地方行政委員会 第9号
- 発言数
- 261 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/04/09
会議録
○左藤委員長 これより会議を開きます。 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 公明党の石田でございます。 地方交付税法等の一部を改正する法律案の問題並びに関連する地方行政一般の問題について、これから質疑をいたしたいと存じます。 まず最初にお尋ねいたしたいことは、すでに新聞等でかなりいろいろな形で報道されております地方自治法の改正案問題ですが、三月十三日が閣議決定の最終日というふうに報告を聞いておりましたけれども、これは一体どういうふうになっておるのか、まず御報告をいただきたいと存じます。
○砂子田政府委員 地方自治法の提案が大変おくれておりまして申しわけございません。今回の改正は、御案内のとおり十六次から十八次にわたります地方制度調査会の答申に基づきまして所要の地方自治法の改正をいたそうと思っておるわけでございますが、今回の改正の内容について現在各省との問で調整中でございまして、できるだけ早い時期に提出いたしたいとは思っておりますが、現在のところなお調整中でございますので、いましばらく御猶予を願いたいと存じます。
○石田(幸)委員 各省庁との調整がおくれているということでございますが、今国会は五月二十日までが会期になっておるわけでございます。この中身そのものが今後の地方自治の大きな変革になるわけでございますし、これは衆参両院の委員会においても、そう簡単に一日、二日で審議が終わるというような、そういう小さな問題ではありません。十分質疑時間を要する法案でありますから、これは提出の時期なりその見通しがはっきりしてこないとこの成立も危ぶまれるということになろうかと存じますので、もう少し見通しを明らかにしていただきたい、こう思いますが、できませんか。
○砂子田政府委員 私たちといたしましては、御審議をいただく時間が十分とれるように配慮をしながら、なるべく早い時期に出したいということで各省と話をいたしております。しかし、どうも相手のあることでございまして、しかも今回の改正が従来になく大変むずかしい点もございますので、御審議願えるような時間をぜひとりながら提案をいたしたいと思っておりますので、いましばらく御猶予を願いたいと存じます。
○石田(幸)委員 それでは、これは大臣に少しお伺いをいたしたいと存じますが、御存じのとおりきょうはもう四月の九日でございますから、日程どおりいけばあと一カ月と十日ぐらいしかないわけでございますね。現在、地方交付税法等の一部を改正する法律案の審議をしておるわけでございまして、これが決着がつくとしましても四月の二十日以降ということになりますと、その時点でこの法案が出てくるといたしましても一カ月しかないわけですね。会期延長の問題等もささやかれてはおりますけれども、これは不確定な問題でございますので、地方自治法の改正問題に対してどれほど強い決意で臨んでいるか大変危ぶまれるというふうな批判も一部においてあるわけでございまして、大臣の所信をお伺いいたしたいと存じます。
○安孫子国務大臣 会期の関係も考えますとやはり一定の限度があると思います。したがいまして、大体もう最終段階に来ておると私は思っておりますが、その間においてひとつぜひ各省との間の調整をとって提案をいたしたいと思って、ただいませっかく努力をしているところでございます。その辺、お尋ねの点のことも考えまして至急に結論を出したい、こういうことでいま努力しておるところでございまするので、しばらくの間御容赦を願いたいと思っております。
○石田(幸)委員 そういう大臣のお話でございますのでやむを得ないとは存じますが、その法案の中身がすでに報道されておるわけでございますので、その問題について自治省のお考えを一つだけ聞いておきたいと思うのでございます。 現在都道府県で行われている基本計画、そういうものは議会の議決を得るようにしようということが改正案の中に盛り込まれておる、こういうふうに言われておるわけでございます。この問題と、それから国の計画との関係でございますけれども、これまでも地方自治体独自の長期計画というのは、国の新しい事業計画等が変わりますとそれに伴って見直しを余儀なくされておるわけでございます。こういうことがこれからも行われる可能性がある。そうすると、都道府県の議会で議決をしたその議決の意味がなくなってしまうのではないか、いわゆる地方自治というそのものの本来の使命と国の計画とここに大きなそごができてくるのではないかという心配があるわけでございます。もちろんそれは基本計画であるし長期計画になるわけでございますから、そう大幅な変更はないのではないかというような御答弁が出るのではないかと思いますけれども、私はそうは言えないと思うのですね。そういう中で、この都道府県会の議決の意味は一体どういうことになっていくのか。そこら辺の関連性が大変心配なので、この点だけ内容についてひとつ伺っておきたいと思います。
○砂子田政府委員 現在検討いたしております地方自治法の改正案の中で、いまおっしゃられましたような改正の条項を考えております。 御案内のとおり、市町村におきましては、すでに議会の議決を経まして基本構想というのをつくっております。これはその地域におきます行政の運営のあり方というものを定めておるわけでありまして、それに従って、その地域の総合的なあるいは計画的な開発あるいは指針になっているわけでありますが、都道府県におきましても、地域住民から考えますと、やはり自分たちの新しい地域社会というのはどういう方向に向くのかという振興、発展の将来図というのは、住民にとっても示されておくべきだと存じております。 そういう意味で、住民を代表しております議会の議決を経ておくというのは、自分たちの地域社会に対する住民からの見通しを立てる上においては大変よろしいことだと私は思いますし、かつそういうことがあることによって、より関心を深めていく問題でもあり、そこにやはり自治の精神が出てくるものだと私たちは考えております。そういうために今回の改正をいたすわけでございまして、国の計画というのは多くはこの基本構想の部分にかかわるものではなくて、都道府県の基本計画にかかわる部分の方がむしろ多かろうという感じがいたしております。 基本構想自身は、御案内のとおり、先ほど申し上げましたように、その地域における若干の鳥瞰図と申しますか、振興、発展の将来図みたいな感じでございますから、そういうものに向かって住民がともかく自分たちの地域づくりをしようという意思を表明していく形になるものでありますし、そういう形から議会としてもそれに関与をしていこうということをさせたいと思っております。そういうことでありますので、この議決自身も団体の意思決定ということになっていくことになると思っております。
○石田(幸)委員 この点については、新聞の論調等を見ておりますと、かなり問題のあるところではないかというふうに、なお心配の状況が強いようでございますので、十分各省庁とも連携をとりつつ原案をつくっていただきたいということを御要望いたしておきます。 それから次の問題に移りますが、行政改革の問題でございます。 第二臨調の出発とともに、鈴木総理の行政改革に対して政治生命をかけるという強い決意が表明された。新聞報道によりますれば、参議院の予算委員会において、各大臣も一様にその決意を表明したということが報道されております。そういう意味では私たちも大変結構だと思うわけでございますけれども、しかしそのやり方がかなり問題であろうと私は思うわけです。第二臨調の答申がどういう形になって出てくるかはまだ予測の限りではございませんけれども、特に補助金の問題については一律カットであるというような大臣の話が出ました。しかし、その一律カットに対する懸念があちこちから表明をされますと、たちまち今度は各省庁に選択できるノルマ方式というふうに、総理の発言が若干思いつきで発言をしていらっしゃるような気さえするわけでございます。そういうことではならないわけでございまして、その点自治大臣に、所信と同時に自治省としてはどんな方針で進もうというふうにお考えなのか伺いたい。あるいは私の申し上げている質問が先走りなのかもしれません。と申しますのは、第二臨調でいろいろな答申をおつくりになるのではありますけれども、その中に当然やはり各省庁の意見が組み込まれて反映されていかなければならないと思うわけでございます。そういう意味で、第二臨調との意見調整をする意味においても、やはり自治省がそれなりの考え方を発表するということは大変に意味のあることではないだろうかというふうに思うのでお伺いをするわけでございます。
○安孫子国務大臣 第二臨調でどういう答申を行いますか、これはいま審議が始まったばかりでございまするから予断を許しませんし、また、第二臨調のいろいろな構想につきまして私どもがいまとやかく言うべき問題でもございませんので、これは第二臨調の今後の推移を見るしかないと思います。 その答申を受けまして、今度は政府部内におきましてそれをどうこなすかという問題が次に控えてくるわけでございますが、私どもは従来とも、補助金につきましては補助金の整理合理化と申しますか統合化とか、そういうことを常に主張してきておるわけでございます。そこで補助金をいろいろ考えてみますと、全く零細的であり、そしてまた地方団体の行政事務にも溶け込んでおるようなものもございまするので、そういうものは一般財源化したらいいじゃないかという主張を常に繰り返してきておるところでございます。 それから、いろいろな競合するような補助金が各省ごとに幾多ございます。同一のような目的でございますが、それがばらばらに出ているというのじゃなくて、やはりそれをまとめるべきじゃないか、そして補助金の合理化を図るべきじゃないか、こういうことも主張してきている問題でございます。 そのほか補助金行政についてはいろいろ問題がありまするので、従来自治省といたしましてはそうした方向で主張してきておりまするから、政府部内においてこれを検討する場合においては、その線に沿って私どもとしてはこの補助金の問題に取り組んでいきたい、こう考えておるところでございます。
○石田(幸)委員 前回の委員会のときにも、この補助金の整理の問題については、一律カットというような形になっても、下手をすれば地方自治体に支出している補助金であるからそれは地方自治体の今後の財政支出に響いてくる、そういうおそれがあるじゃないかという質疑がございまして、その点についてそれなりの穴埋めをしなければならないだろうという御答弁がございましたけれども、私考えてみまするに、もしそういうことであれば、これはやはり地方交付税の増額ということ、いまも大臣から一般財源の確保という立場からのお話がございましたけれども、いま三二%の地方交付税については、各野党の間にとりあえず四〇%にせいというような議論がここ何年間か繰り返されておるわけでしょう。そういうような状況になれば交付税の引き上げという方向になっていくのか、あるいは特別交付税という形で処理をしようとされるのか、そこら辺についてもしお考え、見通しがありますれば御答弁をいただきたいと存じます。
○安孫子国務大臣 いま地方交付税率の引き上げを直ちに行うというようなことが実現する客観的情勢にはないと私は考えております。したがいまして、補助金の整理統合等によりまして地方財源をどうして確保するかということに相なりますれば、一般財源をいろいろな形において考えていくとか、あるいは地方税の問題も出てまいりましょうし、補助金自体を制度的にやめるという問題も出てくるでしょうし、いろいろなケースによりまして対応の仕方は違うと思います。しかし、取りまとめてそれが地方にほとんどしわ寄せが行われるんだというようなことになることは、これはいまの地方財政の現状から見てまことに適当なことではないわけでございますから、繰り返して申し上げますが、この点については十分自治省としては対応の仕方を考えていかなければならぬと思っております。彼此かんがみまして、お説のようにこの際交付税率を四〇%に上げるべきじゃないかというような御所見でございますけれども、これは現下の諸情勢から申しまして実に困難であり、不可能に近い国の財政状況にあると私は考えておりますので、そういう方向でなく問題を処理していかなければならぬと考えております。
○石田(幸)委員 それではもう少し具体的に伺ってみたいのでございますけれども、自治省が所管をされる補助金の概算決定状況調べの一覧表をちょうだいいたしておるわけでございますけれども、少し御報告をいただきたいのでございますけれども、廃止あるいは減額、いわゆる整理の方向で進められたものが五十六年度において総額どのくらいになるか、それから新たにふやしたもの、あるいは新規につけられたもの、そういうものがどのくらいになるか、その差し引きはどんなぐあいになっているか、御報告をいただきたいと存じます。
○石見政府委員 お答え申し上げます。 昭和五十六年度の自治省所管の補助金等の内容についてでございますが、廃止いたしました補助金は五件で約五億二千万ということになっております。と同時に、減額をいたしました補助金は、九件で約三十億ということになっております。一方、増強いたしたと申しますか、内容を充実いたしました補助金といたしましては、新規の補助金といたしまして一件五億であります。と同時に、増額をいたしました補助金は、十五件で四百四十億ということに相なっております。廃止と新規の差し引きは、減額約二千万であります。増額分につきましては約四百十億ということに相なっております。
○石田(幸)委員 いま御報告ございましたように、増額分については四百十億というようなことで、減額の結果は二千万ですか、そうですね。——そういう状況でございまして、補助金の一律カットとかノルマ方式とか大臣おっしゃいますけれども、現実に五十六年度の補助金の情勢というのは大幅にふえざるを得ない、こういうようなわけでございます。 また、その一つ一つの項目をずっと見てみましても、そう簡単に削ることができるかしらというふうに思われるものが多いわけでございます。たとえば災害に対する施設等の整備費の補助金であるとか、そういうものがかなり多額の部分を占めているわけでございまして、総理大臣があれだけかけ声をかけているけれども、本当に自治省としては、自治省所管の分をそんなにばっさばっさ削れるだけの自信があるのですか。新聞報道等によれば六、七%から一〇%の間というふうな言い方がされておるわけでありますけれども、自信のほどをお伺いいたしたいと存じます。
○安孫子国務大臣 いまの段階で自治省の補助金をどうこうするというようなことを論議する段階でもございません。第二臨調におきましてどういう答申を得られますか。その答申に基づきまして、政府といたしまして内部調整をして、それをどうして実現するかということを真剣に考えなければならぬ、そのときの問題であろうと存じます。
○石田(幸)委員 私はそれに対していささか異論があるわけでございますけれども、しかしこれだけ総理大臣、各大臣が態度表明をされて、政治生命をかけるとまでおっしゃっておるわけでございますから、当然補助金のカット等においては各省庁がそれなりの検討を進められるべきだ。なぜそんなことを申し上げるかというと、いわゆる概算要求というのは七月末から八月にかけてでしょう。それがすでに、これは新聞の報道ですから確認はいたしておりませんけれども、第二臨調の結果を得て来年の概算要求を組まなければならぬということを考えてみれば、まずその前に五月にも概算要求を各省庁から吸い上げなければならぬ、そういう議論がすでに出始めているじゃないですか。ですから私は、そういう補助金のカットに対する自治省なりの考え、決意というものはあってしかるべきだということを申し上げておるわけです。これは議論の分かれるところでございますから、それ以上は申し上げませんけれども、そのぐらいの決意に立ってこの問題と取り組んでいただきたいということを御要望いたしておきたいと存ずるわけでございます。 それから、地方公務員の人員増の問題について若干お伺いをいたしておきたいと思うわけでございます。 この前の自治省の発表によりますと地方公務員がふえておる。一年間に五万人ふえた。いろいろな細かい問題はやめまして、そのいわゆる地方自治体の公務員がふえているということは大半が国の施策絡み、このようにも言われておるわけでございますね。そうであれば当然自治省は今後の対応の仕方について各省庁と相談をして、いわゆる地方自治体に対する国の責任というものを明確にしなければならぬ、こう私は思うのです。いままではできるだけ抑えていくようにというふうに自治省は指導していらっしゃる。ところが、その意に反して残念ながらふえている。しかも、そのふえている原因は、国の施策が新しく打ち出されるからふえていくのであって、これは地方自治体に公務員をふやさないようにせいというような指導をする資格すら国は失ってしまうのじゃないか、極端に言えば。そういうことになりかねません。私は過去の問題をとやかく言うのではなくて、今後の問題としてもう少し各省庁の連携を密にして、地方公務員が国の施策によってふえないように工夫をすべきである。そうかと言ったって時代は変わるのですから、国の施策もいろいろと打ち出されることはわかりますけれども、そういう問題に対する研究というものを十分にしなければならぬ。その都度自治省として時代の先取りをしつつ、その方向を明示していく必要があると思うのですけれども、これに対する御所信を承っておきたいと存じます。
○宮尾政府委員 自治省といたしましては、給与実態調査に基づく地方公務員の状況につきまして先般発表いたしたわけでございます。ちなみに、四十二年から五十五年までの十三年間で地方公務員の数は約八十万人増加をいたしております。それから五十四年と五十五年との間では約五万人、こういう状況になっております。 こういうように地方公務員の数が相当大幅に伸びてきておるわけでございますが、その最大の要因といたしましては、教育関係の職員それから警察、消防というような、いわゆる国でその職員の配置基準等が定められておるような部門、さらには住民福祉と非常に密接な関係を持ちます福祉部門、こういったところで大きくふえておりまして、これが全体の増加数の約八割を占めておる、こういう状況になっております。したがいまして、地方公務員の増加というものについてその抑制策を図っていくということになれば、当然国の施策とかあるいは国の法令等で配置基準が定められておる部門につきまして何らかの措置をしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。 もちろん地方団体といたしましては、自分の努力で職員の増加抑制に努めなければならない分野はありますけれども、いま申し上げましたような国の施策に関連する部門等が非常に大きなウエートを占めておりますので、自治省といたしましては、国にもそういう協力を求めていかなければならないということから、毎年各省庁に対しまして地方団体の定員の縮減、増加抑制等についてぜひ意を用いてください、配置基準等についても検討してくださいということを申し入れをして、協力を願っておる次第でございます。さらにそういう方向で各自治体にも努力をしていただきますが、国の段階におきましてもそういう方向で努力をしてもらうように協力をしていただくようお願いをしてまいりたいと考えております。
○石田(幸)委員 この問題についても、ただそういう抽象的な表現では困るのであって、この増員の最もふえているのが教育の面でしょう。要するに小学校、中学校の定数との関係においてふえてきておるわけですね。それがいまお話があった増員分の五五%以上を占めているというわけでしょう。こういうような状態では地方は減らしようがないわけですよ。そういう意味でこういう部門はふえざるを得ない、こういう部門はやはり減らしていくべきじゃないかというような、そういう方針をもう少し明確にこの委員会等において述べていただくべきじゃないかと私は思うのです。ただ一生懸命がんばるように言うてますだけでは何ともならぬと思うのです。 それから、これは自治省が中心になるのでございますけれども、各省庁の間で、そういう地方公務員の増減の問題について何か意見調整をする機関というものが存在をしておるのですか。その点ちょっと伺いたいと思います。
○宮尾政府委員 御指摘のように地方公務員の増加数の大半を占めておるものが特に教育、警察といったような部門が多いわけでございます。たとえば教育問題につきまして、教職員の状況をどういうふうにするかということは、地方団体の経営という面から見ることはもちろん必要でございますが、国の教育行政というもののあり方とも深く関連をする問題でございまして、文部省とも十分協議をしながら、この問題についてどういう方向を打ち出していくかということを議論していかなければならないというふうに考えております。毎年国の予算編成の前に自治省といたしましてもそういう面での見直し努力をお願いをいたしておるわけでございますが、今後とも関係省庁と十分そういう点について協議をしてまいりたいと思います。 なお、こういう問題について何らかの協議をする機関があるかという御質問でございますが、そういうものは現在設けられておりません。
○石田(幸)委員 大臣に御要望でございますけれども、これはどうしても第二臨調絡みになってきて、これからの見通しについてもお答えがしにくい問題があるのだろうと思いますが、いま若干論議しているのを聞いていただいたわけでございまして、安上がりの政府をつくろうといったって実際に国の施策によって地方公務員がふえていくというような状況があるわけです。私は、やはり地方自治が進めば進むほどこの問題は深刻になると思うのです。住民のニーズにこたえるためには地方自治体としてはいろいろな手段を考える、手段を考えれば機構が必要、人間が必要ということになってきますね。そういうようなことを考えますと、どうしても国全体でも絶えず調整をして気をつけていくことが必要だと思うのです。ただ自治省が各省へ出かけていって、こういう状態ですからしっかりしてくださいと要望しているだけではだめなんであって、安上がりの政府をつくろうという限りにおいては、そこら辺の見通しを持って、それによって各省庁が大きな影響を受けつつ今後の行政をやっていくというような機構が必要じゃないかというふうに私は思うのですけれども、できればそういう機構をおつくりになったらいかがかと思いますが、どうでしょうか。
○安孫子国務大臣 この問題は大変むずかしい問題でございまして、新しい機構をつくって解決するかどうか私は若干疑問に思っております。 そこで、地方公務員の増加については、世上それがすべて地方団体の責任であるかのごとき論が非常に強くあるのは、はなはだ遺憾なことでございまして、実態は、いま申しましたとおりに教員、警察あるいは社会福祉施設でございますとか、あるいは消防関係とか、そういうものが増員の七、八割になっているわけで、これは国の政策に関係しているわけでございます。 したがいまして、地方団体の定員を減らすということになれば国自体の制度のあり方、こういうことも論議をしなければならぬ問題でございます。今回は地方の問題等についても第二臨調において論議をされると承っておりまするけれども、その中におきましても、この実態を十分に踏まえてどうあるべきかという答申あるいは論議が行われるのであろうと私は考えておるわけでございます。その結果に基づきまして、政府といたしまして、ただいま御指摘のありましたような各般の問題について基本的にどうすべきかということを論議することがこれからの問題ではなかろうかと思っております。
○石田(幸)委員 それでは次の問題に移ります。 交付税法の基本的な問題であります政令都市間の甲の種地間の格差の問題について一つだけ伺っておきたいと存じます。 従来種地間の格差問題、いわゆる段階別態容補正係数が問題となっておりまして、これが五十三年から五十五年までの三年間に段階別というのが連続化の方向へというふうに調整をされてきたわけでございます。しかし、この五十二年から五十五年までに行われた連続化は、いわゆる一種から七種の間で行われたわけでございまして、八から十までの三種地間においては行われておらないわけでございます。そのために、地方自治体側に言わせますと、消防費とか道路橋梁費とか、いろいろな問題において非常に大きな格差が出てしまっておることが不満の種のようでございます。当然今後とも連続化の問題を検討なされるのだと思うのでございますけれども、この八種から九種までの間においての連続化はどのぐらいの見通しでおやりになるのか、お答えいただきたいと存じます。
○矢野政府委員 御案内のように態容補正係数、なかんずく都市化の程度に応じて補正をいたします態容補正係数につきましては、人口集中地区人口、経済構造あるいは宅地平均価格指数などを用いまして、市町村ごとに評点をつけまして、この評点の段階に応じて種地を区分する、こういう方法を使っておるわけでございます。昭和五十年まではそれぞれの種地に応じて補正係数を定めておったわけでございますが、同じ種地の中でも点数の高いところと低いところでは都市化の程度が違うではないか、したがって、その点数に応じて補正係数がなだらかにカーブを描いて変わるようにする方がより合理的ではないか、こういうことから態容補正係数の連続化という改正に着手したわけでございます。 御指摘のように、現在までに七種地までにつきましては連続化が行われておるわけでございます。八種地、九種地及び十種地につきましては、都市化の程度の非常に高いところ、大都市をも含む種地の問題でございますが、これにつきましては、関係団体、市町村からも改正要望がございましたので、昭和五十三年度から係数の連続化の改正に着手をしておるわけでございます。ただ、この八種地、九種地、十種地につきましては、従来からの補正係数の差がかなり大きゅうございまして、御指摘のように、現在消防費、道路橋梁費あるいは清掃費などにつきましてはまだ連続化が行われていないわけでございます。補正係数の差がかなり大きゅうございますので、今後基準財政需要額の激変あるいは都市化の程度の平準化の傾向などをも十分考慮いたしながら、引き続きましてこれらの八種地、九種地、十種地につきましても補正係数の連続化を進めてまいりたい、一遍にはなかなかいかないと思いますが、そのように計画的に連続化をいたしたい、このように考えておるところでございます。
○石田(幸)委員 簡単にお答えをいただきたいわけですけれども、いまの大体の話は私もわかっておるのですよ。だけれども、その問題の見通しがつかない、そう簡単にいかない問題だと言っても、たとえば一種から七種までは三年間でおやりになったわけだから、三年かかるか五年かかるかというような問題であろうと思うのですね。そういう問題をお答えいただきたかったのですが、お答えしにくい点もあったのでしょう。今後の問題にいたしたいと存じます。 それから、補助金行政の問題について若干お伺いしますが、建設省に一つだけお伺いいたしたいのは下水道問題であります。下水道はナショナルミニマムとして国民生活に欠かすことのできない施設でありますから、国も地方もこれを重視してやっておるわけでございますけれども、この補助率の問題で、指定都市が四五%、一般都市においては七五%というふうになっておるわけでございます。なぜそんな問題が出てくるのだということに対するお答えは、恐らく指定都市は財政規模も大きいから、あるいは起債等も比較的楽だからというようなお話であろうかと思うのでございますが、しかしそんな単純なことではだめなのであって、私が住んでおります名古屋市の下水道財政調査会、これは各界の意見を聴取するところでございますけれども、そこでも、指定都市と一般都市との格差というものが余りにもひど過ぎるのじゃないか、それに理論的な根拠がないじゃないか、こういうことで大変な不満を持っていらっしゃるわけですね。それは若干の格差は私もやむを得ないとは思いますけれども、どうしても格差を設けるならば、その理論づけをはっきりしなければならないと思いますよ。しかし、これについてはどうも補助率に余りにも格差があり過ぎて、そういうことが常に議会内であるいはこういう調査会で不満の種になっているという問題については、私はもう少し整理してしかるべきじゃないかと思いますが、どうですか。
○玉木説明員 お答えいたします。 公共下水道の補助対象率については、先生御指摘のように指定都市と一般都市に格差がございます。これは歴史的な経緯もございますけれども、指定都市と一般都市の比較をいたしますと、相対的なことでございますが、財政力に若干の差があるということと、もう一つは下水道の普及率でございますけれども、五十五年度末の予測で申し上げますと、指定都市全体で七二%でございますが、一般都市が一九%ということで、普及率に非常に格差があるわけでございます。そういったことで、全国にわたって下水道の整備を促進するという観点から、一般都市の補助対象率を高くして下水道事業の推進を図る必要があるということでございます。 なお、指定都市と一般都市の補助対象率の格差の是正につきましては、全般的な格差の是正の問題と全般的な補助対象率の拡大を図るという観点から、これまでの五カ年計画におきましても少しずつ補助対象率の引き上げを図ってきたところでございます。五十六年度から始まります五カ年計画におきましては、国の財政事情がございまして事業費の確保を優先に考えましたために、指定都市と一般都市の補助対象率は据え置くことといたしたわけでございますが、今後国の財政事情の推移を見ましてこの問題について検討してまいりたいと考えております。
○石田(幸)委員 いろいろな考え方があるのですが、どうもお話を聞いておりますと、下水道の普及率が格差の大きな原因になっておるようでございますけれども、これは確かにそういう格差がある。したがって、一般都市をより多く推進しなければならぬという立場はわかりますけれども、同時に、指定都市のように人口稠密地区といいますか、そういう地区におきましては問題はもっと深刻である。係数的にあらわすことができるかできないかは別にしまして、その深刻の度合いはやはり人口集中地区の方が深刻であるわけでございますから、これは補助率の問題を改正する方向へ検討しようとされているのかどうか、その点はいかがですか。
○玉木説明員 実は今度の五次五カ年計画におきましても、要求時点では指定都市の補助対象率の引き上げを要求したわけでございますが、御承知のような財政事情のために実現をいたしませんでしたけれども、先ほど申し上げましたように財政事情の推移を見て今後検討してまいりたいと思っております。われわれもこのままで満足しているわけではございませんので、今後の課題として検討してまいりたいと思います。
○石田(幸)委員 文部省にこの補助金の問題について同じく伺っておきたいと存じます。 その問題は補助金の返還問題でございますけれども、文部省は、このほど問題になりました私立医科大学を中心として起こった一連の不祥事件、これについて補助金の返還命令を出しておるわけでございますが、まずその内容を簡単に御説明をいただきたいと存じます。
○坂元説明員 お答えいたします。 ここ二月、三月、私立医科大学の入学時の寄付金等の取り扱いにつきまして、新聞紙上、世間から批判を受けまして大変恐縮に存じております。その各大学の中で、北里大学と北陸大学につきまして補助金の返還を命じました。 北里大学につきましては、五十四年度、五十五年度、大学入学者にかかる寄付金の大半を別途経理にいたしておりまして、五十三年度におきまして十二億、五十四年度につきまして十四億、五十五年度につきまして六億、トータルで三十二億五千万円の経理を別途に経理しておった。学校法人会計基準というものを私ども文部省令で定めておりますが、そのことがその会計基準に違反しておるということ、また広くは管理運営が不適正であったということで、医学部にかかる補助金の二分の一の返還を命じました。五十三年度の返還分は加算金を含めまして十一億円、五十四年度が十三億円、トータル二十四億円の返還を命じまして、さらに本年度の医学部にかかる補助金につきましても、その半額十二億八千万円をカットして交付することにいたしておりまして、補助金の返還とそれから本年度のカット分を含めまして、トータルで三十七億円の減額措置を講じております。 それから北陸大学、これは薬学部だけの大学でございますが、この大学も五十年度から五十五年度にかけまして三十七億円の別途経理を行っておったということが北里大学と同じような理由で返還をさせたわけでございますが、別途経理が非常に長期にわたっておったということ、それから大学の方も深く反省いたしまして、全額返還を私どもの方に自主的に申し出てきたということもございまして——なお、ちょっと説明が前後して恐縮でございますが、私学の補助金というのは、学校が創設されて直ちに補助金を出すというのではなくて、完成した後、言いかえれば四年次まで全部入学し終わった年の翌年度から補助金を出すことにいたしております。五十年度創設で五十二年度に完成いたしておりますので、補助金は五十四年度から支給いたしております。そこで、五十四年度の支給分三億七千万円、それから本年度概算払いを十二月上旬に一部いたしておりますが、それの分として二億五千万円、トータルで六億三千万、それに加算金を加えまして六億八千七百万円の返還を命じております。 以上でございます。
○石田(幸)委員 補助金の返還が行われたわけでございますけれども、しかし問題は少しも解決をしないわけですね。文部省は、二つの医大関係にこういう問題が起こった、いわゆる乱脈経理になった、その根本的な原因は一体どのように把握していらっしゃるのですか。
○北橋説明員 お答えをいたします。 こういった問題の基本にあるものとしては、一つは、やはり医学教育というものは非常に多額の経費を要するものであるということ、特に医科大学をつくりますときの創設時の債務償還、こういったものに非常に経費がかかるということ、あるいはいろいろと新しい施設設備、そういったものを充実をする必要があるということで急激な施設拡大傾向にある、こういったようなことが一つの非常に大きな原因になっているんではないか、このように思っております。あるいはそのほか、大学側に安易に父兄に頼るという一つの風潮が一部見られるということも考えられるわけでございます。また反面、父兄の側にもそういったことについて経費を出すことをいとわない、そういう体質がやはりある。こういったことが原因で現在のような問題が起きてまいったんではないか、こう考えられるわけでございます。
○石田(幸)委員 もう少しお伺いをしたいわけでございますけれども、いわゆる寄付金隠しは、どうしても医大には金がかかるんだというところが根本的な原因であることは言うまでもないわけですが、これはしばしばいろいろなところで議論をされてきたわけです。少なくとも医学教育については、学生側にも大変な経費がかかるんだということについてはもう少しオープンにしないとだめなんじゃないですか。そうでないと、かえってこういうような不正事件を助長しているというふうに言わざるを得ないのであって、そこら辺を文部省はどういうふうに検討しようとされていますか。私どもも、この問題について、いわゆる医学関係には大変金がかかるという話は耳にタコができるほど聞いておるわけです。しかも、医大においては授業料で取るということはできないから、どうしても大幅寄付金というものに頼っておるというような状況にございます。しかし、かかるものはかかる。最近の医療機械の高額化という問題を考えてみましても、これに対応する医学を教えていかなければならぬということになりますと、今後ともかかるわけですね。やはりそこまでオープンにして、その後の対応はそれから考えるというような方向に行かない限りは、こういう事件を防ぐことはできない。いわゆる補助金の返還命令を出せばそれで済むという問題ではないわけですよ。そこら辺の今後の方針をお伺いをいたしておきたいと存じます。
○北橋説明員 お答えいたします。 先生いまお尋ねの点でございますが、文部省の方としまして、ただいま二十九の全私立の医科大学の事情聴取をやっておりまして、今月の十四日までかかりまして一応一通り終わるわけでございますが、その後文書による指導通達等を出すわけでございます。先生いま御指摘の点は、私立医科大学協会等におきましても、そういった私立医科大学がいかに経費がたくさんかかるかということを広く国民にも理解を得ていきたい。文部省としてもそういう方向を現在考えておるわけでございますが、問題は父兄に高額な負担を負わせないという点に主眼がございますので、施設等の計画についてはできる限り長期的に資金計画を立てる、あるいは余り無理をしない、一時に高額の負担を父兄に負わせることのないようにする、そういったことを従来から指導しておりますが、引き続きそういった点について特に強く指導をしていきたい。また、そのほか私立大学の奨学事業とか育英資金の拡充等々ございます。そういった点も含めて、全体的にこの問題については対応をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○石田(幸)委員 私も文教委員会に所属していたときもありましたし、こういう問題は数年来というか、もう十数年来言われておるわけでありまして、御答弁を聞けば諸般の事情もありますからやむを得ないというようなことになりますが、しかしそういうことでこれから五年も十年もやっていくということはできないわけですので、もう少し抜本的な対策を立てるべきだ。公立大学においても医学部ということになりますれば、学生一人について四千万くらいかかっているわけでしょう。そういうことはもう明確になっているわけだから、その金の出どころということについても、奨学資金なら奨学資金を柱にするとか、もうちょっと考えようがあると思うのです。しかし、いまここでそれ以上のことを申し上げてもお答えのしようがないでしょうから、これにとどめておきますが、どうか問題提起という問題については十分受けとめていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 それから、ついでに文部省に二、三伺っておきたい問題がございます。それは小学校、中学校の施設の問題です。校庭や講堂、この施設について市民が大変これを利用しているわけでございますけれども、どうも学校の管理者は、この市民利用について余り歓迎しない傾向が強いのではないかというような気がしてならないわけでございます。この間も、ある方に聞きましたけれども、たまたま小学校の校庭を使ってある団体の運動会をいたしたいというので、地方議員にお願いをして借りたそうですけれども、そのときに管理者の話は、これに味をしめてまた来年もなんておっしゃらないでくださいよというようなことであるわけでございます。 私たち公明党は、特にこの公共施設の市民利用については積極的にやるべきだということで、いままで十数年来一貫して主張をしてきたわけでございます。と申しますのは、当然これは税金で建設をされるものでございますし、その周辺の市民にやはり教育環境を育ててもらわなければならないというような状況もありますので、今後ともむしろ小学校、中学校の講堂やあるいは校庭というものを拡大をして、その地域文化のセンターになるようなそういう性格を持たせながらやっていく必要があるのじゃないか。これは全国的にも、一つ二つとそういうような例がないわけではないので、一体文部省というところは、こういうことに対してどういう方針、いわゆる市民利用を歓迎するという方針を出していらっしゃるのか、あるいは教育をしていくためには、余り制限されては困るので、余り使わしたくないというような方向で行っていらっしゃるのか、どういうことなんでしょうか、お伺いをいたしたいと存じます。
○戸村説明員 学校体育施設を地域の住民の方々がスポーツ活動等にお使いになるという場合に、学校教育活動に支障のない範囲においてということで施設を利用していただくということにつきましては、五十一年に一応文部省としての考え方を取りまとめをいたしまして、事務次官名をもって都道府県の教育委員会あてにその推進方をお願いしてきたところでございます。 施設の開放の実態について調査した結果を見ましても、昭和五十年度には定期的に開放します率が、小中校全体の二六%ぐらいしかなかった。それが五十四年度になりますと大体四六%というようなことで、随時その開放率が向上しているというのが実態でございます。開放につきます考え方は、ただいまの先生のおっしゃったような考え方に基づきまして、その推進方を図っているところでございます。
○石田(幸)委員 この程度にとどめておきます。 それから校内暴力問題について、大臣のお考えと、それから文部省の対応についてお伺いをいたしたいわけでございます。 その前にお伺いいたしますが、文部省あるいは警察当局は、最近の校内暴力問題についてどの程度の数を把握していらっしゃるか、あるいは生活の上で何か特別問題があるか、この問題について御報告をいただきたいと存じます。
○谷口(守)政府委員 校内暴力の発生状況についてでございますけれども、昨年一年間に発生いたしました校内暴力事件は一千五百五十八件でございます。補導しました人員が九千五十八人、それから被害者が四千八百二十七人ということになっています。前年の昭和五十四年に比べまして、発生件数で二九・〇%、それから補導人員で三四・八%、被害者数で五二・一%と、それぞれ増加になっておるわけでございます。このうち特に問題になりますのが、やはり教師に対する暴力事件でございます。その発生件数は三百九十四件、補導した人員が七百九十八人、被害に遭われました教師が五百三十二人ということになっております。前年に比べまして発生件数では六九・八%、実に七割というようなことであります。それから補導人員で五六・五%、それから被害に遭われた教師の数で六二・二%というような状況になっております。このように教師に対する暴力事件というのが特に目立つわけでございますけれども、そのうち九四%が中学校で発生しているということでございます。 本年に入ってからの状況でございますけれども、教師に対する暴力事件だけの数字がわかっております。それを申し上げますと、二月末現在でございますけれども七十九件でございまして、昨年同期に比べまして一六・二%増加というようなことになっています。もとよりこの数字の中には、昨年発生いたしましてことしになって認知し、処理するというケースもあるかと思いますけれども、依然としてこういった教師に対する暴力事件を含めまして、校内暴力事件がまだまだ多発しているという状況でございます。
○石田(幸)委員 大変憂うべき実態になっているわけでございますが、恐らくここに挙げられた数字以外に潜在的な事件というのはまだ数多くある、こう思わなければならない問題だと思うのでございます。警察当局としていま数字を把握されたわけでございますけれども、この把握されたことは何を基準にしてそれだけ把握されたのか、そこをちょっと御報告いただきたいと思います。
○谷口(守)政府委員 御案内のとおり校内暴力事件というのは学校内で起きた事案ということになるわけでございまして、第一次的には学校あるいは被害者あるいはその家族の方々、そういった方が認知し、それを警察の方に届けられて、それで初めて私どもがわかるというような状況でございます。そういう意味におきまして、先生御指摘のとおり私ども警察が認知し、事件を処理したものが先ほど申し上げた数字でございまして、暗数は相当あろうか、こう思うわけでございます。
○石田(幸)委員 大臣、国家公安委員長といたしまして、この問題は前回もお伺いいたしましたけれども、残念ながら世界的な傾向かもわかりませんけれども、日本においてもここ数年ふえてきつつあるし、今後もふえる可能性がある。しかも、教育問題でございますから、この処理がなかなかむずかしいということと、あるいは大変深刻であるということを考えますと、私は、日本の社会というのは暴力に対する秩序意識というものが徹底しているので何とかもっているんじゃないだろうかというふうに感ずるわけです。これはもちろん文部省にも教育的サイドでどういう方針でやっていくか、これからお伺いするわけでございますけれども、まず国家公安委員長としての御所見をもう一度伺っておきたいと思います。
○安孫子国務大臣 校内暴力の問題は本当に心配なことでございます。この問題についてはいろいろな原因があるでしょうけれども、少なくとも教育の基本的な問題としてどう取り組むかということについてはぜひ文部当局も考えてもらわなければいかぬと思いますが、現場的な関係、地域社会において考えますと、やはり事前に相当警察当局とも密接な連絡をとってもらいたいということを私は希望しておるわけでございます。とかく教育関係者は警察に通報することが非常に恥だと申しますか、忌避する傾向があるのが現実でございます。事件が起きますと連絡しますが、事前にそういう気配がある、そういう方向に動いておるというようなことをあらかじめ通報していただきますと、よほど問題が顕在化することを防ぐ条件にもなると私は思っておるのでございますが、その辺の連絡を十分にとってもらいたい、こういうことを私は特に希望しておるわけでございます。それが現象として出てきた場合では実は遅いのでございまして、この辺のことは十分教育当局において考えてもらいたいと思っております。
○石田(幸)委員 文部省にお伺いいたしたいと存じます。 すでにいろいろな対策を練っておられるのだと思うのでございますけれども、私は、学校教育の中で学校生活もまた一つの集団生活であるから、そこに当然秩序がなければならないというふうに思うわけでございます。お互いに学校教育を経験してきているわけでございますから、大なり小なりこういった暴力事件あるいはそれに類似した事件あるいは示威行為的な事件、そういうものは経験をいたしておるわけでございます。しかし同時に、校内秩序を維持するための校内における生徒側の研究という問題については余り行われていないんじゃないか。特に社会科において公民的な分野の研究を中学校等においては一年間に百五時間から百四十時間行われているといいます。その他、ホームルーム等の特別活動等もあわせているのでしょうけれども、いままでお話を聞いている範囲では、こういう校内秩序の問題について、暴力問題等について真剣になってみんなが取り組んでいく、そういうような話し合いといいますか、教育といいますか、そういう問題はこういうところに取り上げられていないのじゃないかというような心配があるのですけれども、文部省としてはどういう御方針、それからまたいま私が申し上げた問題についてはどういうふうにお考えになるのか、お願いしたい。特に教師に対する暴行事件が非常に多いというようなことでございますけれども、生徒間の心理的な問題というのは非常に大きな影響を与えていくわけです。腕力の強い方が常に勝ち、腕力の弱い方は常にいじけた気持ちで学校に通っているということではいかぬわけで、教育の問題ですから非常にむずかしいとは思うけれども、当然対策を立てていかなければならない。特にオートバイ等においては生命の危険もあるということで、かなりPTAあるいは学校等において自主的にその秩序維持の方向で問題を処理していらっしゃるわけでございますから、そういう点も含めてお答えをいただいておきたいと存じます。
○垂木説明員 御説明申し上げます。 校内暴力が非常に続発いたしておるわけでございまして、それの対応といたしましても学校の中での秩序が維持されなければならないというような御指摘があるわけでございます。学校の管理運営におきまして、一面では校長の指導のもとに学校の管理運営が秩序を持って規律正しく行われなければならないという面があるわけでございます。それにあわせましてただいま御指摘のように、生徒に対しまして、秩序を守る、規律を守って生活をしていくという面での教育もきわめて重要になっておるわけでございます。 秩序の維持と申しますか、規律の維持というようなことになりますと、学校教育の面では主として道徳ということになろうかと思うわけでございますけれども、たとえて申しますと、中学校の場合、学習指導要領におきまして、道徳の内容といたしまして、学校、学級など自己の属する集団を愛する心を育て、規律を尊重し、進んで自己の役割りを果たすというようなことを指導するようなことにもなっておるわけでございます。このような道徳の指導につきましては、単に道徳の時間ということだけでなしに学校生活全体を通じまして児童生徒に教育をするということになっておるわけでございます。あるいはこの道徳の問題につきましては、単に道徳だけでなしに、他の教科と申しますか、たとえば国語の教育の中において秩序の維持に関する題材を取り上げて作文を書かせるとか、読み物の資料といたしまして学校の秩序あるいは社会的な規律を守るような題材を取り上げるというようなこともございますし、あるいは社会科の中におきまして、社会一般の中での生活をしていくための規律を教えていく、あるいは特別活動というような領域があるわけでございますけれども、そこでも秩序を保って学校生活を送るようにというようなことを指導いたしておるわけでございます。 さらにそれ以外にも、生徒指導の問題といたしまして、学校では学則と申しますか、あるいは生徒心得というようなものが一般的に決められておるわけでございまして、その生徒心得というような規則の中で、たとえば持ち物をどうするとかというようなことも決めておるわけでございまして、学校での日常生活を通じながら規律ある生活を身につけるように指導いたしておるところでございます。
○石田(幸)委員 要するにいまのお話は、従来どおりの、いままでやってきたことはこういうことでございますということをおっしゃっておるわけでしょう。だけれども、どんどんそういう事件がふえているわけであって、いま私がまさにお伺いをしたいのは、そういう新しい事態に対応して何か特別なそういう指導は考えたことはないのか、いままでやったことはそれなりとして、それに加えてこういう特別な方針を出しますとか、そういうことはありませんかと伺っているわけです。
○垂木説明員 御承知かと思いますけれども、ことしの四月から中学校につきましては新しい学習指導要領が全面的に実施になっているわけでございます。今回の学習指導要領の改定に当たりましては、特に道徳教育という面を重視いたしておるわけでございまして、その際に道徳的な実践力の育成を図るということを強調いたしておるわけでございます。最近の生徒の実態、非行の増加などにかんがみまして、学習指導要領の円滑な実施を図るために、機会あるごとに私たちの方といたしましては生徒の実態に応じながら道徳的な実践力の育成が図られるようにということを指導いたしておるわけでございまして、そのような面を通じながら先生御指摘の学校の中での秩序の維持と申しますか、規律ある生活態度についての指導を一層重視いたしておるわけでございます。
○石田(幸)委員 全然迫力がありませんな。どういうふうになっていくか見当もつかぬというような感じでございますね。こういう問題については、それこそ日教組あたりとも積極的に意見聴取もするし、相談もするし、教育委員会等とも積極的にいろいろな対策を練っていくのだ、どうしても来年までは一年間でそれなりの効果を上げるのだというような御決意がなければいかぬと思うのですね。あなたに言わせれば、それは言うべくしてなかなか実効が期しがたいということだということはよく承知していますよ。しかし、それだけの決意を持って事に当たっていただきたいという御要望だけ申し上げておきましょう。 それから、時間がなくなってきましたので、国鉄関係でローカル線の問題と新幹線整備五線の問題について、国鉄と自治省の見解をお伺いをいたしたいと存じます。 国鉄再建法が成立をし、さらに政令も出された今日、いよいよ実行性のある問題としてこれは滑り出してくるわけでございますけれども、特にローカル線の問題の中で第三セクター方式、この前も委員会の中で取り上げられましたけれども、まず自治省にお尋ねしたいのは、第三セクター方式で引き続きローカル線を維持していきたい、そういうような自治体がどれだけあるか、そういうことについて調査をされているかどうかについて簡単に御報告をいただきたいと存じます。
○土屋政府委員 国鉄の再建に関連をいたしまして廃止する線の基準などが示されたわけでございます。私どもとしては、基本的にはそういった線についてはバス転換が可能なところ、適切なところから選ばれていくという前提でございまして、できるだけ国鉄の責任でバス転換をされるということを基本に考えておるわけでございます。ただ、いまおっしゃいましたように、いよいよ廃止となった場合に、赤字が出るかもしれないが、何とか第三セクターでもつくってやりたいというところはあるいは出てくるかもしれませんが、いまのところ具体的にそんな話は聞いておりません。いろいろと今後関係方面で相談がされていく過程で、いろいろ地元の声も出てくると思っております。いま私どもとしては最初に申し上げたような基本線を持っておりますので、第三セクターでどこがやりたいかといったような調査はいたしていないわけでございます。
○石田(幸)委員 それでは国鉄にお尋ねしますが、この第三セクター方式について希望のある自治体というのは発表できるのはどれがあるか。それからまた、発表できなくても、この程度は希望しておるというようなことがお答えができるならばしていただきたいと存じます。
○岩崎説明員 政令によりまして転換基準というのは一応定まったわけでありますけれども、いまの段階では最終的な特定地交線の承認というのはまだないわけでございまして、国鉄として具体的にA線をどうする、B線をどうするというようなことはまだ詰めた段階には至っておりません。 第三セクターにすることについては三、四問い合わせなり照会等がございますが、地元からもこの線区については第三セクターにしたいというような具体的な意思表示はまだ受けておりませんので、そのように御理解いただきたいと思います。
○石田(幸)委員 すでに新聞等においては福島−栃木間の野岩線というのですか、そのことについて第三セクター方式でいきたいと国鉄当局に申し出たというような報道がされておるわけでございます。そういうことで初の第三セクターかというのでかなり大きく報道をされております。そういう状況でございますが、具体的にはというふうに、要するに確定していないという意味だと思うのでございますけれども、運輸省にお伺いしますが、第三セクター方式というのは、法律の中にもそういう構想があるわけでございますから、運輸省としてはこれを推進されるわけですね。 同時に、いま自治省の土屋財政局長さんからもお話がありましたように、自治省としてはできるだけバスの方向がいいなというような趣旨のお話をしていらっしゃる。それは金がかかるからだということですね。しかし運輸省としては、当然これが地方自治体の財政の中で大きな負担になるということはあらかじめ想定された上でこの第三セクター方式を打ち出していらっしゃると思うのですけれども、どうも運輸省と自治省の間には財政問題について非常に大きな乖離があるような気がしてならないのですが、運輸省はどんな見解を持っていますか。
○岩崎説明員 国鉄からお答えした方がよろしいかと思いますが、先生先ほどおっしゃいました野岩線につきましては、これは建設線に関する第三セクターでございまして、その限りにおいては、具体的な申し出が国鉄にではなくて運輸大臣あてに出ております。私が先ほど具体的なものはないと申し上げましたのは、特定地交線と目される在来線の転換後の第三セクターの運営についてはまだ具体的な申し出がない、こういうことを申し上げましたので御理解をいただきたいと思います。 それから、第三セクター問題についていま自治省と運輸省、国鉄の見解が違うのではないかというお話がございましたが、昨年の十一月六日に参議院の運輸委員会で統一見解というのが表明されているのは御承知かと思いますが、要するに、財政的に見て慎重でなければならない。国鉄でもいろいろな観点から検討いたしておりますが、基本的な考え方を申し上げますと、いま財政局長からもお話がありましたが、特定地交線というのは鉄道よりバスに転換した方が国民経済的な線区だ、こういうことでございますので、第三セクターとは申しましても、鉄道への転換を国鉄として積極的に進めるという考えは基本的に持っていないということでございます。ただ、地元の選択として第三セクターによる鉄道運営を行いたいということであれば、これは法律に予定しておることでもございますので、代替輸送確保の一つの方法ではないかというふうに考えております。その場合、自治省でも言われておりますように財政負担等の問題もありますので、財政能力を十分勘案し、その点を十分にかつ慎重に御検討いただいて、先の見通しを立ててお引き受けをいただきたい、このように考えております。
○石田(幸)委員 もう時間もありませんから、そろそろ一括して大臣にお伺いをいたしたいと存じますが、大臣は自民党に所属をしておられるわけでございますから、自民党の中で小委員会をつくって新幹線整備五線の問題について検討していることは承知していらっしゃると思います。それについては、財源問題についてもかなり検討が進んでおる旨が新聞報道でなされております。たとえば財源問題の中で、一、地方公共団体の既定の収入の中から支出する場合、二、地方税として何らかの税目を新設をする場合あるいは既設の税目の税率を上げて対処する、三番目に、地方交付税の基準財政需要額の算定の対象に考える、あるいはもっとおもしろいのは、宝くじとか競馬とか競輪とかの開催によって地方公共団体の財政収入をふやして、その中から支出をするというような具体的なことまで出てきておるわけでございますね。財政問題がありますからそう簡単にはいかないと思いますけれども、国務大臣のお一人として、この新幹線整備五線というものは国民のニーズにこたえるために必要と思うかどうか、この点まず第一点お答えをいただきたいと存じます。 それからまた、すでに自民党の小委員会の中でも、整備五線推進という立場から、こういう財政支出の方向までいろいろ考えておられるわけでございます。いま私が取り上げましたローカル線の問題にいたしましても、これは第三セクター方式に私も必ずしもこだわっているわけではありませんけれども、具体的に運輸大臣の方に第三セクター方式でいきたいというふうに新線、これはAB線ですかね、AB線の問題で意思表示がなされたということになってきますと、これはやはり赤字がふえるわけでありまして、その場合、栃木県と福島県において、その財源というものは一体一般財源から出すべきが妥当というふうにお考えになるのか、あるいはやはり国が何らかの形で措置しなければならないというふうにお考えになるのか。これは必ず両県から何らかの形でまた助成の要望が出てくるのじゃないか。あるいは補助金というかっこうになるか、そういう形は別としまして、何らかの御要望が必ず出てくるというふうに私は見ているわけでございますけれども、この問題についてお答えをいただければと存じます。
○安孫子国務大臣 第一点の新幹線の問題でございますけれども、新幹線というものは基本的にはナショナルプロジェクトなんですね。したがって、これは国の責任においてやるべき問題だというふうに私は考えております。しかしながら、現下の諸情勢から申しまして、特に財政上促進することが大変に困難である、また地元の要望も強いということで、自由民主党の交通部会において三分の一程度はひとつ地元で持ってこれを促進すべきじゃないかというような結論を出したように承知をいたしております。また、一方において地方団体の財政状況から申しますと、そうした相当多額の金額になる見込みでございまするので、そういうものをいまの地方財政の中において支出することはきわめて困難だ、こういうことで、そうした構想についてはひとつ十分検討してもらわなければいかぬというようなことも、地方行政部会におきましてはそういうような結論を出しておるわけでございます。今後の成り行きの問題は別といたしまして、少なくとも基準財政需要額にこれを見込むということだけでは、これは適当じゃないと私は考えております。新税を設けるとかなんとかということは別といたしまして、地方交付税というものは、これは申し上げるまでもありませんが、各県、各市町村の共通の財源になっておるわけでございまするから、それに相当多額のものを新幹線の地域だけに配分するなどということは、ほかの市町村としてはその被害はまことに甚大でございますので、そういう措置はとるべきじゃないだろう、こういうことで考えておりますが、基本的にはやはりナショナルプロジェクトである以上は、国においてこれを措置すべきものじゃなかろうかと私は考えておるわけでございます。 それから、第三セクターの問題になりますと、私は直接聞いておりませんけれども、前々からの話といたしましては野岩羽線、あれは東武があそこを走らせておりますので、東武が参画いたしましてやれば十分採算がとれるというふうに私は聞いておるのです。正式の話ではございません。そういう問題は一つございまするけれども、そのほかの地方線の今度の問題についてどうするかという問題になりますと、先ほど国鉄当局から答弁申し上げましたとおりに、やはりこの問題については相当慎重に考えなければいかぬ。もっと端的に申しますと、これも恐らく結論といたしましては、赤字が出た、それならばそれはどうしろということは必ず地方団体から出てくるだろうと思うのです。新幹線の場合と同様に、これを基準財政需要額、地方交付税で見るというようなわけにはいかぬだろうと思うのです。そうすると、ほかにまた地方団体として第三セクターに加わった場合にどんな経営上の赤字に対して財政的な措置を講ずるかということをも地方団体としては相当腹を決めてやってもらわなければならぬ問題でございますので、地方交付税があるからあそこから出してもらえるかもしらぬというような安易な考え方でこの問題に取り組んでもらっては困る、こう考えております。
○石田(幸)委員 これで終わりにいたします。残余の質問は、また次の機会にいたしたいと思います。
○左藤委員長 午後一時再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 ————◇————— 午後一時四分開議
○左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、連合審査会開会申し入れの件についてお諮りいたします。 ただいま運輸委員会において審査中の内閣提出、広域臨海環境整備センター法案について、運輸委員会に対し連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会の開会日時等につきましては、関係委員長と協議の上、公報をもってお知らせいたしたいと存じますので、御了承願います。 ————◇—————
○左藤委員長 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。青山丘君。
○青山委員 昭和五十六年度の地方財政対策についてお尋ねをいたします。 地方財政対策については、例年どおり国の予算編成作業と並行して自治省と大蔵省との間でその折衝が行われてきました。国の予算内示前の昨年十二月二十日にその決着を見たわけでありますが、この折衝の経緯についてまずお伺いいたしたいと思います。
○土屋政府委員 いまお話のございましたように、五十六年度の地方財政計画の策定作業の一環といたしまして、私どもとしては、国の予算編成と並行して地方財政収支の見通しを行ってきたわけでございます。その過程では、国と同様に徹底した歳出の節減合理化を行うという方針と、それから必要な単独事業等は確保するという前提のもとで進めてきたわけでございますけれども、そういった方針で臨んでも、現行制度のもとでは約一兆六千五百億円の財源不足が出てくるという見込みが立ったわけでございます。そこで、私どもといたしましては、五十六年度地方財政対策といたしまして、大蔵省に対しましてかなり早い時期からいろいろと折衝をしたわけでございます。 一つは、地方交付税の所要額の確保という点に一番重点を置きまして、そのためには地方交付税率を五%引き上げるということを申し入れ、また、臨時地方特例交付金の所要額をぜひ確保したい、それでもどうしてもいけないときは交付税特別会計における借り入れということ等も含めて、何としてでも、地方交付税所要額が五十五年度のように対前年度五%ということでは大変窮屈であるということで、それを中心に折衝したわけでございます。それと同時に、従来から問題になっております財源対策債はできるだけ縮減をしたいということで、申し入れをいたしました。 この要求に対しまして、大蔵省といたしましては、国も大幅な財源不足の状況であって多額の特例公債を発行しておる状況である、そういった状況から見て、現段階で交付税率の引き上げはきわめて困難である、むしろ臨時地方特例交付金というのはもうすべてやめてもらいたいというような話がございました。それから、財源対策債は限度いっぱいもっと発行すべきである、五十四年度の九五%から七五%と落としてきておりましたが、もっとそれを引き上げるべきであるというような厳しい態度でございます。そういう主張がなされまして、議論は率直に申しましてずっと平行線をたどっておった状況でございます。 その後、両省間でいろいろと五十六年度の税制改正等の内容がだんだん出てまいりました。調査を詰めていきますと、地方税で七百五十億ぐらい出る、それから国税三税の増収に伴う地方交付税の増が二千九百億円出てくるというようなことでございました。そういったことを踏まえ、また、五十五年度の補正予算に計上される地方交付税の増加額の処理につきましても検討を加えた結果、二千五百五十億程度は五十六年度の財源に充てるということになりました。そこらを相殺いたしますと、最終的な財源不足額が一兆三百億円ということになったわけでございます。これを踏まえまして、財源不足を完全に補てんするための措置についてさらに折衝を重ねたわけでございます。私どもとしては最後まで交付税率の引き上げというものを中心に折衝したわけでございますが、何と申しましても七十一兆にものぼる公債の残高があり、かつまた、率直に申しまして、結果的には増税でもしなければなかなか当然増経費も賄えないといったような衷情も大蔵省からは述べられ、いろいろ折衝しましたが、現段階においては交付税率の引き上げということはやはり無理であるということで時間も切迫してまいりました。結局は、御承知のように、三千四百億円の地方交付税の増額と六千九百億円の建設地方債の増発によりまして対処するということで両省間で合意を得た、そういった経緯でございました。
○青山委員 ただいま大蔵省と折衝された昭和五十六年度の地方財政対策、この経緯の説明があったわけですけれども、ずいぶん御苦労なさったのでしょうが、大臣はどのような評価をしておられますか。それなりにがんばったと思っておられるのかもしれませんし、まあこれくらいが精いっぱいだと思っておられるのかもしれませんし、いや十分満足だと思っておられるのかもしれませんが、なかなかそんなわけにはいかないと思いますけれども、大臣の御感想を伺っておきたい。
○安孫子国務大臣 まず、最初にわれわれ主張いたしましたのは交付税率の引き上げでございますが、これが実現しなかった、これは非常に残念なことだと思っております。次善の策といたしまして、ただいま財政局長からるる申し上げましたような経過をたどって今度の交付税総額が決まったわけでございますが、この内容を見ますと、交付税の総額が去年から見ますと約八%弱、七・九%ぐらい伸びておるわけです。歳出の伸びから見ますというと、交付税総額の方が上回っておる。その点は一つ考えていいのじゃないか。それからまた、内容から申しましても、財源対策債が減っておりますので、この点から申しますと健全化という方向にも進んでおる。彼此、自画自賛ではございませんけれども、全体的に考えますと、現下の情勢においてはまずまずであろうと、私はみずから評価しておるところでございます。
○青山委員 いまの件について次にもう一回お尋ねしますけれども、地方財政が危機に陥って地方財源に相当の不足が生じた昭和五十年度の補正予算以来、毎年度同じような対策が国においてなされてきました。そして、これまた同じような議論が当委員会において繰り返されてきたのでありますが、本来、地方交付税法六条の三第二項には、「毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が引き続き第十条第二項本文の規定によって各地方団体について算定した額の合算額と著しく異なることとなった場合においては、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする。」そういうふうに規定されておりますが、まあ自治省の見解では、制度の改正という考え方であろうと思うのです。 しかし、この制度の改正というのは、たとえば国と地方の税源配分の見直しをしたとか増税を行うというような、こういう抜本的な改正であるべきだと思うのですね。政府の言われるような、地方債を発行する、その償還を後に回す、こういうような対策というのは、これはその場しのぎであって、一時的に手当てをした、昭和五十年度以来ずっとそういう状況がこの六年間続いてきたこと、特例的な措置、いわば暫定的な措置がこうして毎年毎年続いてきておる、こういうのは制度の改正と言えるのかどうか。当初においては、私も若干理解をしておるのです。しかし、こんなに長く続くというのは、これはいささかその後の努力が認められないと言わざるを得ないと思うのです。 昭和四十一年に地方交付税率が引き上げられておりますが、十五年間も据え置かれたままです。この背景は、当初と今日この五、六年とでは若干違ってきています。四十一年以前を見てみますと、十年間に七回、その前にも二回、計九回の交付税率の引き上げが行われております。そういう意味で、私は制度の改正と認めることができない。そういう点から考えてきますと、この財源不足額に対するその対策というものは、抜本的には地方交付税率の引き上げをするのが最も適切な措置ではないかと思います。大臣の見解を聞かせていただきたいと思います。
○土屋政府委員 大臣からお話を申し上げる前に若干御説明を申し上げたいと存じますが、もうお示しのとおりのような経過でございまして、五十六年度の対策の際にも、五十五年度の財源不足二兆五百五十億円に対しまして一兆三百億円と財源不足は縮減はしてまいったわけでございますけれども、お示しのございましたように、引き続いて地方交付税法第六条の三の第二項に該当をするという事態になっておるわけでございます。 この間の措置と申しますと、ただいま御指摘がございましたように、いろいろ国の財政等の関連もございまして、主として交付税特別会計における借入金等財源対策債の増発というパターンで来ておるということでございまして、私どももそれが最善の策だと思っておるわけではないわけでございますけれども、きわめて厳しい国、地方を通ずる財源不足の状況でございまして、やむを得ずそういうことをやってきておるわけでございます。 もちろん、六条の三の第二項に言っております趣旨は、やはり抜本的な行財政の改正なりあるいは交付税率の引き上げによってより安定的な歳入の確保を図るべきだということであろうと思うのでございますけれども、いま申し上げましたような特殊事情のもとにおいて、暫定的な形であっても、交付税特別会計において借り入れをして、そしてその実質の二分の一程度は返還の際に国が負担をするといったような制度をとることも、一つの六条の三の第二項に言う措置ではあるというふうには解釈をしております。 しかし、本来ここで考えておりますものは、やはりお示しのように、より抜本的な方針を立てて改善をすべきだと私どもは考えておるわけでございまして、いろいろと今回も、借入金の償還方法の変更とか特会借り入れ等によって所要額は確保いたしましたけれども、なお膨大な特別会計借り入れとか地方債の残高があるわけでございますから、何とか健全性を回復をして必要な施策が推進できるようにしなければならないという意味では、もう一つ突っ込んで一般財源の強化を図らなければならぬ。その意味では、どうしても基本的に地方税源の強化が柱だろうと私は思うのでございますけれども、あわせて、おっしゃいますように、地方交付税率の引き上げを含めた所要額の確保ということが必要であろうと思っておるわけでございます。 ただ、何度も繰り返すようでございますが、国、地方を通じての大幅な収支の不均衡の状況でございまして、いまそのために何とか、行政の簡素合理化を含めて財政の立て直しということが言われておるわけでございます。そういった中で、国、地方を通じての行政全般の見直しも行う。その際には、私どもは、地方の機能というものが重視される方向で検討されることを期待しておるわけでございます。そういった中において、国、地方を通じての事務配分なり財源配分ということも含めて検討されるべきでありましょうし、そういう中で、いまおっしゃいましたようなことも含めて検討をするある意味ではいい機会ではなかろうかと思っておるわけでございます。もちろん、現在の経済情勢等から見れば、直ちに大幅な増収が出てくるというような状況ではございませんから、なかなか容易ではないと思いますけれども、いまそういった見直しが行われる機会に、おっしゃったような方向でいろいろ検討すべきものだというふうに考えております。
○安孫子国務大臣 ただいま財政局長から申し上げたことに尽きると思いますけれども、私としても、今回の措置が、またこれに類似する措置がここ数年間続いておるという形については、決して適当なものではないと考えております。一般財源の強化とかあるいは交付税率の引き上げとかということが本筋だろうと思います。しかし、何にいたしましても、現下の諸情勢というものがその実現を非常に困難にしておることも理解をしておるものでございます。したがいまして、本年度におきましても、従来のような措置によって当面の地財対策を確立をしたということでございまして、私もこれに満足しておるものではございません。今後さらに本質的な問題について努力をしてまいりたいと考えておるところであります。
○青山委員 実は、四十一年から交付税率の改正がなされておりません。それは高度成長期で比較的恵まれた財源に支えられてきた、こういう背景ですから、昭和四十八年から四十九年ぐらいまでは、まあまあ交付税率の改正がなくても地方財政が安定して財源も保障されてきたというふうに私は理解しておるのですが、昭和四十九年、五十年ぐらいから情勢が全く変わってきているにもかかわらず、今日なおまたこういう措置で切り抜けようとしてきておる。しかも、五十一年、五十二年ごろは大変な不況でしたから、ある程度地方債、国の方においても国債を発行してでも公共事業に力を入れて景気に刺激を与えていこう、そういう時代はまだこのような措置をなされておっても、若干の理解を求めようとすればそれなりの理解は得られたと思います。 しかし、ここ二、三年考えてみますと、大臣先ほどまあまあと評価しておられたのですけれども、それは地方債の発行額が五十四年までは毎年おおむねふえていますけれども、その後五十五年、五十六年と減ってきていること、それから借り入れも五十四年までは大変ふえたけれども、この二年間ぐっと縮小されてきていること、そういう意味であろうと私は理解しております。その点については私も評価しています。しかし、五十六年度の地方財政対策について大蔵省と折衝されてきた経過の中では、五%の交付税率引き上げを自治省がなぜもっと強く主張できなかったのか。国の財政事情は非常に厳しい、しかし、後でちょっと私触れていきたいと思いますけれども、国の経済が安定してなければ健全な地方財政もできないし、同時にまた、国の経済を安定させていくためにも地方財政の果たす役割りは非常に大きい。そういう意味で、今日なお従来のままの対策というか手当て、暫定措置、こんなことでまた切り抜けていくというのは、いかにも努力がなされてこなかった。そういう点で、五%の税率引き上げを主張されたにもかかわらず、それがなされなかったのは、私は自治大臣に責任をお感じいただきたいと思います。その辺の見解はいかがでしょうか。
○安孫子国務大臣 五%の交付税率の引き上げ、これも自治省といたしましては強く主張いたしたわけでございますが、諸般の厳しい情勢の中におきまして、今回の措置によって手を打ったわけでございます。この交付税率の引き上げができなかったことについては、私もまことに残念に思っているところでございます。この点はひとつ御理解も賜り、また、今後における自治省の方向につきまして一層の御鞭撻をいただきたいと思います。
○青山委員 ここに去年の十一月七日の税制調査会の中期税制答申があるのですけれども、これを見ると、国の財政のことですが、四十八年までは国税収入が歳出総額に比較的近い形で推移してきております。ところが、四十九年、特に五十年からぐんと国税収入が落ちてきました。そういう国の経済の背景を見てみますと、地方財政がやがて苦しくなることはもうそのころからわかってきておったし、高度成長期が終わり、安定成長時代に軟着陸というのですか、ソフトランディングという言葉を使っているようですが、それに沿った財政運営がなされていくときには、いままでの歳出構造ではもういかない、歳入がついていかないとわかっているのですから。その時点から今日まで六年あります。そういう点でこんなに長い財政危機に何ら手が打たれない、その場その場は打ってきたではないかとおっしゃるでしょうけれども、そういう一時しのぎ的な対策で今日まで来、また来年、再来年というようなことでは、地方交付税法の六条の三の第二項に沿った進め方ではない。それはむしろ責任を感じていただかなければならないような事態だと思います。まあ、これが一番いい方法ではないと思っておられるというのですから、余り責めるわけにはいかないかもしれません。しかし、それを続けてきたことに対して、これからどうするのだ、来年、再来年からはもうこんな形では続けていくわけにはいかないという決意を聞かせていただきたい。 大臣がきっと思っておられるのは、財源補てんをよくしてきたし、それなりの努力は認めてくれ、こうおっしゃるのでしょうけれども、これは制度の改正だというわけには認められないし、基本的には交付税率を上げていかなければ解決しない。そういうことから考えると、やはり状況に対する認識が欠けておったのじゃないか、どうしてこんな事態を来したのかということについての対策なり方針が明らかでなかったと言わなければならぬと思うのです。その辺はいかがでしょうか。
○安孫子国務大臣 第一次オイルショック以後における日本経済の激動、この危機をどうして切り抜けるかということで、国債を発行して危機を切り抜けてきたわけであります。それに関連いたしまして、地方におきましてもこれに対応し、景気浮揚のために起債措置あるいは税収が伸びないにもかかわらず仕事をしなければいかぬ、そういう客観的情勢に対応してやってきたわけでございます。その累積が今日に至っている、こういうことでございます。 そこで、今後一体どうするかという問題が土壇場に来ておるというふうに私も感じます、こんなことで漫然とこれから二年、三年先までやっていくわけにいかぬわけでございますから。今回第二臨調も発足をいたし、この点についてひとつ根本的にメスを入れていこう、国家の歳出は、必然的にまた御承知のとおりに地方団体の歳出に絡んでくるわけでございますので、この辺の問題にある程度のメスも入れながら体制を立て直していこうというのが、第二臨調の一つの大きな目的だと思うのでございます。したがいまして、この危機を切り抜けるためには、第二臨調の答申がどういうことになるかわかりませんけれども、それに対応いたしまして政府としても決意を持ってこれに当たる。それから、地方団体の立場から申すならば、一般財源をこの機会にどうして確保するかという問題に結末をつける、また、歳出の点につきましても、みずからもえりを正しましてこの体制下においていかに合理的な歳出にするかということについても決意を持って地方団体は当たる、こうした各般の施策の総合化によってこの危機を切り抜けざるを得ないのではないかと私は考えておるところでございます。
○青山委員 少し見解が違いますが、第二次臨調を通じて将来の展望を見つけていく、こういうことでしょうが、今日の財政危機は一時的なものではない、過去の公債の発行の累積が今日来ていると大臣はおっしゃったが、私は、必ずしもそうではない、対策が欠けておったのではないかと思う。高度成長期から安定成長期に移れば、必ず歳出と歳入のギャップが出てくる。そうすると、そのギャップを増税で埋めるという感覚では基本的な解決にはならない。やはり既存の制度、歳出構造そのものにメスを入れないで、歳出需要が拡大してきた傾向の中で歳入が不足してくるという段階がこの五、六年間続いてきたという認識がなければ、基本的に解決しないと私は思います。歳入が足らないから借金をする、そして返すのはできるだけ先へ延ばす、こんなようなことでは基本的に解決しない。 私は、景気の回復だけを待っておったのではいけないと思う。地方自治体も地方行政も、歳入に見合った行政改革というものに本腰を入れないものだからこういう事態を招いた。ここは非常に重要だと私は思う。ある学者は、幾ら歳出の構造にメスを入れたって、基本的には歳出需要は低下しない、どうしても拡大傾向にあるのだからまず増税しかないと言うが、私はそうではないと思う。国民に増税を求めるのなら、行政機構の改革、歳出の構造を抜本的に見直すという姿勢が基本的になければ、国民の理解は絶対得られない。私は、後の方で人件費その他について触れていきたいと思いますけれども、そういう歳出の構造に全然メスを入れない形で、足らなくなったから借り入れをする、もっと公債を発行しなさい、そろそろ償還の時期だけれどもできるだけ先へ延ばしなさい、これでは絶対に解決しない。そういう大局に立った認識がないと本当の解決にはならないし、地方自治体の財政は絶対安定しないと思うのです。いかがでしょうか。
○安孫子国務大臣 後で財政局長からも補足してもらいますが、おっしゃることはよく理解できます。私もまた、そういう考えは一つの正しい方向だと思います。しかし、現下の諸情勢を考えますと、ここ数年間におきまして景気が沈滞する、税収が減る、しかしながら、歳出関係は法律によって縛られておる、それならばその法律を改正して対応すべきではないかという議論になるわけでございますが、そうした政治約背景はなかった。そういうことがいよいよどん詰まりになりまして、今日においてはそこまで決意をせざるを得ないというところまで来ておるということでございまして、いまから二年前、三年前にいま考えられておるような方向というものをなぜ打ち出さなかったかということについての御批判だろうと思いますが、その点については理解できますけれども、客観約諾情勢はそういうものではなかったと私は考えておるものでございます。
○青山委員 起債の充当率が上がってきておって、起債の増減で交付税総額の増減が決まってくる。これは事業に対する自治省及び政府の裁量的判断が入っていく余地がだんだん多くなってきた。したがって、地方自治体は起債が認められる事業でなければ進めることができない。みずからの判断、自主的な計画的な地方財政という点からしますと、地方の時代と言われながら、逆に中央政府の裁量的判断の余地が拡大をしてきておる。これは時代の趨勢から見ると逆行するのじゃないかという気がします。それを何年も続けていくことは、地方の自主的な計画的な財政運営に障害になってくる。つまり、中央の言うことしか仕事ができないということにだんだん追い詰められていくのじゃないかという気がするのです。 そういう意味で、いま政府はどういうふうに考えられるのかということですね。だからこそもっと早く制度的な改正をするべきだった。国の財政は非常に厳しい。厳しいけれども、財政と経済の関係、景気の関係、そしてそれに果たす地方自治体、地方行政の役割り、これも大きい点から考えますと、交付税率のアップは必要ではなかったかと思うものですから、そういうことを言うわけです。起債充当率のアップ、これは自治省の方向とは逆行するものではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○土屋政府委員 いまお話がございましたように、地方団体が仕事をいたします場合に、あるいはまた単独の事業以外に公共事業の裏負担についてもある程度自主的な財源で賄えるということになれば、これはきわめて理想的な形だと思うのでございますけれども、いまの仕組みとしては、税源の偏在等もございますから、一定の地方税として確保されておるもののほかに地方交付税というものがあり、そしてまた、後代の人々の間の負担の公平という意味からも適切なものは地方債で賄うといった組み合わせになっておるわけでございます。 ただ、いまお話のございましたように、交付税がやや足りないといったような状況のもとで財源対策債というものを発行いたし、増発をいたしまして、これは建設地方債でございますが、通常の充当率を超えて充当を高くいたしまして、それで交付税をカバーした、結果的にはそういう形が最近続いてきておるわけでございます。私どもとしては、そういうことをなるべく早く解消するという意味で、毎年財源対策債の縮減を図ってまいりました。それに対応して交付税の方をふやしてきたわけでございます。しかし、そういう形は必ずしも健全なものではない、財源対策債というものはもう早くゼロにして、交付税をもっと安定的に確保すべしという点においては、方向はそういうことだろうと思います。 そういった意味で、実は私どもは五十六年度の地方財政対策においても交付税率の引き上げも含めて努力はしたわけでございますが、何せたびたび申し上げますように、国、地方を通じて客観的に見てきわめて悪化した財政状況でございますので、そういう状況のもとで、国と地方との恒久的な形での交付税率をにわかに動かすことがなかなか容易でなかったわけでございます。そういうことで、何度も御指摘がございましたようなある意味では当面の措置で乗り切ってきておるわけでございますけれども、根本的な解決ではないと思っております。引き続いて私どもとしてはこの点を改善していきたいと思っておりますが、たまたま御承知のように第二臨調をつくらなければならないほど、国民から行政の簡素合理化ということが求められております。この機会に全体として検討が行われることになりますので、それが一つの見直しの機会ではないかと私は思っておるわけでございます。こういう機会に全般的な見直しを行って、いまおっしゃったことも含めて改善を進めていきたい、そのために努力をしたいと思っておる次第でございます。
○青山委員 ちょっと視点が違うのですが、お尋ねしたいと思いますが、投資調整基金みたいな構想を一遍検討していただくのはどうかと思うのです。というのは、地方の自主的な財政運営、それから地方財政の景気調整への協力の問題が地方自治体に求められてくると思うのですね。ところが実際は、地方自治体が果たす役割りというのは、国の経済が安定していなければできないのですけれども、経済が安定する状況とは逆行する場合が間々あります。経済が過熱状態では歳入が比較的豊かになってくる。したがって歳出構造も拡大する、歳出需要も拡大する。すると、より景気は過熱する。経済が不況下になってくると歳入が限られてくる。そうすると事業も少なくなってくる。したがってより景気が落ち込んでくるという、景気調整機能よりむしろ逆に地方財政が景気変動要因になっていく、そういう機能もあるわけです。そういうふうになってきたと言ってませんが、そういう機能もあるわけです。 したがって、経済が過熱してきた状況で歳出構造、たとえば事業を抑制していくとか、景気が悪くなってきているので、それこそいまから四、五年前のような状況になったときは、よほど無理をしてもあるいは基金を崩してでも事業をできるだけ進めていく、そういうような観点からしますと、国の経済運営と地方自治体が進めてきた財政運営と、景気にとっては必ずしも連動しない、むしろ逆行する要因になってきておる。地方自治体に至ってもそうです。これは言えばちょっと長くなるから、いまは前半だけでひとつ見解を伺っておきたいのは、そういう意味で投資調整基金みたいな構想を、長期的な地方財政運営を考えていかないと、国の安定した経済の運営のために地方財政の協力を求めるということがなかなかむずかしい、そういう考え方でそういう構想をぜひひとつ考えていくべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○土屋政府委員 地方財政は国の財政と一体となっていわゆる財政の有する機能というものを果たしておるわけでございます。資源の配分の調整なり所得の再配分機能とあわせまして、いまお示しのございましたように景気調整機能ということもございます。国の財政と一体となってそういった役割りも果たしているということは言えるわけでございます。かなりな財政規模を持っておるわけでございますが、その機能の中心というのは、やはり生活環境施設の整備といったような住民生活に密着したサービスの提供であると言えるわけでございまして、わが国の全国的な経済活動の中で限定的な地域の中における財政活動としてとらえられる地方財政の調整機能には、おのずから限界があるのではないかと思っております。お示しのように、全体としてはそれは一つのそういう財政調整機能も果たしているわけでございますけれども、どうも全般的に見れば、いま申し上げたような限定的な地域の中のものでございますから、やはりそれ自体で財政調整機能を果たしていくというのは限界がある、こう言わざるを得ないと思うのでございます。 ただ、地方財政もかなり大きなボリュームを占めておるわけでございますから、地方団体自身が中長期の財政計画を立てて、これに基づいて予算編成を行いますとともに、いまおっしゃいました投資調整基金といったような意味で、景気の動向に応じてそれにうまく対応できるような姿勢というものも示したらどうかということでございますが、そういう面につきましては、現在でもいわゆる財政調整基金というものを地方団体は準備もしておりますし、減債基金というものも持っております。そういった運用によって財政の年度間調整というものを行っておるわけでございます。そういうことでやっておりますが、いま御指摘のございましたのは、あれほどの大きな財政規模を持っておるのだから、国全体の景気というものにより適切に対応できるような調整機能というものをもう少し考えたらどうか、こういったような御指摘でございます。 最初に申し上げたように、地域地域に限定されておりますので、マクロとしては大きいわけでありますけれども、調整機能を果たすというのはなかなか容易でないように思いますが、全体としてはそういった景気の動向等も頭に置きながら、国の財政と一体となって、いわゆる本来の財政の機能というものは果たしていくように努力はしなければならぬだろうというふうに考えております。
○青山委員 どうしても地方自治体というのは財政均衡単年度主義ですから、そのときそのときで出ていきますので、国の景気調整機能の中に果たす役割りというのは逆行する場合があるのですね。これはまた次の機会にもう少し触れたいと思いますので、先に進ませていただきます。 人口急増市町村において義務教育施設の整備を初め関連公共施設、公益的施設整備のための財政需要が増大していることは言うまでもないところです。一方、最近の経済情勢のもとにおいて、かつてのように税収入の大幅な自然増加も期待できない厳しい事態に直面しているわけです。そこで、人口急増市町村として特に問題を有するものとして義務教育施設整備があるわけですが、人口急増都市協議会というのがあります。この都市協議会の調査によりますと、昭和五十五年度から五十九年度までの間に小中学校校舎の新増築を必要とする学校は四千三百五十二校、総事業費は九千八百七十七億九千万円となっております。急増団体は五カ年間に五千三百三十二億円、一団体平均で五年間に三十七億円余の膨大な地元負担が必要であると見込まれております。また、用地取得に要する総経費は八千七百三十九億円であり、急増団体の負担は五カ年間に六千九百六十六億円、一団体、平均四十九億円ときわめて膨大な地元負担が見込まれているわけです。幸いにしてこの用地費に対する補助制度が五年間延長されまして、交付率も七五%から八五%に引き上げられたのでありますが、これらの地方負担については、引き続く地価高騰下において用地取得難という厳しい状況の中で、今後莫大な経費を投じなければならない人口急増市町村の財政運営に及ぼす影響はきわめて大きなものがあります。 文部省にお尋ねをいたします。用地取得費補助の算定における交付率というのはどういうものですか。五十六年度予算において八五%に引き上げられておりますが、本来これは撤廃すべき筋のものではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○横瀬説明員 ただいま御質問のいわゆる交付率でございますけれども、これは昭和四十六年にこの制度ができまして、一般的には非償却資産でございます用地につきましては国の補助を行わないというところを、児童生徒急増市町村は非常に財政負担を強いられることになるということから、特例的に補助を行っておるということでございます。そのときに、一般市町村との均衡を考えまして、一般市町村の用地取得費を上回る分というものを数字的に計算いたしまして、これを交付率ということで補助率に乗じてやっているわけでございます。これは十年前にできましたときには〇・四四、四四%でございました。だんだんに上がってまいりまして、いまお話しのようにことし一〇%引き上げまして、〇・八五まで改善してきたということでございます。 私どもの考え方でございますが、これは十年前にこういう率が掛けられてそういう制度でやってきたものでございますので、それなりにその論理というものはあろうかと思いますが、いまお話しの急増団体等の御要望としては、こういうものはぜひ廃止してほしいというような強い御要望がございまして、五十六年度の予算要求におきましてもこれを改善するということを最大の眼目にしてやってきたわけでございまして、私どもとしては、要求段階では廃止ということも検討して財政当局と当たってきたわけでございます。こういう財政状況でもございますし、結果的に従来の方式で——ただ従来は五%上げるのにかなり時間がかかっていたわけでございますが、これを一度に一〇%引き上げて、今回関係市町村の財政負担の軽減に役立てよう、こういうことで実現したわけでございます。したがいまして、今後この考え方でございますが、そういう関係市町村の非常に強い御要望がございますので、私どもとしてはそれを十分念頭に入れて今後とも努力していきたいというふうに考えている次第でございます。
○青山委員 そういう姿勢でぜひひとつ取り組んでいただきたい。補助率を掛ける前に交付率などと言って、頭切りというのか足切りというのか、近ごろはやりのあれじゃありませんけれども、大体補助率を決める前に額を少なくしていくなんというのは筋道が違うと私は思うのですよ。そういう意味で、人口急増都市、市町村は大変な財源難に苦しんでおりますから、本来ならこれは市町村に負担をかけるべき筋合いのものではない、国が見るべき筋道のものだと私は思いますから、交付率八五%に一〇%アップ、それはそれなりとして評価をします。しかし、本来はこれは撤廃すべき筋道のものだと思いますので、ぜひひとつ前向きに検討していただきたいと思います。 自治大臣、義務教育施設整備を初め関連の公共施設等の整備、ごみの収集、屎尿の収集、保育園の設置、下水、公園の整備等々、特別の財政措置を法的に講ずる必要があると思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○土屋政府委員 いろいろとお話がございましたが、人口急増地域における小中学校を初めとします各種公共施設整備のための財政需要というのは、今後とも増大してくるだろうと思っております。その意味から、財政上の特別措置を特に一本化して立法化したらどうであろうかといったような御提案だろうといまお聞きしたわけでございますが、私どもとしては、人口急増地域に対する財政対策としては、もう一々申し上げませんが、四十六年度以降、小中学校用地取得費の補助制度が初めてできたり、校舎建築費については負担率が引き上げられております。幼稚園についてもまた消防施設等についても特別な国庫負担率ということになっておるわけでございます。それ以外に五省協定に基づきます日本住宅公団等の立てかえ施行制度がございますが、その拡充強化を図ってきております。地方債の拡充もやりますし、地方交付税でもこれは特別な取り扱いもしておるわけでございます。いろいろな面で実は現在それぞれの法律なり制度でもって対応しておるわけでございます。 これを一本化してということの御意見とは存じますけれども、そういった形はとっておりませんけれども、それぞれの法律改正とか予算措置を通じて着実に改善は進めておるわけでございます。それぞれ所管省が違ったりしますので、なかなかいろいろな事情もございまして、私どもとして直ちにいま一本化するのがいいのか、やはりこういったそれぞれの専門の各省がそれぞれの立場で充実強化をしていくというのが当面はいいのではないかというふうに考えております。ただ、いずれにしても充実強化していくということについては、お示しのとおりだと思っております。
○青山委員 人口急増市町村は、たとえば宅地を開発する、そうすると雨水排水のために一般の公共施設だけではなくて、河川の維持管理、これがなかなか大変な仕事です。それで、河川の整備についてちょっとお尋ねしたいのですが、防災機能の強化と生活環境の改善を図るために河川の整備を促進することは言うまでもありません。とりわけ、普通河川の改修事業について建設省と自治省にお伺いをしたい。 建設省、普通河川の維持管理の責任というのは一体国なのか、都道府県であるのか、当該市町村であるのか、どこにあるのでしょうか。普通河川の位置づけを明確にすべきだと思う。法的にはまだあいまいでありますので、その辺の見解を伺いたいと思います。
○安仁屋説明員 いわゆる普通河川と申しますのは、建設省所管の国有財産といたしまして都道府県知事が国有財産法に基づいて財産管理を行っているというのが現状でございます。ただ、財産管理だけでは足りない、それを超えた公共物たる河川としての機能を発揮させよう、そういう見地から管理を行う必要がある場合には、自治法に基づきまして地方公共団体が条例を制定して管理している場合がございますが、原則としては知事が財産管理を行っている、こういう状況でございます。 それから、ちょっと普通河川に関連しまして、河川法では、一級、二級河川のほかに準用河川という制度がございまして、これは市町村長が指定しますと、準用河川として市町村長が管理できるという制度がございます。この制度によりますと、河川法に準じた公共物としての管理ができる、このようになっておりまして、しかも準用河川につきましては指定基準等を設けておりません。公共物たる河川であれば市町村長の判断によって準用河川とし得る、そういう制度でございますので、私どもとしては、やはり公共的な管理が必要な河川につきましては、市町村長におかれまして準用河川に積極的に指定して管理していただきたい、こういうことで従前から指導に努めておるところでございます。
○青山委員 一級河川、二級河川、準用河川、その上流部分については帰属がどうも不明確なんですね。これはもし災害が起きますと、現実には当該市町村が復旧にまず当たらざるを得ませんね。だけれども、まだそれがどうも法的には非常にあいまいだ、こういうことですので、ひとつその辺を明確にしていただきたい。
○安仁屋説明員 普通河川につきましても、災害が起きました場合の復旧につきましては、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づきまして市町村が管理する河川だというふうに観念いたしまして、その復旧事業費の一部、通常は三分の二でございますが、これを国庫が負担する、こういう制度が確立しております。 昨年で申し上げますと、五十五年度の市町村管理の河川、これは準用河川も含んでおりますが、延長から申しますとはるかに普通河川が多うございます。現在、手元の資料は分けておりませんが、約五百十二億円の市町村管理の河川の災害復旧事業を施行しておりまして、そのうち国庫負担が約三百六十八億円、こういう実績がございます。
○青山委員 災害が起きたときは、それは何とかしなければいけませんからそうなっていますが、実際は、まだ法的な立場はあいまいですね。そういう意味で、災害が起きてからではなくて、普通河川の位置づけというのをひとつ明確にしていっていただきたいと要望しておきます。 それから、自治省ですけれども、いま質疑を聞いておってくださったと思うが、普通河川の整備については地方公共団体がその復旧に努力してきておるのですけれども、地方交付税の基準財政需要額の算入を強化していただきたいという要望が人口急増市町村は非常に強いのですが、どのように考えておられるのか、お尋ねしたい。
○矢野政府委員 市町村において行います河川管理に必要な経費については、地方交付税の基準財政需要額の中にも算入をいたしておるわけでございます。ただ、この算入の対象といたしておりますものは、いわゆる準用河川について必要な経費を算入しておるところでございます。 普通河川につきましては、先ほど建設省の方からもお答えがあったわけでございますが、いわゆる国有財産としての管理、位置や境界の確定であるとかあるいはこれを譲渡する場合の手続であるとか、そういった点については都道府県知事の所管ということでございますけれども、いわゆる公共物としての管理については法制上位置づけが明確になっていないというところでございます。御指摘のように、実際問題としてそういった普通河川について何らかの公共物としての管理の必要が生じた場合に、市町村がやむなくこれを行っておるという例は幾つもあるわけでございます。 しかしながら、普通交付税の上で、公共物としての管理が市町村の責任に属し、その経費を負担すべきものであるということがはっきりしていない現状におきましては、普通交付税の中でこれを算入するということは、逆に現在の制度そのものをそのように決めてしまうということになりかねないわけでございます。したがいまして、自治省といたしましては、普通交付税の算入につきましては、そういった普通河川の公共物としての位置づけが明確になることを前提にして考えていくべきものだ、こう脅えておる次第でございます。
○青山委員 地方自治体、特に人口急増市町村が抱えておる問題をぜひ理解していただきたい。 それから、最近複合施設というのがずいぶんできておるようです。都市における公共施設の整備については、単一目的に沿った施設を整備することはその効果から見て理想的でありますが、土地確保の困難性や財政運営の効率性としての管理面の合理的運営という観点からしますと、多目的利用を考えた複合施設の整備によって土地の有効利用を図らなければならなくなってきています。 しかし、現行の補助制度は単一目的に沿った施設整備に対する補助制度がほとんどであって、複合施設整備事業に対して補助を受けようとする場合、申請事務等が複雑多岐をきわめるのが現実です。現在、補助金申請事務の合理化が検討されている折でありますが、今後ますます多目的利用の複合施設整備が要請されることにかんがみ、こうした複合施設を類型化し、補助金の一本化、補助申請窓口の一本化を検討されることを期待している。また、複合施設とする場合、当然に施設規模は大きくなって事業費も多額を要するため、地方自治法に基づく継続費等の措置を講じなければならないが、現行補助制度は単年度事業補助という性格のものが多いために、財政運営上やむなく単年度事業として施行せざるを得ないのが現状です。 こういうことで、複合施設が公民館、図書館、体育施設、コミュニティー等の施設を同居させる形でいま建設が方々であるようです。私も若干知っていますが、こういう施設を建設するときに幾つかの問題があります。自治省、いま申し上げたように、単年度補助要綱に基づくものが多くて、単年度工事の完成を原則としておるようですけれども、規模が大きくなる、そういう意味で継続を認めてほしい。それから、各部門における最低限の施設内容が定まっておって、一つの施設に同じような施設が幾つもなければならないというような、同種の共同利用が認められておらないとか、補助申請等における窓口が幾つかあって、これはひとつ窓口を一本化してもらえないかという要請が非常に強い。こういうような事態に対して自治省の見解を伺っておきたいと思います。
○砂子田政府委員 いまおっしゃられましたことは、どれも公共団体側の大変な熱望であろうと思っております。過般もお話を申し上げましたが、特に最近のようないろいろな土地高騰、そういうことに基づく住民へのサービスということを考えますと、複合的な施設をつくるというのはやはりむべなることだと私は思っております。そういう点から考えますと、いまおっしゃいました種々の問題が発生をしていることは事実でございますが、現実にいまの単年度予算主義の中で箱物をつくるというのは大変問題が多いわけであります。特にお話のような大規模なものをつくる、特に事業費が非常に高いものをつくるということになりますと、どうしても越年せざるを得ないというものが多分にあろうと思っております。ただ、この問題につきましては、それぞれ各省の補助条件あるいは大蔵省、そういうところの予算のつけ方というのもございましょうから、今後ともそういう公共団体の要求につきまして、関係各省の方にその旨は伝えておきたいと思います。 実は、そういうことがいろいろございまして、ことしの私のところの田園都市の中核施設をつくります場合にそういうことが当然予想されるということがございましたから、これも補助金というものを三年分割にして、しかも、建物も二、三年で建てられるような仕組みを考えながら、いま大蔵省と話をしているところでもございます。各省でそれぞれの持ち分についてもそういう努力をしていただきたいものだと思いますが、この問題は、先ほどからお話がございましたが、やはり臨時行政調査会の一つのテーマ、補助金整理をするという場合の大変大きなテーマになるだろうと思います。そういうことで御論議をいただきまして、しかも、私たちもそういう方向に向くように努力をいたしたいと思いますし、また臨調もそういうことになることを期待しながら、今後とも努力をしていきたいと存じます。
○青山委員 複合施設などは自治省あたりが窓口を一本にまとめてくださる、それはなかなか性格が違いますから困難かもしれませんけれども、それぐらいの取り組みをしていただかないと、地方団体の努力、申請手続、これは大変なもののようですね。しかも、当然補助対象になってもいいたとえばロビーだとか階段だとか、ロビーなんか特にそうなんですけれども、対象にならないというんで相手にしてもらえないというんですね。ですから、そういう窓口をひとつぜひ一本化する方向で検討していただきたい。要望しておきます。 それから、工事期間を考えますと、どうしても補助の決定の時期をせめて第一・四半期内に決定していただかないと、単年度単年度ですからこれがなかなかむずかしいということを訴えております。そうでなければなかなか円滑な事業の推進というのがむずかしいと言っております。この辺もひとつぜひ検討をしていただきたいと思います。
○砂子田政府委員 全体から考えまして、複合施設につきましては、いま大蔵省の方で、そういういろんな要望がございまして複合施設をつくる場合の補助要件というのをどうするかということを検討中でございます。その中にいま御要望の線をぜひ申し込んでおきたいと存じます。 それからさらに、どうも事業費が大きくなりそうで越年をしそうだという問題があると私先ほど申しましたが、現実にそういうのが出ておりますから、公共団体が多分にお困りであろうと思います。そこで、そういうものが現実に非常に多くあるなら、公共団体の方でも少しそういうことを各省にお願いをして、事業繰り越しを認めてもらうような制度をおつくりになったらどうか。一般的に、御案内のとおり予算の科目の中に事業繰り越しができる項目というのがございまして、事前にそれをとっておきますれば事業繰り越しもできるわけでありますから、そういう制度を中にとっていただくような方法も考えていかなければならぬのではなかろうかというふうに思っております。
○青山委員 次に、午前中の質疑にもありましたが、新幹線整備五線の建設費に関する財政負担の問題について一、二尋ねたいと思います。 北海道新幹線など新幹線整備五線の建設費に関して、地方負担を求める動きがいまあるようです。また、これに応じようとする動きがあるようです。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕 けさの大臣に対する質問と少し違う点だと思って、私はあえてお尋ねしたいと思います。いま自民党が整備五線の建設促進ということで、どうも交通部会で決定を見たようですが、しかし、それは法改正をしていかなければならない問題もありますので、いまの地方負担を求めていかなければならないというような動きとそれにこたえてもいいというような動きがどうもあるようですが、この辺の大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○土屋政府委員 新幹線につきましては、整備五線について地元の要望もございまして、従来からいろいろと議論がされてきておるわけでございます。その建設についてはそういった要望も強いわけでございますけれども、私どもが負担の関係で見ますならば、国土の基幹的な交通網の整備の一環でございますから、従来から日本国有鉄道あるいは日本鉄道建設公団が行ってまいった事業でございます。現在の国、地方間の事務配分なり財源配分のたてまえから見まして、今後の建設についても、地方団体がこれについて財政負担をしていくという性格のものではないと思っておるわけでございまして、現在地方財政再建促進特別措置法二十四条二項の規定でも国鉄等への寄付などを禁止しておるわけでございますから、現行制度上それは許されないと思っております。基本的に負担すべき性格のものではない。 率直に申し上げまして、非常に莫大な金を地方団体がどういった形で負担するかとなると、その財源の見通しというのはなかなか容易でないわけでございます。私どもとしては、整備五線を進められることはそれなりにいろいろ判断をしておやりになると思いますが、負担について、地方団体がそれに負担を求められるなどという、そういった性格のものではないというふうに考えておるわけでございます。
○青山委員 自治省の見解はそうですけれども、いまお話しになったとおり、地方財政再建促進特別措置法の第二十四条二項、そこには国または公社、公団等への寄付金、負担金などをしてはならない。この中に日本国有鉄道というのが明確にうたってあるのですね。ですから、この法の趣旨に違反するようなことになる。だから法を改正して臨むというような動きがいまあるようですけれども、これは自治省の選択を非常に迫られるような事態を迎えようとしておりますので、大臣の決意をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 午前中に申し上げたわけでございますが、こうした新幹線計画というものは本質的にナショナルプロジェクトでありまして、従来もやっていたわけですから、国でもって措置すべきものだ、私はこう思っております。ただ、国の財政も非常に窮屈だ、それから地元の要望もあるというようなことで、こういう動きが出てきたわけでございます。それで、三分の一程度は地元で負担したらいいじゃないかというような議論も出ておるわけでございます。そういうことを前提といたしまして、いまの法律制度ではそれはできないから、今度は法律改正をして、そして措置をしようというのが現在の動きでございます。 で、自由民主党の中におきましても、交通部会はぜひこれはそういう意味で促進をしたいと言っておりますが、また、地方行政部会の方といたしましては、なかなかそういうわけにはいかぬだろうということで、いま論議をしておる最中でございます。どういうふうになりますか判明いたしませんけれども、いずれにいたしましても、財源措置を地元が講じ得るかどうかということになりますと、私は非常に消極的だと思います。仮に地方交付税の基準財政需要額にこれを算入して、そして補てんをしていくんだという考え方を持つとするならば、これは大きな間違いでございまして、それは私どもは同意できない一点である。その影響するところは、他府県、市町村に非常に大きな影響を与えるわけでございますので、その点ははっきりさしておかなければいかぬ、こう考えておるところでございます。
○青山委員 時間がありませんので、もう少しお尋ねしたかったのですけれども、先に進ませていただきます。 さきに五十六年三月自治省がまとめられました実態調査、昭和五十五年地方公務員給与実態調査結果の概要、この結果について自治省はどう評価しておられますか。
○宮尾政府委員 五十五年四月一日現在で調査をいたしました地方公務員給与実態調査を先般発表したわけでございますが、これによりますと、五十五年四月一日現在で国家公務員を一〇〇とした場合の一般職の地方公務員の給与水準は、ラスパイレス指数で申してみますと一〇六・九という状況になっておるわけでございます。給与水準が一番高かったのは四十九年四月でございまして、一一〇・六でございます。したがいまして、一一〇.六から漸次低下をして一〇六・九というところまでたどりついてきているという点については、一応適正化の方向に向かっているという評価はいたしております。 ただ、依然として六・九ポイントも高い。しかも個々の市町村について見ますと、相当その給与水準が高いところがまだあります。そして、その低下の度合いというものも相当鈍化してきている傾向がある、こういう点を私どもとしては非常に問題であるというふうに考えておりまして、特に財政再建あるいは行政改革というものが叫ばれている今日、給与水準が高い地方団体におきましては、さらにもっとその適正化について最大限の努力をしていただきたい、こういうふうに考えておりますし、また、そういう方向で指導をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○青山委員 いまお話がありましたように、ラスパイレス指数、五十五年四月一日現在では一〇六・九、方向としては少しずつ国家公務員に、いつも準じてとこう言うのですけれども、近くなってきている方向です。しかし、これを見ますと、五十年が一一〇・四、五十一年が一〇八・九、五十二年が一〇七・九、五十三年が一〇七・三、五十四年が一〇七・二、五十五年が一〇六・九、五十二年から五十五年までの四年間かかって一%下がってきているのですね。六・九というと約七%ですが、四掛ける七で二十八年、三十年ぐらい先になると大体これは近づくのでしょうかね。これにはもう一つ裏があるので、私このまま評価できないのじゃないかと思っている節があるのです。しかし、今後さらに給与の適正化を図っていくという必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○宮尾政府委員 ただいま御指摘がございましたように、最近適正化の度合いというものは非常に鈍化しておる傾向がございます。ラスパイレス指数で比較すると、国家公務員よりも六・九%高い。こういうことにつきましては、先ほど申し上げましたように、現在の諸情勢等から見まして、さらに最大限の努力をして給与水準の適正化に努めていかなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。
○青山委員 公務員部長、今週の週刊現代をごらんになったですか。——ごらんになられた。 あの中に、枚方市の人事課長補佐の発言の中に、これは私が直接会ったわけじゃない、週刊誌ですから。発言の中に、「しかし、どこの市がそうだと名指すのは避けますが、近隣の市でも、ラスパイレス指数が高く出ないように、職員の人員配置に配慮をしているところだってあるんです」と書いてあるのですね。ラスパイレス指数が高く出ないような努力をしている、こう言うのです。努力するのなら、もうちょっといいところに努力してほしいと思うのですよ。 「指数を操作している、つまりインチキをやっているということである。自治省発表のラスパイレス指数ランキング上位は大阪勢が占めているが、「実は……」と東京都下のある市長が、」——ここにも元市長さんがおられますが、「インチキの手口を、具体的に説明してくれた。」と書いてあるのです。私が言うのじゃないのですよ。書いてあるのです。「私はあの指数というものをあまり信用していないのですよ。」これはある市長さんの発言です。「本当は東京周辺のほうが給料が高い。自治省に資料を提出する時、電算機から出てきたデータをそのまま提出するところも中にはあるが、」全部がそうかと思ったらそうじゃない。中にはある。「多くは数字を低く書き換えているからです。一般行政職に勤続が長く、数字を引き上げるようなサンプルがあった場合、資料提出の時点だけ現業部門に配転するという操作をしているところもある。自治省は、個々の自治体が何をやっているか知るわけがありませんし、議会だってわかりません。だから、地方自治体職員の給与というのは、一人ずつ、個別に調べるというやり方でしか正確には把握できないんですよ」と書いてあるのですね。こんなことがあるのですかね、本当に。確認されたことがありますか。
○宮尾政府委員 ただいまの記事につきまして私も読みました。この地方公務員の給与実態調査というのは、給与に関する基礎的な資料をとる目的で統計法によりまして指定統計と指定されておる非常に重要な統計でございます。昭和三十年以来これをずっと継続して実施してきておるわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、長い間実施をしてきておるものであり、しかもそういう指定統計ということで位置づけられておるものであるということ、それからさらに、地方団体から報告されたものにつきましても、自治省としても過去の資料等と引き合わせながら検収をしておるというやり方をしておりますので、私といたしましてはそこにあるような状況になっているというふうには考えておらないわけでございます。
○青山委員 考えられるのは勝手ですけれども、こういうことが全くないかというと、そうではなさそうだという印象を相当多くの人たちが受けています。私もそういう印象を受けているのです。 それで、「この町田市には給食調理員、いわゆる給食のおばさんが二百四十人いるが、そのうちの一人のありのままの話。「月給は三十三万円になりました。夏、冬、三月で、期末勤勉手当(ボーナス)は年に二百万円くらいはもらえる。土曜、日曜や、春、夏、冬の休みなどで百八十日、一年の半分でしょう、働くのは。なかなかやめられませんよ。退職金は、ざっと二千百七十九万円になります」」、「やめられない商売」ということで書いてあるのですね。 税金を納める人たちがこういうニュースを見ますと——私、これが全くでたらめだとは思いません。かなり信憑性があると私は思っていますが、地方自治体の財政運営がこういう状況かしらと思うと、市民福祉の奉仕者である自治体職員が受ける給料を渡すために市民はあくせく働いて税金を納める、何となくあほらしくなりますよ、これはきっと。こういう財政——人件費だけではありません。後からまたほかにちょっと触れたいと思うが、もう時間がないね。人件費だけ見てもこんな状況かしらと思うと、自治体の行政姿勢、これは正していただかなければならぬところがたくさんある。実はまだほかにあるのですが、もう時間がないね。 実は私も人件費の勉強しておったら、いろいろなわからないことが出てくるのです。わたりというものがあるのですね。それから昇短。何ですか、これは。何か十二昇短というものは、十二カ月分昇給が早くなるというのは、一年分早くなるのですか。一年間余分に働いたかのような錯覚に陥る。しかし、この昇短というのは違法でしょう。こういう事実がもしあったとすれば、これはもう明らかに正していっていただかなければ、先ほど来ずっと質疑を重ねてきた自治体の安定した財源を確保するために政府はいろいろな手を打って苦労してこられたけれども、これは納税者である国民は理解することができない。そういうところから不信感が生まれてきて、やはり納税に対する疑問、拒否というのに結びついてくるし、これはぜひ正していただきたいと思います。 それから、昨年十一月の調査を見てみますと、ほとんどの都道府県が国の人事院勧告と同様の勧告を自治体に対して行っております。人事委員会制度がまさに有名無実となっておるという実情をどう認識しておられますか。
○宮尾政府委員 地方公務員の給与水準が国家公務員に比べて高いということにつきましては、私どももかねてから問題にしておりまして、たびたび通知等を出しながらこの指導をしてまいっているわけでございます。特に、先ほどお話の中にございましたように、初任給の格づけとかあるいはいわゆる一斉昇短、運用昇短あるいはわたりというような制度の仕組みあるいはその運用が適正でないということから、その給与水準が非常に上がってしまった、こういう団体が相当数あるわけでございます。これはすべての団体の問題ではありませんけれども、そういう地方団体が相当数あるということについては、私どもも今後ともさらに強く適正化の指導をしていかなければならないというふうに考えております。 それから、人事委員会の勧告の問題でございますが、地方公務員の給与につきましては、地方公務員法の中に規定されておりますように、生計費とか国あるいは他の地方公共団体、民間事業の従事者の給与等を考慮して定めるということになっておりまして、具体的には、人事委員会が置かれているところでは、そういう給与決定原則に基づきましていろいろな調査を行い、その調査に基づいて勧告をする、こういうたてまえになっております。 しかしながら、いまも御指摘がございましたように、一部の人事委員会におきましては、勧告の中で漫然と国並みのベアを行うべきであるというような勧告を行う向きが見られますので、私どもといたしましては、毎年回答に際しまして、人事委員会に対しましても、厳密に公民格差等を出して、きちんとした具体的な事実資料に基づいて勧告を行うように、こういうことを指導をいたしておるわけでございます。今後ともそういう方向で人事委員会を指導してまいりたいと考えております。
○青山委員 人事委員会の勧告の経過を見てみますと、国に準じて改定、ほとんどの県がそうですね。全部と言ってもいいぐらい。ごく一部良識のある人事委員会も、ごく一部ですよ、あるようですが、ほとんどが国に準じて改定、これじゃ有名無実じゃないかと思われるのです。 実態は、実は裏で理事者と自治体労働者の交渉によってその額が決定されておる。こういうような陰湿な取引を改めていくべきではないか。給与支給の実態をガラス張りにして、全くわけのわからないわたりだとか昇短だとかそんなものじゃなくて、もう少しガラス張りにして、人事委員会が地方自治体の実態に応じた公正な給与水準が勧告できるような体制をつくっていく必要があると思います。大臣、御見解はいかがでしょうか。
○安孫子国務大臣 私なんか、この点でずいぶん苦労してきた一人でございます。当時大変努力をいたしました結果、後任者もその方針をとっておりますので、全国におきましては、ラスパイレス式では下から二番目というところじゃないかと思います。最低は岩手県でございまして、その次は私のところでございます。 これは、実態を私はよく知っておりますよ。したがいまして、いろいろと自治省の方から苦しい答弁を申し上げましたけれども、実態はそういうものじゃないということを私も痛感をいたしております。しかし、これをどういうふうにやったらいいかということは、私も一つの悩みなんです。三千数百の団体でございますから、そして、理事者がおのおのいろいろな考えがあるわけでございまするから、これをどうするかということについては、大変政策的にむずかしい問題だと私は思っております。自治省の中におきましても、せっかくこの問題については研究をさせておる段階でございます。非常に有効な手法というものはなかなか見出しにくいんじゃないかと思いますが、これは研究課題にしておきます。
○青山委員 地方自治体が自治省から見て任すに足る信頼できる自治体だというような時代が来るのにはずいぶん時間がかかるんだなあと、私はこの面だけでも、地方の時代地方の時代と言いながら、地方に任せと言いながらやはり矛盾した面を持っている、まだ地方自治体は弱い面を持っているという印象を持ちますので、こういう面は自治省はしっかりしていただきたいと思うのです。 民間委託についてちょっとお尋ねしますが、民間委託の実施率をちょっと見てみますと、清掃事務は、昭和五十年では屎尿の収集が六〇・八%、ごみの収集が四一・六%の実施率、それから五十三年度では屎尿収集が四七・三%、これは下がっているのですね。それから、ごみの収集は五〇%とちょっと上がっている。こういう実態ですが、これについて見解をお伺いしたい。 それから、日本都市センターが調査した結果が出ているのですが、民間にやってもらうとうんと安くなる。ごみ収集の民間委託というところで、民間なら直営の三分の一のコスト、余った三分の二は別のサービスに回すなどといってここに出ておるのですが、ごみの収集は、これは八つの市の平均のようですけれども、直営でやるとトン当たり一万四千五百二十八円、民間委託すると四千五百十三円、三一%です。三分の一でやるのですね。直営でやると、人が多い、給料が高い、年齢構成が高い、こんなようなことからもう三倍も高くつくようです。 それから、保育所、保育園を民間経営に任せますと、約二六%でできる。保育所運営については、ある市の場合、園児一人当たり年間、公立ですと二十七万円、民間ですと七万円、市の単独持ち出し額が民間に対しては二六%でできる。四倍の効率でやるわけです。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕 大阪府下のある市では、保育所の場合は、園児一人当たりの年間経費は、公立ですと八十六万二千九百八十四円、私立ですと四十五万九百三十六円、約半額です。園児一人当たりの市の負担額は、公立ですと六十七万九千円、私立ですと十八万六千円、二七%、約四分の一でやるのですね。 こういうように、地方財政が非常に苦しい折に、民間に委託をして進めていけば非常に効率的な事業が運営できる。しかもサービスはその方がいいというのですよ。お役人がやると横柄な態度でなかなかむずかしい。時間がないから余り脱線できませんが、そういう意味で、こういう方向も自治省の行政指導でぜひひとつ強力に進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○砂子田政府委員 民間委託の実情は、都市におきます状況を見てまいりますと、先ほどお話がございましたが、五十三年の十月現在で清掃事務で屎尿収集が四七・三、ごみ収集が五〇・〇、財務事務で使用料、手数料の徴収が一九・九、こういうふうになっております。五十年から屎尿収集が下がったというのは、これは実は浄化槽ができたりしましたために屎尿収集率が下がったわけでございます。 いずれにいたしましても、御指摘がございましたように、民間の委託と直営というものを比較した場合に、相当のコストが節減ができるということは事実でございます。ただ、今後こういう委託というものを進めます場合にも、単に行政上から見てあるいは経費の面だけから見て、安いからいいというわけにはなかなかまいりませんで、やはりある程度住民の福祉サービスでありますとか住民の安全の確保ということもございますから、そういう意味からも両方ながめながら委託の制度というものも進めていかざるを得ないと思っております。そういう点で、これからもある程度民間委託というのは進んでまいりましょうし、その方向に町村自身も考えていくだろうとは思いますが、先ほども申し上げましたように、全体の行財政運営という問題は、単に効率化だけの推し進めではなくて、住民サービスの保持という点にも配慮しながら委託というものを指導してまいりたいと存じております。
○青山委員 以上、質疑を繰り返してきましたように、地方自治体にはまだ問題がたくさんある。ここに政策推進労組会議が調査しました「地方行政調査報告書」というのがあるのです。この中をもう少し精査して、私また改めて質問さしてもらおうと思っていますが、地方自治体の職員は過去十年間に二〇%ふえている。これは先生だとか警察官だとか消防職員は入れてませんよ。それから国家公務員は一%だけこの十年間にふえている。もっともその一%には若干裏がありますけれども、数字の上では一%の増。民間全産業では一六%の増。まあこれは民間の採算でやっていることですから、それはいい。地方自治体だけ二〇%増。また役職も、ひどいところでは二人に一人は係長以上の役職員だ、こういうのです。 幾つか問題がありますけれども、地方自治体についてはまだまだ問題がたくさんありますので、自治省、ひとつ心して行政指導に当たっていただきますようにお願いを申し上げて、質問を終わります。
○左藤委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 五十四年度、五十五年度において、職員給与を理由として地方団体に対する特別交付税を減額した団体数と金額をお知らせいただきたいと思います。
○土屋政府委員 従来から私どもといたしましては、いわゆる期年・勤勉手当等が国の基準を上回っておる団体については、財源的な余裕があるということで減額をいたしておりますが、五十四年度が三百七十四団体で三百十一億減額しております。五十五年度が二百五十二団体で二百八十二億余りでございます。
○三谷委員 それはいわゆるペナルティーではなくて、財政にゆとりがある富裕団体である、そこで減額処置をとったというふうに自治省はおっしゃっておるようでありますが、そうでしょうか。
○土屋政府委員 特別交付税を配分いたします際、特別交付税そのものは地方団体の共通の財源でございますので、私どもとしては配分の公平というのを期さなければならない、そういった見地から考えます場合に、期末・勤勉手当あるいはそれに準ずるようなものを支給しておるという団体は、それだけ財政的に余裕があるということで減額の対象にしておるわけでございまして、いま言われましたとおりでございます。
○三谷委員 富裕団体とみなすという解釈がそもそも詭弁ではないでしょうか。財政力指数を調べ、公債費率等を調べて、その面で富裕団体であるということでありますならば、確かにそれは富裕団体として処置される了見がありますが、給与上の処置を行ったから富裕団体だとこじつけたのでは、実際には富裕団体でないものが給与上の処置、自治省の好まない処置をしたからといって富裕団体であるというこじつけをしますならば、それは明らかにペナルティーにすぎない、そうならざるを得ないのでございます。ですから、自治省がいろいろな助言、勧告をされますことは、これは自治法上からも明確に規定されておりますけれども、罰則的な処置、罰金的な処置をとって財政上の制裁を加えるというふうな強権的な行為が許されていいのかどうか、私は大いに疑問を持つものでありますが、どうでしょう。
○土屋政府委員 富裕団体だとかどうとかという基準ではございませんで、それぞれの地方団体がいろいろ財政運営をされます場合に、私どもとしては標準的な行政ができるように、税のほかに交付税措置等もとって財源措置をしておるわけでございますが、そういった中で特別に期末・勤勉手当のアルファといったような形で国の基準等を上回ってやっておられるということは、その点に関しては、本来使わるべきものがそちらへしわ寄せされて使われるということにもなるわけでございます。 全般的な財政の運用の仕方の中で、そういうやり方はやはり余裕があるからそちらの方へ回しておるのだということで財政の状況を判断して、特別交付税の交付に当たっていろいろと財政状況を勘案します際に一つの判断の根拠にしておるということでございます。その団体が富裕団体だというわけではない、財政運営上においてそれだけの余裕を持っておられるということを判断しておるわけでございます。それは、先ほど申し上げましたように、交付税は地方団体共有の財源でございますから、やはり配分の公平を期するということでなければならないだろうという判断に基づいてとっておる措置でございます。
○三谷委員 おっしゃっていることが大変混乱しておりまして、論理の一貫性がありません。結局、いまの説明を聞きますと、富裕団体であるから地方自治体の固有の共通の財源を配分するときに減額をするんだというふうにおっしゃっている、それで初めの方におきましては富裕団体だからというわけではない、こういうこともおっしゃっております。今日まで私どもが聞いてまいりましたところでは、そういう措置をするわけだから財政上のゆとりがある、富裕的な団体である、だから特交におきまして減額をしたんだ、こうおっしゃっておるわけでございます。 地方団体のこういう固有の財源というものを自治省が強権的に、しかも恣意的に配分にさじかげんをするというふうなことをしてはならぬと私は思っているんです。そしてもしも、富裕団体であるとおっしゃるのであればその証拠を示さぬといかぬ。それは、給与か何かの特別の給与を出したから富裕団体であると言うんでなしに、財政力指数が高いとかあるいは公債費比率が大変低いとか、そういう客観的な根拠をもって富裕団体であるという認定をしなければ、給与を出したから富裕団体である、だから特交を削るんだというような強権的な、懲罰的な、報復的な措置をこういう行政の執行の中でやってはならないと私は思いますけれども、その点はどうでしょうか。
○土屋政府委員 富裕団体といった言葉の定義の問題、私の申し上げたのとやや違うと思うのでございますが、繰り返しになるわけでございますけれども、私どもが特別交付税の額の算定をいたします際は、交付税法の十五条の規定によりまして、財政需要について普通交付税では捕捉されなかったいろいろな要因、いろいろな事情を考慮して交付するんだということになっておりまして、それに基づいて省令で決めてやっておるわけでございますが、その根拠は、あくまでも交付税というものは通常の標準的な行政を執行できるような形で地方団体に配っておるわけでございます。特別の団体だけを非常に給与面で優遇しておるというような形が出てまいりますと、それは同じ交付税を配分してもややそういった面で余裕があると見ざるを得ないということでございまして、やはり配分したものがそういう面だけに使われるという点においては配慮をせざるを得ないだろう、その方がやはり公正な配分ということになるだろうということでやっておるわけでございます。
○三谷委員 自治省がむだや浪費を排するために適正な行政指導をされる、行政勧告をされるということについて、私はとやかく言うものではありませんけれども、これは勧告というよりも実際上の懲罰をお加えになっておる。国の財政運用を通じて自治体に懲罰を加えるというふうなことは、指導性の欠如を証明しているわけなんです。だから、もしも必要であればもっと適正な勧告をするということが必要であろうと思いますけれども、そうでない。 この問題はそれで満足するものじゃありませんが、そこでお尋ねしたいのは、職員の給与、手当を理由として交付税の配分に手を加えるのであれば、真にむだのない住民本位の清潔な行政の確立のために、浪費、冗費を全面的に改善する必要があることは言うまでもありません。地方自治体における冗費、浪費というものはなかなか容易なものではないのであります。私なども、二十年間地方議会に籍を置きましたから間断なしにこの問題を取り上げてまいりましたけれども、国会に参りまして、まだ国会議員の環境の方がはるかにその点では締まっておるということを感じております。 たとえば幾つかの例を挙げますが、奈良県知事の退職金はどうなんです。この知事の退職金は、法定額に一億七千万円を追加して支給している。二億三千七百万円に及んでいるわけでありますが、退職金が未払い賃金であるという論理から見ても、あるいは老後の生活保障という観点から見ても、これはしょせん住民の納得できるものではありません。佐賀県知事が一億二千三百万円の退職金を支給されております。秋田県知事の一億三千百万円にしても同様のものでありますが、一体こういう巨額な退職金を出しておるところは富裕団体とは認定されませんのか。職員だけが問題になっている。理事者や議会のむだ遣いというものは、全然あなた方の観点にはないわけでしょうか。 ちなみに、総理大臣の退職金を調べてみますと、大平さんが一年七カ月で百五十五万円であります。福田元総理が二年一カ月で百八十六万円でありますか、これは国家公務員の退職手当法による算出でありますが、この算出方式でいきますと、十年務めましても一千万円にならぬわけであります。一国の総理大臣の退職金と比べまして、知事の退職金がいかに不当であるかということが数字の上で明確でありますが、それならこれも富裕団体として当然特交を削減するという措置をとるべきではないでしょうか。
○土屋政府委員 知事初め特別職とその他の一般職それぞれに、退職金については規定がございます。条例によって定められておるわけでございまして、それに基づいて支給をしておるということでございますから、それは個々人の実態に即した算定の仕方があるのだろうと思っております。私はその面において専門的な知識は持っておりませんが、そういうことで基準に照らしてそれぞれの正当なものを支払っておられる。それが巨額であるかどうかということについては、いろいろと考え方はあるだろうと思っております。 そういった意味で、個々の人にある規定を適用してやられるということと、全般的な給与費そのものを通常のものを超えてやっておられる、基準を超えてやるということは、やはりそこはやや違うのではなかろうか。極端に言うならば、個々に手当てをしておるものが制度なりあるいは全体的に見てきわめて問題があるものであれば、それはまた別な面からひとつ考えるべきだと思うのでございますが、私は、それぞれの首長がおやめになるときの手当というものはそれなりの手続と規定に基づいて計算されたものであって、正当な形で支給されておるものだろうというふうに判断をいたしております。
○三谷委員 正当とか不正とかいうことを私は言っているわけじゃありませんが、実際上それだけの府民の血税が使われているわけです。しかも、それが住民の常識感覚からして首肯できない。そういう場合におきまして、それに対する指導や措置が必要であるということは当然だと思うのです。同じような財源を使っていくわけですから、給与の方だけはけしからぬけれども、そういう知事などの退職金については問題外だと言うのでは、これはなかなか住民は納得するものではありません。 そこで、それじゃもう一つ聞きますが、費用弁償というものの概念はどういうものでしょうか。
○宮尾政府委員 費用弁償でございますが、行政を行う上におきましてたとえば参考人等においでをいただくというような事例がありますが、その際に会議等に出席をいただくということになりますと、現実にいろいろな費用がかかります。あるいは特別職の職員が会議等に出席をする場合にもそれなりの費用がかかりますので、現実の費用に応じまして公費でその費用をお支払いをする、こういうのが費用弁償の概念というふうに考えております。
○三谷委員 参考人の例などは非常に明白ですけれども、たとえば議員などに対する費用弁償はどのように規定づけるものですか。報酬というものが支払われておる、それに対してさらに費用弁償というものが支払われる、この報酬と費用弁償の関係はどうなっていくのですか。
○宮尾政府委員 それは具体的な事例で判断をしなければ一概には申し上げられないと思うのでございますが、報酬でどの範囲を賄うかということによりまして費用弁償の仕方というものがいろいろ変わってくると思います。一般的には、定型的に報酬という形で支払われるもの以外のケースにつきまして、個別具体の事情に応じまして、その費用の実態に応じ支払われるのが費用弁償というふうになると考えております。
○三谷委員 報酬を支払っておってさらに費用弁償を支払うというのは、費用弁償というのは報酬と違った格別な性格を持つものでしょうか。その性格はどういうものでしょう。
○宮尾政府委員 専門的といいますか、個々具体の事例について判断をしなければいけないと思いますし、私自身、恐縮でございますが直接所掌しておる分野の問題でございませんので、知識がきわめて薄いわけでございますが、報酬というのは、たとえば議会議員という立場におきまして、定型的に一定の範囲内は報酬という形でこれを賄う、これはそれぞれ条例でもって決めておるところでございますが、そういう定型的なもので賄うことができない具体的ないろいろな支出される費用についてそれを弁償する場合に、これを費用弁償という形でそれぞれ地方団体が支払っておるというふうに理解しております。
○三谷委員 地方自治法の解釈例規、判例等によりますと、費用弁償については、執務のいかんにかかわらず一月ないし一年の期間を通じて定額を支給するような取り扱いは費用弁償の性質上適当でない、こういう例規がなされております。それから、議会の議員に費用弁償として月額で一定額の調査旅費あるいは通信費を支給することはできないとされておりますが、このことは間違いないでしょうか。
○宮尾政府委員 地方自治法の二百三条では、議会の議員等に対しまして報酬を支給をするということが第一項で定められております。この報酬は、勤務日数に応じてこれを支給するというたてまえになっておりまして、ただし条例で、特別の定めをした場合はこの限りでないということが規定されております。費用弁償につきましては、議会議員等につきましても、職務を行うために要する費用の弁償を受けることができる、つまり報酬という形以外のもので、職務を行うために特に支出をした費用について弁償するものを費用弁償だというふうに理解しておるわけでございます。
○三谷委員 それは、支出をした費用の弁償を受けるという性質のものでしょう。それで、いま申しました一年ないし一カ月の期間を通じて定額で支給してはいけないということ、それから月額で一定額の旅費その他を支給してはならないということですね。それは、ちゃんと解釈例規に出ているわけでしょう。
○宮尾政府委員 そのとおりでございます。
○三谷委員 ところが、今日、少なからぬ自治体で一律支給が行われております。条例の上では一律ではないかのような表現を用いておりますが、実態は一律定額支給がかなり広い範囲で行われておるわけであります。たとえば大阪府の例で見ますと、「府議会議員が招集に応じ、若しくは委員会に出席するため又は公務のため管内若しくは隣接府県を旅行したときは、」「その日数に応じて日額八千五百円を限度として費用弁償を支給する。」これが条例の規定であります。 ところが実際は、年間を通じて八千五百円の百九十日分というのが定額支給をされておるわけです。この条例で見ますと、招集に応じ、管内もしくは隣接府県を旅行したとき、八千五百円を限度として実額弁償をするというふうに解されるわけでありますが、しかし、招集に応じるのに報酬とは別の費用弁償が要るのか、あるいは、管内といいますと恐らく大阪府下のことでしょうが、府下を旅行しますのに実額の弁償が要るのだろうかという疑問が、まず一つ起きてくるわけであります。 そしてその上に、日額八千五百円を限度とするとなっておりますが、この限度額いっぱいで年間百九十日、一律支給が行われておるわけでありますが、これは明らかに費用の弁償ではなくてやみの上乗せ給与ではないかと思いますけれども、この点はどうなんでしょうか。
○宮尾政府委員 具体的な事例でございまして、ただいまお聞きをした範囲内の事柄でございますので、的確にこの場でお答えをすることがなかなかむずかしい問題でございますので、ここで具体的な判断を下すのはいかがかというふうに私は思うわけでございますが、御指摘のようなそういう点について、先ほど来の費用弁償の考え方に照らして妥当であるかどうか、検討してみたいというふうに考えております。
○三谷委員 この問題は、公務員部長が答える性質のものじゃないでしょう。公務員の給与その他の問題を扱われるわけですから、議会とかあるいは理事者の問題、要するに地方行政の広範な問題を含むものですから、公務員部長では少し役目が無理と違うでしょうか。その点どうでしょうか。 そこで、行政局長なり大臣に答えてもらわなければいかぬのですが、この条例で疑問が残りますのは、公務のため管内を旅行、この表現ですが、公務とは何か、これがきわめてあいまいなわけですね。要するに自分の選挙区の中をごそごそ歩いておれば、公務で管内を動いておることになるのか。そのような扱いをして、この費用弁償がなされておるわけです。それから管内における厳密な公務に係るものは、矢野君御承知のとおりちゃんと公用車があって、これで役目を果たしておりますから旅費などは必要ない。ちょうど国会議員の地方出張と一緒であって、車馬賃の支給はない、同じことだと思うのです。 ですから、それは費用弁償を必要としない、しかも議員としての報酬の範囲に含まれておる日常的な活動であって、それは報酬によって保障されておる活動の範囲ではないかと思います。そうしますと、二重の支給が行われることになりますが、こういう問題にもう少し自治省も目をつけていただかなければ、職員のラスパイレスだけは大変熱心であるけれども、あとの乱費、浪費については全く目的意思をお持ちになっていない。これでは行政改革なんてできっこない。私は、そういう点から、この問題についてしっかりした御見解をお聞きしたいと思うのです。
○土屋政府委員 いろいろと例を挙げてお示しいただいたわけでございますが、いまの例で見まして、私も実態がよくわからないわけでございますけれども、報酬のほかに費用弁償というものは、それはあり得るだろうと思います。ただ、その費用弁償の形態、出張とかいろいろ管内を公務のために歩かれる、その実態そのものが費用弁償に相応するのかどうか、そこらは事実の問題でございますから、私も一々判定はできないわけでございますけれども、正当な形での費用弁償はあり得るだろうと存じます。 ただ、おっしゃいますような形で、一定期間、一定額を支給するというのはどういう形なのか、いろいろと立法調査費的な意味合い、通信費的な意味合い、いろいろな名目のもので何か支給されておるのかどうかと思ったわけでございますが、いま費用弁償の形で出ておるということでございますけれども、その性格は、要するに報酬に対するいわゆるプラスアルファ的なものなのかどうか、私も、ちょっとそこは判断がつかないわけでございます。そういった点については、もう少し実情を調べさせていただきたいと思うのでございます。 その場合に、それが浪費であるのかどうかということになりますと、率直に申しまして私もよくわかりませんが、特別職については報酬そのものについての基準がなくて、地方団体ごとにいろいろとまちまちでございますから、別途そういうものが支給されたものが直ちに財源余裕と言えるのかどうか、そこらはいろいろ検討すべき問題があろうかと思います。ただ、おっしゃいました例で見ますと、直ちにそれが費用弁償であると言い切れるのかどうか、ちょっとわからない点もございます。よく実情を聞いてみたいと思っておりますが、その上でなお検討させていただきたいと存じます。
○三谷委員 いまおっしゃいました文書あるいは通信費的なものですね、これは別個に、たとえば大阪の場合ですと、一議員二十五万支給されている。それとはまた別途なものでございます。 そこで、調べてみますとまちまちになっておりますが、大阪府のように日額八千五百円の百九十日分という定額もある。それから、大阪市のように日額九千円の百八十日分、こういう程度のものもあります。愛知県のように、日額八千五百円の百七日分というのもあります。新潟県のように、日当及び加給日額として七千五百円の百十五日分というのもありますが、いずれにしても、かなりこれは普遍化したものです。そして、最も少ないのは札幌市あたりの総額一人頭四十二万七千円というのがありますけれども、これはきわめて異例の安いものであって、全体として見ますと、百二、三十万から百五、六十万という費用弁償が年間においてなされておるわけでございます。 調べてみますと、病気欠勤の場合でも費用弁償と称するものが支給されておる。その中には、名古屋市のように市長部局の予算から費用弁償の一部が支給されるという、予算原則に反した予算の執行も行われておるわけでありますが、こういうのを見ますと、これは自治省流に言えば、明らかに富裕な団体、財政にゆとりがある団体であると言わざるを得ないわけであって、もしも職員の給与を理由にして特交を削るというふうなペナルティー処置をとられるのでありますならば、これも等閑視はできないと私は思っておりますが、どうでしょう。
○土屋政府委員 いろいろなところで普遍的に行われておるようなお話でございました。したがいまして、私は、その出す根拠というものがどういうことに基づいておるのか、これは調べさせていただきたいと思うのでございますが、報酬以外にそういう費用弁償といった形で出すものに適切な根拠があれば、それはそれで考えられると思うのでございますけれども、どうもそこがはっきりしない。いまおっしゃいましたように、プラスアルファなのかどうか、ここで断定するわけにもまいりませんが、そういった形のものであるということになりました場合でも、それはそれぞれ報酬が各団体ごとに違う。それを並べた場合に、基準がないものについて、この団体よりここは余裕があるとどういうふうに判定するのかどうか。そこらに、技術的に非常にむずかしい問題もあるようにも存ずるわけでございます。 ただ、いずれにしても、そういった報酬以外のものの支給ということは公正な支給でなければならないわけでございますから、どういう名目であろうと、どういった実態的な運用がされておるのか、そこらはよく調べた上で私ども検討させていただきたいと存じます。
○三谷委員 いま説明しましたように、自治省の解釈例規から見てもこれは明らかに反しているわけだ。定額で、月または年にわたって一定額のものを支給してはいけないということは、あなた方が自治体に対して示していらっしゃる例規になっているわけなんでしょう。そして、いま申しましたように、この百九十日、百八十日というのは予算上もきっちり編成されておりますし、実績を見ましても全部平等です。差が出てくると、なぜおれは少ないかと文句が出てくるわけです。そういう性質のものとして扱われてきているわけです。いまごろあなたはあいまいなことばかりおっしゃっているけれども、違法な疑いが強いものですから、よく調べて、これは指導をしてもらう必要がある。そうして、職員の給与を理由にして罰金を課するのであれば、これも罰金の対象にするのは当然のことだと思います。 それで、もう一つ申し上げますと、たとえば期末手当などにしても非常に違うでしょう。国会の場合を申しますと三・八カ月分だと思います。ところが大阪府議会などは四・九カ月分でしょう。あるいは大阪市議会になりますと五・〇三カ月分、つまり五割増しになってくるわけだ。そして東京都におきましても四・四カ月分、こうなっておりますね。ここにも大きな差が出てきている。なぜこういう差があるのか。給与は一々申し上げませんが、給与もわかっておりますが、そういう差があるのであれば、そういう不当な優遇をするところは、当然、あなた方がおやりになりますように、特交を削るという処置をとって是正すべきだ。しかし私は、そういうふうな行政的な処分のようなものを勧奨するものではありませんけれども、しかし、一方においておやりになっておれば、これもやらなければ、不公正のそしりを免れません。
○土屋政府委員 いずれにいたしましても、そういった費用弁償なり報酬というものは、適正に支給されなければならないわけでございます。私も、いろいろなところでどのような形で行われておるのか、その根拠その他、十分聞いた上で、それをもとにいたしまして、最後に言われましたことについても検討いたしたいと存じます。
○三谷委員 これは、条例を拝見なさっても実態はつかめません。それから、これを執行しております自治体に照会をしても実態は明らかになりません。この実態を調べるためには、この支給を受けておる議員から実情を明らかにしなければ、なかなか実態はわかるものじゃありません。矢野君、あなたは大阪府の総務部長をしておったわけだから大体知っておるはずだ。いまごろ知らぬとかなんとか言うのがおかしいのであって、こういうのが今日まで横行してきた事実なんです。ですから、これは是正してもらわぬとあきません。 大阪府について言いますと、これは矢野君がこちらへおかわりになった後だけれども、百十三人の議員がおりますけれども、その百十三人の議員を四年間の任期中に全部一巡で外国に行かせるということまでやっておるのであります。一人一回分が百十五万円の予算でありますけれども、四年間に百十三人も一人残らず外国に行かせるなんということを、外交や国際問題を扱っていない地方議会の議員においてやるなんということは、これは常識上言ってまことにおかしいことなんだ。しかしそれがやられておる。つまり、それほど金にゆとりがあって富裕なわけだから、そういうものをほっておくというふうなことは、これは私どもは扱いの公正さからいって許すことはできません。その点どうでしょうか。 それから、国税庁お越しになっておるようですが、国税庁はこの一律支給につきまして、いわゆる費用弁償ではない、使った金の弁償ではない、事実上第二給与的なものが実際上あちらこちらで横行しております。この間も京都の市議会でこれが問題になりまして、値上げしようとしたのが法律上の問題などで追及されて再検討を約束しておりますけれども、そういう事態が随所にあります。これについては、課税上はどういうふうな取り扱いあるいはお考えなのでしょうか。
○四元説明員 お答え申し上げます。 税の執行の一般的な考え方として御説明させていただきたいと思いますが、先生御指摘の費用弁償、地方自治法の二百三条に根拠を持ちまして各地方団体、条例に基づいて費用の弁償が支給される、こういうふうになっております。それで、通常、税の執行の考え方といたしましては、こうした条例に基づいて費用の弁償として支給されるものは所得として扱わないということで、給与等としては扱わない執行をいたしております。
○三谷委員 そんな原則論を聞いているんじゃない。いま説明しましたように、費用弁償と称しながら実際には費用弁償ではない、そういう所得に対してどのような扱いをされるのか。私どもが経験からしますと、こういう措置をしますときには国税局と事前に相談をして、ここまでは認めてもらうとかもらわぬとか、そういう話し合いをしてから実行するような状況であったように思いますけれども、いま各自治体の費用弁償、実際は費用弁償じゃありませんが、それについては事前に相談でもされて、そうしてそこは大目に見ようというふうな話でこれが実施されておるのかどうか、お聞きしたいと思うのです。
○四元説明員 お答えいたします。 もちろん、そのような御相談をいただいている例は、私、ちょっと聞いたことはないのでございます。先生御指摘のような一律支給を、一般に税の扱いとして費用の弁償でないというのは、なかなか私どもの立場の判断としては言いにくい、判断しにくい事柄ではないかと思われます。ただ、基本的な考え方からいたしますと、事実として費用の弁償でない金品の交付を、条例の定めがあるからといって費用の弁償に事実としてなってしまうということはないわけで、当然社会通念上費用の弁償と認められなければ、それは場合によって給与等として課税される場合もあろうかと思います。
○三谷委員 いま幾つかの例を挙げましたが、これについては実態を調べて、果たして費用弁償なのか、あるいはやみ報酬になっておるのか、調査をお願いしたいと思いますが、どうですか。調査して——お願いするんじゃない、これは国税庁がすべきものだ。税金が足りないといってさまざまな税金を国民に課するという態度でありますから、そういう所得というものが看過されておるのであれば、当然調べて課税をするという性質のものだと思いますが、その点はどうでしょうか。
○四元説明員 必要に応じまして、源泉所得税の調査というのを私どもいたしておるわけでございます。わずか千八百人の職員でございますから何ほどの調査もできないのでございますが、しかし地方公共団体等に対しましても、ごく限られたものではございますが、必要性がある場合にお邪魔して調査をさせていただくということもございます。そうした際、先生御指摘の点も、ひとつ関心を持って調査するよう私ども努めていきたいと思います。
○三谷委員 それもまたあいまいじゃないですか。この事実からして明らかな脱税の容疑があるんだ、だからこれは国税庁として見逃すべきものではありますまいと言っている。それを何かの機会に調査をしたときに、私の質問も参考にしていこうというようなことであって、脱税の告発がなされた場合、それに一定の蓋然性があれば当然調査するのがあなたの方の務めと違いますか。
○四元説明員 先生御指摘の点、ひとつ意を体しまして必要な調査等も実行してまいりたいと思います。
○三谷委員 いまの財政局長のお答えにしましても、何となし歯切れが悪い。問題は非常に明白なわけだ。明白な事実に基づいてお尋ねしている。ところが何やらあいまいな、奥歯に物がはさまったような答弁をなさっている。ですから私は、そういう点は職員にむだがあれば、それは職員についても適正な勧告をなさっていいと思う。しかし、同時に別のむだがあれば、それも指摘していくという態度をとらなければ、公正な行政姿勢としてこれは受け取ることができません。何か意図的に特別なところだけ目をつけて、そしてそれを盛んに喧伝をする、そうして罰則を加えるということになってきたのでは、これは客観的に見て行政の公正性に対して疑惑を持たざるを得ないわけでありますから、そういう点からしまして、いま申し上げました点について自治省としても全面的に調査をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○土屋政府委員 いろいろとお話がございましたが、一般職の給与等については、少なくともこれは法的な根拠があって、一応国家公務員との並びその他いろいろ考えてやっておるわけでございます。議員について、私も財政当局の立場から詳細なことを知るまでに至っていなかったわけでございますけれども、いまおっしゃいましたような事実についても検討いたしてみたいと思います。 ただ、議員の場合は、いま申しましたように一般職の場合ほどはっきりとした水準についての規定等もない、そして、そういったことから各県まちまちでございますから、そういったものにプラスがされておるのかどうか、そこもよくわからないのですが、お話の線によると定額的に支給されておるということでございますから、そういうものがなったときに、各県ごとに比べた場合にどこが余裕があるのかないのかという点では、なかなか不明な点もあろうと思っております。 それと、最後にお話がございました旅費等とはやや性格が違う、任期中に一回外国に行くというようなこともございましたが、それがはたから見て、たとえばぜいたくかなという感じがあったとしても、正当な形で視察のために旅行されたという場合に、直ちにそれが余裕財源であると言えるのかどうかということになりますと、やはりおのずから違うのではなかろうかという気がいたしますが、いずれにいたしましても、いまの議会の点につきましては私もよく事情を聞いてみて、その上で検討をしてみたいと思っております。
○三谷委員 相変わらずごもごもと陳弁がありますが、いまの海外旅行など任期中に全員が行くなんてことは、これも要するに一律の扱いなんですよね。そういうことが正常なものだとは、府民はだれしも考えてはおりません。しかし、それが行われておる。私は非常な浪費だと思います。その問題も含めて、費用弁償、退職金、こういうものを含めて非常な問題を抱えている。特に大阪市など宴会政治などというものは、朝日新聞、読売新聞などにしばしば出ている。市議を招き接待攻勢、必要悪、居直る出席者、こういう状態なんですね。こういうのをほうっておいて、そして一面的に富裕団体扱いを一部の自治体にするということはいかにも片手落ちです。 やるならば全面的な調査をして、浪費、冗費を完全に一掃して——いまの行政改革といいますのは、行政整理だとか人員整理が目的じゃないのです。不要不急の浪費を削る、あるいは不正腐敗をなくするというところに国民的な関心があるわけですから、そういう点からしますと、もう少し自治省も全般の地方自治体を正しく指導するという立場に立っていただきたいと思いますが、大臣どうですか。あなた、たばこでも吹かして悠々としておられるな。
○安孫子国務大臣 御趣旨を体しまして、ひとつ努力いたします。
○三谷委員 そこで、行政改革の一つの問題として補助金制度の改革ということが言われております。ひもつき補助金によって自治体の自主性が損なわれる、財政運営も当然その影響を受ける、そういう状態があるわけですから、この補助金を地方交付税や地方税へ振りかえる、あるいは総合補助金制度などに改めて、地方の財政の自主性を求める声は、これは地方自治体に一般的にございます。 ところがその一方で、各省庁の補助金ごとに組織されました陳情団体というものが根を張ってまいりました。予算編成期になりますと、文字どおり各省庁によって動員される。そして陳情合戦を繰り広げる。この対象は大体大蔵でありますが、各省庁で組織したものでありますから、大蔵に向けてこれが動いていく。これがいまの現実の状態でございます。この陳情団体の中では、その頂点には政治家がちゃんと鎮座していらっしゃる。ですから、単なる陳情だけではない、いわゆる圧力団体として動いておるわけでございます。 このような陳情団体の存在というものは、補助金行政が生んだゆがみだと私は思いますが、これは実は多くの自治体が財政の負担をしてその会員になっている、そういう陳情団体というものが自治体を主体にして組織されておるのでございます。そして中央省庁、建設省なりあるいは自治省なりの指示に基づいて、これが行動を起こすということになっております。こういう陳情団体について自治省はどのようにお考えになっておりますのか、また、この実態についてどのように把握されておりますのか、お聞きしたと思います。
○土屋政府委員 地方団体が加入して設置しております協会とか協議会とかその他の団体は、その設立目的から見ましても、みずから各種の事業を直接行っておるものもございます。行政の円滑な執行に資するために、相互の情報交換とか連絡調整を行うものもございます。あるいは主としていまお話のございましたように、国等に対して補助金などの獲得のための陳情を行うためのものもございます。種々雑多なものがございます。規模から見ましても県、市町村の区域にとどまるものから、全国規模の上位団体を結成しているもの等いろいろでございますので、その全貌について私どもとしては詳細には承知をいたしておりません。 そういった状況でございますから、一々それについて考え方を述べることはできないのでございますけれども、地方行政の円滑な推進のために有益な活動を行っておる団体もある反面では、主として補助金等の獲得のために活動している団体があることも事実でございます。私どもとしてはかねてから、地方公共団体の外部団体、各種協議会等に対する分担金、補助金等につきましては、団体の運営の実態あるいは分担金の使途等十分に精査をして、本当に必要であると認められるものに限って負担を行うべきであるといったようなことで、整理縮減をも含めて合理化を図るように指導をいたしておるところでございます。
○三谷委員 指導がなかなか徹底しませんです。私は昨年三月ですが、その問題について特定の団体についてお尋ねしましたが、砂子田行政局長は、「各種の団体が予算の陳情あるいはその他事業のいろいろなことで各省に陳情するということのためにいろいろな経費を使う、先ほど大臣から申し上げましたように、地方公共団体の仕事というのはすべて租税で賄われておるわけでありますから、そういうものにつきましては厳正な執行をすることが大変大事であります。」住民からそしりを受けないように十分に指導するとおっしゃっておりますが、その指導によりまして幾らか改善があったのでしょうか。
○土屋政府委員 最初に申し上げましたとおり、県単位、市町村単位、いろいろとございます。非常に多くのものがあるということはわかっておりますが、私どもその全貌について承知をいたしておりませんので、どの程度それが整理をされたとかといったような具体的な数値を挙げてお示しすることはできないわけでございます。
○三谷委員 そうしますと、具体的に言えば何もしていないということになるようですが、それでは少し国会の答弁も食言に過ぎるんじゃないでしょうか。 私が調べたところでは、全国規模の陳情団体が二十二団体あります。実際もっと多いと思いますが、いま調べた範囲です。最も多いのが建設省の関係でありますが、これは全国治水期成同盟会連合会、全国河川総合開発促進期成同盟会、全国水防管理団体連合会、全国災害復旧促進期成同盟会連合会、日本住宅協会、日本下水道協会、都市再開発促進協議会、日本公園緑地協会、これに全国高速自動車国道建設協議会、道路整備促進期成同盟会全国協議会、全国道路利用者会議、都市計画街路事業促進協議会、この道路四団体、これを入れまして十二団体でございます。 厚生省の関係で見ますと、国民健康保険中央会、日本水道協会、全国簡易水道協議会、全国都市清掃会議があります。文部省で見ますと、全国へき地教育振興促進期成会、全国体育スポーツ振興期成会、全国学校給食振興期成会、これに全国公立学校施設整備期成会という義務教育に係る団体もあります。運輸省の関係では、全国空港建設整備促進協議会のほか、中央、北陸、北海道、九州の各新幹線建設期成同盟会があります。 これらの団体は、いま財政局長がおっしゃいましたように都道府県を会員として、さらにその下部組織としては都道府県ごとに市町村を会員として組織されております。また、中には市町村を会員として直接の構成員としているものもあります。全国道路利用者会議は二千百四十一の市町村の会員で組織されております。 このような形で、全国団体に直接加入しております自治体は延べ九千七百九団体に達しております。平均しますと、これは小さい町村まで加えまして、一自治体が三つの団体に加入することになるわけであります。しかも、これはすべて費用負担を伴うわけでございます。自治省は陳情団体の現状というもの、お互いに陳情合戦を繰り返して、そこで旅費や接待費をまき散らすというふうなやり方を放置しておいていいとお考えでしょうか。それから建設省、文部省も、直接の省庁として、こういった陳情政治というものは現状では必要なものだと認識されておりますでしょうか。あるいは、そんなものは何ぼ陳情したって、さじかげんに影響があるものではないということなのでしょうか、これをお聞きしたいと思うのです。
○土屋政府委員 非常に多くの団体でございますので全貌を把握していないということで、どれくらい整理されたとかいったような数字はないと申し上げましたが、事実、私どもとしてもなかなかとる手段というのはない、具体的なものはないわけでございます。しかし、財政運営通達においても——事務次官通達でございますが、その点については明確に私どもとしては指示し、地方団体に洗い直しをお願いをしておるわけでございます。何もしなかったというわけではないわけでございますが、実際の把握は不十分であるというのは御了解願いたいと思うのでございます。 それから、いまお尋ねの問題でございますが、地方団体が会員となっておる各種の団体が補助金獲得のために必要以上の陳情活動を行うということは、いわば補助金行政の弊害のあらわれでもあると存じます。この種の団体は千差万別でございますから、一律にどうこうということは断定できませんけれども、問題のある団体につきましては、地方団体としてもそのあり方について当然検討すべきでございます。それと同時に、根底にあります国庫補助金制度についても、抜本的な改善を図るということもあわせて検討しなければならない課題ではなかろうかといったふうに考えております。
○三谷委員 いまのことについて建設省と文部省の……。
○平田説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の団体につきましては、河川局所管というわけでございませんが、河川関係で三、四あるわけでございます。しかしながら、先ほど御指摘のようにこういう団体はいずれも都道県あるいは市町村等が自発的に結成いたしたものでございまして、それぞれの事業、たとえば水防の演習でございますとか、あるいは河川総合開発の事業の促進でございますとか、それぞれの事業の促進等を目的といたしまして、地域住民の一般生活に直結した活動を行っておるものがかなり多いわけでございます。 建設省といたしましては、特に河川局関係といたしましては、われわれは国民の理解と協力を得なければどうしても行政を円滑に執行することができないわけでございますので、絶えず国民一般の要望を把握しなければならぬというふうに努めておるわけでございますけれども、反面、また国としての考え方を地方の皆さん方にも御理解いただくということも心がけておるわけでございまして、そのためにはこういう団体からいろいろな会合を通じまして、意見あるいは要望をお聞きするということも非常に大切なことだというふうに考えておるわけでございます。
○梶原説明員 道路関係四団体を御指摘でございますが、全国高速自動車国道建設協議会を例にとりますと、最近では、沿道の環境対策等につきまして自主的に御研究されまして、私ども行政にいろいろな貴重な御意見をちょうだいしております。私ども、それぞれ立場の違った組織からいろいろな御意見を聞いて、公平な行政をしてまいりたいというふうに考えております。
○横瀬説明員 文部省関係についていま先生が四つお挙げになりましたが、その中の公立学校施設整備期成会について例に挙げて申し上げますと、この団体は戦後の非常に荒廃した中で、学校の施設が非常に足りないという時期におきまして、この整備をしていきたいという市町村の願いを結集いたしまして自発的にできた団体でございます。それが、昭和三十年代に幾つかあった団体が統合いたしまして一つになりまして、現在の期成会ということになっているわけでございます。 この団体は、当然ながら義務教育施設の向上といいますか、そういうものについて非常に研究をしている団体でもございますし、私どもとしては、こういった団体において補助制度をどのように改善するか、どんな意向を皆さんが持っていらっしゃるか、そういうことを知る上では非常によく研究されており、また意思疎通もよくできている団体でございまして、私どもとしては、施設整備の上でこの団体が果たしてきた役割りというものは非常に大きなものだというふうに考えております。
○三谷委員 この団体の果たす役割りというふうなことを私は聞いたのでなしに、こういう陳情をすれば予算が変わるかと聞いたんです。そういう効果があるものか、つまり、陳情運動をやれば予算の実態が変化をするというふうな扱いになっておるかというふうなことを聞いたんです。要らぬことをごもごも言わぬでよろしい。
○平田説明員 お答え申し上げます。 建設省といたしましては、これらの団体からはむしろ陳情を受けるというような立場でございまして、そういう過程におきまして、いろいろな建設省なりの考え方を御説明申し上げて、また、その団体の方といたしましては、それぞれの要路にいろいろと陳情されるということもあろうかと思います。
○三谷委員 どうも、これは答えができないようです。建設省の考えることを周知徹底するのであれば、千何百人も地方から押しかけてきて、そして大会を持って、そこで気勢を上げて大騒ぎをするというふうなことは必要がないのであって、そういう建設省の考え方を徹底するための手段はほかに幾らでもあるはずです。ところが、実態はそうではない。たとえば、これは五十二年の決算ですけれども、日本下水道協会など見ますと、千九百万円の促進運動費というふうなものを組んでいる。全体の予算を見ますと五億八千二百万円でありますが、これだけの予算があれば、そういうふうな大挙陳情というふうないわゆる陳情団体的なことをやらなくても、あなたがいまおっしゃったことは十分に達成できるはずであります。これは文部省も同じことをおっしゃっておりますけれども。 問題は、こういうふうに陳情すれば予算のさじかげんが違うのかどうか、ここが問題ですわ。それで違うとすれば、これはまた大変なことだ。違うとすれば、これは全くの浪費になってしまう。大蔵省はどうお考えなんでしょうか。大蔵省は予算編成の実権をお持ちになっておりますが、何回陳情したかによって予算の査定が決まるということが言われておりますが、事実そうなんでしょうか。
○公文説明員 先生御承知のように、予算編成は各省庁といわゆる財政当局が折衝いたしまして決めていくものでございます。しかしその過程では、できるだけ国民各層の御意見も聞きながらやっていくべきであるというのが私どもの立場でございまして、陳情もその一つの場であるという考え方には立っているわけでございますけれども、実際にその陳情が過度にわたるような場合には、私どもとしては、これはいろいろ望ましくない事態を起こすことでございますので、ぜひ自粛をしてもらいたいという気持ちでおるわけでございます。特に、御承知のように、最近のように財政事情が非常に厳しくて、歳出の節減合理化が求められておりますときには、やはり陳情につきましてもおのずから一定の節度があってしかるべきだというふうに思っております。 なお、いまおっしゃいましたように、それじゃ陳情があれば予算措置が行われ、陳情がないものについては予算措置をしないというようなことがあるかということでございますけれども、私どもはそのような考え方はとらない、基本的に私どもとしては、そういう陳情の有無によって左右されない姿勢で臨んでいるところでございます。
○三谷委員 それが事実であれば、この陳情騒ぎなんというものは全くの無意味な空騒ぎになってしまう。この陳情団体は、公費によって活動費が賄われておるわけなんです。ですから、民間の業者団体だけが業者の負担によって任意にやるというものでなしに、地方自治体が金を出しているという問題なんです。しかもそれは、大蔵省に言わせると、陳情したところで結局結果は一緒だというふうになってきますと、一体これは何のための陳情なのか、全く意味がわからなくなってしまうわけであります。 しかも、この陳情団体に入っております地方自治体が負担をします会費、この徴収方法としましては均等割り方式と事業費割り方式、こういう基準があります。特に事業費割りというのは、自治体に交付されました補助金額の何%かとリンクして徴収をする、こういうことになっておる。そうしますと、補助金を獲得するためにその一部を活動費に充てるという図式がこれほど明確な形をとっておる例はまずないわけであります。いわゆるこの陳情団体の会費の原資は、自治体の一般財源の負担であることは間違いはない。交付された補助金から出したと言われてもやむを得ないものであります。ですから、これでいきますと、補助金の目的外使用につながってくるわけでございます。 全国簡易水道協議会の事業費割りは千分の二となっている、きわめて高率であります。この協議会が集めました会費は五十五年度で四千三百万円でありますが、総活動費が一億円となっております。その半分が自治体の会費になっておるわけです。こういう公費を投じて陳情しなければ簡易水道の予算がつかないものかどうか、厚生省にお聞きしたいのであります。昨年の十二月二日に砂防会館ホールで開かれました大会には全国から千三百名参加して、国会議員も五十六名参加されたし、代理を含めて二百五十五名が参加されておりますが、こういうことがどうしても必要なのでしょうか、厚生省にお聞きしたい。
○田中説明員 簡易水道協議会が、陳情団体ということだけではございませんけれども、例年予算の時期におきましておっしゃるような陳情活動を行っておるわけでございます。予算の編成期におきまして、関係団体がその意見を集約いたしまして活動を行っておるわけでございますけれども、これは自発的な活動でございます。このような活動によってその予算が取れるか取れないかということについては、私ども財政当局そのものでございませんので、直接にはちょっと判定しかねるところでございます。
○三谷委員 大蔵省の答えによりますと、それは予算の編成には関係がない、こういうことでありますから、結局むだな踊りを踊っているということになってしまう。しかもその財源が、いま財政難で苦しんでおります地方自治体の負担に多く依存しておるという状態にあるわけでございます。 文部省に聞きますけれども、全国公立学校施設整備期成会、これは会長が長崎県の知事でありましたが、昨年の十二月四日に大会を開いておりますが、その場所、参加人員、文部省側の出席者、その他衆参からの出席者等はどれくらいの数であったでしょうか、お聞きしたいと思うのです。
○横瀬説明員 いまお尋ねの全国公立学校施設整備期成会が昨年の十二月四日に臨時大会を開きましたが、そのときの開会場所はホテルニューオータニ、参加人員は約九百人でございます。それから出席しました文部省の職員でございますが、文部大臣、管理局長、それから私以下数人でございます。それから、出席なさいました衆参の国会議員の先生方の数は約三十人でございます。
○三谷委員 この全国公立学校施設整備期成会の五十五年度の自治体の会費負担総額は千三百五十六万円と聞いておりますが、間違いありませんか。事業予算全体が千四百四十八万円であって、そのうち自治体の負担するものが千三百五十六万円となっておりますが、これは間違いないでしょうか。
○横瀬説明員 そのとおりでございます。
○三谷委員 この中で、事務費を除きました運動経費が七百六十万円になっております。いまの総会費などをのけまして三百万円というのが使途不明のものになっておりますが、この経費は何に使われたのか。文部省への陣中見舞い、しょうちゅうやミカン、長崎の知事が会長でありましたから、これが持ち込まれておる。幹部との会食等々、打合会と称しておりますが、こういうところで三百万円というものが使われておるというふうに見られますが、その点はいかがでしょうか。学校の補助金の扱いにかかわって会食、宴会等を行うことは、まことにけしからぬと私は思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○横瀬説明員 これはその団体の予算の内容でございますので、私どもからうかがい知れないところもございますが、お聞きしたところでは、いまおっしゃった会議費の——会議費といいますか、事業費七百六十万円の内訳として、総会費とか役員費とかそういうものを抜いたものが協議会費という名前になっているわけでございます。その協議会費は何に使っているかというお尋ねだと思いますが、これは団体にお聞きしましたところが、役員会というのが、この規約の中にはっきり評議員会というのが決まっておるわけでございますが、それ以下の機関として、たとえば在京参事会であるとかあるいは幹事参事合同会議であるとかあるいは在京文教担当者の研修会、そういうような小さな会議がございまして、そういうものと、それから予算の時期の予算対策本部の設置費というようなものの経費でございます。それだと言っております。 これは、内部でもってどのような使われ方をしているかについては団体の問題でございますので、その辺はわかりませんけれども、少なくとも私ども文部省の者がこの団体と一緒になって、いわばいまおっしゃったような席をつくって使うというようなことは決してしておりません。
○三谷委員 しょうちゅうやミカンを余りしつこくお尋ねするのもどうかと思いますから、これはおいておきますけれども、予算編成期に各団体が動員をかけましてそれぞれ総会を開く。五十六年度予算編成期に当たりましては、各団体の総会に全国から一万四千人に上る自治体関係者が参加しております。大変な時間と経費と労力の浪費でございます。道路特定財源を守るために昨年の十月七日と十二月十七日に開かれました道路関係四団体の会議、これなども、これはもともと建設省の完全な演出によるものでありますが、これらの会議の参加者は、少なく見積もって仮に一泊二日三万円の旅費が支給されたとしますと、少なくとも四億二千万円の経費がこれで消えてしまうということになってくるわけでございます。 こういう陳情行政というものは、行政改革以前の問題として速やかに是正をしなければいけない。こういうものをこのまま残しておいて、一方で行政改革とかなんとか言ったところで、これは全くの口頭禅にすぎなくなりますから、こういうむだ遣いについてきっぱりと自治省としての見解と指導をしてもらいたい。こういうむだ遣いができるのも、自治省流に言えばこれは富裕団体であるということになってしまうのです。だから、そこは全面的に公正に物事を扱っていかなければならないという大きな教訓だと私は思いますが、この点についてはどうお考えでしょうか。
○土屋政府委員 限られた補助金でございますので、陳情することによって理解を深めてもらい、配分が来るということは、それ自体悪いことではないのでございますけれども、なるべくよけいにということがだんだん高じまして、必要以上に予算獲得のために駆け回るというようなことは、補助金行政の一つの弊害だと言わざるを得ない面もあろうかと思うのでございます。そのために、地方団体が金を出してつくっておる協会等がいろいろと多くの金を使うということは、いろいろ問題もございます。そういったことで私どもとしても、外郭団体なり各種協議会等に対する分担金、補助金等については、運営の実態なり分担金等の使途を十分に精査して、真に必要と認められるものに限って負担を行うように整理縮減を図ることということで、事務次官通達も出しておるわけでございます。 現実問題として、補助を要請するために多くの人が上京して陳情に駆け回るということは、私どもとしては前々からいろいろな会合の機会にも指導しておるわけでございますけれども、補助金をよけい取りたいという心理が働くのか、そういうことが結構ございます。通達でも指導しておりますが、今後とも一層その点についてはそれぞれの団体で、行政改革等も行おうという時期でございます、より一層引き締めていただきたいというふうに私どもも思い、かつまたそういった指導も強化してまいりたいと存じます。
○三谷委員 建設省にお尋ねしますが、全国河川総合開発促進期成同盟会の会長はだれでしょうか。全国災害復旧促進期成同盟会連合会の会長はだれでしょうか。全国水防管理団体連合会の会長はだれでしょうか。全国高速自動車国道建設協議会の会長はだれでしょうか。
○平田説明員 全国河川総合開発促進期成同盟会の会長は瀬戸山三男さんでございます。全国災害復旧促進期成同盟会連合会の会長は亀岡高夫さんでございます。全国水防管理団体連合会会長は三池信さんでございます。
○三谷委員 全国高速自道動車は。
○梶原説明員 お尋ねの全国高速自動車国道建設協議会の会長は、灘尾弘吉衆議院議員でございます。
○三谷委員 この四団体の会長は、現職の自民党の国会議員さんですね。それから全国治水期成同盟会連合会の会長はだれでしょうか。それから、副会長には国会議員が就任されておるわけでしょうか。
○平田説明員 全国治水期成同盟会連合会の会長は米田正文さんでございます。副会長は、国会議員の山内一郎先生それから同じく参議院議員の古賀雷四郎先生が、四名のうち二人就任されております。
○三谷委員 この陳情団体の問題の一つは、そういう自治体の公費の浪費という問題がありますが、もう一つは、これが集票機構化されて政治目的のために利用されてきておるという問題があるわけであります。それに地方自治体の組織が利用されるということは、選挙の公正からいってもよくないことだと私は思うのです。ですから、これでは幾ら行政改革を叫んでも、この弊害が指摘されても、なかなか簡単に改善が進まないということになるだろうと思います。 行政改革に際して一割の補助金カットなどということが言われておりますが、そうなりますと、先ほどの道路財源の移譲に建設省の圧力団体が猛烈に反対したと同じように、一割削減反対の圧力団体の活動が活発になることは目に見えておるわけでございます。つまり、行政改革を阻害する大きな拠点として、これらの圧力団体、陳情団体というものが存在しておるわけでございます。自治大臣、こういうものの中で行政改革を真にやるとしますならば、これは重大な決意が要るわけでありますが、これについて大臣の所見を聞いておきたいと思うのです。
○安孫子国務大臣 陳情の問題については、非常に問題があるのではないかというのは一つの世論になっておるわけでございます。しかしながら、陳情という問題については、政治の場におきましてやはり現実的には一つの力のあるものでもあるわけです。したがいまして、そうした期成同盟会等ができることは、私は、これを禁止するとかやめさせるというわけにはまいらぬだろうと思います。そういう存在は認めざるを得ないと思います。ただ、この活動が社会の指弾の的にならないように、適正な形において行われるように希望しておるものでございます。
○三谷委員 少しそれはとんちんかんなお答えであって、行政改革をするについては、この種の、一種の集票機構化しました陳情団体というのが大きな障害になってくる、よほど決意が要るだろう、その決意を承りたい、こういったわけでございます。 それから、いまのこの陳情団体が適正な活動をしていることは反対ではないとおっしゃる。それはわかり切った一般論であって、余り適正でない、つまりいまの財政難に苦しみます地方自治体の困難な財政の中から運動費を捻出して、そして何億という金を使って、そして補助金の取り合いをしておるという状態がよくないということを申し上げたわけであって、その初めに返って一般論で、陳情団体よし悪しというのでなしに、いまのような状態の陳情団体は、これはよくないということを申し上げたわけでございます。
○安孫子国務大臣 したがって、いまの陳情の形あるいは実態というものが少し乱に及んでいるのじゃないかというのは、それは批判の対象になっているわけですから、そこはやはり慎むべきだろうと私は考えております。
○三谷委員 そこで、行政改革を進めます場合に、たとえば補助金問題一つとってみましても、このような団体が横行ばっこしている状況の中で、果たして補助金問題の改善ができるだろうかという疑問があるわけでありますが、この点について大臣の決意をお聞きしたいということを申し上げたわけです。
○安孫子国務大臣 やはりこれからの行革の問題として、一つの補助金問題というものは取り上げられるわけでありますが、その際に、いまお話のございましたような従来の陳情団体の非常な活発な動きというものは、一応は予想されるわけでございます。しかしながら、それを乗り越えて、どうしても今回は補助金の整理をせにゃいかぬという決意を持って、政府として当たってまいるつもりでございます。
○三谷委員 その決意に大きく期待するものでございます。 それで、もう一つお尋ねしておきますが、交付税制度をめぐる政府の処置ですね。この問題は、もうこれは七年になります。七年にわたりまして根本的な解決を見ていないということは、先ほどからいろいろ答弁があったわけでございますが、この問題の一番根本になりますのは、交付税特会の借り入れを半分地方が持つという問題なんですね。 元来言いますと、基準財政需要と基準財政収入の差額は、これは全部国が保障するというものであって、国が保障する以外には地方には財源はないわけですから、国が保障しなければいけない。ところが、特会の借り入れの半分だけ国が持つ、半分は地方が持て、こういうわけです。そして地方が持つかわりに、将来におきましては財政需要額としてその分は算入する、つまりその分は交付税として支給する、こうおっしゃっている。交付税が足りなくて特会で借り入れをして、そして地方が半額負担をする。その半額負担する分は、特交でまた見ると、こうおっしゃっている。特交が足りなくて困っておるのに、また特交で見ると、こうおっしゃっているわけなのでしょう。つまり、解決つかない矛盾というものをほおかぶりしたままで、七年間たってきたわけであります。 ですから、こういう状態では制度の改正というふうなことは言えませんから、償還財源ははっきりと確保して、そうしてこの問題の解決を図るとおっしゃるのであればわかりますけれども、償還財源はない、交付税で将来見る、その交付税が足りないわけですから、結局、先になっていけばどうなっていくわけなのでしょうか。
○土屋政府委員 御承知のような財政の状況でございますが、財源不足額が膨大なものにはなっておりますが、財政対策としては、必要な交付税は確保しておるわけでございます。その確保するのが、現在のいわゆる国税三税の三二%では足りませんので、借入金等をもって埋めておりました。当該年度それ自体には、財政運営に支障がないようにしておるわけでございます。 ただ、その借り入れた分の返済に当たっては、実質的に二分の一を国が持つ。したがって、二分の一は地方が負担をするということでございますが、私どもとしては、いまの国、地方を通ずる財政の状況から見れば、全部国の負担でということではなかなか容易でないという状況のもとで、五十二年度にいまのような仕組みができたわけでございまして、したがいましておっしゃいますように、当分の間はその返済金というものが出れば、それは財政需要に組み込んで、そして需要も十分対応できるような財源措置をする。 その場合に、交付税が足りないときは借り入れをやるということはあり得るわけでございますが、私どもは、せっかくいま財政の健全化を目指して進んできておりまして、財源不足も徐々に減ってきております。まだ抜本的な改善には至っておりませんけれども、そういった方向へ持っていきたい。その過程において、いまおっしゃいましたような懸念はないようにしたいというふうに考えておるわけでございまして、きわめて短期間に全部措置ができて、借り入れたものも返すというようなことができればいいのでございますけれども、国、地方を通じての膨大な累積赤字を抱えた現状のもとにおいて、かつまた、毎年収支の不均衡が続いておる状況のもとではなかなかなし得ませんので、こういう状況になっておる。 将来見通しはというお尋ねでございますが、私どもとしては、ようやく財政再建への一歩を踏み出したと思っておりますので、なるべく早急にこれが解決できるようにしたい。そのためには抜本的な見直しを行いながら、たまたま行政改革等を強力に行おうという状況でございますので、そういった検討を通じまして、財源措置等も考えて改善の方向へ持っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○三谷委員 去年も学者の方に来てもらって、参考人の質疑をやりまして、そうして三人の学者の方ですか、異口同音におっしゃったのは、いまの政府の交付税に対する措置は妥当でないという意見でありました。国の財政事情と交付税の問題を連動させてはならないということをおっしゃった。国の財政事情といいますのは、国の政策の問題と必ず連動するわけでありますから、たとえば防衛力を一%にするというふうな政策を掲げておって、そうして財政難だからと言ってそこで交付税を削るというようなことをやられますと、これは本末転倒であるということが言われておりました。そうして、毎年度におきまして特例措置をとるような制度改正なんてあり得ないということもおっしゃっておったのです。 やはりこういう学者の皆さんの意見なども少しは真剣に反映させてほしいと思うんだ。そうしなければ儀式をしているようなものであって、毎年来てもらって参考人質疑をする、そこでいろいろな意見が述べられる。ところが、それは一向に政府の財政措置の中には反映をしないという状況が続いておりますが、ことしも学者の方の参考人質疑があるわけでありますが、先ほどから盛んに、陳情問題については世論を聞くとかニーズを取り入れるとかおっしゃるわけですから、その点からいきますともう少し学者の方の意見なども取り入れるようにやってほしいと思います。これは希望を申し上げておきまして、ちょうど時間になりましたからこれで終わらしていただきます。
○左藤委員長 田島衞君。
○田島委員 地方交付税法の一部改正についての質疑に入る前に、その前提として昭和五十六年度の地方財政計画に関連して、一、二点聞いてみたいと思うのです。 まず、その歳入についてでありますけれども、地方税、特に普通税の歳入見込み、この見込みは一体いつごろ把握された数字なのか、その点できたらまず……。
○石原政府委員 五十六年度の地方財政計画上見込んでおります地方税収入の見込み額につきましては、昨年十二月末の段階で見込まれた五十六年度の経済通見し及び五十四年度の徴収実績その他を基礎として作成したものでございます。
○田島委員 昨年十二月末の経済通見しと、それから五十四年度の徴収実績ということになりますと、相当その後の経過の中で軌道修正をしなければならぬ性格も実際あるだろうと思うのですけれども、その点についてはどういうふうに把握されているか。
○石原政府委員 国の予算編成が年内編成ということに合わせまして、地方財政収支全体の見通しも立てるわけでありますから、どうしてもその時点で使い得る最新のデータとしては、決算見込みは五十四年度、それからその年度の徴収実績も把握できるものは使うわけでありますが、それから経済通見しは年末時点での経済見通しということにならざるを得ないわけであります。これは各年度いつもそうしているわけでありまして、したがいましてその時点に見通した経済情勢等が、年が変わってから大幅に狂ってくることになれば、当然地方財政計画上の税収見通しも変わってこざるを得ないわけであります。五十六年度の税収見通しにつきましては、私どもは、現段階においては地方財政計画上見込んだ要素について、大きな、根本的な変動というものはないのではないか、おおむね政府の見通しの線でいくのではないか、このように考えているところでございます。
○田島委員 断っておきますけれども、やはりこういう計画をつくるには必要な時間、準備期間というのがありますから、したがってその準備期間を考えての時点で資料をつかまなければならぬ、それはよくわかります。だから、別に、最近の実情からすれば、これが合うから合わぬから、それじゃ不適当だ、そんな議論をするつもりはありませんから、その点はひとつ御心配なく。 そうじゃなくて、政治というのは生きているものですから、この地方財政計画そのものの妥当であるかどうかという問題とはまた別に、その後はどのように動いているのかということを知ることもわれわれの大変貴重な知識の要素、認識の要素でありまして、そういう意味で伺っているのですから、そのような認識の上で安心してお答えをいただきたいと思うのです。 そこで、もう一回伺いますが、いまのお答えの中での昨年末での経済見通し、それが今日でもやはり狂いはなかったと思われるか。どういう点で狂わないか、あるいはこういう点で多少変わってきていますというか、これは勉強のためですから、率直に聞かしていただきたいと思いますけれども、同時にまた、この地方財政計画の基礎になっておるところの数字をつかんだその時点と、その後の実績の中で狂いがあると考えられるかどうなのか、その点もひとつ、もしお聞かせいただけるなら聞かしていただきたい。
○石原政府委員 税収見通しのベースとして使いました各種の経済指標は、五十六年度の政府の経済見通しの諸指標でございます。したがいまして、政府といたしましては、五十六年度の経済見通し全体について現段階ではおおむねその線で行くもの、このように考えておるところでありまして、その点を申し上げたところであります。 しからば、十二月から今日まで三カ月、四カ月近く経過しているわけでありますが、その時点で用いたたとえば過去の税収の実績その他の面で、その後動きがあるか、変わったものがあるかという御指摘でございますが、たとえば法人の所得の月々の動きなどを見ますと、月によっては昨年十二月時点で考えたよりもよくなったものもありますし、月によっては悪くなったものもあるということは事実でございます。ただ、それが年度全体を通じて地方財政計画の推計の基礎に大きな修正を要するようなほどのものであるかどうかは、現時点ではまだ正確にはつかみ切れないということであろうと思います。
○田島委員 ほかの問題とも当然関連をしてくるでしょうし、後でまた大蔵さんからも聞かしてもらいたいと思っているのですけれども、昭和五十五年度の税収の実績、やはり多少は見通しと違ってきているはずなんですよね。違ってきていなければ大変いいなと思うところもあるのですけれども、違ってきているはずだと思うのですが、その違いについての認識はどうでしょうか。
○石原政府委員 五十五年度の税収の最終実績がどうなるかにつきましては、もう少したたないとはっきりしないわけでありますが、これについては、全体として申しますと、五十五年度の地方財政計画において見込んだ額に対して、現時点での動きを見ますと、たとえば法人関係税については若干計画を下回るのではないか。それから、自動車関係税につきましても、地方財政計画の見込みを下回るのではないか、このように思われます。これは、ことしの二月末の道府県税の徴収実績などから推計いたしますと、法人関係税あるいは自動車関係税においては、当初の見込みを若干下回るのではないかと思います。 しかしながら、個人の住民税あるいは個人の事業税、それから不動産取得税、料飲税等の税目においては、地方財政計画の収入見込みを若干上回っておりまして、道府県税については全体としては地方財政計画の収入見込みを若干、ごくわずかでありますが上回るのではないか、このように見込んでおります。 一方、市町村税につきましては、これまた法人関係税と軽自動車税などについては計画を少し下回るおそれが強いわけでありますが、また一方住民税の所得割あるいは電気税、こういったものにつきましては、地方財政計画上の見込み額をかなり上回るものと思われますので、市町村税については、全体として地方財政計画の収入見込みを相当程度上回ることになるのではないか、このように現時点では見ております。
○田島委員 そういう見方で総体的に見るとどうですか。年度末、三月三十一日でやはり出るものはもうはっきり出ておるわけですよ。もちろん出納閉鎖、五月三十一日を待たぬと本当の数字というのは決まらぬし、それからまたその後で整理しなければならぬですから、それはさらにずれてくるわけですが、ある程度のものは現在つかめているはずだと思うのですけれども、そのつかんだ状況の中では地方税総額においてはどうですか。
○石原政府委員 地方税全体といたしましては、地方財政計画上の収入見込みに対して、少なくとも二、三千億以上回ることは間違いないと見ております。もちろんこの数字は、超過課税による収入額は別でございまして、超過課税を別にして標準税率ベースで計算しましても二、三千億は上回るのではないか。これは二月末の徴収実績を基礎にして推計したわけでございますが、確実に上回るものと、このように見ております。
○田島委員 今度は歳出について伺ってみたいと思うのですけれども、給与関係経費と投資的経費のバランスは大体財政計画としては、現在ここにある数字じゃなくて、本来望ましいのはどのようなあり方だと考えておりますか。
○土屋政府委員 給与関係経費と投資的経費というもののバランスということで、あるべき姿ということでございますが、具体的にこれがいいという明確なものは私としてもお示しし得ないわけでございますが、一般的には、給与関係経費というものが余り多くなるということはどうであろうかという考え方はあろうかと思います。ただ、地方財政について申し上げますと、給与関係経費の中には、たとえば教職員の給与あるいはまた警察官の給与といったようなものがございますから、給与そのものがいわば行政であるといったようなものもかなり含まれておるわけでございますから、なかなかそこは一概には申せないと存じます。 ただ、最近の状況を見ますと、四十七年ごろで給与関係経費が全体のシェアで三〇%、投資的経費が三九・二%ということで、大体給与関係経費の方が下回っておりますが、五十年、五十一年度がかなりベースアップ等もございましたせいか、たとえば五十年で申し上げますと、給与関係経費が三四・七%、投資的経費が三二・八%ということで、五十一年度も似たような傾向でございます。あとは皆投資的経費の方が高いわけでございます。 ただ、その割合が全体で幾らが望ましいかということは、ちょっと私どもとしても、計数的に申し上げるという根拠は持っていないわけでございます。
○田島委員 計画という言葉の意味に関連すると思いますけれども、実態の中でやりくりすることを計画するのが計画なのか、その意味も地方財政計画には全然ないとは言えぬでしょうけれども、同時にまた、この地方財政計画というのは、望ましい地方行政の確保を図るために必要な財政ということを考えての財政計画という性格も、本来はあっていいはずだと思うのです。とすれば、そういう財政計画を立てるには、できれば、そのバランスは少なくともこの程度であってほしい、これ以上バランスが崩れることは望ましくないという考え方がそもそもあってしかるべきで、それがなくて果たしてこの地方の行財政の指導なり何なりができるだろうか。 いままさに、行政改革というのは国ばかりじゃなくて地方の行政改革も取り上げるべきだという強い風潮の中にあり、しかもそれは妥当だろう、当然のことだろうと思いますけれども、そういうときだけになおさらに、その給与関係経費と投資的経費のバランスがどの程度であることが望ましいかについて定説がないというのは、いささかおかしいと思うのです。 もちろん、いまお話しのとおり私も承知していることでありますが、たとえば警察、消防、教育者あるいは清掃、それですべてじゃありませんけれども、職員そのものの動きがすなわち行政サービスである部分がありますけれども、しかしその部分は決して大多数を占めるものではないはずでありますから、そういう意味ではやはり給与関係経費と投資的経費のバランスというのは、それらの内部事情も含めた上で考えられてしかるべきだ、こう思うのですけれども、いまのところその基本的考え方がないならないでそれは構いませんけれども、あるなら率直に、余り遠慮しないで聞かせてもらいたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○土屋政府委員 最初に申し上げましたように、余り給与関係経費が高くなるのはどうかという一般的なことは申せると思いますが、この間のバランスというものは、そのときどきの情勢によっても異なると思うのでございます。 たとえば、財政が非常に逼迫いたしまして、公共事業等も二年続いて横ばいというかっこうでございますが、そういう場合は補助事業等はぐっと減ってくるわけでございます、伸びが少なくなるわけでございますから。給与関係についても、全然ベースアップがなければ別でございますけれども、やはり若干ずつベースアップをしていくとなれば、そこにアンバランスが、若干のバランスは前の年よりは変わってくるということもございましょうし、そういった意味で明確にこれとこれ、こういった形でのバランスがよろしいんだということは、残念ながら私どもも持ってはおりません。 ただ、いま申し上げましたように、過去の例から見て人件費が三〇%を非常に多く超えるということは、この十年間くらい見てもそんなにはないわけでございますから、その時代によるそのときどきの情勢によっていろいろと変化はございますけれども、余りにも人件費の構成比が高くなるということは、全体としてよくながめて考えていかなければならない問題であろうというふうに考えておるわけでございます。
○田島委員 その点についてはそう深追いをいたしませんけれども、一般の企業と行政とは同じ土俵で論ずるわけにはいきませんけれども、もし一般の企業だったらそのバランスは大体どの程度だと考えるのが常識でしょうか。
○土屋政府委員 企業と申しましてもいろいろなものがございます。非常に人手を要する業種もございますし、きわめて機械化されたものもございますから、そこらはちょっと私も何割程度かということは残念ながら、余りにもこれは変化が多いと思いますので、これくらいがいいということはちょっと申しにくいと私自身思っております。
○田島委員 もう少し勉強しておいていただきたいと思います。 さて、次に移りますが、今度は公営企業の繰出金に関連して伺ってみたいと思うのですけれども、本来公営企業というものの性格、その健全な経営のあり方を守るために繰出金というのは、いまのようなやり方で繰り出しをすることが望ましいのか望ましくないのか、その点について。
○金子政府委員 公営企業の繰出金には、法律の考え方といたしまして、その性質上、公営企業の収入をもって充てることが適当でないもの、あるいは、たとえば僻地病院などが典型的な例でございますけれども、その収入だけではその経費を賄うことが客観的にも困難であるものにつきましては、繰り出しをするということにいたしております。 ただ、現状を見ますと、おおむねこういった繰出金についての考え方に沿って各地方団体は繰り出しを行っておりますけれども、場合によりましてはこういった考え方から逸脱をした、必ずしも効率的な運営が行われていない、それによって生じた赤字に対して穴埋めのために繰り出しをするというようなことも、間々見られるということがございます。
○田島委員 おおむねはいまの御説明、言いかえれば法的に義務づけられた形での繰出金でやっていると思うけれども、中にはと、こういうことですけれども、私はその逆で、おおむねは法的に義務づけられたような繰出金を逸脱してやっておる。もちろん、形は逸脱しないように糊塗している場合も多いでしょうけれども、実質的には逸脱した形で繰り出している場合の方が多いと思うのですけれども、違いますか。——違いますかなんて問いちゃまずいのかな。どうですか。
○金子政府委員 全体の数字で申し上げますと、ただいま出ておりますのは五十四年度の決算の数字でございますが、地方財政計画上、繰出金として計上されておりますものが七千二百四十九億ございます。これに対しまして繰出金の実績が九千十八億、したがいまして、計画よりも実績の方が千七百六十九億上回っておるわけですが、このすべてが必ずしも不適当なものとは申しませんが、その内容を見ますと、その大部分が下水道事業、それから残りのうち二番目に大きいものが病院事業というふうになっております。 下水道事業の中身を見ますと、これにつきましては徴収すべき負担金を必ずしも徴収しない、あるいは使用料につきまして必ずしも適正な額の使用料を定めていない、そのために生ずる赤字を繰り出さざるを得なくなっておるというようなものが見られます。病院につきましては大体問題はないとは思いますけれども、一、二におきまして、やはり必ずしも能率的な運営が行われていない、それについての赤字を繰出金によって補てんをするという例が若干見られております。
○田島委員 公営企業というのは、おおむね、例外なしと言っていいくらい赤字なんですよ。それでなくても、国、地方を問わずその財政はまことに苦しい状況ですけれども、そういう中でも、公営企業というのは判こで押したように赤字。ところが、その公営企業というのは、先ほど来御説明のとおり、本来は独立採算でやるべきものだ。そして、一般会計からの繰り出しというものは、法的に義務づけられだもの、当然一般会計から繰り出してやらなければそれは無理ですよというような性格のものであるべきなんだけれどもそうでない。 そういう一連の事実から見てくると、一般会計からの大変話のわかったような繰り出しの仕方というのが、むしろ公営企業をだめにしているのじゃないか。みずから健全化への努力をすべきものを、その努力をさせずに、しなくても済むようにしているのが繰り出しのやり方じゃないか。とすれば、繰り出しということは公営企業をどんどんだめにしているのではないか、私はそう思わざるを得ないのですけれども、その点についてはどうでしょうか。
○金子政府委員 本来の趣旨からいたしまして、繰出金というのは、公営企業と他の会計との間の負担区分を定めるものでございます。それによりまして、公営企業が自己の責任によって能率的な運営をする、そのために繰出金の制度が定められているものでございますので、そのような考え方を守って効率的に運営をしていってもらいたいというふうに考えております。
○田島委員 大変細かい話ですけれども、たとえば下水道関係、その職員が大変大事な仕事で、時と場合によると、しょっちゅう残業もしなければならぬ、朝早くも出なければならぬということで、四十八時間勤務体制を要求された。その四十八時間勤務体制を要求されたことに伴って、当然特別勤務手当を組合は要求して、これを通称四八手当と言っておる。 ところが、その後組合側の方で、何で下水道関係だけ四十八時間勤務をさせるのだ、通常勤務に戻せということの要求が強くなって通常勤務に戻った。ところが戻らぬものがある。何だと言ったら、その特別勤務手当だけは戻らない。なぜ戻らないか。一度支給したものを取り戻すことは労働条件の悪化だと、こう言う。そういうことがまかり通っているんですよ。これは一つの例をある公共団体の下水道にとったのです。 それから病院事業。患者さんがひいひい、ふうふう言っている。なぜかぽかぽか暖かくなって暑くてしようがないのに、ストーブだかスチームだか、一生懸命暖房をやっている。しようがないから、窓を水平にあけて暑さを逃がして、やっとちょうどいいぐあにしている。何でそんなことをしているか。何月何日までは暖房をやることになっているからやっているのだ、こう言うのです。これも一つの例です。 それから今度は公営バス。公営バスと私営のバスが並んで走っている。公営バスの方が先を走っていたにもかかわらず、悠々と追い越させるというか、私営バスの方が追い越していく。そして、私営バスは先に停留所へ着いてお客さんを拾う。公営バスは、どうぞお先へと譲る。それでだれもいない停留所のところを、ああこれで手数がかからなくていいと、こう通っていく。これでは、公営企業が赤字になるのはあたりまえじゃないですか。 しかも、そういう経営努力に欠けている公営企業に対して、足りないからといって——もちろんかっこうはつけているのです、ただ足りないからといって出しているのではないことは知っています。一応何らかの形はつけておるけれども、実質的にはまことに望ましくない繰り出しをしている。この姿勢についてはもうそろそろ改めなければ、公営企業をだめにしてしまうか、しからずんば公営企業なんかもうやめてしまった方がいいのではないかという議論が出てくると思うのですけれども、どうでしょうか。
○土屋政府委員 公営企業は、先ほども審議官から申し上げましたが、病院においては、不採算地区であってもやらなければならないといったような使命もございますし、下水道について、雨水分についてはある程度一般会計が分担するということもございます。いろいろなことがございますから、その繰り出していることはそれなりに理由はあるわけでございます。 ただ、いま御指摘のございましたように、いろいろな勤務手当とかあるいはきわめてむだが多いとかといった面で、非常に効率とか能率という面で問題があるという点は、あるだろうと私も存じます。しかし、行財政全般について効率化、能率化が言えるわけでございますけれども、独立採算を原則としております公営企業では、特にそれは要請されるとは思っております。いわば親方日の丸といったようなことについなりがちかもしれませんが、そういうことは許されることではございません。各事業を経営する地方団体でも、改善合理化には努力をされておるわけでございますが、引き続いて経費の節減なり職員の適正配置なり、いろいろと努力をしていただきたいと私どもも思っております。 実態については、御指摘の点が地方団体によっても、あるいはまたその病院なり何なりそれぞれの事業体によっても違うと思いますけれども、やはりむだがあるという点は反省をしなければならぬ点があるだろうと思っております。効率化、能率化という点について一層努力をしなければならないと考えております。
○田島委員 先ほども申し上げたとおり、行政改革というのは中央ばかりじゃなくて、地方もやらなければ本当の成果が上がらない。したがって、当然に地方行政に対する行政改革、財政改革ということも、どんどん真剣に論議されるようになると思うのですけれども、自治省というのは地方団体に関係した仕事をやっておるわけですから、一足お先に、よそから言われてどうこうじゃなくて、自治省みずからが、いや、もうそれについては、これこれこのような調査資料とそれに対する改革の案を固めてますよぐらいの姿勢が欲しいと思うのですけれども、大臣、いかがでしょう。
○安孫子国務大臣 そういう方向で自治省としても進むべきだと、私も思っております。
○田島委員 せっかく、賢明なる大臣がそういうふうに思っていてくださるんですから、言うならばその参謀とも言うべき幹部職員の皆さん、そのためにはやはり資料が必要ですからね。だから、役所の中へこもっているんじゃなくて、電話で報告聞いたり資料で報告もらって、それで机の上で考えているのじゃなくて、たまにはもう少し、中曽根長官じゃないけれども、飛行機で飛ぶ必要はないんだから、ぼちぼち表へ出ていって現地で実態を調べてみるような意欲ないですかな。どうですかね。
○土屋政府委員 いまおっしゃいましたことは、私どももよく理解できるわけでございますし、いまの情勢は、厳しい財政状況のもとで本当に国民も真剣に行政改革ということを望んでおります。私どもとしても、それにこたえなければならないと思います。いろいろな機会ごとに、私どもとしては、地方団体が率先してみずから計画的に合理化を進めてもらいたいということを訴えておりますし、いまの質問とはちょっとかけ離れますが、いままで報告としてもらっておるものも、いろいろな面で地方団体は努力していること、これは事実でございます。しかし、全般的に見れば、まだ率直に申し上げて、定数の問題とか給与の問題とかいろいろと意見がございます。そういう点も引き続いて努力をしなければなりません。 そういった意味で、私どもは上京してくる人からはじっくりと実態も聞くわけでございますが、自分たちでも、きわめて少ない機会でございますが、出かけたときはいろいろと実態も見ておるつもりでございます。そういう機会ができれば、私どもとしてもおっしゃるような方向で、ぜひ実態を見た上でいろいろと判断するための材料にさせてもらいたいと心から願っております。
○田島委員 これらの一連の問題は、地方交付税法にも大変関連が深い。現在すでに地方交付税法そのものが、いつも言うとおり、厳しく言ったらもう法の存在する意義を持っていない、なくたっていいじゃないかという状況になってしまっていると思うし、そういうときだけに地方財政というものを本当に健全化するためには、よほどの決意を持って臨んでいただかなければいけないと思うのです。たとえば、冗談抜きで、地方の方へ実地調査に行かれても、そこで歓迎されるようじゃ困るんです。よくおいでくださいましたなどと、歓迎されて帰るようではだめなんです。むしろ、もう二度と来てくれるなと塩をまかれるぐらいの覚悟で行かなければ、これはよりよいあしたは生まれてこないと思うので、ぜひその点をお願いしたいと思います。 続いて、今度は本論の地方交付税法の一部改正に入らせていただきます。 まず、今度の法改正、修飾抜きといいますか、お飾り抜きで、ずばり今度の法改正でのねらいは何なのか。そんなことを聞くのはやぼだ、ちゃんと提案理由書いてあるじゃないか、説明もしたじゃないかと言うでしょうけれども、そのとおりなら何も聞きはせぬので、その書いてないもの、言ってないもの、言わない中にあるところの本音を聞かせてもらいたいと思うのです。
○土屋政府委員 私どもといたしましては、今回の交付税法の改正のポイントというものは、各種の制度の改正なり社会経済情勢の変化に対応し得る地方の財政負担につきまして、全体としての交付税の総額を確保する、これが第一でございます。そのために、厳しい財政状況のもとでございますから思い切ったことはできませんでしたが、いろいろと特例を設けて対応したということでございます。それと同時に、個々の地方団体に対して、的確な財政措置を講ずるために単位費用の引き上げ等を行うということでございまして、まさにそれが改正のポイントでございまして、それ以外には他意はないわけでございます。
○田島委員 もちろんそれは、こういう席で聞く方も少し常識がないのかもしれないけれども、答える方も答える言葉の範囲があるだろうと思います。だからといって、やっぱりある程度の真実はお互いに合意されなければならぬ。そこでもう一回聞くわけですが、別に言葉にこだわるわけじゃありませんけれども、改正というのは改め正しくするのですね。一体、今度の改正案によって地方交付税法というのは、どこがどういうふうに本来の交付税のあり方に近づいたか。——わかりますか。今度の改正によって、地方交付税法というものが目的とする本来の姿、本来のあり方に、どこがどういうふうに近づいたか。本当は、近づいてなければ改正じゃないですね。地方交付税法というものの目的、あり得べき姿からどんどん崩れてきているわけですよ、事実、間違いなく。 大体、何とかに関する特例ということがあること自体がそうなんで、特例というのはあるべきものじゃないですよね。特例を設けないとどうにもならぬから特例をつくる。公債だってそうで、四条公債だけでちゃんとやっていれば特例公債なんて要らない。ところが、四条だけではどうにもならぬから、いわゆる特例と名をつけて特例公債というものを引っ張り出して、背に腹はかえられぬから何とかやりくり算段するわけです。同じように地方交付税法だって、附則の中で何々に関する特例を設けることは本当はやるべきことじゃないですけれども、そうせざるを得ないからやっておるわけです。したがって、その特例措置がどんどん少なくなっていく、特例という字のつくものなんか徐々になくなっていくことだって、本来法改正の一つの意義であり、なるほどなとうなずかせるところです。 今度の中で確かに財対償、財源対策債ですか、これを減らした。これを言うならば一種の、国の特例公債の依存度を減らしておるようなもので結構なことだと思いますけれども、確かにそういう点は一部認められるけれども、全体として、それじゃ一体どこがどういうふうに法の本当に目的とするところの姿に戻し得たのか。あるいは私の認識不足があるかもしれません。なるほどな、それは結構なことだと言ってうなずくようなことを聞かせてもらえるかもしれませんけれども、その点ひとつ率直に聞かせていただきたいと思うのです。
○土屋政府委員 申し上げるまでもないことでございますが、地方交付税は、それぞれの団体が標準的な事業をすべて執行できるように財源を保証しようというものでございます。もちろん、財源調整的な機能も持っておるわけでございますが、そういった財源を保障するという機能を持っておるわけでございますから、私どもとしては必要な行政需要に対応できるような交付税の額を確保しなければなりません。それがいわゆる国税三税の三二%で足りればいいのでございますが、残念ながら最近ではそれが不足をいたしておるわけでございます。そのために地方団体に財政運営上の迷惑をかけてはいけませんので、特例を設けて所要額を確保するということでございまして、その意味では、今度の交付税法も必要な行政需要に対応するための改正でございます。そのための単位費用も、実態に応じて引き上げをしたわけでございます。その意味では、やはり改正だと思うのでございます。 ただ、その財源の足りない部分をどういうやり方でやったか、こう言われました場合に、交付税率の引き上げといったような形をとらないで、いわば借り入れた額の償還条件の変更をやったり、あるいはまたこれは実際の特例でございますが、千三百億余りの臨時特例交付金を交付をするということにいたしましたり、あるいは特別会計において千三百二十億の借り入れをするといったようなことで補てんをしたということでございます。 そのやり方はどうも当面の措置であって、十分ではないという点でおしかりを受けるならば、私どもとしても、これが最上の方法であったとは決して思っていないわけでございます。いろいろな条件のもとでやむを得なかった措置だ、こう考えておるわけでございますから、それについてはそういう気持ちをお伝え申し上げるわけでございますが、そういう方法をして少なくとも行政需要に対応するだけのものは確保いたしまして、それによって地方団体に配分するための単位費用等の改定をしますということにしておるわけでございますから、やはりこれによって新しい事態に対処できるための方策であるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○田島委員 本来、地方交付税法というもののある目的というのは、地方団体が自主的にその財産を管理したり、あるいは事務を処理したり、行政を執行したりする権能を損なわずに、しかも財源の均衡化を図り、交付税の交付を通じてといいますか、基準の設定を通じてこの地方行政の計画的運営を保障する、これが地方交付税法の本来の目的。 それで、そういうことからして、いまのような交付税法のあり方、そして今度の改正、確かに当局としては一生懸命努力をされてのやりくり算段だと思いますけれども、まさにやりくり算段で幾らか変わったところといえば、基準需要額の算定の基礎を多少いじってみた。それも、なるほどなとうなずかせるほどまことにみごとないじり方ではないと思うし、それから、各種手数料を上げるための関係法を改正するということで手数料収入の増額を図る、これもまことにけちなやり方で、後でまたそのことも聞いてみたいと思いますけれども、その妥当性というのはまことに小さいというか乏しいというか、一番中心になっているのは、あくまでも何とか総額を確保するためのやりくり算段。あっちからこっちへ持っていったり、こっちからあっちに持っていったり、それもやむを得ないことですけれども、それじゃいつまでたっても、ことしはまあまあやむを得ないということにしても、毎年そんなことをやっておったら、それはもう地方交付税法そのものを自滅させることになってしまうと思うのです。 だから、そのためにこそ冒頭若干の意見交換をしてみたんですけれども、もっと身を入れた地方行財政への再検討、思い切って切るものは切り飛ばす。国だってそうです。国でやっている仕事だって、都道府県へ任せちゃった方がいいものはどんどん任せる。それから直接民間に任した方がいいものは民間に任せる。都道府県しかり。市町村に任した方がよほど効率的で経費もかからぬ、そして行政効果も上がるということはどんどん市町村におろす。その市町村また、むしろ民間に頼んじゃった方がいいと思うものは民間にどんどんお願いをする。こういう思い切った行政事務事業の下部への移管あるいは民間への移管というものをやらなければ、小手先だけでやりくり算段しておったのじゃいつまでたったって、国もそうだろうと思いますけれども、地方行財政も一人前に自立できないと私は思うのです。大臣いかがでしょうか、私の言うことは少し極端かもしれぬけれども。
○安孫子国務大臣 極端じゃないわけですが、ただ、交付税の問題とかあるいは地方財政計画の問題としてその議論を述べられておるわけでありますが、国の場合でございますと、国は直接やっておりますから、たとえば特殊法人はやめちゃうとか、あるいはこれはこうするということが端的に施策として実行されるわけですが、地方財政計画あるいは交付税の関係から申しますと、三千以上の団体がおのおのの意思を持って、そしてその独自の活動をしているわけでございますので、自治省でおまえのところの公営企業はやめちゃえとかなんとかと言うわけにはいかないわけです。その差は、国の行政の場合と自治行政を統括する自治省の場合とでは違う点があるということだけは、ひとつ御認識得たいと思うのです。 ただ、方向としてそういうものを打ち出すということは可能だろうと思います。しかし、現実にそれが実行されるかどうかは別なんでございます。とにかく地方財政が破綻なしに、まずまず昭和五十六年度が過ごされるようにということで、全般の情勢から見てどうしても財源が不足だ。その財源をどうするかということについて四苦八苦をいたしまして、おっしゃるとおりにやりくり算段と言われればそのとおりでございまするが、それを確保いたしまして、それに関連しての交付税の法律の改正をお願いしておるというのがいまの段階でございまするので、おっしゃる点はよくわかりますけれども、それは直接やっておる国の場合と三千以上の団体を統括しておる自治省の場合とでは差があるということだけは、御認識得たいと思うものであります。
○田島委員 自分の所属する都道府県のことに触れるのは本来望ましくないことですけれども、いつもこの地方交付税法の問題について私は申し上げるのですが、都道府県段階で地方交付税法に基づくところの不交付団体というのは東京都だけ。その東京都、確かに美濃部さんから鈴木さんにかわって、私はそんなに変わってないと思うけれども、一生懸命やっておるということで、多少は財政事情が好転していることは事実でありますけれども、だからといってまだまだ東京都の財政というのは完全な健全性を取り戻していないと私は思っているのですけれども、そんな東京都だけが不交付団体。もし東京都が交付団体になったら、地方交付税法というのは成り立たない。 だから私いつも、たとえば赤字で苦しんでおった東京都のころでも、東京都一都ぐらいは不交付団体の名に甘んじて、その立場に甘んじていなければいかぬだろう、そのぐらいがまんしなければしようがないだろう、こう言ってきたんですけれども、しかし、ただ不交付団体の立場だけじゃなくて、それに付随していろいろの不利益、調整措置を受ける。こういう点も本当はがまんのならぬところですけれども、これも一生懸命がまんしているわけですね。 そういうまことに変則的な地方交付税法の現状を考えてみると、毎年の法改正が余りにも無意欲といいますか、意欲がなさ過ぎる。もっと真剣に取り組んでいいのではないか。何かその場だけを一応かっこうつければいいという法改正の内容にしか受け取れない。それが大変残念だと思いますけれども、もちろんその根源には国の財政事情が厳としてあるわけなんで、当局としても大変御苦労されておることはよくわかるのですが、ただ、地方交付税法のもとになるところの国税三法の成績が上がることだけを一生懸命神頼みで頼んでおったってこれはしようがない話だし、もしそれが思うようなあしたが望めないとすれば、そこで地方交付税法そのものの存立をかけた抜本的な再検討というものがされなければならぬと思うのです。私は、今回の改正案をどうこう言うつもりじゃなくて、今度の改正案は改正案として、将来も毎年こんな程度の改正案でお茶を濁すつもりなのか、いつかはやったなという目の覚めるような改正案を出してくる覚悟があるのか、その点はどうでしょうか。
○土屋政府委員 いま都道府県の中で東京都だけが不交付団体であることは、お示しのとおりでございます。極端な言い方で恐縮でございますが、仮に東京都が基準財政需要と収入との関係で需要の方が高くなったといたしましたら、何らかのかっこうでそれを補完するための交付税というものはやはり要るのかもしらぬと私は思うのでございます。 しかし問題は、そんなことになるということは異常なことでございまして、決して好ましいことではないし、その根幹、根源は何かというと、基本的に地方税収が低下してきておるということだろうと思うのでございます。したがって、地方団体の自主財源、特に地方税のウエートがある程度高まらなければならない、そのための努力をやっていかなければならない、これがまず第一だと思うのでございます。 そういうことの努力をしながら、いつも申し上げますように税源の偏在がございますから、財源保障的な意味での、それから財源調整的な意味での交付税というものが必要になってくる。それに地方債を加えて、適切な運営が図られるべきだと思っております。 ただ、全般的に見れば確かに一団体ということでございますし、交付税の改善も借り入れその他で四苦八苦しておるような状況でございますから、なかなか御満足のいくような形にはなっていないわけでございますが、私どもとしてはやはり必要な基準財政需要額というものをどう測定していくかということ、これも大いに努力しなければなりませんが、そういうことをやりながらそれに十分対応できるような一般財源を充実させていく、これが基本だと思うのでございます。 ここ数年来、国も地方もいずれも収支の非常なアンバランスに陥っております。そういう中で、ただ右から左へ税源、財源を移すというようなことは客易でございません。しかし、財政再建という点でいま行政全体を見直して、国、地方を通じて行政の簡素合理化を図る、そういう中で当然地方の自主、自律性の確立ということが頭に置いて行われなければならないと私は思っております。 そういう見直しをやっておる中でございますから、そういう中で事務の分担というものをよく考え、そしてまたそれに対応する自主財源というものを地方に与えるということの中で抜本的な改善が図られるべきだと思っておるわけでございまして、その方向は、繰り返しになりますが地方税源の充実、そして交付税についてもそれに対応して改善が行われるべきだと思っております。今回の場合、まだ不満足な形ではございますけれども、現下の情勢のもとでやむを得なかった措置だというふうに思っております。御了承賜りたいと思うのでございます。
○田島委員 何か私の質問したことの本当に聞きたいことは聞かれない、まことに残念だと思うのです。いまのお答えだと、依然として地方交付税法のもとになる、要素になるといいますか、国税三税がうまく伸びてくれればいいなという期待と、それからその間は何とかいろいろなやり方でやりくり算段してやるということと、最後は地方税源の充実を求める、こう言いますけれども、この地方税源の充実というのも国税税源を地方税源にかえる、おろすと言うなら、これまた一つの大きな進歩だと思うのですけれども、どうも言われるところはそうじゃなくて、はっきり言えばもう少しいろいろな形で税金を取り上げるんだ、こういうようなことになるようです。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕 それじゃ余り知恵がなさ過ぎる。何とか国税三税が伸びてくれないかなという単なる期待、それから何とか地方税源でどこかに落ちこぼれているのがありはせぬかなと一生懸命探すこと、あとはその間の財源不足をやりくり算段するというだけではちょっと知恵がなさ過ぎる。だから、きょう、あしたどうこうじゃないけれども、近い将来には何とかという決意、そんな意気込みはないんですか、こう聞いているんですけれども、やはり無理ですか。
○土屋政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、いまの状況から見まして第一に考えなければならないのは地方税の税源の増強だと申し上げたわけでございます。税の充実というのをどういうふうにしたらいいかということが問題だ。いまのままで国税の一部を地方税に持ってくるというようなことはなかなか問題もあろう。しかし、ちょうどいま国、地方を通じて行財政についての簡素合理化という検討もされており、その中で地方の自主、自律性を生かすという方向で考えられていくべきでございましょうから、率直に申し上げますと、地方の事務として同化、定型化したものはもう地方へ持っていく、そのかわりその補助が減るということになります。そういったものは地方の一般財源化を図る、そういうような動きの中では税源の配分ということもいろいろ検討され得る余地があるのではないか。そういう機会に、いまの交付税だけではなくて、地方税そのものも含めての一般財源の強化ということは考え得るだろうということを申し上げたわけでございまして、今後のいろいろな行政改革等を通じて行政全体が見直される中で、そういう方向で考えたらどうであろうか。それについては、もちろん地方制度調査会その他の御意見も伺わなければならないわけでございますが、私申し上げたのは、先生の言っておられます基本的な方向とそう変わってないつもりで申し上げたつもりでございます。
○田島委員 変わってないつもりだそうですけれども、私は大体そういう考え方には反対なんですよ。すぐ何かというと税を考える。ところが、税というものにはおのずから一つの厳しい約束事があると思うのです。それは何かというと、反対給付という約束がある。税というのは、何でもかんでもそれだけ所得があるから税金を納めなさい、納めましょうというものじゃないんですよ。どんなに所得があろうと、納める必要のない税金なら納めなくたっていいし、取るべきでない。 じゃなくて、やはり行政サービスというものを役所がやる。その行政サービスの中で、そこに住む住民が受ける恩恵がある。その恩恵を受けるためには、やはりその負担を住民みずからが何らかの形で負担すべきであるという、そこに地方自治の本旨もあるわけですけれども、税金を納めるわけですね。ただおもしろくて、おれのところはこれだけの収入があるから、じゃ税金でも納めてやるかなと納めているのじゃないのですよ、どんなに所得がある人でも。そうじゃなくて、やはり税を納める以上は、この税がどう使われるか、そしてその使われ方の中でどうわれわれに返ってくるかということを、ちゃんと考えながら税金を納めているわけです。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕 だから、反対給付というものを約束しない税金というのは悪税ですよ。本来取るべき税金じゃない。昔の悪代官と同じだ。何でもかんでも取り立てる悪い代官さんと同じで、そういう税の取り方だったら、これはもう問題にならぬと思うのですね。だから、財政が苦しいから税金で取ろうというのはそもそも間違い。財政が苦しくて税金を取るのじゃない。その財政の苦しい原因が何だというところにむしろ問題がある。 その財政の苦しさというのは、お金はないけれどもやらなければならぬ仕事がいっぱいある。そのやらなければならぬ仕事というのは、間違いなく住民にとって幸せなことなんだ、きょうもさることながら、あした、あさって、将来において、そうやっておいてやることは間違いなく歓迎されるところなんだ。そういう仕事があるけれども、金がないからできないという場合に初めて、できたら税金という名で負担をしてくれませんかというのが税金のあり方です。別にいまやらなければならぬ仕事はこういうものがあるというのじゃなくて、何とはなしに財政が苦しい、台所が苦しいから、住民の皆さんよ、もう少し税金を払って台所のやりくりを楽にしてくれなんというのは、行政の怠慢です。 だから、国税三税の伸びるのを一生懸命期待するのもどうかと思うけれども、それ以上に、地方税源を求めるという形で何かで税金を取ってやろう、何かの税金をふやしてやろうということは、私は賛成できない。その前にやらなければならぬことがあるはずだし、本当はそんな姿勢は行政としては最も恥ずかしいことだと私は思うのですよ。そのことについての議論をすると、細かいことでいろいろなものを引っ張り出してやらなければならぬけれども……。 国の五十六年度予算案審議の際に私はたびたび触れたことですけれども、ちょっと横道にそれますが、たとえば昭和五十四年度の国の決算に対する会計検査院の検査結果、約五千数百億円の不正不当、改善要望事項の対象がある。しかも、それはどのぐらいの検査対象に対して出てきたものかというと、政府の重要機関と称するところの八%に対する検査結果が五千数百億円出てきているのです。それはたまたまちょうど一番ひどいところへぶつかった八%かどうかわかりませんけれども、素人計算だって、じゃ一〇〇%やったらどうなる。五兆円ぐらい出てくる。五兆円出てきたら二兆円の国債依存度を減らすのなんか朝飯前、まだ三兆円残る。野党五党が一生懸命口角あわを飛ばして詰め寄った四千億や五千億の所得税の減税、そんなものも朝飯前。しかも一兆四千億の増税は一切やる必要なし。これは地方団体と別ですけれども、一例として私は挙げた。 国政の中にだって、そういう部分がある。地方行政の中には、それよりもっとひどいものがあったって、ないということは絶対ない。そんなことを言挙げすると、恨む人がいたって、私のことをほめてくれる者はおらぬけれども、いまやまさに本当に、こんなことを言ったらだれかにどうだろうなどということを考えたのでは、どんどんじり貧になってしまいますよ。いま、一つの例として、国の五十四年度決算に対する会計検査の結果を挙げて、たたき出してみれば五兆円ぐらいの出さぬでも済む金があったはずだ。五兆円あれば二兆円の国債依存度を減らすこと、政府が、大蔵が盛んに主張したこと、そんなものは簡単にできる、それから一兆四千億の増税は要らない、四、五千億の所得税の減税ももっとおまけをつけてやってやってもいいですよって、できるじゃないですか。同じようなことが地方行政の中だって、地方財政の中だってあるのですよ。だったら、税金なんかよけいに取るとか手数料をよけいに取るなんて、できた義理じゃないと思うのですけれどもどうですか。 こういうふうにあるという実態を見せなければ、ないと思いますからと言うかもしれないけれども、国の方ははっきり出ているのですからね。たとえば人件費等については、まだ国家公務員の方が地方公務員に対する給与、手当等よりはきれいですよ、私ははっきり言うけれども。もっと地方公務員の方が遊びがあるというか余裕があるというか、いわゆる空出張、空超勤、それから何とやら手当かんとやら手当といってまことに数多い手当の中で、噴き出すような手当をもらっている事実だってある。とすれば、そういう事実に目を覆って、それで大変財源が足りないからといって税財源を一生懸命探すのですという答えはいささかさびし過ぎるというか、それじゃ満足できないのですが、どうでしょうかな。
○土屋政府委員 おっしゃることは理解できるわけでございますし、私どもといたしましても、いまに限らず、本来行政についてはその節減合理化を図って、経費の最も効率的な使用ができるようにすべきでございます。そういった意味では、変な言い方になりますが、高度成長時代にいろいろと肥大化したものについて十分見直しをいたしまして、身を引き締めて行政改革を行わなければならない、そういったものの中から多くのむだが浮いてくるということはもうおっしゃるとおりだと思いますし、いままさにそれが求められておりますわけで、私先ほどから申し上げておりますように、国、地方を通じて行政の簡素合理化を進めていかなければならない、そういった中で、まさに行政のレベルというのはどうあるべきか、それに対応する負担はどうあるべきかということで、そのバランスにおいて負担というものを考えればいいのではないかということを申し上げております。 ただ、先ほどからあるいは誤解があったのかわかりませんが、私が申し上げたのは、東京だけがいま不交付団体、そういったことで行政の需要というものが十分見られてないじゃないか、ほかはみんな交付団体になっておるということは自主財源が少ないからではないかといったような意味での御質問というふうに受け取りまして、私自身は、やはり税を全部ふやさなくても、財源の配分の問題といたしましても、地方にもう少し税源がいっていいのではないか、そういう意味で申し上げたわけでございまして、最後におっしゃいましたことは、もうそのとおり、私も節減合理化を進めるべしということでございます。 最初に申し上げたのは、足りない分はどんどん新税をつくってふやせ、こういった意味ではございませんで、節減合理化を図り、国、地方を通じて、機能の分担のあり方、それに対応する税源をいまある中で十分見直しをすることも必要じゃないかということで申し上げたわけでございまして、やや私の申し上げ方が悪かったかもしれませんが、全体として、せっかく税を取って行政をするわけでございますから効率的な行政を行わなければならない、そういうものについてはもっともっと身を引き締めて考えていかなければならない問題がいっぱいある、私はそれについては同感でございます。そういった点で今後とも地方団体については十分要請もしてまいりたいというふうに考えております。
○田島委員 土屋さんも疲れたでしょうから、今度は交付税の要素である国税三税の見込みについて、大蔵さんの方で来ていただいているそうですから、大蔵省の方からちょっとお話を聞きたいと思いますけれども、一番最近時における資料といいますか、そんなものから出る数字はどうなるか、それを聞かしてもらいたいと思います。
○源氏田説明員 国税三税の税収の推移でございますが、一番最近時点で判明しております二月末税収で見ますと、前年対比の伸び率で見まして、全体で三税合わせまして一一六・一%となっております。これは補正後の予算の伸び率が一一七%と見ておりますので、〇・九%ほど落ち込んでいるということでございます。
○田島委員 パーセントでいま示されたわけですけれども、いわゆる昭和五十六年度の地方交付税の算定基礎としての国税三税の合計がここに出ているわけですが、この数字とはどのように違ってきますか。二十五兆二千六百十億ですか、この見込みは多少変わってくるか。別に、それが変わったらこれを変えなければだめじゃないかという意味じゃないですからね。私が聞いているのは、国税三税の一番最近でつかみ得た数字からして五十五年度の見込みがどう変わってくるか、それとまた五十六年度に対する見込みが明らかに変わってくるのかこないのか、そこらの見通しを聞きたいので、参考にしたいので、別にそれじゃおかしいじゃないかとかなんとかという意味じゃないですから、正直に聞かしてください。
○源氏田説明員 まず、五十五年度の三税の収入見通しがどうなるかという点でございますけれども、これは所得税と法人税が非常に大きなウエートを占めておるわけでございますけれども、所得税の確定申告状況がまだ判明しておりませんのと、それから三月期の決算法人の申告がまだ残っております。これは三月までに納税義務が成立しましたものについて、五月分まで収納されたものまで取り込むということになっておりますので、そういう大きなものがまだ残っておりますので、はっきりした見通しというものはまだ申し上げる段階にはないと思います。しかし、補正で見込みましたものとそれほど大きな違いはないのではないかというふうに考えております。 それから、五十六年度の三税の収入はしからばどうかという点でございますけれども、五十六年度はまだ始まったばかりでございまして、これは現在の状況でいきますと、予算で見通しましたとおりにいくのだろうというふうにわれわれは考えております。
○田島委員 まず一つは、きょうも実は与野党国対委員長会談で問題になったのだけれども、所得税減税に大変関心を持っている立場でいる議会側には何にも話がないのに、新聞等には五十五年度の税収の見込みがどうだとやらこうだとやら出ている、大蔵は何やっているのだという話が出ましたけれども、そっちの方こっちの方への配慮があって数字が狂ってくると困るからそういう配慮抜きで、いま現在つかみ得るのは大体いまお答えになった状況だ、ほとんどこの五十五年度の見込みと変わりないと見てよろしいですか。
○源氏田説明員 先ほども申し上げましたとおり所得税、法人税がよくわからない段階ではございますけれども、大蔵省といたしましてはそのように期待しております。
○田島委員 今度は、これは経済企画庁の分野にも関係するのでしょうけれども、大蔵さんの方だって大変真剣な関心を持っておられることだろうと思う昭和五十六年度の景気見通し、経済見通しといいますかね、これについてどういうふうな見通しを持っておられるか。だんだん景気が明るくなると思っているのか、だんだん暗くなるというか、このままずっと平行線だということになるのか、そこらのところはどうですかな。
○左藤委員長 きょうは企画庁はいないですよ。
○田島委員 だから大蔵省でいいのです。
○源氏田説明員 経済見通しということになりますと経済企画庁だと思いますけれども、私どもが税収の見積もり等の上において参考にさせていただきました経済諸指標につきまして、それほど事情は変わったというふうには考えておりません。
○田島委員 変わったとは言えないということは、景気はいままでと同じような状態だということですか。それともどういうことですかね。具体的に、幾らかでもだんだん明るさに向かうだろうとか、だんだん暗くなるだろうとか、いままでと大体同じような状態がずっと続くだろうとか。 私がそういうことを聞くのは、確かにそれは役所としては経済企画庁が専門にそれをやっているのでしょうけれども、大蔵さんの場合出先の税務署や何かがありますから、意外と正確にその感じをつかまえているものなんですよ。だから聞いているのです。教えてください。
○源氏田説明員 先ほど財政局長の方からもお答えがございましたように、いまの五十六年度の見込みといいますものは昨年末の経済見通しに基づいてやっているわけでございますけれども、そのときに見込みました経済的な状況よりも悪くなっているとかよくなっているとかというのではございませんで、やはりその経済見通しで見通しましたとおり、徐々によくなっていくのではないかというふうに考えております。
○田島委員 徐々によくなっていくということは、昭和五十六年度の年度末までには明らかに昭和五十五年度よりもいい状況に変化するであろう、そういう希望的観測を持ってよろしい、こういうことですか。
○源氏田説明員 総合経済対策等もやっていただいておりますし、そういう点から見ましても、確かに先生御指摘のとおり、いまよりはよくなるだろうというふうにわれわれは期待しております。
○田島委員 それでは次に、今度の交付税法の改正案の中にあるところの財源対策債の減額等に伴う投資的経費の充実に関連して聞きたいと思いますけれども、確かに、この財源対策債というのは、言うならば一種の特例公債みたいなものですから、これを減額するということは一つの改善だと思うのですね。その意味では大いに賛意を表するところですけれども、さてそこで、それに伴うところの、必然的に起こってくる投資的経費の減に対する充実ということですが、この財源対策債の減額三千四百億円ですか、これを基準財政需要額に算入するということでどのような投資的経費の充実になるのか、その点説明してください。
○矢野政府委員 今回、五十六年度の地方財政対策におきまして、財源対策債三千四百億を縮減をしたわけでございます。したがいまして、この三千四百億円については、地方交付税の基準財政需要額の算定を通じてその分を措置をするということになるわけでございます。具体的には、流域下水道事業あるいは産炭地開発就労事業につきましては、事業費補正という方法で基準財政需要額に盛り込むわけでございます。それ以外の経費につきましては、標準事業費、すなわち単位費用におきまして、いままで財源対策債で見ておりましたものを振りかえるわけでございます。 費目といたしましては、地方交付税の中のその他の土木費であるとか河川費であるとか港湾費であるとかいったような各種の経費にまたがっておりますが、道府県分につきまして約二千五百億、市町村分につきまして約九百億、財源対策債は一般には公共事業の地方負担でございますので、道府県分の方が多いわけでございます。このように、合わせて三千四百億円を交付税の基準財政需要額内に盛り込んで、一般財源で地方団体が財源措置をできるようにするということでございます。
○田島委員 今回の昭和五十六年度の地方財政対策で、財源対策債は前年度の一兆三百億円から六千九百億円に縮減する。そうすると、その差額とこの三千四百億円というのとはどういう関係なんですか。
○矢野政府委員 財源対策債は、前年度一兆三百億円でございました。御承知のように、これは公共事業の裏負担に充てるために特例的に増発した地方債でございました。公共事業の総額は、五十五年度と五十六年度とはほぼ同じでございます。御承知のように横ばいでございますので、したがいまして、充当率を同じにいたしますと一兆三百億円の、昨年度と同じような財源対策債という形になるわけでございますが、これを六千九百億円に減じましたので、その差が三千四百億円でございます。ちょうど地方交付税の増額措置の数字とたまたま同じになっておりますが、これは偶然の一致でございまして、三千四百億円だけ財源対策債が減じられました。その分を基準財政需要額に振りかえるということでございます。
○田島委員 結局、その減額した差額分だけを措置したというわけでしょう。要するに、一兆三百億円から六千九百億円に縮減する、それは結構なんです。さっき言ったとおり大変結構なことだと思うのだけれども、それで三千四百億円相当分を基準財政需要額に算入したら、充実じゃなくて同じじゃないですか。違いますかな。
○矢野政府委員 お答え申し上げます。 六千九百億円に一兆三百億円から減らしたわけでございまして、その分を交付税に振りかえたわけでございますが、もともと財源対策債発行以前は、いま財源対策債で措置をしておりますような経費については、地方交付税の算定を通じて措置をしておったわけでございます。それが、今回三千四百億円を地方交付税の算定を通じて一般財源で振りかえる措置をしたわけでございますから、中身がいままでの地方債から交付税を通じての一般財源による措置ということで、いわば質が変わったわけでございまして、そういう意味では交付税面における投資的経費の措置の充実ということになるわけでございます。
○田島委員 その性格が変わったことは事実だと思うけれども、投資的経費としては、充実じゃなくて同じなのじゃないですか。充実になるの。それがわからぬな、ちょっと。
○土屋政府委員 投資的経費をどうするかということについては、地方財政計画をつくります際に私どもいろいろ検討いたしました。公共事業は大体横ばいでございますが、地方単独事業は八%伸びるということでそういうセットをしたわけでございます。その財源としてはいろいろあるわけでございますが、いままでは公共事業の裏負担については、率直に、交付税が十分でなかったと申しましょうか、そういうことがありましたので、財源対策債を充てましてその充当率を高めておったわけです。 その財源対策債というのは将来借金に残るわけでございますから、本来その部分は交付税で見た方がいいわけでございます。しかし今回は、財源対策債を減らした分だけは交付税で見ることにしたわけですから、そこは質のいい金で充てるということになった。その点では、おっしゃいますように全体は変わらないわけでございます。質的な改善になるにすぎないわけでありますが、ただ、全体としての投資的経費は減らないように、財政計画の中で、全体として、単独事業も八%伸ばす、それに対応する財源措置は交付税全体を通じてやっておるということでございます。
○田島委員 それは一つの改善だと思いますから歓迎をいたします。 次に、教育水準の向上について聞いてみたいと思うのですけれども、教育水準の向上の中で、確かに一学級四十人ということが叫ばれて、それらが実現することについてはそれなりの賛成すべき内容があると思うのですが、問題は、一学級五十人から四十人になったら本当に先生がふえるのかどうか。それからまた、先生がふえるという見通しのもとに教職員の定数の改善ということを考えておるわけですけれども、本当にそういうことが見込まれるのかどうなのか、確たる基礎調査の上でそういうことを考えられておるのかどうか、まず一つ聞きたいわけです。これは自治省さんに聞きたいと思うのです。 教育水準については、後で一体教育水準とは何なのかということで文部省の方に聞いてみたいのですが、その前に、本当に一学級五十人から四十人になったら、だれが考えても当然学級数がふえる、学級数がふえれば先生がふえる、こう思うのがあたりまえ、あたりまえなら聞くなということになるのですけれども、ふえない現象だってあるのじゃないかと思っているから聞いているわけです。たとえば、東京都の都立高校がクラスがいっぱいにならぬ、じゃ補欠でとるか、質が悪くなる、やむを得ずクラスの数を減らすかなんてやっているでしょう。これは一つの例ですけれども、最近の情勢からすると、公立の学校はそんなに人気がよくない。それだけ質が下がっているわけですよね。その点で、後で文部省さんに聞きたいと思っているのだけれども、それは後の話にして、一クラスの人数が五十人から四十人になったからといって、クラスの数がふえ、教職員の数がふえるとは限らぬと思うのです。事実減っているところもあるんだけれども、それはどういうことなんですか、簡単に。
○津田説明員 義務教育の学級編制を四十五人から四十人に下げますと、もちろん先生おっしゃるように、総体の生徒の数が今後どうなるかということはございますけれども、現在の見通しでいきますと、五十五年度から六十六年度までに先生は四万三千百四十二人必要、こういうことでございます。
○田島委員 必ずしもその計画どおりにいかないだろうということだけを予告して、文部省からせっかく来ていただいていますから、今度は文部省の人にお伺いをしたいと思うのです。 教育水準の向上というのは一体何なのか。先生の数をふやして、あるいは一教室五十人から四十人にしたりすれば水準は上がるのかどうか、その点ちょっと聞かしてください。余り長くなく、短く。
○上野説明員 大変むずかしい御質問だと思いますが、文部省の方で「我が国の教育水準」という実は教育白書を出しておりますが、その中では、外国比較等する場合、学校数とか在学数とか、先ほど先生おっしゃられました教職員数、さらには教育費というようなもろもろのものにつきまして、それぞれの数字といいますか量的な面を表示しておりますし、さらに質的な内容としましては、これは非常に少ないわけでございますが、たとえば学習到達度みたいな、これは国際的に算数なんかで国際テストをやった事例がございますが、そういうのの質的な面で比較したというのがございます。そういういろいろな要素でやっておりますが、ただ現在のところ、明確にこういうものだというような体系づけたものはございません。
○田島委員 時間がだんだんなくなりましたから、せっかく来ていただいてもその問題について詰める時間がありませんが、教育とは、教える者と教わる者との間で真剣な火花を散らすような中から本当の水準というのは向上されてくる。別に先生たちの数でもなければ、教室にいる一クラスの人間の数でもなければ、教室がりっぱであるかないかでもないはずだと私は思うのです。それだったら、極端な例かもしれませんけれども、昔の松下村塾のようなところから優秀な人は出てこない。要は、教える側の教育者がどんな思いで教えているのか、教わる立場の学生、生徒たちがどれほど真剣なまなざしを教師に注いで、いろいろな意味での教えを吸収しようとしているか、そういう火花を散らすような環境、雰囲気をどうやって出させるかが教育の根底。場所でもなければ、施設でもなければ、先生の数でもなければ、教室の人間の数でもないと私は思っているのですけれども、後で検討してみてください。 次に、もう時間がないので、各種手数料の改定について聞きたいと思います。 先ほど来悪口を言っておったわけですけれども、今度の各種手数料の改定、約十二法ですかの法の一部改正によって新しく手数料を上げようとしているわけですけれども、そのうちで結構なことだろうと考えられるのは、大麻なんかがありましたが、それはまあまあだと思います。しかし、あとの手数料はみんな改悪だと思う。それで、平均して二六・五%かなんかのアップにしているのですが、その二六・五%上げようとする理由が一体どこから出てくるのか、その妥当性がどこにあるのか、まことにわからない。それから、いずれも受益者負担の適正化を図ると言うけれども、一体この手数料の対象になっている人たちがどんな受益があるのか、まことに理解に苦しむ。 言うなれば、この手数料の改定について説明しているところの「国の手数料改定と同趣旨により、最近における経済情勢の変化等にかんがみ、受益者負担の適正化を図り、」とここまであるのは取ってつけたようなもので、その次にある「あわせて財源の確保に資するため、」という、最後のこれだけが理由だと思うのです。それにしても、その妥当性といい、その受益の具体性といい、理解に苦しむのですけれども、もし理解できるように説明をしてくださるならまことにありがたいと思うのです。それを最後にお聞きして、私の質問を終わります。
○土屋政府委員 御承知のように、行政サービスの中には特定の人のためにやるサービスがあるわけでございます。それはまさに受益者となるわけでございますから、今回の手数料の改正は、そういった受益者負担の適正を図るという観点が主体でございまして、それと同時に財源の確保にも結果としては資するといった意味で改正をしたわけでございます。 したがいまして、手数料の額の決定に当たりましては、その事務に要する標準的な費用を基礎といたしまして適正な金額を決定するということにしておるわけでございまして、いわゆる受益者負担の原則と、コスト原則と申しますか手数料のコスト主義と申しますか、そういった観点から変えておるわけでございます。したがいまして、交付税の単位費用の算定等に用います給与費等を用いて、給与の統一単価を用いて計算した人件費とか需要費とか旅費とか、そういうものを毎年拾っておりまして、それで積算した結果この程度の引き上げになるということで、細かい資料に基づいて引き上げておるわけでございます。それは、いま申し上げましたようにあくまでもコスト主義であり、受益者負担の原則に基づいてやっておるということでございます。
○田島委員 たとえば、質屋さんの営業許可にしたって、漁船法にしたって、それから建築基準法の一部改正に基づく建築確認申請手数料にしても、確かにそれは申請が出れば、その申請に基づいて現地へ行って調べるということもあるでしょうし、いろいろある。したがって、人件費等も多少はかかるのはわかりますけれども、受益者という立場ではないでしょう。それでどんな利益を受けるか。申請したら大変もうかったなどということはあるのですかね。 それから、たとえば狂犬病予防法の一部改正に基づくものにしても、いま日本で狂犬病なんてないのじゃないですか。だから、狂犬病予防法によって犬の登録手数料を取ると言ったって、これもまことに何かおかしな話だし、それからまた、そのほかの宅地造成等規制法の一部改正等に基づくものだって十五万以内から十九万以内とか、三十万以内から四十万以内、いろいろ書いておるわけですけれども、これらの一つ一つを見ても、受益者負担というものじゃないですね。 たとえば、いままで道路のなかったところに道路が新しくできる、その道路をつくるには大変な経費がかかる、その道路ができることによってその周辺の人は大変利便を提供される、だから税金のほかに少し何か出しなさい、これは受益者負担だ。それから、質屋さんをやりたくたってできない、質屋をやるためにはこういう種類の環境が要る、この環境は役所の方で整備した、そんなところに質屋をやらせてやるのだから、許可をするのに受益者負担を出せ、これはわかる。しかし、質屋さんが自分でどこかに店を構えて営業許可をとるのに受益者も何もないと思うのですけれども、違いますかな。
○土屋政府委員 受益者という受益ということをどう見るかということは、これは広い立場で考えなければならないと思うのでございますが、狂犬病予防法の一部改正につきましても、犬の登録というのはやはり必要でございます。そのときの予防のために、現在狂犬病もおさまっているということもあるわけでございますから、それについて見直しをするということは、それに対するコストという面から必要だと私は思うのでございます。 質屋営業法といっても、許可をするということは、本来だれでも自由にやればいいという前提に立てば、それは手数料等を取るのはどうかということになりますが、全国の中でいろいろな業種によっては、これぐらいの基準でやった方がよかろう、それが一般大衆のためにいいというものがございます。そういった意味で、わざわざ許可制になっておるわけでございます。その許可制がある以上は、それを得ようという人は、やはりその手続を経て、いろいろな手数をかけるわけでございます。そういった意味で受益、まあ直接どんな益があったかという意味で言われますとどうかと存じますが、やはり行政サービスを受けておるわけであります。それに要する費用というのは、やはり持ってもらうということで今日まで来ておるわけであり、時代の変遷に伴って引き上げをある時期において図るということでございます。
○田島委員 終わります。
○左藤委員長 次回は、来る十四日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三分散会