文教委員会 第3号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/02/27
会議録
○三ツ林委員長 これより会議を開きます。 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山原健二郎君。
○山原委員 最初に、最近の私立医科歯科大学におけるいろいろの情勢につきまして質問をいたしたいと思います。 まず第一番に、私立大学の不正経理と申しますか、これを見ますと、いままで文部省は何遍か通達を出してきております。五十二年の九月に出しましたけれども、結局、文部省が発表しておりますように、二十九の医歯系大学におきまして二十四校が通達の趣旨が守られていないということが発表されておるわけです。この二十四校という数字はどこから出てきたかわかりませんが、もうすでに七校、八校の学校が次々と新聞に出る、こういう状態でございますから、これからまだ出てくる可能性があります。 そこで、最初に伺いたいのですが、この二十四校という学校を発表していただきたいのです。
○田中(龍)国務大臣 担当の者からお答えいたします。
○吉田(壽)政府委員 昭和五十五年度の私立医科大学の入学者にかかる寄付金、学校債の状況でございますけれども、私立医科大学二十九の医学部でございますが、寄付金の募集のなかったものは十三学部、学校債の募集のなかった学部は十二学部でございます。 それで、実際に寄付金及び学校債を募集いたしました大学名、学部名は、いまここに持ち合わせておりませんので、いずれ後ほど御報告いたしたいと思います。
○山原委員 もう学校名もはっきり出して事態を解明をしていくという姿勢が必要だと思います。そういう意味で、後で出していただきたいと思います。 それで、今度の続発するこの不正常な姿を見てみますと、単なる金の問題だけでなくて、いわゆる情実入学、縁故入学というようなものが加わってくるわけです。その点、いままで新聞に出た例を拾い上げてみますと、たとえば日本医科大学の場合は、補欠入学が四分の一、七年間にわたって百三十五名入学をしておるということが発表されております。 それで、大学関係者の発言としてこういうことを言われているのです。総理経験者二人、文部省現職局長、代議士は数知れずというような言葉が出てくるわけですね。それから他の大学から縁故入学はやめるな、がんばれという激励が来ておるということが新聞報道されております。さらに日本医科大学の高橋理事長、高橋末雄さんですが、この理事長は、縁故入学はやめない、こうおっしゃっているわけです。そして、この高橋さん自身が、現職閣僚の子弟を私が入れたと報道に出ております。こういう状態ですね。 この縁故入学あるいは情実入学の実態というものを、文部省はお調べになっておりますか。
○宮地政府委員 入学者の決定に当たりまして、志願者の能力、適性等につきまして、合理的な総合的な判定に基づいて行うということは当然のことでございまして、同窓生の子弟であるというようなことだけで有利に扱うということについては、入試の公正を害するものであると考えております。 入試の公正確保につきましては、かねて通知を出して十分指導しておるところでございますけれども、その指導については今後さらに一層厳正を期してまいりたい、かように考えております。
○山原委員 この大学の責任者の発言というのは、これは全くゆゆしい問題でして、総理経験者二人とか文部省現職局長とか代議士の数は数知れずとかいうようなことを発表されて、しかも縁故入学はやめない、また他の大学からも縁故入学はやめるなという激励がくるというこの事態は、これは深刻な事態だと思うのです。 きょうも学生諸君が入試に行っています。きのうは雪のために電車が故障しまして、もう学校へどんどん走っていっているんですね、早稲田の状態をきのうも見ましたけれども。こういう状態で、必死の思いで学生諸君が受験勉強もやり、そして身を削って入学試験を受ける、受けて、その結果は縁故入学とかあるいは情実入学があるということになると、これはもう全く公教育にふさわしくない現状ではないか。それが許容されるような文部行政であってはならぬと私は思うのです。 だから、こんな責任者の発言があるならば、当然、調査をして報告してしかるべきだと思いますが、改めて伺っておきます。
○宮地政府委員 御指摘の日本医科大学につきましては、二回にわたりまして事情を聴取いたしまして指導を行い、大学側は、それらの点については改善を図るということで、すなわち具体的には、教授会による合否判定、第二番目としては、理事者の関与の排除、第三番目としては、選考基準の明確化というようなことについて早急に改善を図るということを申しておりまして、五十六年度の入学試験から反映させるということを約束しているところでございます。
○山原委員 次に移っておきます。 いまの日本医科大学側の文部省への報告というものは、これは大事なものでして、実際に実行できるかどうか、これは前にも問題になっていますのでね。 北里大学の医学部の問題ですけれども、これは寄付金三十二億五千万を隠し口座に入れておったという事件でございますが、ここでは理事が総退陣を発表いたしておりますが、総退陣をしたのでしょうか。
○吉田(壽)政府委員 お答えいたします。 総退陣をするということを決めたということは聞いておりますけれども、その時期等については、まだ大学の方から連絡なり報告を受けておりません。そういう段階でございます。
○山原委員 二月八日に総退陣をするという表明がなされておりますが、その総退陣の理由はどう言っておられますか。
○吉田(壽)政府委員 要するに昭和五十二年の通達に違反いたしまして、別途経理三十二億円余り、そういうきわめて不適正な経理をしたこと、並びに巨額の寄付金等を募集した、収受したというようなこと、こういうことに発しまして、大変社会的にも大きな問題を引き起こしたわけでございます。そういう意味で、学の内外に対して責任を執行部として明らかにしたいということで退陣を決意したというふうに承知いたしております。
○山原委員 そういう深刻な反省の上に立って総辞職したとは、私は、少なくとも報道関係の紙上では見ておりません。北里の名誉を傷つけたということ、これが総退陣の理由になっています。そして金は返すと言っておりますが、金は返すのでしょうか。その辺はどのように把握しておりますか。
○吉田(壽)政府委員 昭和五十四年度並びに昭和五十五年度両年度にわたりまして入学者の父母から収受いたしました三十二億円余りのものは、これを全部父母にお返しするということを決定したというふうに報告を受けているわけでございますが、具体的にいつの段階でそれを行うか、それはまだ時期等については詳細承っておりません。これからだと思っております。
○山原委員 私は、このお金は、返る分もあるかもしれません、でも、そんな状態では返さないと思います、次の計画を持っているわけですから。しかも、二月八日に総退陣を決意発表して、まだ一カ月にはなりませんけれども、その間に何らの動きもないわけでしょう。しかも、おやめになるときに逆にどう言っておるかといいますと、文部省の通達の遵守は無理だと言っておる。完全に居直っている姿ですね。そして今後は表立って徴収する。いままでは裏で徴収したけれども、文部省の通達の例の一千万円、学債を含めまして二千万円になるでしょうか、そんなものは無理なんだから表立って取るのだ。これは明らかに文部行政あるいは文部省の通達に対する挑戦的発言だと思いますけれども、どうしてそこまで言わなければならないのか、これは考えておく必要があると思うのです。 後でまとめて質問しますが、そんな点から考えますと、今度東海大学の問題が出てまいりますが、これは合格前に父母に面接をして、最高七千万円の徴収ということで新聞に出ました。そうすると、今度は順天堂大学が出てまいります。これは合格前に、寄付をなるべく多くという面接をしております。次に独協医大が出てまいります。この独協医大は、御承知のように入学手続に千五百万円と記入しているのです。文書に出ているんですね。それから北陸大学が出てまいります。これは電話による寄付の要請が出てまいります。北陸大学、岩手医科大学、そして帝京大学医学部と次々と出てくるわけですね。そして文部省は、それを知っておられる。二十九校のうち二十四校にそういう不正常な状態があるということを発表されているわけですから、文部省も知っておられる。 それから、さらに私立医科大学協会の内部資料を見ますと、十校が通達を無視して最高三千万円を徴収しておるという資料を発表しております。そうしますと、文部省も知っておられる、私立医科大協会も知っておられる。知っておって許容されてきたわけですね。これはどういうふうに理解したらいいのでしょうか。
○吉田(壽)政府委員 昭和五十二年の通達では、一つは、寄付金あるいは学債等、こういうものを募集したものにつきましては、これを正規の学校会計に入れなければならない、それを別途積み立てることは許されないということが一つございます。 それから、もう一つの点は、要するに入学者の父母に大きな額の寄付金あるいは学債等を依存してはならない、寄付金なり学債を募集すること自体は、別に特に禁止いたしておりませんけれども、巨額な負担を入学者の父母にかけないようにという趣旨で、もしそういうものを募集する場合には、長期の資金計画を学校法人、大学で立てまして、それによりまして、寄付あるいは学債の募集をするようにということで、通達ではっきり指導しているわけでございます。 それにもかかわらず、相当数の学校法人、大学、医科大学で相当多額の寄付金あるいは学債等を募集するに至ったわけでございまして、こういう点につきましては、私ども遺憾に思うとともに、また私どもの指導が大変不十分であったということを反省いたしているわけでございまして、これらにつきましては、今後とも私どもは、私立医科大学に対して強い指導を徹底させる必要があるというふうに考えているところでございます。
○山原委員 きょうは文部省を責めるという意味で質問しているのじゃないのです。ここまで来たらもう指導性の問題なんか、あるいは通達なんか何の役にも立たぬということを示しているわけですからね。その段階でどういうふうにすればいいかということを探求するために私は質問をしているわけです。いままで三年置きに通達を出している。ところが、三年置きに続発しているわけですね。そういう状態で、これは文部省の指導がそこまでいかないのか、あるいは私学の医科大学がそういう体質を持っておるのか、そこらも本当に見きわめないと、いつまでたっても解決しないと思います。 そういう意味で質問をしておるわけですが、さらに、この日本医大の垂木教授のごときは、いまだって文部省や厚生省から頼みに来ていますよ、来るのは局長クラス、大蔵からも来る、自分の子弟や親類を頼むというのではない、政治家から頼まれてくるなどということが週刊誌にも出たりしておるわけですね。 私は、前から政治家と一切手を切れということを主張してきたのでございますけれども、これは文部大臣に伺いたいのですが、こういう情実縁故入学などというものをいささかでも認めるようなお気持ちが文部省にあるのでしょうか。そういうことは入学試験の公正を期すために絶対あってはならぬことだというふうに毅然としたお考えを持っておられるのでしょうか。これは文部大臣にお伺いをいたしておきたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 もちろん、そういうことは断じて許すべきものではございません。あくまでも適正な試験制度のもとに、大学の管理運営もまた適正に行われなければならない。そのためにこそ、ことしのような非常に厳しい予算の中におきましても、これこそ与野党の先生方も一致して、この私大の経営の問題あるいはまた資金的な協力と申しますか、予算の編成上の問題には御協力を賜ったのであります。そのわれわれの本当に真摯な、まじめな私大に対する向上、発展、また経営の合理化ということについての気持ちを、まことに遺憾ながら現実の摘発されましたいろいろな学校は踏みにじっておるという点は本当に残念なことでございます。
○山原委員 いま大臣としてのお考えを述べられましたが、私学には伝統もあれば、それなりの性格も構成されてきておると思います。でも、少なくとも今日の段階では、国の助成が、私がいま名前を挙げました七つか八つの大学に対する国の助成金は五十五年度で二百億円に達しています。少なくとも国民の税金がここへ投入される場合、そういう私学の独自性とか伝統というものは守ると同時に、入学の合否の公正ぐらいは確立をしていただかなければならぬ、これはもう大臣のおっしゃるとおりですわね。だから、私は前々から主張しておりますが、この点では、入学の合否の判定を下すのは、教授会が公正に、厳正に行っていくということを確立する以外に道はないと思っております。 ところが、これが本当に改善されるかどうかわかりませんが、私は、日本医科大学の同窓会報を持ってきておりますが、ことしの一月一日の同窓会報には高橋理事長が「今まで、同窓生の子弟を入れるということで、全体の三割は入試に通っています。昨年も四十人近く入れたんだから。なるべく三分の一は同窓生の子弟を入れたいという私の方針だから、ずっと実行して行く。」ということを書いておられるのです。 そして現実にどうかと思って見てみますと、五十四年度の入学者百三名、補欠七十九名、これは文部省の発表ですが、医師の子弟が五十七人、関係者の子弟が二十九人、こういう数字が出ておるわけですね。 それから、さらに私は、北里大学の医学部の一年生から四年生までの生徒五百七十四人について調べてみましたら、医師の子弟と北里大学の教授関係者の子弟が合わせて四百三十一人、パーセントにしますと七五%だ。どなたかが世襲制度という言葉を使われておりましたけれども、全くそういう状態ですね。だから、医師でない家庭の子弟、北里大学の同窓や教授が関係していない子弟というのは、本当に限られた数字しか入れない、二五%しか入れない。入学試験を受ける子供たちの気持ちというのは全く必死の思いで受けているわけですが、初めからその枠は狭められている。この中を見ておりましたら、ゼロ点を採れとは言わぬけれどもという言葉さえ出てくるぐらい壮烈なものです。そのためには理事長がどれだけ苦労しておるかわからぬというようなことまで書かれるわけですね。 こんなになってきますと、極端に言ってあれですけれども、同窓会の学校に国費の多くの部分が使われるなどということになったら大変なことですね。これはもう大臣のおっしゃったとおり、不正常なことだ、断じてあってはならぬことだと大臣はおっしゃいますから、これ以上申し上げませんが、実態はそうなっています。 それからもう一つ、今回出てまいりました岩手医大の場合、これは圭陵会という同窓会がございます。この圭陵会の場合は、同窓生の子弟を対象として、学長、副学長そうして医学部長が電話をかけて、さらに圭陵会の会長さん、学校と関係のない方が手分けをして、合格の連絡だけでなくて寄付金の要請をするという行為が十五年間続いているわけです。同窓会の会長さんが合否の連絡を家庭につける、また寄付の要請をする、学長と副学長が一緒になって手分けをしてやる、これはもう本当にどういうふうに判断していいのか、ちょっとその神経を疑うわけですね。そんなことが平気で行われている。 そしてこの大学も、新聞記者の方の質問に対して、縁故入学がなぜ悪いかというふうに反論をしておりますし、今後も続けるつもりかといった質問に対して、それは縁故入学をどう考えるかだろう、縁故入学がなぜ悪いかと反論をする始末であります。 このように見てみますと、ほとんど全部居直り、そして同窓会絡みの縁故入学という事態が続いておるわけでございますが、この不正常な状態を続けてよいと大学局長は思っておられますか。
○宮地政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、入試の公正確保ということは、私どもとしても、かねがね指導いたしておるところでございます。 御指摘のように、一部の私学において不祥事態が生じたということは、まことに遺憾なことでございますが、私ども基本的には、私学の大多数のものは、十分国民の期待にこたえる教育を行っているものと確信をいたしております。また私学が独自の建学の精神に基づいて自主的に運営されるべきであることも、基本的にはそういう立場に立つものでございます。 ただ御指摘のとおり、大変遺憾な事例が生じていることも事実でございまして、先般来大臣の御指示もございまして、現在行われておりますこの五十六年度の入試が一段落いたしましたならば、早急に全私立医科大学に対しまして個別に事情聴取並びに指導を行う、さらに、その結果を踏まえまして、全私立大学に対して改めて再発防止のために指導通達を発する予定にいたしております。 もちろん、入試の公正確保等に関しましては、先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、私どもとしては、それの基本を確保することが第一でございますが、私学の独自性に基づく選抜方法等についても十分考慮するべき点もあろうかと思いますので、国民全体に信頼を回復するように、それらの点については、ただいま申し上げましたような対応を早急に講じたい、かように考えております。
○山原委員 いま全私学について御調査をされるというお話を伺ったわけでございますが、それも新たな文部省のお考えのあらわれだろうと思います。それももちろんやっていただかなければならぬと私も思うのです。 ただ、いままで、たとえば北里の問題について調べてみますと、ここへ業務報告を持ってきておりますが、北里学園が出しました各年度の事業成績報告書というのがここにずっとありますが、最近に至って次々と土地の購入が行われているわけですね。 ところで、この北里につきまして、文部省は毎年調査をされておると思いますが、たとえば北里だけの例を申し上げますと、昭和五十二年六月十七日に、文部事務次官が医学部病院概況視察を行っております。さらに五十三年一月十日にも調査をされております。五十三年二月一日にも会計検査院が入っております。五十三年七月五日に私大審、文部省、私学振興財団も一緒だと思いますが、これも入りまして、寄付行為変更認可後の財政状況及び施設等整備状況の調査を行っております。五十四年七月二日、五十四年十一月六日にも同じ調査をやっておられるのでございますけれども、これだけ調査をいたしましても、今回のこの北里大学における事態を見抜くことができなかったとすれば、果たして調査というのが効果的なものであるのかという疑問を持たざるを得ないのです。ずいぶんと調査はしておられるし、文部省として努力しておられることはわかります。しかし、その深部のところが判明しない。そして土地購入はもう次々と出ております。これは時間の関係で申し上げませんけれども、至るところで行われておるわけです。 たとえば、この業務成績報告書を見ますと、北里ハイツの問題なんかは、先日もこの委員会で取り上げられておりますが、相模原市に二十三ヘクタール、岩手県三陸町に七百五十ヘクタール、北海道八雲町に四百ヘクタール、青森の十和田湖に三十八ヘクタール、宮城県の牡鹿半島に八十ヘクタール、新潟県の大和町に十七ヘクタール、その他点在する土地の購入が行われているのです。もちろん、大学の施設その他もその付近につくられてはおると思いますけれども、しかし、この大学に対しては、御承知のような金額の国の助成が行われておるわけです。それだけの助成が、これだけの土地購入ができるところに行っている。大体普通の企業であれば、大手の土地業者ならともかく、とてもできません。もうけておるかどうかわかりませんけれども、とにかくそういう土地購入をどんどん広げていけるところに対して、昨年度、五十四年度に三十六億円の国の助成がなされているわけですね。三十六億の助成というものが適切なものであるかということは、これはどう判断していいか私にもわかりません。恐らく文部省にもわからぬのではなかろうかと思います。 もう一つ、時間の関係で例を申し上げて、後で質問をいたしたいのでございますが、私は、こういう点から考えますと、経理並びに資産目録の公表ぐらいはすべきではないかと思うのです。国の費用が流れて、そして、それの効果がどういうふうに出てきておるかもわからない、どういうふうに有効に使われておるかもわからないということで、私学助成の大幅増額ということは私たちいままで主張してまいりましたけれども、少なくともそこには大学としての倫理もあるべきだと思っています。だから、その辺の公開制といいますか、明朗潤達な経理あるいは資産の公開というものがなされていいのではないかと思うのです。 これは東海大学の場合です。東海大学については、御承知のように昨年度の私学助成は実は第四位の金額が出ておりまして、五十四億五千万という国の助成が出ています。ところが、その東海大学そのものは関連企業を七社持っております。東海建設、望星企業、東海設備、三保文化ランド、港北出版、東海スポーツ振興、東海トラベル・ビューロー、この七つの会社を関連企業として持っておりまして、そのそれぞれの企業の株は東海大学の学校法人が持っています。たとえば東海建設の場合、資本金三億円ですが、六十万株の半分の三十万株を東海大学が持っております。望星企業は二億円の資本金ですが、四十万株全部東海大学が持っています。まさに東海大学の経営です。三保文化ランドは八十八億円の資本金ですが、五十六万株を東海大学の学校法人が持っております。東海建設その他すべてこういう形態になっておりまして、ほとんど東海大学学園の経営とも言ってよいような七つの企業を持っておるわけでございますが、これらの事実は、文部省としておつかみになっているでしょうか。
○吉田(壽)政府委員 一応、学校法人と企業であります会社とは全く別個のものでございますので、私ども、東海大学と関係のあるそういう一々の企業について、具体的に調査はしたことはございません。したがって、いまそういう資料を持ち合わせてはおりません。
○山原委員 私は、いまここへ、私なりに調べた資料を持っておりますが、これらの七つの企業は、社長さんあるいは取締役、常務、これ全部東海大学の総長あるいは学長、監事、事業部長などという人が座っておられるわけであります。望星企業のごときは四十万株全部持っておりますが、この企業のやっておる仕事は時計の輸出であります。それから、きのうあたりの新聞には、帝京の場合も、株や金塊が持たれておるということが出ておりますけれども、こういう状態になっているわけです。 しかも、こういう企業が銀行から金を借りる場合に、だれの判が使われているかというと、東海大学総長の公印が使われているのです。たとえば港北出版の場合を見てみますと、五十四年五月に三菱銀行より一億、東海銀行より一億、太陽神戸銀行より一億、協和銀行より千二百四十万、富士銀行より八千万、埼玉銀行より一億八千万、大和銀行より三百四十万と別に一億五千万、山形相互銀行から二千万というような借り入れをしておりますが、これが東海大学総長の公印で行われている、こういう状態が出ております。 文部省は知らないとおっしゃるのですけれども、これらの会社は時には配当金ゼロの場合もあります。損益が出てまいりまして、港北出版などは一億六千五百万の損益を五十三年度に出しておりますが、大体見てみますと、配当金はかなりの配当金が出ているのですね。そうしますと、七つの会社から出てくる配当金というのは、学校法人に入っておるだろうと思うのです。文部省は知らないとは言えないと思うのです。収支決算の中にその配当金がどの程度に組み込まれているか。たとえば東海建設の場合に一株当たりの配当金五十円です。五十円で三十万株ですか、六十万株ですか、これだけの金が入っているのです。それが文部省に報告される収支決算の中に出ておるかどうか。関係ないとは言えないと思いますが、その辺はどうなっていますか。
○吉田(壽)政府委員 いま先生がおっしゃられましたようなそういう会社、企業の有価証券を所有しておりまして、その配当金があれば、当然、学校法人のそういう収入の中に上がってくることは間違いないところでございますが、個々具体にどういう会社の株の配当金が幾ら入ったかというようなそういう細かい個別の数字は、私どもいま持ち合わせておりません。
○山原委員 収入のある場合に配当金額も文部省に対する収支決算の中に入っておると確信をしているわけですね。それでは、損益を出しました場合に、これはどうなるか、この辺検討しておかないと、私学に対する助成問題とも関連してまいります。倒産した場合は保証しなければなりません。 これは私の調べたところで約百億円、関連企業に借金の保証をしておりますから、もし倒産をすれば、それを東海大学の学校法人から出していかなければならぬ。その借金の返済にまで国民の税金が使われていないという保証はなくなってくるわけです。配当金があった場合には、それは収支決算の中に入るでしょう。そういうことを考えますと、これは文部省と関係はないなどとは言えないと思います。また総長の公印で行われているわけですね。 こういう事態から考えますと、本当に私学の経営について、私学の苦しさ、あるいは特に医学部、医科大学の場合、創設のときにお金が要ります。創設のときからお金を駆り集めて文部省に見せなければならぬ。しかし、現実にその金がない。ないから見せ金をつくる、あるいは大土建業界からそれに匹敵するような、あるいはその一部を占めるような金額の見せ金をつくって大学の認可を受けていく、そういう過程から出発しておりますから、大学の経営もなかなかだと思うのです。しかもまた、付属病院をつくらなければならぬとかいろいろな問題が出てくるから、私学の、特に医科大学の経営というのは、複雑多岐であり、そしていろいろな要素を持っていることはわかりますけれども、しかし少なくとも、それでこういう事態が許されてよいはずはありません。大学の教育をする府の総長やあるいは学長あるいはそれらの幹部の人たちが企業の社長であったり副社長であったり取締役であったりする、その経理関係は一体どうなるのか、そんな点は明確にしておかなければならないと思いますが、七社に対してこの大学が保証しておる金額は約百億円に達しておると私は思うのです。 文部省の方は、そんなことはもう大学とは切り離された問題だから、当然収支決算に出てくるだろうということだけでとどめてよいといまでも思っていますか。これだけのいわゆるやみ入学金を取り、文部省の通達にも違反をしておるこの学園の経営状況について、それらの問題についても調査をされるとか、あるいは文部省がそれを知悉しておるとかいうことが必要ではないかと思いますが、その点についてはどうお考えでしょうか。
○吉田(壽)政府委員 ただいま有価証券の取得の問題が先生から提起されましたが、一応制度上は、学校法人の余裕金等があります場合に、必要な範囲内で有価証券を保持するということは認められているわけでございます。問題は、その有価証券の取得がいわば投機性に流れるとか、あるいはいわば経済性から考えて不確実であるというような有価証券を大量に取得する、多額のものを取得するということにつきましては、厳に慎まなければならないという趣旨の指導をしてまいったところでございます。 したがいまして、この東海大学の事例でございますが、もし仮にそういう観点から考えて問題があるとすれば、私どもは、厳しく大学当局を指導しなければならないと思っております。 先ほど大学局長からも御答弁申し上げましたが、いずれ、ことしの入試が終わりました後で全私立大学を個別に呼んで事情聴取し、調査いたしますので、その際に、いまの点につきましても、私ども、十分調査を徹底させ、指導を厳しくいたしたいと思うわけでございます。 基本的には、各学校法人が、いわばその公共性を自覚いたしまして、健全な運営を自主的に図るということが期待されているわけでございます。学校法人の内部機関といたしましても、御承知のとおり、評議員会がございますし、また監事も置かれておりまして、内部的にチェックするというシステムになっているわけでございますので、私どもは、そういういろいろな問題を抱えている大学におきましては、特に評議員会の機能を発揮する、あるいは監事がその責務を十分に果たすというようなことで十分指導を強めてまいりたいと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、二十九の私立医科大学全部につきまして、私どもは、いずれこれを呼びまして、十分にその点、指導の徹底を図りたいというふうに考えております。
○山原委員 教育の腐敗といいますか、こういう会社の株全部持っているわけですから。たとえば港北出版などの場合、これはそんなに大きくないと思いますけれども、購買費、一般管理費六億何がしかのうち接待交際費二億とか、会社の経営としてもどういうふうにされておるのか、学校法人の首脳部がそのまま社長やその他に移行してやっておるにしては、全く――これはもうちょっと調べなければわかりませんけれども、私は、相当なことをつかんでいるのですけれども、それはきょう申し上げませんが、これは本当に不正常なわけですね。 いま文部省は、初めて公式に、間もなく全大学を呼んで調査をされるということを発表されましたので、それはそれとして進めていかれることと思いますが、ただ、いままでも、先ほど北里の例で申し上げましたように、何遍も何遍も調査に行っておられるのです。行っておられるけれども、真相はつかめなかったから今度のような問題が起こってくるわけですから、それは容易なことではないと思います。容易なことでないこの調査を行うためには、ただ全大学を呼んで調査をするということだけではなくて、調査をするに当たっての基本的な考え方といいますか、こういう立場で調査をするのだという方針を持っておられて、そういう方針を決められたと思うのでございますが、その文部省が全大学にわたって調査をする基本的なお考え、あるいは調査の項目などはどういうふうになっているのでしょうか。
○宮地政府委員 先ほども御答弁申し上げたわけでございますが、私どもとしては、当面調査をいたすのは、全体の私立医科大学につきまして個別に事情調査をいたしたい、かように考えております。 なお、基本的には、ただいま言われております点で、特に入試の公正が確保されているかどうかという点が、やはり国民に対しても信頼を回復するまず第一の点であろうかと思いますので、その場合、特に寄付金等の収受と合否の判定とが絡まないようにするということがまず第一でございますし、また先ほども申し上げましたように、私学の自主性と申しますか、独自性ということが、やはり必要なわけでございまして、私大の独自性を生かす選抜方法というものはどういうものが考えられるかというようなことを含めて調査をいたしたいと考えております。 なお今後、具体的な調査の実施に当たりまして、それらの点は私ども事務的にもう少しよく検討いたしまして、十分遺漏のないような調査を実施する心づもりでございます。
○山原委員 いまおっしゃった調査のことですが、私学の自主性はもちろん大事にしなければならぬわけでして、その点を侵すことがあってはなりません。しかし同時に、私学の自主性が幾らあろうとも、入学試験の公正というようなことは、これはそれ以前の問題ですからね。それが確保されるためにはどうすればよいかということを、私どもも幾ら考えても、やはり一部の理事者で決定をするとかいうことではなくて、入学試験の採点を行った、あるいは教授会などが合否の判定に加わるという、いわば密室性を除去することが大事だと思うのですが、この点はどうお考えになるでしょうか。 同時に、先ほどから私がいろいろの発言で例示しましたように、情実人事、縁故人事などというものを断ち切ることは容易ではないということですね。これは、これからもやるのだ、あっちからもこっちからも、縁故入学をやめるな、がんばれ、こういう支持があるような現在の雰囲気の中で、これを断ち切るということのためには相当の決意が文部省には要ると思います。それは大学の自主性を侵すようなものではない、以前の問題としてこの決意は確立をしておかないと、御調査をなさっても、とてもよい結果は生まれてこない。 今度文部省が、これだけ問題が出て、国民の指摘を受けて、そして、これらの大学に対して調査をすると決定をされ、いまおっしゃった以上は、今度は失敗は許されないというくらいの決意でもって臨まなければならないものだと思うのでございますが、その点はいかがでしょうか。これは文部大臣にも伺っておきたいのです。
○田中(龍)国務大臣 お答えをいたします。 先生が言われるように、試験その他の合否の判定等につきましては、あくまでも厳正な態度で公平に臨まなければならないことでございます。 私どもは、少なくとも学校というもの、特に大学の問題等につきましては、一口に申すならば、悪いことをする存在であると思いたくないのでありまして、あくまでも性善説と申しますか、大学というもの、また学校というもの、教育というものは、性善なるものであり、また、社会を指導しなければならない倫理性のあるものだということを前提にすべてのことが考えられてまいったのでありますけれども、現実には、御指摘のようないろいろな問題が起きておることは、まことに残念なことであります。 そこで、私どもは考えるのでありますけれども、よって来る原因は一体何であろうかというときに、この医学教育というもの、ことに日進月歩いたしまする医学におきましては、高度の機械設備とか、あるいはどんどんと新しいいろいろな施設が要求されるといったようなことで、多額の経費を要する、こういうことがあることも事実でありまして、創設のときの債務の償還でありますとか、また急激な施設拡大の傾向にどう対処していったらいいか、これもまた今後のいろいろな問題を論ずる一つのベースでなきやならない。 もう一つは、入学試験等の問題等で、父兄の一部には、自分の子供を愛するがために経費をいとわないという体質が一方にある。これは人情といいますか、そういう問題が一方にあり、また大学の側におきましても、安易に父兄から徴収できるといったような、まことに不都合な話でありますけれども、それに甘える風潮が一部にあることも、私は、原因の一つであろうと思うのであります。 要するに、学校法人の経営者というものは、自分の置かれておりまする、学校経営である、聖職であるという姿勢を正して、その大学の経営の安定にとり必要な経費に対してどう募金をするか、集めるかというふうな点についても、絶えず反省と同時に努力をしなければならない。教学の責任のもとに公正妥当な入試を実施し得るような体制を、一面においては厳として確立をしなきゃならない、こういうふうな問題があります。 文部省といたしましては、この線に沿いまして、一層指導を徹底させまして、非違を正していかなければならぬ、かような覚悟を持ってこの問題に臨んでまいりたい。そうして一日も早く、日本の大学、特に私立大学の健全な経営、なかんずく医療の問題をどういうふうにしたらば、莫大な資金のかかるものを適正にしていくことができるか、これはどうか御一緒にいろいろと考えてまいりたい、かように考えております。
○山原委員 大臣から詳しい答弁をいただきましたが、そのとおりでございまして、今度の場合は、お金の乱脈、それから情実、縁故入学というようなものが出てくるわけですね。それで、いまおっしゃったように、お金も要ります。日進月歩の医療器具などの問題もありますから、金もかかるというようなことから、いろいろな問題が起こってくると思いますけれども、これは解決できない問題ではなかろうと思います。 また、同窓会にしましても、同窓会の仕事というのは、私学には同窓会はつきものでありますし、それなりの役割りを果たしていると思いますが、同時にそれは、その大学の健全な発展、たとえば医学部であるならば、国家試験に全部合格できるような大学をつくってもらいたいとか、また、医者としての性格といいますか、国民に奉仕する医者になってもらいたいとかいろいろな仕事があると思うのですが、それよりも同窓の子弟を入れるというところにその重点を置いてくるなどということはあってはならないことだと思いますし、そういう点から考えまして、通達だけではだめだということですね。 さらに、やはり経理、資産の公開ということと、それから入学判定に当たっての密室性をなくしていくというようなことが行われなければならぬと思うのです。 それからまた、政治家がこういう問題に介入するとか、あるいはそれに介在するとかいうことはどうしてもやめないと、これが一つの大きながんにもなっておりますから。それは最初に述べたとおりでございますから、これ以上申し上げませんけれども。 それと同時に、仮に文部省の通達によって、約二千万の金が要る、これじゃ足らぬということを言い出しているわけですけれども、少なくともこの間の通達では二千万程度の金は要る、そこまでは許容されるものとして文部省は考えているわけですから、そうであるならば、たとえばこの志願者の生徒の中でその金の出せない者については、それだけの対応を考えていく、たとえば育英会で貸付金制度をつくるというようなことを具体的にやらないと、結局金のある者だけが入れるということになってしまう。金のある者が入って、そこへ膨大な国費が投入される。医者の子弟でなくたって医者になりたい人はたくさんおるわけです。私は医師になって、たくさんの人を救いたいという情熱を持った青年たちがおるわけですよ。何しろ医者の子供だけで七五%とってしまって、二五%の中に医者の子弟でないものが押し込まれるなんという枠が頭からかまされておったのではたまりません。 そういう点も本当にこれは私、委員長にお願いしたいのですが、こういう問題については、やはりお互いに考える必要があると思うのです。文部省のこれからのお手並み拝見ということもあるでしょうけれども、そうじゃなくて、やはりこれだけの深刻な問題になってくると、解決の方法、打開の方法がどこかにあるのじゃないかという点を探求する必要があると思うのでございますけれども、これは委員長に御答弁を要求するのはおかしいと思うのですが、委員長、一遍この委員会におきまして、本当にこれらの問題を検討してみようということを私も提起したいのですが、いかがでしょうか。
○三ツ林委員長 御指摘の問題について、大切なことでありますから、後ほど理事会で協議いたしたいと思います。
○山原委員 私学の問題についてはそれでおきまして、少し細かい問題について幾つかお伺いをいたしたいと思います。 一つは、先日、札幌医大の附属病院におきまして、東本貢さん、これはこの医大の中央実験動物室飼育員でございますが、いわゆる韓国型出血熱で亡くなっておられます。高熱と肝臓、腎臓障害で亡くなっておられるわけですが、この現状、五十年ごろより東北大学あるいは和歌山、神戸その他において出ておりまして、しかも、この病気というのは、御承知のように、非常に強烈な病原の一つになっておるわけでございますが、簡単にこの実態とそれに対する対策を報告していただきます。
○松浦(泰)政府委員 先生御指摘のとおり、最近、札幌医大におきまして、韓国型流行性出血熱にかかられまして、その方が先日お亡くなりになられまして、大変残念に思っております。 これにつきましては、戦後、大阪市の方で相当数の患者が発生しまして、その対策が講じられたことがあるのでございますが、大学関係の実験動物施設におきまして、そういう患者が出ましたのは昭和五十年ころからでございます。 その状況につきましては、五十年から五十三年までの間にそういう症状が出まして、検査の結果、陽性というふうに判明した方が四十九人、五十四年度におきまして七人、五十五年度におきまして七人、合計五十年以降六十三人の患者が発生いたしております。 そこで、これにつきましては、従来、その実態が必ずしも正確に学問的にも解明されていなかったのでございますが、文部省にあります科学研究費補助金によりまして、その関係の学者約二十人余りの研究班を設定いたしまして、解明をしていただいておるわけでございます。 その五十四年度の科学研究費補助金によりまして出ました結果につきましては、その研究班から注意事項等を各関係の大学等にお送りしますとともに、また私ども、そういう関係の国立大学等の動物実験施設施設長会議を招集しまして、その結果を伝え、また別途五十四年四月二十五日付をもちまして、学術国際局長名をもちまして「動物実験における人獣共通感染症感染事故の防止について」という通知を各国公私立大学長、関連機関にいたしております。 ただ、五十四年度の研究結果におきましては、なお十分な解明ができなかった点がございますので、五十四年、五十五年の二カ年計画によりまして、科学研究費を約二千万円これに投入しまして、同様の研究班をつくり、研究を進めていただいておるところでございます。 現在、まだ研究成果は正式には報告を得ておりませんが、先生御指摘のような事態もございますので、二月五日、中間的な結果を、その研究班の方から日本実験動物学会において発表していただいております。 なお私ども、その結果を踏まえまして、今後とも、さらにその辺の指導を徹底してまいりたいと思っております。 ただ、この病気は人から人には感染しないのでございますが、いま御指摘のような実験用のネズミ、ラットのようなものから感染する。そして特に注意すべき事項は、その動物等からの排せつ物等が人体に入りますとそれにかかるというような病気でございますので、ともかく清潔にしまして、あるいは消毒を徹底しまして、そういうものが人体に入らないようにするということが、現在のところ一番大切な事項のように聞いております。そういうところから、公立大学等におきましては、そういう実験動物施設の改築等も順次進めておるような段階でございます。
○山原委員 お聞きしますと、最も危険な危険群と呼ばれているものでございまして、感染の経路その他の研究、同時に、もちろんこれは公務災害になると思うのですが、そういった点についての十分な配慮、しかも多発とまでは申しませんけれども、六十数名ということになりますと、これは大変な数字でございまして、そういう意味での対策を十分に立てていただきたいと要請をいたしたいと思います。 次に、事務職員の問題について一言伺っておきます。 御承知のように、いままで、人確法が出ましたときの附帯決議あるいはその後における五十年の第二次改定のときの決議がずっとあるわけでございまして、事務職員の身分、給与の制度を教員と同様にするということで国会の決議もきております。ところが、依然としてこの問題についての改善の見通しが立っておりません。しかも最近は、もう御承知のように、非行、暴力の問題等を含めまして事務職員の人たちの果たす役割りも大変大きいわけです。たとえばガラスが壊れるとかいろいろ施設が破壊されるとかいうようなことについて、単なる修繕、営繕という考え方でなくて、いわば教育的な立場で学校を構成しておる先生方と一緒に努力をしておるわけでございますし、また、われわれの小さいときの記憶から申しましても、先生だけでなくて事務職員あるいは用務員の方たちの一言一言が、やはり子供の気持ちに大きな影響を与えておるわけですね。 そんな点から考えまして、われわれもこの委員会で幾たびか決議をしました事務職員の給与、たとえば三等級のわたりであるとか育児休業であるとかあるいは定通手当もそうですが、そういったことについて文部省は前向きに検討しておられるのかどうか、この点を最初に伺っておきます。
○三角政府委員 御指摘のいわゆる人確法の審議の際に「学校事務職員の給与改善についても配慮すること」という旨の附帯決議があったわけでございまして、私ども文部省といたしましては、従来からも学校事務職員の処遇改善につきまして、一つは、行政職四等級、これは各省の本省レベルで申しますと一般職の課長補佐クラスに当たる等級でございますが、この四等級への格づけの措置、それから、もう一つとしまして、時間外勤務手当、これの実態に即した支給措置、それからもう一つは、任用、配置についての適切な配慮、こういったことの実現について、ずっと各都道府県に対する指導を行ってきておる次第でございます。 この結果、人確法制定当時の昭和四十九年におきましては、事務職員の四等級格づけを実施していた県は十九県でございましたのですが、五十四年になりますと、これが四十県に及びまして、さらに五十五年におきましては、四十三県というふうに拡大をしてきてまいっております。私どもは、当面の事柄としましては、この四等級格づけが全都道府県において実施されることを期待しておりまして、なお指導助言を続けてまいろうというように思っておる次第でございます。
○山原委員 給与の問題だけでなくて、いま初任給でも教員と事務職員との間に一万円以上の差が出てくる。その差が、さらに年を経るに従って広がっていく。国会ではせっかく決議をしておるのに、そういう問題が現実には解決されないわけですね。それから時間外手当の問題もそうです。確かに行政職との関係があると言われますけれども、しかし、なおかつわれわれはそれを考慮に入れてあの決議を行っておるわけでございますし、それから定数の問題につきましても、当然必置問題を考えてきたわけでございますが、そういう問題につきまして、いろいろお考えになっておられると思いますが、険路はどこにあるかということを明確にして、あるいは人事院とも話し合いをして、そして、どこかにこの突破口を見出していく、そして事務職員の皆さんが将来性を見通すことのできるような実態をぜひつくっていくべきだと思いますが、三角局長で結構ですが、一言お答えください。
○三角政府委員 ただいま御指摘のもろもろの処遇の問題は、やはりそれぞれの任命権者でございます都道府県、あるいは事柄によりましては、市町村の預かっております事柄でございまして、自治体によりましてのいろいろ事情があろうかと存じます。 たとえば、ただいま御指摘の中の時間外勤務手当の問題につきましても、私どもは、実績を勘案しまして負担金等の積算もしておりますので、できるだけそういった面が実績に対応して支給が行われるというようなこと、その他の面におきましても、先ほど申し上げましたような大体の趣旨で、改善につきまして引き続き自治体に対する指導助言を重ねてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○山原委員 ちょっと聞き漏らしましたが、育児休業の問題はどうですか。
○三角政府委員 これは先ほど山原委員もちょっと言及されましたように、事務職員という立場になりますと、その他の県庁でございますとか市町村の役場等に勤めております職員等とのかかわり合いがございますし、また先ほどもちょっと申し上げましたが、任用、配置等で適切な人事交流ということもあるわけでございまして、そういった全体の枠組みの中で考えざるを得ないという面がございますので、現実問題としては、そう容易なことではないというふうに考えざるを得ないのが実情でございます。
○山原委員 やはりこれらの問題も決議の中に入っておりますし、国会の附帯決議というものは、全く権威のないものでないと私は思います。それは各党一致して決定するわけですからね。それに向かって前進をする。いろいろな隘路があることは知りながら決議をするわけですから、そういう意味では、いまのお答えではまだ納得をいたしません。しかし、きょうは時間がございませんので、なお、この問題については、今後も文部省の方へも折衝もし、質問も続けていきたいと思っております。 もう一つの問題は、これは大学局になると思いますけれども、昨年度、当時の佐野大学局長に対して、国立大学の養護学校における定員の問題の不均衡について質問をいたしました。それは確かにお認めになりまして、改善をするというお約束をされておるわけでございますが、今度の予算の中で、そのことはどのように解決をされておるのでしょうか。お答えをいただきます。
○宮地政府委員 国立大学の付属養護学校の教員の配当の問題につきまして、先生から先般御質疑をいただいたことは、私ども十分承知をいたしております。それを踏まえまして、昭和五十六年度予算案におきましては、定員につきましては、大変厳しい状況でございましたが、この問題については、関係省庁の御理解もいただきまして、従来の増員数を大幅に上回りました二十六人、ちなみに前年度は四名でございますけれども、二十六人の増員を行いまして、昭和四十九年度以前設置校に各一名ずつ整備を行うことといたしております。今後とも、関係省庁の理解を得ながら計画的に改善を進めてまいりたい、かように考えております。
○山原委員 この改善につきましては、文部省の御努力があったものと考えます。 最後になりますが、文部大臣に基本的なお考えの一つとして、最近大臣が、新聞にも一部出ておりますけれども、産学協同ということをよく使っておられます。一部の新聞では「大学をこの際精根込めて指導し、国家のために動員し、活用していかなければならない」とおっしゃっておられます。さらに「いまは産学協同反対と言うべきときではない」というお言葉もございますし、就任直後鈴木首相にも、大学の研究を真剣に国家のために動員し、活用していかなければならないと進言をされておると報道されておるわけでございますが、これはどういうお考えで言われておるのですか。
○田中(龍)国務大臣 お答えいたします。 最近の学術の発達というものは目覚ましいものがございます。で、今日までの日本の学界というのは、いつも欧米の学術、科学技術というものを導入し、それをまたイミテーションしてやっておったというのが最近までの状態でございますが、最近におきましては、日本の学界、特に大学におきます基礎研究というものは、欧米先進国が目をみはるような成果を実は上げておるような次第でございます。 御案内のとおりに、湯川博士にいたしましても、あるいはその後のいろいろなノーベル賞の関係、基礎物理学あるいは科学等の発達は――先般も、欧米各国を回られた技術者の方々に日本の大学を特に見ていただきました。そうして漏らされたのは、こんなに日本の学術というものが発達しているのか、むしろ日本を先に見て欧米の研究所や何かを見るべきだったということを漏らしておられますが、最近におきます日本の基礎物理学やあるいは高度の研究というものは、先生も御承知と思いますが、本当にすばらしいものがございます。これは人類のために高々度のこういうふうな学術研究というものを日本がいやが上にもなお一層発達させることが、平和日本を築く上での最大の目標でなければならないし、資源のない日本の一億国民を養っていく最大の活路である、私はかように信じております。
○山原委員 戦後、大学の自治、学問の自由という立場から、大学における研究というものは、平和的な民主的な国家を建設する上での基礎知識あるいは基礎科学をそういう自由の立場の中で発展をさせていくという、これこそ戦後の憲法、教育基本法に基づく大学の自治、学問の自由の原則なんですね。それを産学協同という言葉で大臣があちらこちらで報告をされる。たとえば暁星学園において、これはいただいておりますが、いまおっしゃったような、土光さんや日向さんなんかのお話をしたときのことをいまおっしゃったわけですけれども、それはそれなりにわからぬわけではありません、けれども、国家のために動員をするというこの言葉、あるいは産学協同という言葉は非常に誤解を招きます。国家が政治目的を持ってそれに従属しなければならぬという、そういう中で戦前の大学の自治や学問の自由が奪われたという苦い経験の上に立って、産学協同については、中教審も出しておりませんのに、それを文部大臣が先に先にあちらこちらでおっしゃる。この間の所信表明の中には、その言葉はありません。だから、公式の場で大臣がおっしゃっておることは、そういう立場でそういう言葉は使っておられません。けれども、あちらこちらで講演をされることが、こういう問題について相当大きな関心を呼んでおりますし、また、その言葉の端々に危険なものが含まれておる、こういう心配をする向きがあるのは当然のことです。 だから、その点については、大臣は慎重な態度をとるべきではないか。また、その真意が本当に伝わるためには、こういう誤解を招くような言葉を使うべきではないということを、私は御注意を申し上げたいと思うのですが、大臣のお考えを伺っておきたいのです。
○田中(龍)国務大臣 大学の自治という問題でありますとか、それに対しまする国家権力の牽制とか圧迫とか、そういうふうな問題とは全く次元の違った問題を私は申しておりますので、また過去におけるそういうふうな忌まわしい問題があれば、それは払拭していかなければならない。本当に学問の自由をなおかつ伸ばしていかなければならないし、そのためには、それに付帯する環境の整備も絶対に必要であり、同時に、鉱工業その他の全体的な発達の上に初めて学問の高度な研究というものがまたなし遂げられ、成果を上げていくのでございます。 私は、いまお話のような観点から申しておるのではございませんで、本当に日本の学術、学問の向上発展、その高い理想のもとに、世界のために日本の学界が大いに伸びていってもらわなければならない。 同時にまた、これはいろいろな御心配、御懸念というよりも、私自身は、学問というものに対し、学術向上の問題に対して、また産学の問題に対して、あくまでも性善説で貫いておりますので、どうぞ御了承いただきます。
○山原委員 大臣の性善説が出てくるとは……。しかし、国家のために動員するという言葉などは、やはり穏やかではないと私は思っておりますが、これはこれ以上申し上げません。 最後に、臨時教員の問題について文部省のお考えを伺っておきたいのです。 これはいままでも私も何遍か主張してまいりましたが、何年も何年も臨時講師、臨時教員という名前のもとに置かれておる教師たちが恐らく全国で五万、六万とおるのではないかと思います。これらの教員は、教師として生涯がんばっていきたいという気持ちも持っております。しかし、時期が来れば、いきなり首を切られてしまうということですね。それから、高等学校における時間講師に至っては、もちろん臨時講師の場合もありませんが、赴任旅費もなければ通勤手当もなければ何もないのです。だから、ある高等学校の美術の先生は、三つの学校を受け持って時間講師として転々としておられるのですが、その旅費が給料から出ないのです。これは所によって違いますけれども、しかも毎日勤められるわけではありませんし、祝日、祭日、その他も引かれるわけですから、一カ月大体六万円から七万円の手取りで生活をしなければならぬ、通勤費も出ないという状態に置かれ、しかも、それが長期にわたって、ある人は五年、六年と放置されたまま臨時あるいは時間講師の生活を続けておるという状態です。 この点については前にも調査をお約束しておられますが、しかし、どうもはっきりしない。調査が複雑であることはわかりますけれども、これはぜひ実態をつかんでいただいて、こういう状態を改善していくということをやっていただきたいと思いますが、この点をお伺いいたします。
○三角政府委員 公立小中学校の非常勤講師でございますが、五十四年五月の状況で申しますと、小学校で千二百五十四人、中学校で四千七百七十四人、高等学校はちょっと多うございまして一万八千七百四十三人ということになっております。 非常勤講師の給与自体につきましては、常勤職員の給与との権衡を考えて、予算の範囲内でこれを支給するということにされておりまして、それぞれしかるべき計算法に基づいた時間給という形で支給されておるわけでございます。 なお、御質問の通勤手当の問題でございますが、私から申すまでもなく、地方公務員の給与の主管省は自治省ということでございますが、自治省の指導では、時間講師につきまして、実費弁償として通勤費相当額を支給することは差し支えないということで指導しておりまして、例で申しますと、東京都などは支給が行われておりますが、高知県においては支給していないというようなことで、都道府県によって状況は異なっておるのが現実でございます。この支給の有無については、お話でもございますので、今後、機会をとらえて各県に問い合わせをしてみたいと思います。
○山原委員 終わります。
○三ツ林委員長 小杉隆君。
○小杉委員 私は、まず最初に、学校内暴力、家庭内暴力に関連する問題を質問したいと思います。 昨年の十月二十二日に、この文教委員会で学校内暴力の集中審議を行いました。それ以来、教育関係者はもとより、マスコミあるいは各界各層の間にこの問題の関心が非常に深まったということは、こういう事態は大変残念でありますけれども、国民各界各層の間にこの学校内暴力をどうしたらいいのか、何とかしなければいけないという機運が巻き起こったということは、私は非常にいいことだと思っております。 そこで、昨年のあの集中審議以来、いろいろ各党から指摘をされた問題が多々あったわけでありますが、文部省あるいは警察庁、総理府各省庁におきまして、その後どのような対応をされておるか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
○三角政府委員 先般の集中審議におきましても、いろいろな御議論、御意見をちょうだいいたした次第でございます。それらのことを私どもとしては十分に体しながら、その後もこの問題について検討をし、あるいは対処をしてまいらなければならないということで来ておるわけでございます。 私どもとしては、一つには、総理府総務長官の呼びかけと申しますか御発議もございまして、総理府の方で非行対策関係省庁連絡会議という局長レベルの会議を招集されましたので、この会議を通じまして、関係省庁との連絡を密にして、さらに校内暴力の防止に一層努めよう、こういうことにいたしまして、この会議での一応の結論につきましても、これ夢各都道府県の教育委員会にも伝えて指導をしておるわけでございます。 さらに、今年に入りましてから、都道府県の教育長並びに教育委員長の全国の協議会というものがございまして、この協議会において、この問題について指導を行った次第でございます。 それから、一月の末になりまして、生徒指導の責任の部局でございます各都道府県の学校指導主管部課長会議を招集いたしまして、この会議において、校内暴力あるいは非行防止の問題について、全員で検討、討議を重ねた次第でございます。
○石瀬説明員 校内暴力事件が依然として多発しておるということは非常に残念なことでございますが、私ども、そういう校内暴力の実態を踏まえまして、次のようなことをその後行っております。 一つは、本年一月二十二日に校内暴力対策研究会というものを開催いたしまして、全国十三都道府県の警察本部の少年課長を招集いたしまして、各県で起きている校内暴力事件の実態等を情報交換し、これからの対策の協議について検討を加えておるということでございます。 それから二つ目は、その研究会の成果をも踏まえまして、一月二十七日に、私どもの保安部長名で各都道府県警察あてに緊急通達を発しております。件名は「卒業期における校内暴力事件の防止について」という通達でございますけれども、御案内のとおり、卒業期の前になりますと、いろいろとこういう校内暴力事件というのは多発するということを、経験として私ども感じておるものでございますので、各高等学校あるいは中学校の卒業式の日程を各都道府県警察でよく把握いたしまして、事件の発生のおそれのある学校については、学校との連携をさらに密にするというようなこととか、また進路決定の重要な時期でもありますので、事件を起こした生徒の取り扱いについても慎重に取り扱うようにとか、あるいはまた学校秩序の早期回復を図るために事件処理については迅速にやれとかというような内容のことを、各都道府県警察に通達をいたしております。 それから三つ目は、これは後ほど総理府の方からお答えがあろうかと思いますけれども、去る二月六日に、関係各省庁による「青少年の暴力非行防止対策の推進について」という申し合わせ事項が取りまとめられておりますので、それを踏まえまして、私どもの方では二月九日に同様に各都道府県警察に指示をいたしております。 以上でございます。
○佐野説明員 最近の校内暴力を初めといたします青少年暴力非行の増加傾向というものは、まことに遺憾であると考えておりまして、これを防止するとともに、健全な青少年の育成を図る対策といたしまして、総理府といたしましては、昨年十二月十九日、それから本年の一月十六日、先ほど来文部省及び警察庁から説明が若干出ておりますが、関係省庁連絡会議、これは局長会議でございますが、これを二回開催いたしまして、去る二月六日、学校における生徒指導の取り組みの強化、健全な家庭づくりの促進、各種相談機能の充実など八項目にわたる非行防止のための諸施策を確認し、これを関係省庁が一丸となって強力に推進することを申し合わせ、同日付をもちまして「青少年の暴力非行防止対策の推進について」と題する書面を作成いたしまして、関係省庁及び各都道府県並びに各種青少年団体にこれを送付いたしまして、協力を求めたところでございます。 なお、青少年の校内暴力等の暴力非行の原因につきましては、種々の問題が複雑に絡み合っているものと思われますので、その根源的な原因と防止対策につきましては、青少年問題審議会に対し、本年一月二十日付をもちまして諮問し、目下審議中でございます。 以上です。
○小杉委員 文部省に伺いますが、私は、昨年の集中審議の際に、やはりマスコミ等で報道されるような極端なケース、あるいはそうした表にあらわれないで未然に防いだケース、そういったさまざまな事例を徹底的に研究して、そしてそれを集約して各都道府県なり各教育委員会に参考資料として流したらどうか、こういう御提案を申し上げたわけですが、その後文部省では、各都道府県教育委員会に対して、そうした事例の調査を依頼して、一月三十一日を期限としてそういう通達を出したと思うのですが、その後の各都道府県からの報告がもしまとまっておれば聞かせていただきたいし、もしまだ現在進行中であれば、いままで集まったものの中で特に注目すべきというか特に特徴的な点が何かありましたら、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。 それから、警察庁の方は、一月に、各都道府県の県警の少年課長を集めていろいろ会議をやったということですが、その各県の報告の中で特に特徴的なものはどういう内容のものであったかということをひとつお聞かせいただきたいと思います。 それから、学校内暴力ということだけに限定をしないで、特に最近、中学生の盗みとか万引きが非常に多いわけですね。そういった少年非行の中で特に件数の多いものから二、三挙げていただきたいと思うのです。 それから総理府の方には、今度、青少年問題協議会に諮問をしたということですし、また関係省庁連絡会議というのをやっておりますが、これは中央だけの対策だと思うのです。やはりこうした問題は、より具体的、より地域的にやっていかなければ効果が上がらないので、各都道府県とか各市町村に対しては、どういう呼びかけ、どういう対策をお願いしているのか、その辺も明らかにしていただきたいと思うのです。
○三角政府委員 ただいまお尋ねがございました件でございますが、校内暴力等の非行の実態について私ども把握したいと思いまして、そして、あわせて今後の対策を考えますために、非行の状況、背景、それから教育委員会や学校におきましてとった措置等について報告を求めた次第でございます。 御指摘のように、一月末までにということで各都道府県の教育委員会にお願いしたわけでございますが、やはり個々のケースに即して記述をしてもらうようなそういう報告でございましたために、いわゆる普通の統計調査より手間取ったようでございまして、最近になりましてようやく出そろいまして、ただいま一つ一つチェックをしておるところでございまして、その上でどういうまとめ方になりますか、これは一種のケースについての調査でございますので、その中から何らかの選択をするか、あるいは何らかの共通的な見方というものが探れるようなものについてまとめてみるとか、いろいろな角度からチェックした上でやってみたいというふうに思っておりますので、いま少し、全体を掌握するのに時間をかけざるを得ない、こういうふうに思っている次第であります。 〔委員長退席、谷川委員長代理着席〕 ただ、いまちょっと申せますのは、小杉委員が御指摘になりました未然防止というふうな問題、これはやはり中を見ないとなんでございますけれども、防止したケースというのは、なかなか表に出ない場合が多いこともあろうかと存じますが、大体二百四十件くらいのケースについての報告がございましたが、その中で未然防止についての報告が八件入っておりまして、中身につきましては、いま申し上げましたようにチェックをしているところでございます。 それから対策面では、所によってそう目新しいというものは、やはり教育の事業でございますので、なかなかないのではないかと考えますが、各学校に対しての指導通知あるいは指導資料の作成、配付、それから研修、講座の開催、推進校等の指定、連絡協議会等の設置、それから教育センター等におきます非行に関する教育相談、その他家庭訪問でございますとかいろいろございますけれども、私どもが県と共同してやるようなものをまぜて、そういった事例について上げてきてございますので、それらがどのような機能を果たしたかどうかについては、この中身に当たって十分に研究をし整理をしたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○石瀬説明員 第一番目が、去る一月二十二日の校内暴力対策研究会の状況でございますが、手元に詳細な資料がございませんので、細かいことは申し上げることができないわけでございますが、きわめて特徴的なことを二、三点申し上げてみたいと思います。 一つは、私ども中央で感じているように、各府県大変な苦労をし、大変な努力をしながら、この校内暴力事件の未然防止あるいは事後の捜査に取り組んでいるということでございますけれども、最近は凶暴性がさらに強まっている、こういうようなことを感じたわけでございます。これは宮城県の石巻の市内の中学校であった事件でございますが、教師を土下座させて竹刀でめった打ちにする、そのためにその教師は失神してしまうわけでございますが、竹刀の先がぐじゃぐじゃに割れて、しかも、その先が飛散しているというふうな、そういうひどい暴力を働いているというようなこともあるわけでございまして、そういう凶悪な事件があるだけに、現場の警察は大変苦労しておるということを申し上げておきたいと思います。 それから二番目に、学校との関係でございますけれども、先ほどお話もございましたように、世論が相当高まってまいっておりますので、従前よりは学校との連携がよくなりつつある、しかしいま一つ、いざというときになると、なかなか学校の体面その他もございますのでしょうか、御連絡いただけない点があるので、今後とも警察としては、そういった面での努力をしていきたい、こういうことを言っておりました。 また、そのとき、警視庁の課長からの話であったかと思うわけでございますが、校内暴力が起きる学校とそうでない学校をよく見ると、校長の管理能力と申しますか、あるいは学校内の教職員の連携の度合いと申しますか、学校が校長のもとに一つにまとまっている学校では校内暴力が起きるというようなことはない、やはり学校が幾つにも割れているようなところで、えてして校内暴力が起きているというようなことを聞いております。 それから三つ目は、警察の対応でございますが、これだけ世論が高まってまいりますと、現場の警察で非常にヒステリックな対応をすることがあってはいけないということを、私どもも常々考えていたわけでございますけれども、事案の軽重あるいは緩急の度合いに応じて、それに対応した措置を講じておるわけでございますが、私ども非常に安心いたしましたのは、やはり現場の警察が学校教育の特殊性というものを十分わきまえながら、学校とよく連携をとりながら、犯罪の捜査あるいはまた未然予防ということに取り組んでおるということを痛感いたしたわけでございます。 それから、いまの二つ目の犯罪の状況でございますけれども、昨年一カ年間の刑法犯少年というのは、十六万六千七十三人という数字になっておりまして、これは史上最高の数字になっております。しかも、成人を含めた全刑法犯検挙人員の中に占める少年の割合も、四二・四%ということで、これも史上最高の数字になっております。また、千人当たりの人口比で見ましても、千人当たり一七・一人ということで、これも史上最高になっておるということで、量的には非常に最悪の事態になっている、こういう認識をわれわれ持っておるわけでございます。 罪種別に見ますと、一番多いのは、先ほどお話がございましたように、窃盗犯でございまして、これが十二万六千二百五十四件、粗暴犯が一万九千八百八十六件、知能犯が一万五百四十五件、こういうような状況でございます。 一番多い窃盗犯の手口別の状況でございますが、万引きが一番多うございまして、窃盗犯全体の三九・三%、四万九千五百八十四件という数字になっておりまして、以下オートバイ盗、自転車盗などの順になっております。
○佐野説明員 お答えいたします。 先ほど御指摘いただきましたとおり、この問題につきましては、中央のみで協議しただけでは確かに効果が期待できないわけでございまして、先ほども御説明いたしました非行対策関係省庁連絡会議を開催して、申し合わせ事項を定めたわけでございますが、これはこれから申し上げます八つの省庁の代表に集まっていただいて申し合わせたわけでございます。すなわち警察庁、法務省、文部省、厚生省、労働省、最高裁、最高検及び総理府ということでございまして、先ほど説明いたしましたように、局長会議を二回、それ以外に、いま申し上げました八省庁の関係各省庁課長会議を四回開催いたしまして、申し合わせ事項をつくり、書面にいたしまして、先ほど説明申し上げましたようなぐあいに各都道府県及び各種の青少年団体にお配りしてございまして、総理府といたしましては、この申し合わせ事項そのものは、最近の暴力非行に対する政府としての対応を示したものでございますが、各都道府県や青少年関係団体におきましても、その趣旨を勘案して、それぞれの立場で効果の上がる施策を進めていただくよう期待しているところでございます。 また、総理府においては、各種の機会をとらえまして、この申し合わせに基づく効果が各都道府県において上がりますように、さらに努力を続けてまいりたいというように考えております。また、この申し合わせ事項は、いま申し上げました八省庁が申し合わせておりますので、それぞれの通常のルートに基づきまして、各地方出先機関に対し、この趣旨を伝えていただいて、実施の効果を図るというふうに考えられております。 以上でございます。
○小杉委員 文部省に伺いますが、ようやく各都道府県からの事例の集計が集まったようですけれども、私は、やっぱりこれを一応整理して、各教育委員会に参考になるようにまとめて送付する必要があると思うのです。今後の文部省のこの取り扱いについて、どういうお考えか、それを聞かしていただきたい。 それから、総理府の方にお伺いをしたいのは、こういう関係省庁連絡会議というのは結構ですけれども、そのメンバーはどういう人たちがなっているのか。とかくこういう会議は、ただかっこうだけつけて、関係の省庁全部集まって対策会議をやるということだけでいいのかどうか。本当に生きた行政であるためには、学者とかお役所の人ばかりじゃなくて、もっと現場を本当に知っている方をメンバーに入れなければいけないのですが、往々にしてこういう関係省庁の連絡会議というと、結局、現場を知らないお役人さんとか学者とか、そういう方々ばかりで構成されてしまう。これは中央だけじゃなくて、地方もそうなんですね。そういうところはやはり行政が死んではいけない。生きた対策をやっていくためには、現場を本当に把握している人間をできるだけそのメンバーに加えるべきだと思うのですけれども、この協議会のメンバー、あるいは各都道府県なり地方のこうした対策会議の人選のやり方について、いまどういう考えで臨んでいるのか、それもお聞かせをいただきたいと思います。とりあえずそれだけ
○三角政府委員 せっかく御努力いただいて、各都道府県から報告をいただいたものでございますので、しかるべき形でなるべく早くまとめまして、これは全都道府県にバックをいたしたい、そして、これをその後の検討の上に生かしてもらうようにしたい、そういうふうに考えております。
○佐野説明員 お答えいたします。 先ほど御説明申し上げました関係省庁連絡会議、最初は局長会議でございますが、これに出席しましたメンバーは、総理府総務長官を初め総理府関係者及び警察庁が保安部長、法務省は刑事局長、保護局長、矯正局長、文部省は初等中等教育局長、社会教育局長、厚生省は児童家庭局長、労働省は婦人少年局長でございます。 いま先生の言われますのは、これは関係省庁連絡会議でございますから、性質上民間の方を入れるというわけにまいりませんので、これは審議会――先ほど説明いたしましたが、青少年問題審議会に諮問しておるところでございまして、その方の審議会のメンバーの方には、先生の言われました点を配慮いたしまして、青少年、それから主婦などの声も反映できるような配慮をしてメンバーを構成しております。
○小杉委員 それでは文部省にお伺いいたしますが、こうした学校暴力、家庭内暴力の起こる学校を見ておりますと、私立学校はほとんどないですね。ほとんど全部公立に起こるわけですけれども、なぜこういう学校暴力なり家庭内暴力を起こす子供が公立の中学生、公立の高校生に多いのだろうか、率直に疑問を抱くわけですが、初中局長、どういうふうにとらえておられますか。
○三角政府委員 ただいまお尋ねの事柄につきまして、非常に正確に、的確にこの原因、そのわけについて申し上げるのは、大変むずかしいことだというふうに思いますが、一応そういう前提のもとで申し上げますと、ことに、いま校内暴力について非常にふえております中学校の段階では、やはり公立学校というのが大部分でございまして、私立は高等学校の数は多いのですけれども、中学校は非常に少ないということがまず一つあると思います。 それからもう一つは、私立の学校は特別に志願して来る子供につきまして入学選抜を行いまして、そして生徒というものの集団ができ上がっておるということもございますから、一つの目的なり、あるいはそこの学校の教育のあり方なり学風なりを志向して望んで入ってきた子供たちが大部分でございましょうから、そういう意味では、生徒指導なりその他の訓育のやり方におきましても、一つのまとまった姿がとりやすいというようなことも実態上はあるのじゃないかという気がいたします。 それからもう一つは、教職員の側におきましても、最初に申し上げましたように、非常に少ない数でございます学校というのは、あえて公立学校とは別個に、一つの教育の理念なり理想なりを追求するためにわざわざ一つの私立学校というものを経営し、これを発展させていこうというような意味合いでの熱意と申しますか、そういうものが見られる場合も多かろうというふうにも考えます。 それから、これは余り申し上げない方がいいのかもしれませんが、状況によりまして非常にぐあいが悪い子供が出ました場合に、私立学校の場合には親御さんと十分相談した上で、これに対しまして、その学校の集団から去っていただくということも、これは公立と違って、そういうケースが実際にあるかどうか、どの程度あるか、私は、そういう調べをした上で申し上げておるわけではございませんけれども、少なくとも理論的にそういうこともできるというのが私立学校なわけでございます。 いろいろ申し上げましたけれども……。
○小杉委員 恐らく初中局長がお答えになった数点が、そうした原因だろうと思うのです。 そこで私も、現場の先生の話を聞いていますと、いま局長が言ったように、中学、特に公立は義務教育だからすべての生徒を受け入れなければいけない、言葉は悪いようですが、私立は選別をして採ることができるけれども、公立の場合は好むと好まざるとにかかわらず、あらゆる子供を配給みたいにもらわなければいけないというようなことがあって、いろいろな子供がいるわけですが、概して問題を起こす子供というのは、成績の悪い子、あるいは授業についていけない子が多いわけですね。そういう子供たちの対策をどうしたらいいのか、これはきわめて重要だと思います。 それから、いま公立の学校には特殊学級とか養護学校というのがございますが、なかなか親はそういうところへ入れたがらないわけですね。多少知恵がおくれていても、あるいは多少身体が不自由でも、余り差別をしてはかわいそうだ、だから、普通の学校へ入れるのだということで、そういう子供たちが普通の学校に混在をしているということですから、たとえば教科の指導にしても、そういう本当に落ちこぼれてしまった子供とか身障者というような方々が必ずしも授業についていけない、これはもうどうしようもないわけですね。そういう方たちの対策というものをもうちょっと真剣にやってみる必要があるのじゃないか。いま全部一律にやっていってしまうというようなやり方ですけれども、これでは担任の先生だって大変なことなんですね。 そこで、どうも戦後の教育では何かこうすべて平等でなければいかぬというようなことですけれども、たとえば能力別とか進度別のクラス編制というようなことができないのかどうか。そうした落ちこぼれ対策というようなことも含めて、ひとつお答えいただきたいと思うのです。
○三角政府委員 警察庁の方で刑法犯少年のそれぞれにつきましてお調べをいただいた結果があるわけでございますが、調査件数約六百弱の中で、学業成績を上中下と分けておられますが、五百ぐらいは下の方に入っておるということで、確かに小杉委員御指摘のように、学業不振ということから自分に対する自信というものをほかのところへ求めようとしていくというようなことで、そしてやはり判断力もまだ未熟でございますので、暴力とかそういうところにいってしまう、こういう因果関係というものが十分考えられると思うのでございます。 それでございますので、先刻の通達におきましても、それから、それの基本になります学習指導要領の面でも、学習のおくれがちな生徒でございますとか、そういう者にできるだけ十分にその指導の内容を身につけてもらうような学校の運営をするということが基本的に大事だと思います。 それで、ただいま小杉委員から御示唆のございました能力別の編制を教科によってやるというようなこと、これも確かに一つの方策として考えなければいけないことだろうと思いますが、いろいろ関連しての問題も多うございますので、慎重に検討したいと思っております。 ただ、高等学校におきましては、御承知のように五十七年度から実施いたします新教育課程の展開の際に、習熟度別の指導を検討するということにいたしておるわけでございまして、数学なら数学、英語なら英語、どの教科でも習熟度が十分でない子供につきましては、特別の指導をすることによってさらに引き上げていってやる、そういうことが子供たちの授業に対する意欲というものをさらにかき立てていくということでも非常に重要でございますが、高等学校につきましては、これは九四%に達して、また年齢が上になりますと、能力とか興味とかが多様になってくるということで、そういうようなことを、いろいろな方策の一つとして考えまして、現在、一つの試みとして進めておりますが、これを採用している学校はだん、だんにふえて、すでにふえてきておるという結果を持っておるわけでございます。なお、これは今後の状況の推移を見たいと思っております。 中学につきましては、これは一方において、義務教育であるから余り子供を区分けをしてはぐあいが悪いのだ、そういうお立場の御意見もありますし、それからなお、高等学校の年齢段階ほどには興味だとか適性だとかいうものがまだそこまでは分化をしていないということもありましょうけれども、しかし、いま御提起になりました件は、子供たちが学校での生活を生き生きと進めていく上に重要な方法論の一つであろうというふうに思いますので、私どもも、今後、慎重に研究をさせていただきたいと思います。
○小杉委員 いまの学校教育あるいは家庭の教育でも、常に知育のみ問題にして、要するに成績のいい子だけが学校でも家庭でもちやほやされるというような風潮が非常にあると思うんですね。 そこで、文部省のいろいろな通達の中でも、やはり勉強だけではなくて、たとえば特別活動とか部の活動、最近はやりのサッカーとかそういう運動にも本当に学校、の中で取り組むような、そして張り合いのある学校生活が送れるような、そういう雰囲気をつくっていかなければいけないと私は思うわけです。 それから^勉強はきらいだけれども、働くことが好きだという生徒もいるわけですから、たとえば学校の教科指導のほかにキャリア教育というような現場の労働の経験をさせる、仕事に立ち向かう意欲とか技術とか知識とかそういうものを植えつけるような教育というものを考えてもいいのじゃないか。これはボランティア精神を養うという、ことからもいいと思うのですが、そういうようなことをこれから取り入れていくべきだと私は思うのです。 私は、そういうことも含めて今度ゆとりある教育ということで指導要領の改定を行ったと思うのです。いままで、まだ改定後時間が余りありませんけれども、各学校はどのようにしてそのゆとりの出た時間を利用しているのか、その実態がもしわかれば、お聞かせをいただきたいと思うのです。 〔谷川委員長代理退席、委員長着席〕
○三角政府委員 ただいまの小杉委員の御意見には、私、大変同感でございます。このたびの学習指導要領の改定、これは中学校につきましては、この四月から実施になりますが、本年も昨年も移行のための検討をいろいろやっていただいてございます。 御指摘のように、授業の内容を、特に基礎、基本をしっかり身につけるということに重点を置きまして、ゆとりを持たせて、そして知育偏重にならずに知・徳・体の三つの調和のとれた子供の育成を図ってまいろうということでございますので、体育・スポーツでございますとか、あるいはクラブ活動でございますとか、そういったことを大いに盛んにやっていただきたい、こういう趣旨でございます。 それから、あわせて高等学校におきましては、勤労体験学習というようなことを一つの柱として打ち出してございまして、やはり自分みずからの手足体を使って勤労する、そういうことを通しての一つの指導というか、そういうことをねらっておるわけでございます。 それで、いまお尋ねの状況でございますが、これはまだ緒についたり、あるいは試行しておる段階でございますので、全体の状況についての結果は出ておりませんけれども、それから先般の委員会の質疑で、ゆとりをどういうぐあいに活用したらいいかということの研究のために先生の方のゆとりがさっぱりないというような御指摘もございましたが、それぞれ各学校で、これには真剣に取り組んでいただいておるというふうには受け取めております。小学校などにおきましては、動物を飼うとか菜園とか花壇をつくるとか、それから近所の清掃活動のようなことをするとか、いろいろな試みもやっていただいておるようでございますが、もう少し全体の状況がわかりましたら、また別途御報告をいたしてもよろしいのではないかというふうに考えております。
○小杉委員 私は、ここで塾の問題について取り上げたいと思うのです。 中学生、小学生、ほとんどいま塾へ通っているわけですね。そして、この塾の時間というのは、 一種のエアポケットなんですね。家庭でも把握できない、学校でも把握できない。まじめに塾へ通っている子はいいのですけれども、お母さん、塾へ行ってくるよと言って出かけて、それでいつも帰ってくる時間に帰ってきて、その二時間塾へ行かないで何かしているということも十分あり得るわけですね。特にほかの学校の生徒とまじったり何かして、いろいろな悪影響を受けて非行に走るというケースが少なくないというふうに私は現場の先生からも聞いております。 いま中学生の場合、どのくらい塾へ通っているのか調査したことがありますかどうか、もしあれば、その結果を教えていただきたいのと、それから塾についての規制とか監督というのはいまどうなっているのか。私、きのうも見かけたのですけれども、塾からの帰り、もう九時過ぎで真っ暗やみの中を男の子と女の子がふざけ合いながら帰ってくる姿を見かけるんですね。全く性善説じゃなくて申しわけないのですけれども、やはりそういうことが一つの非行の芽生えということにつながらないかということを懸念するわけですが、そうした塾の実態についてお聞かせをいただきたいと思うのです。
○三角政府委員 ちょっと少し前の調べになりますが、昭和五十一年度におきまして児童生徒の学校外学習活動に関する調査というのをいたしてございます。これで見ますと、中学生については通塾率が三八%というような状況でございます。それから小学生が一二%、こういう数字になっております。そして塾の中身でございますが、これは教科の学習もございますけれども、その他のいろいろなものもあるわけでございます。学習指導の種類で申し上げますと、予習復習をするというのが四七・六%、進学の準備ということを言っておりますのが二一・一%、学校での学習のおくれを塾によって取り戻させるというのが一七・一%、その他が一七・七%、こういうぐあいになっておりまして、そしてこれを学年別の内訳で見ますと、進学準備の二一・一%、やはり小学校にしましても、中学校にしましても、高学年の方が非常に多い、こういう状況でございます。 そして、この塾に対する姿勢といいますか、監督といいますか、そういうことでございますが、これはたとえばそういった学習塾以外のそろばんとか音楽とか習字とか、そういうような内容のものを考えましても、これは個人が自主的にやれることでもございますので、これに対して直接の規制ということは制度上ないわけでございます。ただ、文部省としましては、前に学校の側へ通達を出しまして、そして学校においてできるだけ学校自身が指導方法その他に改善工夫をこらしまして、充実した学習活動を行えるようにするということ、これが根っこに必要なわけですから、そういうことを言いまして、そして学習塾に通う目的や理由がいろいろあるけれども、中学校や高等学校の入学試験のあり方や、その問題内容等については、児童生徒の学習負担や小中学校教育への影響を十分考慮して適切なものとするよう関係者が一層努力してほしい、それから、学校の教員が学習塾の講師となっている場合も見られるが、学校の教員は自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めて父母の信頼を得るようにしなければならないものである、特に教育公務員にあっては、その職務と責任について十分自覚を促し、服務の適正を図るよう措置することというふうに、ちょっと間接の形でそういう指導はした経緯がございます。
○小杉委員 それは五十一年の調査のようですけれども、私が聞いたところでは、もう多いところでは三分の二ぐらいの生徒さんが塾に通っているということなんですね。これはいろいろ塾帰りに殺されたなんというケースもありますし、この辺はひとつ、これからの研究課題として、やはりおろそかにできないところだと思いますので、よく検討といいますか、注意を払っていただきたいと思います。 それから、次に移りますが、先ほど来のいろいろの話の中にもありましたように、校長先生や教頭さんのリーダーシップの問題とか、あるいは先生の資質の問題ということが大変欠かせない要素でございます。 最近、テレビの番組で「金八先生」とか「熱中時代」というものが非常に受けておりますけれども、文部大臣、どうしてこうした番組が受けているとお考えでしょうか。
○田中(龍)国務大臣 やはり商業的な面から言いまして、映倫あたりでいろいろと、これは総理府の方でございますか、お考えいただいているかとも思うのでありますけれども、やはりああいう番組が出ますことは、教育上よくないなというようなこともありますが……。
○小杉委員 文部大臣は、この番組を見てないから、ちょっと見当外れの御答弁をされたのですが、初中局長はごらんになったことがありますか。
○三角政府委員 そういう番組があることは承知しておりますが、実際に見るだけのゆとりがない状態でございます。
○小杉委員 文部大臣も初中局長も見ていないようでございますが、やはり文部行政をあずかるのだったら、いま非常に子供にも受けているのですが、こういうものがなぜ受けるのか、その辺ひとつよく見て御検討いただきたいと思うのです。一口で言えば、本当にいい先生を描いているわけですね。子供の心になり切って、先生と生徒との信頼関係を非常にうまくつくっている。そういう姿を描いたテレビが受けるというのは、やはりいま、そうした先生を求めているのだということのあらわれじゃないかと思うんですね。 そこで私は、教職員の資質向上ということから、研修についてひとつ伺いたいと思うのです。 まず最初に、教員の海外研修ですけれども、五十五年度の実施状況と、それから、いままでこの制度が始まってからの累計をひとつお聞かせいただきたいのと、その効果をどのように考えておられるか、その点をまずお聞きしたいと思います。
○三角政府委員 教員の海外派遣でございますが、五十五年度におきましては、長期九百十六人、短期が三千六十九人、合計いたしまして三千九百八十五人派遣をした次第でございます。これを累計で申し上げますと、この派遣事業は昭和三十四年から実施をしておりますので、それの総計数累計が五十五年までで三万八千九百四十六人、こういう数字になってございます。ただ、三十四年から四十四年ぐらいまでは毎年四、五十人の派遣でございましたが、四十五年から五百人あるいは七百人、九百人とふやしてまいりまして、四十八年に現在の姿になりましたときは、毎年五千人派遣ということで予算措置をいたしたわけでございます。その後、航空運賃の推移あるいは予算の節約等で若干減ってはおりますけれども、四十八年以降その体制でいたしておりますので、四十八年以降五十五年までの八年間の累計数字を申し上げますと三万六千三百五十四人、こういう実績になってございます。 これの効果でございますが、私どもは、教員が外国事情あるいは外国の学校の状況あるいは外国の文化にじかに接するわけでございますので、これによりまして国際的な視野を持って、また帰りましてからは、教職というものに対する誇りと自覚を持って児童生徒の指導に当たるという効果を期待しておりまして、現実にも、そのように効果が出て、大いに成果を上げているというふうに考えておる次第でございます。 以上でございます。
○小杉委員 五千人の計画が五十五年度では約四千人に減っている理由、それから代替教員がないので、海外へ研修へ行くと校長さんや教頭さんがかわりにやらなければいかぬ、だから、もっと徹底してやるためには、産休ということもありますし、やはり定数の問題はもっと考えてやるべきじゃないかと思うのです。 それからあわせて、海外以外の研修についてですけれども、いま新規採用の研修あるいは五年経過した教職経験者に対する研修、この二つは全員に対して行っているわけですね。そして、それ以外の研修というのは、教科別とかいろいろ全員ではなくてやっているわけですけれども、どうも実態を見てみますと、熱心な先生とか意欲のある先生ばかりが研修を受けて、本当に研修が必要だとされる先生が受けないというきらいがあるわけです。ですから、まず全員やる新規採用の研修とか五年たってからやる研修、この全員やる部分については少し形骸化しているのじゃないか。 たとえば会社なんか、入りますと、半月とか一カ月間現場へ行って、みんなちらばって実習をして、そして、その社員としての心構えとか技術の習得とかそういうものをやってからそれぞれの部署へつくわけですけれども、先生の場合は、いきなり、おざなりのと言っては語弊があるかもしれませんが、形ばかりの研修をやってさっと現場へ行って、結局、指導力がなくておたおたしちゃって問題が処理できないというケースがあるわけですから、全員の新規採用の研修等については、いわゆるインターンというような形でもう少しじっくりと、これから教職につくための心構えとか生徒指導とかいろいろな面の研修が必要じゃないか。ただ単に教職課程を取るためだけの実習だけですべて事足れりという考え方では、私は、先生の資質を向上させることはできないというふうに思うのが一つ。 もう一つは、それ以外の研修については、特定の人、熱心な人だけが研修を受けるというのではなくて、むしろ問題というか指導力の乏しいと思われる人、熱心でないと思われるような人を研修に参加させるというようなことをひとつやってみるべきじゃないか。 そのためには、いま研修というのは、何も規制がないわけですから、たとえば昇給をする条件として研修を義務づけるとか、そういう何か強制力を伴わなければ、研修を本当に受けさせたい人に受けさせることができないのではないだろうかというふうに考えているのですが、その研修のあり方について、ひとつお答えいただきたいと思うのです。
○三角政府委員 まず、海外派遣の問題でございますが、これは長期の方は臨時の定数の手当てができることになっております。短期の二週間か半月くらいでございましたか、これはやはり自分たちの仲間が出かけるわけでございますので、仲間が出かけている間の子供たちの世話をやっていただくということで進めてきておる次第でございます。 それから、教員の一般の研修の問題でございますが、教育というのは、やはりやる気がないと困るわけで、御指摘のような先生が研修に出ても、果たしてうまくいくかどうかというのがございます。全員がやはりやる気を持ってやってくださらなければ困るわけでございますし、それから研修自体も自発的な意欲がなければ効果もないということでございます。ただし、現実には御指摘のようなこともあろうと思います。どういう先生を対象にどういう研修をやるかという研修の企画とその運営、推進の問題にかかわることであろうと思います。 それから、研修を一つの条件にして教員の身分、待遇等にもそれをリンクさせてはどうかというのも一つの御意見だと思いますが、いずれにしても、これらは各都道府県の教育委員会で研修をどう企画し、どう進めていくかということにかかわることでございます。私どもとしては、そういう御意見も参考にして、教育委員会といろいろな機会にいろいろと検討してみたい、こういうふうに考えます。
○小杉委員 次に、家庭や地域との連携という問題を申し上げたいと思います。 私は、子供を四人持っておりますが、私立、国立、公立全部行っておりますから、その違いがよくわかるのですが、私立の学校ですと頻繁に父兄参観とか、特に父親参観日を設けて、忙しい父親を引っ張り出そうとしているわけですよ。いま大体の家庭は教育は奥さん任せというのが多いのですけれども、やはり父親がどんなに忙しくても、一年に一遍や二遍は学校の実態を見る、授業を見るということによって、お互いに父親も関心を持ち、母親との共通の話題ができるわけですから、父親の参観のための、特に日曜日の授業とかそういうことは、私立の学校ではどんどんやっているのです。ところが、これは教員組合の方の反対か何かあるのか知りませんけれども、そうした父親が参観できるような日曜授業とかそういうようなことをもっと積極的に取り入れる必要があるのではないか。そのことによってPTAというものがマンネリ化しないでもっと活性化する一つの道にもなると思うのですが、それらの点どう思うか。 それから、時間がないから続けてやってしまいますが、警察との協力について、先日来予算委員会でもいろいろ論議がされております。田中文部大臣は、警察力の導入はしないという趣旨の発言をされておりますし、また警察の方は、学校が体面とか教育的配慮の名のもとに協力しないというような指摘があるわけですけれども、この辺でもう一度、文部大臣、そして警察の方は本当は長官にでも来ていただくと一番いいのでしょうけれども、両方から見解を聞きたいと思うのです。
○三角政府委員 父親参観の御意見でございますが、私、小杉委員と同じように考えております。私の乏しい経験でも、公立学校でもよくそういう機会をつくっているところがございますし、それから学校によっては参観日以外でも、いつでも来てくださることを歓迎しますという運営をしている学校もございまして、そういう態度をとれる学校は非常にりっぱな学校だと思います。しかし、御指摘のように、そういう機会をつくることをむしろ避けておるのではないかと見られるような学校もございまして、私どもとしては、そういう点では学校と家庭との理解を深め合い、協力を強めていくということからしても、それから学校がどれだけ自分自身努力をしておるかということを、ときには親に見てもらうという意味合いからも非常に大事なことであるというふうに思うのでございます。 それから、警察の関係でございますけれども、私どもは、この間の集中審議の際にも申し上げましたが、学校警察連絡委員会というような仕組みができておりますので、こういったことを活用して、できるだけ常時学校と警察との間の相互協力、提携関係の素地はつくっておかなければいけないだろうと思います。 そうして、先ほど父親参観日というような問題が出たわけですが、そういうのをつくっても、そういうものにかかってこない家庭がまた大変問題でございまして、そういう意味合いで、やはり学校が常時いろいろな意味で努力しなければなりません。そうして学校は学校としての役割り、機能を十分に果たしていく必要がある。でございますから、学校と警察との関係というのは、状況によりましては非常にデリケートであると思います。ただ、いわゆる外部の集団と申しますか、外部の組織、力とつながって校内暴力が出てくるというような場合もあるわけでございますし、それから、また一般の子供が被害を受けるという場合もあるわけでございまして、これは刑法上の問題になりますと、警察の領域ということになってまいります。 ですから、いつどういうぐあいに学校と警察が連携をし、バトンタッチと申しますか受け渡しをするか、これらについて学校もよく考えて、誤りなきよう対処していく必要があるだろう、こういうふうに思うのでございます。 そして、一遍つかまって、いろいろな意味での警察関係の措置を受けた子が、やがてはまだ学校に戻ってくるわけでございますので、学校というのは、教育指導の立場からできるだけ最善を尽くしていかなければならない、その上で警察との協力もきちっとやっていかなければならない、こういうふうに思っておるのでございます。
○田中(龍)国務大臣 私が学校には警察を入れないと申したように大変誤解されておるのは遺憾でございますが、私の申しておりますのは、学校というところは教育の場でありまして、それは子弟への愛情が基本でございますが、同時に、教職員も自分の職責というものを十二分に果たしていかなければいかぬ。もちろん、学校に警察官を導入するということにつきましては重大なことでございます。ことに、個々の事例に即して教育委員会なり学校長が判断すべき事柄でございまして、一般的に申すならば、学校が安易に警察官に頼るようなことがあってはならない。ちょっと自分の言うことを聞かないから生意気だというので、すぐ警察に頼んでどんどん引っ張っていってもらう、そういうふうに警察力を安易にやってはいけない。教職員としては、自分のかわいい子供を本当に教育するという、教育者としての心構えを私はあくまでも申し上げた次第でございます。
○石瀬説明員 先般来のこの委員会での学校と警察のあり方についてのやりとりは、私どもは、委員会の全時間詰めておるわけではございませんが、新聞等でその状況を見る限りでは、いささか混乱もあるのではないかという感じもいたしておるわけでございますけれども、私ども機会あるごとに申しておりますように、校内暴力の問題は、本来学校当局の適切な生徒指導によって、その未然防止が図られるのが一番望ましいやり方だと思います。しかしながら、不幸にして事件が発生した場合には、学校や教育委員会ともよく御相談しながら、事案の内容及び規模等に応じまして、ケース・バイ・ケースで、事案の態様に応じた適切な捜査活動その他の措置をとってまいりたい、こういうふうに考えております。 いささか比喩的な物の言い方かもしれませんけれども、警察は警察としての分をわきまえ、のりを越えず、しかしながら、適確に警察としての職責を果たしていくという、いわば自然体と申しますか、正姿勢の姿勢でこの問題に対応していきたい、それが一般の国民の理解や共感を得られる道にもつながるのではないだろうかというふうに考えております。
○小杉委員 次に、留学生の問題について触れたいと思います。 先般総理大臣は、総理になってから初めての外国訪問にASEAN諸国を選んだわけですね。そして先般の総理の所信表明演説でも、これらASEAN諸国との関係が成熟した関係の域にある、これからASEAN諸国との関係に一層の深さと広がりを求めて努力をしていかなければいけないと言っておりますし、外務大臣も演説の中で、やはり歴史的にも地理的にも密接なかかわりを有するアジア地域がわが国にとって重要であるということを言っておりますね。それから文部大臣も先般の所信表明の中で、やはり国際交流というものが、わが国と外国との相互理解あるいは友好親善関係を築く上できわめて重要な意義を有すると言っているわけでございます。 そこで、いまアジア諸国から相当たくさんの留学生がわが国に来ているわけでございますが、その受け入れ体制について、私は非常に問題が多いと思うわけでございます。 そこで、まず文部省の方から、いま外国から日本へ来られている留学生の実態、その数とか国別とかそういった内容をひとつお答えいただきたい。
○松浦(泰)政府委員 昭和五十五年五月一日現在、わが国の大学等で勉学中の外国人留学生は六千五百七十二人となっております。このうち国費留学生は千三百六十九人、私費留学生五千二百三人でございます。また、その学部、大学院、短大等の内訳を申し上げますと、学部学生が三千六百九十七人、大学院学生が二千五百七十八人、短大の学生が二百九十七人ということになっております。 それから、御指摘のございました地域別の分布でございますが、いま御指摘ございましたように、アジア関係が五千百四十四人ということでございまして、パーセントでいきますと七八・三%ということになっております。それ以外の地域につきましては、北米が五百四十九人、八・三%、その次がヨーロッパ関係でございますが、三百二十二人、四・九%、中南米が二百五十四人、三・九%、その他アフリカ、中近東、オセアニアというような地域になっております。 それから、国別を申し上げますと、台湾から参っております留学生が一番多うございまして、二千八百五十四人、その次が韓国が、三けたになりまして六百八十人、アメリカから五百二十人、中華人民共和国から五百一人、タイ国から二百四十四人、マレーシアから百四十四人、インドネシアから百三十八人、ブラジルから百三十六人、香港が百十九人、ベトナムが百三人、主要なところは、以上のような概況でございます。
○小杉委員 諸外国の例を外務省からお答えいただきたいのですが、アメリカとかイギリスとか西ドイツとかの先進諸国は、諸外国からどのぐらい留学生を受け入れているか、もしわかればお答えいただきたい。
○青木説明員 本来、文部省の御所管の事項ではないかと思いますが、御質問がございましたので、お答えさせていただきます。 ユネスコの調べによります一九七七年の数字でございますが、米国、英国、西独、フランス及び日本が、その国内に受け入れております外国人留学生の数でございます。米国が約二十三万六千人でございます。それに続きましてフランスが十万四千人、英国が五万九千人、西独が五万四千人、日本につきましては、その当時一万五千人の外国人留学生がおられたということでございます。
○小杉委員 日本が最近国際社会の中で、たとえば防衛費をもっとふやせとか、あるいは経済的には自由世界第二位だと言いながら、こういった教育の上での留学生あるいは交流という面では、きわめてお粗末な数字なんですね。 そこで、日本の大学生、短大生、大学院の学生全部合わせますと約二百万人いるわけですが、その二百万人に対して、外国からの留学生が現在六千五百七十二人ということになったら、これはわずか〇・三%でしかない。いま御報告がありましたように、フランスとか英国とか西独とか、われわれよりも人口の少ないところですら、日本の数十倍と言ってもいいくらい数多く受け入れているわけですけれども、私は、やっぱり防衛費で国際責任を果たすというなら、むしろこういう教育の面で、特に日本というのは、アジアの一つの先進国として、あるいはこれからの南北のかけ橋として重要な役割りを果たすのだということを総理も外務大臣も述べているわけですから、ただ単に防衛力のことばかりに頭を向けないで、やはりこういう教育の交流という点の充実をもっと図るべきだと思うのですけれども、全くお寒い状況ですね。こういう点に関して、ひとつ文部大臣の見解をお伺いしたいと思うのです。
○田中(龍)国務大臣 私も、国際交流の問題、特に留学生問題については、全く御同感でありまして、就任以来努力をいたしておる次第でございますが、原因の点では、一番障害になっておりますのは、何と言いましても語学の点であろうと存じます。 それからまた、その語学を乗り越えていかにして日本に対して留学を慫慂するかという問題で第二の点は、日本に留学してから後の職場といいますか、その諸君が国へ帰ってから一体どういう就職の経過をたどるだろうかという問題等も分析をしてみますと、ただいまも統計を申されたように、やはり一番英語圏ということから、どうしても勉強して、また帰ってきて就職をする場合でも、英語の地域が多い。結局、留学後の就職という点で一番都合のいいのは、あるいは台湾でありますとか韓国でありますとか、そういうふうなアジア圏になる、こういう状況でございます。 それからまた、法制的に申しましても、いろいろな障害もあるやに聞いておりますが、そういう点よりも一番問題は、以上申し上げた点でございまして、この解消のために何とか打開できないだろうかと苦心をいたしておる次第でございます。
○小杉委員 文部大臣、ちょっと質問の趣旨を取り違えているのじゃないかと思うのですけれども、日本が国際社会の中で果たすべき役割りをいま問われている現今ですね。そういう際に、特に東南アジアの人たちで日本へ留学を希望している人がたくさんいるにもかかわらず、受け入れがもうわずか六千五百人程度、諸外国が二十三万とか十万とか五万とかそういう数で受け入れているのに、日本が余りにも少な過ぎやしないかということを申し上げているわけです。 その点、また再度御答弁いただきたいのと、それから質的な面でも、私も、駒場の留学生会館を見ましたけれども、一人当たりの面積が大体七平米、四畳半にも満たないというところで、シャワーはみんな共同ですし、ちょっと留置場でももう少しりっぱなところが最近できてきているので、そういう質的な面でも非常にお粗末だと思うんですね。ああいう若い学生がただ寝泊まりするだけじゃなくて、もっと体育館とかプールとかそうした運動施設なども設けてあげるべきじゃないかと思うのですけれども、現在、留学生にとっての一番問題は、宿舎の問題だと思うんですね。 そこで現在、駒場の留学生会館、あるいは大阪にもありますけれども、そのほかにも上智大とか早稲田とか東京外語大とかいろんな大学で、それぞれ寮をつくっておりますけれども、実際にどのぐらい確保しておられるのか、その数をひとつお知らせいただきたいと思うのです。 それから、諸外国の例ですね、留学生の宿舎の実情がどうなっておるか、もしわかれば、お答えをいただきたいと思います。文部大臣の答弁は、また後から総括して聞きますから……。
○松浦(泰)政府委員 御質問の留学生のための宿舎の状況でございますが、御指摘のとおり、勉学に安んじて専念するというためには、非常に重要な事項だと考えております。 現在、留学生のための宿舎として特に設けられておるものは、国立大学付設のものが九つございます。それから日本国際教育協会、いま先生非常に狭いという御指摘をいただきましたが、その経営のものが二つ、それから民間団体経営のものが九つ、計二十施設が、特にそのための施設として設けられておるものでございます。 その収容予定員は、合計で千二百九十人でございまして、留学生総数に対する割合は約二〇%というふうになっております。 なお、このほか大学の持っております一般寮にも留学生が若干入っておるという状況でございます。その他、国際学友会という団体がございまして、これにも国費の補助を行っておりますが、そこで日本語学校の宿舎の関係が百人収容というようなものがございます。 それから、いま御指摘のとおり、まだまだ少のうございますので、計画的に大学の施設の建設を進めておるところでございまして、五十五年十月現在で建築中のものが三百五十五人収容目標に進んでおります。また、五十六年度予算案におきましては、三大学、六百五十五名というような計画を進めていく予定にいたしておるところでございます。 それから、先生御指摘ございました国際教育協会の関係につきましては、御存じのように、あそこが非常に場所が狭いものでございますから、祖師谷の元東京教育大学の農場跡地をいただいて、そこに増設しようというような計画を持っておりまして、努力しておるところでございますが、小杉先生を初め越智先生、山本先生等が、その関係につきまして御尽力をいただいておるということをかねがね承っておりまして、感謝いたしております。 以上概況を申し上げました。
○小杉委員 諸外国の例はわからないですか。
○松浦(泰)政府委員 諸外国につきましては、ちょっと資料を持っておりませんので、十分に承知いたしておりません。
○小杉委員 OECD、経済協力開発機構の人たちは、日本はいまの留学生受け入れを十倍にすべきじゃないか。アメリカはさっきの報告のとおり、二十三万六千人ありますね。それから、フランスなどは日本の人口の半分なのに十万四千人も受け入れている。イギリスも日本よりはるかに人口が少ないのに五万九千人。西ドイツ、日本と同じように敗戦国の西ドイツですら五万四千人受け入れているわけですね。 私は、総理や外務大臣あるいは文部大臣がこうやってりっぱなことを言っているのでしたら、やはり何といっても世界各国あるいは特に東南アジアの方々に日本を本当に理解していただくというためにも、留学を希望する人たちをもっともっと大幅に受け入れる、そういう姿勢が必要じゃないかと思うのです。 それに対していまのお答えのとおり、留学生が全部収容できるのが千二百数十人、いま建設中、これから増設をしても、せいぜい二千人程度しか収容し切れないわけですね。そういう状態の中で、本当にこれからの国際社会の中での日本、特にアジアの日本ということにおいては非常に寒々しい感じを私は持つわけでございますが、そういう点について、ひとつ総括的に文部大臣からお答えをいただきたいわけでございます。 それから、事務局の方には、こうした宿舎のほかにいろいろ宿舎の補助、民間のアパートを借りる場合の補助制度などがあると思うのですが、それらをひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○松浦(泰)政府委員 先生御指摘のように、まだ宿舎事情が悪くございまして、民間の宿舎を利用する者につきましては、現在、国費留学生だけを対象にいたしておりますが、大都市におきましては月額一万二千円、その他の地域におきましては九千円の補助を行っております。これは毎月でございます。(小杉委員「何人」と呼ぶ)人数は、これは実態に応じまして、国費留学生のうち一般のそういう下宿します全員に支給いたしております。 それから、入居時の権利金としまして、権利金または敷金の全額または一部を登録宿舎予約金制度として補助をいたしております。これは国費留学生だけでなくて、外国政府からの派遣の留学生も対象にしておるところでございます。 以上でございます。
○小杉委員 私費留学生はめんどう見なくてもいいというような考え方もあるかもしれませんが、やはりまだまだ東南アジアの人たちは経済的にも貧しいですし、世界一物価の高い、特に住居費については、日本人の学生ですら下宿が著しく高いのに困っているときに、やはり国費留学生だけじゃなくて、私費留学生のためにも、できるだけそうした家賃補助とかそういった面での温かい施策が必要だと思うのですが、いままでのことに関して、こうした留学生の受け入れ体制の問題について、質の面、量の面、まだまだ不十分だと私は思いますけれども、文部大臣の見解をひとつお伺いしておきたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、大変不十分過ぎるほどの現状でございます。ことに、留学生と一口に申しますが、御説のように国費留学生、それから私費留学生もございまするし、そのほか呼び寄せ関係で親族その他の方に入っております県の留学の関係や郷土関係で、特に中南米方面の日本に留学する者も相当ございます。つまり六千六百というのは、大学程度のところに入ってまいりまする留学生でありますが、外務省のお話の一万何千という数字ですね、これとても必ずしも明確なものじゃないのじゃないかと思うのです。実態は、ことに最近会社、工場等が研修の名のもとに入れておりますのも相当ございますが、これがまた十分に把握できておりません。それから、そういうのは寮を提供するとか宿舎を提供するとかといったような面も相当ございます。しかし、総じて日本がわずか一万や二万の留学生では、まことに残念な次第でございまして、留学につきましては、決して制限を設けておるわけではないので、むしろ積極的に日本に留学ができますように、いろいろな面で包括的に努力をいたしておる次第でございます。 なお、そのほかに、ことに学校に入るというような場合の便宜、あるいはまた入国に対する処理、そういうふうなものもあわせて包括的に留学生の導入促進と申しますか、全力を挙げてやっておる次第でございます。
○小杉委員 時間がありませんから、もう一つだけ聞いて終わりますが、とにかく希望しても、宿舎その他の条件、受け入れ体制ができていないために、なかなか来られないという実態を、やはり全力で解消していただきたいということでございます。 それから、帰国子女の受け入れについても申し上げたいと思います。 最近、日本の国際化に伴って海外に勤務する方が激増しておりますね。特に商社とか銀行とかいろいろな企業が、恐らく二十万人には達しているのではないかと思うのです。 そこで、いろいろ文部省のデータによりましても、小学校で二万数千人ですか、中学校、高校を合わせると、かなりの数の海外勤務者の子供さんたちがいるわけでございますが、そういう方々に聞いてみますと、いずれも日本へ帰国した後の教育の問題を一番心配しているわけですね。それに対して、いろいろ受け入れ体制の問題があるわけでございまして、私は、この際、数点を指摘して、当局の見解を聞いておきたいと思うのです。 たとえば、外国では六月に学校が終わって九月に新学期が始まるわけですから、たとえば中学校の場合、私の地元に東山中学というのがありますが、九月に、二学期から、海外から帰ってくるお子さんが入る率が非常に多いわけです。そうしますと、四月に一応学級編制を終わって、そういう体制で進んでいるところへ九月にどかっと入ってくるものですから、みんな定員オーバーしてふうふう言っているわけです。ですから、もう少し前の三月の段階で、各在外公館で帰国する予定者というのをチェックして、もっと四月から、たとえば九月からこれだけふえるというような人数を想定して対応しておくべきではないかということが一つです。 それからもう一つは、帰国して一番困る問題は、やはり日本語。生まれて初めて日本へ来たなんというお子さんもいるわけですから、日本語が、確かに現地で日本人学校なりに行っている方はいいのですけれども、現地校に通って補習科だけで、土曜日の午後だけやっているというようなお子さんは、まず当面、日本語の教育が非常に困るわけなんですが、そういう日本語の教育のスタッフというものが、いまの受け入れ校には全然――全然と言ってはなんですが、余りないんですね。それ以外にもいろいろな相談を受けなければいけないし、ですから、そういう点もっと充実をさせるべきではないかということ。 以上の二点について、ひとつお答えをいただいて、終わりたいと思います。
○三角政府委員 帰国子女の受け入れの時期の問題でございますが、御指摘のように、外国のその国の学校へ行っている子供の場合に、制度上の食い違いが生じることがあるわけでございます。御承知のように九月に、公立学校でございますし、義務教育でございますから、来れば受け入れるということで受け入れているわけでございますが、そのときによると、人数が非常に多くなるというようなこともあり得るのが現状でございます。 そこで、御提案ではございますが、やはり帰国する時期でございますとか、それから帰国後どこに配属されて、その親御さんのお住まいがどのあたりに来るかというようなこと、これはいずれも保護者の勤務先でございますところの企業の人事との関連の問題でございます。でございますから必ずしも――公立学校の学級編制を決める時期ですね、これは四月のかなり前から、前年の秋から暮れぐらいのころからはがき等によって調査が行われておるわけでございます。しかしそのころ、果たしてどこまで捕捉可能かということは、会社等の人事異動に左右されますために、そういった十分な期間を置いて予測するということは、現実問題として非常に困難があるということは申し上げざるを得ないのでございます。 それから、日本語能力の問題で、これは非常に大事なことでございますが、やはり国内で育って学習をしました児童生徒に比較しますと、どうしてもそこに問題が非常に出てくるということは、かなり一般的な事実であると思います。私どものお願いしております公私立の帰国子女教育研究協力校でございますとか、あるいは国立大学付属学校に設けております帰国子女教育の特別学級、これらにおきましては、できるだけ個別指導を徹底いたしましたり、あるいは集中的な課外の補習授業などもいたしまして、国語と申しますか日本語の能力の向上にできるだけ努めておるわけでございますが、御指摘のように、その他の普通の学校ではなかなか手が回りかねるような状況もあろうかと存じます。特に日本語能力が十分でない帰国子女につきましては、その子の力を向上させることを目的といたしまして、財団法人波多野ファミリースクールというものがございまして、これに対しまして日本語の集中的な訓練をしてもらいますように委嘱をしたりしておるわけでございます。 なお、一般的には、やはり年齢がまだ若いので、半年から一年ぐらいたちますと、日本語能力を回復すると申しますか、向上させる、そういう結果が通常だというふうに認識しておる次第でございます。 以上でございます。
○小杉委員 問題点はまだまだたくさんありますが、時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○田中(龍)国務大臣 最後にお答えいたしますが、ただいまの問題は、非常に重大な問題でありまして、ことに日本が海外にますます発展いたしますためにも、この子女教育の問題は、重大な問題で、ことにいろいろな難点がたくさんございます。鋭意解決してまいりたいと存じますが、どうぞ御協力のほどをお願いいたします。
○三ツ林委員長 午後二時再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時八分休憩 ――――◇――――― 午後二時四分開議
○三ツ林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中西績介君。
○中西(績)委員 私は、先日に引き続きまして、問題になっておりました私立医科大学北里大学の問題について、二、三の点について確認をしておきたいと思いますので、お答えをいただきたいと思います。 その一つは、私、先般も問題にいたしましたが、北里大学に対する貸付金額の問題について、私の方に文部省の方からの回答として参りましたのは、「個々の学校法人に対する貸付状況については、従来から外部に公表しないこととしておりますので、御了承ください。」、こういう文書になって回答が参っております。ところが問題は、私がこの前も明らかにいたしましたように、会計検査院の方からはこのことは明らかにされておるわけなのです。会計検査院が明らかにできることを文部省が数について明らかにできないと言う理由は、私、どうしても納得できません。この点、どういう理由なのかをはっきりしてください。
○吉田(壽)政府委員 お答えいたします。 従来から、私学振興財団からどれだけの融資を受けているかということにつきましては外には発表しない、そういう慣行になっておりますので、先生にもそういうことを申し上げた次第でございます。
○中西(績)委員 慣行と言うけれども、少なくとも国の財政なりを消費するということになれば、当然私たちが、ここで正式にその内容を熟知した上で正しいものであるかどうかを論議する必要があると思うのです。しかも、他に転用するとかなんとかいう問題よりも、流れの中でも明らかでありますように、いま問題になっておるだけに、この点を明らかにし、そうした中で正確な資料でなければ討論にならない、指摘ができないわけでありますから、正確な資料ということで、わざわざおいでいただいて、説明を聞き、これを知りたいということでありますけれども、結果はこういう形になっております。 したがって、文部省における慣行が優先するのか。私たちが必要とした場合、このようにして会計検査院でも提出できる資料について提出をしないということになると、これは大変なことでありますから、この点は何としても改める、このことを確認していただきたいと思うのです。 特に委員長の方からも、この点文部省に対して、院の権威にもかかわることでありますから、はっきりさせてください。
○吉田(壽)政府委員 文部省といたしましては、一貫してそういうやり方をしておりましたので、先生にもそういうふうに申し上げたわけでございますが、ただいま先生の方から、そういう強い御要請がございましたので、その点につきましては検討させていただきます。
○中西(績)委員 検討だとか――わかっているから、もう資料は要らないのだ。しかし、こうした手続上の問題でいろいろトラブルがあるのです。特に文部省の場合には示せない資料がたくさんあります。定数問題等につきましても、私たちが言っても出さない。だから、じゃ委員会で正式なものにしてということになると出てくるのです。これでは院の権威といたしましても絶対に容認できないと思いますが、委員長の方から、文部大臣にその点を明らかにさせてください。どうぞ。
○三ツ林委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○三ツ林委員長 速記を始めてください。 私の方から申し上げます。 中西君の御指摘の事項につきましては、後刻理事会において結論を出したいと思います。
○中西(績)委員 後刻理事会でやるような問題でもないと思うのですけれども、理事会でそう決まったようでありますから、一応置きまして、次の質問に入ります。しかし、私としては、こういう問題こそ明るくするためにも、当然提出をさるべき資料だと思います。 それでは、次にお聞きをいたしますが、裏口座の問題について、どのようにして集めていったのかという点について、前回、長木理事長兼学長などを招聘されて、お調べになったと思うのですけれども、私が知っている範囲を先に言いますから、この点を明らかにしてください。 合格の決定していない時期に、父兄が面接をする時期に医学部長が面接をします。ところが、その医学部長の面接をする隣室に経理部長が待機をします。そして医学部長と父兄との関係が片づくと、次には経理部長がちゃんと出てきて、父兄との間の話をつけるようにしています。そして三菱銀行の恵比寿支店に通帳をつくり、三文判をつくって、そこに預け入れをする、それを学校が保管をするという形になっています。 そこで、私が一番問題にするのは、それと同時に、父兄が面接に来るときですから、第一次試験合格をして第二次試験、そのときなのです。親に資産内容を記入させて、父兄に面接のときに、それを持ってこさせるというやり方をやるわけですね。これは五十三年でもすでに新聞紙上で明らかになっていますように、五十四年度の募集趣意書、その中に三十億円集めるということが明記をされておるのです。そういう事態の中でこうした措置がとられていくわけです。しかも、これは五十四年もやっているのですよ。そして、そのアンケートの中身というのが、だれが学費を受け持つのか、そして、その人の収入はどれくらいあるのか、資産はどれくらいあるのかということを全部知らせなければならぬようになっています。こうなりますと、これはもう大変な差別事件ですね。私は、これはもう絶対に許すことができない中身だと思っています。 この点どうですか。すでに五十三年の新聞紙上にも明らかになって、五十四年度の募集趣意書の中に三十億円集めるということ等が明記をされ、そうした事態がずっと経過をしてきて、なおかつ問題になり、通知は五十二年に出されているわけですね。それなのにこういうことが依然として続けられ、しかも、こうした差別行為が平気で行われておるというこの体質、この点については、どのように解明をいたしましたか。
○吉田(壽)政府委員 お答え申し上げます。 寄付金並びに学園債の募集趣意書でございますけれども、これは入学試験要項とともに配付いたしております。 昭和五十四年度の寄付金の募集要項でございますが、それによりますと、募金の目的は「医学部教育・研究経費の不足分補填及び既往債務償還財源として」と、そういう募金目的になっておりまして、募金目標額は十五億円と明示いたしております。 実際にどのように募金をしたかということでございますが、文部省に招致いたしまして、ただしましたところ、合格発表後医学部長並びに入試委員一名の二人が父兄と面接いたしまして、寄付金並びに学園債の依頼を行ってきた、これは合格発表の二、三日後でございます。医学部長と入試委員一名との面接の結果、金額につきまして合意が成立いたしますと、別室で申込書に書いてもらっていたという大学側の説明でございます。学園債も、返還時におきましては、なるべく寄付金にしてほしいというような依頼をしていたということが明らかになりました。 要点は、大体以上のとおりでございます。
○中西(績)委員 いまお聞きをしますと、確かに通達にあるように合格をした後に云々ということでありますけれども、実際にはそうでなくて、この点は文部省が大分ごまかされておりますから、この点は再度明らかにしていただきたいと思います。いまのようなことでは私は納得ができません。この内容を聞けば聞くほど一しかも、こうしたアンケートをとっておったということ等については全然触れていないんですね。これは大変なことであります。 特に私が今度のこの関係を見まして怒りを覚えるのは、入学願書の志願票の裏にそういう問題がある程度含まれておるのです。父母は医師の資格を取るまでの経済的計画について記せということまで含んでいるわけですね。入学願書ですよ。志願票を出すときに、その裏側にそういうことを記入するようになっているんですよ。医師の資格を取るまでの経済的計画について記せということになっていますから、これはもう大っぴらなんですよ。そして、その上で成績と適正検査があって二次試験がありますね。ともに、ここの場合には、大部分の人たちが第一希望ではありませんから、相当数の人たちが別の大学に行くわけですね。そうなりますと、補欠を一次、二次とこういうふうに採っていくわけですが、その補欠合格の資格は、金額によって全部が決まっていくというシステムになっています、正規の試験を受けて上がる人の場合には、余りそういう点はありませんけれども。 ですから、そういう点からいたしますと、これはもう大変な問題でありますから、もう一度この点十分調査をして、こうしたことが一切ないようにしなくてはならないと思いますが、大臣よろしいですか。
○田中(龍)国務大臣 中西先生のお話のような、そういう事実というものが、われわれの調査の中にはありませんでしたことをおわびいたしますが、なお、われわれの方といたしまして、十二分に精査をいたしまして、今後の措置を決めたいと思います。
○中西(績)委員 したがって、入試につきましても、問題は、やっているところに経理部長が出てくるということになれば、まさに教学の第一義的なものは失われてしまって、経営が至上主義になって前面に出てくるという結果になってきます。機構の上からもそうなっていますよ。これはいかに大学局長が、この点申し開きをしましょうとも、教学主導型でなくて経営主導型ですね。こういうものが前面に出ておることを認めなくてはならないと思います。この点についても、同じように措置することを特に要求したいと思います。 そこで、もう一つお聞きしますけれども、学債は返還されておったかどうか、どうでしょう。
○吉田(壽)政府委員 北里学園の学債のうち入学者を対象とするものにつきましては、無利息で六年間の据え置き、卒業時に返済という条件で募集を行ってまいりました。昭和五十五年度の入学者にかかる学債の受け入れにつきましては、別途経理をされたものを除きまして、応募者は百十三名、総額十億五千三百万円ということになっております。これは先ほども申しましたように、北里学園においては従来から、その学債の返還期に当たりまして、事前になるべく寄付金に変えてもらうように父兄に要請をしていたという事実は間違いございません。
○中西(績)委員 そうなりますと、寄付金に改定をするということになれば、当然、これは返ってないということになるわけですから、これはもう大変な――子を預って、それをカタにして詐欺的な行為を行っておるということになるわけであります。私が昨日申し上げました裏金の四十億というこの隠し金、文部省の発表では三十二億五千百五十万円でありますから、相当の差があるわけでありますね。したがって、まだまだ多くの問題がありますだけに、この点明らかにしながら、今後さらに指導を強めていくということを確認してください。よろしいですね。
○田中(龍)国務大臣 仰せのとおり十分に調査いたします。
○中西(績)委員 そうなってまいりますと、この五十二年に出されました通達、これが全然守られてないということがはっきりしたわけであります。 それともう一つ大事なことは、一昨日この委員会で指摘いたしました北里ハイツの問題あるいはヘルスサイエンスセンターの問題、北里スイミングスクールの問題など、考えますと、これまた学校法人としては大変な問題を含んでいます。いま地方では、大変困難な財政事情の中で、小規模校でまじめにやっておる大学もたくさんあるわけですね。まだほかにたくさんございますけれども、私は、時間の関係から一つの例だけで指摘をいたしましたけれども、私学の補助金助成策というものが当然必要であるということは認めますけれども、将来的にこうした事態が出でくるということになりますと、これは国民からの不信を拡大するばかり、そして大学が特定の金を持っておる者、集め切る者、こうした条件を持つ者だけが大手を振って歩くということになり、それが私学の特徴あるものだということになったのでは大変であります。ですから、私学の建学の精神というのが、まさにそういう方向に向けてなっておるといたしますと、これは大変なことでありますから、この点に対する措置はどうされるのか、この点を明らかにしてください。
○吉田(壽)政府委員 御案内のとおり、私立大学等経常費補助金は、年々その拡充を図ってきておりますけれども、特に多額の経費を必要といたします医学部につきましては、教育研究に要する物件費につきまして、他の学部等よりも補助単価を高くいたしまして、特別に配慮してまいっております。こういうふうに特別に医学部にかかる経常費補助金を拡充してまいったということは、医科大学の教育条件の維持向上、あるいは経営の健全化等に大変役立っているというふうに私どもは一応判断しているところでございます。 ただ、ただいま御発言のございましたように、こういう一連の不祥事が発生いたしまして、私どもは、大変に残念に思っております。この経常費助成とこういう不祥事とは、私どもは、直接の関係はないというふうに考えております。やはり問題は、学校法人の理事者の心がけにあるのではないか。ただいま御意見のございましたように、この経常費補助金が国民の血税に基づく助成であるということに思いをいたしまして、学校法人はえりを正して対処しなければならないというふうに考えておりますとともに、また、このような不祥事を起こした学校法人に対しましては、私ども、その事実の解明を待ちまして、厳正に措置したい、このように考えているところでございます。
○中西(績)委員 これからどうするのかということですから、いままでの経過はもうわかりましたから、簡単に答えていただきたいと思ったのですが……。 ただ問題は、こうした新しくできた私立の医科大学の場合に、絶えず他の学校よりもということが作用いたしまして、際限なく拡大をしていくわけですね。私が一番心配をしますのは、たとえば教授の数だって多ければ多いほどいいわけですから、それに対する制限はいまありません、助成する場合、二分の一の助成は。そうなりますと、もう際限なしにどんどん他の学校よりも充実しているということでもって集める、あるいは病院を建てると、病院の医者をどんどん集めるということにだってなりかねないわけですね。そういうところに今度はまたさらに金を集めようということが働いてくるわけなんです。 ですから、そういうことを考えてまいりますと、私が先ほどから指摘をしておりますように、地方の小規模の、生徒数の少ない私立大学などにおきましては――いまのままでいきますと、こういうとそろにはどんどん助成金が増額されてまいります。このあれを見ていただくとわかりますように、例年二十二億から二十九億、三十六億というぐあいに次々に増額していっているでしょう。地方の大学の伸び率なんというのは、そういうことはありませんよ。そうなると、必要なところ、安い授業料で安い入学金でやっておる地方の大学というものをむしろ私たちは助成しなければならぬ立場にあろうと思うのですが、そこは切って捨てられて、こういうところだけがいつも豊かに潤沢に助成をされるという結果だって生ずるわけですよ。 ですから、こういうことを考えますと、私は、補助金制度そのもの、その内容が本当に私たちが期待をするものになっておるかどうかということを、いま一度反省してみる時期になっておるのではないかと考えるわけなんです。この点どうでしょう、大臣。
○田中(龍)国務大臣 まさにお説のとおりでございます。補助金の問題につきましても、行管その他におきましても再検討と申しますか、それからまた、われわれの方におきましても同様建学の精神、同時にまた教学という神聖な立場にあります学校のことでありますので、この点は十二分に配慮いたしまして、今後の措置を考えたい、かように考えます。
○中西(績)委員 そのようにもう一度、その内容の再検討と公正な措置がとられるよう、そして、この問題については厳正に対処していただくことを最後に要求をいたします。 そこでもう一つ、私は、今度は地方ローカル線問題について一点だけお伺いしたいと思うのです。 先般私たちは、二十三日であったと思いますけれども、文部省官房長にいろいろ多くの問題について、地域の問題について要請をいたしました。で、特にそのときに出てまいりました多くの意見、ほかのことを申し上げると時間がかかりますので、そのときに出た主要な点だけ一、二申し上げますけれども、たとえば山陰地方におけるローカル線廃止の問題で要請がありましたのは、いまや島根県等におきましては、山の中の高等学校というのは過疎地になって、ほとんどなくなってしまって、ほとんどが海岸線、九号線に集約されております。そうすると、山の中から通わなければならぬ。その線が今度廃止される、こういう大変な問題があります。 あるいは新潟県から来られた方の場合、中学校でありましたけれども、中学校の場合には、国鉄のこの線があるからということで四校なり五校なりの山間僻地の中学校を統廃合いたしまして、それに通うのには全部国鉄を利用しておった。ところが、いまこれがなくなるということになれば、統合したことが結局、中学校の生徒の通学の道を断ってしまうとか、挙げていきますと、そういう問題がたくさんあるわけです。 私の出身地である筑豊におきましても同じことが言えます。もしいま指定をされる、ローカル線区がはがれるということになりますと、定時制などについては、立ち行くすべがなくなってしまいます。 こういう例を申し上げますと、国鉄の廃止とともに地方教育が衰退をし、そこでは教育を死に至らしめるという状況が出てくるわけであります。高等学校あるいは中学の教育の中にそういう実態が出てくるわけです。 したがって、文部省としては、地方ローカル線廃止、このことと教育という問題についてどのような見解をお持ちなのか、この点お答えいただきたい。
○田中(龍)国務大臣 過日、このローカル線問題の閣僚協議会がございまして、私から文部省の立場を強調いたした次第でございますが、文部省といたしましては、教育上の観点から、児童生徒の通学に著しく支障を来す路線については、廃止の対象外とすることを、さらに運輸省に強く要望いたしまして、路線が廃止された場合におきましては、バス等による通学手段の確保及び通学費の軽減について十二分に配慮をしてもらう、このことの申し入れをいたしてございます。 なお、事務当局同士、その後におきましても折衝を重ねておると存じます。
○中西(績)委員 今度の文部大臣の所信表明の一ページ目の四行目から五行目にかけて「国民の生涯の各時期における課題に即して教育の機能を充実し、創造力に富み、心の温かさと社会的な連帯意識を有し、」云々ということになっていますね。この文章をより具体的に実現するためには――ただ単に国鉄の場合は、ローカル線約四千キロで八百億円の赤字なんですね。その中で学生定期など割引による金額が幾らになっているかというと六百五十億円なんです。わずか百五十億円という赤字、他がこれを補てんをすれば、たとえば文部省がその分を補てんをしさえすれば、そういう赤字にはならないわけですから、そのためにこうした唯一の交通機関として生徒が使っておる線を廃止するということになれば、豊かさと温かさ、連帯意識などというものを生まれさせようと言ったって、第一、行政にそういうものが全然ないということですから、こういうことに私はなってくると思います。 したがって、こうした状況でありますだけに、これを実現するためにも、何としてもそれを皆さんで補てんをする、そうすることによって、余り赤字でないことを立証する、こういうような具体的な措置をとるか、それともう一つ、私、要請したいと思いますのは、いよいよきょう閣僚協議会が開かれるようになっておったのが延期されましたね。そして三月三日には閣議で決定をするという方向になっています。 これはなぜかということをいろいろ調査をしましたところが、総理の物すごく強い姿勢がそこにあるということが言われています。今度この法案をつくり上げたのに、これが全然履行できないということになれば、内閣の威信にかかわるということで大変な考え方のようであります。ということになれば、私は、何としても総理に、文部省だけの問題ではなくて、鈴木内閣における教育問題としてこれを据えていただいて、この点についてはこうあるべきだということを、大臣からも強く指摘をしていただきたいと思うのです。この二点についてお答えいただきたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 申すまでもなく、先般来、特に文部省としては、児童生徒の通学というふうな問題がございますと同時に、このことが、やはり文部関係だけではなく全般の国政にも大きな問題でございますので、強硬に申し入れを主張いたしておる次第でございます。
○中西(績)委員 総理にもやるわけですね。
○田中(龍)国務大臣 はい。
○中西(績)委員 では次に、女子教育の問題について質問を申し上げたいと思います。 まず、外務省にお聞きしますけれども、婦人の地位については「婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」として、八〇年七月、コペンハーゲン国際婦人十年の会議で署名をいたしました。その結果、国内でも批准に向けて動き始めておるわけでありますけれども、なぜ署名をしたのか、その理由について簡単にお答えいただきたいと思います。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 婦人差別撤廃条約は、先生御案内のとおり、婦人差別をなくし、婦人の人権及び基本的自由の享有を確保するということを基本的な目的といたしております。人権の尊重という問題につきましては、昭和二十三年に国際連合において世界人権が採択された以後、国際的にも非常に大きな、重要な課題になっているわけでございまして、人権尊重という分野において種々の国際協力が進められてきておりまして、婦人条約もそういう観点から作成されて、一昨年の十二月十八日に国連総会で採択されたわけでございまして、外務省としては、この婦人差別撤廃条約に加入することによりまして、わが国におきます婦人の権利、さらに婦人の地位の向上に一層寄与することができるであろうというような観点から、この婦人差別撤廃条約に加入するということを決めまして、先ほど先生御指摘のように、昨年、コペンハーゲンの世界大会で署名いたしたわけでございます。
○中西(績)委員 外務省の考え方はわかりましたけれども、そこで、この中身を見てみますと「この条約の締約国は、」から始まりまして、いろいろ示されています。特に「婦人に対する差別は、権利の平等の原則及び人間の尊厳の尊重の原則に違反するものであり、」云々と、ずっと述べられまして、途中のところを一つだけ、私は、問題指摘をする上で重要でありますので引いてみたいと思います。「国の完全な発展、世界の福祉及び平和の大義は、あらゆる分野において婦人が男子と同等の条件で最大限に参加することを必要としていることを確信し、従来十分に認められていなかった家族の福祉及び社会の発展に対する婦人の大きな貢献、母性の社会的重要性並びに家庭及び子の養育における両親の役割に留意し、また、出産における婦人の役割が差別の根拠となるべきではなく、かつ、子の養育には男女間及び社会全体における責任の分担が必要であることを認識し、社会及び家庭における男子の伝統的役割及び婦人の役割の変更が、男女間の完全な平等の達成に必要であることを認識し、婦人に対する差別の撤廃に関する宣言に掲げられている諸原則を実施すること並びにこのために婦人に対するあらゆる形態及び形象の差別を撤廃するために必要な措置をとることを決意して、次のとおり協定した。」、こうなっています。 そこで私は、これは大変重要なところですから、逐次確認をしたいと思いますけれども、特に第二条の問題として「差別を撤廃する政策を追求する」ためということで、二条に(a)と(b)がございます。もう読み上げることはやめますが、この(a)と(b)はどういう意味を持っているかということを簡単にお答えいただきたいと思います。
○関(栄)政府委員 この第二条の(a)と(b)は、この条約を実施する上での基本的な原則を定めたものでございまして、第二条の(a)項は、男女平等の原則が自国の憲法等に組み入れられていない場合には、これを立法化するということを締約国に義務づけているわけでございます。わが国の場合は、すでに憲法第十四条において性に基づく差別が禁止されておりますので、その点については問題ないわけでございます。 それから第二条(a)項は、婦人に対する差別を撤廃するため、婦人に対する差別を禁止する法的その他の措置をとることを定めているわけでございまして、現在、この点については、国内の諸法令を洗い出しまして、問題点を見定め、問題点がある場合には、国内法とこの条約とが整合性を欠く場合の措置につきまして、関係省庁と御協議申し上げているところでございます。
○中西(績)委員 いま言われましたように、法的な措置をとるようにということで各省庁に対しての働きかけをいたしておるようでありますから、次は第五条の(b)、この点はどうなっていますか。
○関(栄)政府委員 五条の(b)項は、児童の利益の重要性にかんがみまして、家庭教育での母性に対する適正な認識と、それから児童の養育に対する男女の共同責任についての理解を高めることを確保するように、政府、地方公共団体等が適当な措置をとることを義務づけているわけでございます。
○中西(績)委員 次が十条、教育の分野ですが、(b)と(c)を御説明いただきたいと思います。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 十条の(b)項と(c)項は、おおむね教育課程、学校施設等、教育の分野に関する事項でございまして、学校教育や教育課程、試験制度、その他施設、あらゆる面におきまして、婦人に対する差別を撤廃するために、締約国は適当な措置をとることを約束させられているわけでございます。(c)項におきましては、特に教育のすべての段階及びあらゆる形態におきまして、男性と女性の役割りにつきましての従来の伝統的な定型化された概念をなくしていくというために、男女共学等その他の適当な手段あるいは教育課程の改善によりまして、その目的を徐々に実現していくべきであることを約束しているわけでございます。
○中西(績)委員 あと雇用の問題がございますけれども一時間がちょっと足りないようでありますから、雇用の問題についても、やはり同じように男女それぞれ特性を認めて、性別で役割り分担をするということのないようにこの点は示しておるものと思いますし、この点をひとつ前提にしまして私は次の質問に入らせていただきたいと思います。 特にいま外務省の担当の方から説明がございましたように、この点については大体文部省おわかりになりましたか。
○三角政府委員 婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約については、私どもも承知しております。
○中西(績)委員 それを確認した上で、その次に入ります。 ところが実態は、まだまだ多くの問題を残しております。差別があるということを、私たちは確認せざるを得ません。たとえば私、ここでは就職の問題について、労働省にまず第一に数だけでいいですから簡単にお答えいただきたいと思うのですけれども、女性の就労者数とその分類ですね。それから二番目に、人口の半数いる女性のこの就労者数が少ない理由ですね。この点についてお答えください。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 まず、就業者の数とその分類でございますが、昭和五十四年現在で女性の就業者は全部で二千百四十二万人おります。自営業種が二百九十三万人、家族従業者が四百九十一万人、雇用者が千三百五十四万人でございます。 それから、いま先生お尋ねの男子につきましては、就業者が全部で三千三百九十四万人おりますが、そのうち雇用者が二千六百十七万人となっております。雇用者の中で女子の占める比率が三四・一%でございます。御指摘のように女子雇用者が男子に比べて数は少なく、比率も当然少なくなっているわけでございますが、これにつきましては、その主たる理由は、女子は労働力率が男子に比べて低いということと、先ほど申し上げました家族従業者の数が男子に比べてかなり大きくなっております。ちなみに男子の場合には、家族従業者は百十二万人ということになっております。 以上が主な理由だというふうに私ども考えております。
○中西(績)委員 もう一つお聞かせいただきたいと思いますのは、賃金の問題であります。 賃金は、私が住んでおる福岡におきましては、もう大変に低くて、ここで申し上げることが恥ずかしいくらいの低さであります。 そこで、なぜそのような実態が出ておるかといいますと、やはりパートが非常に多いということで、全国の最低賃金に大体相当する額でしかありません。 そこで、私がお聞きしたいのは、まず一つは、全国平均賃金と男女差について、これが一つです。それから二つ目に、労働の内容に質的なものも含めまして差があり、経験年数が短い、こういう問題があるのではないかと思っていますが、この点についてお答えいただきたいと思います。
○佐藤説明員 まず、賃金の方でございますが、現金給与総額で比較いたしました場合に、一月当たりの総額は男子の場合は二十八万九千五十二円でございます。女子の場合には十五万八千八百二十五円でございます。男子を一〇〇といたしました女子の比率は五四・九%というふうになっているわけでございます。 いま先生おっしゃいました、どうしてこういう賃金格差が生じておるのかということでございますが、いま御指摘ございましたように、まず一番大きな原因は、男子と女子で就業分野にかなり違いがあるのではないか。やはり女子の場合には、一般的に申しまして、どちらかというと単純な業務あるいは補助的な業務というようなところについている労働者の割合が高くなっているということがございます。 それから、やはり日本の特殊な慣行といたしまして、終身雇用制がかなり広く行われておりまして、年功序列賃金制度を採用しているところが多いわけでございまして、いま先生おっしゃいましたように、勤続年数が女子の場合には平均いたしますと短くなっておりますので、賃金において勤続年数というものは非常に大きいわけでございますので、そういう点も影響していると思います。 それからもう一つは、男女間の学歴構成が違っておりまして、最近は上級学校への進学率が男女ともそれほど差がなくなってまいりましたけれども、全体的に見ました場合には、まだまだ高学歴の就業者の中での女子の比率はわりあいに低くなっているということでございまして一たとえば高等教育終了者で申しますと、五十四年で男子の場合には二四・三%となっておりますが、女子の場合は一六・七%というようになっているわけでございます。 それから、男女の労働時間も違っているわけでございまして、法制上女子の場合には時間外労働、深夜業、休日労働等の制約があるせいもございますけれども、月間総実労働時間で見ました場合に、かなりの差があるというようなことが原因になっているというふうに考えております。
○中西(績)委員 いま私は、就労者の問題と賃金問題の二つだけに詰めて質問いたしましたけれども、いまの答弁を聞いておりますと、やはり依然としてこういう面でも女性が低い位置に置かれているということは明らかであります。 そこで、非常に問題になっている面が一つございます。先ほど外務省の方が説明されたことと、それから、いまお答えいただいたこととをあわせてお考えいただきたいと思うのは、婦人教師の場合に置かれているいろんな多くの問題があるわけですね。そこには差別があると私は思うのです。時間の関係で、婦人教師というごく限られた者にしぼってお聞きしますので、見解をお示しいただきたいと思います。 まず第一は、共働き婦人の場合に、男性の方は一定の年齢まではよろしいけれども、共働きだから早くやめろと言って出ておる年齢を制限して、婦人だけがその制限に遭っている。これは私が調査したところでは十数件あるわけですね。それから今度は共働きで、男性の方が管理職になる際に、その交換として退職を強要される場合があります。これも五、六件に上ります。それから、さらに同じこのような管理職をということでもって、交換条件として組合を脱退せよという働きかけがあります。 それから四番目に、男女差別、これはもう最たるものとしてありますけれども、退職勧奨をやる場合に、男女によって全然年齢が違うわけですね。たとえば男性が五十九歳の場合、女性は五十四歳だとか五十五歳だとかから始まっていく。これは私が知っておるところでも四件ありますね。 それからもう一つ、これひどいのですが、管理職になることを条件にして退職せよと迫っても退職をしない、管理職になった、そのときには報復人事が行われて、家族と別居させられたり、夫婦が別居するという事態、遠距離ですね、こういうところに配置をされるというところあたりがいろいろあります。 こうした事態を考えますと、これは大変なことでありますが、この点について労働省はどうお考えですか。
○佐藤説明員 一部の地方公共団体におきまして、教員の勧奨退職年齢に男女差のあること等、若干の取り扱いの差があることは承知しているわけでございます。このような状況は、男女平等の原則からも好ましいものではないというものもあるかと思いますが、やはり地方公共団体は、労務管理面におきましても民間の範となることが望ましいと思いますので、労働省といたしましては、そうした制度、慣行が改善されますように、今後とも、関係省庁と連絡をとってまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 そこで、文部省にお聞きしますけれども、条約に示されておる幾つかの例を項目として挙げながら、私は、外務省からその見解をお聞きしました。ところが、それに対しては、初中局長は十分承知をしておる――そしていま、こうして出ておるいろんな問題等については、文部省はこの実態をどうお考えになっておるのか。労働省と同じですか。
○三角政府委員 いろいろお取り上げになりましたわけでございますが、いずれも地方公共団体におきます教職員に対する人事の扱いの問題でございます。 まず、勧奨退職ということでございますが、これは私から申し上げるのもなんでございますが、勧奨により本人の同意のもとに退職をしていただくという制度でございます。この場合には、通常退職金の割り増しというようなこともあわせて行われるという人事の上の仕組みでございます。 お取り上げになりましたまず一つである、夫である教員が管理職に就任しましたときに、妻である教員が退職させられたり、あるいは組合を脱退するように強要されるというお話につきましては、私どもは、具体的事例については承知をしておりません。そういうような場合に、妻たる教職員が退職するかどうか、また組合を脱退するかどうかは、当該夫が管理職に就任するか否かに関係なく、本人である当該女子教員の自主的判断によるべきものであるというふうに考えます。 それから、退職勧奨年齢の差につきましては、昭和五十六年一月末において、男女間に退職勧奨年齢の差を設けておりますのは、小中学校教員においては十件、県立学校においては九件となっております。これは以前は、たとえば昭和四十三年度について見ますと二十件ということでございましたから、半分くらいのところで、まだこういうことが行われているという状況の推移がございます。 文部省といたしましては、公立学校の教職員の退職勧奨年齢につきまして、単に女子であるということだけを理由に男子と差を設けることは適当でないと考えておりますが、それぞれの公共団体の任命権者が、当該の自治体の事情に応じまして、教職員の定数の状況、あるいはこれは個人の事情になりますが、退職後の生活等の諸要素を総合的に勘案いたしまして決定しているところでございまして、そういう人事の結果として男女に差が出てきたということではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから、先ほど御指摘になりました……(中西(績)委員「時間がないからもう答弁はよろしいです」と呼ぶ)
○三ツ林委員長 答弁は簡明にお願いします。
○三角政府委員 報復人事の件でございますが、これについても、私どもは、具体的な事例については承知しておりません。ただ、もしそういうようなことがあれば、それは指導助言をいたしたいと存じますが、私どもの見るところ、いろいろな意味で勤務地等が移る場合がございますが、全体の人事のぐあいを見まする場合には、やはり教育委員会は教員の指導力の強化と学校教育の水準の向上を期するという観点から、それぞれの教育委員会の人事異動方針に基づいて人事を行ってきておるというふうに理解しておる次第でございます。
○中西(績)委員 私の質問に対して焦点を合わしてくださいよ。たとえば勧奨の問題で五十五歳でやめようが――その場合の、最初に答えた答弁などというものは、これはもう実にけしからぬですよ、ああいうことを言っているのは。むちゃくちゃなことを言っているんですよ。そういうことを自覚もせぬで、こうして長々と答えられるということになると、本当にこの委員会を侮辱してますよ。これはけしからぬです。(「自覚してやっているんだ」「意識的にやっている」と呼ぶ者あり)だから、この点は実にもうけしからぬと思うのです。 いま私が指摘をしましたこういう問題、一点だけ、たとえば退職勧奨、最後になって言いましたけれども、小中学校における十件と高等学校における九件、これが女子ということでやっておるならば問題だという言い方ですね。婦人教師というのは女子じゃないですか。おかしいんだよもう、実に。こういうところに、文部省の差別というのが依然として厳存をしておるということが象徴的なんだ、これは。こんなばかげたことがあるんですから、もう聞きません。(笑声) 次に、公立高校における男子校と女子校、いまは男子校が約四百校と言われ、女子校が四百校と言われています。これを見ますと、千葉あたりでいろいろ問題が出ていますよね。その討論の過程、いろいろ調べてみますと、これまた男女差別から生じておると私は言わざるを得ぬ。 もう時間がありませんから言いませんけれども、このように男子校、女子校が公立高校の中でなおかつ四百校ずつ現存しておるという事実、男女共学をどうして文部省は指導しないのか、この点……。
○三ツ林委員長 答弁は正確に、簡潔にお願いいたします。
○三角政府委員 そのように努めておるつもりでございますが、なお一層注意をいたしてお答えいたしたいと存じます。 ただいま御指摘のございました公立学校における男子校、女子校の問題でございますが、現状では、公立学校では男女共学校は総数の九〇・六%、こういうことになってございます。 先ほど条約についていろいろと御質疑があったわけでございますが、私どもも、憲法、教育基本法の原則に基づきまして、教育上性別による差別があってはならないということで、男女は互いに協調し、協力し合わなければならないものであって、教育上男女の共学は尊重されるべきものである、こういう考え方に基本的には立ってございます。しかし、このことは生徒の発達段階に即しまして、男女のそれぞれの特性等に応じた教育が行われることを一律に否定するというものではなくて、男女の共学、別学につきましては、地域の実情や学校の特色、伝統等に応じて適切に実施されるべきものと考えておりまして、その結果、冒頭御説明申し上げましたように、九〇・六%というものが男女共学校ということで設置、運営されておるということになっておるわけでございます。
○中西(績)委員 いまの答弁を聞いていますと、先ほど出ました条約の中身を、先ほどは十分承知をしておるということだったけれども、承知はしていませんね。あくまでも女性なり男性なりの特性云々ということを依然として言い続けておるということはもう大変なことです。この点、外務省はどうでしょう。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 現在、文部省ともそのような点につきまして鋭意意見のすり合わせをやっている最中でございまして、まだ結論を得るに至っておりません。
○中西(績)委員 問題は、批准をする意思があるのですか。
○関(栄)政府委員 外務省といたしましては、一九八五年に第三回の婦人世界大会が行われることになっておりますが、それまでの五年の間に、なるべく早い機会に批准いたしたいということで、現在各省庁と御協議申し上げておりまして、外務大臣からも予算委員会におきまして、一昨日でございましたか、その点ははっきり御答弁申し上げております。
○中西(績)委員 批准をする意思があれば、その特性等について一定の見解を持たなくてはならぬと思いますね。そうしなければ、これを認める以上、批准をしようにも批准をすることができなくなるわけです。ですから、この点が一番問題になってくると私は思います。特性を言うなら、いつまでたっても批准はできませんからね。だから、いま言った文部省が持っておるような偏見、いわゆる特性というものをいつまでも持ち続けるということであれば絶対にできないということです。すり合わせようたって、特性を認めていてどうしてすり合わせができますか。外務省、どうですか。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 この婦人差別撤廃条約の各条項の解釈、それから国内現行法との関係、さらに新規立法を必要とするかどうか、それから婦人差別とは基本的にどういう概念であるかとかいろいろ現在詰めておりまして、文部省とも、ただいま先生御指摘の点を含めまして鋭意意見の調整をやっているところでございまして、まだ結論を得ておりません。
○中西(績)委員 一定の期間、五年後ということでありましたけれども、これは先ほどから私が主張するように、特性というものを認めれば、これはどうすり合わせをしようたって、調整をしようたってできないことです。その特性というものをどう理解をしているかというのが大変問題であります。 そこで私は、教育制度の問題について一、二質問をしたいと思います。これをすると、なお明らかになってまいりますからね。 第一に、高校における家庭一般、女子の場合には四単位必修であります。そうしますと、体育の単位とのかかわりをもう一つ見ていきますと、全日制の普通科の場合は女子が七単位で男子が十一単位です。そして「十一単位を下らないように」としていますね。定時制だとか職業高校においては七ないし九単位、これは差がありません。これはいろいろ文部省はいままで説明をしていますよね。たとえば職業局校なんかの場合には女の子の数が少ないからとか、少なければその差をつくらなくて、多ければこの差をつけるというような、こういう便宜的な言葉を使っていますよ。これは文部省自身がいろいろな機会に説明をした中で明らかになっています。初中局長が宮地さんの時分の七〇年代、あるいはその後の七六年に教育課程審議会の答申で具体化されるということで、七一年に中央教育審議会とかいろいろなところで論議されている中身の中にそういう部類のものが入っています。 外務省、この点はどうでしょう。いま言うような事態があります。そうしますと、こういうことはいつまでも取り去ることはできないのですよ。そうすると、このすり合わせるとかいろいろなことは具体的にはできないのです、いつまでもこれを認めてやるわけですから。その点どうですか。
○関(栄)政府委員 同じようなことを繰り返すようで、まことに申しわけございませんが、文部省との間で、いろいろな現在の日本の教育の実態で、果たしてこの条約に入った場合にどの点で調整を要するのか、あるいは新規立法を必要とするのか等いろいろ御協議申し上げておりまして、先生が御指摘の点を含めましてまだ結論を得ていない点が多々ございます。鋭意、文部省との間で御相談させていただきたいと思っております。
○中西(績)委員 それでは、もう一つだけ例を申し上げましょう。これは文部省に聞きます。中学校の技術・家庭科では、教育課程の基準を改善する際に指定領域が明記されています。これは私は大変不平等だと思うわけです。「男子向き」にどうだとか「女子向き」にどうだというような言葉すらもまだ依然として残っています。これを見ますと、男子の場合には領域がAからEまで、そして一つだけ別のものを採択してよろしいということになっています。そのAからEというのは「木材加工」が二つありまして、「金属加工」が二つ、それから「機械」が二つ、「電気」が二つ、「栽培」が一つ、この中から五つだけ選んで、そして女子に領域指定をしているものの中から一つを選べ、こうなっている。 それから、女子の方の指定はFからIまでありまして、「被服」が三つ、「食物」が三つ、「住居」が一つ、「保育」が一つ、この中から五つだけを選んで、ですから、結局八つの中から五つ選んで、男子の方の領域から一つだけ選ぶという形式になっています。このことを見ますと、依然としてこの中には男女の性別による役割り分担、そのことを前提にしたこうした領域指定、結局、定型化されていく可能性が非常に強いわけですね。この点については、どのようにお考えになっていますか。
○三角政府委員 私どもとしては、男女の差別の問題と必ず男女が同じ学校で勉強しなければいけないという問題とは直結をしておらないのではないかというふうに考えておる次第でございます。 それで、先ほど来中西委員から御指摘のありました高等学校の家庭科の履修の問題、それから、ただいまの中学校の技術・家庭科におきます男子生徒と女子生徒の履修の仕方についての御見解、おっしゃることの意味は理解できるつもりでございますが、私どもといたしましては、このことは別段男女について、ただいま御指摘の定型的な観念を、これによって推し進めようとか、あるいはこれによって男女の差別を助長していこうとか、そういう見地に立って今回の教育課程の制定をしたわけではございません。そして、これは男女ともに差別のない教育を、基本的にはそういう教育をしつつも、やはりそこに必要な教育的配慮を加えていこう、こういうことでございまして、先ほど特性と申し上げましたのも、これは男女がどうしても異なるところがあるのでありまして、条約上に言っているものと、また条約上の事柄とは別に考えましても、条約を根っこに考えましても、男女は異なるわけでございます。一気に人間全部がおとこ女かおんな男みたいなものになるわけにはまいらない、やはり教育というものは、そういったことを前提に全体の制度なり仕組みなりを考えてまいるべきものであるというふうに考えておるのでございます。
○中西(績)委員 大変問題のある発言が連続してくるわけですね。 外務省にお聞きしますけれども、先ほどおたくの方は、まだまだそういう点についての十分な検討がされておらないということを言いましたけれども、女子だけどうして高等学校で四単位を必修させるのですか、家庭一般を必修させているのですか。そして片一方、男子だけ体力つくりをしなければならぬからということを理由にして、女子の場合七単位ですから、十一単位といえば四単位だけ上積みしてやらせる。ほかのところでは、女子の数が少ないから必要ないと言って七から九、こういうことを便宜的にやること自体が――多かろうと少なかろうと、本当にやるのだったらしなければならぬと思うんですね。そこはきわめて便宜的なんです。このようにしておとこ女かわからぬ、おんな男かわからぬようなものをつくったりというようなことを平気で言うような発言がいま出てくるように、中学校においてはこういうことがもう歴然と分けられているのです。じゃ、どうして女性が機械なり金属なり木材加工なり電気なりを履修してはいけないのですか。このことをもってすれば、大体おわかりになるのじゃないですか。 いま言われている文部省の問題点がどこら辺にあるかということがおわかりでしょう、外務省、答弁。
○関(栄)政府委員 日本政府が締結いたします国際条約の解釈につきましては、外務省条約局が主管でございますが、外務省としましては、先生が先ほど来いろいろ御指摘の点につきましては、外務省としての見解はございます。しかし、これは政府の統一見解でございませんので、何遍も繰り返して申しわけございませんけれども、各省庁と、文部省を含め、現在、そういう問題点につきまして、政府の統一見解を出して、なるべく早く批准に持ち込もうということで外務省としては努力いたしておるわけでございます。
○中西(績)委員 それで私は、先ほどこの条約の中身、そして、これを批准はするのかと言ったら、するのだということで二条の(a)、(b)、そして五条の(b)、さらに十条の(B)、(c)というのをわざわざ挙げて言ったのは、これを全部総括的にあわせ考えたら、いまのみたいな文部省の言うようなことは出てくるわけがないのです、常識的に考えれば。それで私は、きょう外務省にわざわざおいでいただいた。でなければ文部省だけで結構なんです。ところが、それがないということを、私は、大体いままでの答弁なりいろいろなことから察知ができますので、きょうおいでいただいた。さらに、また労働省にもおいでいただいて、実態として出ておる問題について、先ほど答弁がございましたように、いろいろ問題のあることを指摘しましても、十分な答弁になって返ってきません。そういうことを考えて、私は、こういう点を指摘しているわけです。 大臣、どうでしょう。いま私は、初中局長あるいは外務省といろいろ討論をしてまいりましたけれども、いままで申し上げた点からいたしまして、この条約とのかかわりでいま文部省がとっておるかたくなな姿勢というのは、たとえば教育制度の問題、カリキュラムの問題等についてどうお考えでしょう。十分中身をおわかりいただければなおいいのですけれども、いままで論議した中身についてどうでしょう。
○三角政府委員 大臣から申されると思いますが、ただいま……
○中西(績)委員 それなら要らぬ、やめてください。 大臣から申されると思いますがと言うなら要りませんから、大臣からお答えしてください。私、大臣を指名している。初中局長を指名しているのじゃありませんから。それは後にしてください。
○田中(龍)国務大臣 男女平等の問題、国連の方針等よく存じておりますが、実際の具体的な学校行政等の適用の問題につきましては、原則というものと実態の問題とは、いろいろそこには差の出てくることは当然でございます。精神においては全くそのとおりでございますが、具体の問題になりますと、応用の点では若干の相違のあることもやむを得ないと存じます。
○三角政府委員 やはり子供の心身の発達段階に応じまして、子供が成長いたしますに応じまして、その能力の部面あるいは適性あるいは将来の進路に対する希望、そういったものが次第次第に分化してくるということは事実でございます。したがいまして、中学校でございますとか高等学校の段階に応じて教育としてはそれぞれ必要な配慮を加えていくということで、これを男女の差別をするということではなくて、男なら男の間同士でもそういう分化の状況に応じて配慮が必要である、こういうふうに思っておりまして、先ほど御指摘の中学校の技術・家庭科の問題につきましても、これはそういった観点に立ちました上で、しかも、いわば相互乗り入れ的な仕組みを新しく設けましたのは、男女相互の理解と協力をより一層深めていくのに役立たせようというようなことも基本的に考慮して行ったものでございます。 私どもは、このようにいわば家庭科に関する科目の男女による取り扱い上に若干の差異があるわけでございますが、これも先ほど来外務省からお答えがございましたように、外務省とも十分協議を詰めてまいりたいと思っております。 私どもは、この程度の取り扱い上の差異は条約上許容されるものというふうに考えておりますが、さらに諸外国の事情あるいは諸外国の本条約署名後の対応ぶり等を調査するなどいたしまして、なお検討していくべきものであるというふうに考えておるのでございます。
○中西(績)委員 もう時間がありませんから、反論する時間が余りありませんけれども、いま初中局長が言いましたように、指定領域というものを一々指定して、男子はこれをしなければならぬ、女子はこれをしなければならぬ、乗り入れをしてと言うけれども、どこで乗り入れられますか、たった一つじゃないですか。これが乗り入れですか。少なくとも生徒の側から自由な選択ができて、自分はその中で求めたいというこのことを自主的に伸ばしていくというのが教育なんですよ。いまの文部省の考え方というのは、まさに押しつけ教育でしょう。だから問題がある。しかも、これならば許容範囲に入るだろうなんと言って自分勝手な判断をしてそういうことをやっているのです。 だから、私は少なくとも、まじめに、まともにこの条約の本旨というものを、すべてこの中に示されています、一つだけではありません、その幾つかのものを重ね合わせて考えでいくならば、そうすることが許されるかどうかということが言えなければ、外務省にやる意思がないということを私はここで断言しますよ。確認しますよ、いいですか、外務省。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 先ほど文部省の所管局長からお話のありました点につきましては、外務省としましては、まだ意見が調整されていない分野の問題の一つであるというふうに考えておりまして、その点は外務省の立場を記録にとどめさせておいていただきたいと思います。
○中西(績)委員 そうすると、これはまだ十分な討論をしていないし、これからだということですか。その辺確認しますが、よろしいですか。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 現在、文部省とその点につきまして意見の交換をやっておるところでございまして、私どもといたしましては、まだ十分意見の調整がついているとは思っておりません。
○中西(績)委員 批准をするという態度はあるわけでありますから、この点は早急に調整をするならする、しかし、先ほどからのように、一つの既成概念をつくってやられるということになると、大変なことですから、ひとつ注意をして、文部省並びに外務省で調整をしてください。 時間がありませんから、もう一点だけ、先般問題になっておりました教科書問題です。これは一つは、中教出版から出ている高等学校の「家族一般」の中で「家族周期-ある夫婦の結婚から老後まで」ということで出ていますが、これを見ますと、従来のあれと全く違いありませんね。全然動きありません。なぜかと申しますと、依然として男子は外に出て働き、女子は家の中にいて家を守るというそれのみしかこれは示しておりません。それから、これは中学の技術・家庭科の下巻の表紙の開きのところにございますけれども、これを見ますと「主婦の生活時間」というのが出ておりまして、これは外に出て働くというのは全然ないのです。ですから、これでは職業婦人になるというあれにはとうてい及びもつかぬような中身になっています。というように挙げてまいりますと、まだほかにもたくさんあります。この同じ中学の技術・家庭科の上巻を見ますと、これは開隆堂ですけれども、「作業と被服」というのがありまして、全部出ている絵が固定しているわけですね。 こういうものを見てまいりますと、たくさんの問題があります。ですから、こういうことからいたしますと、先ほどから私が指摘をしております一つの定型的なものをつくり上げようということにつながっていくわけであります。確かにことし調べてみますと、昨年、一昨年に比べると、ちょうど書きかえの時期でありますから、内容的には相当違いがあります。従前の本にはこれがずいぶんあったわけですね。しかし、確かに少なくはなっておりますけれども、依然としてこうした最もわかりやすく図式化しているものがそういうようになっています。 さらに、また小学校一年の社会科の大阪書籍なんかの場合には、これは教科書ではないのですが、教師用のものを見てみますと、これもまたすべて婦人の職業というのはパートばかりです。そうとしか理解できないようなものが図式化されています。 こういうことをずっと挙げてまいりますと、たくさんの問題があるわけであります。先ほど私が指摘をしましたこの領域の問題あるいは制度的な問題と内容的な問題、教科内容、なかんずく教科書の問題を見てまいりますと、時間がありませんから、一つずつを指摘することはできませんでしたけれども、幾つも問題があります。 この点を踏まえて大臣、これからどのように処していくつもりなのか、特に制度の問題とこうした教科書、教育内容の問題について、批准をしようとする場合にどういう態度をお持ちですか。早くやるつもりですか、それとも五年いっぱいだから、ゆっくりやろうというお気持ちですか、どっちですか。
○田中(龍)国務大臣 教育をお預かりいたす者といたしまして、先生の御指摘の本外交問題に当たりましては、日本国といたしまして批准の方向にあることは当然でございます。総論におきましては賛成をいたしますとしても、具体の問題に対しましては個々に話を詰めてまいらなくてはならない。そのための必要な時間は、当然、外務省あるいは関係各省との間にすり合わせをいたしてまいらなくてはならない、かように考えております。
○中西(績)委員 最後になりますけれども、目標を大体どの程度に置いてその作業を――これはゆっくりやれば、五年間くらいということが先ほどもちょっと出ましたから、そんなに悠長に構えておれる問題なのかどうか、外務省の方、先にちょっとお答えください。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 具体的にいつまでということは申し上げられませんので、なるべく早く、五年以内にということで、外務省としては今後とも努力してまいりたいと思っております。
○中西(績)委員 文部省の方はどうなんですか。なるべく早くですか。 外務省、五年以内ということは、なるべく早くのうちには入らぬですよ。五年といったら早いうちではないですよ。計画を立てるときでも、五年というのは中期ですよ。短期じゃありませんよ。その点だけはちゃんとしていなければだめですよ。
○関(栄)政府委員 お答え申し上げます。 私の舌足らずだったかと思いますが、五年以内のなるべく早い時期にということでございます。何も五年まで待つということでは決してございません。外務省といたしましては、五年以内の期間でなるべく早い時期に批准いたしたいと思って、現在、各省庁と協議を進めている段階でございます。
○中西(績)委員 最後です。 大臣、いま指摘をしましたように、幾つもの教科書の問題につきましても、あるいは制度上の問題にしましても、多くの問題があるということはお気づきいただけたと思います。したがって、いま外務省が答弁されましたように、早い時期にこの点はぜひ実施できるように、しかも、この内容をこうした方向に持っていかれないようにしていただきたいということであります。 それから、一点目に申し上げました私大の問題については、新聞にちょっと出ておりますように、きょう一定の方針を出したようでありますから、この点については、早急に、この次の機会にでも私たちに御答弁できるようにしていただきたいと思います。 それから、二点目の問題は、ぜひ総理大臣まで含めて教育が過疎地域ではなくなるということをぜひとめていただく、この点について御努力いただきますよう、その決意についてお伺いいたします。
○田中(龍)国務大臣 さようにいたします。
○三ツ林委員 長和田耕作君。
○和田(耕)委員 きょう三時過ぎに、いままでずいぶんいろいろと問題になりました中野区の教育委員の準公選の結論が出たようであります。投票率は、予想よりもはるかに上回りまして、四三%ちょっと足らずの投票率でありまして、そして最高当選は三万三千五百という、ちょっとこれは衆議院並みの得票でありますけれども、それ以下三人の当選者が確定しまして、三位と四位との間がわずか十八票というきわどい勝負であったようであります。しかも、この三位と四位との差というのが非常に大事な意味を持っておりまして、現在中野区では一人の女の教育委員がおりまして、そしていまの、今度当選をされたのは女の候補者が一人、そしてまた十八票差で落選をした女の人がおるわけです。もしこの十八票差で落選した女の人が当選をしておりますと、女の人が三人ということになるわけで、いろいろバランス上の問題も出てくるということもあって注目されたようでありますけれども、それはそれとしまして、大臣、文部省は、中野準公選の問題は法律違反だという判断を早くから下しておりましたね、この法律違反だという判断は、中野区議会の中にも有力にありまして、そして、いろいろ経過を経まして、結局、郵便投票というかっこうで、区長は、文字通りにこれを参考にするのだということで話し合いがついた結果、この選挙になったわけであります。 こういうふうな相当の投票率をもって終わりました中野の準公選の問題について、文部大臣は、従来どおりこれは違法である、認められないというふうにお考えになるのかどうか、そのことからお伺いをしたい。 〔委員長退席、中村(喜)委員長代理着席〕
○田中(龍)国務大臣 文部省といたしましては、このたびのいわゆる準公選実施の基礎となっております条例が法律に違反する内容のものであり、かつ教育行政の政治的な中立性の点におきましても問題があるものであるとかねてからはっきりと申し上げておったところでございます。このことは、今回の区民投票の実施や投票率の動向によりまして変わるものではございません。文部省としては、法治主義のルールにかんがみまして、準公選条例が廃止されなければならないと考えておる次第でございます。
○和田(耕)委員 自治省は、監督官庁として、いま大臣のおっしゃるような違法ということが現に国民の前で堂々と行われておるということに対して、文部省と同じような見解をおとりになりますか、その点をお伺いしておきます。
○田中説明員 お答え申し上げます。 一般に地方公共団体は、御承知のとおり、法令に違反しない限りにおいて地方公共団体の事務に関して条例を制定することができるということでございますが、具体的にどこまで条例で定め得るかという点につきましては、個別の関係法令との抵触関係の有無が検討されなければならないわけでございます。 本件の条例につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の主管省でございます文部省におきまして、違法であるという見解がすでに明らかにされてきたところでございまして、このような法律の主管省において違法という見解が示されたような場合には、その条例の制定公布に当たっては特に慎重を期する必要があったものだと考えている次第でございます。 〔中村(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
○和田(耕)委員 これは違法であるという判断を監督官庁は持っておられる。しかし、それを押して中野区が準公選をやった。予想以上に国民の関心を集めたというこの事実でありますけれども、この違法であるという状態、しからば文部省、自治省、監督官庁としてどのようにこれに対して今後対処していかれるおつもりであるのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○三角政府委員 この問題につきましては、地方公共団体の長の権限事項に対して条例を制定する形で議会側が踏み込んだ、そういうような形になっておるわけでございます。したがいまして、違法な条例が議決されたというところに根本的な問題があると思っておりますが、議会というところがやりました事柄でございますので、行政的なこれに対する有効な手だてがなかなかとりにくいという、これは正直に申しますと非常に困った状況が現実に起きた、こういうことでございます。 それから一方、個々の教育委員なりあるいは教育委員会というものは、本件のこの経緯には直接はかかわっていない、こういう状況もあるわけでございます。 今後の問題でございますが、私どもといたしましては、諸般の状況の推移、それから議会と、いま申しました執行機関との関係を踏まえまして、先ほど大臣も申し上げましたように、この条例自体が廃止されるということが必要である、こう思っておりますが、さらに状況によりまして、必要に応じて適切な対処を考えてまいりたい、そういうふうに思っております。
○和田(耕)委員 自治省からも……。
○田中説明員 お答え申し上げます。 自治省といたしましては、今後とも、主管省たる文部省におきまして必要に応じて適切な指導が行われるものと考えておりまして、自治省自身が本件に関し特別な指導を行う考えはございません。
○和田(耕)委員 これはたとえば教育の内容についていろいろ、あるいは教育委員会なり、あるいは学校で行われていると言われる現在の校内暴力がどうのこうのという問題と違いまして、日本の教育の基本組織について法律違反という問題がある場合に、これがペンディングのような状態ではどういう意味からでもいろいろ問題が出てくると思うのですけれども、これは行政裁判とかいろいろな裁判のような形で解決するというような心構えはないのですか。
○三角政府委員 このような事案に対して国のレベルの政府側が裁判という手だてをとるということは、非常にむずかしいと申しますか、困難ではないかというふうに判断しております。
○和田(耕)委員 いずれにしましても、これは内容的に見ても非常に大事な問題でありますから、世論の動向の問題もあると思いますし、また、かつて公選をされておったという歴史的な事実もあり、この公選がいろいろと問題の現象を起こしてきたということがあり、この中野の選挙の内容についてまだ詳しくは検討しておりませんが、今後いろいろと意見が出てくると思います。これは投票日数が二週間という長い期間ありまして、その間マスコミがかなり大きく報道するということもあり、最後の三日くらいで年賀状のようにどさっと入ってきたという投票の行動もあるようでありますけれども、投票の内容については今後いろいろ論議されると思いますが、監督官庁とその下の教育の基本組織との関係の問題もあり、今後のこの問題についての世論の動向もいろいろあり、これはいいかげんな形でうやむやのうちに過ごしていくという態度はいけないと私は思っております。また、この準公選を次第に公選の方に持っていこうというような有力な勢力も背後にあるわけでありまして、こういう問題について、はっきりした姿勢を出していく、私は、どちらが正しいとか間違っておるとかということは、ここでは申し上げるつもりはありませんが、いずれにしても、うやむやにしておく問題ではないということは、監督官庁としては心にとめておいていただきたいと思っております。 続きまして、校内暴力の問題で、この前の文教委員会で、私、時間の勘定がちょっと違っておりまして、残った問題が幾つかありますから、それについて御質問をしたいと思います。 ちょうどそのことと関連をして、きょうの産経新聞を読んでおりますと、校内暴力の問題について総理府が親になって現場の先生を呼んで公聴会的な形をしていくという記事があったのですけれども、これは事実でしょうか。文部省として把握しておるところでいいのですけれども、お答えをいただきたい。
○三角政府委員 私、詳しくは聞いておりませんが、総理大臣から、青少年問題審議会に今回の校内暴力をも含めた非行の防止について検討をお願いしたと申しますか、諮問をされました関係で、その審議会におきまして、いろいろな関係者からヒヤリングをすると申しますか意見聴取をする、こういうことの一環ではないかと担当課長は申しております。
○和田(耕)委員 私は、この前の御質問で、最後に提案があるということを初めに申し上げておったのですが、その提案というのは、これは文部省だけで片づく問題ではないし、警察の方の関係もあり、あるいは総理府もあり、あるいは労働省もあり、厚生省もあるという行政の全域にわたる広がりを持った問題ですから、文部省が主宰をして関係の各省と一緒にこれの対策を図るべきだということを申し上げようと思っておったのです。校内暴力の問題であるし、この問題は、日本の戦後の教育という問題、非常にいい面もあれば非常に問題点もある日本の教育という問題について大きな示唆を与えておる問題でもあるわけですね。こういう問題について文部省でなくて総理府が主宰をして、しかも、校内暴力について学校の現場の先生を呼んで云々ということは、これは文部省としては、かなえの軽重を問われる問題じゃないかという感じがするのですけれども、大臣、いかがでしょう。
○田中(龍)国務大臣 御案内のとおりに、私が総務長官のときに総理府に青少年対策本部というものをつくりました。自来、青少年問題というものは、一文部省だけ、学校行政だけといったような問題ではございません。非常に広い視野、ことに非行青少年といったようなものがありますと、治安関係の面におきましても、あるいはまた、その他ただいま御指摘のように各般にわたります問題で、全体の総合調整を任といたしております総理府が、その間のまとめ役として青少年問題をお扱いになることは結構であろうと私は思うのでありまして、この問題は、義務教育の関係が深いから文部省がやらなければならない問題である、私は、決してかようにも思っておりません。総理府の青少年対策本部で全体の総合調整をなされ、また今後の施策につきましても、全力を挙げて文部省も御協力を申し上げる、こういうことでよろしいと思います。
○和田(耕)委員 これは文部省とか総理府とかいうなわ張り争い的なものというふうに見るのは小さなことでありまして、私の申し上げるのは、そういうことじゃないのです。これは委員会の問題でもそうだと思いますけれども、また、よく文教委員会が中心でこの問題の集中審議をやった、関係のところに来てもらった。ほかの教育に関するいろいろな小さな問題であれば別なんですが、この問題は、日本の教育プロ。八一の問題なんですね。青少年の非行という大きな面の中に入ることは入ると思いますけれども、しかし、学校教育というプロパーの問題を文部省としてやる前に、他のところがこれを主宰するということは、問題をすりかえてくるというおそれが十分だと私は思います。 大臣、あなたは、余りなわ張り意識がない方の人だけれども、一番大事な問題については、もっと文部大臣が中心に自分でやるのだという責任感が必要だと私は思うのです。いいことを総理府がやれば、それはいいじゃないかというようなことではなくて、この問題については、文部省としてもっと力を入れてやらなければならない、そういう感じがするのですけれども、いかがでしょう。
○三角政府委員 私、和田委員のただいまのお話を承っておりまして、御意見は大変ごもっともでありますし、そういう心構えで文部省はやっていかなければいけないと思っております。 ただ今回、この青少年問題審議会がこの問題を取り上げるということにつきましては、校内暴力というのは非常に検討を深めていかなければならない問題でございますけれども、あわせて家庭内暴力でございますとか、あるいは社会のいろいろな諸事象が児童生徒に与えておる影響のぐあいでございますとか、広く学校教育のみならず、治安関係でございますとか、あるいは福祉関係でございますとか、あるいは法務省の関係でございますとか、そういったいろいろな角度からの総合的な検討を、たまたま総理府には青少年健全育成という見地からこういう審議会が設けられておりますので、そこでお取り上げいただいたわけでございまして、私ども文部省も、ただいまのお話のように校内暴力、それから非行にいたしましても最も力を入れて対処していかなければならない立場にあるものでございますので、この審議会におけるいろいろな御審議、御検討には、私どもも、積極的に総理府の方と協力しまして、これに参与すると申しますか、入って協力をしてまいりたいというふうに考えております。 なお、教育というプロパーの立場でいろいろなことが必要であろうことと存じますが、その点については、なお検討してみたいと思っております。
○和田(耕)委員 校内暴力という問題について、しかも現場の先生を呼ぶというんですよ、いいですか、この問題は、先ほど申し上げたとおり、いろいろなたくさんの関係があるし、原因も、そして及ぼす影響もかなり広範になる、しかし、やることは、校内暴力の問題で現場の先生を呼んで総理府がやる、文部省は、知らぬ顔はしないだろうけれども、協力の立場におる、これはどういうことですか。
○田中(龍)国務大臣 先生は、私が一向になわ張り意識がなさ過ぎるというおしかりでございますけれども、御案内のとおりに、校内暴力等の学校の問題につきましては、責任を持って文部省といたしましてはこの青少年対策本部の問題について協力もし、また主張もいたし、同時にまた、教育委員会の組織あるいはまた教育長等とも緊密な連絡のもとに相談はいたします。しかし、今日の総理府の取り上げ方が、非行青少年の問題といたしましてこの問題を取り上げ、同時にまた、その中の部分といたしまして、いまの校内暴力という問題で質問もし、また審議もしよう、これにつきましては、文部省が責任を持って協力いたす次第でございます。
○和田(耕)委員 もっと端的に私が心配するのは、文部省が現場の先生を直接、公聴会でも何でもの形で呼べば、いろいろ問題が起こるから、そういう心配があるのじゃないですか。
○三角政府委員 私どもは、そういう心配はしておらないのでございます。それから、たとえば一例でございますが、前に尾鷲のような事件がございますれば、状況によりましてこちらから担当官を派遣して、現地あるいは現地に近いところで教育委員会の関係者あるいは学校の先生方等から直接意見を聞くということも、決してそういうことについてためらったりはしておらない、そういうつもりでございます。
○和田(耕)委員 私は、おとといも申し上げたとおり、この問題は、教育の内容だけじゃないのです。教育が行われる基本的な諸条件の問題の一つだと私は判断をする。したがって文部省は、教育委員会あるいは教育長、関係の先生方の人たちの集まるところでこういう大事な問題を議論をしたらどうですかということを前から言っている。そういうことについて文部省は、いままでほとんど何もおやりにならないで、教育委員会、教育長を集めた会を二、三回やったとこの間お話がありましたけれども、やらないでおるうちに他の省でいま申し上げたようなことをやって、文部省は、そのそばでこれを見ているというのは何事かという感じなんですよ。日本の教育についてたくさんの問題がある。その問題をいろいろと解明をする重大な事件が起こうておる。そういうものに対してもっと積極的な姿勢をとるべきだと私は思う。大臣、日本の医療制度という問題があって、これは私も社会労働委員会で十数年にわたっていろいろ議論をしてきた。十年間、ほとんど解決をしなかった。この問題が昨年の埼玉県の富士見病院のあのあられもない状態を契機にして、ようやく医療制度の問題が解決するような機運が出てきた。そうでしょう。日本の戦後の教育の問題について、いまの校内暴力という問題は、非常に重要な意味を持っていることなんですよ。そういう一つのつかまえ方をしてみれば、日本の教育について責任を持っている文部省は、もっと積極的な姿勢をとるべきだと私は思う。 もう時間もありませんから、そのことだけを指摘いたしまして、私の質問を終わります。
○三ツ林委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時七分散会