農林水産委員会 第12号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/04/28
会議録
○田邉委員長 これより会議を開きます。 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中恒利君。
○田中(恒)委員 私は、農林年金法の一部改正について質問をいたします。 わが国の高齢化社会への移行は大変急速に進行しておりまして、各種年金制度の情勢は、この数年来将来展望において非常に心配をせられておるわけでありますが、農林年金もまた、当初の発足当時持っておりました債務の問題、発足後の制度改正等による債務などが大変ふえてきておりまして、御承知のように不足財源が次第にふえ、五十四年度末においては一兆五千億に達しておるわけです。 こういう状況の中で、今回の財政再計算によりまして所要財源率が百五十・四七、従来同様の修正率七七・五%で掛金率百九、こういうものが決定をされ、四月一日から新掛金率による年金の運営がなされておるわけでありますが、この間、昨年末の予算の編成期を中心に、農林大臣を先頭に関係者の皆さんが当委員会などの質疑を踏まえて大変御努力をせられました点を改めて敬意を表したいと思います。 同時に、大変な厳しい年金をめぐる情勢の中で検討せられました再計算の内容といいますか、今回継承されました農林年金の財政の状況、収支の将来見通し、その基本になる加入者なり受給者などの動向などを含めて、一応御報告をお願いいたしたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 今回、年金制度にとりましては非常な重要な時期でございます財政再計算を行ったわけでございますが、まずその内容につきまして御報告をさしていただきたいと思います。 まず、今回の財政再計算は昭和五十四年度末を基準にしていたしたわけでございます。数理的保険料でございますが、総脱退率の低下、これは先生御承知のように二十年以上の勤続者が増加いたしまして、二十年未満の一時金者が減少するという現象でございますけれども、このような総脱退率の低下、あるいは年金者失権率の低下、これは余命年数が延びまして、年金受給期間が長くなるということでございますけれども、これらの要因は財源率の増加につながるものでございます。しかしながら、反面、先般の国会におきまして年金の支給開始年齢の引き上げ等の減少要因もあったわけでございまして、結果的には、この数理的保険料は、四十九年度末の基準でございました前回の千分の九十二・三八に対しまして千分の九十三・五三となりまして、結局、増加率は一・一五パーミルということになったわけでございます。 次に整理資源率でございますが、これは前回の再計算後におきまして年金の改定等の制度改正がございまして、これによる不足財源が増加いたしました。それからまた、修正積立方式をとっておりますために、この修正された不足財源が増加要因となりまして、前回の八〇・〇三パーミルに対しまして一〇一・五九パーミルということになりまして、結局二一・五六パーミルという大幅な増加になったわけでございます。 次に所要財源率でございますが、これは数理的保険料と整理資源率とを合算した総財源率から国庫負担の補助相当分を差し引いたものでございますけれども、総財源率が前回より千分の二十二・七一増加したものの、国庫補助につきましては前回の千分の三十八・八二に対しまして千分の四十四・六五となりまして、結局五・八三パーミル増加することとなったために、所要財源率は前回の一三三・五九パーミルに対しまして今回は一五〇・四七パーミルということで、一六・八八パーミルの増ということになったわけでございます。 この所要財源率一五〇・四七パーミルに対しまして、前回同様の修正率七七・五%を乗じた修正後の所要財源率が一一六・六一パーミルとなりまして、これに利差益の四〇%相当分、これは千分の四・五八でございますが、これに相当する分を差し引きますと、結局新掛金率は千分の百十二・〇三となるわけでございますが、本年四月一日に、先ほど先生のお触れになりました社団法人全国農林漁業団体振興会が農林年金に対しまして財政援助をするということとしている財源分、これは三・〇四パーミルになりますが、これを差し引きますと、結局一〇八・九九パーミルとなりまして、この結果、新掛金率は千分の百九ということになった次第でございます。 なお、この財源再計算に当たりまして主要なファクターでございますところの要素を若干申し上げますと、組合員数は五十九年度まで増加し、以後は一定数、約五十一万人ということで想定いたしております。それから年金受給者数は、十年後の昭和六十五年度におきましては十万六千人、二十年後の七十五年におきましては十四万七千人と想定をいたしております。なお、基礎になります給与でございますが、これは改定率を年率五%ということで計算をいたしております。 これによりましていかなる効果が出るかということでございますが、結局、年金の総給付額が近年著しく増大いたしておりまして、人口の老齢化あるいは加入組合員に対する年金受給者比率の増大等が進展する中で、さらにこの給付額は増大を続けるものというふうに考えられるわけでございまして、今後とも年金財政収支の改善には積極的に努めてまいらなければならないわけでございますが、掛金負担の面でも、今回の財源の再計算の結果、先ほど申しましたように千分の百九ということにいたしましたために、結果といたしまして、従来の千分の九十八という掛金率で据え置いた場合には昭和五十八年におきまして年間給付額が掛金収入を上回るということを前回御報告したわけでございますけれども、今回の掛金率の改正によりまして六十年にこの状態になる、つまり二年延びるという状態に相なります。 それから次に、もしも千分の九十八というものに据え置いたときには、昭和六十五年に年間総支出が総収入を上回るということを申し上げたわけでございますが、この年が七十年になりまして、結局五年この状態は延びる。さらに、掛金率を九十八にいたしました場合には、保有資産がゼロとなる状態が昭和七十四年に来るということを申し上げましたけれども、これは昭和八十年ということで、六年間延びるという状態になりました。 このようなことで、今回の財源再計算の結果におきまして、財政の状態はやや改善をしたということが言えるわけでございますが、一方におきまして、これで問題が解決したわけではなく、依然として修正率は適用いたしておりますし、また利差益につきましてもその四〇%分を投入するという形になっておりまして、依然として、財政の健全性を確保し、世代間の負担の均衡ということを図ってまいるためには、今後とも将来の収支見通しを立てまして、十分な検討を掛金率等につきまして考えてまいらなければならないという状態でございます。
○田中(恒)委員 いま、その内容の主要な事項について御報告をいただきました。年金財政を先行き五、六年延ばしたということのようですが、内部的には整理資源率の増大の問題、修正率の問題、利差益の取り扱いの問題など、やはり大きな問題を残しながら、今回の再計算期で一応の結論を出されたわけであります。 最近、前段申し上げました年金制度のあり方をめぐって、昨年の六月に大蔵省を中心に共済年金制度基本問題研究会が設置をせられて、各種公的年金についてのいろいろな角度からの検討が行われておるようでありますが、この研究会の研究課題、そしていつごろこの結論を引き出そうとしておるのか、それらの点について、この際ひとつお知らせをいただきたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 われわれの農林年金のみならず各共済年金制度、これは国共済あるいは地共済等の各種の共済年金制度があるわけでございますが、これらはそれぞれ特殊な経緯あるいは実態を有することは否めないわけでございますけれども、同じくまた公的共済年金制度といたしまして共通の課題もあるわけでございまして、制度相互間の均衡でありますとか、あるいは整合性を十分に留意して今後運用していかなければならないということでございます。 このために、必要に応じまして関係省庁間の担当者の会議等もやっておりまして、その間の連携を密にいたしておりますが、何と申しましても共済年金制度につきましては、先ほどから田中委員の御指摘もございましたように、高齢化社会への移行あるいは年金の成熟化等が進展する中で、制度のあり方につきましても総合的な検討を加えていく必要があるということから、先ほど御指摘のように、共済年金制度基本問題研究会というものが五十五年の六月十三日に設立されたところでございます。これは大蔵大臣の私的研究機関ということでございまして、十一名の委員の方々から成り立っております。 この研究会では、主たる目的といたしまして、共済年金制度の職域年金的性格にも配慮しつつ、総合的視野に立って、共済年金制度のあり方、他の公的年金制度との相互関係、この間の調整等の問題につき検討をお願いする、これが目的になっております。 従来までの経過でございますが、昨年の六月十三日に発足以来、ことしの四月までに十回開催されておりまして、まず第一回から第三回までは共済年金制度の沿革、第四回及び第五回は共済年金制度の性格及びその特色、第六回及び第七回は年金の官民格差、第八回及び第九回は各年金制度の財政状況、第十回は国鉄年金制度の財政状態ということで御研究、検討をいただいておりまして、おおむね二年後を目途にして研究、検討をしていただくことになっておりまして、大体その結論が出るのが昭和五十七年の六月ごろではないかというふうに考えておる次第でございます。
○田中(恒)委員 そこで、これは大臣にお尋ねをいたさなければならないわけでありますが、先般農業者年金につきまして質疑をいたしましたし、いままたこれは農林年金でありますが、最近の農村の、特に人口構成は、御承知のようにまさに高齢化社会は農村に存在をしておるわけでありまして、そういう立場に立っても、年金、社会福祉、社会保障、こういう問題が農村の地域社会の中で大きな比重を占めておることは言うまでもないと思うわけでありますし、農林省の予算の中でも急速に年金なり福祉に関係する事項がふえてきておることも御承知のとおりであります。しかし一方では、全体として年金制度の取り扱いについて各省間でいろいろな検討がなされております。農林省においても、農村に適したあるいは農村の特性というものを明らかにした年金なりあるいは社会福祉、保障制度の内容を詰めていく必要があるのではなかろうか、こういう感じもするわけであります。 実は、いま局長さんの方から、この基本問題研究会を大蔵大臣の私的機関という性格づけの御答弁をいただきましたが、最近、こういう時代でありますから、非常に各関係者がこの研究会の動向を注目をいたしておりますが、私は農林省においても、農林関係の年金関係者なども含めた専門的なこの種のことについての研究、検討を進めてしかるべきではなかろうかというような意見も持つものであります。この際ひとつ、大臣は農林大臣の立場で、これらの年金につきましてどういうお考えをお持ちになっていらっしゃるのか、この席で明らかにしていただきたいと思うわけであります。
○亀岡国務大臣 いま農村地域社会における農民にとっての農民年金制度、さらには農林漁業団体職員に対する農林年金制度、いずれにいたしましても、これは農業基本法で言うておりますところの農業の特質というもの、自然的、社会的、経済的な不利な条件を克服をしながら生産を上げなければならないという第一次産業としての農業の特質、これはやはりいかなる世になっても変わることはない基本原則であろうと私は思うのです。したがいまして、俗に言えば他産業に比べて非常に分の悪いこの農業に従事してもらわなければならない、こういう向きがあろうかと思います。したがいまして、やはりその農村地域社会、農業というものの特色、特性、そういうものを十分踏んまえた制度というものがなければならない。 年金の上においても、大蔵省の研究会でどういう結論が出されようとも、やはりその特質というものを何らかの形で制度の上に生かしていかなければならないというのが、実はもう私の偽らざる基本であり、農民年金が、また農林年金が特別に立法されまして制度として施行されておるゆえんもそこにあるわけであろう、こう考えておりますので、やはり高齢化社会になりますに従いまして、いろいろ高福祉高負担といったような道を歩まざるを得ないというのは先進国の年金国家等の例を見ても十分うなずけるところではありますけれども、そういう中にあっても、農業に従事する人には、飯を食う者として、それをつくってもらうのだという気持ちが制度のどこかにあらわれるようなことが必要だ、私はこう考えております。
○田中(恒)委員 そこで、どうですか、農林大臣の私的機関でこういう農村の社会保障についての研究会のようなものをつくられる御意思はございませんか。
○亀岡国務大臣 これは、たしかいままで農林年金については検討会ができているのではないかなと思うのです。農民年金の方はまだつくっていないような感じもしますので、その辺は、これは大事なことでありますので、よく省内で検討してみたい、こう思います。 詳しいことは局長から……。
○田中(恒)委員 いや、いいです。 農林年金では基本問題研究会のようなものをつくってやっておりますが、私は、大臣として、農業者年金、農林年金などを含めた、もう少し幅の広い形で、農村の社会保障制度を中心とした、特に老後の問題を焦点とした研究会のようなものをつくられたらどうかなと思っているのです。
○亀岡国務大臣 この点、大変大事な問題でありますし、大蔵省も五十七年には一応の方向づけをしようということになっておりますし、また、年金制度全般の立場でも、やはりこれがいろいろな、どういう仕組みをとっていくように基本的、抜本的に方向づけられるか、それは別といたしまして、いかなる体制にも応じられるような、先ほど申し上げたような農村地域社会の特性を生かすような仕組みを常に勉強しておくということは大変大事なことであろう、こう思いますので、十分検討させていただきたいと思います。
○田中(恒)委員 そこで、大臣にもう一つお尋ねをしておきますが、今回の財政再計算をめぐって農林年金当局、農林省なども参考意見を出しながらいろいろ検討せられた過程で、掛金の大幅引き上げというものがやはり将来必至である、こういう意味の報告書を実は二つ、三つ私も読まさせていただいております。これはどの年金も共通の問題であります。しかし、掛金の大幅引き上げは、また反面給付の状態とも関連をしてまいるわけでありますが、被保険者にとっては負担の限界というものもございます。そこで、やはり国庫財政の補助の問題も今日割合としても相当大きな比重を占めてきておるわけであります。 私どもは、従来から国庫補助を二〇%、整理資源率に対して三%の要請をし続けてきておるわけでありますが、最近行政改革と並んで補助金の整理というか、こういうものと絡んで、教育、福祉もいわゆる聖域たり得ず、こういう意見などもあって、諸般の情勢はかなり厳しい状態の中に置かれておる、そういうふうには理解をいたしますが、農林年金が発足以来のいわゆる厚生年金並みの補助というものは、私どもも一貫して主張をいたし、当委員会としても主張し続けてきた点であります。この国庫補助のあり方というか、当面差し迫って来年の国庫補助はどうなるかということも焦眉の課題でありますが、これらの点につきまして大臣の決意のほどをお伺いしておいたらと思いますので、この機会にお願いいたしたいと思います。
○亀岡国務大臣 大変むずかしい問題であるわけでございまして、農林年金補助の引き上げという問題は、農林年金財政の健全化と加入者の負担の軽減ということを図っていくために、各種団体、農林漁業団体からも強く要請を受けているところでありまして、私も五十六年度予算を編成する際にもこのことはずいぶん意を用いて努力したつもりでございますけれども、遺憾ながら実現はできなかったわけでございます。御承知のように国庫補助率につきましては、公的年金給付に対する補助率が、従来から各年金制度の給付内容に応じて全体としての均衡に配意して設けられてきているところでもありまして、今後この問題につきましても他制度との均衡を踏まえながら慎重に検討をしていきたいというのが、実は私のただいまの心境でございます。
○田中(恒)委員 なかなか厳しいことはよくわかっておりますけれども、私ども長い間議論してきたことだし、大臣は一番御承知でありますから、ぜひ四囲の情勢の中でこの年金の補助率の引き上げについては格段の御努力をこの機会に強く御要請をしておきたいと思います。 あと具体的な問題で幾つかございますので、時間がございませんから、局長さん、要約して御答弁をお願いいたしたいと思います。 一つは、掛金の負担割合をめぐりまして、掛金の上昇ということが問題になってまいりますが、加入組合員の中からは団体側の負担を六割なり七割に引き上げてほしい、こういう要望が出ておるわけであります。これについてどういうふうにお考えか。 私ども、共済年金というのはいわゆる社会保障部分と企業年金とでも称すべき部分と、さらに最近は事業者が当然行うべき福祉施設の代行的な機能、こういうものを持っておると思うのです。ですから、現在その割合ははっきりしておりませんから、法律には折半ということになっておりますが、やはり企業者側が折半以上に持つというのが当然ではなかろうか。諸外国の例を見ると、わが国に比べて企業者側、事業主が持つ部分が非常に大きいわけですね。障害年金などについても、職務中に事故があった場合の給付などは、これはほとんど事業者負担という性格のものであろうと思います。それらがきちんと整理をされておりませんから折半ということになっておるわけですけれども、しかし、企業者がより負担をするということがこれから将来考えていかなければいけないことじゃないか、こういうふうに思うわけでありますが、この点についての農林省当局のお考えを明らかにしていただきたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 掛金の負担関係でございますが、これは先生も御承知のように、現行法上は組合員と団体の折半負担になっておりまして、これはほかの年金制度によりましても共通でございます。これを団体側によけいに負担してもらった方がいいというお考えは私どももしばしば伺うわけでございますが、やはり私どもは折半負担の原則というものは維持してまいりたいというふうに考えるわけでございます。 と申しますのは、団体によりましてはこの折半負担以上の負担能力を持っておるところもございまして、そういう場合に負担をいたすことについては私どもは否定をいたすわけではございません。しかしながら同時に、赤字を持っている団体もたくさんあるわけでございまして、これらの団体に対しまして一律に折半負担以上のものを負担せよと言うことは非常に困難ではないかというふうに考えるわけでございます。 したがいまして、この考え方といたしましては折半負担というものを原則といたしまして、この割合の変更というものはむずかしゅうございますが、団体間の負担割合に対する合意によりましてこれを措置していくということが適当ではないかというふうに考える次第でございます。
○田中(恒)委員 そこでちょっと明らかにしておきたいと思いますが、五十五条の折半の規定というのは、組合員に二分の一以上を負担させてはいけない、こういう意味の解釈であると同時に、二分の一以下の場合は、これは労使間の話し合いで認めるというか、そういう意味の、法律的に言えば片一方は強制規定であるし片一方は任意規定である、こういう理解をしていいですね。いいか悪いかだけ。
○松浦(昭)政府委員 これは、現行法上組合員と団体の折半という規定になっておりますけれども、組合員たる農協の職員等が二分の一を下回る負担であるからといって法律に違反するものではないという考え方でございます。
○田中(恒)委員 これは読んでいけばそういうことですが、しかしいままで、たとえば労働基準局などの解釈は、二分の一を上回るということはもちろんいけないけれども、組合員が二分の一以下になるのは構わない、こういう性格がこの条文の中には含まれておる、こういう理解をしてよろしいかということであります。
○松浦(昭)政府委員 従来までの運用といたしましては、私どもはさような解釈でやってきております。
○田中(恒)委員 次に、寡婦加算の引き上げについて御質問をいたします。 今回、寡婦加算の額が引き上げられましたが、その際に組合員期間十年以上の配偶者にも生計維持関係を問う、こういうことになっておるわけであります。これは、四十六年の改正のときにこれは問わないということで転換をしたものを、また再転換をした、こういうことになっておりまして、この条項については解釈が非常に不安定な感じがいたしますが、地方公務員の共済法と農林年金の共済規定との間で、生計維持についての認定基準ですね、この認定事項を見ると、農林年金の方は二百四十万どまりということになっておるし、地公共の方は五百四万円に今度改正になっているということで、非常に差が大きいわけですね。 そこで、このことが一つ問題になっておりますので、これについての御見解と、ひとつ何らかの形で、これは他の共済との関係があるのだと思いますが、各省間で十分話し合いをしていただいて、できればこれを一本にしていく、上へそろえる、こういうことが望ましいと思うわけでありますが、いかがでございましょう。
○松浦(昭)政府委員 遺族の範囲についての生計維持要件のお尋ねであると思いますが、今回の改正におきましては、十年以上の組合員の場合にも生計維持要件を必要とするということで改正をお願いいたしたわけでございます。 この点につきましては、実は共済年金制度基本問題研究会におきましても、今後の御検討ということでいろいろと研究をいたしていただきたいというふうに考えておりますが、先ほども御答弁申し上げましたように、実は本研究会はおおむね二年間を目途として研究、検討していただくということで聞いておりますので、この検討結果を待ちまして遺族年金制度の改善を図るということを予定しておるわけでございますが、何分にも厚生年金の遺族の範囲が今回お願いいたしておりますような改正内容ということになっておりますので、いわゆる官民格差の是正という点から、今回、組合員期間が十年以上の組合員の配偶者についても、組合員の死亡当時主としてその収入により生計を維持していたということを要件にしたということがこの背景でございます。 そこでお尋ねの、地共済とそれからほかの共済関係におきまして、この認定基準が若干違っておるではないかということでございます。そこで今回の生計維持要件の認定基準をどう設定しようかということにつきまして、まず方針を申し上げますと、まず第一は健康保険等において組合員の被扶養者になっている場合、これは生計維持要件があるというふうに見るわけでございます。これで大部分はカバーできると思います。その次に、農林漁業団体の支給する扶養手当の支給対象者である、これが第二の要件。それから第三は、死亡した者の所得より遺族の所得が低額であるという要件でございます。この三つの要件のいずれかに該当しておりますれば生計維持要件があるというふうに見るわけでございます。 そこで、このような状態で考えてみますと、このような生計維持要件を欠くという認定をいたします場合というのは、たとえば御主人が奥様に先立たれるような場合。御主人がかなりの所得を取っておられまして、しかし奥様が亡くなられてその遺族年金を取得されるといったような場合に生計維持要件に該当しないというふうになるのではないかというふうに考えられますので、これにかかりまして遺族年金を受けられない方というのはそれほど多いとは私どもは思っておりません。しかしながら、それでもなおかつ問題がございますので、配偶者の場合には、配偶者の所得が死亡した者の所得より多くても、二百四十万円未満であれば、死亡した者の収入により主として生計を維持していたとみなしまして遺族年金を支給するという形にしておるわけでございます。 ところがこの基準が、地共済の場合にはこの二百四十万円というものが、いわゆる標準給与の最高額というところで設定されておりまして、この結果、先ほどお話しのような五百四万円というような結果が出るわけでございます。これについてアンバラがあるのではないかということは、そのとおりでございます。ただ、私どもの考えといたしましては、この措置は配偶者のみに適用される優遇措置でございます。したがいまして、この額を引き上げますと、配偶者以外の遺族との均衡がますます離れてしまう、均衡を失するということがございまして、この点も考慮する必要がございますし、また、もう一つは、今回生計維持要件を付した一つの原因は、特にお気の毒な寡婦の方、たとえばお年寄りの寡婦であるとかあるいはお子さんがいる寡婦という方に対しまして大幅に寡婦加算を引き上げておるわけでございます。このような手厚い保護は、お気の毒な配偶者であるからこそこのような手当てをしているわけでございまして、そのような意味から申しますと、この生計維持要件を緩和いたしました際に余りにも極端に、たとえば二百四十万円というものが相当大幅に引き上げられますと、これはそのようなお気の毒な方に負担するという趣旨とは若干離れてしまい、いわゆるミニマムの保障という形にならないのではないかということでございまして、二百四十万というのは月額二十万円でございますので、この程度の水準は妥当な水準ではないというふうに考えるのでございます。そこで、これをもって設定させていただきたいというふうに考えておるわけでございます。 しかし、ただいま御指摘のように、この二百四十万円そのものが果たして最善であるかどうかということにつきましてはなお検討の余地があるというふうに考えておりますので、先ほど申し上げました共済年金制度基本問題研究会におきましてこの点は十分に御議論いただいて、その上で私ども今後の課題として取り組んでまいりたいというふうに思う次第でございます。
○田中(恒)委員 差が余りあり過ぎるからその辺をもう少し検討して、これは農林年金の認定事項になっておるわけでありますが、農林年金当局も含めてひとつ御検討いただきたいと思います。 それから、五十五年の三月十七日に農林水産省経済局長名で「農業協同組合及び同連合会における定年制等をめぐる雇用関係の改善について」こういう通達が出されておるわけであります。この通達の内容は、定年の延長についての適切な指導を行うこと、あるいは職員の労働問題について、男女格差等適正を欠くものが見られるので、十分に検討して指導せられたい、こういう意味でありますが、この通達以降のこれらの内容の改善状況はどうかということが一つ。 それから、この通達は農業協同組合、同連合会に限られておりますが、定年制の問題につきましては、いわゆる農林年金の支給期限の延長問題を契機にして特に行政指導に乗り出されたという経過があるわけでありますので、これは森林組合なり漁業組合なり、その他農林年金加入の農林漁業団体にすべて共通をしておると思う。それが農協にだけ出されて片一方出されていないということで、地方へ行くと、私のところには通達が来ていない、こういうことで多少皆さん不安に思われておる節があるわけでありまして、これは農林省の縦の行政機構の関係がこういう結果をもたらしているのじゃないかと思います。これはやはり関係団体に共通しておることでありますから、ぜひ全体に通達を出していただいて、きちんと指導していただきたい。このことを要請し、またこのことについての御見解をこの際求めておきたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 お尋ねのように、農林漁業団体におきましても定年の年齢が延長されるという方向にございまして、加えまして、先般の五十四年度末の農林年金制度の改正によりまして支給開始年齢を引き上げたということもございまして、農林水産省といたしましても、農業協同組合における雇用関係の見直し、改善の一環として定年年齢の延長等についてその適切な指導をするということで、経済局長名の通達を出したわけでございます。 この施行の状況でございますが、これを踏まえまして、全国農協中央会が都道府県の農協中央会から定年延長問題等高齢化対策の取り組み状況を徴したところによると、五十六年の二月現在でかなりの数の中央会が研究会や委員会等の取り組み体制を整備しておりまして、具体的な指導方策を検討して、この成果を踏まえましてこの定年の問題に取り組んでいるという状況でございます。 実際、その効果ということかどうかははっきりと申し上げられませんけれども、系統農協におきましては定年年齢の動向が最近変わってまいりまして、四十九年の八月現在で定年年齢五十六歳以上と定めているものは五三・三%でございましたが、五十四年八月現在におきましては、これが五九・六%まで上がってきております。これは漸次延長ということでございますけれども、着実に伸びているのじゃないかと思いまして、最近時点ではさらに伸びているものというふうに期待をいたしておる次第でございます。 そこで、このような通達を他の団体に対しましても流すべきではないかということでございますが、その他の農林漁業団体につきましてもこのような農林年金制度の改正によりまして支給開始年齢も引き上がったわけでございまして、これに対する定年問題の取り扱いにつきましては、各事業体それぞれの実情もございますし、それぞれの関係部局がございますので、各関係部局において指導するという体制にしております。 いま御指摘のように、ほかには通達を出していないではないかというお尋ねもございましたが、農林水産省といたしましても、各部局間の連携というものは緊密に図ってきたつもりでございまして、いろいろな形での指導はなされているというふうに考えておりますが、今後とも、ただいまのお尋ねの趣旨、御要請の趣旨も踏まえまして早急に検討いたし、その指導を強化してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○田中(恒)委員 質問をこれで終わりますけれども、大臣御退席ですが、この点はひとつ政務次官、いま途中でおいでになりましたけれども、農林漁業団体に対して定年の延長問題で通達を農林水産省で出しておるのです。それを農協だけにしか出していないという問題があるわけでありまして、これは水産庁なり林野庁に関係する事項になっておるのだと思いますので、ひとつ政務次官の方で、何らかの形で農協に出したと同じような趣旨のものを農林水産省の方から示達していただくように特にお願いをしておきたいと思います。 いま雇用問題は、労使間の問題ではありますけれども、農林漁業団体は、私もよく承知をしておりますが、そういう面ではいろいろおくれております。特に婦人労働者の雇用関係についてはすでに裁判ざたになっておるものも幾つかあるわけでありますので、それらも含めてきちんとした指導をしていただくべきであるし、年金にとっては、財政上の問題としても、老後の組合員の期間を延長させるということは重要な側面でありますから、ぜひ取り組んでいただきたいと思いますので、最後に政務次官の御意見をお聞きして質問を終わりたいと思います。
○志賀(節)政府委員 農林漁業団体は、それぞれその団体の性格や事情、これはもう特殊性がございまして相違がございますから、通達の形で一律に指導することが適当であるかどうかということは大変問題であると考えております。したがいまして一通達形式をとることをも含めてこれは早急に検討しなければならぬ問題であると考えております。 また、先生御指摘のような男女差その他、そういう大変不平等のようなことが行われることがあっては相なりませんので、この点も深く心にとめて対処してまいりたい、かように考えます。
○田邉委員長 松沢俊昭君。
○松沢委員 田中委員の方からいろいろ質問がございましたので、ダブるところの面もあると思いますが、まず最初に、この年金制度というのは昭和三十四年に発足をいたしまして、一元化問題などありまして大変厳しい中で、関係者の皆さんの御努力によりまして厚生年金から独立をした、こういう歴史があるわけであります。それというのも、農業団体の職員の皆さんの御努力がなければ農政の推進もできませんし、また、優秀な人材を育成をする、団体を強化していく、こういう意味におきましては、この年金制度が大きな役割りを果たしてまいったと思うわけであります。 しかし、さっきの審議の中にもございましたように、だんだんと再計算をするたびごとに整理資源率がふえてまいりまして、四回目になりますと七七・八八、実はこういう状態に入っておるわけでありまして、やはりこれは、この年金だけでございませんけれども、年金問題というのが大変大きな問題になってきている、そういう時代でもあろうと思うわけであります。それに対しまして、これをどのようにして改善していくかというのが大変大きな課題だと思いますが、まずその基本的な物の考え方をお聞かせをいただきたいと思います。
○志賀(節)政府委員 先生御指摘のとおり、この農林年金制度の役割りあるいは今後も果たしていくであろう役割りは、農林漁業団体の役職員にりっぱな資質のすぐれた人材を確保すること、これはもう御指摘のとおりでございます。私、子供心に覚えているのでございますが、役場の職員というのは昔は余り優秀な人ではないような評価を受けておりましたが、最近では、役場の職員が非常にその地域で優秀な人が集まっております。こういう人たちにまさるとも劣らない人材を確保していくというのがこの制度の大きなねらいの一つであることは御指摘のとおりでありますが、また一方において、先生御指摘のとおり大いに改善しなければならないポイントもあるわけでございます。 これらの、この年金財政の健全性の確保など各般にわたって検討、改善を要する問題につきましては、現在大蔵大臣の私的研究機関で、座長今井一男先生、学識経験者十一名で構成をしております共済年金制度基本問題研究会、昨年の六月にこれは設置されたわけでございますが、この審議の経過を踏まえ、制度の健全な発展について今後とも至らぬ点はこれを埋めて、充足してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○松沢委員 もう御承知のように、最近ではどの新聞でも行革の花盛り、こういうことでございまして、第二臨調の成り行きをみんな注目をしている、こういう状態であることは申し上げるまでもございません。そういう中で、最初私たちは行革というのは許認可事項の整理だとか、行政の簡素化だとか、窓口サービスの改善だとかというのに重点が置かれるものであろう、こう考えておりましたところが、最近は補助金のカットの問題、整理の問題、こういう問題が非常に大きくクローズアップしてまいりまして、そしてしかも、じっと私、見ておりますと、三Kなんということで食糧の管理の問題などに対しましても風当たりが強くなってきておりますし、農林省に対するところの風当たりというのが一番強いように実は考えられるわけであります。 これと関連いたしまして、やはり社会保障、年金福祉、こういうものにもそれが覆いかかってくるのじゃないか、実はこんな感じをしておりますのですが、これらに対しまするところの農林省の基本的な考え方はどういうことなんだということをお伺いを申し上げたいと思うわけなんです。
○志賀(節)政府委員 これも松沢先生御指摘のとおり、行政改革は現下の急務でございまして、政府は挙げてその推進に取り組んでいるわけでございます。農林水産省自体、簡素で効率的な行政の展開に資さなければいけない。農林水産行政の適確な推進に配慮しつつも、補助金の整理合理化に今後とも努めて、この行政改革に協力をしていかなければならないという基本的な姿勢を持っております。 しかし、農林水産関係補助金は、昨年四月に国会において決議されました「食糧自給力強化に関する決議」、昨年十月に農政審議会から総理に手渡されました「八〇年代の農政の基本方向」を踏まえて、国としての農林水産行政を進めていく上で有効な政策手段であることはまた疑いを入れないところでございます。したがいまして、今後とも補助金の統合メニュー化、事務処理の簡素化等によりまして補助金の整理合理化を進めなければいけませんが、真に必要な補助金につきましては、これはでき得る限り確保して、意欲的な農林漁業者の期待に今後ともこたえてまいらなければいけない、このように考えておるわけでございます。
○松沢委員 この年金問題は、やはり財政問題だと思うのです。要するに、この年金というものを維持していくためにいろいろな方法というものがあると思います。たとえば掛金の率を引き上げる。今回十一ですか、引き上げが行われているわけなんでありますが、それから給付の内容を見直すとかあるいはまた支給の年齢の引き上げだとか、いろいろなことを模索をしておられると思います。それにいたしましても、やはり国庫負担が、御承知のように、さっきも田中委員の方からお話がございましたが、たびごとに国会におきましては附帯決議といたしまして一八%を二〇%に引き上げるという決議がなされまして、それなりに大臣の方でも、農林省の方でも御努力がなされてまいったと思いますけれども、最近補助金の問題だとか行革の問題だとかいろいろ出てまいりますと、非常にやりにくいという、そういう環境に実はなってきているのじゃないか、こう思いますが、二〇%というところの悲願を達成するためにどのような努力をなしてこられたのか、ひとつお伺い申し上げたいと思うのです。
○松浦(昭)政府委員 先生御指摘のとおり、農林年金の補助率の引き上げは、農林年金財政の健全化と組合員の掛金の負担というものを軽減するということで、当委員会でも附帯決議を常にちょうだいをいたしてまいりましたし、また農林漁業団体からもかねてから強い御要望が何回かなされておるわけでございます。そこで、農林水産省といたしましても、予算編成の際にはできるだけその御期待に沿いたいということで、大臣を先頭にいたしまして毎回予算要求のたびにこれを持ち出し、積極的に交渉をいたしてきたことは事実でございます。 今回の五十六年度予算の編成に当たりましても、先生御承知のようにこの問題は最後まで、大臣折衝にまで上がりまして努力をいたしたわけでございますが、残念ながら公的年金給付に関する補助率が、従来から各年金制度の給付内容に応じて全体として均衡をとるという観点から、なかなかその実現ができませんで、五十六年度についてもこれが実現できなかった。そこで、前々から武藤大臣もこの委員会において御答弁申し上げましたように、何らかの工夫をこらすということで、いろいろと努力をいたしまして、今回の掛金の改定に当たりましてもそれが反映されるようなことで、いろいろな措置を講じてきたということが実態でございます。 今後これがどのように展開するかということでございますが、先ほど申しましたような、各年金制度の給付内容に応じて均衡をとっていくというこの考え方はやはり踏まえなければならないということでございまして、先ほど大臣から御答弁がございましたように、今後この問題につきましては慎重に検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○松沢委員 これはなかなかむずかしい問題だと思いますけれども、やはり最後になりますと七七・五の修正率を掛けて、そして財源を後年の方に回す、そういうやり方をとらざるを得ない。これは私が言わなくてもわかり切ったことなんであって、いずれそれをパンクさせないためには、やはり金を入れなければどうにもならぬ、こうなるわけでしょう。そうすると、これは行く行くはどういうふうにしていったら一番うまくいくのか、そういう見通しというのがわれわれにははっきりしないわけなんです。それで、局長の方では、こういうふうにやっていけば後年の方はこう解決ができるのじゃないかという何か妙案がありましたら、お聞かせを願いたいと思うのです。
○松浦(昭)政府委員 ただいま先生も御指摘のように、年金制度につきましては、その財政の健全化ということが非常に重要でございまして、特に修正率も七七・五%ということで課しておりますし、また同時に利差益につきましても、まだ四〇%分を繰り込むというような措置もとっておりまして、先ほど田中委員に対して御答弁申し上げましたように、今回の財政再計算による掛金率の改定によりましても、財政の内容が若干よくなったとは申しますものの、やはり基本的にはむずかしい問題を将来に抱えているということは事実でございます。 そこで、何か妙案をということをおっしゃられるわけでございますが、とにかく、今回このような措置をとりまして、一応現段階における財政の健全化のための措置はとったわけでございますが、さらに今後いろいろ工夫をこらすということが非常に重要なことでございまして、武藤大臣もそのようなことを御答弁なさいまして、また亀岡大臣もそれを引き継がれまして、今回一つの工夫をいたしたということは事実でございます。 そこで、今後どうするかということでございますが、さらにいま直ちに何かいい案があるかとおっしゃられますれば、もしもそういう案がございましたならば、恐らく今回の料率改定におきましてもとったであろうというふうに私は考えるわけでございます。財政の再計算につきましてはまだここ五年間の期間がございますので、さらにその間におきまして工夫をこらし、われわれとしては努力するところは努力するということでございますが、一方におきまして、また、このような財政の状態の中で、組合員の皆様方にも負担していただく分は負担していただくということも十分に御理解をいただきまして、その合意の中に今後の措置を考えてまいりたいというのが私どもの考えでございます。
○松沢委員 年金の比較をしてみますと、基本的には、田中委員のお話のように、やはり農業団体だとか漁業団体だとかの職員の給与が非常に低い。ここにも比較されたものがございますが、報酬月額を見ましても、地方公務員の場合においては十九万四千円、国家公務員の場合におきましては十七万八千円、農林年金は十五万五千円、こういう比較が出ております。したがって、それに伴いまして退職年金の額を見ましても、これまた百六十五万九千円の地方公務員、それに比較いたしまして農林年金の場合においては百三万、こういうことで、非常に差が大きいわけですね。 老後保障という意味からいたしまして、私は、こういう差があってはならぬと思うのです。みんなやはり世の中のために働いて、老後になっても差がつけられるというようなことであってはならぬと私は思うわけです。そういう意味からいたしまして、農林水産省の方でいわゆる団体の給与の改善の指導を当然やってもらわなければならない、こういうぐあいに実は考えております。 それにいたしましても、比較するならばまだ非常に差があるわけですから、これをまた何とか並みのところまで持っていくためには、やはり国庫負担というものを相当考えてもらわなければどうにもならないのじゃないか。いろいろ改善の努力をしてこられたことはわかりますけれども、何らかの方法でそれらを解決しなければ、この年金は先の方になりますと大変むずかしい問題が起きてくる、こんなぐあいに実は考えております。 そういう点で、さっきもたびたび御答弁があるわけでありますが、一八の国庫補助率を二〇にする、これは、ちょうど大臣おいでになりましたのですが、本当にいまの状況からするならばどうにもならない状況なのでしょうか。これは国会で何回も決議をやっていまして、そのたびに大臣は善処するということになっているわけですが、これがほとんど前進を見ていない。なるほど財源の調整の補助というものが出ていることはわかっておりますけれども、それはそれといたしましても、二〇%実現ということはどうでしょうか。
○松浦(昭)政府委員 まず、給与の水準の方からお答えを申し上げますけれども、確かに農林漁業団体職員の給与はかつてかなり低い水準であったことは事実でございますが、最近は、最も同様の条件にある町村の職員給与と比較いたしますと、平均給与月額、これは賞与込みでございますが、これで三%ぐらいの違いのところまでは追いついてまいったというのが実情でございます。月額で大体七千円程度かというふうに考えます。また、職員の平均年齢なりあるいは平均勤続年数ということもあわせて考えますると、必ずしもその給与は市町村職員と比較して低いという状態にはならなくなってきたということでございます。 しかしながら、当然各組合の中にはその経営基盤の弱いところもございまして、給与水準がまだ低いという状態もございますので、何と申しましても、まず団体の経営そのものを向上させるということが、私どもにとりましてはこの給与水準の向上のための最大の要件ではないかというふうに思いますので、今後とも、先生御指摘のように努力をいたしてまいりたいというふうに考える次第でございます。 また、年金の額そのものでございますが、これは長々と申すつもりはございませんが、同一給与水準で同一の組合員期間ということをとりますと決して遜色がない状態になっておるわけでございまして、モデル計算なりあるいは新規受給者ということで考えますると、ほかの共済とは遜色はないという状態になっておるわけでございます。 そこで、国庫負担の問題でございますが、ただいまお尋ねのように、これはどうしても国庫負担というものが二〇%にならないのかというお尋ねでございますけれども、これは毎回毎回予算編成のたびに努力をいたしてまいっておるわけでございまして、先ほども御答弁申し上げましたように、五十六年度予算の編成に当たりましては、大臣折衝でまさに亀岡農林水産大臣が陣頭に立たれまして実現を図られたわけでございますが、残念ながらその状況は実現に至るまでにはならなかったわけでございます。そのためにいろいろな工夫もいたしたという状況でございます。これは、私どもといたしましては、ほかの共済制度との均衡ということから、いままでの経験に徴しますると非常にむずかしい問題でございまして、なお今後とも慎重な検討を要する課題であるというふうに考えておる次第でございます。
○松沢委員 内容に入らぬうちに終わりましたけれども、とにかくこの改正をそれなりに苦労してやってこられたことは十分わかりますが、何といってもこれはまた特に農村関係におきましては大事な年金なんでありますから、これからも十分な配慮をしていただきたいということをお願いをいたしまして、質問を終わります。
○田邉委員長 小川国彦君。
○小川(国)委員 今回の農林年金法の改正に当たりまして、私は、農林年金、それから一般の年金、そういうもの全体を俯瞰しながらひとつ質問をさしていただきたい、こういうふうに思います。 最初に、農林水産大臣お見えでございますが、この農林年金の問題に関連をいたしまして、先ほど来同僚議員の中からも質問がありましたように、行政改革の一環としていろいろ補助金の問題、あるいはその他農林財政の問題、国の財政の問題全体においていろいろ改革をすべき問題がある、こういう御指摘があったわけでありますが、私はこの農林年金の関連の中で一つお伺いしたいと思いますのは、先般来問題になっている天下り高級官僚、非常に漠然とした表現であろうかと思いますが、特殊法人、外郭団体、それから一般企業、こういうところにいろいろ高級官僚が天下りをしていく、そういう中で、特に政府関係機関である特殊法人、外郭団体、そういうところに天下っていった官僚の給与、年金、それから退職金、こういうものを通覧してみますと、非常に高過ぎるのではないかというふうに受け取られるわけであります。 これは率直に国民の感情から考えてみましても——高級官僚といいますのは大体局長さんから以上になろうかと思いますが、こういう方々が退職して外郭団体へ参ります。たとえば、公団、公庫、そういうところへ参りますと、Aクラスの法人に行った場合には、総裁、理事長が百八万五千四百円、これは給料の月額ですが、まあ百八万円、総裁、副理事長が八十九万一千円、理事が七十四万五千二百円、監事で六十五万一千二百四十円。Bクラスの法人に参りますと、総裁、理事長が八十七万円、理事が六十七万円、監事が五十四万四千円、副総裁を落としましたが、副総裁、副理事長が七十七万五千円。こういうことで、現職の次官クラスに匹敵する給与が出されている、こういう問題が一つあります。 さらに加えて、退職金の計算が非常に高い。特殊法人の退職金を見ますと、Aクラスの場合は、理事長が一年勤めますと四百三十四万二千円、副理事長で三百五十六万四千円、理事で二百九十八万一千円、監事で二百六十万五千円。Bクラスに参りましても、理事長が三百七十五万八千円、副理事長で三百三十四万八千円、理事で二百八十九万四千円、監事で二百三十五万円。こういうふうに見ますと、中小企業などで働いた人が一生かかってもらうような退職金を、やめた高級官僚の方は一年でもらえる計算になっているわけなんです。 給与の水準、それから退職金、それから加えて年金受給の状況を見ますと、役所を五十歳前後でやめて特殊法人に天下っていった高級官僚の方々には、もう一〇〇%近く年金を受給しておられる。大体二十五歳で大学を出て二十年官庁に勤めますと四十五歳、ですからもう五十歳前後で年金受給資格がある。ですから、官庁をやめますと、特殊法人といってもこれはいわば政府機関でございますが、官庁と同じようなところに勤めて、もう年金をもらっている。一方で平均七十万円の給料をもらって、片方で平均二百五十万から三百万年間の年金をもらっている。これは一般国民から見て幸せ過ぎるのじゃないか、率直にそういうふうに思うわけなんです。 こうした高級官僚の天下りによる外郭団体、特殊法人によって受け取る給与、それから年金、そしてまた一年当たり平均四百万近い計算になって五年勤めれば二千万になるというような退職金の給付状況、これは総論的に見まして、農林水産大臣として、行政改革をやるとするならやはりこういうところも厳正に改革していくべきではなかろうか、こういうふうに思うのですが、いかがでございましょうか。
○亀岡国務大臣 その件につきましては、もうすでに御承知のとおり閣議決定によりまして、特殊法人、政府関係機関等の役員につきましてはできるだけ民間人の登用をしていこう、半数以上は民間という方向づけを決定をいたしまして、そして現在その方向に向かってやっておるところでございます。 給与等につきましては、実は公社、公団が当初設置されましたときは、民間の方を持ってくるというようなことで、たとえば道路公団とか昭和二十年代にできた公団、公社等の理事長、総裁等につきましては民間人の優秀な方を持ってくる、それについては相当高額の給与じゃないと民間の方には来てもらえないというようなことで、公社、公団関係の給与が非常によく法定されておる、政令で決めておるわけでありますが、そういう話を聞いております。したがいまして、今日のような事態において、政府関係機関につきましては、その役員の給与という問題についてはやはり臨調あたりで当然問題にされ検討されるもの、こう期待をいたしておる次第でございます。
○小川(国)委員 なるほど政府の考えられた趣旨は、なぜ特殊法人、外郭団体の役員の給料が高いか。これは当初、あるいはまた最近も何か閣議決定において——なぜ高いのか。それは、たとえば住宅公団がある、空港公団がある、鉄建公団がある、いろいろな公団がございます。あるいは何々金融公庫という公庫がございます。そういうところには銀行出身者であるとか民間企業の出身者であるとか、そういう優秀な頭脳を迎え入れて、そして外郭団体であってもその活用が十分行われるようにしていきたい、そういう意味で、民間企業の人を迎えるためには、官庁よりも民間の方が従来給料が高かった、だからそういう人を迎えるのには高くしなければいけないと、大臣のおっしゃるたてまえはわかるのですが、現実に百十一あります特殊法人、それから、私はいま農林水産省関係の特殊法人を全部調べてみましたが、率直に言って九〇%近い人が高級官僚の天下りになっているのです。民間の人が逆に多く入っているところで三〇%、大概は一〇%しかいないのですよ。ですから、大臣おっしゃるように高い給料は民間のためというのですが、民間のためじゃなくて、天下り官僚のためにこういう高い賃金水準になっている。 普通は、民間の企業で働いていたら、定年になったら給料は半分だ。きのうも国会の運転手さんと話しましたけれども、三十万取っている給料が、やめて民間に行って運転手さんになったら十五万になってしまう。普通は半分になってしまうわけですね。ところが、高級官僚の方々は、やめて次官と同等あるいは以上の給料に上がってしまうのです。それが特殊法人の九割を占めてしまっているわけですね。ですから、総理大臣や農林大臣が閣議で決めた趣旨というものが現実には守られていない。民間を迎えるためでなくて、天下り官僚の方々のための高給になってしまっている。 さらにもう一つ問題なのは、これから議論を進めますが、そういう方々がほとんど全員と言っていいくらい年金を受給しているのですね。年金財政も赤字で、六十五歳以上の人が一千万人と高齢者がふえてきている。二十年先になったら国民が三人か四人で一人の年金生活者の給料を持たなければならない。月給十万円もらう人なら三万円を年金の方に積まなければならない。そういう状況が予想される中で、こういうふうに高給を取って、そこにまた年金を支給しなければならない事態というものは、これは一般の年金も農林年金も同じですが、やはり是正されるべきじゃないかというふうに考えるのですが、大臣いかがでございますか。
○亀岡国務大臣 政府関係機関百幾つという御指摘でございますけれども、これは法律によって制定をされ、そして設置をされておる機関でございまして、これらの政府関係機関の果たしておる役割りというものはまことに大きいものを持っておるわけでございますから、そこに責任者として仕事をしてもらうというためには、それ相当な社会的報酬というものを定めなければ優秀な人材を雇用することができないことは、小川委員も御承知いただけることと思うわけでございます。そういう意味におきまして、ある程度の社会的報酬というものはやむを得ない。しかし、それが適切かどうかという問題については、公団、公社設立当初の考え方と最近の基本的考え方をどこにどう置くべきかというようなことについては、私は、もう一度再検討しても悪くはない、こういう感じがいたすわけでございますから、その点については第二次臨時行政調査会等において当然論議されるべきものというふうに考えておる次第でございます。
○小川(国)委員 大臣も、もう一度再検討されるべきである、第二臨調の中でも論議されるべきである、こういう積極的な姿勢がうかがえますので、さらに具体的な問題についてお聞きしていきたいと思います。 農林年金の今回の改正の中で、高額所得者に対する支給制限というものが出されております。これは、五十四年十二月三十一日以前の退職者でも、五十七年六月以後の年金についてはその引き上げによる増額分を限度として退職年金の支給を制限する、こういうようなものでございますが、この中では、大体退職しても給料が六百万円、実質賃金で九百万円以上になった人は、これから年金のベースアップが、公務員の給与改定でたとえば四%のベースアップがあっても、その分だけは上げませんよと、こういうような措置のようでございますが、これはそういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○松浦(昭)政府委員 今次の改正の中で、五十四年度の改正におきまして、昭和五十五年一月一日以降に退職した方でございますが、退職後の給与所得が六百万円以上ある者には、支給する退職年金の額が百二十万円を超える場合にはその超える部分について二分の一相当額を支給停止するということにいたしております。
○小川(国)委員 前回の改正と今回の改正と二つあったように思いますが、いま局長の答弁されたのは前回の改正ではなかったのですか。
○松浦(昭)政府委員 この措置によりまして、昭和五十四年十二月三十一日以前に退職した者についてはこの際には適用しないということにいたしましたが、五十五年の一月一日以降に退職した者との均衡を失するという問題もございまして、今回、五十四年十二月三十一日以前に退職した方に対しましてもこの措置を適用するということにいたした次第でございます。
○小川(国)委員 これは農林漁業団体職員に関する年金についてですが、公務員共済年金についてはいかがでございますか。
○野尻説明員 お答え申し上げます。 ただいま農林年金の方で御説明いたしましたと同じ措置を、国家公務員の共済組合、あるいは地方公務員の共済組合、三公社の共済組合すべて同一の措置をとることにいたしております。
○小川(国)委員 厚生省の方がおいでになっていると思いますが、厚生年金、国民年金については、こういう高額所得者に対する支給制限的な措置、そういうようなものを政策的におとりになっていらっしゃるかどうか、あるいは現実的に所得の面で見て年額幾らまで所得のある人は、厚生年金はたとえば六十歳から六十四歳までは支給しませんよと、そういうような規定がおありになると思いますが、その辺はどういう高額所得者に対する支給制限的な措置をおとりになっていらっしゃるか。
○長尾説明員 お答えを申し上げます。 国民年金につきましては、拠出制の国民年金につきましては御本人の所得による制限はございません。 厚生年金につきましては、厚生年金の被保険者である間に六十歳に到達しておる、または六十五歳に到達しておる場合に、その方の標準報酬、いわゆる月給とお考えいただいて結構かと思いますが、これによって制限をいたしております。 まず、六十歳から六十五歳までの方でございますが、標準報酬の等級で申しまして十二級、すなわち月給の高にいたしまして九万五千円未満の方は年金が八割、つまり二割の支給停止になるわけでございます。それから十三級から十七級、すなわち月給にいたしまして十三万円未満の方につきましては五割の支給になります。十八級から二十級、月給にいたしまして十五万五千円未満の方につきましては二割の支給、すなわち八割の支給停止ということになっております。 六十五歳以上の方に支給されます年金につきましては、いま申し上げました十五万五千円のところで、これより未満の方、これより低い方につきましては年金が全額支給されますが、それ以上の方につきましては八割支給される、こういう措置をとっておるわけでございます。
○小川(国)委員 裏を返して言いますと、厚生省の行っている厚生年金では、十五万五千円を超える所得があったらいわば年金支給は停止される、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○長尾説明員 お答えをいたします。 六十歳から六十四歳の間につきましては、先生おっしゃったとおりでございます。
○小川(国)委員 いま厚生省の方から御答弁があったように、大体六十歳で定年、しかし六十四歳までは働ける、働いて十五万五千円の収入があったら、その間の厚生年金の支給はゼロになる、こういうことであります。厚生年金に加入している人が全国で二千五百万おると思います。そういう大多数の国民、それからまた、いまお話しのように国民年金の場合には自分自身が積み立てていらっしゃったものでありますから、これは全額もらえるのが当然であり、また国民年金の対象になる中小企業や農家、一般の主婦、こういう方々は役所や民間会社に勤めたわけではございませんから、ダブって所得を得ることも余り考えられない方々であろう、こういうふうに思います。また、あったとしても、それはいずれも自分自身が働いて得たものであり、自分自身が積み立てたものであるから受け取られるのが当然だというふうに私は考えるわけであります。 ただ、問題は、一般の公務員の場合に、たとえば先ほど申し上げましたように、今度、五十五歳の定年が六十歳に、公務員も引き上げられてまいります、ところが、定年でやめた、公務員の給与は年々上がっていくわけでありますから、やめるときには一番高くなってきている、しかし、民間に行ったら半分になってしまった、だから、もらう年金と合わせて自分の生活を立てていかなければならない。 一昨日もNHKの夜六時の番組で「定年」というのをやっておりました。私も非常に感銘して見ておりましたが、いかにこの六十歳で定年を迎える人が真剣に老後の生活というものを自分自身で考えているか。ある人は、これはサラリーマン風の人、自分は指圧の免状を取った、六十歳になって指圧業を始めた、ところが、お得意さんを大事にとっていこうと思って、昼飯も抜き、来たお客には全部倍ぐらいのサービスをしてやるということでやったら、二年したら病気になっちゃった、こういう方もあります。あるいは、自分は何にも老後の備えをしていなかったから、退職して二階を建てて、そして貸し間の下宿を始めた。二間貸して六万円、十二万円の年金と合わせて十八万円、それでも自分はもらっていた給料が十六万円だから老後の生活は安泰です、こういうような人もありまして、実にさまざまの方々が定年後の老後の生活を真剣に考えてやっておられる、そういう姿を感じたわけなんであります。 そういうところから見てまいりますと、先ほど申し上げました高級官僚と言われる方々の給与と年金と退職金、これはもうぜひ是正されなければならないのじゃないか、こういうふうに感ずるわけなんであります。特に、私は農林水産省関係の特殊法人十二団体、四十五名の年金受給の実情について調査をしてみました。 これは個人名を挙げるのは恐縮でございますが、A氏というふうにしてみますが、最高の受給をしておる者、これを私ども推定いたしますと、元農林省顧問の方で、現在農業者年金基金の理事長をなすっている方、この方は約三百五十万の年金を受給されている。最低の受給者で、これはB氏というふうに申し上げておきますが、元農林省の出先の農政局長をなすった方、現農用地開発公団の理事の方で、約六十万。最高で三百五十万、最低でもこの六十万の年金。四十五名の特殊法人の役員の方々の平均年金受給額を見ると約二百五十万、こういう数字が出てきたわけであります。 私が調査した団体は、農林中央金庫日本中央競馬会、地方競馬全国協会、農林漁業金融公庫、畜産振興事業団、森林開発公団、農用地開発公団、農業機械化研究所、糖価安定事業団、林業信用基金、農業者年金基金、日本蚕糸事業団、こういう団体の退職者の勤務年数、最終所得、そういうものから推定をして確認をしてまいりますと、ほとんど全員の方が年金をもらっている、そして、平均で言うと年間約二百五十万円の年金をもらっている。そういう方々が、では現在どうなのか、こういうふうに見ますと、たとえばA氏の場合には、元水産庁長官であって、農用地開発公団の理事長になられた。現在の給与は月額八十七万、調整手当が八%つきまして六万九千六百円、九十三万九千六百円の月額給与になる。ボーナスは年間三百三十万六千円、役職手当が二三%で七十六万三百八十円つきまして、四百六万六千三百八十円。この方はこれだけの給料をもらって、ほかにまた年金が約二百八十万。そして退職すると、昨年十月現在見込みで、約七十七カ月、六年ちょっとですか、七年になると八十四カ月になりますから、六年半ぐらいで二千九百七十五万四千円の退職金をもらえることになるのです。 先ほどの話じゃありませんが、十五万五千円になると年金がゼロになるたくさんの勤労者、あるいは自分自身で積んだものをもらっている国民年金の受給者、そういう方から見ますと、月額百万近い給与をもらって、なおまた別に年金が年間二百八十万、これだけでも普通の勤労者の年給に値するのじゃないかと思うぐらいの年金が出ている。 そのほか、たとえばB氏は、元林野庁長官で現森林開発公団の理事長さん。現在の給与が八十七万、調整手当が八%、九十三万九千六百円の月給。ボーナスは四百六万六千三百八十円。年金は約二百二十万。退職金の見込みは二千四百二十七万三千円。C氏、元農林省経済局長で、現農業機械化研究所の理事長さん。現在の給与は八十五万八千六百円。ボーナスは三百七十一万五千八百三十円。年金受給額は約二百八十万。退職金の見込みは二千六百四万四千二百円。こういうものが五十五歳以上六十歳の定年後の生活において保障されるわけなんです。もう一つD氏の場合、元農林省農林水産技術会議事務局長で現農林漁業金融公庫理事。給与が七十四万五千二百円。ボーナスが三百二十二万五千六十円。年金が約二百七十万。退職金見込みが二千五百十五万五百円。 こういうふうに調べてまいりますと、これは私ども調査しております特殊法人百十一あるうち七十四法人の役員総数四百六十三名で見ますと、そのうちの天下り役員は三百五十三名であって、七六・二%が天下り官僚。そして、この天下り官僚のほぼ全員が年金を受給している。これを、平均受給年金の二百五十万円で三百五十三名を掛けてみますと、八億八千二百五十万円。役員に払われた年金だけでこういう額に上ってくる。これを全特殊法人百十一団体に推定して算定しますと、天下り役員数が五百二十七人、二百五十万円で掛けますと十三億一千七百五十万、こういう金額になってくるわけです。こういう点では、行財政改革の中でこの年金受給のあり方というものも改革されるべき非常に大きな問題点ではなかろうか。 一般の公務員が、退職して自分の生活を維持していくのに、第二の就職の収入と年金とを足して従来の生活維持がしていける、あるいはまた住宅建設のための大変なローンの返済がある、そういう方が新しい職場においての給与と年金を併給してもらっていく、これは私は当然のことだというふうに思うわけなんです。だけれども、そうではなくて、現に取得している所得というものが、もうりっぱに現職の農林次官に匹敵するような、役人として最高給の人と同じ所得を退職後もらいながら、しかもそこにまた年金を支給されていくというのは、国の財政なりあるいはまた保険財政なりというものを考えていったら、これはやはり適正なところに是正されるべきではないのか、こういうふうに感ずるわけでありますが、この点、農林省の方、あるいはまた農林大臣、あるいはまた大蔵省の方から、それぞれ御所見をお聞きしたい。
○松浦(昭)政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま小川委員の御指摘になった点につきましては、さような事例があるということは私どもも承知いたしておるわけでございますが、年金制度そのものの問題ということでこれを考えてまいりますと、ただいま御指摘のございました方々は恐らく国家公務員共済の適用を受けて受給権者になっておられる方々であるというふうに思いますけれども、この国家公務員共済は、その昔は恩給制度からずっと引き継がれた一つの歴史と伝統があるということでございまして、それはそれなりの一つの共済制度の立て方を持っていると思います。それと、厚生年金は別途の形で出発をいたした制度でございまして、その間の差異というものがそういう違いとなってあらわれているのではないかというふうに考えるわけでございます。 私どもが所管いたしております農林年金の制度につきましては、まさに農村に優秀な人材を確保するという立場から、厚生年金から離れまして各種共済の中に入ってきたグループでございまして、その制度そのものはやはりそのような立て方の違いというものに制度の根拠があるというふうに考えておるわけでございまして、もしもこれに別途の要素を加えるということになりますと、むしろ年金制度そのものが後退の感を免れないということになってしまうというふうに思うわけでございます。ただ、両者の間で立て方が違うと申しましても、これをいかに調整していくかということは非常に重大な問題でございまして、今後の高次な年金の行政につきましての御判断にまつところが多いと思います。 また同時に、天下りの問題につきましては先ほど大臣がお答えになりましたとおりでございまして、この問題につきましては、そのような年金制度の問題とはまた別な問題といたしまして、その当否につきましては大臣のお答えになられたようなことで対処すべきものというふうに考える次第でございます。
○野尻説明員 現在公的年金制度の間におきましては、それぞれの属していた制度を脱退することによって年金の受給権というものが発生するという仕組みに相なっているわけでございます。したがいまして、公務員は公務員のその職域を単位とした一つの年金制度を構成しているわけでございますから、その制度を脱退したということによって、一定の年齢に到達すれば年金の受給資格が発生し、それの支払い義務が生ずるというような仕組みになっているために、いまお話がございましたような方々につきましても、すべて年金の支払いはしているわけでございます。 この点は、先ほど厚生省の方からお話がございましたように、厚生年金につきましても、厚生年金を脱退して他の年金制度に移った場合は、特に十五万何がしというような所得の制限を設けているわけではございませんで、厚生年金内部に残留しているといいますか、その資格をまだ持ちながら勤めている方々の措置でございますから、それと公務員をやめた後の再就職者の場合と制度的に比較するのは、ちょっと公平を欠くのではないかということは言えると思います。 ただ、そうは申しましても、公務員をやめた方は、大体が民間企業に再就職されている方が多いわけでございまして、そのために、いま言ったような年金制度相互間の仕組みから、年金はもらい続ける、また給料も、多い少ないは別としてもらっているということに対する、いわば感情的な公平感がないということも事実でございます。 そこで、その点についてどういう調整を今後図っていくかということになろうかと思いますけれども、五十四年の改正で、一定の給与所得以上ある人についてだけ年金の一部を御遠慮いただくという支給停止の措置を講じましたけれども、こういった考え方をさらに今後もっと推し進めていくべきなのかどうか、この辺につきましては、年金制度の根幹にもかかわる問題でございますので、私どもの方も現在各共済組合全体を通ずる基本問題を研究するための研究会というのを設けておりますので、そこにお集まりの先生方の御意見等もお伺いしながら、今後の検討課題として考えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○亀岡国務大臣 失礼いたしました。 いろいろ御指摘をいただいた点につきましては十分検討させていただきまするし、また天下りの問題につきましては、閣議決定の線に沿うべく一属の努力をしていきたいと考えております。
○小川(国)委員 大臣、居眠りしていてはだめですよ。ありきたりの答弁ではなくて、もっと話をしっかり聞いて、しっかり答弁してもらいたいと思います。 いま大蔵省の方から答弁があったわけですが、公的な年金制度のあり方、脱退して権利が発生するのだから、支払い義務が生ずるのだから支払っていくのはあたりまえで、厚生年金と制度的に比較するのは公平とか公正を欠く、このような御答弁です。私は、制度そのものの改善、あるいはまたいろいろな問題が今後あろうかと思いますけれども、現在国民から見て行財政の改革ということを言っていくなら、それをやらんとする政府みずからの内部の体制自身を変えていかなければならないのじゃないかというふうに思うのですよ。われわれは、国会議員の問題も含めてですけれども、立法府、行政府に携わっていく人々というのは、国民全体に対していろいろな、ことしは一兆四千億の増税を課した、来年は二兆円のいろいろな予算の削減もする、それからそのためには末端の国民にいろいろな犠牲や負担を強いることになる、それにはみずからの姿勢を正していかなければならない、これはやはり政府全体としても持っていかなければならないことだというふうに考えるのです。そういう点から考えると、いまのような答弁が国民に通用するというようには私には思えないのですよ。 それでは、具体的に伺いますけれども、あなた方がとられた是正措置、たとえば前回の改正では、実質九百万の所得があった人は、百二十万を超える年金の額があった場合には、その半分を削るというのですね。だから、こっちに九百万以上の所得があって、仮にこっちで年金百五十万をもらっている、そうすると百二十万を超える部分の三十万の二分の一はカットします、十五万カットするだけなんですよね。それからさっき局長が答弁したように、恩給なんだ、恩給なんだと言うことは、何かにしきの御旗のような言い方のように私は聞こえるのですが、恩給というのはたしかもう昭和三十三年以前の話で、そのときには、本来本人が掛けるものを恩給だから全額国が持ったのだ、そういう伝統があるのだと言うのですが、これはいまの時点に立って考えてみたら、恩給という昭和三十三年以前の考え方はもう通用しないのじゃないか。厚生年金にしても国民年金にしても、みんな国民が自分の支出のもとに、拠出のもとに、こうした老後の保障というものを自分自身が拠出する中で考えていこうということが流れの中にあるのに、われわれは国からそういうものを保障さしていくのだという考え方はやはり通用しないのじゃないか。公務員も民間も同じような水準で給料をもらっていく、しかし、老後の保障も、お互いに老後の不安というものはない人はいないと私は思う。だれしもある。しかし、その不安に対してみんな一生懸命取り組んでいるときに、一方において非常に過大に守られた権利があって、一方において過小に待遇されているという点があったら、これは国民としては納得できないことになるのじゃないか。 皆さんが是正措置を講じたと言いますが、それじゃ去年一年間、高額所得者に対する支給制限をやって、この対象になった人は何人いらっしゃって、そしてどれだけの予算がこれによって年金財政の中で節約できたか、これをちょっと伺いたい。
○野尻説明員 高額所得者に対する年金の支給停止は、昨年の一月以降に退職した人たちの本年の年収を見て、来年の六月からとめる、こういう仕組みになっているわけです。したがって、まだ現実にこの措置によって支給停止を受けている人は出ていないわけです。来年の六月からこれが生じてくるということになるわけです。したがって、先ほど御質問にございましたように、それは五十五年の一月以降に退職した者に対する措置でございますから、五十四年以前に退職した人たちはどうなるのかということで、五十五年を境にして退職した人たちの間に不均衡が生じてはいけないということで、五十四年以前の退職者についても来年の六月分以降、ベースアップ分を限度といたしまして支給停止を行いますよという法律の改正を御提案申し上げている、こういう次第でございます。したがって、まだ具体的な数字は出ておりません。
○小川(国)委員 私は、この結果は言わずもがなというふうに思いますが、恐らく、国の財政の面から見ても人数から見ても、この停止措置の対象者になる人はきわめて少数というふうに思うのです。 私はこの問題についていろいろな方々に意見を聞いてみました。いま高額所得者に対する支給制限の措置が昨年、ことしととられているけれども、九百万以上の所得になった場合、片方の年金が百二十万を超えた分の二分の一カット、それからまた五十五年一月一日以前の者に対するベア分のカット、これは手痛いものだろうかと、いろいろな人に聞いてみました。現に受給している人にも聞いてみました。たとえば四%のベースアップ分をカットされたとしても、百万の中から四万円のカットで、実質的にはそれも賃上げ分が来なくなるだけの話だから、これはそれほどの影響力をもつものではない、やはりこれは手ぬるい制限のやり方じゃないか。 そういう中でいろいろな人に私は意見を聞いてみたのです。現に受給している人に対しては、一つの受給権ですから、これを侵すということは大変なことなんで、いろいろな方々の意見を聞いてみた。自分自身はいまもらっている、もらっているけれども、現在の所得がいままで働いていた所得と同じものをもらっているとしたら、年金は受給停止になり受給辞退すべきが適切なのではないか。定年後の給料が退職時の給料と同じものをもらっているとしたら、そこへまたさらに年金をもらっていくというのは、これはいまの日本の年金制度全体を通覧してみたときに、退職時と同じ給料あるいはそれ以上もらっている人が堂々と数百万円の年金をもらっているというのは、国民の感情としてもおかしい、少なくとも退職時と同額の給与所得を得ているとしたら、その間は年金辞退なり年金停止があってしかるべきではないのか、こういうのが常識的な国民の考え方、もらっている人、もらっていない人含めての考え方として出てきたのですが、こういうものに対してどういうふうに評価されますか。これは大蔵省、農林省、それから農林大臣含めて、ひとつ御答弁願いたい。
○野尻説明員 昭和三十四年以後に現在の共済年金の姿に来ているわけでございますけれども、この共済年金の現在の仕組みは厚生年金と同じわけでございます。つまり、社会保険としての保険数理に基づく年金財政を基礎に置いた年金制度ということになっているわけでございます。したがって、本人も応分の掛金はもちろん負担しておりますし、事業主としての国もそれに見合った事業主の負担をしている。さらに公的負担として国庫もそれ相応の負担をしている。そういう財政上の仕組みは厚生年金なんかと全く同じような形になっているわけでございます。したがいまして、そういう国民年金や厚生年金ならわかるのだが、共済年金はおかしいと言われる点につきましては、ちょっと私どももよく納得できない面がございます。 ただ、問題は、共済年金をやめた人が厚生年金に行く、その場合に共済年金が出ているのがおかしいという御意見だろうと思うのですけれども、それは先ほども申し上げましたように、公的年金制度間の移動の場合は、現在それぞれの制度間を移動した人たちは一応は同じ扱いになるわけです。数の多い少ないは別といたしまして、厚生年金に加入していた人がやめて共済年金の加入者になった場合には、六十歳を超えていれば、厚生年金はまるまる一〇〇%出ながら共済年金グループの勤労者として給料ももらっていく。その制度の仕組みの上からいう不公平はないわけです。ですから、これは制度の間違いというよりも、どちらかというと、実際問題として起こっている現象ですね、それが一方通行になっている。共済グループが厚年に行く数は圧倒的に多いけれども、厚年グループが共済グループに来る数が少ないから、そちらの方は余り目立たない。そういうことからくるお話ではないのかというふうに感じているわけでございます。 そこで、こういう問題を共通的に改めていくとするならば、公的年金制度間の期間の完全通算であるとか、その期間の通算を行う場合の年金の支給停止であるとかいった別途の措置を、公的年金全体の問題として考えていかなければならない問題ではないのかと考えているわけです。したがって、共済年金の側だけで何らかの措置を講じろと申されましても、これはなかなかむずかしい問題でございますとお答えせざるを得ないと思います。
○松浦(昭)政府委員 ただいまのお尋ねの点につきましての技術的な観点からのお話は、大蔵省と全く同一の見解でございますが、先生が御指摘になっておられるのは、恐らく非常に高額の所得を退職後も得ながら同時に年金をもらうということについての違和感はいかが考えるかということであろうかというふうに思うわけでございます。もちろん、この年金制度というものはそれぞれ掛金を掛けましてそれに対する給付をいただいているという形でございまして、特に職域年金というものがそれぞれ独立した形でもって現在存在し、かつ厚生年金が別途ある、あるいは国民年金が別途あるという仕組みのもとでは、その相互の調整というものが必要であるものの、なお現実にその職域年金に所属し、その給付をもらっている方につきましては、やはりそこでいままで掛けてきたもの、それに対する給付というものを期待しているのではないかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、このようなおのおのの制度が併存している限りにおきましては、このような事態というものは当然存在していくのじゃないかというふうに考えますが、そこはやはり、その違和感をなくすということでございますれば、先ほど大蔵省の御答弁もございましたように、基本問題の研究会等におきまして相互の制度をどう考えていくかという基本的な問題にアプローチをしていく以外にはないのではないかと思う次第でございます。 私、恩給制度のことをちょっと触れましたけれども、私も国家公務員でございますが、しかしながら、決して恩給時代の頭を持っているわけではございません。私も掛金を掛けているわけでございます。したがいまして、全額国庫負担でやっていくのが正しいというような考え方を持っているわけではないということは、この際弁明をしておきたいと思います。
○亀岡国務大臣 この年金制度は、日本が急速に高所得国家に成長いたしまして、そして制度の方が現実よりもおくれておるという感じを受けるわけですね。したがいまして、政府においても、大蔵省に研究会を設けてこれもやらなければいかぬ、こう言っているわけです。そう言われてからもう何年かたっておるわけですね。やはり恩給からずっとこの制度の変遷を見てきましても、いろいろな問題点がある、また、各種いろいろな年金が存在しておるということが、やはりまたいろいろな相互間のアンバランスの問題とか、あるいは世論感情とか、いろいろな問題に影響を与えておることも、これはもう現実存在しておるわけであります。 したがいまして、これらの問題をすかっと割り切るにはどうしたらいいのだろうということを、まずわれわれ政治家は考えるべきじゃないか。大体、こういう情報化の時代になって、もう一億総背番号、グリーン何とかという制度さえも大蔵省は考えておるというような時代になってきておるわけでありますから、もっとわれわれ政治家が勇気を持ってその辺のところを考えなければいかぬのではないかな、私はこれは日ごろからそう思っておるわけでございます。これは医療制度の問題であっても同じである、なすべきことがわかっておってなかなか手が打てないということは、やはり政治家の決断がないからじゃないかなという、そういう感じが私はいたすわけですね。ですから、戦後急速に経済成長をしたこの日本において、いろいろな制度が絡み合っておる中でこれをどういう形にしようかということで、いまそういう点から抜本的な改正を企図いたしておるわけであります。そして、たとえば基本年金なら基本年金ということを公的年金にして、あとそのほかにそれぞれの特色ある、職場職場における特殊年金をプラスしていくというような形にすることによって、ただいま御指摘のような制度もあるいは加味させることができないことではない、私はこう思うのですね。そんな感じがいたします。
○小川(国)委員 大分、大臣さえてまいりまして、非常にいまいい答弁をいただいてまいりましたが、私はいま現内閣の閣僚の中で、鈴木総理にしても、それから亀岡農水大臣にしても、たしか官僚出身ではなかったというふうに思うのですが、そういう点では、こういうような問題を、別に官僚出身が悪いと言うのではないのですが、なかなか自分のことは自分でやれないものでございまして、そういう点は、やはりいま農林大臣言うように政治家の決断が大切なのであって、やはりこれから行財政改革を旗印で政府も進もう、それであなた方の鈴木総理も政治生命をかけてやろうということになれば、やはり政府みずから範をたれる、こういうことがなければならないと思うのですね。 私は、先ほど来御答弁の中にあった、いろいろ技術的な観点の、それは制度的な問題はあろうかと思うのですね。ただしかし、国民の一般的な常識から考えてみて、やはり妥当なものというものは、退職時の所得がそのまま維持されている、それ以上のものが維持されているという者については、年金財政の将来を考えたら、これは支給制限なり支給辞退なりをやはり考えてもらう、そういうことをしていかないと、公務員共済についてもあるいは農林漁業者の年金についても、私学の共済にしても、厚生年金にしても、これはわれわれ自身の問題ではなくて、国全体の年金財政のあり方というものを総体的に見ていく上では、先ほど局長さんも、われわれも掛金をしていると、こうおっしゃった、これは当然なことだと思うのです。ただ問題は、国庫補助率一つ見ても、公務員共済には二〇%出ている、しかしこの農林漁業者の年金には一八%しか出ていないというのじゃないですか、そこにもう差があるのじゃないですか。そういうふうに、何かいろいろな助成のやり方についても、やはり公務員共済と農林漁業者の年金で差がある、あるいはまた厚生年金との差がある、あるいは国民年金との差がある、こういうことはやはり是正していかなければならない。しかし、基本問題研究会の中で制度的な問題を一遍にできないと私は思いますよ。ですけれども、言うならばこういう目に余る現象から、やはり常識から考えてこれはどうかなというところから正していくということは、政府の政治姿勢としてなければならないと思うのです。 ですから、きょう申し上げました給与の問題も、この年金の問題も退職金の問題も、やはり国民全体から見てきちんとしたことをやっている、医療優遇税制の問題だってそうですよ、やはり何となく国民に対して後ろめたい中でいろいろな所得や何かを保障されていくのではなくて、やはり一般常識から見て常識的な線で正しく行われているという、そういう理解の中で行政が行われなかったら、これはいかに政府が行財政改革を叫んでも信頼されないだろう、こういうふうに思うわけなんです。 その点で、最後にもう一つ、政治家の決断で取り組むということをおっしゃいましたが、もう少し積極的に、第二臨調に向けてなり、農林省の行財政改革の中でなり、どういうふうにこの問題を取り扱っていくか、この辺を農林水産大臣に伺いたいと思います。
○亀岡国務大臣 私は国務大臣でもあるわけでありますから、まあ第二臨調でどういう第一次の答申がなされますか、しかし、あと二年かかって第二次の答申もするということでございますので、やはりこれらを足がかりとして、政府においてもそういう面で大きく第一歩を踏み出さなければいかぬ、こんな感じが強くいたしておるわけでありますので、農林水産大臣としてどうするということではなく、やはり国務大臣として閣内でそういう方向に少しでも前進させる努力をしたい、こう考えております。
○小川(国)委員 終わります。
○田邉委員長 この際、午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時七分休憩 ————◇————— 午後一時三十二分開議
○田邉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。神田厚君。
○神田委員 御質問申し上げます。 農林年金におきましては、昭和五十四年度末を基準として第四回目の財政再計算を行い、その結果を基礎として新掛金率を標準給与月額の千分の百九と定め、本年四月一日から適用しております。前国会におきまして、私は新掛金率の見通しについて質問いたしましたが、その際農林水産省の答弁は、千分の十を大きく上回って千分の二十を超えない程度に引き上げる、こういうことでありましたが、新掛金率は千分の十一の引き上げにとどまっております。このことは大変評価ができることでありますが、農林水産省におきましては今回の新掛金率についてどのように考えておりますのか、お考えをお聞かせいただきたいのであります。
○松浦(昭)政府委員 今回の財源率再計算の結果によりますれば、所要財源率は千分の百五十・四七となりまして、前回の再計算時の千分の百三十三・五九に比しまして千分の十六・八八増加することとなった次第でございます。本来でございますと、この所要財源率をそのまま掛金率として設定いたしまして負担をすることとなりますが、この場合、掛金率は現行の千分の九十八から一挙に千分の百五十一という状態になりまして、余りにも急激な増高となります。前回の再計算時におきまして採用した修正積立方式あるいは利差益の充当も、今回このような理由から踏襲をすることといたしたものでございます。 しかしながら、農林年金理事長の諮問機関でございます農林年金財政研究会の答申では、この修正率を用いまして、かつ利差益を充当するということになりますと、二重に後代負担を増すことになり問題であるという答申でございまして、修正率については逐次引き下げていく必要があるけれども、掛金率の増高は考慮することとして、前回つまり七七・五%を下ってはならないとされたのでございます。また、利差益の充当については、利差益を掛金率に反映させる措置は好ましくない、しかし、直ちにこれを廃止します場合には掛金率の増高とならざるを得ないので、その充当割合を引き下げていくよう努力を望むとされました。 この答申を受けまして、農林年金当局におきましては、修正率につきましては前回と同率の七七・五を用いましたが、利差益につきましてはその充当割合を四〇に引き下げたわけでございます。そしてさらに今回は、全国農協中央会の行っている相互扶助事業に対しまして、国の補助が二億七千五百万円から六億一千万円に大幅に増額されたことを契機にいたしまして、農林漁業団体が自主的に資金を拠出し、農林年金に対して応分の助成があるということを期待いたしまして、これより約三パーミルの掛金率を下げることができるわけでございます。 このような措置によりまして、三月十日の組合会におきまして、先ほど先生御指摘のように千分の百九ということで掛金率が議決された次第でございます。 農林水産省といたしましては、農林年金の国庫補助率の引き上げにつきましては大臣折衝まで行いまして最大限の努力をいたしましたが、他の共済年金制度との均衡によりまして実現を見なかったものでございますが、相互扶助事業を補助金の上で大幅に増額したこともございまして、他の共済年金制度とほぼ同様な千分の十一の引き上げ幅におさまったということは妥当なものと考えておりまして、去る三月三十一日付で定款の変更を認可したところでございます。
○神田委員 農林年金は高齢化社会の到来等を反映しまして急速に成熟率が高まることが予想されておりまして、今回掛金率の引き上げを行ったとしても、なお今後の財政の見通しは非常に大変になっているわけであります。農林水産大臣は農林年金の財政の健全化につきましてどのように考えておられますか。
○亀岡国務大臣 農林年金の財政につきましては、人口の老齢化が進む中で成熟率が急速に増大をいたしまして、御指摘のように年金財政は非常に厳しい状況にあるということも事実であり、さらに将来を長期的に展望いたしますときにおいても、相当厳しい情勢が考慮されるということでございます。したがいまして、農林年金の財政の健全化を図っていくということは非常に困難を伴うことではございますけれども、年金受給者に安定した給付を続けていくという上においてもこれはもう不可欠でありますので、農林水産省といたしましても他の年金制度の改善の状況を踏まえながら、尽くすべき努力は全力を挙げてその財政の健全化を図っていくというふうにしていかなければならないと考えております。 しかしながら、やはり高福祉のためには高負担という言葉もありますように、組合員の皆様方にも一方においては負担すべきものは若干負担していただかなくてはならないということも、健全な農林年金財政を維持していく上において欠くことのできない点である。この点についての組合員の御理解と御協力をお願いしたい。そうして国と、農林省と、組合員の皆さんと、農協の皆さん方とともども手を取り合ってこの農林年金の仕組みを充実をさせて、安心して農林漁業界のために働いていただけるというふうにしてまいりたいと考えております。
○神田委員 次に、物価スライドとの問題で、今回の改正案は既裁定年金の額の引き上げを図ることが主な内容の一つとなっておるわけでありますが、その引き上げ率は昭和五十五年度の国家公務員の給与の上昇率平均四・四%を基準としております。しかしながら、厚生年金におきましては物価スライドを採用しているために、恐らく七・八%程度の引き上げが行われたものと予想をされるわけであります。したがって、共済制度の方が引き上げ率が低くて不利となっていると考えられておりますが、この点につきましてどのようにお考えでございましょう。
○松浦(昭)政府委員 共済制度におきましては、昭和四十四年以降毎年法改正によりましてこの年金額の引き上げを行ってきているわけでございますが、この場合には、国家公務員の平均給与改善率を参酌いたしまして年金を設定してきているわけでございます。これは、退職時に決定された年金額の実質的な価値を維持するためには、現職の国家公務員の給与改善という人事院が行う政府に対する勧告の率というものを指標にすることが、世代間の公平、均衡を保つ上で最も適切であるという考え方に立っているというふうに伺っているわけでございます。 確かに、先生おっしゃいますように、昭和五十五年度におきましては国家公務員の給与の上昇率の方が物価の上昇率よりも低いということで、不利になるということがございますが、四十四年以降ずっと見てまいりますと、公務員の給与の上昇率が高かった時期もかなりあるわけでございまして、いずれか有利な方というわけにはなかなかまいらないと考えておりますので、今回も国家公務員の給与スライドということによってこの措置をとったという次第でございます。
○神田委員 しかしながらここ二、三年、公務員の引き上げよりも物価の方がずっと上がっているという状況でありますから、この物価スライドにつきましてはひとつ検討していただきたい、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○松浦(昭)政府委員 この問題は各年金制度に共通の問題でございますので、さような総合的な観点をも加味いたしまして検討いたしたいと思います。
○神田委員 次に、新法、旧法の格差の問題につきまして御質問を申し上げます。 いつも問題になっていることでありますけれども、農林年金におけるいわゆる新法、旧法の格差は、年々その差が縮小はされております。しかしながら、依然としてその差があるわけでありまして、農林年金の場合には旧法適用者の数もそれほど多くないと聞いております。仮に、旧法適用者に新法水準の年金を支給したとしましても、それほど多額の経費を必要としないのではないかと考えます。したがって、最低保障額は新法、旧法による区分を一本化して、新法水準にすべきではないかと考えますが、いかがでございましょうか。
○松浦(昭)政府委員 農林年金の最低保障額は、新法適用者と旧法の適用者との間で扱いに差がございまして、特に旧法適用者につきましては、その中でも六十五歳未満の方あるいは組合員期間が二十年未満の方では、新法適用者より、平均いたしまして二二・八%程度の格差が生じているということは事実でございます。これにつきましては共済年金制度共通の原則でございまして、年金額の算定はその給付事由が生じた時点における制度によるべきであるという考え方になっておりまして、この意味で、恩給制度に準じまして給付が定められております旧法年金者に対しまして、制度的に新法年金の水準を保障するということはなかなかむずかしいと思います。 また、御指摘のように、旧法年金と新法年金を一致させた場合に、農林年金の場合にはさほどの国庫負担を伴うということはないわけでございます、また、給付の大きな増額を伴うということはないわけでございますが、何分にもこれは各共済制度共通のものでございますので、特に恩給制度を引き継ぎました国家公務員共済の場合には非常に大きな負担を伴うということになりまして、これはなかなかむずかしい問題であろうと思います。 しかしながら、昭和五十六年度におきましては、旧法年金に係る最低保障額につきましては、退職年金の場合かなり改善を加えておるわけでございまして、この結果、特に六十五歳以上のお年寄りの方につきましては、絶対最低保障額、これは六月改定になりますけれども、これが新法の最低保障額を三万六百円、四・二%程度上回るという状態になっておりまして、この点はかなり改善を加えたつもりでございます。今後とも絶対最低保障額の引き上げに努めまして、結果として旧法年金の最低水準の改善が期せられるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○神田委員 今回の法律案におきまして、いわゆる新法の寡婦加算の額の引き上げが行われております。この措置につきましては、前国会におきまして、なぜ旧法の寡婦加算の額と新法の寡婦加算の額とを一緒に引き上げることをしないのかと質問したところでありまして、これに対して、審議会等の意見を十分に聞いて関係各省ともども十分に検討する、こういう答弁でありました。どのような検討を行って今回の改正となったのか、また、なぜ厚生年金等の実施時期に合わせ遡及適用せずに五十六年度から実施することにしたのかをお伺いしたいのであります。
○松浦(昭)政府委員 新法の遺族年金の寡婦加算の増額につきましては、遺族年金の中でも、特に寡婦とそれ以外の遺族の方々の取り扱いにつきまして配慮する必要がございまして、遺族年金のあり方の問題を含めまして、関係各省の間で連携をとりながら検討いたしてまいった次第でございます。また、ただいま神田先生の御指摘のとおり、前回の国会におきましては私どもの方から御答弁を申し上げまして、できるだけこの検討につきましては早急に結論を出すということも申し上げた次第でございます。 しかしながら、いろいろ検討してみますると、遺族年金の問題は非常に複雑多岐でございまして、しかも広範な検討を要するということがわかってまいりまして、これではやはり共済制度の根幹に触れる問題ではないかということで、早急な結論はなかなかむずかしい、むしろ共済年金制度基本問題研究会の場において十分な学識経験者の御討議をお願いした方が公正な制度の改正ができるのではないかということで、実はそちらの方にお願いをして検討をしていただいているところでございます。おおむね二年間を目途に研究の検討結果が出るというふうに聞いておりまして、この検討の結果を待ちまして遺族年金の改善を図ることを予定しているわけでございます。 しかしながら、それでは旧法年金の遺族年金者と新法の年金の遺族年金を支給される方の間に均衡が破れるということがございますので、当面の措置といたしまして新法遺族年金の寡婦加算の額の引き上げを行うということで今回の法案を御提案申し上げた次第でございます。 さらにもう一つのお尋ねの、なぜ遡及適用しなかったかということでございますが、仮に実施時期を厚生年金等に合わせました場合には、寡婦加算の引き上げ措置が退職あるいは老齢年金等との給付調整措置を伴っているということが今回の法案の内容でございますので、もし遡及適用いたしますと、既裁定年金、既支給年金につきまして同様な減額措置も講じなければならぬということが生じてまいります。こうなりますと、やはり既得権との関係もございますし、また年金額の返還といったような問題も出てまいりますので、これは非常にむずかしいというふうに考えまして、その事情を考慮して遡及適用をしなかったわけでございます。したがって、これらの諸事情から考えまして、厚生年金等と引き上げ時期に相違が生じることにつきましてはやむを得ないというふうに考えた次第でございます。
○神田委員 関係することでありますけれども、遺族年金の支給率の引き上げにつきましてたびたび御質問申し上げてまいりましたが、今回の法案に対する社会保障制度審議会の答申においても「遺族年金の改善は、本来給付率の引上げによって対処すべきものであり、」こういうふうに言われておりますし、この支給率の検討について、検討の状況はどんなふうになっておるのでありましようか。
○松浦(昭)政府委員 確かに遺族年金の給付の仕方につきましては、給付率の引き上げによってその改善を図るべきではないかというお考えがございまして、この委員会におきましても何度かその御質問があったわけでございます。また、社会保障制度審議会の答申におきましても、ただいま先生の御指摘のとおりの事実があったわけでございます。 そこで、遺族年金の改正でございますが、従来から最低保障額を引き上げるとともに、遺族である寡婦の年齢、特にお年寄りの寡婦の方あるいはお子さんのおられる寡婦の方々に特に保障の度合いの濃厚な状態をつくる必要があるのではないかということで、一律の給付率の引き上げをしないで、特に配慮を要すると考えられる方々を一定額の加算という形でもって処理をしてまいったわけでございますが、このような考え方のもとに立ちますと、そのような特別に保障額を上げていく方々とそうではない方との間にだんだん差が生じてくるということもこれまた事実でございます。そしてまた、このような改正のもとにおいて、特にお子さんのあるあるいはお年寄りの寡婦の方につきましては相当大幅な加算額の引き上げということも行われたことでございます。 そこで、それではほかの方々とのバランスを図るためにいかなる措置をとるべきかということを検討してまいったわけでございますけれども、やはりそこまでまいりますと共済組合制度の根幹に触れる大問題でございますので、各省の中でもいろいろな議論がございまして、早々に簡単な結論を出すということは無理ではないかということで、共済年金制度基本問題研究会において学識経験豊かな方々の御検討をお願いすることが至当であろうということになりまして、そこでおおむね二年ぐらいを目途といたしまして研究をしていただくということになったわけでございます。この検討結果を待ちまして遺族年金の改善を図るということを予定されておるわけでございますが、その中におきましても、この給付率の引き上げ問題も含めまして全般的な検討をお願いいたし、その結果をも踏まえまして今後の改善を図っていきたいというふうに考えている次第でございます。
○神田委員 今回の改正案につきまして、十年以上の組合員期間を有する者の配偶者であっても生計維持関係がなければ遺族年金の受給権を有しないこととする、こういうふうになっております。組合員期間十年以上の者については昭和四十六年以降生計維持関係を要しないこととされておりまして、すでに定着をしているところでありますけれども、今回何ゆえに改正をしたのでありましょうか。また、生計維持関係の有無はどのような基準のもとにこれを認定をしているのか、今回の改正に伴い変更することもまた考えているのかどうか、その辺をお聞きしたいのであります。
○松浦(昭)政府委員 先生御指摘のように、今回の遺族年金の改正につきましては、昭和四十八年改正以前においては組合員期間十年以上の方にのみ遺族年金が支給されておりまして、その場合配偶者に対する生計維持要件を問わないということになっておったわけでございますが、四十八年の改正におきまして、組合員期間一年以上十年末満の方にも遺族年金を支給する措置を講じまして、その方の配偶者については生計維持要件を要するということにいたしまして、組合員期間十年以上の配偶者についての生計維持要件は従来どおり問わないこととしていたのでございます。 ところが、その後におきまして遺族年金のあり方については各方面から種々の問題が指摘されておりまして、先ほど御答弁申し上げましたように、共済年金制度基本問題研究会でひとつ十分な御議論を願おうということにいたしておるところでございます。しかし、この研究会の結論が出ますのは恐らく昭和五十七年の六月ごろというふうに考えられますので、この結果を待って遺族年金の全面的な改正を図るということも考えておるわけでございますか、しかしながら、同時に、このようなただいま先生の御指摘になりました問題点につきましては、やはり官民格差の是正という問題がございます。 と申しますのは、厚生年金におきましても遺族年金を受ける権利を有する者についてはすべて生計維持関係を必要とするということになっておりまして、かような点では官民格差があるということを言わざるを得ないという状態でございます。したがいまして、この均衡を考慮いたしまして、組合員期間十年以上の組合員の配偶者につきましても、組合員の死亡当時、主としてその収入により生計を維持しているという要件を今回課するということにした次第でございます。 そこで、認定の基準でございますが、認定の基準といたしましては三つございまして、まず第一は、健康保険等におきまして組合員の被扶養者になっているということでございます。これによりまして大部分の方は生計維持要件があるというふうに見られると思います。第二は、農林漁業団体の支給する扶養手当の支給対象者であるということでございます。第三は、死亡した方の所得より遺族の所得が低額であるという要件でございます。これはいずれかということでございまして、このうちの一つに該当しておられれば認定基準に該当するということでございます。この場合、配偶者の場合には、配偶者の所得が死亡した者の所得より多くても、二百四十万円未満であれば、死亡した方の収入により主として生計を維持していたものとみなして遺族年金を支給するという形にしておりまして、これらの基準を変更するということはただいま考えておりません。
○神田委員 今回の改正に先立ちまして農林年金の掛金率が引き上げられ、また、今回の改正におきまして遺族の範囲の見直しが行われるなど、年金の受給をするまでにまだ間のある比較的若い年齢層の組合員にとりましては制度のメリットを享受する面が非常に少なくなってきている、こういうような指摘がされております。このため、こうした組合員にとって福祉事業の内容を充実し農林年金制度についての理解を深めることはきわめて重要なことと考えておりますが、農林年金の福祉事業に対する農林水産省としての現状の評価及び指導の方針はどういうふうになっておりましょうか。
○松浦(昭)政府委員 農林年金が行う事業は、いわゆる法定事業と言われております本来の給付事業と、任意に行うことができる福祉事業とがございます。給付事業に必要な財源は、将来の給付に備えるために積立金として農林年金が保有しておりますので、福祉事業はこの積立金の一部を一定期間活用いたしまして組合員の福利厚生の面で還元活用するということでございまして、ただいま先生御指摘のように、まだ受給に至らない組合員期間の短い方につきましては、これによって福祉事業をもとに農林年金の理解を深めていただくということが可能であるということでございます。 この福祉事業につきましては、組合員の保健保養等に対する施設の経営でありますとか、あるいは組合員の臨時支出に対しますところの貸し付け等を行っておりまして、保養施設を保有したりあるいは各種の貸付事業という諸般の事業を実施しているわけでございます。ただ、この福祉事業につきましては、一方におきましてやはり資金需要の動向であるとかあるいは年金の財政事情等を考えまして、組合員の御要望にはできるだけ適切に即応していくということも必要でございまして、やはり組合員の方々の、施設を大いに利用したい、またそれを安く利用したい、一方でまた貸し付けも金利が安くて貸してほしいという御希望もわかるわけでございますが、一方、この積立金は当然財源でございまして、将来の給付に備えるための積立金というものでございます。これは年金財政の根幹でございます。したがいまして、事業運営に当たりましては長期的な視点に立ちまして資金計画に基づき適切に運用する必要がございます。一方ではこのような福祉事業をできるだけ組合員に利用していただける形でこれを仕組むと同時に、一方では年金財政にかかわることでございますので積立金を有利に運用する、この両面をにらみながら適切に指導していく必要があるというふうに考えている次第でございます。
○神田委員 農林年金法の改正事項のうち、たとえば既裁定年金額の改定、最低保障額の引き上げなどは毎年改正を行っております。これらの事項につきましては、厚生年金と同様の自動スライド制の導入など政令で措置をすれば足りるのではないか、こういうふうな意見も非常に強く、私どもの稲富議員などからもたびたび質問されているわけでありますが、この点につきまして農林水産省はどのように考えておりますか。
○松浦(昭)政府委員 既裁年金の額の改定あるいは最低保障額の引き上げ等につきましては、先生御指摘のように厚生年金は政令で措置しておりまして、毎回毎回この国会での御審議をお願いするというわが方の制度とは厚生年金は大分違った形をとっておりまして、機動的な運用ができるようになっておるわけでございます。私どもといたしましても各方面からこの御指摘を受けているわけでございまして、その是非につきましては、昭和四十二年から四十八年当時であったと思いますが、関係各省より構成されました連絡会議でかなり自主的な検討も行った次第でございます。しかし、その会議で、年金額改定の統一的な基準及び方式を求めるためには各制度の性格、目的等につきましての総体的な検討が必要であるが、これらは学識経験者等による検討の場での審議になじむ性格のものであるということの結論に達した次第でございまして、この旨社会保障制度審議会にも御報告を申し上げているところでございます。したがいまして、これはより広範な御検討を受けた結果、このような自動スライド制を採用するかどうかということも決定すべきであるというふうに考えますので、先ほどから申し上げておりますところの共済年金制度共通の問題について総合的な見直し、検討をするための研究会が設置されておりますので、この事項につきましてもこの場におきまして十分に御検討をお願いしたいというふうに考えている次第でございます。
○神田委員 最後に、大臣にお願い申し上げますが、本日も、ごらんのように多くの年金受給者の方々が大変熱心に傍聴に見えられております。この農林年金の額の改定あるいは引き上げ、さらには制度の改善等につきまして、それぞれ毎年附帯決議その他でいろいろ要望されておるところでありますけれども、それらにつきましてひとつ前向きにお取り組みをいただきますようにお願い申し上げて、最後に大臣の決意をお聞きして終わりたいと思うのです。
○亀岡国務大臣 日本は福祉国家として、福祉年金、厚生年金等々充実を図っておるところでございますが、農業基本法制定とともに、農民にもあるいは農業団体の職員にも年金をということで農林年金法が制定され、農村の地域社会における特色を盛り込んだ年金ということでスタートしたことは御承知のとおりでございます。これも、農林漁業というものを振興せしめるために、団体の皆さん方に大いに働いていただく環境をつくるための大きな政策としての年金制度でございますので、御指摘されましたような点に十分改善を加え、さらに、高福祉高負担というスローガンはありますけれども、そういう中においても、やはり農林年金という特殊の年金でございますので、できるだけ負担を少なくして給付がよくなるような方向に全力を挙げて努力をするというのが私の責務と考えております。
○神田委員 終わります。
○田邉委員長 吉浦忠治君。
○吉浦委員 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。 この際でありますので、年金制度について最初に御質問を申し上げたいと思いますが、総理府が昨年末に調査をされまして、今年の月刊「世論調査」の四月号発表の年金問題、高齢化問題等の意識調査によると「年金問題に対する関心」について「大いにある」と答えた者が三九%「まあある方」が三七%、合計して七六%の人々が回答しておりますが、全国の二十歳以上の成年男女三千人のうち二千四百七十七人の回答となっております。またその中で「高齢化社会を迎えるにあたっての不安」という問いに対して「十分な年金がもらえるか」というのが二六%、「保険料の負担増」一五%、合わせまして四一%と、現在の年金制度に対する不安を明らかにしているわけであります。 この調査は政府の今後あらゆるものの参考とすることを目的に行われたものだろうというふうに思いますけれども、厚生省は、厚生年金制度の財政等が大変逼迫をしているとその将来が懸念されている今日でありますが、年金制度に対する国民の期待を裏切ることのないような抜本的な改革が必要というふうに私は考えますが、この点についてまず最初にお答えを願いたい。
○長尾説明員 お答えを申し上げます。 先生から御指摘いただきましたように、今後の厚生年金初め各公的年金の将来におきましては、社会全体の高齢化の進展に伴いまして財政上多くの問題点を抱えておるということは御指摘のとおりだと思います。また、今日の公的年金の八つに分かれております現状から、各制度間にあります給付の格差といいますか、制度間の合理的でない格差というものについての是正も非常に求められているというふうに考えておるわけでございます。この財政的な将来の問題、それから制度間の格差という問題が現在の年金制度全体を通じまして大きな二つの問題点ではないかと思うわけでございます。 先生から御指摘いただきましたように、年金制度に対します国民の皆様の期待というものは大変大きなものがあると思うわけでございます。私ども、今後年金制度をどのように運営をしていくか、どのように改革をしていくかということにつきましては、経済情勢の推移なり雇用環境の動向といったようなものを十分的確に見定めまして行っていかなくてはならないというふうに思うわけでございます。いずれにいたしましても、年金制度の健全なる発展につきましては国民の皆様の合意が不可欠であると思いますので、国民の皆様の合意を得ながら改革に取り組んでまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○吉浦委員 年金制度の抜本改革の方途として、今国会において私の党の委員が予算委員会等でも質問をいたしましたが、昭和四十八年に提唱しました国民基本年金制度の実現を要請したわけであります。そのとき大臣は、大体の方向はその方向だ、十分に検討したいというふうに積極的な答弁をいただいたわけでありますけれども、その具体的日程といいますか、そういう点はどういうふうになっておりますか、お尋ねをいたしたい。
○長尾説明員 お答えを申し上げます。 公明党から御提案をいただいております基礎年金構想につきましては、現在の八つに分かれております各制度におきましてすでに相当数の受給者の方々がおられるわけでございますが、こういった現行制度の現状からどのようにして一本にした制度へ移行していくのか、この場合その基礎年金の水準をどういうふうに考えていくかということになるわけでございますが、そのために必要とされます新しい費用負担というものをどういうふうに考えていくべきか、たとえば御提案のように新税というものを創設するといたしました場合、国民の皆様の納得が得られるような形で設けるとすればどういう形なのかというような問題があると思いまして、直ちにこれを実施するということにつきましては、もう少し時間をかけて検討させていただきたいと思っております。 しかしながら、今後の年金制度を考えますとき、基礎年金構想は、受給者の方々の公平感といいますか、そういう基本的な方向というものに合う構想でございまして、私ども、この構想を念頭に置きつつ年金制度の改善に取り組んでまいりたいと思っております。
○吉浦委員 また、同調査の中で「年金制度の将来の方向について(年金財政悪化に対応する方法)」でありますが、「関心あり」と答えた人の中で「わからない」というふうに答えた人が六一%と一番多く、昨年末の国会で支給開始年齢の問題が討議されましたけれども、厚生省は、年金制度の改正に対して、ただ単に保険料を引き上げるとか、支給開始年齢を引き上げるとか、年金額を減らすなどの財政対策ではなくて、生活補償に足りる年金制度の実現を図るべきで、定年制との兼ね合いも含めて支給開始年齢を安易に引き上げることのないようにすべきであるというふうに考えますけれども、この点についてお答えを願います。
○長尾説明員 お答えを申し上げます。 厚生年金の将来の財政の見通しでございますが、現在、二千五百万人の被保険者がおるわけでございますが、将来におきまして、被保険者は三十年後を考えますと三割程度しか増加しないというふうに予想されております。一方、老齢年金の受給者につきましては、社会全体の高齢化の進展等もございまして、この三十年後を見ますと五倍になるというような状況でございます。また、全体の給付費を考えてみますと、一人当たりの年金額が増加いたすごともございまして、現在の約八倍になるというような状況が予想されておるわけでございます。この段階におきまして、現在、男子の保険料率一〇・六%でございますが、この時期に至りますと、三〇%ぐらいの保険料を御負担願わなくてはならないのではないかという財政見通しになるわけでございます。 最初に先生から御指摘いただきましたように、このような将来の厚生年金の状況を考えますと、財政上どのような対策をとるかということにつきましては、長期的な見通しのもとにやっていくべきだと思っておるわけでございます。保険料につきましても、ある程度の御負担はお願いをせざるを得ないと思うのでございますが、給付の面におきましても、必要な方に必要な給付をということで、重点的な給付の配分ということを考えていかざるを得ないと思います。 その際に御質問の支給開始年齢の問題が出てくるわけでございますが、高齢化社会の中で労働者自身の引退年齢自体も上がってくると申しますか、高齢化の方に移ることが予想されるわけでございまして、社会全体の雇用状況というものを十分見きわめましてこの問題に対処いたしたい。先生御指摘のとおり、雇用と年金の問題につきましては、十分によくその間の関連を見きわめつつ対応したいと思っておるわけでございます。
○吉浦委員 厚生省の課長さん、結構でございます。ありがとうございました。 高齢化社会の到来を迎えまして、今後年金受給者数等は年々増加していくものと考えられます。これに伴い、どの年金制度においてもその財政については厳しいものがあるわけであります。特に、農林年金においては財政が急激に悪化することが見込まれております。財政の健全化を図ることが急務となっているわけであります。 こうした状況の中にあって、農林年金においては財政再計算を行い、新しい掛金率を設定し本年四月から適用しているが、財政再計算の結果及びこれに基づく新掛金率の経緯について御報告いただき、農林年金の財政についての今後の見通しについてどのように考えておられるか、お答えを願いたい。
○松浦(昭)政府委員 今回、昭和五十四年度末を基準といたしまして財政再計算を行ったわけでございますが、まず、その基礎になります数理的保険料でございますけれども、これはいろいろな関係はございましたが、最終的には前回の計算結果でございます千分の九十二・三八に対しまして千分の一・一五の増加にとどまるという状態でございました。ところが、一方におきまして整理資源率の方は、前回の再計算後の年金改定等の制度改正もございまして、その不足財源がさらに増しましたことと、あるいは修正積立方式により修正されました不足財源が増加するといったような要素もございまして、千分の百一・五九ということになりまして、千分の二十一・五六と大幅に増加することとなった次第でございます。 ところで、所要財源率は数理的保険料率と整理資源率の合算した総財源率から国庫補助相当分を差し引いたものでございますが、この総財源率は前回より千分の二十二・七一増加したという状態でございましたが、国庫負担の補助につきましても千分の五・八三増加するということになりましたために、所要財源率は千分の百五十・四七ということになった次第でございまして、これは前回に比べまして一六・八八パーミルの増加ということでございます。 この所要財源率千分の百五十・四七に修正率七七・五%を乗じた状態、さらに利差益、これは前回と違いまして四〇%相当分を充当することにいたしまして、そうなりますと新掛金率は千分の百十二・〇三となるわけでございますが、先般社団法人の全国農林漁業団体振興会が農林年金に対して財政援助をすることになりましたために、このための財源が千分の三・〇四差し引くことができるようになりまして、前回この委員会におきまして千分の十から千分の二十程度の間の引き上げというものが必要ではないかと申し上げましたが、最終結果は千分の十一引き上げで、千分の百九というのが新掛金率として決定したわけでございます。 これによりまして財政の面におきましては若干の改善が見られたわけでございますが、しかしながら、将来の見通しを立てますと、さらに人口の老齢化あるいは加入組合員に対する年金受給者の比率の増大ということが進展をいたしてまいります中で、この農林年金につきましてもその給付額はさらに増加を続けるということが見込まれるわけでございます。したがいまして、財政の健全性を確保するということは非常に重要な課題であり、あわせて世代間の負担の均衡を図るということも重要な見地でございますので、今後とも年金財政の将来につきましては、その収入を見通しながら十分検討していかなければならない課題であると考えている次第でございます。
○吉浦委員 いまの答弁からも、農林年金の財政について、今後の存立の見通しについて必ずしも楽観できない状況にあることが推測できるわけですが、農林年金制度は、農林漁業団体の大部分が農林水産業の発展と農林漁業者の地位の向上という政策的にも重要な役割りを担っている点に注意をしなければならないと思います。市町村の職員等に劣らぬ資質のすぐれた役職員の確保にも資するようにという意図のもとに発足したものであります。したがって、今後ともこの財政の健全化を図り、農林漁業団体の職員の福祉の向上に努めていく必要があると考えるが、農林年金の財政の健全化のための方策について大臣はどのように考えておられますか、お尋ねをいたします。 〔委員長退席、津島委員長代理着席〕
○亀岡国務大臣 いままでのそれぞれの話で御理解いただけると思うわけでございますけれども、日本の社会は年々人口の老齢化が進む中で、この農林年金も成熟度が急速に増大をいたしまして、御指摘のようにその財政事情もきわめて厳しい状況にある、将来を見通した際にもなかなか楽観を許さない困難な問題をはらんでおる、こう言うことができると思うわけであります。御指摘のように、農林年金の財政の健全化を図ることは、年金受給者に安定した給付を続けていく上において不可欠の問題であり、農林水産省といたしましても他の年金制度の改善の状況を踏まえながら、尽くすべき努力はできるだけ尽くして、財政の健全化に資していかなければならない、こう考えておるわけでございます。 しかしながら、一方においてやはり組合員の負担すべきものは負担していただくという点もひとつ御理解をいただいて今後御協力をちょうだいしたい。私どもとしては、五十六年度予算においても最大の努力を払って、納める掛金の負担をできるだけ軽んずる努力をいたしたつもりであるわけでございますので、今後もこういう努力は引き続いて続けてまいりたい、こう考えております。
○吉浦委員 この法律案は、農林漁業団体職員共済組合による給付に関し、既裁定年金の額の引き上げ等による給付水準の引き上げ等を行おうとするものでありまして、その内容については提案理由説明等によりまして聴取したところでありますけれども、今回の改正内容については社会保障制度審議会から種々の指摘がされているわけであります。社会保障制度審議会の指摘のうち、次に挙げます点につき、農林水産省の見解を伺いたいわけであります。 まず第一に、恩給の改定にならった慣例的措置であり、共済制度としての考え方がいまなお見られていない点をお尋ねをいたします。 第二番目に、遺族年金の改正は本来給付率の引き上げによって対処すべきであるというふうに思いますが、この点お答えを願いたい。 もう一点、三番目に、共済年金における併給調整について、他の年金制度との均衡を失っているというふうに思うが、この点どうか。 以上、この三点をお答え願いたい。
○松浦(昭)政府委員 今回の法律改正を御提案申し上げるに当たりまして社会保障制度審議会の御答申を受けたわけでございますが、その際に、ただいま先生御指摘の三点の問題が御答申の中で入っていたことは事実でございます。 まず第一点から御説明を申し上げますが、この御答申は各共済制度とも同様の要請を受けておりまして、特に国家公務員共済制度には、国家公務員が恩給制度の適用を受けまして、これを同共済制度が引き継いだという関係が歴史的にございまして、恩給制度の適用者が存在している限り、なかなかこの恩給制度との均衡関係というものから離れるわけにはいかないというふうに考えられます。農林年金におきましても、国家公務員共済組合制度等、他の共済組合制度の給付水準を保持しようと考えますれば、どうしてもそのもとになりますところの恩給制度との均衡を考慮して仕組まれる国家公務員共済組合制度にならった改正をやらざるを得ないという点がございまして、このような慣例的な措置ということではございますが、国家公務員共済制度にならったような形での改正を御提案申し上げたということでございます。 それから、第二の点の給付率の引き上げでございますが、これはきわめて重要な御指摘であるというふうに私どもも考えます。 遺族年金の給付につきましては、遺族の中でも特にその保護を厚くしなければならない寡婦の方々、これを中心にして、いままでは特にその中でもお年寄りの寡婦あるいはお子さんのおられる寡婦という方々につきまして、その給付率と申しますか、保障の程度を引き上げてまいるということをやってまいったわけでございますけれども、このような措置をとりますれば、そのように重点的に保障を厚くしてきた方々とそれ以外の方々の扱いについての差というものを配慮しなければならない事態がやはり生じてきたのではないかというふうに考えられます。 この点につきましては関係各省とも連携をとりまして検討を進めてまいったわけでございますが、このような給付率の引き上げというような点にまで及びますと、これはある意味では共済組合制度の根幹に触れる大問題でございますので、早々の結論を出すこともいかがかということでございまして、昨年の六月に設置されました共済年金制度基本問題研究会、これは大蔵大臣の私的な研究機関でございますが、この場において学識経験豊かな先生方の御意見を賜るということが最も適切な措置ではないかというふうに考えておりまして、このようなことを踏まえまして、実はこの給付率の引き上げの問題につきましてもこの研究会で御検討を願い、その結果を十分に踏まえまして今後の改善に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。 第三点でございますが、第三点のお尋ねは、共済年金における併給調整について、他の年金制度との均衡関係を失しているのではないかという御指摘でございます。恐らくこの問題は各種共済年金制度と厚生年金との関係であると思いますが、先生御案内のように、厚生年金制度はいわば世帯単位の給付ということを考えておりまして、各種共済年金制度は、この農林年金も含めまして単身と申しますか、その方個人の年金をどう仕組むかという点におきまして基本的な考え方の差があるわけでございます。もしわれわれの年金制度でございますところの農林年金のいわゆる単身と申しますか、個人を対象といたしました形で年金制度を仕組むとすれば、すべての年金がそのような形になりますれば、年金の併給問題というのは余り起こらないということになりますけれども、一方で世帯で設定するとすれば、費用負担のあり方なりあるいは夫の年金、妻の年金のあり方、あるいは扶養家族に対する加算の考え方といったようなことを広範に検討いたしまして、世帯類型に応じまして、世帯としてどのような適正な年金水準を定めるかということが検討されるべきであるというふうに思うわけでございます。このほか、特に遺族年金につきましては、遺族の範囲の問題であるとかその要件の問題、あるいは遺族年金の給付水準等につきまして種々問題がございます。 このようなおのおのの年金の仕組みというものを総合的にどう考えて併給調整をするかということが今後われわれに課された課題であるというふうに考えるわけでございますが、何分にもこの問題も共済年金制度の根幹に触れる大問題でございますので、先ほど申し上げた共済年金基本問題研究会で十分に御討議を願いまして、その結果をもちましてこの問題に対処してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○吉浦委員 寡婦加算の額の引き上げ、これは厚生年金とのバランスをも考慮したということでありますが、昨年の厚生年金保険法の改正においては、扶養加算の額についても、配偶者である妻については年額七万二千円から十八万円、第一子及び第二子については年額二万四千円から六万円、第三子以降については年額四千八百円から二万四千円と、二・五倍ないしは五倍の引き上げが行われておるわけでありますが、農林年金についても厚生年金にならい扶養加算の額についての改善を図るべきであるというふうに考えますけれども、この点はいかがでございますか。
○松浦(昭)政府委員 先生も十分に御承知のとおり、厚生年金と農林年金との仕組みでございますが、これには差がございます。厚生年金の方はいわゆる加給年金制度というものがございまして、これは基本的な考え方が農林年金と相違をしておるわけでございます。つまり、厚生年金は先ほども申し上げましたように世帯を単位として考えておりますので、その年金の給付につきましては、配偶者につきましても退職年金あるいは遺族年金等につきまして加給加算というものを行っておりますし、また子供についてもそのような仕組みを持っております。ところが、農林年金の方は、これは基本的には単身と申しますか、その人の個人につきましての年金の給付というものをたてまえにいたしておりますので、配偶者につきましては特に加算措置をとっておりませんし、また特に遺族年金につきましてのみ、子供についての扶養加算というものをつけておるということになっておるわけでございます。 このような関係から、両年金につきましてはその仕組み、たてまえの差があるわけでございますけれども、確かに昨年の厚生年金保険法の改正におきまして、扶養加算額が二倍ないし五倍に引き上げられているということは事実でございます。このような大幅な引き上げを行いました際に、たとえその制度の仕組みに差がございましても、なお農林年金の扶養加算につきましては、それを受けて何らかの改正をするということが必要ではないかというふうにわれわれも検討いたしたわけでございますけれども、何分にも非常に大きな幅の引き上げでございまして、これにつきましては、むしろ関係の審議会なり研究会等の御意見も十分拝聴いたした上で今後の検討課題にいたしたいということで、今回は特別の措置をとっていないわけでございます。
○吉浦委員 この改正案では、遺族年金の受給権を有する配偶者は、十年以上の組合員期間を有する者の配偶者であっても、いわゆる生計維持関係が必要とされることになっております。組合員期間十年以上の者の配偶者については、昭和四十六年の改正で現行の制度に改められたというふうに聞いておりますけれども、これを今回の改正でまたもとへ戻すことにしているのはどういうわけなのか、また生計維持関係の認定基準というものはどのようになっておりますか、お尋ねをいたします。
○松浦(昭)政府委員 先生御指摘のような改正案を今回御提案申し上げておるわけでございますが、その背景から若干御説明いたしますと、遺族年金の改正につきましては、昭和四十八年の改正以前におきましては、組合員期間十年以上の方にのみ遺族年金が支給されておりまして、その場合には配偶者に対する生計維持要件を問わないという制度でございました。昭和四十八年の改正において組合員期間一年以上十年未満の方にも遺族年金を支給するという措置が講ぜられたわけでございますが、この方の配偶者につきましては生計維持要件を要することにいたしまして、組合員期間十年以上の配偶者につきましての生計維持要件は従来どおり問わないという改正を行ったわけでございます。その後、遺族年金のあり方につきましては各方面から種々の問題点の御指摘を受けまして、先ほども御答弁申し上げましたように、共済年金制度基本問題研究会において学識経験豊かな諸先生に御検討をお願いするということに相なったわけでございますが、この研究会は恐らく、おおむね二年ぐらいを目途にして研究の成果が出てくるというふうに考えておりまして、その結果は恐らく五十七年の六月ごろに出るのではないかというふうに考えられます。 しかしながら、この検討結果を待ちまして遺族年金制度の改善を全面的に行うということを考えました場合にも、現段階におきましてなおかつ問題がございますのは、官民格差という問題でございます。厚生年金におきましては、遺族の範囲は、遺族年金を受ける権利を有する者につきましてすべて生計維持要件を課しているわけでございまして、その面ではこの農林年金は官民の格差を生ずるもとになるということでございます。したがいまして、このような観点から厚生年金の遺族の範囲との均衡を考えまして、組合員期間十年以上の組合員の配偶者につきましても、組合員の死亡当時におきましてその収入により生計を維持するという、いわゆる生計維持要件を課したというのが今回の改正の理由でございます。 次に、お尋ねの認定基準でございますが、認定基準は三つの要件がございます。まず第一は、健康保険等において組合員の被扶養者になっているということでございまして、これによりまして大体認定基準はおおむねの方は満足なさるということだと思います。次は、農林漁業団体の支給する扶養手当の支給対象者であるということでございます。第三は、死亡した方の所得より遺族の所得が低いということが要件でございまして、このいずれかに該当なさる方は認定基準に該当するということになるわけでございます。 恐らく、この認定基準に漏れるという方を想定いたしますと、たとえば、かなりの収入もある夫の方が妻に先立たれるというようなケースがこれに該当しないというケースでございますが、それは数としては余り多くないのではないかというふうに考えられます。ただ、このような認定基準を設けましても、配偶者の場合には、配偶者の所得が死亡した方の所得より多くても、二百四十万円未満であれば、死亡した方の収入により主として生計を維持しているというようにみなしまして遺族年金をなお支給するということにしておりまして、このようなことによりまして、非常にお気の毒な方はこの最低要件によりまして救うということも考えている次第でございます。 ただ、この基準につきましては、先ほども御質問ございましたが、この変更を企図することはないかということでございましたが、当面はこの基準でやってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○吉浦委員 最後に、定年の問題につきまして。 定年年齢については、わが国全体としても延長される方向にあることは周知の事実でございますけれども、五十四年の農林年金法の改正で支給開始年齢の引き上げが行われたことから、農林漁業団体における定年年齢の延長についての要望も強まってくるものと考えられておりますが、農林水産省として、農林漁業団体の定年年齢の延長についてどのような指導を行っておられますか。また、定年年齢の引き上げに当たっては、その前提として団体の経営基盤等の整備に努めていく必要があろうというふうに考えているわけでありますが、この点についてお答えを願って、終わりたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 先生御指摘のとおり、近年、農林漁業団体におきましても定年年齢が延長される方向にございますし、また、加えまして五十四年末、当委員会におきましても御審議をいただきました農林年金制度の改正によりまして、いわゆる支給開始年齢の引き上げの措置が講じられたこともございまして、定年年齢の引き上げの要請が今後ともさらに強まってまいるということは当然のことというふうに考えるわけでございます。このために農林水産省といたしましても、農業協同組合における雇用関係の見直しあるいは改善の一環ということで、定年年齢の延長等につきまして適切な指導をしなければならないということで、その方針に基づきまして五十五年の三月十七日、都道府県知事あてにこの旨の通達を行いまして全面的な指導をいたしている次第でございます。 このような指導の体制にございますが、実際に定年の延長の状況を申し上げますと、農林漁業団体の定年の年齢の延長の動向といたしましては、昭和四十九年八月で各農林漁業団体の総平均で定年年齢五十六歳以上を設定している状況は五八・三%という状況でございましたが、五十四年の八月は六六・二%というぐあいに、実際に定年の年齢が延びてきているというのが実情でございます。今後ともわれわれはこの定年の年齢の延長につきまして強力に指導を進めてまいりたいと思います。 しかしながら、同時に、先生も御指摘のように高齢化社会への移行に伴いまして、農林漁業団体につきましてはこの定年年齢の延長の動きを推進してまいるということが必要でありますが、さらに、この定年年齢の延長は人件費等の増高を伴うものでございまして、特に、経営基盤が弱体な零細規模の経営体は非常に大きな負担がかかってまいります。このようなことから、やはり経営基盤を強化するということが何よりも重要であるというふうに考えているわけでございまして、組織の活力の維持あるいは経営効率の維持増進等を図っていくということで、私どもの省といたしましても、経営基盤の強化をこれから強力に進めてまいらなければならないというふうに考えている次第でございます。
○吉浦委員 終わります。
○津島委員長代理 野間友一君。
○野間委員 最初にお聞きしたいのは、臨時雇用者の農林年金の加入の問題であります。 組合員の資格は十四条に規定されておりますが、この臨時雇用者の加入状況、これを現状どのように見ておるのか、まずお答えいただきたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 農林年金上におきまして、農林漁業団体に臨時に使用される方で二カ月以上の期間使用される方につきましては、農林年金法の第十四条第一項の規定によりまして農林年金の組合員とすると定められておるわけでございます。農林漁業団体は、職員を採用いたしましてその職員が臨時の方でございましても、農林年金の組合員資格を有することになった場合には、その職員が農林年金の組合員であるということを届け出るということになっております。したがいまして、農林年金の組合員資格を有する方であるにもかかわらず農林年金に加入していないという実態につきましては、実は農林漁業団体の事務手続が適正に遂行されている限りは発生しないという状態でございますので、率直に申しまして、このような臨時雇用者とそれ以外の者を分けたような統計は徴収しておりません。したがいまして、そのような数字は手元にはないというのが実情でございます。
○野間委員 実は、農協の中央会で昨年の五月に「定年制度等に関する調査報告」という調査報告書があるのですが、この中で、いわゆる臨時雇用者の年金加入の状況、これについても全部調べておるわけですね。これは御存じなければ非常に私は農林水産省としてもおかしいと思うのですけれども、これによりますと、二カ月以上雇用されている者が約四万人、これは正確な数字がちゃんとあります。その中で農林年金に加入している者がわずか三千二百七十七人、率といたしまして八%という状況ですね。ですから、せっかく臨時雇用者に門戸を広げながら、農林省自体がこれの実態も把握をしていない、農協中央会の調査の結果、いま申し上げたようにわずか八%しか加入していない、これは大変私は問題ではなかろうかと思うのです。 そこで、農水省として、中央会のこういう調査の結果を知っておるのかどうかということと、具体的に加入についての指導をいままでやっておるのか、やっておるとすれば、なぜこういう状況が生まれておるかということが問題になりますから、今後とも強力にやはり指導していく。もっとも、まあ八%と申し上げましたが、国民年金に加入している人も若干あるわけで、それもちゃんと統計の中に出ておりますけれども、そういうことを踏まえての質問でございますので、お答えいただきたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 先ほどお答え申し上げましたのは、あくまでもこれは農林年金当局あるいは農林省の実態調査という意味でそのような統計を持っておらないということを申し上げたわけでございますが、先ほど先生が御指摘になりましたような団体自体の調査はあることは私どもも承知いたしております。 したがいまして、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように一定資格要件に該当された方は当然届け出るという仕組みになっておりますので、ただいまのような実態があるということであれば、農林漁業団体に対しまして農林年金の組合員資格取得の事務手続をするように強力に指導してまいるつもりでございますし、また農業団体側でとりました調査の内容につきましても、十分に吟味したいというふうに考えている次第でございます。
○野間委員 この問題についてはこの程度にしておきますが、せっかくのこういう制度でございますので、ぜひ強力な指導をお願いしたいと思います。 農林年金の今後の方向についてお伺いしますが、この法律の目的から見ますと、農林漁業団体の職域年金として、一つは社会保障としての機能、性格、と同時に福利厚生的な機能、これをあわせ持っておるという位置づけがなされておりまして、これが厚生年金とは違ったものだというふうに思うわけですが、ところが一方では、さまざまな問題で年金制度の一元化、これも検討に上っております。 そこでお聞きしたいのは、今後農林年金のどういう点に力点を置いて改善を進めていこうとしておるのか、基本的な方向についてまずお伺いしたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 年金制度につきましては、高齢化社会の移行あるいは年金の成熟化が進んでいくという中におきまして、その制度のあり方につきましても、さまざまな面から検討を加えていくことが必要な状況にあることは御承知のとおりでございます。また、御指摘のとおりでございます。 また、ただいま御指摘のように、農林年金制度は国の社会福祉政策の一環であるとともに、農林漁業団体という特定の職域を対象にいたします職域年金という性格も持っておりまして、農林漁業分野での政策目的に沿った制度として運用されているという実情がございます。このような点につきましては先ほどから大臣も御答弁になっておられるとおりでございますが、このような特色ということも生かしながら、なおかつ全体的な年金制度、これも十分に念頭に置いて今後の制度の運用のあり方というものを考えてまいらなければならないというふうに考えるわけでございまして、特に、今後の年金制度のあり方につきましては、昭和五十五年の六月に設置されました共済年金制度基本問題研究会というのもございますので、ここでは非常に学識経験豊かな先生方をお願いいたしまして御検討をお願いしておりますので、ただいま申し上げましたような基本的なポイントを十分に念頭に置きながら、この研究会の成果をも踏まえまして今後の課題に取り組んでまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○野間委員 財政問題についてお伺いいたします。 五十四年度末の財源率の計算によって新しい掛金が決定されまして、すでに実施をされております。これは千分の十一のアップですが、この新しい掛金について農林年金中央共闘会議のいろいろな方から意見を聞いたりあるいは文章を読ましていただきますと、当初予想されたものよりは抑えられたという点についての評価をしつつも、現在の掛金さえ限界に来ている、掛金の引き上げは負担が多く納得ができないというふうに評価、位置づけをしておるようであります。 そこで、財政問題の健全化を図り、組合員の過大な負担を抑えていく場合に、国庫助成の引き上げは避けて通れない問題でありますが、当面、補助率を二〇%以上にすること、これはすでに御案内のような国会の決議ともなってあらわれております。当委員会での附帯決議あるいは参議院でもやっております。そこで、五十六年度についても農林大臣はその補助率のアップについては努力をされておったと思いますが、これは今後とも真剣な努力、特に五十七年度、新しい来年度の予算要求に向けてもこの補助率のアップについては一層の努力をやっていただきたいというふうに思いますが、その点についての決意を伺いたいと思います。
○亀岡国務大臣 国庫補助率の引き上げについては、五十六年度も私はあらん限りの努力をし、知恵をしぼって大蔵当局とやり合ったわけでございますけれども、先ほど来お話のございましたとおり、この年金制度が各種各様の制度がございまして、それらとのつり合いの問題なり何なりというもので実に苦心をいたしまして、その結果、先ほど局長からお話し申し上げたように、農協等の相互扶助事業に対する補助金という形をとって、間接的な状態に持っていかざるを得なかった、こういう点はぜひひとつ御理解をいただかないと、直接国庫補助率を上げるということになりますと、これはもう大変なむずかしい問題であるということは、私、身をもって体験をいたしておるわけでございます。 〔津島委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、ただいまも、せっかく来年度も補助率を上げる努力をせい、こういうことでございますけれども、御承知のように補助金をカットをするという片方の第二臨調の大きな、何と申しますか、政治情勢というものも無視するわけにはまいりませんので、私は、言葉で申し上げることはやさしいかもしれませんけれども、内容を実際によくしていくということになりますと、この補助率の引き上げということは非常に困難であるということを申し上げざるを得ないわけであります。 と同時に、しかし何らかの方法で、ただいまも指摘がありましたように、この給付が少なくて掛金の方が厳しくなってきておる、それはいかぬという御指摘でありますので、そういう点を是正するためには最善の努力を尽くします。
○野間委員 これは、法案審議の際にいつでもやっておるわけですが、自民党も含めまして与野党一致していま申し上げた補助率のアップについての決議もやり、そして農水大臣も、決議の御趣旨を尊重して十分検討の上、善処するよう努力したい、確かに五十六年度の要求についても、アップについては大臣も要求されたわけですけれども、残念ながら結果はこういうふうになりましたけれども、引き続いてこの点についてもさらに御奮闘をお願いしたい。うなずいておられますので、ぜひ強力なそういう御奮闘を期待しておきたいと思います。 次にお聞きしたいのは財源率の再計算、これで相互扶助助成が〇・九四から三・〇四に引き上げられておりますが、これは確実に確保されるという見通しを持っておられるのか、また、この助成額を今後ずっと引き上げていく、そういうことは可能なのかどうか、この点についてはいかがでしょう。
○松浦(昭)政府委員 今回の財源の再計算に当たりまして、御案内のように、私がこの委員会で御答弁を申し上げましたのは、恐らく新掛金率は一〇パーミルから二〇パーミル程度は引き上げざるを得ないのではないかということを申し上げた次第でございますけれども、年金当局のいろいろな計算の結果、また、ただいま先生の御指摘のございましたいわゆる農林漁業団体の全国農林漁業団体振興会というものが設立されまして、国の相互扶助事業の増額を契機といたしまして、自主的な立場でこれに呼応したという形で千分の三の負担がここで実現をいたしまして、実質的には千分の十一引き上げたということで、千分の百九という形での新掛金率におさまったというのが実態でございます。 そこで、この相互扶助事業の将来ということでございますが、もちろんこれは将来の財政事情もございますので、いまここで確定的なことを申し上げるということは非常にむずかしい状態にございますが、私どもの気持ちといたしましては、今回の新掛金率がこのような経緯で決まったということを想定いたしまして、また、それを十分に念頭に置きまして将来の予算の編成というものに取り組んでいかなければならないというふうに考えておる次第でございます。 また同時に、この相互扶助事業に呼応いたしまして自主的な立場で各農林漁業団体がおつくりになりました振興会は、この農林年金に対しましての財源助成をやるということで今回の掛金率も決まったわけでございまして、このような団体が設立されました経緯ということから考えましても、私どもといたしましては、ただいま申し上げましたような姿勢で今後臨んでまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○野間委員 次に、修正率の問題についてお聞きをしたいわけですが、この修正率が七七・五ですね。これを採用して千分の三十四を次期に繰り越しということになっておりますね。農林年金財政にとって掛金収入が基本であることは言うまでもないことでありますが、いずれにしても、これが繰り越しということになりますと、掛金の負担となって出てくることは明らかであります。 そこで、組合員の掛金の引き上げを抑えるという点では、掛金の労使の負担の割合、これの検討が必要ではなかろうかと私は思うのですね。現行法では折半ということになっておりますが、実は去年の十一月六日の参議院の農水委員会で、労使が自主的に決めることについてはこれは違法ではない、たしかこういう答弁を松浦さん、されておりますね。今後とも労使の負担割合については労使の交渉に任せて介入しない、こういう態度をぜひ堅持していただきたい、こう思うわけであります。こう言っておられますね。「農協の職員等が二分の一を下回る負担であるからといって別に法律に違反するわけではございません。」こういうこと。その後もありますけれども、「チェックするというつもりはございません。」という答弁もありますが、これはこういう方針でずっと堅持していくかどうかということですね。
○松浦(昭)政府委員 この点につきましては、前回も参議院の農水委員会でご答弁申し上げたはずでございますが、この折半の原則そのものにつきましては、私どもは原則であるというふうに思っております。これを変える意思はございません。また同時に、赤字団体もあるわけでございますが、一方におきましてまた負担の能力のある団体もございます。これらを考えますと、一律に負担の割合を変えていくということは適当でないというふうに考えております。しかしながら、能力がある団体、力がある団体につきましては、労使間によりましてさような折半負担を超えた負担ということもいたしているのが実態でございます。これは違法ではないということは御答弁申し上げておりますので、私どもの考えといたしましては、私が前に御答弁申し上げたとおりに今後の運用を図っていくつもりでございます。
○野間委員 私は一律に折半ではなくて、被保険者、労働者が三割、経営者が七割の負担とすべきだというふうに思いますけれども、少なくともいま局長が答弁されましたように、自主的に労使というか、当事者間で決めていくということについては介入しないというような答弁、確認がありましたので、それをぜひ守っていただきたいと思います。 その次にお聞きしたいのは、いわゆる配偶者の遺族の範囲の改正の問題であります。組合員の期間が十年以上である者の配偶者についても死亡した者との生計維持関係を要するものとすることは、これまで無条件の支給から見て、私は今度の改正はまさに改悪であると言わざるを得ないと思うのです。そこで、仮に政府の立場に立ったとして、遺族年金の性格から見てある場合はやむを得ないというふうに仮定してみましても、生計維持関係の認定要件を運用上できるだけ緩和して、ぜひ実害が及ばないようにしてほしいというふうに私は思いますけれども、いかがですか。
○松浦(昭)政府委員 先生は改悪とおっしゃられましたけれども、私どもは、今回の改正をお願いいたしましたのは、やはり官民格差の是正ということで厚生年金とのバランスをとるということを考えましたので、その趣旨については御理解をいただきたいと思います。 仮にこのようなことで考えました場合ということでおっしゃいましたけれども、まず生計維持の認定基準でございますが、これは先ほどからるる御説明をいたしておりますように、健康保険等において組合員の被扶養者になっているという場合には当然この生計維持要件の認定基準に該当するということでございまして、これで大部分の方々は認定基準に該当するということになろうと思います。そのほか、農林漁業団体の支給する扶養手当の支給対象者であるということにつきましても、これが該当要件になりますし、それから死亡した方の所得により遺族の所得が低い場合ということも、これが認定の基準に該当するということになってまいります。 こうなりますと、これに該当しないというケースは非常に少ないのではないかと思いますが、特にある程度までの所得を持っておられる夫の方が妻に先立たれるというような場合がこの認定基準に該当しないという状態になってくるのではないかというふうに考えます。しかしながら、さらに配偶者の場合には、配偶者の所得が死亡した方の所得より多い場合でありましても、二百四十万円未満であれば、死亡した方の収入により主として生計を維持されていたものとみなしまして遺族年金を支給するということにしておりまして、このようなことで、かなりの程度この基準は多くの方々に適用ができるというふうに考えておる次第でございます。
○野間委員 そこで、いま出ました二百四十万円、これは生計維持関係の認定基準の中心になると思うのです。この収入基準が二百四十万というわけですが、これは四十八年に決めたもので、これはどういう基準で決めたのか。恐らく国公等を参考にしながら決めたとおっしゃるかもしれませんけれども、二百四十万というものがどこから出てきたのか、これをぜひひとつお答えいただきたい。それから、これは四十八年に決めたわけで、二百四十万を決めてからもう八年を経過しているわけです。したがって、今回の法改正に当たりまして認定基準の改正も検討されたと思います。されたかどうか。されたとしたら、そのまま二百四十万円で横滑りというか、維持されておるわけで、この点についての納得いく説明をひとつお願いしたい。
○松浦(昭)政府委員 この二百四十万円が決まってまいった経緯でございますけれども、これは、当時の国共済におきまして大体一カ月二十万程度の給与水準ということをめどにいたしまして、それで、このような給与の方につきましては先ほどのみなし規定ということを適用しようということで決まってきたというふうに聞いておるわけでございます。 ところで、この二百四十万が低いのではないかという御質問であろうと思うわけでございますが、御案内のように、この二百四十万の基準の適用ということにつきましては、これは、配偶者の所得が死亡した方の所得を上回っても、配偶者の所得が二百四十万未満であれば生計が維持されていたというふうにみなすという措置でありまして、配偶者のみに適用されております。したがいまして、もしこれを引き上げるということになりますと配偶者以外の遺族との均衡がだんだん崩れてくるということが一つございます。 それからいま一つは、今回生計維持要件の付加をいたしました一つの要素といたしまして、従来からできるだけ気の毒な寡婦の方、つまりお子さんのある寡婦であるとかあるいはお年寄りの寡婦といった方に、いわゆる寡婦加算の形で実は遺族年金の給付水準を上げているという状態があるわけでございます。そういう状態でございますと、できるだけお気の毒な方ということでございますれば、この生計維持要件の緩和を対象といたす場合には、やはりどうしてもミニマムの保障ということになるわけでございまして、そこの整合性はどうしてもとらなければならないということで、二百四十万ということでそのまま据え置いたわけでございます。 このことにつきましては、もちろん他の制度の一つにつきましては別な制度を持っているということも私ども知っておりますが、国共済その他、農林年金に関連のある各共済はすべてこの二百四十万をまだ続けておるわけでございまして、私どもとしては現段階ではこれを適用していくという考えでございます。しかしながら、これで最善であるかどうかということはなお問題があるかというふうに考えておりますので、これはやはり基本的な遺族年金制度の見直しの中において検討してまいりたいと考えております。先ほどから申し上げておりますところの共済年金制度基本問題研究会におきまして遺族年金全体の見直しということがございますので、その一環としての検討課題ということで、これは将来の課題といたしたいというふうに考えている次第でございます。
○野間委員 八年前に決めた額がいまでも適切だということは言えないのはこれは常識なんで、ぜひこれは検討しなければ、後でも触れますけれども矛盾とか不公平が生まれてくると思うわけです。 特に、農林漁業の団体の職員の賃金が他の職域に比べて低いというのが実態なんですね。これはいろいろ質問もあったと思いますが、ちょっと調べてみますと、厚生年金あるいは船員、国公、地公、それから公共企業体、私立学校等々と比べてみますと、農林漁業関係の団体の職員の給与ははるかに低い。これは統計上も出ておるわけであります。しかもその上に、農協の職員、労働者の労働条件について、働かせてもサービス残業として賃金を払わないという基準法違反の実態ですね、これを先日労働省にも文書をお渡しして検討してもらうことを要求しておるわけです。 農水大臣にここでお聞きしたいのは、農協そのものが、営農を助けるという本来の目的とともに、いまではたとえば信用業務とか共済、それから農機具の売り込み等々、特に申し上げたいのは預貯金の獲得、信用業務、こういう点にずいぶんと仕事の重点が移っておるようですね。そして昼といわず夜といわず預金の獲得業務やあるいは農機具の売り込みに回る。ところが、なかなか正当な賃金は払われていないというのが随所にありまして、これは関係の、たとえば農協労連の方などは農水省にずっと要求されております。 農協の経営実態がどうであるかはともかくとしても、少なくとも労働者の労働条件を守ることが当然大切でありますから、そういう農協のあり方に対する、いま申し上げたような点をぜひ農林水産省としても強力に指導していただきたいと思いますし、それから同時に労働省に対しましても、すでに渡しておる文書、これはこの文書だけからは労働基準法違反の事実はくみ取れない部分もあるかと思いますけれども、実態はさまざまな違反の事実がありますので、この点を含めての調査をぜひお願いしたい、こう思います。これは農林省、それから労働省、それぞれお答えいただきたいと思います。時間の関係でできるだけ簡潔に。
○松浦(昭)政府委員 農協における職員の労務の適正化につきましては、実は昭和五十年の二月に経済局長名をもちまして、労働基準法等の関連法令の違反事実が生じないように指導してきております。この点の理解はかなり末端の段階でも深まっているというふうに考えておりますが、なお先生の御指摘のような問題が見られるのは残念でございます。農協の事業は季節性を持っておりますし、また、農協の組合員の方々も夜しかうちにおられないというような実態もあるというふうには聞いておりますが、何分にも法令に違反の事例があればこれはよろしくないことでございますので、労働省とも連携いたしましてぜひその是正には努めてまいりたいというふうに思います。
○岡部説明員 先生御指摘のように、農協におきます労働条件の確保の問題、いろいろございます。私ども全国的に監督指導を行い、あるいは集団指導、自主点検、いろいろやっておりますが、今後とも御趣旨に沿いましてわれわれの行政を進めてまいりたいというふうに考えております。
○野間委員 もとに戻りますが、現行の基準二百四十万ですね、これでは矛盾、不公平が生じることは事実だと思います。つまり組合員の収入によって配偶者は遺族年金受給資格に大きな格差が出てくる、結果としてこういうことになりますね。組合員の収入が二百四十万円程度の場合は配偶者の収入は二百四十万円で抑えられる。標準給与の上限、四十二万円ですが、この収入がある場合は配偶者収入は五百万以下であればいいということになるわけですね。つまりこの間には二倍以上の差が生ずる、こういう矛盾まで出てくると思います。こういう点について矛盾、不公正だという認識はあると思いますが、その点はいかがでしょう。
○松浦(昭)政府委員 私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、二百四十万の水準というものは月々二十万という水準でございまして、これは確かに低い状態であるという御指摘もございますが、われわれとしてはこれはミニマムと申しますか、最低の基準ということで適用するということでございまして、現在のところ、私どもとしてはこの基準が全く当たらないということはないというふうに考えます。ただ、これが最善であるかどうかということは確かに御指摘のとおりでございますので、先ほども申しましたように研究会におきまして遺族年金全体のあり方とも関連いたしまして十分御検討願い、その結果を踏まえましてこれに対処していくということを考えておるわけでございます。
○野間委員 受給資格を得るのに組合員の収入によって著しい差が生じたり、あるいは他の制度、たとえば地方公務員の共済は標準給与の上限を採用しまして五百四万円、こうなっておりますね。あるいは厚生年金は生計を一つにしていれば収入を問わない。こういう点から比べましても、いかにも不公平、矛盾が私はあると思うのですね。こういう点、ぜひ改善をやらなければならぬ、こう思います。 それから、認定基準は国公共済に準じているということのようですけれども、大蔵省に聞きますと、農林年金の認定基準は農林年金独自に決定できる、こういう説明もされておるわけですね。こういういろんな矛盾がありますので、ぜひ認定の基準を、先ほどあなたも言われた遺族年金ですか、それとの絡みもありますけれども、ぜひこれは抜本的に御検討いただきたい。 時間がありませんので、それについての答弁を求めるのと、それから、五十六年二月九日の社制審の答申、いわゆる遺族年金の引き上げは、加算額ということではなくて給付率の引き上げで対処すべきだ、こういう答申の中身もありますし、これは委員会の附帯決議でも、給付率の引き上げについてはちゃんとやりなさいという決議をわれわれもしているわけでありますが、実際に給付率の引き上げの検討をしておるのかどうか、ぜひこれを早急に実現されたい、こういうことを要求したいと思いますけれども、答弁をいただきたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 まず第一点の御質問についてのお答えでございますが、先ほどもお答えいたしましたように、遺族年金制度全体のあり方の中でこの二百四十万の問題も見直してみたいというふうに考えておりますので、先ほど申しましたような研究会の御答申も待ちまして、これを踏まえてこの点の検討をさしていただきたいと思います。 それから、第二点の支給率の引き上げの問題でございますが、この点につきましては、当委員会でも何度も御指摘がございましたし、また、私どももこの問題についてはできるだけ早急に結論を出したいということも申し上げました。 その背景にございました事情は、この農林年金の制度につきましても、遺族年金につきましては寡婦の方、その中でも特にその給付の内容を充実してあげなければならないお子さんのある方、あるいはお年寄りの寡婦の方というものを中心にいたしましてその給付の充実を図ってまいったわけでございますが、さようなことになりますと、どうしてもその他の遺族年金をもらわれる方との間のギャップが生じてくるということでございまして、それを全体として整合性を持ってやっていくにはどうしたらいいかということを考えなければならない事態に来ているということは事実でございます。 そこで、私どもといたしましても、この支給率の引き上げによってやるべきかどうかということにつきましては、内部でかなり検討もいたしました。その結果は、遺族年金全般の問題にかかわる問題であるので、学識経験豊かな、先ほど申しました研究会の先生方の御答申を待ちたいということになりましたので、そこで遺族年金全体の問題としてこれを御研究いただくというつもりでございます。この御答申の結果を待ちまして、今後の遺族年金の改正の一環としてこの支給率の問題を考えてみたいというふうに考えている次第でございます。
○野間委員 時間が参りましたが、最後に、先ほど大臣の御答弁が抜けていました、農協の体質なんですが、経営状態のいいところとさほどよくないところ、いろいろあります。したがって、いろいろな問題を抱えておりますけれども、少なくとも金融業務等々で、労働者に労働させても、基準法に違反してとにかくサービス残業として働かせて割り増し賃金を払わないというようなことが随所に出ておるわけですね。これは農協関係の労働組合が農水省に常にその点についての強力な指導をということを言っておるわけで、銀行等については大分改善されましたけれども、農協等についてはまだまだ残っておりますので、この点についてぜひ高い立場から強い指導をしていただきたい、この点についての答弁を求めまして、質問を終わりたいと思います。
○亀岡国務大臣 御趣旨の点を十分踏まえて指導していきたいと思います。
○野間委員 終わります。
○田邉委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○田邉委員長 この際、理事会における協議により、私の手元で起草いたしました本案に対する修正案を提出いたします。
○田邉委員長 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨を御説明申し上げます。 修正案はお手元に配付いたしましたとおりでございます。 その案文の朗読は省略して、以下、修正の趣旨を簡単に申し上げます。 修正案の内容は、原案において「昭和五十六年四月一日」と定められております施行期日を「公布の日」に改めるとともに、これに伴い、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の改定に関する規定を四月一日に遡及して適用することとする等、所要の規定の整備を行おうとするものであります。 以上が修正案の趣旨及び内容であります。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。 —————————————
○田邉委員長 本修正案に対し別段御発言もないようでありますので、原案並びに修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、これより昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、委員長提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田邉委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田邉委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○田邉委員長 この際、本案に対し、新盛辰雄君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党の共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者からその趣旨の説明を求めます。新盛辰雄君。
○新盛委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党を代表して、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本制度の健全かつ円滑な運営を図るため、国会における審議の趣旨をふまえ、その給付内容の改善及び財政基盤の強化に努めるとともに、掛金負担問題については、他の共済年金制度等との均衡に配慮し、組合員負担の急激な増高をきたさないようその適正を期すべきである。 右決議する。 以上の附帯決議案の内容につきましては、質疑の過程等を通じてすでに各位の十分御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○田邉委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田邉委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議に関し、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。亀岡農林水産大臣。
○亀岡国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。 —————————————
○田邉委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○田邉委員長 次に、内閣提出、食糧管理法の一部を改正する法律案及び安井吉典君外八名提出、総合食糧管理法案の両法案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。亀岡農林水産大臣。
○亀岡国務大臣 食糧管理法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 食糧管理法は、昭和十七年に制定されて以来、戦中戦後を通じその時々の食糧事情等の変化に対応しつつ、国民食糧の確保と国民経済の安定に重要な役割りを果たしてまいりました。このような基本的役割りは、中長期的には楽観を許さない食糧事情を考慮すれば、今後ともなお重要な意義を有するものと考えられます。 しかしながら、食糧管理法は、食糧の絶対的不足時を念頭に置いて制定されているため、厳格な配給制度に見られるように、消費者需要の多様化等現下の種々の経済環境の変化に弾力的に対応しがたい側面を有するとともに、規制内容と経済実態の乖離が生じ、法律の条項が遵守されがたいという問題も生じております。 したがって、政府が国民の必要とする米穀を自主流通米も含めて管理するという現行制度の基本は維持しつつ、需要動向や流通実態に即応し、過剰、不足、いかなる需給事情の変動にも的確に対応し得るよう管理制度の内容を改正する必要があります。これにより、稲作農業の安定を図りつつ国民の必要とする主食たる米穀を安定的に供給するという食糧管理制度の基本的役割りを、今後とも政府が責任を持って全うすることが可能になるものと考えております。 以上の理由により、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、通常時における厳格な配給制度の廃止及び緊急時における配給の実施等のための規定の整備であります。 現行制度における消費者までの配給割り当て及びこれを基礎とした配給計画並びにこれらを担保するための購入券規制を内容とする厳格な配給統制につきましては、通常の需給事情のもとでは存続させる意義が認められず、また、国民一般にとって遵守しがたい規制となっておりますので、これを廃止することとしております。しかしながら、需給が逼迫する等により米穀の安定供給に著しい障害が生ずるような事態においては、現行制度のような公平配分の考え方に基づく配給統制の仕組みを発動し得ることとし、このための所要の規定を設けることとしております。 第二は、需給調整その他の法目的遂行のための米穀の管理に関する基本計画の樹立及び消費者に対する米穀の供給計画の策定であります。 厳格な配給統制を廃止した状況のもとで国民に対する米穀の安定供給を実現していくためには、政府が生産者と消費者との間に立って、品質等の要素にも配慮しつつ責任を持って時々の需給変動に対応するという考え方のもとに、政府の米穀の方向づけを明確にする必要があります。 このため、農林水産大臣は、毎年、米穀の管理に関する基本方針等を内容とする基本計画を樹立し、公表して、米穀の生産、流通、消費に関する基本的な指針とすることとしております。 また、この基本計画に即して消費者に対する適正かつ円滑な米穀の供給を確保するため、農林水産大臣は、毎年、都道府県知事の意見を聞いて、都道府県段階までの米穀の具体的な供給計画を策定し、その概要を公表することとしております。 第三は、米穀の流通業者の地位と責任の明確化であります。 生産者から消費者までの米穀の流通を実際に担うのは集荷業者及び卸、小売の販売業者でありますが、品質面も含めた必要量の確保、価格の安定、流通の円滑化等による国民に対する米穀の安定供給を図る上で、これら流通業者の適正な活動を確保することが重要な意義を有することとなります。このため、集荷業者については農林水産大臣の指定、販売業者については都道府県知事の許可を要することとして、その地位と責任を法律上明確にするとともに、これら流通業者の効率的かつ活発な活動の展開を期待することとしております。 第四は、これまで申し上げてまいりました主要な改正に伴い、またこれらと関連して行う改正事項であります。 すなわち、第一条の目的規定につきまして、その用語を今回の改正の趣旨に即したより適切な表現に改めること、自主流通制度につきまして、基本計画及び供給計画とも関連づけて法律上の位置づけを明らかにすること、政府の米穀の売り渡しの方法につきまして、随意契約を原則といたしますものの、例外的には競争契約にもよることができるという道を開くこと等の改正を行うこととしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○田邉委員長 補足説明を聴取いたします。松本食糧庁長官。
○松本(作)政府委員 食糧管理法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。 この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 まず第一は、通常時における厳格な配給制度の廃止及び緊急時における配給の実施等のための規定の整備についてであります。 食糧の絶対的不足時を念頭に置いて設けられている配給割り当て、配給計画及び購入券による厳格な配給制度は、今日のような需給事情のもとで著しく形骸化しており、国民一般にとってこれを守ることが実際上困難な状況となっております。このような状態をこのまま放置しておきますれば、国民の食糧管理法に係る遵法精神を失わせ、不正規流通の取り締まりが困難となるのみならず、制度全体の空洞化が進行して、国民食糧の確保という役割りを果たしがたくなるおそれがあります。したがって、通常の需給事情のもとにおいては、存置の意義の乏しい配給割り当て、購入券等による厳格な配給制度を廃止することとするものであります。 他方、米穀の需給が逼迫する等により国民食糧の確保と国民経済の安定に著しい支障が生ずるような事態のときには、公平配分の考え方に基づく米穀の割り当て、購入券の発給等による配給を実施する必要がありますので、これら配給に関する措置は、政令をもって迅速かつ円滑に発動し得る旨の規定を設けることとしております。 第二は、米穀の管理に関する基本計画の樹立及び消費者に対する米穀の供給計画の策定についてであります。 基本計画におきましては、米穀の管理に関する基本方針、管理の方法に関する基本事項、需給の見通し、政府の管理すべき米穀の数量並びにその用途別、品質別及び流通管理の態様別の数量の見通し等について定めることとし、この中で、数量の見通しとともに、政府米の操作方法の具体的指針、自主流通制度運営の方向、備蓄運営の考え方等を明らかにすることとしております。 供給計画におきましては、消費者に対する米穀の適正かつ円滑な供給を確保するため、基本計画に即して、都道府県別及び一定の期間別に、供給を予定する米穀の用途別、品質別及び流通管理の態様別の数量等について定めることとしております。なお、供給計画を定めるに当たりましては、関係都道府県知事の意見を聞くこととしております。 第三は、米穀の流通業者の地位と責任の明確化についてであります。 集荷業者につきましては農林水産大臣による指定、販売業者につきましては都道府県知事による許可の対象とすることにより、国民に対する米穀の安定供給を担う流通業者の地位と責任を法律上明確にして、その適正な業務活動を確保することとしております。これに伴い、農林水産大臣がこれら流通業者の適切な業務運営を確保するために必要な基準を設定するとともに、必要に応じ農林水産大臣または都道府県知事が流通業者に対しその業務に関する改善措置を命じ得ることとする等の指導に関する所要の規定を設けることとしております。 第四は、以上の改正に伴い、またはこれらと関連して行う改正事項についてであります。 まず、さきに申し述べましたように、通常時におきましては、配給統制を廃止し、基本計画及び供給計画制度による計画的な米穀の供給、法律上その地位と責任が位置づけられる集荷業者及び販売業者による適正かつ円滑な事業活動等によって、国民への米穀の安定供給を図ることとしておりますが、これに伴い、第一条の目的規定につきまして不足時を前提とする「配給ノ統制」という用語をより適切な表現である「流通ノ規制」に改めることとしております。 また、自主流通制度につきましては、これまで、その根拠及び計画数量の決定手続等の具体的内容が政令で規定されてきたところであります。しかしながら、近時、自主流通米の数量が政府管理量全体の中で相当な割合を占めているという実績に加えて、今後とも品質別の需給や価格の形成の面で重要な役割りを果たすものと考えられますことから、基本計画及び供給計画において、その数量等を明らかにするとともに、第三条第一項において生産者の政府への売り渡し義務が解除される場合として規定し、自主流通制度を法律上明確に位置づけることとしております。 さらに、政府の米穀の売り渡しにつきまして、これを供給計画に即して行うこととするとともに、その場合の方法として、例外的に競争契約にもよることができるという道を開き、また、これに関連して、その予定価格及び標準売り渡し価格の決定等に関し所要の規定の整備を行うこととしております。 以上は、この法律案の主要な内容を補足して御説明申し上げたものでありますが、その他の改正事項につきまして、以下その要点を御説明申し上げます。 第三条第一項本文の改正は、生産者が政府に売り渡すべき米穀の数量の決定は基本計画において政府が管理すべきものとされた数量を基礎としてこれを行う旨及びその売り渡しは政府へ直接にまたは集荷業者に委託をして行うべき旨を明らかにしようとするものであります。 第九条第一項の改正は、通常時における配給統制の廃止に伴い、用語の整理を行うものであります。 第十三条ノ二は、地方公共団体に対する報告命令に関する規定でありますが、この規定は購入券制度の実施等の配給統制の強化に伴って設けられたものでありますので、今回の改正の趣旨に従い、これを削除することとしております。 第二十九条は、離島、山間僻地における米穀の配給等の管理についての特例及びくず米、砕米に関する管理についての特例を設け得る旨の規定でありますが、前者については過去に発動した例もなく、また、後者についてはすでに規制の対象外としており、いずれも存置しておく意義が乏しいと認められますので、これを削除することとしております。 このほか、本法に基づく命令の改廃等に伴う経過措置を命令で定め得ることとするとともに、「移出」、「移入」という現時点では実質的な意義を失った用語の整理を行うこととしております。 また、罰則につきましては、法定刑の見直し、改正に伴う所要の規定の新設等の整備を行うこととしております。 さらに、附則におきましては、この法律の施行期日を公布の日から一年を超えない範囲内で政令で定める日とするほか、集荷業者の指定及び販売業者の許可等に関する所要の経過措置を定めるとともに、この法律改正に伴い必要とされる住民基本台帳法等の規定の整備を行うこととしております。 なお、この法律改正により、各消費者個人に至るまでの配給割り当てや購入券による売買の義務づけを通常時においては廃止するとともに、米穀の流通業者の地位と責任を法律上明確にし、不正規流通に係る業としての行為を厳重に規制することとすることに伴いまして、個人間の非営利的な譲渡行為に係る規制につきましては、今後の制度運用におきましてその援和を図ることとしております。 以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。
○田邉委員長 次に、松沢俊昭君。
○松沢議員 ただいま議題となりました日本社会党提案に係る総合食糧管理法案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を御説明申し上げます。 御承知のように、わが国農業は米を初め牛乳、果樹など主要な農畜産物に対して生産調整が強行され、生産農民は厳しい生活と経営の中で悩み、苦しみ抜いているのが現状であります。 一方、国内穀類自給率は、年々低下の一途をたどり、政府の長期見通しでは、昭和六十五年には三〇%になろうとしているのであります。これは、麦を初めとする大量の外国農畜産物の膨大な輸入の結果でありまして、このような財界優先の経済、貿易政策を根本的に変革し、生産農民が農業に希望を持てる農政の確立なくして国民の皆さんへ主要食糧を長期的に安定的に供給することは不可能であろうと確信いたしております。 かかるゆえに、本院においてもまた、去年四月、与野党一致で食糧自給力強化に関する決議が行われ、その中において、今後の農政のあるべき基本方向を広く国の内外に表明しているところであり、この基本方針のもとに農業政策の具体化を真剣に論議をいたしてまいったところであります。 このため、わが党は、かねてより、食糧、農業の基本立法として、食糧自給促進と備蓄のための農業生産振興法案の制定準備に取りかかってまいりました。 その基本的な考え方は、国民の栄養基準量を最低限度一人一日二千六百カロリー、たん白質八十五グラムの摂取を目途とし、穀物自給率を十カ年計画で七〇%まで高めることを前提にしております。 そのため、国が農畜産物自給促進と備蓄の計画を年次別に定め、それに従って農業生産体制の整備強化を図り、もって国民に対する主要食糧の安定的な供給を保障することとしております。 ただいま提案いたしておりますこの法案は、わが党の、農業生産振興法を前提にして国が主要食糧を総合的に直接管理をし、いささかたりとも一億一千万有余の国民に食糧不安のない体制をつくろうとするものであります。 したがって、政府が提出している食糧管理法の一部改正案とは根本的に発想が異なっていることをここに明らかにしておきたいと存じます。 政府は、今回の改正に当たって、現行の食管法の基本を守りつつ、制度と実態の乖離部分、たとえば使われていない購入通帳の廃止あるいは縁故米、贈答米の容認等現状追認するものであって、制度に大きな変革はないことを強く印象づけておりますが、私たちは食糧管理の根幹を根本的に変革するものであると理解いたしております。 すなわち、自主流通米制度や買い入れ制限の法制化であり、米の直接全量管理体制から部分管理体制へと一歩踏み込んだことを示していると言わなければなりません。 また、このこととは別に、改正するのであるならば、戦時中の強権供出等農民の基本的人権をじゅうりんする制度は、当然のことながら見直しをしなければならないと思うのでありますが、政府は改正しようとはしておりません。 このような政府の改正案は、生産農民に対し、米過剰のときは生産の制限と低米価を押しつけ、不足のときは強権の発動で米を集荷しようとするものであり、消費者にとってもメリットのない、権力者の得手勝手な改悪案と言わざるを得ないのであります。 これに対し、わが党の提案は、新たな食糧管理体制をつくり上げる中で、民主的な手法で自給率を高め、その価格面で生産者、消費者の利益を守り、配給の思想を維持しながら国民に対して食糧の安定供給を図ることとしたほか、あわせて平常時から計画的な備蓄を行うことを盛り込み、食糧の安全保障確立に向けての法体系の整備を行うこととしたところであります。 以下、この法案の主な内容についてその概要を御説明申し上げます。 第一は、管理対象品目の拡大であります。 本法案で管理する主要食糧は、米穀、麦のほか、大豆、トウモロコシ、コウリャン等の食糧とし、総合食糧管理体制を整えることとしたことであります。これは、国民の食生活の変化により動物たん白の摂取が増加し、それがため家畜の飼料となる穀類を野放しにしておくことができない状況になってきたとの判断によるものであります。 第二は、米穀の管理制度を民主化することであります。 まずその一は、米穀の政府買い入れにつきまして、別に法律で定めるところにより生産された米穀を、その生産者の売り渡しの申し込みに応じて買い入れなければならないものとしております。そして、その買い入れ価格は、新たに設立されることとなる農民組合の代表者と政府との協議により決定するものとし、協議が難航した場合には、当事者の申請に基づき、総合食糧管理委員会があっせんまたは調停を行うものとし、また、一定期日までに価格決定ができない場合には、その委員会の仲裁により決定するものとしております。 その二は、米穀の政府売り渡しにつきまして、米穀を食料用として売り渡す場合には、配給計画に従って行うものとし、その価格は、政府が総合食糧審議会の意見を聞いて、消費者の家計安定を図ることを旨として定めることとし、その価格決定に当たっては、国会の承認を受けなければならないものとしております。そして、生産者、消費者の利益を守る二重価格制による適正米価の実現を図ることとしたことであります。また、米穀を飼料用として売り渡す場合の標準売り渡し価格は、畜産業の経営の安定を図ることを旨として定めるものとしたことであります。 その三は、農林水産大臣が毎年、総合食糧審議会の意見を徴して食料用米穀の配給計画を定めることとしたことであります。 配給の実施は、卸売販売業者及び小売販売業者が、その割り当てを受けた数量の範囲内で消費者の買い受けの申し込みに応じて、これを売り渡すものとして、消費者の段階では買い入れの選択の自由を保障することとしております。 その四は、米穀の需給が逼迫し、供給確保が困難となったときは、米穀の生産者に対し、その生産した米穀を政府に売り渡すべきことを勧告することができるものとし、その勧告に従って政府に米穀を売り渡した場合には、その生産者に出荷協力交付金を交付することができるものとしております。 その五は、米穀の生産者がその生産した米穀であって市町村長の許可を受けた数量のものを無償で譲渡する場合は、譲渡売り渡しの制限を緩和し、これを認めることとしたことであります。 第三は、麦、大豆、トウモロコシ、コウリャン等の管理制度を新設したことであります。 その一は、麦等の政府買い入れ及びその価格につきまして、米穀の場合と同様、生産されたものを生産者の売り渡しの申し込みに応じて買い入れをしなければならないものとし、その場合の政府買い入れ価格は、米穀の政府買い入れ価格の決定方式の規定を準用するものとしております。 その二は、麦等の政府売り渡しに係る標準売り渡し価格は、食料用のものについては消費者の家計安定を、また、飼料用のものについては畜産業の経営の安定を旨として定めるものとしております。 第四は、主要食糧の輸出入の規定の整備を図ったことであります。 すなわち、政府みずからが行う主要食糧の輸出入は総合食糧審議会の意見を徴して行うものとし、その輸入を行うに当たっては、国内生産を阻害することのないよう十分配慮し、また、その輸出を行うに当たっては、開発途上国の通常の輸出を阻害することのないよう配慮して行うものとしております。 また、米穀または麦等の輸出入を行おうとする者は農林水産大臣の許可を受けなければならないものとし、その輸入した米穀または麦等は、政府に売り渡さなければならないものとしております。 第五は、主要食糧について、計画的な備蓄を行うことを法に明記したことであります。 第六は、主要食糧の価格、譲渡に関する命令、調査、報告、検査、罰則等、本法の目的を達成するための管理に必要な規定を整備することとしております。 なお、本法案施行に要する経費でありますが、主要食糧の範囲の拡大、備蓄に要する経費等を含め、初年度で約一兆四千億円を要するものと見込んでおります。 以上がこの法律案の趣旨及び主たる内容であります。 食糧は、人の命の安全を保障するものであり、いささかも国民にその不安を与えてはなりません。今後の食糧事情は昨年の内外にわたる気象災害等に見られるような短期変動があらわれるほか一長期的に見ても世界の穀物需給の逼迫は必至の状勢にあります。 まさに食糧問題はエネルギー問題とともに国民生活を守る最大の課題であります。また、この課題の解決こそが八〇年代の政治の責任であろうと確信いたしております。わが党が本法案を提出したゆえんも、実にここにあるのであります。 何とぞ賢明な各位から慎重な御審議を賜り、速やかに可決されるようお願い申し上げます。 以上であります。
○田邉委員長 以上で両法案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○田邉委員長 内閣提出、食糧管理法の一部を改正する法律案について質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。亀井善之君。
○亀井(善)委員 ただいま農林水産大臣から提案の説明のございました食糧管理法の一部を改正する法律案につきまして質問をいたしたいと思います。 食糧管理法が昭和十七年に制定をされました当時から、国民にひとしく食糧を配給する、このような使命のもとに今日まで来たわけでございます。しかし、自主流通米制度の発足やあるいはまた物価統制令の適用除外の問題であるとか、あるいはまた米の流通に関連をいたしまして新規参入の問題等、幾多の変遷を経ております。あるいはまた、国民に対しましても、質の問題、おいしいお米を供給する、そういうような考え方のもとに、多様化した国民のニーズと申しますか、そういうものにかなった形で今日まで来ておることは十分承知をしておることでございます。 そこで、私は、今回の食糧管理法の一部を改正する改正案につきまして賛成をいたすものでございますが、この際、大臣あるいは当局に若干の質問をいたしたい考えでございます。 特に、そのような中で、今後の農政の展開において今回の食管法の改正はどのような位置づけをされているものか、あるいはまた、さきに農政審議会から「八〇年代の農政の基本方向」という答申が出されております。それとの関連等につきまして御答弁をいただきたいと思います。
○亀岡国務大臣 国民の必要とする食糧を消費者に対し安定的に供給するとともにその再生産を図ってまいりますことは、農政の基本であると存じます。食管法は、この面においてきわめて大きな役割りを果たしておるわけでありまして、現行法は、不足時のみを念頭に置いた物量確保とその公平配分を重視する法律ということが言えるわけでありまして、種々問題がありますことは、提案理由の説明でも申し上げたとおりでございます。したがって、自主流通米も含めまして国民の必要とする米を政府が責任を持って管理をし、これを安定的に供給するという制度の基本を維持しつつ、過剰、不足といういかなる食糧事情のもとでも制度が十分にその役割りを果たすことができるように、今回の法改正をお願いした次第でございます。 また、昨年十月の農政審議会の答申は、今後の農政の展開に当たりまして基本方向を示すものでありますが、今回の食管法改正は、この答申において示されました日本型食生活の定着、食糧の安全保障の確保などの考え方に沿っているものであり、具体的に申し上げましても、たとえば平素から流通ルートを特定して公的管理を行い、いかなる食糧事情のもとでも米の円滑な供給が確保できる仕組みを維持していくこととの指摘を具体化した施策として位置づけることができるものと考えておる次第であります。
○亀井(善)委員 大臣から位置づけあるいは関連等につきましてお話をいただいたわけでございますが、そこで、この間も本会議におきまして、食管法改正の基本的な考え方、このような点につきましては若干その考え方を承っておるわけでございますが、再度基本的な考え方と、さらに今回の改正が、食管法の第一条の「目的」、すなわちいままでは「配給ノ統制」と、このように言っておったわけでございますが、今回の改正におきましては「流通ノ規制」と、こういうように変ってきておるわけでございます。そこで一部には、目的の改正が行われておりますから、根幹の変更ではなかろうかと、このような意見もあるわけでございます。また、そういうことにつきまして私も心配をするわけでございますが、この点につきましてひとつお答えをいただきたいと思います。
○亀岡国務大臣 食管制度のいわゆる根幹ということは、国民の基本的な食糧である米の必要量を確保いたしまして国民経済の安定を図るため、政府が米の需給及び価格を調整し、米の流通について必要な規制を行うことである、こう考えておりまして、今後ともこれを維持していくことにつきましては、考えはいままでどおりでございます。 しかしながら、現行の食管制度は、食糧不足時を前提といたしておりまして、特に配給制度による量的な公平な配分という理念に立っておりますことから、このままでは昨今の需給事情等に即応し切れない面が出てきておるわけでございます。したがいまして、今回の食管法の改正は、こうした問題に対処するため、自主流通米をも含めて国民の必要とする米を国が責任を持って管理をし、その安定供給を図るという現行制度の基本を維持しつつ、過剰あるいは不足といったいかなる食糧事情にも的確に対応することができるような制度に再編成しようとするものでありまして、その意味で、いわゆる制度の根幹を何ら変更するものではございません。私といたしましては、むしろ法改正によってこの食管制度の持つ制度の根幹を維持、再生をしていく、そのためにもぜひとも今回の改正が必要である、こういう認識を持っておる次第でございます。 なお、今回第一条の字句を改正するのは、今回の改正の趣旨にのっとって「配給ノ統制」という言葉を「流通ノ規制」という言葉に単に置きかえたということだけでございまして、一条を改正したから食管法の根幹を改めるのだという意識は全く持っておりませんことは、先ほどから申し上げてきておるとおりでございます。
○亀井(善)委員 根幹を維持するというお話を伺いまして、安心をするわけでございます。ぜひそのような考え方のもとに、根幹を維持しつつ運用を図っていただきたいと思います。 そこで、今度の改正におきまして、ただいま申し上げましたような運用の問題で、消費者の皆さんや生産者や流通業者の皆さん方もそれぞれ不安や疑問をお持ちになっておるのではなかろうかと思います。特に生産者につきましては、米価の決定が変わってくるのではなかろうか、あるいは政府買い入れ数量に関係するのではなかろうか、あるいはまた、よく三兆円商品と言われますように、お米を舞台に大手資本が入ってくるのではなかろうか、集荷や販売を支配されるのではなかろうかと、いろいろ不安や疑問があるわけでございますが、そういうような点から、ぜひこの際、政府はこのような事態に対してどのような姿勢でこの法の運用に当たるお考えか、その辺をひとつお伺いをしたいと思います。
○松本(作)政府委員 今回の法律改正に当たりましては、この食管法が関係をするところが広いわけでございますので、相当の時間をかけまして関係者の方々の御意見も聞きながらこの法律案の取りまとめをいたした次第でございまして、その過程におきまして、ただいま御指摘がございましたような心配がないように、生産者の方、流通業者の方、消費者の方々にも、今度の食管法の改正が、これによって従来の崩れかけておる食管法を立て直しましてこの食管法の持つ役割りを発揮できるようにするということを、十分御理解をいただいてきたつもりでございます。 今後、この法律の運用に当たりましては、今次の法律改正の趣旨を踏まえまして、またその具体的な内容につきましては、いろいろと立場の違いからの利害の調整というような問題もございますので、さらに関係者の御意見も十分聞きながら、具体化の段階において適切に処理をしてまいりたいというふうに考えております。
○亀井(善)委員 そこで、法律の中で今回改正の大きな柱となっております米穀の管理に関する基本計画、このことについて伺いたいわけでございます。 まず、この基本計画のねらいはどこにあるのか、また、今回盛り込まれる基本計画については、これによって米の生産調整に強制力を持たせようとしているのではなかろうかと、こういうような心配もあるわけでございます。そこで、この基本計画のねらい、そしてさらに生産調整と基本計画との関係についてどうなっているものか、あるいはまた、さらにこれと関連をいたしまして、いま行われております水田利用再編対策に変更があるのかどうか、この点について伺いたいと思います。
○亀岡国務大臣 今回の法改正に盛り込もうとしておりますこの基本計画につきましては、まず、過剰、不足、いかなる食糧事情のもとにおきましても的確に対応して国民食糧でありますところの米の安定供給を図ることをねらいといたしておるわけでありまして、その基本計画の内容といたしましては、年々変動する米の需給動向を踏まえまして、品質などの要素にも配慮しながら、政府の米管理の具体的方法、手段、各種見通しなど、その年々の制度運営の基本となる事項を定めていくものでありまして、これによりまして政府が責任を持って国民が必要とする米の管理を行うという考え方を明らかにするとともに、この計画を指針といたしまして生産者、消費者、流通関係業者の方々がその活動を行うことを期待して策定することといたしておるわけであります。 したがって、これは流通管理の指針でありまして、生産、消費活動を直接拘束するというような考えはいたしておりません。したがいまして、生産調整をこの食管法によって強制してまいるというような考え方は全くとっておらないところでございます。 なお、基本計画におきましては、米の生産、流通、消費活動の指針にするために、政府の管理すべき米穀の数量などを定めることといたしておりまして、これを基礎として、各生産者ごとの予約限度数量が定められることとなっております。また、この予約限度数量は、従来から生産調整と関連して定められてきておるわけでありまして、米の生産調整と予約限度数量との関係は、今回のこの食管法改正によって変わるものではございません。従来どおりの関係という形で生産調整をするわけでございまして、この法律によって、先ほど申し上げましたように、強制するということもございませんし、今回の改正によって、現在進行中の水田利用再編対策の二期対策の考え方が変わるものでもないことをはっきりと申し上げておきたいと思います。
○亀井(善)委員 よくわかりました。 そこで、さらに基本計画に関連をいたしまして御質問を申し上げるわけでございますが、その基本計画及び供給計画の策定の時期は、いろいろ政府の予算編成との関連や、あるいはまた生産状況も十分加味される、またこれを把握される必要があると思います。そこで、基本計画及び供給計画の策定の時期はいつごろ、あるいはまたその公表はどういう方法で行われるのか。今回の改正につきましても、品質あるいは消費者の要求と申しますか、そういうものもいろいろ考慮するということがうたってあるわけでございます。そのような点から、策定の時期及びその公表の方法、あるいはまたこれらの計画の策定に当たって、たとえば米価審議会を活用されるなど、関係者の意見をどのような形で反映をされるか、この点について伺いたいと思います。
○松本(作)政府委員 基本計画につきましては、政府の予算編成とも関連いたします需給見通しと政府の米管理についての考え方につきましてはこれを生産面に反映し得るようにした方がよいと考えておりますので、播種前に策定をするようにしていきたいと考えております。また、供給計画につきましては、その年の生産量、集荷量等の状況がおおむね把握できた段階で策定するというふうに考えておるわけでございます。 なお、公表の方法につきましては、たとえば官報に掲載する、新聞に発表するというような方法で一般にわかるようにしていきたいと考えております。 また、この計画を策定するに当りましては、ただいま御指摘がございましたように、米価審議会の場の活用ということで、関係の方々の意見の反映の機会をつくっていきたいと考えておりますが、それ以外におきましても、こういった関係者の意向が的確に反映できるように努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、供給計画につきましては、知事の意見を策定に際して聞くことになっておりますので、その過程におきまして関係者の意向が十分に反映されるものと考えておる次第でございます。
○亀井(善)委員 次に、自主流通米につきましてお伺いをしたいと思います。 昭和四十四年に発足以来、大変定着をしてきておると思います。現在では全体の流通量の約三割以上も自主流通米が占めているのではなかろうかと思います。そこで、自主流通米につきまして、米の安定供給の上で重要な役割りを果たしておるわけでございますから、今回のこの改正において、これをどのように位置づけされるものか、そしてさらに、その将来展望につきまして見通しをお伺いしたいと思います。
○松本(作)政府委員 自主流通米につきましては、現在の食管制度の枠内におきまして政府を通じない米の流通の道を開きまして、これによって消費者の選好に応ずる米の流通を図るということで実施されておるわけでございますが、すでに十年間以上を経過いたしまして、関係者の御努力もあって、政府管理米の三分の一のウエートを占めるようになっております。また、この制度は、生産者、流通業者はもちろん、一般国民の方々にも定着をした仕組みになってきておると思います。この自主流通米によりまして、品質に応じた米価の形成とか需要の拡大、さらには不正規流通の防止というような重要な役割りを果たしておるというふうに考えておる次第でございますので、この自主流通米につきましては、今後の食管法におきましても重要な役割りを果たすものと考えておるわけでございます。 ただ、法律上、従来自主流通米につきましては、政令以下の段階で規定をされておりましたので、今回の法律改正におきましては、この点を明確にする方がよいのではないかというふうに考えまして、第二条ノ二の基本計画なり第八条の供給計画というようなところにおきまして「流通ニ於ケル管理ノ態様別」ということで、政府管理米、直接の政府操作米とともに内容を明確にするとともに、また第三条の政府の買い入れの例外といたしまして「基本計画ニ即シ消費者ニ対シ計画的ニ適正且円滑ナル供給ガ為サルルモノトシテ政令ノ定ムル所ニ依リ」ということで、この自主流通米の政府管理の中における位置づけというものを法律上も明確にした次第でございます。 今後の自主流通米の見通しにつきましては、私どもといたしまして、需給の実態等から考えまして、この数量が今後急激に増加をするというようなことは考えておりません。むしろ五十三年、五十四年のように、一部良質米の分野で需給がアンバランスになって自主流通米が余ってしまったというような事情もございますので、私どもとしては、この規模が急激に増大することを期待いたしますよりも、むしろこの自主流通米の持っておる機能というようなものが食管制度の中において有効に発揮できることが必要であると考えておりまして、政府直接操作米と一体となってその役割りを果たしていくことを期待しておる次第でございます。
○亀井(善)委員 自主流通米が定着をしております意味合いにおきましても、いまのお話の趣旨に沿うような形で、今後ともぜひお進めをいただきたいと思います。 そこで、基本計画の趣旨は、品質別に需給の調整を図ることだと承っておるわけでございます。しかし、品質別の需給のアンバランスというのは相当大きいものがあります。質、量の両面にわたり、消費需要の動向を生産面にどのように反映をさせ、需給の調整を図っていくものか、この点につきましてお伺いをしたいと思います。
○松本(作)政府委員 今回の法律改正におきましても、需給のバランスをとっていくことを大きなねらいにしておるわけでございますが、そのバランスをとるに当たりましては、品質別の需給バランスを考えていかなければならないと思っておるわけでございます。ただ、この品質別の需給をバランスさせるためには、まず全体としての米の需給バランスをとる必要があるわけでございますので、そういった全体の需給均衡ということをまず前提に考えていく必要があると思います。 この品質面の需給のバランスをとるに当たりましては、基本計画におきまして品質別の内容も含めました方向づけをすることによりまして、一方におきましては、生産面においてこの品質に応じた生産の方向が漸次浸透していくことを期待いたしますとともに、需要面におきましても、この品質面の供給に対応した需要の確保を考えていく必要があるということで、生産者、流通業者等関係者の御努力を期待しておる次第でございます。 なお、政府の操作をいたします過程におきまして需給のバランスをとっていくという場合には、直接の主食用以外の加工用の問題等も含めまして、また、備蓄のあり方というような面も含めまして、こういった品質別の需給のバランスをとっていくように考えていきたいと思っておる次第でございます。
○亀井(善)委員 大変むずかしい問題でございますけれども、今度の改正によりまして品質等の要素にも配慮した米の安定供給ということが行われるわけでございます。そこで、販売業者の努力もさることながら、政府の米の売却面での改善が伴わなければならないと思います。きめの細かい売却、こういうことをぜひお願いしたいわけでございますが、売却操作についてはどのような改善措置をお考えになっているのか、この点についてお考えを伺いたいと思います。
○松本(作)政府委員 今後、品質別の需給のバランスをとっていくために、量から質へと変化しております消費者の需要の動向に対応した政府の売却ということも努力をしていかなければならないと考えておる次第でございます。ただ、品質別の生産の供給量にはおのずから制約がございますし、また、政府の保管、輸送といった面での制約もございますので、一方において限界もあるわけでございますが、できるだけ努力をしていく方向といたしまして、たとえば県間搬出入の単位となる品質区分をどうするかとか、また各県内の売却基準地域の範囲をどのようにするか、また売却予定の米穀についてあらかじめ販売業者に情報を提供するというようなことについてどうするかという点も含めまして、きめの細かい売却操作のあり方について今後検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○亀井(善)委員 そこで、先ほどの長官の提案理由の補足説明にもあったと思いますが、今回の法改正の中で、基本計画の中に備蓄の問題に触れておられたと思います。具体的にどのような備蓄の方法をお考えになっているのか、この点、お伺いをしたいわけでございます。
○松本(作)政府委員 従来の米の備蓄につきましては、不測の事態に対応いたしますために、米穀年度末に約二百万トン程度の古米を保有するということにいたしまして、これにつきましては原則として翌年度に消費するという形を考えてまいったわけでございます。しかし、この方法によりますと毎年大量の前年産米を消費者に供給することになりまして、米の過剰基調のもとで消費の維持拡大が問題であります際に、消費者に対する新米供給の希望にこたえるという点からも問題が出ておりますので、農政審議会におきましてもこの点の見直しを求められておる次第でございます。 したがいまして、現在、今後の備蓄方式のあり方につきまして、その規模なり仕組み等について検討を急いでおるところでございますが、私どもが現在考えております方向といたしましては、主食用として一、二年で回転をする部分と、それから備蓄としての役割りに重点を置いて、二、三年の期間持ち越した後に工業用等に充当する部分とを組み合わせることによりまして、主食用の新米売却量を極力増加し、かつ、一定の備蓄水準を確保し得るようなことが考えられないかというようなことを検討中でございますが、この点につきましては多額の財政負担も必要となることもございますのでまだ成案の段階に達しておりませんけれども、今後こういった方向で検討してまいりたいと思っております。
○亀井(善)委員 ここで、いままで販売業者につきましては「登録」というような表現を使いまして、登録制度であったわけでございます。今回それが許可制度というような形をとることになったわけでございますが、その辺の理由につきましてお伺いをしたいと思います。
○松本(作)政府委員 今回の法改正におきまして、消費者に対して米を安定的に適正に供給するという立場から流通ルートの特定をいたしたわけでございますが、この特定された流通ルートにおきましては、自主性ある販売活動を通じまして、数量面だけではなくて、品質、価格、販売方法等の面でも消費者の需要の動向に適切にこたえてもらうことを期待しておるわけでございます。そうなりますと、こういった目的達成のためにこの販売業者の業務活動につきましても十分な指導監督を行っていく必要がありますので、この点についても法律上の仕組みを示しておる次第でございます。 したがって、そのような状況のもとでは、従来の登録ということよりも許可という考え方に基づいて流通ルートを特定する方がより適切であるということで、この許可という形に変えた次第でございます。
○亀井(善)委員 そこで、今回の法改正において、集荷業者とか販売業者の許可要件というような点で具体的内容を政省令にゆだねるというものがあるわけでございますが、この際、政省令をもっていかなることが規定されるものか、準備があれば明らかにしていただきたいと思いますし、また、その策定の時期はいつごろになるものか、お尋ねをしたいと思います。
○松本(作)政府委員 政省令に規定いたします内容につきましては、まだ細部まで明確に決めておるわけでございませんが、今後関係方面と十分協議調整をして決めてまいりたいと考えておる次第でございます。 この政省令は、当然今回の法改正の趣旨を体して定めてまいるつもりでございますが、同時に、現行制度との連続性というようなことにも配慮をし、また、販売業者の経営実態、消費者の需要動向というようなものが地域によって異なっておるというような地域の実態等も考量して定めていきたいと考えておるわけでございますが、現時点で予定をしております政省令の規定見込み事項につきましては、ただいま先生の御要求によりましてお配りしたところでございますので、ごらんいただきたいと思うわけでございます。 なお、この策定時期につきましては、法改正の実施を来年早々にもと考えておりますので、この実施に間に合わせるように定めていきたいと考えておる次第でございます。
○亀井(善)委員 次に、今度の新しい販売業者制度につきまして、一部には、大幅な自由化が行われる、このような受けとめをする向きもあるわけでございますが、いわゆる今後の流通改善についてどのような運用が行われますものか、お伺いをしたいと思います。
○松本(作)政府委員 今回の法律改正によりまして、いわゆる販売業者につきましては、一方において流通ルートの特定ということで地位を明確にいたしますとともに、他方におきましては、自主性ある販売活動を通じて、数量面だけでなく、品質、価格等の面でも消費者のニーズにこたえてもらうというような責務を明確にした次第でございまして、こういった法律上の考え方に基づいて今後の販売業者のあり方というものが定められていくべきものと考えておる次第でございます。 この販売業者が、今後消費者の選択の利便に資するとともに公正な販売を確保していくということのために、充実した営業活動を営み得るようにすることが必要であるというふうに考えておりまして、このためには、必要に応じて新規参入ということも必要になると思いますが、一方において、現在米の需要は一般的に減退しておるという事情がございますし、また、既存業者との間の商業調整の問題もございますので、こういった面を勘案いたしまして、大幅な自由化というようなことは全く考えておらない次第でございます。 今後は、この法律の改正の趣旨に即しまして、また地域の実態に即しまして、具体的な調整を図っていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。この点につきましては、今後関係者の意向も十分聞きながら進めていきたいと思っておりますが、一方におきましては、都道府県段階において所要の調整の場を設けるというような、きめの細かい対応も必要になるかというふうに考えておる次第でございます。
○亀井(善)委員 そこで、今回の食管法が、守れる食管法、こういうような法律の改正の趣旨にあるのではなかろうかと思うわけでございます。と申し上げるのは、私ども神奈川県におきましても、あるいは愛知県、静岡でございますか、米常問題等、いろいろやみ米の問題もあるわけでございます。直ちに流通秩序の混乱が今回の食管の改正によって正常化する実情にあるとは若干考えられないわけでございます。 そこで、政府はこのような事態にどのように対処し、流通の秩序の正常化を図ろうとされているか。特に現在、相当数存在しております不正規流通業者については、今後の許可制度の中でどのように取り扱っていかれるものかどうか。なお、さらに今回の法の改正に関連をいたしまして、縁故米や贈答米は認められてきておるわけでございます。このような中で、流通の混乱につながるのではなかろうか、こういうような心配もあるわけでございます。この点につきまして、事務当局、あるいはまた警察庁からお見えでございましたら、取り締まりというような面で警察の方からもお答えをいただければと思います。
○松本(作)政府委員 今回の法律改正は、ただいま御指摘のように購入券規制等、現在、実態に合わないものを改正いたしまして、だれもが守れる食管法にするということにあるわけでございますが、一方におきまして、この米の供給につきまして秩序ある米の流通を実施できるような仕組みを考えておりまして、基本計画、供給計画、さらには流通ルートの特定というような形によりまして、円滑な米の供給が確保される仕組みを考えたところでございます。さらに、消費者の需要の動向に的確に対応した米の供給のための努力というようなことも講じていく考えでございますので、こういった面から、今後は、食管法が適正に運営される、いわゆるやみ米というようなものの供給源が細っていくような形の運営を考えておるわけでございまして、不正規流通については厳正に対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 この法改正に伴います取り締まりの問題につきましては、警察当局とも協議調整を進めておるところでございますが、今後取り締まりの体制、ルールというようなものをつくっていくようにしてまいりたいと考えておる次第でございます。この点につきましては、警察庁、地方自治体等の御協力をお願いしたいと思っておる次第でございます。 なお、いわゆる違法流通業者の取り扱いにつきましては、改正法に基づきます流通業者の許可要件の一つといたしまして遵法要件を明記することにいたしておりますので、この改正制度における販売業者の許可制の運用に当たりましては、この点を十分踏まえて厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
○内田説明員 食管法違反につきましては、最近では年間数件ないし十数件の検挙をしているところでありますが、その内容は、たとえば沖繩の復帰に伴います特別措置に関する法律によりまして、米の価格が安い沖繩県から鹿児島県内にこれを輸送したというような事犯だとか、あるいは登録業者が量目を著しく偽った袋詰めを行いましてそれをスーパー等へ販売していたというような事犯などの悪質なものでありまして、警察といたしましては、このような計画的に、組織的に米の正常な流通を著しく阻害するような事犯とか、あるいは国民に重大な被害を及ぼすような事犯を重点といたしまして取り締まりを行っておるところでございます。 それから、今後の問題につきましても、米の流通秩序の維持そのものにつきましては、第一次的には所管行政庁の行政措置によって行われるべきものだとわれわれは考えておるところでございますけれども、そのような行政措置が十分に効果を上げることができるようにという立場から、警察の取り締まりを必要とする悪質な事犯につきましては、今後とも的確に対処してまいりたい、こう思っております。 それから、今回の改正法の問題具体的な運用の細部につきましては、今後ともその政省令等の改正を行う段階におきまして、またさらに必要な協議をしてまいりたいと思っております。
○亀井(善)委員 時間の関係で、同僚の保利君から質問がございますので、私はこれで質問は終了するわけでございますが、最後に一つ要望を申し上げる次第でございます。 りっぱな食管法の改正も、やはりこれを施行するに当たりましては切りかえの時期の混乱というものが心配になるわけでございます。あるいは、せっかくの法律がスムーズに移行しないということがやはり問題を生ずることもございますので、ぜひこの点、十二分に御留意をいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。特に、新法への定着と申しますか、それまでにつきましても行政の御配慮を特にお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○田邉委員長 保利耕輔君。
○保利委員 ただいま同僚の亀井議員から、食管法の改正の問題についていろいろと御質問がございました。私は、少し観点を変えた御質問を申し上げてみたいと思うのでございます。時間がわずかでございますので、取りまとめて御質問申し上げます。 その前に、今回の改正案の提案の作成に当たりまして大変御努力なさいました農林水産省の皆様に対して、心から敬意を表するものでございます。 昭和五十五年の四月八日、ちょうど一年前、思い起こせば「食糧自給力強化に関する決議」というものが国会でなされたのであります。自給力ということをいろいろ考えてみますと、単に自給率ということだけでは律し得ないものがあろうかと思いますが、一応数字として出てまいりますのが自給率であります。 そこで、農林水産省の農林水産統計月報を見てまいりますと、穀物の自給率として、昭和五十三年度三四%という数字が出ております。これは私の感じでは、場合によっては誤解を生むのではないか。食糧の自給率が非常に低いということで宣伝をされている可能性がある。 ちなみに、その同じ統計月報の中に、主食用穀物自給率として六八%という数字が載っております。また、食糧の総合自給率として七三%という数字が載っております。自給率という中に三つの物の考え方があるのだということがわかったわけでございますが、ここでは穀物の自給率として三四%、昭和五十四年の数字が三三%に一ポイント落ちておりますが、これの内容を私は過日農林水産省の方からお話を聞きまして調べましたところが、日本の国民の穀物の消費量が、昭和五十四年では三千六百九十八万二千トン、これだけのものを使っている。それに対して、国産穀物で賄った量というのはお米を中心にいたしまして千二百二十万九千トンである。この分子と分母の関係で三三・〇一%という穀物自給率というものが出ているわけでございます。 ところで、その穀物消費量の三千七百万トンになんなんとするもののうちの一番大きなものは何であったかというのを調べてみますと、雑穀として千七百二十八万二千トンの数字が出ているわけでございます。約三千七百万トンのうちの千七百万トンが雑穀であるということでございます。これはほとんど輸入に頼っているということでございます。 そこで、最近農林水産省の中でいろいろ御研究をなさっておられると聞いておりますえさ米について、農林水産省のお取り組みのあり方がどうであるか、いままでの取り組みについてどうであるかということ、また、民間においてもこのえさ米の研究はいたしておりますが、その民間の試験研究の位置づけについて御所見をお伺いしたいと思うのでございます。
○川嶋政府委員 飼料米につきましては、収益性とか識別性とかいろいろ問題がございますが、品種の点につきましては、当面適切なものがございませんので、超多収品種の育成ということを始めております。この超多収品種の育成につきましては、農事試験場を初め関係の研究機関で、すでに育種素材の探索とか、外国品種と日本の多収性品種の交配とか、いろいろ試験研究を実施しているところでございます。ただ、現在までのところ、一部外国品種に多収のものがあるということもございますけれども、脱粒性ですとか、耐冷性ですとか、病害虫の問題ですとかいろいろございまして、まだ農家に本格的に栽培をお勧めするという段階になってございません。したがいまして、五十六年度からこの超多収品種の開発、それからそれの栽培技術の確立につきまして、国が中心になりまして県の農業試験場とかといったところと共同していろいろと本格的な試験を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、国以外の都道府県とか民間とか、各種の地域でいろいろとえさ米ということで研究を進めている向きもございますけれども、その中には大変収量が高いというような例もあるというふうに聞いておりますが、必ずしも多収穫の例ばかりでもございません。それらが実際にどうなのかということにつきましてはいろいろと私ども理解しにくい点もございまして、また、それを客観的に判断する材料もございませんので、私どもとしては客観的な判断をするという段階に至っておりませんけれども、こういったような研究を進める上におきましては広範な努力というものが必要でございますので、今後、国が中心になってやってまいりますけれども、民間等とも協力しながらこの品種の改良というものを中心にして試験を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○保利委員 ただいま農林水産省のお取り組みのあり方についての話がありましたが、その中で超多収品種というお話がございました。聞くところによりますと、十アール当たり一トン以上の収穫もあるというお話も私は耳にするわけでございますが、この超多収品種というものをこれから定着させていくためには長期にわたる試験研究が必要なのではないかと思います。このためには民間の協力を得て、そして試験研究田というものも大いにやっていただかなければならないのじゃないか。サンプル的にただ少しだけやるというのではなくて、ある程度の広さで試験研究をやることが大事だと思います。 そこで、試験研究田として使った水田というものを水田利用再編対策上の転作カウントの中に入れていただけるかどうか、この点について農林水産省のお考えを伺わせていただきたいと存じます。
○渡邊(五)政府委員 お答えいたします。 ただいま技術会議の事務局長から御説明申し上げましたように、超多収穫品種の育成に関する試験研究は着手されたばかりでございます。こうした国の試験研究機関を中心にしてこれから体系的に進めてまいるわけでございますが、その際、民間の試験研究につきましては、いろいろな実例等もございますが、中でも品種なり規模等の面でただいま説明いたしましたような試験研究の参考となり得るようなもので、国の試験研究の全体の体系の中に位置づけられる一定の要件のものにつきましては転作カウントをする、奨励金の点については恐らく困難であろうかと思いますが、転作カウントをするということで現在私ども内部におきまして前向きに検討しておるところでございます。できるだけ早く結論を出すようにいたしたいと考えております。
○保利委員 時間がなくてまことに残念でございますが、最後に大臣にひとつお伺いしたいと思います。 ただいまえさ米につきましては、転作カウントに入れていただくことを検討していただくということを含めて前向きのお取り組みを示していただいたと私は解釈するものでございますが、えさ米につきましては私は御要望といたしまして二つのことをお願いしたいと思います。 まず、千七百万トンから二千万トン輸入しておる穀物にどのくらいこのえさ米がかわっていけるものなのか。仮に転作七十万ヘクタール、そして一ヘクタールから十トンぐらいのえさ米がとれるとすれば七百万トンというえさ米がとれるわけでございますが、それでもまだ二千万トンの穀物輸入には足りない状態であります。これはソ連から輸入するというわけにはまいりませんから、残余のものはアメリカを中心として自由主義諸国から輸入をしていかなければならない。そこにやはり食糧その他の総合安全保障という見地も出てくるかと思うのでございます。したがって、えさ米のことを考えますにつきましても、量的にどのくらいまで置きかえ得るかというめどをひとつ持っておいていただきたい。現在まだそこまで詰められていないと思いますけれども、それが一つ。 それからもう一つは、価格のめどについてもやはり何らかの目標を持っておいていただきたいということでございます。今日、輸入トウモロコシの値段というのを例の農林水産統計月報から拾って見てまいりますと、一トン当たり三万五千三百八十三円という数字が出てくるわけでございまして、これを横目でにらみながらえさ米の価格というものは考えていかなければならないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。 以上の二点について、御所見があれば承りたいと存じます。
○亀岡国務大臣 たびたび当委員会においてもこのえさ米の件については各党から強く要請があることは、十分承知をいたしておるわけでございます。しかしながら、先ほど来技術会議の事務局長並びに官房長から答弁申し上げたように、いろいろ問題点が残っておる。やはり新品種を、しかも超多収穫のえさ米の品種を造成していかなければならないという問題があるわけでございます。確かに水田を利用できるという意義、これは私は非常に大きいと思うのですね。したがって、超多収穫という品種改良が、新しい品種ができれば、これはおのずから収益性という問題をも解決してくるということでございますので、全力を挙げて、あらゆる技術、あらゆる試験研究機関を挙げて、この超多収米のえさ米の品種を造成する体制をとっておるわけでございます。これはもう川嶋事務局長から答弁申し上げたとおりでございます。 ところで、一方、自給力を強化する、自給率を上げる、さまざまな要請があるわけでございまして、国会でも両院で決議をされておるということでございますから、それではどれだけの数量をえさ米によって確保するかというようなことは、これはちょっといまここで申し上げても夢を申し上げるような形になりますので、数字は遠慮をさせてもらいますけれども、しかし相当数量できることは、私は、これはあと十年、十五年あるいは二十年後になれば相当な事態がやってくるのではないか、そういう感じがいたします。 しかし、この点、やはり国際間の需給関係、貿易関係等もにらみ合わせるということも十分考慮しなければいかぬということもありますので、その辺もにらみながら、適正な飼料米というものがどの程度生産していくことができるのかどうかということは、これからの問題として十分対処していかなければならぬ、こう思っております。
○保利委員 大臣から御所見を賜りまして、まことにありがとうございました。 終わります。 —————————————
○田邉委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。 食糧管理法の一部を改正する法律案の審査のため、来る五月七日、参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選及びその手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、来る五月六日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十三分散会 ————◇—————