物価問題等に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/03/17
会議録
○井上委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件、特に私鉄運賃改定問題について調査を進めます。 本日は、参考人として日本民営鉄道協会副会長廣田宗君、京成電鉄株式会社取締役社長佐藤光夫君、阪急電鉄株式会社取締役社長柴谷貞雄君に御出席をいただいております。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 参考人各位には、御多用中のところ御出席をいただき、ありがとうございました。 大手民鉄十四社は、昨年十一月、普通運賃一七・四%、通勤、通学定期二二・七%、平均一九・六%の値上げ申請を行い、現在、運輸審議会において審議の段階でありますが、最近では、四十九年七月、五十年十二月、五十四年一月の値上げ実施に続くものであります。 今回の申請理由としては、電力料金の大幅なアップ、金利負担の増加、人件費の増加などが挙げられております。国民は、私鉄料金に続き、国鉄、タクシー、バス等公共料金値上げが今後メジロ押しで、これら一連の値上げが家計を直撃し、国民生活を圧迫するため、足代値上げの動向に強い関心と不安を抱いております。 私鉄当局は、このような情勢を認識するとともに、輸送機関本来の公共性を重視し、住民本位の立場から、各社とも増収努力、生産性向上、企業合理化努力など、積極的な経営姿勢を示すべきであります。また、原価主義に基づく私鉄運賃改定のあり方については、国民各層に十分納得のいくきめ細かい説明が必要であり、国民の理解が得られることが肝要と存じます。 本日は、参考人各位からその実態と対策について忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 御意見をお述べいただく順序は、廣田参考人、佐藤参考人及び柴谷参考人の順序で、お一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答え願いたいと存じます。 それでは、まず廣田参考人にお願いいたします。
○廣田参考人 私は小田急電鉄の社長をしており、日本民営鉄道協会副会長の職にある廣田宗でございます。 昨年十一月十四日旅客運賃変更の認可申請をいたしました事情につきまして、総括的に御説明申し上げます。 大都市交通に占める民営鉄道の役割りについては皆様御承知のとおりで、ただ、最近の傾向としてモータリゼーションの進展、安定成長への移行という経済社会の構造変化によって輸送人員の総量は伸び悩みの傾向にありますが、一方、省エネルギーの要請や公害問題を考えますとき、最もエネルギー効率が高く、しかも公害の少ない輸送機関として私ども鉄軌道の果たすべき役割りは今後ますます増加してくるものと考えられます。 私どもはこの役割りを果たすため過去数次にわたって輸送力増強等のための長期計画を策定し、実施してまいりました。最近の輸送力増強等設備投資について申し上げますと、前回運賃改定の際お約束いたしました昭和五十三、五十四年度につきましては、その目的をほぼ達成いたしました。また、今回は昭和五十五、五十六年度の設備投資計画を策定し、これが実現に積極的に取り組んでおります。 この輸送力増強等設備投資計画における目標の第一は、やはり混雑の緩和であります。前回運賃改定の際お約束いたしました昭和五十四年度の平均混雑率一九一%につきましては、その目的を達成いたしました。また、今回は昭和五十六年度のそれをさらに緩和する努力をいたす考えであります。このためには車両の新造のほか、ホームの延伸、車庫や変電所の増強など諸施設の改良工事が必要であります。 第二の目標は、安全の確保であります。前回運賃改定の際お約束いたしました線路の立体化、踏切道の整理統合もほぼその目的を達成し、今回はさらにその安全の精度を高める計画を進め、今後とも運転保安の向上に努め、事故の絶滅を期したいと考えております。 第三の目標は、サービスの改善であります。生活水準の向上に伴い、今日では車両の冷房化を初めとして駅施設の充実等は利用者の皆さんの強い要請となっております。前回運賃改定の際お約束いたしました昭和五十四年度の平均冷房化率五四・七%は計画どおり達成いたしました。また、今回は昭和五十六年度の冷房化をさらに進め、駅施設の整備充実、身体障害者設備の拡充、ホーム上屋の整備等できるだけ力を注いでまいりたいと考えております。 これらの諸工事には多額の費用を要しますが、安全、快適な輸送の提供という私どもの社会的使命を考えますと、何としても遂行していかなければならないと考えております。しかし、これらの諸工事、とりわけ各社が進めております複々線化、複線化、高架化、地下化といった大規模工事につきましては、御承知のとおり工事期間が長く、しかも莫大な費用を要するため、資本費の増加という形で私どもの大きな負担となってまいります。しかも、これら工事が完成しましても、直接あるいは即座に収入の増加には結びつかないものでありまして、このあたりに私ども民営鉄道の苦しさがあるわけでございます。 最後に、このたび私どもが運賃変更の認可申請を行うに至りました理由並びに申請の概要につきまして御説明いたしたいと存じます。 前回、西鉄を除く十三社は昭和五十四年一月から、西鉄は同年四月から運賃改定を実施させていただきましたので、昭和五十四年度における鉄軌道部門収支は十四社合計で見ますと、一〇〇・六%の収支率で収入がわずかに支出を上回っておりますが、それでも五社ほどがすでに収入不足を生じておる状態であります。しかも、昭和五十五年四月からの電力料金の大幅改定、人件費、保守修繕費など諸費用の上昇並びに輸送力増強等設備投資の実施に伴う資本費の増大等による支出の増高に対し、収入面は経済の低成長を反映して伸び悩んでおり、各社懸命の経営努力にもかかわりませず、このままでは五十六年度はもとより、今年の五十五年度にも相当収支状況は悪化するものと予想されます。 このように、私ども大手民鉄を取り巻く厳しい経営環境という意味では、各社多少の程度の差はありましても、基本的に全く同一であります。したがいまして、現行運賃水準でこのまま推移いたしますと、昭和五十六年度における鉄軌道部門収支は大幅な収入不足を生ずることが想定されます。 このような状況では、現在進行中の輸送力増強等設備投資工事を継続実施し、良質な輸送サービスを提供するという私どもに課せられた社会的使命の達成すら危惧されるところであります。 もちろん、私どもはいたずらに手をこまねいて収入不足の補てんをすべて運賃改定でお願いしようとするものでは決してございません。民鉄各社は社長以下一従業員に至るまで労使協力して省力化、合理化を初め団体旅客の誘致等あらゆる面で企業努力を続け、収入不足をできるだけ吸収するように努めており、今後も積極的に努力する考えでございます。 さて、今回の申請の概要でございますが、各社の企業努力を織り込んでもなお予想される昭和五十六年度の収入不足を補てんする範囲の運賃改定をお願いしているわけであります。十四社平均で申しますと、普通運賃の増収率が一七・四%、定期運賃では通勤が二二・三%、通学が二五・三%となっております。これによります旅客運賃全体の増収率は一九・六%であります。昭和五十六年度における増収額は十四社合計で千十九億円となり、仮に申請どおり認可された場合、これが消費者物価指数に与える影響は年間で〇・〇七%ときわめて軽微なものと思われます。 以上、運賃改定申請に至るまでの経緯、民鉄経営の現状、申請の概要等を申し上げましたが、前回改定時から二年余りのこの時期に、運賃改定のお願いをすることはまことに心苦しい次第ではありますが、今後とも大都市輸送の中核として、市民生活の足としてその社会的、公共的使命を達成するため、厳しい状況の中で努力を続けております私ども大手民営鉄道の苦しい事情を御賢察いただき、温かい御理解を賜りますようお願いいたしまして、総括説明を終わらせていただきます。 次に、小田急電鉄の運賃変更の理由について申し上げます。 当社は、鉄道の持つ公共的使命を自覚し、安全の確保、輸送力の増強、サービスの向上等を目標として、労使一体となってその使命の達成と経営の合理化に努めてまいりました。 すなわち、効率のよい鉄道運営を進めていくことは、当然のことでありますので、従前から労使の間に協議機関を設け、種々の施策を積極的に実行してまいりました。最近の例をとりましても、旅客増に対処するためのホーム係員の増員や地下鉄との相互直通運転に伴う列車キロ増による乗務員の増員に対しても、各種機械装置の導入を初め作業の合理化を図ることにより要員の増加を極力抑えているところでございます。 一方、大都市における大量交通機関としての鉄道に対しては、社会全般の水準向上に応じて、その輸送の質を向上させることへの利用者の要望は大なるものがございます。 このため、当社といたしましても、輸送混雑の大幅な改善を図るため、急行及び準急列車の十両化に踏み切り、車両の増備を行うほか、現在は新宿駅大改良工事等を進めております。また、地下鉄千代田線との相互直通運転を開始しましたが、都心方面旅客からは大方の好評を得ております。 次に旅客サービス向上策の一環として、車両冷房化につきましても、新造車両はもちろん、従来から在来車両にも冷房装置を取りつけ、冷房化の推進に努めてまいりました。 一方、当社は安全対策にも特に力を入れ、無設備踏切はすでに全廃いたしており、引き続き警報機だけの踏切についても自動遮断機を設置し、全踏切が機械化されるように進めております。 そのほか、日常の利用を快適にするため駅舎の改築、ホーム上屋の増設、身体障害者設備の拡充等にも意を注いでおります。 これら輸送力増強、保安度向上、サービス改善等の設備投資は五十五年、五十六年度合計百七十三億円を予定しており、これによる資本費の増大を初めとして、毎年の人件費の上昇、さらに、昨年四月に実施されました大幅な電気料金の値上げによる動力費の急騰等経費の増加により、企業を取り巻く経済環境には一層厳しいものがあります。 このようなことから、現行運賃のまま推移いたしますと、五十五年度は収入不足を生ずることになり、さらに五十六年度には六十二億円の大幅な収入不足を生ずることが見込まれます。このため、やむを得ず適正な運賃の設定により鉄道経営の健全化を図ることとし、平均一六・八%の増収を内容とする運賃改定申請に及んだ次第であります。 終わりに、当社といたしましては、いままで申し述べましたように、今後もさらに労使一体となって一層生産性を向上させるとともに、積極的な増収策を講じまして経営の効率化を図り、安全の確保、輸送力の増強、サービスの向上等大都市交通機関としての輸送使命を果たす所存でありますが、そのためにも経営の健全化は欠かせないものでございます。 このような当社を初めとした大手民鉄の窮状をおくみ取りの上、御理解を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。 以上。ありがとうございました。
○井上委員長 引き続いて、佐藤参考人にお願いします。
○佐藤参考人 京成電鉄は、京成上野-成田空港間六十八・四キロの本線と、押上、京成金町及び京成千葉を結ぶ合計八十九・五キロの鉄道営業を行っておりますが、昨年度は一日平均六十四万四千人のお客さんを輸送しておる状態でございます。 このたび旅客運賃改定の申請をいたしました次第でありますが、弊社の鉄道旅客運賃は昭和五十四年一月に改定いたし、今日まで二年二カ月を経過いたしました。この間種々の合理化策を実施して生産性の向上を図るとともに経費の節減に努め、輸送原価の増大を防ぎ、経営の維持改善に努力してまいりました。 しかしながら、ベースアップによる人件費と設備投資等による資本費の増加、特に本年度に入りましてからの電力料金大幅値上げ等により、種々の改善努力にもかかわらず収支の不均衡が今後さらに拡大することは避けられないものと予測する次第でございます。 まず収入について申し上げますと、弊社の鉄道は東京都と千葉県を結ぶものでありますが、旅客運輸収入の基礎となる弊社沿線人口の推移を見ますと都内は相変わらず減少を続けており、首都圏のベッドタウンとして増加しておりました千葉県内においても当社沿線では近年その傾向はやや鈍化しております。さらに国鉄総武快速線、営団地下鉄東西線等競合路線の影響を受け、輸送人員では昭和四十五年度をピークとしてその後は減少の傾向となり、そのため収入は伸び悩んでおります。また昭和五十三年五月に開始いたしました成田新東京国際空港への乗客輸送も、開港以来、見学者、送迎客に対する厳しい入場規制が続けられておりますのと、最近の日本人航空客の減少などにより、当面収入が大幅にふえることは期待できません。 一方、支出について申し上げますと、昭和五十二、五十三年度における人件費の収入に対する比率はそれぞれ五六・四、五二・一%を示しておりますが、生産性の向上を図るため各種作業の方式改善、業務委託、踏切の自動化等積極的に合理化、省力化に努めた結果、昭和五十四年度においては四八・五%と減少いたしました。しかしながら、企業発展の基礎となる人材を確保し、また社員に意欲を持たせるためには、今後もある程度のベースアップは避けられないものと思います。 修繕費、経費につきましても物価上昇及び設備の増加によりふえておりますが、安全かつ快適な輸送を確保するためには、これらの増加はやむを得ないものと考えます。特に昨年四月からの六〇%を超える大幅な電力料金の値上げが今後の経営にとりまして大きな負担となることは確実であります。 次に、資本費の増加についてでございますが、弊社では輸送力増強や安全確保、サービス改善等工事のため設備投資計画を立て逐年実施してまいりましたが、この金額は昭和三十六年以降約七百八十億円に上っております。その内容について二、三申し上げますと、上野駅の大改造を初めとする駅舎の改造を行い、改札口の集約による省力化や構内踏切の廃止による安全の確保、駅舎やホームの改良による旅客サービスの向上等に大きな効果をもたらしております。また車両を新造、増備するとともにホーム延伸を行い、車両の増結に努めた結果、弊社の最混雑区間における混雑度合いも逐年低下してまいっております。 また、踏切関係を初めとする保安施設への投資により、昭和四十七年度には三十五件であった運転事故も、昨年度は十二件となり、逐年減少いたしております。さらに、弊社では、成田新東京国際空港の新設に伴い、成田までの既設線を空港まで延長し、首都東京から大量かつ迅速な唯一のアクセス機関として大きな役割りを果たしているわけでございますが、この国家的な事業も新線完成後五年半にわたり開港がおくれた上、さきに申し述べた、いまなお続いている空港への入場規制等により当初の予想をはるかに下回る輸送状況となっていることはまことに残念なことでございます。 しかしながら、これら輸送力増強等の設備投資は、経営事情のいかんにかかわらず、大都市通勤、通学輸送の混雑緩和、成田空港への乗客輸送、安全の確保、サービスの向上等のため必要欠くべからざるもので、公共事業の使命達成上必要なものであると考えております。 ただ、これらの投資に対する資本費は年々増大しており、昭和五十二年度の六十七億円に対しまして昭和五十四年度では八十六億円を計上するに至りました。今後、昭和五十五、五十六両年度にわたりさらに百十五億円の投資を予定しておりますが、これらによる資本費はますます増大し、収支を圧迫する要因となるものと思われます。 このような状態で推移いたしますと、弊社鉄道部門の収入不足は昭和五十六年度には五十四億円になるものと予想されますので、経営の健全化をはかるため、今回運賃改定の申請をいたしました次第でございます。 普通運賃につきましては、初乗り運賃を大人七十円から八十円に改定するお願いをいたしました。 また、定期運賃につきましては普通客と定期客との運賃コストの公平な負担という点から若干の割引率是正をお願いした次第でございます。 弊社は昭和五十二年以降、労働組合の協力を得て、人員の省力、分譲土地処分の促進、有価証券、固定資産の売却など積極的に経営改善計画を進めてまいりましたが、さらに合理化、省力化を一層推進して生産性の向上を図り、極力支出の節減に努め運賃の改定と相まって弊社の本業とする鉄道部門の独立採算を柱とする経営基盤確立に鋭意努力いたす所存でございます。 何とぞ早急に運賃の改定をしていただけるよう、特段の御理解をお願い申し上げる次第でございます。
○井上委員長 次に、柴谷参考人。
○柴谷参考人 私は、阪急電鉄の社長の柴谷でございます。 当社は、近畿圏の中核であります大阪市を中心に神戸市、宝塚市及び京都市を結ぶ都市間鉄道でございまして、営業路線は、神戸線、宝塚線、京都線の各本線と支線を含みまして百四十一・二キロメートルであり、昭和五十四年度におきます総輸送人員は、七億人を上回り、一日の平均輸送人員は、百九十三万人であります。 当社の沿線は、住宅地を中心といたします文化圏でございまして輸送の主体となっておりますのは、通勤や通学のお客様でございますが、最近では、沿線の住宅開発の余地が少なくなってまいりました上に、経済の低成長と相まって、輸送人員の伸びも低調にとどまっております。 当社は、近時のエネルギー情勢の中で、都市交通の手段として最も効率の高い鉄道事業の経営について、積極的にその健全化に努めますとともに、地域社会の発展に寄与すべく安全と信頼の確保に日夜邁進いたしております。 ところで、大都市圏、特に京阪神交通圏における大都市鉄道輸送において、民鉄のシェアは五五%を占めており、今後の地域社会の発展、ひいては、関西経済界の復権は、民鉄に依存していると言っても過言ではございません。 自動車の増加により麻痺した都市交通機能を回復させるため、大量輸送機関である鉄道をさらに充実して安全、正確、快適のバランスのとれた輸送を確立し、省エネルギー時代に貢献することこそ、いまや私どもに課せられた社会的要請と自覚しているところであります。 このような社会的要請にこたえるべく、当社は、輸送力増強工事といたしまして、ラッシュ時の混雑緩和を図るとともに、利便性の向上を目指して、停車場の改良、車両新造を初めとして、昭和五十四年三月には、京都本線に、京都河原町と大阪地下鉄動物園前間の直通急行を運転し、昭和五十五年八月には、京都線全線の普通列車六両編成化を実施いたしました。さらに近い将来、特急、急行の現行八両編成運転を十両編成に増強し、ラッシュ時の混雑度を全線にわたって大幅に改善するべく車両の新造、西宮北口、三宮駅の大改造を初めとする停車場の改良、変電所の増強等基礎輸送施設の拡充工事を鋭意推進いたしております。 また一方、運転保安向上工事といたしましては、まず立体化、高架化工事として、現在施工中の宝塚線十三-三国間、三国-庄内間、池田駅付近に引き続きまして高槻市内、茨木市駅付近、今津線今津駅付近諸工事を推進しております。また、昭和五十四年度中には、自動車通行可能なすべての踏切に、当社独自のATSと連動させました踏切障害物検知装置の設置をほぼ完了いたしました。なお、昭和五十五年度には、全踏切の自動化を完了いたしました。これにより、運転事故、踏切事故は、飛躍的に減少いたしております。 また、保守費の削減及び列車走行音、振動の低減等とともに快適な旅行を目的として、ロングレール化、PCまくら木化、道床強化、重軌条化を推進いたしております。 サービス改善工事といたしましては、お客様にできる限り快適な御乗車をいただくため車両冷房化の促進にも力を注ぎ昭和五十五年度では、冷房化率は六九・二%に達します。 さらに、ホームの上屋の完備等のサービス改善工事のほか、お年寄りやお体の不自由な方のための諸設備の整備、充実に積極的に取り組み、車いすのまま通行できる改札口、点字運賃表、点字券売機、誘導ブロック、盲導鈴のほか、エレベーター、エスカレーター、斜路等の設置や、トイレの改造を鋭意施工中でございます。 駅業務の近代化といたしましては、全駅に五百十八台設置いたしています自動券売機をより便利で、かつ後方業務の省力化をも合わせた新型券売機に更新するとともに、昭和五十八年度には、回数券も自動化システムに組み込み、全駅に自動改集札機を設置して、駅業務システムの近代化を完了いたします。 以上のとおり輸送力増強等諸工事を着実に実施してまいりましたが、引き続き昭和五十五、五十六両年度に三百三十三億円の投資を計画いたしております。これは、当社にとりまして巨額な工事費でございますが、いずれも、省エネルギー時代の大量輸送機関として、鉄道の社会的使命を達成し、かつ、また、省力化等コストダウンをもたらす投資として、ぜひとも完遂しなければならない緊急かつ重要な諸工事でございます。 さて、ここで当社の経理内容について御説明申し上げますと、収入の面では、先ほど申し述べましたように、輸送人員の伸び悩みにより積極的な旅客誘致にもかかわらず低調に推移いたしております。 一方、支出面では、さきに申しました輸送力増強等諸工事の実施に伴う諸税、減価償却費、金利等の資本費の増加と、昭和五十五年の電力料金の大幅改定に伴う動力費の増高並びに人件費の増加がございます。 当社は、人件費をできるだけ節減し、コストの増大を避けるために、すでに、昭和三十年代半ばから率先して、駅、運転及び保守業務等あらゆる部門で合理化、省力化を図り多大の成果を上げております。 なお、当社の省力化は、単なる要員の削減ではございませんで、従業員の行っておりました作業を機械化することによって、保安度の向上、サービスの改善をも同時に解決するのが特色でございます。 ところで、賃金のベースアップは、最近は低率に推移いたしましたが、今後も、適正な賃金水準の修正は必要であります。 鉄道従業員の場合、早朝、深夜の勤務を初め、一昼夜交代勤務等不規則な勤務であり、また猛暑、厳寒でも屋外の作業を余儀なくされ、かつ一人勤務あるいは小グループの作業がほとんどであり、過ちが絶対に許されない、責任のはなはだ重い労働であります。これらの諸条件を考慮いたしますと、従業員にその労働にふさわしい世間並みの賃金を支給することは、鉄道業として当然のことであります。したがいまして、ある程度の人件費の増加は避けられないところでございます。 以上により、昭和五十六年度の鉄道部門収支を要約いたしますと、総収入五百九十五億円に対し、総支出は六百九十二億円に達し、差し引き九十七億円の収入不足を生じます。この結果、収支率は、八五・九%で当社の収支は著しく不均衡を招き、都市間輸送の重大なる責務を果たす諸計画を全うすることができなくなることは明白でございます。 よって、ここに必要限度の旅客運賃の変更を申請いたしました次第でございます。 最後に、当社は、今後とも全社一丸となって一層の企業努力を続け、八〇年代にふさわしい魅力ある鉄道にすべく研さんする所存であります。 何とぞ、よろしく御理解賜りたく、お願い申し上げます。
○井上委員長 ありがとうございました。 ―――――――――――――
○井上委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君
○武部委員 参考人の皆さんには大変お忙しいところありがとうございました。 大変短い時間でございまして、お聞きしたいことがたくさんございますが、時間の関係がございまして、私の方でいろいろ調べた数字がございますから、そのことを申し上げて皆さんのこれに対する御意見を承りたいと思っています。 最初に、この値上げの申請が出されまして、現在運輸省において査定の段階に入っておるわけでありますが、大手十四社の運賃値上げの傾向を見ますと、値上げの幅あるいは申請の時期、そういうものが国鉄に連動しておるというような面が非常に多いのであります。国鉄の値上げ後の申請というものは、利用者に、私鉄の経済性の重視だとかあるいは公共性の軽視、こういう感じを与えておる。このように国鉄に連動した私鉄の運賃の値上げというものは非常に利用者に大きな不満を与えておる、こういうふうに思います。運輸省はこのような便乗的な値上げ、そういうようなことが起こらないように行政指導というものをやっておるのかどうか、この点がまず第一点であります。 さらにお聞きしたいのでありますが、私鉄運賃の値上げ認可の法的根拠であります。これは地方鉄道法の第二十一条及び軌道法第十一条の各項で規定されておるわけです。たとえばバス路線で見ますと、道路運送法に基づいて認可基準が明確になっておる、また電力やガス、そういう公共料金についてもきわめて明確に規定があるわけであります。 私鉄運賃は、改定認可について法的根拠は大変不備だというふうに思うのですが、この私鉄運賃の認可基準というものを公共料金並みに法的に改定をすべきではないか、こういう意見が非常に強いし、私もそう思いますが、まず最初に、運輸省はこれについてどういうふうにお考えか、これをお伺いしたい。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 二つ御質問があったと思いますが、私鉄の運賃の改定申請が国鉄の運賃の改定と連動しているのではないかという御質問でございますが、私たちとしては必ずしもそうではないというふうに考えております。 たとえば今度の申請につきましては、大手私鉄の申請は十一月に出されました。これは五十四年度の収支状況を基礎にいたしまして五十六年度の収支状況を見定めた場合、十四社すべて収入不足になるということでございまして、そのために一九・六%の改定が必要だということで申請してきているわけでございます。その基礎になりますのは、運賃というものは適正な原価プラス適正な利潤というものをカバーするものでなければならないということが根拠になっておるわけでございます。 一方、国鉄の運賃は予算との絡みで約一〇%弱改定が計画されているというふうに聞いておりますが、これは国鉄財政再建の一環として計画されておることでございまして、今回の私鉄の運賃改定の申請とは直接的には全く関係のないことでございます。 それから、私鉄は五十四年の一月八日に前回の改定が行われておりますが、国鉄はその後もまた昨年改定が行われておる。しかし、私鉄は改定されておらないということもございます。そういう意味で、御指摘のように国鉄の運賃と大手私鉄の運賃が連動しているというようなことは必ずしも言えないのじゃないかというふうに私たちは考えております。 それから、第二番目の私鉄運賃値上げ改定についての法的根拠の問題でございますが、御指摘にございましたように、現在地方鉄道法なり軌道法にはごく簡単な運賃改定についての規定がございまして、認可基準等は明示されておりません。また、運輸省所管の道路運送法あるいは電気事業法その他におきましては認可基準が非常に明確に規定されているという点はございます。 この点は、確かに現在の地方鉄道法が古いというようなことからくる問題点かと思いますが、われわれとしましては、法の運用の範囲で、運賃は「能率的な経営の下における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものであること。」その他の基準をもって法律の運用を行っておりまして、その基準につきましては、各運賃改定の都度、一般に公表もいたしております。 そういう意味で、法律上の不備は御指摘のとおりかと思いますが、現在はその運用を的確にやらしていただいているというふうに考えております。また、御指摘の点につきましては将来の問題として検討さしていただきたいと思います。
○武部委員 この問題は見解の相違かもしれませんが、私は法的にもっとはっきりとした認可の基準というものをつくるべきではないか、こういう意見を持っておるわけですから、また改めてやりましょう。 そこで、今回私鉄大手十四社が一斉値上げを申請したわけであります。前回も同様でありますが、この一斉申請、それと認可ということについて若干の質問をいたします。 この私鉄の十四社の中には、鉄道部門の収支実績を見ますと大変悪化をしておるものがある。同時にまた、そうでないものがある。ばらばらだというふうに見られるわけです。本来、値上げ申請というものは経営状態の悪化した会社が値上げを申請すべきものであって、十四社が同一の理由で一斉に値上げをするということは筋が通らぬ、このように思うのであります。先般、関東と関西で公聴会が行われたようでありますが、この公聴会の発言内容を見ましても、私がいま申し上げたと同じ意見がやはり出ておる、このように思うわけです。十四社各社別に査定すべきだ、こういう意見がある。私は、この一斉申請ということについてはこれを仮に認めるとしても、認可の時期というものは経営の内容を見てその業績に応じて認可すべきである、こういうふうに思うのですが、そういう方向でなければ国民の納得を得るわけにはいかぬというふうに思うのですが、運輸省、これについてどう思っていますか。 それから、民鉄としては一斉に十四社が足並みをそろえて、業績もまちまち、いいのも悪いのも一緒にして申請をするということについてはどういうふうにお考えでしょうか。 前回の認可がされたときに、運輸省は、一斉値上げにこだわっておるわけではない、世論の動きに配慮して一斉申請をやめさせるように大手十四社を指導する考えである、こういうことを述べて報道された経過がありますが、したがって、運輸省と民鉄と両方からひとつお伺いをしたい。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 一斉申請にこだわっているのじゃないかという御指摘でございますが、われわれとしてはこだわっているということではなくて、そこから離脱できないといいますか、そういう感じでございます。と申しますのは、五十四年一月に十四社一斉の値上げがございました。もちろん率は各社によって違いますが、時期は一緒でございました。その後、各社の収支状況はある程度のぱらつきがございますけれども、やはり各社通してみますと、輸送力増強等の要請に対して設備投資を進めていかなければいけないというような点とかあるいは電力料金、人件費の高騰とか、そういう点で大体同じような経営環境に置かれておるわけでございます。そのために、鉄道部門だけで見ますと、五十四年度につきましてはおおよそ収支がバランスしておりますけれども、五十五年度はまだはっきりしませんが、恐らく相当な収入不足になるということでございます。また五十六年度につきましては、各社から申請が出されております書類の内容にも書いてございますが、あのとおりになるかどうかは別にいたしまして、各社ともかなりの収入不足になるということは確実であろうと思います。 そういうことを見ますと、やはり五十六年度を平年度として収支バランスさせるということがわれわれの政策上どうしても必要だということでございまして、そういう意味で、今度一斉に申請が行われてきた、それに対してわれわれとして認可の処分をしなければいけないということはやむを得ないんじゃないかというふうに考えておるところであります。 ただ、御指摘がございましたように、各社ごとに見ればかなりの経営上の差異がございます。したがいまして、その点につきましては各社のコストあるいは利潤というものについて厳正な審査を行って、各社ごとに査定を行う。その結果、新しい運賃が決まっていく。そういうように措置してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○廣田参考人 お答え申し上げます。 社別には若干の差異はございますが、民鉄各社の収支構造はおおむね同じでありまして、五十五年四月の大幅な電気料金の値上げを初めとして毎年の人件費アップ、保守、修繕費等諸経費の高騰、さらには輸送力増強、運転保安度の向上、旅客サービスの改善等の設備投資に伴う資本費の増大等もありまして、民鉄各社を取り巻く経営環境はおしなべて悪化しており、五十六年度には大手十四社では千十九億円の収入不足が見込まれる状態でございます。したがって、申請内容は、鉄道業の健全性を図るため、各社それぞれ自社の実情に即したものとなっておりまして、増収率が異なっているわけでございますので、一斉だから不合理と一概に申せないものと考えられるのでございます。 以上でございます。
○武部委員 私は私鉄十四社の申請書を詳細に検討いたしました。また、私鉄の他部門とのいろいろな関連、多角的な経営をされておる、そういうものもいろいろ調査をしてみました。少なくとも国民が利用する大手私鉄、この値上げは申請そのものが国民の納得を得る、利用者の納得を得るものでなければならぬ、こう思うのです。そういう意味で、てんでんばらばらな経営実態にあって、経営収支も全くばらばらであるにかかわらず、一斉に値上げを申請するということがやはり国民の側、利用者の側から見れば納得できないものがある。そういう意味でお尋ねをしたわけですが、私はいまの答弁には納得ができないのであります。 さて、今回の運賃値上げ申請は、単年度主義、そういう申請であります。しかし、いまお三人の参考人の方がお述べになりましたが、この経営の説明をそのまま受けますと、この状態で推移いたしますならば、年度末にはまた赤字が見込まれる。したがって、五十七年度末には再び値上げ申請になるではないか、このようにも思われるわけです。したがって、電力やガス、そういうものが二年原価単年度方式でやっておりますが、こういう方法で初年度に負担がかからないように傾斜方式をとったらどうだろう、こういう意見が強いわけですが、民鉄としてはこれについてどういうふうなお考えでしょうか。 また、行政指導をやる運輸省としては、いわゆる二年原価単年度方式、こういうやり方、傾斜方式、これについてはどういう見解を持っておられるでしょうか。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 実際の会社の経営上どういうふうにごらんになるかということは、参考人の方から御意見が述べられると思いますが、運輸省としましてどう考えているかということを簡単に申し上げたいと思います。 現在の方式は、御指摘のように申請年度のおよそ翌年度を平年度としまして、その年度に収支をバランスさせるという方法をとっておりますので、確かに、申請年度の次の年には赤字になるじゃないかというのは、御指摘のとおりかと思います。現に前回の運賃改定は五十四年の一月に行われました。したがいまして、五十四年度はおおむね収支バランスしておりますが、五十五年度は先ほど申しましたように、かなりの収入不足になるということかと思います。従来もこういうことがございまして、その点については経営者の方々の経営努力によってそれを賄っていただくということできているわけでございますが、御指摘のございましたように、先の二年間を見通して二年度で平年度を見るという方法も実際にとられているところでございます。そういう点につきましては、御指摘のような問題点はあると存じますので、今後われわれの検討すべき課題として考えてまいりたいと存じております。
○廣田参考人 御回答申し上げます。 経済変動が非常に激しゅうございますので、現在、単年度方式はやむを得ないと思うものでございまして、電力も今回は単年度方式をとっておるのもそのためかと存じます。 以上でございます。
○武部委員 運輸省はこの問題についてやはり検討すべきだということをおっしゃったわけですから、私は、このことを真剣に考えていかないと同じことを繰り返す、こういうことになると思うので、ぜひ検討していただきたいのであります。 時間の関係で、これから私は私鉄大手の経営姿勢の問題についてお伺いをしたいのであります。 関東の私鉄は土地、関西の私鉄は球団ということがよく言われます。皆さんの方の「大手私鉄沿線外商品土地保有状況」というのがございますが、これを見ますと、確かに関東の私鉄は軒並みに土地を買っておる。大変な土地を持っておる。関西はまた、土地はないが球団ばかり持っておる。野球に非常に熱心、こっちの関東の方は土地あさりに一生懸命、こういう陰口がよく言われるのですが、なるほどこの保有状況を見ますとそうなんです。 そこで、経営姿勢についてお伺いいたしますが、この高度成長期に大量に購入した土地が現在売買不可能な不良資産となって各私鉄会社が抱え込んでおる、とれが大きな金利負担となって経理を圧迫しておるのではないか、こういうふうにも思われるわけであります。その結果、ツケが鉄道部門にしわ寄せされて運賃の値上げに連動するのではないか、これは内容を見るとそういうふうに思わざるを得ないのであります。 参考までに申し上げますと、大手十四社が不動産会社を経営することは、いろいろございましょう。しかし、そのよしあしは別にいたしまして、大手私鉄の土地の保有面積は現在一億八千三百十七万平方メートルでございますが、この一億八千三百十七万平方メートルの三五・二%に当たる約六千四百万平方メートルの土地が沿線外であります。皆さんの私鉄の沿線にあるのではないのであります、沿線外に保有されておるという事実があります。たとえば京王、京成、これは御承知のように関東地区であります。関東地区の私鉄会社でありますが、京王は北海道などに三百三十二万平方メートルの土地を持っておる。京成は、そこにいらっしゃいますが、宮城県に七百十三万平方メートル、長野県に三百三十一万平方メートル、このように大変遠いところに土地を保有しておられる。今回おいでいただいておりませんが、東急も九州や四国というところに土地を持っておるし、南海は四国に土地を持っておる。これはこの一覧表を見れば明らかになっておるのであります。経営内容が非常に悪いと言われる、さっきもお述べになりましたが、京成電鉄がどうしてこういう遠隔地にこういうものを取得しておるのか。しかも、これは現在では明らかに不良資産と思われる。そういうものを持って大きな金利を払うというようなことが今日経営危機の最大の原因ではないだろうか、このように推測されるわけであります。したがって、公益事業者としての経営責任、社会的責任というものはこの一事をもってしても免れないと思うのです。このような不良資産にかかるところの諸経費、金利、そういう営業外の費用というものが鉄道部門にしわ寄せされておるとは思われない、というよりも思いたくないのですが、運賃の値上げ申請時にそういうものについて運輸省は厳重な査定をしておるのかどうか、そういうことについてどういう考え方を持っておるのか。また、小田急も沿線外に五百十六万平方メートルの土地を持っておられる、こういうことは一体どういう理由だろうか、それが現在の私鉄の経営に大きな影響はないのか、この点をひとつお伺いしたい。
○佐藤参考人 京成の不動産営業の行き方についての御説明を申し上げたいと思います。 先生御指摘のように、京成が沿線外に所有しておる土地の面積は、宮城県その他について相当なものでございますが、これを価格で申し上げますと、千葉県内にある土地の価格が七一%、それ以外が約三〇%という状態で、価格的には沿線に力を注いでおるということが申し上げられると思います。 それにいたしましても、沿線外にそういうような土地をなぜ持ったかという御指摘でございますが、これは先生御承知のように、私鉄が単に鉄道だけでなくて兼業等を営むことは古くからのものでございますが、特に沿線における別荘地、観光開発というような観点から用地を取得した経緯がございます。ただ、それがそれぞれの経営体にどういう影響があるかということになりますと、京成電鉄については先生御指摘のように、この土地に対する金利の負担が相当出てきておるわけでございます。われわれとしては何とかしてこの負担は免れたい。したがって、できるだけこの土地を処分するという方針を立てて実施をいたしておりますのが一つでございます。 同時に、これが経営全体を圧迫することは御指摘のとおりでございますので、これについては、特に売りにくい不動産については金融機関に特別に金利軽減をお願いいたしまして、現実にそれを実施をしていただいてございます。 ただ、これが運賃の計算に影響があるかという点でございますが、これは京成だけでなくて他社も同じでございますが、明確に前々から運輸省等の指導もございまして、事業別に分離して計算をいたしてございますので、運賃の計算には影響はないということは申し上げられると思います。 以上でございます。
○武部委員 時間の関係から私の方から……。 いま京成からそういうお話がございました。いまあなたの方の千葉県のことをおっしゃったわけですが、京成の持っておる土地は総保有面積二千百六十五万平方メートル、そのうち沿線外が千六百五十四万平方メートルで、全土地の七六・四%が沿線外である。私が言いたいのはここなんです。沿線外の土地を七六・四%も京成は持っておるということは異常だと思うのです。そういう意味で、あなたもそれをお認めになりましたから、なるべく早く処分をしてということをおっしゃっておるわけですけれども、軒並みに私鉄はこういうふうに沿線外に土地を買い占めておる。この買い占めはどうも例の列島改造のころの取得のようだということだけは調査の結果わかりますが、一体こういうことを運輸省は査定の際にはどういうふうに考えて査定をするのか、これをちょっとお伺いしたい。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 私鉄がそういう土地に関し不動産事業を行うことが是か非かというお話がまずあるかと思いますが、この点については先ほど京成の社長さんからもお話がございましたように、鉄道会社というのは不動産事業も経営しているわけですから、そのこと自身いけないということはないと思います。ただ一方で、私鉄事業者は国民の足としての鉄道事業という非常に大切な事業を経営しているわけですから、不動産事業のマイナスによって鉄道事業の経営の方に悪い影響を与えるというようなことがあってはならないと思います。現に一部の会社でそういうことがございまして、問題になっていることも承知しております。したがいまして、今後そういうことがないように、会社全体の経営として十分注意するように厳格にいろいろ指導してまいりたいというふうに存じております。 それから、運賃改定に際してこういう不動産部門の経費をどう見るかというお話でございますが、これにつきましては、申請もそうなってございますが、鉄道事業の収支を見る場合には、ほかの不動産部門、バス部門あるいは投融資部門と完全に区別をいたしまして、金利、諸経費含めまして全部完全に分けております。したがいまして、鉄道事業に必要な経費として計上されるものは、鉄道事業に必要な営業経費、それから営業外経費のうち鉄道事業が負担すべきものというようなことで、その点は厳格に区別されていると存じます。 それからもう一つ、先ほどお話のありましたプロ野球の経費につきましても、査定上これは経費の上に含めないことといたしております。
○武部委員 経営姿勢の問題のもう一点の問題は債務保証の問題であります。 ここに、「大手私鉄の複合企業集団としての実態 五十五年三月末現在 有価証券報告書より作成」という一覧表がございます。京成の参考人にお伺いしたいのですが、あなたのところは大変経営状況が悪化をしておる。したがって申請の数字も非常に高いわけですから、御苦労なことはよくわかるのですが、これを見ますと、京成は十三億九千九百万円赤字。そういうものを出しておりながら、資本金の百三十五億円の十六・四倍にも当たる二千二百二十九億三千七百万円、こういう投融資や債務保証を土地やホテル、百貨店、こういうところに行っておられるわけです。ほかの社に比較をして京成電鉄は、関連の複合企業集団への投資額、融資額が直接間接的に見ましても今度の値上げ申請に少なからず影響を与えておるのではないだろうか。投融資が十四社の最高であります。この辺で一遍関連企業への投融資について再検討をすべき段階ではないだろうか、このように思うのです。こういうことがこのまま推移いたしますならば、いわゆる公益事業としての鉄道の使命を否定することになる、そういう事態を招くようなことが起こりかねないと危惧するわけですが、これまでの間に債務保証などについて焦げつきとか、あるいは融資先の倒産とか、そういうことが全然なかったのか。特に、京成は十四社の中で最高の債務保証、投融資をやっておるわけですから、この点についてはいかがですか。
○佐藤参考人 先生御指摘のように、当社の債務保証額は相当巨額に上っておりますが、これは、子会社等の関連企業が経営をするために必要な保障を求められたものについて保証を出すということで、直ちに、このために京成本体自体が云々ということにはならないと思います。ただ、関連事業の中には経営状態が必ずしも一〇〇%完全でないというものもございますので、それらについては個別にチェックをいたしまして、整理できるものは整理をするということで処理をいたしてございます。今後とも、投融資全体について再検討し、これを引き締めていくということに努力を続けてまいりたいと思っております。
○武部委員 お答えになりましたが、京成は、投資先が百五十七社にも達しております。融資先は二十六社。こういう時勢ですから、いろいろ経営状態も大変だろうと思うのですが、いままで投資あるいは融資先が例産とか、そういうような事態になった例は一社もございませんか。
○佐藤参考人 ごくわずかな例でございますが、一つは、フジフェリーというフェリー会社がございました。これは債務超過で、一応会社は解散いたしましたので、これについての処理をいたしました。それから、その他の会社につきましても、経営状態によって、たとえば株式の譲渡によって京成系列を離れるというようなもの、ごくわずかの例でございますがございます。したがって、それ以外について倒産というような事例はございません。
○武部委員 もう一つあなたにちょっとお伺いいたします。 先ほど申し上げたように、京成の値上げ申請率は一番高い。ところが、あなたの方の車両の購入ですが、これは、五十二年に六両、五十三年に六両、五十四年に十両、五十五年に六両ですが、五十六年に十六両も大量に車両を購入する、こういうことが計画されておるようであります。一両一億円近い、そういう大変な額の車両を何で五十六年に十六両もお買いになるのか。先ほどの御説明によりますと、乗車人員は減少の傾向だ、こういうことをおっしゃっておったわけですが、十六両も購入されるということは一体どういうことでしょうか。
○佐藤参考人 車両の購入計画は御指摘のとおりでございます。これは、全体の人員の伸びはございませんけれども、ラッシュの際の混雑率の緩和の要望が沿線から非常に強いものでございますので、車両を増備して混雑率を緩和するということのために計画しておるものでございます。
○武部委員 運輸省にちょっとお伺いいたします。 減価償却については、私鉄は定まった方式はないと理解するわけです。現在定率をとっているのは西武、阪神のようであります。また、ほかの社では定率と定額をチャンポンにしてやっておるというようなところもあります。減価償却について、いわゆる定率か定額かということについて、一体運輸省はどういうふうに考えていましょうか。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 減価償却の方法につきましては、税法上もいわゆる定率法と定額法の二種類が認められておりまして、いずれも公正妥当な減価償却方法だということになっているわけでございます。しかも、長期的に見れば、どちらの方法をとっても財産の償却については結果的には差異がないということでございます。実際に民鉄各社におきましてもその会社その会社によりまして、税法上定められた範囲内でいずれかの償却方法をとっているわけでございます。したがいまして、われわれとしても、従来から減価償却の方法は基本的には会社のとっている減価償却方法をそのまま認めるということで処理してきております。 ただ、これから行われる新規投資の分については、車両だけ定率法といたしまして、その他の資産については定額法によって査定をする、これから取得する資産についてはそういうことで査定するというのが従来のやり方でございます。これは、新規資産についての査定原価をできるだけ下げたいという配慮からでございますが、車両につきましては、車両の更新、増備による輸送力増強とかサービスの水準の向上が非常に急務でございますから、車両についてだけは、インセンティブを与えるために、新規資産についても定率法で査定する、そういう方法を従来とってきてございます。今回も恐らくそういう方法で査定が行われることになるのではないかというふうに考えております。
○武部委員 この減価償却の問題というのは大変重要でありまして、電力やガスの問題を論議したときもこれは大変大きな問題になったのです。ですから、都合のいいところばかり食い逃げしてもらっては困るので、そういう面ではあなたの方もはっきりとした行政指導というものをやるべきだ、このように要望しておきたいと思います。 時間の関係であと二つにいたしますが、このほど、京王線とそれから小田急多摩線、この延伸問題がちょっと話題になっておるようであります。五十八年着工ということだそうでございますが、これは現在の利用者に大きな負担がかかってくるだろうと思うのです、現在の利用者に何のメリットもないわけですから。一体この京王相模原線、それから小田急の多摩線、こういうものの延長、着工、費用配分、補助とか、そういう点はどうなっておるのか。現在の私鉄の利用者、特に京王、小田急の現在の利用者には何の恩恵もないわけですから、そういう点についてはどういうふうに考えていますか、運輸省。
○犬井政府委員 京王の多摩ニュータウン線の延伸につきましては、かねてから計画されております。京王はすでに免許は取得しているわけでございます。現在、東京都と京王電鉄との間にいろいろ協議が進められておりまして、近く協議が調うことになるのではないかというふうに聞いております。その暁には、京王帝都電鉄から工事施行の認可申請が出てまいりまして、それを運輸省で認可をして工事が始まるということになると思いますが、いつの時点に工事が始まるかということになりますと、現在の時点ではまだはっきり申し上げられない。そう近い将来ではないということでございます。したがいまして、今度京王帝都が申請してまいりました運賃申請の内容には、この新しい工事についての原価は含まれておりません。
○武部委員 時間が来まして、私は最後に、申請が非常に大きな問題を含んでおる事業報酬、これについて述べてみたいと思います。もう時間がありませんから、主として私の方から、皆さんがお出しになった支出項目、値上げについての支出項目を詳細に検討した結果、次のようなことを皆さんに指摘をしたいのであります。 この支出項目を見ますと、五十四年に対して五十六年は十四社平均で修繕費が三五・九%増、経費が三八・三%増、事業報酬が二九・四%増、こういう大変大幅な増加を示しておるのであります。この事業報酬というのが、電力やガス、こういうものは電気事業法なりあるいはガス事業法、そういうものによって認められておるわけでありますが、私鉄にはこの法定はない。したがって電力、ガスに準じた扱いがされておる。この事業報酬をこのように理解をするわけです。したがって、私鉄の事業報酬というものは利潤の先取りではないか、こういうふうに言われております。 それはそれといたしまして、私が計算をいたしました数字によると次のようになる。ちょっとこれを聞いておいていただいて後でお答えいただきたいのですが、十四社の平均の自己資本率は一〇・四%、他人資本率は八九・六%であります。申請の五十五年九月の金利を見ますと、定期預金金利一年もので七・七五%、公社債応募者利回りは八・六四五%、全産業の自己資本利益率は九・五四%、配当必要率、これは利益準備金一%を含んでおりまして、一一%になっておる。これを平均いたしますと、自己資本の報酬率は九・二三四になります。これは申請書を分析するとそうなるのです。したがって、他人資本報酬率八・六六六となっておりますから、これで平均をしてみますと八・七二%の申請になります。八・七二%の事業報酬になる。これを今回は十四社で八・五にして申請をしておる、こういうことが出てくるのであります。これは申請ですから間違いありません。 それならば、一体現行の利率はどうなのか、調べてみますと、定期預金の金利は七%、公社債応募者利回りは八・三八とか配当必要率は八・八とかいろいろ出まして、現行は八・二七六%になります。これが自己資本であります。それから他人資本率は、内容を省きますが八%になります。したがって、これから出てくる現行の上平均の利率は八・〇三であります。こういうことになります。 また、きょうから公定歩合が一%下がります。貯金利子が〇・七五%連動いたします。この〇・七五%の連動、さらに公社債応募者利回りを〇・五%マイナスにした連動、こういうことで自己資本率と他人資本率の報酬率を計算いたしますと七・五五%というものが出てきます。 いま私は三つの数字を申し上げました。申請は八・五%であります。現行は八・〇三%であります。もし公定歩合が一%下がって、〇・七五連動間違いありませんが、そうすると七・五五%という数字になります。これによって皆さんの申請の事業報酬率を計算をしてみました。 そうすると、京成は、あなたの方は八・五で事業報酬額を算定をし申請しておりますが、これが六十一億六千六百万円であります。これは先ほど申し上げた現行の八・〇三、現行の利率にいたしますと、これが五十八億二千五百万円で、三億四千百万円の水増し事業報酬であります。さらに公定歩合の引き下げ、利下げの連動によってこの金額は一挙に水増し六億八千九百万円になるのです。これは京成であります。 小田急は、同じような申請を先ほど申し上げた利率で計算をしてみますと、現行の利息でも五億一千四百万円の水増し、公定歩合の連動によって十億三千九百万円の事業報酬率の水増しになる計算が出てきます。 阪急は、同じ計算によって現行で六億二千五百万円の水増し、公定歩合の連動によって十二億六千二百万円の水増しという計算が出てくるのであります。 こういう計算に基づいて十四社の事業報酬の申請が、現行の利率あるいは公定歩合の引き下げに伴う連動によって一体どういう計算になるか、これを調べてみました、計算をしてみたわけです。 そういたしますと、事業報酬だけでどういう数字になるか。時間が来ましたからもうやめますが、申請の事業報酬は、十四社合計で、八・五%、千百六十七億九千万円の申請であります。現行八・〇三%の利息で計算いたしますと、これは千百三億三千二百万円、差は六十四億五千八百万円であります。公定歩合の連動による利率の引き下げによって、一挙にこれは百三十億五千三百万円にふくれ上がるのであります。こういう計算が成り立つのであります。もし私の主張が間違いならば、間違いと指摘していただいて結構でありますが、時間の関係で、これは運賃とどういう関連を持つか、こういう点で数字を調べてみました。 たとえば京成電鉄は、先ほど申し上げましたように、六億八千九百万円の事業報酬が水増しになるわけでありまして、皆さんが申請されておる、特に京成は差し引き損益五十四億八百万円という損益表をお出しになっておる。ここにございますが、これで計算しますと、一二・七%お出しになった赤字が減ってくる、こういう結果になります。したがって、この六億八千九百万円というものを収入合計から見ますならば、二・八%に当たるのであります。事業報酬を現行の利息に連動さしただけで、事業報酬だけで、京成は二・八%申請よりも下げることが可能だ。この計算でいきますと、小田急は二・四%、阪急は二・一%、十四社平均で二・二%申請よりも下げることがこれだけで可能だ。まだほかに減価償却、動力費、配当、いろいろなものがございますが時間の関係でできませんが、事業報酬だけでさえこういうふうになるのです。 これについて民鉄の側の御意見、それから運輸省の御意見を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○佐藤参考人 京成の御指摘がございましたので……。 五十五年九月末の現実の計算をいたしました。当社は、残念ながら、他社に比較しまして他人資本比率が非常に高うございます。九八・八五%という状態でございます。借入金の利子率が八・八一ということでございますので、報酬率を計算いたしますと、八一七七八というのが現実の数字でございます。したがって、八・五%の申請は低過ぎたのではないかという御指摘が仮にございましても、それに従う、さようでございますと申し上げざるを得ない。つまり、非常に余裕を持った水増しをした申請ではないということを御説明さしていただきました。
○武部委員 いまの説明では、私ちょっと納得できませんが、これはまあ時間の関係でのやりとりですけれども、私が述べたことは議事録にはっきりいたしますから、それによって私の述べた数字が誤りならば誤りとして、後でも結構ですから御指摘ください。小田急もそれから阪急も、同じように私はこういう計算をしておるわけですから、これについて御異論なり反論があれば、後刻していただいても結構です。運輸省、どう思いますか。
○犬井政府委員 今回申請が入っております事業報酬率が八・五%で、その計算の根拠が八・七二%であるというのは御指摘のとおりでございます。いまいろいろお話がございましたように、その後、公定歩合の引き下げその他金利の変動がございます。こういう金利の変動が、各社の五十六年度における事業報酬率にどういう影響を与えるのかということは、これから検討しなければいけないことだというふうに思っております。ただ、各社の資金構成はいろいろ違っておりまして、長期資金も多分に含まれております。したがって、今回の金利の変動というものが、そのまま各社の金利の負担率に影響するとは必ずしも言えないので、その辺はしさいに検討さしていただかなければいけないかと思います。いずれにしましても、そういう点を含めましてしさいに検討して、いかなる事業報酬率を適用すべきかということを、運輸審議会の御意見も伺った上で決めさしていただきたいというふうに思っております。
○武部委員 約束の時間が来ましたから終わります。 参考人の皆さん、大変ありがとうございました。
○井上委員長 長田武士君。
○長田委員 本日は、参考人の皆さん、大変お忙しいところをありがとうございます。 大手私鉄の値上げにつきましては、その内容を見てまいりますと、企業間の業績の違いや格差というものは年々広がっているのではないかと、私はこの資料を見て思います。たとえば五十四年度の実質収入を見てまいりますと、京王さんと東急さんでは二十七億八千四百万円の差があります。値上げ率も、東急の一三・三%から京成の二六・二%というような大きな差が生じておるわけであります。その他自己資本率や資産等についても企業間の格差は広がっております。 そこで、私は考えるわけでありますが、そういうような状況下にありまして、値上げの時期、値上げ幅、そして同一歩調をとるというような値上げの仕方について国民は少なからず疑問を持っているのではないか、私はそういう感じがするわけであります。経営状態もいろいろございまして、優秀な会社もありますし、経営の大変苦しい会社もあります。そういう中にあって同一的な歩調をとられる。そういうところに国民のふんまんといいますか、そういう値上げに対する不満というものが出てくるのではないか、そういう点を私は強く感ずるわけであります。これについて、廣田参考人、それから運輸省、簡単にお答えをいただきたいと思います。
○廣田参考人 お答え申し上げます。 社別には若干の格差もございますが、民鉄各社は収支構造はおおむね同じでございまして、五十五年四月の大幅電気料金の値上げを初めとして、毎年の人件費のアップ、保守修繕費等諸経費の高騰、さらには輸送力増強、運転保安の向上、旅客サービスの改善の設備投資に伴う資本費の増大等もございまして、民鉄各社を取り巻く経営環境はおしなべて悪化しており、五十六年度には十四社合計で千十九億の収入不足が見込まれます。したがって、申請内容は、鉄道の健全経営を図るため各社それぞれに自社の実情に即したものとなっておりまして、したがいまして、増収率が異なっているのもそのためでございます。 以上、御返事申し上げます。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、一斉申請についていろいろ御意見があることは十分承知しております。しかし、ただいま参考人の方がおっしゃいましたように、五十四年に運賃値上げして以後、経費の増高等によりまして大手私鉄の経営が次第に悪くなってきている。そして五十五年度にすでにかなりの収入不足を計上し、五十六年度には、申請によれば一千億以上の収入不足が出るということでございます。こういうことで申請が出されてきたわけでございます。 中を見ますと、各社の経営状況は御指摘のようにずいぶん違いますし、収入不足の額とか改定を要する率も違います。しかし、いずれの社を見ましても、かなりの収入不足になるということでございますので、われわれとしましては、これを受けまして検討をして処分せざるを得ないということかと思います。ただ御指摘のように、経営内容は各社によってかなり違いますので、増収率等につきましては厳重に各社の実情を査定した上、決めさせていただきたい、そうするのが筋ではないかというふうに考えております。
○長田委員 それでは具体的にお尋ねいたします。 京成さん、お答えをいただきたいのでありますけれども、五十四年度の修繕費は十一億三千二百万円、五十六年度ではこれが二十億百万円も計上されておるのですね。同じように経費は三十六億三百万円から五十七億一千六百万円と、他社と比べますと大幅に増額されております。佐藤参考人にその原因についてお教えをいただきたいのです。
○佐藤参考人 五十六年度、いわゆる平年度、五十四年に比較して修繕費が過大ではないかという御指摘でございますが、先ほど来御説明申し上げましたように、輸送力増強その他に要する現実の修繕費、特に鉄道の施設の電路その他のものについて相当の修理を要するような事情もございまして、内容につきましてわれわれの必要と考えるものを申請書の中に織り込んだわけでございます。 それから、経費の方でございますが、経費は先ほど御説明申し上げましたように、動力費が相当部分でございますので、動力費の値上がりでございます。それ以外の分につきましても、やはり従来必要としてなかなか実施できなかった経費について、どうしても鉄道の安全対策、その他の上から必要である最小限のものを見積もってお願いをしたつもりでございます。
○長田委員 私が申し上げておりますのは、平年度に比べまして今回は非常に多いということを御指摘をしているわけであります。 それではもうちょっと具体的にお尋ねいたします。修繕費については、普通修繕費と取りかえ修繕費に分けられるわけですね。京成の場合は五十四年度の取りかえ修繕費は一四%だったものが五十六年度には四四%になっております。同じように阪急さんは二七%が三五%になっておるわけであります。私は、取りかえ修繕費というのはレールとかまくら木、それから配線などの取りかえが主な内容だと思うわけでありますが、このような費用が年度によって二倍にもなってしまうということが果たして利用者に納得できるだろうかという感じがするのですが、この点京成さんと阪急さん、どうでしょうか。
○佐藤参考人 修繕費の内訳については、先ほどちょっと触れましたように線路関係、電路関係、車両その他あるわけでございますが、平年度に比較しまして、先ほど申し上げましたように修繕費、修繕を強化しなければいかぬということで現実に見積もりましたものを計上いたしたわけでございます。
○柴谷参考人 五十四年に比べまして五十六年の修繕費が増加しておりますのは、車両走行キロが非常に上がっておるというところのことと、それぞれの修繕の物資の単価が上がっておる、下請の企業の単価が上がっておるというようなことからそういうふうになっていっておるものでございます。
○長田委員 理由はよくわかるのでありますけれども、倍になっているということは、ちょっと私、利用者が納得できないんじゃないかという感じがいたします。 それで、経費の部分でありますけれども、去年の電力料金の値上げについては、私鉄各社においては相当打撃を受けておられる、よく理解するわけでありますが、しかし、電力料金の値上げは平均で五四・二八%です。それにもかかわらず京成の動力費は、先ほど社長さんがおっしゃったとおり、動力費が非常に上がっておるということでございますけれども、六七%見込んでおりますね。五四・二八%しか上がってないのに六七%見込んでおるのですが、この違いは、この差額はどうして出たのでしょうか。
○佐藤参考人 先生御承知のように、電力料で発表されましたのはいわゆる平均的な数字でございまして、電鉄各社に適用される料金はそれぞれ制度的に若干の差異がございますのと、御承知のとおり、あの発表した当時には、実は特別料金の適用を受けているいわゆる高い料金の電力料の割合がそれぞれ各社によって事情が違うというようなことでございまして、現実に適用を受ける電力料はそれぞれ差異を生じているのが一点でございます。 それから京成について申し上げますと、五十六年度においては、平年度、五十四年に比較しまして車両の走行キロ、それから冷房車両等がふえた場合の現実の電力の使用量の増というものが七・八%程度ございます。それを計算に入れましたのと、先ほど申し上げましたように、単価のアップが、現実に発表されているものは平均であって各私鉄に適用されておるものはそれよりも若干高い率になっておるというこの両方が働きまして、先ほど申し上げたような数字になっておる、こういうことでございます。
○長田委員 次に、先ほど武部委員からも指摘がありましたけれども、特に関東の私鉄の場合は不動産部門に相当力を入れていらっしゃるようであります。 そこで先ほど、この不動産の金利であるとか、そのような部分については運賃には影響しておりません、このように運輸省は答えましたね。そこで、土地購入に関する借入金や金利ですね、これは営業経費に入っているんじゃないかと私は思いますが、どうですか、これ。営業外経費……。
○犬井政府委員 お答えを申し上げます。 会社全体の経理としては、不動産関係の経費とか金利ですね、そういうものはおっしゃるように営業経費とか営業外経費に入っているわけでございますが、われわれは地方鉄道の運賃改定の問題を取り扱いますときには、会社の方にも指示をいたしまして、もう申請の時点から鉄道部門だけ特に取り上げて、その部分だけ明確に区別した経理に基づいて申請を行わせております。したがいまして、今度の場合、五十四年度の実績につきましては、鉄道部門のほかにバス部門あるいは不動産部門あるいは投融資部門というような各部門ごとの経費をそれぞれ積み上げさせておりまして、営業外の費用つまり金利その他につきましても固定資産割で配賦するとか、そういうことで各部門に割賦しております。そういうものに基づいて申請が出てきておりますので、不動産関係の経費とか金利というものが今度の鉄道事業の運賃改定の申請の基礎としての経費に含まれているということはないというふうに考えております。 また五十六年度平年度につきましては、金利とか配当と申しますのは事業報酬制度というものを採用しておりまして、その事業報酬の方に計上されることになりますので、いま申し上げましたような部門ごとの割賦というような問題は起きないわけでございます。
○長田委員 先ほど質問があったのでありますけれども、京成さんが先ほど問題になりまして、投資あるいは融資の総額が二千二百二十九億三千七百万円、資本金の一六・四倍ということであります。 そこで私は柴谷参考人にお尋ねをしたいのでありますけれども、投資とかあるいは融資というのは私鉄十四社には同じような傾向で見られるわけですね。そうしてこのことから公共事業としての鉄道部門のウエートが低下してくるんじゃないか、低下しているんじゃないか、私はそういう感じを持つのであります。さらには、鉄道事業自体が副業化されつつあるのではないか、そういう点を心配をいたしております。なぜこのような企業体質になってしまったのか、あるいは今後このような企業体質が望ましいと考えていらっしゃるのか、この点どうでしょうか。
○柴谷参考人 鉄道の会社の鉄道以外の事業をこの際鉄道会社の兼業と言っているのです。別になりました会社のことは別といたしまして、たとえば私どもでありますと、デパートメントストアというものは別の会社になっております。大体私どもの考えといたしましては、旅客に御便宜を図る、どこよりもよいサービスなり品物を御提供申し上げて御便宜を図るというところのことから出発いたしまして、土地でございますとか、建物でありますとか、その他の食堂のようなものでありますとか、あるいは健全な娯楽というようなものを提供いたしておるのでありまして、沿線のお客様のニーズがだんだん増加してまいりますから、そういうようなものに対応するようにするという範囲では決して不健全であるとは思っておりませんが、それぞれ先ほど初めに陳述いたしましたように、大都市周辺における私鉄の都市輸送に占めておりますシェアというものが非常に大きくございまして、ことに朝夕の通勤輸送につきましては会社の管理職初め経営幹部がその実態を見ておるのでありまして、現在の道路の非常な混雑ということから、私鉄が何とかしてもう少し健全な基盤の上に立って都市交通というものにバランスあるところの交通を与えて、そしてこれに貢献をしたい、そうでございませんと実際に通勤しておられますところの方々自身が非常にお困りだ、つまりお客様自身がお困りであるというところのことを私どもは念頭に置いておるのでありまして、それでありますから運賃の改定を申請して、あるべき姿に私鉄を持っていきたいというところのことはどの私鉄も切なる念があるのでございます。したがいまして、いまおっしゃいましたように、私鉄自身が、鉄道部門自身が副業化してくるというような点は毛頭考えておりませんので、どうぞそれで御了解を願います。
○長田委員 次に、事業報酬制度について廣田参考人にお尋ねをいたします。 前回の値上げの申請のときには事業報酬率は七・二五%であったのでありますけれども、今回は八・五%となっております。事業報酬については金利の支払いや配当金、これらが含まれておるわけでありますが、御承知のとおり公定歩合は昨年九月に一%下がりました。また本日午後には、明日から実施されるわけでありますが、一%下げられる予定であります。そうしますと、金利負担も相当軽くなると私は思うのですね。こうした点からも、十四社全体で二九・四%の伸び率を見込んでいる事業報酬、この額はちょっと大き過ぎやしないかという感じがしますが、どうでしょうか。
○廣田参考人 御返事申し上げます。 ただいま事業報酬率に関しまして八・七五%は前回に比して高いんではないかというような御指摘がございましたが、おっしゃるように、現在公定歩合の引き下げが新聞紙上にも出ておるような状況でございます。公定歩合と申しますのは、やはり金融業においては、銀行が借りる、再割引をする最も基本的な金利でございます。そしてこういったもののレートが下がるわけでございますが、しかし現在それは主に銀行が日本銀行から借りる場合のレートでございまして、それがわれわれ一般の企業が銀行から借りるレートにスライドされるという形で履行されていくわけでございます。それで、現在そういうふうに引き下げの声が非常に強い時点でございますが、現在その引き下げ前のわれわれが受けておる金利は非常に高い長期金利でございまして、いずれも金利の固定型のものでございまして、初めから完済されるまでそのままのレートがずっと続いていくものでございます。公定利率が下がったから少し下げてやろうというようなものではございませんで、われわれ私鉄が借りております資金の金利は非常に多くのものがこういった固定的なものでございまして、いま公定歩合が下がったからといってそれがわれわれの方へスライドしてくるまでには相当の期間がかかるものでございますので、そういうことを勘案いたしますと、八・五%は決して高過ぎはしないというふうに感じるわけでございます。 以上でございます。
○長田委員 時間もございませんから簡単にお答えいただきたいのでありますが、それでは佐藤参考人にお尋ねいたします。 事業報酬を見てまいりますと、東急の場合は伸び率が四・八%です。他社に比べて非常に低くなっております。これは私は、この計画を見ますと、鉄建公団が鉄道建設に、新玉川線ですか、これを担当しておるようであります。これが原因ではないかなあという感じがいたします。このような低利融資など国の援助によるならば事業報酬も相当低く見積もってもいいのじゃないか、可能だろうと私は考えるのです。 そこで私は、佐藤参考人にお尋ねする理由といたしましては、京成電鉄の場合、成田線と国鉄と競合する区間が非常に多いんですね。そういう意味で、経営上大変であろうという感じがするわけであります。今後、鉄建公団は条件もいろいろあるようでありますけれども、この鉄建公団による建設について考えられたらどうかと思いますが、どうでしょうか。簡単にお答えください。
○廣田参考人 ただいまの私の御返事に間違いがございました。レートでございますが、先ほど申請の報酬率は八・七五%と申し上げましたが、八・五%でございますので訂正させていただきます。失礼いたしました。
○佐藤参考人 鉄建公団工事をもう少し利用したらどうかという御指摘でございますが、当社は現在、青砥-高砂間の複々線化工事、これは鉄建公団工事でお願いしてございます。これは金利五%ということで軽減をさせていただいておりますので、そのままそれを計算に入れてございます。
○長田委員 時間がありませんので、それではあと三問だけお願いいたします。 事業報酬額については、阪急は昭和五十四年度には八十億四千二百万円、五十六年度では百十二億九千五百万円と、四〇・五%も実は伸びていますね。これは十四社平均が二九・四%でありますから大きな額であります。また、事業報酬制度というのはいわば利潤の先取り制度とも言えるわけでありますから、一般企業には認められていないわけであります。この点について柴谷参考人、簡単にお答えください。
○柴谷参考人 私どもは五十四年から百六十億、百七十億というような年々の大きな設備投資をいたしておりまするので、その設備投資の資本費用が増加しておりまして、そのことのために事業報酬率が上がっております。それからなお、それにはいままで契約しております金融業者との間に長期の契約もございまして、いま現在金利が低下傾向であるからと申しまして、それが直ちに全体の私どもの資本費用に影響してまいるわけではございませんので、そういう点も勘案いたしまして公正に五十六年度の事業報酬率を算定させていただいたものでございます。
○長田委員 次に、運輸省にお尋ねいたします。 拡張投資に関しましては、建設中の資産についても資産計上されております。これらの負担が全部利用者に回ってくるような仕組みになっていますね。しかし電力のような投資については、建設の期間中平均残高から利子を除きましてその額の二分の一、百対百分の五十ですか、二分の一のみのレートベースの算入が認められておるのです。こうした点について私は私鉄についても当然考えるべきだと思いますが、どうでしょうか。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 建設仮勘定が事業報酬対象資産額の中に全額含まれているということは、従来前回の運賃改定の際もそうでございました。その前からもそうでございます。ただ、利子は除くように処置してございます。 いまお話のございましたように、電力の場合には二分の一であるという御指摘でございますが、この辺はいろいろ御意見が分かれることかと思いますが、従来運審でいろいろ御議論をいただきました結果、建設仮勘定については全額入れるということになってきておるわけでございます。今回もこれから運輸審議会で最終的に御審議いただくわけでございますが、いろいろな御意見も含めまして結論を出すことになろうかと思います。
○長田委員 最後に、廣田参考人にお尋ねいたします。 私鉄運賃の値上げによる消費者物価への影響は、この表によりますと〇・〇七とされておるわけでありますが、これは全国ベースによる計算であります。御存じのとおり、私鉄の多くは東京と大阪に集中しておる事実を見ましても、この二大都市圏に住む利用者にとっては大変な負担になると考えます。今日の実質賃金がマイナス一%を記録しておりますことを考えますと、私鉄の皆さんにはこの際少しでも企業努力をお願いいたしまして、半年でも一年でも値上げは延期していただきたい、私たちはそういう気持ちでございます。特に、別途積立金など各種準備金や引当金など内部留保金については、全社でこれを見ますと約四千四百三十二億円ございます。これらを活用いたしまして、ぜひひとつ値上げは再考してほしい、このように私は要望するわけでありますが、この点どうでしょうか。
○廣田参考人 それではお答え申し上げます。 私ども民鉄運賃の改定が消費者物価に与える影響につきましては、申請どおり一九・六%の運賃改定をお認めいただきましても、消費者物価指数に与える影響は平年度ベースで〇・〇七%、これを一月に割りますと〇・〇〇六%になります。参考までに申しますと、昨年四月に実施されました電気料金の改定が消費者物価に与える影響は〇・七%でございますから、これに比べますとその影響が少ないということは明らかかと存じますので、どうかこの点も十分御理解いただきまして、現に輸送力増強その他公共事業としての使命達成のために誠実に努力を重ねております私鉄に対しまして、十分の御理解を賜りますようにお願い申し上げます。 以上でございます。
○長田委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○井上委員長 塩田晋君。
○塩田委員 私鉄の責任者の方並びに労使を含めての関係者の皆さん方、特に東京、大阪など大都市圏における輸送機関の中核としてその重責を自覚し、経営基盤の確立並びに輸送使命の達成に必死の努力をしておられますことに対しまして、まず敬意を表したいと思います。 特に国鉄経営との比較におきまして、皆さん方が大変な努力をし、実績を上げておられるということを評価するものでございます。民社党の塚本書記長も予算委員会におきまして、具体的に名鉄と国鉄の同区間における輸送人員とその職員数との開きを例示いたしまして、これを政府当局に追及したところでございます。 私も同じような資料を手に入れておるわけでございますが、たとえば大阪駅におきましては、乗降客が国鉄の場合は六十五万、阪急さんの場合は六十三万、ところが職員数は国鉄は千百人、阪急さんの場合は百七十五人、もちろん国鉄には旅客以外の貨物部門が含まれております。それにいたしましても余りにも大き過ぎる。その部分を除きましても、たとえば大山崎というところを調べたわけでございますが、国鉄の場合も阪急の場合も同じく九千人の乗降客、これに対しまして職員が国鉄の場合は十一人、阪急の場合は実に一人、このような大きな開きがある中で必死に取り組んでおられるということに対しまして、われわれとしてはこれを十分に認識し、いずれ近いうちに国鉄当局に対して、この問題で徹底的に追及をしたいと考えているところでございます。 そこで、まず国民生活の上から、特に利用者の側からいいますと、私鉄の運賃はできるだけ上げないでもらいたい。先ほども公明党さんの方から要望がございましたように、上げないでほしいという基本的な態度でございます。できるならば上げてもらいたくない。そしてどうしても上げなければならないという状態ならば、これは個々別にいろんな事情がございますから運輸省の方で十分に内容を審査されまして、上げ率をできるだけ低く抑えていただきたい、こういう基本的な立場でございます。しかしながら、一方で電力費が高騰いたしましたし、その他の諸経費また設備投資に伴うところの資本費の増加等もございましょうし、また先ほど阪急の社長さんが言われましたように、労使関係におきましては労働にふさわしい世間並みの賃金を従業員に支給すべきである、そのとおりであると思います。そういった人件費の増高もございましょうし、どうしても避けて通ることができないものにつきましてはこれを十分に見ていただきたい、審査に当たっても十分に見て検討の要素として入れていただきたいということを考えます。この点につきまして運輸省いかがお考えですか。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 いま先生からるるお話がございましたように、利用者のサイドから見れば、大手民鉄の運賃も安いにこしたことはない、安ければ安いほどいいということかと思います。しかし一方で、鉄道事業者の使命として輸送力を増強して混雑を緩和する、それから安全を絶対的に確保する、それから冷房その他のサービスを向上しなければいけないという命題があるわけでございます。したがいまして、そういう命題を果たすために必要な経費というものは必要最小限度の範囲内でこれを認めていかざるを得ないということかと思います。したがいまして、先生御指摘のように、申請の内容につきまして各費目ごとに厳正にしかし必要なものはこれを認めていくという方法で査定をいたしまして結論を出させていただきたいというふうに考えております。
○塩田委員 ぜひともそういう方向で十分に慎重に取り組んでいただきたいと思います。 そこで、お尋ねしたいと思いますのは、混雑の緩和、安全の確保、サービスの改善に向かって努力をしていただくわけでございますが、その安全の確保という問題の一環といたしまして、具体的に鉄道軌道の立体化、高架化の工事につきまして、これは住民の要望が非常に強いものでございますし、また自動車との衝突等による危険を避けるためにも高架化、立体化が必要であります。 〔委員長退席、武部委員長代理着席〕 ところが、住民の要望はかなりあちこちで強く出ておりますが、私鉄は民間経営でやっておられます関係もこれあると思うのですが、具体的にあちこちで計画よりもかなり進捗がおくれております。そのおくれている理由、ネックはどこにあるのか。資金的あるいは土地買収等の問題かと思いますが、どのような負担割合で関係者がこれを進めておるのか。国がそういった面を進捗するためにもつと援助すべきじゃないかと考えますが、いかがですか。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 お話のございました高架化工事は安全の確保上非常に有用なことであると存じますが、これは通常、都市計画事業として地方公共団体サイドの事業として行われるわけでございます。その場合に、当然鉄道事業者は一定の費用を負担するわけでございますが、その費用の負担の範囲というのはおおむね高架化することによる受益の範囲だということに限られておりまして、全体から見ればそう大きい割合ではございません。したがいまして、一たん計画が決められた後、私鉄サイドの資金事情等によって計画の実施が延ばされるということはケースとしては余りないのではないかというふうに考えておりますし、また事柄の性質上受益の範囲内で負担するということでございますから、これについて国で補助等の措置を考えるということはいたしてないわけでございます。
○塩田委員 これは建設省サイドの問題が大きいかと思います。こういった立体、高架化工事の促進につきまして、国は援助、指導をぜひともお願いしたい。地方の公共団体も関係することでございますので、建設省と十分に連携を密にされましてこの促進について御努力を願いたいと思います。 同じような意味におきまして、たとえばこういう問題がございます。 国鉄線と民鉄の線がある同じ市についておるわけです。駅もあるわけですが、これがわずかに一、二キロの間連結してないために、国鉄も非常に利用者が減ってきている、また民鉄側にしても非常にお客さんの不便がある、こういう問題があります。この私鉄の駅と国鉄の駅との接続をするという場合、新線建設になります。これは地元住民も非常に要望があり、また市当局においても盛んに陳情をしていることでございますが、こういった場合、私鉄側に新線をつくる場合に、私鉄側にこれを大きく負担させるということはやはり問題があるんじゃないか。ローカル線の場合にそういうのが多いわけですから、これについて新線建設の費用がかなり負担になると思います。これにつきまして、国はいまどのような方式で臨んでおられるか。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 ただいまお話のございました件につきましては、具体的にどういうケースかということがはっきりしておりませんとなかなかお答えしにくい面もあるわけでございますけれども、一般的に申し上げますと、民鉄事業者が鉄道を新たに建設する場合にはその民鉄事業者の負担と計算においてその建設に踏み切るということでございまして、特定の場合以外は国の助成ということは従来考えられていないわけでございます。ただ、国がこれに関与する場合が幾つかございまして、その一つは、その民鉄線を鉄道建設公団の工事として行って、完成後これを二十五年の年賦、金利五分ということでその鉄道事業者に譲り渡す、そういう制度でございます。ただ、この制度は、地下鉄で都心に直通乗り入れする場合、それから複々線化等の輸送力増強工事の場合、それからニュータウン線、つまり新しい町と都心をつなぐための鉄道を建設する場合、そういう場合に限られておりまして、こういう場合に鉄建公団の工事が行われるということでございます。 第二の方法としましては、いわゆる開銀融資ということでございまして、輸送力増強につながるものであれば、民間の市中銀行よりはかなり安い金利しかも長期の融資を開銀から受けられるということでございます。 それからもう一つ、その工事が駅前広場の再開発とか区画整理事業、そういういわゆる都市計画事業に組み込まれる場合には都市開発の一環として行われるという場合がございまして、たとえば高架化事業の場合には、先ほども申し上げましたように都市計画事業として行われる場合には公共団体の方がかなりの負担をして鉄道事業者はその一部を負担をする、そういうことで済む。現に市街地の真ん中で高架化が進められるとかあるいは一部の鉄道の地下化が都市計画事業の一環として行われているということもございます。運輸省としましては、いずれにしましても地元の御要望をよくお聞きした上で、利用者の利便の増進という観点から適切な措置がとられますように鉄道事業者を指導し、また関係行政機関ともいろいろお話をしてまいりたいと思います。
○塩田委員 私は具体的なところを頭に置いて申し上げておるわけです。その市は最近住宅建設等が非常に進みまして人口が急増しておる、大団地ができております。そしてまた厚生省の施設として大規模年金保養基地、これが建設され、二百億円を投じてもう一般の利用に供されつつある。こういう状態のところで、いま言いました一キロか二キロのところをつなげばいい、ローカル線廃止反対の立場でございますが、私鉄とつなければそういう問題も解決するのではないかというようなところでございます。具体的にまた御相談をしたいと思います。 そういう問題につきまして、さきに申し上げました立体化、高架化の問題、それからこういった場合の新線建設、住民、利用者または地方公共団体が要望しているものにつきまして、民鉄に過大の負担をさせないように、公共交通機関でございますが、私的な企業として経営しておられるところでございますから、負担がかかり、そしてこれが運賃にはね返ることのないように、国としてはできるだけ抜本的にこれを検討していただきたい。先ほどお答えいただきましたようにいろいろな方法があるようでございますが、こういった問題を組み合わせまして適切に対処をしていただきたいと思います。 次に、民鉄各社の方にお伺いいたします。 ことしは国連によりまして国際障害者年となっております。そして、各国の実施すべき対策としていろいろ挙げてございますが、国内の措置として政府機関等は身障者対策の活動を強化するとともに財政の措置をすべきである、適切な援助、指導をすべきであるということを言っております、各国に要請をしてきております。その立場に立ちまして、先ほどお伺いいたしました阪急電鉄さんの場合、きわめて適切にまた積極的にこの身障者対策を講じようということを言っておられます、そのような御説明がございました。この施設の建設の費用は全く私鉄企業の負担でやっていただくのかどうか。また、負担をするということになれば当然運賃にはね返ってくるわけでございます。 〔武部委員長代理退席、委員長着席〕 そういった施設を積極的に推進したところはそれだけ負担が多くなる。そういうものも運賃原価に算入されるのかどうか、また、されないところはどうされるのか、これについてまず運輸省の方からお伺いします。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 身障者の方々の御利用になる施設を整備するということは国の一つの大きな政策でございまして、民鉄業者の方々にも、主として駅の改造等に当たりましてはそういう身障者施設を極力整備するようにいろいろお願いしているところでございます。現在、こういう施設の整備について国の補助制度はございません。したがいまして、結果的にこういう費用は一般利用者の方を中心に運賃にある程度はね返らざるを得ないというのが実情でございます。ただ、国といたしましては、いま申し上げましたような身障者関係の工事が駅の高架化とかホーム延伸等の工事と一緒に実施される場合には、これを開銀の融資の対象として見ているということがございます。
○塩田委員 阪急さんにお伺いいたします。 エレベーターとかエスカレーター、それから斜路、トイレ、また改札口の改善、点字運賃表とか点字券売機等の施設を積極的に設置していきたいということでございますが、これに対しましてどれぐらいの費用がかかりますか。特にエレベーターは相当かかると思うのですが、一基つくるのにどれぐらいかかるか、どれぐらいの台数を設置しようとしておられますか、お伺いいたします。
○柴谷参考人 身障者用のエレベーターは、高架になっております停車場を新しくつくりますときに私どもの方としては今後必ずやっていきたいというので、いまやっております駅は二駅でございます。そのほかにエスカレーターでエレベーターのかわりをしておるものもあります。初めからエレベーターホールを設けてエレベーターをつけます場合は一基五千万円くらい、改造するということになりますと八千万円くらいでないかと思います。なお、私どもは五十二年から五十六年までに十億手千二百万円の金額を身障者用のものにかけております。 先ほどお尋ねございました、運賃に関係しないようにしてあげてはというお話もございましたが、そういうものを国民みんなで持つという点もございますが、一緒に電車に乗られます旅客がその方々を、具体的に申しますと車いすを持ってお助けするというような精神が伸びてまいりますと、結局その方たちの費用を御自分で御負担願う、皆様で御負担願うということは国民の姿としてあるべき方向の一つではないかと私は思っております次第で、運賃に反映するようには現在いたしておる次第でございます。
○塩田委員 民営の企業、特に私鉄の関係におきましては歴史的、伝統的なものがありまして、関西から新しいアイデアがどんどん出、そして積極的に取り組んでおられる。今後ともそういった方向で大いに努力をしていただきたいわけでございますが、この身障者対策にいたしましてもかなりアイデアを出して積極的に取り組んでおられると私は思います。これが非常に強力に進められるところとそうでないところと、運賃改定審査の際、よほどよく見ていただかないといけないと思います。 それから運賃に反映して国民全体が負担すべきものだという考え方もございますけれども、これは運輸省に研究をしていただきたいと思いますが、身障者を雇用している企業は、雇う際それから雇った場合の身障者の便を考えていろいろな施設をした場合に国からいろいろな援助をしておりますね。たとえばこれは労働省の関係ですけれども、身障者作業施設設置等助成金というのがあります。この費用は三分の二を国が持つ、限度額はもちろん四百万とか最高額があります、また特別の場合は一千万円というような額ではございますけれども。最近は世界的に、身障者に対しては国がその部分について民間の負担にならないようにできるだけ援助していくという方向にありますので、そういった観点からもひとつ御検討いただきたい、関係各省と御相談いただきたいと思います。運賃にはね返らないように、積極的にやったところほど運賃が高くなるのでは困りますから、またやらないところがあっても困りますから、その点ひとつよろしくお願い申し上げます。 それから、時間が参りましたので一括して御答弁を願いたいと思います。 これは小田急さんにお願いします。私は、運賃をできるだけ上げないで、そして必要なものはどんどん積極的に施設をし、あるいは人件費についても労使間でよく話し合われて、適正な賃金を形成してもらいたいということでございます。これに非常に矛盾するようですけれども、これを解決する道は、やはり生産性の向上ということにあると思います。小田急さんの場合、どのように生産性の向上に努力をしてこられたか、これをお聞かせ願います。 それから、京成さんには、配当ですね、十四社のうちでは配当がないように聞いております。ほかの各社は一〇%前後の配当をしておられるやに聞いておりますが、これが電力、ガスの場合は、値上げ申請された場合に、その時点ではもうだんだん下げてこられて、配当はゼロになる、どうにもやっていけませんということで申請をされたわけです。もちろんこれはガス、電気と事情が違いますから、私はゼロ配当がいいと言っておりません。むしろ積極的に民間企業はもうけなければならない。そしてまた、適正な配当が確保されなければならない。もうけるのはけしからぬという考え方は、私は排除しなければならぬと思います。企業はもうける、そのために努力をする、そして、労使挙げてこれに取り組むということ、これが基本でなければならぬと思います。したがいまして、査定の際にどの程度のものを適正と見られておるか、これは運輸省にもお聞きします。そして、配当ゼロという京成、この事情についてお聞かせいただきたいと思います。 以上で終わります。
○廣田参考人 お答え申し上げます。 私ども小田急電鉄の生産性でございますが、冒頭にも述べさせていただきましたように、私どもは労使一体となって鉄道の使命達成と経営の合理化に努めておるわけでございます。具体的には、従来の労使協議会等各種の労使間の場を持ちまして、経営上のさまざまな問題から日常の問題まで、幅広く話し合いの場でお互いに理解と協力を深めておる次第でございます。また、組合の方でも、高能率、高賃金をスローガンといたしまして、鉄道の持つ公共的使命を自覚して、生産性の向上と業績の向上に努力してくれておる次第でございます。 という次第でございまして、私ども小田急電鉄の労働生産性は、従業員一人当たりの車両走行キロで見ますと、五十四年度実績で四万三百五十七キロ、これを五十六年度にはさらに努力して四万一千九百五十七キロとする計画で努力しておる次第でございます。 以上でございます。
○佐藤参考人 京成の場合は、御指摘のように、実は五十二年度から無配に陥っております。これは本業である鉄道、自動車の慢性的な赤字、それから本業の不足を補っておりました不動産業の行き詰まり等の事情によるものでございます。われわれは、一日も早くこういう状態を改善して、配当を復活したいということを念願いたしてございます。 なお、このためには、運賃等には必要な原価は当然見ていただく必要があると思いますので、その点もよろしく御配慮をお願いしたいということを申し上げておる次第でございます。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 いま問題になっております十四社のうち、御指摘のように十三社は配当しておりますが、一社だけ配当してないということでございます。鉄道会社は鉄道だけ経営しているわけではございませんですし、鉄道事業部門以外はわれわれの所管外でございますけれども、われわれとしては、鉄道事業の収支が利潤も含めてバランスして、健全な経営が行われ、適切な設備投資も進捗し、サービスの改善が行われるというのがわれわれ行政のねらいだと思っております。 したがいまして、そういう観点から見ますと、鉄道以外の事業が経営が悪くて、そのために配当も行われないような状態になるということであれば、ひいては職員の士気にも影響しましょうし、会社全体としての設備投資の額も少なくなる、したがって鉄道事業についての設備投資の額も少なくなるというような結果を招くおそれもあるわけでございます。したがいまして私たちは、鉄道事業について適切な経営をしていただくよう、事業者の方にお願いするとともに、われわれとしては適正な運賃を確保することに努めたいと思いますが、いやしくもそのほかの事業が将来鉄道事業の足を引っ張るような事態が起きないように、そういう面からも厳重に注意をしてまいりたいというふうに思っております。
○井上委員長 岩佐恵美君。
○岩佐委員 きょうは参考人の方にはお忙しい中、御苦労さまでございます。 五十四年度の私鉄十四社の決算について、京成を除いては黒字である、そういう状況の中で値上げがされる。これはいま消費者の生活は、五十五年度物価高が賃上げを上回る、そういう状況の中でございますので、とうてい納得がいかない、そういう声が大きく盛り上がっていることでございます。 この値上げの問題について、まず最初に私は設備投資が非常に問題だというふうに思っております。この設備投資は金額が大変大きい。したがって、その適否によって投資金額、金利、税金、減価償却など左右され、料金決定に大きな影響を与える。それが各社とも輸送力増強等工事計画総括表を五十六年度までしか出していない。五十七年度以降わからないわけです。設備投資計画というのはそんな短期なものではなくて、もっと長期的につくられていかなければならない。それが二年しか出されていないというのは、どうも私鉄は二年ごとに値上げをする、これを定例化していこうという意図があるんではないか、こういうふうに疑われるわけでございますけれども、私はこんな状態で査定をするのはおかしいというふうに思います。運輸省の考えを伺いたいと思います。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 大手民鉄十四社におきましては、過去から大体五年刻みで何次かの設備投資計画を進めてきております。現在の設備投資計画は、たまたま五十二年度を初年度として五十六年度に終わる五年間ということでつくられておるわけでございます。したがいまして、現在この表には五十六年度までしか出ておりませんが、五十七年度以降の計画につきましては、五十五年度の実績を踏まえた上で、これから、ことしの夏ごろになると思いますが、そういう時点で策定される。また、多分五年だと思いますが、そういう期間についての設備投資計画が新たに策定されるということになるかと思います。
○岩佐委員 私ども、今回の値上げに当たりまして、利用者の声を聞いてみようということでアンケート調査を行いました。これは小田急の沿線と京王の沿線に限ったわけでございますけれども、このアンケート調査の中で一番要望が強いのが、トイレをきれいにしてほしい、あるいはつくってほしい、ホームに上屋をつくってほしい、あるいはホームにベンチをもっとふやしてほしい、そういう要望が強いわけです。それから、ことしは国際障害者年ですが、障害者のための駅舎改造をぜひやってほしい、そういう切実な要望が寄せられています。 この点について、今回の申請を、一体どうなっているのだろうかと見てみますと、サービス改善については、輸送力増強等工事計画総括表で見てみますと、大変つつましやかであると思わざるを得ないわけです。たとえば小田急の場合に五十五年度では全体の〇・五%、五十六年度は〇・八%、京成は五十五年〇%、五十六年〇・八九%、阪急は一%、一・一%、こういうふうになっているわけです。これはとんでもない話だと私は思っています。もっと利用者の切実な要望を聞くべきだというふうに思いますが、この点について、小田急と阪急の考えを伺いたいと思います。
○柴谷参考人 いまの御質問の点でございますが、私どもの駅の便所及び上屋は全部整備されております。ただ、もっと重施設、大きな施設から比べますと、こういうものは比較的金額が少なくて済みますので、たまたまそういうふうになっておるだけのことでございます。
○廣田参考人 それでは、お答え申し上げます。 御質問のございました点でございますが、身障者設備につきまして、当社の主なものといたしましては、点字券売機を全駅に設置いたしましたほか、誘導ブロックを二十駅に、車いす通路を三十一駅に、身障者用便所を三駅に設置いたして、かなりの金額を投下しております。今後も利用状況をよく見た上機会をとらえて逐次整備してまいるつもりでございます。 御指摘のとおり、ことしは国際身障者年に当たっておりますほか、私ども小田急電鉄では従来から身障者対策に特に意を用いておりまして、今後もさらに設備の拡充に努め、対策を強力に推進する計画でございます。具体的には、まず、下肢障害者対策といたして、車いす用の改札通路及び斜路等につきましては、その利用頻度、実施可能な設備について整備するという考えで実施しております。今後も駅改良計画及び利用者の状況等、機会をとらえて検討すると同時に、職員の適切な案内をなお一層徹底し、体の不自由な方の旅行については万全を期するよう努める所存でございます。 次に、盲人利用者の安全対策についても、誘導ブロック、転落防止設備等、可能なものから順次整備するという考えで実施しております。また、点字券売機等の駅設備につきましては、主要駅はほぼ実施しております。今後も可能な限り推進していくつもりでございます。 ことしは国際身障者年ということでございますが、町田駅のホームに誘導ブロックの設備を促進するようにいたしまして、身障者対策に力を入れておる次第でございます。 以上、御回答申し上げます。
○岩佐委員 小田急のいまのお答えだと何かずいぶん前進するような感じがするのですが、もう少し詰めて数字的に申し上げますと、サービス改善の費用について、五十二年は全体の中の五・二%、五十三年は三・三%、五十四年が〇・九%、五十五年が〇・五%、五十六年が〇・八%、五十二年に比べますと非常に減ってきているわけでございます。私は、これをもっと上げるべきであるということを要望しておきたいと思います。 それから、輸送力増強といってもなかなかラッシュ時には改善されていないのではないかという声がございます。とりわけ通勤時について十両編成を完全実施してほしい、こういう声が強いわけですが、この点についてはどうなのかということ、それから鶴川駅の駅舎の改善に当たりまして利用者の声をもっと聞くべきである。いま全然聞いていないそうですけれども、こういうことでは困るわけで、公益事業として、駅舎の改善あるいは駅前開発といいますか、駅前の改良に当たって利用者の意見をよく聞くべきであると思いますが、この点、小田急の廣田参考人にお伺いしたいと思います。――時間がありませんので、簡潔に、急いでお願いします。
○廣田参考人 それでは、お答え申し上げます。 ただいま先生からのそれぞれ適切な御意見を拝聴いたしまして、私どもも非常に参考になり、今後の大きな資料とさせていただきます。 ただいまの身障者の施設その他は、いまその細かい正確な計数を確かめるあれはございませんけれども、そういった数字になっておるということは、よく注意し、私どもも考えていくつもりでございますが、ただいまも申し上げましたように決して私の申し上げました方針は変わっておりませんので、どうか今後の推移をごらんいただきたいと思います。 それから、鶴川周辺の工事でございますが、これにつきましては今後とも十分に駅周辺の人たちの御意向を伺った上で、御納得のいくような形でまとめていきたいと存じております。ただいまも別に駅周辺の方々の御意見を聞かないとか取り合わないというようなことでは決してございませんので、われわれ十分に御意見を伺う用意を持っております。ただ、ごらんの程度しかまだ上屋も建っておりませんし、設計の段階でございますので、そこの点は十分に御意見を参考にさせていただきまして今後検討してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
○岩佐委員 値上げが必要という大きな理由の一つに動力費の問題がありますけれども、先ほども指摘があったところですが、これを詳しく調べてみますと、電力単価について五十四年、五十六年それぞれ小田急、京成、阪急ずっと見てまいりますと、五十四年については実績値とそう変わらないわけですが、五十六年の推定値といいますか、申請の値で見ていきますと、小田急の場合に一円二十九銭、東電との差があります。それから、京成の場合に一円二十四銭あるわけです。それから、阪急の場合には一円七十三銭ある。これを使用電力量に掛けてまいりますと、小田急の場合には三億四千七百二十九万円実際よりも多く見積もっているのではないか。それから京成の場合には一億九千六百四十五万円、阪急の場合には六億七千九百八十二万円、こういう計算が出てくるわけでございます。しかも小田急の場合に、電力需要量が他社に比べて非常に過大になっております。五十四年度二億四千七十五万キロワットアワー、これが二億六千九百二十二万キロワットアワー、一一・八%伸びるということになっているわけですが、聞いてみますと、ダイヤ改正をするわけでもないし、新線を計画するということもない。また、車両のふえについても六・二%、先ほど車両増で電力が食うのだというふうなことを言っておられますけれども、しかし、増両ということになると、かえって消費節約になる、そういう場合もあるというふうに聞いております。私は、この動力費について、厳正な審査をしていかなければならないのではないかというふうに思うわけですが、運輸省のお考えを伺いたいと思います。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 五十六年度の各社の電力費は、申請面で見ますと、確かにかなりふえております。もちろん、基本的には電力料金のアップがあったということが原因になっておりますが、いま御指摘のように、ちょっとふえ過ぎるのではないかという御指摘があり得るかと思います。 しかし、われわれは、いまも勉強しておりますし、これからもしさいに検討させていただきたいと思いますが、まず、電力の消費量は車両走行キロにおおむね比例しますから、車両走行キロが伸びているということはございます。そういう量としての問題が一つございますし、料金の面でも、どういう計算を先生がされたか存じませんけれども、料金については一般料金と特別料金がございますし、それは電圧によって全部違います。それから夏季と夏季以外ではまた違うという、いろいろな料金の決め方がございます。したがいまして、われわれとしましては、特に注目されている費目でもございますから、各社の計算が本当に正しいのかどうか、そういう点につきまして、運輸審議会にもお諮りしながら、厳重に審査をしてまいりたいというふうに思っております。
○岩佐委員 次に、京成の問題について伺いたいと思います。 先ほど、武部委員から御指摘がありましたように、京成の赤字というのは、土地の投機的買いあさりによる経営失敗、こういうものが大きな原因である、千葉県以外の土地の買い占めについては、全体の七五%にも上っている、そういう状況でございます。これはもう金利だけでも膨大な負担であるということは、京成自身もお認めになっているところでございますけれども、もし鉄道部門だけの、鉄道部門にこうした赤字が関係ない、運賃の引き上げに関係ないということであるならば、私は、国民に対して、鉄道部門だけの金利の積み上げをきちんとして、そして公表すべきだというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○佐藤参考人 不動産所有に伴う金利について鉄道に影響はあるかどうかという点でございますが、それは先ほど申し上げましたように、計算上、関係ございません。それは運賃計算の法則に従って厳重に決められておる法則によりますので、不動産の利子等が鉄道関係に入るということはございません。 ただ、先生御指摘のように、不動産をたくさん持っていて経営全体に非常に悪い影響があったのではないかという点は、御指摘のとおりでございます。それらの点については、極力経営を改善して、全体の経営がよくなるように、今後とも努力を続けてまいりたいと思います。
○岩佐委員 ちょっと私の質問にきちんと答えていただきたいのですけれども、鉄道部門だけの金利の積み上げというのを公表してもらいたい、こういうことを要望しているわけですが、その点いかがでしょうか。
○佐藤参考人 鉄道部門だけの金利を全部分けて積み上げすることはできないかという御質問かと思いますが、御承知のように、金利は全体について払うわけでございますから、それをどうやって各部門別に分けるかということは、厳重に計算方式が定められたものによってやっておるということを申し上げておるわけでございます。何かそれと違う方法を考えるべきかという御指摘かと思いますが、そういうことは現在の会計経理その他の仕方からできないと思います。
○岩佐委員 ただ、利用者としてみれば、運賃の値上げにその経営全体の失敗は関係ありません、こういうふうに抽象的に言われてもわからない。きちんと鉄道部門だけの金利の積み上げは幾らかというのが明らかにならないとわからない。そういう点があるわけで要望しているわけです。 さらに、運賃決定に経営赤字が関係ないといっても、利用者にとっては大変なしわ寄せがきている。そのことについては、もう先ほども申し上げましたけれども、サービスの点で他社に比べて全く京成は悪い。たとえば、みんな言っているわけですけれども、電車も汚いし、ホームも非常に汚い、あるいは設備も悪い、乗客サービスを積極的にやるという姿勢がないのではないか、そういう点が指摘をされているわけでございます。 続いて、博動駅の問題について伺いたいと思っているわけですが、私は、私鉄に課せられている役割り、これは公益事業としてみんなが喜ぶような、みんなの便利のためにやっていかなければならない、そういう使命があるのではないかと思っています。この博動駅につきましては、芸大生やあるいは芸大の職員の方、そしてその博動駅近辺にあります美術館や博物館へ勤務する人たち、あるいは動物園、博物館を利用する幼稚園児や小学生、そして地元の方々もこの博動駅を利用しています。私は、この間ちょっと博動駅に行ってきましたけれども、この博動駅というのは、文化の香り高い上野の森にふさわしい、大変環境にマッチした建物である、そういう点では大変貴重なものだということで、地元の人たちは、この駅を何とか守っていきたい、そういう熱意を持って博動駅廃駅反対ということで、住民の方々の連絡会ができております。そして、自主的に芸大生がコンサートを開いて、何とか利用者をふやそう、そういう努力をしていますし、それから区役所の職員や芸大生たちが駅をきれいにしようということで、地下駅ですから、地下道、そして駅の壁をお掃除をする。掃除をしていないところとしたところの色が全く違う。それを私はこの目で見てきたわけです。あと区役所にも寄りましたけれども、台東区の区長あるいは区議会、区役所全体が存続を主張して、そしてそのための努力をしているわけです。ところが一方、京成側はどうかというと、あの駅については、どこに駅があるのかわからない。表示も、何か薄い、はげかけた、青いようなペンキでちょっと書いてあって、私も危うく通り越してしまいそうになりました。あるいは、地下に入っていきますと、電灯も非常に薄暗い、そして職員も通常は一人だ、利用客が少ないときなどは婦人が利用するのはこわい、そういうような状況に置かれているわけです。これは公益事業として、たとえば手小荷物の問題等について住民サービスとして多少赤字であっても私鉄がやらなきやならないということで、たとえば京王線等については手小荷物の実施の範囲をずいぶん広げてきています。私鉄がやらなければならない公益事業としての役割りがあるはずだというふうに思っています。 この博動駅の存続についてこれだけ地元の方々の要望があるわけですから、私は京成がこの駅を存続させるために最大限の努力を払うべきであるというふうに思います。ちょうどきょうは社長がお見えになっています。そして傍聴席には地元の方々やあるいはわが党の金子議員や内藤前議員の秘書の方々もお見えになっているわけですが、ぜひ社長の率直な御意見を伺いたい。そしてまた、運輸省にはこの駅の存続についてこれだけ大きな世論があるわけですから、適切な行政指導をすべきだと思いますけれども、お考えを伺いたいと思います。
○佐藤参考人 まず、先生御指摘のサービスが非常に悪いという点でございますが、私ども資料が若干不備な点がございまして、実はトイレの水洗化あるいは上屋の増築等は年々計画的に実施をいたしてございます。五十五年度にも計画の中に入ってございますので、それを御了承いただきたいと思います。 次いで、博物館動物園駅の廃止の問題でございますが、実はこの駅は五十三年度の利用者が千名に満たない数という状態で、先ほどお話が出ましたように何とか地元の方が利用の増大を図る、もうちょっと待てというようなお話もございまして、われわれもその様子をずっと――地元にお話ししたのは五十四年九月でございますから、非常に時間をかけて、丹念にといいますか、慎重にお話を進めておったわけでございます。ただ、残念ながらそういう状態で現実にはお客がふえない、お掃除をしていただいたり、構内を非常にきれいにしていただいたというようなこともございますけれども。 そこで、あの駅はいまお話しのように場所が国鉄の上野にも鷲谷にも千代田線の根津の駅にも非常に近いところでございますし、公園の中には御承知のとおり住宅等もございませんので、われわれとしてはできるだけこれを廃止さしていただきたいということで、いままで非常に慎重にお話を進めておったところでございます。将来の考え方としては、これは私どもの会社の経営状態からしまして、はなはだ残念でございますが、廃止する方向で進めさしていただきたい、こう思っておるわけでございます。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 京成の博動駅につきましては、京成の経営の状況が御指摘のようなことでございますし、あそこの地理的な状況、停車場の位置、そういうものから考えまして、京成電鉄が現在の経営状況のもとであれを廃止したいというふうに考えるということについては、われわれとしても理解はできるところであります。 しかし、一方先生から御指摘ございましたように利用者の問題、特にあの博動駅の駅自身が非常に価値のあるものだというお話もございます。両方の考え方というものをバランスさせて処理しなければいけないということかと思いますが、従来この種の問題につきましては、運輸省に届け出をしていただくことになっております。また、駅その他の改造がございますれば、工事施行の認可申請をしてもらってこれを認可するという手続が必要でございます。あの駅につきましては、届け出と同時に工事施行の認可申請の手続が必要だということでございますが、われわれといたしましては、こういう手続を進めるときに従来から地元関係者との間で十分協議をしてできるだけ円満な解決を得た上で申請をしてくるように指導をしてきているわけでございます。いま社長からお話もございましたけれども、京成サイドとしてもなお一層の努力をして、利用者とか地元の方との、特に台東区との話し合いを進めていただきたいというふうに存じております。
○岩佐委員 時間が来ましたので終わりたいと思いますけれども、私最後に京成に再度、確かに経営失敗、そういうものが利用者にいろんな形ではね返ってきている、こういう点についてはやはり経営者はえりを正して利用者の意見を尊重して、そして経営を立て直していく、こういうふうにすべきだということを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○井上委員長 依田実君。
○依田委員 参考人の皆さん方に大変押せ押せになりまして恐縮でございます。なるべく簡略にやらせていただきたいと思っております。私の質問は、個々の鉄道のことよりも全体のことでございますので、その質問の適当な方にお答えをいただきたい。だれが答えるか、ひとつそちらの方でお選びをいただきたい、こういうふうに思うわけであります。 まず第一。いろいろ経費を見ておりますと、何といっても最近は電力の値上げ、つまり動力費が上がっておるわけでありますけれども、しかし先ほどから皆様方のお話の中にも、やはり質のいい労働力を確保するという意味で人件費の高騰というものがいろいろ悩みの種、問題じゃないだろうか、こういうふうに思うわけであります。 ところで、今度の運賃申請の根拠になりますデータの中の人件費の増をどのくらいに見込んでいらっしゃるのか、これは各社それぞれ違うかと思いますけれども、平均どの程度にお見込みになっていらっしゃるのか。特に今年度何%人件費をふやさなければならないのか、その辺についてお答えをいただきたいと思います。
○廣田参考人 お答え申し上げます。 ベースアップは五・八%を見込んでおります。
○依田委員 いま五・八%、こういうお答えでございます。これからいよいよ春闘、ベースアップの時期を迎えるわけであります。御承知のように、いま実質賃金目減りということで、また一方にはいろいろ減税の議論が国会で行われておるわけでありますが、どうもうまくいかない、こういうことのようでございます。増税一方、こういう中でこれから迎えるベースアップ闘争というものは非常に厳しいものになるのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。果たして五・八%で抑えられるのかどうか、ことしの春闘に対する経営者側の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○柴谷参考人 私は全体を代表する立場にございませんが、私の考えを申します。 日本の現在の経済が他の先進諸国に比べまして比較的安定しておるというのは、皆様御承知のように、一に労使の関係がよいということだというふうに良識者から言われております。私鉄の春闘は、いままでスケジュール・ストであるとか、ろくろく交渉をしておらないというようなことが言われておったのでございますけれども、近時になりまして、スケジュールによって、初めから日を決めてストライキをするというようなことは一切なくなりました。あるいはそれが中労委にかかるまでは相当遠いところからやあやあ言うているというようなことで両方とも思い切った話をしないというような点がございまして、そういう批判を受けておったのですけれども、これは最近になりまして全部双方の交渉によって妥結するというふうになってまいりました。昨年も、前のことが頭にありますので、私鉄がまたストかというふうにお思いになるかもわかりませんが、数時間もつれ込みましたがほとんどストライキなしに解決をしたのでございます。それで、私どもといたしましては、なるべく御迷惑をかけないようにしたい。また組合側におきましても、今度は回答を見てから初めてストライキ投票をする、これはことしが初めてでございます。去年まではスト権は一応とっておりまして、回答を見てストライキの日を決めるというようなことでありましたが、そういうふうではなくて、今度は回答を見てからスト権投票をするというふうになってきております。先ほども申しましたとおりに、私鉄の労働は厳しい、そして熟練労働でありますので、私どもの方としても従業員にできるだけその労働にふさわしい賃金を与えたいということを思っておりますが、一方この問題はお客様にはね返るところの問題でありますので、組合の同意を得て、一方でできるだけ合理化を各社とも進めておる段階でございまして、国民生活に御迷惑のかかちないように、かつ私鉄の使命を全うさせられるように、はなはだ抽象的でございますが、そういうようにむずかしいところを考えまして今度の問題に対処してまいりたい、また他産業にもできるだけ御迷惑をかけないようにしたいというふうに思っておる次第でございます。
○廣田参考人 お答え申し上げます。 五十五年度の大手民鉄のベースアップ率は平均で六・七でございました。今回の運賃改定申請に当たりまして、ただいま申し上げましたようなレートで計算いたしたわけでございますが、五十六年度人件費アップ率は、経済企画庁の五十六年度一人当たり雇用者所得の伸びの予測及び中小民鉄の運賃改定時アップ率を参考といたしまして五・八%にしたわけでございます。 御質問の春闘との関係でございますが、運賃値上げと春闘とは直接関係はございません。御承知のとおり、昨年の春闘では実質上ストなし解決ということで私どもも非常に喜んだわけでございますが、やはり社会的使命を担って人命を預かっている従業員に対しまして世間並みの給料は支払いたい、またそれだけ出さないとよい人材は集めることができないということを痛切に感じておるものでございます。 以上、お答えいたします。
○依田委員 昨年はストが少なかったというお話でございます。しかし、先ほどのベースアップのパーセンテージを見ますと、昨年の実績を下回るパーセンテージで臨まれるわけでありまして、先ほどの阪急の社長のお話じゃございませんけれども、国民の足にも重大な影響を及ぼし、また他産業にもいろいろ影響する大事な賃金交渉だろうと思うわけであります。ひとついま披瀝されました決意を持ってぜひ臨んでいただきたい、こういうふうに思うわけであります。 二つ目は、先ほどから踏切の自動化であるとか、いろいろそれなりに技術改良、あるいは住民、利用者のために施設の拡充あるいは改善に取り組まれているようでありますけれども、われわれ町を歩いておりまして、少しおくれているのじゃないかというのが一つあるのであります。それは他の交通との関係、つまり自動車が都心に、都会周辺に非常に多いわけでありますが、踏切があかない、あかずの踏切というのが各地にあるわけであります。きょうは私、個々の鉄道のことは申し上げませんから具体的には申し上げませんけれども、われわれ自身が非常に困っているところもたくさんあるわけです。そういう意味で、もう少し立体化を促進していただきたいと思うのであります。 民鉄の皆さんに伺うと、金がないとおっしゃるのでありますけれども、これはどうなんでしょう。この間建設省に伺いましたら、いわゆる道路財源を鉄道の立体化に投入しておるのだ、御要望の金額を出しておるのだということでありますが、この政府の方からの財政補助がどういうふうになっておるのか、そしてこの立体化がおくれておる第一阻害要因は何なのか。つまり、住民の反対なのか金なのか、この辺について伺わしていただきたいと思います。
○犬井政府委員 私からお答えを申し上げるのがよろしいと思いますのでお答えさせていただきます。 高架化工事は安全の確保のために非常に有効な措置でございますから、これを極力進めるようにわれわれも鉄道事業者に対していろいろお話ししているところでございます。ただ、先ほども申し上げたように、高架化事業はおおむね都市計画事業として行われ、費用のかなりの部分が都市側で負担されて、鉄道事業者は受益の範囲内で負担することになっております。もちろん計画が決定される前にはいろいろお話し合いがあるわけでございますし、その場合に私鉄の事業者が当初必ずしも積極的ではないということもあり得るかと思います。そういう点については、私どもとして極力立体交差化の促進に協力するように、従来もしてまいりましたし今後も指導してまいりたいと思います。 一たん計画が実施されますと、後は都市側の財政事情あるいは地元の環境問題、それから用地の買収の問題、いろいろな問題がございます。そういうものが実際にネックになって計画どおりなかなか進まないということがあろうかと思います。私も直接仕事をしておりませんので余り詳しいことはわからないのですが、そういう意味でいろいろネックがあると思いますが、少なくとも鉄道事業者の資金の拠出とか、そういう鉄道事業者が協力できる点については、私どもとしてもいろいろお話を承った上でできるだけ促進に協力してまいりたいと思っております。
○依田委員 時間がありませんので次の話題に入らせていただきますけれども、いまの運賃のあり方、つまりそのものについてどういうふうにお考えになっておるのかお聞きをしたいのであります。 御承知のように定期の利用率というのが非常に高い、約六〇%ぐらいは定期を利用されておる。またその割引率が非常に高いわけでありまして、各社それぞれ違うのですけれども、通勤で四〇%から六〇%ぐらい、通学だと八〇%以上、こういう数字が出ておる、こういうことでございます。昔はそういう定期運賃というのは、逆に言えばお客さんを引き寄せる、郊外へなるべくお客さんを引っ張ってきて、そういう人たちに定期券を供用する、お客さんを引っ張る方に利用されたわけでありますが、いまは状態が全く逆になっておりまして、ピーク時にお客さんが多い、これが民鉄のいろいろな負担を非常に重くしておるのじゃないかと思うわけでございます。こういう状態の中で、特に通勤手当、通勤定期というのは会社負担になっているところが多いのじゃないか、交通費は会社負担というところが多いのじゃないかというふうに私は思うわけでありますけれども、いままでのように、普通運賃を決めてそれから定期の割引を決めていく、こういうこれまでの方向でいいのかどうか。今後は、採算に合うように定期運賃というのを決めて、それから普通運賃を決めていく、いろいろそういう考え方の転換をしていかなければならぬ、こう思うのでありますけれども、いまの運賃の計算法のあり方、こういうものについてどういうお考えを持っていらっしゃるのか、長期展望でお話しをいただきたい。
○廣田参考人 それではお答えいたします。 通勤、通学定期旅客は一日のうち一時間、特に午前七時から九時までの間でございますが、に集中しておりまして、乙のためこの時間帯においては著しい混雑を呈しておるのは御承知のとおりでございます。この混雑を緩和すべく、各社とも車両編成の長大化、大型車両の投入、線増など輸送力増強のための設備投資に巨額の資金を投じておるのでございますが、このことが輸送原価を増大させ、経営収支を圧迫する大きな原因となっております。一方、定期旅客に対しては大きな定期割引をしており、割引率は十四社平均で通勤四九・三%、通学八二・二%にも及んでおります。これでは運賃コストの公平な負担という見地から問題がございますので、定期旅客にも応分の御負担をお願いしていただく方向で、十四社平均で通勤一・九ポイント、通学一・一ポイントの割引率の引き下げをお願いしたものでございます。 なお、通勤定期代は、すべて全額負担でないとしても大部分が企業の方で負担になっておりまして、通勤の大部分の方は個人負担の影響は軽微なものであると考えられますし、なおこれには免税点がございまして、一万八千五百円となっておることは御承知のとおりでございます。こういった点に現在の運賃体系の大きな問題が含まれておるのでございますが、一気にこれを解決するということは非常に困難でございまして、われわれも全般を見ながら徐々にあるべき姿へ近づけていきたいという考えでおるわけでございます。 以上、お答えといたします。
○依田委員 いませっかく長々お話しいただいたのですが、私の質問したことをなぞったということで、大変恐縮しておるのですが、私は、その前提に立って、これから運賃体系というものをどういうふうに、もっと画期的に改めていく、そういう方向があるのかどうか、あるいはまた、ゾーン制だとか時間帯別の運賃制を導入していくとか、いろいろそういうような前向きの計画というのがあるのかどうか、そういうことを民鉄で検討されておるのかどうかということをお聞きをしたかったのです。
○犬井政府委員 一応お答え申し上げます。 先生御指摘のように、いまの運賃は普通運賃が基礎になっておりまして、それから定期を割り引くということになっているわけでございます。 お話しのようにピーク時、要するに朝夕の通勤、通学時に非常に込む、そのときのために設備投資が必要なわけですから、その費用は通勤、通学者が主として負担すべきではないかという、経済的にはそういう議論がございますし、われわれも理解できるところでございます。 そういうことがございますから、逐次の運賃改定の際に、できる限り、できる範囲内で定期の割引率の調整というのもしてきているわけでございます。しかし、それだけではもう足りないので、たとえば、御指摘のようにピーク時の運賃を高くして、それ以外は低くしろという経済学者の議論もございます。また、定期運賃を基礎にして、それで一般運賃は、定期運賃を決めて、それに準拠して決めたらいいじゃないかというお話もございます。しかし、こういう問題は、理論上はいろいろ言えるわけでございますが、やはり国民的なコンセンサスがないとなかなか実施できないというのも事実でございます。 そこで、運輸省といたしましては、もちろん民間の方にもいろいろ勉強していただいておりますが、ただいま運輸政策審議会というところに将来の交通体系のあり方について諮問をいたしております。その中に地域旅客交通部会というのがございますが、そこでこのような運賃問題のあり方についてもいろいろ御審議をいただいているわけでございます。どの程度はっきりした御意見をいただけるかということはまた非常にむずかしい話でございますが、そういうお答えも含めまして、いろいろな材料で今後勉強さしていただきたいというふうに思っております。
○依田委員 時間が参りましたので、これでやめさしていただきます。どうもお疲れさまでございました。
○井上委員長 これにて委員の質疑は終わりました。 参考人各位には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。 次回は、来る二十四日火曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十六分散会