、難民の知人とか親戚がわが国におります場合には、そういう人から事情を聴取するとか、そういうことをやりまして、できるだけそういう難民認定に当たりまして証明がしやすいようにしてやりたい、こう考えているわけでございます。 なお、難民の認定とそれから在留の許可とは別個の問題でございます。難民条約も「国の安全又は公の秩序を理由とする場合を除くほか、合法的にその領域内にいる難民を追放してはならない。」と定めておるわけでございまして、すべての難民の在留を許可する義務を定めておるわけではございません。したがって、難民の認定を受けた者が必ずしも在留を認められることとはなりませんが、難民条約の趣旨にかんがみまして、人道的に十分な配慮をする所存でございます。
○鍛治委員 一時庇護のための上陸許可の問題でございますが、この制度を設けた趣旨というものはどういうところにあるのか。また、この制度と難民認定の関係、これはボートピープルの関係も出てくると思いますが、こういった関係についてお答えをいただきたいと思います。
○大鷹政府委員 難民条約は、難民の入国、在留を許す義務を定めておるわけではございませんけれども、難民に該当する可能性がある外国人について、旅券を持っていないとかそういう理由で、上陸のための条件を満たさないといって直ちに上陸を拒否することは、難民に対する各種の保護を与えることとしている難民条約の精神にそぐいません。そこで、難民に該当する可能性があるような外国人につきましては、とりあえずの緊急措置として、一時庇護のための上陸を許すことができるようにしたものでございます。これによりまして、今後わが国に到着するいわゆるボートピープルには、この一時庇護上陸の許可が与えられることになります。 それから、一時庇護のための上陸の許可が与えられるかどうかということと、難民認定を受けられるかどうかということとは無関係でございまして、一時庇護を得ている外国人の中にも、難民認定の申請をする者とそうでない者がありますし、それからまた、難民認定の申請をした者についても、難民認定を受けられるかどうかは、必要な調査をした後で初めて決定されるわけでございます。
○鍛治委員 その難民申請をしても、否認された場合はどういう形になるのか、そういったこと、それから、この件に関連して収容場所等の関係、こういったのはどういうふうに考えておられるのか、こういった点についてお尋ねをいたします。
○大鷹政府委員 難民認定を受けられなかったからといって、すぐに在留を否定するようなことは考えておりません。できるだけ人道的に配慮する方針でございます。 それから、一時庇護のための上陸許可を受けました外国人の居住等の施設でございますけれども、わが国社会にとって好ましくない人とか、それから衣食住等生活の保護が必要である人たちもそういう人たちの中にはまざっているだろうと思います。こういう方々に対しましては、現在までは国連の難民高等弁務官事務所からの補助金や民間諸団体の協力により衣食住等が確保されてきたわけでございます。今後の問題といたしましては、政府関係の施設、たとえば一時庇護センターとでもいった施設を新たに設ける必要があるかどうか、設けるとした場合、所管はどうするのか等の問題につきまして、現在関係省庁の間で鋭意協議を重ねているところでございます。
○鍛治委員 そういうことになりますと、受け入れの収容施設というものが大変危なっかしいような気がするわけですね。そういう点は大いに進めなければならぬと思いますが、こういう点については話し中とは言いますが、どういう方向に行くのか。これはもうしっかりお考えをいただきたいと思うのですが、それと同時に、一時庇護のための上陸の許可を受ける方たちの中に、場合によったら犯罪者とかそれから伝染病患者など、わが国にとりましても余り好ましくないという人もまじってくるおそれがあるのではないか。これらの問題点についてチェックをしたり治療を施したりするための施設というものも国で設ける必要があるのではないか。現実にそういう者がどんどん来ているという形があるようでありますから、こういった点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○大鷹政府委員 現在までのところ、一時庇護の対象になるような方々は民間の施設に収容されております。たとえばカリタス・ジャパンであるとか、日赤、天理教、それからアジア福祉教育財団とか、そういう団体のお世話になっているわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたとおり、先生御指摘のとおり、こういう一時庇護の対象になる人々の中には犯罪者であるとかあるいは病気の人、それから衣食住等生活の保護を必要とする者が含まれている可能性もあるわけでございます。現在までのところは、こういういま申し上げました民間団体の好意あるいは国連の難民高等弁務官事務所の補助、こういうもので過去こういう衣食住等が確保されてきておりますけれども、これからの問題といたしましては、政府関係の施設、たとえば一時庇護センターといったものを新たに設ける必要があるかどうか、それから設けるとした場合その所管庁はどこにすべきかとか、こういうことにつきましで現在関係省庁の間で鋭意協議を行っているというわけでございます。
○鍛治委員 重ねて重ねてのような形になりますが、大臣にもこの件についてはちょっとお尋ねしたいのですが、関係省庁との話し合い等も進めているということは前向きでいっているということにはなると思いますけれども、こういうものは一日も早くきちっとした形をとるべきではないだろうか。そういうことに対して大臣はどういうお考えを持っていらっしゃるか、大臣のお考えをお聞かせを願いたいと思います。
○奥野国務大臣 現在は一先ほど来局長から申し上げているとおりでございます。その後、一時上陸した方で定住を希望される方等につきましてもう少し行き届いたお世話をすべきだということで、定住センターを設けるようになったわけでございまして、それらの問題を処理しますために、関係各省から人を出しまして内閣に連絡室を設けたわけでございました。それだけではなしに、いま問題になりました一時庇護のための上陸につきましても、宗教施設その他にすぐに引き渡してしまうだけでなしに、もう少し病気その他のことについて配慮をした上での引き渡しということであるべきだ、こう考えますので、そのためにはやはり一時庇護センターのようなものを設けなければならない、引き続いてこれらの問題を政府として協議していくべきだ、こう思っております。
○鍛治委員 わが国に定住しようとする方については、定住センター等も二カ所できているようでありますが、いまご質問申し上げたような伝染病等の関係で一時ちょっと騒ぎが起こったというようなこともちらっと耳にしております。さらにまた、この定住センター関係で言いますと、日本語の教育の問題、後の就職の問題等々、いろいろあるようでございます。こういった点についてはぜひ前向きの取り組みをお願いいたしたいと思います。 それから私、こういう法律用語にちょっとなれませんし、わかりにくいのでお尋ねしたいのですが、新聞等やわれわれも小さいころからよく聞いていたのですが、亡命という言葉がありますね。これと難民という形とどういうところに違いがあるのだろうか、亡命者というのは難民のうちに入るのかどうか、ここが非常にわかりにくいところがあるわけです。それから、流民という言葉が使われたりいろいろしますが、こういった点についてひとつ明確に一つずつお答えをいただければと思います。
○大鷹政府委員 先生のお尋ねの第一点、亡命者が難民と違うのかどうかという点につきましては、私どもほぼ同じというふうに考えております。したがって、亡命者が難民条約上の難民に該当する場合には、当然難民として認定されるわけでございます。 第二に、先生は流民という言葉について御質問なさいました。この流民という用語は、英語のデイスプレースドパースンの訳語として使われておるわけでございますけれども、これは本国の戦乱とか政変を逃れてきた人という非常に広い意味の言葉のようでございます。しかし、最近新聞とかマスコミで流民という言葉を使う場合には、こういべ広い意味ではなくて、インドシナ三国に生活歴を有していた者で、インドシナ三国の政変前後に脱出した後で台湾等第三国での残留を認められ、右この三国の旅券により観光等の資格でわが国に入国し、在留期間を超えて不法残留している人たちを呼んでいるようでございます。
○鍛治委員 時間もほぼ参りましたので、最後に大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 これはあり得てはいけないことだと思いますけれども、大量の難民がわが国にやってくるということ、これはないことを望むわけでございますが、あり得る可能性も想定をしなければならぬだろうと思います。そういう場合にどういうふうに対処をするのであろうかと考えるわけです。というのは、大きく考えますと、わが国は狭い国土の中に大変な人口過密状態の中で生活がされておる。確かに人道上の立場からは、こういう日本を頼ってこられた方々についてはできるだけお手伝いし、めんどうを見なければならぬだろうと思いますが、一方、国益の立場から見ますと、果たしてたくさん来たときに一体どうなるのだろうかというようなことを思うわけでございます。 これは仮定のことではございますが、そういうふうに大量の難民がわが国に到来してきた場合にはどう対処するのか、こういう点について最後に大臣にお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
○奥野国務大臣 かつてインドシナ難民について日本の姿勢を批判してまいりました当時、万一アジアに何か問題があって大量の難民が日本に流れ込んできたときにどうするのかということで、私のそういうような主張を退ける方がございました。私はそういうことがあってはならないと思いますし、ないことを期待しておりますけれども、しかし、そういう場合についても最大限人道的な配慮で必要な対応をしていかなければならぬのではないか。それがあるがために難民に対して冷たい措置をとってよい性格のものではない、こういう判断をしているわけでございます。あってはならないと思いますけれども、万が一何かあった場合には、政府としてそれなりに緊密な連絡をとりながら必要な対応をしていく以外にはないのではないだろうか、こう思っているわけでございます。
○鍛治委員 再度のお尋ねで申しわけないのですが、そういう人道上、国益上相反する場面が出てくる可能性がずいぶんあるだろう、これはインドシナ三国だけで果たしておさまるのかどうかという、世界情勢がどう変わるかわかりませんけれども、そういう中で考えますと、個々に難民の認定を行いましてまた在留を認めていくという方向、これも一つのいまの考え方でございましょうが、あらかじめ一定の枠を設定して、その枠内で難民を受け入れるという形、こういう検討というものも含めて、いまの問題と絡んで大いに考えておかなければならないのではないだろうかという気がいたしますが、この点についてはいかがでございましょう。
○奥野国務大臣 現在インドシナ難民、これはいま条約上の難民と必ずしも一つではございませんが、これにつきましてはだんだんと人数をふやしまして、現在三千人という定住枠を設けているわけでございます。条約上の難民につきましては、条約に加入いたしました以上、その定義に当たります難民であります限りは、今回提案しております法に従った処置はとっていかなければならない、こう考えているわけであります。 しかし、たびたび申しておりますように、難民と認定することと定住を認めることとは必ずしも同一ではない、また、来られた方々が、日本に定住を希望される方もございましょうし、また第三国へ出ていくことを希望される方もあるだろうと思います。いずれにいたしましても、迫害を受けるような地域へ送ることはできないということだと考えております。
○鍛治委員 これは私の意見でございますけれども、いま三千人の枠というのがございますが、大量に来た場合にはまた個々の枠外の問題もありましょうし、いわゆる大きな立場からの国益上、人道上から見て、わが国ではもう最大限これぐらいでぎりぎりだという考え方もという意味で御質問申し上げたわけです。現在の三千人というのは、従来少なかったためにいろいろと国際間で批判もあって、ここまで枠が伸びてきたという形だと思いますが、それ以上に大量にという場合には、わが国にとって果たしてどうなんだろうかという率直な疑問があったので御質問を申し上げたわけでございます。そういった面も含めて今後この問題も対処をしていくべきではなかろうか、これは意見でございますが、最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○高鳥委員長 稲葉誠一君。
○稲葉委員 この前もお尋ねをしまして、ちょっとしつこいようで恐縮なんですが、「出入国管理令」が、二回は「出入国管理法案」として改正案が出ました。三回目、四回目は「出入国法案」として出たわけですね。その理由はどうもはっきりしないのですよ。それはどういう理由からでしょうか。
○大鷹政府委員 当時の関係者が、「管理」という言葉がやや厳しい印象を与えるのではないかという考慮を持ったことはあるかと思います。
○稲葉委員 国会で当時の吉岡入管局長はどういうふうに答弁していますか。
○大鷹政府委員 吉岡局長は、「出入国管理と申します際には、その名前が、あたかも規制ないし取り締まりを主とした法律であるかのごとき印象を与える懸念がございますので、内容とは違った誤解を生じないように、今回法案を、ただ単に出入国法と改めたのでございます。」こう答弁しておられます。
○稲葉委員 それは最初に「出入国管理」が二つあったわけでしょう。それが誤解を生ずるからというので「出入国法」、「出入国法」と二つ並んで、そして今度また「出入国管理」になっちゃうというのは話がおかしいじゃないかというのですよ。逆なら話はわかりますよ。逆なら話はわかるけれども、「出入国法」、「出入国法」と二つ出ているのですからね。そして今度またもとへ戻っちゃうというのは私は理解できないということです。だから、誤解を生ずるとかなんとか、いろんな懸念があるとかなんとかということでそういうふうにしたんなら、今回の「出入国管理」を削って「出入国法」としたらいいじゃないですか、こう言っているわけです。それはだれが考えたってあたりまえじゃないですか。それとも、もう少し正直にあなたの方で言いますか。「管理」を削った意味をはっきり言えますか。言えるなら言ってごらんなさいよ。「管理」を削ったのはどういう意味だか、あなたの方で知っているわけでしょう。
○大鷹政府委員 「管理」という言葉を当時削った理由は、いま引用申し上げました当時の吉岡入管局長が答えました内容だけでございます。吉岡局長もその発言の中で申し上げておりますとおり、誤解を生ずるおそれがあったから、こういうことでございます。ところが、今度私ども改正案をつくってみまして、いろいろと確認、規制的な面のほかに、外国人に対して便宜を供与するものがたくさん含まれております。そこで、いま申し上げましたような誤解というものが生ずる余地がないと考えましたので、「管理」という言葉をそのままにしたわけでございます。
○稲葉委員 あなたの答弁としてはそれ以外にないですね。これはそうじゃないでしょう。「管理」という言葉があると法案が通りにくいということで、法案を通すために「管理」という言葉を削ったのでしょう。これは事実じゃないですか。それはそれでいいですよ。余り同じことを詳しく聞いてもあれだけれども、ただおかしいのは、難民をいま保護するのだと言ったでしょう。保護したものが入ってくると今度管理になっちゃうのでしょう。それはおかしいじゃないですか、そういう考え方は。そうでしょう。難民条約というのは保護するのが主目的だとあなたはいま言われましたね。入ってきたら今度管理する。管理というのは規制するんだ、こういうことになるわけです。だから、法案の名前はどうでもいいと言うかもわかりませんけれども、それはおかしい、私はこういうように思っているのです。これはここで議論しても始まりませんが、私はおかしいというふうに思います。 それをあなたの方で資料を出して、アジアの国々では皆「管理」という名前をくっつけていますよ。韓国なんか日本のまねしてくっつけたんですよ。こんな資料出したってだめだよ。日本の方が先に出ていて「管理」という言葉が入っているから、韓国でも何でも「管理令」という名前にしただけの話なんです。そういう資料を出してきて、アジアの国々がみんな「管理」になっていますなんというのは、説得力がないですよ。それはそれほどのことではないからあれですが、私としては疑問に思っていると申し上げましょう。 もう一つ、ここでこういうことを聞きましょうか。 この前、許認可の法律が出ましたね。あのときに外国人登録法の改正をして、三十日のものを六十日にし、六十日のものを九十日にしたことがあるでしょう。それは延ばしたのでしょう。なぜ延ばしたのですが。そうすると、今度のことで、在留資格の取得ですか、三十日のものを一たん要綱で六十日としておきながら、また三十日にしちゃった。それとの関連は一体どうなんですか。
○山本説明員 昨年御審議いただきました外国人登録法の一部改正、これでは確かに、新規登録の期間につきまして、新たにわが国に入った者については、六十日とあったのを三十日延ばして九十日とし、わが国で生まれるなどして外国人になった者については、三十日であったのを六十日以内といたしました。この改正の主眼点は、わが国に短期間旅行する目的で入ってこられた人は、管理上問題がない範囲内においてできる限り外国人登録をしなくとも済むようにいたしたい。それを六十日から九十日と延ばすことで措置したわけでございます。それとの絡みで、日本で生まれた人など、日本で外国人になった者につきましても、三十日であったのをさらに三十日延ばしたということであります。 ところで、今度の改正案によります永住許可の特例の措置、これの申請期間は出生後三十日となっております。これを当初六十日とすることを検討したのも事実でございますが、現行令の二十二条の二によりますと、日本で生まれた外国人、日本で国籍を離脱した者も含まれるわけですが、そういう人は三十日以内に在留資格の取得の申請をしなければならないということになっております。この二十二条の二によりまして、三十日以内に在留資格の取得の申請をしなければいけないということであれば、その三十日以内の申請のときに永住許可の特例の申請をしていただければいいのではないかというように考えるわけです。 これを仮に特例永住許可の申請期間を六十日といたしました場合にはどういうことになるかといいますと、その対象となる人は、やはり出生後三十日以内に二十二条の二に基づきまして在留資格の取得を申請しなければならないわけです。三十日以内にその申請をして、しかる後にまた永住許可の特例の申請をするのか、要するに二重の申請をするのかということになってくるわけでございまして、そういう二重の申請をするということは無意味であることは明白でありまして、当初の二十二条の二に基づく在留資格の取得の申請の際に永住の方の申請をしていただければ十分ではないか。 また、この三十日という期間は申請をする方にとって短過ぎる期間かと申し上げますと、それは決してそういうことはないのでありまして、出生届は恐らく十四日以内に間違いなくなさるのでありましょうし、従来も三十日以内に二十二条の二に基づく在留資格の取得の申請をしていただいておったわけでございまして、期間として短過ぎるということは毛頭ないというように考えるわけであります。
○稲葉委員 いまの二十二条の二に三十日とあるのを、あなたの方で気がつかなかったのでしょう。だから六十日というものも、要綱を発表しちゃったのじゃないですか。これは議論がありますよ。六十日にした方がいいか、三十日にした方がいいかという議論はありますよ。ただ長くすればいいということではないので、議論があるけれども、二十二条の二を気がつかなかったから六十日という要綱を発表しちゃったのでしょう。それならそれで率直に言いなさいよ、あなた。だめよ。そういうことをごまかすからいかぬのですよ、話が。大臣、それはそうなんですよ。それはケアレスミスなんだから、それはそれでいいのですよ。だから、ぼくもそれを責めないから、それならそういうふうに率直に言いなさいよ、あなた。それをああだこうだ持って回って言うからおかしくなってしまうんだよ。一民間人から指摘されたんでしょう、この六十日はおかしいですよと言って。そうでしょう、あなた。あっさりしなさいよ。
○山本説明員 先生から大変痛い点の御指摘を受けまして、二十二条の二との関係における検討が不十分であったということは認めざるを得ないと考えております。
○稲葉委員 これは、いまの二十二条の二との関係で三十日の方がいいという議論と、六十日にした方がいいという議論とあるのです。分かれているのですね。だからそれはそれほど大きな問題ではありません。 そこで、もう一つの問題は、技術研修生の次に日本人の配偶者というのがあったでしょう。あれを削ってしまいましたね。削った理由はこれまたよくわからない。前の改正案にはあったでしょう。
○大鷹政府委員 前の改正案には、たしか配偶者というのは独立の在留資格として入っておりました。今度これを落としましたのは、この改正案で永住の要件緩和を図っているからでございます。つまり配偶者、日本人あるいは永住者の配偶者につきましては、素行善良、独立生計という要件を満たさなくても申請によって永住が認められるということになりましたので、配偶者の場合には恐らく非常に早い時期に永住申請されるでしょうし、またそれが認められるということになりますので、あえて独立の在留資格を掲げる必要はないと考えたわけでございます。
○稲葉委員 私は、この前質問したところであれだったのですが、日本人が男であって外国人が妻、女性であった場合は、ほとんどフリーに在留資格は認められるのですよ。逆な場合、日本人が女、妻であって外国人が男である場合、この場合の男、夫の入国については事実上厳しい条件がつけられているでしょう。これは認めなければいけませんよ。あなた方がまたそういう事実はございませんなんと言うと、幾らでも問題が出てきますからね。認めることは認めて、実際はそうなんだ、これをどういうふうに改善するんだという話なら私も受けるけれども、そういう事実はございませんという答弁はだめですよ。いいですか、前もってくぎを刺しておきます。くぎでもないけれども刺しておきます、必ずあなたはそういう答弁をするに違いないから。そうでしょう。事実上違うでしょう。
○大鷹政府委員 外国人が夫である場合あるいは外国人が妻である場合は、これにつきまして非常に差があるという御指摘でございますけれども、余り大きな差はないと私どもは考えております。問題は、そういう方々がちゃんとした経済的な生活を営んでいけるかどうかということでございまして、日本人が夫である場合には、その人たちは大抵職業を持っておりますので、したがって、それに頼って生活する外国人の妻でございますから、入国条件も非常に有利になる、他方におきまして、夫が外国人であるという場合につきましては、この方々がちゃんとした職業を持って就労したということが証明されないと、これは入国を認めることはできない、こういうことになります。 〔委員長退席、木村(武千代)委員長代理着席〕 しかし、男女の差別というものをできるだけなくすということは法務省としても考えておりまして、たとえばいま申し上げた夫が外国人で妻が日本人であるというような場合に、妻に非常な資産があるとか、あるいは妻が職業を持って十分に夫を養っていけるというような場合に、あえて夫にむずかしい条件を満たさなくちゃならぬということを言うつもりはないわけでございます。そういう意味で、男女の間の格差というものは余りないというふうに考えております。
○稲葉委員 いやいや、男女の間の格差はまだ私は聞いてないじゃないですか。あなたの方が先回りして答えているのじゃないですか。いま余りないと言ったですよね。余りないじゃないですよ。これは実際あるのですよ。日本人が男であって外国人の妻を呼ぶ場合には、妻は職業につかないだろうという前提であなた方は見ているわけでしょう。逆な場合は、日本人が妻であって外国人の男を呼ぶ場合には、この男が職業につくということになって、日本の職業というか労働市場というか、そういうふうなものを侵害というと語弊があるけれども、そういうふうなものを与える危険性もあるということで、これは非常に厳しいですよ。いまの逆に日本人が男であって外国人の妻を呼ぶ場合は、実際フリーパスです。逆な場合は非常に厳しい。いろいろなことを調べる。いろいろなことを調べて、なかなか許可しないですよ。違いがあることはあなたは認めましたよね。その違いがあることが合理的であるかないかは議論のあるところだけれども、その点についてはもっと研究して、その二つの場合が違いのないようにしなければいけませんよ。後でだんだん問題になりますよ。実際には違っているのですよ。実際に違っていることは間違いないでしょう。法律的には同じですよ。法律のどこにもそんなことは書いていないから、法律的には同じさ。配偶者が妻だと書いていないから、これは配偶者だから法律的には同じで、実際の取り扱いは違うのです。違うことは認めるでしょう、あなたの方も。それをなくすようにしなければいけませんよね。
○大鷹政府委員 若干の違いがあるということは私も認めます。ただ、夫が外国人である場合、就職して、ちゃんと就職先を見つけて入ってきてもらうということになっておりますけれども、その場合、私どもいわゆる簡易就職と言っておりますけれども、できるだけ就職の条件を緩く見る、配慮するということをやっております。これからもこういう意味の男女の差別というものがなくなっていくように、非常に狭まっていくように配慮していきたいと考えております。
○稲葉委員 そのいまの局長の答弁のような形で今後も進んでいただきたいと思います。 そこで、いまの改正案では生計要件と素行要件があるわけでしょう。しかし、これよりプラスして、実際には十年以上の在留ということが事実上の要件になっているんじゃないですか。法律に書いてありませんよ。法律に書いてないけれども、十年以上の在留ということが要件になっているでしょう。これはあなた、法務省の入管の出した本に書いてあるでしょう。「外国人のための在留手続案内」という本にそういうふうに書いてありますよ。それはどういうわけですか。
○大鷹政府委員 先生御指摘のとおり、十年の居住歴というのは法律に書いてございません。ただ、いまお挙げになりました素行善良、独立生計、この二つの要件が果たして満たされているかどうかということを見るために、運用として十年間程度の居住歴は私どもとしては必要、こう考えておるわけでございます。
○稲葉委員 だから、それならば十年間の在留ということをちゃんと条文に挙げたらいいじゃないですか。その方がきちんとしている。それは運用の面かもしれませんけれども、十年も在留しなければその人が素行善良であるか生計を維持するに足るかわからないのですか。そんなことはあり得ないじゃないですか。これはおかしいですよ。入管はまだこれを堅持しているんですよ。十年ということにこだわっているんだよ。そんなのないですよ。
○大鷹政府委員 居住歴につきまして常に十年が必要であるとは考えておりません。したがって、それに至らない期間のうちに十分この二つの要件を満たされることが確認された場合には、私どもとしてはそれで十分と考えておるわけでございます。
○稲葉委員 その答えは前向きな答えで結構ですが、じゃ「外国人のための在留手続案内」という本があなたの方であるでしょう。これは一九七五年に出たのですか、二十三ページを見てごらんなさい。十年以上の在留が要件になっていると書いてあるじゃないですか。
○山本説明員 ただいま御質問のとおりでございます。要するに、その十年なるものは、局長も答弁いたしましたとおりに、素行善良、それから独立生計維持能力のあること、そういうものを見きわめるのにその程度の期間が必要であるということで定めた基準であります。 〔木村(武千代)委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、当初の問題であります日本人の家族につきましては、この改正案が成立いたしましたならば、素行善良、独立生計維持能力があることという要件がなくなりますので、そういうものを観察するための期間は必要でないということは言えるわけでございます。また、難民と認定を受けた者につきましては、これは永住要件は素行善良だけが残るということでございまして、その場合に国籍法の帰化要件にかかる期間は五年となっておりますので、それとの比較考量、バランスということも。ございますので、難民の場合は五年というものを一応の基準にしたものといたしたいと考えております。
○稲葉委員 難民の場合は五年はわかったんですが、そうすると、いまの在日外国人、前からいる外国人の場合は十年なんですか。そんなら五年にしたらいいじゃないですか。だめだ、そういうのは。もう少しちゃんとしなさいよ。
○山本説明員 言葉が足らなかったわけでございますが、当然十年という期間というものは見直されていくべきであるということで現在検討しておるところでございます。御満足のいくような期間になるはずであると考えております。
○稲葉委員 いろいろ前向きな答弁が出てきて、私も喜んでいるわけなんですよ。ここまで聞かないと答弁しないんだよ。初めから言えばいいのにと思うのだけれども、やはりあれなんだな、人間の癖というのは——癖じゃないか。ぼくもそれを聞かないと気が済まないわけでもないのですよ。そういうのを早く言ってくれれば何でもないのです。 それからもう一つよくわからないのは、一二六の子供の場合は書いてありますね。孫の場合は今度書かなかったのはどういう理由ですか。そこもちょっとはっきりしないのです。子供と孫と法律上どう違いますか。
○大鷹政府委員 一二六の孫につきましては、申請期間内に生まれた者につきましては今度の特例永住の対象になります。しかし、孫自体といたしましてこれを取り上げたわけではございません。なぜ今度の特例措置につきまして孫が対象にならなかったかと申しますと、これは協定永住の場合に孫について何も定めてないからでございます。それとの均衡も考慮したというわけでございます。しかし、これをもってすべて問題が解決したとは考えておりませんので、これからも引き続き検討いたします。その際、朝鮮半島の情勢の推移とかいろいろな点を考慮に入れることになろうかと思います。
○稲葉委員 子供の場合は羈束行為ですね。孫の場合はそうすると裁量行為になるのですか。そうでもないの。どういうふうになるのですか。
○大鷹政府委員 一般的に申しますと、一二六の子供は、先生御指摘のように、羈束的に無条件に申請があれば永住が認められることになります。他方、孫につきましては、永住を希望する場合には今度の永住要件緩和の対象になるわけでございます。要件が緩和された永住は、これは法務大臣の裁量行為でございますので、したがって、子供につきましては羈束的な永住、孫につきましては裁量ということは言えるかと思います。
○稲葉委員 言えるかと思いますというのはそのとおりだけれども、それはおかしいですね。子供については羈束行為ですね。これは行政法の関係だから大臣が御専門でしょう。子供については羈束行為で、孫については裁量行為だというのはまたおかしいのですよ。どうしてそういう差別を設けるのですか。いろいろな朝鮮半島の推移というような話がありましたね。それはどういう意味か大体わかりますけれども、そこら辺のところもちょっと、この二つが違ってくるというのはよくわかりません。 孫の方でも心配する。孫はまだ小さいから心配しておるかどうか知らぬけれども、孫の親やおじいさんは、孫はどうなるんだろうかと心配するわけですね。どんどん孫はいま生まれているんじゃないですか。一二六の孫も相当できたはずですよ。一二六の子供でももう二十七、八歳になっているのがずいぶんいるんじゃないですか。そうしたら孫が生まれているわけでしょう。孫は一体どうなるのだろうかと心配しているわけだ、裁量行為だというわけだから。片っ方は羈束行為だ。違うじゃないですか。そこら辺のところは問題としてもう少し考えていただきたいですね。 まあ、裁量行為だけれども事実上同じだとぼくは説明しているのですよ。そう心配しなさんな、日本の国の政府がそんなわからないことをしっこないと説明していますけれども、心配する人はやはり心配するのです。その点もよく検討してくださいよ。いますぐの問題じゃないかもわかりませんけれども、実際の問題として、そこの問題は私は検討していただきたい、こう思います。どうしますか。
○大鷹政府委員 一二六の孫の人が一般永住を申請した場合には、私どもといたしましては、当然そういう方々のいままでの日本に在留するに至った経緯だとか特殊な地位、そういうものを考慮に入れるわけでございます。したがって、そういう方々の永住許可につきましては、できるだけ前向きに配慮するというふうに考えております。
○稲葉委員 大臣、今度の入管局長は非常に素直で人柄もいいですね。 それで、わからないのが一つあるのですよ。どこだかわからぬ——どこだかわからぬというか、こっちはわかっておるのですが、それを言うとまた質問にならないから言わないのですが、最初「入国審査官は、」云々ということであったものの条文が「法務大臣は、」というふうになったのがあるでしょう。それはどこで、どういうわけですか。
○山本説明員 御指摘の点は恐らく、たとえば第二十条にございます在留資格の変更を受けた場合に、現行令によりますならば、「法務省令で定める手続により、法務大臣又は入国審査官から旅券に記載された在留資格及び在留期間の書換を受けなければならない。」となっておるのに、改正案によりましたならば、「法務大臣は、前項の許可をする場合には、入国審査官に、」そういう記載をさせ、 こうなっておる点のことではないかと思います。そういう部分は二十条から二十二条の二まであるわけでございますが、これは別に制度そのものを根幹から変えるというものではなくて、許可をするのは法務大臣である、たとえば旅券にその在留資格なり在留期間の書きかえをするのは法務大臣が直接するものでは、こざいませんで、入国審査官にさせるのだ、こういうように、これは現行令と別に制度なりやり方が変わったわけではございませんで、表現がそういうふうに変わった、修文上 の問題であるということでございます。
○稲葉委員 いまのは第二十条第四項。その同じようなのがありますけれども、それは単なる表現上の問題だけですか。どうもそこがはっきりしないですね。入国審査官の権限を引き上げたということにもなるのかな。そこら辺のところよくわかりませんが、あるいは引き下げたということになるのか。別に事実上は違いがないということに承ってよろしいでしょうか。どういうふうになりますか。 これは二十一条の四項もそうですね。「法務大臣は、」云々、こういうふうになっておりますね。それから二十二条の第三項もそうでしょう。二十五条の二は「入国審査官は、」ですね。これは出国確認の留保だから法務大臣がやることもないかもわかりませんが、二十五条の二のところは「入国審査官は、」となっていて、あとのところは「法務大臣は、」というふうに今度変わったのはどうもちょっと理由がはっきりしませんね。同じことをただ直しただけだというならまたそれでもいいと思いますがね。大した意味はないのだ、別にどうこう言うことない、ただ整理しただけだ、こういうことなら、私はそれでもいいと思いますがね。
○山本説明員 別に変わった点はございません。これは込み入ったことを申し上げますならば、政府部内における検討の段階で、効力発生時期を明確にするためにはこういう表現にした方がいいのではないかという示唆を得ましたので、そのようにしたということでございます。別に実質的な内容は何もございません。
○稲葉委員 それじゃ、いまのところはそういうふうに承っておきましょう、また違うかもわからぬけれども。 それから、本会議が終わりましてからの質問は、大村収容所に入っている人がいっぱいいますね、その具体的内容、特に特在を受けた場合の人たち、その子供に対しても一般永住の条文が適用になるかどうかという問題ですね。これは恐らくほかの方からも質問があると思いますけれども、その問題を中心として少しお聞きしたいと思います。それから、長期収容者、二年以上が四名だか何名いますね。それから、刑余者の扱い方、そういうような点をちょっと質問をしたいと思いますが、そのうちまた何かほかのが見つかるかもわからぬから、見つかったらまたそれも聞きますけれども、きょうの午前中はこれで終わります。
○高鳥委員長 この際、休憩いたします。 午後零時五十一分休憩 ————◇————— 午後三時五十七分開議
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。岡田正勝君。
○岡田(正)委員 外務省はお見えになっていますか。——まず、外務省の方に先にお尋ねをしておきたいと思います。 また、質問の前にあらかじめ御了解を得ておきたいと思いますが、今回の入管令の改正、これをとりあえずA案、こういうふうにして、難民関係の改正の分をB案というふうに略称させていただきますが、私は、質問の都合上、二十七日には質問ができませんので、本日はA案とB案とまぜこぜで質問をさせていただきますことを、あらかじめ御了解を得ておきたいと思うのであります。 さて、外務省へのお尋ねのものは、難民という定義ですね。これがいろいろとうわさをされております。案外期待すべきものではないのではないかなんというひどい評価もあるわけでありまして、この難民に対する定義を外務省としてはどう考えていらっしゃるか、その点からお尋ねをしたいと思います。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 確かに、新聞報道等で難民の定義につきましていろいろなことが言われていることは外務省としましても存じておりまして、先生御指摘のような点もあろうかと思いますけれども、外務省といたしましては、この条約に加入するからには、この条約に規定されております難民の定義に従って法務省の方で難民認定の実際の業務をやっていただくということをお願いすることになっているわけでございまして、この条約に規定されております難民の定義というものにできるだけ忠実に行政が進められてしかるべきではなかろうかというふうに考えるわけでございます。 まず、この難民の定義は条約の第一条にございまして、一九五一年の一月一日に、これは高等弁務官府が発足した日でございますが、それ以前に生じた事件の結果としまして、人種、宗教、国籍、政治的意見等を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外に、すなわち自分の国、国籍国あるいは常居所を持っている国外に存在している者、それから、新しいただいま御審議いただいております条約の第一条A項(1)号に、いろいろなそれ以前の条約等がございますが、これによりまして難民と認められている者、この二つがいわゆる難民と認められる者でございます。 ただ、この難民条約には、さらに「千九百五十一年一月一日前に生じた事件」というような時間的な制約がついておりますが、これがこの議定書によりまして撤廃されることになるということでございまして、そちらの方に入ります結果、時間的な制約がなくなりまして、どの地域におきましても、またどの時点におきましても、事件の結果発生いたしました難民につきまして、先ほど申し上げましたような条件下にある者については、難民としての定義に入るというふうになるわけでございます。
○岡田(正)委員 それでは、ちょっと質問が突っ込み過ぎるかもわかりませんが、いまおっしゃる説明を聞いておりますと、いま問題になっておりますインドシナ三国の、俗に言う難民、あるいは言葉をかえればDP、流民と言われておる人たちですね、このベトナム、ラオス、カンボジアというところから戦乱を逃れてわが日本にやってまいりました人たちを外務省は難民と認めていらっしゃいますか。認定機関でないことはよく承知の上で、多少無理がある質問かもわかりませんが、重ねてお尋ねいたします。
○関(栄)政府委員 ただいま先生が御言及になりました人たちの中には、確かに条約に規定されております難民の方もおりましょうし、そうでない方もあろうかと思いますので、やはり個々の具体的ケースに当たりまして入管当局の方で認定の作業を進めていただき、その結果、難民としてこの条約の定義に合致する者につきましては、難民としての資格を与えられるということじゃなかろうかと思います。
○岡田(正)委員 くどいようですが、もう一回念を押させていただきたいと思います。審査をするところではございませんが、外務省の感じられるところによれば、いまのインドシナ三国から流れてこられた人たちの中には、個々によって違うけれども、難民と認められる人もあるでしょうし、認められない人もあるでしょう、これは個々に入管当局が調べてみないとわからないことであります、こういうお答えでありました。したがいまして、答えをいま一つにしぼっていただきたいと思いますが、いまのインドシナ三国から流れてきておる人たちの中には、難民と認定できる人たちがあるというふうに考えていいわけですね。
○関(栄)政府委員 先ほど申し上げましたように、条約の定義に従いまして、個々の具体的案件を申請ごとに審査しませんと結論が出ないわけでございますけれども、あのような異常事態のもとで、小船であるいはひどい条件下で脱出しなければならないという人が多くあったことは、これは確かに異常事態でございますし、条約の定義にございますような条件に当てはまる人も相当数いるのじゃなかろうかというふうに私どもとしましては推測されるわけでございます。しかし、これは法務御当局において個々のケースについて御審査をいただかないと、いまから予断的なことを申し上げるのはどうかと思うわけでございます。
○岡田(正)委員 それでは、いま一問だけ外務省にお尋ねをしておきたいと思いますが、いま外務委員会にかかっております難民条約の批准、それから議定書の関係でございます。これは私の記憶でございますが、たしかいまから十年か十何年ぐらい前までは、外務省御当局においてすら、難民条約というのは言うならば亡命者条約である、こういう解釈が流れておったぐらいでありますが、今回難民条約と銘打って、難民難民ということが非常に表に出てきております。 ちょっと横道にそれるかもしれませんが、政治的ないわゆる亡命者の受け入れについてはどのように考えていらっしゃるか、お答えをいただきたいと思います。
○関(栄)政府委員 一時期、外務省の方でこの条約の仮訳などをつくりました際に、難民と言わずに亡命者という言葉を使ったことがあろうかと思いますけれども、今度の条約をしさいに検討いたしますと、やはり受け入れるかどうかという問題、それから受け入れてからの保護であるとか処遇の問題に関連いたしまして、これは入管行政の全般的な見地から対処すべき問題であろう。特に処遇面に重点を置いて見ます場合には、亡命者というよりは——亡命といいますと、それは庇護権を与えるかどうかという点に重点を置いて、そういう角度から見ている場合が多うございますので、もう少し全般的に一般的な見地からこの問題をながめた場合には、やはり難民と訳した方がよかろうということで、外務省としましては難民条約というふうにいたしたわけでございますし、政治亡命者も当然この中に含まれる場合もあるわけでございます。
○岡田(正)委員 そこで、今回難民の問題が表面にばっと出ておるのでありますけれども、いまから十年前には外務省では、この条約そのものを、亡命者条約といいますか亡命者受け入れ条約とさえ解釈をしておったぐらいであります。この難民条約がこの国会において批准をされる、そして難民であるかどうかの認定は法務大臣にお任せをする、こういうことになってくるわけでありますが、いま概括的に言っている難民と称する者の中に俗に言う亡命者も含まれるというふうに考えてよろしいですね。
○関(栄)政府委員 難民と亡命者の差異いかんという御質問かと思うのでございますが、先ほど申し上げましたように、難民及び亡命者ということにつきましては、一般的にまだ国際法上確立された定義がございませんで、その状況状況に応じまして適宜いろいろの見地から使い分けられているわけでございまして、難民とはこういう者である、亡命者とはこういう者であるというようなはっきりした定義はまだ確立されていないわけでございます。 ただ、先ほどもちょっと申し上げましたように、あえて亡命者とはどういう者であるかということを申し上げますと、迫害のゆえに他の国に庇護を求めてきている者ということでございまして、その者の入国を認めるか認めないかというような観点から見ている面が亡命者の場合には強いということでございます。それから難民の場合には、滞在を認められまして、滞在国における保護、待遇の問題に主として力点、着眼点を置いて見た場合ではなかろうか、そういうふうに一般的には使い分けられているのじゃなかろうかと思うわけでございます。そうでございまして、政治亡命者が全部そのまま難民に入るかどうか、その点につきましても個々の具体的なケースについて、先ほど条約の定義にございましたものに合致するかどうか、やはりケース・バイ・ケースで検討せねばならないのじゃないかというふうに考えます。
○岡田(正)委員 それでは、外務省に対する質問はこれで最後にいたしたいと思いますが、私の記憶では、たしかアメリカにおきましても、一九八〇年に、この難民条約というものが、難民の枠づけというのが非常に狭い、厳し過ぎるということから、わざわざ難民法というものをこしらえて、大統領に難民の枠を緩めて認める権限を与えることにしたと思いますね。わが日本のいま審査しておるところでは、そういうものはいささかも出てはおらぬと思うのでありますが、難民法をこしらえて難民というものを緩めて解釈してもよろしい、大統領にその権限を与えよということを決めたアメリカの難民法の精神、それから、こういう措置をわが日本でも施さぬでもいいかどうか、その点、外務省のお考えはどうでありますか。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、アメリカでは確かに、難民の定義を緩和しようというような、そういう権限が大統領に与えられているように私も了解いたしております。たとえば経済難民であるとか政治難民であるとか、区別しないで受け入れるようにというような方向で進められているようでございます。 ただ、日本の場合につきましては、先生御案内のとおり、一九七五年以後この難民問題が大きく降りかかってきたわけでございまして、日本にとりましてこれはまだ新しい問題でございますし、ただいま御審議いただいております難民条約とかあるいはそれに伴います国内法が実際に施行されまして経験を積み重ねまして、その結果を見た上で、あるいは先生が御指摘のようなことが必要になるかどうか、外務省といたしましていまのところまだ具体的にどうこう言うような腹案というようなものは持っていない次第でございます。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。外務省の方、結構でございますから。 それでは、次に大臣にお尋ねをしたいと思うのであります。 今回の難民条約の批准、それから議定書、それから入管令のA、Bの審査を通しまして世間で一番注目を集めておる問題、関係者が大変心配しております問題、これをずばりと大臣にお尋ねしたいと思いますので、大臣の方もひとつ率直にお答えをいただきたいと思うのであります。重要なことでありますからメモに目を通しながら質問をいたします。 インドシナ三国にかつて住んでいた人たちで政変の前後にその国を出まして、第三国に一たん赴きまして、その第三国で旅券を購入いたしまして、そしてそれを持って日本へ入ってきた、ところが、残念ながらいわゆる期限切れになった、ビザが切れたということになりまして、そのまま不法残留をしておるというような俗に言う流民ですね、DP、こういう人たちにつきましても、実際はその国で戦乱が起きて、うわっと逃げて散って、直接日本へ飛んできたか一たんよそを経由したかというだけの違いでありまして、出国の経緯というものは俗称ボートピープルとまさに共通をしておるわけでございます。この人たちに対しまして、日本といたしましては在留を認めてあげるべきではないかと私は思うのでありますが、大臣のお気持ちはいかがでございましょうか。 〔委員長退席、山崎(武)委員長代理着席〕
○奥野国務大臣 正規の旅券を持っているということは、その人を保護する第三国があるということだと思います。しかし、その旅券が不法に所持されたものである、あるいは実際問題としてその人が身を寄せ得る第三国の状態ではない、むしろ一族が難民キャンプにまだいるんだとかいうように、いまおっしゃいましたようにインドシナ三国から直接ボートピープルとして日本に来た人と実態的には変わりがないのだという人であります場合には、変わりのない処遇もしていくべきではないか。しかし、実際問題として、その人を保護する第三国があり、また身を寄せる関係にその地域がある場合には、これはやはり不法入国として措置すべきではないか、こう考えているわけであります。 事務当局から一度具体的に御説明させます。
○大鷹政府委員 大臣の御指示もございましたので、具体的な対処方針を策定いたしました。それを御紹介します。 さしあたり、次のような考え方で、いま先生が提起されました流民の人たちに対処いたしたいと考えております。 第一に、インドシナ三国の旧旅券で本邦に入国し、そのまま不法残留となっている者については、帰る国がないという事情を考慮して在留を特別許可する。 第二に、台湾、タイ等の第三国旅券を所持していても、それが他人名義の旅券を不正入手するなどしたものである場合には、これと同様に扱うものとする。特別在留許可を出します。第三に、台湾旅券等を正規に取得して本邦に入国している者については、ケース・バイ・ケースで検討、対処いたしますが、たとえば次のような事情にある者は、特段の忌避事由がない限り、在留特別許可を考慮いたします。一、日本人または正規に在留する外国人と親族関係にある者。二、両親、兄弟等が現に第三国の難民キャンプに収容されているなどのために、本邦から出国しても適当な行き先がない者。三、その他特に在留を許可する必要があると認められる者。 以上でございます。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。いまのお答えというのは、いままでとは非常に変わって、新しい入管法の審査に当たりまして何かぐっと明るくなったなという感じが率直に私、するのであります。非常な前進だと思います。 そこで、これは質問ではないのでありますが、実際にいま起こっております問題を御紹介いたしまして、この際大臣から、ちょうどきょうは刑事局長が出席をしておりませんので、検察当局の方にもぜひともいまから申し上げる要望を聞いておいていただきたい。おられませんので、大臣の所管のところでございますから大臣にお聞きをいただきまして、御善処方を願いたいと思う問題があるのであります。 私が何を言おうと思っておるかといいますと、たとえば入管で在留を許可しようではないかということになるような人でありましても、一その前の事前の段階におきましては警察に逮捕されまして勾留されまして、それで勾留期間はつついっぱい、わからぬところが多いからでしょう、つついっぱいお調べになる、そのあげくが起訴ということになる。そういたしますと、もう裁判中は保釈もしないという状態になりまして、言うならば、日本の一般犯罪人の関係からいったら、身分の拘束からいいますと、最も極悪な殺人犯に等しい処遇を受けることになるわけであります。そういう点が実際には金もない身寄りもないというような人たちにとりましては大変な問題になることがあるのでありまして、経済的な問題だけではありません、そういう点からぜひともひとつ御考慮いただきたいと思いますので、この際、具体的な問題になって失礼でありますけれども希望を申し上げておきたいと思うのであります。一つの例であります。これは私の仄聞したところでありまして、本人に全然会ったことがありません。ですから、仄聞した話ということでお聞き取りを願いたいのであります。 一九七七年十月ころに台湾のパスポート、俗に言う観光ビザを持ちまして入ってきて、ビザ切れになりまして、これで不法残留者と相なるわけでございます。つい今月の五日か六日くらいに、勤め先のアパートにおりましたところへ、どういうのですか、戸別調査というのですかでお巡りさんがお見えになったらしい。あなた外国人ではないか、外国人登録証があるかということになり、だんだん話をしていくと不法残留ではないか、ちょっと来い、こういうことになりまして、五月七日、綾瀬の警察署に勾留されたわけであります。本日もまだ出ておりません。 そこで、この人は何という人かといいますと、ラオスの名前でタオ・イン君といいます。またの名前を、お父さんが中国系でありますので梁冠英(リャン・クワン・イン)という名前を別に持っておるのでありますが、このタオ・イン君は華僑のお父さんとベトナム人のお母さんとの間にできました三人の男の子と二人の女の子の中の長男でございます。ラオスのビエンチャンというところで生まれて育った人でございます。戦争になるまでずっとおった人であります。 両親はもともとベトナムのハイフォンにおったのでありますが、その後サイゴンへ居を移しまして、二、三年たつうちに国内の政治情勢が騒然としてまいります。非常に不安定になりましたので、新天地を求めてラオスへ行った。ラオスのビエンチャンでだんだん苦労しました結果、大きなマーケットを経営していたということでございます。この経営ができましたというのも、これも聞いた話でございますが、そのお母さんというのが実に働き者で、しかも美人でありまして、自動車の運転もどんどんやりましてサービスもよかったので、このマーケットがだんだん大きくなって繁盛しておったということであります。したがいまして、このラオスの戦乱がなかったらどこにも行く必要のない家族であるということを御認識を願いたいのであります。 そこで、戦乱になりましたので、そのために一家が散り散りばらばらになっておるわけでありますが、その中でお母さんは、一九七四年ごろに、ベトナムに残してまいりました老いたる両親のことが大変心配となりまして、様子を見に行くべく他の乗客と一緒に飛行機に乗りました。ところが、全然向こうへ到着しないわけです。どうやらベトコンに撃たれて撃墜されたのではないか、乗っておった人が一人も帰ってこないわけですから、恐らく全員死んだのではないかと言われておりますが、これは失礼な言い方でありますから行方不明ではないかというふうに言い直しておきます。お母さんはこういう状態です。 大変失望いたしましたお父さんは、幼い子供、いわゆるタオ・イン君から言えば弟や妹を連れまして、そして台湾へ逃げたわけでございます。台湾へ逃げるときには、メコン川を渡ってタイへ行って、タイから台湾へ渡った、こういう状態で現在に至っております。それから、三男坊はタイの一難民キャンプからそのままアメリカへ飛んで、アメリカでいまは永住権をいただいておるということでございます。 その本人、肝心なタオ・イン君は、日本にやってまいりまして、夜も昼も働いて、いまパブ喫茶というのですか、そういうところでボーイとして働いておったのです。そこで一カ月に生活するお金は、会社の寮でありますから安く上がるのでありましょうが、月五万円くらいで生活を切り詰めてやっておった。残りのお金約五、六万というものは、毎月毎月台湾の父親、それからその兄弟に生活費として送金を続けてきておったというような状態でありまして、大変謹直な青年でございます。ことし二十五歳になるそうでありますが、この人がいま綾瀬警察に逮捕されて、勾留されておるのであります。 〔山崎(武)委員長代理退席、熊川委員長代理着席〕 観光ビザ切れで不法在留をしたということは私はよくないと思います。よくないことでありますけれども、戦乱に追われて、生きるために必死になりまして、そしてあの手この手を使ってとにかくパスポートを手に入れて、生活の安定を求めてわが日本へやってきた。このことはほかの人とも同じなんでありまして、私がなぜこのことをわざわざ言うかといいますと、実はこのタオ・イン君がラオスのビエンチャンに住んでおりましたときに、同じ町のすぐ近所に住んでおったやはり四人の青年がおるのであります。この四人の青年は幸いにしてラオスから真っすぐに日本へ飛んできた、そのために、たしか昨年の四月ごろでありますが、特在を許していただいておるのであります。この青年の諸君は、一人はチャ・ダラ君であり、一人はタオ・ボーライ君であり、一人はタオ・リーフ君であります。もう一名私は名前を聞き忘れたのでありますが、この四人の諸君は昨年の四月、同じ境遇であって特別在留許可をいただけておる。これは直接飛んできたから見やすかったんだと思います。本人の場合は、あっち行ったりこっち行ったりしながら日本へ来ておるものでありますから、観光ビザが切れて、いまつかまっちゃって大変なことになっておるわけであります。経緯は違うといたしましても、しかし、そのことが発生した原因と事情というものは私は全く同じではないか、こういうふうに思うのであります。 そこで、不法滞在をしたことはまことによろしくない、不正直であります。それはやはりものを恐れて生活をしておったわけですから、同情すべき余地はありますが、よくはないことであります。でありますから、そのことにつきましてはまあ罰金を取るなら罰金を取るくらいのことで速やかに保釈をするべきではないだろうか。これはえらい突っ込んだ要らぬことを言うようでございますが、そして入管当局の方で徹底してお調べをいただくというのが筋ではないかというふうに私思いますので、大変要らぬことを申し上げたようでございますけれども、本人たちにとうてみると大変な問題であります。そういう点で、ちょうどいまこの入管令の改正の法案が審議されておるさなかでございますので、わざわざこの例を申し上げて御参考に供したわけでございますが、かように、聞いてみると本当に聞くも涙、語るも涙の物語の諸君が非常に多いということを頭に置いていただきまして、入管御当局はもちろんのこと、検察御当局におきましても格段のいわゆる配慮を加えていただきたい。 私が言いたいのは、人を殺したり放火事件をやったり強姦をやったり、あるいは人に傷害を与えたりというような一般犯罪人ではないのであるという立場を考えていただきまして、情のある、心のある配慮をひとつお願いをしたいというふうに考えておる次第でございます。これは注文としてぜひお願いをしておきたいと思うのであります。 それでは、次にお尋ねをいたしますが、いま日本におられる人たちで大変心配しておる問題は、日本人または永住許可者の配偶者及び子供につきまして、永住許可を受ける要件が緩和されることになりました。大変な前進であります。これは評価をしておるのでありますが、この第二十二条該当者、すなわち配偶者及び子というものが申請をすれば自動的にお認めになりますかどうか。私は認めていただけるんだろうと思いますが、どうでしょうか。 それから、同じくこの二十二条に関連をいたしまして質問を申し上げますことは、たとえての話です。韓国から一あの方たちから言えば本国と言います。その本国の方からお嫁さんをもらった。そういう場合、今度の法改正によりまして、お嫁さんとして上陸をしてくるという場合には自動的に永住許可を出してもらえるんだろうかどうか、これは大変聞きたがっておるところなんでございます。現在のやり方というものは、これは私が説明するまでもないのでありますが、三カ月、一年あるいは三年という段階を経まして特在を与えておる、そして永住に結びつけておるというようなやり方をなさっていらっしゃるようでありますが、今度の法改正は大分前進をしておるので、お嫁さんということになって本国からお嫁さんを迎えたら、日本の国へ上陸したときから申請すれば許可が出るんだろうなという実は大きな期待を持っておりますので、その点に対してお答えをいただきたいと思います。
○大鷹政府委員 岡田先生の御質問の第一点でございますが、二十二条の一般永住を申請した人が無条件に自動的に許可をされるんだろうかということでございます。これにつきましては、二十二条の一般永住は法務大臣の裁量行為でございます。したがって、自動的あるいは無条件に許可されるものではございません。この点、今度法律百二十六号二条六項該当者及びその系列の方々に特例永住を認めますが、その特例永住との違いはそこにあるわけでございます。特例永住は無条件に認められる、一般永住は裁量行為であると御承知いただきたもと思います。 それから第二の点でございますが、たとえば韓国から妻を呼び寄せて永住をさせたい、こういうケースでございます。こういう場合の入国につきましては、入管当局といたしましては二つの点に着目して十分審査いたします。第一の点は、その夫に当たる人が扶養能力を持っているかどうかという点でございます。それから第二に、この結婚が本当の結婚であるか、別の言葉で言いますと、偽装婚でないかどうかということにつきまして一応調査いたします。残念ながら、そういうケースが間々あるものですから、そういう調査をやらざるを得ないわけでございます。 その結果入国を認める場合に、すぐに永住の資格を与えるかという点でございますが、それはそうはいたしておりません。 〔熊川委員長代理退席、委員長着席〕 と申しますのは、今度条件が緩和された結果、独立生計も素行善良であるということも要件にはならないわけでございますけれども、しかし、この結婚が事実であるか、また継続するものかどうかということを一応私どもとしては観察せざるを得ません。したがって、そのためには一定の期間が必要でございます。そのために、入国されますときには、先生おっしゃいましたように、百八十日であるとか一年とか、そういう在留期間をもって入国されるということになるわけでございます。
○岡田(正)委員 これは言ってはいかぬことでありますが、日本の有名人でも、結婚して気に入らなければすぐ離婚する人が新聞によく載っていますね。テレビに囲まれながら華やかな結婚式をやりましても、もうやめたなんというのがよくあるのでありますが、結婚すればするでライトを浴び、離婚すればするでライトを浴びるというような方も大ぜいいらっしゃるわけでありまして、この人たちの場合に、いわゆる偽装婚でないということがわかったら、これはやはり許可してあげるべきではないか。何日か日にちを置くというようなことは、余りにも人を信用しなさ過ぎるというふうに私は思うのです。 そこで、そういう御方針なら、いますぐ直ちにまけてくれと言ってもなかなかまからぬでありましょうが、これはある一定の期間というのは、基準としてどのくらいの日にちでございましょうか。
○大鷹政府委員 実は非常に厳密な期間というものが決まっているわけではございません。先ほど申し上げました点を観察するに十分な期間というふうに考えております。しかし、長い場合でも五年程度というふうに私どもは考えております。先ほど先生が言及されましたようなケース、これは偽装婚ではないということがだれが見ても明らかなケースの場合には、もちろんそんな長い期間は必要といたしません。ケース・バイ・ケースにやっているということでございます。
○岡田(正)委員 そこで、一つ聞き落としておりますので、再度これは法務省に伺っておきますが、先ほど私が申し上げました難民という中で、アメリカの大統領のように難民法をもって難民の枠を緩めてもいいよというような権限は与えられていないということになってまいりますと、実際に法務省におきまして難民を認定するときに、非常に民主的な、開かれた、わりと外国人を迎えるのに楽に、余り精神的抵抗もなしに迎え入れられるようなアメリカでさえ、この難民条約だけでは難民の規定というものが非常に難儀だ、だから難民法という法律をこしらえて、これは難民として認めてやってもいいよという大統領の権限を少し広めてやろうではないかという法律までわざわざつくっておるぐらいでありますのに、日本におきましては、先ほど外務省の御答弁によれば、いま少し様子を見まして、実施したぐあいを見て必要であれば考えなければならぬ、検討しなければならぬと思っておるという程度のお話でございました。 実際には、私どもが心配しておりますのは、この流民、ディスプレースドパーソンと向こうで言われておりますが、アメリカで言うこのDPというものは、日本語で直したら流民と言うのが適当と思いますが、これが難民条約の中に言う難民というものに含まれると考えてよろしいかどうか。 それからいま一つの問題は、難民の人たちの家族の集結、本人はやっとこさ命からがら逃げてきた、だけれども家族がまだ難民キャンプにおるというような場合がありますが、そういう家族の集結ということについては、これは人間である限り、自分が安住できる、安定できる土地を得たということになれば、当然かわいい妻や子供を呼び寄せたいという気持ちになるのは、だれでもこれは民族に関係ありませんね。ということを考えますと、そういう家族の保護規定といいますか、いわゆる家族を集結させるということなんかについてはどう考えていらっしゃるか。この二つをお答えいただきたいと思います。
○大鷹政府委員 難民の認定という手続は事実の確認行為でございます。裁量行為ではございません。難民条約に規定しております難民の定義を入管令ではそのまま使うことになっておりますので、この難民条約の定義に申請した外国人が適合しているかどうかということを確認する行為でございます。そのために特別な手続も設定いたしましたし、またそのための調査官も任命する、こういうことになっているわけでございます。 そこで、先ほど先生がお挙げになりました流民でございますが、流民にもいろいろな定義がございます。ディスプレースドパーソンという場合には、戦乱とか政変を逃れて本国から脱出してきた人というような非常に広い使い方もありますし、あるいは先ほど御言及になりました第三国のパスポートを持って第三国の保護を受けるようになった者、こういう場合もございます。流民につきましては、その後者でございますね、すでに第三国のパスポートをもらってその保護を受けた場合には、これは難民ではないということが難民条約に定められているわけでござます。 次に、難民の家族でございますけれども、難民の認定は個人個人について行います。家族単位では行いません。そこで、その本人が難民条約の定義にかなえば、当然難民として認定されるわけでございます。ところで、難民の家族につきましては、先生御指摘のとおり、離散家族をできる限り防止するという人道的配慮から、難民の在留を認める以上、その家族についても在留を認めようという考えでございます。認定そのものに当たりましては個々人について認定いたしますから、難民でない人も出てくるかもしれません。しかし、家族ができるだけ一緒に住めるように、家族の一体性ということを配慮するということを考えておるわけでございます。
○岡田(正)委員 大変前進的な、前向きの答弁をいただきましてありがとうございました。 いま一つ、ちょっと念を押しておきたいと思いますが、流民についても特在を出しておる人もあるし、これからも個々のケースによっては出すことも当然あり得るという答弁でありまして、大変喜んでおるものであります。そこで、特在を出すという意味は、いわゆる定住難民と全く同じ扱いをするということであろうと私は思いますけれども、国内における扱いは同じだろうと思いますが、定住難民といわゆる特在を許された流民というものの差別はしないということであろうと私は思い込んでおりますけれども、その点はいかがでございましょうか、念を押すようで恐縮でありますが。
○大鷹政府委員 岡田先生がお尋ねになっていらっしゃるのは、多分難民として認定された難民と、そうではなくて特在をもらったような人との間の待遇の差があるかどうかということだろうと思います。これにつきましては、もちろん難民は難民条約が定めているようないろいろな保護措置を受けることができます。しかし、入管令上から見ますと、難民の受ける待遇とそうでない人たちの待遇とは余り大きな違いはございません。 その違いと申しますのは、たとえば難民の場合には難民旅行証明書というものが発給されます。もっとも、難民と認定されなかった者につきましても、特在の方を含めて再入国許可書というものが発給される場合があります。その次に、永住の要件でございますけれども、難民につきましては、独立生計という要件が外されております。他方、日本に在留する一般外国人は、第二十二条の二つの要件、独立生計と素行善良というものを満たさなければなりません。退去強制につきましては、難民につきましては、このたび、事情を特別に法務大臣が考慮されるに当たりまして、難民であるということを一つのファクターとして考慮に入れる、そういう法改正をお諮りしておるわけでございます。その点、この三つの点に若干の違いがあるというわけでございます。 社会保障の点に関しましては、これは主務官庁の方からお答えになるべきことかもしれませんけれども、国籍要件が撤廃されますので大きな差はないということで、全体として言えば、難民として認定された方とそうでない方との間にはそれほど大きな差はないというふうに考えております。
○岡田(正)委員 次にお尋ねをいたしますのは、今回の法改正で十倍もはね上がった十三条にあります仮上陸をする場合、それから五十四条にあります仮放免をする場合、これがいずれも、それぞれ二十万だったのが二百万、三十万だったものが三百万という引き上げになっておるわけであります。これは御当局の説明によりますと、ずいぶん物価が上がっていますから当然のことではないでしょうかという説明があるにはありました。しかし、これをその上限としてどこまで適用するかということは御当局の勝手ですね。だれもこれは左右することはできません。本人の都合で、そんなことを言わぬとまけておいてちょうだいなんという、そんなだらしのないものではございませんな。ということになると、当局の御判断でたとえば上限を適用した、こういうことになりますと、実際上、仮上陸にしても仮放免にしても実行できない、実施できないという場合が出てきやしませんか。 たとえば四人の家族の人が仮上陸をしようとする場合、ありもせぬでしょうけれども、しかし、金額が二百万、こうなっておれば、二百万掛ける四人ですから八百万耳をそろえて出せ、それを出さなければ仮上陸を許さぬと言ったら、上がれぬわけですね。これを最高限どこまでやるか、これは別としますが。それから、いまの仮放免なんかの場合にいたしましても、仮放免はしてやるが最高限度の三百万持ってこい、こういうことになった。たとえば四人おったといたしましたら千二百万も要る。そんなものは、さっき国会で決定をいたしました公務員の退職手当法の減額法案にいたしましても、大体平均が千八百万円ぐらいということを言われておりますが、その一割を削って百八十万円減る、それでも大変ではないか、命がないというような演説でもなさる方はたくさんいらっしゃるわけですね。それを、百八十万や百五十万ではありませんよ。三百万掛ける四人としたら千二百万、いまここの場にいらっしゃる人でも、千二百万耳をそろえてぽんと持ってこいと言ったら、そうはいかぬのじゃないでしょうか。 だから、こういうものは、できるなら、それは担当官の裁量に任してもらえませんとということになるのでしょうが、できるだけ低い方がいいと私は考えますが、この規定、このまま最高限を実施したら、事実上何も履行できない、仮上陸もできなければ仮放免もできないということになりはしないかという心配がありますが、いかがでしょうか。
○大鷹政府委員 この保証金、確かに十倍にしたわけでございますけれども、その理由につきましては、物価の上昇、賃金・所得率の上昇とか、そういうことを十分勘案して十倍にしたわけでございます。それじゃ、これはそのまま適用されるかといいますと、これはあくまでも上限の限度額でございます。要は、本人の出頭義務を確保し逃亡防止を担保するに足る額であればいいわけでございます。したがって、その個々人の資産であるとかあるいは性格とかいろいろなものを総合的に判断して、合理的にその水準を決めるというのが私どもの方針でございまして、常に限度額を適用するという考えは全く持っておりません。 なお、現在、三十万が仮放免の場合の限度額でございますが、この現行制度のもとでも逃亡をしているケースはたくさんございます。毎年何十人か、結局出頭しないでそのまま逃げてしまっている人がいます。そういうこともございますので、いま申し上げましたような目的にかなうような額、合理的な額で運用していきたいと私どもは考えたわけでございます。 なお、仮上陸の保証金というのは、まれにしか私ども要求しておりません。仮放免の方はしょっちゅう、通常そういうものを徴収しておりますけれども、仮上陸につきましてはほとんどまれであるというふうに御承知いただきたいと思います。
○岡田(正)委員 残念ながら時間がなくなってしまいましたので、これをもって質問を終わらしていただきますが、今回の入管令の改正というのは大変な前進でありまして、実は私は非常に大きく評価をしておるのであります。ただ問題は、どんなよい法律を設けましても、運営をするのは人間であります。大変失礼なことを申し上げるようでございますけれども、大臣を初めといたしまして職場の先端に至るまで、この法改正の趣旨がすみずみまで徹底をされまして、やはり難民条約を八十二番目に批准した日本だな、考えるだけ考えて、その上で批准をした日本だけあるわい、やはり開かれた国だ、温かい国だというようなことが感じ取れるような、国際的な評価を高めることができるような、いわゆる心のある行政を行っていただきたい、配慮を行っていただきたい、そのことを特に強くお願いを申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。
○高鳥委員長 安藤巖君。
○安藤委員 出入国管理令の一部を改正する法律案の関係でお尋ねをいたします。 最初に大臣にお伺いしたいのですが、この法律案の名称でございますけれども、先回、「出入国管理」の「管理」を取ったらどうだというような御意見が同僚委員の方からありました。私ももっともな提案だなというふうに思っておるのですが、私がお尋ねするのは「及び難民認定法」というふうになっていますね。確かに難民を認定することはするのですが、認定をした結果、内国民待遇を与えるということで、いろいろな権利も与え保護するというような趣旨になっているわけですね。ですから、こうなりますと、「難民認定法」といいますと、これは名称から受ける感じとしては、難民条約に該当する人は日本国において難民として認定してやるんだよということで、何か権力的なにおいがせぬでもないという感じがするのですね。ですから、私はこの「難民認定法」というのをたとえば「難民保護法」とか、「保護」というのはどうも大げさ過ぎるというようなことであれば 「難民法」、この方がすっきりしていいんじゃないかと思うのです。ですから、「出入国及び難民法」という方が非常にすっきりしていいんじゃないかと思うのですが、そういう方に名称を変えるというお考えはないのでしょうか。
○奥野国務大臣 難民の保護に関することは、今回一緒にして提案させていただいておりますけれども、国民年金法の改正なりそれぞれの社会保障関係の法律で行うわけでございます。したがいまして、従来の出入国管理令の中に取り込みましたのは認定関係の部分でございます。したがいまして、「難民法」と言うにはちょっと面映ゆい内容でございます。認定でございますから、やはり「難民認定法」にさせていただきたい。それとの関連において、出入国も「管理」という言葉を使わしていただいてはずを合わさせていただきたい、こう考えているわけでございまして、午前中も稲葉さんと局長との間でかなり議論があったわけでございます。
○安藤委員 稲葉委員の方は私は聞いておりませんでしたけれども、管理という問題にいろいろこだわっておられたんじゃないかと思うのです。私も「管理」というのはやはり取っ払った方がいい、どうも権力的にコントロールという感じがせぬでもない。それは稲葉さんの方の議論に譲りますけれども、どうも認定法というのは認定してやるというだけにとどまるみたいな印象を受けるものですから、いま大臣はそんな考えはないというふうにおっしゃっておられるわけですが、すっきりさせる意味でも、それから内容をきちっと名称に反映させるという意味でも、「難民法」という方がすっきりしているのじゃないかというふうに思っているのです。これはいろいろ提案もあるようですが、理事懇その他でも意見を出していきたいというふうに思っております。 そこで、これは「出入国管理の回顧と展望」という青表紙の相当なページ数のものを拝見いたしました。この中の指摘で、観光または商用などの目的で来日してバーやキャバレーのホステスとして働いているいわゆる資格外活動、そういうような外国人女性がふえているという指摘があるわけです。そしてこの前も、これは私が見たわけではなくて、後から話を聞いたわけですが、11PMでそういう外国人女性がそういうようなところで働いているというテレビ放映があったそうですけれども、この実態は一体どういうふうに把握しておられるのでしょうか。あすこに放映されたのはでたらめじゃないと思うのですけれども、やはりああいうような実態がたくさんあるのかどうかということです。そして、そういうような人に対して退去強制令書を出して退去をしてもらったという数、最近一、二年の数でいいですが、教えていただきたいのです。
○大鷹政府委員 資格外活動と申しますか、出かせぎ的な動機でわが国に入ってきます外国人がどのくらいいるかという点でございます。出かせぎという以上は、二カ月ぐらいの在留をしなければ目的は達せられない。としますと、その二カ月以上の在留をする外国人というのは入国した外国人でどのくらいいるだろうかと調べてみますと、約五万人でございます。このうち真っ当な方もたくさんおられるわけでござますので、いわゆる出かせぎという者がこのうちどのくらいかと申しますと、半分ぐらいじゃないか、約二万から三万の間ぐらいの人たちがいるのじゃないかというふうに私どもは一応予想しております。 ところで、こういう外国人の取り締まりをどうしているかということでございますが、まず、出入国港における上陸審査の場で入国目的とかあるいは入国後の居住先等を詳細に聴取いたします。そしてさらに、所持金がどのくらいあるか等についても調べて、入国目的に疑いのある外国人につきましては上陸を認めないという措置をしております。さらに、入国した後につきましても、適宜入国警備官による違反調査を行いまして違反の摘発に努めておるのでございますが、今後ともこういう努力はさらに続けていきたい、強化していきたいと考えているわけでございます。 なお、五十五年じゅうに入国目的に疑義ありということで、つまり出かせぎということで退去措置を受けた外国人の数は、全部で三百三十名でございます。
○安藤委員 入国をしてきたときに、入国審査官の方がいろいろ審査をされるわけですが、それでいま御答弁にありましたような所持金等々も含めていろいろな審査をされるということはわかるのですが、それでもやはりいまおっしゃったような実態だということになると、何かやはりこれはむずかしいところだと思うのです。事細かにあれこれ、根掘り葉掘り聞いて、先ほどもお話がありましたけれども、ずっと延々長蛇の列で、いつ入国手続が終わるのか、気になるぐらいなことだ、こうなるとまたサービスの低下ということにもなって問題だと思うのです。何かもう少し実効のある方法を考えようというようなことはやはり考えていただく必要があろうかと思うのですが、そういうようなことで、いま何か新しい方法を考えておられるようなことがありますか。余り言ってしまうと、また裏をくぐられるから困るという話もあろうかと思うのですが、やはり私、気になるものですから、こういうふうに考えているのだというような、少しでも納得のいくようなことがあれば、教えていただきたいと思うのです。
○山本説明員 事は調査のノーハウに関することでございますので、ひそかに行うべきかと思いますが、たとえば査証官を海外へ派遣するというようなことを考えております。それから、先ほど局長も答弁いたしましたが、限られた数の警備官を効率的に活用するということについて、担当の課で大変努力をしておるようでございます。
○安藤委員 海外へ派遣されるというようなことも一つの方法だと思うのですが、これは人員的にもなかなかむずかしいところがあろうかと思います。後で、そのこともちょっとお尋ねしますけれども……。 そこで、テレビにも出ておったのですが、どうもにせの旅券を持って入国してくる事例が多い。話に聞きますと、本物よりもにせ物の方が本物らしいというようなことで、なかなか真偽が見きわめにくいという話も伺っております。そこで、私思うのですけれども、そういうにせの旅券を持ってくるところはどことどこの国が多いかということもわかっていると思うのですね。いま海外派遣の話もありましたけれども、それは外交的に、おまえのところは多いじゃないかなんて、いきなりストレートに文句を言うわけにはまいらぬかと思いますけれども、そこのところは穏やかに、どうもおたくの方から来る人がにせの旅券を持ってくるのが多い、だからその辺のところを出国のときにもっときちっとやってほしいというようなことも含めて、国際的にいろいろ協議をして智恵を出していい方法を考える、こういうような会議をやはり持つ必要があるんじゃないか、注文をつけるというばかりではなくて、と思うのですが、そういうようなことも考えておみえになるのでしょうか。
○大鷹政府委員 いま先生がお触れになりましたような国際会議につきましては、私ども全然まだ耳にしておりません。もしそういう動きがあれば、私どもとしては大いに関心があるところでございます。
○安藤委員 いや、耳にしておるのではなくて、日本の方からそういうようなことを呼びかけて、そしてやるというようなことはお考えになっておらないか、あるいは将来考えないかということです。外国の方からそういう呼びかけがあれば、それは応ずるんだというお話がいまあったのですが、日本も相当の被害国ですから、積極的にそういうことを呼びかけるということはお考えになっておらないでしょうか。
○大鷹政府委員 わが国から積極的にそういう国際会議を開くことを呼びかけることは、当面考えておりません。
○安藤委員 入国管理局の局長さんとしてはそういうような御答弁しかできないのかもわからぬですけれども、大臣、どうですか、日本も相当大きな被害国の一つですから、だからそういうことを呼びかけてもいいのではないかと思うのです。外国から呼びかけがあったらそれに応ずる用意はあるというようなことでなくて、言い出しっぺの役割りも果たしてもいいのではないかと思うのですが、いますぐというわけにもまいらぬかとも思いますけれども、どうなんでしょうか。
○奥野国務大臣 国際間で出入国管理事務を円滑に行うために、連絡的な意味で協議会を持つというような機会があれば、一つの方法かと思いますが、将来ともよく研究していきます。
○安藤委員 ところで、大臣にもう一つお尋ねしたい。 ほかのことですが、この前、横浜の入国者収容所を見学に行ってまいりました。中のあれこれのことは言いませんが、場所が、確かにしばらく前までは、航空機が発達する前までは、横浜というのは日本の出入国の玄関の一つであったわけですね。だから、あそこへ強制退去令を発して、そして出国するまでの間収容しておく、そして港から出すという構想であそこへできたんだと思うのですよ。しかし、あそこでいろいろお伺いをしておりますと——大村の方は別ですよ、大村の方は行き先がほとんど決まっておって、多人数ですから、船ということでいいのですが、横浜の場合はやはり成田を利用する場合が多いというのですよ。そうすると、あそこからはるばる成田まで護送していかなければならぬ、こういう話も聞きました。だから、いま航空機時代ですから、場所的にどうも不都合になっているのじゃないか、場所的にあれは前近代的なものになっているのじゃないかという気がするのですが、場所を移転するというようなことを将来的にお考えになってしかるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○奥野国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、そう考えていきたいと思います。
○安藤委員 そこで、先ほど在留資格外活動のことをお尋ねしましたので、ついでに、順不同ですが、お尋ねをしたい。改正案の四条の一項四号の関係でお尋ねをします。 これまでは、四条一項の三号は「通過しようとする者」、そして四号は「観光客」、こういうふうになっておったわけですが、三号は削除されて、四号で、ここにございますからあえて読みませんけれども、保養その他幾つかの項目が出ました。そして「これらに類似する目的」というのも入っているわけですね。私、これを見ました印象としては、いままでも「観光客」というふうにしておったのを、こういうほかの目的を持った人もいわゆる短期滞在者というようなことで来日を認める、こういうふうに範囲を広げたというような感じを持つのですが、そういうような趣旨ではないのでしょうか。
○大鷹政府委員 従来の狭い意味の観光客のほかに、いま先生が触れられましたように、親族の訪問であるとか、スポーツであるとか、あるいは会議への参加、業務連絡、こういう非常に似た目的、つまり短期滞在で目的を達せられるようなそういうものが非常にふえております。そこで、これをまとめて短期滞在者という在留資格を設けることにしたのでございまして、この結果、国際交流がさらに促進されるということを私どもとしては願っておるわけでございます。
○安藤委員 ですから、いままでの「観光客」というようなことばかりではなくて、これに書いてありますような「保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これに類似する目的をもつて、」というふうに、観光以外にこういう目的でおいでになる人も短期滞在者として来ていただいて結構ですというふうに、範囲をお広げになったのかどうかということ。 それと、もう一つ続けてお尋ねしたいのですが、これまでは観光客の方はいわゆる観光ビザで見えておったわけですね。そうしますと、今度はこれらに類する目的ということだから、保養ビザ、スポーツビザ、親族の訪問ビザ、見学ビザというような個々のビザの項目といいますか対象といいますか、それがそういうふうになってくることになるのかという点はどうでしょう。
○大鷹政府委員 いま先生が御指摘になった観光以外にここに並べられているような目的、たとえば親族訪問にせよ、スポーツにせよ、保養にせよ、こういうものが今日まで運用として四−一−四観光ビザの対象として認められていたわけでございます。その運用を今度法改正によって正式のものにする、こういうことでございます。したがって、範囲がこれによって法制上は広がったわけでございますけれども、運用面で広がったわけではございません。
○安藤委員 そうしますと、こういう幾つか掲げられております保養ビザとかスポーツビザとかいうのがいままでの観光ビザのほかに出されるということではなくて、従来どおりの観光ビザ一本で実質的に日本においてこういう保養とかスポーツとかここに書いてあるようなことをしても資格外にはならない、こういうことになるわけですか。
○大鷹政府委員 そのとおりでございます。
○安藤委員 念のためにもう一つお尋ねするのですが、たとえば観光ビザで来て、もっぱらたとえば青梅マラソンに参加して、観光しないで帰っていくというようなことでもいいということになるわけですか。
○大鷹政府委員 全くそのとおりでございます。ただし、スポーツといいましても、報酬を得てやるようなものはその範囲外でございます。
○安藤委員 くどいようですが、もう一つ念のために、観光ビザで来ますね、そして実質的な中身は原水禁大会に参加するのが目的だ、それに参加してそのまま帰ってしまうという場合でも、資格外活動ということにはならないことになりますか。
○大鷹政府委員 今度の法改正の結果、四−一−四は観光ビザではなくて、短期滞在者ということになります。短期滞在者の中身として先ほどから話題になっているようなものがあるわけでございます。したがって、会合に出席するということを唯一の目的に短期においでになる方も、短期滞在者としての査証の対象になるわけでございます。
○安藤委員 ちょっとよくわからないのですが、先ほど私の方がそうではないかと思って言ってしまったのですが、短期滞在者というビザはないのでしょうね。だから、短期滞在者というビザがあって、そのビザを持って見えればここに書いてあるようないろいろなことをもっぱらやってもいいということになるのか、ビザは観光なんだけれども、実質的にこういうことにもっぱら参加してそういう活動をしても別に資格外活動にならないのか、そういうことなんです。
○山本説明員 ビザという言葉を使われたわけですが、入管令の在留資格という観点から申しますならば、それはビザではなくて在留資格ということでございます。これは短期滞在者としての在留資格ということになるわけですが、しからば、その人が日本に来ようというわけで在外公館にビザを取りに行った場合は、それは通常言われておる観光ビザというものが発給されることになるのであろうと思います。したがいまして、本来のビザというものと在留資格というものと若干——ややこしい話で大変恐縮でございますが、在留資格としては、この四−一−四短期滞在者としての在留資格になります。
○安藤委員 観光ということでビザが出されると思いますというのは、外務省の方の仕事だからということでおっしゃってみえるようですね。私は、きょう外務省の方は特にお願いをしておらなかったからあれですが、すると、その辺のところは外務省の方とはちゃんと話をされておって、外務省はやはり観光ビザだけなんだ、しかし、観光ビザで見えても、この四−一−四の中身の行動をされるという点については、短期滞在者として在留資格外の行動をしたということにはならない。それでも観光ビザ一本やりなのかどうかという点についても、ちゃんと合意はできておるわけですか。
○山本説明員 この改正に当たって特に合意したということはございません。これは一般に、本来のビザの種類と入管令上の在留資格の組み合わせの問題でございますので、ビザの中には通過、観光というような種類があるそうでございますが、そういうビザを取って入国申請をされたという場合には、この四−一−四が付与されるという扱いになることは間違いないということで申し上げられます。
○安藤委員 それとの関連でお尋ねしますが、二十条の「在留資格の変更」です。この三項の後段の方に、いまの四−一−四の関係で、この人に対しては「やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする。」という、ちょっと厳しい条件がついているわけですね。「やむを得ない特別の事情」といいますと、相当な理由がなくてはいかぬのではないかという印象を受けるのですが、たとえば観光で来て、もっといい景色のあるところが途中でわかったので、もう一つ四国の方まで行ってみたいとか、ちょっと在留期間を延ばしたいというような場合でも、こういう「やむを得ない特別の事情に基づくもの」というふうになって、延長ができるのでしょうか。
○山本説明員 お尋ねの場合は、在留期間を更新する場合であろうと思います。在留資格の変更といいますのは、たとえばこの四−一−四から四−一−五なり四−一−六なり、他の在留資格に変える場合のことでございます。
○安藤委員 そうしますと、いまの在留資格を変える場合ですね、延長する場合それから在留資格の変更の場合も、先ほどお尋ねしましたようにこういうやむを得ない何とかというのがあるのですが、たとえばどういうことを想定をしてこういう条項を入れることになったのか、お尋ねします。
○山本説明員 まず、期間の延長の問題でございますが、四−一−四で九十日をもらって入国した、ところが、もう一個所どこか見てみたいが、それでは当初にもらった九十日がオーバーしてしまうというような場合かと思いますが、もう一個所行きたいという延長を申請する理由がもっともであるということであれば、これはせっかくいらっしゃったわけでありますから、拒否する理由はないはずでございます。 次に、在留資格の変更の問題ですが、まず、どういう場合に変更が許可になるか、つまり、やむを得ないということで変更が許可になるか想定される場合を二、三拾ってみますと、一つは、観光で四−一−四で日本に上陸したが、その後日本人と結婚した、したがって、引き続き日本に居住したいというような場合、あるいは、外交官であるお父さんに伴われて日本にやってきた、そうして学校に入ったが、学業半ばにしてお父さんが帰任、要するに本国に帰ることになった、しかし、息子さんである本人は引き続き日本で勉強を続けて卒業までおりたい、この場合は外交の四−一−一という資格を持って来るわけですが、父親が離任いたしますから、離任後はその子供は四−一−一という資格を持つことができない道理でございます。また、日本人夫婦が外国で子供を産んだ、それはその国の国籍法の問題があるわけですが、国によってはその国で生まれた子供はその国の国籍を取得する、日本に帰ってきた場合には子供だけが外国人であるというようなことがあるのですが、その場合に簡単な観光四−一−四で入国する。しかしながら、いま言いました結婚した場合、外交官であるお父さんが帰った場合、あるいは両親に伴われて外国籍の子供が日本に入った場合、これはいずれも、従来は法律上は他の資格への変更ができなかったわけでございます。 それで、しからばどういうことになるかといいますと、出直し入国で、どこか近くの国へ一遍出国して、そこでビザを取り直してきてくださいというようなことに法律上はならざるを得ない。それはいかにも気の毒である。こういう場合にはそのまま日本におりながらしかるべく他の資格への変更ができる道を開いてあげましょう。しかしながら、観光というビザなりは非常に簡単に出るビザでございますので、そういう簡単に出るビザを取って入国後、なかなか簡単におりない長期のビザにかかる在留資格への変更を許すということは、結局査証制度をもぐることになりますので、したがいまして、先ほど二、三そういう例を挙げましたやむを得ない場合にのみ資格の変更を認めよう、そういう趣旨でございます。
○安藤委員 ほかのことをお尋ねしますけれども、二十二条と附則の七項、九項の関係でお尋ねしますが、これは前にも同僚委員の方から質問がありましたので、簡単にお尋ねしたいと思うのですけれども、附則の九項の関係でいわゆる一二六−二−六の関係の孫、ひ孫が在留資格を取得できなくなるおそれがあるのではないかというような指摘があったのですけれども、これは附則の七項、九項の関係で、永住を許可されることになった人、そういう人も二十二条の二項の、これでいくと新旧対比の三行目の「永住許可を受けている者」というところに当てはまることになるわけですか。
○大鷹政府委員 当然その中に含まれます。
○安藤委員 そうしますと、一二八−二−六の関係で、孫、ひ孫、子が認定されて、それがこの二十二条の「永住許可を受けている者」となって、その「配偶者又は子である」というようなことでずっといける、こういうふうに理解していいわけですね。
○大鷹政府委員 そのとおりでございます。
○安藤委員 その附則の八項の関係で、申請の期限が「出生の日から三十日まで」というふうになっておるのですが、これは出生による外登法の関係の新規登録申請期間六十日、それからいわゆる協定永住者の子として出生をした場合の永住許可申請六十日ということとの対比で、三十日というのは不均衡じゃないかというような意見があるのですが、どういうわけでここは三十日ということになっておるのでしょうか。
○山本説明員 まず、外国人登録法による登録の申請期間が六十日であるということと、それから出生後在留資格の申請期間が何日であるかということは、制度の趣旨が違いますので、並べて比べるということは必ずしも適当ではないのじゃないかと思います。問題は、協定永住の場合の申請期間は出生後六十日であるのに、今度の改正による永住許可の特例の場合は三十日であるということは均衡を失するのじゃないかという点は確かに一理のある点だと思うわけであります。 ただ、協定永住六十日となっておりますが、現実にどういうことになっておるかと申しますと、協定永住をとる場合であるとないとにかかわらず、入管令現行法二十二条の二によりまして、本邦で生まれた者は三十日以内に在留資格の取得の申請をしなければいけないということになっております。したがいまして、とにかく生まれれば三十日以内にその手続をする。協定永住の場合には、まず三十日以内に二十二条の二による申請手続をして、しかる後に協定永住の申請をするかというと、それはそういう運用がなされるわけはないのでございまして、いずれも三十日以内に協定永住の申請をしておられるようであります。ということは、つまり入管令で出生後三十日以内に在留資格の取得の申請をしなければいけないということになっておりますので、三十日以上の申請期間を別の資格について設けましても、それは余り意味がない、実効がないということでございます。したがいまして、形の上では協定永住は六十日、今度の改正による特例の場合は三十日ということで差があるようでございますが、現実の運用としては何ら差が出てくるはずがない。六十日なんということになりますと、かえってめんどうくさい。それを忠実に、三十日から六十日と三十日間延びた分を有効に活用しようとすれば、話はめんどうくさいだけであるということになるわけでございます。
○安藤委員 そういうことであれば、協定永住者の子として生まれた場合も三十日でいいじゃないか、そうなればそろうのじゃないかという気がするのです。そっちは六十日のままにしておいて、実質的には三十日である。こっちも三十日でよかろうというのはやはり論が通らぬと思うのですが、協定永住者の子として生まれた人の永住許可申請も三十日というふうにしようというようなお考えもあるのでしょうか。
○山本説明員 それは日韓の両国間の協定に基づいてそういう取り決めがなされておりますので、国内立法の手当てだけではいかんともしがたいという状況にございます。
○安藤委員 時間がありませんので、最後にひとつ再入国の問題についてお尋ねをしたいと思います。 これは二十六条の四項と五項の関係です。再入国の許可を受けて出国をします。それがたまたま国交のない国へ戻って、そして再入国をしようとしておったところが、その期限ぎりぎり間近に——だれでも人情として、たとえばお墓参りに行ったとか、親類に会いに行ったということになれば、ある程度の逆算をしていつ出発すればいいということを考えるのですが、ぎりぎりまでおりたいというのが人情だと思うのですが、そういう場合にたまたま重病になってしまったとか、あるいは地震等の災害が起きて帰れなくなったとかというような場合、期間を徒過してしまうということがあるわけですね。そういう場合には、再入国の許可書を持って日本へ帰ってきた場合でも、もう入国は認めないという措置をおとりになるのでしょうか。
○大鷹政府委員 そういう場合に直ちに入国を認めないというようなことは考えておりません。ただ、先生がいまおっしゃいましたようなそういうやむを得ない事情のある方につきましては、今度再入国許可書の期限を海外で延長する制度を設けました。在外公館に出頭されて事情を説明されれば、在外公館でその再入国許可を延長することができます。もっとも、在外公館のない場所もございます。そういう場合には、最寄りの在外公館、隣接国の在外公館に行かれる手もございましょうし、それも実際的でないというときには、東京の入管局あるいは地方の入管局、こういうところに申請なさる方法も開かれております。
○安藤委員 いや、私がお尋ねしているのは、いまの期限の延長を申請するというのは、まだ期限内にやらなければいかぬというのが前提になっているのだろうと思うのですね。しかし、そういうようなことではとても間に合わない。たとえばこの前のだれかの質問で、国交のない国だ、だから国交のある国の日本の領事館のところへ行って、それは郵送でもいいのかもしれませんが、あるいは依頼をして延長してもらって、そして入ってきてくださいということも間に合わないというような場合、結局期限が切れてしまったという再入国許可書、だから期限切れの許可書ですが、それを持って入国しようとする場合にはもう全然認めないというようなことになるわけですか。
○大鷹政府委員 そういう運用は考えておりません。なるべく合理的に、本人の事情もよく聴取しなければいけませんけれども、理由があると考えた場合には、弾力的に運用したいと考えております。
○安藤委員 もう時間が参りましたので、まだありますけれども、私はこれで終わります。
○高鳥委員長 稲葉誠一君。
○稲葉委員 午前中に引き続きまして質問いたしますが、難民関係の詳細なこと、それから外国人登録法は二十九日に時間をいただいておりますので、そこでやります。 いま大村の入国者の収容所に入っている人の統計や何かをいただいたのですが、そこでひとつお伺いをいたしますのは、ここに韓国、朝鮮別に書いてあるわけですね。そこで韓国と朝鮮と書いてあることで入管行政上取り扱いの差異がある場合、それは具体的にはどういうふうなときに差異が出ておるわけですか。
○大鷹政府委員 韓国、朝鮮という表示につきまして、朝鮮という場合には、私どもは広く朝鮮半島出身者というふうにとっております。そこで強制退去、送還の対象になる人が朝鮮籍である場合には当然、韓国に送還するかあるいは北朝鮮に自費出国してもらうかは、本人の希望等も聴取して措置しております。朝鮮、韓国ということで差別していることは、私どもはそういうものはないと承知しております。
○稲葉委員 それでは、たとえば再入国の場合に、韓国の場合は緩やかですね。朝鮮の場合はいままでは許さなかった。今度は大分前よりは許すようになったけれども、その点についての扱いが再入国の場合に非常に差異があるのではないですか。
○大鷹政府委員 旅券を所持しているかどうかという点が一つ違うところでございますけれども、北鮮系の方につきましては、当然旅券というものはないわけでございます。こういう場合には、いわゆる局長証明書というものをいままで運用で発給してきました。これを今度の法改正で再入国許可書に置きかえるということでございます。いずれにしましても、韓国と朝鮮との間で再入国の問題で差別しているということは、私どもは何も考えておりません。
○稲葉委員 いや、差別しているわけじゃないですけれども、実際の扱いは、韓国の場合は再入国はほとんど自由ですね。ところが、北朝鮮へ行く場合の再入国というものはなかなか認めないのじゃないですか。やっとこさこのごろ少しずつ認めるようになってきた、こういうことじゃないですか。それが一つ。 それから、たとえば数次旅券の発行の場合に、韓国と書いてある場合には数次旅券をどんどん発行しているでしょう。ところが、朝鮮の場合には数次旅券はなかなか発行しないでしょう。実際の運用は違うのじゃないですか。事実はそうでしょう。
○大鷹政府委員 再入国許可の発給につきまして、運用上韓国と朝鮮の間に大きな差別を設けているということはございません。現に、現在相当多数の方が北鮮に出国して再入国していらっしゃるわけでございます。それから、数次再入国許可書の発給でございますけれども、これはあくまでも必要があるかどうかということがポイントでございまして、韓国籍であろうと朝鮮籍であろうと、差別を設ける気はございません。
○稲葉委員 差別を設ける気はないというのは、答えはそうですわね。実際にはそうではないでしょうと、こう言っているわけです。それは日本の政策上、日韓協定というものがあるわけだから、いいか悪いか別ですよ、そういうことになれば、そこに違いが出るのはある程度やむを得ないならやむを得ないという答えになってくるんじゃないですか、あなたの方の答えとしては。それをまたあなたの方で、違いがない違いがないと言うからおかしくなってくるんだよ。違いがないと言うから、こっちは違いがあるって聞くのよ。違いがありますけれども、これはこういう理由ですと言うなら、それはまた話は別でしょう。
○山本説明員 事務的に若干の補足をさせていただきます。 まず、数次旅券という御質問……(稲葉委員「数次許可です」と呼ぶ)そういうことでございます。現在、数次再入国許可というものは出していないはずでございます。今度その制度を正式に設けようということになっておるわけでございます。しからば、日本に在留しておる外国人につきまして、再入国許可の申請があればあるいは申請に至らなくとも打診があれば一〇〇%すべて許可するかというと、それはそういうことではないはずでございます。わが国の利益、公安というものを考慮しながらそれは右左を決めていくべき性質であり、また現実にそういうように運用されているはずであります。特に政治または——政治またはという言葉を使わせていただきますが、そういうものが絡んできた場合には特にそこの判断がむずかしくなってくるであろう。ただ、観光目的というのですか、短期旅行者として観光なり、親族訪問なり、スポーツ参加なり、そういうことで一時外国に旅行するということで再入国の申請がありました場合には、少なくとも最近においてはこれを拒否した例はないはずでございまして、それは韓国とかあるいは北朝鮮系とかで区別はないことはもちろん、いずれの国籍の者についても差はないはずでございます。ただ、政治またはについては、それは個別に断られることが十分あり得るということを申し上げておきます。
○稲葉委員 難民旅行証明書は法律的にいわゆる外国人旅券と言ってもいい。ところが、再入国の許可書というのは、それは国際法上どういう効力があるのですか。それで、いまの難民旅行証明書と再入国許可書との法律上の効力の差はどこにあるわけですか。
○山本説明員 難民旅行証明書は、難民条約第二十八条に基づいて締約国が難民と認定した者に対して発行する旅行文書でございまして、これは当然にこの証明書を持って出国した者は再びこれを自国に戻すということを義務づけられておる、つまり引き取り義務が当然にくっついておりまして、言うならば、先生最初に申されましたとおり、外国人旅券のような性格のものでございます。 それに対しまして再入国許可と申しますものは、わが国に戻ってくることを許可するというだけのことでありますが、それがどうして旅券に準ずるものとして国際的に通用するかと言えば、結局本邦に在留しておる外国人に対して日本の国が最終的に引き取るということを保証しておるからであります。この引き取り保証がなければ、その人は身分証明書を持っておっても、特別の事情がない限りどこの国も受け入れてくれないはずであるが、日本が再入国許可という形で引き取りを保証することによって国際的に通用力ができる、その所持している人は旅行ができるということになるわけであります。 いま申し上げましたように、片や外国人旅券のような性格のものである、片やは引き取り保証、要するに再入国の許可であるという意味において、法律的な意味合いは違うのだろうと思いますが、それが外国旅行を現実に行う上でどういう機能を果たすかという機能の面から申しますならば、ほとんど差はないということになろうかと思います。
○稲葉委員 そうすると、再入国許可書の場合でも日本の外務大臣は再入国を許可して、相手方の国に対してこの行く人の安全やなにかを保障してくれということを要求して、相手の国はその行く人の安全を保障する義務があるのですか。旅券の場合はあるでしょう。
○山本説明員 旅行先の国の政府に対しまして安全の保障の依頼なり便宜供与の依頼をするということは、それは自国民であるからできることだと考えます。その証拠に、難民旅行証明書もそういう便宜供与なり安全の保障を依頼する文言はどこにもありません。もちろん、われわれがいま考えております再入国許可書にそれがないのも同様であります。その点においては難民旅行証明書と再入国許可書の間に差異はございません。
○稲葉委員 その点は、ちょっと私の理解がまだ不十分かもわかりません。ちょっと研究さしてもらいましょう。ちょっといまの答弁では納得できないですね。それなら、難民の旅行証明書の方は外国人旅券と同じだと言うのがおかしいのです。 だから、私が疑問に思っておりますことは、難民の人が入ってくる、難民に対する待遇というものと、古くから日本にいて自分の意思でなくて外国人になった人がおりますね、その子供、孫との待遇において、処遇において違いがあるではないか。前からいる人の中で、韓国と朝鮮との間でまた差異があるではないか。ここら辺のところに問題があるではないかということを言いたいわけですね。これはまた後であれしましょう。 そこで、仮放免の場合で、これは後からお話が出ると思いますが、三百万になった。仮放免は、これはどういうのですか、仮放免決定ということになるのですか。金額が不服だったときにはどう方法をとれるのか。準抗告みたいな制度をとれるのか。どういうふうになっているのか。
○山本説明員 それは恐らく準抗告——抗告の対象にはならないはずでございます。ただ、金額の不当を理由にその減額なりを求める行政訴訟というものは起こせるのではないかと思っております。
○稲葉委員 そうかな。そうすると、収容そのものも行政処分でしょう。仮放免も行政処分。だから、それに対して行政訴訟を起こせると言ったって、行政訴訟は原則として仮処分を認めないわけでしょう。特別なあれでなければ認めませんね。だから、実際上不服の申し立てはなくなってしまうのじゃないのですか。裁判の場合だって、保釈の場合だったら、決定だから準抗告できるから、そこで金額のあれについてもできるけれども、これは実際上はできないですよ。いまあなたの言うのはどうもはっきりしないけれども、これは率直に言うとむずかしいところですよ。それははっきりしないでしょう。だから、実際決まったら決まりっぱなしですよ。だから、これは十分なしんしゃくをしてくれということを前から言っておるので、それについてあなたの方もむちゃなことはしないと言っておられますから、これ以上聞きませんがね。 それから、金が足りないときは弁護士なら弁護士の保証書でもいいのですか。どういうふうになっているのですか。その保証書は債務名義があることになるのですか。それは民訴なら民訴、刑訴なら刑訴を準用しているのですか。
○山本説明員 弁護人なり身元保証人の保証書でかえ得ることは御指摘のとおりであります。ただし、それは債務名義にはならないというように理解しております。
○稲葉委員 そんなことはどこに書いてありますか。どこかに書いてあるか、その条文は探してくださいよ。債務名義にならないならありがたい。債務名義になったのではかなわないもの。探しておいてください。 それから、大臣、お聞き願いたいのですが、入っている人はいま二年以上の人が四人いるわけですね。ここへ入ると、これまた長いのだ。実際はもっと長いのがいる、二年以上というところで切ったから。この前いつかぼくが行ったときに、あそこでお正月を四回迎えましたという人がいましたよ。この二年以上というのはどこまでかわからぬ。一年以上との間に一年半というのを切ってないし、これはどういうふうになっているのか。一年以上、一年半以上、二年以上。二年以上の中で一番長いのはどのくらいですか。ぼくがここで質問すると、しばらくたつと仮放免する。決まっているのだ。ここで質問すると、これはまずいなと思って仮放免する。いままでの例はみんなそうですよ。二年以上というのは四人男がいますけれども、朝鮮が三、韓国が一というのは、これは一番長いのはどのくらいですか。
○山本説明員 個別の事案によって事情が異なりますので、一般に何年だということはなかなか申し上げにくいのですが、まあ三年は超えないように運用しております。 ただ、われわれとしましても、ずいぶん長くなってきたなとそろそろ気になり出したころに、的確にまた御指摘があるということのようでございます。
○稲葉委員 それはたまたま一致するからかもわかりませんが……。 大臣はここへおいでになったことはありますか。これは大村で飛行機でおりてすぐですからね。私ども、いつか大分前にここへ視察に行ったことがあるのですよ。何かいろいろ話をしてきたのだけれども、あそこの所長が、とにかくそこで余り話をするより、早く雲仙へ行きましょう、早く雲仙へ行きましょうと言って、雲仙の方へ引っ張っていっちゃうわけです。ろくに話もできなかったのですけれども、直接話をするのを非常にいやがるのですね。それは無理もないですけれどもね。 そこで、いまは韓国と朝鮮とか、中で処遇のことで——いま幾つくらいあるかな、四棟ぐらいあるかな。一棟廃止になったかな。女の人だけ入っているところもありますね。いろいろありますが、中でけんかしたり何かして、ぼくが行ったときは、何か野球のテレビを見るとか見ないとかいうことで、見せる見せないでけんかしたり何かしていたのがありましたがね。 それはそれとして、この収容という意味がまたよくわからないのですね。これは収容という意味は、自由を拘束すると考えていいのですか。どっちなんですか。中で遊んでいるのだから自由は拘束しないのか。どうなんですか。そうすると、憲法の三十一条か何かの関係がありますね、法律に定めがあるということになるのでしょうけれどもね。それで自由を拘束するということになるのか、憲法の根拠でいくとそれはどういう根拠になるのですか。
○山本説明員 退去強制令書による収容の目的は、送還を保証するために逃亡を防止するということであります。したがいまして、それに必要な限度で自由を拘束するということは、当然のことだと思います。ただ、それ以外に、たとえばたばこを吸うとか手紙を差し出すとかいうようなことは、それとは関係のないことでございますので、そこまで自由を奪うものではございません。 なお、憲法との関係で申しますならば、これは行政手続でございますので、直接には憲法の規定がかぶってこないというように理解しております。
○稲葉委員 そこで、大村の収容所に入っている人たちの中で、いま言った一番長いのはもう三年近い。三年といって、どうしてそんなに長く入っているのですか。それは、この理由はどういう理由なんですか。
○大鷹政府委員 非常に長く入っている人は、一つは、刑事裁判が係属中だという場合、もう一つは、送還先の、たとえば韓国が引き取りに難色を示している、こういう場合でございます。
○稲葉委員 裁判で、たとえば入管令は時効がありますね、ですけれども、いずれにしても、入管令で執行猶予になるとか、あるいは刑務所から出てくる、仮釈がついている場合でも。そうすると、実際にはそれをそのままそこで引き取って、大村なら大村へ送っていくのでしょう。そういうやり方をしていますね。そうすると、せっかく刑務所の中で、矯正施設で本人を改過遷善しようとしておった者が、ここへ連れていかれてしまうのでがっかりしちゃうのですね。そういうようなところで矯正当局との連絡が非常にうまくいっていないというか、まあ目的が違うから、違うといえば違うかもわかりませんけれども、何もあそこの門の前で待っていて連れていかなくたっていいんじゃないか、こう思うのですが、実際、そういうやり方をいつもしているのですね。ここら辺のところは、ぼくはどうも実際のやり方としては問題があるように思うのです。 そこで、私がお聞きをしたいのは、特別在留はいろいろあるわけですが、たとえば、いわゆる永住許可の今度の場合で、前からいる人がいますね、それから子供もありますね、これは覊束的な行為として許可。ところがその中で、退去強制事由に該当するというので退去強制手続があった後に法務大臣による特在があった人、四−一−一六−三、こういう人は、この永住許可の範囲に本人とその子供も入るわけですか。
○大鷹政府委員 そういう方々は、いずれも今度の特例永住の対象になります。
○稲葉委員 そうすると、いまの特在の許可で、再審で特別在留許可を受けた場合もありますね、それも入るわけですか。
○大鷹政府委員 そういう方々も特例永住の対象になります。
○稲葉委員 いや、対象になりますと言うのだけれども、文章を読むと、対象になりますという意味がはっきりしない。それは覊束的な許可をしなければならないということに理解をしてよろしいわけですか。
○大鷹政府委員 再審情願で強制退去令書が取り消された者は、引き続き在留していたものとみなしまして、覊束的に特例永住が適用されます。
○稲葉委員 条文の読み方は、何かそこのところをはっきり書いてないので、前の書き方とこの条文の書き方を変えたんじゃないですか、だからそういう誤解がここで起きてくるんじゃないのですか。これは問題がありますね。 そうすると、引き続き在留する者というのは、これが一つの考え方ですね。在留という意味と、それから今度は居住するという意味がありますね。その意味はどういうふうに違うのですか。
○山本説明員 いわゆる日韓地位協定及びそれを受けました入管特別法では、たしか居住という言葉を使っておるようでございますが、私どもといたしましては、その点を特に意識しておるわけではございません。 ただ、この永住許可の特例の表現が変わったという点でございますが、これは確かに変わっております。変わっておりますが、これはいわゆる修文上の問題として、こういう表現の方がベターであろうということになっただけのことでございまして、したがいまして、講和条約発効時に国籍を離脱する者、一二六−二−六でございますね、そういう者であって、あと申請のときまで引き続き居住するということになっておりますが、それは必ずしも、一二六−二−六なり、その子供の場合は一六−二ということになるのでしょうが、そういう資格で居住する必要があるということではございません。いかなる在留資格で居住しても、それは居住は居住でございます。 また、繰り返しになりますが、一たん退去強制令書を発付された者も、その後再審により特在になった場合には、それは一たん発付された退去強制令書がさかのぼって取り消されたことになるわけでございますから、初めからなかったことになる、しからば引き続き在留は継続しているというふうに考えるわけでございます。
○稲葉委員 特別在留じゃなくて、その在留の資格の中で、入管の白書みたいなので新しいのがありますね。あの中では、もうほとんど意味がないからこれはやめるんだというのがありますね。何か、高度な技術を持っている者とかなんとかというのがあるでしょう。これはやめないですね、これにはやめるようなことを書いてあるけれども。何か意味がないようなことを書いてあるんじゃないですか。「高級技術を提供する者」、令四条の一項十二号ですか、こんなのは残しておくのは無意味だ、こういう意味のことを書いてありますね。 それから、各種学校の生徒や語学教師等の場合、「第六号又は第七号に含まれると解されるものの、それらの号には含まれないものとして取り扱っている者がある。」とありますね。 ここのところがよくわからないですね。在留資格も、いまのような高級技術者とかなんとかというのは、無意味なら削ればいいし、それから、六号、七号というものも直すとか、こんなことは方法があったんじゃないですか。それはどうなっているのですか。
○山本説明員 確かに、いわゆる入管白書にはそういうことが書いてあるようでございますが、今回の入管令の改正は、時代にマッチすることを目指し、いま一つは、長期在留外国人の在留上の法的地位を安定させるということを目指した部分改正でございます。したがいまして、どうしてもこの際改正をしなければいけないと考えられるものに限って手をつけたということであるわけでございますが、そういう観点からいいますと、高度の技術者というものは確かに必要性は乏しくなってきておる、しかしながら、現実にこの在留資格の付与を得ておる者が三十名ほどおるようでございます。そういうふうにして、働きは悪くなったがまだ若干働いておるということでございますので、部分改正としてはどうも手がつけにくかったということでございます。 それからいま一つ、各種学校の生徒とか先生でございますが、生徒の場合には四−一−六、先生の場合には四−一−七を適用できるのではないかという議論があるわけですが、これを適用していきます上で一番のネックになっておりますのは、在留期間のことでございます。四−一−六の場合には一年、四−一−七、教授の場合には三年という固定した期間が決められておりますので、半年で帰るというような人になかなかこれを付与しにくい。ただ、この在留期間は省令で定められておりますので、これを改正して、一年なり三年なりの以下、その範囲内で自由に決めることができないかどうかということについて、いま鋭意検討しておるところでございます。それがもし実現しましたならば、この資格をもってこれらの四−一−六なり四−一−七なりを適用する道が開けるということになります。これはまだ結論が出ておりませんので、あれでございますが……。
○高鳥委員長 小林進君。
○小林(進)委員 何しろ、私はこれを八時間ぐらいやるつもりで楽しみでいたら、たった三十分だというのだ。三十分じゃ大した質問もできません。 そこで大臣、憲法二十二条のあなたの解釈をちょっと教えてくださいませんか、これは主権に関する重大問題でございまするから。
○奥野国務大臣 「居住、移轉及び職業選擇の自由」「外國に移住し、」「國籍を離脱する自由」を規定した規定のようでございますが、「何人も、外國に移住し、又は國籍を離脱する自由を侵されない。」というのは、日本人について言っているものだ、こう思います。
○小林(進)委員 この問題について議論したのじゃ大変ですけれども、最高裁の判決の中にも多数意見と少数意見の二つに分かれている。これはこれからの入管法の審議をする上においてわれわれの哲学的議論の基礎をなすのでありますから、どちらの説をおとりになるか、それも含めて、いわゆる信念、哲学に基づいた法務大臣の御答弁をひとつ願っておきたいと思うのであります。
○奥野国務大臣 日本国憲法でございますから、日本国の国籍を有している人間について規定している、こう考えます。関連して、外国人につきまして何らかの恩典を与えるということを否定するものでないものもあろうと思いますけれども、基本的には、日本国籍を持った人間についての規定だと考えております。
○小林(進)委員 どうも大臣の御答弁はわかったようなわからないようなことですけれども、最高裁における多数の意見としては、「憲法二二条は外国人の日本国に入国することについてはなにら規定していないというべきであって、このことは、国際慣習法上、外国人の入国の許否は当該国家の自由裁量により決定し得るものであって、特別の条約が存在しない限り、国家は外国人の入国を許可する義務を負わないものである」、外国人が入国してくるのを守る義務はないのだから、これに対しては何も責任はないのだ、こういう一つの意見がある。これは最高裁の意見です。 いま一つの方は、「憲法二二条一項のいう居住 ・移転の中には外国からの入国ということも入るものと解すべきである。」この居住、移転の自由は外国人が入ってくるのも含まれていると解すべきである。「そして、かような考え方によって、ひとたび、日本国民に入国の自由が保障されていると解するならば、第二二条第一項は、何人もといっているところからみて、外国人も、当然に、同様、入国の自由の保障をうけるものとみるべきである」、外国人も入ることは自由である、そう見るべきである、これは私の尊敬する真野先生の意見です。最高裁の裁判長をおやりになりましたかな。 こういう説があるわけなんですが、この法案の審議をやる場合に私どもは一体どちらの説を可として論陣を張るべきか、また大臣も、私どもに回答をいただけるならばどの立場に立って回答をお寄せになるのか。これを聞いておきませんと次の論陣を進めていかれませんものですから、どうぞひとつお願いします。
○奥野国務大臣 基本的には日本国籍を持っている者についての規定だと考えております。ただ、日本への入国を認めました場合に、入国を認めている以上は、特段の事由のない限りは、憲法二十二条の規定の精神にかんがみて、その外国人にあとう限り居住、移転の自由を認めていくという考え方であるべきではないだろうかなと、こう私は思っております。
○小林(進)委員 そのお考えにはちょっと賛成できませんが、ここでこれを議論していたのでは、私は八時間のうちこれだけで四時間ぐらいやらせてもらうつもりで実は楽しみに来たのでありますけれども、時間を抑えられてしまったので、それではこの問題は保留にしておきましょう。 次に、これは事務屋さんにちょっとお伺いするけれども、いわゆる条約発効後に生まれた第一世代の子と第二世代の子、第三世代は一体どれくらいいるか。そしてまた、それに対して入管上何で第一世代、第二世代、第三世代と区別をしなければならぬのか。
○山本説明員 現在一世、一二六−二−六該当者として在留しておる者は約十四万三千人弱、それからその子供に対して付与されます四−一−一六−二の在留資格で在留しております者、これも約十四万二千人強でございます。それからその子供、これは四−一−一六−三という資格を持っておるわけでございますが、これは日々生まれておりますのでなんですが、今日現在で約三千五百人くらいだろうというように推測されております。なお、このほかに、いわゆる協定永住許可を受けている者が約三十五万人おります。
○小林(進)委員 そこで、第一世代と第二世代、第三世代、それからいま協定永住ですか三十五万、これはみんな扱いが違うのですね。どういうわけでこの扱いを違わしているのか、その哲学的根拠を承りたい。
○大鷹政府委員 特に哲学的根拠と申すほどのことはございませんけれども、協定永住は日韓協定に基づいて請求によって在留が決められている、永住が認められている、そういう人たちでございます。 それから、法一二六−二−六、それからその子供の一六−二及び孫一六−三、こういう方々も協定永住の方同様、戦前から日本にずっと在留していらっしゃるいわば特殊な地位を持っている人たちでございます。したがって、こういう方々につきましては、法一二六によりまして在留資格がなくてもずっと在留できる、こういうふうに扱われてきたわけでございます。
○小林(進)委員 あなたはわかったようなわからぬような答弁ばかりしているのだけれども、ともかく第一世代の子供は、入管令に基づく省令で三年ごとに在留の更新を受けているわけだな。ところが、第二世代の子供、第三世代というのか第二世代の子は、法務大臣が特に在留を認める者という条件を付して、こういう者は三年ごとに在留を更新しているということになるわけだから、第一世代から見ると第三世代は実に不安定だ。在留を認めるには法務大臣の認定というものが必要なのだ。認めなかったならばあしたにもぽいだ、こういう状態にあるでしょう。なぜ一体これを区別しなければならぬか、私はそれを聞いているわけだ。いかがでございましょう。
○山本説明員 御説明申し上げますと、これは特に意図的に区別したということではあり得ないわけであります。先ほど局長が答弁いたしましたとおりに、いわゆる一世につきましては、法一二六によりまして別に在留資格、在留期間を決めるまではそのままでおっていいということになっております。したがいまして、無資格でおっていいということを法一二六で決められておるわけですね。ところが、この法一二六は、その二世である子供については何らの手当てをしていない。それで省令で一六−二という在留資格を、在留期間が三年でございますね、そういうことでとりあえずの措置をいたしたわけでございます。ところが、さらにその子供、三世につきましては、これは省令上も何の手当てもなされていない。しかしながら、国外退去を求めるという筋合いのものでもございません。合法的にわが国に在留を認めていく以上は、何らかの入管令上の在留資格を付与しなければいけない。この在留資格としましては、一六−一六は現在四つに分かれておりますので、正確に言うと一九ということかもわかりませんが、これらのいずれかを与える。どれを与えるかということであれば、一六−三しかないということになるわけでございます。 それで、先生お尋ねのように、哲学があってそういうふうに分けてきたわけではなくて……(小林(進)委員「便宜的か」と呼ぶ)そういうように御理解いただいて結構だと思います。つきましては、今回の法改正によりまして、それらの人に申請さえあれば無条件で四−一−一四の永住を許可するということにしたものであります。
○小林(進)委員 これは、実にあなたはわかったようなわからぬことを言うけれども、大変な問題ですよ。いいですか。一世だけは、それでもいま言うように無資格でも何でもいい、三年ごとに更新してくれるという。第二世代にいったら、これはまた省令で滞在を認めてくれるというけれども、その子供、三世代までいったら法務大臣が特に在留を認める者でなければ在留できないのだ。認めなかったらどこへ行くのだ、一体この子は。もう三世代だ、日本以外に言葉も知らなければ行くところもないわけだ。おじいさんかおばあさんなんかは第一世代で、韓国人であったか台湾人であったか中国人であったかわからないけれども、それをだんだん滞留の条件を厳しくして、法務大臣が認めなければと言う。認めなかったらどこへ行くのだ。どこへ行くの、この三世代は。言葉も知らなければ住みかもないんだ。それをだんだんむずかしくしていって、結局聞いてみれば、哲学も何もありません、便宜上これをやりましたとは一体何事だ。そういう残酷非道なことをやっているから官僚の政治だと言うのだ。何で一体こんなことをやっているのだ。いままでそういう例はないか。そういう日本語以外に言葉も知らない世代を法務大臣が認定しないで、はるばる追い出したなんという前例があるかないか。いやいや、大臣、あなただって命がけだぞ。
○奥野国務大臣 小林さんのおっしゃるような問題があるものですから、今回思い切って、国交のない国との関係等につきましても、従来、戦前において日本国籍を持っておった方につきましての日本居住を安定的なものにしたい、こういう考え方に立ったわけでございます。国籍を持たなくなってなお大量に日本に居住しておられるわけでございまして、この方が将来どういう姿でいくかということは、日本国にとっても大問題でございます。また、国籍国にとっても大問題でございます。また、本人についてもいろいろな考え方があろうかと思います。 さきに韓国との間では永住協定の話がつきまして、さらに将来の問題については、十年先、一九九一年においてもう一遍協議をしようということになっておりますので、今回、朝鮮半島出身者、台湾出身者等につきましても、一応従来からおられた方々あるいはそのお子さんの手当てはついているけれども、お孫さんの問題はどうなるのかということはしきりにここでも話題になっているわけでございます。もともと私たちとしては、本人が永住を希望される限りはできる限り永住してもらうことでいいと思うのでございますけれども、その永住の姿が日本人として永住していただくのか、外国人として永住していただくのか、これもやはり日本にとっても、また国籍国にとってもいろいろな考え方があろうかと思うわけでございます。 そういういろいろなこともございますから、韓国との間では一九九一年にもう一遍協議しようじゃないか、こういうことにもなつでおるわけでございますし、また、それとの関連におきまして、今回、朝鮮半島、台湾出身者について、申し出さえあれば永住してもらうということに踏み切りましたけれども、さらに孫子の代になってどうするのかという問題が若干残されている課題になっているわけでございます。
○小林(進)委員 大臣は将来のことに籍口して私の質問を軽く受け流してしまったのだけれども、こういう答弁はずるい答弁だ。私は、いままでのこういう行政の実に残酷なあり方を反省してもらうために言ったのだけれども、将来はそういう問題をとるとおっしゃるのだが、それじゃ将来は本当におとりになるのか。 では、次の問題を質問しましょう。 一体、同じ朝鮮人、半島人に対しても平等に扱われておりますか。いわゆるあなたの言うこの日韓協定のときの協定滞留した者と、いわゆる一般の人と、国籍を、あれは四十一年でしたか、ともかく一人一人絵踏みをさせるようにして、おまえは日本において韓国籍を移すか、おまえは北朝鮮に籍を移すかという、ああいうむずかしい騒動を起こして、それによって日本に滞在している朝鮮人に差別をつけましたな。これはもう御存じでしょう、言わなくたって。あったでしょう。答えなさいよ。
○大鷹政府委員 協定永住といわゆるそれ以外の朝鮮半島出身者との間では、退去強制事由につきまして差があるわけでございます。協定永住の場合には、七年以上の刑にならなければ退去強制にならない。他方、一般外国人は、二十四条の規定によりまして一年以上の刑の場合には退去強制になり得る、こういうわけでございます。この差は、当然日韓のように二国間協定が存在する国の場合と、国交のない国との間には差があってしかるべきで、やむを得ないと思います。 ただし、運用におきまして、いわゆる朝鮮半島出身者につきましても、退去強制事由については弾力的に運用しております。その結果、協定永住の場合とそうでない場合とは余り大きな差はないわけでございます。
○小林(進)委員 そうすると、あのときの協定永住ですか、やった者とやらない者の総括の人数の関係はどれくらいでしょう。何十万と何十万でしよう。
○大鷹政府委員 協定永住になっておる者は、現在三十五万名おります。他方、そうでない、一二六−二−六系統の朝鮮半島出身者は、約二十八万名でございます。
○小林(進)委員 それで、先ほどから私は憲法第二十二条の質問をやったわけだ。同じ外国人で、もし最高裁のいわゆる少数判決のごとく入国の自由があり、権利があるとするならば、それは差別をするということは大変な間違いじゃないでしょうか。差別し得る者は、日本国の利益または公安を害する行為を行うおそれのある者だ、これだけだ、私の勉学によれば。そのときにこそ入国を制限するとかあるいはそれを抑えるとかということは許されるけれども、それ以外に、日本国の利益や公安を害する以外は、おまえの国とは仲よくする、だからおまえの国のは入国に対しては特別のめんどうを見てやる、おまえの国とはそういう協定がないから、あるいは国交がないから、おまえの国の入国は差別をして不利な条件で入国をやってやるということは、これは私は日本国憲法のたてまえから間違っているのじゃないかと思う。 あなた、いま当然だと言われた。協定のあるのとないのとでは差別を設けるのが当然だと言われたけれども、それは重大な間違いじゃありませんか。これは特にいまこういう入管法なんというような法律を審議するときに、そういう政治的なおもんぱかりで——特にいま私が言っているのは、朝鮮人のことを言っている、朝鮮半島の人のことを言っているんだ。もとはみんな一つだ。それがたまたま日本の時の政府の政治的な関係で、韓国政府とは協定を結んだ、条約を結んだ、北の方には条約を結んでいないから、同じ日本に永住を認められても、たった一つ犯罪を犯しても、いわゆる韓国籍を持つ者は、その刑罰が七年に至らざる者は本国送還を受けることがない。けれども、同じ朝鮮人でも、その協定のときに、おれは韓国、朴政権の方へ行きませんと言ってそれを拒否した者は、同じ条件で日本に住んでいても、一年間以上の犯罪を犯せば直ちにさっさと本国送還の過酷な処罰を受けるという、これは七年と一年ですよ。その理由がいわゆる政治的な理由、協定とあなた言われたけれども、単なる協定という政治的な取引のために、同じ朝鮮人をこれくらい差別することは、私は、法の公平からながめても、また、移住の自由を認める、入国の自由を認めるという憲法の精神から見ても、大変な間違いじゃないかと思う。 この問題は、刑罰だけの問題じゃありませんよ。再入国の問題もまたしかり。どうですか、この問題。これは大臣、あなたからひとつ答弁をお聞きしたい。
○奥野国務大臣 永住を認めた場合の一般原則に従っているわけでございまして、それぞれの国と国交があります場合には、そのそれぞれの国と協定を結びましてどのような取り決めもできるわけでございます。しかし、そういう状況にありませんので、一般原則に従っているだけのことでございます。運用に当たっては十分な配慮はしていきたいものだと思います。
○小林(進)委員 大臣はこの運用に当たってもとおっしゃるけれども、私もちょっと資料を見ると、一つの例としては、北朝鮮の、朝鮮人民共和国ですか、二十周年にお祝いに行くために再入国を許してくれというのをついに拒否せられて、裁判ざたになって、第一審、第二審とも原告の勝利になったが、最高裁では、もうその祝賀会が終わっちゃったものだから、もうそんなに入国して帰ってくる実益といいますか、事実上それが必要でなくなったからということで、最高裁においてこれを許可しなかったという例があるんだが、この問題を受けて、今度のこの法改正の中でも、この協定をした国、いわゆる韓国人と、朝鮮民主主義人民共和国とは差別をする。その差別をする理由といいますか、その現行法規、一般永住は懲役一年を超えるときあるいは再入国のような問題について、現行規定でもこれは変更されない。そのされない理由として、しばしば政府間の問題になる再入国許可も、法務省入管は引き続き厳しく対処する方針だ、したがって、この程度の改正ならば、現状をこのまま残しておくことによって、日韓関係にも大きな影響はないと見られる。これはあなた方の政府の言い分なんだ。政府がこう言っているというのです。 やはり現行法においても朝鮮の方を厳しくする、再入国を厳しくする、懲役の問題も厳しくすることによって、韓国側は日本の政府に対して余りけちをつけない、これくらいの差をつけておけば韓国の方も、いま新しい大統領の全斗喚さんの方も、まあまあこの程度の差をつけているのならよかろうとおっしゃるだろうというのです。こういう注釈が入っている。皆さん方の法改正は、法の厳正を守るなどという気持ちはいささかもなくて、お隣の韓国がおっかないから、韓国にお世辞を使って、お気に入るようにこの法律をやっていこうという根性が見えている。これは大変な間違いじゃないかと私は思っている。どうですか、この問題は。
○大鷹政府委員 最初に、外国人に入国の自由があるかどうかという点について、先生は多数説と少数説を御紹介になりました。先生は明らかに少数説に立っていらっしゃるようでございますけれども、私どもは多数説の考え方でございます。つまり、入国を認めるかどうかはわが国の主権の範囲内のことでございまして、私どもの裁量事項である、こう考えております。 ところで、再入国許可でございますけれども、これは韓国であろうと北朝鮮であろうと、そういう国だからといって差別はいたしておりません。しかし、いわゆる利益公安条項というのがございまして、私どもとしては、再入国許可を与えることがわが国の国益に合致しているかどうか、国益に反しないかどうかということはやはり見るわけでございます。たまたまわが国の外交利益を非常に害するようなおそれのある場合には再入国許可を出しません。そういうケースがたまたま北朝鮮の場合には多いということはあるかもしれません。
○小林(進)委員 これは重大なる発言をあなたはしているんだ。だから、先ほどから私が言っているように、国家主権にかかわる問題でもあるし、わが国の利益、わが日本の公安を害するときだけには、その入国に差別をつけたり規制することができますよ、しかし、それ以外のことはできない、こう言うわけだ。あなたは、いま韓国と北朝鮮の差別をつけていることは、わが日本の立場から見て北朝鮮の方がどんなにわが日本の利益、公安を害しているか——もし、韓国の方はその心配はないが、北の方はわが日本の利益と公の利益を害しているからこういう差別を設けると言うのならば、その具体的な例をここでちゃんとお示しください。示さなければ私は了承することはできません。これは重大な問題だ。
○大鷹政府委員 そういう裁量は、具体的な事案ごとにその中身を十分調べて決めるわけでございますので、いまここでどういう事案と申し上げるものは持ち合わせておりません。
○小林(進)委員 その材料もお持ちにならなくて、いわゆる憲法の精神、それは多数意見であると少数意見であるとにかかわらず、基本的人権にも関するし、対国際問題にも関するし、個々の諸君にも関する、こういう問題を差別をつけておやりになって、そのまま改正をしないでこの法案をお出しになったということは、私は了承するわけにはまいりません。まいりませんけれども、与えられた時間が参りましたから、きょうは問題を留保いたしまして、これは次の日にやらせていただきたい。委員長、これは特に言っておきますけれども、私は法務委員会に何で来たかといったら、昭和四十一年当初から各委員会が非常に悪くなって、みんな質問者に時間の制限をするという風潮が出てきた。三十年や二十年代にわれわれがやっているころには、そういう委員の質問を時間で縛るなんてばかなことは日本の国会にはなかった。ところが、その委員会の中でたった一つ質問を縛らない委員会がある、それはどこだというと法務委員会だとわが党の理事は言った。それはりっぱだ、その輝ける伝統を守るためにあえて小林進老骨を提げてこの委員会に入れてもらおうというので私はやってきた。入ってきたら、いつの間にやら時間の制限だ、おまえは三十分だ、おまえは一時間だ。一体だれがこんな悪い前例を設けたのか。聞くと、いまの委員長になってからこういう悪風を生んだと聞いておるのでありますけれども、これも含めてひとつ徹底的に改良をされまして、次からは時間制限なし、私どもの質問が徹底的にやれるように改良せられんことを強く要望いたしまして、私の本日の質問を終わります。
○高鳥委員長 御要望として承っておきます。 次回は、来る二十七日水曜日午前九時二十分理事会、午後四時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三十六分散会