地方行政委員会 第14号
- 発言数
- 193 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/05/07
会議録
○左藤委員長 これより会議を開きます。 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本幸男君。
○松本(幸)委員 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に関しまして、御質問を申し上げます。 この法律につきましては、私自身余りなじみが薄く、しかも不勉強の上に、先日いただきました調査室の資料の初めにも、何か「複雑できわめてわかりにくいもの」であると断ってあるくらいでありますし、いま冒頭に申し上げたように落語の寿限無のような大変長たらしい名称の法律でございまして、果たして的を射た質問ができるかどうかわかりませんけれども、にわか仕込みでいろいろ勉強させていただきましたので、何点かにつきまして御質問申し上げたいと思います。 まず第一点は、この地方公務員共済組合が抱えております当面の最大の課題が何であるのか、さらにまた将来に向かってこの地方公務員共済組合が抱えている課題と申しましょうか問題点は何であるのか、お伺いをしておきたいというように思います。
○宮尾政府委員 共済組合制度は、先生御承知のように他の公的年金制度と並びまして、いわゆる公的年金制度の一環をなしております。共済制度は、公務員の退職後のいわば生活の保障をする制度でございまして、御指摘のようにいろいろな問題を抱えております。その中で特に大きな問題は、一つには、いわゆる老後の保障の役割りをしていきますこの共済年金制度というものが、将来を見越しても財政的に十分成り立つような状況になっているのかどうか、あるいはその給付水準というものが現在の状況でいいのかどうかというような、そういう問題が一つあるわけでございます。それから、さらには公的年金制度の一環でございますので、共済年金制度と他の公的年金制度との関係において、給付水準その他についてバランスがとれているのかどうか、こういった基本的な問題も検討課題とされております。そのほか、そういうことに関係をいたしましていろいろな問題がありますけれども、現在非常に大きな課題とされておりますのはそのようなところであろうかというふうに考えております。
○松本(幸)委員 実は、けさ起きましてたまたまテレビのスイッチをひなりましたら、第二臨調で公務員の年金が他に比べて高額であるからこれを検討課題にしてメスを入れるというようなことが報道されておりまして、きょう、地方公務員の年金の引き上げについて審議をするやさきに何か水をぶっかけられたような感じがしたわけでありますけれども、果たして地方公務員共済が、掛金あるいは給付を含めまして現行の制度で将来に向かって維持できるのかどうか。 すでに、国鉄等の共済についてはいわゆる成熟度に達して、財政的にも破綻の寸前にあるということがしばしば言われているわけでありますけれども、地方公務員の共済の場合にはまだそこまではいっていないようでありますけれども、現行の制度を維持して、掛金あるいは給付、両面を考えた場合に、将来に向かって維持できるのかどうかという点につきまして、ひとつお答えをいただきたい。 もう一つは、いま申し上げた第二臨調が一つの検討課題としてメスを加えるということについて、自治省としてのお考えもあわせてお伺いをしたいと思います。これはきのうの質問になかったわけでありますけれども、たまたまけさのニュースでそのようなことが報道されておりますので、あわせてお伺いしておきたいと思います。
○宮尾政府委員 最初に、現在の地方公務員共済組合の財政問題の御質問にお答えをしたいと思います。 現在、地方公務員共済は幾つかの組合、年金財政の計算単位としては十六の単位から成っておりますけれども、それら全体を通じまして年金財政の将来見通しはどうかということにつきまして、若干の前提を立てて推計してみますと、次のような状況になろうかと考えております。 その前提といいますのは、これは非常にむずかしい計算になりますので、一つには組合員数を一定としまして、第二に給与のベースアップとかあるいは年金改定率については毎年五%ずつ見込む、こういうような前提を立てて二十年程度の先を計算してみますと、これは非常に粗っぽい推計になるわけですが、現在の財源率を据え置いた場合には、単年度の収支がマイナスとなる最初の年度はおおむね昭和六十九年度ごろではないか。つまり、給付に要する費用の方が入ってくる収入を上回る年度が六十九年度ごろである。それ以降は積立金を取り崩していくことになりますので、積立金がだんだん減ってまいりまして、それが全くなくなるのは昭和七十八年度ごろではないか、こういう計算といいますか推計が出ております。 もう一つは、前提をもう一つ置きまして、国家公務員共済組合連合会が年金財政の将来推計をしておりますが、そのときに用いております前提条件と同様に、財源率を今度は若干ずつ上げていくということにいたしまして、昭和五十九年度に二〇%引き上げる、それから六十四年度に二五%引き上げる、六十九年度に三〇%、七十四年度に三五%ずつ引き上げる、そういう前提を立てて計算をしますと、単年度収支がマイナスになるのがずれまして昭和七十七年度、それ以降は積立金が漸減をしていく、こういうことが粗い推計として出ております。 したがいまして、こういうような推計結果から見ましても、あるいは他の年金制度の状況から見ましても、将来の年金財政というものを安定させるためには、財源率のある程度の引き上げがどうしても必要になるわけであります。 それと同時に、いまのような、地方共済でそれぞれ十六の単位に分かれているというような姿でいいのかどうか、こういう点についてもさらに検討していかなければならないということが考えられますので、こういった点につきまして共済年金制度基本問題研究会というものを設けて現在研究をいたしておりますので、そこでの検討結果も踏まえて将来適切な対処をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから、第二臨調の関係で年金制度が取り上げられるのではないかというお話でございますが、いまのお話にありますように、年金制度についてはいわゆる官民格差論といいますか、官民の間に較差があるということがかねがね言われておりまして、たとえば支給水準の差とか、あるいは費用負担の差とか、いろいろなことが言われておるわけでございます。こういったものについて、私どもまだ正式に伺っておりませんが、報道するところによれば、第二臨調で緊急課題として取り上げて検討しようというような御意向があるようでございます。 この問題は、いずれにしても公的年金制度全体を通ずる大きな問題でありまして、かねてから議論されていることではありますし、また私どもとしては、共済年金制度の基本問題研究会でも取り上げて研究していただいておる事項でもございますので、第二臨調での検討方向というものについては十分注目をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、先ほど財源計算のところで申し上げました二〇%、二五%というようなもの、これは二〇パーミリ、二五パーミリ、三〇パーミリ、三五パーミリ、こういうことでございますので、訂正をさせていただきます。
○松本(幸)委員 臨調が言うところのいわゆる官民格差、何か少しひがみかもしれませんけれども、いろいろな形で人件費が公務員の場合には民間に比べて高いのだ、年金もしかりなんだ、こういうようなことで、いわゆる人件費攻撃といいましょうか、そういったところに何となく焦点が向いているという感じがしないでもないわけであります。当然、公務員の共済と厚生年金、船員保険さらにはまた国民年金等々については、それぞれ歴史的な経過もありますし沿革が違うわけでありますから、ただ単に現象面だけをとらえて、金額だけのことで高いとか低いとか言うことは、必ずしも当を得ていないと私は考えるわけであります。 いまのお話で、いずれにしてもかなり長期に展望した場合には、現行制度のままでいきますとやがてはパンクをしてしまうというようなことが見込まれるわけであります。地方公務員の場合には、かなり先まで何とかやっていけるという状況でありますが、特に先ほど申し上げたように国鉄等の共済についてはもうパンク寸前だという状況の中では、地方公務員の方は相当期間このまま維持できるとしても、国鉄等の共済との関連というものについても全く無関係ではあり得ないのではないかというように考えられるわけであります。 そういった点を含めまして、基本問題懇談会なり地方公務員共済組合審議会でありますか、これらの機関で検討が進められているようでありますけれども、これらの答申というものはいつごろ出されることになるのか、その点の見通しについてお伺いをしておきたいと思います。
○宮尾政府委員 ただいまの御指摘にありましたように、いわゆる共済年金制度というものと他の公的年金制度については、沿革の違いあるいは性格の違いというものがありますので、官民格差ということについては、そのあらわれたものだけで単純に比較できない、もう少し掘り下げて比較しなければならないということは御指摘のとおりであります。そういう問題等につきまして、共済年金制度基本問題研究会が昨年六月から発足をいたしまして、おおむね二年をめどにその研究を現在やっておるわけでございます。 この共済年金制度に関する問題、特にいまお話がございました国鉄の共済組合等の問題も含めまして検討を急がなければならないという考え方から、二年間ということではありますが、できるだけ早い時期に中間的な報告等も取りまとめようではないかというような議論をして、目下研究を急いでおるところでございます。ただ、いっそういう中間報告を出すかというようなことについては、まだ明確なめどは立っておりません。
○松本(幸)委員 いずれにいたしましても、いまお話しのように地方公務員の共済だけでも十六も単位組合があって、法的費用は別としましても、それぞれ掛金が違い、給付等も多少の違いがある。そういったものを統合するだけでもなかなか容易ではないと思いますし、いわんや国民年金を含めて厚生年金あるいはその他の年金等を全部統合するということは容易ではないと思いますけれども、やはり究極的にはその方向に向かっていかなければならないというように思いますので、今後も十分年金財政を勘案しながら、それらの抜本的な改革についても御検討をいただきたいというように考えます。 続いて、具体的な問題の質問に入りたいと思います。 まず第一点は、地方公務員共済組合のいわゆる長期給付に対する費用の公的負担でございますけれども、厚生年金を例にとれば、国庫の支出金が二〇%ということになっておりますが、地方公務員共済の場合は国庫の支出金は全くない。民間の事業主と同じような、それぞれの地方団体が事業主負担をすると同時に、いわゆる国庫支出に見合う公的負担をやっている、こういう現況のようでありまして、それが大体二八%、こういうことのようであります。 このように、厚生年金に対しては国庫が二〇%の公的負担をやり、地方公務員の場合には国庫は全然支出をしないで地方団体から二八%の公的負担が行われておる、こういうように費用負担が異なっているのはなぜなのか、その理由についてひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○宮尾政府委員 いま御質問にありましたように、厚生年金等につきましては国が財政負担をしておる、地方公務員の共済組合に対しては国の財政支出はない、こういう点については古くからいろいろな議論があるところでございます。 この問題につきましては、国庫負担をしてもいいのではないか、こういう議論を制度創設のころもいろいろやったわけでございますが、地方公共団体がいわば公経済の主体ということであるわけでございますので、その公経済の主体である地方団体が国と同じような形で負担をする、こういうことで現行制度で決着を見たというのがそのときの経緯でございます。 もちろん、こういった制度の仕組みについていろいろな立場からの議論があることは確かでございますが、それについて、この問題を厚生年金制度と同じような形で、他の公的年金制度と同じような形で、当然国が負担をするということに制度を直ちに改めることについては、相当議論をしていかなければならない問題であるというふうに考えております。 なお、各地方公共団体が公経済の主体として負担をしております公費負担分につきましては、地方財政計画上、当然地方団体の義務的な経費だという形で、交付税の中に織り込んでそれを見ておるところでございます。
○松本(幸)委員 この点につきましては、また後ほど御質問があろうかと思いますので、余り時間がございませんから次に移りたいと思います。 次に、掛金の負担割合の問題でございます。原則的には事業主と被用者が折半の負担ということになっているわけでありますが、最近、民間の企業においては、いわゆる保険料の負担割合で事業者がより多く負担をするという傾向が高まっておりますし、また労働組合の方からも、今回の春闘でもそういった要求が大きな項目として掲げられているということもございますが、現状において、民間企業の健康保険あるいは厚生年金等の負担割合がどのようになっているか。原則的には折半ということでありますが、かなり事業主負担が多くなりつつある、こういう状況であります。この現状をどのようにとらえられているか、お伺いしたいと思います。
○宮尾政府委員 長期給付の費用負担につきまして、使用者の負担と被用者負担との負担割合の御質問でございます。 この点につきましては、他の共済年金制度はもちろんでございますが、厚生年金等におきましても労使折半の原則というものがとられておるわけでございまして、使用者負担をもう少し上げて被用者の負担を軽くしたらどうかという御意見については、そういう公的年金制度全体を通ずる基本原則というものを変えることになりますので、これは非常にむずかしい問題だというふうに私どもは考えておるところでございます。
○松本(幸)委員 一方では、公務員の年金が高いというような意見があり、それから、官民格差がかなりあるというようなことが言われておりますけれども、他方においては、最近の傾向として、いわゆる企業年金といったような制度も導入をされてきているという状況で、しかも、いま申し上げたようにこの保険料については、当然被用者の負担分については社会保険料の控除として税金の控除が行われる、事業者の負担についても当然これは損金に算入をされて課税が免除される、こういう状況の中で、言うならば、賃上げよりもそういった福祉の面で給付をしていった方が会社自体としてもいいというような考え方がある。 もちろん、給与それ自体も経費にはなりますけれども、そういう傾向があるという中で、地方公務員に関してだけはあくまでも折半でなければならないという理由というものは成り立たないんじゃないか。 大体、国家公務員の基本になる給与それ自体も、いわゆる物価であるとかあるいは民間の賃金であるとかそういったものを考えて、特に民間賃金の実態を調査した上に立って勧告が行われ、改定が行われる、こういうことで民間に準拠をしている。 たとえば、これはいまここで論議するのはまだ早いかもしれませんけれども、これから審議が予定されております定年制の問題についても、これは民間がこうだから国家公務員の場合もこうだというのが大きな理由の一つになっているということから考えますと、民間がそういう傾向にある中で、公務員についてはそれはできないんだという理由がないんじゃないかというように思うわけですが、ひとつお考えを重ねてお尋ねしたいと思います。
○宮尾政府委員 ただいまの御質問は、いわゆる企業年金も含めた御質問であろうというふうに思います。 共済年金制度につきましても、これはよく言われますように、公的年金、いわゆる企業年金を別にいたしました公的年金制度というものと、さらに職域年金的な性格というもの、企業でいいます企業年金的な性格、こういうものを兼ね備えた制度であるということはよく言われておるわけでございます。 そういう意味からいたしますと、共済年金制度の給付水準だとか費用負担の状況とかというようなものを厳密に比較する場合には、他の公的年金制度のほかに企業年金も含めたもので全体を比較していかなければならないということは言えるのだろうというふうに思います。 そういう見方からした場合に、共済年金制度というものは一体どうあるべきなのかという議論を、先ほど申し上げました研究会等でもいろいろな角度から研究をしておるわけでございます。それから片方では、公的年金制度自体としてどういうふうにしていくかという、これは厚生年金とか国民年金等を通じて議論が別の立場でされておる、企業年金についても、最近いろいろなものがいろいろな形で、それぞれの企業が企業年金の仕組みというものをつくりつつある、そういう状況も十分踏まえていかなければならないことは事実であります。 したがいまして、その官民格差ということで、共済年金の給付水準が高いではないかとか費用負担の関係はどうかというような議論については、確かに先生がおっしゃるように、そういうものを、全体を含めた総合的な判断をしていかなければならないということは私どもも十分踏まえておりまして、そういう点で、さらに研究会の研究結果というものを期待をしていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○松本(幸)委員 余り時間がありませんので、その点につきましても、民間との比較がしばしば行われるわけでありますけれども、民間の企業の場合には、保険料率の負担が事業主七、被用者三というような形で、七対三の割合になっている企業もかなり多く見られるようになったわけでありますし、さらにまた、民間の場合には、いろいろな従業員の保健の事業等に対しても、これは健康保険とかなんかがやるのではなくて、事業主の全額負担で従業員の保健対策等が行われるということもあるわけです。 ところが共済の場合には、いわゆる福祉事業として、短期給付分の百分の十でありますか、それを限度として何か福祉事業に回している。本来は事業主がみずから全額負担をしてやらなくてはならないことを共済組合の方でやっているというようなこともありますので、そういった点を総合的に勘案いたしまして、この保険料率といいますか掛金率についても、今後十分御検討いただきたいというふうに考えるわけであります。 次に、年金額の改定の時期の問題でありますけれども、これも余り多くの説明を要しないと思いますが、いずれにしても、恩給から始まる厚生年金あるいはこの公務員の共済年金、いずれも年金と名のつくものについては大体一年おくれになっている、地方公務員共済組合のそれぞれの年金についても一年おくれで実施をされる、こういうことでありますけれども、先ほど冒頭の御質問に対してお答えがございましたように、これは地方公務員に対する老後の生活保障であるというような御説明があったわけであります。 そういう点を考えますと、大体一般的に物価と賃金と年金、この関係を見ますと、昔は、政府やあるいは経営者団体が、賃金を上げるからインフレになるんだ、物価が上がるんだというふうなことを盛んに宣伝した時期もありますけれども、最近はそんなことは全然おくびにも出さなくなりまして、何か物価の上昇に見合った賃金だとか、経済との整合性であるとか、あるいは企業における支払い能力であるとか、生産性の向上に見合った賃金であるとかいうような違った言い方がされてきているわけであります。いずれもこれは、賃金抑制のための一つのPRだと思うのでありますけれども、昔のように、賃金が上がるから物価が上がるんだという論は影をひそめていると思うのです。 そこで、何といっても物価がまず上がる、これは昨年の例でももうはっきりしているわけでありまして、先日の新聞でも、明確に一・一%実質賃金が目減りしたということが毎勤統計で明らかにされているわけでありますから一そういう意味では、とにもかくにも物価がまずトップランナーで走っている、その次に賃金がそれにくっついている、その次に年金、こういう順序になっていると思うのであります。 やはりスライド制がそのまま実施をされていないから、技術的にも、あるいはまた年金財政の面から考えても、なかなか容易ではないとは思いますけれども、しかし、老後の生活保障としての給付であるという基本的な考え方からすれば、本来なら、物価が上がればすぐ賃金が上がり、賃金と同時に年金も上がらなければ、年金生活者というのは一番大変なわけであります。 昨年の場合には、ある程度の賃上げが行われても、なおかつ一・一%物価の方が上昇して賃金が目減りしたということなのでありますから、当年度に改定の行われない年金については、これはもう物価の上昇分がそのままストレートに目減りに連動してくるわけであります。そういう意味では、やはり一年おくれということについては、技術的な困難さ、あるいは年金財政の問題等があるといたしましても、これは何とか考えてもらわなければならないことだと思いますが、その辺のことにつきましてどういうふうに考えておられますか、お伺いしたいと思います。
○宮尾政府委員 共済年金は退職者の退職後の所得の保障ということを考えての制度であることは、そのとおりでございます。御承知のように共済年金制度は、沿革的には一つには恩給制度からの流れを受け継いでおるということがございまして、その年金額の改定等につきましては、実施時期も含めて恩給法の取り扱いに準じてやるということでこれまでずっと推移してきておるわけでございます。それが一年前の公務員給与の引き上げ措置を一つの基本的な考え方にしておることで一年おくれということで、かねがね議論されておるわけでございます。 御質問にありましたように、物価なり生計費なりが給与の引き上げに関係しておる、そして給与の引き上げ等が参考とされて恩給あるいは年金の金額改定が行われておることは確かでございますけれども、要は年金の支給水準が適正であるかどうか、こういう議論であろうと私どもも思うわけでございます。 したがいまして、共済年金の支給水準については、一つにはもっと引き上げるべきではないかという御議論が確かにございますし、私どももそれは考えていかなければならない。と同時に、片方では官民格差があるではないかという御議論もあるわけでございます。そういうものを総合的に判断しながら、年金水準を将来どういうふうに考えていくべきであろうか、それに関連をいたしまして、裁定されておる年金額を毎年度どういうふうに改定をやっていくか、そういう全体的な検討をしなければならないと思っております。したがって、こういう点についてはかねてからの問題でありますので、研究会とかで公的年金制度全体を通ずる問題として、年金水準の問題として、今後もさらに検討していかなければならないと考えております。
○松本(幸)委員 お答えがあったように、基本的にはすべての年金を通ずる給付水準の問題だというように理解はしておりますけれども、現行制度のもとにおいて、それぞれの年金がある中で一年おくれるということは、私が指摘したように生活保障的な考え方から言うならば、労働者は、物価が上がるから賃上げを要求して、それでやっと生活を維持できるわけであります。ところが年金の場合には、一年おくれるということになると、ただでさえ非常に苦しい年金生活者が、一年間は二重の苦しみを味わうことになるのじゃないかと思うのです。 その点については、やはり何としても物価の上昇に見合って賃金も引き上げられ、同時に年金も引き上げられるということにしない限り、年金生活者はとにかく一年おくれということで、その間は物価は上がる、年金は据え置き、こういう形です。在職の労働者の場合には、賃上げがありますから何とかカバーできますけれども、年金生活者は、改定が行われない限りは物価が上がった分だけはいやおうなしに目減りしてしまうわけですから、その辺のところはぜひ今後十分検討して、何とか一年おくれでないような措置がとられるように御努力をいただきたい、こういうふうに思います。 時間が余りありませんし、附帯決議等の関係もございますので、あとはまとめて御質問申し上げておきます。 懲戒処分者に対する年金の給付制限のことにつきまして、厚生年金等では、刑罰を受けて解雇になったとかその他の事由によって懲戒的な形で離職を余儀なくされた場合でも、年金の給付との関係は遮断されておりますから、別に年金の給付には影響がないということなんでありますが、公務員の場合には、公務員という身分、こういった関係から、懲戒処分によって退職した者については給付の制限が行われておるということであります。これも、他の年金との権衡から考えまして検討すべき問題ではないかと思いますが、年金の性格が、先ほど来言っておりますように老後の生活保障的なものである、あるいはまた一説には、既往の労働に対する後払い賃金的なものであるというような論もあります。そういうことからいたしましても、懲戒処分者に対してこのようにきつい給付の停止、制限が行われておることについては、権衡上ぐあいが悪いのではないかと思いますので、どのような形でこれが検討されておるかということ。 それから、地方公務員共済の場合の遺族年金の給付につきましては、現在百分の五十、こういうことでありますけれども、これもやはり給付水準をもっと引き上げるべきではないか。私どもの考え方では、八〇%程度にすべきではないかと考えているわけでありますけれども、これらのことについてどのような検討がなされているかということ。 さらに第三点として、退職年金受給者の特に短期給付の関係で、医療等の給付について任意継続の期間をもっと延長することができないかどうかということであります。医療の給付につきましては、多年にわたっていろいろ利用してきた医療機関等もありましょうし、あるいはまた、任意継続の期間以後は当然国民健康保険に加入をする、こういうことになりますと、国民健康保険財政の観点からしてもやはり問題があるのではないかというようにも思いますので、そういう点をあわせ考えて、現行の任意継続期間をもっと延長すべきではないかと思います。 それらのことについての検討されております現状について、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
○宮尾政府委員 第一点目の懲戒処分者に対する年金の給付制限の問題でございます。これについては附帯決議もいただいておりまして、目下、共済年金制度共通の問題として、先ほど申し上げました研究会で検討をいたしておる段階でございます。まだ具体的にその検討方向が固まっておりませんけれども、いずれにしても、緩和する方向で検討をしております。なお、これについては審議会等の御意見も聞かなければなりませんので、共済年金制度それぞれを所掌しております各省との間でさらに議論を詰めまして、審議会等の方にも御相談をして、何らかの成案を得ていきたいというふうに考えております。 それから、第二番目の遺族年金の給付水準の問題でございます。これもさらにもつと引き上げるべきであるというかねがねの御意見でございますが、遺族に対する給付につきましては、御承知のように、遺族の中でも特に配慮しなければならない寡婦につきましては、寡婦加算の引き上げというようなこともいろいろ講じまして、相当程度の水準にまで達してきているというふうに考えております。 ただ、寡婦のみならず全体の遺族の給付水準をさらに引き上げるということにつきましては、これは遺族の所得保障という立場から見ますとかえって不公平になるのではないかという議論もありまして、私どもとしては、そういう意味ではにわかにそういう方向をとることはいかがなものであろうかというふうに考えておるわけでございます。いずれにしても、今回寡婦加算の引き上げ等もやりましたし、そういう恵まれない、特に配慮を要する遺族についての給付水準の引き上げ等について配慮をしていきたいということを考えております。また、この問題については、研究会等でもさらに検討をすることとして研究をいたしております。 それから、短期給付について、いわゆる退職者についての任意継続の制度でございますが、これにつきましては、これまでもいろいろな検討をいたしまして、昭和五十一年の制度改正におきまして、適用期間を一年のものを二年に延長するというような措置を講じております。こういった措置は、健康保険組合と全く同じような措置を講じておりまして、さらにこれを御質問のありましたような形で期間を大幅に延長するかどうかというような問題につきましては、老人医療についてどういう制度の仕組みというものを考えるべきかというような議論がすでにいろいろ検討されておりますので、そういう方向等もながめながら、この問題については研究をしていくべき問題だというふうに考えておる次第でございます。
○松本(幸)委員 時間が来たようでありますので、実はもう一つ、地方公務員共済組合が行っております福祉事業のことにつきましてお尋ねをしたかったわけでありますけれども、それは割愛をいたします。 いずれにいたしましても、私どもの立場からすれば、いま地方公務員に対してはラスパイレス指数が高いとか、あるいは年金が民間に比べて高いとか、何となく矛先が地方公務員の給与、人件費、こういったところに何か意識的に向けられているというような感じがしないでもありませんし、それに対応して第二次臨調等でも、その辺に焦点を合わせていろいろ検討されるというような傾向にもあるわけであります。 しかし自治省としましては、地方公務員の生活を守るという立場で、給与についてもあるいは年金についても、今後不利益が生じないようにひとつ十分検討していただいて、むしろ前向きに改善をする、やたらに民間と比較をして、民間が低いというのは、民間が低いのがぐあいが悪いのであって、公務員の水準までむしろ引き上げるような方向で、低い方へ合わせていくんではなくて、高いと言うなら高い方に合わせていく、こういう前向きな形で十分対処していただきたいと思いますし、臨調等において、地方公務員の年金は高いからこれをもっと切り下げろというようなことについては、これはもう十分留意をしていただいて、ゆめゆめそんなことにならないようにひとつぜひ御努力をいただきたいというように考えます。 質問を終わります。
○左藤委員長 大橋敏雄君。
○大橋委員 私は、年金に的をしぼってお尋ねをしてみたいと思います。初めに一般論になりますけれども、大臣のお考えをお伺いしたいなという気持ちでおりますので、よろしくお願いします。 わが国の人口動態を見てまいりますと、戦後十年間で出生率あるいは死亡率ともに半減してしまったわけです。少産少死型に短期間で移行してしまって、御承知と思いますけれども、平均寿命も男子が七十二・九七歳、女子で七十八・七三ですか、というように一挙に長寿国の仲間入りをしてしまったわけです。 ということは、日本の国民は多くの方々が、老齢という期間を長く生きていかねばならない。ということは、老後のいわゆる所得保障というものが非常に問題になってくるわけですね。この所得保障の最たるものが年金だということで、最近の国民の年金に対する関心といいますか、期待というものは、大変著しいものがあると思うのです。 ところが、わが国の公的年金制度というものは、いま八つあるわけでございますが、どの制度もそれぞれに改善はされてきてはいますものの、みんなばらばらといいますか、給付も負担もあるいは国庫補助もみんながばらばらな状態でありまして、そして非常に複雑であるというようなことで、抜本的な改善をなすべきだという声が高いわけでございます。しかし従来からの経緯、歴史、そういうものがありまして、既得権とか期待権とかいうものから、なかなかその整合というものがむずかしい。 しかも、いまも答弁があっておりましたように、この地方共済年金の財政も、いまは成熟度が一八%でございますので問題はございませんけれども、もう十五年、二十年先になると、現在の財源率ではどうにもならなくなるという、そういうふうに各年金制度ともに、特に年金財政の立場からはもう行き詰まるというのが目の前に見えてきておるわけです。 したがいまして、わが党といたしましては年金制度の抜本的な改革ということで、基本年金構想というものをもう四、五年前に公表いたしまして、皆さんの批判をお受けしているところでございますが、これは勤めていようと勤めていまいと、国民であるならばひとしく少なくとも生活ができる最低保障の年金額を支給しよう、そして勤めている人あるいはそのほかに力がある人はそれにプラスアルファしていこうという、いわゆる二階建て年金構想を打ち出しているわけでございます。 いずれにしても、この年金制度というものは根本的に洗い直して、いま言ったような立場での改革が必要であると私は思うのでございますが、この点についての大臣のお考えをちょっと聞いておきたいと思うのです。
○安孫子国務大臣 年金制度の今後を考えますと、きわめて重大な問題を抱えておると私も考えております。日本の年金制度は、いまお話しのございましたとおりに、個別的にそれぞれの構想に基づきまして、端的に申しますと、ばらばらにいろいろな年金制度が発生をしてきたわけでございます。それでそれなりの沿革、また運用も行われてきましたけれども、今後の状態を考えますと、このままで済むものじゃないと私も考えております。 いま少産少死というお話がございましたが、恐らくこれから労働する人の数は相当減ってくる。しかも、扶養せにゃならぬ老人人口が非常に膨大になる。そういう場合に、これが結局国民の負担になるわけでありまするし、租税の負担にもなるわけでありまするが、大ぜいの老人を抱える、その負担を少数の労働する人間が抱えるという場合に、一体それでおさまるのかどうか、これは非常に懸念を持たれる点でございます。西欧諸国を見ましても、その点は非常に大きな国民的問題になっておるわけでございまして、日本の場合にも必ずそういう時代が来ると思うのでございます。 したがいまして、その経過を円滑にやっていきますためには、いまからこの問題に留意をいたしまして、でき得べくんば各種の年金制度を統合していく。それから、国の負担と雇用者の負担と国民の負担とをどういうふうに区分をしてやっていくかということを、長期的な観点に立ちまして十分検討いたしまして体制を整えていかなければ、その時期になりまして何とも処置のない事態が発生するものだろうと思っておるわけでございます。 したがいまして、きわめて重大な今後の老齢化社会におけるところの最大の問題だとして認識を深めながら、この対応策を急がなければならぬという問題だと私も認識をいたしております。その場合に、いろいろ困難な問題はあろうかと思いますけれども、決意を持ってこれに当たるというのが政府としてとるべき方策だろうと思いますが、その中におきまして基本年金構想と申しますか、これも一つの有力な御意見として評価をしていくべきものだろうと考えております。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕
○大橋委員 年金に対する大臣の関心は、私が思っていたより以上に深いものであることを知りまして非常にうれしく思います。また、わが党が提唱しております国民基本年金構想に対しても、有力な参考意見だという趣旨の発言もありまして、どうかもう一歩掘り下げて研究もしていただきたいし、ともに日本の年金制度のあり方、統合問題についてあるいは抜本的改善について、真剣に取り組んでいきたいという気持ちでいっぱいでございます。 そこで、少々具体的になってまいりますけれども、地方公務員等共済年金の性格についてでございますが、申し上げるまでもなく、これは公務員制度の一環としての制度でございまして、当然服務条件が厳しい、縛りもかかる、あるいは反則すると支給カットになる等々があるわけでございますが、しょせんこの共済年金の持つ性格、これについて簡単で結構ですからお答え願いたいと思います。
○宮尾政府委員 共済年金の性格をどう考えるかということでございますが、もちろん共済年金も社会保障としての公的年金制度の一環である、こういう基本的な性格は持っておるわけでございますが、それと同時に、公務員制度の一環としまして職域年金的な性格というものもあわせ持つというふうに言われております。さらに経過的には、戦前からの恩給制度等を引き継いでいる、こういう経緯もあるわけでございます。
○大橋委員 私が今度質問に当たっていろいろと研究してまいりました認識は、社会保障的部分といいますか、それといわゆる職域年金がプラスアルファされた内容なんだ、厚生年金と少し違うわけですね、その認識はよろしいですか。
○宮尾政府委員 いわゆる企業の従業員等を対象にしました厚生年金と違いますところは、地方公務員法にも規定されておりますように、公務員制度の一環としての性格というものが共済年金制度にはある、これが違うところだというふうに私は考えております。
○大橋委員 たとえば厚生年金の場合は、あくまでも生活の向上あるいは社会保障的な要素が基礎になっておるわけです。それにいま言う共済年金は職域年金、企業年金的なものがプラスされるのだ、このように私は理解しているわけでございます。 そこで、社会保障的な部分という年金の水準はどういうふうに考えられておるのですか。
○宮尾政府委員 社会保障的な意味での年金の分というのは、きわめて大ざっぱに申し上げれば俗に公的年金の分である、こういうふうに考えるわけでございますが、公的年金制度が具体的にはどういうものであるかということについては、それが直ちに厚生年金であるということにはならない。しかし、公的年金制度の非常に大きな部分というのは、その基幹的な部分というのはもちろん厚生年金がしょっておりますが、それだけで直ちにそれがイコールだというふうに考えることについては問題があろうと思います。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○大橋委員 要するに、社会保障的部分というものをそのまま厚生年金の額だ、これが水準だと言うわけにはいかぬけれども、公的年金全体ということになれば共済年金も含まるわけですから、プラスアルファというところの問題が理解しにくいので、直結はしないけれども、社会保障的部分と言えば厚生年金等が一応のめどになる、こういう考えはおかしくはないですね。
○宮尾政府委員 公的年金制度については幾つかの体系があるわけでございますが、その中で民間における公的年金の代表格に当たるものは厚生年金だというふうに考えてよろしいかと思います。
○大橋委員 いまの答弁ではっきりしたように、厳密に言えば多少違ってきますけれども、一般論からいけば厚生年金の水準が社会保障的部分に当たるのだ、こういう認識もされる。したがいまして、共済年金というのは一般論で言えば厚生年金プラスアルファ、幾つかxとでもしますか、それがつくのだ、こういう認識でいいですね。
○宮尾政府委員 きわめて図式化した考え方をとれば、そういうことでよろしいというふうに私ども考えております。
○大橋委員 それではお尋ねいたしますけれども、共済退職年金の新規裁定者の年金がいわゆる通年方式による算定額で支給されているわけですね。そういう方々が既裁定者の中で六割ぐらい占めておると聞いておるのですけれども、この点はどうですか。
○宮尾政府委員 通年ルールの適用者の状況でございますが、五十五年四月一日以降の退職者、つまり五十五年度の新規裁定者について見ますと、通年方式を適用されている者は、退職年金では約二三%、それから廃疾年金、これは公務外の場合でございますが、これで約四六%、それから遺族年金、これも公務外の場合ですが約二二%、こういう状況になっております。
○大橋委員 総体的に見ると、五割、六割程度になっているということでしょう。
○宮尾政府委員 全体で平均をしますと、約四四%という状況でございます。
○大橋委員 要するに通年方式による受給額というものは、先ほど、言われました厚年並びの水準プラスxということにはなってこないわけですね。そうですね。
○宮尾政府委員 いま申し上げました全体の平均値が、一割合が違っておりますので、後でちょっと訂正をさせていただきたいと思います。 ただ、いま退職年金なり廃疾年金なりについて個別に申し上げたところは、そのとおりの数字でよろしゅうございます。 そこで、基本方式の適用者の方が全体としては、これからの五十五年の段階で見ると多い、こういうことになっておりまして、その厚生年金にいわば職域年金的なものがプラスされてないから先ほどの性格論とちょっと違うじゃないか、こういう御質問だろうと思うのですが、その点につきましては、いまの通年ルールというのは先生御承知のように厚生年金の計算方式を借りてやっているわけです。 厚生年金と共済年金と比較しますと、たとえば基礎給料の算定の仕方というものは違うわけでございますし、併給調整があるかないかとか、いろいろな制度的な違いがありますので、直ちに、厚生年金のルールを借りてきている通年方式の適用者が相当数あるということから、共済年金制度が厚生年金プラスアルファということになってないというのは、そういう金額といいますか、支給金額だけで比較をすることは無理ではないか、むしろ制度全体としまして考える必要はあるのではないか、こういうふうに私どもは考えております。
○大橋委員 もともと共済年金には、共済年金の法律によって算定方式が決められているわけですね。それが昭和四十九年から、いまの通年方式が加味されているわけでしょう。これはなぜ加味されるようになったのか。それは恐らく、厚生年金の計算でいった方が先ほどの共済組合本来の支給計算よりもよけいにもらえる立場になるから、こちらを選んだらいかがですかという、ある意味での優遇策としてとられたと私は思うのですよ。 それはそれなりに、私は理解するのですけれども、しかしここに問題が起こるのは、共済年金の本来の姿は、社会保障部分プラスアルファ、いわゆるXというものだということになれば、いまの通年方式というものは厚生年金のレベルでしかないから、その本来の趣旨にもとるじゃないか、こう言っているわけですよ。はっきり言えば、共済年金の算定方式に欠陥がある、こう私は思うわけです。 というのは、加入期間二十年を超えますと給付率が百分の一・五に変わります。下がりますね。二十年までは百分の二ですね。それが百分の一・五に下がるわけですよ。また、加入年数はいかに長くとも四十年で頭打ちという計算方式になるわけです。あるいは、共済組合員の給与が低いほどに厚生年金方式、いま言った通年方式の方が有利となる。要するに、厚年の定額部分が非常に高くなってきたという現実からこういうことになってきたと思うのです。また厚生年金には、基本年金部分とそれから加給年金がプラスされるわけですね。しかしながら、共済には加給年金制度はないわけです こういう立場から考えてまいりますと、いま二つに並べられている共済年金の計算方式というものは、根本的に洗い直すべきだと私は思うのですが、いかがですか。
○宮尾政府委員 いまの通年方式の問題でございますが、そもそも地方公務員共済組合制度というのは、たびたび言われますように、本人あるいはその扶養者の退職後の所得保障制度であるという観点から、社会保障的な性格を持っておるということもありまして、いわゆる厚生年金の給付水準も考慮しながら、もちろん共済年金では、いま御質問にありましたような算定方式、本来の基本的な算定方式というものを決めておるわけですが、厚生年金の算定方式といいますか、厚生年金の給付水準も考慮いたしまして、四十九年にいまのような定額部分と所得比例部分、給料比例部分、こういうものとを合算した通年ルールの方式、こういうものを取り入れて高い方を支給するという仕組みをつくったわけでございます。で……。
○大橋委員 それで、それをつくったのは、共済年金のいわゆる下級職員などは、むしろ厚生年金の方が率がいいぞ、だからこちらにしてあげましょうということでしょう。だけれども、厚生年金ならば加給年金までつくわけですからいいけれども、共済になるとそれがなくなる、不利な立場になるでしょうと、こう言っているわけですよ。そうでしょう。同じ掛金ならいざ知らず、掛金率は、歴史から見ると共済の方が高い掛金率を掛けてきているかっこうにもなりますし、そして当然保険料が高くて、あるいは加入期間が長ければ、常識的に言えば高い年金がもらえるのが普通です。ましてや、共済年金というのは地方公務員制度の一環だということから、普通の社会保障的部分よりもプラスアルファされているのだ、こういう年金にならなければならないのだということになっておりなから、いま厚生年金の方がどんどん改善されて高くなってきた、これでは共済年金のある人は低くなる、これは申しわけないということで、四十九年から新たな計算方式の制度を取り入れたわけでしょう。 しかし、それはおかしいんじゃないか。あなたはさっき、報酬のとり方、全期間の平均、これは厚生年金はそうだ、共済の方は最終一年間の平均をとるので、そういうことから一概に相対はできないんだというような言い方をされたけれども、明らかにここに問題があらわれてきていると私は思うのですね。時間がないので、次の問題とあわせていきます。 スライド問題を取り上げるとはっきりしてくるのですよ。今回の地方共済のスライドアップは平均四・四%ですね、これは、あくまでも給与スライド方式をとっているという立場からだと思うのですけれども、厚年の場合は今回は——今回というよりも物価スライド方式をとっているわけでありまして、五十五年度の消費者物価上昇率は七・八%と決定しましたですね。そうしますと、当然七・八%のスライドが厚生年金にはとられるわけです。そうでしょう。ところが共済年金の方になると、いまあなたがおっしゃった定額部分については七・八%で計算されますよ。しかし、報酬比例部分はいま言った四・四%の計算でしょう。ここに非常に矛盾が出てくるわけですよ。そうじゃないですか。
○宮尾政府委員 まず、スライドの問題についてでございますが、御指摘のように単年度をとりますと、特にいまのたとえば五十五年度の場合をとりますと四・四と七・八、こういう差が出ることは確かでございます。ただ、これは全体、少し長い目で見た場合にどちらが有利になっているかということについては、にわかに片方に軍配を上げることができない状況になっております。それで……
○大橋委員 時間がないから、もう聞きたいことは大体出ておりますので。 私がいま言っていることは、厚生年金方式で受けなければならない人々というのは同じ公務員でも下級職員と言われている方々に当たると思うのですよ。上級職員は官民格差の批判の的でしょう。私、いまそちらの方を言っているんじゃないです。むしろ官官格差といいますか上級と下級との差、しかも下級の方はいま言ったように厚生年金よりも悪くなるんですよ。だから、官民逆格差になっていることを言いたいわけです。そこをいま言っているわけですから、そこを理解して答えてくださいよ。
○宮尾政府委員 御指摘のように、通年ルールが適用される人たちというのは給与の低い方々であることは確かでございます。そういう点から見まして、いまの共済年金制度の支給水準あるいは制度全体の仕組みというものがこれでいいのかどうかということについては、先生御指摘のありましたような問題があることは確かでございます。したがいまして、もちろんその点については研究会でも検討課題になっておりますので、その研究会でのいろいろな検討結果というものを私どもは十分踏まえて、今後対処していこうという考え方は基本的には持っておるわけでございます。 なお、先ほど数字を四四・四%と言いましたのは二二・二%の間違いでありますから、ちょっと訂正をさせていただきたいと思います。
○大橋委員 いま申しましたように、今度の消費者物価が七・八%と決定したからには、厚生年金の方は相対的に七二八%アップで計算されていくわけです。いわゆる基本年金部分すなわち定額部分と報酬比例部分、これには七二八%が掛けられていくわけでございますけれども、共済組合のいま言った通年方式の方は、定額部分は同じ七・八%であっても、もう一つの報酬比例部分については四・四%ということになりますので、厚生年金と相対して確かにこれは率として低額になることはもう明白であります。ですから、こういう点も大いに改善していかねばならぬ問題点である。要するに、共済年金の通年方式対象者は今回のスライドで見る限りにおいて、いわゆる社会保障部分の額、つまり厚生年金の額よりも下回る実態が出るということを指摘したいわけであります。もし、私のいま言ったことに対して反論があったらしてください。時間がないので次に移ります。 もう一つの問題点は、この共済年金は公務員制度の一環という立場からある程度優遇される反面、反則者には厳しい縛りがかけられているわけでございます。これは私は、ある面ではやむを得ないと思いますけれども、禁錮以上の刑に処せられた場合最高二割カットの給付制限がかけられているわけでございますが、ここも私は先ほども質問が出ておりましたように改めるべきところではないだろうかなと、こう思うわけでございますけれどもいかがですか。
○宮尾政府委員 第一番目の点でございますが、これは反論をするという意味でなくてお聞き取りをいただきたいのですが、当然公務員の給与というのは、物価なり生計費なりというものを考慮して給与改定が行われるわけでございます。したがいまして、単年度で見た場合に物価なりの上昇の傾向と給与改定というものが必ずしも一致しないというときには、物価が高ければその物価スライドの方が有利である、こういうことになるのは御指摘のとおりでございます。ただ、その制度全体の仕組みとして物価スライドでいく方がいいのか、物価というものは当然給与改定に影響しているわけですから、その他の要素もいろいろ考えますけれども、基本的には物価が影響していますので、そういう公務員給与の改定率というものを参考にして改定をする仕組みがいいのかという議論がかねがねありまして、そして恩給なり共済年金についてはそういう給与改定率を使っている、こういうことでございます、ですから、御指摘の問題点は私ども重々理解しておりますが、さらに検討をしてみたいというふうに思います。 それから懲戒処分者に対する給付制限の問題でございますが、この問題については、共済年金というのはお話ございましたように公務員制度の一環である、こういうたてまえであり恩給からの流れもくんでおりますから、懲戒処分者について給付制限を全く撤廃をするということは、私どもは性格論から言ってどうであろうかという気持ちがいたしております。ただ、いまの制度でいいかどうかということについてはいろいろ議論がありますし、附帯決議もちょうだいしておりますので、緩和する方向で関係省庁といろいろ共通問題として現在検討をしておるわけでございます。いずれそういうある考え方が出てまいりますれば、関係の審議会等にも諮って制度を固めていきたいというふうに考えております。
○大橋委員 要するに、先ほど申しましたように共済年金の基本というものは、社会保障部分プラスアルファ何がしか、いわゆるXならXというものを合わせて共済年金の内容である、性格であるということからいきますと、さっき言いましたように厚生年金並びに計算されていっているそういう人々が仮にいまのような状態になった場合、厚生年金の場合だったらば、仮に刑務所に入っておろうと年金の支給については何ら問題はないわけですけれども、こちらになると、いま言ったような縛りがかかってきてカットされるということで、社会保障的な年金もさらに下回るという結果になるわけでございますから、これは私はやはり根本的な改善をする必要があるんじゃないかな、こういうことを言いたかったわけです。どうですか。
○宮尾政府委員 私ども、基本的にはちょっと違う考え方を持っておるわけでございまして、共済年金制度というのは、いまのように他の公的年金制度プラス職域年金、つまり公務員制度の一環としての職域年金の性格というものを兼ねている。したがって、それだけのいわゆるメリットといいますか、そういうものを与えてある以上、やはり公務員制度の一環としての立場から、たとえば懲戒処分等の措置を受けた人については、恩給制度が講じておると同じように給付制限というものを設けておくことは決して矛盾をしない。ただ、給付制限の仕方というものが非常に厳しいのが適正であるのかという、その議論は現在もあります。それはあるでしょうけれども、厚生年金にないから共済年金でもやめるべきだということについては、私どもはそれはそうではないと考えるわけでございます。
○大橋委員 年金の額というものは、その加入期間あるいは保険料、掛金ですね、これに比例して多くなるというのが一般的な理解だろうと私は思います。また共済は、その趣旨からも保険料とか標準報酬の変遷から見ても、当然厚生年金よりは高い額になってもおかしくはない、こういうふうに一応考えるわけです。したがって、厚生年金と同等あるいはそれ以下になるというのは矛盾だ、私はこういうことを言いたいところです。 そこで、一つの実例を挙げますと、給与が二十万円で在職三十年の人の場合を計算してみたのです。いわゆる共済方式でそれを計算しますと、受給額は百三十二万円になるのです。ところが通年方式、いわゆる厚生年金方式で計算していきますと百四十五万八千円になるわけです。十三万八千円むしろ共済方式の方が低くなりますから、高い保険料を払って長く掛金を掛けてきたというような立場からいくと、厚生年金に比べて非常にこれは不利だな、こう思うわけです。これは、あくまでもその対象者は下級職員になるわけでございますけれども、これは私は根本的に見直さなければならない問題点であることを指摘しておきます。 時間があと二、三分でございますので、最後に寡婦加算についてですが、今度大幅な改善措置がとられるわけでございますけれども、厚生年金、恩給は昨年の十月に改善されて、もう実施されているわけです。ところが共済の方は、当時、四十歳、子なし妻に対する問題がこれあり、いろいろ議論された結果、これは敬遠したために、結果的には乗りおくれといいますか、取り残された形となったわけですね。 今回、その改善内容にいま入るわけでございますけれども、ということになれば、五十五年十月にその差額は遡及されるべきではないか。この法律が通りますと、この四月から実施になりますね。ということは、五十五年十月から五十六年三月まで六カ月間、一月に二万五百円の差が出るわけでございますから、六万三千円というのが厚年や恩給のそれと比べると開きが出てくるわけでございまして、このおくれについて遡及すべきじゃないかと私は思うのですけれども、いかがですか。
○宮尾政府委員 寡婦加算の問題につきましては、併給調整の措置等が伴っていたこともありまして、関係の審議会でも、これは慎重に取り扱うべきであるということで見送ったわけでございます。それで、今回引き上げ措置をお願いをしておるわけですけれども、今回の寡婦加算の引き上げについては、これは一般的な措置の方式といたしまして五十六年度から実施をする、こういうことにしたわけでございます。 それで、厚生年金の支給開始のときまでさかのぼれないのかという議論は確かにあるわけでございますが、これは一般的にはそういう経緯を踏んで、五十六年度からの措置ということで今回法律改正をお願いをせざるを得なかったということが一つありますし、それから仮に厚生年金と合わせてさかのぼるということになりますと、これは併給調整措置が伴っておりますので、その併給調整についても遡及しないといけないという問題が出てくるわけでございます。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕 これはすでに裁定が終わっておる人について、さかのぼって併給措置を講じて減額をするという問題が出てくる。これはかえってまた大変な問題になる。こういうようなことを総合的に勘案いたしまして、私どもとしては、厚生年金の支給開始のときまで寡婦加算の引き上げはさかのぼるということはできない、それはやむを得ない、こういう判断をいたしておるわけでございます。
○大橋委員 時間が来ましたので、これで質問はやめますが、問題がたくさんあり過ぎます。また、他の機会を得まして続きをやりたいと思いますので、そのつもりでよろしくお願いします。
○中山(利)委員長代理 部谷孝之君。
○部谷委員 アメリカの著名な学者であるドラッカー氏は、高齢化社会への移行を見えざる革命、こういうふうに言っております。それは、高齢化社会かこれまでのいかなる社会変革よりも強烈なインパクトを社会に与えておる、こういうことを意味しておると思います。こうした状態の中で、年金財政は容易ならざる状態になっておると言われておるわけでありますが、人間はだれでもいつか必ずみずからが老後を迎えなければならない、こういうことになるわけでございまして、したがって老若男女を問わず、国民一人一人が自分自身の問題として老後問題を真剣に考えるときが来ておる、このように思うわけであります。特に、年金は安定した老後生活を営むための基本でありまして、すべての国民が年金を負担しておるだけに、中高年齢者のみならず青年層もまた自分の問題として受けとめ、そして取り組むべき問題であろうと思うわけであります。 そこで、まず厚生省の方に二、三お尋ねをしたいと思うのですが、いま八つの公的年金が制度としてあるわけですが、この各制度の現状と成熟度、さらにこれらの年金制度の今後の見通し、こういう点につきましてまずお尋ねしたいと思います。
○長尾説明員 お答え申し上げます。 現在、わが国の公的年金制度は八つの制度に分かれておるわけでございますが、そのうち全国の被用者を適用いたしております厚生年金保険が、適用者数にいたしまして二千五百万の人数を数えておりまして、全体の構成比で見まして四二%を占めております。次に農業者、自営業者等の適用をいたしております国民年金でございますが、これが二千八百万人の適用者でございまして四七・四%ということになっておるわけでございます。そのほか、国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合、公共企業体職員等共済組合、私立学校共済組合、農林漁業団体共済組合等が、あとの約一〇%程度の構成を占めておるということでございます。 現在の受給権者でございますが、福祉年金等の受給者を含めまして、年金を受けておられます方は、昭和五十五年三月末現在で申し上げまして全部で千五百八十五万人でございます。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕 このうち、老齢年金を受けておられます方が千百六十六万人になっておるわけでございます。 先生お尋ねの成熟状況でございますが、先ほど申し上げました適用者に対しましてこの老齢年金の受給者の比率で申し上げますと、厚生年金は実は七・四%という状況でございます。国民年金はこれに対しまして一七・六%でございまして、倍以上の成熟状況を示しておるわけでございます。各共済を見まして最も成熟度の高いのは公共企業体職員等共済組合でございまして、三公社の共済組合を平均いたしまして三三%というふうに聞いておるわけでございます。いずれも昭和五十五年三月末現在の状況でございます。 今後、これらの公的年金制度の状況がどのように推移するかということでございますが、大どころでございます厚生年金と国民年金につきまして申し上げたいと思います。 厚生年金の将来でございますが、先ほど、現在二千五百万人ほどの被保険者がおるということを申し上げたわけでございますが、将来におきまして、たとえば三十年後の昭和八十五年という時点を考えますと、約三割程度被保険者は伸びるのではないかというふうに推計をいたしております。一方、老齢年金の受給者は、現在時点を一〇〇といたしますと実に五〇〇、つまりその五倍に伸びるという状況になっておるわけでございます。これと並行いたしまして給付費、年金に要しております費用全体で見まして、厚生年金の場合には昭和八十五年時点で約八倍になるというふうに見込んでおるわけでございます。 次に国民年金の将来でございますが、国民年金につきましては現在の被保険者は漸減と申しますか、やや減少するという傾向ではないかというふうに見込んでおるわけでございます。すなわち昭和八十五年時点では、現在を一〇〇といたしますと、大体九五%程度の二千七百万ぐらいの被保険者数になるのではないかというふうな予想をいたしております。一方、老齢年金の受給者でございますが、先ほど申し上げましたように国民年金はすでに相当の成熟度を持っておりますので、老齢年金受給者につきましては厚生年金ほど伸びませんで、現在を一〇〇といたしますと約七割程度、一七二というような数字で伸びるのではないかと思っておるわけでございます。しかしながら給付費、年金に要します費用の方は、一人当たりの年金額がふえていくというような状況がございますために、現在を一〇〇といたしますと三七一、すなわち四倍近い給付費の増があるというふうに見込んでおるわけでございます。
○部谷委員 共済関係は御所管でありませんので、具体的なそれぞれの数字のお示しはありませんでしたけれども、こうした八つの公的年金が将来きわめて窮屈な状態になっていくというふうなことにつきまして、数字を挙げての御説明をいただいたわけでありますが、こうした現状に対しまして施策としてどのように今後対応していこうとされるのか。たとえば、費用負担のあり方だとか、あるいはまた給付内容のあり方、こういうものはどのようにしていかれるのか。また、制度の統合、一元化という問題があるわけでありますが、そうした問題あるいは現行制度の分立を前提として制度間の調整を図っていくのか、あるいはまたその際に検討すべき課題あるいはそれらの障害となるような点はどういうところか考えられるか、そんな点についてひとつわかりやすく御説明を願いたいと思います。
○長尾説明員 お答えを申し上げます。 今後の高齢化社会に向かいまして、年金制度をどのように運営していくかという問題についてのお尋ねだと思うのでございますが、現在のわが国の年金制度全体を見まして言えますことは、給付のレベル、給付水準と申しますか、これにつきましては諸外国と比べましてまあ遜色のない水準になっておるわけでございまして、現在の水準、厚生年金で申し上げますと平均の賃金の約六割ということを目途にいたしておるわけでございますが、こういった水準を維持するという考え方を基本にとるべきではないかと思います。このような水準を維持してまいりますと、先生からも御指摘をいただきましたように、将来の費用負担はなかなかに大変なことになると思います。 現在、私どもが将来の財政負担につきまして試算をいたしましたもので見ますと、昭和八十五年時点におきまして保険料の負担が給与の三割程度になるというような見通しを持っておるわけでございます。現在のすでに高齢化の進んでおります諸外国の費用負担でも、三割という例はないわけでございます。こういうことを考えますと、このような費用負担の問題をどう考えていくかということが大きな問題になると思うわけでございます。 この際に問題は、各制度間で不合理な格差、国民の皆様にとって納得のいかないような格差が生じるということは、費用負担が重くなります今後におきましてはより一層大きな問題になってくると思います。したがいまして、現在八つに分かれております各制度間にございます不合理な格差というものについてはなるべくその格差を、不合理でない格差はやむを得ないといたしましても、整合性を保っていくということがいずれにしても必要であると思うわけでございます。 給付の面におきましては、保険料負担につきましていわば現役の方に相当な負担をお願いするわけでございますから、費用の面におきましても重点を考えると申しますか、必要な方に必要な給付をというような考え方を制度の仕組みの中ではっきりさせていくということが必要ではないかというふうに思っておるわけでございます。 先生のお話の、制度を一元化していくという問題でございますが、いま申し上げましたように、各制度にございますさまざまな問題点を解決する方法として、たとえば基礎年金と言われるような共通的な部分については同じような形で給付をしていくというような構想も、各方面からいただいておるわけでございます。この考え方をとるとした場合に、八つに分かれておる現在の各制度からどのような形でそこへ移管していけばよろしいか、共済組合と厚生年金、国民年金は年金額の計算の仕方でも非常に違いがございます。これを一つの方向にしていく場合には、どういう形でならすと申しましょうか、まとめていくかということは、技術的に大変むずかしい問題が多いのではないかと思います、それからまた、共済組合には恩給時代からのそれぞれの沿革等もございます。こういうことを考えますと、そこいら辺の技術的な問題について十分時間をかけて検討を進めたいと思っておるわけでございます。
○部谷委員 いま、いみじくも基礎年金構想というお話があったのですが、先ほど同僚議員から自治大臣に対して同じような御質問がございましたけれども、この基礎年金構想を厚生省はどのようにとらえておられますか。
○長尾説明員 お答えを申し上げます。 基礎年金構想と言われるものは、幾つかの構想をいただいておるわけでございます。まず、基礎年金構想の場合には、先ほどちょっと申し上げたわけでございますけれども、八つに分かれておる現行制度にすでに相当な受給者がおりますので、この受給者の方を基礎年金の体系へどのように乗せていくのかということが、技術的な問題としては非常に大きい問題があると思うわけでございます。国民年金は、たとえば十年年金という受給者の方がございますし、共済組合の場合には、すでに多分三十年ぐらいの期間をお持ちの方がほとんどだと思います。その場合には、年金額におきまして相当な差が現実にございます。そういう受給者の方々がおられることを頭に置きまして、その移行を考えていかなくてはならないと思うわけでございます。 もう一つは、基礎年金の財源でございます。たとえば、社会保障制度審議会から御提言をいただいておる場合には新税を創設するというお考えかと思うのでございますけれども、新しい税を創設いたしますと、現在の制度の上でも相当な費用負担を将来の国民経済の中からお願いをしなければならないという事態でございますので、新しい財源をさらに費用負担をしていただくことが可能かどうかという問題があると思います。また、税という形でお願いをできるものかどうか、国民の合意が得られるものかどうかというような諸点が問題になるのではないかと思います。 しかしながら、基礎年金構想といいますものは、受給者の間の公平性、そういうものを確保する意味ではすぐれた構想であると思いますし、公的年金としての一つのあるべき姿であるということは当然だと思うわけでございますので、私ども、今後の年金制度の運営改革を考える場合には、この構想を頭に置きましてやってまいりたいと思っております。
○部谷委員 厚生省の方から、八つの年金に対する総括的な御意見をいろいろ聞いたわけであります。基礎年金構想につきましては、その財源の問題でいろいろ問題があるということでありますが、これは当然税制すべてにかかわる問題でありますので、これだけを取り上げるという問題ではない、このように考えます。 そこで、自治省の方にお尋ねをしてまいりたいと思うのですが、地方公務員共済制度の中における各制度の成熟度及び年金財政の見通し、こういうものはどうなっておるのでありましょうか。各組合の財源率算定のためにどのような考慮をするのか、あるいはまた、後代負担についてはどのようになっておるのか、そうした点についてまずお尋ねしたいと思います。
○宮尾政府委員 まず成熟度でございますが、組合全体について見てみますと、昭和五十四年現在では一六・五%という状況になっております。これが将来どういうふうになるかということでございますが、六十年度では二六・一%、七十年度では四一・四%、七十五年度では四六・五%程度、こういう見込みを私どもはいたしておるわけでございます。 年金財政の将来見通しの問題でございます。これは各単位ごとに計算をしなければならないわけでございますが、非常に精密な計算になりますので、十六単位全体について粗い推計をしてみておるわけでございます。その場合の前提条件として、一つには組合員数を一定とすることとしております。それから、給与のベースアップとか年金改定率を毎年五%ずつ見込む、こういう前提を立てまして粗い推計をしてみておるわけでございますが、財源率を現行のまま据え置いた場合には、単年度収支がマイナスになる最初の年度は昭和六十九年度ごろであろう。それから、国家公務員共済組合連合会が将来計算をするために財源率をたとえばこういうふうに上げてみたらということで、五十九年度には二〇パーミリ、六十四年度には二五パーミリ、六十九年度には三〇パーミリ、七十四年度には三五パーミリ、こういう計算をしてみますと、単年度収支がマイナスになるのは昭和七十七年ということが粗い推計として出てまいっておおるわけでございます。 各単位組合ごとの年金財政の将来見通しにつきましては、全部はなかなか大変でございますので、全国的な規模の四つの共済組合について推計をしてみますと、地方職員共済組合と公立学校共済組合につきましては、先ほど申し上げました地方公務員共済組合全体の姿と同じような見通しになるだろうというふうに見込まれております。警察共済と市町村職員共済組合につきましては、成熟度がまだそれほどでありませんので、それよりは若干良好な状態であろうというふうに見込まれております。 そこで、今後の問題等でございますが、現在の財源率は、五十四年に再計算をいたしまして、一般組合員では財源率は千分の百二十一から百二十六というような状況になっておるわけでございます。財源率の再計算に当たりましての計算方法といたしましては 掛金率を急激に上げなければならないという計算結果が、五十四年の段階でも出てまいりました。しかしながら、非常に急激に上げることについてはいろいろ問題がありますので、厚生年金の保険料率改定の際の措置とか、あるいは国家公務員共済組合の取り扱い等を考慮いたしまして、修正率を掛けて負担率を決める、財源率を決める、こういう方法を五十四年度の段階ではとったわけでございます。したがいましてそういった問題が、今後さらに年金財政の問題を考える場合には後代負担として残っておるわけでございますが、そういう問題につきましては、これは五年ごとに財源率の再計算がありますので、今後の年金財政というものを的確に見通しをつけながら適切な対処をしていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○部谷委員 こうした問題に対する対応策といたしまして、地方公務員共済制度の中の各組合間の財政調整あるいは制度の一元化、統合、そうした問題が持ち上がってくるわけであります。そうした問題が必要になってくるだろうと思うわけでありますが、特に東京都の職員共済が十八万人、指定都市共済が二十万、それから都市共済十七万というふうに、いわば体質の弱いそうした組合か中にあるわけであります。そうしたものが集まって十六組合あるわけでありますが、それさえも一元化できないということになりますと、将来に向かってのこの一元化、統合化、そうした問題はできないというふうに思うわけであります。 こうしたいわば沿革時代の人、それがだんだん減ってまいりまして、新しい共通基盤に立つ受給者がだんだんふえてきておるわけでありますが、そうした新しい角度の上に立ってそうした財政調整あるいは制度の一元化、統合化、そういう点を検討し直す必要があるのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、ひとつその辺は大臣からばしっと御答弁をいただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 お尋ねの点は、私もさように考えております。十六団体いろいろな種類がございます。それぞれの沿革もあると思いますが、しかし長期的に考えますと、統合の方針あるいは少なくとも財源調整をしなければいずれもが行き詰まるだろう、こう思うのでございまして、それはいまからその点について推進をするという方向で行くべきだろうと考えております。
○部谷委員 地方共済もこうした年金関係の中における例外ではあり得ないわけでありまして、成熟度の急速な進行に伴いまして財政が悪化し、そして組合員の掛金の負担がますます増大する、こういうことを避けるわけにはいかない、そういう状態になっていくわけであります。 こうした組合員の掛金の負担のあり方あるいは限界、そういう点につきましてもそろそろ検討しなければならない段階に来ておる、こういうふうに思うわけでありますが、この点はどのように対応しようとしておられるのか、また、掛金率の上限を設定するお考えはないのかどうか、あるいはまた公的負担の問題はどういうふうに考えておられるのか、これらについて御答弁を願いたいと思います。
○宮尾政府委員 共済年金制度の財政運営についてでございますが、これは、他の年金制度と同様の社会保険の方式というものをとっておるわけでございます。そういうことから、財源率につきましては給付水準との見合いでもって決めておるわけでございますので、原則的には負担というものの限界というものは、保険方式という考え方に立つ以上ないというふうに考えるべきだと思うわけでございますが、しかしさればといって、非常に掛金率が高くなってしまうということになりますと、そういう保険方式というものでいいのかどうかという現実の問題が出てくることは、御指摘のとおりだというふうに思います。 それで、いまの状況から見た場合に相当程度財源率を引き上げなければならない、掛金を上げなければならないという見通しがあるわけでございますが、負担をある程度のところで抑えるというようなことを片方で考えなければならぬということになれば、当然それに関連をいたしまして、では給付水準というものをどうするのか、こういうこともあわせて検討をする必要が出てくるというふうに思います。 いま共済年金制度の研究会がございますが、そこでは給付水準のあり方、それから将来の財政負担のあり方、掛金率のあり方、そういうものを含めまして、両面からこの議論というものをさらに詰めていこうということで検討をいたしておるわけでございます。給付水準だけをさらにどんどんよくして、掛金率をある程度の段階で抑えるということは、なかなかむずかしい議論ではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから、公的負担のあり方の問題でございますが、これはいろいろの議論があるわけでございますけれども基本的な考え方といたしましては、保険料だけでは適当な給付水準が確保できないというような場合、あるいは被保険者の範囲というものが非常に低所得者層に及ぶような場合、あるいは事故の性質上被保険者と事業者だけで費用負担をすることが必ずしも適当でない場合、こういうようなときにおいて公的負担というものを緊急度に応じながら検討をすべきではないか、こういうふうに一般的には考えられておるわけでございます。 そういう観点から、今後の公的負担のあり方につきましてどういうふうにしていくのか、これについても研究会等での議論も踏まえながら、慎重に検討していかなければならないというふうに思っておるわけでございます。
○部谷委員 研究会の検討課題として御検討いただいておるわけでありますから、これらに関する質問はこれでやめたいと思いますけれども、今後年金財政がますます逼迫していくということはるるお話もございましたし、いまさら申し上げるまでもないところでありますが、そうした共済制度は原則的には、将来の給付に要する費用は現職時代に積み立てるといういわゆる積立方式を採用しておるわけであります。 だといたしますならば、この積立金の運用、これが大変大事な問題だと思うわけでありますが、こうした過去の積立金につきまして目減り現象は起きていないのかどうか、お尋ねいたします。
○宮尾政府委員 目減り現象というのをどういうふうに考えるかでございますが、将来の支払いに充てるために積立金を積み立てておる額が相当ございます。これにつきましては一定の率以上になるような資金運用をしなさい、こういうことで資金運用をできるだけ効率的にやるようにそれぞれの組合で配慮をしておるわけでございますが、積み立てられたその資金について、たとえば四十八年、四十九年ごろに起きましたような相当なインフレというような現象が出てまいった場合に、そういう意味ではいわゆる目減り現象といいますか、そういうものがどうしても出てくることは避けられないというふうに考えておるわけでございます。
○部谷委員 それから、積立金の管理、運用の実態はどういうふうにされておるのか。法定利率が五・五%というふうに示されておるわけでありますが、高金利時代に入りまして、同時にまた、そうした組合員の貴重な財産であるわけでありますが、こうしたものの運用についていろいろ配慮が必要だと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○宮尾政府委員 長期経理の資産の運用の状況でございますが、現在、共済組合全体で約六兆四千億になっております。それで、これらの長期経理資金につきましては、一つには地方公共団体の行政目的に資するために、地方債、公庫債あるいは資金運用部預託金などに回すということで、これが約三兆一千八百億でございます。全体の四九・八%がそういうところに回されている。それから第二は、組合員のための住宅とか保養所等の建設のために、約四千百億程度でございます。それから、組合員の住宅取得のための貸付金として約二兆七千九百億、こういうものが運用されておるわけでございます。 それで、長期経理の資産につきましては安全性、効率性という見地から、これは一定の割合というものを定めましてその中で運用をする。特例の運用をする場合には、これは自治大臣の承認を受けて運用をさせる、こういうようなことにいたしております。五・五%以上に回せということが基本になっておりますが、現実の運用利回りは五十四年の段階で六・三七%になっております。
○部谷委員 一般的には官民格差が高いので、これを是正すべきであるという議論がいまあるわけでありますが、共済年金は恩給の流れをくみながら公的年金制度として発足したものであって、公的年金としての性格と公務員制度としてのいわゆる職域年金的な性格をあわせ持っておる、こういうふうに言われておるわけでありますが、こうした共済制度の沿革あるいは制度の実態から見まして、自治省といたしましては、厚生年金の給付水準との関係から見て、共済年金の給付水準についてはどのように認識しておられるか、お尋ねします。
○宮尾政府委員 共済年金はいわゆる公的年金の部分と、それから公務員制度の一環としての職域年金的な性格というものをあわせ持っておるということは、そのとおりだというふうに私ども考えております。 そこで、この両者の給付水準がどういうことであるかという御質問だと思いますが、共済年金につきまして、これは御承知のように共済年金制度については、恩給の流れをくんだ仕組みというものをとってきておりますが、他方で厚生年金との均衡というものを考慮しながら、その制度の仕組みもあわせ持っておる、こういうことにしております。したがいまして、全体としては厚生年金に比べて共済年金制度の方が給付水準が高い、こういうことがいわゆる官民格差論という中で言われておるわけでございます。 私どもとしましては厚生年金と共済年金というものが、先ほどのような共済年金の性格から言いまして、単純にその比較をすることはむずかしいと思いますけれども、少なくとも公的年金としての性格はもちろん持っておるわけでございますから、公的年金制度全体としての整合性というものを今後どういうふうな比較検討の中で制度の仕組みというものを考えていくのか、そういうことをさらに検討していかなければならないというふうに思っております。
○部谷委員 最後に、このたびの改正案につきまして、寡婦加算について地方公務員共済組合審議会の答申では、寡婦加算額の引き上げはやむを得ないというふうに消極的ながら肯定した答申が出されております。一方、社会保障制度審議会の答申では、「厚生年金保険の例にならって安易に寡婦加算額の大幅引上げを図ることは、将来に問題を残すことになろう。」というふうに、むしろ否定的な答申を行っておるわけでありますが、自治省は、この社会保障制度審議会の答申の背景、そういうものをどのような理解を持っておられるのか、最後にお尋ねをいたします。
○宮尾政府委員 社会保障制度審議会とそれから地方公務員共済組合審議会、それぞれからいま御質問にありましたような答申が出ておることは御指摘のとおりでございます。 そこで、社会保障制度審議会の答申の考え方でございますが、「安易に寡婦加算額の大幅引上げを図ることは、将来に問題を残すことになろう。」こういうふうに述べておりますのは、遺族年金の給付水準につきまして、寡婦加算の引き上げというのは給付水準のあり方も含めて遺族年金の基本的な見直しというものをする中で考えていかなければいけないのではないかということが一つと、それから厚生年金制度におきましては遺族年金等につきまして併給調整の措置があるわけでございますが、共済年金制度についてはこれは今回講じてないわけでございます。そういうことから併給調整措置というものの違いが厚生年金と共済年金とで出てくる、こういうことについて検討をすべきではないかというようなこと等を含めて、社会保障制度審議会はそのような答申をしたものというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。 しかしながら、遺族年金全体の基本的な検討ということは、これは相当時間がかかるということになります。研究会等でも検討しておりますし、それから公的年金制度全体としての検討もしなければならないわけですが、相当時間がかかるということになりますので、そうすると、その間厚生年金の方では寡婦加算額が相当上がったのに共済年金の方はそのままにしておいていいのかという議論がどうしても出てまいるわけでございます。そういうことを考えてみますと、この段階で寡婦加算額の引き上げということはやむを得ない、こういうふうに判断をしたのが地方公務員共済組合審議会の御答申であると考えておるわけでございます。 私どもは、基本的に確かに問題がありますけれども、地公審の考え方に立ちまして、こういった改正を今回とるのはやむを得ないし、やるべきである、こういう判断で法律改正をお願いいたしておるわけでございます。
○部谷委員 終わります。
○左藤委員長 午後一時三十分より再開することとし、休憩いたします。 午後零時五十一分休憩 ————◇————— 午後一時三十四分開議
○左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。三谷秀治君。
○三谷委員 今回の共済法の改正で、年金額のアップ率は平均どれだけになりますか。
○宮尾政府委員 四・四%でございます。
○三谷委員 本年の三月を基準にしまして、前年同月との消費者物価の指数の比率はどのような状況になっておりますか。
○宮尾政府委員 五十五年度の平均上昇率は七・八%ということが企画庁から報告されております。
○三谷委員 そうしますと、物価の上昇率は七・八%で年金のアップは四・四%となりますと、これは実質的には改善なのか改悪なのか、どう理解すべきなのでしょうか。
○宮尾政府委員 先生御存じのように、共済年金の裁定額の改定は恩給制度にならいまして行っているわけでございますが、恩給制度における改定は前年度の公務員のベア率を参考といたしまして改定をする、こういうことにいたしておるわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたような四・四%という改善率になっているわけでございます。
○三谷委員 そのいまおっしゃったこと、わかっております。しかし、それで四・四%の年金のアップがなされるわけですけれども、この間における消費者物価の上昇率が七・八%といいますと、年金生活者の生活についてはどのような結果になってくるのでしょうか。
○宮尾政府委員 年金の改定を物価にスライドさせるのかあるいは恩給のように公務員給与の改善率に準ずるのか、これはこれまでもいろいろな議論がなされてきておるところでございまして、恩給制度については給与の引き上げ率によっておる、こういう仕組みをとってきているわけでございます。 もちろん、単年度でこれを見た場合には、本年のような年金額の改定率が物価の上昇率に追いつかないという事態も出てまいりますけれども、長い目で見た場合に、必ずしも物価によってスライドする方式というものと給与の引き上げ改善率によっていくのとではどちらが有利かということは、一概に言い切れないものがございまして、少し長期的に見た場合に、給与の改善率によって年金額の改定をしておるということが決して不利になっているというふうには、断じ切れないと考えておる次第でございます。
○三谷委員 だけれども、物価の上昇率と比べまして年金のアップ率が非常に低いわけですから、これは不利に決まっている。 それで、これは歴年続いている。物価の上昇率よりも年金のアップ率が高いという年はない。たとえばいまから四年前になりますか、物価の上昇率が二六・三%のときに、年金のアップ率が一五・三%という状況もありました。それ以後、この格差といいますか、これは毎年度において続いておるというふうに私は思っておりますが、それはそうじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○宮尾政府委員 これは、四十三年から給与改定率と物価上昇率を比較してみますと、四十三年から四十七年まではいずれも給与改定率の方が高くなっております。そして四十八年に、対前年物価上昇率が一六・一であったのに対して給与改定率が一五・三ということで若干落ち込んでいます。それから四十九、五十、この両年度は物価上昇率よりも給与改定率の方が高くなっています。たとえば、四十九年では物価上昇率が二一・八に対して、四十九年の給与改定率は二九・三、こういうことになっておるわけです。それから五十一年で、物価上昇率九・四に対して給与改定率が六・九ということで、これは給与改定率の方が低くなっております。五十二、五十三年では、給与改定率の方が高くなっておる。そして五十四、五十五、この両年度でまた給与改定率の方が物価上昇率を下回っております。五十四年では四・八に対して三・五、それから五十五年では七・八に対して四・四、こういうことでございますので、これ全体を通じて長期間で見ますと、必ずしも物価スライドの方が年金の支給水準が高くなるというふうには一概に言えない、こういう状況だというふうに考えております。
○三谷委員 このスライド制の採用については従来からしばしば論議がありまして、これも四、五年前になりますか、社会労働委員会で野党四党が共同提案をして、年金額のスライド制を内容とする改善が提起されたことがあります。これは野党だけではありません。自民党議員の方からもスライド制は当然必要という発言もあって、附帯決議にも入ったことがあります。ですから、政府も頭からスライド制を否認されたわけではない。しかも公務員にとりましては、これは大きな要求になっております。春闘共闘委などでもこれが取り上げられまして、スライド制導入ということが強調されておりますが、なぜこのスライド制が実現できないのか、お聞きしたいと思います。
○宮尾政府委員 どちらがいいのか、どちらをとるべきかという議論は、これまでもたびたびなされておりますし、いろいろな立場の議論というのはあると思います。ただ、基本的には共済年金制度は恩給制度の影響を受けてできておるという経過的な問題がございます。そういう恩給制度を含めて、共済年金制度がとっておる給与スライドといいますか、給与の改定率に準じて行うという仕組みというものを、共済年金制度だけが恩給制度と離れて違った方式をとるということについては、さらにもっと基本的な問題を含めて検討しなければいけないというふうに思うわけでございます。 それで、共済年金の基本的な問題について研究会が行われておりますし、公的年金制度全体を通じての議論というものはあるわけでございますから、そういう中で共済年金制度というものを今後どういうふうにしていくのか、そういうこととの兼ね合いあるいは恩給制度との関係をどうするのか、こういうことも踏まえて慎重に検討しなければならぬ問題だというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○三谷委員 その検討については、かなり早い時期に問題として提起されておりますが、その後検討されたわけでしょうか。あるいは検討検討と称しながら、じんぜんとして時日が経過しておるという状態なんでしょうか。
○宮尾政府委員 給与の引き上げ率というのは、物価上昇というものと無縁に決まっているわけではございませんで、必ずそういうものの影響を受けて給与改定をどういうふうにするかということが決まっております。そういう中で、年金の改定というものを物価にスライドさせなければならないということがはっきり言えるのかどうか、いまの給与改定率に準拠するやり方というものがいかぬのかどうか、それについては両方からの意見がありまして、必ずしも物価にスライドさせなければならぬというふうに断定的に考えることはなかなかむずかしいのではないか。そこまでの結論はまだ出ていないわけでございます。そういう意味で、なお基本的な問題も含めてこの問題を検討すべきではないかというのが私どもの考え方でございます。
○三谷委員 今後においてなお検討するとおっしゃっておったようですが、いまお答えを聞きますと、もう検討が終わって結論が出たようなお話でもありますし、一体実態はどうなのか。なお検討する、改善する余地があるものとして、検討を真剣にお考えになっているのか、あるいはもう検討は終わって、いまおっしゃったような結論になっておるのか、これをお聞きしたい。
○宮尾政府委員 物価にスライドするべきではないかという御議論もあるわけでございますが、給与の改定率という現在の恩給制度と同じ仕組みでやることについて、これでいかぬのだという結論に私どもがなっているというふうには考えていないわけでございます。もちろん、物価スライドさせたらどうかという議論があることは承知をしておりますけれども、変えなければならぬという結論には私ども到達しておりません。もちろん、いろいろな基本問題が検討されるときには、そういう議論ももう一回レビューされるということは考えられると思いますけれども、それを直すという方向で検討しておるというふうには承知をしていないわけでございます。
○三谷委員 そうしますと、結論は、なお検討するというのでなしに、検討は終わったということなんですが、私どもはスライド制が一番合理的であって、これによって生活される方々にとっても一番科学的な手段だと思っておるわけです。そして、年金受給者の方々もそのことを希望されているわけですから、政府の方で格別な弊害がなければ、そういう処置について検討するということも必要だろうと思いますが、どうでしょうか。
○宮尾政府委員 これは、共済年金制度全体に通ずる問題でもありますし、それから恩給制度と関連する問題でございます。したがいまして、他のいろいろな諸制度が恩給制度とつながりを持っておるわけでございますが、これだけを恩給制度と切り離して、そうすることがベターであるかどうか、そこらのところは慎重に検討を要する問題ではないかというふうに考えるわけでございます。
○三谷委員 そこを慎重に検討してください。そして、結論を出してほしいと思う。 もう一つは、いま各種年金制度ということをおっしゃいましたが、年金の算出基礎を公共企業体並みにしてもらいたいという要求もかなり強いものがありますが、これについてはどうお考えなんでしょうか。
○宮尾政府委員 公企体とそれから公務員の共済制度との年金額の計算で一番議論になっておりますのは、基礎給料のとり方の違いだというふうに思います。公企体並みにすることが、それは退職時の給料ということですから、支給水準の引き上げになることは確かでございますけれども、支給水準を上げるということは財政問題にも絡んでくるわけでございます。それから他の、たとえば厚生年金の計算の仕方とも共済年金は違うという問題もあるわけでございますので、そういう御要望があるということについては私ども承知はしておりますけれども、直ちにそういう形の方向で検討するということにはなっておりません。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕
○三谷委員 年金額の算定の基礎になります平均給与額の計算が、かつては退職前三カ年の平均でとっておったわけですが、これを一カ年に改定をされました。それはいつでしたか。 それから、一カ年ではありますが、なお退職時の給与が公企体の算定の基礎になっているわけでありますから、地方公務員の年金の算定も退職時給与ではだめなのか、なぜこれではいけないのか。三年を一年まで改めましたが、そこでとまってしまっているわけです。これを退職時の給与にするということは、わかりやすい点からいいましても非常にわかりやすいわけなんです。大体、計算が非常にわかりにくいというのが年金制度の弊害になっていますけれども、これを退職時給与にしますと大変わかりやすいことでもあるし、かつ、これは一定の根拠もあることであって、公企体並みにできないものか。 いま財源問題をおっしゃいましたけれども、財源問題というのはいつの場合でもつきまとう問題であって、三年平均を一年平均にするということにしますと、それだけでも財源問題で大変な変化が生じてくるわけですけれども、その変化というものは当然考えていかなければ、財源が関係があるからこれは一切改善しないということになってきますとまた問題になってくるのであって、財源という問題でなしにそういう制度はできないのか、合理的ではないのかということをお尋ねしたいと思います。
○宮尾政府委員 三年間の平均というのを一年間に改めたのは、四十九年の改正でございます。 そこで、退職時の給料月額というふうに改正をするということは、確かにわかりやすいし、それから年金受給者にとっては給付水準が上がるということになるわけでございます。財政問題とは別にとおっしゃられますが、やはりそういうことに伴いまして、年金財政の将来というものはどうなるのかということも考えなければなりませんし、現在、共済年金自体が官民格差があるということで、公的年金制度全体の中でどういうことにしていくのかという検討が行われている段階でありますから、直ちにそういうことを行うことについてはきわめて慎重にしなければならないというふうに考えるわけでございます。
○三谷委員 これはわかりやすくして、計算もしやすくするということは一つの重要な条件ですから、できるだけそのような方向に改善をするという努力をすることが必要だろうと思います。これは、年々改定に必要な財源というのは必要になってくるものであって、その問題と、こういう改善の問題とを何かてんびんにかけておりますと、いかなる改善も結局は財源というものを理由にして不可能という結果になってくるわけですから、そこは相対的な問題だろうと思いますけれども、私はそういう改善をやるべきだと思います。 それから、ことし四月一日に生活保護基準の改定がなされましたが、これによりますと、たとえば一級地で七十歳以上の男の生活保護費は最低でも七十八万六千円余になるはずでありますが、厚生省、その点間違いないでしょうか。
○加藤説明員 御説明いたします。 生活保護基準の中の標準的な経費でございます生活扶助基準でございますが、これは一般の飲食物費衣服等に用います一類経費、それから世帯の共通経費でございます二類経費それから各種加算額等に分かれております。その世帯の実情に応じまして組み合わせて算定することになりますが、単身男子の生活扶助基準額について見てみますと、六十五歳以上は一類、二類というのは一律に定められておりまして、六十五歳以上の場合は五十六年度が一級地で年額が六十二万五千四十円となりますが、七十歳以上になりますと、これに老齢加算というのが加わります。合計いたしますと、東京都の特別区などの一級地でございますと、年額で七十八万七千四十円となります。また、ちなみに小都市、農村等の三級地では、年額で六十七万四千四百六十円ということになります。
○三谷委員 一方、共済年金の最低保障額は、今回六十五歳以上の引き上げが行われましたが、それでも四月に七十三万三千六百円ですか、六月で七十四万九千円という低額にとどまっておるようですが、これは間違いないでしょうか。
○宮尾政府委員 遺族年金の最低保障額ですが、厚生年金に関連をしての最低保障額が五十三万七千六百円ということになっております。
○三谷委員 少し的外れのお答えのようですが、共済年金の最低保障が大変低いこと、生活保護費の最低給付額と比較して申し上げたわけです。それで、今回の法改正によりましても、国民の最低生活を保障する意味を持つ生活保護基準さえ下回るケースが生まれてきておるわけでありまして、共済年金の最低保障は本来の共済制度の意味を十分に果たしていないと思うが、その点はどうでしょうか。このようなケースが出ないように改善すべきだと思いますが、どうでしょうか。
○宮尾政府委員 最低保障額の問題でございますけれども、一つには、共済年金制度につきましては厚生年金における老齢年金の最低支給額との均衡を考慮しまして最低保障を決めるという仕組みと、それから恩給制度における最低保障額との均衡を考慮して最低保障額を決める、こういう二つの制度の仕組みをとっておるわけでございます。 そこで、これらの最低保障額というのが ただいま御質問の中にありましたように、生活保護の最低基準よりはケースによって低いものがあるという御指摘でございますが、これにつきましては、両者のそもそも制度的なたてまえといいますか、考え方というものが全く違っておるということから出てきておるというふうに考えるわけでございます。 社会保障制度審議会の勧告におきましても、両制度は制度のたてまえが全く異なるということを述べておりまして、生活保護は、生活に困窮するすべての国民に対して、国の責任において公的扶助として行われる事後的な対策でありますけれども、共済制度というのは、公務員の勤務の特殊性を考慮して、公務員の相互救済を通じて公務員及びその家族の安定と福祉の向上を図ることを目的として、社会保障制度の一環として設けられたものであって、そういう意味で全く両者のたてまえは異なる。したがいまして、生活保護と公務員の共済制度との間には直接的な関連というものはなく、その目的及び対象を異にしています以上、生活保護基準と共済年金の水準との間に差異があることもやむを得ない、こういう考え方が述べられているわけでございます。 もちろん、年金というのは、退職後の本人及び家族の所得を保障する制度でございますから、その年金水準をもっと全般的に引き上げる方向でなければならないということはわかりますけれども、それが直ちに生活保護基準よりも上でなければならない、こういうことにはならない、全体の年金財政の中で給付水準の改善というものを今後も図っていくべきだ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○三谷委員 生活保護の制度と年金の制度はもちろん別個のものであって、これは同一の性格のものではないことはよくわかりますが、しかし、生活保護制度といいますのは、いわゆる憲法に言うところの生存権、それを保障するための実定行為だと思います。 そこで、要するに最低生活、生存を保障するための最低の基準というものが生活保護の基準であるとしますならば、公務員が退職後におきまして生活の保障というものが必要になってくるわけであって、年金制度というものはそういう意味で存在していると私は思っております。 そうしますと、掛金を掛けて、そして長期にわたりまして公共に奉仕をするという役割りを果たした者が、いわゆる一般社会的な生活保護基準よりも年金額が少ないという扱いというものは、これはどうにも納得できないのではないかと思います。制度の違う点はわかりますけれども、生活保障という基本点に立って考えます場合に、果たして年金がこれでいいだろうかという疑問を持つわけですが、その点はどうでしょうか。
○宮尾政府委員 年金の水準というものをもっと引き上げることが望ましい、特に、年金の支給額が低い人たちに対して引き上げ措置を講じていくことが望ましいということは、基本的にはそのとおりだというふうに思います。これまでも、そういう意味で最低保障額の引き上げ等につきましては意を用いてきたわけでございますけれども、今後もそういう方向で行くべきだということについては、御指摘のとおりであります。 ただ、その生活保護基準に照らして、それよりも低いものはすべて直せというふうに直ちにはやはりいかない。そこに制度の違いというものがどうしてもありまして、先ほど御指摘のようなケースがあることは、私どももそのとおりだというふうに思っております。 繰り返すようですか、基本的には、特に最低保障を中心にして支給基準の引き上げを図るべきだということについては、御指摘のとおりだというふうに考えております。
○三谷委員 かつて、自治大臣は江崎さんだったと思いますが、少なくとも将来は年金によって最低の生活が保障されるようにすべきである、これが理想であるということを答えてくださった。 年金は、本来老後を保障すべきものでありますから、高齢者を保護するという観点からしても、生活保護基準を満たし得ないというふうな状態では、これは速やかな改善を必要とするのではないか。いまも本来は改善していくべきだとおっしゃっているわけですから、もう少しそういう矛盾をなくするような努力をしていただきたいと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○宮尾政府委員 共済年金制度だけの問題でなくて、これはすべての公的年金制度全般に通ずる問題でございます。したがいまして、そういう公的年金制度全体についての大きな検討課題というものがある中で、こういう給付水準の問題というものをどういうふうにしていくのかという検討課題だというふうに考えておるわけでございます。
○三谷委員 検討を前向きにやってもらわぬと——たとえば、さっき申しました公共企業体の年金が退職時給与で計算されておるという問題についても、これを地方公務員に適用するのはなぜ不適当かお答えを願いたいということを質問しましたが、当時行政局長は林さんでしたでしょうか、これは速記録を見ればわかりますが、不均衡であることは否定できないのでぜひとも改善したい、こういうふうにお答えになったのです。記録に残っているわけです。 ですから、質問しますと、そのときどきにほどのいいことをおっしゃいますけれども、何年たっても一向にこれが実現をしないという状況を見ますと、これは一体委員会で何をやっているのかという疑問が生じてくるのであって、そういういろいろな矛盾があって、しかも年金制度全般にかかわる問題もありますけれども、できるところから直していく、後進は先進に従っていくという態度をとって、私は改善をしてもらいたいと思うのです。その点についての御意見といいますか、決意といいますか、私はそれをお聞きしたいと思うのです。
○宮尾政府委員 私どもも、いろいろな御指摘を受けた事項につきまして、改善できる事項については真剣に取り組んで、改善をする努力をしてまいっておるつもりでございます。 ただ、たとえばいまございました退職時の給料に直すというようなことにつきましては、これは単に地方公務員共済組合の制度だけでなくて、共済組合制度全体に通ずる問題でもありますし、直ちにこれを、その方向で努力をいたしますということをここで申し上げられる問題ではないということを申し上げておるわけでございます。
○三谷委員 この共済の掛金などについては積立方式でやっているわけですが、賦課方式に改善をすることについても検討するということをおっしゃっておりましたが、この点についてはどうお考えなのでしょうか。
○宮尾政府委員 これも共済組合制度全体を通ずる問題でございます。それで、共済年金の基本問題を検討しておる研究会がございますが、ここでは、各公的年金制度の整合性を保つためにどうしたらいいかとか、あるいは共済年金制度の将来見通しも踏まえて、財政的な問題もどういうふうにしていったらいいのか、こういうことを研究しておるわけでございます。そういう意味で、積立方式がいいのか賦課方式がいいのか、こういう議論も今後の共済年金財政の見通しの中で議論を詰めていく、検討していく、こういう問題であるというふうに承知をしております。
○三谷委員 お答えを聞いておりますと、何か客観的な事物に対する御判断のような説明がありますが、要するに傍観者じゃないわけですから、それがどのように進んできたのか、この賦課方式について検討すると言ったのも、これは行政局長なんですね。そして、それをやる場合には国庫負担という問題が当然起きてくる。その国庫負担についても、これは検討するということが答えられておりますけれども、お答えがありましてからもうかなり年月が経過しておりますのに、一向にその種の問題については具体化してこないという状況にあります。 ここでお答えになって、検討するとかあるいは改善をするとかおっしゃったことは、全くの食言にすぎないのか、あるいは実際に継続して努力されておるのか、全く私ども疑わしくなってくるわけであって、従来の年金問題についての質疑などについてもう一度検討してくださって、改善すると言ったことは改善してもらわなければいかぬし、できないのであればできないことについての合理的な説明をしてもらうとかやってもらわぬといかぬですよ。聞きますたびに、検討すべき事項であるとか、いやそれは本来言えば改善すべきであるとかいうふうなことだけおっしゃっておって、実態としては全然前進がないということでありますから、その点についてもう一度指摘しておきたいと思うのです。 時間もありませんからもう一つお聞きしておきたいのは、地方公務員の共済制度が三十七年十二月一日に発足したわけですね。資格期間の二十年を経過して退職年金を受給しておる者はまだ実際にはない計算です。そうしますと、五十七年十二月一日以降に初めて該当者が出てくるということだと思います。ですから、現在退職年金を受給しておりますのは昭和三十七年以前のいわゆる恩給期間ですね、それから旧市町村職員共済組合法期間、退職年金条例期間とを合算して、受給を受けておるわけだと思います。 しかし、当時の年金制度の実情から、不幸にも旧年金制度の対象から外された人もたくさんいらっしゃる。これらの人たちについては、本来は旧年金部分は支給されないはずでありますが、実際に職員としての期間が継続しておる場合は掛金率を支給率から控除して支給しておる、そういう状態だと思います。また、勤務が継続していない人についても、資格取得のための期間通算が認められておるようでございます。 国民年金では、これまでに、受給資格のなかった者に対し、さかのぼって掛金を納付すれば年金が支給できるようにするいわゆる特例納付の処置をとったことがあります。ですから、年金の場合におきましても、掛金をさかのぼって支払うことによって、旧年金部分を控除しないで全額支給する処置がとれないだろうかということを考えるわけですが、いかがでしょうか。
○宮尾政府委員 一つは、いわゆる共済控除期間の問題だと思いますが、これは旧市町村共済組合法の規定によりまして、組合員期間に算入をすることとされました旧市町村共済組合法の施行前におきます市町村の職員として引き続く在職期間がいわゆる共済控除期間と言われるわけでございますが、これは掛金を負担していない期間でございますので、年金額の算定に当たりましては、旧市町村共済組合法では一定額を控除するということにしておったわけでございます。そこで、三十七年以降の新共済制度のもとにおきましても、それまでの年金制度の適用を受けていた期間につきましては、その当時の制度における算定方法によりまして年金額を算定するというふうにしておりますことから割り落としをする、こういうことで取り扱っているわけでございます。 そこで、この控除期間について、国民年金制度におきます未納保険料の特例納付の措置に準じたことができないのかという御質問でございますが、これは、国民年金制度の施行後におきまして、国民年金の強制適用の対象者でありながら保険料を納めなかった、すでに保険料の時効期間も経過してしまったという人たちがあるわけでございますが、それをそのままにしておきますと年金がつかない、そこで無年金者をなくすという対策といたしまして、特例として一定の期間に限って保険料を後払いをすれば全部国民年金の期間に認める、こういうことにしておる制度でございます。したがいまして、その共済の控除期間というものとこの特例納付の措置というものは少し性格が違っておる問題でございますので、そういう国民年金における特例措置のような取り扱いをすることは困難だというふうに考えておるわけでございます。 それからもう一つ、制度発足時に引き続かない期間の問題でございますが、これは退職年金の資格期間として取り扱っておるわけでございます。しかし、この資格期間についてこれを組合員の期間にしたらどうですか、こういう点につきましては、これは引き続く職員期間とそれから共済控除期間の取り扱いというものとの均衡からいいまして困難でございますし、また国家公務員の共済制度においても、これはいま地方公務員共済制度で扱っておると同じような資格期間として扱っておるという問題がありまして、この点はやはり御指摘のようなことにするのは困難な問題だというふうに考えておるわけでございます。
○三谷委員 時間が来ましたからこれで終わりますけれども、こういう制度問題をお尋ねしましたときには、いつでも国家公務員がこうだ、国家公務員の方では地方公務員がこうなっているあるいは教職員の共済がそうなっている、お互いに何か相手に責任を求めて、それに籍口して全般的な改善について取り組まないという傾向がしばしばあります。各委員会に行きますと、ほかのやつがどうだと出てくる。ですが、これは政府一体ですから、政府として全般的な問題を総合的に検討して方針を出してもらうということが必要だろうと思います。これは公務員部長の職責ではあるいは困難かもわかりませんが、大臣どうでしょうか、全体としての政府関係の年金制度について不合理点を是正するという点について、努力していただきたいと思うのですが。
○宮尾政府委員 御指摘のような点があってはいけないわけでございますので、私ども共済制度を所管しておる官庁といたしましては、基本問題について研究をする場をつくりまして、これは各共済制度が全部そこに参加して検討しておるわけでございます。そういう中で出てきた結論については、私どもは十分改善の努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○安孫子国務大臣 御注意の点はよく注意をいたしますが、結論いたしますと大変むずかしい問題だということだと思うのです。それで、先ほどそれは別じゃないかというお話もありましたが、背景にはやはり財源問題というものが非常に大きな問題として控えておると思うのです。その辺の問題を具体的に取り上げてまいりませんと、結論を出しにくいという面もあるのじゃないかと私は思うのです。 しかし、いずれにしても研究研究だけで済ませる問題じゃないので、これからますますこの年金問題については解決を急がなければならぬ状況にありますので、いろいろ研究機関あるいは研究会合もあるわけでございますから、積極的にその辺のけじめをきちんとつけて、できるものはできる、できないものはできないという御返事を差し上げるように私も努力いたします。
○三谷委員 終わります。消防庁長官、えらい済みません。あなたのところまで行きませんでした。
○中山(利)委員長代理 小川省吾君。
○小川(省)委員 地方公務員の共済組合法に関連をして質問をいたしたいと思います。 まず恩給法に関係して、恩給局に幾つかをお尋ねをいたします。 何年か前に日赤の看護婦または一般の従軍看護婦が恩給法上の対象に載せられ、長い間の悲願がかなって大変結構なのでありますけれども、この措置はどういうふうになっておるのか、説明をお願いをいたしたいと思います。
○勝又説明員 ただいま御質問の点は、旧日赤救護員に対する慰労給付金の問題かと思いますが、これは私ども直接所管しておりませんので、この場でお答えするのはいかがかと思いますけれども、聞くところによりますと、旧日赤救護看護婦につきましてその在職年につきまして恩給に準じた計算をいたしましたところ、十二年以上ある方につきまして恩給に準じた形での内容を持った給付金を支給するというふうに聞いておるわけでございます。
○小川(省)委員 これは厚生省の援護局になるわけですかね。実は、これらの人たちの従軍期間の問題なんでありますけれども、これは国の看護婦などの場合に一般普通恩給の期間に算入をされているわけですか。
○勝又説明員 恩給は先生御案内のように、判任官以上の官吏あるいは旧軍人を対象とする年金制度でございますが、看護婦さんにつきましては、いわゆる看護婦長の職にある方はこれは判任官として任官されておられますので、看護婦長としての在職期間は恩給公務員期間そのものでございます。ただ、いわゆる一般の看護婦さん、この方は任官していない雇用人でございますので、その在職期間は恩給公務員期間としては見ておりません。
○小川(省)委員 なるほど、婦長以上の、判任官以上の場合には通算をされるけれども、一般看護婦には通算をされないということのようでありますけれども、この取り扱いというのは少し不合理なんではないか。外国政府の職員期間がほとんど見られておるわけでありますから、当然通算をしていくべきが至当であろうというふうに思っておるわけであります。実は、地方公共団体の保健婦や公立病院の看護婦には、これら従軍期間を持っておる方々が少なからずおるわけでありまして、これらの者の扱いは公務員部長さん、どうなっておりますか。
○宮尾政府委員 従軍看護婦としての期間についてでございますが、日赤の救護員として戦地勤務をした期間と旧陸海軍の看護婦として従軍した期間とがあるわけでございます。そこで、日赤の救護員として戦地勤務をした期間につきましては、一つは、恩給公務員に相当する日赤の職制による正規の職員であります看護婦長以上の者で当該戦地勤務に服した後に地方公務員となった者、こういう人たちにつきましては、地方公共団体における退職年金条例におきまして恩給法上の措置に準じて同様の通算措置を講じておりまして、この措置によって年金条例職員期間に通算される期間は組合員期間に通算をすることとされております。 それから一方、日赤救護員のうちで恩給公務員に相当をしない看護婦等についてでございますが、戦地勤務に服した期間は組合員期間に通算されませんが、地方公務員等共済組合法の施行日に在職している更新組合員につきましては、特に年金の受給権を生じさせるためのいわゆる資格期間として取り扱うこととされております。 それから次に、旧陸海軍の看護婦として従軍した期間の問題でございますが、それらの看護婦のうちで任官者につきましては恩給法の適用を受けておりますので、その期間は恩給公務員期間として組合員期間に通算することとされております。 それから雇用人でございますが、これらの人については旧共済組合令の適用を受けておりましたが、旧陸軍の看護婦が従軍する場合は組合を脱退することになっておりましたので、それらの人たちが従軍した期間で地方公務員等共済組合法の施行の日まで引き続いている者につきましては、職員期間として組合期間に算入をすることにしております。また、引き続いていない期間でございますが、組合期間にこれらの期間は通算されませんが、地方公務員等共済組合法の施行日に在職をしておる更新組合員につきましては、特に年金の受給権を生じさせるための資格期間として取り扱う、こういう扱いになっております。
○小川(省)委員 大体そういう扱いをされておるようですから結構でありますが、先ほども申し上げましたように、外国政府の職員期間が通算をされているようでありますから資格期間で見るとか、もう戦時中に任官をしておった婦長以上の者はほとんどないわけでありますから、ぜひひとつしかるべく給付の道を講ずるような措置をお願いいたしたい、こう思っておるわけであります。 それから総理府恩給局に伺います。公務扶助料の最低保障額が引き上げられまして大変結構なことだと思うのでありますが、これに関連をしてお尋ねをいたしたいと思います。いま、文官普通恩給の受給者の数はどのぐらいになるわけですか。
○勝又説明員 昭和五十五年三月末の数字で申し上げますと、文官恩給受給者全体が十五万九千人でございますが、そのうち普通恩給受給者は約六万五千人でございます。
○小川(省)委員 いま、文官の普通恩給の受給者の中でも、軍人の公務扶助料の額以下の者が少なくないと思うわけでありますが、普通恩給の受給者の中で兵の公務扶助料を下回る者はどのくらいおりますか。
○勝又説明員 これも昭和五十五年三月末の数字で申し上げますが、その当時におきます兵に対する公務扶助料、この最低保障額が年額九十九万円でございました。この年額九十九万円を下回る文官の普通恩給受給者の数、これを概算いたしますと約四万人、六二%程度でございます。
○小川(省)委員 ずいぶんおるわけですね。私は、戦時中に軍人として服務した期間をある程度優遇するということはわかるわけでありますが、普通恩給がこれよりさらに下回るということは最低保障額が低過ぎると思うのです。少なくともこのぐらいまでに恩給の最低保障額を引き上げるべきではないかと思っておるわけでありますが、ぜひひとつ検討をお願いいたしたいと思います。 大蔵省の野尻共済課長さんにお伺いをいたします。例の山田メモに基づいて決議をされた附帯決議の、その後の取り扱いの状況はどうなっておりますか。
○野尻説明員 お答え申し上げます。 昭和五十四年の共済年金法の改正の際に大蔵委員会の方から附帯決議をちょうだいしております項目は、全部で五項目でございました。その各項目につきまして、それぞれのその後の検討経過等につきまして御説明いたしたいと思います。 まず第一点は、「退職年金の支給開始年齢を六十歳に引き上げるに当っては、将来の雇用保障との関連に充分配慮し、段階的に退職翻しよう年齢等を引き上げてゆくよう指導に努めること。」これが第一項目でございます。 御承知のように公的年金の支給開始年齢は、平均寿命の推移とか老齢者の稼得能力あるいは年金財政等を総合勘案した上で、そのときどきの状況に応じて一律的な年齢を定めるというものが原則だろうと考えております。これに対しまして定年の年齢というのは、その年齢までの雇用保障であると一般的には考えられておりますので、職種や業種それぞれ異なっているためにそれぞれの企業等が個別的な事情からそれを定めていくということで、年金の支給開始年齢と定年の年齢というのは非常に密接な関係はあろうかとは思いますけれども、これが必ずしも一致していなければならないという、それほどの強いつながりがあるとは考えておりません。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕 しかしながら、今後、わが国の高齢化社会への移行が進められていく中でこの問題を考えてみますと、高齢者の雇用政策と年金政策との連携というのは重要な問題であることも間違いございません。したがいまして、高齢者の雇用対策あるいは失業保険あるいは民間企業等でかなり大幅に採用されつつあります企業年金、その他いろいろな政策を総合的に推し進めていく必要があるのではないだろうかというふうに考えております。 なお、公務員の場合は六十歳に支給開始年齢を上げたわけでございますが、別途本国会に定年制法案が提案されてございまして、昭和六十年には六十歳の定年というものが一応実現するというような形に相なりますと、共済年金の支給開始年齢六十歳というものとは非常にうまくつながるという仕組みにはいまのところなっておるわけであります。 第二項目が長期勤続。高齢者が長期勤続することが非常にむずかしいと思われる重労働職種あるいは危険職種に従事していた方々に対する減額退職年金の減額率について、将来必要に応じて緩和する道を講ずるように、こういう附帯決議でございました。 御承知のように減額退職年金というのは、支給開始年齢より前にやめた人たちが一歳早く年金をもらうたびに一定の率で減額していく、こういう制度でございます。この制度は、早く減額年金をもらった人とそうでなくて支給開始年齢に到達してから年金をもらう人との年金の総額における不公平をなくすために、減額率というのは常に保険数理的に適正な率でなければならないというのが原則だと思います。ただ、こういった重労働や危険職種に長期間従事していた方々については、とてもそうは言ってもそういう支給開始年齢まで勤められないのだから、そういう人たちについての減額率はそう厳しくない率を用いるように、こういう御趣旨と考えております。 なお、この問題につきましては、現在危険職種や重労働職種とは一体各省庁別にどういう職種であるのかといった調査をそれぞれ行っている段階でございますが、この方々がその減額率を緩和しなければならない状況が生まれるのはまだ十五年ほど先のことでございますので、将来必要に応じてそういう検討はさせていただきたいというふうに考えている次第でございます。 それから第三項目でございますが、これは国庫負担の問題でございます。年金制度における国庫負担が制度間に整合性がないではないか、その整合性について検討するようにという御趣旨でございます。 この点につきましても再々申し上げておりますけれども、年金制度における国庫負担のあり方と申しますのは、たとえば厚生年金が二〇%、共済年金が約二八%というように一定の割合だけで、それが不整合であるというふうに見るかどうかというのはまた非常に大きな問題かと考えているわけでございます。 つまり、公的年金に対する国庫負担のあり方というのは、一定の給付に対する率で公平性を保つのか、あるいは定額的に年金のうちのある部分について公平性を保つのかといったようないろいろなむずかしい議論があるわけでございまして、これらにつきましても今後のわが国の公的年金制度全体の公平な国庫負担の配分ということを踏まえまして、さらに今後とも検討を続けてまいりたいというふうに考えている次第でございます。 四番目に、懲戒処分等を受けたことによって退職した人たちに現在は年金の給付を制限しているわけでございますが、この年金の給付の一部制限というのは厚生年金等でも行っていないのだから、その辺について再検討してはどうか、こういう御趣旨の附帯決議でございました。 確かに厚生年金や船員保険等民間で行われております公的年金には、懲戒処分を受けて退職したり、あるいは禁錮以上の刑に処せられて退職したりといったようなかっこうで退職した方々に、それゆえ年金の給付を制限するというような仕組みはございません。これは国家公務員、地方公務員あるいは三公社の共済組合の年金独自の制度でございますけれども、この共済年金は、公的年金としての機能を持っていると同時に、やはり公務員制度なりあるいは公社の職員制度の一環としての位置づけにもあるわけでございますので、そういう面に着目した制限の制度であるわけでございます。 したがいまして、そういう位置づけがある間は、この制限の規定を全部撤廃するというのは非常に問題が多いわけでございますが、現在の制限の仕方が非常に厳しい、懲戒処分を受けましたために退職すると、生涯年金の二割がカットされるのが現在の仕組みでございます。したがって、この制限の中身が若干厳し過ぎるのではないかという御指摘は再々受けておりますので、この点につきましては私どもも、国家公務員の場合で申し上げますと、昨年の十二月二十二日に国家公務員共済組合審議会を開きまして、この緩和の方策につきまして御検討をお願いし、以後今日まで四回ばかり審議会を開いておりまして、どういう緩和の仕方があるかを検討している最中でございます。現在まだ結論を得ておりません。 最後に五番目でございますが、「共済組合制度に関する基本的事項について一元的に調査審議をする機関の設置について検討を行うこと。」 これにつきましては、現在国家公務員の場合は国家公務員共済組合審議会、地方公務員の場合は地方公務員共済組合審議会というそれぞれの審議会がございますけれども、それらの審議会をいわば統合いたしました全体の共済組合審議会をつくったらどうかというような御趣旨も含まれていると思われますが、こういう改正をするためには既存の審議会との関係をどうするのか、あるいはその設置の省庁をどこに置くのかといった技術的に非常にややこしい問題もございますので、当面は共済年金制度全体の基本方策について調査審議する機関といたしまして、大蔵省に共済年金制度基本問題研究会というのを設置させていただきまして、現在約十一回会合を開いております。昨年の六月に設置いたした次第でございます。 以上、五項目につきましてのその後の検討経過を御報告いたしました。
○小川(省)委員 大分検討されておられるようで結構なんでございますけれども、なかなか結論を出すのが困難な問題だけに大変なんだろうと思いますが、ぜひひとつ要望されておるような成果を得るように審議を促進をしていただきたい、このことをお願いをいたしておきたいと思います。 そのうちいま四番目の、特に懲戒処分にかかわる給付制限の問題でお尋ねをしたいのでありますが、私が常に申し上げておりますように、国家を破滅に追い込んだA級戦犯にあっても、公務扶助料については何らの給付制限が行われておらないわけであります。実はこの人たちは死刑囚なんですよね。それにもかかわらず、労働組合運動等によって処分をされた者が給付め制限を受けるなどということがあっていいはずはないと思うわけであります。何としても納得できません。 これらの給付制限を一日も早く撤廃してしかるべきであるというふうに思っておりますが、いまも公務員の年金としてなかなかめんどうな点もあるんだというお話であります。少なくとも、この二〇%というものをより緩和するような方向で早急に検討をしていただきたいと思いますが、重ねてお尋ねをします。この点はいかがですか。
○野尻説明員 国家公務員共済組合審議会で現在まで議論されている内容につきまして若干御説明させていただきますと、まず一つは、一定年齢に到達したところで給付制限を一切解除するというようなやり方はどうか。それからもう一つは、処分時あるいは給付の開始時から一定期間経過した後で給付の制限を解除したらどうか、そういった幾つかの解除の方法等につきましての利害得失に関し、現在比較検討しているという段階でございます。もうちょっと時間をかしていただきたいと考えております。
○小川(省)委員 ぜひ、早急に結論を得て緩和し得るような道を講じていただきたい、このことを強くお願いいたしておきたいと思います。 次に、自治省にお伺いをいたします。 私どもは、長い間共済組合への国庫負担に関連をいたしまして、何としても国庫負担の導入をして厚生年金との整合性を図るべきだ、こういう主張をしてまいりました。同時に、労使の負担割合等も変えてほしいというふうに要望してきたわけでありますが、国庫負担導入問題の現況についてはどうなっておりますか、お伺いいたします。
○宮尾政府委員 共済年金財政に国庫からの補助金を導入する、こういう問題でございますが、これにつきましては、制度をつくるときにもいろいろな議論があったわけでございます。 その当時の経過をいろいろ追ってみますと、そういう制度をつくるべきだという議論と、しかし地方公共団体は公経済の主体であるから、国が出すというよりもそれは公経済の主体である地方公共団体が一般財源の中から出していくべきである、こういう議論とがありまして、結果的には後の方の議論でいわば公費負担の制度をつくるということにいたしまして、その地方公共団体が負担をする財源の措置については、地方財政計画の中で義務的な経費としてこれを計上していく、こういう整理を行って現在に至っておるわけでございます。 その当時のいろいろな御議論、あるいはその後におきましても国の負担を導入すべきではないか、こういう御議論があることは十分存じておるわけでございますが、制度の創設のときにそういう経過があったということで、現時点では一つの議論として私どもも承知をいたしておりますが、直ちにそういう方向で検討するということにはなかなかいかない基本的な問題であるというふうに考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 基本的な問題でありますが、厚生年金との不整合の問題あるいはこういう導入をすれば当然財源もある程度再検討し得るわけでございますから、ぜひ検討するように大蔵に対して強く折衝してもらいたい、こういうことを要望いたしておきたいと思います。 さて昭和五十五年度、五十一年から実施をされてまいりました寡婦加算制度が八月から大幅に引き上げられたわけでございます。基本的な遺族年金の引き上げではないにしても結構なことであるわけでありますが、自治省は昨年四十歳以下云々というようなことで、これが改正されることを承知をしながら、実は改正を見送ってしまったわけでございます。給付者にとっては、大きな損失をこうむったわけでございます。 本年から増額措置をとられるようでありますけれども、昨年度分についてはどうするのか、自治省の誤った態度によってみすみすこうむった損失はどうなっていくのか、昨年八月から本年三月までの取り扱いをどうするつもりなのか、お伺いをしたいと思うのです。何らかの形でこの損失を埋め合わせをしていただけるのですか。
○宮尾政府委員 昨年、厚生年金法の改正案が提出された段階におきまして、共済年金制度におきましてもこの寡婦加算の引き上げ措置をどうするのかということが議論になりまして、これは地方公務員の共済組合だけの措置ではございませんで、その他の国家公務員共済組合等共済制度全体を通じまして、厚生年金保険法案の内容については、いわゆる子なし若妻についての併給調整の措置等、四十歳未満の子どもがない寡婦については年金を支給しない、支給権を発生させないというふうな措置等がありましたので、各共済制度を通じてその改正措置は見合わせることにいたしたわけでございます。もちろん私ども、地方公務員共済制度につきましては審議会にもお諮りをいたしまして、審議会の御意見としても、この際は見合わせて慎重に検討して成案を得るようにしなさい、こういう答申をいただいてそういう措置を講じたわけでございます。 そこで、厚生年金保険法につきましては昨年の六月、その提出法案に国会修正等が加えられまして成立いたしたわけでございますが、遺族年金の制度全体について検討する中で、この寡婦加算の問題も本来は扱っていくことが必要だと思います。しかし、厚生年金制度ですでに相当大幅な寡婦加算の引き上げ措置がスタートをしてしまっている、そして遺族年金の給付水準をどうするかという問題についてはある程度まだ時間がかかる、こういう中で、いままでと同じようにほうっておいていいのかどうかという問題が出てまいりまして、いろいろ総合的に判断をし、検討した結果、審議会の御意見等もいただいて、今回、五十六年度から引き上げ措置を行うということにするのが適当だ、こういう考え方をとったわけでございます。 そこで、約一年ずれたことについては、そういう経緯をたどったわけでございまして、御指摘のように一年間ずれたということになるわけでございますが、これについては、仮に厚生年金の支給と同じところまでさかのぼるというような措置をとることになりますと、退職年金あるいは老齢年金等の給付調整措置もこれに一緒についておりますので、給付調整の措置も、すでに裁定が終わっておる人たちの分についてし直さなければならない、それもさかのぼらなければならないという問題が出てきまして、そういう既得権との関係で逆にまたいろいろ問題が出てくる、こういうことを考えてさかのぼることはいたさないということに踏み切ったわけでございます。そういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○小川(省)委員 御理解いただきたいと言っても、厚生年金法は、四十歳未満云々というものは国会の修正でなくなったわけですよ。そういうようなところかあったから、自治省が——自治省だけではない、大蔵もそうなんでしょうが、判断を誤ったわけです。そういうことで受給者がみすみす損失をこうむるわけでありますから、こういう点については何らかの形で補償を求めたいと思うのですが、こういう点については、最低保障額の引き上げなり何らかの形で、借金を負ったという形で、今後ぜひ検討をしていただきたい、こういうふうにお願いをいたしておきたいと思います。 次に、長い間問題になってきた現職公務員との格差の解消の問題について、若干お伺いしたいと思うのです。 まず一年おくれの問題でありますが、一年おくれの問題についてはどのように解決をされようといたしておるわけですか。
○宮尾政府委員 一年おくれの問題については、かねがねからそういう問題が提起され、何回も御議論をいただいておるわけでございますが、この問題につきましては、先生御承知のように共済年金制度は恩給制度とつながっておるということもございまして、恩給制度その他の公的年金制度との関連をどうするのか、それから財政負担の問題が当然出てまいりますが、そういった問題をどうするのかというような各般の検討をして、どういうふうに判断するかという問題だと考えております。したがいまして、この問題については共済年金制度基本問題研究会でも検討課題になっておりますので、その検討結果を踏まえて対処していきたいと思っております。
○小川(省)委員 大分時間が迫ってきたようでありますから、質問の幾つかを飛ばしてお尋ねをいたしますが、都市共済についてお尋ねをいたしたいと思います。 呉や大牟田、鹿児島等ではかなり苦しくなってきていると聞いておるわけであります。恐らく追加費用の問題が原因ではないかと思うのですが、どういう状況になっておるのか、また今後どういうふうにして解決していくように指導していかれるのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○宮尾政府委員 都市共済の問題でございますが、いまお示しがありましたように、呉市の共済組合等を中心に相当財政状況が悪化しているものがございます。もちろんその中で、これは各組合共通でございますが、追加費用の割合というのは支出する費用の中で相当大きなウエートを占めているわけでございます。ほうっておきますと、たとえば呉の場合は、五十四年度ではすでに単年度二億五千万円ほどの赤字になっております。積立金は二十六億ほどありますが、これをどんどん食っていきますと後大変なことになる、こういう状況でございます。 それで、これは御承知のように、都市共済組合連合会に資金を一定額プールいたしまして、長期給付積立金という形で資金が積み立ててありますが、これを財政状況が非常に悪化して資金が不足したところには交付していくという仕組みがあります。これを活用していくことが第一でありますが、もちろんそれだけでは、将来を見通した場合に十分ではないということでございますので、私どもといたしましては、財政基盤が脆弱な共済組合がたくさんある、こういう状態を何らかの形でもう少し考えていく必要があるということで、年金財政の一元化あるいは組合の統合というような課題についていろいろな面から検討していく時期に差しかかってきているのではないか、将来問題としてそういうことも検討していきたいと考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 ぜひひとつ、呉や大牟田や鹿児島等、そのほかにもどんどんそういう苦しい組合が出てくると思いますので適切な指導をとっていただきたい、こう思っております。 長い間教員であった者あるいは校長であった者が教育長となって、地共済の年金を受給する者がふえてきておるわけでありますが、財源調整の問題でありますが、恐らく非常にむずかしいのでやってないのだと思いますけれども、地共済の財源が枯渇してきつつある現状にあるわけでありますから、こういう面についての財源調整ということは考えられていないのかどうか、またどうするのかをお伺いいたします。
○宮尾政府委員 財源調整といいますか、責任準備金を移す問題の御質問かと存じますが、学校長であった人が教育長等になりますと、それは市町村の共済組合が年金の支給を将来しなければならぬ、こういうことになります。そこで、学校長として公立学校の方に積んだ責任準備金というものを市町村に持ってこなければ、市町村の職員共済組合の方がその財源に穴があくということで、法律ではそういうものをきちんと移管をしなさいという仕組みになっておるわけでございます。 しかしながら、これはそれぞれの共済組合全体を通じてそういうふうにすべきであるという法律の定めになっておりますが、非常に膨大な事務量なり事務費がかかる、それからその移管をするについての計算方式についてきわめて現実的な処理を定めておりますために移管額の不均衡が個々の組合等に出てくる、こういう問題がありまして、現実にはまだそういうことをやるための仕組みを自治省として示してありません。私どもは、これは事務的になかなかむずかしい問題がありますのでにわかにそういうことになっていないわけですが、ぜひ研究を早めてそういうことについても取り組んでいきたいというふうに考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 それから被扶養者の認定基準の収入の限度額の問題でありますけれども、四十九年の四月に七十万円に決められたわけであります。多くの被扶養者が、被扶養者から国民健保に変わらざるを得ないような状況が至るところに出てきておるわけであります。最近、閣議でこの問題が取り上げられて引き上げられたと聞いておりますけれども、どのように変わったわけですか。
○宮尾政府委員 被扶養者の認定の問題でございますが、これにつきましては、従前、その所得税の扱いあるいは給与法の扱い等を参酌いたしまして七十万程度というふうにしておりましたが、今回所得税法あるいは給与法の取り扱いが五月一日から八十万に引き上げられることになりましたので、共済制度におきましても五月一日から七十万円を八十万円に引き上げる、こういうふうに措置をいたしました。 それからなお、地方公務員等共済組合法施行令を改正いたしまして、被扶養者に係る生計維持要件に関することの認定基準というものを自治大臣が定めることになっておりますが、その場合に、給与法とか所得税法の取り扱いを参酌するほかに健康保険法の認定の取り扱いも勘案するというふうに改めたわけでございます。そういうことに伴いまして、被扶養者の認定の特例措置といたしまして、障害年金受給者と六十五歳以上の老年者につきましては所得制限を八十万円を百二十万円にする、こういうことに改めました。そしてこういう形で運用することにいたしております。
○小川(省)委員 時間が参ったようでありますから、最後に一つだけ伺います。管理運営の問題であります。各組合の理事や運審の委員やあるいはまた組合会議員等の選出の問題なんでありますけれども、この選出基準がどうなっているのかということなんです。現在の段階ではまあまあそうなっておりますが、組合員を代表する者というふうにぜひ改めてほしいという声が大変強いわけでありますけれども、改めていただけますでしょうか。
○宮尾政府委員 組合会の代表者の問題でございますけれども、これは先生御承知のように組合会の議員につきましては、市町村長のうちから選挙されました議員と、それから市町村長以外の組合員のうちから選挙した議員とが同数選挙される、こういうことで個々の組合会が構成をされておるわけでございます。それから組合の役員である理事につきましても、それぞれのそういう形で選挙された議員のうちから同数選挙される、こういう形になっておりますので、いまの仕組みの中で組合員の意志というものが組合の運営に十分反映されているんではないかというふうに私ども考えているわけです。 要は、組合員の意志を運営に反映をさせ、民主的な運営ができるということを担保すべきだという御意見だというふうに思いますので、私どもは現行の仕組みの中でもそういうことが十分できると考え、またそういう方向で運営するように指導してまいりたいと思っております。
○小川(省)委員 ぜひひとつ、民主的な運営が確保できるような方策を講じていただきたい、こういうことをお願いをいたしておきたいと思います。 大臣、実はいま私、半分ぐらい時間の関係で質問を省略をいたしてしまったわけでありますが、共済組合法にはかなりの問題が含まれておるというふうに言わなければなりません。しかるに、ややもすれば共済組合法を軽視をするような動きがないわけではないわけでありまして、そういう意味でぜひひとつ、共済組合法関係についても大臣の所管の一環として十分意を用いてもらいたい、こういうことを強く要請をしたいと思います。何か一言ございますか。
○安孫子国務大臣 御要望に沿いまして努力をいたします。
○小川(省)委員 終わります。
○左藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○左藤委員長 この際、本案に対し、自由民主党を代表して工藤巖君より修正案が提出されております。 修正案の提出者から趣旨の説明を聴取いたします。工藤巖君。
○工藤委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、その提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。 本修正案は、政府原案で「昭和五十六年四月一日」と定められております施行期日につきまして、すでにその日が経過しておりますので、これを「公布の日」に改めるとともに、これに伴いまして所要の規定の整備を行おうとするものであります。 以上が修正案の提案の趣旨及びその内容であります。 何とぞ御賛成くださいますようお願いいたします。
○左藤委員長 以上で修正案についての趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○左藤委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、工藤巖君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○左藤委員長 起立総員。よって本修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○左藤委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○左藤委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブを代表して工藤巖君外五名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。工藤巖君。
○工藤委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブの六党を代表して、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、共済組合制度の充実を図るため、左記事項を実現するよう、なお一層努力すべきである。 記 一 長期給付に要する費用の公的負担分については、厚生年金等の負担と異っている現状にかんがみ、公的年金制度間の整合性に配意しつつ検討を続けること。 二 短期給付に要する費用の負担について、組合員の生活実態等にかんがみ、適切な措置を講ずること。 三 年金額の改定実施時期については、現職公務員の給与より一年の遅れがあるので、遅れをなくすよう特段の配慮をすること。 四 懲戒処分者に対する年金の給付制限については、他の公的年金との均衡も考慮して引き続き検討すること。 五 退職年金等の最低保障額について、引き続きその引上げを図ること。 六 遺族年金の給付水準を七十パーセントとするよう努力すること。 七 退職年金受給者等の医療の充実を図るため、任意継続組合員期間を延長するよう検討すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。
○左藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 これより採決いたします。 工藤巖君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○左藤委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、安孫子自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安孫子自治大臣。
○安孫子国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして善処してまいりたいと考えております。 —————————————
○左藤委員長 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○左藤委員長 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。久間章生君。
○久間委員 待望の地方公務員法の一部を改正する法律案の審議にやっと入ることができまして、本当に喜びにたえないわけでございます。といいますのは、もう選挙区に帰りますたびに、いつ法律は通るのか、今度こそ定年制は実施されるのかと非常に期待を持ってながめられておりまして、今度こそ通らなかったらもう永久にだめじゃないか、そういうことまで言う市町村長さんたちもたくさんおられまして、ぜひ今回の国会で上げていただきたいとみんなが思っているようでございます。 そこで、まず大臣にお伺いしたいわけでございますけれども、提案理由の説明では、「職員の新陳代謝を確保し、長期的展望に立った計画的、かつ、安定的な人事管理を推進するため、適正な退職管理制度を整備することが必要であります。」としておりますけれども、大臣は知事もしていらっしゃったわけでございますから、地方公共団体の実情は私ども以上に熟知しておられると思うのでございます。 そこで、現在のような制度のままでは、いま述べたような内容のことが十分達成せられないと認識しておられるのかどうか。本制度を設けられた背景につきましても、御経験を踏まえ、御所見をこの際承っておきたいと思います。
○安孫子国務大臣 本制度を実施をいたしたいという趣旨につきましては提案理由に申し述べたとおりでございまするが、現在の実情から申しますと、退職勧告というようなことをやっておりますけれども、だんだんとこれが困難になってまいっております。特に市町村等におきまして、その実施が困難な実情もございます。また、県におきましても、ある県はこれが非常に停滞をして、所期の目的を達し得ないという県もあるわけでございます。したがいまして、この傾向というものは、これから高齢化社会に進むに従いましてだんだんと深刻になってくる、こういうふうに思うのです。 それからまた、退職する人の立場を考えてみましても、やはり一定年限の定年がございますれば、そこでその後の問題につきましても十分計画的に処置できるわけでございまして、その点を考えても退職者の立場から考えても、特に年齢をある程度延ばしてまいりますればこの方が安定をすると考えまするし、また府県、市町村行政を実施する面におきまして、提案理由に御説明申し上げましたとおり計画的な人員配置、そして効率的な地方自治行政が確保されるゆえんでもあるわけでございまするので、この点はぜひこの定年制というものを私どもは実施をいたしたいと考えておるわけでございます。いろいろ具体的な問題について申し述べる機会もあろうかと存じまするが、私の実感といたしまして、もうこの際ぜひこの定年制につきましては実施をしていただかなければならぬような実態に相なっておるということだけは、ひとつ御理解を願いたいと思います。
○久間委員 自治大臣の御認識もっともだと思います。私は、それに加えて自治大臣に認識していただかなければいけないのは、民間においてはほとんど定年制が実施されておるということでございます。最近では、貧しかるよりもむしろ公平でないことを憂えるというようなことが行革等でも盛んに言われているわけでございますけれども、民間においてはほとんどの会社、特に人事院が公務員と比較する場合に対象とするような会社はほとんどが定年制を実施しておる。 私どもがこの地方行政委員会の調査室からもらった資料によりましても、民間企業における定年制度の概況の表を見ますと五百人以上の企業では九八・七%、約九九%、ほとんどの企業が実施しておるということでございます。しかも、民間の場合にはその年齢も五十五歳あるいは五十八歳、六十歳とばらばらでございますけれども、まあ概して六十歳以下になっておる。そういうことを考えれば、どうしてもここで定年制をしかなければ非常に不公平感がみんなの気持ちの中に残ってしまうのじゃないか、私はこれは行政を担当する自治大臣として十分考えなければいけないことじゃないか、そのように思うわけでございます。 そこで次の質問に入ってまいりますけれども、地方行政委員会のこれまた調査室の資料によりますと、自治省においてはこれまでも何回となく定年制を導入しようと計画されて、法律案も国会に出してこられたようでございますけれども、これまでの経過につきまして担当部局より御説明を願いたいと思います。
○宮尾政府委員 地方公務員につきまして、政府がこれまで定年制というものの立法措置を行おうということで、過去に何回か国会に法案を提出した経緯がございます。 第一回目の法案は、昭和三十一年の第二十四国会に法案が提出をされまして、このときは参議院先議で附帯決議がついて参議院で可決されたわけでございますが、継続審議になりまして、第二十四国会、二十五国会継続になりまして、第二十六国会におきまして審査未了のため廃案ということになっております。それから二回目の法案は、四十三年の第五十八国会に提出をされました。これは、同国会におきまして審査未了のため廃案となっております。それから同じく四十三年の十二月に、六十一国会に法案が提出されまして、四十四年六月衆議院で可決されましたが、八月に参議院段階で審査未了のため廃案ということになっております。それから、その次が五十五年の三月に、九十一国会に提出をされました法案でございまして、これは審査未了のため廃案となりました。五十五年の十月、九十三国会、前国会に法案が同じ内容で提出をされましたが、それが継続審査となりまして、今国会でただいま御審議をいただいておる、こういう状況でございます。
○久間委員 自治省の方でも何度か試みて、努力もしてきたということもわかりますけれども、私はこの際考えていただきたいのは、戦後各地方公共団体は独自で定年制の条例を持っておったんですね。ところが、地方自治法をつくったために、そのときに十分な配慮がされなかったために、その条例が無効になってしまった。定年制を地方団体が独自でしけなくなってしまった。そこにこの問題の混乱の原因があったんじゃないか、そのように思うわけです。 本来からいいますと、こういうのを法律で決めなくても、地方自治団体がみずからの手で、みずからの職員の定年をどうするかということは決められてしかるべきなんです。それが、地方自治法を制定するときに身分保障の制度とうらはらの関係で、そのような条例が全部自動的に無効とされてしまった。そこに問題があったんじゃないか。私は、こういう点について、やはり自治省は地方自治法を所管する省として十分反省していただきたい、そのように思うわけでございます。 そこで、そういうふうに法律が施行されてしまったわけでございますから、それはやむを得ないとして、現在、昭和四十四年からこちらは全然法律案が国会にも出されていないわけでございます。しかしながら、地方自治団体からはこの間にも、とにかく定年制をしいてくれ、しいてくれという要望は自治省の方にもあったんじゃないか、そのように思いますけれども、なぜ四十四年以来一貫してこの法律案を出さずに今度出されるようになったのか。その辺の経緯についてもお聞かせ願いたいと思います。
○宮尾政府委員 各地方公共団体から定年制度の導入につきまして、これまでたびたび要望が出ております。これは昭和二十七年当時から計算をいたしまして、各団体を含めて百五十一回にも及んでおるという状況になっております。それほど各地方公共団体で、退職管理を適正に行うために定年制度というものが望まれておったわけでございますが、先ほど申し上げましたような定年制導入のための法案の提出は、今回の前は四十四年で、以降四十四年を最後としまして、約十年ほど行わなかったわけでございます。 これは自治省として、定年制度というものについて検討なり導入の必要性というものを認めなかったわけではありません。相変わらずそれについては必要だという考え方のもとに、すでにいろいろな研究等は行っておったわけでございますが、先ほど申し上げましたような何回かにわたる国会での御審議の経緯等もありまして、また国家公務員における制度の検討等の状況等もにらみながら、その時期をいろいろと考えておったというのが現状でございます。今回、国家公務員について定年制度が導入をされる、こういうことに方針が決められ、法案が提出をされましたので、地方公務員についても同様にいたしたいというのが自治省の基本的な考え方でございます。
○久間委員 四十四年から昨年まで十年間以上、検討はされたんでしょうけれども、少なくともこの問題について決着をつけようという形で主体的な行動は起こされていなかった。その間に、地方自治団体としては非常に苦労をしていたと思うのです。私たちも県会の場で、いろいろな実例を挙げながら話をしていきますと、国に対して要望はしておる、しかしながら、自治省がとにかく腰を上げて法案を出してくれなければどうにもならないんだ、そういうような話ばかり返ってきてもう歯ぎしりしたものでございます。 私は四十四年の経過を見ましても、衆議院は少なくとも通過して参議院に回っておる、そして時間切れで廃案になったわけでございますから、衆議院の院議を尊重するなら、その次でもすかさず出すべきじゃなかったか。もちろん、国家公務員とのバランスの問題もあったろうと思います。当時は、国家公務員についてはそれほど話題になっていなかった、そういう点もあったろうと思いますけれども、やはりその間に退職勧奨の制度その他によって地方自治団体がこうむった経費の支出増といいますか、そういうものは莫大なものだったんじゃないか。 また金にかえられないような、たとえば高齢者を一人やめさせれば、三人新卒の大卒者を使うことができるわけでございますから、住民へのサービスの点からいっても大きなマイナスがあったんじゃないか。やはりこの問題については、この十年間のブランクについて自治省としては十分責任を痛感してもらわなければいけないのじゃないか、そのように思うわけです。 ところで、最近のマスコミの論調を見てみますと、公務員の定年制度の導入を強く主張しているようでありますが、これも国民世論を反映したものというふうに受け取れます。政府の方では、公務員の定年制度の導入につきまして世論調査等をされたことがあるのかどうか。 私の知る限りでは、いまや国民の大半が、民間では定年制がしかれているのになぜ公務員だけが聖域になっていて、本人がやめようと思わなければ何歳まででもやれるというのは制度そのものがおかしいんじゃないか、そういうような意見が非常に強いわけでございますし、また割り増しの退職金を払ったり、さっき言いましたように老人一人にかわって三人の大卒者を雇うことができるというようなことから、大変批判が続出しておるのでございます。こういうような調査の結果について調べておられれば、その結果を教えていただきたいと思います。
○宮尾政府委員 最近の調査といたしましては、五十三年に総理府が行いました公務員の定年制度に関する世論調査というのがあります。これによりますと、公務員への定年制度の導入の必要性につきましてどうかということの問いに対しまして、六三%が必要があるというふうに答えております。 なお、こういった調査は、前にも昭和四十八年、それから昭和五十年と行われておりますが、四十八年の場合には、必要があると答えた者が五〇%、それから五十年の段階で六〇%、こういう状況でありまして、それが五十三年調査では六三%というように漸次ふえておる状況にあります。こういう結果から見まして、国民の多くが公務員について定年制度を設ける必要があるという考え方をとっておるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○久間委員 五十三年度の調査でそれだけの数字が出ておるわけでございますから、昨今ではもっともっと高い数字が出ているんじゃないか、そのようにも思うわけです。 ところで、この際、大臣にひとつお伺いしておきたいのですけれども、大臣は提案理由の説明において「高齢化社会への対応に配慮しつつ」ということを述べておられます。また、現在、政府は中高年齢者の雇用促進を進めておりますけれども、地方公務員の定年制を設けることとこのような政策との関係についてはどう整合するのか、自治大臣のお考えをこの際お聞きしておきたいと思います。
○安孫子国務大臣 現在、勧奨対象にしておりますのは、おおむね五十五あるいは五十六、五十七、五十八どまりぐらいじゃないかと思うのです。そういたしますと、その後の人生設計というものもまた問題になる、こういうような問題もまた出てくるわけでございます。国家公務員の場合には、おおむね六十歳という見当にしておるわけでございまするが、これは県条例にもよりますけれども、六十歳ということを一応想定いたしますと、その点は高齢化社会に対応する体制が一つでき上がる、私はそう思うのです。そこで整合性が一つここで生み出される、こういうふうに考えているわけでございます。そういう点で高齢化社会に対するところの多様性、適合性、こういうものもこの定年制実施によりまして確保できる、かように考えております。
○久間委員 反対の意見の中で、高齢化社会に向かって進んでいるときに、一定の年齢で職場を去らせることを法律で決めるのはおかしいじゃないか、そういう意見もあるわけですけれども、私は先ほどの国民の世論を見てみましても、中高年齢者の雇用促進については、もちろんこれまた国民は、そういう政策について賛意を示しつつも、やはり一方では民間も含めて定年制をしくこと自体には、その合理的な根拠といいますか、客観的な必要性というものを認めているわけでございまして、両者はやはり別個の問題であるというふうに理解しておるわけなんです。 だから、まずは民間と同じように、同じ土俵、レベルに上げてしまって、六十歳を基準とする、いま大臣が言われたように一つのそういう土俵をつくってしまって、その上に立って、さらにそれを民間が延びていくなら、公務員についても延ばしていくというような、そこの上に立った中高年齢者の雇用促進対策というものを別途考えるというのが筋じゃないか。したがって、この二つの問題というものは何ら矛盾する問題じゃないというふうに私自身も理解しておりますけれども、いまの大臣のお話を伺っても、そのような御認識のようでございますので、安心した次第でございます。 次に、この高齢者がいま職種別にどのように在職しているのか、その職種別在職状況についてお尋ねいたしたいと思います。 昨年三月のサンケイ新聞によりますと、八十一歳の高齢者——私もこの新聞を見て初めて、それほどまでの高齢者がいたのかということを知ったわけでございますけれども、高齢者Aさんの紹介を初め、八十歳以上が四人もいる大田区の実例とか、また全国では六十五歳以上が十万人ですか、七十歳以上が二千人というような数字も言われておりますけれども、沖繩のある村では職員の一三・五%が六十歳以上だという話も聞いておるわけです。これらの実情について自治省の方で調査されておられれば、お聞かせ願いたいと思います。
○宮尾政府委員 最初に、高齢者の職種別の在職状況というお尋ねでございますので、それにつきまして職種別にまず申し上げてみますと、五十五年の給与実態調査で見ますと、地方公務員の場合、一般職員では六十歳以上の在職者は〇・三%で四千三百五十五人、一般職員全体では約百三十万人でございます。それから技能労務職員、約三十八万七千人の中で六十歳以上が実数では一万三千二百六十六人、三・四%、それから企業職員十六万六千人の中で八百六十四人、〇・五%、消防職員は約十一万八千人でございますが、六十七名、〇・一%、警察職員は二十一万人のうちでわずかに四名、これはほとんど数字にはあらわれません。それから教育職員は約九十六万七千人おりますが、この中で二千五百五十名、〇・三%が六十歳以上ということになっております。それで全職員、これらの職種全体を通じてのトータルは、六十歳以上が二万一千百六名、割合といたしましては〇・七%、こういう状況になっております。 それから、もちろん、高齢者が各地方団体ごとにどういう状況になっているかということについては、それぞれの団体によって非常に違っておりまして、退職管理がうまくいっているところといってないところで相当な差があります。たくさんの団体がございますので、詳細なデータというのはなかなか申し上げにくいわけでございますが、それぞれ、これを別の角度から見ますと、相当な高齢者について退職の勧奨をしておる、それに対して応諾をしている率が非常に低いところ、こういうところが個々に団体を見ると相当ありますので、そういうところでは年齢構成が相当高い職員がいる団体となっている、こういうふうに見受けられるわけであります。参考までに、応諾率がたとえば六割を割っておるような団体は、市の場合には約一四%程度くらいあるという状況になっております。
○久間委員 私は、地方公共団体の職員のうち、もちろん一般職もそうでございますけれども、学校の教職員等におきましても六十歳以上の人がかなりおられる。これもひとつ問題じゃないかというように思うのです。かって私は県会議員をやっておりましたときに、文教委員会等で問題になったことがございますけれども、六十七歳のおばあちゃん先生——子供たちから見ればおばあちゃんでございますから、あえておばあちゃんと言わせてもらいますけれども、学校の防災訓練のときに、小学校四年生の生徒に逆に手を引かれて一緒に逃げたというのですよ。先生は本来、さあ、皆さん、こっちに来て、こうしなさい、ああしなさいというのが防災訓練のあり方でございますけれども、小学校四年生というとすばしっこいですから、これは本当にこっけいになってしまいますけれども、四年生の子供に逆に手を引かれたということが問題になったわけでございます。 あるいはまた、私の県であります長崎市内なら長崎市内、これは異動はなかなか簡単にできないから、高齢者の人が残っていると、やめた場合にしか新規が入ってこない。そういうようなことで、新人の先生方はほとんど五島に行ってしまう、対馬に行ってしまうというような形で、離島に行くわけです。そうしますと、学校の先生方が高齢化してしまう。学校ではせっかくプールをつくったけれども、泳ぐ生徒はおっても、指導する先生、一緒になって泳ぐ先生がいない。特に、小学校の先生なんかの場合には女の方が多うございますから、泳げない人がおられる。最近の若い女の方だったら、水泳ができるかどうかを試した上で、やはり水泳ぐらいできなければ教師としてはだめだというようなことで、採用のときにそれも一つのチェックにしていると思いますけれども、ともかく高齢者の方々ばかりで、プールはできたが指導者がいない、そういうことになってしまった例もございます。 また、これまた私のごく身近なところでございましたけれども、子供が学校給食費でしたかPTAの会費でしたか、ともかく持っていったのを六十過ぎた先生が忘れていて非常に問題になった。そういうようなケースもあったわけでございます。 したがって、こういうようないろいろな問題を考えてみますと、定年制をやはりしかなければ、地方自治体としてはとにかく自分たちではもうどうしようもないんだ、退職勧奨を幾らやっても、とにかくそういう人たちがやはり残っちゃうんだというような話でございまして、おくればせながら今回やっとここまでこぎつけられた御努力というのは多とするわけでございますけれども、先ほどから何回も繰り返すように、これまでの間にもっと世論を喚起して、なぜもっと早く法律を出せなかったのか。四十四年から今日まで放置してきたというのは、私は本当にそこに自治省としての行政責任が問われるのではないか、そういうような気がするわけでございます。 しかし、この問題についてはいまさら振り返ってみてもしようがないわけでございますから、大いにいままでのことについて、地方自治体のそういう実情というのを再認識していただいて、次の質問に入ってまいりたいと思います。 次に、退職勧奨の制度についてお尋ねするわけでございますけれども、先ほど述べましたように、地方公共団体が条例で定年制を定めていたものを、国が地方自治法を一方的に決めてしまったためにこれらの条例が無効になってしまったということで、地方自治体としてはこれにかわるべきうまい方法がないかと考えたのが、この退職勧奨の制度でございます。 安孫子自治大臣も知事をしておられて、退職勧奨で、この制度がなかったならばもっともっとひどかったろうということは理解されると思うわけでございますけれども、この退職勧奨の制度をつくって、これによって老齢者の退職に努力しておられるようでございますが、これまた大変金がかかります。それと同時に、なかなか簡単には応じてもらえない。後で人事院の方にも聞きますけれども、いまの給与制度では後に残れば残るほど給与が上がっていくわけでございますから、一年、二年がまんしておっても三年、四年、五年と勤めた方がましだというようなことになって、なかなか応じてもらえない。 今度この法律が出ましてからも、退職勧奨の制度がうまくいっているから、わざわざこの法律をつくらなくてもいいじゃないかというような意見も一部にあると聞いておりまして、そういう方々は地方自治体の実態を全く知らない人だ、あるいは知り過ぎて逆にそういうことを言っておるのだ、そういう気さえしたわけでございますけれども、この退職勧奨の応諾率はどうなっているのか。また、法的根拠等もないために、訴訟まで持ち込まれたケースもあるというふうに聞いております。訴訟まではならないにしても、人事委員会に訴えられたケースは多々あるのではないか、そのように思うわけでございますけれども、これらの実情についてお聞かせ願いたいと思います。
○宮尾政府委員 定年制度がないために、各地方公共団体がいわゆる退職の勧奨という形で退職管理を行っておるわけでございます。この退職勧奨制度によります応諾率でございますが、全地方団体では八六・四%ということになっております。 それで、これをもう少し細かく見ますと、これは昭和五十四年度の調査結果でございますが、都道府県が八九・四%、市が七七・九%、町村が八九・七%というのが全体の姿であります。ただ、これはいずれにしても全地方団体あるいは全都道府県というようなトータルの数字でございますので、個別に見ますと、個々の市町村におきまして応諾率がいいところ、悪いところ、非常にばらつきがあるわけでございます。 先ほどもちょっと申し上げましたように、たとえば応諾率が六〇%以下というような団体、これは指定市、特別区、市全体をひっくるめて六百三十九の団体で見てみますと、八十八団体、一三・八%の団体がやはり応諾率が六〇%以下ということで、そういう団体では必ずしも勧奨退職制度というものがうまくいってない状況にある。片方また、非常に勧奨退職制度がうまくいっているところもありますけれども、そういう状況が見られるということであります。 それから、いま御質問の中にございましたように、この勧奨退職制度は本人の同意を要件とするものでございますので、必ずしもスムーズにいかないケースが時としてあるわけでございまして、そういう点についての各地方公共団体の人事当局におけるいろいろな苦労がありますほか、職員の側から見ましても、勧奨をそのまま受けて退職をする人とそれに応じない人との間での不公平の問題が残るなど、人事管理の面でいろいろ悪い影響が出ているわけでございます。 そこで、人事委員会に提訴をしたり、あるいは訴訟というような事例がたくさんあるのではないかという御質問でございます。これは、私ども全団体についてそういうものを掌握するために調査をしたことはございませんので、その状況が現実にどうなっているかというのはわかりませんが、実際にはいま申し上げましたように人事当局も非常に苦労をいたしまして、強制的に退職の勧奨を行うということは避けておりますので、私どもの予想としては、そういうケースは実際問題としてはそう多くないであろうというふうに思っております。 なお、具体的な訴訟となった事件等については、二、三の事例があることを私どもとしては承知をいたしております。
○久間委員 私の調べた範囲でも、退職勧奨の仕方がしつこ過ぎたとかやり方が少し違法性があったとかいうようなことで、訴訟まで持ち込まれて負けたというようなケースも聞いておりますし、またそういうことを聞くことによって、地方公共団体としては退職勧奨もあんまりはやれないのではないかということで手控えざるを得ない、そういうことから、先ほど言いましたように市で二〇%以上の非応諾率といいますか、応諾されない方がおられるような状況にもなった。そうなってくると、職員間でも素直に応じた者がばかを見るといいますか、正直者がばかを見るようなかっこうになってしまう、そういうケースもあって退職勧奨の制度も非常に問題ではないか、私はそう思っているわけです。 また、この間もある町長さんから聞いたわけでございますが、一応ある年齢に達したら退職勧奨をする、ところが、この人は仕事ができるからもうしばらく残ってもらいたいなという人も、やはり同じようにしないと不公平だからする。しかし、そういう方に限って後進に道を譲ろうということでさっとやめられる。ところが、こういう方はもう残ってもらってもこのポストではちょっと困るのだ、どこかに配置転換させぬといかぬという方に限って退職勧奨になかなか応じてもらえない、非常に不公平が出てくる。それが結局は住民の方から見てみると、何かしらサービスの低下につながってくるということで、ともかくこれは制度的に解決してもらわないと困るのだという話を聞いたわけでございますが、いまのお話を聞いてもそのような感をさらに強くするわけでございます。 そこで、ついででございますからこの際ちょっと聞いておきたいわけですが、仮にこの法律が通りまして定年制が実施された場合には、現在のような退職勧奨の制度はどうなっていくのか、たとえば管理職等についてもやはりやるのかどうか、それについてひとつお聞かせ願いたいと思います。
○宮尾政府委員 定年制度が施行された後にこの退職勧奨制度がどうなるのかということでございますが、行政組織の能率的な運営ということを考える場合に、常に職員の新陳代謝というものが必要不可欠であるわけでございまして、そういう意味から、組織の活力というものを維持するという観点から、任命権者が必要と認める場合には、定年制度が実施された後においても退職勧奨という制度は残り得るというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。 ただ、退職勧奨制度というものについては、分けてみますと二つの機能といいますか、があるように考えられるわけでございまして、一つは、定年制度にかわる機能として一律的に退職を勧奨するというような集団的な退職管理機能と、それからもう一つは、個別的な人事管理ということで行われるものと、二つの役割りというか機能があるというふうに考えられるわけでございます。いわゆる個別的な人事管理という機能を果たす退職勧奨制度というのは、当然定年制度が導入された後においてもこれは必要であるし、残るであろうというふうに考えるわけです。 ただ、集団的な退職管理ということにつきましては、将来を考えた場合には定年制度ができるわけですから、そういう意味で徐々にといいますか、そういう必要性というものは薄れてしまうわけでございますが、経過的に定年制度と併用してそういうものが場合によっては残るということもあり得るかもしれない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○久間委員 大体わかりましたけれども、この法律が通った後勧奨退職制度を残すということになりますと、いままでみたいに五割増しということはないにしても、ある程度の割り増しの退職金が払われるということになりますと、それがかなり恣意的に利用されることも逆に警戒せぬといけませんので、その辺は十分配慮していただきたい、そういうふうに思うわけでございます。 次に、この定年制がないために、たとえば今年度末あるいは来年度初めというような形で何人やめるかがわからない、そういうために人事担当者というのは将来の採用計画が立てられずに非常に困るという話でございますけれども、私の知っている範囲でも、学校の教員の試験を長崎県で受けた、合格通知はもらった、しかしながら採用は決まらない、年が明けても決まらない、私のところにどうなるんでしょうかと相談に来られる。県の方に問い合わせてみますと、県の教育委員会としては採りたいけれども、年度末に何人やめるか、結局最後までならないとわからないんだ、最後の発表は三月の下旬にならないと正確なところ言えませんという話になりました。 そういう方はほかの方でも、東京都あるいは大阪府という比較的、いわゆる人口がふえているところでも受けておる。そういうところはやめなくても新規に職員の採用ができるから、合格していると大体採用されていくというようなことから、そちらの方からは採用通知が来ている、あるいは来ないかという話があっている。自分は長崎県なら長崎県に勤めて、ここで一生懸命やりたいと思っておってもなかなか決まらない。みすみす優秀な人材をよそにとられてしまうということで、教育委員会としても非常に残念がるし、本人自身も自分のやりたいところで仕事ができない。試験には合格しているのに、待てばひょっとしたらできるかもしれぬのに、遠くに行かなければいけないということが出ておるわけでございます。 そういうケースを見るたびに、本当に困ったものだ、人事計画がもっとスムーズに立つような制度にならぬものか、そのためにはどうしてもやめる定年というのをきちっとすることが大事じゃないかというふうに思いもしたわけでございますけれども、自治省としては、地方公共団体がこういうふうに人事計画上も定年制が樹立されていないために非常に困っているという実情をどこまで承知しておられるのか、これらのことについてお聞かせ願いたいと思います。
○宮尾政府委員 定年制度がないために勧奨退職という制度で退職管理を行っているということでございますが、その弊害といいますか、人事管理面で非常に困る点は、ただいま御質問にありましたように、きちんとした人事管理のための計画、ことに採用計画とかそういったものが立てられないというところに一番の大きな悩みがあるわけでございます。そういう状況でありますので、いろいろと、たとえばいま御質問の中にありましたように、大学卒業生の就職に絡んでその進路をなかなか決めかねるというような事態が出てきて、御迷惑をかけるというような事例がときどきありまして、各地方公共団体の人事当局では、この問題については非常に頭を悩ましておるわけでございます。 勧奨退職制度が非常にスムーズに機能しているところは別でございますが、応諾率が非常に低い、そのために退職者が何名かわからないというようなところがどれだけあるかということですが、どれだけというのはなかなか計数的には申せませんけれども、私どもが定年制度の導入ということについて御要望を聞く中で、非常にしばしばそういう悩みを訴えられているというのが現状でございます。
○久間委員 自治省もその辺はよく御存じのようでございますから、先へ進みたいと思います。 次に、この際、大臣にまたお尋ねしておきたいと思います。本法律によりまして、全国の地方公共団体が一斉に定年制をしくことになるわけでございますけれども、先ほども冒頭ちょっと言ったことでございますが、この法律案はそういった地方自治の本旨といいますか、本来は地方自治団体がいろいろなことを独自に決め得るのだという地方自治の本旨、そういう関係についてはどうなっているのか、どのようにお考えになっているのか、その辺の御所見を承りたいと思います。
○安孫子国務大臣 基本的なものは法律で決める、しかしその実施の面のいろいろなことについては県条例で決める、こういうことに相なるだろうと存じます。
○久間委員 基準的なものを国で、この法律で示して、あとは県条例で決めるからその点はいいのだということになるわけでしょうけれども、しかしまた逆に言いますと、私は心配があるのです。国において基準を決めて、国家公務員を基準として条例で決めなさいということで法律はできたけれども、地方自治団体がやらない、あるいは組合交渉の結果、とにかく年齢を六十五歳とか七十歳とか決めてしまう、そういうふうにまちまちになってきたらこれまたある意味では問題じゃないか。やはり地方自治の本旨はわかるけれども、ある程度の統一がとれていないといけないのじゃないか。 ところで、この法律によりますと、年齢を六十歳を基準として条例で定めることというふうになっておりますけれども、これは六十歳を超えてみたり六十歳以下になったり、各地方公共団体でまちまちになり得るのじゃないか。特に、再任用の制度とか勤務延長の制度とか考えますと、ここで二年ぐらいの幅があれば、大きいところと小さいところでは五年の幅が出てくるわけです。だからその辺についての考えを、公務員部長からで結構でございますけれども、お尋ねしたいと思います。
○宮尾政府委員 今回の法律の基本的な仕組みについてでございますけれども、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、定年制度というものを導入するということについては法律で一律に画一的に決めるということにいたしております。そしてそれに関連をいたしまして、勤務の延長あるいは再任用という制度も法律で一律に決めておるわけでございます。 なぜそういうふうにするかということでございますが、これは定年制度ということが地方公務員の身分保障の基本に関する事柄でございますので、現在の地方公務員法の仕組みというものが身分保障の基本については法律ですべて定めて、一部法律から条例に任せておる部分もありますけれども、基本的には法律で枠組みを決める、こういう考え方をとっているからそういうことにしたわけでございます。ただ、定年年齢をどうするか、あるいは具体的な定年制度に関係する細部の点についてどういうふうにしていくか、こういうことにつきましては地方自治の本旨ということも尊重いたしまして、地方団体の自主性も認めていいではないか、こういう観点から条例にゆだねているわけでございます。 そこで、定年年齢がばらばらになってしまうのではないかという御心配でございますが、そういうふうになってはこれまた定年制度というものが公務員全体を通じての均衡がとれないことになりますので、定年についてはこの法律の中で、決め方は条例に任せておりますけれども、国の職員について定めている定年を基準として条例で決めていただく、こういう仕組みをとっているわけでございます。この基準としてという考え方は、特に今回の改正法案の中で、特殊事情があるということで合理的な説明がつくものについてはもちろん変え得るわけですが、そうでない、そういう合理的な理由がない限りは、国の職員について定められる定年と同じものを決めていただくというのが私どもの指導の考え方でございます。
○久間委員 いまの御説明を聞きまして大体わかったわけでございますけれども、よほど事情がない限り、六十歳を基準としてそれで決めていくのだ。ただ、これは給与の問題のときもそうでしたけれども、国においてわたりの制度を認めて、国家公務員の場合、たとえば四等級から三等級に一等級だけならわたりはいいというふうになっておったのが、現実的な運用としては二つも飛び越えて、あるいは下から上まで全部わたっていくような運用の仕方を地方自治団体としてはやっているところもあったわけなんです。ところが自治省としては、最近になるまでそういうことはなかなかつかんでおられなかった。 それと同じで、こういう問題についてもよほどきちっとしないと、こういうことを言ってはいけませんけれども、ある首長なら首長が組合と同じような気持ちになって、うちはもっと延ばそうじゃないか、六十五にしても構わぬじゃないか、法律的にはこれで違法にはならないのだ、少し自治省からどやされるかもしれぬけれどもそれでいいんじゃないかという形でやっていった場合には、やり得る余地が残っているんじゃないか。 その場合、最終的にはそういう首長に対しては否定する形で、もちろん国民世論が黙っていないとは思いますけれども、そういうことが一例でも二例でも出てきますと、今度はそれを前例としてほかの自治団体の首長がつるし上げられて、うちも六十五にしろというような形になってくる。民間が六十五になったときにこちらが六十五になる、あるいは国家公務員と合わせて全部がなるならいいのですけれども、そうじゃなくて、民間が五十五からやっと六十になろうとするときに、六十歳の定年制がしかれたのを一部の組合と交渉する団体だけが六十五や七十にしてしまうというようなことがあってはいかぬと思うので、その点は指導に遺憾なきを期していただきたい、そのように思うわけです。 次に、自治労等の一部の団体がこの法案に反対しているというふうに聞いています。自分たちの職場の年限を決められるわけですから、その気持ちはわからないわけではありません。しかし、公務員という立場を考えてみますと、やはり国民あるいは地方公共団体の住民全体の奉仕者であるわけですから、国民が新陳代謝、若返りを願っておる、そして民間並みに、あるいはそれよりもむしろ有利ですから、まだ民間は五十五から五十八の定年制のところもあるわけですから、民間と比べたら六十というのはまだ幾分有利なんですよ。 そういう有利な条件でもいいからとにかく定年制をしいてくれという希望を、先ほどの世論調査でもわかるとおり国民は非常に強く持っている。それに同調するのが、これまた民主国家の原則であるというふうに考えますと、こういうふうな定年制の導入によって、かえって自治労等もこの際若い力を導入することができるようになるのではないか、あるいはまた組合の考え方の動脈硬化といいますか、そういうのを防ぐことにもなるのではないかというふうに考えられますけれども、非常に反対が強いというふうなことを聞いておるのですが、自治省としてその辺どのように伺っておるのか、ちょっと尋ねてみたいと思います。
○宮尾政府委員 自治労等の労働団体は、いま御質問にありましたように、この定年制につきまして反対の態度をとっております。私どもも、これまでこの問題について何回か話し合いをしたわけですが、その中でどういう点が反対なのかということについてでございますけれども、自治労の運動方針なりあるいは公務員共闘が出しております声明等から見ますと、反対理由は五つほどあります。 一つは労働基本権、特に団体交渉権との関連において、それが回復されない限り定年制の法制化は反対であるというのが第一点。それから第二点は、定年制度の法制化というのは一方的に行われるべきではないということを言っております。それから第三番目の点は、民間において定年延長の方向が打ち出されているのに定年制度を導入すべきではない。第四は、現在の退職勧奨制度が十分な効果を上げているのだから定年制度を導入すべきではない。それから第五番目は、人事院見解の中でいろいろな検討課題というものを指摘している、したがって定年制度だけを走らせるのではなくて、そういう課題の検討結果を踏まえた上で長期の展望に立って導入すべきではないか、こういったところが主な反対の理由のようでございます。 それで、こういう点について自治省としては次のように考えておるわけでございます。 第一は、労働基本権の回復が定年制度導入の前提ではないかという主張でございますが、現在、公務員につきまして労働基本権が制限をされておりますのは、公務員が国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務をするという地位の特殊性に基づいて、そういう制限をされておるわけでございます。そしてまたそのために、地方公務員の任免とか分限、給与を含む等の基本的な事項につきましては法律できちんとその身分保障をする、こういう仕組みをとっておるわけです。したがいまして、今回の定年制度というのは、その地方公務員の身分保障に係る定年制度を新たに設けるということで、これは国会の御審議を得て法律改正という形で地方公務員の身分保障の中の定年制度というものを設ける、こういうことでございますから、労働基本権の制限問題というものとは直接関係をしていないというふうに考えておるわけです。 第二の点は、一方的にその法制化をすべきではないということを主張されておるわけでございますが、私どもといたしましては、法案を出すまで、出した後も、関係の職員団体等といろいろな話し合いを行ってきております。また、定年制が実施されるということになりましても、必要に応じて関係の団体あるいは連合組織ともいろいろな意思疎通を図っていくことについてはやぶさかではありません。 それから、民間の定年延長傾向との関係についての反対論でございますが、今回の定年制度の導入に当たりましては、民間企業でも六十歳定年というものが定着しつつありますし、今後のわが国の人口高齢化の傾向の中で諸般の事情というものを総合的に判断いたしますと、定年年齢を原則六十ということで定めるということは妥当なものであるというふうに考えておるわけでございます。また、そういう六十歳という定年年齢を決めることが、先ほど大臣からも御答弁がありましたように、そういう意味では国の雇用政策とも合致をしておる、こういう考えをとっておるわけでございます。 それから、勧奨退職があるからいいのではないかという主張でございますが、これについてもただいま御質問に対していろいろお答えをしたように、勧奨の制度というものは個々の職員に退職を勧奨するという、そういう事実上の行為でございまして、職員の意思にかかわっておるわけでございますから、必ず一定の年齢で退職をするという制度的な保障がないわけでございます。そのために長期的な人事計画が立てにくい、あるいは職員間でやめる人とやめない人との間の不公平感というものが出てくるというような問題がありまして、どうしても勧奨退職という制度には限界があるわけでございます。そういう問題点、弊害というものをなくすためには、やはり今後の高齢化社会というものもあわせ考えますと、定年制度というものを導入をして、適切な退職管理制度の仕組みをつくるということがどうしても必要だというふうに考えておるわけでございます。 それから第五の、人事院の諸制度の検討結果を踏まえてからやるべきではないかということでございます。これは人事院の見解におきましても、今後の検討課題としていろいろな人事関係諸制度の検討を挙げておりますが、定年制度の導入によりまして職員の在職期間というものはそこで明確になるわけでございますので、そういう制度づくりをした上で、長期的な展望に立った計画的な安定した人事管理を進めるためにいろいろな研究をしていく必要がある、こういうふうに言っておるものと理解をしておるわけでございます。そういう意味合いから、定年制度というものの検討結果後でなければならない、こういうことにはならないのではないかというのが私どものこれに対する考え方であります。
○久間委員 いまおっしゃられたように、自治省の考え方で私はいいと思うのです。自治労等も反対しておられますけれども、私は先ほど学校の先生の例で言ったときに、その六十七歳の先生の話のときに、分会長をしているある学校の先生に言ったのです。そうしたら自分たちも正直言っててもう年金ももらえる、いいのじゃないかと思うけれども、代議員で出てきて自分の真ん前にその人が座るのだ、そうすると内部でもなかなか話ができにくいのだというようなことから、えてして話がたてまえ論ばかりになってしまうのです。ところが現実の問題としては、六十歳というのはまあまあいい線だというのが現在のすべての国民の認識じゃないかと思うのです。だから、そういう意味では、自治労等もそういうふうに反対の態度を表明しておられるようでございますけれども、実態面をもう少し突っ込んで、自治省としても自信を持ってこの法案に取り組んでいただいて結構じゃないか、そういうふうに思います。 ところで、あとちょっとありますから二点ほど質問しておきたいと思います。 年金受給資格にまだ満たない人、これを勤務延長とか再任用によって救済すべきだ、そういう考えが一部にあると思いますけれども私はこれはおかしいのじゃないか、これは別途配慮すべきであって、再任用あるいは勤務延長はきちっと最初から指導しておかないと、これまたさっき言ったようにルーズにいろいろと利用されてしまうおそれがありはせぬかと思いますけれども、この点についてはどうお考えですか。
○宮尾政府委員 勤務延長につきましては、これは法律の中にも明確に規定をしてありますように、その職員の職務の特殊性または職務遂行上の特別の事情から見まして、職員が定年によって退職すると公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があると認められるとき、そういうときに勤務延長という制度でさらに継続して勤務をさせる、こういうことができる制度でございます。 それから再任用につきましては、これも法律の中にありますように、退職した職員について、その者の能力とか経験等を考慮して、なお公務の能率的な運営を確保するために再任用した方がいいという場合について再任用の措置をとることができる、こういうふうに規定をされております。したがいまして、この勤務延長なり再任用の仕組みというものはそういう事情があるときに限って行うべきであって、年金受給資格がない人については、これはそういう制度で救うというよりも、別途年金制度自体の問題として検討すべき問題だというふうに考えておるわけであります。
○久間委員 そのお答えのように私も思うのですよ。しかし、たとえば特別昇給制度にしたって、著しく功績があった人を特別昇給させることができるという規定になっているわけですけれども、現実には一律三短やる、一律六カ月短縮をやるという形で一斉に上げているのです。法律上はそうなっておっても、運用でかなりそういうふうにルーズになってしまっているわけです。だからこの法律が通った場合でも、注意しておかないとそういうふうになるおそれが十分あるので私はあえて念を押しておるわけでありますから、これまた指導に十分注意してもらいたい。 それと、それじゃ年金受給に満たない人に対しては一体どうするか。いままではその人がずっと勤務を延ばして、退職勧奨に応じずにやっておった。これはまた何か考えてやらないといかぬのじゃないかという気もするわけです。これらについて、自治省として何かお考えになっているのかどうか。たとえば期間の比率に応じて、これは厚生年金も全部そうでしょうけれども、期間未満であっても一定金額がダウンするくらいでそう不公平にならないような制度をつくるとか、何か別途考えておられるのかどうか、その辺について御見解を聞いておきたいと思います。
○宮尾政府委員 定年制度が実施をされた場合に、年金の受給資格を持たない人がどれだけ出てくるかということが一つ、その実態の問題としてあるわけでございますが、私どもといたしましてはそれは非常に数が少ないであろう。特に通算退職年金制度があるわけでございますので、この制度によっても受給資格がない、こういう方は非常に限られた数であろうというふうに思っております。 そこで、しかし数は少ないにしてもそういう人たちがあるということになりますと、これは年金制度の面でやはり検討をする必要があるだろうというふうに考えております。今度の国家公務員について定年制度が設けられると同じ問題が地方公務員についても出てくる可能性がありますから、これを共通問題としまして、たとえば厚生年金等民間の年金制度でも若干の特例措置がありますから、そういうものを一つの参考としながら前向きで検討すべきではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○久間委員 時間が来たようでございますから、人事院あるいはその他の部局に対する質問は取りやめさせていただきたいと思いますけれども、最後に大臣にお願いしておきたいことは、本当に冒頭に言いましたように、地方に帰りますと、いっこの定年制は通るのですか、早くしてくださいよ、そういう声ばかりなのです。だから、とにかく大臣は自信を持って、この問題と真正面から不退転の決意でぜひ取り組んでいただきたいということをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○左藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十九分散会 ————◇—————