物価問題等に関する特別委員会 第12号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1981/06/04
会議録
○井上委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。岩佐恵美君。
○岩佐委員 きょうは政務次官にはお忙しい中、御出席をいただき、ありがとうございました。 私はプロピレングリコールについては三点、それから臭素酸カリウムについて一点お伺いしたいと思います。 第一点は、プロピレングリコールですが、許容量の生めん二%以下、生ギョウザの皮一・二%以下、イカの薫製二%以下という量についてであります。私たち日本人は、一日の食事の中で七十種類以上の食品添加物を摂取していることは、広く常識として知られているところであり、食品添加物の種類や使用量についてはできるだけ減らしていく方向が望ましいということについては、すでに国民の共通認識となっており、厚生省も基本的にその考えに立っていると判断をいたしております。 ところが、今回のプロピレングリコールについては、厚生省自身も言っているように、パーセント単位で使われる特異な添加物で、普通の添加物の中では最高に加えられるものです。その結果、子供については、許容基準の一つの考え方である一日の摂取許容量を超えるということになってしまいます。しかもそれは、子供にとってポピュラーな好物な食べ物であるうどん、ギョウザ、子供用カステラ、アイスクリームなどの日常食品を食べることによってです。 毒性については、PGをとり過ぎると溶血性になって赤血球が減少するという犬の実験や、アメリカや日本などの四つのテストで変異原が陽性であるということは前委員会で確認済みですが、だからこそ、使用基準が一日の摂取量、ADIが決められているのであって、それを子供の場合に超すということが最初からわかっているのに高い基準の許容量を決めるということは許されないことだと思います。厚生省自身も、超えないことが望ましいと認めておられます。子供を犠牲にしてまで高い数値を決める、このことは私がすでにさきの委員会で指摘したように、業界の意にも反するし、添加物行政にとってよくない結果をもたらすと思います。ぜひとも慎重に検討され、再考をお願いしたいと思います。 第二点は、表示の問題です。すでにチクロの場合のように、個別名称を書かせた例があります。これだけ大問題になり、しかもパーセントオーダーで添加される特異な添加物ですから、子を思う母親の気持ちをぜひくんで、プロピレングリコールと表示されることをお約束を願いたいと思います。 第三点は、そば湯の問題です。食堂のそば湯の実態を把握され、その実際の場合をテストして、きちんと規制、対応すべきだと考えます。そば湯については、同じおかまで何回かゆでる、そして実際に横浜市のテストでは、ゆで汁の残留値が高い、そういう結果が出ています。この点の検討をお願いします。 最後に、すでに学校給食用パンに使用されている臭素酸カリウムについて、一九七九年の「フード・コスメチック・トキシコロジー」で紹介されているイギリスのデータについては、食品衛生調査会を初め、公表し、厚生省自身も同じような実験をする必要があると思います。この点について伺いたいと思います。 そして一番最後に、政務次官の食品添加物行政に対するお考え、そして今後の御決意をお聞かせいただきたいと思います。 さらに、食品添加物については全商品に個別名称を書くようにすべき時期に来ていると思いますが、ぜひその方向で御検討をいただきたいと思います。 以上でございます。
○榊政府委員 お答えいたします。 いま御指摘のPGの使用基準の問題ですが、これは先生御承知のとおり、FAO、WHOの委員会で勧告をいたしました一日摂取許容量に基づいて算出されているものでございます。それで、この一日摂取許容量、ADIと言いますが、これの算出の問題でございますが、これは一日摂取許容量と言っておりますが、基本的にはその動物の生涯を通して摂取する量、それから換算されておる問題でございまして、そういったことで、私どもこれを計算いたします際につきましても、国民栄養調査等によります喫食量、それからさらにはPGの総生産量といいますか、その中から喫食に使われております量、そういったものを考慮して、食品衛生調査会の意見を聞いて定めておるものでございます。したがいまして、これはわれわれとしても数字としてはこの許容量を下回るということが望ましいと思いますが、ある一日だけが非常に多いという形でこの安全性を評価したものではございません。 そういった意味で、先ほど申し上げましたような食品衛生調査会の意見も十分聞きまして、現在考えておりますこの二%というふうな数字を決めたわけでございます。 それから第二点に表示についての御意見がございましたが、これにつきましては、現在表示を行わせるべく作業をいたしておるところでございます。 次の溶出実験の問題等につきましては、担当課長の方から具体的に答弁させていただきます。
○藤井説明員 二点御質問にお答えさせていただきます。 そばをゆでたときに、何回かゆで直すことによってゆで汁にプロピレングリコールが累積するのではないかという横浜市の実験についての御質問でございますが、市の実験は実験室でやっておりまして、実際と違っている点があるかと思います。ただ、このゆで汁をかえずに何回もゆでることによってプロピレングリコールが加算されることは事実でございます。しかしながら、実際町のそば屋でやっておりますのは、家庭でやっておりますゆで汁の量よりもはるかに大きい量であるということと、大体十回ゆでるごとにゆで汁を全部取りかえております。そういった関係から、百cc当たり、ふえてもプロピレングリコールが〇・二グラムを超えることはないというふうに計算いたしております。しかし、必要があれば改めて実験をやることはやぶさかではございません。 その次に、「フード・コスメチック・トキシコロジー」の臭素酸カリウムを添加したパンでマウスを飼育したときの実験報告の件でございますが、この実験報告では、甲状腺並びに腎臓、また脳下垂体に臭素酸カリウムの添加量に比例して重量の増あるいは減が見られたという記述がございます。 一般に、毒性実験の動物については、あらゆる観察された現象を記述することがレポートの約束になっております。したがってそういう記述が見られるわけでございますが、脳下垂体に異状を発生した場合には成長が阻害されるという現象がございます。また、腎臓が肥大して機能障害を起こした場合には、腎機能検査において検査結果がはっきりあらわれてまいります。また、尿の生化学的反応も実験されておりますが、それも変化してまいります。次に、甲状腺に異状が出てまいりますと、心悸の高進であるとか、そういうような異状が生理反応として出てこなくてはなりませんが、本論文につきましては、そういうものには一切変化は見られなかったという記述がございますので、単なる現象の詳細なる記述だというふうに考えておる次第でございます。
○大石政府委員 食品添加物の指定またはその使用基準等の設定に当たりましては、安全性に関する資料を可能な限り収集いたしまして、必要があれば実験結果も求めるというようなことをしておるところでございます。 また、そういうものを御承知のとおり食品衛生調査会において評価した上、有効性も勘案して、指定あるいは使用基準の設定を行ってきているところでございますので、安全性は十分に確保できているものと考えております。 しかし、安全性の問題というのは、やはり世の中日進月歩でございますから、国内の問題だけでなくて、外国、特にアメリカ等ともそのような状況を、常にデータを交換して、さらに安全性を確認をしておる。国際的に使用されているものなどは、特にそういうデータを、WHOとかFAOなどの資料も取り寄せて、安全性の確保においても国際的な視野に立ってやっておるところでございます。そして、使用基準に関しまして、先ほど、たとえばプロピレングリコールに関しましても二%以内ということでございますが、これは種々のデータから、国際的にもその程度であれば間違いないということでございますし、そしてまた、しかしこれをゼロにした方がいいではないかという御意見もあると思います。しかし、食品の保存性ということを考えた場合に、ある程度害のない程度におきましてそれを認めるということは、食品の保存ということに関してもある程度有効であるし、特にここは物価対策特別委員会でございますが、全く保存性を除外すると商品の値段にそれだけまたはね返ってくるということも考えますと、食品衛生上全く問題にならない程度の食品添加物であれば、非常に少ない量を認めるということはあってもいいことではないか。その場合には、いま申し上げましたように、万全を期して人体に害のないという少量にとどめるという方針であることは当然でございます。 なお、先生御指摘の表示の件に関してでございますけれども、これは先ほど榊局長も申し上げましたが、食品添加物を使用する食品に食品添加物の名称をすべて表示させるということを可能な限りこれからやっていきたい。食品添加物を初めとして、食品の安全性が広く国民の関心事にもなっていることでありますから、これから可能な限り表示をしていくという方針でやっていきたいと考えております。
○岩佐委員 表示の点については大変前進した答弁でよかったというふうに思っておりますけれども、ただ、子供の問題については、ADIを超える、しかもうどんだとかカステラだとかポピュラーな食品で超えるということについて、最初から超えることがわかっていてそれを決めるというのはどうか、この点については私はやはり納得がいかないというふうに思います。 それから、ゆでめん、ゆで汁ですけれども、これはぜひ実験をしてみていただきたいと思います。七〇%が汁になって出ていくから、三〇%しか残らないから二%という数値を決めている、逆のこともあるわけですから、では残されたものが、ゆで汁がどういう使われ方をするのかというのはやはり国民が関心があることだし、それから横浜市の一つの行政のデータで出ているわけですから、それはぜひお願いをしたいというふうに思います。 聞くところによると、ゆで汁にちょっとたれをたらして、もとをたらして、それで食べるという方も家庭でおられるのだそうです。そんなこともありまして、ゆで汁に七〇%PGが残るのですよという話も何とか消費者にわかるように知らせていく必要だってあるのではないかというふうに思います。 きょうはお忙しい中時間をいただきまして大変ありがとうございました。 以上で質問を終わります。(拍手) ――――◇―――――
○井上委員長 次に、本日の請願日程全部を一括して議題とし、審査に入ります。 請願の趣旨につきましては、すでに文書表によって御承知のところであります。また、その取り扱いにつきましては、先刻理事会において協議いたしましたので、その結果に基づき、直ちに採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 それでは、本日の請願日程中物価上昇抑制に関する請願一件を採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○井上委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、物価安定対策に関する陳情書一件でありますので、御報告いたします。 ――――◇―――――
○井上委員長 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。 本委員会といたしましては、閉会中もなお審査を行うため、物価問題等に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をすることとし、その手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次に、閉会中審査案件が付託され、委員派遣の必要が生じた場合には、派遣委員の選定、派遣地、派遣期間等につきましては、委員長に御一任願い、議長の承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次に、閉会中審査のため、委員会において、参考人より意見を聴取する必要が生じたときは、日時、人選その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時二十六分散会