逓信委員会 第5号
- 発言数
- 286 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/03/25
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鴨田利太郎君。
○鴨田委員 本日の郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、私の質問に入りたいと思います。 私は、元来がこれからの世界はいよいよ人生七十年型福祉社会の成立する時代に入ってきておると思います。生きがいがあるまた地方の時代の構築の時代とも言われております。その中におきまして、わが国はかつて他の先進諸外国が経験したことのないような早さで高齢化社会を迎えようとしております。わが国における六十五歳以上人口の推移を見ますと、昭和五十五年九月に国民十一・〇人に一人であったものが、昭和六十年になりますと十・三人に一人、昭和七十年には七・九人に一人、昭和八十年には六・五人に一人となる見通しであり、その早さは全く驚くべきものがあります。落ちつきと活力ある社会を維持ていくためには、国民の老後生活の安定を図ることが必要でありますが、そのために年金が果たす役割りはきわめて重要であると思います。 そこで、まずわが国の年金制度の体系というものがどのようになっておるか、その中で郵便年金はどのような位置を占めておるかについてまず初めにお尋ねしたいと思います。
○小山(森)政府委員 年金はいわゆる公的年金と私的年金に分けられると存じます。公的年金は、もういまさら私が御説明申し上げるまでもないと思いますけれども、社会保障制度といたしております年金でございまして、給付の一部が国の財政によって賄われているということになっておりまして、主なもので国民年金、厚生年金保険、あるいは非常に人数の多いものでは国家公務員共済組合等があるというわけでございます。なお、こういった公的年金はいわゆる強制加入になっているわけでございます。 また、もう一つの大きな年金の体系であります私的年金、この私的年金にいわゆる企業年金と個人任意年金の二つのものがある、こう心得ております。なお、郵便年金はこの中におきます個人の任意年金という私的年金の一種類である、こういうふうに位置づけられると存じております。
○鴨田委員 ただいまの御説明で、郵便年金は国営事業であっても私的年金である。民間に同種の私的個人年金があるにもかかわらず今回郵便年金を改善しようとするその趣旨は何なのかが伺いたいのです。
○小山(森)政府委員 ただいま申し上げましたように、公的年金というのはいわゆる財政負担を伴うものでございますけれども、そういった性格上、どうしても給付というものが同一の種類の年金の中では画一的にならざるを得ませんし、また個人個人、人によって給付が異なるということは許されないものである、こういうものであると位置づけられると思います。それに対しまして、私どもが生活している個人の生活欲求というものは多種多様でございまして、公的年金で十分な方もおりますと同時に、公的年金に加うるに、自分の努力によってさらに自分の生活に対する欲求を埋めていきたいと思われる方もおられるわけでございます。したがいまして、このような自分自身の努力によって自分自身の生活を満足させていきたいという方に対しまして、それ相応の老後の手段というものはそこにいつも生きている、生きた形で提供されるということが、活力ある社会をつくるためには必要ではないかと存じます。そうなりますと、現在でも民間企業においてもやっておることは確かでございますけれども、それと同時に、国の国営事業というものを通しましてそういったような自助勢力を助けるという手段を提供していくということが、国営事業の姿勢として必要なことではないかと存ずるわけでございます。 それでは、そういった手段は国営事業としてなかったかと申しますと、郵政省の行っておる郵便年金というのは大正十五年以来、その法律の第一条で言っておりますように、国民の福祉の増進のためにこういった郵便年金制度はあったわけでございます。ただ、その内容といたしまして、どうしても基本が大正十五年にできているということから、その当時の社会、経済上の環境というものから定額制というような形で、現在の急テンポに進みますところの経済環境というものに対してなかなか追随していけないというような制度であったわけです。したがいまして、この郵便年金銅度を現在の社会、経済情勢の変動に十分対応するような形の年金に改定すべきであるというふうに考えまして、今回郵便年金法の改正を提案し、御審議を願っている次第でございます。
○鴨田委員 いまお聞きしまして、大正十五年以来の歴史を持っておると聞いております。わかりました。それで、現行の制度はどういう点が不十分であるので今回制度改正を行おうとしておるのか、その点をはっきりとお示しください。
○小山(森)政府委員 一つは、年金の給付の仕方が定額制になっているということでございまして、これは経済環境の急激なテンポというものに対応し切れない点がございます。したがいまして、年金額の逓増制の仕組みを導入してこようということでございます。 第二点は、現在の最高限度額が二十四万円になっております。これもまた現状に合わないということで、最高制限額の引き上げ等を行うということでございます。 このような逓増制の仕組みを導入してまいりますと、やはり年年の積立金の運用方法を改善いたしませんとこれに対応した形の年金にならないということで、あわせてこの積立金の運用範囲の拡大というものによりまして、経済変動に対応し得る形の運用方法をとっていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○鴨田委員 運用によって逓増制を図るということはわかりました。後で運用の方法についてまたお聞きしたいと思うのでございますけれども、今回の郵便年金制度の改善と公的年金制度とはどのような関係にあるのかをひとつお聞きしたいと思います。
○小山(森)政府委員 公的年金制度は、やはりこれは日本の高齢化社会に対応して国としてとるべき政策の中核になるものだと存じておりまして、これは今後とも行政の大きい課題として充実が図られることを期待しております。 その公的な制度と今回の任意年金との関係でございますけれども、先ほども若干申し上げた次第でございますけれども、どうしても公的年金制度というのは画一性というものをぬぐい得ないということでございます。これは、公的年金の本質から見て当然そうなると存ずるわけですが、そういたしますとやはり、非常に多様性のある社会生活の中でそれぞれの個人の欲求というものを老後にどうやって生かしていくかという、そういった欲求に対応する経済給付というものに対応する手段、これが任意年金であり、その一種類である郵便年金であるわけでございます。
○鴨田委員 いま公的年金と郵便年金との差というものと、またその趣旨というものをお伺いしましたけれども、あくまでも郵便年金は補完的な意味というふうに私は解してくるわけでございますけれども、公的年金制度の充実、これが今後も重要な行政の課題となってくると思うのです。そうすると、いまの公的年金制度で老後の生活の保障ができるかどうか、これを私はお尋ねしたいと思うわけでございます。
○長尾説明員 お答えを申し上げます。 厚生年金で、御夫婦で、奥様がいらっしゃいます場合で、男の方で三十年ぐらい厚生年金に加入されました方の年金額は、現在月額にいたしまして十二万六千五十円になっております。現在国会で御審議をいただいております法案におきましてスライドが実現いたしますと、七%のスライドということを前提といたしますと十四万四千五百二十五円という金額になるわけでございます。この金額の評価ということになるかと思うのでございますが、おうちが、つまり持ち家がございまして、お子様がすでに独立をされておられるという御夫婦を考えました場合は、一応の生活ができるという水準ではないかと思っておるわけでございます。 昨年の十月に総理府で実施をいたしました実態調査で、この十三万六千円という金額につきまして皆様がどのようにお考えかということを調査をいたしたものがあるのでございますが、その中では、最低生活はできる、まあ生活はできるという方がほとんどであったというふうに聞いておるわけでございます。
○鴨田委員 いま御説明を伺いまして、総理府の調査で、子供が独立し、持ち家があり、夫婦二人の生活で年金が一月十三万円、大体これでもって八一%の方がよろしいと、大体まあまあというふうなことを聞いたわけでございますけれども、この公的年金に対しましては政府の補助があるわけでございますけれども、その政府の補助も老人が多くなってまいりますとだんだんと肥大してまいります。そうしますと、またいつかはこれが破綻するときが来るのではないかと思いますけれども、それが大体八十一年ごろにやってくるのじゃないかと思うのです。この点についての見通しを先にちょっとお聞きしたいと思います。
○長尾説明員 お答えを申し上げます。 現在、厚生年金には二〇%の国庫負担、国民年金には三分の一、経過措置につきましては二分の一でございますが、国庫負担がございます。厚生年金につきまして五十五年に財政再計算をいたしましたときに、将来の給付の見込みというものの試算をしたもので申し上げさせていただきます。 六十五年、これから十年後ということでございますが、この間物価等どのように上昇していくかという予想があるわけでございますが、私どもといたしましては、一つの試算といたしまして七%で標準報酬、つまり月給が上昇していく、それに応じて給付が上がっていくわけでございますが、そういうものを前提といたしまして試算をいたしました場合、厚生年金につきましての国庫負担は三兆一千四百七十九億という推計をいたしております。これはいま申しましたように上昇するという前提でございますので、現在の価格でこれを考えてみますと約一兆五千億程度の金になるかと思います。 国民年金につきましては六十五年時点、やはり上昇いたしますという前提で計算いたしまして二兆一千四百九十億ということでございまして、これは約一兆円程度の金額になるかと思います。 国庫負担でいたしておりますこのほかの公的年金といたしましては福祉年金があるわけでございますが、現在、老齢福祉年金の受給者は約三百万人でございますが、六十五年時点にはこれが八十五万人に減少いたしますので、大体三分の一強程度に減少いたすと思いますので、現在大体一兆円ぐらいの国庫予算をいただいておるわけでございますが、これが三分の一程度に下がるというような見込みになっておるわけでございます。
○鴨田委員 団塊の時代がこれからやってまいります。昭和八十五年度の例をとってひとつ説明していただきたいと思います。
○長尾説明員 八十五年の数字を申し上げます。 ただいま申し上げました七%上昇をするという前提で考えますと、厚生年金につきましては国庫負担の総枠が三十五兆一千三百二十四億という金額でございまして、国民年金につきましては十五兆八千九百三十二億円でございます。これを現在のものに置き直して考えますと、約四兆三千億、二兆円ぐらいのものになるかと思います。 この時点におきます福祉年金でございますが、これはほとんどございませんで、約一千人程度というふうに見込んでおります。
○鴨田委員 そうなってまいりますと、国民の負担も相当大きくなります。そういうふうになってまいりますと、公的年金にも限度が出てまいるわけでございますけれども、そのときに公的年金の方はどういうふうに運営していったらいいんだろうというふうなことについて私ども大きな疑問を持っているわけでございますけれども、政府当局としましてはどういうふうに思っておりますか。
○長尾説明員 お答えを申し上げます。 ただいま国庫負担の金額について申し上げたわけでございますが、先生から御指摘をいただきましたように、今後の公的年金制度を考えますと、社会全体の高齢化といいますか受給者がふえてくるということで、保険料の費用負担も相当大きくなるということが予想されておるわけでございます。 現在西欧諸国ですでに高齢化が進んでおります国の状況を見てみますと、たとえば西ドイツにおきましては保険料は百分の十八・五というような金額になっております。現在、厚生年金は百分の十・六という水準でございますので、相当高い水準をすでに西ドイツでは負担をされておるわけでございます。それで私どもが推計いたしましても、今後の厚生年金につきましてはやはりこの西ドイツ程度の負担はお願いせざるを得ないのではないかと思うのでございます。 一方、負担の面以外の給付の面につきましては、たとえばお一人の方が二つの年金権をお受けになるというような場合に、なるべく一方の年金は遠慮をしていただくとか、それから長い期間を掛けた場合には年金額はふえるわけでございますが、そういった場合、短い期間の方に比べて二倍とか三倍とかいうような形になるものを、少し御遠慮をいただくという形で給付の重点化、効率化ということを図っていかなくてはいけないと思っておるわけでございます。
○鴨田委員 そうしますと、今度は一般予算の点から財政の硬直化ということになってくると思うのです。その財政負担が相当大きくなってくると思うのですね。私どもの推計によりますと、一般予算に対する補助金率の割合が六十五年が大体五・八%、七十五年には一〇%、八十五年には一四%、九十五年には一六%というふうになってくる。こういう場合、いわゆる予算関係におきまして財政の硬直化をもたらさないかということに対しましてちょっと聞きたいのですけれども、その点はどうですか。
○安原説明員 ただいま公的年金の今後の見通し等につきまして厚生省から御説明がありましたが、その御説明からも明らかなように、今後人口の高齢化が急速に進展してまいります。年金受給者がふえてまいります。制度が成熟化していくということで給付費が相当なテンポで増加していく。これを賄うために、現行の国庫補助制度を前提といたしますと、ただいま厚生省の方から御説明がありましたように国庫負担も大幅に増加していくということが見込まれておるわけでございます。 それで、御案内のとおり国の財政はただいま危機的な状況にありまして、現在の国庫負担でもなかなか負担していくのがむずかしい状況に直面しておるわけでございまして、何とか財政再建をしまして今後の財政の対応力を回復していく必要があるというぐあいに考えておるわけです。そこで年金について見ますと、国庫負担もふえてまいりますし、それから保険料負担もどうしても引き上げていかざるを得ないということでございます。 厚生省からも御説明がありましたように、保険料につきましてある程度上がっていくことは避けられないわけでございますが、それではどの程度が負担の限界かということになりますと、これは年金だけではございません、医療保険の社会保険料負担もございますし、税負担もございます。それから将来における所得の水準というものもございますので、一概に幾らが保険料負担の限界だということは言いがたいわけでございますが、先ほども厚生省から話がありましたように、ドイツの年金の保険料負担が現在一八・五%となっておる、それが一つの参考になるということでございます。 そういうことで保険料は外国の例が一つの参考になりますが、一方厚生年金の保険料で見ますと、厚生省の試算で、現在一〇・六ですが、五年ごとに一・八ずつ上げていった場合にどうなるかという試算が、先ほどの標準報酬が七%上がる例で見ますと、八十五年には実に三〇%台になるという驚異的な試算になっておるわけでございます。保険料負担が三〇%ということであれば、そういう高率の保険料負担を前提にして制度運営を考えていくことはなかなかできなということが一つ言えると思います。 それから国庫負担の方も、先ほどの説明がありましたようにふえていくわけですが、その場合に財政の全体がどうなるかというのは、ちょっといまの時点で的確に姿を描くことはできませんので、定量的な形で申し上げることはできないのですが、いずれにしても大変な国庫負担である、こういうことでございますので、先ほども厚生省の方から説明がありましたように、費用負担の限界を考えて、何とか現実的に負担できる範囲内の保険料を想定しつつ、世代間の負担の公平というものを考慮しつつ、その費用負担の面を考える。それから一方で、給付の面につきましてできるだけ重点化、効率化を図っていく。こういうことで負担と給付の両面にわたりまして基本的な見直しを進め、年金制度の安定を図っていく。これは非常にむずかしい問題であると思いますけれども、そういうことに真剣に取り組んでいく必要がある、かように考えております。
○鴨田委員 そこでいよいよ郵便年金の必要性が生まれてくるわけではないかと思うわけであります。郵便年金の改善構想が発表されたのは五十四年の秋だと記憶しておりますが、この構想が発表されたころ、国民からは強くその実現を望む声がありました反面、民間生命保険業界からは強い反対がされました。民間生命保険業界はその反対の理由としていろいろな点を挙げておりましたが、その中で最も強く主張しておったのが官民の競合の問題であります。簡易保険、郵便年金事業は、簡易保険についてはその独占が廃止された昭和二十一年から、郵便年金については民間生命保険会社が個人任意年金の取り扱いを開始した昭和三十五年から、それぞれ競合関係に立っておりまして、新しい問題ではないと考えるのでありますが、郵便年金の改善問題を契機に競合の問題が再び浮かび上がったものと考えられます。 この個人任意年金事業の分野で郵便年金と民間生命保険会社とが競合することについて、郵政省はどのように考えているのか、伺いたいのであります。
○小山(森)政府委員 先生おっしゃいますとおり、私どもが構想を発表いたしまして、非常に民間生命保険会社等から、民業の圧迫であるとか、競合する業務にいまさら国営事業が入るべきではないというような議論がございました。しかしながら、私どもの考えを申し上げますと、第一に、民間生命保険会社の個人年金の現在の普及状況を見てまいりますと、昭和五十四年度末で保有契約が約三十三万件でございます。これに私どもの郵便年金が保有している契約が約八万件でございまして、合わせまして四十万件、これは世帯普及率で見ますと約一%にすぎないわけでございまして、いわゆる民業圧迫というような言葉に相当する個人年金市場そのものはまだ形成されていないというのが実態であろうと存ずるわけでございます。まずそれが第一点でございます。 それからまた、ただいま先生から個人年金と公的年金との関係ということのお話がございましたように、個人年金の事業そのものがきわめて公共性の高い性格をも兼ね備えているものだと存じております。しかも、この事業がよく普及されていないという場合において、国営事業がそこに一つの誘導機能を果たすというのは非常に重要なことではないかと思っておるわけでございます。 繰り返して申し上げるようですが、国営事業がそこに存在し機能する、そのことによって年金思想が急速に普及して年金市場が開拓されるのではないか。したがって、民業を圧迫するというよりも、むしろ民間の個人年金事業の発展を促進することになるのではないか、このように思っております。 それから第三点といたしまして、この個人年金というものの普及の性格といいますか、事業の性格でございますけれども、比較するのは非常にむずかしいのでございますけれども、預金とか貯金と若干異なりまして、一つの契約に至るまでかなりの手数を要するものでございます。まず第一は、御加入になる方の慎重な生活設計というのがある。それに対しまして事業を経営する側から、いわゆる外務員の積極的な営業活動によって、個別のお客さんとの間にいろいろな接触がありまして初めて契約に至るというような経緯をたどっているものでございまして、これが保険にせよ年金にせよ、その契約に至る一つの特性ではないかと思います。そういたしますと、年金の契約の増加とか、それから積立金の増加というようなものは非常に緩やかな伸びにならざるを得ない。これが非常に急速に発達することが非常に望ましいことではあるのでございますけれども、そういう年金の特性から、急激に、爆発的に伸びるということはなかなか困難であるという特性を持っている、こう考えるわけです。したがいまして、いわゆる金融秩序というものに対して急激な変化を与えるようなものではない、こう考えておる次第でございます。
○鴨田委員 民営と競合しないのだ、その意味はよくわかりました。ただ、公的年金の場合と民営の場合と、またそこに郵便年金制度というものが出てきたわけであります。それで、それは競合しないでもって補完的にいくのだ、こういうことでもってやっておるわけでございますけれども、この問題は、独立採算制で行う国営事業の役割りは、何かにつけて基本に立ち戻る議論に入ってくると思うのです。そうすると、ひとり郵政省のみならず、国営とか公営事業全般にわたって、要するに郵便年金の改善に当たりまして、民間補完論について郵政省はどのように考えておるか。
○小山(森)政府委員 いわゆる民業補完論でございますけれども、一般的に、ただ官業というのは民業の補完をするというような機械的な理解は非常に危険ではないかと思うわけでございます。その事業、事業によりまして個別の側面をとらえていくべきではないかと思います。 いわゆる郵便年金でございますけれども、これは法律上のことを申し上げますと、非常に静的な理解でございますけれども、郵便年金法の第一条にございますように、第一条には、個人年金をなるべく安い掛金で広く国民に提供することにより、国民の経済生活の安定とその福祉の増進を図ることを目的とすると書いてあります。これはいわばそれ自体において一つの使命を持っているということでございまして、民業の補完をするというのがこの法律のたてまえにはなっていないわけでございます。 それでは、いま現在においてどういうことを目指すべきかということについては、国民の経済生活安定とその福祉の増進ということになりますと、年金におきましては、やはり第一に先ほど来の御論議にありましたように、公的年金というものは国としては非常に大事なことである。それと同時に、こういった直接的な行政措置のほかに、郵便年金というような形でこれを補完し、さらに老後の生活というものを国営事業、それと行政の直接的な援助というもので支えていくということが好ましい状態ではないかと思っております。 それともう一つ、私ども非常に疑問に思いますのは、民業補完論というものの議論の中で一番端的に言われますものは、国営事業は不採算分野や不採算の地域だけをやればいい、それで民間企業の経営の成り立たないところだけやりなさいという論議がございます。そういたしますと、もしそういうことになりますと、郵便年金というのもやはり国営ではございますけれども、国ではやりますけれども営業でございます。これが経営の成り立たないところだけをやりなさいということになりますと、この財務的な最終的な処理はどうするのかということになります。この疑問に対しては、この論議はなかなか明快な結論が出てないということでございます。またそれを突き詰めてまいりますと、もし採算がとれないならば国が何らかの財政負担をすればいいじゃないかというような非常に単純な論議にもなるわけです。そういたしますと、民間企業の営業を助けるために財政負担をするというような論議になってしまうような気もいたしまして、民業補完論というものに対しまする考え方というのは、郵便年金については私どもとらないところでございます。
○鴨田委員 はい、わかりました。郵便年金は民業補完ではない。郵便年金事業は個人年金の先駆者として大正十五年以来の長い実績を有しているわけであります。この貴重な経験を生かして、ぜひとも民業をリードし、わが国における個人年金の普及を大いに図っていただきたい。そしてまた、迫りくる高齢化社会の到来に当たって、第二次世界大戦後のわれわれが築いてきた社会経済の繁栄を維持し、発展させていく上で、郵便年金の今後の果たすべき役割りは非常に大きいものがあると考えられます。国営事業の誇りを持って、大所高所の立場に立って国民福祉の向上を図ってもらいたいというのが現在の私の気持ちであります。 そして、法案の具体的な中身について二、三、お尋ねしたいと思います。 この法案は、郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案といかにも長い題名になっておりますが、私が目を通したところでは、内容的にも多くの改正事項が盛られているように見受けられます。 まず、この法案の概要について説明をいただきたいと思います。
○小山(森)政府委員 法案の主な内容でございますが、第一は郵便年金法の一部改正でございます。 これは一つは郵便年金の種類でございますけれども、終身年金と定期年金とするということで、即時年金はここで廃止するということになっております。 次に、現在定額制になっております年金の給付でございますが、年金額の逓増制を導入し、さらに剰余金が出た場合には、毎年それに対して年金額を増加する仕組みに持っていくという形で剰余金を分配していくということでございます。 次に、現在最高制限額が二十四万円となっておりますが、これを七十二万円に引き上げるということです。 次に、非常に細かい点ではございますけれども、いわゆる契約者保護のために、契約の申し込み時に契約についての説明をいろいろ書きました書面交付制度というものを導入していく、並びにその後、契約を申し込みまして、ある期間の間、撤回制度、クーリングオフと通称言われておりますが、この撤回制度を導入していくという点が、郵便年金法の一部改正の内容でございます。 次に、積立金の運用に関する法律の一部改正でございますが、運用範囲を広げまして、外貨建てをも含む外国債、それから第二に元本補てんの契約のある金銭信託、それから第三に銀行等への預金という三つのものを運用範囲を広げるということでございます。 さらに第三点といたしまして、いまの特別措置を附則でもってお願いしておるわけでございます。これは、郵便年金をこのように改善するに当たりまして、従来の加入者に対する利便等を図るために、既存の年金契約について、加入者の申し出によりまして契約を消滅させて特別一時金を支給するということでございまして、これは無論、どちらを選択するかは加入者の意思にかかっているわけでございます。 以上でございます。
○鴨田委員 いま聞いておりまして、なかなかいい点があります。 年金も生命保険の一種であります。そしてまた、生命表なり予定利率なりの要素に基づいて保険数理を用いて組み立てているので、国がやろうが民間がやろうが、基本的には大差のないものだと思います。国がやるといって格別にうまい話はないのだということであろうかと思います。仕組みの上でいろいろ工夫して国民に利用しやすいようにするというのがいまの説明でわかったわけでございますが、社会情勢の変動にできるだけ耐えられるようにしていくということでも、また大変苦労なさっておることもわかります。 そこで、これは間違った議論であろうかと思うのですが、念のために伺っておきたいのです。郵便年金に逓増制の仕組みを取り入れることによって国に新たな財政負担を生じさせるようなことになるというような批判をする人がいますが、このようなことについてははっきりひとつ、ないのだと言っていただければ幸いだと思います。
○小山(森)政府委員 確かに、年金額が逓増する仕組みを導入しておりますが、これは先生御指摘のとおり、生命表に基づきまして、その掛金とこの資金の運用によってその逓増制を維持できるように初めから組んでございます。したがいまして、厳密な数理計算によってやっておりまして、財政負担というようなことは一切考えていない制度でございます。
○鴨田委員 そうしますと、終身年金のうちの基本年金の部分については、あらかじめ年三%の割合で逓増するように仕組んでおく。また積み増し年金の部分は事業経営上生じた剰余金を原資とするものである。そしてこれらの仕組みは、加入者から払い込まれた掛金とそれを運用してやられる差益を原資にして厳密に数理計算によって組み立てられている。したがって国に新たな財政負担をかけることでは絶対にないのだ。いまの説明をこういうふうに解釈してよろしゅうございますね。
○小山(森)政府委員 そのとおりでございます。
○鴨田委員 ところで逓増制でございますが、初めのうちは受け取る年金額が少ない、そして長生きして期間が長くなるほど年金額が大きくなっていくという仕組みになっておりますが、そういうところから、この年金は長生きすれば得だが、早く死ぬと大きな損をすると言う者がおります。この点についてよくお考えになり、対策もお立てになっておると思いますが、ひとつ説明していただきたいと思います。
○小山(森)政府委員 個人年金と申しますのは、生命表を用いまして、保険数理によって掛金、年金額を定めるというものでございますので、いろいろな形がございますけれども、そう大差はないものでございます。ただ、その性格上、長生きすれば有利で早く死亡すれば不利というのは、これは任意年金制度には当然つきものの一つの特性でございます。 ただしかし、ここで一番誤解のもとになりますのは、早く死亡した場合には掛金額まで戻らないんじゃないかというようなことで大損するというようなことがございますけれども、これは決してそういうことではございませんでして、掛金額は全部戻る方式になっております。たとえば、給付が始まってから御本人が死亡なさったときには、保証期間として十五年、物によっては十年という保証期間を置いているということ、それから掛金を掛けている最中に万一の事故がありました場合も、掛金に、さらにその間に積み立てられました資金の剰余金を加えまして返還金にするというような仕組みになっている次第でございます。
○鴨田委員 よい点がよくわかってまいりました。 次に質問します。郵便年金を時代の要請に合うよう改正し、そして国民の老後生活の安定を確保しようとする今回の改正は、高齢化社会の急速な到来に対処する国の施策としてはまことにもって時宜を得たものであると思います。 一方、郵便年金事業が国の経営する事業であることから、郵便年金を改善するに当たって、資金の調達と運用のいずれの面からも既存の金融秩序等の調和を乱すものであってはならないと、また反面考えます。ここに大きな一つの問題点もあるわけです。 ところで金融界の一部には、郵便年金を改善すると、新契約が毎年簡易生命保険の新契約件数の一割、四十数万件に上り、資金量は二十年後には三十兆円となり、郵便貯金と同様に金融界における資金の流れに重大な影響を与えるとして、郵便年金の改善に反対の意見を持つ方々がおります。私は、郵便年金は郵便貯金のような預貯金と異なり、個人任意年金、すなわち生命保険の一種であること、年金の最高制限額が七十二万円と低く抑えられていること、即時年金や掛金を一時に支払う掛金一時払いの制度は実施しないこと等考えると、一部の人々が言うほど新契約の加入があったり資金量は増加しないと考えられるのですけれども、一応郵政省の見解を承っておきたいと思うわけであります。
○小山(森)政府委員 まず、加入の見込みでございますが、ただいま先生の、民間事業者の間から年々四十万件あるんではないかというような推測がなされているというお話でございますが、私どものいわゆる郵政省が、五十四年五月に「個人年金に関する市場調査」というものをやったわけでございます。これはほかにはちょっとこういった資料がないのでございますが、この場合、世帯主が三十五歳から六十五歳の世帯で、加入したいという回答が一七・七%、それから加入を検討してもよいというのが三六%あったわけでございます。これをどのように読むかということですが、加入したいという一七・七%はそのまま入れまして、加入を検討してもよいという三六%の方は、実際の場合に加入に当たってどうなるかわからないというので、非常に大ざっぱでございますけれども、この二分の一の方、半分のパーセント、約一八%の方が加入いたすのではないか、こういうふうに計算いたしますと、全国の三十五歳から六十五歳までの世帯数というのは二千九十六万世帯ございます。五十四年度末でございます。そういたしますと、ただいまのパーセントを掛けますと、いわゆる潜在するところの加入世帯というのは七百四十八万世帯というふうに出てまいったわけでございます。 ただ、しかしながらさらにもう一つの、この資料の掛けたいあるいは加入したいという中に、非常に少ない掛金で非常に多くの給付を望むという方がございます。たとえば毎月三千円で、もらうときには毎月十万円もらいたいというような方もございまして、そうなりますと、この保険数理からまいりますところの年金にはなじまない方でございます。したがいまして、こういった方たちを外してまいりますと、いわゆる有効と見られる需要数は二百六十三万世帯という計算が出てまいりました。 この二百六十三万世帯を、現在の簡易保険と民間生命保険との契約件数のシェアでありますところの、簡易保険が二六・六%持っておりますので、これで一応計算したわけでございます。そうしますと七十万世帯という計算が出てまいりました。それをどのように毎年やっていくかということで、さらにこれは推測になるのでございますけれども、一応、先ほど申し上げましたように年金というのは契約に至るまでなかなかむずかしいプロセスを経なければならないということから、十年間と見込みました。そうしますと一年間七万ではないかというような計算をしたわけでございます。 ただ、ここで申し上げなければならないのは、それでは七万がずっと続くかどうかということなんでございますが、先ほど申し上げましたように、国営事業というのが先導的な役割りで未開拓の分野に乗り出すことによりまして、年金思想が高まりましてその潜在需要がふえていくということになりますと、民間でも非常にこの需要に対しての対応がしやすくなる、同時に郵便年金の方もこういった加入契約がしやすくなるということになりますので、その後の変化はあろうし、また、そういった変化がなければ郵便年金を改正したという意味もなくなるわけでございます。しかしながら、そのようなことではございますけれども、いま基本的な数字でこのような割り方をしてまいりますと七万世帯というようなことになってまいります。 この毎年七万世帯を十年間でもって七十万世帯、しかもこの掛金がどれくらいになるかということも、これを世論調査の中から導入してまいりますと、大体平均一万八千円程度ではないかというような計算が現在のところ出ているわけですが、それを掛け合わせますと、大体五年後で千七百億程度の資金は集まるであろう、こう推定しているわけでございます。 それでは、このような推定のもとの千七百億円が金融界の資金量でどのようなウエートを占めるかということでございます。現在の金融機関の資金量は、五十五年三月末現在で約四百十三兆円でございます。これが今後どのように伸びていくかということについては、幾つかの調査研究機関が予測をしておるのでございますけれども、それらのものを平均的に算術平均いたしますと、名目で大体一三%の成長になっていくのではないか。この伸び率で増加いたしますと、昭和六十年度末では金融機関の資金量は八百六十兆円になる、これに対して郵便年金の資金量というものは、ただいま申し上げましたように六十年度末には千七百億円になるという計算を一応仮説としてやってみたわけです。そういたしますと、金融界全体に占める資金量の割合というのは、この改善によって〇・〇二%程度である。したがって、こういった意味において金融界に与える影響というのはきわめて少ないのではないか、こう思っておるわけでございます。 なお、先ほども少し申し上げましたのですが、この積立金というのは、預貯金などと違いまして急激に爆発的に伸びるという性格を持っておりません。じわじわとふえていくというようなことでございますので、急激に金融界の金融秩序を乱すというようなことはないと思っておる次第でございます。
○鴨田委員 私はいまのお話を聞きまして、一応昭和六十年度末には千七百億円ぐらいだ、こういうことでもって、要するに余り民間金融機関との競合並びにその資金の偏重、そういうふうなことは考えられないのだ、こういうふうなお話でもって一応安心したわけでございますけれども、ここに資料がございます。これによりますと、郵貯と民間資金とGNPとの割合を出してみたのですけれども、郵貯がうんと伸びたときには民間資金が減っております。これは昭和四十五年度の表でございます。その次の年にはGNPは下がっておる、また民間資本収支も下がっておる。四十五年度には郵貯が一七・五%、そのかわりに民間資金が一九・六%マイナスになっておる。翌年にはGNPは五・六%に下がってしまって、そしてまた民間資本収支はマイナス五・三%に下がってしまった、ここにこういうふうな表があるのでございますけれども、ひとつうまくこの点を競合しないように考えていってもらいたいと思います。 次に、資金運用制度の改善、改正について伺いたいと思うのですが、今回の改正法案は、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律も年金法に合わせて改正することとなっておりますが、この積立金運用法を改正しようとする理由は一体何だろう、この点をひとつ……。
○小山(森)政府委員 いわゆる郵便年金の積立金の運用いかんによりまして加入者への給付の状態が変わってくるというのが、今回の逓増制の仕組みの中の資金運用と給付との関連の非常に強いところでございます。また、いわゆるこの年金加入者というのは、支給を受けるときには所得能力がだんだん低下してまいりまして年金への依存度が高くなるということは当然考えられるわけでございます。したがいまして一番大事なことは、年金の実質価値を維持することにあらゆる努力を傾注しなければならないということでございます。 しかしながらもう一つ、この年金制度というのは非常に長期間にわたる契約であり、長期間にわたる支給だということになりますと、その間には避けられないいろいろな社会、経済上の変動があるということでございます。そういたしますと、その資金を多角的に運用していろいろな経済変動に対して対応力があるということが一番大事なことではないかと思います。したがいまして、有利にということも当然一つの要素ではございますが、有利であると同時に、いろいろな経済の変動に対して対応力がある形の多角的な運用ということが非常に大事になってまいりまして、今回の運用法の改正もそういった点に力点を置いている次第でございます。
○鴨田委員 資金運用の面から見て、長い将来にわたって計算の基礎になっておる予定利率は、そうすると確保できるわけですね。予定利率は確保できる、そういう自信があるわけですね。
○小山(森)政府委員 現在予定をしております予定利率は五%を考えておりますが、五%の利率は確保できると考えております。
○鴨田委員 それはどういう方法でもって確保するつもりですか。
○小山(森)政府委員 これはただいま実際簡易保険の方で運用しているわけでございますけれども、現在のところ、長年の経験によりますと運用利回りというのが五%以下に下がった経験はないわけでございます。五十四年度の実績からまいりましても七%、本年度は七・二の運用利回りになるのではないかと推計しております。現在の資金運用の範囲で、しかもこれは六八%を財政投融資に回しましてこれだけの利率が確保されているわけでございます。したがいまして、今回さらに多くの運用の対象を加えられるということになりますれば、これよりも若干有利な形の運用利回りになるのではないかと考えておりまして、従来の計算上からも五%の確保はできる、こう考えておる次第でございます。
○鴨田委員 それをもって安心したわけであります。郵政省はその運用に当たっては公共性に非常に配慮しながらできる限り有利にこれを運用してもらいたい、これが念願であります。このために運用制度の中で可能な限りな効率的な運用を進めることはもちろん、今後ともさらに運用範囲の拡大等、資金の運用制度の改善に努めて、郵便年金に加入しやすいように魅力あるものにしなければならないと私はお願いする次第であります。そしてまた、今後の運用制度の改善に当たりまして一生懸命取り組んでいってもらいたい。 最後に、聞くところによると、郵政省では諸外国の年金事業の調査や学識経験者によりますところの研究、市場調査などを行い、十分な調査検討の上今回の郵便年金改正案をまとめたということでございますが、その勉強の成果がよくあらわれておると思います。そういう点から、制度上なお幾つか不十分な点があることは考えられますが、新制度を本当に円滑に発足させ、国民の間に広めていくことにより国民の福祉の向上に大いに寄与してもらいたいと念願する次第でございます。 ところで、こうした公共性の強い仕事は、制度上の良否はもとより大切でございますが、これを運営していく事業者の心構えや取り組み姿勢いかんが非常に重要であります。事業の成否は一にここにかかっておると言っても過言ではないと思います。 そこで、この新しい郵便年金に取り組んでいかれる大臣の御決意をお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○山内国務大臣 高齢化社会になってまいりまして、年金の重要性というのは一段とふえてまいっていると考えているわけでございます。郵政省におきましても大正十五年から郵便年金を始めておりますけれども、その当時はそれほどでもなかったのでございますが、現在その制度を振り返ってみますと、定額制である、それから最高限度もいまの物価等に比べて非常に低い、こういうような点で現在の高齢化社会にはそぐわないものであるというところから、いろいろ研究をいたしまして充実改善を図る案をいま御審議いただいておるわけでございます。 そこで、公的年金というのはもちろん年金として中核になるものでございまして、これもそれぞれ改善をしていただかなければなりませんけれども、よりよく自助努力によってもっと向上した生活をしたい、安定した福祉的な生活をしたいという方にこの個人年金に入っていただくという趣旨でございますので、いま民間でも生命保険業界を中心にしてございますけれども、それぞれ競争というのはおかしいのですが、工夫をしながら、どうやっていけば国民の皆様方のニーズにマッチしていけるかということを競争しながらやっていくのがねらいであろうというふうに考えているわけでございます。先ほど局長が説明いたしましたように、まだまだ個人年金は全世帯の一%くらいしか御加入をいただいておりません。これはなかなか掛金を掛けるといっても十年も二十年も掛けるのでございますから、よほどよく国民の皆さん方の御理解を得ながら、将来はひとつ幸福に暮らしていただきたい、こういうことを考えながら、積極的に努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○鴨田委員 以上で終わります。
○佐藤委員長 鴨田利太郎君の質疑は終わりました。 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 ただいま同僚議員の質問を聞かせてもらいまして、郵政省のいわゆる年金法の一部改正についてのお考えは非常によくわかったところでございます。先ほども指摘がありましたように、今日、日本がかつて経験したことのない高齢化社会を迎え、さらにこの高齢化が進みつつあるときに、その対策の一つとして、国民の老後の生活の安定を図るために公的年金の補完としての郵便年金制度の改正を行おうとする、このことに対して、実は当時の新聞を見ますと大蔵省が全面的に反対をした、こういうふうに書かれております。 これは昭和五十四年十二月二十五日の毎日新聞でございます。「「個人年金」ホットな攻防」という見出しで「郵政省「十年がかりの悲願」大蔵省「官業が民業を圧迫」」、その中に「大蔵省側は「官業による民業の圧迫となり、絶対に認められない」と一歩も譲らない構え。」、これが五十四年十二月二十五日の一つの新聞の例でございますけれども、どうして大蔵省がそのように郵便年金の改正に反対をされるのかなかなか納得がいきませんので、きょう大蔵省に御出席をいただいておりますから、郵政の御意見は承りましたから、大蔵省の方から反対をされる理由をひとつわかりやすく御説明いただきたいと思います。
○北村説明員 お答えいたします。 個人年金問題につきまして、昨年、大蔵省と郵政省の間でそのあり方といったようなことにつきましていろいろと議論をさしていただいたということは事実でございます。特に私ども大蔵省として問題といたしましたことは、こういった年金というような分野について民間がかなりいろいろとこれまで努力をしてきているし、民間としてできるだけこういった分野に進出する努力といったようなものを続けていくということが必要なんじゃないか、どういう形で官業と申しますか、郵便年金がこういう分野に進出していったらいいのかといったようなことについて、いまのような問題意識でいろいろと議論したということは事実でございます。 しかし、いろいろと両省で議論いたしました結果現在御審議をいただいているといったような形にまとまったわけでございまして、その議論の結果がそういうことであったというふうに御理解いただければと思います。
○阿部(未)委員 いま大蔵省から御答弁をいただきましたが、いまおっしゃられるような事情であったのならば、この郵便年金の法律の改正がこんなに引き延ばされる理由はなかったと私は思うのです。大蔵省はこの新聞にあるように強く反対をしたというのが私どもが承知をしておるところなので、私はその経過よりも、反対をされた理由がどうも納得ができない。大蔵省のいまのお話では、民間の金融機関、民業ということを盛んに前に出されますが、国民の老後の生活の安定ということが優先をするのか、民業を保護するということが優先するのか、その辺のお考えが私どうしてもわからないので、もう少しわかりやすく説明してくれませんか。
○北村説明員 いわゆる老後のための年金の充実といったようなことが非常に重要なことであるということの認識は変わっていないと思います。したがいまして、その中でどういうふうな分野でそういった国民のニーズにこたえていったらいいだろうかというようなことにつきまして議論があったというふうに御理解いただきたいと思うのであります。
○阿部(未)委員 議論があったのではなくて、反対をした、こうなっておるのですが、これは質問にちゃんと答えてもらいたい。そこでどういう方法がいいかということを議論した、その結果反対されたのでしょうけれども、どうも私が申し上げたように民業、民間金融機関を擁護することに専念をして、国民の老後の生活については目を配ろうとしない、そういう姿勢がうかがえますので私はことさらに申し上げておるわけです。 ちなみに、いまおっしゃるような経過であったとしても、民間でも昭和三十五年から年金制度というものをおつくりになっておられるわけですけれども、先ほども説明がありましたように、これが一向普及していないわけですが、そのことについてはどうお考えになっておられるのでしょうか。
○松原説明員 お答えいたします。 民間の生命保険会社が個人年金を売り出しましたのが、御指摘のとおり昭和三十年代からでございます。しかし、四十年代の高度成長時代におきましてはまだ国民の個人年金に対するニーズがそれほど高くなかったということで、御指摘のとおり余り民間の個人年金の売り上げ実績が伸びなかったわけでございます。しかし、安定成長時代に入りまして国民の個人年金に対するニーズが非常に高まってまいりました。その結果、ここ三、四年をとってみますと、民間の個人年金の販売実績は毎年、対前年比二倍程度の伸びを示しております。その結果……(「それを郵政省がやるんだから」と呼ぶ者あり)いや、郵政省がやると申されましたのは――不規則発言にお答えしてあれでございますが……。
○佐藤委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○佐藤委員長 速記を起こしてください。
○松原説明員 現在五十五年末ですでに民間の個人年金の保有契約件数は九十四万件で、年金年額は約三千二百億円になっております。 ただ、これは純粋型の個人年金だけでございまして、いわゆる定期つき養老、これは民間の主力商品でございますが、それを年金払いをする、実質的には年金と同じような内容を持つものでございますが、それはすでに昨年度末で五百万件を超えておるという実績になっております。 それからさらに生保以外の金融機関でも、信託銀行等では、これは信託の商品というのは非常に年金型の商品になじみやすいものでございまして、従来から信託年金プランとかそういったものを売り出しておりましたが、先ほどちょっと御指摘がございましたように、郵政の郵便年金の案が出てきたということが一つの刺激材料にもなりまして、昨年から本格的な個人年金の商品を売り出しておるということでございます。
○阿部(未)委員 私のところにある資料を見ますと、必ずしもあなたの言うようになっていなくて、むしろ契約件数は昭和三十七年とか昭和三十八年、そういうときに新規契約はわりあいにふえておりまして、そして五十一年、五十二年、五十三年、この辺は余り伸びてないのです。 そこでいまお話があったように、郵政省のこの国民の老後の生活の安定のために郵便年金を改正しようという意見が出てからふえてきたのです。ということは明らかに私は郵政省が打ち出した政策は正しかったというふうに理解をするのですが、大体おたくが反対をされる理由はわかりました。要するに、民業が伸びつつあるのだからもう郵政省がやらなくてもいいのじゃないか、こういう御意見のようでありますけれども、しかし、申し上げましたように、これは郵政省が郵便年金の法改正を出したことによって刺激をされて、いわゆる切磋琢磨して伸びてきて、国民の老後生活の安定に寄与する結果になってきた。あなたが何とおっしゃろうともての表を見る場合にそう見ざるを得ないのです。 さて、そこでお伺いしたいのですけれども、大蔵省がそういう理由で、新聞等によると大変強く反対をしたために、与党の自民党さんでもずいぶん御苦労なさったようです。そして、いわゆる五者案なるものがつくられました。そうでしょう。その内容は、一つには、最高限度額を九十六万円とし、即時年金は行わない。二つには、資金運用の幅を広げるけれども、株式取得や不動産投資は行わない。三つ目には、財政援助や定員、機構の拡充は行わない。四つ目に、政策減税は行わない。さらに、この制度は「昭和五十五年度中に発足させる。」こういう内容のものであったように聞いております。私はこれは、内容に対する賛否は別として、与党としての見識だ、率直にそう思っております。この経過については、大蔵省、郵政省、間違いございませんか。どうお考えですか。
○小山(森)政府委員 先生のおっしゃるとおりの経緯をたどっております。
○松原説明員 五十五年度に発足するということになって、「調整の上、成案を得ることとする。」と、五者案について三大臣でそのとおりやりましょうということで合意になったと聞いております。
○阿部(未)委員 私は、三大臣の合意のことを聞いておりはしないのです。五者案のことを聞いておるのです。五者案はそうなっておったかどうか聞いたのです。「五十五年度」そうなっておるでしょう。要らぬことを言わぬでいい。 そこで、その五者案を受けて、大蔵大臣と郵政大臣と内閣官房長官が、いわゆる政府が言うところの五者案を基本として「引き続き調整の上、成案を得ることとする。」これがいわゆる三大臣の合意になる。いわゆる政府の合意になったわけでしょう。これを「基本として、」と明確にしてあります。「基本として、」ということは、私が申し上げた四つの項目と「五十五年度中に発足させる」というそれを基本として三大臣が合意した、そういうことにならないのですか。これは当時大臣じゃないから、事務当局に聞きましょう。
○小山(森)政府委員 そのとおりでございます。
○阿部(未)委員 どうだ大蔵省、違うのか。
○小山(森)政府委員 三大臣の覚書、ちょっともう一回見直しますので、少々お時間を……。
○阿部(未)委員 わからなければ私が読んであげましょうか。 個人任意年金制度については、党において検討を進めてきた案(いわゆる五者案)を基本として、なお、引き続き調整の上、成案を得ることとする。 昭和五十四年十二月二十八日 大蔵大臣 竹下 登 郵政大臣 大西 正男 内閣官房長官 伊東 正義 これに間違いがあるかどうか。
○小山(森)政府委員 間違いございません。
○松原説明員 そのとおりでございます。
○阿部(未)委員 それから一年、いわゆる調整の期間があったように見受けますけれども、昨年、昭和五十五年十二月の二十八日、どういう調整があったのか私、知りませんけれども、個人年金に関しての政府・党合意が行われたということになっております。この政府・党の合意事項というものはここにございますけれども、その第一項で個人年金とは関係のない郵便貯金の金利一元化などの問題に触れて「内閣に中立的な検討の場を設け、」「この検討の結果については、大蔵大臣も郵政大臣もこれを尊重することを確約する。」こういうことになっておるようでございます。 そこで、郵政大臣にお伺いいたしますけれども、五者案あるいはそれを受けての三大臣の合意のどこに郵便貯金の問題があったものでしょうか。これをお伺いしたい。郵便貯金の問題がなぜここで出てきたのかりこれは本来個人年金の問題であって、郵便貯金とは、関係のない問題が突然ここに出てきたわけです。これはどういういきさつですか。
○山内国務大臣 郵便年金のことも出ましたけれども、昨年郵便貯金がどんどんふえて六十兆円になってきた。そこで民間金融機関が、これでは非常に事業が圧迫されるとか、本来の仕事である金融が非常にやりにくくなったとか、そういうような点が背景になりまして、郵便年金も恐らくこれを認めた場合にはどんどんふえてきて、また貯金と同じようになる心配がある、こういうような懸念から、実は第一項と第二項は関連がないように書いてありますけれども、最初は関連が出てきまして、一項の検討を終わらなければ認めない、こういうようなことでございますので、それはとんでもないことである、関連がないじゃないですか、貯金のことなら関連がありますけれども、年金は関連がないと、関連を実はそこで断ち切ってもらったのです。 そこで、後から見ると、現在の文章はちょっととっぴに一と二と関連がないのに並んで書いてあるじゃないか、こういうことでございますが、一のような検討をした結果でないと年金は認めないというような文章を訂正してもらいましたので、ちょっとその点が、いまから考えると、その文章を見ていただきますと、とっぴなように受け取られますけれども、経緯をお話をいたしますとそういう経緯に相なっているわけでございます。
○阿部(未)委員 官業という視野からすれば、それはそういう見方もできるかもわかりません。しかし、この第一項には明らかに「金利の一元化」――金利の一元化というような問題と年金とはどういう関係があるのだろうか。これは私は全く無関係だというふうに思いますし、当然別の場所で検討すべき課題であって、年金と絡めて、いま大臣おっしゃったけれども、こっちをやらなければこっちもまたやらぬぞというおどしといいますか、そういうやり方は、私はどうも不純なやり方のような気がして、どこを向いて政治をしているのだろうかと思う。しかも、いままでの経緯からするならば、郵便貯金という問題は年金とは全くかかわりがなく、年金だけの問題を五者案でも示され、政府としてもそれを受け入れておるのです、それが一年たったら突然郵便貯金の金利の一元化などというものが出てきて、それをまたお認めになった大臣は率直に言ってどういうお考えだったのだろうか、その辺がわからない。 官業という広い視野からすればそれはそうかもしれませんけれども、郵便貯金の金利一元化を中心とする郵便貯金の取り扱いと年金法を改正しようということとはどうかかわり合いがあるのだろうかと、おっしゃるように全くとっぴな感じを受けます。もっとわかりやすく、これはどっちが案をつくったのかは知らぬが、大蔵の方が知っているなら大蔵からでも結構です。このかかわり合いを知らしてくれませんか。
○北村説明員 この懇談会の設置は、御承知のとおり昨年の郵便個人年金に関します政府・自民党の合意ということでできたものでございますが、その背景といたしまして、郵貯の急増という問題を契機といたしましていろいろと問題が提起されているという状況の中で、自民党の三役の調整ということの結果できた合意だというふうに私ども承知しております。したがいまして、第一項目、第二項目――個人年金の問題が第二項目でございますが、第一項目は、そういった懇談会でいまいろいろ問題になっておりますことを議論したらどうかということでできていると私ども承知しております。
○阿部(未)委員 これはどう説明をされても私は納得ができないのです。全くと言っていいほどかかわり合いのないものを、早く言えば個人年金を認めてやるかわりに、郵便貯金の方は大蔵省の言い分を郵政省は聞きなさい。こういう文章に私はなっていると思うのですが、直接関係のないものをことさらに結びつけて、大蔵省がかなり横暴な横車を押したのではないかという気がしてなりません。これはやはり大蔵省ももっと国民の方に目を向けて物を考えてもらわなければならないと思います。 そこで委員長、これまでの経過でも明らかなとおりに、この郵便年金法の改正は、郵便貯金とは無関係にずっと議論をされてきておったのに、突然こういう郵便貯金の金利一元化という問題が出されてきて、郵政大臣もこれに合意をされたようでございますけれども、これはきわめて重大でございます。 まずこの合意事項の中にこういう言葉が使われております。「よって、内閣に中立的な検討の場を設け、」という言葉が使われております。いまある法的に定められた郵政審議会というものは、これは中立的な第三者の機関ではないのでしょうか。これは一体郵政審議会とのかかわりはどういうことになるのでしょう。
○山内国務大臣 郵政審議会というのが法律で決められているわけでございます。昨年の十一月でありますけれども、この郵政審議会におきましても、郵便貯金がどんどんふえてくる、したがって今後の郵便貯金のあり方についても郵政審議会で大いに検討しないといけないんじゃないかというような答申をいただいたわけでございます。そこでその答申に基づきまして、やはり今後の郵便貯金のあり方についてという諮問をいましてあるわけでございますが、まだいろいろと御検討中でございまして、結論は得られておりません。そういうふうに郵政審議会としてもその道を進めているわけでございます。 そこで、先ほどからいろいろおかしいと言う。おかしいかもしれませんけれども、郵便年金を切り離して郵便年金はスタートさせる。そこで第一項もひとつスタートさせる。こういうようないろいろの経過をたどってこういうふうに相なったわけでございますが、そこで中立の委員を内閣で選ばれて、りっぱな委員の方ばかりだと思いますので、郵政省としても大いにひとつ郵便貯金のあり方、これは国民の皆さん方の大切な貯金でありますというような点、その利子につきましても国民の利益の増進になるようにできるだけ高くしていかなければいけない、こういうような点を十分に御理解をいただくべく、懇談会におきましてもまた、各委員会の先生方にも十分に御納得をいただくようにいまやっている最中でございます。したがって、そういう点について十分な御理解をいただいて答申を出されるであろうということを期待を申し上げているわけでございます。
○阿部(未)委員 大臣のおっしゃることは、いろいろというところだけはよくわかりますけれども、後の方はどうもよくわからないのでございます。本来個人年金は独立して進んできたのであって、何も切り離すとか切り離さないという問題ではないのです。これは後からくっついてきただけなんです。本来郵便年金の方が独立してずっと議論されてきておったのに、突如として貯金が後からくっついてきたわけです。それを切り離すとか切り離さないとかいうのは、大体私はおかしいと思うのです。 実はきょうは内閣官房の方からも御出席いただいておりますが、いまの大臣の御答弁ではわかりかねます。中立という関係ですね。この中立というのはどういう意味でお使いになっておるのか、これは官房の方から聞かしてもらいたいと思います。
○石川(周)政府委員 私、五人の委員の方々の人選に直接は参画しておりませんので、必ずしもお答えできる立場にはございませんけれども、御同様な御質問が予算委員会等でございまして、官房長官がお答えしているところを御紹介させていただきますと、いわゆる三者構成という形をとらないで、中立的な委員の方々をお願いした。それから学識経験豊かで識見の高い方々をお選びしてお願いした。こういう趣旨で御答弁をされておられます。
○阿部(未)委員 よくわかりました。そうすると、三者構成というのは中立ではなくて、三者構成でなければ中立だ、そういうお考えになるわけですか。
○石川(周)政府委員 三者構成は中立的でないという表現は官房長官はしておられません。いわゆると言っておられます。いわゆる三者構成でなくて中立的な委員、中立的な立場の方々をお願いした、こういう理解でございます。
○阿部(未)委員 私はそういう意味から言えば、三者構成であっても、意見というのは公平、公正なものが出てくる。もし三者構成の委員会が公平な意見を出さないものであるとするならば、私はいま政府がつくっておるそういう三者構成の諮問機関は全部認めるわけにいかないと思うのです。三者構成でもりっぱな公平な意見が出るから諮問をするのであって、公平な意見の出ないような委員会、いわゆる三者構成であるならば、そんなものは認めるわけにいかぬでしょう。 それではこれから官房としては、三者構成の委員会は公正な結論を出さないという前提に立ってこういう委員の選考をなさるわけですか。
○石川(周)政府委員 私がお答え申し上げましたのは、委員の選考の考え方を漏れ承っておるところを御紹介いたしましたところで、どのような審議会でも公正な議論が行われるということはお説のとおりだと思います。
○阿部(未)委員 そうであるならば、私は郵便貯金については、法的な根拠のある郵政審議会というものがあって、先ほど郵政大臣もお話しになりましたようにすでに検討をやっておる。これまでも検討してきたところでございます。ことさらに中立の委員会をつくらなければならぬという理由がどうしても理解ができないわけでございます。 ちなみに郵政審議会の会長さんは土光先生ですよ。いま鈴木総理大臣が最も信頼を置いて第二臨調のキャップとして大きな期待をかけておるのも土光先生ですよ。郵政審議会の会長である土光さんは信頼できないけれども、第二臨調の土光さんは信頼できると、そういう政府の考え方になるのですか。官房もっとしゃんと答弁してください。
○石川(周)政府委員 ただいまの御質問は委員の人選の問題でなくて、懇談会の性格、あり方ということだろうと思いますが、私ども理解しておりますところでは、郵政審議会の設置目的でございます郵便貯金事業等の能率的な運営を図るといったそういう問題とやや次元を異にするといいますか、より広いといいますか、金融の分野における官業のあり方というとらえ方の違う問題を広い立場から御議論いただきたい、そういう必要を痛感されて、御認識されてこういう懇談会を設けたということのように理解いたしておりますので、郵政審議会と設置目的が違う、趣旨が、とらえ方が違う、そういうふうな角度でこの懇談会の趣旨を理解すべきではないか、このように考えております。
○阿部(未)委員 宮澤官房長官もなかなか頭のいい人ですから言い回しが上手で、あなたもそのそばに仕えているから言い回しが非常に上手ですが、私がこの文章を読む限り、まず第一項の中に、郵便貯金の「金利の一元化」という問題があります。これは、郵政審議会が郵便貯金の金利については諮問を受けて答申をするということが決められております。明らかに郵政省設置法による郵政大臣の所管を侵すものであると見なければなりません。 二点目に、あなたは中立的な委員を選考したとおっしゃるけれども、この文章では「内閣に中立的な検討の場を設け、」としてあるのです。これは性格ですよ、「検討の場」というのは。これは中立的な委員を選考するとは書いてないのです。中立的な検討の場を設ける。機構でしょう。これは中立的な機構という意味でしょう。だから私は、郵政審議会は中立的でなくて、内閣につくるものは中立的なのか。あなたは人選とおっしゃったけれども、「検討の場」というのは、人選のことですか、機構のことですか、どっちですか。
○石川(周)政府委員 合意文書それ自身は私お答えする立場にないように思います。ただ、理解させていただいておりますところは、検討の場も委員の方々も公正中立なものでなければならない、このように理解いたしております。
○阿部(未)委員 あなたがこの文書をごらんになっておらぬということはきわめて不勉強ですが、これを読んであなたはどうお感じになりますか。「内閣に中立的な検討の場を設け、」こうなっているのです。中立的な人たちを委員として、検討するというのではなくて、中立的な検討の場をつくるというのですが、この懇談会そのものが中立的な懇談会なんだ、ならば、郵政審議会といういまある法的な根拠を持つ審議会は中立的ではないというのか、こう私はお伺いしているのです。
○石川(周)政府委員 合意の文書に「中立的な検討の場を設け、」とあることは存じております。ただ、なぜそういう表現をここにとったかというその当事者のお気持ちをそんたくするという立場にはございませんが、まさに文字どおりそういうような表現があるということは存じております。 それから同時に、政府のいろいろなところでいろいろな審議会、調査会、懇談会がございます。そしてそれぞれの立場から、いろいろな問題を重複して違う角度から議論する場合というのが多かれ少なかれございます。ある意味では重複する、しかしとらえ方が違う、次元が違う、そういういろいろな審議会、懇談会が中立的、公正に運営されていかれるべきものであるというふうに理解しております。
○阿部(未)委員 文書を読めばそういうことになります、こうおっしゃる。われわれは文書を読むしかないのです。まさか宮澤官房長官の腹の中に入っていって、あなたはどういう真意でおっしゃいましたかと言うわけにはまいらないのですよ。これはこの文書のとおりに受け取らざるを得ないのです。この文書のとおりに受け取ると、何で郵政審議会があるのに中立的な検討の場などをつくらなければならなかったのか、その理解に苦しみます、あなたこのことを官房長官によく伝えておいてください。いいですか。 そこで、あなたと議論したって、あなたが宮澤さんの気持ちはわかりませんと言われたんじゃ私も質問のしようがないから、よく宮澤さんに伝えてください、もう一遍私は機会があったらやろうと思っているから。 そこで、あなたがおっしゃる、官房長官の言う人選の問題等を含めて郵政大臣は合意をされましたけれども、しかし、これは恐らく郵政省からだと私は思うのです、「当省」と書いてあるから。 懇談会の委員については公平に人選することとし、委員の決定に先立ち、当省と相談すること。 懇談会の検討項目としては、政府系金融機関及び民間金融機関のあり方等を含め、広く金融の全般にわたって取り上げることとすること。 懇談会においては、当省の意見を十分聴取されたいこと。 懇談会会議開催の都度、当省の職員を出席させること。 懇談会の円滑かつ公正な運営に資するため、懇談会の事務局職員に当省職員を若干名充てること。 内容の可否は別です。こういう申し入れが郵政省から行われたかどうか、官房にお伺いいたします。
○石川(周)政府委員 そういう文書を郵政省の方から御連絡をいただいております。実際にはそういう御趣旨のことを口頭でお話があったように理解いたしております。
○阿部(未)委員 それに対してどう対応したのか御説明をいただきたいと思います。
○石川(周)政府委員 第一項の「公平に人選すること」「決定に先立ち、当省と相談すること。」これにつきましては、公平な人選をされたというふうに理解しております。それから、郵政省には決定に先立ちまして――先立ちかどうか、私もそこは人事の問題でございますのでつまびらかにいたしておりませんが、郵政大臣に御連絡をされたというふうに承っております。 それから二番目の「広く金融の全般にわたって取り上げることとすること。」この問題につきましては、むしろ委員の先生方の御判断の問題のように思っております。私どもが理解しておりますのは、金融の分野における官業のあり方について何が問題で、どこにどういうような問題があるのかということの御議論をお願いしておりまして、委員の方々も、まずはどこにどういう問題意識があるのか、幅広く各界のいろいろな御意見を承って、その中から何が問題であるかということを集約していきたいというようなスタンスにあるように伺っております。 それから三番目の「当省の意見を十分聴取されたい」この点につきましては、すでに郵政省の御意見を承っております。また、追加してなお郵政省から御意見を承りたいというような御内意も承っております。 それから「懇談会会議開催の都度、当省の職員を出席させること。」これは出席いただいております。 それから「懇談会の事務局職員に当省職員を若干名充てること。」これは郵政省から私のもとに審議官としておいでをいただいております。
○阿部(未)委員 国家行政組織法あるいは郵政省設置法、そういうものがありまして、郵便貯金の問題は、郵政省が所管をし、大臣が責任者でございます。その所管をしておる郵政省、郵政大臣の意見が無視されるということになれば、これは私は非常に重要な内容を持っておると思うのです。 いま官房の審議室長の方からお答えいただきましたけれども、ただいまの郵政省からの口頭か文書か知りませんが申し入れについて、官房は余り本気にこれを取り扱っていないようでございます。なぜならば 先に、内閣に設けられる「懇談会」について、中立・公正なものとするため、人選、検討項目等を、その決定に先立ち、当省と相談するよう申し入れたにもかかわらず、本日、人選について、一方的に通知がなされたことは、誠に遺憾である。 このようなことでは、今後真に中立的な立場で公正な審議が確保されるか否か強い疑念を抱かざるをえない。 よつて、強く、不満の意を表明するとともに、 後は読みませんが、これは、郵便貯金を所管する郵政省がかかる強い不満の意を表明するようなそういう懇談会であるならば、あなた方がおっしゃる中立、公正といいますか、そういう懇談会とは認めがたいし、また私は、その運用もきわめて至難であろうと思います。 したがって、グリーンカードじゃないけれども、せっかく設けたのですが、本来の姿に立ち返って、いわゆる国家行政組織法、郵政省設置法の精神にのっとって郵便貯金の問題については郵政審議会、郵政省にお任せをするというのが内閣のとるべき姿勢ではないかと考えますが、官房はどうお考えですか。
○石川(周)政府委員 ただいま問題になっておりますのは、金融の分野における官業のあり方という幅広い問題でございます。したがいましてこれは郵政省だけの問題ではなくて、いろいろなところと関係してまいります、そういう幅広い問題でございますので、内閣にそういう検討の場を設けられた趣旨がやはりそこにあるのではないかと思っておりますので、先生の御意見は官房長官に報告いたしますけれども、私の理解は、いまの体制でいろいろな問題を御議論願いたい、こう考えております。
○阿部(未)委員 金融の分野における官業のあり方という非常に広い観点からとらえております。そうおっしゃいますけれども、なぜその中に郵便貯金の金利の一元化の問題というようなものが具体的に出てこなければならないのか。 さらに、マスコミがその懇談会を郵貯懇と呼んでおります。ほとんどの新聞は郵貯懇という言葉で呼んでおりますが、なぜ郵貯懇と呼ばれるのでしょうか。官房がおっしゃるような趣旨のものならば、郵貯懇などと呼ばれる理由はないと私は考えます。そういうものではないとおっしゃるのならば、新聞が郵貯懇と盛んに書き立てることについて官房は、そういうものではないという趣旨の説明をされ、その記事の訂正等をお申し入れになりましたか、どうですか。
○石川(周)政府委員 私ども、最初から非常にデリケートなむずかしい問題という理解をいたしておりまして、名前をつけるのも実は相当頭を痛めました。それで、大変長い名前で申しわけないなと思いながらも、ああいう「金融の分野における官業の在り方に関する懇談会」という長い名称をつけさせていただきました。 それから、新聞記者などに応対する場合にも、私は一応そういう長い名前を申しまして、それからこの懇談会、懇談会とこういうふうに言っております。そしてまた郵貯懇という表現は非常に誤解を招くから使わない方がいいよということも申し上げておりますが、記事の訂正の申し込みというところまで大仰な姿勢をとるべきかどうか、そこはそれほどのことではないのではないかというふうに理解いたしておりますが、新聞記者には郵貯懇という表現はおかしいよということは申し上げております。
○阿部(未)委員 私はこれはマスコミの方が懇談会の内容を正確にとらえておると思う。正確にとらえておるから郵貯懇という言葉が出てきたのであって、あなたの方がどんなに強弁をしてみても、私はマスコミのとらえ方の方が正しいと思う。われわれもそうとらえざるを得ないのです。その事例は、さっき申し上げたように郵便貯金の急増に伴いというのが一番初めに出てくるのです。そして金利の一元化というのが出てくるのです。これを郵貯懇と呼ばずして何と呼びますか。マスコミの方がはるかに正しい。あなた方が無理な名前をくっつけただけじゃないですか。このこともちゃんと官房長官に伝えておいてもらいたいと思うのです。そして私が申し上げたこれはやめるという方向で検討してもらいたいというのはどうですか。もう一遍答弁を。
○石川(周)政府委員 御意見は報告いたします。しかし、総理大臣の私的な諮問機関として発足した懇談会でございます。やめるわけにはまいらないと思います。
○阿部(未)委員 あなたそういうところだけは大変勢いがいいな。わからぬところは官房長官でなければわかりませんと言う。やめぬというところだけは大変勢いがいいわけであります。 そこで今度は、郵政大臣には気の毒ですが、さっき申し上げたように、どうも郵政審議会は公平中立な意見を出さないので公平な検討の場を内閣に設けられたようでございます。しかし、郵政大臣としては法的に定められた郵政審議会という諮問機関がございます。郵便貯金の運用、金利についてここの御意見が必ず出てくるはずです。向こうのいわゆる公平と言われるところの意見が同じものであるということを期待するならば、二つ設ける必要はなかったわけです。違うであろうということを想定するから、いわゆる中立の懇談会を設けた、こう私は理解せざるを得ないのです。 そこで、二つの意見が分かれて出てくる。たとえば金利を一元化せよという方向で懇談会が結論を出す。大臣の方の諮問機関は、これは本来国民の零細な預金を預かっておるのだから、預金だけを中心にしておる郵便貯金としては金利は別建ての方がよろしい、こういう結論が出たとき、どうなさるおつもりですか。
○山内国務大臣 金利の問題は非常にむずかしい問題でございまして、郵便貯金の金利は利用者の利益の増進のためにできるだけ高くしないといけない。ただ、民間の金融機関の利子につきましては、金融政策というものがありますから、金融政策で貸し出す金利に関連していわゆる一般の個人の預金の金利を決めないといけない。これは非常に相ぴったり一致するものではないのです。どんなにだれが考えてもこれは差異が生ずることは明らかでございます。したがって、金融懇の委員の先生方にも十分にその点はお伝えをしてございます。 したがって、これは相入れないものでございますけれども、現在どういうことをやっておるかといいますと、おのおのの銀行の利子の最高と郵便貯金の利子の最高は一致しております。ということは、おのおのが別に決めておりますけれども、その点は大蔵、郵政両省において話をしながら、郵政省の方は個人の利益を考えながら、大蔵省は金融というものを頭に入れながら、最高だけはひとつ合わせないことには大変であるというので、従来の金利が変わった場合をずっと見てまいりますと、最高は一致しているわけでございます。そういう点で、現在は、郵便貯金につきましても一般の金融機関の利子に配意をする、これも書いてございますので、そういう点も調整をしながら国全体として妥当な金利の最高を決めながら、その最高のもとで貯金の内容、預金の内容についてはおのおのが二元的にやっている、こういうような現状であるわけでございますので、こういう点は私は金融懇の先生方に十分御理解をいただけるものだというふうに考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 大臣の期待しておることはわかりますけれども、私は、なかなかそうならぬだろう、なるぐらいなら二つつくる必要はなかったと思っておるのです。これはいまから先の成り行きを見なければ私もここで即断をするわけにはまいりませんが、そういう見方が多いということについては大臣もひとつ十分承知をして、恐らく違う結論が出るのではないか、そのときどうされるだろうかということを国民の側に立ってわれわれ心配しているということについて御理解をいただきたいと思います。 委員長、大変申しわけないのですけれども、本来この委員会はいわゆる郵便年金法の改正を議題としておる委員会でございますけれども、それに郵便貯金というものがくっついてきたものでございますから、この郵便貯金の問題は避けて通るわけにはまいりません。したがってもう少し郵便貯金の問題について質問することをお許しをいただきたいと思います。 大蔵省にお伺いしますけれども、最近大蔵省は「郵便貯金についての大蔵省の考え方」というこういうものを、発表されたのか何か知りませんがお出しになっておるようでございます。さっき私ちょっと申し上げましたが、国家行政組織法なり郵政省設置法で郵政大臣が郵便貯金を所管なさっておるのですが、大蔵省が郵便貯金についての考え方などということをあっちこっちで発表されたのでは大変迷惑じゃないかと思うのですけれども、所管をされる郵政省としてこれはどうお考えになっていますか。 〔委員長退席、畑委員長代理着席〕
○鴨政府委員 先日の金融懇におきまして大蔵省から意見が出されたということは私ども承知いたしております。先ほど内閣の方からもお話がございましたように、私どもの考え方というものは二月に一度表明いたしておりますけれども、これから先六月ごろにもう一度機会があると承知をいたしております。したがいまして、その機会に改めて金融懇の場では私どもの考え方を申し上げたいと考えておりますけれども、この間大蔵省から発表されました点につきましては、定額貯金のあり方についての問題等を含めまして私どもにもいろいろ異論があるということだけを申し上げておきたいと思います。
○阿部(未)委員 官房審議官、あなた大変気の毒ですが、もう一遍あなたに御答弁いただかなければならないのです。そのいわゆる郵貯懇、金融の分野における官業のあり方を検討をする懇談会に大蔵省がお出しになったものは、金融全体についての意見ではなくて、これは郵便貯金についての大蔵省の考え方なんです。郵貯窓と言われる理由がおわかりになりますか、どうですか。なぜ大蔵省はあなた方の求むる金融の分野における官業全体についての意見を述べようとせずに、かかる膨大な資料を郵便貯金についての考え方として述べるのですか。どうお考えですか。
○石川(周)政府委員 五人の委員の方々から、ヒヤリングといいますかいろいろ御意見を各界に承っておりますけれども、その各界に特に郵便貯金について意見を聞かしてくれという限定を付した覚えはございません。 それから、その大蔵省の意見でございますが、私の理解しているところでは、当日は郵便貯金の問題とそれから財政投融資の資料と両方配られたように理解いたしております。基本的には、私どもいろんな御意間を承る方々に、金融の分野における官業のあり方の中で何を一番問題とするか、何を問題意識されているかということをそういう角度から聞いている、そういう感じで理解いたしております。
○阿部(未)委員 それは結局、特に懇談会の方から要請したものではない、すると大蔵省の方がことさらにつくって出した、そういうことにならざるを得ない。その表題が郵便貯金、こういうことになっておるわけです。 そこで、この内容について少しお伺いいたしますけれども、大蔵省にお答え願いたいのですが、まず、郵便貯金が明治八年以来、庶民に簡易で確実な貯蓄の手段として親しまれて、運用面においては預金部資金あるいは財政投融資の原資の大宗を占めて、産業基盤の形成や社会資本の整備など公共の福祉に大きい役割りを果たしてきた、この点については私は大蔵省も郵政省も認識の違いはないと思っておりますが、どうですか。両省答えてください。
○北村説明員 去る三月十八日の懇談会におきまして大蔵省として述べました冒頭のくだりがただいま先生お話しいただきました点でございまして、そのように私ども意見を述べております。
○阿部(未)委員 ところが大蔵省は、近年郵便貯金が増大して民間金融機関を圧迫しているのが問題であるとこの中で指摘をしております。そして、郵貯が増大する原因として、一つには、しばしば限度額の引き上げを行ったと、こう書いてあります。二つには、定額郵便貯金という有利な商品があるからだと、こう述べておられますけれども、まず限度額については、この三百万という限度額は、昭和四十八年、いまから八年前に、当時の経済情勢に応じて定められたものでありまして、これが郵便貯金が増大する原因になったというのは、どういう観点からそうお考えになるわけですか。
○北村説明員 ここで私ども述べさせていただきましたことは、郵便貯金というのが昭和四十年代以降民間個人預金の伸びを上回って構造的に増大する傾向を示しているということの御指摘の中で、このような構造的な増大の原因として、一つに限度額の引き上げと、これはおっしゃいましたように四十八年に百五十万円から三百万円に引き上げられたわけでございますけれども、こういう原因もあるということを御指摘さしていただいているわけでございまして、それは一時的な昨年かなりの急増をしたというそれより、もっと長いレンジで見た場合の構造的な問題としてそういうことが影響しているのじゃないかということを申し上げたわけでございます。
○阿部(未)委員 民間金融機関におけるマル優という制度も、私の承知する限りでは、同じ三百万までは課税の対象にならないというふうに理解をしております。同じ三百万という限度額をもって、それが郵便貯金が伸びてくる理由になったというのはどういうわけですか。
○北村説明員 先生御指摘のとおり、非課税貯蓄の限度額、民間ではマル優というふうに俗称されておりまして、三百万まで同時に引き上げられておりますので、民間において非課税貯蓄の増加も大きいということも事実でございます。 ただ、ここで私ども申し上げておりますのは、要するに郵便貯金、民間という分け方で物を申し上げたとき、郵便貯金の構造的な増加の要因としてそういうものが作用しているということを申し上げたわけでございます。
○阿部(未)委員 それが私はわからないのです。同じように三百万までは課税対象にならない。郵便貯金の場合は非課税ですが、同じ三百万までで、それまでも限度額はほぼ似てきているのですね。そして、それまではそうでなかったのに、昭和四十何年か知りませんが、これは四十八年に三百万にしていますが、民間も三百万になった。それがどうして構造的に郵便貯金に金が集まる原因になるのですか。あなたの方ははっきり「原因としては」と、こう書いてありますね。これは明らかに原因だという指摘でしょうが、民間金融機関も三百万までは非課税ですし、郵便貯金も三百万が限度額でしょう。それまでもずっと同じような額で続いてきておったのが、ここから突如として、郵便貯金が三百万だから伸びたという理屈はどうして成り立つのですか。
○北村説明員 繰り返しの御答弁になるかもしれませんが、民間の非課税貯蓄と郵便貯金の限度額と申しますか、これが全く同時に引き上げられてきているということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、郵便貯金はもう先生御承知のとおり非課税ということでございますから、そのために郵便貯金がふえた、民間の非課税貯蓄もふえているということも事実でございます。ですが、郵便貯金がなぜふえているかという原因には、一つそれを申し述べなければいけないということで申し上げているわけでございます。
○阿部(未)委員 どうあなたが強弁されても私はわからないのですよ。それまで同じ非課税とそれから課税対象にならないということで来た。今度も同じ三百万に上がった。それが何で郵便貯金の方に金が集中してくる理由になったのですか。どう考えても同じ三百万で、それまでそうでなかったものが、ここから急にこうなったという理由がわからない。たとえば郵便貯金の限度額は五百万に上がったけれども民間の方は三百万でマル優が抑えられた、だから郵便貯金に集中したというのならわかりますよ。同じ三百万じゃないですか。何でそれが構造的に郵便貯金に金が集中するという原因になるのですか。
○北村説明員 民間の預金というのは課税部分と非課税部分と両方あるわけでございます。したがいまして、民間の預金と郵便貯金というものとを対比して数字を見た場合に、民間の預金がかなりシェアダウンしてきております。それはいま申し上げたような限度額の拡大ということが原因となっているという御指摘なのでございます。
○阿部(未)委員 だれがお聞きになっても大蔵省の物の考え方はおかしいので、私はどうしても――定額貯金については理由があると思うのですよ。これは金利が違いますからね。これは内容が違うから理由があると思うのです。限度額の方を三百万に昭和四十八年に引き上げた、これが構造的に郵便貯金が増大する理由になったという大蔵省の物の考え方は、これはどうしても、常識的にも納得がいきません。 そこで、これはもう議論したってあなたは同じことを繰り返しておるのだから、しようがないから、ただみんな納得してませんよと、これだけはっきり申し上げておきます。そういう理由は成り立ちませんということを申し上げておきます。 二点目は理由があるのです。二点目の、定額郵便貯金が有利な商品だから郵便貯金が増大をするということは、これは明らかに理由があります。しかしこれは本来、二カ年までの短期のもの、あるいは企業の場合には企業資金として預金することによって貸し出しを受ける、そういう方々は短期のものについて有利な民間の金融機関を利用する。しかし、零細な庶民がかなり長期にわたって貯金をする能力ができたときに、幾らかでも、わずかでも金利の高い方を選択する。そうすれば金利の選択、最近のように若干経済情勢が落ちついてくれば、これはまあ定額貯金の方にお金が集中するのはわかります。しかし、だから悪いという理由が一体どこにあるのか。おのおのその特性を持って定められた歴史的な経過がある。そのおのおの特性を持って定められた預金の内容の経過を無視して、たまたま去年郵便貯金が急増したからといって郵便貯金の金利を大蔵省が一元的に操作しようなどという物の考え方はおかしいのではないか。この本来的な、歴史的な、性格的な経過、違いというものをどうおとらえになっておるのか、説明を願いたい。 〔畑委員長代理退席、委員長着席〕
○北村説明員 郵便貯金に定額貯金という有利な商品があるというのが増加の一つの要因であるという御指摘をさしていただいたわけでございます。現在郵便貯金の伸びが民間の預金の伸びを上回っているということからいろいろ広い意味での金融上の問題が提起されております。その一つとして、金利の一元化という問題も私どもいろいろこれから検討すべき大きな問題ではないかというふうに考えているわけでございまして、そのことについてこれからいろいろ議論をしていただきたいというふうに考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 国民のために、国民が好む、国民が選択できる、そういうりっぱなものをなぜそんなに押さえつけなければならないのですか。大体、私どもが知る限りでは、大蔵省は財投の原資などを調達するために、郵政省に対して、なるべく高い目標で募集してくれということをこれまでしばしば要請してきておるじゃありませんか。そして郵政省は、大蔵省のそういう要請を受けて、第一線の職員にもっと貯金を集めてこいと言ってしりをたたく、これをわれわれはしりたたきという言葉を使っていますが、そして第一線の職員は血みどろになって金を集めてきておるのですよ。その目標が達成できないために自殺した職員だってたくさんあるのですよ。それほどの苦労をして郵便貯金が伸びてきたというそのことをあなた方は全然頭に入れずに、やれ限度額が高いから郵便貯金が伸びたとかそういう簡単なことをおっしゃるけれども、この定額貯金を伸ばしてくれ、伸ばしてくれと言ったのはほかならぬ大蔵省じゃなかったですか、これはどうなんですか。
○亀井説明員 郵便貯金をお預かりいたしまして財政投融資として運用いたしておる立場からでございますけれども、いまお尋ねの、貯金を私どもから目標をふやせと言ったような事例は直ちに判明をいたしがたいわけでございますけれども、事実、古い時点にさかのぼってみますと、当初郵政省が計数を予定されましたのが、年度末に参りまして若干計数の違いがあって増加をいたしておる、そういうような事実はあるようでございます。
○阿部(未)委員 あなた何年間大蔵省におってこの仕事をしてきたのか知りませんが、ぼくの方がそれは詳しいんですよ。あなたの方からなるべく定期性の、長期にわたって使える資金が欲しいとしばしば郵政省に要請しておるのですよ。私が一番よく知っている、国会でもそう言ってきたのですから。 そこで申し上げておきたいのですけれども、確かに民間の金融機関も日本の金融という関係では非常に大きい役割りを果たしてきております。ただ一つ違うのは、郵便貯金は貯蓄の手段として利用されているだけであって、いわゆる融資というものは公式にはやってないですよ、わずかにローンとかなんとかやっていますけれども。その大宗は大蔵省の資金運用部に入り、財政投融資として使われておる。とするならば、金融という立場から物を考えるときには、貯金が集まるたけが悪いのじゃなくて、金融の分野におけるあなた方のやり方が間違っておるのじゃないですか、大蔵省のやり方が。自分たちが財政投融資なり資金運用部資金をどう使うかについて十分な計画と十分な行動がなくて、そして集まり過ぎだ、大変だ、やれ民間を圧迫する。たとえば郵便貯金で国債を買ったっていいじゃないですか。民間の金融機関が一番苦にしておる国債を財投の金で買えばいいじゃないですか。そうすれば銀行の方の資金の流れはよくなるし、貸し出しの幅もふえるはずですよ。それを銀行に押しつけておいて、片方では財投の金が余りましたとか、やれ民間の金融を圧迫するとか言うけれども、一体、民間の金融機関がそれほど今日まで国民のためを思って運営されてきたのでしょうか。私はこういうことを申し上げたいのですよ。 高度経済成長のときにその波に乗って民間の金融機関はどんどん資金を貸し出して過剰流動性をつくり出したじゃないですか。土地投機を初めとして異常な物価上昇を招いたのも、民間の金融機関が使ってくれ、使ってくれと言って金を貸し出したからですよ。私どもその実情をよく知っております。そして国民、特に零細な庶民の貯金は目減りをしてしまっている、その原価にも満たないような状況に置かれてきた、そういうこともあっておるのです。だから、いいときは民間の金融機関は何も言わずにやってきて、そして少し自分たちがやりにくくなってくると、すぐ大蔵省に泣きつく。そうすると、大蔵省は零細な庶民の貯金ということには目も向けずに金融機関の言うままになって、民間金融機関がこうだ、民間金融機関がこうだ、あなた方の頭の中には民間金融機関さえよければ日本の国の経済がりっぱに立ち行く、国民の生活がどうなっても構わない、そういう考え方があるのですか。それとも国民の側に立って考えておるのですか、どうなんですか。
○亀井説明員 先生のお尋ねの前段にまずお答えを申し上げたいと存じます。 財政投融資のお金の使い道、特にもっと国債を買ったらどうか、そうすれば有効に使えるではないか、こういう御指摘でございます。先ほど最初に先生が御指摘になりましたように、私どものペーパーにも、戦前戦後財投原資として産業基盤の形成、社会資本の整備等に運用されまして、公共の福祉に十分役立ってきたと書いてございます。私どもも財政投融資の資金の使い道につきましては、そのときどきの要請に応じまして有効に使わせていただくように努力を重ねておる次第でございます。国債につきましても、五十四年、五年、六年と毎年一兆ずつふやしまして、また郵便貯金が増加いたしました部分につきましても国債の年度間追加引き受け、たとえば五十五年度につきましては年度途中で一兆二千億の追加引き受けをいたすといったようなことをいたしまして、十分資金の効率的な使用に努めてまいっておるところでございます。
○北村説明員 先生御指摘のとおり、金融というものが国民経済的に広い視野からなされなければいけない、国民の貯蓄者のニーズに合ったものでなければいけない、貯蓄手段が合ったものでなければいけないといったようなことは御指摘のとおりだと思います。私どもは別に金融機関のことのみを考えてということではなくて、もっと広いマクロの金融という分野で物を考えましたときに、たとえば郵便貯金が非常に急増するというようなことがありました結果、民間の資金供給というものが民間似市場で調達された資金でなくて供給されるといったような形が、要するに活力ある経済と申しますか、民間努力によって支えられた自由主義経済といった面から見て、どういう影響を及ぼすだろうかといったような視野から物を考える必要があるのではないかという観点から問題を提起させていただいているわけでございます。
○阿部(未)委員 そうすると、私が懸念しておったとおりに、金融という視野からのみおとらえになっておって、預金をする国民の立場からおとらえになっていない。だからこういう変わった、われわれが想像もしないような変な議論になってくる。全体的なマクロな金融という立場からながめるということをおっしゃるけれども、零細なお金を預金する国民の利益をどう守ろうかという立場には立っておいでにならない、そう理解をせざるを得ないわけでございます。 そこで、けさの新聞をごらんになりましたか。先ほど来定額郵便貯金が有利であるとおっしゃいましたが、逆に短期のものは民間の金融機関にお預けになった方が有利ですから、そうでしょう、二年以内の短期のものは民間の金融機関にお預けになった方が有利なんです。ですから、有利不利はそれぞれの制度の違いであるというふうに理解をしなければなりません。しかし、もし仮に定額郵便貯金にお金が集まる、それは国民のニーズに合っておるから集まるのだとするならば、民間の金融機関も国民の希望するこういう種類の預金をおつくりになったらどうですか。現にけさの新聞で、一年複利の三年間の定期預金を郵便の定額貯金に対応して民間の方でもつくるという記事を先ほど拝見しましたが、どんどんつくればいいのであって、郵便貯金の足を引っ張って金利を下げねばならぬ理屈はどこにもない。 国民のニーズに合っておるとするならば、そういうものを民間の金融機関もおやりになればいいのであって、いわゆる護送船団方式、一番弱い民間の金融機関を対象にして金利の運用をするから大銀行はどんどん太っていって、大都市に大きな建物が建つと思えば皆銀行ですよ。郵便局は田舎の小さなところで間借りしながらせっせとかせいでおる。こういう結果になってくる。 だから、あれだけ資金があるのですし、これが国民のニーズに合っておるとするならば、郵便貯金の今日まで持ってきた歴史的な経過から見ても、この預金の金利を引き下げるとか、一元化して民間の小さなところを一生懸命守ってやろうとかする考えを捨てて、民間の金融機関も努力をして、有利な国民のニーズに合っておるような郵便局の定額貯金に似たものをおつくりになったらどうなんでしょうか。なぜそういう指導をなさらないのでしょうか。
○北村説明員 預金者で、金融資産選択の面におきまして流動性とか収益性の選好というのが非常に高まっておるということは事実でございまして、民間でもそういった貯蓄者のニーズにこたえるために新しい魅力ある商品をつくるというような考え方については、私どもとしては前向きに対処していきたいと考えております。
○阿部(未)委員 それならばここでわざわざ郵貯懇をつくって、郵便貯金の金利の一元化を考えなければならないという理由はどこにもなくなってくるのであって、国民のニーズに合ったものを民間の金融機関も努力しておやりになれば、それが国民のための金融であり、国民の生活を守るゆえんではないのですか。それを足の遅い利益の少ない民間の金融機関が立ち行くように合わせようとするから、そのしわ寄せは零細な預金を持っておる国民にみんないってしまう。そこで、あなたのいまのお話から聞けば、もはや郵貯懇などで郵便貯金の金利を一元化するようなことを議論する必要はなくなった。明らかに民間の方も、けさの新聞に出ておるように、国民が喜ぶ長期の幾らか利子の高い、そういう預金の種類をどしどしつくっていこう、大蔵省もそれに対応して積極的に指導していこうとなったのならば、もう郵貯懇も要らないし、郵便貯金の金利一元化などという問題を議論する必要はない。郵便貯金は郵便貯金として、郵政大臣の諮問によって郵政審議会が答申をし、あの郵便貯金法十二条によって運用していけばそれでいい、私はこう思います。郵政大臣、どう思いますか。
○山内国務大臣 先ほども申し上げたのでございますけれども、やはり最高金利というものは、いま表向きにはなっておりませんけれども、それは大蔵省と郵政省が相談をして決めないことには、それが違った場合にはどちらかにうんと傾斜してしまうわけでございます。商品の内容いかんにかかわらず最高である方へどんどんいくということで、これはいまいろいろと苦心をしながら、公定歩合の変動があれば、大蔵省と郵政省がおのおのの立場を考えながら調整をして最高だけは決めております。あとはこれは自由主義の方がいいのです。おのおのが有利な国民のニードにこたえるものを競争しながらやっていくといったてまえは、従来どおりやっていくべきものであるというふうに考えています。
○北村説明員 先ほど貯蓄者のニーズに合った商品の開発ということで私お答えさせていただいたわけでございますけれども、ただそれがあればすべて問題が解決するということではなくて、金利の一元化といったような問題は、やはり金融政策という中で金利のあり方をどう考えていくかというような問題でございまして、そういった問題というのは今後議論として残されているのじゃないかというふうに私どもは理解しております。
○阿部(未)委員 何度聞いても、大蔵省としては金利一元化の方向に向かってばく進をする、そういうふうなお考えですか。金利一元化はやはりやらなければいかぬじゃないかとおっしゃっていますけれども、どうも私がいま申し上げたように、金利一元化ではなくて、郵便貯金に金が集まり過ぎて郵便貯金が増大するから民間の金融機関を圧迫するのだ、だから郵便貯金は集まらないようにしようというのがあなた方のお考えでしょう。郵便貯金に金が集中しないようにしようというお考えだ。 そのためにあなた方が原因として挙げたのが二つあった。一つは限度額の問題、一つは定額郵便貯金という有利なものがある、だから郵便貯金に金が集まる。しかし、それならば民間金融機関も郵便貯金と同じようなものをつくればいいのであって、金利の一元化をしなければならない理由はない。それはさっき大臣がお答えになったように、最高利子はお決めになっておかなければぐあいが悪いでしょう。余り勝手に上げていっては困るでしょうけれども、その範囲内でどういう商品をつくっていくかということは、これは本来金融市場というものは自由競争でなければならぬと私は思っておるのですよ。あなた方のこの中には、自由な競争というのは、趨勢として落ちつくところが自由であるとか、勝手な理屈をつけていますけれども、自由というのはそういうものじゃないのですよ。それぞれの金融機関なりそれぞれのところがみずからの能力をもって開発をしていく、その落ちついたところが自由であるということであって、あなた方に言わせれば護送船団方式、一番能率の悪い銀行に合わせていくのが落ちつくところだとおっしゃりたいのでしょうが、そうではないはずですよ。 ですから、商品の内容はいままでどおりそれぞれが自由に決めていくべきであって、その最高金利は、郵政大臣がおっしゃるように、これは一応協議をして決めるべきものでしょう。しかし、金利を一元化しなければならないという理由にはそれはなりませんね。どうですか。
○北村説明員 金利の最高限度といったようなものを民間と郵便貯金の間でどういうふうに関係をつけていくかといったようなこと、この問題と、それから金利を機動的、弾力的に動かしていくという問題とは、また別の問題かと存じます。金利の一元化といったような問題の出てきますところは、金融政策の運営としての金利の動かし方の問題ということで、そのことについてどういうふうに考えていったらいいかという問題かと承知しております。
○阿部(未)委員 しかし、あなた方がこの問題を提起した原因は、それは何も郵便貯金がふえようとふえまいと、あなたのおっしゃるようなマクロに金融市場をとらえての金利の運用というようなものについてのお考えならば、郵便貯金の急増を契機として金利の一元化を考えなければならぬという理屈は成り立たない。これはいつだって考えなければならぬ問題なんです。そうでしょう。ところが、郵便貯金の急増を契機として金利の一元化を考えなければならないと言い出したのは、郵便貯金に金が集まり過ぎるからということになるのですよ。だから、集まり過ぎるのを抑えるために一元化というものを考えたと見ざるを得ません。そうすると、なぜ郵便貯金に金が集まるかというあなた方の原因の分析に立って、郵便貯金が国民のニーズに合っておるからだとするならば、民間の金融機関もそういうものをつくればいいじゃないか。何も金利を一元化しなくても、それで切磋琢磨しながら国民の負託にこたえた金融の運営ができるはずだ、こう私は申し上げている。どうですか。
○北村説明員 金利の一元化といった問題、やはりかねてからあった問題であったと思います。ただ、郵貯の急増といったことを契機としてその問題が大きく浮かび上がってきたということも先生御指摘のとおりでございまして、現在郵便貯金が個人預金に占めているシェアといったようなものが非常に増大しておりまして、こういう中で金利政策を考える場合どう考えるかということから、やはり今後検討していかなければいけない問題ではないかというふうに考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 だから結論から言えば、郵便貯金に金が集まり過ぎるから、これは足を引っ張らなければいけないから、金利を一元化して郵便貯金の足を引っ張ろう、そういう結論になるのです。早く言えば、郵便貯金がふえ過ぎだから郵便貯金をもっと減らさなければいけない、郵便貯金をもっと少なくするためには何が原因かというと、さっき言った定額貯金があるからだ、その定額貯金の金利を一元化することによってあなた方が思うような操作をしよう、そういうような考えのようですが、実はちょうど大蔵委員会がいま非常に忙しいモンピな時期ですから、本来ならば私は大蔵大臣に出てもらっていろいろ意見も申し上げお答えも聞きたかったのですけれども、それは気の毒だろう。そこで、ちゃんと責任を持って答弁できる方に出てくださいということを申し上げておいたのですけれども、大体政府の方で、よその主宰する委員会に出るときは課長ぐらいが出てくるのだということになっておるようでございますが、あなたは課長さんで御苦労いただいておりますけれども、どうも決定権もないようですし、あなたは大蔵省の方針を受け売りをするにとどまって、判断をするだけの能力はないようでございます。それとも、あなたはそこでむずかしい顔をしているが、おれが判断するというのなら、金利の一元化についてぴしゃっと判断ができますかどうですか。できなければ、私はもうこれ以上この質問を続けても意味がないと思うのですけれども、いかがですか。
○北村説明員 私、組織の一員でございますので、大蔵省の考え方を的確に御説明させていただいておるつもりでございます。
○阿部(未)委員 残念ですが、幾ら申し上げてもここで判断をしていただくわけにはまいらないようでございます。それで、いままで申し上げたことを正確に大蔵大臣にお伝えを願いたいと思っております。 もう一つ、ついでに貯金の問題で申し上げておきますが、この預貯金の金利についてはあなた方はきわめて敏感にそういうことをお考えになっておるようですけれども、貸し出しの金利は千差万別でございますね。たとえば担保がある場合にはどうだとか、この場合はこう、この場合はこうと、いろいろ分かれて千差万別のようでございます。たとえばコールレートというようなもの、私も労働金庫の理事をやっておったからちょっと知っておるのですが、あれなんかもべらぼうに高い金利で動いていますね。知っておるでしょう。貸し出す方、動かす方の金利は、早く言えば千差万別、勝手たるべし、そして非常にわずかな貯金の利子だけえらい気を使って抑えづけようという傾向があるように見受けますから、その点もひとつ十分気をつけておいてもらいたい。早く言えば、国民の側に目を向け国民の立場に立った金融政策でなければ、単に民間の金融機関さえよくなればいいというようないまの大蔵省の姿勢にはわれわれは疑問を持たざるを得ないということです。 それから、先ほどの同僚議員の質問で――質問にあったかどうかわからぬが、保険局長お答えになっておりましたけれども、官業のあり方として採算のとれるところは民間がどんどん出ていってやる、採算のとれぬところを官業でやれというような風潮があるように思われてならないし、民間からの言い分を聞いておると、どうもそういう言い分が多いわけです。官業の場合は民間が採算のとれぬところでやればいいのだ。郵便局でもそうでしょう。東京から九州まで荷物を送ると、郵便小包は高いじゃないか、こうおっしゃるのです。そこで、安い方の荷物は民間の輸送機関で送ってしまう。そして、田舎の方のたった一軒ある山の中に行く小包は郵便局を利用する。非常に悪い例ですけれども。その結果があの国鉄のように、乗客が多くてもうかるところは私鉄をつくってどんどん輸送する、もうからぬところを国鉄にやれやれと言うから、赤字が出てくるのはあたりまえでしょう。だから官業のあり方という場合、さっき保険局長お答えになっておられたように、採算のとれぬところだけ官業がやって民間の補完をすればいいというこの思想は、独立採算制というものがある限りとるべきでないと私は思っております。これはもし保険局長なり大蔵省なり違うお考えがあるならば聞かしておいてもらいたいと思います。
○小山(森)政府委員 先ほどはいわゆる官業と民業とのあり方の中の一例としてそのような考えがあるのではないかということを申し上げたわけでございます。その中で、特に官業と民業は競争的共存をしている、私どもの郵便貯金であるとか簡易保険の場合は、そこに分野を画然と分けるということよりも、むしろお互いに助け合って足らざるを補い合うという部門もあってしかるべきだと存じます。無論国営事業でございますから、国民全体がその事業を使うというのになじまないような形に置いておくことは当然避けなければならないものと私は存じますけれども、そういうような形で全体的に経営が成り立つことが、国営事業を利用する方たちにとって最も使いよい形の国営事業になるものと思っております。
○阿部(未)委員 時間が来たのですが、まとめて三つだけ質問さしてください。 その第一点は、郵政省の方でお考えになっておった郵便年金の運用関係でございますけれども、この中で、これは当時お出しになったものから見ますと、いわゆる特定金銭信託、これは認められなかったと言いますが、やらなくなったようでございますが、これに一〇%運用するということでグラフをつくっておられるようですけれども、これが認められなかったことでほかの方に資産投資を変えなければならぬ。これは一体プラスになるのかマイナスになるのか、加入者にとって有利になるのか不利になるのか、これが一点目。 二点目は定期年金でございますけれども、定期年金の場合には定額の年金を契約に応じて五年とか十年間払うわけですが、それが終わった時点でいわゆる剰余金というのですか、余剰金の払い戻しがあるというふうに承っておりますけれども、これは運用利回りが出なければ明確な数字は出ないと思いますが、ちなみに試算をしてみて七%ぐらいで運用利回りが回った場合に、十年間での剰余金はどのぐらいになるという計算になりますか。これが二点目。 三点目は、いわゆる資金運用部に入れる余裕金でございますけれども、これは保険も含めてですが、保険、年金の余裕金が資金運用部に入っておるが、これはもう初めから積立金と同じ性格のものだと私は思っております。積立金と同じように運用すべきだと思っておりますが、これが余裕金として運用されるためにたしか一%ぐらい利回りが悪かったと思うのですけれども、これを積立金と同じような運用ができないのか。積立金と同じ運用ができないために保険貯金の会計で、利息の上で年間どのくらいのマイナスが出るのか、いわゆる一億あるところが九千万しかないということになるだろうと思うのですが。 その三つ、ちょっとお答えいただけますか。
○小山(森)政府委員 まず第一に運用利回りの関係でございます。申し上げるまでもないと思いますけれども、私どもの資金を運用するに当たっては、まず第一に有利であるということは当然でございますけれども、有利であると同時に、やはり何といたしましてもお客様のために安全でなければならない。特にさまざまな経済変動に対応し得るように資金を多目的に運用すること、これが第一でございまして、その上において今度運用利回りというようなことを次に考えていくというふうに、やはり国営事業でございますので考えている次第でございます。 今回の改正案で想定いたしておりますところのものと、従来、いまの簡易保険でやっております利回りと、それから当初特定金銭信託等を考えた場合の運用利回り、こういったものをいろいろな投資割合で考えてみておるわけでございますけれども、まず今回提出いたします改正法案で見てまいりますと、昭和二十九年度から昭和五十四年度までの過去の実際の運用の利回りのような形になっていった場合どうかといいますと、これはいろいろな例がありますので、一つずばりというパーセントを申し上げるわけにまいりませんけれども、大体七%から八・二%の間におさまるのではないかと思います。これに対しまして、従来の運用範囲でやったときはどうであるかと申し上げますと、大体六・一%から六・八%の間ではないか。また当初要求いたしました特定金銭信託等の場合でございますけれども、この場合にはいろいろ不確定要素がございます。株というようなものがありますので、必ずしもこれから先もこのようにというのでは一番不確定要素が多いのでございますけれども、その割合でまいりますと、八・四から九%ぐらいに回るのではないかな、こういうように考えておる次第でございます。 次に定期年金の問題でございますけれども、定期年金で十年間で毎年――例は非常に悪いのでございますけれども、わかりいいという形で、年掛け十万円で、掛金総額百万円というようなこと、これは五十歳加入で六十歳支払い開始としますと、十年間積み立てます。その後五年間の年金受取期間がある定期年金の場合は、受取総額は約百四十五万円になるという設計でございます。ただ、これはいわゆる剰余金が入っておりません。定期年金は、最終的にこの定期年金が終わったときに剰余金を一括してお払いするということでございます。この剰余金を七%の利回りでやればどうなるかといいますと、剰余金額は約二十一万円になる計算になります。したがいまして百六十六万円の受取金額になるのではないか、こういう想定をいたしております。七%の場合でございます。 第三点でございますところの余裕金の問題でございます。おっしゃるとおり、余裕金は本来積立金と全く同じ性質のものではないかと私どもは考えておりまして、従来より資金運用部への預託ではなしに積立金と同様にということは要望しているわけでございます。ただ、こういった点につきまして私どもの要望が即時に実現するということは、やはりこれはいろいろな経緯がございましてなかなかむずかしい問題でございますけれども、資金運用部、大蔵省の理財局の方におかれましてもやはりその性格というものは十分理解していただきまして、これにつきましては、先日、昭和五十三年に資金運用部の預託利率の算定方法、これにつきまして改善が行われまして、有利運用という形で幾つかの改善がなされたわけでございます。したがいまして、実際面におきましては相当な改善が図られておるということでございます。ただしかしながら、性格といたしましてやはりこれは積立金と同様にあるべきだということで、非常に方向としてはそういう方向に改善はされておりますけれども、性格としてはやはり積立金と同様になるべきではないかということで協議を重ねているところでございます。 なお、運用収入は、もしこれを積立金として運用した場合には、年間約百億円の差が出るという算出になっております。
○阿部(未)委員 大蔵省の資金運用部の方から……。
○亀井説明員 余裕金の点につきましては、先生もう重々御承知の上でのお尋ねでございますので簡単に、私どもといたしましては、長い経緯もございますので、まあいま小山局長からお話もございましたように、先生の御指摘のような形では考えておりませんが、各種利回り等につきまして配慮をいたしてきておるということを申し上げさせていただきたいと思います。
○阿部(未)委員 最後に大臣にお願いしておきますが、私は、郵便年金の制度を改正をして国民の老後の生活の安定を図るという、これは画期的な法案だと思っております。ひとつこの法律ができ上がった上での運用については、国民の側に立ってしっかりがんばってもらいたいと思います。 あわせて二点。一点は、郵政大臣だったと思いますが、いわゆるいまの貯金の限度額は昭和四十八年に決まったものでございまして、経済情勢の趨勢からこれを引き上げるべきではないかという意見、これは単に私たちだけではなく、けさの新聞等にも出ておりますが、とりわけお年寄りの方が、たとえば退職金なんかをもらわれた場合に、大臣のおっしゃったシルバー貯金といいますか、一千万なり一千五百万程度までは、今日の経済情勢の中ではいわゆる非課税として郵便貯金に預けることができる、やはり国に預けるというのがその意味では国民にとっては一番安心のできることでございますから、したがって、郵便貯金の限度額の引き上げとシルバー貯金の設定、これについて特にひとつ大臣のお骨折りをお願いしたいと思いますので、決意をお聞かせをいただいて、質問を終わります。
○山内国務大臣 いま御審議をいただいております郵便年金法が成立をいたしました暁は、なかなかそう簡単な仕事ではないと思うのです。十年も二十年も掛金を掛けてから年金をもらうということでございますので、しんぼう強く国民に広く熱心に説いて回って、老後の生活の安定を図っていただきたい、こう念願しているものでございます。 なおかつ、限度額の引き上げは非常に要望が強うございます。もう国民の貯蓄が大分ふえてまいりまして、三百万円をオーバーする人が出てきました。また、退職金を何とかして有利に預けたい、こういう非常に切実な御要望もございますので、それにこたえるべく最大の努力をしてまいりたいと考えております。
○阿部(未)委員 終わります。
○佐藤委員長 阿部未喜男君の質疑は終わりました。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時六分開議
○畑委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 委員長所用のため、私が委員長の職務を代行いたします。 郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。武部文君。
○武部委員 このたびの法律の改正案の内容につきましては、私どもいろいろ御説明を受けました。経過も大体承知をいたしております。同僚委員からいろいろ質問がありました点と若干重複する点があるとは思いますが、その点はあらかじめ御了承いただきたいのであります。 まず最初に、この法律の提出のあり方、このことについて郵政省にお尋ねをいたしますが、この法律の内容は全く従来のものと変わった形のものであります。いろいろと政治的な摩擦があって変遷があったようでありますが、なぜ新しい法律として提出しなかったのか。この提出の仕方について最初にひとつお伺いをしておきたい。
○小山(森)政府委員 今回の改正は、いわゆる郵便年金法の第一条の目的をまさにそのとおり受け継いでいるものでございまして、新しい法律として提出するよりも、内容の仕組みの問題としては新しい方式をとっておりますけれども、年金の目的あるいはそのあり方等につきましては郵便年金法を踏襲しているということでございまして、改正である方がむしろ今回の案にはなじむものと思っております。
○武部委員 私は、ちょっと考え方が違うのであります。後で申し上げますが、今日の高齢者社会の中で年金に対する国民の要望、これに対応する政治のあり方、これはわが国の政治課題の中で最も重要な問題の一つであります。したがって、従来のようなものの踏襲であるとかそういうことではなくて、心構えの点としては、むしろもっと厳しい態度で、しかも真剣にこの年金制度に取り組む、こういう形をとるとするならば、これは新しい法律として提出するという心構えが郵政省になければならぬ。そういう考え方を持っておるということを申し上げておきたいのであります。したがって、このことについては後で具体的な問題とひっくるめて申し上げたいと思います。 午前中にもいろいろ質問がございましたが、私は後で質問をする前提として、郵政省の基本的な態度をお聞きをしたい。そこで、まず郵便年金を改善しようとする趣旨を端的に申していただきたいのであります。
○小山(森)政府委員 わが国の人口構成というのは、高齢化社会の急速な到来というものがすでに予見されているわけでございまして、国民の老後の生活の安定を図るということは、これからの日本の生活というものを維持していくために非常に重要なことだろうと理解しているわけでございます。このために国としてやるべきものとしては、厚生年金とか国民年金などの公的年金制度、これが老後の保障の中核として整備、充実されていくことは今後とも重要な行政課題でありますし、この老後の社会に対処する国の姿勢であろう、こうは理解しているわけでございますけれども、公的年金は先生すでに御存じのように給付が画一的にならざるを得ませんし、そうであると同時に、今度は個人個人の生活欲求というのは非常にバラエティーに富んでいるということの現実がございます。これを満たすためには、やはり公的年金の画一性というものをさらに補完するものが必要である。また、それじゃその補完はどうするかということですが、これはやはり公的年金の充実ということによって財政負担というものはすでに行われているということになりますと、やはり各人の生活欲求に応じて各人の努力というものを期待せざるを得ない。そのときに、各人の努力というのを、ただ努力しなさいという形で放置しておくというのではなしに、やはりそこには制度的に自助努力、みずから助けていく手段というものをそこに提供していく必要がある。これは民間でも当然採算に合うようなところとして一つの事業としてやると同時に、国の姿勢として、やはり国営事業としてこういったものを提供していくということが必要だろうと思うわけでございます。そういうようなことがあって初めて、みずからの努力というものを加えまして初めて社会全体というものが活力というものに満ちてくるものと考えるわけでございまして、こういったものにこたえるものとして私的年金の一つであるところの任意年金、その任意年金の一つでありますところの郵便年金というのが大正十五年以来郵政省の所管業務としてあったわけでございます。したがいまして、この郵便年金というものを今度は、大正十五年以来の伝統はありますけれども、その後の経済環境が非常に変わってきているということから、この制度自体が非常に現実の生活環境に合わないという現実もまたもう一つあったわけでございます。目的その他については大正十五年の理想はそのまま現在でも生きているとは思いますけれども、内容においてそれが対応し得ないというところから、これは今後の現実のその社会にあるいは経済の環境に合うような形に内容を改善していくべきである、こういうように考えまして、今回改正案を提出した次第でございます。
○武部委員 私もその大正十五年の郵便年金の創設以来の歴史は大体のところ知っておるつもりでありますが、戦時中のいろいろな経過を経て今日に至った。冒頭に申し上げるような今日の日本の高齢化社会の現状、そういうものの中で郵政省がこの問題に取り組んだ、これはよくわかりますが、午前中にも語があったように、われわれもそういう意見をたくさん聞きましたが、今回の郵政省の郵便年金の制度の改善が民間の個人年金を圧迫するとか、影響を与えるとかいろいろなことが私どもの耳に入ってきたわけであります。こういう意見について郵政省がどういう見解を持っておるか。午前中も聞いたけれども、この問題についてひとつしっかりした考え方を述べてみてください。
○小山(森)政府委員 民間の事業におきます個人年金業務というのは、昭和三十五年以来やっているわけでございます。一方、郵政省は大正十五年以来この業務を行っているというわけでございます。今回時代に合うような形に内容を改善していこうというに当たりまして、民間に対しまして大きい影響を与えて秩序が乱れるのじゃないかという話が出ておりますが、現実にいま個人年金の普及状態がどうかということを見てまいりますと、これは統計のとり方の時点にいろいろ若干の差はありますけれども、少なくとも五十四年度末においては大体世帯数の一%程度にしか普及していないという状況でございます。いわゆる民間の個人年金にどんな影響を与えるかという場合において、いま現実に普及していて、しかもそれがかなりの機能を果たしているというときに、いわゆる国営事業としてまたさらにということでありますと、やはり国営事業は国営事業としてのいろいろな配慮も必要かとも存じますけれども、いま現実に個人年金の市場というものが全く形成されてないという状況である。こういったことと、もう一つはやはり個人年金というのは、これは民間業者でもやってはおりますけれども、内容そのものを見ますと、公的年金の補完というようなきわめて公共性の高いものであるわけです。しかもそういった公共性の高いもので普及率が低いという場合においては、やはり国営事業というのがそこにおいて先導的な役割りをしていくということは、これは従来の歴史から見ましてもきわめて意義のあるあり方だ、こう考えるわけでございます。したがいまして、そういうような形で国営事業がこの分野に活動するということになりますと、国民全体がいわゆる年金思想というものに親しむ機会がふえてくる。したがって、年金とはいかなるものかということについての理解が深まるということになりますと、これはただ単に郵便年金だけがそこでもって増加していくとかあるいは郵便年金だけが栄えるということではなしに、広くこういった市場が開拓されまして、むしろ民間事業に対しても非常にいい結果を与えるのではないか。そういう結果を踏まえまして、民間事業と郵便年金とが相携えまして、お互いに足らざるところを補い合って国民のための老後に尽くすような努力をしていくべきだ、こう考えております。
○武部委員 いまの郵政省の意見に民間の方ではいろいろ異論もあるようです。 大蔵省の意見も後で聞くわけですが、いろいろな紆余曲折を経てこの郵便年金の最高制限額というものが七十二万円に決まったわけであります。決定に至るまでにはいろいろな過程があったわけですし、多くの意見が出された。しかし、この年金、特に郵便年金について新聞にもたくさんの投書が出た、大いに期待をしておるというような投書が非常にたくさん出て、このことが制限額の金額がだんだん下がるにつれて、これに対してまたいろいろな批判的な不満の投書も出た、そういうことを私どもはよく承知をしておるのであります。 一体郵政省は、この七十二万円という最高額に制限額が決まったわけですが、これで国民の需要を満たすことができるというふうに思っておるのかどうか、これはどうですか。
○小山(森)政府委員 国営事業である郵便年金の最高制限額というのをどうするかということにつきましては、いろいろな面から検討してみなければならないと存じております。検討の面は、数え上げればかなりの数があるかと思いますけれども、大きく分けまして三点ぐらいにしぼられるのではないかと思うわけでございます。 一つは、やはり老後の生活というものに対する保障であります公的年金の水準との関係においてどうかということ。次に国民の老後の生活費はどれぐらいかかるかというようなこと。それから掛金負担額から見ましてそれが国営事業としてふさわしいかどうかという点が、大きな三つの点かと思います。それと、これは若干視点は異なるのでございますけれども、お互いに今度は同じ公的年金を補完する個人年金というものを進めていくに当たりまして、いわゆる民間事業との間においてこれがお互いに今度は相補い、助け合うということになりますと、その面からの配慮というような四点が、やはりこれからの長い運営において国民にとってよりよい形で反映していくためには必要かと存ずる次第でございます。 そういたしますと、公的年金の水準というのは、先ほど厚生省の方からも話がありまして、一番低いと思われる国民年金で見ました数字がございます。それと一方老後の生活というような形での標準的な家計調査、これは総理府の調査がございますけれども、こういったようなものを差し引きいたしますと、大体六万円から七万円程度を現在やはり自助努力でもってしなければならないのではないかというような数字が出てまいります。 そのような不足する生活費を今度それではどういう金融資産でもって補っていくかということになるわけでございますけれども、これには預貯金もございますし、人によっては国債を買う人もおりますでしょう。いろいろな金融資産がある。その中の一つとして郵便年金というのが存在してくるわけでございます。 それでは、郵便年金はどれくらいその差を埋めるべきかということは、いろいろ見解が分かれるかとも存じますけれども、とりあえずいま現実にこれを全部郵便年金に頼るとするならばどうかということになりますと、やはり年間六万円から七万円ということになってまいります。そういった点から考えてまいりますと、やはりこの水準は七十二万円、月六万円であっても妥当ではないかというふうに現時点では私どもとしては考えている次第でございます。 また掛金の負担から申し上げますと、いわゆる七十二万円に加入した場合の掛金が四十歳加入、六十歳支払い開始というような男性の場合で見てまいりますとどういうことになりますかというと、約三万四千円でございます。 それではその三万幾らかの金額というのが、いまそれがどの程度の負担額になるかということを日銀の貯蓄増強中央委員会で五十五年に行いました貯蓄に関する世論調査によってみますと、四十歳から五十歳台の世帯の税引き年収は平均四百二十六万円で、年間貯蓄増加額は大体七十六万円だという結果が出ております。そういたしますと、四十歳から五十歳台の平均的な世帯であっても、これくらいの掛金であるならば年金に掛け、さらに他の金融資産を選ぶことによっても可能である、こういうふうに考えた次第でございます。したがいまして、この点から見ても無理のない数字ではないかということでございます。 それから、先ほど申し上げましたように、何といいましてもこれは国営事業と民間事業がお互いに利用者、国民のために切磋琢磨しつつ、また提携すべきところは提携してやっていくということになりますと、やはり事業全体の環境の中で競争的共存というものをよりよい形でもってやるという配慮も当然しなければならないという半面を持っております。したがいまして、そういった四点の見方からいきまして七十二万円ということで案を提出したわけでございます。 しかしながら郵便年金は長期にわたる契約でございまして、十年、二十年という経済情勢というものがありますし、その間における生活水準の変化というものを当然考えなければいけない。どのような対応を迫られるかはわからないという点がございますので、これから今後常にそういった環境、経済環境、社会一般環境というものを十分配慮いたしまして、加入者の利益のための行動をいつ起こさなければいけないか、またそういうような具体的なことをどうやって実現していくかということは、今後とも不断の努力を続けるべきだ、こう考えております。
○武部委員 私は、七十二万をいまここで九十だとか百だとか、そういうことにしろというやりとりをする気持ちはないわけです。ないが、現実に国民の郵便年金制度に対する要望は、先ほど申し上げるように、新聞の投書にも出ておったように、当初の案に非常に期待を持っておった。それがいろいろな理由によって下がってきてああいうことになった。一体これで国民の需要を満たすことができるだろうか、国民の期待にこたえられるだろうかということについては、若干私は、足らない、そのように思うのです。 それならば、一体この郵便年金の改善は国民にとってどんなメリットがあるとあなた方は国民に訴えようと思っていますか。この制度の改善でどんなメリットがありますか。
○小山(森)政府委員 やはりまず第一に、こういった公的年金を補う制度をどうやって利用していくかということについての国民的な一つの理解を深めるための努力というのはしなければいけない。その努力の国民全体の利用者にとって一番わかりやすい形は、やはり全国のどこにでもあります郵便局が、直接的に利用者の皆様方に年金というものはどういうものであるかということを周知していくという機能におきましては非常に一つのメリットがある、こう思っております。 また、先ほど申し上げましたように、郵政省と民間生命保険とがお互いにアイデアを出し合うということにおいて、民間生命保険という形と郵政省の郵便年金とあることによって、お互いに意識し合って切磋琢磨していくということにおいて利用者との関係において一つの努力の指標がそこに出てくるということでメリットがある、こう考えております。 またもう一つは、やはり多様な形の年金というものが競争の結果、そこに出ることによりまして、利用者の方たちのそれぞれの家庭環境あるいはそれぞれの生活に対する欲求ということについていろいろなタイプがございます。その中で最も自分のタイプに合った形の年金を利用できるという点において、多様性があるということにおいて国民にとって一つ非常に利益になるのじゃないかということでございます。 それから、先ほど申し上げましたが、何といいましても、一つの国営事業ということによりまして、いま普及が図られていないものに対する誘導機能がありまして、生命保険会社等に、簡単な言葉でいきますと刺激というふうになりまして、経営努力を促す、その経営努力をするということはイコール会社の利益というよりかは利用者側にとっての利益になって戻ってくるのではないか、こう考えております。
○武部委員 確かにおっしゃるようなメリットはあるでしょう。 それならばもう一つ、一番国民が心配しておる点のインフレの影響対策、これをひとつお伺いしたいのです。 今度の郵便年金の改善によって年金額毎年三%程度の逓増、これは目玉になっておるようですが、一体これで物価上昇、インフレに心配ないだろうか、十分対応できるだろうか、これは非常に大きな問題だと思うのです。私は戦後の日本のインフレに非常に関心を持って、いま政府と物価の委員会でずっとやりとりを続けてきておるわけですが、三%の逓増、しかも日本のインフレというのは先が全く安定しない状況です。そういう中で、この郵便年金が新しく改善されるわけですが、これで一体インフレに対してどれだけ真剣に対応しておるだろうか、このことについて大変心配であります。いろいろ説明を聞いておりますと、この程度の年金制度では社会保障への補完ではなくてただ単に老後のための貯蓄の一環にすぎない、こういうことが言えると思うのです。したがって、きょうも午前中にお話がございましたけれども、国費によるところのインフレ補償もなければ国費の一部を流用することも全然考えられていない。それならば、これまた阿部君の質問にもお答えになっておったようですが、資金運用で適切な手を打っていけばインフレ対策というのは自信がある、こういうふうにお考えなのか、その点はいかがですか。
○小山(森)政府委員 物価上昇ということでございますけれども、私ども国営事業をやっていく上において、物価上昇ということについて、インフレを余り肯定はしたくないわけでございますけれども、物価上昇というものは抑制に全力を注いでもあるということは現実問題としておっしゃるとおりだと存じます。そういった物価上昇というものにどうやって対応していくかということでございますけれども、先ほど先生から御指摘のありました三%の逓増ということでございますが、この三%は基本的な基本年金の逓増方式でございます。実際に契約者が受け取る金額は、この三%の逓増に加えまするに、まず第一に積み立て期間において運用利回りで上げました剰余金を基本年金に積み上げます。これが第一剰余金と申しますか、そういう言葉はいまありませんが、仮に申し上げておきます。さらに、これが支給を開始いたしましても一つの積立金は残っているわけでございます。それがまた剰余金を生んでくるわけでございまして、これが第二剰余金と申しますか、二年度以降にこれが積み上げられてくることになるわけでございます。無論第一剰余金も第二剰余金も予定しております利回りの五%を上回りませんとこれは積み上げられないことでございますけれども、そういうような形でございまして、三%だけが支給額ということではございません。 それでは、そういったことのパーセントがいまの資金運用の面からできるかどうかということでございますが、これはいろいろな投資の分散方法をとりましてやってまいりますと、先ほども阿部委員の御質問にお答え申し上げたのでございますけれども、大体七%から八%程度のことは過去の経験からまいりますと維持できる。こういった場合には、短期的なたとえば一年、二年の急激な物価上昇というときにはそれに対してカバーすることはできませんけれども、長い目で見ますと、一つのスパンでもって見ますと、これは完全に消費者物価というものに対して対応しているという、これは過去の事例から見た計算でございます。 これから先どうなるかということにつきましては、これは政府の施策並びに世界的な経済の状況等、われわれとても予測できないいろいろな状況がございますけれども、しかしながら、従来のパターンに若干変更があったとしても、この程度のことでありますれば、かなりの運用利益が上がることによりまして物価上昇ということに対しての対応力はあると思っております。 ただ、私どもとしては、こういったことによって物価上昇を常に念頭には置きますけれども、インフレ率イコール郵便年金の支給額の増加という形にはこの年金の性格上はっきりと申し上げるというわけにはまいらないわけでございます。
○武部委員 あなたの一番最後の言葉は確かに一番むずかしいことだと思います。それはよくわかるのです。ただ、国民の側から見れば、インフレというものが一番心配なんです。いままでの経験から見てそうだと思います。 私もこれから先の日本の経済の中でインフレ率がどういうかっこうになるかはよくわかりません。短期的なインフレが、オイルショックのときのようなことにあるいはなることがあるかもしれません。しかし、長期で見た場合に郵便年金制度というものはそれに対応できるそういうものを持っておるのだということをやはり国民に周知し、その根拠を明らかにしなければ郵便年金というものの拡大は図ることは私はできないと思うのです。 そういう意味でインフレへの対策というものは常に念頭に置いてそれに対応できるようなそういう措置を郵政省は常にとっておく必要があるということを申し上げておきたいと思います。 そこでもう一つお伺いいたしますが、非営利性ということがよく言われます。非営利性、これが余り強く前面に出てくると赤字経営になるおそれがある、こういうことがよく言われておりますが、その点についてはどういうふうにお考えでしょう。
○小山(森)政府委員 非営利性というのはそれによって利益を上げないということでございますことは、もう先生御指摘のとおりでございます。ただしかしながら、それは不健全な経営に持っていけということではないわけでございまして、当然収支相償うような形の経営努力ということを常にしなければならないものと心得ております。
○武部委員 もう一つお伺いいたしますが、新規契約、これを大体七万件くらいと見込んでおるようでありますが、一体これで個人年金の普及について国民的な要望にこたえられるかどうか。七万件ばかり考えておるようですが、その点はどうですか。
○小山(森)政府委員 この七万件と申しますのは、いわゆる五十四年に郵政省が行いました個人年金に関する世論調査から推計してきたものでございます。そればかりのことでは個人年金の普及に役が立たぬではないかという御説かと存じますけれども、いわゆる年金に対する一般的な理解というものが深まりますと、この五十四年にやった世論調査は若干動く可能性はあるということは先ほど申し上げたとおりでございます。それと同時に、やはりすべてを郵便年金で引き受ける、郵便年金がやるのだということではありませんでして、郵便年金がこのような形で真剣に国民の皆様に対して老後のための努力をするということによりまして、同種事業を営む事業者が真剣な形でこれに対応した活動をするということが大いに期待されるわけでございまして、両々相まって、その七万件という一つの世論調査に基づいたところの数字そのものよりも、それによって誘導されるところの普及というものは重く見てもいいのではないかと思います。 そうしますと、それでは七万件という数字でいくといろんな影響はどうなるかということになるのですけれども、これは多ければ多いほど国民にとっていいわけでございまして、これは民間も一緒になりまして大いに普及していくということになれば、お互いにすべてがよい結果になるのではないか、こう思っております。
○武部委員 大蔵省の主税局の方に時間の関係でそれじゃ先にちょっとお尋ねいたしますが、ここに「昭和五十六年度個人任意年金に係る税制の優遇措置に関する要望」というのがございまして、郵政省と生命保険協会からそれぞれ優遇措置についての要望が出ているようです。一々申し上げませんが、この個人年金の特別措置の要望というのは今後の個人年金の普及の必要性と大変密接な関係を持つわけでありますが、大蔵省としてこの税制の優遇措置についてどういう見解を持っておられるか、これをひとつ伺いたい。
○内海説明員 お答え申し上げます。 現在、個人の貯蓄に関しましては、御存じのようにいわゆるマル優が三百万、それから郵便貯金三百万、さらに国債別枠で三百万、合計九百万、さらに給与所得者にありましては財産形成五百万、合計千四百万、さらに、先ほど申し上げました最初の九百万につきましては家族も利用できるという形になっているわけでございます。その意味で、個人の貯蓄についての優遇というのは税制上きわめて厚く行われております。これに加えまして、現在生命保険料控除、それから損害保険科控除がありまして、個人年金も生命保険料控除の対象となし得るわけでございます。 他方におきまして、国民の貯蓄動向調査を総理府の統計で見ますと、たしかこれは五十四年十二月末で見ますと、給与所得者の一世帯の平均収入が四百十五万で、他方その世帯の貯蓄額というのが平均四百二万円でございます。これは生命保険料から何から全部入れたもの。そういうことから見ますと、現在行われております税制上の優遇措置というのは、ある意味では非常に大きいものでございまして、これをさらに加えるというようなことはなかなかむずかしいわけで、先ほども大蔵委員会で、ある議員の方から、生命保険料控除とか損害保険料控除というようなものはもう十分役割りを達しているのでこれを廃止すべきではないかという御意見が出ているくらいでございます。そういう意味におきまして、現在わが国が置かれております財政の状況、それから現在、先ほど御説明申し上げましたような貯蓄に対する税制上の優遇措置が十分とられているということから見まして、新たな税制上の優遇措置は適当でもないと考えますし、また財政的にその余裕もないというふうに考えております。
○武部委員 あなたは用事があるようですからもうこれ以上言いませんが、財政再建を理由に述べておられるわけですが、適当ではないということと、それから将来何か検討するということは全く違うので、財政再建のためにちょっといまのところしんぼうしてくれとおっしゃるのか、全く適当でなくて全然やる必要がないと……。ここには相当詳しく書いてありますが、どうなんでしょう。それだけ聞かしてください。
○内海説明員 まず財政再建が緊急の課題であるという意味においては、その意味でとうてい余裕がないというのが一つ。それから、現在の一般大衆の貯蓄の動向、これに対する現在の税制上の措置を比較勘案いたしましたときに、何らかのことをこの際やることが適当でもないというふうに考えております。
○武部委員 これはもういいです。これでやめておきます。 それでは大蔵省にこれからお伺いをいたしますからお答えをいただきたいと思いますが、私は、基本的な問題について大蔵省の意見を聞きたいのであります。 わが国の平均寿命がどんどん延びてきて、男が七十三歳をちょっと超しました。女は七十九歳。アイルランドと肩を並べて、私は男女とも世界一だと思っていますが、こういうふうになりました。しかも今後毎年〇・五歳ずつ延びてくる可能性がある、こういう統計があるわけです。そうすると、二十五年後には六十五歳以上の老人が二千百万人、今日よりも倍になるわけです。六十五歳以上の人が二千百万人に倍増するということが総理府の統計で出ておるわけであります。こうなってまいりますと、社会保障に要する経費というものはどんどん伸びてくる。急速に伸びてくる。これは当然だと思います。 ところが、今日のわが国の社会保障や福祉、これは一時伸びましたけれども、むしろ停滞から後退というような気配がだんだん強くなってきておるわけであります。現在の公的年金の給付改善というものも片方では言われて、若干進行してきた、こういうことは言われると思いますけれども、それにもおのずから限度がある。こういうことになってくると、この公的年金を補完をする意味において、いま問題になっておるところのこの個人年金の推進というものはぜひとも必要だ、必要な施策だというふうに大蔵省は考えておられるのかどうか、これをひとつ最初にお伺いしたい。
○佐藤説明員 お答えいたします。 これからわが国の社会が一層高齢化が進んでいく、そういった中で、社会保障施策というのはいわば一種のナショナルミニマムでありますから、人によりましてさらに自助努力というものが必要である、その自助努力の一環として個人年金という仕組みが非常に大きな意味合いを持ってくる、これはお説のとおりだと思います。そういった意味で、私どもはこれからの日本社会の中で広く個人年金という仕組みが持っている意味合いは、先生おっしゃるとおりだと思っております。
○武部委員 大蔵省は、この民間の個人年金の普及状況はどの程度のものだというふうにとらえていますか。
○松原説明員 お答えいたします。 民間の生命保険会社が個人年金を売り出しましたのは三十年代の後半ごろからでございますが、四十年代に入りまして高度成長の時代に入りまして、国民の個人年金に対するニーズが余り高くございませんでした。その結果四十年代には余り民間の個人年金の販売実績は伸びませんでした。ところが、五十年代に入りまして安定成長時代に入りますと、国民の個人年金に対するニーズが非常に高まってまいりました。ここ三、四年をとってみますと、毎年対前年度比で倍増するような傾向で生命保険会社の個人年金は伸びてきております。それで、五十五年末現在でとってみますと、生命保険会社の保有契約件数は約九十四万件ございます。保有年金年額は約三千二百億円ということになっております。 これはいわゆるここで討議されております個人年金でございますが、そのほかに民間の保険会社の主力商品として一番重要なものは、いわゆる定期つき養老という保険がございます。この定期つき養老につきまして、単に保険金を一時払いするものではなくて年金型で支払うというものがかなりございます。これが、五十五年末ではすでに五百万件を超えております。これは純粋な個人年金型ではございませんが、一般の国民が老後の保障を求めるために年金型で資産を準備するという種類のものでございますので、金融資産の一種としては年金に似たような役割りを果たすものだと考えております。 さらに、生命保険会社以外でも、信託銀行等では、これは従来から信託年金プランといったような商品を売り出しておりまして、五十五年十月末現在で五百八十万件、約五兆二千億円というものがこの信託年金プランに積み立てられております。 それから昨年ごろから、都銀、一部の地銀、それから農協等でも個人年金等にかなり力を入れてきておると聞いております。 以上でございます。
○武部委員 いま民間の個人年金が非常に伸びてきて倍増したとか五十五年末で九十四万件で三千二百億円だとかおっしゃっているわけですが、私は、この件数や金額は非常に低いと思うのですよ。なるほど倍増といえば、前が物すごく低いので倍になったかもしれぬけれども、絶対量はまことに低い。それならば一体大蔵省はこの個人年金の普及について民間の生命保険にどういう指導をしてきただろうか、この点については大変疑問に思っておるのですよ。きょうも午前中に話があったように、民間が一生懸命になり始めたのは、どなたかの意見があったように、郵政省がこのことに取り組んでから必死になってやり始めた。これはもう、郵政省がこの構想を発表したから、それに刺激されてやったという話が出ておりましたが、私もそう思うのですよ。だから、ようやくいま九十四万件ですか三千二百億円、これは確かに倍増かもしらぬけれども、申し上げるように絶対量が低かったところの問題ですから、全然比較にならぬ、そういうふうに思います。 ですから、午前中の話を聞いておって私もなるほどそのとおりだ、これは郵政省が個人年金に真剣に取り組んできたから、民間の生命保険もぼやぼやしておったら大変だというので一生懸命になってやり始めた。それによって双方とも、民間の生命保険にとってもいいことだ、このように思うのであって、やれ民間を圧迫するとかどうだこうだということはあり得ないという気持ちを持っておるのでありまして、いまのあなたのお話を聞いておれば全くそのことが裏づけられておるというふうに私は理解をいたします。 〔畑委員長代理退席、委員長着席〕 時間が十分ほどおくれておったので先に進みますが、それならば大蔵省にひとつお伺いをいたします。 個人年金については、大蔵省もこのことについていろいろと対策を立ててこられたようですが、郵政省もそれをやる、民間もそれをやる。さっき保険局長から切磋琢磨ということが何遍も発言にあったようですが、お互いに努力し合っていくことが国民の要求にこたえることになる、このように私は理解しているわけですが、それにもかかわらず、金額がどうだ、いや運用がどうだ、いろいろなことにいちゃもんがついて、いまのこの法律になって出てきたわけであります。 このいちゃもんがついたことについて、一々言っておったら何時間もかかりますからそれは言いませんが、大蔵省としてはお互いが努力し合って国民の要求する、しかも、社会保障が後退ぎみなこのときに老後の保障のために国民の要求するそういうものについて、郵政省と民間とが協力――努力し合うというか競争というかそういうかっこうのものが理想としては正しい、このように御理解でしょうか。
○佐藤説明員 郵便年金に限らず、ある種の事業について民間と国の事業とのかかわり合いをどう考えるかという点についてちょっと申し上げますと、双方のあり方というのは完全な全き競争というのではなくて、民間の事業の足らざるところあるいは及ばざるところを国の事業が補ってというのが本来のあり方であろうと思うわけであります。そういった基本的な考え方に立ちまして、郵便年金事業について私どもいろいろ御意見を申し上げました。申し上げましたが、それはいずれにいたしましても調整過程の話でございまして、現在は、御提案申し上げるような形で郵政省の事業としておやりいただくことが、民間との相互補完の形で全体として非常にいいのではないかということで御提案申し上げているわけであります。
○武部委員 あなたは午前中にお見えになっておらなかったようですから、午前中の論議をお聞きになっていないようです。おりませんから、ちょっと意見が違うのです。相互補完ということと足らざるを補うということとは私は違うと思うのです。あなたはいま二つのことをおっしゃったけれども、郵政省のやっておることは民間の足らざるところを補うというものであってはならぬのです。それは双方の努力とはならないのです。国民の要求にこたえることにならないと思う。そういう意味で私はいまそのことをあなた方にお聞きしたかったので質問をしたわけです。 少なくとも今日の年金、社会保障、福祉、そういうものの中から一体、郵政省がこれをやることが民間の年金事業に対して圧迫を加えることになるか、大きく影響を与えることになるか、これがこの中でいろいろと論議をされた重大な問題点の一つなんです。郵政省はそうではないと言う。われわれもそうでないと思っている。ところが、大蔵省はそうだというようなことをしきりに述べておられる。もう一回あなたの御見解をお聞きしたいのですが、足らないところを補うということは、出しゃばり過ぎるな、おまえら出しゃばり過ぎではいかぬ、民間の生命保険がようやらないところをやれ。したがって、山の中で一軒家でそういうものに入りたい者は郵便局があるんだからそこのところへ行ってやれ、ほかのところには手を出すな、こういうことを言わんとしているのか、相互補完ならばそれとは違う、いかがですか。
○佐藤説明員 個々のある地域で、生命保険会社の支社があるから郵便局に行くなどか、そういうことを申し上げておるわけではなくて、全体として事業のあり方、それは国と民間と同じ事業をやっておる場合には、国の立場というのはやはりその民間の足らざるところを補っていくというところにあると私ども考えております。したがいまして、全体として民間の行う事業と国の行う事業とが個人年金として国民の需要にこたえ得ればいいわけでございまして、そういったこたえた状況を相互補完といいますか、あるいは国が民間の足らざるところを補っているというのか、それは見方であろうと思いますけれども、そういうふうに私は考えております。
○武部委員 個人年金の世帯普及率はわずか一%から一%ちょっとオーバーした程度なんですよ。これは全く問題にならないのです。したがって、もう何遍も言うことはやめますが、今日個人年金に対する国民の要望が強いというのはいまの世の中の事情がそうだからそうなんですよ。これは国民のニーズ、要求なんです。したがって国民が多様な選択ができる、そのことによってまたサービスが向上する、それを望んでいるのですよ。期待しているわけです。その期待にこたえる道は、足らざるところを郵政省が補うというものであってはならぬのですよ。 それは個人年金の普及率が五〇%も六〇%もあっての上での話ならまだわかる。世帯でわずか一%ちょっとのようなそういう状況の中で、郵政省が考えたものが国民のニーズにこたえるとするならば、競争しながら、双方が努力し合って国民の要求にこたえる。それを足らざるところを補う、補完というような考え方を大蔵省が郵政省に対して持っておるとするならば、私は根本的に間違っておると思うのですが、あなたどうですか。もう一遍。
○佐藤説明員 もちろん、個人年金の事業というのはまだ始まったばかりでありますから普及状態は非常に少ない、それはそのとおりであります。そういった状況に対して、先ほども御議論の中にありましたように刺激的な機能を果たしていく、これも民間の足らないところを補っていくということでありまして、そういう意味で申し上げているのでありまして、御理解をいただきたいと思うわけであります。
○武部委員 あなたの発言の中にこういう問題は民間でやるべきだという発言があったようですが、これはどういうことですか。
○佐藤説明員 民間がやるべきだということを申し上げているのではなくて、民間と国とが同じ事業をやる場合に、国の立場というのはそういうものではないかということを申し上げているわけであります。
○武部委員 これは根本的に考え方が違うようであります。私の後、恐らく同僚委員からもいろいろな話があると思いますし、午前中も与党の中から――与党もそうなんですよ。ここはみんな同じ立場でやっておるのですよ。同じ考え方だが、大蔵省だけが違う。これは一体どういうことだろうか、私は大変に疑問に思うのです。時間があればあなたとまだやらなければいかぬが、時間がなくなってしまいますのでこれでやめますが、とにかくこの郵政省の個人年金に対する大蔵省の物の考え方は、金額の問題から運用範囲の問題から、後で申し上げたかったのですが、いろいろな制約をつけてきた。そして冒頭お話があったように、貯金とのかかわりまで持ってきた。ほかの人が言われましたから貯金のことまでいま申し上げません。貯金と取引してまでこの個人年金の問題に対して抑えにかかってきた。こういう態度が大蔵省の中にありありと見えるのであります。私は、これは本質的に間違いだと思うのです。郵政省の個人年金は、これからもいろいろな問題、これから新しい商品の販売、開拓ができるでしょう、こういうときに大蔵省がいまのような態度で臨まれることについては私どもは全く納得できないのです。これからも逓信委員会で十分論議をしたいと思いますから、この点だけはあなたと意見が違うということを申し上げておきたいと思います。 次に、重要な問題としてわれわれが関心を持っておった即時年金制度の問題であります。 私どもは、あの戦後の悪性インフレを経験したものとして、国民の持っておる年金アレルギーというものをよく知っておるのであります。この年金アレルギーに対して即時年金制度というのは一応配慮されたものだということで大いに期待を持っておった。特に、サラリーマンで退職する人は一定の額が退職金として入りますから、その半分をひとつ預けてというこの即時年金制度というものは大変国民の中に、特にサラリーマンの人には期待が大きかった。これが消えた理由は一体何でしょうか。郵政省どう思いますか。
○小山(森)政府委員 いろいろ御議論があろうと存じますけれども、今回即時年金をやめたということにつきまして事情を申し上げますと、掛金額が相当高額になる、高額でなければまたそれらしい年金の機能も出てこないというようになるわけでございます。そういう点になりますと、いわゆる郵便局で扱う金額としてはどうかなという疑問も一つは出てくるわけでございます。郵便局らしい一つの仕事というものは、高額なものでなければ余り効果が出ないといったときにはやはり一考を要するのではないかと思う次第でございます。 それから、先ほどからもいろいろ民間企業との関係を御論議いただいておるわけでございますけれども、郵政省のやります事業と民間のやります事業は、競争的共存はやりますけれども、敵対的な関係ではございません。お互いに同じものを切磋琢磨してやっていくということになります。そうなりますと、民間のやる事業の結果というものも、これは国民にとって利益をもたらすものでございます。したがいまして、民間の事業者のやっておる事業そのものの繁栄ということも一応考慮に入れるのは、やはり国営事業として考えなければならない。そこで、国営事業と民営事業とが競争的に共存する場合においては、お互いに努力し合う限界というものをお互いに考え合う。そのことによって結果的に利用者の利益になるという限界はどこかということを考えなければならないと存じます。その点におきまして、今回におきましては、その理解がお互いに到達しない場合においては、やはり譲るといいますか、そこにおいて理解の限界でお互いに出発するということは必要なことではなかろうかと存ずる次第でございます。 ただしかし、それがこれから先の利用者側の利益として必ずしも報われないというようなことがはっきりしたときには、やはりわれわれの事業としてそれは考えなければいけないと存じておりますが、現在においては、それは必ずや民間の良識ある努力によってこういった事情に十分報いてくれるだけの仕事をしていただけるもの、こう思っております。
○武部委員 私は、この即時年金制度の構想が立ち消えになった、このことについて大変不満を持つ者の一人であります。これは期待が大きかっただけに、私は大変不満であります。いま局長は、掛金額が高くなるとか、いろいろなことを言っておりますが、本質はそうではない。これは金融問題として大蔵省が圧力をかけたというふうに私は理解をしておるわけであります。なるほど掛金は高くなるかもしれませんが、加入は個人個人の意思で決めるわけでありますから、そういうことは理屈にならぬと思うのです。したがって、いまここでとやかく言いませんが、郵政省としては、情勢が変わってくれば復活する意思があるというふうに理解していいですか。
○小山(森)政府委員 今後の状況を見まして、いろいろ努力をする場面もあろうかと存じます。
○武部委員 このことはぜひひとつ世論を十分調査をしてもらって、特にサラリーマンで退職する人たちは大きな期待を持っておったわけですから、いろいろな障害はあるだろうと思いますが、十分検討をしてぜひ世論にこたえていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。 時間が来ましたから、あと一、二問で終わりたいと思いますが、今度の法改正でいろいろなことがこの法案に出てまいりました。たとえば運用範囲の拡大の問題であるとか、あるいは資金運用の対象範囲に外国債を加えるとかいうようなことがありますが、一々これをやっておったのではもう時間がございませんので、大蔵省にひとつもう一回お伺いをいたしますが、郵便事業、これが国営事業として存在する以上、年金の最高制限額あるいは運用の範囲、そういう問題について、国民の要望、特に年金額の問題については、いまの七十二万円では非常に不満足だというような意見もあります。あるいは年金の種類についてももっとふやしたらどうだ、あるいは運用の範囲についても今度制限が緩和されたようでありますが、範囲などについても相当程度国民の需要を満たし得るような、そういう内容とする必要が郵便年金制度にあると私は思うのです。このことについて大蔵省は一体どういうふうに考えておられるか。郵便年金法の第一条で郵便年金というものの目的がはっきりと記載されておるわけです。定義づけられておる。こういう中で大蔵省は、この郵便年金の申し上げたような最高制限額の問題、運用範囲の拡大の問題あるいは年金の種類、そういうことについてどういうふうに考えておられるか、これをお伺いしたい。
○佐藤説明員 限度額の問題につきましては、政府部内の調整の過程でいろいろ御意見は申し上げましたけれども、最終的には先ほど郵政省の簡易保険局長の方から御説明いたしましたような考え方によりまして、御提案をした額に政府の考え方を統一したわけでございます。 他方、資産運用の点につきましては、これはもちろん年金の積立金としてできるだけ高い利回りを確保したいという考え方が一方にありますが、同時に国が集めたお金の使い方としてどういう使い方が適当かというような考え方が他方にございます。そういったものをいろいろ検討いたしまして、御提案申し上げたような案になっているわけであります。
○武部委員 私とあなたと根本的な意見の食い違いがあるわけですが、これはまだ氷解いたしておりません。しかし、いま申し上げたように、郵便年金制度が日本の社会保障の中において占める割合はこれから非常に高くなってくるし、国民の要求も非常にふえてくるだろうと思います。したがって、制限額の問題であるとか、運用範囲の拡大の問題であるとか、種類とか、いろいろな問題についてこれから国民の要求が多様化してくるだろうと私は思うのでありまして、郵便年金事業は国営事業ですから、それに対応できるように両省でしっかりと意見が一致するようにひとつ努力してもらわなければ困る、このように思います。 一つ郵政省に特に要望しておきますが、今後の郵便年金制度の取り組みについての姿勢であります。 国民にとっては郵政省のやっておる簡易生命保険、これと郵便年金とありますが、むしろ国民の側から言うならば、簡易生命保険という生命保険事業よりも、国民の要求は年金の制度に対する要求の方が高いだろうと私は思うのです。関心度が非常に高いと思う。その方が国民のニーズが大きいと思うのです。したがって、手間暇にやるとかいうようなことではなくて、簡易生命保険の方が主で年金が従だ、そういうことでなくて、年金制度にひとつ真剣に取り組む、こういう姿勢をぜひ示してもらいたい。そういう意味で、将来郵政省がこの年金問題に真剣に取り組む一つの方法として、年金部なりあるいは年金局なり、そういうようなものをきちんと組織上確立をして、この郵政事業の中で国民の年金に対する期待にこたえる、そういう姿勢をぜひとってもらいたいし、そういう気持ちで運営をしてもらいたいということを要望いたしますが、これについての御意見はどうでしょうか。
○小山(森)政府委員 将来のことにつきまして、いまなかなかお答えしにくい点もあるのでございますが、ただしかし、私どもが年金に対して今後年金業務というものに真剣に取り組んでいくということは、もうここでお誓い申し上げたいと思います。されば、それでは年金局とか年金部というようなお話がございますけれども、真剣に取り組むから組織をふやさなければいけないということにイコールになるかどうか疑問のあるところでございます。いま行政改革というものは非常に重大な問題となっておる折でございますので、行政改革に沿って、機構の拡大を伴わずに、しかも業務そのものは非常にりっぱに行っていくというような形、国民にとってのきわめて優等生のような仕事をしてまいりたいと存じております。
○武部委員 時間が来ましたから、私は最後に大臣に要望して終わりたいと思いますが、老後生活の安定を図るということは、その基本は生活できる基礎年金でなければならぬと思います。そのためには老齢福祉年金、厚生年金あるいは国民年金、そういうものの給付改善が最も必要だということは、もう言をまたないところであります。当然のことであります。しかし、財源問題あるいは負担能力に限度がある、こういうこともこれまた現実の姿であります。したがって、自助努力ということをここでも何回かやりとりしておりますが、これもそれを補完する意味においては大変大事なことであります。そこで、自助努力によるところの個人年金の普及拡大、これがまたそのために必要になってくる。これも言をまたないところであります。したがって、高齢化が非常に急テンポで進み始めたということは、これらの問題を解決するためにも早急に個人年金の問題を解決していかなければならぬし、その対策を進めていかなければならぬ、こう思うのです。そういう意味で郵便の個人年金制度というものは遅きに失したと私は思っています。金額についてもいろいろ問題があります。しかし、そういう非常に強い要望がある郵便年金制度の改善充実ということについて、重要な課題として郵政大臣としてはどういう考え方でこれからお臨みになるか、これを最後にお聞きして私の質問を終わります。
○山内国務大臣 武部委員の方からいろいろ御意見とか御質問ございまして、私、ここで全く同じような考え方を持っているということを思いながらお聞きをしたわけでございます。これは掛金といってもなかなか、十年、二十年と掛けて、これは本当にしんぼう強くやっていただかないといけない年金でございます。しかし、非常に重要な問題でございます。老後になりましていよいよ、基本的には公的年金でございますけれども、自分の力でいまからそういうお心がけをお持ちになってやっていただければ、必ず向上したいわゆる福祉的な生活ができるということは、間違いなく郵政省も責任を持ってやってまいるつもりでございますし、そういう点を十分にPRいたしまして、できるだけ多くの方々にこの郵便年金にお入りをいただいて老後を楽しんでいただきますように、これから大いに努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○武部委員 終わります。
○佐藤委員長 武部文君の質疑は終わりました。 竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 最初にお伺いしますけれども、今後の日本の国の高齢化社会というものに対して、今回それに対応するという意味からこの郵便年金をさらに充実させていこう、こういう趣旨の郵政省としての考え方、いままで本委員会におきましてもるる承ってきました。 そこでまず国として、今後のどんどん進んでいく高齢化社会へのとらえ方と同時に、その解決策としてはどのように力点を置いておるのか。この郵便年金の改正を行おうとしておるその状況を踏まえて、一体こういうことをいろいろ入れてそしてこの高齢化社会への対応というものを考えておるのか。これだけが解決の根本ではないと私ども思っておりますけれども、郵政省としてこういうものに取り組んできたのは、果たして今後のこの非常に速い速度で進んでいく高齢化社会へのその対策としてどういう見解をまず持ったのか、その点から状況を御説明ください。
○小山(森)政府委員 郵政省といたしまして高齢化社会ということにどう考えたかというお尋ねでございますが、私ども、郵便年金というものの、法律上その仕事をすべきであると法律から命ぜられている省といたしまして、郵便年金という非常に高齢化社会に対応する制度を持っているところといたしまして、まずこれをいかにこの高齢化社会に対応する形で活性化していくかということを考えたわけでございます。 そのときに、それでは国営事業だけでそれはできるかということでございますが、これは国全体として、一つは公的年金の充実ということがあり、さらにそれに対する郵便年金というような国営事業の努力というものがなければならないのではないか。それでは公的年金はどういう形になっているかと申しますと、これはもう現在、厚生省の係官もおいでのようでございますけれども、非常に力を入れておる。しかもまだ、公的年金というものは今後ともやはり社会保障制度の中核となっていくということで、自信を持ってこの充実に進んでおられるようでございます。 そういたしますと、国営事業としての郵便年金を持っているわれわれとしては、今度はこういった公的年金の足らざるところをやはり十分補って、国全体として直接の行政手段と同時に、国営事業という事業を通じての相補う形で老後の生活に対する国全体としての責任を持った措置をとっていくことが重大ではないか、こういうふうに考えた次第でございます。 それでは具体的にどういうことをすればよろしいかということでございます。郵便年金というのは、そのような考えになる前の、すでに大正十五年からあるわけですが、これがやはり時代というものの動きに対してなかなか対応し切れなかったというところから、これをいまの時代に本当の対応できる形に活性化していく、こういったことをすべきである、こう考えまして、具体的には逓増制の導入であるとかあるいはそれを維持するための運用範囲の拡大というようなことによってその資金的な裏づけをしていくというようなことに努力をしたわけでございます。
○竹内(勝)委員 いまの説明で、いままでのいわゆる公的年金はそれなりに将来を見通して行われてきたものである、こう解釈します。そういう意味では、厚生省や大蔵省と郵政省としては当然話し合いを持って、その辺の関係性というものをよく検討してきたと思うわけです。 そこでこの公的年金、たとえば国民年金あるいは厚生年金等の問題等も含めて、今回郵便年金を新たに改善しよう、こういった考え方、いままで減少の一途にございましたこの郵便年金を新たにここでまた大幅に急に力を入れようというその辺の理由というものがもうちょっと国民にわかりにくいものがあるのですが、その理由を御説明ください。
○小山(森)政府委員 先ほども申し上げましたように、公的年金制度の整備充実というのがやはり国民の老後の所得保障の中核であるという認識は変わりないわけでございますけれども、ただ、この公的年金もやはり、何でも制度が完璧とは申せませんように、公的年金におきましても、やはりそれなりの性格で、人により給付に差があってはならないとか、あるいはけさの御論議の中にもありましたように、将来の人口構成の問題などからいたしますと、負担をどうやってこれをしていくかという点は、必ずしもすべてがクリアされているとは思えないという認識も持っておるわけでございます。したがいまして、片方において公的年金が所得保障の中核であるという認識と同時に、この中核になっております公的年金にもやはりいろいろな隘路があるということも、これは認識としてわれわれ考えたわけでございます。 そうしますと、具体的にどういうことが問題になるかといいますと、やはり公的年金の受給者は、いろいろな生活をそれぞれの欲求において持っているということになりますと、それはやはり自分自身の努力で、公的年金で満足する方はそれでよし、公的年金以外にやはり自分みずからの欲求をお持ちの方は、やはり自分の努力でもってこれはカバーしていっていただかなきゃいけないんじゃないか、いわゆる自助努力ということだと思います。その自助努力ということを、これまた、ただ何らの手伝いもなしに自然現象に置いておくというのは国としてとるべき姿ではない、こう存じます。そのときに、この自助努力というものを奨励し、実らせる一番具体的ないい手段としては、やはり郵便年金というものが最適である、こういうふうに認識したわけでございまして、それでは、高齢化社会というものがもう明らかに予測できるここにおいて、この郵便年金を十分検討して、そういった現象にたえ得るものとして国民のためにこの郵便年金制度を活性化させるべきであるということで、研究をし、約三年間にわたって検討を進めた結果、具体案を作成した、こういう経緯をたどっておるところでございます。
○竹内(勝)委員 本来、公的年金がベースになりますね。その上に、いま説明のとおり自助努力として私的年金、企業や民間の生保等がございます。 そこで、この公的年金の中に、厚生省にお伺いしておきますが、この厚生年金あるいは国民年金あるいは共済年金等々、幾つも分かれておりますね。むしろ私どもの考えとしては、これを一つの方向に統一していき、本当に暮らせる年金、本当に生きがいを持って、活力のある、そういった福祉というものに力を入れていかなければならない、こういう意味から、国民基本年金構想というものを私どもは打ち出しておるわけでございます。 そこで、厚生省として、いままでの基本となる公的年金というものを、今後も同じ考えで充実させていくつもりなのかどうか、さらにこの今回の郵便年金の改正というものをどのように位置づけ、解釈しておるのか、御説明ください。
○長尾説明員 お答えを申し上げます。 わが国の公的年金につきましては、先生御承知のように昭和三十六年に国民皆年金ということをいたしまして、すべての方が、お年寄りになりましたときに、幾つかに分かれておりますけれども、年金制度から年金が受けられるようにという体系ができたわけでございます。 その後、それぞれの各制度の充実が図られてまいったわけでございまして、今後の高齢化社会を考えますと、公的年金制度が老後の保障の中で中核的な役割りを果たしていかなくてはならないというふうに考えておるわけでございます。 今回の郵便年金の構想でございますけれども、より豊かな老後の生活をお望みになるということは、これは国民の皆様の御要望として当然のことと思うわけでございますので、公的年金といたしまして中核的な老後の保障として役割りを果たしていく上に、こういった自助勢力による制度が設けられますこと自体は、私どもとして否定するものではないわけでございます。しかしながら、国民の皆様の中には、所得の面におきましても、それから生活の設計という面におきましてもさまざまな方がおられるわけでございまして、そういったさまざまな方のすべての方に老後の生活を保障していくということを考えますと、今後のわが国におきましては公的年金制度の役割りはきわめて重要なものがあると思うわけでございます。 それで、先生の御質問の趣旨は、今後の公的年金制度の改革と申しますか、さらに充実をしていくという方向の中で、たとえば基礎年金というような形で一本化をしていくということが重要ではないかという御指摘かと思うわけでございます。公明党から御提案をいただいております基礎年金構想でございますが、私ども、社会保障制度審議会その他の委員会からも今後の年金制度の改革につきまして御意見をいただいておるわけでございますが、すべての制度に加入しておられます方を全部共通にいたしまして一定の水準の基礎年金を支給するというような基礎年金構想につきましては、現在八つに分かれております各制度から、すでに千六百万人ぐらいの受給者があるわけでございますが、それぞれの受給者の方は、たとえば福祉年金は一定額の支給を受けておりますし、共済年金の場合には最終の俸給に比例いたしました年金をすでに受けておられるわけでございます。こういったすでに受けておられる方々を前提といたしまして、こういった基礎年金構想へ移していくときにどういうふうに移していったらいいかというような問題、それから、こういった基礎年金の財源といたしまして、そのためにその水準をどのように設定をするかということにもなるかと思うのでございますが、相当な費用負担が必要とされるかと思うのでございますが、こういった費用負担の調達が果たして可能であるかどうかという問題、もしこの費用負担のために新たな税を設けるというふうな形をとりました場合に、国民の皆様にそういう点の御納得がいただけることかどうかというような問題点があるのではないかと思っておるわけでございます。 しかしながら、お年寄りの方がある年齢になられましたならば必ず一定水準の年金が受けられるという基礎年金の理念といいますものは、受給者の方の間の公平性の確保という点では非常にすぐれた構想でございます。私どももこういった各方面から示されております一つの基礎年金の構想の理念を念頭に置きまして今後の年金制度の充実、改革に取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
○竹内(勝)委員 それでは内容について質問をしておきます。 まず、この終身年金の場合でございますけれども、この年金の受取額、当初最高限度額を郵政省としてはもっと高くするような考え方を持っておりましたね。このたびの法案を見ると、この第十四条の中にございますけれども、「年金の額は、年金受取人一人につき年額七十二万円を超えてはならない。」こうございますが、当初の実とかなりのギャップがあると思います。この辺においては大蔵省との折衝等があったやに伺っておりますけれども、なぜこうなったのか、その根拠、ただ折衝して、どうも郵政省としてはもっと高くと思ったが大蔵省の方の要望が低かったのでその中間点をとったような、そんな受け取られ方をしてはなりませんので、七十二万円にした根拠というものはこの辺にあるのだということを御説明ください。
○小山(森)政府委員 年金の最高限度額を検討いたしますには、やはり先ほど来の御論議にもありましたように、公的年金の水準はどうかということ、それから国民の老後の生活費はどれくらい必要かということ、また掛金の負担から見て郵便局にふさわしいものであるかどうかというような三点、それからまたさらに、いわゆる同じような仕事をお互いにしていくに当たって民間企業との間でお互いに繁栄する、そういったことの配慮として何が利用者側にとっていいかというような、いわば三要素と加えるに一つの要素というようなものになりましょうか、合わせて四つの要素を考えなければならないのじゃないかと思います。 まず公的年金の水準でございますけれども、これはけさほども厚生省の方からもお話がありました点で重複説明を避けさせていただきますが、これを一応低い国民年金というもので見たわけでございます。それから、今度は六十五歳以上の世帯の平均的な生活費はどうかということを総理府の昭和五十四年の家計調査から見てまいりました。この差し引き計算でまいりますと、大体六万円から七万円程度のものがいわゆる年金受給額と生活費との差というものになるのではないかということが推計されたわけでございます。この不足分を補うためには一体何があるかと申しますと、預貯金とか養老保険、養老保険は満期になりますとこれが預貯金と同じような効果がありますので、そういったもの、人によりましては信託というようなものあるいは債券というようなものもありますでしょうけれども、これはなかなかむずかしいことだろうと存じます。まあ主たるものとしては、預貯金、養老保険というようなものがあろうかと思います。それに加えますに年金というものがあるわけでございます。 これをどのように選択していくかというのは個々人の事情や意向、自分のみずからの生活設計というものから出てまいるわけでございますが、公的年金とのギャップを全部郵便年金でカバーするかどうかという考え方と、それから預貯金、信託、養老保険というような金融資産割合でもってこれを割っていくかというような考え方と、いろいろあるわけでございますけれども、ここで現時点において公的年金との差を郵便年金で埋めた場合は最低どれくらいが必要かということを推計いたしますと、大体六万円から七万円の間でよかろう、こういうようなことを考えまして、そういたしますとちょうど十二カ月で七十二万円という計算が出たわけでございます。 それでは当初九十六万円の案でもって出していたではないかということになるわけでございます。これにつきましては、やはりこの最高制限額というのは法定化されております。法定化ということは国会の御論議によって決めていただくので、世論というものを非常に端的に反映するものでありますと同時に、またこういったものをそう毎年毎年というわけにもいかないわけでございます。そこである程度の弾力的な形で、これを余裕のある形でもって見た場合に九十六万という線を出しているわけでございまして、説明が逆さまになったのでございますけれども、七十二万円の方から九十六万円というものの見方を御理解いただきたいと存じます。なお、当然その中には同種企業というものがこれまたりっぱなサービスを国民にしていっていただかなければいけないというようなことも、考慮の中には入れてあるということを申し添えておきたいと思います。
○竹内(勝)委員 それでは大蔵省に聞いておきましょう。この最高限度額を決定する段階において、大蔵省としてはもっと少なくというようなことでかなり郵政省と話し合ったようないきさつがあるようでございますけれども、大蔵省としてはどんな考え方をこの最高限度額に関してはお持ちでございますか。
○亀井説明員 実は大変申しわけございません。私ども担当部局が、あるいはお知らせをちょうだいいたしておりましたのか、帰ってしまいましたので、私、本件につきまして実は内容を存じ上げませんで、申し上げるのが適切かどうかと思います。現在、小山局長が御説明になられ、御提案を郵政省からされておりますという数字が適当なものではないかというふうに考えておる次第でございますが、担当外でありますことをお許しを願いたいと思います。
○竹内(勝)委員 それじゃ、その件に関してはまたもうちょっとわかるように、ほかの機会に御説明いただきたいと思います。 そこで、初年度に七十二万円の年額をもらうには毎月幾らで、何年間で総額では幾ら納めたらよいのか、この例をまず示してください。
○小山(森)政府委員 年金にもいろいろタイプがあるものですから、たとえば何歳で加入して何年間掛けるかというのがいろいろありますので一概には申せませんけれども、最も典型的といいますか、一つのタイプとして比較的見本として出しやすいということの例を挙げて申し上げますと、四十歳加入で六十歳支払い開始というようなものを例にとりたいと存じます。この場合やはり生命表をもとにいたしますので、男子と女子では若干掛金が違うわけでございますけれども、掛金は年額で約三十九万五千円になります。したがって、これが二十年間でございますので掛金総額が七百九十万円となるわけでございます。
○竹内(勝)委員 年間で三十九万ということは毎月三万円少しになりますね。そうなってきますと、これは現在の給与体系で毎月三万何がしを納めるということはかなりの負担になるように私どもは考えます。そうなってくると、比較的余裕のある、お金のある人がこういった最高限度額――これは最高でございますけれども、そういったところへ入ったとしても月六万円ですね。果たしてこれは、私的年金に入れない人たちを国は一体どうするのかということが大事になるのではないでしょうか。 そういう意味で、先ほど厚生省からも御答弁いただいておりますけれども、国が郵政省としてこういうものをやっていくからには、普通の給与で生活をしておる一般の国民に対して果たしてこれが妥当なのかどうか、この対象の設定というものを一体どういうところに考えておるのか。もう一つ厚生省にも聞いておきますが、こんなふうになってくると、六万円もらうのに三万幾らを二十年間かかって納めなきゃならぬ。ということは二十年間かかってちょうど約倍弱ですよね。そういうものをもらっても、いままでの物価の状況から考えていくと二十年で倍ということはないですよ、倍以上になってしまっていますよ。そういうことでいくとこれはちょっとなじみにくいんじゃないか、こう考える面もあるのですけれども、まず最初に郵政省、それから厚生省としてはどういう見解を持っているかお聞かせください。
○小山(森)政府委員 先ほどの最高制限額のところで、私、若干要素を抜かしてしまって申しわけないと思っておりますけれども、掛金の方から見てどうかということでございます。これは五十五年の貯蓄増強中央委員会の「貯蓄に関する世論調査」というのによりますと、四十歳から五十歳代の世帯の税引き年収は平均四百二十六万円、それで年間の貯蓄増加額は平均七十六万円となっております。したがいまして、いわゆる平均的な四十歳から五十歳代の世帯におきましては、貯蓄増加額七十六万円に対して今回の掛金が四十万円でありますと、まだ余力があるというふうに見ているわけでございます。 それと同時に、これについてちょっと補足申し上げますと、これは最高限度額でございまして、最高に入りますとこういう状態ということでございます。それと年金というものの性格、特に今回私どもが逓増制を導入いたしまして力を入れております終身年金というのは、一番のポイントは、単なる預貯金とか資産というものが、収入の道が非常に衰えてきた場合に、いつまでの生存期間があるかということがいま予測ができないわけでございます。そういった場合終身年金というのは、終身、生存中は全部これでもってカバーできるということが一つ特徴でございます。これに対しまして、預貯金を計画的に蓄えましてこれを分散して払い戻していくというような場合、これは予定どおりの生存期間であるかどうかというのはなかなかわからないわけでございまして、その点終身年金というのは非常に安心ができるという点、やはり単なる金額のみではかれない点もあるということを一つつけ加えさせていただきたいと存じます。
○長尾説明員 お答え申し上げます。 厚生年金と国民年金の現在の財政の設計の仕方を御説明申し上げますと、現在厚生年金の場合、保険料は男子の方で標準報酬、つまり月給に対しまして一〇・六%の保険料を徴収いたしております。月給二十万円の方で考えますと一万六百円程度の保険料を徴収いたしておるわけでございますが、この場合に三十年加入の男子の方で受け取られます年金額は十三万円を超えるというような状況になっておるわけでございます。この財源構成といたしましては、その方が現実に積み立てられましたものを原資といたしまして、それに国庫負担を入れましてお支払いをするということに加えまして、いわば物価スライド分は後代の方が負担をしていただいておるという仕組みになっておるわけでございます。また、被保険者の方の中には月給の高い方もおられますし、低い方もおられますけれども、それを全部ひっくるめまして定額部分というわけで所得の再配分を図っておる、こういうような構成になっておるわけでございます。したがいまして、いろいろな所得の段階の方、また働いておる年数が長い方も短い方もございますけれども、そういう方々をひっくるめまして、先生が御指摘になりましたようにある程度の水準というものを公的年金の中で保障していくという仕組みが厚生年金にもとられているというふうに申し上げられるかと思います。 そこで、今後の老後の生活を考えますと、そういう意味で、公的年金はいろいろな所得層の方のいわば助け合いでございますので、そういった助け合いの仕組みというものが中核的なものとして十分に役割りを果たすように考えていくことが重要ではないかというふうに私どもは思っておるわけでございます。
○竹内(勝)委員 それではこの基本年金額の逓増は、いま御説明がございましたが、これは同じく十四条に、年金の額は「一年ごとに年五パーセントの割合を超えない範囲内において逓増させるものとする」こうございますけれども、五%以内に定めた理由は何でしょうか。
○小山(森)政府委員 従来から簡易保険におきましても、予定利率というものを決めまして、それから数理計算によって掛金を導入してくるわけでございますが、いま考えております予定利率は五%になっております。したがいまして、この五%の予定利率をもちまして基本年金の増加額は三%、こうしているわけでございます。 それでは、基本年金を五%以内としたということはどういう意味があるかと申しますと、この予定利率を超えました場合においては、基本年金ではなしに剰余金としてこれを各人に給付していくという形になってまいります。基本年金を余りに高くいたしますと、今度は剰余金による積み上げ部分が少なくなってくるということでございまして、結果的には受取年金額がどちらかにへこむということになります。逆から言いますとどちらかでふやしていくということになります。しかしながら、基本年金というのはいつも安心してふえていくのだということが利用者にとってわからなければこれは基本年金の価値がございませんけれども、余りに高くいたしますと今度は制度の運用が非常に困難になってくる。この両者がありますので、当初から行く基本年金は五%以内にとどめ、そこの経営努力によって生じました剰余金は、それは剰余金という形において加入者に返していく、こういうふうなことを考えて五%という線を出したわけでございます。
○竹内(勝)委員 インフレ等で貨幣価値が下落する場合がございます。御承知のように戦後のあの急激な貨幣価値の変動で、戦前から老後のためにということで積み立ててきた年金が全く何の価値もなくなってしまった。国として若干の措置はしたようだけれども、加入者の生活には何の役にも立たなかった、つまり年金の掛け損ですね、この経験がございます。今回、もしもインフレ等で貨幣価値が大幅に下落するような場合の対応策というものは、この改正点の中ではどうなっていますか。
○小山(森)政府委員 先生おっしゃいます過去の経験でございますけれども、私ども年金の事業を行っていた者として非常に残念に思うのは、戦争というような予期せざる形での経済変動によって従来の郵便年金が非常な打撃を受けたわけでございます。それじゃ今後そういうことがあるということでこういう制度を進めるのは私どもなかなか困難でございますが、もしそういうような事態がないとしても、今度は経済の一般的な環境の変化ではどうかということを考えましたところ、それにしましても従来の郵便年金の定額制では対応できないというような経験を持ったわけでございます。そこで今回逓増制の導入をいたしまして、望むものではありませんけれども、経済の拡大に伴う貨幣価値の変動に対応していく形をとっていく、またさらにこれを支えますところの資金の運用につきまして、従来の運用範囲に外貨建ての外債あるいは預金あるいは金銭信託というものを加えまして、いろいろな変動に耐え得るような形に設計したつもりでございます。
○竹内(勝)委員 重ねてお伺いします。 物価上昇率等を見ても七%、八%、こうなってますね。ましてや、かつての石油ショックのときのインフレ、御承知のとおり四十八年の消費者物価が一六・二%、四十九年には一二・八%、文字どおり狂乱物価となりましたね。こういう急激な物価変動にも対応できますか。
○小山(森)政府委員 こういう制度を考えるに当たりまして、私どもとしてどういった年間をとるかということでございますが、私どもとしては一応十五年間を一単位として各年の物価の上昇といわゆる運用利回りがどうなるかということを計算をした次第でございます。ただいま石油ショックのお話が出たのでございますけれども、石油ショックのような非常に大きなインフレには、今回の制度としてもその瞬間的の瞬間風速には耐えられません。しかしながら、十五年一単位とした場合におきましては、運用利回りはいまの日本の経済の状態でございますとみごとに克服しているわけでございまして、たとえば三十九年から五十三年という十五年を一単位とした物価の上昇を年単位で分割いたしますと七・七一%になるわけでございます。これに比べまして、今回の案でまいりますと、大体八・二%から七・六%ぐらいの範囲では対応できる運用利回りが出てくる、こういう形でございます。したがいまして、瞬間的な一年間の経済の急激な変化というものにはその瞬間においては耐えられませんけれども、長い目で見た形では年金としての実質価値の維持には十分耐えられる、こう思っております。
○竹内(勝)委員 局長、私聞いているのは、何も十五年とかそういう単位でなくても、この十五年で入らない人もいるわけですね、たとえばいま六十歳近い人に関してはもっと早い期間に何とかということがあるわけですから。そうなってくると、インフレは一年で終わるとは限りませんよ。この前の状況でも、また世界の例から見ても、あるいは経済という生き物の状況から見ても、一寸先はわからぬ。そういう中で果たして急激なインフレに対応できるのか。過去において国民としては非常に苦い経験を持っておるから、せっかく掛金を納めた、ところがもらうときには年金の価値が大幅に下落してしまった、したがって結局受けるときには何にもならなかったということになってはならないがゆえに聞いておるのですよ。そこをもう一度説明してください。
○小山(森)政府委員 ただいまの先生の御疑問は、瞬間的な問題と私は理解しておるのです。年金というものは、掛金を掛けている期間がまずあります、その後に今度は給付の期間がある、こういうことでございます。そういたしますと、少なくともいまの私どもが提出いたしました法案の内容といたしまして、いわゆる終身年金でございますけれども、これは保証期間が十五年あるわけでございます。たとえば本人が死亡した場合であっても十五年間は給付を続ける。七十歳からの支給開始の場合は十年でございますけれども、十五年間の保証をするということになっております。そういたしますと、これは預貯金の場合も同じでございますけれども、たとえば石油ショックのその一年間は、預貯金の利子はインフレに対して対抗できないわけでございますけれども、その預貯金の利子を何年間かにならした場合におきましては結果的に目減りをしていないという例もあるわけでございます。ただいま私が御説明申し上げましたのは、そういった何年間かにわたっての実質価値を見ると、そういった瞬間的なある一年には対応できなくても、長い期間において対応できる給付、実質的な目減りのない給付ができるのではないか、これは過去の経験から申しているわけでございます。 しかし、今後どのような経済変動があるかということについてはなかなか予測できません。これにつきましては、それじゃどうするかということですが、まさにこれからが、こういった年金をお認めいただいた場合に、われわれ運用する者の責任として、常にそういった経済の状況を見ながら、関係各方面の理解を求めながらこれに対応する運用の方法、手段を考えていく、これが将来に対してのわれわれの努力だ、こう思っております。
○竹内(勝)委員 大臣、いま局長からあったとおりですが、経済の予測は立ちません。しかし、過去の例から見ても、大幅に物価変動等があった場合の対応策、いまかなり前向きに局長が答えましたけれども、せっかくこの年金に力を入れてやっていこうという人が、あの戦後の混乱期のときのような本当にまじめにやった人が結果的に何にもならないことになってはなりませんので、その対応策はきちっとしていく必要があると思いますが、大臣の見解をお伺いしておきます。
○山内国務大臣 いまやっている郵便年金の一番の欠点、これは定額制であることでございます。定額を毎年支給されるというタイプのものでございます。したがってこういうことになれば、いま先生の御指摘のように、インフレになった場合は極端に打撃を受けることは明白でございます。今度考えましたのは、経済の変動に即応して直ちに適応するということは、なかなか変動の予測もむずかしゅうございますし、それを仮定しながらやることも大変でございまして、むずかしい作業になってどうやっていいかわかりませんので、ともかく毎年何がしの物価は上がっていくという前提のもとに、できるだけカバーしていきましょう、しかも毎年毎年というよりも、掛け金も長い期間でございますし、受ける期間も長うございますから、そういう点を考えて全体的にカバーしていこう、こういう考えのもとに今回の案ができているわけでございます。
○竹内(勝)委員 ある積算の資料によれば、四十歳加入そして六十歳年金支払い開始、年支払い保険料十万円、配当利回りを七・三%とした場合、民間のものと今回の郵便年金と比較したものがございます。それによりますと、六十歳で受けられるのは民間の場合二十八万三千円、この郵便年金の場合は二十三万六千円。そして今度は七十歳ぐらいになりますと民間の場合四十六万三千円、そして郵便年金の場合三十八万八千円。八十歳までいっても民間の場合六十九万、郵便年金で六十三万、まだ郵便年金の方が少ないです、同じ額を納めて同じようにして、配当も同じような七・三%で積算した場合。九十歳になって初めて郵便年金が百五万、それで民間の場合が九十七万とここで逆転する。こういう積算例が出ております。こういったものを知っていますか。
○小山(森)政府委員 先生の御指摘でございますが、まことに疑問を差しはさむのはどうかと存じますけれども、何か運用利回りが民間の場合と郵政省の場合と差がある根拠になっているのではないかと存じます。民間の運用利回りが郵便年金よりかなり高い運用利回りを前提とした計算ではなかろうかと存じます。ひとつ見せていただきたいと思いますが……。
○竹内(勝)委員 運用利回り七・三%、同じものにしたとちゃんと公の新聞に報道されているのだ。それをわからぬようじゃしようがないな。そういうのを知っているか知ってないか、あるいはその計算は大体合うのかどうか、いや絶対に郵便年金の方が民間のより多いのだと言えるのかどうか、これをはっきりしてください。
○小山(森)政府委員 似たようなものを私は見ましたが、そのときに見ましたのは、郵便年金の方を一%だけ運用利回りを低くして同じようなペースで計算しておるのでございます。そういたしますとこれはその年金の方がいいに決まっておるのでございまして、同じペースではないと見たわけでございます。それで、同じ運用利回りで計算した場合にこれがどうなるかということですが、同じ生命表を使いまして同じような形になりますれば絶対に同じような形しか出てこないわけでございます。同じような数理計算でございます。 ただ、そういった一つの資金を初めの基本年金を高くして逓増率を低くした場合とか、あるいは最初の年金を低くして逓増率を高くした場合とかいろいろなタイプがございますので、そのタイプの選択はいろいろございますけれども、総額としての計算というものはそう差のあるはずがない、これが年金制度でございます。
○竹内(勝)委員 ちょっと委員長にお断りして、資料を見せたいと思います。
○佐藤委員長 はい、どうぞ。
○小山(森)政府委員 資料を見せていただきましてどうもありがとうございました。実はその検討はまだ十分ではございませんけれども、一見して異なるところは、郵便年金の場合は年金受取人が早期に死亡した場合であっても保証期間十五年、あるいは七十歳の場合には十年間設けているわけでございます。この保証期間を設けるか、設けないかということは、結局もし早期に死亡した場合には掛けただけの金額が戻ってこないというタイプになるわけでございますが、郵便年金の場合は掛けた金額は戻る形の保証期間を設けているというタイプをとっております関係上、全体として数理計算上そのような結果が出てくるわけでございます。
○竹内(勝)委員 それではもう時間ですので一、二問だけちょっとお許しをいただきたい。まことに済みません。 では局長、その件に関して。これは確かに九十歳までの例ですよね。たとえば早く亡くなっていった場合の分があるから民間の方は有利にしておる、いまの説明でございますけれども。ではこの場合、たとえばの話ですが、六十歳から九十歳以上までいった場合にはいま私が申し上げたような例になる可能性もあるということですか、ないということですか、それだけはっきりしておいてください。
○小山(森)政府委員 いまのお見せをいただきました資料のとおりでございますれば、ということはタイプが片方は保証期間がある片方は保証期間がないというような形の場合には、そういうことはあり得ることでございます。 ただそこでつけ加えて申し上げたいのは、年金の場合掛金そのものが掛け捨てになってしまうかどうかということで、早期に死亡したら元も子もなくなってしまうというようなことではやはりどうかということで、早期に死亡した場合でもその掛金とそれに伴って出てまいりました剰余金だけは返還金として戻るということを考えた年金をとるか、その年金でないものを選択するかというのは、これは利用者側からの選択の問題になろうかと存じます。
○竹内(勝)委員 それではもう一問で終わります。 郵便年金の場合、運用利回り、これが恐らく民間の配当利回りよりも少なくなる。なぜかというと、不動産や株式、こういったものへの運用というものを省いておりますね。そういうものでいきますと、明らかにいま私が資料をお見せして御答弁をいただいたものは、利回りを同じにしてもこういう可能性があり得るのです。今後利回りが民間の方が上になる可能性の方がずっと多いです。そして郵便年金の方が下になる可能性が強いという面からいけば、これは国民にとって非常に不利じゃないか、こういうふうに考えますけれども、そこを、いやこの点が非常にいいんだと、国民の皆様方が納得できるような御答弁をいただいて、そして質問を終わります。
○小山(森)政府委員 給付を受ける金額は運用利回りだけから出てくるわけではないわけでございます。一番わかりやすい例で申し上げますと、簡易保険と民間保険の例を申し上げますと、ただいま簡易保険の運用というものは資金運用の範囲が非常に狭められておりますので、資金運用益というものは民間より確かに低くなっております。しかしながら、実際の掛金それから給付の状態を見ますと、これは必ずしもそういうことにはなっておりません。これはなぜかといいますと、経営に係りますコストの問題があるわけでございます。それがどういう努力をしているかということですが、私がこういう面で御説明申し上げるのもどうかと思いますけれども、一番端的な説明の仕方を申し上げますと、郵便局というのは郵便と貯金と保険と電信電話というものを全部経営している関係上、郵便局長さんや何かの給料とかそういったものは各事業を通じて出てまいりますので、それぞれの事業にかかりますコストが非常に低いということから、そのコスト等を全部計算の中に入れますと経営比率が低いということになります。したがいましてそのような運用利回りイコール給付額であるということはございませんので、今後ともこういった経営努力をしまして、劣らないよい年金にするようにわれわれ従業員が努力していきたいと存じております。
○竹内(勝)委員 終わります。
○佐藤委員長 竹内勝彦君の質疑は終わりました。 木下敬之助君。
○木下委員 何度も皆さんで御論議されたことではございますけれども、この問題につきまして、まず官業と民業が競合するということについて、郵政省どのように考えておられるのかお聞きいたしたいと思います。
○小山(森)政府委員 官業と民業との競合することの是非、これはただ一般論として片づけられる問題ではないと思っております。それぞれの事業の内容によって、問題に即して判断していくべきものだと考えております。 郵便年金の場合について考えますと、先ほど来何回も御説明申し上げましたように、現実に個人年金市場というものが、非常に普及率が低いということで、形成されておりません。したがいまして、競合という言葉に相当するものが現実にはないのではないかというのが、私どもの理解の仕方でございます。そういった場合には、やはり公共性の高いものでもありますので、そういった普及が十分に図られてないものは普及すべきことがいいことだろうと存じます。 その場合、国営事業がそこに存在することだけでもかなりの価値があり、さらに誘導機能が発揮されて民間の事業をもこれによって誘導していくというようなことがありますれば、年金思想というものが普及いたしまして、民間の個人年金事業の発展を非常に促進していくというふうに考えている次第でございます。競合することによって、むしろ民間の個人年金事業の発展につながると考えております。 また年金というものが、国営事業としてやることによって、いわゆる集中豪雨のような形でもって侵入してくるのではないかというような一つの論がございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、個人年金の契約というのは、預貯金などと若干異なりまして、やはり掛金の期間が長いということ。それから自分の老後を長い間それによって賄おうということでございますので、加入者も非常に慎重な生活設計によって誘導されてくるということ。したがって、自分では必要性を認めていながらも、今度は具体的に経営する側、私どもの郵政省の場合によりますと、郵便局の外務員による個々の加入者に対する販売活動というものが直接的な誘因になりませんと、なかなか契約に至らないという特性を持っております。個々の契約についての何段階も経緯を経てようやく一つの契約ができてくるというようなことがございますので、この契約の伸び方も一つ一つ年々着実に積み上げていく方式がとられる。またそれに掛けてまいります積立金も段階的にふえていくというようなことになります。したがいまして、こういったタイムラグがございますので、その間におきまして、民間の事業も同じような立場でございますので、ここで相ともに助け合っていくといいますか、一生懸命国民のために切磋琢磨していくということにつながっていく、こう考えております。
○木下委員 現在大したシェアがないからそこに入っていくのは競合でない、こんなふうにも最初のお話はとれたのですが、そういう考えでいくと、普及がある程度なされたら手を引くとかいう考えがあるのか。またおしまいの方では、切磋琢磨という言葉があって競争する、当然民業の方もこれにつられてやるようになれば競争が起こると思うのです。その競争という点で考えますと、官と民というのは、おのずとそこに働く人の給与体系も違ったり退職金や年金の差があったりほかにもいろいろなことがあるので、どちらが優劣とは言えないにしても、切磋琢磨、口では簡単ですけれども、公正な競争がされていくとは思えないのですが、その点はどうお考えでしょうか。
○小山(森)政府委員 ただいま前段で申し上げましたものは、いま現に金融秩序としてあるものに対して、われわれ国営事業が入ることによって秩序を乱すかという点については、そういう既成の秩序そのものがないので、これからつくり上げていくものだということでございます。 それから、数その他によって非常な勢いでもって伸びていくのではないかという御指摘でございますけれども、先ほども御説明申し上げましたように、この郵便年金というのは、郵便局の数とか分布とかいうだけではなかなか割り切れないものがございまして、むしろ外務員による直接的な販売活動というものが非常に大きな要素を占めてまいります。その場合、郵政省のこれに携わる職員の数、現在の簡易保険、郵便年金事業に携わる外務員というのは二万七千数百名でございます。これに対しまして、民間のこういった作業をしている方は約二十八万名と記憶いたしております。したがいまして、数の上においてはそれぞれに差があるわけでございます。問題はその数だけの差が出るかどうかということですが、これはそれぞれの事業主体がどうやってこの年金に対して真正面から取り組むかによってまた変わってこようかと思います。そうなりますれば、私どもがこの事業を推進することによりまして、各事業体、経営主体が真正面から取り組んでやるということにつながりますれば、むしろ国全体としていい結果になるのではないか、こう考えております。
○木下委員 なかなか私の質問の趣旨にちょうど沿った答えのようではないのですけれども、いつまで聞いても仕方ありません。 大臣、ちょっとお答え願います。いま聞いていますと、郵政省の中が、直接にこれに携わってしまいますと、官業と民業のあり方について基本的な物を見る目が少し欠けてくるんではないかと思われますが、大臣は郵政大臣ではございますけれども、総理大臣になったようなつもりで、官業と民業というものに対してどんなふうに考えておられるかお聞かせ願いたい。
○山内国務大臣 いまの年金に関する民間の事業でございますけれども、いま公的年金はわが国では非常に行き渡っておりますので、まず個人年金の方に目を向けるということは非常に少のうございます。先ほど局長が数字を示しておりましたけれども、世帯数で一%と少ししか行き渡っていない。そこで年金制度をこれから個人的にいろいろ考える場合、少なくとも十年とか二十年、毎月同じ金を掛けて二十年後に死ぬまでもらえるという、本当に長期プランといいますか、そういう考え方というのは、なかなかいまの世代の人にはとりにくい問題だと思うのです。したがって、普及しないという一つの原因はそこにあろうと私は思うのです。 そこで、競合とかなんとかいう問題よりも、今回郵便年金をお決めいただきましても、われわれ郵政省としては、本当に真剣に将来お得になるんですよというPRをやらざる限りなかなか加入してもらえないんじゃないか、こういうような点で大いに努力をするつもりでございますが、そういう点からいきましても、民業と官業との関係というよりも、個人年金というものをこれから日本はどう考えていくか、そちらの方に相当力を入れなければならないんじゃないかというふうに考えております。
○木下委員 大臣のお考えもわかるのですけれども、私の方で聞いてみたいのは、いま競合という問題によってじゃなくて年金というものをながめたらというふうに言われましたのですが、私としましては、年金という問題をながめるのじゃなくて競合という問題をながめたらどうなるのか、こちらの意見も聞いてみたいわけです。 きょうの新聞ですか、電電公社の民営が検討されておるというような報道もございました。別に半分民間に移行して競合させようというような考えはないようでございますけれども、やはり官業のあり方と民業との関係というものの基本的な姿勢というのはあると思うのです。どんなふうにそこを考えておられるのか聞きたいのです。
○山内国務大臣 国が発達、進歩していく過程によって大分違ってくると私は思うのです。明治の時代を振り返ってみますと、まず官業というものがあって、外国の知識を入れながら官が仕事をやっていく、こういうことでわが国は発達してきたわけでございますが、ある程度もう民営によって十分できるというようなことになった場合には民間の方に移っていく、こういう一つの過程もあると思うのです。しかし基本的に、両方やったらいけないということはないと思うのです。いま郵便事業というのは官営、独占、公共的でございますし、公共的なものはいつまでたってもやはり国でやらなければいけない、こういう問題もございますし、まずその事業の内容によっていろいろと考えられる問題であろうと私は思います。 いまちょっと電電公社の点にお触れになりましたけれども、ああいう点は郵政省においても全然考えておりませんし、話もしたことがない問題でございます。ちょうどいい機会でございましたからつけ加えさせていただきます。
○木下委員 それぞれの内容によって違うというのが結論のようにとらえさせていただきます。 それで、この郵便年金が成立した場合、民間の年金とどちらが利回り等は有利なのかという話題をよく聞くのです。郵政省ではどう考えておられますか。
○小山(森)政府委員 先ほど来たびたび申し上げておりますけれども、郵便年金というのは、預貯金のように一度積み立てたのをその人の範囲内で払い戻していくというのとはちょっとタイプが違いまして、全体の生命表をもとにいたしまして、これに対して数理計算によって掛金と給付金が決まってくるものでございます。したがいまして、同じような生命表を使うからには、総体としての資金といいますかそれの使用の方法でございますから、総体としてはほとんど差がないわけでございます。 ただしかし、個別のどのようなタイプの形のものをつくるかということはそれぞれの経営主体によって特徴を出しますので、先ほども申し上げましたように、たとえば逓増制というものを極端に低くいたしますと、初めから終わりまでずっと同じような金額でございますので、初めは非常に有利であるけれども、年がたつに従って逓増制を大きくとるところには給付額が劣るというようなことがございます。また、逓増制を高くとった場合においては初めの給付年金額が低くなるというような点がございます。また、これが極端にまいりますと、片方は定額制でもって動かさない、片方は移動していくというような形、いろいろなタイプがございますけれども、総体においてはほとんど優劣はない、このように考えております。 ただ問題は、先ほども申し上げましたように、これに対する経営努力というものはやはり掛金と受け取り金額の方に響いてまいりまして、経営の効率化というものを常に努力しなければならない、こう考えております。
○木下委員 この郵便年金の需要において、五十四年五月の専門機関の調査で、新契約は年間七万件、これで生ずる資金量は五年後に一千七百億と書いてあるのを見ましたし、また民間の調査で、毎年四十六万五千件で五年後に一兆四千億、二十年後の資金量は三十兆円とはじいておるのも見ましたが、この差についてどうお考えになりますか。
○小山(森)政府委員 まず最初に四十万件の話でございますけれども、これは私は新聞を通してしか承知してないのでございますけれども、いま郵政省で行っております簡易保険の新規の契約件数が一年間に約四百万件ある、この新しい年金制度ができたらば恐らく一割は年金に回るであろうから四十万件だ、こういう推定を下しているというふうに理解いたしております。 私どもの見込みの七万件と申しますのは、これは五十四年五月に実施しました個人年金に関する市場調査というのがございます。この市場調査をいたしましたのは実はほかにない、郵政省だけしかこの資料はないわけでございますけれども、ほかでは一度もこういった世論調査はしておりません。この市場調査から導入してきたものでございまして、三十五歳から六十五歳の世帯で加入が確実な人と加入を検討する人、そういった仮定というものを計算いたしまして、このパーセンテージを全国の三十五歳から六十五歳の世帯数に掛けまして潜在需要数を七百四十八万世帯として計算したわけでございます。ただこの潜在需要の七百四十八万世帯の中には、同じ市場調査の中で非常に低い掛金で高い給付額を期待している人がございますので、これはどうもなかなかこの年金にはなじまないということで、こういった比率を差し引きますと大体二百六十三万世帯というのが年金対象世帯になってくる。 〔委員長退席、畑委員長代理着席〕 この二百六十三万世帯を簡易保険と民間保険の新規契約のシェアで割ったわけでございます。そういたしますと簡易保険のシェアは二六・六%でございますので、これが七十万世帯という計算が出てまいりました。これを十年間でもって一応算術計算で割った結果が七万世帯でございます。したがいまして、この七万世帯というのは私どもの世論調査に基づきましてもとの数字を出し、さらにいろいろな推定を加えておりますので、これは変動する余地のあるものでございます。 それと同時に、この年金に対する一般の理解というのがふえた場合においては、当然これはもっと大きい方に移動する可能性もあるのではないかと思いますが、ただここで問題になりますのは、そんなにふえていったらば、初めに小さいことを言って制度をやって、実際は大きい形でもって非常な刺激を与えるようなことになるのじゃないか、それを避けるために小さい数字を出しているのじゃないかという誤解を招くわけでございますけれども、そういうように年金思想が普及してこの数字が移動した場合においては、民間のこういった年金事業も同様にふえておるということでございまして、郵便年金だけがひとり歩きしているわけではないということを注釈つけさせていただきたいと思います。 それから、千七百億円の資金の問題でございますけれども、やはりこの世論調査で潜在需要の方たちの掛金の要望というのを見ますと、大体平均的なものは一万八千円というふうな計算が出てまいりまして、これを積算いたしますと五年後に約千七百億町の資金が集まるのではないか、こういう計算でございます。
○木下委員 いまのお話はわかりましたが、その計画が大幅に狂ったというか、大幅に伸びて、こんな三十兆もたまるような場合が起こり得るのですかね。またよく、公共部門に金が集まり過ぎて民間部門に集まりにくくなると金融市場に大きなびずみが生ずるのではないか、こういうことも言われますが、そういう誤算等を通じて、このような問題が起こった場合にはどのように考えておられますか。
○小山(森)政府委員 このお答えは非常にむずかしい点がございます。一つの事業をやっていく者としての見方からいたしますと、三十兆円も集まるように仕事が隆盛をするというのは非常にうれしいことでございますけれども、もう片方からいきますと、そういったようなことが本当にあるかどうか、そういった場合の金融秩序はどうなるのかということになりますと、これは問題があると言わざるを得ないのです。問題といたしましては、いま百年以上の歴史を持ちます郵便貯金がようやく六十兆円になっておりますが、わずか十年、二十年で、しかも郵便貯金のような貯金という形でなしに三十兆円という数字が集まるかどうかということについては、私ども非常にこの算出根拠には疑問を抱いているところでございます。
○木下委員 その算出根拠の疑問と同時に、万が一そんなことがあったときにはやはり幾らか方向を変えなければならぬというぐらいの意識も一緒にお持ちなのでしょうか。
○小山(森)政府委員 実はそういうことはまずないのではないかというようなことを考えておりまして、御指摘の点までまだ考えていない次第でございます。
○木下委員 結構でございます。ずいぶん自信のある推測のようですから、そんなものであれだと思います。 それでは次に、郵便年金積立金の運用範囲を拡大するのはどういう理由でしょうか。また運用範囲拡大を郵便年金の積立金に限っているのはどういうわけでしょうか。
○小山(森)政府委員 郵便年金の特徴と申しますと、やはり加入者の方たちが実際に給付を受ける場合において所得能力が低下しているということは否めない総体的な傾向だろうと存じます。この年金の制度の中で一番大事なことは、年金の実質価値を維持することであろうと存じます。そういたしますと、私どもの資金の運用に当たって一番考えなければいけないことは、当然利回りが高いということは望ましいことであるのですが、それは短期的な利回りの高さだけに目を奪われてはならないということでございまして、長期的に安定した形で経済のいろいろな変動に対しても対応能力があるということに努めなければならないのではないか、こういうことでございます。したがいまして、今回、年金の積立金の運用範囲をそういった意味で外国債、金銭信託、銀行預金等の範囲に拡大いたしまして多角的な運用をしていくということにいたしたわけでございます。
○木下委員 その多角的な運用を年金の積立金だけに限っている理由はどういうわけですか。
○小山(森)政府委員 ただいま申し上げましたように、今回の逓増制の年金を実現するための一つの裏づけとしての運用範囲でございますので、簡易保険は現在のところ順調に仕事ができておりまして、かなり良好な形で加入者の方に保証しているという状態でございますので、今回郵便年金の資金に限ったわけでございます。
○木下委員 この郵便年金の積立金はできるだけ有利に運用して、これを利用者に還元すべきだと考えますが、どうでしょうか。また、これを今回改正しようとする郵便年金の仕組みにどのように取り入れているのでしょうか。
○小山(森)政府委員 お説のとおりに有利に運用することは非常に肝要なことだと存じますが、ただ有利であることが長期的に有利かどうかということでございまして、先ほども申し上げましたように、いろいろな経済変動に耐えていくということが有利という言葉であらわされるならば、そういった意味で有利にすべきだろうと思います。ただ、われわれは郵政省という国の資金であると同時に、もう一つは、この資金はお客様からの預かり金ということで、税金のような国家資金とはまた違った性格を持っておりますが、やはり形式的には国家資金の範疇に入るわけでございます。したがいまして、有利であるということと同時に堅実な形でもって運用しなければならない、こう思っております。
○木下委員 終身年金の予定利率はどの程度とする考えですか、またその理由をお聞かせください。
○小山(森)政府委員 この仕組みとして考えております予定利率は五%でございます。ただ、この制度上の予定利率とこれから運用で上がるであろう推定の利率とは異なるわけでございます。この年金制度の中の予定利率と申しますのは、この予定利率でもってまず掛金の計算をし、基礎年金の基礎額の逓増制をこれで確定していく、いわばこの事業に課せられた義務としての数字であるわけでございます。 それでは、これから先どんな運用利回りとなるかということにつきましては、この資金の分散方法によっていろいろ変わってくるわけでございますけれども、ただいま想定しているところでは大体八%から七%ぐらいの運用利回りになるのではないかと考えております。
○木下委員 次に、これに伴う特別措置についてお伺いをいたしたいと思います。この特別措置を実施する理由とその内容はどのようなものでしょうか。
○小山(森)政府委員 今回は非常に大きな郵便年金制度の改正でございます。そういたしますと、既存の郵便年金との間にかなりの差が出てくるわけでございます。そうした場合に、既存の郵便年金の契約者は、現在でも約七万二千名の方がおられるわけでして、これらの契約者がいまのままの年金を継続するのがいいか、あるいはこの機会に、そういう新しい制度の中においていま存続しているのはどうかということで、これで消滅させようとするか、ここでもってもう一度加入者の皆様方の御意思を問いましてどちらでも選択していただこう、こういうわけで特別措置を実施しようとするわけでございます。 特別措置の内容といたしましては、いま申し上げましたように、加入者の御希望に沿って消滅させるか継続するかという、どちらかを選択していただきますし、それではどういうことによって消滅させるかといいますと、年金を繰り上げて支払う、あるいはそれに対して特別付加金というようなものを加えるというようなことでこの契約を消滅させようとするものでございます。
○木下委員 そういう特別措置を受けた場合と特別措置を受けないで契約を解約した場合とでは、受取額というのはどのように違うのか。この受取額の比較については幾つかの例を挙げて説明していただきたいと思うのです。たとえば相当古いものとか、たしか四十三年ごろ変えられたはずですから、その少し前のとか、最も最近の例とか、幾つか引いていただきたいと思います。
○小山(森)政府委員 御設問に従って申し上げますと、まず第一の例といたしまして、昭和十五年に加入いたしまして、加入したときの年齢が三十歳、年金支払い開始年齢が六十歳というもので現在年金支払い中のものについて見ますと、しかもこれが男子である場合、これは特別措置によりますときには一時金が六万三百八十三円になります。これに対しまして、こういった措置でなしに解約した場合においては、解約返還金は三万八千九百九十三円であります。したがいまして、差額が二万一千円程度、特別措置を受けた方が有利である、こういう計算になります。 また、昭和四十二年に加入いたしまして、加入年齢が三十歳で支払い開始年齢が六十歳、したがいまして現在掛金払い込み中というような例で申し上げますと、今回の特別措置では一時金では二十四万二千三百四十六円、これに対しまして解約した場合には五万二千円ということで、差額は十九万円ということになってまいります。 次に、ごく最近に加入した契約の例でまいりますと、五十四年十一月に加入した六十九歳の方がございますが、この方の年金額が三万円、掛金が現在三十四万九千円掛けているという例で見ますと、特別一時金が五十六万六千三百円でございます。これに対して解約した場合には二十四万一千円でございまして、特別措置を受けた方が三十二万五千円有利だ、こういうことになります。
○木下委員 いまのを見ますと、有利な点はいろいろありますけれども、幾らか問題になるのは最後の分で、五十四年の十一月に入った人が、このたびのが結局五十六年の九月になって特別措置を申請して受け取るわけでしょうけれども、金額が少し大きくて何か不当に利益があるんじゃないかという感じも少し受けなくもないのですが、この点はどういうふうに考えられますか。
○小山(森)政府委員 金額だけ見ますとおっしゃるような疑問が出る点でございますが、ただ最近のことでございますので比較的年金額が大きいという点がございます。それと、いわゆる生命表で見ますところの給付の年がまだ非常にあるということでございます。これを繰り上げ支給するものですから、非常に大きな金額になってくるということでございます。
○木下委員 余り細かいところを私自身が知らなくて申しわけないのですけれども、いまからでも申し込んで、古いやつを申し込んだときは――これは期限を切っているのですね。昨年末までですね。いま申し込んだのはこの措置にはかからないのですね。わかりました。思い出しました。 それでは、昭和二十二年以前の郵便年金契約を対象とする特別措置を昭和四十三年に行ったわけです。前回の特別措置と今回の特別措置とではその対象契約が、前のときは二十年以上も前のものに限ったのに今回はほんの少し前のぎりぎりの分まで対象としているという、この考え方の違いはどういう点にあったのですか。
○小山(森)政府委員 この前に行った特別措置は四十三年に行ったわけでございますが、これは御指摘のとおり、昭和二十二年以前の郵便年金契約を対象としたものでございます。このときの考え方は、戦前及び戦後の時期の異常な社会経済事情の変動によって年金の価値が乏しくなったもの、これに対しまして加入者の利便と事業経営の効率化という点から特別措置をとったものでございますけれども、今回の特別措置の考え方は、私どもが年金法を改正することによりまして、私たちの提案によりましてこのような改善をしたということでございますので、これが違います。 それと同時に、それでは十二月三十一日までのつい最近までやったのはどうかということですが、このような法改正をするということを意思として決定したのは、結局五十六年度予算の決定をしたときをもってやはり政府の意思が決定した、こういうふうに考えるわけでございます。それで、このことによって新しい改正法案が出るということがまた利用者の皆様方に周知された、こう見るべきだろうと存ずるわけです。それではあと数日間、三日間あるわけでございますけれども、この間加入者の方がなかったというところから十二月三十一日までと、こうしたわけでございます。 なお、この意思を決定した後にそういう事情を知ってお入りになりますと、これは先ほど御指摘ありましたように異常に有利な形になりますので、そういった駆け込みは避けるという意味で十二月三十一日に切った次第でございます。
○木下委員 前回の特別措置のときの実施状況はどうでございましたか。保有契約はどのくらい残ったのでしょうか。何かたくさん残ったようにも聞いておりますが、そうであるとしたら、その理由はどういうわけですか。
○小山(森)政府委員 まず該当対象契約件数でございますけれども、五十九万七千件あったわけでございます。特別措置を受けたのが四十三万六千件で約七三%でございまして、十六万一千件が残ったわけでございます。この特別措置を受けなかった残余の契約というものは、私どもとしてはなぜかということは明快な答えができない次第でございますけれども、これは加入者の意思によって選択されるものでございますので、この御加入者の特別措置に対する意思がなかった結果だ、こう思っております。 〔畑委員長代理退席、委員長着席〕
○木下委員 それじゃ今回の特別措置の申し出件数はどの程度あると考えられておるのか。またこの特別措置の実施の周知徹底の方法はどういうふうに図ろうとなさっておるでしょうか。
○小山(森)政府委員 今回の措置というのは対象者が約六万二千件あるわけでございます。この周知に当たりましては、官報の掲載、郵便局の局前掲示、それに加えまして加入者御本人に対して案内状を全部送付する予定にいたしております。それから無論マスコミ等を通じた周知をする予定でございますが、私ども今回の措置というのは、郵便年金法の改正ということでいろいろ加入者の方が御関心を持ったことであろうと存じますので、ほとんどすべての方がこれをお知りになるもの、こう思っております。
○木下委員 この特別措置の問題で最後にもう一度お尋ねしたいのですが、先ほど幾つかの例を聞いた中で、幾らか大きな利益を得たのじゃないかと考えられる五十四年のぎりぎりのころの申し込み、これは相当重要視しなければならないほどの件数があったのでしょうか、どんなぐあいでしょうか。
○小山(森)政府委員 五十四年度は大体年間で十三件程度でございます。
○木下委員 わかりました。 それでは時間も来ましたので、最後に、この年金の問題等が出てきましたときに、高齢化社会が来るかう、こういったことを理由に大きく取り上げられてきたように感じるのですが、高齢化社会の到来というものをどのように考えておられるのでしょうか。
○小山(森)政府委員 なかなかむずかしい御質問でございますけれども、高齢化社会となりますと、われわれの郵便年金の仕事に携わる者から見た把握の仕方といたしましては、高齢化ということはイコール新たな所得が少なくなってくる、所得能力が低下してくる方たちが多いということとして受け取るべきであろう。その所得能力が衰えた方たちが、今度は自分の自助努力によって公的年金とあわせてみずからの責任で老後を暮らしていく、そういうようなこととして高齢化社会を私ども年金を取り扱う者といたしましてとらえている次第でございます。
○木下委員 高齢化社会が十五年先とか二十年先とか、そういうふうに言われて大きく問題になっているのですが、その同じ時代というのは、当然世界的な人口の増加とか、それに伴う食糧不足、またエネルギーの不足から石油が値上がりして、それに関連した物価も値上がりしていく。その二十年後の社会というのは、もっともっとずいぶんいろいろな問題を抱えている社会になるのじゃないか。その中で、老人問題というのはその一部で十分考えなければならないのですが、その世界に満足して生き残っていくということを考える制度としては、とてもスケールとしては小さいのじゃないかと私どもは感じるのですが、この郵便年金の最高限度額七十二万円で老後の保障というのは十分と考えておるのか。どういうふうに考えておるのかお聞かせ願いたい。
○小山(森)政府委員 これは先ほども他の委員の先生にお答えいたしたところでございますけれども、最高限度額を見るに当たりましては、やはり公的年金と生活費との差額の問題、それに加えますに掛金の負担力の問題というものを考えなければならないと存じます。ただ、二十年先どうなるかということについては、しかしなかなか推定しがたいところでございますけれども、少なくとも現時点においてこのような形での七十二万円というのは、この三つの点から考えますと妥当な線ではないかと思っております。 ただしかし、今後の経済環境、社会環境、これを十分見きわめまして、常に当初の郵便年金改正の趣旨に沿った形でこの制度が機能していくということについては、われわれ事業に携わる者が常に考えなければいけないし、それに沿った努力をしていかなければいけない、こう思っております。
○木下委員 一番最初の問題のときに出てきましたように、いままで民間に余り広く利用されている分野でなかったところを、高齢化社会の到来ということをうたい、こうして大々的に郵政省が打ち出して、民間を引きずるような形でこれから国民に訴えてこれへ加入させていく。ところが、将来また大幅なインフレのもとに国民が大変がっかりする、がっかりするどころか、もう大変な怒りを招くような事態が起こるというときには、かっても同じような経験をして、戦争もありましたけれども、何とも考えられないようなインフレでそれまでの掛金もむだに近くなった。今後もまたそんな問題があったようなときには、いま大変大きな責任を感ずる位置におるんだということを十分自覚して、今後大臣には、この郵政のこれだけでなくて、全体のことを見ながら行かなければこの制度も生きていかないというふうに、政治全体を一緒に考えてやっていただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○佐藤委員長 木下敬之助君の質疑は終わりました。 依田実君。
○依田委員 今回の年金の増額について、いろいろ大蔵省などの折衝の経緯などが伝えられておるわけでありますけれども、郵政省としてはきっと、もっと大幅な限度額を設けたかったのではないかと思うわけであります。折衝の過程では九十六万、こういう数字から出たわけであります。これが七十二万円になったいきさつ、いわゆる郵貯懇などという副産物まで出て決まったわけでありますけれども、この限度額に決まりました経緯について御説明をいただきたいと思います。
○小山(森)政府委員 今回の昭和五十六年度予算の概算要求では、御指摘のとおり九十六万円の最高限度額で私どもは制度要求をしたわけでございます。このときの考え方は、基本的には今度の七十二万円と変わりはないわけでございまして、やはり公的年金と生活費との差額をどう埋めるかということと、掛金においてどういう負担がそれぞれ御加入する方にかかっていくかというところから計算し、さらに同じような事業をやっていく民間事業者というものとともどもに相携えて繁栄していく限界というのはどういうことかというようなことを考えていたわけですが、九十六万円の場合におきましては、やはりこれが法定事項であるということで若干余裕を見ていたということでございます。そういったような計算でまいりますと、現時点において七十二万円であるということについては妥当な線である、こう考えている次第でございます。
○依田委員 この折衝の過程で、郵政省が七十二万円におろした、その間の大蔵省の言い分はどういうところにあったのですか。
○小山(森)政府委員 ほかの省のことでございますのでなかなか言いにくい点があるのでございますけれども、やはり国営事業と民営事業との区分ということでの一つの考え方の相違があったことは確かでございます。ただしかし、ここで申し上げておきたいのは、そういったことにつきましても最終案によって郵政省と大蔵省の意見は一致しておりまして、政府として一体の七十二万円として提出しているということを御理解いただきたいと存じます。
○依田委員 確かに現在の公的年金の額あるいはまた将来のインフレというものを考えましたら、それは限度額が多い方がいいに越したことはないのであります。しかしながら簡保との延長線上といいますか、そういうものとの関連がある郵便年金、この簡保の創設の目的というのは、小口あるいはまた月払い生命保険の提供により国民に簡易に加入できるという趣旨でつくられておるわけでございます。郵政省がおやりになるこの郵便年金も同じ延長上にあるのが筋じゃないか、こう私は思うのであります。そうしますと限度額七十二万円は、言われるところによりますと四十歳で加入して六十歳支給ですと毎月三万二千円の掛金に相なる、こういうことでございますけれども、たとえば四十歳の方にとって三万二千円というのが果たして庶民的であり小口であるのか、そういうことを考えるとちょっと疑念を持つのでありますが、この点はいかがでございましょうか。
○小山(森)政府委員 この掛金が妥当であるかどうかということの理解は、いろいろ立場によって違うかと存じますけれども、私どもは幾つかの点からこれは妥当であると見たわけでございます。 一つは、昭和五十五年度の貯蓄増強中央委員会の「貯蓄に関する世論調査」でございます。これによりますと、四十歳から五十歳代の世帯の税引き年収が平均四百二十六万円、年間の貯蓄増加額が平均七十六万円という世論調査結果が出ております。ここで先生御指摘の七十二万円で年額どれくらいになるかと言いますと、大体四十万円になるわけでございますが、四十万円の掛金というのはこの貯蓄増加額の平均である七十六万円の中にすっぽりと入ってしまうということでございまして、平均的な貯蓄の増加額の範囲内でおさまっているという点でございます。 それから、先ほどもお話ございましたが、簡易保険との関係でございます。簡易保険は、現在最高制限額が一千万円でございます。これは民間の保険は青天でございます。認可を受ければよろしいということになっているわけでございますが、そういたしますと簡易保険という国営事業と民間の生命保険事業というものが、一千万円という制限額というものをもって一応国営事業とそれでないものとの区分が現在の秩序の中でなされているのではないかという理解ができると存じます。そういう点から考えますと、いま簡易保険の最高限度額一千万円に加入いたしたといたします。その加入年齢が四十歳であって六十歳満期の養老保険、二十年間掛けるという例を持ってまいりますと、この年間の掛金額は簡易保険の場合四十四万円になります。簡易保険がいま現に民間保険と競合してやっている状態の中での、区分の中での限界が四十四万円でございます。そういたしますと、郵便年金の今回の七十二万円で年間四十万円の掛金というのは、ちょうどこれに見合ってもくるわけでございまして、いわゆる国営とそれ以外、民営との境界ということを考えましても、これは妥当ではないかというような形でございまして、国営事業になじむ金額であろう、こう思っております。
○依田委員 どうもそれは数字が出てからの理屈じゃないかと私は思うのであります。と申しますのは、最初九十六万円で限度額を出しておるわけでありますから、では九十六万円の場合はいまのいろいろなデータからすると多過ぎる金額を出しておる、こういうことになるのじゃないかと思うのであります。 それは別といたしまして、先ほどもちょっとそちらの方から出ました、郵政省が五十四年五月専門機関の手によって「個人年金に関する市場調査」こういうものをなさった。非常に貴重な資料だ、こういうふうにお書きになっておるわけであります。それによりますと、契約額が年間七万件で五年後千七百億円、この数字は別といたしまして、この調査をなさいましたときに、きっといろいろ調査項目が上がっておったと思うのでありますが、この調査の中で、国によるこういう郵便年金をぜひ充実してもらいたい、こういう国民的な要望があったのかどうか。あるいは逆を言いますと、いま民間生保で行われておりますいろいろな年金のシステムについて不満が述べられておったのか。その辺のことについて資料がございましたらお話をいただきたいと思います。
○小山(森)政府委員 郵便局でぜひやってくれというような設問の仕方はしておりませんし、したがってそういう答えもありませんけれども、郵便局で老後に備えるための新しい個人年金を発売した場合に加入しますかどうしますかという問いに対しまして、加入してもよいという答えが一六・九%でございまして、加入するかどうか検討してみたいと答えたのが三三・五%、こういう結果に相なっております。
○依田委員 私の質問の後半の方のいわゆる民間生保がやっております現在のいろいろなシステムについての不満というのは出ておるのでしょうか。
○小山(森)政府委員 市場調査の場合には、民間事業のことについては言及いたしておりません。
○依田委員 先ほど大蔵省との話の中にもありました官民の区分の問題、われわれは例の国鉄なども第三セクターで、あるいはまた専売事業なども民間に払い下げたらどうだ、こういう意見を持っておるわけでございますけれども、いま行政改革であるとかあるいは財政再建、こういうものが行われなければならぬと言われている中で、今度のこの郵便年金の拡大充実、こういうものが時代の流れに逆行するんじゃないかという一抹の危惧を持っておるわけでありまして、また世論の中には国は公的年金の充実にこそ力を入れたらどうだ、こういう意見が強いわけでございますけれども、この辺について大臣に、途中でございますが、ちょっとお答えを伺わせていただきたい。
○山内国務大臣 高齢化社会の到来ということが、これからの日本をどうやっていくかという非常に重大な問題の一つでございますが、長生きをするものでございますから、いつ死ぬか予測もできない、その死ぬまでは何とかして安心した生活を、いろいろなほかの生活はございますけれども、財力的に幾らあったら本当に死ぬまで豊かな生活ができるであろうか、こういう点が高齢化に伴って非常に予測がつきにくくなってきた、これが第一でございます。そこで出てくるのが年金というものでございまして、ともかく死ぬまである程度の生活ができるという保障の問題、いまこういうことが個人的には非常におくれている。いわゆる公的年金は非常に進んでおりますけれども、これが年金の基本になることはもちろんでございますが、それ以上に、なお自力をもって終生安心をして生活をしたいという方に、年金に入っていただいて豊かな生活を送っていただきたい、こういうものに力を入れるべきものでございまして、これは当然国がやるものである、こういうふうに私は考えております。
○依田委員 私も昨年の郵貯のときの議論などをいろいろ聞いておりまして、民間と官業といいますか、そういうものが切磋琢磨していくべきだという議論にもある程度納得するわけでありますが、それが去年の郵貯のような非常に急激な拡大といいますか、資金の流れが急激に変わるようなことになると、これはまた問題があるんじゃないかという気もするわけであります。 ところでこの郵便年金でありますけれども、郵政省の計画ですと、さっき言ったように五年後に一千七百億、民間の方はまた違う計算を出しておるわけでございますけれども、商品を比べて客観的に見た場合に、先ほどほかの委員からもお話がありましたように、資産運用の面では不動産なども運用の中に含めておる民間の方が有利かもしれませんけれども、しかし何といっても国がバックにあるというこの信用度、地方ではまだそういうものが非常に大きいウエートを持つわけであります。 また全国の特定郵便局の数、こういうものを最先端に集めていくわけでありますから、郵政省の見積もりは非常に少ないんじゃないか、もっと大きくなるんじゃないか、こう私は思うのでありますが、しかしその場合に、いわゆる過剰な集金といいますか、過大な獲得競争みたいなものが行われると、民間への圧迫が非常に大きくなるのではないかとも思うのであります。そういう意味で、これは郵便局の窓口に座っていたんじゃ集まらない、だから外へ行って集める、そのためには募集手当、こういう論法になるとは思うのでありますけれども、この募集手当などについてはこれからお考えになると思うのでありますが、その額とか、そういう面は慎重にしていただきたいと思うのです。この募集手当についていまどういうふうに御検討になっておるのでしょうか。
○小山(森)政府委員 この年金の性格といたしまして、契約に当たりましては、やはり外務員の個別、具体的な各人に対する働きかけというものがありませんと、意識だけ年金に入りたいというものがありましても、自分の財産をそういった掛金に回すというきっかけはなかなかつかめないというのが特性ではないかと思っております。潜在的なものを顕在化させるということを導くために職員の積極的な販売活動というものを必要とするのは、これは年金でも保険と同じようなことであると思います。このような業務の性格からいたしますと、募集手当というようなものは当然考えたいと思っております。これはまた国営、民営を問わず、この種の販売活動に対しては通例とられている手当制度でございます。しかしながら、私どもの職員には本俸というものがございますので、現在でも民間の外交の方に比べてかなり低い形の募集手当になっているわけでございますが、そういったような形で募集手当は考えたいと思っております。 それでは、募集手当の支給基準をどうするかということでございますけれども、これは既存の手当との均衡とか、あるいは職員の意欲の高揚とか事業経営上の貢献度合いとかということも総合的にいろいろ勘案しなければなりません。そこで、関係労働組合とも意見の調整をよく図りまして、この具体的な支給基準は決めてまいりたいと思っております。 なお、補足して御説明申し上げますと、外務員の数は、郵政省では約二万七千名の外務員数がございますけれども、民間では「インシュアランス」という雑誌で出しております統計によりますと二十九万七千名となっております。
○依田委員 いずれにいたしましても、いたずらに民業を圧迫するなという世論が一部にあるわけでありまして、そういう点については十分御考慮をいただきたいというふうに思うわけであります。また郵貯の場合にもやはり手当がついておるわけでありまして、まあ、そういうことはないと思いますけれども、いわゆる郵便会計とのどんぶり勘定になっておるんじゃないかというような疑念を持つ者もいるわけでありまして、そういうことについてひとつ慎重にお進めをいただきたい、こういうふうに思うわけであります。 ところで、少し細かいことでございますけれども、終身年金と定期年金、こういうふうにあるわけであります。それぞれお勧めする場合には特徴、長所を言って加入を求めるのではないかと思うのでありますけれども、それぞれの長所というのはどういうところにあるのか。また、両年金の加入年齢が違うわけであります。終身年金は三十五から六十七、定期年金は四十五から五十七というふうに非常に違うわけでありまして、ここに違いを設けておる理由は那辺にあるのか、その辺について御説明いただきたいと思います。
○小山(森)政府委員 終身年金と定期年金のそれぞれの特徴は何かということでございます。終身年金の特徴と申しますのは生存中はずっと年金の給付を受けられるということでございまして、今回の私どもの改正案によりますれば、御承認いただけますれば実行するこの中身といたしましては、逓増する年金を受け取るということでございます。 それでは、その掛金とか給付の金額はどうかといいますと、基本的には生命表をもとにいたしまして、その数理計算によってこれが行われるということでございます。そうしますと、加入者側から見て何がこれの特徴かと申しますと、預貯金のように一つの財産を自分の範囲内だけでつくって払い戻していくというようなものと違いまして、自分の預貯金を払い戻す場合におきましては生命表とは関係なしにこれが取り崩されるときがあるわけでございます。蛇足とは存じますけれども、八十までは生きるだろうと思ったのが九十まで生きますと、これは十年間、取り崩した後なくなってしまうということになるわけでございますけれども、終身年金の場合には生存中はずっと給付が受けられるということで、そういった老後の安心が非常に大きいというのが特徴かと思います。 片方、定期年金の特徴でございますけれども、これは五年または十年の一定期間の年金を受け取ることでございます。想定いたしておりますものは、公的年金の支払い開始前と退職後どの中間をこういったもので埋めるということが一つの想定になっておりますし、そういう生活設計の方には非常に使いやすいものではないかと思っております。そういうことでございますので、加入年齢も、定期年金の方は四十五歳から五十七歳、年金の支払い開始は五十五歳、六十歳、こういうふうになっているわけでございます。 以上でございます。
○依田委員 どうも年齢の差を四十五歳からというふうにしておるのがよくわからぬのでありますけれども、たとえばこっちの方も三十五歳からにしておけばそれだけ月々の払い金が少なくて済むわけであります。それがなぜ定期年金だけ四十五をもって加入年齢にしておるのか、その辺の理由が私どうしても説明ではよくわからぬのであります。
○小山(森)政府委員 終身年金の場合におきましては、老後の一生を託するという関係上、払い込み期間も長くいたしませんと、短期間ですとかなりの金額になるということがありまして、長期間にわたって払い込みができる状態に置いておく方が、多額の掛金、それでそれに相応するところの長期間の給付が考えられるということで、若年齢からというふうにしてあるわけです。 それから、定期年金の方はただいま申し上げましたとおりに、短期間の生活確保の観点からというふうに見ておるものですから、比較的掛金額の滞留期間が短かくてもいいのではないか、それほど多額の金額を掛ける必要がないとなりますと、短期間でもそれほど負担が一遍に加わってこないというところから短期間にしているということございます。
○依田委員 そうしますと、終身年金の方が総体的に掛金が多くて、つまり七十二万円の限度額いっぱいに近いものが多くて、定期年金はずっと少ない、つまり限度額が三十万とか四十万というふうに想定しておるわけですか。私は、掛金は定期だろうが終身だろうが、その人の個人的希望で七十二万円を掛ける人は七十二万円を掛けるし、終身年金でも、いや私は五十万でいきたいという人はいると思うのであります。掛金には関係ないのだろうと思うのです。
○小山(森)政府委員 十二万円という場合を想定いたしますと、終身年金の場合は年払いで、六十歳支払い開始で、五十五歳で入るといたしますと三十九万四千円になるわけでございます。同じような形で、今度は六十歳支払い開始の定期年金でまいりますと、年払いが十六万七千円となりまして、このように金額には差があるわけでございます。
○依田委員 この問題はまた後で詳しく御説明いただきますけれども、それは私個人にで結構です。 新旧の改善案と現行という表がございますけれども、これを見ますと一番最後の方に積立金の運用範囲、こういうものがございまして、現行制度の中に契約者等貸し付けというものがあるわけです。この契約者等の貸し付けという場合、これがどの程度行われておるのか、そしてまた、今度新しく限度額が引き上げられた場合にどういうような予想をされておるのか、その辺についてお答えをいただきたいと思います。
○小山(森)政府委員 簡易保険の例でまいりますと、契約者貸し付けを受けている件数は五百六十九万件でございます。五十五年三月末現在の数字でございます。なお、これに対します契約者貸し付けの金額でございますが、ちょっといま手元に資料がないわけでございます。 これから先年金の方ではどうかというお尋ねでございますが、これについて資料がただいま手元にございませんので、まことに申しわけございません。後ほどお届けいたしたいと存じます。
○依田委員 結構でございます、質問要項を出すのがちょっと遅かったものですから。 最後に、郵便年金あるいはまた郵貯も含めまして、こういうものが肥大化してくる、資金が国に偏在して民間資金の流動性にいろいろ問題を生ずるのじゃないか、こういう意見があるわけであります。そしてまた、いわゆる財政投融資にいろいろお金が回るわけでありますけれども、財政投融資のあり方自体にも、使い残しの問題を含めていまいろいろ議論が出ておるわけであります。そういう意味で、基本的に余り国にお金が集まるということについて金融界を初め世論がいろいろ厳しいわけであります。こういう点について、これからの運用全般について郵政省としてはどういうお考えを持って臨まれるのか、それをお伺いして終わりたいと思います。
○小山(森)政府委員 貯金の場合と保険の場合、これは同列に議論するのはなかなかむずかしい点がございます。ただ、いずれにいたしましても、われわれの営業、業務の仕方というものは、何も強制的に掛金をいただいているわけじゃございませんでして、お客様の選択によって、郵便局を選ぶかそのほか金融機関を選ぶかということでございます。 それでは偏在する金はどうするのかということは、資金の使い方の問題だろうと存じます。基本的には、やはり偏在しない形にするような一般金融行政がそこに生かされているかどうかということが一番の基本だろうと存じます。現在の場合、お客様の方の選択の動向が郵便貯金であるということだろうと、これは郵便貯金のことでよけいなことでございますけれども、年金の場合も同じようなことがこれから先言えると思いまして、私どもの営業活動、販売活動というものは、やはり与えられた、法によって命ぜられた仕事でございますから、全力を尽くしてやる所存でございます。それによってお客様が私どもを選択するといった場合におきましては、やはり民間事業者もそれに対応するそれなりの営業努力と熱意を持って、私どもに資金の集中しないような努力をしていただくことが望ましいのではないかと思っております。 なお、資金運用の問題でございますけれども、不用額その他が出ているということでございますが、少なくとも私どもの簡易保険でやっております財投では、そんな不用額は出ておりませんことをつけ加えさせていただきます。
○佐藤委員長 依田実君の質疑は終わりました。 次回は、来る四月一日午前十時理事会、十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十九分散会