地方行政委員会 第5号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1981/03/17
会議録
○左藤委員長 これより会議を開きます。 新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本幸男君。
○松本(幸)委員 ただいま議題となりました新産・工特法に伴う財特法に関しまして、基本的な事柄を含めまして二、三お伺いしたいと存じます。 実は私は、この財特法ができました昭和四十年、さらにまた五カ年の延長が行われました五十一年の当時はこれらの審議に加わっておりませんので、多少初歩的なあるいは稚拙な質問になるかと思いますけれどもお許しをいただきまして、以下順次御質問申し上げたいと思います。 この新産・工特につきましては、御存じのように昭和三十七年、三十九年にそれぞれ本法が制定されまして、その後昭和四十年にこの財特法ができまして、この新産・工特法に基づいて指定を受けました地域がそれぞれ基本計画を定めて、まず十カ年間の事業を推進してきたわけでありますが、その結果、十カ年仕事を進めて実績がこうなった、とうていまだ計画目標を達成するに至ってないというようなことで、五十一年にさらに五カ年間の延長措置が講ぜられたわけであります。五カ年間延長いたしましてさらに事業を進めたわけでありますけれども、五カ年たった今日なおかつ、基本計画を改定して実施をしてきたわけでありますがいまだにその目標を達成するに至っていない、こういうことからさらに五カ年間延長するんだ、これが今回の提案の趣旨であろうと思います。 そういった意味からいたしますと、まず十カ年間の事業をやって当初の基本計画に基づいてこれだけの事業実績があった、しかし基本計画にはとうてい及ばないということで、まず第一回目の五カ年延長をしたわけでありまして、その後五カ年間で事業を推進してきたけれども、まだまだとてもその目標に達していないということだからここで五カ年延長するということであろうと思いますので、今回改めて五カ年延長するに当たって、いままで十五年間やってきた事業の実績がどういうものであったのか、さらにこれから延長して事業を進めようとする五カ年の計画目標というものはどういうものであるのか、きわめて大ざっぱにいただいた資料の中に説明はされておりますけれども、やはりもう少し具体的に、これは各地域別に細かく実績あるいは今後五年間の計画目標、これを示すということはむずかしいかもしれませんけれども、これから五カ年間延長するのだという法を決めようということですから、少なくとももう少しそのための具体的な説明資料、これが示されるべきだと思うわけでありますが、こういう点につきましてひとつまずお伺いをしたいと思います。
○平戸説明員 お答え申し上げます。 先生の御質問は、これまでの実績と今後延長していく場合の目標、こういうふうな二つと理解いたしまして、まず実績の関係でございますが、三十七年、三十九年に法律ができましてから十年間の計画を立てましてまずやってまいったわけでございます。その実績を非常に概括的に申しますと、まず施設整備の関係でございます。これを旧計画と呼んでおりますが、十年間の計画におきましては、当初新産・工特合わせまして六兆七千九百億円の予定をいたしました。それに対しまして、これは名目の金額でありますが九兆七千七百五十七億円の投資が行われまして、達成率といたしましては、実質の達成率で一〇五%となってございます。 この段階におきましては、特に生産関連の施設の整備が相対的に進みまして、逆に申しますと生活関連施設の整備が比較的おくれた。達成率で見ますと生産関連で一一四%、生活関連で九六%ということでございました。この計画における工業出荷額の関係でございますが、工業出荷額につきましては達成率で申しますと九七・四%というふうなことで、まず当初見込んだ目標が達成できたというふうに考えていいんじゃないかと思います。一方、人口の関係でございますが、人口の関係では新産・工特三十五年の人口が一千三百五十七万人でございました。これが、目標としては一千八百四十四万人ということで考えておりましたが、達成率は五七・三%ということにとどまっております。 それ以後、先生御指摘の五年間の延長をいたしまして計画を作成したわけでございますが、これが現計画でございます。現計画におきましては、施設整備の関係で申しますと、基本計画で約十二兆七千二百億円の施設整備費を見込んだわけでございますが、現時点、五十五年度は計画ベースでございますが、計画ベースの数字で五十五年までの進捗率を見ますと、八九・一%ということになっております。約九〇%ということでございます。それから工業出荷額の関係でございますが、達成率は非常に低くなっておりまして、これは工業統計が五十三年までしか出ておりませんのですが、五十三年までの実績で二九・一%という数字になっております。それから人口の関係でございますが、これはせんだって発表されました国勢調査の数字を使っておりますが、これによりますと達成率は六六・八%というふうな数字にとどまってございます。 総じて申しますと、旧計画期間中はほぼ予定どおり進んだ、ただ生活関連施設の面で整備のおくれが目立ったというふうに考えておりますが、現行計画におきましては、四十八年の石油危機以降の経済情勢を反映しまして企業の立地に非常に伸び悩みが見えたということもございまして、工業出荷額、人口とももう一つというふうに考えてございます。 それから今後の目標ということでございますが、実はこの基本計画と申しますのは、各県において関係の市町村その他の意見を聞いた上で作成する、その計画の案を国の方に承認申請なされまして、内閣総理大臣が国土審議会あるいは関係省庁の協議を経た上で承認するというたてまえになっておりまして、現在私ども、具体的なそういう計画の数字はつくってございません。しかしながら、もとより県がつくるにつきましては、いろいろ国の方から御指導申し上げるということは必要でございますので、計画作成の基本的な考え方というのを現在いろいろ勉強中でございまして、今後国土審議会あるいは関係省庁の御意見もいただいた上で取りまとめまして、四月ぐらいに各県に連絡いたしましてそういう基本的考え方を踏まえで各県で計画を作成していただく、こういうふうなことで考えてございます。
○松本(幸)委員 御説明を伺いまして、当初の十年間で新産・工特につきましては、一方ではいわゆる産業基盤といいましょうか工業基盤の整備と、他方においては生活関連の都市施設の整備と、これが大別して二つの大きな目標ではなかったかと思うわけですが、一方の産業基盤整備の方については第一次の計画においてかなり推捗をした。ところが生活関連施設、都市施設の整備等については十分でなかったということで五カ年が延長をされた。延長したけれども、やはりまだ当初の十年間に比べては、いろいろ社会経済情勢の変化等もあったと思いますけれども、なかなか十分でなかった。とりわけ生活基盤の整備、生活関連施設の整備、これがおくれている。だから五年間また延長するのだというのが、今回の延長の理由のようにうかがえるわけでありますけれども、果たして今後五年間でどれだけの事業ができるのかということを考えてみますと、五年間せっかく第一次の延長をしてやったけれども必ずしも十分伸びなかったというようなこと等、特に最近における大きく変化した社会経済情勢のもとで、今後五年間でどれだけの仕事ができるだろうかということを考えますと、率直に申し上げて大変心もとないような気がするわけであります。 今日的な情勢といいますか、八〇年代前半の八五年までの五カ年ということですから、そういった時代的な背景といいましょうか、社会経済情勢というものをどうとらえて今後五年間の施策を展開しようとなさっているのか。これまた基本的な考え方になりますけれども、お伺いをしたい。 それともう一つは、延長された今後五カ年間の計画については、関係の道県あるいはまた市町村、これらが計画を立ててやるのだという御説明でありますけれども、少なくとも五カ年間延長したいのだということは、地方団体からの強い要望、要求によって今回の措置がとられたわけでありますから、それには当然地方団体の側でも今後五年間でこうするのだと、きちっとした基本計画の変更といったようなことについてはこれは別としても、五年間延長してもらいたいのだということを盛んに陳情もし要求もしてきたわけですから、それには地方団体の側でこのくらいのことをやりたいのだというものが、少なくとも大ざっぱといいますか大づかみにでもなければいけない、こう思うのですけれども、その辺を含めてひとつお答えをいただきたいと思います。
○平戸説明員 御質問の第一点の、八〇年代特に前半において、社会経済情勢どういうふうな変化を見込んでおるかという点でございますが、先生御案内のとおり、確かにこの八〇年代において非常に変動が予想されるというふうに考えておりまして、特に産業構造、国際経済情勢、エネルギー問題、そういうことも踏まえまして、産業構造なんかの点でも相当変化が予想されるというふうに考えております。私ども先ほど申しましたように、この基本的な考え方を取りまとめるに当たっては、国土審議会あるいは関係省庁いろいろ相談して取りまとめを行ってまいりたいというふうに考えております。 それから、各県からどういうふうな計画の構想とか何かが出てきたかという点でございますが、私ども実はこれを五年間延長することに関しましては、国土審議会の場でいろいろ検討いただきまして、まず新産・工特制度がこれまで果たしてきた成果あるいは現状、それから今後果たすべき役割り、そういったことにつきましていろいろ検討いたしました結果として、五年間の延長ということが出てまいりました。しかしその過程において、各県からもいろいろ意見は聞いておりまして、各県から現状どういう問題があるか、それから今後それをどういうふうにやっていくかという点については、いろいろ資料その他いただいております。各県としまして、これは県、地区の実情においてまちまちでございますけれども、一番大きいのは、何といっても各県、その地方の発展の中核として新産・工特地区をさらに整備していきたい。特にその際、地方における雇用の場の確保ということが非常に重要であるので、企業の誘致ということを一層進めてまいりたいという点が一つございます。 それから先生おっしゃいましたように、生活関連施設、特に下水道、都市公園、こういったものについて整備のおくれが見られます。そういった点を整備していきたいということがございます。 それから三点目としては、やはり分類としては生産関連施設になるかもしれませんが、道路とか飛行場とか港湾とか、そういった面においてまだ十分な整備がなされていないのでその辺をやっていきたい、こういうふうな点が大きい問題だったかと思っております。
○松本(幸)委員 いささか私見になるかもしれませんけれども、これまた大ざっぱに言って、当初法律が制定された当時の状況、これはいわゆる高度経済成長の発揚期といいましょうか、これから高度経済成長がまさに軌道に乗っていくという状況のもとで、当初法律が制定をされたわけであります。十カ年たちまして五十一年の当時は、いわゆる第一次オイルショックがございまして、狂乱物価等もございましたし、どういう方向に日本の社会経済情勢がなっていくのかわからぬというような、非常に不透明な状況もあったろうと思います。 しかし、五年たちまして今日的な状況というのは、法律が制定された当時の状況とはかなり大きな変化を生じてきているのではないか。そのためにこそ同じように、昭和三十六年に法ができて設置をされた第一次臨調が、昭和三十九年に改革案を答申をしたわけでありますが、情勢変化に対応してここで第二次臨調が発足したということを見ましても、大変に大きな変化がある。 こういう状況の中で率直に言って、第一回の十年、一回延長した五年と同じような手法で、同じような手段で事業を継続しようということが、必ずしも妥当なものなのかどうかというように私は考えるわけでありますけれども、その辺につきましてひとつお考えを伺いたいと思います。
○平戸説明員 先生御指摘の点につきまして、確かにこれまでの変化がございましたし、今後の想定ということでいろいろ国土審議会の場等で勉強していただいたわけでございますが、いろいろ変化はあったにせよ、国土の均衡ある開発、発展及び国民経済の発達を図るというふうな新産・工特施策の基本的目的というのはやはり今日においても変わっておらず、現行制度を引き続き維持、継続すべき必要があるんじゃないかというのが審議会の結論でもございまして、私どもはそういう結論も参考にさせていただきながら、今回延長をお願いした次第でございます。
○安孫子国務大臣 私からも一言申し上げます。 確かに十数年前といまとでは、客観的情勢が大きく変化をしておることは事実でございます。しかし、新産・工特のねらいといたしました、地方に企業を配置して就労の場を拡大をしていく、分散をするというような構想というものは、三全総におきましてもあるいは定住圏構想におきましても、その基本的な理念は不変というか変わらないものじゃないか、その目的が達成されていないだけに、さらにそのことについて努力をしなくちゃいかぬのじゃないか、こういうことが国土審議会の大方の御意見でもあったのだろうと思うのでございます。 そこで、私どもといたしましても、これから定住圏構想なり三全総というものを推進していくためには、依然としてこの問題は基本的に重要な問題である、こういう認識に立ちまして今回お諮りをいたしておるわけでございまするので、御趣旨の点も私は理解をいたしますけれども、そういう面もあるということをひとつ御理解をいただきたいと思う次第であります。
○松本(幸)委員 いま参事官、さらにまた大臣からお答えのあった事柄に関連をいたしまして、先日この委員会でいただきました資料の中に、先ほど参事官の方から御答弁のありました十五年間の工業出荷額であるとかあるいは人口の状況であるとかいうものの説明があったわけであります。いま大臣がお述べになったような事柄が、まさしく今後五カ年間延長するための大きな目的であるというように私も考えるわけでありますけれども、そこでいただいた資料にこういうようなことが書いてございます。 工業出荷額がどうなった、人口がどうなったというようなことも述べられた後、新産・工特の整備事業を引き続き進めて、雇用吸収力の大きな産業を導入して周辺地域に波及効果をもたらして、人口の地方定住を促進する、「ひいては三全総の「定住構想」を実現するための有力な手段となるものであり、さらに望ましい産業構造を実現する上で産業立地面からも大きく貢献する可能性をもつものとして、その重要性が再認識されている。」と国土審議会の意見では言っております、こういうことでありますけれども、この言葉じりをとらえるわけではありませんが、先ほど来申し上げておりますような今日的な社会経済情勢あるいは八〇年代前半の状況の見通しというものの中で、果たして新産・工特に雇用吸収力の大きな産業を導入することが可能なのかどうか、そしてまた、具体的に雇用吸収力の大きな産業あるいは企業といったようなものは一体どんなものなんだ、言葉ではわかりますけれども、具体的にどういうものが雇用吸収力の大きな産業と言えるのかという点につきまして、ひとつ御説明いただきたいと思います。
○平戸説明員 まず、雇用吸収力の大きな産業というのはどういう産業であるかということでございますが、やはり産業構造の変化というふうなものに対応いたしまして考えました場合には、金属加工とか電子・電気機械とか、そういった高度加工型の工業というのが中心になるというふうに私ども考えております。 それでは、そういうふうな高度加工型の雇用吸収力の大きな産業というのが新産・工特地区に導入できるのかどうかという点でございます。 この点、先生御心配しておられますように、こういう経済情勢でございますし、また日本全国を見た場合、各地方において、各県において、そういうふうな雇用吸収力の大きい産業を導入したいということでいわば競争するというふうな状況になってございますから、新産・工特地区だけにこれを導入するというのは非常にむずかしいと思っております。しかしながら、三全総の定住構想を推進する上におきましても、工業の地方分散を図っていくことは必要であるわけでございまして、私ども関係各省の施策の活用あるいは関係地方公共団体の努力によって、非常にむずかしいことではあるけれども、こういうふうな課題に対処していきたいというふうに考えております。 ちなみに新産・工特地区は、これまでは基幹資源型工業のウエートが非常に高うございましたけれども、経年的に見てまいりますと、やはり年を追って基幹資源型工業以外の工業のウエートが高くなっているというふうな現状にございまして、少しずつではあるけれども、そういう高度加工型の工業が伸びつつあるということは言えるかと思っております。
○安孫子国務大臣 いま国土庁から話のありましたとおりに、大変むずかしい問題ではございまするけれども、目標といたしまして、また政策課題といたしましては努力をしていかなければならぬ問題だ。そこで、これをさらに促進をするためには一体どういう手段があるかという問題もあわせて考えてみる必要があるだろうと思います。 そこで、今度の新産・工特に関する財政措置、これもきわめて有力な手段でありますけれども、同時にまたほかの誘導手段というものだって考えていかなければいかぬのじゃなかろうかと思います。これは実現しなかったわけでありますが、通産当局等におきましては、そうした企業再配置については特にエネルギー関係等考えまして、たとえば投資減税というようなことを一つの分散の手段といたしたいというような構想も持って折衝を行った経過がございます。これは実現はしなかったわけでございまするけれども、基本的な問題としてこれだけでなく、これをさらに誘導するような手段というものをあわせこれからも充実していく必要があるだろうと私は思っております。
○松本(幸)委員 いま申し上げましたような国土審議会の意見については、自治省も同じような考え方でいらっしゃるという前提の上に立ちまして、これからさらに質問申し上げたいと思います。 この中では、日本のこれからの「望ましい産業構造を実現する上で産業立地面からも大きく貢献する可能性をもつものとして、その重要性が再認識されている。」こう言っております。そこでやはりお尋ねしたいのは、今後における日本の望ましい産業構造というようなものは一体いかなるものなのかということと、さらにこういう点について「大きく貢献する可能性をもつものとして、その重要性が再認識されている。」ということ、これこそ言葉じりのようなものでありますけれども、大きく貢献する可能性を秘めているといいますか、持っているということは、やはり政策立案者として考える場合には、そういう可能性がありそうだから、あるからということではなくて、もっと現実的にこれだけの計画を立てればこれだけのものが実現する、こういう自信と確信の上に立ってやるべきことであって、何か五年間延長して事業を推進すればそういう可能性が秘められている、持っているというようなことはちょっとおかしいんじゃないかという感じがするわけですし、さらにまた改めてここで再認識されたという言葉自体も、じゃいままで余り重要性が認識されていなかったのか、いまここへ来て初めてはっと気がついて、大変重要なことだと再認識されたというような感じも受けるわけですけれども、そういう点につきましてどう考えておられるのか。 いま、いみじくも大臣がおっしゃったように、十年間で産業立地の条件を整備したといいましても、当時であれば待っていても企業の方からどんどん立地をしてくれたかもしれませんけれども、今日的な状況ではよほど強力な政策的な手段でここへ産業を誘導するという強力な手法を用いなければ、ただすっかり土地が造成されました、工業用地もできました、あるいはその他の社会施設もできています、どうぞおいでになってくださいということで漫然と手をこまねいていたのでは、とうてい雇用吸収力の大きな産業であるとかそういったものが来るというようには考えないわけですけれども、そういう点につきまして大臣からもお話がありましたけれども、それらのことについてはどう考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○安孫子国務大臣 国土審議会の答申の経過については国土庁からお答えを申し上げますけれども、私自身考えておりますることは、日本の戦後における経済発展というものは、荒廃いたしました国土の中に新しい技術と新しい設備を持って稼働したということが、高度成長を支えた一つの大きな力であったと思うのでございますが、それがだんだんと老朽化しておるわけです。最新の技術、これに相応するような設備というものが、必ずしも更新されているわけではございません。 今後日本が発展をしていくためには、そうした体制をもう一度つくり直すことが必要じゃなかろうかと思うわけでございまするが、その際に従来の立地にこだわることなく、さらに日本の将来の展望に立って、しかも新産・工特というような、そうした地域整備も行われておる、そういうところに今後活力を持つところの企業を、更改時期でもありまするから再配置することによって、今後の日本の活力を生み出すことができるのではなかろうか。そのためにこの新産・工特の延長も必要でございまするし、重ねて申し上げまするが、それを促進するような手段も政策的に取り上げていかなくてはならぬのじゃなかろうか、こんなふうに考えておるわけでございます。この点は御了承を賜りたいと存じまするが、国土審議会の答申の文言につきましては、その経過については国土庁の方から説明させます。
○平戸説明員 御質問の国土審議会の意見書の内容の文言の点でございます。 まず第一点として、「望ましい産業構造」というのが書いてございますが、これをどういうふうに考えているかというお尋ねでございます。実は基本的にわが国経済を考えた場合、内外環境が変化する中で国民のニーズに適切に対応していくためには、産業構造が望ましい方向に導かれる必要がある、これは時代時代を超えて絶えず必要な命題ではないかというふうに考えられます。その中において、国土審議会としてこういうふうな表現をいたしておるわけですが、これは新産・工特地区が、これまでの建設整備の進捗によりまして、産業基盤の整備がほかの地域に比べて比較的進んでいる、そういう状況にございます。 「望ましい産業構造」が何かということはとりあえず別といたしまして、産業構造が変わっていく場合にはいろいろ企業の立地が必要になる。その場合に、比較的整備された産業基盤を持つ新産・工特地区に立地するということは、いろいろな意味で好都合であろう、そういう意味で企業の立地の受けざらとして貢献し得るのだ、そういう側面を指摘したものでございます。 それでは、「望ましい産業構造」そのものは何なのかということでございますが、国土審議会におきましては、基本的には産業構造審議会の「八〇年代の通産政策ビジョン」というのが発表されておりますが、その中で述べられておりますような産業構造というものを望ましいものとして頭に描いて議論がなされたというふうな経緯になってございまして、このビジョンの中身については基本的に一言で申し上げれば「創造性の発揮を基調とした高次の知識集約化」の推進というようなことではないかというふうに考えております。 それからお尋ねの第二点、願望に基づいて提言をしておるんではないかという点でございます。つまり「産業立地面からも大きく貢献する可能性をもった国民全体の貴重な資産でもある。」という表現がございます。この点につきましては、実は新産・工特制度をどうするかという点におきましては、先ほども申し上げましたように新産・工特の成果あるいは現状、今後の役割り、こういった点を細かく分析いたしました結論として出ておりまして、三全総の定住構想を実現する上でも大きな期待が持たれているというふうな基本的な認識、そのために延長するのだ。しかし、それとあわせましていろいろ幅広く検討した結果、今後のエネルギー問題に対応するという点からも必要であろうし、また産業立地面から望ましい産業を実現するためにも期待されておる、あるいは可能性がある、そういうことでいわば補足的な理由としてこの点は書いておるというふうに理解しております。 それから第三点目で再認識ということでございますけれども、新産・工特施策は、これまでそのときどきの社会経済情勢を反映して、ある時期においては生活関連施設のおくれとか、あるいは最近においては企業立地の低迷ということで効果が期待したほど十分ではないという側面、確かにございます。しかしながら、総じて見ますと、他の類似都市を上回る工業集積を上げておりますし、また地方の人口流出にこれまで歯どめをかけてきた、そういう成果も評価できるんじゃないかというふうに考えております。先生御指摘の考え方というのは、最近における社会経済情勢の変化に対応した新たな観点からの重要性の認識がなされているということを説明したものというふうに考えております。
○松本(幸)委員 過密過疎の解消あるいは地域格差の是正、こういったことによって国土の均衡ある発展を図っていくという法の持っております目的それ自体大いに結構なことでありますけれども、何となく私が危惧するのは、そういうことを目的としているけれども、果たしてそれが今日的な状況のもとで実現できるものであるのかどうかという点が大変懸念をされるわけであります。 御承知のようにわが国の産業経済、いわゆる重化学工業、石油化学コンビナートであるとか鉄鋼、自動車、電機といったものが基幹産業として、日本の高度経済成長を支えてきたわけでありますけれども、これについても一次のオイルショック、二次のオイルショックを経まして、内実的には相当大きな変化が出てきているんではないか。特に合理化、機械化、省エネ化といったようなことで人減らしも進んでいる。さらに大きな意味での日本の産業構造というものも、中長期的に見れば一次、二次の産業というのはますます衰退の一途をたどってきている。かわって三次から四次の産業、知識集約型というような言葉もありますけれども、そういう方向に進んできている。 で、いまだにこれらの重化学工業あるいは鉄鋼、自動車、電機等が、わが国経済の基幹産業たる地位、首座というものは失ってはおりませんけれども、やがてはそういう方向に行くんではないかというように考えます。たとえば電機メーカー等にいま行きましても、かつては相当の人員を擁して大きな操業をやってきましたけれども、いわゆる開発途上国等にどんどん押されて、単純なラジオであるとかあるいはテレビであるとかというのはもう現地でつくられてしまって、日本ではきわめて高度な機械をつくっていかなければならぬような状況に追い込まれているということを言われているわけであります。 それと同時に、政府自体もむしろ強力な合理化を進めて、わが国を取り巻く国際的な経済環境の中で生き残っていくための方策というものを強力に推進をしていく、こういうことだろうと思うわけです。そうなりますと、新産・工特によって過密過疎を解消したり地域格差を是正するという政策目的と、政府の八〇年代におけるわが国経済といいましょうか、そういったものが生き残るための政策展開とで多少違った方向があるんじゃないか、こういう感じもするわけです。 結局、結論的に言いますと、せっかく新産・工特財特によってこれらの地域にいろいろな財政援助をしても、その目的とするところがなかなか達せられないんではないかということなんであります。そういう点について、政府のやっている八〇年代の方向と新産・工特が目的とする方向とが多少ちぐはぐなといいますか、乖離といいましょうか、矛盾したものがあるんじゃないかというような感じがするわけでありますけれども、ひとつ大臣の御所見を伺いたいと思います。
○安孫子国務大臣 この延長につきまして、私は、ただ漫然と延長するということではいかぬと思うわけでございます。ここで三回目でございますが、延長したならばそれが効果を上げるような努力というものを今後一層努めていかなければならぬ。それには、この法案の主管庁でございまする自治省とか国土庁というものでなく、日本全体として、政府といたしまして、この方向というものをもっと力のあるものにする政策を確立するということが、やはりきわめて重要だと思っております。 いまお話しのとおりに、対外関係におきましてもいろいろとトラブルを起こしておる。それから、これからの日本の輸出なり内需を考えましても、従来のような構想だけでいいのかどうかという問題も基本的にはあります。しかしながら、日本が生き延びていきますためには、先端技術を確立いたしまして、それに相応するところの企業を確立するということがきわめて重要なことは、これは異論のないところだと思いまするが、そういう点について特に通産当局等はこの問題の重要性を認識して、これに対する産業政策をさらに確立してもらわなければならぬ、これを強く私としては希望しているわけでございます。せっかく受けざらはできたけれども、依然としてそれが所期の目的を達しないというようなことのないように、御指摘の点は十分私も理解をいたしますので、一層努力を重ねてまいりたい、こう考えておるところでございます。
○松本(幸)委員 まだお伺いしたいこともございますが、次の質問に移らしていただきます。 次は、国が、地方といいましょうか地方団体といいましょうか、地域の振興発展のためにいろいろな法律をつくりまして、財政援助措置が講ぜられているわけでありますが、これらのたくさんの法律——先日、自治六法をひもといて一べついたしましても何かここにずっと書いてありますが、煩瑣ですからあえて申し上げませんけれども、新産・工特、首都圏、公害防止、山村、離島とかいろいろな法律、十八ほどございます。これらの法律によって、それぞれ財政援助の特別措置が講ぜられているわけでありますが、中には財政援助のないものもございますけれども、いずれにしても地域の振興のためということで、名目はそれぞれ違いますけれども、究極的には地域の発展振興のためにする資金援助ということになろうかと思います。 そういう意味で、こういったたくさんの法律によって、多少のニュアンスの違いというよりも、それぞれ法の目的に沿った形での財政援助が行われているわけでありますけれども、くどいようですが、究極的には地域の振興発展のための財政援助措置である、こういうことになりまするので、余りにも繁雑にこうたくさんの法律をつくって、財政特例措置といいましょうか援助措置を講ずるようなことについて、そろそろ一考を煩わす時期に来ているのではないかというように思いますけれども、まずその点につきましてお答え願いたいと思います。
○土屋政府委員 ただいま御指摘のございましたように、地方の振興開発あるいはそれに関連する財政特例法というものは確かにいっぱいございます。新産・工特、あるいは離島、過疎、辺地、数え上げればずいぶんたくさんあるわけでございます。そういった意味からこれをもう少し簡素化し、統合してみたらどうであろうかという意見は従来からありましたし、お示しの御意見も理解できるわけでございます。 ただ、私どもの立場から申し上げますと、これらの法令はそれぞれの政策目的のもとに、地域の特定の事情に対応して特別措置を講ずるということにしておるわけでございますから、その目的との関連において手段なり内容なり対象事業あるいは期間というものも異なっておること、これまた事実でございます。そういったことから当面は、こういった法令を統合整理するということにつきましては、いま申し上げた意味でなかなかむずかしい点もあるのじゃないかと思っておるわけでございます。 ただ、社会経済情勢の変化等に対応して、私どもとしても適宜見直しを行う必要が当然あると思っておりますし、今後行政の簡素合理化なり行政改革なりということが議論される中で、やはりいまお示しの意見も頭に置いて私どもとしても十分検討すべきことだと思っております。ただ、最初に申し上げましたようにいろいろなもの、それぞれ目的なり手段なり違うものですから、一本にまとめ上げるというのはなかなか容易でない面もあるということも御理解願いたいと思うのでございます。なお一層研究を進めてみたいと思っております。
○松本(幸)委員 それぞれ法律をもって財政援助をしているわけでありますから、その正当性を主張されるのはあたりまえだと思います。それはそれとしてわかるわけでありますけれども、非常にたくさん法律がありまして、それぞれややこしい補助申請手続をしなければならないということになりますと、いわゆる今日的な課題となっております行政の簡素化、合理化という観点からもある程度見直されるべきである。先般来いろいろと、補助金につきましてはメニュー化であるとか総合補助金であるとかというようなことが言われておりますゆえんも、こういうところにあるのではないかと思います。 特に、今回の新産・工特財特法の延長にいたしましても、延長措置を求める地方団体の考え方、その根底には、地方財政がきわめて逼迫している折から、名目は何であっても、とにかく何らかの財政援助措置がとられればいいというような考え方が多少潜在しているんではないかという感じがなくもありません。そのために、押されて延長措置をとることになるわけでありますけれども、この延長措置については何となく、政策目的として出してきた財政援助がやや惰性的になって、むしろ恩恵的な補助金になりつつあるのではないかというような感じもするわけであります。 地方団体としては、ともかくどんな名目であっても国からお金がもらえればいい、こういう考え方がなくはないというように思うわけでありますが、たくさんの、先ほど申し上げたような十八あるいはそれ以上になると思いますけれども、そういった法律によって、それぞれの法律なり財政援助の目的にはそれなりの正当性があるとは思いますけれども、いろいろな形で財政援助が行われると、受ける方は地方の団体であり出す方は国であるということになりますと、いろいろな繁雑な手続を経てそういったものを出して、しかもそれが一般的に全国のあまねく都道府県あるいはあまねく市町村に、名目の違いはあれ、それぞれ補助金が行くのだということになりますと、これは特例であっても特例の意味がなくなってしまう。新産の方では新産・工特財特によって補助金をもらう、片や首都圏は首都圏で、あるいは近畿圏は近畿圏でそういう法律によって補助金をもらう、他の都道府県やあるいは市町村は違った法律によって何がしかの補助金をもらえるということになりますと、特例的な意味というものが失われてしまうのではないか、普遍化してしまえば。そういう意味からも、この辺でひとつ合理化、統合化、こういったものを考えてもいいんではないか。 少しひねくれた言い方になりますけれども、地方の側では何の名目でも補助金もらえればいい、名目さえつけばということでどんどん陳情し、要求をしてくる。それを奇貨として、頭のいい役人の側ではたくさん法律をつくって、われわれにもわからないようなややこしい計算方式をつくってやたらに仕事をふやしていく、こういう傾向もなくもなかったんではないかという取り越し苦労があるわけであります。余り法律が多過ぎる、しかも普遍的にどこへでも名目は違っても補助金は出ていくというようなことを考えますと、何か地方の団体の側が名目があれば、名目さえつけば法律をつくる、そうすると仕事もふえる。こういう地方と国との関係で、呼応した形でやたらに仕事量をふやしてしまっているんではないかという感じもするわけです。 そういう点につきまして、特に新産・工特等については、この計算方式については専門的な者でないとちょっとわからない。関係者だけがわかっていればいいんだ、国民なんかそんなによくわからなくていいんだ、ともかく補助金やるんだから、こういう考え方なら別ですけれども、何となくややこしい計算方式によってやっていくという考え方の根底には、いま申し上げたようなことがあるんではないかという感じがいたしますけれども、その点につきましてひとつ大臣のお答えをいただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 大変うがった御見解でございまして、その点、ある意味においては当たっている面もあるんではなかろうかと私は思っております。 そこで、数多くの企業再配置についての施策、助成というものがあるわけでございまするが、私は、大きく分けまして三つぐらいに整理できないだろうか。一つは、主として港を中心とした新産・工特なんかその例でございますけれども、そういう相当大規模なもの。それから、それから外れる内陸工業団地というものがきわめて重要だと思うのですが、そうした点。それから農村工業地域、こういうものと大体三つぐらいの分類ができるんじゃなかろうか。それはやはり入るところの業種もおのずから違ってまいりまするし、客観的情勢も違いますので、そうした一つの整理をしまして、統合するものはするということもきわめて重要な課題じゃないかと私自身は思っておるわけでございます。これは、今後補助金の整理統合等に関しまして、第二臨調等においても大きく取り上げようとしておる時期でございますから、お話の点につきましては十分検討してまいりたいと私は考えておるところでございます。
○松本(幸)委員 鶏の死なんとするやその声悲し、人の死なんとするやその言やよし、こういう言葉があるようですけれども、何か行監も、まさに消滅直前に第二臨調に対しまして遺言のような形で意見を提言したようでございますが、その中にも、特にいま申し上げておりますような特例法等によって多種多様の補助金が出されている、これにつきましては十分改善合理化について検討すべきであるというような提言もあるようでございますので、いま大臣がおっしゃいましたように第二臨調でやっていただくか、あるいはできております地方制度調査会の方でやっていただくか、そのことは別といたしましても、かなり抜本的な改善策についてぜひ御検討いただきたいというように考えます。 最後に、今回の財特法におきましては、いわゆる財政力調整制度の見直しが行われる、こういうことになっておりますけれども、道県分の地方債の利子補給については新しい算式によって計算しますと、対象額の七割が財政力調整に係る、こういうことでありまするし、市町村分につきましても、国の負担割合いわゆるかさ上げについても新たな算式が用いられることになっておりまして、こういった新たな算式によって計算された結果、減額される金額というのは一体どのくらいになるのかということ。特に、五十六年度の予算におきましても、大ざっぱに言いまして国の補助金等を必要とする公共事業費の伸び率ゼロ、いわゆる地方の単独事業で仕事をやれ、こういうのが五十六年度の予算の特徴でもあるわけでありまして、そういう意味から言いますと、地方財政も窮迫の折から思うような事業ができないという意味での事業量の縮小に伴うかさ上げ分あるいは起債の利子補給といったものも、当然減ってくるのではないかと思われるわけでありますが、これらについてはどういうふうに試算をされておりますか、お伺いをします。
○土屋政府委員 今回の財政特別措置の見直しは、五十六年度の対象事業分から適用されるわけでございますから、実質的な影響というのは、市町村分の国庫補助かさ上げ措置のうちで直轄事業に係るものだけが五十六年度にひっかかってくるわけで、それ以外はみんな五十七年度から影響が出てくるわけでございます。その中で、市町村分の国庫補助かさ上げ措置につきましては、市町村の各年度の対象事業の実施量とか財政力によって決定されますので、年度によって、市町村によってもかなり異なってくるわけでございます。 したがいまして、正確にはそういった事業量等が決まってきませんとわからないわけでございますから、現行制度に比べてどうなるかは明確には申し上げられませんけれども、五十四年度ベースで全体として見ますと、国庫補助のかさ上げ分としては七%前後の減になるのではないかということでございます。不確定な点がございますので、その程度しか申し上げられないわけでございます。 また、新産・工特関係の道県に対しますいわゆる利子補給措置でございますが、これは、五十五年度までに発行を許可されました地方債に係る昭和六十年度までの利子補給については現行の利子補給制度を維持する、その後が変わっていくということでございます。したがって、五十七年度の利子補給額は、現行制度による場合に比べて二%程度の減になるのではないか、ただ、影響はその後だんだんふえていくわけでございまして、六十一年度以降は一八%程度の減になるのではないかというふうに見ておるわけでございます。 いずれにいたしましても、財政特別措置は、関係地方団体が通常の負担額を超えて事業を行う場合に、その超える部分について都道府県に対して利子補給、市町村に対して国庫補助率のかさ上げということになっておりますから、公共事業の事業量が減れば通常の負担額を超える部分の割合も減るということになって、助成額も減少、そういう関係にございますので、具体的には財政力指数と事業費が決まった段階で確定するといったことに相なるわけでございます。ざっと大ざっぱなことを申し上げたわけでございます。
○松本(幸)委員 いまや、まさに地方の時代とも言われておりますし、地方における地域の振興発展ということが非常に望まれているわけでありますけれども、情勢はきわめて厳しい。そういう状況の中で、この新産・工特につきましてもいろいろと意見はございますけれども、わが党も賛成をするという立場でございますから、法の所期する目的が十分に達せられますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○左藤委員長 細谷治嘉君。
○細谷委員 まずお尋ねいたしたいことは、いま審議中の法律は、法三条と言われますけれども、全く三条で、その第一条が新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律、これは昭和四十年の法律第七十三号であります。第二条が首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律、これは昭和四十一年であります。それから、第三条が公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律、これは昭和四十六年であります。成立がそれぞれ違うわけですね。 内容を調べてみますと、確かに、四十年の新産・工特の法律と四十一年の首都圏、近畿圏等の法律については、ほぼ同じタイプの財政特例措置であるということは言えます。ところが、四十六年にできました公害防止事業に対する財特、これは全くタイプが違っておるわけですね。このタイプの違ったものまで一緒にして、みそもくそもと言うと言葉は適切ではありませんけれども、法三条でまとめた。これは、違法とは申しませんけれども、少し国会をばかにした扱いじゃないかと思うのですよ。大臣、いかがですか。
○安孫子国務大臣 先に私からお答えを申し上げておきます。 いろいろ成立の過程は違うわけでございますけれども、今回は延長という意味において一致をしておりますので、その点からまとめて御審議を願いたい、こういうことで御提案を申し上げた次第でございまして、これは国会をばかにしているとかなんとかという気持ちは毛頭ございません。これだけはひとつ御理解を願いたいと思っております。
○細谷委員 この委員会でも、これから審議になりますが、地方税法という場合、たとえば四月一日から実施されるもの、六月一日から実施されるものあるいは十月一日から実施されるもの、そういうものがありますと、四月一日から実施するものを一条にくくって、六月に実施されるものを二条にくくって、十月に実施されるものを三条にくくった、法案はずいぶん長いわけでありますけれども、そういう例はありますよ。例はありますが、単に延長するということだけで一致しているから、中身が違おうと何であろうと一本の法律で片づけてしまえというのは、国会を軽べつはしていないと言うけれども、余りにも簡便、一回の採決で済ませばいいのだという便利主義、これ以外の何物でもないと私は思うのです。こういうやり方はやめていただきたい。この委員会でもそういう意見が過去に何遍も出ておるわけですから、もう一度、大臣、今後はこんなことをやらないということをはっきりしていただけませんか。 新産・工特と首都圏とは同じタイプだから、これはいいだろう。公害というのは全く違うのですから。しかも、後で採決等が行われますと、党によっては、この三法については態度が違うと承っておるのです。けれども、一つは反対だ、一つは賛成だというものがありましても、一本でありますから反対ということになってくるでしょう。これは国会議員の意思というものを的確にあらわすことができないということだ。これは何といっても不合理で問題です。いかがですか。
○安孫子国務大臣 重ねて申し上げますが、決してそんな大それた考え方をもって一本にして提案をしたものではございません。先ほど申し上げましたとおりに、ちょうど、どれもやはり延長すべきだろう、それならばひとつまとめて御審議を願おうということで提案申し上げたわけでございますから、今後の問題については十分注意をいたしますけれども、今回提案の件につきましては、御指摘のような気持ちはゆめさらさらございませんので、これだけはひとつ御理解を願いたいと思います。
○細谷委員 少しくどいのでありますけれども、事務当局、なぜこんなことをしたのか。かつて、いま申し上げた地方税の審議の際に、とにかく実施時期で一本にくくって法三条でやったという例がある。このくらいの厚い法案ですよ。それはやったことがありますけれども、今度の場合は内容が違うわけですから、それをどうして一緒にしたかということをちょっと尋ねますと、いや一本の方が簡単だから、それで違法でなさそうだからやりましたという声が返ってくるのですよ、財政局長からの声じゃありませんけれども、これはやはり、二本だとめんどうくさい、あるいは三本だとめんどうくさい、一本にしちゃえという、事務当局にも安易な法案のつくり方を選ぶ癖がある、こう私は思うのですよ。事務当局いかがですか、今後やらぬということをはっきりしてください。何やらロケットとかいろいろ言うのですが、これはロケットよりもひどいのです。木と竹をくくったよりももっとひどいのです、やり方は。いかがです。
○土屋政府委員 今回、三つの財特法が期限切れになるということで、私どもその際いろいろな方法を考えたわけでございます。ただいずれにいたしましても、これらの三財特法は、今後それぞれの地域の整備を進め、目的を達成する上にどうしても必要であるということで、地方財政の状況等も勘案して延長をお願いするものということでとらえておったわけでございますが、その際の扱いとして、確かにいまおっしゃいましたような点から検討もいたしました。新産・工特と首都圏等の財特法につきましては、まさにおっしゃるように目的も一致しておりまして、大体これは一本でまとめても問題ない。 そこでまた、公害財特法というものも議論したわけでございますけれども、これも国土の均衡ある発展を図る意味で、企業や産業が大都市地域へ集中することを避けるために分散していく、その場合の受けざら地域における公害の防止ということできわめて関連も持っておりますし、そういう中で公害を防止しながら国土の均衡ある発展を果たす意味での中核となるところを整備していくという意味で一体的に考えてもいいのではないか。そしてまた、この財特法の中心はほとんど公共事業でございまして、公害地域と新産・工特あるいは首都圏等の地域とは非常に重複をいたしております。そして実施主体は地方団体であり、公共事業の主体が地方団体ということになれば、ちょうど期限切れになるときでありますので、そこらは一本にまとめて御審議を願おうと思ったわけでございます。(「三つの法案に対する態度が変わるんだ」と呼ぶ者あり) ただしかし、御指摘のように、新産・工特と首都圏等との類似性に比べて公害財特法はやや問題が違うのではないかという点については、私どもも今後十分検討いたしまして、そういったところもさらに理屈を詰めて、御指摘の点を反省しながら法律案をまとめたいと思っております。
○細谷委員 いまの答弁では私は納得できないのですよ、内容が違うわけですから。新産・工特と首都圏等についてはほぼ同じようなタイプでありますから、後でまた対象地域の違い等についてもお聞きいたしますけれども、公害防止事業についての財特は全くタイプが違うのですよ。補助率のかさ上げじゃないのです、補助率の特例です。こういうものを一緒くたにして——いま後ろの方から不規則発言があった。やはり違うと言うのでしょう、党によっては態度が違うと言うのです。それを鮮明にあらわすことができないような法律案の出し方、出すべきじゃないものを一緒にして、そして逆にこんがらかせるということはいけないわけでありますから、今後はこういうやり方はやらないということを大臣ひとつはっきりしてください。あなたが決めさえすれば、内閣法制局はしゃにむにやるなんてことは言わぬでしょう。いかがですか。
○安孫子国務大臣 今後は十分注意をいたします。
○細谷委員 十分注意をしたけれども今度もやりましたということでは困るわけですよ。今後はこういうことはやりません——私も、やってもいいものについては例を地方税法に挙げました。あるいは新産・工特と首都圏等については一本もやむを得ない。しかし、公害特例だけはこれは別にすべきだよということを申し上げているのですから、注意しますでは、注意したけれどもやりましたでは困るわけですから、はっきりしてください。
○安孫子国務大臣 こういうことは今後やりません。
○細谷委員 その辺はっきりしましたから、次に進みます。 この問題について、大臣就任数日後の大蔵原案内示の段階では、この新産・工特もあるいは首都圏等もそれから公害の特例も、いずれも大蔵原案ではカットされておった、落ちておったの、ですね。そして、十二月二十九日の大臣の折衝でこれは復活したものなんですよ。私がお聞きしたいことは、その前に新聞等で、大蔵省は補助金の整理、これが財政再建に大きく関係を持っているのだという形で財政審議会等に諮っておりました。新聞で読む限りにおいては、大蔵省としては大体この補助金は削るんだという態度であったと私は理解をいたします。 財政審議会ではどういう報告をしたかといいますと、「歳出の節減合理化に関する報告」の中で「補助負担率の地域特例」ということでこう書いてあるのですよ。新産・工特、首都圏等の「補助率特例については、五十五年度末で特例の法定期限が到来する。これらは、四十年度又は四十一年度に時限的措置として導入され、その後の延長を経て現在に至つているものであるが、制度創設後、既に十数年を経過し、この間、特例設定の背景をなした社会経済情勢もかなりの変化を遂げ、制度としても一応の役割は果たしたものと見られるとともに、国の財政事情も制度創設時とは全く状況を異にしているため、この際、廃止を含め厳しい見直しを行うべきである。」こう言っているのです。新産・工特、首都圏について、財政審議会は大蔵省の意向を受けてかなり厳しいことを言っているわけですね。その次に「また、五十五年度末で期限切れとなる公害防止対策事業補助率特例についても同様の見直しが必要である。」こう言っております。 大蔵省の主計官にちょっとお尋ねしたいのです。これは財政審議会が書いたんだからおれは知らぬということを言ってもらっては困るわけです、種をまいたのは大蔵省の方でありますから。そこで、新産・工特それから首都圏等と、ここでは審議になりませんけれども産炭地の問題がこれにはある。これは同じタイプでありますから三つを扱って、廃止も含めて厳しい見直しをしなさい、こう言っている。その後で、また五十五年度末で切れる公害財特についても同様の見直しが必要だと、こう切ってあるのですよ。これはタイプが違うんだから切るのが当然だ、こう思うのですが、内容として、この問題について態度としては大蔵省は違った態度を持っておったのでしょうか、いかがですか。
○公文説明員 いま御指摘がありましたいろいろな地域特例の見直しの問題でございますけれども、御承知のように夏以降、非常に厳しい財政事情が予想されたものでございますから、私どもは歳出のすべてについて見直しを考えていきたいということで、非常に幅広く問題点の摘出に努めたわけでございます。その一環としまして、地域特例の問題もその問題点の一つとして挙げられたわけでございます。たまたま、新産・工特、それから首都圏を初めとする三圏の財政特例措置、それからいま先生からお話ございました産炭地域の問題、公害防止の問題、この四つの法律につきましては、いずれも五十五年度末ないしは五十六年度末に何らかの措置が必要であるということになっておりますので、そこで見直しをする必要があるのではないか。 特に新産・工特、それから三圏、産炭地につきましては、十数年間財政の特例措置が続いておる、そのときから情勢はかなり変わっているということもあるし、それから国の財政事情も非常に変わってきておるというようなこともありまして、それで非常に強く私どもとしては一度見直してほしいと各関係省庁にお願いをしたということでございます。 公害につきましては若干表現が違うという、これは財政制度審議会の建議でございますけれども、まあ気持ちとしましては、やはり十数年来続いておる、しかも一度ならず延長をした法律と、それから公害の場合には、これは十年間で初めての改正の時期に当たるということでありましたので若干書き分けたということでございますけれども、四法並べて期限切れを機会にぜひ一度見直してみたい、こういう趣旨から私ども考えたわけでございます。
○細谷委員 公文さんおっしゃるように、産炭地は五年、五年とやって十年延長して、いま二十年です。これは御承知のとおり、これから十年延長しようというわけです。新産・工特、首都圏は十五年になるわけですよ。十年やって五年延長して、もう一遍五年延長しようというのがいまの段階ですよ。公害の財特というのは四十六年にできたわけですから、まだ一遍も延長してないのです、さらものです。だから、これはちょっと違えたんだと言うけれども、どうもこれは書き方からいきますと、ちょっと説は違いますけれども同様に見直すと、こう言っているのですよ。 しかも、一週間後に自治大臣が最後の復活折衝に行ったら、ばらばらと全部、私が言った産振法も含めて四つとも一遍に復活したんですよ。こうなってくると、大蔵省は一体何を考えておったのか。生い立ちも歴史も違うのですよ。にもかかわらず、自治大臣が行ったら一週間後には一遍に復活した、その前では全部落とした、これは一体どういうことなんですか。自治大臣、ずいぶんこれはがんばったんですか。私はどうも大蔵に一貫性がない、こういうぐあいに言う以外にないと思うのですが、いかがですか。
○公文説明員 御指摘のように四法を全部並べて、ともかく廃止だというようなことを言うことがよかったかどうかという問題は確かにあろうと思います。しかし私どもとしては、この四法の問題に限らず歳出全体をしさいに点検をしまして、それで見直しを求めていくということの一環としてこの四法の問題も取り上げてきたという経緯があるわけでございます。 そこで、実際にこの四法の取り扱いをどうするかということになりますと、それは施策の優先順位と申しますか、それぞれ四法もいままでそれなりに成果をおさめ、意義がある制度でございますから、それについて関係省庁初め世論がどういうふうに、いわばその政策の問題を判断していくかというようなことに尽きるわけでございまして、政策の優先順位を十分考えた上で、最終的にはいま御審議をお願いしているような改正法で決着を見たということでございます。
○細谷委員 自治大臣、お尋ねいたします。 大蔵原案で四法ざらっと切られておったのを、あなたが行ったらぽんと生き返ったんですよ。あなたは、これが通らなければもう大蔵省に居座るという決意で交渉なさった、それが通じたんじゃないかと私は思うのですが、どうなんですか大蔵の態度は。
○安孫子国務大臣 おっしゃるとおりでございます。(笑声)
○細谷委員 そういたしますと、私が心配しておる点については、自治大臣はてこでも動かぬ、こういうことでこれを復活した、こういうことをいま述べられました。 きのう、第二次臨調が発足いたしました。来年度を目がけて補助金を中心にして一兆五千億をひねり出すとかあるいは二兆円をひねり出す、十四兆五千億円のことしの補助金を目がけて、そして増税のない五十七年度の予算編成だ、場合によっては減税も期待できる予算編成だという形で第二臨調が出てきました。私は、いまの大蔵省が十二月二十日にはばさっと切っておいて一週間後に生き返った、それは自治大臣の熱望が、動かしがたい不動の決意が報われたということでありますけれども、どうもいまの第二臨調の補助金をねらっていこうということからいきますと、自治大臣も含めてぐらぐらっとしますと、一生懸命この委員会で審議したのが来年になるともとのもくあみ、パア、こういうことになりかねないのであります。来年度もそういう決意を続けるつもりかどうか、自治大臣にお聞きします。
○安孫子国務大臣 来年もその意気で続けるつもりでございます。
○細谷委員 やったことについては責任を持つ、そういう決意でなくちゃならないと私は思います。 そこで、もう一つ、質問に入る前に問題点としてお聞きしたいのでありますけれども、先ほど松本委員の質問に対してありましたが、いま地域振興の立法といたしまして新産・工特、首都圏あり、それから産炭地あり、こういう形で、むずかしい算式で財政の指数がどうのこうのとやる、ああいう方式がありますね。もう一つは、いま問題になっておる公害財特のように個々の事業についての補助率をアップする、いわゆる特例補助率を適用するというやり方、これは過疎債もそうです。去年の春、ここの委員会でやりました過疎立法も同じであります。あるいは離島振興法もそういう形です。個別の事業について補助率の特例を適用してそれを推進しようというやり方。それから、税とかなんとかまけることによってというような低開発地域についての問題と、大ざっぱに言ってタイプとして三つくらいあると思うのですよ。しかし、この三つがどういう形になっているか、全国、日本列島にアリの入り込むすきがないように網がかぶさっておるような気もいたすのです。現状はどうなっているのでしょうか。たくさんありますね。たとえば新産・工特、産炭、首都圏、低開発、後進地域、農村振興、工業誘導地域、辺地、過疎、離島、公害、まあざっとある。私は、大別してそういう三つのタイプがあると言っているのですが、それがどんなように日本列島にかぶさっているのか、ひとつ簡単明瞭にお答えいただきたいと思います。
○土屋政府委員 ただいまお示しのございましたように、きわめて多くの地域立法がございますので、これが具体的にいまどういうふうにかぶさっておるか、私どもも関連のあるところは整理しておりますが、全般についてどこどこが完全に抜けておるといったような、市町村が幾つあるかというところまで、非常に数多いものを整理した結果そういう形で幾つということは、ちょっとお答えできかねるわけでございます。それぞれの立法ごとに、関連のある市町村が幾つというようなことは大体わかっております。その重なりぐあい等が非常にむずかしい。また、たとえば過疎と辺地というんじゃ市町村と点でもございますし、いろいろな取り方がございますので、幾つがかぶさって幾つが全然抜けておるということは申し上げられませんが、相当なカバレージになっておるだろうというふうに思っております。
○細谷委員 財政局長は、かなり重なり合っているということだけは認めたわけです。私は、局長、あなたのところの調整室長の手元で、日本列島がどうかぶさっておるか調査してもらった。これを見ますと、公害でいままで一次から七次まで指定してありますが、指定されたところの市町村が四百六十八あるんですよ。それで東京に五十三、広島に十七あるのです。この公害で指定された市町村が、新産・工特、首都圏等でどういうふうにかぶさっているのかということをちょっと調べてみますと、四百六十八のうち四百八重なっているわけです。東京では五十三のうち、半分以上の二十九が重なっておるわけです。広島では十七のうち、八が重なっておるわけですね。重なっておりますけれども、全部イコールじゃないわけですよ。ここに一つの問題点がある。 先ほど、これを整理統合すべきものはしたらどうか、こういう意見が松本委員から述べられましたけれども、私は、違ったタイプでございますから、この問題についてはこういう現実というものを見て、財政審議会が言っておる地域の特例として、その地域に公平の原則が貫かれておらなければいかぬ、こう私は思うのです。そういう点で、かぶさっておるけれども公平の原則は貫かれているのだ、そう思っていらっしゃるかどうか、お聞きいたします。
○土屋政府委員 それぞれの法の目的とそれに対応する手段等は、その立法の精神に照らして決めてあるわけでございますから、それはそれでそれに対応しては公正な地域を選んでおると私どもは思っております。ただ結果として、長い間にいろいろと後の法律ができるといったようなかっこうでダブってまいりますと、それぞれの法のたてまえから見れば問題はないと私どもは思うのでございますけれども、総体的な国の措置として見た場合に、そこらの調整というものをどうしたらいいかといったような点については、あるいは研究を要すべきものが出ておるのではないかと思っております。それぞれの立法時において考えたことについては、個々に見ればそれはそれなりに対応できておると思います。
○細谷委員 私は、いろいろこの法律を当たってみますと、そうおっしゃられるように簡単に——日本列島、ほとんどアリのはい出るすき間のないように重なってかぶさっておるけれども、必ずしも公平の原則に貫かれ通しておると言うにははばかる現状ではないか。これは、後で具体的にひとつ指摘をしていきたいと思います。 ところでお尋ねいたしますが、この法三条の法律というものが、これが審議になります地方交付税法に基づく地方財政計画の中でどういうかかわりを数字的に持っているのか、お答えいただきたい。質問、わかりますか。たとえば国から補助金が来る、高率補助がいく。そうしますと、地方の負担が減って国の補助金がふえるわけですから、それがどういう形に地方財政計画にあらわれておるのか、お示しいただきたい。
○矢野政府委員 今回の見直しを含めた延長でございますが、効果そのものはほとんどが五十七年から出てくるわけでございます。一部五十六年から出るわけでございますが、そのようなかさ上げ等の分につきましては、五十六年度におきまして地方財政計画上見込んでおるわけでございます。
○細谷委員 時間の節約のために、見込んでおりますと言うが、数字がちゃんと地方財政計画で出ているから、数字だけ言えば二度立たぬでもいいわけです。それを私が申し上げる。 今度の五十六年度地方財政計画に一般公共として、千七百四十二億円というものが新産・工特の方のかさ上げとして入ってくる。したがって地方財政は、その分だけ負担が軽減されるという形が地方財政計画の中にはっきりと出ております。かなり大きな金額ですね。そのうち道路が六百十億円、農業基盤が三百四十四億円、こういうことになっておるようであります。しかし、一般公共のほかにその他の公共というのが二百二十一億円、その主たるものは公共文教施設であります。合わせますと千九百六十三億円というのが、五十六年度の地方財政計画の中にかさ上げ分として、国の補助金がその分だけプラスされて入ってきますから、地方財政はその分だけ軽減されておる、こういうことになっておるようであります。そのとおりかどうか、ちょっと確認させていただきたいと思います。
○矢野政府委員 ただいま御指摘のとおり、一般公共関係につきましては千七百四十一億円余、その他公共につきましては二百二十億円余、いずれも昭和五十六年度の地財計画の歳入に見込んであるわけでございます。
○細谷委員 そこで、先ほど大臣は断固として、これは地方財政上必要だということで守るんだ、審議をことしせぬのだから来年なくなるなんという、それは朝令暮改にならないように守るんだ、こうおっしゃっていますが、私は、第二臨調が十四兆五千億の補助金について徹底的なメスを入れるということは、これは財政再建機関として至極当然なことだと思うのです。 ところが、私が指摘したいのは、おとといのある新聞の社説にもこういうことが出ておるのです。「土光臨調の発足に注文する」こう言っておるのですが、「安易な弱者切り捨てはしてはならない。補助金の統廃合はもちろん断行すべきだが、社会的、経済的な強者も弱者も十ぱ一からげにするような改革であっては、福祉国家の実現に逆行しかねない。」こう指摘しております。その次に、「第四は自治体の合理化を求めるあまり、地方分権と自治という民主主義の原点に傷をつけるようなことがあってはならない。中央集権を排しながら、自治体のぬるま湯行政にカツを入れるものであって欲しい。」こうある新聞の社説は指摘しております。私も、この原則的な態度に賛成であります。 補助金を整理統合する、カットする、これは結構であります。結構ではありますけれども、国の方はよくカットしておいて、そして人員の方は地方にしわ寄せしたり、財源を与えないで、いわゆる税源を与えないでカットしました、それで行政整理ができたということでは、これは弱者切り捨てにつながると思うのです。補助金を切るのならば、その補助金というのが地方の財政にどういう影響を与えるのか、そうだとするのならばこういう財源を与えてやらなければいかぬ、その基本的な考え方というのは、地方分権を進めていく、地方自治の本旨にのっとっていく、こういう基本的態度が貫かれなければならぬと思うのであります。がんばります、こう言っているのですけれども、もう一度自治大臣、来年もやるかやらぬかわかりませんけれども、ひとつここではっきりとお答えいただきたい。
○安孫子国務大臣 今度の行革につきましても、地方自治の本旨というものを損ねない限りにおいて行政改革が行われるべきであろう、かように思っております。
○細谷委員 ぜひひとつ地方自治の本旨あるいは地方分権を推進する、それが八〇年代の地方の時代の土台なのだ、こういう形でやっていただきたいと思います。 そこで、先ほどは新産・工特を中心にして質問がございましたので、私は公害防止の問題を中心にしてひとつ議論を進めてまいりたい、こう思います。 まず、環境庁と自治省にお尋ねしたいのでありますけれども、大蔵省は、もう五十五年度で年度が来るから五十六年度から切るのだ、こう言っておった。原案にそういう姿勢を示した。断固として一歩も引かぬぞということで自治大臣が行った。それにはそれなりの根拠があったのだろうと思う。それから環境庁では、中央公害審議会等を通じて、これはやめてもらっては困るという意見を早々と予算決定の前に出しております。そこで、大臣をして一歩も下がらぬぞという決意をさせたその根拠、それから、中央公害審議会でこの問題を取り上げていただいて審議をいただいた環境庁の基本的な考え、態度、これを簡単明瞭にひとつお聞かせいただきたい、こう思います。
○土屋政府委員 公害防止地域の現状というものは、財特法をもって整備を進めてまいりましたが、まだ不十分でございます。特に第七次あたりは、きわめて最近に計画が立てられたわけでございます。整備は今後の問題でございます。そういった時期に十年間の期限が切れるということでは、この仕事の進捗に問題がございますので、私どもとしては、どうしても今後引き続いて現行制度を維持したいということで、最初からずっと強い姿勢で折衝に当たった。その結果、大体現状どおりの形で延長ということに相なったわけでございます。
○清水説明員 ただいま財政局長がおっしゃられたとおりでございますが、中央公害対策審議会におきましても、この法律ができましてから十年間、かなり公害対策というものが進んだとは申しましても、なお、公害防止計画地域におきますところの環境の状況を見てみますと、たとえば窒素酸化物などによる大気汚染でございますとか、あるいはまた閉鎖性水域あるいは都市河川などにおきますところの水質汚濁の問題などなど、まだこれから一層の努力を傾注していかなければならないものがたくさんございます。ということで、一応の成果はあったというものの、なおさらにこの延長をお願いしなければならないということで、お願いをしてまいった次第でございます。
○細谷委員 いずれも抽象的な答えで、これが大臣が座り込まなければならぬというような決意の背景にあったとは思われないような答弁であります。 まず環境庁にお尋ねいたしますが、公害基本法十九条に基づいて内閣総理大臣が指定して実施計画をつくらして、そして主務大臣が認めてやってまいりました第一次から七次までの公害防止事業が、計画と達成率とは一体どういう関係にあるかということをひとつ調べてみたい、こう思って公害白書というのを見たのです。五十三年の公害白書の百二十二ページには「公害防止計画事業の進ちょく状況(見込み)」というので、第一次からの状況が出ております。ぴしゃっと数字で出ておる。 ところが、五十四年、五十五年の私どもの手元にある公害白書には、この表はなくなっているのですよ、素人に一番わかりやすいような表が。そして、いまこの公害特例法を延長しようとしている。延長を主張する根拠として有力に働くだろうと思われる表がなくなっているのです。それで私は、環境庁に出してくれ、あるいは自治省の方はどうなんだい、こう言ったら、なかなかできないというわけで、そしてけさ私の手元に来ましたけれども、五十三年の白書ほどきちんとしていないのですよ。五十三年の白書と同じようなきちんとしたものがお手元にあるでしょうけれども、ひとつ御説明いただきたい。あるのかないのか、あるはずですよ。いかがですか。
○清水説明員 御指摘の「公害防止計画事業の進ちょく状況」、前の環境白書には記載してございましたが、これと同様の資料は、現在のところ私ども手元に持っておりません。ただ事業量のベースで、公害防止計画の地域ごとの各事業のおおよその進捗率ということにつきましては、把握をしているところでございます。
○細谷委員 おおよその把握をした。それで、けさほど私が環境庁からいただいた資料を拝見いたしました。一次から七次までありまして、一次から四次ぐらいまでは、最初の前期の五カ年計画は済んで新しい五カ年計画に入っておるわけでありまして、このいただいた表で五十三年までの実績を見ますと、第五次の指定地域が五カ年分という実績が出ております。その第五次の五カ年分の達成率を見てみますと、公共下水道等の進捗率は二九%ですよ、わずかに二九%。それから屎尿処理施設については八九%、ごみ処理施設については四四%、学校環境整備については六六%であります。 環境整備の中心と言われております公共下水道なり——屎尿については五カ年間で八九、かなりの消化率、達成がいっておりますけれども、これは合格でしょう。しかし公共下水道は二十九点、六十点になっていませんよ。ごみ処理は四十四点です。合格していないじゃないですか。一体こういう格差がどうして起こったのでしょうか、こういうような達成率がどうして起こったのでしょうか、お聞きしたい。 〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕
○清水説明員 ただいま第五次地域の進捗率についての御紹介数字、そのとおりでございまして、公共下水道等につきましては、私ども手元に持っております資料では、御指摘のように二九%の進捗率。第五次地域におきましては四十九年から五十三年までの五年間、五十三年度末現在で計画をいたしておりましたのが三百十五万六千人に対しまして、九十万一千人の処理人口になっているというような状況でございます。 公共下水道は非常にむずかしい問題が多々あるのでございましょうか、ここの第五次地域の五十三年度におきますところの現状は以上のようなことでございまして、これは各地方公共団体の努力ももちろん傾注されたことと思いますけれども、結果としてこういう状況になっているものでございます。
○細谷委員 これは五カ年の実績、第五次が数字に出ておりますから申し上げたのであります。第五次を見ても公共下水道が三分の一にも達してない。屎尿処理はおおよそ九割にいっておる。ごみ処理についてはわずかに四四%、半分にもいっていない。 それでは五分の四、五年のうち四年間を経過したところはどうかといいますと、これは五次よりも一年後のはずでありますけれども、公共下水道が五一進んでおります。それから屎尿処理が六三でありますから、屎尿処理についてはこの一年早い第五次の方が進んでおります。それからごみ処理についても三三で、一年早い方が先であります。そして学校環境では四年間で八四いっております。ですからかなりいっておりますけれども、依然としてやはり五一%という公共下水道等がかなりスローテンポであるということは間違いございません。それで、五年のうちの三年間を経過したところはどうかといいますと、公共下水道はわずかに三〇%、屎尿処理が五一、ごみ処理が三九、こういう形であります。 いま私が数字を申し上げた点からはっきりすることは、どこの場合でも公共下水道が立ちおくれておる、これがはっきりしております。そして、廃棄物の圧倒的な部分は屎尿とごみであります。八割ぐらいがこれでありますから、これはわりあいに進んでいっております。いまや、公害防止事業の国の補助金の特例が適用されておる分の一番のシェアというのは廃棄物処理にあるわけですから、これはそういうことであります。なぜ一体、事業ごとにこういう格差が起こっているんでしょうか。これは環境庁は御存じないでしょう。環境庁は、金のことについては自治省に任せてあるから、自治省、お答えいただきたい。
○土屋政府委員 私どもも、個々の地域における下水道の整備状況等については知悉しておるわけではございません。ただ、おっしゃいますように、いま私も見せていただきました資料では、やはり公共下水道等がかなりおくれております。これは地域によっても事情はいろいろ異なると思いますが、事業そのものがかなり多額の経費を要するといったようなことと、事業の施行上いろいろと対住民関係その他あると存じます。そういったこと等から、整備がおくれておるわけであろうかと思っております。最も基盤的な施設でございますから非常に重視されるべきものでございますが、いま言ったようなことからおくれておるのではないか、もちろん地域差もあろうかと思いますが、そのように存じております。
○細谷委員 私は、いただいた資料等から判断をしておるわけでありますけれども、こういうふうに事業ごとに発生率が大きく狂ってきているのは財政特例のタイプ、システムそのものにあるのだ、こういうふうに指摘せざるを得ない、こう思っておるわけです。 そこで、そう思っておる理由をちょっと申し上げたいと思うのでありますけれども、五十四年度の例をとりますと、一番消化が悪い公共下水道等ではどういうふうになっているかといいますと、財政特例法というのはありますけれども、財政特例の恩恵にあずかるのはたった二億円です。五十四年度の決算ですよ。仕事はどのくらいやったかといいますと、四千二十億円の仕事をやっておるのです。ところが、財政の恩恵はたった二億円しかないわけですから、これはなかなか進みようがないわけです。補助率は幾らかといいますと半分ですが、五十四年度の場合は三二・四%ですよ。補助の対象が一〇〇%になっていないのですから、二分の一の補助率でありますけれども三二・四%しか補助は来ていない、事業費に対して。これが実態であります。 それでは廃棄物処理はどうかといいますと、千百六十五億円の仕事をしておるわけです、公害防止事業では。そうして、どうかといいますと、通常の補助、これは二百三十四億円、それから財政特例によって補助金がふえたのが二百四億円あります。通常の補助金とほぼ同じ金額があるわけです。でありますから、言ってみますと、半分の補助であるはずでありますけれども、廃棄物処理については三八%の補助になっているわけです。補助率が高い方に、財政が厳しい市町村はそちらの方についていくこと、そちらの方に事業を、目を向けていくということ、あたりまえであります。この一点からいっても、財政特例そのものについて公共事業が進まないようなタイプになっているんではないか、私はこういうふうに申し上げざるを得ないのでありますが、財政局長、私の考えを支持しますか。
○土屋政府委員 お示しのように、五十四年度の約四千二十億の公共下水道等のうちで、かさ上げ額としては二億ということで、きわめて少なくなっておるわけでございます。 ただ御承知のように、公共下水道等につきましては、この公害防止地域のみならず全国一律に整備水準を引き上げるということで、かなり高率の補助が適用されておりまして、それが通常の補助というかっこうで、この公害防止地域における補助率も同じ率になっております。したがいまして、かさ上げ分として出てまいっておりますのは、都市下水路あるいは特定公共下水道に係るものだけでございますので、その分が低くなっておるわけでございます。 その理由は、私がいま申し上げましたように、全国的に水準を引き上げる意味で公共下水道等が三分の二という非常に高い率になっておって、こちらの公害財特法ではそれについてはそれ以上の引き上げをしていない、その結果かさ上げ分が大きく出ていないということが言えるかと存じます。
○細谷委員 これについては、また後で議論をしたいと思います。 おくれている理由というのでもう一つ。——国土庁いらっしゃいますか。あなたを呼んでいなかったけれども、ちょっと答えていただきたい。 おたくの方で数日前に「東京近郊都市の現状」、国土庁大都市圏整備局の調査で、こういう調査の結果を報告いたしております。新聞でもかなりのスペースを割いて報道しておりました。 それを拝見いたしますと、先ほど申し上げたように公害地域、これは首都圏の公害地域と言っておりますが、指摘しておるように横浜とか川崎とか広島とか、こういうところが日本の代表である指定都市でありながら、下水道も都市公園もあるいは市民一人当たりの歳出額も悪いのですよ。市民一人当たりの歳出額が悪いということは財政が悪い。財政が悪いから公園にも手が出せない、下水道もやれない。とにかく有利なやつから、補助率の高いやつからやろうということになる。そういう結果が生まれてきているのではないかと、おたくの調査の結果から私は判断いたしました。私の判断が間違っているでしょうか、お答えいただきたい。
○安達説明員 先ほど先生のおっしゃいました大都市近郊都市の現状につきましては、国土庁の大都市圏整備局の方でまとめた資料でございます。 これにつきましては先ほども御指摘のとおり、地方の中心でございます県庁所在都市とそれから大都市圏の近郊にございます横浜、川崎あるいは八王子、立川、そういった都市、あるいはそのほかの小田原とかそういった二次核都市といいますか、そういった核都市とを比較しておるものでございます。 この趣旨といたしましては、現在、首都圏整備基本計画におきましても過密の解消というような観点から、そういったところに核となる都市を育成していくという観点で計画が定められておりますけれども、現在のところ必ずしも核都市が順調に育っておらない、そういうことの基礎的なデータといたしまして、地方の中心都市との比較を行ったわけでございます。 その結果、県庁所在都市等におきましては、文化的なものであるとかその他いろいろのものが集まっておりまして、核都市の方はかなりそういう点においておくれておる。この原因はいろいろ考えられるわけでございますけれども、一つには東京の一点集中といいますか、これが非常に大きくて、そこの方にいろいろな面で依存しているということが一つ考えられるかと思います。 それからもう一点は、近郊都市におきましては、特に最近人口の増加は鈍化はしてきておりますけれども、非常に人口の増加が伸びておりまして、この観点で施設整備がそれに追いついていってないという点があろうかと思います。 それから、特に最近の公共事業等の伸びも、いろいろの事情、財政的な事情で少し伸び悩んでおります。 それからもう一つは、投資配分が地方都市の方にある程度厚くなってきておるというような観点から、地方中心都市に比べて近郊都市がおくれているんじゃないかというふうに考えております。
○細谷委員 おくれているということだけは確認されたわけであります。 そこで、もうちょっと議論を深めなければいけませんけれども、第四次の公害地域を見て、指定された地区の計画と進捗率、達成というのを見ますと、私が指摘したように同じなんですね。公共下水道は、終末処理だけが特例負担の適用事業になるわけでありまして、公共下水道の終末処理だけは消化がいいのですよ、八一%いっているのです。ある四次の地域はそういっているのです。それから廃棄物処理よりも、この場合にはいっているわけです。ところが、特例の対象にならない下水道の終末処理は八〇%を超しておりますけれども、管渠の部分は五八%しかいってない。終末処理場はできたけれども、管渠はそれよりもはるかにおくれている。一体として使わなければならないものが使えない、効果を発揮できない、こういう状況になっております。 これがなぜ一体、末端の方の終末処理場が先に進んで、そうして公共下水道の管渠部分がおくれているかといいますと、管渠部分についての下水道のかさ上げというか特例補助が適用されておらない、こういうことが原因ではないか、こう思っておりますが、財政局長どうお思いですか。
○土屋政府委員 具体的な事業の中身を詳細には存じませんが、私が聞いております限りにおいては、下水道を整備してまいります場合は非常に多額の経費を要し、事業の進め方にもいろいろ難点もございますので、幾つかの段階に分けて終末処理場ができたところで管渠を整備していく、面整備をしていくというようなことで繰り返していくので、若干そこのずれがあるということは技術的に聞いております。 ただ、全般的なお話の中でございましたように、終末処理場は高率補助があるが、管渠についてはそれほどの補助、高率補助はないというようなことも影響しているのではないかという御指摘でございました。私も、具体的にそれがどういうふうにこの事業の進め方と結びついているかということについては十分存じません。仕事の進め方として、最初に申し上げたようなこともあって、ややそこに跛行性があるのだというふうには聞いております。ただ、お示しの点について明確に、その点は関係がないのだということについては、私もちょっと申し上げにくいわけでございます。
○細谷委員 これははっきりしているのですよ、言葉はいろいろとつないでおりますけれども。私が言っているのはどういうことかというと、公共下水道については、終末処理場は通常の補助率は三分の二です。六五%の国庫補助があるわけです。管渠の部分については十分の六です。これは下水道法の本法じゃないですよ。下水道本法に基づく政令の附則の中で、こういう通常の補助率が出ておるわけです。言ってみますと、政令の附則というのですから、政令と建設省令のあいのこぐらいのところに位置するやつで決まっているわけです。ところが下水道の特例補助はどうかといいますと、二分の一ですよ。五〇%です。 御指摘のように、公共下水道は莫大な金がかかるわけです。地方財政なんてどうにもならない。私はかつてこの特例が議論されているときに、一次の指定のころに、恐らく公共下水道で地方財政はパンクするだろう、こう言っておりました。いろいろな点があってパンク状態になっておりますけれども、もうやらないのですよ。特例特例と言いますけれども、特例よりも通常の補助の方が高いのですから、やらないのはあたりまえですよ。そうして、特例の補助の適用になる終末処理場は三分の二ということで、通常の補助は高いわけですから、特例なんかじゃなくてこの高い方のやつに飛びついていくのはあたりまえです。下水道というのは一番金のかかる、しかも、これは環境を守っていくために絶対必要だというならば、特例をやる際に、特例でございますという形で二〇%じゃなくて通常の補助より低いところに位置づけておるところに、進まない根本的な原因があるのではないか、こう思っております。建設省おいでですか。建設省はどうお考えですか。
○玉木説明員 お答えいたします。 下水道事業の国庫補助率は昭和四十九年度に全般的に大幅に引き上げられたわけでございまして、公共下水道につきましては処理場につきましては十分の四が三分の二、それから流域下水道については処理場が二分の一が四分の三ということに引き上げられたわけでございます。したがいまして、財特法の二分の一よりも高い補助率で現在実施しておるわけでございます。この現行の補助率は、ほかの公害対策関連事業に比べまして十分均衡がとれていると考えておるわけでございます。したがいまして、当面は事業量の確保が優先すると考えておりますので、建設省といたしましては、公害防止対策事業としての下水道事業につきましては、重点的に推進をしてまいりたいというふうに考えております。
○細谷委員 下水道の整備というのが建設省の最大の重点課題になっているということも承知しております。また、そうなければならぬと思っております。けれども、事業量を確保するという観点で、時としては泳げないのに泳いでおぼれてしまうカラスがあるということわざもあるように、下水道そのものについてきょうは議論しませんけれども、たとえば五十年から独算制度なんという、ある意味では麻薬みたいなものを導入しているのですよ。それで、事業量を伸ばすためにその独算制度を生かしていっているところに問題があるわけですけれども、きょうはそれは議論いたしません。 議論いたしませんけれども、私が一つ申し上げたいのは、自治省が出しております「公共下水道事業経営実態調査報告書」、この五ページにこういうことが書いてある。「建設投資額の状況」、五十一年から五十四年までどのくらい投資したかといいますと、三兆六千億円の投資が行われております。そのうち都と指定都市が五五%、その他のところが四五%であります。ですからさっき、指定都市じゃないところによけい事業がいくようにという意味のことをおっしゃったようでありますけれども、大体都と指定都市に、大都市に五五%事業がいっているのです。これはそういう状況になっております。 ところで、横浜あるいは川崎とか八王子とか、そういうところが事業が進んでおらない。こういう事業の一つに、補助対象事業というのが大都市は悪いのですよ。この自治省の投資でも一般的にはどのくらいかといいますと、補助対象率は、総事業費の五五%が補助対象になっているわけです。指定都市は幾らが補助対象になっているかというと四二・六%、その他の都市では六九%、言ってみますと七割対象になっているわけです。 〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕 ところが、指定都市の方では、大都市では四三%しか対象にならない。非常な大きな格差があるわけです。 言ってみますと、指定都市では五八%が補助をもらえない単独事業、補助の対象になるのはわずかに四二%。一般の都市でありますと、三割は単独事業でありますけれども七割は補助をもらえるというかっこうになっているのですよ。これは、指定都市は四〇%だ、一般の都市は七五%だという補対率の差から出ております。一体何で指定都市、大都市は補助対象事業が四〇%で、そして一般の都市は七五%だという区別をしなければならぬのでしょうか。環境整備は大都市も市町村も同じですよ。これは余りにも事業だけ伸ばせば事足りるという安易な建設省の姿勢ではないかと思うのですが、建設省の御意見があったら聞かせていただきたい。これに対して自治大臣はどうお思いになるのか。直すべきですよ、不公平もはなはだしい。どうするのか、お答えいただきたいと思います。
○玉木説明員 ただいま先生御指摘のように、指定都市と一般都市に補助対象率に差がございまして、計画で言いますと一般都市では七五%、指定都市では四五%ということになっております。これは指定都市と一般都市を比べますと、財政負担能力が指定都市の方が高いということがございまして、歴史的にこういうことになっておるわけでございます。したがいまして、全国的なレベルアップという観点から、一般都市の補助対象率を指定都市より高くして、おくれている一般都市をできるだけ普及率を高めようということが趣旨でございます。
○安孫子国務大臣 差が余りに大き過ぎると私も思います。恐らくは財政力でも見まして、指定都市の方が財政力があるからその程度でいいじゃないかというような感覚を持っているのじゃないかと思いますが、普通都市と政令都市でそれほどの財政力の差は私はないと思います。したがいまして、同一でなくとももっと差を縮めるべきだろうと私は思います。
○細谷委員 私も、いま直ちに半分半分——おおよそ指定都市の方に五五%事業がいっているわけです。半分半分ということになりますとなんでしょうけれども、片や七五、片や四〇というのはひど過ぎる。それで、それほどの財政力の差があるかというと、大臣おっしゃったようにありませんから、これはひとつ不退転の決意で直していただきたい、こう努力をお願いしておきたいと思います。 時間がありませんからその次に進みたいわけですけれども、いま大都市、東京、大阪近郊、首都圏、近畿圏あるいは中部圏もしかりと思いますが、そこばかりでありませんで、地方の都市でもこれは大変なんですよ。それはどういうことかというと、一般廃棄物、産業廃棄物の捨て場がなくてまいっちゃっている。海を埋め立てようとしますと、これはそう簡単には許可が出ない。それから環境アセスメントの問題がある。これをどうやって解決しようとしているのか、自治省にお尋ねいたします。
○大嶋政府委員 確かに御指摘のとおり大きな問題でございます。したがいまして、広域臨海環境整備センター法案というものを今国会に運輸省、厚生省の所管で提案されておるところだと聞いております。
○細谷委員 廃棄物の広域処理の臨海センターというのは今度の予算にも出ておりますけれども、東京と大阪、大阪の方が先行する、こういうことであります。 私がお聞きしているのは、ここも大変でありますからやらなければいけません。しかしその他の都市、たとえば最近指定都市になりました広島、いまはどうか知りませんけれども、数年前に私が行ったときに、あの瀬戸内海の軍艦陸奥が沈んだところの辺に広島の大部分の屎尿が投棄された。いまは外海の方へ出しておるのですけれども、広島といえども、数年前と今日はそう変わっておるはずがありませんから、海上投棄に依存しておる。そうしますと、東京湾なり大阪湾ばかりではありませんで、地方の都市でも一般廃棄物、産業廃棄物をどう処理するかは大変な問題であります。 このセンターの問題、いまおっしゃったことについては、東京と大阪に計画されておるようであって、これも地方自治の本旨に照らしますと大変問題がありますけれども、もう一つの、地方の都市の問題についても対応してやりませんと不公平が起こります。憲法違反になりますよ。東京と大阪だけ構ってやって地方の方はほったくってある、こういうことになりますといけませんよ、法のもとに平等なんですから。それについてどう対応しようとしておるのか、大臣いかがですか。
○安孫子国務大臣 東京、大阪のみならず、各地におきまして捨て場の問題はきわめて重要な問題でありまして、いままでは地方地方でいろいろと工夫してやってきておったと思いますけれども、もう限界に来ておりまして、何かしら別途の措置を講じなければならぬような実情にあるのではなかろうかと思います。十分これから検討したいと思います。
○大嶋政府委員 先ほど申し上げました法案につきましては、最初に大阪あたり、それから東京あたり、こう一般に言われておりますけれども、必ずしも大阪、東京に限った問題ではないと考えております。
○細谷委員 私は、いま大嶋さんがおっしゃったことについて——広域臨海センターを見ましたよ。これは、いままで各自治体の困っておるところの物の処理をしてやるということでありますけれども、国の機関でもない、地方の機関でもない、そして補助金は直接にそこへ行く、そういう仕組みになっておるようであります。私は、やはり地方制度の根幹に触れていく問題だと思う。そして、これが東京、大阪ばかりでなくて、将来は広島湾にもあるいは北九州福岡の響灘にも、こういうことになってまいりますと、これは大変大きな問題になります。そして何よりも問題は、産業廃棄物はPPPの原則が貫かれなければならぬ。このセンターの建設から管理、運営にわたって、一般廃棄物と産業廃棄物、そして産業廃棄物におけるPPPの原則をどうやっていくかということは、これは負担の問題ばかりではなくて、国と地方との基本的関連にも大きな問題点を投げかけておる問題だと私は思っております。 そういう点で大臣、簡単に運輸省と厚生省がやっておるようだけれども、高みの見物をしておこうやというわけにはいきませんから、地方自治の本旨という問題と財政上の負担はどうなっていくのか、今後の管理はどうなっていくのか、それから東京湾、大阪湾ばかりでなくて今後どうなっていくか、そういう全体計画像というものを示した上で、納得いく対応をしなければならぬと思います。時間がありませんから、きょうはこの程度聞いておきますが、いかがですか。
○安孫子国務大臣 センターの問題については、結局一般廃棄物あるいは産業廃棄物、そのほか港湾関係の廃棄物等々がまとまっての問題、それに護岸、土地造成等も絡みますからセンターという方式をとったものだと思いますが、これは自治体にとりましてもきわめて重要な問題でございますので、この構想を実現するに当たりまして自治体の意見も十分に尊重してもらわなければならぬということを、厚生省、関係省には自治省として申し入れをいたしております。そういうことで、当面センターは発足するわけでございますが、今後の問題については篤と御趣旨を体しまして検討してみたいと思います。
○大嶋政府委員 若干補足させていただきます。 一般廃棄物は市町村が処理する仕事ということになっております。それから、産業廃棄物については事業者の責任でございますけれども、広域的な処理は都道府県もやることができるということになっておるわけでございます。したがいまして、このセンターは一体どういう性格のものかということになりますと、地方公共団体がやるべきものは地方公共団体がやるということでなければならないのでございまして、このセンターは地方公共団体から委託を受けて仕事をやるということになっております。したがいまして、地方自治の本旨というものは一応この中では貫かれておるもの、私としてはかように考えております。
○細谷委員 私もそう思いたいのでありますけれども、そうあなたが言うように貫かれておると言い切るようなしろものではない、こう思っております。きょうは、問題は残しながらこの程度にしておきたいと思いますが、一つこの問題についてお伺いしておきたいことは、いまの制度の中では、一般廃棄物というのは、生まれが一般廃棄物でありますと墓場まで一般廃棄物なんですよ。産業廃棄物の方は、生まれが産業廃棄物でありますと墓場の方も産廃であって交わることがないわけですよ。 現実にはどうなっているかといいますと、たとえば五千戸、六千戸というような相模原みたいな大きな団地ができますと、そこから出る汚泥なんていうものは文字どおり産業廃棄物のような量なんですよ。ところが、その産業廃棄物のようなものは一般の家庭から出るから一廃だという形で処理しますから、産業廃棄物と交わったら市の担当の局長の首が飛んじゃうのです。その自治体の責任者は首が飛んじゃうわけです。それからPPPの原則を侵されますから問題があります。この屎尿処理等の汚泥を不法投棄したということで、市長の首が飛んだところもあるわけですよ。御存じでしょう。 そうだといたしますと、これをどうやってやるかということ、どこか適当なところで交わる点を合理的につくっておきませんと、これは大変だと私は思うのですよ。現にありますよ。業者がある市の汚泥を処理しているけれども、そこでは処理できないものですからほかの市の方の捨て場に持っていく。わかったら大ごとですから秘密にしておく、担当者が知っておっても黙って見て見ぬふりしておる、こういう現状であります。わかったら市長の首まで飛んじゃうのですから。そういうことでありますから、この点について対応を考えておかなければならぬと思うのですけれども、大臣、どうでしょうか。
○安孫子国務大臣 大変重要な問題でございますので、十分に検討いたしてみたいと思います。
○細谷委員 本当は新産・工特について若干コメントをしたかったのでありますけれども、もう時間がありませんから、時間の範囲内で——何分か、若干超過するかもしれませんけれども、一言、二言ちょっと申し上げたい。 今度の新産・工特、首都圏等について、補助率のかさ上げで若干手直しをしておるわけです。言ってみますと、財政力指数を加味して、財政力のいいところについては補助金をちょっと削ろうじゃないか、それは影響は七彩ぐらいだと先ほど答えがありました。お尋ねしたいことは、財政力指数について加味して七%ぐらい影響を及ぼす。不退転の決意で折衝してできたものがそういうことなのですけれども、そこまで議論をしているのならば、一体なぜ十五年前の財政力指数をそのまま使って式に残しながら補助金だけ翻るような措置をしたのですか。これはおかしいですよ。 私の質問の意味がわかりますか。言ってみますと、式の分母に〇・七二というのがあります。全国平均では、いまは〇・七二じゃないのです。〇・六四ぐらいになっているはずです。そうだとするならば、十五年前の数字じゃなくて、式について手を加えるならば、これについても手を加えて現在の数字——昨年過疎法では、現在から三年前の数字を使って式を直したのです。新しい数字に置きかえて補助のやり方を直しました。これもやるべきですよ。大蔵省の方がそこのところを財政力指数でいじるということなら、財政力が変わっているのですからいじるべきです。いじらないのはどういうわけでしょうか。
○土屋政府委員 ただいまお示しのございましたように、今回は〇・七二の指数は動かしておりません。全般的には、先般来申し上げておりますように、財政力によって財政力援助の幅をかげんをしておる。むしろその度合いは、私どもとしては強めたつもりでございますが、いまのところ変えなかったのは、これは先生よく御承知のように、昭和三十七年の低開発地域工業開発促進法ができました際にこれが用いられて、それ以後、いろいろな法令がすべてこの数値を使っておるということもございまして、今回これを改めると、制度全般を通じましての安定性なり制度間の均衡ということにもいろいろ影響するので、それはさておいて、全般的な数値の中で調整をとるというような形にいたしたわけでございます。率直に申し上げて〇・七二そのものは、その後変わっておることは事実でございます。
○細谷委員 十五年前の数字をちょっと減らす方にだけは、数字だけ〇・三を〇・三五にしたりしてやっておりますけれども、大もとの現在の数字というのは、指数がわかっておるのにそれを使わないというのはおかしいのではないか。私はかりでなくて、そう思うと思うのです。 それからもう一つ、いままで十五年やってまいりましてどういうことになるかというと、あの式では、標準仕事量という標準の一〇%を超さぬと補助率のかさ上げがないわけです。調べてみますと、新産・工特の場合には、五十四年度では、約一六%が仕事をやったけれども補助率のかさ上げにならない。一〇%までいかぬで七%とか八%の仕事をやっているところ、裏を返すと、財政力が豊かでなくて歯を食いしばって仕事をしているところは、そのかさ上げの恩恵にあずからない。金がよけいにあって一五%も二〇%もやったところは、しこたまこのかさ上げの補助金をほうびとしてもらうということになります。 首都圏等ではどうかといいますと、驚くなかれ、三六%がかさ上げの対象にならないで落とされている。やはりこれも財政力の弱い市町村が一般的である。そうだといたしますならば、あの式に手をつけるならば、こういうところの不合理にも手をつけるべきではなかったのかと私は思います。大臣、いかがでしょう。
○安孫子国務大臣 私も就任早々でございましたので、そこまでは手をつけるわけにはいかなかった、これだけはひとつ御了承願いたいと思いますが、この点は十分に注意をいたしてまいりたいと思います。
○細谷委員 財政局長、大臣は確かにそうです。十二月十六日に就任して、二十日には大蔵原案をあえて復活させるのに一生懸命だった。補佐役であるあなた方がそういう問題点のことを大臣にぴしっと言って、不退転の決意で復活折衝に臨んだ以上は、大臣にふなれであってうっかりしたというようなことで逃げられては、ちょっと私どもは承服できない。その辺を具体的に答えていただきたい。 それから公文さん、あなたはその辺は御存じでおやりになったかどうか、お答えいただきたい。
○土屋政府委員 最初にお示しのございましたように、新産・工特等によります特例措置が適用になりますのは、従来からの地方財源によって負担し得る額、いわば通常の負担額を超えて事業を行う場合に、その程度に応じて措置を講じておるわけでございます。そういうことでございますから、標準財政規模の一〇%以下ということになりますと、その率は低くなります。したがいまして、事業が少なければ特例の働く余地が少なくなるということでございますから、産炭の場合と同じように、そこらはもう少し整理をしたらどうかというような御趣旨はよくわかるのでございます。 しかし、従来から私どもが考えておりますのは、この制度が創設された時期に、全国の市町村が平均的に標準財政規模の一〇%の財源を、いま財特法の対象になっております各種の事業に投入しておる、そういった事実がございました。したがって、新産・工特地区内の市町村も、地区外の市町村と同じように、その程度のものは当然通常の財源で負担すべきであって、それを超えるものについて特例を適用するというふうに考えたらどうかと思っておりまして、そこが産炭地域と違いますのは、特に産炭地域の六条適用市町村あたりは財政力指数が非常に違うわけでございます。そういったこともございますので、産炭地域の場合はそういうところにはやや違った扱いをいたしましても、新産・工特地域では、従来からのやり方で通常の負担額を超える場合だけ適用すればいいのではないかという判断に立って、それを変えなかった次第でございます。
○細谷委員 最後です。 私が言っているのは、産炭地振興の場合には標準方式と特別方式というのがありまして、標準方式は一割を超した場合について補助率のかさ上げをする、特別方式は六%を超した場合に補助率のかさ上げをする。これは法律を改正して後で特別方式が生まれたという歴史的な背景があるわけです。私が申し上げるのは、首都圏等で三六%も仕事をやりながらこの財特法の恩恵を受けないのは問題があるじゃないか、ある意味では、弱者に対して対応できるようにしてやるのが財特法の存在する意義ではないかということです。 私は、産炭法と同じように特別方式をつくれということをここで言っているわけではありません。少なくともあの式の中で〇・七二という数字を現在の〇・六四なら〇・六四に置きかえると同時に、全国最低を目標としてそこまでは見てやるぞなんということではなくて、早く全国平均まで行きなさいという全国平均の財政力指数を使っていけば、上の方はある程度抑えて下の方の弱いところが浮かび上がるようなことも、あの式を加工することによってできますよ。そういうこともひとつ検討していただきたいと思います。 大臣、財政上の問題についてもうすっかりおわかりになっているでしょうから、頭にきちんと入れておいていただきたい、私はこう思います。 この問題については、いろいろ申し上げたいのでありますけれども、時間も私の時間が九分過ぎましたので、問題を残しながら終わらしていただきます。
○左藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○左藤委員長 次に、内閣提出、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提案理由の説明を聴取いたします。安孫子自治大臣。 ————————————— 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び 納付金に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○安孫子国務大臣 ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。 明年度の地方税制につきましては、現下の厳しい地方財政事情と地方税負担の現状にかんがみ、その負担の適正化及び地方税源の充実を図るため、所得の金額が一定の金額以下である者について昭和五十六年度限りの措置として個人住民税所得割の非課税措置を講ずるとともに、法人住民税について均等割の税率適用区分の基準の変更並びに道府県民税及び市町村民税に係る法人税割の税率の調整、個人事業税について課税対象事業の追加並びに不動産取得税について税率の引き上げを行い、固定資産税等に係る非課税等の特別措置の整理合理化を図り、あわせて地方税に係る更正、決定等の制限期間の延長等の措置を講ずることとするほか、日本国有鉄道に係る納付金算定標準額の特例措置についてその適用期限を延長することとする等の必要があります。 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 第一は、地方税法の改正に関する事項であります。 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。まず、個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、低所得者の税負担の実情にかんがみ、昭和五十六年度限りの措置として、所得の金額が二十七万円に本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数を乗じて得た金額以下の者について、所得割の非課税措置を講ずるほか、控除対象配偶者のうち年齢七十歳以上の者については、老人配偶者控除を適用し、その額を二十三万円とすることといたしております。 次に、法人の道府県民税及び市町村民税につきましては、法人税の税率引き上げに伴う法人税割の増収額を市町村税源の充実に充てるため、法人税割の税率の調整を行うこととし、市町村民税の標準税率を百分の十二・三に引き上げるとともに、道府県民税の標準税率を百分の五に改めるほか、均等割の税率適用区分の基準を資本の金額または出資の金額に資本積立金額を加えたものに改め、均等割の課税の適正化を図ることといたしております。 その二は、事業税についての改正であります。個人事業税につきましては、社会経済情勢の推移に伴い、負担の公平を図るため、新たに不動産貸付業、駐車場業、コンサルタント業及びデザイン業を課税対象事業に加えることといたしております。 その三は、不動産取得税についての改正であります。不動産取得税につきましては、現下の厳しい地方財政の状況にかんがみ、地方税源の充実を図るため、標準税率を百分の四に改めることといたしておりますが、最近の住宅建設の状況等に配慮し、住宅及び一定の住宅用土地の取得については、今後五年間に限り現行税率に据え置くことといたしております。また、一定の要件を満たす新築住宅についての課税標準の特例措置の控除額を四百二十万円に引き上げることといたしております。 その四は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。固定資産税及び都市計画税につきましては、鉱工業技術研究組合の機械装置に係る課税標準の特例措置等の整理合理化を行う一方、地域エネルギー利用設備に係る課税標準の特例措置を新設する等の措置を講ずることといたしております。 その五は、軽自動車税についての改正であります。軽自動車税につきましては、課税事務の簡素合理化を図るため、月割り課税制度を廃止することといたしております。 その六は、電気税及びガス税についての改正であります。 まず、電気税につきましては、産業用電気に係る非課税措置の見直しを行い、二品目に係る非課税措置を廃止する一方、繊維製品及び紙の製造用電気に係る軽減措置の適用期限を延長することといたしております。 また、ガス税につきましては、エネルギーの利用の合理化及び効率化に資する一定のガスの使用について、ガス税を課さないことといたしております。 その七は、国民健康保険税についての改正であります。国民健康保険税につきましては、被保険者の所得水準の上昇等を勘案して、課税限度額を二十六万円に引き上げるとともに、昭和五十六年度分の国民健康保険税に限り、減額の基準を二十三万円に一定の金額を加算した金額とすることといたしております。 その八は、更正、決定等の制限期間及び罰則等についての改正であります。この改正につきましては、税務執行面における実質的負担の公平を確保するため脱税の場合の更正、決定等の制限期間を二年延長するとともに、道府県民税、事業税及び市町村民税の脱税に関する罪についての法定刑の長期を五年とすることといたしております。 第二は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正に関する事項であります。 日本国有鉄道に係る市町村納付金につきまして、納付金算定標準額の特例措置の適用期限を昭和五十七年三月三十一日まで延長することといたしております。 このほか、地方税制の合理化を図るための所要の規定の整備を行っております。 以上の改正の結果、明年度におきましては、個人住民税の非課税措置、新築住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例に係る控除額の引き上げ等により二百八億円の減収となる一方、法人住民税の均等割の税率適用区分の基準の変更、不動産取得税の税率の引き上げ等により九百六十四億円の増収が見込まれておりますので、差し引き七百五十六億円の増収となる見込みであります。 以上が、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○左藤委員長 以上で本案の提案理由の説明は終わりました。 引き続き、本案について補足説明を聴取いたします。石原税務局長。
○石原政府委員 ただいま説明されました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の主要な内容につきまして、お配りしております新旧対照表により補足して御説明申し上げます。 第一は、地方税法の改正であります。 まず、総則の改正であります。 第十七条の五及び第十八条の二の改正は、脱税の場合の更正、決定等の制限期間を五年から七年に延長するとともに、脱税の場合の徴収権の消滅時効は、一定の期間進行しないものとしようとするものであります。 次は、道府県民税の改正であります。 第二十三条第一項第四号の二の改正は、資本等の金額について、その用語の意義を定めようとするものであります。 第二十五条第一項第一号及び第二号の改正は、国民健康保険組合等が収益事業を行う場合には、道府県民税を課税しようとするものであります。 第三十四条第一項及び第五項の改正は、控除対象配偶者のうち年齢七十歳以上の者について老人配偶者控除二十三万円を適用しようとするものであります。 第五十一条第一項の改正は、道府県民税法人税割の標準税率を現行の百分の五・二から百分の五に、制限税率を現行の百分の六・二から百分の六にそれぞれ改めようとするものであります。 第五十二条第一項及び第四項の改正は、法人等の均等割の税率適用区分の基準を、先ほど御説明いたしました資本等の金額、すなわち資本の金額または出資金額に資本積立金額を加えたものに改めようとするものであります。 第六十二条の改正は、法人等の道府県民税の脱税に係る法定刑の長期について現行三年を五年とし、これに伴い法人に罰金刑を科する場合の公訴時効期間を五年としようとするものであります。 次は、事業税の改正であります。 第七十二条第五項、第七項及び第八項の改正は、個人の事業税の課税対象事業に、不動産貸付業、駐車場業、コンサルタント業及びデザイン業を加えようとするものであります。 第七十二条の四第一項及び第七十二条の五第一項の改正は、国民健康保険組合等が行う収益事業に対し事業税を課税しようとするものであります。 第七十二条の六十の改正は、事業税の罰則等について法人等の道府県民税の場合と同様の改正を行おうとするものであります。 次は、不動産取得税の改正であります。 第七十三条の二第十一項及び第十二項の改正は、農住組合が行う事業で土地区画整理法の適用があるものの施行に伴う仮換地等の取得について、一般の土地区画整理事業と同様の課税の特例を設けようとするものであります。 第七十三条の六第三項の改正は、農住組合が行う事業で土地区画整理法の適用があるものの施行に伴う換地等の取得について非課税措置を講じようとするものであります。 第七十三条の十四第一項の改正は、新築特例適用住宅に係る課税標準の算定上価格から控除する額を現行の三百五十万円から四百二十万円に引き上げようとするものであります。 第七十三条の十五第一項の改正は、不動産取得税の標準税率を現行の百分の三から百分の四に引き上げようとするものであります。 なお、住宅及び一定の住宅用土地につきましては、後ほど御説明いたしますが、附則において特例措置を講ずることといたしております。 次は、料理飲食等消費税の改正であります。 第百二十九条第七項の改正は、領収証等の写しの保管期間を現行の六カ月問から一年間に延長しようとするものであります。 次は、市町村民税の改正であります。 第二百九十二条、第二百九十六条、第三百十二条及び第三百十四条の二の改正は、道府県民税と同様でありますので説明を省略させていただきます。 第三百十四条の六第一項の改正は、市町村民税法人税割の標準税率を現行の百分の十二・一から百分の十二・三に、制限税率を現行の百分の十四・五から百分の十四・七にそれぞれ引き上げようとするものであります。 第三百二十四条の改正は、市町村民税の罰則等について法人等の道府県民税の場合と同様の改正を行おうとするものであります。 次は、固定資産税の改正であります。 第三百四十三条第六項の改正は、農住組合が行う事業で土地区画整理法の適用があるものの仮換地等について、一般の土地区画整理事業と同様の課税の特例を設けようとするものであります。 第三百四十八条第二項第二十八号及び第三百四十九条の三第二十八項の改正は、貿易研修センターの業務用固定資産に係る非課税措置を廃止し、課税標準の特例措置を設けようとするものであります。 第三百四十九条の三第六項の改正は、鉱工業技術研究組合の機械及び装置に係る課税標準の特例措置を縮減しようとするものであります。 次は、軽自動車税の改正であります。 第四百四十五条の二及び第四百四十七条から第四百四十九条までの改正は、軽自動車税の月割り課税制度を廃止しようとするものであります。 次は、電気税及びガス税の改正であります。 第四百八十九条第一項の改正は、電気鋳造耐火れんが及びアセトアルデヒドに係る電気税の非課税措置を廃止しようとするものであります。 第四百九十一条の二の改正は、エネルギーの利用の合理化及び効率化に資する一定のガスの使用について、ガス税の納税義務を免除しようとするものであります。 次は、特別土地保有税の改正であります。 第五百八十六条第二項第十七号及び第十七号の二の改正は、日本勤労者住宅協会がその本来の事業の用に供する土地またはその取得について非課税としようとするものであります。 次は、事業所税の改正であります。 第七百一条の三十四第三項の改正は、農住組合が農業を営む者の共同利用に供する一定の施設について非課税としようとするものであります。 次は、国民健康保険税の改正であります。 第七百三条の改正は、課税限度額を二十六万円に引き上げようとするものであります。 次は、都における特例の改正であります。 第七百三十四条の改正は、市町村民税の標準税率等の改正に伴う規定の整備であります。 次は、附則の改正であります。 附則第三条の三の改正は、昭和五十六年度分の個人の道府県民税及び市町村民税に限り、所得の金額が二十七万円に本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数を乗じて得た金額以下である者について所得割を非課税とするとともに、所要の調整措置を講じようとするものであります。 附則第十一条の改正は、不動産取得税について、農業委員会のあっせんに基づく農地の交換分合により取得した農地に係る課税標準の特例措置を廃止するとともに、農用地利用増進計画に基づき取得した農業振興地域内にある土地及び農住組合が行う交換分合により取得した土地に係る課税標準の特例措置を講ずるほか、農用地開発公団が新設し、または改良した農業用施設に係る課税標準の特例措置の適用期限を一年延長しようとするものであります。 附則第十一条の二及び第十一条の三の改正は、先ほど御説明いたしましたとおり、昭和五十六年七月一日から昭和六十一年六月三十日までに取得された住宅及び一定の住宅用土地に係る不動産取得税については、住宅に係るものについては現行税率を据え置くこととし、一定の住宅用土地については、税額の四分の一を減額する措置を講じようとするものであります。 附則第十一条の四第七項の改正は、心身障害者を多数雇用する事業所の事業主が身体障害者雇用促進法の規定に基づく助成金の支給を受けて昭和五十六年十月一日から昭和五十八年三月三十一日までの間に取得した一定の事業用施設について、不動産取得税の減額措置を講じようとするものであります。これに伴い従来の心身障害者モデル工場に係る減額措置については、縮減の上、その適用期限を半年延長することとしております。 附則第十一条の四第九項の改正は、入会林野整備等により取得した土地に係る不動産取得税の税額の減額措置の適用期限を二年延長しようとするものであります。 附則第十二条の二の改正は、電気自動車に係る自動車税の税率の軽減措置の適用期間を二年延長しようとするものであります。 附則第十四条の改正は、一般廃棄物の最終処分場の構築物等に係る固定資産税について非課税としようとするものであります。 附則第十五条第一項から第十六項までの改正は、固定資産税について、野菜供給安定基金の一定の保管施設及び消防法第十条第一項の貯蔵所の防油堤に係る課税標準の特例措置を廃止するとともに、日本自動車ターミナル株式会社の事業用家屋及び償却資産並びに地方、離島以外の国内路線に就航する航空機に係る課税標準の特例措置を縮減の上、その適用期限を三年、営業用倉庫及び地方鉄軌道の乗降場の延伸工事により敷設された構築物に係る課税標準の特例措置を二年、心身障害者モデル工場に係る課税標準の特例措置を縮減の上、その適用期限を昭和五十六年九月三十日まで、省エネルギー設備に係る課税標準の特例措置を縮減の上、その適用期限を二年それぞれ延長しようとするものであります。 附則第十五条第十八項から第二十四項までの改正は、固定資産税について、通信・放送衛星機構の業務用償却資産、地域エネルギー利用設備、地方卸売市場の用に供する一定の家屋及び償却資産、乗り合いバス業者または地方鉄道業者が特定地方交通線の転換に係る日本国有鉄道の交付金を受けて取得した事業用償却資産、日本国有鉄道から無償で譲渡された特定地方交通線に係る構築物、農住組合が取得した共同利用設備並びに心身障害者多数雇用事業所の家屋及び償却資産に係る課税標準の特例措置を設けようとするものであります。 附則第十六条第五項及び第六項の改正は、市街地再開発事業及び住宅街区整備事業の施行によりそれぞれ従前の権利者が取得した一定の施設建築物及び施設住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を二年延長しようとするものであります。 附則第三十条の二の改正は、電気自動車に係る軽自動車税の税率の軽減措置について、自動車税と同様その適用期間を二年延長しようとするものであります。 附則第三十一条の改正は、繊維製品及び紙の製造の用に供する電気に係る電気税の税率の軽減措置の適用期限を昭和五十九年五月三十一日まで延長しようとするものであります。 附則第三十二条第二項の改正は、特定地方交通線の転換に係る日本国有鉄道の交付金を受けて取得した一般乗り合い用のバスについて、自動車取得税の非課税措置を講じようとするものであります。 附則第三十二条第四項の改正は、電気自動車に係る自動車取得税の税率の軽減措置の適用期限を二年延長しようとするものであります。 附則第三十二条の三第二項の改正は、地域振興整備公団が造成した土地の譲渡を受けて設置した事業所等に対する新増設に係る事業所税の非課税措置の適用期限を昭和六十一年十一月十二日まで延長しようとするものであります。 附則第三十三条の改正は、昭和五十六年度分の国民健康保険税に限り、減額の基準を二十三万円に一定の金額を加算した金額としようとするものであります。 附則第三十三条の二から第三十四条までの改正は、附則第三条の三の改正に伴う所要の規定の整備であります。 附則第三十五条の二第一項及び第三項の改正は、個人の市町村民税について、山林を現物出資した場合の山林所得に係る納期限の特例措置の適用期間を昭和五十八年度まで延長しようとするものであります。 第二は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正であります。 附則第十七項の改正は、日本国有鉄道の市町村納付金に係る納付金算定標準額の特例措置の適用期限を二年延長しようとするものであります。 以上でございます。
○左藤委員長 午後二時三十分より再開することとし、休憩いたします。 午後二時三分休憩 ————◇————— 午後二時三十八分開議
○左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐広三君。
○五十嵐委員 最近ある資料を見て思わずなるほどなと思ったのでありますが、昭和三十三年に所得税あるいは住民税の基礎控除額とそれから国会議員の歳費月額がたまたま同じ九万円であったというのであります。あれから今日まで二十三年間たったわけでありますが、今日どういうことになっているかというと、言うまでもなく所得税の基礎控除は二十九万、これは当時から見ると三・二倍ぐらいになっているわけであります。住民税の基礎控除ということになると、これは二十二万でありますから二・四倍程度なわけでありますが、議員歳費は九・三倍ということになっているわけです。 これは議員歳費だけ突出しているのかなと思って、ちょっと別な角度から調べてみました。東京都の標準生計費を調べてみますと、標準世帯つまり四人家族で、三十三年の年には二万二千九百九十円でありましたのが、五十五年で二十万九千五百円ということなそうでありますから、これも九・一倍ということになるわけですね。それから見て控除額が二十二万や二十九万というのは、つまり片っ方は九倍以上になっているのだけれども、基礎控除の方は二倍だとか三倍だとかという程度なわけであります。これは何ぼ何でも低過ぎるんじゃないでしょうか。いかがですか。
○石原政府委員 住民税の所得控除についてのお尋ねかと思いますが、基準年次をどこにとるかによっていろいろな数字が出てくるかと思いますけれども、現在の住民税の各種控除につきましては、たとえば昨年度の場合二万円、その前は一万円というふうに、最近、苦しい財政状況の中で最大限の努力をいたしましてこれを引き上げてきています。その結果、たとえば四十年度当時から今日までの物価の上昇率などと対比いたしますと、住民税の課税最低限の引き上げはそれをかなり上回っているというようなことで、納税者の立場からしますと決して十分だとは言えないと思いますけれども、現在の厳しい地方財政の状況の中では最大限の努力をしてきた、このように考えております。
○五十嵐委員 そうおっしゃいましても、いま申し上げたように東京都の標準生計費は九・一倍になっている、片っ方で基礎控除の方は住民税は二・四倍だ、これは余りにも均衡を失しているんじゃないでしょうかね。この前、同僚の松本議員が代表質問をいたしまして、住民税の課税最低限が余りに低過ぎるのではないか、当面所得税と並べたらいいのではないか、一体どうして住民税がそんなに低くなくてはいけないのだという質問をいたしまして、大臣からのお答えもお伺いをいたしたわけであります。大臣の言ういわゆる負担分担の精神で、いわばなるべく広く住民が負担することがむしろ望ましいわけだから、したがって、住民税の場合は所得税といささか趣が違うのだというようなお説であったと思いますが、しかし、いまぼくが言うような余りにも低いという状況も勘案しながら、改めて大臣から御意見があればお伺いしたいと思います。
○安孫子国務大臣 この前も申し上げましたとおりに、住民税と所得税の関係はちょっと違いますので、広く分担をしてもらうという趣旨からいって、いろいろな御議論はあろうと思いますけれども、この辺がいいところじゃなかろうかと結論づけておるところでございます。
○五十嵐委員 住民税の場合は広く住民が分担するという、その考え方はぼくもわかるわけであります。地方自治体の負担の仕方としては、それなりのそういう一つの論理があるというふうに思います。しかしその場合でも、それぞれの住民の生計費に食い込むようなことであってはいかぬのではないか。改めて言うまでもないことでありますが、憲法第二十五条には「すべて國民は、健康で文化的な最低限度の生活を營む權利を有する。」と言っておるわけでありまして、これを侵すような課税の仕方というのはやはり問題があるのではないか。基礎控除というのはやはりそこに意味があるわけで、広く住民が分担するというのはぼくは結構だと思いますが、しかし、それにしてもそこには一定の限界があるべきはずだ、こう思うわけなんです。 これは二十五条だけでなくて、あるいは憲法十三条だとか十四条だとか、こういうような条項に照らしても問題があるということが言えると思うわけでありますが、この辺がいいとこだなどというお答えでは困るわけで、大臣どうですか、これはどう考えてももっと前向きに努力をしてもらわなければいけないことだとぼくは思うのです。いま所得税の物価減税をめぐって与野党で非常に御苦労をいただいているわけですが、これは国民の最大の関心事でありますし、これを踏まえてもう少しお答えの仕方があるのではないでしょうかね。
○安孫子国務大臣 御意見の趣旨もわからぬわけではございませんので、将来の問題としてよく検討してみたいと思います。
○五十嵐委員 一方でそういうような非常に厳しい住民税の実態というものを据え置いておきながら、租税特別措置であるとか地方税の非課税措置等につきましては、どうも厳しさがぼくにはちっとも感じられないわけなんです。この前予算委員会に出されたというふうには聞いておりますが、余り詳しいことは要らないのでまとめた金額だけで結構ですが、昭和五十六年度の予算案における国の租税特別措置と地方税の非課税措置あるいは課税標準の特例など、いわゆる不公平税制とわれわれは言っているところでありますが、これによる国と地方の減収見込みは幾らぐらいになりますか。
○石原政府委員 五十六年度の非課税措置等による地方税の減収額につきまして試算いたしますと、国税の租税特別措置による地方税の減収見込み額といたしましては、全体として四百二十九億円でございます。それから、地方税法に規定されております各種の非課税措置による減収見込み額は四千三百六十七億円でございまして、合計いたしまして四千七百九十六億円が五十六年度の減収見込み、このようにとらえております。
○五十嵐委員 大蔵省、国の方の租税特別措置による今年度の減収額を、いまのようなまとまった金額で結構ですからちょっとお答えいただきたい。
○源氏田説明員 お答えいたします。 租税特別措置による減収額でございますが、一兆八百億円でございます。ただし、そのうち企業関係は千九百九十億円となっております。それで、あとはマル優で二千百億とか生命保険料控除で千七百億とか、そういうふうな所得税関係のものが相当ございます。それからさらに交際費で、租税特別措置で増収になっておりますので、それが六千四百億円ございます。ですから、差し引きいたしますと、減収額といたしましては四千四百億円となります。
○五十嵐委員 不公平税制の対象をどういうぐあいに見るかということでは見解の差があると思いますが、いまのそれぞれの見解によってさらにお伺いを申し上げたいと思うのであります。 今回の法律の一部改正によって、従前の租税特別措置あるいは地方税関係の非課税措置など、こういうもので廃止になるもの、整理になるもの、それから期限は来たけれどもこれはやはり継続をするのだということになったもの、それからそうじゃなくて、いままではないのだけれども今度新設をしようとしているものということで、それぞれ分けるとどういうことになりますか。そしてまた、差し引きいたしますと、いままでのものはこれでなくなった、したがってそれは減収分が少なくなるわけですね。しかし、今度新たにできたもの、新たな減収要素になるというものをプラス・マイナスして差し引きすると、一体従前よりも多いのか少ないのか、五十六年度は一体どういうことになっておるかということであります。
○石原政府委員 五十六年度の税制改正におきまして、従前からありました非課税措置、課説標準の特例等の廃止ないし縮減関係の件数を申しますと十六件でございます。十六件、二品目。電気税の非課税品目二品目を廃止しております。これによる増収額は三億円と見込んでおります。 一方、新たに非課税措置等を設けようとするものが全体で十九件ございます。これによる減収額が十七億円ということになります。なお、このうちの最も大きなものは、ガス税におきまして新たにエネルギーの合理化、効率化に資するものについて非課税措置を講じようというものが、最も大きな金額になっております。 それから、期限が到来したものにつきましてこれを延長しようとするものでありますが、単純に延長しようとするものが十三件ございます。この関係では金額は八十一億円の減収。従来からなっておるわけですが、特に今回、繊維関係それから紙関係の電気税の特例税率の期限が到来しておりまして、これを延長するということによってこの金額が特に大きくなるわけであります。 それから、期限が到来したものにつきまして、縮減した上で延長しようというものが六件ございます。なお、これによる縮減後の減収額は二十二億円、このように計算いたしております。
○源氏田説明員 国税関係についてお答えいたします。 企業関係の租税特別措置は七十三件ございましたが、これを、そのうち一件廃止いたしまして、それから一件創設いたしております。したがいまして、やはり依然として七十三件ということになっております。それで、廃止いたしましたものは産業転換設備等を取得した場合の法人税額控除、創設したものはエネルギー対策促進税制でございまして、この財源は、廃止した産業転換設備の法人税額控除を充てておりますので、差し引きはゼロとなっております。
○五十嵐委員 時間の関係がありますから申し上げておきますが、資料をいただきまして拝見をいたしますと、五十五年対五十六年のこれら特別な措置による減収額は、国の方はプラス・マイナス・ゼロということのようですね。それで地方の方はどうかというと、五十五年が三千九百三十八億、五十六年が四千七百九十六億でありますから、差し引きしますと八百五十八億の増ということになるわけですね。そうですか。
○石原政府委員 御指摘のとおり八百五十八億でございます。
○五十嵐委員 ずっとこの表を拝見させていただきました。国の方の租税特別措置による減収額をここ四年ぐらいで見てみますと、五十二年が四千四百四十億でありましたから、四年間で減ったのはわずかに六十億。ですから一%強ぐらいですか、ほとんど変わってないわけですね。二年前から見ると、つまり五十四年は四千九十億でありましたから、当時から見るとむしろ二百九十億円、減収分が増額しているということなんですね。 地方はどうかというと、もっとひどい。四年前の五十二年度は三千六百二十九億です。二年前の五十四年は四千三十六億円。ですから、いまお話がございましたように、五十六年度における四千七百九十六億円というものと比較をいたしますと、これは何と四年前から見ると約三割、二年前から見ても約二割、非課税等の措置が多くなっているということなのですが、この数字には間違いがありませんか。
○石原政府委員 御指摘のような状況になっております。 なお、この五十五年度と五十六年度との対比で若干補足させていただきますと、御案内のように昨年電気料金の大幅な引き上げがございまして、その関係で電気税の非課税品目に係る減収額が五十五年度の年度途中で大幅にふえたということが、五十六年度の非課税措置等による減収額の大幅な増加の最も大きな原因になっているという点を補足説明させていただきます。
○源氏田説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおりの数字でございますけれども、ただ、申し上げたいことは、経済が拡大してまいりますと、それに伴いまして税収も伸びてまいりますので、したがって特別措置による減収額というものもふえてくるということが一点でございますのと、それから法人税の増税を行いますと、それに伴ってその特別措置の減収も多くなるという点もございます。 それからさらに、その租税特別措置の中で企業関係の租税特別措置について見ますと、実は五十一年が、除く交際費で二千三百四十億円でございましたのが、五十六年は千九百九十億円というふうに減ってきております。それと法人税収に対する割合で見ますと、五十一年が除く交際費で五・一%でありましたが、これが五十六年は一・九%というふうに、かなり減ってきております。
○五十嵐委員 去年の三月二十七日、参議院の地方行政委員会で地方税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議がなされています。さっき配られた資料の後ろの方、三十九ページにありますね。申しわけありませんが、これの第三項をちょっと読んでみてくれませんか。
○石原政府委員 「地方税における非課税措置、課税標準の特例及び国税の租税特別措置の整理は、不十分であるので、不公平税制の是正のため抜本的合理化を図ること。」。
○五十嵐委員 どうもありがとうございました。 第十八次地方制度調査会の去年の十二月十八日の答申、これの地方税における四項目、これは私読んでみますが、「地方税における非課税措置等については、税負担の公平を確保する見地から一層の整理合理化を図るべきであり、また、新たな減収の要因となる新設及び拡充を行うことは、厳に抑制すべきである。」事あるごとに、これらの意見は言い続けられてきているわけですね。大臣、いかがですか。
○安孫子国務大臣 不公平税制の問題点から考えますと、やはり相当整理すべきものだと私は思っております。いろいろな事情で十分ではなかったと思いますけれども、決議なりあるいは地方制度調査会の趣旨にのっとりまして、今後一段と努力をしなければならぬ問題だと私も考えておるところでございます。 本年度につきましていろいろ努力をしましたが、必ずしも御満足いくようなことにはなっていないかと思いますが、今後一層努力をしたいと思います。
○五十嵐委員 たまたま何かの事情で一年ぐらいどうとか、どうも思うようにいかなかったとかいうようなことではなくて、長い流れを見てみても、ちっとも減ってやしないわけですね。さっき言いましたように、ここ四、五年でむしろ三割もふえているということではうまくないんではないでしょうか。一方で、冒頭申しましたように、一生懸命働いてやっとこ暮らしている庶民の控除額というのはちっとも詰めようと思わない。それは、あんなことで食っていけるわけはないわけですから。私は、もう少し税における正義感というものを政策の上でしっかりと確立をしていただきたい、このことを強く申し上げておきたいというふうに思います。 いまのことに関連するわけでありますが、このごろ中小企業の倒産がかなり多い。もう何カ月もずっと史上一番目とか二番目だとか、そういう倒産件数あるいはその負債金額が続いているわけです。倒産したところに働いている従業員の悲惨な状況というのはまことに大変なものがあるわけでありますが、しかし、そのときのことを考えて企業で、倒産に限らずあるいは一定の年になって退職するというような方々のために、退職給与引当金を特に優遇税制として設けているわけであります。四〇%まで無税で積み立てさせているわけであります。 ところが、実際に企業が倒産をすると、これは別に積んであるわけじゃないわけですから、日常の仕事の中で使っちゃっているわけですから一銭もないということになる。仮に預金で積んであっても、それは担保にしているわけですからいわば両建てですね。したがってそのまま押さえられちゃう。実際には四〇%非課税ということで優遇的な措置を講じて積み立てさせておりながら、いざ倒産というときには何の目的も果たすことにならない、これは実際に即して適当かどうかという問題があると思いますね。 これはつまり、だからそういう非課税が適当でないということなのか、あるいはそうじゃなくて、非課税でせっかく積んでいるのに実際のときにはそれを使うことができないというこの状況を何かできちっと担保する方法がないかということになるのか、そこはいろいろな考え方があると思うが、現実にはしかしそういう状況があるのですが、いかがですか。
○源氏田説明員 退職給与引当金制度につきまして、先生御指摘のとおり、確かに倒産したときには実際に使えなくなってしまうじゃないか、その資金の確保はどうするんだという御批判があることはわれわれもよく承知しております。しかし、この退職給与引当金制度といいますものは、これは企業会計原則から出てまいりますもので、費用収益対応の原則と申しますか、その期間に発生した費用につきましてはその期間にかける、それでその適正な利益を計上してもらうという会計原則に基づくものでございますので、直接それを資金の保全措置と結びつけることが適当かどうかという問題がまずございます。 それともう一つ、実際的な問題といたしましては、先生も御指摘になったように、このお金は企業の活動に使われておりますので、もしこれをたとえば資金の保全のために外部拠出をするとかいうふうな条件をつけますと、かえって退職給与引当金制度そのものが進展しないというふうな逆の弊害が発生するおそれがございます。そういうようなおそれもございますので、税務当局といたしましては余り厳格な要件をつけないというふうにいたしているところでございます。したがいまして、その退職給与引当金と資金の保全との関係をどうするかということは、単に税の問題だけではなくて、広く民事法なり労働関係法規なり、そういう総合的な見地からの検討が必要かと存じております。
○五十嵐委員 つまり、いまお話しのように検討が必要だ、実際を見るとそう思いますね。 それでお聞きいたしますと、昭和五十四年二月一日から五十五年一月三十一日まで、内国普通法人を対象にした退職金引き当て額の総額は六兆八千四百三十二億円に上るそうですね。大変な金ですね。約七兆円ですよ。これだけを四割は非課税にしながら積み立ててきているわけですね。それが企業の一般的な資金として利用されるということだけでは、ぼくはやはりうまくないと思いますね。これは税制だけの問題ではなくて総合的に検討しなければならぬことだという点は、ぼくもそんな感じがしないわけではないのですが、これは大臣、お聞きのとおりのことなんですが、少し閣内で御検討いただいた方がいいんでないかと思いますが、いかがですか。
○安孫子国務大臣 いろいろ理屈もあるだろうと思いますけれども、現実の問題を率直に承りますと、まあちょっとおかしい点があるんだろう。退職積立金として積み立てておる、そのために非課税になっておる、ところがそれがいろいろ運用されまして、倒産したときには支払いもできないような状況になる、こういうことはいかにもおかしいという感じがいたします。それで、いま大蔵省からもいろいろ説明ありましたが、これもわからぬわけではありませんけれども、問題自体はやはりおかしいという点はぬぐい切れないような感じが私もいたします。これはどういう方法がいいのか、これにはいろいろと工夫をしなければならない問題はあるように思いますが、これはひとつ関係者にもこの問題の大変重要なことを認識させるために私といたしましてもいろいろと配慮していきたい、こう思います。
○五十嵐委員 ぜひよろしくお願いいたします。 次に、不動産取得税の新築住宅の課税標準の特例措置、この控除額を現行の三百五十万円から四百二十万円に引き上げるというわけであります。結構なことと思うのでありますが、しかし、ちょっと調べてみますと納得がいかない。減税だと言うけれども、実質増税でないかという感じがするのであります。現行の三百五十万円というのは、昭和五十一年度からこの額になったわけですね。つまり、五十一年度から今年まで五カ年間たっているわけでありますから、この五カ年間における住宅の実際の建築費は一体どれほど上がっているかということなんであります。 これはどこから聞いたらいいかと思いまして、結局建設省の営繕計上画課によってその数字を出してみました。政府発注の木造平屋住宅の一平方メートル当たりの建築単価は幾らかお聞きしますと、昭和五十一年のときには八万五千三百円であったというのであります。昭和五十六年度の単価は十二万三千円ということになっていますから、この値上がり率は一・四五倍ということになります。ぼくらは、実感から言うともっと上がっているんでないかなという感じがしますが、しかし実際にはこういう数字だそうです。一・四五倍。 ところが、控除額の方は三百五十万円が四百二十万円になるのだから一・二倍にすぎない。仮に、一・四五倍という実際の値上がり率どおりに控除額というものを上げてみるとどういうことになるかといいますと五百十万円ぐらい、そういう計算になります。ですから単純に考えれば、その差九十万円を値切られたということになるのじゃないでしょうか。だから言いかえれば、実質的には九十万円分に相当するだけ増税になっていると言えるのでないでしょうか。これも増税といいますか、あるいは御当局にはそれなりの理屈があるのだろうと思いますが、お聞かせください。
○石原政府委員 御案内のように不動産取得税の課税に当たりましては、家屋であればその家屋の価格は現実の取得価格ではなくて、固定資産税の評価額で課税いたしております。この新築住宅に係る控除額にいたしましても、いわば評価ベースの額でございます。昭和五十一年度から昭和五十五年度の間の固定資産税の家屋の評価額のアップ率を見ますと、木造家屋、非木造家屋を平均いたしまして約二〇%の上昇になっております。今後五十六年度以降適用される評価額というものを考える際、この過去の評価額のアップ率を勘案して今回四百二十万円に決めたわけでございます。 なお、この金額を決めるに当たりましては、建設省御当局の御要望なども踏まえてこの数字に落ちついたわけでございます。したがいまして私どもは、最近までの家屋の推移というものはこれに反映しているもの、このように考えております。
○五十嵐委員 けれども、固定資産税の評価額というのは実態よりずいぶん離れている。これを実態に近づけるように是正しつつあるわけでしょう。その意味から言うと、実勢単価よりも固定資産の評価額の方がむしろ上がるのか本当じゃないですか。そうなるでしょう。固定資産は三年ごとの評価だから、ちょっとポイントのとり方がぴったりいかぬ点もあるのかもしれませんが、しかし、少なくとも庶民が家を実際に建てている。その家を建てている単価というのはどうかといえば、これはもうほかでない役所が、政府が注文する建物をいまぼくが言ったような値段でやっているのですから、この金額というものは、つまり一・四五倍というのが客観的には正しいということになるのじゃないですか。だから、減税減税と言うけれども減税でない、そういう点を考えると裏返してむしろ増税になっている。うまくないのじゃないでしょうか。やはりちゃんと是正するときには、正確に庶民の生活実感に合うような是正をしてもらわなくちゃいけないと思うのですが、大臣いかがですか。
○安孫子国務大臣 据え置くよりは非常に軽減をした、こういうことでありまして、五十嵐先生のおっしゃるようなこともわかるわけです。また当局としましては、評価額というようなものでやればこうなる。しかしおっしゃるように、評価額ということならもう少し控除額が多くなるはずのものじゃないかという議論も、私も一応理解はできるわけでございます。彼此かんがみまして、この辺のことだろうということで今回は決めたものだと思いますが、この点はこれからも私もよく注意をいたしまして、その辺の御意見なり理論になるべく近づくようにいろいろと意見も述べ、これからの処置も考えてみたいと思います。答弁にならない答弁ではなはだ恐縮に存じますが、そういうふうに私は思っております。
○五十嵐委員 いや、答弁にならぬ答弁ではなくて、そういう答弁で私は結構だと思います。ぜひひとつ御努力をいただきたいと思います。 これは直接関係はないのですが、今回の御提案の中に国鉄の特定地方交通線の廃止に伴う特別措置法も入っているものでありますから、関連して大臣にお聞きを申し上げたいのです。 国鉄再建法に基づく特定地方交通線の廃止がいよいよ政令も出てしまって、私どもは大いに不満でありますし、地方住民としても大変なショックであるわけであります。三月三日閣議で政令が決まったのでありますが、私もいままでの経過の中で何遍か御質問申し上げ、意見も申し上げてきたのでありますが、自治省はその経過の中では非常にがんばっていただいたというふうには私は思います。大臣らの御苦労を多としたいのでありますが、しかし地方が受ける大きな影響というものをお考えいただいて、今後ともがんばってほしい。 それは、今後ともがんばろうというのでおやりになったと思うのでありますが、伝えられるところによると、運輸省と自治省の間に覚書が交わされたということであります。これはたしかこの間、国土庁であったと思いますが、運輸省との覚書について官庁速報かなんかに詳細に出ておりまして、なるほどな、こうやってそれぞれやっているんだな。国土庁の場合は特定の地名まで入っているのですね。そこでわれわれが大いに関心を持ち、地方自治体三千余の、なかんずくこの沿線自治体は非常にその点については深い期待と関心を持っておると思うのですが、この機会にこの覚書の内容等についてお話をいただきたいというように思います。
○大嶋政府委員 運輸省と自治省との間に覚書はございます。基本的には、今後事態が進展してまいります中で、地方団体が一方的に不利になるようなことをできるだけ避けたいというのが第一点でございます。それから、必要なことにつきましては運輸省は自治省と協議してほしい。こういう二つの点を主体にした覚書でございます。私どもの方は全国一般的に見ておりますので、特定の路線についてああするこうするというような覚書ではございません。御了承いただきたいと思います。
○五十嵐委員 すでにかなり伝えられていることでありますから、もうちょっとお聞きしたいと思うのであります。つまり、この前は第一段階のものが出たわけですね。これは二段階になるのか三段階になるのかわからないが、二段階目の線名を決めるときには改めて自治省に協議する、こういうことであるというふうに聞いていますが、それでよろしゅうございますか。
○大嶋政府委員 そのとおりでございます。
○五十嵐委員 ぜひひとつ地方の実情を御推察いただいて、今後とも自治体の立場でがんばってほしいというふうに思います。 私もわからないので教えていただきたいという気持ちでお伺いするのでありますが、政府は五十七年度には、よく言われるように課税ベースの広い間接税、つまり一般消費税的なものを導入するということが明らかになっているわけであります。しかし、これにもいろいろなものが考えられているそうで、製造段階で課税されるカナダ方式、それから卸売段階で課税するスイス方式、小売段階で課税するアメリカの州売上税方式など、各レベルによる課税方式があるのだそうであります。あるいは、そのすべての段階に課税しようとした——この前の大平総理型は、そうだったのでないかというふうに思います。あるいはまた付加価値税方式とか、さまざまなやり方があるようであります。 このうち私どもが漏れ承っているのでは、どうも製造段階におけるいわゆる庫出し税というようなかっこうになるのじゃないかというようなことを聞いているのであります。しかし製造段階課税方式では、税源が一定の地方団体に偏るおそれがある。これは、地方で一部いただく場合はですね。地方税として国税とあわせてこれに課税するのは、どうもいろいろ問題が起こりそうだということなんだそうでありますが、いろいろなことをそういうぐあいに探って、論議をして構想をしているものだと思うのでありますが、自治省として何かその辺のところでお漏らしいただく点がありますか。
○石原政府委員 御案内のように、昨年十一月に出されました税制調査会のいわゆる中期答申におきましては、今後のわが国の税制の一つの検討課題として、課税ベースの広い間接税の導入という点が避けて通れない検討課題だというように指摘されております。その指摘に基づいて、具体的にどのような間接税をわが国に導入したらいいのかという点につきましては、率直に申しましてまだ全然税制調査会では論議がなされておりません。各国の現にある間接税について、ただいま先生がお挙げになりましたようなものがあるわけでありますが、そのどれがわが国に適しているのかというようなこともまだ全く検討されておりません。言うなれば、これからそれらの問題をどうするかが論議の俎上に上ってくるのであろう、このように思います。 ただ、いずれにしましても私どもは、かねてから事業税に外形標準課税を導入すべきではないかという課題が負わされております。これについては、長い間の論議の末、課税ベースの広い間接税の問題と一緒にその取り扱いを決めるのが現実的じゃないかというような考え方が、税制調査会の答申でも出されております。そういう意味で私どもは、どういう形の間接税が論議されるかということには大変強い関心を持っております。といいますのは、私どもとしては新しい税がどうなるかわかりませんけれども、もしそれが具体的に論議される場合には当然、その財源の一部はでき得べくんば地方の独立税として地方に帰属すべきものではないか、このように考えておりますので強い関心を持っておりますけれども、まだ具体的な検討の段階には立ち至ってないというのが現状でございます。
○五十嵐委員 実は私、この間地方財務協会で出している月刊「地方税」を読ませていただきまして、非常に勉強になったのでありますが、「税務局新春座談会地方税制の回顧と展望」というのがございました。川俣審議官を初め各課長さん方がおそろいで、五十五年度の税制の回顧であるとかあるいは五十六年度の展望についてお話し合いになっておられました。 ここである課長さんがこうお話しになっているのですね。「製造段階課税方式ということになると税源が一定の地方団体に偏ることが考えられる。」ぼくがさっき言ったとおりなんでありますが、そういう場合には「別途地方税では外形標準課税という方式で、製造段階課税方式と並行して課税することも考えられましょう。」と述べて、さらに「あるいは国で製造者段階や卸売段階で課税をし、地方で小売段階に課税する方式でこの問題を解決することも考えられるのではないかと思っています。」こうお話しになっておられるわけでありますが、しかしこれは、そうだからといって余りかたく考えないでください。ぼくもそういうかたい気持ちで言っているのじゃないですから。いろいろなことを論議している中で出てくるわけですから。そこで、しかしこういうような考え方が自治省の論議の中では主たるといいますか、中心の論議というふうに受け取っていいですか。
○石原政府委員 今後の税制のあり方につきましては、私どもいろいろな場面を想定していろいろな議論をしております。したがいまして、ただいまお挙げになりましたような議論も、もちろん一つの議論としてあります。ただ、役所として今後の税制改正の方向として、ただいまお述べになったようなことを決めているということではありません。あくまで、これからの地方税源の強化を考える場合にどういう方法が考えられるかという、その論議の一つとしてそんな議論があるということでございます。いずれにしても、先ほど申しましたように税制調査会が今後どういう形で課税ベースの広い間接税の問題を取り上げていくかまだわからないのでありますけれども、その問題と事業税の外形標準課税の問題とは、長い経緯からこれは切っても切れない関係にあるという意味で、私どもは重大な関心を持っているわけでございます。 その新春座談会で私どもの課長が述べた事柄とも関連するのでありますが、新しい税というものがいかなる意味でも地方税としてなじまないという形になってくれば、事業税の外形標準課税の問題は別個に検討しなければいけないという論議も、もちろん当然起こってくると思うのです。しかし、これまでの経緯からいたしますとそれも実際にはなかなかむずかしい、やはり一緒に解決すべきものじゃないかという議論がこれまでの大勢といいましょうか結論といいましょうか、というふうに私どもは理解しております。 いずれにいたしましても、これからどういうふうに議論が展開されていくか、いまの段階では予測がつけがたいのでありますが、私どもは今後地方税源の強化充実というものを中心に取り組んでいかなければならない、このように考えております。
○五十嵐委員 いずれにしてもその問題はまだ未成熟な問題でありますから、いずれまたいろいろ御意見を伺いたいと思います。 ここで、自治省としても懸案——懸案というのはちょっとオーバーな言い方かもしれませんが、従前いろいろ論議されていて、しかしまだそういうことにはなっていないことの一つの消防目的税について、ちょっとお伺いをしたいと思います。 ぼくらも経験があるんでありますが、守るということはつくることだと。これは変な話でありますが、そんなことなんかが町づくりにはあり得るのではないかとぼくは思います。それはつまり、災害から市民を守るということは町づくりの第一だと思うのですね。五十五年の火災による罹災世帯数は約三万八千世帯、前年とほぼ同数であります。それから焼損面積は二百十二万平方メートル、損害額は約千四百六十億円、これはいずれも前の年よりふえています。焼死者は千九百四十三人、負傷者は八千人を超えている。これは大きな犠牲ではありますが、しかし、それでもここのところで抑えているというのは、消防関係者の本当に日夜を分かたぬ御苦労の結果だというふうに思うのであります。ところが、その消防の施設整備状況を見ますと、これは年々幾らかずつはよくなってきているには違いないというふうに思うのでありますが、どうもその充足率は思うようなところに行ってない。 消防の方、来ておられましたか。済みません、時間がないものですから、充足率のところだけで結構だと思いますが、お願いいたします。
○近藤政府委員 消防力の基準及び消防水利の基準に対します現実の消防力の充足状況でございますが、私どもの手元には現在、五十三年の四月一日現時点におけるものしかないわけでございます。三年に一回調査いたしまして、それぞれの団体に五カ年計画をつくって整備させるという方針をとっておりますので、ことしの四月一日がちょうどそれに該当いたします。したがって、はっきりした数字で出ておりますのは五十三年の四月一日現在でございますが、それによりますと、消防ポンプ自動車につきましては八五・八四%、それから小型動力ポンプ関係につきましては六六・八四%、はしごつき消防ポンプ関係につきましては五五・三五%、化学消防ポンプ関係につきましては五二・七一%、救急車につきましては九七・一四%、消防水利関係につきましては六三・三六%。 これ以降現在まで三年経過しておりますのである程度上がっておると思いますが、まだそれぞれの団体が自分の団体を守るために必要だと言っておる消防力の基準に対しましては、一〇〇%を満たしておらないという状況でございます。
○五十嵐委員 それにもう一つちょっと加えておけば、消防職員の数は、基準が十四万六千九百二十九名に対して現有数が十一万四千二百四十九名、充足率七七・八%ということもついでですから申し上げておきたいというふうに思います。 そこで、いまお話をいただいたような状況であります。都市の場合には、都市化に伴ってどんどん火災の質も変わるし、非常に火災の原因そのものが多様化しているわけでありましょうからこれも大変だ。地方の方に行きますと、消防団のなり手がない。若者が地方ではいなくなってしまいますものですから、消防団そのものが壊滅する。広域消防で大変な苦労をしているわけですね。こういう中でどうも諸施設が思うように充足されていかないのでありますが、これに対して何かの消防財源を考えるべきではないかということは古くから意見が強くあるわけです。 最近の状況を見ましても、全国市長会であるとかあるいは全国の消防長会なんかでそれぞれ要望決議なんかもなされているようでありますが、それに対応して消防目的税あるいは消防施設税というようなものが従前議論はされてきているようでありますが、いまだ実現を見るに至ってない。これはさまざまな理由があることであろうと思いますが、これにつきまして大臣、ぜひひとつ積極的にお取り組みをいただきたいと思うのですが、御意見をいただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 日本において誇るべきものは、消防施設もその一つだと思います。おっしゃるとおりに、時代の変化に伴いましてなかなか充足も思うようにいかぬ。この際特に、消防の財源的な確保を図るということが一つ非常に重要な問題だと認識をいたしております。この点については、消防庁におきましても従来ともいろいろ苦労してきておるわけでございますが、いまだ十分実っておりません。この点は、さらに一段と努力をしてまいりたいと思います。 その各種の方法につきましては、従来の経過もございますので消防庁長官からお答えをさせます。
○近藤政府委員 消防の財源につきましては、御承知のようにほとんどが一般財源ということになっております。五十四年度の決算を見てみますと、約六千五百億円が消防に充当されておるわけでございますが、その九割は一般財源、歳出を見ますと実は七割が人件費というような形になっております。したがいまして、やはり消防の性格からいいまして、税及び地方交付税で措置するのが基本だと思います。 しかし、消防施設も年々強化していかなければなりませんので、国庫補助金につきましても私ども努力しておりますけれども、それ以外にそういう施設の充実に充てるための何らかの特定財源が欲しいということは、消防界におきましても年来の懸案でございます。ここ十年ぐらい前から損保業界に目をつけまして、何らかの形でそこに税を課することができないかといろいろ検討してきたわけでございますけれども、これはなかなか問題が多うございまして、現時点に至るまで結論を得ておりません。 ただ、この消防施設税というものもやはり税制の一環でございますので、税制調査会においていろいろ御議論がございました。実は昨年もございましたが、時期尚早ということで見送られておるような状況でございます。そのことはともかくといたしまして、私ども消防につきましては、いろいろな面からその財源確保については今後とも努力してまいりたいと思います。
○五十嵐委員 時間が経過いたしましたから終えたいと思いますが、全体の租税総額に対する国税、地方税の割合を見てみますと、五十五年度は地方税は三五・五%、それが五十六年度予算では三四・二%ということになっていますから一・三%縮まる、うまくないですね。地方のシェアを拡大していくということはいつのときでもわれわれは念頭から放してならぬところで、やはり自治省はこのためにがんばってもらわなければいかぬというふうに思うのですよ。 法人課税の実効税率を見ましても、これはすでに皆さんから出た資料にも書いてございますように、国と地方の関係は六六・八対三三・二、これが従前の率なんでありますが、今度の改正でどうなったかというと、国の方は法人税率が二%上がって、結果としては地方のシェアは三三・二からさらに下がって三二・五というぐあいになってきているわけであります。こういう状況からいいましても、ぜひがんばってほしいというぐあいに心からお願い申し上げたいというふうに思いますし、冒頭申し上げました、ことに不公平税制の問題ですね、これは隠れたる補助金あるいは租税補助金というような別称があるぐらいでありますから、これを一日も早く一円でも少なくしていくということについて、今後とも御尽力をお願い申し上げて質問を終えたいと思います。
○左藤委員長 小川省吾君。
○小川(省)委員 地方財政が厳しさを増すにつれて、地方自治体における税収の確保の重要性が増しておるというふうに思っています。自治体における適正なる評価、適切なる課税が要求されるところであります。都道府県や市町村における十万に近い税務関係職員は、黙々としておもしろくもない税務行政に携わっておるわけでございます。税務行政の特質から、終戦後のむずかしかった時代からいまに至るまで引き続いて勤務をしている者も少なくないわけでございます。 ごく一部には、時には新聞や週刊誌等をにぎわす職員もないわけではございませんけれども、税収の確保というのは、これら特別な人を除いた以外の、多くのまじめな、黙々として勤務をしておる税務関係職員によって支えられておるわけでございます。 大臣、この際、就任に当たって全国の税務職員に与える言葉というか、自治大臣として全国の税務関係職員に呼びかけるお言葉を与えてほしいと思っています。
○安孫子国務大臣 地方自治の振興と申しましても、基本はやはり財源というものがなければその目的を達成することができませんが、その中で最も重要なのが地方税等の税収でございます。この点について、税務職員は日夜を分かたず非常な努力をいたしております。私は、心からこれに敬意を表するものでございます。 税務職員がいろいろな苦しい立場にありながらも最大の努力をして、率直に申しますと、私も実感をもって申し述べるわけでございますが、日夜を分かたず努力をして税収の確保に当たっているその様子というものは、まことに敬服に値するものだと私は思っております。 今後ますます地方財政が苦しい中におきまして、何よりも地方税収の確保がきわめて重要な問題でございますので、これに携わっておる税務職員の方々がその使命に徹して最大の努力をして、地方自治を支えるという自覚のもとに努力されることを衷心から期待をいたし、また日ごろの努力に対して敬意を表して、私は税務職員に感謝の言葉を申し述べる次第でございます。
○小川(省)委員 ありがとうございました。 昭和五十六年度予算の編成に当たって、国は一兆三千九百六十億円の増税を掲げてまいったわけであります。そうする必要があったのだと思いますけれども、私どもは既定経費の節減や切り捨てが大いに不足をしていると思っておるわけであります。しかし、同じように税収の増額が期待される地方税にあっては七百五十六億円でございます。交付税に回るからいいんだというような意見もあるでしょうけれども、これは何としても理解に苦しむところでございます。 私どもは、何も増税をせよと主張しているわけではないのでありますけれども、少なくとも五、六千億円の税の増収を図るべきだと思っておるのでありますけれども、なぜ国税と地方税との間にこのような税の増額による増収の差が生じたのでございますか。
○石原政府委員 国も地方もそれぞれ、現在大変な財源不足の状況にございますので、独立税源の強化、国税、地方税を通じまして税源の強化充実が必要なことは申すまでもございません。そういった見地から、国税、地方税それぞれの立場で既存の税目につきまして増収の可能性を検討した結果、五十六年度の改正案のような内容に落ちついたわけであります。 地方税につきましても、私どもも、現在の地方財政の状況から何とか税源の強化充実につながる道はないかということで、あらゆる税目につきまして、これまでの改正の経緯あるいは最近における負担の状況等を彼此勘案して検討を加えた結果、現在御審議いただいておりますような改正の内容に落ちついたわけでございます。その結果といたしまして、国税と地方税の間に非常に増収額の差が生じたということ、これは御指摘のとおりであります。 ただ、なぜそのような差が生じたのかということになりますと、結局、既存の税目の増税の可能性というものを検討した結果そうなってしまったということでありますが、そのほか国税と地方税の違いから来る面もややあると思います。たとえば法人関係税について申しますと、国税法人税において二%の税率の引き上げが行われた。それを受けて地方の法人住民税については、その増収のはね返りをまるまる受け入れるということで、それ自体は配分割合は変わらないのでありますが、地方独自の法人事業税につきましては、現在基本税率が一二%になっております。この税率は、現在の地方税法になりました昭和二十九年からずっと変わっておりません。一方、法人税の方は、その当時たしか基本税率四二であったものが、その後ずっと下がって、今日また四二に復帰したというようなことからいたしまして、法人事業税について税率の引き上げということは実際問題として困難であったというようなこと。 それから、会計年度の所属区分の面で、初年度の増収額にかなりの差が出てまいります。御案内のように、国税の場合には三月期の決算がその年の収入になるのに対して、地方税においては一年おくれの収入になる。したがって、法人税について税制改正がありますと、それによる増収額は国税の方が一年早く出てくる、こういうような事情があります。これらのことも、国税と地方税の差の一つの原因になっていると思います。 しかし、基本的には税の構成そのものの差がこのような結果に落ちついた、このように理解いたしております。
○小川(省)委員 次に、課税最低限の引き上げについてでありますが、少なくとも三控除を二十四万程度に引き上げて、標準世帯の最低限を百七十五万ぐらいに引き上げて給与所得者対策を進めるべきであったと思いますが、どうしてできなかったのかということ。今年度限りの措置、多分百七十五万くらいになるのだと思いますが、これを恒久化をすることはできないのか。また、わが党の長年にわたる主張でありますけれども、道府県民税の所得割が現行二段階でありますが、これを五段階ぐらいにしたらどうかという主張をしてきておるわけですが、税調へそういう主張を税務局としてはなさらなかったわけですか。
○安孫子国務大臣 住民税の課税最低限の引き上げでございますが、先ほど五十嵐さんからもお話がございましたが、これも自治省としてはいろいろ考えたわけでございます。しかし、この財源的な影響というものが相当大きいわけでございまして、現下の財政事情からこの辺でがまんをしていただきたい、こういう趣旨で引き上げを見送ったわけでございます。 ただ、それにかわりまして非課税措置を講じたわけでございますが、これを恒久化したらどうか、こういう御質問でございます。これは税務局長から申し上げますけれども、いろいろ問題がございますので、本年限りの措置として非課税措置をとったわけでございまして、今後のことにつきましては、課税最低限の引き上げ等をも勘案いたしまして検討いたしたいと考えておるところでございます。 自余の問題につきましては税務局長から答弁をさせます。
○石原政府委員 住民税の課税最低限の引き上げを行わなかった理由等については、ただいま大臣からも御答弁申し上げたとおりでございます。端的に申しまして、所得控除の引き上げを仮に行うといたしますと、一万円引き上げただけで平年度七百三十億円の減収になるという状況でございまして、いまの地方財政の現状ではとうていこの減収にたえられないというようなことから、五十六年度は従来のような形での課税最低限の引き上げは見送らざるを得なかった。しかし、低所得者層に対する配慮はぜひ必要であるという考え方のもとに、新たに人的非課税の要素として非課税限度、一定の所得以下の人々に対して住民税を課税しないという非課税限度を設けるということにしたわけであります。 なお、このような方式につきましては、従来にないやり方でありますので、大方の御批判もいただかなければいけない。それからさらに住民税、所得税を通じまして、所得課税全体のあり方との関係においてどう考えたらいいのか、課税最低限方式とこの非課税限度方式というような形で両建てでいったらいいのかどうか、こういったことをさらに私ども自身勉強してみたいということで、とりあえず五十六年度限りの措置として非課税限度を設けるということにしたわけであります。 これを今後どうするかという点につきましては、税制調査会からも、課税最低限のあり方については今後もさらに掘り下げた検討が必要であるという指摘を受けておりますので、引き続き研究してまいりたい、このように考えております。 それから道府県民税の税率のあり方でございますが、確かに現在二段階税率となっておりますけれども、道府県の性格、市町村の性格、こういったものを考えた場合に、市町村民税の税率が十三段階の累進税率で道府県民税が二段階の税率というのは、税率の形としていかがなものかという議論はあるわけであります。私どもも、問題意識は十分持っております。しかし、道府県民税の税率だけを切り離して累進税率に改めるということは、現在の道府県民税がいまのような形になりました三十七年以降こういう形で来ておるわけですけれども、これを税率を根本的に直すということになりますと、当然市町村民税の税率がいまのままでいいのかどうか、あるいはさらに所得税の税率構造がいまのままでいいのかどうか、この三者をあわせて所得課税の税率構造のあり方さらには課税最低限のあり方と相関連して検討する必要がある、このように考えております。 いずれにいたしましても、道府県民税の税率のあり方も含めて所得課税全体の問題として今後検討してまいりたい、このように考えております。
○小川(省)委員 課税最低限度の引き上げについては、いろいろ問題のあるところはよくわかるわけでありますが、ぜひひとつ検討をしていただきたいと思っています。 また、道府県民税の法人税割の標準税率を今回五・二から〇・二下げるようでありますが、この際これは下げるべきではない、据え置くべきであるというふうに思っておりますが、この点はいかがですか。
○石原政府委員 今回、道府県民税の法人税割の税率を標準税率で百分の五・二から百分の五・〇に引き下げましたのは、国税の法人税の引き上げに伴い増収となります法人住民税の増収額をできるだけ市町村に帰属させるという考え方から、このような調整措置をとったわけであります。その理由といたしましては、従来から市町村税、特に市町村の法人課税が弱体であるという指摘がなされておりまして、私ども機会あるごとに市町村の法人課税の強化を図りたいという見地から、今回の調整を行うことにしたわけです。 もちろん、地方のサイドからいたしますれば、何も道府県民税を削らないで市町村の分だけをふやしたらいいじゃないかという考え方があり得ると思うのですが、その場合におきましては、当然国と地方の法人課税の配分割合の変更ということが出てくるわけです。トータルとしての国、地方の取り分の問題が出てまいります。もちろん私どもは、法人課税全体に占める地方の取り分をふやしたいという願望を強く持っているわけでありますけれども、五十六年度の税制改正におきましては、トータルとしての法人所得課税における地方の取り分を変更するということは、現下の国、地方財政状況全体の中ではとうてい無理だという税制調査会における論議でありまして、残念ながら実現ができなかったということでございます。
○小川(省)委員 次に、事業所税についてでございますが、この税もどうやら定着をしてきたようでございます。この税が創設をされてから私は一貫して主張してきたのですが、この税は条例にゆだねて徴収できるようにすべきである、あるいはまた全国の県庁所在都市はこれを適用できるようにすべきだと一貫して主張をしてまいりました。大臣、御承知のように県庁所在都市は、人口に関係なく大会社の支社や支店、金融機関の出先あるいは県内規模の会社、農協等の中心機関が集中をしておるわけであります。事業所税の該当施設が群がっておるわけであります。その意味から、何としても県庁所在都市で事業所税が徴収できるような措置を講ずべきだと思っております。大臣、これについてはいかがですか。
○安孫子国務大臣 これも税務局長から申し上げますけれども、県庁所在地と申しましても人口の規模から申しますといろいろ段差がございます。工場集積度等もずいぶんと違います。そこで、都市形成それから工業集積による各般の自治体としてなすべき仕事というものも差がございますので、県庁所在地に一律に事業所税をかけるということはどういうものであろうかという疑問を私どもは持っているわけでございます。そこで、今回はその措置を見送っておるわけでございますが、今後の研究課題といたしたいと思っております。 税務局長からも答弁をさせます。
○石原政府委員 先生も御案内のようにこの事業所税は、もともと大都市地域における都市施設の整備の必要性というものと、それからその地域に立地する事業との応益関係といいましょうか、受益関係といいましょうか、こういったものに着目して創設された税でございます。その後、その都市施設整備の必要性は五十万以上の大きな都市に限らず、三十万以上ぐらいになると同じような需要があるということで課税対象範囲を広げたわけでありますが、広げた際に税制調査会で、この税の性格、創設の経緯から、その範囲の拡大については今後慎重にあるべきだという議論もありまして今日に至っているわけであります。 私どもはこの税、何も大都市税制といいましょうか過密税制ということではなくて、やはり都市施設の整備の必要性に対応して課税団体の範囲を決めていけばいいという税ではないかというふうに理解しております。そういう意味では、この税ができてからもうかなり時間がたっております。それから三十万に広げられてからもかなり時間がたっておりますので、私どもはそろそろ検討の時期に来ているのではないかという問題意識は持っておりますけれども、率直に申しまして税制調査会等では、この範囲の拡大については依然としてかなり慎重な意見もございます。私どもは今後、現在課税団体となっていない都市における財政需要の実態等も踏まえて、さらにこれは前向きで検討してまいりたい、このように考えております。
○小川(省)委員 大臣も税務局長も前向きに検討してくださるということであります。これは私は一貫して主張してきているのでありますが、県庁所在地というのはそういう意味でいろいろな財政需要も多いわけでありますから、ぜひひとつ十分に検討していただいて、ことしの税調の原案には出せるようにお願いいたしておきたいと思います。 次に、有料道路の課税について、本委員会で前々から問題になってまいったわけでありますが、現在どうなっておりますか。
○石原政府委員 日本道路公団等の有料道路に対する負担問題につきましては、先生も御案内のように、昭和五十四年の七月十日に学識経験者やあるいは地方公共団体の代表、日本道路公団、こういった三者で構成されております有料道路負担問題検討委員会というものが設けられまして、この委員会において、高速自動車国道等に対して固定資産税を課したりまたは交納付金を課するということは問題があるけれども、しかし高速自動車国道の通過に関連いたしまして、その周辺の自治体に特別な財政需要が生じているということも事実でありますので、こういった状況に対処するために高速自動車国道の通過市町村に対して一定の助成金を交付すべきである、このような答申がなされたわけであります。 この答申を受けまして、現在いわゆるメニュー助成金なるものが交付されております。その金額を申しますと、五十五年度は実績といたしまして四十五億三千万円が交付されております。五十六年度、現在予算計上額としては六十億三千万円であります。 なお、この答申を受けまして、今後の予定としては五十五年度から六十四年度までの十年間に四百五十三億六千二百万円が交付される、このような予定になっております。
○小川(省)委員 今回、電気税について二品目を非課税措置から外すようでありますが、電気税は現在価格に占める比率が五%以上に非課税措置をとっているようでありますが、私は少なくとも七%ぐらいにここを据えて、七%以下ぐらいは全部課税をしていく、こういう方向に踏み切られてもよい時期であろうというふうに思っていますが、この点についてはいかがですか。
○石原政府委員 電気税の非課税品目につきましては、いわゆる重要基礎物資に対する原料課税を廃止するというような見地から現在非課税品目が選定されております。その選定に当たりまして、かつて税制調査会等の答申におきまして、製品中に占める電気料金のコスト比率がおおむね五%以上のものを非課税とするんだというような考え方が示されたわけですが、現在この考え方を基礎にしながらも、その後かなり非課税品目は整理縮小されてきております。 そこで、今後非課税品目を考えるに当たりまして、この五%基準というものを引き上げたらどうだ、たとえば先生の御指摘になりましたように七%あるいは七・五%とか一〇%、いろんな御意見があることは承知しております。ただ、この現に非課税品目とされているものの中には、パーセンテージは低くても、かなり産業経済全般ひいては国民生活に大きな影響をもたらすものも含まれておりますので、一律に線を引いてそれ以下は全部廃止というのがなかなか困難な状況にあります。 しかし、私どもといたしましては、非課税品目はできるだけ縮小することが望ましいという考え方のもとに、関係省庁とも常に接触を図りながら、たとえ製品コスト中に占める比率が高いものであっても、その影響が少なければ廃止するということも含めて努力をしてきております。 ただ、御案内のように昨年の電気料金の大幅引き上げによりまして、現在の非課税品目についても、言うなれば製品コスト中に占める電気料金の比率がかなり上昇しております。ですから、従来の物差しでそのまま当てはめた場合にはむしろ非課税品目をふやせというような議論もあるわけですが、これは私どもは絶対御勘弁願いたい、電気料金の上がった後においてもこれは事情の許す限り整理縮小していくべきものだといった基本的な考え方で努力を重ねてきたわけでありまして、今後ともその方向で努力させていただきたい、このように考えております。
○小川(省)委員 次に、料理飲食等消費税についてでありますけれども、温泉所在市町村ではこの税についての執着が特に強いようであります。私は、この税などは本来市町村税でいいような感じを持っているのでありますが、これがなぜ県税になっているのか、若干疑問でもあります。少なくとも料理飲食等消費税の半額を温泉所在市町村に還付をするというか、交付をしてもらいたいというふうに考えています。飲んで騒いで屎尿やごみが市町村の業務になるというのでは、温泉所在市町村としてもやりきれないと思います。そこで、この半額を市町村に交付するというような方法はとれないのかどうなのか、とれないとすればそのネック、その隘路はどこにあるのか、お答えをいただきたいと思います。
○石原政府委員 確かに料飲税につきましては、温泉等の所在市町村の立場からいたしますと、温泉客の落としたごみの処理は市町村の責任、また火災予防等の消防の責任も市町村というようなことで、環境整備あるいは安全、いろいろな面で市町村の負担が非常に重くなっているということから、飲料税の市町村への還元交付というご要望があり、それなりに一つの議論だと私は思います。 ただ、現在道府県、市町村それぞれの事務の内容あるいは地域の広がり、それから課税能力等のいろいろな見地から税源の配分が行われ、料飲税については道府県の課税が最も適当であるということで道府県に帰属されているわけであります。したがいまして、そういった税の体系からこの税の一部を市町村に交付するというのは、独立税はそれぞれが課税し、それぞれが収入するという地方税の大原則からすると必ずしも好ましくない。もちろん、娯楽施設利用税等について一部例外はありますけれども、こういったあり方を現在以上に広げることがいいのかどうか、これは税の体系の問題としても一つ問題ではないか、このように思います。 それから、現実に温泉所在市町村等において、観光客等の増加に伴う財政需要があることは事実であります。それで、そういったことに着目して現在入湯税という目的税が認められておりますし、また地方交付税の算定上基準財政需要額におきまして、入湯客数等を基準にとりながら財政需要の上乗せ算入というようなことが行われております。今後とも、現にある財政需要については適切な財源措置がなされるべきであることは当然でありますが、ただ、この料飲税を一部市町村に交付するというシステムがいまの地方税の体系としてどうなのかということはさらに慎重に検討すべきことではないか、このように思います。
○小川(省)委員 千葉の地方裁判所で行われている固定資産の課税をめぐる訴訟について御存じですか。
○石原政府委員 承知しております。
○小川(省)委員 この訴訟では、流山市と柏市の固定資産評価審査委員会を相手にして裁判が行われておるわけでありますが、正式な裁判名は「固定資産評価審査決定取消請求事件」と言われております。 本来、いわゆるサラリーマンが住む土地や建物は生存に欠かせない財産であり、売却を予定していない限り地価が上昇をしても収益性の増加には関係がない、にもかかわらず周辺の地価上昇に伴って固定資産が上昇をする仕組みであり、不合理というものであるわけでありますというこの原告の主張には、私も合点できるものがございます。地目が山林や雑種地というようなことで、いつでも宅地として売却できる土地が、単に地目の違いだけで評価額が百分の一も二百分の一も違うわけであります。 宅地としてすぐ売却できるような土地の評価を上げることによって、宅地政策にも寄与できると思います。私も自治省が出している「固定資産の評価についての指導書」に目を通してみました。確かによくできております。しかし、私どもにすとんと落ちないのは、納得しがたいのは、宅地として処分できる土地に対する評価の低さだと思っております。この点についてはいかがですか。
○石原政府委員 この訴訟で争われている事柄というのは、ある意味では固定資産税の基本的な性格にかかわる問題であろうと思います。それで、売買しないのに自分で住んでいる土地が、周辺の土地の売買価格が上がったからということで評価額が上がるのはけしからぬという考え方から訴訟が提起されているようでありますが、現在の固定資産税の評価の基本的な考え方は、その固定資産自体の有する価値というか収益性に着目して、そこに担税力を見出して税金を負担していただくという考え方に立っております。 その場合の収益力というのは、必ずしも現実実現された収益ではなくて、収益可能性といいましょうか、客観的な資産の価値といいましょうか、そういったものをとらえて課税するというたてまえになっております。したがって、この考え方は、売買しない個人の居住用の宅地でありましても、その地域一帯の土地の価格が上がれば現実に売買されなくてもその宅地も価値が上がるのだ、したがって、その宅地に住んでいる人はそれだけ担税力がふえているのだという前提に立っている税であります。そこで、この原則を崩したら、現在の固定資産税の評価制度は根本から成り立たなくなってしまうということであろうと思います。 ただ、確かに、同じ地域でいつでも宅地化できるような山林とか農地があって、そちらの方は山林なるがゆえに、あるいは農地なるがゆえに非常に低い評価がなされているということは、そういった気持ちはわからないことはありませんけれども、やはり農地は農地として、山林は山林としてのその土地の性格に着目して評価がなされておりますので、単に一見宅地化できそうだからということで評価の基準を変えるということは、これはできないと思います。 しかし、いずれにしても、現在最も問題になっておりますのは、市街化区域内の農地、市街化区域内の山林、こういったものの扱いだと思います。これについては、御案内のように五十七年度から課税の適正化をしなければならないということが法律に義務づけられておりますので、今後、税制調査会の場等を通じましてそのあり方について鋭意検討を進めてまいりたい、このように考えます。
○小川(省)委員 税法学の第一人者と言われる日本大学の北野弘久教授はこう言っておるわけですね。「生存権的な土地については原則的に無税として、広さに応じて低い税率とする。投機用の土地については時価で課税をして、超過累進税率を適用する。こうすれば土地が投機の対象にならなくなるから、土地放出に役立つし、土地対策となる。資本的財産については、住宅用地より多く、投機用のそれより税を軽くする。こうして憲法の応能負担の原則に従って質的な担税力に見合って課税すべきである。」こう言っておるわけですね。この説についてはいかがお考えですか。
○石原政府委員 北野教授の考え方というのは、固定資産の使い道、現に何に使われているかによって評価も変える、税負担も変えていったらいいじゃないかという考え方のようですが、現在の固定資産税の基本的な考え方は、資産の持つ客観的な価値に着目して税負担を求めていくということでありまして、それが現に何に使われているかということは関係なしに、宅地であればそれが住宅用であれ企業用であれ同じ価値を持つ、同じ担税力を持つ、こういう考え方で割り切っているわけであります。それで、資産が何に使われているか、用途によって差を設けるということになりますと、これはまた固定資産税の基本的な性格の変更ということになりまして、これは大いに議論をしなきゃならない問題であると思います。私は、個人的にはその考えには賛成いたしかねます。 それから、いわゆる生存権的な税制といいましょうか、生存にとって必要不可欠なものについては税金を取るべきでない、これも一つの考え方かと思いますが、現在、固定資産税におきましては、御案内のように住宅用の宅地につきまして、二百平米までについては評価額の四分の一課税が行われている、それから千平米までについては二分の一の課税が行われておる、こういうような形、あるいは家屋等については、新築住宅について二分の一の減額特例が行われるというような形で住宅対策、まあ生存権と言っていいのかどうか知りませんが、人間の生活にとって必要不可欠な住宅についてはそれなりに配慮が加えられておる、このように考えております。
○小川(省)委員 いずれにしても、売る意思のない宅地を所有をする給与所得者等から、年々固定資産税や都市計画税を引き上げていくような評価の方法については再検討をすべきだと思っております。 また、評価について、道路に面したところが高くて奥まったところが安いというのも変なことだろうと思うのです。これは経済の論理が固定資産の評価に持ち込まれている例なのですね。私たち住む者から言うならば、自動車のうるさいような道路に面したところよりも、奥まったところの方が静かでよいというふうに思っておりますが、路線価によってそうなっていくのだと思うのです。 また、家屋の評価についてでありますが、最近苦情が大変多いわけであります。聞いてみると、家屋は木造にしろ鉄筋にしろ、償却資産であるから当然下がるはずなのに据え置かれているというわけであります。自治省の指導書も見たわけでありますが、これは再建築費の評点基準でやるというところで据え置きになっているのだろうと思いますが、物価の物差しを再建築費の、材料費が高騰している折でありますから、こういうものを導入をしているところに問題があると思うのでありますが、なぜこの評価に再建築費を導入するのですか。その点について伺いたいと思います。
○川俣政府委員 固定資産税の土地、家屋の評価についての御質問でございますので、私からお答えを申し上げます。 まず土地につきまして、土地の評価は御案内のように、原則といたしましていわゆる路線価評価法を採用いたしております。これはやはり道路に面しました土地の売買実例価額、土地の価値というものが、道路に面しておりますと、道路に奥まったところに比較いたしまして高いという客観的な事実に基づいておるわけでございます。そこに住宅があるとすれば、住宅としての用いられ方からいたしますと、なるほど快適度が少ないのかもしれませんけれども、その土地は必ずしも住宅に用いられるものばかりではございません。そういったことで、あくまでも売買実例価額を基礎に評価をいたしておりますたてまえ上、そういうことになるわけでございます。 それから、家屋につきまして、再建築費評点数を計算をいたしますいわゆる再建築費主義による評価をやっておりますが、これはすべての家屋を評価する場合におきまして客観的に評価額を算出いたしますためには、家屋の評価基準に基づきまして再建築費評点数を求めて評価額を算出するということが一番合理的な方法だというふうに考えておるからでございます。 そこで、いま据え置きのお話がございましたけれども、御案内のように三年ごとの評価がえがございますが、三年ごとに家屋の評価基準を改定いたしております。その場合におきまして、在来分の家屋につきまして再建築費評点数を基礎に価額を計算をいたし、それに経年減価をいたしました場合と従来の価額とを比較いたしまして、従来の価額が高ければ、それは新評価基準に基づく再建築費評点数から計算した価額から経年減価したものをとるということにいたしておるわけでございます。
○小川(省)委員 路線価であるとか売買実例価額であるとか、これは確かに商店や何かと給与所得者とは違うと思うのでありますが、最近では商店でも駐車場がないところではさびれている例がたくさんあるわけであります。そういう意味では、必ずしも道路に面しているから最良の環境ではないわけでございますから、これらの点についてはひとつぜひ一考をお願いをいたしたい、こう思っております。 それから、家屋の評価でありますが、経年によって調整をするとかと言われておりますが、いまのような資材が高騰をしている折には再建築費でやればどうしても上がってくるわけでありますから、この点についても、あれだけ体系的にはよくできている評価指導のあれでありますから大変だろうと思いますが、ぜひひとつ評価については検討を加えるように一考を促したい、こう思っておるわけであります。 最後になると思いますが、武蔵野の市議会で都市計画税の税率を〇・一下げることになりました。これに対してどう考え、どう武蔵野市に対する指導をされておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○石原政府委員 先ほど、ちょっと私答弁した中で千平米と申しましたが、これは建物の十倍までの部分について二分の一の軽減があるということでございます。ちょっと訂正させていただきます。 それから、武蔵野市におきまして都市計画税の税率引き下げを求める陳情、請願ですか、これが議会で採択されたというようなことを聞いております。都市計画税につきましては、これはもともと都市施設の整備の目的税として設けられているものであります。都市施設整備の事業量と対応して税率の程度も決められるべきもの、このように思います。したがいまして、現在も地方税法上はいわゆる標準税率の定めはなくて、制限税率最高〇・三%ということになっております。 したがって、市の方でこれをどのように選択されるか、まさに市の判断の問題でございます。武蔵野市におかれまして、都市計画事業との関連あるいは財政状況一般、さらには住民の固定資産税、都市計画税の負担状況、こういったものを総合勘案されまして選択されるべきもの、このように考えております。したがって、自治省の方としてどうあるべきだという考え方は一切示しておりません。
○小川(省)委員 厳しく見守っていくということなんでしょうが、私は、こういう風潮はいろいろな自治体に波及していくだろうというふうに思っています。ただ、地方の時代と言われる現在でございますし、増税に対する不安というものが非常に強いわけでありますから、多くの市民からこういう請願という形で要求が出されてくれば、市民の代表である市議会はこういう結論になりがちであると思うのであります。 大都市では、ここ数年、固定資産税や都市計画税が三十倍、五十倍というふうに上がっているわけですから、こういう問題が起きてくるんだろうというふうに思っております。先ほどから若干意見の交換をいたしましたように、私は、こういうのは評価に問題があるのではないかという感じを持っているわけであります。そういう意味で、評価についてはある程度の洗い直しといいますか見返しが必要ではないかというふうに思っていますが、大臣いかがですか。
○石原政府委員 大臣からお答えする前に、評価制度の基本の問題でございますから私から若干お答えさせていただきます。 土地の評価にいたしましても家屋の評価にいたしましても、現在の地方税法ではいわゆる時価主義をとっております。適正な時価によってこれを評価するという考え方に立っております。固定資産税の評価につきましては、わが国の過去の例あるいは諸外国の例などを見ますと、賃貸価格をとっている国や、あるいはかつてわが国では地租などでは賃貸価格をとっておったわけでありますが、そういった例もありますし、また、いわゆる収益額から資本還元した額、理論計算による価額をとるというやり方もあるようでございますが、いろいろな方法を経験した結果、わが国ではこの時価による評価ということが一応定着しているわけであります。 もちろんその場合に、時価のとり方あるいは異常な要素が入っておればこれを除去して正常なものに置きかえていく、そういった修正の仕方、これらについてはいろいろ社会経済情勢の推移を踏まえながら、技術的にも改良を加えていくものが多々あろうかと思います。しかし、基本的にはいまの時価主義というものを変えるということはむずかしいんじゃないか、私はこのように思います。基本的にいまの評価の方式、考え方は維持しながら、ただ、評価の技術的な面その他では改良を加えるべきものはさらに勉強して改良を加えていきたい、このように考えております。
○安孫子国務大臣 ただいま税務局長から申し上げましたとおりに、やはり時価主義についてもいろいろ改善をすべき点はあると思いまするが、原則はその方針でいくのが適当かと考えております。
○小川(省)委員 事業税なんですが、今回不動産貸付業や駐車場業、コンサルタント業、デザイン業を課税対象に加えるようでありますが、私どもは、将来事業税については廃止の方向に持っていくべきだと思っておるわけであります。ただ、事業主控除額が現行二百二十万円なんです。これを少なくとも二百六十万くらいには上げるべきではないか、あるいは白色事業の専従者控除の控除額を、現行は四十万になっておるわけですが、少なくとも七十万くらいまでには引き上げるべきだと思っておりますが、この点についてはいかがですか。
○石原政府委員 個人事業税の事業主控除につきましては、現在の二百二十万という水準になりまして納税義務者数が非常に減っております。たとえば昭和四十六年当時で申しますと二百二十万ありました納税義務者が、現在では六十七万程度に激減しているわけであります。したがいまして、現在の二百二十万という事業主控除の額については、納税義務者数との関連あるいは地方財政の状況からいたしますと、これを直ちに引き上げるのは困難ではないか、このように思います。 もちろん、こういったものは納税義務者数の今後の見通しあるいは地方財政の状況等を総合勘案して判断さるべきものでありまして、事情が許せば将来は再検討しなければならないと思いますが、現時点ではこの引き上げは困難ではないか。同様に専従者控除につきましても、他の税制との関連あるいは地方財源に及ぼす影響、こういったものからいま直ちにこれを引き上げることは困難ではないか、このように考えます。
○小川(省)委員 大臣、いろいろな点について申し上げてまいったわけでありますが、確かに地方税の重要性というものについてはよく承知しておるわけですが、冒頭大臣が考え方を述べられましたように、この地方税が黙々として励む地方税務関係職員によって支えられておるわけでございますから、そういう税務の職員が現在ではおもしろくないと思って仕事をしているんでしょうが、税務職員の手当等も定額制で年々低下をしておるというような実態でございますけれども、これらについても再検討をしていただいて、税務の職員が本当に張り切って仕事ができるような措置を自治省としても今後ともぜひおとりいただくことを強く要請をして、私の質問を終わりたいと思います。
○左藤委員長 大橋敏雄君。
○大橋委員 大臣、単純な言い方になりますけれども、政治も行政も、一口に言えばいかにしていかなる手段方法でお金を集めて、その集まった金をいかに配分していくか、こういうことだろうと私は思うのです。私も、国会議員になるまではいろいろな仕事に携わってきましたが、税金を取られる立場から政治を見た場合、こんな貧乏しているわれわれからこんなにまで取らなくていいじゃないかというような思いが再三いたしました。要するに、お金を集めるその集め方は、力がある、お金のある人からいただくのは別に私は問題ないと思いますけれども、弱い立場にある人から無理やりにむしり取っていくような姿というものは賛成できないわけです。 いずれにいたしましても、取られる側からいけば、これは国の発展あるいは地方の住民福祉の向上のためだということで、喜び勇んで出すまでもなくとも、まあこれが税金だからということで支払っていると思うのですけれども、中には税金が不正に使われた、あるいはむだ遣いされたというようなことから、納税をする人々の気持ちがすさんでいく、こんなことなら納税するかというような思いにもなりかねぬと思うのです。 実は私、政府系の出版物をずっと見ていったのですが、その出版物の資料の中に、国税と地方税を合わせたいわゆる租税負担率、これは五十五年度ではわが国は二二%だったわけです。欧米諸国と比べると、たとえばスウェーデンは五二・七%、イギリスは三七・四%、西ドイツが三二・二%、フランスが二九・八%、アメリカが二八・八%というふうに記されておりました。これから見ると、日本はまだまだその負担率は低いのだということがわかったわけでございますが、国民一人一人の意識の中には非常に重税感があるのですね。その重税意識というものが非常に高い。 これはなぜか。つまり不公平な税制だということなのですね。取られるべき者から取っているのではなくて、取りやすいところから取っている。取りやすいというのは弱い立場にある人、簡単に言えばこういうことになるのではないかと思うのです。要するに、税負担のあり方というものが問題になりまして、御承知のとおりに不公平税制の是正ということは、いまや政治の緊急課題になっていると思うわけです。 まず最初に、こういう点についての大臣の所信といいますか、見解を聞いておきたいと思います。
○安孫子国務大臣 租税の重圧感と申しますか、これは比率で申しますと日本などは低い方である。しかしながら実感というものは、日本に住んでおる場合、また自分がアメリカに住んでいる場合、これでもってなかなか比較ができないわけです。アメリカ人とかイギリス人などに会って話しますと、とにかくひどいものだということを本当に言うわけです。その実感とわれわれ日本人の実感の比較考量というものは、感覚的にはなかなかむずかしいのではないかと思います。しかし、計数上から申しましても、まあ日本の方が負担率は低いということは事実だと思います。しかし、感覚的にどういうことであるかということになりますと、これは一概に言えないだろうと私は思います。 そこで、国並びに公共団体にいたしましても、租税で成り立って仕事をやっておる団体でございまするから、やはり貴重な租税収入によって賄われておるということを十分に自覚いたしまして、むだがなく効率的に、たれ人が見ても指弾のできないような形において行政、政治が行われるならば、ある程度の重みを感じましても国民は納得してくれるものだろうと私は思っておるわけでございます。この点に政治並びに行政に携わる者の非常に重大な責任がある、かように考えておるものでございます。
○大橋委員 とにかく、不公平な税制は一日も早く改められなければならない。これは言うまでもないと思います。 そこでお尋ねしたいのは、現在の国と地方間における税源の配分のあり方も大いに見直さなければならぬのじゃないかという感じを私は受けております。それは国税と地方税の収入割合を見ますと、五十五年度は国税六四・四%、地方税が三五・六%で二対一の比率なのです。国から地方交付税だとかあるいは地方譲与税だとかが地方公共団体の方には再配分されて、確かに調整は図られているわけです。しかし、私がここで言いたいことは、いろいろとそういう方法はありましょうけれども、基本原則は、地方団体の経費というものは住民が直接納める地方税で賄っていくことが本来の姿ではないのかな、こう思うわけです。 したがいまして、地方の独自性、主体性あるいは自主性というような立場から考えますときに、あるいはこれを尊重しなければならぬという立場に立てば、国と地方の配分は五〇対五〇、こうあるべきではないかという主張がよく知事会なんかで出ておるわけでありますが、もと知事を経験なさいました自治大臣、そういう経験をなさった立場から、この税源配分のあり方についてどのような見解、御意見をお持ちなのかをお聞きしたいと思います。率直に答えていただきたいと思います。
○安孫子国務大臣 お話しのとおり、現在の税の配分は地方税一に対して国の方が二、大体こういう数字になっておるわけでございます。ただ、これもお話のございましたとおりに、一般財源としての交付税等を考えますと大体半々ということになっておるのが現状でございます。私も地方団体を預かっておりました折、常に同僚とともに要求し尽くしてまいりましたことは、少なくとも国と地方が大体半々ぐらいの税源配分をすべきではないかということでございました。何にいたしましても税制の基本は、自治省はございますが、国が大きく握っておるわけでございます。そこで税制の問題を決定する際には、地方のことを考えないわけじゃありませんけれども、どうしても国に有利なような、とかくそうした傾向が否定し得ないところだと思います。 これに対して、地方団体としましては常に主張してきておるわけでございますが、ひとつ国の税務当局、税制の担当部門におきましても、いわんや地方の時代と言われておる今日、地方の財源なくして地方の時代というようなものは形成できないわけでございますので、この点について一段と自治省としては努力をいたし、また地方団体の責任者といたしましても、みずから省みてやましいことのないような運営をしてこのことを主張しなくてはいけないのじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○大橋委員 さすがに自治大臣は知事を経験なさってきただけに、物の見方が非常に正しいと思います。いまおっしゃいましたように、国の力が強いためになかなか地方団体の意見が通りにくい。しかしながら、現在はこうしてもう閣僚としてお座りになっておるわけでございますので、いまのお考えをどしどしと通していただきたいと思うのです。要するに、国民生活に密着した仕事を行っている地方公共団体の財政基盤というものをより強いものにしていくためには、地方財源の充実強化を図っていく以外ないわけでございますので、よろしくお願いしておきます。 そこで、これは先ほど議論になっておりましたけれども、私は立場を変えてお尋ねしたいと思うのですけれども、五十六年度の税制改正によりまして、その増収見込み額というものが、国税では平年度で一兆三千八百億円、地方税ではわずかに七百五十六億円ということのようでございます。この額だけを国と地方と比べてみると、余りにも開きがあり過ぎる。いろいろな事情を先ほど説明しておられましたけれども、それにしましてもこれは余りにも開き過ぎているのじゃないか。こうした数字から受ける印象はやはり中央集権、そして地方従属というものかな、このように実は思うわけですね。 そして、今度の住民税法人税割の税率の調整の改正内容を見ましても、実は私は非常に不満を感ずるわけであります。 その不満の内容を説明申し上げますと、法人税の税率の引き上げに伴いまして住民税法人税割の増収分としまして、初年度六百四十五億、平年度では一千二十四億円の見込み額につきまして、市町村に重点配分をしようということで、市町村民税法人税割の標準税率を現行の一二・一%から一二・三%に改められております。これはプラス〇・二%ということで確かに改善と私は思うわけですが、しかしながら、道府県民税法人税割の標準税率を見てまいりますと、逆に現行よりマイナス〇・二%となるわけですね。現行は五・二%、そして今回五%ですからマイナス〇・二%。何のことはない、道府県と市町村の間の調整、言うならば地方の仲間同士の譲り合いというかっこうでこれが処理されている、調整されているということですね。 今回の改正によりまして、法人所得税の実効税率は四九・四七%から五一・五五%に引き上げられております。またその配分割合を見てまいりますと、国が六六・八%から六七・五%に引き上げられております。しかし、道府県は二五・一%から二四・二%に引き下げられております。市町村は八・一%から八・三%、これは引き上げられたという形で改められているわけでございますけれども、国の税率を引き下げて地方の税率を引き上げる。 まあ地方といっても、いまさきの調整は県と市町村との間の調整で、県の方を引き下げて町の方に上乗せしたというその調整でしたね。私は、こういうやり方ではなくて、根本的に国と地方との税率配分の調整をやるべきじゃないのか、これは根本的な問題だと思うわけでございますが、この点についても大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○安孫子国務大臣 お尋ねの点は、私もそう思っております。ぜひその配分を国から地方にある程度移すべきだろう、これが地方の振興の基本だろう、こう思っております。
○大橋委員 今回の法律ではやむを得ないわけでございますが、少なくとも来年度においては、いまの大臣の考えが生かされる姿で法改正等がなされるのかどうか、あわせてお尋ねします。
○安孫子国務大臣 その方向に向かって努力をしてまいります。
○大橋委員 次に、地方財政と市町村の国保財政との関係についてお尋ねをしてみたいと思います。 いま市町村の中では、かなり国保財政の赤字を抱えている市町村があると思うのですけれども、現在はどの程度になっているのか、その赤字の額と市町村の数、これを教えていただきたいと思います。
○土屋政府委員 五十三年度の国保財政の実質収支で見てまいりますと、全市町村を通じまして、黒字団体は千七十三億余りの黒字を出しておりますし、赤字団体は二十三億六千八百万円の赤字ということでございますが、現実にはこの実質収支が出てきておりますのは、一般会計からの繰り入れが六百五十九億、それから都道府県からの財政援助が四百六十三億あるために、全体といたしまして千四十九億の実質収支の黒字の形になっておりますが、そういうものを差し引きますと現実には約六十五億の赤字ということでございまして、形の上だけでは見られない、財政が非常に苦しいために、一般会計からの繰り入れと府県からの財政援助が非常に多額に上ってつじつまを合わせておるという形になっておるわけでございます。
○大橋委員 いまお答えがありましたように、その内容は、非常に苦しい状態であるけれども、保険料だとか一般会計の繰り入れ等で数字の上でのつじつまが合わされて、だんだんと赤字市町村の数は減ってきているということですね。 私は、五十四年度の決算結果を見ましたけれども、確かに赤字市町村の数も赤字額もともに減少し、五十三年度に引き続き堅実な歩みを見せているということでございますけれども、これは正直言ってどういう原因といいますか理由によって、このように好転していっているのかな。いまのお話の中では、これは決して安定したとは見るわけにはいかないということでもございましたけれども、それにしても、単なる保険料だとかあるいは一般会計の繰り入れだけでこんなにうまくいくとは私は思わないわけですけれども、その点はどういうお考えでおられるか、お尋ねしたいと思います。
○土屋政府委員 あるいは厚生省の方からもお話があるかもしれませんが、ただいま申し上げましたように、全体としてはかなり多額の一般会計からの繰り入れと府県からの財政援助によって、辛うじて黒字を出しておるということでございまして、それがないとすれば赤字だということでございますから、本来原則的に保険料あるいは保険税と国庫支出金で賄われるべきものが十分作用していないということでございます。 そういった意味で、今後高齢化社会等を迎えて老人医療の問題等がクローズアップされてまいりますが、いまは何とかそういうことでやっておりますが、これで直ちに健全化されたとは思っておりません。国としても、多額の臨時財政調整交付金等充実してもらっておりますけれども、それでもいまの原則以外のそういう繰り入れ等で支えられておるという現実は直視すべきだ、こう思っておるわけでございます。
○大橋委員 結論を申し上げますと、市町村の国保財政というものはなお厳しいものが予想されているということだと思います。この市町村の国保財政を非常に圧迫している大きな原因の一つとして、老人人口の増加あるいは老人医療、高額医療費等の実施、これによってかなり内容が変わってきたと思うわけでございますが、まず現在の保険の総医療費の中に占める老人の医療費等はどういうふうになっているか、説明を願いたいと思います。
○古川説明員 お答えいたします。 現在、国民健康保険の財政は非常に苦しいわけでございますが、その最も大きな原因が七十歳以上の老人の方々が非常に多い。老人の方々は医療費がどうしてもかかるわけでございますが、それが非常に多いという理由でございまして、ちなみに各医療保険制度におきますところの七十歳以上の方々のいわゆる加入割合といいましょうか、それを申し上げたいと思うわけでございます。それによりますと、医療保険全体では七十歳以上の方々が五・四%でございますけれども、国民健康保険では、五十四年度でございますが、七十歳以上の方々が八・五%という割合になっておるわけでございます。 ちなみに政府管掌の健康保険でございますと、これが三・八%、それから組合健康保険でございますと二・八%、あるいは国家公務員の共済でございますと三・六%ということで、被用者全体が三・四%。これに対して国保は八・五というふうに、医療費のかかる老人の方々の割合が非常に多いというのが一つの要因になっていると考えております。
○大橋委員 また後で少しずつ具体的に聞いていきますが、これは新聞の三月一日付の報道にあるのですけれども、もし大きく間違っておれば訂正していただきたいと思います。「医療費13兆円に迫る 56年度推計「老人」分18%に増加」とあるのですけれども、「五十六年度の国民医療費は十二兆九千億円にのぼり、このうち、老人医療費の占める割合は五十五年度の一七・一%から一八%に増えることが二十八日までに厚生省が行った推計でわかった。」とあるのですね。 途中飛ばしますけれども、「この推計は、五十六年度の政府予算案をベースにしたものだが国民医療費は、五十五年度の十一兆九千七百億円(見込み)より七・九%増えて、十二兆九千二百億円に達する。 また、七十歳以上は医療費が無料という「老人医療費支給制度」からみた老人医療費の総額は、二兆三千三百億円。五十五年度より一三・八%も増え、伸び率でみれば、医療費全体の伸びの倍だ。老人医療の伸びは五十三年度二三・九%−五十四年度一六%−五十五毎度一〇・五%と、減少傾向にあったが、ここにきてまたもや増え方が激しくなってきた。 このため、国民医療費に占める老人医療費の割合も、五十三年度一五・九%−五十四年度一六・九%−五十五年度一七・一%に対し、とうとう一八%にはね上がってしまう。」 こういう報道がなされているわけでございまして、この老人医療費あるいは高額医療費の増額によりまして市町村の財政が非常に厳しくなったということで、臨時財政調整特別交付金ですか、これが支給されていると思うのでございますが、五十六年度はどの程度が計上されているか、お尋ねしたいと思います。
○古川説明員 先生おっしゃいましたように、国民健康保険に対しては、いわゆる老人医療費の増分あるいは高額療養費の関係で臨時財政調整交付金というものが支給されておりますが、五十六年度では総額千五百四十五億円を計上いたしております。
○大橋委員 前年度千四百二十五億ですから百二十億の増額ですね。額としては確かに増額になっているけれども、実態的に支給割合といいますか、それは毎年減ってきておるのじゃないですか、その点説明を願いたいと思います。
○古川説明員 御指摘のとおりでございまして、たとえば臨時財政調整交付金は五十四年度では千三百十二億、五十五年度では千四百二十五億、五十六年度では千五百四十五億、大幅といいましょうか増額を見ておるわけでございますが、交付率について申し上げますと、たとえば臨時財政調整交付金の老人分でございますが、五十三年度ではいわゆる老人分関係の割合が七一%、それが五十四年度では七〇%、五十五年度では六五%というふうに、交付の割合が低下してきておるということでございます。 それから、いわゆる高額療養費の関係でございますけれども、これは三万九千円という限度額がございますが、その超える部分を保険者が見る。それに対するいわゆる助成でございますが、高額分が、割合で申し上げますと、五十三年度では三五%、それから五十四年度では三二%、五十五年度では現在配分を検討中でございますが、これをまたさらに下回るというふうに、臨時財政調整交付金の額そのものはふやしておりますけれども、それ以上に高額なり老人の医療費の増が激しいというようなことから、交付率は年々低下しておるというのが実情でございます。
○大橋委員 先ほどの新聞報道にもありましたように、老人医療費あるいは高額医療費の方は逆に増額になっていっておる。それについて交付金の方は率としては下がってきておるということは、そのしわ寄せが地方財政に響いていくわけです。 もう一つお尋ねしますけれども、国保における七十歳以上の医療費の割合、また七十歳以上の老人の一カ月一人当たりの診療費といいますか、それ以外の一カ月一人当たりの医療費というものはどのような割合あるいは幾らぐらいになっておるのか、お尋ねしたいと思います。
○古川説明員 お答え申し上げます。 現在の国民健康保険における医療費の割合でございますが、ほぼ三割、二九・一%ぐらいでございます。八・五%の老人の方々が、老人の医療費として見ますときには全体の三割弱、ほぼ三割の負担をしておるというのが現状でございます。 なお、老人一人当たりの診療費といいますか、比較を申し上げますと、五十四年の十月でございますけれども、老人一人一カ月当たりの費用が二万六千九百五十二円、こういう状況でありまして、老人以外の方々の一人当たりの費用が五千七百九十四円ということでございますので、この老人の倍率といいましょうか、費用の額は、老人以外の方々の四・六五倍に達しておるというのが実情でございます。
○大橋委員 いまの説明でもわかりますように、これはいよいよ深刻な問題だと思います。要するに、老人の医療費と高額医療費が国保財政を圧迫してきている。この解消策としていま言われました臨時財政調整交付金、これらも交付されているけれども実態的には支給パーセントが落ちていっている。そういうことで、五十六年度の予算額を先ほどお尋ねしたわけでございますけれども、額としては確かにふえてはきているけれども、結局地方財政を圧迫していく事実は変わりがない。低下している部分については住民、被保険者にしわ寄せが、いわゆる負担強化という姿であらわれるわけでございますが、この国保のいわゆる国保税といいますか国保料というか保険料といいますか、この負担はもうかなり高いものになっていると私は思うのです。住民側からすれば限界だ。特に余り病気をしないような方々は、健康保険税、保険料がぐんぐん引き上げられて、たまったものじゃないぞという大変な不満の声もあるわけでございます。 こうして保険料が、もうこれ以上引き上げられないというような状況であろうと思うわけでございますが、そうなればあと国保財政の赤字を埋めるのは一般会計からの繰り入れしかないということになると、大変な状況になっていくわけでございます。この解消策といいますか解決策といいますか、各自治体から非常に強く要望されているものに老人保健医療制度の創設があると思うのですけれども、自治大臣もこの国保財政の実態を見られて、このままじゃだめだということはお感じになると思うわけです。 そこで、これは何も老人とか高額医療、そういうものだけのためにやるわけじゃないのですけれども、老人保健医療、こういうのがいま厚生省から審議会に諮問をされている。私もある意味では大きな期待を寄せているわけですが、大臣の見解と厚生省から、どういう考えでこの老人保健医療制度を進めていこうとしているのか、その見通しについて御説明をお願いしたいと思います。
○古川説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように国保財政非常に苦しい状況で、自治省当局からお話がございましたように一般会計の繰り入れもある。それから国庫の助成費は二兆三千億、これは国の一般会計予算のほぼ五%に該当しますが繰り入れている。しかも保険料は、各市町村が大変な御努力の中で、年々一五%から二〇%近い負担の引き上げをしていただいている。こういう状況で、もはや国保の財政運営という面だけでは対応し切れない。したがいまして、国としては二つの観点から老人保健制度を創設したい。 一つは、これまでの医療の実態が医療に偏重しているということで、いわゆる予防でございます。壮年期からの予防ということで健康活動というものを重視していこう、予防から医療あるいはリハビリまで含めた総合保健事業を実施しよう、そのねらいが一つ。いま一つは、老人の加入が制度間で非常に不均衡がある。会社に勤めて元気なときには被用者保険に入っている。それがやめられまして所得能力もなくなるというような方で、しかも医療費が非常にかかるというときに国保に入ってくる。こういうような構造的な問題があるわけでございますので、各医療保険制度間の負担の均衡を是正しようということで、つまりヘルスの問題、予防の重視と負担の均衡の是正と、この二つをねらいとした老人保健法案を出したい。三月の十日に社会保険審議会、それから三月の十一日に社会保障制度審議会に、厚生省としての法案要綱を出したわけでございます。 ただ、これは関係省庁あるいは関係方面と調整をする部分がまだ多々ございまして、社会保障の一つの柱にもなろうというこういう老人保健法案でございますので調整に相当時間がかかる。私どもの見通しとしては、審議会の御審議を得まして四月の初めにも御答申をいただきたい。並行して関係方面と調整を進め、今国会にぜひとも法案を提出し成立を期したい、かようなことで準備を進めておるところでございます。
○大橋委員 大臣にはこの後でまとめてお尋ねしたいのですが、審議会の審議の結果でいろいろと変わってくると思います。 生臭い話になりますが、この老人保健医療制度が仮に実現した場合は国保財政、いわゆる市町村は非常に有利といいますか、助かる立場になることは間違いないと私は思うのです。一言でいいですが、どうでしょう。
○古川説明員 お答えいたします。 私どもの審議会に諮問をしている負担の考え方に基づきまして試算をしたのがございます。二つの試算を出しておりますが、現行制度でいきますと保険料として国保が持っている部分は四千百六十億でございますが、これが試算一によりますと三千百億、千六十億くらいの国保の保険料の減ということでございます。それから試算二によりますとこれが千八百億くらいの減というようなことで、国保の制度そのものについては、そういった加入割合の不均衡が是正されること等によりまして軽減が図られる、こういうふうに考えております。
○安孫子国務大臣 老人保健医療制度の問題は、厚生省から自治省にもいま相談が来ております。いろいろ検討いたしております。問題は多々あります。しかし簡単ではないと私は考えております。特に、大局的に申しますならば国の負担がいままでよりは減り、地方団体の負担がふえるというのが一つの大きな問題点だと私どもは考えております。それからヘルスサービスの問題につきましても一体どういう形でやるのか、それの負担はどうするのか、その辺は余り煮詰まってないように私どもは見ておるわけでございます。せっかく自治省としてもいま検討しておるところでございます。
○大橋委員 それでは問題を法律内容に変えます。厚生省の方、帰られて結構です。 十五条関係の中に心身障害者を多数雇用する事業主に対する助成金の支給に関する改正の内容が示されておりますが、この点をもう少し具体的に説明願いたいと思います。自治省でも労働省でも結構です。
○川俣政府委員 心身障害者雇用モデル事業所に係ります事業用施設に対します不動産取得税それから固定資産税の特例につきまして今回改正をお願いをしておりますが、その趣旨等について御説明申し上げたいと思います。 実は現行制度のもとにおきましては、これらの事業所が雇用促進事業団から資金の貸し付けを受けまして一定の施設を取得した場合等におきましては、不動産取得税と固定資産税について特例措置を設けているわけでございます。ところが、事業団からの資金の貸付制度が本年の九月末日で廃止をされるということになりますので、従来の特例措置を講じます場合のいわば足がかりになる制度がなくなるわけでございます。 そこで今回改正いたしたいと思っておりますのは、重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金の交付を受けまして取得される一定の事業用施設につきまして特例措置を設けることにいたしたいということでございまして、不動産取得税、固定資産税、それぞれについてそのような措置を講ずることといたしておるわけでございます。
○大橋委員 要するに、雇用促進事業団によります融資制度というものが五十六年九月三十日で切れるわけです。ということは、これはいままで身体障害者を対象にした内容であったわけでございますが、その後の五十六年十月一日以降は、この融資制度にかえて、いわゆる重度障害者といいますか、単なる身体障害者ではなくて重度というのがつくわけです。重度障害者多数雇用事業所を対象として、助成金の支給により取得する一定の家屋及び償却資産については、固定資産税の特例措置、いわゆる課税標準の特例措置が創設された、こういうことです。 労働省の方、来ていますね。——いまのお話を伺っておりますと、障害者対策が重度障害者というところに大きく転換してきている感じがするのです。こうした障害者年でもあり、障害者の生きがいについていろいろと手が打たれるであろうと私は思いますけれども、中でも重度障害者に対する施策の充実ということは歓迎でございます。 そこで重度障害者といえば、実は私は先日、身体障害者施設世田谷更生館あるいは重度障害者施設友愛園というところを視察に行ってきたわけでございますが、障害の重い方々が社会復帰への情熱を沸かして一生懸命授産指導を受けていられます。指導している理事長さんやあるいは従業者の皆さんの献身的な働きぶり、あるいはまた重度障害者の真剣なそうした働きぶりに実は頭が下がる思いがしたわけでございますけれども、そこは授産施設ですから、当然そこで製品ができ上がるわけです。そのでき上がっている、製造される品物は、決して健常者がつくったそれに劣らない、むしろなお正確じゃないかと言われるほどにすばらしいもののようでございました。 皆さんといろいろ懇談をして訴えられましたことには、企業からの受注が非常に少なくなったというのです。仕事を確保するのが大変な苦労だ、こう言っておりました。結論的には、国の方からこうした身障者向けの仕事を大幅に発注してもらえないだろうかということでございました。また、身障者向けに発注している現在の企業等に対して、何らかの奨励措置といいますか優遇措置のようなものが講ぜられないものだろうか、もしこういうことができれば非常にありがたいのだがな、また授産事業も安心してできるのですけれどもねという話が実はあったわけでございます。 現在、身体障害者の雇用率というのが設定されておりまして、それを達成できなかった企業からは納付金という名の罰金が徴収されております。まずその納付金の徴収と配分のあり方、それをお尋ねしたいと思いますし、同時に、身体障害者雇用率未達成企業から徴収されている納付金に関連いたしまして、重度障害者に授産している授産施設に企業の方から仕事を与えるというような場合に、自分の企業に重度障害者を雇っていなくともそれに相当するといいますか、見合ったような配慮はできないものだろうか、あるいはそうしたところにどんどん仕事を発注する企業に対しては、納付金の運用面において何らかの配慮はできないものかなということでございますが、いかがですか。
○若林説明員 私ども身体障害者の方々の雇用のお世話をいたしておるわけでございますけれども、ただいま先生御指摘のように、今日は障害者の障害の重度化、多様化といったようなことが一番大きな問題になっているわけでございまして、先ほど御指摘ございましたように、私どもの対策も今後重度障害者に重点を置いて進めていくということで、各般の施策の見直しを行っているところでございます。 ただいま先生が例に挙げられましたような授産施設等におきまして、何とか受注を安定したものにしたいというような御要望があることは私どもも承知しているところでございますけれども、身体障害者の雇用納付金、これは現在毎年百八十億ぐらい収入があるわけでございますが、年々雇用率が高まってまいりますので減少いたしております。現時点で百八十億くらいでございまして、これまで制度のPR等が進んでおりませんでした関係で、五十四年度末では二百五十億程度の積立金があったわけでございますが、五十四年度以降、当時の雇用失業情勢を考慮いたしまして、臨時特例的な措置として重度障害者等雇用管理助成金といった思い切った制度を導入いたしまして、これが大変に活用されております結果、今年度におきましては相当の取り崩しになり、今後も計画的に取り崩していくような状況になっているわけでございます。 この納付金制度は、事業主の間の身体障害者の雇用に伴う経済的な負担を調整すると同時に、身体障害者を雇用する事業主に対する助成援助を行うために、いわば事業主の共同拠出金みたいに設けられているものでございまして、ある企業が授産施設と発注関係にあるということだけでての納付金制度を助成するということは、制度の趣旨からいってなかなかむずかしいという問題がございます。 それから雇用率制度は、御承知のように事業主に一定率以上、民間でございますと一・五%以上の雇用を法的に義務づけているわけでございまして、先生御承知のように、これはあくまでもみずからの企業内で雇ってもらうべきものでございます。私ども大変強力な指導を進めているわけでございますが、ただいま御指摘の趣旨は、そういった授産施設等に定期的に注文を出すような企業については雇用率などにカウントできないだろうかといったようなお考え方かとも存じますが、ただいま申しましたように、あくまでもその企業の中で雇ってもらうということでございまして、たとえばこういう仕事を発注しているということで雇用率のカウントをするということになりますと、企業の有するただいま申し上げましたような法的義務が安易になってしまうといったようなおそれもあるわけでございます。 私どもも、先生御指摘になりましたような施設等のお気持ちは十分理解できるわけでございますけれども、以上申し上げましたようないろいろむずかしい問題点があるわけでございまして、この辺につきましては慎重に対応させていただきたいと考えております。
○大橋委員 原則論を聞けば、これもむずかしい、あれもむずかしいということになりそうでございますけれども、これはやはり重度障害者等に対する対策の今後の大きな検討課題ではないか、私はこういうふうに思いますし、現地のこうした切実な要望でございますので、頭からだめだという考えじゃなくて研究をしていただきたいということを強く要望しておきます。 時間もずいぶん迫ってきましたので、はしょっていきます。 行政改革本部というのができているようでございますが、これは一体何をしているのかということを聞きたいのです。また、行政改革閣僚懇談会、これは大平内閣のときには確かに設置されていたことを記憶しておりますけれども、今日ではそれがあるのかどうか、まずこの二点を聞きたいと思います。
○八木説明員 お答え申し上げます。 まず行政改革本部でございます。これは昭和三十八年に設置されたものでございまして、三十九年に第一次の臨時行政調査会の答申が出てまいりましたが、その実施の推進、その他行政改革の推進の機関でございまして、行政管理庁長官が本部長、そして関係の六次官が部員ということでございます。現在までおよそ五十数回、これは設置以後すでに十七、八年でございますが、毎年数回開いておりまして、重要な行政改革に関する決定は大体ここを経由して決まるというケースが多いようでございます。 それから閣僚協議会の方でございますが、これにつきましては、前大平内閣の昭和五十四年度の行政改革の立案に当たりましては相当活発に開催をされまして、都合十回ほど、五十四年の秋から五十五年の初めにかけて頻繁に開催されたことはございますが、これは何かきちっと決めるということではございませんで、関係閣僚が随時お集まりをいただきまして行政改革の重要方針をここで審議されて話をまとめていかれる、こういう場でございます。メンバーは官房長官、私どもの方の行政管理庁長官、大蔵大臣、自治大臣も時折御参加される、あるいは総務長官も時折御参加される、こういう場でございます。
○大橋委員 第二臨調もいよいよ発足したことではございますが、いまの説明では行政改革閣僚懇談会も行政改革本部もそういう面では非常に力ある立場で物を判断し、決定しているようでございますが、たとえば地方の支局あるいは分局などの統廃合等の問題について、こういうのもやはりそこで取り扱っていくのかどうか。 たとえば気象観測所など、全国的な整理が今回は行われるような計画が話題に上っているわけでございます。私も、行政改革そのものは大いに賛成でありますけれども、とはいうもののやはり実態的にはこれは一律にはいかぬぞというものもあろうかと思うんですね。総論賛成、各論反対という立場ではございませんが、具体的に、たとえば飯塚の測候所の夜間業務の閉鎖のうわさが実は出てきているわけでございますが、もしこれが本当ならば私は実態軽視だ、実態無視だ、こういうふうに実は判断しておりまして、再考をお願いしたいわけでございます。 最近、飯塚市はもちろんですが、周辺の市町村から続々とその反対意見書が出てきております。その一部を読ましていただきますと、「飯塚測候所は地元住民の協力により設立、発足以来五十年、台風や集中豪雨など異常気象時には正確な情報を伝え、防災対策に大きく寄与し、日常の気象監視や天気予報はもとより産炭地振興に伴う諸計画の推進にも資料を提供するなど、筑豊における防災上の拠点として活動をつづけています。筑豊地方は、永年の石炭採掘による鉱害のため、沈下した土地は政府の鉱害復旧事業により回復されつつあるものの、河川水位より低い農地や宅地などがなお多く残されており、災害に弱い体質をもつております。 また、別紙資料にみられるごとく大雨や強風、雷電など異常気象の発現は昼間におとらず夜間にも数多く発生しており、夜半から明け方にかけ起こっていることが多くみられます。」ということを言って、後は具体的な資料がきちっと添えられているわけです。 確かに警報解除、注意報の解除などはほとんど夜間通達がなされているわけでありまして、産炭地域のああいう地域における観測というものは非常に防災上大事でございまして、これを廃止されると確かに困る、私も同感であります。この点、気象庁の方、来ておりますか。
○森説明員 ただいま御指摘の測候所の夜間業務の効率化につきましては、私ども第五次定員削減計画の第二年度分として考えておるものでございます。 最近、気象事業の近代化というものは大変目覚ましいものがございます。御存じのように気象衛星、気象レーダー、あるいはアメダスと申しまして、全国各地の雨等の自動観測装置等が全国的に展開されております。このような中で、私どもの気象業務も大きく変わりつつあるという状況でございまして、測候所の役割りというものにつきましてもおのずから変化が出てまいっております。 今回の措置は、このような中で測候所の仕事の見直しをするということでございまして、具体的には、一部の測候所の夜間の宿直を廃止いたしまして、その一部の業務を地方気象台に集約をするという内容でございます。しかし、私ども、地域に対するサービスの低下というものがあってはいけないというふうにもちろん考えておりまして、このような措置はとりますけれども、まず台風等の異常気象時におきましては夜間も測候所に職員を配置する、従前と変わらない対応をするということでございます。それから平常時におきましては、夜間の情報の提供業務というものがございます。これは、資料、人員の充実しております地方気象台でお答えをする、こういうふうに考えております。 なお、測候所はそのほかに観測ということもやっておりますけれども、これにつきましては大体三回の観測をやっておりますが、朝の九時と午後三時の観測は従前どおりでございます。夜の九時が問題でございますけれども、これにつきましても、機械による観測はもちろん続けるということでございまして、特に雨、気温等の重要な気象要素につきましては、自動的にその観測データが関係の地方気象台に通報されるということになっておりますので、気象業務の遂行には支障はないと考えておる次第でございます。 この計画を発表いたしましてから、各地の地域住民の方から大変に御心配をいただきまして、いろいろな照会をいただいているわけでございます。離れている地方気象台で果たして対応できるのかという御心配でございまして、当然のことだろうと思いますが、私どもそのような夜間の対応につきましては、地方気象台で十分に対応できると考えております。これは、先ほど申し上げましたような近代化に伴いまして、府県の区域内の予報業務は地方気象台を中心として対応させるということで、私ども実はいろいろな諸施設も整備をいたしまして、衛星とかあるいはレーダーの資料、あるいはまた全国の観測データ、その他のデータが全部集まるということになっております。 また、二十四時間の勤務体制になっておりまして、常に職員が配置されておりますので、地元に対するサービスの確保という面では、地元の皆さん方に御心配をおかけするということはないと考えておる次第でございます。 以上のような次第でございますので、本件につきましてよろしく御理解をお願いしたいと思います。
○大橋委員 では、最後に一言大臣にお尋ねしますが、いまの具体的な例でございますけれども、設置するときは、公共施設であろうとも地元の市町村の同意を得て行っていくわけですね。ですから、それを廃止する場合も市町村の意見を十分聞いてもらいたいし、また市町村を守る立場にある自治省ですから、行政改革を大いに推進しなければなりませんけれども、ローカル線の廃止問題等もこれあり、非常にむずかしい時代が来たと思いますが、地方自治を守る立場から、そういう意味で大いにがんばっていただきたいと思うのです。最後に一言お願いいたします。
○安孫子国務大臣 よくお考えのほどはわかりましたので、努力をいたします。
○大橋委員 終わります。
○左藤委員長 次回は、来る十九日午前九時四十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十三分散会