P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
94回国会衆議院1981/04/07

物価問題等に関する特別委員会 第7号

発言数
131
登壇者
29
会派数
2
開催日
1981/04/07

会議録

井上泉日本社会党

○井上委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小澤潔君。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 日本の経済が今日の発展をもたらしたことは、国民のたゆまざる勤労とわが自民党による長期安定政権の適切な財政、経済政策のたまものであると断言できるものであります。私は、日本の歴史が始まって以来、平和と豊かな生活が保障された時代は今日を除いてはなかったと考えるものであります。私はこの成果を高く評価し、今後ともより一層適切な政策の展開を期待するものであります。  しかしながら、よく不確実時代と言われるように、わが国の置かれた環境はまことに厳しく、激動する諸情勢の中で経済は最も動揺の激しいものであります。的確な現状認識とすぐれた将来見通しに立った政策運営が必要であります。私は、わが国総体としての経済動向の発展を維持するためには、エネルギー資源の確保を初め外的条件の整備も重要でありますが、反面国民生活における日常の諸問題についてもきめ細かい政策運営が大切であり、これらが全体として調和のとれた形で進められることによって初めて経済の繁栄と国民生活の安定が達成するものと考えているのであります。  そこで、私は、いま申し上げましたような立場から、国民の日常生活安定のための諸施策について、政府の今後の対応をお尋ねしてまいりたいと存じます。  まず第一は、中小企業、それも国民、一般消費者が最も身近にかかわり合いを持ち、地域社会の担い手とも言われている小売商の方々の抱える悩みに光を当ててみたいと思います。現在小売商が最も頭を痛めておる問題は大型小売店つまりスーパーの進出であります。全国各地において大型小売店の出店をめぐって地元小売商との間に摩擦が起こり、関係当局がその調整に大変苦慮していると聞いております。大資本をバックにした巨大な売り場面積を確保して、既設の商店は当然多大の被害を受けるのであります。  そこでお伺いいたしますが、いわゆる大店法運用の実態はどうなっているのか、また紛争解決のための立法制は期待できるのかどうか、ひとつ大臣にお尋ねをいたしたいと存じます。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○神谷政府委員 大規模店舗法の運用の実態について御説明させていただきます。  御承知のように、大規模店舗法で取り扱っております大規模店舗は第一種、第二種とございますけれども、通産省で取り扱っております第一種店舗の届け出状況について見ますと、昭和五十三年度二百四十三件、これは法律三条に基づく届け出件数でございますが二百四十三件、五十四年度が五百七十六件、五十五年度はまだ締めておりませんが、五十六年二月末現在までのところの集計で三百三十七件、こういう状況になっておりまして、五十四年この届け出件数がかなり急激に上昇いたしまして関係者の注目を浴びたところでございますが、五十五年度に入りまして届け出件数においてはやや落ちつきの状況を見せておるというふうに考えられます。  届け出のございました案件につきましては、先生御承知のとおり、基本的に第一義的には地元の商調協で種々審議が行われ、大部分はこの地元の商調協の審議を通じましてある程度の結論に達して解決を見ておるわけでございますが、商調協において調整が整わない一部の案件につきましては、大規模店舗審議会という審議会で審議をされ、必要に応じ店舗面積の削減あるいは開店日の繰り下げ等通産大臣の勧告を行っておるところでございます。  ちなみに、この勧告件数は、昭和五十四年度で十五件、五十五年度の先ほどの数字に対応するところでは十二件というところでございまして、この数字からもおわかりのように、かなりの部分は地元の商調協にいろいろ御苦労を願っており、地方公共団体もいろいろ御協力を願っておるわけでございますが、ここで話し合いを通じてある程度の解決あるいは相互の譲歩といったようなもので決着を見ておるわけでございます。  したがいまして、私どもといたしましては、今後とも、商調協の審議の適正化等について、十分審議をいたしながら、地元の意向をできるだけ反映させ、しかし法律の精神に基づいて、流通の合理化、近代化あるいは消費者に対する利益の還元と、地元小売商業に対する影響、これが過大にならないようにという、この両者の要請を適切に調整するようできるだけの努力をしてまいりたいと考えております。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 聞くところによりますと京都においては当分の間大型店の出店を禁止したとのことでありますが、このような事態を政府当局はどう認識しているのか、お尋ねをいたしたいのであります。  また、他の府県にも京都と同じような措置をとろうとしている動きがあるやに聞いておりますが、このような動きを政府はどのように受けとめていくのか、大臣からお答えをいただきたいと存じます。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○神谷政府委員 御指摘のとおり、京都市議会で決議が行われまして、都市計画など必要なものを除いて大型店の出店を五十六年三月から五年間凍結するということを宣言いたしたというふうに承知をいたしております。  これは法律上の意味をどういうふうに受けとめるかというふうに言われますと、私どもといたしましては、法律上は、これは市議会の宣言でございますので、特別、法的な意味というものを認識することはむずかしいというふうに考えておりまして、事実上の行為であるというふうに受けとめることになろうかと思います。  したがいまして、法的に、このような決議がなされたからということで、大店法に基づいての届け出が受理されないとかあるいは商調協における審議あるいは大店審における審議が行われないというようなものではございません。ただ、他の地方公共団体でも、御指摘のようにこのような宣言が行われておるというところがあることは事実でございまして、事実行為といたしまして地方公共団体の議会においてこのような宣言がなされたということは、その地域において大規模店舗の進出とそれを受けとめる中小小売業との関係というものが非常に緊張した状態になってきており、市議会あるいは関係者等これらをかなり飽和的な感覚で受けとめておるという一つの事実のあらわれとしてわれわれとしては認識をいたしております。当然大規模店舗法の法律の運用の過程では地元商調協の審議のほかに地方公共団体の長、たとえば市長あるいは町長等の意見というのも出されますが、市長等これらの決議等が行われているという背景を踏まえながら、しかるべき意見が出されるものというふうに考えられます。しかしながら、あくまでもそれらの意見の中で、大店審の中で特に重視されなければならないものは、法律に基づいて、この法律がまさに対応しておる、調整しようとしておるその問題に関して、あるいは法の目的とするものあるいは法の中で条件としていろいろ提起されておるものに関して、実態をどのように判断するかという意見になろうかと思います。  しかし法律、生き物でございますので、私ども、そのような考え方を持つと同時に、全般的にそういうものが行われているという事実等を踏まえながら、適切な調整を行っていきたいと考えております。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 なお、大型店の出店は現在届け出制となっておりますが、許可制にすべきではないかという声も耳にいたします。この点、ひとつ関係局から御答弁いただきたいと思います。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○神谷政府委員 大型店の出店に関して許可制にすべきであるという御意見が従来からあることはわれわれも承知いたしております。また他方、それと反対の意見のあることも承知をしております。先ほども御説明申し上げましたように、現在のいわゆる大店法がねらいとするところは、流通の合理化、近代化あるいは消費者利益の保護というものと、急激な大規模店舗の進出によって地元中小小売業の受けるインパクトあるいはそれによってもたらされるいろいろなフリクションといったようなもの、この二つの調和点をいかに見出すかというところにあるわけでございますので、基本的には、憲法に保障する営業自由の原則のもとで、先ほど申し上げましたような観点からどこまで国が介入していくべきかという考え方でできておるものであり、この法律の適切な運用を行っていくことにより所期の目的は達成し得ると考えております。したがいまして、原則禁止から出発する許可制というものに関しましては、私どもとしては現在のところそこまで考えるべきものではないというふうに考えております。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 本日はいろいろと多目的にわたって質問をいたしますので、答弁の方ももう少し簡略で、内容がなくては困るのですが、内容のある答弁をお願いをいたしたいと思います。  次に、大型店の顧客誘引策についてお尋ねいたしたい。  大型店の折り込み広告などを見ますと、必ずと言っていいほど目玉商品が提供されております。アメリカにおいては目玉商品を法律で規制しているとのことでありますが、零細小売商保護の立場からわが国でも同様の措置がとれないかどうかをひとつ関係局長にお尋ねをいたしたいと存じます。

劔持浩裕公正取引委員会事務局取引部長

○劒持政府委員 大規模小売業者によります目玉商品で問題となるものには、先生御指摘のような折り込み広告等、表示の問題があろうかと思います。御承知のように不当表示の規制につきましては不当景品類及び不当表示防止法の規定に基づきまして排除命令を含みます措置をとってまいっておるわけでございますけれども、今後とも法の趣旨にのっとりました適切な運用を図ってまいりたいというふうに思います。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 以上、大型店問題についてお伺いをいたしました。  小売商の安定的繁栄は消費者との地域的つながり、利便性という点にも目を向けなければならないと思います。消費者の日常的買い回り先の小売商を上手に組み合わせ、ベンチや花壇なども設けて楽しい買い物ができる、いわばモデル商店街というようなものの推進をすることも重要な施策と考えられます。政府の積極的な取り組みを期待いたしたいと思いますが、いかがでしょうか、ひとつ関係局長、御見解を承りたいと存じます。

木村忠夫中小企業庁小規模企業部小売商業課長

○木村説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘ありましたとおり、中小小売商の振興にとりまして商店街整備というのが非常に重要な柱であるということは私ども中小企業庁といたしましても十分認識しておるところでございまして、具体的な施策といたしましては、商店街が改造計画を作成するというようなときにその費用の一部を補助するということをやっております。  それから、そういったものも踏まえまして具体的に商店街整備事業を行うという場合に、中小企業事業団から低利の融資を行うというようなことを実施しております。五十六年度予算におきましても、この辺の事業団融資の要件緩和というようなことも講ずることとしておるということでございます。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 次は、第二として大型店の出店に関連して、消費生活協同組合について少しばかり触れてみたいのであります。  近年生協も大型店舗化が進み、経営規模も大型スーパーに匹敵するほどで、各地に進出が目覚ましく、そのたびごとに地元小売商との間にトラブルを引き起こしている事情を見逃すことができないのであります。生協は、単独の法律により保護されているという特権とあわせて、いわゆる大店法の適用から除外されていることが強く主張され、地元小売商を圧迫していることであります。地元小売商は、先祖代々その地に深く根をおろし、地域の人々と顔つなぎが続き、日々平穏に過ごしているところに、ある日突然全く見知らぬ外人部隊がやってきて、はでな広告、安売り、懸賞金つぎ売り出し、目玉商品の客引き等、大々的な日用雑貨類の販売をするという商法が即生協と言っても過言ではありません。しかも、員外利用が規制されているはずなのに、その規制はあってなきに等しいし、さらには生活協同組合法によって税法上の特典もあって、一般小売商とは大きな差があるのであります。このような生協の出現によって、やがては地元商店の経営の悪化を来し、小売商の方々の生活を脅かす結果となってしまうのであります。そのことにより、小売商の店じまい、廃業の続出、地域経済の変貌、地域社会の崩壊等、町の姿も一変してしまうのであります。このような事情は全国至るところに見られる事例と言っても過言ではないと思います。このことは生協の育成策と地域商店街の振興策との調整をどのようにして図るかということかと存じます。  そこで、まずもってお伺いしておきたいのは、生協の所管は厚生省、小売商関係は業種により農林水産省、通商産業省等、多くの官庁に分かれておりますが、このように地域での混乱を、関係三省はそれぞれ縦割り行政がたてまえになっており、各省の連絡調整が十分行われているかどうか、関係省のそれぞれの局長から具体的に御答弁をお願いをいたします。

山口剛彦厚生省社会局生活課長

○山口説明員 先生御指摘のとおり、生協は大店法の適用除外になっておりますけれども、私どもといたしましても生協が地域社会の中で発展をしていきますためには、地域の住民の方々の理解、御協力はもとより、地元の中小小売業者との協調を図っていくことがきわめて重要であると考えております。したがいまして、五十三年の大店法の改正の際に^その法律の趣旨を受けまして私どもも生協の出店、新設等に当たりましての運営基準というものを定めまして、その法律の趣旨が実際上生かされますように行政庁への報告を義務づけるというようなことで指導をしておるところでございます。率直に申しましてときどきトラブルがございますけれども、必要に応じまして中小企業庁等、関係のところとも十分協議をいたしておりますし、また、都道府県におきましても関係の部局、福祉サイドばかりでなく、商工部局とも十分連絡をとるようにということで、機会を見て指導をしておるところでございます。今後ともそういう姿勢で中小小売業者との協調を図っていくことに努力をいたしたいと思っております。

伊藤礼史農林水産省食品流通局商業課長

○伊藤(礼)説明員 農林水産省は食料品小売商の振興のために各種の施策を講じているわけでございますが、その過程におきまして生協との調整問題が出てまいりました場合は、地域の実態に応じましてケース・バイ・ケースで厚生省、通産省と十分連絡をとり、適切に対処してまいる考えでございます。

木村忠夫中小企業庁小規模企業部小売商業課長

○木村説明員 生協の小売活動と中小小売商の活動との調整の問題につきましては、中小企業庁といたしましても十分な関心を持ってきております。先ほど厚生省よりお話ありましたとおり、生協の活動につきましては五十三年に厚生省から指導通達が出されております。中小企業庁といたしましては、この指導通達の徹底を図るという形で現在まで厚生省とも十分協議をしてきておりまして、最近におきましても、地元で大きなトラブルの発生したようなケースにつきまして厚生省と十分協議をさしていただき、また、必要な指導を行ってきておるということでございまして、今後とも十分その調整に努めてまいりたいと考えております。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 また、この際生協も大店法の規制対象にすべきではないかとの各方面の意見を耳にいたしますが、何ゆえ規制から除外されているのかの理由と、先ほど申し上げているような事態に対応して規制することについてどのようにお考えになられるか、関係局長のお考えを承りたいと思います。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○神谷政府委員 御指摘のように、大店法におきましては小売業という観点からとらえておりますので、これは営利目的をもって物品を継続反復して最終消費者に販売する行為が主たる部分を占めておるという観点からとらえておるわけでございます。消費生協は国民の自発的な生活協同組織の発達を図るということを目的として設立されたものでございますので、これを直ちに大店法の規制対象にすることには問題があろう、こういう観点から法の対象に入っていないものと了解をいたしております。もちろん立法論的にはいろいろな考え方はあろうかと思いますが、現在そういう考え方で進んでおりますので法の対象外になっておるわけでございますが、しかし、先生御指摘のように事業の実施方法いかんによりましてはいろいろ問題の起きる可能性もございますので、厚生省を通じまして生協店舗の謹直及び運営の適正化を指導していただいておるところでございます。当省といたしましては、今後とも具体的な案件に即しながら、厚生省と密接な連絡をとりながら、指導の実を上げるよう努力してまいりたいと考えております。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 次に第三として、流通問題を含め当面する中小企業の幾つかの問題点に触れたいと思います。  その第一番目は米穀の問題であります。米穀のやみ流通の現状は目を覆うものがあります。食管法に基づく米穀の適正な流通を維持することは、国民の主要食糧確保の見地から重要な問題であり、都道府県において取り締まりが行われております。しかし、この取り締まりも都道府県に任せ切りという実情で、実効性のある摘発が担保されないまま取り締まり当局を悩ませているということであります。政府は、このような実態をどのように把握しているのか、関係局長にまずお尋ねいたします。

下壮而食糧庁業務部需給課長

○下説明員 やみ米の問題についてのお尋ねでございますが、やみ米と申します問題はいわば食管制度発足以来の問題でございまして、私どもも頭を痛めておるわけでございますが、事の性格上なかなかその実態の把握が困難であるというのが実情でございます。  やみ米と申しましても大きく分けまして二つのタイプがあろうかと思います。一つは、いわゆる農家の庭先から農産物検査法によります検査を受けませんで、いわば最初から不正規の流通ルートに乗ってしまうというもの、もう一つは、農産物検査法による検査を受けまして、途中までは正規のルートで流れるわけでございますけれども、途中で、たとえば登録販売業者が取り扱います場合でも、結びつきの所定のルートから外れて取り扱われるもの、あるいは登録販売業者からいわゆる登録を受けません不正規業者の方に流れてしまうという、途中から不正規流通ルートに流れ出しますもの、二つのタイプがあろうかと思います。  いずれにいたしましても、正確な実態の把握ということは困難なわけでございますが、前者の不正規流通ルートに最初から乗って流れるものにつきましては、いろいろな統計から推算をいたしますと、作の豊凶によりましてかなりの振れがございますけれども、達観いたしますれば、大体年間百万トン程度の流通があるのではないかというふうに推算されるわけでございます。ただ、その中には、たとえば農家が、嫁ぎ先の夫婦が帰省した場合にそれに持たして帰すというようないわゆる縁故米と称するようなものもかなり含まれておるのではないかというように推測いたしておるわけでございます。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 違法状態を放置することは、国民の遵法精神を損なうばかりでなく、適法に営業している米穀商の権利を傷つけるものであると思うのであります。国において明確な方針を打ち出し、都道府県の取り締まりがその実を上げるよう措置すべきであると思いますが、関係局長よりお答えをいただきたいと存じます。

下壮而食糧庁業務部需給課長

○下説明員 食管法は先生御高承のとおり、戦時中に乏しい食糧を公平に分配をするという目的を持ちまして、非常に厳しい規制を加えておるという制度でございます。いわゆるやみ米につきましても、この制度の趣旨からいたしまして、乏しい米の分配の公平を損なうあるいはそれに乗じて巨利を博する、こういうことは許されないことであるという考え方に立ちまして、厳しい罰則を科してこれを規制しているわけでございます。したがいまして、こういうような実態が変わってまいりますと、いわゆるやみ米の違法性についての認識も社会的にいろいろ変わってくるわけでございまして、取り締まりのみをもってこれを抑えるというふうに努力いたそうといたしましてもなかなか困難な面がございます。  したがいまして、私どもといたしましては、まずこういう実態との乖離をなくすという見地から、食管制度自体について改正を加えまして、現在の情勢のもとにおきまして米の流通規制というものが持つ意義を明らかにいたしまして、みんなが守らなければならないあるいは守れる、そういう制度といたしまして米の管理制度を確立するという一方、その制度のもとで、販売業者の方々にも消費者の需要に十分弾力的に対応できるような商業活動を展開していただくことによりまして、やみ米が跳梁する余地をなくするということが基本的に重要であるというふうに考えておるわけでございます。  もちろん、そういう手だてを加えました上でなおかつ違法が行われるということであれば、これは厳しく取り締まるということで、警察当局とも連携をとっていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。そういうような考え方に立ちまして、今国会に食糧管理法の一部の改正というものを御提案申し上げている次第でございます。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 再度申し上げたいのですが、答弁はひとつ短く実のある答弁をお願いをいたしたいと思います。  現在、食管法の改正法案が提案されておりますが、その主要改正点の概要と改正に至った背景と、改正法案の中で、法を守って正しい営業を続けてきた既存の米穀商の保護、育成についてどのような配慮がなされているのか、店舗間の距離制限などが考えられているのか、所見をお伺いいたしたいと存じます。

松山光治食糧庁管理部企画課長

○松山説明員 お答え申し上げます。  食糧管理法につきましては、制定以来国民食糧の確保あるいは国民経済の安定という上で大変重要な役割りを果たしてきておる、このように考えておりますけれども、ただいま需給課長からも御説明いたしましたように、食糧の絶対的不足ということを前提にした法制度でございますために、ただいま先生からも御指摘がございましたような流通秩序の乱れといったようなことも含めまして、種々問題が出ておるわけでございます。しかし、私どもといたしましては、こういった問題点に的確に対処する、同時に中長期的に見て食糧事情が決して楽観を許さない、こういう状況の中では、現行制度の基本を維持しながら、所要の改正を行いまして、実効性のある制度に再編成していく必要があるのではないか、このように考え、今回改正法案を提出するに至ったわけでございます。  改正案の内容をごく簡単に申しますと、通常時におきましては配給計画とかあるいは購入券等によります厳格な配給制度というものは、これを廃止いたしますとともに、需給逼迫時等におきましては再び配給制度を復活できるというような規定をまず設けたい、このように考えております。また、需給事情に的確に対応いたしますために、品質面にも配慮いたしまして、いわば需給調整その他米の管理に関します基本計画なり、あるいは具体的に、とれた米をどのように都道府県に配っていくかという意味での消費者に対します供給計画を策定して、安定供給を図っていく。さらに適正かつ円滑な米の流通を確保していく、こういう観点から、販売業者につきまして知事の許可制の対象にするといったようなことで、流通業者の地位と責任の明確化を図っていくといったようなことを主な内容として考えているわけでございます。  その改正案におきます販売業者の位置づけの問題でございますけれども、いわば従来販売業者は配給の実施機関という位置づけでございましたけれども、今回の改正法案のもとにおきましては、特定された地位ということに着目いたしました一定のルールは守っていただく必要があるわけでございますけれども、いわば自律性のある販売活動を通じまして、消費者に対して的確な安定供給の仕事をしていただく、こういうふうな位置づけに変わる、ないしは私どもとしてはそういう活動を期待したい、このように考えておるところでございまして、業界の自主努力と相まちまして、私どもといたしましても販売業者が的確に販売活動ができますような条件整備ということに鋭意留意していかなければいかぬだろう、このように思っております。  なお、距離制限の問題につきましては、適正な店舗の配置という考え方は一つ必要な点ではございますけれども、商業の実態なりあるいは消費者の購入態度、購入様式といったようなものが地域によってかなり異なっているといったようなことを考えますと、全国的、画一的に何らかの距離制限を設けていくということは、かえって販売活動を阻害することになる、あるいはそれがひいてはやみ流通の問題にもつながっていきかねないというようなことを私どもとしては心配をいたしているところでございます。  以上でございます。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 現制度の中では新規参入と営業所の増設が制度上別扱いとなっておりますが、別扱いをする意義について御説明願いたい。観点を変えて、これらを統合した扱いとする考えはないかどうか、あわせて関係局長よりお伺いいたしたいと存じます。

松山光治食糧庁管理部企画課長

○松山説明員 御指摘のようにいわゆる営業所の増設といいますか分店制度でございますけれども、これが設けられておりますゆえんは、ある事業者の、既存の事業者でございますけれども、一店舗当たりの取扱量が一定規模を超えて大きくなった、こういうふうな場合に店舗を分割してお店を配置していく方が、その営業者にとりましてもあるいは消費者にとりましても、それぞれ都合がいいのではないか、こういう趣旨のもとに設けられておるものでございます。  他方、新規参入の問題につきましては、特定の事業者の取扱量が現在どうなっているかというよりも、地域全体といたしましてたとえば人口が非常にふえておるといったようなそういう要件に着目いたしまして、消費者の利便を図りますためにも店舗をふやしていった方がいい、こういうことで、いささかその制度の趣旨が違うわけでございますので、的確な米の供給を消費者の利便を念頭に置きながら考えていくあるいは販売業者の健全な活動を念頭に置いていくという点からいたしましても、やはりそれぞれ別々の制度として取り扱っていった方が現実的ではなかろうか、このように考えておるところでございます。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 次に、海外に目を向けると、発展途上国における飢餓状態はまことに悲惨であり、心の痛むものがあります。この際、人道的立場から、政府備蓄米を援助物資として送る考えはないか。  また、米はアジアにおける重要な戦略物資としての意味を持つと思い、その具体的事例として南洋群島、まあ南太平洋ですかに散在するモルジブ共和国に対し、財団法人勤労青少年グループワーク協会が一円玉拠金運動を起こし、その資金で古米を送って親善を深め、さらに食糧危機に大変な効果を上げている実例を考えるとき、政府は増産、輸出、援助等に対し積極的に対処すべきであると思うが、いかがでしょうか。

羽鳥博食糧庁業務部輸入課長

○羽鳥説明員 お答えいたします。  米の輸出につきましては、これまでに累積いたしました過剰米の処理の一環といたしまして、昭和五十四年度から実施しておるところでございます。私どもといたしましては、輸出は過剰米処理の有効な手段と考えておりまして、米国とかタイとか、そういった伝統的輸出国の米輸出に悪影響を及ぼさないよう十分配慮しながら、延べ払い方式あるいは無償援助等によりまして、食糧不足に悩む開発途上国からの要請にできるだけこたえてきておるところでございまして、今後ともその方向で努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 次に第二番目として野菜の問題についてお聞きいたしたい。  三月下旬以降葉菜類の価格はやや落ちつきを見せておりますが、根菜類を含む野菜全体の価格は依然高水準にあります。国民生活に不可欠の野菜の安定供給はぜひ確保しなければなりません。野菜需給の今後の見通し及び対策について、まず関係局長よりお聞かせをいただきたい。

東久雄農林水産省食品流通局野菜計画課長

○東説明員 御指摘のとおり、ことしの冬の野菜につきましては、異常寒波と干ばつということで非常に値が高かったわけでございますが、三月下旬に至りまして、葉物類を中心に御指摘のとおり大分落ちつきを取り戻してきた。ただ、バレイショ、タマネギ等の根菜類がまだ高値であるという状態でございます。  現在、野菜につきましては、大体四月に入りまして春物というものに移り変わりつつございまして、いままだ少し春物の成長が冬の寒さで影響を受けて多少おくれぎみでございますが、これから一段と値を下げていくというふうな見通しでおります。ただ、タマネギとバレイショにつきましては、何しろ根菜類でございますので、これらにつきましては少し生産のおくれが長くて、大体タマネギは春物が四月の初めから出るわけでございますが、残念ながら四月の中旬以降本格出荷となる。それからバレイショにつきましては、四月中旬以降が春物になるわけでございますが、これが五月の初めごろから本格出荷になるないしは四月の末ごろから本格出荷になることでございまして、これらの二品目については、なお四月の中、下旬を待たなければ値段の鎮静化が望めないという状態でございますので、私の方、野菜供給安定基金が保有いたしておりますタマネギ、バレイショを引き続き適宜売り渡しまして、もっと早い時期から価格が鎮静化していくように努めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  以上でございます。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 昨年農林水産省の呼びかけで大消費地の商店街において野菜の安売りが行われました。ことしも行う計画があるかどうか、まずそれをお聞きいたしたいのであります。  なお、価格の安いことそれ自体は消費者にとっては喜ばしいことでありますが、しかしそれが零細な小売商の協力、負担によってのみ行われたのだとすれば、これは考えざるを得ないことであります。今後は小売商にとって過大な負担とならないよう何らかの処置を考えるべきだと思いますが、お考えを承りたいと存じます。

森元光保農林水産省食品流通局物価対策室長

○森元説明員 お答え申し上げます。  お話のございましたように、特別セールを中心といたしました食料品の特別販売事業といたしましては、五十五年度に経済企画庁に計上されております国民生活安定対策等経済政策推進費をいただきまして、秋と春の二回のフードウイーク事業、それから特に昨年は十一月に食料品フェアを一回、計三回を実施いたしました。特にフードウイーク事業につきましては四十九年の秋以降毎年秋と春二回実施をしておりまして、関係者から非常に好評を得ておるわけでございます。そういうことで、本年度におきましても地方公共団体からかなり強い御要望もございますので、フードウイーク事業の実施につきましてはこれを実施する方向で今後経済企画庁と十分協議をし、検討してまいりたい、かように考えております。  それから第二点目の、小売商にとって過大な負担にならないように実施すべきでないかという御趣旨の御質問でございますけれども、フードウイーク事業それから食料品フェアにつきましては、食料品の生産、製造、販売関係者の自主的な参加と協力をもとに、一定の期間を定めまして野菜とか水産物とかそれから加工食品等の食料品の特別販売を実施しておるわけでございますけれども、その際に、農林省といたしましてはこの特別販売事業が特に小売店等特定の方の過重な負担にならないように、可能な限り製造段階あるいは卸段階の関係者に対しまして御協力をいただけるよう関係団体を通じまして御要請を申し上げているところでございます。これらの事業の実施に当たりましては、なお必要な、たとえばポスターとかチラシとかパンフレット、さらにはテレビ、ラジオ等を通じまして宣伝をやっておりますけれども、それに要する経費を助成しております。お話のございましたような点につきましては今後とも十分配慮をいたしまして、関係業界の参加と協力を得まして円滑に実施できるように努力してまいりたい、かように思っております。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 第三番目は魚の問題であります。  国民の食嗜好は魚離れが続いております。このため魚商の経営は苦しく、経営の多角化などに活路を求めている状態にあります。私は都議会議員時代、東京都では魚商と協力いたしまして豊漁時に大衆魚を買い付け、高価時に放出するという消費者にとっても魚商にとっても喜ばれる事業を実施しておりますが、この種の事業の定着化あるいは一層の発展のため国においても振興助成の方途を講ずべきであると思います。関係局長より見解を承りたいと存じます。

真板道夫水産庁漁政部水産流通課長

○真板説明員 お答えいたします。  最近の水産物の消費状況でございますが、国民一人当たりの水産物の摂取量は、これは一日当たりでございますけれども、五十年には十八・一グラムございましたけれども、五十四年には、概算でございますが、十七・七グラムと減ってきております。これは俗に魚離れと言われている現象でございますが、このような現象は魚がたん白質として非常にすぐれているという点から見ますと遺憾でございますので、今後水産庁といたしましても、魚の消費拡大を図ってまいりたい、こう考えております。このためには、直接消費者と接触をされております魚の小売商の方々の協力を得ることが大切である、こう考えております。  そこで、水産庁は昨年度より生産、流通各業界を一団としてまとめまして水産物の食生活を合理化しようという事業を始めております。そのうち魚の小売商の方々には、料理、あるいは有識者が魚の栄養的な面あるいは今後の水産業の動向といったものを消費者に直接語りかけるような催し、これを一日魚教室と申しておりますが、その教室の開催を助成しているわけでございます。魚の小売商の方々にはこれらの事業を通じて積極的に魚離れの防止を図るように訴えたいと思います。  それからもう一つお尋ねの件の、安値のときに買い入れて高値のときに小売商に売れないか、こういう点でございます。  水産庁ではちょっと角度を変えまして、イワシとかサバとかイカ、そういったような魚の産地価格が非常に落ちましたときに生産者団体がこれを調整保管いたしまして高値になりましたときに放出する、こういった事業に対しまして助成をしておるところでございます。この高値放出は消費地において行う、こういうような原則でやっておるわけでございます。いままでこの調整保管のものは産地でとれましたままの形で保管しておりますので、必ずしも全部が消費地に向けるような形態になっておりませんので魚屋さんが直接扱えるようなことになっておりませんけれども、これから条件が合ったものがあればその事業団体であります漁業団体に対しまして指導いたしまして、適切に先生の御質問にあったような趣旨を生かせるように配慮してまいりたいと思います。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 国民の魚離れは魚価のじり高にも原因の一つがあると思います。冷凍技術の発達、冷凍倉庫の普及は魚の長期保存を可能にしており、このため管理価格化のおそれさえ考えられます。関西の某大手スーパーが中国産タイショウエビの大量買い付けに入ったといううわさもあります。国民の台所を脅かさないよう、市場原理にのっとった物資の配給、適正、安定な流通を確保するためどのような措置を講じているか、お伺いいたしたいのであります。

真板道夫水産庁漁政部水産流通課長

○真板説明員 お答えいたします。  確かに冷凍技術が発達いたしまして冷凍倉庫が各地に配備されますと御質問のように管理価格が生ずるのではないか、こういうようなことも言われているわけでございますが、一方冷蔵庫は産地にありましてはいわゆる豊漁貧乏を防ぐという意味での意味がありますし、また国民の食生活が普遍化してまいりまして、どこの山の中へ参りましても生鮮の魚が食べられるというためにはやはり冷蔵庫が必要である、こういうふうに考えております。ただ、そのために価格操作を行うというようなことはまことに遺憾でございますので、これを防止する対策を講じているわけでございます。  一般的に魚は、先生から御質問ありましたようにむしろ畜産物の方に食われていくような傾向がございますので、管理価格を仮にやろうとしましても必ずしも成功するわけではございませんで、それは一昨年のかずのこ騒ぎ、一部の業者が価格支持を考えたわけでございますけれどもついに失敗しまして倒産というような事態もあるわけでございまして、消費者の方々に御迷惑をかけるようなことはないかと思います。このような事態が発生いたしますのは、魚の流通につきましての情報がそれぞれ偏在しているためである、こういうように考えておりまして、水産庁は昨年以来生産あるいは流通あるいは小売の方々も含めまして、それに在庫量あるいは輸入の動向それから生産の動向といったような情報を流通、生産関係者に適宜提供いたしまして、そして今後あるべき流通の姿につきましての情報提供を行っているところでございます。こういうような事業を通じまして思惑的な取引が行われないように今後も十分配慮してまいりたいと考えております。     〔委員長退席、武部委員長代理着席〕

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 次に、第四番目として食肉関係についてお伺いいたします。  牛肉の価格はじり高を続け、豚肉については現在高値を呼んでおります。恐らくステーキを初め日本の肉類は世界で一番高価であると思います。このように高い理由を明らかにするとともに、安定出荷のための生産指導はどうなっているのか、お伺いをいたしたいと存じます。  また、食肉は大型店の目玉商品に取り上げられることも多く、近隣の食肉小売商への圧迫は大きなものがあります。国民の嗜好が食肉に傾斜している折から、良質な食肉が適正な価格で提供されることは望ましいことであります。食肉店の経営安定には、高級化、専門店化などいろいろの方策が考えられますが、現在どのような方策が考えられているのか、関係局長より答弁をいただきたいと存じます。

鶴岡俊彦農林水産省畜産局食肉鶏卵課長

○鶴岡説明員 食肉の小売価格については、品質格差、食習慣の違いがございまして、これを国際間で比較するというのはなかなかむずかしいのでございますけれども、ジェトロの調査結果によりますと、牛肉の場合には、アメリカでありますとかオーストラリアなどの生産国に比べまして二、三倍、イギリスとか西ドイツなどの輸入国に比べましても二割から三割高ということになっております。また、豚肉の場合には生産国に比べますと五割から倍程度、逆にイギリスとか西ドイツに比べますと日本の方が安くなっているというのが実態でございます。  牛肉の価格が高いのは、先生御案内のように、どうしても牛肉の生産が土地に左右されるということで、国土の狭い日本にとっては牛肉生産の生産性向上を図るのはなかなかむずかしいというのが実態でございます。また、牛の場合には一産一頭でございまして増殖率が低い、あるいはまたその生産期間に長期を要する、またかなり輸入をしておるわけでございますけれども、その国際市場における需給とか価格も必ずしも安定していないということが基本的な理由であると私どもは理解しております。  こういう牛肉生産の実態あるいは国民の牛肉嗜好ということを考えますと、基本的には国内でできるだけ供給していくということが必要なのではないか。     〔武部委員長代理退席、委員長着席〕 そういうことによってできるだけ需給の安定を図るということから、特に和牛につきましては、子牛生産いわゆる繁殖経営と言っておりますけれども、その段階の安定というのが基本ではないかということで、飼養生産基盤の拡充でありますとか牛の導入でありますとか、地域あるいは経営内容におきます繁殖から肥育までの一貫経営ということによりまして、極力生産の増大、安定を図っていく。また、最近酪農副産物であります乳牛の雄子牛の肥育がかなり進んでおります。それらにつきましては多頭肥育によります生産性の向上を図っていくということで、国内で極力増産を図る、供給の安定を図るということを主眼に置いておりますけれども、どうしても不足物資でございますので、不足する量につきましては畜産振興事業団を通じまして適正な輸入、売り渡しを行いまして供給の安定を図っていくということを主眼に置いておるわけでございます。  それからまた、最近は食肉の世界にも量販店の進出がかなり顕著でございます。私ども、畜産振興事業団の調査したところによりますと、専門店から購入するのは、先ほど先生も御指摘になりましたように、いい肉が買える、あるいは好きな量だけ買えるというようなことで専門店で購入するという理由になっておるようでございます。また、量販店の場合には逆に、一カ所で牛肉だけでなくてほかのものをいろいろ品ぞろえができる、あるいはまた安いというようなことがその理由のようでございます。そのほかいろいろあろうかと思いますけれども、そういう点からいきますと、できるだけ消費者の嗜好に合った牛肉販売店の特徴を生かしていくというのが今後の方策ではないかと思います。それからまた、特に畜産振興事業団の輸入肉の販売等につきましても、できるだけ専門店が不利にならないような扱いをいたしておるところでございます。

田中治彦厚生省環境衛生局指導課長

○田中説明員 食肉販売業は、昭和四十五年に十一万二千軒でございましたが、昭和五十四年には十九万七千軒というように大幅に営業施設がふえておりまして、そういう意味で食肉の消費の伸びを考慮いたしましてもその経営が大変厳しいと存ずるわけでございます。  厚生省といたしましては、環境衛生金融公庫の融資と相まって環境衛生営業指導センター及び環境衛生同業組合等を通じまして、衛生水準の向上及び消費者のニーズに応じた店づくりについて指導しておるところでございます。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 第五番目といたしまして、理美容関係の問題についてお聞きいたしたいと存じます。  まず第一に、理美容関係は店によって差が見られ、戸惑うことがあります。理美容料金決定の原則があればお示し願いたい。  第二に、理美容経営について従業員の確保、定着は重要な問題であります。従業員の福利厚生の現状を把握されていれば御説明いただきたい。また、従業員にとって生き生きと働ける職場とするための措置についてお考えがあれば承りたいと任じます。  第三に、理美容の場は昔は一つのコミュニティーの場でもあったと思います。これからの経営を魅力あるものにするためには地域住民の融和、交流の場としての役割りを持つことも必要であり、これを振興助成することも考えなくてはならないと思いますが、所見を承りたい。  なお、現在の行政改革の一環として許可制の廃止等の措置をとられるやに聞いておりますが、許可制の持つ意味は保健衛生上きわめて重要であり、廃止すべきでないと思いますが、これに対しての政府の所見を承りたいと存じます。

田中治彦厚生省環境衛生局指導課長

○田中説明員 お答えいたします。  理美容料金についてでございますが、理美容業は零細な規模が大変多うございまして、またその作業も労働集約的で人手によるということが多い業種でございます。このために人件費の占める割合が大変高うございまして、賃金等が一般に上昇しているときには料金水準も引き上げられやすいというような事情がございます。しかしながら、理美容の料金につきましては各店におきまして自由に設定されているものでございまして、料金決定の方法あるいは原則というようなものが決まっておるわけではございません。  次に、従業員の確保の問題でございますが、理容及び美容業につきましては、理容師法、美容師法によりまして、理容師及び美容師の免許を受けた者でなければこれを行うことができないということになっておるわけでございまして、また作業も労働集約的な業の特殊性から、理美容師の確保及び定着化対策は理美容の経営者にとりまして大変重要な課題となっておりますことは、先生御指摘のとおりでございます。このため、理容業及び美容業の環境衛生同業組合等を中心に環衛法に基づきます組合事業として、技能研修や厚生施設の設置あるいは年金共済等の事業が実施されておるところでございます。なお、環衛公庫の融資におきまして、一定年限勤務した者の独立開業に当たりましてはその資金の融資をするというような制度もとっておるところでございます。  次に、理美容業の振興助成策についてでございますが、理美容業を初め、環衛業の経営の安定、振興のために従来から環境衛生営業指導センターの設置、経営指導員等の充実等によりまして経営指導体制の強化を図り、あるいは環衛公庫の融資の充実による衛生水準の確保、近代化設備等の整備促進を図ってまいったところでございますが、環衛法に基づく振興指針の設定等により、今後さらに一層理美容業の経営の振興を図っていく考えでございます。  なお、既成行政の見直しについて御指摘がございましたが、昨年行政管理庁におきまして、理容、美容業等につきましてもその制度等の調査をなされたところでございますが、その調査結果等につきまして現在のところまだ示されていない段階でございますので、見解についてはお許しを賜りたいと思います。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 第六番目の問題は公衆浴場であります。  燃料の値上がり等で公衆浴場の経営は大変苦しいと聞いております。入浴料金は物価統制令により規制されており、大人は北海道で二百二十円、東京では百九十五円であります。経営の実態に即した料金算定の方法も考えられますが、現在料金決定方式についての考え方、また都市中心部等高地価地域が拡大されている昨今においては、同地域の公衆浴場は経営難のため転廃業が続いております。この事態を回避するためには、経営原価に高い比重を占める固定資産税の免税その他の税制上の優遇措置を考えるお考えがあるかどうか、また公衆浴場の確保策として、そのための立法化を求める関係業界からの声も出ておりますが、これに対する政府当局の所見をお伺いをいたしたいと存じます。

源氏田重義大蔵省主税局税制第三課長

○源氏田説明員 税制面についてのお尋ねでございますので、まずお答えしたいと思いますが、御指摘のような公衆浴場の実態に応じまして、まず昭和五十二年に公衆浴場用の建物の耐用年数を短縮するという措置を講じております。それから、不動産取得税につきまして二分の一にするとか、それから昭和五十五年に固定資産税につきまして、これを二分の一に軽減するように自治省から都道府県あてに通達を出しております。それからまた、省エネルギー型の投資をされる、まあボイラーなんかでございますけれども、そういう場合には税額控除を行うというふうな措置を五十六年に講じております。それで、これ以上の租税特別措置につきましては、非常に財政状態が厳しい折でございますし、財政再建のために租税特別措置をできるだけ整理合理化したいと思っておりますので、その余裕がないのではないかというふうに考えております。  それから二番目の立法のお話でございますけれども、私どもが伺っておりますところでは、国からの助成であるとか税制上の措置であるとかというふうなことを内容とする立法という要請があるやに聞いておりますけれども、その補助金につきましてもいま財政再建のために整理合理化をいたしておりますので、そういうことを内容とする立法を講ずるというのは大変むずかしいのではないかと考えております。

田中治彦厚生省環境衛生局指導課長

○田中説明員 入浴料金のことにつきましてお答えをいたします。  公衆浴場の入浴料金の算定につきましては、各都道府県ごとに公衆浴場の経営の実態調査を実施いたしまして、その原価計算をし、各都道府県入浴料金協議会の審議を踏まえて適正な料金が指定されているところでございますが、先生御指摘のとおり経営難等のために転廃業が続いていることは事実でございます。そこで、先ほど大蔵省の方からお答えがございましたが、税制面等につきましてもできるだけの配慮をしてまいったところでございまして、私どもといたしましては今後とも関係方面とも十分協議を進めてまいりたいというように考えております。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 次に、酒類販売業について質問をいたしたいと思います。  酒類販売業は御存じのとおり免許業種であります。酒は国民の嗜好品であると同時に、国の大切な担税物資でもあります。最近、国民三百人に一台の割合で普及しておる自動販売機で未成年者に飲酒の機会を与えるなど世論の非難の多い中で、青少年の非行化防止等に関し細心の注意を払いながら、まじめに営業をしております。しかるに業界は、近年とみに営業が苦しいとのことでありますが、一つには、酒の販売店が全小売店の一〇%を占め、全国で十七万店を超えるという競争の激しさと、加えましてマージンの低さによるものと言われております。なるほど酒は、酒税が上がってもマージンがそれに伴わず、他消費物資に比較し相対的に低く抑えられているのが実態でありましょう。ここで私が危倶することは、将来いつの時点かに、一時期に急激に価格を変更せざるを得ないことが起こりはしないかということであります。このような事態が起こるとすれば、国の物価政策にも大いに影響し、国民生活にも重大な迷惑を及ぼすことになります。  酒の価格は、酒税の変更に伴い、適正なマージンをも含めて価格改定することを検討なさるお考えがあるかどうか。  なお、現在実施されている免許制度の問題についても、お考えがあれば承りたいと存じます。  なお、生協に対する酒類販売免許は慎重の上にもなお慎重を期すべきと考えますが、これらに対する所見を承りたいのであります。

岩瀬多喜造国税庁間税部酒税課長

○岩瀬説明員 お答えいたします。  酒の価格でございますが、基本的にはこれは自由価格でございまして、企業がコストでありますとか商品力を考慮いたしまして自由に設定できるという性質のものでございます。  ところで、酒税は間接税でございますから消費者に転嫁されることを予想しておるわけでございまして、今回の酒税の増税額もほとんどの酒類については現行価格に上乗せされるものと見ております。また、酒類業界では、酒税の増税に伴いまして、金利等の直接的な経費の増加があるわけでございますが、現在の酒類の需給状況あるいは酒類業界の経営状況から考えますと、この経費増を酒類業者が負担するということはきわめてむずかしい状況にあると考えられます。このために、今回は、酒税の増税額のほかに、増税に伴う直接的な経費の増加分についても、取引慣行価格とするための端数調整の形で、消費者に負担をお願いすることになるのではないかというふうに考えております。  先生御指摘のマージン率の点でございますが、このような端数調整があったといたしましても、酒の小売店のマージン率は御指摘のとおり低下いたすわけでございますが、マージン額が低下するわけではございませんので、この点はやむを得ないのかというふうに考えております。  また、過般衆参両院の大蔵委員会におきまして、酒税法改正案の採決の際に、附帯決議がなされておりまして、その一つに、酒税の改正が小売価格の不当な値上げにならないように十分指導することとございますので、当庁といたしましても、この線に沿いまして、意を体して、指導しているところでございますので、何とぞ御了解をいただきたい、かように考えております。  それから、酒販免許の点でございますが、酒販免許については、これは酒類に高率な酒税が課されておる、その税収は国家財政上も非常に重要な地位を占めておるということ、その保全措置として免許制度が設けられている、かように理解をしておるわけでございます。免許制度を廃止した場合には、いろいろと、経営基盤の薄弱なものが販売をいたしましたり、必要以上に流通業者が乱立するということが考えられますので、酒税確保の点から今後とも現行の酒類販売業免許制度は維持するということが必要であろうか、かように考えておるわけでございます。  それから、もう一点、生協に対する酒類販売免許の点でございますが、生協は、一般的に申しまして、組織力が強く、また販売力も比較的大きいわけでございますので、生協が酒類小売業界へ進出するということになりますと、付近の零細な酒類小売業者の経営に影響を与えるということが考えられるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、酒類販売業の免許に際しましては、生協に限らず、大型店等に対しての免許については、酒税保全の観点あるいは消費者利便にも配慮しながら、特に慎重を期しておるところでございます。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 時間がなくなってまいりましたので、一括して質問をいたしたいと思います。  第四は、エネルギーの問題であります。年初来の石油事情は、イラン・イラク戦争、五十五年十二月からの原油三ドル値上げ等があったにもかかわらず、通産省の値上げ抑制指導等により大変安定した推移をたどったわけであります。しかし、次回のOPEC総会での産油国の意向、あるいはメジャーの系列強化などの動き、今後の見通しは必ずしも楽観を許さないものがあります。  そこで伺いますが、まず価格の面では昨年来の円高基調が石油製品の価格にどう影響したか、また円の今後の見通しはどうなのか、関係当局からお伺いをいたしたいのであります。  次に、量的な面についてでありますが、今後とも安定した輸入が確保できるよう関係方面の御努力を期待する一方、国内における備蓄をさらに増強することが肝要と考えますが、局長の御意見を承りたいと存じます。  また、通産省の値上げ抑制方針は一応三月末までと聞いておりますが、四月以降はどうされるのか、あわせてお伺いをいたしたいと存じます。  次に、省エネルギー問題に触れてみたいと思います。先般の報道によれば、東京都が調査した都内における今冬の灯油の節約量は、推定で約八万キロリットルとのことであります。わが国全体での節約がどの程度であったのか、調査したものがあればお聞かせをいただきたいと存じます。  私が東京都の知人から聞いた話ですが、八万キロリットルと申しますと、ドラムかん一つが二百リッター、この量はドラムかんにして山手線の外回り十周分に当たるそうであります。そしてまた、東京都の第一庁舎の容量の一・二五倍に当たると聞いております。念のために申し上げました。  いずれにいたしましても、これからのわが国の産業構造は省エネルギー型への転換が必至と考えられますが、転換の現況及び今後の推進策について大臣より御説明願いたいと存じます。  省エネルギー問題についての第三の対策は、石油にかわるエネルギー源確保であります。石炭、水力、太陽熱、原子力等各代替エネルギーの開発の見直しについて大臣より承りたい。  国家的見地からこれら代替エネルギーの開発、実用化はまさに急務であるが、一方見落とすことのできないものはローカルエネルギーの活用策であります。特定地域内で活用できるエネルギー源を放置せず、きめ細かくこれを取り上げていく、たとえばごみ焼却の際の廃熱利用、工場廃液を発酵させてのメタンガスの利用、風力、中小水力、ソーラーシステムの採用等であります。自治体レベルではすでにローカルエネルギー開発に着手しているところもあります。国家百年の大計としてもローカルエネルギーの開発、実用化を推進すべきであると考えますが、大臣の見解を承りたいと存じます。

志賀学資源エネルギー庁石油部長

○志賀(学)政府委員 それでは、非常に広範な御質問でございますので、私の方から円レートの円高基調が石油製品価格にいかなる影響を与えたかという問題、それから石油安定供給の問題、それから石油製品の値上げの問題、この三つについてお答えいたします。残りの問題につきまして、円レートの今後の見通しの問題、これは大蔵省の方からお答えいたします。その他のエネルギー関係は、資源エネルギー庁の担当の部局の方からお答えいたします。  まず、円高がいかなる影響を石油製品価格に与えたかという問題でございますけれども、先生御案内のように、昨年の四、五月ごろから円高傾向が続いたわけでございます。こういった円高傾向を背景にいたしまして、昨年の六月下旬から七月初めにかけまして石油業界は元売り仕切り価格の引き下げを行ったわけでございます。他方、実は昨年の六月以降現在までにOPEC諸国がGSPベースでバレル当たり大体四ドルの値上げを行ったわけでございます。ただ、引き続きます円高傾向を背景にいたしまして、その後も石油業界におきまして石油製品の価格の安定に努力をしてまいったところでございます。  ただ、実情を申し上げますと、昨年の秋ごろから実勢価格が低下をしてまいりまして、他方、先ほど申し上げましたように、OPECの原油価格の引き上げがあったわけでございます。そういったことを背景にいたしまして昨年の秋ごろから民族系を中心といたします非アラムコ系の石油企業の収支、経営状況は次第に悪化してまいっているところでございます。特に昨年の十二月にOPEC総会におきまして原油価格の引き上げがあったわけでございますけれども、あわせましてことしの二月ごろから円安傾向に転じつつあるということも重なりまして、最近におきましては石油企業の収益状況は去年の秋に比べまして非アラムコ系を中心にしてさらに悪化してきている、こういう状況でございます。一言で結論的に申しますと、円高基調は昨年来日本の石油製品価格の安定に寄与してきた。ただ、一方において石油企業の経営状況は非アラムコ系企業を中心にして悪化してきた、こういう状況でございます。  それから、石油の安定供給の問題でございますけれども、私どもの考えといたしまして、価格の安定を含めまして需要に見合った石油を安定的に確保していくということがやはり石油政策の基本であるというふうに思っているわけでございます。そのために、第一は、やはり産油国とのつながりを深めるということ、それから第二には、日本の周辺海域を含めましてその自主開発などを進めながら、供給先の多角化を図っていくということ、これが基本であろうというふうに思っております。  同時に、先生から御指摘がございましたように備蓄の問題でございます。備蓄につきましては、御案内のように民間備蓄九十日を目標にいたしまして従来から施策を展開しているところでございまして、大体所期の目的は達しつつあるというふうに理解をしております。ただ、民間備蓄九十日だけではやはり不足でございまして、そういう意味合いから五十三年度から国家備蓄三千万キロリットルを目標に現存石油公団におきまして準備を進めつつあるということでございます。すでにむつ小川原あるいは東苫小牧におきまして会社の設立及び着工というような運びになっているわけでございます。  それから次に、石油製品価格の値上げの問題でございます。先ほど申し上げましたように、石油業界におきましては昨年来の円高傾向というものを背景にいたしまして価格の安定に努めてまいっているところでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、他方において実勢価格の下落というようなこともございましたし、あるいはGSPの引き上げという問題もあったわけでございます。こういったようなことから、昨年の秋ごろから民族系企業を中心といたします非アラムコ系企業の収益状況というのが逐次悪化をしてまいっているところでございます。特に昨年の十二月のOPEC総会の引き上げもあったということ、あるいは最近の円安傾向というような傾向がございます。そこで、こういったような状況を踏まえまして石油元売り会社におきまして価格の安定のために努力をしてきたわけでございますけれども、企業努力にも限界が見えつつあるというような見地から値上げを検討しているというように私どもは承知しております。いずれにいたしましても、値上げのタイミングあるいは内容、そういった問題につきましては基本的には各石油元売り会社の判断にまつべきものであるというふうに思っておりますけれども、私どもといたしましては、石油企業から値上げのお話があった場合には、その値上げを行う事前に十分事情を聴取いたしまして、便乗的な値上げがないように厳重に監視をしてまいりたいと思っているわけでございます。

大橋宗夫大蔵省国際金融局総務課長

○大橋説明員 円相場についてでございますが、一月には二百円前後でございましたが、その後若干円安となり、最近では二百十円台の前半で推移しているわけでございます。なお、本日の東京市場では、二百十四円六十五銭で寄りついております。  今後の円相場の動向につきまして政府の考えを申し上げますことは、為替市場に与える影響もございますので、まことに申しわけないのでございますけれども、差し控えさせていただきたいと思います。

奈須俊和資源エネルギー庁長官官房省エネルギー対策課長

○奈須説明員 省エネルギーに関します第一の御質問にお答えしたいと思います。  東京都におきまして各家庭の灯油の消費量がこの冬は非常に前年に比べて低下した、全国的にどうなっておるかという御質問でございますが、実は東京都と同じようなやり方でほかの府県で必ずしも調査をしておりませんので、全国的な同じような対象、同じような方法での調査というのはございません。手元にございますのは、灯油の販売量の数字でございまして、これは家庭以外、業務、全部灯油の販売を含むわけでございますが、これを見ますと、ことしの冬、十月から二月の間におきまして灯油の販売量は約一千四百四十万キロリットルとなっておりまして、その前の冬よりも低下しております。こういうふうな需要の低下につきましては、気温とか経済活動水準というふうな要因が絡んでおりまして、節約行動というものによる減少分がこのうちどれだけかということは非常に明らかにしにくい問題でありますけれども、しかし、ことしの冬が前年以上に寒かったことを考えますと、昭和五十五年度七%の石油節減対策ということで、暖房温度の設定等を含めましてお願いしておりましたけれども、そういった石油節減対策ということに対しまして広く国民の理解が得られたその結果ではないかと考えております。

川田洋輝資源エネルギー庁長官官房石油代替エネルギー対策課長

○川田説明員 私から石油代替エネルギーの開発導入とローカルエネルギーについてお答えさせていただきます。  先生御指摘のとおり、石油にかわるエネルギーをできるだけ早く多くつくり出すことは、非常に弱いエネルギー供給構造を持っておりますわが国にとって重要なことであると考えておりまして、政府としては、石油代替エネルギーの開発導入促進法というのを昨年制定させていただきまして、それに基づきまして明確な目標づくりをいたしまして、その達成に向けて努力を進めているところでございます。数字で申し上げますれば、昭和五十三年度の実績が、石油にかわるエネルギーは一億一千二百万キロリットルでございます。全体のエネルギーの中で二七%でございますが、これを先ほどの、石油代替エネルギー供給目標昭和六十五年度では五〇%、三億五千万キロリットルに引き上げたいと考えております。中身といたしましては原子力、石炭、天然ガス、それに水力、地熱あるいは太陽その他の新エネルギー、そういったもので考えているところでございます。それをぜひとも達成いたしたいというのが現在の状況でございます。  それから、お話がございました、そういった原子力、石炭、LNGといった単位当たりの規模の大きいエネルギーの開発を進めると同時に、それを補完するものといたしまして、身の回りにあるエネルギー源をできるだけ開発利用していくという形で、ローカルエネルギーと私ども称しておりますが、それもできるだけ地方自治体の方々とも協力をし合いながら進めてまいりたいと思っております。この関係の施策といたしましても、ソーラーシステムの普及促進、水力開発に対する建設費補助それから地熱開発の調査井掘削費補助などを講じておりますほか、地方自治体の活動に対する支援策といたしまして五十五年度一億八千万円でございましたが、五十六年度にはこれを十四億一千万円に増大させまして、地方自治体のそういう活動を国としてもできるだけ支援してまいりたいと考えているところでございます。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○神谷政府委員 それでは、産業構造の省エネルギー型への転換の現状と今後の推進策について簡単に御説明したいと思います。  御承知のように、第一次オイルショック以降エネルギーの節約が相当進んでまいっておりまして、エネルギー消費量のGNP原単位を見ましても、昭和四十五年から四十八年にかけては年率〇・一%で上昇しておりましたが、四十八年から五十四年にかけましては年率二・二%という数字で低下いたしてきております。今後とも産業構造全体の省エネルギー化を進めていきたいと思っております。このためにはいわゆる知識集約的産業といったようなものの部門を拡大して、構造そのものを省エネルギー的にしていくほかに、おのおのの産業の分野の中でのエネルギー使用の合理化をさらに進める必要があろう、このように考えております。このため政府といたしましては省エネルギー型設備の導入あるいは生産工程の改善を図ることが肝要であるという観点から昭和五十六年度からエネルギー対策促進税制といったものを設け、これに加えて金融面等での積極的な支援をも講じつつ、所期のねらいを達成してまいりたいと考えております。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 以上をもって私の質問を終わりますが、最後に要望いたしておきたいと存じます。  私は、この物価問題に関する特別委員会に籍を置き、常々痛感いたしておりますことは、この委員会の存在のいかに大きいかということ、この委員会での審議に対する国民の期待と関心とが集中していることであります。ここで要望しておきたいのは、行政当局の方々に、この霞が関での物価問題を中心にした討議とその結果は日本の各地の一人一人の生活、台所にまで実際の影響があることであり、これを行政の、いや政治の心として行政に携わっていただきたいということであります。どうも大変ありがとうございました。

井上泉日本社会党

○井上委員長 武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 私は、まず最初に五十五年度あるいは五十六年度の物価の現状、見通しについて企画庁の考え方をお伺いいたします。  五十五年度の六・四%が実現できなかった。私どもは、六・四%は非常にむずかしいということは一年前に指摘し、昨年十二月二十日にこれが七%程度に変わり、現実に三月の東京区部のパーセントが判明いたしました。したがって五十五年度の消費者物価の最終的な見通しは幾らになると経済企画庁は見ておられるか、最初にそれをお伺いしたいと思います。

廣江運弘経済企画庁物価局長

○廣江政府委員 五十五年度全体の消費者物価の見通しでございますが、いま先生もおっしゃいましたように、東京都区部の速報が出ているだけでございまして、東京都はこれから確報が出るわけでございますし、また全国も確報が出るわけでございますので、いま正確なことまで申し上げかねますが、一つ計算をいたしますならば、東京都区部は三月が前月比〇・六%上がりまして、六・五%というのが速報でございます。三月の季節商品の動き等を勘案いたしますともう少し下がるのではないかという期待もないわけではございませんが、まず東京都は、速報で確定いたすといたしますと、東京都全体では七・五%ということになります。東京都の五十五年度の年度平均上昇率というのは七・五%ということになります。  さて、その東京を用いまして全国を推計をしたらどうなるかというお尋ねでございますので申し上げますが、まず二月までは全国の確報が出ております。二月の全国の確報は、一月の七・四%から六・五%へ落ちております。前月比では〇・一%の増でございますが、このまま三月も全国が横ばいで推移する、こういうことにいたしますと、三月の指数が一四一・四になると思いますが、そして五十六年三月の前年同月比は五・六%ということになりまして、年度平均指数では一三九・三で、五十五年度平均上昇率は七・七%という計算ができると思います。  その次に、東京が三月に上がったように全国も上がるという仮定を置いて計算をいたしますと、五十六年三月の指数が一四二・二という指数に計算をされまして、前年同月比では六・二%程度、こういうことになろうかと思います。そういたしますと、五十五年平均指数が十三九・四で、五十五年度年度平均の上昇率は七・八%程度ということになると思います。

武部文日本社会党

○武部委員 われわれの指摘をしたとおりの動きになってきたわけであります。私は一年前にここで八%ということを言いましたけれども、いまお話がございましたが、七・八、これが大体推定される五十五年度の物価上昇率だ、こう見ることは妥当な数字ではないかと思います。問題は、現在の物価の状況が安定をしておる、鎮静化をしておる、こういう見方をもし企画庁がお持ちならば、それは誤りだ。私は先般の予算委員会の集中審議でも申し上げましたけれども、物価の基調というものは決して鎮静化をしていない。いまお話のございました七・八%、これは季節商品をすべて含んだものであります。私は、物価の基調というものは季節商品を除いた総合で考えるべきものだということを指摘したわけでありますが、この七・八%の中から季節商品を除きますと八・三%という数字が出るのであります。したがって、五十五年度の物価の基調はこのように高い数字である。六・四に比べますならばはるかに高い数字になっておる、こういうことが言えると思うのであります。したがって、五十六年度、これからいろいろお尋ねをいたしますが、季節商品を除いて八・三という数字を念頭に置いて物価政策というものをやってもらわなければ困る、私はそのように思うのです。  もう一つ、時間の関係でお尋ねをいたしますが、七・八という数字が出た場合、五十六年度に食い込むげたは一体幾らと見ておられるか、これをひとつ……。

廣江運弘経済企画庁物価局長

○廣江政府委員 五十五年全体を通しました数字は先生のおっしゃるような形になろうと思いますが、最近の物価の動向はどうかということでございますと、まず卸売物価でございますが、卸売物価のうち消費財、消費者物価に一番影響を与えます消費財というのはこのところ落ちついてきておりまして、数字で申し上げますと、一月が前年同月比で七・一、二月が六・一、そして三月の現在の速報までで五・二というふうな数字をたどっているということをまずお含み願いたいと思います。  その次に、消費者物価の季節商品を除く総合の動きでございますが、いま五十五年度全体でのお話があったわけでございます。これも一月、二月、三月と申し上げますと、一月七・九、二月七・四と落ちてきておるわけでございまして、東京の速報が七・四でございますが、これは年度が変わりまして本年は、昨年の状況を勘案いたしますと、かなり落ちてくるというふうな状況にあると思います。もちろん物価につきましては十分に注意をしなければいけないということは、御指摘を待つまでもなく十分に心得なければいけないと思っております。  次に御指摘の、げたはどうなるかということでございます。このげたは、特に三月の確報が出ないと、非常に微妙な動きをいたしますのでその点をお含みの上お聞き取りを願いたいと思いますが、三月が、二月横ばいのとき、すなわち全国の五十五年度平均が七・七と申し上げたケースでございますが、その場合のげたは一・五程度ではないかと思います。念のため申し上げますと、そのうち季節商品を除きます総合の寄与度が〇・八程度だと思います。その次に、三月の前月比が東京都区部並みに上がるといった仮定を置いた場合のげたをこれまた仮に計算をいたしますと二・〇程度になろうかと思います。そのうち季節商品を除きます総合の寄与度が一・一ぐらいになろうかと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 あなたのおっしゃった後のことが私はそのような数字で出てくると思うのです。したがって、前月比〇・六%の東京区部の数字を前提として五十六年度に食い込むげたは二%、このように見てよかろうと思います。そうなれば、企画庁長官は先般、五十六年度の物価の上昇は五・五%、これが経済指標になっているわけですが、このうちすでに二%はげたであります。そうなれば残りは三・五%しかありません。こういう非常に厳しい情勢が五十六年度の物価上昇だ。なるほど電力、ガスというような大物はないかもしれません。しかし去年の六・四が七・八になったというこの実態を見ても明らかなように、今日までの数字の目標というものは明らかに狂っておる、こういうことはもう確実に指摘ができるわけであります。したがってわれわれは、この物価上昇の見通しが狂ったその責任をぜひとってもらいたい。そのために特別に物価調整減税を要求したわけであります。  私は企画庁長官にお伺いをいたしますが、先般も指摘をいたしましたように、六・四%という数字が狂った。いろいろ原因はあります。原因はありますが、現実にこれは狂ったわけであります。しかも八%に近い数字が出る可能性は、もう一〇〇%そうなってきた。こういう中で閣内の有力閣僚として、所得減税について積極的な態度で臨んでいくお考えがあるかどうか、これをお伺いしたいし、五十六年度の目標五・五%、これはいま申し上げたように、げたが二%、こういう中で大変むずかしい状況になると思うのですが、この見通しについてお伺いをいたします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 まず第一番に物価調整減税の問題でございますが、これは先般議長裁定が出まして、その議長裁定の線に沿って与野党の間で具体的に詰めておられます。合意ができておりますから、私といたしましては、若干でも物価調整減税ができるようなそういう結論が出ることを期待をいたしております。  それから第二点、昭和五十六年度の五・五%というものは達成できるか、こういうことでございますが、先ほど政府委員から答弁いたしましたように、五十六年度へのげたは一・五%ないし二・〇%と一応計算されるということを言っておりますが、五十四年度から五十五年度への繰り越しのげたは三・六%であったそうであります。それから、年度間を平均いたしますと相当高い水準になりまして、大変申しわけなく思っておるわけでありますが、最近は急速に鎮静化の方向に進んでおりますので、この傾向をさらに安定をさせたい、こう思っております。卸売物価の現状、石油価格の動向それから生鮮食料品の動きあるいはまた公共料金の五十六年度の取り扱い、こういうことをいろいろ総合的に勘案いたしますと、五十六年度の五・五%という消費者物価目標を達成することは決してむずかしいことではない、私はこう思っておりますが、しかし何分にも消費者物価というのは国民生活と非常に密接な関係がありまして大事な課題でございますから、この実現のために全力を挙げたいと考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 鎮静化の問題というのは考え方が私どもとちょっと違うので、これは時間をかけてやらなければいけませんが、おっしゃるように昨年のげたは三・六でありました。あのときに論争したときも、三・六というのは非常に高い、したがって六・四は不可能じゃないかということを私は指摘したことを覚えておりますが、そういう中で六・四が今度は五・五――六・四といってもこれは七・八になっておるわけですから、そういう中でげたの占める割合というのは相当大きいのです。それから、おっしゃるように卸売物価が鎮静化をしてきた。ところが、今日の卸売物価の消費者物価への連動というのは非常に影響が少なくなってきておるというふうに私どもは見ておるのですよ。卸売物価が下がってきて、さてそれじゃ少しテンポが速くなったけれども消費者物価に影響を与えてくるかなと思っておりますと、なかなかそうはなってきていないというのが現実の姿です。ということは、その他の工業製品の値上がりが二けたにもなっておるということを考えると、必ずしも卸売物価の値下がりが、鎮静化が消費者物価に連動しておらないということを物語っておるというふうに私は思うのです。  それはそれといたしまして、現実にいま申し上げたようなげたの数字が一・五ないし二%、こういうことはもうすでに確定的な数字であります。こういう中で果たして五・五%の五十六年度目標が達成できるか、大変懸念をするわけですが、長官の決意もあるようですからそれは大いに期待をしなければなりませんが、特に五百億の問題は四十四億しか使わなかった。したがって、これは他に流用されるようでありますが、五十六年度もやはり同じようなことで大体の話がついておるようでありますが、これを後になって使ったのじゃ何にもならぬのでありまして、早々と計画を立ててもらって鎮静化の方向にこれを使っていく。昨年のように年を越してから大騒ぎでやったって、とてもじゃないが野菜対策なんというものは後手後手ですから、そういう意味ではひとつ年度初頭からこういう問題についての計画をぜひ立てていただいて、国民の期待する五十六年度の物価上昇、政府の約束をする五・五%を実現してもらいたい、これを要望しておきたいと思います。  私は時間の関係でこれから具体的な、企画庁が三月十七日にお出しになった「当面の経済情勢と経済運営」、この中の物価問題の一、二の問題についてお尋ねいたしますから、具体的にひとつお答えをいただきたいと思います。  昨年、電力、ガスの値上げ申請の際の査定をめぐっていろいろと長い時間をかけてやりとりをいたしました。結果的に査定は五〇・八三%ですか、そういう数字になりました。私どもは三十数%の指摘をしたわけですが、これが入れられませんでした。そういう中でいま電力業界、ガス業界、こういうところの決算の予想が新聞をにぎわしております。先般の予算委員会の集中審議で、私は電力と石油の円高差益のガラス張りを提唱いたしました。少なくとも国民の目に円高差益というものがどんなものかということを明らかにするように、経理を別途にすべきではないか。これはかねて企画庁長官にも申し上げまして、それも一つの方法だという答弁がございましたが、この中で田中通産大臣は、ガラス張りにすることも確かに一つの方法として検討に値する、十分検討したいという答弁でございました。  そこで、このガラス張りにするについてはその中身が明らかでなければなりませんし、疑問の点があればこれははっきりしておかなければなりませんからお尋ねをするわけですが、あの際の田中通産大臣の答弁は、私の指摘をした数字と大変違う数字を答えておられるのであります。ここに議事録がございますが、これを見ますと、私は石油業界は一円円高で年間五百億円の差益が入る、電力九社は一円円高で年間百五十億円の差益がふところに入る、こういう指摘をいたしました。その結果、上期で電力業界は千百二十五億円、年間三千五百億円の円高差益、石油業界は年間六千二百億円の円高差益、こういうことを申し上げました。これに対する田中通産大臣の答弁は、石油関係は上期で三千五百億円でありまして、大体私の指摘と合っておりました。ところが電力業界は、九電力で上期約五百億円という答弁がございましたが、これは私の指摘の半分以下になるのであります。一体どうして五百億円というものが出たか、その根拠をひとつ通産省から述べていただきたい。

植松敏資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○植松説明員 お答えいたします。  いわゆる円高差益につきましては、電力事業の場合決算上あらわれてくるという数字でございませんで、料金の査定のときに織り込んだ為替レート等から勘案いたしまして、結果的に、輸入原油でございますのでどのくらい購入価格が安くなっているかというところから試算をしたわけでございます。  いま先生御指摘の、一円当たり百五十億円に相当するので上期は千百二十五億円程度出ておるはずではないかということでございますが、実際に昨年の四月以降、石油の原油価格でございますが、為替レートの方は円高に推移してまいりましたが、一方で原油の価格が徐々に上がってきております。これを差し引かないといけないというのが第一点。  それからもう一つは、原重油輸入燃料の消費量、実際に電力会社がどの程度使ったかということとの相関で決まってくるわけでございまして、上期は決算が出ましたところで精査をいたしました。その結果、そういった為替円高の影響と原油価格の値上がりぐあい、それに実際にどのくらい原重油等が消費されたか、その三つから試算を、これはあくまでも試算をしたものが約五百億円だ、こういうことでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 あなた方は考え違いをしておるのじゃないですか。円高差益はガラス張りにしろと言うのは、たとえばバレルが上がるということは私ども認めますよ、当然OPECが上がっているのだから。それは全然別の問題なんですよ。電力料金が査定されたときのレートは二百四十二円ですよ。二百四十二円だったが、昨年の四月からの上半期を見れば、トータルはここにあるのですよ。あなた方も恐らく調査されておると思いますが、銀行間の直物翌日渡し、これは中心相場で昨年四月から今年三月までの一年間の円レートをとりますと二百十七円四十銭なんですよ。大蔵省の通関統計によると、円レートの一年間の平均が二百十九円なんですよ。二百四十二円からこれだけを引いて、そして円が一円上がりますと電力会社は年間百五十億円と私は言いました。百七十億円と新聞報道にもあります。また百五十五億円と言う人もおる。それならば一体通産省は、一円円高になると九電力の円高差益は一年間で幾らと見ておりますか。私は百五十億円と言うし、新聞は百七十億円と書いてますが、どうですか。

植松敏資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○植松説明員 巷間いろいろな数字が新聞等で報道されておりますけれども、たとえば円レートが一円変わりますとどのくらいになるかということは、先ほど申しました少なくとも二つの要件、実際に使っております原重油の量との相関で決まるものですから、その消費量を見ませんと正確なところは申し上げられません。ただ先ほどから申しておりますように、確かに為替レートは先生がおっしゃるような推移を示したと思いますが、たとえば電力会社におきましても原油を生だきしておるものもございますし、それから重油を使っておるものもございます。いろいろ国内取引の要素も入りますので、たとえば為替レートの引き方でも、原油を使っておる場合につきましては比較的早期に円高の効果が出てきますし、重油の場合ですと国内流通経路を通っている時間のタイムラグもございます。こういったものを積み上げてみませんと正確な数字が出てまいらないわけでございます。その辺の差が上期で申しますと、特に円レートの、実際に電力会社で使います消費価格のタイムラグの問題もございまして、先生御指摘されているものよりも少な目に出ているのではなかろうか、こういうふうに推定されます。

武部文日本社会党

○武部委員 そういう話ですと、これはちょっと論争になりませんね。たとえば一円円高になった場合に、九電力のいままでの消費量、いろいろなものを見て大体百五十億円から百五十五億円というのは常識になっているでしょう。政府の答弁の中に堂々と出ているのですよ。議事録を見てください。そういうふうになっているのですよ。そういうことで計算をすればたちどころに出てくるのです。たとえば九電力なり石油業界が円高差益というものがどのくらいか。OPECのあれが別にまたどのくらいなのか、差し引きどのくらいか、それはまた別の問題ですよ。為替差益をガラス張りにしろというのはそういう意味なんですよ。そういう意味で企画庁長官もそれを肯定され、通産大臣も一つの方法だからそれで十分検討しなければならぬ、こういう答弁だった。だれが考えてみても、二百四十二円で電力料金の査定をし、そして現在それが二百十八円なり二百十九円になっておれば、年間を通じて一体どういう為替レートの動きになってくるということはちゃんと出ておるのじゃないですか。大蔵省のだってそうだし、銀行の――これはあるのですよ。たった一円しか違いませんよ。大蔵省と銀行間の問題というのは三十銭か四十銭しか違わない。ほとんど同じです。二百十八円と二百十九円ですよ。一年間平均する為替レート二百十八円ないし二百十九円で計算をすれば明らかに電力業界は三千七百二十億円程度の為替差益を九電力はふところに入れることができた、こういうことになるのですよ。それを否定されますか。これは架空の数字ですか。

植松敏資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○植松説明員 たびたび同じ答弁を繰り返して恐縮でございますけれども、電力会社の場合にいわゆる円高差益と申しますのは、外貨建ての債券がございまして、その評価が上がるとかそういうものではございませんで、電力会社としては原油あるいは重油を円で購入いたしまして、その上で実際に結果的に差益が出るか出ないかを判断するわけでございますが、まず油がCIFでドル建てでまいりますと、それが実際に円に直した場合にどのくらいの見積価格との差が出てくるか、それがさらに出るわけでございますが、そのときにもうすでに原油購入価格、要するに原油代が上がっておりますと当然相殺されてしまうわけでございます。したがいまして、電力会社に入るところの、電力会社として見る燃料コストの面でいいますと、原油の値段、ドル建てのものがどのくらい上がるかということ、それからもう一つはそのドル建てを今度は円建てに直したときにどのくらいの差益が出てくるか、その両方の合算された形あるいは差し引きされた形で電力会社の手元には入ってくるわけでございますので、いわゆる円高差益がどのくらい出たかを試算します場合にも、原油の値上がり分を差し引かないと正確ないわゆる円高差益が計算されない、こういう仕組みではないかと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 それならば、OPECの値上がりがどのくらいあったかということを差し引かなければならぬとおっしゃったが、差し引く前の金額は幾らだと見ているのですか。推定できるのですか。引くのは上がっているのだからわかりますよ。それは全然別にして、私がいま申し上げたような二百四十二円のレートで料金が決められたのですから、その二百四十二円の円レートというものが、一年間のうちにいろいろないきさつがありました、そして平均が出てくる、これで私どもが計算いたしますとこうだ。それにまたOPECの値上げ等があるから、それはまた差し引かなければいかぬでしょう。そのもとは幾らになると見ておるのですか。大体何千億円ぐらいになると見ておるのですか。

植松敏資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○植松説明員 何度も同じことになって恐縮なんでございますが、そういう計算の仕方というのが、とにかく電力会社として購入しますのは、円で原油なりあるいは重油を購入するわけでございますので、そのときに、料金査定の場合に織り込んだ価格とどれくらいの差があるかということを合算してみるわけでございます。したがいまして、その効果としてはその両側、つまり円レート分とそれから原油価格のドル建て価格、両方を勘案した形で試算をいたしておるものですから、個別にどのくらいというのはちょっとわかりません。

武部文日本社会党

○武部委員 何を言っておるのか、私は全然わかりません。私は頭が悪くてどうもあなたの言われることがよく理解できぬのか。ここでわれわれは何遍もやったんですよ。そして数字の上で若干の違いはあったけれども、円高差益というものはガラス張りにしようじゃないかというのはそこから出てきておるのです。あなたは頭のいい人で十分説明されたと思っておるけれども、私は何のことやら全然わからぬ。  したがって、五百億円というものは上期だとおっしゃった。では通産省は電力九社の為替差益、円高差益は一年間で幾らくらいになると見ておられるのですか。

植松敏資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○植松説明員 九電力の場合につきまして、先ほど上期約五百億円ということを申しましたが、下期につきましては、つまり年度間を通じましてはまだ確定決算が出ておりません。したがいまして、先ほど申しました要素が固まりませんと試算ができないわけでございまして、五十五年度通期ではどのくらいになるか、現在のところ申し上げられない状況でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そんなばかなことはないのですよ。後で石油のことも言いますが、電力会社はもう現実に新聞にも発表になっておるんじゃないですか。九電力の経常利益がどのくらいあるというのがみんなここにありますよ。それは円高差益も皆入ったものですよ。ここに出ておりますが、たとえば東京電力は二千八百億、三月末の経常利益が出ておる、こう出ております。推定で出ておるのでしょう。通産省にそういう三月末の大体の推定の決算の報告はあったんじゃないですか。毎年あるんじゃないですか。どうなんですか。

植松敏資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○植松説明員 決算内容につきましては、先生御高承のとおり、三月決算期が終わりますとそれぞれ証券取引法あるいは商法の規定に従いまして決算役員会をやり、またさらに株主総会の承認を得て最終的に会社の決算が確定するわけでございます。決算期が終わってから大体二カ月程度かかって決算が固まるわけでございます。現段階で一部の新聞報道等に推測の記事等載っておりますが、私ども、電力会社からそういった数字をまだ聞いておらないというのが実態でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 これは新聞社がみんなこういうことを計算するんですか。ここに「電力九社の三月期業績予想」ということで九電力みんな、売上高から経常損益から全部書いてありますよ。これは少なくとも九電力が通産省に、もう三月は済んだのですから、四月に入ると大体わかりますから、予想を出して、それを推定としてここに書いてあるように報道されているというふうに私は理解しておるのですが、これは通産省は全く関知せず、新聞社が勝手に予想を書いた、こういうことですか。

植松敏資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○植松説明員 先生の御指摘の新聞報道、どの記事かちょっとわかりませんけれども、確かに新聞報道でそういういろいろな推測といいますか、出されているのは私どもも見ておりますけれども、電力会社から特にそういった数字について私どもの方に御報告が来ておりませんし、それからそれを受けてその数字を記者会見等で各社が新聞記者等にリークをしたというような事実は承知しておりません。

武部文日本社会党

○武部委員 それではもう全然話になりません。私は長官に来ていただきたかったのはそういう意味であります。何遍やってもいつも金額が違うのであります。少なくとも円高差益というものが相当なものだということは国民のだれにもわかっておる。そういう中で電力が空前の好決算だとか九電力で一兆円だとか、こういう新聞報道が現実にありますね。円はきのう二百十四円くらいですね。終わり値は二百十四円幾らでしたか、さっきもちょっとお話があったようですけれども、調べてみますとそうです。平均レートよりも高いです。円高基調ですね。そういう中で二百四十二円というレートをとったこともわれわれよく承知しておる。電力会社は一兆円もの利益を上げておる、一体これはどういうことか、国民としてはだれしも不思議に思いますよ。皆さんとやり合ったときに、五〇・八三%にあなた方は査定をされた。われわれも査定をした。私どもは三三・五六を主張したけれども、あなた方はこれを入れなかった。五〇・八三%という非常に高い電力の査定に終わったのですよ。そうして今日一兆円もの利益を九電力が上げておるということを新聞報道で見れば、国民だれしも不思議に思うのですよ。一体何でこういう利益が上がったのだろうか。相当差益があった、確かにこれも一つでしょう。あるいは出水率が非常に高くなった、あるいは原発の稼働率も非常に高くなった、これもそうでしょう。あなたと何遍やってもいけませんから、では次のような点についてはいかがですか。  出水率が一%上がるといたしますと約百億円ぐらい利益が出てくる。中間の速報によりますと、出水率は上期は相当高かった、下期は減った、そこで平均の速報は七・六%の出水率の増加、こうなっておるのです。したがって、これだけで九社で大体七百六十億円の利益が出てくる、こうなりますね。原発の稼働力、これは一%稼働率が高くなると大体百六十五億円利益が出てくる、これで計算いたしますと、速報による原発の稼働率のパーセントは六・一%の上昇、したがって、これに百六十五億円掛けますと丸百九十億円という利益が出てくる、出水率と稼働率を加えますと千七百五十億円、こうなります。先ほど私が申し上げた九電力の為替差益は五十五年度、九社で三千五百六十五億円、こういう数字が出ます。したがって、円高差益は九社で約三千五百億、これに出水率、原発稼働力の上昇による利益を合わせますとここに五千三百億円程度の利益が出てくることに計算上なるのです。そうなってくると、一兆円という経常利益――一兆円と言われておるのです。「九社で一兆円に迫る」あなたは否定されるようですけれども、九社の利益が会社別に全部載っています。恐らくそう狂いはないと思うのです。これは根拠があって報道機関がそれぞれ東京電力、関西電力幾ら幾らとみんな書いてある。東京新聞、日経それぞれ同じ日に出ていますよ。同じような内容なんですよ。そうして、この経常利益は大体一兆円に迫ると書いてある。一兆円のうち、いま私が申し上げたのは五千三百億円、仮に円高と出水率と原発の稼働率、これを引きましょう。一兆円から五千三百億円を引くと四千七百億円、この四千七百億の利益が九電力に出た背景は一体何でしょうか。どうしてこういう利益が出たのでしょうか。これは言うまでもなく、五〇・八三という高い率をあなた方が認めた、したがって電力料金が非常に高かったからこれだけの利益が出た、このように理解していいのじゃないですか、国民はみんなそう思いますが、どうですか。

植松敏資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○植松説明員 先生の御試算を伺いましたが、決算が確定しておりませんので、最終的な年度間の経常利益がどのくらいになるか私どもいまのところはかりかねますが、そういうことは抜きにいたしまして、上期でもかなり好調な決算をいたしております。下期は、私ども全く個人的な推測でございますけれども、円高基調でございますとか出水率ですとか原発の稼働率ですとか上期に好決算の要因として考えられましたファクターが、下期もそれほど大きく悪材料がないということから、少なくとも上期を下回らない程度の、たとえばかなりの円高差益が出てくるのではなかろうかという感じがいたしますが、上期につきましてもいろいろ要因を考えました場合に、先ほど先生御指摘め円高差益、出水率が平均よりも高かったことあるいは原子力発電が高稼働というようなことのほかに、冷夏あるいは景気動向等を反映いたしまして、電気全体の需要自身も当初想定したよりは下回ったということがございました。特に夏季冷夏であったことでピーク時における電力需要が比較的小さかったというようなことも高価格の火力発電の稼働を少なくして、むしろベースの原子力発電でございますとか水力発電で賄った分が多かったために、結果として燃料費の節減になったという面もあろうかと思います。そういったいろいろな要因が相乗作用で絡み合いまして、結果として上期はああいう決算になった。下期につきましては、先ほど来申しておりますようにまだ決算が確定しておりませんので何とも申し上げられませんが、そういった要因が下期にもいろいろな形で出てまいりまして最終的な結論になるのではなかろうか。その数字自身がどのくらいになりますか、それにつきましては現段階では何とも申し上げかねるということでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 大体通産省は円高差益というものをガラス張りにする意欲があるのだろうかということについては大変疑問に思うのですよ。あれだけ問題になって円高差益円高差益と言っているのですし、大臣もそういうことを言っておるしということになれば、円高差益をもっと国民の前に明らかにするような努力をしてもらわなければ困る。いまやりとりをしておっても何のことやらてんでわからぬのですよ。一時間しかないのにこんなことをやっておってもとても話になりませんので、次に譲ります。  そこで、先ほど言った出水率が一%上がった場合九電力百億円、原発稼働率が一%上がった場合に百六十五億円、この金額を肯定されるかどうか、それから五十五年度の出水率の上昇率、原発の稼働率の上昇率を調べておいてください、この次にやりますから。そうして、九電力の為替差益は、私が申し上げたように二百四十二円、それから現実の円レートの推移を見れば二百十八円九十四銭、これは大蔵省の通関統計、もう一つは銀行間の直物翌日渡しの中心相場は二百十七円四十銭、ほとんど差はありません。この二つのレート、年度平均、このレートで算出した場合にだれにもわかりやすい為替差益の額は一体幾らになるか。そのほかに、たとえばOPECの値上げによって原料高がどのくらいあったかということがわかれば、円高によって九電力はどれくらいの利益があったなということがわかってくると私は思うのです。そういう中のやりとりでないと幾らここでやっておってもらちが明きませんから、そういうことでぜひ試算をしていただいて、次の機会にこの問題でやらせていただきたい、こう思います。  そこで、それを前提として経済企画庁が三月十七日に出されたものについて少しお尋ねをしたいわけですが、この中の物価対策の四番目に「電力、ガス料金については、円高差益等収支の状況をふまえたうえで、現行料金をできる限り長く維持し、料金の安定に努める。」こういうことが書かれております。この間の円高差益のときの状況を振り返ってみますと、当時直接差益が九電力で二千四百七十二億円ございました。石油連盟からの値引きの間接差益が千四百十一億円ございました。合計三千八百八十三億円の円高差益があるということで、これをどのように国民に還元するか、こういうことで論争いたしました。ところが、電力会社も通産省もこの中に二百億というOPECによる値上げ分がある、あるいは資本費が必要だとか、人件費が高騰するとか、そういうことで留保したいということで、千二百億円を留保いたしました。差し引き二千六百六十五億円が還元に回ったのであります。円高差益三千八百八十三億円のうち現実に国民に還元された金は二千六百六十五億円であります。これを電灯のキロワット当たりにいたしますと一円四十三銭、こういう計算になりまして、使用家庭の月平均が百八十九キロワットアワーということになりまして、還元額は月二百七十円ということになりました。これの一年分を還元したわけです。二千六百六十五億で二百七十円の一年分の還元がされた、こういうことが現実にあったのであります。先ほどから申し上げるように、今日一兆円近い経常利益が出てくるであろう、こう言われておる。それも不確定の分があるということはあなたの御指摘のとおりですから、確定とは言いません。その場合に、「電力、ガス料金については、」「現行料金をできる限り長く維持し、料金の安定に努める。」これは期間も何も書いてない。具体的に私が申し上げたような円高の傾向、差益の動向、あるいは出水、稼働率、あるいは五〇・八三%の査定によって相当な額が電力会社のふところに入っておる、経常利益は莫大である、こういう中で一体現行料金をいつごろまで据え置こうと考えておるのか。「料金の安定に努める。」非常に抽象的ですが、この経済対策閣僚会議の決定の、国民に最も身近な、しかも直接関係の深い電力料金を一体どのようにしようと考えておるのか、これをひとつ企画庁から説明していただきたい。

廣江運弘経済企画庁物価局長

○廣江政府委員 先ほど来の御議論でございますが、まだ五十五会計年度の状況は、先生も御指摘のように、わからないわけでございます。ここに「円高差益等」と書いておりますのは、上期におきます状況それぞれをすべて含めるという意味で「等」と書いておりますし、また下期もいろいろの状況が考えられますのでそういうふうな表現をしておりますが、そういうものもあわせまして、収支の状況を踏まえた上で現行料金を据え置くということでございまして、この趣旨は、前回のときの金額等の御指摘がございましたが、今回の場合は金額がまだ確定してないということをひとつお含みを願いたいと思いますし、前回のときに徴しまして、小さい金額で還元をするよりもそれを後々料金を据え置くということに活用した方がより国民経済的に見ても有意ではないかという配慮のもとにこういう政策を打ち出しておるわけでございます。  御質問の中に、「できる限り長く」とありまして期限が示していないということでございますが、これは先ほど申し上げましたように、五十五年全体のこともわかりません上に今後のことに言及しておるわけでございますので、心といたしますと円高差益等収支の状況を踏まえて、できるだけ長く現行料金を維持することによって国民経済に寄与しようという意図を出しているわけでございまして、文字どおり御解釈を願いたいと思っております。

武部文日本社会党

○武部委員 先ほど申し上げるように、前回の還元の際に二千六百六十五億円の金で、大体二百七十円の一年分ですから三千円ちょっとですね、家庭に一年間に三千円ちょっとということで還元された、このことが結果的にはいろいろと問題になりました。そういうことをやった方が本当によかっただろうか、いろいろな点で問題になったことを私も肯定いたします。したがって、これを月に二百七十円返す、二月に何か五百四十円ずつ返していったそうですから、そういう返し方がよかっただろうか、それとも別途積み立てておいてこの値上げを延期した方がよかったのじゃないだろうかというような意見もございました。これはどっちがいいかということはいろいろ考えていかなければなりません。しかし、今度は二千六百六十五億なんという金額じゃない。いま推定される金額だけでも大変大きな金額になっておる。しかし、円高差益と一般の経常利益は別だ、努力してやったのだ、こうおっしゃるかもしれぬが、これは五〇・八三%という高い査定が今日この利潤をもたらしたということを私は指摘をしたい。したがって、双方あわせてこの料金問題を考えてもらわなければ困る、こういうふうに思います。いまここで、五十五年度の決算が出ておらないときにどうだこうだとは言いません。しかし、現実にもう推定は出ておる。こういう中ですでに新聞では来年の秋ごろまでは料金を据え置いてもいいじゃないか、これは電力会社がそういうことを言うからこういうことになるのですよ。何も新聞社が自分で勝手に計算をして、いやこれは一年か一年半かと新聞社が計算したものじゃないのですよ。電力会社がこれならば、大体現状のまま円レートが推移するならば、一年間に二十四円も円が上がったのですから、二百四十二円に対して二十四円も上がっているのだから、そういう中で一時二百十三円、十円前後を、円が乱高下しておりませんから、そういう中で推定するならば、一年半ぐらいは現在の料金を上げなくても済むのじゃないだろうか、これは電力会社が言っておるんですよ。そういうときに政府の閣僚会議はただ単に「できる限り」というような、そういうような抽象的なことではなくて、もう目の前に九電力の業績が明らかになるわけですから、それによって九電力の料金は一体どうするかということを早急に示していかなければならぬ、そういう責任がある、義務があるというふうに思いますが、企画庁としてはそういう考え方があるかどうか、これをお聞きしたい。

植松敏資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○植松説明員 電力料金の問題でございますので、私の方からお答えさせていただきます。  先生先ほどから御指摘の点で一つ私お答え申し上げなかったのでございますが、査定の誤りというような感じの御指摘がございましたけれども、私ども昨年電力料金の認可をいたしました場合に、物価、国民生活への影響を十分考慮しながら、経営の徹底した合理化を前提といたしまして、原価主義の原則に立って厳正、慎重に査定し、認可した次第でございます。  しかしながら、上期におきましてもかなりの好決算になったということは御指摘のとおりでございますが、これは先ほど来申しておりますように、また先生から御指摘もございましたように、為替レートが円高にその後推移してきているということあるいは出水率が気象条件によりまして非常に高くなったということ等ございまして、いずれもいわば一過性と言うとちょっと言葉が過ぎるかもしれませんけれども、たとえば出水率で申しますと一〇〇%平水で査定をしておるわけでございますが、これは昭和十七年以来三十年間の平均値を出したものが一〇〇でございまして、たまたま昨年はそれぞれ水源地でかなり雨が降ったというようなことが幸いいたしまして、それが非常に好決算の一因になった。こういうことが将来ともずっと続くということは必ずしも考えられませんし、それから為替レートにいたしましても御案内のとおり変動相場制でございますので、しかも一月には二百円ちょっとのところまで上がった円も、二月、三月とまた若干弱含みといいますか円安傾向にある。とにかく為替レートは変動相場制でございますから、先行きについては必ずしもこれも楽観は許さない。  一方、原油価格の方は昨年夏来、バリ島総会等でまた若干の値上がり等もございました。また、それまでの値上げ分も徐々に浸透してきているといういろいろな事情がございまして、先行きの見通しにつきましては好要因、それから懸念要因いろいろまじってのことでございます。  一方、諸コスト、諸費用というものは、当然のことながら全体の物価の動きにつれて上がってくる要因もございますし、そういうことを考えますと必ずしも楽観は許されませんが、ただ、できるだけ私どもとしましては、電力企業が一層経営努力を重ねまして、少しでも、一日でも長く現行料金を維持できるようにということで指導をいたしております。今後もそうしていきたいと思っております。また、決算内容がはっきりいたしました段階で、先生御指摘の点も含めましていろいろ技術的に消費者に現行料金をできるだけ長く維持する、据え置いていくという方向で指導してまいりたい、こういうふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 時間が来ましたから私はそれ以上のことは言いませんが、確かに出水率の一過性は認めます。変動相場制も現実の姿です。よくわかります。円高差益はそれによって三千五百億か幾らになるかまだわかりません、そういうことはよくわかります。しかし、この経常利益が予想されるように一兆円も仮に出てきたとすると、その中から私が指摘をした円高差益を引き、そして出水率のもうけも引き、原発の稼働力の上昇率によるもうけも引いても四千億以上の利益が九電力のふところに現実に入ることになるのですよ。ということは、五〇・八三というパーセントが高過ぎたじゃないか。私どもの査定の数字と一七%も差があったのです。われわれも一〇〇%正しいとはここで断言はいたしません。少なくとも、一生懸命試算をしながら出した数字とあなた方が査定された数字との間に一七%も差があった、そうして今日、九電力は一年もたたぬうちに赤字から今度は莫大な黒字に転換をしておる。この事実は明らかに査定が高過ぎた、こういうことを裏づけておる一転は指摘をしたいのです。ですから、適性の問題とか為替相場の変動制とかそういうものを仮に度外視しても、そういう金額が経常利益として九電力に入ってきておるという、電力会社、みんなばらばらですけれども、結果が出てくるわけです。それによって一体今後の電力、ガスの料金はいかにすべきか、そうして円高差益は一体幾らなのか、この点を明らかにして次にやりとりいたすことにいたしましょう。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 電力の現行料金をできるだけ長く据え置くということは、これはもう政府の正式の決定でございます。三月十七日、政府が関係閣僚会議で正式に決定した方針でございますから、それが実現をいたしますように努力いたします。

武部文日本社会党

○武部委員 それではもう少しになりましたから石油のことをちょっとお聞きをいたします。  何か石油業界は四月から値上げをするとか――もう四月になりましたが、四月中旬、下旬ごろとかいろいろなことを言っておるようでありますが、この石油業界の円高差益はまことに不透明であります。先般、石連の会長に参考人としておいでをいただきましたが、石連の会長は、ユーザンス差益は差益じゃない、こういうことをおっしゃる。とんでもない認識不足であります。われわれは少なくともユーザンス差益も円高差益だ、そういう認識で今日までやってきた。にもかかわらず石連の会長はユーザンス差益を全く別のものだ、こういう考え方であります。したがって、今日石油業界としては、円レートの二百十八円ないし二百十九円という五十五年度の年度間の円高差益を一体どのくらいふところに入れたのか、言葉は悪いのですけれども、円高差益は幾らになったと通産省は見ておられますか。

志賀学資源エネルギー庁石油部長

○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  永山会長がユーザンス差益は差益でないとおっしゃったのは、恐らく趣旨は、一過性のものであるという趣旨からおっしゃったのではないかというふうに思いますけれども、いずれにいたしましてもユーザンス差益というものも為替差益であるということには変わりはないというふうに思っております。ただ、いずれにしてもレートの変動に伴いまして非常に不安定なものであるということもまた否定できないというふうに思っております。  そこで、石油各社のいわゆるユーザンス差益でございますけれども、五十五年度の上期、これは先般大臣もお答え申し上げましたとおり、約三千五百億円と承知しております。それでは下期にどのくらい出るかということでございますが、これは各社の決算がまだ出ておりません。したがいまして推算の域を出ないわけでございますけれども、この原油代金の決済に当たりましてベースになりますのはTTS、電信為替売り手でございますけれども、TTSの月々の動きを見てまいりますとある程度推測が出てまいります。これは数字はなかなか申し上げにくいわけでございますけれども、いずれにいたしましても下期におきましてもこのTTSの推移から見ましてユーザンス差益は出てくるというふうに思っております。先生はユーザンス差益六千二百億円ということを先般おっしゃったわけでございますけれども、六千二百億円になるかどうかはあれでございますが、下期におきましてもある程度のユーザンス差益は出てくるというふうにわれわれは理解しております。ただ、各企業の収益状況でございますけれども、下期においてただいま申し上げましたようにある程度のユーザンス差益というのが考えられるわけでございますけれども、それにもかかわらずこの石油企業、特に民族系を中心といたします非アラムコ系の経常利益が恐らくこの下期におきまして相当程度の赤字が出てくるのではないかと思っております。なお、その企業の中には、通年ベースで見ましても、通年の経常利益が赤字に転落する企業が出てくるというふうに私どもは認識しております。

武部文日本社会党

○武部委員 もう一回次の機会に譲りまして、時間が来ましたから私はやめますが、いま石油製品は乱売ですよ。そういう傾向がありますね。これは恐らく御承知だと思います。それから、おっしゃったようにアラムコ系と非アラムコ系の問題がありますね。そういうもので一体同時に値上げをするかどうか、いろいろな点でいろいろと伝わっておるようでありますが、通産省としては値上げの時期の行政指導をどういうふうに考えておりますか、最後に一つそれをお聞きしたいのと、それから、一部新聞に報道されて、これは大変なことだと思って私は見たのだが、例の一部の石油業界の高配当の問題です。四〇%の配当をするとか、もう一つは三五%、こういうようなことが報道されておりますが、これは事実ですか、その二つを聞いて私の質問を終わります。

志賀学資源エネルギー庁石油部長

○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたように、非アラムコ系の企業の収益状況がかなり悪化しておるということで、これはアラムコ系につきましてもこの下期においては上期に比べ収益状況は悪化しておる。いずれにいたしましても、そういった企業の収益状況を背景にいたしまして、石油企業におきまして企業努力をするにしても限界に近づきつつあるというような認識のもとに値上げについていろいろ検討をしているというふうに私どもは承知しております。ただ、現在のところ私どもの方にまだ石油企業の方から話は参っておりません。いずれにいたしましても、値上げの時期あるいは値上げの幅、そういったものについては石油企業がまず判断すべきものというふうに承知しておるわけでございまして、私どもといたしましては、石油企業から話があった段階におきまして、事前に十分内容をチェックしたいというふうに思っております。  次に、その高配当の問題でございます。ちょっと私、手元に資料がございませんのであれでございますけれども、おっしゃるようにメジャー系の企業において高配当が行われておるということは承知をしております。ただ、この点についてはいろいろ考えようがあろうかと思いますけれども、メジャーは石油の支配力が弱まっております。産油国側に油の支配力というものを奪われているという状況でございます。そういった中でメジャー系の最近の動向といたしましては、市場についての収益性について非常に強い関心を持っているわけでございます。そういった高配当はいいかどうかという点についてはいろいろな御意見もあろうかと思っておりますけれども、他方においてやはりある程度の収益というものがございませんとメジャーからの日本への安い油の供給というものに支障が出てくるということも事実であるというふうに認識しております。

武部文日本社会党

○武部委員 次回に譲ります。終わります。

井上泉日本社会党

○井上委員長 小野信一君。

小野信一日本社会党

○小野委員 最初に、大臣の所見をお伺いいたします。昭和四十八、九年第一次オイルショックのときに、狂乱物価になりました。この狂乱物価は原油の高騰によってもたらされたものである、当時こういう説明がありましたけれども、その後調査したり分析してみますと、昭和四十六年ころからすでに高度なインフレーションが起こっておりまして、マネーサプライの増加率が二十数%、三年も続いております。同時に短期循環あるいは中期循環がともに下降局面に入っておる。この二つの悪条件のところに原油の高騰が重なって狂乱物価と不況、要するにスタグフレーションが起こった、こう言われております。この経過を見ますと、政策的な失敗、政策的な立ちおくれが一つの大きな原因になっておることは明らかであります。  したがって、今回五十五年度の不況を見る場合に、在庫調整を中心とした短期循環と設備投資を中心とした中期循環とが現在どのような位置にあって、どのような重なりぐあいになっておるのか、本年度の景気を見る場合に、その見通しを、これらを中心にして大臣の所見をお伺いいたします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 いまお述べになりましたように、もうすでに昭和四十八年にはわが国は相当インフレ的な傾向が強くなっておったと思います。指標などもいろいろ御指摘があったとおりでございまして、特に消費者物価など十数%上がっておりまして、狂乱物価前夜である、こういう状態であったところへ第一次石油危機が四十八年の秋に起こった、それによって、インフレが加速され、それから経済が一遍に悪化した、こういうことであったと思います。  したがいまして、第一次オイルショックに対する対策といたしましては、とにもかくにも物価を安定させなければならぬということで、物価安定のための最重点政策がいろいろとられたのでございます。その後、物価がだんだんと安定の方向に参りましたので、引き続いて、同時に景気対策も考えていく。こういうことで五十三年の後半から、日本経済はようやく正常な姿に返ってきたのであろうと私は判断をいたしておりますが、そこへ御案内のように五十三年の秋のイランの革命が起こりました。そして初めは数カ月間はそんなに大きな悪い影響は出なかったのでありますが、五十四年の中ごろから第二次石油危機の様相をだんだんと呈してまいりました。そして、その一番悪い影響が世界全体に及んだのが私は昨年の後半であった、このように思っております。したがって、いま世界経済はようやく昨年後半の一番悪い状態から抜け出そうとしておる。  日本におきましても同じでございまして、昨年の後半は一番悪い状態であったと考えますが、そういう認識のもとに、先般も三月十七日に当面の経済対策を立てまして、落ち込んでおる景気の状態を何とか回復の方向に向けなければならぬということで、物価と景気と両方をにらみながら総合対策を立てたというのが現状でございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 事務当局の方にお伺いしますけれども、在庫調整を中心とした短期の循環、設備投資を中心とした中期の循環はいまどのような位置にあるか、できれば数字をもって説明していただきたい、こう思います。

田中誠一郎経済企画庁調査局長

○田中(誠)政府委員 わが国の景気循環の局面から考えてみますと、いま大臣から御説明申し上げましたとおり、第一次石油危機の直前に景気はかなり過熱状態にございまして、石油危機発生によりましてそれが加速されたという状況でございます。その後、景気が緩やかに回復してまいりましたが、特に五十三年後半以降、設備投資を中心といたしました上昇局面が見られるということかと思われます。  設備投資は、特に第一次石油危機後設備投資が行われていなかったという更新需要を背景といたしまして、省力化・合理化投資あるいはICを中心といたします、小幅ではございますが技術革新投資というものが行われてまいったかと思います。その意味で設備投資は中期的な上昇局面を持っていたということかと思います。その中で五十三年後半に第二次の石油危機が発生したわけでございまして、石油危機発生によりますインフレ的な効果はようやく脱しつつございますし、国際収支面でも改善の傾向はございますけれども、特にデフレ的な影響がなお残っているということかと思われます。  特に景気循環という側面で考えてみますと、在庫投資が昨年の春以降減少傾向にあるわけでございまして、在庫の調整局面が春以降続いているということかと思われます。現在も素材産業を中心とした在庫調整が行われ、その意味での短期の循環の下降局面がなお続いているということかと思われます。

小野信一日本社会党

○小野委員 短期循環は下降線をたどっており、中期循環では上昇局面が見られる、こういう解釈でよろしゅうございますか。

田中誠一郎経済企画庁調査局長

○田中(誠)政府委員 何をその循環と規定するかというのは大変むずかしいわけでございますが、設備投資という側面で見ますと、なお設備投資は力強さと申しますか、なお堅調さを維持しておるという側面がございます。  他方、在庫投資という面で見ますと、従来の景気循環に比べますと在庫の調整の幅はそう大きくございませんけれども、なお在庫調整が続いている。その意味で、二つの局面がある意味で交錯しているということかと思われます。

小野信一日本社会党

○小野委員 事務当局に数字上のことで確認をしておきますけれども、昭和五十五年度の消費者物価上昇率、これは先ほどの答弁の中で七・八、経済成長率は四・八、国際収支の赤字見込み額は六十数億、見込み額をこうわれわれが見てよろしゅうございますか。  第二点は、経済成長率四・八%の中で外需が三・三、内需一・五、外需の特に輸出の伸び率が五十五年度で一八・四%あった。五十六年度の消費者物価指数は、先ほど申されましたように五・五、経済成長率五・三。この経済成長率五・三の中で内需四%、外需一・三%。その内需の中で設備投資が一・三、個人消費二・五、民間住宅投資〇・二%の上昇率を見込んででよろしゅうございますか。

廣江運弘経済企画庁物価局長

○廣江政府委員 最初に物価についてお答えをいたします。  先ほどもお答え申し上げたわけでございますが、まだ見込みとか見通しという段階まで申し上げかねますが、七・八が五十五年度の平均になると申し上げたわけではございません。いろいろ計算がありますが、計算によりますと七・七という可能性の場合もあるし、また三月の全国が東京都区部並みに上がるという一つの仮定を置けば七・八となると申し上げたわけでございまして、七・八となると申し上げたわけではございませんので、お含み願います。

小野信一日本社会党

○小野委員 その他の数字はよろしゅうございますか。

井川博経済企画庁調整局長

○井川政府委員 大体、いま先生が挙げられた数値、間違いございません。

小野信一日本社会党

○小野委員 この数字の中で、予算委員会を初めとして経済に関心ある人々が最も注目しておる点は、五十五年度の外需三・三%、内需一・五%、これは五十六年度になりますとその構成比が逆になりまして、内需四%、五・三%のうちの七五%に相当いたします。外需一・三%、これは構成比としては二五%に相当いたします。要するに、五十五年度と五十六年度では経済成長率に占める内需と外需の割合が逆転いたしました。こうなりますと、果たして内需によって景気が先導するあるいは主導されることが可能なのだろうか。外需において三・三%から一挙に一・三%に落とすことがわが国の経済からいって果たして大きな障害もなしにできるのだろうか、こう考えるのは当然だろうと思います。  そこで、一・三%をはじき出した根拠は何なのか。一・三%というのは、五十五年度の三・三%の輸出額と比較してどれほどの輸出減少が金額的に見込まれておるのか、お答えを願いたいと思います。同時に、三・三から一・三に外需を下げるということは、どのような輸出製品を下げようとしておるのか、もしそれらまで検討しておるとすればお答え願いたいと思います。

井川博経済企画庁調整局長

○井川政府委員 経済見通しでは、円建て表示で経常収支及び貿易収支を発表してございます。円で申しますと、輸出につきましては、五十五年度が対前年比二〇・八%という数値でございますし、五十六年度が一一%、要するに伸び率で半減をいたしてございます。この点、円レートがどうなるかによって違うわけでございますが、申し上げておりますように、われわれは作業上の前提として、作業前一カ月の平均ということで五十六年度については二百十三円という円レートを用いているわけでございますが、この場合の円で表示した輸出の前期比は五十五年度は二六・七%、約二七%でございます。これが五十六年度では一四%というふうなことで半分弱ということになっております。考え方といたしましては、五十五年度は内需が非常に停滞ぎみであった、御承知のような状況でございます。これに対しまして国際競争力が強いというようなこと、それから円安のJカーブ効果というふうなこともございまして輸出はきわめて強い趨勢で推移したということが言えるわけでございまして、ドルベースで先ほど申し上げた二六%程度も前年に比べて伸びたわけでございます。しかし、今後の状況としてはやはり円高の影響というのが出てくる。それからわが国の国際的な地位を考えますと、やはり貿易摩擦を回避していかなければならないというふうなこと等々を考え合わせまして、そうした大きい伸び率を期待することはできないというふうなことから、ドルベースで一四%台ということにいたしたわけでございます。ただ、輸出の内訳は、われわれはマクロベースではじくわけでございまして、個々の品目についてこれは幾らというふうな考え方はいたしてございません。マクロベースで、やはり国際競争力は強いので伸びてはいくけれども、五十五年度のような伸びは示さない、こういう考え方で見通しを立てたわけでございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 大臣にお伺いしますけれども、外需は貿易摩擦その他の障害によって大幅に減少するだろう、しかしわが国の生産力なりあるいは国民生活レベルを維持するためには内需はどうしても三ないし四%は維持しなければならぬ、要するに、外需の規制によって内需の四%をはじき出したものなのか、それとも内需は四%は可能であるということから、貿易摩擦をなくするために一・三という数字に減少させたものなのか、これはどちらが中心になってはじき出された数字なのか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 これは別に作為的につくったものではございませんで、経済の実情から数字を積み重ねて得た数字でございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 再度お尋ねしますけれども、同じ問題ですが、これは外的要因の方が主となりますか、局長。

井川博経済企画庁調整局長

○井川政府委員 輸出の場合、国際競争力と同時に海外の経済状況はどうであるかということが大変に大きい要因になるわけでございます。この場合に、海外の世界経済の状況につきましては、OECDが昨年の十二月に国際経済の動向をいろいろ発表しておりまして、その中でOECD全体としてどう見るかという発表をいたしてございます。  すでにお聞き及びと思いますけれども、上下に分けますと、一九八〇年下が対前年マイナス〇・七五、要するに成長として対前期比マイナスを示すけれども、ことしに入りまして上期が一・五、まあこれはほんの緩やかにマイナスを免れたという程度で、ことしの下期になりまして二・二五、多少伸びるというかっこう、それから来年の上期になりまして三%、やっと平常の伸びに戻す、先進国二十四カ国の平均でございますけれども大体こうした考え方をとっておるわけでございまして、われわれも海外需要を考えます場合に大体そういう考え方を基本にするということでございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 わが国の経済成長率は世界最高であり、まことに誇るべき優等生だと言われておりますけれども、内需だけ見ますと、昨年一・三で、先進諸国は一ないし二%程度の経済成長率であったと思います。わが国の経済を支えた最大の理由は輸出であったことは間違いありません。今回この内需を逆転させるということになりますと、特に一昨年対比で二・七倍という内需を喚起しなければならないわけですけれども、そのための条件整備、これらが今回の経済運営ということになると思いますけれども、改めて大臣に、中心点の内需を拡大するための条件について簡単に所見を伺いたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 内需を拡大するためには物価の安定だと考えております。物価が低位安定をすることによりまして個人消費が拡大する、これが第一の柱だと思います。  それから第二には、やはり住宅問題。非常に落ち込んでおりますが、これを解決するためには、原因はたくさんあるのですけれども、しかし何といたしましても土地問題に目鼻をつけなければならぬ。建設省で先般第四期五カ年計画、七百七十万戸の住宅を建設するという計画が閣議で決定されましたが、これを完全に実現するためにはやはり土地問題を解決しなければならない、土地価格の問題、こういう問題があろうかと考えております。  それから、設備投資につきましては、やはり金融問題が前提になりまして、コストの安い資金が借りやすい、こういう状態に金融状態を今後置かなければ、これはもう国全体としても民間設備投資はなかなか伸びないと考えております。大企業は自己資金もありますし、それから足りないものがあれば証券市場でこれを調達するということも可能でありますけれども、中小企業の場合はそれができませんし、体力が弱いということでありますからどうしても外部資本依存という形になります。だから、コストの安い、しかも安定した資金を借りやすい状態にするということがその前提条件だと考えております。  在庫投資の問題につきましては、いま在庫調整が進んでおる段階でございまして、第一・四半期にはおおむね終わるのではないかと思います。二、三のものはいま深刻な状態にありますから若干第二・四半期までかかるかもわかりませんが、大勢としてはいま整理の方向に進んでおりますので、在庫調整が終わりますとまた力が戻ってくる、このように考えておりまして、いろいろなことを総合的に判断することが必要だ、こう思っております。

小野信一日本社会党

○小野委員 そこで、大臣の答弁からいただきました中小企業と土地問題にしぼって質問いたします。  政府が五十六年度に想定している景気回復のシナリオは、まず公定歩合を一%下げる、それから同時に公共事業を上半期に約七〇%以上を契約する、こういうふうにして上半期の景気を回復さして、民需の呼び水として後半本格的に立ち直らせる、こういうスローガンだと考えます。  そこで、当面の景気対策として一%の公定歩合引き下げ、公共事業の執行促進、七〇%以上を行う、この二つの目玉商品ですけれども、具体的に一%の公定歩合の引き下げというのは企業を中心としてどんな影響を持ち、それが景気にどんな効果を及ぼし、あるいは公共事業の七〇%の契約前倒しは景気にどんな作用をしようとしておるのか。数字をはじき出してあると考えますので、具体的に答弁を求めます。

井川博経済企画庁調整局長

○井川政府委員 実はこういう経済の計算の場合にモデルがございまして、そこに入れますと一定の数値は出るわけでございます。しかし、そういう数値はそういうモデルのもとで、いろいろな前提のもとで出てくる数字であるということで、むしろそうした数字よりは、この際内需というものを支えるために国の金融対策が一%公定歩合を下げるというふうなことで踏み切った、そういうふうな心理的な影響の方がきわめて大きいのではないか。  それから公共事業につきましても一同じ額を下期でやるのと上期でやるのと、やはり計算上は出るわけですが、その計算よりはむしろ、現在仕事自体が足りないのを国の施策でもって上期にとにかくどんと仕事を出して、そのことによって内需の一つの呼び水にし、その呼び水によって下期自体は民需が起こってくる、そうした効果の方が事実上大きいというふうに考えております。たとえば公定歩合一%につきましても、よく新聞等に出ますが、経済企画庁が持っておりますSP18というのに入れてみますと、GNPとしては〇・一五というふうな数字が出ぬことはございませんけれども、しかし、これは、そういう数値よりは低迷しております内需をこれから下支えをして、そして民間需要をこれから伸ばしていくという政府の姿勢の方が心理的には大きいだろうというように考えておるわけでございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 もし七〇%上期に契約いたしますと、当然下半期が三〇%ということになります。これは五十五年度の下半期の公共事業、財政投融資を含めまして比較いたしますと、約二七%弱に下半期はなってしまいます。したがって、下半期は公共事業の呼び水による景気が非常に不足すると考えますれば、下半期大きな問題点を残すのじゃないか、こう考えざるを得ません。もちろん財政が裕福なときであれば補正予算なり公共投資を行うことも考えられるのですけれども、現在の財政事情ではそれも不可能だと考えますが、それらの心配はないのか。もし心配だとしても、それらに対する対策が十分あるとその方策をお持ちなのか、答弁を求めます。

井川博経済企画庁調整局長

○井川政府委員 御認識いただきたいと思いますのは、この数値はあくまで契約率であるということでございます。したがいまして、大体素人考えをいたしますと、上期、下期、五〇、五〇でいいじゃないか、こういう感じが出てきますが、契約をいたしまして、その後工事を実施するのにいろいろ手間暇もかかるというふうなことから、通常の年でも六十数%というのが上期の契約率でございます。  したがいまして、いまの先生のお話でございますが、現段階ではわれわれは、七〇%ということによって現在の内需を引き出す一つのとっかかりにしたいという考え方でございまして、これによって下期どうこうということを心配するより、まず現段階少なくなっている仕事を上期に多目に集中していこう、こういう考え方をとっているわけでございます。そのことによって内需の刺激ということが成功いたしますと、当然民間のいろいろな設備投資というものも出てくる、民間需要も出てくる、これであれば十二分な効果が出てくる、こういうふうに考えていただきたいと思うのでございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 大臣にお尋ねしますけれども、大臣は、予算委員会だったと思いますけれども、現在の不況を中小企業不況と呼びました。なぜ大企業が好決算を行い、中小企業が大きな不況に落ち込んでおるのか、その背景を説明願いたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 第一次オイルショックの後、大企業は経営の合理化を非常に強化をいたしました。また、設備の近代化も相当強化をいたしております。そういうことで減量経営にも耐えられるような非常に強力な体質になっております。現在は減量経営の時代でありますが、それでもやはり相当巨額の利益を計上しております。もっとも、大企業といいましても二、三の業種は構造不況業種の様相を呈しておりまして、深刻な状態になっておりますから、大企業全部というわけにはいきませんが、大勢としてはそういうことが言えると思います。  中小企業の方はそれだけの体質の改善ができておりません。かつまた、先ほども触れましたように、何か投資をしようと思えば外部資本に頼らなければならない、こういう非常に弱みがあるわけでございます。  そういう状態ですと、少し景気が悪くなりますと、大企業は余り影響が出てまいりませんが、中小企業の場合は非常に大きな影響が出てくる、こういうことになるわけでございまして、現在は大企業は何とかやっていける状態であるけれども、中小企業の経営は非常に苦しい、相当ばらつきがある、こういうことが概して言えるのではないか、こう思っております。

小野信一日本社会党

○小野委員 五十五年度の景気を見ますと、輸出と設備投資によって維持されたことは御存じのとおりです。輸出と設備投資が大企業に及ぼした、経済成長率、収益に及ぼした影響を見ますと、輸出と設備投資で六五%、中小企業は三五%になっております。したがって、中小企業は、個人消費と輸出、設備投資を比較すると五〇対五〇になっておりまして、わが国の経済体制が大企業、要するに設備投資と輸出に偏重しておったことが、今回大企業を好決算にし、中小企業を苦しくした一つの原因ではないかと思います。同時に、労働者雇用人口を見ましても、大企業が二五%、中小企業の方が七五%の比率になっておりますから、輸出と設備投資によってもたらされた景気が中小企業に及ばなかったのではないか、こう考えるわけです。したがって内需を喚起し中小企業の振興を図るためには、この問題にメスを入れないといけないのではないのか、こういう感じがいたしますけれども、大臣の所見をお伺いいたします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 要するに、中小企業の現状を見ますと景気の低迷から仕事が減っておるということが第一だと思うのです。それから、何回も触れますけれども、とにかくこれまでは金利水準が非常に高い、しかも金融は窮屈である、そういうことから金が借りにくい、この二つが中小企業の経営を圧迫しておった、こういうことだと思うのです。したがいまして、中小企業を考えます場合にはこの二つの問題からまず解決していくということが緊急の課題ではなかろうか、こう思っております。

小野信一日本社会党

○小野委員 第三次経済対策、公定歩合の引き下げまでは、中小企業に対する貸出金利は下がりませんでした。したがって、いま大臣が申されるように、金融が非常に苦しかったことが第一に挙げられると思います。したがって、今回の一%の公定歩合の引き下げが中小企業に対する貸出金利を直ちに下げるかということになりますと、すぐには結びつかないのではないか、こう考えざるを得ません。したがって、政府系統資金を思い切ってこの際中小企業向けのものを一気に下げるぐらいの大胆な政策転換が必要ではないかと思うのですけれども、そのような考え方なり方法を必要とするのかしないのか、お聞かせ願いたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 確かに第一次公定歩合、第二次公定歩合の引き下げによりまして、中小企業金融は余り恩恵を受けておりません。特に民間からの貸出金利というものはほとんど下がっていない、こう言っても過言ではないと私は思うのでございます。今度の第三次の公定歩合の引き下げも前二回のようなことであれば、これは余り効果がありません。  そこで、なぜ下がらなかったかということでありますけれども、要するに金融が窮屈だ。それぞれの金融機関に資金が不足しておる。何しろM2とか日銀券とか、そういうものをごらんいただければ史上最低の水準である、こういう状態でありますから、金融機関全体が手元が窮屈であったけれども、特に中小の金融機関の手元というのが非常に窮屈であった。そこで民間の貸出金利が中小企業に対してはほとんど下がらなかった、こういうことでなかったかと思うのであります。最近になりまして、日本銀行もできるだけ金融を緩和の方向に持っていかなければ、公定歩合を下げただけでは何の意味もない、こういうことで、思い切って金融緩和の方向に持っていっていただいておりますので、私どもといたしましては、今度こそは実質上中小企業の金利が下がることを強く期待しておる、こういうことでございます。  また、政府系の貸出金利につきましては、長期プライムがどれだけ下がるか、目下いろいろ調整中でございますが、私どもといたしましては、長期プライムを最大限下げてもらいたい。そして、それを三月十八日にさかのぼって実施するように政府系の金融機関では取り扱っていく、そういうことを決めております。

小野信一日本社会党

○小野委員 大企業の場合に、マネーサプライが非常に引き締められておっても資金がある程度設備投資なりその他の需要にこたえられた、こういう背景の一つに、私は五十年から五十三年にかけて海外から導入した資金量が非常に大きかったのじゃないか。この四年間で三十七兆円と日銀で報告しております。この間のマネーサプライの増加の約半分を占めている。ところが五十四年後半あるいは五十五年の前半から、かなりこの企業に対する資金の流入の流れが変わったと言われております。要するに株式や債券購入が主体であって、企業に直接入る金が非常に少なくなってまいりました。こうなってまいりますと、現在のようなマネーサプライが七ないし八などという低い金融引き締めになりますと、大企業も非常に金融に対する緊迫感が出てくるのじゃないか、あるいは国内の市中銀行に貸し出しを求めるということが出てくるのじゃないか、こう考えるのです。したがって金利を下げたとしても、大企業に資金がとられますと中小企業にまた回ってこないという可能性があるような気がしてならないのですけれども、それらに対する判断はどう考えていけばいいのか、お聞かせ願いたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 外資の流入の形を考えますと、直接の借款あるいは海外における外債の発行あるいは証券車場に対する投資、いろんな形があるわけでございます。最近直接の借款とかあるいは外債の発行とか、そういうものが減っておりますのは、何しろ海外の金利が非常に高い。最近は幾らか下がっておりますけれども、つい先般まではオイルマネーの金利水準は二〇%である。最近は一五、六%に下がっておるわけでありますが、それにいたしましても、日本の国内における金利に比べますとほとんど倍近い、こういう状態でございますから、資本として外資を受け入れるということは、これはもうとても、よほど特別の事情がある金業は別でございますけれども、不可能である。そこで現在は主として外資の流入は証券市場に対する投資、こういう形になっておるわけでございますが、どういう形であろうと外資が入るということは、それだけ回り回って国内の金融が緩和されるということにもなりますが、しかしいま御指摘がございましたように、資金が大企業だけに回って中小企業に回らない、過去二回の公定歩合の引き下げのように中小企業の金利が下がらなかった、そのために景気が停滞をした、こういうことのないように、これからよほど気をつけていかなければならぬと考えております。

小野信一日本社会党

○小野委員 一層の御配慮を希望いたしておきます。  金融問題が出ましたので……。私たちが教科書で教えられるときには、実質金利によって資本の移動が起こる、こう考えられておりました。ところがアメリカの金利が非常に高いものですから、西ドイツの資本がアメリカに急激に流れ込んでおると聞いております。しかし日本の場合にはまだそれほどの傾向がないようですけれども、やはりあれだけの金利でありますと、日本の資本だって流れないという保証はないと思うのですけれども、それらに対する危倶はないのか、あるいはそれらに対する配慮としてどういう政策をとらなければならないと考えておるのか、お聞かせ願いたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 確かに経済学の原則からいいますと、いまおっしゃったとおりだと思います。ただしかし、現在は第二次オイルショックによりまして世界の資金が一方的に非常に大きく偏在をいたしております。そして、その偏在しておる資金は安定した投資先を求めておるわけでございますが、その場合に金利が高いということだけで投資されるというわけではないと思うのです。それが安全であるかどうかということがやはり第一の条件になろうと考えております。したがいまして、普通でありますと、わが国が金利を引き下げる、そういう方向に持っていきますと当然外資の流入は減って、あるいは時と場合によれば流出していく、こういうことがあるわけでございますが、比較的そういうことがないというのは、いま世界で低金利政策をとれる国は日本しかないということで日本の経済の力を総合的に大きく評価しておる、安定した投資先として日本が高く評価されている、そういうところにあるのではないかと思いますが、しかしながら原則は原則でありますから、やはりよほど注意しなければならぬと思います。  そこで今回日本銀行が、そういう場合に対処して特別の対策を考えるという新しい仕組みをスタートさせることにされたのも、そういう配慮からであろうと考えております。ドイツなどは景気が悪いものですから、低金利政策をやりたいのだと思いますけれども、いま御指摘がございましたような事情でなかなか低金利政策はやれない。こういうことで経済学の原則はいま行われてない、こういうことが言えるのではなかろうか、こう思います。

小野信一日本社会党

○小野委員 戻りまして、経済運営の方針の中で住宅建設を内需喚起の大きなポイントにしております。私は、なぜ住宅建設が進行しないのか、進展しないのかという最大の理由は、住宅購入価格とそれを買う需要者との所得のアンバランスにあるだろう、こう考えます。ある民間銀行の調査によりますと、現在の住宅購入額と所得支払い能力とでは三〇%所得の方が低い、こう言われてもおりますし、年間所得の四ないし五倍が最大の住宅購入価格である、こうも言われております。ところが山手線内の住宅になりますと年間所得の十数倍にはね上がっておりますから、住宅購入に向ける資金というものは需要者の人にとっては不可能に近い状態になっております。したがって、この解決なしには住宅の建設戸数七百七十万戸というのは不可能に近いのじゃないか、こう考えられます。  四十八年のオイルショックで非常に建設資材、地価が高騰したときも、やはり三〇%ぐらい所得の方が不足しておるのではないか、こういう発表がありました。したがって当時住宅建設戸数も減少して、その三〇%が埋まるまで回復いたしませんでした。もし今回、内需の喚起をこの住宅建設によって行おうとするならば、この三〇%の支払い能力不足を何とかしなければ内需の喚起には向かないだろうと考えます。  また、国土利用法の適切な的確な運用という話もしておりますけれども、なかなかこの法律も、四十八年の狂乱物価あるいは去年からまた狂乱物価らしい土地の高騰が示されておりますけれども、その伝家の宝刀を抜くことができないでおります。どのような考え方に立ってこの国土利用計画法を運用しようとしておるのか、経済企画庁の方からの考え方をお聞きいたします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 まず最初に、基本的な原則といいますか、基本的な考え方を私の方から申し上げてみたいと思いますが、昭和五十一年から昭和五十四年度までおおむね百五十万戸ずつ家が建っております。実は五十五年度もそれぐらい建つであろうと考えておりましたが、百二十万戸強見当に落ちつきそうであります。それではこの住宅の需要が減ったかというと、そうではないと私どもも考えております。また建設省もそのように考えておりまして、であればこそ新五カ年計画で七百七十万戸という建設計画を進め、それを閣議決定したわけでございます。  なぜその百五十万戸建つべき予定のものが百二十万戸になったかというと、それはいま御指摘がございましたようないろいろな背景があるわけでございます。いずれにいたしましても、五十五年度になりまして三十万人という人が家を建てるという計画を放棄しなければならなかったということは、これはもう重大な社会問題である、また政治問題である、私はこのように考えております。とにかく家を建てようにも建てられないという経済の状態になっておるということは、これは政治の課題として深刻に私は考えていかなければならぬと思っております。そこで、今回決まりました新五カ年計画、七百七十万戸の建設を円滑に進めていきますためにやはりいろんな対策が必要だと思いますので、政府全体としてこの問題に取り組んでいく必要があろうかと考えております。

小野信一日本社会党

○小野委員 具体的にどうするかは今後御検討願うとして、アメリカの住宅政策の一つのポイントは、住宅ローンは所得控除になっておる。要するに免税になっております。したがって、どんな不況になってもアメリカの場合に住宅産業は下降線をたどらないという点があるのですけれども、もし住宅産業をわが国の内需の喚起の一つの大きなポイントとするならば、それくらいの大きな政策転換があってもいいのじゃないかと思うのですけれども、検討して早期に実施する御意思はございませんか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 現在も住宅を建設する場合に若干の免税制度があるのですけれども、しかしそれは非常に小さい規模でありまして、多少は役立っておるかもわかりませんが、まず私どもの判断では大した役には立っていないのではないかと思います。しかしこれは財政事情もありまして、一遍にはなかなか解決できない問題だと思っておるのです。やはりその他の財政経済政策と整合性を持たせなければいけない、こう思っておりますので、いま御指摘になりました点も一つの課題としてもちろん検討していくつもりでございますが、いろんな背景がありますからそれを全部一回整理しまして、総合的に検討してみたいと思っております。

小野信一日本社会党

○小野委員 建設省の方の所見を伺います。

伊藤茂史建設省住宅局住宅政策課長

○伊藤(茂)説明員 ただいまの住宅減税のお話でございますが、われわれの方としましてはもう三年か四年になりましょうか、その前に住宅取得控除というのがございまして、日本の国民が住宅を取得する際にお金を借りてつくるということが普及をいたしまして、金融が拡大した時期だったわけでございますが、その際にこの取得控除に上乗せをしてローンを借りて建てる人にとって三年間住宅取得控除しようということで、その当時は六万プラス六万で発足したと思います。昨年、中古住宅を取得するに際しまして同じような取得控除制度を開くということで、全体の居住水準を上げる上で中古の取得も大事だということから財政当局といろいろ御相談した結果、両様立てるということで全体の額を若干減らして、ちょっと額は忘れましたが減らして中古の方に開くということで、いまバランスのとれた税制になっておりますが、長官いまおっしゃいましたように、外国と比較しますと確かに住宅減税全体につきまして非常にパンチがないといいますか、そういう感じは免れないというふうにわれわれ考えております。

小野信一日本社会党

○小野委員 要するに住宅価格と買う人の支払い能力の差が非常に大きいために、住宅建設というのは進展しないということが最大のポイントになっております。もちろんその背景には地代が高い、建設資材の高騰がありますけれども、それらは与えられた条件として考えますと、やはりこの格差を埋めることが住宅振興政策の最大のポイントになるだろうと考えます。もし経済企画庁の方で内需の喚起を四%、非常に大きなウエートをかけるとするならば、私はそれくらいの急転換を早急に行うべきものだと考えておりますので、希望いたしておきます。  現在、自動車の規制問題が政治、経済の非常に大きな課題になっております。昨年百八十万台の輸出で三・三%の経済成長率を働きました。今回一・三%に下げるといたしましても、自動車の輸出がわが国の経済成長率に占める割合が非常に大きいものだと考えます。したがって、ある資料によりますと、十万台の減少は十八万人の産業労働者の失業と同じ程度の経済マイナスを与えると言われておりますけれども、この一・三%の経済成長率に与える影響から考えますと、自動車の輸出規制というものは最低でもどの辺に抑えなければわが国の経済は五・三%の経済成長率を獲得することができないと考えて計算しておるのか、自動車問題に対する経済成長率の関係で答弁をお願いいたします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 自動車の問題につきましては具体的には通産省からお答えになろうかと思いますが、これも基本的な考え方だけを申し上げますと、いまや自動車産業というものはわが国産業の一番大きな柱である、こう申しても過言ではないと思います。  そこで、輸出問題でありますが、先ほども政府委員から答弁をいたしましたように、OECD全体の経済は昨年の後半は一番悪い状態であった、第二次石油危機の悪い影響が一番強く働いたときであった、こういう解説がございましたが、しかし、ことしの上半期は一%以上、下半期は二%、来年の上半期には三%、こういう見通しもいま申し述べましたが、これは政府委員の見通しではございませんで、OECDの正式の見通しでございます。またアメリカの経済も、ことしはさほど高い成長ではないと思いますが、新政権の発表によりますと来年は四%成長、再来年は五%成長、このように言っております。アメリカの経済も昨年後半が一番悪かったのではないか、私はこう思っております。でありますから、アメリカ国内における自動車の需要も九百万台を割り込んでおる、こういう状態であります。非常に低い水準になっておる。かつては一年に千二百万台あるいは千三百万台の需要のあった年もございます。  それではことしはどの見当に回復するかということでございますが、一説には一千万台前後に回復するのではないか。中には一千万台弱と言う人もありますし、中には一千万台強と言う人もございます。強気の見通しを立てる人は、昨年に比べまして百五十万台は伸びるのではないか、こういうことを言う人もおられます。まちまちでございますが、とにかくある程度ふえるということは皆さんの一致した見通しでございまして、さらに来年になりますと四%成長ということになりますと需要はさらに拡大をする。どれくらい拡大するかわかりませんが、かつての水準まで拡大するということになりますと、千二百万とか千三百万とかいう実績の数字があるわけでございますから、相当大きな期待を、アメリカの国内の市場の拡大の数字を考えていいのではないか、こう思っております。  交渉する場合にはやはり相手の状態がどうなっておるかということの判断が一番大事だと思うのですが、相手が一番困っておるという状態のときにはなかなか交渉もやりにくい、しかし将来の市場が大きく開けていくんだということを考えますとこれはまた大変やりやすくなるのではないか、こう思います。そのほかにもいろいろ申し上げたいことがありますが、そういう全体の動きを見ながらわが国産業に悪い影響の出ないようなそういう交渉をしてもらいたいということが経済企画庁としての強い希望でございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 一連の答弁の中から感ずることは、住宅政策にいたしましても住宅の購入価格と需要者の所得の格差、あるいは公共事業の七〇%契約にいたしましても後半に対する配慮の不足、あるいは民間個人消費の需要にいたしましても、今回七ないし八%の賃金アップを獲得いたしたとしても、個人の可処分所得に対する税、社会保険負担の割合が四十八年九・九から五十六年で一六%に急上昇する。こう考えてまいりますと、内需の喚起というのは言うにやさしく行うにむずかしいのではないか、こういう実感を持つわけです。  最後に、それらの困難な条件の中で内需を拡大しながら五・三%の経済成長率を獲得するための大臣の所見を伺って、終わりといたします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○河本国務大臣 私は、政治の目標というのは国民生活の安定と向上にあると考えております。したがいまして、国民生活の安定と向上が期待できるようなそういう国民所得が確保できるということが望ましいと考えておるわけでございますが、そういう状態に持っていくためには、経済全体が活力を持っておるということ、力を持っておるということ、それと、わが国は貿易立国でありますから、国際競争力つまり生産性の向上ということが非常に大きな前提条件になろうかと思います。そこで政府といたしましては、国民の所得が実質上拡大できるような背景、つまり経済の活力の維持あるいはまた同時に生産性の向上、こういうことにつきまして今後あらゆる対策を考えていく、こういうことが必要でなかろうか。また諸制度につきましても、いま御指摘がありました傾向は特に顕著であろうかと思いますので、そういう諸制度につきましても、どうすれば国民生活を安定向上できるか、そういう観点に立っていろいろ検討していくことが必要じゃないか、このように考えております。

小野信一日本社会党

○小野委員 終わります。

井上泉日本社会党

○井上委員長 次回は、明後九日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時三十八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗