地方行政委員会 第16号
- 発言数
- 247 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1981/05/21
会議録
○左藤委員長 これより会議を開きます。 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
○小川(省)委員 まず、人事院にお伺いをいたしたいと思います。 昭和五十四年の八月九日人事院総裁は、政府の書簡に答えて総理府総務長官あてに定年制導入についての返書を送ったわけであります。この末尾の方に、この書簡の眼目ともとれるような表現があります。「能率的な公務の運営を期待し得るよう、退職管理制度が整備される必要があると認められる。これを実現する手段の一つとして、国家公務員制度に定年制度が導入されることは意義のあるところである。」とあります。 人事院、「定年制度が導入されることは意義のあるところである。」という意味でありますが、それはそれなりに意義のあることだというふうに軽く受けとめられますけれども、積極性を持って導入したらどうだということを示唆したものではないと受け取れるが、この点はどうなのか。
○斧政府委員 お答えいたします。 人事院といたしましては、総理府総務長官からの定年制についての見解を承りたいという書簡をいただきましてから、一年半にわたりまして慎重かつ幅広く検討したわけでございます。六十年まで見通しました職員の在職状況でありますとか、あるいは各省の退職管理の実態、それから民間の定年制の状況、そういうものを種々検討しました結果、国家公務員につきまして定年制を導入することは必要性があるという考え方に立ったわけでございます。これは、これによって新陳代謝の停滞を排除しまして職員の士気を高揚する、そのことによって公務能率を上げるという効果を期待できるということでございます。 今回、たまたま総務長官に対する返書という形で、人事院としての公式見解を表明するという手続をとりましたこともありまして、定年制についての意義ということでもって定年制に対する見解表明を行ったわけでございます。その意味で、意義のあることであるという表現を使いましたが、人事院の真意といたしましては、相当の準備期間を置いて定年制を導入する必要があるという考え方でございます。
○小川(省)委員 必要性があると思えば、必要性があるというふうに言えばいいので、意義があることであるなんという表現はあいまいだと思っております。 それから総理府に伺いますが、これを受け取った総理府は、「意義のあるところである。」ということについてどのように受けとめたのか、伺いたいと思います。
○藤田説明員 お答えをいたします。 先ほど人事院の方から答弁がございましたごとく、人事院の書簡は、総務長官からの書簡の発出以来一年半にわたりまして慎重な御検討の結果出されたものでございまして、総理府といたしましては、本書簡は人事院の公式的な見解の表明でございまして、その内容的重みにおいて、大変重みのあるものと受け取っておるところでございます。 右の書簡の中で「意義のあるところである。」と述べられておる点についてでございますが、その意味といたしましては、これも先ほど人事院から御答弁があったかと思いますが、国家公務員の在職状況を見てみますと次第に高齢化をいたしておりまして、現在の勧奨退職が退職管理の方法として十分ではなく、新陳代謝が停滞し、職員の士気にも影響するなど公務能率を阻害するおそれがある、こういうことでございまして、人事院としても定年制を導入することの必要性があると認めたものであると受け取っておるところでございます。
○小川(省)委員 そこで人事院、また「実現する手段の一つとして、」定年制導入が必要だということを言っておるわけですが、その他の手段としてはどのようなことを考えたわけですか。
○斧政府委員 適切な新陳代謝を確保するような退職管理といたしましては、現在行われております退職勧奨によります方法も一つかと思います。それから、長期勤続者に対しまして退職手当の割り増しをつける、そういうことによって退職をしやすいような環境づくりをするということも一つの方法として考えられます。 それから、いま外国などでは退職準備プログラムという制度がだんだん普及しておりまして、日本でも民間でまだごく一部ではありますが、試行的に行われている制度がございます。これは職員が在職中に退職後の生活設計あるいは退職後におきます社会活動、そういうものにつきまして講習をするとか、あるいは再就職のための能力開発のために援助するとかというようなことでもって、新陳代謝を促そうという制度でございます。こういうことも一つの方法としてございます。人事院としましては、一番最後に申し上げました退職準備プログラムという制度につきまして、今後なお研究してまいりたいと思っておるところでございます。
○小川(省)委員 またその前文で、近い将来、勧奨は十分に機能しにくくなると言っておりますけれども、私は十分に機能しておって、将来十分に機能しにくくなるというふうには考えないわけですが、機能しにくくなるというのはどういう意味ですか。
○斧政府委員 国家公務員の給与法適用職員につきましてその在職状況を見ますと、昭和五十年に五十五歳以上の職員が約四万六千人、九・四%の在職状況でございました。それが、書簡発出時の昭和五十四年では約五万一千人になりまして、これが一〇・二%、それから昭和五十五年では五万四千人、一〇・八%というふうに次第に高齢化職員がふえております。これは人数それから在職率両方でございます。職員の平均年齢そのものも、毎年給与勧告時にお示ししておりますように、次第に平均年齢が上がりまして、昭和五十五年では四十歳を超す、もう四十一歳に近くなるというような状況になっております。 一方、日本全体としまして非常に高齢化しているという現象がございます。また、家族状況それから社会意識の変化、そういうことから相当高齢まで職にとどまりたいという職員がだんだんふえてくるということが予想されます。 こういう在職状況それから社会一般の意識の変化、そういうことからいきますと、いままで勧奨退職ということで新陳代謝を行っておりましたその役割りがだんだん機能しにくくなるのではないか、そういうおそれがあるということでございます。人事院としましては、そういう状況を昭和六十年ぐらいというふうに見通しを立てまして、今回の意見の申し出は直ちにということではなくて、相当の期間を置いてということで見解を表明した次第でございます。
○小川(省)委員 そこで、定年制導入というような重要な問題を書簡形式をとったことには、私は問題があると思うわけであります。人事院は、勧告や意見の開陳を政府や国会にできるわけでありますから、自今大切な問題は、たとえ政府から書簡の形式で意見を求められても、こういう形式はとるべきではないというふうに思いますが、その点はいかがですか。
○斧政府委員 今度の定年制導入につきましての見解表明あるいは意見の表明の形としまして、総務長官あての返書という形をとりましたのは、先ほど来申し上げておりますような総務長官からの検討依頼という、そういういきさつから、それが最も自然な形であろうということでこういう手続をとらしていただいたわけでございますが、今後こういう公務員の勤務条件、身分、そういうものにかかわりますものについて人事院の意見表明の方法としては、意見の申し出でありますとか勧告でありますとか、そういう法的手続を経た方が非常に大方の納得も得られるということは、先生のおっしゃるとおりでございます。非常にありがたい御意見として、われわれもその点留意して、今後対処してまいりたいと思います。
○小川(省)委員 ぜひひとつそういう形を自今はとっていただきたい、こういうことを要請をいたしておきたいと思います。 そこで自治省にお伺いをいたしますが、若干前者の質問と重複をする点もあろうかと思いますが、ぜひお答えをいただきたいというふうに思っておるわけであります。 今回の法律案でありますが、昭和三十一年の第二十四国会のものと昭和四十三年の第五十八国会のものとどのような点が異なっているのか、まず説明を承りたいと思います。
○宮尾政府委員 政府といたしましては、今国会に提出をしております法案以前に、三十一年の法案それから第二回目の法案として四十三年三月及び十二月に国会に提出をいたしました法案がございます。 そこで、いま御質問のそれらの法案と今回の法案との主な相違点でございますが、まず第一は、定年制度の導入の仕方であります。三十一年法案と四十三年法案では、地方公共団体が条例措置を講ずることによりまして定年制度を導入し得る道を開く、こういう仕組みをとっておったわけでございますが、今回御提案申し上げております定年制改正法案では、国家公務員につきましても定年制度が導入をされるということに伴いまして、地方公務員法の改正法案ですべての地方公共団体に一律に定年制を導入する、こういう法律で一律に導入するという形をとっておる点が違っております。 それから第二は、定年の定め方でございます。定年の定め方につきましては、以前の法律と今回の法案とで、いずれも条例で定めるという点では同じでございますが、三十一年法案では、職員の職の特殊性並びに退職年金及び退職一時金の制度との関連について適当な考慮を払って条例で決めなさい、こういう定め方をしておりましたが、四十三年法案では単に条例で定める、こういう規定にいたしております。今回の改正法案では、原則として国の職員の定年を基準として条例で定める、国家公務員について定められておる定年を基準として条例で定める、こういう規定の仕方をいたしております。 それから第三番目の点でございますが、定年退職者の再雇用ということにつきまして、三十一年法案では何も規定をしておりませんが、四十三年法案で常勤または非常勤の特別職として再雇用することができる、こういう定めを置いております。今回の改正法案では、法律で定める要件のもとに常勤の一般職として再任用することができる、こういう定めといたしております。 それから、第四に、勤務延長の規定でございます。この規定は、三十一年法案、四十三年法案ではいずれもこういった定めはありませんでしたが、今回の改正法案で勤務延長という制度を新たに設けておるという点が違っておるわけでございます。 以上が主な相違点でございます。
○小川(省)委員 大体説明を承りますと、今回の場合は、国家公務員に定年制が施行される、それを受けたものですから、そういう点が三十一年と四十三年のものとは異なっているわけですね。そういう意味で、三十一年、四十三年については、国公に定めがないところへもってきて地公だけやろうとしたところにかなりの無理があったというふうに思うわけであります。 そこで、大臣の提案理由の説明の中で「近年、わが国人口の年齢構成が急速に高齢化しつつある現状に照らし、地方公共団体におきましても、高齢化社会への対応に配意しつつ、職員の新陳代謝を確保し、長期的展望に立った計画的、かつ、安定的な人事管理を推進するため、適正な退職管理制度を整備することが必要であります。」と言われております。高齢化社会の進行が確かに進んでいきますが、それならそれなりに「長期的展望に立った」と言う以上、時代を先取りして六十五歳あたりの定年を打ち出すべきではなかったのかと思います。高年齢の国会議員のことを考えてみてもらいたいと思います。六十五歳ぐらいでよかったのではないかと思いますが、いかがですか。
○安孫子国務大臣 この辺は考え方の違いになるわけでございますが、現在の地方公務員はおおむね五十七、八歳でやめておるんだろうと思います。それから民間の状況を見ましても、六十五歳というのは統計上は大体二%くらいなものであって、おおむね六十歳程度じゃなかろうかと思っております。そうした社会全般のこと、地方公務員の現状等々を考えますと、当面は六十くらいが適当でなかろうか。余りに先取りをして飛び離れたことも社会制度といたしましては適当じゃないというふうにも考えられますし、また、その点から国家公務員につきましても大体六十というところが妥当だろう、こういう案になっておるわけでございまして、いろいろ御意見のあるところだろうと思いますけれども、現状におきましては六十というところが妥当だろう、こう考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 私は、長期的展望に立って時代を先取りをしたらどうだということを言ったわけでありますが、高齢化社会が進行をしていって六十歳の定年でやめてしまうと、自治体あるいは企業が困るなどという状態がそう遠くなく来るであろうというふうに思っておるわけでありまして、ぜひこの点は頂門の一針として耳に受けとめておいていただきたいというふうに思っておるわけであります。 現在、各地方自治体では、退職勧奨制度が順調に施行をされております。多くは五十七歳か五十八歳であります。これが順調に進んでいくならば、六十歳定年を実施すれば地方自治体は、いまより以上に財政上の需要が必要になってくるのではないかというふうに思っております。私は自治体の財政状態を考えますと、六十歳定年でかえって財政需要が増大をするというような状況が出てくるのではないかと思いますが、これについてはいかがお考えですか。
○宮尾政府委員 定年制度が設けられることになりますと、一定年齢に到達をしたことによりまして当然退職をするということになるわけでございます。六十年からそういう制度を導入したいというのが今回の改正法案の内容でございますが、職員の年齢構成等を見た場合に、定年制度が施行された後におきまして、相当大きな年齢層のかたまりのところがそういったところにぶつかってくるというようなこともありまして、当然そういう意味でのある程度の退職者の数が出てくるということは考えられるわけでございますが、そういうことによって、定年制度を導入したことによって直ちに財政上の負担が出てくるということになるわけではございませんで、そういう五十歳前後の大きな年齢層のかたまりというところは、いずれにしてもそういういずれかの時期に相当大量の退職者というものが出てくることは当然予想されることであります。 したがいまして、いま御質問にありましたように、いまのままの勧奨退職制度ということにかえて定年制度を導入することによって、財政負担が大きくなるということにはならないと考えております。ただ、いずれにしても、そういう年齢構成に基づく相当なる退職者が出てくる時期というのはありますので、そういった点についての財政的ないろいろな意味での配慮というものは講じておく必要があるだろうというふうに考えております。 なお、将来的な問題といたしまして、定年制度というものが導入されれば退職者はあらかじめ予定されるわけですから、そういう意味におきまして、その人事計画はもとより、財政的な面での措置というものは、あらかじめ予定して対処していくことができるという点においてメリットがあるというふうに考えております。
○小川(省)委員 大分苦しい答弁のようですが、私は実際にそういう問題が起きてくるだろうというふうに思っておりますから、そういう点はしかと受けとめておいていただきたいと思います。 仮に定年制が施行されれば、六十歳までの身分がある意味では保障されるわけでありますから、六十歳前での集団的、組織的な勧奨というものはなくなる、こういう理解をしておりますが、それでよろしいわけですか。
○宮尾政府委員 現在、定年制度がないために勧奨退職という制度が行われておるわけでございますが、個別的な勧奨退職は別といたしまして、いま御質問にございました集団的あるいは組織的な勧奨退職制度というものは今後なくなっていくものと考えております。
○小川(省)委員 集団的、組織的な勧奨はなくなるけれども、一部の個別的な勧奨は残るのではないかというふうに言われておりますが、内閣委員会の答弁等を聞いても、幹部職員の個別的な勧奨等は残るであろうというような答弁でございます。 そうするならば、いわゆる本省の課長以上といいますか、幹部、エリート職員等の人事管理の適正を保つための個別的な勧奨である、こういう本省の課長以上の人たちの幹部については個別的な勧奨があるけれども、それ以外はないという理解でよろしいわけですか。
○宮尾政府委員 国家公務員の場合は、私どもの方からお答えをするのは差し控えておきたいと思いますが、地方公共団体におきましても、一般的な職員の新陳代謝ということの中で、特に幹部職員につきましては一定の段階で勇退を求めて新陳代謝をし、組織の活力というものを維持していく、こういうことが必要でありまして、現在もそういう退職勧奨制度というものが一般的に行われておるわけでございます。 で、幹部職員についての退職勧奨というのは、そういう意味で個別的な退職勧奨の仕組みというものが一般的でありますので、そういう形のものは今後とも残るであろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 そうすると、幹部職員を除いては、一般的に六十歳前での組織的な、集団的な勧奨は一切ない、こういう理解でいいわけですね。
○宮尾政府委員 三千余の団体がございますので、直ちにということになるかどうかあれですが、経過的に若干残るようなことは仮にあり得ても、将来一般職員については、一律的、組織的あるいは集団的な退職勧奨というものはなくなるものと考えております。
○小川(省)委員 調査室から配られた資料によれば、退職勧奨による退職率は、都道府県で八九・四%、市で七七・九%、町村で八九・六%となっております。しかし、私の経験によっても、退職勧奨を受けて拒否をする者の実態というのは、あと二年たてば年金がつくからそれまで待ってほしい、あるいは末の子供が大学があと一年あるのでそれまで待ってくれ、そういう事例がほとんどなんです。その要件が満たされれば、ほとんどやめていっているのが実態であります。 しかし、残念ながらそういうデータはないわけであります。これから見れば、退職率というのは、恐らく九七、八%になるだろうと思っておるわけでありますが、こういうような事実を承知しておりますか。
○宮尾政府委員 勧奨退職につきましては、現在のところ一応それなりの機能を果たしておりまして、地方団体におきましての退職勧奨に対する応諾率も相当な率に上がっておるわけでございます。 そこで、いま御質問の中にありました勧奨退職に応じないケース等についてでございますが、確かにそういう子女の教育の関係あるいは年金の関係等によりまして勧奨に応ずることができないというケースもあろうかと思いますが、必ずしもそれだけではないわけでありまして、たとえば団体によりまして、勧奨退職に対する応諾率が相当低い団体もあるわけでございます。 そういう点から、先ほど申し上げましたように、全体としましては退職勧奨というのは機能いたしておりますけれども、個別的に見ると必ずしもそういう状況になっていない団体もあるというのが、三千余の自治体の実態であるというふうに考えております。
○小川(省)委員 確かに、個別的に応諾率の低いところがあるだろうと思うのですが、そういうところを指導すればいいので、何もそういうことで定年制を導入をしなくもいいだろうと思うのであります。 さてそこで、仮に定年制が実施された場合、あと一年で年金がつく人をどうするかという問題になるのですが、民間のように特例年金を検討してみたいとか、前職の関係で通算年金がつくだろうというような答弁がいろいろあるようでありますが、そういう人ばかりでないことは御承知のとおりだろうと思っておるわけであります。当然、年金がつくまでは定年は延ばすべきだと思っておりますが、そういう意味では勤務延長があるわけですから、勤務延長の特例というようなことで扱っていけばよいというふうに思っていますけれども、いかがですか。
○宮尾政府委員 定年制度が実施された場合に、定年年齢に達しても年金がつかない方があり得るということは、御指摘のとおりであるのであります。 ただ、先生御承知のように、昭和三十六年以来国民皆年金制度になっておりまして、社会保険相互間で通算制度も講じられておるわけでございますから、共済年金だけで年金受給資格がない方々でも、通算年金制度によりまして大部分の方が通算年金の受給資格を得られることになるだろうと推測をしておりまして、それでもなお通算年金の受給資格がない、こういう方々は非常に限られると思っておるわけでございます。 ただ、そういう方々が全くないわけではない、少数ではありますがあり得るということが十分予想されるわけでございまして、これをどうするかということでございますが、私どもといたしましては、この問題につきましては、民間におきます任意継続組合員等の特例措置を参酌をいたしまして、共済法上特例措置を設けることによって対処することが適当だというふうに考えており、これは国家公務員の場合と共通問題でございますので、関係省庁と十分協議をしながら、定年制度が実施されるまでの間に具体化し得るようにさらに検討していきたいと考えておるわけでございます。 ただ、それを勤務延長等によって年金がつくまで措置できないか、こういう点につきましては、勤務延長等の制度というものは、先生御承知のように、余人をもってかえがたいような職員が退職をすることによりましてどうしても公務に支障が生じてくる、こういう場合の制度でございますので、私どもといたしましては、この無年金者については年金制度の中で適切な対処をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 私も、実はしばしば内閣委員会を傍聴に行ったわけでありますけれども、いままでの内閣委員会の答弁の中では、特例的な措置を考慮したいと言っておったわけであります。いまも部長の答弁の中にもありましたけれども、十五年特例年金であるとかあるいはいろいろな措置があるだろうと思うのですが、共済年金上、どんなような措置を特例措置として考えるということをいまの時点で考えておられるわけですか。
○宮尾政府委員 共済年金の上で今後どういう方向で検討するかということでございますが、厚生年金では先生御存じのように、一つには任意継続組合員の制度がございます。これは、被保険者期間が十年以上二十年未満の方々が被保険者でなくなった場合に、つまり退職をした場合に、本人の申し出によりまして継続して保険料を老齢年金の最短年限に達するまで納付をする、こういう制度によって年金の受給資格を得るという制度でございます。それからもう一つございますのが、四十歳に達した月以後被保険者期間が十五年以上である方が六十歳に達した後で退職をいたしました場合には、二十年の年金受給資格がなくても十五年以上あれば特例年金の受給資格が生ずる、こういう制度でございます。 厚生年金にはそういう制度がございますので、そういうものを一つの参考としながら、国家公務員共済組合などの関係等、共済年金全体の問題として今後検討して、具体的な処置を考えていきたいということでございます。
○小川(省)委員 確かに、国民皆年金制度のもとではあります。しかし、どんな関係か知らぬけれども、やはり無年金者が出てくることは当然考えられることでありますから、いま言われたような措置やいろいろな手だてを講じて、こういう人たちが年金ももらえないようなことのないように、特段の措置をひとつ考えてほしいというふうに思っております。 それから定年退職者については、現行退職手当法の第五条が適用されると考えておりますが、それでよろしいわけですか。
○宮尾政府委員 国家公務員の退職手当の取り扱いに準じまして、地方公務員の退職手当制度の仕組みも設けるということにいたしております。そこで、いまの御質問の二十五年以上長期勤続の方で定年で退職をした場合には、現行の国家公務員退職手当法では五条が適用になる、こういうふうにされておりますので、その関係は地方公務員の場合にも全く同様に取り扱う、こういうふうにすべきものと考えております。
○小川(省)委員 それから、法律の改正案の中に「定年は、国の職員につき定められている定年を基準として」とありますが、この「基準として」という言葉が入った理由はどこにあるのか、伺いたいと思うのです。なぜ六十歳とせずに基準として入ったわけなんですか。条例準則メモでは「六十歳」というふうになっておるようでありますが、なぜこの「基準として」という言葉が入ってきたわけですか。
○宮尾政府委員 今度の定年制法案の仕組みについて、先ほどちょっと御説明を申し上げたわけでございますが、定年制度は国家公務員も一律に導入されますので、地方公務員についてもすべての団体、すべての職員について一律に導入をするということにいたすために、地方公務員法そのもので定年制度の定めを置いたわけでございます。 ただ、それぞれの団体におきましては、三千余あるわけでございますから、それぞれ職員構成が違う等のいろんな事情があり得るわけでございますし、さらには、現在の地方公務員制度の原則的な考え方といたしましても、勤務条件等については基本的には地方団体の条例という形式で定める、もちろん地方公務員法の中にそのよるべき基準というものは定めてありますが、形式は各地方公共団体が条例で定める、こういう仕組みをとっておりますことを考慮をいたしまして、制度の導入は法律で一律にいたしますが、定年年齢については条例で決めていただく、こういう基本的な考え方をとっておるわけでございます。 その場合、この定年制度というのは職員の身分保障に関する基本的な事柄でございますので、各地方団体がばらばらな考え方で定年年齢というものを定めますと、身分保障が非常に区々になってくるわけでございます。そこで、国家公務員について定年制度が原則六十歳ということで導入をされますので、地方公務員につきましても、これは国家公務員、地方公務員を問わず身分保障は同じであってよろしいという考え方に立ちまして、国家公務員の定年を基準としてそれぞれの自治体で条例で定めていただく、こういう考え方をとったことによるわけでございます。
○小川(省)委員 基準としてということになりますと、確かに国公の六十歳を基準とすることでありますけれども、五十九歳でも六十一歳でも六十二歳でも一応基準にしたということになると思うのであります。仮に任命権者が基準としてということで定年を六十二歳とした場合に、自治省はこれは法律に違反をしたものだというふうにするわけですか。
○宮尾政府委員 先ほども申し上げましたように定年年齢を条例に譲っておりますが、その定年年齢をいかに定めるかということが、職員の身分保障をどこまで認めるか、こういうことに関連をするわけでございます。 そこで、国家公務員の定年を基準としてという定めを置いておるわけでございますが、この基準という意味は、したがいまして、その団体のいろいろな事情によりまして特別それを変える合理的な理由がない限りは、原則として国家公務員の定年年齢そのものによっていただく、こういう法律の考え方をそこに盛り込んでいるというふうにお考えをいただきたいというふうに思うわけでございます。したがいまして、そういう合理的な理由がない限りは、それとは異なった定年年齢を定めることは法の趣旨に反している、こういうふうに私どもとすれば考えるわけでございます。
○小川(省)委員 合理的な理由があればということなんですが、たとえばある町村でそこの地域における農協もあるいはそこの地域における民間の事業でも大体六十五歳を定年としておる、こういうところで六十五歳にはできないけれども六十歳というわけにいかないから、せめて六十二歳にしようというように任命権者が判断をした場合に、これは合理的な理由で六十二歳で結構だということになりますか。
○宮尾政府委員 現在の実質的な退職年齢というものは、地方団体においても国においても区々であります。国におきましても、それぞれの官庁におきまして、六十歳を下回る退職勧奨をしているところもあれば、六十歳を上回って退職勧奨をしておる事例もあるわけでございますが、国家公務員については、法律が制定された場合、昭和六十年からこの定年制度がスタートするまでに、所要の準備期間中にそういうものを段階的にならしまして、六十年六十歳という定年制度にスムーズに入れるような準備をしていく、こういうことが定められております。 そういう意味からいたしまして、仮にいまのような団体があった場合におきましても、六十年までに所要の長期的な観点に立った人事計画というものを定めていただいて、国家公務員と同じような形での定年制度がしかれるように努力をしていただく、こういうことが必要であると考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 また、ある団体で、従来まで五十八歳の退職勧奨が順調に進んできている、こういうことで、五十九歳、六十歳の人件費を負担するのは財政上大変だということで五十八歳を定年としたような場合、やはり違反ということでこれについては指導をしてまいりますか。
○宮尾政府委員 定年制度は、基本的には退職管理というものを適確にするための人事管理制度の一つでございまして、財政的な理由でそういうことを行おうというものではないというふうに私どもは基本的に考えておるわけでございます。したがいまして、単に財政的な理由のみで六十歳とは違った定年年齢を定めるということについては、法の基本的な趣旨に反している、こういうことで、私どもとしては適切な指導をしてまいりたいと考えております。
○小川(省)委員 私はこう考えるのです。ある団体が五十八歳なり五十九歳を定年とするというようなことは、国家公務員は六十歳までは身分が保障されるわけですね。そうなれば地方公務員も、国家公務員との権衡上六十歳までは当然身分が保障されるわけでありますから、地方自治体が六十歳以下で定年を定めること自体が、法律の趣旨に反することになると理解をされるわけであります。そういう意味では、六十歳以下の定年を定めることはできないと理解をすることが正しいと思いますが、その点はいかがですか。
○宮尾政府委員 定年制度には二つの面があるというふうに考えるわけでございますが、一つには、いまお示しがありました身分保障ということであります。と同時に、なぜ定年制度を設けるかという基本的な理由というのは、職員の新陳代謝を促進をして行政運営の効率化を図っていく、こういう意味合いから一定年齢に到達したならば当然退職をする、こういう意味であります。 そういう意味合いから、定年年齢というものは両面から総合的な考慮をいたしまして六十歳と、こういうふうに定められておるというふうに理解をするわけでございます。したがいまして、先ほど来たびたび御答弁をいたしますように、合理的な理由がないのにその定年年齢を国家公務員の定年年齢とは変えるということは、法の趣旨から見て適切ではない、こういうふうに考えておるわけでございます。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○小川(省)委員 そうすると、六十二歳、六十三歳の定年も法の趣旨に沿っているものではない、と同様に五十八歳、五十九歳定年というものも、当然法の趣旨に沿うものではないというふうに理解をしていいわけですね。
○宮尾政府委員 それを変える積極的な合理的な理由というものがない限りは、そういうふうに考えるべきであるというふうに思っております。
○小川(省)委員 ある自治体で、うちは勧奨退職が順調にいっているから条例は必要はない、こういうことでつくらない団体に対しては、自治省はどのような指導をいたしますか。
○宮尾政府委員 法律の予定をしておりますのは、すべての地方団体に定年制度というものが導入されるということであります。したがいまして、法律が条例にゆだねております定年年齢等の定めをしないということになりますと、その団体において定年制度が動かないことになりますので、これは法律の趣旨に違反をしておるということでありまして、そういうことのないように、自治省といたしましては、その条例を定めるように強い指導をする考えであります。
○小川(省)委員 次に団体交渉に関する問題でありますが、地公労法適用者及びこれに準ずる者は、当然地公労法第七条四号に見合って定年は団体交渉の対象になるというふうに理解をしておりますが、そのとおりでいいわけですね。
○宮尾政府委員 地公労法の七条では、企業職員等につきまして、勤務条件について団体交渉ができるという定めが置いてあります。定年制度が設けられた場合におきましても、現行の規定はそのまま変わるところはないわけでございます。
○小川(省)委員 また、分限で、二十八条に含まれてくるわけでありますが、現在二十八条の関係で、一項の各項目の場合、二項の一、二等についても、これらは非現業にあっても交渉の対象にいたしておるわけであります。 私の経験で言っても、たとえば心身の故障のため職務の遂行に支障があり、これにたえない者であるような場合に、退職をあと三カ月延ばせとかあと半年延ばせないかというようなことは、すべて非現業でも当然、知事やあるいは市町村長と交渉をしているのが実態であります。そういう意味合いで、定年も交渉の対象になるというふうに理解をしておりますが、それでよろしいわけですか。
○宮尾政府委員 現行法の二十八条のこの分限規定、これに関する交渉の話でございますが、これは先生も御存じのように、法律で具体的に分限による降任あるいは免職ができる場合等を規定しておりまして、どういうケースの場合にそれに該当するかということはすべて任命権者の裁量、判断になるというふうに考えております。 したがいまして、これらに基づくいろいろな所要の手続等の問題は別かもしれませんが、具体的な事実についてそれを任命権者と交渉をしていくというようなことは原則として行えないし、行っていないというふうに私ども理解をしておるわけでございます。
○小川(省)委員 心身の故障で任にたえない者というのを、任命権者がたとえば四月一日に退職をさせたいというような場合に、私の経験から言っても、あと三カ月延ばしてくれ、あと半年何とか延ばせないかというようなことを、すべて交渉、話し合いの中でやってきたわけですから、当然関係職員団体の意思が尊重されるということは、任命権者の裁量、判断の決定以前の段階ではあるというふうに理解をしているわけですが、いかがですか。
○宮尾政府委員 現実の問題といたしましては、職員団体の方からいろいろな意見、要望等が、人事課長なり総務部長というようなそういう人事当局に出てまいりまして、それは交渉という形ではなくて、組合サイドの方でそういうことについてどういう考え方を持っておる、そういう事情もくみながら判断をしてくれというような事実上の話し合いあるいは要望、意見等を聞く場というのはあるわけでございます。 ただ、これは地公法で言う、五十五条に定められている正規の交渉、こういう形でどうかということになりますと、そこは先ほど申し上げましたように、具体的な分限条項に該当するか否かということは任命権者の判断、裁量の問題であるので交渉事項の対象にはならない、こういうふうに申し上げざるを得ないと思います。
○小川(省)委員 私は県の職員組合の役員をやってまいりましたから、そういう場合にちゃんと知事と会って話し合いをやってきたわけですよね。それは五十五条による交渉であるとかどうかということは別として、職員団体の意思というものが任命権者のところに反映される、反映された話し合いがあるという事実については、当然承知をしておられるわけでしょう。
○宮尾政府委員 職員団体としても、非常に関心がある事項につきましては、いろいろな形でその考え方を人事当局にも理解してもらう、こういうことは事実上行われているというふうに考えております。
○小川(省)委員 それでは問題を変えて、定年が六十歳になった場合、消防職員や警察職員でも例外ではないというふうに考えます。六十歳まで当然身分が保障されることになると思うわけでありますが、現在、消防、警察等は共済組合法上五十五歳から年金の支給が受けられるというようなことで、掛金の千分の四ですか割り増し措置がとられております。私はそういう意味では、昭和六十年以降はそれらの割り増し措置というものは廃止されるものだというふうに理解をいたしておりますが、それでよろしいわけですか。
○宮尾政府委員 消防職員あるいは警察職員の共済年金法上の取り扱いについては、先生十分御承知のように、五十四年に改正をされました支給開始年齢引き上げの措置の中で、警察と消防職員について、一定の階級以下の職員で二つの要件を満たすものについては特例的に五十五歳の支給開始をいたしますと、こういうことにいたしたわけでございます。 その二つの要件というのは、一つは二十年以上在職をしているということと、第二はその者の事情によらないで退職した場合、つまり勧奨等を受けて退職をした場合、こういう者に限りまして五十五歳から年金の支給開始をいたします、こういうことにされておるわけです。 そういうことにいたしたことと見合いまして、一般職員については支給開始年齢が六十歳だということで、掛金等もそれに応じた形で定められておりますが、警察と消防につきましては、五十五歳支給開始ということに見合った掛金率で計算をしておるわけでございます。 そこで、昭和六十年から一体どうなるのかということでございますが、いま申し上げましたような仕組みになっておりますことから、一つには支給開始年齢の取り扱いをどういうふうにするのかということがありますし、もう一つは退職実態というものがどういうふうになっていくのかということがあるわけでございまして、私どもといたしましては、その掛金をどういうふうにするかというのは、当然五年ごとに行われます財源率の再計算の中で議論をされるべき問題でございますから、今後の財源率再計算のときに支給開始年齢との関係も考慮し、また退職実態等も踏まえて検討をしていくべき問題だと考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 ちょっとその答弁はいただけないのですよね。財源率の再計算の時期に再検討するというのはわかるのでありますが、原則としては支給開始年齢が、六十歳定年ということになれば身分がそこまで保障されるわけですから、消防職員や警察職員でも例外ではないということは当然なんですね。 そこで、そうなれば原則としては廃止されるということになると思うのですが、恐らく最も近い財源率の再計算時期は五十九年の十二月だと思うのですね。そうなりますと支給開始年齢も、まあ退職がどのように行われていくかという実態についてはわからぬわけでありますけれども、五十九年十二月の時期には再検討してみるということなんですか。
○宮尾政府委員 一審近い財源率の再計算時期というのは、いまお話ございましたように五十九年でございますから、その時期に当然これは再検討される問題だと考えております。
○小川(省)委員 まあいいでしょう。それ以上の議論はするつもりはありません。ぜひひとつこの割り増し措置というものは、その時期には再検討して廃止をする、そして六十歳の定年ということになれば五十五歳の支給が改められても当然よろしいわけでありますから、そういう点も含めて検討をしていただきたいと思っています。 さて、今回の改正で勤務の延長であるとか定年後の再任用という道が開かれるようになるわけであります。このことについて若干伺いたいと思っています。 なぜ、このようにめんどうな決め方をしたわけですか。勤務の延長なら延長、再任用なら再任用というふうに、なぜ一方づけることができなかったのか、その理由について伺いたいと思います。
○宮尾政府委員 勤務の延長なり再任用なりは、それぞれ違った考え方に立って制度をつくっておるわけでございまして、いわゆる勤務の延長といいますのは、改正法の二十八条の三の中に定められておりますように、当該職員が余人をもってかえがたいという特殊なといいますか専門的な知識、経験等を持っておるような場合があります。あるいは、ある研究に従事をしておりまして、もうあと一年やれば三年間で完成する研究が結論が出るというような仕事に従事をしておる、そういう職務上の特別の事情にある職員というものもあり得るわけでございます。 そういう人たちにつきましても、一律に定年年齢に達したから当然退職ですということにいたしますと、公務運営上非常に重大な支障が出てくる場合がありますので、そういう場合におきましてこの勤務の延長、その人について特に定年による退職ということをさせないで、さらに一定期限内勤務を引き続いてさせる、これが勤務の延長という制度でございまして、これはいま申し上げましたような事情にある職員について、役所側の都合からそういう措置をぜひ講ずる必要があるということで設けている制度でございます。 それから再任用でございますが、再任用については役所の方にそういう事情があるわけではありませんが、退職した職員についてその能力を活用した方が公務の都合上非常に能率的である、こういう方がある場合には再任用ということも制度を開こうということで、再任用の規定を設けておるわけでございます。 そこで、この二つの制度というのは、全く違った機能といいますか役割りを持つことになっておりますので、こういう二通りの定め方を今回置いておるわけでございます。
○小川(省)委員 役所にその必要があるということと、ないということだというのですが、私はおかしいと思うのですね。再任用だって、任命権者が必要だと思って退職者を再任用するわけですから、それはやはり役所が必要とするから再任用をするのだろうというふうに思います。 「その退職が公務の運営に著しい支障を生ずると認められる十分な理由があるとき」とあるわけでありますが、職員はその職で長年の経験を持ち、余人をもってかえがたい者が大変多いわけでありますから、ある任命権者が公務の運営に著しい支障があると認めて、定年者を全員勤務延長することは可能ですか。
○宮尾政府委員 勤務延長については、いま申し上げましたように、たとえば一つの事例としては、余人をもってかえがたいような職務に従事しておるという、そういう職務の特殊性が一つの要件になりますが、これはいま先生が申されたような広い範囲で考えておるものではございませんで、その人がたとえば退職をしたならば、その仕事を担当してくれるかわりの方が見つからないというような、そういう特殊な場合につきましてこの勤務延長という制度が活用されるわけでございます。 したがいまして、もちろん公務員はそれぞれの立場でいろいろな知識、経験を積み、それぞれ能力を持ってきておりますけれども、そういう一般的な人についてそういうことを考えておるということではございません。
○小川(省)委員 言われる意味はよくわかるのですが、任命権者があなたのようにそこまで考えていなくて、ただ単に職員が持っている能力や経験というものを重視をして、これが余人をもってかえがたいのだというふうに判断をして、定年退職者全員を勤務延長を仮にしたというような場合だってあり得るわけですね。そういう場合はどうなんですか。
○宮尾政府委員 御質問の趣旨は、この勤務延長について、任命権者が非常に恣意的な判断で運用されることがあっては困るのではないかということであろうと思うのでございますが、この勤務延長はいま申し上げましたように、非常に限定的なものだというふうにこの法律の中でも定めておりますし、私どもといたしましてもそういう点については、運営におきまして任命権者の恣意的な判断で行われないように十分指導いたしまして、この制度の趣旨が実現されますようにしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 勤務延長者の場合、給与は現状のまま、退職手当については延長期間の終了時に支給をされる、定期昇給やベースアップも当然あるという理解をしておるわけですが、それでよろしいかどうか。 それから、延長者をだれにするかということは、先ほどの五十五条ではありませんけれども、職員団体の意思は当然尊重されるので、話し合いの対象になるというふうに理解をしておりますけれども、それでよろしいわけですか。
○宮尾政府委員 勤務延長を命ぜられた職員でございますが、定年年齢に到達する前と同じ状態で引き続いて勤務をすることになるわけでございますから、給料がそこでダンウするというようなことはありません。それから退職手当は、勤務延長期間が満了した後において、その期間も含めて退職手当が計算されるということになるわけでございます。 ただ、ベースアップは当然通常の形で行われるわけでございますが、昇給等につきましては、高齢職員についての措置が現に国家公務員でもとられ、地方公共団体の給与条例でもそういう措置がとられておるのが一般的だと思いますので、その場合には定期昇給はないということになろうかと思います。 それから、この勤務延長に関することにつきましては、だれを勤務延長を命ずるかということは、これは任命権者の判断だと思いますが、これに関連をいたしまして条例等を定めることになっております。そういう点について、職員団体との話し合いというものはできるものと考えております。
○小川(省)委員 次に、再任用について若干お尋ねをいたします。 勤務延長をされた看も再任用の対象者になり得るというふうに理解をしておるわけですが、それでよいわけですね。ということは、一応六十六歳までは保障される道はあるというふうに理解をされますけれども、そのとおりでよろしいわけですか。
○宮尾政府委員 勤務延長と再任用というのは、先ほど申し上げましたように、制度の目的としているところが異なっておりますので、一般的にはその両方が行われるということは事実上ほとんどないというふうに考えますが、法律のたてまえとしては、勤務延長になりまして、そして勤務延長期間が切れた後再任用されるというケースがないわけではありません。ただ、事実問題としては、ほとんどそういうことはまれなケースであろうというふうに考えておるわけでございます。 そこで、仮にまれなケースでもそういうことになった場合に、いまの先生の御質問は、六十歳から三年、三年で六十六歳までという計算での御質問かと思いますが、それはそういうことにはならないわけでございまして、両方を通算をして一番長いケースで三年、こういうことになるわけでございます。つまり、勤務延長の期間と再任用の期間は通算される、こういうことになります。
○小川(省)委員 なるほど、両方を通算をして三年ということですか。 再任用というのは、新規の採用でありますから任命行為になるわけなんですが、交渉の対象にはならないというような御答弁があったようなのでありますけれども、能力や経験が問われるものであるだけに、だれを再任用するかということは、これは五十五条の交渉ではないけれども、当然広く職員の状態を知っておる職員団体の意見が反映されなければならぬというふうに思っております。 したがって、これは任命行為ではあるけれども、任命をされる以前の段階においては、そういう意味で話し合いの対象になるというように思っておりますが、よろしいわけですか。
○宮尾政府委員 再任用は、まさにこれは任用行為でありますので、原則としてこれは交渉の対象事項にはならないというふうに考えております。
○小川(省)委員 いや、私はそれはおかしいと思うのですよ。あなたの言うのは五十五条の交渉かどうかしらぬけれども、実は再任用をしたいのだけれども職員団体としてはこの者をどう見ているのかとか、あるいはことし退職をする中でどんな者がいいと思うかというような意見を任命権者に聞かれることは、ぼくらの経験からいってしばしばあるわけであります。そういうことが話し合いの俎上にのることは事実としてあり得るわけですから、任命という状態に入った以降については全然交渉にはならぬけれども、それ以前の段階では話し合いの場に供されるということは当然あり得ると思うのですが、いかがですか。
○宮尾政府委員 再任用をめぐるたとえば手続的な問題その他が条例に任されている部分があります。そういうものにつきまして、これは具体的にどういう中身を条例で書くかということにもよりますが、そういう手続的な事柄について職員団体といろいろ話し合いをするということは、事実問題としてあるだろうというふうに考えております。
○小川(省)委員 公務員部長、やはりあなたは職員団体に対する偏見があるのではないかと思うのです。私の経験などから言っても、職員団体の長というのはある意味ではもう一人の人事課長なんですよ。そういう意味では、総務部長や人事課長と同じように、任命権者は意見を求めたりあるいは尊重をされるわけです。そういう意味では、いろいろな意味でそういう意味での話し合いが行われるのはあたりまえなんですから、そういうふうに頭を切りかえてもらわなければ困ると思いますが、いまの答弁でいいでしょう。そういう話し合いの場には当然乗ってくるというふうに思っています。 また、再任用でありますが、能力や経験を問われるわけでありますから、定年に達した者全員がこの対象になる、任命されるかどうかは別として、定年者はすべて再任用の対象になるというふうに理解をしてもよろしいわけですか。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○宮尾政府委員 定年退職をした者がすべて対象になるということではないと考えております。つまり、この法律の中では、その者の能力及び経験を考慮して、再任用をすることが公務の能率的な運営を確保するために特に必要があると認められる場合、こういうふうに規定をしているわけですから、やはりその人の過去の経験、勤務の実態、あるいは知識経験、そういうものを総合判断してそういう適格者というものが当然その中から出てくる、こういうことだと考えております。
○小川(省)委員 いや、それは、六十歳になれば大体三十五年か四十年勤めるわけですよ。そうなれば、勤務成績の特に悪い者は別として、その業務についての能力あるいはその業務についての経験というのはすべてすばらしい職員ばかりだろうと思うのです。だから、そういう意味では、任命されるかどうかは別として、再任用の対象者になるということは当然ではありませんか。いかがですか。
○宮尾政府委員 再任用をどういう職、ところにつけるかという、再任用者を充てるべきポストの問題も一つありますし、それからその職員の過去の勤務実績なり知識経験というようなものを一人一人見た場合に、すべての職員がそういう状況にあるというふうに考えるわけではございませんで、そういう適格性を持った人について、かつそういう人を充てるべき適当なポストがある場合に、この制度というものが運用されるものだというふうに考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 さて、再任用者の勤務条件の問題でありますが、恐らく国家公務員の場合は人事院規則で給与が定められるものと思いますが、その給与は一般的に退職時給与の六割か七割というふうに言われておりますが、そうですか。
○宮尾政府委員 いわゆる新規採用という形で再計算をしていくわけでございますが、私ども伺っておるところでは、大体そういうところではないかというふうに承知をしております。
○小川(省)委員 そうなりますと、現在の状態では、定年に達した者は民間の企業等に行っておるのが大部分でありますが、民間企業に行く者は、年金プラス民間の給与で大体現給が保障されるというのが実態であります。現在給の五割ぐらいですね。 こうなってくると、再任用をされる者が優先をして、その残りが民間へ出ていくというような形になるだろうと思うのです。そういう意味では再任用行為が早目に、退職即出されないと、定年即再任用ということにならぬと、私は職場の退職時における管理状況が混乱をするだろうと思うので、そういう点についても的確な指導をしてもらわないと困ると思っておるわけであります。 そこで、退職手当は定年退職時に支給をされるわけでありますから、再任用後の期間については退職手当は支払われないということですね。
○宮尾政府委員 再任用後の部分については、前の部分とは通算をいたしません。
○小川(省)委員 期末・勤勉手当はどうなりますか。
○宮尾政府委員 期末・勤勉手当でございますが、この期間計算については、再任用後の期間だけで考えられるのではありませんで、基準日前三カ月ないしは六カ月以内でありますと、退職前の期間についても通算される、こういうふうに扱うこととなっております。
○小川(省)委員 共済年金との関係でありますが、公務員になるわけでありますから、当然共済年金を受けながら勤務はできないと思うのであります。しかしながら、共済組合の組合員とはなるわけですね。そうして、再任用後の退職後、共済年金が通算をされて再計算をされるということになるわけですか。
○宮尾政府委員 そのとおりでございます。
○小川(省)委員 再任用期間中の公務災害補償とか、一般常勤職員に保障されるすべての保障条件等は同一であるという理解でよろしいわけでありますか。
○宮尾政府委員 同一でございます。
○小川(省)委員 さて、いろいろお尋ねをいたしてまいったわけでありますが、肝心なことはほとんど条例事項にゆだねているようであります。条例準則メモというものをいただきましたけれども、地方公務員の実態というのは国にない職種が大変多いわけでありますから、私はあの条例準則メモでは不十分であろうと思っています。恐らく条例準則にはならぬだろうと思っておるわけであります。 きょうはそういう意味では、九十三国会で流れた法案なんですから、本当にこの地公法を改正したいのならば、この法案を審議をする際には、当然もっと的確な細かい条例準則メモを出して審議に付す、私はそういう方法をとるべきであったと思うのです。それをとらなかったことは怠慢であろうと思っています。もしも人事院規則が制定をされていけば、当然改正される事項もあるわけでありますから、そういう点は改正をされることもあり得るというようなことで、そういう準則を示してほしかったし、示すことが当然親切な審議を得る方法であったろうと思っておるわけであります。 再任用なり勤務延長なり、いろいろな多くの問題を抱えている法律案でございますから、この法律案を施行するに当たっては特に三千余の自治体に対する適切な指導をやらないと、法の趣旨あるいは本当の意味で自治省が考えていることが伝わらないおそれが十二分にあるとも私は思っておりますので)ひとつこれを施行するような際は、地方の総務部長や人事課長、地方課長等を全部集めて、一泊ぐらいでちゃんと指導するような、従来のような十時から集めて三時間か四時間で終わっているようなおざなりの地方の指導ではなくて、本当の意味で懇切丁寧な、親切な指導をぜひやってもらいたい、こういうことを強調いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○左藤委員長 五十嵐広三君。
○五十嵐委員 本論に入る前に、非常に緊急を要する問題で大臣の見解を確かめておきたいと思うものが二、三ございますので、先にその御質問をさせていただきたいと思います。 このごろは、どうもいろいろな分野で政府のミスといいますか失政が目立って、これが実は地方に非常に迷惑を及ぼしていることがちょっと多過ぎるのではないかという感じがするわけであります。これでは地方の時代なんというものではなくて、地方受難の時代と言うべきものでないかと思います。 そこで、本当はきょう関係の省庁の担当幹部の皆さんにも来ていただいてと思ったのですが、時間がありませんから、きょうは自治大臣お一人にしぼって、地方の立場から率直な意見をいただきたい、こういうぐあいに思うわけです。 その第一は、日本原子力発電会社敦賀発電所の全く常識外の放射能漏れ事故に代表されている原子力安全行政についての問題であります。 申すまでもなく、住民の不安は大変なものです。あれは福井県の定期検査で発見されたものでありますが、何か聞くと、福井県の若い担当の職員が非常に情熱的に取り組んだようで、その点は非常にりっぱな仕事ぶりと評価をしたいと思うのであります。あんな調子で再三にわたって事故隠しをしてきて、もし福井県がああやって検査で発見をしなかったら、これから先たかをくくって操業を続けていって、一体どんな大事故を招いたかというふうに思われるわけで、本当に考えるとぞっとするような気がするわけであります。 結局、決定的に取り返しのつかない被害を受けるのは現地の住民ということになる。通産の監視や検査体制だけでは全く不十分だということは、あれで明らかにされたのではないかと思うのです。考えてみると、それはそうなわけで、直接脅威にさらされているのは地方住民や自治体であります。したがって監視をすると言ったって、監視をする気持ちが、真剣さがやはり違うということになるんだろうと思うのでありますが、この際自治体の立入検査などで、自治体のチェック体制を強化することが必要でないかと思うわけであります。 きのうの新聞で、中川福井県知事が対談でこういうようなことを言っています。「私どもは地域に原発がある以上、県民の生命と財産を守るという自治体の基本的責務を果たすために、たとえ権限がなくても、原発は正しく運転されているか、放射性物質が建屋の中に約束通り閉じ込められているか、環境は正常が保たれているかなどを監視する義務がある。その努力の中で、海底での異常を発見したのです。通産省の検査官は長い事故隠しの間にも定期点検をやっているのに、異常を見つけられなかった。どうしてできなかったのかという県民の素朴な不信を、通産省は解くべきです。」こう言い、さらにまた「人間は本来、いやなことは隠したがるものなのです。それが人間の本能でしょう。だが、本能が本能のまま動かれては困る。それをできないような仕組みをつくる必要があります。それにはわれわれが会社と結んでいる紳士協定に、法的裏付けを与えてもらわなければならないのです。原発が正常に運転されているか、県民の健康は守られているかを調べる義務が県にはある。その行為を法律で保障してくれということです。県の役人が発電所にいったが守衛に止められたというのでは、義務を果たせないでしょう。」こうも言っているわけであります。 この間来、いろいろなことで伝えられるところによりますと、安孫子大臣は、この問題については非常に積極的にお取り組みになっておられる、積極的に対応する構えを見せているとお聞きするのでありますが、この際ぜひひとつ積極的な決意を御披瀝いただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 中川君の発言については、私もそういう気持ちを持っております。そしてまた、今回の敦賀の原子力発電所の事故につきましては、まことに残念なことであったと私も思っております。したがって、監視体制の強化というものはこれから重要になってくるわけでありまして、この点は通産当局も、監視体制を強化しなければならぬということにいま取り組みつつあるわけでございます。 そこで私といたしましても、この問題はひとり通産だけでなくて、地方の関係というものを十分ひとつ頭に入れて、この間の連携あるいは法的な裏づけあるいはその体制の強化というものを織り込んで考えるべきじゃないかということを、先般も通産大臣には申し入れをしているわけでございます。 ただ、考えてみますと、これは相当の専門的知識を必要といたしますから、地方団体に本当に立入検査をして、それをこなし得る職員というものは実際はいないわけですね。したがいまして、その辺は一つの限界はあるだろうと思う。これから五年、十年たてば別でございますけれども、当面は自信を持って県でやる検査がいいんだと言い切るだけの力はまだ地方団体にはないだろう、こう私は思っております。 したがいまして、これは通産の当局との協調関係のもとに問題を処理していくことが必要である。通産当局といたしましても、ひとり通産当局だけではなくして、地方団体との連携を密にいたしまして、その間に遺漏のないような方法をとることが当面のところは非常に重点になるんじゃなかろうか、こう私は思っております。 そういう点につきまして、今後における監視体制の強化の法的な問題と当面措置すべき問題、その二点につきまして、ひとつ通産当局も謙虚に十分検討してもらわなければならぬということは通産大臣に話をいたしております。その点は今後通産当局と自治省の関係者との間でだんだんと話を詰めていきたい、こう思っておるところです。
○五十嵐委員 本当のところ、もう少し積極的にお考えになっておるかなというぐあいにぼくは期待したのですが、やはり福井県の例を見ても、結局実際にあの事故を発見したというのは、福井県の若い職員が大変な苦労をしてあれを発見しているわけですね。ぼくは、自治体における検査体制、能力というものがそう見劣りがするといいますか、ばかにしたものでは決してないというふうに思いますね。 これはやはりこの際、もちろんいろいろなそういう自治体自身の努力も、技術的にも大いに必要だろうとは思うけれども、それも急いで、そして自分たちの住んでいるところをきちっと住民の目で監視するという体制も急いでいかなくては取り返しがつかないことになると思うので、ぜひひとつこれに対する大臣の積極的な推進をお願いをしておきたいと思います。 二つ目は、この前の本委員会で佐藤委員からの強い要望があったところでありますが、秋田沖での日米合同演習にかかわって、北海道、青森県沖の日本海に起きた米国軍艦による日本漁船はえなわ切断事故の問題であります。 結局佐藤委員の警告どおり、しかも予想を上回る事故を起こしてしまった。水産庁の発表するところによりますと、十七日夜現在で延べ百六隻に上る漁船の被害になったというのであります。マス漁の最盛期に、しかも、はえなわが無数に仕掛けられている海域で多くの軍艦が大規模な行動を起こすとどういう結果を招くかということは、明らかなことなわけであります。地方の住民にしてみるとやられつ放しで、幾らかの補償をすればいいというようなことではたまったものでないという感じがするわけですね。 この前、佐藤委員からも御質問があったところですが、一体なぜ事前の通知や協議がないのか、それはないのがあたりまえというふうに大臣はお思いになるのか、この前佐藤委員の御質問もあったわけでありますから、何か防衛庁に申し入れなり話をしたものかどうか、今後これらの問題にどう対応なされるか、御所見をお伺いしたいと思います。
○安孫子国務大臣 はえなわの問題でありますけれども、防衛庁当局といたしましても、詳細にこの問題について地元に理解を求めるようにすべきであると思いますが、この点において足りなかった点はあるようでございます。 しかし、今回のあの件につきまして、これはさらに徹底せなければいかぬということについては、農林当局と防衛庁の間においてその交渉が行われたことは御承知のとおりだと思っております。私自身から防衛庁に申し入れたことはございません。もっぱら農林当局と防衛庁の間においてこの問題を相当詰めておることは、そのとおりだと御承知願って結構だと思っております。防衛庁といたしましても、この問題がきわめて重要だという認識のもとに、これに対しては善処をいたすという約束をいたしていると私は考えておるものでございます。 今後の推移に応じまして、自治省が発言をすべき適当な機会に、また必要があるならばその機会には発言もいたしたいと思っております。
○五十嵐委員 三つ目は、ライシャワー発言で明らかになった核持ち込みに関する問題です。 けさの新聞に、前佐世保市長の辻一三さんがきのうこういうことを言っているわけです。政府を信じてアメリカ原子力空母や原潜の入港に協力したが、結果的に市民を欺いたことになった、その責任を痛感して各誉市民章を返上することを明らかにした、あるいは勲三等旭日章受章の返上もしようと考えている、こう述べているわけですね。辻前市長の煮えくり返るような気持ちというのはよくわかるような気がするのであります。 しかし、これはあそこだけではなくて、横須賀でも那覇でも、それぞれの市長の思いは同じだと思います。あるいは空港基地でも同じようなことが言えるわけで、岩国や厚木や立川や嘉手納、こういう基地所在の市長らも同じような心境だし、住民の気持ちもそうだろうと思う。こういう住民の不安や怒りというものは今日きわめて深刻であろうと思いますし、またそれを受けての首長の責任感といいますか、そういうものも実に深刻なものがあろうと思うのであります。 辻さんはこうも言っているわけであります。「十六年間、日米両国政府からだまされていたことは残念だ。地方政治は政府との信頼関係の上で成り立つもの。それが裏切られた。名誉市民章の返上は政府に対する抗議でもある」こう新聞では報道されているわけであります。 大臣も知事経験者でありますが、どうですか、率直な御意見をいただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 御質問の要点がちょっと私には理解しにくい点もありますが、この問題は長い間の外交交渉及び日本政府、アメリカ政府のいろいろな話し合いによって一応結論を得ている問題でございまするので、いま私からとやかく申すべき問題ではないと考えております。
○五十嵐委員 問題の根源のところを聞いているんじゃなくて、こういう自治体の、ことに首長経験者が名誉市民章まで返上するという責任を痛感しているわけですね。十何年間もだまされていたか、こういう自治体の国に対する不信感というようなものは、やはりわが国における地方自治の健全な発展の上からいって適当なことではないんじゃないでしょうか。もっと国がしっかりと地方自治の尊厳というものを理解をしていってほしい、こういうぐあいに思うわけです。 最後にもう一つ、自民党は議員提案で急遽全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案を出す、こういうことです。かねて来、この問題はくすぶっていたわけでありますが、今後整備する新幹線鉄道について、建設に必要な資金を地方公共団体の補助金の交付その他財政的措置を講ずることができるように、全国新幹線鉄道整備法にその根拠規定を設けようとするもののようであります。 仄聞するところによると、運輸委員会は二十二日、つまりあした、お経読みをして二十六日にも上げたいということを言っているというようなことも聞くのでありますが、地行との連合審査もしない、関係知事なんかの参考人を呼ぶというようなことも考えていない、一体どうなっているのかという気がするのですね。まさか、そんなばかげたことをと思うのだけれども、何かやはり本当くさいという。同じ自民党でも、わが地行の委員の自民党の先生方とは天地の差があるような気がするのでありますが、これは大臣、与党議員がこれではうまくないのじゃないですか。 二月の委員会でも御質問しましたように、伝えられている計算では、まあ三通りくらいの計算があるようでありますが、その一つによると、北海道の負担額は四千五百億ぐらい、これは北海道の年間の予算総額の三割強になるわけです。青森県は年間予算の実に六割に上るという。長野で四割、富山で七割、熊本で四割、長崎、鹿児島で三割に及ぶという。こんな巨額を自治体に負担せいと言ったって、できるわけないじゃないですか。 しかも、これは明らかにこの前の答弁にもあったように、地方財政再建促進特別措置法二十四条二項の規定による日本国有鉄道等への寄付などの禁止に反するということは申すまでもないわけであります。しかし、今度の議員提案の動きというのは、明らかにこれらに対する突破口をつくるということだろうと思うのですね。 こんなことを許したら何もかも行っちゃうですよ。けさですか、きのうの新聞ですか、今度は東亜国内航空が、採算の悪い十路線ぐらいについて、ことに離島にかかわるところについては第三セクターをつくって、これも地元の銭を出してくれというようなことの話に入っているそうですね。それがうまくないようなら運航休止または季節運航に切りかえたい。次から次にこういうことでは、一体地方はどうなるのですか。これは大臣、しっかり対応してほしいと思うのですが、御見解をいただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 新幹線の問題でありますが、これは特別措置法によって、そういうものには地方団体は財政負担をしてはいかぬというふうになっているわけです。ところが新幹線の問題につきましては、恐らく地元の要望も強いのだろうと思いますけれども、ある一部の地方団体等におきましては、いや、おれのところではある程度の財政負担をしてもいいから促進をしてくれという動きだってあるわけです。決してそういう特別措置法の考えておるような線でない動きだって、ないわけではないわけですね。とにかく自分のところで何がしかの負担をしてでも、これを促進してもらわなければならぬという動きもあるわけです。 地方を預かっている連中から言いますと、それだってやはり理解できないわけでもないわけですね。しかし自治省といたしましては、特別措置法の精神に基づきまして、それは国がやるべきことであって、地方団体がその一部を負担するなどということは適当ではない、これは法律も禁止しているところである、こういう主張をいたしておりますが、一部の地方団体においてはそういう動きだってある。それで特別立法の運びになったわけでございますが、この立法については、要するに、地方団体と運輸関係との間でその問題について話し合いをする道を開いたという程度に私どもは理解をしておるわけでございます。 また、現実的な問題といたしますと、世上よく伝えられておるような相当大きな資金をこれに投入するなどということは、だれが考えてみたって、いまの地方団体にあるわけはないわけです。たとえば交付税なんということは、あるいは考える人もあるかもしれませんけれども、これは全然性質の違うものでございまして、そういうところに相当の地方交付税を割くなどということはできることではないわけでございます。そういたしますと地方団体としては、自分のところでつくった一種の財源というものを何がしかそれに投入するということは具体的には考えられるかもしれませんが、しかし、これもその地域団体の全体の立場から申しますと、なかなか容易なことではなかろうかと思います。 私どもはそういう予測をいたしまして、この問題は地方団体において魚掛することはきわめて困難であり、適当でない、特別措置法の精神から申しましても、そういうことは適当ではないという見解を持っておったわけでございますけれども、一部地方団体においては、それはおれのところで何とか考えても新幹線をやりたいという強い要望もあったようでございますし、要するに、運輸当局と地域団体がいろいろと折衝をする道を開くという意味においての今回の議員提案の法案の趣旨である、私どもはそういうふうに理解をしておるわけでございます。
○五十嵐委員 少し言葉が足りぬようですから、局長さんからでも見解をもう一遍お伺いしたいと思います。
○矢野政府委員 補足して答弁を申し上げます。 ただいま大臣からお答え申し上げましたように、新幹線の建設は、もう申すまでもなく国土の基幹的な交通網の整備の一環として、いままででも日本国有鉄道なりあるいは日本鉄道建設公団が行ってきた仕事でござい決して、現在の国と地方との間の行政事務の配分なり財源配分のたてまえから見まして、今後行われる建設についても従来と同様、国なり国鉄、鉄建公団の負担において行うべきものであると、自治省としては考えておるわけでございます。 今回、全国新幹線鉄道整備法の一部改正案が議員提案として提出されたようでございますが、私ども自治省といたしましては、先ほど大臣もお答え申し上げましたように、これは新幹線鉄道の建設について関係地方団体と協議ができる道を開くということをその趣旨とするものであって、決して地元負担を強制するというものではないと聞いておりまして、自治省としてはそのように理解をしておるところでございます。したがいまして自治省としては、仮に地方公共団体が建設費の一部を負担するということがあろうとも、そのために地方交付税その他によるこれに対する財源措置を行うということは考えていないところでございますので、そのように御理解いただきたいと存じます。
○五十嵐委員 いやしかし、ずいぶん後退したね。二月十日のぼくの質問には、かなりすかっとした答えだった。ぼくは、やっぱりさすがだと思った。しかし何ですか、きょうの答えは。こんなことをやっていたら次から次へ、さっき言ったようにこれは新幹線の問題だけじゃない、みんなやられちゃうですよ。しっかりしてくださいよ。大臣、だめですよ。 委員長、これはどうですか。さっき言ったように、これは地行としてはきわめて重大な問題だけれども、どうも運輸だけで何かどんどんやるという動きのようでありますが、これは地行としてどうするのですか。委員長、見解を伺いたいと思うのですね。
○左藤委員長 本件につきましては、理事会において再協議をさせていただきたいと思います。
○五十嵐委員 それでは本論に入りたいと思います。 いま、小川委員からも非常に詳細に御質問がございましたところでありますので、私からは包括的に、いわば総論的な御質問をさせていただきたいというふうに思います。 このごろ、総理を初め各閣僚が、定年制なり公務員二法というものは行政改革の第一陣といいますか、あるいは財政再建の第一陣であって、不退転で推進しようというようなことをよく申されておられるようでありますが、自治大臣もそういうふうにお考えですか。つまり、財政上の理由あるいは行政改革の上から定年個をとらえておられますか。
○安孫子国務大臣 やっぱり、一つの重要な行政改革の一環だと私も認識をいたしております。しばしば申し上げておりまするように、現在の地方公務員の新陳代謝あるいは継続的な人員配置等々につきましては、だんだんと行き詰まるような傾向もございます。それから、これからの高齢化社会に対応するところの問題も考えていかにやならぬ。そういう点から申しますと、何にいたしましても地方団体としては、地方公務員が安定して、そして本当に献身的に地域社会の発展のために活動する、その根拠をつくるということがきわめて重要な問題だと考えております。 そういう点におきまして、財政上の問題はとにかくといたしまして、やはり今後の行政改革を進めるについての基本的な問題だ、こういうふうに認識をいたしております。
○五十嵐委員 これはまあしかし、内閣委員会における各関係者の答え、やりとりなんかも私は一通り見ましたけれども、いまの大臣の答弁のようなことは出てないのですよ。やはり長期にわたる人事管理の基本的な問題としてとらえているわけですよ。財政再建だとか行政改革だとか、こういうものとはかかわりのないものです、こういう答弁ですよ。 定年を含めた退職条件は、労働者にとって言うまでもなく賃金と並んで重大な労働条件であります。まあ民間企業の場合には、退職年齢、退職手当などの退職条件というのは団体交渉で協議され、その結果は労働協約で保障されるわけであります。しかし、御承知のように公務員にとりましては、団体交渉権などの労働基本権が制限されている。われわれから見ると全く不当に制限を受けている。 本来、公務員にとっても最も重要な労働条件の問題である退職年齢の決定は、労働基本権を保障した上で労使の合意による協約事項とすべきものであって、法律によって一方的に強制されるべき筋合いのものでないというふうにわれわれは思います。労働者側からのこういう原則論としては、全くいまぼくが言ったような気持ちを皆持っているわけでありますが、この気持ちというものを大臣は御理解いただけますか、原則的な気持ちというものを。
○宮尾政府委員 労働基本権と定年制との関係の御質問でございますが、公務員について労働基本権が制約をされている、これは公務員の職務の特殊性あるいはその地位の特殊性というものに基づいて、そういう制約を設けておるわけでございます。そういうこととまた関連をいたしまして、十分御承知のように、公務員については、安心してその職務に従事をすることができるようにという考え方から、法律の規定するところでなければその身分を、たとえばその意に反して免職をするというようなことはできない、こういう身分保障の規定を地方公務員法の中でも置いておるわけでございます。 そこで、今回定年制度を設けようとするのは、退職管理というものを適正に行うために必要であるという考え方に基づきまして、一定の年齢に到達をしたならば当然退職をするということを設けたい、こういうことでございまして、そのためには、いまの法律の中にございます身分保障の規定に、新たなそういう定年による退職ということを盛り込んでいかなければならない、こういう観点から今回の改正をお願いをしておるわけでございます。 そういう意味で、労働基本権が制約されているということと、それから今回定年制度を設けるということとは、もちろん公務員に関連をする事柄ではありますけれども、直接につながっている問題ではないというふうに考えておるわけでございまして、定年制度というのは、公務員に保障された身分保障というものに新たなそういう規定を設けることについて国会の御審議をいただいてそういう制度づくりをしたい、こういう御提案をしておるというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○五十嵐委員 どうも質問の趣旨に対する答えではありませんが、次に進みます。 しかも現状はどうかというと、御承知のようにどこの地方公共団体もすでに勧奨退職制度を設けて、これがきわめて円滑に運用されているというふうにわれわれは思うわけです。どうもこの上、定年を法制化する必要はあるのか、勧奨は順調に機能していませんか、どうですか、答えは簡単でいいですから。
○宮尾政府委員 地方団体全体を通じて見ますと、それなりに機能しているというふうに私どもは考えております。ただ、個別の地方団体で見た場合に、応諾率が非常に低いというような団体もあるなど、やはり勧奨制度というものにつきましては、幾つかの問題があるというふうに考えております。
○五十嵐委員 それはやはりこの地方の問題というのは、言うまでもなくそれぞれの自治に基づいて自主性というものを持っているわけですから、いろんな意味で多少のばらつきがあることはぼくはしようがないと思うのですね。 それはまあしかし、そういう面で指導しなければだめなものは指導していかなければならぬ分もあるかもしれぬが、全体としてマクロに見て、一体それがうまくいっているのかどうかというとらえ方で政府は自治体に臨むべきだという感じがするんですね。そういう意味から言うと、勧奨退職制度というのは非常にうまくいっている、ぼくはそういう感じがするのであります。これはぼくは、どなただって否定することのできない現実だと思うのですね。 しかも、勧奨に応じてないという方々を事実上確かめれば、御存じのようにこれは大抵事情があって、中途採用者であるとか、したがって何とか受給資格がつくまで一生懸命働いていこうということなわけでありますから、それはそれぞれにやはり生きた実態というものがあるのではないかというふうにぼくは思うのです。それは拒否する人が法外に多いというなら別だが、現状はやはり円満にいっているという範囲内の問題ではないかという感じがぼくはするのです。 無年金者に対する措置をどうするのですか。
○宮尾政府委員 勧奨退職につきまして若干補足をさせていただきますと、全体としてはある程度といいますか、機能しているというふうに私ども評価をしておるわけですが、勧奨退職制度が抱えておる問題というのは、一つには、本人の同意ということが前提になりますから、同意をする者としない者との間で非常に不公平感というものが現実問題として出てくる。 それから、現実の人事当局におきましても、非常に苦労をいたしまして現在の勧奨退職制度というものをやっておるわけでございまして、そういうことからいろいろな悩みもありますし、また定年制度というものをぜひ設けていただきたいという地方団体の要望というものが出てきておるわけでございます。さらには、今後の高齢化社会というものを考えた場合に、現在機能をしておる団体におきましてもそういうことがうまくいくかどうか、こういう問題があるというふうに考えておるわけでございます。 それから、無年金者の救済措置の問題でございますが、これはしばしば御質問があってお答えを申し上げておりますように、六十歳定年というようなことが実施されることになった場合におきましても、年金の受給資格がない者が現実にあるということは御指摘のとおりであります。ただ、通算退職年金制度というものが設けられておりますので、その数はきわめて限定をされる範囲内であろうと考えております。 しかし、そういう事態があることは事実でもありますので、この問題につきましては、民間におきます任意継続組合員等の特例措置を参酌いたしまして、共済法上特例措置を設けることによりまして対処することが適当だというふうに考えておるわけでございます。国家公務員の場合と共通の問題でございますので、関係省庁とも協議をいたしまして、定年制度が施行されるまでの間に具体化し得るような何らかの対策というものの検討を進めてまいりたいと考えております。
○五十嵐委員 人事院の任用局長さんがお見えになっておられるようですからお伺いいたします。 昭和五十四年八月の、総理府総務長官あて人事院総裁の例の「国家公務員の定年制度について」の書簡でありますが、いわゆる書簡として正式な形式を避けた、しかもあの文章を見ましても、手段の一つとして意義のあることだというような表現でありまして、そこには何となく人事院の本心をのぞくような気がするわけであります。 この間、内閣委員会の大出質問に対して人事院総裁が、今回正式な形式にしなかったのは、人事院として定年制を正式に申し出るという機が熟していなかったということであります、逆に総理府からの問い合わせに対しての返事でありますというような趣旨の答弁をしているようでありますが、その辺にもお気持ちがわかるような気がするのですが、局長さんいかがですか。
○斧政府委員 お答えいたします。 定年制につきましては、人事院といたしましては、従来いろいろな角度から検討してまいりました。しかしながら、総務長官から定年制の検討について依頼をするという書簡をいただいたその当時におきまして、かなり熟したという形での意見などの持ち合わせばなかったということは事実でございます。そういう意味では、総務長官からの書簡をいただきましたのが定年制を本格的に検討しようという契機になったことは、これはもう否定できないことでございます。 そういう意味で総裁は申されたのではないかと思いますが、ただ、その後一年半にわたりまして、職員の退職状況、あるいは民間の状況、あるいは各省におきます退職管理の実際、定年退職後の生活問題など、いろいろな角度から検討いたしまして、実は定年制に関する見解としてあの書簡のような結論に到達したわけでございます。 それで、これをどういう形で意見表明をするかということでいろいろ検討したわけでございますが、事のいきさつからいきまして、政府側から意見開陳の要望があったわけでございますので、それに御返事をするというのが自然な形であろうということでございます。そういうことを考えたわけでございます。 この結論を得るに至ります過程では、発出人名義は総裁、こういうことになっておりますが、二十数回に及びます院議を重ねまして、人事院の意思と公式の意見であるということには間違いない、こう思っておる次第でございます。
○五十嵐委員 余り気乗りしなかったが、そういう気乗りしない気持ちのまま、つまり熟さない中でああいう書簡を出さざるを得なかったというふうにぼくらなんかは感ずるのであります。 そこで、この書簡で「定年制度導入の意義」について、こう述べている部分があるわけであります。これは受け取る印象ですからね。ですから、それぞれ見解の差があると思いますが、ぼくはこう思いました。「近年、我が国の人口構造の急激な高齢化の影響もあって、勤労者の間に高年齢まで就業したいという意識が高まってきている。このことは、公務部内においても例外ではなく、高齢者の労働市場が狭いことなどと相まって、近い将来、勧奨は十分には機能しにくくなり、公務部内における職員の高齢化の傾向が次第に強まるものと考えられる。その結果、組織の活力の低下、昇進の停滞による職員の志気の低下等をもたらし、公務の能率的運営に支障を来すおそれがある。」こう言っているんですね。 これは高齢者の職員が読んだら、ぼくは頭にくると思いますよ。人事院というのは、公務員の労働基本権が不当にも否認、制約されているもとにおいて、その代償としての公務員の利益と身分を公正に保障すべき機関であると思うのです。いまの文章の初めをずっと読んでいったとき、「近年、我が国の人口構造の急激な高齢化の影響もあって、勤労者の間に筒年齢まで就業したいという意識が高まってきている。」と、こうあるわけですからね。これに続いて「このことは、」と、こうあって、このことは、まことに好ましいことだとか喜ばしいことかと思ったら、そうでなくて、まあ端的に言えば全く逆に、これは困ったことだ、さまざまな弊害をもたらしている、そういうところにつながっている。 一体人事院というところは何を考えているのか、公務員に対する愛情だとか信頼だとか、あるいは雇用政策に対する理想というようなものを一体どう考えているのかと思うのです。そして、そこで「より能率的な公務の運営を期待し得るよう、」その「手段の一つとして、」定年制を導入するということは「意義のあるところである。」というのでありますから、どうも悲しくなるわけであります。 人事院も自治省も、高年齢者の雇用問題を一体どう考えているか。雇用対策上、高年齢者は邪魔なのか、使い捨てという考え方を持っているのか、そんなに非能率で士気は低落しているのか、日本の公務員の生産性はそれほど低いのか。そうじゃないですね。大蔵省から出している「歳出百科」のデータなんかを見ましても、現状で外国に比べてむしろ生産性はかなり高いということですね。もっと親身になった、愛情のある対応が持てないのか。一人一人の労働というものをもっととうといものとして見る目が、人事院には当然要るのではないか。 人間には、確かに労働にたえられなくなる時期があると思います。また、老後に長かった労働からようやく解放されて、安息の余生を持つことの権利もある。しかし、その離れる時期には大きな個人差があるんじゃないか。人は自分の能力に応じて、みずからの労働の切り上げの時期を選択する自由を持っているのではないか。一律ばっさりの定年制はそれを否定するものではないかと思うのですが、どうですか。 それから、書簡で「手段の一つとして、」こう言っているわけですね。「手段の一つとして、」という意味はどういうことですか。ほかの手段はどういうものがあるのですか。
○斧政府委員 書簡で、ただいま先生お読みいただきましたようなことを述べております。人事院が職員の利益の保護に当たらなければならないという使命を負っておるのは、申すまでもないことでございます。ただ、片一方で公務員法の目的に規定してありますように、国民に対して民主的で能率的な公務を保障する、そのための人事管理制度を立てなさいという使命も負っておるわけでございます。 そういう意味で、今回定年制を検討するに当たりまして、職員の利益の保護の観点と公務能率を維持向上するという観点、双方からいろいろ検討いたしまして、一般的に新陳代謝が適正に行われているということによって、組織の活力でありますとかそこに所属します所属員の士気の高揚でありますとか、そういうことが確保されるということは認められているところでございます。 そういうことが、いま国家公務員の在職状況、それから中期的な将来見通し、そういうものに立って見ますときに、いまのままの退職勧奨制度を維持しておりますと、この機能がだんだん低下して、そこに士気の低下とか組織の活力の低下とかという支障が生ずるおそれがあるということを考えたわけでございます。その場合に、現状からまるっきり遊離しましたような、あるいは日本の社会一般の状況からは全く遊離したような、そういうことであってはならないわけでして、そういう意味で現に行われております各省の勧奨年齢基準というものを基礎にする、それから民間の状況も考慮に入れる、それから政府の雇用政策というものも留意するということで、こういう結論に達したわけでございます。 それから「手段の一つとして、」こういうことを申し上げておるわけですが、手段としましては、実はいま現に行われております勧奨退職によります新陳代謝というのも、非常に有力な手段であろうと思っております。これが将来に向かってどういう機能を果たすかということで検討したということが一つ。それから、いま国家公務員の退職金が国会で審議されておるわけでございますが、その割り増しの程度をどうするかということは別にしまして、相当長期勤続した者に対して割り増しの退職手当を払うということも、一つの退職環境の整備として退職促進の方法であろうと思います。 それからもう一つ、これから人事院も検討したいと思っておるわけでございますが、実は先進国では退職準備プログラム制度というものがだんだん普及しております。一部日本の民間でも、まだ完全にシステム化されておりませんが、試行的な形で行っておる企業もございますが、これは在職中の職員に対して使用者側が援助をして、退職後の生活設計でありますとか、あるいは退職後に社会活動の中に参加していく、そういう方法でありますとか、それから再就職のための能力開発について援助をするとか、そういうことで職員の退職管理を図っていこうという制度でございます。これは一つの方法として、しかもかなり有力なものとして、今後検討したいと思っておるところでございます。
○五十嵐委員 一つの手段として意義のあることだという言い方は、やはり一方で、いまお話しのように勧奨退職という有力な一つの手段がある、そして現に順調に機能しているという中で、まあ定年制の導入というものも一つの手段だということのようにぼくはあれを見て感じましたし、いまの御説明をいただいてなおそのように思うわけであります。 そこで、いまちょっと触れたところでありますが、積極的な意味で一体政府は、公務員の高齢者雇用対策というものを検討しているのかということなんですね。 昭和五十四年八月の労働省の第四次雇用対策基本計画、これで来るべき高齢化社会を予測し将来の雇用情勢を分析しつつ、わが国の雇用対策の基本的なあり方について次のように言っているわけです。「この計画期間中」すなわち、これは昭和五十四年度から昭和六十年度まででありますが、「期間中には、資源・エネルギー問題、国際経済環境の変化、物価問題等前計画策定の際」これは第三次計画でありますから、五十一年から五十五年までの計画を指しているわけであります。「策定の際の問題点がますます尖鋭化するとともに、雇用面では経済成長率が高度成長期に比して低下するなかで労働力人口はかなりの増加が予想され、また、労働力人口自体の急速な高齢化が進むものとみられる。したがって、これからの雇用対策においては、完全雇用の実現をめざし、離職者の再就職の促進や失業の予防にとどまらず積極的に雇用機会の拡大、創出に結び付く対策の充実に努めるとともに、高年齢者の雇用対策を一層強化し、関連する社会的諸制度の再検討を進めながら高年齢労働者の雇用の安定を図っていくことが基本的に重要である。」こう述べているわけですね。 また、この計画は「安定成長下において完全雇用を達成するとともに来るべき本格的な高齢化社会に向けての準備を確実なものとすること」を課題にしているとも述べているわけであります。そのとおりでありまして、この施策の充実、促進は今日のまさに急務の課題であるというふうに思うわけであります。 しかし、こう言いながら、一方で政府は公務員労働者に定年制を導入しようとする。これは明らかに政策的に矛盾をするものではないか、その整合性について一体どうお考えになっているのかという疑問があるわけであります。どうもこのごろは、鈴木内閣はいろいろな意味でかなり分裂的な思考が月立っているわけでありますが、ここにも政策的には整合性がない、明らかな政策混乱があるんじゃないかという気がするわけであります。 また、この雇用対策基本計画を定めているところの雇用対策法第三条四の二に、こういうことが書いてあるのです。国は「高年齢者の職業の安定を図るため、定年の引上げ」定年の引き上げですよ、「定年の引上げの円滑な実施を促進するために必要な施策を充実すること。」としているわけであります。ここに言うように、年齢による雇用差別というものをなくする、高年齢者の雇用不安、生活不安をなくすることが急務である、こう言っている政府が、みずからこれに反するような定年法案を公務員法において出すということはどうなんですか。いかがなものかと思うのですが、どうですか。
○斧政府委員 私どもは人事院でございますので、直接政府のいろいろな決定に参画しているわけではございません。ございませんが、雇用対策につきます先生御指摘の新経済社会七カ年計画、それから雇用審議会の答申、そういうもので高齢者の雇用の促進に努めるという場合の当面の具体的な施策ということになりますと、昭和六十年度までに六十歳に定年年齢を引き上げるように努力するというのが当面の具体的施策でございます。 私たち人事院としましては、将来永久にこの六十歳を維持していくのがよかろうという意見を申し上げたわけではございませんで、当面六十歳が現下では適当であるという考え方でございますので、今後いろいろ社会状況の変化とかあるいは民間の定年制の動向とかそういうものには常に留意して、新たな必要性が起こりましたら定年年齢の引き上げも十分検討しなければならないものと思っております。
○五十嵐委員 しかも、雇用対策法第十九条また中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法では、中高年齢者等の職業安定のための雇用率というのを定めているわけですね。雇用対策法第十九条で「別に法律で定めるところにより、事業主に雇用されている労働者のうちに中高年齢者又は身体に障害のある者が占める割合が一定率以上になるように必要な施策を講ずるものとする。」こう書いていて、労働省はいま五十五歳以上六%雇用というのを民間企業に指導しているわけです。現状の地方公務員は五十五歳以上五・七%でしょう。現況でさえ雇用率を割っている。この上六十歳定年ということになったら、どういうことになるのですか。政府がみずから出している雇用率を公務員が割るということでは、理屈に合わぬじゃないですか。
○宮尾政府委員 先生がいま御指摘になりました、地方公共団体での五十五歳以上の職員の六%以上雇用というのは、法律的な義務ではございませんけれども、しかし、地方団体としてもそういう努力をすべき問題ではあらうと思います。そこで、全体の五・八%というのが現在の状況であります。 御質問の趣旨は、中高年齢者の雇用対策という観点からの質問でございますが、現在先生御承知のように、地方団体の平均的な退職年齢というのは、勧進退職を行っている場合でも大体五十七、八歳というところが一般的でございます。そういう意味で、今後定年制度が原則六十歳という形になれば、当然この雇用率というものも上がってくるということが予想されますし、それから勧奨退職年齢五十七、八歳という状況から、定年制度が設けられた場合には六十歳に引き上がる、こういう実態が出てくるわけでございますから、私どもとしては、この定年制度というのは御質問のような趣旨に沿っておるものだ、雇用対策という面から見ればむしろそういう方向に整合性を持っておるものだ、こういうふうに理解をしておるわけでございます。
○五十嵐委員 それは大分違うと思いますね。第一次臨調、これは行政改革のバイブルと言われるものでありますが、この中でやはり定年制について触れているわけです。ここでは御承知のように「当面六十才を基準として定年制を実施すべきである。」そして「なお、将来の姿としては、諸外国の例にみられるような相半高い年令の定年制を指向すべきである。」第一次臨調ではこう勧告しているわけですね、いまは第二臨調を盛んにやっているところですが。 諸外国に見られるようにというと、諸外国はどうかというと、時間がないから細かいあれは言いませんが、御承知のように大勢は六十五歳。その主流は六十五歳定年です。そういうことになると、第一次臨調の勧告の趣旨から言ったって考えていいんじゃないですか。しかも、当時から見るともう相当年月がたっている。あれは三十九年ですからね。あのころの平均寿命といまの平均寿命は全然違います。しかもいまは、わが国は世界的にもトップクラスの平均寿命であるわけであって、これは諸外国並みの六十五歳というものが頭にないというのはおかしいんじゃないかという気がします。第一次臨調の勧告の趣旨から言ってどうですか。
○宮尾政府委員 確かに第一次臨調では、将来の姿として諸外国のような相当高い年齢の定年制を指向すべきである、こういうふうに述べておるわけでございますが、それをどういう条件のものとで実現すべきかという具体的なことについては、何ら触れていないわけでございます。御承知のように、わが国と諸外国とでは雇用慣行とか給与体系というものは相当違っておるわけでございまして、日本のような終身雇用制という形での雇用慣行というものは比較的まれであります。 そういうことで、諸外国と日本とではそういう社会的ないろいろな条件が違うわけでございますから、日本の場合に直ちに諸外国と同じような定年制度ということはむしろいろいろな問題があるわけでございます。 〔委員長退席、工藤委員長代理着席〕 現に民間の企業におきましても、日本のそういう雇用事情を踏まえて、現在六十歳定年へ向かっていろいろな努力をしておる、こういう段階でございますので、そういう中で公務員の定年制度というものも考えていくべきだ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○五十嵐委員 第十六次地方制度調査会、昭和五十年七月でありますが、ここの提言で定年制について次のように言っているわけです。「地方公共団体における円滑かつ適正な職員の新陳代謝を促進するため、政府は、当調査会が過去数次にわたり答申しているとおり、地方公共団体が必要と認める場合には条例で定年制を採用し得る制度の速やかな実現に努めるべきである。」条例で定年制を採用し得る制度、これはつまり、条例で定年制を選び取ることのできる制度、同じことですわね、わかりやすく言えば。これを提言しているわけです。やはりそこには、地方公共団体の自主性というものを尊重する、自由な裁量権というものを十分に認めるという気持ちがにじみ出ているというふうに私は思う。 四十三年当時の法案のときにも、条例制定は地方団体の任意によったものだと思いますが、そうですね。当時の国会における自治省の答弁などをずっと開いてみても、実に明快に、条例を設けることは地方公共団体の自由だと言い切っているわけです。私はここへいま持ってきていますけれどもね。つまり、そのときどきの、一つ一つの法案は独立していても、あるいはときどきの提言だとか勧告というものはそれぞれあるわけでありますが、そういうものを通じて、その背景にある歴史的な経過というものをつなぎ合わせて法案の精神というものを解すべきものだと私は思うのです。 こういう流れの中で、法案の言う「条例で定めるものとする。」という言い方というものをいまのような歴史的な経過の流れの中で読み取るとすると、このむずかしい「ものとする」という言い方というものは、「ねばならない」というよりは「ことができる」という表現にかなり近いと解するのが自然でないかというふうに私は思うのですが、どうですか。
○宮尾政府委員 昭和四十三年に提出をした法案におきましては、いまのように条例で定年制度を導入できる、こういう考え方に立った法案を提出をしたわけでございます。これはなぜそういう考え方に立ったかといいますと、国の場合には、定年制度というものを設ける場合には国会でそういう立法措置をすればできるわけでございますけれども、地方団体の場合には、いまの地方公務員法のたてまえからいきましてそういう条例で導入できる道がない。だから、四十三年のときに、そういう条例措置をすれば地方団体でも必要だとする団体では定年制度を導入できるようにしよう、これがそのときの基本的な考え方であったわけでございます。 十六次の調査会の答申が引用されたわけでございますが、その段階では、現在のように国家公務員に定年制度を設けるという具体的な方針が出ておりませんでしたので、十六次の調査会におきましても、それまでの考え方と同じ考え方に立ちまして、そのような表現をしたものというふうに考えております。 ただ、今回の法案は、国家公務員にそういう定年制度ができる。これは、たびたび申し上げますように身分保障に関する問題でございますから、地方公務員についても、同じように一律に定年制度は設けるべきである、こういうふうに考えておるわけでございます。 ただ、具体的な実施に関する事項については、これは地方のそれぞれの判断も入れる余地があり得るだろう、こういうことで、条例で定年等を定めるものとする、こういうことにいたしておるわけでございまして、そういう意味で、地方の自主性というものをそこに認めておるというふうに考えておるところでございます。
○五十嵐委員 ここで条例の準則の問題に入るわけでありますが、この間準則のメモが出されまして、この資料要求を加藤委員がなされたわけでありますが、加藤委員から関連質問で、どうも余り時間が残らなくて申しわけないのでありますが御質問いただきたい、こういうぐあいに思います。
○加藤(万)委員 関連して質問を申し上げますが、先回の質問に対して、メモをいただきました。基準とするという年齢が六十歳であることが明確になりました。 そこで、時間がありませんから、三点だけ質問いたします。 第一点は、六十歳に定年、地方条例でつくった場合のローテーションの問題です。先回も私は御質問申し上げまして、数字的に明らかにいたしましたが、四年後には、定年到達構成要員は約三倍になる。いわばこぶがそのまま、定年制ができたことによって年齢の上層部に移動していくわけです。先般各党の話し合いがあった際に、自民党側から、この公務員二法については激減緩和の処置を講ずるように考えていこうではないかという提案であったということを私は聞いております。 ことしは五十六年ですから、六十年度実施までにこの三倍に近いこぶを解決するとなりますと、五で割るわけにはいかないわけでして、四で割るわけですね。そうしますと、激減緩和でなくて、激減を増大をさせる、増幅をさせる、そういうことになるのではないでしょうか。いわば、六十年以前における勧奨退職なり、集団的な、組織的な勧奨退職なり、そういう条件は逆に増幅するということになりませんか。 さらに今度は、それを増幅をさせない、増幅緩和の処置をとる、こういうことになりますと、六十年度六十歳という定年制というものを延期をしなければならない、そういう条件が起きるのじゃないでしょうか。この問題について、一体、人事の新陳代謝と言われるローテーション——特に地方団体の場合には、地元で採用しなければならないという条件もありましょう。 あるいはまた、私は先般も質問で明らかにいたしましたように、人間の構成というものは、一つぽっかりと穴をあけるわけにはいかない。いまの五十四歳の人が勧奨退職なしでいきますれば六十歳までいるわけですから、そうしますと、勧奨退職でない面を新規採用で埋めることはできないわけです。このローテーションについて、地方条例を定める際に、実際の地方団体の行為としてはきわめてむずかしい、大きな問題をはらむと思うのですが、この辺に対する指導といいましょうか、条例準則をつくる上から見ても、どういうような御指導をされるか、お聞きしたいと思うのです。
○宮尾政府委員 現在、各地方公共団体共通しまして、五十歳前後のところに非常に大きなこぶがあるということは御指摘のとおりでございます。 そこで、六十年に六十歳定年ということがスタートをした場合に、その大きなところがそこに差しかかりますと非常に退職者が多くなり、また新規採用者も非常に多くしなければならない、そういう人事ローテーションが相当急激な形で来るではないかという、こういう御質問であろうかと思います。 今回の定年制度の中で具体的な定年年齢といいますのは、国の職員について定められている定年を基準として、それぞれの団体で決めていただくことにしておるわけでございますが、合理的な理由がない限りは、これは身分保障に関する問題でもありますので、原則として国家公務員と同じ線で決めていただく、こういう基本的な考え方を持っておるわけでございます。 ただ、いまお話にございましたように、定年制法案が通って六十年から実施されるという、この準備期間中になだらかな移行というものが非常にむずかしい団体でいろいろ経過的なことを考えることができるのかどうか、そうしたらどうか、こういう御提案であろうと思うのでございますが、そこのところは個別の地方団体の人事構成のあり方、それから移行をするときにどうしてもそういうことをしなければ人事管理というものがなかなかうまくいかない、こういう相当厳しい事情があるならば、そういうことについて条例で明確に書いて経過的な措置を講ずる、そういうことは決して不可能ではない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○加藤(万)委員 その答弁は非常にいいと思うのです。そうしませんと、地方団体によっては大変混乱が起きると思うのです。その間はわずか一、二年のことでしょうけれども。 したがって、先ほど勤務の延長の問題がございましたが、これは小川委員のやりとりの中でも明らかになりましたけれども、そういう問題も含めて、六十年度における人的構成、地方団体のローテーション、それがいわばスムーズに行われる形をぜひひとつ配慮してほしい。いま部長の答弁にありましたように、その地方団体によっては、そういうことも配慮して御指導するという答弁ですから、ぜひひとつそこは重視していただきたいと思うのです。でなければ、地方団体のいわゆる住民に対するサービス機能としての人的管理の面からも、不可能な条件が起きるのではないかと思いますので、ぜひその指導を強めていただきたい、こう思います。 第二の問題は、この私のやりとりの中で、公務員の交渉権についての問題は条例準則に盛ることはできない、一方、国公法の場合には給特法を読みかえをし、同時に、人事院を主務大臣に読みかえをし云々と、そこに交渉権の担保要件が存在することがうかがえる、こう私は質問のやりとりをしたわけであります。先ほど小川委員の一般職に対する交渉権問題で、たとえばという話で、三カ月前に病気をしてしまって、そしてあと三カ月たてば定年年齢になるのだがという、そういうことの際に、それは交渉権ではなくて、従来ある任命権者との間の話し合いだ、こういう御答弁がございました。 私はまず、何といいましょうか、交渉要件にかかわる問題が相当出てくると思うのですね。たとえば公務災害になった場合に、定年到達年齢にならないが、仮に六カ月前にどうしてもその任にたえないということでやめざるを得ない、そういう場合には、公務災害ですから労災法の適用に入っていくわけですが、その場合には職員団体との間で交渉を持ち、それらが定年年齢に達する条件まで整えてやって、その後の身分、生活の安定を求めていく、こういうことは当然起き得ると思うのですね。 したがって、任命権者が定年制を制定する前に、個々の条件について、まず一般職との交渉という問題は、五十五条ですか、にも通じて、そういう意味で存在する、こういうことをまず確認をしておきたいと思うのです。 第二の確認は、現業との関係であります。 現業との関係は、部長が答弁の中で、七条四号の問題は依然として交渉権は存在するとしていますから問題がございません、こういう答弁でありました。私は、一般的な交渉要件、勤務条件に対する交渉要件として七条四号が存在すること、それは地公労法で定まっているのですから当然です。 そうではなくて、定年を定めたことによって起きる勤務条件、労働条件、この変更についても七条四号の交渉要件に該当する、たとえば職種の選定であるとか、あるいは先ほど議論になりました勤続の延長の問題、再任用の問題その他を含めて、これらはやはり七条四号の一つの交渉要件として該当する、こういうふうに思うのですが、これが第二点目の質問であります。 それから、私は先般労働省に御質問いたしました。その際に、一般職と現業との混合労働組合は地公労法上の適用団体である、こういう御説明がありました。私はそのとおりだと思うのです。問題は、混合労働組合の場合に、その混合労働組合に入っている現業職員また単純労務者、これはそれぞれの人々に不利益な行為があった場合、あるいは労組法七条に規定されるような問題が起きた場合、それぞれ定められる労働組合法の適用の調停なりあるいは申請ができる、いわゆる労組法上の適用事案として処理ができる、こういうように思うわけですが、この点は労働省側から御答弁をいただきたい、こう思います。
○宮尾政府委員 最初に再任用の運用に絡む問題だと思いますが、たとえば病気の場合あるいは公務災害でまだ通常の勤務に戻れない、こういうような状況の中で定年を迎えたらどういうことになるのかということでございます。 これは、定年というのは一定の年齢に達したならば当然に退職をするという制度でございますので、その気持ちとしては、そういう場合に非常にお気の毒ではないか、こういうような事情はわかりますけれども、制度としては一定年齢に達したら当然退職をする、こういうことになるわけでございます。 そこで、たとえば公務災害の場合には公務災害補償が出るわけでございますから、それ自体がどうであるか、適切な数字になるかどうかという別途の議論はあるにいたしましても、定年に達したらそういうことになるということはやむを得ない措置だと考えております。 そして、先ほどの小川先生の御質問をいま引用されたわけですが、小川先生の質問は、そういう方々に対してたとえば再任用というのを活用してでも何かできないのか、こういう御質問だったわけでございますが、私は、そういう運用はすべきではないというふうに考えておるわけでございます。 再任用というのは、あくまでもそういう再任用が必要なポストというものが当然ある程度限定されますし、また、再任用をする場合に、その人の過去の勤務実績とかあるいは経験等を考慮して、公務上必要であるかどうか、そういう判断からその再任用をすべき問題でございますから、病気であるとか公務災害であるとかという理由でそういう再任用の運用を幅広くやるということはできないし、やるべきでない、私はこういうふうに考えておるわけでございます。 ただ、そういうことについて、現在、たとえば勧奨退職の場合には、当局と組合が話し合いをしてうまく考慮を払っている面があるではないか、こういう点は確かでございます。いろいろそういうお話はあると思いますが、これは勧奨というのはあくまでも本人の同意によって退職する制度でございますから、そういう弾力的な運用というものは勧奨の場合にはできるわけですが、定年制度の場合にはそういうことにはならない、やはり一律に退職をしていただくよりしようがないと思います。 ただ、再任用ということではなくても、そういう事情にある方については、退職後の状況を見ながら、県でもあるいは市町村でも、それなりのいろいろな配慮というものを再就職等でやっておるケースも多いわけでございます。そういう面での配慮というものを人事当局はいたしておりますし、またしていくべきではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから現業の関係でございますが、現業職員、地方公営企業職員あるいは単純労務の職員、これにつきましては一般の職員と違いまして、地方公務員法五十五条の「交渉」ではなくて、地公労法七条に定める団体交渉権があり、「労働協約を締結することができる。」こういうことになっておるわけでございます。 定年制度ができましても、この地公労法七条に規定する基本的な部分というのは全く変わりはないわけでございまして、定年制度に関する事項は労働条件でありますから、四号の定めるところに従って十分団体交渉はできますし労働協約は締結できる、これは現在といささかも変わることはない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中村説明員 先生御指摘の主として単純労務に従事する職員につきましては、法律上のたてまえとしまして、地方公務員法の第五十七条、それを受けて地方公営企業労働関係法ということで、具体的には単純労務の方は地方公営企業労働関係法の適用を受ける労働者になる、そうしてこれらの適用を受ける方々は特別の規定を除きましては労働組合法の適用を受ける。 したがいましてその単純労務の方は、その方が所属する団体がどこであろうと、労働者個人といたしましては、たとえば不当労働行為の問題について労働委員会に訴えるということができます。それから、その不当労働行為を訴えるのは団体側もできるわけでございますが、法律上は当該個人が所属している団体の構成員を見まして、労組法の適用を受ける者が主体をなしておる、こういう場合には、その組合といたしましても不当労働行為の申し立てを労働委員会にすることができる、こういうことになっております。
○加藤(万)委員 一問だけ最後に質問します。 単純労務の五十七条、その職種の範囲については先般の質疑のやりとりで、消滅しておりますが政令二十五号を一つの範囲にしてというお話がございました。 そこで、この「条例準則に関する参考メモ」の中の「定年」の条項ですが、この中にそれぞれ次の場合に該当する職員は定年とするということで、六十三歳、六十五歳、それぞれあります。特にいわゆる定年延長がされるべき者についてここに記載があるわけですが、同時に、私は現業の職種のいかんによっては、その問題が入ってくると思うのです。たとえば、私はこの前看護婦さんの例を挙げました。今度それに関連して、例として「離島その他の生活の著しく不便な地に所在する病院、療養所、診療所、保健所等」では別に条例で定める、こうなっておるわけです。 私は政令二十五号を基本に置きながら、職種をいろいろ選定——三千三百あるわけですから、たとえば火葬場に勤務する職員、こういう人々も、職種の選定いかんによっては考えなければならないのではないかという気がするのです。これはわかりませんよ。したがって、ここに例として挙げてはありますけれども、恐らく単純労務者の職種の選定とこの原則定年から外れる定年制、それは相当広範囲に把握をしなければいけないという気がするのですが、いま言った単純労務の職種の範囲をどう決めるのか、それに伴って、同時に定年自身の見直しというものも内容的には含まれてくるということを確認してよろしゅうございましょうか。
○宮尾政府委員 いわゆる単純労務者の範囲というものは、現在の法律制度の中では明確なものはありませんが、失効いたしておりますけれども旧政令二十五号で一応定められたものがあるわけでございます。こういう範囲の方々がいわゆる単純労務者であろうというふうに私どもは考えておりまして、これは現在も実質的にはこの考え方によっている、よってよろしいということで指導いたしております。 そこで、いま条例準則の三のイに該当する者がどの範囲か、これは国家公務員につきましても当然人事院規則で明確になってまいりますから、ここで言っておりますのは、いわゆる労務職員と呼ばれる方々を基本に考えておるわけですから、そういう人たちについては国家公務員について六十三歳、こういう形で決められる、それを基準にしてそれぞれの地方団体で定めていただくということになると思います。 それから、離島の看護婦さんとかあるいはここに例示をしてありますお医者さんとか、それから先ほどお話がございました火葬場に勤務する方々とか、そういう非常に特殊な条件にある職員、あるいは国家公務員にはない職種の職員、こういう人たちにつきましては、この条例準則のエで、地方団体が国家公務員との均衡等を考慮しながら具体的に定めていただく、こういうふうになるわけでございます。そういうふうに御理解をいただいて、また条例準則等の指導についても私ども遺憾のないようにしてまいりたいと考えております。
○加藤(万)委員 当然のことですが、先ほどの労働省とのやりとりでもわかりましたように、単純労務になることによって、労働基本権の問題にかかわる問題が出てくるわけです。したがって私は、職種の選定、同時に例外定年の問題、さらに労働基本権といういわば三位一体の中でぜひ把握をして、条例制定については細かな配慮を加えていただきたい、こう思うのです。このメモだけでは、率直に言って条例内容を細かに審議することはできません。したがって、私どもきわめて不満な気持ちではございますが、いずれにしても私どものやりとりを十分見定めていただいて、この条例準則を制定されるように御指導いただきたい、こう思います。 以上です。
○工藤委員長代理 午後四時三十分より再開することとし、休憩いたします。 午後一時九分休憩 ————◇————— 午後四時三十四分開議
○左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。三谷秀治君。
○三谷委員 定年制法の質疑を聞いておりまして私が感じました一つは、地方自治の観点が欠如しておるのではないかということでございます。国家公務員に右へならえということが根拠になっているようでありますが、そうしますと、地方自治の本旨というのは一体どうなっていくのか、これをひとつお聞きしたいと思います。
○宮尾政府委員 定年制度につきましては、これはたびたびお答えをいたしておりますように、職員の身分保障に関する基本的な事項でございます。現在の公務員制度におきましては、これは国家公務員法も地方公務員法もそういう職員の身分保障に関する事柄、特に分限事項につきましては法律で同じような考え方をとっておるわけでございまして、そういう意味から、今回国家公務員に定年制度が導入された場合には、当然地方公務員についても導入されるべき定年制度というものは、同じ公務員制度として整合性のとれた形でなければならない、こういうことから地方公務員法におきましては、国家公務員とそういう意味で同様の考え方に立った制度の仕組みを設けようとしておるわけでございます。 ただ、具体的な定年年齢等の定めにつきましては、これは地方団体のそれぞれ異なった実情というものも現実にあるわけでございますので、それぞれの地方団体の条例で定めるものといたしまして、そういう意味合いにおきまして、地方自治の考え方というものを生かすように配慮をいたしておるつもりでございます。
○三谷委員 条例で定めるとおっしゃいますけれども、それは条例上の手続をとるというだけであって、内容については裁量権が全然ないわけです。ですから、形式だけは何か自治団体の自主性を認めるようでありますけれども、中身が固定されておるわけでありますから、実質的にはこれはいまおっしゃいますような地方自治という性質のものではありません。 地方自治の本旨というのが憲法でうたわれておりますが、これによりますと、団体自治の保障が一つでございます。そして、住民有治の徹底というのが一つになっております。もう一つは、行政執行の公正確保と言われております。これが憲法調査会の判断として示されておるわけでありますが、自治団体の自主性、自律性というものが、この法律制定の過程で見ますと全く無視されてしまっておるわけでございます。 ですから、条例で決めると言うけれども、決める内容というものがもう一つのものに決まっているわけでありますから、ただ条例をつくるというだけのことであって、それではちょっと地方自治という観点からしますと欠陥があるのではないかと思いますけれども、どうでしょうか。
○宮尾政府委員 これは先生も重々御承知のことだと思いますが、国家公務員法の規定と地方公務員法の規定とを比較をしてみますと、その基本的な考え方が共通しておる部分が非常に多くありますし、また同じような規定というものを置いている部分があるわけでございます。 もちろん、地方団体の公務員に関する制度を定めている法律でございますから、それなりに地方の自主性というものを認めていい部分、そういうものについてはそういう定め方をいたしておりますけれども、基本的には公務員制度というものは、国家公務員、地方公務員を通じまして同じような仕組みをとりまして、公務員が安心して公務に専念できるようなたてまえ、仕組みというものをとっておるわけでございます。 この定年制度というものも、そういう身分保障という公務員にとって一番大事な事項でございますので、その基本においてはやはり共通した考え方、同じ仕組みというものをとるのが妥当であるというふうに考えております。 ただ、先ほども御説明をいたしましたように、地方団体の特殊な事情というものがある場合には、たとえば二十八条の二の第三項に定めがありますように、地方団体におけるそういう特殊事情というものを考慮いたしまして、特例的な定年というものを定めることができる余地も設けられておるわけでございまして、もちろんその地方が自由に自主的に決められる部分というのは非常に狭いかもしれませんが、決して地方自治の基本的な考え方に反した仕組みになっているとは考えていないわけでございます。
○三谷委員 条例事項として残してあるから地方自治には反しないし、同じ仕組みになるのはやむを得ない、そして整合性が必要だ、こうおっしゃっているわけですが、整合性というものは引き写すことを言うわけではない。相互の均衡性といいますか、そういう性質のものだろうと思いますけれども、いまの法律を見ますと、これはまるっきり引き写しになっている。 ですから、そこには裁量権というのがほとんどないわけでありますから、地方自治体における裁量の余地のないものは地方自治と言うことはできませんが、そこで少し調べてみますと、この点から見ますと、かつて定年制の法案の審議に当たりまして自治省が一貫して示してきました見解はなかなか教訓的であります。 たとえば、昭和四十四年度の法案提出に当たりまして野田自治大臣がおっしゃっておることでありますが、「すべて当然に定年制に関する条例を設けなければならないものではなく、あくまでも当該団体における人事管理の実情から見て、定年制を必要と認める場合において、条例で定年制を設けることができる」のだ、これが四十四年のときの大臣のお答えでありました。 それから、同じ四十四年のときに自治大臣がおっしゃっておりますのは、これはやはり地方公共団体の自主判断に任せなければならない、そういう高年齢層の人が必要な場合には何も一定の年限を決める必要はない、そういうことをお答えになっている。これは地方自治の観点だろうと思うのです。 それから、自治省が大分県の総務部長の照会に対して答えておりますのも、これは公務員課長の回答でありますが、「公務に堪えぬか否かは、その個人個人について判定すべきものであって、画一的に年齢存もつてするのは妥当でない。」こう言っている。 この自治省の一貫した見解というものは、年齢によって一定の公式的な基準をつくるものではない、それが必要であればそれは地方自治体で条例によってつくるべきだ、そういうことが言われておるわけです。私は、これが地方自治の観点だろうと思っておりますが、今度の場合はそうでない。 そうでない原因は何かといいますと、それは国家公務員がそういうふうにできたからだとおっしゃっている。国家公務員と地方公務員は、これはおのずから違うわけであります。職種の多様性におきましても、あるいは現業労働者が圧倒的な地位を占めているという点におきましても、国家公務員と地方公務員には違いがある。そして、これを採用する団体も違いがある。 ですから、そういう状況の中で国の公務員がこうなったから地方もこうなるんだというふうな、国家公務員と地方公務員がまるで同一のもののように扱われておりますけれども、これがそもそもおかしいのであって、それは地方自治団体の自主的な判断にゆだねる。自治省が指導をするのはその判断にゆだねるということを指導するんであって、一つの典型をつくってそれに従え、それから逸脱してはいけないというふうなやり方というものは、地方自治の本旨に反するというふうに私は思うわけでありますが、大臣いかがでしょうか。
○宮尾政府委員 御質問の中にいろいろな事項がございましたので、お答えをいたしたいと思います。 四十三年に国会に提出をいたしました法案におきましては、ただいま御質問にありましたように、地方団体が定年制度を設けるかどうかということは地方団体の自主的な判断に任される仕組みになっておるわけでございます。それで、そのときの考え方といたしましては、国家公務員については定年制度が特定の職種を除きましてないわけでございまして、そういう中で地方公務員について定年制度を設けるようにという要望が非常に強かったわけでございます。 そこで、法律的な見地から言いますと、国家公務員の場合には、国会で国家公務員法の改正法案を御審議いただいて、その中に定年制度というものを盛り込めばそれで定年制度がすぐ導入できる仕組みになっておりますが、地方公共団体の場合には、いわゆる地方公共団体の議会が制定をする条例で定年制度を設けることができないということになっているわけでございます。 これは現行制度の解釈といたしまして、法律改正でなければ定年制度を導入することができない、こういうことでございますので、そこで地方公務員法を改正いたしまして、地方団体が条例をつくれば定年制度の導入ができるという仕組みをとりたい、これが当時の法案の考え方であったわけでございます。そこに基本的な違いがあるわけでございます。 そこで、第二のお話がございました大分県への回答の話でございますが、これは先生がお示しのように、地方団体が現行法のもとで条例をもって定年制度を導入できるかという質問に対して、これはできないという解釈を示したわけでございます。 その中でいま先生が引用されました「公務に堪えぬか否かは、その個人個人について判定すべきものであって、画一的に年齢をもつてするのは妥当でない。」という部分でございますが、これは大分県からの照会の中で大分県の意見がついておりまして、この意見で言っておりますことは、「当該年齢が職務の性質と社会通念上一般に公務に耐えないような年齢である限り、公務の民主的且つ能率的な運営を確保する上からも妥当であると考えられる。」という大分県自身の意見をつけております。それに対して、現行法のもとではそういう公務にたえ得ないと言われるような一般的な年齢を設定をして条例化をしてもだめです、こういう趣旨を回答をしているものでございます。 なお、その職種が地方団体は多様ではないか、これは確かにそうでございますので、今回の改正法におきましても、先ほど御説明申し上げましたように、二十八条の二第三項では、そういう国にないような職種等については、地方団体が条例で国家公務員との権衡等を考慮しながら特例的な定年をつくることができる、こういう仕組みを設けておるわけでございまして、繰り返すようでございますが、地方団体のそういう意味での特殊性というものは考慮した定年が設けられる仕組みになっておると考えております。
○三谷委員 長い時間かけていろいろ説明されましたけれども、それは一つも私は納得ができません。そもそもこの法律自体が、先般からの質疑を聞いておりますと、準則もできておりまして年齢等も明確になっている、それに反するものは法律違反だ、こういうこともおっしゃっておりますから、そうしますと、要するに強権的にこれを地方自治体に押しつけるという性質のものであって、そのこと自体が地方自治に反する、そういう性質のもの、だ。 それでまた、これは地方自治の制度的保障も破壊してしまっている。地方自治体には、いろいろな公務員関係の事務を扱う部門があります。たとえば人事委員会または公平委員会、こういうものがあって、地公法にはその権限が規定されております。 そして「給与、勤務時間その他の勤務条件、厚生福利制度その他職員に関する制度について絶えず研究を行い、その成果を地方公共団体の議会若しくは長又は任命権者に提出する」となっております。また、「人事機関及び職員に関する条例の制定又は改廃に関し、地方公共団体の議会及び長に意見を申し出ること。」という規定もあります。 このような規定は、自治体における人事行政について、公平性を保ちつつ、第三者機関としての人事委員会の独自の自主性を法律上認められておるものと思うわけでありますが、その点は間違いないでしょうか。
○宮尾政府委員 人事委員会の役割りについては、御指摘のとおりだと思います。
○三谷委員 ところが今回の定年制は、まさにこの第二号の勤務条件に該当することは明白であります。頭ごなしの地公法改正によりまして定年制の実施を強制されるのは、人事委員会の権限、機能を空洞化するものではないでしょうか。 そもそも、地方公務員全体を拘束するこういう法律制定に当たりまして、一体地方自治体の労働者と話し合ったのか、あるいはこの種の地方団体の人事機関と何か意見の交換でもしたのか、そういうことがありましたでしょうか。その点はいかがでしょう。
○宮尾政府委員 人事委員会は、いま御質問の中にありましたような役割り、権限を持っておるわけでございます。 そこで、定年制度は、たびたび繰り返して申し上げておりますように、公務員の身分保障の基本的な事項でございますので、国家公務員との整合性をとって、基本的な部分は法律の中で規定をする、こういう仕組みをとったわけでございます。 人事委員会は、確かに地方公務員法第八条第一項の規定に基づきまして、勤務条件等職員に関する制度について絶えず研究を行う、その成果を地方公共団体の議会あるいは長に提出をする、それから条例の制定等について議会等に意見を述べることができる、こういうような権限があるわけでございまして、これは人事委員会としてもそういう権限は、今回の制度改正によりましても定年制度に関して持っていることは言うまでもないわけでございます。 ただ、法律で直接制度の仕組みを書いておるので、その部分につきましては人事委員会自体が制度の仕組みを決める、こういうことになっていないということは確かでございますけれども、定年制度に関していろいろ条例で定める事項についてはそれぞれの団体の条例で決めるわけでございますし、そういうことについて人事委員会がいろいろな研究した成果を申し述べることはできるわけでございます。 また、定年制度に関する条例案が議会に提出をされた場合には、地公法第五条によりまして、その当該議会で「人事委員会の意見を聞かなければならない。」こういうことになってもおるわけでございます。 そういうようなことから、人事委員会といたしまして、定年制度に関していろいろな意見がある場合には、それを反映させるような機会はあるわけでございますし、その権限を十分生かしまして、人事委員会に与えられた役割りを果たすことは可能であるというふうに考えております。
○三谷委員 そうしますと、地公法の第八条、ここに条例制定または改廃に関して、人事委員会は議会または長に「意見を申し出ること。」という規定がありますが、その場合、定年制法制化が実現をした暁に、この条例制定について人事委員会に照会をして、人事委員会が定年制条例を制定する必要はないという意見を出すことができるわけでしょうか。出した場合に、その人事委員会の意見は果たして生かされるわけなのでしょうか。
○宮尾政府委員 定年制度につきましては、先ほども申し上げておりますように、制度の導入あるいは制度の基本的な事柄につきましては、国家公務員、地方公務員を通じまして同一であるべきであり、またそれは法律で規定をしなければならない身分保障の基本に関する事項でございますから、法律で定められておる事項について人事委員会が意見を言うということはもちろんできないわけでございます。 ただ、地方団体に定年制の実施についての具体的な事項が任されておりますので、それについては人事委員会はその権限に基づいて、いろいろな研究結果に基づく意見を申し述べることは十分できるわけでございます。
○三谷委員 おっしゃることが難解で、私どもには少しわかりにくいわけですが、そうしますと、たとえば地方自治体がこの法律に基づいて条例をつくります場合に、どの程度の、どういう種類の裁量権があるのか、どのことについて地方自治体の首長の権限が残されておるのか、それをちょっと説明してください。
○宮尾政府委員 人事委員会の権限というのは、地方公務員法の定める中で与えられておる権限であります。そこで、定年制度に関しまして人事委員会はどういうことをみずからの権限において言えるのかということでございますが……(三谷委員「いや、自治体の権限です、自治体の裁量権です」と呼ぶ)自治体といたしましては、定年制度につきましては、今回の改正法の中で定年年齢とかあるいは勤務の延長、再任用等について、条例に任されている事項について条例案を提出し、その団体の意思によりましてその条例案を決める、こういう範囲内において団体の意思が生かされる形になっておるわけでございます。
○三谷委員 それはもうわかり切ったことだ。定年の年齢だとかその他法律に盛ってある事項については、すでに法律で決まってしまうわけですから、それについての裁量権はない。ただ、それを議会に諮って決めるということは、条例でありますから必要でありますけれども、その条例の内容の中で、地方自治体の首長がみずからの意思で決定をする、裁量をする、そういう項目は何があるのか、これを聞いているのです。
○宮尾政府委員 御質問の趣旨に合っている御答弁であるかどうかでございますが、この今回の改正法の中では、法律自体で決めているものが幾つかありますが、地方団体にその定めをすることを任している部分があるわけでございます。それが、条例で定めるというふうに規定している部分でございます。 それは、二十八条の二でありますと、定年に達した場合にいつ退職をするかという退職する日の定め、これは地方団体が人事管理上どういう退職日を設定したらいいかということで判断ができます。それから同じ条項の中で定年年齢について、これは条例で定めることになっております。もちろん、この定めの中で国の職員の年齢を基準としてという意味である程度の制約はありますけれども、これは地方団体が条例で定めることができる、こういうことになっております。それから、いわゆる勤務延長につきましても、条例で定めるところによりまして運用をしていく、こういうことがありますし、再任用につきましても、手続その他につきまして条例で定める、こういう規定があるわけでございます。 したがいましてそういった部分が、各地方公共団体で具体的な条例の中で定めていくという意味におきまして、地方団体の判断する余地のある部分であるというふうに考えるわけでございます。
○三谷委員 そうしますと、いまの部長の説明によりますと、いつ退職するかその日を決めることができる。それから年齢も決めることができる。年齢も、六十歳じゃなくてもいいわけなんですか、決めることができる。国家公務員の基準があるけれども、基準であってそのままではない。だから、それは年齢を条例で決められる。それから勤務延長、再任用、これも一年ごとに任用を反復する必要はない、何年でも任用ができるのか。あるいは勤務延長にしましても三年間に限ることはない、それも条例で自由に決めたらいい。こういうことになるわけですか。こういうことでありますならばよくわかりますが、そうなんですか。
○宮尾政府委員 そこまで細かく申し上げますと非常に時間が長くなりますし、条文をごらんになっての御質問かと思いまして説明を少し省略をしたわけでございますが、正しく申し上げれば、定年年齢につきましては、基本的には国の職員について定められている定年を基準として定めるということになります。 ただし、それぞれの地方公共団体におきまして、職務と責任、特殊性があること、あるいは欠員の補充が困難であるというような事情があって、国の職員について定められておる定年を基準として定めることが実情に合わない、こういう場合には、二十八条の二第三項の規定によりまして、国の職員について定められている定年年齢とは異なった形で定年を定めることができる。ただし、この場合にも、当然国や他の地方公共団体の職員との間の権衡を失しないようにしなければならない、こういうふうに定めておるわけでございます。 それから、いわゆる勤務延長につきましても、無原則にできるということではございませんで、勤務延長をしなければならない場合には、条例で定めます日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で勤務延長をさせることができる、更新をする場合には、当然これは条例で具体的に定めるわけでございますが、一年を超えない範囲内でさらに更新をし、通算して三年を超えることができない、こういうことになっております。再任用についても、細かく言えばそういうようなことがこの法律で定められておるわけでございます。
○三谷委員 それは結局裁量権がないということだ。つまり、この法律で決まっております事項をそのまま条例化せよ、そしてそれに反するものは法律違反だ、こういう考え方でありますから、それは決して地方自治団体の長の裁量権あるいは人事委員会等の機能というものを保障することにはならぬ。いろいろおっしゃっておりますけれども、全体の大筋を見るとその点非常に明確なわけです。ここのところが、地方自治の本旨というものを擁護すべき自治省として、このような法律を安易に出すべきものではない。 先ほど申しましたように、四十四年のとき、あるいは二十二年の大分県に対する回答等というものは、一貫して地方自治という観点が損なわれずに生かされている。今度の場合はそうじゃない。今度の場合は、国家公務員の法律ができたから、地方公務員もそれにならって全部一律にやるということですから、人事問題というのも、これは地方自治体のやはり自主性、自律性というものが生かされるべき地方行政の部門でありますから、この部門だけは地方自治が侵害されても構わないという性質のものではないと思う。 あなたの御答弁を聞いておりますと、いろいろおっしゃっておりますが、それは私が質問しております事項について明確な立論としては受け取ることができません。しかし、時間がありませんからこのことばかり言うわけにはいきませんから、このことはひとつ指摘しておきたいと思うのです。 もう一つ大臣にお尋ねしますけれども、一昨年の八月十日の閣議の決定で「新経済社会七カ年計画」というのが発表されております。これによりますと、「中高年齢者の能力を十分活用することは、我が国経済社会の長期的発展にとっても重要な要件である。」とされております。そうして、「六五歳までの中高年齢層を対象に積極的な雇用政策を推進する。」こうおっしゃっております。 「六〇−六四歳層については再雇用、勤務延長等の形態を含め、実質的に企業における雇用が延長されるよう努める。」となっているのです。これは努めるのはだれが努めるわけでしょうか。「実質的に企業における雇用が延長されるよう努める。」となっておりますから、民間企業だけやれということなんでしょうか。そうして、公務員につきましては問題外であるというお考えなんでしょうか。そこはいかがでしょうか。
○安孫子国務大臣 努めるのは、それぞれの責任分野において努めるということだろうと私は思っております。
○三谷委員 それで終わりですか。そうしますと、それでは一体自治省はどのように努めようとしているのか。ここに書いていますのは、六十五歳までの中高年齢層、六十歳から六十四歳層については勤務延長等の形態を含めて努力する、こうなっている。これが一昨年の閣議決定として公にされたものでありますが、そういう閣議決定がありながら、この種の中高年齢者を排除する法律の制定、そして裁量権なしにそれを自治体に押しつけるやり方というものは、この閣議決定に沿って一体どういうふうに評価されるのでしょうか。
○安孫子国務大臣 それは、経済計画におきましてはそういう目標を定めておりますが、国家公務員において定年制を六十歳ということで採用したわけでございます。これは民間企業の実態あるいは現在の定年というか勧奨退職の年齢の関係、いろいろなことを考慮いたしまして、大体この段階では六十歳が適当だろうということで決められたものだと思うのです。したがって、地方公務員につきましても、そうした全般の状況、国家公務員の定年制の年齢、そういうものを十分に頭に入れまして、そして大体六十歳と、やはり同じようにすべきだろう、こういう結論を出しているわけでございます。 もちろんこれは、私としては、恐らく固定的なものではありませんで、今後社会情勢の変化等に応じましてまたそれが是正されると申しますか、変更される場合だってあり得るわけでございますが、最初におきましては六十歳でスタートするのが一番適切であろう、こういう判断に基づいて御提案をしているわけであります。
○三谷委員 民間の定年年齢は延長傾向にあると聞いております。私がちょうだいしました資料を見ますと、六十五歳定年というのも、四十二年の一・五%に比べると五十三年には四・四%に達しておるようでございます。五十七年になりますと、六十歳以上定年制が五〇%近くなると見込まれておるようでございます。 つまり、社会の趨勢というものは定年延長の方向に向かっておるというわけでございますが、そういう中で、中高年齢者の雇用政策ということを叫ぶ政府が、国でも地方でも一律に六十歳で公務員をほうり出すという措置が果たして妥当なことだろうかという疑問をだれしもが持つわけでござ いますが、その点はどうでしょうか。
○宮尾政府委員 民間企業におきます定年年齢でございますが、これは五十五歳が中心になっておりましたものから、漸次六十歳の方に移行をしておるという状況でありまして、六十歳定年年齢の定めをしておる企業が相当数ふえてきておるということは事実でございます。 ただ、現時点では、まだそういうところに全体がそろっているわけではなくて、むしろ政府としても定年年齢を延長する方向で指導している中で民間企業が動いている、こういう実態にありますし、そういうことを踏まえまして、人事院が書簡という形で公務員の定年制度について意見を述べておりますけれども、この中でも、公務員について六十年六十歳定年を実現することが望ましいと、こういうことでもありますので、国家公務員について原則六十歳の定年を六十年に実現をする、こういう方針が決められたわけでございます。 したがいまして、地方公務員につきましても、国家公務員とそこは同じ事情にあると考え、また均衡をとる必要があると考えまして、六十歳の定年を六十年から実現をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○三谷委員 いまの現実の状態から見ますと、平均年齢がどんどん延長しております。そのために、中高年齢者をどのように、雇用問題にしろ生活問題にしろ解決するかというのが、一つの社会的、政治的な大きな課題になってきている。これをどうしても片づけなければ、長生きはしたけれども飯が食えないというような状態になってくるわけですから、そういう課題にこたえるべき時期に、六十歳で公務員は解雇するのだというふうな措置が、いまの社会の趨勢から見てそれに順応した正しいやり方だろうかという疑問を持つわけでございます。 先ほど申しました閣議決定を見ましても、再雇用や勤務延長の形態を含めた雇用の延長を非常に重視されておるわけです。そしてまた、民間の退職年齢というものも、いまは六十一歳から六十四歳、六十五歳というのもかなりふえてきておるわけであって、いまおっしゃいますような社会的な情勢に応じて民間企業の定年も徐々に延伸されつつあるという状況の中で、それをむしろ助長することがこの閣議決定の一つの課題だと思いますけれども、そうでなしにむしろそれを六十歳で打ち切るかのような、先導的な役割りを今度果たそうとされておるわけです。これは決して妥当ではないと私は思いますが、いかがでしょうか。
○宮尾政府委員 定年年齢をどのように設定するかということにつきましては、同じ公務員制度であります国家公務員との均衡ということも考慮して六十歳ということを決めておるわけでございますが、この原則六十歳という考え方は、たびたび繰り返しますように、民間企業におきましても六十歳定年年齢というものはまだ全部ではございませんで、いま六十歳の方に向かって定年延長の動きがある、こういう状況にありますので、そういうことを踏まえて六十歳という年齢を考えておるわけでございます。 なお、地方公務員の場合について申し上げますれば、現在勧奨退職によりまして退職をしておる一般職員の平均年齢というのは、大体五十七歳あるいは五十八歳というのが現実の状況であります。そういう実態も踏まえてみますと、民間とのバランス、現実の公務員の退職年齢、そういった中で定年年齢を原則六十歳というふうにすることは、やはり適切な措置ではないかというふうに判断をいたしておるわけでございます。
○三谷委員 勧奨年齢が五十七歳、五十八歳とおっしゃっておりますが、定年制ができても勧奨はやるんでしょう。それはやらぬというわけじゃないでしょうが。お答えがどうも歯切れが悪い。こちらが指摘しておりますような矛盾について、明快な解明がなされておりません。言いわけに終わっている。それじゃ私は納得できません。 それから、昭和五十二年十二月二十三日の「行政改革の推進について」という閣議決定におきまして、公社公団、いわゆる特殊法人の役員に係る定年制が示されましたが、これによりますと六十五歳が定年になる。特別の事情のある者は七十歳としておる。この特殊法人は、当時の福田総理の言明によりますと政府の延長である、こうおっしゃった。その政府の延長である特殊法人等の役員だけが、なぜ六十五歳、七十歳の定年になるのか。この点は、行管庁が来ておればそちらから聞いてもいいんですよ。
○石坂説明員 お答えいたします。 特殊法人の役員の年齢制限の問題でございますが、それは御指摘のように五十二年の十二月の閣議決定でそのような制限を設け、また五十四年末の閣議決定におきましてもそのような制限を引いておりまして、それに従いまして厳格な管理を行っておるわけでございます。いわゆる特殊法人を管理する理事者としての年齢ということでございまして、それはまたそれなりに別の基準で判断をしたものというふうに考えておるわけでございます。
○三谷委員 これはいわゆる役員と称せられる役職もありますし、中間管理職というのもあるようでありますが、しかし、ここで六十五歳で十分な管理能力を発揮して能率が十分に発動できるものであれば、国家公務員や地方公務員が六十歳というのも首肯できない話です。 とにかく整合性とおっしゃいますが、あなたは地方と国家公務員の整合性だけをおっしゃいますけれども、この種のいろいろな問題の整合性がいま特に大事なときではありませんか。六十五歳、七十歳の定年というものが実際、政府の延長であるべき政府業務の代行機関において実施されておるという事態を見ますときに、ここら辺の問題を片をつけずに下級の公務員だけがこの定年制によって職を失う、そして高級者につきましては七十歳までの定年まで保障されるというふうなことでは、やはり社会的な公正に反するのではないかという疑問を持ちますけれども、いかがでしょうか。
○宮尾政府委員 特殊法人の役員の定年年齢と一般公務員の定年年齢という比較をするよりも、やはり公務員の定年年齢につきましては、定年制度というものが職員の新陳代謝を促進しまして組織の活力を生み出し、そして行政というものが効率的な運営ができますようにこういう制度を設けるわけでございますから、国家公務員と地方公務員とのバランス、それから民間におきまして定年制度というものが九七・八%まで設けられておるわけでございますが、そういう民間における定年制度の実態というものを踏まえて公務員の定年年齢をどうするか、こういう判断をするのが最も妥当であると私ども考えておるわけでございます。
○三谷委員 当時の福田総理は、このことを指摘しましたら、公務員の定年が延長されたのだというような形が公社公団の人事に出てきておる、こうおっしゃった。定年があるかのような錯覚をなさっているようですけれども、当時、定年はできていなかったが勧奨退職制度があった、その延長が公社公団の人事に出てきている、こんな感じがするので、これは全力を挙げて是正する、こういう約束をなさった。これは速記録にはっきりと残っている。 ですが、いま行管庁が何か管理職だからどうとかこうとか言っておりますけれども、そういう職種の問題としてではなしに、六十五歳とか七十歳というようないわゆる定年制度が一方で政府によって確認されておるということが現実にあるわけであって、そういう点から見ますと、この問題の扱いというものが地方自治の観点からしましてもそうでありますし、いろいろな矛盾が多過ぎるということを私は申し上げたいのであります。 そこでもう一つ、特殊法人の問題について自治省にお尋ねしますけれども、自治省が監督する特殊法人は幾つありますか。
○宮尾政府委員 四つと承知いたしております。
○三谷委員 今回統合します地方団体関係団体職員共済組合とそれから日本消防検定協会と消防団員等公務災害補償等共済基金、公営企業金融公庫の四つでございますね。このことですか。——そこで、日本消防検定協会というのがありますが、これは何を目的にして設置したものでしょうか。
○鹿児島政府委員 昭和三十八年の消防法の改正によりまして、従来消防研究所が任意検定を行っておりましたものを、日本消防検定協会を設置いたしまして消防機器等につきまして強制検定をさせる、かような趣旨で設置した団体でございます。
○三谷委員 その消防検定協会の役員の件でございますが、役員の任命については消防法二十一条の二十六で、理事長及び監事については自治大臣、理事についても理事長の意見を聞いて自治大臣が行うことになっておりますが、これはそのとおりでしょうか。
○鹿児島政府委員 そのとおりでございます。
○三谷委員 そこで、この役員を任命する際に何を基準にして選択をされるのか、内規等がありましたら教えていただきたい。
○鹿児島政府委員 日本消防検定協会の役員の選任につきましては、消極的要件につきましての規定は消防法上ございますが、積極的要件は特に定めがございません。したがいまして、その都度適切な人材を選任するという形になっております。
○三谷委員 そこでお尋ねしますが、検定協会の役員の状況を見ますと、人事院の事務総長などがここの理事長に就任されております。理事も、人事院の公平局長さんだとかそういう方が就任されておりますが、これは技術的な検査をする協会であります。そういうところに、技術についての知識があるとは思えない人事院の事務総長だとか公平局長だとかいう方が就任されておるのは、一体どういう基準によるものでしょうか。 それから、この役員は全員が天下りでありまして、内部登用が全然ないわけです。そして、その就任状況を見ますと、一年とか二年とか一年三カ月とかいうごく短期間になっている。そのために、ここの役員さんは、他に異動するためのポスト待ちの腰かけポストと言われておるわけでありますが、なぜそういうふうに一年や二年で役員がかわるのか。そうしてここの役員が内部登用がなくて、自治省関係だとか人事院関係の方々によって、天下りによって占められておる、こういう状況と、この技術的な仕事をする役所との関連はどうなっていくのでしょうか。
○鹿児島政府委員 ただいま御指摘がございました役員を含めまして、先ほど申し上げましたようにその都度適切な人材を御選任いただいておるわけでありますが、理事あるいは理事長につきましては業務全般を監督するという立場もございまして、必ずしも技術に通暁いたしませんでもそういう人材が得られる、こういう観点から選任されたものというぐあいに理解をいたしているわけであります。 それから、二番目の天下りというお話でございますが、これは発足以来理事長さんが五人、理事さんが十人それぞれ選任されておりますけれども、消防庁なり自治省なりあるいは地方公共団体なりというところからそれぞれ選任をいただいているわけでございまして、すべてが天下りというわけではございません。 内部登用につきましては、発足後日が浅いこともございまして、まだ内部登用をいたしました役員はございませんが、これはやはり将来の一つの検討課題であろうかと考えております。 それから短期間ということにつきましては、それぞれの役員さんの任期がそれぞれ違っておるわけでありますが、たとえば理事長について申し上げますならば、昭和三十八年十月から四十七年六月までなさった理事長さんもおいでになりますし、現在の理事長さんは昭和五十四年十二月以降今日まで御在任中ということでございます。したがいまして、こういう方々が技術につきましてそれぞれ全般的な立場から監督をするというたてまえで、検定協会の業務が推進されておるわけでございます。
○三谷委員 通り一遍のお答えで、そういう答えでは納得できるものじゃありません。創立後日が浅いとおっしゃっておりますが、二十年たっているのじゃありませんか。二十年と申しますと、二十歳で採用された青年でも四十歳になっている。それ以上の採用もあるわけですから、四、五十歳に達する職員がかなりおるわけでありますが、それがなぜ内部登用ができないのか。 それから、五十四年の十二月に閣議決定によりまして、「全特殊法人の常勤役員については、国家公務員からの面接の就任者及びこれに準ずる者をその半数以内にとどめる」こういう決定がなされておりますが、ここではどうなっておりますか。半数以内じゃない、全員がそうなんでしょう。なぜ、この閣議決定というものが実行されないのか、大臣にお聞きしたいと思う。
○安孫子国務大臣 あの閣議決定の趣旨は、個々の団体がおのおのそうであるべきということじゃなくて、全体を通じてそういうふうにすべきであろうというふうな決定だと私は承知をいたしております。
○三谷委員 個々の団体が半数以下にしなければ、全体が半数以下になるわけがない。そうしますと、あるところはもう全部天下りを削ってしまって、だからあるところは全員残っている、こういう御理解なんですか。それは少し論理的におかしいですよ。
○安孫子国務大臣 しかし、決定の趣旨はそういう決定の趣旨であるということでありまして、したがって、いま団体の役員なんかも多いところも少ないところもある。検定協会になりますと、これは本当に販売に直接関係する、そうしたものを検定をする機関でございまするので、業界、民間人からというわけにもなかなかいかぬ事情もある、そういうようなことで、大体いまの要員でもってその仕事をしておるということでありまして、これを半分以上民間からという場合には、なかなかこの要員を確保することもむずかしいという事情もある。閣議決定の趣旨というものはそういうものである。 だから、いまお話しのように、その分はどこかで穴埋めしていることになるのじゃないか、それはおかしいじゃないかとおっしゃるけれども、そういうのを大体全体を通算してそういうことにしていこう、こういう閣議決定の趣旨だということで私どもは検定協会を預かっておるわけであります。
○三谷委員 そうしますと、検定協会の役員の全部が天下りという状況については、これはこれでいいのだというお考えなんでしょうか。改善すべきだという意思はないわけなんでしょうか。
○安孫子国務大臣 もちろん、これで非常によろしいのだというのじゃありませんで、閣議の決定が全体を通じてでありましても、個々の団体におきましても、そういう方向が望ましいことはわかるわけであります。ただ、検定の趣旨から申しますと、要員が得られにくいという事情があるためにこうなっておるのでございまして、将来ともこれでいいのだという考え方をしておるわけではありません。
○三谷委員 要員が得られないという話でありますが、いまの役員を見ますと、たとえば理事長、この方は検定協会の理事に天下りされてから理事長になられましたが、自治省の出身だと思います。それから理事も、大阪府の総務部長をしていた方がここに天下りをされております。非常勤理事といいますのは、損害保険協会の専務理事、監事というのは、いまは堺市の助役がここに就任しておりますね。 これを見ますと、消防器具の検定と一体どういう相関関係を持っているのか、どこで有機的な関係があるのか全くわからない。つまり、適当なポストがない人にこれを提供するか、あるいは次のポストに行くまでの時間待ちにここを提供するか、そういう性質のものになっている。ですから非常に任期が短い。ずっと以前は八年とかいうのがありましたけれども、いまはほとんど一年とか二年になっている。ですから、仕事になれたときにはもう次のポストに行ってしまうというような状態になっているのであって、これは自治大臣が最善とは言わないとおっしゃいましたけれども、最善でないどころか、これは最悪の一つである。 私は、こういう状態では、いまの閣議決定の精神からしましても好ましいものではないと思っております。改善をしていただきたいと思う。それについて、大臣なり次長でもいいから答えてもらいたい。
○鹿児島政府委員 現在の役員について申し上げますと、理事長につきましては自治大学校の校長から参りましたが、その前職は、現在私がやっております消防庁の次長でございまして、消防行政に一応通暁している形になっております。 それから理事は二名おりますが、いまお話がございました大阪府から参りました理事につきましても、かつて消防庁勤務の経験がございます。また、いま一名の理事につきましては、これはその技術の専門家でございまして、日本消防設備安全センターの方から理事として就任をした方でございます。それから、損保の理事さんにつきましてはお話のとおりでございまして、監事さんもかつて消防庁勤務の経験があるということでございまして、いずれも消防行政につきましては一通りの知識、経験は持っているというぐあいに私どもは理解しているわけでございまして、お話の点も踏まえまして、今後とも役員構成の改善につきましては努力してまいりたいと思います。
○三谷委員 要するに、これは消防庁の指定ポストということだろうと思うのです。自治省関係はそういうポストが非常に少ないものですから、いろいろと天下りについて苦慮されておることは知っております。消防庁は恐らくこれが指定ポストになっている。いま、消防庁出身だから消防検定協会にふさわしいというふうな口吻でありましたけれども、要するにこれは消防庁の退職者を処遇をするポストになっている、そういう印象が非常にいましたわけでございますが、こういうものについては、そういう憶測の発生しないような公正な扱いをしてもらいたいと思う。 この協会が果たして必要かどうか、これは私はわかりませんけれども、必要であるとするならば内部の勤務者などの登用を行って、そしてそれこそこの事務能率が一層向上するような形でやっていく必要があると私は思います。その点についてもう一度……。
○鹿児島政府委員 御指摘の点につきまして検討させていただきたいと思いますが、ただ最初に沿革で申し上げましたとおり、本来この検定は国家検定であるべき性格のものでございました。たまたま人員、組織等の関係がございまして、国家検定にかわるものとして消防検定協会が検定を行っている、かような事情につきましても御理解をいただきたいと存じます。
○三谷委員 時間が来ましたから、もう一問で終わります。 いま幾つか指摘しましたが、一方ではこういう状況もあるということです。そして高級な役人につきましては、定年がいろいろな形で延長されておるという一つの事実を足元から指摘したわけでありますが、そういう点からしまして、六十歳の定年というのでは高級な役人の方々も満足なさらない、どうしても天下りのポストが欲しい、それを保障する、これが公社公団や特殊法人の一つの要素になっていると私は思う。そういう社会的な現実というものは無視できない。 ところが、そういうのを別にしまして、一般公務員だけは、いま申しましたような社会の趨勢に反するような一律な年齢による介入を行っていく。そして本来言いますと、地方自治の本旨として尊重さるべき地方自治の権限内における決定まで法律で行ってしまうというふうなことが行われておるわけでありまして、この点が私はこの問題について了承できない重要な点でございます。 時間が参りましたからこれで終わっておきますが、私どもの意見につきましては討論で申し述べたいと思っております。
○左藤委員長 細谷治嘉君。
○細谷委員 すでに地方公務員法の一部を改正する法律案につきましては、たくさんの委員の方々から、基本的な観点からあるいは具体の問題につきましてマクロの立場あるいはミクロの立場から多角的な質疑が展開されております。質疑もおおむね終局に差しかかっておりますし、また国家公務員の定年制の問題につきましては、午後三時から上の十六委員室に総理大臣が見えまして最終的な質疑が展開されております。そこで、いままでの委員の皆さん方の質疑で問題点であると私が考えた問題、特に先ほどの総理の答えは国家公務員の問題でありますが、より多様性を持っておる地方公務員については、きちんと質疑を通じてポイントを整理しておく必要があるのではないか、こういうふうにしみじみと思っております。 そこで、その問題について、余り形容詞がつきますとどうも誤解がつきがちになりますから、形容詞をつけないで単刀直入に御質問をいたしますので、単刀直入に責任者である自治大臣からお答えをいただきたい、こう思います。 なお、この委員会に条例準則のメモなるものが出されております。この問題も大変重要な内容を持っていると思っておりますけれども、まだはっきりしないところがたくさんございます。そこで、そういう問題についてはやや技術的な問題になりますので、あるいは大臣でなくて公務員部長からの答弁ということになるかと思いますけれども、これもひとつ確認の意味で御答弁をいただきたい、こう思います。 まず最初に、内閣委員会でも質問があったところでありますが、本法の改正によりまして昭和六十年三月末から地方公務員にも定年制が実施されることになるわけであります。定年制は、政府のたびたびの答弁にもありますように、現在の勧奨退職にかわる新たな退職管理の手法として導入され、しかも、分限の一項目として、本人の意思に反して強制的に退職させる制度でありますから、この趣旨から言いますと、当然に組織的、集団的、強制的な退職勧奨はあり得ないと考えるのでありますが、自治大臣、いかがですか。
○安孫子国務大臣 定年制度実施後は、当然に組織的、集団的、強制的退職勧奨はあり得ないと考えるがどうかというお尋ねでございます。 これまでもたびたび御答弁申し上げておりまするように、政府といたしましては定年制度導入の趣旨にかんがみて、人事管理の必要上、幹部職員についての個別的な退職勧奨をする場合を除きまして、組織的、集団的退職勧奨はなくなっていくものと考えております。
○細谷委員 公務員部長、技術的につけ加えることはありませんね。 次の第二点は、地方公営企業労働関係法、いわゆる地公労法の適用、準用職員につきましては、公共企業体等労働関係法適用職員と同様に、憲法二十八条の労働基本権の保障を基本にして、現行法のもとで退職にかかわる事項を含め、賃金、労働条件に関して団体交渉をし、労働協約を締結する権利が保障されております。本法案の基礎となった昭和五十四年八月の人事院総裁の書簡でも、いま申し上げた趣旨をくんで、これらの職員については別の法律をもって定年制の導入を図ることが望ましいとしていました。 ところが、地方公営企業労働関係法の母法という関係にあり、同様の取り扱いになっております公労法の適用職員につきましては、給与特例法で国家公務員法を読みかえるという規定になっており、職員の生存に直結する基本的権利である団体交渉権、労働協約締結権を制限してしまう危惧が大きく存在しております。加えて、地公労法の適用、準用の場合は、その給特法に対応する特例法もなく、その危惧は一層大きいものがあります。 そこで、自治大臣にお伺いするのでありますが、本法の施行が憲法に保障される基本的権利である団体交渉権、協約締結権を否認するものではなく、従来と同様に定年にかかわる事項旭団体交渉の対象としてあることを明確にしていただきたいと思います。いかがですか。
○安孫子国務大臣 地方公営企業労働関係法の適用、準用職員に関する団体交渉権、協約締結権があるかというお尋ねでございますが、政府といたしまして、公共企業体等労働関係法、地方公営企業労働関係法によって保障される団体交渉権、労働協約締結権は、最大限度に尊重しなければならないと考えております。 五現業職員につきまして政府は、人事院総裁の書簡の趣旨を尊重いたしまして、いわゆる非現業職員と扱いを一部異にして、給与特例法にその特例を定めることとしておるわけでございます。給与特例法によりまして主務大臣が定めるということにいたしておりまするのは、公労法第八条第四号に基づき、当然に団体交渉事項であるとの理解によるものでございます。したがいまして、地公労法の適用、準用職員につきましても、五現業職員について団体交渉の対象となる事項につきましては、地公労法第七条第四号に基づき当然団体交渉の対象となるものと考えております。
○細谷委員 第三点は、この法律案では、雇用延長等につきましてその範囲、基準が定かであるとは思われません。このままですと、恣意的、情実的人事の横行によって、公正な人事管理が破壊されるおそれを危惧せざるを得ません。そこで、それらの弊害を除去し、円満にして円滑な人事管理を確保するため、現業職員はもとより、いわゆる非現業職員についても、当該職員団体の意見を十分に反映するよう運営する必要があると考えますが、いかがでございましょうか。
○安孫子国務大臣 雇用延長等について、当該職員団体の意見を十分に反映するよう運営する必要があると考えるがどうかというお尋ねでございます。 公正にして円満、円滑な人事運営は人事行政の基本であります。そのために、関係職員団体の意見を十分尊重していくことは必要であると考えております。地方公共団体におきましても、この趣旨を十分理解してもらいまするように強く希望いたしております。
○細谷委員 第四点は、定年制が導入されることに伴いまして、定年年齢に達して、共済年金の受給資格がないまま退職せざるを得ない公務員が発生することになります。従来はこのようなケースについては、勧奨の実施の上で弾力的な取り扱いがなされ、退職後の生活不安を取り除いた上で円満に退職するという措置がとられてまいりました。 定年制がこのまま施行されるということになりますと、そのような弾力的な運用の道は閉ざされ、共済年金の受給資格を持たないまま、退職後の生活設計が全く立たないで退職せざるを得なくなります。このような気の糧な退職者が生まれることは、公務員制度の将来に重大な禍根を残すことになりますし、しかもこのような職員はきわめて少数であるわけでありますから、特別の措置をとることがどうしても必要ですし、またその措置をとることは手続面でも財政的にも容易にできることだと思います。 さらに、現在在職している公務員は、一定の自然年齢に達したら本人の条件いかんを問わず強制的に退職させられる定年制はないものとして入職し、勤務し続けてきたわけですし、定年制の導入はいわゆる雇用契約の一方的変更という重大な制度の転換でありますから、当然共済年金受給の保障は必要だと思います。 加えて、現行公務員法上、公務員は退職した後も生涯守秘義務が課せられ、それに違反すれば懲役刑などの刑罰が科せられる制度に置かれていることは御存じのとおりであります。この公務員制度を担保するためにも年金の支給は政府として最低限の義務だと考えますが、自治大臣、定年制の施行によって生まれる共済年金の受給資格を持たないまま退職せざるを得ない気の毒な方々に特段の措置を講ぜられる考えを当然お持ちであると思いますが、いかがでしょう。
○安孫子国務大臣 年金の、受給資格のない者に対する特例措置を考えておるかどうかというお尋ねでございます。 この点につきましては、定年制度が施行される際に通算退職年金も含めての年金の受給資格のない職員が生ずるという問題につきましては、民間における任意継続組合員等の特例措置を参酌いたしまして、共済法上特例措置を設けることによりまして対処することが適当であると考えておるのでございまして、この点今後とも関係省庁間で協議を行わせ、定年法が施行されるまでの間に具体化し得るようさらに検討を進めてまいりたいと考えております。
○細谷委員 念のために、いまの大臣の御答弁についてちょっとお尋ねしておきたいのです。 いま大臣の答弁に、民間における任意継続組合員、これは内容がわかりますけれども、ここで「等」という字が入っております。この「等」は何を意味するのか、はっきりしておいていただきたいと思います。
○宮尾政府委員 補足させていただきますが、ただいまの御質問の「等」の意味は、十五年特例年金を意味するものでございます。
○細谷委員 この任意継続組合員等の「等」は十五年年金を意味する、こういうことがはっきりいたしました。 いまのお答えで、共済法上特例措置を設けるということでございますが、近くこれに基づいて共済法の改正というものが起こってくるでありましょうし、いまの「等」、いわゆる十五年年金というようなことにポイントを置いて救済措置を講じていただきたいと思います。これを強く要望しておきたいと思います。 次に御質問したい点は、国家公務員の場合、今回の定年制導入による定年退職者の退職手当法の適用については、従来の定年による退職者の場合と同様に、たとえば二十五年勤続の場合には国家公務員等退職手当法第五条の規定が当然適用になるわけでありますが、地方公務員の場合もそれと同様の取り扱いになると思いますが、大臣、いかがですか。
○安孫子国務大臣 、定年退職者の退職手当についての国家公務員の取り扱いと地方公務員の取り扱いについてのお尋ねでございますが、地方公務員の場合も国家公務員と同様の取り扱いになると考えております。
○細谷委員 次は、これは国家公務員にない職種でございますから、そういう点について問題点を整理して御質問したいと思います。 消防職員についても、例外なく六十歳までの雇用を保障する必要が起こってまいります。六十歳までの雇用を保障するとともに、現行の共済掛金の割り増し措置、これは千分の四・五割り増しされておるわけでありますが、割り増し措置をやめるべきであると考えますが、どうでしょうか。
○安孫子国務大臣 消防職員についての健用保障と共済掛金の割り増し措置についてのお尋ねでございます。 消防職員に係る地方公務員共済組合の行う長期給付金の財源率の問題は、消防職員の退職等の実態を踏まえまして、年金支給開始年齢との関係におきまして今後の財源率再計算の際に検討すべきものと考えております。
○細谷委員 いまの御答弁の中でちょっと明確にしておいていただきたい点は、今後の財源率再計算というお言葉がございました。今後の財源率再計算ということになりますと、五十九年、それからその次は六十四年、こういうことになります。消防職員は五十五歳から受給資格はある。そのために掛金が多くなっておる。財源率が千分の九、一般よりも多い、こういうことになっているわけであります。 これが、定年が六十になりますと六十まで勤める。こういうことになってまいりますと、六十の方に消防職員がシフトしていくことは間違いありませんけれども、それがどうなるかということはある程度実績を見なければわかりませんから、私は、五十九年の財源率再計算の際に完璧にこれを処理することはできないだろうということは常識的にわかります。六十四年の方に一部見直しが回っていくだろうということはわかりますが、その辺、もうちょっと具体的に明らかにしていただきたい、こう思います。
○宮尾政府委員 事務的なことでございますので私の方からお答え申し上げますが、今後の財源率再計算の際と申しますのは、一番早い時期は五十九年でございますが、ただいまの御指摘のように定年制度が六十年から導入をされるということになりますと、その退職実態というものがどのように変わっていくかということを踏まえる必要がありますので、さらに六十四年も今後のという中で考えていく必要があるというふうに理解をいたしております。
○細谷委員 次に、この委員会で加藤委員の質問がありまして、地公法改正案が国を基準とする以外は一切内容が明らかでないから、審議をするために条例準則を理事会の議を経て委員会の場に出されることを要請して、これは約束されました。そして「条例準則に関する参考メモ」なるものが出ております。これが理事会に提出が要望されて約束されたものですか。
○宮尾政府委員 そのとおりでございます。
○細谷委員 ところが、この「条例準則に関する参考メモ」は、地方公務員に対してどういうような定年制がしかれるのか、一向に明らかでない点があります。余りにも大ざっぱ過ぎて、そのほとんどが「人事院規則の制定をまって検討する。」となっておりまして、残念ながら審議の対象になり得ないと考えざるを得ません。自治省は、この法案を主体的に提出した責任において、もっと詳細なものを地方団体にはいつ提出する意図なのか、この辺をはっきりしておいていただきたいと思います。
○宮尾政府委員 人事院規則の制定を待ちまして、その後できるだけ早い機会に出したいと考えております。その具体的な時期については、確定的に申し上げることは困難でありますが、多分年末もしくは年度末ころとなるのではないかと考えております。
○細谷委員 多分年末もしくは年度末、こういうことでありますから、ことしの末か来年の三月ころまで、こういうことでいいですね。 次に、念のためにお聞きをしておきますが、この条例は単独条例として制定するよう準則で明らかにするものと考えてよろしいかどうか。
○宮尾政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○細谷委員 そこで、これに基づいて問題点があるので質問いたします。 今回の改正案によりますと、国の職員につき定められている定年を基準に条例で定年を定めることになっておりますが、この基準は六十歳を原則年齢にして定年をしくという原則事項のみを意味し、その他は地方公共団体の地方自治の本旨にのっとった自主的制定にゆだねられるのですね。そうでしょう。
○宮尾政府委員 国家公務員法に規定をされております内容のすべてが基準になると考えております。
○細谷委員 もう一つお尋ねしたいことは、ただいまの答弁ですと、このメモの「三、定年」の項のすべてが基準の範囲だということになってまいりますが、そうしますと、これらの事項については法定することと全く同一になってしまいます。つまり、形式のみ条例に名をかりて、内容は全く国家公務員法どおりのものを法的に強制することとなって、これは地方自治に対する侵害だ、こういうことになりますが、いかがでしょうか。
○宮尾政府委員 このメモの三のエを除きまして、国家公務員の定年を基準としておるものでございます。定年制度を設けることは法定事項でございますから、その上に立ちまして地方公共団体が自主的に法の範囲内において条例を制定するということにいたしておるわけでございますので、地方自治に対する侵害だとは考えておらないわけでございます。
○細谷委員 このメモの三のただし書き以下、アイウエとあるわけでありますが、ただし書き以下アからエは交渉の対象として考えてよろしいんでしょうか。いかがですか。
○宮尾政府委員 ただいまのアからエの事項につきましては、これは交渉の対象であることは御指摘のとおりでございます。ただ、基準を定めておるわけでございますから、それを逸脱することのないように指導してまいりたいと考えております。
○細谷委員 交渉の対象になり得るとすれば、法律案に言う基準との関係で、メモに言うアの「六十五歳」あるいはイの「六十三歳」という年齢を、交渉の結果変動した場合はどうなりますか。
○宮尾政府委員 基準という法律用語は非常に厳格な重い言葉でございますので、そのような場合がないように指導してまいりたいと考えております。
○細谷委員 基準をそういうふうに考えるならば実質的な団体交渉ではなくなってしまう、こういうことになります。とりわけ、アを除く項目に該当する職員の中には地公労法の適用、準用職員がおり、この職員の団体交渉権を否認するという重大な問題が起こってまいります。団体交渉権保障を担保するような準則上の措置を考えるべきだと思います。いかがですか。
○宮尾政府委員 御指摘の点につきましては、現行制度のもとにおきましても、団体交渉を否認する考えは持っておらないわけでございます。
○細谷委員 国と地方の職種上の差異が大きく存在することは先ほど来申し上げたとおりでありますが、この三のウ「その他(人事院規則の制定をまって検討する。)」「〇〇歳」こう書いてあります。この三のウが国公法八十一条の二第二項三号に対応するものであるならば、六十五歳まで勤務が可能となる場合がありますが、これに対してエの方はどうなるでしょうか。お答えいただきたい。
○宮尾政府委員 準則メモの三のウでございますが、これにつきましては人事院規則の制定を待ちまして具体的に中身を定めていきたい、こういうふうに考えております。 そこで、エでございますが、これは国家公務員について定められておる定年を基準とすることが実情に即さないような場合におきまして、実態を勘案して地方公共団体が具体的に条例の中で定めていく、こういうことになるものでございます。
○細谷委員 先ほど来質問にもありましたように、地方公共団体には火葬場とか斎場とかというものがあります。その中で、たとえば直接火葬に従事する職員がおります。この職員は三のウに該当するのか、それとも四の「勤務延長」に言う余人をもってかえがたい職務に当たるのか、どちらか、準則で指導する立場と責任において、その判断と基準を明らかにしていただかなければならぬと思います。 そうして、このような場合に、エに該当するなら、アからイ、ウの年齢を超えて年齢を定める条例をつくることができるのかどうか。いかがですか。
○宮尾政府委員 地方団体には、ただいまお示しがありましたように国にはない職種がありまして、たとえば火葬場や斎場等に勤務しておる職員もそういうものでございます。そこで、そういう職員についての定年の定めでございますが、これは、このメモの三のエに該当するというふうに考えられますので、地方公共団体がその実態に即して判断をし条例で定めるべきものだと考えております。 なお、その場合に、このメモのアからウに定めております国家公務員のいわゆる定年年齢を超えて年齢を定める、こういうことも可能であります。
○細谷委員 このメモの五の「再任用」については、国の場合は、その更新について人事院規則の定めるところにより運営されることとなっております。しかし、ほとんどの地方公共団体が人事院にかわる専門的人事機関を持っていない。そこで、公平、中立性というのをどう担保するのか、むずかしい問題でありますが、お答えいただきたい。
○宮尾政府委員 御指摘のように、都道府県、指定市等、特定のところを除きまして人事委員会は設置されていないわけでございますので、現行の地方制度のもとにおきましては、人事委員会が定めるべき事項は規則にゆだねざるを得ない、こういうことになるわけでございます。そこで、その場合、恣意にわたることなく公正に制度の運用が行われるために、ときには関係職員団体の意向を聴取するなど努めまして、人事の公平性、中立性が確保されるよう指導してまいりたいと考えております。
○細谷委員 いま私が質問を続けた中でも、いろいろなむずかしい具体的例があるわけであります。そこで、お尋ねいたしたい点は、本法律案の実施に当たりまして、この円滑な運用を図っていくためには、条例準則について地方公務員の意見を聞いてそして順調に進めていく、こういうことが大切だと思うわけでありますが、その用意があるかないか、お尋ねいたします。
○宮尾政府委員 これまでも関係団体とは、いろいろな問題につきまして意見を聴取をしてまいっておりますので、今後とも同様に対処をしてまいるつもりでございます。
○細谷委員 この準則というのはメモ程度でありまして、これ以上責めるわけにいかぬですが、お願いしたい点は、今年末かあるいは来年三月中、年度末中には、条例準則が人事院規則との絡みででき上がる、こういうことでありますから、この主管の委員会等にもその内容をひとつできるだけ早く示していただきたい、これを委員長に特に要望しておきたいと思います。 最後に、六十年に軌道に乗る、レールに乗っていく、こういうことでありますけれども、私は、本法が軌道に乗るまで、六十年までの間の経過をどういうふうなプロセスで進めていくかというのは、加藤委員の質問にありましたように大変重要で、しかも困難な問題であろうと思います。 そこで、そういうものを進めていくためには、やはり激変を避け、そして円満に運営できるように、十分な話し合いを進めて対応することが大切だと思っております。こういう点について自治大臣としての姿勢といいますか、考え方を明らかにしていただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 お話の点はきわめて重要でございまするので、十分に連携をとりながら、これを六十年度に持っていくように努力いたしたいと思います。
○細谷委員 終わります。
○左藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○左藤委員長 この際、本案に対し、自由民主党を代表して石川要三君より修正案が提出されております。 修正案の提出者から趣旨の説明を聴取いたします。石川要三君。 ————————————— 地方公務員法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○石川委員 ただいま議題となりました地方公務員法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 本法律案は、昭和五十五年中の成立を期し第九十三回国会に提出されたものでありますが、すでに同年が経過し、昭和五十六年に至っておりますので、本修正案は、本法律案附則第四条から第六条までの規定中に引用されております法律番号の年の表示を昭和五十六年に改めようとするものであります。 何とぞ、御賛成くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○左藤委員長 以上で修正案についての趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○左藤委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。石川要三君。
○石川委員 私は、自由民主党を代表して、政府提案の地方公務員法の一部を改正する法律案に賛成の意を表するものであります。 わが国においては、人口の高齢化が急速に進捗しており、地方公共団体もその例外ではなく、職員の年齢構造が今後一層高齢化の度を強めてまいることは周知のところであります。 現在、多くの地方公共団体において、職員の新陳代謝を図るため高齢職員の退職勧奨の措置をとっており、それなりの効果を上げていることは評価できるものであります。 しかしながらこの退職勧奨制度は、最終的には退職を職員の意思にかからしめているため、一定年齢に達すれば必ず退職するという制度的保障に欠けております。 したがって、このような措置をもってしては、今後一層職員の高齢化が進む状況の中にある地方公共団体において、長期的かつ計画的な人事管理の確保が困難であることは自明のところであります。 加えて、こうした退職勧奨の措置は、勧奨を受け入れる職員とそうでない職員との間に不公平を生ずるおそれがあり、現にそのことが職員の士気にきわめて悪い影響を与えている事例も見られるところであります。 したがって、このような事態を回避するためには、一定の年齢に到達することにより、だれもが公平に身分を失うことになる定年による退職制度を導入することによって、職員の新陳代謝を促進し、もって長期的展望に立った計画的かつ安定した適正な人事管理を各地方公共団体が確立し得るようにすることが何よりも要請されるところであります。 また、最近の人事院の調査によれば、定年制度を設けている民間の事業所は、全体の九七・五%を占めており、特に五百人以上の規模の事業所に限れば、実に九九・五%が定年制度を実施しているという状況にあります。 しかるに、公務員だけが、組織の新陳代謝とその効率化の促進に無関心であることは黙認できないところであり、この公務員に対する定年制度の導入は広く国民の要請にもこたえるものと信ずる次第であります。 本法律案によれば、地方公共団体の職員の定年は、国の職員につき定められている定年を基準として各地方公共団体の条例で定めるものとされているなど、地方自治の本旨の確保にも十分の配慮が払われております。 また、その基準とされる定年年齢は原則六十歳であり、民間企業における定年制度の実態及び今後の動向と同じ方向を目指すものであり、国の雇用政策との整合性が保たれ、かつ、地方公務員の身分の保障にも十分の配慮が払われていると考えられるところであります。 公務員の定年制度の導入は、労使の交渉により行われるべきであるとして、本法律案による定年制度の設置に反対する意見がありますが、職員の身分保障の根幹にかかわる分限制度として位置づけられる定年制度の導入は、その他の分限事項と同様に、基本的仕組みは労使の交渉によるものではなく、法律によって規定されるべきものであることは、現行制度上当然のことであります。 以上の理由により、自由民主党といたしましては、政府提案の地方公務員法の一部を改正する法律案は、まさに時宜を得、かつ適切なものと考え、同法律案に賛成するものであります。 終わり。(拍手)
○左藤委員長 佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました地方公務員法の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場から討論を行うものであります。 申し上げるまでもなく、戦後のわが国の公務員制度は、戦後のごく一時を除けば、マッカーサー指令による政令二百一号以来、きわめて不合理な状態のまま今日に至っております。 すなわち、憲法で保障された労働基本権が個別法たる国家公務員法、地方公務員法等で否認されている状態は、決して正常な姿とは言われません。政府及び自治体と公務員労働者との間の労使関係が常にぎくしゃくし、正常な関係の確立がなされない根源は、まさにこれに由来していると言わなければなりません。これまで定年制が法制化されなかったのは、まさにこのような不正常な状態の結果であり、それは労働基本権剥奪へのささやかな見返りであったと言えます。 このような戦後公務員制度の歴史にかかわる基本問題に目をつぶって、ささやかな見返り措置さえも奪おうとすることは、まさに強盗の論理にほかなりません。少なくとも定年制については、労働条件の一環として考えるべきであり、労使協議にゆだねることこそ、労使関係の正常な発展の第一条件であることを強く指摘しておきたいと存じます。 ところで、わが国が急速に高齢化社会に突入しつつあることは、今後のわが国の社会、経済を規制する大きなファクターであります。これに対応した行政制度の確立は、一刻の猶予もならない大きな課題と言えますけれども、今回の定年制の法制化に見られる政府の態度には、このような課題に積極的に対応する姿勢は皆無だと断ぜざるを得ません。 すなわち、先進諸国に共通して見られる雇用延長の動向に背を向けているばかりか、公的分野と私的分野の再調整に名をかりて、公的サービスの一方的縮小と個人の自助努力に負担を転嫁しようとする姿勢が明白であり、そこには現代社会における行政領域の拡大という国民生活防衛上の必然的趨勢に逆行する意図さえ見られるのであります。 こうした政策の一環として定年制が法制化されようとすることは、雇用政策よりも経済合理化を優先させることにほかならず、今後は、民間労働者の雇用政策に大きな影響を与えることは明らかであり、この点からも今回の定年制法制化は許容しがたいと言わざるを得ません。 以上のような基本的立場に立ちつつ改正案を見ると、幾つかの具体的問題点を指摘せざるを得ません。 その第一は、今回の改正が、昭和四十三年の改正案と異なり、分限規定に定年制を盛り込むことによって自治体を拘束していることであります。四十三年改正が労働条件の改正として提案されたのに対し、今回は、分限の改正に変更されていることはいかなる理由によるものか、全く不明であると同時に、これによって自治体の円満な人事管理が逆に阻害されることは明らかであります。 第二は、今回の改正が、首切り、人件費抑制など、経済合理化を意図することに急な余り、法施行に伴うさまざまな問題の整理が全くなされていないことであります。 すなわち、共済年金無資格者の保障措置、消防等の職員の共済制度上の問題に加えて、多様な職種を有する自治体の性格に対し十分な配慮がなされておりません。このような施行に伴う周辺問題に十分な解明と保障がなされないまま定年制を強行することは、今後自治体における正常な労使関係の確立を阻害することは明らかであります。 第三は、地公企労法適用労働者及び準用労働者の団体交渉権に大きな制約を加えていることであります。これまた、不正常な公務員制度をさらに拡大するものと言わなければなりません。 以上、私は、本改正案の基本問題について反対の立場から意見を申し上げてまいりましたが、最後に、本改正案が、民主、公正、効率という本来の行政改革に実際には逆行するものであることを強調しておきたいと存じます。 すなわち、職員の自発性、積極性を失わせ、住民と自治体職員との間の本来の協調と緊張関係を本改正案は失わせるものであり、また自治体の理事者にとっては、創意ある人事管理を失わせるものであります。その意味で、行政改革の一環として政府が意図する今回の定年制が、逆に本来の行政改革と無縁なものになることは遠からず明らかになることであろうと強く私は指摘いたしまして、討論を終わります。(拍手)
○左藤委員長 岩佐恵美君。
○岩佐委員 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま提案されております政府提出の地方公務員法改正案に反対の意見を述べます。 本改正案は、地方公務員に対して、年齢を理由とした法律による強制解雇を目的としたものでありますが、これは、第一に、地方公務員の身分保障を定めた地方公務員法制定の目的に反するものであります。 すでに審議の中でも明らかになりましたように、昭和二十五年に制定された地方公務員法は、当時の占領軍によってスト権を中心とする労働基本権が奪われ、その代償として、国家公務員とともに地方公務員に対しても、一般労働者とは異なる特殊な身分保障制度としての地方公務員法が制定されたのであります。 当時、政府は、この地方公務員法に対し定年制を盛り込むことを企図していたことが本委員会の審議において明らかとなりましたが、労働基本権剥奪の代償として一般的に地方公務員の身分保障を行わざるを得なかったのであり、このため、定年制の導入はおろか分限条項は、本人の事由によるものを限定列挙するにとどまったばかりでなく、当時少なくない自治体において戦前から実施されていた定年制は、地方公務員法違反として行政指導せざるを得なかったのであります。 したがって、今回の定年制導入は、この身分保障を定めた地方公務員制度の根幹にかかわる大改悪となるものであります。 この一方的な身分保障制度の後退に対し、労働基本権の回復がなされるのならともかく、三百万人を超える地方公務員労働者は、みずからの労働条件にかかわるこの大改悪に対して有効な対抗手段を与えられていないのであります。特に地方公務員にとって一方的譲歩となる制度改悪が、第三者機関の人事院の判断を契機としてなされていることは、人事院機能にかかわる重要な問題点をも同時に含むものであることを指摘せざるを得ません。 第二の問題点は、定年制導入には何ら合理的な理由がなく、また導入を円滑に行うための雇用対策や年金水準が十分に配慮されたものとなっていない点であります。 まず、一定年齢により強制解雇を図る考え方に合理性が見出し得ないことは、人の労働能力を一律一定年齢で区切ることは不可能であることが第一点。第二に、加齢により当該職務遂行に支障を来す場合は当然あり得るとしても、その場合は、ふさわしい職種等への配置がえによって対策を講ずることは可能であり、何ら定年即解雇という手段をとる必要性はないのであります。 この場合も、住民に奉仕すべき公務員労働者の基本的立場と効率的な人事運営を期すべき自治体当局との立場は決して相入れないものではなく、指導と協議により、あるいは退職勧奨制度の効率的、効果的運用により十分可能であります。 その上でさらに問題が生ずる場合は、分限条項の規定によることも可能であります。この場合は、次の雇用対策等への配慮など慎重を期すべきことは当然でありますが、現行地方公務員法と条例に分限規定がある限り、これによりまず効率的人事行政が図られるべきであって、通常高齢職員の批判されるべき実態というものが仮にあるとすれば、現行法で十分対応が可能であります。これを放置するのは自治省の行政指導の怠慢であり、また関係自治体の問題であって、何ら定年制の法制化とは関係がないのであります。 次に、定年制導入と雇用問題、年金水準の問題でありますが、高齢化社会を迎えて、仮に一定年齢で定年制を導入するとするなら、なお能力のある者に対する新しい職場の提供と、年金生活に入る者に対しては生活していける年金がともに完全に保障されなければなりません。この雇用と年金の双方とも不完全であり、また、これらがともに高級公務員に保障されており、一般公務員には全く保障されないことは審議の中でも明白になったところであります。 私どもは、この雇用と年金における上厚下薄ともいうべき差別性を断じて認めるわけにはまいりませんし、この問題を十分に解決しない状態のまま一方的な解雇だけを先行させる定年制というものを認めるわけにはいかないのであります。 最後に、地方自治の問題に関しても重大な問題点を指摘せざるを得ません。 政府提出の定年制度導入法案は、国家公務員法、自衛隊法、そして地方公務員法の三法案でありますが、人事院の判断に基づくものは国家公務員法並びに自衛隊法の二本であり、地方公務員法を改正して定年制を導入するというのは、政府の地方自治への介入となるものであります。 仮に、現行地方公務員法が分限条項以外の理由による解雇を認めていないため、現行法下の自治体の判断による定年制導入は違法だというのであれば、違法とならない程度の改正にとどめておくべきであって、この点は、第二十四回国会に提出された法案並びに第五十八回国会に提出された法案から見ても、自治体に定年制度導入の選択制を全く認めない後退した内容となっているのであります。 これは、地方公務員に対する労働条件を第三者の立場から取り扱う地方人事委員会の機能や権限を全く踏みにじるものであり、公務員制度における地方自治の破壊以外の何物でもありません。 政府は、この地方公務員に対する定年制導入を含むいわゆる公務員二法を行政改革の露払いとして強行成立させることをねらっていますが、公務員制度の目的に反するばかりでなく、導入に何の合理性も見出し得ない上に、地方自治の侵害にもつながる本法案の強行成立は、次に来る鈴木内閣の福祉の削減、教育破壊とつながる地方公務員の人員削減の攻撃と一体をなすものであり、真の国民的利益にも反するものとなることを指摘いたしまして、本案には反対であることを表明し、討論を終わります。(拍手)
○左藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○左藤委員長 これより採決に入ります。 地方公務員法の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、石川要三君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○左藤委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○左藤委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○左藤委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブを代表して、中山利生君外五名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。中山利生君。
○中山(利)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブの六党を代表いたしまして、地方公務員法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により、趣旨説明にかえさせていただきます。 地方公務員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、左記事項について善処すべきである。 一 将来、地方公務員について定年年齢の改正が必要とされる場合には、改めて検討するものとする。 二 定年制度が制定されるに至った趣旨にかんがみ、本法の施行後においては、定年年齢以下の年齢における組織的、集団的な退職勧奨はなくなるよう指導するものとする。 三 定年による退職の特例および定年退職者の再任用の運用に当たっては、勤務実績および関係職員団体の意見を反映する等運用の公正さを確保するものとする。 四 本法の運用に当たっては、本法の施行時に在職する者について、通算退職年金を含む年金の受給資格の有無につき配慮するものとする。 右決議する。 以上であります。 何とぞ、皆様方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○左藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 これより採決いたします。 中山利生君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○左藤委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、安孫子自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安孫子自治大臣。
○安孫子国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、善処してまいりたいと考えております。 —————————————
○左藤委員長 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○左藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時四十五分散会 ————◇—————