大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1981/06/03
会議録
○大原小委員長 これより税制及び税の執行に関する小委員会を開会いたします。 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。 本日は、参考人として税制調査会会長代理木下和夫君の御出席をいただいております。 木下参考人には、御多用中本小委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。 これより政府委員並びに参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。戸田菊雄君。
○戸田小委員 大変御多忙のところ、木下参考人にはありがとうございました。主として中期税制答申の内容について御意見を伺ってまいりたいと思います。 八〇年の十一月の中期税制答申の問題についてでありますが、答申では広く消費を対象とする間接税の創設をうたっております。この扱いは今後どうなりましょうか。
○高橋(元)政府委員 昨年の十一月、今後財政体質を改善してまいるために税制上どのような方策が考えられるかというようなテーマで税制調査会で相当な時間をかけて精力的な御審議を願ったのがいまお話のあります中期答申であります。その際に、今後に向かっていかなる税制によって財政のギャップを埋めてまいるかということについての御検討がありまして、大づかみに申せば、一つは法人税ですが、これは国際的な権衡からしてその引き上げには限度があって、したがって法人税、企業課税を中心とする税制面からの体質改善ということは、これは望むのは大変むずかしい。そうなりますと、所得税か新しい間接税かということでありますが、所得税には執行上の問題、不公平問題というものがとかくつきまといがちなので、記帳水準の向上その他執行を確保するような方策を考えるべきだが、いずれにしても、全体としての税目の検討をいたします際に所得税のような大きな税制、基幹的な税制を置いていくわけにはいかない。しかしながら今後に予想される財政のギャップというものが五十九年までに、当時の中期答申の検討の状況で申し上げれば、GNPの二%程度を新しい何らかの税制によって埋めていくということでございますから、そういう埋めていくべき財政のギャップの大きさからすれば、課税ベースの広い間接税は避けて通ることのできない検討課題だ。それは、ただいままで御説明しましたような安定的な歳入の確保という観点からはもちろんのこと一もう一つは、消費の実態に即した課税の実現、経済活動への中立性の配意、実質的な公平の確保、こういうような租税政策上の要請も兼ね備えているというのが当時の御結論であります。 その後、どのように検討が進んでおるかというお尋ねでございますが、御案内のとおり、この中期答申に引き続いて出されました昭和五十六年度の税制改正に関する答申は、現行税制の基本的な枠組みの中で二兆円の国債減額を達成するために必要な税制上の措置についての御答申でありますから、したがいまして、課税ベースの広い間接税についての具体的な検討ということはその後行っていないわけであります。 なおつけ加えて申し上げれば、この中期答申の際には、たとえば小売段階の課税、卸売段階の課税、製造段階の課税、それから単段階、多段階、いろいろな形の御検討は一通りは行われましたけれども、詳細な、そういう課税ベースの広い間接税についての具体的な検討というものはこの段階ではまだなされておらなかったということをつけ加えさせていただきたいと思います。
○戸田小委員 いま局長がおっしゃられた内容のとおりだと思うのですが、政府税調で、八二年度以降どのような増税措置を講ずるか早い時期に検討を加えておく必要がある、こういうことで中期税制の答申は大蔵大臣に答申しているわけですね。そういうことになりますと、結局、大型間接税の導入にレールを敷きなさい、こういうことを言っているわけだと思うのでありますが、この大型税制というのは一体具体的にどういう内容を考えておられるのか、その辺をひとつ明確にしていただきたいと思うのであります。 それから大蔵首脳も、いままでの審議の経過の中で、でき得れば八一年度の予算確定後は速やかにそういう内容検討に入りたいということもおっしゃられておる。そうだとすれば、もうすでに八月段階で八二年度の予算大綱のシーリングもいろいろ示される段階に来ている。各省それぞれ検討されている。来年度の予算編成について当局としても当然歳入面においていろいろな検討を加えられるということになってくると思うのでありますが、そういう一連の作業の進行状況を含めてどういう状況になっておるか、具体的にひとつ二点について御説明いただきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 ただいまも申し上げたことでございますが、五十五年十一月の中期答申の考え方の骨子と申しますのは、一言で申しますと、財政再建を達成するためには、財政体質の改善を図りますためには、歳出の八割を税収をもって賄う、こういう財政状態を五十九年度までに達成する必要がある、そういうことであったと思います。そのためにいろいろの税制上の工夫、現行税制についての検討が加えられておるわけでございます。ただいま御案内のように、ことしの四月以降総理大臣、大蔵大臣がたびたびこの委員会でも申し上げておりますように、財政体質の改善というものを歳出削減と行政機構の見直しというものによってまず図っていくべきだ、五十七年度予算では大型増税なしに、そういう歳出面の努力によって公債の減額を図り、あわせて財政体質の健全化を図っていく、こういう基本的な方針で臨んでいるわけでございます。各国の税制、わが国の税制、これらについて調査し、企画することは私どもの本来の仕事でございますから、さまざまな角度で、さまざまな論点について常に検討を怠っていないことは事実でございますけれども、ただいまお尋ねのように、それでは、幅広い、課税ベースの広い間接税というものの具体化に向けて検討しているかということであれば、ただいま政府全体といたしまして、歳出面の抑制を通じて財政再建を図っていくという基本的な姿勢の中で私どもも仕事をいたしているということをお答えしたいと思います。
○戸田小委員 具体的にお伺いしてまいりますが、大型間接の検討対象、いままで私が理解している内容について申し上げれば、一つは庫出し税あるいは事業者が製造する品物に出荷段階で課税する、あるいは売上税、EC型付加価値税等々にしぼられて、大蔵省もその辺に焦点を置いて今日まで諸作業をやってきたのではないだろうか、こう推測するわけですが、その辺の見解。 もう一つは、当然政府税調を開催しなければいかぬと思うのです。これはいつごろ一体判断されるのか。その辺についてはひとつ木下参考人にも税調としての見解をぜひお述べいただきたいと思うのであります。
○高橋(元)政府委員 実定法としまして外国でいわゆる課税ベースの広い間接税の類型としてどんなものがあるかと申し上げますと、カナダにありますような製造者の売上課税、製造者売上税、オーストラリアないしスイスにございますような卸売段階の売上税、アメリカの各州またカナダの州にございますような小売の売上税、こういうものが単段階の広範な間接税の例でございます。多段階税としては一九五〇年ごろまでヨーロッパにございましたような取引高税、これはすべての取引段階について薄い税金を全部かける、こういうものでございます。日本でもかつて二十三年から三年ぐらい実施したことがございます。それから多段階税のもう一つがEC型の付加価値税でございますし、かつて、一昨々年になりますか、税制調査会の一般消費税部会から御提出のありました一般消費税大綱というものもやはりこのタイプに属していると思いますが、こういうものについて中期答申の御検討の過程でこういう類型のそれぞれの特質なり、それからそれぞれの税制上のメリット、デメリットなりというものを一わたり御審議を願っておりますけれども、その後突っ込んだ検討というものが行われておらないというのが事実でございます。本年、税制調査会から五十六年度税制改正についての御答申をいただきました際にも、現行税制の枠の中でかなり徹底した税制改正といいますか、負担の増加をお願いしたことだから、今後は税負担をどういうふうに求めていくかについて、基本的にいろいろ検討すべきだというようなことがありましたのですが、現在までのところ、まだ税制調査会でそのような部会を設けての御検討というのは現実的な日程に入っておらないわけでございます。その点は、先ほど申し上げましたような五十七年度予算に取り組む基本的な政府の姿勢というものを税制調査会でもごしんしゃくになって、さようになっておるというふうに承知しておるわけでございます。
○木下参考人 政府の税制調査会は、昨年の十二月に「昭和五十六年度の税制改正に関する答申」を出しまして以来、何も会合を持っておりません。去る四月十五日に総会を開きまして、その後も開いておりませんが、四月十五日の総会の際に、具体的な今後の審議日程については何も決めておりません。その理由は、政府が来年度予算の編成に当たりまして大型増税を念頭に置かないで、行政改革、歳出削減に全力を傾注するというように承っておりますので、当面政府の努力を見守るということが適当であるという判断に基づくものでございます。したがいまして、今後税制調査会が具体的にどういう審議を行うかにつきましては、全く現在の段階で申し上げられない状況でございます。 従来、税制調査会では、特に審議すべき事項があれば夏あるいは秋ごろに審議を行ってきたという経緯がございますけれども、そのような事項がなければ、通常の場合でございますと、十一月の末に明年度の税制改正についての審議を始めるというのが慣例でございます。
○戸田小委員 木下参考人にもう一点お伺いしますが、いまの御答弁ですと、臨調の情勢待ち。局長がいまおっしゃられた内容とは大分違うのですね。いずれにしても、しかし、八〇年の十一月に答申をされた中期税制答申というのは生きておるわけでしょう。まさか臨調でいまいろいろやられておるからこれは全部もう御破算だ、こういうわけではないのでしょう。その点いかがですか。
○木下参考人 昨年の十一月の中期答申と申しますものは、財政再建期間というものを意識しながら、その間に歳出の需要がどうであるか。具体的に申しますれば、その再建期間を通じておよそ歳出の増加率はGNPの増加率にほぼ等しい程度のものを守っていくということを前提にいたすと同時に、歳入のせめて八割は税でもって賄いたい。これは、諸外国の例を参照いたしましても、私自身は九割あるいはそれ以上賄うべきだと思いますけれども、まあいまのところはそう言ってもおれないので、八割ぐらいということを前提にいたしまして、増収措置をとる必要がある場合、これは歳出削減が功を奏しなかった場合、さまざまのケースがあり得ましょうが、できるだけ歳出を削減していただきたいということを前提にいたしまして、およその国税及び地方税につきまして、増収のGNP比率のめどを立てさせていただいたわけでございます。 その後、御承知のように臨時行政調査会の発足によりまして、歳出の削減に徹底的な手を加えるということでございますので、中期答申の考え方そのものに私どもは大幅な変更を加えるという必要は認めませんけれども、しかし、どのように歳出の削減が相なりますや全く見当がつきませんので、そのお答えが出まして、それに応じて適切な方途を改めて審議したいというように考えております。
○戸田小委員 一般的に言いますと、中期税制答申の存在は歴然とあります、こういうことですね。しかし若干の情勢が変わってきているものですから、そういうものも加味して、今後あわせ含めて検討いたします、こういう理解でいいんでしょうか。
○木下参考人 さようでございます。
○戸田小委員 そうだとすれば、局長にちょっとお伺いしますが、一応この大型間接税導入の内容については、いまいろいろイギリス型や各国の例を引き合いに出されて、検討はいたしました、こういうことですが、その検討の結論というものはまだ諮問段階までは来ていないわけですね。それが一点。 それから、今後のそういう面の一つの取り扱い、作業進行、こういうものについてはどう考えておられるのか。それから諮問の時期ですね、これは大体いつごろに考えておるか、三点についてひとつ。
○高橋(元)政府委員 まず第一点のお尋ねは、そのとおりであります。 それから第二点につきましては、各国の税制、わが国の税制について基本的な事項を常時調査をいたすというのが私どもの方の本来の仕事でございますから、そういう範囲で外国の事例も調査し、わが国の税制の問題点も調査をいたしておるわけでございますが、国会を初めとして国民の方々のお考えというものを承りながら、どういうぐあいに問題点を摘出いたしまして、先ほど木下会長代理からもお話のございました来年度の税制改正に具体的な問題としてお出しするかは、これからの事態の推移というものを見守ってまいりたいということであります。見守っておるというだけで何もしてないということではございませんけれども、問題を集約して政策的にこういう点はいかがでしょうということを税制調査会にお諮りするという具体案を得る段階にはとうていなっておらないわけでございます。 くどくなって恐縮ですが、先ほど木下会長代理も仰せになりましたように、歳出の八割を税収をもって賄うというところまでとりあえず到達をしたいということでありますから、歳出がGNPの伸びよりも低い伸びで伸びるならば、それはこの中期答申の中で言っておられるようなGNPの二ポイントという増税幅はその場合には必要でなくなってまいるわけでございますから、事態の推移を見てと申し上げたのは、そういう点も含めて臨時行政調査会なり、それからそれによりますところの政府の予算編成作業、これからの財政の位置づけというものを見た上で、より具体的な問題として出してまいりたい。したがって、いつ具体的に税制調査会にお諮りするかということにつきましては、いま格段の成案を持っておりません。税制調査会には十一月十八日に内閣総理大臣から「国民経済の健全な発展を目途としつつ、国、地方を通じて財政体質を改善するため、税制上とるべき方策」いかん、こういう諮問をお出ししておるわけでございまして、そういう包括的なテーマの中で各年度の税制改正の問題として具体化して取り上げてまいる、こういうことでございますから、いつということはいまの段階では申し上げられないわけであります。
○戸田小委員 これは木下会長代理にお伺いしますが、中期税制答申の中で「広く消費を対象とする間接税」創設、これを唱えて、さらに国民総生産の二%程度の増税を主張していることはそのとおりですね。これが第一の問題。 それからもう一つは、この中期税制答申というものは、結局経済社会七カ年計画、これを柱にして、歳入構造というものをどう一体充実をさせ、いま具体的に言われた八〇%程度ですね、私の私見ならば九〇%とあなたの申された、このくらいまで財源調達をやっていきたいというのは、経済社会計画に基づいてこの税制の答申内容というものも検討されてきたわけでしょう。その二点はどうですか。
○木下参考人 仰せのとおりでございます。
○戸田小委員 そうだとすれば、これは前段で大蔵大臣の方にも概括的な質問は行っておりましたが、国民総生産の二%といいますと、政府大蔵省の出した社会経済七カ年計画、この成長率その他を土台にして私自身ゆうべ計算をしてみましたが、大体、名目成長が一〇%、実質成長は六%弱、これで六十年度の最終年度までいくと四百二十四兆円程度の総生産高。それを五十六年、七年、八年、九年、六十年、こういうことで成長率その他を加味して計算をいたしますと、大体、五十七年で六兆円、五十八年で六兆六千四百億円、五十九年度で七兆三千五百億円、六十年で八兆一千二百億円、総額において二十八兆一千百億円、こういう状況になるように私の試算ではなりますけれども、局長、これはどうでしょう。
○高橋(元)政府委員 いまお示しのあります数字について私どもはそういう計算をいま手元に持っておりませんけれども、過般、これは三月でございますか、「財政の中期展望」という形で国会に御審議の御参考にお出ししましたもので申しますと、税収の伸びが一一・七%の名目成長のもとで弾性値一・二で五十七年度以降伸びるとしますと、五十九年までほぼ一四%の年率で税収が伸びるでありましょう。その税収は五十六年時点で申せば歳出の六九%をカバーしておるわけでございますから、六九%のものが一四%ぐらいずつ伸びていく。片っ方の歳出の方は、現在の財政の基礎になっております諸般の制度を前提として、かなり辛く見ましても歳出全体としますと一二・三%、一〇・九%、一〇・五%というふうに一般会計ベースで五十七年、五十八年、五十九年と伸びていくわけでございますから、したがいまして、要調整額は五十七年度に二兆七千七百億円、五十八年度に四兆九千六百億円、五十九年度に六兆八千億円となっていく。こういうふうに具体的な歳出を支えております諸般の制度、それが物価の推移なり人件費のアップなりというものの中でどのように動いていくかということをやや具体的な計数で把握をいたしまして、御審議の参考にお出ししたわけですが、いずれにしましても、現在の諸制度を前提とし、現在の税制に基づくところの、一一・七%成長というのが高いのかどうかわかりませんけれども、経済社会七カ年計画の六十年値というものを前提として名目のGNPが等率で推移するということでありますならば、いま申し上げましたような形でだんだんと現行の歳入をもって賄い切れない部分というのがふえていくわけであります。したがって、これを全部税金で埋める、国民の負担をお願いをするということでなくて、現行の歳出の諸制度にメスを入れて、根本的に見直しを行った上で、真にやむを得ない歳出の推移というものに応ずる増収措置を図るべきときがくれば、という判断ができれば増収措置について具体的に御検討をいただくということでありまして、何兆円足りなくなるかというお話でございますと、いまの戸田委員の御計算は恐らく正しいのだと思いますけれども、ただ、私どもいま国会にお話し申し上げております数字で申しますと、二兆七千七百億円とか四兆九千六百億円とか六兆八千億円、こういう数字が手元にあるわけでございます。
○戸田小委員 これは木下会長代理にお伺いをするわけですが、政府税調で出している、自然増収によって早期に特例公債への依存から脱却をすることはとうてい不可能だ、こういう答申ですね。だから大型消費税の措置をしなさいということを答申をしていると思うのです。これはいろいろと検討されたのでしょうが、脱却はやはりむずかしいでしょうか。
○木下参考人 いま仰せの自然増収のみによって増大いたします歳出需要というものに対応することは無理であるという判断で中期答申はつくられております。
○戸田小委員 そこで局長にちょっと、これは前に一度伺った例があるのですが、簡単に質問しておきたいと思うのです。 五十五年度の財政収支試算、これは五十五年一月に大蔵省の出したものですが、これによりますと二兆円ずつ減額をしてまいりますね。すでに五十六年度は実行しているわけでありますから、そういうことになりますと特例公債の依存度というのは、五十四年度二七・一%でしょう。これがずっとまいりまして五十五年度で二二%、五十六年度で一七・七%、五十七年度で一二・六%、五十八年度で六・八%ですね。ここで没になるわけだと思うのです。そうしますと、自然増収だけでは無理だと言うけれども、今年度の自然増収は四兆五千億見込んでいるわけでしょう。恐らく今後、今年度よりもさらに、経済社会七カ年計画でいきますと六%程度の実質成長を図っていくわけでありますから、それによって自然増収も、あるいはベア等についてもことしは七・三六%の平均、こういうものをあわせ含めて考えてみますと、これはどうでしょう、もっとふえる状況にあるんじゃないでしょうか。どうですか。
○高橋(元)政府委員 いまの五十五年度ベースの財政収支試算は、特例公債を五十九年度にゼロにするという前提を置きまして六十年から五十九年を算出をし、五十九年と五十五年を等率で結んだわけでございます。この試算でございますから、したがいまして五十五年現在の税制が、このときでございますと一二・数%の伸びを示してまいります自然増収のほかに、いわば制度改正による税負担の増というものを税収として計上しております。それは、五十九年までに特例公債部門の収支をゼロにするという前提でございますから、いわゆる自然増収だけではとてもここで見ておりますような、経済社会七カ年計画に織り込まれておりますような経常支出なり社会保障移転支出なり投資的な支出を賄うことはできないわけでありますから、その場合にどうしても増税というものが入っておるわけでございますが、その増税が幾らであるかということは必ずしもこの表でははっきりしていないわけであります。 その点をとらえてただいまのお尋ねかと思うのでございますが、五十六年の税制が持っております一一・七%成長のもとでの増収力、いわゆる自然増収というものだけで国債の減額を図りながら歳出を賄っていくということになりますと、それはとても収支のつじつまが合いませんので、さっき申し上げたような二兆七千七百億円とか、毎年ふえてまいりますような要調整額というのが出てきてしまうわけであります。その要調整額をどうやって調整していくかということは、歳出と、場合によっては歳入と、両方で受け持たなければいけないのかもしれませんが、ただいまのところ五十七年は歳出だけで特例公債を減らしながら財政体質を直していく、こういう基本的な課題に取り組むということでございますから、五十七年に関する限り私どもはいま税制についての青写真を持っていないということをつけ加えさせていただきたいと思います。
○戸田小委員 そういう見解はいままでも伺っておったと思うのですが、ですから結局大型間接税導入は必要だ、単年度でいま臨調でもって五十七年度に向けては何とか増税なしでと、総理の指示のもとに政策的、政治的に判断していろいろやっているけれども、結局経済社会七カ年計画の最終年度、六十年度まではそういう形をとっていかなければ歳入構造というものは回復しないということになるんだろうと思うのです。だから当然これらの諸般の作業というものは一貫して検討もしくは早期に結論を出していかなければ、いろいろとこれからの国会立法その他に関しても時期的に間に合わなくなる、私はこういうふうに考えるのですが、そういうことになれば税調を開いて、大蔵省の意見もまとめて、そして八月なら八月ごろ出発をしてEC型ならEC型に焦点を合わせてやっていかなければなかなかむずかしいのじゃないでしょうか、どうでしょう。
○高橋(元)政府委員 五十六年の御答申を税制調査会からいただきましたときに、その答申の中ほどにこういうことが書いてございます。「税制面においては、昭和五十六年度において所得税を除く既存税目のほとんどすべてについてかなりの負担の引上げを行うこととなるので、昭和五十七年度以降においてどのような対応措置を講ずるかについて、早い時期から検討を加えておく必要があろう。当調査会としては、中期答申で示された基本的考え方を踏まえつつ、個人所得に対する負担の求め方についてどう考えるか、課税ベースの広い間接税についてどのように対処するかという点をはじめとして、中期答申で検討課題とされた各般の問題をめぐり、今後、幅広い観点から研究を重ねていくべきものと考える。」こうなっておりまして、この年度答申が決定になりました十二月二十日の税制調査会では、企画特別部会を置くというところまでお決めになったわけでございますが、その後、先ほど木下会長代理からお話のございましたような経緯で、その企画特別部会そのものも動いておりませんし、こういった五十六年度税制改正答申にありますような広範な検討課題ということについても、臨調の動向なり政府の予算編成作業の進め方なり、そういうものを見合わせて、それから先どういうふうに考えていくのか、より広い見地からお考えのように私どもは承知しておるわけでございます。
○戸田小委員 さっき局長の答弁で、現行枠組みで増税体制というものはやはり考えていかなければいかぬだろう、こういう意見があったように聞いたのですが、この臨調で、来年度の予算編成に当たっては増税はやりません、それは総理指示でもって、一切がそういうことになりますが、しかし、この中期税制答申の中身は存在しますとさっき会長代理が言われた。そういうことですから今後も検討することになるわけですが、そういう場合には、税制面での行革は、一体どういうところに視点が移るんでしょうね。
○高橋(元)政府委員 過般の臨時行政調査会で緊急検討項目というものをお決めになりました中に歳入の充実という項がございまして、「収入確保」という項がございまして、「国及び特殊法人の遊休資産の売却促進」、「特殊法人からの益金納付の推進」と並んで、「租税特別措置の見直し」という項目が挙がっております。臨時行政調査会では、この点について現在検討を進めておられるものと思いますが、そこでの御結論をどういうふうに生かしていくかということにつきまして、これはもう政府の税制調査会の方に、またその段階で、恐らくは年度答申の段階でかと思いますけれども、御検討をお願いする時期が来るかと思いますが、いま確たる見通しというものを持っておるわけではございません。
○戸田小委員 これは、きょう各新聞に出ておったのですが、一番わかりやすいのが読売ですからちょっと拝借するわけですが、この中で「歳出入三十八項を検討臨調部会中間報告」こういうことになっておるわけですが、その中で大蔵省、いま局長がおっしゃられた内容ですね。一つは「租税特別措置、国有財産管理および処分、専売納付金制度」、こういうことになっておるわけですが、これが三十八項目の中の大蔵省の一項の中に入っておる、こういう状況だと思う。これは具体的には、第二臨調に大蔵省が意見具申か何か、そういう内容によってこれが臨調で検討されておるわけですか。その辺のいきさつはどうなっていますか。
○高橋(元)政府委員 臨時行政調査会での御審議のいきさつについて、私は詳細に承知しておるわけではございませんけれども、ただいまお尋ねのように、こちらからこういうことを検討してくださいというふうにお願いしたのではなくて、臨時行政調査会の中で御審議の上、歳出と収入の確保と両面にわたっての検討項目をお決めになったように承知をいたしておるわけであります。
○戸田小委員 そこで、具体的な問題で若干お伺いをしたいのですが、課税最低限について、これは政府税調で、所得減税は向こう三年間、いわゆる財政再建期間中ということでしょうが、これは行わない旨の中期税制答申がなされておるわけでありますが、しかし大蔵省の見解等を承ると、直接聞いたわけではないが、巷間取りざたされた、何とか所得税の抱き合わせ減税というのはやらなくちゃいかぬじゃないだろうかというような意向もあるやに実は聞いているのですが、この辺の見解はどうですか。
○高橋(元)政府委員 高度に政策判断を要する事項でございますから、私からお答えを申し上げるのもいかがかと思いますが、たびたび大蔵大臣がこの委員会でもお述べになりましたように、所得税減税の問題については、歳出面において制度改正を含めて、思い切った削減策をとられる。歳入面において、税体系全体の抜本的見直しについて国民の合意が得られる。さらに、これらを通じて特例公債脱却の明白なめどがつくという事態にならない限り、所得税減税の問題を取り上げるのは大変困難だというお答えをしております。いまお話のありますような大蔵省の見解というのはどこから出たのか私はよくわかりませんけれども、税制全体というものは、社会経済情勢なり財政事情に応じて常に検討を加えていくべきものだとは存じますけれども、基幹的な税制であります所得税の課税最低限、人的控除なり給与所得控除のあり方というものにつきましては、所得税制全体の問題として、先ほども読み上げました五十六年度税制改正に関する答申の中の今後の検討事項の中に含まれておりますけれども、具体的にどういうふうにしていくかということになりますと、冒頭申し上げましたような大蔵大臣の見解を繰り返すということにとどめさせていただきたいと思いますので、御理解をお願いしたいと思います。
○戸田小委員 これは局長、実際、税率はもうすでに六年間変更なしでしょう。それから課税最低限、これは四年間凍結でしょう。こういうことですから、実際勤労所得税というのは、実質的に増税体制に持っていかれた。たとえば、これは大蔵省の調査ですけれども、「最近五年間の自然増収額と増減税額の比較 大蔵省」、これによりますと、五十六年度所得税の自然増収は二兆七千六百九十億円、こういうことになっていますね。そのうちの六一%、これは勤労者がすべて負担することになっている、六割以上。こういう内容があり、さらに年収二百万、四人家族、これは二百万というと、月間にして十五万ちょっとですね。しかし地方住民税の場合は百八十五万というのがありますから、住民税の場合は十三万何がし、これでかかってきますね。これも国税庁の「税務統計から見た民間給与の実態」ですけれども、七九年の八月ですか、これによっても、七九年の民間給与所得者三千二百五十三万人、平均給与二百七十九万円、男子の場合で三百三十一万円で、女子が百六十九万円、こういう給与所得ですね。ですから年収三百万円、これは全体の六五%を占めているのじゃないでしょうかね。それで、最近扶養人員が非常に減っている。たとえば年収二百万円以下の場合は、扶養者なし、これが多いですね。年収二百万円超二百五十万円まではやや一名以下、こういう状況です。これはどういうところに原因があるかというと、やはり生活がなかなか容易じゃない。主人の給与だけじゃ食っていけないですから、奥さん方も何らかの形でパートその他で働かなければいけない、こういうことになりますから、結局子供を産むような余裕は全くない。こんな調子でいけば、一億二千万の日本人口というものは、前途、高齢者はふえるけれども、世代を担う宝物はだんだん減少していく。総体人口は減っていく。総体的な問題から言っても、ゆゆしき問題だと私は思うのですが、いずれにしても、食うや食わずということじゃないですけれども、生活保護基準以下ですね。生活保護対象者が東京で百六十二万三千円でしょう。それ以下なんですから、これはなかなか容易じゃないと思うのですね。こういう状態にさらに今回は減税見送りで実質増税、そうしていま言ったように自然増収の割合に占めるものは六一%を超えている。それにこのかけがえのない預貯金は〇・七五%も利率が下がったわけですから、実質的には預貯金というものは目減りをする。物価は七・八%も上がってしまって、ベースアップは七・三六%、これじゃ全く踏んだりけったりじゃないでしょうか。こういうものに対して、五十七年度に向けて課税最低限、こういうものについて本当に真剣に考えてもらいたいと思うのですけれども、その辺はどうでしょう。
○高橋(元)政府委員 五十六年の自然増収額というものが国税全体で四兆四千九百億円でございますが、その中で六二%に上る二兆七千六百九十億円は所得税の税目で計上されておることはお示しのとおりであります。しかしながらこれについてはいろいろな特殊事情がございまして、五十五年に金利の天井感がございまして高利の預金に金融資産が移りかわったというようなことから、利子の源泉所得税というものが非常にふえております。したがって、いま二兆七千六百九十億円と申し上げた中で給与に係る源泉所得税の増加は一兆二千百四十億円、二七%というふうに見込んでおります。二七%でもなお多いのではないかという考え方はあろうと存じますけれども、最近低成長に移りましてから後、各年の自然増収のうち大体二割くらいは給与所得の自然増収によって占められておるということでございますから、五十六年度の給与所得の伸びが特に高い、給与所得の自然増収の割合が特に大きいということではないというふうに思います。 いま利率のアップによる利子所得の増ということを申し上げたわけでございますが、そのほかにも給与所得が非常に伸びてまいるという原因が幾つかあろうと思います。一つは、いまでも毎年七万から十万くらい会社ができております。いわゆる法人成りまたは新規設立、その場合には、従来であれば事業所得の申告所得税でありましたものが給与所得になっていくということがございます。給与所得者の増ということがそういう形で起こってくる。また事業所得の中でも青色専従者の給与の支払いがだんだんふえてきておりますから、そういう面からも申告所得税から給与の源泉所得税の方へ税目が振りかわっていく。実際の税負担としては変わらないにしても、そういう現象がございます。 それから、扶養人員が非常に少ないのは生活困窮ではないか、こういうお示しでございますけれども、現在、わが国では共働きというのがかなりございまして、夫婦でサラリーをもらっております場合に、課税最低限以上でありますと、これは配偶者なしということになります。したがって、税法上独身であります。全体給与所得者の中で有配偶率は四割でございますから、四割というのは、それほど若年人口が多いというふうにも思いませんので、相当の部分が共働きの税法上独身というものであろうかというふうに思います。したがいまして、子供を持っております割合、扶養家族割合というのは一人について〇・九人でございますから、そういう意味で申しましても表面の数字だけでそういうことにはなかなかいかないのかというふうに思いますが、いずれにいたしましても所得税制というのは基幹的な税制で、最も広い納税者の方から十数兆という税金を納めていただいているわけでございますから、常時実態について検討を進めておるわけであります。五十二年から四年間、このような財政事情のもとでございますから、課税最低限の改定をいたしておらないのはお話のとおりでございますけれども、たびたびこの委員会でもこの国会にお答え申し上げておりましたように、五十二年から五十六年までの物価を上回る賃金の増、いわゆる実質所得の増というものは、課税後であっても五十二年と五十六年とを比べます場合には、五十二、三、四、五十五年だけを例外といたしまして実質所得の増加はあるわけでございますので、私どもは、税制調査会の中期答申の中にございますように「我が国の所得税の課税最低限は国際的にみて高い水準にあり、また、財政再建が重要課題とされている現状では、課税最低限の水準をさらに引き上げることは至難であると考えられる。」という御指摘でございますが、ただいまのところそういう考え方であるわけでございます。
○戸田小委員 課税最低限に対する大蔵省の見解はいままで何回も聞いております。それはわかっておるのですが、ただ、基本的人的控除において、所得税の場合には人的控除は百十六万円でしょう。社会保険料十六万二千円、給与所得控除が六十九万二千二百円、合計二百一万五千円。それから住民税の場合には八十八万、七万八千八百円、六十二万五千二百円で、百五十八万四千円——先ほど百八十五万と私、ちょっと概数を言ったのは誤りですから百五十八万四千、こう訂正をしておきますが、いずれもこれは四人家族世帯です。そして生活保護費が百六十二万三千円ですから、そうしますと、すでに住民税のような場合には生活保護基準を下回っている。いままでは生活保護基準を下回らないようにいろいろ努力してきた経験はいっぱいあるわけでしょう。それすら今回は、八一年の地方税改正案は、これは自治省ですが、生活保護基準との調整、これはやめてしまったのですね。住民税所得割の非課税限度、これは二十七万掛ける人数、これを全額として、それを超える所得については従前の二十二万でこれを計算することになってしまったのですね。結果は百七十五万七千円、こういうことになっているのですね。しかしこれは今年度だけですから、来年度はまた見直しする、こう言っている。だから若干生活保護基準との調整はここで試みられているわけですけれども、しかし今後はどうだかわからぬ、こう言っているわけです。 いずれにいたしましても、いままでの大蔵省の見解は、所得税の課税最低限、どの程度の所得階層から所得税の負担を求めるかという限界を画するもので、納税者の選定基準となるとともに徴税費の節減を図る機能を持っている、したがって、課税最低限は主として徴税目的のものだ、いままでこういう見解ですね。そうでしょう。これは所得税法第二十二条で明確だと思うのでありますが、いろいろ要件があります。ありますが、外国の場合は、たとえばアメリカは実額控除です。作業衣または制服の費用あるいは会費(職務上関連を有するもの)、組合費、職業あっせん料、耐用年数一年以下の小道具あるいは職務に関連を持つ定期刊行物の購入費等々、雇用に必要な必要経費というものを実額控除で全部やっているわけでしょう。それからイギリスの場合も実額控除、もっぱら職務遂行上必要不可欠な経費を控除し策定するものとしている。通勤費の場合にはこれは認めていませんけれども。西ドイツの場合にも実額控除または一定額(五百六十四マルク)の概算控除の選択、この二つを選択することになっているのですね。その中には、給与所得の取得、保全及び維持のために必要な経費、通勤費あるいは二重生活のために生ずる余分な負担費あるいは特別な作業衣及び器具費、職業団体に対する拠出金あるいは職務遂行上必要と認められる図書及び雑誌の費用、雇用目的上利用される資産の減価償却費及び保険料など、こういうものが認められている。はなはだしきは組合費まで必要経費に入っている。そういうところまできているわけですよ。 だから、この辺で私は、もう少し日本における課税最低限、現下の税法からいっても、税法のたてまえは公平であることがまず一つでしょう、もう一つは、何といっても生活費に課税しない、こういう大原則のもとに税法というものがはぐくまれているんだと思うのですから、そういうものがここでめちゃくちゃに後退をしているということは、どうも経済第二の大国と言えないんだ。もう少しやはりヒューマンキャピタル、そういうかっこうで、法律や技術論だけじゃなくて私はそういう人間性を加味した、一つの生活を土台にした、そういう制度に一歩踏み込んでいく時期ではないだろうか、こう考えるのですが、それはどうでしょうか。
○高橋(元)政府委員 実額控除にした場合に、給与収入の中の課税される割合が現在よりも下がるか上がるかという点がまず第一のお尋ねかと思うわけであります。 本年度の税収の見積もりをいたしました際に、給与所得者の受けます給与の総額を百十八兆円というふうに想定いたしたわけですが、その中で給与所得控除によりましていわば概算経費控除というふうに認められておりますのが三十六兆七千億円であります。それから人的控除を引きました結果、課税所得は四十九兆八千億ということで、給与収入に対する課税所得の割合は大体四二%ぐらいということになっておりまして、給与収入に対する諸控除の大きさとしてこれが外国に比べて大きいか小さいかと申しますと、先進諸国の所得税制を比べました場合に、フランスの課税最低限と並んで日本の課税最低限が高いというふうに申し上げておりますが、そういうことになっておると思います。それから、イギリスが実額控除に限定され、ドイツ、フランス、アメリカでは実額控除と概算経費控除の選択制になっております。その場合に、実額控除についていまお話のありますような項目が控除が認められておるというのは、おおむね、外国の税法を御勉強の上のことでございますからそのとおりでございますけれども、これらの実額控除を仮に採用いたしますと、現在の給与所得控除は日本の場合全体の三割でございますから、それよりは恐らくはかなり圧縮された経費控除しか認められないことになろうというふうに思います。 そういうことがございますのと、実額控除方式にいたしますと、給与所得に対する経費の認め方の立証というのが大変なようであります。アメリカでも、私が承知しております限りで申し上げますと、給与所得の概算経費控除を選んでいる人があらかたでありまして、非常に大きな所得の方が、たとえば交際費でありますとかそういうものについて立証をして引いてもらうということはあるようでございますけれども、大部分のサラリーマンの方はやはり概算経費控除をとっておられるようであります。その概算経費控除の大きさは、日本のように比例控除じゃございませんものですから、日本の場合よりは給与収入に比べて非常に低い率であろうというふうに思います。したがいまして、たびたび税制調査会でも御審議を願ったわけですけれども、給与所得について概算経費控除でありますところの給与所得控除をやめてしまって、そのかわりに実額控除をとるべしという御議論については大変消極的な御見解をその都度お示しいただいておるわけでございます。 それから、課税最低限全体の問題をどう考えるかということにつきましては、先ほど来私がお答え申し上げておるように現在のところ考えておりますので、非常に長くなりますから給与所得の実額経費控除の問題についてだけお答えさせていただきます。
○戸田小委員 時間がだんだん迫ってきたものですから、問題を設定しておったものですから、国税庁の方来ていると思うのですが、もう少し時間を先にずらしてやりますので御了承いただきたいと思います。性格が全く私は違うと思うのですけれども、物価調整減税ですね。これは税制答申にもはっきりあるように五%以上物価上昇の場合にはそれなりの調整を加えなさいということなんです。その限りにおいては私は半制度的だ、こう理解しておったのですが、今回はそれすら行われなかったのです。だから、そういうものについては性格が違うのですから、ぜひ物価調整減税というものは欧米諸国家並みに制度化すべきじゃないか、この見解が一つです。 それからもう一つは、課税最低限ですね。私たちは基礎控除の中身として大体二百十五万六千円見当に当面上げられないか、これはいろいろと試算ありますが時間がありませんからお話ししませんが、大体その辺まで上げて当面の措置ができないものだろうか。財源にして約三千億、こういうことになりますね。剰余金処理が今度入ってどのくらいになるかわかりませんが、この程度の、いまの予算規模ならやってやれないことはないのじやないだろうか、私はこういうふうに考えますが、その辺の見解を一点簡単に承っておきます。
○高橋(元)政府委員 所得税の税率それから人的控除についてインデクセーションをやるという制度が各国にかなりあることは事実でございますけれども、このインデクセーションというものは、私の知っております限りでは大体中南米から始まったんだろうと思います。四割とか二割とか毎年CPIが上昇していく。したがって課税される収入もふえていく。そういうときに緊急避難的に導入された制度で、これが一国の財政の基礎を受け持つ所得税についてよい税制であるかということになると問題があろうと思います。イギリスにいたしましてもフランスにしましても、アメリカも最近はそうでございますけれども、二けたあるいは二割ぐらいの物価上昇ということを経験しておるわけでございますけれども、そのアメリカでもインデクセーションというのは少なくとも連邦では採用いたしておりません。これについては財政全体の処理の問題でございますから、非常に広範な見地から考えなければならないことは、いまお示しのありましたとおりですが、私どもはインデクセーションというものなく、安定した物価情勢のもとで生産性が上がって実質賃金が高まる、こういう経済情勢をつくり出すことが大事だというふうに考えておるわけであります。 所得税を減税することができればいいという御議論は、税制調査会でもありましたことは御承知のとおりでございますけれども、それでは減税をした場合にそれを埋め合わす財源があるか、そういう税源があるか、その税源をシフトした場合にそれがいい税制になるかどうかという点についての結論が得られなければ答えが出せないわけでございますから、先ほどお答えしましたように、所得税減税については税制調査会からの御答申をいただき、私どもも現在そういう見解でおるということをつけ加えさせていただきたいと思います。
○戸田小委員 木下会長代理に、今後の検討課題として、いまの問題は税制答申でもやっておるわけですね、その実行ケースを少し検討してもらいたいのです。いろいろと大蔵省も努力している点がありますけれども、しかし、えてして勤労大衆のそういった問題については、重課税軽減措置、減税、こういうことは置き去りにされている傾向がある。だからそういう面を今後も税調等において十分検討していただきたいというふうに考えます。要望しておきます。 それから交際費課税について時間がありませんから簡単にお話をしますが、いまの税制制度の中では私は一番不合理で納得できない制度がこれだと思っているのですよ。いま交際費は好不況にかかわらずどんどん伸びているのです。たとえば五十一年の交際費を見ますと、四十年の三・九倍、四十五年比二・一倍、五十年比、前年比でいきますと二千四百二十八億円増、総額で二兆二千七百三十六億円、こういうことですね。大体六九%で一兆五千五百八十六億くらい法人税の課税を免れておるという状況になっておる。それから資本金は、企業の大小と逆になっておりまして一千万円以下が四百万円、五千万円以下が三百万、五千万円を超えるもの二百万、こういう順序です。これを大蔵省は五十四年からでき得れば若干下げて二百万体制の基準経費控除にしてやろうとしたけれども、これは自民党税調の大逆襲を食ったわけでしょう。それは大手企業から中小企業その他はえらい接待行政をされる。その場合に大手は広告宣伝その他でもって何とか抜け道があるけれども、中小企業の場合ない。だからこれはいまの四百万という基準線をなくしたら中小企業は大変じゃないか。こういうようなことですが、しかし、そうだからといって本問題について高級バーや料亭へ行ったそのツケまで交際費として法人税から免除体制をとっていくということはきわめて不明朗。ロッキードなんかそうでしょう。日航の会計処理なんかを見ますと、そういう収賄その他も全部会計処理で欠損で落とす、こういうことをやっているわけですね。そういう乱費による租税回避に加えて、社会的浪費である交際費支出を規制する目的による、歯どめ論ということで交際費を設定しているわけでしょうが、こういう問題については抜本的に改善する措置が必要だ、私はこういうふうに考えておりますが、これは税調としては一体どう判断しましょうか。局長の方はこれをどう考えますか。
○木下参考人 いわゆる交際費につきましては、本来は、企業会計の原則から申しますれば全額損金算入にすべきものだと思います。しかし、いまるる御指摘がございましたように、交際費の支出というのはむしろ社会的な問題として考慮すべき問題点が多々ございますので、租税特別措置で交際費につきましては損金算入の一部を否認するという制度を従来とってきたわけでございます。これを、御承知のように、たとえば五十四年度改正で課税の強化をいたしたわけでございますが、五十六年度改正におきましてはまたそれにつけ加えまして、当期の支出交際費の額が前年同期の支出交際費の額を超えます場合にはその超過分の全額を損金不算入という強い措置をとったわけでございます。したがいまして、企業会計の本来のたてまえから言えば全額損金算入ということを認めるべきでございますし、御承知のとおり、販売促進という見地からは広告費は全額損金算入されております。この辺のバランスの問題はむしろ今後検討すべき問題の対象になり得るのではないか。現在の段階では交際費に対する課税は租税特別措置で非常に強化されているという判断をとっております。
○高橋(元)政府委員 いまの会社標本調査で、全体の三割ぐらいしか否認してないのではないかということでございましたが、これは五十三年税制なものでございますから、いま木下会長代理からお話のあった五十四年改正、これを織り込みますと、恐らく五十六年度の否認割合は四八%ぐらいになると考えております。限度超過分の損金否認割合を八五から九〇に上げました。そういうこともございまして、損金不算入割合というのは非常に高まっているわけでございます。 問題は、企業の規模によりまして交際費の否認割合がかなり違っているという点で、五十四年の会社標本調査で見ましても、資本金一億円以上の法人の損金不算入割合は七八であります。これは恐らく五%近くまた上がっていると思います。それから一億円未満の法人の平均は一九・五%でございますから、したがって定額控除四百万円というところに問題ありという御指摘は確かにそうでございます。ただし、かつて交際費否認制度が導入されましたのは三十六年でございましたか、その当時は、資本金一千万円以上の法人についての交際費否認ということをやりまして、小さいところはそれぞれ具体的な支出の内容も調査の際にわかるわけでございますから、そういう形でチェックをするということもあったことも参考として、五十四年改正の際には資本金一千万円以下の法人についての定額控除というものを据え置いたわけでございます。 ちょっと一言つけ加えさせていただきますと、私ども、毎年サンプル調査ではございますが、交際費が何に使われているかということを調べておりまして、簡単に御披露しますと、いわゆる飲み食いに使われておる部分というのは六割弱のようでございます。この六割弱の部分を取り出して全額否認をするという考え方もないわけじゃないのでございますけれども、ドイツのように八万ぐらいしか会社のない国と日本のように百四十万の会社を抱えております国とでは執行上の問題がございまして、一々伝票を調べて飲み食いになっているものを全額否認、こういうことをやりますと、申告される法人の方も大変でございますし、調査が行き届かなければ非常に不公平が起こってまいるわけでございますから、やはり現在のような一律の否認制度というものを維持していかざるを得ないというのが現在のところの私どもの考えであります。
○戸田小委員 私もある機会がありましてアメリカに行ったときにニクソンのウオーターゲート事件発生のさなかで、問題があったホテルに泊まった。その後カーター大統領にかわりまして、本問題についてどういう処理をするかということで関心を持ってずっと調べてみましたが、この問題について実によくやりましたね。各国ともそういう問題ではやっている。だから私はでき得れば、交際費一件当たりの支出金額の限度額を設けてやるべきじゃないか。それから高級バーとか料亭の常識の範囲を超えるものはもう少し検討してもいいんじゃないか。いま局長が言われるように、領収書をとるとか大変繁雑な業務を必要とします。しかし大枠の基準でこういう問題の対処はできるんじゃないか、こういうふうに考えますので、これはひとつ今後検討していただきたいと思うのです。要望して、次に移ります。 それから、大蔵省設置法に基づきまして、大蔵省の組織機構等が決められていますが、最近非常に、たとえばインベーダー脱税事件とか診療費水増し脱税事件とかあるいはサラ金の脱税事件とか枚挙にいとまがないくらいいっぱいあるわけです。はなはだしきはソウルの地下鉄資金還流問題とか、国際関係のものまで出てきている。だから、そういうものについて一つ一つ適切にやっていくということは大変なことだと思うのです。大変努力はされているのですけれども、総体で五万二千名、ことに査察部という関係の中でいろいろやられている査察業務というのは大変な状況です。いま大体それらを統括する謹直法によりますと、国税局は十一局、特別国税徴収官十五人、これは変わりがないと思うのです、いま私が引用しているものは。それから統括国税徴収官二十九人、こういうこと、それで査察部員がおって、東京が一番多いわけですが、全部で、私の記憶ですと、八百名超だと思いますが、東京がそのうち約四割、三百三十名、そういうことになっている。もっとも東京は一番件数も多いわけです。査察部員は夜の十一時ごろまでとにかくネズミみたいにはいずり回ってやっているわけですよ。増差その他の成績を上げてこないと、こういうおえら方にまた差し戻されて、自殺したくなるくらい大変な過酷な条件の中でやっている。人も足らないんじゃないかと思うのです。ですから、いまのような情勢の中ですから、人をぐっとふやすということはなかなか困難でしょう。ですから、適正業務に適正配置ということで一回検討してもらう必要があるのではないだろうか。 それから私のところにはいろいろな事件が持ち込まれてくるのですけれども、家内工業でようやく商売を始めて二年かそのくらい、それも夫婦あるいは子供一人くらい、ないしは地場の隣近所のばあちゃん、じいちゃんを頼んで、三人くらいで製造業務をやっているわけですが、会計処理上の問題なんかほとんどわからない方が多いのですよ。ところが、最初から強制調査で強制的に書類を持ってこい。ところが、そんなものは全然知らないから、そういうことをやっていないわけですね。そうすると、税務署に再々呼ばれ、仕事は遅くまでやって、暇がないところでやられる。だからまさに強制、拘束、罰金、こういう摘発一点張りでいっているんですね。だからそういうものについては一年ないし二年ぐらいの猶予を与えて、その間に善導、税務行政を指導して、そして教えた上に立って、どうしてもだめだというんなら、これはやむを得ないと思うのです。そのときのケース・バイ・ケースでいろいろな処置方式はあると思うのです。どうもそういう点で強権的にやっている。部内の労働条件その他についても余り芳しくない。こういう問題を内外ともに一回検討する必要があるんじゃないだろうか、こう考えるのですが、次長来ていると思うのですが、ひとつ明快な見解を示していただきたいと思います。
○川崎政府委員 査察官の定員が、先生おっしゃるとおり、全国で八百名少々でございまして、非常に忙しい思いをしているわけでございます。したがいまして定員をふやしたい、あるいは事務を合理化、簡素化したいということで毎年努力をしているわけでございますけれども、まだ必ずしも十分な状況でないと考えておりますので、なお一層定員問題について努力したいと思います。 査察立件に関します対象の話でございますが、これは御承知のように、告発することを目的として立件いたすものでございますから、悪質、大口ということをモットーにいたしておりまして、先生御指摘のように、弱い者いじめがないようにということは重々配慮をいたしておるところでございます。
○戸田小委員 私も、実際いろいろな問題でいま資料をできるだけ収集しているのですけれども、申告時期なんか、多いところでは五、六十名のアルバイトを頼まなければならない。それから関係署員は物すごい超過勤務、オーバー労働であります。それは恐らく全部の超過勤務支払いはできませんからカットしているんじゃないですか。ただ働きみたいになっている。一体いまどのくらい超勤はやられていますか。それをひとつ数字的に教えてみてくれませんか。
○川崎政府委員 税務署は年じゅう忙しいわけでございますが、先生御指摘のように、確定申告のときは特に忙しゅうございます。しかも年々納税者がふえておりますので、忙しさも激化しておるという状況にあろうかと思います。したがって、かなりの人数をアルバイトなどを雇いまして、超過勤務をなるべくしなくて済むようにということでやっておるわけでございますけれども、確定申告時期にはかなり超過勤務の時間が多く出ておるわけでございます。しかしながら、これは予算の関係を見て超過勤務の命令を出すということでございますので、ただ働きということはないように現在やっておるわけでございます。 また時間の実態でございますが、これは局と税務署との差、また税務署も場所によって非常に忙しいところとそうでもないところ、いろいろばらつきがございますが、総じて申しますと、税務署の場合は年間を通じて百時間ないし百五十時間ぐらいまでの時間内でおさまっておるかと考えております。
○戸田小委員 これは資料で出していただけませんか。超過勤務はどのくらいあって、オーバー労働はどのくらいあるか。ことに繁忙期、いわゆる申告時期とか更正時期とかいろいろありましょう。それから査察、その他いろいろな繁雑な業務もありましょう。そういうものについて、全国的な統計でもいいですから、それをぜひひとつ出していただきたいと思うのですが、これはいかがですか。
○川崎政府委員 大まかな統計と申しますか、それは出せるかと思います。これは何分数が多うございまして、国税庁において正確な統計というものを個別にとっておりませんので、各個人のそれぞれの非常に正確な統計というものはお出しいたしかねるわけでございますが、ごく大まかな感じでの数字なら御提出できるかと思います。
○戸田小委員 現行要員では相当不足しているのではないですか。次長のお考えはどうですか。
○川崎政府委員 定員の話でございますが、現在の定員でかなり足りない、したがって、忙しいという面もさることながら、事務の合理化ということもやらねばならぬわけでございますけれども、足りない分は何とかアルバイトで補っていくという感じでございまして、内部事務に関します限りは絶対的な不足というものはないと考えております。
○戸田小委員 一分ありますが、これで終わります。
○大原小委員長 正森成二君。
○正森小委員 参考人にはお忙しいところをおいでいただきましたけれども、非常に失礼でございますが、社会党の方からある程度お聞きになりましたので、私は政府関係者に聞くことが多いと思います。あるいは質問がないかもしれませんので、楽にお聞きください。あるいは別室でお休みいただいても結構でございます。 それでは国税庁に伺いますが、現在、財政再建ということで必要な税収を上げるということは非常に大切なことであることは言うまでもありません。そのためには職員にやる気を起こさせないといけない。やる気を起こさせるには特に公正な人事行政をやらなければなりません。 そこで、まず最初に女子について伺いますが、国税職員のうち女子は現在何名ぐらいおりますか。それから、年間何名ぐらい採用しておりますか。 〔小委員長退席、沢田小委員長代理着席〕
○川崎政府委員 国税職員の中で女子職員は約四千人ぐらい現在おるわけでございます。 採用人数は年によって多少変化がございますが、二百名ないしちょっとそれを上回る程度でございます。
○正森小委員 ところが女子職員については、研修受講について男子並みに保証されていないのですね。女子職員の特科研修ということをやるようにしたそうですが、この定員は現在五十名ぐらいですね。いまの採用人数からいいますと大体五分の一か六分の一しか研修を受けられない、研修場所も千葉県の船橋校舎に限定するというようなことで、希望者全員が研修が受けられるように、また普通科を地方研修所で実施するようにという要望が非常に強いようですが、どういうぐあいに改善されますか。
○川崎政府委員 そういう要望があることはよく承知しておりますが、この問題は先生御承知のように、男女同権と言われておりながら、国税職員の税務職の採用については女子の入校を認めていなかったわけであります。しかしながらそれを今回認めることにいたしまして、普通科入校で完全に男女同権ということでやることにいたしたわけでございますが、その場合に、いままでそういう扱いをされていませんでした女性について普通科並みの教育を改めて実施をする、そしてまた普通科卒と同等の待遇を与えたいということで、こういう特科研修というものを考えたわけでございます。しかしながら、すでに歴史的に時間がたっておるわけでございまして、就職をして何年かの経験を積んでおるわけであります。したがって、ごく初歩的に高等学校を出たと同じという考えで一年にわたる研修をやることはないということで、大体半年、しかしながら中身はかなり詰めてやる、半年だから一年の半分というよりは、もう少し密度の濃いものを考えております。 それから人数でございますが、これは施設の関係で当面五十といいますか、あるいは発足時五十ということで、これを何年かやっていけば大体希望者全員にわたるであろうという考えではじいた数字でございますけれども、もちろんやってみないとわからない点もございますので、初年度はともかくそれでやってみまして、次年度以降なお人数が足りないとか、また場所もふやした方がいいということがございますれば、予算との関係もございますが、できるだけやりくりをして広げてまいりたいというふうにも考えております。
○正森小委員 改善の意向があるようですが、そのようにやっていただきたいと思います。 それからなお、私どもがもらっている書類では、男子職員については昭和三十六年採用者まで、もちろん欠格条項該当者を除いてでありますが、全員三等級に昇格している。ところが女子職員の場合には、男子と大体十年ぐらいの格差があるというように言われておりまして、見てみますと、昭和二十五年以前に採用になっておる者の中でも未昇格者が多数あるようであります。いわんや三十四年、三十五年採用の方などは、むしろ昇格した者の方が少ないということで、男子との間に歴然たる差がありますが、それについてはどう考えられますか。
○川崎政府委員 昇給、昇格の実績としまして男子と女子との間に差があるということは、女子であるがゆえにということで差別をしたわけではございませんけれども、結果としてそういうふうになっておるわけでございます。これは普通科を出ておるということと出ていないといったようなことも影響いたしておるわけでございますが、これを今後できるだけ男女同じように持っていきたいという希望を持っております。ただ現状として見ました場合に、国税庁は女性の待遇としてはどの官庁よりもいいのではないかぐらいの自負は持っておりますけれども、なお御要望に沿うようにやっていきたいと考えております。
○正森小委員 女性に対する待遇がどの官庁よりいいと言われましたが、それは大いに違うのじゃないか。 それでは、結婚休暇の要求について申しますが、結婚休暇の新設というのはもう青年にとって切実な要求だそうですね。これは男性にとっても女性にとっても、職員にとっては痛切な要求であるだけでなしに、結婚する女性ですね、つまり税務職員ではないかもしれないけれども、そういう人にとっても切実な要求でもあるわけですね。ある意味では国民的な要求であります。人事院の調査によっても民間企業の九九・三%ですでに結婚休暇というのは通常の有給休暇とは別に保障されているのですね。このごろの日本では結婚したら一週間の新婚旅行に行くというのはあたりまえで、結婚式はなるほどわれわれもよく行きますけれども、会費三千円とか五千円とか持ち寄りでやるけれども、みんななかなかデラックスな新婚旅行に行きますよ。私の法律事務所の職員だって、職員のことを言ったらあれですけれども、外国へ新婚旅行に行ったとかいうのは普通になっているのですから。だからあなた方の方が、結婚についての休暇をいただきたいというような要求が繰り返し繰り返しされているようですが、何か人事院がまだ言うておらないからとかなんとか言うているそうですが、その人事院が民間では九九・三%制度化されていると言うているのですから。女性に対する待遇は役所の中で一番だと言うのなら、これをやはり先にちゃんとやって、さすが国税庁は若い職員にやる気を起こさせるというくらいの気を起こさないとだめで、これは次長も若いころを思い起こすんですな。
○川崎政府委員 結婚休暇のお話でございますが、職員の間から要望がございまして、私どもの方としましても人事院の方に常にこの制度化の要望を出しております。
○正森小委員 いまの答弁は非常に簡単でしたが、結局、人事院には要望を出しておるが、人事院が言うてこないのでできないという趣旨のようにとれますけれども、ぜひ人事院にも強く言い、そして独自でやれる場合にはやるということで、私が漏れ承っておるところでは、理解のある局長がいるところではやりくり算段して事実上結婚休暇をもらって行っているところがあるようですね。余り言うとまた規則に触れるとかなんとか言うから言わないけれども、それを制度化するというようにぜひしてもらいたいと思うのです。 それからもう一つ、前の磯辺国税庁長官が昭和五十年に次長のときに、所属組合のいかんを問わず差別というのは好ましくないので是正したい、五十三年には米山次長も同じようなことを言っているのですけれども、全国税労働組合とその他の職員との間には歴然たる差があるというのが資料の上で出ているのですね。全部一々挙げませんけれども、国税庁当局は、五十六年度国税庁予算案の説明の中で、四十五歳以上の職員のポスト在職率は六四%程度に達した、こう言うているのですね。ところが全国税の組合員では、四十五歳以上の職員が五百人以上いるのにポスト在職者はわずか四名だ、つまり一%に満たない。統計というものは非常に数字は冷厳で、わずかな誤差の場合はそれは誤差だと言えるけれども、一方は六十数%ポストについておるのに、一方は一%未満だなんというのは意図的な力が働かなければ絶対にそんなことはないのですよ。これはどういうわけですか。
○川崎政府委員 昇給、昇格ということとまた人事配置ということにつきましては、組合が何組合であるからということではございませんで、国家公務員法の趣旨に従いまして勤務年限と勤務成績によって昇給、昇格を行う、また人事配置は適材適所ということをモットーにやっておるわけでございまして、その結果が出ておるということしか申し上げようがないかと思います。
○正森小委員 ポストについては、それは適格によってある人は総務課長にする、ある人は査察官にするとかいろいろあるでしょうけれども、まじめに働いて一定年限たてば四等級から三等級になるというのは当然でなければならないのに、ここにある資料を見ますと、五十六年一月現在で東京、関信、名古屋、大阪、そこで三等級への昇格発令状況を見ますと、全国税の組合員は、百十名のうち昇格数は三十八名ですね。だから三四・五%です。ところが、その他の職員は千百九十九名中六百八十七名、昇格率五七・三%ということで、二十数%の差があるんですね。こういうことはまず普通ないんですね。これは二十一期生、二十二期生、二十三期生について言うているのです。二十三期生について見ますと、その他の職員は五百七十一名中百七十七名昇格して、昇格率三一%、全国税組合員は二十九名中昇格ゼロ、ゼロ%です。三一とゼロというのが何百名という単位の集団の中で発生するなんというようなことはないんですね。もしそういうことをやってないというなら、なぜこういう状況が起こったか調べて私のところへ報告してください。
○川崎政府委員 先ほど申し上げましたように、昇給と昇格は経験年数と勤務成績で行うものでございますので、各個人によってある程度の差が出る、そういうシステムになっておるわけでございます。
○正森小委員 各個人によってある程度差が出ると言っても、ある集団は三十数%昇格しているのに、ある集団はゼロ%だというようなことは、通常働きが悪いとかいうようなことで説明できないのです。 〔沢田小委員長代理退席、小委員長着席〕 あるグループに属しているから、つまり全国税労働組合というのに入っているから昇格させないというように解釈するよりほかしようがないのですね。一方が三一%で一方が二五%ぐらいだったら、全国税組合は働きのちょっと悪いのが多少おるからということは言えるけれども、一方がゼロだなんというようなことは考えられないことですね。だからあなたの紋切り型の答弁では理解できないから、そういう事実関係についてよく調べて、国会が終わってからまた国税庁長官なり次長のところへも行きますから、十分に調べておいていただきたいと思うのです。ほかに幾らでもあるのですよ。あなたはいろいろ言い抜けるかもしれないけれども……。順番にやっていきましょうか。 いろいろありますけれども、その次に、税務大学校の本科入校の差別についてここに資料があるから言いますと、普通科卒業生で七年の部内実務を経験した後、選抜試験を受けて国税局長が選定したら大体四百五十名ぐらい税務大学校の本科に入校させているでしょう。それは間違いありませんか。
○川崎政府委員 本科の入校生が二百名程度の時代からだんだんふえてまいりまして、現在先生おっしゃるようなことになっております。
○正森小委員 ところが、本科選抜の第一次試験に合格した全国税の組合員は、昭和五十二年度以降を見ても、仙台、関東信越、名古屋局内だけで四十名いるんですね。ところが一名も入校させてもらってないのです。これはどういうわけですか。四十分の一ならまだわかるよ。四十分のゼロですからね。そうするとほかの、全国税組合員以外でも四十名も五十名も合格したのに一名も大学校に入れてもらえないということはあるんですか。
○川崎政府委員 本科入校は試験と人物と勤務成績、そういったものを総合勘案して行うということになっておりまして、合否の決定がされておるわけでございます。
○正森小委員 だから、試験は合格したわけでしょう。勤務成績はある程度いいからこそ首にもならず月給をもらっているのでしょうが。それならあとは人物だけですよ。その人物は、全国税労働組合だから人物が悪いと、こういうことでしょう。そんなばかなことがあるかね。後で言うけれども、現にそう言うている職員がおるのですよ、おたくの幹部で。思想傾向が悪いと。
○川崎政府委員 当庁としましては職員を所属の組合別といった意味で統計をとったり管理ということは全くやっておりませんので資料の持ち合わせがないわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、入校の決定は試験と人物と勤務成績といったことを総合勘案して各局においてなされておるわけでございます。
○正森小委員 そういうことを言うんだったら言いますけれども、試験は合格しているのですから、そうすると署長推薦制で内申及び面接をやるのでしょう。それが非常に不明朗なんですね、署長に会って、一体どんなことを署長が推薦したのやら内申したのやら。だからそういうものは特別に何か非行があったというような者を除いて、やらないとか、あるいは模範解答の公開と答案用紙を本人に返戻せよ、そうしたら本人はどこが悪かったか反省するし、そういうことをやれという要望が非常に強いのですね。そのうちのどれかをやったらどうですか。司法試験だって何だって、司法試験委員会がやらぬでも「受験新報」とかなんとかいうのでやっている。われわれだってそれを見て、あれ、おれのは間違っているなというので司法試験を通った。だからあなた方だってやったらどうですか。
○川崎政府委員 税務大学というのは国税庁の職場でございますから、司法試験というものとまた一律にいかない面があろうかと思いますけれども、職場の中で厳正にやった結果でございます。
○正森小委員 厳正にやったその結果に疑惑が持たれているから言っているのですよ。税務大学校なんというのは、職員にできるだけ勉強してもらって能力を高めて、国民へのサービスもよくなるし税収も上がるようにというのでやるわけでしょう。何もそんなに答案をけちらなくてもいいじゃないですか。問題は一題だけやるわけじゃないから、ことしの問題についてはこれが模範解答だよ、もっと勉強しなさいよ、来年はまた別の問題を出すでしょうけれども。そういうぐあいにして自分がどこが悪かったかを調べて、そして勉強する励みを与えてこそいいわけでしょう。そういうことをやらないで、署長が面接をして、ふだんごまをすっているような者はどんどんと税務大学校に行くけれども、硬骨をもって鳴っているような人間は大学に行けないというようなことでは士気は上がらないし、それで国民の税金を使っているわけですから、一生懸命やっても永久に税務大学に行けないということになれば人間だれだって内心おもしろくないですよ。民間だって同期で入って同じくらいの能力があると思う者と五百円給料が違ったってみんなぶつぶつ言ってなわのれんに飲みにいくのですから。それが集団で、ある集団は同期に入った者が三十何%も昇格したのにある集団は一人も昇格しない、ほかの集団は試験に合格したら大抵は税務大学へ順番に必ず行けるのにある集団は何ぼ合格しても四十名のうち一人も税務大学に入れてもらえない、そんなことで法のもとに平等だとか公正だとか言えますか。 まだ言おうか。沖繩が復帰したときに沖繩県内の復帰職員、それまでは琉球政府の公務員ということになっていたのですね。これは全部国家公務員に当然ながら引き継がれたのです。そして四十七年五月十五日の本土復帰以来満九年が経過する。特別昇給の発令はすでに九回を数えた。これは大体一五%ということになっているのでしょう。だから平均すれば六、七回特別昇給の発令があれば大体は一巡することになっているのです。それで、昔琉球政府に勤めていた普通の人は全員特別昇給しているんです。ところが驚くべきことに、沖繩地区税関、沖繩国税事務所というのだけが沖繩国公労全税支部の組合員であるために特別昇給してないのです。復帰職員数に占める未特昇者数がその他の機関に比較して沖繩地区税関の場合は五十七倍、沖繩国税事務所の場合は三十倍、つまりそれだけよその普通の国家公務員に比べて差別されているんです。いいですか。民間と比較しているんじゃないのですよ。国家公務員の中で国税当局の管轄下にある職員だけがかくも不当な差別を受けているんです。それが長い間アメリカの施政権のもとにあってやっとこすっとこ返ってきた沖繩でがんばっている国税職員に対するあなた方の処遇ですよ。言語道断じゃないか。この数字知っておりますか。
○川崎政府委員 ただいま先生御指摘の資料は持ち合わせておりませんのでその数字は知らないわけでございますが、特別昇給という制度は順番にやるものというふうには考えておりません。
○正森小委員 そういう答弁をして済むと思っているのか。少しぐらいの差だったら、ある人はよく働いたから三年に一遍でぱっと上がった、一方は九年に一遍だというくらいならわかるけれども、ほかの者は九年たってほとんど全部上がっているのにあるグループだけは昇給させられない、普通の国家公務員に比べて上がらない者が五十七倍もあるというようなことで、普通にやっていてよく働く者は上がるけれども働かない者は上がらない、そんな言いわけできますか。こんなひどい差別をしているのは全国税だけなんですよ。同じ国家公務員でほかの公務員は全部上がっているんです。そしてちなみに言えば、全国税だけが組合が二つ以上あるんですよ。だから一方の気に入らない組合に弾圧を加えているんですよ。そんなことで憲法体系を守る大蔵省だなんだと言えますか。国内だけじゃないです。長い間米軍の支配下にあった沖繩でもこれ見よがしに弾圧しているんです。そんなことで士気が上がると思いますか。それで、聞いたら紋切り型に、特別昇給というのはよく働く、認められた者だけがやるんで、だから認められない者は上がらないのはあたりまえだ、何倍差があってもあたりまえだ。普通の人間がそんな五十七倍も働きますか。大体似たり寄ったりです。ある者は三年か五年に一遍早く上がる、ある者は本来なら六年、七年に一遍上がればいいんだけれどもそれが十年になるというくらいならまだしんぼうできる。こんな不公正なことをやっておって信として恥じないなんというようなことでは、何ぼ普通の労働組合法が適用されないといったって、その精神は国家公務員だって適用があるんですから。まだこの数字を知らないと言うなら調べますか。調べてその理由を私に報告してください。
○川崎政府委員 その数字が私ども国税の職場以外の数字でございますればちょっと調べかねるわけでございますが。
○正森小委員 いいかげんなことを言ったらいかぬですよ。大蔵省というところはいろいろなところに連絡があって、各省庁の予算だって査定するんでしょう。だから各省庁へ協力を求めたらいいじゃないですか。各省庁に照会を出して、何も権限で出せと言わなくても、正森議員からこういう質問があったのでよろしければ参考までに御回答くださいとか言えば調べられるじゃないですか。それもやらないのか。
○川崎政府委員 先生の御質問にお答えできる範囲で調べてみるということは差し支えないかと思いますけれども、よその省庁に対しまして特別昇給を幾らやっておるかということを聞くということは私どもの職場の立場といたしまして余り理由がないように考えるわけでございます。
○正森小委員 これだけ言ってもわからないのですか。簡単なことでしょう。復帰九年たってその職員は特別昇給をどのくらいの人数がして、してない者はまだ何人残っているか、それだけですよ。それであとはあなた方の管轄にある者のうち特別昇給した者が何人あるかということでそのパーセンテージを調べたらいいのですから、かくも簡単なことができないのですか。それすらできないぐらい各省庁間のなわ張りというものは大きいのですか。権力でやらなくても、もしよろしければしてくださいよと聞けばいいじゃないですか。もしそれがどうしてもいやなら、大蔵委員に正森というのがおって、うるさく質問したからしようがないと言って書いておけばいいのです。それぐらいのことができないわけがありますか、大蔵省が。やると言いなさい。
○川崎政府委員 各省庁の人事管理に関することをお互いに協力し合うということも多々あろうと思いますので、場合によったらもちろん教えていただく、あるいは教えるということもあろうかと思いますが、人事管理の話は場合によってはなかなかよそに出さないということも多うございまして、先生の御指摘のとおりにまいるかどうかなかなかわからないわけでございます。
○正森小委員 わからぬけれども、やりますか。
○川崎政府委員 わからぬけれども、先生がそういう趣旨で御質問があったということでよろしければやってよろしいかと思います。
○正森小委員 よろしければやってよろしいかと思います、日本語としてわけのわからぬことを言ってはいかぬですね。向こうがどう回答するかわからないけれども御趣旨のように聞いてみます、こう言えばいいので、それが普通の日本語なのですよ。 それで、あなた方はそういうことをやってないやってないと言うけれども、国税庁長官にも全国税労組が抗議した明白な事件があるでしょう。昭和五十四年七月に東京局の査察部課長補佐から関信局の柏崎の税務署長になった瀧口秀夫、これは国税会議の副議長専従をやっておった人間です。これが柏崎税務署長になって、一昨年の十月一日に自分のその税務署で、唯一の全国税の組合員である山形という人を呼び寄せて「自分がやっていることが不当労働行為であることはわかっているが、君を信頼していう。君の将来を考えると、全国税を脱退した方がよい。考えてみてくれ」こう言って一時間にわたって説得というか話をしておるでしょう。そして十二月三日には、いままでどおりでやめないということを言ったら「全国税は共産党の支配下にある。私の勘定では千七百中六百から七百人はいる。君は入っているのか」こう言って思想調査をしているではないか。こういうようなことをやるなどというのは言語道断じゃないか。思想、信条により差別をしたらいかぬ、法のもとの平等というのは憲法体系のイロハだ。そして、脱退届を書け、書け。「不当労働行為とわかっているけれど、君の十年先、二十年先の将来を考えて言うのだ。私も力になる。脱退届を書いてくれ。君には私がついている、心配するな。思いきって今日中に書いてしまえ、書け、書け」こんなことを署長がやるなんてもってのほかじゃないか。そして、こういう事実を突きつけて全国税が国税庁長官にも交渉して、調べろと言ったら、そういう事実はないと言う。だれを調べたのかと言えば、柏崎の税務署長だけは聞いたけれども、肝心のこういう脱退工作を受けた山形という人には一度も聞いていないと言うのです。なぜそういう片手落ちなことをする。わが党の渡辺貢議員が去年も大蔵委員会で質問をいたしましたけれども、その渡辺議員に対する回答でも事実を全面的に否定するということをやっている。去年の五月二十一日、全国税が不当労働行為問題について国税庁長官と交渉を行ったところ「「不当労働行為がおこなわれたと断定する資料はない」が、「誤解されるような言動があったことは遺憾」」これだけを言っているのですね。全国税は幾つかの要求をしておりますけれども、山形氏から事実関係について聞くということをやるのは一番大事なことじゃないですか。それをやらないで、どうして不当労働行為の事実がないというようなことを言うのですか。たとえてみれば、刑事事件で加害者だけに聞いて被害者に聞かない、それで無罪の判決をする、そんな片手落ちなことがありますか。あなた方は思想によって差別しないとか全国税は差別しないとか言っているけれども、やっているじゃないか。国税会議という一方の労働組合の旗頭をやっている者がたまたま税務署長になった権限を利用して、「不当労働行為であることはわかっているが、」と言ってやっているじゃないか。だから特別昇給もしない、三等級にも上がらぬ、税務大学校にも入れない、こうなっておるのです。この問題についてしかるべき公正な調査をして、二度とこういうことはしない、責任者についてはしかるべき処分をする、当然のことであります。やりますか。
○川崎政府委員 ただいまの先生お話しの問題は、私が直接扱った問題でございませんし、また突然のお話でもございますので詳細をお答えできないわけでございますけれども、先ほど先生もおっしゃいましたように、不当労働行為はなかったというふうなことで回答を出しておる問題かと考えます。
○正森小委員 山形というその不当労働行為の働きかけを受けた人から事情聴取しましたか。
○川崎政府委員 先ほど言いましたように、私が直接扱った問題じゃございませんので、そのあたりの事情はよく存じておりません。
○正森小委員 私が言ったように、そういう被害を受けた者に聞かないで結論を出したとすれば、もう一度その人物から事情を聞いてくれますか、それともやはり聞かないのですか。
○川崎政府委員 持ち帰りまして検討いたした上で態度を決定いたしたいと思います。
○正森小委員 時間が参りましたので私はこれ以上言いません。ほかのことでも非常に遺憾だと思いましたけれども、沖繩の国税事務所と沖繩地区税関、この事実、陳情を見て、こういうのは言語道断ですね。何も国内で差別していいと言うのじゃないですよ、国内だって柏崎のやり方などは言語道断だけれども。大体組合が分裂したなどというのは、沖繩の人は関係ないでしょう、そのときは復帰していなかったのだから。それがたまたま復帰して公務員の組合に入ったら、入ったのが気に入らぬ方だからと言ってこういうひどい差別をする。本土に復帰しなかったときはとにもかくにも皆平等だった。乏しきを憂えず等しからざるを憂えると言うけれども、ともかく平等だった。それが本土に帰ったらこんなに差をつけられたとしたらいい気がしないですよ。アメリカの占領下の方が日本国憲法のもとにあるよりもいいか、こうなる。だから、沖繩の問題、柏崎の問題、それはぜひとも調べて納得のいくような解決をするということでなければ天下の大蔵省が泣くよな、本当の話。そのことを私は切に要望したいと思うのです。 それで、時間が参りましたので参考人に伺います。 参考人は、中期答申でも四つの大事なことがあるということで、一つは節約をしなければいかぬ、それでもどうしても足りないときにはどういう税目があるかというようなことで、最後のところに税務環境をよくするということが書いてあるでしょう。税務環境をよくするというのは、もちろん記帳義務を励行するとか、クロヨンだとかそういうのをなくするということもありますけれども、いま言ったような、まず税金を扱う側が、憲法のもとでの公正な労使関係で自分は働いておる、女子も差別されずに男女平等で、国際婦人年じゃありませんが、やっているという感覚がなければ気持ちよく働けないというのは事実だと思うのです。ですから、税調でもこういう方面にも御論議の合間に心を配っていただきたい、こう思いますが、いかがですか。
○木下参考人 いまのお話の中の、新年度の税制改正に関しての「賦課権の除斥期間、罰則及び公訴時効期間」と申しますのは、執行面の実質的負担の公平を確保するためにやむを得ずとった措置でございまして、本来はこういうことをわざわざやらなくても自発的に、自主的な申告制度のもとではすべての納税者が正確に、正直に申告するということが当然あるべき姿でございますけれども、残念ながら現実というのはそういきませんので、やむを得ずこういうことをやったわけでございます。 御質問の趣旨は、こういうことをやった場合に、徴税の任務に当たる人たちの問題としてお考えでございます。私どもは、ほかの方からも御指摘がありましたように、いまの税務執行において職員の数が不足をしておるというような問題については非常に検討いたしましたことがございますけれども、いま御指摘の具体的な事例などは全く本日初めて伺ったことで、私どもはそういうことを中心にして論議をしたことはございません。また、その問題を税制調査会の席上で延々論議をするということが適当であるかどうかはわかりませんけれども、承りました限りにおきましては、私が会長代理をしております間は、少なくとも私の頭の中にとどめさせていただきます。
○正森小委員 終わります。
○大原小委員長 木下参考人には、御多用中のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十二分散会