地方行政委員会 第11号
- 発言数
- 231 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/04/15
会議録
○左藤委員長 これより会議を開きます。 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、参考人から意見を聴取することといたしております。 本日御出席を願っております参考人の方々は、名古屋市立大学教授牛嶋正君、愛知学院大学教授山崎研治君、神奈川大学教授渡辺精一君及び横須賀市長横山和夫君、以上四名でございます。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多用中のところ当委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。本案につきまして忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。 なお、議事の順序は、初めに参考人の方々から御意見を十五分程度お述べいただき、次に委員諸君からの質疑に対して御答弁をお願いいたしたいと存じます。 それでは、まず、牛嶋参考人にお願いいたします。
○牛嶋参考人 いま委員長から紹介にあずかりました牛嶋でございます。 地方行政委員会の参考人として意見を述べさせていただく機会を与えられましたことに対して感謝いたします。 私は、この問題に関しまして、五十年度以降の地方行財政はその内容を大きく変えつつあるというふうに考えられますが、その質的変化に合わせて、高度成長期と異なる新しい行財政運営の方向が求められることは当然ではないかというふうに考えます。この新しい方向とは何かということを考え、その方向に沿って地方行財政が運営されていくための諸条件を、特に国と地方の財政関係について検討する過程で、地方交付税の一部改正について私の意見を述べたい、こういうふうに思います。 一次の石油ショックの後、高度成長から低成長へ移行してきたわけでありますが、それに伴いまして経済的、社会的構造に大きな変化があらわれてまいりました。それにつれまして、地方行財政も質的変化を来してきているわけでございます。それにつきまして、幾つかの側面で、高度成長期における行財政運営と比較しながら指摘してまいりたいと思います。 まず第一点は、高度成長期におきましては、生活基盤の整備のためのいわば投資的行政であったというふうにみなすことができます。それに対しまして五十年以降の行政というのは、その投資的行政を通じて整備された諸施設を管理していく管理行政というふうに、質的な変化が見られるわけであります。 また、高度成長期におきましては、借り入れ依存型の財政運営が行われてきたわけでありますが、五十年以降の財政運営を見ますと、その借り入れ依存型によって累積いたしました地方債の重荷が大きくのしかかるような形で、そういう状況のもとで財政が運営されているというふうに見ることができます。 また、高度成長におきましては、国税、地方税とも、非常に大幅な税の自然増収に恵まれた状況のもとで財政運営が行われたわけでありますが、五十年以降におきましては、そういった税の自然増収も大きく見込めないままに財政の運営を行っていかなければならない、そういう状況にあります。 また、市民の行政需要でありますが、生活基本財に対します行政需要が非常に量的な需要として出てきていたわけでありまして、たとえば人口急増都市に見られますような保育所、学校の義務教育施設の建設、こういった形で量的に需要が出てきたというふうに見ることができます。それに対しまして、最近の市民のニーズというのは非常に多様化し、そして選別化されてきているわけでありまして、これを、先ほどの量的需要に対しまして質的需要というふうにみなすことができるのではないかと思います。 こういった地方行財政の質的変化に対しまして、地方公共団体がどういうふうな対応をしてきたのかということでありますが、まず五十年度の税収の落ち込みによりまして、いわゆる地方財政の危機を招いたわけであります。それに対しましては、個々の地方公共団体は内部努力によりまして減量政策に努め、この地方財政の危機の回避に努めてきたわけであります。 この減量政策の内容について二、三取り上げてみますと、たとえば新規事業を繰り延べる、延期する、あるいは経常経費を一部一律にカットするといったようなこと、それから、いま国で行われておりますような補助金等の見直しも内部努力として行ってきております。また、使用料、手数料の改定を通じて受益者負担の確立、こういったことにも努力を重ねてきているわけであります。さらに、地方税法の枠組みの中で徴税努力に努める、こういった減量政策が見られてまいります。しかし、このような減量政策は、いわば臨時的な措置でありまして、この五十年の地方財政の危機を回避するためのものというふうに見ることができるわけであります。 しかし、先ほど指摘しましたように、地方行財政が質的に変化しているということを考えますと、今後地方公共団体はそれなりの新しい財政運営の方向を目指していかなければならないわけでありますが、その方向について所見を述べさせていただきますと、まず個性のある地域づくりを目指すような行政を行っていかなければならない。それから、住民ニーズにあらわれてまいりました質的需要に対応する行政を行っていかなければならない。さらには、地方債の重荷からできるだけ早く脱却する方向で行財政を運営していかなければならないということが言えるわけであります。 そういった方向で行財政を進めていくためには、地方公共団体がまず市民のニーズを正確に把握し、そしてみずから計画を立案し、さらに行政水準を決定するということを目指していかなければならないわけでありまして、そういう方向で行財政が運営されるための条件といたしましては、まず地方公共団体ができるだけ行政能力を身につけていくということが必要でありますし、またさらに国と地方の財政関係の改善ということも求められる条件であります。 このうち個々の地方公共団体の行政能力でありますが、これは私先ほど説明いたしました五十年以降の減量政策を通じまして、個々の地方公共団体はかなり行政能力を身につけてきたというふうに判断をしております。したがって、次は国と地方の財政関係について改善を行っていく番ではないかというふうに考えているわけであります。 先ほど申しましたような新しい財政運営の方向で地方公共団体が行政運営を行っていくためには、できるだけ自主財源を強化していくということは当然のことであろうというふうに思います。すなわち、行政の側にも市民の側にも、受益と負担が直接結びつくということによりまして行政の責任を強く感じ、そしてまた強く持つようになるというふうに考えられるからであります。 しかし、自主財源を強化していくということに対しましては幾つかの制約があります。その最も大きな制約は地方公共団体間の財政力の格差、また全般的に行政能力を身につけてきたとはいえ、行政能力におきましても地域間の格差、地方公共団体間の格差があるわけであります。こういう格差を考えますと、自主財源を強化していく過程でこの格差がさらに広がるというふうな危険もあるわけでありまして、このことを考えますと、いましばらくは一般財源、自主財源にかわる一般財源の強化というものが考えられるわけであります。 このことから申しますと、地域間の財政力の格差、地方公共団体間の行政能力の格差を是正しながら一般財源を強化していくということになりますと、現在の地方交付税制度、これの強化ということになるわけでありまして、特定財源であります国庫支出金をできるだけ整理しながら、それを地方交付税の方に振り向けていくという方向が一つ示唆されると思います。 こういう新しい方向でもう一度今回の地方交付税の一部改正というものを振り返ってみますと、一応臨時的な措置としてとられているわけでありますが、こういう措置がすでに五十年以降五年にわたって行われているわけでありますので、もうすでに臨時的というふうな性格は失われていると思います。先ほど申し上げました地方交付税の強化というふうなことを考えますと、この際こういった臨時的な措置ではなくて、交付税率そのものを引き上げるというふうな制度改正を考えていかなければならない時期ではないかと考えるわけであります。 以上、五十年以降の地方行財政の質的変化を踏まえまして、今回の地方交付税の一部改正についてこういった形で意見を述べさせていただきたいと思います。
○左藤委員長 ありがとうございました。 次に、山崎参考人にお願いいたします。
○山崎参考人 御紹介いただきました山崎でございます。 地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、私の考えを申し上げてみたいと思います。 今回の改正点は、一つは昭和五十六年度の交付税の総額に関すること、二つは交付税の算定基礎の単位費用に関すること、三つは各種手数料に関することでありますが、私は主として第一の点、総額について申し上げてみたいと思います。 昭和五十六年度の地方財政の財源不足額は一兆三百億を見込まれておりますが、この財源不足に対しましてその補てん措置としましては、地方交付税の増額が三千四百億、財源対策債の発行が六千九百億、これによって補てんするとされております。この結果、地方税の総額は八兆七千百六十六億、前年度に比べまして六千三百九十一億、七・九%の増になっております。 この地方交付税が三千四百億増額しておりますが、その中身を見てみますというと、第一は、五十六年度の臨時地方特例交付金が千三百億。それから特別会計借入金の償還方法の変更に伴うものが千九百十億。この借入金の償還方法の変更というのは具体的に申しますと、五十年度、五十一年度、五十二年度における交付税特別会計借入金の償還方法を変更することになりまして、五十六年度に予定しておった償還金三千四百八十億、これは地方負担が千九百十億、国庫負担分が千五百七十億、合計三千四百八十億、これが不要になった結果千九百十億がふえたということになります。 それから三番目は、特別会計借り入れによる増加額が百九十億であります。これはもう少し詳しく申しますと、昭和五十一年度から五十五年度までの地方債発行によって、地方負担の軽減のために昭和五十六年度において国庫から繰り入れを予定しておりました臨時地方特例交付金千百三十億は計上しない。それで、そのために特別会計借入金は、前述の計上しない額分を含めまして千三百二十億にする。その結果地方交付税は百九十億ふえた、こうなっております。その千三百二十億の借り入れのうち千百三十億の償還は全額国庫負担、百九十億の償還は二分の一が国庫負担、こうなっております。 いま、こういうふうに地方交付金の増額三千四百億の中身を見ましたが、いま増額で見たんですが、地方交付税の総額で見まして、それがどういう算定基礎から成っているかというのを見てみますと、第一に租税改正後の国税三税の収入が二十五兆二千六百十億で、その三二%で八兆八百三十五億です。それが第一。それから第三は、臨時特例交付金が千三百六億、それから第三番目には、交付税特別会計からの借入金が千三百二十億、第四番目には、昭和五十五年度からの繰越額が三千七百五億、これらを合計しまして八兆七千百六十六億になったわけであります。このうち普通交付税は九四%の八兆千九百三十六億で、特別交付金は六%の五千二百三十億で、この特別交付金は前年度に比べますとわずか二・七%の増でございます。 こういう算定の基礎から見ますとそういうふうになっておりますが、この五十六年度の交付税特別会計の借入金千三百二十億を見ますと、そのうちの千百三十億は先ほども申し上げましたように償還は全額国庫負担でございます。具体的に言いますと、六十二年度から七十一年度にかけて、総額千百三十億円の臨時特例交付金を一般会計から交付税特別会計へ繰り入れる、そういうわけであります。それから、千三百二十億のうちいまの千百三十億を引きました残りについては、その二分の一が国庫負担になっております。 つまり、財源不足対策としまして地方交付税が増額されておりますが、いま総額及びその増分から分析してみましたように、実際は交付税特別会計の借り入れによっておりますので、それともう一つは財源対策債の発行でありますが、したがって、これは将来償還を国及び地方が負担することになっておりまして、その限りで見ますと、この交付税特別会計からの借り入れは国債、地方債の増額と同じことになります。このように交付税特別会計の借り入れ方式にするということは、外見から見ますと国債及び地方債の増額を回避したことになりますけれども、実際は発行されたと同じようになりまして、将来の国民及び住民の負担になります。 いま地方債及び交付税特別会計借入金の残高を調べてみますと、確かに財源不足は五十六年度は一兆三百億でありまして、これは前年度の二兆五百五十億に比べますと半分に減っております。それから、五十四年度は四兆千億でしたからそれに比べて四分の一になっております。確かに、急速に健全化の方向に向かっているようでありますが、なおこの一兆円という額は決して小さい額ではございません。 地方債の残高を見てみますと、普通会計ベースだけで見ましても五十六年度末には三十二兆に近いのでありまして、これに交付税特別会計借入金の残高約八兆を加えますと、地方財政は約四十兆に近い負担を抱えるということになっておりまして、今後巨額の償還負担が迫っているということになります。 一体、財政赤字がなぜ危険か、これはいろいろ考えがございますけれども、もちろん償還負担の問題がありますが、財政支出というのは社会的に見ますと、資源を消費しておりましてコストを伴っているのでありますけれども、赤字財政に依存しますと、負担なしで便益だけを受けるというような錯覚に陥る、したがってむだな支出をしましてインフレにつながっていく。 これが租税によりますと便益に伴う負担があることがはっきりしておりますので、そういう錯覚は起こらないわけであります。もちろん地方債の増額は、中央銀行引き受けによる国債の発行と違いまして通貨の増発はございませんけれども、そういう危険を持っておるのであります。したがって、ここ何年と続いてまいりました交付税特別会計の借り入れ方式は、検討し直すべき時期に来ているのじゃないか。 地方交付税法第六条の三の第二項で、引き続き財源不足額が法定の地方交付額に不足するときには、これを地方制度の改革か交付税率の改正によって行わなければならないということが規定されておりまして、この規定の解釈をめぐってはいろいろ解釈があるようでありまして、現在のやり方もその制度の改正であるという解釈もあるようでありますが、やはりそういう解釈は少し無理じゃないかと思います。解釈の問題は別としましても、借り入れ方式は検討すべき段階に来ているのじゃないか。そうしますと、交付税率を引き上げるということを考えるべきじゃないかと思います。 さらに、こういう借り入れ方式といいますものは、交付総額の決定に中央政府の裁量的判断の余地がどうしても大きくなります。したがって、地方自治体から見ますと計画的な運営をするのが非常にむずかしくなる、こういう問題も含んでおります。 以上、地方財政の赤字補てんを借り入れに頼ることについて検討してまいりましたけれども、一方、地方自治体が住民福祉の向上を図るために生活関連施設等の整備を進めるためには、どうしても地方債を確保しなければなりません。先ほどは残高で言いましたけれども、五十六年度の普通会計ベースの地方債の総額を見ますと四兆二千七百億でありまして、通常債が三兆五千八百億、財源対策債が六千九百億であります。 その地方債に対する地方債資金を見てみますと、政府資金を三兆一千八百億、これは前年度に比べますと一千億増、三・二%の増であります。そういうふうに政府資金を拡充し、さらに公営企業金融公庫の資金を一兆一千八百三十億、これは前年度に比べますと四百億の増、三・五%の増であります。こういうふうにいたしまして民間資金を縮減しております。民間資金を二兆五千六百七十三億に縮減しておりまして、これは前年度に比べますと二千四百四億、八・六%の減であります。こういうふうになりまして地方債の資金構成は、政府資金の比率が四三・八%から四五・九%にふえ、公庫資金の比率が一六・三%から一七・一%にふえております。 しかし、この公営企業金融公庫は、公営企業に対しては融資しておりますけれども、地方財政の一般会計の借り入れとか地方債の発行に関しましては融資しておらないわけであります。そのため、そういう地方債のめんどうを見る必要がある。そのためには、現在の企業金融公庫の融資対象を拡大するか、あるいは新たにそういう公庫をつくったら便利じゃないか。もし、そういう公庫を新たにつくりますと、これは今後の財政金融政策を行う場合にも、非常にきめ細かい政策を進めることができるのではないかと思います。 以上で終わります。
○左藤委員長 ありがとうございました。 次に、渡辺参考人にお願いいたします。
○渡辺参考人 渡辺精一でございます。 本委員会で意見を申し述べる機会が与えられたことをまず感謝いたします。 私が申し上げたいことは、大きく分けて三つございます。 その第一点は、昭和五十年度補正以降の、いわゆる地方財政対策と呼ばれて行われてきた措置が、地方財政構造、主としてその質的な面においてどのような影響を与えたかということについてでございます。 その一つは、地方交付税の固有財源たる性格が希薄化されてきたということであります。御承知のように、地方交付税は全体と見て地方自治体の固有財源であるということは、主として自治省によってこれまで唱えられてまいりました。その直接的な根拠は、地方交付税法六条第一項の規定にございます。同条文は、国税三税の百分の三十二に相当する額をもって交付する、そのように規定しているのではありませんで、国税三税の百分の三十二をもって交付するという、そういう直接的な表現が用いられているわけであります。要するに、一定割合というところに注目すべきポイントがあるわけでありまして、これはもしも自治体に交付するべき地方交付税の総額を減らすなり増額するなりする場合には、法改正の手続を経た上で、この一定割合を変えた上でなければならないというふうに考えられるわけであります。 ところが、昭和五十年度補正以降の財政対策は、地方交付税制度をもってしても穴埋めし切れなかった地方自治体の一般財源の不足額を特別の措置によって穴埋めをしようということでありまして、その穴埋め分のかなりの部分は実質的に地方交付税の増額という性格を持っております。すなわち、実質的に地方交付税が増額されてきたのであるにもかかわらず、地方交付税法六条の一項の条文改正が全く行われないで推移してきておる。このことは、国税三税の百分の三十二を超える実質的な交付税の増額分については、もはや固有財源とは言えないという実態を呈してきておると考えざるを得ないわけであります。 なぜ、地方交付税を固有財源ととらえる必要があるのか。実は自治省の頭の中には、使途制限を厳しく制限するべきだというねらいがあってのことであるはずだと私は推測いたします。つまり、その点が地方財政対策で実質的に増額された地方交付税の分については、少なくも適用されなくなったというふうに考えることができるわけでありまして、その点が、実は私は問題だというふうに思うわけであります。 次に、いま申し上げました使途制限を厳しく禁止するべきだという本来的なねらいは、次の問題を引き起こします。すなわち、地方交付税というのは使途が自由であるべきである、そういう財源であるにかかわらず、本来地方交付税で埋めるべき他の一部分を地方債の増発によって埋めた。地方債は、申し上げるまでもなく特定財源であります。本来、一般財源で埋めるべきであるにかかわらず、特定財源で埋めたということでありまして、これは見過ごすことのできない問題であろうかというふうに考えるわけであります。 次の問題は、地方交付税制度が財政調整制度として持つ本来の機能、すなわち財源保障及び財政力均等化という本来的な二つの機能が後退してきたという問題であります。いま申し上げましたように、財源不足の一部を地方債の増発によって穴埋めをいたしましたが、そのこと自体、実質的な意味での地方交付税の総額が減ることを意味いたしますので、現在の地方交付税制度が持つ二つの役割りがそれなりに後退をしたというふうに考えることができます。 二つの役割りの後退というのは、現在の時点だけに見られるだけでなく、将来についてもまた考えることができます。すなわち、五十年度補正以降、地方債が大幅に増発されてまいりました。その元利償還がすでに到来しております。将来にわたって償還をしていかなければならないわけでありますが、それは何を意味するか。すなわち、将来自治体に交付されるべき地方交付税の総額がその分だけ実質的に減るということを意味するわけであります。したがって、そういう意味で、地方交付税制度が本来持つべき二つの機能が将来との関係においても後退することが十分に予想されるということであります。 次の問題は、一般財源の使途が制限されるようになってきたという問題であります。いま申し上げましたように、将来にわたって地方債償還の債務が自治体の肩に重くかぶさってくるわけでありますが、そのことは言いかえるならば、将来の一般財源の使い道をおのずから制限する結果を招くというふうに思われます。 このことは、将来だけでなく現在においてもまた見られます。将来の償還の重荷が余りにも重くなり過ぎるだろうというので、御承知のように自治省は、数年前から自治体に対し減債基金を積み立てるようにと指導を行ってきております。減債基金はいかなる財源によって積み立てられるか。主としては一般財源であります。すなわち、現在の一般財源の使途がすでにいま申し上げましたような筋道で拘束をされてきている、制限されてきている、そういう問題がここに見られるわけであります。 以上、昭和五十年度補正以降、地方財政対策が地方財政の構造に及ぼした影響を四つの点にわたって申し上げたわけでありますが、それらをひっくるめて申し上げるならば、申し上げたような問題が起こってきたというのは、その基本的な原因はどこにあるか。申し上げるまでもなく、地方交付税法第六条の二の三項の法改正が行われずに今日まで来ているというところにございます。またその問題か、そういうふうに思われるかもしれません。確かにそうであります。しかし、そうであるからこそ、私はあえて強調せざるを得ないわけであります。 この問題については、すでに周知の問題でございますので多くを申し述べません。ただ、同条文が改正されずに七年間にわたって今日に至っているということは、これは行政権による立法権の侵害だという重要な問題を提起するのではないかと思われるわけであります。もっとも、こう申し上げますと、地方交付税法の一部改正案などというようなものに対して審議することによって、毎年度法改正は実はしているのではないか、している、したがって行政権によって立法権が侵害されたということにはならない、そういう反論が恐らく出るかもしれません。しかしそうであれば、正面から第六条の二の三項の条文をなぜ改正できないのかということを改めて私は心配するわけであります。 さて、申し上げたい第二の柱に移りたいと思います。 いままで申し上げたことは、五十年度補正以降今日に至るまでの共通した問題でございますが、これから申し上げることは、五十六年度地方財政計画に見る特徴的な問題でございます。 申し上げたいことは三つあるわけでございまして、その一つは、地方財政よりも国家財政が優先されるという傾向がだんだん強くなってきているということであります。たとえば地方財政対策の一環として、すでに償還期限が来ました五十年度、五十一年度、五十二年度に発行した地方債の償還を繰り延べる措置がとられました。それによって埋めるべき地方財源不足額がそれだけ減少した。したがってそれは、自治体の後年度における負担を時期的に後へずらしたという意味で、見過ごすことのできない問題だろうと思われるわけであります。 もう一つの例を挙げますと、地方交付税特別会計が資金運用部から借り入れをするという方法をとりまして財源不足の穴埋めが行われた。その結果によりまして、資金運用部資金からの借り入れと、それから地方債増発との相対関係を見ますと、地方債の比重が大きくなったという結果をもたらしたわけであります。これはこれで大きな問題でありますので、そういう意味でこの問題を注目したいわけでありますが、それはともかくといたしまして、資金運用部からの借り入れが昭和五十五年度以前に比べますと激減したということが注目しなければならないことだろうと思います。 以上、二つの例を引き合いに出したわけでありますが、これらはいずれも国家財政の苦しさというところから生まれ出た、今年度新しく見られた地方財政対策の特徴であります。私が第二の柱として、地方財政より国家財政優先という傾きが見られると申し上げたのは、実はそういう点に注目してのことであります。 もう一つ、国家財政優先という点でつけ加えて申し上げるならば、税制改正がございます。 御承知のように五十六年度には、国税も地方税もともに改正されました。その結果、国税改正によって一兆三千九百六十億円の増税が期待されるようになった。他方、地方税改正によって九百五十一億円の増税が期待されるようになりました。問題は、国税、地方税それぞれの税収総額に占める改正による増税分の割合が、国税の場合と地方税の場合とでどうであるかということであります。いま申し上げました比率を試算してみますと、国税の場合は四・三%を占めます。他方、地方税の場合はわずか〇・五%であります。ここにも、国税優先という考え方が如実にあらわれております。 ただ、これに対しましては、国税は確かに手厚く改正をした、しかしその結果、地方に交付される交付税の総額もまた自動的にふえることになるではないか、そういうことも一応は言えるわけでありますが、しかし、地方税と地方交付税の持つ機能は全く違います。そういう意味で、やはり税制度の改正が国税に手厚かったということは問題にされなければならない、そのように考えるわけであります。 さて、昭和五十六年度の特徴的な問題として二番目に申し上げたいことは、地方支出が国の意思によって誘導されるという傾向が強くなってきたということであります。国の意思によって誘導されるということは、地方財政計画を軸としまして、その他いろいろな手段によってこれまで行われてまいりました。それにつけ加えまして、新しい傾向が出てきたということをここでは指摘したいわけであります。 一つ、二つ例を申し上げます。 一つは、国庫補助負担額が前年度に比べて非常に減ったという事業がございます。マイナスの伸びを示した事業を、マイナスの度合いの大きい順に拾い上げてみますと、まず災害関連、これがマイナス二八・九%、警察施設マイナス八・三八%、文教施設マイナス七・〇四%、生活環境施設マイナス一・〇七%ということになっております。国庫の補助負担の度合いが減りますと、それだけ自治体の支出傾向はそういった事業をなるべく回避しようということになります。ここに国の意思による誘導という側面が見受けられるわけであります。注目したいことは、いま申し上げました幾つかの事業の中に、文教、生活環境といったような住民の日常生活に密接に結びつく種類の事業が含まれているということであります。 もう一つ例を申し述べますと、御承知のように、地方債の充当率は昭和五十六年度軒並みに引き下げられました。にもかかわらず、一種類の事業だけは逆に充当率九〇%から九五%に引き上げられております。それはどんな事業であったか、広域市町村圏における田園都市中核施設整備事業であります。充当率が引き上げられるということは、それだけ自治体に現金の手持ちがなくても事業ができるということでありますから、自治体はその事業にわれ先に飛びつくのは目に見えて明らかであります。これもまた、国の意思による自治体の支出動向を誘導するもう一つの例だと思うことができます。 さて、新年度の地方財政計画に特徴的な問題として、その三として申し上げたいことは、五十七年度ないしはそれ以降へ向けての布石が打たれたということであります。 その一つは、大型間接税の導入にあります。しかし、これは最近の政府の動向によって、どうやら五十七年度は見送られそうだという気配が出てまいりましたので、これについて私は改めて申し述べるのを差し控えたいと思います。 布石の二番目は、行政改革の名における減量ということが、自治体に恐らくは強制されるであろうということであります。私は、いま強制という言葉を用いました。それには理由がございます。いま申し上げましたように、地方財政より国家財政が優先あるいは地方の支出を国が誘導するというような特徴がすでに見受けられております。そういう基本的な姿勢に立って、昨今の第二次臨時行政調査会の設置に見られますように、国は行政改革を強力に進めようとしております。これが地方自治体に強制される、押しつけられるという傾向を生まないとは断言できない、そういうふうに思われるわけであります。 個別具体的な例を一つ挙げますと、御承知の公債費の増額で、公債費の重荷がこれからは地方自治体の財政の上に重くのしかかってくるであろう、これもまた減量を進める一つの布石にもつながるかと思います。 さて、申し上げたい第三番目の柱に移りますが、地方財政はどのように改革されるべきであるか、以上申し上げたことを踏まえながら三点に要約して申し上げます。 一つは、自主財源を名実ともに自主財源にするべきだということであります。自主財源の中心は地方税でございます。これまで自主財源を充実するべきだという主張が各方面から行われてまいりましたが、その意図の中心は、地方税をふやせということに置かれていたように私は理解いたします。しかし、それでは不十分だというのが私の申し上げたいことであります。自主財源と言えるためには、憲法九十二条が地方自治の本旨ということをうたっており、それによって考えることができますように、どんな種類の地方税を設け、だれに対してどのくらいの地方税を賦課するかといったようなことは、基本的には地域の住民の意思によって決定されるべきである、これが憲法九十二条の地方自治の本旨の要請するところである、私はそのように考えます。 ところが御承知のように、いま申し上げましたようなことはすべて地方税法によって細かく規定されている。そして私は、いま申し上げたことが、すべてがすべて、住民の意思に基づいて自治体が自主的に決定するようになるべきだとは言いません。しかし、たとえ部分的でもよいから、自治体の自主性にゆだねるべきだと私は思うわけであります。そうしてこそ初めて、地方税が自主財源たる性格を持つに至る、そのように考えます。 他方、先ほど申しましたように、地方税を量的にふやせということにも、それなりの意味があろうかと私は思います。しかし、その場合はあくまで自治体が自由に使うことのできる、つまり使途が制限されない財源をふやせというねらいがあっての主張だと理解する限りにおいて、私は同意できるわけであります。そのように考えるとするならば、これは単に地方税、つまり、そういう意味での自主財源をふやせという言い方ではなくして、地方交付税をも含めた一般財源をふやすべきだというふうに考えるのが筋であろうかと思います。 それにはどうしたらいいのか。不公平税制の是正がありましょう。先ほど触れました交付税率の引き上げがございましょう。さらには補助金や冗費を削減してという方法もございましょう。しかし、いずれにせよこれらの方法によって既存の一般財源が減るという事態が起こる場合には、これを減らさずに新しく一般財源に組み込み直すということがあわせて考えられる必要があるだろうと思います。主として第二次臨時行政調査会によって進められております国段階の行政改革は、補助金や冗費を削減するという意味では意義があるというふうに私は考えます。しかし、それがやみくもの減量やあるいは効率化の追求という点に堕するのであっては、むしろ問題を残すというふうに考えるわけであります。 さて、最後に三番目として申し上げたいのは、国庫補助金や地方債、ひいては地方交付税においてさえ見られる国による地方支出の誘導という問題を、可能な限りやめるべきであるというふうに思われます。 時間が超過して申しわけございませんでした。以上です。
○左藤委員長 ありがとうございました。 次に、横山参考人にお願いいたします。
○横山参考人 ただいま御紹介をいただきました全国市長会都市政策研究特別委員会委員長代理をいたしております横須賀市長の横山和夫でございます。 衆議院地方行政委員会の諸先生方におかれましては、日ごろ地方行財政の諸問題につきまして特段の御配慮を賜りますとともに、地方自治振興のために御尽力をいただいておりますことに対しまして、この機会に心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。 本日は、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、地方六団体を代表して意見を申し述べる機会をいただきましたので、地方自治の第一線で直接都市行財政に携わっております立場から、地方財政をめぐる問題点を中心に、若干の意見を申し述べさせていただきたいと思います。 昭和五十六年度の地方財政は、前年度の財源不足額二兆五百五十億円に対し、幸い国税、地方税の自然増収が大幅に見込まれたこと、法人税、酒税の改正に伴う地方交付税の増額があったこと、また昭和五十五年度の補正により増額された地方交付税のうち、約三千七百五億円の繰り越しの措置が講ぜられたこと、さらに歳出の面におきまして公共事業が前年度並みに抑えられたこと等、財政規模の圧縮等によりまして、財源不足額は一兆三百億円にとどまったわけでございますが、この財源不足見込み額につきましては、地方交付税の増三千四百億円、建設地方債の増発六千九百億円をもって補てんする措置が講じられ、当面の地方自治体の財政運営に支障を来さない、こういう配慮がなされて、その結果総額四十四兆五千五百九億円の地方財政計画が策定されているところであります。 この地方財政計画の規模の伸びは七%でありまして、国の一般会計の伸び率九・九%を下回っておるということに相なりますが、その内容を見ますと、地方の時代に即応した財政需要を充足するための地方単独事業について八%の伸びが確保されておりまして、実質的な一般歳出の伸び率では、国が四・三%であるのに対しまして地方財政計画上は五・九%の伸びが確保されておる、こういうことになっております。そうした中で、財源対策債の縮減を図る等の措置によりまして一般財源のウエートが高まり、財政構造の改善が見られる等所要の配慮がなされているものと、さような意味では評価をいたしておるものでございます。 したがいまして、これらの措置に伴う本改正法案につきましては、現時点のわが国におきます経済環境あるいは国、地方を通ずる財政状況等を勘案いたしますときに、当面やむを得ない措置内容である、このように存じまして、基本的には賛意を表したいと思うのでございます。 地方財政は、昭和五十年度以降毎年度巨額の財源不足額を生じ、財源総額の絶対的不足が解決されないままの状態で今日に至っております。また、地方財政対策は、各年度とも当面の措置が積み重ねられることに終始してきておりまして、いずれも交付税特別会計の借り入れと建設地方債の増発により収支の均衡を保つという、いわば臨時応急的な措置がとられて今日に及んでおるわけであります。その結果、昭和五十六年度末の地方債残高は三十一兆六千億円余、交付税特別会計の借入残高は七兆八千億円余となり、合わせて三十九兆五千億円に近いものとなっておるのでございます。このため、財政構造の悪化を招き、地方財政基盤の確立が緊急な課題となっていることは御案内のとおりでございます。 もちろん、地方自治体におきましても、行政の簡素化、財政の効率的運用等を図り、経費の節減に極力努めているところでありますが、先ほど来申してまいりましたとおり、財源総量の絶対的不足と、地方債の累増に伴います公債費並びに国の政策による義務的経費の増大により、財政の硬直化を招いている実情にあります。地方自治体の努力のみでは歳出の圧縮にもおのずから限度がありますので、現行制度のままで推移をいたしますならば、地方財政の状況は一段と厳しくなるものと考えざるを得ないのであります。 地方の時代と言われております今日、このような地方財政の状況は、これを一刻も早く改善し、真の地方の自主性、自律性が確保されますように、長期的、安定的な財源を確保するための税財政制度の抜本的な改正が強く望まれるところでございます。このような意味におきまして、今後御配慮をいただかなければならない問題点はたくさんあるのでございますが、ここではその幾つかについて述べさせていただきたいと存じます。 まず第一は、地方税源の拡充強化を図るということでございます。 本来、地方自治体がその行政運営に必要とする経費は、国と地方との事務分担及び財源の区分を明確にいたした上で、その自治体の住民自身が負担する税によって賄うべきであるとの原則に立つべきものと考えるのであります。しかるに現状は、社会経済情勢の変化に伴い、地方財政、特に都市財政は、その財政需要の増大に反比例して歳入中に占める税収入の構成比は低下をいたし、大部分の地方自治体は、地方交付税、地方債、国庫支出金等に大きく依存せざるを得ない状況に置かれております。 たとえて申しますと、全国市長会が毎年度調査をいたしております都市決算について見ますならば、昭和三十五年度における歳入中に占める税の構成比は四七・八%でございますが、これが昭和五十四年度におきましては三六・二%となっておりまして、この間にその構成比は実に一一・六%も低下をしておるのでございます。 最近における国、地方を通ずる財政状況を考慮いたしますならば、こうした傾向はある程度やむを得ないものと存じますが、この際特に強調しておきたいと存じますことは、税の大幅な自然増が見込まれました昭和四十年代の高度経済成長下にありましても、実は都市財政は税の構成比が低下をしていた、こういう事実でございます。このような現象が生じます原因は、都市的財政需要に即応した税源の確保がなされていないことを示すものでありまして、現行の地方税制度に問題があると思うのであります。したがいまして、今後歳入の根源をなす地方の独立税源、特に市町村税制の拡充強化につきまして御配慮賜りたいと存じます。 その第二は、ただいま申し述べました地方税源の拡充と関連をいたすものでございますが、地方交付税の総額の確保でございます。 御案内のように、地方交付税法の第六条の三第二項は、先ほど来るる述べられましたが、引き続き地方財源の不足が生じた場合には地方行財政制度の改正、または交付税率の変更を行うものと規定をされておりますが、昭和五十年度以降毎年度巨額な財源不足が生じている地方財政の状況はまさに法改正を必要としている事態にある、こう申していいのではないかと思います。したがいまして、前述の地方税源の確保とあわせまして、地方交付税制度について交付税率の引き上げ、国税三税のほかに対象税目を拡大する等、安定的な交付税総額の確保を図るための抜本的な改正を早急に実施していただくよう、お願いせざるを得ないのであります。 さらに、地方の財政支出の実態に即した的確な財源を確保するため、基準財政需要額の算定に当たっては引き続き算定の強化を図られるよう、御配慮もあわせてお願いいたしたいと存じます。 なお、財源対策債につきましては、昭和五十六年度において三千四百億円の縮減が図られましたが、なお措置されていない六千九百億円につきましては、本来一般財源で措置されるべきものが依然として地方債として残されているのでありますから、将来の財政負担を軽減し財政構造の改善を図る意味合いにおきまして、今後引き続き縮減に努力をしていただきたいと存じております。 その第三は、国庫補助負担金の問題でございます。 政府は、昭和五十五年度以降の行政改革計画の実施の一環として、補助金等の整理合理化について、四年間で少なくともその四分の一に当たる件数を整理をするという基本的な考え方を示されております。補助金等につきましては、地方自治体の自主的財政運営と財政の効率的運用等を図るという見地から、全国市長会はもちろんのこと、地方六団体といたしましてもその改善合理化をかねてから強く要望をいたしておるところでございます。 特に全国市長会におきましては、昨年七月開催の全国市長会議におきまして、国庫補助負担金の整理合理化に関する具体的改善意見を決定をいたしました。地方の自主性を尊重し、国、地方を通ずる財政資金の効率化を図り、行政経費のむだを省くという観点に立って、国庫補助制度のあり方について一般財源化の推進、補助金の統合、メニュー、総合補助金化、事務手続の簡素合理化等、具体的な問題点を指摘して改善を求める意見を取りまとめ、その推進をお願いをいたしているところでございます。 最近、政府におかれましては、総合的かつ中長期的な行政改革構想を策定するため臨時行政調査会を設置し、今後の行政改革の指針と具体的な改革計画の作成に取り組むこととされております。私どもも、時宜を得たものとして理解をしているところでありますが、その中で国庫補助金につきましては、昭和五十七年度の国庫予算編成に間に合うように早急に結論を出そうとしておられるようであります。 そこで、特にこの際御留意を願いたいと思いますことを申し述べたいと思います。 その第一は、補助金等の見直しに当たって、従来とかく補助金等を交付する国サイドの財政効率化という観点が先行するきらいがありますので、今後の整理合理化に当たりましては、補助金等の交付を受け、実際に事業を実施する地方自治体の意見を尊重して検討されるようにしていただきたいということでございます。 その第二点は、補助金等を整理する場合には、補助金だけをカットして事務をそのまま残し、その負担を結局地方に転嫁するようなことは絶対に避けていただきたいということでございます。もし、仮に事務を残す必要がある場合におきましては、整理された補助金に見合う一般財源を完全かつ明瞭に補てんするように、特にお願いを申し上げておきたいと思います。 その第三は、地方超過負担の解消の問題でございますが、諸先生方の御尽力により逐年解消措置が講じられておりますことはまことに感謝にたえませんが、現状はまだ決して十分ではございません。その一つ一つの内容につきましては、時間等の制約もあり詳細に申し上げ得ませんけれども、すでに地方六団体におきまして、実態調査に基づく問題点と具体的な改善策を要望いたしておりますので、その線に沿って引き続き見直しが行われ、地方超過負担の解消が図られることを心からお願いし、また期待をいたしてやまないのでございます。 以上、地方行財政に関する種々の問題につき、見解を述べながらそれぞれの善処方をお願いをしてまいりましたが、最後に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、重ねてお願いを申し上げたいと存じます。 このことにつきましては、冒頭に申し述べましたとおり、現時点における地方財政対策といたしましては、当面妥当な措置として賛意を表したいと存じますので、この法案につきまして審議をいただき速やかに成立するよう、何とぞよろしくお願いを申し上げたいと存ずるのでございます。 このようなことをあえてお願いを申し上げますのは、地方自治体におきます予算編成の一つの基準、指針となっております地方財政計画は、地方交付税法に基づき策定の上国会に報告をされており、他方、地方公共団体の方は、その地方財政計画をもとに三月中に予算を確定し対応しておるのでありまして、加えて本年度におきましては、経済情勢が目下きわめて微妙な段階にあり、景気対策が急がれている現状でありますから、本来ならば年度の当初から地方公共団体の安定的かつ機動的な行財政運営が執行できますよう、予算関連法案として年度内に成立をいたしますことを心から期待し、強く望んでいるからでございます。 御案内のように四月と申します月は、地方自治体にとりましては資金繰りの上におきまして非常に苦しいときでございます。先般国の予算成立と同時に、四月分の概算交付額をいただきました。本市——私の方の市を例にとっては恐縮でございますが、横須賀市の場合も十三億余のものをいただいておるのでございますが、本法案が成立をいたしませんと改正法に基づく四月概算交付額、全国では千三百二十八億円に及ぶのでございますが、これが未交付となるわけでありまして、われわれといたしましては、本法の成立を一日千秋の思いで待ちわびているのが実情であるわけでございます。 大変くどいことを申し述べて恐縮でございますが、仮に資金調達が困難な場合におきましては、これを当然一時借り入れ等によらざるを得ません。そうなりますと、そのための金利負担を生じ、さなきだに苦しい財政を一段と圧迫する結果となるわけでございます。これらの点につきましても篤と御勘考を賜り、一日も早く法案を通していただきますよう、重ねて切にお願いを申し上げる次第でございます。 以上、大変長々と申し上げましたが、何とぞよろしくお願いを申し上げまして、私の公述を終わらせていただきます。
○左藤委員長 ありがとうございました。 これにて参考人からの御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○左藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。臼井日出男君。
○臼井委員 自由民主党の臼井日出男でございます。参考人の諸先生方におかれましては、大変お忙しいところを私どものためにおいでをいただきまして、貴重な御意見を御披露いただきましたことを感謝申し上げる次第でございます。御意見をいただきました順序と多少狂うわけでございますが、御勘弁をいただきまして、順次御質問させていただきたいと思います。 まず最初に、横須賀市長の横山参考人にお伺いし、補足の説明をお願いするわけでございます。 全国市長会におかれましては、毎年貴重な御意見等をいただいているわけでございます。心から感謝を申し上げる次第であります。特に、本年度は第二次臨調、やがて七月の半ばには中間答申というものを出されようとしているわけでございます。きょうの新聞等を見ましても、一律カットということはしないけれども、八%から一〇%各省庁の中でもってカットをするようにというふうな指示も出ているわけであります。先ほど御意見もございましたが、国サイドの縮減というものが非常に大きく前面に出てきている。これは必ずしも地方団体にとっては好ましくないのは事実だろうと思うわけであります。 そこで、日々非常に現場でもって御苦労をいただいている横山市長さんでいらっしゃいますけれども、先ほど幾つかの御意見の中で、五十七年度でもってこういう点をぜひとも補助金の整理等については考慮をしていただきたいというお話がございました。七月の中間答申が出てからでは後の祭りというふうなことにもなろうと思いますので、その点につきましてさらに御一言あれば、おつけ加えをいただきたいと思います。 そしてお話の中に、各参考人とも同様の御発言がございましたけれども、地方交付税の税率の引き上げ、そういう問題がございました。これは長い間懸案になっているわけでございますが、それでは具体的に何%ぐらいならば実際の現場にいらっしゃる方として行財政というものが円滑に運営できるのか、そういう点についてずばりひとつ御意見をいただきたいと思うわけであります。 それとともに、国税三税のほかに対象税目を拡大してもらいたいというお話もあったわけでございますが、具体的に、もしこういうものを拡充するのが最適であるという御意見があれば、お承りをいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○横山参考人 お答えを申し上げます。 三点にわたっての御質問でございます。まず一点は、補助金の整理に絡む問題でございますけれども、これは私たちの方もその内容をつまびらかにいたしておりませんので、具体的にこうだということは申し上げにくいと思いますが、まず俗に言う一律カットという形は、やむを得ざるの方法ではありましょうけれどもやはり合理的ではない、こういうように考えております。もとより、今日の状況の中で行政機構を改革し、かつその対応としてまずは補助金へ、こういう進め方それ自体については、時節柄やむを得ないものと存じます。しかし、ただいま申し上げましたようなカットの点、やり方、さらにはまたもしもやられるならば、先ほど特に数点申し述べました点は前提としてやっていただきませんと、補助金は落ちたけれども事務が残っておるということになりますと、地方の方は結果的には地方の持ちによってこれを処置していかなければならぬ、こういうことになりますので、そこら辺の手順が狂いのないようにしていただきたい、こういうわけであります。 それからもう一点は、仮に残すということがございましたならば、先ほど申しましたようにそれなりの対応をしておいていただかなければいかぬ、こういうことでございます。しかしさかのぼっては、主張としては補助金というようなものではなくて一般財源によって措置をされるという姿が本来のものであるということは、冒頭申し述べましたような論理において今後ともお願いを申していきたいという姿勢でございます。具体的には、繰り返すようでございますけれども、以上の点を重ねてお答えさせていただきます。 それから第二点の税率の引き上げでございますが、これは私たちの方も専門的には何%というのが適当かは必ずしも明確ではございません。ただ、従来地方六団体で主張をし、お願いをしておりますのは、現行の三二%をせめて四〇%に引き上げていただきたい、こういうのが主張でございまして、たっての御質問でございますので、大変問題はあるとは承知しながらも、強いてというならばやはり従来の主張どおり四〇%、こうお答えを申し上げた方がいいと思います。 それから第三点の問題でございますが、これはいろいろと税目というか、この問題でございますが、これも実は専門的には私たちの方もなかなかわかりにくいのでございますけれども、基本的には国と地方との事務配分を明確にした上で税源の再配分を行っていただきたい、こういうことに相なるわけでございます。 これは私見的な意味を出ていないわけでありますけれども、具体的な例を若干申しますと、普遍的な税であります所得税の住民税への一部移譲、こういうような問題もいろいろと言われておるところでございまして、挙げ得るのではないかと思います。あるいは法人税の法人割への一部移譲、さらにたばこ消費税の拡充の問題、また電電公社等の納付金に係る算定標準額の特例措置、現在二分の一ということに相なっておりますが、これは地方自治体の側から見ればぜひ撤廃をお願いいたしたい、こういうような考え方がございます。その他幾多のものがあろうと思いますけれども、私見の域を出ませんので、以上のようなものをとりあえず例として挙げさせていただきます。
○臼井委員 どうもありがとうございました。先ほど最後にお話がございましたように、地方自治体としては年度内成立をぜひともというふうなお話もございました。年度切りかえの非常にむずかしい時期、こちらに委員の方がお見えでございますので、できるだけ意に沿うような審議の速やかな進め方というものを私どもも考慮してまいりたいと考えております。ありがとうございました。 続きまして、渡辺参考人に幾点か補足の御説明をいただきたいと思うわけでございます。 いろいろ有意義なお話をいただきまして、国の意思によって地方財政というものが誘導されているというふうなお話も中にございました。これは立場の相違といいますか、そういうものも多少あると思うのでございますけれども、その中でもって地方の負担を要するものの補助金というものは減っている、こういうものは国が誘導しているのだというふうなお話もあったわけでございます。渡辺参考人は、たびたびこういうふうな席にお出になりまして、そのたびに有意義な御意見を述べておられるわけでございますけれども、その中で、私の記憶違いかもしれませんが、国庫補助金の負担金というものはこれは本来であれば整理されるべきだという御意見をいただいたような気もするわけであります。したがいまして、こういう点につきましてもう少し詳しく御意見をいただければ幸いでございます。 それから二つ目に、自主財源の充実等とあわせまして地方財政の自主性というものを拡充したらどうだという、特にそういう御意見もございましたが、それでは具体的にどういうところをどの程度まで任せたらいいのかという御意見があったらいただきたいと思います。 そして三つ目には、交付税の充実、税の引き上げというお話がございましたが、具体的にどの程度の税率の引き上げがいいと考えるのか。その三点についてお伺い申し上げます。
○渡辺参考人 最初に国庫補助負担金の問題でございますが、基本的には負担金は整理するべきである、一部のものを除いてはむしろ撤廃するべきであるというふうに申し上げた方がよろしいかもしれませんが、そういう態度を私は基本的には持っております。先ほど申し上げましたのは、表面の数字だけで見ますと確かに国庫補助負担額が少なくなる傾向を見せてはおります。しかし、そこに問題があると思いますのは、減った分が一般財源として振りかえられているかという問題が残ると思われたからであります。 次に、自治体の自主性をどの程度にというお話でございますが、具体的には、私が最後に地方財政はどのように改革されるべきであるかというところで申し上げたことが中心的なお答えになるのではないかと考えられます。なお、この点についてもっと突っ込んだお尋ねがあれば、その時点でまた申し上げさせていただきたいと思います。 三つ目の交付税率でございますが、これは先ほども横須賀市長さんがおっしゃいました。結論を申し上げますと、四〇%を上回る率には引き上げるべきではないかと思われます。根拠はどうかと問われますと、実は大変困ります。なぜなれば、一つは計算が非常に複雑であるということであります。もう一つは、計算の根拠が公にされていない部分が少なからずあるということでございます。にもかかわらずいま数字を出して申し上げましたのは、昭和四十一年度までに何回かにわたって交付税率の引き上げが行われてまいりましたが、それをにらんだ数字というふうにお考えいただければと思います。
○臼井委員 どうもありがとうございました。もし時間があれば、後ほどもう一度お伺いをさせていただきたいと思います。 次に、牛嶋参考人にお伺いをさせていただきたいと思いますが、先ほど地方自治体の将来のあるべき姿というふうな中で、三点ほどお話しいただいたわけでございます。特に五十年度以降の質的変化に伴う地方行財政の対応という中で、市民のニーズにこたえるというふうなお話があったわけであります。そしてそのためには、最終的には地方交付税制度の強化が必要であるけれども、交付税率の引き上げをというお話もありました。その点につきまして、もう少し詳しくお聞かせをいただきたい。 それから、同じようなお話になりますけれども、交付税率引き上げ、先ほど来四〇%あるいはそれ以上というふうなお話があるわけでございますが、理論的なものと現況というものを比較しますと、現在の三二%がかなり長い間、七年以上にわたって据え置きになっているという状況を見ますと、理論的なものとは別にもう少し具体的に近い、何か経過的なものがあってしかるべきではないかというふうなことも考えるわけでございますが、その点につきましてお話しいただきたいと思います。
○牛嶋参考人 お答えさせていただきます。 先ほど私は、五十年以降の地方行財政の質的変化の中で市民のニーズの変化を申し上げたわけですが、量的需要から質的需要へというふうに申し上げましたけれども、量的需要というのは市民生活を行っていくために必要な行政サービスの中での基本的な財、たとえば上下水道とかあるいは生活道路とか公園の一定面積とか、そういったもので私は量的な需要というものをとらえているわけであります。しかし最近、所得水準の増大に伴いまして余暇時間が非常にふえてきているわけでありますが、この余暇時間と関連いたしまして、市民の行政に対するニーズはかなり多様化してきているわけです。この段階で、行政の責任とそれから市民の責任の範囲が非常に不明確になってきているわけであります。そういうことを考えますと、できるだけそういった多様化し、選別化している市民のニーズを的確につかむことが必要になってまいります。 基本的な財に対するニーズの場合には、どういう財源であれ、財源を調達してそのニーズを満たしていけばいいわけでありますけれども、いま申し上げましたように多様化し、選別化したニーズに対しましては、地方自治体が自主的にそのニーズを正確に把握してそれを満たしていかなければならない。そのために先ほど、みずから計画し、みずから行政水準を決定しと申し上げたわけですが、それを実行していくためにはどうしても自主財源が最も望ましいわけでありまして、自主財源が必要である。しかし自主財源は、先ほど申しましたように地域間の財政力格差等を考えますと、さしあたっては一般財源でこれを満たしていくという必要があるのではないか。そうでないと自主的な行政を地方自治体が行っていくことはできない、こういうふうな趣旨で申し上げたわけであります。 それから、交付税率の引き上げの問題でありますが、これは交付税制度が持っております地域間の格差是正と関連して考えなければならないのではないかと思っているわけであります。 たまたま昨年、愛知県の三十市につきまして財政力を、一人当たりの税収額で格差をながめてみたわけでありますが、ああいった大都市圏の中でも、財政力の乏しい地方自治体とそれから財政力の豊かな地方自治体の間には三倍もの開きがあるわけであります。これらの開きを地方交付税で是正していくとすれば、やはりかなりのアップを必要とするのではないかと思っておりまして、ある程度の財政力格差の是正を行っていくためには、先ほど横山市長がおっしゃったような水準が必要ではないか、四〇%というふうな数字が必要ではないか、そういった試算も私、愛知県だけでございますけれどもやったことがございます。
○臼井委員 どうもありがとうございました。 ちょっと時間がなくなってしまいまして大変恐縮でございますが、山崎参考人に対しましては、先ほど貴重な御意見をいただいたわけでございますが、地方交付税法六条の三の二項に基づく交付税率の引き上げを考えるべきだというお話もございましたが、もう少し詳しくその点だけのお考えをお聞きいたしたいと思います。
○山崎参考人 お答えいたします。 この解釈については、いろいろいままでに議論が繰り返されておるようでありますが、私はその解釈の問題よりは、こういうふうに借り入れに依存するやり方が非常に問題を残すのではないか、そういうことでやはり交付税率の引き上げの方に行くべきではないか、そういうことを申し上げましたので、具体的にそれでは税率を何%に上げたらいいかということは、算定すべき資料を私は持っておりませんので、具体的にはちょっと申し上げられませんが、そういう考え方で申し上げたわけであります。
○臼井委員 どうもありがとうございました。 いただきました御意見を参考にさせていただきまして、これからも地方行財政につきましてできる限り力を尽くすことをお約束いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○左藤委員長 松本幸男君。
○松本(幸)委員 社会党の松本でございます。 本日、地方行政委員会において四人の先生方から、参考人としていろいろ有益な御意見をお聞かせいただきましてありがとうございました。きわめて短い時間でございますけれども、幾つかの点につきましてお尋ねをしたいと思います。 まず第一に、最初に御意見をお述べになりました牛嶋先生にお尋ねをしたいと思うわけであります。 先ほど、臼井委員の方から横須賀の市長さんに対しまして、交付税の税率の引き上げ等の問題についても御質問があったようでございますけれども、今日の地方財政の現況を見ておりますと、国の財政と同様にきわめて厳しい状況に置かれているわけでありますが、こういう状況の中で、いわゆる地方交付税の果たしている役割りというものもきわめて大きいものがございます。 これらに対して四人の先生方とも、それぞれ交付税を頭から否認をする、制度そのものがよくないといったような御意見は全く聞かれませんで、それなりに地方交付税の果たしている役割りといいましょうか、意義というものを認めて、改善をする、あるいは交付税率を引き上げる、こういったような御意見が述べられたように思うわけでございます。 地方財政と国の財政との関係をいろいろ見てまいりますと、ごく大ざっぱに見まして、国の予算は御承知のように四十六兆七千八百八十一億円という額でございますが、その歳入は、これも大ざっぱな話になりますけれども、国税が三十二兆二千八百億円、さらに国債は二兆円減額されましたけれども十二兆二千五百億円、合わせて四十六兆七千八百八十一億円の大半は国税と国債に依存をしている、こういう状況であります。 これに対して地方財政については、御存じのとおり地方税が十七兆八百億円、交付税が八兆七千億円、国庫支出金十兆六千八百億円、合わせて三十六兆四千六百億円。地方財政計画による五十六年度の地方団体の財政規模といいましょうか、予算の総額は四十四兆六千億円程度でありますから、十七兆八百億円という地方税が税として地方の側では徴収されるだけで、あとは交付税も一応固有の財源とは言われていますけれども、国が一たん吸い上げて地方に交付をするという形式がとられているわけであります。 もう一つは、国庫支出金は純然たる補助負担金でありますから、これは国からの支出金ということになりますと、地方の財政というものは、これはもう固有の財源は三十六兆四千六百億円の中で十七兆円きりなくて、二十兆円に近いものは国に依存している。交付税は国に依存している財源だと言うと語弊があるかもしれませんけれども、そういう実態にあるわけであります。 そういう中で、交付税の税率を引き上げるという御意見が述べられたわけでありますけれども、しからば、先ほど横須賀の市長さんの方からは、税率が大体四〇%程度とか、あるいは対象税目の追加については法人税であるとかあるいは所得税の一部であるとか、さらにたばこ消費税といったものを考えているというお話がございましたけれども、牛嶋先生の方では、交付税率の引き上げあるいは対象税目の追加というようなことについてはお話がなかったように思いますので、どういう形で交付税率の引き上げを行ったらいいかという点につきまして、もう一遍、できたら具体的にお話をいただきたいと思います。
○牛嶋参考人 先ほども私申し上げましたように、もし地方公共団体の財政力が全然格差がない、みんなほとんど同じような水準であると考えた場合、私はやはり事務量に応じた税源の配分を行うべきであるというふうに考えております。現在、大体国と地方の事務量は一対二ということですから、国税と地方税の税源配分もそれに合わすべきだと思っております。 がしかし、先ほどから何度も指摘しておりますように、地域間の財政力は格差があるわけです。さらに行政能力につきましても、地方公共団体間にかなり格差があるように思います。そういった場合に、いま申し上げましたような税源配分を事務量に合わせた場合に、地域間の格差はさらに拡大をしていくだろうと思うわけであります。 しかし一方、いつまでもこういった交付税あるいは国庫支出金で地方自治体の財源を補てんしておりますと、やはり国に頼るというような依存心があるわけでありまして、したがって行政能力はついていかない。ですからこの場合に、国が思い切ってその責任を地方公共団体に渡しまして、そして地方を信頼するのがいいのか、あるいは行政能力がまだまだ不十分だから、ある程度は国庫支出金等を通じてコントロールしていく必要があるのかという問題があるわけですけれども、五十年以降の減量政策でもって、個々の地方公共団体はかなり行政能力をつけてきた、そしてまたそれなりの努力を払ってきたというふうに評価しております。そうなりますと今度は、国の方である程度地方自治体を信頼する番ではないか。これはいま申しましたが、その措置といたしましては国と地方の財政関係、特に税源の配分をある程度地方にというふうに主張したいわけですが、一遍にはまいりませんので、その一段階として地方交付税の増額というのを申し上げたわけでございます。 その具体的な数値は、私は先ほども臼井先生のときにお答えいたしましたように、地方交付税が持っております二つの役割り、すなわち国と地方の間の財政調整と、もう一つは地域間格差の問題があるわけでありまして、現在のところかなりまだ地域間格差が、先ほども愛知県の場合について申し上げましたようにあるわけでありまして、それを是正していく場合には地方交付税率をかなり上げなければならない。ですから、どれだけ地域間の格差を是正するかということと関連していると私は思っております。 四〇%に上げた場合にどうなるのかというのを、私、愛知県の場合だけですけれども試算したことがございます。その場合に、かなり地域間の格差是正というものは進むという結果も出ております。このあたりはむずかしい判断になろうかと思いますけれども、三五%あるいは四〇%というふうに、税率を上げることによりまして地域間の格差是正というものはさらに進むという計算結果が出ていることだけを申し上げまして、これだけということを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○松本(幸)委員 ありがとうございました。 余り時間もございませんので、次に横山市長さんにお尋ねをしたいと思うわけであります。 ごく一般論を言いまして、厳しい地方財政を何とか立て直していかなくてはならない。そのためにはやはり地方の財源というものを確保していかなくてはならない。その方法として、一つには地方の自主財源、本来の自主財源であるべき地方税の税目等についてふやしていくとか、あるいは税率等についても考えていくということで、いわゆる税収を確保するという方法と、もう一つにはいま問題になっております交付税の増額、これを考えてもらう、こういうことになろうと思うのですけれども、この二つは単純に考えますと多少相矛盾した問題ではないか。 御承知のように、交付税の算定基礎になっておりますのは国税三税でありますが、そのうちの、先ほど市長さんのおっしゃったように法人税の一部あるいは所得税の一部を地方税に回せということになりますと、これは算定の基礎になっております国税三税が減ってくるという結果にもなりますので、一方において地方税そのものの増収を図るようにしろという要求と、他方において交付税そのものの増額をやれという要望というものは多少相矛盾したような考え方にもなるわけでありますけれども、それらの点につきまして、言うなればどちらを重点にどう考えるべきかという基本的な方向をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○横山参考人 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のように、現在の地方交付税というものの基本的性格が、基準財政需要額と基準財政収入額の差を埋めていくというところに一つの本質的性格を持っている。こういうことになりますと、やはりいま御指摘のように地方税の税源が十分与えられるということになるならば、その限りにおいて交付税の方は減ってもいいということに理論的にはなろうと思います。もっとそれを徹底して言うならば、地方税源が十分に確保されて、しかも自治行政が本当に進められるという姿にもしなるとすれば、もう交付税の機能というものは働かなくて済むということになろうと思います。 しかし現実はそうはまいりませんので、先ほど臼井先生の御質問にも若干具体的な税目を挙げましたけれども、なかなかそれだけで足りるということにももちろんならないと思いますので、結論的には矛盾はいたしますが、地方税源の確保もお願いをいたし、かつまた交付税の方も率も上げ、あるいは範囲を広げるということが可能ならばそうやっていくということの両立、相関関係の上でいかざるを得ぬだろう、かように思います。 これは御指摘のように、大変はっきりとしないお答えに相なって済みませんけれども、さようなことをお答えせざるを得ぬだろう、こう思います。
○松本(幸)委員 ありがとうございました。 もう一点、渡辺先生にお尋ねしたいと思うわけでございます。 先ほど先生から、交付税本来の機能が喪失をされたというようなお話もあったわけでございますが、御存じのように八兆七千億円の交付税につきまして、現状では道府県の段階ではわずかに一団体が不交付であり、市町村の段階でも全国三千二百五十六団体のうちわずかに二%程度の六十五団体が不交付の団体である。 こういう現況からいたしますと、本来ならばある一定水準までの基準財政収入額が確保されて、それ以上のものについてどうしても基準財政収入額が需要額に満たないという団体に対して交付をする、それが財政調整機能であろう、このように思うわけでありますが、今日のように全国の都道府県あるいは市町村、おしなべてほとんどの全団体が交付税の交付団体になっておるという現状の中では、やはり交付税の方式よりも、一定程度地方に税源を回して、自主的な税収によって地方財政の収入を確保する、こういう方法がとられるべきではないかというような感じもするわけでございます。 そういった意味で、交付税本来の使命といいますか機能というものが減退したということにつきましては、実は私も同感なんでありますけれども、これからの地方財政の改革の問題につきまして、いわゆる自主財源を名実ともに自主財源として確保できるようにしていくんだ。そのために、今日の状況では全く無能力者といいますか禁治産者的な取り扱いを受けている地方団体、これは国が法律で決めてしまえば、地方の裁量権なんというのはほとんどなきに等しい状態で禁治産者的な取り扱いを地方税法の上では地方団体は受けておるわけです。そういった意味での課税自主権の拡大、このことについての具体的な方途、こういったものはどういうところに求められるべきか、どういう手法があるのかというようなことにつきましてひとつ教えていただければありがたい、こういうふうに思います。
○渡辺参考人 大変むずかしいお尋ねでございます。 課税自主権の拡大の具体的な方法ということなんでございますが、量と質と二つの面に分けて考えることができそうに思われます。 量の面では、現在の地方財源に占める自主財源、特にその中心を占める地方税の割合が低過ぎるというふうに私は思っております。したがって、それは拡大するべきであるというふうに考えます。ただこの場合、いままでの諸参考人も言われておられましたが、団体によっては税収に格差が生じますので、どうしても地方交付税制度によって補完しなければならぬ、そういうことは伴います。しかしお尋ねの御趣旨は、交付税の問題よりも自主性の拡大の具体的な方途ということでございます。その点にしぼって申し上げたいと思いますが、量に続いてもう一つ質の問題がございます。 これは私も最初のお話のところで申し上げましたが、そしていまも松本先生がおっしゃっておられましたが、地方税法による細かい厳しい拘束をできるだけ取り除くべきだというふうに考えます。そこで、取り除く具体的な方法はどうなのかということでございますが、いろいろな方法が考えられると思います。 一つは、現在すでに設けられております標準税率制度をもっと拡大するという方法があろうかと思います。拡大というのは、すべての税目について標準税率制度を適用する、さらに制限税率制度はできるだけ緩和する、そういった方法が考えられると思います。 さらにもう一つは、これも現在すでに設けられている制度でありますが、法定外普通税制度を実際に自治体がもっと活用できるように改めるべきではないか、そういうふうに考えます。 さらにつけ加えて申し上げるならば、私の最初のお話では、地方税法によって厳しく拘束されている、それは望ましくないということを抽象的に申し上げたわけですが、では何をどの程度、自治体の自主性にゆだねればよろしいのかということになります。分解して考えればいろいろございます。たとえば、税目であるとか課税対象であるとか税率であるとかいろいろございます。その一つ一つについて申し上げる時間もございませんけれども、たとえば税目について一つ例を取り上げてみます。 幸か不幸か、いや残念ながらと申し上げる方が当たっているかもしれませんが、自治体が拾い上げることのできる税目というのは、ほとんど地方税法によって網羅的に拾い上げられてしまっている、基本的にはそのように考えざるを得ない現状だと思われます。したがって、先ほど申し上げたような既存の税目の、たとえば標準税率制度をどうするかとか、あるいはせめて法定外普通税制度をどうするかという、そういう方向に行かざるを得ないわけでありますが、いずれにいたしましても、考え得るもろもろの方法がまだ考えれば出てくるんではなかろうかと思います。ただ、十分な検討を私自身、まだこの点については加えておりませんので、とりあえずそんな程度のお答えしか申し上げられないのを残念に思います。
○松本(幸)委員 ありがとうございました。 余り時間がございませんし、佐藤委員の方から関連質問がございますのでこの辺で終わりますが、実はもう一つ、いま当面の大きな問題になっております第二臨調と地方財政とのかかわりにつきまして、渡辺先生なりあるいは横山市長さんにお尋ねをしたいと思ったのですが、お尋ねする時間がございません。 ただ、先ほど申し上げたように、十兆六千億円に及ぶ国からの補助負担金いわゆる国庫支出金、やはりこれは大変な額でありまして、第二臨調がいまのところはあたかも国の行政改革を進めるんだというように思われて、地方団体側は第二臨調による行政改革というものを余り深刻に受けとめていないんじゃないか。あれは国の方のことだというように感じておられるような節もあるわけなんですが、これはすぐれて地方財政に深刻な影響を与えずにはおかない問題だというように私は認識しているわけなんですが、そういう点につきましても、せっかく市長会の御役職にありますので、ひとつ十分お考えいただきたいというように思います。 大変長くなりましたけれども、これで質問を終わります。
○左藤委員長 石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 最初に、牛嶋、渡辺両先生に同じ質問を申し上げたいと存じます。 それは、国の目指しているいろいろな行財政の仕組みというものは、多分に地域的な問題あるいは国民の各層に対する平均化の機能を果たしているのではないかと思います。それに対して地方行政の主たる目標の一つは、やはり個性ある地域づくりであろう、こういうふうに思うわけでございます。そこら辺のバランスをどう考えるかというのが、財源配分にとっても非常に大事な問題ではないかと思っておるわけでございます。 もう少し申し上げてみますと、地方自治体の行財政の運営を見ておりますと、景気の動向並びに税収の伸び等に従って、あるいはまた地域住民のニーズも拡大されてきたわけでございますけれども、非常に拡大基調に来たわけでございます。そして昨今、緊縮財政を組まざるを得ない、そういう状況に立ち至っておるわけでございますけれども、この地方行財政の拡大部分をいまこの立場に立って検討してみますと、地方自治体の独自の項目が拡大されたというよりは、国の新規の施策によって、あるいは国の政策の拡大によって地方行財政がふくれてきたという部分が、そういう意味合いが非常に大きいわけでございます。 いま申し上げましたように、国の新規政策や政策拡大というのは、その性格が国民全体のバランス、地域格差をなくそうという方向に結果的に機能しておるというふうに思わざるを得ないわけでございます。一方地方行政の方は、できれば個性ある地域づくりを目指したい、特に限られた意味での文化政策であるとか、あるいはスポーツであるとか、あるいは福祉のサービス面であるとかいうものにおいて、そういう個性のある地域づくりを進めたいというのが地方行政の目標であろうかと思うのでございます。 先ほど来各参考人の御意見は、圧倒的に地方自治体の一般財源が不足しておる、交付税法の性格からいっても、もっと強化しなければおかしいじゃないかというような御議論があったと思うわけでございます。その一般財源を確保するという意味合いにおきましても、特に私ども公明党は、この交付税率の問題も、先ほど牛嶋先生がおっしゃった格差是正のために四〇%で計算してみると、かなり地域間の格差が埋まるというお話がございました。そういう点も踏まえて、今後地方行政を進めていく上において、国の機能する平均化の問題と、それから地方行財政の目指す独自性といいますか、個性的な地域づくり、住民サービス、そういうものとのバランスを一体どういうふうに考えていくか、ここら辺に対する御意見を承りたいと存じます。最初に牛嶋先生にお願いします。
○牛嶋参考人 いま、国の施策が平均化のための施策というふうにおっしゃいまして、私はそれを地方の側からながめまして、個々の地方公共団体において、住民が一応健康な、快適な生活を行っていくために必要とされる生活基盤、生活関連基盤、こういったものに対する需要というふうな形で先ほど私、表現したわけです。これは幸い、高度成長期における税の自然増収というふうなことで、この水準はかなり満たされたというふうに考えているわけであります。 そのために五十年以降、これからの行財政のあり方といたしまして、先ほど私は、いまも先生おっしゃいましたけれども、個々の地方公共団体が地域づくりを目指す場合に、いま申しましたような、少なくとも最低の生活関連基盤を整備していくということは終わったわけですから、今度はそれを基盤にして、それぞれの地域がコミュニティーの形成を図りながら、独特の行政あるいは個性のある町づくりを目指すべき段階に来ているということであります。 そういった生活基盤整備の場合には、これはだれもが必要としているわけでありますから、この財源はどんな財源であっても、要するところ投資が進んで整備が進んでいけば、市民の需要を満たすことはできるわけでありますが、これからはそうではないわけでありまして、これからはそれぞれの地域における市民の行政に対するニーズ、これを正確に把握していかなければならないわけであります。そしてまた、市民の方も、財源が国から来るんだというふうな考え方のもとでは、恐らく責任のある形でニーズを申し出るというふうなことはないのじゃないかというふうに思います。 そういたしますと、負担と受益、これを市民にも目に見えるような形で直接結びつけておく必要があるわけでありまして、そのときに市民の側にも責任のある行政に対するニーズの申し出、それから行政側もそういった負担に対してこたえるために、責任のある行政を行っていくことができるのではないかというふうに思っております。 いま申しました負担とそれから受益を直接結びつける、受益には必ず負担が結びついているんだというふうなことが市民にわかるためには、一番いいのは税であります。地方税であります。しかし、受益者負担の原則で使用料、手数料を適正な水準で決定し、そして市民に負担を求めるということも、もう一つの方法ではないかというふうに思います。いずれにいたしましても、先ほどから申しております少なくとも一般財源、さらには自主財源の確保というのは、そういったこれからの行政を進めていく場合の基本と考えられる負担と受益との直接的な結びつきというところから、私申し上げたわけでございます。
○渡辺参考人 問題を、まず財源と経費にどう対応させて考えるかという点から申し上げてみたいと思います。 簡単に申し上げれば、財源の面については、自治体の財源がなるべく均一化するように国が責任を持つべきである。他方、経費の面につきましては、自治体の多様性がなるべく発揮できるようになされるべきである。そういう対応関係がまず基本的に考えられ得ると思います。もちろん付随して、さまざまな複雑な条件をあわせ考えなければなりませんが、それを承知の上でいま簡単に申し上げてみたわけです。 ところで、お尋ねの御趣旨は経費の面にあろうかと思います。国民共通の経費と言われるような面については均一化されることはあり得てよい、むしろ必要だと言うべきだと思います。ただ問題は、そういう性格を持った経費とそうではない自治体の多様性に任せるべき経費と、どのようにして区分するかというところにあると思います。お尋ねの御趣旨も基本的にはそこにあると思います。非常にむずかしい問題でございます。 ここでもまた、基本的な考え方を申し上げるならば、私は、自治体のすべての経費は原則として自治体の自主性に任せるべきだ、したがって多様性を十分尊重する形で任されるべきだ、そういうふうに言えるかと思います。全国的な視野から見て均一な行政水準を確保する必要がある、そういう行政の部門があることは確かだと思われますが、ここで一つ考えることができることを申し上げたいと思います。 国家財政と地方財政はどう違うのか。国家財政の場合は、国による経済の政治的な働きかけという特徴を持っております。地方財政の場合は、国家財政と切り離して論ずることができないという意味では、いま申し上げたと同じ基本的な特徴を持っていることは確かだと思われます。ただしかし、地方財政の場合には地方自治という、国家財政の場合と違ったもう一つ別の理念を尊重しなければならないという要請がございます。そこで、国家財政の場合の国による経済への政治的働きかけという特徴を生かすために必要な、最小限度地方の経費に国が介入するということにとどめるべきだというのが私の基本的な考えであります。 ですから、いまも牛嶋参考人が言われましたように、経済に直接的かつ重要な関係がそれほどあるとは思われないようなたとえば生活環境的な施設については、むしろ地方の自主性にゆだねるべきではないかというような結論が一つは出てこようかと思います。いずれにしましても、基本的にはいま申し上げたようなことを基準にして、ケース・バイ・ケースによって考えるほかはないだろう、そんなふうに思っております。
○石田(幸)委員 大変ありがとうございました。 先ほど松本委員の方の御質問があったのですが、時間の関係上しり切れトンボになってしまったのですが、まさに同じ質問を市長さんと山崎先生にお願いいたしたいと思うわけでございます。 特に、いま行革世論が盛り上がっておるわけでございまして、これに対していろいろな意見が出ております。特にいま補助金が大きな話題になっておって、総理が各省に八%から一〇%縮小のノルマを課するというようなことを言うておるわけでございます。いままでこの行革については、地方制度調査会などでいろいろ言われてきました。それは市長さんも山崎先生も御存じのとおり、地方から中央への要望というかっこう、国の施策に対してこう改革すべきだということが多かったわけでございます。 しかしいま、行革全般の問題が論議されるわけでございまして、地方公務員の給与面までここで議論しようかなんという話題が出てくるわけでございまして、現在の地方行政の借金財政というようなことも考えますと、これは地方側からも十分に対応しなければならない。いわゆる行革の問題を、地方は地方独自の面の対応をどう受けとめていこうとするのか、そこら辺にもしお考えがございましたら御両人からお伺いをいたしまして、私の持ち時間はそれで終わりでございますので、お願いしたいと存じます。
○横山参考人 お答え申し上げます。 実は、現在の行革の内容そのものが、まだ私たちの方も、果たしてどういう内容でどういう方向かという確定的なことは承知していない段階でございますが、先ほど松本先生の方からも、高みの見物では許されぬ状況下だというお話もございました。私たちも、ことごとくが国の締めつけによって地方の行政改革が行われるような筋合いのものとは思っておりませんけれども、いろいろな意味において無関係のものではない、こういう自覚をいたしております。 したがいまして先ほども、特に表に出ておるのが補助金の問題でございましたので、補助金の整理に当たってはお願いをする第一に、とかく中央サイドだけで決まって現実に補助金を執行してまいる地方の方の意見が反映をいたさない決まり方であっては困る、こういうことをお願い申し上げましたのは、実はさような点を配慮いたしたからでございます。 したがいまして、地方は地方としての地方自治を貫いていくという観点から、やはりある意味では地方自治体統一的に、ある意味では個々の自治体個々の立場に立って、私たちの方は主張するものは主張していきたい、こういうように存じております。幸いに地方制度調査会の方でも、それらの意見を集約してすでに述べてありますし、また委員の中に述べ得る立場の会長さんもお入りをいただいておる、こういうことでございますから、それらの機能に立って決して無関係でもなく、また安閑ともしていないということで今後に対応してまいりたい、かように存じております。
○山崎参考人 支出の削減というのも、国全体の立場からいろいろ考えていかなければならぬことはあたりまえでありますけれども、補助金の削減というようなものにつきましては、国側ばかりではなくて地方側の事情もよく聞いていかなければならぬということは、私は全く同じように考えております。
○石田(幸)委員 まだ二点ばかりお伺いしたい点もあるのですけれども、これを聞いていきますと大分時間も超過しますので、残念ながらこれで終わりにいたします。 各参考人の先生方、ありがとうございました。
○左藤委員長 青山丘君。
○青山委員 各参考人の皆さん方には御苦労さまです。 最初に、牛嶋参考人にお尋ねをいたします。 御意見を伺いまして、大変示唆に富んだ御意見、勉強になりました。その中で、少しく補足説明をしていただきたいと思いますが、地方債の重荷からやがて脱却しなければいけない、しかし地方団体はおおむね昭和五十年度税収の落ち込みからその内部努力を進めてきた、その減量化でそれなりに成果を上げてきているというような御発言がありまして、地方の行政能力がその水準をアップさせてきているという評価、その努力はあると思うのですけれども、具体的にはどういうようなことを指しておられるのか。 ちょっと違うかもしれませんけれども、私の方では、たとえば人員一つとりましても、この十年くらいの間に国家公務員は約一%のアップ、全産業では一六%のアップ。これは産業ですから、企業がやることですからいいのですけれども、地方団体は一二〇%ですから二〇%アップ。この数字の中には、学校の先生や警察官や何かは入っていないのですね、私の方の調査ですけれども。しかし非常に人員がアップしてきている。そのほか、挙げていくと幾つかあるのですけれども、具体的に先生のおっしゃっておられる減量化が成功してきているという事例をちょっと説明いただきたいと思います。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕
○牛嶋参考人 私も、愛知県下の幾つかの都市の行財政問題の委員会の委員をしておりまして、具体的に取り上げられる都市の数というのは非常にわずかでございますので、そこから先ほどのような一つの評価を下すのは非常に問題があろうかと思いますけれども、そういったいままで見てまいりました幾つかの都市の中で、私がそれなりの評価を下した事例を挙げさせていただきたいと思います。 五十年は、地方自治体にとりまして大変な年でありました。それまで非常に税収が伸びてきておりましたから、毎年予算編成に当たりましても、五十年も相当税収が伸びるだろうというふうなことで予算編成したところが、国と同じようにほとんど伸びなかった、横ばいであった、あるいは都道府県の場合には落ち込んだわけでありまして、それが大きな赤字をもたらしたわけでございます。これに対しまして、国がいろいろな対策を立てられましたけれども、やはりそういった赤字を出すということに対しまして、個々の地方公共団体というのは相当な問題にしたわけでありまして、それ以降、いまの国と地方の制度の中でやり得る減量政策をとってきたということが言えます。 いまおっしゃいました人員の問題が、こういうふうな数字になっているじゃないかというふうなことでございますが、先ほども申しましたように、個々の市町村がとりました一番最初の対策というのは補助金等の見直しでございます。この補助金等の見直しにつきましても、若干の都市で私相談を受けたわけですが、見てまいりますと、国から財源がおりてきて、そしてただ市町村の予算を通過するというだけの補助金がずいぶんとあるわけですね。市町村が単独で行う補助金というのはかなり限られている。そういう場合に、検討を進めてまいりますと、単独のそういった補助金、市町村が単独でやっておる補助金につきましては非常に切りやすいわけですけれども、国から来ている部分については、どうせもらえるんだからというふうなことでなかなか切れないというふうなところがあるわけです。そのことが、先ほどからおっしゃっていますように、今度の補助金の見直しに当たりましても、地方公共団体の側からの意見も十分に聴取してほしいというふうな御発言になっているんだというふうに思います。 それから、次に取り上げましたのは使用料、手数料の改定でございます。これは市民に負担を求めるわけでありますから、税と全く同じような意味を持っているわけであります。それもあえて行ってきております。使用料、手数料は、予算の中で占める割合というのはわずかでございますから、二倍に上げたところで直ちに財政収支が改善されるというものではありませんけれども、しかし、適正な水準で負担を求めるというふうな観点から、かなり思い切った改定をどの市町村も行ってきております。 それから経常経費も、たとえば一〇%の一律カットというふうなことも、たとえば名古屋市の場合にはやっております。 そういうふうに見ていきますと、できる範囲の中で確かに努力をしてきているわけでありまして、そういったところを私見まして評価をしたわけです。 御指摘の人員の問題ですけれども、これはどこでふえているかといいますと、施設を建設した後に施設を管理運営しなければいけない、そういったところで人員がふえている。これはもう、その二〇%の人員増をお調べになりましたら、はっきり出てくるところでございます。この施設はいつつくられたか、これは高度成長のときに、先ほども申しましたように投資的行政でもってつくられてきたわけです。そのときにはまだ財源的に余裕がありましたから、その後の管理までも十分に検討してその施設をつくったとは言い切れません。しかし、その後の管理に関しまして人員がふえていることは確かであります。したがって、その数字だけ見ますと私が言うような評価はできないかもしれませんけれども、いわばその人員の増加の中身を見た場合には、これは五十年までの行政のいわばツケが回ってきているというふうな形であります。 最近になりまして、そういったたとえば市民会館とかいろいろな諸施設の建設がありますけれども、こういった管理運営に関しましても、たとえば委託方式を採用するとか、あるいは市民に管理を任せるとかいうふうな形でやはり努力をしているわけでありまして、そういった例を見まして私、先ほどの評価を下したわけでございます。
○青山委員 もう少しお尋ねしたいのですけれども、時間がありませんので先にいきたいと思います。 山崎参考人にお尋ねしますが、先ほどちょっと、公営企業金融公庫は地方債の融資には向けられておらない、地方団体が地方債を発行してくると、その消化に大変苦しんできている、余りこれをふやしていけば民間の資金需要にも相当な圧迫が来るかもしれないというのは、私どもも思うのです。ちょっとその御意見の中に、地方団体に融資をする金融公庫のような制度を設けてはという意見があったように思うのですが、その辺の御意見もう少し聞かせていただきたいと思います。
○山崎参考人 地方は中央と違いまして、金融力が非常に弱いのであります。ですから、景気が悪くなってまいりますと資金の獲得が非常にむずかしくなる。したがって、地方の投資活動なども落ちる、そのために不景気を非常に増長させる、そういう事情があります。それで、景気がよくなりますと逆でありまして、非常に資金は安くなりますために争ってまた投資活動をする、そのために景気を過熱化させる、そういう事情がございます。 いま地方債に限りましても、非常にふえてまいりますと消化の問題が非常にむずかしくなりまして、これを無理に地方の金融機関にはめ込みますと、地方の資金の需要を抑えなければならぬというような事情が出てまいります。そのときに貸出量、絶対額が抑えられるばかりじゃなくて、金利を上げてまいりますので、金利負担も非常に高くなってまいります。そういうような事情で、いまやはり政府資金を非常に導入しなければならぬ。大分改善されてはおりますが、その一つの大きな役割りをしていますのは公営企業金融公庫でございます。 しかし、公営企業金融公庫は、その資金をだんだん拡大されておりますけれども、融資の対象が公営企業の借り入れ、あるいはその発行する地方債の引き受けに限られておりまして、そのほかの地方債については融資しておらないわけであります。だから、もう少しこの機能を拡大したらいいんじゃないか。その方法には二つありまして、一つはいまのこの公営企業金融公庫の融資対象をもう少し拡大するように改正する、あるいは別の地方団体金融公庫とでもいいましょうか、そういうものをつくったらどうか。どちらでも構いませんのですけれども、そういう機能を果たすものが必要じゃないだろうか、こういうことを申し上げたのであります。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○青山委員 渡辺参考人、横山参考人に、時間がないものですから、簡単な御見解を伺いたいと思います。 地方財政が危機に陥り、地方財源に不足が生じた昭和五十年度の補正予算以来毎年度、主として交付税特別会計の借り入れと地方債の増発という補てん対策が国においてなされてきました。そしてまた、財源不足対策をめぐって地方交付税率の引き上げ等、同じような議論が当委員会で繰り返されてきたのであります。 しかし、本来地方交付税法第六条の三第二項には、「毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が引き続き第十条第二項本文の規定によって各地方団体について算定した額の合算額と著しく異なることとなった場合においては、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする。」と規定されておりますが、ここで言う「制度の改正」とは、たとえば国と地方の税源配分の見直しであるとか、あるいは新税の創設であるとか、国税三税を拡大していくというような抜本的な改正を言うものだと私は思います。 今回政府は、交付税特別会計の借入金の償還を変更すること等によって交付税を増額すること、財源対策債を発行することによって財源不足額を補てんすることにしておりますけれども、これはまさにその場しのぎ、暫定措置、特例措置と言うべきであると思うのです。自治省はこれを制度改正とみなせと言っておるのですけれども、私たちはそうみなすわけにはいかないではないかと思うのです。その辺の御見解はいかがでしょうか。時間がありませんので、簡単で結構です。
○渡辺参考人 おっしゃった御意見と私、全く同感でございます。自治省はかつて、五十年度補正以降一定のルールを確立したのだから、その限りにおいて制度改正と考えてよろしいのではないかというふうな意見を表明したことがございます。 しかし、関連する法律の条文を、こもごもしさいに検討してみますと、言われるようなルール改正は制度改正とは言えないという結論が出てまいります。 簡単にということでありますから、詳しくは申し上げませんけれども、もしお時間が余りまして聞きたいということであれば、後でまた申し上げさせていただきたいと思います。御趣旨には、私も全く同感でございます。
○横山参考人 お答え申し上げます。 先ほど冒頭に陳述を申し上げましたときにも、本件につきましては考え方を申し述べたのでございますが、基本的なまた徹底した意味では、私もただいまおっしゃいましたように、本当の抜本的な制度改正と言うにはいささか問題がある、かように存じます。 しかし、いままで政府並びに関係の方から説明がありますように、それはそれなりの一つの制度改正ではあるだろう、しかし十分なる制度改正と言うわけにはまいらぬが、やむを得ざる、現時点における対応策としての一つの制度改正だ、こう理解することが適当だろう、かように思っております。
○青山委員 時間がありませんので、私の意見に対して四人の方に本当はお答えいただきたいのですが、どなたでも結構です、お答えいただければありがたいと思います。 国庫補助負担金制度の問題について先ほどから論議されておりましたが、これは実は国の縦割り行政です。地方団体がみずから事業を進めていきたい総合的な計画を持っています。そういう点からしますと、これはいろいろな弊害が出てくると私どもは思っております。加えて、中央省庁や地方出先機関への事務手続のために、また膨大な経費を必要としております。そういう点で、この際国庫補助負担金の徹底した整備を図る必要があると考えます。 特に公共事業費国庫負担金は、地方団体が総合的に樹立された計画、まあ地域で持っている総合整備計画みたいなものですね、に従って実施する建設事業費に対して国が割り勘的に負担するもので、本来地方自治体の主体性が尊重されるはずのものであると思います。しかし現状では、むしろ逆に国の計画に対応させられている。先ほど渡辺参考人がおっしゃった意味は、大体この辺であろうと私は思うのです。 そこで私どもでは、地方団体の主体性の回復を図るために、地域中心の計画である都道府県振興計画や市町村総合計画に合わせた国庫支出金の使用ができるように、地方財政法十条の二の各号に掲げられておる公共事業関係の補助負担金を一括して地方自治体に交付するいわゆる第二交付税の制度を創設すべきだと考えておるのです。昭和五十六年度では三兆八百三十六億円、大変な額ですが見込まれております。 そこで、私どもで地方財政法第十条の二関係の経費について独自に調査して試算をしてみたのですが、この関係の補助負担金の事務手続のためだけに一千二百億円もの費用がかかっておるという試算をしているのです。大変な時間と努力と経費を要しておるわけですね。これはむだだと思うのです。御意見がありましたら、ぜひ聞かせていただきたいと思います。
○横山参考人 第一線行政でありますので、私の方から先に答えさせていただきますが、これも先ほども申し上げましたように、国庫補助負担金が整理されます場合には、総合的ないわゆる補助金化でありますとか、あるいは補助金の統合・メニューあるいは一般財源化の推進あるいは事務手続の簡素化、合理化、こういうものを特に御配慮を願いたいということを申しましたのは、実は言い方を変えましてただいまおっしゃいましたような意味合いにもある程度対応できる要望ではないか、こういうように思います。 特に第一線を預かっておりますと、具体的な例は略しますけれども、縦割り行政のゆえにはなはだしく矛盾を感ずるという例がございます。しかもそれは、そのとおりいったらきわめてこっけいなものが出てくるという事例もなきにしもあらずだと思います。したがいまして、私も整理統合ということを、すなわち総合的ないわゆる合理化を図っていく、この問題はこの際ぜひとも考えられるべきであろう、かように思います。具体的な数字は私ははじいておりませんけれども、実態としては御指摘の中にもございますので、いまのような点をお願いいたしたい、先ほどの陳述のとおりでございます。
○青山委員 時間がありませんから結構です。 ありがとうございました。
○左藤委員長 岩佐恵美君。
○岩佐委員 きょうは、参考人の方にはお忙しい中、大変ありがとうございました。 まず最初に、牛嶋参考人にお伺いをしたいと思いますけれども、牛嶋参考人の書かれた論文に、交付税制度の改革の一つの方向として、地方税の増税を通じて交付税の財源不足額を減少させていく方向、こういうことを主張されておられます。また、きょうの御発言でも、さしあたっては交付税の税率引き上げを主張されておられますが、地方税の増税が基本にあるように思われます。この地方税の増税の内容ですけれども、現行制度での増税か、それとも国税からの地方税への移譲の方法か、具体的な内容についてお伺いをしたいと思います。
○牛嶋参考人 非常にむずかしい問題でありまして、私は常々国税は国税なりに、それから地方税は地方税だけで考えるということじゃなくて、やはり国税と地方税と一体としてわが国の税制度で考えていかなければいけないというふうに思っております。そういたしますと、税源の配分に当たりましても、課税対象ができるだけ重複しないのがいいんでないかというふうに思っているわけですが、それでいきますと、これはアメリカの税制がほぼそうでありますが、国は所得税、法人税、それから州税は消費税ですか、間接消費税、それから地方政府、ローカルガバメントは大体固定資産税、わが国のいまの税制もシャウプ勧告に基づいておりますので、大体そういう形になっているわけでございます。しかしたとえば、いま都道府県はちょっとおきまして、市町村の税制を考えてみますと、以前は固定資産税が中心でありましたけれども、やはり税の伸長性が違いまして、現在では市町村民税が中心になっているわけです。 私の基本的な考え方は、固定資産税をもう少しウエートを高めるべきであるというふうに思っておりまして、その場合に、現在では固定資産税は土地、家屋、それから償却資産ということで、一応個人の場合と法人企業の場合とは区別しておりません。ただ、実際に課税を行う場合に評価額を決定するときに、やはり法人企業につきましてはかなり評価額を高く決定しているというふうなことがあるわけですけれども、ここで固定資産税を中心にしていくということになりますと、用途別に、住宅の場合それから生産に供する場合というふうなことで、別個の固定資産税で考えていってもいいんでないかというふうに私は思っているわけです。そうすることによって、それぞれの固定資産税の根拠になっております利益説に応じて、その都市が供給する公共サービスから受ける受益に応じて税率を決めていく、そういったやり方でいくならば、固定資産税を中心にした市町村税を確立することができるのではないかというふうに思っております。 さらにもっと詰めていかなければならないのですけれども、いまの基本的な考え方だけを述べさせていただきました。
○岩佐委員 どうもありがとうございました。 次に、渡辺参考人に伺いたいと思いますけれども、五十六年度の予算につきまして、これは五十七年度以降の大型間接税導入への布石であるし、また行革の名のもとにおける減量あるいは節約の布石である、そういうことを述べておられましたけれども、ここのところについてもう少し詳しくお考えを伺いたいのと、また、評価なりを伺いたいと思います。
○渡辺参考人 申し上げます。 最初の、大型間接税導入への布石が打たれたと申し上げた件についてでございますが、これは地方財政計画というよりも、むしろ国家予算の中でその布石が打たれて、それが先ほど申し上げましたように、いやおうなしにという形で地方財政の上に及んでくるだろうということでございます。 そこで、国家予算の中でどのような形で布石が打たれたのかということでございますが、私がここで申し上げるまでもないと思います。たとえば新年度の国家予算では、当初選択増税を行うという方針のもとで予算が編まれました。しかし、結果を見てみますと、所得税を除いてほとんどすべての税目に関して増税措置がとられました。これを世間では一般に総ざらい増税というふうに呼んでいるわけです。つまりそのことは、あと増税する余地はないのだぞ、にもかかわらず増税するというのであれば、大型間接税のようなものを考えざるを得ないだろうという言外の含みがあってのことだと理解できるわけであります。 二つ目の例を申し上げますと、まさにいま申し上げた所得税であります。所得税の増税は見送られました。これは見送られたのはむしろ当然でありまして、五十七年度もしくはそれ以降の年度のときに物価調整減税をすることによって、かわりに大型間接税を導入するのだという含みが持たされていただろうと考えたわけであります。 さらにもう一つつけ加えますならば、公共事業費は国家予算の一般会計の中では前年度に比べまして大幅に抑制されました。しかし抑制されたというのは、実は一般会計予算の中で目立つという意味にとどまりまして、かわりに財政投融資の方で補いが行われたということであります。道路などにその典型的な例が示されております。そうなったのはなぜなのであるか。先生方を前にして大変言いにくいことでございますが、マスコミなどの解説するところによりますと、政治的圧力がそうさせたのだというふうに言われております。 真偽のほどを私はまだ存じませんけれども、もし伝えられるようなことがあったのであるとするならば、政治的な要因がなかなか公共投資を削減する方向へは向かないということを示唆していると考えられます。そうだとするならば、五十七年度及びそれ以降公共投資を実質的な意味において減らすことは、ほとんど不可能に近いというふうに私たちは考えざるを得ないわけであります。したがって、何らかの財源増強措置を講じざるを得なくなる。それもまた、大型間接税導入へ向けての一つの布石であると私は見たわけであります。 それから、次に行政改革の問題でございますけれども、考えを述べろという仰せでございますが、時間の制約もあろうかと存じますので簡単に申し上げたいと思います。 地方行財政段階の行政改革を考えるに当たって、少なくも二つの側面に注目しなければならないと私は思っております。 一つは、企業と財政の違いであります。行政改革が言われる場合、主として減量とか効率ということが前面に出されて言われる例となっております。ところがその減量なり効率なりは、昭和四十八年秋に起こりました第一次石油ショック以降、たとえば減量経営という言葉に象徴されますように、企業が真剣に取り組んできた、そこから出てきた言葉でございます。実はそれを行財政の上に適用しようというのが、行政改革の本質的なねらいだと私は思っております。ところが、企業の場合における減量と効率化をそのまま行財政運用の上に適用するには非常に問題があるというのが、第一の側面に関しての私の問題意識でございます。どんな問題があるかということについては、もし時間があれば、後ほど改めての御質問によってお答えさせていただきたいと思います。 気をつけなければならない第二番目の側面は、国の行財政と地方の行財政との間に違いがあるということでございます。地方の行財政運営の場合は、国家の行財政の場合と比べて大きな違いが幾つかございます。思いつくままに挙げてみますと、一つは、国の場合は企画調整的な事務がほとんどを占めておるのに対して、地方の場合は現場的な事務がかなりを占めております。企画調整的な事務の場合であれば、行政改革も比較的容易であろう——容易であろうという言い方をすると語弊があるかもしれません。あくまでも地方の場合と比べてという意味ですが、比較的に容易であろう、そういうことが言えるかもしれません。しかし現場的な事務の多い地方行財政の運用の場合には、なかなかそう一筋なわではいかないという問題があろうかと思います。 もう一つ、両者の違いに関し例を挙げますならば、地方行財政の場合には国の場合は気がつかない、あるいは気がついてもやる必要がないと思われるような事務でありながら、しかし地方行財政の場合にはこれを取り上げて行わなければならないというような事務がございます。たとえば、公害問題が行政の上に乗せられた当初のころを思い起こしていただければ、そこに典型的な例を思い出すことができるだろうと思います。公害行政というのは、当初地方自治体が自主的に取り上げた行政でございました。後に、国が取り上げざるを得なくなったといういきさつを持っております。そういう問題に象徴的に示されているのではなかろうかと思うわけであります。 したがって、二つばかり例を挙げたわけでございますけれども、国の場合における行政改革と同じように、地方の場合における行政改革を考えることは慎重を要すると思うわけでございます。
○岩佐委員 ありがとうございました。 時間がありませんので先に行きたいと思いますが、基準財政需要額の算入につきまして、社会福祉関係費あるいは教育費などの需要額と所要一般財源との乖離、つまり経常経費が低く抑えられ、一方では国の公共事業計画と連動する投資的経費に重点が置かれている、そういう指摘がなされているわけですけれども、横山参考人から現場の御意見としてそのあたりをどうお考えか、伺いたいと思います。
○横山参考人 この基準財政需要額は、現場におりましていろいろとやります場合に大変むずかしくて、的確には分析がいたしにくい。したがいまして、いま御質問のような点を私も的確に答えることは大変むずかしいと思いますが、私の方の予算の面で申しますと、五十五年度の場合におきますところの基準財政需要額は二百七十三億とはじいております。それから、このほど成立しました五十六年度の当初予算におきますものは約三百億、こういうことですが、その中の分析では、私の方の考え方で見ますと必ずしも御指摘のような方向ではない、やはりこれはバランスがとれておる、こういうふうに私の方では考えております。
○岩佐委員 次に、山崎参考人にお伺いしますけれども、先ほど機関委任事務についていろいろ問題が横山参考人からかなり具体的に出されていました。この機関委任事務について、それぞれの参考人にお伺いをしたいのですが、時間がありませんので代表して山崎参考人に、一体どのようにしたらいいのかということについて伺いたいと思います。
○山崎参考人 機関委任事務につきましては、いま地方自治体の側から見ますと非常に迷惑なものがあると思います。これを時間をかけて検討して整理をしていかなければならぬという点では、具体的にそれでは機関委任事務のうちのどれどれと言われますと、私は資料を持っておりませんけれども、これは地方で実際にやっているわけでありますから地方自治体に任せてもいいのではないか。ただそのときに、やはり財政的なめんどうは見ていただかなければなりませんけれども、地方自治体に任していいものは任していいのではないか、こういうふうに私は考えております。
○岩佐委員 時間がちょっと残っておりますので渡辺参考人に、先ほど横山参考人にお伺いをしたことにつきまして、地方自治体の立場といいますか、姿勢によってとらえ方が違ってくることもあると思いますので、その点学者の方の御意見を最後にお伺いしたいと思います。 質問を繰り返しますと、基準財政需要額の算入について、社会福祉関係費、教育費などの需要額と所要一般財源との乖離、これがある。つまり経常経費が低く抑えられ、一方では国の公共事業計画と連動する投資的経費に重点が置かれているという一般的な指摘がなされているわけですけれども、そのことについて御意見を伺いたいと思います。
○渡辺参考人 申し上げると大変時間のかかりそうなことで、簡単に申し上げますのでお許しをいただきたいと思います。 基準財政需要額の算定方式は、年度を追って少しずつ変わってきております。比較的最近、と申しましてもここ十年ないし二十年ぐらいの変化の中で、最も特徴的な変化を一つ拾いますと、おっしゃいましたような経常経費に充当するべき一般財源の不足を補うという本来の趣旨から、公共投資のための財源を補うという趣旨へ少しずつ変わってきているということであります。変わるにはそれなりの理由があったわけでありますけれども、しかしそれはともかくといたしまして、地方交付税ないしは地方財政全体との関連でこの問題を見まするときは、やはり公共投資に傾き過ぎるような傾向を生む一つの大きな原因になってきていたというふうに私は考えたいと思います。 ただ、そうなったのは一体悪いと言えるのかどうかという大きな問題がございます。それについては私が最初申し上げましたが、国家財政というのは日本経済に対する政治的な介入であるという、そのこととの関連をどう考えるかということが非常に重要なことになってまいりますので、この辺の議論をいたしますと時間も尽きないというふうに思われます。お答えになったかどうかわかりませんけれども、とりあえずそんなふうに考えております。
○岩佐委員 どうもありがとうございました。終わります。
○左藤委員長 田島衞君。
○田島委員 いままでの参考人の御意見並びに各議員との質疑応答の中でいろいろお勉強さしていただきましたので、私は最後を承る者として、それらしく結論的な点についてお伺いをしたいと思います。 まず一番結論的なことから、参考人の中の横須賀市長の横山さんについては、現状としては賛成だというようなお答えがありましたけれども、他のお三名さんに改めてお伺いをいたします。いろいろの途中の意見はあるでしょうけれども、何はともあれこの地方交付税法の改正については、積極的であろうと消極的であろうと賛成なのか、それともこれは改正じゃない改悪だと反対なのか、端的にそれだけまずお答えをいただきたいと思います。
○牛嶋参考人 消極的あるいは条件つきと言っていいかと思いますが、賛成でございます。 その条件というのは、来年度は先ほどから出ておりますように税率の改定も含めまして、制度的な改定を行っていくということを条件つけての話でございます。
○山崎参考人 いま成立しないと、地方自治体が実際の運営上非常に困る事情があると思いますので、私も条件づきでございますが、その条件つきというのは先ほどから申し上げましたように……(田島委員「それは後でまた聞きます」と呼ぶ)そういう意味で賛成でございます。
○渡辺参考人 賛成か反対か簡潔に言えということであれば、反対と申し上げざるを得ないと思います。地方交付税法六条の二第三項に正面からお取り組みいただくべきだというふうに考えております。
○田島委員 さてそこで、牛嶋、山崎両教授にお伺いしますけれども、この改正には条件つきとあるいは消極的な賛成をせざるを得ない、しかし地方交付税法そのもののあり方については、このような臨時的というかやりくり的といいますか、そういう改正ではなくてもっと抜本的な改正というものを考えるべきだ。その抜本的改正の中には、御両氏の中にも多少のニュアンスの違いはあるでしょうけれども、これはこれとしてできるだけ早い時期に、近い将来といいますか、抜本的な地方交付税法の検討を必要とすべきだという点においては、御両氏とも変わりはありませんでしょうか、どうでしょうか。
○牛嶋参考人 変わりありません。先ほど申しましたように、地方公共団体はこれまでかなりの、いわばいま国がやろうとしている行政改革に対して、そのいままでの制度の中で努力を払ってきているわけですから、今度は国が地方と国との財政関係を見直すべき番だというふうに思っております。
○山崎参考人 私も変わりありません。やはり交付税率の引き上げと地方財源の充実ということでもう少し根本的に考え直さなければならぬ、そういうふうに思っております。
○田島委員 そこで、今度は四参考人さんから触れられておらなかったことですけれども、今度の地方交付税法の改正の中には、もちろんそれぞれに関係法律案の改正を伴うことでありますけれども、一連の手数料の改定が入っておるわけです。私は、先生方の御意見と大略において、たとえその賛成、反対は別としても、地方交付税法の今回の改正についての御意見、まことに同感な点が多いわけですけれども、そんな立場に立ってもちょっと見逃しがたいのは手数料の改定、これがまことに妥当性を欠いていると思うのです。 理由としては、受益者負担の適正化というようなことはうたわれておりますけれども、一体受益者負担というものに該当すべきものなのかどうなのかということと、その適正化ということがどれだけの説得力を持っているのか、今度の手数料改定の具体的な数字が本当に妥当な数字なのかどうなのかということについては、まことに疑問を持っておるんですけれども、これについては触れられておらなかったようですが、できましたらこの手数料の改定についても、短いお言葉でお考えをお聞かせいただければまことにありがたいと思います。
○牛嶋参考人 先ほど申し上げました補助金の見直しですね。地方公共団体が行った場合に、国から直接おりてくる補助金について手がつけられなかったということを申し上げましたが、使用料、手数料の改定におきましてもそういうことが言えたわけでございます。市町村が独自で条例で決めておる使用料、手数料につきましては、大方見直しがなされてきているわけです。何が適正水準かということにつきましても、いろいろな議論がなされてそれなりの結論を得てきたというふうに私考えておりますが、その場合も、やはり国で決められている手数料につきましてはそのままになってきているわけでありまして、これにつきましても、早晩見直しをすべきであるというふうに考えておりました。 きょう、申しわけないのですけれども、この点につきましては検討を余り加えてきておりませんので、今度の改定が適正かどうかということは申し上げられませんけれども、こういった形で改定に踏み切ったということを評価したいというふうに思っております。
○山崎参考人 その引き上げ額が適正かどうかは、私も検討してまいりませんでしたけれども、使用料、手数料を固定しておりますというと、こういう物価上昇の時期になりますと、ある時期に一遍に上げなければならぬということが当然出てまいります。それでしたらやはりある程度、小刻みに上げた方が負担が少ないのじゃないかと思いまして、上げることには賛成でございます。
○渡辺参考人 初めに、大変先鋭的な意見を申し上げるようなことになってしまいますが、基本的に私は手数料、使用料というものは制度化されるべきではないというふうに考えております。受益者負担という考え方が根拠に用いられて制度も存在し、金額にも差があるというふうに説明されているわけでありますが、受益者負担という言葉の持つ本来の意味は、使用料、手数料に関して当てはまるのではないわけです。土地の所有者が、自分の額に汗して得た土地の価格の上昇でなくして、第三者、この場合は国もしくは地方自治体ということになりますが、第三者の手によって結果的に土地の価格が引き上がった。それは社会、すなわち国、自治体にその分は還元させるべきであるというところから、実は本来の受益者負担という考え方が出てきておるわけでありまして、一般的な使用料、手数料というのは、そういう考え方のもとに立って制度化されているのではないものがほとんどである。したがって、先ほど申しましたように、基本的には制度化されるべきではないというふうに考えます。 ただ、基本的な考え方はそうであったとして、しかし、現にある特定の行政サービスによってほかの人に比べて特定の利益を受けている者がいるんだから、その者には一定の負担をさせるのがこれは常識的に言って筋ではないかという議論があってもよいだろうと思います。 ただその場合、幾つかの問題がございます。一つは、利益を得ているのだからと言うわけです一が、その利益とは一体何であるか。具体的に金額を確定して賦課する以上は、得ている利益が具体的な数字をもって計算されなければならないという前提があるはずだと思うわけであります。ところが、行政サービスによって得た利益というのは実は計量化できないというのがほとんどでございまして、そこに最初の無理が発生いたします。同じようなことは、経費の面についても言えるわけであります。経費がこれだけかかったのだから、これを支弁することができるだけの負担をサービスの受益者に課するのは当然だろうということについても、また先ほどと同じような考え方がとれるだろうと思います。 しかし、以上申し上げましたようなことは、御質問の御趣旨とはかなりずれたことを申し上げたような気がいたしますが、そういうことを申し上げてお許しいただければというふうに思っております。
○横山参考人 この手数料等の問題にストレートにお答えする前に、若干市政を担当していく者の基本的な姿勢に関連する事項でもございますので、それだけ一つつけ加えさせていただきます。 実は、いまのような状況におきまして、私自身は都市も一つの経営体なり、こういう考え方で運営をいたしておるわけでございます。したがいまして、経営ということになりますと、もちろん株式会社とは違いますから利潤の追求は必要はございませんが、それなりの運営、経営理論は用いざるを得ぬ。その際にどうしても取り上げざるを得ないのは、やはり受益者負担の原則でございます。いまもお話もございましたが、受益者負担がどこまでをもって受益者とみなすべきかあるいはどれが適正か、この辺には論議がございますが、考え方としては受益者負担の原則はやはり取り上げざるを得ない、こういうように思っております。 そこで、私の方のことを申して恐縮でございますが、五十六年度の予算編成に当たりましては、独自の立場において決め得るものについては手数料、使用料等の改正ということは、ごく一、二のものを除きましてはいたしておりません。ただ、政令等の改正に伴いましてやるものについては、その定むるところによってやっていくという方向をとっております。それはやはり、類似の都市あるいは近隣市町村との兼ね合いの関係等もございまして、そういう方法をとっておるのでございます。したがいまして、一つ一つのものについてどのような対応をすべきかということについては、私もいまこうだと申し上げることはございませんが、一般的な物の考え方と当面対応しておることを申し述べまして、お答えにかえさせていただきたいと思います。
○田島委員 だんだん時間がなくなりますが、渡辺先生に重ねてお伺いをします。 質問している私自身も、この一連の手数料を受益者負担の適正化という名目で改定することはまことにおかしいと思っている一人なんです。したがって、その受益者負担の適正化という意味じゃなくて、やはり人件費その他の値上がりもある、そういう点から手数料の改定を、それなりに妥当な改定をすることについては渡辺先生も反対ではないかどうか、ちょっと簡単に聞かしてください。
○渡辺参考人 お答えいたします。 私、先ほど申し上げようと思っていて落としていたことが実は一つございまして、それと関連もいたしますので、それをちょっと申し上げたいと思うのですが、私は先ほどのような御意見を申し上げましたけれども、しかし、例外的に使用料、手数料を課することはあり得てよいというふうに考えております。 その一つは、明らかに当該行政サービスを受ける者は受けない者に比べて大きな経済的利益を受けるということがはっきりしている場合であります。たとえば、新しく事業を開始するに当たって、その認可を受ける、そのときに支払う手数料などといったものはこれに当てはまります。もう一つの例外は、もしも使用料、手数料を設けなかった場合は需要が激増して混乱に陥るということが明らかに予想される場合でありまして、その場合には使用料、手数料を交通整理をする意味において設けるのもやむを得ないというふうに考えます。 これら二つの例外的措置はあくまで例外的措置でありますから、私が先ほど申し上げた利益が計数処理できるかできないかということには関係なく、政策的に金額が決定されてしかるべきだというふうに思います。いまの御質問にございました、たとえば人件費が上がったからというようなことに関しましては、いま私が例外的にというふうに挙げた中には該当しないように思われますので、御期待に沿えるような考え方を申し上げることができないのを残念に思います。
○田島委員 渡辺先生の考え方は、ここにある一連の手数料というものが、どだい手数料として制度化されていることがおかしいという基本理念ですから、そういうお答えでやむを得ないと思いますけれども、いますでにもう手数料としてあるとすれば、やはり人件費その他が上がればその手数も幾らかよけいかかるわけですから、やむを得ないという立場から伺ってみたのですけれども、基本的な考え方が違うという点ではいまのお答えやむを得ないと思います。 そこで、牛嶋、山崎両先生にお伺いしますが、この手数料の改定やむを得ない、上げることは賛成だ、評価するというお答えでしたけれども、さて、ではその受益者負担の適正ということについても、本当にこれはまさに受益者負担の適正化に資するものだとお考えなのかどうか。先ほども渡辺先生からありましたけれども、たとえばかつて道路のないところに道路ができる、できたことによって大変その付近の人たち、特に土地を所有する者などは利便を受ける。したがって、受益者負担なんというのもあったのですけれども、いまやまさに道路をつくって受益者負担じゃなくて反対に公害だといって補償金よこせ、こういうことなんです。 反面、たとえば下水道の仕事などは、その下水道工事をやっている沿線の人たちは大変な迷惑をする。だが、その下水道が供用されたときに供用される範囲の人たちは、被害は受けないけれども大変利便を受ける。とすれば、その利便を受ける被害を受けない人たちが受益者負担的な税とは別の一つの負担をして、その負担によって被害を受ける者への補償をすれば下水道工事だってもっと促進するのです。そういう点では、むしろ横山市長さんから第一線の担当として御意見を承る方が適切かもしれませんけれども、時間がありません。 大変横道にそれましたが、そういう意味の受益者負担というならまことに私らもよくわかるのですけれども、この一連の手数料を受益者負担の適正化という名目でとらえることが適当かどうかについてはいかがでしょうか、牛嶋、山崎両教授の御意見をお聞きしたいと思います。
○牛嶋参考人 先ほど渡辺先生は、受益者負担というのを道路が建設されて、その周辺の地価が上昇したというふうなことでおとらえになりましたけれども、私は受益者負担の考え方がちょっと違うのです。先ほど御指摘になったのは、開発者負担といいますか、開発利益に対して負担を求めていくということになるわけですが、公共サービス、行政サービスが供給されたらだれかが利益を受ける。そしてそれにかかる経費は、だれかが負担しなければいけないわけですね。 その場合に、どういうふうな形で負担するかという問題を考える場合、一般に公共サービスというのは、特定多数の市民に対して利益が敷衍するわけですから、利益の帰属を特定化できないわけですから、税でもってその費用を負担していくということになろうと思います。先ほど挙げておられます下水道あるいは上水道といったものにつきましては、かなりその利益が特定化できるわけでございます。そういった特定化できる利益分については利益を受けた人に負担を求める、こういう考え方が私は受益者負担原則だというふうに思っております。 ところが、行政サービスの多くは、特定の個人に利益が帰属する部分と不特定多数の個人に帰属する部分とがございます。たとえば公園などを取り上げますと、公園を利用する人がその利益を受けるわけですが、同時に公園がそこに建設されることによって周辺の環境が改善されていくということになりますと、その利益は不特定多数に及ぶわけでございます。(田島委員「済みませんが、短くお願いします」と呼ぶ)はい。そうしますと、特定化できる部分については、やはりその特定化される個人から負担を求めるべきであるという考え方ですから、私、今回の改定について先ほどのような一応評価をしたわけでございます。
○田島委員 時間の関係上、私の聞き方が悪いのかもしれませんが、たとえばこの手数料の対象になっているところの風俗営業等取締法の対象の風俗営業とか質屋さん、古物商、こういう人たちはやはりそれなりの税負担をしているわけです。税負担をしているということは、やはりちゃんとその行政サービスに対する税という形での負担はしている。これが一般的なあり方ですから、その一般的な税負担というものでなしに特別に受益者負担とするものは、よほど特異な立場でなければおかしいのではないか、そういう意味でちょっとお伺いしたのです。 たとえば、風俗営業等取締法に基づくところの手数料とか、古物営業法、質屋営業法その他いろいろ——狂犬病なんというのもあるのですが、これらの手数料については、やはり受益者負担の適正化として取り上げるべき問題であるかどうかということについて聞いてみたかったのです。端的に、そうだと思う、いやそうじゃないと思う、ひとつそれだけお答えいただけませんか。
○牛嶋参考人 私は、先ほどから使用料、手数料一般について議論をしておりまして、その考え方を述べさせていただいたわけです。いま御指摘の今回取り上げられている手数料につきましては、先ほどもお断りしましたように、交付税の方の改定を勉強しておりまして十分に検討を加えておりません。一般的な問題として先ほどの評価をしたわけでございます。
○山崎参考人 簡単にお答えいたします。 私、先ほど小刻みに上げた方がいいと申しましたのは、やはり物価の騰貴のことを考えておったわけでございます。だから、そういう意味では田島先生のお考えと非常に似ていると思います。
○田島委員 ありがとうございました。終わります。
○左藤委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々には、御多忙中のところ御出席いただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 午後四時三十分より再開することとし、休憩いたします。 午後一時十五分休憩 ————◇————— 午後四時三十五分開議
○左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。細谷治嘉君。
○細谷委員 きょう午前中の地方行政委員会の参考人の意見聴取で、参考人から、最近、地方交付税の性格——地方団体の固有財源である、自主財源である、そういう基本的な性格がどうも薄らいできておる、崩れてきておる、こういう指摘があり、今日の財政実情からいきますと交付税率を引き上げるべきである、こういう意見が参考人から出されておりました。 私は、まずお尋ねいたしたいことは、地方交付税の性格というのは自治大臣はどう理解しているのか、まずお答えいただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 地方交付税というものは、要するに国と地方との税源の配分、こういう形のものでございまして、地方におきましてはいろいろな仕事をやらなければいかぬ、本来ならばそれを税制の面において直接見てもいいわけでございますが、なかなかそういうわけにもいかない、そこで国税で徴収はいたしますけれども、三二%というものは地方全体のための一つの財源だ、こういう考え方で交付税制度ができておるわけでございまするから、いわば国の歳出における補助金だとか負担金などというものとは本質的に違う性格のものである、地方団体の共通の財源である、こういう認識に立っておるものでございます。
○細谷委員 念のためにもう一度お伺いいたしますが、自治大臣の基本認識は、地方交付税というのは地方公共団体の共通の固有財源であり自主財源である、こういうふうに認識しておる、こう確認してよろしいですか。
○安孫子国務大臣 さように理解をいたしております。
○細谷委員 次に大蔵大臣、大変忙しく、外国から帰ってきたばかりでお疲れのところでありますけれども、この地方交付税の基本的性格について大蔵大臣としてはどう理解しているのか、どう認識しているのか、お答えいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 地方交付税は、地方団体がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように、地方財政の調整のため国が地方に交付する交付金、それが地方交付税ではないかと思っております。
○細谷委員 いまの自治大臣の認識と大蔵大臣の地方交付税に対するその性格についての認識というのはかなり違っておる。自治大臣ははっきりと、地方交付税は地方公共団体の共通の固有財源である、自主財源である、こういうふうに言っておるわけでありますけれども、大蔵大臣は、地方に交付するための交付金である、こういうことで基本的なことについては一口も触れておりません。もう一度お答えいただきたいと思います。
○西垣政府委員 自治省の方と私どもと多少ニュアンスが違うわけでございます。私どもは、地方交付税は、いま大臣がおっしゃいましたように、地方団体がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように、地方財政の調整のため国が地方に交付する交付金でありまして、それは法律で総額が特定の国税収入の一定割合に相当する金額と定められているもの、こういうふうに解釈いたしております。したがいまして、地方の一般財源ということではございますが、固有財源というふうには私どもは見ておりませんで、これはあくまで国が地方に交付する交付金というふうに見ております。
○細谷委員 一般財源であるけれども固有財源でないということをはっきりおっしゃられました。 それではお尋ねいたしますが、四十四年四月十七日、衆議院の地方行政委員会におきまして、山口鶴男君の質問に対しまして当時の福田大蔵大臣はこう答えております。ちょっと読んでみます。「財源調整というようなことをねらいまして交付税があるわけであります」、三千ばかりある地方団体の財源調整、こういうところに力点を置いて交付税というのがあるのだ。「それはもうどうしても地方にいかなければならぬ金です。」「この金は地方自治団体の権利のある金なんです。そういう意味において、固有の財源であり、また、自主財源である、」こうはっきり言っております。一般財源ということだけじゃないのですよ。固有の財源であり自主財源であって、地方自治体の権利のある金なのだ、こういうふうにはっきり福田大蔵大臣は言っております。 さらに、四十四年二月二十二日、これは参議院の予算委員会でございますけれども、公明党の矢追秀彦さんの質問に対して、「地方の主力財源は、」「交付税交付金であります。これは、性格は、私は地方の固有財源だと、」こういうふうにはっきりと答えております。 時間を効率的に使うために、さらにそういう論拠についてもう少し申し上げてみたいと思います。 昭和二十九年四月五日に、地方行政委員会の会議録第三十八号で、地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の補足説明が行われました。この法律によりまして、それまで地方財政平衡交付金という法律であったものが、一部改正ということで法律の名前も変わりまして、現在の地方交付税法に変わったわけであります。その際に、政府側の補足説明では、どう言っているかといいますと、第一条、いわゆる現行法であります。「第一条は、法律の目的でありますが、「地方自治の本旨の実現に資するために、地方団体に対し適当な財源を供与し、もってその独立性を」というところの「地方団体に対し適当な財源を供与し、」という文句を削除いたしております。」地方財政平衡交付金のときに、地方団体に適当な財源を供与するということは、「地方団体共有の地方財源であるという趣旨にかんがみまして、地方団体に国から何か財源をやるんだという感じが、既存の条文を踏襲いたしますと残つて参りますので、その部分を落しまして、地方団体の独立財源だという観念を強くさすために、「適当な財源を供与し、」という条文を削つたのであります。」こういうふうに法律をつくるときにはっきりと、目的の中からそういう誤解を抱かれるようなことを削除しております。 大蔵省が昨年の七月に出しました「歳出百科」というのがございますが、その二百十九ページを読んでみますと、「国も巨額の特例公債を発行しているという異常な財政状況の下にあり、交付税率を引き上げて、現行の国の財源を地方に移譲する余裕はないのが実情です。」この文章を読みますと、財政事情からいって交付税率を上げることはできないけれども、その場合に、国の財源を地方の財源に移譲する、そういう余裕がないから交付税率は上げない。裏からいきますと、交付税というのは財源の移譲なんだ、国から地方への移譲なんだ、こういうことをはっきり言っておるではありませんか。 いま申し上げたことから言いまして、大蔵省の認識は、まさしくけさの参考人が指摘したように、自治省と見解が違うという名において地方交付税法の基本的性格をゆがめていく意図があるのではないか。後ほどそういう意図が起こる可能性があることを指摘したいと思うわけでありますけれども、そう思います。 大臣、いままでの経過からいって事態ははっきりしているのですよ。大蔵省の文章の裏の方にも、その流れはちゃんとあるのではありませんか。お答えいただきたい。
○渡辺国務大臣 もらう方と払う方ですからね、見方は多少ニュアンスの違いがあるのかもしれません。しかし、実際問題からすると、地方交付税交付金というのは、私はやはり地方財政の調整のためだということは間違いないと思いますね。それは地方によりましてもその財源が非常に偏っておりますから、地方交付税は、酒税、法人税、所得税の合計額の何%を地方に配分するということになっておりますが、御承知のとおり富裕団体というのは受けられない。それは、基準財政需要額と基準財政収入額との差額についてやっておるわけですからね。ですから、東京のようなところで会社の本社がいっぱいあるというところになりますと、そこにどうしても住民税とか何かがいっぱい入る。それから、ないところは金が入らないということになって、酒なんかも、それはやはり人口の多いところは売れるし、過疎地帯はそんなに金額が張らない、飲む人が少ない、こういうことで財源が偏在してしまう。 したがって、その財源の偏在の調整を図ることは大切なことじゃないかという点で、私としては、地方の実情に沿って、ある一定のプールした金は一応決められておりますが、それを調整するということでございまして、そういう意味では、固有の財源であるかどうかということになりますといろいろ問題があるのではなかろうか、私はそう思っております。したがって、大蔵省としては、そういう点の財政調整という考え方のためにそういうふうな制度を設けておるというように解釈をいたしております。 ただ、長い間、要するにだんだん最初のパーセントよりも上がってきた。いろいろな事情がございましょう。そうして、長い間何%というようなものをとってきているから、実態論的にそれが固有の権利であり財源だというようなおっしゃり方も一方にあっても、それは向こうがそうおっしゃることでございますから、そのこと自体が私は法律違反だとかなんとか言うわけでも何でもないわけでございます。ただ、解釈としては、私どもはいまでもやはり地方財政の調整のために必要なものである、こう解釈をいたしておるわけでございます。
○細谷委員 残念ながら、大蔵大臣疲れているせいかどうか知らぬけれども、いつもの頭のクリアさがないですよ。私の質問に答えてないですよ。 三千三百もある地方団体というのは、税があっても税が取ることができない、こういう事情があるわけでありますから、地方税法という法律によりまして地方がとるべき税制というのがはっきりと決まっております。しかし、それだけでは税の偏在がありますから、シャウプ勧告が示しますように全国的な意味において財政調整をして、ひとつ均衡があるような公平な政治ができるようにということでありますから、地方政治にとっては、独自の税源を持っていると同時に財政を調整する交付税制度というのが、二つが並列して初めて地方行財政というのが円滑に運ばれるわけであります。 そういう点で、渡辺大蔵大臣が言ったことはそのとおりであります。それが固有財源であるとか自主財源とは何も関係ないでしょう。固有財源であっても自主財源であっても、国の法律に基づいて財政調整をしてやるという主目的でできておる地方交付税、ちゃんと第一条にこう書いてあります。「この法律は、地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能をそこなわずに、その財源の均衡化を図り、及び地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することによつて、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」これは地方交付税法の第一条目的であります。 いま、言葉をとるわけじゃありませんけれども、向こうがそう解釈しても大蔵はそう解釈できない。自治大臣の解釈は大蔵はとれない。この交付税法の第一条の目的は、自治省と大蔵省でそれほど違うのですか。大蔵省の法律、自治省の法律というのがあるのですか。国の法律でしょう。どうなんですか。
○西垣政府委員 先ほど、福田当時大蔵大臣の発言を引かれまして先生お話がございました。四十四年二月二十二日、参議院予算委員会で福田大臣がお答えになったこと、あるいは衆議院地方行政委員会におきまして福田大蔵大臣がお答えになったことは、先生お引きになったとおりでございます。ただ、その意味につきまして、私どもはその言っておられる意味は、地方交付税は各地方団体がひとしくその行うべき事務を遂行できるよう、合理的に測定された財政需要額が財政収入額を超える地方団体に対して、一般財源として、条件を付したりその使途を制限したりすることなく交付するものである。かつ、税率変更という事情がない限り、その総額が国税三税に対する定率で算定されるものであるという意味で、地方交付税は地方の固有の財源であると申し上げたのでありまして、地方交付税の本質が地方の固有財源であるということを申し上げたのではないというふうに解釈しているわけでございます。 したがいまして、先ほど提案理由説明で言われたことにつきましては、たまたまここで塚田大臣の提案理由説明、その該当部分を持っておりませんのではっきりしたことを申し上げるわけにはまいりませんが、言っておられる御趣旨は、地方交付税交付金のときのようにその額を勝手に上げたり下げたりということではなくて、税額の一定率ということで安定的に地方交付税というものは決められるんだ、こういう趣旨を言っておられるんだというふうに解釈してよろしいのではないかというふうに考えております。
○細谷委員 四十四年に福田大蔵大臣が答えた地方交付税の性格というものと、その後十年たった現在の渡辺大蔵大臣のときの交付税の性格というのが変わるはずはないのであります。二十九年以降、交付税法の第一条の目的は変わってないわけですよ。そうだとすると、福田総理が、先ほど読んだように、あえて固有の財源であります、固有財源という言葉が気に入らないならば、地方自治体の権利のある金なんです、こう言っております。権利のある金というのは、固有財源ということでしょう。しかも自主財源であり、もちろん一般財源、こういうことを言っております。これを修正なさったのですか。あるいは大蔵大臣としては、四十四年に福田さんが答えたと同じ基本的な考えには変わりありませんということなんですか。どうなんですか。これは、両省の間でこれだけ大きな問題が食い違いになるというのは大変です。それでは先へ進めないのですよ。大蔵大臣、ひとつ答えてください。
○渡辺国務大臣 私は、法制局長官でもないし法律家じゃないから、正直な話、詳しいことはよくわかりません。わかりませんが、法律的に見て固有な財源だということをはっきり書いておるわけでもない。ここ二十年間か、大蔵省と自治省でしょっちゅうそれがずっと論争になってきておるというわけですから、私がそれを快刀乱麻を断つがごとく、一発でこうだということはなかなか言いづらい問題です。しかしながら、非常に不安定な財源だというようなことは、それはあり得ないと思います。現実の問題として、長い間国税三税の何十%、何%と決まってきておるわけですから、それが急にふえたり減ったりというようなことになったんでは地方財政はやっていけないということで、安定的に地方交付税が交付されてきているという現実はある。 それから、あるときはそれをふやしたり、特別にそのほかにかさ上げをして、いろいろな名目で実質的に地方団体が使用できるような形をとったりいろいろやっておるわけです。やっておるわけですが、だからといって、これは法律上固有の財源だというふうにはっきり規定してあるというふうにも聞いておりません。しかし、権利のない金だとも思いません。例がいいか悪いか知らぬけれども、これは生活給か何かなんという争いが、使用者と労働者の間でよく騒ぎになることがあります。しかし、ずっともらっているんだからこれは固有の権利じゃないかというような争いもときどきあります。 ですから、これらの問題について、ずっと継続的にもらっていればある程度安定的なものであるということは、それは私は結果的に認めるわけですよ。認めないわけじゃない。しかし、法律論争はわからない。ですから、これは法律の専門家に解釈をしていただきたいと思います。法律論として厳格な解釈については、それはどっちが正しいか、大蔵省と自治省といままでずっと長い間論争があるわけですから、そういう点、正直に私は申し上げたのでございまして、ですからそれは専門家に説明をさせます。(発言する者あり)
○左藤委員長 委員長の許可を求めて発言してください。
○細谷委員 五十六年度の予算編成を見ますと、あなたの方、一般歳出というもののほかにいわゆる公債費の償還金、国の公債費の伸び、それから地方交付税と、この二つを別扱いをしていますね。そうでしょう。五十六年度の一般歳出の伸びは、予算全体が九・九%の伸びだけれども、わざわざ二つを除いた一般歳出の方は四・何%ですかの伸びだ、こういうように仕分けしています。その限りにおいては借金の返済分と地方交付税というのは、一般の補助金とかなんとかとは異質のものである。固有財源だとか独立財源だとかいうことは言えないけれども、異質のものであるという扱いを予算編成で現にしているでしょう。来年度の予算編成でもそうですね。あなたの方の中期財政試算、こういうものを見ても、地方交付税と公債費というのは別枠で見ているのです。 そうなっておりますと、固有財源という言葉は使いたくない、前の大蔵大臣が言ったけれども。財政が大変厳しくなったから使いたくないけれども、また細谷が因縁を吹っかけるのじゃないかと思って先回りして言っておりますけれども、実はそう扱っているでしょう。そうでなくて、ただたまたま公債費と地方交付税だけは別扱いしているのだ、今後もそうするんだ、たまたまそうなったんだということなんですか、どうなんですか。
○渡辺国務大臣 ですから、私は先ほども答弁しているように、地方交付税はそんなにうんとふえたりうんと減ったりするような不安定なものではないと私は言っているわけです。安定的なものである、したがってこれは補助金などとは違う、それは明らかだと思います。それはちゃんと認めます。
○細谷委員 大臣が言うとおり、この交付税制度というのは、第一条の目的のように、財政調整をするというのが主目的である。そして副次的な結果として財源を保障する、こういう結果を生んでおる。その限りにおいては、その目的を達成するためには、個々の自治体が財源として税としてやるんではなくて、国が集めて三税の一定割合をやる。 その場合に、安定的なものでなければなりませんから、交付税の総額も安定しておらなければいけませんし、配り方も安定しておらなければいかぬわけでありますから、法律の中できちんとして一定の形で積み上げていった場合に、引き続いて著しく変化があって基準財政需要額と収入額との間に差が起こった場合には、制度を改めるか交付税率を改めなければならぬということを六条の三の二項に明記してあるでしょう。そういうことなんですよ。ですから、あなたがおっしゃるように、安定のためには三二%がいつまでも安定だということじゃないのですよ。不安定になったらば、六条の三の二項が示すような不安定になったらば、安定を取り戻すために交付税率を変えなければならぬということです。そうじゃないですか、お答えいただきたい。
○西垣政府委員 お答え申し上げます。 六条の三第二項、これは割り切って申しますと、引き続き著しく財源不足が出るというような状況のもとにおきましては、地方行財政に係る制度の改正あるいは三二%という率の改定をするという規定でございます。 ただ、内閣法制局の長官が、五十三年でございますか、参議院の予算委員会で答弁しておられます中にございますように、ここに言う地方行財政制度の改正というのは、いわゆる恒久的な制度の改正を予想しているようにも考えられるけれども、同項の規定のしぶりからもうかがわれるように、いかなる内容の地方行財政制度の改正を行うべきかについては、法律は広い選択を許しているのであって、たとえば経済情勢が変動期にあるため将来に向かっての的確な財政の見通しが予測しがたい状況にあるような場合には、さしあたり当該年度の地方交付税の総額を増額する特例措置を講じ、あるいは総額を増額する特例措置を講ずるとともに、これに伴う借入金の将来の償還額の一部を一般会計において負担する旨を法定化することもまた、ここに言う地方行財政制度の改正に該当するものと解される、こういう解釈が示されておりますが、私どももこのように考えているところでございます。
○細谷委員 私の聞かぬことを何も答える必要はないのですよ。私が申し上げているのは、安定的な交付税制度でなければならぬ、その場合に総額が、基準財政収入額、需要額との差において著しく異なることが引き続いてあった場合には、制度を変えるか——制度というのは、税制を変えるかどうかということですよ。あるいは行政改革等で金が要らぬようにするか、それも制度でしょう。かつ交付税率を引き上げなければならぬ。 それじゃそこまで来たのなら、さかのぼって一つ自治大臣にお尋ねいたします。六条の三の二項の、引き続いて著しくという解釈はどういうことですか。
○安孫子国務大臣 この条件については、三木総理のときか何か、国会において表明した見解がありますから、これは財政局長から申し上げます。何年間ぐらいはそれが続いた場合とかなんとかというようなことについて、一定の政府の発言がありますから、それは財政局長から申し上げます。
○土屋政府委員 いままで言われておりますのは、交付税法十条の二項で計算いたしました財源不足額が、いわば原則的な意味で三二%分を超えている部分がその一割以上になっている、それが二年度間もそういう状況が続いて、三年度もそうであるというときは著しく引き続いてというものであるという、一応の解釈で私どもは進んでおります。
○細谷委員 一応じゃないですよ。きちんとした有権解釈として、はっきりしているのですよ。一応なんという言葉を使うからいかぬ。これは私は、地方行政委員会においてもあるいは予算委員会においても、引き続いて著しくということはどういうことなんだということを再度確認いたしました。たとえば、財政局長でありました松浦功氏がいたときも、予算委員会ではっきり確認いたしました。おっしゃるように引き続いてというのは、二年続いて三年目もまたそういう事態が確実に予想されるとき、著しくというのは一割以上だ、こういうことをはっきり確立しているのですよ。これは自治省の解釈だけじゃないのですよ。国会もそういうふうに解釈している。 そして、いまはどうなんだ、こういうことを聞きますと、五十三年度にはっきりと、いまや六条の三の二項を適用すべき条件にあります、こうはっきり答えておるわけであります。五十三年度以降今日まで続いておるでしょう。どうもだんだんおかしくなりました。自治大臣、そういう解釈でありましたが、いまも続いておると認識しているのですね。
○安孫子国務大臣 その解釈は続いておると私は考えております。
○細谷委員 解釈じゃなくて、解釈は固まっているのですから、そういう事態がいまもあるとお考えかということです。
○安孫子国務大臣 そういう事態にあると思います。
○細谷委員 大蔵大臣、どうですか、お答えいただきたい。
○渡辺国務大臣 そういうときはこの率を変えるとか制度を変えるとか、そういうことをやれという御趣旨だと思いますが、そういう状態が続いているために、臨時交付金とかいろいろなことで、実際的に地方自治の方に財源が行くようなことはやっておると思います。
○細谷委員 ということは、六条の三の二項を適用しなければならない事態にある、けれども、国の財政事情等もこれあり、六条の三の二項そのとおりはいっておりませんけれども、できるだけのことはしておる、こういうことを答えたわけでしょう。
○渡辺国務大臣 さようでございます。
○細谷委員 そこで、私はお聞きしたいわけですけれども、さっき次長は先回りして、五十三年度にとりました一年限りのいわゆる制度、それも六条の三の二項にある事態というものを認めながら、財政事情からそうはいきませんということで、法律にわざわざ附則八条というのを設けまして、ひとつ借入金で必要額の交付税の総額を確保しようじゃないか、そうして、その特別会計で借り入れた分については国が半分見よう、半分は、毎年度決められる一定割合の交付税が一般会計から特会に入ってくるから、その分で地方団体が返しなさい。半分は国で埋めましょう、半分は地方団体が持ちなさい、これが附則八条なんですよ。この附則八条というのは、間違いなく六条の三の二項と違っておりますね。その理由は財政事情からですね。お答えいただきたい。
○西垣政府委員 先ほどは先走りして、どうも申しわけございませんでした。 先ほど引用しましたことの中にもございますように、通常の場合には恒久的な改正をするということでございますけれども、先生もよく御存じのように、地方財政と同時に国の財政もきわめて悪い、しかもこれが将来に対してはっきりした見通しが立たないという状況のもとにおきまして、しかも地方財政の必要といいますか、需要を満たさなくてはならないということで、臨時的な制度として、地方交付税特会で借り入れをし、あるいは臨時交付金を入れる。そして借入金については、将来その二分の一を国が負担をするというふうなことを定めるのも、六条の三の二項に言う制度の改正であるということを先ほども申し上げた次第でございます。
○細谷委員 どうも頭がよ過ぎて、私の質問に答えないで、先回りして答えているのですよ。 私が聞いているのは、現行が交付税法附則の八条に基づいて措置されておるんだけれども、この附則八条というのは本則の六条の三の二項そのものではないでしょう、法律の本則が附則でゆがめられておるのではないですか、こう言っておるわけですよ。イエスかノーか答えていただけば、それでいいわけです。
○西垣政府委員 私が申し上げましたのは、本則の六条の三の第二項に従いまして、臨時的にはこういった制度でということでやっている次第でございまして、六条の三の二項と違うというのではないのでございます。六条の三の二項の趣旨に沿って、こういった対策がとられているというふうに私どもは考えております。
○細谷委員 六条の三の二項では、引き続いて著しく基準財政収入額と需要額との差が起こっちゃったんですから、六条の三を発動させなければならぬのでありますけれども、財政事情が悪くて、そういう財政に国としては現状では耐えられないので、附則八条というものを制度として設けましたよ。五十二年度は五十二年度一年限りの措置として、五十三年度以降は当分の間の措置として、附則というのが生まれてきたのです。そうして、その八条の内容というのは、足らない分については特別会計の方で借り入れますよ、その半分は国が見ますよ、半分は地方が見なさい、こういうことになっているわけですから、六条の三の二項そのものじゃないでしょう、手直しされておるでしょう。その理由は国の財政事情が悪いからだ、そう言っていただけば、もう私もすきっとするのですよ。
○西垣政府委員 どうも言葉が足りなくて、わかっていただけないようで申しわけないのでございますが、言っておりますのは六条の三の第二項、これを、先生のお話ですと、それは国の財政が悪くてやれないから、かわりに附則でいまのような制度を設けている、こういう御解釈だと思います。私が申しておりますのはそうではございませんで、六条の三の第二項に従いまして附則のような規定が設けられていると。 先生がおっしゃっておられますのが、交付税率の改定ということがやれないから、いまのような暫定的な措置をとっているんだねということであれば、そのとおりでございますが、私どもの解釈は、こういった暫定的な措置もその六条の三の第二項で言っております行財政制度の改正に該当すると。そこだけがちょっと違うのでございます。
○細谷委員 六条の三の二項にかわって附則八条が設けられました。この附則八条の内容が、いわゆる五十三年度以降当分の間というこれが、あるいは五十二年度単年度限りの同じような措置が制度であるかないかということは、この委員会でもうしつこく議論されたんですよ。これは毎年のように議論されてきたことです。ですから、私は余りそれに触れたくないのですよ。 しかし、それが制度だということで、当分の間ということで、五十二年度は単年度限りでは制度と法制局は強弁するけれども、ちょっと自信がございませんと。そこでその翌年に、五十三年度以降当分の間というのが入ったにすぎないのですよ。そうして、これはもう間違いなく当分の間でも制度でありますよ、こういうことになって現在まで来ているわけです。大臣、そういう経過をたどっている。 そこで、私が言いたいのは、附則の八条というのはどういうことかといいますと、足らない分は交付税率を引き上げるわけにいきません。本法は上げるようなことにはなっているが、そうできませんから、ひとつ特別会計で借りてくれぬか、借りた分については、半分は国の方で責任を持って見ましょうや、残りの半分は地方公共団体の共有の財源である交付税の総額の中から返してくれよ、こういうことになっておるわけです。 それでは、それでも足らぬ分は一体どうするのか。財源を大蔵省と自治省が詰め合って、そして財源が幾ら足らぬ、二兆円なら二兆円足らぬといった場合には、その約半分の一兆円は特別会計で交付税として借りて配ってやろうや、その半分の五千億円ずつは国と地方で持とうや、残りの一兆円は財源対策債として地方の借金でやってくれというのがいまの制度ですよ。 そして、その借金を返すときには交付税で一部財源の裏づけをしてあげましょうということで、借金して配っておる交付税でその財源の一部を見ることになっている。全く複雑ですよ。ですから、大変頭のいい大蔵大臣でも、一遍ではちょっと頭に入りにくい状況が生まれてきている。これは、六条の三の二項が財政的にできないから変形してこうなっておりますけれども、その変形は内容が本則と違うじゃないか、ここまで私は言ったから、大臣、確かに違うと、それはすべて国の財政が思うようにいかないからだとお答えいただければ、私はそれ以上言わないわけです。
○渡辺国務大臣 私は、細谷さんほど地方自治の法律は詳しくありません。細谷さん、市長もやっておってその方のベテランですからね。しかし、いま御説明になったことは、国の財政事情が非常に厳しいので、それで普通ならば税率を上げるというようなことをして、地方が苦しいから税率を上げて、それでやるのが筋じゃないか、しかし、国の財政事情がこういう状態でそれはとてもできないということで、いま細谷さんのおっしゃったようなことになっておる、そう私も思います。
○細谷委員 次長よりも大蔵省のキャップの大臣がそうなっている、こう言っているのですから、私はそれでいいのです。次長はボスの前で、ちょっとオブラートに包んだような話をしておりますけれども、それはもう大臣があっさりそう認めたようにはっきりしているのです。 そこで、余り時間がなくなりましたので、ただ一点、渡辺大蔵大臣にちょっと物を申しておかなければいかぬことがあるのです。それはどういうことかといいますと、渡辺大蔵大臣は財政再建元年だということでずいぶん苦労をされました。苦労をされましたけれども、今度の地方財政対策の中で何とでもして一けたの伸びの予算を編成しようということに執着した余り、地方財政対策に対しては世上ウルトラCと言われる措置を使って、そのあげく、どういうことをやったかといいますと、交付税の増は足らない分の一兆三百億円のうち三〇%であります、残りの七〇%は地方債でやれ、こうなったわけですよ。 いままでの歴代の大蔵大臣はどうやっていったかというと、去年の竹下大蔵大臣は、財源不足額の半分はひとつ交付税で配ってやりましょう、そのうちの半分、全体の四分の一は国が持ちますよ、残りの半分は地方債でやってくれ、こういうことになりました。五十四年度はどういうことかというと、五十四年度は四兆一千億なんという財源不足があったので、これは大変だろうということでどういうことをやったかといいますと、地方債でやるのは四〇%でよろしい、交付税で六〇%配ってやろう、こういう温かい——まあ、温かいという言葉はちょっと過ぎますけれども、とにかくそういう措置をしたのです。 その前もずっと、大体半分半分を原則としてやっていった。半分半分を原則というのはどういうことかというと、両省で確認した財源不足額の四分の一は国が持ちましょう、四分の一は交付税特会に地方が返しなさい、残りの半分については地方の借金だ、その借金の元利返済の一部分については借金した交付税を配る際に配慮してやる、そういうことになっておりますから、タコの足食いの二重、三重の事態がいま起こっておるというのが実態であります。これは委員会で、もう何遍となく議論されております。次長、大臣はちょっと疲れているし、余り数字のことを言ってくれるなと言うから、あなた先に簡単に答えてください。
○西垣政府委員 二つの点をお聞きになったと思います。 一つは、交付税措置と起債措置と大体半々がルールではないか、それが今回は起債措置の方が大きくて交付税措置の方が小さいのではないか、こういうお話でございますが、私ども半々ということを最初から前提としているわけではないのでございまして、地方財政状況を総合的に見ながら必要な措置を講じて、その結果としてたまたま半々になったことが多い。年によりましては、交付税措置の方が六〇%になったというようなこともございますし、私どもは、それは結果としてそうなったのだというふうに思っております。要は、地方財政が円滑に運用できるようにということでございまして、その過程におきましてはいろいろな要素を考えながら積み上げているということでございます。 ところで、五十六年度におきましては、法人税でございますとか酒税でございますとか非常に税収が上がるということで、財源対策前の交付税の増加が大幅に見込まれます。したがいまして、いままでのように多額の交付税措置を講じなくても地方財政の運営に支障が生じないだろうというふうに考えられましたために、結果的に交付税措置の割合が低下することになったというふうにお考えいただきたいと思います。 こういった地財対策をやりまして、私どもといたしましては、交付税総額の伸びが地方財政計画全体の伸び七・〇%を上回る七・九%になっている、あるいは地方税、地方交付税等合わせました一般財源の比率が上昇している、あるいは財源対策に占める財源対策債の割合は上昇しておりますけれども財源対策債そのものの額は減少しておる、地方全体の地方債依存度も低下している、そういう内容になっておりますので、これでよかったのではないかというふうに考えている次第でございます。 それから、もう一つ先生おっしゃいましたのは、特会に借り入れをして将来その二分の一を地方で負担する、それはダブるのではないかということでございますが、現時点で言えば、過去の借入金の地方負担分につきましては地方財政計画の中で十分見ました上で、その不足額を地方財政対策で見るという形で見ておりますので、地方財政に迷惑をかけるような形にはなってない、こういうふうに考えております。
○細谷委員 迷惑はかからぬようにいたします、そうなってないというのが、両省から必ず返ってくる言葉であります。私が申し上げたいのは、渡辺大蔵大臣の予算編成で、初めて交付税措置が三割で地方債措置が七割になった。いままでは、交付税措置が六〇%になったという例は申し上げたとおりありますけれども、五〇%を割って三〇%という例はないのですよ。今度は一気に三〇%になっておるわけですね。そうして借金の方に七〇%をシフトして、交付税措置は五〇%であったものが三〇%、こういう形になっているのは渡辺大蔵大臣になって初めての措置ですよ。これはあなたらしくない、地方への思いやりのないきわめて過酷な措置ではないか、こういうように言っているわけです。根本的な制度の問題よりも、ちょっと先へ進んでそう言っているわけです。おわかりになりましたら、確かにそうだ、これは何とかせないかぬなというくらいの温かい気持ちをやったら、地方は喜ぶかもしれませんよ。
○渡辺国務大臣 率から言うと、細谷さんの言うとおりでございます。確かにいままでは、財源不足の分に対して交付税の増加額などは二分の一くらいずつに分けておったことも事実でございます。ところが、地方財源不足と地方財政の問題について調べてみると、地方の財源不足が五十六年度には一兆三百億円見込まれる。それで、その前の年、五十五年には二兆円見込まれた、その前の年は財源不足が四兆あった、そういうような状態になっておったわけです。 それが今回は、五十六年度の予算編成に当たっては、所得税とか法人税のかなりの自然増収を見込んでおりますし、そこへ持ってきて法人税と酒税の増税案を今度国会に出していますから、当然に税収が全体としてふえます。ふえますから、自動的に地方交付税がふえます。そういうような関係もあって、ここ数年来財源不足額が異例のように全体として小さくなった、これも事実なんです。そこで、国の方はともかく非常に苦しい。三税でうんと金が入っても、三分の一は地方に行ってしまいますから三分の二しか残らない。一方、国債の減額もしなければならないという状態のもとでございますので、地方財政の方はある意味では楽になってきたわけです、いままでのあれをずっと見ますと。 そこで、確かにいままでは半々くらいだったものを、今回は一兆三百億の財源不足の中で、六千九百億は建設地方債をふやしてみてくれといってお願いしたことは事実なんです。そういう意味では、これまでは半分持ったけれども、小さくなったから三分の二を地方の方に持ってもらったといえば、率で言えばあなたのおっしゃるとおりで、率から言えば冷たい大臣だが、全体から見れば額は少し小さくなったので、額で言えば必ずしもそれは当たらないのではないか、そう思いますが……。
○細谷委員 いろいろと用意した点が多々あって、余り進まないのですが、しかし時間が来ておるようで残念でありますけれども、大蔵大臣、大蔵大臣のいまの言葉の中で法人税を上げてみた、ところがその三二%は地方に取っていかれる、地方というのは悪いやつだ、こういうようなことがあなたの言葉の裏にあるようじゃないか。現に、世間ではそう言っているのがおるのですよ。 そうしてこの「歳出百科」を見ますと、大体地方というのは単独事業をやり過ぎているぞと。ここにどう書いてあるか。二百十八ページで単独事業をやり玉に上げています、単独事業をもっと締めろ、節減合理化をやれ。ちょうどどこかの商業紙が地方の単独事業をやり玉に上げて、それが地方公務員の人件費になるだろう。——人件費が物すごく高いところもありますけれども、全体として努力していることは、ラスパイレスが一〇七・二から去年の四月は一〇六・八になっているわけです。遅々として進まぬということはおっしゃるかもしれませんけれども、努力している。ところが単独事業が人件費に化けたとか、こういう形でやり玉に上げておる、こういうこと。 だからいっそのこと、ひとつ地方をいじめてやれ、交付税率三二%は三〇%に下げちゃえ。中期試算の際に大蔵大臣は、来年は所得税の減税をやるかわりに大型消費税も設けて財政再建を完成するんだ、こう言っておりましたけれども、行革の声が華やかになりますと、新聞で言っておるのですよ。一転して大蔵大臣もその方で努力しようということになりましたから、どうも中期試算というのは、いまやあれはつくり直さなければいかぬのじゃないか。客観情勢が一変した。大型消費税という地震が来るかもしらぬぞと言っておったのが、今日七月に行政改革、補助金カットという地震が予知されておる。 そういう状況の中でありますから、国の財政試算を受けて地方も計算しなければならないわけです、これは例年の例でありますから。それがまだ出し切れない。出し切れないというのは余りにも不安定要素があり、方針が変わっているところに問題があるのではないか。中期試算についていろいろ申し上げたいことはありますけれども、時間がありませんから、そう思っている。 私が言うのは、財界は最近では交付税までやり玉に上げておる。けさの新聞によると、十四兆五千億の補助金のうち八%か一〇%ぐらい請負で切らせる、こういうことになりますと、一割でありますと一兆四千五百億、足らない金は二兆七千七百億、こういうことでありますから、そうしますと六千億ばかり期待できる交付税を二%ばかりねらうというのは、やはり財界らしい発想だと思う。けれども、残念ながら補助金と交付税というのは基本的性格が違うわけでありますから、これはやはり国と地方との基本的関係の中において対応しなければできない問題だ、私はこう思うのであります。 いま時間が来ておりますからこれ以上申し上げませんけれども、今後この行革の中において、あるいは財政再建の中において交付税制度をどうやるのか、お答えいただきたい。その答弁次第では、これはまた問題がありますから、もう一遍大蔵大臣に来ていただかなきゃいかぬということになるかもしれませんよ。お答えいただきたい。
○渡辺国務大臣 財界が何か言ったかどうか、新聞で見る限りであって、私も委細は承知しておりません。こちらも関与したわけじゃございませんから。しかし私は、来年大型消費税をやると言ったことはないのですよ。一回もないのです。ただ、検討として避けて通れない問題であるということを申し上げてきました。しかしながら、来年は増税というものは念頭になく、財政再建はまず歳出カットでやるんだという総理の大方針もございますので、私もそれは一番いいことでございますから、世論も支持しておるし、国会等でも与野党を通して増税なき再建をやれという声も非常に強かった、御支援団体もいっぱいあるということで、私はその方針を固めたのもこれも事実でございます。どういうふうなことをやるか、それはこれからの問題であって、国会が終わってから大至急勉強して始めなければならないわけでございます。 ただ私は、交付税をどうするということをいま考えておりません。御承知のとおり、地方は非常に苦しいという状態でございますが、公債の依存率というものは十数%です。国の方は三三・五もあったものを、やっといま二六%にともかく依存率を下げてきたというのも事実でございます。したがいまして、今後どういうふうなことをするか。国と地方と言ったって、同じ日本の国内の問題でございますし、みんなわれわれと同じ共通のものだと私は思っておるのです。したがいまして、より一層地方の問題等については、国務大臣である自治大臣ともよく相談をして今後進めてまいりたいと考えております。したがって特別に交付税をどうする、こうするという問題は、下げるとかどうとかなんということは一切考えておりません。
○細谷委員 私の時間が来たようでありますけれども、大蔵大臣、それからこの委員会の理事の皆さんに、これは非常に重要な問題がたくさんありますので、お忙しい中でありますけれども、ひとつ三時間とか四時間ということじゃなくて、じっくりと大蔵大臣と話し合う機会を、大蔵大臣つくっていただくと同時に、理事の皆さんにもそういう対応をしていただくように強くお願いをして、一応きょうのところの私の与えられた時間が過ぎていますから、終わったということじゃなくて、打ちとめておきます。(佐藤(敬)委員「ちょっと関連して」と呼ぶ)
○左藤委員長 ちょっと待ってください。協議してください。(佐藤(敬)委員「いま話していることと前に答えていることと非常に違う」と呼ぶ)それじゃ後でちょっと協議して……(佐藤(敬)委員「後じゃないですよ。いま細谷さんに答えていることと前に答弁したことと違う。これでは審議できませんよ」と呼ぶ) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○左藤委員長 速記を始めて。 石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 公明党の石田でございます。理事会がいまの紛糾問題について協議をなさるそうで、その間に私が質疑を続行いたしたい、こう思うわけであります。 主として大蔵大臣にお伺いをするわけでございますが、いま細谷委員からも提起をされました地方交付税の性格の問題、まさに六条には国税の百分の三十二をもって交付税とするように、一般財源としてこれが認められてきた。ところが、大変状況がおかしくなってきたわけですね。そういうことで特例措置が講じられているのでございます。 午前中の参考人の意見の開陳についても、いわゆる高度経済成長を遂げている時代は、景気もよく税収も多かったからいろいろな措置が講じられてきた、そのことによって国民各層のいろいろな格差という問題あるいは地域格差というものが大変に埋められてきた、こういう分析をしていらっしゃいます。 そして、今後地方行財政の目指すべきものの一つとしては、やはり独創性のある、そういう固有の行政サービスができるような方向へ進むべきじゃないか、量から質への転換をすべきがまさにこれからの地方行財政の目標でなければならぬ、こういう意見の開陳が一つございました。 それから、そうは言いましても、大変に国全体が財政的に厳しいわけでございます。特に、地方財政の厳しさが話題になっておりまして、いまも真剣な議論が取り交わされたわけでございますけれども、交付税もこういう特別措置という状況、それから地方債というものも非常に重くのしかかってきて、これから特に地方債の返還時期がここへ集中的にあらわれてくる、そうするとますます一般財源が苦しくなるんだ、こういう意見の開陳も実はございました。 私は両方の意見は、まさにその分析のとおりであろう、こういうふうに思うのでございます。恐らく大蔵大臣も、これに対して御異論はないものとは思いますけれども、一方そういうような情勢を踏まえながら公明党あたりは、地方交付税率を四〇%に上げるべきだという主張もいたしてきたわけでございます。さりとて、これもなかなかそう簡単に実現しそうもない。 まず一つお伺いをしたいのは、一体、この交付税率に対する特別措置がどのくらい続くという見通しを持たれるのか。特に大蔵大臣は、昭和六十年度までに何とか借金財政を解消したいというようなことをおっしゃっておりますから、そこら辺はどうしても続くのじゃないかというふうにお考えになるのか。しかしそういうことを考えてみますと、ますます、この地方債の返還ということを考えてみますと一般財源が苦しくなっていくことになりまして、地方財政の非常な窮屈さというものは、本当にそれこそ筆舌にあらわしがたいというような状況が想定される。一体、その辺をどうしのいでいけばいいのか。いまそれに対する見通しというものは余りないわけですね。そこら辺の問題についてのお考えをまず承っておきたいと存じます。
○渡辺国務大臣 ただいま御指摘がありましたように、それはオーソドックスな本文どおりのやり方をやれば、一番地方が喜んでくれるかもしれません。しかしながら、御承知のとおり国の財政事情が非常に厳しいことも実情でございまして、財政状況の比較を簡単に申し上げますと、財政の規模からいって国が四十六兆、地方が全部合わせて四十四兆でございますから大体同じくらい。そういうような中で、結局国は極力歳出を抑え込んで一般歳出は四・三%ということですが、地方は五・九%。国債発行額、国はことし十二兆発行しておりますが、地方は皆さん努力をして四兆で大体済んでおる。特例国債は国の方だけでございまして、地方の方は幸いに発行しないで済んでおります。したがって、国債依存度は国の方が二六%ですが、地方の方は九・六%。国債の残高というものは国が八十二兆円、五十六年度末で持つことになりますが、地方が三十二兆円。特例公債は、このうち国は三十三兆で地方はゼロ。 こういうような状況でございまして、国としてはともかく大幅な歳出カットをやっていかなければならぬ。増税はもうけしからぬ、だからこれは念頭に置かないでやろうという状況でございますので、国と同じように地方においても、ひとつぜひとも行政改革や歳出等について切り詰められることは極力切り詰めていただきたいということを、知事さん方にお集まり願って近々お願いしたいということを考えております。 そこで、いつまでこういう特例的なものが続くんだということでございますが、いまいつまでということも私は申し上げられませんが、一刻も早くわれわれとしては赤字国債から脱却をして、そして国民経済に影響を及ぼすような形での国債発行というものは一日も早くやめなければならぬ、こう思っております。 したがって、早ければ早いほどいいに決まっておりますが、なかなか五十九年まで、そこまでにやめますということもいまここで申し上げられない。そのときの財政事情、つまり日本の国全体の経済事情、景気事情というものによって税収というものは大きく影響するわけですから、そういうような問題もございますので、ここで年限を限ってどうと言うことはできませんが、ともかく経済を繁栄さして、そしていろいろなあの手この手を用いて財政の健全化を図り、国が健全財政になるというような事態になれば、特例のまた特例みたいなことはできるだけやめることがいいわけでございますから、国と地方との財政の状況等々も勘案しながらそういうことは決めてまいりたい、私はそう思っておる次第でございます。
○石田(幸)委員 大臣の御苦心のほどはよくわかるのでございますが、もう一歩突っ込んでみますと、五十七年度の概算要求というものがすでにもう目の前に来ておりますね。そういうことから考えてみますと、来年度もいまの状況から見ればやはりこういう感じでいかざるを得ないのではないか、これは大半の人が想定していらっしゃると思うのですが、この点についてはいかがでございましょう。
○渡辺国務大臣 当分——当分というのは二けたという話じゃなくて、なるべくそれは短くしたいとは思っておりますが、当分やむを得ない、来年度等もそういうように考えざるを得ない状況にある、こういうふうに思われます。
○石田(幸)委員 その問題で余り時間をとっているわけにいきませんし、次の質問の都合もありますので、やめておきます。 最近の報道によりますれば、大蔵省は五十七年度の概算要求については六月中旬にも決定する方針を決めたというようなことが一部報道されておるわけでございますが、この時期的な問題についてはいかがでございましょう。
○渡辺国務大臣 六月中旬と決まったわけではございません。これから、いまもうすでに一部私は指示をいたしまして、その基礎になるような数字の洗い直しといいますか、それをいまやっております。やっておりますが、何せ国会がございますから、国会が早く終わってもらわぬとみんな張りつけでありまして、働きバチが働けないわけですよ。したがって、できるだけ早く国会が済んでいただいて、そして昼夜を分かたず作業を進めたい。なるべく早くしたい。去年よりも何日でもいいから、たとえ一週間でも一カ月でも——一カ月なんかできるかどうか、私ちょっと自信がないのですが、極力早めるようにしたい、こう思っております。
○石田(幸)委員 なぜ私がそんなことをお伺いするかといいますと、いわゆる行革の問題が大変話題になっておって、その中で特に補助金の問題が取り上げられておりますね。この間も私、自治省所管の補助金の問題について、今後どういう方針でというようなことを安孫子大臣にお伺いしましたけれども、第二臨調との兼ね合いもあるので、そこら辺の論議を見ながら進めなければならぬというようなお話をしていらっしゃいました。 しかし第二臨調の答申というのは、恐らく七月ごろではないかと想定をされておりますね。そうしてみると、概算要求を指示なさる時期とずれ込んでくるわけですね。もちろん当然、第二臨調の議論の過程というのは幾らかはわかってくるにしましても、答申に至らずというところで概算要求を各省組まなければならぬわけでございますから、各省庁なり大蔵省なり、この補助金のカットに対する一定の方針というものがなければならないと思います。 いままで総理がいろいろ言っていらっしゃいますけれども、一律一〇%に近いものをカットさせるのだとか、あるいは各省庁にそれなりのノルマを課すのだというようなことをおっしゃっているのですが、どうもわれわれが聞いている限りにおいては思いつきにすぎないのではないかなという、要するに方針がはっきりしてない。 しかし、具体的にこの作業を進められるのはやはり大蔵省が中心になっておやりになるわけでございますから、大蔵省は一体どういうような方針をお出しになるつもりか。また、いまそれが言えないということであれば、私は概算要求と第二臨調との兼ね合いというものを時期的に一致させなければならないはずだと思うのですが、そこら辺の問題についてお答えをいただきたい。
○渡辺国務大臣 できるだけ一致することが私はいいと思いますね。いいと思いますが、どういうふうなことになるか、これも作業を進めてないわけでございますからよくわからないし、一方、われわれが考えもつかないことが第二臨調でぽかっと仮に出たとすれば、こちらの考えもつかないことだったらそれから先の調整でうんと時間がかかってしまいますから、そういうことも困る。したがって、よく連絡はしていただくようにしなければならぬなという気持ちもあるわけです。いずれにいたしましても国会から手を引かしてもらわぬと、現実にはそういう調整や何かやっている暇はないわけです。したがって、もう少し先になってみなければ、いまの段階ではどうだということを、実際問題としてやってないわけですから申し上げられない、こういうことでございます。
○石田(幸)委員 いまの段階ではなかなか言いがたいということでございます。しかし、くどいようでございますが、大蔵大臣は概算要求を決めるのはできるだけ早めたいというふうにおっしゃっていらっしゃる。ですから、やはりそれにはそれなりの方針というものがなければならぬ。なければ、各省とも検討もできぬのじゃないでしょうか。なければ検討しにくいと私は思いますよ。してみても、意味がないとすら思わざるを得ないわけであって、いまお答えができないということになれば、その補助金のカットのたとえば原則みたいなものをいつごろ確定をさせるおつもりなのか、そこら辺はお伺いできるでしょうか。
○渡辺国務大臣 これも、日取りを申し上げられないと言っているのは、現実に作業をまだ全然やってないわけです。ですから向こうがどうなるのか、何月までにきちっと出すということが決まっているわけでもないし、いたしますから、例年ならば七月二十七、八日には各省にシーリング枠を示しまして、これだけですよ、これだけの中で要求してくださいということをやるのですが、今度は九月までに概算要求を出しなさいということになっておりますけれども、今度はかなり根っこから洗い直すというような話になりますと、一カ月ではなかなか各省庁とも困るのじゃないか。だから、もう少し前にシーリング枠を出せないかということ。できるだけ早く、それが一週間になるのか二週間になるのか、一カ月なんということは先ほども自信がないなと私は言ったわけなんですが、なるべく早くやりたい。それにはともかく第二臨調を担当している行管などとも打ち合わせをしながら、これから進めていくわけでございます。なるべく早くしたいという考えであります。
○石田(幸)委員 時期的な問題、お答えはいまはまだなかなか出しにくいということだそうでございますが、私は、各省庁でも第二臨調の様子をいろいろ見ているので、これはそれなりの意味はあるとは思いますけれども、やはり早目に各省庁が態度を決めるべきだというふうに考えておるわけでございます。それで、そういうことを実は申し上げたわけでございます。 今度は、補助金のカットの中身の問題ですね。新聞で言われている各省庁ごとにノルマ方式でいくんだというようなお話がございます。それからもう一点は、新規の施策については停止をしてはどうかということを十三日の第三臨調の緊急課題の中に入れているようなんですね。歳入面のことをいろいろと言及して、最後に、経費や人員増を来す新規施策については、五十七年度において、原則として停止するかどうかという表現で判断を求めておるわけですね。これは私も、前回のこの委員会でいろいろと質疑をいたしたのでございますが、地方行財政がふくれておる、そのふくれておる最大の原因は国の新規施策である。それはそれなりの意味があるわけでしょうけれども、しかし財政的にふくれてくることはやむを得ない、借金もふえてくるというようなことで、各地方自治体から何とかならぬか、もう少し整理できぬかというような形で意見が上がってきておるわけです。 しかし、この新規施策停止という問題を考えてみれば、そう簡単にいかないですね。と申しますのは、たとえば大臣が、六十年度までということを想定しながら今後の財政運営をしていこうとなさっておる。そうしますと、七、八、九、十の四年間でございますから、国の新規施策を中止するというようなことはまだ被害が少ないかもしれませんけれども、地方はそうはいかない。いまここで問題になっているのは国の新規施策の問題でございますけれども、しかし、これだけ世の中の動きが急激に変化していくわけでございますから、これをやるにしても四年間というのはちょっと長過ぎるのじゃないか、そういう問題もあろうかと私は思います。そういうことで、また国が新規施策を停止するということになりますれば、地方もそれに右へならえになるのじゃないかという心配もある。そういう観点から、この新規施策の停止という考え方について大蔵大臣はどういうようなお考えをお持ちなのか、お伺いをしてみたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 いままでも、極力歳出の抑制には努力をいたしてまいりました。しかし、それでは全部が、いままでの歳出についてかなりのものがむだがあったかというと、そんなことは私はないと思うのです。ただこういう時代だから、財源に余裕のあるときと違った立場をとらなければならぬ。財源に余裕があれば、あれもやってあげたい、これもやってあげたいということがいっぱいあります。しかし財源がないということになれば、決められた財源の中で配分をどうするかということですから、いままで差し上げておいてもそれは少なくするとかいうことは、いやおうなしにやらざるを得ない。 たとえば一つの例を挙げますと、今回も小中学校の建てかえという問題について、去年よりも八%ぐらいその金目を少なくしたわけですね。それは結局棟数をふやした、もう小中学校皆かなりよくなったから、だからいままでどおりにどんどん建てなくたっていいじゃないか、少しぐらい減ったっていいじゃないか、仕方ないじゃないか、こういうようなことでとったわけです。余裕があれば、もっともっとぼろ学校もあるわけだから、ともかくもっと急スピードでやれという議論も当然あるわけです。それと同じように、要らないからというのでなくして、こういう財政事情の中だから、もう本当にやむにやまれぬものにだんだんしぼっていくということはせざるを得ないと思います。 そうなりますと、そういう中であって新規施策をどんどん取り入れられるかということになると、なかなかむずかしい。しかし、スクラップ・アンド・ビルドで、いままでこういうものをやっておったけれども、これはもう目的を果たした、大体いいじゃないかとかいうことでやめて財源ができて、その中でスクラップ・アンド・ビルドで新規の事業をやるというようなこともあり得るわけであります。時代によって重要さが違ってくるということはございます。 たとえばことしの予算におきましても、不況産業関係のところはまあその目的を果たしてある程度のものはなくしたけれども、しかし通産省でエネルギー関係の予算は大幅にふやさなければならぬ、これだけもうエネルギーが世界の大問題になっている、したがって代替エネルギー、省エネルギーに力を入れろとかいうことを言われますから、だから新規施策が全部なくなるということではなくして、やはり新規施策が取り入れられるためにはそれに見合うところの財源を既存の中で調達するか、新しく調達するか。新しく調達するといったって増税はいかぬ、こういうわけですから、そうすれば既存の中でスクラップ・アンド・ビルドをやるとかということでの新規施策は残るだろう、そう思っております。
○石田(幸)委員 しかし、これでもし第二臨調の方で新規施策は一、二年やめようというようなことになれば、これは従わざるを得ないと思いますが、いかがでございますか。それでもなおかつ大蔵省は、大蔵省独自の御判断で新規施策を実施される場合がございますか。
○渡辺国務大臣 それはもう財界のどなたかが言ったことで、私の方へ連絡があって言ったわけじゃありませんから、何を考えて言っているのかわからぬわけですよ。まあ大型プロジェクトを当分見合わせようというのか、何をどうしようというのかよくわかりませんが、後年度負担にともかくえらいなにを伴うような新規施策とか何か、そういうことを考えているのでしょう。われわれとしては聞いておりませんから、その内容について御批判をするという立場にはございません。
○石田(幸)委員 それでは、もうちょっと補助金カットの性格的な問題で大臣のお考えをお伺いしておきたいのでございますけれども、たまたま私立医大の文部省の補助金の返還命令が出たというような話題から、参議院あたりで、私大の経営補助などに対してもいろいろ議論が出たやに新聞で拝見をいたしておるわけでございます。 たとえばきょうの新聞を見ますと、総理が自民党の国会対策委のメンバーと昼食会をやった、そのときにこういう方針をしゃべったというお話をわれわれは伺っておるわけでございます。各省庁一律に八%から一〇%というようなことになってまいりますと、特に文部省などの教育行政についても当然その影響が出てくる。簡単に言えば、この私大の経営補助などというような問題は、私立高校の経営難にまでその影響が及ぶものというふうに私は考えておるわけでございます。 そして、この私大の補助という問題は、確かに個別的にはあるいは選別的に見れば失敗している例もあろうかと思いますけれども、しかし国公立との格差の問題を考えてみたときに、いまなお私はその格差は埋めるべきだという観点に立たざるを得ない。この不公平というものは非常に大きな影響を与えている。大蔵大臣も御存じのとおり、たとえば東大なんというのは、一類、二類、三類、四類、五類のあの分類からいきましても、まさに金持ちの子供たちによって、独占という言葉は過ぎるかもしれませんけれども、それに近い状況になっておる。 そういうことを考えても、この教育行政の補助金のカットというものは、やはりその中身一つ一つを検討せざるを得ないというふうに思います。ここら辺の考え方、それからいわゆる福祉サービスというものがこの数年ずっと拡大をされてきて、そしていま緊縮財政でございますからその伸び率は悪いのでございますけれども、そういう面まで切り込んでいかざるを得ないというふうにお考えなのか、この辺をお伺いいたしたい。 さらに、午前中の地方行政委員会の参考人の意見聴取のときに、何といっても補助金のカットの問題は地方に関連があるんだから、地方の意見を聞いてくれぬかという話が具体的に横須賀の市長さんからございました。これも一理あると思いますけれども、しかし、一々いろいろな状況を聞いているとなかなかカットはできないというような、そういう問題もあるわけでございます。 しかし、この意見というものはなかなかむげに退けることができない、地方行財政にも非常に影響が出てきますから、地方のそういった意見を聞かないということで補助金カットはなしがたいというふうに私は思うのでございますが、この二つの問題についてお伺いをしまして、私の持ち時間がこれで終わりますから、質問は終了したいと思います。
○渡辺国務大臣 先ほど総理大臣が決算委員会で答弁をしておりましたが、そういうような大方針を出したということじゃなさそうでございます。数名の自民党の中だけの身内の集まりでございますから、たとえ話で方法論として、考えられることの一つとして話に出たということじゃないのか。私のところまで、私は財政担当の大蔵大臣でございますが、方法論としてこうだというような指令をいま受けておるわけではございません。したがってそういうような、これで断行というつもりで言ったのじゃなく、皆さんの意見も聞くというつもりで言ったぐらいに私はとっておるわけでございます。しかし、それしかないかもわからない、これは検討してみなければならぬということであります。 それから、私大の補助金などをカットするということはいろいろ問題があるのじゃないかということでございますが、補助金はどこでもカットすればみんな問題がございます。問題はございますが、ともかく私大も公立の半分ぐらいを補助しろなんということも言われておりますが、財政に余裕のあるときならそれも一つのもっともな要求だと思います。思いますが、やはり人材発掘、人材にひとしく機会均等というためには、大学や医科大学でも公立もたくさんあるわけでございますから、金がないから私大でなくちゃいけないという論理も余り成り立たないのであって、金がなくとも公立の大学はございますし、そのほか育英資金もございます。 したがって、優秀な方がどうしても私大に入りたいんだ、もう公立は絶対行きたくない、金がかかっても何でも私大に行くんだという場合には、やはり育英資金というものがあるわけですから、これ以上私大の補助金をどんどん付加していってみんなが入れるようにするということは、この財政事情のもとでいかがなものであるか。こういうものは選択の問題であって、今後どうするかという議論の一つになることはやはり間違いないだろう。 それからもう一つ、地方の声を聞け、これはいろいろな事情がございますから、当然いろいろな人の意見を謙虚に聞いて、そして御協力いただくことは御協力をいただくように、やはり説得と言っちゃ語弊がございますが、御理解いただくような努力はもう政府を挙げてやらなければならないし、国会議員の皆さんにも、歳出カットをしろと言う以上は御協力をいただかなければなるまい、かように考えております。
○石田(幸)委員 大臣、特にひとつお考えいただきたいのは、身内の会合で総理がしゃべったとおっしゃるのですけれども、それはもう日刊紙にトップで出ているわけでして、他の新聞にも、読売でございましたか出ていました。要するに、まだ方針がはっきり決まらぬからまあいろいろのところでそういう想定をして大々的に扱う、それがいろいろなところに影響力として出てくるわけでございますので、私が申し上げたようにひとつ総理にも御進言あって、早くその方針を決めるべきだ、これだけ申し上げておきたいと存じます。
○左藤委員長 部谷孝之君。
○部谷委員 地方財政は国と同じように、五十年度以降連続いたしまして巨額の財源不足に見舞われておりまして、これを補てんするために毎年度主として交付税特別会計の借り入れやあるいは地方債の増額、そうしたもので臨時応急的な財源措置によって収支のつじつまを合わせてきた、こういう実情にあると思うのであります。 ところで、先ほど細谷委員の質問の中で、過去のいろいろな、たとえば当時の福田大蔵大臣の見解等を示しながら交付税の性格についての質疑応答、こういうものがなされたわけでありますが、私はこれを聞いておりまして、自治、大蔵両省の間に見解の相違がある、このように受けとめたのであります。そこでもう一度、交付税の性格について確認をしたいと思うのであります。私は、交付税は本来地方の共通の財源であり、固有の一般財源である、このような理解をしておるわけでありますが、まず自治大臣見解いかがでしょうか。
○安孫子国務大臣 地方交付税は先ほども申し上げましたとおりに、地方団体の財源調整とかその他いろいろな事情を考えましての国の一定の税源配分だ、こういう認識に立っているわけです。したがいまして、言葉はいろいろ解釈もあろうと思いますが、地方の固有の財源である、自治省としては従来そういう主張をしてきているわけです。 よけいなことを申し上げますけれども、大蔵省は必ずしもこの見解に同調しているものではありません。これは長い間の論争の種になっているわけでございます。しかし現実の問題といたしましては、十分自治省の立場をも考え、理論は理論といたしまして調整をとりながら、今日まで地方交付税の問題は扱ってきておるというのが実情でございます。考え方といたしましては、若干食い違いがあることは事実でございます。
○部谷委員 大蔵大臣いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 いまの自治大臣のお言葉で尽きておると思います。
○部谷委員 そういたしますと、先ほど次長さんの御答弁の中で、これは固有財源ではないという意味の御答弁があったわけでありますが、そのことはどういうふうに考えたらよろしいのでしょうか。
○渡辺国務大臣 いま自治大臣がおっしゃったように、性格論争というのは二十年来続いておるわけです。だから、とり方によって違うとり方があるけれども、現実の問題としては実際調整をしてやっているというお話があったので、私は自治大臣のお言葉に尽きておりますということを申し上げたわけでございます。したがいまして、それは財政当局としては固有のものではないという考えを持っておることは事実でございます。
○部谷委員 いや、当時の福田大蔵大臣は、数回にわたって、いま申しましたように固有の財源であるということを明らかにしておるわけです。そのことと事務当局の考えが食い違うということがあれば、これはまた別の問題が起こると思うのでございますが、もう一度いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 ですから、法律論争というよりも、福田さんも政治家ですから、政治的発言というのもあるんですよ。法律論争は法律論争で、現実の問題としてそれが続いてきているわけですから、それが自治体にとってはなくてはならない財源であることは間違いないんだし、余り不安定なものでも困るわけです。だから、長い歴史の積み重ねによって結果的に自治体としては固有の財源というふうに思っても、そのこと自体を私は間違っていると言っているわけじゃないということを言っているわけですよ。 ですから、結果的に物を見ているのか、沿革的に物を見ているのか、いろいろ違いはあるわけです。大蔵大臣になりますと、いろいろなことで厚生大臣とも違いがありますし文部大臣とも違いがありますし、予算の問題や何かでいったらみんな少しずつ違いがあるわけです。しかし、それはとことん詰めてみたって、お互い政治家の立場で、結果的に帰納していけばまるっきり違った話じゃないのですから。ですから、細かい法律論争をどこまでもここでやろうという考えは持っていないのです。
○部谷委員 先ほどは、固有財源でないと明確に言われたわけでありますけれども、いまの御答弁の中でそれぞれまた政治的に解決さるべき問題である、そのような取り扱いをしたい、こういうふうな大臣の御答弁だというふうに理解をいたしたいと思います。 次に進みたいと思います。 交付税法の第六条の三の二項の規定の趣旨からいたしますと、先ほど附則に対する法制局の見解等々もいろいろ披露されましたが、財源対策債の償還金及び交付税特別会計での借入金について、全額国庫が負担し、あるいはまた交付税率の引き上げを含む財政対策をすべきである、そういうことになると思うのでありますが、そうした借入金については最終的に国庫が負担し、あるいはまた交付税率の引き上げを行うべきであるという私の主張に対して、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○渡辺国務大臣 これも細谷委員のときに私、再々申し上げたわけでございますが、ともかくオーソドックスに交付税を引き上げろというのも一つの御主張でしょう。しかしながら、国のこういうような財政事情のもとでございますから、税率の引き上げという問題もありましょうが、制度の改正というようなことによって現実的に地方自治体の財源不足を補えるような方法を考えていくということもありましょう、そういうことでいままで対処してきておりますということを申し上げたわけであります。
○部谷委員 財界からも、交付税率の引き下げについていろいろ言われておることが新聞で報道されております。この財界の主張については、大臣としては関知した問題ではないと先ほど御答弁があったわけでありますが、四月十日の閣議の後の記者会見で大蔵大臣は、現在制度的に法人税等国税三税の三二%と決まっておる地方交付税の税率の見直しは検討の対象となる、こういうふうに述べられたと新聞に報道されておりますが、この発言の真意はどういうものなんでしょうか。
○渡辺国務大臣 私にとってはあらゆるものが検討の対象でございますから、どんなものでも皆検討はするのです。採用するかしないかは、また別の問題でございます。 交付税の問題は景気の問題とうんと関係があるのですよ。要するに、法人などがえらい景気がよくなってもうかる、利益がうんと出るということになれば、法人税収入はうんとふえる。それから景気がいいということは、やはり給与所得者の景気もよくなるということは当然なんですね。そうなれば酒なんかも売れるかもわからない。ということになれば、国の税収がうんとふえます。ふえれば、交付税は税率を上げなくても額が自動的にふえますから、国も地方もよくなるということもありますし、そうでないような場合はまた別の問題が起きてくるというようなことで、景気の動向と非常に密接な関係がある。したがって景気の動向等を見ながら、そのときどきにおいていつでも検討することはやむを得ない。問題は、地方で必要な財源不足に対するお金の措置ができればいいわけであって、制度の問題よりも現実の問題の方が優先していいのではないかという気がするわけであります。
○部谷委員 三二%の税率の問題に対しては、検討の対象となるという厳しい方針を示したと書いてあるのですが、これは、どうなんでしょうか。
○渡辺国務大臣 それはどうですかな。私もよく覚えてないけれども、厳しい方針を示した——方針が決まらないうちから、方針を示すことはないと思います。
○部谷委員 次に、地方債の資金につきまして、良質の資金を確保するためには政府資金の幅を広げていく、こういうふうなことをすべきだと思うのでありますが、そのような措置がされたとお考えでしょうか。
○宮本(保)政府委員 五十六年度におきましては、地方債計画総額で一千億減少しているわけでございますけれども、逆に政府資金は一千億増額するというふうな措置をとりまして、政府資金比率は前年の四三・八%から四五・九%にまで上昇いたしておるわけでございます。また政府資金に準じますところの公営公庫資金でございますけれども、これも四百億ほど増額いたしておりまして、公営公庫資金比率は一六・三%から一七・一%にまで上昇しておるところでございまして、私どもといたしましても、厳しい財源事情のもとでできるだけ政府資金ないしは財政資金の増額に努めてきておるところでございます。
○部谷委員 大体四十年度代は六〇%程度のシェアがあったわけでありますが、かなりな落ち込みがあるというふうに考えられるわけであります。 そこで財投の、不用額がかなり大幅に出ておる、こういうふうに聞いておりますが、事実ですか。
○宮本(保)政府委員 御指摘のとおり、財投の不用額につきましては、このところかなり国会の御審議等におきましてもいろいろ議題になったわけでございますけれども、実は昭和五十三年度に大変金利が下がりまして、そのために財投各機関に対しまして過去の借金が返ってきたというようなこともございまして、結局財投に対しまして資金需要が非常に減ってしまったということもございまして、実は五十三年度には一兆五千億ほどの資金不用額が出たわけでございます。 しかしそれに対しまして、私どもといたしましては、このところ二年連続して財投計画を一けたの伸びにとどめるということもやりました。またことしにつきましては、五十四の財投機関のうち二十二につきまして前年度減額する措置をとりました結果、五十四年度の不用額は七千億に減少いたしまして、さらに五十五年度は、まだ確定数字は出ておりませんけれども、約二千億、場合によっては千七百億円前後に減るのではないかということになりますので、摩擦的に生じます不用額程度になるということでございまして、いっとき御指摘を受けました不用の問題につきましてはほとんどなくなってしまったのではないかと考えております。
○部谷委員 五十六年度の予算編成におきまして、大蔵省は財政再建を至上の命題として取り組んでこられておると思うのですが、その財政再建は順調に行われて効果が上がったとお考えかどうか、お尋ねいたします。
○渡辺国務大臣 順調に行われたかどうかわかりませんが、財政再建元年としては非常に効果があった、私はそう思っています。
○部谷委員 この五十六年度の予算編成は、大幅に地方財政にしわ寄せをさせた形で行われた、私はこういう感をぬぐうことができないのであります。以下、幾つかの点を指摘してみたいと思うのであります。 本来五十五年度の交付税の増収、これは単年度主義でありますから、あの二千五百五十億円はたてまえからすれば五十五年度に措置すべきものでありまして、これを五十六年度に繰り越しております。また、一般会計から入るべき利差臨特一千百三十億、これが資金運用部資金から借り入れられております。また、償還方法の変更によりまして、臨特の一千五百七十億円を一般会計から資金運用部資金へ返済をしないで後年度へ延ばしております。 そのような操作によりまして、本来ならば一兆円を超す一般会計からの支出が千三百億円にとどめられておるのでありまして、つまり政府の二兆円の国債減額、そうした措置が一兆円に近いいろいろな地方財政の操作によって行われておる、こういうふうに思うわけであります。こうした操作による減額措置というものは、五十六年度の予算で財政再建が順調に行われたとは私は思わない、むしろきわめて大きなしわを地方自治体の方へ寄せた、あるいは地方財政にしわ寄せをした、こういうふうに考えておるのでありますが、その点いかがお考えでしょうか。
○渡辺国務大臣 それは考え方の問題でございます。私どもといたしましては、先ほども言ったように、地方財政規模と国家の規模とは大体同じである。そういう中で、国の方はまだ二六・二%もの国債依存度でございます。地方は幸いに九・六%というようなことで、全体的に見ればまだ国より恵まれておる。そういうような状況でございますから、この際は国の方でも困っておるので、それに多少の御協力をいただきたいというようなことで、交付税の税率などを引き上げてどかっと回さなかったということも事実でございますし、確かにそうおっしゃられれば、地方の方にも少し借金の肩がわりをさせたんじゃないかというような御議論もあったからといって、少しも不思議のないことでございます。私はあなたのおっしゃることは、全面否定など決していたしておりません。
○部谷委員 補助金の整理ということで、大蔵省は四月から具体的な作業に入っておられるということでありますが、補助金の切りっ放しをするということが地方に転嫁される、こういうことにはならないのかどうか、私はそういう懸念を持つわけでありますが、国の財政のつじつまを合わせるための補助金の整理になってしまって、そのしわ寄せが地方に来る、そういう結果にならないと考えておられるのかどうか、その点お尋ねしたいと思います。
○渡辺国務大臣 財界からも労働団体の有力な筋からも、補助金などはもっとばっさばっさ整理しろという御提言をいただいていることも事実であります。しかしながら、ばっさばっさといってもこれはなかなかそう簡単にいかないのでありまして、大蔵大臣にとってみればばっさばっさやりたいのだけれども、それがもう制度で決まっておるということになりますと、なかなかそれはできない。 しかしながら、ともかくこういうような財政事情のもとですから、補助金がなくともやっていける、あるいはもっと率を少なくしてもやれるというようなものについては、みんなで少しずつ痛み分けをしてもらうということも当然考えられることでございます。地方だけにそのしわが行くとか行かぬとかいうことでなくして、地方団体の御意見等もよくお聞きをしたい。よく地方団体の長、県知事さんの中でもありますが、少しばかりの補助金をつけられるから迷惑である、補助金をもらうために県の職員が出張したり、意外に金かかっちゃったとかいうような話も聞いています。したがって、そういうものは喜んで私の方は切らしてもらいます。そういうようなもの等についても、私は地方の意見も十分に取り上げてやってまいりたいと考えております。
○部谷委員 総理は五十七年度の増税をしない、こういうふうに言っておられるわけでありますが、大蔵省は本当に増税抜きの予算編成を行うおつもりかどうか、そのためにはどのような具体的な方策を考えておられるか、お尋ねいたします。
○渡辺国務大臣 五十七年度では、大型間接税のような新税はやらないということははっきりいたしておると思います。われわれは増税を念頭に置かないで、まず歳出カット、それからいろいろな経費の整理合理化、こういうようなものをやって、そうして財政の再建をやっていきたい。もちろんその間には、五十九年度までに赤字国債をゼロにするという方針は貫き通すという考えであります。
○部谷委員 そこで、第二交付税の問題についてお尋ねしたいと思います。 第二交付税制度の採用ということにつきましては、私どもが過去長きにわたって主張してまいりました。これは、地方財政法の第十条の二各号に列挙されております事業に要する経費に対する国の支出金を一括交付するというものであることは、すでに御理解いただいておるところであります。このことは昨年の暮れに、鈴木・佐々木両党首会談におきまして佐々木委員長から提案をしたところでありますが、その際、大蔵大臣の方から、第二臨調でこれを検討させたい、こういう積極的な意味での御発言がされた、こういうふうに聞いております。佐々木委員長はさらにその後、土光会長との会談におきましてもそのことを主張をいたしておるわけでございますが、この第二交付税制度の採用ということにつきまして大臣の御見解をいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 いまのお話は、国と地方との行政事務の配分問題と大きく関係する事柄なんですね。そればかりでなくて、特定の施策を実現するという補助金制度の意義を否定することとなるという問題が別にございます。事務の合理化にあるいはなるかもしれないが、そういう根本問題もございますので、第二次臨調などで国と地方との事務配分の問題の一環として御議論をいただくということがいいんじゃないか。私としては、いま直ちにそれは悪い、それはいいという結論を出すほど勉強いたしておりません。
○部谷委員 地方自治の本旨に基づきまして施策をしていくというその基本は、やはり魅力のある地域社会づくりを推進することだと思います。そのためには、地域の個性や地域を生かした住民の自発的な町づくり、そういうもので地域住民にとって均衡のとれた地域社会を築いていくことであることは申し上げるまでもないところであります。 そこで、従来から地方自治体の自治の成長を阻害し、また中央依存の風潮を助長し、国の画一的な行政を自治体に強要しておる国庫支出金の改革、こういうものは緊急な問題だと思います。それが、地方財政が窮乏しております状況のもとでますます国庫支出金に依存して、一方では超過負担によってわずかな自主財源がその補充に使われていく、そういうことでありますと、地方自治の一つのバロメーターであります単独事業、こういうものを圧迫する懸念が強いわけでありまして、そうした魅力ある地域社会づくりには私はほど遠い現状にある、こういうふうに思うわけであります。 それで、果たして現在のような一千種目も超すような国庫支出金が必要であるのかどうか、大きな疑問があると思います。こうした補助金制度はまた地域住民にとりましても、効率的でないケースというものも私は出てくると思います。たとえば都市計画事業におきまして、道路を舗装した後でまた下水道の暗渠を埋設するために掘り返す、こういうふうなことは、むしろ国庫支出金の細分化による非能率な面が出てくる、こういうことになると思うのであります。 そこで、先ほど申しましたように、地方財政法第十条の二各号に列挙されておる事業に要する経費に対する国の支出金を公共事業等交付金として位置づけまして、そしてそれぞれの建設事業費について、たとえば道路整備交付金あるいは河川整備交付金、そういうものとして一括交付しよう、そういうものであります。このことは、実は地財法の第九条の例外をなすものであります。本来地方自治体が全額負担するという原則に沿って、地方自治体の負担で、地方自治体の整備計画や方針によるべきものに対して、国が割り勘と申しましょうか、応分の負担をする、こういう性格のものだからであります。 したがって、そうした地方自治の本旨にのっとって、そのようなむだをなくする——先ほど、余り経費がかかるものをばっさり切ってしまうというお話がございましたけれども、われわれが試算したところでは、十条の二だけの大体の経費が一千億を下らない、千億単位の経費がかかっておるというふうに試算をされておるわけであります。そうした問題に対して、実は大蔵大臣がきわめて積極的な姿勢を示されたというふうに私は聞いておったものですから、これは大変なりっぱな大臣だと思っておりましたら、いささかいま失望を禁じ得ないのでありますが、どうですか、もう一度その点について御答弁いただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 私は、補助金の整理合理化をすることは賛成なんです。どういうふうな手法でやるかというのが問題でございまして、確かに各省庁に同じような補助金がいっぱいあったり、同じ農林省の中でも局によって似たような補助金があったりすることは事実なんです。したがって、そういうことがダブって行われるということは極力直さなければいけない。そのためにはもっとメニュー化方式をふやしていって、そして地方自治体の長がその中で選べるような道をもう少しつくっていくということが必要だろう。私は、その点は大いに進めていきたい。 しかし、それをさらに一歩進めまして、それでは農業振興交付金というものまでいくかどうかということになりますと、これは大問題でございまして、もうキャベツだけうんとつくらせてしまったり、ネギばかりつくらせるとか、別なものをやってしまうということになっても困る問題があるし、もし道路交付金ということで道路だけの交付金、道路関係は一切一本でやるということにして、自由にお使いなさいということになると、舗装ばかり好きな町長があらわれる。 改良するのには住民の反対があって、道路を直すのにはともかく反対されてしまう。選挙の票が減ってしまう。それは道路があるのだから——あるといったって何といったって、要するにほこりが立たなければいいじゃないかということで、舗装だけしてしまうということになっても整合性がとれない問題もあるから、そこらの歯どめというか、チェックがどうしたらできるのか、そういうことを研究してみなければ、私は実務家じゃないから何とも申し上げられない。しかし、そういう歯どめがもしできるということならば、私は別に反対しない。しかしとりあえずは、同じ省の中でもメニュー方式にして、その範囲内で何かやれるような、もっと自由裁量の余地を残すような方法をできるだけ取り入れていくということがまず第一段階ではないだろうか、こう私は思っておるわけであります。
○部谷委員 終わります。
○左藤委員長 岩佐恵美君。
○岩佐委員 地方財政の危機が、オイルショックのあった昭和五十年以降今日に至るまで続いています。この危機を打開する道は、これまで地方六団体など関係者が強く主張されておられますように、機関委任事務など国の仕事を整理して、国と地方の仕事の分担を明確に再配分する。それと同時に、この仕事に見合った財源を、補助金という形ではなくて、地方税や地方交付税など一般財源の形で移譲する。その際、国を経由してくる補助金をどれだけ減らして一般財源に振りかえるかということが大変重要になってくるわけであります。きょうの午前中の参考人質疑の中でも、横須賀市長を初め各参考人からもそのような要望が出されております。 この考え方は、地方制度調査会のたび重なる答申でも明確であり、地方自治に携わる方々にとって共通の願いであるわけであります。ところが、現状ではこういうふうな問題がなかなか解決に向かっていないということであります。交付税に対する対策一つとっても、自治体が強く要求している地方交付税率の引き上げという法律事項についても、先ほどから議論がされておりますように現在まで放置されている。一部の臨時特例交付金を除きまして、借金に次ぐ借金を積み重ねてきているわけです。 このように、根本的な改革には全く手をつけない、その年その年借金でしのいで、宿題を後年度に持ち越していく、こういうことが一体いいのか悪いのか、端的に大蔵大臣にお伺いをしたいと思います。
○渡辺国務大臣 いまの御質問は大体二つあると思います。 一つは、補助金というようなものはひっくるめて交付税の中に入れてしまえということでございます。これは先ほど道路だけの、要するにそういうふうな交付金ですか補助金ですか、まとめてやるだけでは問題があるという問題点を私は指摘したわけですが、まして、それをもっと、いまの補助制度のほとんど大部分をまとめて交付税の中に入れるということになると、市町村長さんによっては教育の好きな村長さんもおるし、社会保障の好きな町長さんもおるし、いろいろございまして、ある町長さんは建設業で、もう公共事業だけが大好きだというのもございますから、現在でさえもそういう傾向はございまして、それがうんと極端な形に出てくる。どうせ、四年たったら選挙で落選するからいいじゃないかといいましても、なかなかそうも簡単にいかない問題が実はございます。したがって、まとめて全部交付税でやってしまうということは、現在の補助制度を全然なくせというふうな話になりますと、それはとてもそこまで私はついていくことはできません。 それから、借金に次ぐ借金とおっしゃいますが、これらにつきましても、政府の非常に厳しい財政事情というような問題もございまして、一部、たとえば建設債をふやして公共事業などを見てくださいというようなことを言っておることは事実でございますが、国と地方の全体の財政事情を勘案して申し上げているわけでございますから、やむを得ないものと存じます。
○岩佐委員 五十六年度の予算の場合に、さらに問題が特別にあるというふうに考えます。借入金の返済というものを一時たな上げにして後年度に回した、このことが問題だと思っています。交付税特別会計の借入金の返済をこの際一切免除する、そういうことならわかりますけれども、一時たな上げで三年間凍結をするということになっているわけです。 そこで伺いますけれども、この返済凍結措置というのは、返済金の二分の一を国が負担をする、この負担金のやりくりがつかなかったから凍結ということになったのかどうか、それとも、残りの二分の一は地方の負担ですから、五十六年度の交付税の中から負担しなければならない、しかし、地方は今年度も借り入れを行っているわけだから、とても返済どころの話じゃない、そのことを心配して凍結という措置をとられたのか、どちらなのかお答えをいただきたいと思います。
○西垣政府委員 技術的な問題でございますので、私から答えさせていただきます。 いま御指摘の措置は、大蔵、自治両省協議の上で、国、地方を通ずる厳しい財政状況を勘案いたしまして決定したものでございます。 その内容といたしましては、交付税特別会計の借入金につきましては、五十年度から五十二年度までの借入金の償還条件、これは二年据え置き後八年償還でございまして、そういうことで五十三年度以降の借入分の条件が五年据え置き後十年償還となっておりますのよりも厳しくなっておりまして、この償還予定表どおりにやりますと今後の国、地方の財政再建の最も重要な時期に多大な負担をもたらすということでございましたので、今回の措置は五十三年度以後のものと償還条件を同一化することによりまして、償還負担を長期平準化するという観点から実施いたしたものでございます。 今回の措置によりまして、五十六年度におきましては予定されておりました三千四百八十億円の償還が不要となりまして、このうち地方負担分とされておりました千九百十億円は、五十六年度の交付税総額の増加ということになるわけでございます。なお、国負担とされておりました千五百七十億円につきましてはそれだけ一般会計の負担が軽減された、両方の効果を持つものでございます。
○岩佐委員 借金に次ぐ借金ということで、これはだれが考えても、返すためにもお金を借りているわけですから、果てしのない当てのない自転車操業、そういうことになってしまうので、何とかしなければいけない。この措置をとるに当たって、将来の大増税を当て込んでそれまで凍結をしておけばいい、そう思われての措置ではないか、そういう見方もできるわけですけれども、そうでなければ返済金の繰り延べ、後回しということはそう簡単にはできないことではないか、こう考えられるわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
○西垣政府委員 五十六年度措置につきましては、いまお答えしたとおりでございます。 ところで交付税特別会計の全体の借入金、これの償還がどうなるかという問題につきましては、御指摘のとおりに特別会計の借入残高は累増いたしておりまして、五十六年度末で七兆八千二百九十一億円という額に上っております。これは五十九年度以降七十一年度までの十三年間に分割して返済されるというものでございます。経済成長等に伴います税の自然増収等も予想されますので、適切な財政運営を行うことによりまして返済を実行していきたいというように考えております。いずれにいたしましても、私どもも今後とも地方財政の適正な運営に支障が生じないように努力してまいりたいというように考えております。
○岩佐委員 財源の当てがないのにたな上げをすることができるのかどうかということですね。その点について、もう少しわかりやすくお答えをいただきたいと思います。
○西垣政府委員 先ほど申し上げましたように、五十二年度までの借入金の償還条件が二年据え置き八年ということで、五十七、五十八、五十九に集中するということでございまして、そこのところがどうしても山が大きくなってしまうということもございます。それから、五十三年度以降借入金の償還条件が違うということもございまして、これを一致させることによりまして償還の平準化が可能になるということでございます。 一般会計との比率で申しますと、もしも一般会計が五十七年度以降一〇%の伸率で伸びたといたしましても、六十年度の償還額の割合が〇・七%に上るものが、こういう条件の変更をすることによりまして〇・四%になる、その以降も大体平準的に推移する、こういった効果があるわけでございまして、そういった効果もねらいまして、たな上げといいますか償還条件の変更をいたしたものでございます。
○岩佐委員 ところで、昨年末の予算編成期に、先ほどからこれも議論されていますが、財界筋から地方交付税の税率を引き下げたらどうかという提案があって、つい最近も地方交付税率現行の三二%を三〇%に削れとか、人件費が国家公務員の給与水準を七・二%以上上回る自治体は交付削減の対象とすべきなどということが、財界の行政改革案の中で提案されています。先ほど同僚委員が指摘されたところですが、大臣も十日の閣議後の記者会見で、地方交付税率の変更も検討対象になるかもしれないという交付税率の引き下げの考え方を示されたのではないかと思うわけです。 私は、地方交付税は、これは法律でその税率が定められていることが示しているように、地方自治体の重要な固有の財源であると思うのです。国の経済運営の失敗のツケを地方に回すような形で、そう簡単に引き下げられてはかなわないというふうに思いますけれども、大蔵大臣のお考え、これについてどう考えておられるのか、御返事をいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 私は、目下のところ、地方交付税を引き下げるなどということは考えておりません。
○岩佐委員 新聞にこれが公表されて、そして非常に論議になっているところなわけで、目下のところというふうに言われますけれども、今度の行政改革の中でそういう交付税を引き下げるなどという——いま引き上げなければならないところですから、引き下げるということは絶対にないというふうに言い切れるのでしょうか。
○渡辺国務大臣 交付税を引き下げるということは、私言っておりません。ただ、地方自治体の中で、地方公務員の給与が国家公務員よりも一五%も二〇%も、中には二八%ぐらいのところまであるはずです。特に大阪周辺なんか多いと聞いておりますが、そういうようなことで結局給与の方にうんと回されて、そこでうんと人が少ないんなら話はどうか知りませんが、同じだけの人がおって、給与だけが国家公務員よりも同じ条件で二割以上も高いということになると、少しアンバランスではないか。税務署に勤めるといったって、税務署は各町ごとにありませんから、国家公務員の方は転勤があれば遠いところにも行かなければならぬ。仮に小さな市ということになれば、市の中での転勤ということで、勤務条件という点から考えても果たして何割も高くしなければならないのかどうか。そこらのところは検討する必要があるし、それから地方団体といえども、やはり行政改革やいろいろな面で国民の理解と納得が得られるようなことはやっていただかなければならないということは申し上げております。
○岩佐委員 交付税の歴史を見ても、関係者の努力によって徐々に配分率というものが引き上げられて、今日の三二%という割合になっているわけです。時々の政府の都合で配分率が変えられる、これはとんでもない話だというふうに思います。だからこそ、この税率というものが法定されているのだというふうに思いますけれども、同時にこの交付税というのは地方のそれこそ固有の自主的な財源であって、国がとやかく口を差しはさむということは好ましくない、そういうものでもあると思うのです。地方の自主的な運営に任される、そういう財源だというふうに思います。 確かに公務員の給与は高い。そのことについてはいろいろ問題にされていますけれども、そのことによって交付税を削ったりすることができる、そういう筋合いのものではないというふうに私は理解をしているわけですけれども、交付税の性格、それからそういう公務員の給与等との関係とあわせて、自治大臣のお考えを伺いたいと思います。
○安孫子国務大臣 いまのような給与が非常に高いところは、私も適当じゃないと思っておるのです。それで自治省としては、特別交付税等によりまして、そこは財源があるのだという見方によって若干の措置はいたしております。これはペナルティーとかなんとかという意味じゃありません。そこは財源に相当余裕があるからそういうことだろう、こういうことで特交については措置をいたしております。これまた普通交付税でもやるかどうかという問題になりますと、これは理論的に非常に問題があると思うのです。したがいまして、その点はさわっておりません。 しかし、考えてみますと、こんな苦しい財政状況になった場合に、国家公務員よりも二割も二割五分も高いということが一体社会的に妥当するかどうかということになると、私は問題だと思うのです。それは、願わくはその自治体が、議会もあることでございますし、自治体の良識においてこの問題はぜひ解決していただきたい。このために地方財政全般についての批判の材料になっているわけですから、これはひとつそうした自治体におきましては、自治体の自律的な、自発的な行動によりまして、ぜひ是正していただきたいものだと私は思っております。
○岩佐委員 財界は盛んに地方自治体の職員の人件費のことを問題にしています。私は、人件費と交付税の絡みの問題を考える場合に、もう少し別の角度から検討する必要があるのではないかと思っています。 自治省に伺いますけれども、基準財政需要額を算入するときに、測定単位を職員の数にしているのはどのようなものがありますか。
○土屋政府委員 道府県分で職員を測定単位として用いておる費目といたしましては、警察費が警察職員数をとっております。それから、小学校費、中学校費、高等学校費、特殊教育諸学校費、これらが教職員数を測定単位といたしております。
○岩佐委員 続いて自治省に伺いたいと思いますが、地方財政計画の説明を受けましたけれども、五十六年度において警察官は二千百三十名増員されているというふうになっておりますけれども、そのとおりですね。
○土屋政府委員 そのとおりでございます。
○岩佐委員 この警察官の増員は、過去においてもたびたびやっておられます。お伺いしたいのは、過去から現在までの警察官の増員のうち、交通警察官の増員というものは現在までの累計で何名ふやされたのでしょうか。その点お答えいただきたいと思います。
○土屋政府委員 地方財政計画における昭和三十三年度から五十五年度までの交通警察官の増員数は、合計で二万五千四百人となっております。
○岩佐委員 そうしますと、五十六年度と合わせて二万五千七百四十二人、約二万六千人の警察官の増員ということになっているわけですね。
○土屋政府委員 五十六年度の予定が三百四十二人でございます。合わせますと、いまおっしゃいましたような数字になります。
○岩佐委員 交通警察官約二万六千人ですね、なぜこれだけふえたのか。私、時間があれば、建設省や運輸省の方にも来ていただいて、道路や車、そして交通警察のふえ方について伺って、その間に関係があるということを明らかにしたいと思ったのですけれども、時間がありませんので、その点は省かせていただきますが、いずれにしても、これは伺って確かめるまでもなく、この両者は比例をしているということははっきりしていると思います。 この交通警察官に交付税上の警察官一人当たりの単価を掛け合わせますと、交通警察に係る交付税の需要額が出ると思うのですけれども、それは幾らになるでしょうか。
○土屋政府委員 警察官関係経費のうちで特に交通関係だけについて申し上げますと、五十五年度の需要算入額で千九百億円程度でございます。
○岩佐委員 このように、交通警察について五十六年度だけで千九百億円負担をしているということになるわけです。交通警察というのは、御承知のとおり道路交通、それも自動車交通にかかわる仕事が大部分です。交通整理、交通取り締まり、高速機動隊、交通情報システム等、歩行者対策も含めまして自動車交通の円滑化と車からの歩行者の安全を守る仕事がすべてであります。これに携わる交通警察の費用が一千九百億円も、自治体の一般財源として交付税の基準財政需要額に入れられている。 一方、車が走る道路建設というものは、私が申し上げるまでもなく、これは石油業界もいつも問題にしているのですが、ガソリン税でもっているわけです。つまり特定財源で賄われる。つい昨年末にも、この道路財源を一般財源化することについて、建設省を中心に強い反対運動が起きて流産をいたしました。 車がふえて道路をつくらなければならない。それはガソリン税でつくる。しかし、車や道路がふえた結果、交通事故がふえる、あるいは交通渋滞が起きる。これに従事する警察の費用は、ガソリン税、つまり道路特定財源で賄われるのではなくて交付税で見る、そういう結果になっているわけです。交付税のことについて行政改革の中で財界が問題にする際に、こういった問題というのは全く指摘をされていない。その点、私は非常に矛盾だと思うし、片手落ちだというふうに思うのです。大蔵大臣のお考えを伺いたいと思います。
○西垣政府委員 道路特定財源の問題でございますが、これは道路整備の必要性あるいはその財政の状況というものを踏まえて検討すべき問題でございまして、五十六年度予算におきましては従来どおりという扱いにいたしております。道路特定財源制度があるために、道路投資は本来あるべきものよりも大きなものが与えられているかと申しますと、五十六年度の道路予算につきましては、五十五、五十六と減額をいたしたわけでございますが、特定財源のもとでありますガソリンの使用量が減りましたために、特定財源の方も減りまして、結果としては一般財源を相当投入するという形になっておりまして、道路特定財源制度があるために道路がふえている、そういう実態はございません。それだけ申し上げておきます。
○岩佐委員 私はそういうことを伺っているのではないのです。道路の財源は一般財源となっていない、特定財源でどんどんつくられてきた。それに伴って交通警察がふえてきたという過去の経緯がずっとあるではないか。だから、道路財源がもし一般財源だったら、それは整合性が出てくる、つまり合理的になると思うのです。ところが、交付税は一つの事例ですけれども、このように特定財源の後始末をせざるを得ない、そういう問題も持っている、そういうことを私はいま具体的な事例をもってお示しをしたわけです。このようなことを全く考慮しないで、交付税率を引き下げれば行政改革になるのだ、そういう安易な考え方をとられたら大変だということでこの事例を申し上げたわけです。 最後に大臣の答弁を伺い、そしてこうした交付税の持つ基本的な意味をぜひ大臣にきちんと理解をしてほしい、そういう要望を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 交付税の問題につきましては、交付税のできたいきさつ、その他の法律の精神、そういうものに照らして対処してまいります。
○安孫子国務大臣 大蔵大臣から大変明るい御返事をいただきまして、私も感謝を申し上げます。
○左藤委員長 田島衞君。
○田島委員 大蔵大臣に御質問を申し上げたいと思います。 まずその一点は、昭和五十五年度分の税収見込み、予算に措置された調定額との比較をしながら一番最近の、大臣がつかまれている実情の中でお話しいただけるものがあればお話をいただきたい、こう思います。
○矢澤政府委員 まず、五十五年度の税収の状況について御説明申し上げますと、ただいままでにわかっておりますのは二月末の税収でございます。ただ、年度全体といたしましては、所得税の確定申告の三月に終わった分でございますが、これの集計が終わっておりません。さらには、大変大きな税収が入っております三月期の決算法人の申告状況、これもやはり六月の初めになりませんとわかりませんので、まだ全体につきまして確たることを申し上げられる状況にはございません。
○田島委員 それじゃ、確たることを申し上げることはできませんと言われる大蔵省筋から、税収の伸びは期待できるとかできないとか、自然増はどうだとかいういろいろの意見が出てくるのはどういうわけですか。
○矢澤政府委員 ただいま申し上げましたように、私どもはまだ確たるお話をできる状況にはないわけでございますけれども、たとえば二月末までの税収で申し上げますと、補正予算の全体の伸び率は一四・四%ということでございますが、二月末までの税収の状況では前年に対して一二・五%の伸び率でございまして、補正予算で予定をいたしました一四・四%の伸び率を約二%下回っている状況でございます。 私どもがそういう御説明を申し上げますと、非常に弱気で見る方は、そうなるとちょっと予算に達しないのじゃないかなという見方をされますし、さらに、先ほど申し上げましたように三月期の法人の決算状況でございますが、その辺に強気の見方をすれば、いまは多少予算の伸びを下回っておりましても、三月決算の税収が入ってくれば回復をするのではないだろうかというような観測をする方もいるわけでございます。私どもとしては、確たることは申し上げられないということで御答弁をしているわけでございますが、いままでの状況あるいは将来の展望を踏まえまして、いろいろな推測が行われているというのが現状であろうかと思います。
○田島委員 もちろん、私が聞いているのも確たる数字を聞いているわけじゃないのですね。税金というのは昭和五十五年度ばかり取っているのじゃなくて、大蔵省の税務行政というのは毎年やっているのですから、したがって、二月末現在でこういう状況だったら、例年の例からすればこのようなことが予測されるのじゃないかぐらいのことは答えられてしかるべきだと思うけれども、どうですか。
○矢澤政府委員 三月期の法人の決算、それから入りますところの法人税の税収でございますが、大体二兆前後の規模でございます。したがいまして、法人の決算状況がどういうかっこうになるかということで非常に大きくぶれる問題でございますから、いま申し上げましたように、二月末までの収入状況は確かにわかっておりますし、補正予算で見ました伸び率を下回っていることは事実でございますけれども、最後の締めのところの三月決算の税収がどうなるかということでこれは非常に大きく姿が変わってくるものでございますので、現在確たることを申し上げることはできないという状況にあるわけでございます。
○田島委員 そうすると、昭和五十五年度予算の中での税の調定に当たったその時点といま現在とではどう違っているか、違っているか違ってないか、そのぐらいはわかるでしょう、ほぼ一年近くたっているんだから。
○矢澤政府委員 伸び率で申し上げますと、補正予算を作成いたしました当時、補正後の税収の伸び率は一四・四%でございました。現在、二月末までの税収でございますが、これは前年に対しまして一二・五%の伸びということで、残念ながら補正予算をつくりましたときに予想いたしました税収の伸び率にはまだ達していないわけでございます。 三税の関係で申し上げますれば、所得税につきましては、補正予算を作成した当時には、つまり補正後の予算の伸び率でございますが、一八・七%の伸びを見ていたわけでございますが、二月末税収では一九・五%の伸びで、所得税につきましては、二月末現在でございますが、補正予算をつくりましたときの予想よりも伸び率が〇・八%上回っております。 法人税につきましては、補正予算作成時の伸びが一八・五でございますが、二月末税収では一五・九、これは予算の伸び率と比較いたしますと二・六%減と申しますか、下を行っているということでございます。 また、酒税につきましては、補正予算作成当時の伸び率は九七・七という伸びを見ておりましたが、二月末の税収は前年に対して九六・八でございまして、これも法人税同様に、補正予算作成時に見込んだ伸び率に達していないという状況でございます。
○田島委員 その補正予算作成の当時に見込んだ見込みというのは、二月末現在の数字に対する見込みじゃないでしょう。補正予算作成の際には、ちゃんと出納閉鎖が全部済んだときのその年度の税収の見込みを立てているわけでしょう。何で、それを二月末の数字と比べてどうだこうだと言うのですか。 だからといって私は、まだ将来のことを確実な数字で知らせろとそんな無理なことを言っているのじゃないのですよ。補正予算編成時において見込んだものと、二月末現在の時点の状況からしてどう見込めるか見込めないか、全然わかりませんというならわかりませんでもいいですけれども。なるほど、そんな程度の対応なのかと理解すればいいのですから。 それだったら、補正予算編成時に何を材料にしてそう見込んだのか、改めて聞きたいと思うのです。もう少し、聞いていることをとんちんかんにしないで答えてください。補正予算編成のときの見込みというのは、別に二月末現在で見込んでいるわけじゃないでしょう。それを何で二月末現在の数字と比べて、どうのこうのという返事が出てくるのですか。
○矢澤政府委員 質問の趣旨を多少取り違えて失礼をいたしたかもわかりませんが、補正予算で見込んでおります補正後の税収の伸びでございますが、これは先ほど申し上げましたように一四・四%でございまして、昨年の暮れの時点におきまするそれまでの課税状況、税収の実績の状況とか、あるいはそれから先の経済の見通し等を加味して、一四・四%という伸びを見込んだものでございます。 少し先走ってしまったかもわかりませんけれども、二月末税収を申し上げましたのは、昨年の暮れ時点におきまして、前年に対しまして一四・四%という税収を見込んでいたわけでございますが、果たしてそれが予算で見込んだとおり入ってくるかどうかという見通しについてのお尋ねがあったと思いまして、二月末税収のことを申し上げたわけでございます。その数字は、先ほども申し上げましたように一二・五%の伸びでございますから、補正予算で見込みました前年に対する伸び率に達していないという状況でございます。 最後の、年度全体としてどうなるかということでございますが、これは先ほど来お答えしておりますように個人の確定申告の数字、これはかなり大きな数字になりますものですから、計数が実際に締まってみないとどういう姿になるかわからないということで、計数が締まるのは間もなく締まるのではないかと思っておりますが、そういうことでいま具体的なことを申し上げることができないと申し上げたわけでございます。 同様に、法人の三月期の決算につきましても、これもただいま各社で決算を締めておるところでございますので、もう少しお待ちいただきたいということでお許しをいただきたいと思います。
○田島委員 何回聞いても同じことになりますが、私は別に確定した数字を聞かせろと言ってないので、確定しっこないのだから、見込み見込みとさっきから言っているでしょう。見込みということは一種の予想ですよ。だから、最近の実情からして確実なことは申せませんけれども、こうこうこういうふうになるんじゃないかと思いますぐらいのことは言えていいはずだと思うのですけれども、言えないとすればその点はもう聞きません。 そこで、時間がないですから本論の、地方財政が大変巨額の財源不足で苦しんでいる、これに対する抜本的な対策とすれば、だれが考えても地方税源を充実させる、それから交付税の税率を上げる、対象税目をもっと広げて考えてみる、こんなことが抜本的な改善策になるのですけれども、このいずれもが現実にはむずかしい。むずかしい原因がどこにあるか、それは国の財政がまことに苦しいからということになると、大蔵大臣の肩にかかる責任もなかなか大きいと思うのです。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕 そこで、大蔵大臣の手腕にまつところ大きいのですが、だからといって、期待する手腕というのは税金を取りまくる手腕であってはならぬわけだし、そういうことは希望しないのですが、国民の税負担と大蔵省のプライド、誇りというのか、税金取って取って取りまくって、これだけたくさん取れましたぞと言うことが大蔵省の誇りになるのか、税金は余りそんなに取らないで、できるだけ税金は取らないように努力をして、しかもなお行政効率をちゃんと守っていくような予算をうまく組んでいくのが大蔵省の誇りなのか、そこのところを大蔵大臣ちょっと聞かせてみてください。
○渡辺国務大臣 税金は、取りたくて取っているわけじゃございません。これは、必要な歳出を賄うために国民に御負担をいただいておるわけでございますから、問題は歳出の中身とのバランスだろう、こう思います。したがって、やはり歳出の中身については多いばかりがいいわけじゃなくて、なるべく国民から見てこんなのはなくたっていいじゃないか、こんなのはもうやめたがいいじゃないかというようなものがあれば、そういうものはやはり責任を持ってまず少なくして、税金の方はそれによって少なくするのが本当は一番いいに決まっております。
○田島委員 まことに歓迎すべき御答弁であります。 そこでもう一つだけ、これは半分要望も含めてですけれども、いまの大蔵大臣のお答えいただいたような考え方ですべていけばいいのですけれども、私どものところへいろいろの陳情やら相談がある、その過程の中で現実に第一線の税務行政と接触するわけですが、本当は第一線の税務署の職員というのは、自分の職責を果たすために一生懸命調査なり課税なりそして徴収をやる、納税者は、大変ですね、御苦労さんですねと言って、これに協力する。これが一番理想的な望ましい形なんですけれども、最近はそういう望ましい形は余り見られない。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕 そうじゃなくて、望ましくない形の方がどんどん強くなっているような感じがするのです。 端的に言うと、税務署の調べ方が、頭から、おまえさん脱税しているんじゃないかと言わぬばかりのような調べ方をする。したがって、調べられる方の納税者は、まじめに一生懸命納めておるのにまことに不愉快というようなことで、税務署に対する御苦労さんという協力の姿勢じゃなくて、むしろ大変な反感を持つ、ときには恨みを感ずる、こういう傾向が非常に強くなっている。これは第一線の税務職員ばかり責められるので、まさか大蔵大臣閣下みずから号令したわけじゃないでしょうけれども、上の方の指図もあるのだろうと思うのです。余り税金漏らすな、できるだけ一生懸命取りまくれ、まあ取りまくれとは言わないでしょうけれども、取り残すなと、こう言うのでしょうが、そこらのところの御指導、大臣よろしくお願いしたいと思うのですけれども、大体そういう私のいま申し上げたようなことについて御理解いただけますでしょうか。
○渡辺国務大臣 それは全く大事なことでございまして、私は就任早々、国税庁の全職員を集めましてそういうことを言っております。物も言いようで角が立つから、ともかく法律に照らして徹底的に取るなんて言うんじゃないよ、それはともかくあなたの主張は法律に照らしてできるだけ認めてやる。内容は同じことでございます。(笑声)
○田島委員 納税者も余裕があれば、何もそんなにかちかち調べられなくたって、納めるべきものは納める。だけれども、こういうふうに冷え切った景気の中で、さなきだに苦労している中小企業や零細企業あるいは自由業の人たちなんかにしてみれば、別に脱税しようと思っているわけじゃないけれども、税金は少ない方がいいなと思っているのは事実だと思う。それから一方のたとえば役所側、公務員だって、では頭からしっぽまできれいかというとそうでもない。やはり多少おかしな手当でももらえればいいなと思っている者もいるわけです。だから、そこらのところはやはり民間に寛大に、むしろ公務員に厳しくということであってもいいと思うくらいなので、大臣のお答えだと、結局のところはやはり一生懸命取れということだというように聞こえますけれども、脱税をさせろということじゃなくて、いわゆる納税者が協力する気持ちになるような、物は言いようですから、そういうような指導を特にお願いをしたいと思いますけれども、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 私は田島委員と全く同じ考えなんですよ、先ほど言ったとおり。したがって、それはもう重箱のすみをようじでつつき回すようなことはいかがなものであるか。帳面というのは、つければつけるほど必ずどこかにぼろが出るのです。ですから問題は、税法から言えば、たとえ千円でも五百円でもそれは違法は違法なんですよ。だけれども、問題は、そういうふうな何万とか何十万とかなれば話は別だが、もう千円とか二千円とかいうふうなものまで更正決定したり修正申告しろと言ったりするようなことは、これは反感持たれるだけでありますから、そんなところで争っているよりも、それはそれで認めて、この次は間違わないようにつけなさいということで、大きな問題があった場合はそれは厳重にやりなさい、そういうことでやることが必要だと思っております。
○田島委員 終わります。ありがとうございました。
○左藤委員長 細谷治嘉君。
○細谷委員 先ほど、地方交付税の性格について質問をいたしましたが、改めて大蔵大臣の見解を求めます。
○渡辺国務大臣 先ほど、福田大蔵大臣の言ったのと渡辺大蔵大臣の言うのと違うじゃないかというお話がございました。私は、別に違ったことを言っておらないわけでございまして、福田さんが四十四年四月十七日に衆議院の地方行政委員会において発言をされました。私も同じことでございます。それは地方交付税というのは当然率も決まっておりますし、それからひもつきの金でなく自由に使えることも事実でございます。したがってそういう意味では、私は福田さんの言ったことと全く同じでございます。
○細谷委員 変なものがつくとまたいかぬな。同じ考えだと言うのですから、ちょっと大臣抵抗があるかもしれませんが、いま後段の方でいろいろなものをつけますとまたいろいろなことが出てきますから、すっきりしないのですよ。ですから、大蔵大臣というのは継続性があるわけですから、四十四年四月十七日に衆議院の地方行政委員会できちんと言った大蔵大臣の言葉、それをひとつそのまま確認していただかなければならぬ、こう思います。
○渡辺国務大臣 私は、そういう意味で申し上げているのです。
○左藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時四十三分散会