地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/03/03
会議録
○左藤委員長 これより会議を開きます。 新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤万吉君。
○加藤(万)委員 最初に大臣に、本法に対する基本的な理念をひとつお聞きをしたいと思うのです。 御承知のように本法は、日本の高度成長期における過度な太平洋沿岸ベルト地帯における工業の発展、特に石油化学を中心とするわが国の産業構造の転換を機会に、地域における過疎の問題あるいは労働力の都市への集中の問題等を含めて発足をしたわけであります。しかし、自後本法の適用は、主としてこの新しい産業構造を補完する役割りを一方で配置をしながら、重点都市、中堅産業基盤、そういうものを中心にして発展をするように事業計画を行ったわけであります。でありますから、本法ができた当初には、野党側においては、この高度成長が地域においても支えられる、補完をされる、そういう新産ないしは工特という法案については賛意を表するわけにはいかない、こういう条件があったことは御案内のとおりであります。 さて、それから本法十五年の経過を経ました。今日、何回かの手直しは行われておりますが、新産・工特あるいは関連して都市近郊整備の問題あるいは公害財特法の問題、今日の次元では、一体本法の基本的な理念といいましょうか置くべき視点は、どのように大臣はお考えになっているでございましょうか。
○安孫子国務大臣 お説のとおりに、この立法が行われました当時は高度成長期でございまして、これをどうしても過度に集中しないで分散をする必要があるという考え方のもとに、この立法が行われたわけでございます。これはおっしゃるとおりだと思います。 現下の情勢に照らしてそういう条件がなくなったかどうかと申しますと、私ども依然としてあると考えております。特に、最近におきまして生活圏あるいは定住圏等々の、また新しい地域づくりの構想というものが生まれてまいっておりまするが、その基本は、何といたしましても地方における就職の場、定住の場というものをつくることではなかろうかと思っているわけでございます。そのためには地方にもっと産業を配置していかなくてはならぬ。高度成長期にこの構想が生まれましたけれども、この時代におきましてもなおかつそのことが必要になっておる、こういう考え方をいたしておるものでございます。この点は、恐らく御同感を得られるだろうと思うのでございます。 おっしゃるとおりに高度成長期におきましては、石油化学等を中心とするような業種が目玉のようには思われました。しかしながら、新しい経済体制のもとにおきまして、それだけでなく別の業種だって考えなければならぬ、そういう状況の変化に対応しながら、依然として基本的な考え方はこの問題は重要である、こういう認識に立ちまして今回延長をお願いしたような次第でございます。
○加藤(万)委員 五十五年の本会議で、亡くなられた当時の大平総理は、大変地方の時代を評価をされました。その原因は私は幾つかあると思うのですが、単に分権とか地方自治とかいう課題だけではなかったと思うのです。むしろ国民の生活環境そのものが余りにも都市への集中という課題があり、また都市における新しい都市砂漠的な要素、そういうものをいまの国全体の中で是正をしていかなければならない、それが一つは田園都市構想という形になってあらわれたのではないか、あるいはまたそういう形が、新産都市にしても工特にしてもそういうものを培うために対象事業を考え直していかなければならない、そういう要素があったのではないかと思うのです。 実は私は、改めて大平総理の当時の国会における所信表明をリストアップをしてみました。各所にそういう課題がちりばめられているのです。当時は総理の田園都市構想は、やや哲学的であるとか、やや理念的であるとかという御意見がありました。しかし私は、それなりの日本の政治に対する意思を表示をされておったと思うのですね。私たちに言わせれば一つの哲学を持っていらっしゃった、こう思うのです。 ところが、今年の鈴木総理の中には、これはもう一言半句もこういう言葉が出ておりません、私はわざわざここで読み上げる必要はないと思いますけれども。本当に地方の時代なり、そういういま大臣がおっしゃったように、今日でも高度成長期当時と同じような条件があったとするならば、五十五年と五十六年はそう差がないわけですから、当然のこととして総理の所信の中に、いまおっしゃった同じ条件のもとにこういう工特なりあるいは新産の法案が必要である——法案とは言いませんけれども、そういう政治理念が必要であるということが出てきてしかるべきだったと思うのです。ところが、残念ながら一言半句も載っておりません。 ところが私、奇異に思いましたのは、その総理の所信表明を受けて大臣の本委員会における所信表明があったわけでございますね。前の大平総理の所信表明を受けて後藤田大臣が本委員会では、たとえば田園都市構想について、あるいは新しい地域開発について、あるいは地方の時代についてという課題で所信をお述べになりました。今度の大臣の所信表明も、実は大平総理の所信表明を受けたのと同じ文章なんですね。大平総理が地方の時代を提起をし、大臣がいまおっしゃいましたように、石油製品を中心とする高度成長期における弊害というものをこの際地方の中で解決しようというそういうものと、鈴木総理が今度所信表明されたこととは違うと私は思うのです。鈴木総理は、今度の本会議ではこの問題については触れてないわけです。触れてないとするならば、何らか地方の時代あるいはこういう工特なり新産都市に対する一つの新しい方向性といいましょうか、そういうものがあって、わざわざ所信表明から抜かれたのではないかと思うのですね。 ところが、大臣の本委員会における所信表明は、同じものと言っては失礼ですけれども、てにをはを変えたという点や数字の違いはありますけれども、これは前大臣の石破さんが急におやめになったから現在の大臣が手を入れることができなかったのかもしれませんけれども、どうも私は腑に落ちないのです。どうでしょうか、鈴木総理の所信表明を受けて自治大臣が本委員会で表明されたものとの間のギャップといいましょうか、あるいは政策上の相違というものはあるのでしょうか。
○安孫子国務大臣 結論的に申し上げますと、ギャップはないと私は考えております。総理が所信表明におきまして触れ得なかったという点についての御指摘でございますが、その後質疑応答におきましては、この問題はきわめて重要であるというような総理の御発言もございました。そういう点で、総理もこの問題はきわめて重要な問題であるということは十分に認識をされておるものだと考えておるものでございます。
○加藤(万)委員 たとえば大平総理のときには、地域開発という課題、田園都市構想という中で触れてくるのですが、快適な環境を整えた多様な地域社会の形成が第一の目標、そしてそれぞれの地域社会の特性と自発性を尊重しながら、自然の緑を活用して都市と田園をつなぐ構想を持つ、それから第三には文化施設の充実と活性化を図って、地域における文化活動の展開を促進する、第四には適地技術の開発を進め、多様な地域産業の振興を図る、こうきわめて項目的ではありますけれども、ちょうどこの新産ないしは工特に適合する政治の路線を明確に本会議で述べられておりますね。 私はそれに基づいて今回も、この工特なり新産なり、あるいは公害問題なり近郊都市財特法なり、そういう視点がわれわれのこの委員会としては論議をされる視点だと思うのです。ところが先ほど言いましたように、鈴木総理の所信には一つもないものですから、工特あるいは新産のこの法案、延長法案ですけれども、法案の意義というものが明確につかめない、内閣の意思としてつかめないわけですよ。どうでしょうか。
○安孫子国務大臣 総理も、この点は十分に認識をしておられるわけでございまして、所信表明には載らなかったけれども、その後における質疑応答等におきましては、この点はきわめて重要な問題である、そしてまた田園都市構想というこの問題についても、十分な努力をしていかにゃならぬという趣旨のお答えもしておるのでございまして、この点は総理の意向も私どもは十分に受けとめまして、私としての所信を申し上げておる次第でございまするので、どうかこの点は御了承願いたいと思います。
○加藤(万)委員 総理の意思がなかったから、結果的に今度の法案、そう手を入れずに、とにかく地方団体からも要請があることだし十年間延ばそうやという、そういう延長法案になってしまったのじゃないですか。もし大平総理が生きていらっしゃってなんという言葉は失礼ですけれども、今日も総理をお続けになっていたとするならば、今度出た新産なり工特なりは相当手を入れた、抜本的なとまでは言いませんけれども、手を入れた法案として提出されたのじゃないかと思うのですよ。これは後で述べてまいりますけれども、というのは先ほど言いましたように、総理の所信表明の中で、これからの地方都市の形成というものはこういう方向で進みますよと言えば、必然的に出てくる各種の法案もそれに沿った改正案を、相当内容的にも改正要綱を含めた法案として提起をされてきたのではないか、こう思うのです。どうでしょう。 もう一遍私は大臣に聞きますが、大平総理が前に、五十五年に所信表明をされましたその見解、所信から、今日の財特法なり新産都市法をわれわれは審議をするスタンダードとして設けておいてよろしいのでしょうか。
○安孫子国務大臣 大平総理が述べました田園都市構想の基本的な理念、こういう観点から今回の工特法の延長につきましても御審議願ってしかるべきものだと考えております。
○加藤(万)委員 国土庁の人が見えていますからこの際お聞きいたしますが、本法案を制定する過程で、いままで新産都市・工特ないしは近郊都市整備も含めてでありますが、五十二年度前後における見直しと五十六年度以降におけるこの法案適用の見直しについて、何か経過がございましたでしょうか。
○平戸説明員 お答え申し上げます。 御質問の趣旨は、五十二年に現行の五カ年の建設整備基本計画ができておりまして、五十六年度以降の新しい計画を今後つくってまいることになっておりますが、その間に何か理念的な違いがあるのかどうか、こういうふうに理解いたしました。 実は、第三次全国総合開発計画が五十二年十一月にできておりまして、私ども今後五十六年度以降の計画をつくるに当たりましては、こういう計画に基づいてやっていきたいというふうに考えております。具体的には第三次全国総合開発計画では、定住構想という開発方式を採用しておりますことは先生御案内のとおりでございますので、私どもこの定住構想の推進にできるだけ寄与するような形で計画をつくってまいりたい、こういうふうに考えております。
○加藤(万)委員 国土審議会がこの間に答申をしておりますね。この答申内容を私は読ましていただきまして実は意外と思いましたのは、従来ある事業対象の実績その他を踏んまえて全体として進捗状況が悪かった、したがって今後も本法の延長の必要性を認める、結論から言うとそういう内容ではないかと思うのですね、細かく言えばたくさん問題点はありますけれども。いま新しい定住圏構想、三全総、そういうものが当時の総理の所信として出てき、また今日、いま大臣もおっしゃいましたように、大平総理の所信表明のスタンダードの上に本法の云々ということになりますれば、当然その間の、たとえば国土審議会における答申あるいはその内容等についても違った視点から問題が提起をされる、こういう経過があってしかるべきではなかったかと思うのですが、その辺の議論というものはなかったのでしょうか。
○平戸説明員 お答え申し上げます。 国土審議会におきましては、昨年何回かの御議論をいただきまして、その過程におきまして、新産・工特の財特法をどうするかということで御議論をいただきました。その際には、この十数年来続けてまいりました新産・工特制度による効果がどの程度のものであったかというふうなことをまず把握いたしまして、その後建設整備の現状がどうなっているかというふうなことを分析されました。その後、そういう事態を踏まえまして、先ほど申しました第三次全国総合開発計画の定住構想の推進というふうな見地から非常な期待が持たれているというふうな判断をいたしまして、今回延、長を意見具申したというふうな経緯がございます。 その過程におきまして、たとえば産業構造とか、そういう問題についてもいろいろ議論がございまして、今後は産業構造もより望ましい方向に変わっていくというふうなこともございますし、従来の基幹資源型工業の重要性というのはもとより変わるものではないと思いますが、これに加えまして特に地方における雇用の場の拡大、こういうふうな観点から、でぎるだけ雇用吸収力の大きな産業あるいは付加価値の高い産業というものを導入していくべきである、それをもって第三次全国総合開発計画の定住構想の推進に寄与させていくべきである、こういうふうな御議論がございました。
○加藤(万)委員 私は、これを審議する過程で実は二つ問題があったと思うのです。 一つは、いま新産なり工特なりあるいは公害、これらを総称して私はこれから財特法と言いますが、財特法の適用によってその効果を生み出すことができたかできないか、この視点がまず第一だと思うのですね。いま一つは、当初ねらっていた都市から地方への産業の分散あるいはそこにおける雇用者の増大、拡大、同時に重要なことは、それでは都市の側はどうなったかという議論がこの際あってしかるべきではなかったかと思うのです。都市の問題については後で私は触れていきますから、最初に、この効果があったかどうかという問題をひとつお聞きしておきたいと思うのです。 審議会の報告を見る限り、たとえばそこにおける人口の増加あるいは生産額の拡大、余り好ましくないと言いましょうか、五十五年度、本来完成すべき目標に対して大変低いですね。その原因は一体どこにあったのでしょうか。これは国土庁に聞きましょうか。
○平戸説明員 現行計画の目標値に対しまして、現時点までにおける達成率が非常に低いというふうな問題につきましては、私どももいろいろ検討し、かつ国土審議会においてもいろいろ検討が行われたところでございます。 この達成率を見ますと、施設整備の関係の達成率というのは相当いいところまでいっておりまして、五十四年度で七一%くらいいっておりまして、五十五年度の計画を入れますと九〇%程度までいくわけでございますが、それにしても当初の目標は達成できない。それから人口につきましても大体六七%程度にどどまる、それから工業出荷額につきましては三〇%弱程度にとどまる、こういうふうな状況にございまして、特に工業出荷額の達成率がきわめて低いわけでございます。その原因につきましてはいろいろ御議論もございましたけれども、やはり地区によっていろいろ事情は違いますが、基本的には石油ショック後における経済の低迷、これが一番大きな原因ではないかというふうな議論がございました。 それから財特法の役割り、効果という点につきましては、私どもは、地方における過重な負担を軽減するという意味において非常に大きな効果を持ってきたというふうに考えておりますが、ただ、この施設整備と申しますのは五十五年度までにおける目標ということでございまして、いわばフローの概念でございますが、それに対しまして現在施設の整備水準がどうなっているかという、いわばストックの観点から見ますと、新産・工特地区においては他の都市平均あるいは全国平均等に比べましていろいろの施設水準が依然として低位にある、こういう問題がございます。
○加藤(万)委員 通産省の方にお聞きをしますが、いま産構審でいろいろ石油ショック以後の日本の産業構造の見直しが行われておりますね。昭和五十二年に相当大きな日本の産業構造見直しをされ、さらにこれから日本の経済がどういう方向に発展すべきかということ等々も検討されたわけですが、これは例年やっていることですけれども、たとえば通産省の見解でいけば、通産省というよりも産構審の見解でいけば、今後のわが国の産業の基本的なあり方としては、世上の言葉で言えば、鉄鋼、造船、繊維はわが国はやや停滞産業、他の発展途上国にその市場を任せる。わが国はこれから、たとえばケミカルにしてもファインケミカルの方に変わっていくだろう、あるいは機械工作金属産業、電気通信産業、サービス産業、そういう方向に人口も生産額も流動していくだろう、そして、それを押し上げるような形の経済政策をわが国はとるべきだ、こういう基本的な理念を持ちながら、人口の動態等もこうこうこういう方向になる。 たとえば一つの例を申し上げますと、鉄鋼の労働者、昭和五十年に五十五万が、六十年には人口の増加した割りには鉄鋼の労働者は五十二万に減っていく。生産額も、国内の生産額に対する鉄鋼の生産額五・六%が六十年度には四・五%に減る。これは繊維についても同じことが言われるわけですね。逆に今度は電気機械でいきますと、全生産額の三・一%が六十年度には四・五%になっていく。そして労働者も百三十五万が百七十九万に伸びていく。一番大きいのは建設産業ですけれども、建設産業などは四百七十七万が五百五十九万になっていく。そういう産構審で方向性を示されておりますが、日本の産業構造が高度成長以降新しい構造転換をなす、そういう方向性についてはおおむね間違いありませんか。
○松尾説明員 ただいま先生が数字を挙げていろいろ御指摘いただきました点でございますが、私ども、実は先生のお話にもございました産業構造審議会というのがございまして、ここで一九八〇年代の産業構造につきましては、昨年の三月に八〇年代の通産政策ビジョンというものを、一番新しいものでございますけれども発表いたしまして、これをさらに深めるために、昨年十一月でございますか、「八〇年代の産業構造の展望と課題」ということで新しい作業をいたしました。 数字をいろいろ申し上げてもなにでございますので、結論的に申しますと、傾向としては、先生の御指摘にございましたような知識集約化と申しますか、資源をたくさん使うものから、むしろ人間の能力といいますか、そういう日本に最も有利な資源というものを有効に使うという方向へ産業構造が次第に変わっていくということが望ましい。方向としてはおっしゃるとおりであります。 一点補足いたしますと、その中で、しかしながら経済全体が着実に伸びてまいりますので、先生の御指摘ありました基礎産業部門も、絶対量としてはなおふえてはいく。ただ一面、特別な業種によりましては、非常に生産性が上がるという場合には、確かに雇用も絶対量として若干減る分野もございますが、全体として基礎産業を含めて絶対額としてはふえていく。その中で、そういう知識集約的な部門が特に伸びるという形で、相対的なウエートとしては、そういう知識集約化といいましょうか、高度加工産業といいましょうか、そういう部門が非常に伸びていって、日本の全体としての産業の伸びを支えるという姿になっていく、またそれが望ましいというのが方向でございます。
○加藤(万)委員 大臣、少しやりとりをいたしましたけれども、ここが実は大事なんですよ。大臣は先ほど、地方都市における人口の増加、同時に就業労働者の増加、定着ということをおっしゃいましたけれども、いま通産の御意見を聞いてもわかりますように、これからは付加価値生産性の高い、しかも知識集約型の産業になっていく。一体、今日の工特ないしは新産都市が、日本の経済の新しい発展の方向にぴしっと沿っているのだろうか。たとえば、きょうは時間が余りありませんから言いませんが、秋田なら秋田をとってみますると、鉱業、これは撤退ですね。あるいはアンモニア産業も、これはやはり撤退でありますね。かわるべき知識集約型の産業の導入あるいはそれに必要な基盤整備、この場合は産業基盤整備ですが、それを行わなければ、財政を投資をしてもむだ金になっていくわけですね。 私は、先ほど審議会の答申案を読ましていただきましたが、従来の投資をしたものに対する効果の検証だけではなくして、産業構造のそういう新しい転換、日本の求められるべき国際社会における新しい産業構造という中で、どう変わって、いままでのものはどうなっていったのかという、その議論が抜けているのですよ。ですから、法案として出てくるものは法延長にしかなっていかない。これは大ざっぱな議論ですけれども、今後、工特なり新産の特例法を適用する場合には、その視点を抜きにしてはできない。 たとえば港湾整備がございましょう。港湾整備は、石油コンビナート——タンカーの石油をどう陸揚げをするかという条件の中でもしつくるとするならば、石油産業がその地域で撤退をする場合には、これは不必要な港湾整備になってしまうわけですね。もし仮に、今度はそこにたとえば新しい知識集約産業として電気通信なら電気通信の情報産業が発達したという場合には、港湾投資はそれほど必要な重点的な対象事業ではなくなってくるわけです。私は、国土審議会がそういう視点の議論を実はこの法案を提出するまでの間により深くされて、そして対象事業その他についても検討されるべきではなかったかと思うのです。 先ほど大臣は、人口の地方への分散、そしてそこにおける定住圏、そういう発想をお述べになりましたけれども、一体、付加価値生産性の高い、しかも知識集約型の産業、今日のベルトコンベヤーシステムあるいは管理システムが非常に盛んな中で、そういう産業の誘致が同時に人口の増加をもたらすでしょうか。率直に申し上げて、私は、その産業の誘致によって、その地域の生産額は上がるかもしれませんけれども、人口の増加、雇用の増加という問題はそう望めないのではないか、こう思うのです。通産といま国土審議会で議論をされた二つの視点をあわせて、新しいこの新産・工特の適用事業というものを考えるべきではないかと思うのですが、いかがでしょう。
○安孫子国務大臣 雇用の問題になりますと、私は、高度成長期における石油産業、石油化学なんかは、これは装置産業でございまするから、雇用の面からいうとそれほどの効果のあったものじゃなかったと思っております。したがって、今後の産業構造の面におきまして、日本の経済が生きていく道をどこに求めるかという問題、それから同時に雇用の場を拡大していくという問題、これを両方兼ね合わせまして、地方地方においての産業的なものの構想を持つべきだろう、こういうふうに思っておるわけでございます。この点は、おっしゃることも私は理解できないわけではありませんけれども、一元的にその問題を考えるわけにはいかぬだろう。やはり私、繰り返して申し上げますけれども、日本の経済の構造的な問題と同時に雇用の問題をも考えながら、地域におけるところの産業構造というものをどう形成していくかということは、きわめて重要な産業政策の一課題だろうと思っておるわけでございます。 そこで、直接のお尋ねではございませんでしたけれども、財特法との関係でございまするが、そうした構造的、産業政策的な問題をいずれにいたしましても遂行するためには、財政的な措置も必要である。この財特法の問題はその財政措置の問題でございまするので、産業構造、産業の配置の問題等々については十分論議を尽くしてもらわなければならぬわけでございますが、しかし財特法の必要性は依然としてある、こういうふうに理解をしておるものでございます。
○加藤(万)委員 私は、財特法の質が変わったと言うのですよ。確かに石油産業そのものは、きわめて人を要しないシステムですね。しかし、石油産業から出てくる製品によって近隣の中小企業が実は雇用を拡大していくわけでしょう。たとえば、自動車産業がいま日本の場合大変な伸びですね。自動車産業は、本体そのものも雇用を吸収しますが、同時に近隣周辺の新しい雇用の創出が生まれてくるわけですね。地域振興、生産額の拡大にもなるわけです。 そうなってまいりますと、従来の石油産業に対する産業基盤整備のための資金の使い方と自動車産業なら自動車産業、私は電子コンピューターとこう言いましたけれども、情報産業なら情報産業に対するものとは違ってくる。この視点をしっかりとわきまえてほしいということを実は申し上げたわけであります。これは産業構造と財特法との関係——財特法は財特法だというわけにはまいりませんから、ぜひその視点をお忘れなくやっていただきたい、こう思います。 それから、本法に関する幾つかの問題点を指摘したいと思うのですが、いま一つ大きな問題は、実は最近首都圏を初め近畿圏、中部圏、既成の都市の拡大ということが議論されている、論議されているという話を聞いているのですが、一体既成の都市はどうなったかということですね。たとえば、私は神奈川県ですから神奈川県の例を申し上げますと、横浜でも川崎でも、確かに地方に産業はそれぞれ移転その他していますね。残った既成の地域は一体どうなっておるかといいますと、これは本委員会でも一遍御質問したことがありますが、たとえば中小企業、関連企業が撤退をしてあるところに移転をした。工場跡地にマンションができるわけですね。したがって、今度は既成の都市にしてみれば、その人口対策をどうするかという問題に悩まされてくるわけです。 あるいは先ほど私が言いましたように、産業構造が第三次産業に非常にウエートが大きくかかってまいりますと、既成の都市における第三次産業のあり方というものは、従来のように単発的なあり方ではないのですね。たとえば、港と大きなデパートと駅と、一つの商業圏的要素を単発事業としてやるのではなくて、全体の事業として形成をしませんと、たとえば横浜ですとあそこにある三菱重工ですか、これは撤退しました。あの後何にするか、これからいろいろ計画も立てられると思うのですが、まさか工場にはなるまい、市街の真ん中ですから。そうしますと横浜駅の開発、それから三菱重工跡地の新しい利用、そして横浜の港の新しい体制。これも東京の方に移動して若干困っておるような面があるわけですけれども、いわゆる既成の都市に対するこの工特法なり新産の法案の促進によって空白になるといいましょうか、鉱工業がそれぞれ移動する後の問題をどうするかという課題について、私は何らかの処置を講ずべきではないかと思うのですが、いかがでしょう。
○安孫子国務大臣 確かに移転をいたしますと、その跡地の問題、それをその地域におけるところの都市計画上どう扱っていくかという問題、それから従来の産業との関連においてどういう方向をとるべきかという問題、幾多の問題がその抜けた地域においての重要な課題になると思うのです。それに対して、いろいろ地域社会としても構想を持ち、その実現のためにまた財政需要も必要になってくるという事情も私は理解をいたします。したがいまして、その問題についてどう対応するかということについては、今後十分研究をすべき課題だと心得ております。
○加藤(万)委員 いまの首都圏を中心とした新しい改造計画が、自治省あるいは国土庁含めて議論されているというふうに聞いているのですが、論議されているかされてないかだけでいいですから、お答えいただきたいと思うのです。
○安達説明員 先ほど御質問いただきました首都改造計画でございますけれども、これは五十四年度から国土庁におきまして、二十一世紀を展望いたしまして首都圏が持っております諸問題、たとえば防災性の向上でありますとか、あるいはいろいろ土地とか水とかの限界性の問題、そういったものに対応いたしまして、また先ほど先生御指摘のありましたように既成市街地等のインナーシティーといいますか都心部におきます問題、こういった点を含めまして検討を進めておるわけでございます。
○加藤(万)委員 大臣、いま首都圏計画が五十四年、五十五年と検討されておるわけです。恐らくこれは引き続き議論されるものだと思うのですが、いまの新産・工特法案との関係は直接ございませんけれども、大都市圏が新しい様相に変わっていることは事実なんです。特にこの新産・工特法の適用によって、いま言ったような状況が起きていることも事実なんですね。どうでしょう、この際、この次に法案を提案をされるときにはそういう幾つかの要素を盛り込んで、たとえばいま言った首都圏の改造計画の一つの視点を受け入れながら、本法の改正、いつになるかわかりませんけれども、提起をさるべきだと思うのですが、財特法の既成の都市に対して、既成の市街地といいましょうか、に対しても適用する状況を含めて、それを御検討いただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
○安孫子国務大臣 問題のあることは十分わかりますが、この三法、これの中に入れるか、あるいは特別の立法にするか、この辺はいろいろ研究を要する問題だと思います。重要な課題として私も心得ておきたいと思います。
○加藤(万)委員 いままで適用された幾つかの地域について、若干私は御質問をしておきたいのです。 富山高岡地域、この地域の新しい対象事業として、あの地域はアルミを中心とするコンビナート、南富山の新しい工業団地の造成、そういうものを拡大をした中で、たとえば人口九十五万人体制を持つその圏内ですね、そういう発想、計画がおありだというふうに聞いているのですが、これは通産省にお聞きしますが、アルミを中心としての新しいコンビナートという体制が国際的な情勢、わが国のアルミを受け入れる条件等から見て可能でございましょうかね、これが第一点。 それから、常磐郡山、これと鹿島コンビナート、この関係を私はお聞きをしたいのです。というのは、たしか鹿島コンビナートは、本来は当初の計画では、いわゆる石炭を中心として鉱工業コンビナートができたのではないかと思うのです。ところがその後、石油を中心とした新しいコンビナートができました。その結果として郡山、いまのいわきですね、この地域の日本化成を初めとして石油化学は撤退ですね。この新産と工特は鹿島を拡大をすることによって、結果として新産都市計画の片方が当初の計画に育っていかない、こういうアンバランスが生まれたのではないか、こう思うのです。そのことが、もう一つ戻りますけれども、富山の場合に、今度はアルミを中心としたコンビナート形成をするとなれば、同じような条件が、これは地域の産業の移動ではなくて、産業構造の中におけるアルミニウムの条件から見て不可能な条件のような気がするのですが、この二つの問題についてどうお考えでしょうか。
○竹野説明員 お答えいたします。 先生、御指摘の富山高岡地域のアルミの件でございますけれども、実は富山高岡地区には住友アルミ製錬を中心とする三協アルミであるとか、富山軽金属、現在稼働しております。この住友アルミ製錬につきましては、四十年代の初めに、いま問題になっております新産業都市建設基本計画により富山が誘致したということでございます。それに伴いまして日本線材ですとか富山軽金属、いろいろできてきたわけでございますけれども、現在のアルミの状況を申し上げますと、先生御指摘のとおりに、アルミは非常に電力を食う産業でございますので、一次オイルショック以降非常に不況になっておる。これは製錬の方が主に不況になっておるわけでございまして、現在、特定不況産業安定臨時措置法ということで設備を縮小しているという状況でございますが、片方、アルミの圧延加工部門につきましては、基礎資材であるアルミの需要というものは相当増大発展していく可能性を秘めておるわけでございます。こういう点を考えますと、製錬につきましては今後不況の状況が続きますと、オイルの状況もございまして先行きは余りよくないわけでございますけれども、加工の方である程度伸びていくのではないかというふうに考えております。 それから、第二点目の鹿島と常磐地域の件でございますけれども、鹿島の日本化成、アンモニア、尿素をつくっておったわけですけれども、これも四十年代の、非常にナフサが安いということで全国的にたくさんつくられたわけでございます。そこで非常に過剰設備ができたわけでございますけれども、一方海外に肥料輸出ということでできたわけですけれども、その肥料の輸出の方も非常に問題が出てきて、全体的に肥料関係の産業が落ちてきたということで、日本化成の方も今回、六月三十日でございましたですか、一応工場をやめたということでございまして、私ども特に鹿島のコンビナートができたことによっていわきの方が沈んだということではないように考えておりますけれども、全体として考えますと、枠が決まっておりますれば、ある一カ所でもって大きなものができれば全体的にはそういうふうな先生のおっしゃる意味も出てくるかと考えております。
○加藤(万)委員 時間がありませんから議論はしませんけれども、ぼくは、アルミがそんなに工業として発展するとは思わないですよ。 それから、今度国土庁が出しました資料をいただきましたけれども、一番人口がふえていないのが常磐地域でしょう。鹿島がアンモニアをつくっていて片っ方がアンモニアをつくれば、どっちか減らさなきゃしようがない、これは三菱さんの都合もあったろうけれども。そういういわゆる計画上のそごをやっちゃだめですよ。今度はココムが入るでしょう。ですからココムが入るのならば、たとえば小名浜に新しい団地造成をして、あそこが空っぽになっているわけですから、それを地域的にどう開発するかという新しい産業構造を、私先ほど言ったファインケミカルならファインケミカルの課題を中心にしてどうつくって、それに財特法をどう適用するかというふうになっていかにゃいかぬと思うのですよ。第三埠頭も、御案内のようにもう全然だめですね。だめと言っちゃおかしいけれども、もしあれを流通港にするなら流通港にするように、財投なり産業指導をされたらいいじゃないですか。まあ効果としては、あそこの場合には人口もいま言ったような形でこの表の中で見ましても全然伸びていませんね。私は、新産・工特の双方の整合性といいましょうか、ここを実は重視をしなさいということを言いたかったわけであります。 それでは、法案そのものの審議が少しおくれて申しわけないのですが、今度のこの法によってかさ上げ、それから補助金、利子負担、それぞれ減額をされるわけでありますが、減額の数字については前に政府委員の方からお聞きをしましたからお聞きをしません。この財政問題は、国の財政が全体として縮小財政であるから、今度のこの法改正によって若干でも利子補給なりその他の面で浮かせようというのがねらいでしょうか、財政局長にお聞きします。
○土屋政府委員 結論的にはそういうわけではございませんで、今日まで新産・工特その他の整備について、十五、六年の時間をかけて整備をしてまいったわけでございますが、それぞれにその間に、経済力なりあるいは財政力等も変化をしてまいっております。そういった実態を踏まえながら、今回延長するに際しましては、今後どういった財政上の措置をとるかという際に、実態に合った方向で見直しをいたしたわけでございまして、全般的に見ましても、若干の財政力調整等を加えましても本質的にそれほど変わるわけではございません。大きな枠組みが変わっておるわけではございませんし、また新産債等はそのまま継続をするわけでございますので、そういったいまおっしゃいましたような考えでやったわけではございません。実態に合うようなやり方を見直しの際にとった、こういう考え方でおるわけでございます。
○加藤(万)委員 どうなんですか、今度の利子の減額——まあ減額という言葉がいいんでしょうか、あるいはそのかさ上げ分の低下等によって地方の公共事業を、いわゆる裏負担事業ですね、全体として抑えていこうということがこの法案の裏にはあるのじゃないでしょうか。たとえば今年度の予算は、もう私が言うまでもございませんが、公共事業横並びですね。これは五十七年度から適用ですから、五十六年度予算との直接関係はございませんけれども、そういう意図というものがあって、一方で単独事業をふやしていく、地方の財政負担をきわめて強くしていこうという意図があるのじゃないですか、どうですか。
○土屋政府委員 見直しをいたします場合の背景に、いま御指摘のございましたような厳しい財政事情があることは、これはもう事実でございます。しかしながら、ただいまも申し上げましたように、利子補給についての若干の手直しが行われましても、五十七年度まあせいぜい二%程度影響するかなということでございまして、実質的にそう大きな問題ではございませんし、また市町村のかさ上げ措置についても、若干市町村によって異なりますけれども、それほど大きな影響を与えるものではございません。先ほど申し上げましたように、基本的な枠組みというのは変わってないわけでございますので、私どもとしては、これがそういった趣旨でやったわけではない、やはり今日までの推移を見て必要な調整を行うというものでございまして、背景におっしゃるようなものはございますけれども、それによって抑えようといったような、そういったほどのものではないというふうに考えております。
○加藤(万)委員 実態に見合ったように直す、こうおっしゃいましたが、いまの下水道事業の補助率より低いわけですね。例の財特法で、あれは第三条ですか、片っ方が高ければそっちに沿うというふうになっていますから、実態はそうですけれども、少なくとも財特法は補助率が本法よりも低いことは間違いないですね。実態に見合うのだったらそこを直したらどうですか。たとえば流域下水道について四分の三でしょう。この対象事業になった場合は補助率が、下水道法によっては四分の三になりますけれども、財特法では四分の三になりませんわね。実態が片っ方が四分の三なら、それに直したらどうですか。
○土屋政府委員 ただいまお話のございました問題については、今回の見直しの際にいろいろ議論もしたわけでございますが、実態的には結果として高率の補助が適用されることには変わりがないので、まあ、ある程度枠組みを変えない延長の際でございますので、そこのところは特別に改めるということをしなかっただけのことでございます。
○加藤(万)委員 まあ、細かい問題ですからこれ以上言いませんけれども、片っ方の本法がそうなっているのなら、財特法は少なくとも直すべきですよ。この場合は特別処置でしょう。本法より下の補助率で財特法があるというのは、法律上から言ってもおかしいですよ。 最後に質問ですが、今度本法の例の公害関係のところですね、ただし書き条項。今度は十年延長されて、十年後における公害関係の事業計画、この場合計画として認められたものは、翌年度いろいろな事故でどうしても執行ができなかったとかあるいは承認が得られなかったとか、そういう事案があれば延ばすけれども、計画そのもので組まれたものはその時点で切りますというふうにあのただし書き条項は読める、こういうのですが、これはどういうことなのでしょうか。従来の法でどうしていけないのでしょうか。
○土屋政府委員 お示しのございましたように、現行法では有効期限内に策定された公害防止計画に基づく事業につきましては、法律の有効期限後も適用されるというふうにしておるわけでございます。 こういう規定が設けられましたのは、法が制定されました四十六年当時、公害防止計画が順次策定されていったので、一斉に策定されたわけではございません。かなりの地域でおくれて策定されるという見通しでございました。現に七次の計画は、きわめて最近になって計画がつくられるといったようなことでございました。そういったことでございましたので、現行のような経過規定を設けないと、事実上計画の実施期間が大幅に短縮をされて不十分な実施しかできないということになりますので、法失効後も計画期間中は有効とするという規定を置いたわけでございます。 しかしながら、公害防止対策事業を集中的に実施する必要のある地域の計画は第七次まで一応制定をされてまいっておりますので、今回の改正によって法律の有効期限を十年間延長するということにします場合は、こういった経過規定措置の必要はない。終わる時点における実質的な形で繰り越すようなものがあれば、それは手当てをいたしますが、一応もうスタートをしてしまったので制定当初のころのような事情にない、そういうことを考えまして、いまのような計画があったものは先々まで、いつまでも適用するというような形はとらないということにいたしたわけでございます。
○加藤(万)委員 公害防止事業は、やはり何次計画を持ち、相当長期的な計画の中で策定され、地方財政が投入されていくというものだろうと思うのですね。単発的に二年あるいは単年度で始末がつくという問題じゃございませんね。したがって、そのただし書き条項の、いわゆる翌年度に繰り越すものはある限定された事業しか認めないというのでなくして、現行のようにやはり計画としてそれを認めたものは本法の適用を受ける、そういうふうに——十年後どういう事態が起こるかわかりませんけれども、十年後においても恐らく公害防止事業というのはより持続性を持つ。特に、産業がこういう形でどんどん発展してまいりますれば、そこの公害関係、環境整備関係のことはより必要になってくるのじゃないかと思うのです。したがって、ここでただし書きをそこに引き直されること、それは今後は十年という期間が長いからということもありましょうけれども、私はここでただし書きで締めくくってしまう、切ってしまうというのはどうも合点がいきません。大臣、どうでしょうか。私は、公害関係の財投は、特に環境整備という面から見れば、その計画がある限りその計画に沿って認めていくという方向をとるべきだと思うのですが、見解をお聞きしたいと思うのです。
○土屋政府委員 あるいは私の説明が不十分であったかも存じませんが、本法をつくりました際は、先ほど申し上げましたように、十年の期間が切れる近くになって計画ができるところもございました。明らかに計画を実施していく間に期限が切れてしまうということが見越されたわけでございます。今回は、一応ほとんどのものは対象地区は計画もできたわけでございまして、そういう中で、そういう計画に基づく事業を円滑に実施する意味で、延長も十年間というかっこうで延ばしまして、そこでスタートしたわけでございますから、一応計画的に実施ができるという前提でございます。だから、先ほど申し上げたような現在のような規定は置かなくても、大体そこをめどにしてやればいいということでございます。また、極端に言うならば、その時期において実態に応じた見直しをどうするかということは別途あると思いますけれども、いまはそういうかっこうでスタートできた、こういうことでございます。
○加藤(万)委員 最後に、大臣に見解をお聞きしますが、ずっと一連のことを述べました。いわゆるこの四つの法案に絡む財特法ですが、どうも何か流れているものをそのまま延長をしたという印象を私はぬぐうことができない。産業構造の転換あるいは対象とすべき事業の問題、きょうは言い損ねましたけれども、たとえば重点都市と同時に、周辺の都市整備にどういう財投を行うのか。八戸なんかは、八戸自身はりっぱですけれども、しかしその周辺は、造成された工業誘致団地がほとんど遊んでいるという状況もあります。したがって、さらに先ほど言いました都市の新しい課題等を見まして、私は、この次に財特法が本委員会で審議されるまでに、国土庁の審議会もありますし、恐らく都市周辺の新しい計画の見直しの審議等もあるのでしょうから、ぜひ私どもの意見を取り入れて御審議をいただきたい。その見解をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○安孫子国務大臣 これから恐らく社会というものは相当大きく変動する要素をはらんでおると思います。産業的にもそうだろうと思います。そういう実態を見きわめまして、またこの法律を改正するような場合においては十分その実態を見きわめた上に措置すべきものだろう、研究課題にしてもらいたいと思います。
○左藤委員長 大橋敏雄君。
○大橋委員 私も、ただいま議題になっております新産・工特法案そのほかの案に対しまして、若干関連して質問をしたいと考えております。 私は、地方行政委員会に所属してまだ間がないわけでございまして、勉強不足な点もありまして、もし私の理解が間違っておれば遠慮なく訂正をしていただきたいと思うわけですが、かつての高度経済成長時代、記憶にも新しく残っておるわけでございますが、大都市に向かいまして人口もそして産業も急激に集中していった。そのために大都市は過密化されまして、その反対に地方、田舎といいますか、そちらの方は大変な過疎化になったわけですね。そういう著しい現象が起こりますとともに、いろいろな問題が発生してきたわけであります。そうした問題の解決の重要な施策として立てられたのがこの新産・工特整備ではないかな、このように実は理解をしているわけでございます。言うならば、わが国の新しい国づくりといいますか、そういう基本にかかわる重要な事業計画とも言えるのではないか、私はこう思うわけですね。それだけに、この建設整備の成果には大きな期待が寄せられてくるわけであります。 五十五年の十月十七日に国土審議会の会長から答申が出ている。その冒頭に、「新産業都市及び工業整備特別地域においては、大都市への人口と産業の集中の緩和、地域格差の是正及び雇用の場の創出をめざして、積極的に建設整備が進められてきており、国土の均衡ある開発発展と国民経済の発達に大きく貢献してきている。」こういう冒頭の言葉から、私の理解はまず間違いない、こういうふうに判断をしております。 そこで、自治大臣にまずお尋ねをしたいわけでございますが、本日議題になっております新産・工特関係では五年間の期限延長となっているわけでございますけれども、この程度の延長でこれまで計画されている目的達成が可能なのかどうかということですね。私はもう疑問が離れないのでございます。私も新産・工特地域の整備状況を調べてみたわけでございますが、この新産・工特整備が十年を目標にスタートいたしまして推進されてきまして、その途中にまた五年の期限が延長されて今日に至った。すなわち、本年度が最終年次ということです。 たとえば、これまで言われている地域内の人口の伸びというものを見ますと、昭和四十年から五十年、この十年間では確かに一五・四%ふえた。しかし、五十四年度末では、五十五年の計画目標に対しては四八%にとどまっている。また、建設整備の状況も地域によっては大きな差が生じているようでございます。たとえば生産関連整備においては、いわゆる太平洋ベルト地帯と裏日本地帯とでは格段の差がついている。裏日本などはかなり低水準だということですね。工業出荷額の達成率を見てみましても、五十三年度までは二九・一%にすぎないという状況です。生活関連施設においてはさらに厳しい格差を生じているということでございまして、水道の普及率などは、二十一地区のうち十八地区が全国平均より下回っている、こういう状況がわかったわけでございますけれども、なぜこのような低調な結果となったのか、その原因あるいは理由等について、初めに大臣からお尋ねしたいと思います。
○安孫子国務大臣 目的どおりに事業が進捗しなかった理由はどういうことであるかということでございますが、先ほども当局からお話しいたしましたとおり、途中において石油ショックというものがございまして、いろいろ産業上の大きな変革もございました。それからまた、推進体制におきましても必ずしも十分でなかったという面もあると思っております。諸般の複雑な事情によりまして、目的どおりにいかなかったということが事実であろうと私は思っておるわけでございます。 今後、財特法の関係や産業政策において、さらに企業分散と申しますか、過密過疎の問題をどう解決するかという問題はきわめて重要な課題でありまして、この財特法だけでは解決しない。やはりもっと基本的な産業政策というものを確立する必要があるだろう、こういうふうに思っております。
○大橋委員 いろいろな思いがけない事情が次から次へと出てきて、このように延び延びになったんだということです。それにしても、今回の法案で五年の延長が図られようとしているわけでございますが、冒頭に言いましたように、この五年間で当初の計画目標は達成されるのかどうかという点はどうでしょうか。
○土屋政府委員 確かに今日まで十五、六年かけて整備をしてまいったわけでございますが、お示しがございましたように、いろいろな事情もございまして整備が目標に達していないという事実がございます。そういったことから今回、国土庁でも六十年度を目標とする計画に改正されるということになっておるわけでございますので、財政特別措置についても適用期間を五年間延長しようというわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、五年間で建設整備の目標を達成できるという趣旨ではございませんで、地域の総合的な開発整備を進める上で広範な事業全体との調和を保ちながら計画的に進めるには、相当な期間を要するということがございます。 一方、変動する社会経済情勢に対応して見直しを行う必要があるということもございますので、いわば当面五年間延長するということにいたしたわけでございます。その時点において、あるいはまた諸般の情勢を考えて検討する機会があるかもしれませんが、五年間というのは、ただいま申し上げたような趣旨で期限をつけたわけでございます。
○大橋委員 それでは、その当初の計画目標といいますか、そういうことは従来のままで通していくのだ、特に内容の変更とか——高度経済成長時代とずいぶんと状況も変わってきて、低成長時代になってきているわけでございまして、従来の計画そのものでいいとも私は思いませんし、恐らくそういう点で何かの変化が起こるのではないか、そういうことで当面五年程度でという判断が起こったのではないか。これは私自身の考えでございますけれども、この点は国土庁にもあわせて聞いておきたいと思うのですが、それはいかがですか。
○土屋政府委員 ただいまも申し上げましたように、五十五年目標に対しまして実施率が非常に低いということもございます。諸般の変化もございましたので、ここで六十年度計画にいま新しい計画をつくろうとしておられるわけでございます。それも五年ということでございますので、当面その五年に合わせて財特法も延長しようということでございます。 また一方、今後の社会情勢の変化等を考えれば相当の期間は要するけれども、当面は五年にして、その段階でまた検討し直す必要があるのじゃないかということなども含めて五年にした、こういうことでございます。
○平戸説明員 国土庁といたしましても、現行の建設基本計画が切れます五十六年度以降五年間ということで考えておりますが、先般の国土審議会の議論におきましても、何年ぐらい延長したらいいのかというふうな議論がいろいろございまして、十年という御議論もございましたけれども、最終的には当分の間継続するべきである、おおむね五年程度であろうというふうなことで結論をいただいて、私どもは、そういう議論に従いまして計画も五年でつくっていくということで考えております。ただし、計画期間は五年でございますが、かように経済社会情勢転変目まぐるしいものがございますので、一応十年間を見通しながら計画期間としては五年間、こういうことで考えております。
○大橋委員 それではちょっと立場を変えてお尋ねをします。 福岡県の大牟田市は新産都市の指定を受けておると思いますが、この大牟田地区は、御存じのとおりに石炭産業中心に発展をしてきた地区でございます。ちょうど石炭から石油へのエネルギーの政策転換時に新産都市の指定も受けたために、新産都市の指定を受けたけれども、現実問題としては石炭合理化政策にかかわる緊急対策という性格を強く持たざるを得なかったという立場から、このために新産都市の指定あるいは産炭地域振興臨時措置法による産炭地域の指定、これを受けまして、これらの財政特別措置を総合的に活用をしてきたわけです。そうしながら実は振興に努力してきたわけでございます。 その結果、石炭合理化の事後処理といいますか、その方向に引っ張られていった形になったわけですが、その方面ではかなりの成果があったわけでございますけれども、肝心の新産都市の建設の目標というものはそういう意味でかなりおくれをとったのではないか。そしてなお、石炭により老廃した都市の再開発というものをてことしてこの新産都市の建設を進めていくという、大牟田地区特有の問題の解決が大きな課題として残ったわけであります。この点、私が先ほど五年の問題を非常に気にしたのは、特にこの大牟田地区の状況を判断して、これじゃとてもじゃないぞという気がしたものですから言ったわけでございますけれども、こういう点も含めまして御見解を承っておきたいと思います。
○平戸説明員 先生御指摘の大牟田地区の件でございますが、御指摘のとおり石炭産業政策の転換といいますか、そういうふうな現状を踏まえまして人口、産業の集積というのも、率直に申しますと逆に炭鉱離職者なんかがむしろ出ていく、人口が流出する、そういうふうなことで三十年代後半から四十年代にかけてまいっておるということでございまして、私ども五十六年度以降の計画を作成するに当たりましては、そういうふうな地元の事情とか今後における望ましい産業構造の姿とかそういったことをいろいろ考えまして、できるだけ当該地区の振興に役立つような計画をつくるように努力してまいりたいというふうに考えております。
○大橋委員 特に大牟田周辺の市町村というのは非常に財政力が弱いわけです。そういう市町村を抱えている地域の建設整備の促進のためには、いま言う五年程度じゃとても問題ではない、また現行の特別措置だけでは不十分だという感じがしてならないわけです。と申しますのは、このほかに地域開発関係のいろいろな法律があるわけでございますが、これとの調整あるいは総合的な体系化などが必要ではなかろうか。こういうことも今後審議会の中で大いに論議されますことを強く要望して、次に移りたいと思います。 先ほど読み上げました答申のまたその次の方にこういう言葉があるわけです。「雇用吸収力の大きな産業の導入及び周辺地域への波及効果を通じて、人口の地方定住を促進し、ひいては、第三次全国総合開発計画の定住構想を実現するうえで大きな期待がもたれている。」この答申に示されておりますように三全総の定住構想、これは私はある意味の国づくりの設計図だ、こう考えているわけでございます。その設計図を具体化していく上にはそれなりの関係法律が必要になってきますし、それから動いていくわけでございますけれども、新産・工特整備というものはまさにこれとの非常に深い密接な関係があるんだ、むしろその前提であるという趣旨の答申が出ているわけでございますが、この定住構想と新産・工特整備との関係性といいますか結びつきと申しますか、あるいは位置づけというものを明確にしておく必要があるんじゃないかと思いますので、この点について御答弁願いたいと思います。
○平戸説明員 第三次全国総合開発計画の定住構想と申しますのは、大都市への人口と産業の集中を抑制し、一方、地方を振興し、過密過疎問題に対処しながら全国土の利用の均衡を図る、そして人間居住の総合的環境の形成を図るというふうな定住構想といいますか開発方式をとっておるわけでございます。こういう形で定住を進めていくということになりますと、やはり基本的には地方における雇用の場を確保し、そこで定住する人々の生活を支えていく必要がある、こういうふうに考えるわけでございます。一方、新産・工特地区の建設整備を進めることによりまして、そこでできるだけ雇用の場を創出する、そこで人々の生活を支えていく、そういう関係で私ども考えておりまして、いわば新産・工特制度というのは定住構想の手段であるというふうに考えております。 もとより、定住構想の手段としましては新産・工特制度以外にもいろいろございますけれども、少なくとも新産・工特制度はその手段の一つであると考えております。そうしますと、この手段をできるだけ目的に奉仕させるというか、できるだけ効果を上げていくということが必要になりますので、その際同じように産業を集積するという場合におきましても、できるだけ雇用吸収力の大きな産業あるいは付加価値の大きな産業、そういったものをできるだけ集積させていって雇用の場をできるだけ拡大していきたい、こういうふうな関係で考えておりまして、五十六年度以降の新計画においては、先生御指摘の点も含めましてそういった点をいろいろ勉強してまいりたいと思っております。
○大橋委員 新産都市の建設は、特に地方における雇用の場の確保という面から、先ほど申しました三全総における定住構想推進上の柱となり得る非常に重大な問題でございますので、この明確な位置づけを行って長期的な視野に立って円滑な推進が図られなければならない、私はこう思います。財政特別措置の内容の改善もあわせてやっていかなければならぬのじゃないか、私はこれも強く要望しておきます。 いまも話がありましたように、その地域地域に産業を興し、いわゆる雇用の吸収力の大きな産業ということでございますが、新産都市建設というのは先ほど言いましたようにいわば国づくりの基本にかかわる重要な施策である、その目的達成の成否は結局企業がそこに予定どおり来てくれるかどうか、企業立地が適切に実行に移されたかどうかというところにしぼられてくるのではないか、私はこう思うわけです。政府としては、あらゆる企業にどうぞぜひこちらに来てください、来やすいように、企業誘致がやりやすいように基盤整備に努力をしていく、これが政府のあり方であろう、こう思うわけでございます。 肝心の企業立地がおくれて、先ほどの目標達成が非常に低かったという答申の指摘もあったわけでございますけれども、企業立地のおくれは一体どういう理由によるのだろうか。基盤整備のおくれがもとになって、企業の方は行きたくとも行けないのじゃないか。あるいは基盤整備は一応できておるけれども、あの程度の内容ではとても行けない、こう言っているのか、いまの経済不況下ではとても経営ベースには乗れない、だから動きたくないのだというようなことで企業立地がおくれているのか、この辺についての御見解をちょっと承っておきたいと思います。
○竹野説明員 お答えいたします。 先生御案内のように、新産・工特の制度でいろいろと各地方に企業を誘致するということはわれわれにとっても非常に重要なことだと思っておりますけれども、企業を立地するということにつきましては基本的には企業の経営判断に任せられている問題でございまして、国としましてはその企業が経営判断ができるようないろいろな材料を与える、立地しやすいような環境というものを整備することが非常に重要だ、こういうふうに考えております。そのため、この新産・工特地域につきましても、今回の改正をやります自治省による財政上の特別措置であるとか、あるいは国土庁による種々の助成措置が考えられておるわけでございますけれども、通産省としましては、本省あるいは通産局に情報室というものを設けまして、どういうふうなところにどういうふうな企業が行けば非常にいいかという情報提供をいろいろと行っておるということとか、あるいは工業開発指導員という企業の先生方にいろいろと現地に行っていただきまして指導しているというふうなことでございます。 先生御指摘の、こういう地域の企業の整備が余りできてないのではないかということでございますけれども、われわれとしましては、現在低成長下でございまして、団地の方が逆に買い手市場になっているということもございまして、なかなか埋まらないというところも多いわけでございますけれども、いまのような制度を駆使しまして企業の地方誘致を図っておるということでございます。こういう地域の団地の整備が特におくれているというふうには、感じてはいないということでございます。
○大橋委員 要するに、新産・工特の整備を一生懸命努力していってみても、肝心の企業、いわゆる雇用の吸収力の大きい産業ですね、それがそこに予定どおり行ってくれないと画竜点睛を欠くといいますか、幾らやってみてもこれは何にもならぬわけです。だから私は、目玉はそこだろうと思うのですよ。企業がいかにこちらの思っているような姿で動いてくれるかどうか。確かに自由経済の中で、企業に命令的にあそこへ行けなんと言うことはできないでしょうし、またやるべきではありませんけれども、それにしても国全体の産業の方向というものは考えられるわけです。 この答申の中にも「望ましい産業構造」ができ上がる、こう言っていますけれども、「望ましい産業構造」をどのように通産省は考えていらっしゃるか知りませんけれども、いずれにしてもそういうものが行かない限りはこの実現はできないわけですから、目標は達成できないわけですから、特に企業誘導の責任というものを強く感じていただいて、ただ情報を提供すればいいんだという程度のものでは成果は上がらぬと私は思うのです。せっかくこのような国土の整備が行われようとしているわけですから、自治省もむしろ公共企業体の立場に立って、いまの産業誘致は非常に大事なことでございますので、これは通産省、自治省等で、まあ何といいますか、そういうもののための連絡会議などでもっともっと積極的にそういう方向で動かなければならぬのじゃないか、こう私は思うのですけれども、両方から聞いておきたいと思います。
○土屋政府委員 新産・工特地区が指定されました理由、それからその後の経緯というものは、すべて御承知のとおりでございます。 地方団体におきましては、やはりその地域の整備をいたしまして、人間居住の総合的な環境整備をするということに力を注いで、そのために事業量も多くかけ、そしてそのために財政特例措置もとっておる、こういうことでございますので、なるべくその目的が達成できますように努力もしております。その意味において、私どもも地方団体のそういった努力に対してもちろん関心も持っておりますし、てこ入れもしていかなければなりませんが、企業自体は、先ほどから御指摘がございましたように、企業側の理由によっていろいろ立地を考えるわけでございます。 そういったことが総合的に円滑にいきますようにするためには、関係省庁と十分連絡をとっていかなければならないことは仰せのとおりでございます。私どもも通産省、国土庁、その他関係省庁、そこらからいろいろな状況も知らせていただきながら総合的に判断をして、全体が円滑に進みますように十分努力をいたしたいと存じます。
○竹野説明員 お答えいたします。 ただいま自治省さんの方からもお話がございましたように、今後とも自治省、国土庁あるいは地方自治体等もあわせまして、いろいろと連絡をとりながらやっていきたいと思いますけれども、われわれとしましては手段としましては、先ほど言ったように重点的にこういう新産・工特地域を工業開発指導員にいろいろとお見せしてやっていくというふうな点も力を入れていきたいと思っております。
○平戸説明員 国土庁といたしましても、先生おっしゃるとおり最終的にその企業が立地する、そこで雇用の場を提供していく、これが何といっても大事なことでございますので、極力努力していきたいと思っております。 現在企業を誘致するためのインセンティブの一つといたしまして、新産業都市建設促進法及び工業整備特別地域整備促進法に基づきまして不均一課税、企業が立地した場合に、その固定資産税及び不動産取得税を地方公共団体が不均一課税をする場合、それが減収した場合にはそれを地方交付税で補てんするという制度がございますが、これがやはり五十六年三月で切れることになっております。自治省さんと御相談いたしまして延長の方向で現在考えております。そういうふうな政策手段を使いましてできるだけ企業の誘致に努めてまいりたい、今後五カ年間の計画を作成するに当たりまして自治省さん、通産省さん初め関係各省さんといろいろ御相談してまいりたいと思います。
○大橋委員 それでは次に移りたいと思います。 自治大臣指定に係る公害防止対策事業といたしまして、熊本県の水俣港堆積汚泥しゅんせつ事業というのがあるはずでございますが、この指定年度は昭和五十年度から五十四年度となっているやに理解しているわけでございます。ここではいろいろな問題が起こったようでございますけれども、この辺の事情を説明をしていただきたいと思います。 〔委員長退席、工藤委員長代理着席〕
○高田説明員 水俣湾の堆積汚泥しゅんせつ除去工事と申しますのは昭和五十年ごろから計画がなされまして、その後まず二次公害の発生を防止するために仮締め切り堤あるいは魚の出入りを防止するための仕切り網、そういったものの工事に着工したわけでございます。そのために昭和五十年度自治大臣指定をいただきまして、例の公害財特法の適用をいただいてこの事業を進めております。その後、本格的な工事に着工しようとしましたところ、地元の方々から工事に伴う二次公害の発生に対する完全な防止措置の保障がなされてないという理由で、工事仮差しとめ訴訟が熊本地裁の方になされました。それで、その後約二十数回に及ぶ法廷審理を経まして、昨年の四月十六日にようやく熊本地方裁判所の方から仮差しとめ訴訟の申請は却下するという判決がなされ、それを受けて私ども昨年の六月から本格的な工事に着工したわけでございます。 それできょう現在、仮締め切り堤の工事はほぼ順調に終えておりまして、五十六年度からはいよいよしゅんせつ汚泥を受けとめるための器の枠づくりに取りかかろう、そういう段階になっております。それで、これは公害防止計画が定められた地域ではございません。したがって、こういった公害防止対策事業は、その都度自治大臣の指定を受けて、公害財特法を年度ごと適用を受けて行うようになってございます。
○大橋委員 ちょっと確認いたしますけれども、この工事は計画が組まれて着工しかけたときに、いま言ったような仮差しとめ訴訟が起こったわけです。そして裁判が二年半かかったわけでございますが、結論としては、当初運輸省が計画されたその工事をやれば住民が心配していたような二次公害は起こらなかったんだ、単なる心配で訴訟が起こったのであって、内容的には運輸省の計画どおりでよかったんだということに理解していいのですか。
○高田説明員 そのように御理解いただいて結構でございます。
○大橋委員 ここの工事も恐らく十年ぐらいはかかるんじゃないか。そして、予算は二百億ぐらいかかるんじゃないかということを漏れ聞いているわけでございますが、その辺はどうですか。
○高田説明員 御指摘のとおりでございまして、すべての工事を終えるための工程は一応十年と考えております。それで、昨年の六月着工して約一年を経過しておりますので、予定どおり行えれば五十六年度以降約九年ぐらい工事期間が必要になる、そう考えております。
○大橋委員 予算額から見ましても、その工事の規模の大きさが予想されるわけでございますが、地元としては非常に大事業だと思いますし、これは特に住民との話し合いをよくなさった上で、トラブルがないようにひとつ推進していっていただきたいと思います。 それでは次に移りたいと思います。 自治大臣、関連の質問ばかりで申しわけないと思いますが、環境問題です。 〔工藤委員長代理退席、委員長着席〕 アセスメント法の提出の時期について私お伺いしたいと思うのですが、総理府が先般行いましたアセスメント法制定の是非についてのアンケート調査、これを見ますと、賛成が大多数であったわけです。また昨年の二月に、わが公明党の同僚議員が質問に立ちまして、かなりこの問題を詰めたわけでございますが、その後閣議決定が行われて国会に提出される状況にまでなったわけでございますけれども、その後さっぱりその姿が出てこない。一体これはどうなっているのだろうかという私の疑問でございますが、この辺についてお答え願いたいと思います。
○清水説明員 アセスメント法、環境影響評価法案につきましては、かねてから政府部内で検討、調整を進めてまいりまして、ただいま御指摘ありましたように、昨年の通常国会におきましては関係閣僚会議の開催などを経まして関係各省庁の合意を得まして、昨年の五月二日に政府としての法案の取りまとめを終えたところでございます。 その後この法案につきましては、自由民主党の政務調査会の環境部会の了承を経まして、現在政務調査会長預かりとされているところでございますが、政務調査会におきましては環境アセスメント問題懇談会を設けまして、この法案について積極的に審議を進めることとされているところでございます。環境庁といたしましては、政務調査会などの了承を速やかにいただきまして、この通常国会にこの法案を御提案できるよう、引き続き最大限の努力を払ってまいりたいというふうに考えております。
○大橋委員 自治大臣にお尋ねします。いま言ったようにアセスメント法が閣議決定されまして、いろいろ議論の結果、いま自民党の方で預かりになっているということでございます。積極的に内容の調整が行われているという答弁でございますけれども、ずいぶん後退した内容だといううわさも出ておりますが、アセスメント法というのは住民が期待している法律でございますので、これがやはり期待されるような姿で一日も早く提出されるように、自治大臣非常に関係の深いことでございますから、自治大臣にこの点のお気持ちを聞いておきたいと思うのです。
○安孫子国務大臣 きわめて重要な問題でありますが、同時にまた影響するところも非常に多い、こういうようなことで自由民主党におきましても十分いま積極的に検討いたしておるという段階でございます。その結果を私どもは見たいと思っております。
○大橋委員 とにかく閣議決定までしている内容ですから、余り政治的なことで云々されないようにまじめに御指導願いたいと思います。 それから、最後になりますけれども、湖沼、港湾ですね。閉鎖性水域といいますか、そういうところにおきまして最近富栄養化が急速に進行しているということでございます。これは生活用水として使用できなくなるという関係地域の住民にとっては非常に深刻な問題であるわけでございますが、代表的な現象地域は琵琶湖ですね。この琵琶湖が富栄養化しつつあるということで、最近滋賀県では富栄養化条例がつくられて、その保全を図ろうという大変な努力が払われているということでございます。これも環境庁になりますか、また自治大臣の考えもあわせて聞いておきたいと思うわけでございます。長野県の諏訪湖も大変な富栄養化の状況になりつつある。また千葉県の手賀沼というところなどは、近くまで行きますと悪臭が鼻を突くというほどに悪化しているようでございます。これは生活用水確保の立場からも、また下水道工事のおくれということからもこういう問題が発生してきているわけですから、両方からこれに対する考えを聞いておきたいと思います。
○大塩説明員 お答えいたします。 わが国の湖沼のうち、環境基準を達成しているものは全体の四割程度にすぎないということから、湖沼の水質の悪化が最近特に問題になっているわけでございます。その中でも先ほどお示しになりましたように富栄養化、すなわち栄養源が湖の中に入りますと、土が肥えると同じような現象で水が肥えてまいりまして、そこでプランクトンなどの生物が繁茂いたしまして、それが水道水源の悪臭であるとかろ過障害であるとか、あるいはそういうものが蓄積することによって魚類の斃死などの問題を生じているわけでございます。 そういった問題に対処するため滋賀県におきましては、五十四年十月に富栄養化防止条例を制定されて、現在一部の河川におきましては著しい効果があり、また私どもも湖沼全体の水質の改善に役立つものとして大いに期待しているわけでございますが、先ほど来お話がございましたように、琵琶湖は水質的に申しますと全国的には中位でございまして、それ以上に汚染されている諏訪湖であるとか印旛沼であるとか手賀沼であるとかという湖では、琵琶湖を上回る水質の悪化の状況を示しております。 そうした状況で、私ども環境庁といたしましては、従来の工場、事業場の排水の規制だけで水質の保全を図ることにはおのずから限度があるのではないかと考えまして、都道府県がつくられます湖沼の環境保全計画に基づきまして、従来規制の対象になっていなかったような施設に対して規制を適用するとか、あるいは規制になじみにくい施設に対して維持管理基準を設けるとか、いろいろな対策を講じていく必要があると思います。また、湖の水質のみならず湖の周りを含めまして、一体として保全をする必要があると考えている次第でございます。そのため、現在、中央公害対策審議会の答申に基づきまして、湖沼環境保全特別措置法として今国会に法案を提出すべく作業中でございます。
○大橋委員 滋賀県では富栄養化条例というのができて、私もこれを重視している一人でございますが、要するにこれは単なる地方自治体の問題ではなくて、国全体でこれを重視し対策を講じていかなければならない。いま、国としても法律を制定する方向で努力されていることになっておりますが、その点をもう一回。
○大塩説明員 お答えいたします。 湖沼はそれぞれの地域特性がございますので、具体的な対策につきましては知事さんがお立てになるという基本的な考え方で、国がそれを全面的に支援するという形の法律の制度の仕組みをつくりまして、現在関係省庁と鋭意調整中でございまして、まとまり次第今国会にその湖沼環境保全のための特別措置法案として提案したいということでございます。
○大橋委員 最後に自治大臣、いま言う富栄養化の問題は非常に重大な問題でありまして、湖沼の保全のための何かをいま一生懸命努力なさっておるようでございまして、その推進、促進に自治大臣が先頭に立って調整役に出てもらいたい、こう思うわけでございますが、いかがですか。
○安孫子国務大臣 諏訪湖、手賀沼なんかは、あるいは回復できないんじゃないかというところまでその程度が進んでおるということは私も承知をいたしております。そしてその問題は、地域社会におきまして非常に重大な問題として取り上げられておるわけでございますが、環境庁もせっかく努力をされまして、法案を提出いたそうという努力を重ねておりまするので、自治省といたしましても十分それを認識いたしまして支援をしてまいりたいと思います。
○大橋委員 終わります。
○左藤委員長 青山丘君。
○青山委員 人口の集中化と産業の分散が話題になってから、今日までいろいろの施策がとられております。そういう背景の中で、大都市への人口の集中化は大体終わったと私は見るべきではないかと思っているのです。ごく一部、まだ人口が伸びているというところはあるかもしれませんけれども、ほとんどの大都市で人口の集中化はすでに終わっている。逆に大都市のドーナツ化の現象が出てきて、それはすでに昭和四十年代初めから進んできたわけですけれども、都市の中心部の人口が急速に減少してきております。人口と産業の集中を抑制したい、こういう観点からしますと一つの成果だと見るべきでしょうか。 都心部が近年極端に商業業務地化によって、地価の高騰などで住宅が郊外に追いやられてきた、あるいは交通公害等々で住環境が悪化してきている。そんなような背景から人口が減少して、一つには社会資本の遊休化の問題が出てきております。また、地域コミュニティーが崩壊するのではないかと心配をされてきております。また都市の魅力が低下してきている、あるいは夜間の無人化によって防災及び防犯の問題が出てきている、また財政が悪化してきたというようなことから都市経営上の多くの問題が出てきております。したがって、そろそろ大都市政策の見直しの時期ではないかというような声が上がってきております。とりわけ大都市においては、そのような声が強いと聞いておりますが、自治省の御見解が伺いたいと思います。
○安達説明員 お答えいたします。 先ほど先生御指摘の点につきましては、欧米諸国で起こっておりますいわゆる大都市の衰退現象ということであろうかと思いますが、欧米諸国で起こっております大都市衰退現象につきまして、果たして日本でも起こっているのであろうかという議論があるわけでございます。 欧米諸国で起こっておりますのは、単に日本で起こっておりますような夜間人口の減少だけにとどまりませず、昼間人口、業務人口、そういったところの人口も減退しまして、またアメリカ等におきましては人種問題、こういう問題がいろいろ絡み合っておりまして、相当深刻な様相でございます。 それに対しましてわが国におきましては、御案内のとおり夜間人口は減っておりますけれども、昼間人口におきましてはむしろ都心部に業務が集中しておるというような状況でございまして、欧米型の衰退といった現象はないのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。 そこで、大都市政策の見直しという御指摘でございますけれども、現在、三大都市圏それぞれにおきましては基本計画というのがございます。これは首都圏におきましては首都圏基本計画、近畿圏におきましては近畿圏基本整備計画、中部圏では基本開発整備計画、こういうふうにそれぞれ計画がございますが、首都圏につきましては五十一年度に作成しております。それから近畿圏、中部圏におきましては五十三年度にそれぞれ策定しておりまして、これにつきましては、現在六十年を目標としてその計画でやっております。 それに対しまして、実は今回の財特法との関連もございますけれども、首都圏におきましては整備計画というのをこれの改定計画としてつくっております。それから近畿圏及び中部圏におきましては近郊整備地帯あるいは都市整備区域、それから都市開発区域につきましての建設計画をつくっておるわけでございます。この建設計画の方につきましては、現行計画が五十五年で期間が満了となるということでございまして、現在鋭意この建設計画等につきましての新しい作業、六十年を目標とします作業を進めておるわけでございます。 特に首都圏におきましては、整備計画は総理大臣が直接決定するという形をとっておりますけれども、御承知かと思いますが、中部圏、近畿圏につきましては建設計画は府県でつくりまして、総理大臣が承認するという形をとっております。現在作業過程におきまして、事前に府県等からそういう承認の原案をいただいておりますけれども、そういう形でいただいておる範囲において見ますと、まだその基本計画を基本的に改定するという必要性はないかと思っております。 ただ御指摘のとおり、大都市の様相といいますのは非常に刻々変化いたすものでございまして、そういう観点から、先ほど先生の御指摘のありましたようなドーナツ化現象、こういったものにどう対処していくかというようなことは十分これから検討しなければならないであろうと考えております。そういう意味におきまして、昨年五十五年に国勢調査が行われておりまして、若干新しい傾向等も見られるわけでございます。そういうことから、さらにまた三全総との関連も考慮いたしまして、先ほど申しました三圏の基本計画については点検はやっていく必要があるだろう、こういうふうに考えております。
○青山委員 人口の減少の原因をどのようにとらまえておられるのか。これは、大都市の過密を何とかしなければいけない、そのためには新しい産業都市を整備、開発していくことによって、人口の集中の抑制をすることができるではないかというような考え方が背景にあったりしておりますが、果たしてそういうようなことで人口が都心部から流れていったかというと、実はそうではないのではないか。 たとえば大都市中心部はほとんど商業業務地化してきておって地価が大変高い、したがってなかなか住むのに適しておらない。また、交通公害あるいは騒音というような都心部の問題から、住環境として適さない。あるいは日用品等のお店が近くにないというような、実は国の基本政策によって都市の過密が徐々に解消されつつあるというのではなくて、人口の集中過密によって多くの弊害が出てきて、そのために中心部から人が流れ出して外へ行って郊外へ押しやられたというふうに私は理解すべきだと思うのです。 そういう点から考えますと、さてこれはこれまでの政策の成果だと言うわけにはなかなかいかない。一つの弊害の現象だと考えるとしますと、まだまだこれから政治の場で誘導的に打たなければならない手がたくさんあるのに、今回の大都市中心部の人口の減少の原因をどのように受けとめておられるのか、それはできるだけ正確に把握しておっていただきたい。見解を伺っておきたいと思います。
○安達説明員 先ほど先生から御指摘ありましたように、現在大都市におきましては過密問題といいますか、そういうものが問題になっているかと思います。その場合におきまして、確かに都心部におきましては業務地が出てまいりまして、そういうことでどんどんと人口が郊外に出ていくいわゆるドーナツ化現象が起こっているわけでございます。したがいまして、もちろん現在の基本計画等におきましてもそういう現象をある程度想定いたしまして、それらに対する対策を考えていこうというわけでございます。たとえば首都圏におきましては、特に都心に一点集中的になっておりますので、多核都市複合体ということで、周辺部にできるだけそういう業務地などを分散させようという施策もとっております。 それから現在の基本計画におきましても、夜間人口も周辺に分散させようという考えでは決してございませんで、できるだけ職住接近ができますように、遠隔地からの通勤のないような方向でやっていこうということでございまして、現在の計画も効果が若干あらわれておりませんけれども、そういう方向で進めておるつもりでございます。
○青山委員 人口の減少の原因をどのように受けとめておられるか。これはできるだけ正確につかんでいただかないと、その場だけを糊塗したような理解の仕方では本質の解決にはならないという意味で、都心部の人口の減少はなぜかということについて正確に把握しておられる点を聞かしていただきたい。
○安達説明員 確かに、都心部におきまして夜間人口が減少しているということは先ほど来申しておるとおりでございますけれども、三圏の現在の状況で見てまいりますと、圏域といたしましては確かに社会増は非常に減ってきておりますけれども、自然増も含めまして人口はまだ相当増加の状況にございます。したがいまして、都心部が減っているということは、そういう業務地などが入りまして、先生の御指摘もありますように、むしろ環境的には住みにくくなっている点もあるかと思いますが、そういうことでドーナツ化現象が起こっているかと思います。したがいまして、先ほど言いましたように、現行の計画等におきましてもそういう対策等を講じてまいろうということで進めておるつもりでございます。
○青山委員 国土庁にお願いしたいのですが、人口の集中傾向がまだとまらないのは横浜あたりくらいでしょう。その他の首都圏あるいは政令指定都市は、長期の人口見通しはほとんど下方修正されておりますね。そこで、特に都心部の人口がなぜ減少してきたかというのをはっきり順序別に明快に、私にわかるように資料をつくって出していただきたい。 それでは大都市の人口動向を見てまいりますと、東京都では、昭和四十年、四十五年、五十年、五十四年の四つですけれども、八百八十九万人、八百八十四万人、八百六十四万人、八百四十四万人と減少しているのです。とりわけ都心部、千代田、中央、港区では四十六万人から四十万人、それから三十六万人、三十四万人へと減少しているのです。横浜だけが百七十九万人から二百二十四万人、二百六十二万人、二百七十六万人と増加しています。ただ、その横浜でも都心部になりますところの二区については、二十四万人から二十三万人、それから二十二万人、二十万人にと人口が減少しているのです。 私の地元なんですけれども名古屋では、百九十四万人から二百四万人、それから二百八万人、二百九万人にと増加はしているけれども、増加の割合は非常に鈍化しております。ところがその名古屋でも、中心地の中区、東区、熱田区では二十九万人から二十五万人、そして二十一万人へ減少しているのです。京都市でも、四十年から五十年までに人口がなるほど十万人ふえていますが、京都の都心四区では十六万人減っていますね。神戸でも少しふえてはおりますが、都心二区では六万人ほど減っています。札幌でもそうです。福岡でもそうです。川崎市でもそうです。 こういうように見てまいりますと、以前に組み立てられておった長期の人口見通しも相当下方修正されてきておる。これは都市の過密を抑制し、産業を分散していくという基本的な考えに沿っておると言えばそれは結果的にそうかもしれませんけれども、やはり原因は違う。だから、結果が同じだからいいじゃないかというわけにはいかない、違った結果が出てくる可能性もある。正しい見通しで正しい手が打たれて正しい結果が出てきたのなら、それはいいのです。そうじゃなくて一つの自然現象みたいな形で、だけれどもわれわれの見通したとおりじゃないかと言っても、それはむしろ都市の問題を逆に提起してきている。たとえば、一番最初に私が申し上げたような地域コミュニティーの問題あるいは都市の住環境の問題それから都市の財政の悪化の問題、こういうような問題が出てきておりますので、このような人口の減少についてぜひひとつ正確に把握していただきたい、こういうことです。 そこで、それぞれの自治体ではこれは大変憂慮することだ、こういうふうに見ているのです。何とか再び人口を呼び戻したい、こんなような動きも逆にあるのですね。私は、人口を呼び戻すことがいいか悪いか、そういうことで言っているのじゃないのです。地方自治体が今度は逆にいろいろな施策をいま打ち出してきつつある、その具体的な施策については後でちょっと触れたいと思うけれども、人口呼び戻しの方向にある、それに対して国土庁の見解、及びできたら自治省、どのような御見解を持っておられるか、聞かせていただきたい。
○安達説明員 先ほどからの先生の御指摘のとおり、都心の地区におきましては、大都市あるいは地方の中枢都市におきましても人口が低下しております。これは、わが国に限らず世界的にそういうドーナツ化現象というのが起こっているわけでございますけれども、先生の御指摘のとおり、今後そういった人口動向というものをさらに正確に把握していかなければならないのではないかというふうに思っております。 それから、先ほどもお話がありましたように、いわゆる都心地区への人口の呼び戻しといいますか夜間人口の定着、これはまさに三全総でも言っておりますように定住構想という考え方にも沿うものでございますので、先ほどの御質問にもありましたけれども、現在たとえば首都改造計画等におきまして、これは首都圏でございますが、そういった夜間の都心部における問題というものにつきましても十分検討を加えていこうという考えでございます。
○土屋政府委員 戦後の復興期から高度経済成長期を通じまして、御承知のように過疎過密問題、環境の悪化といったようなこと等がございまして、大都市、地方都市、農山漁村、それぞれにいろいろな課題を抱えておるわけでございます。とりわけ大都市地域におきましては、確かに集積のメリットはあるわけでございますが、逆に人口、産業が集中した結果のいろいろなデメリットもあることは御指摘のとおりでございまして、そういったことから国土の均衡ある発展を図るという意味で、新産・工特地区の指定等を初めいろいろな定住構想のもとにおける手段を進めていかなければならぬ事情にあるわけでございます。 ただこの場合でも、おっしゃるように若い年齢層が高度成長期に都市に集中しておりましたから、これが全部出ていくということはなかったと思います。しかしながら、いまのような手を打ったために、都市へ集中してくる度合いは低くなってきたと思っております。そういった意味で、いままでの構想というものはやはり役立っておることは役立っておる。しかし、大都市地域における問題だけで申しますと、いろいろな事情によりましてデメリットがあることから、中心地域における人口が外へ拡散するということはやはりあり得ただろうと思っております。 そういった意味でまた別途、首都圏を初めとする大都市圏地域についての財特法等を主体とするいろいろな計画的な整備が進められてきたわけでございますけれども、そうは申しましても、全般的に目的としたところが順調に進んでおるとも考えられません。やはり大都市地域における再開発を初めとし、あるいはまた防災対策その他いろいろ考えなければならぬ問題がございまして、地方団体はそういうことのためにかなりな財政需要を抱えております。そのためのいろいろな手段は講じておりますけれども、必ずしも十分ではないという指摘もまたあるわけでございます。 私どもは、そういった地方財政という面だけではなくていまの大都市地域、ひいては国土の全体の均衡ある発展という面から、さらにこれは研究を進めていかなければならない。自治省は、直接大都市圏地域についての計画を策定しておるわけではございませんが、全体としてきわめて深い関心を持っておりますので、関係方面と協力しながら適切な手段を研究してまいりたいと思っております。
○青山委員 私は、国土の均衡ある発展というのが必要だと考えています。ただしかし、大都市の人口集中がとまった、そして中心市街地における人口の減少が出てきた、これは結果としていいことではないかというような短絡的な受けとめ方は大変危険だと思います。そして残念ながら私は、まだ政策の一つの成果だと理解するわけにはいかない面がたくさん出てきておる。 たとえば、大都市の都心部に住んでいた人たちが住環境の悪化から郊外に逃れ出た、そしてそのために、職場も郊外に出ていけばいいのですけれども職場は従来どおりということになれば、とりわけ中心地が商業地域化して、そういう意味での促進がなされてきておりますから、逆に通勤等の交通環境が悪化してきているのではないかということから考えてみますと——これは都市の過密がいいと言っているのじゃないのです、大変重要な問題ですから誤解していただくといけませんけれども、本来なら職住接近、それから、どこに住んでいようと地域のコミュニティーを維持していかなければいけない、それから、都市施設をできることならば有効に活用していかなければいけないということから考えますと、大都市政策にもまだ問題があるのではないか。そのために、人口呼び戻しのための具体的な手をそれぞれ地域でいま打たれつつあるというのです。この辺の見解を伺いたい。 あとは私の話だと聞いていただきたいが、大阪、名古屋あたりでは地域社会の維持が大変困難になってきている。夜間の無人化等で防犯など安全の問題が出てきておる。先ほど申し上げたことと同じですね。それから、地域の商業の活力が失われつつあるというような指摘をしているのです。京都あたりでも残留人口の高齢化、またそのために伝統的行事の維持が困難になってきている、京都の都心の魅力が年々低下してきているというようなことのために、具体的な考え方として人口の呼び戻しをしていかなければいけないということから、大阪あたりでは淀川リバーサイド、南港などでの大規模住宅開発を進めていく。財政の問題にも関係してくるのでしょう、新婚世帯住宅に対する低利融資などをして人口の回復に手を打ってきているようです。こういうような背景の中で人口の呼び戻しというのが、いままた一つの地方自治体における課題のようですけれども、どのように受けとめておられるのか。
○安達説明員 各地方公共団体におきまして、人口の呼び戻し策といいますのをいろいろとお考えになっております。たとえば最近でまいりますと、東京都でマイタウン懇等におきましても、都心部における夜間人口の定着ということを中心的な課題としてうたわれております。 ただ、先ほどもちょっと申し上げたのですが、三大都市圏それぞれの圏域におきます人口は、最近、社会増が逓減の傾向にありますけれども、自然増を中心として圏域全体としてはいまだに人口が増加しておるということでございまして、その圏域で人口増加していく中でどのように適正な配置をしていくのがいいかということかと思います。その場合に、先ほどから先生もおっしゃっておりますように職住の接近ということで、都心部への人口の呼び戻しということも一つの重要な施策の方向であろうかと思います。 そういう意味におきまして、先ほど言っておりますように、たとえば首都圏におきましては首都改造計画等でその問題に取り組んでおりますし、その他の地域におきましても、また各種の調査におきましても、人口の動態がどのようになっているかといった面も調査を進めておりますので、そういう結果が出てまいりました場合には、その施策について十分考えてまいらねばならないというふうに考えております。
○青山委員 土地が高くなって商業業務地化してきてなかなか住みにくくなったということから人口が都心部からは減少してきた、周辺へ出ていった。そしてまた仕事としては戻らなければいけない、これが一つ。 それからもう一つは、産業の分散という観点から工場が大都市から移転しております。問題は工場の跡地の利用についていさて計画的に事が進んできたかといいますと、現実はむしろその跡地が建て売り住宅やマンション化してきてしまっておる、こういう問題が散在しておるようです。 本来都市計画というものは、住宅及び工業、商業の各生活機能の分化、純化というものがその基本にあったわけです。ところが、そういうことで進めてきて、大都市にある工場地帯の工場をできるだけ地方へ分散していきたい、あるいは大きな工場は地方において集団化というか集約化というか——問題は、抜けていった工場の跡地が住宅部化したのでは、本来の目的を達したことにはならない。工場は工場ばかりで純化していくはずのもの、それが特定の工場だけ出ていった、その工場群の中に住宅が進出してくれば、また住工混在をすることになってしまう。住工混在を避けていくという目的から、住工混在の解消に進みつつあるときに、また新たな変わった住工混在を招くということでは、都市計画にもならないということのようです。 結局、工場跡地を手に入れる財力のある者は、いま建て売り住宅業者とかマンション業者くらいで、地方自治体ではその跡地を取得するだけの目的を持たないし、財政的な裏づけを持たないということから、計画的な都市の再開発というのができない。これじゃイタチごっこで、いつまでたっても問題が基本的に解決しない。そして、従来の工業地帯と新たに進出してきた住民との間にまた混乱が起きている、こういうような現象のようですが、このような状態をどのように受けとめておられるのか、お聞かせいただきたい。
○安達説明員 先ほど、夜間人口の都心部への呼び戻しということでございますが、そういう意味におきまして、工場跡地等につきまして、それが業務用地といいますよりも住宅的な用途に使われるということはある程度望ましい傾向かと思います。ただ、それが雑然と、住工が全く混然となってまいりましては適当でございませんので、そういう場合には都市計画的な手法等を用いましてできるだけ整然と住工が、住宅は住宅、工業は工業といったような区分で、都心の中でもそういうふうな形が必要ではないかというふうに考えられるわけでございます。 いずれにいたしましても、そういう形で跡地の問題、これは単に住宅とかその他の施設ではなくて、やはり都市に不足しておりますオープンスペース、そういったものに対しましても十分活用していく必要があろうかと思うわけでございまして、今後とも各地方公共団体あるいは関係省庁と御連絡をとりまして、そういうものに対する対策を講じてまいりたいと考えております。
○青山委員 工場跡地を計画的に利用していく。都市にはまだ問題がたくさんあるわけですから、こういう土地を有効に利用していかなければいけないと思うのです。そのためには、地方自治体が公共施設としての特定の当てがない限り、なかなかよう買い得ない、買う力がないというような問題をひとつ考えていっていただかなければならぬのではないかと思います。この質問が一つ。 それから、都市から離れたところでの土地よりも、都心部の工場跡地の方が実際は割り安なのでしょうか、ずいぶん高い土地だろうと思うけれども、むしろ割り安なので、住宅進出が食いとめられないと地方自治体が言っているのです。たとえば大阪では、工業地域へのミニ住宅の進出を防ぐために、五十三年に、住宅の建設を禁じている工業専用地域を二倍にふやした。しかしなお、工業地域と準工業地域への建て売りやマンションの進出は防ぎようがない、こう言っているのですが、どうなのでしょう。 それから、もう時間がありませんのでもう一つ。用途地域の純化についての考え方をもう変えなければいけないのじゃないか。住宅地域は住宅地域だ、工業地域は工業地域で、商業地域は商業地域だといういままでの用途地域の純化というのは、ちょっと曲がり角に来ているのじゃないかと地方自治体が言っているのです。それはなるほど公害企業だとか大型工場だとかいうのは、その考えで郊外へ、そして集約化していくのも一つの考え方でしょうが、零細業者というものは、たとえば神戸あたりでは、そんな大きく純化の方向ではなくて、工場街区、住宅街区また工場街区、住宅街区というような形で、むしろ逆に住工共存といいますかね、言葉は何とでも使えるなと考えたのですが、それは混在ではなくてともに生きる道だ、こういうようなことから、用途地域の純化についてはちょっと考え方を変えなければいけないのではないかという方向にあるというのですよ。その辺の見解はいかがでしょうか。
○安達説明員 先ほどちょっと、用途純化につきまして都市計画的手法というふうなことで申し上げましたのですが、若干言葉が足らなかったと思いますが、確かに、用途純化といいましても、最近の都市型工業と申しますのは非常に、先生もおっしゃるとおり、住宅とも十分共存し得るような工業というものもございます。したがいまして、単に住宅地域それから工業地域というふうに画然とするのじゃなくて、そういう形での住宅、工業あるいはその他の業務との、共に存するという場合もあり得ると思います。
○土屋政府委員 先ほども申し上げましたように、高度成長期に急激に集中してまいりました既成市街地では、いろいろな問題が起こっておることは御承知のとおりでございます。その意味で、人口の呼び戻しといったようなお話もございましたが、やはりその地域においてはいろいろな与件のもとで適切な人口なり工場、商業、いろいろな計画が立てられ得るものだと思います。そういった意味で、生産ないし居住環境、それにプラス文化、医療、厚生といったものを含めた適切な都市計画をつくられて、みんな再開発に取り組んでおられると思いますが、何しろいままでの集積の状況というものが大変無秩序であったと思われますので、そう簡単にはまいらないということでございます。 その意味で、大きな工場跡地等は利用についていろいろ御検討もされておるようでございますが、非常に地価が高かったりで手が出ないといったようなこと等もあるようでございます。しかし私どもとしては、再開発の手法などを使いながらいろいろとおやりになる場合は、地方債その他で、できるものなら御協力はしておるわけでございますが、地方団体も最近では、単に全部土地を買うというだけではなくて、その所有者と一緒になってそれぞれの持ち分のもとに再開発を考えるとか、いろいろな考え方も出てきておるようでございます。用途地区あたりをどういうふうにやっていったらいいか、それは専門家の問題でございましょうが、私どもとしても、いまの都市づくりにはいろいろな新しい近代の事情にマッチした手法というものを開発しながら、総合的な整備を進めていくべきだろうと思います。それに対しては、自治省として対応できるものはできるだけ対応する。従来の慣行だけにとらわれる必要はないと思っております。適切なものにはできるだけ対応していきたいと思っております。
○青山委員 ありがとうございます。ぜひこの工場跡地の再利用については計画的に、効率的に進めていっていただきたい、これが私の一つの念願であり、お願いでもあります。まだ少し進めたいと思っておりましたけれども、時間がありませんので、先へ進みます。 新産・工特地区における先ほど来のやりとり、質疑の中にもありましたので、ちょっと違った面で私お尋ねしておきたいと思いますが、人口の対全国比、これは沖繩を除く資料のようですが、昭和三十五年に新産・工特地区は一四・五%、四十年に一四・四%、四十五年に一四・五%、五十年に一四・八%、五十五年に一四・九%、この二十年間に〇・四%の人口増があります。これは国土の調和ある発展、人口の都市への集中を抑制して、産業都市、工業地域の開発整備を進めていくことによってその地域の拠点をつくっていく、拠点開発方式の一つのあらわれでしょうけれども、この数字から見ますと〇・四%の人口増をどのように受けとめておられますか。
○平戸説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、新産制度ができましてから十数年になるわけでございますが、その間におきまして、新産・工特地区における人口の対全国比が〇・四%ないし〇・五%しか伸びてないということは事実でございます。しかしながら、この間におきまして、新産・工特地区を除きます地方圏におきましては、逆に人口が減少している。新産・工特地区におきましては人口が多少なりとも増加しておるわけですが、その他の地区においては減少しておる。全国的に地方圏から大都市圏への人口流入の時期において、わずかではあるけれども人口が増加し対全国シェアを高めているということは、新産のそれなりの効果ではないかというように考えております。
○青山委員 時間がないので、早くやめなくちゃいけないようですから先へ急ぎますが、新産・工特地区、それから大都市圏を除くところの地方圏の人口減少というのはかなりあったようですけれども、この人口減少をどういうふうに理解すべきなのか。本来ならばもっと大都市へ集中しておったはずだとか、先ほど来私がやりとりしてきたのは、実は裏に大都市は人口を集中しないようなみずからの問題を持っていたということからしますと、その道を開かれた新産・工特地区の指定、これは一つの見識だと私は考えているのですが、さてしかし、それほど成果を上げたとは言えないのではないかというような見方もするわけですよ。その辺の受けとめ方をお尋ねしたいと思います。 それから、ちょっと先へ進ましてください。 工業出荷額の沖繩を除く全国シェアについてでありますけれども、これの先ほど申し上げた地方圏との比較は出ていますか、とらまえておられますか。工業出荷額が二十年前、三十五年には一四%、四十年には一四・一%、四十五年には一四・九%、五十年には一七・三%、五十三年には一六・八%と上昇してきております。これはパーセンテージだからちょっと額がつかめないのですけれども、額としてはどれくらいの伸びなんでしょうか。 時間がないから、それじゃまた後で資料を出してください。最も重要で決定的な問題とは違いますから、資料として後で提出してください。いいですか。
○平戸説明員 新産・工特地区の出荷額の伸びでございますが、沖繩を除きます全国の出荷額は、四十年に二十九兆五千億でございましたが、それが五十三年では百六十四兆四千億となっておりまして、この間伸び率が五・六倍になってございます。その間において新産・工特地区の工業出荷額は、四十年の四兆二千億円が五十三年には二十七兆六千億円ということになってございまして、伸び率は六・六倍。したがって、全国の伸び率が五・六倍だったのに対して、新産・工特地区は六・六倍というふうな伸びを示しております。
○青山委員 全国平均の所得水準と、新産・工特に関係する道及び県の所得水準、及び所得格差の経過はどのようになっていますか。
○平戸説明員 昭和三十年代におきまして、新産・工特地区の関係県の全国に対する所得格差というのが、全国を一〇〇といたしまして、新産・工特地区の県で七〇未満というふうなところが五県ばかりございましたけれども、これが現時点においてはすべて解消しておりまして、七〇以上というふうなことになってございます。 まあこれは一例でございますが、こういう形で地域格差の是正がある程度進みつつあるというふうに考えております。
○青山委員 所得格差については是正の方向にありますね。
○平戸説明員 はい。
○青山委員 それから、計画期間中といったって大体もう終わりですけれども、基本計画が策定されて、これがかなり達成しておる部分と全く達成されておらない部分、これは本当は数字でもうちょっとお尋ねしたかったのですが、なかなかその達成は困難だということ。そこにはやはり基本計画の見直しが必要ではないかという点が一つあります。あるいは基本計画に出されてきた数値が最初から相当無理があったのじゃないかと思う点があります。この点の見解を伺っておきたい。 それから最後に一つだけ、施設の整備なんですけれども、新産・工特地区は全国平均を下回る地域が大変多い。舗装率においても都市公園面積においても下水道においても、とりわけ下水道においては、この普及率は全国の平均をほとんど下回っておる。新産の十五地域のうちの十二地域が全国平均を下回っているし、工特地域においては六地域の全部が普及されておらない。これはやはり問題があるんじゃないかと思うんです。計画の一つの見直しと、それから実施方法に問題があったんじゃないかと思われるんですが、その辺の御見解を伺いたいと思います。
○平戸説明員 三点お尋ねがございましたが、まず計画が無理だったんじゃないかという点からお答えさせていただきます。確かに先生御指摘のとおり、現行計画の達成率を見ますと、特に工業出荷額において、五十三年までの三年間ではございますが、達成率が二九%強というふうな状況にございまして、これは相当に達成率は低いと私どもも判断しております。ただ、この達成率がかくも低くなっているという理由を考えてみますと、やはり新産・工特地区におきましては鉄鋼とか石油とかの素材産業が中心になって立地しておりますが、そういうものが石油ショック後のこういう経済情勢によりまして出荷額が伸びてない、それが一つ大きな理由ではないかというふうに考えております。 それから、施設整備の水準が他の都市あるいは全国平均等に比べて非常に低いというふうな御指摘でございまして、この点も、私どもまことにそのとおりというふうに考えておりまして、これをいかに高めるかというのが今後の課題だと思っております。ただ、計画では五年間の計画、それでその五年間に大体実現可能な事業というのを計画に乗せておりますので、いわばフローの面ではある程度達成ができるわけでございますが、絶対的に水準が低いというものについては、その五年間では十分に引き上げることができない、こういう事情がございます。したがって、今後の五年間においても極力努力はしてまいりたいと思っておりますが、これで全国水準なり都市水準を上回れるのかどうかということになりますと、なお十分検討していかなければいかぬと思っております。 それから最後に、最初にお尋ねの件でございますが、計画は実は五十五年度で切れることになっておりますので、五十六年度以降六十年度までの五年間の計画をつくってまいりたいと思っておりまして、その際には、先生御指摘のいろいろの点につきましても、私ども十分に参考にさせていただきたいというふうに考えております。
○青山委員 終わります。
○左藤委員長 午後一時四十分再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十三分休憩 ————◇————— 午後一時四十三分開議
○左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。三谷秀治君。
○三谷委員 新産・工特等で造成されました主な工業団地、八十六団地のうちで三十一団地が五〇%以上の売れ残りを抱えておると見られておりますが、その点はどのように捕捉されておりますでしょうか。
○竹野説明員 お答えいたします。 いまの八十六団地というのがどういう数字か、ちょっとわかりませんけれども、われわれは全国ベースでどのような状況にあるかというのを把握しております。八十六団地ということにつきましてちょっとわからないのでございますけれども
○三谷委員 わかっておる範囲でおっしゃってください。
○竹野説明員 現在、団地数としまして、全国で千四百六十一の団地があるわけでございます。団地全部の面積としては十万ヘクタールでございますけれども、工業用地として売り出す分として六十九万、約七十万ヘクタールあるわけでございます。そのうちの四十四万ヘクタールが大体売却済みでございまして、六四・二%ぐらいが全国べースでは売れている。これは五十四年九月の状況でございます。
○三谷委員 八十六と申しましたのは、比較的造成面積の多い主な団地という意味で申し上げたわけですが、この大規模なもののうちで、たとえば石狩新港七百十四ヘクタールでありますが、苫小牧の東部が四千六百九ヘクタール、新潟の東港の臨海団地が七百六十九ヘクタール、福井臨海が五百四十六ヘクタール、九頭竜が百八十八ヘクタールとなっておりますが、ここら辺の処分の状況はどうなっておりますか。それから四国の西条の東部臨海二号というのがありますが、これは百四十三ヘクタール造成が済んだまま全く放置されておると聞いておりますが、これはどういう状態でしょうか。こういう主な団地だけで一万三百ヘクタールの造成用地にペンペン草が生えておるという状況のように私どもでは承っておりますが、実態はどうでしょうか。
○平戸説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の団地につきましては、必ずしも新産・工特地域に存在する団地ではないというふうに承知いたしておりますけれども、私どもが新産・工特地区関係県から取りました調査によります数字を申し上げますと、五十三年度までの完成分で、売却用の面積が一万八千二百七十九ヘクタールということになってございまして、そのうち売却済みの面積が一万四千九百九十四ヘクタールということになっております。これで売却済みの比率を計算いたしますと八二%ということになりまして、造成した団地の八二%は一応売却が済んでおるというふうに承知いたしております。
○三谷委員 それは新産・工特の指定地域に限られておるわけですか。——限られている。 佐賀県で造成しました二百九十六ヘクタールのうち、これは五〇%残っておるように聞きますが、どうでしょうか。石川県でも三百八十一ヘクタール中二百二十八ヘクタール、六〇%が残っておる。山形県でも千二百三十五ヘクタール売り出しましたが、六百五十八ヘクタールが残っておる。青森のむつ小川原でも五千二百八十ヘクタール中、決まったのは石油備蓄基地の二百五十ヘクタールだけで、九五%がまだめどがついていないというように聞いておりますが、この点はどうでしょうか。
○竹野説明員 お答えいたします。 佐賀県では、売り出し面積で六百八十七ヘクタールございます。そのうち、売却済みが三百二十六ヘクタールでございまして、大体四八・九%が売れているという状況でございます。 それから、山形県につきましては千三百二ヘクタールございますけれども、それのうち六百六十三ヘクタール売却済みでございまして、五〇・九%が売れているという状況でございます。 青森県につきましては三千四百四十九ヘクタールございますけれども、それの中で三百十ヘクタール売れておりまして、九・〇%と非常に悪いという状況でございます。
○三谷委員 石川県はどうですか。
○竹野説明員 石川県につきましては五百四十ヘクタールのうち二百五十七ヘクタール、四九・六%の売却率になっております。
○三谷委員 全体の面積がいまの説明と私の聞いておりますものと差がありますが、売れている率はほぼ間違いがない、似たようなものであります。これが新産都市建設法と新産・工特財特法によって造成が図られたものでありますが、これらの造成に関連しましてどのような公共投資が進められてきたのか、これをお尋ねしたいと思います。
○平戸説明員 お答えいたします。 私どもで把握しております投資の実績でございますが、この点につきましては、五十一年度以降五十五年度までの現行計画におきまして、計画額では十二兆七千百九十七億六千六百万円というふうになってございます。これの進捗率でございますが、五十四年度までの実質ベースで七一%程度になってございまして、五十五年度の計画を入れますと九〇%程度まで達成するのではないかというふうに考えております。ただし、これは厳密な意味での公共投資ということではございませんで、新産・工特関係の基本計画の対象経費として考えておりますので、細かくなりますけれども、たとえば個人住宅を住宅金融公庫の融資を得て建設する、こういうものも入ってございます。
○三谷委員 巨額の公共投資によって造成されました工業団地が、まだ多量に売れ残っておるわけでありますが、これが売れる見通しがあるのかどうか、ないとしますとむだな投資をした、しかもそれが自治体の財政負担にもなってくるということになるわけでありますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○竹野説明員 お答えいたします。 最近の工場立地動向調査によりますと、四十八年のオイルショック以降非常に低迷しておりましたけれども、最近になってようやく底を脱しまして、五十二年を底にしまして五十三年度以降だんだんと傾向が強まっておる、企業の立地がふえておるというわけでございまして、件数で申し上げますと、五十四年度では五十三年度に比べまして一・四倍、五十三年度が千三百五十三件の立地があったわけでございますけれども、それが千九百五十九件、一・四倍ぐらいになっております。敷地面積で申しますと、大体千二百十ヘクタール、五十三年度でございますけれども、これが五十四年度には二千二十七ヘクタールというふうに、一・七倍にふえてきておる。こういうふうにだんだん景気が回復してまいっておりますので、今後とも上向きかげんになるのではないか。これを見ましても、われわれの今後の立地というのは進んでいく傾向にある、こういうふうに考えておるわけでございます。
○三谷委員 確かに去年からことしにかけまして幾らか工業用地が動きまして、日経の調査で見ますと、分譲率五・六%ほどふえたようでありますが、しかし、これも大都市周辺が中心であって、後進地はまだまだ遊休した状態にある。先ほど御説明いただきました府県などが、五〇%程度の進捗率になっておるというわけでありますから、全体的に今後さらに至るところで用地の需要がふえるというふうには考えられないと思いますが、その点は、どうでしょうか。
○竹野説明員 先ほど、五十三年度と五十四年度というふうに申しましたが、失礼いたしました、五十三年でございます。年度でございません、年でございます。 五十三年と五十四年の比較をさしていただいたわけでございますけれども、これを地域別に見ますと、大体平均値を件数あるいは敷地面積とも上回っている地域が北海道、近畿臨海、山陰、山陽、その中でも北海道は件数で前年の二・二倍、面積で二・七倍というふうに、二倍以上の大幅な伸びを示しておりまして、必ずしも過密地域の近辺ということだけでもないというふうにわれわれは考えているわけでございます。確かに、南関東でございますとか東海あるいは関東臨海におきましてもかなりの立地は見ているわけでございますけれども、全国的に見て北海道というふうなところがかなりがんばっているというふうに見ております。
○三谷委員 造成した土地が処分できない場合、このために使いました地方債の償還の問題であるとか、あるいは利子は補給するというわけでありますが、最終的にはどうなるのか。それで最近幾らか団地が動いているということでありますが、しかし、全体の傾向としましては、海外へ工場を建設するという風潮が強くなって、その方に重点が移りつつあるような状況が出ておるようでありますが、これについては通産省あたりはどのようにお考えになっておりますでしょうか。
○糸田説明員 お答えいたします。 日本の企業が海外へ投資をするという、その状況につきましては、外国為替及び外国貿易管理法によります海外投資の許可が必要でございますが、その許可の額につきまして統計が出されております。したがって、その統計によってその状況を見てみますと、たとえば昭和五十三年度におきましては約四十六億ドルという額でございます。それから昭和五十四年度まで統計がございますが、それによりますと約五十億ドル弱というデータになっております。 以上でございます。
○三谷委員 そういう紋切り型の数字だけ聞いているのと違う。全体としての動向を聞いているわけであって、海外進出がどんどんふえていって、国内の新産・工特によります工業用地に進出する企業よりも、海外に進出する企業の方の率がどんどん増加していはせぬかということをお尋ねしたわけです。
○糸田説明員 先ほど数字を申し上げたのでございますが、その数字を比べてもおわかりいただけると思いますが、最近の傾向といたしましては、日本の企業が海外に投資をする傾向というものは、若干ながら増加の傾向にあるというふうに見ることができようかと思います。
○三谷委員 五十三年の証券投資を除きました海外投資件数が千五百件と聞いておりますが、五十四年度の特定工業地域への進出、これは国内でありますが四百六十六件でありますから、三対一の割合で海外進出の方がふえてきておるという統計になっておりますけれども、この点はどうでしょうか。ただし、これは調査の年度に一年ずれがありますが、いまはそれしか統計がないから仕方がないでしょう。
○糸田説明員 お答えいたします。 ただいま先生のお話にございました、昭和五十三年度におきまして日本の企業が海外に投資をする場合の、さらに証券投資に限って見た場合の件数でございますが、その件数は八百八十九件でございます。(三谷委員「証券投資を除いて」と呼ぶ)失礼しました。証券投資を除いて債券投資あるいは支店、不動産の設置といった項目になるわけでございますが、それによりますと千五百件余りということでございます。
○三谷委員 その数字を先ほど申し上げたわけです。ですから、五十四年の十月現在で見ますと、海外の現地法人が三千五百九十五、製造業が千七百九十五でありますが、うちアジア地域が千六十六になっておる。資本金一億以上の現地法人が千八百十五、十億以上の法人が三百八十二、百億以上の法人が二十八、こういう状況になっておるわけでございます。 そして通産省の関係だと思いますが、「海外立地の展開とその地域開発効果について」という研究レポートが財団法人機械振興協会新機械システムセンターから出ております。これは「通産省の指導のもとに」「日本自転車振興会から資金援助を受けて研究した」と言っておりますが、この研究レポートについては通産省はもちろん御承知だと思いますけれども、ここで述べております結論はどういうものか、お聞きしたいと思う。レポートが二本ありまして、もう一つは「海外立地の意義と具体的な展望」というものになっておりますが、こういう海外進出、海外立地の趨勢あるいは必然性といいますか、有利性についてレポートを出しておりますから、それに基づいて企業がどんどん海外に進出するという状況になっておるわけでございますが、このレポートの結論についてお聞きしたいと思うのです。
○糸田説明員 ただいまのレポートの件でございますが、まことに申しわけございませんけれども、ただいまのところ、その点につきましては承知いたしておりません。
○三谷委員 「通産省の指導」を受けてというふうに発表していますが、全然無関係ですか。
○糸田説明員 まことに申しわけないのでございますけれども、私の所管しております仕事の範囲では承知いたしていないわけでございます。「通産省の指導」ということで書かれているレポートでございますから、私どもの役所の中でそれぞれの担当課が所管しているものと思います。
○三谷委員 このレポートを全部読み上げますと、非常に時間を食いますから省略しておきますが、各産業にわたりまして海外立地の有利さをここで強調しているわけでございます。これは繊維産業におきましても、造船産業におきましても、鉄鋼におきましても、あるいは石油精製におきましても、日本の立地よりも海外立地の方がはるかに有利である、つまり経済性が高いという内容になっております。その根拠としましては、特にアジア諸国におきましては低労働力というふうな問題、あるいは公害対策及びその負担というふうな問題、それから電力コストの問題、こういうものを分析されまして、今後さらに日本の企業の海外進出は続くだろうという分析になっておるように私は思うのでございます。 そこで、そういう状況の中で、日本の工業地の造成も、一方におきましてはそういう海外立地という条件があり、しかも国内におきましては、何と申しましても設備の過剰投資もあり、あるいは製品の過剰生産もあるという状況になってまいりましたから、これがさらに将来大きな展望が持てるということは、しょせん考えることができないのでございます。 そこで、もうこの工業立地政策といいますか、工業誘致政策といいますか、これらにつきましては収束を図っていかなくてはならぬ時期ではないかというふうに私は思うのでございますが、この点についてはどうお考えでしょうか。
○平戸説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生が御指摘のとおり、海外立地の問題は確かにございます。私どもも、事務的に、かつ国土庁の関係の国土審議会等におきましても、そういう問題が多少議論された経緯もございますけれども、そういう点を考慮しつつも、国土の均衡ある開発発展と申しますか、あるいは現在の第三次全国総合開発計画における定住構想の推進の手段としても、この新産・工特制度というのはそれなりの役割りを果たすべきものである、こういう観点に立ちまして延長が必要である、こういう御意見をいただいておるわけでございまして、私どもはこういう御意見に従ってやはり延長をして、今後三全総のもとにおいて定住構想推進に役立ててまいりたい。ただその場合に、これまでの誘致した産業といいますのは、一般的に鉄鋼、石油等の基幹資源型産業が多かったことは先生御承知のとおりでございます。今後におきましては、そういう産業の重要性というのは変わらないとは思いますが、それにも増しまして付加価値の高い産業といいますか、あるいは知識集約型産業と申しますか、そういう産業をできるだけ誘致してまいりまして、雇用の場をより拡大してまいりたい、こういうふうに考えております。
○三谷委員 実態を全く無視した、観念的な判断をお示しになっているわけですが、実際にこれを進めてきた自治体のいま置かれている状態を見て、方針を打ち出していただくことが必要だと思います。たとえば愛媛県の西条市でありますが、ここの工業団地造成計画も新産都の指定を受けまして、昭和五十年には千五百億の製品出荷額を当て込んで造成を始めました。これが先ほど触れましたように、臨海二号地が百七十七ヘクタール、昨年三月に完工しましたが分譲契約はゼロになっております。自治省はこの造成に対して、新産事業債をどれぐらい許可されましたでしょうか。
○矢野政府委員 お尋ねの件は工場地の造成ということでございますから、いわゆる新産都債は公共投資でございまして道路、義務教育等でございますが、それではございませんで、いわゆる地域開発整備事業債ということになるわけでございますが、その額はちょっとつかんでおりません。
○三谷委員 新産事業債というのが二百二十六億千八百二十万円と聞いておりますが、その点はどうでしょう。——いまわからなければ、後でまた調べて……。
○土屋政府委員 恐縮でございますが、東予地区とかそういうまとまりでとらえておりますが、各市ごとに持っておりません。後ほど調査いたしまして−…。
○三谷委員 この工業団地に供給する工業用水に対する投資もありますが、ここでは日量二十三万トンの用水を供給する石鎚山系加茂川の黒瀬ダム、これは約百戸の立ち退きまで求めて建設されたわけでありますが、この事業費はどの程度投入されたか、御承知でしょうか。
○矢野政府委員 大変恐縮でございますが、お尋ねの点について具体の数字、ちょっと持っておりません。
○三谷委員 四十六億八千万円と聞いております。自治省から説明を承ったように私は思っておるわけですが、そうじゃないでしょうか。 そのほか、用水関連の浄水とか導水施設工事、これが百五十三億の事業費と聞いております。この西条市の工業団地の造成関連の出費額というものは、合わせますと三百七十四億になると聞いております。これだけ投資されましたが、これに生活関連事業が加わるわけでありましょうから巨額の出費になるわけであります。しかもこの西条市におきましては、この造成地が全く売れていないという状況にあります。こういう指導とか誘導によって自治体が非常な困難に遭遇するという状況が出てきておりますが、これについてどのようにお考えでございましょうか。
○土屋政府委員 新産計画等に従いまして、いろいろ計画を立てて事業を進めておるわけでございますが、先ほどからお尋ねの個々の事業内容について、私ども承知をいたしていないわけでございます。私どもとしては、新産債等をもとにしました公共事業の総額等については把握しておりますが、そういった埋め立てを初め個々の事業内容について承知をしておりません。ただ、おっしゃいますように、かなりな巨額を投資をいたしまして土地造成なりいろいろやっておると思います。それがうまく進まないということになれば、これは後々非常に影響をこうむることは当然でございます。場所によって、いままで起債のものは借りかえ債等で処置したりしておるところもあるわけでございますが、一応私どもとしては、計画にのっとって処分等ができるという前提でいっておるわけでございます。 いまのところ、ただいまの西条市について、財政運営上非常に困ってこういった点で何か方法がなければ運営ができないといったようなことは聞いておりませんけれども、かなりな投資もいたしておるわけでございます。私どもの方では、財務調査官等が個々の団体ごとにいろいろ問題があれば相談を受けておりますけれども、私まだそこらまでの話は聞いておりません。もちろん、地方団体の財政運営が困難になればそれぞれの原因を究明いたしまして、それに対応する手だては私どもとしてできるだけのことは考えなければならないと思っております。
○三谷委員 そうしますと、たくさん土地を造成しましてにっちもさっちもいかなくなってくる、借金は支払いを迫られてくる、利子はこの法律で若干補給するとしましても、そういう場合については自治省としても格別な御配慮をいただいて、それに対応する策が今後打ち出されるというふうなことになるわけでしょうか。
○土屋政府委員 財特法の対象になるものは、いわゆる公共事業が中心でございます。そういったものは当然補助事業、その残りは新産債等でもって賄っているわけでございますから、それほど大きな問題はないと思うのでございます。ただ、企業が立地するという前提で埋めたものは、地方債でやっておるものもあると思いますけれども、それはもともと売却代等を当て込んでおるわけでございますから、そこらが売れないということになります場合に、まあこれは仮定の上に立った場合に、最終的にどうするかということになりますと、そのときの情勢によっていろいろ判断しなければならないと思います。 非常に困ったところでは、公共的な土地へそれを売却するということもございましょうし、いろいろな手段はとっておると思いますけれども、工業立地を予定しておったものが、それがないということになりますと、最終的にどうするかということは、ちょっといま私どももここで直ちに申し上げるわけにはまいりません。個々の事態について判断をせざるを得ないと思っております。いまのところまだ個々にそういった相談等を受けたことはないわけでございますが、永久に売れないということになりますと大変困ったことでございます。他への用途転換その他いろいろなことを含めて検討せざるを得ないということになるわけでございます。
○三谷委員 こういうつくったけれども売れないところがかなり数えられます。しかも、状況としましては、先ほど申しました国内企業の進出につきましては、全体としての生産の関係あるいは設備の充足状態等から見まして困難があるし、おまけに海外立地という厳しい競争条件も生じてきておる。そういうときに、今後さらに引き続いて財特処置をとって工場造成政策あるいは誘致政策に協力さすことが、果たして政府の責任として妥当なものであろうかどうか、そういう懸念を私は持つものでございますが、どうでしょう。 それで、財政局長も大阪に部長として在任されておりました。行政局長もそうでありますが、大阪の堺臨海工業地帯というものがどのような大がかりな自治体の利益宣伝で持ち込まれてきたかということは御承知のとおりであります。一つは失業者がなくなる、それから税がふえる、中小企業が潤う、これが当時三つのメリットとして特に強調されまして、ドイツからまで借金をしてつくったわけであります。しかしこの大阪の臨海工業地帯、巨大なものではありますが、ここから上がります税金というのは、この工業地帯に生産を保障するための道路だとか港湾だとか工業用水だとか公害対策、安全対策、こういうものよりはるかに少なかった。しかも、今日におきましてもその状態は変わっておりません。そういう状態でありましたために、いまでも大阪の地盤沈下ということが盛んに言われておるわけでございます。 ですから、いたずらに工業用地さえ誘致をすればそれで地方の繁栄があるとか豊かな地方が開けるとかいう性質のものではないということを、私は自分の体験でよくかみしめてまいりましたが、最近の地方の売れない造成地を抱えている自治体などで話を聞きますと、全くこれは見通しがないという状況にあるわけでございます。一体この売れ残りの団地、いまの総面積から見まして、これに企業が張りつくのは何年ごろとお考えになっておるのでしょうか。しかも、いま各地にあります団地にすべて企業が張りつく可能性があるでしょうか。その見通しについてどうお考えでしょうか。
○竹野説明員 お答えいたします。 先ほどちょっと数字を間違えまして、全国ベースで団地の面積十万ヘクタールのうち売り出す分が七十万と申しましたが、七万の間違いでございましたので訂正させていただきます。 先生いまおっしゃったいつ全部売れるか。まあ、現在の状況で六四・二%売れているわけでございますけれども、先生おっしゃるように最近は団地が買い手市場になっておりまして、県の方も非常に努力されておりまして、私どもも工場再配置促進の補助金でございますとか開銀の融資とか、あるいは工業開発の専門家の先生方を地方に派遣いたしまして、できるだけ売れ残りの団地を売るというふうに考えておりますけれども、何さまオイルショック以降の景気の状況というのが、先ほど説明しましたように最近は上向いておりますけれども、まだ完全に立ち直ったというところには至っていないというふうな状況から、めどとしていつまでにこれが売れるかということにつきましては、ちょっと申しかねる状況でございます。
○三谷委員 そういう状況の中で、さらにこの特例法を延長しあるいは財特法を延長する。そして、一層工場用地の造成と企業の誘致に血道を上げるというふうな政策的な指導をとることが果たして妥当なんでしょうか。これはいまの状況から見ますと、いまあるものをどのようにして処分するかというのが焦眉の課題であって、それをしなければ出費をした自治体はどうにもならない、破産状態になってしまう。まあ、いま財政局長がおっしゃったようにいろいろ配慮いただいて、造成費を担保にして予算上の措置でもとるというふうなことでも行われれば一応急場はしのげるとしましても、そんなことはおおよそ政策の失敗を国民の前にさらすものでありますから、そうではなしに、いまあるものをどのように処分をするかという点に重点を入れていって、それが明確になるまで見通しがつくまでは財特措置などはとめて、自治体にそういう誘導的な指導はしないという態度をとるべきだと思いますが、どうでございましょう。
○土屋政府委員 今日まで新産・工特等を中心に整備を進めてまいりましたのは、確かに経緯はございました。拠点開発方式に基づいたり、あるいはまた新全総のもとにおける考え方もございましたが、やはり私どもとしては、この三全総のもとにおきましても全般的に国土の均衡ある発展を図るという立場から、国土の偏在利用ということをやめて、ポテンシャルのあるところにある程度の集積を求めながら、全体として居住環境を整備をしていく、こういう方向は必要であろうと思っております。その過程で、いろいろオイルショック等もございました。大変大きな打撃等も受けました。その結果、思うように企業も立地しない、土地も売れないといったような事態があったことは事実でございまして、それは確かに先見性がなかったではないかというような非難もあるかもしれません。 それについてはやむを得ない点もあったろうかと思っておりますけれども、いまこういった国土の均衡ある発展を図る意味でのポテンシャルを持った地域において、まあ生産関係のみならず生活関係施設というのも整備できてないという状況のもとでございますから、私どもとしては、住宅なりあるいは下水なり公共投資というものはもう少ししなければならぬということでこの財特法を延長しようとしておるわけでございまして、その中で基本計画を立てて、どういった工業立地をやり、どういった生産を上げていくかということについては、ちょうど五十五年で終わった計画を目下国土庁等で見直しておられるわけでございます。あり方としては、いろいろと御指摘のあったことも含めながら、今後のそういった地域の開発をわが国全体の振興の中でどう位置づけていくかということは、計画の中で十分お考えいただけると思っております。 そういった計画をもとにして進められる場合に、私どもとしては必要な公共投資そのものはやらなければならない、企業立地のための土地造成というようなところまでこれは新産債等でやっておるわけではございませんが、必要な基盤整備というものはやはり続けなければならないだろうという判断のもとに、とりあえず五年間の延長を進めておるわけでございまして、基本計画等については十分いろいろな観点から再検討されるものであろうと思っております。
○三谷委員 されるべきものだろうというふうな他力本願的な見方で、自治省が責任を負うべき財特法をお出しになるということでは少し無責任だと思う。これは検討を加える前提でやるのだということなら別でありますが、いまのお答えを聞きますとそうではないようであります。いまの環境の中で、新産・工特地域のあり方がまさに岐路に立っておるということは、これは厳正に見れば疑いのないところだと思います。惰性で従来の奨励政策を継続すればそれでいいというものではないのであって、これは一定の収斂が必要になってきておると思うのでございます。 この新産・工特地域の中で、特定不況地域に指定されました地域は一体どのくらいありますでしょうか。
○平戸説明員 ただいまの御質問の前に、先ほどの財政局長の答弁に関連いたしまして、実は私ども先ほど申しました国土審議会においていろいろ御議論いただきまして、これまでの新産・工特の成果あるいは建設整備の現状というふうなものをいろいろ分析いたしまして、第三次全国総合開発計画の定住構想推進のために今後とも必要である、こういうふうな結論に達して、自治省の方ともいろいろ御相談申し上げまして延長をお願いした次第でございます。私どもとしましても、五十六年度以降の基本計画の改定に当たりましては、先生御指摘のような団地売れ残りの問題といったことも踏まえまして、十分検討してまいりたいと思っております。ただし、ただいま先生がおっしゃいました、売れ残り団地の例として挙げられました青森、石川、福井、佐賀、こういったところは新産・工特地区にはなっておりません。 それから、特定不況地域の問題でございますが、実は新産・工特のうち特に工特地域におきましては、従来から、つまりこの制度、法律が三十九年にできておりますが、その以前から立地しておりました企業、たとえば造船だとか繊維だとか、そういった企業がかなりございます。そういうものの一部、特に工特地域の一部が特定不況地域に指定されているというものがかなりございます。ちなみに工特地域六地域ございますが、そのうちの幾つかの地域が指定されているというのが現状でございます。
○三谷委員 私が、新産・工特に指定されていない団地まで挙げてお尋ねしたようでありますが、厳密に申しますとあるいはおっしゃるとおりかわかりませんが、問題は、こういう工場団地の趨勢について論議するのが私の主たる目的でありましたから、そういうものをひっくるめまして、いわゆる造成地につきまして一般的に数え上げて申し上げたわけでございます。 いま、既存の企業などの不況という問題もおっしゃっておりましたが、しかし進出企業の倒産などがずいぶん出ておる。これをやられますと、実に自治体は踏んだりけったりになってしまうんです。そもそも税の不均一課税、特別減税をしまして何年間は税金は取りませんというふうなことを言って引っ張ってくる、そうしてそこに需要を満たすために工業用水道を引っ張り、あるいは道路を敷き、港湾を建設するというふうなことをやってきた。そうして企業が進出してきたと思ったら、五年ぐらいしたら不況で倒産でございます、こういう問題が起きてくる。 たとえば、新産都市の福島県のいわき市などでは、二百三十三億円かけて工場団地を造成しましたが、その一割を市が負担をしておりますが、企業に対しては五億六千万円の市税の減免をやっておる。資本金一千万円以上で百十社を誘致しておりますが、そのうちの最大の永大ハウスが倒産をする、小会社の合板会社が倒産をするというような事例など起きまして、こういうふうになってくると全く税収はなくなってしまう。そして、失業者の解決ということも言っておりますが、実際には外来企業が来た場合には余り失業者の問題は役に立たない。もう労働者は連れてきますから、この点ではメリットは余りありません。そういう状態も起きてきておるわけであります。 この前私は、いまの自治大臣と違いますが前々大臣にお尋ねをしまして、こういう企業が得手勝手に工場閉鎖をするなどというのは地域の経済に重大な影響を与えるわけですから、地域住民の納得を得る必要がある、たとえば地域の自治体あたりの承認を得る必要があるのだ、そのように指導する必要があるのではないかということを申し上げまして、それはそのとおりでそのように指導すると言っておられた。こういう処置は、具体的にはどのように進んでおりますでしょうか。
○土屋政府委員 財政局の立場で直接そういった面にはタッチしていないわけでございますけれども、いまおっしゃいますように大きな企業、特に小さな町においてかなりな企業がある場合は、住民の生活がそれに非常に大きく影響されるわけでございますから、そういったところが工場閉鎖とかいうことになりまずと、町を挙げての大きな問題になることは紛れもない事実でございます。私も、そういったところについて実際知っておるところもございますが、それについて住民との関連において十分話を尽くすということは、基本的に大事なことだろうと存じます。 ただ、企業が本当に倒産をして、それをどうするかという際に、ほかに手がなくて倒産してしまった場合、これは相談してどうこうというわけにもまいらない。そういった社会的影響というのを別な方法で救う手があるのかないのか、そこらのいろいろな問題はあろうかと思いますが、完全に経営上行き詰まって倒産という際に、自治体が入って住民等の理解を得なければだめだということ、たてまえとしてはそういう点は理解できるのでございますが、実際にどうするかということになると非常にむずかしい。特に私、財政当局から的確なお答えもできないわけでございます。やはり地域社会全体で十分相談をなさり、いろいろな活路を見出すための手段というのを多方面にわたって検討していく以外にはないのではないかというふうに考えております。
○三谷委員 財政の面からはむずかしい、じゃ、行政の面はどうでしょう。行政局長は二十七日の質疑の中で、地域開発についての見直しということについて触れておられますが、どのような見直しをおやりになるのか、お尋ねしたいと思います。
○砂子田政府委員 ただいまいろいろお話がございましたが、いままでの大規模な開発というものについての国民の価値観の変化というのが私は確かにあると思います。しかも、社会経済の変化ということが当然あるわけでありますから、行政の役割りというのはおのずから変わっていくというのが自然の姿であろうと思います。行政の役割りは、そういう形においてのみ執行されていくものだと思いますから、国民の価値観が大規模なものから足元行政の方へという移行を求めるならそういう方向へ行政が動くべきだ、それは理の当然であろうかと思います。そういう意味で、いままでの地域開発というものがいろいろな弊害を起こしながらやってきたことも事実でありますから、その点にやはり目を向けて、それを是正しながら新しい形の開発をしていかなければならぬのだろうと思います。 たとえば、私もつまびらかに存じているわけではありませんが、いま岡山でやっております吉備高原のような福祉開発というようなものもございまして、そういうところに工場を誘致しながら住民の雇用を促進していく、あるいは住民のためのレクリエーションセンターをつくっていくというのも、これからの開発の一つの方向であろうとは思います。そういうやり方をしながら、住民全体が連帯感を持って新しい環境の中で豊かな生活ができるようにしていくということが、これからの開発に望まれることであろうと思っております。
○三谷委員 いまおっしゃいます点については、学者の見解としてはもう外来的な開発はだめだ、内在的な発展だということを言っておりますが、その方向に向けなければ、よそからコンビナートを引っ張ってきてそれで地域が潤うという考え方、これはもはや行き詰まりに来ておるということだろうと思います。時間がありませんからこの点もおきますが、とにかくこれは検討を要する事項であるということだけははっきりと私は申し上げておきたいと思うが、大臣、いかがでしょう。
○安孫子国務大臣 大変むずかしい問題でございますので、ストレートに従来の方針をというわけにもいかぬ面が多々あると思います。それは十分検討すべき問題だと思います。
○三谷委員 公害防止財特法について、もう二、三点取りまとめてお尋ねします。 公害防止財特法によります補助率は二分の一補助ということになっておりますが、これが果たして守られておるかどうか、これを一つお尋ねしたいのです。 それから、その補助率の中で補助対象として算入されます以外、補助対象の範囲外のものが多いのではないか、補助対象の範囲が少な過ぎはしないか、約五割以上が補助対象とならない単独事業になっておりはしないか。そこで、そういうものを含めますと、公害対策事業の総額に対する補助割合が二四%、四分の一になっておりますが、二分の一が法定事項でありますから、超過負担が多過ぎはしないだろうか。これについて改善をする必要があるのではないかと思いますが、これについてはどのようにお考えでございましょうか。
○杉戸説明員 お答えいたします。 第一点の、補助率が守られているかという点でございますが、年々これは改良されまして、現在ではほぼその補助率は守られております。 それから、補助対象の範囲が少ないのではないかということでございますが、これは五十三、四年度におきましては、ごみ処理施設につきましては、補助対象総事業費に対します補助対象外事業でございますが、約一六%でございます。屎尿処理施設につきましては約二〇%程度でございまして、これも年々向上いたしておるところでございます。
○三谷委員 補助対象の範囲をもう少し広げなくちゃいけないではないか。単独事業費が五割を占めるわけですから、これは補助対象になっておりませんから、その単独事業でやられております範囲を補助対象にするということが必要になってくるのではないか、このことをお尋ねしたわけでございます。 たとえば用地取得費は補助対象になりません。直ちに補助対象というのは無理でしょうが、しかし、たとえば周辺住民への配慮によって清掃工場を半地下式にするというふうな場合、あるいは搬入路を地下に設けるというような場合ですね、これは補助対象外の事業でありますから、多大の負担を強いられるわけであります。こういうことに対して当然補助の対象にすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○杉戸説明員 お答えいたします。 現在補助対象事業としての範囲は、直接その処理施設に係るものが対象になっておりまして、間接的な、たとえば搬入路のようなものは交付要綱上の対象になっておらないのは御指摘のとおりでございます。確かに、周辺環境整備事業とかあるいは省資源、省エネルギーのための対象施設とか、かなり時代の要請のようなそういうこともございますが、そういった点につきまして今後検討してまいりたいと思います。
○三谷委員 対象外につきまして、さらにこれを広げるために努力するという意思はおありなわけですか。
○杉戸説明員 お答えいたします。 他の公共事業との関連もございますが、廃棄物処理事業としては、非常に特殊な事業でございますので、そういった点も含めまして検討をさらに進めてまいりたいと思います。
○三谷委員 時間ですから……。
○左藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十四分散会