内閣委員会 第15号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/06/05
会議録
○江藤委員長 これより会議を開きます。 去る三日、同和問題に関する実情調査のため、兵庫県に委員を派遣いたしました。 この際、派遣委員から報告を聴取いたします。染谷誠君。
○染谷委員 同和問題に関します実情調査について、派遣委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。 派遣班は、私、染谷誠と、江藤隆美、塚原俊平、岩垂寿喜男、上田卓三、鈴切康雄、神田厚、狩野明男、木野晴夫、上原康助、矢山有作、榊利夫、中路雅弘、楢崎弥之助の十四委員で構成し、六月三日の一日間、兵庫県に参り、県及び神戸市の両当局から同和対策について説明を受けますとともに、神戸市の一地区を調査したわけであります。 まず、兵庫県の同和対策について申し上げますと、御承知のように、現在、同和対策は、昭和四十四年に十年間の時限立法として制定され、その後昭和五十三年十一月に、有効期限を三カ年延長して、昭和五十七年三月三十一日までとされた同和対策事業特別措置法を基本として、生活環境の改善等の施策が行われているのでございます。 兵庫県の同和地区の概要は、昭和五十年の全国同和地区調査によれば、地区数三百四十七で全国第四位、世帯数三万九千八百五十一で全国第二位、人口十五万三千二百三十六人で全国第一位となっております。 同県においては、特別措置法の制定以前から同和対策を推進していたのでありますが、法制定を契機に対策事業は年々拡充され、現在、生活環境の改善、社会福祉及び公衆衛生対策、産業の振興、職業の安定、教育文化の向上、同和問題の啓蒙啓発活動の強化等の施策が実施されており、昭和四十四年の法制定時から昭和五十六年度分まで含め、十三カ年の予算総額は約一千七百十二億円で、その内訳は、生活環境の整備約四百六十四億円で二七・一%、社会福祉の増進約二十九億円で一・七%、産業基盤の強化約六百六十四億円で三八・八%、職業安定の充実約二十六億円で一・五%、同和教育の徹底約五百二十億円で三〇・三%、啓蒙啓発の強化約十億円で〇・八%となっております。 これらの同和対策により、同和地区の環境改善等が進み、住民の生活の向上も見られるようになり、一応の成果を上げてきたが、心理的な面の解消については、年々県民の理解と認識は深まりつつあるが、いまだ十分ではなく、なおかなりの日時が必要であるとのことでございます。 特に、本年度は特別措置法の最終年度に当たるため、昭和五十五年度末で総額約六百七十八億円と見込まれている未整備事業の推進を図り、用地取得等困難な問題が含まれている大都市の住宅関係を除き、年度内に全うしたい考えであるとのことであります。 また、心理的な面の解消につきましては、啓発活動の積極的な充実を図るとともに、地区住民の生活文化の向上に配意し、地区内外住民相互の交流を促進していくことが、今後の同和対策の大きな課題であるとのことでございます。 なお、今後の同和対策の方向に関し、 1 特別措置法の期限切れ後の同和対策の方針の早急な明確化 2 人権対策等心理的差別の解消を促進するため (1)国による啓蒙啓発事業の積極的実施 (2)悪質な差別文書等の発行を禁止する法的措置 (3)差別事件を適正に処理するため人権侵犯事件調査処理規程(法務省訓令第九百十一号)に基づく処理ルールの確立 3 特別措置法施行後、県下市町で発行した起債の昭和五十四年度末の現在高約五百億円のうち、交付税の対象とならない起債が約三百四十億円となっている状況から、市町の財政圧迫の要因になっている法第十条非適用債の元利償還について、財源補てん措置を新設することについて要望がございました。 次に、神戸市の同和対策について申し上げます。 同市における同和対策事業は、同和対策事業長期計画に基づき、環境整備対策、福祉増進対策、生活向上対策、教育人権対策の四本柱からなる事業・施策を実施しており、その関係予算は、昭和四十四年度から本年度までの予算を含め、十三年間の累計額は約一千二百九十億円で、その財源内訳は、国庫支出金約四百六十億円で三五・四%、県支出金約五十億円で四・一%、起債約四百四十億円で三四%、市費約三百四十億円で二六・五%となっております。 同和対策事業のうち、公共施設等整備事業の進捗状況は、住宅建設、生活道路等の主要事業の長期計画事業量に対し、本年三月現在、全体として約八〇%に達しているが、住宅建設については約六〇%となっており、これは土地の確保、財政の負担等が問題点となっているためであるとのことであります。 視察地区の状況は、当地区が神戸市でも最も大きな地区であり、昭和二十七年から環境整備事業に着手し、一定の成果を上げてきているとのことでありますが、改良住宅の建設は、見直し後の長期計画に対し四四・九%の達成率であり、この住宅建設を含め住宅地区改良事業は、達成率が五〇%に及ばない状況にあり、それに関連する公共施設についても今後相当の努力が必要であるとのことであります。 しかし、この改良事業の実施については、土地所有者、家屋所有者、占有者等の受益の不均衡による権利者間の権利調整のむずかしさ、事業計画策定後の日照基準等の変更による地区外建設用地の増加等の問題があり、住宅推進協議会を設けて検討しているとのことであります。 同市における今後の同和対策については、本年二月に実施した住民生活総合調査の結果を踏まえて対策を考えたいとのことでありますが、同和対策事業に要する地方公共団体の財政負担はきわめて大きく、今後事業を円滑に進めるには国の強力な財政措置を、また、啓発面については、市としても映画の作成等さまざまな取り組みをしているが、国の一層の積極的な推進をお願いしたいとの要望があったのであります。 これらの調査の内容等につきましては、今後委員会における質疑等を通じて明らかにされることと存じます。 同和問題については引き続き何らかの措置が必要であると思われますので、今後当委員会及び同和対策に関する小委員会で検討してまいりたいと存じます。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○江藤委員長 これにて派遣委員からの報告の聴取は終了いたしました。 ————◇—————
○江藤委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。 恩給等の調査のため小委員十三名からなる恩給等に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 それでは、小委員に 愛野興一郎君 狩野 明男君 亀井 善之君 川崎 二郎君 田名部匡省君 竹中 修一君 塚原 俊平君 岩垂寿喜男君 渡部 行雄君 市川 雄一君 小沢 貞孝君 榊 利夫君 及び 阿部 昭吾君 を、小委員長に愛野興一郎君を指名いたします。 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任並びに委員の辞任に伴う補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○江藤委員長 内閣提出、適用対象の消滅等による法律の廃止及び行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理に関する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を求めます。中曽根行政管理庁長官。
○中曽根国務大臣 ただいま議題となりました適用対象の消滅等による法律の廃止及び行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 先般、政府は、行政の減量化を中心とする新たな角度からの行政改革を行うことを決定いたしました。その一環として、適用対象等が消滅し及び行政目的を達成したこと等により法律の廃止を行うとともに、行政事務の簡素合理化を図るため関係法律の整理を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 次に、法律案の内容について御説明申し上げます。 第一に、適用対象または関係事務の消滅等によりいわゆる実効性を喪失した法律及び行政目的がほぼ達成され、存置の必要性が乏しくなった法律について廃止を行うことといたしております。これにより十三府省の三百十九法律を廃止することといたしております。 第二に、各種規制・監督事務の合理化、内部管理事務の簡素化、地方公共団体が処理する事務に対する国の関与の見直し、機関委任事務の整理等の行政事務の簡素合理化に伴い整理を必要とする法律について、関係規定の整理を行うことといたしております。これにより、八省庁の十六法律を整理することといたしております。 なお、これらの法律の整理及び廃止は、原則として公布の日から行うこととしております。ただし、特別の事情のあるものにつきましては、それぞれ別に定める日に行うことができることといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○江藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○江藤委員長 これより請願の審査に入ります。 今会期中、本委員会に付託されました請願は、本日の請願日程に掲載してありますとおり千百九十八件であります。 本日の請願日程全部を一括して議題といたします。 旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願について、紹介議員稻村左近四郎君から紹介説明を聴取することといたします。稻村左近四郎君。
○稻村(左)議員 御説明をいたします。 金鵄勲章名誉に関する請願の問題でございますが、佩用を公認してほしいという単にそれだけの切なる願いでございます。すなわち、過去に与えられた栄誉は依然として国家が認めてやることが政治家の務めだというふうに考えております。また国家の義務ではないか、このように考えておるのであります。
○江藤委員長 この際、発言の申し出がありますので、これを許します。鈴切康雄君。
○鈴切委員 委員長並びに委員会のお取り計らいによりまして、今回、旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願について若干の質問をさしていただきますことにつきまして、厚く御礼を申し上げます。 かつて日本の国民は、戦争への道を突っ走った一部軍国主義者によって、大なり小なりとうとい犠牲を払ってしまいました。二度と戦争を起こしてはいけないと誓い合った平和憲法の精神は、これからもまた受け継いでいかなければならないし、平和国家としてのみ日本の国は生きる宿命を持っております。 今回、金鵄勲章の名誉を回復してほしいという方々も、平均年齢七十歳という高齢になっておることを考え、私は心情的に同情せざるを得ない側面があると思っております。生存受章者の九八%というのは、一片の赤紙で召集されたいわば戦争の犠牲者でもあります。また本日ここに来ておられる方々は、幸いにして現在生存をしておりますけれども、しかし、多くの方々はこの戦争のためにとうとい一命を失われ、そしてまた家族の方々は、それからというものはたくましく生きていかなければならないという状態に置かれた。しかも金鶏勲章制度というものはなくなったわけでありますから、当然三十年間というものは日陰扱いという形になったことはやむを得ないにしても、名誉を回復してくれということについて、本当にこれは心情的にとらえなければならない問題であろうかと私は思っております。しかし、請願の内容については簡単なもので、必ずしもその意図というものは明確ではありません。この際、将来のことを含め、私はお伺いをしておかなければならないと思っております。 きょうは、この請願の紹介議員として稻村先生は金鵄連合会の会長をやっておられますので、やはり会長である稻村先生がこの場所で御答弁くださることば、それはそれなりに公式のお考えであるというふうに私は受け取っておるわけであります。実はこの請願を推進してきた団体、すなわち日本金鶏連合会というものがございますけれども、一部巷間伝えられるところによりますと、連合会の運動方針は、金鵄勲章の復権であり、靖国神社の国家護持、さらには憲法改正の運動をするのだという間違った考え方を持っている方もおられるように思いますが、私はそのような団体ではないだろうと思っております。しかし、この際、私はその性格というものを明確にお聞きしておく必要がある、こう思いまして御質問申し上げます。
○稻村(左)議員 いまお話がありましたように、私は日本金鶏連合会の会長をいたしております。そういう意味から、いま申し上げることは団体を代表してということでございますから、まず間違いはない、こういうふうに受けとめていただきたいと思います。 私は、過ぐる大戦に参画をしてまいりました。召集された者であります。私は、残念ながら金鶏勲章は、その栄に浴することはできませんでした。そして終戦から三十二年たった五十二年十一月二十八日総理府総務長官を拝命し、日本金鶏連合会の方々と接する機会を得て、金鵄勲章の戦後置かれている現状の姿というものを見たのであります。そしてその名誉回復の運動の純粋さに打たれた。会員の平均年齢は七十有余の御高齢の方々ばかりであります。自分はかつてこのようなりっぱな勲章をもらっていたのだということを子孫に言ってこの世を去っていきたいという、この心情に私は共鳴をいたしたのであります。 いま請願を求めておりますのは、決して裏も表もございません。生存者で、勲章の現物保有者に限ってその佩用公認のみをしてほしいということだけであります。その他のことは一切思ってもおりませんし、また頭のすみにもございません。
○鈴切委員 昭和五十一年三月十一日制定の日本金鶏連合会の会則によりますと、第四条に目的が掲げられております。そのときの会則それ自体にも私は問題があるけれども、なかんずく将来第四条の目的を実現するための請願であるとするならば、わが党としては賛成するわけにはいかないのであります。その点の見解をまずお伺いしたいと思いますし、またこの会則は五十四年の三月八日に全面改正されて、その目的は、「金鶏勲章の栄誉回復を第一の目的とし、このための活動および会員相互の親睦互助を図る。」と改められ、詳細な規定は削除されておりますけれども、これを改正した理由は何か、その点を明らかにされたいと思います。
○稻村(左)議員 先ほど申し上げましたように、私が会長に就任をいたしましたのは五十四年の三月八日であります。過去にはいま御指摘のような会則であったようです。しかし、それらの一部の動きに同調できない人たちが、自分たちの本当に願っていることはこれだとつくったのがいまの金鶏連合会の会則であります。一部そのようなこともあったようでありますが、その人たちを除いて、いまの日本金鶏連合会の会則は現在の会則であります。
○鈴切委員 この請願の長い経過において、当初は金鵄勲章受章者に併給されていたかつての年金なり一時金を一括して支給するよう請願されたときもあったようであります。今回この請願は、いわゆる金鵄勲章を佩用することを認めてもらいたい、こういうことのみで、もしこの請願が採択されるということになればそうなるわけでありますが、今後さらに何らかの特権が伴うような活動がなされていくというのであれば、わが党としても実は賛成できないところであります。日本国憲法には、「榮譽、勲章その他の榮典の授與は、いかなる特権も伴はない。」とされ、また「榮典の授與は、現にこれを有し、又は將來これを受ける者の一代に限り、その敷力を有する。」と規定されているとおり、何らかの特権を与えたり、かつての金鵄勲章制度のような特権を伴う復活であってはならないと私は思っております。今回の請願の趣旨のとおり、老齢に達したいま、現在の生存者で勲章の所持者に限り佩用を公認してほしいという限度でなければならないと思っておりますが、その点についてはいかがでございましょうか。
○稻村(左)議員 いま申し上げましたように、佩用公認以外に何も考えておりません。いまお話のありました年金であるとかその他についても、それは何も考えておりません。会員は、ただその名誉を抱いていきたいというだけであります。
○鈴切委員 最後に、もちろん金鵄勲章の制度の全面復活を求めているわけではない、そのように私は確信をいたしておりますが、会則には、現在の生存者で、現に勲章の所持者に限り佩用を認めてほしいということになっておりますが、かつて金鵄勲章を授与すると約束した者のうちで現に渡っていない者も相当いると聞いておりますが、それに対して金鶏勲章を新たにつくって渡すということは含まれないと理解してよろしゅうございましょうか。その点をやはり明確にしていただきたい。
○稻村(左)議員 ただいまの御指摘の問題ですが、新しくつくることを考える必要もありませんし、また新しくつくろうということを考えておるものでもございません。
○鈴切委員 いま、金鵄勲章の連合会の会長からそのような御答弁がありましたので、私、非常に明確になったと思います。わが党としては、そういう意味において、これからこの問題については賛成の方向で対処したいと思いますが、ともあれ、そういう御配慮をいただいたことにつきまして厚く御礼を申し上げます。
○江藤委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時一分休憩 ————◇————— 午後三時二分開議
○江藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続いて、本日の請願日程全部を一括して議題といたします。 この際、発言を求められておりますので、順次これを許します。岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 この際、旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願に対し、日本社会党の態度を明らかにいたしておきたいと思います。 金鵄勲章受章者の平均年齢が七十歳、その九八%が一片の赤紙で召集された者であること、そしてこれらの人々が生存中にその名誉を回復してほしいという叙賜者の要求を背景としていることなどについて、私たちは何回となく承ってまいりました。そしてこれらの人たちの訴えを謙虚に党内で検討し、この請願の扱いを討論してきたわけでございます。 遺憾ながら、この請願について、私どもは二つの点で賛成をすることができません。 その第一点は、理事会における取り扱いの問題でございます。それは、本院の委員会において請願を審査する理事会の協議は、満場一致を原則としていることは御理解のとおりであり、とりわけ二名以上の理事が反対する場合は保留とするという扱いが慣熟した慣例となってきたことは委員各位の御理解のとおりであります。しかし、本請願の審査をする理事会では、わが党の二人の理事の反対を押し切って、委員会にこのようにしてこの採択を諮る運びとなったわけでございます。この措置は、本院の慣熟した慣例を破るものであり、今後の運営に大きな禍根を残すものであります。その意味で、本委員会の審議になじまない請願の扱いについて賛成することはできない。その意味では、私は、委員長の手元で理事会に戻していただきたい、このことをあえて強調をいたしておきたいと思います。 反対の第二点は、この勲章が戦争中を中心にして、武功、武勲を立てた人々に対して与えられたものであることは私どもも理解をいたしております。しかし、過ぐる戦争がアジアを初めとする多くの人々に対する侵略ないしは加害者という位置を占めたものであったことは歴史が証言するとおりでございます。戦争に参加した個々の人々の意思いかんにかかわらず、国家の意思がそのことを求めてきたことを考えてみたときに、いま、戦後三十六年たった今日の条件のもとで、こうした勲章の復活とも言われなければならない措置をとることは、被害者であった人々の気持ちというものを察したときに、多くの問題を残さざるを得ないだろうというふうに主張をせざるを得ないのであります。 とりわけ、最近の国会内外をめぐる状況、政治の状況を考えてみますと、憲法改悪などの論議が現職の閣僚を初めとして公然と主張される、そしてそれがやがて自衛隊の海外派兵やあるいは有事法制化に見られるような、国民を戦争に駆り立てていく、あるいはまた戦争に対する協力を法律をもって押しつけていく、こういう動きが顕著でございます。 日米共同声明をひもとくまでもなく、日本の軍備の増強、そして同時に防衛分担の拡大等々は、まさに軍国主義の復活の一里塚だというふうに私たちが主張していることが、決して杞憂でないことを国民の多くが理解をしているだろうと私は思うわけでございます。 そのときに当たって、そうした流れときびすを一つにして、この勲章の名誉を回復するということは、そうした軍国主義的な風潮に対して、さらにそれを促進させていくという役割りに使われかねない、利用されかねない、このことを私は深く危惧するわけでございます。 その意味で、私どもは率直に申し上げて、叙賜者の皆さんから何回かお話も伺って、そのころからの訴えも伺いましたけれども、しかし、にもかかわらず、いまの二点を中心にいたしまして、この請願というものに賛成する立場にはございません。したがって、願わくば、いま私が議事手続を含めて申し上げた本請願の異例な取り扱いについて抗議をし、反対をしながら、その撤回を要求して、社会党の態度を述べさせていただきたいと思います。
○江藤委員長 鈴切康雄君。
○鈴切委員 私は、公明党を代表いたしまして、今回の金鵄勲章に対する請願についての意見を述べさせていただきます。 今回の金鵄勲章の請願については、当委員会において、先ほど金鶏勲章連合会会長である稻村先生に対しての質疑にもありますとおり、その趣旨を私どもは理解できましたので、わが党といたしましては賛成であるということをまず表明を申し上げておきます。 ただ、委員会の請願の取り扱いにつきましては、理事会において各党合意によることを原則としてきたその慣例をわが党も尊重するという立場からいいますと、請願を採決によって処理するということはまことに遺憾であり、そのようなことは再びあってはならないということを強く要請をいたしておきます。 以上です。
○江藤委員長 神田厚君。
○神田委員 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、ただいま審議に付されております旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願について意見を述べるものであります。 本請願は、今国会に三百六十八人の議員の紹介により提出をされておりますが、その内容は、請願の趣旨にありますように、「旧勲章の生存受章者は高齢で余命幾ばくもなく、その九八%は一片の赤紙で召集された者である。ついては、昭和二十二年政令第四号で廃止された旧勲章を本人の一代に限り有効となるよう措置されたい。」というものでありまして、また日本金鶏連合会の旧勲童叙賜者の名誉回復に関する請願の中におきましても、るるその真情が述べられているところであります。特に、戦場で一番功績のあった者が金鵄勲章で、次が旭日章、瑞宝章であるわけでありますが、いまその旭日章、瑞宝章は昔のまま勲章として認められておりますけれども、国家のために一番働いた金鵄勲章だけが廃止されたものとなっているというふうに訴えておられます。 私どもは、このような請願の趣旨にのっとりまして、本日審議をされております旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願につきまして、衆議院の七〇数%の議員が紹介議員となっているということでもありますし、それらの趣旨にかんがみまして、その請願の採択を強くこの際求めるものであります。 年老いて、いまなお憂国の思いを熱くしている愛国者に対しまして、政府が現在報いられるただ一つの道であると考えまして、民社党は、この旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願の採択を強く要請をいたします。
○江藤委員長 榊利夫君。
○榊委員 旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願を委員会採決にかけようとする強行的なやり方、これは請願の扱いは全会一致という従来からの委員会運営審議の民主的慣行をも破るものであり、わが党は強くそれに反対をし、また抗議をするものであります。 個々の請願者の人々の考えや気持ちは別といたしまして、戦前、戦中のあの金鵄勲章が国外での戦争、つまり侵略戦争での武勲、武功を奨励するためのものであったこと、そしてまた軍国時代の軍隊の精神的支柱とされてきたことも否定しがたい歴史的事実であります。だからこそ一九四八年五月三日、現憲法の施行とまさに日を同じくしてこれが廃止されたのであります。 憲法前文は、御存じのようにこう述べております。「主権が國民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」そして平和への願いを述べ、「この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」こう述べております。「日本國民は、恒久の平和を念願し、」「國家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」というこの憲法の前文に照らしまして、この金鵄勲率の問題も理解されるべきであり、この廃止措置というものが深刻な戦争と軍国主義への反省に基づいたものであるということを強調せざるを得ないのであります。したがいまして、勲章の名誉回復を行うということは、現憲法の諸原理、特に国民主権と恒久平和の原理に対する挑戦とも言うべきものであり、結局は昨今の侵略戦争肯定、軍事大国化を目指す政治的な策動につながるものと言わなければなりません。国家として金鵄勲竜受領の名誉回復を図る措置をとるならば、それは戦争のための勲章に新たに国家的保障を与えるものとなります。それば国際的にも重大な影響を持つものであり、種々のはね返りも避けがたいでしょう。 あの半世紀を超える対外戦争は、中国大陸やインドシナ諸国、さらにマレーシア、インドネシア、ビルマなど広範なアジア諸国を舞台にして行われました。数千万の人々は死と流血の犠牲をやはりこうむったわけであります。戦争に駆り出された人々も犠牲をこうむったけれども、その武功、武勲の陰に、これらのアジアその他の諸国民の犠牲があるということも忘れてはならないことであります。勲章の名誉回復措置は、日本の国際的関係からも悪い影響を持つことにならざるを得ないと思うのであります。 また個々の、受け取ったというその歴史的な事実をただ認知してほしい、こういう気持ちがあることもよく存じております。しかし、それは役所には受領名簿はあるわけであります。その事実の確認はできるわけであります。特別にそれに国家的な保護措置をあえてとるということは私は不要であり、とりわけいままで申し上げてまいりました深刻な反省の上に立った現憲法の主権在民と恒久平和の原理、規定、これに照らしまして、やはり憲法に合致した素直な、常識的な扱いをとるべきものでありまして、これを必要以上に政治的な方向で利用するということは、私たちはどうしても賛成できないわけであります。 以上の点から、旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願の取り扱いについて、反対という立場を重ねて表明するものであります。
○江藤委員長 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 旧金鵄勲章にかかわる請願について、その取り扱い及び内容に関し、社会民主連合の意見を明確にいたしたいと存じます。 一つは、この請願の取り扱いについて、その内容及びこれまでの請願の取り扱いのルール、慣例、そういう点から見て、採決で結論を出すということには反対であります。 二番目に、その内容についてでありますが、一番目の問題と関連をいたしますけれども、この問題は議員のそれぞれの信念、信条にかかわる問題でありまして、政党としての統一した意見をまとめるという問題にはなじまない、このように積極的に考えます。したがって、私どもは採決には加わらないことにいたします。 以上です。
○江藤委員長 これより採決に入ります。 まず、本日の請願日程中、旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願、すなわち第一九ないし第二二、第二八六ないし第一七一、第四二一、第四四九ないし第四五二、第四六三ないし第四七一、第四八九ないし第四九九、第五二一ないし第五七二、第五七九ないし第六六八、第六七二ないし第六九八、第七〇九ないし第七三四、第七六一ないし第七七二、第七八三ないし第七九九、第八二四ないし第八三九、第八四八ないし第八五二、第八五七ないし第八七一、第八八三ないし第八九〇、第八九七ないし第九二二、第九三三ないし第九三九、第九四八ないし第九五一、第九七五ないし第九七九、第一〇〇三ないし第一〇〇八、第一〇一六ないし第一〇二一、第一〇五〇、第一〇六一ないし第一〇六六、第一二八八、第一一七〇、第一一七四及び第一一八八ないし第一一九七の各請願について採決いたします。 各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○江藤委員長 起立多数。よって、さよう決しました。 次に、他の請願につきましては、先ほどの理事会で御検討を願いましたので、この際、直ちに採決いたします。 本日の請願日程中、第五六、第五七、第五九、第二〇六、第二〇七、第四二二ないし第四三九、第四八四、第四八五、第五〇〇、第五〇六ないし第五一四、第五七三ないし第五七六、第七〇四ないし第七〇八、第七三六ないし第七三八、第七七三、第八〇六、第八四一、第八四二、第八七三、第八九二、第八九三、第九一五、第九二八、第九二九、第九三〇、第九四一ないし第九四三、第九七四、第九九五ないし第九九九、第一〇〇九、第一〇二二ないし第一〇二八、第一〇三九ないし第一〇四八、第一〇八四ないし第一〇九〇、第一〇九二ないし第一一〇三、第一一二七ないし第一一三二、第一一六二ないし第一二八七、第一一七一、第一一七五及び第一一七六ないし第一一七八の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 この際、一言申し上げます。 旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願については、理事会において慎重に協議を進めてまいりましたが、残念ながら意見の一致を見るに至りません。そこで、やむを得ず採決いたした次第であります。 今後は、理事会における全会一致の慣行を尊重して、かかる事態が生じないよう最大の努力をいたす所存でございます。 ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○江藤委員長 なお、今会期中、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしてありますとおり、同和対策事業特別措置法の期限延長に伴う附帯決議の早期実現に関する陳情書外四十件であります。 以上、御報告申し上げます。 ————◇—————
○江藤委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 初めに、閉会中審査の申し出の件についてお諮りいたします。 内閣提出、適用対象の消滅等による法律の廃止及び行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の 整理に関する法律案 中路雅弘君外一名提出、行政機関の公文書の公開に関する法律案 中路雅弘君外一名提出、国の行政機関の職員等に対する営利企業への就職の制限等に関する法律案 横山利秋君外六名提出、情報公開法案及び 鈴切康雄君外七名提出、公文書公開法案並びに 行政機構並びにその運営に関する件 恩給及び法制一般に関する件 公務員の制度及び給与に関する件及び 栄典に関する件以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 引き続き、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。 まず、本会期中設置いたしました同和対策に関する小委員会及び恩給等に関する小委員会につきましては、閉会中もなお引き続き存置することとし、小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、閉会中審査に当たり、委員会及び小委員会において参考人から意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時及び人選等所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中、委員派遣を行う必要が生じました場合には、委員長において適宜、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、その派遣の日時、派遣地及び派遣委員の人選等所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江藤委員長 御異議なしと認めます。さよう決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十七分散会 ————◇—————