地方行政委員会 第10号
- 発言数
- 217 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/04/14
会議録
○左藤委員長 これより会議を開きます。 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐広三君。
○五十嵐委員 最初に、最近の交通事故の発生件数などはどういうことになっているかお伺いをしたいと思いますが、お見えになっておりますか。——お願いいたします。
○池田政府委員 最近の交通事故の状況でございますが、昨年中の交通事故につきましては、発生件数が四十七万六千六百七十七件でございまして、対前年比では一・一%の増。死者数は八千七百六十人でございまして、対前年比では三・五%の増。負傷者数は五十九万八千七百十九人でございまして、〇・四%の増。こういうことになっております。 件数と負傷者数につきましては、昭和五十三年から少しずつ横ばいないし上昇傾向にございましたけれども、死者数は、五十四年までは四十五年をピークにいたしまして順調に減少していたわけでございますが、昨年は残念ながら増加の傾向になってきておるわけでございます。 なお、ことしに入りましてからは、昨日現在の死者数で見ますと二千四十四人でございまして、昨年に比べますと五・九%の減、こういう状況になっております。
○五十嵐委員 去年、つまり昭和五十五年における交通事故の多発県といいますか、悪い方から、まあ五つくらいでいいですが、お知らせいただきたいと思うのです。 それと御一緒に、ワーストツーだとかファイブだとか、こういう出し方というのは、根拠といいますか、どういうことで順位を決めているか、そのこともちょっとついでにお知らせいただきたいと思います。
○池田政府委員 死者数の絶対数と申しますか、そういう比較で県別で申し上げますと、昨年は、絶対数の一番多いのが北海道でございまして、五百十二人が亡くなられております。二番目が愛知で四百五十人、三番目が千葉県で四百三十二人、四番目が兵庫県で四百二十四人、五番目が大阪で三百六十四人の死者ということになっております。 私ども、いわゆるワーストといいますか、そういう言い方はしていないつもりでございますが、絶対数で申し上げますとそういうことでございますが、あと、統計を出します際には、たとえば人口十万人当たりの死者の数を出しております。 御参考までに申し上げますと、それの人口十万人当たりの死者数の一番多いのは山梨でございまして十五・五人、二番目が滋賀で十二・五人、三番目が徳島で十二・五人、四番目が茨城で十二・四人、五番目が栃木で十一・八人、こういったような数字になりますし、同時にまた、車両の保有台数一万台当たりの死者数もお示しておりますけれども、その数字で申し上げますと、一番目に位しますのが山梨県で三・七人、二番目が滋賀で三・四人、三番目が茨城で三・二人、四番目が千葉で三・二人、五番目が徳島で三・二人、こういったような数字になっております。
○五十嵐委員 いまのことでちょっとお願いしておきたいと思いますのは、私は北海道なんですが、どうも北海道がいまもお話しのように一番死者が多い。申しわけないことだと思うのですが、しかし何といったって北海道はでかくて、通常の県の面積の十倍、十県分もあるのですね。道路も長いわけですし、車両も多いし、人口も多い。ただ死者の数だけ並べて、北海道はどうも交通事故日本一だと毎年言われましても、道民といたしましては、本当に情けないというか納得がいかぬのです。寒いところで、交通警察官にしてもあるいは交通協力員の皆さんにしましても、大変な苦労をしてがんばっているのです。がんばっているのだけれども、またことしも日本一かというようなことでは励みにもなりません。 だからこれは、おたくの方というよりは報道機関にもお願いしなければならぬことなのだろうけれども、やはりああいう絶対数という言い方も一つにはいいけれども、あわせて交通事故率というか、それは道路延長に対してか車両数に対してか、何がいいのかということはあろうと思いますが、何かそういうことで発表するようにしていただいて、がんばったから去年よりは幾らかよくなったなということを多少はみんなが理解できるように、ひとつPRをしてほしい、発表の仕方について御注文をしたいなという気がいたします。 交通指導といいますか取り締まりの交通関係の警察官は、ここ三年ぐらいはふえているのですか減っているのですか、どんな状況ですか。
○池田政府委員 交通事故に対処いたします交通警察官につきましては、昭和四十七年からほとんど毎年増員を見ておりまして、四十七年から累積いたしますと約一万一千人ほどの増加になっておりますが、ここ三年で申し上げますと、五十四年度につきましては百四十五人、五十五年度につきましては二百三十七人、五十六年度につきましては三百四十二人の増員の措置をとっていただいております。
○五十嵐委員 後ほど触れますが、こういう増員というのもみんな区分としては、地方の公務員ということで区分されていることになるわけでありますが、いまお話を聞きますと、交通事故もふえている、あるいは交通の取り締まりの警官もこういうぐあいに四十七年からは約一万一千人もふえているということであります。 一方で、最近三カ年間の交通反則金の収入状況はどうかということになりますと、これは後でお知らせいただきたいと思うのですが、ぼくがいただいたのでは、ここ三年ぐらいで一五%ぐらい減収になっているようですね。いや、それは反則金がふえた方がいいというのではないのであります。われわれも免許証を持っている方でありますから、あのネズミ取りには庶民感情といたしましてかなり頭にくることもあるぐらいで、ぼくはあればかりが交通安全の指導だとは思いませんから、何も反則金がふえた方がいいということではありませんが、どうなんですか。つまり、警察官もふえていますし、交通事故そのものもふえている状況ですし、あるいは自動車の台数もふえていると思いますね。しかし、反則金は減ってきている。ということは、交通安全に対する一つの指導のウエートが少し変わってきているのかというふうに思うのでありますが、その辺の方針はどうですか。
○池田政府委員 ただいま御指摘のとおり、交通反則金の額につきましては、五十二年度は六百二十三億、五十三年度は五百五十九億、五十四年度は五百三十三億というふうになっておりまして、五十五年度はまだ集計ができておりませんが、五十四年度とほぼ同額に近い数字じゃなかろうかというふうに推測はいたしております。 取り締まりにつきましては、何と申しましてもやはり交通事故の抑止ということを第一にいたしまして、そのためには交通の秩序を正すということでございますので、悪質な者につきましてはできるだけ厳しく、なお、行為につきまして、運転者の危険性と申しますか、そういうものを発見するためにも検挙するわけでございますので、検挙につきましてはいたずらに数字だけにこだわることなく、実効のある取り締まりをやるということで指導いたしておりますので、ここ数年間は年間の取り締まり件数にいたしましても、ほぼ一千百万件前後にとどまっておるものというふうに判断いたしております。したがいまして、件数が減った分だけ取り締まりが緩いということではなくて、できるだけ実効のある取り締まりを心がけておる、指導、警告その他もあわせてやっておるということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○五十嵐委員 そうすると、増員のいままでの傾向はまあまあこんなところで頭打ちしてもいいかという感じもするのですが、そう理解していいでしょうか。 それから、お話のように反則金がよけいになればいいというものではありませんし、そのことについてはぼくは全く異存がありません。ありませんけれども、地方自治体からいうと、御承知のようにこれは交通安全対策特別交付金ということで出るわけですね。これを財源にしながら交通安全施設を整備してきているわけであります。ところがお話のように、ここ三年ぐらいこれが減額になっている。しかし、交通安全施設の投資の需要そのものは、ぼくはやはり減退していいなどというものではないと思うのです。少なくとも前年のレベルあるいはそれ以上にやっていかなければいけないと、各自治体とも思っておると思うのであります。 そうなると、そこのところで、入る方は少なくなってきておるわけですし、——局長さん、約一五%ぐらい落ち込んでいますね。しかし、その需要は変わらないということになるものですから、各自治体ではこの面の金がだんだんよけいに要ることになってきているということをひとつ御理解いただきたい、こん血ふうに思います。お答えはいいと思います。どうか御理解をいただきたいと思います。 それから、ついでにちょっと気にかかったことで、いろいろなことですが、お願いを申し上げておきたいと思うのです。地方を車で走りますと、道路際にお巡りの人形があちこちに並んでいるわけです。それから、パトカーの廃車みたいなものの上のくるくる回るものだけ電気をつけて置いてある。それから、ポリスボックスみたいなのをこのまま置いておいて、それも長い間放置してあるものですから、傷んで色もさめちゃってひどいありさまなんだけれども、それがずっと走っているとあちこちにあるわけですね。いかにも日本的特殊風景というか、いわばかかしみたいなのがあるわけですね。これはどうですか。それは美観上も問題がありますし、ああいうことでこけおどすというようなことは、もうぼくはいまの時代適当なことじゃないんじゃないかと思うのですが、一遍きれいにとっちゃって、あれは警察というよりは交通安全協会かなんかがやっていることだと思いますけれども、御指導の方向を少し変えた方がいいのではないかと思うのですが、いかがですか。
○池田政府委員 御指摘のような警察官の人形でございますとか、あるいはパトカー類似のものに赤灯をつけているといったようなものがあるのはまだ事実でございます。ただ、現場と申しますか現場を預かっております警察官、あるいは地域の住民のそういった方の本当に切なる願いと申しますか、そういうものでつくられているものが大部分であろうかと思います。長い道でございますので、夜中に車に飛び込まれる、あるいはカーブ地点でカーブの標示はあるのだけれども、どうしても気づかずに事故が起きる、こういったようなところから本当に善意と申しますか、熱意でつくられているものがあろうかと思います。また、そのことによりまして、ある程度運転者の方にも注意を喚起しておるというのも事実であろうかと思います。 したがいまして、行政としてこれをつくるとかあるいは指導するとか、こういうことで私ども奨励するつもりはございませんけれども、いままで既存のものにつきましては、住民の方の御意思も尊重しながら、しかしまた世の中どんどん移り変わってまいりますし、ドライバーの方の意識なりあるいは住民の方の意識も移り変わると思いますので、そういう情勢等もにらみ合わせながら、できる限り御趣旨の線に沿って指導してまいりたいというふうに考えます。
○五十嵐委員 人形ばかり見ていますと、本物の警官が立っているときにまた人形じゃないかというようなもので、もう整理していいんじゃないか。つまり、ドライバーの意識も、お話のようにずいぶん変わっているわけですから。 さて、僻地医療の問題でちょっとお伺いをしたいと思うのです。 これは北海道の話なんでありますが、北海道の北側に宗谷管内というのがある。あるいは根室管内なんかでも同じなんでありますが、あそこら辺の医療の過疎状況というものは大変なものがあるわけであります。非常に深刻だ。したがって、そういう中では、市町村がみずから病院を持って大変な赤字に悩みながら経営をしていることは御存じのとおりであります。 これは、その中の宗谷管内のある町、人口約四千ぐらいのところでありますが、一般会計の予算規模が大体十六、七億ぐらいのものであります。町税が五十四年度一億四千四百万、五十五年度で一億五千五百万、こうなっているのでありますが、ここで町は町立の国保病院を持っているわけであります。内科が一人、外科が一人、ベッド数五十七という規模でありますが、五十三年末で累積赤字が約二億七千万、五十四年に一般会計からの繰り入れが一億二千三百万円、これはこの町の町税の総収入に対して八五%、町税全体の八五%を病院に繰り入れているのであります。翌五十五年度は幾らかよくなって八千九百万円繰り入れて、これは町税総収入に対して五七%ということになっている。これは五十二年から健全化の指定を受けておりまして、この指定による特別交付税が五十四年が二千三百六十万、五十五年が二千四百五十万ということになっているわけでありますから、これは不足額から見ると、ごく一部を満たしていたにすぎぬということになるわけであります。道からは、不採算地区として年に四百五十万円いただいているようであります。 こういう経営の状況になっているわけですが、中身を見てみると医師が不足なために、たとえば病院長は月収百二十五万ですよ。年に手当が五・二カ月分別についているわけです。副院長は月収百十五万。これは何だか国会図書館長の給料と同じだそうですな、けさ新聞を見ると同じ額だと思いましたけれども。大体地方に行きますと町長さんの二倍ないし三倍、まあ三倍ぐらいでしょうね、そのぐらい出さなければ医師は来ないのであります。それでも医師が来たらいい方というのが実態なんです。 宗谷管内に八つの自治体病院がありますが、これはぼくが調べたのは三年ぐらい前のことでありますから、ちょっとデータは古いかもしれませんが、この八つの自治体病院で平均して町税収入全体の七九・四%をつぎ込んでいるんですね。最高のところは一四一%ですよ。町税収入総体の一・四倍ですよ。それでも町長さんは、第一の使命は医者を連れてくることです。こういう実態について厚生省及び自治省は、もう古くて新しい問題ではありますが、どうお思いになっておられるか、改めてこれらに対する考え方をお聞きしたいと思います。
○小沢説明員 僻地医療におきまして、まあ僻地といいましょうか多くの地域におきまして、病院の事業運営にとりまして医師の確保が非常に困難であるということは、私ども十分承知しております。特に、僻地医療の確保に当たりまして、この医師の確保というのが一番重要な課題であるというふうに認識しておるわけでございます。 私どもといたしましては、いわゆる僻地医療対策という医療施策の中で一つは僻地中核病院を——各地域の病院にお医者さんが来ていただければ一番よろしいわけでございますけれども、そういうことも大変むずかしいという事情がございますので、ある広域市町村圏なら広域市町村圏単位で中核的な病院を定めまして、そこである程度お医者さんをプールいたしまして、そこから医師の派遣をしていただくというような形での施策を進めておりまして、中核病院によります医師の派遣事業というのが一つの施策でございます。それからもう一つは、社団法人の全国自治体病院協議会が医師のあっせん事業というのを五十五年度から行うようになっておりますが、これにつきましては、私どもとしても積極的な助成をしてきているというのが実態でございます。 北海道は非常に広大な地域でございますし、その中で無医地区も多いわけでございますけれども、道当局の方でも積極的に僻地中核病院の指定というものについての計画を立てておりますので、北海道におきまして、地域医療計画の中でそういう計画が定められましたら、私どもの方でも積極的な助成を行っていきたい、このように考えておるわけでございます。
○金子政府委員 特に北海道、青森などの地域において著しいことでございますけれども、医師の地域的な偏在によりまして、地方公共団体の経営している病院の維持運営というものが非常に困難な状況に立ち至っているということは、御指摘のとおりでございます。 各団体それぞれに努力をしてやっておるところでございますけれども、私どもといたしましても、ただいま厚生省の方から話がありましたほか、地方財政計画におきまして僻地不採算地区の医療に関する一般会計からの繰り出し措置、それからこれにつきまして、さらに交付税上の措置を講ずるというようなことで、必ずしも個々の市町村にとっては十分な額とは言いかねるものがあるかもしれませんけれども、できる限りの措置を講じておるところでございます。 全体といたしまして、現在医師の充足も徐々に充実されつつある。それから、さらに私ども、自治医科大学の設立によりまして僻地に対する医師の充足等にも努力しておるところでございます。こういった措置によりまして、次第にこういった僻地においての医療が充実されることを期待しておる次第でございます。
○五十嵐委員 これは町立病院だけではないのですね。道立病院の状態は一体どうなのか、いま余り時間がありませんから、そう詳しく申し上げられませんが、ここに松前町医療対策協議会というところの昭和五十三年度決算書があります。この協議会というのは何かというと、松前にある道立病院を財政的にも応援しようというので、周りの町村が集まってつくっているのですよ。そして、それぞれ金を出し合っている、交付金を約二千万ほど集めているわけです。 何に使われているか。院長に対して研究助成費として年間三百九十万円、外科医師に二百四十七万円、別に内科医師の応援に四百十五万円、外科医師の応援に二百十三万円、これは給料の上積みになるわけです。このほかに研修費と称して、たとえば同門会の会費だとか医師会費であるとか、あるいは医大の学会協賛金、こういうものが約百万くらい出ておる。そのほか、いわゆる交際費、食料費的なものが、道医師懇談として九十六万円を初めとしてさまざまに出ている。医師の福利厚生費の内訳なんというものは、もう読み上げると本当にびっくりするような内容なのです。これは言うまでもなく非常な問題なわけです。 そのことも問題だけれども、同時に私は指摘したいのは、さっきから言うように医者がいない。医者が地方に来たがらない。理屈も何もなしに、とにかく金を出してそこに置いておかなければいかぬ。こういう地方の実情というものを、ぼくは深く理解してほしい。こんなものをいいとは、だれだって思ってないと思う。思ってなくたって、やらなければだめなんです。各方面の御協力をいただいて、たとえば旭川に国立医科大学を誘致することはできました。みんな非常に感謝しています。それはやはり、そのことによって北海道に少しでも医師が定着していくようにと思うからです。しかし、医師がこのごろのようにふえてはきているが、それが都市に偏在をして地方にはちっとも来ないということでは、いつまでたってもどうもならないですよ。何とかならないですか。何か方法を考えなくていいですか。御意見、ないですか。
○小沢説明員 病院の運営の実情あるいは北海道を初めとして多くの地域の実情に関して、先生の御指摘のとおりの実情があると私ども考えております。直接のお答えにならないわけでございますけれども、確かに養成力の拡充ということで医師の数が今後ふえていく。昭和六十年度を待たずして、一応私どもの目標としております人口十万対百五十というラインは確保できることになっておるわけでございますが、それが地域的にどのような形で分布するかというのは非常に問題でございます。いわゆる強制的な形で地域的な偏在を何とかするということは非常にむずかしい問題でございますので、やはり先ほど申し上げましたような速効性はございませんけれども、順次そういう方向に向かっていくような形で、これまでの施策を何とか充実して、長い目でそういった方向に誘導していくように努力をしていきたい、このように考えております。
○五十嵐委員 何年たったって、同じような答弁をしていてもだめですよ。その間にとうとい命が、北海道の僻地でも東北でも消えているわけですね。どうしようもないですよ。これは何か、いつも同じような返事ではなくて、本当に考えてくださいよ。自治医大なんというシステムも何年か前からできてきたが、何かみんなで工夫をしようじゃないですか。 結局、地域では定住圏構想なんて言うけれども、教育と医療と交通、この三つの基本的な条件が整わなければ、それは定着できるわけがないですよ。医療はこうだし、交通の問題では、この間来問題になっているように国鉄の特定地方交通線をどんどんはいでいっちゃう。いま言った地域なんかでも対象地域ですよ。どうやって生きていったらいいかということですね。 いまちょうど、美幸線というところがありまして、よく名前が出るのですが、あの美幸線の沿線の町長さんなんかも、きのうかおとといから上京して運動しているようですね。さあ、その収支係数や何からいったらなかなか無理だと思うが、しかし何といったって、なくすことができぬという悲痛な気持ちで来ているわけですね。第三セクターなんというものは無理だと思いますよ。無理だと思うけれども、そんな言葉さえぽつぽつ出なければいかぬような悲痛な気持ちになっているわけだ。 去年の十月十七日にこの委員会で、私は当時の石破国務大臣に特定地方交通線の問題で御質問いたしました。第三セクターの話などがあるが、これを含めて、そんなことをやると地方自治体が財政的に大変なことになるわけだし、一体どうしたらいいだろうかというような質問なのでありますが、石破国務大臣はこう答えています。「地域住民の足を確保してやるということは、最終的には地方自治体が責任を負わざるを得ません。それだけに自治省が責任を負わなければならぬ問題と考えております。」これは議事録の大臣の答弁です。この考えは変わりませんか。
○大嶋政府委員 御指摘のとおりの答弁でございますが、鉄道として経営をする、それで大きな赤字が出てどうにもならない、やめざるを得ないということであれば、第一義的には国鉄のバスを運行するなり何なりして、運輸省なり国鉄が地域住民の足を確保するということが必要であろうと思います。そういう方面に向けて努力をすると言われたことでございまして、必ずしも自治省が金を負担するということではないと思います。 また、第三セクターについて経費の負担をするということについては、きわめて慎重でなければならないということで自治省、運輸省の統一見解も出ておることでございますので、交付税上措置をするあるいは財政計画上措置をするという方法はないわけでございまして、その辺のところを御了解いただきたいと思います。
○五十嵐委員 そういうお答えなのでしょうけれども、御存じのようにぼくはこれを二回聞き直しておるのですよ。やはり同じようなお答えをいただいたのです。それは、なかなか自治省でそう簡単に金を出すということにはならぬと思いますけれども、しかし、いま言うような地方の状況というものをよく踏まえて考えてほしい。医療にしても交通にしても、地方虐待の時代じゃないですか。どうやって定住していけますか。 しかも、そういうところの運賃だけ上げていくわけでしょう、線路が残っても。線路を外したらバスにすると言う。バスになれば、運賃が何倍にもなることは目に見えている。これは通学定期ですと、たちどころに五倍になるのですよ。どうして地域だけがそういう負担を受けなければいかぬのですか。ぼくは納得がいかないですよ。 運輸省の方、お見えになっておられますか。——仮にバスになったとする。民営バスに移管をした。しかし、七年も八年も——民営バスだって赤字が出るに決まっている。ここ当分は国鉄側から金が来るから、それはほいほいでやっていけるでしょう。しかし、それは何年かで切れる。それから先は赤字だ、やれるわけがない、手を上げる。手を上げたときにどうなるのですか。どこが責任を持ってこれを持続して経営しますか。それをはっきりしてください。どうです。
○土坂説明員 輸送量が減ってまいりまして、国鉄の地方交通線が鉄道としての特性を発揮できなくなっている、こういう状態においては、輸送機関としては鉄道よりもバスの方が合理的であるということで、鉄道からバスに転換するわけでございます。 その場合に、地域の実情に合うようなバスの輸送が確保できるように、地元の協議会で十分相談をして必要なバス輸送というものを確保する。その際、先生がおっしゃいましたような通学定期が上がるという点については、転換交付金で通学定期の上がり分についての補てんをするというかっこうで円滑に地域のバスが確保できるようにやっていきたいということで、要するに、ただ鉄道がなくなって、それでなくなるということではなくて、地域の実情に合うバスが確保できるという方向へ持っていきたいということでございます。
○五十嵐委員 もういままで論議がし尽くされているから、ぼくはいま改めて蒸し返してそのことをどうこう言おうと思わぬが、聞いているのはその先の話だ。国鉄から金が出るのは何年問かでしょう。ずっと永久に出るのですか。いまあなたの言ったようなことでは、いつまででも出るような話でしょう。ずっともらえると考えていいんですか、そうでないわけでしょう。そうとすれば、その後一体民間バスがずっと赤字なしにやっていけると思いますか、やっていけないでしょう。やっていけなくなったときに、路線を廃止するということにはさせないという保証をあなたしていただけますか、どうですか。
○土坂説明員 現在の過疎バスの補助も同じでございますが、欠損補助というのは未来永劫に続くということでなくて、地域の開発とか合理化努力と相まって、一定期間の間に経営的に自立できるように、その間について補助をするということでやっていくべきものであると思います。
○五十嵐委員 そんなこと言ってもだめですよ。何年間ですか。一定期間なんて言わないで五年と言えばいいじゃないですか。五年で打ち切られるわけでしょう。五年から先はどうにもならなくなるじゃないですか。五年の間に自立する体制をとれ、どういうことですか、あの田舎で。国鉄もどうにもならない赤字を出して、バスといったって経営ができないから五年間は金を補給するわけでしょう。そんなもの、金が切れたらその先やれるわけがないじゃないですか、だれが考えたって。やれるわけがなくなるから路線は縮小するでしょう。足がなくなるじゃないですか、どうするのですか。こんなもの地方で納得できますか。
○寺嶋説明員 ただいま御指摘の点でございますが、確かに転換交付金はただいまのところ一応五年間という期限で考えております。それから先のことは、その五年間の推移を見ながらまた考えていくことになると思いますが、民間バスに対しましても現在、地方バス路線維持費補助という制度がございまして、五十六年度予算におきましてはほぼ九十億を計上しておるわけでございます。いわゆる過疎バス補助と俗称されておりますが、このような制度がございますので、仮に国鉄からの転換交付金が切れたといたしましても、そのような民間バスに対する補助の制度というのは下支えとしてございます。そのような制度があることも踏まえまして、五年から先のことはまた考えていきたい、こう考えております。
○五十嵐委員 こういうことなどもあるから、恐らく自治省も、ことに大臣も運輸との間ではなかなかこれを了解しにくかった、がんばってこられた、あるいは覚書の交換もしたということだろうと思いますが、やはりいま政府の各機関の中で、本当に地域のこういう実態を理解してそれを守っていくという立場に立つとすれば、それは自治省しかないわけだ。大臣、どうですか。
○安孫子国務大臣 長い間市長さんとして、自治行政をはだに感じて御努力いただいた先生でございまするので、おっしゃることは全くそのとおりだと思うのです。私どもも、そういう実感を持ってやってまいりました。しかし、考えてみますと、医療の問題にいたしましてもあるいは交通機関の問題にいたしましても、この辺をやはりしっかりしたものにしないと、地域の振興というものはなかなか可能性が出てこないと思うのです。そこで、自治省といたしましては、できるだけそういう点について努力を重ねまして、そういうことにならないように、なるにいたしましてもその善後措置を講じていかなければならないというような方針を持って、今日に至っておるわけでございます。 具体的な事例を申し上げますれば、たとえば医療の問題が先ほどお話がございましたが、これは政府からも答弁を申し上げましたけれども、だんだんとお医者さんがふえる、そうするとそれが解消するんじゃないかというお答えをしておるわけであります。しかし、実態はそういうものじゃなくて、都市傾向というものは非常に強いのでございまするから、医師がだんだんと余る状態になってまいりましても、必ずしも僻地に行くということにはならない、そういう実態だろうと思います。 そしてまた、よけいなことを申し上げますが、僻地に行くという場合に本人は行く気になりましても、教育その他環境の問題から、家族が余り同意しないという実情だってあるわけでございます。そういう問題にどう対応するかということが、自治省といたしましても、また地域社会といたしましても適切な手を打っていかなければならぬ、こう思っておるわけでございます。 いまの制度の中におきまして、医師を強制的に僻地へというわけにはまいりませんので、恐らく各県においてもやっておると思いますけれども、自治医科大学のほかに学資金を県費あるいは市町費等をもって支弁をいたしまして、強制はできないけれどもある一つの縛りと申しますか、そうしたことでできるだけ僻地に来てもらいたいというような措置をも講じて、苦慮惨たんしておるのが実情だと思います。そういうことで、これは一つの政策ですぱっと片づくというわけにはまいりませんけれども、そういう事態を認識いたしまして逐次対応していくほかなかろうか、こう思っておるわけでございます。 それから、過疎バスの問題にいたしましても、私どもは地域社会から申しますと、赤字路線だからといってそれを切るんだということは適当じゃない、地域社会のことを考えてもらわなければいかぬということで運輸省ともいろいろと相談をいたしまして、しかしながら最後に八百キロぐらいのものがやむを得ぬだろうということで、法律も通っておりまするからそういうことにいたしたわけでございます。これの将来の運営につきまして、五年間だけはある程度保障されておるけれども、五年過ぎたら一体どうなるか、それは過疎バスという制度もありまするけれども、それだけで対応できるかどうか、これから一つの大きな研究問題だと私は思っておるわけでございます。 いずれにいたしましても地域社会、これが都市だけでなくて僻地におきましても、活力を持って活動し得るような客観的条件を整えるということについては、自治省といたしまして今後一層の努力をいたしたいと考えておるわけでございます。
○五十嵐委員 いまの件に関して、もう一つだけちょっとお答えを聞いておきたいと思います。 さっきもちょっと触れましたように、地域にある道立病院に町村が金を出すというような実態がある。そのこともそうであるが、同時に道立病院の各地域にあるものを廃止する傾向にいまあるわけです。ことし三月には、道立増毛病院を廃止するという決定を道はいたしました。いま松前と寿都あたりが当面問題になっている。これは皆、地元の町に肩がわりになるわけですね。道がなかなかやっていけないようなものを今度は町に渡していくわけですから、町たるやなかなかまた大変だ。いま経営しているところもさっきのような状況、しかもそれを廃止して町に今度は移管していく。本年三月に決まったのは移管という形じゃないのです。増毛の道立病院は廃止する。同時に、ことしから町立増毛診療所というものをスタートするのです。このスタートするものも、施設費三億幾らですかは全部道費で出すというのですから、形は分かれているが実質的には移管と同じことですよ。これは逆じゃないでしょうかね、どう思いますか。
○金子政府委員 北海道におきまして幾つかの道立病院を市町村に移管するということにつきまして、詳しい実態につきましては承知しておりません。ただ、道におきましてはそのほかの道の各種機関につきましても、町村との関係におきまして道と市町村との間の事務配分と申しますか、仕事の分担関係をどのように整理をしていくかということでここのところいろいろ協議をし、あるいは市町村と諮って整備をしておるようでございます。恐らく道におきましては、相当に広い地域におきましての中核的な病院につきましては道において設置する、それからより狭い町村単位を医療圏とする病院につきましては町村に移管するという方針でやっているのではないかと思いますけれども、その辺につきましては詳細を存じておりませんので、これ以上の言及は控えさせていただきたいと思います。
○五十嵐委員 適切な御指導をひとつお願い申し上げたいと思います。 さて、次に行政改革絡みの御質問を申し上げたいと思います。 私の手元でちょっと調べたのですが、東京にある各自治体の出先東京事務所というのはどのくらいあるかなと思って聞いてみましたら、四十二道府県、それから、この時点はちょっと古いからもっとふえているのかもしれませんが、三十四市。職員は両方合わせて千人以上いるようですね。私なんかもいつも感ずるのですけれども、ことに十二月に、予算の時期に雲霞のごとく全国から集まってくる。霞が関周辺というのは本当に異様なものですね。私なんかも、市長のときには一生懸命来たものです。すごいものです。とにかくあのころになると飛行機の切符がなかなか買えないですから。ことに帰りの切符なんというのは、よほどさきに手当てしなくちゃ帰れないですよ。ホテルは全部もうびっちりだ。大変なものです。 一体一年間に、各地方自治体から陳情やあるいはいろいろの補助金にかかわる連絡だとか打ち合わせなんかにどのくらいの人数が来て、幾らくらい金がかかっているのか。あれはもう自治体だけでないわけですね、いろいろな団体があるわけですから。これはどこも調べたところはないし、調べようがなかなかないわけでしょうから、聞いてもこれは返事の受けようがありませんが、ぼくはこの間夜中に床の中で、とにかく三千三百くらいあるわけだからこれでこうなって、団体といったら農協だとか土地改良区だとか何だとかかんだとかこのくらいあってこうなんというようなことを、自分で感じで計算してみたら、やはり経費は何千億という単位です。自治体だけでないですよ、いろいろな団体含めて。何千億というのはちょっとオーバーかもしれぬけれども、一千億超えるね。 そこで首をひねっているけれども、しかし、首をひねっている方もそうでないとは言えぬわけで、これは一遍どこかで試算してみたらいいとぼくは思いますね。一体どのくらいの、補助金にかかわるというか、こういう仕組みにかかわる経費というものがかかっているか。莫大なものがあろうと思うのです。 そして、あの予算のときに、私は今度国会議員になったからなおさらよくわかるのだけれども、補助金が決まる予算の時期ですね、一遍は切られる、復活してくる。その復活でみんな待機していて歓声を上げるわけでありますが、国会議員はいわばそれの、補助金獲得レースの選手のようなものですね。いつもは大きなことを言ってお役所の皆さんをどなったりしていばっているのだけれども、このときばかりは全然逆でございまして、みんなもう役所を右往左往して、頭を下げて歩くというのが実態だと思うのです。 要領のいい人なんか、なるほどなと思って感心したのだけれども、電報を何百通も初めに書いてあるのですね、何々ついた、自分の名前の入ったものを。それで、これが決まったというと、決まった分が何十通かばっとすぐ送られる。今度はこっちの方が決まったというと、関係の団体なんかのところにばっと電報が行く。これがまた集票につながるわけです。役所の方はよくそれを心得ておりますから、お知らせする議員の順序はちゃんと頭の中にあって、この先生は一番先で、この先生は五分間くらい置いてから、この先生は後だというようなことで、それで、そういうところに一つの政権維持の体制のメカニズムのようなものが、補助金を中心にしてある。 ぼくはいまざっとこう言ったのですが、正直なところ大臣、いま言ったことで違うところありますか。
○安孫子国務大臣 余りないようですね。
○五十嵐委員 まあこれが、地方の時代とこう言うけれども、一皮むくと地方の時代というものの素顔は、ぼくはそういうようなものでないかと思うのですね。これは健康な政治や行政の姿とは言えないのではないでしょうか。やはりこういう非常に異常な、だれしも感じている状況の根底にあるのは、全予算の三分の一も補助金だという、このどこの国にもないわが国の特異体質、補助金行政という面にあるのであって、いま行政改革で当面最大の課題として補助金をとらえるということは、ぼくはこういう意味ではやはり的を射たものとも言えるのではないかというふうに思うのです。 お伺いしますと、政府はすでに大蔵省に対して、今月中に補助金削減の基本構想をまとめることを指示したということだそうであります。大蔵省では、月内にそのたたき台をつくると言っています。五月上旬の総理の訪米前までにこれを出して、内閣と自民党で協議をするということになるわけでしょう。七月下旬の第二臨調の中間答申を経て、八月にもいわゆる行革臨時国会が開かれるというスケジュールになるというのでありますから、まことにあわただしい日程と言えるわけであります。 しかし、事はきわめて重大だと思うのであります。なぜならば、地方行財政制度改革というのは、真の分権と自治というものを念願とするすべての地方政治、行政関係者の、それは実に長い間の、常に念頭から離れることのなかった最大の課題なわけだからであります。私は、少なくとも地方、国にかかわる補助金等の制度改革に関しては、この際やはり真っ向から受けて立つ、この機会に年来の懸案を解決していくんだ、こういう課題の突きつけ方をしていかなくちゃならぬのではないかと感ずるのです。単に、補助金を一律削減するというような安易な方途ではなくて、真の分権と自治というものを基本としながら、地方団体とともに私どもの主張を貫く決意がこの場合必要でないかと思うのです。 すでに、昨年七月の全国市長会の「国庫補助負担金の整理合理化に関する具体的改善方策」の提言や、一昨年十一月の、国庫補助負担制度の合理化を中心にした「地方行財政に関する今後の措置についての報告」というようなものがそれぞれ行われている。また、昨年末の第十七次あるいは第十八次の地方制度調査会の答申におきましても、強くこれらのことは提言を見ているところであります。問題点は、こうして余りにも明らかであり、しかも、その問題点の理解という点において関係者の見解というのはほとんど一致している、その改善を求める姿勢において合意がほぼ成り立っていると言っていいのではないかとぼくは思うのです。 第十七次地方制度調査会の答申は、国庫補助金等の整理合理化について次の項目を挙げています。一、国庫補助金等の整理、二、国庫補助金等の交付方式等の合理化、三、国庫補助負担基準の改善、四、直轄事業負担金の改善、五、国庫補助金等に係る事務手続の簡素合理化、六、国庫補助金等の整理合理化に対する地方公共団体の姿勢。これらの内容については改めて言うまでもなく、御承知のとおりであります。 知事会の報告は、国庫補助負担制度について当面早急に改善すべき事項として、第一に、人件費補助、零細補助、同化、定型化した事業に対する補助の一般財源化への促進、二番目には、補助負担制度の改善方策として、統合・メニュー化あるいは総合化、事務費補助、負担方式の合理化、補助負担率の整合性の確保、そして、都道府県の補助を条件とする国庫補助の改善をそれぞれ提言しているわけであります。 あるいは全国市長会は、その具体的改善方策として、第一に、人件費関係、法施行事務費関係、零細補助金、地方に同化定着した事業、道路目的財源などの国庫補助負担金を一般財源とすべきこと、第二には、廃止すべき国庫補助金、第三に、納付金とすべき国庫負担金、第四に、国庫負担金とすべき国庫補助金、第五には、統合・メニュー化の促進、第六に、総合包括的補助金の創設、第七に、補助負担率の整合性の確保、第八に、補助条件の改善、第九に、事務手続の簡素合理化について、それぞれ提言をしているわけであります。 いずれも、ほとんど同趣旨の提言と言えるのであって、私などにしてみても、部分的には不満な点はあるが、この場合、一致できる方針と言っていいのではないかというふうに実は評価できると思うのです。しかも一口に国庫補助金と申しましても、言うまでもなくその大半は地方公共団体に対して支出されているのであって、実に地方における歳入の四分の一はこれに当たるのでありますから、その改善のよしあしというのは、地方自治の盛衰にかかわる決定的な影響を持つものだというふうに私どもは理解をしなければならぬと思う。 いま申し上げたようなことについて、行政局長、財政局長の少しく詳しいかねがねの所信を御披瀝いただきたいと思います。
○土屋政府委員 国、地方それぞれに機能を持って行政をしておるわけでございますが、いずれも車の両輪で相関連し合って行政を進めておるわけでございますから、先ほどから御指摘のございましたように、いろいろな補助金等の制度等もあって今日に至っておるわけでございます。ただ、補助金と申しましても、負担金というものもあれば奨励的な補助もあり、いろいろな形のものがございます。しかし、そういった絡みの中で今日補助金の見直しということが言われておりますことは、やはり現在の補助制度の中に反省すべき問題が多いからだと私どもも認識をしておるわけでございます。そういった意味で、見直しに当たりましては国、地方の間の事務配分の適正を図ると申しますか、地方の自主、自律性を確保するといった見地から、国、地方を通じて補助金等の簡素合理化を図るべきだと考えておるわけでございます。 その際に私どもが考えますことは、こういった行政の減量が言われておるときでございますから、ただ単に金減らしの意味での補助金の削減ということではなくて、やはり行政全体を見直しまして、整理するものは事務ともに廃止をしてしまうということが原則であるべきだというふうに考えておるわけでございます。 と同時にまた、現在ある補助制度の中でも、これも先ほどお示しのあったように、同化、定型化したようなもの等は、これはもう地方が実際にやっておるわけでありますから、わざわざ補助という制度で事務をふやさなくても、一般財源化するという方途が考えられるだろうというふうに思っております。そういったことについては従来から主張しておるわけでございますが、今後ともそういった方向で進むべきであり、それ以外に、本当に役目を果たしたものとかきわめて零細なものとかいったものは、先ほど申しましたように整理の方向で考えるべきだと思っております。 なおかつ、どうしても国の政策目的を達成する意味で必要な補助もあると思います。そういったものについては、おっしゃいましたようにできるだけ統合化、メニュー化という方向で、地方が実態に即して選択できて、地域の実態に合うような使い方ができるような方向へ持っていくべきだと私どもは考えておるわけでございます。そのほか、関係省庁にもお願いし、かつまたその点については年々改善されておるわけでございますが、補助手続等の簡素合理化ということについても引き続きひとつこの機会に見直しをして、御協力をいただきたいと思っておるわけでございます。 そういった方向で進むべきであって、今後、補助金の整理の方向がどういうことになるのか、まだ具体的な方向は示されておるわけではございませんから、それについて私どもの意見を申し上げるわけにはまいらないのでございますけれども、結論的に申しますと、ただ単に金減らしといった意味での一律削減というものは、単に地方と国の負担を入れかえるという結果にもなりかねない。そういうものではないかもしれませんけれども、そこらを十分留意しながら、私どもとしては簡素合理化という方向で補助金の整理が進められることを期待しておる次第でございます。
○砂子田政府委員 ただいま十七次地方制度調査会あるいは知事会、市長会のいろいろな御論議、御提議をお話しくださいましたが、私たちはそれはそれなりに受けとめているつもりであります。本来行政改革というのは、国と地方公共団体の機能分担を適正に行うべきである。しかも、国、地方を通じて行財政の簡素効率化に資しながら地方分権を進めるのが基本でなければいかぬと私は思っております。そういう意味では、第二臨調がそういう中で補助金の整理なり許認可事務の整理統合なりを進めるのであれば、自治省としても積極的に取り組むべきだという考え方を持っております。
○五十嵐委員 十日の閣議で、ついこの間でありますが、総理は、来年度予算は本年度よりも額を増加させない、あるいは削減するための方策に各大臣はひとつ取り組んでほしいというようなことを要請したというふうに伝えられていますが、五十七年度の地方財政については、大臣はいまのところどんなお考えをお持ちですか。
○安孫子国務大臣 来年度の地方財政の問題は、結論を申し上げますと、国の方針と申しますか、国の予算編成あるいは国の財政政策が固まってまいりませんと、地方単独では財政計画は立てにくい面のあることは御理解いただけるだろうと思うのでございます。したがいまして、本年度と同じ程度にするのか、減らすのか、ふやすのかというようなことは、いますぐに結論を出すにはまだ早い、こう考えておるところでございます。
○五十嵐委員 今度は総理が非常に行革に情熱を燃やしておられる。ことに当面、補助金の問題について積極的にお取り組みになる姿勢を示しておられるわけであります。ただ最近の、第二臨調に土光名誉会長を送り込んでいる経団連等の行政改革についての発言、ことについこの間も具体的な削減試算を含めた提言というのがあったのでありますが、これらを見てやはり懸念するところが少なくないのであります。補助金については一括削減を原則として、政策的経費では老人医療の所得制限の強化、教科書の有償化、四十人学級の見送りなどまでやり玉に上げている。これらの削減と地方交付税率の引き下げなどを中心に、二兆八千億を浮かすことができると言っておられるようであります。どうもこれでは改革のウエートの置き方というものが、われわれと大分違うのではないかと思うのであります。 本来行政改革というのは、わが国の社会経済のあり方や国民の暮らし、あるいは意識の変化、また国際環境の変化に即応するように行財政を再編し、活性化させていくことでなくてはならぬと思うのであります。どうしてもやはり行政というのは一つの権力ですから、時とともによどみやさび、あるいは脂肪分が付着してくる。その行財政の癒着やむだや不要の支出を削り落として研ぎ澄ましていく、清潔で筋肉質の行政を再生産するものでなければならぬということはそのとおりだと思うのです。 ことに今日、行財政は国家権力の具体化されたものでありまして、さっきも申し上げたように補助金等を中心にして利権癒着による不公平というようなものが生まれてくる。ことに、どうしても一党支配の長期政権下なのでありますから、そういう政権維持マシンとしてこれらが役割りを持つというようなことは、なかなか避けられない宿命とも言えるのではないかと私は思うのです。だからその病状が重くなったときに、やはりこれを手術するということも必要だというふうに私は思います。 そうして、このような改革を通して生み出した財源で、新たな国民の期待する行財政需要に、国民の一番困っているところに、一番国民の求めているところに、最も国民の多数がそれによって受益できるところにぴしりと対応する、こういう生きた行財政をつくることでなくてはならぬというふうに思うわけです。財界首脳の行政改革に対する考え方は、その意味からはかなり的違いの改革方針と言わなければならぬと私は思う。そうして第二臨調のメンバー、ことにその顧問団については、各界代表といいながらかなり財界色が強いということを考えると、やはりこの懸念を持たざるを得ないのであります。 ことに、地方交付税率の引き下げ提言につきましては、昨年十月にも経済同友会が、硬直化した国の財政の弾力化を図るため地方交付税率を段階的に引き下げるべきだという提言を自民党税制調査会に行った。当時も地方自治体や自治省の関係者の皆さんからも、地方交付税制度の本質を知らない考え方だということでひんしゅくを買ったのはまだ記憶に新しいところであります。しかし、今回も同じことを言っている。やはり根っからそういうことを思っておられるのかと思うのであります。 私も、先ほど来言うような本筋の正しい意味の行政改革は、これは正面から取り組んでいくべきものだというふうに思います。しかし、この財界筋の行政改革悪乗り論というか筋違い行革というものは私は納得がいかぬ。先ほど来、それぞれ局長さんの所信等をお伺いいたしましたが、このごろは政治生命をかけるのがはやっておりまして、総理もそうでありますし大蔵大臣もそうだし行政管理庁長官も同じようなことを言っておるようであります。この間週刊誌にも、「政治生命、みんなでかければこわくない」というようなことが出ておりました。こんなことでは困るわけだけれども、しかし、やはり少し違う意味で、つまり分権と自治というものを踏まえた上でひとつ政治生命をかけて、この際懸案の自治権を充実するための行政改革に積極的に取り組んでほしいと思うが、大臣の所信をお伺いしたいと思います。
○安孫子国務大臣 第二臨調の点にもお触れになりましたが、われわれがいまとやかく言うべき問題ではございませんので、第二臨調としては現下の日本の実態に即して、特に財政事情等に即して最も適切なる答申が得られるものであろうと私どもは期待をいたしております。 また財界の意見についての御披露がありましたけれども、これは私も大変見当違いの点が多い、こう思っております。やはり日本の政治、日本の自治体、国と地方の関係等に十分に理解を持たない所論であろう、こう思います。いわんや交付税の問題等につきましては、幾たびか恐らく担当者もその筋には説明をしておるだろうと思いますけれども、なかなか普通の人には理解しにくい。しかしながら、これは各自治体全部の一つの共通の財源でございまして、普通の補助金なんかとは全然性質の違うものでございますから、一律の議論はできない性質のものだ、こう思っております。 しかし、現実は国庫財政というものは大変窮迫しておることも事実です。そしてまた、地方自治体の財政状況だって国の状況と同様に大変悪化しておるわけです。表面は一応まあかっこうはできておりますけれども、実態というものは相当悪化しておるわけです。したがって、国もこの際相当思い切った措置を講じなければならぬと同時に、地方自治体におきましてもこの点については単に国に依存するということではなくて、みずからの意思を持ってこの点についての取り組みをする、そういう時期であろうと私は思っております。 それにいたしましても車の両輪でございますから、国と地方の関係、これは切っても切れない。しかしながら、その中におきましてやはり地方分権の構想というものはだんだんと確立をすべきだろう、こう考えます。それが結局日本の行政の効率化、簡素化、能率化、そういうものに通ずるものでございまして、これはいろいろな提言の中に幾たびか申されたのでございますけれども、これの実行がほとんど行われてない。私どもは、この第二臨調におきまして補助金の整理という問題を真っ先に取り上げるわけでございますけれども、それは補助金だけで済むものではありませんので、その制度の根本、それから効率化、能率化、分権化、そういうものの関連に立っての補助金の整理でなければならぬ、こういうふうに思っておるわけでございますが、第二臨調はこの点については十分論議をされて、答申が得られるものだろうと重ねて期待をいたしておるところでございます。 私といたしましても、余り政治的生命、政治的生命ということになりますと、政治的生命の価値がだんだんと低落してまいりますから、私は政治的生命なんということはこの際申し上げませんが、以上のような趣旨に基づきまして最大の努力をして、日本の自治体の発展のために寄与していきたいと考えております。
○五十嵐委員 時間がなくてあれなんですが、もう一つだけ行革のことで大臣に言っておかなくてはどうも虫がおさまらぬものがあるのです。おとといの日曜日にNHKの放送討論会で、中曽根長官が御発言の中で、新聞にもみんな出ておりましたけれども、どうも国家公務員は昭和四十二年以降一万人減らした、しかし地方公務員は七十五万人もふえておるじゃないか、この際きちんとしなければいかぬ、臨調で基準のようなものを出してもらわなければいかぬというようなことを言っているのですね。ぼくは、あの後にまたちゃんと言うんだろうなと思ったけれども、それっきり。これはとんでもない話ですよ。国民に物すごい誤解を与える。冗談じゃないですよ、それはもう皆さんよくおわかりになっているが。 四十九年から五十五年までに地方公務員というのは三十一万人ふえています、おたくの方の資料で。確かにふえている。しかしその中身を見ると、何といっても一番ふえているのは特別行政職であって、教員が十五万四千人、警察官が二万人、消防が二万三千人で、合計十九万七千人になる。それに福祉関係が、これはちょうどこの期間ですね、老人医療だとか老人福祉政策が強化されましたから。これだとかあるいは保育所だとか、こういうさまざまなものがちょうど四十九年以降ぐらいですと出てきておるわけでありますが、この福祉関係が八万三千人ふえている。次に目立つのは企業会計の方で、病院が三万人ふえている。いま申し上げた分だけで合計したら何ぼかというと、いま言ったものだけで三十一万一千百人ですよ。 さっき言うように、この間ふえているのは三十一万人だから計算が合わないように見えるが、一方で減ったのもあるから、減ったのは交通及びその他会計で、この期間に七千人ほど減っている。だから、このふえているという三十一万人のうち、いま言ったもの以外の部門でふえているのは、わずかに六千人ですよ。全体の増減数構成比で言うとわずかに一・九%、これは水道だとかその他のものが入っているわけですね。 これはいけないですよ、こういう言い方は。国の法令などの制定、改正あるいは法定基準の充足のための増員などがずいぶんあるわけですから、何だか国は一生懸命やっているんだけれども、地方はいいかげんなことをやって、四十二年以降で七十五万もふえてしまってしようがないんだというような言い方というのは、地方の関係者にとっては非常に腹の虫のおさまるところではない。この際、大臣、一言言ってください。そして内閣でも、中曽根長官によく教えてやってください。わかっていて言うなら、故意なのならこれはなお問題ですよ。どうですか。
○安孫子国務大臣 地方公務員の増加の要素と申しますのは、いまおっしゃるとおりでございます。 そこで、一般職員でもって、たとえば六千人ふえたと申しますけれども、これだってだんだんと分析をいたしますと、土地制度の問題その他について、建設省関係でこれを地方でやらなければならぬということで若干ふえているとか、結局は国のいろいろな政策遂行のためにやむを得ずふやしたという面が非常にあると思います。ただ、これは一般的な問題でございまして、今度は個々の団体になりますと、またいろいろ問題はあるだろうと思うのです、個々の団体になりますと。しかし総体的にはそういうもので、決して地方が漫然とふやしておるものじゃない、みんな国の制度あるいは国の政策遂行のためにふやしている面が、全体的にはそういうもので全部計上されるものだろうと思っているのです。 そこで、行政管理庁長官にもこのことは私もよく話してありますので知っておるはずです。それは十分承知しておるはずです。恐らくテレビの際にその点に触れなかったのは、時間の関係もあるからそれだけのものを述べられなかったということじゃないかと私は思っております。しかし、たってのお話でございますから、テレビの問題であれはひどいじゃないか、しばしば話しておるように、この点はしかるべき機会において発言することがあれば必ずつけ加えてもらわなければ困りますよということだけ、申し上げておきたいと私は思います。
○五十嵐委員 あれを聞いて本当に腹を立てないのは自治大臣じゃないですよ。われわれでさえ腹が立つのですから、全国の三千三百の地方自治体やそこで働いている多くの地方公務員の気持ちを考えれば、本当にじっとしておられぬという気持ちになったと思います。いまお言葉はやわらかいけれども……。
○安孫子国務大臣 質問の趣旨が、おまえ腹を立てたかどうかということであれば、私は腹は立てました、実態を知っておるだけに。そしてまた、その実態のことはよく長官にはお話ししてあるわけでございますから。そういうことです。
○五十嵐委員 ぜひ、強く申し入れてほしいと思います。 時間がなくなって恐縮ですが、最後に、前段で地方の僻地の状況、ことに交通だとか医療について申し上げたのですが、そこのところの問題があるが、同時に大都市における都市問題も深刻なものがさまざまある。中でも、大都市における公営交通の状況というのは、本当に困ったものだと思うのです。公営交通でも中小の地方都市における公営交通関係は、自治省もいろいろ御指導いただいてかなり改善を見ておる面があると思います。しかし大都市で問題になるのは五市です。この五市における公営交通の経営状況というのは、本当に大変なことになっておるわけです。 そこも大変だけれども、しかしその根元にある大都市の交通政策そのものが問題でないかというふうに思うのです。それぞればらばらに行政をしていて、大都市の動脈である交通というものを全体的にコントロールして必要な指示をしていくというような場も、あるいはそういう政策もなかなか見当たらない。そういう面では、大都市交通について危惧の念を持つのでありますが、しかし最近、大都市における公営交通のさまざまな問題を協議するというようなことで、自治大臣の私的諮問機関として大都市公営交通問題研究会というものを発足することにして、委員の発表もしたようであります。 ただ委員のメンバーを見ますと、りっぱな方々ばかりがおられるのだが、傾向から言うとどうも内向きになるんじゃないかなという感じがしてしようがない。いま大都市における交通政策というのは、たとえばパリにおけるオレンジパスのアイデアのように、前向きに総合的な交通政策というものに取り組みながら、その中で公営交通というものを考えていくという視野がない限り、絶対に解決しないと思っておるのですよ。これについて、ことに研究会が発足した折でありますから、こういう点を踏まえてぜひひとつ積極的な御検討をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○金子政府委員 交通政策につきましては運輸省の所管されるところでございますが、御承知のように都市によって若干の違いはございますけれども、特に都心部におきましての公共交通は主として公営交通が分担をしております。私ども公営交通の経営状態、あるいは今後どのように持っていくか、自治省といたしまして責任を持っておるところでございますが、今後公営交通の経営改善を図っていくためにもと申しますか、それと並行して大都市における公共交通政策、こういったようなものを考えていかなければ公営交通のあり方も定まってこない、このようなことで、ただいま御指摘がございましたような研究会を開催したいと思っておるところでございます。 そこで、やりたいと思っておりますことは、大都市における公共交通のあり方と公営交通事業の役割り、それから公営交通事業の維持、整備及び経営基盤強化の方策、それから公共交通における運輸調整のあり方、こういった各般にわたることを考えてまいりたいと思っております。 それで委員の件についてでございますが、この場合に、公営交通のあり方といった問題だけではなく、実践的にどのようにして公営交通を維持、改善させていくかというようなことで財政上の制度、砕いて言いますと補助制度をどうするか、あるいは資金上の手当てをどうするかといった具体的な問題も、あわせて検討をお願いせざるを得ないのではなかろうかと思っております。そういうようなことから委員のメンバーにつきましては、学識経験者だけによる構成をとる方がより適当なのではなかろうかということで、組合あるいは事業者を委員としては考えないというような構成をとっております。 ただ当然のことといたしまして、こういった直接事業にタッチしておられる方々の意見を何らかの形で反映していく必要があると思いますので、研究会にお諮りをいたしまして、こういった方々の意見をくみ取る方法を考えてまりたいというふうに思っております。 従来、とかくこういった問題につきまして、各省各省の縦割りの中で仕事を考えてまいりましたけれども、関係する運輸、建設あるいは警察といったようなところとも十分連絡をとり、あるいは広く学識経験者の皆さん方の御意見を取り入れて、公営交通の将来を確立してまいりたいと考えております。
○五十嵐委員 ぜひ、いまのような考え方で進めてほしいと思います。ことに、いまお触れになられましたように、事業者あるいは労働組合などの現場の意見を十分に聞いてほしいと思います。たとえば札幌では、これは民間ですが、中央バスで新しいバスのシステムを導入しまして、実は物すごく評判がいいのです。それなどにあるように、交通の場合は、そういう現場の意見の中からすばらしいヒントが出てくる可能性も少なくありませんし、そういう面ではきちっとお話し合いをする場というものを持ってほしい。研究会のメンバーは決まってしまったのですから、メンバーに入れることは無理でしょう。しかしそうではなくて、研究会に常に接触をしていく場というものをこれらの方々と持ってほしいということを要望します。よろしゅうございますね。 それからさっき言いましたように、とにかく交通の問題はしり込みになったら、ことにバスの問題などはそうですが、これは路線を切っていかなければだめだというような考え方で、ネコが袋をかぶったみたいにしり込みしていったら、じり貧で墓穴を掘るばかりだと私は思います。そうではなくて、地下鉄なら地下鉄とバスを組み合わせて、総合的に立体的にその都市における前向きの交通政策を編み出していく。しかもそういう手段といいますか、さっきもオレンジパスについて触れましたが、これはパリだけではなくて、アムステルダムとかさまざまな都市に波及して、それが非常に大きな影響を与えているわけです。 そのことで、マイカーは都心部で減っていく、大量輸送機関の利用度がうんと高まっていくということにもなっているわけですし、もちろん日本は日本の事情がありますから、同じように導入することが可能とは限りませんけれども、しかしそういう大胆な発想を都市政策に盛ってほしい。そういう中で公営交通を生かしていくということでなければ交通問題は解決しないと思うから、特にその点を強く申し上げて、もうオーバーして恐縮ですが、もうちょっとお願い申し上げたいと思います。 同じ都市交通の問題で、今度バス車両更新費、これも実は時間がないからあれですが、去年の十一月二十五日、参議院の地方行政委員会で石破自治大臣も非常に前向きに御答弁をいただいているところなのでありますが、大都市におけるバス事業について、従前車両更新費については五大都市についてはついてないわけです。しかし、これについては前向きにやらなければだめだ。従前ついていたのが三年くらい前ですか、消えているわけでありますが、前向きに考えなければいかぬというような答弁があるのです。ぜひこれは前向きに考えていただきたい。 あるいは地下鉄改良工事の補助の問題でありますが、今年から大阪で八千四百万円ですか、ついたようであります。これは新たについたということは、かねがねこれを要望している筋から言うと非常に好ましいことだと思いますが、しかし額が何分にも小さい。いま地下鉄は、一キロ二百億くらいかかるのではないですか。そういう状況からいうと非常に問題でありますし、あるいは東京や名古屋もぼつぼつ改修にかかっていくわけでありますから、これらについてはぜひ考えてもらわなくてはならぬ。 あるいはこれも運輸省の関係になると思いますが、基幹バス補助につきましても、今年から一億三千八百万ですか、これは名古屋だったと思いますが、ついたことは結構だと思いますが、ぜひこれも拡大してほしいということをお願い申し上げたいと思います。 それからバス路線総合整備モデル事業費、これは建設省になろうと思いますが、去年は百五十二億ほどたしかついていたと思います。今年も相当額ついていると思うのでありますが、どうもこれも必ずしも地方に理解されて積極的に活用されていない面もございますので、これにつきましても適切な御指導をお願い申し上げたい、こういうぐあいに思います。 これらは個々のお願いでありますが、総体からいってさっき申し上げましたように、大都市の交通につきましてはぜひ前向きに積極的にこの際お取り組みをいただきたいと思いますが、いま申し上げたことについて御答弁をいただけるのでございましたら、御答弁をいただきたいと思います。
○寺嶋説明員 ただいま先生からお話のございました都市基幹バス、私の方でやっておりますが、お話がありましたように、本年度初めて名古屋市をモデルといたしまして、基幹的な路線について車両及び停留所の施設整備に計一億三千八百万円計上しております。 この名古屋市のモデル事業の成果を見まして、その補助効果とかそれから将来にわたる財政負担等もいろいろ考えながら今後の持っていき方を考えていきたい、こういうふうに思っております。
○森谷説明員 地下鉄の改良工事についてお答え申し上げます。 いまお話ございましたように、輸送力増強のための大規模な地下鉄の改良工事によって、新線建設に準じますものにつきましては五十六年度から新たに補助対象とすることといたしまして、いま御指摘ございましたように、五十六年度については補助金所要額八千四百万を計上しておるところでございます。こういったもの、具体的に大阪がこの補助対象になるわけでございますが、五十六年度から六十年度までの五カ年間の改良のための投資は約五百三十億と見積もられておりまして、これにつきまして現在と同様の補助をいたしますと、約十年間で八十三億ほどになろうかと思います。 それから、こういったもの以外の補助ということでございますが、現在のような財政状況にもあるわけでございますし、こういった補助の必要性とかあるいは効果等も考えながら今後の検討課題にいたしたいと思っております。
○金子政府委員 バスの購入費補助、それから地下鉄の特例債に関連する制度につきましては、五十七年から五十八年にかけてが見直しの時期にかかってまいります。先ほど申し上げました研究会の中で検討していただき、その結果を待ちましてこういったものにつきましては所要の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○五十嵐委員 どうもありがとうございました。
○左藤委員長 午後零時三十分より再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ————◇————— 午後零時四十三分開議
○左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。細谷治嘉君。
○細谷委員 主として地方財政計画と交付税制度について質問をいたしますが、最初にきわめて初歩的なことでございますけれども、お伺いしておきたいと思っております。 それは、地方財政計画というのはどの法律のどの条項に基づいて出されておるのか、まずお尋ねいたします。
○土屋政府委員 地方財政計画は、地方交付税法の第七条の規定に基づきまして歳入歳出総額の見込み額に関する書類を作成する、そういうことでございます。
○細谷委員 ところで、交付税法七条に基づいて国会に出されているものは、白い表紙の「昭和五十六年度地方団体の歳入歳出総額の見込額」こういうものであります。最初にこの委員会に出されたものはガリ版で刷ったものであり、その後に若干丁寧に少しコマーシャルなベースにも乗せまして、色表紙の「昭和五十六年度地方財政計画」というものが出されました。 私がお尋ねしたいことは、最初に地方行政委員に示されるものについては「昭和五十六年度地方団体の歳入歳出総額の見込額」、法律第七条に基づくものは策定方針というのはないのですよ。国会に出されるものはないわけでございます。それでガリ版のものをあけますと、第一に「策定方針」、どういう形で地方財政計画を策定したのか、こういうふうになっております。国会に出されたものについては、地方財政計画という言葉は一つも使っていないのです。 ところが今度は、色刷りのものは「昭和五十六年度地方財政計画」こう書きまして、そして副題に「昭和五十六年度地方団体の歳入歳出総額の見込額」、国会に出した資料の主題のものが出てきておるわけです。それを開いてみますと今度は、国会に出したものについては策定方針がないのでありますけれども、この色刷りのものには「参考」として末尾の方に「策定方針」というのが出てきております。そして色刷りの方のものには「はしがき 地方財政計画について」と、あけますと冒頭かなり重要なことが「はしがき」と言って書かれてあります。全く不同なんですよ。 一番先に出るガリ版のもの、国会に正式に法律に基づいて出すもの、それからこの色刷りのもの、三種類まちまちでありまして、特に国会に出されている正式文書については、どういう方針で七条に基づいた歳入歳出総額の見込み額というものをつくられたのか、これは方針がないのです。中身だけ、数字だけがここに載っておる。こういう違いがどうして起こっているのか、何かの意図があるのか、まず御説明をいただきたいと思います。
○土屋政府委員 いまお示しのございましたように、私どもが出しておりますのは地方交付税法第七条の規定に基づいて歳入歳出総額の見込み額というものをつくっておりまして、その中身については七条の各号のそれぞれ細目にわたって示してございます。それをお示しをしておるわけでございます。 その意味では、おっしゃいましたようにいろいろと策定方針とかそういったものもつけてございませんし、全体としてはきわめてしゃくし定規と申しますか、法律の規定どおりに整理をいたしておりますので、おっしゃったようなことになるわけでございますが、たとえばいまの策定方針につきましては、国会提出なり一般公表の項目として法律で義務づけられていないというようなこともございますので、特別に対象項目としていないわけでございますから出しておりません。ただ私どもとしては、一般によく知ってもらうという意味では、国会なり地方団体に対して計画が決定次第そういったものをお示ししておるわけでもあり、一般にも公表しておるわけでございまして、策定方針を含めて地方財政計画の御検討をいただいておるというふうに考えておるわけでございます。 確かに、策定方針等があればなお明確ではないかということについては私どもそう思いますが、七条に示されておる項目を法律どおり整理をした、その意味ではやや味もそっけもないものになっておるかもしれませんが、そういう気持ちでございます。
○細谷委員 大臣にお答えいただきたいのですけれども、第七条に基づいて出されておると言うが、「自治大臣の権限と責任」自治大臣は、この法律を実施するため、左に掲げる事項——非常に責任重大なんです。その場合に、この交付税法の七条に基づいて出される国会への公式文書にどういう方針で策定したのかを書くのは、七条の要請しておるそのものじゃないでしょうか。ですから、これを参考でございますと言うのがおかしいのじゃないかと私は思うのです。でありますから、ガリ版に書いてあるようにぱっと、こういう方針で策定いたしました、その具体的な内容はこうですという、いまのガリ版のとおりやるのが正しいんじゃないかと私は思いますが、いかがですか。
○安孫子国務大臣 第七条には、翌年度の地方団体の歳入歳出総額の見込み額に関する書類を作成しろ、そして出せ、こうあるわけですから、それをそのとおりにやっておるわけでございまして、その編成した方針につきましては「参考」として御参考に供している、こういうことでございます。
○細谷委員 余りこれで議論をするつもりはございませんけれども、大臣、それは歳入歳出の総額の見込み額ということでありますけれども、歳入歳出の総額というのは、最終的には国の予算編成の段階において、大蔵、自治大臣の覚書も含めて、五十六年度の地方財政対策という形で決められておるわけですね。それがどういう内容かというものが盛り込まれて歳入歳出見込み額というのが出てきているわけですから、言ってみますと、その数字の前提なんですよ。それが書かれないということは、欠格製品じゃないのでしょうか。いかがですか。
○安孫子国務大臣 いま御説明したとおりに、法律上はそういう収支の関係だけを述べろ、こういうことになっておるから、これは欠格じゃないと思います。 基本的な方針につきましては「参考」にも述べておりまするし、あるいはまた、趣旨説明その他の機会においても申し上げておりますので、それを前提として御審議を願えばいいわけでございまして、書類にそれを載せなかったからといってそれは欠格だということには、法文上の解釈はならないと私は思います。
○細谷委員 そうしますと、お尋ねいたしますが、自治省が言う地方財政計画というのは、交付税法七条に基づいたものであって、数字だけ示せばいいんだ、策定方針がどういうふうになったということは書かぬでいいということでありますと、言ってみますと、この数字で地方交付税を配るだけが、この見込み額の、いわゆる自治省が言う地方財政計画のねらいですか、目的ですか。お答えいただきたい。
○土屋政府委員 確かに数字だけが示してございますが、私どもとしては、その数字で示されております歳入歳出の措置なりというものを通じまして、その中にこの考え方というものはそれぞれ盛り込まれておるわけでございますから、そこらを通じてその考え方というものは明らかにされるものだ、そういうことで法律上明記されていないんだというふうに理解しておるわけでございまして、ただ単に、それは書いてないからやらないんだというしゃくし定規で申し上げておるわけではございませんけれども、それを通じて私どもは審議ができる、審議の過程でそういう方針が明らかになるということで、一々法律上、歳入歳出の見込み額に書くべしということになっていないんだろうというふうに理解しておるわけでございます。
○細谷委員 国会に出されたこの白表紙の見込み額から、その背後にどういう方針でつくられたかということを描くということは、これは不可能なことですよ。でありますから、よそに出して売っているように、色表紙のように書くのが本当だと私は思うのです。策定方針というのを書くのが本当だと思うのです。 そうしますと、七条に基づいておるのですから、交付税を配るためにこの見込み額を出せばいいんだ、それが財政白書なんだ、こうなってまいりますと、この色表紙のものにはどういうことを書いてあるかというと、ちょっと読んでみます。大変重要なことが書いてある。これは「はしがき」ですよ。策定方針は「参考」の方にいってしまっているのですけれども、これに、「はしがき」にこう書いてあります。 「地方財政計画の役割」一つ、「地方財政計画の策定を通じて地方団体が標準的な行政水準を確保できるように地方財源を保障すること。」第二は、「地方財政は、国家予算とならんで国民経済上重要な役割を果たしており、国が毎年度予算を編成し、諸施策を具体化するに当たって、同時に地方財政との調整を図る必要があり、地方財政と国家財政・国民経済等との整合性は、地方財政計画の策定を通じて確保されるものであること。」三番目は、「地方財政計画の策定に当たっては、毎年度の国の施策を織り込むと同時に、地方独自の収支の状況を見込み、地方財政全般の状況を明らかにすることとしているので、地方団体の毎年度の財政運営の指標となるものであること。」 私は、そうでなければならぬと思う。そしてそういう中において、交付税はこういうふうに配分されているんだ、こういうことが出てこなければならないと私は思うのです。 したがって、この地方団体の毎年度の財政運営の指標になる——五月二十日ごろに事務次官通達が出ます。これがその年度の財政指標じゃないでしょう。基本的には地方財政計画でしょう。そうだといたしますならば、策定方針は参考でございます、七条に基づいて出ておるけれども、その地方財政計画は、この三つの重要な役割りを持っているのです、地方団体の財政運営の指標ですよ、こうまで言い切るとするならば、体裁についても、運営に役立つように策定方針がなければ、とてもじゃないが、天才でなければあなた方の意図を読むことはできないわけです。そうだとするならば、それは一体のものじゃないでしょうか。 ですから、私が欠格じゃないかと言いますと、大臣はそればそうじゃないと言うけれども、やはりもっと親切に、本当の意味において地方財政の運営に役立つようにすべきではないかと私は思います。いかがですか、大臣、きちんとしていただきたいと思います。
○土屋政府委員 ただいまお話がございましたように、地方財政計画は、地方財政全体の歳入と歳出を標準的な水準で積算をしまして、その収支の状況を明らかにし、地方団体が法令によりまして義務づけられた事務事業、その他住民の福祉を増進させるための行政を、いわば国が期待する水準で実施することができるようにするための一つのバランスシートとして作成されるものであると思っております。 そういうことでございますから、地方財政計画は、形式的には収支の見積もりでございますが、実質的には地方団体の財源を保障するための機能を果たしますほか、地方団体の財政運営上の指針となる機能をも果たすものだと考えております。 そうであるがゆえに、いま御指摘があったわけでございますが、私どもとしては、現段階においては、法律の示す項目に従ってそのとおり公表しておる。ただ、それをより一般の方にもわかりやすくするため、また国会にもその点を御理解いただきますために、提案理由その他でも申し上げ、また別な方法で一般に公表しておるということでございます。 いまのように、地方財政計画を出すときに、そのものも含めてやるべきではないかというような御意見でございます。私どもも、いま申した意味から申せば、そこのところはいろいろと検討しなければならぬ点があるんじゃないかと思っておりますが、いまのところ法律ではそういうことになっております。ひとつ、今後の検討課題にさせていただきたいと存じます。
○細谷委員 大臣にお尋ねします。 国会議員にはこの白表紙で、専門家でもなかなか、どういう方針でつくられたのか、そしてどういう内容なのかということは読めないですよ。これを一般の人が三百円ぐらいで買いますと、これには丁寧に書いてあるのですよ。そうして、役割りはこうですよということが書いてあるのですよ。少なくとも白表紙、数字だけをやって、食おうと食うまいと勝手です、しかしこれは食ってもらわなければいけませんぞ、こう言っているのなら、国会に対しても、国会議員に対してもきちんとするように対応すべきではないか。言ってみますと、国会議員には知らせない、一般の人には知らせるような差別待遇をするのですか。大臣、ここでは正確には答えられないでしょうけれども、三つとも不同なのですから、きちんと検討するならしてくださいよ。これはおかしいですよ。
○安孫子国務大臣 そんな悪意を持って出しているわけではありませんで、法律の規定するところに従って出しておるわけでありますから、また御参考になる——もちろん考えていただかなければいかぬわけでございまするから、その赤表紙のものも出ておるわけでございまして、白表紙だけで御審議願うというわけのものでもございませんから、その点は御理解もいただきたいものだと思いますが、しかしせっかくのお話でございますから、もう少し内部でも検討します。
○細谷委員 このことで余り時間を使いたくないので次に移りますけれども、地方財政の運営に役立てる。言ってみますと運営ということは、運営の前に予算編成ということがあります。その予算編成については、大体都道府県の総務部長なりあるいは指定市の総務局長なり呼んで、そして事務次官以下、大臣も加わるでしょうが、レクチュアをして予算編成に入っていくわけですね。 そこでお尋ねしたいのでありますけれども、この地方財政計画は、全国の都道府県の財政とそれから市町村の財政とを一本にまとめて計画がつくられております。なるほど税収等については、都道府県と市町村は分かれておりますけれども、他のことについては全部一本であります。国庫支出金が府県と市町村にどういうふうになっていくのか、あるいは公共事業というのが府県と市町村にどうなっていくのか、こういうことについては全くわかりません。ですから、地方団体では財政課長内簡が唯一のものであって、実際は地方財政計画は参考にならないのですよ。 ところで、私が大臣に申し上げたいことは、財政構造の違う都道府県と市町村は、かつては地方財政計画では別建てにして、府県の欄、市町村の欄そして合計という形で地方財政計画はつくられておったわけです。ところが三十八年から、都道府県も市町村も一本でいまの地方財政計画になってしまったわけです。自治省は、人減らしやったのかどうか知りませんけれども、この本に書いてある地方財政計画の役割りということから見ますと、全く不親切きわまると思うのです。ですから、三十七年までやっておったように、財政構造の違う府県と市町村については別建てで、そしてそれの合計という形で示す地方財政計画をつくるべきだ、こう私は思います。 そういうことを言いますと、いま財政課長後ろの方で笑っておりますけれども、人殺しの主張だ、こうおっしゃるかもしれません。役立つ計画をつくるのならば、若干の人がおっても、これはよけい要ってもやるべきではないでしょうか。大臣、ぜひひとつ昔のとおり出るようにしていただきたいと思いますが、どうですか。
○土屋政府委員 先ほどから申し上げておりますように、地方財政計画がそれぞれの地方団体の予算編成なり財政運営の指針として活用されるということから考えますと、地方財政計画を都道府県と市町村に分けて作成するということは、まさに理論的に考えていきますと検討すべき問題であろうと私ども思っておるわけでございます。しかし、具体的な問題といたしましていろいろ考えると、それなりにいろいろ私どもとしては問題があるので、なかなかそこへ踏み切れないわけでございます。 一つには、計画そのものは標準的な水準における地方団体の歳入歳出の均衡状況を把握することによりまして、地方財源を保障するということを本来の目的としておるものでございますから、都道府県なり市町村に分別しない現行法でもそういった意味での目的は達成すると思われますし、また地方財政計画の歳出面におきます公共事業等の補助事業、それから歳入面の国庫支出金なり地方債計画を作成する時期において、都道府県、市町村に的確に分別するということは、なかなか技術的にもむずかしい面があるわけでございます。そういうことでございますので、現実には一本化をしておるわけでございます。 御指摘のとおり、かつて三十七年度までは県と市町村分に区分して収支の見込み額を算出をしておった時期もあったのでございますが、全般的にごらんいただきますように、当時と異なって財政制度全体がきわめて複雑化してきておりまして、国、県、市町村の間で複雑に入り組んでおるといった状況であるわけでございます。各省庁の国庫支出金も、当時以上に膨大になっておるということでございます。県、市町村間の割り振りが、予算執行の段階でないとなかなかはっきりつかめないということがあるわけでございます。いろいろな技術的な理由もございますので、現状において予算編成の段階で県と市町村分に振り分けて計画をつくるというのはきわめて困難な状況にあるわけでございます。考え方そのものに特に異をはさむつもりではございませんが、現実問題としては、なかなか私どもとしてはそこに踏み切れないという事情があることをひとつ御了解賜りたいと思うのでございます。
○細谷委員 三十七年ごろといいますと大臣は恐らく食糧庁長官であって、それから知事になられたので、その辺については余り関心がなかったと思うのです。お答えする前に、私はコピーを持っておりますから、見た上でお答えいただきたい。
○安孫子国務大臣 いま財政局長から申し上げましたとおり、その後において非常に歳出内容も複雑化してまいりましたし、それから国の予算編成段階におきまして県と市町村分を振り分けるということは、非常に困難な事態も出てきておるわけでございます。そういう関係でやはり一本にして出さざるを得ない、そういう実情にあるようでございますので、この点はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○細谷委員 この問題も、自治省としてはやった方がいいけれども、具体の問題として進めるには大変な作業だ、こうお思いかもしれません。三十七年まではやってまいった問題であります。それが自治省が期待しておる地方財政計画の重要な役割りを果たすゆえんでもあるわけでございます。ですから、せんだっても私どもの松本委員から指摘がございましたけれども、地方財政計画の、この法律には「国庫支出金に基く経費の総額」、こういうものを書かなければならぬと書いてある。そのとおり書いてあります。ところが地方財政法の十条の何号、何号に基づいたということは、小さなことまで書いてあるのですよ。ここまで「国庫支出金に基く経費の総額」を書くのならば、もっと中身の方で説明を入れなければいかぬ。 たとえばこの間の教育文教施設等の問題について、国庫の補助金が減っておる、事業費も減っておる、にもかかわらず地方負担だけ莫大にふえていったのは一体どういうことか。内容を説明するとわかりますけれども、説明をされない限り、この計画を見ますと、まさしく国の財政のしわ寄せを地方になすりつけたのではないか、こういう批判が起こりかねないわけです。もっとそういうことについての説明が欲しいのであって、国庫支出金のこんな詳しいことまで書くのもおかしいのではないか、こう私は思います。そういう点で問題があるわけですからひとつ御検討をいただきたい、そしてぜひそういう形で実現をしていただきたい、こう要望いたします。検討する意思ありやなしや、大臣、ひとつ……。
○安孫子国務大臣 いろいろ御意見を承りましたが、また、自治省といたしましても、予算編成の時期においての内容の区分というものがきわめて困難な状況にあることも事実でございますので、その辺は全般を通じまして十分検討さしていただきます。
○細谷委員 それではひとつ本論に入りまして、交付税の全体計画、これについて少しお尋ねをしたいと思います。 五十六年度の交付税の配り方、いわゆる基準財政需要額と収入額の増加見込み額というこの全体計画が載っております。それによりますと、基準財政需要額が一〇・二%伸びておる。基準財政収入額は一二・七%伸びている。そして、配るべき普通交付税の増加額六千億円ばかりを都道府県に対して三千三百五十七億円、市町村に対して二千六百五十一億円配ろうというのがこの全体計画の案であります。 そこでお尋ねいたしたい点は、基準財政収入額の伸び率が昨年と比べますとかなり落ち込んでおります。たとえば昨年の基準財政収入額は、府県において二〇%、市町村において一五%でございましたけれども、今回は府県において一一%、市町村において一四%でありますから、去年より収入額は落ち込んでおります。この全体計画をながめて、私は、どうも交付税の配分というのが昨年よりずいぶん厳しくなるのではないか、こういう感じがいたしますけれども、どう見込んでいらっしゃいますか。
○矢野政府委員 交付税の全体計画におきまして、基準財政需要額並びに収入額をただいまお示しのように見込んでおるわけでございます。特に、収入につきまして昨年度より伸びが低いということは、これは地方財政計画における税収との関係でございまして、昨年度に比べますと地方税の伸びというものが計画上は低くなっておるわけでございます。その点を交付税全体計画におきましても反映をしておるわけでございまして、そういった収入の状況に応じまして、都道府県、市町村、各団体ごとに交付税の算定がなされるわけでございます。
○細谷委員 私は、恐らくこの全体計画を見る限りにおいては、かなりの団体が不交付団体へ、あえて転落と申しますが、転落をするのではないか、こう見ております。もし、そうはならない、こういう御意見ならば反論を聞かしていだきたいと思います。 ところで、基準財政需要額と地方財政計画の規模との間には何らかの関係がございますか、お尋ねいたします。
○矢野政府委員 御質問の第一点でございますが、本年度の普通交付税の算定において不交付団体等が新たに生ずるのではないか、あるいは交付税の額が落ち込む、そういう団体が出るのではないか、こういう点でございますけれども、地方税の収入の団体ごとの状況によりまして、御指摘のように交付団体から不交付団体に移行するもの、ないしは交付税の交付額が減少するものも出てくる可能性はあろうかと存じます。 それから第二点でございますが、地方財政計画の規模と基準財政需要額との間に関係があるかどうかということでございます。基準財政需要額は、もちろんよく御承知のとおり、これを収入の面、財源の面からながめますと、地方税の、府県は八割、市町村は七割五分に相当する額並びに交付税の額を合わせたもの、これがすなわち基準財政需要額になるわけでございまして、それはすなわち一般財源を意味するわけでございます。したがいまして、地方財政計画の全体の中における一般財源額というものとの相関関係は、もとよりあるわけでございます。 地方財政計画の総額は財源面からながめますと、一般財源だけではございませんで、国庫支出金、地方債その他の特定財源をもちろん含むわけでございますので、したがって地方財政計画の規模の中でその年によりまして、一般財源のウエートがどうなっておるかということと密接な関係があるもの、こう考えております。
○細谷委員 私が申し上げたいのは、財政が厳しい、こういうときに限って地方財政計画の規模に対する基準財政需要額の割合というのは低下してきておるわけです。試みに昭和四十三、四年ぐらいから今日までの推移をながめてみますと、ことしは財政計画の規模に対して四七・三%が基準財政需要額になっております。多いときは五三%ぐらいになっておる。 それを比べますと、地方財政が非常に悪いときにはこの需要額は抑えられて、わりあいにいいときには、四十五年度あたりでは五三・六%、こういうふうにいっております。これを見ますと、どうも交付税法の趣旨にのっとってずっと積み上げていくというようなものでありますが、国の予算が決まりますと逆算して基準財政需要額をつくり上げておるのではないかという疑いがございます。そういう疑いはありませんか。
○矢野政府委員 既往にさかのぼりまして、大変綿密な御計算、分析をされました上での御質問でございました。確かに、御指摘のように昭和四十年代の半ばごろ、地方財政計画の規模に対しまして基準財政需要額、すなわち一般財源でございますが、この割合が非常に高まっておる、五〇%を超えておるという事実がございます。また最近におきましては、この五〇%という率を下回っておるということも事実でございます。 この点は、先ほど申し上げましたように、結局財政のいいときと申しますか、経済の情勢の大変よろしいとき、その時期には地方税収入も大きく伸びるわけでございます。基準財政需要額は、地方税収入と交付税とを合わせたものでございますので、したがいましてその時期におきましては、地方財政計画の内容というものも一般財源の比率が非常に高くなってきておる、またそういった一般財源をもって充てるべき事業というものも多く入っておるわけでございます。 最近におきましては、御承知のように巨額の地方財源不足が続きまして、この補てんをいたしますために、その一部は財源対策債といったような形で地方債に振りかえてあるわけでございます。したがいまして、やはり計画上の一般財源の比率が下がってきておるということから、逆に地財計画の全体規模に対する基準財政需要額の割合が、昭和四十年代よりは下がってきておるという結果になっておるわけでございます。しかしながら、たとえば昭和五十四年、五年、六年、このように見てまいりますと、その割合は逐次増加してきているのではないか。財源対策債等の縮減を図ることによりまして、地方交付税による措置というものをふやしていく、一般財源による措置をふやしていくということに伴いまして、計画規模に対する需要の割合も逐次上昇をしておる点もまた御理解を賜りたいと存じます。
○細谷委員 これは、地方財政計画の規模に対してどの程度基準財政需要額が見積もられることが、地方財政の健全さを示すか示さぬかということはむずかしい議論でありますけれども、私は大まかに言いまして、需要額というのがいまの五三・何%という時代もあったわけですけれども、そのときはよかったわけですね。 〔委員長退席、工藤委員長代理着席〕 仮に需要額が五〇%といたしますと、残りは税が、基準財政収入額に計入されるものは七五かあるいは八〇でありますから、県、市町村合わせて二三%ぐらいになります。合わせて七三ですね。それに財政計画が、地方債というのが一〇%ぐらいあるわけですから、そういうものを加え、それから国庫支出金に対して地方の負担というものが出ていきますから、大体において地方団体の負担というのがかなり、四五%ぐらいは間違いなく国庫支出金の伴う事業に対してはあるわけですから、そういうものを考える、あるいは使用料、手数料等を考えますと、一〇〇になるためには、やはりどうしても地方財政規模に対して基準財政需要額が五〇%以上計入されておりませんと、地方財政はやっていけない。 言葉をかえて言いますと、地方交付税の総額に根本的な問題があるんだ。その総額に根本的な問題がありますから、地方財政の需要額と収入額を調節して逆算して、いかにもバランスがとれているようにつくろっているんだ、こういうことになると思うのでありますけれども、財政局長どう思いますか。総額が足らないということについて大蔵の主計官どうお思いですか。簡単にお答えいただきたい。
○土屋政府委員 率直に申し上げまして、税収が伸びないときに、また歳出面ではそれ相応の景気浮揚のための仕事をしなければならないといったようなこともございまして、結局財源不足が出て、そのために財源対策債を相当額発行したといったようなこと等がございまして、全体として落ちておるということが言えるのだろうと思います。 ただ、かつて五三%ぐらいの比重を占めておったものが最近下がっておる、それは事実でございます。ただ、五〇くらい以上ないといけないのかどうか、そこらは計数的に私もちょっと申し上げにくいわけでございますけれども、全般的に見て、現に財源対策債を発行しておること自体が、交付税総額が足りなかったためにそちらへ振りかえたということを考えましても、いま現在がいい姿であるとは私ども考えておりません。
○公文説明員 交付税総額がどの程度あれば適当であるかということに尽きるわけだと思うのでございますけれども、私どもといたしましては、たとえば五十六年度なら五十六年度の地方財政計画を組んでみまして、その地方財政計画でどの程度の伸び率を考えているか。ことしの場合ですと七%程度の伸びだ。もちろん、先生先ほどから御指摘がございますように、地方財政計画すべては基準財政需要の問題ではございませんで、国庫支出金、地方債の問題がありますけれども、一般財源でどのくらいの伸びを考えているかということになるわけだと思うのでございます。 ただ、いずれにいたしましても、地方財政計画で見込んでおります歳出、それに必要な一般財源が満たされるかどうかということから、地方交付税の総領というのもある程度めどがついてくるのじゃないか。ことしの場合は、地方交付税の総額は七・九%の伸びになっておりますけれども、この七・九%の総額の伸びによって、地方財政計画に盛り込まれております歳出は円滑に消化できるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○細谷委員 原則論でありますから抽象的になっちゃいますから、少し問題を具体的にとらえてみたいと思います。 全体計画の中に、いわゆるその他という公債費等の支出を含めた問題点がございます。今度の全体計画の中で公債費、その中における財源対策債に対する財源措置が幾らになるか、そしてそれは交付税総額に対してどのくらいの割合になるのか、お答えいただきたい。
○矢野政府委員 昭和五十六年度の交付税全体計画における財源対策債の償還費の算入予定額は五千九百二十七億でございます。なお、公債費全体では一兆七百九十五億でございますから、五四・九%が財源対策債で占められておるわけでございます。
○細谷委員 五十六年度のいま審議中の交付税では、需要額としていわゆるその他公債費等に計入されておるものが、都道府県におきまして六千二百七十億円、市町村におきまして四千五百二十五億円、合計いたしまして一兆七百九十五億円。これがいわゆる借金に対する元利償還金の返済ですね。 〔工藤委員長代理退席、委員長着席〕 言ってみますと、交付税八兆五千億円ばかりのうちの一割以上というものは、借金払いの元利の交付税計算に需要額として入っていっちゃうわけですね。そういうことになりますね。交付税総額は八兆七千億円ばかりでありますから、一兆七百九十五億円というのが借金払いの財源措置だ、こうなります。 そのうちに財源対策債の償還費が五千九百二十七億円、おおよそ六千億円あるわけですね。その五五%程度は財源対策債なんですよ。昭和五十一年以降つくられた財源対策債の財源措置、言ってみますと、交付税の総額が問題になっている段階において、財源対策債として公共団体が支払っていく一部を交付税で計入してやるというのでありますけれども、それに徹底的に食い込まれておるという状況でございます。なるほど交付税ではうまく組んであるけれども、そのうちの六%ぐらいは財源対策債の方の財源措置に持っていかれちゃうという姿でございます。言ってみますと、借金をして借金払いにやる。交付税はどっちかといいますと、特別会計で借り入れする、そしてあとは財源対策債でやる、その財源対策債を今度は借りた交付税で措置する。タコの足食いの二重、三重、こういう姿が現状ではないかと思いますが、大臣どう認識しておりますか。
○土屋政府委員 御承知のような厳しい財政状況の中で、所要の財源をなかなか確保しにくいというようなことから、私どもとしては、財源対策債の発行はやむを得ない措置であったと考えておるわけでございます。しかし、いまお示しのとおりその償還費というものは、地方交付税の基準財政需要額にその都度算入しておるわけでございます。また、地方財政全体におきます財源対策債の公債費負担は、全体の歳出の所要額と合わせて計画の策定を通じて措置をしておるということで私どもとしては措置をしておるつもりでございますが、おっしゃいますようにそういう財源対策債があって、それが大きな比重を占めておる、それを返すためにまた借り入れをしていくといったような循環を繰り返すことになるのではないかということでございまして、地方財政がまだ健全化を取り戻さないいまの過程で借り入れ等をしなければならない状況のもとでは、おっしゃるような形になることもやむを得ないわけでございます。しかし、全体としては健全化の方へ進めながら、そういう地方団体の財政需要には十分対応できるということは、財政計画の中で私どもバランスをとって考えておるわけでございます。ただ、事実上そういうことでかなりつぎ込んでいるということは、おっしゃるとおりだと思います。
○細谷委員 公文さん、あなたも知っておるとおりなんですよ。交付税総額が足らないものですから、何とかしょうということで交付税特別会計から借り入れする、そうして借り入れしたものについては国が半分、地方が半分という形でまず交付税総額からとっていく。足らないものですから、足らない分は今度は財源対策債としてやる。そして借金した特別会計からの交付税を持ってきて、今度は財源対策債の方の支払いの一部を需要額に計入してやる。それがやがて交付税総額の一割になろうとしておる今日の段階に対して、国の財政が厳しいことはわかっておりますけれども、これでも地方の財政は国の財政よりもはるかに裕福だとお考えになりますか。
○公文説明員 いまお話がございましたように、国、地方両方を通じまして経常的な財源が足りないということで、ただいまのところ地方財政対策は交付税率の引き上げというような措置がとれないで、一つは借り入れを中心とする交付税措置、それからもう一つは財源対策債の増発という形で財源不足を埋めるということでやってきておるわけでございます。その結果といたしまして、いま先生御指摘がありましたように財源対策債の元利償還の問題も、地方財政に対しては大きな圧迫要因になるということは事実そのとおりではないかというふうに考えます。 その地方財政に対する負担がその当該年度、当該年度においてきちっと財源措置ができるかどうかというのは、これはやはり毎年度毎年度の地方財政計画をつくる過程におきまして、地方財政計画の中でこの元利償還が円滑にできるかどうか、あるいはそのために交付税総額が足りるのか足りないのかという議論として考えていくべきではないかというふうに思っておるわけでございます。国と地方と比べて、どちらがどうだというお話はあるわけでございます。ここのところはいろいろ御議論はあろうと思いますけれども、国の方もただいまのところは財政法四条の特例としての特例公債、いわゆる赤字公債を五兆円も出しながら、いわばこちらも自転車操業でやっているということでございまして、国も地方も大変な中をともかく切り抜けていかなければいけない、国も地方も両方とも歳入歳出を通じて健全化に努力をしていかなければいけない状態にあるのではないかという認識でございます。
○細谷委員 大臣にお尋ねいたしますが、十二月二十日に決まりました五十六年度の地方財政対策、世間ではあの五十六年度の地方財政対策の中にはウルトラCがある、こう言っているのですよ。私はウルトラCがという言葉を聞きましてオリンピックばかりじゃない、やはり財政にもウルトラCをやったな、こう思っております。ところで、返すものを返さないで、国の方も出さぬぞ、地方財政の方はその分ちょうど合うように借金しろなんてウルトラCですよ。そのウルトラCは大蔵省のウルトラCと書いてない。自治省のウルトラCだというのですから自治省が知恵をつけたのじゃないか、こういうふうに世間ではもっぱら言っております。それほど頭がいいのならば、国の財政が悪いこともわかっている、地方の財政も悪いことはわかっているのならば、ウルトラCかウルトラDくらいの考えで何とかこういう状態を切り詰めるような方途は見出すことができる、私はこう思います。 そこで大臣、就任してから五日くらいのうちに、大蔵大臣との最終折衝をやって覚書をやったのですからなにですけれども、もうなれっこになった、もう頭の中に入っちゃっているのですから、この辺できちんとした地方財政対策、そのためにはタコの足食いよりもっと悪い状態のものに新しいウルトラCで対応する方途を求めて努力していただきたいと思うのですが、いかがですか。
○安孫子国務大臣 非常に苦しい財政、これは国も地方もそうでございまするが、その中で五十六年度の予算編成をやり地方交付税の総枠を決めることについて、大蔵省も自治省も大変苦労したわけでございます。そこにウルトラCという話も出てまいりましたが、これは大蔵省がやったとか自治省がやったのじゃなくて両者でもって何とかここを切り抜けようということでやったわけでございますから、この点はひとつ工夫のほども御理解願いたいと思います。そしてまた今後の問題でございますけれども、こんな状態を長く続けるわけにいかぬと思うのです。そこで何とかこの危機を脱却いたしたいということで、自治省といたしましてもいろいろ苦労いたしておるところでございます。ひとつ想を新たにいたしまして、今後御期待に沿うような方策をウルトラCかDくらいのところを考えるように努力をしてみたいと思います。
○細谷委員 地方財政は、どうやって活を求めていくかということの一つのポイントは——こういう足食い操業もいいところ、こういうものを解決していかなければならぬと私は思います。言ってみますと、何らかの形で臨時特例交付金的なものでこれに対応していくことによってこの場をしのいでいく、こういうことが必要であろうと思いますから、ぜひひとつ御検討をいただきたいと思います。 もう一つ、この問題に関連して御質問いたしたい点は、国会におきましてもいろいろ議論のありました同和対策、この委員会でも小川省吾委員から質問がございました。私がお尋ねいたしたい点は、同和対策についてこの間審議官が、十条の問題は毎年毎年よくなっていっております、こう言っておりますけれども数字はよくなってないですよ。(「もういいよ」と呼ぶ者あり)いいじゃないですよ、私の質問に何も……。よくなってないですよ。よくなっていますか。
○矢野政府委員 先般お答え申し上げましたのは、同和対策事業債の許可実績の中で法十条の指定によるものの割合ということの数字をお答え申し上げたのでございますが、その際には、たとえば五十二年度あたりから見ますと、その割合が三八・二、五十三年度四一・九、五十四年度四四・六というぐあいに、この比率は上がっておりますということをお答え申し上げたと記憶いたしております。
○細谷委員 数字はそのとおりでございますけれども、今度のこの財政計画の中であります地方債計画、その地方債計画の中に同和債というものも計画されております。その計画状況を見てみますと、昭和四十五年から四十九年までは計画額を完全に消化して許可されております。ところが、最近になりますと、計画額よりもはるかに地方債の許可額が下回っております。したがって、許可額に対する割合はおっしゃるとおりでありますけれども、地方債の計画額から見ていきますと、五十年度が二九・五で五十四年度は二四・一と逆に下がっていっておるのであります。この数字はお認めになりますか。いや、よく見ているのだ、こう言っておりますけれども、計画が消化されないで実際はよくなっていない、こういう数字が出ておりますが、いかがですか。
○矢野政府委員 地方債の計画額に対しまして、法十条による地方債の額の比率がお示しのようになっておることは事実でございます。
○細谷委員 ですから、言ってみますと、法十条の運用については、九条、十条等をあわせて考えますと前進をしておらないということになるわけでございますが、大臣、いままでのやりとりで状況がわかりますか。
○土屋政府委員 確かにおっしゃったようなことで、私どもとしては実際改善されておると思っておりますが、計画額との関連でおっしゃいましたので若干申し上げますと、計画額と許可との関係でございますけれども、これは五十年度以前においては確かに許可額が計画額を上回っております。これは、その間の毎年度の資金需要の伸びが計画の策定時に見込んだ計画額の伸びを上回っておりましたために、他の事業債で不用になった政府資金等を流用いたしまして、一部は縁故資金でございますけれども、計画額を上回って許可が行われたわけでございます。 ところが、五十一年度以降におきましては、そういった状況にございましたので、私どもとしても計画額をかなりふやしてきております。そういったことから許可額が計画額の範囲内にとどまったといったようなことでございまして、と同時に、計画額は年々相当な率で増加させておるわけでございますが、これに対して、国庫補助事業の拡充等に伴って地方負担額の伸びがかなり計画額の伸びを下回ってきたといったようなこともございまして、全体としてのそこの計画と許可額のバランスというものが従前と異なっておるということは言えるのじゃないか、そういうことでございますから、計画額まで許可しなかったということが直ちにそれは十分見ていないのだということにはならないと、私どもとしては考えておるわけでございます。
○細谷委員 私も、おたくの方からいただいた数字を基礎にして申し上げておるわけですが、もう一つ問題点があると思うのです。 この九条は、やはり政府資金というのを原則にしているわけです。どういう事情かわかりませんけれども、九条には明確に政府資金を原則にしておるということがうたわれておるわけでありますけれども、かなりの部分が縁故資金になっておる事実はお認めになりますか。これはやはり改めなければならぬと思いますか、いかがですか。
○土屋政府委員 仰せのとおりでございまして、全部が全部政府資金ではございませんで、一部縁故資金があることも事実でございます。しかし、これは額としてはきわめて小さいと私どもとしては考えておりますが、そういう事実はございます。
○細谷委員 不規則発言もあるわけですけれども、同和対策特別措置法は十年の期限が切れまして、せんだって三年間延長しました。その後に、その三年間における国会の附帯決議、こういうものもあります。それを受けて、現状は、十条の運用についてもあるいは法律の九条の地方債の運用についても、やはりなお問題点、改善すべき点があるということは間違いないことでありますから、こういうものを踏まえてこれからどう対応していこうとしているのか、大臣のお考えを示していただきたい。
○安孫子国務大臣 お尋ねの要点は、もっともっと同和事業をやるべきだということ、あるいはその延長をすべきじゃないかというような御質問じゃないかと承りましたが、この改善策については従来とも大変努力をしてきておるところでございます。いろいろ御指摘の点についてお話がございましたが、政府といたしましては最大の努力をしてきておるつもりでございます。至らざる点については、なお検討いたしてまいるつもりでございます。
○細谷委員 時間も十分ありませんから、次に進みます。 私は、さきの地方税の審議の際にいただいた税務局の、黄色い表紙の税の統計の計数表がございますが、それについて若干調べてみました。私の調べたところによりますと、高度経済成長を通じまして、東京とかあるいは大阪府とか、こういうところにおける産業構造の変化というものが起こりまして、税収そのものに現実の影響が出てきておる、こう見ておりますけれども、税務局長、私の見方と同じような見方をしているかどうか、まずお聞きしたいと思います。
○石原政府委員 東京都あるいは大阪府などのいわゆる大都府県の税収入の過去の推移を見ますと、特に法人関係税等につきましては、昭和三十年代の前半ごろに比べましてその後若干低下傾向にあるということは言えると思います。 決算ベースで税収額の全国シェアを見ますと、たとえば東京都の場合でありますと、法人事業税あるいは法人住民税を合わせまして、最近ではおおむね二四%台という点で推移しておりますが、ごく最近ではそれが少し下がってきている。しかも、この率はその中に超過課税を含んでおりますので、超過課税が行われなかった四十九年以前との対比で見ますと、やはり若干低下傾向にあるということは否定できないんではないかと思います。
○細谷委員 否定できないという言葉でありますけれども、私の調べたところによりますと、法人事業税において東京都は、昭和三十八年は全国で二五・一%のシェアを持っておりました。ところが、五十四年度の数字は二二%ということになっております。言ってみますと三%程度シェアが落ちておる、こういうことであります。法人事業税そのものが二兆五千億というのが五十四年度の収入でありますから、三%といたしますと大体において七百億円程度の東京都における法人事業税の落ち込みが構造的に起こっておる、こういうふうに見ることができます。 それから大阪を例にとりますと、大阪は一四・二%の三十八年度のシェアが一一・五%に落ちております。これも三%程度税収が法人事業税において落ち込んでおる、構造的なものである。この数字についてお認めになりますか。
○石原政府委員 ただいまの数字は、そのとおりでございます。
○細谷委員 ところが、こういうような構造的な税収の減、先ほど税務局長がおっしゃいましたように、法人税割も当然のこととして東京、大阪のものは落ちていっております。お隣の千葉県というのは、これはどんどん発展しておりますから、言ってみますと千葉県の場合は三十八年は法人事業税で一・五%のシェアでございましたけれども、五十四年度では二・七%、倍のシェアになっていっておるわけですね。これは、そこに産業構造が変わってきているわけですから、そういう状態になっております。 こういう構造的な税収というものが、どうも交付税計算における需要額と収入額との差額である交付基準額にはほとんど影響を及ぼしておらないように見ることができますが、いかがですか。
○石原政府委員 ただいまのお尋ねは、交付基準額に反映してないんじゃないかというお尋ねですけれども、東京都の場合、御案内のように今日まで常に不交付団体でございますから、プラスの意味の交付基準額というのは出てこないわけですけれども、基準財政需要額で基準財政収入額を割り返したところの財政力指数にはこれが反映してくるわけであります。 そこで、財政力指数を時系列的に追ってみますというと、たとえば昭和四十年代の初期におきましては財政力指数が一一八ぐらいでございました。それが昭和四十五年から四十七年ごろ、税収の状況が非常によかった時期ですが、このころは一二三程度になっております。それが、ごく最近の昭和五十二年から五十四年度の財政力指数で見ますと一一三ということになっておりますから、確かに財政力指数は落ちております。それはとりもなおさず、基準財政需要額に対する基準財政収入額のウエートが下がってきておるという点で反映されているんではないかと思います。 なお大阪府の方は、御案内のように最近では交付税の交付団体に転落しております。これも税収の落ち込み等が反映した結果ではないか、このように考えております。
○細谷委員 こういうような構造的な、特に東京における二次産業の製造業におけるシェアが大きく後退したために、もう回復できないような税収構造に今日なっております。そういう中において、最近、東京都の企画報道室というところから「その成熟化とそれがもたらすもの」という副題がついた「東京の経済・産業の変動」、こういう本が出ております。これを読んでみますと、私が指摘したとおりのことが詳しく分析をされております。そうして、その分析の最後にどういうことを言っておるかといいますと、東京都の財政力の回復のために次のようなものを当面やってもらわなければいかぬ、こう言っております。 その内容といたしまして、昼間の人がみんなよそに行っちゃっている。いまの税を所得税とか住民税で見ますと、これもまたどんどん後退していっているわけです。周辺の方から通っている、東京は昼の場所、こうなっておるのですから、そういう人たちに昼間人口流入に伴う負担増に対して応分の負担を求めたいということも言っております。それから、法人事業税の分割基準の改正を検討してもらいたい。御承知のように、昭和三十年代に東京に余り法人事業税等が行き過ぎるという形で分割基準を直しました。この分割基準を今日この段階において検討をし直していただきたい。それから次に、法人事業税に外形課税の導入を促進してもらいたい。こういうことを東京都は主張をいたしております。この東京都の主張に対して、税務局長はどう考えておりますか。
○石原政府委員 東京都の経済あるいは財政の現状についての分析した報告書を私も拝見しておりますが、その最後に、今後の東京都の税財政のあり方についての御提言について、まず周辺からの流入人口、通勤人口に対して何らかの負担を求めるべきではないかという提言でございます。この点については御承知かと思いますけれども、たとえばニューヨーク市などが非居住者税という名で呼んでおりますが、市外からの通勤者に対して一種の勤務地における源泉所得税のようなものを徴収しております。こういった制度がありますが、わが国ではニューヨーク市のこういった非居住者税といいましょうか、そういったものにヒントを得たわけではありませんけれども、別の角度から五十年度から事業所税を創設したわけです。この事業所税の中では、雇用者割として事業所において雇用される従業員の給与費の〇・二五%を課税するという方式を導入いたしております。こういったものをさらに強化するのがよいのか悪いのか、こういった見地からも検討課題になってくるんじゃないかと思います。 それとは別に、いわゆる入市税といいましょうか、外部からの流入者に対して直接所得課税を行うということについては、現在の所得税、住民税を通ずる所得課税全体の体系ともかなり絡む問題でありますから、慎重な検討が必要ではないかと思います。私自身は、現在の事業所税等の充実の方向で検討するのがより現実的ではないであろうかというような感じを持っております。 それから分割基準の問題でございますが、これは昭和三十七年当時、事業税の分割基準のあり方の問題に関連いたしまして、企業の活動が次第にオートメ化すると申しましょうか、工場の生産設備が非常に高度化いたしまして、従業員数が少なくなって本店に集中する、そうした中で、事業税というのは本来事業活動をより的確に反映させるような基準を使うべきであるという工場所在の府県の強い意見がありまして、従業員割のほかに固定資産割といいましょうか、機械とか装置、こういったものの価格を分割基準に取り入れるべきではないかという意見がありまして、そこでいろいろの分析、検討した結果、本店の、本社の従業員を二分の一にすることでおおむね地方の機械、装置等の状況も反映できるという、当時の検討結果に基づいて現在の分割基準のような形になった経緯がございます。 そこで、この分割基準につきましては、最近の実態から見直してしかるべきではないかという意見が東京都などから出されておりますので、私どもも最近のデータに基づいて、三十七年当時の改正の背景と現在とはどう変わっているのかいろいろ調べております。ただ、私どもが入手し得たデータによる限りにおいては、その当時と今日とで根本的に事情が変わったとは考えられないわけであります。各企業の事業活動の実態を正確に分割基準に反映させるという見地からいたしますと、本店の従業員を二分の一にするという措置は今日においても十分妥当する、正しい方向ではないか、このように私どもは考えております。したがいまして現時点で分割基準そのものをもとに戻すと申しましょうか、二分の一方式を再検討するということは適当でないんじゃないか、このように考えております。 それから第三番目に、外形標準課税の導入でございますが、これはしばしば御答弁を申し上げておりますように、事業税の本質からいたしますと外形標準課税の方がより税の性格にマッチする、それからまた地方団体の税収入の安定という意味からも望ましい、このように考えております。ただ、この件につきましては税制調査会の答申等におきまして、根本的な、より大きな税制改正の中で、たとえば課税ベースの広い間接税の導入などと一緒に検討すべきであるというような御答申もいただいておりますので、私どもは今後実現の方向で努力していかなければならない課題である、このように思っております。
○細谷委員 まだ問題点は存するけれども、手直しをするところまでは至っておらぬというのが税務局長の見解のようでありますけれども、私は東京都の例を申し上げました。この引用した資料も東京都のことを申し上げました。おたくの方の黄表紙のあの数字でも私は申し上げました。しかし、あの黄表紙の資料を見る限りにおいては、東京よりももっと深刻なのは大阪府ではないかと私は見ております。 先ほど言ったように、シェアが小さいにもかかわらず、大阪の方は法人事業税において三%シェアが落ち込んでおるのですから、東京と同じように七百億円程度落ち込んでおります。こういうような落ち込みが、東京都の財政ももちろんでありますが、大阪の財政をかなり深刻な状態に陥れております。 私は、この委員会で三月ごろ大臣の所信表明に対して、地方公務員の給与が高いのは、あるいは地方公務員の退職金が高いのは、地方財政計画上単独事業が余分に織り込まれておってそれが給与に回っておるんだ、こういう新聞の社説等がかなり出てまいりました。ところが、この単独事業というものを追っていきますと、単独事業が計画どおり実施されておらぬのは五十年以降なんです。いわゆる借金財政に明け暮れて以降、地方財政計画が単独事業において消化されてない。四十年代は完全に消化しているわけですね。その原因は何かというと、私は地方の財政事情の深刻さにあるんだということを申し上げました。 そこで、単独事業を洗ってみまして地財計画と決算の乖離、単独事業における乖離というものを探ってみますと、まさしく計画と決算が乖離しているのは、犯人は——犯人というとおかしいのでありますけれども原因は、東京都と大阪府が単独事業をやっておらないという一語に尽きるのではないか、こう思うのであります。 少し数字を申し上げますと、五十年度を一〇〇といたしまして、五十四年度、東京都は単独事業を一三〇消化しております。大阪府は、単独事業を五十年度を一〇〇といたしますと七二しか消化していないのであります。その他の府県ではどうかといいますと、五十年度を一〇〇といたしますと単独事業を二〇七消化しているのですよ。 そして、地方財政計画はどういうふうに計画しているかといいますと、五十年度は、単独事業を一〇〇といたしますと、五十四年度は二一八である。言ってみますと、東京都が一三〇、大阪府に至っては七二しか消化していない。そしてしかも東京都のシェアは、単独事業においては全国の一六%のシェアを持つ。大阪は一一%のシェアを持っているのですよ。そこのところが、計画の半分以下しかやっていないのでありますから、大阪に至っては三分の一しか消化していないのでありますから、単独事業は計画どおりいかないで乖離されておる。この最大の犯人というのはそこにあるのではないか、こう思いますが、財政局長あるいは審議官、どう見ておりますか、お答えいただきたい。
○土屋政府委員 お示しのございましたように、単独事業についての計画と決算との乖離ということがいろいろ言われておることも事実でございます。その点については、数字的にはそういうことになっておりますが、私どもとしては、たとえば給与等については国家公務員並みのものを組んでおりますし、そこの使い方についてはそれぞれの団体の事情もあって、いろいろとその団体の実態に合った決算が出ておるわけでございますけれども、単独事業そのものについて申し上げますと、決算が低いということは事実でございますが、決算における経理の仕方、一つにはいわゆる継ぎ足し単独というものが公共事業、補助事業と一緒に経理をされておるといったような面もございます。 しかし、それを見てもなお乖離がないわけではございませんが、その点については、当時財政が非常に悪化してきた中で景気浮揚のために公共事業を大いに進める、そういうことが行われまして、大体地方団体はそちらの方へ主力が向かったということもありますのと、もう一つはいまお示しになったように、全国的に非常にシェアの高い東京なり大阪というものが現実に単独事業をする割合が低かった、そういった面等もあったと存じます。そういったことから乖離が生じておるということでございます。 ほかにもいろいろと問題があると思いますが、おっしゃいましたようなことがあったと存じます。
○細谷委員 そこで、時間も余りありませんので、大臣、いま議論したとおりなんですよ。やはり経済構造の変動によりまして集中的に東京、それよりもひどいのは大阪が経済的にかなり大きく陥没している。そういう中において私は、交付税は法律に書いてありますように、常に地方財政の実態を把握して公平に配分されるように対応していかなければならぬという観点、法律の精神からいきますと、この交付税の配分について検討をすべき点がもう具体に生まれているのじゃないか、こう思いますが、大臣どう考え、どう対応しようとしているのか、お答えいただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 交付税の配分においては、やはり公平に配分をするということが基本だろうと思います。実態を十分に検討いたしまして、そうした方向でこれから配分を決めていきたいと思っております。
○細谷委員 そこで、例を東京都にとって少し議論を進めたいと思うのであります。これもまた初歩的なことでありますけれども、東京都の交付税計算、いわゆる基準財政収入額と需要額の計算は、法律の何条のどこに基づいてやっておるのか、お答えいただきたいと思います。
○矢野政府委員 地方交付税法第二十一条におきまして「都等の特例」が設けてございます。都にあっては、道府県に対する交付税の算定に関してはその全区域を道府県とみなす、市町村に対する交付税の算定に関しては特別区の存する区域を市町村とみなす、それぞれ計算をいたしました需要の合算、収入の合算をもって東京都に対する基準財政需要額及び基準財政収入額とする、このように規定してございます。
○細谷委員 東京都の交付税計算は、たとえば二条に基づいて単位費用とかあるいは補正、こういうものを使って普通の道府県と同じように計算しているのではなくて、やり方は同じであろうけれども、根拠は都の特例である地方交付税法二十一条に基づいてやっておる、こういうお答えでございます。それ以外にないわけですね。法律を見ますと、単位費用の計算というのは「道府県又は市町村ごとに、」と書いてあるのですから、都はないわけですよ。ですから、都が入ってくるとすれば二十一条でほかの道府県と同じようにやりますよ、こういうことになるわけであります。 この都の特例という条文はいつ入ったのですか。
○矢野政府委員 地方交付税の前身でございます地方財政平衡交付金の根拠とされました地方財政平衡交付金法、これは昭和二十五年に制定されておりますが、先ほど申し上げました都の特例は、創設当時の昭和二十五年に現在の形と若干違う形で入っておりますが、翌昭和二十六年に改正をされまして、現在のようないわゆる合算制度という規定が設けられておるものでございます。
○細谷委員 おっしゃるとおりです。二十五年にシャウプ勧告に基づいてできた地方財政平衡交付金制度、二十五年法律二百十一号によりますと、二十一条都の特例という条項はあるわけです。それによりますと、「都は、道府県に対する交付金の交付に関しては、その全区域を道府県とみなし、市町村に対する交付金の交付に関しては、その特別区の存する区域を市町村とみなす。」こうあります。そして翌年になりまして、おっしゃるように二十一条というところが改正されまして、合算規定が盛り込まれたわけですね。そしてこの合算規定が二十九年ですか、地方財政平衡交付金制度が地方交付税になったときに、そのまま二十一条が引き継がれて今日になるわけです。一方、その間に東京都の区長というのは、公選制から任命制になり、任命制から今日公選制になっております。制度も変わってきております。 そこでお尋ねしたいのは、最初の平衡交付金のときには合算規定がなくて、どうしてその翌年に合算規定が生まれて、その後交付税に変わって今日までこれが生き続けておるのか、何か根拠がありますか。
○矢野政府委員 法律改正の歴史的な経緯は先ほど申し上げたとおりでございますが、昭和二十五年の平衡交付金法制定当時におきましては、先ほど申し上げましたように、道府県に対する交付金の交付に関しては、都は全区域を道府県とみなす、市町村に対する交付金の交付に関しては、特別区の存する区域を市町村とみなすという規定だけでありまして、その結果をどうするかということについては、具体の規定がなかったようでございます。 当時の考え方がどのようであったのかということは、はっきりはしないわけでございまして、制定当初において、都分と特別区分を合算するかどうかという考え方は、必ずしも明確に示されていなかったわけでございます。それを、二十六年に改正をいたしますときに、私がただいま申し上げましたようなことを提案理由におきまして説明をしておるわけでございます。いずれにいたしましても、制定の翌年にそのような合算規定にしたということは、都と特別区との間の関係が、通常の道府県、市町村と行政の権能の配分なりあるいは税制の面において異なるということから、この両者を合算することが適当だという考え方のもとに、平衡交付金制定の翌年度に改正を行いまして、現在のような合算規定にしたものと考えます。
○細谷委員 合算規定が二十六年にできてから今日まで、ずっとたどってみますと、私は特に注目したい点は、昭和五十年度、いわゆる第一次石油ショックがかなり深刻に地方財政を直撃しておったときには、二十一条に基づいて計算された都の分は九百六十四億円の超過であった。その場合に区分はどうかといいますと、四百二十二億円の赤だったのですよ。しかし、合算規定でありますから、九百六十四億円という都分のいわゆる黒字と二十三区分の四百二十二億円が差し引きされまして、なお五百四十二億円の黒字だったという形で交付税が来ておりません。五十一年は、都分が千百十四億円で二十三区分が六百五十五億円赤字で、差し引き四百五十九億となっております。 問題はその次にあるのですよ。五十二年はどうかといいますと、都の方は、前年が千百十億円の黒であったのですが、五十二年は都の方は千五十九億円の黒であります。二十三区分は、前年は六百五十五億円の赤であったのが一転して三十七億円の黒、こう算定されておるわけです。でありますから、今度はもう合算しようとしまいと、交付税は行かぬような仕組みになっておる。それが今日までずっと続いてきております。 私が疑問に思うのは、前年度が六百五十五億円という赤であった二十三区が、翌年度に一転して三十七億円の黒に変化するという交付税の計算は安定性がないのではないか、こういう安定性では地方団体がこれを頼みにして安心して財政運営をすることができないのではないか。これもかかって交付税総額そのものから、世間で言われるように、都道府県のうち都ぐらいは不交付団体にしておかなければ交付税制度がおかしくなってしまうという意図で自治省が作業をしたのではないか、ウルトラCをやったのではないかといううわさも聞かれるわけでありますけれども、大臣、こういう不安定な計算に私は問題があると思う。その不安定な計算はどこから出たかというと、単位費用の大幅な変更が行われてこうなってきておるのです。問題があると思うのですが、大臣どうお考えですか。
○矢野政府委員 大臣からお答えをいただきます前に、事務的に私から申し上げたいと思います。 御指摘のように、昭和五十一年度の交付税の算定におきましては、都分は一千百十三億七千万円余の財源超過、特別区分が六百五十五億円余の財源不足、しかし両者差し引きいたしまして四百五十九億の財源超過ということでございましたが、五十二年度におきましては、おっしゃるとおり都分、特別区分ともに財源超過ということになっておるわけでございます。 御記憶のとおり、この時期大変地方財政の厳しい時期でございました。財源の不足に対処するための策といたしまして、従来交付税の基準財政需要額で見ておりました投資的経費の一部を財源対策債によって措置をする、そのことのために需要に盛り込まれました投資的経費が各団体におきまして移しかえられた、つまり減らされたわけでございますが、特にその際東京都の特別区におきましてこの影響の大きかったのが、一つが都市計画費、もう一つが公園費でございます。この両者につきましては全国におきましても、前者は前年度の七一・二%に減り、それから後者、公園費の方は三一・九%に減ったわけでございますが、東京都におきましても都市計画の方は四九・七%に減り、公園費が三一・七%に減っておるわけでございます。 特に、東京都の特別区の場合、都市計画費のウエートが高うございますので、この影響が強く出たために基準財政需要額の伸びが全国の平均に比べましてかなり低くなり、基準財政収入額の方は全国の市町村と比べまして余り大差はございませんでしたけれども、いま申し上げましたような需要の伸びが低かったために財源超過となったということでございまして、当時の財源対策の経緯から出てまいった結果でございます。決して東京都に対する意図的な、ウルトラ的なものを用いるというようなことがあったわけではございません。御説明申し上げます。
○細谷委員 私が言いたいのは、こういう不安定な単位費用をやった、それはおっしゃるように総額の不足から来ているんだ。言ってみますと、こういう交付税計算の不安定性の原因もやはり交付税総額の不足、こういうことに帰するわけでありますけれども、こういう不安定な交付税計算にならないように大臣としては最大の努力を払わなければならないと思います。したがって、大臣の決意のほどを承りたいのであります。
○安孫子国務大臣 おっしゃる点は、単位費用をいじることによって交付税の総額が足りないのをカバーしておる、その辺のやりくりがあるんじゃないか、こういうような趣旨のお尋ねのように承ったわけでございますが、私ども交付税総額を決めるにつきましては、どうしても標準団体によって必要とするというものを基準といたしまして、それでこれだけのものは足りないのだということを出して、それを交付税として、あるいはその他の財源措置によってカバーするということで総枠を決めているわけでございます。 そして、今度単位費用を算定するにつきましては、いろいろなデータを使いましてできるだけ公正に単位費用というものを考えていこう、こういうことであるのでございますが、この点について、あるいはいろいろな批判もあるかもしれませんけれども、自治省といたしましては、交付税の総額が足りないから単位費用で何とかやりくりしてかっこうをつけるというようなことじゃなくて、全体がどうしても足りないものは足りないなりの財政措置を講じて、その配分につきましては公正な単位費用を算定して配分しておる、こういう仕組みでいっているわけでございます。
○細谷委員 終わりますが、大臣が言うとおりになっているなら問題はないわけですよ。そういうふうになってないことを私は具体の例を挙げていままで質問してきたわけであって、それはやはり総枠の問題じゃない。そうなってまいりますと、それは大蔵大臣の問題であり自治大臣の問題でありまして、あす一時間ばかり大蔵大臣に質問する時間があるようでありますから、その辺についてはあすの質問に譲って、きょうはひとつ大臣、言葉だけはきれいでありますが、そうなってないのですからよく承知してがんばっていただきたいと思います。 終わります。
○左藤委員長 大橋敏雄君。
○大橋委員 私も地方交付税法の一部改正案の質疑に入るわけでございますが、質疑に入る前にきわめて初歩的なことではございますが、地方交付税の仕組みということについてまず確認をしておきたいと思うわけです。 と申しますのは、地方団体といっても財政力の強い団体、弱い団体さまざまあるわけですね。そういうことから財政力が弱くて地方税収入が十分でない地方団体と、いわゆる財政力のある地方団体との間に財源を調整して、すべての地方団体に言うならば標準的な行政水準を維持していくためにそうした交付税を渡すのであるというふうな考えでいいのかどうか、まずこれを確認しておきたいわけです。
○土屋政府委員 おおむねただいまおっしゃいましたようなことでございまして、地方団体が実際に全体の行政の中で受け持っておる分野というのは七割ぐらいあるわけでございます。それについて十分自主財源、地方税で措置ができればいいのでございますけれども、税源の偏在がございますから、それがそのとおりにはいかないということでございます。そういったことから標準的な所要の行政を維持する上で、財源を付与します際にいま申しましたような国税の一部分をいわば共有の地方税というかっこうで取り出して、それを配分することによって所要の行政水準を維持するということでございます。そういうふうに理解しております。そうしてまた、それを通じて財源の調整機能と保障機能を持っておる、こういうことでございます。
○大橋委員 そういうことを基本に置きまして、法案の中身についていろいろとお尋ねしていくわけでございますが、きょうの質疑の中で地方自治体の雇用率の問題を聞きたいということで通告いたしましたところが、労働省の答弁なさる方の時間が非常に限られているようでございますので、冒頭にそれを取り上げたいと思います。 実は、わが党の北海道本部がことしの二月中旬に、自治体の身障者の社会参加促進実態ということを調査したわけでございますが、その結果が身障者雇用率を下回っている自治体、いわゆる市町村が全体のほぼ半数に達しているということが実はわかったわけです。これを見まして、私は、自治体自身の障害者雇用に対する意識が非常に低いのではないかなというように考えられてなりません。要するに、自治体の障害者に対する物の考え方が余り熱心でないのだということが浮き彫りにされたような気がしてならぬわけでございます。これからわが党の実態の一部分を申し上げますけれども、それを踏まえられまして、自治省はこの実態に目を開いていただいて的確な指導を行い、あるいはまた身障者の社会参加を促進していただきたいということでございます。 そこで、北海道内にある二百十二市町村のうち、いろいろと調査内容を示したわけでございますが、回答が参りましたのが残念ながら百八十八でございました。その百八十八市町村の内容を見てまいりますと、非現業部門の雇用率は一・九になっているわけでございますけれども、それに達していない未達成市町村は九十三あったわけですね。雇用率が一%未満というのが三十町と七村、三十七。それから一%から一・九%未満が十市四十二町四村で合計すると五十六。合わせまして九十三が未達成。したがいまして、一・九%以上の雇用率を達成していたのが二十一市六十七町七村、九十五ということでございます。 いま申し上げましたように、約半数がいわゆる未達成自治体である、こういうことであったわけです。これはやはり重要な事柄だろうと思いますし、自治省としてこういう市町村の身体障害者雇用に対する指導あるいは方針というものはどういうものがあるのか、まずお尋ねをしたいと思うわけです。
○宮尾政府委員 身体障害者の雇用率の達成状況の問題でございますが、これは所管が労働省になっておりまして、私ども労働省の方からいろいろな市町村の状況についてお聞きをしておるところでございますので、その点は後から労働省の方からお答えをしていただきたいと思います。 そこで、地方公共団体におきます身体障害者の雇用状況の問題でございますが、北海道の事例は後で労働省から御答弁いただくことといたしまして、昭和五十五年六月一日現在で労働省が調査をしたところによりますと、総体として雇用率一・八%が適用されております現業機関では、都道府県もそれから市町村もともに基準を達成をしているというふうに伺っております。ただ一・九という雇用率が適用されます非現業機関では、これは全国平均の問題でございますが、市町村の機関は基準を達成しておりますが、都道府県の機関では一・五三ということで基準に達していないということに伺っております。いま申し上げましたのは、都道府県全体あるいは市町村全体を通じての数字でございます。 そこで、都道府県の非現業機関で基準が達成されていないという点につきましては、これは知事部局では達成をしておりますが、教育委員会で基準を相当下回っていることが原因であるというふうに承知をしております。自治省といたしましては、従来から地方公共団体に対しまして、身体障害者雇用促進法の趣旨にのっとって基準を達成するように、いろいろ会議等の機会を通じまして指導をしてまいってきておるわけでございますが、今後ともこの問題を所管しております労働省の方と十分連絡をとりながら、雇用率の達成をするように指導をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○大橋委員 確かに所管は労働省かもしれませんけれども、やはり地方自治体の職員の問題でございまして、これは自治体自身がもっと掘り下げて、実態を見ながらその方向に強力に指導していかねばならぬと私は思うのです。というのは、労働省の調査というのは、あくまでも単純に法律の規定そのものによって物を計算し、そして調査結果を出しますから、かなり実態とは離れた数字が出てくる場合があるわけです。 たとえば、労働省にお尋ねしますけれども、労働省は昨年六月、同じように北海道の市町村における身体障害者の雇用状況を調査なさったと思うのです。その調査結果をわれわれも見たのですけれども、どうも納得いかないことがあるのですね。たとえば未達成機関がわずか四十四、こう出ておるわけですよ。これは実態を把握していないのじゃないかという感じがしてならぬのですけれども、この辺ちょっと説明してください。
○若林説明員 地方公共団体の雇用率は、先生御指摘のように非現業につきましては一・九%、現業につきましては一・八%になっているわけでございます。この雇用率の適用に当たりましては、それぞれの機関の職員数から、私ども除外職員と申しておりますが、除外職員を除きました職員数が基礎となるわけでございまして、これに一・九あるいは一・八を乗じまして雇用すべき身体障害者の数を算定しているわけでございますけれども、身体障害者雇用促進法の第十一条におきまして、その数に一人未満の端数がございますときは、その端数を切り捨てるということになっているわけでございます。したがいまして、一・九%未満でございましても、不足数がゼロの場合につきましては雇用義務は達成されるということに法律上なるわけでございます。 先生いま御指摘の北海道の状況でございますけれども一雇用義務を有しております機関の数が二百十四でございます。このうちで一・九%未満の機関が百九でございます。これがただいま先生御指摘の先生の御調査の九十三に該当する数字でございます。百九でございまして、そのうち一・九%未満ではございますけれども不足数がゼロの機関、つまり法律上は雇用義務を達成しているという機関が六十五ございまして、残りの四十四が未達成機関ということになるわけでございます。ただいま先生御指摘になりました数字の四十四というのはそういうことでございます。したがいまして、調査の結果は大筋におきまして先生の御調査と同じであるというふうに考えております。
○大橋委員 ちょっとその辺が私理解しにくいのですけれども、雇用義務機関数は二百十四あるというのですね。そこで一・九%未満の機関というのが百九ある、こう労働省の調査で出ておるのですね。ところが未達成機関は四十四で達成機関が六十五だ、こうあるのですよ。これはあくまでも端数が一未満は切り捨てるんだということ、ここにも書いてあるのですけれども、一・九未満で不足数ゼロの機関は云々ということでこういうことになるのでしょうけれども、われわれが実際に調査してみた実態というのは、たとえば二百十四からこの百九を引いた百五、これが達成している企業である。そして四十四と六十五、達成機関とみなされている六十五は、われわれが見る限りにおいて未達成の状況にあるわけですね。 ただ、雇用率といま言われる切り捨て云々のことでこういう形になるのではないかと思うのですけれども、われわれ公明党は百八十八の調査数から、いわゆる達成は九十五、未達成は九十三、このようにとらえたわけですね。実際にそうだったからこういう数字を出したわけでございますけれども、そういうことで労働省はあくまでも法律のそれに基づいてなされるから形の上ではいまのようなかっこうになりますけれども、実態的には全部の百九が未達成だ、私はこのように判断せざるを得ないわけですね。 そこで、ちょっとお尋ねしますけれども、その端数の一未満は切り捨てるということになっておりますけれども、そうしますと、たとえば職員数が十人くらいの村がありますね。その機関では一・九の計算になるから一人雇えば達成された、こういうことになるわけですね。逆に、大体いま五十六名に対して一名の雇用者を採用するというのが一・八%の雇用率になるわけでございますが、その計算でいきますと百十二名いるところは二名を達成しなければならぬぞ、こういうことになりますね。ところが、たとえば百十二じゃなくて百十名の職員だったら一名とっていれば達成だ、こういうことになるわけでしょう、どうですか。
○若林説明員 法律的に申しますとただいま先生御指摘のとおりでございまして、一・九%適用されます機関につきましては、五十三名以上が適用になってくるわけでございます。一・八%の適用の機関につきましては、五十六名以上が対象になってまいります。したがいまして、百名の機関において一名採用されております場合は、一・九%未満、一・八%未満でございますけれども、それは雇用率が法律上は達成されているということになるわけでございます。 それはそのとおりでございますが、法律上の達成、未達成という論議でございますけれども、私どももとより雇用率の未達成の機関の雇用率達成指導を強力に推進しているわけでございますけれども、さらにすでに達成しております機関につきましても、民間に率先して雇用していくという国なり地方公共団体の立場から考えまして、より積極的に引き続き雇用を進めていただくように要請をいたしているところでございます。
○大橋委員 これは自治省にお尋ねしたいのですけれども、いまの身体障害者雇用促進法、この十一条に「雇用に関する国等の義務」ということで雇用率の条文が示されているわけでございますが、この法律に基づいていきますといまのような計算でしかなりませんし、実態的には非常に雇用率が悪い結果になるわけです。これは一つ一つの小さな自治体を見ていくと、いまのような一未満はというようなことで先ほどの結果が出てくるわけでございますが、これをたとえば県とか北海道全体とかというブロック全体で雇用率を見て、そういう立場から自治省は各自治体に雇用の促進を指導していくべきではないか、私はこのように考えるのですけれども、いかがなものですか。
○宮尾政府委員 身体障害者雇用促進法に基づきます諸施策というのは、これはすべて労働省が都道府県の労働部等を通じまして事務を進めておるという立場でございます。もちろん、自治省といたしましては地方団体を指導する立場にございますので、労働省のいろいろなデータあるいはその考え方をお聞きしながら、全面的に協力していきたいというふうに考えております。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕 ただ、いま申し上げましたように、雇用率をどういう段階でさらに高めていくように努力するかということは、これは労働行政の中身そのものでございますので、私どももまた労働省の方と十分連絡をとりながら、未達成機関につきましては達成をするように、達成しておるところでもできるだけ雇用率を高めるように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○大橋委員 とにかく、雇用率を達成すればいいということじゃなくて、いまおっしゃったとおりに達成しているところでもそうした弱い立場にある方々をさらにどんどん採用していく、そういう方向で全力を挙げていただきたいと思います。 それでは、時間の関係もありますので次に移ります。 労働省の方が帰られるのでついでにお尋ねいたしますけれども、障害者雇用に関連いたしまして、公共職業安定所の紹介によって重度もしくは四十五歳以上の身障者または重度精薄者を常用労働者として雇い入れる事業主に対しては助成金が出るわけでございますが、昭和五十四年四月一月以降とられてきたその内容は、雇用促進事業団が担当いたしまして重度障害者等雇用管理助成金というのが支給されてきたわけですね。これは一人当たり月十万円二年間支給されるということで、合計すれば二百四十万円になるわけでございますけれども、この制度が五十六年三月三十一日で切れるということで延長されましたね。ことしの六月八日まではこの方向でまいりましょう、しかしながら六月八日以降は新しい考えで進みますよという内容を見てみますと、大変後退した内容が出てきているわけですね。 今度は雇用促進協会が担当しまして、重度障害者等職場適応助成金という名前に変わりまして、一人当たり月三万円に額が落ちて、年数は三年になりましたけれども、結局それを合計いたしますと百八万円にしかならぬわけですね。二百四十万と百八万ではかなり大きな後退だと私は見るわけでございますが、これは一体いかなることか。ましてや障害者年を迎えた今日、そうした後退するようなことは余り賛成できませんし、何か理由があるのかどうか、はっきり答弁していただきたいと思います。
○若林説明員 先生御指摘の重度障害者等雇用管理助成金でございますが、五十四年の四月一日から当時の雇用状況を反映いたしまして二年間の臨時特例的な制度として設けられたものでございます。本年三月三十一日で廃止されるべき制度でございましたけれども、各方面から、こういうような制度の恒久化を図って、重度障害者などの適正な雇用管理の措置をやはり推進すべきである、こういうような御意見でございました。いま先生おっしゃいましたように、六月八日から恒久的制度として、新たに重度障害者等職場適応助成金を創設することにしたわけでございます。それまでの間は、現行の助成金を延長するという措置をとったわけでございます。 御指摘のとおり、この新しい助成金は、重度障害者等一人につきまして一月三万円を三年間支給するということでございます。この点につきましては、身体障害者雇用審議会におきましていろいろと御議論をいただきまして、その御意見の結果としてこういう制度にいたしたわけでございます。金額は少なくしてもなるべくこの期間を長くして、金の切れ目が縁の切れ目にならないようなそういう制度をつくるべきである、こういうような御意見に基づきましてこういった制度をつくったわけでございます。 さらにこれに加えまして、先ごろ成立いたしました雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律というものによりまして、新たに特定求職者雇用開発助成金という制度が創設されることになりました。この場合、たとえば中小企業の場合でございますが、中小企業が重度障害者を雇用いたします場合には、賃金の二分の一を一年半にわたって助成をするというものでございまして、この二つの助成金が併給されることになるわけでございます。したがいまして、助成額といたしましては相当の水準になるということが言えるわけでございます。それから先ほど申しましたように、助成の期間につきましては、職場適応助成金の方は二年を三年にすることによりまして、雇用後の適正な職場適応を図るということにいたしたわけでございまして、この制度の活用によりまして障害者の雇用を強力に推進してまいりたいと考えているところでございます。
○大橋委員 私、先ほど改正前と後は、端的にお金を計算しますと、二百四十万円の助成金が百八万円に減る、余りにもひどい後退ではないか、こう申しましたら、何ですか、特定求職者雇用開発助成金ですか、そういうものが出て、身体障害者が受けている賃金の二分の一が助成される。ということは、身体障害者の受けている賃金の多寡によってがらっと変わってきますね。平均的にどういうふうに見ておりますか。
○若林説明員 重度障害者等雇用管理助成金の場合には、月十万円の二十四カ月でございますので二百四十万円でございます。それから新しい重度障害者等職場適応助成金は、月額三万円で三十六カ月でございますのでこれは百八万円、先生御指摘のとおりでございます。それから新しくできました特定求職者雇用開発助成金は、賃金の多寡によって変わってくるわけでございますが、これまでの重度障害者等雇用管理助成金の支給実績から勘案いたしますと、重度障害者の方の賃金の実績、平均九万円ぐらいでございます。九万円ぐらいを二分の一といたしまして十八カ月掛けますと八十一万円になります。したがいまして百八万円と八十一万円で、合計いたしますと百八十九万円、平均的に申しますとそのぐらいの額になるということでございます。
○大橋委員 確かに、前の制度を発足させたときの考え方が審議会によって真剣に審議された後、恒久対策としてこういうことが考えられてきたということですから、多少の後退があってもやむを得ないという立場をとらざるを得ないかと思いますけれども、先ほど申しましたように身体障害者を特に日の当たる立場に持っていこうという障害者年でございますので、さらにそういう方向でこれが改善されるということを強く要望して、あなたに対する質問は終わります。 大蔵省の方、来ていますか。——あなたも何か時間の関係があるそうでございますので、実は後で聞きたかったのですが、先にお尋ねをいたします。しかし、これは地方財政法第五条との関係になりますので、いまから大蔵省のお答えをしっかりと胸にとめておっていただきたいわけであります。 まず、大蔵省に聞きたいことは、国家財政におきまして財政法第四条というものがあるわけでございますけれども、この財政法第四条の趣旨について私は聞きたいわけです。と申しますのは、この第四条というのは国債発行は原則的に禁止している、そして公共事業や出資金及び貸付金の原資としての国債、いわゆる建設公債は例外として認めているのだ、すなわち歳入補てん公債、いわゆる赤字公債というものの発行は全く認めていないのだ、このように理解していいかどうか、まずお聞きをいたします。
○小川説明員 お答え申し上げます。 財政法四条の規定はいま先生おっしゃいましたとおり、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」まず本文では、公債等の借り入れによってはならないということをうたっております。ただ、ただし善きがございまして、「公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行」することができるという規定になっております。その限りにおきまして、一般的には公債等の借り入れを財源としてはならない、しかし特定のものについては、その趣旨からいって借り入れに頼ってもよろしいという規定になっております。したがいまして結論といたしまして、いわゆる赤字を補てんするための公債発行は、財政法四条をもってしては許されていないというふうに解釈されます。
○大橋委員 それでは、もう一度その確認の意味でお尋ねいたしますけれども、財政法第四条は均衡予算主義によるものであって、建設公債もやむを得ない場合はこれを認めている、これが本来の趣旨なんだ、こういうことでいいですね。
○小川説明員 お答え申し上げます。 財政法四条の規定がただし書きで公共事業費等をうたっている趣旨からいたしますと、原則として公債等の借り入れによるべきではないということは確かでございます。しかしながら、同じ法律の条文をもちまして公共事業費等については借り入れをしてもよろしいという規定になっておりますので、それをもって禁止の解除と考えるか、あるいは並列的にそういう書き方をしたと考えるかというような、二つの考え方があろうかと存じます。しかしいずれにしましても、公共事業費等につきましては借り入れをしてやることは、この規定によって許されているというふうに解釈できるわけでございます。
○大橋委員 それでは大蔵省の方は結構でございます。 そこでお尋ねをいたしますが、昭和五十六年度の地方財政における財源不足、地方自治体の財源不足、当初見込み額はたしか一兆六千五百億円とみなされていたと思うのでございますが、これが最終的には一兆三百億に落ちつくという計画が出された、そのいきさつをまず……。
○土屋政府委員 五十六年度の地方財政計画を策定いたします場合に、私どもとしては地方財政の収支見通しを国の予算編成と並行して行ったわけでございますが、その結果現行制度のもとにおきまして、お示しのございましたように一兆六千五百億円の財源不定が見込まれたわけでございます。この一兆六千五百億円の根拠には、すでに五十四年度の国税三税の精算に伴います千百六十億円というものは、いずれにしても五十六年度に使うということで財源として見込んだ結果、一兆六千五百億円という数字が出たわけでございます。しかし、その後、税制改正によって、地方税なり地方交付税の増が見込まれまして、それがその当時の見込みとして、地方交付税で二千九百億円、地方税で七百五十億円、合わせて三千六百五十億円になりますが、これが新たに税制改正が行われることによって生じてくる収入と見込まれたわけでございます。 そのほかに、御承知のように昭和五十五年度の補正予算によって、かなり国税三税が出てまいりました。それに伴う地方交付税の増加額が約二千九百十億円ぐらい見込まれたわけでございますが、その中から調整戻しが百二十億円、これを差っ引き、かつまた冷害なり豪雪対策等としての二百四十億円の特別交付税を差っ引きまして、残りの二千五百五十億円は五十六年度へ繰り越して、五十六年度の財源にするということになりました。したがいまして、それを差っ引きますと、最終的に約一兆三百億円の財源不足ということに相なったわけでございます。
○大橋委員 要するに、五十五年度の交付税増収の繰り越しが二千五百五十億、税制改正による増収額が三千六百五十億ですね。それを差し引くと一兆三百億になるということでございますが、いままで説明された内容は、結局は今度問題になりました増税の措置、それからいわゆる自然増収というようなかっこうでの、労せずして入ってきた立場での減額になってきているわけですね。自治省としてそれこそ特別に努力をし、頭をひねって云々という問題ではないと思うのです。 いずれにしましても、五十六年度も一兆三百億という大変な財源不足を来してきたわけでございますけれども、この地方財政は、五十年度以降大幅な財政収支の不均衡が続きまして、五十年度の補正から五十五年度当初までの財源不足の累積額というものは十六兆円を超したと言われているわけでございますが、こうした多額の財源不足に対しまして、毎年度主として交付税特別会計における借入金やあるいは臨時、これと地方債の増発、いわゆる財源対策債によって補てん措置が賄われてきた、何とかつじつま合わせば行われてきたという状況にあると思うのですけれども、この財源不足額に対する五十年の補正から五十五年度、この交付税措置額と地方税措置額のそれぞれの割合を説明していただきたいと思います。また、特に五十六年度における財政不足額のいま言う一兆三百億円の補てん措置の内容についてもお願いいたします。
○土屋政府委員 五十年度から、御承知のように収支の不均衡が目立ってまいりました。お示しのとおり、その穴埋めは交付税特別会計の増額、特に特会借り入れと地方債の増発、この二つによって穴埋めをする、そういったパターンがずっと続いてきておるわけでございます。 五十年度の状況を申し上げますと、交付税の増額が財源不足のうちの五一・三%、地方債の増額が四八・七%ということでございます。五十一年度は、同じく交付税措置で五二・三%、地方債増額が四七・七%。五十二年度は交付税措置が五〇%で地方債が五〇。五十三年度が地方交付税の増額五五・七%で、地方債措置が四四・三%。五十四年度が交付税措置が六〇%で地方債増額措置が四〇%。五十五年度が交付税措置が四九・九%で、地方債の増額が五〇・一%。 五十六年度は、ただいまの一兆三百億円でございますが、その内訳は臨時特例交付金が千三百億円、それから償還法の変更、特会借り入れ等を含めまして、臨時等全部合わせまして三千四百億円の地方交付税の増額措置をとりまして、これが財源不足額の三三%を占めております。したがいまして地方債の増額、財源対策債分が六七%、こういうことになっておるわけであります。
○大橋委員 いまの説明ではっきりしますように、五十年から五十五年度までの交付税の措置額と地方債の措置額の割合を見ていきますと、大体フィフティー・フィフティーといいますか、五〇対五〇という感じで来ておりますね。いずれにしましても、地方債の方が少ないというのが従来の姿であって、五十五年度だけがちょっと四九・九対五〇・一と変わったのですけれども、今度の五十六年度はまたどえらい変わり方ですね、三三%対六七%ということで逆転してしまいました。この姿は問題だと思う。 大体、地方債によってそうしたものを埋めていくことはよろしくないということは、十八次地方制度調査会の答申の中にもはっきりしております。「地方においてもできる限り地方債への依存を抑制していくことを基調として、従来財源不足を補てんする手段として発行されてきた財源対策債の発行を縮減することとすべきである。」こういって指摘しておるわけですね。ということは、五十六年度の今度の措置は逆行する姿ですね。これに対して大臣、どうお考えになっておるか、聞いてみたいですね。
○土屋政府委員 全般的に私から御説明申し上げますが、先ほども申し上げましたとおり、財政対策といたしましては、最終的に見込まれた財源不足額について財源対策債の縮減を図る一方、地方交付税の所要額の確保を図ることによって、財政面に支障がないように財源不足の完全な補てんはしたわけでございます。ただおっしゃいますように、結果としては財源不足対策の中での財源対策債の割合は、前年度よりも高まったわけでございます。率そのものは高まっております。先ほど申し上げたとおりでございます。 しかしながら、地方交付税を三千四百億円増額することによりまして、地方交付税総額は前年度に比べて七・九%ふえておる、歳出全体の伸びの七%を上回っておるということでございますし、また地方税の伸びとあわせまして、一般財源の比率が歳入の中に占めておりますシェアというものはさらに高まっております。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕 五十五年度の五六・七%から五十六年度は五八・九%ということになっておるわけでございまして、また財源対策債そのものは引き続き縮減を図りまして、三千四百億円減額となりました。五十四年度から見てまいりますと、五十四年度が一兆六千四百億円あったものが、五十五年度には一兆三百億円、五十六年度には六千九百億円と大幅に縮減してきておるわけでございまして、この結果地方債依存度も、形の上では前年度の一〇・六%から九・六%へと低下しております。さらに普通会計債に占める財源対策債の割合も、五十五年度の二三・三%から五十六年度は一六・二%ということになりまして、財政構造が健全な方向へ改善されておるというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。 したがいまして、いま地方制度調査会の答申をお示しになったわけでございますけれども、私どもとしては全体の財政運営の中でかなり財源対策債を減らした。全体として財源不足が減ってまいっておりますから、その結果比率としては、財源対策債の比率がシェアとして見ればふえておる形でございますが、いま申し上げたような形で全体としては健全化の方へ動いておるということで、答申の趣旨とは乖離してないと思っておるわけでございます。
○安孫子国務大臣 私は、財源対策債というものはどうしても出したくないのです。財源対策債などによらないで地方財政を賄っていきたいと思っております。しかし、数年前から財源対策債というものが出てまいりました。これは国の財政あるいは地方財政、地方の歳出の状況をかみ合わせますとどうしても出さざるを得ないということで、やむを得ざる措置として今日に至っておると私は思っております。今後もでき得る限り財源対策債は減らしていく、そしてでき得べくんばなくしていくという方向で財政対策を進めていかなければならぬと考えておるものでございます。 比率の面におきましては、何か悪化したような感じを持たれる面もありますけれども、絶対額から申しますと、いま財政局長が説明いたしましたとおりに、発行の一番多かったときから見れば三分の一、四分の一ぐらいの財源対策債になっておるわけでございますから、この点はある意味において健全化の方向をたどっておるものだと考えておるものでございます。
○大橋委員 確かに、額そのものは縮減されたということは私も理解できるわけですけれども、配分内容についてできるだけ地方債は出すなという方向を答申は示しているわけですから、交付税の方を手厚くしてこちらの方は薄くしていくのが当然だ、私はこう思うわけです。時間の関係もありますので次に移ってまいりますけれども、要するに五十六年度の補てん内容を見ますと、相も変わらず借金依存的な補てん対策であると私は指摘せざるを得ません。 ところで、いま局長がおっしゃったように、三千四百億円の方の問題ですけれども、地方交付税の内容でございますが、まず確認をしておきたいのです。 いま私が資料として持っておるのは、地方財務協会の「地方財政」三月号の中の資料でございますが、その中に横浜国立大学名誉教授の井手文雄先生の論評が記されております。これを読みますので、もしおかしいところがあれば指摘していただきたいし、そのとおりだといえばそのとおりで結構です。 まず「三千四百億円の地方交付税増額の内容であるが、それは次のような項目より成っている。1臨時地方特例交付金千三百億円。2交付税特別会計の借入金の償還方法変更による交付税の増額千九百十億円。これは、五十、五十一、五十二年度における交付税特別会計の資金運用部特別会計からの借入金の償還方法を二年据え置き八年償還から、五年据え置き十年償還に変更することによって、つまり、償還を三年間延期することによって浮いた資金で交付税を増額するものである。3交付税特別会計の借入金による交付税の増額百九十億円。この半額の九十五億円の元利償還費は国の負担となる。」これはそのとおりですね。ちょっと確認だけしておきます。
○土屋政府委員 結果としてはそのとおりでございます。
○大橋委員 そこで、私その内容をじっと見てまいりますと、交付税の増額三千四百億円のうち、先ほど述べました1のところ、臨時地方特例交付金、いわゆる臨特と言われておりますものが一千三百億円、これだけが純粋に交付税の増額と言えるのではないかな。あと二番目の特会借入金償還方法の変更による一千九百十億円も、三番目の交付税特別会計からの借り入れ百九十億円の半額は国が負担するとありますけれども、つまるところあとの半額の九十五億円はいずれは自治体が償還しなければならないものである。ということは、千九百十億円も九十五億円も、結局は地方自治体の借金という形で残ることは間違いありません。それに財源対策債の六千九百億円もしょせんは借金でありまして、これを加えますと八千九百五億円、これは財源不足額の一兆三百億の八六・五%に当たるわけでございますけれども、この額がすなわち実質的に後代に地方財政負担を残す借金によって補てんされたのだ、こういうふうに理解するわけでございますが、いかがですか。
○土屋政府委員 一兆三百億円の補てんといたしましては、ただいま申し上げましたように、三千四百億円の地方交付税の増と、財源対策債の六千九百億円の発行ということで埋めたわけでございまして、三千四百億円の内訳は、実質的にはいまおっしゃいましたように、一つは臨時地方特例交付金が千三百億円あったということでございまして、もう一つの千九百十億円が地方交付税の増に寄与しておることは、交付税特別会計借入金の償還方法の変更に伴うものでございまして、本来ならば三千四百八十億円返す予定のものを後へ繰り延べましたために、地方負担分の千九百十億円が返さないでよくなったために交付税の減につながらないでふえたということでございます。言いますならば、それは今回返さないで後の年度へ送ったという形で残っていったということでございます。と同時に、国庫負担分千五百七十億円もそれによって支出しないでいいといった面が出てきたわけでございます。国、地方の財政状況を見てこういうかっこうにしたわけでございます。 それからもう一つ、特会借入金としては、御承知のように千三百二十億円を借り入れたわけでございますが、別途いわゆる臨時地方特例交付金のうち、利差臨特と称する千百三十億円というものを今回予算に計上しなかった、その分を含めて千三百二十億円借り入れたわけでございますから、結果としては、おっしゃいますように百九十億円というものが特会借り入れによって純増加になったということで、合わせて三千四百億円の穴埋めになったわけでございます。そういう点から見れば、千九百十億円は後代へいわば繰り延べたということでございまして、新しく借金がふえたというわけでもございません。 そしてまた百九十億円は、いまおっしゃいましたように半額は国が負担するということでございますから、これは従来のルールで九十五億円は将来返さなければならないわけであります。財源対策債も六千九百億円借りました。これも従来のパターンで借りたわけでございますが、これの相当の部分が後代において地方交付税で穴埋めをするということでございまして、物の見方、言い方はいろいろございましょうけれども、事実の形はおっしゃいましたようなことでございます。
○大橋委員 要するに、いろいろ知恵をしぼって後には回したけれども、結果的には地方自治体の借金として残り、いずれは償還しなければならないということですね。 そういうことでお尋ねしていくわけでございますが、地方債の発行に対する物の考え方、これが非常に甘いのじゃないか、安易な発行をされているのじゃないかという言葉をよく聞くわけでございますが、地方債に対する自治大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○安孫子国務大臣 地方債には、裏の資金といたしまして制度的にどうしても発行せざるを得ない、そういうものもございます。しかし原則的には、なるべく地方債というものは発行しないで財政を運営すことが望ましいことは、そのとおりだと思います。現下の諸情勢から申しまして、どうしても地方債を発行せざるを得ない環境にありますけれども、その中におきましてもやはりでき得る限り地方債というものは発行しないでまいりますることが、後代に負担を残さないで財政の健全化に資する道だと考えております。
○大橋委員 それではお尋ねしますが、都道府県と市町村がこれまで発行した地方債残高は現在どの程度になっているのか、また五十五年度の単年度では幾らであるか、また都道府県、市町村の収入のうち何%を占めているか、お尋ねしたいと思います。
○矢野政府委員 地方団体が発行いたしました地方債の累積残高でございますが、五十五年度末見込みでは普通会計債で二十九兆一千億円余でございます。企業会計、公営企業等の企業会計でございますが、これは約十七兆円強でございます。合わせますと、四十六兆一千億円強という見込みでございます。ちなみに五十六年度末見込みでございますと、普通会計債が三十一兆六千億円強、企業会計債で十八兆七千億円強、合わせますと五十兆三千億円強ということになります。 また五十五年度単年度でどの程度発行される見込みであるか。すでに年度を過ぎておりますが、最終的にまだまとまっておりませんけれども、普通会計債では四兆四千億円、企業会計で二兆六千億円、合わせまして七兆円強、ほぼ地方債計画の額と等しいわけでございます。 また、収入の中にどの程度を占めるかというお尋ねでございますが、地方団体の収入、国庫補助金、地方債等も含んだ収入で計算をいたしますと若干数が合いませんので、こういった公債を返すための財源でございます税、譲与税、交付税、こういった一般財源で見てまいりますと、五十五年度末の普通会計残高、先ほど申し上げました二十九兆一千億に対しまして五十六年度、これは地方財政計画ベースの税、譲与税、交付税が二十六兆二千五百億円余でございますから、その割合は全一年間の歳入に対して一・一一倍程度、すなわち一年間の一般財源収入よりも大きい普通会計債の残高を持つ結果になるわけでございます。
○大橋委員 先ほどおっしゃいました地方債の残高二十九兆一千億円をいまの普通会計の収入総額に占める割合で見た場合は、どの程度のパーセントになりますか。
○矢野政府委員 お答え申し上げます。 単年度で五十六年度、仮に地方財政計画で見てまいりますと、全体の収入に対しましては九・六%ということになるわけでございます。
○大橋委員 いずれにしましても、いまの説明を聞いておりまして大変な地方債残高が残っているわけでございますが、それはとりもなおさず、これから借金返済に追いまくられていくというのが地方自治体の地方財政の実態ではないか、こう私は思うわけですね。その原因をずっと調べてまいりますと、主な原因は、先ほど申しました五十年度以降の財政運営が地方債に大幅に依存してきたことの結果ではないか。この償還が、いよいよ地方財政の上で大きな重みとなってくるんだということを私は指摘したいところでございます。 そこで今後の対策としましては、速やかに地方財政の充実強化を図っていき、今日のように多くを依存しなければならない財政運営からの脱皮を一日も早く図っていかねばならぬ、この努力に全力を挙げてもらいたいわけでございます。 そこで、先ほどの説明の中にもありましたのですが、五十六年度の歳入構成比を見てまいりますと、いわゆる一般財源と言われている地方税あるいは地方譲与税、地方交付税、これを歳入合計を一〇〇といたしますと、三つ合わせると五八・九%になるわけです。前年度が五六・七%ですから結果的には二・二%の増ということで、まあまあこれは好ましい姿になってきているなと感じるわけでございますけれども、歳出の構成比を見てまいりますと、一般給与関係が二八・二%、前年度が二八・三%、わずか〇・一%マイナスになっておりますが、一般行政経費は二一・八%で前年も同率です。ところが、いま申しますように返済していかねばならない公債費の欄を見ますと、八・三%になっているわけですね。前年度が七・四%ですから、この公債費だけは大きく増額してきているということであります。これはすなわち、地方債の元利償還がいよいよ始まってきたな、こういうふうに見て差し支えないかどうか、お答えをお願いしたいと思います。
○土屋政府委員 ただいまお示しのございましたように、公債費の歳出に占めるシェアが高まってきておりますし、また五十六年度の地方財政計画の歳出の公債費の伸びを見ましても、五十六年度は五十五年度に比べて二〇・二%ということで、おっしゃいますように五十年度以降の借入金の返済がだんだん将来に向けて重くなってくるという傾向にあることは言えると存じます。
○大橋委員 五十六年度の地方財政規模の前年度比伸び率を見ますと、七%であるわけですね。「歳出の種類ごとの総額及び前年度に対する増減額」というのが、自治省から出されましたこの資料の中にあるわけでございますけれども、これを見てまいりましたときに驚いたことには、たとえば給与関係費などは六・五%である。また一般行政経費は六・八%だけれども、公債費は二〇・二%ということになっているわけですね。歳出の項目中他を圧して最高の率となっているわけでございますが、これを見ただけでも公債発行に対する抑制といいますか、真剣に取り組んでいかなければ地方財政はいよいよ硬直化していくのではないか、このように感ずるわけでございます。 そういうことで、この「歳出の種類ごとの総額及び前年度に対する増減額」の表を見たときに、自治省としてはどういうお感じを持たれているか、ちょっと見解を聞いておきたいと思います。
○土屋政府委員 いろいろと仕事をやってまいります場合に地方債が、財源を捻出するために財政規模の小さい団体にとってはむしろ必要な場合もございます。またその資産価値という点から見まして、後代の人があわせて負担することも必要である。いわば世代間の負担の公平を求めるということも必要な場合もございますから、あながち地方債全体が減ればいいというものでもないし、必要なものについては活用をしていっていいと思っておりますが、先ほどから申し上げておりますように、五十年度以降財源が不足することのために、従来充当しておった地方債の充当率を超えて財源対策債という形で建設公債を多量に発行しておる、そういった結果がだんだん公債費が高くなってきておるということでございまして、歳出全体の伸びが低い中で公債費の伸びが高いということは、それだけ一般歳出にしわ寄せが来るということでございますから、まあ私どもとしてはできるだけ地方債、特に財源対策債を縮減をいたしまして交付税の充実ということを図りたい、かように考えておりまして、先ほど申し上げましたように年々かなり大幅に財源対策債は縮減してきておるところでございます。 今後とも、所要の地方債はともかくといたしまして、財源対策債はできるだけ縮減をして早くなくしたいという気持ちは持っておるわけでございます。しかし、そのためにはどうしても一般財源の充実を図らなければならない、その中心は地方税でございましょう。地方税と地方交付税とを含めた一般財源の充実を図らなければなりませんが、ただ入る面だけでなくて、最近国民の間でも強く要請されておりますように、歳出全体を見直してその節減合理化を図り、経費の効率的な使用を考えなければならないということもございます。そういった歳出の見直しとあわせまして、全般的な一般財源の充実ということを心がけていかなければならないというふうに考えております。
○大橋委員 ところで、先ほど私申し上げました地方財務協会発行の「地方財政」三月号の中に、横浜国立大学名誉教授の井手文雄先生がこういうことを述べておいでになります。「地方財政運営についての基本的な考え方の改訂ということがあると思われる。それは地方債に対する考え方の是正である。」こうあるんですね。それから、ずっと説得力ある論評が加えられているんですけれども、それを全部言うわけにはまいりませんのではしょって申しますが、そのずっと後の方に「地方債は地方財政にとって貴重な自主財源だという考え方がある。だから地方債に依存することは必ずしも非難さるべきことではないのである。」この井手先生は、こういう考えはよくないんだよと言わんとしていらっしゃるところなんですよ。そこで、「この考え方は次に引用する章句によってうかがうことができる。」 その前に言っておきますが、いまから読み上げるのは石原信雄、矢野浩一郎、辻誠二著「地方財政制度」新地方自治講座というものの中に出ているのを引用されているわけでございますが、「地方団体においては、法律の建前は国と同様に非募債主義を原則としながら、現実には、従来から地方債をその財源の一部としてきている。地方団体は、国と比較してその財政規模や財政力も小さいところからやむを得ない措置であり、また、地方団体の行政サービスに対する受益と負担の均衡の見地から地方債を積極的に活用すべきであるという意見もあり、現行の非募債主義の建前自体について、実際上も理論上も再検討する余地があると思われる。」という、一般に地方自治体で地方債を活用することは余りほめたことではないけれども、これはやむを得ないんだという根強い感覚で支配されてそれが活用されてきている。しかしながら、根本的にはここのところの見直しをやらなければならないのだということを井手先生は強く主張なさっているわけでございますが、この点についてどう考えられますか、お答えを願いたいと思います。
○土屋政府委員 いま書かれた著書の前後がわかりませんので、私もその部分だけについて論評することは差し控えますが、地方財政法の五条の考え方は原則として非募債主義をとっておるわけでございます。それはもちろん、財政の健全性維持の見地からそういう規定になっておるわけでございますが、それと同時に一定の場合に地方債の発行を認めておりますのは、先ほども申しましたが、財政規模の小さな地方団体で大きな建設事業等の財源を単年度の税収だけで賄うことは困難である、反面、資産価値が後代に及ぶ事業についてはむしろ後代の住民にも負担をしてもらう、その方が世代間の公平を確保するゆえんである、そういったこともございますから、地方債を活用することに合理的な面もあるわけでございます。したがって、そういった面を多分指摘したものだと思います。 ただ、先ほど私が申し上げておりますのは、いわゆる財源対策債ということで従来は地方交付税で持っておった部分を、地方交付税の量が足りないために建設事業債にいわば追い出してしまった、そういう形のものについては私どもはこれは縮減すべきであるという考えを持っておりまして、借金がどんどんふえればいいわけではございませんが、地方債といってもあながち全部悪いというわけではございません。原則は非募債主義をとっておりますが、十分適切な活用を通じて地方財政の運営に資するという面もあるということでございます。その点が、一方だけに偏った考え方はできないと思うのでございますけれども、基本的には、私たびたび先ほどから申し上げたような形で運用されるべきだと思っております。
○大橋委員 いま申されました地方財政法の第五条ですね。「地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもって、その財源としなければならない。」として、先ほど私が大蔵省に聞いておりましたように、国の財政法と同じように均衡予算主義をうたっていることは、いま局長もおっしゃったとおりですね。 そこで、先ほど申しました井手先生の結論的な言葉がここにあります。「地方債は地方自治体の自主財源であり、地方自治体がそれを適正な範囲で利用することは地方財政運営上、のぞましいことである。しかし地方債はあくまでも借金であることを認識し、同じく自主財源である地方税などと一線を画して活用しなければならない。要するに地方財政運営に当たっては、均衡予算主義、非募債主義の原則をもっとつよくつらぬき、規律ある財政運営をすべきであると思う。」こういうことでございますので、やはり今後の地方財政のあり方について、こうした先生方の意見を十分参酌して、正常な姿に一日も早く返ることを望みたいのでございます。 最後にもう一つ聞いておきたいと思いますが、地方交付税率の歴史を見てまいりますと、二十九伸度が二〇%、三十年度が二二%、三十一年度が二五%、三十二年度が二六%、三十三年度が二七・五%、三十四年度が二八・五%、三十七年度が二八・九%、四十年度が二九・五%、四十一年度が三二%になって、そのまま固定化されてきているわけです。 要するに、三十九年度から国と地方の間で財源調整措置がとられるようになりまして、三十九年、四十年には国からの借り入れ増額、四十一年、四十二年には臨時地方特例交付金が交付されるようになった。ところが四十二年の秋、大蔵省の財政硬直化論によって、四十三年には交付税率の固定化と交付税特会への交付金繰入額の削減と繰り延べ措置が図られ、四十六年から四十八年には臨時の交付、国庫からの借り入れがなされた。また四十九年には総需要抑制策を反映して、四十六年度からの借り入れ返済の繰り上げ償還が実施され、五十年度からは臨特と特会借り入れで財源不足を何とかしのいできたというのが、現在までの経緯だと私は思うわけでございます。結局、国も地方もとにかく財政が非常に困難な状況になったということで、地方交付税が三二%でぴたりととまってしまっているわけでございます。これは、ただ苦しいから苦しいからと言うのじゃなくて、基本的な立場からいけば当然地方交付税率は何らかの姿で改定すべきである、私はこう思うわけでございますが、いかがですか。大臣に聞いて終わりたいと思うのですけれども。
○安孫子国務大臣 地方財政の立場から申しまして、どうしても足りない分は、やはり地方交付税の率を上げることによって解決するというのが常道でございます。私は、その方向は正しいし、それが法律の制定の趣旨でもあると思っております。しかしながら、御承知のとおりに国の財政が極度に窮迫をしておる。その中において交付税率の引き上げをやるということは、またきわめて困難であることも事実でございます。したがって、臨時的な措置としていまのようなやりくりをやっているわけでございますけれども、これを長く続けるわけにはいかないわけでございます。 そこで、今後といえども交付税率の引き上げを私どもは強く主張いたしまして実現を図りたいのでございまするが、弱気を申し上げるわけではございませんけれども、客観的情勢から申しますと、これが実現する可能性もなかなかむずかしい環境にあると私は思っております。それから、国の財政自体も問題がある、地方の財政も問題がある、この中においてどうして切り抜けていくかということになりますれば、やはり税制の面とか、あるいは特に高度成長下において肥大化した行政組織、行政機構あるいは行政事務の簡素化、合理化等々についても、真剣になって取り組んでいくというような多面的な政策手段によってこの危機を打開していかなければならぬ、こういうふうに覚悟いたしているものでございます。 常道は交付税の引き上げであるということは事実でございます。私どももその点については異存もございませんし、努力もしてまいるつもりでございまするが、客観的情勢はそんな甘いものじゃないということだけは、私も認識してやっていかなければならないと思っております。
○大橋委員 では、時間が来ましたのでやめます。
○左藤委員長 部谷孝之君。
○部谷委員 五十六年度の地方財政対策につきましてはすでに青山議員から質疑が行われましたので、重複を避けたいと思いますが、二、三点だけちょっとお尋ねをしてみたいと思います。 地方財政は国と同じように、五十年度以降連続いたしまして巨額の財源不足に見舞われました。これを補てんするために毎年度、主といたしまして交付税の特別会計の借り入れやあるいは地方債の増発など、臨時応急的な財源措置によって収支のつじつまを合わせてきておる実情にあります。 この結果、五十六年度末における地方債残高は約三十二兆円、交付税特会の借入金の残高は約八兆円、合わせまして約四十兆という膨大な借金となっております。したがいまして、今日の地方財政におきましては、累積した巨額の地方債や特別会計の借入金の償還に対応できる財政構造の確立を図ることが不可欠の課題だ、こういうふうになっておるのでございます。この解決のためには、抜本的に地方財政制度を改めるべきである、このように思うのでありますが、まず御見解をいただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 おっしゃるとおりに現下の地方財政は非常に苦しい、しかも前途にとりましても容易ならぬ事態になっておるものだと私も認識をいたしております。 これを打開する方法といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、交付税の増額というのが一つあるわけでございますが、これもただいま申し上げたとおりになかなかそう簡単にいく問題ではない。それから何といいましても、地方にある程度の税源を渡してもらわなければならぬという問題もございます。それから地方の税制というものを、もう一度考え直してみる必要があるだろうということもあります。同時にまた、歳出の非常に大きな要素になっております補助金等についての、国の関係にわたるわけでございますが、その辺の合理化も考えてもらわなければならぬ。 それは結局、国の歳出というものを一体どういうふうに合理化していくかということが、一つ問題があるわけでございます。これが第二臨調等において、当面取り上げようとしておる問題でございます。その辺が一つの目安がついてまいりますれば、国の歳出が減ることにそのまま対応するわけではございませんけれども、地方の歳出が減るという面も出てくると思います。あるいは、地方の一般財源がある程度ふえるという問題も、これに絡んで出てくるだろうと思います。しかし、それだけでも十分じゃないのじゃないか。 そこで地方団体といたしまして、やはり地方団体の責任において財政の前途を考慮しながら、仕事の取捨選別もやってもらわなければいかぬだろう。これは住民の要望もあるわけでございますけれども、財政基盤を将来とも健全に保持していこうという立場からの一つの選択というものも重要になってくるのではなかろうかと思います。そうしたことをいろいろと努力を重ねることによりましてこの危機を切り抜けていけるものだろう、こう思うのでございます。また、切り抜けていかなければならぬと思っております。 一刀両断にこの事態を解決するという方法は私はないだろうと思います。多面的な政策手段を常に努力をしてやっていくことによってこの財政危機というものを切り抜けて、そしてその前途に一つの健全な姿においての地方財政、地方行政というものが確立していくものだろう、私はこう思っております。
○部谷委員 このたびの措置というものは、国がみずからの財政措置が悪いという事情の中で、本来あるべき交付税率の引き上げ、そういったものを行わないばかりか、本来国庫が負担すべき経費についても、交付税の特会やあるいは資金運用部資金にこれを肩がわりさせておると思うのです。 今度の五十六年度の地方財政対策につきまして、大体本来の筋道をずっとたどって私なりに実は見画してみました。私がそうした観点で見直してみますと、以下四点ばかり、これは私の意見でありますからお聞きをいただきたいと思うのです。 まず、本来五十五年度の交付税の増収分、これは単年度主義でありますから、したがって、本来ならば五十五年度に措置すべきものである。そして財源の不足額というものは、増収繰り越しの二千五百五十億円を一兆三百億円に足しまして一兆二千八百五十億円、こういうふうに見込むべきではないのか、これが第一番目。 第二番目に、一歩譲りまして、五十年度からずっととってこられました財源不足に対する措置を仮に認める——仮に認めるというよりは現実にそうなっておるわけですが、認めるといたしましても、おおむね今日まで二分の一ずつという慣例、つまり交付税と財源対策おおむね二分の一ずつという慣行、慣例があったわけでありますから、そういうことによるとするならば、一で申しました一兆二千八百五十億、これの半分を交付税の増額に持っていって、そして半分を財源対策債にすることが従来の慣行からするならば妥当である。そういたしますと、一兆二千八百五十億の半分でありますから六千四百二十五億円ずつの財源をそれぞれに振り充てる、こういうことになるのではないか、これが二番目。 三番目は、交付税の増額というものは本来借入金によるのではなくて、交付税法の六条の三の二項の精神によりましても、国が責任を持って負担すべきものであると思うわけであります。また五十年から五十二年までの借入金の償還、これは当時定められた制度に基づいて措置をする、こういうふうにいたしますと、その地方償還分の一千九百十億、これについても国が補てん措置を講ずべきだ、こういうふうに思うわけであります。また、利差臨特一千百三十億は国が交付税の特会に繰り入れ、財源対策債の減額に充てることが望ましいと考えます。 今度四番目、こうした考え方に立ちますと、国は五十年から五十二年の特会の償還一千九百十億円、それから利差臨特千百三十億円、資金運用部資金への償還、これがされておらないわけでありますから一千五百七十億、それに私が先ほど二で申し述べました六千四百二十五億円、これを加えました総額は実は一兆一千三十五億円、こういう数字になります。この財源は、先ほど申しましたように、本来ならばそういう財源を国が出すべき性格の金額でありますけれども、このたびは臨時地方特例交付金の一千三百億、これだけを使って、言葉は悪いかもしれませんが、逃げておるというふうな感じになるわけでありまして、このことはいささか遺憾な事態である、私はこういうふうに考えておるわけであります。 以上が私の意見です。これからお尋ねするわけでありますが、政府は五十六年度の予算におきまして二兆円の国債減額を行っておりますが、そのうちの半分に近い九千七百三十五億円、これは先ほど申しました本来国が出すべき一兆一千三十五億円からこのたびの政府案で措置されました一千三百億円、これを引いた額がいま申しました九千七百三十五億円になるわけでありますが、この九千七百三十五億円は地方財政や資金運用部資金への負担の減額や後年度への負担の繰り延べを行ったためのものでありまして、いわばこのような操作を行って国の財政再建を行ったということはごまかしじゃないか、私はこういうふうに思うわけであります。大臣は、五十六年度予算で国の財政再建が順調に行われたと思っておられるのか、また、それが地方財政にしわ寄せされた形で行われたとはお考えにならないのか、その点御見解をいただきたいと思います。
○土屋政府委員 大臣がお答えになります前に、数字についてのお話がございましたので私から申し上げたいと存じます。 五十六年度の国の予算では、お話のございましたように、二兆円の国債減額をしたということは事実でございますが、それでも予算の編成に当たりましては、財政規模全体のきわめて抑制的な基調に立って縮減をいたしました。一般歳出で二十五年ぶりに五%を割ります四・三%の伸びに抑制しておるわけでございまして、歳入面でも、いまお話のございましたように、公債発行額を大幅に縮減するということで、財政再建を強力に進めようということをされたわけでございます。 そういった中で、地方財政についても結果的に一兆三百億円という穴があいたわけでございますが、その点についてはお示しのように、地方交付税法の第六条の三第二項の規定によって十分な措置ができればよかったのでございますけれども、ただいま申し上げたように、国としてもきわめて厳しい財政状況の中で予算編成をするということでございますので、私どもとしても、そういった中で、国と地方とのいわば半恒久的な財源配分の方式である地方交付税率を引き上げるということはとうてい無理であるということから、国、地方を通じての財政のあり方、財政の健全化を進めるという考え方で協力し合うということをしたわけでございます。 そういったことから、お話がございましたように、一つには、確かに交付税特別会計における借入金の返済を条件を変えて先に延ばしたということは、これは千九百十億円地方も助かりましたけれども、国においても千五百七十億円歳出面で組むということがなくなったという面では、それは助かったということは言えるわけでございますが、それが地方財政にしわ寄せがあったということはないわけでございます。 また、特別会計の借り入れを千三百二十億円いたしましたが、その中にはいわゆる利差臨特の千百三十億円というものが入っております。したがって、国の方は千百三十億円利差臨特を交付しなかった、その分だけしわ寄せをしたのではないかということでございますが、結果的には千三百二十億円の借り入れでそれはカバーをいたしまして、そしてその千百三十億円分は、将来返す際に全額国が負担をするということでございますから、まあ形の上で地方に交付されませんでしたけれども、実質的には将来国が持つ、いわば国は将来に地方へ出す分を振りかえたというようなことでございまして、地方財政としては別にそのためにしわ寄せを食っておるわけでもございません。しかし国としては、当面その分は財政支出に組まないで済んだという面はあったかと思います。 しかし、いま言ったような問題等をお考えいただきますならば、いろいろと国の財政上の配慮はございますけれども、率直に言って、それによって地方財政が損をしたという形にはなっておらないわけでございまして、国、地方を通じてのいろいろな財政上の問題がございましたために、そういった手法をとったわけでございます。 最終的に大きな額といたしまして財源対策債の六千九百億円というものは、それはそういう形でなくて交付税で見るべきではないかということは、これは一つの論点になると思いますけれども、先ほどから申し上げますような状況のもとで、私どもとしては、交付税率を一挙に引き上げることによってカバーできるというわけにもまいりません。できるだけ縮減を図りながら、交付税の方もかなりな伸びを確保する、そういったことで、現下の情勢のもとではできるだけの努力をしたわけでございます。その結果、国に対するいろいろな協力の面もございます、しかしながら、いまおっしゃいますように、地方財政にしわ寄せをした結果二兆円の減額をしたというふうに、直ちに結びつけるものではなかろうというふうに考えておるわけでございます。
○部谷委員 いずれにいたしましても、そうした地方財政の諸問題が順送りに後ろへ送られるということは、後年またいろいろな問題が起こってくると思うわけでありまして、そうした問題に対する措置をそれぞれいまのうちから考えておく必要があるのではないか、こういうふうに思うわけであります。 そこで、新聞によれば、四月十日に閣議がありまして、その記者会見におきまして大蔵大臣が、地方交付税の税率について、あらゆるものが歳出カットの検討対象となっておって、見直しの対象になるのは当然だ、つまり交付税率——けさのお話の中では、財界の人がそうした交付税率の見直しということを言っておりまして、それに対しまして大臣の方は、やはり素人の意見で、じっくりと見てもらわなければ困るという御答弁でありました。実は、大蔵大臣も同じようなことを言っておられるのですが、これはちょっと素人の言とは思われないのですが、自治大臣、いかがでしょうか。
○安孫子国務大臣 交付税率の引き下げというような問題が議論される条件も要素も、私はないわけじゃないと思います。それは、特に財界でああいうことが出てまいりますと、これは補助金整理と同じように考えて簡単に扱われる、そういう危険性だってないわけじゃないと思います。 お尋ねの大蔵大臣でございますけれども、大蔵大臣は十分よくその事情は知っておられると思います。しかし、補助金もなかなかこれは楽じゃない、しかしバランスをとらにゃいかぬということになると、その辺もやはり考えにゃいかぬのじゃないかなという気持ちも、私は念を押したわけじゃありませんから判明しませんが、それは心のすみにはないわけでもないんじゃないか、私はこういうふうに思います。 そこで、これは法律の趣旨から言いましても、それからまた、非常に苦しんでおるのは国だけじゃなくて、地方財政だって御指摘のとおりに、大変な財政の破綻に近いような状態が徐々に進んでおるわけでございまするから、この状況におきまして、交付税率の引き上げをこそ私どもは主張しなければならぬので、交付税率の引き下げなんということは、これは論外だと思っておるわけでございます。 特に補助金と違いまして、これは一つの団体とかある事業にということじゃありませんで、地方団体全体の共同の、そして一般的な財源でございまするから、性格が全然違うわけでございまするので、この点はこれからもこれを充実をしていく方向に進まなければならぬ、こう思っております。
○部谷委員 私は、今度の大蔵大臣の発言はきわめて大きな問題だと受け取っておるのでありますが、いろいろな機会にまたそのことは論議を重ねていかなければならぬ。特に私どもは、過去長きにわたりまして、交付税率の引き上げということを主張し続けてまいっておりますので、そういった意味で政治的にもきわめて大きな問題を提起される、実はこのように考えておるわけであります。 さらにまた、財政再建の問題についてお尋ねしたいと思います。 現在、財政再建が国、地方を通じまして緊急な課題であり、また最大の政治課題であることは論をまちません。そして鈴木総理は、五十七年度においては一切の増税は行わない、こういう発言をされたわけでありますが、このことは当然地方税制にも及ぶのではないか。その点いかがでしょう。
○石原政府委員 総理が、増税なき財政再建ということに関連していろいろ御発言されているのは聞いておりますが、その発言の税制に関するくだりにつきましては、いわゆる課税ベースの広い間接税の導入を軸とする増税はしないという趣旨でおっしゃっておられるんじゃないかと私どもは理解しております。したがいまして、五十七年度以降の税制について検討する場合に、現行税制の枠内でのいろいろな検討まで否定されたものとは、私どもは考えておりません。
○部谷委員 国が一切の増税を行わない、そして、どうもいまの御答弁ははっきりしないのですが、地方の方は増税もあり得るということになりますと、ここで先ほど指摘いたしましたようなごまかしが行われる可能性が実はいろいろと出てくる、こういうふうに思うわけであります。すなわち、国の税収の不足分を地方税収で補うために、本来国が負担すべき地方財政へのいろいろな拠出、これをストップすることがあり得ると思うのですが、その点いかがでしょうか。
○土屋政府委員 現段階で、昭和五十七年度の地方財政がどうなるのか、経済の動向もわかりませんし、税収の見込みも不明でございます。また、国の予算編成の動向というのもつかみがたいわけでございますから、私どもとして、どういう方向になるか、これは予測がつきません。したがいまして、国が大幅な増税はおやりにならぬのだということでございましょうが、地方税制をどういうふうにするかということももちろん不明でございます。いまおっしゃいましたような前提でいろいろ考えるにいたしましても、どういった財政の状況なのか、これはもうまことに推測しがたいわけでございます。 ただ、そういった中で何らか増収の努力をしたといたしましても、そのことを理由に、国として、いままで取り決めた地方への交付金なり何なり、そういった問題について、それを取りやめるとかいったようなことでしわ寄せでもするのではないか、こういうお尋ねではないかと思いますけれども、そういうことはその時点にならなければ議論のしようもないわけでありますが、全般的に客観的な計算に基づいて財政のあり方というものを見まして、その際にどういった措置をすればいいかということの中で考えるべきことであって、地方財源不足が大幅なものが出てまいりまして、それをどうするかという際に、国が、いま言われたようなことを理由にして直ちに、地方財政措置を何もしないということにはならない。それはやはり、たとえば地方交付税法第六条の三の第二項といったような趣旨があるわけでございますから、その時点における財政の状況を見ていろいろな措置は判断すべきだと思います。 基本的にはそう思いますが、現実問題としていまの段階でどうなるのか、非常に不透明でございますので、具体的にどうこうということは申し上げにくいわけでございます。
○部谷委員 特会の借り入れの償還方法の変更を五十六年度予算についてやったわけでありますが、いまのいろいろな客観的な情勢の中から考えますと、やはり五十七年度は国も地方も一切の増税をやめて、そしてその財源不足というものについては、ひとつ行政改革によってこれを削減していく、こういうことがいま大きく国民の期待にこたえる道だろうと思うわけでありますが、基本的には大臣そのようなお考えでしょうか。
○安孫子国務大臣 スタンスとしては、そういうことだろうと思います。 それで地方税の問題について、いま政府委員からお答えいたしましたけれども、全体の状況がまだ判明いたしませんので、やはりそれが判明した時期におきまして、あるいは新税ということじゃなくて制限税率を、いまの税制の中においてやり得る問題は取り上げざるを得ないという事態だってあり得るだろうと私は思っておりますが、しかしそれはいま論議すべき問題じゃない。やはり全体の枠組みが決まる中におきまして、地方として考えにゃならぬ問題は残るだろう、こういうふうに思っているところでございます。
○部谷委員 三月十六日に第二臨調が発足をいたしまして、各界を代表して幅広い、見識ある方々が参加されております。この中には、林地方制度調査会長も入っておられるわけでありますが、きのう、四月十三日、第四回目の会合が開かれまして、中長期討議のテーマというものが決められたように報道されております。 その中で、行政改革の基本テーマといたしまして、国と地方の機能分担及び地方行政の合理化を掲げておりまして、具体的には、行政事務及び財源配分の見直し、国の地方に対する規制のあり方、国の出先機関の見直しと広域行政需要への再検討、地方公共団体における組織、定員管理方式の合理化などを挙げておる。これは新聞の記事でありますが……。また中曽根行管庁長官は、七月中旬の答申の内容につきましては、補助金だけであってはならない、多過ぎる地方公務員、高過ぎる地方公務員の給与などもほおっておいてよいものだろうか、それらを含めて公務員制度の方向を示す必要がある、こういうふうに述べておられるのでありますが、こうした問題について、ひとつ自治省としてはどのような御見解をお持ちでしょうか。
○砂子田政府委員 ただいまお話がございましたが、臨調においていろいろな角度から議論がなされるようであります。特に、いまお話がございました地方公務員の定員でありますとか給与という問題につきましては、地方制度調査会においても従来から種々の答申がなされておりますし、地方制度調査会の中でもいろいろな議論がなされてまいりました。特に十八次の答申の中にも、今後引き続き公共団体における適正なる給与と定員管理について議論をするようにということで、これも答申を受けております。過般、そういうことに基づきましてその後の地方制度調査会も開きまして、その中でこれをまた議論をしようということになっております。 ただ、第二臨調においてこの問題が並行して調査審議されるかどうかという問題につきましては、現実にすでに統一見解に示されておりますとおり、今回の臨時行政調査会の調査審議の範囲というのは前の臨調の範囲と同様である、しかも地方自治の本旨を尊重して、地方自治の問題については国の行政との関連において調査審議をするということが統一見解として示されております。したがいまして、この取り上げ方というのがどういうふうになるか、たまたま調査会の中に地方制度調査会の会長も参加しておられますので、その中で地方自治の本旨というものに適したような形での選択が行われるというふうに私たちは思っております。
○部谷委員 そうした形で審議が進められ、臨調の答申が出た場合には当然自治省としてはそれを尊重するということになろうと思うのですが、ちょっと念を押しておきたいと思います。
○砂子田政府委員 一説には、五十六年の七月に臨調において行政改革に関する緊急の報告がなされるというようなことが報道されております。現在、臨調においてどういう形でこれが行われるかということは検討中であるようでありますから、現実にそれがどのような形で出てくるかというのは、いま判断をすることは私たちにはできないことだと思っております。仮に、地方公共団体のいろいろな固有の問題と申しますか、そういう問題が答申になされるようなことがありましても、それは直接には地方公共団体を拘束はしないのではないか。それはやはり公共団体における自主的な判断においてなされるべきものだと思いますし、自治省としても答申の内容を十分尊重しながら、公共団体の適切な対処をしていかなければならないだろうと思っております。 実はこの問題は、あえて申し上げるわけではありませんが、若干この固有の事務に関する問題というのが従来からいろいろいきさつがございまして、あたかも自治省が臨調の行革に対して消極的であるかのような姿勢がよく報道されることがございます。しかし、現実にはそうではなくて、行政改革に関する基本的な姿勢というのは、やはり政府全体として真剣に取り組むべきであるし、積極的にこれは取り組まなければならぬというのは、いまさら申し上げるまでもないことだと思っております。 ただ、この公共団体の固有の事務の問題というのは、戦後三十年を経ましてようやく地方自治というのがいわば定着をしたというふうに言われております。しかし、この定着をしたものの中身というのは、実は、こういう地方行政委員会の席上でもそうでありますし、地方の議会における論議もそうでありますし、あるいは住民の間で沸き起こる論議もそうでありますが、皆その人たちの、地方自治に対する先達の多くの人たちが大変努力をして、営々として地方自治が築かれてきたものだと私は存じております。また、そうも理解をいたしております。そういう時期に、いたずらに国が地方の方に口を差しはさむというのは、むしろ、そういう地方分権でありますとか地方自治というものに対して足を引っ張ると申しますか、いま来た道をまた逆戻りするという方向へ行きかねない、それを大変恐れているからでもあります。そういう意味で、固有の事務というものについては、もう少し公共団体の自主性と自律性と、そして責任においてなされることが望ましいんだということを実は申し上げているわけでもあります。
○部谷委員 行政改革というものが、国も地方もともに関連を持って、そして進めていかなければならない問題であることは申すまでもないことであります。公務員数の問題、人件費の問題、これも例外ではあり得ないと思うのですが、先ほどお話がありましたような統一見解、これがいささか消極的だとかマイナス面があるのではないか、あるいはブレーキをかけておるのではないかという印象を受けている国民も多々あると思うのでございます。 たとえば、仮にこうした地方の固有の問題ということで、自治体の財政の合理化について臨調が関与しないということになるとするならば、今度は大蔵省が臨特の交付金を行わないというふうな方法で、結果的に地方財政に縛りをかけていくという事態が出てくるという懸念もある。まあ思い過ごしかもしれませんが。極端に言うと、そういうところまで来ると困ると思うので、むしろ臨調に向かう態度としては、自治省としても行政改革に積極的な姿勢を示しておく方がいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○砂子田政府委員 先ほど申し上げましたように臨時行政調査会と申しますか行政改革そのものにつきましては、自治省としても積極的に真剣に取り組まなければならない問題であることは申すまでもないことだと思っております。そういう前提に立ちまして、地方公共団体においても自分の役割り、分担ということを考えながら、これからの行政のあり方をみずからつくり上げていかなければいかぬものだと思っております。 特に、行政の役割りというのは、社会経済情勢の変化、住民の価値観の変化に伴いまして、変化をしていくものだと思っております。公共団体自身における行財政の運営全体につきましても、公共団体みずからが積極的に見直していく、その中で行政の簡素効率化を進めていく、こういうことがこれからの行政にとって大変大事なことだと思っております。 そういう意味で、地方においても、国の行政改革と合わせながら行政改革がなされるように事業の見直しをし、あるいは自分自身の単独の補助金でありましても見直しをし、行政機構の見直し等いろいろな角度からの見直しをしながら、やはり国と相携えながら行政改革をしていく道を歩かなければいかぬのだというふうに思っております。自治省としましては、国の行政改革に関するいろいろなことが決まるたびに、やはりそういうことをするようにということで、地方にも指導をしてまいっておるわけでもあります。
○部谷委員 次に、機関委任事務の関係についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 過去長きにわたりまして地方自治を確立するために、国と地方公共団体との間における行政事務の再配分、許認可事務の整理合理化、国の出先機関の整理縮小、地方事務官制度の廃止、国庫補助負担制度の改善というふうなことにつきまして、いろいろな機会にいろいろなところから提言されております。 そして、国庫負担制度あるいは国の地方出先機関の整理統合といった問題につきましては、それなりに努力がいま払われ、進行をしておると思うのでありますが、この国と地方公共団体との間における事務配分の基本に触れる問題といたしまして機関委任事務の改革が強く求められておりながら、今日まで実現を見ておらないわけでありまして、機関委任事務は、増加を抑制するために自治法に別表が設けられたにもかかわらずむしろ増加している、こういうふうに言われておるのでありますが、件数はどういうふうになっておるのか、増加の実情はどういうふうになっておるのか、その点をお示し願いたいと思います。
○砂子田政府委員 機関委任事務の件数の増加の状況でございますが、都道府県知事あるいは市町村長に対する機関委任事務といたしまして、お示しのとおり、地方自治法の別表の三ないし四に掲げられてございます。昭和二十七年のこの機関委任事務の件数というのは、法律番号がついておりますのでその件数で申し上げますと二百五十七件でございました。それが昭和四十九年には五百二十二件になっております。昭和四十九年以降地方自治法の改正をしておりませんので、その後の数というのはいままだ整理中でございます。しかし、地方自治法を出すときにはこの整理をしなければいかぬことになっておりますが、それは大体三十三件ぐらい出てくるのじゃなかろうかと思いますので、現在のところ、五十五年十二月現在で申し上げますと、おおむね五百五十五件ぐらいの機関委任事務の件数があるというふうに理解いたしております。
○部谷委員 そのように機関委任事務が増加しております原因あるいは理由、そういうものはどういうところにあるのでしょうか。
○砂子田政府委員 増加した機関委任事務の類型をいろいろ見てまいりますと、昭和三十八年から四十九年までの間にいろいろな法律の改正がございました。あるいは新しい事務が付与されました。その中で、法律の制定に伴いまして機関委任事務がふえたわけでありますが、大ざっぱに言ってみますと、一つは公害なり環境保全という面からの改正であります。さらには都市、農村等の地域整備あるいは過密過疎対策というものでふえてまいりました。次には土地対策、さらには、老人医療費の支給等の福祉関係の事務あるいは消費者行政、中小企業行政というものが、実は三十八年から四十九年の間に軒並みに法律の中にふえまして、それが各公共団体の長に委任をされる形になっておりまして、先ほど申し上げましたような件数の増加になっておるわけであります。
○部谷委員 機関委任事務に関する問題点、これは全国知事会の地方行財政基本問題研究会が昨年の暮れ特に出した「機関委任事務の整理再配分について」という報告書の中に、その問題点を三点ほど挙げておるわけでありますが、この三点の問題点はどういうふうに考えておられるか、それぞれお答え願いたいと思います。
○砂子田政府委員 昨年の十二月に知事会が「機関委任事務の整理再配分について」という本を出しました。これを読んでみますと、私たちは別にこれが間違っているという認識は持っておりませんで、これが指摘をされておるようなことはそれぞれ当然あると思っております。この中には機関委任事務に関する特徴と問題点、機関委任事務の整理なり、それと財源の配分の関係あるいは公共団体と国との関係、いろいろ出ておりますが、これはおおむね府県側から見ました機関委任事務に対する見解であり、それほど私たちの見解と違っておると思っておりません。
○部谷委員 こうした問題点を解消していくためには、国、地方の事務の配分を明確にしていかなければ片づかないと思うのです。そうした守備範囲を明確にする必要があると思うのですが、御見解はいかがでしょう。
○砂子田政府委員 国と地方との行政事務の再配分というのは、地方制度調査会が二十七年にできて以来ずっと論じてきた問題であります。しかも、この行政事務の再配分につきまして、国の事務と地方の事務をどういうふうに分けるのが望ましいのかということは、これまた多くの先達によって論議されてきたところでもあります。このことはいまの行政改革のみならず、従来からのいろいろな行政改革、たとえば第一次の臨時行政調査会でもそうでありましたし、それからその後における行政監理委員会の提言でもそうでありましたし、すべてにわたって機関委任事務に対する問題点が提起されてきました。それは大体同じ方向の趣旨でありまして、住民の身近な問題であって、しかもそのそばで解決をされる問題というのはなるべく近間に置くことが望ましいんだというのが一貫した考え方であったと思いますし、しかも民意の反映がなされることが、最も身近であるものについても同様に機関委任事務から外して公共団体の事務にすべきだというのは、これまた一貫した流れであったように思います。 そういうことから考えますと、やはりこれからの事務というのは機関委任事務でありますとか固有事務でありますとかという考えではなくて、地方でやる事務は全部地方の事務です、国がやっている事務は国の事務ですという分け方をしないと、現実にはいろいろな弊害が起きるだけではないかという感じがいたしますし、そういう提言なり、あるいは地方制度調査会の答申なりもまた出ておるわけでありまして、そういう線に従いながらやはり第二次の今回の臨調におきましても、そういう観点からの理解の中で行政の事務配分というのがなされていくべきものだというふうに考えております。
○部谷委員 そこで、自治法の改正の問題でお尋ねしたいと思います。 この地方自治法の改正案、これが今国会に提出されるのかどうか、またその提出される内容はどういうものを考えておられるのか、御答弁いただきたいと思います。
○砂子田政府委員 地方自治法の一部改正を今国会に提出をしたいと考えておりまして、いま各省と調整中でございます。今回の地方自治法の改正の内容と申しますのは、十六次、十七次、十八次にそれぞれ地方制度調査会から答申を受けました内容についての改正でございまして、一つは監査委員の権限の強化と申しますか拡充の問題でございます。もう一つは議会に関します問題でございます。それからもう一つは、地方公共団体の連合組織というものが国に対して意見を述べるという改正点、これが大体主な改正点でございます。
○部谷委員 聞くところによりますと、関係各省庁との折衝が難航しておるというふうに聞いておるわけですが、その難航しております理由はどういうところにあるのでしょうか。
○砂子田政府委員 一つは、先ほど御質問がございました機関委任事務に関する問題でございまして、監査委員に対しまして、機関委任事務の事務執行について監査をさせるという点がございます。これに関しまして、各省庁ともそれぞれいろいろな意見がございまして消極的な感じを持っております。それから、国に対する意見の開陳ということに関しましても、やはりこれも若干消極的であるように思います。さらにもう一つは、都道府県に基本構想をつくるという計画、基本構想を新たに議会の議決を経て作成をするという規定がございますが、これに関しましても若干の省庁においてやはり消極的な見解を示しておる、そこが隘路になってなかなか前へ進まないという状況でございます。
○部谷委員 もともと自治省が考えられた法案の中から、いま述べられましたような機関委任事務に対する議会の監査請求権やあるいは内閣等に対する意見の開陳に対する抵抗、そういうことで、そうした内閣の措置規定を削除して出すというふうな話もあるのですが、そうした監査監督権あるいは意見提出権、そういうものを訂正といいましょうか、してもお出しになる、拙速をとるというふうな空気があるやにまたこれも仄聞しておるのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○砂子田政府委員 実は、いろいろなことをこの地方自治法の中で規定をするようにいま努めておりますが、現実の問題としてなかなか隘路が多いことは先ほど申し上げたとおりであります。しかし、これらの問題はどうも踏み越えていきませんと、これからの新しい地方自治というものを展開させる、あるいはこれから地方自治が開花をしていくということについて若干の疑問を持たざるを得ません。そういう点から申し上げまして、相なるべくんばこの原案のとおり通したいというのが私たちの現在の考えでございます。そういう点で、調整が難航しておるということもあるわけでございます。
○部谷委員 機関委任事務につきましては、先ほども申しましたように地方団体が改善を繰り返し要望しておりまして、去年の十二月知事会におきましても具体的な提言をいたしております。その内容の中にも、たとえば水質汚濁防止法について、また民生委員法について、中小企業団体の組織に関する法律について、都市計画法について、これらはそれぞれ環境庁、厚生省、通産省、建設省、そうした各省庁にかかわる事項でありますが、これらについての提言をいたしておるわけであります。実際に事務を行っております地方団体からの要望に対しまして、各省庁がどれだけ真剣に取り組んでくれるか、なかなか疑わしい面がまた一方ではあると思うのですが、こうした提言を政府が積極的に取り上げて行政に反映させていく、何かそういうふうな規定が自治法の中に盛り込まれることが望ましいと思うのですけれども、改正案の中にそうしたことを盛り込んでいかれるわけですか。
○砂子田政府委員 ただいまお話がございました知事会の提言、その設例というのがいろいろ載っておりまして、それぞれの改善意見が付されているわけであります。私たちは現実にあれを見まして、公共団体の立場からすれば、私はまことにそのとおりだと思っております。ただこれは権限に関する問題がございまして、正直申し上げてなかなかうまくいかないというのが実態であります。この問題を解決するということになりますと、自治省対全省庁ということになりまして、政府の中では一対全部ということでございますから、まとめるというのはなかなか容易なことではありません。そのことが、先ほど申し上げましたように、昭和二十七年以来機関委任事務についていろいろな提言をして各省ともいろいろな折衝をしながら、なかなか日の目を見ない一つの原因でもあるわけでございます。 御案内のとおり、政府で法案を出しますには閣議が一致しなければなりません。一人でも反対をすれば法案になりません。一人だけ賛成では、とても法案になる可能性はないわけであります。そういうことがいろいろなネックになって、結局は現在までいろいろな意見が、われわれとしては正しいと思いながらもできない最大の理由でもあります。そういう意味で、今回の第二次の臨調の中においてこういう問題が取り上げられていって、先ほども申し上げましたように、少なくとも身近な行政が身近なところで解決されていくというシステムに改められていくことが大変望ましいことだと思っております。
○部谷委員 次に、補助金の問題についてお尋ねしたいと思います。 七月半ばと言われております臨調答申、これに向けましてまず最大の課題となっておるのが補助金の削減問題であることは、しばしばいろいろなところで言われておるところでありますが、補助金につきましてはこれまで至るところで何回となく問題が指摘されながら、なかなか手つかずの状態で今日に至っておるところであります。ところが、今回は五十七年度の予算をにらんで、政府としても具体的な対応が避けられないところまで来ておるわけでありまして、補助金整理が具体的な課題として上ってきております。この補助金のうちの八割は地方自治体に交付されておるものでありますが、国が一方的に補助金をカットした場合そのしわ寄せが当然地方自治体に行くということは十分想像されるわけでありますが、そうしたことについて自治省はどのようにお考えでしょうか。
○土屋政府委員 補助金の整理合理化ということがしきりに言われておるわけでございます。しかし、その具体的なやり方というものは、率直に申し上げて私どもはまだわからないわけでございます。ただ、補助金の現実から見まして、特に地方の自主、自律性というのを高め、国、地方を通じて行政の簡素合理化に資する意味では、やはり補助金の整理合理化ということにはどうしても取り組まなければならぬだろうというふうに私ども思っておりますし、従来からそういった主張をしておるわけでございます。 ただ、削減というのがどういった形で整理をされるのか、わからない。いまおっしゃいましたように、一律削減ということで単純にやられるということになりますと、たとえば十分の八の補助率あるいは負担率が十分の七になるというだけのことでございますと、それだけ地方団体へしわ寄せが行くということで、仕事がやめられれば別でございますが、そうでない限りは単にそれだけのことになってしまう。ということになれば、補助金にまつわるいろいろな事務事業といいますか手続といいますか、そういったものもそのままで、ただ単に金が動くというだけのことであれば、それは本当の意味で行政改革というものになるのかどうかという意味でいろいろ問題はあろうと思います。 ただ、どういうやり方かわかりませんから私ども申し上げにくいわけでございますが、私どもとしては、やはり補助金を整理するならば基本的に行政全般を見直して、不要なものはやめる、整理をするという意味で事務事業をやめて補助金も整理する、これがまず原則であろうと思うのでございます。それ以外には、縮減するものは縮減するということで、きちんと制度として明確にされれば、それは国、地方あわせて縮減ということができるかと思います。しかしながら、どうしても仕事として残さなければならないものについては、単に削減というだけではうまくいかないだろうと思っております。 そういった中で、私どもとしては、一つには、もうすでに地方団体の事務としてまさに定着しており定型化しておるようなものは一般財源に切りかえるということも従来から意見として述べておるわけで、こういった機会にそれも行われるべきであろうと思いますし、またどうしても残すものについても、できるだけいわば総合・メニュー化といったようなこと、あるいは手続の簡素化ということ、関係各省庁においても従来から協力はいただいておりますが、引き続いてそういった面で御協力を願いたいと思っておるわけでございます。いまおっしゃいましたような意味で、ただ削減だけということになりますと、本来の趣旨に照らしてそれがいいのかどうかとなりますと、私どもは何か問題があるように思うわけでございます。ただ、具体的にどうかはわかりませんので、まだわれわれの主張としてこうこう思うということまでは申し上げにくいわけでございます。
○部谷委員 まず隗より始めよという言葉があります。不要な補助金としてやり玉に上げられておるものが幾つかありますけれども、自治省所管の補助金は数がかなり少ないわけですが、その中で具体的な名称を挙げて指摘されておる補助金が、自治省の所管に実はあるわけであります。それは選挙常時啓発費補助金でありまして、これはある団体からの指摘がされております。国の選挙などがあるときは、都道府県に対しまして委託費だとか補助金とか、そういうものが出ておるわけであります。 この常時啓発というのは、戦後間もないころに選挙の一般的な意識を啓蒙した時代の名残のものである、こういうふうな指摘が実はされておるわけでありますが、五十六年度におきましても五億六千万円強が計上されております。この補助金の内容と、それから、それがやはり本当に必要なのだという何か裏づけになるお話があれば、お示しをいただきたいと思います。
○大林政府委員 選挙啓発につきましては、その都度国会におきましてもいろいろ御配意を賜っておるところでございますが、先ほどお話がございましたように、戦後占領末期、昭和二十六年の統一地方選挙をやってみましたところが、余りにも腐敗が激しかった。これに耐えかねて、民間団体から有識者がお集まりになって公明選挙連盟というのができる、と同時に並行いたしまして当時の衆議院におきまして、選挙の浄化というのは一片の制度改正だけではだめであって、この際一大選挙粛正運動を起こすべしという御決議を賜ったのが、そもそも現在の啓発活動の発端でございます。 確かに、今日まで関係者のじみちな努力によりまして、私どもは、それ相応の成果を上げてまいっておるとは思いますけれども、しかし選挙をやるたびに悪質な犯罪が絶えないのもまた事実でございます。今年度補助対象といたしております内容につきましても、この数十年の間それぞれの有識者の指導のもとでやっていただいておるいろいろな事業、特に代表的なものを申し上げますと、いわゆる政治大学、市民大学、いろいろな名前をつけておりますけれども、研修会、講習会のたぐい、それから、選挙啓発の重点と申しますのは、大ぜいを集めていろいろな話をするよりも、じみちに草の根運動と申しますか小グループに分かれた話し合い活動、つまり民主主義の基本というのは、一人一人が政治に対する意見を持つということでありますし、特にわが国の国民性といたしまして、なかなか知らないところでは物を言わないという風習も昔からあるわけでありまして、そういうことに着目しました小グループにおける話し合い活動、さらにそういった活動の中心人物となるべき指導者の養成事業、こういうものが中心になるわけでありますが、そういういろいろな研修会あるいは会合に使いますパンフレットでありますとかチラシでありますとか、そういった広報媒体、そういうものの印刷頒布の事業、これが補助対象の主なものとなっております。 民主主義というのは、どうしてもやはり選挙が基本でございます。したがって、選挙啓発の効果その他につきましていろいろ御批判のあることは十分承知いたしておりますけれども、やはりこの種の事業の性格上、たゆまずうまず、長い目でじみちに続ける必要があるのではないかと私どもは確信をしておるところでございます。
○部谷委員 補助金がついておる以上、やはりそれなりの必要性というものは、あるいは大義名分があってついておると思うわけでありますが、補助金が必要かどうかということは、対費用効果というものが問題になると思うのです。選挙に関して、選挙違反事例あるいは投票率の向上、ことに千葉県の——池田先生いらっしゃるので申しわけないのですけれども、先般の千葉県の知事選挙におきまして二五%しか投票率が上がらなかった。こういう事態を考えますときに、こうした対費用効果というものが十分に上がっておるというふうにはどうも認めがたいわけであります。そういうことでありますからこの五億六千万、きわめて財政逼迫しておるときにこれを削減する必要はないのか、あるいはこれを削減しないとするならばもっと効果的な使い方はないのか、こういう疑問が出てくるのは当然だと思うのですが、いかがですか、もう一度御答弁願います。
○大林政府委員 確かに最近の、特に地方選挙におきますあるいは国の補欠選挙におきます投票率というものが非常に低いということにつきましては、私ども残念に思っております。選挙管理機関といたしましても、その都度その都度の選挙の背景となっております政治情勢あるいは候補者の選び方、そういった問題が相当の投票率に対する影響力を持っておりまして、相当の力を得ましてもなかなか投票率が上がらないということについては、選挙管理機関としても頭を痛めておるところであります。 ただ、選挙啓発というものの性格上、すぐ目に見えて効果が上がることを期待するのが非常にむずかしいわけでありまして、御指摘のような補助金の効率的な使い方というのは、これまた私どもその都度その都度非常に頭を使いながら、関係機関とも協議をしながら、何とかもう少し効果の上がる方法はないかということは、長年の検討課題として現在も関係方面と協議をしながら、その都度考えておるところであります。確かに補助金の効率的な使用方法、特に啓発効果がいかにして上がるかという手法につきましては、御指摘のような一つの大きな宿題であると自覚をいたしております。
○部谷委員 次に、きょうは特に農林省においではいただいておらないのですけれども、総合補助金化が進んでおらない。一例を見ますと、たとえば農林省、これは昭和四十九年度に農業振興地域整備促進費補助金と地域農政特別対策事業費補助金、さらに三つ目に農業団地育成対策費補助金、この三つが統合されまして、農村地域整備開発促進費補助金というふうに表向きは三本が一本に統合されました。ところが実際は目細としてそのまま残っておりまして、地方農政局の地域計画課と企画調整室で別々に事務が行われておりまして、そして手続は全く以前のままでありまして、形だけ一本化され、かえってそのために事務がふえるようなことをやっておるということであります。 しかも五十六年度の予算では、補助金の総合化という名目でまたこれらの補助金の統合を行っております。農業振興地域整備促進費補助金と地域農政特別対策事業費補助金と農村地域就業改善推進費補助金、この三つを統合いたしまして農村地域農政総合推進事業費補助金というふうにしております。ところが実態は同じでありまして、農林省の農政課と就業改善課で別々に事務を行っておるのでありますが、こうした事実をどう受けとめておられるか。やはり実のある補助金の総合化を行っていくべきであろう、このように思うわけでございますが、御見解を伺いたいと思います。
○土屋政府委員 五十六年度予算でただいまお示しがございましたように、三つの補助金が統合されて新たに農村地域農政総合推進事業費というのが実施されることになったと聞いております。新しい交付要綱はまだでき上がっておりませんが、農水省としてはできるだけ申請手続等も一本化できるよう検討中であると、私どもの方では聞いておるわけでございます。ただ従来から、これがそうだとは申しませんが、一応いろいろな形で一本化をいたしましてもそれぞれ組織がございますし、実態上の仕事はそれぞれの課がやっておるというようなことで、せっかく一本化してもヒヤリングは別々であるとか、手続等についても従来どおりのものが残っておるとか、いろいろなことがあるようでございます。 せっかく統合がされましても、そういったようなことがあっては意味がないわけでございますので、私どもとしては形式的なものに統合・メニュー化が終わらないように、今後とも手続面でできるだけの合理化を進めますとともに、補助条件も最小限にとどめるように実質面で統合・メニュー化が本当に進められるようにということを関係省庁に申し入れてまいりたいと思っております。関係省庁でも、かなりそういった面には最近では協力していただいておるのでございますけれども、やはり組織面からうまくいかないということもあるやに聞いております。一層その点、合理化できますように私どもとしてはお願いをしたいし、努力もいたしたいと思っております。
○部谷委員 続いて、第二交付税の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 補助金問題の一環といたしまして第二次交付税につきまして、実は昨年も当時の後藤田自治大臣に対して私は質問をいたしましたが、そのときの御答弁では、国庫補助金は国の特定の施策を推進するという意味で評価すべきであるから、第二交付税についてはにわかに賛成しがたいと、にべもない御答弁であったわけであります。 そこで私は、ここでわが党が繰り返し主張しておりますこの第二交付税についてにべもない御答弁をいただかないために、少しその内容をもう一度述べさせていただきたいと思うわけであります。 魅力のある地域社会づくりを推進するには、地域の個性、地域を生かした住民の自発的な町づくりで、地域住民にとって均衡のとれた地域社会を築くことにあることは申し上げるまでもないところであります。そこで、従来から地方自治体の自治の成長を阻害し、中央依存の風潮を助長し、国の画一的な行政を自治体に強要しております国庫支出金の改革はこれは緊急な問題であろう、こういうふうに思うわけであります。 それは地方財政が窮乏しております現況のもとでは、ますます国庫支出金に依存をし、一方ではまた超過負担によってわずかな自主財源がその補充に食われるなど、地方自治の一つのバロメーターとされる単独事業を圧迫する、こういう結果になりまして、およそ魅力ある地域社会づくりにはほど遠い状況になりつつあるからであります。さきに述べましたような、前自治大臣の御答弁にありましたような国庫補助金の存在理由を認めたといたしましても、果たして現在のような一千項目を超す国庫支出金が必要であるのかどうかは大きな疑問だ、こういうふうに思うわけであります。 こうした補助金制度は地域住民にとって効率的でないケース、こういうものも多々あるわけであります。たとえば、都市計画事業におきまして、道路を舗装した後で下水道の暗渠を埋設する、こういうふうなことは国庫支出金の細分化がむしろ非能率につながっておるという一つの例であります。そこで、地方財政法第十条の二各号に列挙されております事業に要する経費に対する国の支出金を公共事業等交付金として位置づけまして、そしてそれぞれの建設事業費について、たとえば道路整備交付金あるいは河川整備交付金というふうにして一括交付しよう、こういうものであります。これは地財法九条の例外をなすものでありまして、本来地方自治体が全額負担の原則に沿って、地方自治体の負担で地方自治体の整備計画や方針によるべきものに対して国の応分の負担を求める、こういう性格のものだと思うわけであります。 そこで、この十条の二の関係の国費分につきまして、五十六年度は三兆八百三十六億円、これだけ組んでありますけれども、この件数は明らかになっておらないのですが、まずこの関係の補助金は何件くらい件数があるのか、お尋ねいたします。
○土屋政府委員 地財法十条の二の公共事業関係補助金の件数でございますが、五十六年度の地方財政計画で予算上の目の数で申し上げますと、おおむね百六十件程度と見込まれます。
○部谷委員 そこで、十条の二の関係の補助金につきまして、大体事務手続のために地方がどれぐらい金を使っておるか。このことは、けさ五十嵐議員からもいろいろと御質問がございましたけれども、私どもは私どもなりに一つの仮説をつくりながら実は計算しております。こういう膨大な資料を実はつくっておる。これはもちろん仮定を立てながらつくっていくわけで、実態に即しておる、ぴたりそのままというわけにはいかないかもしれませんが、一つの指針になるかと思います。この調査によりますと、十条の二だけで一千二百億円の費用がかかるという試算が出ております。そういうふうなむだをなくすためにも私は第二交付税の実現を検討すべきである、こういうふうに思うのですが、御見解を承りたいと思います。どなたでもいいですから。
○土屋政府委員 補助金もいろいろとあるわけでございますが、補助金の統合化ということは、地方の自主的な選択によってその地域の実態に合うような仕事を進める上で、きわめて適切なことだと思うのでございます。 前回に元大臣からお答えをいたしましたような、十条の二関係の補助を総合的に集めて交付金制度を設けるという点でございますが、これも確かに一つの新しい考え方だと存じます。ただ、それは国と地方との行政事務の配分問題につながる事柄である、きわめて広範にわたるものである、そういうふうに考えられますので、私どもとしてはやはり慎重に対処する必要があるという気がいたしますし、同時に道路なり河川の整備といったような特定の施策を実現するという国庫補助負担金制度の意義に変革を与えるというようなことにもなりますので、種々問題があるということでお答えをしたということでございます。 具体的に三兆八百億余りの十条の二の資金で、手続その他の事務費というものがどれくらいかかるかということについては私どもよくわかりません。いろいろと前提を置いていま千二百億円ぐらいと、こうおっしゃったわけでございますが、いろいろな前提を置いての一つの推計はできるのかもしれませんが、いろいろな手続というものは一人の人がそれのみならずいろいろなことも兼ねてやることもございましょうから、厳密に考えればこれはなかなかはじけないと思うのですが、おっしゃいますように一定の前提を置いてやってみれば一つの考え方というのが浮かんでくると思います。三兆八百億円のうちの千二百億円でございますから、パーセントとすればそう何といいますか、きわめて驚くべき数字だということにもならないのかもしれませんけれども、かなりそういった点で経費がかかっておることは、それはそれなりで私ども理解できるわけでございますが、基本的にいま申し上げましたように、直ちにいまいくにはなお問題があるように思うのでございます。 もちろん、先ほどからたびたび申し上げておりますように、補助金について統合・メニュー化とかできるだけ総合化するという、その意味合いを否定するものでもなく、またそういう方向にいけるものは持っていったらいいと思っておりますけれども、かなり大きな範囲にわたるものですから、そこらについては私どもとしても、にわかにうまくいくのだろうかという危惧を持っているわけでございます。
○部谷委員 自治省が、あるいは政府がと言ってもいいのですが、この第二交付税の実現にきわめて消極的であるのは、実は理由があると思うのです。補助金の交付が選挙の際に自民党票の獲得に重要な影響を持っておるということは、すでに新聞初めいろいろなところで指摘がされておるところであります。最近朝日新聞が出版いたしました「補助金と政権党」という本がありますが、その本の中に、去年の参議院選挙に全国区で出馬されて高位当選された官僚OBの方々のことがいろいろと書いてあります。その例といたしまして、農林省のOBのある候補者の得票と土地改良事業費、この土地改良事業費というのは申すまでもなく地財法十条の二の関係のものでありますが、この土地改良事業費の府県別構成費、これがその人の得票と驚くほど一致をしておる。そういうデータをいろいろと添えて結果を出しておるわけであります。つまり、補助金がそういうふうな選挙の集票に使われておる、こういう事態があるわけであります。だからこそ、この第二交付税に対して政府は消極的なのではないか、こういう指摘がいろいろあるわけですが、これはきわめて政治的な話でありますので、大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 第二交付税については財政局長から申し上げましたとおりでありまして、私も率直に申しまして、いわゆる公共事業的なものを全部一括して第二交付税ということは適当じゃないんじゃないかと思っておるのです。しかし、根元から否認するわけじゃありませんで、やはり国の立場から申しますと、河川の改修なんかについてはお互いにわたる問題もあるわけです。そういうことで、国の方針のもとに進めにやならぬ部分が相当あるわけです。先ほどお話のございました都市計画について、公園事業と道路の整備なんということになりますと、比較的局地的な問題ですね。だから、そういう分類をしてみる必要もあるんじゃないかというふうに私は思っているのです。 なお、そのほかに地方の実態から申しますと、単純なる道路舗装でございますとか、あるいは道路改修事業なんというものは局部的な問題がありますが、そういうものは別途考えてもいいんじゃないか、こういう考えも持っておるわけでございます。 これは財政局長から御答弁申し上げた点について私の所感でございますが、私へのお尋ねは、集票に結びつくから反対なんだということは大変憶測でございまして、そんなことは私はないと思っております。 そこで、参議院の性格を考えますと、これは議論になりますけれども、たとえば職能代表というようなものを参議院の候補者と申しますか、議院構成の一つの要素にすべきだという議論だってあるわけですね。これも一つの理由だろうと思うのです。そういたしますと、土地改良事業に非常になじみのある人を自分たちの代表として出したいとか、そういうことはやはりあり得ると思うし、参議院の全国区の場合にはそういうものが一つのファンクションをなすものじゃなかろうかと思うのです。それをすぐに補助金と結びつけて考えることは私はちょっと行き過ぎじゃないか、こういうふうに思います。
○部谷委員 それは、そうした指摘をこの朝日新聞社が発行いたしました著書もはっきりとしておるわけでありまして、そういう事情の中でそのようなことがあるのではないか、これはやはり国民の疑点とするところであります。だからそうした疑点を晴らすためにも、ひとつ第二交付税制度をしっかりと取り入れていただきたい。 その第二交付税というのは、先ほど申しましたように、本来地財法の九条の本質の例外をこういうふうにやる、こういうことでありますので、本質を見失うことのないような措置、対策、これが今後必要であろうというふうに思うわけであります。第二交付税をとるにいたしましても、それは国の方から事業費の使い方あるいはそうしたものについての一定の方針を出すことは、私はやむを得ないと思うのであります。しかし、使い道はやはり自治体の裁量にゆだねる、こういうのが地方自治の本旨にもかなうものである、こういうふうに思うわけであります。 去年の暮れのいわゆる鈴木・佐々木両党首会談、この会談の席上で渡辺大蔵大臣も、これを第二臨調で検討されたい、こういうふうに言っておられるのですよ。また佐々木委員長も、土光さんとの会談の中で真っ先にこの問題を主張しておるわけでありまして、余りそうした後ろ向きの形でなくて、民主主義を推進するためにあるいは地方自治をさらに拡充強化するためにこの第二交付税の制度をとられたらどうか、私はこういうふうに申し上げておるのであります。 私の質問はこれで終わりますので、最後にひとつ御答弁をお願いしたい、このように思います。
○安孫子国務大臣 第二交付税の発想というものは、私はユニークでなかなか適切なものだろうと思います。ただ、実際問題考えますと、ただいま私が若干所感を申し述べましたが、そういう点の分類、整理、それに対する対応の仕方、そういうようなものをもう少し詰めなければいかぬのじゃないかというふうに考えるものでございます。 御意見のほどは傾聴いたします。
○左藤委員長 次回は、明十五日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十六分散会