大蔵委員会財政制度に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1981/06/03
会議録
○小泉小委員長 これより財政制度に関する小委員会を開会いたします。 財政制度に関する件について調査を進めます。 本日は、参考人として日本銀行副総裁澄田智君、日本銀行総務局長青木昭君の御出席をいただいております。 両参考人には、御多用中本小委員会に御出席を賜り、まことにありがとうございます。 これより澄田参考人から今後の経済見通しについて御意見をお述べいただき、次に臨時行政調査会事務局次長佐々木晴夫君より臨時行政調査会の審議状況について説明を聴取した後、参考人並びに政府委員に対する質疑を行います。 それでは最初に、澄田参考人からお願いいたします。
○澄田参考人 それでは私の方から申し上げたいと思います。 御承知のようにわが国経済は第二次石油危機の影響を受けまして、一昨年来物価が高騰をいたしますし、経常収支は大幅赤字になる、こういうような状況で、また景気も停滞を余儀なくされてまいったわけでありますが、幸いその後の調整過程を経まして、このところ物価が落ちつきを示しておりますし、国際収支も経常面ではほぼバランスを取り戻してきております。一方景気につきましては、いろいろかげり現象が言われておりますが、やや明るさが出始めてきていると言えるのではないかというのが昨今の状態でございます。一方欧米主要国におきましては、第二次石油危機後のインフレがなお強く尾を引いておりまして、多くの国で二けたの物価上昇が続くとともに、景気停滞の方もヨーロッパの諸国は深刻なものがあるという中で、わが国はいち早く石油危機の影響を克服しつつある、こう言うことができると思います。 このようにわが国が先進諸国の中でいわゆるファンダメンタルズがいいというような姿を示しておりますのは、何よりもまず四十八年、四十九年当時の教訓が生かされまして、インフレ抑制が最優先の課題であるという考え方が広く国民各層から理解を受けたというようなことによるものが大きいと思います。これに基づきまして早目の政策運営が可能でありましたとともに、企業はエネルギーコストの上昇等に対応した体質改善に非常に努力をいたしましたし、家計部門も終始冷静な対応を示したわけでございます。 当面の経済情勢について若干さらに申しますと、まず物価の動向でありますが、卸売物価は、国内の需給が引き緩みの方向で推移してきましたことや海外の商品市況が鎮静してきたというようなこと等を背景に、昨年後半来落ちついた推移をたどりまして、四月には前年比マイナス〇・五でございますが、そういうことになりました。この先行きにつきましては原油価格や為替相場の動向など不確定な要素もあるわけでありますが、目下のところは原油の需給が引き緩んでいる、そういう状態でございますので、原油価格等は当面小康状態をたどるのではないか、これは先般のOPECの総会の決定などにもそういうところが見られますが、そういう見通しでございまして、この先大幅な為替の円安といった事態が生じません限りは、卸売物価は現在のような鎮静傾向を続けることができるのではないか、こういうふうに見られます。消費者物価はこの五月の前年比の上昇率、これは東京都の区部の速報でございますが、これは四・八%というところまでなってまいりました。いま申しましたように、卸売物価の安定、そういう傾向が続いていけば、消費者物価の方も引き続き落ちついた推移を示すということが期待されるわけでございます。 国際収支の動向でございますが、石油価格の大幅上昇から昨年の一−三月におきましては、一—三月の三カ月の間で五十億ドルという大幅な赤字を記録いたしました。これが赤字が最も大きかった時期でございますが、その後かなり早いテンポで回復を示しまして、季節調整後の数字で見ますと、昨年の十月−十二月期以降はおおむね均衡と言ってよい状態になっているわけであります。これは輸出が電気機械や自動車などを中心に、比較的堅調に推移する一方、輸入は石油消費の節約が徹底してまいりましたし、また景気拡大のテンポのスローダウン等によって非常に輸入が鈍化をいたしまして、落ち着いた動きを示してきた、こういうことによるものでございます。 一方、この間の景気動向でございますが、石油価格大幅上昇のデフレ効果によりまして、昨年春以来経済の拡大テンポが鈍化いたしまして、実質GNPの四半期ごとの伸び率を見ますと、昨年四—六月期以降は、ならしてみますと年率三%前後になるのではないかと思いますが、そのようなところに鈍化をしているわけであります。生産や出荷も停滞ぎみでございます。企業収益も昨年の上期は非常に高い水準でありましたが、下期は上期に比べますと若干ではありますが減益に転ずるなど、いわゆるかげり現象と言われる現象が続いてまいりました。 現在はどうかということになりますと、昨年に引き続いて消費や住宅投資はまだ低迷の域を脱していない。そしてこれらの最終需要の動きに左右されやすい中小企業の設備投資、これも依然低調であるというような状態で、まだ最終需要の面で基調的に変化が出ているというようなところまでは行っておりません。しかし、昨年来ずっとおくれてきていると言われ続けました在庫調整もようやく大多数の業種においてはめどがついてきたようでありますし、その他の面で見ましても幾つかの明るい材料がぼつぼつ見られるようになってきている、こういう状況でございます。 在庫調整は、鉄鋼、合繊、石油化学といった素材業種で調整が従来手間取ったわけでありますが、ここに来ましてかなり進捗してきているようであります。このような状態を受けまして商品市況も、それまでずっと下げ続けてまいったのでありますが、三月半ばごろから底がたい、大体底を脱しつつあるというような感じを受けるような、そういう動きを続けております。最近でも棒鋼などの鉄鋼、それから亜鉛などの非鉄、合繊あるいは上質の紙などを中心に小じっかりしたと申しますか、そういう商状を呈しております。もちろんこれは一方で減産が行われておりますのでその効果が出ておるわけでございます。したがって、減産をやめればまたどうなるかという問題はあるわけでありますが、一般にこれ以上の需要面の落ち込みはないんではないか、この商品市況につきまして先安感というものがなくなったのではないか、先安感があって買い控えをしている、あるいは在庫手当てを控えているという面がだんだんなくなりつつあるのではないか、こういうようなのが一つの背景になっていると思われます。 そのほかは断片的な材料にすぎませんが、五月の連休の地方のレジャー関係等の客足が比較的よかったとか、あるいは昨年来いろいろなカードの利用が進んだとか、そういう構造的な変化の要因もありまして銀行券の伸び率が非常に低調でございましたが、これもそれまでずっと下げ続けてきたわけでありますが、五月には持ち直したというような状態も個人消費の若干の持ち直しを示唆しているように思われるわけであります。 このようにやや変化が見られると申しましても、しかしこれはあくまでも物価が落ちついてきたということに伴う実質所得の増加を背景とした個人消費の本格的な回復という動き、まだそこまでは至っていない、そういう状態でありますし、住宅投資などについてはまだ今後需要が強くなっていく、そういう見込みをすることができるということには至っておりません。したがいまして、今後景気が底入れから回復に向かうといたしましても、そのテンポは相当緩慢なものにとどまるというふうに見られるわけでございます。そういうふうに見ておくことが必要ではないか、こういうふうに思っております。 以上のような状況のもとで今後の政策運営といたしましては、私どもの立場からはただいま申し述べましたようなわが国の経済のいわゆるファンダメンタルズのいい、そういう良好な姿を持続させて息の長い今後の健全な経済発展を実現するということを目標にすべきであると考えておりますが、そのためには物価の安定傾向を定着させるということが何よりこの際大切である、こういうふうに思うのであります。 これまでのところ、いま申し述べましたように物価は落ち着いた動向を示しておりますが、このところやや不安定な動きを示している国際通貨情勢や、あるいは米国の高金利が円相場を通じましていわゆる円安、そして輸入物価の上昇、こういう形で悪影響を及ぼすことについては、そういうおそれがあり得ることにつきましては十分にこれを注視していく必要があると思います。 また、やや長い目で見ますると、現在の欧米主要国が悩まされているインフレの収束にはまだ時間を要するというふうに思われますし、石油を初めとするエネルギー価格も長期的には持続的な上昇をたどる、そういうものであろうと思います。このような海外からの持続的なインフレ圧力のもとでわが国経済は今後とも安定的な発展を維持していくためには、国内要因による物価の上昇ということが生ずることのないように引き続き厳しい注意を払っていきますとともに、経済全体の体質強化を通じまして海外からのインフレ要因をできるだけ吸収できるような経済体質をつくり、これを維持するということが必要であると思います。 物価の安定を基礎とした経済発展を期していく上で、財政面にも触れさしていただきますと、財政面においても非常にそういう配慮を要するものが大きいのではないか、こういうふうに思います。財政再建を進めて国債発行量を圧縮していくということは経済がインフレ体質にともすれば陥るというようなことを防ぐ上で最も重要なことであると思います。また大量の国債発行あるいは国債の残高が滞留するということは金融あるいは資本、両方の市場への圧迫になるわけでありますので、そういう圧迫を軽減し、民間の活力に基礎を置いた経済を築いていくためには、財政再建に政府はいろいろ御努力をしておられるわけでありますが、今後均衡のとれた財政の姿を実現していく必要があり、しかもそのためには相当に長期間にわたってこういう努力をしていかなければならない、こういうふうに思うわけでありまして、可能な限りの歳出の見直し、そして国債の減額ということを年々着実に進めていっていただくことを強く期待しているわけでございます。 以上いろいろと申し述べましたが、私どもといたしましては今後とも金融政策の運営に最善の努力を期するつもりでおりますので、何とぞ一層御理解をいただきたい、かようにお願い申し上げる次第でございます。
○小泉小委員長 佐々木臨時行政調査会事務局次長。
○佐々木政府委員 臨時行政調査会の審議の動向その他について御報告を申し上げます。 臨時行政調査会は、昨年の臨時国会で法律を成立させていただきまして、本年の二月の末に委員につきましての国会承認をいただいたわけでございます。自来、三月十六日に第一回の会合を開いて、その後種々の審議を続けております。 お手元にごく簡単な、基本的な資料を含めました「臨調」という資料をお配りいたしてございます。 四ページに従来の経緯がございますけれども、それはいま申し上げたようなことでございますので飛ばさせていただきまして、五ページに組織が書いてございます。 委員九人で、これはいずれも国会の御承認によるものでございまして、六ページ目に一応名簿が載っておりますけれども、各界の有識者を網羅しておると考えておりますが、そのうちの一人、土光先生が会長として就任されております。そのもとに専門委員二十一名、それから参与約五十名、こうした方々によりまして、それを事務局が、これは調査員その他が支えつつ現在審議を続けておるわけでございます。 ところで、三ページ目に、この三月十六日の第一回会合におきまして、内閣総理大臣からいただきましたごあいさつが印刷されてございます。 その後段の一番末のところでございますけれども、行政改革は非常に重要だということをお話し願った上で、「とりわけ、財政再建という見地から行財政の建て直しを図ることは現下の急務であります。このため、歳出の削減、政府機構の簡素化、行政の減量化に重点を置いた改革を早急に進めなければなりません。ついては、誠に短兵急なお願いではありますが、昭和五十七年度予算の編成に向けて、当面の要請にこたえる具体的改革案を、この夏までに御提出いただければ幸いであります。」政府としてはこれを誠意をもって実行しますといったようなごあいさつをいただいたわけでございます。 それを一応前提といたしまして、調査会ではいかなる事項を——これは調査会の審議期間か二年間ということになっておりますけれども、二年間全体としてはいかなる事項を審議するか、それからまた総理の御要請にかかわります当面の緊急課題をどのようなものとするかということについて、その後種々検討が行われまして、七ページ目になりますけれども、四月の十七日に「行政改革の基本的調査審議事項及び当面の緊急課題について」をいわば調査会として概定をいたしたわけでございます。 この概定という意味は、種々後のその調査、審議によって変更することあり得べし、ただし大体こうしたことを頭に置いて調査会としては審議を進めていくのだというふうな趣旨から概定という言葉を一応使っておりますけれども、この二年の間に審議をしなければならない事項といたしまして、ここに1、2、3、4と書いてございます。 1としては、これはまずは「行政改革の理念と行政の中長期ビジョンの確立」でございます。これは全体を包むものでございますが、こうしたようなことをまず基本的に認識を持たなければならぬ。 2に「高度成長期に拡大した行政の合理化と責任領域の見直し」とございます。 具体的には、ややこれをブレークダウンしますと、官業と民業の役割り分担の確立と官業の合理化、それから特殊法人等のあり方の抜本的改善、それから国と地方の機能分担のあり方及び地方行政の合理化、四番目に行政の果たすべき役割りの検討と保護助成行政の合理化、それから五番目に規制監督行政の改善・合理化でございます。 それから三番目に、いまのは機能面でございますが、今度は制度面でございまして、「新たな時代に即応するための行政の基本的諸制度の改善」ということで、具体的には(1)から(5)まで書いてございますが、まず(1)、行政機関に対する総合調整・管理諸機能の改善合理化、予算編成のあり方と財政運営の改善合理化、行政に対する監察・監査機能の改善、公務倫理の向上と新たな情勢に対応した公務員制度の確立、それから情報の公開と管理その他行政手続制度のあり方。 それから四番目に、「基本的な課題を抱え、総合的視点から見直しを要する分野の行政の再編合理化」。いわば、今後たとえば高齢化社会あるいは国際的な情勢の変化、こうしたものに対応できるような行政の仕組みを一応考えなければならぬ。 こうしたような基本認識のもとで、八ページにありますが、「当面の緊急課題」としまして幾つかの項目を一応定めたわけでございます。 これは、1が「今次行政改革の基本的理念と課題について」。これは全体像につきまして現段階での認識を一応ここである程度定めてみよう。 それから2が、「行政の在り方の見直しによる中央・地方における支出削減と収入確保について」。 その内容としまして、「支出削減」でありますが、補助金等の整理合理化、それから一般会計から特別会計への繰入額の節減、一般行政経費の節減、食管・国鉄・健保等の合理化、特殊法人に対する出資・補助等の合理化、地方財政関係費の見直し、新規施策の抑制及び既存大型プロジェクト等の一時凍結、こうしたような項目。 それから(2)に、「収入確保」でありますが、国及び特殊法人の遊休資産の売却促進、特殊法人からの益金納付の推進、それから租税特別措置の見直し。 このあたりがいわば歳入歳出にかかわるような事項でございます。 3の問題といたしまして、「行政の在り方の見直しによる中央・地方における行政の合理化・効率化について」ということで、一つが「公務員等の定数・給与等の合理化」であります。それは国家公務員の定員・給与・退職金の合理化、特殊法人の役職員の定数・給与・退職金の合理化、地方公務員の定数・給与・退職金の合理化。 それから「その他」といたしまして、行政機構、特殊法人の整理合理化、地方公共団体の機構、事務・事業等の見直し、その他必要に応じ追加する検討事項。 こうしたような課題を調査会としましていわば当面の対応策ということで定めたわけであります。 そこで、もう一度五ページに返っていただきますが、実は、そうしたような課題を踏まえまして、調査会といたしましてこれに対応する組織として、基本課題、つまり二年間の課題につきましては八つの専門部会を置いたわけであります。それがそれぞれ先ほどの基本課題に対応するその部会編成に一応なっておるわけでありますが、当面急ぐべき緊急課題につきましては、このそれぞれの部会では直ちに対応することはできないということで、下の方に第一特別部会と第二特別部会とございますが、第一特別部会でこの金目の話、つまり「行政の在り方の見直しによる中央・地方における支出削減及び収入確保」、それから第二特別部会で、同じく「行政の在り方の見直しによる中央・地方における行政の合理化、効率化」、つまり公務員等の問題を取り扱うということにいたしまして、この二つの部会と、それから一番上にあります第一専門部会、これは「行政改革の理念と行政の中長期ビジョンの確立」の問題でありますが、そちらの方に専門委員それから若干の参与を全面的に張りつけまして、そこで集中的にこの御審議を願うことにいたしたわけであります。 調査会といたしまして実はこの七月の十日前後には答申を一応出したい、第一次の答申を出したいということで、この緊急課題につきましてただいま種々論議をいただいておるわけでありますが、それに関連いたしまして、特別部会の作業はおおむね六月の半ばまでには一応行わなければならぬということで、実はこの審議項目の概定が四月十七日でありますけれども、四月二十七日にはそれぞれの特別部会の専門委員の配置を決めまして、その後四月三十日からこの両特別部会とも週二ないし三回という大変頻度の高い会合を一応続けております。まず第一特別部会につきましては各省庁からその予算等に関連する事項につきましてすでに十幾つの省庁から一応お話を伺い、それから第二特別部会につきましても、これは関連する省庁並びに三公社、こうしたところからすでに数多くの意見を、意見といいますか、状況の御説明を一応いただいているわけでございます。 調査会に対しまして六月一日及び六月五日にそれぞれ中間報告をするということが予定されておりましたが、第一特別部会での中間報告を六月一日に行いました時点では、実は関係省庁からのヒヤリングがついその前まで行われておりまして問題を詰めるには一応至りませんでした。そのあたりの審議の経過を一応御報告したわけです。第二特別部会の関係は六月五日にございますが、これについてもいまの段階、関係機関のヒヤリングが非常に多くなったものですから、そこで経過の御説明等が中心になろうかと思いますが、いずれにしましても、そのあたりの段階を終えました上で、六月の中下旬になるかと思いますが、いまのところ目標としては六月十五日から十九日までの間を一応考えておりますけれども、その段階で部会報告を一応取りまとめる。そうしたことを頭に置きながらただいま審議を続けているところでございます。 以上、まず臨時行政調査会の状況につきまして御報告申し上げます。 —————————————
○小泉小委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山喜一君。
○村山(喜)小委員 きょうは大変お忙しいところに澄田副総裁並びに青木総務局長おいでをいただきましてありがとうございました。しかし、時間の関係が三時半にはもうおいでにならないということでございますので、初めに参考人の方から質問をさせていただきたいと思います。 まず第一点お伺いをいたしたいのは、アメリカの高金利の体系といいますか政策というものはいつまで続くのだろうかということについてどういう見通しを持っていらっしゃるんだろうか、お考えをお尋ねしたいのです。実は前、大蔵委員会で私は大蔵大臣に、アメリカの高金利政策がもたらすわが国のいろいろなひずみの問題について質問をいたしました。何とかするようにしたらいいじゃないかという話をしたのですが、そのとき大臣は、アメリカもインフレを克服するためにやっているんだから余りとやかく申し上げるわけにはいかぬというようなきわめて消極的な態度を示されていた時代があります。ところが、きょうあたりの新聞を見ると、経済企画庁長官、大蔵大臣、ヨーロッパの国々と相談をしてアメリカの高金利政策に対しては国際会議で注文をつけるというところまで来たようでございます。そこで、五月四日にアメリカのFRBが公定歩合を一%上げて一四%にした。プライムレートが一九%にはね上がった。しかし、それに対してアメリカの通貨当局は、通貨の供給を抑制する、通貨供給量の管理強化でインフレを鎮静化させるという非常に単純なというのですか、そういうような金融政策しか持ち合わしていないような気がしてならないのでありますが、果たしてそれでうまくいくのだろうかということを私たちも実は懸念をしておりまして、特にレーガン政策の中で大幅減税という政策が打ち出されてくる。アメリカの民主党は反対をしているようでございますが、予算の赤字が拡大をしてさらにインフレが悪化するのではないかというような論議がされているようでございます。それはそれとして、西ドイツにおいては特別ロンバードの発行の準備を進めている。マルクが大分安くなって困っているようでございますが、日本の場合にもどうも円安の問題が生まれたり外資が流出をする、輸入物価の上昇にはね返ってくる、あるいは国債の消化難という形で現実に事態が生まれつつある。というのは、五月に発行いたしました中期債の場合には、落札の価格を見てみますと八・七二五%でございますから、十年の長期債の応募者利回りよりも一%も高い、そういうようなことでしか売れなかった。六月の国債の発行は非常にむずかしい段階に来ているように新聞は伝えているわけでございます。そういう状況の中で、債券相場が大幅に安くなって国債の消化にぐあいが悪い状態が生まれている、あるいは公定歩合を下げたけれども、これによる経済効果がアメリカの高金利の政策のために減退をしているというような問題等がいろいろ言われているわけでございます。そこで最近の新聞を見ておりましたら、短期資金の動きの中でコールレートが七%を割ってきた。手形は七・四三七五%でございますから、これは上昇基調にある。現先レートやCDのレートも上昇機運にある。そこで日銀は、余りにコール資金が低下してきた場合には国債発行の条件下においては有利であるけれども、しかし下手したら海外へ資金が流出をするおそれがあるという問題と、コールの資金がそれだけ安くなっていく中で国債の発行条件がしやすくなることに対する支援としては金利が安い方がいい、こういうようなことを考えていきますと、何か日銀がコールの値下げの問題と手形の上昇との間の二面作戦をとっているのじゃないか、そういうような評論がございましたが、そういうような金融調整政策というものをおやりになっていらっしゃるのかどうか、尋ねたいのはその一点でございます。したがいまして、アメリカの高金利政策というのはどういうふうにいつごろまで続いていくのか。そしてどうもアメリカからの高金利が西ドイツに移り日本に移るという形の中で、世界的に高金利時代を招いていくような状態になるのではなかろうかという懸念があるわけですが、これに対応するところの日銀としての、通貨当局としてのいわゆる対応策というものをどのようにお考えになっているのか、お聞かせを願いたいと思います。 それから第三の問題は、これは三月の十七日の日銀の政策委員会の決定でございますが、議長談話という形で、公定歩合とは別に特別貸出方式というものを、短期資金の流出の防止策として金融調節の手段として新たに創設をする、これは一時的、例外的なものだというような談話が出ました。これは、やはりこういうような状況の中にありまして必要な金融の調節手段であると考えるわけでございますが、その場合の発動の条件、そしてまた収束をするという判断、そういうようなものの条件はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。一遍これを発動しました場合には、その天井にへばりついたまま下がらないというようなことで、これはまあ抜くぞという構えを見せながら抜かないところにみそがあるのではなかろうかという感じがしないでもないのですが、そういうような点についてどういうふうにお考えであるのか。 それから、これは後で臨時行政調査会と大蔵省の方に尋ねてまいりますが、土光委員会が発足をしまして、とにかく補助金を中心に既定の歳出を削減をするというアドバルーンが上がりまして、そういうような雰囲気がいまつくられておるわけですが、その中でも財界筋当たりでもいろいろな、部門によりましてはこれは行革デフレが生まれるのではないか、ところが土光さんは、それは一時的なもので民間の活力はあるのだからというようなことで、長期的に見たら大丈夫だというふうにおっしゃるわけですが、公共事業の前倒しを七割もやらなければならないという現況の中にありまして、その行革デフレというものを金融政策でカバーする方策というものがおありになるのかないのか、この点について、そこには限界もありましょうが、その金融政策の有効性の問題をどうお考えになっていらっしゃるのか、まとめて四点ほどお尋ねをいたします。
○澄田参考人 お尋ねの四点について、現段階において的確にお答えすることが非常にむずかしい問題もございますが、まず、アメリカの高金利の現状が今後どうなっていくのであるか、いつごろまで続くかという見通しについてのお尋ねでございますが、確かにアメリカの金利、ことに先ほども引用されました五月五日から実施されました一四%への引き上げ、このときにはこれにサーチャージ四%というのがくっついておりました。もしサーチャージがかかる場合であれば一八%ということになりまして、公定歩合としてはもちろん史上最高ということでございます。その前後から短期金利全般について、それまでも高い水準ではございますが、一段と上昇いたしまして、それがヨーロッパ等にも波及をしておりますし、日本の金融面あるいは経済面等においてもその影響がないとは言われないという段階になっていることは事実でございます。 アメリカの金融政策は、マネーサプライを重視する、そしてこれをコントロールするということに目標を置きまして、そういうことでそこに重点を置いて運営されているという状態でございます。これはレーガン政権にかわりましてからも一層そういう点が強く言われているわけでございます。したがいまして、当面はマネーサプライコントロール、しかしそのマネーサプライは、やはりアメリカの実体経済がこの一−三月に非常に強かったわけであります。年率にして八・四%の実質成長というような予想外の非常に高い数字が出まして、そういう実体経済の強さ、それからマネーサプライの増加というものがやはり三月から四月にかけまして、ことに四月の半ば以降は非常に大きくなってまいりました。連銀貸し出しもふえてまいりました。こういう状態に対応してとられた措置でございます。そしてこれは、マネーサプライをコントロールしていく、それを抑制していく、その限りにおいて金利が上がってもやむを得ない、こういうような考え方に立つものでございますが、しかし、それは国際的にいろいろと影響を持ってきているということでありまして、この影響に対しては、いろいろとそういう対外面の影響等が指摘をされてきているわけでございます。 先行きの見通しということになりますと、これはアメリカの国内においても見方が大きく分かれております。いずれにいたしましても、今後レーガン大統領の経済再建計画というものが進められることによりまして、ある程度中期的あるいは長期的に経済体質の改善ということを図っているわけでありまして、それまでの間、当面政策当局としてはインフレ抑制に最大の課題として政策の重点を置いている。金利が本当に低下していくのは、インフレ心理がおさまっていく、収束していく、それによるんだ、こういうようなことで、何よりもインフレ並びにインフレ心理を抑えるということに重点を置いて、それがマネーサプライのコントロールという形で金融政策に非常な重荷がかけられているという現状であるわけであります。 レーガン新政策に対する期待というのは内外とも非常に高いわけでありまして、減税政策のかたわら財政支出を厳しく削減いたしまして、財政赤字の幅を逐次縮めていくということが政策の重点になっております。したがいまして、そういう点が効果があらわれてまいりますれば、やはり国民のインフレ心理というものにも非常に大きな鎮静的効果が期待できるということになるわけでありまして、それまでの間はやはり金融政策に頼らざるを得ないという現状であろうと思います。したがいまして、そういった効果がどのくらいの期間で出てくるかということと高金利がいつまで続くかということはやはり関係する問題でありまして、その辺が意見の分かれてくるところということになるわけでございます。 四月の後半来のような非常に異常なマネーサプライの増加というものはここへ来てやや鎮静をしてきているというふうなこともうかがわれますし、一時二〇・五%まで上がりました短期プライムレートも六月の二日、それまでに一部の銀行で下げましたが、六月二日には主要行全部二〇%、〇・五%の下げではございますが下げの方向にまいりまして、このところずっと上がってきたわけでありまして、下げの方に出てきたというのは公定歩合引き上げ以降もちろん初めてでございます。しかし基本的にそういう情勢でございますので、下げる動きがあったからといって、これからさらにどんどん下がっていくということはなかなか予測困難でございます。その辺がどうやら当面の天井ではないか、こういうふうな観測もある一方、しかしきわめて見通し難である、こういう見方もある状態でございます。 基本的には、アメリカがインフレ対策に最重点を置いてやっている、そのためにそういう金融政策がとられていることに対しては是認せざるを得ない状態でございますが、金利の余りに激しい変動、あるいは金利水準の異常な高さというようなものは、情勢の許す限りなるべく早くこれが下がる方向を示してくることを日本のみならずヨーロッパの各国いずれも期待しているわけでございます。ただ当面これ以上急速に上がるということはなく、むしろ若干下がるというようなことがありましても、それが非常に大幅に下がっていくことはなかなか期待できない現状ではないか、かように思っております。 それから第二番目の御質問でございますが、日銀の短期金融市場の調節につきまして二面作戦をとっているのではないか、こういうお尋ねでございますが、三月に公定歩合を引き下げますとともに、四月−六月の窓口指導を一段と緩和する方向で措置をとってまいりまして、短期金融市場の調節につきましても、こうした金融緩和措置の効果を市場金利の動きを通じて浸透させるということを基本としてやってきております。 市場の動きを見ますと、公定歩合引き下げ以降最近までにおきまして、コールレート、これは無条件ものでございますが、約一・五%、それから二カ月ものの手形でございますが、これは丸い数字で〇・八%、現先のレートは〇・七%というような低下でございます。現先は、これは三カ月もめでございます。これはいずれも短期金利ではございますけれども、短期金融資産の種類あるいは期間——期間も無条件もの、二カ月ものあるいは三カ月ものとあるわけでございます。それに応じまして需給関係が違ってきております。それから、たとえば二カ月ものでございますと、当面七、八月に期日が来るというものでありますが、この時点は資金の不足期に当たっておりますので、この辺にかかります手形や現先ということになりますと、期間の二カ月、三カ月と長いものはどうしてもやや高目である、こういうようなことがあるわけでありまして、無条件もののコールレートの方が下げ幅が大きい。これに対して手形の方が少ないということは、そういった期間の違いというところから、ちょうどその期間がどういう資金需給の見通しに当たるか、そういうようなところから来ていると考えるわけであります。こういった期間あるいは季節性、これに応じた変動というものはこれは当然の性格でありますし、全体として下がる地合いということになれば、それは長期金利の市況にもそれなりに影響を及ぼしていく、こういうふうに考えているわけであります。したがいまして、コールと手形で使い分けをしている、二面作戦であるというようなことはございませんで、やはりいま言ったような資産の種類、期間の関係、こういったことが主たる要因であろうかと思います。しかしながら最近の長期債の市況の方でございますが、これはどうしても海外の金利や通貨情勢あるいは為替相場、こういったものをながめて、市場筋には金利の先行きに対する不透明感、金利の先行きはどうなるかわからないというような不透明感が非常に大きくなっているために、短期金利が緩めであっても、あるいは短期市場が緩めであって短期金利が下がっても、長期の市況の方は先の不透明感というようなものによってなかなか素直に短期市場のような傾向があらわれない、市況がさえない、値が安い、利回りが高い、こういうことになるわけでございます。 私どもの方の基本的な考え方は以上申し上げましたようなことで、先ほども申しましたようななかなか見通しのむずかしい米国の高金利の持続、こういうもとで内外金利差が拡大している、こういう現状で、金融市場の調節に当たってはこういった金利の関係、それからわが国の資本の動き、内外の資本の動き、為替相場、そして為替相場の関係で直物と先物との間の開き、これが金利差に応じて動くわけでありますが、そういったもの等を十分に注視して、その辺は注意深く見守って対応していかなければならない、かように考えておる次第でございます。 それから三番目の御質問は、米国の高金利、現在の異常な高さ、しかもこれが続くというようなことを私も申し上げたわけでございますが、そういう前提のもとにおいて、これに対してどういう対応策を考えるかというようなことでございますが、これはいまもちょっと申し上げましたように、一つには日本の物価、国際収支というようなファンダメンタルズが総体的に幸いに良好な状態でございますので、これをぜひ維持していくことが日本に対する信認の基本でございます。この日本経済に対する信認が揺るぎますと為替相場も大きく崩れますし、そういう場合にはさらに内外金利差というような影響も非常に大きくあらわれてくる、こういうようなことでございますので、そういった基本的な経済の姿というものをぜひ維持していかなければならない。 さらに当面のあれといたしましては為替レート、これの中には直先の開き等の問題もございます。それから金利の動き、あるいは内外資金の動き等について、十分これを注視していって、そして機に応じてこれに対応していく、為替相場も、こういうような金利差にかかわらず、余り円安にならないように、そういう政策態度というものはとっていく必要があるというふうに考えるわけであります。 基準外貸し付けもそういう対応策の一つではあるわけでございまして、次の点の御質問に関連するわけでございますが、基準外貸し付けの必要な場合には活用することもあるということをやはり対応の中には入れていかなければならない、こういうふうに考えるものであります。 しかし、第四の御質問の、これを発動する場合の条件はどうか、また、これを収束する場合の条件はどうか、こういう御質問でございますが、これは、あらかじめ条件を決めて、そしてこれこれの条件ならばこれを発動する、これこれの条件ならばこれを収束するというふうに決めることは非常にむずかしい問題であります。また、あらかじめ決めておくことはこういう制度の本旨からいって適当かどうかという点もあろうかと思います。したがって、結局例示というようなことになるわけでありますが、例示といたしましては、内外金利差拡大によって短資が急激に流出する、このために為替市場や国内の短期金融市場に急激な影響が及んでくる、しかしながら、国内情勢からは公定歩合の変更という基本的なスタンスの変更は適当でない、そういう場合に一時的、臨時的な措置として発動するという性格のものであろうと思います。 わが国は、先般の公定歩合の引き下げによりまして、公定歩合は六・二五%でありますし、短期金融市場の金利は六%台から七%台ということで、いま世界一の低金利国になっているわけでございます。皆さんも御承知のとおりでございますが、こういうふうな状態になっておりながら、非常に目立った短資の流出はこれまでもございません。幸いにしてそういうことはなくて済んできておるわけでございますが、これはやはりわが国の物価や国際収支、そういうファンダメンタルズが総体的にいいということがそういう動揺のない原因でございます。しかし、一たびそういう動揺が起こるというようなことになりますと、差が大きいだけに非常に影響がある。したがって、基準外貸し付けという制度を導入しておきまして、場合によっては発動することがある、こういうことでございますが、これは一時的、臨時的でなければならない。公定歩合自体ではないのでありますから、どうしても一時的、臨時的でないといろいろひずみを起こします。ドイツの特別ロンバード貸し付けが導入以来すでに三カ月余になっておりますのは御承知のとおりでございますが、これはヨーロッパのほかの国々の動揺等もございまして、なかなかドイツとしてはこれをやめることのできない、非常にジレンマな立場にあるものと想像いたしております。わが国の基準外貸し付けについてはそういうことのないように、これはもうあくまで臨時的、一時的なものとして、もし発動するようなことがあっても、そういうものとして運営しなければならない、この点についてはかたく肝に銘じているところでございます。 もう一つ、行政改革に伴うデフレ懸念という点で、金融面から何ができるか、金融政策面でどうか、こういうようなお話でございますが、確かに歳出の削減によって景気のマイナス効果があることは否定できません。しかし、財政再建をやるということになりますと、歳出を削減しなければ増税をやるということでございます。その場合に、もし増税を選んだというような場合には、増税によるデフレ効果というものが当然あるわけでありまして、それと歳出削減によるデフレ効果というのは、これはいろいろモデルの計算によると思いますけれども、大差がないのではないかというふうに思うわけであります。また、増税をしないで歳出削減による行革を行うことによって民間経済の活力を期待するわけでございますから、これもモデルの計算にはなかなか出にくいものであるかもしれませんが、ちょっと長い目で見れば経済成長にプラスに働く、民間の経済活力の発揮によってそれがプラスに働くという面も期待できるのではないかと思います。そして、国債増発が続いていった場合のいわゆるクラウディングアウトによって民間資金が圧迫されるということになりますと、これはこれで非常に大きな経済的な影響があるわけでありまして、歳出削減によって国債の発行額を漸減していくということは、民間金融を順便に保っていくことができるという効果もあるのではないかと思います。 それから、行革の影響に限らず、日本経済が低成長に移行している、現在そういう時期でもあると思うのでありますが、そうしますと、そういうときにはどうしても業種的な跛行状態というものが経済の面で出てまいります。現在、経済かげり現象に業種的な跛行があると言われるのも、そういう低成長への移行期のあらわれという面もあるのではないかと思いますが、そういった業種的な跛行関係というものは、日本経済の体質改善を進める、そういうところで吸収し改善をしていくということではないか。したがって、これは一律の量的な、全体の金融政策の問題よりも構造対策——構造対策にも金融面というのはあるわけでございますが、そういう構造対策による面も行革デフレという問題を考える場合にある問題ではないかと思っております。 現在は、先ほど来申し上げましたように、内外金利差の大きい国際的な高金利、こういう中で三月に公定歩合の引き下げを行って、その実体経済面に及ぼす効果を注視している、できるだけその効果が浸透していくように注意深く見守っているという段階でございますので、今後とも経済の安定的発展を図っていくためには、物価上昇のないように、ことに国内要因による物価上昇を増幅させることのないように注意をしていかなければならないわけでございますし、そのためには、対外的に常に円相場の安定ということにも努力していく必要があるわけでございまして、そういうことを念頭に置きつつ機動的な政策運営を図っていく、こういうこと以外にはないのではないか、こういうふうに思っております。したがって、行革に伴う影響を全般の金融政策でどうこうするというようなことは、この段階においてはまだなかなか申し上げかねる状態でございます。
○村山(喜)小委員 時間の関係がありますので、日銀の副総裁に対する質問はこの程度で終わりたいと思いますが、五年間で連邦支出を四千六百七十億ドル程度削る、それから個人、企業には七千九十億ドルの企業、所得減税をやる、そのかわりに国防支出はどんどんふやしていくわけですね。小さな政府というもの、レーガン哲学なのでしょうが、そういう中から、民間企業と労働者の活力によってインフレを鎮圧しようという考え方、それはわからぬでもありません。しかし、五年間もこれがずっと永続していきますと、これはめちゃくちゃになるのじゃないだろうかという気がしてならないのですよ。だから、中央銀行としても、国際的なそういうような会議等において、これはアメリカだけがよくなるという形でなしに、アメリカがそういうような高金利政策によって世界の経済を撹乱するような状態になるならばこれは非常に問題があり過ぎる、そういうようなことで政府当局も対応するようでありますから、日銀としてもそのような対応の仕方をしてもらいたい。そして、いま答弁にありましたように、大幅な減になることは期待ができないのではないか、今後も続くのではないかというようなことでは不安定要素がずっと重なっていくわけでございますから、今後の対応の仕方を要望申し上げて、日銀に対する質問は終わらしていただきます。ありがとうございました。
○小泉小委員長 澄田、青木参考人には、ただいまより退出されます。 両参考人におかれましては、お忙しいところ大変ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。 村山喜一君。
○村山(喜)小委員 念が入り過ぎまして時間が余りありませんので、臨時行政調査会の佐々木事務局次長に臨時行政調査会の問題についてお尋ねをしてまいります。 そこで、第一にお尋ねしたいのは、五原則というのがあるやに聞くのですが、資料をいただいた中では五原則というものをプリントしてございません。その五原則の中に、防衛とか経済援助等も聖域を設けないという五原則があるということでございますが、まずその五原則の中身について御説明をいただきたい。 それから第二には、いろいろ新聞に明けても暮れても行革の記事のない日はないくらい、非常にムードづくりが始まっておりますね。そういう中で、行政改革の原点というのは一体何だろうか、第一次の臨時調査会がやりました改革案はなぜつぶれたのだろうかというような反省点の上に立って第二臨調が設けられなければならないわけでございますが、これは理念が後からくっついて、先に補助金の整理ありきというところから出発をしているのじゃないか。逆立ちをしているのじゃないか。無定見だ。財界寄りだ。財界エゴだ。事実認識の間違いがあるのじゃないか。各論反対で、財界の方でも不協和音が聞こえてくる。中には、自民党の元有力な人たちが、これは井戸端会議じゃないか、魔女狩りだ、長期ビジョンがないじゃないかと、いろいろな、大変ほめるともひやかしとも思われるような言葉がたくさん出てくるわけでございます。 そういう中で、私もきょうの毎日の社説を見ておりましたら、騒がし過ぎるテクノポリス構想というのですか、これはことし予算で二千万円調査費がついた。通産省の考え方によれば、五カ所を選んで、その中の一カ所をつくるのだ。一カ所つくるのに、新しい町づくりですから五千億くらいの事業費を見込んでいるものだそうです。田中通産大臣に言わせると、いやこれは全国で六カ所にするのだ。やんやん希望が出て、いま調査対象が十六カ所、希望個所は三十八カ所。これからはテクノポリスだということで朝野を挙げて、地方自治体まで巻き込んで大変な騒ぎが起こっている。渡辺大蔵大臣も私の鹿児島にもおいでになって、その該当地に行かれて調査をされたやに聞いている。また田中通産大臣もそこに行って、関係の市町村や議員や、みんな関係者が集まって話を聞くという手はずをとっているという話も聞くのです。そういうふうにしてもらうのは地元の側としては大変ありがたいのでありますが、そういうようなばらまきなり自治体の先行投資なり開発ブームによる土地の上昇なりという問題が、今日の財政状況の中でこういう与党や政府の手によって進められるという姿の中で行政改革の問題が論議をされる。 そういうような姿の中で、政治の改革なくして行政改革だけで今日のこの問題を処理ができるのだろうかということを私考えておりましたら、ここに「道全協だより」というのが出ておりまして、これは「“地方”の積極運動実る」「国道「八十三路線・五千五百キロ」が昇格」そして「建設省構想 五万キロへ一歩前進」地方道は県道が十五万、市町村道が二十万キロ、膨大な計画がここにこうして出て、そしてそれに対する運動を積極的にやろうじゃないかという道路族の人たちの意欲満々たる姿がここに出ているわけです。 そういうような状況の中で、鈴木総理は政治生命をかけてやられるということでございます。それくらいの取り組みをされるのは結構でございますが、そういう傍ら、防衛費の方は特別にまた枠をつくって来年度予算の問題の中では処理をしていくという報道が流れてきたりしておりますと、今日の臨時行政調査会の補助金削減というねらいは、国民の弱い層に向けて圧力がかかっていく中で、そして軍事大国への道を歩いていくのではないかというふうに国民には受け取られるようになると思うのでありますが、一体行政改革の原点というのは何を考えていらっしゃるのか。その点についてはまだ第一専門部会で理念がまとまっているわけじゃありませんのでこれからだと言われればそのとおりでございますが、事務当局は一体どういうふうに考えているのか、その見解をちょっとお聞かせをお願いしたい。
○佐々木政府委員 お答え申し上げます。 冒頭に先生が指摘されました五原則というものの中身でございますが、第一特別部会、これは歳入歳出につきまして行政の徹底した合理化によってその支出を削減し収入を確保するということを課題とする部会でございますけれども、各省庁から種々の実態の御報告をいただき、種々その御説明を承ったわけでございますが、その全体を第一ラウンドを終わりました段階において、五月二十七日でございますけれども、いわば今後の具体的な検討に当たっての合意事項というのを特別部会でもって決定をいたしたわけでございます。ちなみに特別部会の構成員はほぼ二十人の専門委員、参与でございます。 その内容は、まず第一に増税なき予算編成に資することを前提とするということであります。第二が聖域は一切設けないこととする。第三が具体的な制度、施策について改革の方向を打ち出す。第四が実効性のある内容とする。第五が国民の理解が得られる内容とするということをこの経費等の検討に当たっての特別部会の合意事項といたしたわけであります。この点につきましては、六月一日に第一特別部会が調査会にこの旨の御報告をいたしまして、そこでも御了解をいただいたわけでございます。したがいまして、今後特別部会並びに調査会自体のいわばこの問題の検討の前提になってこよう、このように思うわけでございます。 それから、御指摘の行政改革のいわば原点をどのように考えるか、あるいは行政改革の理念あるいは今後のビジョンというものをどのように考えるか、このような御質問でございます。 先生言われますように、ただいま第一専門部会でもって「行政改革の理念と行政の中長期ビジョンの確立について」といったようなことにつきまして順次論議をいたしておるわけでございます。ただ、基本的にこの考え方につきましては、実は法律を提案いたしますときに各方面の御理解を願ったことがございます。つまり、第一次臨時行政調査会は昭和三十六年に発足し、昭和三十九年九月二十八日にその答申を提出いたしておるわけでございますけれども、調査を始めました時点がまさしく高度成長時代のいわば入り口にあったときでございます。 つまり、当時の物の考え方は、民間企業あるいは各部門におきましては、生産性向上運動その他によりまして、ないしはイノベーションというようなことによりまして生産性が非常に高まっていた時代であります。当時、それに対しまして行政の非近代性、非能率性ないしは割拠主義、そのようなことが大変強く各方面から指摘されたわけでございます。いわばそうしたようなことではこれからの日本の社会、経済に十分寄与することができないだろう、そうした観点から事務の見直しあるいは仕組みの見直しを行ったのが第一次臨時行政調査会であったかと思うわけでございます。 その後、高度成長時代を経まして、四十七、八年あたりからその終期は一応あったわけでありまして、五十年ごろからいわば低成長、安定成長時代に入ってまいった。同時にもろもろの問題が日本の行政あるいは経済に起こってきたわけでございまして、たとえば四十八年に社会保障につきまして相当制度の整備が行われたわけでありますけれども、そのころからまさしく高齢化の現象、これは予見できる話でありますけれども、今後の行政の大きな問題として出てまいります高齢化現象といったようなことが、いわば財政負担を伴って非常に顕著になってまいった。あるいはいわゆる三K問題等につきましても、第一次臨調のときにはまだ顕在化していなかった問題でありますけれども、御承知のとおり四十六年に国鉄が償却前収支で赤字を出した、以後低迷を続けておる。ないしは都市化現象、国民の価値観の多元化、このようなもろもろの現象が種々起こってまいったわけであります。また、当時非常に顕著でありました地域間の格差ないしは地域間の人口移動といったようなことも、五十年を境に大体おさまったわけでございます。したがいまして、今後の日本の社会は、いわば安定成長ないしは安定化した社会が現出してくるであろう、このようなことを私どもとしては考えておるわけであります。 経済の低成長のもと、財政収入の確保は十分行われないであろう、一方で支出につきましては、すでに既成のもろもろの制度が一応ありまして、これによりまして今後とも財政赤字というのは、現在のままでは定着するであろう、また社会的には、先ほど申しましたようにいわば安定化した時代に一応なっていくであろう、しかしながら、いわば高齢化社会あるいは価値観の多元化、このようなものでもってこれから日本の社会あるいは行政は大変大きな課題を抱えていかなければならぬ。また、さらに言えば、国際化の進展というのは、いわばGNP一割国家としての今後の課題というのは大変大きくなるであろう、そうしたようなことから、従来の諸制度につきましてこの段階で全般的な見直しを加えて、今後わが国が社会、経済あるいはそれに供すべき行政が新しい時代に対応できるようないわば骨格をつくらなければならぬ、いままでの既成の制度を見直すことによって、新しい時代にたえるような仕組みをつくらなければならぬ、このあたりが、言われます行政改革の原点としてただいま第一専門部会において議論されている要点でございまして、私ども事務当局としましても、今後そうしたような問題を議論し、今後二年間臨時行政調査会が存続いたしまして種々の改革意見をつくってまいるわけでありますけれども、そうしたようなことを頭に置きながら種々の制度等の検討を尽くしていくべきもの、このように考えておるわけでございます。
○村山(喜)小委員 そこで、これはきょうの報告書の中にもございませんし、また事務当局の方からももらっておらぬものですから、確認をしておきたいと思います。 六月一日の第一特別部会の中間報告は、テレビを聞いておりましたら、その中身についての詰めがまとまらなかった、ところが新聞は、歳出入の三十八項目を検討する、こういうことで特別部会の中間報告が掲載されているわけです。三十八項目は検討課題ということでまとまったという経過報告を了承した、こういうことでよろしいですか。
○佐々木政府委員 六月一日に第一特別部会からの調査会への報告が一応行われましたけれども、先ほど申し上げましたように週に二、三回、それも朝から晩までといったようなこともしばしばございましたけれども、そのような各省庁からのヒヤリングを行いましても、実は数が非常に多かったものですから、いわば経過の報告にならざるを得なかったわけであります。現在まで、十数省庁から一応状況の説明を受けて、それでただいま申しました五原則を一応定めました。で、具体的なその整理をただいま始めております。整理を始めております項目は、一部の新聞が伝えますように、四十項目弱でございます。その点はそのとおりでございますけれども、これは種々の各省庁からのお話を承りましたものをいわば項目として並べてみたという程度の話でありまして、今後さらにそれが拡大することもあれば、また再度整理されることもある、こんなようなことでございます。 したがいまして、いま三十八項目を決定したというふうなことを一応言われましたけれども、それは事実ではございませんで、まあ項目として、たとえばこうしたようなものについてただいまその整理を始めておる、こういうことを御報告したわけであります。
○村山(喜)小委員 そこで私は、とりあえず第一特別部会は補助金の削減というものがメーンテーマになりましてこれから作業が進んでいく、聖域は設けないという考え方、政府はすでに大蔵大臣と鈴木総理大臣との間に、一般的な経費の伸びはゼロですよ、しかし、防衛とかエネルギーとか原子力あるいは海外経済援助、これは特別ですよ、こういうようなふるい分けをした形の中で話が進んでいるやに聞くのでありますが、一体五十七年度の予算編成の方向については——六月五日の閣議で、大蔵大臣がシーリングについての大蔵省の方針の説明をすると新聞には書いてある。それで十五日には、これも大臣の地元の宇都宮で大臣が財政再建のキャンペーンをやる、増税なき財政再建策というようなことで、そういうような説明をやるというのが出ておるわけです。財投についても要請をした。 そういうようなことで、どうも「財政の中期展望」という問題を考えていきますと、その中で二兆七千七百億、要調整額という形で出されておりましたね。そういう中から、歳入の確保額と、それから歳出の伸びの差額を、要調整額を歳入額からそれだけ差し引いて、そしてその歳入額で割りますと、伸びは一・四%ということになるものだから、それで、一般の方は抑えて伸び率はゼロですよ、そのかわり特別枠の方では考えるんですよ、こういうような一つの数字が出てきているんだろうというふうに見られるわけでございますが、この来年度の予算の準備は、大蔵省の方としては、やはりサマーレビューというのですか、何かことしは早くて、スプリングレビューというような話さえ聞いておるわけですが、もう具体的に作業にお入りになっている。 それから、これは時間の関係がございますので続いて尋ねますが、補助金については大蔵省の方から、法律補助あるいは予算補助の内訳もいただきました。地方財政に八割ぐらい行っているその姿もわかりました。なお、公共事業やあるいは社会保障、文教、科学の予算が八割ぐらいのウエートを占めているというのもわかるのです。 それで今度は、その補助金についての大蔵省の構えば一体どうなるんだろうか。 というのは、臨時行政調査会の第一特別部会の方で鋭意検討していらっしゃるから、それを受けた上で、補助金については各省庁の協力を得て処置をする、こういう形でございますか。そのときに臨時行政調査会は、このものについてはこういうふうにこの程度に金額を決めて補助金は削減すべきであるというふうに打ち出されるものであるのか、それともそれは、一定の方向を示して、その補助金の削減等については政府が、特に大蔵省がそれについては責任を持つということで数字を固めてやるという責任態度をおとりになるものであるのか。そこら辺をきちっとしておきませんと、臨時行政調査会の方にすべてをおんぶして、すべてを任して、こうおっしゃったからわれわれはこのとおりいたしましたという形に持っていくんじゃ、それは何のための政府かということになってきて、責任の所在が不明確になる。私は、その点がやはり行政府としての、国会や国民に対して責任を負うという立場からは明確にしなければならない点だと思うので、この点だけを最後にお尋ねをいたしておきたいと思うのです。 以上申し上げましたことについて、大蔵省の方から、お答えがあればお答えを聞かせていただきたい。また臨調の方でも、考え方を聞かせていただきたい。
○吉野(良)政府委員 大きく分けて、二つの点についての御指摘があったかと存じます。 一つは、五十七年度予算編成全体についての構えの問題であったかと存じます。 先生も御援用になりましたように、いわゆる「財政の中期展望」が示しておりますように、これは必ずしも具体的に五十七年度の見通しを示したものでは性格上ないわけではございますけれども、いずれにせよ、そこからうかがい知り得る五十七年度の財政事情といいますものは、従来になくというような表現ではなかなか追いつかないほどの厳しい財政事情にあるわけでございますので、私どもといたしましては、従来のようないわばスケジュール、従来でございますと、各省庁から大蔵省にお出しをしていただくいわゆる概算要求の枠、これを七月末に閣議でお決めいただきまして、八月いっぱい各省で作業をしていただいた上で八月末にお出しをいただくというような手順になっていたわけでございますが、先ほど申しましたように、従来にない厳しい状況でございますので、まず大蔵省が要求を受けてそれを査定をしていくというような普通の手順ではなくて、まず各省庁自身が厳しく財政事情を認識していただいて、要求自身の中に削減努力を織り込んでいただく必要がある。しかもそのためには、財政事情が厳しければ厳しいほどこれは検討にも時間が要るわけでございますので、従来のように七月末に要求の枠を決めるというのでは余りにも遅過ぎるということで、現在のところ、これは例年に比べますと二月近く早まるわけでございますが、今月の五日には概算要求の枠をお決めをいただく、しかもその概算要求の枠は、これも先生が御援用になりましたように、原則的には伸び率ゼロというような基本的な考え方で枠を決める、それで、その要求枠の中で各省庁自身が種々工夫、努力をしていただいて、八月末にお出しをいただく要求自身の中に徹底的な歳出の見直しの努力を織り込んでいただく、しかもその間には、臨調から七月半ばには第一次の改革意見もお出しいただくように伺っておりますので、その改革意見をちょうだいいたしました段階で、さらにまた各省庁がそれを要求自身の中に織り込む努力をしていただく、こういった段取りで進めてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。 第二番目の補助金問題でございます。これも先生御案内のとおりでございまして、補助金の大部分はその根っこに法律なり制度なり既定の運営の仕組みが横たわっているわけでございます。したがいまして、補助金の削減をしていく、あるいは合理化をしていくためには、その補助金のベースに横たわっている制度、仕組みそのものにメスを入れていかなければならないわけでございます。歳出全般にわたりまして徹底的な削減の努力をしてまいらなければならないわけでございますので、歳出の約三分の一を占めます補助金につきましても、従来になく厳しい合理化努力をしていかなければならないわけでございますので、先ほど申しましたような根っこになっておる制度なり仕組みそれ自身について臨調の方でも種々御議論をいただき、そして実効性のある改革意見をちょうだいすることを期待しているわけでございます。ただ、先生も御指摘になりましたように、予算はあくまで政府が政府の責任におきまして国会に御提案申し上げ御審議をいただくものでございます。したがいまして、臨調から有益かつ実効性のある御意見を補助金につきましてもいただくことを期待いたしておりますが、それを受けとめて国会の御審議をいただく責任はもちろん政府にあるわけでございます。そういった構え方で私どもは今後ともこの問題についても取り組んでまいりたい、かように考えております。
○村山(喜)小委員 その点はわかりました。 そこで、時間がございませんので、国税庁の直税部長がお見えになっておりますから、お尋ねします。 四月に出されました「昭和五十五年分所得税の確定申告状況について」という資料がございます。また、大蔵委員会に配られております「昭和五十五年度三月末租税及び印紙収入、収入額調」、この中にも傾向がはっきり出てまいっておるわけでございますが、所得税の源泉分と申告分の伸び率をとってみますと、五十四年までは大体コンスタントに来ておった。ところが、五十五年分を見てみますと、どうも理解ができないような現象が出てきているわけです。源泉分については二〇%近くの税収の伸びがある、しかしながら申告所得関係の分についてはその半分にも満たないというような現象が出ていますね。なるほどその中には、冷害あるいは農産物価格の低迷、そういうものによる農業所得の減は予想できます。あるいは不況が長引いていく中で中小企業の営業事業活動が沈滞をしておったことも事実であります。ところが、その他事業というのは医者とか弁護士あるいは税理士その他の自由業者の人たち、これは、調べた報告書を見てみますと、どうもわれわれが理解に苦しむようなところが出てきているわけですね。一人当たりの税額は一%しかふえていない、こういうような数字が出てきておる。新聞によりますと、これはクロヨンの状態がなお顕在化したという形の中でサラリーマンの方にしわ寄せが来ているのじゃないかというような報道もございます。 そこで、その状況についての報告はございますけれども、分析はされていない。皆さん方の方では、どこにそういう原因があったのか、節税効果がそういうものとしてあらわれてきたのか。社会保険診療報酬支払基金の取り扱い金額を調べてみますと、五十五年度は六兆四百六十四億で対前年度比八・七八%もふえている。これは医療費全体じゃありませんが、これを基本にしてそういう所得がふえている。ふえているにもかかわらず、この部分は伸び率がほとんどない。こういうような状態の中でなされているということが疑問点なんです。 そこで、一体それに対してはどういうような対策をとっていけばいいのかという問題をやはり国税庁としては分析をされるべきではなかろうかという点から、歳入の面として申し上げたいわけでございますが、お答えがいただければいただきまして、もうあと二分ぐらいしかございませんので、あとは検討を願いたいということを要請いたしたい。
○小幡政府委員 五十五年分の確定申告が五十六年の三月に出てまいったわけでございます。その内容につきまして、いま先生の方からお話がございましたけれども、全体といたしましては税額で八%の伸びでございまして、五十四年分が前年に対して二六%伸びておったことに比べて大分伸び率が下がったということがあるわけでございます。 いろいろ御指摘ございましたが、その中でまず営業所得についての御指摘がございました。営業所得につきましては、税額で六%の伸びという数字であったわけでございます。この点についてどうかということでございますが、五十五年の経済というものを……(村山(喜)小委員「営業じゃない、その他事業所得」と呼ぶ)最初に営業の話があったかと思いましたが、それでは営業の点は省略いたしまして、その他事業の方に参ります。 その他事業だけについて申し上げますれば、五十五年分の税額の伸びは九%でございます。五十四年分のその他事業の税額の伸びが三一%あったということでございますが、この点について申し上げますと、御案内のように、その他事業というのは医者のウエートが非常に多いわけでございます。医者につきましては、先生御案内のように、五十四年に社会保険診療報酬についての特例措置の是正があったわけでございます。昭和五十四年分についてはこの点の十二分の九の効果があったわけでございますが、五十五年分につきましてはこれが平年度化されております。したがいまして、五十四年分の伸びと五十五年分の伸びというふうな関係でいきますと、五十五年分の伸びは五十四年分の伸びに比べまして減る、こういう要素が一つあろうかと思います。 それからもう一つの要素といたしましては、先生いまも御指摘がございましたけれども、医者につきましての、法人成りあるいはまた専従者給与等の増加というふうな問題もあろうかと思います。 その他事業についてはそういうことが言えるかと思いますが、全体を通じて共通した問題としていきますと、やはり五十五年という年は、経済としても全体としてそれほどの伸びがなかった年であったというふうに思います。全体の経済成長が恐らく八%程度であったと思いますけれども、そういう中で五十五年分の確定申告のトータルとしては八%ということであったわけですが、特に五十五年の経済で見ますと、中小企業については非常に不況の年であったというふうに一般的に言われておるかと思います。経済成長のGNPの需要項目等を見ましても、輸出でありますとか設備投資でありますとか、どちらかといえば大企業の方に影響の多いような需要項目の方が非常に順調であって、たとえば住宅建設投資というふうなものは非常に伸びが悪かったわけでございますし、あるいはまた、消費というふうなものも伸び悩みということがございましたから、そういうふうな意味で申告所得税の主たる対象である中小企業にとってはその影響が非常に大きかった。これは中小企業庁等の調べを見ましても、五十五年という年は中小企業にとっては非常に不況の年であったということがいろいろな指標で出ておるわけでございまして、たとえば生産指数等を見ましても、大企業では九・八%伸びたけれども、中小企業では三・八%しか伸びなかったとか、あるいは経常利益も大企業では増加したけれども、中小企業ではやや減少したとか、その他いろいろ細かな分析を中小企業庁の方でも出しておられますが、そういうふうなこともございまして、申告所得税の方でこの伸びというものが低かったということが言えるかと思います。 それから、先生のお話の中にございました源泉所得税と申告所得税の伸びとを対比してお話しになった部分がございましたけれども、これは一概には言えないわけでございますが、過去数年の状況を見てみますと、非常に好況と言われる年では、むしろ申告所得税の伸びの方が源泉所得税の伸びを上回るという年がございますし、また五十五年のように不況の年でございますと、源泉所得税の方が申告所得税の伸びを上回る。これは過去の年々によってその波は違っておるかと思います。 それで、申告所得税とそれから源泉所得税というのを対比しますときに一つ注意をしておかなければいけない点は、たとえば事業所得者の場合でも、その奥様が専従者ということで給与を取っておられるということになりますと、それは給与所得者というところの統計に出てくるわけでございまして、その税額は申告所得税の方には出ませんで、給与所得税として出てくる。あるいは中小企業者の事業主の方が事業主報酬という制度をとってそれを事業主報酬を取っておられるということになりますれば、それは給与所得者の方の税額として源泉微収で出てくる、申告所得税の税額としては出てこない、こういうこともあります。さらに中小企業者の方が法人成りをされるということになれば、その御主人あるいは奥さんが法人からの給与をもらうということになれば、これはもうまるまる法人税あるいは給与所得税というふうな問題になりまして、申告所得税からはその金額が抜けていく、こういうふうないろいろの絡みもございますので、一概に申告所得税の税額と源泉所得税の税額とを対比して判断をするということはできないわけでございますけれども、五十五年分の確定申告状況についていろいろ御指摘ございました点について申し上げれば、私どもも完全な分析をしておるわけではございませんけれども、そういうふうな点が気がつくわけでございます。 今後私どもとしてどういうふうにするかという点でございますけれども、これは私どもといたしまして、その課税の公平、適正な執行を図っていくということはまことに重要な使命であり、課題でございますので、いろいろな施策をやっていかなければいけないというふうに思うわけでございますが、まあいろいろあると思いますけれども、たとえば納税道義の高揚、やはり一般的に納税者の方々が適正な申告をしていただくようなそういう納税道義の高揚という面について、あるいは学校教育の面あるいは社会教育の面等々いろいろお願いをしていかなければいけないというふうな点もあろうかと思います。あるいはまたいろいろな納税環境を整備していくというふうなことも必要であろうかと思いますし、青色申告の普及、育成というふうなことも考えていかなければいけないというふうに思うわけでございます。 さらにまた、私どもの中の仕事につきましてもいろいろ工夫をこらしながら、さらに一層努力をしてまいらなければいけない、かように思っておる次第でございます。
○村山(喜)小委員 これは第二薬局の問題もありますし、薬品の仕入れ会社をつくって、そして調剤の場合にはまた別な会社をつくってと、三部門独立をしてやれば税法上は合法的であるかもしれないけれども、医師法上それはおかしいんだというような問題が国会でも論議されたわけですから、そういうような問題等も背景にあることを十分御存じでございますから、それらの問題については適切な対処を願いたい。要望を申し上げまして、終わります。
○小泉小委員長 蓑輪幸代君。
○蓑輪小委員 来年度の概算要求枠について政府としては原則として伸び率ゼロというふうにおっしゃっておる一方で、防衛費とか経済協力費、エネルギー対策費などについては特別枠を認めるという方向で予算編成が進められているというふうに伝えられているわけですが、一方で財界の有力者で構成している政策提言グループと言われております産業計画懇談会というようなところでは、ことしの二月に行った行政改革と財政再建に関する提言というところで、国防費こそ最優先の順位を与うべき国の費用というふうに主張しているわけです。そういう中で政府のこの特別枠を認めるという方式は、まさにこの財界の主張する方向と合うような形で進められていくという、そういう危険を感じるのは私はかりではないというふうに思います。原則としてゼロという中で防衛費のシーリングについては対前年度比七%台の伸び率でという、政府や自民党の間でそれが固められているというような報道がされているわけですけれども、来年度の予算編成に当たりまして、こうした軍事最優先の予算編成というのを強引に推し進められていくというのは非常に国民の理解とはかけ離れているというふうに私どもは思うわけですけれども、軍事費優先という政策を来年度予算編成の中心的な課題として進められていく方向であるということなのかどうかについて改めて伺っておきたいと思います。
○吉野(良)政府委員 まずいわゆる防衛予算そのものの問題でございますが、これは先生も御案内のとおり、去る五十一年「防衛計画の大綱」という形で閣議決定がなされておりますが、その中にもはっきり書いてございますように、「そのときどきにおける経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、」整備をしていくということになっているわけでございまして、五十七年度の予算編成に当たりましても、こういった考え方を貫いていくというのが私どもの考え方でございます。 それからそれに関連をいたしまして、当面のいわゆるシーリング、概算要求枠についてのお尋ねでございますが、御指摘がございましたように、私どもは原則的には伸び率ゼロというきわめて厳しいシーリングの枠にしたいということで、現在関係省庁と折衝をいたしております。したがいまして、現在のところこの原則に対しましていわば例外と申しますか、いかなる事項について特例的な取り扱いをするかというところまでまだ議論は詰まっておりません。おりませんが、ただ御参考までと申しますか、あるいは誤解があってはと存じまして、あえて補足をさせていただきますと、昨年度もちょうど七月末に五十六年度予算要求の概算要求枠を閣議でお決めいただいたわけでございます。それで御記憶かと存じますが、昨年度は一般行政経費ゼロ、それからその他の政策経費は原則的に七・五%増というのがいわゆる原則的な考え方であったわけでございますが、昨年度におきましても一部その経費の性質に着目をいたしまして、この七・五という原則枠から部分的にはみ出すこともやむを得ないという項目がございました。それは一つは、いわゆる恩給を含めますいろいろな年金の平年度化増に伴うものでございます。それからまた二番目は、いわゆるODA関係でございますが、五年間にODAを倍増をするというような国際的ないわば責務にかんがみまして、これを要求の段階から七・五%の枠内に押し込むことは無理があるということでこれも一部特例的に限度をはみ出してもやむを得ないという扱いをしたわけでございます。 それから三番目は、いわゆる一般会計から石油税特会への繰り入れでございます。これは制度的に石油税が一たん一般会計に入ってまいりますが、制度の仕組みといたしまして、いわゆる特定財源的に石油、石炭、エネルギー特別会計に繰り入れをするということに相なっておりますので、これは石油税の税収のいかんによりましては、いわば受け身のものでございますので、人為的に七・五の原則枠の中にはめ込むことは要求の段階においては少なくとも無理があるという考え方で特別扱いをしたわけでございます。 それから第四番目に、いわゆる国際条約の実施に伴います規定の国庫債務負担行為の歳出化にかかわる経費でございます。これが具体的には適用がございましたのがいわゆる防衛関係費と、それから科学技術庁関係の経費の一部であったわけでございます。 これも詳しい説明は省略させていただきますが、いずれにいたしましても、防衛関係費であるというその理由で特別の扱いをしたものではないというふうに考えております。その性質が国際条約の実施に伴う国庫債務負担行為の歳出化でございますので、これを要求の段階から一律的な枠の中にはめ込んでしまうことには現実問題として無理がある。そういう経費の性質、いわば技術的性質に着目をして設けた特例であったわけでございます。 そこで、当面、今月五日にお決めいただくようにいま努力をいたしております五十七年度の予算要求枠の問題にまた戻ってまいりますけれども、冒頭に申しましたようにまだ具体的に原則ゼロという基本方針のほかにどういった特例的な取り扱いを考えていくかという結論をもちろんまだ見出す段階にはなっておりませんけれども、いずれにいたしましても、仮にたとえ特例的な取り扱いを認めるにいたしましても、考え方といたしましては、昨年度のシーリングを決めたときの考え方を基本的には変えるべきでない、かように考えているということだけつけ加えさせていただきたいと存じます。
○蓑輪小委員 防衛費だからということではないという御説明のようですけれども、このシーリングの決め方の中で防衛費についてはということが常識になっているわけですね、いろいろな報道やら論議されるときには。おっしゃるような方向で昨年のシーリングを決めたときのように、防衛費だからということではなくて国庫債務負担行為だからというようなことを今年度も貫くというふうな御答弁のように承りましたけれども、来年度、五十七年度予算の編成に当たってやはりその基本線は同じだと承ってよろしいのでしょうか。重ねてその点だけお伺いしたいと思います。
○吉野(良)政府委員 先ほども申し上げましたとおり、まだ原則ゼロに対します例外的、特例的な取り扱いについて具体的な方針をまとめるに至っておりません。したがいまして、五十七年度のシーリングについていま具体的にこうするということを申し上げられる状況にないわけでございますが、いずれにいたしましても、仮にたとえば特例的な扱いを幾つか認めるにいたしましても、基本的には昨年度と同じような考え方を超えるべきではない、かように考えているということでございます。
○蓑輪小委員 べきではないとおっしゃったわけですけれども、いろいろな報道を見ておりますと、さきの日米共同声明で鈴木総理大臣がより一層の防衛努力というものを表明しているわけですし、その中で防衛予算について、軍事予算について特別枠ということが進められているように私どもは受け取れるわけです。そういう別枠という考え方で軍事費を拡大していくということになりますと、一方、増税なしの財政再建という課題がある中で、その矛先、しわ寄せが、結局のところ国民生活に関連する分野に集中して出てくるのではないかということが非常に強く言われているわけです。 この五月二十五日に財界五団体で構成する行革推進五人委員会と言われるものが行財政改革と五十七年度予算編成についての意見という意見書を第二臨調に提出したと報道されているわけです。その中で、教科書の無償、児童手当の原則廃止、老人医療費の一部自己負担の徹底、私学助成の減額、学級編制基準、教職員定数改善計画、四十人学級等ですけれども、これの見送りなどが掲げられておりまして、こういうことは、私ども国民生活にとって非常に重要な問題であり、大幅な福祉、教育の切り下げであるというふうに受け取れるわけです。そういう意見書が出されている中で、大蔵省の方として、総理大臣が増税なしの五十七年度予算編成というものの意向表明をされた後に、早々と歳出削減のリストづくりの作業を始めたという報道もされました。 こういう予算編成作業の中で国民生活犠牲というやり方でやっていたのでは、とうていこれから五十七年度予算についての国民の理解を得ることはできないというふうに思うわけです。たとえばほんの一例ですけれども、こうした問題に関連して申し上げますならば、私どもの岐阜県で五月の二十四日に教育をよくする岐阜県民大集会というものが開かれました。ここでは、最近の校内暴力とか、非行とか、そういうことに関連して、教育の現状を憂えるお母さんやらあるいはお父さん、さらには学校の先生方が県下で五千人も集まって、この教育の問題を熱心に論議いたしました。 その中でいろいろな決議が八項目されたわけですけれども、その決議項目の中にやはり四十人学級の問題というのがうたわれておりますし、私学助成の問題あるいは教科書の無償を含む教育予算の問題などについての充実を決議の中に掲げているわけです。 こうした私どもの現状、子供を取り巻く状況から見て、教育に一層の予算を、そして行き届いた教育をという声が高まっている中で、こうして逆にその予算を削減していくという方向が出されてきているというのを考え合わせてみますと、先ほどの別枠の関連で、どうしても軍事費などが増大される一方で国民生活関連分野がしわ寄せを受けるということでは、国民の納得が得られないと私どもは考えて、その方向を考えるに当たってぜひとも大蔵省においてはこういう実態を十分踏まえて、しわ寄せが教育、福祉を初めとする国民生活に来ないように、特別の配慮を願いたいというふうに考えているわけですが、その点に関してはいかがでしょうか。
○吉野(良)政府委員 御指摘がございましたように、いわゆる大型増税を考えることなく財政再建をさらに一歩進めてまいりますためには、本当に徹底的ないわゆる行財政改革、それから歳出の見直し、節減、合理化を進めていかなければならないわけでございますが、その歳出の見直し、合理化を進めていきます場合には、当然のことながらいわゆる聖域を設けることなく、すべての経費につきまして問題点をただし、洗い直していかなければならないと考えております。したがいまして、もちろんいわゆる福祉、いわゆる教育、このことのそれなりの重要性は私どもも十分に認識をいたしているわけでございますけれども、しかし、同時にまた、先ほど具体的に御指摘ございました四十人学級の問題あるいは児童手当の問題、それからまた教科書無償の問題、これは各方面にもいろいろな御意見がございます。従来から私どもの方の審議会からもきわめて厳しい御意見もいただいているということもございます。そういった各方面の御指摘、御意見も踏まえながら、見直しをし、合理化をしていく必要があるものについては徹底的に合理化の努力を進めてまいらなければならないと考えております。
○蓑輪小委員 防衛事務次官などがシーリングの伸び率一〇%以上だなどと主張しておられますし、また近く大村防衛庁長官とアメリカのワインバーガー国防長官の会談で、防衛費の聖域化というようなことも指摘されているわけです。そうした中で、いまおっしゃったように聖域としてこれを取り扱っていくのではないということは、渡辺大蔵大臣もかつて言われておりますし、この別枠扱いというのを絶対にしてはならないというふうに私は強く主張しておきたいと思います。 またいろいろな世論調査を見てみましても、たとえば朝日新聞の三月二十五日の調査では、「防衛予算を、いまより増やした方がよいと思いますか。」という問いに対して、「増やした方がよい」という人はわずか二六%、「そうは思わない」と答えた人がその倍以上の五七%にもなっている。 読売新聞の二月九日の調査でも、軍事費を拡大する政府の方針を「支持する」は三〇・五%、「支持しない」が五三・一%という状況になっておりまして、やはり軍拡より軍縮ということが平和への道であると同時に財政再建への道であるという世論が高まっていると私は考えているわけです。 そして一方、こういう中で、軍事費を削って暮らしと福祉、教育の充実をという署名運動も展開されておりまして、それがすでに八百万人を超えているという状況もあります。 こういう中で、国民の願いにこたえる、国民生活優先の予算編成というものを強く要望しておきたいと思います。続いて、臨調の関係で、七月の答申に向けていろいろ作業が進められておるようですけれども、来年度予算編成にも重大な影響を及ぼしますし、同時に国民生活にもかかわりが非常に大きいわけで、その際やはり国民各層、各界の意見を十分に聴取することが必要であると考えますけれども、それはどのように手だてをとっておられるのか、簡単にお答えいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 行政改革を行います場合ないしは立案をいたします場合に、いわば国民全般の立場に立って考えてまいるというのが当然のことであろうと思います。 そこで、委員につきまして、まず御承知のとおり九名でございますけれども、各方面の方々に御出馬をいただいたということでございます。また専門委員、参与の中でも、各方面の知識、経験を集めるべく努力したということが言えようかと思います。 さらに行革の問題につきまして、きょう福岡で一日臨時行政調査会というのをやっておりますけれども、これを皮切りといたしまして、六月半ばぐらいまでに大体全国六都市でもって同様の試みをいたそうと思っております。ほぼそれぞれが百人くらいの方々、百数十人になるかと思いますけれども、御出席をいただいて、全く各界各層を代表する方々からお話を承る。また同様に、その場をかりあるいはそのほかのところも合わせましてほぼ二千五百程度のアンケート調査を一応予定をしております。そうしたような御意見等を調査会の審議の場に提出をし、いろいろとこれにつきまして議論をしていただく。また答申の中にそうしたような御意向を入れるように最大限に努力するというようなことを当面考えているわけでございます。 なお、そのほか種々各方面からすでにいろいろな御意見をいただいております。これも同様に委員会の方にそのたびごとにこれを提出して御意見を種々御論議願っておる、こういう段階でございます。
○蓑輪小委員 臨調にいろいろな資料が出されているというふうに思います。いまの、国民各階層の意見なども含めまして、臨調にあるいろいろな資料をぜひ私どもは公開すべきではないかと考えておりまして、今後の国民の理解を得るためにも資料の公開というのをあわせてお願いをしておきたいと思います。 最後に一点だけ。昨年婦人に対するあらゆる差別の撤廃条約がコペンハーゲンで日本政府の手によって署名されまして、この男女平等を推進していく後半期にいま突入しているわけですけれども、その中で、婦人問題企画推進会議の提言を受けまして、この五月十五日、婦人問題企画推進本部、総理を本部長とするこの推進本部で、「婦人に関する施策の推進のための「国内行動計画」後期重点目標」というのが策定されております。その中で、「政策決定への婦人の参加の促進」というところで、「国の各種審議会、委員会、懇談会等における婦人委員の割合を政府全体として一〇%とするよう一層の努力を払う。」ということが述べられているわけです。これは前半期の目標でもあったわけですが、それが達成されなかったということで、後半期にこの目標が引き継がれているわけですが、大蔵省所管の審議会におきまして、婦人の委員の構成比をいただきましたところ、昨年六月一日現在では四・三%ということになっているわけです。そして、審議会がたくさんある中で、婦人の委員が全くいないという審議会などが八つほどあるわけです。今後大蔵省において、こういう婦人の委員の登用ということをぜひ積極的に進めていただきたいというふうに考えます。婦人の委員のいない審議会の解消ということが第一に掲げられておりますし、またさらにこのパーセンテージを上げていくということが必要になると思いますので、大蔵省におきましてぜひその点での御努力をお願いしたいと思いますので、その点に関する御答弁をいただいて終わりにしたいと思います。
○小粥説明員 お答えを申し上げます。 ただいま先生御指摘の、婦人問題企画推進本部の決定、その中で婦人の方の審議会委員への積極的な登用ということが強く要請をされておりますことは私ども十分承知しております。 お手元に御提出を申し上げました大蔵省所管の審議会、これは十七でございますが、その審議会における婦人委員の数、先ほどお話しのとおり昨年六月一日現在、現状でございますが、構成比で四・三%でございます。ただ、過去五年間にわたって調べてみましたところ、現在でもなお少ないではないかという仰せでございますが、過去五年間にそれなりに私どもとしては努力をしてふやしてきたというところはひとつ御理解をいただければと存じます。 なお、先ほどの本部の決定を十分踏まえまして、それぞれの審議会の目的に応じて婦人の方も含めまして学識経験のある適材の方の登用、そういう趣旨で今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
○蓑輪小委員 終わります。
○小泉小委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十一分散会