文教委員会 第6号
- 発言数
- 285 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/03/25
会議録
○谷川委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、委員長の指名により暫時私が委員長の職務を行います。 内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山原健二郎君。
○山原委員 法案の質問に入ります前に二、三お伺いをしたいのです。 一つは、共通一次試験の問題ですが、すでに三回経験をしまして、今年度も入学試験の時期を過ぎたわけですが、その中でどういうふうな反省点が出ておるかということですね。文部省として一応どういう見解を持っておるか、最初にお聞きしたいのですが、これはどなたでしょうか。
○宮地政府委員 お話のとおり、共通一次試験も三回目ということで漸次定着の方向にあると私ども考えております。本人の能力、適性を丁寧に適切に評価する、多角的に総合的な評価をするという点で十分そのねらいを果たしているものと考えております。 さらに具体的に言えば、たとえば従来でございますと、難問奇問というようなことで高等学校の学習について大変影響を与えていたわけでございますが、共通一次試験の出題そのものに対する一般の評価といたしましては、高等学校の学習指導要領ないし高等学校の教科書から逸脱をしていない、まあ、いい問題が出されているというような大方の評価を得ておるものと考えております。また、それを受けましての二次試験につきましても、面接とか小論文を課する大学とか、あるいは推薦入学を行う大学が漸次ふえてきておりますし、あわせて入試改善の動きが出てきている傾向があらわれていると私どもはくみ取っております。 それらを踏まえまして、これらのことが高等学校教育の正常化に資する点が多いのではないかというぐあいに考えているところでございます。
○山原委員 評価はいろいろあると思いますが、弊害も出ているのではないか、弊害と言ってはちょっと語弊があると思いますけれども。たとえば一次テストが六十点平均ということで、これをとるのも大変だというわけで、生徒にとりましては、いわゆる共通一次用のテストの準備と同時に、普通の大学入試の勉強とを両方やらなければならぬという、こういう事態になっておるのじゃないか。六十点という点数ですね、いわゆる高等学校の教科をあたりまえに受ければ少なくとも八十点ぐらいはとれるという、到達ができるのじゃないかという意見も出ておるわけでございます。 そういう点から考えますと、この問題と、それから結局、国立離れということも起こってきまして、三科目で入試を受けることのできる私学に流れていくというような問題、これも一つは高等学校教育に影響を与えると思うのです。 それからもう一つは、共通一次試験の時期ですね、この問題についても、これは前にこの委員会で小委員会まで設けて検討をしたわけですが、そのときには高等学校における三学期の授業というものをできるだけ確保するということが、ほぼ全員一致の意見として出ておるわけでございますから、そういった点を考えますと、高等学校教育に必ずしも影響がないのだ、いい状態ばかりだということではありません。そういう意味では、まだまだ検討しなければならぬ余地も残っておると思いますし、同時に、共通一次と二次試験との点数の配分といいますか、比重の持ち方、それを五〇%、五〇%にすべきだという意見も出ておりますが、こういうような意見に対して文部省としては、これを検討する用意があるのか、あるいは現在そういうものを含めて検討されておるのか、その点を伺います。
○宮地政府委員 御指摘のようないろいろな問題点ということも考えられるところでございます。また、共通一次そのものについての評価についても、見方によりましていろいろとなお御指摘のようなことがあることも事実でございます。制度といたしましては、私ども、従来の受験競争の激化というか高等学校教育の正常化に資するために、入試制度の改善ということで取り組んできておるわけでございまして、先ほど御説明申しましたような点で改善の実も上がっていると思います。 ただ、どのような制度でもと申すとちょっと言い過ぎかと思いますが、完全な仕組みというものはなかなかむずかしいものでございまして、一面から見れば、なお欠点とされるようなことのあることも考えられます。入試センターにおきましては、それらの問題点については、絶えず国大協を中心として改善について検討をいたしておることでございますし、今後、よりよい仕組みにしていくために、いろいろ言われております問題点を検討することは当然のことでございます。
○山原委員 共通一次をつくりました目的というのは、やはり生徒に対して無理な負担をかけないということで出発をしておるわけですね。高等学校教育をあたりまえに受ければ相当の点数を上げることはできるというのが趣旨で出発をしておると思います。そういう意味で考えますと、まあ万全なものはないと思いますけれども、しかし、それに沿ってできる限り高等学校教育に影響を与えないという点で改善を図っていくべきだと思いますので、これはこれ以上時間をとりませんが、その点では十分な配慮をしていただきたいと思っております。 文化庁長官がお見えになりましたので、一昨日発表されました十四期国語審議会の答申について伺いますが、この答申を、文化庁としてはどういうふうな受けとめ方をいたしておりますか。
○佐野(文)政府委員 このほど国語審議会から御答申を賜りました常用漢字表につきましては、過去八年間にわたって慎重に御審議を行われた結果、今回の答申の取りまとめになったものでございます。 この漢字表は、いわばこれまでの国語問題、漢字問題に関する長い議論、検討に決着をつけることになる大変重要な意義を持つものでございまして、そういうことから、審議会では、二度にわたってその内容を中間的に公表をして、各方面の意見を聞かれるというような、慎重かつ適切な手順をお尽くしになりました。そのことについて、私たちは深く敬意を表しております。 文化庁としては、この審議会の答申を受けまして、これを速やかに実施に移しますように、各省庁とも十分に連携をとりながら、十月を目途に内閣の告示、訓令を行うというような手続を進めてまいりたいと考えております。 なお、学校教育における取り扱いにつきましては、答申で明らかになっておりますように別途の配慮にゆだねられておりますが、これについては、初中局の教育用漢字調査研究協力者会議で速やかに検討が始められると承知をいたしております。
○山原委員 もちろん、われわれも、これに対する評価というかそういうものをいま出しておるわけでありません。ただ、新聞紙上を見ますと、やはり意見があるわけでございますし、まかり間違えば、戦後いままで漢字の負担を減少さしていくという方向が、今度の答申によって漢字をふやすという方向に転換をしたのではないかという、国語政策上の問題が一つ出ております。それがいいか悪いかは別にいたしまして、そういう疑念もあるわけですね。 それからまた、教育上の問題としては、いま長官がおっしゃったような規制があるわけでございますけれども、しかし、たとえば漢字の書き取りといいますか、これが一つは落ちこぼれの原因にもなってきた教育上の論議というものが、当然、これから出てくると思うわけです。 それからまた一面、今度たとえば「朕」とか「帥」とか「侯」とかいうような特別な、きわめて限定された使用しかし得ない爵位とか天皇の自称であるとかいうようなものが出てくるわけです。そういう限られた範囲の使用のものをここへ出してくるという背景には、現在憲法論議がなされておりますし、また最近教科書問題で主権在民についての規制的な発言も出ておる中で、そういういわば一種の反動的な背景の中でこういうものが織り込まれたのではないかという意見も出ておるわけです。 いずれにしましても、いま長官がおっしゃったように、なるべく早くということで、新聞を見ますと、秋には確定をするということが出ております。しかし、教育上の問題を含めまして、これは本当に十分論議をして国民的な合意の得られるような、そういう十分配慮した態度をとる必要があると思いますが、この私が申し上げましたことに対してどういうお考えを持っていますか。
○佐野(文)政府委員 国語、特に漢字の問題につきましては、この常用漢字表が答申されましたその内容について直ちに賛否の両論が新聞紙上等にもあらわれておりますことからわかりますように、従来から非常に多くの論議があったわけであります。そのことについて、いわば国語審議会が長期の期間をかけて英知を傾けて今回の結論に御到達になったわけであり、われわれとしては、その答申の御趣旨を踏まえて、それを速やかに実施に移してまいりたいというように考えているわけでございます。 なお、学校教育用の漢字につきましては、御案内のように、答申前文においても、特にこのことについて国語審議会としての考え方を示しているわけでございますから、それを受けた十分なる御審議が学校教育の側で行われることを期待いたしております。
○山原委員 そうしますと、文化庁としては、もう八年間かかって慎重審議された答申であるから、これをまるごと引き受けまして実施に移す、確定をするというお考え方ですか。いま出ておる意見を、さらにこれからも論議を呼ぶと思いますけれども、特に教育関係者の間からも意見はすでにもう出始めておるわけですが、そういうものを参酌するような余地は持っておりません、まるごとこれをそのまま受け取りまして政府の方針として出す、こういうお考えでしょうか。
○佐野(文)政府委員 御案内のように、学校教育用の漢字と人名用の漢字については、今回の答申では、それぞれ別途の教育上の適切な措置にゆだね、あるいは人名用の漢字については、戸籍法等の民事行政との結びつきが強いということを考慮して、その取り扱いを法務省にゆだねているわけであります。これらの問題については、それぞれこの審議会がお示しになったところに従って、それぞれの部局において慎重な御検討が進められ、これもまた速やかに御結論が得られることを私どもは願っております。 それ以外の、いわゆる一般社会における漢字使用の目安として示されたこの常用漢字表については、その趣旨に従って速やかに実施に移したい、そう考えているわけであります。
○山原委員 それでは秋まで待たずに、いろいろな国民の間の論議がありましても早く決定をするという、そういう方針ですか。
○佐野(文)政府委員 これについては、実施に移すための関係省庁との協議を重ねていかなければなりませんので、私どもとしては、先ほど先生もおっしゃいましたように、ことしの秋を目途に実施に移す、そういう段取りで進めてまいりたいと思っているわけであります。
○山原委員 私は、これをいいとか悪いとかいう評価をいたしておるわけではありませんけれども、特に慎重な態度をとっていただきたい。教育の適切な措置というのもありますけれども、しかし、歯どめもないわけでございますから、そうしますと、またまた過重な負担が教育現場にかかってくるというようなことも好ましいことではないと思っております。そういう意味で、十分慎重な態度をとっていただきたいという意味で質問をいたしておるわけでございます。 この問題は、また今後の問題でありますのでおきます。文化庁長官にはどうもありがとうございました。 もう一つの問題ですが、これは文部大臣にお伺いをしなければなりませんが、三月の九日に参議院の予算委員会におきまして、自民党の玉置議員が教科書問題、教育問題で質問をされておりますが、その中で、ほかのことはきょう申し上げるつもりは全くありませんけれども、こういう発言があるわけです。玉置議員が、印刷労連という、この印刷労連というのは間違いであろうと思います、出版労連のことだろうと思いますが、この出版労連を名指しにいたしまして、藤尾労働大臣に対して質問をいたしております。そして、この組合の委員長、副委員長、書記長、同次長、この名前を報告せよということに対して、細野労働省労政局長がその名前を発表いたしております。そうしますと、玉置氏が「これは総理、文部大臣、全部日本共産党員だ、共産党員に牛耳られておるんですよ。その事実をあなたどう思います。」、こう聞いているわけです。これは全国にテレビを通じて放映をされているわけでして、私もたまたま見ておったわけでございますが、国会の場で政党に所属しておるとかしてないとか——これは出版労連の方に聞きますと、全くのでっち上げであるということを言っておられます。 事実とも反することを、公然と、調べもしないで発言をしまして、そして名指しで攻撃をする。ある労働組合が、役員がどういう政党に所属していようが、仮に共産党に所属していようが、何党に所属していようが、これは憲法に保障された思想、信条の自由の原則がありますからね。そういうことをこういう場で攻撃するというのは、国会議員としての品性あるいは国会議員としての調査の綿密さ、そういうものを欠いたものとして問題があるところだと思います。 問題は、私は玉置氏のことをここで言っておるのではなくて、これに対して直ちに文部大臣が「まことに遺憾な点でございます。」と答弁をいたしておるわけですが、これはどういう意味でしょうかね。私も、共産党の国会議員として、こういういわゆる魔女狩り的な言い方、これがいかに日本国憲法に抵触する発言であるかということを、非常な怒りを持って聞いておったわけでございますが、「まことに遺憾でございます。」とは、一体どういう意味を言っておられるのか、伺っておきたいのです。
○田中(龍)国務大臣 私の答弁の問題でございますが、これはわれわれが、教科書というものの作成に当たりましては、あくまでも中正でなければならぬということは、かねがね申しておるところではございますが、たまたま御質問にありましたような党派的な影響のもとに万々一でも行われるようなことがありますれば、まことに遺憾であるという意味で申した次第でございます。
○山原委員 労働組合を構成するメンバーが何党に所属していようが、関係ないじゃないですか。ある会社の職員の名前を一人一人言わして、あれは全部自民党に所属しておるじゃないかというようなことで攻撃したことがこの国会の場でありますか。それぞれ人は思想、信条の自由が保障されている。これは戦前のあの悲惨な経験から、新たな憲法が保障した一番大事な問題でしょう。しかも出版をする印刷の労働者が本をつくっているのじゃありません。文部大臣の統率のもとに認定制度があって教科書はつくられているのです。言うならば政府の検定のもとに教科書はつくられている。そういうこともわきまえないで、組合におる者が何党に所属しているか、党派的なことで影響されて教科書が動かされるなんという単純なものじゃないですよ。 私は、この問題については、文部大臣にどうしてもその不用意な発言については不用意であったと言っていただかなければ承知できませんね。いかがですか。
○田中(龍)国務大臣 御案内のとおり、あのときのやりとりというものは、いまのそういうふうな懸念を万々一でも与えるようなことがありましては相済まぬ、相ならぬということを単に申しただけでございまして、労働組合の云々というような問題ではございません。疑念をかりそめにも与えるようなことがあってはならないと、かように存じて申したのでございまして、私の申しましたことには他意はございません。
○山原委員 まあ文部大臣、ときどき、お人もよろしいから質疑応答の雰囲気の中でいろいろの答弁をされることは、これは私はわかるのです。でもこれは、もう一回読みますけれども、これは「全部日本共産党員だ、」、これは「共産党員に牛耳られておるんですよ。その事実をあなたどう思います。」、田中文部大臣「まことに遺憾な点でございます。」こう言っているんですね。これは本当に……(発言する者あり)しかも、これは事実に反しているんですよ。自民党が、あなた、会社を、そういうことは冗談じゃないですよ。こういうことがこの国会の場で許されるのだったら、憲法を守るなんということを言わない方がよろしいとまで私は言いたいと思ってここへ立っているんです。(発言する者あり)何言っているんだ。冗談じゃないですよ。正当な質問をやっているときにそういうやじを飛ばすな。(「怒らないでやれよ」と呼ぶ者あり)あなたの方が怒っているんじゃないか。 どうですか。そういうやりとりから見まして、共産党員であろうとかなかろうとかいうことは問題じゃないのです。だから、遺憾であるということは、これは文部大臣の言葉じゃ私はないと思いますよ。もう一回お答えいただきたい。
○田中(龍)国務大臣 前後の関係から、かりそめにも、中正でなければならない教科書の作成に当たりまして、そういうふうなことがよしんばうわさされたりなんかするようなことがありますことは、われわれ、りっぱな教科書をつくり、中正な教科書をつくらなければならぬという念願の上から申しまして、まことにそういうふうなうわさが立つこと自体が遺憾である、かように申しただけでございます。
○山原委員 これは本当にこだわらざるを得ないんですけれどもね。そういう言い方だったら、どうしてそういうふうにおっしゃいませんか。教科書が党派的なものによって動かされてはいかぬというなら、それはそれでいいと思うんですよ。私らだって、教科書が不当な支配に服してはいかぬという教育基本法の原則から外れてはいかぬと思っていますからね。でも、それはこれとは違うのです。これは共産党員だからいかぬということになってきているんですよ。しかも共産党員であるとかないとかいうことが、この国会の席上で問題になるのかどうか。しかも本当に、この労働組合としては物すごく怒っておられる。そういうことを日本全国民が見ている中で決定的なことを言って、全部そうだというようなことを言って、それはどうだと言ったら、遺憾でございます、これは文部大臣、もし文部大臣がいまおっしゃるように、教科書が党派性によって右へ左へと動かされるようなことがあってはならぬという意味でおっしゃったのなら、そういうふうな発言できちんとされておいた方が私はいいと思います。 これはずっと議事録として永久に残りますからね。これは少なくとも現憲法下における政府閣僚の答弁としては不適切、しかも不十分と言えば不十分、もし補うのならば、はっきりと補っておかれた方がいいと思うのですが、その点いかがでしょうか。もう私もこれ以上は時間をとりませんから……。
○田中(龍)国務大臣 私は、ただいま申し上げたとおりでございまして、労働組合のことを申したのではございませんで、教科書それ自体がかりそめにも疑られるような、批判されるようなことがないように、あくまでも中正でなければならない、純粋でなければならない、かような意味で申した次第でございます。その意味でありますことが、私の今日の御答弁によりまして明確になってまいった、かように考えます。どうぞよろしくお願いします。
○山原委員 これは組合の方もずいぶん迷惑を受けておると思いますね、こういう言い方をされますと。しかも断定的なことを言って。私の党の方にも組合からも要請が参りましたし、各党の方にも要請が来られておると思いますが、本当に真実迷惑千万だということを言っているんですね。その点は文部大臣もぜひ心得ておいていただきたいと思います。 次に、法案の方に入りますが、まず鳴門教育大学に関しまして、これは前に上越、そして兵庫教育大学設置のときに、この委員会でずいぶん論議をいたしまして、この大学を受験する学生、それは現職現給で行かれる現場の先生方でございますが、その方たちが入学試験を受ける場合、それに対する教育委員会の同意の問題、同意とは何かという問題でずいぶん長時間かけて論議をしまして、時には初中局長と大学局長の意見も食い違ったりして、統一見解として大学局長の方から、同意というのは、事務的に取り扱う、きわめて事務的なものとして調整をしていくという意味の発言がなされております。ここへ議事録を持ってきていますが、これには長い時間かけた結果、そういう答弁を繰り返しておられます。 ところが、それが本当に守られるかどうかという点で質問をしたいわけですが、その一例といたしまして、愛知県教育委員会が、愛知教育大学・大学院に現職教員を受け入れておりますけれども、この研修派遣につきまして実施要項を出しております。これは昨年の八月二十七日に出しております愛知教育委員会の「研修派遣実施要項」でございますが、大学局長、これをお持ちになっておりますか。
○宮地政府委員 私は持っておりません。
○山原委員 私から中身をちょっと申し上げますと、まず「派遣の基準及び手続」というのがございまして、「受験者の資格要件」として「四年制大学卒業後教職経験三年以上十年未満で三十五歳以下」、こう書いております。これは年齢制限ですね。二番目に「教職の勤務及び指導力が優秀であり、身体強健かつ教育情熱に燃える者」、三番目に「大学院修了後も県下の小・中学校に勤務すると誓約書を出した者」、四番目に「上記要件を具備し、かつ市町村教育委員会が推せんした者」、そして「推薦の手続」としまして「イ、校長が、本人の受験の申請書、誓約書、教職実績書を添えて、市町村教委に推薦をする」、「ロ、市町村教委は、候補者一名を限度として教育事務所へ推薦をする」、「ハ、教育事務所は、そのうちから一名を限度として県教委へ推薦をする」、その際「名古屋市は、人口が多いから、三名を限度とする」という注がついております。「二、県教委は、別に定める選考方法により選考する」、こういう状態なんです。 そうしますと、校長のところで選考、次に地方教育委員会で選考、ここは限度一名、それから今度は、いわゆる郡の地方教育事務所、またここで一名にしぼって推薦をする、そして県の教育委員会へ行きまして、ここは別途に定める選考方法により選考する。この選考方法は私も入手しておりません。しかし、これだけを見ましても、もうしぼりにしぼっていくわけですね。 大学局長が、かつて上越・兵庫の場合に、同意問題が論議されましたときにおっしゃったこととは全く違う状態が出ているわけでございますが、これは文部省が少なくとも本委員会において答弁をしてきたこととは違っているわけでございますが、これはどうお考えになりますか。
○三角政府委員 現職教員が兵庫教育大学あるいは既設の教育大学あるいは一般の大学に内地留学するという場合もあるわけでございますが、これらの場合、これはやはり現職の教員でございますから、この受験については、先回の国会でも御答弁申し上げておりますように、まず本人が受験についての同意を、市町村の教育委員会に対して求めてくるということが筋道でございますが、これに対しまして市町村の教育委員会は、一定の基準に従いまして、都道府県の教育委員会と協議の上、同意を与えるというふうに指導しておるわけでございます。 この際の手続ないし基準といったようなものにつきましては、私ども文部省としての考えは、やはり大学院入学時において教職経験が三年以上となる者、そして、これは当然のことだと思いますが、やはり積極的な勉学意欲を有する者に対して同意を与えるということであるというふうに考えておるわけでございまして、一つの例でございますけれども、やはりこれは現職のままで給与等を受けて内地留学するわけでございますから、この入学志願者に大学院の課程の修了後もその都道府県において教員として勤務してもらう、そういう必要がありますから、そういう意思を持っておるということが必要であろうと思いますし、それからもう一つは、やはり現在学校に勤めておるわけでございますから、その方の大学院への派遣が学校運営上支障がないということ、しかも派遣によって有益な結果が考えられるということがございます。それからもう一つ、やはりこれも当然のことでございますが、入学志願者の心身が長期研修に耐え得るものであるということが必要でございます。それからもう一つは、やはり大学自体にも全体としての入学の枠がございましょうし、それから現職のまま派遣するということになりますと、長期にわたってその間の欠員になりますところを補充する手当ても必要でございますから、そういった意味で各都道府県としては、一つの全体的な計画的な執行をしていくということも必要でございましょうから、ただいま御指摘の愛知県のシステムというのは初めて承ったわけでございますが、愛知県においては、私どもの考えております、いま御説明申し上げましたような基本的な、基準的な考え方にのっとりまして、県としてのそういうシステムを考えられたのであろう、こういうふうに受けとめた次第でございます。
○山原委員 これは初中局長、いろいろ答弁していますけれども、いままで論議してきたことと全く違いますよ。これは論議の末、この合格の判定は大学が決めるものだ。しかも同意というのは、これははっきり議事録にも出ておりますから、少し読んでいただきたいと思います。大学局長が、これは佐野大学局長の当時ですが、これは私の質問だけでなくて他の議員の皆さんの質問に対しても、大学の自治を侵してはいかぬという観点からずいぶん論議した上、大学局長が「まさに私どもは事務的に考えて、受験の段階での同意というものを必要であるとしたわけでございます。」と言って、そして合格の判定は当然大学が行うものであって、この推薦過程の同意というのは、本当に事務的に、たとえばある先生が教育に対して情熱を持っているかどうかなどということは、何年も教職をやって大学院まで行って勉強しようとする人は、もともと受験するときからその意欲がなければ受験しませんよ、それをまた意欲があるかないかなんということを判定するようなことではいかぬじゃないかということの論議の上に、もう事務的にそれはやるのだということになっているわけです。 そうして参議院のこの法案が通りますときの附帯決議にしましても、入学者選抜は大学が主体的に行うものであるということが、附帯決議の中に満場一致で書かれているわけですね。そして、それが現実には、いま私が愛知教育大学・大学院に対する愛知県教育委員会のこの要項をお見せしたわけですけれども、これをあなたが認めるということになりますとどういうことになるかというと、一つは受験機会の均等を奪うわけです、一人にしぼっていくというのですから。地教委で一人にしぼり、地方教育事務所で一人にしぼり——わかりますか。たとえば一つの市なら市がありまして、そこで先生方が三人受けたとする、そうすると地方教育委員会は、これを一人にしぼるのです。そして、これが地方教育事務所へ集まりますと、これが郡単位といたしますと町村から何名か出てくるわけですが、地方教育事務所はまたこれを一人にしぼるのです。こんなことをいままで論議したことはありませんよ。そんなことになってはいかぬということで論議をして、そして受験の機会均等というものと大学の独自の権限、入学者を受け入れて試験をやって合否を決定するという大学の自治の原則を守れということ、さらに指導力とか情熱とかいうようなことで恣意が動いてはならぬということを、この前の兵庫・上越教育大学の設立に当たっても本当に言い詰めたところです。 これは、それを全く無視したことが行われておって、それをいま三角初中局長は追認をしているが、そんな論議にはなっていません。これはもうはっきりさせないと、ここから質問はできません。そんなことを許すことができるというのだったら、今度の鳴門教育大学あるいは兵庫・上越もそういうことになってきますと、前のこの委員会で論議をしたことと全く違った結果が出てきますから、これははっきりさせてもらいたい。
○三角政府委員 ただいまちょっと御引用になりました議事録、昭和五十三年四月五日付の文教委員会議事録第十一号二十九ページだけがありまして、途中で三十ページがないものですから切れておりますが、そこで佐野政府委員は、ただいまおっしゃいましたとおりに「まさに私どもは事務的に考えて、受験の段階での同意というものを必要であるとしたわけでございます。現在でも現職の者は、教員であっても、あるいは一般の公務員であっても、あるいは会社員であっても、それぞれ現職のままで勤務場所を離れて大学で勉強するときには、所属長の同意書を添付をして大学院の受験をしているという実態がございます。」云々と、こういうぐあいにお答えしているわけでございます。 現職のままで二年離れるわけでございますから、それは教員大学の大学院でありましょうと、一般の大学でありましょうと、あるいは外国留学でありましょうと、やはり所属の任命権者に対してお断りをして試験を受けるというのが、これはどの社会でも当然の筋道であるというふうに思います。ましていわんや教員というものは、指導的立場に立っている方でございますから、そういう当然社会で守られるべき手順というものは、これは文部省が言おうと言うまいと、教育委員会が言おうと言うまいと、やはりそういう試験を受けるという場合にはお断りをするというのが、職員としての当然の振る舞いであろうか、こういうふうに思うわけでございます。 そして受けまして、受かるか受からないかは、これは受験でございますから、大学が合否の判定を大学として独自におやりになるということでございますから、ただ、めでたく受かりました場合には、出張扱いというようなことで派遣をされるわけでございますから、やはりそういう前提での手順を踏むということが必要でございます。 それから、人数をしぼるということは、先ほど申しましたように、やはり一定の手順というものがございますからへこれは順次、適任な方に対して同意を与えでいくということは、教育行政上、人事行政上必要なことであろうと思います。 また、あえて大学へ入りたいという場合に、そういう出張とか派遣とかいうことでなく大学に志願するという、そういう自由は当然あるわけでございまして、そのもろもろに対して大学当局は、大学の自治という原則に従って合否の決定をしていただくということでございますので、私どもは、その間に別に矛盾はないというふうに考えておるわけでございます。
○山原委員 これはもう質問ができませんよ。ずいぶん論議した上で——そんなことは当然ですよ、現職現給で行くんだから。同意の問題について、同意の解釈のためにどれほどここで時間をとってやりましたか。あなたの答弁は完全に開き直りですよ。同意という言葉があるから何をやってもいいのだと言う。私、いま言ったでしょう。たとえば私がある町の教員をしておって、三年過ぎて新しくできた兵庫教育大学、上越教育大学へ行きたいと思ったときに、その受験の機会というものは事務的にやるということが最終的な答弁なんです。それを一人に町でしぼり郡でしぼり、そして推薦をしていく。もうがんじがらめじゃないですか。そうじゃなくて、それは事務的にやっていく。もちろん現職の教員が離れていくわけですから、同意も必要だと思います、出張命令も出るわけですけれども。しかし、その取り扱いとしては、その教育を受けたいという者に対しては事務的に取り扱っていく。現に各県がいまやっているわけです。何とか公平にやろうという努力をしているわけですよね。そういうためにわれわれは論議をしたわけでございますが、いまの三角さんのお話を伺いますと、これは何でもできますよ。 しぼってしぼって、たとえば兵庫県なら兵庫県で何名かにしぼられていくとか、そういうことになっていきますと、教育の機会均等の問題、あるいは大学の側としても、試験をやって合格の判定をしまして、その後にたとえば一つの町に何名も出てきたとか、恐らくそんなことは現実にはないと思いますけれども、そういうときには、もちろん教育委員会が、いろいろな人事の問題とかあるいは全体的な研修の問題とかいうようなことは考えられなければならぬだろうけれども、その自由は少なくとも保障していくという意味で事務的に取り扱っていくのですということを結論として私たちは審議してきております。 それを、いまのようなおっしゃり方をしますと、これはいままでの論議の経過とは全く違いますから、これはちょっと文部省として意見を統一して返事をしてもらいたい。これ以上この問題で質問できません。(発言する者あり)
○谷川委員長代理 答弁する前に打ち合わせてください、大事なことですから。
○三角政府委員 山原委員の御質問は、事務的に処理していく、こんなものはのけたらいいと思うというような御発言で、ですから、山原委員の御主張は御主張であろうと思います。 ただ、佐野政府委員のお答えは、事務的に取り扱うとは申してないのでございまして、事務的に考えて受験の段階での同意というものを必要であるとした、こう言うているわけでございますから、先ほど違うとおっしゃいましたけれども、私どもは、そんなに違ってないと思っているのでございます。 それで、この取り扱いについては、当時の統一した見解での御答弁に基づきまして、昭和五十四年六月二十八日に文部省初等中等教育局長から各都道府県教育委員会教育長に「兵庫教育大学への教員の派遣について」という通知を出しまして、先ほど御答弁申し上げましたような基本的な、原則的なことは都道府県の教育委員会に通知をしたわけでございます。そして、その通知に基づいて具体的にどういうシステムを考えるかは、これは教育の地方自治の原則に従いまして各都道府県の教育委員会がお決めになることでございます。 それで、別に愛知県の決め方が大学の自治を侵犯しているというふうには私は受け取っておらないわけでございます。
○山原委員 これは本当に教特法の研修の機会を与える問題などを含めましてものすごい問題を持った発言をあなたはしておられるわけですよ。 あなた方がおととしの六月二十八日ですか出されたこれを持っています。一定の制約があることは、これは現職の教員ですからわかりますけれども、それをあなた、愛知県の教育委員会のごとく、もう二重、三重にチェックをするというようなことになってきますと、結局、教育委員会の恣意的なものによって受験する人がしぼられてくる、そういうことはしてはならぬということで論議をしたものを、もとへ返して、これで結構でございます、こんなこと言われたら、とても質問はできません。委員会でこの前幾日も討議したことが本当に雲散霧消してしまうわけです。 大学局長も、こんなお考えですかね。
○宮地政府委員 私ども御提案申し上げておりますのは、もちろん前回の論議を踏まえた上で今回の鳴門教育大学についても御提案申し上げておるつもりでございます。そして前回も御答弁申し上げておりますように、合否の決定をいたしますものは当然に大学でございます。現職現給のまま受験をするに当たっては、所属長の同意を要するというのは、先ほど初中局長から御答弁申し上げたとおりでございます。ただ、それは大学受験についての手続としてそういうことを決めさせていただいておるということでございますが、それでは大学の取り扱いはどうかと申し上げますと、現職現給の保障がなくても行きたいという教員について受験を拒むものではございません。それは手続的に見れば、本来、会社員であれ公務員であれ教員であれ、所属している者が、大学院を受験するに際しては、所属長の同意を得るというのが、もちろん原則的な事柄でございます。 そして教員の場合に、その同意について、先ほど初中局長が御答弁申し上げたような現職現給を保障するという意味で、内部的にいろいろ判断を要する事柄がございますから、それらの手続はあるわけでございますが、大学側といたしましては、一般的にはもちろん同意を添付してもらうわけでございますけれども、たとえば現職現給の保障がなくとも自分は大学を受験したいという者を拒むものではもちろんございませんし、具体的にちょっと数字を申し上げれば、兵庫教育大学でございますが、本年度、五十六年度の入学者選抜につきましても、受験者の中に所属長の同意のない者が四名おりまして、同意のない者につきましても二名が合格者として決定をいたしておるというぐあいに聞いておるわけでございます。 したがいまして、大学としては同意書の添付は全く事務的に添付をいただくわけでございますが、合否の判断に当たりましては大学自体が判断をするということについては、同意の有無にかかわらず判断をいたしておるというのが現実でございまして、その点は大学自体が決定をしているということについては、そういう具体的な事柄からも御理解いただける点ではないかと思っております。 同意のない者が現職のまま就学するかどうかということについては保障がないわけでございますけれども、大学としてはそれについて特別の取り扱いはしていないということでございますので、これは前回御答弁申し上げた事柄と、ただいま初中局長並びに私が御説明申し上げている事柄とは齟齬することではない、かように考えております。
○山原委員 本当にこれは何を討議しだってだめだという感じがしますね。 あなた方が今度「兵庫教育大学に対する現職教員の派遣について」という文書を出しておられますね、これをちょっと読んでみますと、内容は「受験者の資格要件」として「現職経験三年以上の教員」、これは上限は構えておりませんが、たとえば愛知の場合、先ほど言いましたように「三十五歳」というふうに決めておるわけですね。それから二番目の「同意を与える場合の基準と手続」については「積極的な勉学の意欲を有する者に対し次の基準により同意を与える」、その中身は「終了後もそれぞれの都道府県において勤務する意思を有する者」、こんなことはわかるんですよ。行ってしまわれると困るから、勉強したら帰ってきてください。そういう一定の制約があることは、これは現職教員ですから、全くそれものけてしまえなんということを、いま私は言っているのじゃないんです。その次に「大学院派遣が学校運営上支障がなくかつ有益であること」、それから「長期研修に耐え得るもの」、そして「以上の者に対し市町村教委が県教委と協議の上同意を与える」という、ここのところなんかも、ずいぶんこの前の論議で詰めて、市町村教委が同意を与えるのか、あるいは県教委が与えるのかというようなことも論議された結果、こういう言葉になったと思います。「市町村教委が県教委と協議の上同意を与える」ということですね。そして「県教委が協議に応ずるに当たって次の点に留意する」ものとして「長期研修計画との調整、人事異動等の長期人事計画との調整」ということで、財政事情という点でとどめているのが、これは上越もそうだと思いますが、文部省が出した兵庫教育大学に対する研修派遣のいわば通知ですね。 これと先ほどの愛知の場合とを考えると、ずいぶん違いがあると思うのです。これだけでいきますと、各県の教育委員会によってばらばらになっちゃう。たとえば今度の兵庫の場合だって、抽せんでやったところがあるでしょう。八十人も受ける人がおって、これが全員合格されたら困るということもあったと思いますから、無作為抽出をやって入学試験を受けていただいておるところもありますね。だから、そういうところはまた大変厳しく、一人一人にしぼっていくというような県も出てくる。だから、その辺はできるだけ事務的にやっていく。その基準としては、文部省の考えられたこの基準で事務的にやってほしいというのが、文部省のいまのお考え方ではなかろうかと思うのです。それを、愛知県教育委員会がやっていることまで是認をするということになりますと、これは大変厳しい県も出てくれば、そうでもない、比較的自由に受験できる県も出てくればというばらばらな状態が出てくるわけです。 だから一番いいのは、できるだけ事務的に処理をしていく、こういう立場が一番いいのじゃないかと思いますけれども、愛知のこれまで認められるということになりますと、いままで論議したことは水泡に帰してしまうというふうに思うのです。大学の自治の問題あるいは研修を受ける問題を含めましてこれは本当に考えていただかなければならぬと思います。だから、これはちょっと論議をしていただきたい。
○谷川委員長代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○谷川委員長代理 それじゃ速記を起こしてください。 山原委員の質疑の問題点につきましては、理事会で協議いたしたいと存じます。 午後一時に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十分休憩 ————◇————— 午後一時六分開議
○谷川委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小杉隆君。
○小杉委員 今度の国立学校設置法の一部を改正する法律案の中で、いままでの東京大学の宇宙航空研究所を廃止して、宇宙科学研究所にする、国立大学共同利用機関として新たな機構にするということですが、こうしたことをするねらいとか目的を、まず聞かせていただきたいと思うのです。
○松浦(泰)政府委員 お答えいたします。 国立大学共同利用機関は、先生も御存じと存じますが、大規模な施設・設備を設置し、あるいは特定分野についての資料を組織的、網羅的に調査、収集しまして、多数の研究者の共同利用に供し、また多数の大学の連携、協力によりまして、特定課題の研究開発を行うということを目的とする組織でございます。 現在、七機関があるわけでございますが、東京大学付置の宇宙航空研究所につきましても、その辺との関連の問題が検討されまして、学術審議会からそのような答申が出まして、それに基づいて東京大学、特にその宇宙航空研究所自体を中心としていろいろ検討してまいった次第でございます。 最近では、宇宙開発に関しましても、多くの大学の研究者の共同により推進するという面が非常に強まってまいっておりますし、また政府の関係機関との連携、協力ということも必要でございますし、また国際的にも、こういう宇宙科学の研究を協力して進めるというような方向が強く出てまいっておりますので、そういう背景で検討の結果、東京大学に付置というよりも、全国の大学の共同利用機関として独立するというような方針で一致いたしまして、それを今回、予算案の裏づけもしまして、国立学校設置法の中に盛り込んで御審議をいただくというような段階に至った次第でございます。
○小杉委員 いま宇宙研究のためにいろいろな大学で研究が行われているということですが、具体的には東京大学のほかにどういう大学でいままで研究が行われてきているか、もしおわかりでしたらお答えいただきたいと思うのです。 それからもう一つは、いままでわが国では宇宙研究あるいは開発のためにいろいろな機関が関与していると思うのですが、どういう機関があるのか、ひとつわかる範囲でお答えいただきたいと思います。
○松浦(泰)政府委員 航空関係が従来こういう宇宙航空関係の主体になっておったのでございますが、一例としまして航空関係の学科を設置しております状況を申し上げますと、国立の大学では、東京大学、これは航空学科というのがありまして、十一講座ございます。それから名古屋大学が同じく航空学科、京都大学に航空工学科、九州大学に航空工学科というようなものがございます。また私立の大学としましては、東海大学に航空宇宙学科、日本大学に航空宇宙工学科、大分工業大学に航空工学科、九州学院大学に航空工学科というようなものがございます。これは学科として相当規模の組織を備えているものでございますが、それ以外にも講座等で工学部の中に、いろいろな分野の学科の中に組み込まれているというような学科もございます。そういうようなところが大学関係の主たる機関であったわけでございます。 ただ、ロケット関係につきましては、御存じのように東大の宇宙航空研究所、これは前身の時代でございますけれども、いわゆるペンシルロケットからロケットの研究を始めまして、それから国際地球観測年に当たりまして、ロケットによる観測を始めるというようなことから発展しまして今日に至っている次第でございます。 なお、政府関係の機関としましては、主なものは、科技庁所管の宇宙開発事業団、それから科学技術庁が設置しております、ちょっと正式の名称を忘れましたが、航空研究所がございます。それは直接そういう航空関係をねらっておる機関でございますが、それ以外にも、こういう宇宙科学に関連いたしますと、いろいろな通信網あるいはその他の材料関係等もございますので、それ以外の省庁にも関係があるものと考えております。
○小杉委員 私、各大学のを聞いたのは、航空の方じゃなくて宇宙開発の方をやっている大学はどういうところがあるかということを聞いたのですが、これは東京大学だけというふうに理解してよろしいのですか。ロケットをやってきたのは東大の宇宙航空研究所だけだというふうにお答えがありましたが、そのことと、それから航空を今度切り離してしまうわけですけれども、いままでこの研究所でやってきた航空の部門というのは、この後どうなるのか、それもあわせてお答えいただきたいと思います。
○松浦(泰)政府委員 ロケット関係につきましては、東京大学の宇宙航空研究所がほとんど主体になっておるようでございます。ただ、材質、材料等に関係しましては、ほかの大学の関係部門もこれに関連しておる場合があるというふうに伺っております。 それから、今回の宇宙科学研究所としての独立に際しましては、従来三百八十四名の定員があったわけでございますが、そのうち主として航空に関係します分野の先生方が、東京大学工学部の環境工学研究施設というものを時限的に設置しまして、その中に移行される。それからごく一部の方が、あるいは四名か五名であったと思いますが、東京大学の教養学部に移行されますが、あとの二百数十名の方が新宇宙科学研究所に移行されるというような内容になっております。
○小杉委員 先ほどの説明ですと、要するに宇宙開発研究について日本のいろいろな大学の英知を結集するのだとか、あるいは国際協力があるのだというようなお話がありましたけれども、ただいまの説明では、結局ロケットをやってきたのは東京大学だけなんですね。ですから、ここでいわゆる共同利用機関として各大学から英知を集めるという趣旨にはならないのじゃないかと思うのですが、その辺はどうお考えになっておられるのか。むしろ、いままである各省庁のものを一本化した方が、もっとすっきりするのじゃないかと思うのですけれども、何で特別にこれだけ独立をさせたのか、その辺もうちょっと説明していただきたいのです。
○松浦(泰)政府委員 先ほど東大の宇宙航空研究所が中心になってロケット関係を進めてきたというように申し上げたのでございますが、従来の東大宇宙航空研究所における工学及び観測上の成果というような点からしますと、たとえば工学上につきましては、固体燃料ロケット技術というものをいろいろ開発しました。また人工衛星の技術、宇宙電子技術、高強度軽量材料の技術、それから気球による宇宙線の観測等も行っておりますが、こういう分野につきましては、従来から、この研究所が大学の共同利用施設として、東京大学付置ではございますが、性格としましては大学共同利用の機関として運営されておった経過がございます。 そのようなことで多数のほかの大学からの研究者も実際にこれには参加いたしておった次第でございますが、先ほど申し上げました事情によりまして、今度独立しますと、その運営につきましては、特に関係大学の関連科学者が評議員としてこれに参加され、その運営について、そういう方々に諮問しながら運営されていくということで、もっとそういう共同利用性という性格が強まる次第でございます。 それからまた、研究の部門につきましても、客員部門というものを九つ設けまして、それに他大学等の研究者が、そこの新宇宙科学研究所の職員として参画されるというような部門もつくる予定でございます。そのうち二部門につきましては、外国の研究者を客員教授等として招聘して、これに参加してもらうというようなことで、最近における趨勢にかんがみまして、そのような計画をいたしておる次第でございます。
○小杉委員 先ほどの御説明では、この文部省所管の研究所のほかに、宇宙開発事業団その他の機関があるということですけれども、ちょっと私が調べてみたところ、この宇宙開発に関係をする機関というのは、総理府を中心とする科学技術庁、そして宇宙開発委員会というようなのがありますし、また外務省、文部省、通商産業省、これは特に工業技術院というようなものがあります。また運輸省関係では電子航法研究所とか海上保安庁、気象庁などが関係しておりますし、また郵政省の電波研究所とか建設省の国土地理院、これだけざっと挙げただけでも宇宙開発に携わる機関というのが非常に多いわけでございますね。 こういう他の機関と今度の共同利用機関との関係、特に宇宙開発事業団との関係も含めてひとつお答えいただきたいのですが……。
○松浦(泰)政府委員 他の機関との協力関係でございますが、たとえば宇宙開発事業団等の関係につきましては、東大の宇宙航空研究所が開発しました科学衛星の基礎になっておる技術が、たとえば補助ブースター等につきましても、あるいは電子的な通信連絡の機構等につきましても、いろいろな分野でこれが活用されております。また東大の宇宙航空研究所は、大学の関連の機関でございますので、大学院生等の教育、研修等も担当しておりまして、ここを出ました若い研究者が、それぞれの機関に採用されて、それぞれの機関において活躍しておるというような状況もあるわけでございます。そのような意味におきまして、先端的な基礎科学の推進を中心に担っておるわけでございますが、その成果は広く関係機関にも利用され、活用されておるというような状況でございます。
○小杉委員 そういう御答弁ですけれども、私の聞いたところでは、大体宇宙開発事業団は、主として外国からのいろいろノーハウを学んだり、あるいは機材を輸入したりしてやっている、それで、東大の研究所の方は、純国産で自分たちだけのノーハウを開発しているというふうに聞いておりますので、そんなうまいぐあいに連携がいっているのかなというふうに疑問に思いながら聞いていたのですが、同じ質問を、科学技術庁の方見えていますね、大体現在、開発事業団と東大の宇宙航空研究所との役割り分担というか、その辺はどういうぐあいになっているのか、もう少しあなたの方のサイドでお答えいただきたい。
○吉村説明員 お答え申し上げます。 宇宙開発事業団は、気象だとか通信、放送のような実利用分野の衛星を打ち上げる能力を持たすということでつくられたわけでございまして、現在、そういう種類の衛星を打ち上げるロケットの開発及び衛星の開発、追跡等を行っているわけでございます。 それで、東京大学でいままでやられましたことは、むしろ科学研究、宇宙空間がどういうふうな形になっておるか、そういう科学研究を行いますためにロケットを開発され、衛星を開発されているわけでございます。 目的といたしましては全く相異なっている、しかしながら、同じ宇宙分野において活動するわけでございますので、技術的にはお互いに交流をする必要があるというふうに考えておるわけでございます。 先ほど宇宙開発事業団は、外国からの技術導入というふうな御指摘がございましたが、私どもといたしましては、早急に外国のレベルに追いつくということから、やむを得ずそういう方法をとっておりますが、現在持っておりますロケットの次のステップにおきましては、自主開発を進めたいというふうに考えておるわけでございまして、その際に東京大学でいろいろ開発されました成果を生かさせていただくということで、東京大学の研究者の方との交流のための連絡会も開いておりますし、宇宙開発事業団の部内組織といたしまして客員開発部員制度というのがございますが、それにも参加をしていただく、それから宇宙開発事業団の中の技術委員会のような組織にも御参加いただきまして、お知恵を拝借しておるという状況でございます。
○小杉委員 私どもから見ると、同じ宇宙開発でありながら、こうしていろいろな機関がばらばらにやっている。目的が違うのだとは言うものの、やはり基礎研究と応用とか実用という面は密接不可分につながっているものだと思うのです。 アメリカのNASAの機構とか予算とか、それと日本のこうした宇宙開発に費やしている予算、各機関全部合計してどのくらいになるのか、あわせてお答えいただきたいと思うのです。
○吉村説明員 お答えいたします。 NASAの予算でございますけれども、一九八一年度の予算規模で五十二億六千百万ドル、これは換算レートを二百十九円にいたしますと一兆一千五百三十億円ということになるわけでございます。NASAは航空部門も持っておりますが、これは宇宙部門だけの数字でございます。 わが国の宇宙開発関係の予算規模でございますが、五十五年度予算では総額で一千二十億円、五十六年度予算では一千五十億円ということでございまして、アメリカの十分の一弱というような状況にございます。
○小杉委員 アメリカの宇宙開発というのは、NASAで一本化されているというふうに聞いておりますが、そう理解してよろしいわけですか。何かほかに基礎研究のようなセクションもあるのかどうか。
○吉村説明員 アメリカの宇宙開発体制でございますが、御承知のとおりNASAという非常に大きな組織がございまして、そこでは宇宙科学から宇宙の応用に至りますかなり大規模な研究をやっておるわけでございます。しかしながら、中身を詳細に見てまいりますと、予算的にはNASAの予算でカバーをするにいたしましても、研究組織といたしましては、基礎的な研究をやります場合だとか実際に打ち上げますところとか宇宙と通信をいたしますところとか、そういう組織につきましては、やはり管理上の観点から分割をしておる、それぞれの内部の研究所的な組織にしておるわけでございます。たとえば、この前のボイジャー計画で非常に有名になりましたカリフォルニア工科大学のジェット推進研究所というのは一大学にありながらNASAが支援、お金を出すというやり方で、それぞれの組織の力を結集するというやり方をやっておるわけでございます。 それからNASAは、そういうわけで宇宙開発を引っ張っていくということでかなりの部分を分担しておりますが、アメリカの政策といたしましては、人工衛星等の利用につきましては、やはりそれぞれの利用に関連するところに渡していくというような考え方を持っておるようでございまして、通信につきましては、もうすでに民間の通信の機関の方に渡しておる。それから、現在やっております気象衛星とか地球を観測いたしますランドサットのようなものにつきましても、それぞれの仕事に密接な関係を持つ機関に仕事を渡していくということを考えておるというふうに理解をいたしております。
○小杉委員 文部大臣に伺いますが、いま日本は世界でも有数の科学技術水準を持つ国だと言われておりますね。特に最近の自動車産業、世界一になって、いま日米の自動車摩擦などが非常に緊急の課題になっておりますし、またカラーテレビやVTR、カメラ、時計、その他精密機械においては恐らく世界一の水準を持つ国になったわけですけれども、事、宇宙開発に関してはきわめて立ちおくれている。いまの説明にもありましたように、アメリカのNASAの予算を見ましても、わが国は、各省庁でやっている宇宙開発のあらゆる予算を総合しましても、わずか十分の一でしかないということになるわけです。ただ単に宇宙開発と言っても、これは、たとえばいろいろ建築の材料の改善であるとか、あらゆる分野に貢献する分野でありますので、私たちは、やはり二十一世紀の日本の国民が本当に生き延びていくということを考えるとしたら、この宇宙開発というものをもっと積極的に取り上げる必要があると思うわけですけれども、これは大変なお金と時間がかかるわけです。しかし、どんなにお金がかかり、時間がかかっても、将来に対する投資ということで、私どもは、おろそかにしてはならないわけであります。 そこで、今度こうした宇宙科学研究所が独立をして、共同利用機関として発足するわけですけれども、わが国の宇宙開発の全体の取り組みの中でどのような役割りを果たすと期待をされておられるか、お伺いしたいと思うのです。
○田中(龍)国務大臣 お説のとおりでありまして、宇宙開発の問題につきましては、まだ本当に後進性と申しますか、アメリカと比較いたしましても、あるいはまた、よくわかりませんが、ソ連等と比べましても、大変いろいろな問題があると存じます。その問題につきまして、最も高能率で、しかも、なけなしの予算と人間でやっていこうというそのあれに対しまして、先生のお考えは、そんたくするのに、なぜこれが二元的になっているのだろうかというような御懸念もあると思うのです。 御案内のとおりに、私は、科学技術の問題に就任以来取り組んでまいりまして、何とかこの科学技術全般の問題を大いに伸ばしていきたいという意欲に燃えておるわけであります。 その場合に、いままでのいろいろな経緯がありましょうが、事業団として発足する方がいい、あるいはまた純粋の姿において東大と事業団との二つの問題に分かれた経過なんかもありましょうが、私は、この問題について、われわれが宇宙開発の後進性を取り戻すためには、ぜひともこれを開かれた姿において総力を挙げて共同研究ということにしなければいけないという気持ちが一つ。もう一つは、後継者養成という問題が非常に重大な問題である。今度も、御承知の科学技術会議を中心といたしましたいろいろな検討に当たりましても、文部省といたしましてのあれは、学術研究の基礎的なものと取り組むということと、もう一つは、後継者を育成していこうということに専念をいたしております。同時にまた、科学技術の中におきましても、より実践的な、より企業的ないろいろな分野があるわけでありますが、そういうのは各省庁における科学技術の研究機関に任せて、われわれといたしましては、あくまでも基礎の問題と後継者の養成という問題に焦点をしぼりまして、全力を挙べてやってまいりたい、かように考えております。 当該宇宙ロケットの問題につきましては、事業団のやっておられるところが宇宙ロケットと言えば、そのように一言で言えますけれども、これまた分野が違う。今度の打ち上げなんかでも、非常に高度の軌跡を回っておるわけでありますが、東大の場合におきましては、むしろ距離も非常に短い軌道で運行いたしておる。あるいはまた液体燃料にするとか固体にするとかいう問題もある。やはりおのおのの分野において特色を発揮してもらわなければならないとはいうものの、いま先生のおっしゃったように、一元化したらどうだという議論がありますことはよく承知いたしております。ただ私どもの方は、あくまでも後継者養成と基礎研究に真剣に取り組もう、こういうことでございます。
○小杉委員 東大宇宙航空研究所は、三十年にペンシルロケットを打ち上げて以来、いろいろなロケットを打ち上げてまいりましたけれども、いままでの実績をひとつお答えいただきたいと思います。 そしてあわせて、宇宙開発事業団が昭和四十四年に発足以来、人工衛星を幾つか打ち上げておりますけれども、その成功、不成功、その実績をそれぞれお答えいただきたいと思うのです。
○松浦(泰)政府委員 東大宇宙航空研究所におきましては、いま先生のお話がございましたように、三十年四月にペンシルロケットの試射をいたしました。それから三十三年の国際地球観測年にカッパ6型のロケットで初参加をいたしております。それから三十九年にはラムダロケットで高度一千キロメートルまで到達するというような成果を上げておりますが、いま中心になっております科学衛星につきましては、四十五年の二月に試験衛星に「おおすみ」を上げまして、以後、本年二月二十一日の第七号科学衛星まで十二個の科学衛星を成功裏に打ち上げております。 それから、今回の科学衛星につきましては、当初計画と実際の高度との比較でございますが、三月十六日現在におきましては、地球一周の周期が、計画では九十七分程度を予定いたしておりましたが、実際には九十六分九秒ということで一分以内の誤差でいま回っておる次第でございます。 それから、近地点の高度も、五百七十キロの計画に対しまして五百七十七キロとごくわずかの差でございます。それから、遠地点高度にしましても、六百八十キロの計画に対しまして六百四十二キロというような高度で維持しておるわけでございます。 それから、この打ち上げ直後に太陽が、数年に一度というような太陽フレアと言われております爆発現象が生じまして、これを良好な状況に観測しまして、そのデータが研究所に参っておるというように聞いております。 なお、今後の計画としましては、五十七年度に第八号科学衛星としましてエックス線星、銀河エックス線、星雲等の観測をいたすもの、それから五十八年には第九号科学衛星、これは大気観測とか電離層プラズマの特異現象の解明という目的でございますが、五十九年度には第十号科学衛星としまして、数十年ぶりに地球に近づいてまいりますハレーすい星の紫外領域における観測のための衛星を打ち上げるというような計画を進めておる次第でございます。
○吉村説明員 宇宙開発事業団の実績でございますが、宇宙開発事業団が打ち上げております衛星の数でございますけれども、いままで十個、宇宙開発事業団の衛星ということで打ち上げを試みたわけでございます。ただし、そのうちの三個は、アメリカに依頼をいたしております。また十個のうち一個は、ロケットと衛星の切り離しで失敗をいたしました。それからもう一個は、衛星に積んでありますアポジモーターというのがございますが、それの点火の段階での失敗がございまして、失敗の例といたしましては二件でございます。 従来、宇宙開発事業団では、NIロケットという百三十キログラム級の静止衛星の打ち上げができるロケットの開発を進めてまいったわけでございますが、もっと重い人工衛星が必要であるという要望が多くございまして、現在、三百五十キログラムの静止衛星を打ち上げるNIIロケットを開発中ということでございます。本年二月に打ち上げましたロケットは、このNIIロケットの初号機でございまして、テストフライトをやったわけでございます。テストフライトの結果、ロケットの性能を確認できましたので、ことしの夏には現在の「ひまわり」の後継機になります気象衛星の二号、それから、その他幾つかの衛星を、このNIIロケットによって打ち上げるという計画にいたしております。
○小杉委員 いまの経過を聞いておりますと、東大の方はかなり成果を上げているようですけれども、大体そのロケットについては、東大の方は小型で固体燃料を使っている、宇宙開発事業団の方は大型で液体燃料を主に使っているわけですけれども、実用性の点からすれば液体が主流になると私は考えております。そして近い将来には、米国ですでに実用化されている液体酸素、液体水素エンジンを使ったロケットを開発をしなければならないと思うわけです。 こういうふうな傾向を考えてみますと、果たして東大でやっているこの小型の固体燃料でやっているものが、実用のためにプラスになっているのだろうかというふうに思うわけです。ただ単に実験のためのこういう研究では困るので、やはり将来的には実用化に向けての基礎研究ということでなければ、私は、せっかくの大事なお金を浪費すると思うわけです。 ですから、私は、やはりこのような宇宙開発というものには、総合的な科学力の結集ということからすると、東大は東大で独自の、まあ今度は東大じゃありませんが、宇宙科学研究所ですか、そこは固体燃料で小型をずっと飛ばし続ける、宇宙開発事業団の方は大型の液体燃料のをずっと続けていくということでは、なかなか総合的な力の結集ということが図られないのではないかというふうに思うわけですけれども、こういう問題についてはどうお考えになっているのでしょうか。 いま、いろいろ第二臨調というようなことで非常にむだを省いて効率的な行政をひとつ目指そうというやさきに、こういう二本立てのような体制でいいのだろうかというふうに率直に疑問に思うわけですけれども、この点について、どなたかからお答えいただきたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 いまお話のように科学技術というものは、非常に重要ではありますけれども、なかなかむずかしい高度のものでございまして、こういう問題にこそ、常識的ないろいろな批判や議論はできますが、やはり専門家によります国家最高の権威のある組織が、そういうものの判定をしてもらわなきゃ困る、そういうわれわれの意思を体しまして、御案内の科学技術審議会、これは総理大臣の直属機関でございますが、学者の方やいろいろなたくさんの方を集めておりますその科学技術審議会の機能と権威というものをもっと充実しなきゃならぬ、その科学技術審議会によりまして、いまお話のような問題はひとつ大いに検討してもらいたいものだ、そのために予算もふやし、あるいはまた組織の強化も、われわれといたしましては、閣僚会議でもって意見を述べておるような次第でございます。 今後ともに科学技術審議会がなお一層大きな力を持ってもらいたい。ちょっとお待ちください。科学技術会議でございます。私の審議会と言ったのは誤りで、訂正いたします。科学技術会議という最高のところにおいて、そういった判断と今後の問題につきましては、なお一層検討を重ねてもらいたい、かような意見をわれわれの関係閣僚会議でもって総理の方に申し上げておる次第でございます。
○小杉委員 同じ質問に対して、科学技術庁の方はどういうお考えでしょうか。
○吉村説明員 お答えいたします。 ただいま大臣からお話ございましたように、科学技術全般につきましては、科学技術会議という最高の機関がございまして、全分野にわたります問題につきまして御検討いただいておるわけでございますが、宇宙開発というものだけに限定をいたして考えますと、宇宙開発委員会という組織がございます。 この宇宙開発委員会は、宇宙開発の仕事というのが、やはりいろいろな機関の協力を得て行うのが一番うまくいくという考え方のもとに、それらの機関の連絡調整、一企画をいたしまして、それらの機関の総力を結集する方法としてどうしたらいいかということを御検討いただいているわけでございまして、宇宙開発委員会での会合には、宇宙開発事業団のみならず、東京大学の先生方にも何度かおいでをいただいて、日本の宇宙開発を進める効率的な方法についていろいろ御相談をいただいているということでございます。 〔谷川委員長代理退席、委員長着席〕 先ほどお話がございました液体ロケット、固体ロケットの問題につきましても、宇宙開発委員会といたしましては、科学観測のための固体ロケットとしては、現在東大で開発されておるのが非常にいい成果を上げておるというふうに認識されておりますし、実利用ということを考えますと、やはり衛星の軌道の制御という点から液体ロケットの方がやりやすいということで液体ロケットを開発しておるわけでございます。 しかしながら、液体ロケット中心でございますが、現在私どもが開発しておりますロケットは、一段、二段が液体でございまして、三段は固体、それから衛星を静止軌道に投入いたしますアポジモーターと申しておりますが、これも固体燃料でございます。そういう意味で、私どもといたしましては、液体だけではなくて固体についての能力も身につけるということが必要でございまして、この点につきましては、東大のいまの成果が非常に役に立っておるというふうに理解をいたしております。
○小杉委員 先ほどの予算を聞きましても、日本の場合は各省庁全部合わせても一千億、NASAの十分の一ということですから、今度こうして大学の共同利用機関として発足した以上は、単なる実験のための機関じゃなくて、基礎研究と同時に、やはり本当に実用に役立つ研究もあわせてやっていくということから考えると、もう少し研究から実用までを一本化した機関でやるべきではないだろうか。たとえばいま科学技術庁の方で、東大で研究した固体燃料が役立っているとは言いますけれども、それならば、実用としてどうしても液体燃料が必要ならば、液体燃料の研究もこの宇宙科学研究所で行うべきであって、固体燃料だけにとどめておくべきじゃないというふうに考えるわけですけれども、こういう一元化とか一本化という問題、私は、もう少し文部省、科学技術庁の方で前向きに検討される余地はないのだろうかと率直に思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○松浦(泰)政府委員 実用目的との関連でございますが、大学における研究につきましては、先ほど大臣からお話がございましたように、やはり憲法の学問の自由というようなものを背景にいたしておるわけでございます。やはり実用だけを目的にいたしますと、それが完成しましたら、その段階で停滞するというようなこともございますし、広い意味あるいは長期的な意味におきましては、基礎科学の振興こそが、やはり科学技術の大きな基盤になっておるというような観点から、私どもとしては、この基礎科学の分野におきましては、これをゆるがせにはできないというふうに考えております。 なお、大学は後継者養成の関係からいろいろな大学に分散しておるような面もございますけれども、これがまた一つの特質でございます。そういう点では、広く大学の研究者が基礎科学を推進しながら、また後継者の養成にも当たるということが必要であろうかと思う次第でございます。 なお、お話がございました液体酸素、液体水素によるエンジンの開発につきましても、先ほどの宇宙開発委員会の審議等を経まして東大の宇宙航空研究所が、その重要分野を分担して宇宙開発事業団等と協力してこの開発を進めておるというような段階でございます。
○小杉委員 最後の質問ですけれども、国立大学の共同利用機関として各大学の共同というふうな観点だろうと思うのですが、私は、やはり単にこれは国立大学だけに限定をすべきものではなくて、広く民間のいろいろ優秀な技術者とか研究者も求めて、そういう人たちからも広く人材を集めるということが必要だろうと思います。これは文部省所管の国立大学の共同利用機関ということで、ただ単に大学だけのセクショナリズムに限定をしないで、広く民間にも人材を求めて将来の人材育成ということもやっていくべきだと思いますけれども、これからの運営についてそういうふうな考え方を持っているかどうか、最後にお聞きしたいと思うのです。
○田中(龍)国務大臣 ただいまの御質問でございますが、われわれは、あくまでも開かれた研究機関でなければならぬということから、国立の関係大学のみならず、私立といわず、あるいは民間企業からの研究員という方もみんなオープンいたしまして、そして、その後継者養成なりあるいは研究の推進に共同で門戸開放をいたしておる次第でございます。
○松浦(泰)政府委員 大臣の御答弁をちょっと補足させていただきますと、先ほど申し上げました新宇宙科学研究所におきましては、九部門におきまして客員部門というのを設けております。そのうち七部門が国内の客員研究者用、それから二部門が外国人の客員研究者用でございますが、こういう場合は一定期間そこに来まして、そこの客員研究員として研究に直接参加されるわけでございますが、それ以外に共同研究というものが広く行われております。 その関係で、五十四年度の数字でございますが、東大の宇宙航空研究所を利用しました外部の方々は、年間四千三百五十三名という状況でございまして、国立大学が三千四百八十八名、公立大学が二百二十名、私立大学が四百四十一名、民間その他の研究者が二百四名というようなことでございまして、たとえば私立大学につきましては、立教大学とか早稲田大学、東海大学等からも研究者が来ておるというように聞いております。こういう傾向が年々高まっておりますので、今後とも、そういうような共同利用機関的な性格が強まっていくものと考えておる次第でございます。
○小杉委員 国立大学としての制約があると思いますけれども、できるだけそうした外部の知恵を吸収していかれるように望みたいと思います。 次の質問は、鳴門教育大学の問題であります。 まず最初に、こうした新しい構想のねらいとか目的というものを聞かしていただきたいと思うのです。
○宮地政府委員 鳴門教育大学を設置する趣旨なり目的についてのお尋ねでございますが、上越・兵庫の教育大学と同様に、教員の資質、能力の向上といいます社会的な要請に対応するということで、主として現職教員の大学院における高度の研究・研さんの機会を確保するということと、初等教育教員の養成の充実を図り、学校教育に関する実践的な教育研究を推進するというところにねらいを持ったものでございます。
○小杉委員 現職教員の資質の向上ということを目的とする、これは大学院だと思いますけれども、そうであるならば、この新しい構想の大学を兵庫と上越と鳴門の三つにしぼったというのはどういうわけなんでしょうか。これはもう全国的に現職教員の再教育というのは必要だと思うのですけれども、その辺をまず伺いたいと思うのです。
○宮地政府委員 これは従来、すでに四十九年度以来調査を順次進めてまいったものでございまして、その準備の進行状況に応じまして、こうして新教育大学を設置することになって順次進めてまいってきておるものでございます。 なお、従来からも教員養成については、既設の教員養成大学の大学院においても、それを充実整備していくべきでないかという御意見もございまして、私どもといたしましては、上越・兵庫・鳴門という新教育大学と、さらに既設の教員養成大学学部におきます大学院の充実についても努力をいたしておりまして、両々相まってその実を上げてまいりたいと、かように考えているところでございます。
○小杉委員 既設の教員養成大学の大学院というのは、いま何カ所、どこにあるのでしょうか。
○宮地政府委員 既設の教員養成大学学部の大学院の設置状況でございますが、昭和五十五年度までに六大学——東京学芸大学、大阪教育大学、愛知教育大学、横浜国立大学、岡山大学、広島大学の六大学でございますが、その六大学に設置をしておりますが、さらに昭和五十六年度におきましても、引き続き二大学、具体的には静岡大学と神戸大学でございますが、設置をする予定にいたしております。
○小杉委員 従来の既設の教員養成大学の大学院と新しいこの三つの大学の大学院とは、同じ目的だと考えてよろしいのですか。いままでの説明ですと、この三つの新しい構想の大学と、それから既設の教員養成大学の大学院、これをひとつ両々相まってという説明ですと、全く機能は同じだというふうに考えてよろしいのですか。
○宮地政府委員 従来の教員養成大学学部の大学院と申しますのは、従来は、主として学部の新規卒業者に対して教科専門教育を中心にさらに高度の教育研究を積み上げていくという方向がとられがちであったわけでございます。それに対しまして、この新しい教育大学の大学院におきましては、主として現職教員を受け入れて、その資質、能力の向上を図るということにいたしておるわけでございます。具体的には、大学院の入学定員のほぼ三分の二程度は教職経験者を充てるというような考え方でございます。 なお、大学院の研究科の専攻の種類でございますけれども、既設の教員養成大学学部の大学院におきましては、各教科ごとの専攻が置かれている場合が多いわけでございますが、この新しい教育大学では、各教科にわたります総合的な教育研究を推進するという観点から、教科とか領域教育専攻、それぞれ統合いたしまして、その細分としてのコースも二教科程度のものにしているというところなどが、従来の教員養成大学学部の大学院の場合と、この新しい教育大学の大学院の場合の主たる差と申しますか特色という点が言えるかと思います。しかしながら、既設の教員養成大学学部の大学院につきましても、私どもとしては、現職教員の資質の向上に資するような形で、それぞれ各大学の具体的な構想が十分練られたものにつきまして、順次整備を進めていくというような対応をいたしておるところでございます。
○小杉委員 明らかに既設の教員養成大学の大学院と新しいこの三つの大学院とは違うわけですよね。そうすると、いまの既設の教員養成大学が八校ですか、こういう学校は、従来、大学院の定員に対して応募者というのはどういう状況なんでしょうか。新たに現職の教員の再教育のための募集定員をふやすということなんでしょうか。そうでなければ新しい構想の大学と両々相まってということにはならぬと思うのです。
○宮地政府委員 既設の教員養成大学学部の大学院につきまして、従来なかったところに新たに大学院の研究科をそれぞれ置いてきておるわけでございまして、先ほど御説明申し上げたとおりでございます。それらの実際の現職教員の受け入れの状況は、既設の大学院においては、まだ必ずしも多い数にはなっておりません。順次ふえてきているというのが、最近の傾向であろうかと思います。そのために特に大学院の入学定員をふやしているというようなことではないわけでございます。
○小杉委員 たとえば東京学芸大学の大学院というのは定員が二百七名ですね。これは各教科ごとの専攻になっておりますけれども、こういう区割りの中で、こういう既設の、たとえば東京学芸大学の大学院が数学専攻とか英語教育専攻というふうに科目別にきちっとやっている中に新たな構想を盛り込む余地があるのでしょうか。そして新たにそのために人数をふやしたりしないという御説明ですと、既設の大学院が新しい構想の大学院と同じ役割り、つまり現職教員の資質の向上のための役割りを果たすというふうには言い切れないと思うのです。そうしますと、私が指摘したように、新しい構想の大学院が兵庫と上越と鳴門の三つだけで完結していいのかということになるわけですよ。
○宮地政府委員 御指摘のとおり、東京学芸大学の大学院でございますと、学校教育専攻以下、それぞれ教科目ごとの専攻を立てている立て方になっているわけでございます。それに対しまして、兵庫教育大学の大学院でございますと、学校教育専攻ということで、教育基礎コースでございますとか教育経営コース、教育方法コース、生徒指導コースというような立て方をいたしております。そういう立て方をいたしておりますのは、先ほど申し上げましたように、主たるねらいとしては、現職教員の資質向上を積極的に考えている対応としてそういう対応をいたしておるわけでございます。 ただ、従来の教員養成大学・大学院におきましても、具体的には現職教員を受け入れるためのいろいろな配慮と申しますか、たとえば入試に当たりまして、一般の学部卒業生の受験科目に対しまして現職教員としての経験を見る入試科目を配慮するとか、そういう現職教員が入りやすいための具体的な配慮は、既設の教員養成大学の大学院におきましても配慮いたしておりまして、そういう積極的に現職教員の再教育という大学院としての使命が果たせるような方向に努力はいたしておるわけでございます。 したがいまして、当面、私どもとしては、こういう新しい構想の教育大学としては、従来、先ほども申しましたように、四十九年以来順次調査を進めてまいりましたものについて今回鳴門教育大学を御提案申し上げておるわけでございますが、当面は、この三つの新しい教育大学のこれからの充実状況でございますとかそういうことを見た上で、先ほど御説明しましたように、既設の大学院の充実整備と相まって対応していくということでございまして、この三つの教育大学以外に新しい教育大学をさらに具体的に設置するための調査その他を考えているということは、ただいまのところございません。
○小杉委員 何か答弁が非常に不明確なんですよ。要するに、既設の教員養成大学の大学院と今度の新しい構想の大学院とは本質的に違うわけでしょう。従来の教科ごとにきっちり分かれているものを、今度の新しい構想では、そういう科目にとらわれないで、もっと総合的ないろいろ新しい一いま学校内暴力とかいろいろな面が出てきておりますし、従来のそういう科目だけにとらわれた大学院の教育だけじゃなくて、もっと現場の生の教育の実態に合ったそういう新しい構想を打ち出したわけでしょう。ですから私は、それならば、なぜ兵庫と上越と鳴門だけなのかと言いたいわけですよ。もしもっと普遍的にそういう現職教員の再教育をやるというのならば、この三つに限定をしないで、もっと全国的にバランスのとれた配置でやるべきではないか。それは用地とか予算とかいろいろありますから、いま直ちにそれはできないにしても、従来の既設の大学院を、たとえばいままでのそういう科目ごとの専攻の枠を縮めるというわけにいかないでしょうから、それはそのままにしておいて、そのほかに新しい構想のを併設するというような考え方がとれないかということです。 たとえば東京学芸大学とか大阪学芸大学とか愛知学芸大学なんというところは、現職教員の一番多いところでしょう。そういうところに新しい構想の教員養成のための大学院を何も設けないで、こういう鳴門とか兵庫とか上越というところだけに限定をしているのは、私は非常にへんぱな考え方だと思うのです。 ですから、用地買収をして新しくつくるというのは大変でしょうから、そういう既設の大学の中に、いままでのコースとはまた別の新しい構想を盛り込んだ一つの定員をつくって受け入れたらどうかというふうに申し上げているわけです。
○宮地政府委員 たとえば、先ほど来御説明をしておるわけでございますが、横浜国立大学とか大阪教育、岡山、広島というようなところで新たに、既存の教員養成大学学部に大学院を順次設置してきておるわけでございまして、そういうところにおきましては、各大学院とも現職者の要請にこたえられるような教科教育でございますとか実践教育にウエートを置いたような履修ができるような配慮はいたしておるわけでございます。 先生御指摘のとおり、従来の既存の、たとえば東京学芸大学の大学院について、そういう現職教員の受け入れのためのような配慮をすべきでないかというのも、確かに一つの御意見でございますが、また現実に、東京学芸大学の場合におきましても、そういう配慮は具体的にはいたしておるわけでございます。 そういう意味で、資質の向上を、それぞれ三つの教育大学と既存の教員養成大学学部におきます大学院とで両々相まって対応をするということも申し上げたわけでございますが、具体的な、特に従来のものと違う点を特色づけて御説明申し上げれば、先ほど申し上げたような御説明になるわけでございます。 御指摘のように、既存の大学院においても、積極的に現職教員を受け入れるための具体的な配慮というのは、当然考えていただきたい点でございますし、それらについては、各大学での具体的な取り組みに対応いたしまして、私どもとしても、検討を進めてまいりたいと考えております。
○小杉委員 何か本当に納得のいく説明ではないのです。いままでの既設の大学の大学院には、現職教員が入るような配慮をしていると言いますけれども、では具体的に、いま東京、大阪、愛知、広島、岡山、横浜等の六大学で大学院を設置して以来、現職教員がどのぐらい入っておられるのか、定員の中でどのぐらいの比率を占めているのか、それをひとつ明らかにしていただきたい。 それから、現職教員の再教育は、これからますます必要だと思うわけですけれども、いわゆる需要、これから研修をしなければならない教員というのは、大体どのぐらいを見込んでおられるのか。そういう将来計画もひとつ考えた上で、果たしてこの三大学でいいのか、あるいは現状のような形でいいのかということが出てくると思うのですが、その点はどうでしょうか。
○宮地政府委員 既存の六大学の大学院におきます現職教員の在学状況はどうかということでございますが、東京学芸、横浜国立、愛知教育、大阪教育、岡山、広島の六大学におきます昭和五十五年度現在の現職教員の在学は、合わせまして全体で三十名ということになっております。(小杉委員「定員に対する比率はどうですか」と呼ぶ)ちょっとただいま手元の資料には持ち合わせておりません。 他方、兵庫教育大の大学院の場合には、ほぼ三分の二ということで、二百名の入学定員ということで考えているわけでございますから、数からいいますと、兵庫・鳴門・上越というこの三つの新しい教育大学の大学院が、現職教員のための大学院としては、少なくとも現状から申しますと、全体的には相当大きいウエートといいますか、比率を持つことになっているわけでございます。 具体的な既設の大学院におきます配慮は、先ほども申しましたように、入試において外国語試験の負担を軽減するとか、あるいは専門科目の試験について在職中の研究業績等の審査で代替するというように、既設の大学院につきましても、現職教員の入学のための具体的な配慮ということはいろいろやっているわけでございます。 したがいまして、先ほどの御説明の繰り返しになるわけでございますが、当面、私どもとしては、上越・兵庫・鳴門の三つの大学を順次充実させてまいりまして、ここを中心に、現職教員の再教育の大学院としては、それらが中心になるわけでございますけれども、さらに大学院を順次新たにつくってまいることも、施策としては対応しておるわけでございます。 先ほども御説明申しましたように、既存の教員養成大学・大学院の設置は、東京学芸に設置されて以来ずっとほとんど設置されておりませんでしたものが、ここ一両年で順次ふやされてきております。これからも既存の教員養成大学学部におきます大学院の充実については、私どもとしては、積極的に取り組んでいくつもりでございますし、その際、現職教員に対して十分配慮した上で、それらの既存の教員養成大学学部の大学院の設置については、積極的に取り組んでまいるつもりでございます。そういう対応で考えているところでございます。
○小杉委員 現職教員の再教育については、一応の計画があるわけでしょう。研修については、このくらいの人数を一応定数とするというふうな計画はないのですか。
○宮地政府委員 現職教員に対する再教育の問題は、もちろん大学院も一つの有力な手段でございますけれども、それに限られるものでもないわけでございまして、研修は、あらゆる機会にいろいろな角度でそれぞれ各都道府県の教育委員会においても取り組んでいるわけでございます。大学院におきます再教育は、もちろん研修定数をどれだけ確保するかとか、そういう全体的な財政状況の問題もあるわけでございまして、御指摘のように、教員全体の数に対して大学院でどれだけの数を再教育すべきかというような具体的な数値を持ち合わせているわけではございません。
○小杉委員 私は、ちょっと計画としてはずさんだと思うのです。確かに現職教員の資質の向上のためには、何も大学院ばかりじゃなくて、各都道府県にある教育研究所とか国立の教育研究所とか、そういうところももちろんいまでも研修をやっているわけですけれども、鳴り物入りで新しい構想の大学院を設けるのだということであれば、全体のどのぐらいの数をこの大学院の対象として選ぶか、それに対応してどういうところへ何校つくるかという、需要と供給といいますか、全体計画がなくて、私は、計画を実行するということはいかぬと思うのです。 兵庫と上越と鳴門というただ単に敷地と校舎があったから、そこへ新しい構想の大学をやってみたということだけでは、余りにも行き当たりばったりではないか。いま、いろいろ教育の現場で現職教員の研修とか再教育の必要性がどんどん高くなっているときに、本当に実態に合った新しい構想の大学を考えるならば、東京とか大阪とか名古屋とか一番現職教員の多いところをどうして考えないのか。 だから、たとえば私が言っているように、従来の既設の大学院の中にそういう現職教員の研修のための一つの講座をつくったらどうか。そういうことによって、新たに用地買収をする必要もなければ、新たなそんな莫大な予算措置も必要ないじゃないかというわけですけれども、どうもその辺が何か行き当たりばったりというか、計画がずさんなような気がしてならないのです。
○宮地政府委員 大学院におきます教育の問題は、非常に高度の教育研究、研さんの機会になるわけでございまして、具体にそういうものの志望がどこまであり、かつ、それをどこまで受けとめるのか、わが国の現状等とも照らしまして、当面私どもとしては、この三つの大学で対応し、かつ新たに既存の教員養成大学学部におきましても大学院を充実させていくという対応をいたしているわけでございます。 以前に、教育職員養成審議会におきます建議の中においても、たとえば各ブロックごとに新教育大学を置いたらというような御提言もあったことも承知はいたしているわけでございますが、全体的な計画といたしましては、当面この三つの教育大学で対応し、先ほど来御説明申し上げておりますような対応をいたしております。 大学院そのものの改革といいますか、大学院自体の改善も、いろいろ社会的な要請に対応するためになさなければならない課題としていろいろあるわけでございますので、それらの面の改善にも取り組みまして、ただいま先生御指摘のような大学院における再教育というものがさらに広がり発展していくことを私どもとしても願っているところでございますが、当面は、この三つつくりますこれらについても、たとえば鳴門につきましても御提案申し上げておりますのは、五十九年四月から大学院で受け入れ、さらに学部は六十一年度から受け入れるということになるわけでございまして、それが学年進行でいわば一つの完成された大学になるのは昭和六十五年度というようなところになるわけでございますが、これらの大学の充実ということに当面は最善の努力をいたしていきたい、かように考えているところでございます。
○小杉委員 これ以上議論しても、水かけ論というか平行をたどると思うので、せっかくこうした新しい構想に基づいて画期的な教育をやろうということであるならば、兵庫県と鳴門なんてもう本当にくっついているところですし、上越といったら日本海側ですし、こういう配置の状況を考えますと、本気でやる気なんだろうかという疑問を私は抱かざるを得ない。 ですから、これはひとつ今後の懸案として、私は、この問題についてはきょうはこの辺で終止符を打ちますけれども、どうかそういう全国の現職教員の配置状況なども勘案しながら、バランスのとれた体制に持っていっていただきたいということだけ申し上げたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 鹿屋の体育大学の問題ですが、まず最初に、この趣旨といいますか、ねらいを聞かしていただきたいと思うのです。
○宮地政府委員 鹿屋体育大学でございますが、考え方としましては、体育・スポーツ、レクリエーションの分野の指導者の人材養成が大変望まれているというような背景を受けまして、すぐれた社会体育指導者の養成、確保がこれからの重要な課題と考えられるわけでございます。 そういう観点から、この鹿屋の体育大学は、社会体育に主眼を置きながら、一般市民の健康なり体力づくりについて指導し得る、体育・スポーツ、レクリエーションの分野のすぐれた指導者を養成するということを趣旨として設けようというのがねらいでございます。
○小杉委員 社会体育の指導者育成ということが主たる目的だと言いますが、現在、体育指導者の需要というのはどの程度あるのでしょうか。こういう指導者というのは、具体的にどういうところでどういう仕事をするのか、その点お聞かせいただきたいのです。
○柳川(覺)政府委員 お答え申し上げます。 社会体育の指導者の配置につきまして、種々の態様がございますが、まず地方公共団体に置かれております社会教育担当の職員でございます。都道府県、市町村含めまして、五十四年現在での数でございますが、六千五百六十八人置かれております。うち、都道府県に配置されております方が六百二十四人、市町村が五千九百四十四人という状態でございます。これを十年前の数字を申し上げますと、総数で千四百五十一人、都道府県が二百三十五人、市町村が千二百十六人という状態でございまして、十年の間に総数で四・五三倍、それから、うち都道府県につきましては二・六六倍、市町村につきましては四・八九倍というようにかなりの増員を見てきております。 また都道府県、市町村がつくりますいわゆる公共の社会体育施設でございますが、ここに置かれております指導員の数でございますが、五十三年度の数字は九千四十人でございまして、四十四年は三千二百四十三人でございまして、二・七九倍というように増員をしてきております。 また、民間のいわゆる商業スポーツ施設が最近ふえてきておりますが、ここに置かれております指導員の数でございますが、五十四年現在で二千九百七十九人、五十年の数字が九百二十四人でございまして、五十年から五十四年にかけまして三・二二倍というようにふえてきております。これらの動向を見ますと、今後とも、この面の社会体育の専任の指導者の増員が見込まれるというように考えております。 それ以外に、社会体育は広くボランティア活動を主体に動いておるわけでございまして、非常勤でございますが、市町村の指導員としてお願いしておる方が四万八千百七人でございまして、四十四年現在では二万九千五人でございまして、これまた倍増してきておるという状態でございます。 その他、各種の競技団体でいろいろな形で資格の認定を行っておりますが、この面の資格認定を受けました指導者の数が十七万人というように言われております。 総理府の世論調査で国民のスポーツ人口の動向を推計いたしておりますが、五十四年七月の調査の結果では、成人の方々で過去一年間に何らかの形でスポーツあるいはレクリエーション活動に取り組んだという方の回答が六八%に達しております。この調査が始まりました三十二年は一四%のスポーツ実施人口でございましたが、六八%に高まってきておるということでございますし、また成人の方でスポーツクラブあるいは同好会に加入をしておるという方が一五%、およそ千二百万人が加入しておるという回答を得ております。また、最寄りにスポーツクラブがあればぜひ加入したいと回答されている方が二五%、およそ二千万人の方々がそういうスポーツクラブへの加入を期待しておるというような状態でございます。 それから、これら動向にこたえて、いま市町村あるいは財団法人等での体育施設の整備が進んできております。昭和五十年の調査では、わが国で十八万八千の体育施設がございますが、五十五年の調査では二十万八千カ所に及んでおります。そのうち、特にいま申しました公共団体がつくります体育施設が二万カ所から三万カ所に、この六年間ほどで一万カ所の増を見ておるということでございます。たとえば総合体育館等につきましては、一施設当たり四・四人の体育の専門の職員が配置されるということで、小型のものも含めまして大体一体育館当たり一・四人の指導者が配置されるという状況でございますので、これらの国民のスポーツに対する関心と実践の高まり、また、これにこたえた体育施設の整備等々の背景といたしまして、今後、社会体育の指導者の本格的な養成と確保への努力が要請されているというように受けとめております。
○小杉委員 いまいろいろな数字を出していただきましたけれども、この体育指導者の需要というのはますます高まるばかりだと思うのですが、そうしますと、いま体育教員の養成というのはどんな実態になっているのか。いま体育局の方から申された数字に対応していまのような教員養成、今度鹿屋を一つつくるわけですけれども、これだけではとても追いつかないという感じがするわけですけれども、現状と将来について大学局長、どうお考えになっておられますか。これは体育局長じゃないですね、行政だから。
○宮地政府委員 体育の関係の教員養成の実態を国立の場合で申し上げますと、五十五年三月の卒業者について、五十五年六月一日現在の数字でございますけれども、中学校の免許状取得者が千四百六十七名で、うち教員に就職をしている者が二百三十九名ということになっております。高等学校の場合には、免許状取得者が千二百五十九名で、うち就職者が九十六名ということで、就職者としては三百三十五名という数字になっております。この三百三十五名のうち大部分は、従来の教員養成大学の特別教科、これは保健体育でございますが、保健体育の教員養成課程の卒業者と考えられております。ですから具体的には、体育の免許状を取得して実際に体育の教員になる者の数は、その数字としては、免許状取得者から見れば非常に低い数字になっているということが言えるかと思います。体育系の高等教育機関全体については、入学定員の規模でございますけれども、国立大学で五百三十人、公立大学で八十五人、私立大学で三千二百八十人、合わせて三千九百九十五人、約四千人弱というのが現在の状況でございます。 先ほど、体育局長からも御説明ございましたように、社会体育の指導者等について、今後、全体的に需要が大変多くなるということも考えられるわけでございますが、当面、実際の体育の教員養成の実態から申しますと、免許状取得者と実際に教員になっておる者の数を、先ほどは国立の数字を申し上げたわけでございますが、そういうふうに相当免許状は取得しているが、教員になっていない方々も多いわけでございます。私どもとしては、新たに一つ鹿屋の体育大学を国立大学でつくることを今回御提案申し上げておるわけでございますが、これは社会体育を中心にしたものでございますけれども、先ほど申しました既存の体育大学の卒業者、それから、この新しい鹿屋の体育大学の卒業者が、それぞれ将来、社会体育の指導者として活躍していただく分野は、これから大変広がっていくことになろうかと思います。 計画養成として全体的に、社会体育の方の需要が多ければ、さらに大幅にふやすべきではないかという御質問の趣旨かと思いますが、当面は鹿屋の体育大学で対応いたしまして、先ほど申しましたような既存の、特に私立大学が多いわけでございますけれども、体育学科、体育学部というものも置かれておるわけでございまして、そういう方々に社会体育の指導者としても活躍していただくということが考えられます。今後の全体の趨勢を見ながら、またさらに必要な時期に適当な対応をしたい、かように考えております。
○小杉委員 大学局長は、何か教員になった人数だけを主体にお話されましたけれども、ただ単に体育の先生になるということだけからすれば、鹿屋体育大学なんか必要ないわけで、文部省としては、たとえば体育大学の人たちが教員にならなかったら、どういう先へ就職したかということの調査をされたことがあるのでしょうか。あるいは体育局の方で、各都道府県なり市町村なり民間のスポーツ施設なり、そういうところの指導者がどういう教育を受けてきた人たちなのかという調査をしたことがあるのかどうか。
○宮地政府委員 体育学部等の卒業者の進路状況でございますが、五十四年三月の卒業者について申し上げますと、中学校や高等学校の体育の教員を初め、何らかの形で学校の教員になった者が、全体卒業者四千九百十一名のうち千七百八十七名ということになっております。率で申しますと三六・四%という数字でございます。ほかに、専門を生かして教員以外の公務員になった者が二百五十八名で、五・三%でございます。さらに、民間のスポーツ関係への就職者が六百七十二名で、一三・七%というような形になっております。これが体育学部等の卒業者の進路状況の五十四年三月の場合の概況でございます。
○小杉委員 体育局長、何かあったら……。
○柳川(覺)政府委員 いま大学局長から卒業生の動向について御答弁があったとおりでございますが、私どもの方で、社会体育の担当職員が一体どういう資格を持っているのかという面の調査がございます。全体で見まして、保健体育の教員の免許状所有者が専任の職員について二二・五%、それから日本体育協会の関係の資格所有者、あるいはレクリエーション協会等での認定を受けたという方が三〇・五%、それから資格のない方、何らかの資格をとっておらないという方が五〇・五%というような状態でございます。
○小杉委員 もう時間が来ましたからやめますが、高齢化社会を迎えて国民の健康増進ということがいま望まれているわけです。年金財政もこれから非常に逼迫をしてくる。できるだけ高齢者が元気で雇用の機会をたくさん持つということが、日本の全体にとっても大事なことですし、また高齢者がいたずらにお医者さんにかかってどんどん医療の経費を引き上げていくということを回避するためにも、やはり国民の健康の維持増進ということは大事だと思うので、そういう面では、私は、今度の鹿屋の大学の設置は非常に好ましいと思いますけれども、これからの需要ということとにらみ合わせますと、さっきの質問と同じような傾向になりますけれども、どうして鹿屋なのかということですね。やはり地域的な問題も、ただそこに場所があるからつくるというのではなくて、本当にこれから日本全体の社会体育を発展させるということであるならば、その体育大学の設置場所についても、もう少し検討の余地があるのではないかと思うのですけれども、その点についてひとつお答えいただきたいと思います。
○宮地政府委員 鹿屋に設置した理由といいますか、そういうお尋ねでございますが、前回の御審議の際にも御説明したのでございますけれども、実は経緯から申しますと、鹿屋に教員養成大学の設置についての調査ということで、調査は当初はそういうスタートをいたしたわけでございますけれども、その後五十三年でございますか、教員養成という限定した形ではなくて、新しい高等教育機関として何を設置すればいいかというようなことになりまして、その後御検討いただいて、体育系の国立大学を設置するのはどうかというようなことになりまして今日に至っておるというような経緯があるわけでございます。 そういう従来の経緯を踏まえまして十分検討をされた結論をいただきまして、私どもとしても、鹿屋の体育大学を御提案申し上げておるわけでございます。九州地区におきます高等教育機関の数の比率でございますとか、そういうような数字ももちろんあるわけでございますけれども、率直に申しまして、従来からそういうことで調査を進めてまいったものを受けまして、私どもとしては、こういう新しい体育大学を御提案申し上げておるわけでございます。全体に、高等教育機関の地域的な配置ということについても、高等教育の計画的整備ということで私どもは取り組んでおるわけでございまして、今後とも、地方の大学の充実に重点を置きながら、そういう観点で取り組んでいくつもりでございます。
○小杉委員 これで最後にしますけれども、文部大臣、大体名古屋オリンピックも非常に可能性が強まったというふうに聞いておりますし、また最近では、老人保健法を新たに法律案として制定をして、四十歳以上の健康管理という新しい構想も盛り込んでいるようですけれども、やっぱりいままでどうも文部省の中でも、体育と言うと少々軽んじられていたのじゃないかと思うのです。ですから、特に体育と言うと学校の体育のみに重点が置かれてきたきらいがあると思うのですが、先ほど申しました高齢化社会を迎えて、年金の財政から言ったって、医療の財政から言ったって、やっぱりこれから中高年の健康増進、維持というのは非常に大事なことですから、そういう時代の動きに合わせて、この鹿屋の体育大学だけの問題じゃなくて、やっぱりこの立地なんかを見ましても、私は、まだまだずさんじゃないかと思うのです。全体的に日本の国民の体位向上とかあるいは社会体育というのをどういうふうに持っていくのか、そういう全体像というか全体計画というものをもう少し考えて力を入れていくべきじゃないかと思いますが、最後に一言、文部大臣の所見を伺って終わりたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 特にこれからの社会生活というものが、いわゆる社会教育という面、さらにまた御指摘のような中高年齢層に対しまして新しい光を当てていくということから申しましても、この体育の問題は非常に重大であると考えられます。特にわれわれが地方に行って非常に驚きますことは、このごろは老人の方々のゲートボールが大変な流行でございまして、至るところ、きょうはゲートボールの大会があるとか、いや何だと言って、このごろ非常にお年を召した方が男女ともに活気づいておられますし、それから、またママさんバレーでありますとかそういう点が非常に盛んでございます。このことは、いろいろな意味で非常にいいことである、かように考えておりますので、なお一層の振興を図りたい、かように考えます。
○三ツ林委員長 中西績介君。
○中西(績)委員 先ほど、午前中に山原委員の方から指摘のございました問題につきましても、文章表現は違うにいたしましても、それぞれ大臣の確認なりの中身の中には、やはり従来のような行政チェックということがあってはならないということははっきりしているわけですね。結局、従来やっておった都道府県自身が立てます研修計画の場合とこれは初めから発想が全く違うことからスタートをいたしておるわけでありますから、従来のような行政チェックというものでは全くない、このことをひとつ御理解いただきたいと思いますということを言って、大臣まで全部こういうことを言っているわけです、調べてみますとね。 ですから、この点については、先ほどの答弁では納得できませんので、いまここでは後に回すというようなことでありますから、一応おいでおいで、次に入りたいと思います。 そこで、八十四国会でいろいろこの問題については質問をしてきたわけでありますけれども、お聞きをしたいと思いますのは、八大学大学院の修士課程が設置をされておりますけれども、先ほど出ておりました愛知教育大学も、八十四国会で私たちが質問をしたりなんかして、いろいろ討論をしたところなんです。 したがって、この点でお聞きをしたいと思いますけれども、現職教員がこの愛知教育大学の修士課程には何名入っておるのか、そして、そのうちの何名が現職現給で入学をしておるのか、この点はっきりしていただきたいと思います。
○宮地政府委員 愛知教育大学の大学院についてのお尋ねでございますが、五十五年度までは現職教員の受験と入学後の身分取り扱いにつきまして、大学と県の教育委員会との話し合いの詰めが必ずしも十分でなかったということもございまして、現職教員の合格者は退職して入学しているというのが現状でございます。その後大学といたしましても、県の教育委員会に対して、現職教員の地元大学の大学院への派遣についても理解を求める努力をしてきておりまして、現在、昭和五十六年度の現職教員の合格者につきましては、できる限り現職のまま入学できるよう県教育委員会とも協議がなされているというぐあいに伺っているところでございます。
○中西(績)委員 そうしますと、私が質問をいたしました、何名現職で入り、そのうち何名が現職現給であるのか、この点おわかりじゃありませんか。
○宮地政府委員 先ほど申し上げましたように、五十五年度までは現職教員については退職をして入るというようなことになっておりましたが、五十六年度では先ほど申し上げておるような状況になっております。五十六年度でちょっと申し上げますと、現職教員の合格者は三名というぐあいに伺っております。
○中西(績)委員 私が指摘をしたいと思いますのは、この論議をしたときですから、五十三年のときに、愛知大学の問題を出しまして、このような兵庫教育大学あるいは上越大学と同じように措置をされることが望ましいということを大学局長は言っておったんですよね。そのことの確認を私たちはしておるわけです。ところが、いま聞きますと、その後になりますと、五十四年あるいは五十五年ということになっておるにもかかわらず、この二年間も放置されておったということになるのですか。
○宮地政府委員 大学側としては、もちろん、そういうことを望んでおったわけでございますけれども、実際にその現職で出すかどうかの扱いは、県の教育委員会の方で判断をされることになるわけでございます。その辺については、先ほども御答弁申し上げましたように、従来必ずしも、大学側との詰めが十分でなかった点もあるようでございまして、その後、大学側も、現職教員の再教育の機関として地元の愛知教育大学の大学院をぜひ活用してほしいということで積極的に対応いたした結果であろうかと思いますが、先ほど御答弁申しましたように、ただいま県の教育委員会とその辺については協議中のところというぐあいに伺っております。 もちろん自来、この兵庫教育大学が提案になりました国会において審議の経過がありましたことは、私どもも十分承知をいたしております。
○中西(績)委員 はっきりしませんけれども、私が指摘をしたいと思いますのは、この問題について大学側に問題があるのか、それとも出願手続上県教委なり地教委なりそこいらに問題があるのか、あるいは文部省が、そういうことについて論議しておるにもかかわらず、答弁があったにもかかわらず、そういうものを全然大学にも地教委にも通達をしておらなかったのか、その三つの条件しかもうないと思うのですが、これはどこが問題ですか。
○宮地政府委員 具体に現職教員として出すかどうかについての判断は、県当局なり教員の身分によってそれぞれ異なると思いますけれども、服務の監督者としての市町村教育委員会あるいは定数の配分ということで県の教育委員会がそれぞれ判断をなさる事柄であろうかと思います。
○中西(績)委員 そうしますと、あれですね、文部省は、五十四年にそういう通知なりを出したわけですね。これは間違いないですな。出していますか、出していないですか。
○三角政府委員 文部省は五十四年の六月二十八日付をもちまして「兵庫教育大学への教員の派遣について」、こういうことで通知を出しておるのでございます。
○中西(績)委員 そうしますと、こうした事態、既設の大学における大学院、これにはそうしたものが文部省としては全然指導されておらなかったということになるんですね、兵庫の教育大学に対する通知として出されておるということになれば。
○三角政府委員 兵庫教育大学は、大学院における現職教育ということを一つの機能として新設された大学でございますので、先ほど申し上げましたような通知を出しておるわけでございます。その他の一般の大学の問題は、これはもうずっと昔から内地留学ということはあるわけでございまして、これは教員養成大学に限らず、一般の大学の学部あるいは大学院に留学するということはございまして、ちょっと申し上げますと、五十五年度の実績で、大学に長期にわたって研修あるいは留学派遣をされております教員が全体で千百人おるわけでございまして、これは大学への入学でございますから、まず本人が大学へ行って現職で研修をしようという志を持った上で、そうして当該の教育委員会に同意を求めて行かれるということでよろしいわけでございます。
○中西(績)委員 私たちがこれで論議をしましたのは、こうした大学を改めてつくるわけ、そうした中で現職現給でどんどん進学ができるという体制をつくるということで、現職教育を重要視することから、このことが出てきたわけです。ですから、その際に、同じこの愛知教育大学でそういうものができた場合には、大学院ができた場合にはどうするのかということまで論議をしておるのです。ですから、従来の長期研修だとかあるいは内地留学だとかそういう性格のものとは、この前の論議は違うのです。そういうのがあるのだけれども、その上に立ってどうなんだということになっているわけですから、こういう問題が出たから。そうしますと、ちょっと正直聞きますけれども、初中局長の言うのは、現職で行ったのか現職現給で行ったのか、そこのところをはっきりしてください。
○三角政府委員 やはり問題になりますのは、委員御指摘の現職現給の場合でありまして、もっとも休職を願い出る場合も、一つの稟議上の手順が要りますけれども、たとえば自由な立場でもう一遍大学に入ろうということは、この場合も急にある程度勤めた職場を勝手にやめるというのもあれでございますから、そこでは何らかのやはり手順というものはあると思いますけれども、こういう手順を一番気をつけるといいますか、きちんとしなければいけませんのは、現職現給の場合でございます。これは教育委員会なりが、むしろ本人の自発的な……(中西(績)委員「答弁を短くしてくれませんか。そうせぬと、聞かぬことまでいろいろ言って困っちゃうんだ。どうなのかと聞いているのだから、どうだと言ってくださいよ」と呼ぶ)
○三ツ林委員長 答弁は簡明にお願いします。
○三角政府委員 本人の自発的な意思でなくてむしろ一方的な命令で派遣をするというような場合、そういうことでございますと、これは文部省の方から、そういう一種の奨励をするというような通知を出す必要があるかと存じますけれども、いま委員御指摘のようなことでございますれば、やはり御本人の意欲がまず先行して、そして同意を求めた上で、どこの大学であろうと大学院であろうと行っていただく、こういうことになっておるわけでございます。
○中西(績)委員 現職現給で行ったのかどうかと言っているんですよ。
○三角政府委員 先ほどの私が申しました千百名についての御質疑であるとすれば、そのとおりでございます。
○中西(績)委員 現職現給で行けるという条件を整備するということになっているわけですから、少なくとも私がいま聞いておる中身というのは、愛知教育大学へ現職で行った者がどれだけおるのか、しかも、それは現給を保障されて行ったのがどれだけおるかと言ったら、さっき三名だということになったのです。ところが通達が出され、通知が出される時期というのは、ずいぶんおくれているのですよ。ですから、愛知教育大学で問題になっているのは、先ほど出ておる、五十五年の八月に愛知県でそういう措置をした、なぜなら五十四年の六月に兵庫の問題を出して、その後にそういう問題になっていっているわけですからね。ですから、問題になるのは、この兵庫の問題と同時に、やはり少なくとも他の大学の問題も、これは一緒に取り扱ってもらわなければ困るのです。私は、そのことを指摘しておるのだから、そこはちゃんと理解をしてくださいよ。これはもう長追いしませんから。 そこで、新構想の教育大学に現職現給で入った者、いま兵庫教育大学では五十五年度と五十六年度とではどうなっておるかということをお聞きしましたところが、その数はこうなっているようですね。五十五年度が百三十四名、五十六年度が百七十三名であるということのようであります。 お聞きしますけれども、そうすると、これ以外に現職をやめられて入られた方はいらっしゃいますか。
○宮地政府委員 教職経験三年以上の者について御説明申し上げたわけでございまして、教職経験三年未満の者についてはどのような数字になっているか、私どもちょっと数字を把握いたしておりません。しかしながら、三年以上の者についてはそういうものはない、かように考えております。
○中西(績)委員 そこで、表を見てみますと、大変なばらつきになっています。入学希望者と入学者の都道府県別の分布が非常にばらついておるわけですね。偏っておる。この偏った原因というのは何でしょうか。
○宮地政府委員 各都道府県ごとの分布状況が偏っているという御指摘でございますが、地元からの応募者なり入学者の比重が若干高いということは、兵庫教育大学の場合で申しますと、これは地元ということであり得るわけでございますが、それを別といたしますれば、特に地域的な偏りがあるというぐあいには必ずしも私ども考えておりません。 いずれにいたしましても、まだ発足して日も浅いわけでございまして、さらに、この教育大学というものが全国的な広がりを持って、さらに将来は学生が集まってくるもの、かように考えております。
○中西(績)委員 そうしますと、この場合には現職現給で入っていますから、この前から問題になっておる同意書についてはもらってきているわけですね。そういうことになりますね。
○宮地政府委員 同意書はもらっているものでございます。
○中西(績)委員 同意書をもらってきているということになりますと、この受験の数を見るとわかるのですが、余り偏ったことはないと言っていますけれども、相当これはあるわけなんです。 たとえば、先ほど指摘をしておった愛知なんかの場合にはどうなっていますか。出願者が五十五年度で七名です。そして今度の五十六年度では三名ですね。これを見ますと全国的には低い。わりあい近いところで岐阜なんかを見ますと二十三名、十七名になっています。これは合格者よりも出願者が、これによって制限されるわけですからね。ですから、このあれを見ますと、さらに広島なんかを見ますと一七・一四ということになっています。ところが、この県の大きさ、教職員の数などからいきまして、七と三ということになりますと、これは非常に少ない数になっているわけです。 こうしたものをずっと分析してみますと、やはりそこに私たちが一番危倶をする第一次のしぼり制限が、学校であり、地教委であり、その地域全体であり、そして県教委でかけられるということになってくると、これは全国でそうした問題について統一されておるのですか、そこはどうなんでしょう。 二点目、それがされてないから、こうした結果が起こっているのじゃないでしょうか。
○三角政府委員 これは別に全国で統一ということではございません。これは、もう県に任せてあることでございます。
○中西(績)委員 したがって、こうした事態は余りないと言っていますけれども、実際にあるのです。ですから、このことを考えてみますと、そういう問題がその中にあるということになるのではないでしょうか。どう理解していますか。
○宮地政府委員 私どもとしては、この数字は、先ほど申しましたような地元の比率が高いということは別として、偏りがあるというぐあいには受けとめておりません。 具体的に、たとえば応募者がないという県も、県によっては出てくることもあり得るわけでございまして、幾つかの県でございます。ただ、五十五年から五十六年度にかけては、五十六年度の方が応募者のない県というのは減っているように見受けるわけでございます。したがいまして、さらに合格者の数字で見ましても、大体全国各地から、応募者のなかったところは別として、若干、応募者があっても合格者がゼロであった県ももちろん出てくるわけでございます。これは大学の方で合否について判断をした結果、応募者がいたけれども、結果としては合格者が出なかった県も幾つか挙がっております。その点はこの数字そのものから、私どもとしては、そういう非常にゆがんだ姿というものはないもの、かように考えております。
○中西(績)委員 ゆがんだかどうかは合格者では決まらぬのですよ。希望者がどれだけ出てきたかで決まるわけですね。このことの認識は間違わぬようにしてもらわぬとね。第一次のしぼりは別のところでやるのですから、ここはもう二次試験なんですよ。だから、そのことを考えますと、その中に少なくともやはりそれだけの差が出てきておることを認めざるを得ないのじゃないか。 では聞きますけれども、全然希望者がいなかったところはどうだったか、あるいは少なかったところはどうだったか、あるいはわりあいに多い岐阜だとか静岡だとかいうところは、人口等からいたしましても、どうしてこんなに多いかということを聞きましたか。
○三角政府委員 しぼりといいますか、先ほど来御論議のあります現職現給のままで出るわけでございますから、やはり各県においても、いろいろな県内の事情あるいは全体の枠、そういうものがございますから、そういう意味で希望者全員に同意が与えられないという場合があるわけでございますが、それの状況について、一々チェックをするとか私どもはそういうやり方はとっておりません。これは県に任せてあることでございます。
○中西(績)委員 枠があるなんというようなことを言うと、おかしくなってくるんですよ。また、さっきの方に戻ることになるのです。 ところが、これを見たらわかるでしょう。数字の上から言いまして、岐阜と愛知というのは隣の県なんですよ。人口から言うならば、三倍くらいあるのじゃないですか。ところが、その差はうんと違っているでしょう。さっきみたいなしぼりがかけられるから、こういう数になったのじゃないかと私は言うんですよ。さっきの通知があるでしょう。愛知県の「五十六年度・愛知教育大学」と、こうしてありますけれども、少なくとも愛知教育大学だけではなくて、ほかのところだって同じようにやっているはずなんです。そういうことを考えあわせてまいりますと、こういう点の差が出てくるのじゃないでしょうか、こう言っているのですから、第一枠があって、それによってしぼり込まれていくということになれば、では、その枠というのは、どういう枠になっているのですか。数がみんな各県で決まっていますか。
○三角政府委員 これは先ほど来申し上げておりますように、それぞれの県に自主的にやっていただいていることでございます。そういう前提でございますが一県がどれだけこういうことについて積極的な姿勢を持っているかどうかということも、委員の問題提起のようなことがあるかと存じますけれども、そのほかに、やはり個々の教員がどれだけこういう方向へ志向するかということもございましょうし、でございますから、一概に単純に割り切れないことであろうかと思うのでございます。 それから、枠ということでおっしゃっておられるわけでございますが、枠という言葉を私が使ったのが悪かったかもしれませんけれども、やはり現実の小学校なり中学校なりの教育を支障なく運営していくということが一方においてあるわけでございますので、その辺のいろんな諸事情がありますから、幾ら希望がありましたからといって、もしめでたく合格した場合に、これを無制限に、先ほどおっしゃいました現職現給でございますか、そういった条件で出て行っていただくことができるというものではないわけでございまして、その点を申し上げたわけでございます。 〔委員長退席、中村(喜)委員長代理着席〕
○中西(績)委員 ところが、地元の場合には無制限に近い形になっているんですよ。大阪が五十二であり、兵庫が八十三であり、小さな奈良が十六であるわけですよ。だから問題は、とらえが全然違うのです。少なくともこれで私たちが主張しているのは、ここで合格をした人については、制限を加えることなく、文部省の方から、その者については現給現職で行くためにその後任については定数を補完する、これまでこの前確認をしているわけです。ですから、そのことについていろいろ危倶する必要は何もないわけです。だから、後でいいじゃないかと言うけれども、いや先にしなくちゃならぬというのが、皆さんの言い方なんです。 ところが、いま聞いておりますと、枠を云々だとかなんとか、それをしなければ困る、無制限であっては困るなんて言っていますけれども、実際にこれは無制限に近い数になっているのじゃないですか。希望者はほとんどこうなっていますよ、一つの府県から五十何名という。全部で四百六十のうち兵庫は八十三名ですよ。大阪は五十二名ですよ。近畿圏だけで百六十八名です。だから、そういうことはないのです。それをわざわざあなたたちは何か理屈をつけて制限をしよう、制限をしよう、こういうことになっているわけだ。この点どうなんですか。
○三角政府委員 御指摘のように近畿圏は多くなっております。それから遠いところは、やはり少ないというような一般的な傾向は見られるわけでございます。ただ、内地留学というのは、兵庫教育大学だけではない、ほかの大学もあるわけでございます。 それで、この兵庫教育大学への出願者の数が多い少ないは、これは先ほども申し上げておりますが、県の一つの対応といいますか、方針でございます。したがいまして、私どもとしては、これは県がそこまでやれるということでおやりになることは結構である、こういうふうに思うのでございます。
○中西(績)委員 言うことがさっきとまた違っているんですよ。制限をしなければならぬと言っているくせに、今度は県がやるのだったら自由だ、こう言っているんですよ。だから、もう全然言っている趣旨が透徹していないんですよ。 さっきも言いましたけれども、私がなぜこのことを一番細かく言うかというと、少なくとも国立大学ですから、全国どこから来たっていいわけです、それに、このように最初からしぼりをかけたりなんかすることになってまいりますと、第一次試験みたいなことを各県でやられた日には、県によって差が出てくるんですよ。それがあるから、私は、そういうしぼりになるようなことはかけるべきでないということをいままで主張してきた。 いまさっき言ったあれからしますと、その県が許せば何ぼでもいいというわけですね。だから、今度は県でしぼりをかけているから、さっきから問題になっているわけだ。さっきの愛知県のものだってそうでしょう。愛知県の教育大学といえども、これは国立大学ですよ。兵庫だけではありません。だから、そこをはっきりとらえておかないと、制限条項は依然としてやはりそこにはあるということを意味するわけですから、この点が問題だということを指摘しておるのです。 したがって、先ほどの答弁が後から出てくると思いますけれども、そういうものとのかかわりの中でこのことを考えていただかないと、これは大変なことになるわけです。これは後でまた答弁をいただきます。 そこで、上越教育大学学部の受け入れは五十六年四月、兵庫教育大学学部の受け入れは五十七年四月ということになっていますけれども、こういうところに新しい構想の大学を設置するということになれば、既設の大学とどう調整をしていったのでしょうか。
○宮地政府委員 鳴門の教育大学につきましては、徳島大学の教育学部との調整問題について先般来お尋ねもありまして、調整をいたしております。(中西(績)委員「それを聞いてません、上越と兵庫を聞いているわけです」と呼ぶ)上越教育大学については、五十六年度から学部学生の受け入れをいたしておるわけでございますが、その創設を契機といたしまして、上越市にございます新潟大学教育学部の高田分校を新潟市へ移転統合するということで進めてまいっております。 なお、兵庫教育大学につきましては、学部の受け入れは、まだこれからでございますけれども、兵庫県という立地状況を勘案いたしまして、既設の教育学部、教員の需給状況その他全般的に見れば、初等教育教員養成課程については、兵庫教育大学の学部と既設の神戸大学の教育学部とに特に調整を要するというような事態はない、かように判断をいたしまして、私どもとしては、兵庫教育大学の場合には、そういう対応をいたしておるわけでございます。
○中西(績)委員 新潟の上越教育大学の場合には、高田分校を新潟へ移すと言われておりますが、そうすると、ここでの需要の関係だとかそういうバランスの問題はどうなっていますか。神戸の場合には、人口の問題だとかなんとかでうなずけますけれども、新潟の場合、どうでしょう。
○宮地政府委員 具体的に人口数で申しますと、新潟県が約二百四十万余りであり、兵庫県が約五百万の人口ということでございます。それに比べまして徳島県は人口が八十三万という、基本的に県の大きさとして非常に違うわけでございます。 それで、新潟の場合のお尋ねでございますが、人口は、いま申し上げたとおりでございますし、さらに地理的な状況で申しますと、新潟市と上越市ということでございますと、百キロを超える距離というようなことがございまして、その点、上越教育大学の創設準備室と新潟大学あるいは新潟県の教育行政機関等とも相互に話し合った際には、上越教育大学において学部学生を受け入れることについて、特にその間に調整を必要とするという論議はなかったというぐあいに承っております。
○中西(績)委員 私が聞いておるのは、新潟で三百七十八人受験をしまして六十四名通っています。それぞれ各県には教育大学あるいは大学の中に教育学部がほとんどあるわけでありますけれども、ここは二つになるわけですからね。それで聞いているわけです。二百四十万、そうしますと、新潟の場合には、特別さしたる問題はないということで理解をしていいのですか。
○宮地政府委員 私どもとしては、さように理解をいたしております。
○中西(績)委員 そうしますと、先ほどお答えしようとしたようでありますけれども、徳島大学になりますと、いま言われました人口からいたしましても、すべての面からいたしましても、問題があるのではないかと思っています。この点、非常に調整が困難だということを私たちは聞いておりますけれども、どうなっていますか。そして二つ目に、問題点は何であったのか。三つ目に、なぜこういうところに無理をしてつくるのか。この三点。
○宮地政府委員 徳島大学教育学部との調整問題については、すでに御議論いただいて、前にも御答弁申し上げたわけでございますが、ただいま申しましたような基本的な立地条件が異なるというわけで具体的な調整が必要であろうということで、創設調査の段階から、そのことが一つの問題点であったわけでございます。 お尋ねの第一点は、徳島大学の教育学部をそのまま分離移行するということでは問題があるということが教育学部の意向でございまして、まず徳島大学内で十分論議をしていただくということで、徳島大学長が、当時、創設準備室長を兼ねまして検討を進めてまいったわけでございます。五十四年末になりまして、徳島大学の教育学部においても、室長の要請を受けて学部の将来構想について改めて取り組むということになりまして、その後、徳島大学教育学部としては、鳴門教育大学と競合しないように学部の改組の方針を決めて、具体的な検討も進められてきておるわけでございます。徳島大学の教育学部の将来の方向については、今後、その具体的な内容について検討が進められるわけでございまして、そのための学部等改革調査経費も、五十六年度予算に経費を計上するということで対応いたしております。
○中西(績)委員 いまの回答では、徳島大学教育学部をほかに転科か何かするのですか。
○宮地政府委員 具体的なこれからの検討を待たなければどういう形になるか、今後の課題であろうかと思いますけれども、徳島大学教育学部については、たとえば人文系統の他の学部というような形ももちろん考えられるわけでございますが、今後の具体的な検討に待たなければ、その点は、ただいまどういう方向でということは、ちょっとここでは申し上げにくいことでございます。
○中西(績)委員 そうしますと、この徳島の場合には、そうした需要の関係だとかいろいろなことからいたしますといろいろ問題がある。近くには、隣の兵庫には、先ほどから指摘されておりましたように、二つの学校があるわけですね。だから、わざわざこういうところに持っていくこと自体、私も大変不思議に思うのですが、その点は不思議に思われませんか。
○宮地政府委員 その点につきましては、従来御答弁申し上げている点は、四十九年度からこれらの問題については取り組んできておるわけでございまして、五十年度から上越・鹿屋・鳴門について具体的な創設準備調査をはじめたということで対応してきております。鹿屋につきましては、先ほど御説明したとおりでございますが、鳴門につきましても、従来の調査経過からいたしますと、ここに教育大学をつくるという構想は、地元においても、鳴門市、徳島県においても、そういう御要望は大変強かったわけでございまして、具体的に兵庫−鳴門という点でみれば、地理的には距離の近いという点も確かに指摘される点でございますけれども、従来の経緯を踏まえまして、私どもとしては、鳴門に教育大学をつくるということで、その際には徳島大学の教育学部との調整問題も含めて解決をしていかなければならない課題である、かように考えております。
○中西(績)委員 解決をするためには将来、人文学部か何か知らないけれども、変更するということになってまいりますと、わざわざそこに大学をつくるに当たっては百何十億でしたか、かかるわけですね。ですから、前回の八十四国会の中で私たちが討論をした際に一番主張しましたのは、それだけの金があるなら他の教育学部の中に大学院の設置なりあるいは収容人員の拡大なり、そういうのがどんどんできるではないですか、改めてそこに何でつくるかということを聞きましたけれども、いよいよそこにある教育学部を転科させたり、あるいはつぶすというようなことにでもなってくると、ますますその色彩というのは強くなってきます。この点どうですか。
○宮地政府委員 徳島大学教育学部との調整の問題については、今後、徳島大学側と十分御相談を詰めた上で対応しなければならないわけでございます。もちろん、教育大学を新たにつくれば、経費として相当額のものが全体計画として必要であることは御指摘のとおりでございます。ただ、教育大学として上越・兵庫に続きまして、鳴門につきましても、従来から創設準備ということで取り組んで今日まで来ておったわけでございまして、上越・兵庫の場合よりもこの鳴門がいわば発足がおくれましたのは、徳島大学教育学部との調整問題がそこには具体的にあったから、それらの点について、私どもとしては、十分調整を進めながら御提案を申し上げるということで今日対応してきておるわけでございます。 学部の発足は昭和六十一年度ということになるわけでございまして、もちろん私どもは、それまでの間に徳島大学の教育学部との問題については、十分円滑に調整を進めなければならない課題である、かように考えております。
○中西(績)委員 私が質問しておることには何にも答えてくれないのです。なぜ答えてくれないのでしょうか。どうして外すのでしょうか。 私が前回、五十三年四月十四日の委員会で佐野政府委員に対していろいろ質問をした際に、一校を設置するに当たって百八十億円かかる、こう言っているのです。しかも、これが三校できるのです。今度の鹿屋まで入れると四校になるのです。これは大変な金です。いま金がない、金がないと言って困っているときに一こんな金があるのだったら、各大学から大学院を設置してほしいという要請があるわけですから、そして、それにはまだ条件が十分でないと言っているから、それは条件さえつければ大学院が設置できるわけですから、そういうことができるのに、なぜこのようにして金を使い、どうしてこうして無理なところに設置をするのでしょうか。今度、前ある教育学部をなくさなければならぬというような事態にでもなったときには、なおその感を深くするわけです。私たちは、それがどうしても納得できないのです。なぜこういう大学をつくるのですか、こう言うのです。無理をするのが不思議だとぼくは言っているのです。四十九年からそういうものが計画されたからといったって、それが間違っておれば、いまやめればいいのです。何も百八十億も——これから以降だったら百八十億以上かかるでしょう。そういうことだってできるんですからね。いまむだ金は使うなと言っているわけでしょう、なぜでしょう。
○宮地政府委員 御答弁、繰り返しになるわけでございますけれども、私どもとしては、新しい教育大学というものが意味のあるものであり、かつ現職教員の再教育に資するという点ではぜひとも設置をお願いしたいということで、上越・兵庫に引き続いて鳴門をお願いしているわけでございます。片や、前回の国会での御議論も踏まえまして、既設の教員養成大学学部の大学院の整備充実にももちろん取り組むということで、ここ数年来取り組んでまいっております。私どもとしては、先ほど来御答弁申し上げておるとおり、その両者の整備と相まって対応していきたいというのが基本でございます。
○中西(績)委員 それでは聞きますけれども、既存の大学の中で現職教育はできないのですか。
○宮地政府委員 その点も先ほど来御答弁を申し上げている点でございますが、既設の教員養成大学学部の大学院におきましても、現職教員の再教育に配慮するように、たとえば入試の際の取り扱いでございますとかそういう具体的な配慮は対応してきておるわけでございます。
○中西(績)委員 それでは、できるということになるわけですね。確認しますよ。既設の大学におきましても、配慮し、その内部をある程度変更すれば、あなたが言われる現職教育というのはできるということですね。
○宮地政府委員 ただ、先ほども御説明を申し上げたわけでございますけれども、既設の教員養成大学学部の大学院の場合には、研究科の構成にいたしましても、教科中心の構成になっておりますとか、あるいは従来のものは、主としては学部の新卒者を受け入れるものとしてございますが、その中でも、現職教員の受け入れにも特に積極的に配慮してもらうようにということで対応いたしておるわけでございます。 先ほども御答弁したわけでございますが、実際に現職教員の受け入れる数から申せば、既存の大学院全体合わせて三十名ということでございまして、量的に言えば兵庫・鳴門・上越の方で大多数の者は受けとめるという形になるわけでございます。
○中西(績)委員 問題は、たとえば二百名なら二百名の者、あるいは三百名なら三百名を収容するということになれば、それだけの教授だとか職員を全部配置しなければならぬことはわかり切った話ですよ。そうなれば、いま三十名だからといっておるところを、たとえば六十名にすれば倍になるのです。どうせ臨床的な現職教育をやるわけですからね。この前もそのことを言っているのです。臨床的なものになるなら、そこにはやはりそういう教授がいないのですから、新しい大学であっても、それを求めなくちゃならぬ。あなたたちは、それは大変困難ですと言われているんですよ。既存の大学だって困難でしょう。それは同じなんです。そういうことがどうしてできないのですか、こう言っているわけです。それの方がまだ安上がりでしょうが。私は、金をかけることは、教育に関しては余りいといはしませんけれども、今回の場合のように、わざわざこうまでしなくちゃならぬという理由がどうしてもわからぬのです。
○宮地政府委員 基本的な姿勢としては、こういう新教育大学と既存の教員養成大学の大学院の整備と両々相まって対応するのだということで申し上げておるわけでございますが、既存の大学院が現職教員の再教育という点に配慮をするということも、言うなれば新しい教育大学がそういう点に重点を置いたものとして発足をしていく、そういうことが一つの経緯といいますかきっかけといいますか、よすがにもなっている点があろうかと思います。 私どもとしては、先ほど来言っておりますように、従来、すでに準備を進めてまいっております鳴門教育大学については、予算措置その他をつけまして、設置を御提案申し上げておるわけでございます。 なお、あわせて申せば、この三教育大学以外に新たにそういうことを考えることは、当面は考えていないということは、すでに御答弁申し上げているとおりでございます。
○中西(績)委員 一番最後に言われたことは、前回も確認をしていることなんですね。前回もそうなんです。ですから、上越あるいは兵庫のときにも指摘をしたのですけれども、こうして無理をして、いまこうして改めて片一方あるやつまでつぶすようなことまでして、あるいは転科までさせるようなことをしてなぜしなければならぬのか。いまの答弁のように以前から計画があったと言うのなら、計画さえすれば何でもできるということじゃないですか。そんな暴言はやはり慎んでいただきたいと思います。この点、どうしても納得できません。 大臣にお伺いしますけれども、いままでの討論の過程をずっとお聞きいただいたと思いますが、どうしてこう無理をするのですか、この点お答えください。
○田中(龍)国務大臣 ただいままでのいろいろなお話もよく承りました。いろいろな経過があったことであると存じます。しかしながら、どうかひとつ、日本の大学教育のために、なお一層の御協力のほどをひとえにお願いいたします。
○中西(績)委員 大臣と討論しようにも、これは討論にならぬですね。もう本当に、実際にこうしたむだ遣いをなぜするのか。このことよりも、ほかにたとえば四十人学級だとかいろいろなところに金を使うことは幾らでもあるのです。障害児のための教育だってまだまだたくさんの問題があるわけですよ、定数問題一つ取り上げてみても。これがどうしても私たちに納得できぬわけですよ。いまの日本の教育云々というようなことでは、どうしても納得できません。これ、あきらめませんからね。大臣の御答弁ではだめだということがわかりましたから、これじゃ、いまの日本の教育を担当する大臣であるかどうかということをぼくは大変危倶します。 そこで、次に移りますが、一九七八年に、体育・スポーツに関して第二十回ユネスコ総会で、体育・スポーツ政府間会議が常設をされまして、定数三十カ国で、日本は理事国として立候補し、選出をされました。この総会で、ユネスコ体育・スポーツに関する国際憲章が全会一致で採択をされておるようであります。 そこで、もう時間がありませんから読み上げませんけれども、前文並びに第一条から十条まで確認をしておりますか。特に第一条「体育・スポーツの実践は、すべての人にとっての基本的権利である。」ということから始まるわけですが、こういう内容について、文部省は十分理解してますか。簡単に言ってくださいよ。
○柳川(覺)政府委員 スポーツに関するユネスコの政府間会議には、文部省からも担当官が毎回出席しておるわけでございまして、いま先生御指摘の体育・スポーツ国際憲章につきましては承知いたしておるところでございます。
○中西(績)委員 文章上承知だけでなくて、その内容をやはり知っていただかないと、前回、婦人の地位についていろいろお聞きしますと、そのことについては知っていると言うのだけれども、具体的になってくると知らない。知らないよりもまだ悪い答弁になってくるんですね。ですから、あえて私がこのことをいまわざわざ持ち出したのもそこにあるのですが、この内容については、そのように理解してよろしいですか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、この体育・スポーツ国際憲章では、体育・スポーツをまさにすべての人にとっての基本的権利として保障していく、また、その実現を図る努力が要請されているというように、十分これを尊重するということで受けとめておるところでございます。
○中西(績)委員 そうでありますならば、先ほどもちょっと言っておったようでありますけれども、いまの日本の施設整備はもちろん、指導者の養成も不可欠であると思いますけれども、この点についてはお認めになりますか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、この基本的な権利を保障していく上で施設の十分な整備、また指導者の養成、確保のことが、当然にこの憲章でも触れられておるわけでございまして、その趣旨に沿った努力を重ねているところでございます。
○中西(績)委員 ところが、いま言われましたけれども、資格認定制度あるいは資格の付与制度の検討すらも見送られて、中間報告もできなくなってきていますね。あるいはスポーツ主事は、財政難を理由にいたしまして配置が抑えられておるということはお認めになりますか。
○柳川(覺)政府委員 わが国におきましては、多年、学校教育における体育の重視ということで、この面に、世界でも比較的すぐれた国としての努力を重ねてまいりました。したがいまして、学校体育につきましては、当然に教員の免許資格が特に確立しております。 問題は、社会体育あるいはスポーツの分野における指導者の資格問題でございます。この問題につきましては、わが国では、それぞれの競技団体等の大変な努力が重ねられて今日に来ております。さらに、それにどのようなオーソリティーが与えられるべきかという問題も、これまたあるわけでございますが、いまこの面につきましては、わが国の体育・スポーツの施設のあり方と並行しながら、体育・スポーツの指導者の資格について、一体どのような資格制度を確立すべきであるかということにつきまして、文部省体育局に調査会を設けまして、調査、御研究をいただいておるところでございます。 このことは、他の芸術、文化一般とも関連する面もございますが、その中で体育・スポーツの特性を十分踏まえながら、また公的な指導者あるいは民間による指導者という多様な指導者の態様に応じた面での実態調査及びそれをもとにした御研究をいまいただいているところでございます。
○中西(績)委員 中間報告が引き延ばされたということは事実ですか。
○柳川(覺)政府委員 数十回にわたる調査会が持たれておりまして、いま大方の中間的なまとめに入っておるわけでございますが、五十六年度中には、この中間まとめをぜひしてまいりたいと努力をしておるところでございます。
○中西(績)委員 もう一点、主事は、財政難を理由にいたしまして、配置をずいぶん抑えられてきていると思いますが、この点どうでしょうか。
○柳川(覺)政府委員 先生御指摘のとおり、財政事情等もありまして大変厳しい中でございますが、この問題につきましては、各方面の要望大ということで、五十五年に六百人を六百五十人に増員いたしました。五十六年度は六百五十人の継続が実現されておるということでございます。
○中西(績)委員 私が申し上げたかったのは、この国際憲章を確認して、しかも理事国になっている日本なんですね、そういう条件がありながら、いま言われますように、学校体育を重点にしてきたという経過等もあって、ボランティアの活動なりそれぞれの競技団体のそういうものによって、資格制度あるいはそれに対応する人的な措置というものが落ち込んでおるということは認めざるを得ないわけです。この点を私は確認した上で次に入ります。 〔中村(喜)委員長代理退席、委員長着席〕 大臣が所信表明されましたように、今度の鹿屋体育大学については、実践的な指導者を養成する、特に社会体育の分野に主眼を置く教育研究云々と言っています。特に私は、これを言う前にもう一つ確認をしておきたいと思いますけれども、保健体育審議会が一九七二年に答申を出しまして、施設・設備の整備と指導者の養成確保を急ぐ要あり、それからもうすでに九年近くたっています。 ところが、先ほど言っておられましたように、体育指導員は、当時は一人当たり住民三千百八十二人、今度いただいた資料、先ほど説明しておった資料を見ますと、二千四百七人に一人ということになっておるようです。それから社会体育の担当職員の場合は、四千九百四十五人が今度の場合には相当ふえておるようですね。一万一千二百八十六人になっておるようです。府県別あるいは市町村別ずっと見ていきましても、いずれにしても、いま提出いただきました資料を見てみますと、たとえば専任職員が市の場合を見ましても三千七百四人、まだ専任の職員がいないところもあるということがはっきりしていますね。七八・三%。村に至っては二百七十二人で二三・六%が専任の職員です。その中で今度は、そういうことのできる、たとえば教員の免許状あたりを保有している人からいきますと、全体の平均が一五・七%にしかなっていません。このうち、専任五千九百四十四人のうち千七百七十三人しかいないわけですから、こういうことになってまいりますと、学校体育だけを重点に置いてきたという経緯からいたしまして、こうした指導者養成を急ぐことが大変重要であるということは私も認めます。しかし、この状況を見ていきますと、施設整備、それから指導員とのかかわりというのは絶えず相対的なものがあるわけですから、片一方だけがぐんとふえても、どうすることもできません。しかし、施設整備もある程度進んでおるということは聞いております。先ほど説明していましたね。 しかし、いずれにいたしましても、先ほどから言っておるこの国際憲章に合致するような中身になっていないということは事実なんですね。これはお認めになるでしょう。現状においても合致するというものにはなっていない。
○柳川(覺)政府委員 わが国におきましては、すでにスポーツ振興法が制定を見ておりまして、国民があらゆる機会にあらゆる場所でスポーツができる状態をつくるということに挙げて努力をしてきておるわけでございます。その面から学校体育の充実、また先ほど御報告申し上げましたが、広く国民のスポーツ人口の動向等から見ますと、世界各国の中でもきわめてスポーツの進んだ国ということが一般に評価されておると思っております。 ただ、その体育施設の内容、また人的構成の充実という面につきましては、学校体育に比しまして社会体育・スポーツの面、この面は国民の自由な世界ということで、行政はこれに積極的な取り組みをむしろ控えていたという歴史もあります。そういう面から学校体育の重視との関連ではおくれてきたということは御指摘のとおりでございまして、いま社会体育の振興につきまして、せっかくいろいろな方面からの努力を重ねておるところでございまして、保体審の答申等も受けまして、そのためのいろいろな施設のあり方の問題、また、その中における人的構成の問題、その所要資格につきましても調査研究をお願いしておるところでございます。
○中西(績)委員 不足しておることは事実だし、保健体育審議会答申とはなかなか合致していないということも事実なのです。 そこで、指導者養成ということはわかりますが、わざわざ新構想大学を設置しなくてはならぬのかということに今度は立ち返ってまいります。完成時まで総予算は大体幾らですか。
○宮地政府委員 鹿屋体育大学の設置に伴います施設・設備の所要額の推計は、施設・設備、用地取得費等を含めまして百億程度、若干上回ることになろうかと思いますが、ただいまその程度と試算いたしております。
○中西(績)委員 これは完成時までで確認してよろしいですね。
○宮地政府委員 はい。
○中西(績)委員 そこで、既存の教育関係大学、すべて学校教育を主体にしていままでやってきたということは事実だし、そのことは認めます。社会教育担当者並びにこの指導者養成がおくれているということは、先ほど体育局長も認めたとおりであります。したがって、社会体育のみでなくて、社会教育全般的にもこういう問題がやはり依然としてあるわけですね。おくれている、そのことを認めなくちゃなりません。したがって、これから生涯教育ということを考えてまいりますと、一般的な社会教育面とこういう社会体育面、そういうものにわれわれが十分これから対処していかなくちゃならぬということは当然でありますけれども、この新構想大学を百億かけてつくるということでなくて、別大学をこうして新しくつくるのでなくて、学校教育と社会教育、こういうもののかかわりを持たせるためにも、大事にするためにも、むしろ既設の大学に、そういうものを、講座あるいは学科を設けるか、あるいは課程制を設けるかすることが必要ではないだろうか。というのは、物すごくおくれておるわけですから、これを補完していくということになれば、当然、そういう点を考えるべきではないかと思いますが、この点どうでしょう。
○宮地政府委員 御指摘のような指導者の養成の面が、必ずしも学校教育に比べて十分でない、おくれている、充実しなければならない分野であるということは、御指摘のとおりでございます。 体育の関係につきまして、この新しい体育大学をつくることよりも、既存の学部を充実する点でどうかという御指摘でございますが、この点は、先ほど来の御答弁の繰り返しになりますが、鹿屋体育大学をつくるに至りました今日までの経緯は、すでに御答弁申し上げたとおりでございます。 ただ、既存の大学の充実ということも、もちろん考えていかなければならぬわけでございますが、社会教育の指導者養成ということになりますと、これは大学教育そのもので考えていくのか、あるいは社会教育指導者の認定講習というようなことなども行っておるわけでございまして、各般の施策をそれぞれ充実させていくべきもの、かように考えます。
○中西(績)委員 私がこうして申し上げるのは、たとえば市におきましても七八・三%、町においては三六・四%、村においては二三・六%、全体の数字からいたしますと、専任の職員の数が五二・七%にしかなっていない。倍にしなければならぬくらいに必要なんです。そしてなおかつ、その中で今度は、そうした体育なら体育を指導し得るという、本当に教員免許くらいを持つ人ということになると、一五・七%しかいないのです。ということになってまいりますと、私は、どうしてもこの鹿屋の体育大学というものをつくって、そのことによって補っていこうというこそくなことよりも、全体的にやはりこういう、先ほど申し上げたように講座を設けるか、あるいは学科を設けるか、さらに課程を設けるか、それの設ける内容については、私はここでは申し上げませんけれども、そういうものを取り入れてやるべきではないか。そうしないと、いま言うように、こうして国際憲章では、理事国としてこれに参加をし、そして、そのことを認めておるにもかかわらず、こうした事態になっているわけですから、むしろ積極的な面を出すべきではないだろうかということを言っておるわけです。この点、大臣どうでしょう。
○田中(龍)国務大臣 いまの先生のお話も、そういう御意見のあることもわかりますが、御案内のとおりに、先ほど来お話のように、わが国がスポーツ・体育の面でおくれておるという事実も、確かにあるわけでありまして、これに対しまして、特に保健体育審議会の四十七年の答申に基づきましても、大学における社会体育の指導者の養成についての答申を得ておるところでございますが、なお、この審議会が、特にわが日本の体育の急速な発展のためにいろいろな答申をいたしております。特に民間団体が行っておるいろいろな体育の中における指導者というものの養成につきましては、今後の体育・スポーツの上から申しましてもぜひ必要であるという答申も出ておりますし、なおそのほか、御案内のとおりに、社会体育の養成のための大学がこれに対して寄与しなければならないという問題やら、さらにまた、研究体制の整備ということも答申を受けておるような次第であります。 かような次第で、少なくともそういうふうな全般的な御意見のほかに、この答申を踏まえまして、われわれは、何とかして積極的に体育の振興、スポーツの振興を図っていきたい、こういう一つのあらわれでございます。
○中西(績)委員 私が質問をしたのは、いまお答えいただいたような中身でなくて、この鹿屋体育大学というもの、これだけに限定をして、ここだけをつくっていくということでなくて、先ほどから申し上げておりますように、行政的な措置を見てみますと、本当にはだ寒い思いがするわけですね。十分じゃないということは、はっきりしているのです。ですから、これを補うためには、こういう大学でなくて他の大学でもいいじゃないですか。他の大学にそういう講座あるいは学科あるいは課程制を設置してでもやるべきではないでしょうか。その中身については私は言いませんけれども、研究をしていくべきではないか、こう言っているのです。
○田中(龍)国務大臣 いまの御意見によりますれば、新しくこういうものをつくらなくたっていいじゃないか、おのおのの大学におけるその振興を普遍的にさらにやっていけばいいじゃないか、こういう御意見の筋と存じますが、もちろん、それはそれでその必要性からやりたいと思いますが、この答申にもありまするように、体育の振興のために特に専門的なそういった機構のセンターをつくる必要性を答申は述べておるわけでありまして、それを踏まえまして、鹿屋の大学を特につくろうという国家的な意図というものは、これは御理解いただけるものと思います。
○中西(績)委員 いま言われる答申というのは、この「体育・スポーツの普及振興に関する基本方策について」という答申ですか。これを指しているのですか。
○田中(龍)国務大臣 四十七年の答申があります。
○中西(績)委員 それには、そういう大学をつくれとかそういうことは書いていませんよ、私、読んでみましたけれども。ありませんよ。この四十七年の保健体育審議会答申というのがありますけれども、これを見ましても、そういうあれはありませんね。
○田中(龍)国務大臣 いまの答申の「学校体育の充実」の前の項の「社会体育指導者養成」という問題で特に「大学の寄与」、こういうふうな項目の中には「専門の社会体育指導者の養成の必要性が高まっている」、こうはっきり申しておると存じます。
○中西(績)委員 私が言っているのは、この新設の大学をつくりましても、一年に百四十人でしょう、一学年八十人と六十人、そうしますと、いま大変必要だから、これを拡大しまして、既設の大学なりの中でもそれを拡大してやるべきではないか、私はこう言っているわけです。これはわざわざ百億円もかけてつくるよりもと、こう言っているのです。いま言われましたように、大学が寄与することは当然でしょう。しかし、新設の大学までつくって、言葉じりをとるようですけれども、さっきセンターをつくれ、こういう言葉だった。それが大学に続いているみたいな答弁ですから、そういうのはありませんと私は言っているのです。
○宮地政府委員 若干補足して説明させていただきたいと思いますが、鹿屋体育大学をつくるに至りました経緯は、先ほど来御説明申し上げておる点でございます。先生御指摘の既存の大学についても、そういうものを充実すべきでないかという御意見はごもっともでございまして、こうしまして、社会体育指導者養成を中心といたしました鹿屋体育大学をつくって、いわばここがその中心的な役割りを果たしながら、既存の大学におきましても、それぞれの大学自体が充実計画を具体的に検討いたしまして、こういう大変不足しております指導者養成のために、既存の大学においても、これはそれぞれの大学に具体的な計画を立てていただくわけでございますけれども、大学がそういう具体的な計画を立てて充実をさせてまいるということは、社会的な要請を受けとめるという観点からも必要なことでございます。 もちろん今日は、大変厳しい財政状況でございますが、そういう意味では両々相まちまして、そういう不足している指導者養成のために大学が対応しなければならないことは当然でございまして、私どもとしても、そういう対応を今後は考えていくべきものと、かように考えております。
○中西(績)委員 いま重大な発言をされました。この大学が中心になる、そうなりますと、大臣がさっき言ったセンターになるということを意味するのですか。ということになると、逆に問題が出るのじゃないでしょうかね。これは大変ですよ。中心になるという言葉をいま使われましたけれども、私たちがいろいろなことを指摘すると、大学には大学の自治があって、主体性があって云々と言って絶えず逃げ回る人たちが、今度は中心になってここで何か統括するみたいな話をしおるんですね。むしろこの答申においては、既設の大学なり、そういうところでそれをずっと発展をさせていけということになっているのです。私たちが今度質問をすると、答申がありますからと言っていつも逃げる人たちが、今度は答申からは逃げておいてそういうことを言うのですか。私はもう大変なことを言っておると思いますね。大臣の言うセンター、それとこの中心ということが一致するんですね。
○宮地政府委員 やや言葉が十分でなかった点はあろうかと思いますが、国立の体育大学の計画としては、私どもがここに御提案を申し上げております鹿屋体育大学のほかに、さらに体育大学というものをつくっていく計画は、いまのところ持っていないわけでございます。国立の体育大学としては、そういう意味では、ただいま私どもの持ち合わせておる計画で申せば、これが一つでございます。 なお、既存の大学の充実という点で具体的にひとつ御説明申し上げれば、たとえば広島大学で体育学部を設置する構想が従来から計画されておりまして、そのための調査費というようなことで調査も具体的に進めているところでございます。したがいまして、既存の大学の充実についても、私どもとしても、取り組むことは必要なことであろう、かように考えております。
○中西(績)委員 いま私が聞いたのは、その中心ということとセンターということが、今度国立大学が一つだからということに変わったわけですね。国立大学が一つだから、国立大学はほかに学部があるけれども、これはやはりセンターなのです、こういうことですか。中心ですか。
○宮地政府委員 中心とかセンターとかという言葉が、ほかの大学に対してとやかくの役割りを具体的に果たすものというぐあいにお受けとめいただくとすれば、やや誤解を与えた表現であろうかと思います。
○中西(績)委員 ですから、いま言われるように、既設の大学の中にそういう学部を設置したいという希望もあるし、また設置するように働きかけていただいて、この保体審の要請にこたえるようにしていただけないか、こう言っているわけです。金のないときに、わざわざ百億円も注ぎ込んでそういうものをどうしてわざわざつくるのですか、こう言っているわけです。どうもその点についての明快な回答がないのです。 そこで、私は指摘をしたいと思いますが、こういうように行政的な措置がおくれておる中で、青少年の柔剣道振興という動きがあって、これの関係で設置が推進されてきたのではないかと私は感じます。鹿屋体育大学構想については、この拍車がかけられて、急速にこれがどんどん進行していきました。どうも私は、政治的なものがその中に含まれているのじゃないかというような気がしてならぬわけですよ。なぜかというと、他の既設の大学のものを推進する、そういうところに力を入れるということでなくて、こういうものに力を入れていくという、さっきの教育大学、三つの教育大学ですね。このこととずいぶん関連があるのではないかと私は思うのですけれども、この点どうでしょう。
○宮地政府委員 何か御質問では、私があるいは必ずしも真意を正確にくみ取ってないのかもしれませんが、この鹿屋体育大学の設置については、別に政治的ないろいろな背景なり圧力があってこれらが積極的に進められておるのではないかというようなお尋ねのように受けとめたのでございますが、そういうことではございませんで、今日までの準備の調査の段階は、もう先ほど来御説明をしたとおりでございまして、そういう調査を踏まえまして、計画が熟した段階で予算措置も講じまして、今回大学の設置について御提案申し上げておるという点でございます。 もちろん鹿屋には、武道課程と体育・スポーツ課程という二つの課程を置いていることは、従来御説明を申し上げているとおりでございます。
○中西(績)委員 ですから、他の大学にはそういう推進をせずに、こういうところに一校だけつくって、そして社会体育に寄与する、あるいはこたえるということが私はどうしても納得できないわけですね。というのは、ずいぶん不足しておるということはわかっているのだから、それを急速埋める、百四十人程度で埋めるのではなくて、他のところにそういう学部をつくっていけば、これはうんと埋まっていくのです。だのに一校だけで、しかも、その中で武道が六十名、体育・スポーツが八十名という中でしかなってないということですね。ここは大変問題だということを私は言っておるわけです。 そこで私、時間をちょっと間違ったのですが、一九七八年の武道議員連盟、これは御存じですか。そして設立趣意書を見たことがございますか。
○柳川(覺)政府委員 国会の衆参両院の先生方、たしか百数十名の先生方で議員連盟が一九七八年二月九日でございましたか発足されまして、趣意書も承っております。
○中西(績)委員 その中に「中学校に於ける柔剣道を積極的に奨励する。」ということでもって、一が「一般の体育の他に、柔剣道を独立の正課とする様に教科課程を改正する。」とありますよ。それから二番目に「柔剣道の教員を全国的に配置する。」、三番目に「指導者養成のため、国立大学にも柔剣道を正規の課程として採用する。更に武道大学を設立する。」とある。これを見ると、これが出てきていますね。 しかし、その次に出ているのを見ますと、これはその次の年、七九年ですが、「柔・剣道教育推進のための施策の拡充について」というのがあります。これは文部省から出ていますけれども、中学校の学習指導要領なんかを見ましても、こうまですべきでないと私は思っているのです。学習指導要領から逸脱するようなことまで言っているのじゃないかと私は感じるわけです。これを見ますと、「中学校における格技の指導時間数配分の最高限度である三五%を達成目標」とするということから始まりまして、「柔・剣道の研究指定校を設置し、その推進を図る。」、そして指導者について非常に問題なのは「各県への指導」の中にありますが、「体育担当指導主事は柔・剣道の能力のある者を採用するよう指導する。」ということから始まり、「保健体育教員の採用に当たっては柔・剣道の段位保持者を優先するよう指導する。」、こういうことまでずっとはまってきています。そして、これから以降、五十四年度、そして五十五年度、五十六年度という、こうした各学年ごとにいろいろなものについて指摘がされてあります。こういうのを見てまいりますと、これに基づいて、その次に八〇年に出ておる新体育大学の基本構想、こういうものにちゃんと全部連なってくるわけですね、武道大学から始まって。 だから、こういうことを見ていきますと、私がいま申し上げましたように、少なくとも教育関係の各大学にそういうものを置いて、百四十名という少人数でなくて多数の者を育成していくという体制があるにもかかわらず、わずか百四十名という単科の大学までつくって、しかも武道を中心的な、いままであるのは一つの総合的なものであるのに、これを全部別個にしまして、こうして置いておるところに私は非常な問題を感じるわけです。これは社会教育あるいは社会体育のおくれを、国民が要求をしておるということを悪用してこういうことをやっておるような感じがしてなりません。 それで、いま私が申し上げました三つ、武道議員連盟のそうした武道大学の設置などを含めてのいろいろな要求、正課の云々だとか教育課程を改正せいとかそういうこと、それから文部省が直接出しておる内容と、今度新しく出された八〇年の新体育大学の基本構想、こういうものとの関連についてどうお考えですか。
○柳川(覺)政府委員 学校体育におきますところの格技の指導につきましては、先生御指摘のような中学校で柔道・剣道・相撲のうちから三者択一、高等学校で柔道・剣道のうちから二者択一という指導を基本といたしております。 この格技につきましては、戦後の歴史がございまして、そういうような指導方針になっておりますが、実際には学校で柔剣道を行う場が欠けておるという問題もございまして、また実際に体育の指導に当たられる先生方が、必ずしもこの面の指導力を持っておらない先生もおられるという実態でございますので、私ども、学校体育のより充実のためには、この格技の指導を具体化していくことが大きな課題でございます。 その面でかねてから、屋内体育館の整備のほかに中学校、高等学校における柔剣道場の整備ということにも取り組んでおるところでございますし、また実態を見ますと、せっかく柔道か剣道か相撲ということで生徒がそれを選べるという体制をとってこの面の指導を図るということですが、実際には学校で一つしか開かれないというのが実態でございます。やはり子供たちの、生徒の要望に応じていくということが、われわれの、学校側の責任である、そういう場づくりをしていくという責任が十分あろうというように感ずる次第でございまして、その面から体育の先生方にこれからも剣道・柔道・相撲につきまして、これは段のある世界でございますので、有段者になって、生徒とともに、御指導いただくという道をできる限り開いていくということで、認定講習会等を計画しておったところでございますが、たまたま武道議員連盟が持たれまして、この面から、先ほど御指摘のような趣旨の武道振興に関する方向が言われておりました。このことを私どもも十分配慮しながら、学校における従来とってきました格技の指導の具体の策の推進を図るということを進めておるところでございます。 体育系の高等教育機関につきましては、すでに調査費が計上されておりまして、すでにその面の調査研究がなされておったわけでございまして、この議員連盟での武道大学の設置あるいは武道を正課として体育と独立させるということについて、私ども文部省として、これを必ずしもそのまま受けとめておるわけではございません。高等教育機関としての体育大学の設置につきましての調査は、その前から行われておったということでございます。 なお、先生先ほど御指摘のユネスコのスポーツ憲章の中で、すべての人にスポーツを行う基本的権利の保障、その第一に、その国の伝統的スポーツを踏まえてということがうたわれております。わが国の体育・スポーツを語るときに、日本の伝統的な武道というものは、まさにその中に位置してきておる。友好と平和を願うオリンピックの中に柔道というものが明らかに位置づいておるわけでございまして、この日本で生まれた柔道・剣道・相撲というものを、青少年の健全な教育の中で十分生かしていくということは大事なことだというように感じておるところでございます。
○中西(績)委員 時間が参りましたので、いろいろまだ反論したいこともありますけれども、ただ一つ、スポーツとしてどうなのかということです。ところが、いろいろ調査をしたり何かしてみますと、根性づくりだとかこういう精神的な側面だけが強調されるようなことが非常に多いわけですよ。したがって、これは今度、体育の中でも、では教材としてどうだろうかという場合には、いろいろ論議がありますよね。これは一致していません。そういう状況にまであるわけなんです、この武道というのは。 なぜ私はそのことを言うかというと、広辞苑を引いてみますと、武道というのは「武士の守るべき道」、「武術に関する道」だとか、こういうことをまだ書いておるように、そういう精神的な側面だけを強調するというのが、いろいろ調査をしてみると、その占める割合というのが非常に高いわけなんですね。そうなってまいりますと、これは非常に問題があるのではないかということを私は感じるからであります。 そして、いま言うように、あなたが言われるように、国連ユネスコの場合の第一条の中の幾つかの項目の中にあることも私、知っています、知っておるけれども、しかし、本格的にこうしたものが、いま私が申し上げた全般的にある中で位置づけをする場合に、このことがそういうふうにされなくちゃならぬのか。 たとえば、わずか一校と言いましたね、一校の中の六十人、片一方は八十人ですよ。しかも、いまあなたたちが示しておる、文部省が発しておるいろんなやつを見てみますと、有段者を体育指導者として採用するように指導すると言っていますけれども、そうなってまいりますと、小さな学校の場合には、剣道あるいは柔道の教師が入ってきたら、ほかの人は入れぬですよ。三五%のシェアがある。シェアと言ったらちょっとまずいですけれどもね、三五%に達しろとあなたたちは指導しているように、その人が行った日には、ほかのことはもうだめなんですよ、それがやはり中心のものになってくる可能性があるわけです。それは何人もいて、三人おるうちの一人ぐらいならまだいいでしょう。小規模の場合にはそうはなりません。しかも、これは女性は余りやらないんですよ。男性を中心にしてやれと書いてあるでしょう、あなた方の指導では。 こういうことを考えてまいりますと、全体的に占める割合というのは、段位のある者しか採用するなとかなんとかいうような指導にはならぬ。そういうことを考えておるからこそ、この一校のみについて建設をするのに、武道というものを中心的なものに据えて、いままでの全体の体育の中での見方でなくて、別個にこれを仕立てていくという意味は大変問題があるのではないかと私は指摘をしておきます、時間がありませんから。 したがって、私は大臣に最後にお願いなんですけれども、やはり私たちは、こうした大学を設置する場合には、先ほどからいろいろ申し上げておりますように、まず私たちが気をつけなければならぬのは、国民の要求に基づいて推進するための保障の一環として社会体育指導者の制度をどうしていくのかということをもう一度考え直して見る必要があるのじゃないでしょうか。 なぜかというと、その養成の制度、そしてさらに、今度は資格の制度、全般的なものをどういうふうにしていくかということを急ぐ余り間違ったのでは大変ではないでしょうか、私はこう感じます。 それから二つ目が、大学で武道の専攻を置く場合も、他種目と切り離して特殊化するということについては、私は納得がいきません。この点は大変問題ではないでしょうか。全体としてのスポーツの振興を図るという中でのいわゆる指導者であり、愛好者という体制でなくてはならないと思います。 それから三つ目に、さっきの憲章問題とかかわり合って、体育・スポーツ、レクリエーション、こういうものの社会的な意義と人間的な権利としての視点をもう一度十分見直していく必要があるのじゃないでしょうか。 ですから、こういうものを満たすということになれば、それに基づくカリキュラムをどう編成していくかということが考えられなければならないと思うのです。この点をやはり十分考えておく必要があるのではないでしょうか。カリキュラムの問題ですね。 そして最後になりますけれども、いわゆるこういう大学、いま鹿児島の教育長から文部省に帰っておる人が言っておる発言の中にこういうことが言われていますね。「社会体育の専門家や武道の専門家、さらには東南アジアからの体育留学生を受け入れるような大学になるのでは、」、さらには「西のミニ筑波になる可能性も強い。文部省には従来そのような考えがあった」、こういうようなことを言っておりますように、筑波大学そのもののあり方ということを考えてみますと、従前から私はずっと指摘をしておりますように、そこには大学の原則である自治が本当に確立をされるだろうか、こういうことを大変恐れるものであります。 特に私は、文部省から資料としていただきました兵庫の参与を見ましても、六人いらっしゃいますけれども、本当に開かれた大学になっているだろうか、こういうことを私は危惧いたしております。 こういうことからいたしまして、本当に高い体育とスポーツの科学的な研究というものを中心に据えた大学にしていただいて、大学らしい大学にしていただきたいと思います。 以上、時間がありませんから、すべてを申し上げまして、質問を終わらせていただきますが、大臣、ぜひこの点について御理解をいただきたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 先生のいろいろな御意見はありがたくちょうだいいたします。また御趣旨にのっとりまして、大学の自治と申しますか、そういう問題と開かれた大学ということにつきましては、十分留意をいたします。 なお、鹿屋の問題からさらに武道議員連盟のお話が出ましたが、私は、武道議員連盟は超党派で与野党でつくっておる、かように存じております。 それからもう一つ、銃剣道とおっしゃいましたので、私はびっくりしたのでありますが、これは柔道と剣道でございます。そういう点は銃剣道と柔道と剣道とは大変違いますので、それこそ昔の竹やりをやるような印象を受けますので、どうかひとつ、柔道と剣道と分けていただきたいということと、やはりこのオリンピックの精神にしても、ユネスコのあれにいたしましても、その民族的なおのおのの持ち味というものは持たしておるわけでありまして、いまや柔道というものは、世界的な一つの種目になっております。柔道は、つまり言えば日本のレスリングでございます。また剣道は、これは御案内のとおり、日本のフェンシングでございます。そういう点から、この武道という名前が、好ききらいがあるかも存じませんが、日本のあれから申すならば、守るための一つの道であるというのが古来の考え方でございます。 そういう点で、この鹿屋の大学の問題につきまして、特にまた武道議員連盟の御意見に対しましてお答えといたします。
○中西(績)委員 もう申す必要はないと思いますけれども、銃剣道と言ったのは、鹿屋に関して言うわけですから。この柔剣道というのは柔道と剣道です。そのとおりでありますから、ほかにはありませんから……。
○三ツ林委員長 湯山勇君。
○湯山委員 後刻理事会で御協議をいただくことになっておりますけれども、新しくできる鳴門教育大学あるいはすでにできておる兵庫あるいは長岡、これらの大学・大学院の入学者の問題ですが、この問題については、私は、前回の国立学校設置法の審議に当たりまして、当時の砂田文部大臣に次のようなことをお尋ねいたしました。それは、教職について何年かたった者が試験を受ける、それにはとにかく決心をしてから受験の勉強もしなければならないので、かなりの期間が必要である、ところが、その人がその間際になって試験を受ける資格がないというようなことを教育委員会で言われた、そうなると自分の一生の設計を変えなければならない、こういうことになっては大変だから、できるだけ自分で判断できるような細かい条件をこのことについては決めておいて、自分でそれに合わせてみて、年齢はこうだ、経験年数はこうだ、こういうようなことを細かく、自分で資格があるかないかの判断ができるようにしておくべきではないかというようなことをお尋ねいたしまして、当時の砂田文部大臣は、これは教育委員会がやる教育とは違って、勉強しようという人が行くのだから、その人たちの希望がその段階で壊れるようなことがあってはならない、そのために教育委員会とも協議もするし、指導もしますという御答弁でございました。 しかし、もう一つだめを押しまして、とにかく「自分で進んで勉強しようという者が、そのときになって許可にならないということで自分の前途の計画を放棄しなければならないというようなことがないように努力してもらいたい」ということを申しましたところ、砂田文部大臣は、「そういう真剣な現職教員が教員大学へ入りたいという、そういう方が同意を求めたときに、いけませんと言う要素はそうたくさんあるわけではないと私は思います。」、こういう前提のもとに、いまのような、私が申し上げた「自分の前途の計画を放棄しなければならないというようなことがないように」ということを指して、「そういう方向で努力をいたします。」と御答弁になっております。 いま答弁をいただくのではありませんけれども、ひとつ委員長あるいは理事の皆さん、後で御討議いただくときに、こういう前提のもとにやってきたのだということをお含みの上で御検討いただきたいと思います。 さて、質問でございますけれども、国立学校の設置に関係のある問題を幾つかお尋ねいたしたいのですが、これはすべての国立大学に共通の問題として教養課程の問題がございます。一般の教養課程につきましては、すでにいろいろ問題の指摘もございますし、あるいは文部省も、それらの要望に対応するために設置基準の改正ということも行われておりますが、この問題点の非常にわかりやすいのを幾つか挙げてみますと、一つは学生の側、これは大学に入学して、入学試験が終わってほっとしている、一息入れているという関係もありますけれども、とにかく学習に熱が入らない、留年者が非常に多いということを方々で聞きますが、局長、これはどうなっておるでしょう。
○宮地政府委員 留年学生の数でございますが、所定の修業年限を超えて在学している学生といたしましては、国公私立大学を通じまして昨年五月一日現在で約九万人で、在学生数の約五%という数字になっております。
○湯山委員 その留年の原因が教養課程にあるのが最も多い、これは私、非常に重大な問題だと思います。それから点数です。優・良・可という点数がつきますが、この成績の状況などは、局長の方で御把握になっていらっしゃいますか。
○宮地政府委員 成績の状況については把握いたしておりません。
○湯山委員 私は、就職の問題と絡んで調査してみたのですが、専門課程では可をとっているのは非常に少ないのです。しかし教養課程においては、これは教授形態の問題もないとは言えませんけれども、可が非常に多い。こういうこと等から見まして、やはり教養課程にも学習意欲が欠けているのじゃないかという問題が一つあります。 第二の問題は、今度は先生方の問題。いま、一年半か場合によったら一年のもありますし、ひょっとすると、もう入ってすぐから教養課程をとらないで行く道もあります。それやこれやから、教養課程の専任の先生方、何か余暇のような感じがして、先生方自身もある意味で希望が持てないということの訴え、こういうのがたくさんあることを局長、御存じでしょうか。
○宮地政府委員 教官側の意識といたしまして、たとえば専門教育担当教官との間で格差感と申しますか、そういうような空気があるということは、私どもも承知いたしております。
○湯山委員 そういうところもあって、文部省も、設置基準を改めて、専門と一般との振りかえもできるようにする、医学部などでは一貫性を持った教育ができるようにするというような措置も講じられましたけれども、それだけで現在の教養課程の問題が解決したわけではなくて、各大学それぞれにこの問題についてはいろいろ検討もし、苦慮もしております。 そこで、たとえば岩手大学とか埼玉大学とか広島大学等では、これを一貫性のあるものにして、そして、そこでいわゆる専門部に当たる分、四年間一貫した教育を受けられるというような方法をとっておりますが、これについてどのようにお考えでしょう。
○宮地政府委員 確かに教養部の問題についていろいろ改革を要する点があるということは、私どもも承知をいたしております。この点については、個々の大学の実情がまた異なる点もございまして、各大学において、それぞれ教養部の改革については取り組んでいるというぐあいに伺っております。私どもとしましても、教養部の改革の問題につきましては、大学の取り組みに応じまして前向きの姿勢で取り組んでまいりたい、かように考えております。
○湯山委員 よく理解しておられるので大変結構だと思います。 なお、いま参議院の方で審議されておる放送大学学園法にも、ここでする大学教育は一般教養であるということがわれわれには説明されておりますが、確かにいま、幅広い対応能力を身につけた教育という意味で、教養部ではなくて教養学部あるいはそれに当たるものを全学的に検討して、それぞれ案をつくったりなどしております。 いまの局長の御答弁では、そういう方向については、文部省としても推進の方向で臨んでいるということですが、そのように理解してよろしゅうございますか。
○宮地政府委員 たとえば岩手大学の場合でございますと、人文社会学部の創設という問題等と関連をする課題であったかと思いますが、たとえばいまお話の教養部改革について、独立の学部という構想でいくという問題につきましては、これは教養部の存在にかかわる、基本的な問題ということにもかかわるわけでございます。そういう独立の学部としていくという構想につきましては、全体的に大変厳しい財政状況下でもございまして、慎重な検討課題であろうか、かように考えております。
○湯山委員 財政の問題と教育の問題はまた別でして、教養学部というもので一般的なそういう対応能力、幅広いものを持った教育をしていく、これは重要である。同時に、その教養学部なるものが従来の教養課程に当たる、そういう教育を完全にやっていく、そういうシステムというものはできないことではないわけです。しかも私がいまお尋ねしておるのは、来年度からこれをやるというのではなくて、高等教育の大きい一つのあり方として、そういう方向に進むということについて文部省は理解を示し、そのことを進めていく、こういう姿勢である、このように理解してよろしゅうございますか。
○宮地政府委員 教養部の改革問題については、先ほど御答弁申しましたように、いろいろ問題点が指摘をされている点でございまして、国立大学につきましても、国立大学協会等においてもいろいろ検討を進めておるところでございます。 ただいま私ども具体的な措置として一般教育の充実ということでやっておりますことは、たとえば一般教育担当教員の増員でございますとか、あるいは総合科目の開設とかあるいは教育内容、方法の改善のための教員の整備を行うというようなことで具体的な対応をいたしております。また予算的には、一般教育の設備費でございますとか教育特別設備費等を計上して充実を図るというような具体的な対応はいたしておるところでございます。 基本的な問題点として、教養部のあり方について先生御指摘のような一つの大きな流れといいますか、そういうようなものについては、私どもとしても、もちろん国立大学協会等においても、教養部改革問題について取り組んでおるわけでございまして、決して当面の行財政ということとはかかわりなしに、大学教育の中における教養部のあり方と申しますか、そういうものの改革としては、各方面の御意見も十分伺いながら、大学教育のあり方自体を踏まえまして、十分慎重な検討が必要であろうかと思いますし、また、そういう改革のために私どもとしても積極的な気持ちで取り組まなければならぬ、そういう気持ちで対応いたしておるところでございます。
○湯山委員 これはかつて古い旧制高校から文理学部、そういうものができたときに、それをどう新しい体系に入れていくか、ずいぶん長い期間をかけてやっとそれが完了したという状態です。新しい問題として、いま、そういう試行も行われておりますし、非常に重要なものですから、ひとつ大切に、なおまた、そういうものを進める努力を評価して対処していただきたいと思います。 第二番目の問題は、やはり国立学校設置に関係のある大学院の問題ですが、農業あるいは水産業関係の大学院は、今日の状態ではだんだんだんだん実学、応用科学という領域から離れて理学部化が顕著になってきている、これはしばしば指摘されたところであります。なおまた、そうなってくると、研究範囲が非常に狭くなってくるために、オーバードクター、これはどこにもありますけれども、特に農水産系にはその傾向が強まってきている。そこで、これらを正していくために総合的に、しかも各大学で協力体制をとって実学的な大学院をつくって、そして社会の要望にこたえていくということにすればオーバードクターの懸念も少なくなっていく。 こういったようなことや農業・水産関係というものは、地域的な特性が非常に強い。そこで、そういう地域的な特性の強いものが適当な地域で適当な研究を進めていくということのためには、全国が一つの大学院として総合的な形をとって対応するということも、また重要な条件ではないかというようなことから、昭和五十年に農水産系の連合大学院というものをつくることについて調査費をつけました。続いて五十三年には、その創設の準備室を設置して今日に至っております。これは新しい試みで、なかなか困難な問題もたくさんあると思うのですが、すでにこれへの参加希望は、二十大学二十三学部に達しておって、ブロック別の研究会等も設けられている。この試みというものは、私は、高く評価すべきだというように思いますが、どうもなかなか前を向いて進まない。同じところをぐるぐる回っているような感じを持つのですが、一体どういうことになっているのか、今日までの経過、今後の見通し、このことを承りたいと思います。
○宮地政府委員 農水産系の連合大学院については、ただいま先生から経緯についてお話がありましたとおりでございまして、二十大学二十三学部が協力をしまして、昭和五十年以来調査費がつき、さらに五十三年から具体的な創設準備に取りかかっておるところでございます。 実学的な傾向あるいは地域の特性等を踏まえた形で、そういう幅広い連合大学院という考え方でいくということについては、私どもとしても、大変そういう利点があるものと考えているわけでございます。 一方具体的には、たとえば参加大学と連合大学院の管理運営の面でどういう調整が図られるべきかというようなこと、また距離的な隔たりを克服して、本当にまとまりのある指導を行い得るかどうかというような点、それから均衡のとれた安定した教官組織というものを維持できるのかどうかというようなところなど、やはりまだ基本的なところでいろいろと検討を要する問題点があるのではないかと思っております。 私ども関係者の御意見も伺いながら、この新しい形としての連合大学院というものについては、準備は進めていくべきものということで対応しておるわけでございますが、今日までのところ、それらの基本的なところについて考えがまだまとまっていないというのが率直なところの現状でございます。関係者にはいろいろと何度か集まっていただきまして、御相談を詰めていただくというようなことで対応いたしておるところでございますが、御指摘のように、私どもとしては、積極的な対応はいたすつもりでおるのでございますけれども、基本的なところの検討課題がなお相当に残されているというのが率直な現状でございます。それらの点について十分検討を加えながら、こういう新しい試みについても、私どもとしては、積極的な気持ちで対応をすべきもの、かように考えております。
○湯山委員 おっしゃった意味はわからないことはないのですけれども、当事者間では、いま局長おっしゃったような問題についての解決策もかなり提示しておって、若干問題点ないではありませんけれども、相当進んでおると思うのです。そうすれば、衝に当たっておる人たちは、大体五十七年度ぐらいに開学したいということで一生懸命やっておるのですが、一体いつごろになりそうですか。
○宮地政府委員 関係の方々の熱意といいますかお気持ちは、私どもも高く評価しているものでございます。ただ、しかしながら御指摘のような時点で具体のところまで踏み出せるかどうかにつきましては、ただいまのところ、ちょっとそこまで申し上げるのは無理ではないかというぐあいに考えております。
○湯山委員 それは皮肉ではありませんけれども、いま中西委員から質問のありましたように、余り私ども好まないようなものはどんどん行くし、こういうものは後回しになるような印象がないでもありませんので、もう少し積極的に、しかも、ここまで五年もたっておるのですから、めどが立つ、あるいは早くめどを立てて、やっておる人たちにも希望、勇気が持てるように、ぜひひとつお願い申し上げたいと思います。 それから、最後にお尋ねしたいのは、給与法の改正に当たって、国家公務員に対して週休二日制の前提として四月から四週五休制が実施されることになっております。学校関係については、人事院に対して、十二項ではなくて、まとめてこれをとるとかいろいろな要請が文部省からも出されておるというようなことも聞いておりますが、もう追ってまいりましたので、一体国立学校ではこれに対してどのように実施をされる方針なのか、まず承りたいと思います。
○齊藤説明員 国立学校の教職員の週休二日制につきましては、四週五休、いま御指摘のございました四週間に一回交代して土曜日あるいは土曜日相当日を休むという方式を基本といたしまして、あるいはまた医学部付属病院の看護婦あるいは船舶職員などでこれによりがたいと認められる者につきましては八週九休、八週間に一回交代してまる一日を休むというような方式を取り入れるなど、弾力的な方法によりまして円滑な実施を図りたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、付属の学校の教職員につきましては、各学校におきます教育の実施に支障を生ずることのないように、人事院勧告の趣旨にもございましたように、夏季・冬季の長期休業日の期間に勤務を要しない時間を指定するという方法によりまして実施する予定でございます。
○湯山委員 この十三項ですね。夏季・冬季にまとめてこれをとるということについてですが、いつまでも無条件でそのままいくわけですか。そうじゃなくて、速やかにこういう体制をとるように努力するわけですか。この点はどうでしょう。
○齊藤説明員 法律の附則の十三項関係につきましては、人事院と協議をいたしまして、正式の承認は施行の日の三月二十九日付で参りますけれども、事実上承認が参っております。これによりまして無条件でこの文部省の方針を認めるということになっておるわけでございます。
○湯山委員 人事院の方から可及的速やかに十二項の体制をとるようにという希望はありませんでしたか。
○鈴木(勲)政府委員 国立付属学校の週休二日につきましては、教育に支障のないように実施をするということがございまして、かねて人事院に申し入れていたわけでございますけれども、去る三月二十三日に人事院から、この件につきましては夏季・冬季等の休業日の期間内に実施するという文部省の方針どおり承認するという旨の内示がございました。これを受けまして三月二十九日、正式の人事院の承認があるわけでございますが、ただいま人事課長がお答えいたしましたように、これに従いまして国立の付属学校につきましては、訓令等で指導をするということになるわけでございます。 なお、その内示の際に人事院から小中高等学校等の教員について、付属学校の教員について四週五休の基本形に近づけるために文部当局としても研究されたいという趣旨の申し入れが口頭でございました。これは事実でございます。
○湯山委員 最後に、大学の臨時職員があります。臨時職員の四週五休のとり方については、人事院では文部省に任せてあるということでございましたが、文部省としては、これらについてどのように実施していくか。四週五休をやるとすれば有給休暇が一日入るということになるのか、その辺ひとつお答え願いたいと思います。
○齊藤説明員 今回の週休二日制は、常勤職員を対象とする措置ではございますが、国立学校の非常勤職員のうちで常勤の職員とほぼ同様の勤務形態をとっておる、そういういわゆる日々雇用職員がございます。これらの者につきましては、常勤職員との権衡を考慮いたしまして、常勤職員と同様の方法によりまして週休二日制を実施したい、こういう方向で各大学を指導する考えでございます。
○湯山委員 終わります。
○三ツ林委員長 鍛治清君。
○鍛治委員 私は、国立学校設置法の一部を改正する法律案の中で、鳴門教育大学の設置に関連して御質問をいたしたいと思います。本法案に対しては、われわれは賛成という立場で臨んでおるものでございますが、この鳴門教育大学は、先ほどからずいぶんと質疑を交わされた中で、上越・兵庫と並ぶ教育大学でございますが、私が御質問を申し上げ、お聞きしたいと思っておりました内容とほぼ同様な質疑も先ほどから交わされておりますので、なるべく重複は避けたいと思いますが、重複するところはひとつ簡略にお答えをいただきたいと思います。 最初に、上越・兵庫・鳴門、この三校で、先ほどの質疑の中で、今後はもうつくらないというふうな御答弁があったと思いますが、確認の意味で、そういうふうな方向に行くのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○宮地政府委員 私どもとしては、当面そういう方向で進むつもりでございます。
○鍛治委員 当面ということは、状況を見ながら先々またつくるということもあり得るということでございましょうか。
○宮地政府委員 先ほども御答弁申し上げたわけでございますが、鳴門の教育大学につきましては、学部の学生受け入れが昭和六十一年度ということでございまして、それの学年進行が完成いたしますのが六十五年ということになるわけでございます。鳴門の教育大学のいわば学年進行の完成時期にいたしましても、これからほぼ十年くらい先のことでございまして、当面と申しましたのは、この三つの教育大学の整備充実にまずは全力を挙げるという意味でございます。したがいまして、将来相当いろいろな情勢の変化とかそういうことがあれば別ですが、現在の体制といたしましては、この三つの教育大学と、それから既存の教員養成大学学部の大学院の整備ということで、両々相まって教員養成のための体制ということを基本的な考え方といたしておるという点でございます。
○鍛治委員 この鳴門までの三校につきましては、昭和四十七年の七月に教育職員養成審議会で新しい構想による教員養成大学・大学院の創設ということについて提案がなされまして、その後、昭和四十九年の五月に新構想の教員養成大学等に関する調査会、この調査会が新しい構想による教員のための大学院・大学を創設する必要があるということで、その基本的なあり方についての提案が行われまして、さらに文部省で検討の上、上越・兵庫・鳴門、こういう形で設置がなされてきたというふうに思います。 この流れの中で非常に感じますことは、いま現在教員の養成といいますか、教員の質ということについては、私たちも、これは大変大切ないまの教育の中でのいろいろ諸問題がございます中の大きな問題の一つだ、こう考えております。したがって、そういう意味で教員の質の向上のためのこういう場所が与えられるということは、私たちは、好ましいことであるという方向では考えておりますが、当初のいろいろ審議会や調査会等で提案されました意図と若干でき上がってみると違ってきているというふうな感じも私どもはいたしております。 その中で、やはり教育というものは、最終的には生徒児童それから学生、こういった人たちのために行われるべきであるというその素朴な一番大切なところを私たちは常に見きわめながら、こういった学校の設置にいたしましても、その内容にいたしましても、私どもは、議論がなされなければならない、こう思っているわけでございます。 そういう中で、今度の大臣の本法律案の提案理由の中でも「鳴門教育大学は、すでに設置を見ている上越・兵庫の二教育大学と同様、教員の資質能力の向上という社会的要請に対処するため、主として教員の研究・研さんの機会を確保することを趣旨とする大学院と初等教育教員を養成する学部とを有し、全体として大学院に重点を置く大学として設置し、学校教育に関する実践的な教育研究を推進しようとするものであります。」、この御提案についてわれわれは何ら異を差しはさむものではございませんけれども、実質的に大臣が提案理由の中でおっしゃったような内容が、この三校だけを設立したことによって果たして満たされているのだろうか。特に「社会的要請に対処するため、」ということでございますが、これは質の面、いわゆる内容的なものと数の面というふうなことが考えられるのではないかと思いますが、まず数の面について考えてみたときに、この三校だけで果たして社会的要請に対処し得るのであろうか、こういうふうに考えるわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
○宮地政府委員 まず三校、数の点でどうかというお尋ねでございますが、入学定員から申しましても、先ほど来御説明申し上げておりますように、大学院については三分の二程度を現職教員の受け入れということで枠を考えているわけでございます。既設の教員養成大学におきます大学院においても、現職教員の受け入れについても配慮するということはあるわけでございますが、現実に申しまして、数から言いますと、こちらの三つの教育大学で三分の二、一校二百名ということで約六百名という受け入れの枠があるわけでございます。各都道府県におきます教員の資質向上ということで、全体的な計画、将来の計画ということについて、先ほどほかの委員の方からもお尋ねがあったわけでございますが、私どもといたしましては、当面、この三つの大学の整備充実ということにまずは全力を挙げまして、全体の大学院の機能のあり方というものも、また社会的にも、たとえば一たん社会に出た者がざらに積極的に大学院にもう一度入ってくるというような風潮はこれからますます、大学院の機能としてもそういう面が重視されてくるというようなことに変化していくのではないかというふうに私どもも考えております。そういうような社会全体の変化と申しますかニーズと申しますか、そういうようなことにこたえるために、将来のことはまた考えるといたしまして、当面はこの三教育大学を充実し、そこで、まずは受け入れて積極的に現職教員の教育に資するということで考えているわけでございます。あわせて、既存する教員大学におきます大学院の整備も行っていくということは、先ほど来御答弁も申し上げておるわけでございまして、今後、それらについても計画の整ったものから順次整備充実を図っていくという考えでございます。
○鍛治委員 御答弁の真意は、こちらで勝手に解釈させていただきますと、やはり将来、これを充実しながら拡充することもあり得るというふうな御答弁だと思いますし、同時に、現在ある大学院の整備ないしはこれをさらに新しく設置もしていきながら、特にここで言われている、先ほどから問題になっております現職教員の資質、能力の向上ということについて整備を図りたい、こういうふうにお考えになっているというふうに受け取れるわけですが、大体そういう方向で理解をしてよろしいわけですか。
○宮地政府委員 大体御指摘の方向で考えておるところでございます。
○鍛治委員 そこで、三校だけですと、現職教員に限って言いますと、二百名で三校ですから六百名、これは現在の教員の総数から言えば、私は、大変微々たるものではないかと思います。さらに、これが十年たったとしても、来年から卒業になるわけですが、即六百名の卒業生ということにはなりませんけれども、素朴に簡略に考えますと、現職教員が、この大学で資質の向上を図り、そして卒業して再び現場に帰るという方が十年たっても六千名だ、百年たって六万名になりますか、そういう数にしかすぎないというふうに思うわけです。 実際、多数の教員がいらっしゃる中で、こういう方々が本当に研さんしたものを持って現場に帰って力を発揮するという場合に、御本人自体は、それなりに確かに資質の向上ということに、また、それだけの意欲もあってこの学校に来られて卒業するわけですから、大いに役立つと思いますし、その先生が教えた子供さん方には影響力が多分に出てくる可能性はあるだろうという気はいたしますけれども、現職のまま出張の形で送り込んだ都道府県の側としましては、ただ、それだけを期待して果たして出しているのだろうか。また、これだけの多額の予算、お金をつぎ込んで資質の向上、能力の向上ということで教育をするわけでありますから、それ以上に、この方々が現場に帰りましたときに、その力を発揮して周囲にも影響を与え、引っ張っていく、そして現場のそういう教員の質の向上に大いに役立つという形で役に立っていく、そういう姿が私は望ましいと思うわけであります。 そういう点について、十分にそういう形のものが得られるとお考えになっていらっしゃるのかどうか、そのあたりをちょっとお尋ねいたしたいと思います。
○宮地政府委員 この新しい教育大学の大学院で勉学いただきます現職教員は、本来、それぞれ教育現場において持っておりました問題意識とか課題を持って全国から集まってきているということが言えるかと思います。そして、それらの教員が研究・研さんの成果を上げまして現場へ復帰することになるわけでございますが、そういたしますれば、もちろん個々の教師といたしましても成長をいたし、それが、その地域の同輩の先生方へ刺激を与えることにもなりまして、専門に研さんした分野において積極的な役割りを果たしてくることは自然の形としてそういうことになるかと考えております。また、そうすることが教師の指導力全体を高めることにもつながることではないかと考えております。
○鍛治委員 いよいよ来年から卒業生が出るようでありますから、現場に帰ったときどういう形で影響が出るか。これはまた先ほどから御答弁にあったように、そういうところまで見届けながら、この学校の充実ないしは将来の拡充を図るということであろうとは思いますが、実際、いま申し上げたような形の中で考えてみましたときに、帰りました現場の中で、都道府県は、これはそこの教育委員会の裁量になるところがずいぶん大きいかもわかりませんけれども、現実にそういうところで、そういう指導的な立場での働き場所をつくってあげるということが、むしろ本当に児童生徒、学生等にとりましては非常にプラスになっていくのではないかという気がいたしまして、そこらあたりまではっきりとした形にするのがいいのではないかという気がします。そういう点についてはいかがでございましょうか。
○三角政府委員 ただいま大学局長からも御説明申し上げたわけでございますが、この大学院を終了後、成果を上げて現場に戻っていただくわけでございますので、先ほど来御審議のありますように、そういう研究、勉学の非常に熱意のある方が行って成果を上げて戻られれば、これは当然、いろいろな意味で力をつけて帰られるわけでございますから、私どもは、実質的な問題として、そういった方々がおのずから教育現場でいろいろな意味の指導的な役割りを果たしていくことを期待するわけでございます。 そういう意味で、この学校に行ったからということで形式的に直ちにその先生の働く場所なり地位なりがどうこうということではないと思いますが、実質的にその先生がいろいろな意味での影響をもたらしてくれることを期待したい、こういうふうに思っている次第でございます。
○鍛治委員 大体私たちも素人考えですから、教育現場に行ったことがありませんので、わかりませんけれども、卒業して帰られた、そういう中で確かに影響が出てくるのは、私は間違いないだろうとは思いますが、それは当初つくったときに意図しておったほど、そういう教員の資質、能力の向上を周囲にまで及ぼす力がそんなに出てくるのかというのは私、大変疑問に思います。確かに影響はないとは言いません。しかし、そうなりますと、私は、数を多くする、要するに卒業生をたくさん出して、そして現場の中でそういうものを生かしていくという形が常識的に考えられると思いますし、そういう面から考えてきたときに、こういう形だけで三校、全部卒業するまで十年かかるからというお考えではありますが、来年度から次々に卒業生も出て現場にも復帰していくわけですから、そこらあたりを見ながら、場合によっては早い機会にまだふやしていくという方向の考え方もあっていいのではないかという気もいたしますが、そういう点についてはいかがでしょうか。
○宮地政府委員 御指摘の点は一つのお考えかと思いますけれども、私どもとしては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、当面、三教育大学の整備充実に全力を挙げるという対応で臨む所存でございます。
○鍛治委員 いまこの三大学以外で大学院が急速に設置されてきておりますし、これも先ほどからのやりとりの中でお聞きしておりまして、いわゆる現場で働いている教員の皆さん方の資質、能力の向上という意味からいきますと、御答弁の中では、そういうものの対応を、そういう既設の大学院の中でもやりたいというお考えで御答弁があったように思います。ところが、それが、鳴門も含めての三教育大学に入る現職の教員の方々といわゆる待遇面、資格、そういう面での違いがあり過ぎるように思います。これは将来、そういうねらいがあるとすれば、ここらあたりを含めて、現職教員でこの三教育大学以外に入学し勉強するという方々のためにも、同じような措置をとられるのが望ましいのではないかという気がいたしますけれども、こういう点についてはいかがでございましょうか。
○宮地政府委員 先ほど来御答弁申し上げておりますように、既存の教員養成大学学部の大学院の整備充実も図りながら、この新しい教育大学の整備充実、その両者相まちまして対応をいたしていきたいというのが、基本的な考え方として御説明を申し上げている点でございます。
○鍛治委員 これは何度も質疑が取り交わされておりますので、私の質問は、御要望を申し上げて終わりたいと思いますが、先ほどからのやりとりの中でありましたように、とにかく一校百八十億というふうにも話が出ておりました。それだけの膨大な国の予算、即これは国民の皆様の血税でもございますし、これをつくった趣旨が、大臣が提案理由の中ではっきり言われている方向でみごとに機能していく形をぜひとっていくべきであろうと私は思います。 そういう意味からも、質疑の中で私が申し上げたようなことを勘案いたしながら、十分に機能する形で今後の措置もやっていただきたい、こういうふうに思いますし、また現場から三教育大学以外の大学院に入学し、研さんをする教員の皆さんに対しても、同じような立場での措置というものをお考え願って、優秀な教員がどんどん日本国じゅうに散らばっていく中で日本の教員の質がぐんと高くなっていく、こういう形のものをぜひおつくりいただきたいと思うわけでございます。 最後に、大臣がいまお帰りになって、途中の経過がございませんので簡略に再度申し上げますと、鳴門教育大学を含めましてこの三教育大学、まだまだ数の上でもっとふえていっていいのではないかという気が私はいたします。特に現場の教員の資質の向上という立場から、大学は膨大な予算をかけて設置されたわけでありますから、先ほどから各議員からの質疑の中でいろいろな問題点の指摘もございましたが、そういったことをひっくるめながら、私は、この大学の充実さらには将来内容のある形、また数の上でも応じ切れるような、教育が本当によくなっていく、先生の質が大いに変わっていく、こういう形のものをつくり上げる決意で将来対処していただきたいと思うわけですが、最後に大臣の御決意のほどをお伺いいたしまして、私の質問を終わりまして、有島委員の関連質問と交代いたしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○田中(龍)国務大臣 鍛治委員の御意見、私も、非常に共鳴いたす次第でございます。 なお、大学院の方の、教養学部の問題もございますし、さらに三大学の機能の充実という面におきましても、さらに一層努力いたしたいと考えております。ありがとうございました。
○三ツ林委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。有島重武君。
○有島委員 大学共同利用機関としての国立歴史民俗博物館を新設することにつきましては、先般大臣から御説明がございましたし、私も、井上準備室長からかなり詳細な御説明を受けました。そして、その成果を期待しておる一人でございます。 そこで、大臣に確認をしておきたいのですけれども、こうして新しい企画をしてやっていく、これはいいことなんだけれども、この際に現存のいろいろな関連の機関をさらに充実し改革をしていく、こうしたことが大切なのじゃないだろうかということを私は痛感するわけでございますけれども、基本的に大臣いかがでございますか。
○田中(龍)国務大臣 御意見のとおりでございます。
○有島委員 そこで、関連いたしまして、大学共同利用機関ではございませんけれども、一般の博物館について現時点でいろいろな問題があろうかと思うのです。そういったことを文部省としてどのようにとらえていらっしゃるか、これを承っておきたい。
○高石政府委員 現在日本博物館協会は、博物館大会等を開きまして、国に対する要望書をいろいろ取りまとめているわけでございます。取りまとめている内容を申し上げますと、一つは、税制上の措置を国立の博物館に準ずるような形で公立の博物館もやってもらいたい。そして私立の博物館もやってもらいたいという税制上の要望が一つでございます。それから活動費、博物館が共同していろいろな事業をやるものについて共通した活動費の助成をやっていただきたいというような問題が出されております。それからもう一つは、博物館の持っている資料が全国的にわかるような情報センターの設置をしてほしいという要望が出されております。また博物館の災害防止施設設備、災害防止対策に補助金を出してほしいというような要望が出されているわけでございます。 これらの要望につきましては、一つ一つお答えするのはどうかと思いますが、内容的にすぐに解決することが非常にむずかしい問題ばかりでございます。したがいまして、われわれといたしましては、その博物館の充実発展に連なるような形でできるところから改善を加えていきたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○有島委員 そこで、国の博物館とそれから県の博物館、その他今度は市町村、私立というふうにあるわけでございますけれども、国立博物館というのは一体何をしなければいけないのか、それから県立博物館としてはいま何を一番やっていかなければならないのかということでございますけれども、どんなふうに把握をしていらっしゃるか。 私の所見を申しますと、まず、どの博物館にしても、昔大変熱心になさっていたところというのは、早くからお建てになりたわけでありまして、施設・設備が老朽化しておるというきらいがございますね。 それで、特に県立なんかの場合に保存の場所といいますか、陳列の場所に比して陳列以外の所蔵庫といいますか、そういうものの整備が大変おくれている。何といいますか、現代の博物館というものの考え方からそれが大変おくれておる。これは全部が全部というわけにいかないけれども、この辺から国の方でも補助をしていかなければならないのじゃないだろうかということを私は思うわけなんですけれども、これをどのように認識しておられるか、また処置をおとりになるおつもりがあるか。 それから、いまも社会教育局長の方から博物館協会からの要望ということの中で言われましたけれども、国の持っている博物館としては、全国の、国の中にある国内外の重要資料に関しての所在を掌握していくいわば情報センターのような機能、これを持たなければならないのじゃないだろうか。この辺にどのように注目をし、そして財政の手当てをしておるか、この点から聞いていきましょう。
○高石政府委員 まず、都道府県立、市町村立の博物館がいろいろな展示品を貯蔵する倉庫とかそういうものが必要だから、そういうものについての助成をしたらどうか、こういう御意見でございますが、これは一般的に社会教育施設、図書館とか公民館についても同様でございますけれども、その増改築には補助を出していないわけでございます。したがいまして、これは博物館の問題だけではなくして、社会教育施設の助成の対応として考えていかなければならない問題でございますけれども、現在の情勢では新しく図書館をつくるとか博物館をつくる、公民館をつくるところにまず優先的に補助金を出していくということでやっておりますので、いま直ちに御指摘のような内容まで助成対象にすることは困難でございます。 〔委員長退席、中村(喜)委員長代理着席〕 それから、いろいろな資料を持っている、そういう情報センター的な機能を持たせるべきではないかという御意見、ごもっともな点がございますが、一つは、博物館の持っているその内容についての分類というのが、これは学説でもいろいろな意見がありまして、その分類の仕方にいろいろな説があるわけです。したがって、A博物館では非常に貴重品だと見ているけれども、B博物館では、いや、それはそうでもないというようなところがありまして、そういう情報センターをつくるにいたしましても、まず博物館の持っている内容についての分類方式が統一され、研究されないと、ただ情報を集めるだけでは意味がないというようなこともありますので、博物館協会等では、そういう点の研究を少し進めていただいて、そして、その内容ができ上がってくれば次の段階で、いま御指摘のような情報センター的な機能を持つようなことを考えていかなければならないだろう、こういうふうに思っております。
○有島委員 今度新しくできる歴史民俗博物館の方でも、そういった情報センター的な機能を持ちたいというような要望があるようですけれども、これと並行して他の国立博物館、美術館につきましても、それを研究開発していくといいますか、そういうことにもちゃんと手当てをしていかなければならないのじゃないだろうか、今後の問題として新しい項目を起こしていかなければならないのじゃないだろうか、そういうことを大臣に御提案申し上げたかったわけなんです。 それから、その次の問題といたしまして、他の博物館との連携の仕方について、これも少しいろいろ研究をして、指導助言の立場にあるとすれば、もう少しいろいろな工夫ができるのじゃないだろうかということ。私が気がつきましたところでも、類似の展示といいますか、あるいは関連の展示がある場合に、ほかの博物館にはこういったものがあるんだよということをその場に表示していくというようなことはどんどん進めていくべきじゃないだろうかというような問題です。 それから、ボランティア活動ということが今後ますます盛んになっていくはずであろうと思うのです。そこで、いままでのボランティア活動というのは、何かグループ、グループでもって物を見ているようでございますけれども、個人個人としてのボランティア活動ということも今後考えていかなければならない問題ではないかというように思うわけなんですが、そういった点どんなふうに考えていらっしゃるか。
○高石政府委員 いま御指摘のありましたように、幾つかの博物館が共同していろいろなものを展示していくというような方式が考えられるかと思うのですが、現在の段階では、一つの県がその県内の博物館に共同して巡回していろいろな展示をしていくという場合には、社会教育施設活動補助という中でそれを補助対象としているわけでございます。県を越えたものについてまで、まだそこまで手を伸ばしておりませんが、これらは予算の執行としてもやり得るのではないかというふうに思いますので、今後十分検討さしていただきたいと思います。 〔中村(喜)委員長代理退席、委員長着席〕 それから、ボランティア活動の問題につきましては、御指摘のとおりにいろいろな博物館でのボランティアの人たちの協力、援助ということはきわめて重要なことでございます。したがいまして、それぞれの館では、その館自体でボランティアの人たちの開拓、研修ということを積極的に行っているところがございますので、われわれとしても、そういう面のできるだけの援助をしていくことが必要であろうと考えております。
○有島委員 この前、売店の話をちょっとしました。本屋さんなんか置かしてもいいじゃないかということを言いました。いまのボランティアの問題にまた関連して言うのですけれども、このボランティアの人たちがそこでもっていろいろな研究なんかをする、あるいは印刷出版を望んでおる、こういったときに税制上の優遇措置をこれから考えていくべきじゃないだろうか。これもひとつこの席でもって大臣にお願いしておきます。 それから、あともう一つ、科学技術が今後の日本の運命を決定していくというように思いますけれども、科学博物館というものが非常に少ない、このことについてお気づきのことがありますか。
○高石政府委員 科学博物館は、昭和四十三年では四十三館でございましたが、昭和五十三年では五十九館、十六館ふえているわけでございます。最近、博物館の中でも科学博物館関係は非常にふえている一つでございます。 それから、小中学校の場合には、理科教育センターということで各都道府県に設置されているわけですが、そこでも、子供たちの科学的な教育をやる場としてのセンターが設けられているわけでございます。したがいまして、そういう内容の両々相まって、子供たちを小さいときから科学に親しませるというところを大いにつくっていくことが必要であろうと思いますし、今後とも、そういう面の設置については、地方公共団体で計画される場合においては、積極的な協力をしたいと思います。 それで、昭和五十四年度から子供のための博物館ということを新たに助成対象にいたしまして、五十四年度ではすでに四館、そういう内容のものが府県で設置されているわけでございます。
○有島委員 いま局長から、積極的な協力をしましょうというお話があったから、これは期待したいと思いますけれども、大体いま五十幾つというような数ですね。確かに、四十幾つあった十年前から考えれば多くなったというようなものでございますけれども、国全体として考えてみたときに、まだまだ非常に貧弱なものである。しかも、一つ一つぼくは全部を見たわけではございませんけれども、展示の仕方というか、そこにある資料、器物はまだまだ非常に貧弱なものである。こういったところも、やはり国の一つの施策としてそこに税制上の優遇ということも、これは公共的なものですから考えてもよろしいのではないか、こういうことも思っております。 この前の私の質問の補充ですから、ここでもってやめますけれども、大臣の御決意のほどを承っておきたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 先生の博物館に対しましての非常な御造詣と御熱心な御意見に対しましては、全く私どもも感銘いたすものがございます。ことに、博物館の展示品の全国規模におけるインデックスなんかの整理、あるいはまた子供博物館におけるいろいろな実際に自分で遊んでみる施設や何か、非常にいろいろな面において啓発される次第でございまして、今後ともに、博物館の問題については大いに努力をいたしてまいりたい、また充実した館にいたしたい、かように考えております。
○三ツ林委員長 この際、三角初等中等教育局長より発言を求められておりますので、これを許します。三角局長。
○三角政府委員 現職教員の兵庫教育大学への志願手続につきましては、文部省といたしましては、第八十四国会での論議を踏まえ、昭和五十四年六月二十八日付の初中局長通知を各都道府県教育委員会あて出しておるわけでございます。ここに文部省としての考えが出ているというふうに申し上げたいと存じます。文部省として各県の教育委員会がこの通知の趣旨に沿って運用されることを、したがって期待しておるわけでございます。 先ほどの御指摘の愛知県教委の愛知教育大学への志願に関します実施要項と、それから、その運用につきましては、私どもとしてその実情を調査してみたいと思います。そうして、その結果につきましては、後日、当委員会に御報告をさせていただければというふうに考えます。
○三ツ林委員長 山原健二郎君。
○山原委員 後で御報告願えるそうですが、愛知教育大学・大学院ができましたのは、ちょうど兵庫教育大学ができたときと一緒なんです。だから同じ年の問題として、いわゆる教育委員会の同意の問題が論議されております。既設の大学と言いましても、同時にあの問題が、この委員会で相当綿密に論議をされておりますので、そういう点から言いますと、愛知県教育委員会がもうちょっと配慮した実施要項というのですか、それを出す必要があったのではないかと私は思っています。 それで、ちょっとこの点で指摘をしておきたいのですが、これはずいぶん論議しています。最終的には木島議員が五点についてまとめまして、そして、これについての見解を伺いたいということで、翌々日の昭和五十三年四月十四日に佐野大学局長からまとめた答弁がなされております。それがここにあるのですが、その第三点のところですけれども、「第三点の、市町村教委の同意の問題でございますが、教育委員会が大学院受験の同意を与える場合には、教員大学の設置の趣旨に即し、本人の積極的な勉学の意欲を尊重しながら、全体の研修計画等諸般の事情を総合的に判断して、適切な取り扱いがなされるように期待をいたしております。」、これがいわゆるまとめた文部省側の見解です。 それと、砂田文部大臣等の発言を見ましても、先ほど私が指摘しました愛知の実施要項とは大分違うのです。第一、これは「同意」というような言葉もないのです。同意じゃないのです、「推せん」となっていますから。文部省の、先ほど三角局長がおっしゃいました五十四年六月二十八日のと対比しましても文部省の場合は、たとえば大学院を受験しようとする者に対する「同意は、入学志願者からの申請に基づき、市町村教育委員会が都道府県教育委員会と協議の上与えるものとすること。この場合、大学院入学時において教職経験三年以上となる者のうち積極的な勉学意欲を有する者に対し、例えば次のような基準により同意を与えるものとすること。」、そして後に三つあるわけです。これはあたりまえのことなんです。「積極的な勉学意欲を有する者」というこれと、愛知県教育委員会が出しております「教職の勤務及び指導力が優秀であり、」と、これは大変違うわけです。優秀であるか否かの判断というのは、これは大変な、いわば勤務評定ですからね。文部省が出されたものと、ここは全然違います。格段の違いがあるのです。三年間あるいは十年間教職にあって、大学院へ入ってこれからいよいよもう一回勉強しようという、これは昔も師範学校の専攻科その他あったわけで、そのために努力をして皆勉強したわけですからね。そういう意欲を持った人、「積極的な学習意欲」、これは文部省。こっちはそうじゃないのです。「教職の勤務及び指導力が優秀であり、」「勤務の優秀」、こうなっている。これは大変なことです。全くこれが文部省の趣旨とそう違わぬなんというものでないことは、これは幾ら三角さんでも、幾ら三角さんと言ったら失礼だけれども、わかっていただけると思いますよ。 それから、その次は推薦でしょう。同意でなくて学校長が推薦をする。その次には、かつ市町村教育委員会が推薦をする。そのときは一人にしぼると言うのです。だから、一つの町で、私とたとえば中西さんとが受験をすると、中西さんか私かどっちかが落とされる。二分の一になるわけです。この次、地方教育事務所に行きますね。地方教育事務所というのは、御承知のように郡単位にありますから、郡単位というのは、郡の中には恐らく市町村が十や二十はあるわけです。そこから何名かの方が出てくるわけです。その中に私と中西さんのうちのどちらか残った者が選出されていくわけです。行ってもまた、ここで何十人かのうちの一人にしぼられてくる、こういうかっこうになるわけですね。そのしぼられる基準が優秀であるか否かがかかってくるわけです。(西岡委員「山原さん大丈夫だ」と呼ぶ)大体西岡さんがその判定を下したらそうなるかもしれませんけれども、恐らく三塚さんだったらそうはならぬかもしれませんが、そういうことですね。これは全然違うわけですよ。そうして一名を限度としてという推薦の仕方ですね。だから、この辺はやっぱり歯どめをかける必要があると思います。 そういう意味で、実態の調査もしていただきまして、県の教育委員会がやっておることだから、文部省は口を入れることはできないというようなことじゃなくて、とにかく国会においてみんなが合意して、そして大臣も何遍も、勉学しようとする者に対して制約を加えたり色めがねで見たりするようなことはしません、そんなつもりでこの教員大学、教育大学をつくったのじゃありませんとまで言っているんですからね。 この審議の経過から見ましても、ぜひ御検討いただきまして、愛知県教育委員会のやっていることに対して、いま直ちに文部省が、大学局長が、これはだめだというようなことは言えないと思います。しかし、少なくとも指導はしていただかなければなりませんから、少なくとも文部省が出されたこの基準には近づくような最善の努力をしまして、そして大学院に入ってまで勉強しようとする者に対しては、少なくともその受験する機会が多く与えられるように努力をしていただきたいと思うのですが、この点はもう大臣もけさからお聞きくださっておりますので、おわかりだと思いますし、いままでの大臣もそういうふうに御答弁をされておるわけですが、そういう点はおわかりいただけるでしょうか。
○田中(龍)国務大臣 御趣旨を体しまして、善処いたします。
○山原委員 この問題はおきまして、次に、もう時間がそんなにございませんので、時間のある限り、いわゆる体育大学の問題について、これは体育局長に、私の質問も簡単にいたしますから、答弁も簡単にお答えいただきたいと思います。 まず第一番目に、先週の与党質問でございましたか、武道も広い意味のスポーツであると言っておりますが一その点は間違いございませんね。
○柳川(覺)政府委員 体育・スポーツにはもとより入りますし、また、いまスポーツを身体的運動のすべてというように一般にとらえられております。その面で、広い意味でスポーツの中に武道が位置づけられるというようにとっております。
○山原委員 いわゆる武道というものも運動領域の一つの種目として考えられるということだと思いますが、現在、学校教育では柔道・剣道は格技として取り扱われておりますが、ここでは武道となっておりませんが、この点、格技と武道とは何か解釈上違いを持っておられるのですか。
○柳川(覺)政府委員 学習指導要領で決めております上からは、柔道・剣道・相撲を格技という領域区分に位置づけております。内容は、まさに剣道でありますし、柔道でありますし、相撲であります。これは広い意味では一般に武道の中にとらえられるものであるというように感じます。
○山原委員 体育・スポーツの中に武道が入っておるわけですが、今度それが課程の中で体育・スポーツ課程と切り離して特別に武道課程と、併置して述べられておるのは、どういう理由ですかね。
○柳川(覺)政府委員 新しい鹿屋の体育大学の構想を調査会で御検討されまして、その際、この大学は大講座制をとる、その中で専攻課程的な区分としては、体育・スポーツ課程と武道課程というように分けていくということをとらえたわけでございまして、大きな意味で体育・スポーツの中に武道が位置するわけでございまして、武道課程を専攻する方々も一般の体育・スポーツを当然にマスターしていくというような形でこのつながりがつくられたというように承っております。
○山原委員 承っておるといっても、体育局長は、この体育大学の設立について文部省の最も大きな責任を持っておる局長でございますからね。 そうしますと、武道が他の体育・スポーツの種目と比べて、体育・スポーツの範疇の中に武道もあるわけですが、それが独自の学問的な価値を持っている、あるいは他のスポーツに比べて人間の人格形成上すぐれた面を持っているというふうなことなのか。率直に言いますが、武道学という学問があるのですか。
○柳川(覺)政府委員 武道につきましては、すでにいずれも私立ではございますが、三大学に武道学科が設置されて、専門的な教育研究を展開しておられますし、また学術上も武道論、武道史を初め、スポーツまたは運動学に関連する技術と運動理論、指導法等の教育研究がなされておるところでございます。
○山原委員 この調査会の構想によりますと、七つの大講座がありまして、そのうちの一つが武道に充てられておるわけですね。いまおっしゃったとおりです。主要授業科目の例として、いまお話のありましたように、武道論あるいは武道史などが挙げられているわけですが、これは私学におきまして三つの武道、これは武道課程ではなくて武道学科だろうと思いますが、そういう例はありますけれども、武道論、武道史などというものは、これはどんなものですかね。たとえば武士道精神とかいうようなものなのか、ちょっと想像がつかないのですが、どんなふうに把握されておりますか。
○柳川(覺)政府委員 武道につきまして運動科学の面からこれをとらえ、論じていくということの内容であろうと思います。
○山原委員 運動科学という言葉、たとえば水泳課程とか球技課程とかいうようなものはいままで聞いたことがないわけですし、水泳にしても、日本古来の歴史を持った水泳その他あるわけですね。そういうことにつきましても、水泳の独自な学問的な体系というものは、あっさり言えば、いまのところ私たちは聞いたことがないわけで、結局、突き詰めていきますと、学問的には、水泳にしましても、球技にしましても、恐らく武道にしましても、そうだろうと思いますが、体育学とか生理学に吸収されるものではないかと思うのですが、その点がどうも、今度の体育大学構想の中であらわれてまいりました武道課程というのがはっきりしないわけですね。局長の答弁を聞いておりましても、何となく自信のないような感じを受けるわけですが、その辺もう一回伺っておきたいのです。
○柳川(覺)政府委員 確かに先生御指摘のような面がございます。運動生理あるいは運動行動の面からの追求でございまして、人間の身体運動の一つでございますので、その面を運動行動の面等から科学的な究明をしていくという立場に、この武道論が構成されているというように承知しております。
○山原委員 少なくとも大学論を論議する中ですから、大学局長は、どういうふうにこの武道課程というのを判断されておりますか。たとえば武道も体育・スポーツの一領域であるということであれば、武道のみを体育・スポーツ全体の学問体系から切り離して独立させるということについては、ある程度大学論としても納得できるだけの説明が必要だと思いますが、その辺は検討されておるのでしょうか。
○宮地政府委員 この鹿屋体育大学の教育課程につきましては、専門家の調査会で御検討いただきましたその結論を得たところをもって私どもとしては武道課程と体育・スポーツ課程ということで構成をいたしておるわけでございますが、先ほど体育局長から答弁されましたように、武道課程につきましても、もちろん武道史とかそういうようなもののほかに、一般的な、何といいますか、相互乗り入れといいますか、それ以外に体育全般についての体育学でございますとか、そういうものが教育課程として組まれるのは当然でございます。武道課程としては、そのほかに、たとえば武道史とかそういうようなものが加わるということになるわけでございます。
○山原委員 その辺については準備室においてその構想とか内容などあるのじゃないかと思いますが、そういった意味での準備室の検討されてきた中間まとめとでも申しましょうか、現在どの程度までその辺について論議されているかわかりませんが、そういう資料はございませんか。
○宮地政府委員 先生からお話のございました点は「新体育大学の基本構想」ということでお手元に資料として差し上げてあるわけでございます。 なお、実際に既存の大学の、私立で三大学あるということで申し上げたわけでございますが、教育課程の組み方といたしましては、それぞれ、たとえば日本体育大学の体育学部の体育学科、武道学科というような構成になっておるわけでございますが、武道学科の授業科目といたしましては、体育原理以下の一般の必修科目のほかに武道倫理、武道史概説、武道概論というようなものが入っておるわけでございます。これはほかの私立大学の武道学科の構成の場合にも、ほぼ同じような授業科目の編成になっております。 そういうような点を参考といたしまして、この鹿屋の体育大学についての武道課程についても、これからさらに具体的な内容については準備室でそれぞれ準備を進めていくわけでございますが、私どもとしては、そういう武道課程、体育・スポーツ課程というような二つの課程の組み立てでこの体育学部の内容を組み立てているものでございます。
○山原委員 何でこんなことを言っておるかと言いますと、かつて海洋学部の創設の要求が各地から出ておったときも、海洋学というものがあるのかと逆にこちらがやられたような場合もあったわけですね。ところが、武道学という言葉もまだわれわれも聞いたことございませんが、確かに三私学でやられておるということですけれども、今度は国立でやるわけですね。しかも単科大学でやる、新しい出発をしようとしておるわけですから、そういう点でこれは相当検討しておく必要があると思うわけです。そういう意味で非常に拙速な感じを受けますね。 私、先ほど議事録を見ておりましたら、鹿屋の教員大学の問題が出ていました。ちょうど一昨年のことで、そのときにはまだ体育大学という名前じゃなくて、兵庫・上越・鹿屋という同じ教員大学としてここで論議しているわけです。それが途中で体育大学に変わるわけですね。そして、この武道学科というのが入ってくる過程には、先ほど中西さんかが質問されておりましたように、武道議員連盟の問題も出てくると思うので、そういう点で途中からずっと変化してきているわけですね。でも、たとえば武道議員連盟なんということから——まあ武道に対する国民の、何といいますか、志向というのはずいぶんいま多くなっていますから、そのことを否定するわけじゃありませんが、じゃ、いまママさんバレーというのが全国にもずいぶんたくさんできていますが、そういうところからバレー学科をつくれ、あるいはバレー課程をつくれなんてきたらどうするか。一つ一つ大学の中へそういう課程をつくらなければならぬということになったら、これはまた大変なことですね。しかも武道議員連盟の方の中には、いわゆる武道を正課にせよという要求も含まれております。 そういう点から考えますと、これはどこまでどうなっているのかわかりませんが、武道を正課にするという考え方が文部省の中にあるわけですか。
○柳川(覺)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、教科体育の中に格技として柔道・剣道・相撲を位置づけておるわけでございまして、体育と独立した形でのものは考えておらないわけでございます。
○山原委員 もうこれでおきますが、やはりこの問題は、なぜ単科大学にしてやらなければならぬか、あるいは既設の大学の体育学部を充実してやれるのじゃないか、指導者を養成することもできるのじゃないかというような考えを持っています。 現在、その武道につきましても、武道のみならず体育・スポーツについて、社会教育の面で一般の地域等で指導者を求めておることは事実ですから、それなりにただ指導者養成だけでなくて、日本の社会教育そのものの受け皿をどういうふうにつくっていくか、たとえば体育やスポーツあるいは武道にしても、その施設をどういうふうに地域につくっていくかということと並行してこういう大学の構想が生まれてくるならば、まだわかるのですけれども、その辺が何となくわからないままに、資料不足の中で私たちは審議しておるのが現状ではないかと思うのです。先ほど小杉さんも言っておりましたが、何となく資料が少ないというのは、当然の指摘だろうと思います。 そういう意味で、もう間もなくこの大学設置法の採決を迎えるわけでございますけれども、しかし、あればできるだけの資料を出していただいて、まだあさっての質疑も設定をされておりますから、できる限り綿密な質疑、答弁ができるような状況をつくってもらいたいということを切に要求をいたしまして、私のきょうの質問を終わります。
○三ツ林委員長 次回は、明後二十七日午後二時四十五分理事会、午後三時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二分散会