大蔵委員会 第27号
- 発言数
- 229 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/05/06
会議録
○綿貫委員長 これより会議を開きます。 銀行法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。 まず、政府より提案理由の説明を求めます。渡辺大蔵大臣。
○渡辺国務大臣 ただいま議題となりました銀行法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 このたび、現行銀行法の全部改正を行うこととしておりますが、これに伴い、貯蓄銀行法等を廃止するほか、長期信用銀行法等につきまして、所要の規定の整備等を図ることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 まず、第一に、貯蓄銀行法及び銀行法等特例法につきまして、必要な規定が銀行法等に規定されることとなることに伴い、これらの法律を廃止することとしております。 第二に、長期信用銀行法等十九法律につきまして、その一部を銀行法の改正内容に準じて改正する等、所要の規定の整備を図ることとしております。 第三に、手形法等五法律につきまして、銀行法の改正に関連して、休日について定めている規定について所要の改正を行うこととしております。 第四に、長期信用銀行、外国為替銀行及び農林中央金庫の債券発行限度額を引き上げるため、長期信用銀行法等の一部を改正することとしております。 以上、銀行法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○綿貫委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○綿貫委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、来る十二日、参考人の出席を求め、その愚見を聴取することといたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、ただいまお諮りいたしました参考人出頭要求につきましては、去る四月二十四日決議いたしました銀行法案ほか二法案についての参考人からあわせて御意見を聴取することといたしたいと存じますが、さよう御了承願います。 ————◇—————
○綿貫委員長 銀行法案、中小企業金融制度等の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案、証券取引法の一部を改正する法律案及び銀行法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題とし、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 ただいま提案のございました銀行のいわば全面的な法律改正について、許された時間は若干でございますけれども、基本的な点についてお伺いをしていきたいと思います。 思えば、前局長でございました徳田銀行局長時代からこの銀行法の改正の話というのがあり、そして当委員会でも部分部分にわたりましては若干討議をした経緯もあるわけでございますけれども、そういったことを振り返ってみ、いまここに出された銀行法の中身を全体的に見てみますと、一体銀行法の改正というのは何だったんだろうかということを改めて考え見直してみないわけにいかないわけであります。今度の銀行法の改正で、昭和二年にできて以来五十四年ぶりの銀行法のいわば全面改正だという割りには、十年後の金融構造あるいは将来の金融制度の未来像と申しますか、こういったあり方に対して、国民の目の前にこういう銀行を目指したんですという大変明確なビジョンというのはどうも浮かんでこない。大口融資規制の問題なりあるいはディスクロージャーの問題なり、個々ではいろいろな見解がありまけれども、全体として今度の銀行法改正が五十年に一回と言われる割りには一体将来に対してどれだけたえ得るものなんだろうか、また将来に対してどういう銀行像を目指してここにでき上がったんだろうかということを考えますと、どうも過去の積み残しをいわば整理をしてきた在庫整理的な要素がしてならないんでありますけれども、大臣、大変御苦労なさりまた与党との折衝にも大変神経を使われたやに聞いているわけでありますが、これは中小も含めまして将来に向かっての銀行のビジョンというのは一体どういうことを目指したのか、そして結果的にここに出されたものというのはそのうちどのくらい実現したという自信を持たれているのか、まずその総括的な点からお伺いをしたいと思います。
○渡辺国務大臣 御指摘がございましたように、銀行法は五十年前にできたわけで、その当時の日本の経済構造あるいは日本の経済の世界的な地位また銀行と産業のあり方、こういうものは非常に変わってきておるわけでございます。しかしながら、それをいわゆる行政指導といいますか、もちろん法律の範囲内ではあるが、法律が非常に簡単に規定をされておりますから、実はそれの弾力的な運用、解釈等によって経済の実態に合わせるように努力をしてきたというのが事実でございます。したがって、今回の銀行法というのは、特にいままで異常なように日本が飛躍的な経済成長をしてまいりました。しかし、これらに対しましてもいままでとかなりパターンが違う経済の実態でございますから、今後は安定成長というようなことが日本の資源のない国にとっての大きな柱になるんじゃないか、それにひとつ対応するように持っていったらどうか。 それから、個人それから公共部門との取引というものが銀行では非常にふえてまいりました。御承知のとおり、五十年前ではそう大がかりな住宅ローンというようなものは扱っておらないわけでございますが、こういうような個人と銀行との長期の取引、また公共部門等に対して銀行がたくさんの地方団体を初め政府関係機関等にも大量の金を貸すというように、非常に公共部門との取引がふえてまいりました。こういうような点から、銀行の社会性それから公共性、こういうようなものが一応強く確保されていかなければならない、こういうことなども頭に入れてまいりまして、たとえば大口取引規制というようなものも預金者保護というような立場に立って考えられたわけでございます。 第三番目には、今後とも国債の発行というものは、赤字国債は別としても、かなり長期間にわたって続くし、現実に発行された国債、それから今後も公共事業のためのいわゆる建設国債の発行というものは相当長期にわたって継続されるという見通しでございますから、いままでとはかなり違ってくるわけでありまして、これらの点について銀行はどういうふうにあるべきか、また国債の消化というような面について国債市場との関係をどういうふうに持っていくかという問題がございます。窓販問題などというものもやはりそういう背景のところで表に出てきた問題であると私は理解をしております。 それからもう一つは、日本の経済が非常に大きくなったために外国との取引というものが五十年前とは比較にならないほど大きなものとなり、世界金融市場における日本の金融市場の役割りというものは非常に大きな意味を持ってくるわけであります。したがって、日本の銀行が外国にたくさんの支店を持つという反面、外国の銀行が日本にたくさんの支店を持って日本で営業活動をやる。これらについてはただ単に行政指導だけでそれを指導していくといっても、外国人が日本政府の行政指導に従順に服するかどうかということは非常に問題があるところでありまして、それらについては法改正によって守ってもらわなければならない一つの基準というものをしっかりと決めていかなければならぬ、こういうようなことも今度の銀行法の中では取り入れたつもりでございます。 その他いろいろございますが、大きな柱としては、今後の銀行のあるべき姿に対してたえていけるような銀行法をつくっていこう。先ほどお話のあったディスクロージャーの問題にいたしましても、一般の預金者がある程度銀行の内容を知りたい、いままでもかなりどこの金融機関等でも出してはおるわけでございますが、法的根拠がございませんので、これらに対しても法的根拠を与えるというようなことは、一般預金者の求めに対して銀行法を合わせたというふうに御解釈をいただきたい、かように考えております。
○佐藤(観)委員 金融制度調査会の五十四年六月の答申を見ますと、大体そこで描かれている銀行像というのは、なるべく庶民に近づこう。とかく銀行というと敷居が大変高くて、本来庶民の金を扱っている割りには、庶民との間隔というのでしょうか、間というのでしょうか、これが非常に遠いという感じがあった。しかも、あのオイルショックのときのように、庶民の本来願っている公共性あるいは経営姿勢、これが一つ間違えば庶民自身の首を絞めてしまうという投機だとか土地買いだとかこういったものに走らないようにという、いわば庶民に顔を向けた銀行像というのを金融制度調査会の答申というのは描いているんじゃないだろうか。それが一つはディスクロージャーという形であり、あるいは大口融資規制の問題であり、あるいはこの答申では、複利定期をつくりなさい、あるいは銀行の国債の窓口販売もしたらどうでしょう、あるいはもっと専門性を高めて、金融機関によっては金利が違ってそういったサービスを国民に提供する、土曜は休んで、これをきっかけにして全産業に週休二日制を普及させていく。そう言われてみますと、銀行の果たすべき役割りというのはそれなりに目に見えてはっきりわかるような気がするのでありますが、いま申し上げました点を見ましても、確かに大臣からお答えがございました国際化の問題については一定の前進があったと私は思うのでありますが、一体銀行が庶民にどれだけ顔を向けているかという基準となるべきディスクロージャーについてはいわば訓示規定になってしまいましたし、大口融資規制についても事実上の前進はなされていない。銀行の窓販だけは法律上はどうも前に出たようでありますが、週休二日制も法律のみということで、より積極的に銀行の週休二日制を社会的な週休二日制に広げていこうというそれ以上のものでもないというように見ますと、いま大臣から御説明いただきましたけれども、それは観念としてわかるけれども、今度の銀行法の改正というのが庶民にとってみて一体どういう銀行をこれから目指していくんだろうかというのはどうもはっきりとよく目の前に浮かんでこないというのが、大変御苦労なさったことはよくわかるんでありますが、正直私の感想でございます。細かい点については後から個個についてお伺いをいたしますけれども、この五十四年ぶりの銀行法の改正というのがそういった庶民の目から見てここはこう前進したのです、できなかった点もあるわけでありますので、いわばこの法案の目玉というのは一体何かと問われれば何なんでしょうか。
○米里政府委員 お答えいたします。 御指摘のとおり、金融機関の置かれている状態というものは昭和二年に現在の銀行法ができましてから非常に大きく変わっていると思います。特に戦争、戦後を通じまして金融機関の環境というものは激変したと思いますが、石油ショック以後高度成長経済が終わり、安定成長時代に入ったというようなことからまいります金融機関の取引形態の変化というものは非常なものがあると思います。高度成長時代の金融機関というものは企業部門の設備投資というものにこたえるということが主たる役割りであったということは、資金運用の形態から見ましても数字上はっきり出ておったわけですが、それ以後の金融機関というものは、企業部門の設備投資資金を供給するというパターンよりも、むしろどちらかと言えば個人部門及び公共部門に対するウエートが非常に高まってきておるというようなことから、今後の金融機関をめぐる環境というものは個人部門と公共部門というものが従来にも増してウエートが高まってくるものだというふうに考えております。これは一説には石油ショック以後の一時的な問題であるというような御意見もございましたけれども、私どもはそういった一過性のものではなくて、今後の長い間にわたりましての金融機関のあり方として個人部門、特に国民大衆と広く深く接触の度を強めていくというようなことは、どうしても今後の銀行像のあり方として十分考えていかなければならないというように考えております。 先ほど大臣からも申し上げましたとおり、今回の銀行法の改正の最も主要な考え方の一つは、個人部門に対して開かれた銀行像というようなもので接触していくということに特色があろうかと思います。そういった意味合いにおきましてディスクロージャーの法定化、これは私どもが知る限りでは先進諸国にまず例のない法律規定でございますが、そういったディスクロージャーの問題、あるいは大口融資規制につきましても、一つはこれは金融機関の健全経営という目的がございますけれども、同時にできるだけ大ぜいの方から預かった預金を広く還元していくといったような意味合いの資金の適正配分というようなねらいも含まれているわけでございますし、全体といたしまして、今度の銀行法改正の一つの大きな特色あるいは目玉として、個人部門に対する金融機関の今後のあり方ということに私どもとしてはできるだけの重点を遣いたということは申し上げられるかと思います。
○佐藤(観)委員 余りマクロに話をしていても抽象的になってしまいますので、少し前に進めたいと思います。 そんなことを私考えながら、つらつらもう一回答申を改めて読み直してみますと、この答申の中でも一つ大きな点が欠けているなと思ったのは、預金金利の自由化の問題をなるべく進めなさい、ただしそれには大変用心深く書いてあって、たとえば規制を解除した場合、その過程において大きな混乱を生じさせるおそれがあること等にかんがみとか、あるいはなるべく短期市場からやっていくべきだとか、大変慎重ながら、基本的には預金金利の自由化ということもうたっているわけであります。私は、基本的に預金金利も自由化に向かうべきだと思うのでありますが、その際、その後に起こってくる、いわゆる都市銀行の寡占化の問題、いまは資金量については若干ウエートが下がっておりますけれども、収益から見ますとそんなに下がってないという大変力を持っている都市銀行の寡占化が、預金金利の自由化に伴ってますます大きくなっていく、ひいてはそういった弊害が生じてくるだろうということも当然考えなきゃいかぬわけでありまして、こういった金融支配に対する法的な歯どめというものに対する観点というのが、一体今度の銀行法の改正の中にあるんだろうか。 たとえばアメリカの場合には、直接金融に対してチェックをさせる。もちろん日本でもそういったことはあるわけでありますけれども、そういったことやら、あるいは預貯金に対しまして証券貯蓄という関係で、銀行の企業支配に対するチェックの手段というのもバランスをとりながら考えているわけであります。アメリカにおいては、言うまでもなく銀行の他社の株式所有を禁止をしているという形態になっているわけでありますし、そういった面から言いますと、これからとりわけ都市銀行等がますます企業支配を強めていくことに対して、いわゆる民間の活力をなるべく発展をさせようということは、各業界とも言うわけでありますが、銀行のこういった金融支配に対するチェックというのは一体どれくらい行われておるんだろうか。今度の銀行法の改正の中にもそういう観点がどうもないのではないだろうか。 役員派遣を調べてみたのでありますが、東証の一部、これはもちろん金融業を除いてでございますが、八百三十八社に対して、昨年の銀行の役員の派遣数が六百四十四人に上っているわけですね。これは金融の各企業、業界におきますその支配力、しかも相互持ち株的な存在になっているその中心のかなめに銀行がなっている。こういった銀行の企業支配という現在の日本の資本主義のあり方についてのチェックというのが今回なされていないんではないか。一体ここから来る弊害に対してはどういうふうに考えていらっしゃるのか。いかがでございますか。
○米里政府委員 一般的に申しまして、金融機関の企業支配が非常に強まった時期というのは、やはり高度成長時代の金融逼迫期、つまり企業からの資金需要が非常に強くて、供給面がそれに十分即応していかないというような時代に最も起こりやすい話であろうかと思います。今後の経済パターンの変化によりまして、むしろ今後の金融は高度成長期におけるほど金融逼迫期が長く続かない、どちらかというと金融緩和基調というものが基調となって進んでまいるということで考えてみますと、むしろ一般論としては、従来よりも客観情勢、金融をめぐる環境というのは、どちらかというと企業支配の起こりにくい環境であろうかということがまず申し上げられようかと思います。ただ、もちろん今後金融行政の面におきましてはできるだけ金融効率化というような行政を進めていく必要があると思いますし、これはまた国際的にも、インターナショナルのサイドからも要請されているということであろうかと思います。また、自由主義経済下において金融全体が国民経済に最も効率的に即していくためには、ある程度の自由競争原理の導入あるいは金利機能の活用ということは欠かせないことであろうかと思います。 そういった過程におきまして、今後競争激化によりまして大銀行が余り寡占的な状態に走り、それによって企業支配が強化されることが起こらないように配慮することは、おっしゃるとおり十分必要なことだと思いますし、現に大口融資規制の目的というのは幾つかあろうかと思いますけれども、今回法制化いたしました大口融資規制ということも、金融機関の企業支配に対するチェック、歯どめとして一つの大きな意味を持とうかと思います。また、株式所有につきましては、御承知のように独禁法の規定によりまして、金融機関の持ち株比率が非常に限られております。そういったようなこともございますし、制度全体といたしましては、一方で公共性、社会性をうたいながら、一方で自由競争原理の導入を行政上はできるだけ考えていくような仕組みになっておりますけれども、その過程において御指摘のような企業支配が起こらないように、むしろこれは個々の金融機関のビヘービアあるいは行政のあり方の問題につながることも多いかと思いますけれども、私どもも十分そういう意識を持って、新銀行法下における行政を進めてまいりたいというように考えております。
○佐藤(観)委員 それについて、もう少しいろいろと議論もあるのですけれども、時間も限られておりますから、もう一つ全体的な問題でお伺いをしたいのは、ここの目指した銀行のあり方というのは、私は相矛盾をしているものが混在をしていると思うのであります。一つは、銀行により一層専門性を求めるということですね。おのおのの普通銀行、相互銀行あるいは長興銀というような一定の壁を設けながら、片や競争原理を働かそうということで、この壁はだんだんと低くなりつつある。この相矛盾をした方向を混在をさしていこうというのが金融制度調査会の答申でもあり、また現実に出てきている姿だと思うのであります。この制度間の壁をなるべく低くしていこう、片方では専門性を要求しながら、片方では両制度間の接する部分で競争させて効率性を求めていこうということ。これは単なる銀行の制度だけではなくて、直接金融と間接金融の問題でもいま起こっているわけでありますけれども、そういう制度間の壁をだんだんと低くしていこうというのは、今度の銀行法の改正で一応終わりですよ、こういうふうに考えるべきものなのか、なお一層制度間の壁は低くしていって、より一層おのおの競争さしていこうという考えに立っているのか、その点は一体いかがでございますか。
○米里政府委員 制度間の壁、専門性の問題でございますが、今度の答申あるいは銀行法案、いずれも基本的には専門性というものは必要であるという考え方に立っております。専門機関といいますと、典型的なものは長期信用機関の専門性の問題、もう一つは中小企業金融専門機関の問題、そのほかにも為替専門銀行制度等がございますが、こういった専門性というものは、結局現在のわが国で制度の壁を全くなくして自由に競争させた場合に、国民経済的に見て必要な部門に十分潤沢な資金が供給されるかどうかという判断によろうかと思います。そういった意味でのいわばファイナンシャルギャップというものがなお現在のわが国においては考えられるのだという前提に立っていると思います。特に中小企業金融専門機関にとりましては、大銀行では供給できない中小企業に対する安定的な資金供給あるいはまた中小企業のような非常に複雑多様な企業形態というものに対して多様性に即した金融を供給できるといったような部面というのは、いままでの実績をも踏まえまして今後ともになお必要であろう、基本的にはこういう考え方に立っているわけでございます。ただ、その専門機関の取引層については、時代の変遷によりましていろいろニーズの変化というものがございます。そういったニーズにある程度こたえながら、したがってそういった意味では中小企業金融専門機関の業務範囲を必要な限度において拡大しながら、しかしその専門性は保持していくというのが基本的な考え方でございまして、言いかえますれば、その専門性の周辺部門においてはできるだけ多様化を図ってまいって、相互の競争を促進することによって効率性を上げていくという考え方を基本的にとっております。したがいまして、今後わが国の金融情勢、経済情勢あるいは国際化の進展というようなことで、そのかきねの問題も時代に即応していろいろ検討されなければならないと考えますけれども、少なくとも現在のところでは長期の設備資金需要に潤沢にこたえるとか、あるいは中小企業の多様な資金需要にきめ細かくこたえていくというような意味での専門性というものは、わが国の社会においてまだ十分レーゾンデートルがあるのだと考えております。
○佐藤(観)委員 そこで、具体的に矛盾が起こってくるのは相互銀行の制度だと私は思うのです。 相互銀行は一応中小企業専門金融機関というふうに位置づけられているわけでありますけれども、相互銀行という制度の中におって中小企業専門の金融機関ということは、要するに、一つは接点と申しますかサービス提供が中小企業ですよということ、そしてそれはいろいろなノーハウを中小企業専門金融機関として持っているということもありましょうが、一つはなるべく低利な資金を潤沢に供給してあげるというのが中小企業専門金融機関のあり方だと思うのです。ところが、それじゃ相互銀行制度というのはその制度の中におれば何かメリットがあるかといいますと、信用金庫、信用組合の場合にはそれなりの制度的なメリットがあるわけです。たとえば税制の面においても、これは協同組合組織だという基本的な観念の違いがあるにいたしましてもそれなりのメリットがあって、それが融資をする中小企業の方になるべく安い金利をということでやれる一つの状況があるわけであります。ところが、相互銀行というのは実態面においては普通銀行と一緒で貸し出しの枠だけ、頭だけ抑えられている。ですから、相互銀行の幹部に言わせればある程度育てた企業はいいところはみんな普通銀行に行ってしまうというのも、一面で正しい表現だと私は思うのであります。いずれにしろ、中小企業専門金融機関という制度の枠の中にいる限りは、その制度的なメリットが何かなければ制度として成り立たぬだろうと思うのです。ただ貸し出しの枠だけが、おまえさんのところは中小企業専門金融機関だからこれ以上の額は貸してはいけないのですよという枠だけがあるのでは、私は制度の存立自体が意味がないと思うのであります。いま、専門性の問題と、それから両制度間の壁をなるべく低くしていくということでお答えをいただきましたけれども、相互銀行制度というのは普通銀行と具体的にどういうふうな違いがあり、中小企業専門金融機関として名前はそういう枠組みの中に入れられているけれども、一体それにこたえ得るような何か制度的なメリットがあるかということになりますと、私はこれはきわめて否定的だと思うのであります。そういった意味で、相互銀行制度の将来のあり方についてどういうふうに考えていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
○米里政府委員 御指摘のとおり、相互銀行制度をどうするかということはいろいろな考え方、議論がございまして、金融制度調査会でも、普通銀行の制度のあり方の論議に引き続きまして、一昨年の十月から昨年の十一月までの間中小企業金融専門機関の制度論議をお願いしたわけですが、その中で特に議論を呼びましたのは、相互銀行制度というものをどう考えるかということであったわけでございます。 結論的には昨年の十一月にいただきました答申の中に考え方が述べられているわけですが、その考え方というのは、相互銀行制度というのはやはり中小企業金融専門機関である、しかしその中で比較的大規模または中規模の取引層を取引対象として考える、この点が信用金庫あるいは信用組合と異なりまして、相互銀行の取引層としての特色であろうかというような答申が出ておるわけでございます。御承知のように、信用金庫、信用組合と違いまして、相互銀行は株式会社組織の中小企業金融専門機関である。したがいまして、その性格というものも、地域的な制限というものもございませんし、かなり急成長する企業に継続して資金の供給を行うということにふさわしい制度としていままで育ってきたわけでございます。ただ、高度成長経済が終わりまして安定成長経済に移行するに際しまして、恐らく経済構造の変化の影響を最も大きく受けているのはこの相互銀行であろうかと思います。かつてのような特定の業種の急成長というようなことが全般的になかなか見られなくなりまして、そういったような意味では経営基盤というものが今後なかなかむずかしいというような状態に立ち至っていることは事実であろうかと思います。しかしながら、相互銀行がもしほかの金融機関に種類が変わったといたしましても、わが国の既存の金融制度の中におきましてそれぞれの相互銀行の取引層というのは依然としていままでの取引層を中心としたものでなければならない、金融制度を紙の上で変えたから急に取引相手が変わるというものではないというような長年の取引の実績から生まれてきたそれぞれの金融機関の活動範囲なりあるいはまた性格なりというものは今後も変わらないものであろうかと思います。そういったような意味合いで、新しい環境のもとにおいて今後相互銀行がいままでのような中小企業の中で比較的大規模な企業に資金を供給する国民経済的な役割りを十分果たしていくためには、相互銀行それ自体も健全経営に対する十分な努力が必要であるとともに、行政面でもそういった制度が国民経済的に十分活用されていくような配慮というものは必要であろうということであろうかと思います。そういった意味で昨年十一月の答申におきましても、今後資金の吸収面——といいますのは俗に言いますと新商品というようなことになりますが、資金の吸収面におきましてもあるいは店舗行政面におきましても、十分相互銀行の経営基盤が確立されていくような配慮が行政上からも引き続きなされるべきであるというような答申をいただいております。そういったような意味合いで相互銀行の環境というのは御指摘のようになかなかむずかしい点がある、あるいはまた過去と違ってきた影響を非常に受けておるというようなことは事実であろうかと思いますけれども、しかし重層的な中小企業金融、三段階、四段階ということになっておるわけですが、そういった重層的な金融構造というようなものを活用しながら、中小企業に十分サービスを提供していくという相互銀行の役割りというのは、なお今後ともに国民経済的には十分意味のあるものであるというように考えております。
○佐藤(観)委員 私も、相互銀行協会にいって、相互の二字を外せとか、全部外したって別にそれ自体意味ないと思うのです。それから、相互銀行自体がよって立つところの経済基盤、これもいま局長から御説明があったように、何も変わるものではないと思います。 それからもう一つは、この前、金融・証券の小委員会で参考人で各位に来ていただいたとき、小委員会だったか本委員会だったかちょっと忘れましたけれども、そのときに都銀から何からみんな関係者が、私のところも中小企業を相手にしてと言うので、さすがの相銀協会の会長も、これでは私たちの場がなくなってしまいますということで大笑いをしたことがございますが、いまや都市銀行だって、いわば、局長の御説明のある中小企業の中でもむしろ大に近いような中小企業も相手にせざるを得ないわけで、その意味では、中小企業専門金融機関だというふうに言うだけであって、何かそれがうまく回るように、少なくも制度がある限りはしていかないと、私は、制度というのは意味がないと思うのであります。確かに、紙の上で変えればすべてが解決するというふうに私も思っておりませんが、制度がそこにそういうふうにある以上、それなりの、他と違う何かメリットといいますか、何かなければいかぬと思うんですね。そういった意味で、ひとつ今後ともこの問題については考えていかなければならぬと思います。 ちょっと話を変えまして、過日の大蔵委員会、三月二十五日でございましたが、米里銀行局長が、金の銀行の店頭売買についてのいわば前向きのお話がございました。日本の場合には、民間におきましても金の保有が大変少ないということで、あるいは外貨準備でも少ないということで、また、いわばいまはやり言葉になっております国民のニーズからいってみても、金を買いたいというのが大変強いようでございます。そこで、銀行法のいろいろな経過もあって、いわば国民のニーズや国際的な動きを見て、認可するかどうか弾力的に判断していきたい、なるべく早い時期に結論を出したいというような趣旨の局長の御発言がここであったわけでございますが、ただ問題は、国民のニーズというものの、銀行が、値下がりをする可能性、危険性を持っているものを銀行の窓口で売る。あるいは、逆に値が上がるぞというときには、恐らく銀行のみずからの預金を出して、取り崩して金にかえるということでしょうから、銀行にとってみれば、とらの子を一つなくすようなことになるわけでありまして、そういった観点から申しましても、私は、基本的に国民が描いている銀行のイメージ、つまり銀行に入れていけば、インフレで損はするかもしれないけれども、少なくも元金は保証されるのだという基本的な、国民の銀行に対して持っているイメージ、私は、これはかなりの部分変えてくるのではないか。後でお伺いする国債の窓販についてもそうでございますが、一体そこまで銀行というものに対して国民は本当にニーズを持っているだろうか。やはり銀行というのは、元金保証というのが国民の共通した認識ではないだろうか。金を店頭売買するといっても、大変精巧なまがいものもあるようでありますから、そういった意味では、そういったノーハウのことも新たに銀行は持たなければいかぬわけでございますし、そうなってきますと、恐らく、当然、店頭売買ということになりますと、単なる金地金業者からその日その日に買ってくるのじゃなくて、やはり銀行はある程度一定量の金を持って売るということになりますと、それが国際的な紛争や何かでがんと値下がりをするといったときに、一体、銀行のサウンドバンキングとして、経理の面から見て、どういうことになるのだろうというような問題が発生してくると思うのであります。 いずれにしろ、私はすべて否定的に物を言っているのではないのでありますが、元金保証じゃないものを銀行が始めるというには、それはかなりの慎重さというのがやはり必要になってくるのじゃないだろうかと私は思うのでございますが、金の店頭売買におきますこのような考え方に対してどういうふうに考えていらっしゃるか、お答えをいただきたいと思います。
○米里政府委員 御承知のように、現在の銀行法、昭和二年に制定されました銀行法ができましたときには、まさに金本位制の時代でございまして、その当時の通達で、付随業務として金の売買を金融機関に認めるということが明記されておったわけでございます。ところが、その後、御承知のように金自体の性格というものにいろいろ変化がございまして、特に戦後になりますと、金の一般取引というものは禁止されるというような時代にもなりまして、久しく銀行は、具体的には金の売買を行わないというようなことで現在に至っておるわけでございます。 それで、金が商品であるか、あるいは通貨との関係をどう考えるかというあたりが一つの見方の分かれであろうかと思いますけれども、管理通貨制度になりましたけれども、金が価値保蔵手段であるというような面が残っていることは疑いないというような意味で、通貨とは全く関係ないとも言い切れない。ただ一方では、商品面、商品的な性格というものもないとは言えない。その辺のことが銀行の取り扱いということにどう絡んでまいるかという問題であろうかと思いますけれども、御承知のように外国では、ほとんど主要国では、銀行が金を売買するというのは通常の形になっております。 確かに、銀行が金を取り扱う場合のデメリットの最大のものは、非常に投機色が強いという性格があるかどうかというような問題であろうかと思いますが、一方、逆に考えますと、金の国内市場で、たとえばブラックマーケット、まあ言葉はよくないかもしれませんが、ブラックマーケットというものを排除して、金の売買が非常に一般大衆にもなじみやすいようなものにするためには、銀行という非常に信用力のあるところで取り扱うということがプラスになる面もあろうかと思います。御承知のように、現在、金のマーケットというものをわが国でどういう形で設立しようかということで、いろいろ関係方面で検討しておられるわけですが、そういった金市場のあり方とも絡みまして、今後、金融機関が金を取り扱うというようなことについてどう位置づけていくか。その場合に、既存金業者の方との関係というような問題もあろうかと思いますけれども、そういった金の流通そのものが、わが国でどう定着していくかということと絡んで、金融機関の売買の是非が論じらるべきものというふうに考えております。
○佐藤(観)委員 少しその辺も詰めたいのでありますけれども、時間がありませんので、もう一つの問題は、銀行というと、最近ちっとも新商品がないじゃないか、と。それは銀行の経営環境が悪いということにも関連をしてくるかと思いますけれども、いまここで言われておりますのは、ひとつ期日告知型の定期預金をつくったらどうだろうかということで、二年定期以来の、八年ぶりの新商品だということでいろいろ新聞紙上に出ているわけであります。私も、国民、庶民に顔を向けた銀行という観点から言いましても、なるべく有利な商品をぜひともつくるべきだというふうに考えるわけでありますが、まだ正式に銀行局の方に銀行協会から言っていっているのかどうかわかりませんが、一体、金利負担というのが銀行経営にとりましてどのぐらいの負担増になるのか。何か聞くところによりますと、〇・〇三五ぐらいで、そう大したことはないということのようでございますし、そういった観点からいきますと、これはぜひ創設を推進すべきではないかというふうに思うのでございますけれども、何か手続的にも、郵政省の方が、これは郵便貯金が食われるというので、何かいちゃもんをつけているやに新聞は書いているわけであります、事実はどうか知りませんが。一体手続的にもこういったものは郵政省にわざわざ諮ってやるようなものなのかなというのを私は疑問に思うのでございますが、やはりこういうことを一つ一つ積み重ねていくことが本当に公共性を持つ、しかもみんな国民がとらの子を預けている銀行という、本来からいけば非常に庶民に関係の深いところであるべき銀行でございますから、こういったものについても積極的に取り組むべきだと思うのでございますが、大臣のお考えはいかがでございましょう。
○渡辺国務大臣 銀行が郵便局にかなり定期積金、定額預金ですか、そういうもので預金者を食われておる、そういうようなところから銀行でも期日指定の定期預金をつくりたいという話はかねがねございます。どういうふうにするのか具体的な内容についてはまだつまびらかでございません。したがって、大蔵省の中でも少し詰めなければならない点もございます。一つは税法との問題で、現在のマル優制度というのが三百万を超えた場合はもとからその優遇措置を認めないという法律になっておりますから、この法律との関係をどうするのか。これは当然に三百万いっぱいに積めば複利でふえていきますから三百万を超過することは明らかであります。したがって、そこらの詰めが少し足らない点がございますが、前向きで中身をもう少しよく聞いた上で、そういうふうな商品を出したいと言うならばできるだけそれを認める方向で検討していきたい、私はそう思っております。
○佐藤(観)委員 きょう主税局に来ていただいていると思うのでありますが、所得税法と法人税法の関係でちょっとむずかしさがあるように思うのですが、私の聞いた限りでは細い糸のような関係で、所得税法のいま大臣からお話がございました預入限度方式と法人税法で言うところの経過利息にするか未経過利息にするかというのはうまく結べてできそうな気がするのですが、最終結論はもちろんまだ出ていないと思うのでありますが、私は全く不可能ではないと思うのですが、どうでございましょうか。
○梅澤政府委員 ただいま委員から御指摘のございました期日指定の定期預金の問題でございますが、税法上御指摘がございますように二つの側面がございます。つまり預金者にとっての所得税法上の問題と金融機関の所得計算上の損金の扱いの問題でございます。 前者につきましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げたわけでございますけれども、具体的には複利計算をやります場合に利子が確定する時期でございますね、所得がいつの時点で発生するかということを所得税法上どうとらえるかという問題と、法人税法上はそういう複利計算、金融機関の所得計算上いわゆる損金としての未払い利子として扱えるかどうかという二つの問題があるわけでございますが、現在銀行局と私どもの主税局の方で新しい期日指定型の定期預金につきまして内容を検討いたしておりますけれども、本日の段階でまだ税法上どういうふうに扱うかという結論を得てないというのが現状でございます。
○佐藤(観)委員 可能性はあるのでしょう。
○梅澤政府委員 そういった問題も含めまして、税法上新しい預金につきましていわゆる商品としての可能性があるかどうかという方向でいま検討しているところでございます。
○佐藤(観)委員 私は郵便貯金の方とも比べてみましたけれども、郵便貯金の方には郵貯会計の方で税金がかからぬからある程度——ある程度というかこういうことができる、片方は民間の金融機関だから税法上これはできないということではいろいろな意味でバランスを欠くのじゃないかと私は思うのです。これはひとつぜひ可能性を最後まで見つけて臨んでいただきたいということをつけ加えさせていただきたいと思います。ひとつ大臣の重ねての御答弁をお願いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 先ほど答弁したとおり、税法上の詰めが足らないが、これは御趣旨に沿って前向きで検討します。
○佐藤(観)委員 次に、銀行の証券業務、窓販、ディーリングの問題についてお伺いをしていきたいと思うのであります。 今回、法律上銀行がいわゆる国債の窓口販売ができるように道が開かれているわけでありますが、一体わざわざ銀行が証券業務を証取法上の認可を取ってやらなければならぬ国民経済的な必要性というのは何なのかということが問題になるわけですね。それはかねてより証取法六十五条問題というのがあって、銀行界の方はこれはみずからできる権利なのだと考えたその経過の延長としてこの銀行のいわゆる窓販というのは今回その決着をつけようということなのか。それとも、金融制度調査会の答申の中では、国債の大量発行下だということでなるべく国民のニーズに合うやり方にした方がいいということで、窓販問題等についてというところで、「公共債の安定的な消化を促進するため、その個人消化を一層拡大するとともに、国民の資産選択の多様化に資するという見地から、銀行が、その店舗網を活用して新発公共債の募集取扱い及びそれに関連する業務を行うことが有益である。また、銀行が総合的な取引の一環として顧客との間で公共債を売買することは、銀行が顧客に対し多様なサービスを提供するという銀行業務のあり方の観点からみて、適当なことと考える。」という要旨で答申がなされているわけでありますが、いまこの時点でわざわざ銀行が証券業務の一つである国債の窓販及びディーリングまで出てこなければならぬというのは、国民経済的に見てどういう必要があってこういうことになったのか、その点はいかがでございますか。
○米里政府委員 御指摘のように、従来この問題はいわゆる国債の窓販問題と一口に言われておりましたが、この問題については実に長い間いろいろな議論があったわけでございます。私どもは昭和二年の銀行法の中で、付随業務で銀行は証券業務ができるのだというような解釈をしておりましたし、国会でもまたそういう考え方を述べてまいったわけでございます。 〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 一方、それに対して法律上いろいろな疑義があるという御意見もあった。特にこの問題は国債の大量発行が現実のものとなりました昭和五十年ごろから非常にいろいろな議論が行われるに至りまして、そういった意味合いで今回銀行法を全文改正という機会に、これは制度論としては最大の問題でございまして、とてもこの重要な制度論を制度改正のときに避けて通るわけにはいかないというような考え方から、従来のそれぞれの解釈をも踏まえまして、政策的に一体どういう制度をつくろうかということをいろいろ関係者間で協議したわけでございます。御承知のように、今度の改正法案というのは、銀行が公共債に関しては証券業務ができるということを銀行法上明文化するということにまず踏み切ったわけでございます。 それで、これは申し上げるまでもなく、わが国の証券取引法のいわば母法でございますアメリカの法律におきましても、証券業務は一般的に銀行に禁止はしておりますけれども、公共債というものはその例外であるという規定をしておる。公共債が例外であるという規定をしておりますのは、当時のアメリカの考え方は、私ども文献で推察いたしますに、証券業務を禁止したという理由、すなわち企業との癒着関係及びリスクの問題、そういったものが公共債については当てはまらないというような考え方から公共債を除外したということが主たる理由であったというふうに理解しておるわけですが、そういった考え方はわが国の場合にもそのまま当てはまるものである、特に昭和四十年以降金融界はシ団の中枢的な存在として公共債の引き受けを行っておるというような実態をも踏まえまして、あるいはまた国債管理政策上、いま御指摘のございました一般投資家に広く国債が取得しやすいようなシステムをつくるということは、これまた国債管理政策上も非常に重要である、そういったようないろいろな点を考えまして公共債に関する証券業務を明文化したわけでございますが、一方現実に銀行が証券業務を行い得るというようなことになりますと、これはやはり一般投資家保護というような問題が——一般投資家保護というものを法益的に統一規定しておるものは証券取引法であるといったようなことから、証券取引法の認可及び必要な行為規制というものは銀行が証券業務を行う場合にもこれを適用することが必要であるというような考え方から今回の規定をつくったといういきさつでございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、いまの局長の答弁を聞いておりますと、これによっていわゆる六十五条問題という問題についてはこの公共債に限るということでもうすでに決着がついた、すなわち将来にわたって民間債なりあるいは株式まで発展をするということは、これはない、こういうふうに理解をしておいてよろしいですか。
○吉本(宏)政府委員 ただいま銀行局長からも説明がございましたが、今回の銀行法の改正に関連いたしまして、この六十五条を基本とする証取法の一部改正をあわせて行おうということでございます。六十五条は、御承知のように、銀行等の証券業務を原則として禁止すると同時に、第二項におきまして、公共債についてはこれを適用しない、こういうことに相なっているわけであります。したがいまして、これを基本として、銀行法並びに証取法の整合性を図ろうというのが今回の法律改正の趣旨でございまして、私どもとしては、今後とも銀行の証券業務は公共債に限定される、かように考えております。
○佐藤(観)委員 銀行局長、これはいまの答弁でいいんですね。
○米里政府委員 証券局長と同じ考え方であるということでございます。
○佐藤(観)委員 次に、証取法六十五条の二で、政令で定むる金融機関という表現になって、その政令というのはきわめて幅広い金融機関を指定しておりまして、農協から労働金庫まで指定しているわけですね。それまで公共債やっていいですよということになっているわけであります。ところが、受けざらの方の業法自体は整備がされているわけではありませんので、必ずしもそこまでやっていいということではないと思うのであります。ただ、証取法六十五条の二ではそれだけ幅広く許し、しかも、先ほど読み上げましたように、金融制度調査会の答申においては、銀行が国債の窓販をやる一つの理由として店舗網が多いのだ、それをひとつ活用しなさい、顧客に対して多様なサービスを提供する方がいいのだという答申になっているわけであります。 それでは、そういう観点からいくならば、国民との接点で一番店舗網を持っているといえば、これは郵便局が一番持っているわけですね。それではその郵便局でもひとつ国債の窓販をやったらいいではないかというのは当然起こってくると思うのであります。郵政省、この点については、郵貯特会の中で直接に国債を買いたいという話がありますけれども、郵便局の窓口で直接的に国債を売るということは、郵政省はどう考えているのですか。
○小倉説明員 先生御指摘の点でございますが、昨今国債の個人消化の促進の必要性あるいはまた銀行等におきます窓口での国債の販売というものが検討される方向になってきておるのはよく承知しておるわけでございますが、郵便局の窓口での国債の販売につきましては、今後の国民の方々の資産選択のニーズの動向というようなものを見きわめました上で考えるということで、今後検討してまいりたい、こういうものかと考えております。
○佐藤(観)委員 次に、銀行局長にお伺いをしたいのでありますが、私かねがね銀行の窓阪というのに疑問を持っているのです。どういう疑問かといいますと、むずかしいことじゃないのです。国債の、まあ既発債でも新発債でもいいですが、金利がいいときには、銀行としては売りやすいでしょうけれども、そのときには、みずからの、自分たちの商品である預金については、相対的に悪い条件になっているわけでありますから、窓口で、お客さんに勧めるときに、いや、いまはうちの預金よりも国債を買っておいた方がいいですよ、一体そんなこと言うんだろうか。逆にその国債が悪いときは、いや、国債なんかやめにして、うちの、二年なりあるいは五年なり、定期なり、ワリコーなりワリチョーなり、これの方がいいですよと、いずれの場合とりましても、銀行のビヘービアとして一体そういうことがあるのだろうか。どうもその辺が、きわめてプリミティブの質問なんでありますが、銀行ってそんなこと窓口でやるのでしょうかね、私はどうも初歩的なことがよくわからないのですが、その点いかがでございますか。
○米里政府委員 御指摘のように国債が預金の競合商品になるという性格は一面ではあろうかと思います。ただ、金融機関にとりましては、他方、国債の購入というようなことでサービスの多様化が図られることによって、顧客が多様的なニーズを銀行から受けられるということによって、俗にいいますとお客さんがふえるというようなメリットもあることは事実であろうかと思います。いずれにいたしましても、今度の国債の窓販あるいはディーリングというものは、銀行の本業というよりはむしろ付随業務あるいはその他の業務というような性格のものでございますので、銀行が積極的に申請をしてまいりました場合に、証取法上の認可というような問題になりますので、希望しない金融機関というのもあるいはあろうかと思います。しかし総合的に考えますと、やはり金融機関の窓口でできるだけ多様的なサービスを国民に与えるということは、大きな意味で金融機関にとっても十分メリットのあることだと考えております。
○佐藤(観)委員 そういうむずかしいことじゃなくて、現実に窓口で顧客に本当に自信を持って銀行員が勧められるかどうかということは非常に私は疑問があるのですね。これはやはり非常に預金との競合になってまいりますから、どうも私は、窓版で、そこで売るということに目安があるのじゃなくて、やりたいという銀行は、その後の、顧客が何らかの事情でそれを戻してくる、それをどこかに、企業につなぐ。もっとも、それは額によりますけれども、つなぐ、あるいは全く顧客に売るのじゃなくて、その背後のいわゆるディーリング、そちらの方に実は重点があるのじゃないだろうか、こう私は思っているわけなんですよ。そういうことになりますと、ディーリングをそんなに本格的にやったときに損の出る可能性もあるわけですね。私は先ほど金の問題について申し上げましたけれども、やはり国民全体が持っているものというのは、恐らく銀行というのは元本は保証ですよというような基本的な考え方を持っていると思うのでありますが、片や公社債の売買、ディーリングで赤字を出して、その分預金金利が低くなるということがあるのだったら、これは預金者にとってみたらたまったものじゃないと思うのですね。それならば将来そういうことを避けるために勘定を分けるとか、今度は銀行法上の許可というのはなくしてしまっているわけでありますが、やはりそういった本業まで経営がいびつになるというようなことがあっては、銀行のサウンドバンキングという基本的な姿勢から言うならばその根幹に触れる問題だと私は思うのですね。そこで、銀行法上の許可は要らないよとしてしまったというのは一体どういうことなのか。しかもその点についていま申しましたような新しい銀行法の十一条には確かに「同条第一項各号に掲げる業務の遂行を妨げない限度において、」と一応書いてあるわけでありますが、その辺のところはどういう観点で考え、許可をする場合にはするのですか。これから移る前の話としまして、基本的な問題としてお答えをいただきたいと思うのです。
○米里政府委員 単なる窓口の販売であれば、これは余り金融機関の経営に大きな影響を及ぼすというような健全経営の観点から見ての問題はほとんどなかろうかと思います。はね返りその他からディーリングを行うということになりますと、おっしゃるように場合によってはそういう問題があろうかと思いますが、そういった観点も踏まえまして、今度の改正銀行法案では第十一条関係につきまして、つまりディーリングを中心とした売買その他でございますけれども、附則で、当分の間大蔵大臣の認可を要するんだということを銀行法案の中でもうたっているわけであります。これはそういった新たな業務を始めます場合に、健全経営の面、その他が銀行の業務の一部として定着するまでの間、大蔵大臣の認可にかかわらしめるという考え方でございまして、証取法の問題、これは主として投資家保護の観点からの認可だと思いますが、それとは離れまして預金者保護と申しますか、健全経営と申しますか、そういったような意味での附則での手当てを講じたのはまさにそういう考え方でございます。
○佐藤(観)委員 そこでこの十一条なのでございますけれども、この十一条の説明として不特定多数に対する募集はいけませんよ、いわば十一条で証取法上の認可が要らない範囲というのが、銀行が所有している国債を取引の顧客に、企業に当てはめるというか、融通したり、つまりいまやっている範囲内のことですよという説明がされているが、一体その不特定多数に募集をするという概念はどこまでをいうのか。その不特定多数というのは銀行が融資をしている先あるいは預金者あるいは手形割引をしておる企業、こういったものまで不特定多数じゃなくて、いやそれは銀行が固有名詞を知っているのですから特定者ですよということになってきますと、これはきわめて範囲が広くなりまして、三原則と言われるものも事実上崩れてくるのではないか。一体不特定多数への募集、逆に特定少数の範囲というのはどういうことを証券局と銀行局とは考えてここに十一条が成り立っているのですか。
○吉本(宏)政府委員 証券取引法によりますと「募集又は売出取扱」につきまして定義上不特定かつ多数の者がこの要件になっております。不特定かつ多数の者を相手方として行える者ということになっております。たとえばある銀行がたまたま親密な関係にある機関投資家に新発債をはめ込むとか、あるいは投資の目的で保有しております国債を資金繰りのためにこの親密な取引先の会社に売却する、こういったいわば単発的あるいは偶発的なものにつきましては、これは営業と言うには当たらないのではないか、したがいまして、特にこの認可を要しない、このように考えているわけであります。 ただ、先生御指摘のように、それじゃ特定少数というのはどういうものかということでございますが、これは画一的な定義は困難でございます。と申しますのは、証取法の観点から、法の目的とする投資者保護に問題を生じないかどうか、社会通念から見て通常営業と見られる程度に達しているかどうか、こういった判断を個別、具体に即して、具体的なケースに即して判断をする必要があるのではないか。そうじゃないと証券取引法に基づく免許制の趣旨が貫徹できない、このように考えておりますので、不特定多数と特定少数というようなものをあらかじめ具体的に範囲を画するというようなことは困難であるということでございます。
○佐藤(観)委員 もう一回重ねてお伺いしますが、それでは預金者の個々人に対しては、預金者でも、あるいは融資先でも、あるいは手形割引をしているところでも、その個々に対して、いま証券局長から御説明があったように偶発的、単発的に、いわば反復継続してない——これは公選法上の言葉ですが、反復継続してない場合には、預金者なり融資先なり手形割引している者も、これは必ずしも不特定者ということにはならないけれども、しかし、たとえば募集をしますよということで預金者なりあるいは融資をしている企業なりに対してどうですかとざあっとやる、募集をするということは、これは証取法上免許が要る、許可が要りますよ、こう理解してよろしいですか。 〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○吉本(宏)政府委員 預金者と申しますのは、そもそも不特定多数の者から集めたものが預金だというふうに観念されるのではないかと思います。したがいまして、預金者であるからといってそれが特定の者に当たるというふうには私ども考えておりません。したがいまして、仮に預金者に対して募集行為を行う場合にも当然証取法上の認可が要る、かように考えております。
○佐藤(観)委員 次に、私はこの問題についての冒頭に、銀行が国債の窓販及びディーリングをやらなければいかぬ国民経済的な理由をお伺いしたのでありますが、どうも過去の経緯や現状の国債大量発行下ということのようでございます。その時期を決めるためなのか、よくわかりませんが、その認可の条件を決めるためか、三人委員会というのか懇談会というのでしょうか、何かこんなようなものをつくって銀行が具体的に窓販及びディーリングをやることについての何か答申を得るやに報道しているのでありますが、三人委員会というのでしょうか懇談会というのでしょうか、これは大臣の諮問機関なのか私的諮問機関なのか、一体法的な位置づけというのはどういうことで、一体何をどういうふうに答申をしてもらうように考えていらっしゃるのか。 私はいま考えてみますと、挙げてこの問題は行政上の問題で、証券界に与えるダメージも大きいわけでございますので、その責任というのは監督官庁である証券局長が事実上責任をとる行政上の問題だと私は思うのですね。その行政的な問題を第三者に委任をする、決定をしてもらうということは、これはいわば行政権の放棄でもあるし、一体行政当局として、そこで決定されたことに対する後から出てくる問題について責任を持てるのかということについてきわめて疑問があるのでありますが、この三人委員会というのか懇談会というのか、この性格、位置づけ、そしてそこで出されてくるものについての取り扱い、これについて御答弁をいただき、後で私は、少なくも以下の条件がそろわなければこれは許可すべきものではないということをお伺いしたいと思いますので、まずこの性格について若干お伺いしておきたいと思います。
○吉本(宏)政府委員 この三人委員会でございますが、今回の銀行法の改正並びに証取法の改正法を成立していただきました後におきまして、今後の制度の運用に関し三人程度の中立的な立場にある有識者による懇談会を設けることを考えているわけでございます。 これは性格と申しますと、言うなれば大蔵大臣の私的諮問機関というふうに考えていただいていいのではないか、このように考えております。 最初に、ただいま御議論がございました、国民にとって一番身近な問題でございます国債の窓販につきまして御検討をお願いしたい、このように考えております。 なお、この懇談会はあくまでも判断の公正を確保するという観点から御意見を拝聴するものでございまして、当然のことながら、最終的に認可の実施をいたしますのは大蔵大臣でございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、それにはいつ認可をするかの時期とかそれからそのときの条件、こういったものも含むわけですね。
○吉本(宏)政府委員 窓販の認可の時期が中心でございますが、その際あわせて検討いたすべきであると私ども考えておりますのは次の三点でございます。 第一に、国債管理政策の要請から見て窓販を実施することが必要であるかどうか、国債の安定的消化を促進する観点からこの窓販の実施をいつやったらいいのか、こういう国債管理政策上の問題。 それから第二に、銀行の新規参入ということになるわけでございますが、これが公社債市場にどういう影響を及ぼすか。たとえば窓販で国債を販売するだけでございませんで、はね返り玉の買い取りとか、あるいはこのはね返り玉を市場価格で買うか理論価格で買い入れるか、こういった問題もございます。 また、四十年に国債が発行されまして以降証券会社だけが窓口販売を行ってきたわけでありまして、今後銀行が新規参入する場合に、証券会社の営業あるいは収益に対してどういう影響を及ぼすか、こういったことも検討の対象でございます。 また、これも先ほど御議論がございましたけれども、銀行がこういった相場商品、預金と若干性格の違った相場商品を窓口で売るということを金融制度上どういうふうに考えたらいいのか、あるいは金融機関の範囲、こういった問題につきまして十分御議論をいただきまして、認可の時期についてめどをつけたい、かように考えております。
○佐藤(観)委員 いま言われた三点というのは、いわば一面では、今度銀行法のこの問題、証取法の改正という形で出された問題のそれなりの銀行局と証券局、大蔵省全体で結論を出され、そして当然これは、その結果として出された法案の中身にも触れる問題なんですね。いま局長のをお伺いしていますと、国債の管理政策上窓販が必要かどうかとか、とにかく法律上は必要だと思ってここに出されてきたと思うのですね。それから、三番目に言われた相場商品を銀行で扱うことがどうかこうかというのは、これはまさに私が指摘をしている問題で、それはいろいろな経緯や全体のことがあって細かいことは言いませんが、六十五条問題というのがあって、それでとにかく、認可はいつするかは別としても、一定の範囲内でやりましょうということも出されて、ここに銀行法が出てきたんだと私は思うのですね。 どうもいまの局長の御答弁を聞いていますと、何かまたもとへ戻って、金融制度調査会と証券取引審議会ともう一回議論をここで蒸し返すような話になっているので、きわめて不可解なんですね。何かいろいろ背後の苦しい事情もあるやに、銀行を納得させるのに必要なあれもあったようですから、そのことについて理論的にはお伺いしますが、大臣どうですか、これは非常に重要な問題ですので中身についていまちょっと最後にお伺いしますけれども、この問題というのは大変重要な課題でありますから、当大蔵委員会でいま論議をしておるようなことを十分踏まえて参考になさるのは、原則的にはどなたの御意見を参考になさってもいいのでありますが、それなりに今日までこの問題に携わってきた当大蔵委員会のいろいろな意見というのを、重要な判断の基準とされるというのが当然だと思いますが、そう考えておいてよろしゅうございますね。
○渡辺国務大臣 これはもう御承知のとおりに非常に問題があるところであって、現行銀行法の第五条において、その解釈の問題なんですよ。要するに銀行は担保附社債信託法によって云々ということが書いてあって、それから、また保護預かりその他の銀行業に付随する業務を営むのほか他の業務を営むことはできない、だから銀行業に付随する業務という中で窓販、ディーリングのようなものが入っているんだという解釈をとってきた。ところが現実にはそういうことは余りやっていない。しかしそういう解釈をとってきた。一方昭和二十何年かに証券法ができて……(佐藤(観)委員「それはわかっているんだ」と呼ぶ)それでそういうことになったものですから、その争いがあって、そこで結局早い話がどっちの顔も立てたというような話なんですね、実際は。(笑声)だから問題は、もうわかっているんじゃそれ以上私は申し上げませんが、そこで必要に応じて今度は銀行法に明文で書きましょう、有権解釈、はっきり書きましょう、しかしいままでもやってないわけだから、じゃあしたからすぐ全面改正というわけにはいきませんよ、だけれども法律に書いた以上はいまと違って、いやそれは入ってないんだ、入っているんだとけんかしたって始まらない、今度は入っているんだから。だからそれは法律の趣旨に沿っていろいろな諸情勢を見て、そのときにその大蔵大臣が判断をします、判断するときのいろいろな前提として、両業界の方にどっちも精通しておって、どっちの業界からもまた尊敬されるようなそういう人の意見も聞いて、参考にして聞きましょうということでございますから、それはその人たちが決めたから全部全面決定というわけではなくて、それなら大蔵省は要らないわけであって、やはり大蔵委員会等でも国民の声を代表していろいろな御意見が出ると思います。そういう意見等も参考の中に入るのは当然だ、かように考えております。
○佐藤(観)委員 もう時間が来ましたので最後にさせていただきたいと思いますが、確認をさせてもらいたいと思います。 一つは、たとえば銀行が証取法上認可をとって国債の窓販をやる、ディーリングをやる、その場合当然これは証取法上の認可をとってやるわけでありますから、いま証券界でやっております国債の上場銘柄の取引所集中、例の百万円から一千万円まで取引所に集中しなければいかぬという、いわばこれは自主規制のような形になっていると思いますが、あるいは店頭取引について値幅制限を百万円までの場合は四十銭、それから一千万円超の場合は二%以内という店頭取引についての値幅制限というのをやっておりますが、もし銀行が窓口販売をやるということになれば、当然これはこういった自主規制のもとに入ることになると思いますが、それはよろしいですねということが一つ。 二つ目は、銀行が顧客に売った、しかし顧客がもう一回戻してきた、その返り玉の価格でございますけれども、いま金融債の発行銀行の事例にも見られますけれども、自分の店で売った販売分については、保護預かりになっているようなものについてはこれは理論価格で買い取るという、いわば二重価格ができているのでございますが、国債について、いま申しましたような証取法上の認可をとってやる場合には、いわばそのときの時価で買い取るのであって、こういう二重価格は一切発生をし得る余地はない、こういうふうに確認をしてよろしいですねという、以上確認が二点であります。 それから、認可の条件として最低こういうことを考えていかなければいかぬと思いますので、この点について答弁をいただきたいと思うのでありますが、一つは、もちろんこれから建設国債は発行されていくというものの、赤字国債をなるべく減らそうという状況、あるいは借換債が来ますけれども、これは六分の五が残るわけでありますから、全体としてはだんだん減っていくという状況でございますから、今日まで個人消化というのがだんだん進んでいっている、市中消化が進んでいっている状況の中で、なおかつ今後証券会社だけでは市中消化が不十分だ。たとえば全体の発行量の一〇%以下に何カ月も何カ月も続いているというような、いわば市中消化が証券会社だけでは無理だという状況になった場合。それから、私たちが想像するところの二番目に、この大蔵委員会でも長年銀行の歩積み両建てという問題をやってきたわけでありますが、恐らく国債の窓販ということを認可した時点においては、銀行は企業に対して、融資をするかわりに銀行の持っている国債をひとつ抱えてもらえませんかという当て込み販売というのでしょうか割り込み販売というのでしょうか、これは私は当然起こってくると思うのであります。このことは中小企業にとりましては非常に大きな負担になってまいります。したがって、こういうことが起こらないという一つの歯どめと申しますか保証と申しますか、こういったことがある程度予測をできる状況ができた場合。それから第三番目は、この国債の窓販をした場合に、証券と銀行とは状況がイコールフッティングじゃなければいかぬと私は思うのであります。つまり、銀行は返り玉が来たときに、いやちょっと待ってください、それはおたく持っていてください、そのかわり、その要るお金の分だけ融資しましょうという、いわば担保金融がなされ、証券の場合には、恐らく法律上これは担保金融というのはむずかしいと思います。そういったように、国債を使って、片や担保金融が行われる、片やそれはできないということでは、これは著しくイコールフッティングを欠くということになると思いますので、そういった銀行側だけが国債を使って有利な販売、あるいは営業ができるというようなことがないという整備がなされること。 以上、私は最低この三つの条件が整わなければ銀行の国債窓販というのは許すべきではない、こういうふうに考えますが、いかがでございましょうか。
○吉本(宏)政府委員 最初の市場集中並びに値幅制限の問題でございますが、私どもとしては、銀行が将来窓販あるいはディーリングを行うようになれば、当然証券会社と同じような形で、何らかの証券会社に適用される規制につきましてこれを受忍するということをお願いしたいと思っております。ただ現在、それじゃ東証の会員にするかどうかということになりますと、これは会員にするのはどうかなというふうに考えております。今後さらに研究してみたいと思います。 それから、金融債につきましてはね返りを理論価格で買い取っておるという事実があることは私ども承知をいたしております。ただ将来、長期国債を窓口販売する場合のはね返り玉の処置については、これは当然なんでございますが、市場価格によっていただく以外にないのではないか。この辺は今後また三人委員会等でも十分御議論をいただきたい、かように考えております。 それから、割り込み販売というようなことにならないかという話でございますが、これにつきましては、不公正取引の禁止という規定を今回の証取法において銀行にも準用することにいたしております。いやしくもそういった何らかの融資あるいは将来の値上がりの保証というようなことを基本にして販売する、それをネタにして販売するというようなことは、これは差し控えていただかなければならない、このように思っております。 それからイコールフッティング論、銀行はファイナンスができる、金融をつけて、それを一つの材料にしてディーリングをやるとかあるいははめ込み販売をやるというような話につきましては、これはディーリングをそもそも銀行に認めるかどうかという場合の一番基本的な問題でございます。したがいまして、この辺は今後さらに研究をしなければいかぬと思っておりますが、仮に銀行にそういったディーリング等まで認めるという場合には、当然勘定の分離をお願いしなければいかぬ、このように考えております。(佐藤(観)委員「市中消化の話」と呼ぶ) 失礼しました。その市中消化が将来証券会社だけではなかなかむずかしくなった場合という御指摘でございます。ちなみに、昭和五十五年度の例を見ますと、長期国債につきまして証券の取扱額は全体のシ団のシェアの二八%でございます。中期国債につきましては、証券会社が非常にウエートが高くて八七・五%と、全体の市中発行額、市中の消化額の十兆二千五百九十億に対して証券会社が三兆九千百五億、三八・一%の取り扱いをやっております。今後国債の発行がどうなるか、私どもとしては国債がむしろ減額されるということを期待しているわけでございますが、そういった中で、金融情勢等にもよりますが、証券会社はそれなりに消化について努力をしていく、かように考えております。もしそれが非常に困難であるというような場合には、これは当然銀行の窓販についても考慮に入れなければいかぬのじゃないか、このように考えております。
○佐藤(観)委員 まだ若干詰め足りない点もありますけれども、時間が大変過ぎましたので終わらしていただきたいと思いますが、実はきょうの質問の中で邦銀の海外支店のディスクロージャーのことについてお伺いしようと思ったのですが、連休等もあって資料が手元に届いたのがきょうだったものですから、ちょっとこれを読んで、もちろん英語でございますが、日本のと比較する時間がなかったものですから、資料をいただいたことを感謝をし、改めてその問題についてはお伺いしたいと思います。
○綿貫委員長 戸田菊雄君。
○戸田委員 まず最初に大蔵大臣に、今回の銀行法改正、これはむしろ改正というよりも新法制定だと説明されているわけですが、この改正の機縁は文字どおり一九七三年の石油ショック、これを契機にいたしまして当時の企業の買い占め、売り惜しみ、こういったものが大分横行いたしまして、それで企業、銀行等に対する大批判が国民から巻き起こった。なかんずく現行の銀行法は昭和二年制定でありますから、言ってみれば当時の銀行法を読んでも、「朕惟フニ」時代なんですね。だから、そういうものについても当然見直しをするべきだということで、社会党等から強い意見も出されて今回の改正ということに相なったと記憶しておりますが、そのポイントは一体、簡単でよろしゅうございますから御説明願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは先ほど佐藤議員の質問の第一問のところでお答えをいたしておりますから、その考え方については省略をいたします。 具体的に申しますと、目的規定というものを新設いたしました。それから、銀行の営み得る業務範囲というものを明確にしました。それから、大口信用供与規制を法定化をしました。休日に関する規定の弾力化を図りました。一年決算制への移行を明文をもって書きました。業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧、いわゆるディスクロージャーの規定を整えた。外国銀行に対する規定の整備を図ったというようなところがポイントだ。その背景というのは先ほど説明したとおりであります。
○戸田委員 そこで問題になりますのはやはり金融制度調査会、これは蔵相の諮問機関であるわけでありますが、会長は佐々木直さんがやっておるわけですが、約四年間にわたって鋭意内容を検討されました。私の見た範囲では、もっぱら理念上の問題について相当長時間、時間をかけて検討した。結論的には銀行経営の効率化、さらに公共性等々の問題について深く論議をされて一応の答申がなされておる、こういうことでありますが、当時の徳田局長、ことに金融については新効率化、こういう言葉でいろいろな場所において所見というものを申し上げておるわけでありますが、そういうものについていまの米里局長は、従来からとられてきた澄田行政というのですか、徳田行政というのですか、そういうものを踏襲するという考えですか、どうですか。
○米里政府委員 現在の銀行行政あるいは今度の制度改正に当たりまして、私どもの基本的理念はおっしゃるとおり新金融効率化と申しましょうか、一方では効率化というものを追求しながら、一方では金融機関というものの社会性、公共性を重視していく、いわば楕円のようなもので効率化と社会性、公共性が二つの中心点である、その調和を具体的に図っていくということが、制度論におきましてもあるいは行政面におきましても、私どもの理念でございます。
○戸田委員 そこで徳田局長は、答申に当たって次のようなことを言われておるわけです。これは昭和五十三年九月二十八日でありますが、いわゆる当面の情勢認識において、いま金融界というものは非常に切迫した情勢に追い込まれている。その一つは何かと言えば、「預貸金利の逆ザヤ、資金需要の逼迫、不良貸付の増大、」「銀行批判の激化、大衆化現象の進展、国際環境の悪化……など、金融界をとりまく情勢はますます厳しさを加えてきており、これまでのような”護送船団方式”、つまり手厚い法律的保護と大蔵省の大局的政策によって、いちばん船足の遅い銀行に基準をあわぜて金融界全体を守り育てていく」ような情勢ではない。「従って、これから八〇年代に向かっての金融行政は、好むと好まざるとにかかわらず、厳しい競争原理の導入による銀行の自由化、大衆化、国際化を基調とせざるを得ない状況にあり、大蔵省銀行局はこれを”新金融効率化行政”の名のもとに決然として貫徹していく所存である。」「しかし、銀行には預金者の保護という絶対的な社会的責任が課せられており、いかなる金融不安の招来や醸成も許されないから、完全な自由競争原理の導入に踏みきる前に、弱小銀行の整理、統合、再編成等、はっきりいえば”銀行合併”をますます強力に推進し、コンピューターの導入やコストの削減、サービスの向上などを含む「金融の効率化」をはかる必要がある。」結局、これをずっと読んでまいりますと、前段にいろいろな厳しい情勢があるけれども、今後の金融界の効率化というものは、都市銀行をリーダーにしたいわば合併にあるんだ、こういうことを言っているんじゃないでしょうか。この点どう考えますか。
○米里政府委員 いまお読み上げになりましたような金融界の環境がかつてに比べて非常に苦しくなっておるということは事実でございますし、この状態は今後ともにかなり長い間続くのではないかというように考えております。 そういった中におきまして、預金を預かり、信用秩序の中枢に位し、資金運用面で国民経済的な要請にこたえていくというような金融の役割りとして最も期待されることの一つが、できるだけ経営を効率化することによって預金者にはできるだけ高い預金金利を付することができるようにし、貸出先にはできるだけ安い貸出金利で提供できるようにするといったような意味での努力というものが今後ますます重要になってくるということは事実であろうかと思います。 その場合の金融効率化の手段というのは、これはまた情勢によりあるいは個別金融機関のそれぞれの特色によりましてさまざまであろうかと思いますし、御指摘のございました金融の再編成、もっと具体的に言いますと、合併等というようなこともその一つの手段としてあり得るというふうに思います。ただ、再編成とか合併とかいうのは、だれかが頭の中で考えて青写真を描くといったような性格のものではなくて、経営者の方々が周囲の納得を得ながら金融効率化の一つの手段としてそういった方向を打ち出される。周囲も十分、取引先も含めまして、それに対して理解を示し、金融効率化のための手段として賛意を表しているという場合に出てくる問題でございまして、別に合併だけが金融効率化の手段であると私どもは考えていないわけでございます。ただ、そういったようなことで関係者全体の機運が盛り上がり、金融効率化のためにぜひ合併をすべきだというような状況になりましたら、私どもとしても十分それは側面から補完していくことにやぶさかでないという考え方でございます。
○戸田委員 局長、かつて住友銀行と関西相銀の合併が挫折をいたしましたね。これはどういうところに原因があったと思いますか。
○米里政府委員 いま申し上げましたように、金融機関というのは非常に社会的な存在でございますから、内外にいろいろな関係者がおられるということであろうかと思います。そういった内外の関係者が十分その合併について賛意を表する、前向きに考えるというような条件がそろったときということが合併の円滑にいくときであると思いますし、なかなか現実の社会としてむずかしい問題であろうかと思いますが、そういった客観情勢が十分熟していなかったために合併という結果にならなかったのではないかと考えております。
○戸田委員 具体的な資料はいただいておりますから、きょうは六十分ですから時間がありませんので、あえて回答は求めません。したがっていただいた資料をこちらから紹介しながら必要な都度質問してまいりたいと思いますので、その点は御了承いただきたいと思います。 そこで問題は、六大企業集団というものがあるわけですね。週刊東洋経済の資料を拝借していろいろ検討したのであります。それをもってひとつこちらの見解を申し上げていきたいと思うのであります。たとえば「資本金十億円以上大企業の占める地位」、一九七七年度だけ、最近のもので発表いたしますが、企業数が〇・一三%、総資本が四四・五%、資本金五五・七%、従業員数が一八・七%、売上高三五・七%、営業利益四四・四%、付加価値が二九・八%、これは「「週刊東洋経済・企業系列総覧」一九八〇年版、八五ページ」こういうふうになっておるわけですね。 もう一つは「製造業上位百社の総資産集中度の動向」、これを見ますと、一九七七年、企業数が三十五万一千百三十三、その中で構成比が〇・〇二八%、それから総資産が五十兆一千八百四億八千五百万、集中度が三四・八%。 それからさらに「六大企業集団社長会メンバーの産業別配置」、これを見ますと、大体、三井系それから三菱系、住友系、三和系、芙蓉系、一勧系、こういうふうになっておるわけでありますが、系列その他を含めまして掌握度が非常に大きい。中身はここで発表する時間がありませんからやめます。 さらに「六大企業集団の日本経済に占める状況」あるいは「系列企業の使用総資本占拠率」等等一連の状況を見てまいりますと、これは最近私が尊敬する北山先生が発刊したものですが、大臣、後でお読みになっていただきましょうかね。決してイデオロギーで固められたものではない。その集約がこういうことになるわけですね。たとえば六企業集団の中心企業は百五十二社、百三十五万の全法人企業に対し、その総資産の一七・五%、売上高では一五・五%を占め、多数の系列企業を傘下に置いて、その全体の株式は証券取引所の上場会社の二五%に及んでいる、このように非常に大きな支配力を持っているわけですね。ですから、いままでの金融行政というものは、こういうものに対してあらゆる保護政策をとってきて今日の寡占体制に育て上げたんじゃないんでしょうか。どう判断をいたしますか。
○米里政府委員 従来の金融行政が大都市銀行中心の金融行政であったというようなことではないと私どもは考えております。まず戦後の金融制度論、二十年代後半から三十年代の初めにかけまして、その時期に、先ほども御議論の出ましたような、いろいろな専門機関の制度ができたということは、これはちょうどまさに戦後の復興の時期における資金需要が全体的にいろいろな面で非常に旺盛であった。そういった旺盛な資金需要に対して、大企業だけでなしに中小企業その他にも融資が均てんすることができるようにという趣旨からいろいろな専門機関制度をつくって、各種の国民経済的な資金需要に対してきめ細かく配慮できるようなシステムをつくってまいったわけでございますし、その後の高度経済成長あるいは安定成長への移行に際しましても一先ほど申し上げましたように、専門機関制度というものの考え方は依然として続けてまいっている。それで、そり専門機関制度につきましては、それぞれ普通銀行と制度の違いはございますけれども、ある意味ではそういった専門性が発揮できるような恩典あるいは特色というものも与えてまいっているわけでございます。一方、四十年代に入りましてから、特に経済の国際化というようなこととも絡みまして、いわゆる自由競争原理の導入という効率化の思想が出てまいったわけでありますが、その自由競争原理の導入あるいはまた金利機能の活用、この二つは非常に接近した考え方であると思いますが、それの具体的な実施に当たりましても十分そういった全体の金融秩序というものを常に考えながら適正な競争原理あるいは金利機能の活用にいたしましても一歩一歩、社会的コストが余り大きくならないようにというような考え方をとりながら、国際化に即して、国内の金融制度あるいは金融行政を進めてまいったわけでございます。そういった意味合いで、一方では行政の過剰介入あるいは過保護行政というものを避けながら、一方ではそれぞれの金融機関の国民経済的なあり方ということを頭に置きまして、金融秩序の混乱を招かないような理念のもとに制度論あるいは行政運営をしてまいったと考えております。
○戸田委員 局長のいろいろな説明があったのですが、現にアメリカ等においては、一九七〇年でありますが、カリフォルニア州のサンタバーバラにあるバンク・オブ・アメリカの支店が焼き討ちに遭いましたね。当時、一九七三年のあの買い占め、売り惜しみ等の事態に国民は非常に憤激しておったのですね。だから、アメリカ等でこういうことが逐次行われつつあることは、これはいつか日本にも上陸するんじゃないか。こんなことあっちゃいけないのですよ。だから私は、いまの底辺層における金融機関に対する考え方というものを少し分析をしてもらいたいと思うのですね。 たとえば、一つの例ですがサラ金問題でしょう。これはもう、ここ半年ぐらいで自殺者、夜逃げその他二百人近い者が出ておるのですね。これは全部住宅ローンその他から来る支払い不能に陥った善良な敗残者ですよ。そういう者がいま底辺に非常に広がっている。私の理解でも、銀行の一般大衆の預金率は大体八一%を超えている。しかし、実際貸し出し状況を見まするとわずか二〇%ちょっとですね。だから困ったときに銀行へ足を運んでいきますと、しさいに住所はどこ、財産はどのくらいあって給料はどのくらい取って、全部証明書添付をしていって、結果はどうもうちの銀行の基準に合いませんといんぎん無礼に断られる。こういうものに対して国民が喜んで預金をしましょうとか、そういう状況になりませんね。だから、大衆化と言うなら、やはり今後もう少し考えて金融体制というものをとっていかなければ、いつかそういう事態が、爆発するときが来るんじゃないだろうか。そういうことがあっちゃいけませんが、非常に不満が多い。こういう状態を局長としてはどういうふうに踏まえておりますか。 いまいろいろと御答弁なされた中では、そういう点も非常に配慮してやっておるというようなことを言っておりますが、現実は全くそうじゃない。各市中銀行ずっととらえてみても、いろいろ資料をもらっておりますから私も全部調査しました。しかし、結果的にはそういう状況です。借り手はわずか二〇%ぐらいしかいっていない。本当に困ったときにそれにこたえてくれないのですよ。だから、そういうものに対して今後行政上一体どういう対応措置で——全部満足いくというようなことはとても不可能だと思いますよ。しかし、まあまあこの程度ならあきらめもつくというような程度までは行政サイドで指導監督を強めていく必要があるんじゃないだろうか、このように考える。言ってみれば、いまの営利本位を、もう少し大衆化路線をたどって納得のいくような、こういうものに変えていく必要があるんじゃないかと思うのですが、その辺の見解はどうですか。
○米里政府委員 最近、特にここ十年ぐらいにわたりまして金融機関の中小企業向け融資あるいは個人向けローンというものが非常に進んできておるということは御承知のことと思います。数字はいろいろございますが、たとえば全国銀行の総貸し出しに占める中小企業向けの貸し出しのシェアでございますが、四十八年十二月が三七・〇%。それが、五十五年の十二月には四五・二%。あといろいろ数字はございますが省略させていただきます。金融機関、ことに普通銀行におきましても、先ほど来申し上げておりますように中小企業あるいは個人部門に対する融資というものに、特に経済成長パターンが変わりました以降は非常に力を入れているわけでございます。もちろんまだまだ一般の国民全体から見ますと金融機関の中小零細企業あるいは個人に対する融資が十分でないとお感じになる点も多々あろうかと思いますが、方向といたしましては、かつてに比べまして金融機関の大衆化あるいは一般化ということは非常に進んできているように思います。また、金融機関自身も今後の経済環境あるいは金融環境を考えますと、そういったことに力を入れないではなかなかやってまいれないというような、営利企業の立場としてもそういった面もあろうかと思います。 そういったような意味合いで、普通銀行全体がかなり個人部門、中小企業部門に力を入れますとともに、今度の改正法案でもお願いしておりますような中小企業金融専門機関が、それぞれの地域性を持ちながら地元に密着したいわばホームドクター的な役割りとして、きめ細かく地元の中小企業あるいは住民の方々に対して資金を供給し、サービスを拡大していくというような方向が次第に確立されてきておるというような状況であると思います。 すべてパーフェクトということにはなかなかまいらないと思いますが、行政指導においても今後ともにそういった中小零細企業に対する配慮というものは十分頭に置きながら進めていきたいと考えております。
○戸田委員 局長、ぜひ納得のいくように前向きでひとつ検討していただきたいと思うのです。 大蔵省の銀行局というのは非常に力を持っているんですね。たとえば大蔵省OBの皆さんは五百何名おりますが、そういった中で肩書きを持っていないのは六十名しかいない。あとは全部、長あるいはその他重要職についている。銀行関係においても、たとえば東京銀行、横浜銀行、北海道拓殖銀行、三和銀行、これは副頭取であります。常陽銀行、それから武蔵野銀行、岩手銀行、十八銀行、京都銀行、八十二銀行、泉州銀行、四国銀行、第一相銀、栃木相銀、豊和相銀、西日本相銀、大東相銀、東陽相銀、山陽相銀、国民相銀、第三相銀、九州相銀、このくらい頭で行っているんですよ。そのほかに主要なポストはほとんど行っている。 だから、こういう状況を考えれば、本当にやる気なら、たとえば預金総額の六割、そこまでいかないまでも半々ぐらいは中小体制に回そうということになれば、これはできないことないのです。だから、ぜひひとつそういう点は、局長大変でありましようけれども、大いに努力をしていただきたいと思うのです。そのことを強く要望しておきたいと思うのであります。 同僚の佐藤議員が相銀問題は触れましたから、私は若干地方銀行について触れておきたいと思うのです。 いま、私の認識としては、地方銀行は一県一行主義、地域経済振興にいわゆる独占形勢を持っておるわけでありますが、そういう中においても、いま各産業の広域化その他がありまして、大分下は相銀と信金に押し上げられ、上は都市銀に押しつぶされというか、押し下げられる、こういう状況でいわばサンドイッチ的な状況にあるんじゃないか。先ほど相銀問題についてはいろいろ御意見があったが、私も全くそのとおりなんでありますが、そういうことになりますると、勢いこれはどっかで激しい競争をやっていかなければいけないということになれば、いま言ったように個人預金なりあるいは中小企業、中堅企業、こういったものに対して激烈な競争体制に入っていかなければいけない、こういうことになってくると思うのです。 そこで、いま地方銀行で一番心配しているのはいわゆるCDですね。この問題について、大体一県一行主義ですから、地方自治体、それから各官庁、公金は全部ほとんど地方銀行で取り扱っているわけです。これが最近崩れつつあるわけですね。だから、そういう問題についてどういう行政指導でこれからこの競争にたえ得るようなそういう力をつけていく体制というものを考えるのか、その辺ひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○米里政府委員 現在、各種金融機関とも、それぞれの立場で、いろいろ厳しい環境の中で悩みを抱いているわけですが、地方銀行につきましても、一般論といたしまして、経営上いろいろな苦しい環境というものは出てきているように思います。申し上げるまでもなく地方銀行というのは、あくまでも地元経済の中心として地元産業を育成し、地元の国民生活に十分サービスを提供していくということを本旨にした金融機関でございますし、かつて、高度成長時代はかなり経営の安定している地方銀行が多かったわけでございます。いわゆる健全経営指標、自己資本比率その他から見ますと、むしろ高度成長時代は、地方銀行が各種金融機関の中で一番優等生的であったというような時代が続いたわけですが、ここ十年ぐらいの経済、金融環境の激動に伴いまして、全般的にはかなりいろいろな収益基盤について、従来に比べてむずかしい問題が出てきていると思いますけれども、しかしそれぞれの県なり地方に参りますと、地方銀行というのは、これは金融の中心でもあるとともに、産業全体あるいはインフォメーション全体の中核的な役割りとして、地方経済の発展に非常に大きな功績を果たしてまいっておるという状態であろうかと思います。そういったような状態の中で、いまおっしゃいました都市銀行あるいは相互銀行、信用金庫、信用組合の中のサンドイッチというような状態で、経営の効率化を図っていかなければならないということで、それぞれの経営者には並み並みならぬ御苦労が課せられておるわけでございますけれども、やはりこれはなかなか起死回生の妙手というのはございませんで、じみちに一つ一つの金融機関が経営の効率化を図りながら、かつ地元の産業活動と地方銀行の盛衰というのはまさに一体化をなしておるわけでありますから、地元の産業あるいは国民生活全体ができるだけレベルアップするような総合的な指導あるいはサービスというものを拡充していくというようなことで、各地でじみちな努力をやっておられるということであろうかと思います。私どもも、そういった地域産業の中心となっている地方銀行に対しまして、必要な限りで、できるだけの行政面あるいは政策面でのお手伝いをしていきたいと考えておるわけでございます。
○戸田委員 時間がありませんから、それに関連してもう一点質問をしておきたいのは、政府系金融機関、いわゆる開発銀行、輸出入銀行、この二行に加えて十行ありますね。こういう役割りは、従前ですと主として政策的手段というものを通じてやられておる。しかしこれも、現在十二行の中で膨大なものになっていますね。ぼくの記憶が間違いなければ、九十六兆円ぐらいいっているのじゃないでしょうか。それぐらいの貸付残高にいっていると思うのですが、この見直しは必要ございませんですか。いかがでしょう。
○米里政府委員 政府関係金融機関でございますが、現在政府関係金融機関の主たる役割りは補完でございますが、かつての量的補完よりはむしろ質的補完だというような時代になってきているかと思います。質的補完と申しますのは、それぞれの政府関係金融機関が与えられております政策目的というものを、いかに国民経済的にプラスになるように遂行させていくかというような問題であろうかと思いますし、またそういった意味で、それぞれの目的に即して十分社会的な貢献をしておるというように考えております。もちろん、こういったそれぞれの機関のあり方あるいはまたその政策目的も時代によって推移していくというようなことで、個々に時代に即応するように考えていかなければならない。たとえば日本開発銀行でございますと、かつての戦後の四重点産業と言われました重点産業向けの融資に比べまして、最近では資源エネルギーというものが次第に中心になってまいっておるというように、時代に即して政策目的も変わってまいりますので、絶えず時代の要請をとらえながら、かつ民間の補完という形で政策目的が遂行できるように、私どもとしても十分注意して進めていかなければならないというように考えております。
○戸田委員 そこで、具体的な問題について一点だけお伺いをしたいのです。農林省来ていると思うのですが、農林漁業金融公庫の「総合資金のご案内」というのがありますね。私、余りよく勉強しておりませんが、デンマーク等は非常に長期低利で、それに価格政策も導入をして親切な、採算のとれる農家経営、そういう基盤整備をやっておる、こういうことを伺っておるわけでありますが、この農林漁業金融公庫の案内書を見ますと、「総合資金」というのがあります。これは自立経営を目指して経営規模の拡大や経営の改善合理化を図ろうとする農家の皆様のために設けられた長期低利の資金制度で、確かに年数は二十五年、利率は五%以下、場合によっては四・五%あり、これは非常に低利だと思うのです。しかし開発銀行の造船融資等は四・二%ですから、まだこれでも高い。だからこの辺はもう少し検討されて、でき得れば、いまの選択的拡大、いろいろございましょう、そういうものに見合って、ことに畜産関係の状況はいま米と同じ減反政策をとられている、だからこういうものについて採算のとれるような長期低利、このつくられている趣旨は私も賛成ですが、貸付対象の拡大をもう少し図れないものかどうか。資料は全部もらっておりますから中身はわかります。その辺についての見解をお聞かせ願いたいと思うのです。
○矢崎(市)政府委員 お尋ねの農林漁業金融公庫の総合施設資金でございますが、これは御指摘のとおり、将来自立経営農家を目指す農家を対象に各種の資金を総合的に組み合わせて経営拡大なり経営の改善を図っていこう、こういう趣旨の制度でございます。金利については、御指摘のとおり五%、また据え置き期間は四・五%という資金でございますが、農林漁業金融公庫の中には実はこれ以外に、たとえば土地の関係でありますと土地取得資金とか土地改良資金、その他それぞれの施設の導入あるいは新設等の目的に沿った資金制度も数多くあるわけでございます。その中で総合施設資金は各種の制度を組み合わせることによって、しかも長期に将来の経営改善を図っていくような、そういう趣旨で設定された資金でございます。 そこで、貸し付けの対象が少し狭いのではないかという御指摘は、自立経営農家という趣旨を厳密に解釈いたしますと非常に特定の農家しか借りられないのではないかというふうなことかと存じます。私どもも、実はそういう点で途中におきましてこれの運用の改善もいたしておりまして、すぐに自立経営農家になれなくとも中間的な目標期間を定めて規模の拡大を図っていこうという農家につきましては、さらに目標年次もずっと先にして、そういった農家にも貸し付けが現実にできるように、こんな弾力的な運用も図っているところでございます。 なお、対象事業としましては、これはもう土地から施設から、さらに果樹から畜産から、各種の資金がこれによって貸せられるようになっておりますが、それ以外にも、いま申し上げたようなそれぞれの目的に沿いましたメニュー、及びこの五十六年度からは集落の単位で改善をしていこうというふうなものに対します系統資金なり農林漁業金融公庫資金をこれまたセットで貸し付けをしていくというふうな新しい資金制度も発足させることにいたしておりますので、これらの資金を有効にひとつ活用することによりまして、十分に目的に沿うように運用をしてまいるようにいたしたい、かように存じます。
○戸田委員 ぜひ前向きで、ひとつ枠の拡大について検討していただきたいと思います。要望しておきます。 それじゃ具体的な内容に入りたいと思いますが、改正七項目の三項までは同僚佐藤議員が触れておりますから、四項から私はひとつ質問してまいりたいと思います。 ディスクロージャーなんでありますが、今回の改正について、当初大蔵省原案は、この経営内容公開について、利益の処分または損失の処理、こういう書類をも実は整備させようという考えであったと理解をするわけであります。もう一つは、この経営内容の開示は、もともと義務制にするというのが趣旨ではなかったか。それから、業務内容の説明原案でも、これらは全部大蔵省令で決めようじゃないかということじゃなかったか。それから、経営の健全化、改善計画、これを求める場合には監督命令条項というものをひとつ挿入をしてやっていこうではないかということであったと思うのであります。それからもう一つは、行政指導のポイントですね。ことに営業支店というものについては大臣の認可、許可、こういうものでひとつ処理をしよう等々の五項目程度について、当初大蔵省原案としてはぴしっとしておったと思うのですが、それが何かいろいろとやってくる途上でどうもおかしくなって、第一の問題はすべて訓示規定、こういうことになっちまって、営業支店の大臣認可等は全部削除しちゃって、以下全部削除。これは一体どういう経緯でこういうことになったのか、その経緯について説明していただきたい。これは大臣にひとつ。
○渡辺国務大臣 いま戸田委員がおっしゃったようなことも考えておったことは間違いございません。私は、御承知のとおり財政演説で銀行法の改正案を提出します、これについては関係者、関係団体との調整をした上で国会提出をいたしますというお約束を国民にしたわけです。私が忙しいものですから、なかなか微に入り細にわたってというわけにいかない。しかしまあ、その間においていろいろ議論が出たことは皆さん御承知のとおりでございます。いろいろな議論が出た結果、現行法がよりいいだろうということなので、どっちに転んでも大したこともないし、よりいいんならその方がいいことだし、タイムリミットもあるわけでございますから、そういうことで、それによってえらいダメージだとか、全然骨抜きだとか、そういうのだったら私は提案しないのです、実は。しかし、そうでございませんし、表現の方法その他を変えるという話であって、ですからそこらのところは見解の違いもございまして、私ども身内の話でもございますから、それで、全部それじゃオーケーかということで、全部オーケーということになったんで、最終的に取り決めたということは事実でございます。 監督規定の問題等につきましては、これはむしろ私の方は親切に考えまして、古い監督規定では大蔵大臣に権限がいっぱいあり過ぎてこれは困るものですから、だからむしろ近代的に列挙主義にいたしてやったわけですよ。ところが何を銀行側は勘違いしたのか知りませんが、監督の項目が多過ぎるという話になりまして、それで、それならもとに戻した方がいいというんなら、別に私は支障も何もないわけですから、私の方はむしろ制限的に書いたわけですから、だから、戻してくれというようなお話だったので、わかりました。きわめてわかりがいい話でございます。 ディスクロージャーの問題については、これはいろいろ議論があって、しかし世界に例のないようなこともやることでもございますし、問題は根性の問題ですから、銀行法の問題は。精神状態が悪ければ、幾ら法律でやったってだめなんだから。だから問題は、この精神状態をよくしてもらわなければならぬ。そのためには、そのかわり向こうの自主性というものも尊重するように書いてくれというので、自主性尊重非常に結構です、そのかわり自主的にやってくれ、そんならば。一遍お目にかからなければならぬわけでありますから。ですから余り強圧的なことばかり書くのもいかがなものかということも考えまして、そして自発的にきちっとしたものを出してくれということでまとめてきたといういろいろいきさつがあるわけです。恐らく国会なんかではいろいろ言われるんじゃないかと思って私も覚悟はしておったのですが、しかし内容はそうおかしなものになっていないということは、読んでいただければよくおわかりだろう、現行法よりもかなり進歩しているということは確かでございます。
○戸田委員 それからもう一つは、大口融資規制について、これは大体普通銀行が二〇%、それから長期、信託が三〇%ですかな、以下四〇%、こういうことになっている。お伺いしましたら、貸出総額においては大体一千億、一千億、一千億、こう大体横並びだ、こういうことであります。平均にして二〇%。しかし、これはたとえば商業手形の割引融資とか預金や国債を担保とした融資とかそれから東京電力等々は除外をしているわけですからね。そうしますと、これを積み重ねれば総体二五%ということになるんじゃないだろうかという気がするわけです。だからこういうものについては、私は私たちの立場から言うならもう少し民主的規制を加えるべき性格のものであって、そう法外にこれを許すべきじゃない、こういう考えを持っているんですが、その辺の見解が一つです。 それからもう一つは、時間がありませんから一括。あともう一つ問題があるものですから。週休二日制について、これは土曜日休日の道を開いたという点については私も評価をいたします。しかし、これは各政令でもって今後やっていくわけですね。この政令策定がまた各省でもって大変なんです。まず大蔵省、郵政省、関係各省全部公務員が入る、こういうことになりますから。ただ、これは愛知大蔵大臣のときに、いま亡くなりましたが、いろいろと詰めて、当時は国外に行っていろんな会議があって、ダンピング論で盛んにやられて、そうしてこれに踏み切ろうということでやって、当時吉田局長でありましたが、いいところまで行ったんだが、一九七三年オイルショック等でこれは御破算になってしまった、こういう経緯があるわけですが、本問題等について、やはりもう少し各省の協議その他を促進していただいて——この間説明段階では、何年ぐらい先になりますか、こう聞いたら、まあそれは何とも言えないけれどもと。三年ぐらいでできますか、こう言ったら、ううんと頭をひねっておったようですが、やっぱりこの道を開いたんですから、もう少し積極的に、これは大臣リーダーをとってひとつやっていただくべきじゃないか。後で労働省から、いま民間サイドでもってどの程度の週休二日制体制がとられているか、ちょっと説明を願いたいと思うのですが、そういうことも参考にしてひとつやっていただきたい。 それからもう一つは、労働金庫の問題について内国為替、そういったものの取り扱い、これはこの前銀行法改正のときにわれわれの見落とした点で非常に残念だと思ったんですが、今回その取り扱いができるということで一歩前進をしましたから、この点も私は大変評価をしているわけでありますが、そういう問題についても、ぜひひとつ今後大いに、一般銀行等々までいかないまでも、金庫としての役割りを平等な扱いとして前進をさしていただきたい。ドイツとかイギリス等では、労働金庫というものに対しては、その育成強化に大変力を入れておりますよ。だからそういう点、大臣ぜひひとつ検討していただきたい、このように考えます。でき得ればいろんなそういう問題について、一年に一回でもいいから、関係者との話し合いくらいしてもらったらどうだろうかという希望を持っているのです。その辺を含めて、ひとつ大臣の御答弁をお願いしたいと思います。 以上三点について、大ざっぱになって申しわけありませんが、あともう一つ郵貯問題があるものですから、お願いしたい。
○渡辺国務大臣 骨子を私が答弁いたしまして、不足の部分は銀行局長から答弁させます。 まず大口信用供与規制の問題でございますが、これは銀行法の目的の中に健全経営の維持確保ということを書きまして、危険の分散ということをそこでちゃんとはっきり打ち出しているわけであります。それから、銀行信用が広く適正に配分されなければならぬというようなこともうたっておりますし、また大口信用供与規制の問題については、昭和四十九年以来の通達を法律に取り込んだわけです。これは、明治二十八年に削除されて以来、実は画期的な問題だというように私は評価をいたしております。 なお、規定の構成というものは弾力的に考えていく必要がある。政令で規定したということは、情勢の推移によってどんどん経済は動くものですから、その経済にうまく機敏に対応できるというようにしてまいりたい、こう思っております。 確かに商業手形の割引等いろいろ除外したものはございますが、それらはいずれも預金者保護ということが目的でございますから、回収が確実で安全性が高いというものであるならば別に除外をしなくたっていいじゃないか。いろんなしっかりした担保とか何かで、不動産なんかは危ないですから問題があるわけだけれども、非常に確実なものであるならばそれは除外してもいいじゃないか。米国やドイツの例なども参考に決めさせてもらったわけであります。 したがって、健全性の確保という点においては、大口信用供与規制の問題はそうおかしくなってはいない、非常に前より前進したというように私は思っております。また法律、制度で決めますから、いままでの通達と違いまして外国銀行にも当然にこれを適用するわけであって、日本の銀行は行政指導をよく聞いてくれますが、外国の方まで、行政指導という言葉は通じているらしいのだが、果たしてどれだけの拘束力があるかということになると実はいろいろ問題がございます。したがって、こういうものを法制化したということは、日本の金融関係が国際化した中において非常に大きな意味を持つ、こう私は思っております。 二日制の問題については、今回は実施のための法制をきちっと整備する。いままでは法律で決まっちゃったものですからどうしようもない、今度は政令に落とすというようなことできちっと決めたわけでございますから、これはやはりそういうふうに決めた以上は決めた方向で前向きに取っ組んでいかなければならぬ、そう思っております。一般的にそういうことをやられると、中小企業などは、取引が停止されるとか非常に経済活動が鈍るとか、現実にいろいろな問題を言ってきているわけですよ。景気対策とかなんとか非常に言っておる状況でもございますので、そういうふうな反対を押し切って強行するというような筋合いのものでもございませんし、郵便局等の問題もございますし、よく理解してもらって、世の中の体制が二日制に移行しておるわけですから、だからそれはある時期までに積極的にPRをして一般国民の、特に中小企業ですな、これらの人の理解を得るということが先決だ、さように考えております。したがって、特に銀行協会それから中小企業団体とかあるいは諸官庁などの方面で検討をひとつしてもらうということで私ども音頭取りをしたい、かように考えております。 労金の問題については、これは栃木県などにも労働金庫はあるのですけれども、なかなかうまく大きくなっていかないのが現実なんです、現実問題として。労働者がみんな貯金をしてくれればもっとでかくなるだろうけれどもね、問題は。そこらにも問題が一つあるじゃないか。いろいろ問題がございます。したがってこれなども、監督の問題等もやはりぴちっとするところはしなければいかぬ。監督しないで——例を挙げちゃなんだけれども、ときどき問題が起きているのですよ。問題が起きるということになると、新聞ざたにでもなると、労働組合だからと言ってみんな強制的に月給から天引き貯金というわけにもいかないしいたしますから、労働金庫は労働組合がつくっているのだから、やはり労働組合にもっと預金をしてもらうようにすることが最も先決問題じゃないか。(「それにはもっと給与を出してもらわなければ……」と呼ぶ者あり)というようにそれは貯金をすれば給与も出せよということになるわけですから、問題は、どっちが鶏か卵かみたいな話で、私は健全な育成強化については賛成でございます。
○戸田委員 いまの大臣の答弁の方向でぜひひとつ御努力を願いたい。 最後に、郵貯問題について若干質問いたしたいと思うのですが、郵政省から来ておられると思いますが、一つは、この郵貯の性格について説明をしていただきたい。それから経費がどういう状況になっているか、人件費についてどうなっているか、それから財投への寄与率はどういう状況になっているか等々の問題についてまず説明をしていただきたいと思う。
○鴨政府委員 郵便貯金でございますけれども、個人性、小口性、長期貯蓄性及び利用の普遍性といった特性を有しておるわけでございます。 具体的に申し上げますと、個人性という点では、郵便貯金の残高のうち個人が占める割合が九九・二%である、都市銀行の場合これが三八%というふうな数字になっております。 それから、郵便貯金の小口性でございますが、一口座または一証書当たりの金額が、要求払い、定期性いずれにおきましても民間金融機関の個人預金に比べて少額となっております。定期性では郵便貯金が十八万五千円でございます。都市銀行の場合、数字で申し上げますと四十三万二千円というふうなことでございます。 それから、先ほど申しました長期貯蓄性という点では、郵便貯金の滞留期間が要求払いに当たります通常貯金で六・一カ月、定期性では三九・八カ月ということになっております。 それから、利用の普遍性という点で申し上げますと、都市部、郡部を問わずに平均的な利用がなされているという点、それから世帯主の職業別に見ましても、銀行の場合には管理職、自由業あるいは事務系の勤め人の方の利用率が比較的高いというふうに承知をいたしておりますけれども、郵便貯金の場合には、職業の別を問わずにいわば平均的な利用をされておるという状態にございます。それから所得別あるいは年齢別に見ましても、ただいま申し上げましたような状況にあると言えると思います。 それから、経費の問題でございますが、郵便貯金につきましては、御承知のようにいわゆる貸付業務を行っていませんために民間金融機関との直接比較ということは大変むずかしい面がございます。経費率につきましては、御承知のように、郵便貯金が郵便あるいは簡易保険と一体的に経営されている、それから局舎が比較的質素である、あるいは経営努力によってコストの低下をさせているというふうなことでございまして、率で申し上げますと、五十四年度の数字でございますが、郵便貯金の経費率は〇・九五%ということになっております。この〇・九五%の内訳では、郵便貯金の人件費率は〇・六九%、物件費率は〇・二六%ということでございます。 それから、財投に対する寄与でございますが、私どもの郵便貯金のお金は資金運用部を通じて財投資金になってまいります。資金運用部の残高の六割を占めているというふうな状態にございます。
○戸田委員 それで、これは説明の段階でもちょっとお伺いしたのですが、貸し付けはやっておりませんから結局預金コストということになって人件費、物件費、いまのように〇・九五ということですが、これは銀行局長、この間資料をもらったときも説明を求めたのですが、この預貸コストというものが一般市中銀行の場合出ないのかどうか。貸し付け、預金、この両コストを合わせたもののコストが出ないのかどうか、これはどうでしょう。
○米里政府委員 銀行の場合に預金コスト、預金利率とそれから人件費率、物件費率二つに分けておりまして、そのほかに税金比率というものがございますが、そういう分け方をしておりますので、いまおっしゃったような融資業務その他を除いたコストというとり方をいたしておりませんし、また現実問題としてもそれを分けてとるということはなかなか技術的にもむずかしかろうと思いますので、そういう形で統合したものが出ております。
○戸田委員 そこで問題は、いろいろな角度でいま巷間郵貯に対する論議があるのですが、私がいま説明を聞いた範囲では、人件費においても大蔵省からも資料をいただいておりますが、その内容を見ましても従業員の皆さんの労働者の賃金は大体四百万そこそこ、それに比して一般市中銀行、都市銀行その他違いますが、都市銀行の場合で四百九十万見当、ところによっては五百万を超える、こういう状況ですね。ですから、郵政省の関係は非常に劣悪条件で働いている、これだけは数字がぴしっと示しているところです。 それからもう一つは、いま言ったように非常に過疎地帯その他の不便なところでも、確かにそれは店舗数からいけば郵政省の場合には二万店をちょっと超える、一般市中銀行の場合は大体八千台の店舗ですね。だから、その点ではいろいろありますが、しかしこの都市区域内においては銀行関係は一等地を選んで相当な店舗を構えている。そういう面からいけば有利、不利というものは、そういう点を考えるとむしろ郵政省の方が非常に困難な状況の中で大変に一生懸命やっている。それから性格からいっても私は忠実だと思っているのです。郵貯法の第十二条のとおり、その性格は大衆の保護、還元が重点であり、それに忠実にやっている結果がこういう状況になるわけです。市中銀行の場合は先ほど私がいろいろと指摘しましたとおり、やはりまだまだ武家商法的なところがあると思います。そのような状況では大衆から歓迎されるはずがありません。どうしたって人間ですから、親切なところへ行きますよ。それと含めてやはり扱い方等の問題も勘案をしていくようになるのは当然です。現在のような状況では銀行離れは当然だというふうに考える。これはむしろ銀行自体の体質改善が急務だと思う。そういう点について一体大蔵省としてはどういう見解を持っているのか、お聞かせを願いたいと思います。
○米里政府委員 銀行の経費率が郵便局よりも高いのではないかということでございますが、まず郵便局の場合は国の信用というものを背景としておる、銀行はまさにみずから信用を創造していかなければならないというような点が、経費のかかるハンディキャップとして一つあるのではないだろうか。それから先ほど申しましたように、相互にいろいろ比較するというのはむずかしい点もあるというようなこともあろうかと思います。 ただ、金融機関も確かに、金融効率化と申しますのはまさにそういうことを言っておるわけですが、みずからの努力でできるだけ経費率を下げていかなければならないということは間違いのないことでありまして、また現に各種金融機関の努力によりまして人件費率あるいは物件費率は相当下がってきております。人件費率で申しますと、普通銀行の場合五十年の上期が一・四九、それが五年後の五十五年上期で一・二六、それから物件費率で言いますと、普通銀行五十年上期〇・七七、これが五十五年上期〇・六五、それなりの努力をして経費率を下げてはまいっておるわけでございます。ただ、なお努力する余地は多かろうと思いますし、街角に壮麗な店舗をつくるというような問題につきましても、実は数日前に出しました五十六年度、七年度の二年度にまたがる店舗通達におきましても、一般店舗をできるだけ少なくしてむしろ小型店舗一機械化店舗といったようなものを重点的に考えていくというような方針も打ち出しております。今後ともに民間金融機関が一層努力するという余地は、おっしゃるとおりあろうかと思います。
○戸田委員 大蔵省の資料で見ましても、銀行預金の利率と郵便貯金の利率、銀行の場合の一年物と郵便貯金の二年物、これは全部大体同じですね。今回預金の金利引き下げが〇・七五、これも結果的に六・二五、六・二五ということで、言ってみれば十二条で言う市中銀行の金利範囲というものを十分考えて金利というものは決定しなさいということは、やはりこの辺の均斉のとれた状況を見れば忠実にやられているのじゃないだろうかという気が一つはいたします。 それからもう一つは、預金残高の状況を見ましても、確かに市中銀行その他の場合には都市銀行、地方銀行、相銀というぐあいに段差はありますけれども、最近においてはいろんな努力もあったかして若干上向き傾向にあることは間違いない、こういう状況だと思います。そういうような状況を考えますると、やはり銀行局が指摘するように市中銀行に対しては自助努力をさらに奨励をしていくということが、私は目下のところ大事ではないだろうかという気がいたします。 時間が参ったようでありますから、最後に、金融機関の使命と役割りについて始終言われておりますが、金融業界の利益擁護というもののみに固執した国民サービスを考えない国民不在のやり方というものに対しては、やはり十分指導を強めていく必要があるのじゃないだろうか。あるいは金利一元化論については、私もやはり自由化論でいくべきだなというように考えまするから、こういうものはやはり潔く捨てて競争の原理を取り入れてそれでやっていくのがいいのじゃないだろうか。ただし十二条等に言う金利の範囲は十分に考えてやっていく等々、その他イコールフッティングの問題あるいはディスクロージャーの問題等いろいろありますが、こういう問題を大局的に、今後銀行側としては、十分指導部面に織り込んで御指導願えればいいのではないだろうかというように考えますので、最後に大臣の決意のほどをお伺いして、私の質問を終わります。 若干延びて申しわけありません。
○渡辺国務大臣 御意見いろいろ承りましたので、重要な参考にして運営してまいりたいと考えます。
○綿貫委員長 午後一時五十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時十九分休憩 ————◇————— 午後一時五十六分開議
○綿貫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。午前に引き続き質疑を続行いたします。鳥居一雄君。
○鳥居委員 銀行法案の提出の経過を見てまいりまして、大変後退に次ぐ後退である、これで果たして国民が納得できるのだろうか、こう思うわけであります。最低評価してよい線というのは、やはり金融制度調査会の答申の線だろうと思うわけであります。その後退の理由というのは、大蔵省、銀行、自民党、この三つどもえの利害調整でめっためったになってしまった、結局銀行法を見直さなければならない、こう言ってまいりました第一次オイルショック後の銀行経営のあり方、この教訓は大骨、小骨が抜かれたと言っていいんじゃないかと思うのです。この金融制度調査会の答申と今回の銀行法案との間の乖離、それを後退と受けとめる国民の見方、それに対しまして、当事者としてはやむを得ない妥協案であるという見方、こういう見方があるわけであります。したがいまして、本委員会におきましては、国民が納得できる説明がなければならないことだと思うのです。 以下、順次伺ってまいりたいと思います。 ディスクロージャー、大口信用供与の規制、銀行の社会的責任、まさしくこの三つに関しましては、四年間にわたって百十二回の会合を重ねて、そして小委員会意見という形で答申を見ることになった。それと今回の銀行法案との間に大変大きな差がある。 まず、第一条の目的規定でありますけれども、昭和二年の旧法にはこの目的規定がありませんでした。それを新しく入れることになったわけでありますけれども、その内容を見ますと、銀行が公共性を持っており、その公共性とは、預金者保護と金融の信用の秩序が挙げられております。第一次オイルショックの後、銀行が土地の買い占めに過剰な融資をしたり、あるいは大口融資を行っていた。そういう大口融資を銀行から受けて、企業はどんどん土地の買い占めをやって、そして石油ショックに便乗した形で狂乱インフレを引き起こした。こういう銀行の経営責任、経営のあり方が問われていたのが社会的責任であろうと思うのです。金融の立場からいうと、銀行というのはあくまでもお客さんから預金を預かり、それを活用してきたわけでありますから、預金者保護というのが第一の社会的責任であると思うのです。信用の秩序というのはインフレにつながらないような資金運用をやる、これが銀行の責任だと思うのです。したがいまして、第一条の第一項というのはそれなりに評価できるだろうと思うのです。 ところが、第二項に銀行経営の自主性を重んじる、目的規定を運用するに当たっての条件が実は入っているわけです。これは相銀とか信金とか他の金融機関に関する法律を見てみますと、旧法よりもずっと後々に歴史的に見てできた新しいものですから、みんな目的規定が入っているわけです。しかし、第二項で言う銀行の自主性を重んじる、これがないわけです。ここが目的規定の骨抜きの点だろうと思うのです。この部分は一体いつ入ったのでしょうか。大蔵原案にはなかったはずなのです。
○渡辺国務大臣 これは、全体から申しまして実際は大蔵原案というようなはっきりしたものはないのです。試案的なものはございました。私自身が全部これでいいと言っておったわけではございませんので、一応試案的なものはあって、そのたたき台がなければ話がまとまりませんので、それでたたき台的なものをこしらえたことは事実でございます。その中でいろいろな議論があって、私も、なるほどな、そういう見方ももっともだという点がございましたから、そういう点については私は別に試案に固執しなければならないというふうには考えておりませんでした。したがって、たとえば第一項の問題でも、いま御評価をいただいたように目的をきちっと銀行法に入れた。しかし、よく、いろいろな団体でもそうでございますが、自主的に努力いたしますから自主的に努力する場合はその自主的な努力というものも尊重するように頭のすみっこに置いてくださいよ、これはあたりまえのことでございまして、努力することについて配慮してもらいたい、努力を全部尊重しなければならないとか向こうの言い分を聞かなければならぬというのなら話は別だけれども、自主的に努力しますから努力した成果については配慮してくださいと言うから、ああ結構ですよということで、それで満足のいくような話なら私の方は別にどうということはないのであって、第一項にきちんと目的が書かれている以上は少しも銀行の健全性を失うということではなく、むしろそれなりにもっと自発的にがんばると言うならばがんばってもらいたいという気持ちでございます。
○鳥居委員 銀行局長、いつ入ってまいりましたですか。
○米里政府委員 目的の規定、最初の大蔵省の案の時代には第一条第一項だけであったということは御指摘のとおりでありますが、その後いろいろ各方面と議論をいたしました結果、結局この第二項の考え方というのは、全体の条文が昭和二年の現行法に比べて非常にふくらんだわけです。約二倍近くになった。それで、二倍近くになったのは、まさに近代法の観点から行政指導の重要なものはできるだけ法律段階に上げるようにしたというようなことで、むしろ公共性の角度から非常に詳細な規定を置いたわけです。ところが、でき上がってみますと、公共性を力説する余り公共性によって監督諸規定を整備するということは、同時に余りに過保護行政、裏返せばあるいは過剰介入につながりかねないという懸念もあるので、したがって公共性の観点から条文をいろいろ規定はしたけれども、それはあくまでも運営に当たっては私企業性というもの、自主努力というものを尊重しなければいけないのだという考え方、これは当然の考え方で、そういった意味での過保護行政、過剰介入を排除するという考え方をはっきりさせるべきだという御議論がございましたのでこの第二項が入ったということで、第二項は、でき上がってみますとそれはそれなりに第一項とバランスのとれた、一方で公共性を訴え、一方で自己努力あるいは効率化というものにつながる思想を示したものとして、むしろこの方がある意味では金融制度調査会の答申に即したというようにも考えられる点があると思います。
○鳥居委員 いや、私の質問はいつ入ったかと聞いているのです。
○渡辺国務大臣 それは、いろいろ党との折衝とかなんかやっておりまして、私は増税法案を持っておりますから、銀行法の条文解釈を一々全部見たわけじゃないのです、ポイントだけしか。そこで、両方の言い分を聞いてみまして、じゃこれは取ろう、これはだめというふうに仕分けをしたのです。ともかく今度の国会で法案を成立させなければならぬということも考えまして、それでおのずからタイムリミットがあるわけですから、そのタイムリミットも考えて四月の上旬に私のところで直ったわけでございます。
○鳥居委員 銀行はもともと私企業ですから利益を追求するというのはあたりまえなことでありまして、あえて銀行法の中に銀行の自主性というのを盛らなくていいのじゃないかというのが普通の見方だろうと思うのです。それをあえて第二項銀行経営の自主性を盛り込まなければならないというその理由は、いざというときになりまして銀行の行き過ぎがあった、こういう場合に目的規定から見て轟然と批判が起こるわけです。法律違反じゃないか、一条の目的規定に違反する銀行の行動である、こういう批判が出た場合に、それは大蔵省の責任ではありませんと言ってかわすための第二項であると私は思うのです。いや、自主性が優先したことでありまして、第一項は第一項ですが、第二項をごらんください、こういうことをすでに想定していると私は実は勘ぐるのです。この自主性を目的規定に入れた法的な見解を法制局に伺いたいと思うのです。
○前田(正)政府委員 銀行法案の第一条第二項の規定につきましては、先ほど来大蔵省の方から御説明がございましたようにいわば当然の事理を確認的な意味で規定したものでございます。また、他の法律におきましてもこのような規定を置いているものがないわけでもございませんので、私どもといたしましてもあえて反対をしなかったということでございます。 そこで、法の意味でございますが、一条の二項に規定をしております「銀行の業務の運営についての自主的な努力」と申しますのは当然その第一条の第一項と無縁ではございませんで、第一条の第一項に規定しております銀行法の第一義的な目的であります「銀行の業務の健全かつ適切な運営」これを期しまして、銀行が行います「業務の運営についての自主的な努力」これを尊重するよう配慮しなければならないという趣旨で置かれている規定でございます。そういたしまして、申し上げるまでもございませんけれども、第一条第一項の「銀行の業務の健全かつ適切な運営」というものは当然銀行の業務の公共性というものを背景にいたしておりますので、この一条二項の規定が置かれたことによりまして一条の公共性を弱めることになるというものではないと理解しております。
○鳥居委員 金融機関は私企業ですから商法の適用を受けるし、証券取引法上のディスクローズの対象になるわけですけれども、金融機関の公共性、社会的責任の上から、金融制度調査会ではさまざまなディスクローズの内容について、それを上回る答申を出しているわけです。ところが、現行法案では大幅に後退をいたしました。貸借対照表と損益計算書、これを公告すること、こういうふうになっております。新聞に公告する方が、官報等では人目につきにくいだろうという配慮はあるものの、しかし、よく考えてみますと、一般の私企業としてのディスクローズにうたわれた枠の中であると言わざるを得ないだろうと思うのです。それからまた、法案の二十一条で、「業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧」、これも一応つくって銀行の窓口で見られるようにするということにはなりましたけれども、これも「信用秩序を損なうおそれのある事項、」等の場合には、「この限りでない。」こうなっていますから、銀行が自主性で判断をして、やりたいときにはやるし、やり方については銀行の自主的判断に任せるということになってくるだろうと思うのです。つまり、どの社の株をどのぐらい持っているかということの公示、この点も事実上ディスクローズしないで通そうと思えば通せる。当社は財産運用の一環として、財産のうち何%を株式で保有しています、こういうようなマクロの開示で逃げようと思えば逃げられる。銀行の判断一つでどうにでもなる。やってもいいしやらなくてもいい、そういう性格のディスクロージャーではないかと思うんですね。 それから、このディスクロージャーについては、当初、金融制度調査会の小委員会の意見では、罰則を明記いたしました厳しい条件のもとに開示を迫る、こういうものであったはずなんです。銀行はディスクローズせざるを得ないという規定を明記するはずだったわけですけれども、出てまいりました法案を見ますと、罰則規定ではなくて訓示規定である。これはもう後退に次ぐ後退、一体、本来明記しようとした、いわゆるディスクロージャー、これがその役割りを果たすのだろうか、疑問に思えてならないのですが、この点いかがでしょう。
○米里政府委員 先ほどからずいぶん後退という言葉がしばしば出ておりますけれども、私どもは、基本的には大蔵省原案で考えていたことがそのまま、いま御審議願っておる大蔵省案に示されておるというように考えているわけでございます。 それで、ディスクロージャーの件でございますが、公告と縦覧と二つございまして、公告につきましては、変わりました点は、貸借対照表及び損益計算書及び剰余金処分計算書と三つ原案に書いてあったわけでございますが、そのうちの剰余金処分計算書につきましては、貸借対照表等の公告の際にそれほど重要なマターであるかどうか。剰余金処分計算書というのは、現在すでに、オブリゲーションはございませんけれども、各金融機関大体つけて出しておるわけでございます。今後も恐らくそういうことになると思いますが、法律でそれを確定しなければならないほどのマターであるかどうか。あるいは金融機関の手数、経費といったような問題も考えまして、特にここでうたう必要もないのではないかということで落としたわけでございます。 それから、縦覧制度につきましても、結局、もし私どもの大蔵省の最初の原案という意味でございましたら、そこと変わりました点は、大蔵省令で必要的記載事項を決めるという規定を書いておりましたのを落としたという点が主たるものでございます。他の点は、何カ月以内とかなんとかいうことが書いてございましたが、大した変更ではないというふうに考えております。 ただし書きのネガティブクローズも、当初から大蔵省の必要的記載事項を決める際のネガティブクローズというので、やや性格は変わりましたが、記載しておったところでございます。 それで、必要的記載事項を落としましたゆえんというのは、このディスクロジャーがやはり企業の自己努力あるいは創造的な意欲というものを十分反映するためには、銀行みずからがその取捨選択をいたしまして、そこに創意工夫の跡を反映してディスクロージャーの内容を決める方が、かえってディスクロージャー自体を促進するためにもプラスになる点もあろうかという考え方もございます。必要的記載事項を決めますと、全く画一的なものが横並びで出てまいるというようなことになりますし、あくまでもこのディスクロージャーというのは、企業の私企業性と、それから銀行としての公共性の調和の上に立つ銀行の自己規制策であるというような性格のものであると思いますので、そういった意味では、できるだけ銀行の自主性というものを尊重して制度づくりをした方が、結局は相互の銀行のディスクローズ自体にも、あるいはディスクローズをごらんになる国民大衆から見てもプラスになる点があるのではないかというようなことから落としたわけでございます。 しかし、いずれにいたしましても、第二十一条、こういった条文を設けましたということは、われわれの当初の目的にも十分関係いたしますし、内容的にも基本的な考え方をそのまま貫いて条文化したということが申せるのではないかと私どもは思っております。(「罰則は……」と呼ぶ者あり) 罰則につきましては、ちょっと不規則御答弁で申しわけございませんが、罰則につきましては、実は私どもの原案にも、ディスクロージャーをつくらない場合の罰則というものは考えていなかったわけです。ですから、本来罰則をつけることがいいかどうかという問題もございますけれども、原案より後退したという性質のものではございません。
○鳥居委員 そうじゃないと思うのです。私は、この金融制度調査会で十分検討した結果、利益の処分あるいは損失の処理の仕方ということについて明示を要求できるようなディスクロージャーにしようとしたわけなんですから、そういうマターじゃないということ自体、大幅な後退と言わなければならないだろうと思うのです。金融機関の使命として、資金運用の効率化という一つの重大なテーマがあるわけですけれども、資金を効率的に上手に運用しなければならない。そういう意味で、ディスクロージャーは、銀行にとって大変つらいことかもしれないけれども、むしろこのディスクロージャーをやることによって、長期的に長い目で見たときに、銀行としてはしっかりやらざるを得ない。経営の上で努力をしなければなりませんし、銀行の支店長としても甘えてばかりはいられない。そういう意味で、中小の銀行にとっては、開示を要求するということ自体、直ちにはかなり厳しいことになるかもしれませんが、長い目で見ると、やはりいいのじゃないか。国民の、いわゆる社会的要求にも合致していると私は思うのです。ですから、金融制度調査会の答申の線を守るということは、その意味では一石二鳥だと思うのですけれども、この点どうでしょうかね。
○米里政府委員 まず、公告の方でございますが、実は「貸借対照表等の公告」という第二十条が必要でありますゆえんというのは、貸借対照表及び損益計算書という中身の問題、書類の種類の話よりも、「大蔵省令で定めるところにより、」何々何々を「作成して、」こう書いてございますが、この「大蔵省令で定める」というところが実は非常に重要なところでございまして、従来から商法の貸借対照表あるいは損益計算書とは、金融機関は様式が違うということで、預金を初めとしていろいろ資産、負債の内容に独自性がございますので、商法の原則の除外例を大蔵省令で内容的に決めたい。ところが、それが法律的な根拠を持たないと商法で定めるところによることになりますので、そこで「大蔵省令で定めるところにより、」云々と書いてある。ここが従来から第二十条相当の条文について一番重要なところであったというふうに私どもは考えておりまして、剰余金処分計算書を入れるかどうかというのは、そう申してはなんですが、これはそう大きな問題ではないというふうに私どもは考えておったわけでございます。 それから二十一条、縦覧制度でございますけれども、これも訓示規定というのは何が訓示規定なのか、どういう概念か、そのとり方によっていろいろ違いますけれども、法律的にこれを明らかにいたしまして、それによりまして金融機関が、従来かなり自発的にいろいろな形でディスクロージャーが日本においても進んでおりますけれども、それをはっきり制度づけたというような意味合いが一指基本の問題であろうかと思います。そういった基本の問題に関しましては、この新たな条文を設けましたことによって基本的思想は貫かれたというふうに解しておるということを申し上げておるわけでございます。
○鳥居委員 自分たちの好きなようにディスクロージャーをどうぞというのが今度の法案の趣旨だと思うのですよね。そうなると大都市銀行はそれなりに努力をして、今度はディスクロージャーを最大限に利用する立場に立つのじゃないかと思うのです。そうすればそれなりに望ましいことだと実は思うのですけれども、大都市銀行の有望なところは、私たちの銀行は中小企業にこれだけの貸し出しをやっております、住宅ローンもこれだけ貸し出しをやってます、郵便局に負けないように窓口を広げて進学ローンとかいろいろな努力をやっておりますから、こういう庶民銀行にひとつ預金をぜひどうぞという形のディスクロージャー、それはそれなりにディスクローズの意味があるだろうと思うのです。しかし、中小の銀行の場合にはこういう好きな形でできるというディスクローズの場合にはやらないのじゃないかと思うのです。銀行の自主性に任せるのがいいのか、あるいはどっちがいいかということになるだろうと思うのですが、金融機関の全体的な質的な向上を図る、そういう意味から言えば金融制度調査会の線をどこまでも守るべきだったと私は思うのです。 銀行が一つの企業に対して過剰に融資をし過ぎる、そのことによる弊害が深刻な社会問題を提起いたしました。それに対する反省から生まれたのが今回のこの大口融資規制であるわけです。銀行は多数の預金者からお金を集めてそれを運用しているわけですから、一つの会社に貸し過ぎる、その会社が倒産するようなことがありますと預金者の預金というのはすべてパアになっちゃいますからその危険という点で防がなければならない、そういったことを避けるためにも一つの会社に対して大きく融資するということに問題が残る、そういうことで基本的にはこの規制が生まれることになったわけですけれども、ある銀行がバックアップをして不動産会社を自分の子会社のようにして土地あさりをさせたりインフレをあおりました。インフレは預金者から見れば金利を上回る物価上昇ということでみすみす損させられるものでありますから、預金者保護という観点で言えば銀行の過大融資が反社会的な行為である、それも規制の一つの理由になったと思います。現行法は通達でこの融資枠を決められておりますけれども、今回の法案では商業手形、貿易手形あるいは国債、預金、これを除いて二〇%ということですから、実質的には普通銀行の場合二五%、こう見られていると思うのです。銀行だって私企業ですから、本当に優良企業であるならば、二〇がよくて二五がいけないという性格のものではむしろないのじゃないかと思うのです。問題は貸し出しが物価高騰につながらないような厳格な規制をしなければならないということがこの本質的な問題だと思うのです。買い占め、売り惜しみをするような、ただ単にもうかるからということだけで資金を回していく、土地買い占めをやって地価つり上げの原因をつくるあるいは金の延べ棒投機買いのために融資がそれを助ける、こういうインフレ誘発要因に銀行が大役を買う、これをどういうふうに規制をしていくかというのがこの大口融資規制の重大な一つの問題点だろうと思うのです。今回の立法措置でどういうふうにこれを規制していくのでしょうか。
○米里政府委員 銀行の反社会的とも言える融資についてどういうふうにチェックしていくかということでございますが、もちろん銀行も私企業であります以上個別取引は自由になされなければならない。ただ、一方、社会的要請というものがあり、銀行の公共性あるいは社会的な性格から見て、その社会的要請に対して著しく反するような融資をしてはいけない。ただ、その社会的要請というのは時々の情勢に応じて、また国民経済の現状に応じて変わってくるというようなものであろうかと思います。そういったような個別の融資の社会性あるいは反社会的な性格というようなものは、制度論というよりもむしろ行政指導によってそのときそのときのあり方、ビヘービアというものを規制していくというのが最もなじむシステムであるというふうに私どもは考えておりまして、いまお挙げになりましたいろいろな土地取得関連あるいは投機を助長するような融資、そういったようなものにつきましては弾力的に通達で弊害防止の勧告、指導をしてまいっております。 ただ、この法律の観点から申しますと、そういったような反社会的融資に対する歯どめといたしましては、先ほど申しました目的規定の公共性の明記ということ、あるいはまたディスクロージャーの制度の新設ということ、あるいはまた大口融資規制によりまして銀行信用を広く適正に配分していくといったような角度からのいろいろなチェックというものも挙げることができようかと思いますが、いずれにいたしましても制度的な問題はそういった大口融資なりディスクロージャーということで制度づけながら、一方個々の融資に当たってのビヘービアというものについては今後とも行政指導において十分指導してまいりたいというふうに考えております。
○鳥居委員 その行政指導ですけれども、多分に一方通行の観を免れないと思うのです。それで、この通達の効果というのをひとつ的確につかむ必要があるだろうと思うのです。 法案の二十五条に銀行検査が明記されておりますけれども、銀行検査の際に、投機、思惑、買い占め、これを助けるような反社会的な融資が実際にあるのかないのかということを調査対象として、調査項目の中に調査の目的としてあるのでしょうか。恐らく現実においてはつかめていないというのが現状じゃないかと思うのです。いかがでしょう。
○米里政府委員 検査の目的の重要なことの一つに、融資の具体的な進め方、これは一般論もございますが、同時に個別の問題もいろいろとらえまして、社会性と申しますか、そういった観点あるいは適法性といったような問題あるいは歩積み両建てのようなビヘービアの問題、そういったようなことをすべてとらえて厳重に検査をいたし、検査の都度それを注意いたしまして、必要があり重要な事項については示達書を出しまして、その改善報告を求めておるという状況でございます。
○鳥居委員 実際、今回のこの銀行法案の中に明記、法文化することができなかった、また個々のケースとして検査の際に十分な着眼をしていただかなければならないことだと思うのですが、この実効のある対策、国民の期待するいわゆる社会的責任の確保、これは今後の重要な課題であると思うのです。もしこの点が緩むようなことがあれば、今回一条二項に明記されているとおり銀行経営の自主性だけがひとり歩きしてしまうということになるだろうと思うのです。ひとつ効果のあるような徹底をぜひ望むものでございます。 それで、視点をかえて御質問したいと思うのですが、これからの日本が五%なり六%なりの実質成長ができるかどうかということは、最大の要因というのが物価の安定だろうと思うのです。現場のトップレベルの経営者なども物価を重視する声は非常に強いです。一方の石油の断続的な値上がり、オイルショックというのはもう避けられようにない、中東の風向き一つで値上げがやってくる、そういったものを抱えながら日本経済がなおかつ安定成長をしなければならない。そのためには物価を確実に安定していけるかどうかということが最も重要なポイントだろうと思うのです。一つの最近の例では、日本経済の状況を、昭和五十四年度の状況でありますけれども、一定の評価ができるような形で推移いたしました。多少の円高がありましたけれども物価は安定して、しかも実質成長があって、財政も、税の自然増も期待以上に出て、経済白書の方も一定の評価を述べております。その根っこにあったものというのは物価の安定であったと言ってよいだろうと思うのです。今回、当然この物価と金融問題というのは切っても切れない間柄にありますし、金融の憲法と言われる大事な基本法、この制定に当たりましては、物価の安定に厳として対応していくのだ、こういう視点といいますか観点といいますか、これは絶対に避けられないものだろうと思うのです。その点についてこの法案はどういう配慮がなされておりますでしょうか。
○米里政府委員 現在の経済政策の目標として物価の安定ということが一つの大きな政策目標であることは御指摘のとおりだと思います。また、金融の仕組みあるいは金融政策の運用、そういったものが、物価の安定ということを常に頭に置きながらそれに即応できるような全体の仕組みになっていなければいけないということもおっしゃるとおりだと思います。具体的には金融政策の有効性の確保といったような問題になろうかと思います。この法律自体は、銀行に関する諸組織法、監督法規でございますので、ダイレクトにそれに結びつく規定というのはございませんけれども、この法律の基本になっております考え方の金融の効率化という中には、金利機能の活用というものを今後競争原理の導入とともに前提としながら進めていく金融政策、あるいは金融機関行政にマッチし得るに足るだけの制度でなければならないという考え方が基底にはあるというふうに申し上げられようかと思います。
○鳥居委員 物価の安定という面から見ますと大変に弱いと思うのです。その弱い意味は、一つには大口融資規制というのが、問われていた本質が全くぼけてしまって、国民がきちんと納得できるような形にはなっていない。もう一つは、証券業務との関係でございます。日本経済は、根っこに何と八十兆円になろうとする国債を抱えているわけでありまして、まかり間違えれば財政インフレを起こす原因になりかねない。国債管理政策を一歩間違えれば、ガソリンを抱えている体にマッチで火をこするみたいなもので、財政インフレを引き起こしかねない。これを引き起こさないためには国債の個人消化ということだろうと思うのです。ですから大蔵省も銀行のこの証券業務を認め窓販へ道を開いたものだろうと思うのですけれども、その気持ちはわからないわけではないのですが、それにしては、その割りにきちんとはいってないように、あやふやな形で推移してきたと思えてならないのです。財政インフレという国民的課題に取り組まなければならない、それが単なる証券会社と銀行との利害調整という次元で話が進んできている。そういうとらえ方は、あんまり先見性のある銀行法案とは言えないのじゃないだろうか、こう思うのですが、いかがでしょうか、大臣。
○渡辺国務大臣 先ほどもお答えいたしましたように、証券、国債とかそういうようなものの窓販を銀行ができるかどうかということについて両論あるわけです。銀行はもう有権解釈で、その他の業務で、付随業務でできるのだ、こういうことを言っておる。現実にはしかし、制度化されてはいないし、その裏打ちの法令もない。しかし銀行ができたときには、ともかくいまのような証券会社という制度はないわけですから、その当時としては恐らくやはりそういうものはできるというふうに思われておったというのも、私はこれもまるでうそだとは思いません。しかし、その後で証券業法ができて証券会社がひとり歩きを始めた、これも事実なんです。したがって、本来ならばそのときに決着をしなければならない問題だったと私は思っております。ところが、それがうやむやで今日に来てしまって、そこでどうするかというような話になってきたわけですから、これらの歴史的背景というものを全然度外視して決めるということになると、なかなかそう簡単には話はまとまらないわけです。したがって、そういうような歴史的事情というものも考慮し、なお現在の置かれている国債の市場の状況というものも考慮し、その両面から、この原案のように、銀行にも窓販は認めますということをそれは明文化をしたわけです。 しかし、それは、いつ、どういうような形で認めるかということについては、法の趣旨に従って、いろいろな国債の状況、それから市場の状況、銀行の置かれておる立場その他いろんな面を総合的に勘案をして、最終的には大蔵大臣が決めるということにするわけです。しかし私も、ただ一方的に私が決めてしまうというのではなくして、銀行業界あるいは証券業界に関係ある、非常に密接な関係ある公正な人及び両業界からも大変信頼されておるというように見られるような、いわゆる三人委員会といいますか、そういう人の意見も十分聞く、それからもちろん国会で皆さんから、いろいろな国民の代表からの御意見もいろいろ出てくるわけでありますから、そういう意見もみんな聞いた上で最終的には大蔵大臣が決定するという法案にしたわけでございます。したがって、それらの点について何の定見もないというわけではなくて、ちゃんとそういうようないろいろな事情を考慮した結果この法案をつくったんだということを御理解いただきたいと思います。
○鳥居委員 経緯を見てみますと、証券業界も戦後初めて赤字国債を発行した昭和四十年当時、おおよそ一千億円ということで、GNPや財政ベースで見ると大変な金額だったわけでありますけれども、銀行があえて国債販売ということに手を出さなくて証券業界に譲ったという経緯があるわけであります。 〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 ですから、証券会社はそれを言っているだろうと思うのです。ずっと十六年間も国債の消化についておれたちにやらせておきながら、いまになって何で銀行が欲しがるのかというのが本当のところだろうと思うのです。経営が苦しくなってきて企業金融だけじゃ食っていけなくなってきたから国債やらせろというのは虫がよ過ぎる、こういう言い分は確かにもっともだろうと思うのです。当然その言い分を十分に聞かなければならないと思いますし、証券業界の顔が立つように銀行の窓販というのを本来やっていかなければならないのじゃないかと思うのです。しかし、国債の個人消化という点からいけば、不特定多数に対して窓販ができるような形の条件緩和ということも長い目で見れば当然必要なことだろうと思いますから、いまお考えになっている条件、どういう形で条件を取り除いた窓販をやっていくお考えか。 それから、先ほども実は触れられておりましたが、証券業界の店舗というのは約二千、銀行が全国で八千、それに比べると郵便局が二万、ですから個人消化という点からいきますと、国の機関である郵便局が窓販できるような形になるといいますと相当消化が進むことになるだろうと思うのです。それが一体なぜできないのか、こう思うのですね。あわせてお答えいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 それは利害がいろいろございますから、いまの状況で郵便局に窓販やれと言ったって、それは恐らく貯金が国債にかわるだけの話ということになるでしょう。それでは銀行に窓販がすぐにできるかというと、先ほどどなたか、佐藤委員かな、お話があったように、窓販やって預金をどんどん減らして国債がお得ですよお得ですよと果たして言えますかと言ったら、私は恐らくそれは言わないのじゃないか。国債の方が不利なときにはなおさら国債買えなんて言うはずないじゃないかというのも私は現実的な一つの見方じゃないか、そう思っておるのです。しかし問題は、この争いというものは観念論ですから、観念論でもともと既得権があったものがなくなる、それがけしからぬという話ですから、それも私は認めないわけじゃないということでこういうふうに決めたのですが、ではいつから、どういう条件が整ったら許可するのですかといういまの御質問でございますが、それはどういう条件がといっても、さらに一層の国債の個人消化は非常にどんなことをしてもしなきゃならぬ、そういう事態は本当は政府にとっては困ることですよ、実際は、普通の状態ではだれも買ってくれないみたいな話なんですから。だからそれはただ単に窓販だけでは解決つかない問題、いろいろな問題、税の問題とかいろいろな問題があるでしょう。貯蓄国債みたいなものを出すかという問題もあるでしょう。それはそれなりにまた今度は預金との別な争いが恐らくありますよ。あるけれども、そのときどっちを優先するかという大きな選択に迫られるときがあるかもわからない。そういうことのないようにわれわれはいまから心がけておるわけでございます。したがって、もう少し詰めてみて、具体的にどうすればお互いに共存共栄ができて、国のためにもなって、国民生活にも便利になってというような問題についてはまだ研究不足でございますから、こういう条件がそろったときにはすぐに事実上の免許を出しますというまでまだ言い切れないというのが実情でございます。
○鳥居委員 ともかく財政インフレを断固として防ぐために国債の個人消化をやろうという点では政府がもっともっと努力をしなければならないだろうと思うのです。金利選好が非常に高まっているということは、第二次公定歩合の引き下げの後、国債が売れた、こういう点を取り上げてみてもそれが言えるだろうと思いますし、従来国債の個人消化というのが一〇%程度だったものが現在二〇%あたりまで行っている、現に芽が出てきているときなんですから、これを時間をかけて、一遍にオープンというわけにいかないでしょうから、はぐくんで、それで個人消化への努力を重ねる、これが実は大事な問題だろうと思うのです。いま貯蓄国債のお話もありました。この貯蓄国債を新しい商品としてつくりまして、それで証券業界が扱えるようになればいいのじゃないかと思うのです。これはマル優制度の上乗せみたいなもので、一般の国債のほかに一人当たりの購入限度額というのを決めまして、金利も高くして市場の取引物から外す、そういう形で出せば貯蓄国債として十分いけるのではないかと思うのです。その場合のマイナス点として、郵貯との競合であるとかあるいは銀行預金との競合問題がありますから慎重な検討は必要だろうと思うのですが、一般に金利選好が高まっているときでもありますし、私は十分いけるのではないかと思うのです。 それで、郵便貯金がいま大変目のかたきになっているわけですけれども、郵貯でふえた分を国債引き受けをしたらどうだろうか、こういう点はいかがでしょうか。いま国債の利回りが八・二二七、郵貯の方の側から見ますと預託利回りというのが八・〇ですから、この差分だけ郵貯特会にとりましてはプラスだろうと思うのです。逆にまた金融機関の側から言えば、シ団引き受けのそれこそ中心的な役割りを金融機関が果たしているわけですから、その分郵貯が国債引き受けをするとすれば市中にそれだけ分のゆとりができる、こういう点からいくと、両方丸くおさまるというのがこの郵貯のふえた分で国債を引き受ける、こういうことだろうと思うのですが、郵政省はこの点どういうふうに考えているのでしょうか、大蔵省はどうでしょうか。
○小倉説明員 郵便貯金は少額貯蓄の手段を国民の方々に提供しておるわけでございます。そういうことで健全な資産形成に資するという使命を持っております。そういうことからより有利な運用を心がけるということは預金者サービス向上の上からも必要なことだというふうに考えておるわけでございます。 先生いまおっしゃいましたように、国債の個人消化の円滑な促進というようなことが叫ばれておる昨今でもございますし、また、民間金融機関に厳しい影響を与えておると言われておりますが、その国債を郵便貯金側から見れば有利な運用と先生いまおっしゃいましたようなことにもなるわけでもございますので、郵便貯金の資金の一部をもちまして直接に国債を郵政省が保有するというようなことは意義のあることかというふうに存ずる次第でございます。
○渡辺国務大臣 それは資金運用部で郵貯とか年金とかその他の余裕金については大蔵省が責任を持って一元的な運用を実はしておるわけであって、その中では、余裕がある場合に、一方また国債の市場との関連等も考えて、かなりの額を引き受けておるということは事実でございます。今後もそういうことは大いにあり得るというわけでございます。 ただ問題は、郵便貯金だけが国債を買うことがいいかどうかということになると、いろいろ国の金融政策上の問題等もございますから、みんなばらばらにそういうようなことになってきても問題があるということで、やはりそういう運用をする場合には、現在のように資金運用部が一括引き受けたその中で運用する、あるいは国債を買って市場の圧迫を現実に少なくしておる。ことしもよけいに買う予定を立てておるわけですから、それはそういう点で十分に御趣旨は生かしていきたいと考えております。
○鳥居委員 次に貯蓄銀行でありますが、諸外国には貯蓄専門銀行というのがありまして、重要な役割りを果たしてきております。今回の銀行法案の成立によりまして貯蓄銀行法が廃止になる、こういうわけです。現実には、廃止をして各種普通銀行法の中に吸収する形になるといいますけれども、事実上法律そのものが消滅してしまうということだろうと思うのです。個人金融サービスの分野の充実が重要な課題であると思うのですけれども、専門の貯蓄銀行を育成していく考えはないのでしょうか。
○米里政府委員 今度貯蓄銀行法を廃止するということにいたしましたが、現在貯蓄銀行法に基づく貯蓄銀行というものは存在しなかったわけでございまして、銀行法に基づく銀行が普通銀行等ノ貯蓄銀行業務又ハ信託業務ノ兼営等二関スル法律、いわゆる兼営法に基づきまして貯蓄銀行業務の兼営の認可を受けておったという状況でございます。 貯蓄銀行法の中身で現在生きておりましたのはいわゆる定期積金だけでございまして、定期積金の規定は今度は銀行法に吸収するということにいたしましたので、今度の貯蓄銀行法廃止によりまして、銀行はすべて貯蓄銀行業務を行うことができるということになったわけでございます。 現在、御承知のように銀行は広く大衆の貯蓄を預かるという形で、戦前の銀行法時代の、旧銀行法ができた時代の銀行と非常に変わってまいっております。そういった意味で、貯蓄機関であるというような性格を非常に深く持っておるような状態であると考えますので、新しい制度においては特に貯蓄銀行法というものを残しておく必要はないんじゃないだろうか、むしろ普通銀行全体が貯蓄銀行である、こういう考え方をとっているわけでございます。
○鳥居委員 それで外国の場合を見ますと、商業銀行と言われるものの分野それから貯蓄銀行の分野とはっきり分かれているわけです。貯蓄銀行の方は個人専門で非営利の金融を行っております。主として零細な庶民の預金を集めて大衆専門に貸し出しをする、住宅であるとかあるいはその他の貸し出しをやっております。日本の場合には商業銀行と貯蓄銀行が混在、言ってみれば郵貯がこの貯蓄銀行の役割りをやってきた。それに比べまして諸外国ではそういう分野が非常に発達をしております。一つは、政策の方向として、これは大臣にお伺いしなければならぬことですが、むしろ育成の方向であるべきはずのものが吸収して廃止をしてしまうという形になるわけです。 ちなみに、国際貯蓄銀行協会の統計、これは主要国の郵貯と貯蓄銀行のシェアを見てまいりますと、たとえば西独では五九・五%、米国では五五・四%、英国で四五・九%、日本はわずか二九・一%、国民のニーズというのは大変多様化、高度化をたどっております。貯蓄面で言えば金利選好が高まる一方、負債面で言えば住宅ローンや各種借り入れ、その需要という形になっております。金融機関としては個人の需要に対応できる貯蓄手段の提供、実はこれが急務だろうと思うのです。 個人貯蓄性預金、その特徴は長期、安定的な滞留があるという点です。ですからこれは利息、利子の面で高くしていく、しかも非営利の貯蓄銀行である。州立だとかあるいは民営であっても非営利で十分にやっている。これは長期、安定的な滞留があるからという個人貯蓄の大きな特色がその中に生きている、こういうことです。 日本の場合、普通銀行はどっちかというと産業金融中心ですから、個人向けサービスというのは産業金融に比べて非常に立ちおくれてまいりました。シェアが最近上っているという指摘はありますけれども、国民の所得水準が高まる、それにつれまして個人のウエートというのが非常に高くなる一方だろうと思うのです。政策的な配慮、従来個人というのは資金の出し手という位置づけしかなかった、それを受け手としての政策配慮が今後ますます必要になってくるのじゃないかと思うのです。そういう時期に貯蓄銀行法の廃止というのは政策の方向としていかがなものか、こう思うわけですが、大臣に最後にこの点を伺いまして質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 もう説明するまでもなく、貯蓄銀行というのは実際はみんな現在の銀行が兼務、兼ねて営業しておる、そういうような状態で、独立の貯蓄銀行というのは存在をしてないわけですよ。だから、銀行それ自体が貯蓄銀行みたいな仕事もやっておるわけでございますから、私としては今後とも銀行が大衆預金の受け入れということについてきめ細かくやっていけば、それで十分目的を果たせるのではないだろうか、したがって新しく別に貯蓄銀行法というようなものをつくってそういう特殊な機関を復活させるという考えは持っておりません。
○鳥居委員 終わります。
○大原(一)委員長代理 玉置一弥君。
○玉置委員 五十数年ぶりに改正をされるという銀行法でございますけれども、今回の内容は答申とは若干違った方向でやられているわけでございますけれども、現在の銀行、それなりに経済の中でのウエートが非常に大きく、そして一般の大衆から預金を集めてそれを経済活動に資していく、そういう面で社会的責任あるいは公共性という部分が従来以上に大きなウエートを占めているわけでございまして、逆に思えば、何でこれだけの経済の変化がありながらいままで手をつけられなかったのかなという疑問が生じてくるわけでございます。 改正案が出てからこういうことを言うのは変な話でございますけれども、まさにそれほど前の法律がよかったのかなという感じもするわけでございまして、先ほどの大蔵大臣の答弁で、従来書いてないことを明記したんだからというごもっともな話でございますけれども、よりこれからの経済に占めるウエートが銀行に、金融機関全般にやはり継続的にかかってくるわけでございまして、そういう面から見ると、これからの大蔵省あるいは政府の金融政策、あるいは大蔵省の監督行政という面から、より緻密で機敏な対応というものが必要ではないかと思うわけです。 そこで、まず現在までどういうような監督行政をやってこられたのか、そして今回の法律改正によってどういう部分が変わってくるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○米里政府委員 昭和二年にできました銀行法でございますので、当時の法律のスタイルというようなことも影響いたしまして、いわゆる法三章的な非常に簡単な規定がなされておったわけでございます。 そういった簡単な規定の銀行法であるから、ある意味では長もちしたというような面もございまして、そういった法律のわずかな条文というものを行政指導ということで弾力的に補ってまいりました。そういったような意味では、いわば行政指導中心の銀行行政というものが長年行われてまいったわけでございます。こういった進め方というのは、それなりに時代の趨勢にマッチいたしまして、きわめて弾力的にやり得たというようなプラスの面も多々あったかと思いますけれども、やはり現代、法体制を考えてみますと、主要な事項については法律の中でしっかりした規定を置くということが近代法のたてまえからいっても適当であると思いますし、またあわせまして、最近の金融機関の内外交流という観点から見まして、外国銀行に対して内外イコールフッティングの、内外と申しますのは国内の金融機関と海外の金融機関とのイコールフッティングの行政を行っていくという観点からも、ある程度法律面で重要な事項は書き込ませていただいた方が行政としては適切にいくのではないかというような観点も出てきたわけでございます。 そういった意味合いから、今回の法律改正に当たりましては、これまで行政指導でやってまいりましたことの中の主要と思われる事項については法律に規定を置きまして、規定の充実を図ったということでございまして、具体的に若干述べさせていただきますと、大口信用供与規制の法制化というものがその一つでございます。あるいはまた、海外に日本の銀行がつくります現地法人の設置の認可という制度を新たにつくったという点、あるいはまた、子会社に対しまして報告または資料の提出を命ずる、あるいは検査というようなものの規定を新設したというようなこともございますし、あるいは資産の国内保有命令の新設というようなこと等々、重要なことにつきましては、かなり法律段階に取り上げさせていただいたわけでございます。 一方、今後の行政指導といたしましては、もちろん法律だけではすべての時代の要請に即して弾力的な指導、勧告というものが全きを期するというわけにはまいらないという点もあろうかと思いますけれども、しかし一方、行政指導の方は個々に検討いたしまして簡略化できる点についてはなるべく簡略化の方向で物事を考えていきたい。したがって、従来に比べまして法律の規定はより詳しくなりましたが、行政指導の面はできるならば少しでも簡略化していきたいというような形で近代的な行政を進めていきたいと考えております。 なお、そういった法律その他のルール違反につきましてのチェック、すなわちこれが検査ということになろうかと思いますが、検査の充実ということはやはり行政指導とのうらはらで今後ますます重要になっていくというように考えております。
○玉置委員 行政指導を簡略化されるということでございますけれども、それは方法論ですね。いままで監督ということであれば一つの目的があったと思うのですけれども、その辺についてはどのようにこれから変化しますか、あるいは従来どおりということで……。
○米里政府委員 私どもが銀行を監督規制いたしますゆえんは、あくまでも金融機関が国民大衆から預金を預かり、かつ信用秩序の中枢をなしているといった意味での公共性ということからまいっているのだと思います。したがいまして、公共性という言葉の意味になりますが、これはいろいろな意味があろうかと思いますが、一つは健全経営ということ、それからもう一つは、やはり資金の適正な運用あるいは適正な配分というようなこと、これは第一条の第一項の金融の円滑化という言葉であらわしている意味でもございますけれども、国民経済がそのときそのときで必要としている部門に円滑に資金を供給するというようなことであろうかと思います。公共性という意味はそういったようなもろもろの意味を含んでいるかと思いますが、そういった立場から監督を行っていくというのが監督の考え方だと思います。
○玉置委員 いまお話が出てきましたように、銀行というのはやはり信用ということが一番大きな要素でございますけれども、信用の秩序を維持していくという、これが大変大きい。そしてそれが預金者保護ということになるわけでございます。信用、お金を預ける、預ける側は担保をとらない。ところが、金融機関というのは逆に、貸す側に担保をとる。ちょっとおかしなところがあるのですけれども、そういうようなことで、何が担保かというと、信用が担保なんですね。よく考えてみれば、これは非常に公平じゃないのですね。もう経営の健全性あるいは企業の経営形態、それぞれが非常に担保になるほど重要だということでございまして、その健全性というものの要件、必要最低限といいますか、こういうものが必要である、それが今度ディスクロージャーで損益計算書とかいろいろ出てきますけれども、本当考えると、損益計算なんてある一定期間の損益ですから、従来の信用度とかそういうのとは余り影響ない、ある時期どうなのかということですね、そういうことを考えると、果たして健全な経営、経営形態も含めて要件としてどういうものがあって、監督行政の中での指導、見方、それぞれどういうふうに考えておられるのか、それをまずお伺いしたいと思います。
○米里政府委員 健全経営ということは幾つかの内容が挙げられるかと思いますが、まず一つは、自己資本の充実ということだと思います。これは貸借対照表で考えてみますと、負債の部において余りに過大な他人資本に依存していないということが健全経営の一つの要点であろうかと思います。それから資産の側で考えてみますと、まず資産の流動性を確保する、維持するということが、金融機関として支払いに即応していくために必要である。一方、資産運用の安全性というような問題もあろうかと思います。 具体的にどういう行政指導を行っておるかということを幾つかの比率で申し上げますと、私どもが金融機関の健全経営のために必要だと考えております比率は、自己資本比率、これは一〇%以上を目標にいたしております。それから配当の適正化、これは基準をつくって最高限度あるいは配当性向を抑えております。それから預金と貸し出しの割合、いわゆる預貸率、これは八〇%以内を目標としておる。それから流動性資産比率、これは預金の平均残高に対する流動性資産の平均残高ですが、これは三〇%以上を目標としております。それから営業用不動産比率、これは自己資本に対する営業用の不動産の比率でございまして五〇%以内。 以上申し上げましたような比率が大体健全経営の指標というふうに私どもが考えておるところでございまして、この比率に対する各種金融機関の状況を見ますと、自己資本比率を除きましてはおおむね平均的にはいま申し上げたような健全性の比率に適合しておるという状況にございます。
○玉置委員 自己資本比率一〇%というのは、普通の企業から考えて少ないんじゃないですか。それと、流動性を三〇%以上ということでございますけれども、国債を無理やり押しつけるといいますか、シ団引き受けの中でやっておられたということは、ふだんの行政指導の逆の動きをされておるのではないか、それについてはいかがですか。
○米里政府委員 まず自己資本比率でございますが、これは銀行という業態の特殊性、つまり預金残高が非常に大きい。で、この基準と申しまして一〇%以上と申し上げましたのは、分母は期末の預金残高、それから分子は広義の自己資本という形でございますが、確かに一般の企業に比べましては、こういった預金を扱って貸し出しておる特殊な業態から見て、比率自体はかなり低いかと思います。現に一〇%以上という目標に対しまして、現在でも四%、五%というのが普通銀行の平均の自己資本比率でございます。 それから流動性資産比率三〇%以上ということでございますが、これはあくまでも基本的な考え方は、預金の支払いその他の適確なる即応と申しますか、迅速なる即応ということで資産の固定化を防ぐという考え方から出てきているわけでございます。したがいまして、国債との関係で現在確かに非常にこれが高くなっておるということは、流動性という観点から見れば望ましい。しかしその他にいろいろ問題があるということであろうかと思います。
○玉置委員 今回の中に自主努力、先ほどもお話が出ておりましたけれども、監督行政というものはある程度やはりやっていかなければいけない。その中で、営利企業ですから当然公共性も考えた中で適正利益を、これが健全経営につながるわけですね。そういう意味で、銀行の自主性というものがどこまで認められるのか。一つは、臨時金利調整法ですか、というのがありまして、臨時という名前がありながらずっと残っているのですけれども、その辺の関係とそれから金利の自由化との関係、そして銀行経営の中で、たとえばアメリカの場合には経営者のみならず従業員に対しても業務の停止あるいは中止ということを命じ、かつまた解任権限というものがあるというふうに聞いておりますけれども、それも悪意でやった場合と、銀行自身の安定を欠くというようなそういう場合にも適用されるというお話でございますけれども、そういうものと比較して、行政指導なりあるいは監督権限というものの力がどこまで及ぶのか、どういう形で及ぶのか、その辺も含めて自主性という話についてお伺いしたいと思います。
○米里政府委員 自主性はできるだけ尊重していくという基本的な観念に立ちながら、しかしそれは公共性、社会性の強い金融機関という業種である。したがって、公共性、社会性で定められたルールの枠内においては、大いに自主性を発揮して経営者の創意工夫をこらしていただくということであろうかと思います。 臨時金利調整法によりまして金利の最高限が決まっておるということは、まさに金利自由化の一環としての預金金利の自由化をどう考えるかという問題であろうかと思いますが、御承知のように、ことに間接金融のウエートの非常に高いわが国の場合に、金利体系全体が預貯金金利に非常に大きく依存しておるというようなことでございまして、預貯金金利の自由化というのは、金利全体にとって非常に大きな影響を与えることであろうかと思います。また、金利だけでなしに、預貯金金利を自由化するということになりますと、各種金融機関相互間のいろいろな経営上の問題も出てくる。それがひいては各種金融機関の融資の量あるいはやり方、そういったようなものにも影響してくるという意味で、国民経済的に非常に重大な問題をはらんでおるというようなことから、現在、臨時金利調整法が上限を定め、かつその中で各種金利について日銀のガイドラインというものが出ているわけでございます。したがいまして、そういった基本的な考え方のもとの臨金法あるいはガイドラインというもの、それに基づいて各種金融機関がみずから預金利率表を策定して、ガイドラインを尊重しながら届け出ておられるということでございますが、そういった金融秩序というものはやはり守られなければならないということで、行政指導でそれを守られるように努力しているということでございます。
○玉置委員 非常に基本的な問題なんですけれども、預金をなぜやるかという話ですね。預金ということはいま持っている資産というか、現金を運用していこうということでやるわけです。それはあたりまえだと思いますけれども、よく考えてみますと、預けた利率それと物価、そういうものを比較してみますと、いままで戦後ずっと見てみると、大体途中まではとんとんで来て、高度成長のときには逆に物価の方がはるかに上回っておる。最近また並んできたというような情勢ですけれども、安定して預金金利が物価を上回るということはいままで余りなかったんですね。何のために預けるのか。目減りを防ぐという意味ですか。逆に資産運用、ということは本当は実質的にふえなければおかしいのですけれども、そういう面から見て金利というのはむずかしいところで、均衡とれなければ経済が成り立たないということもありますし、そういう面で、これはちょっと調べている間に、何で金利というのは物価より低くていいのかなという、そんな気持ちになったのですけれども、その辺についてはいかがお考えですか。
○米里政府委員 預金をされる際に、どういう動機で預金をされるかということは、一般的には安全性あるいは収益性それから場合によっては流動性といったようないろいろな意味があろうかと思いますし、かつてはわが国の預貯金というものの主な動機は、やはり安全性というものがかなり大きなウエートを占めていたように思いますけれども、最近では金利選好意識の高まりによって収益性と有利性というものが非常に大きくなってまいったというように考えます。 その場合に、それと物価との関係ということのお話がございましたけれども、金利は本来、金利全体の水準、そのもとは資金の需給の状況によって決まってくる。その資金の需給の状況が決まるのはもちろん経済活動いかんによるわけですから、そういった経済活動の中には物価という問題も大いに関与しているというような関係にあると思いますけれども、必ずしも物価と金利水準というものがダイレクトに関係するということでない場合もあろうかと思います。そういったような意味合いから、本来であれば、金利というのはそれぞれが期間の利益を放棄したり、あるいは期間の利益を得たことに対する報酬という意味での利子というものが需給状況によって決まってまいるということでございまして、必ずしもすなわち物価と比較できるというようなものでもなかろうかと思います。
○玉置委員 金利は報酬であるということですね。言われることはよくわかるんですよ。金利というのは当然資金の需給バランスの間で決まり、かつまたそれぞれのコストで決まるということでございますけれども、本来安全性から収益性に変わってきた。収益性に変わると途端に郵貯にほとんど持っていかれる。これは安全性かつ収益性があるという、一般の銀行預金との差だと思うのです。その辺も大蔵省の監督行政の中に入るか、あるいは銀行の自主的努力かわかりませんけれども、この辺でいま一番問題になっているのではないかと思います。金利一元化とかいろいろな話が出ておりまして、その中にいまガイドラインというのがございまして、ガイドラインというのはどこまでの強制力があるかということについてまずお伺いをしたいと思います。
○米里政府委員 日銀のガイドラインのお話であろうかと思いますが、臨時金利調整法は法律でございますから、金利の最高限を決めておる、これに反すれば法律違反であるという関係はございますが、ガイドラインというのはその臨金法の枠内で日本銀行が各種金利につきまして指導的なものとして発表しているものでございまして、これに反しましたからといって法律違反というような性格のものではございません。
○玉置委員 おおよそ行政指導的な要素になるわけですか。
○米里政府委員 日銀がガイドラインを発表いたしますと、各金融機関はそれを尊重して自行の各種預金の利率表を決めるわけでございます。通常は日銀のガイドラインに従って利率表を決め、それをみずから守るということになります。
○玉置委員 守っていないところがあったのでございますけれども、そういう場合はどういう措置をされるわけですか。
○米里政府委員 日銀がガイドラインを示しておりますのは、一つは金融政策の観点から、たとえば預金利率を、貸出金利が動きましたときに、しかるべく動かすということによって、コスト効果を通じて、貸出金利を自主的に動かす、これによって金融政策上の目的を達成しよう、こういう考え方の場合もある。いずれにいたしましても、金融政策上の観点から預貯金金利の位置づけを考えて、それを発表するということでございますし、それに基づいて各行が自主的に預金利率表をつくっているわけでございますから、これに反するということは金融政策の効果の阻害という問題が出ますとともに、そういった形でみずから届け出ましたものに対する金融秩序面からの問題もあるということであろうかと思います。
○玉置委員 ガイドラインが決められますと、それに沿ってやらなければいけない。それを外すと金融秩序の崩壊であるということで、そういう場合の行政処分はあり得ますか。
○米里政府委員 行政処分と申しますか、行政指導面でそういったことが起こらないように厳重に気をつける必要があると思います。
○玉置委員 現に起きているのですけれども、そういう場合はどうなさいますか。
○米里政府委員 そういう事実がございましたら、これは厳重に注意し、そういったことが発生しないように努力すべきであると思います。
○玉置委員 四月十四日の日本経済新聞によりますと、「三井銀行が、日本銀行の決めた預金金利のガイドラインを上回る金利で預金を集めていたことが十四日、明らかになった。」ということでございまして、まさか新聞はうそを書かないと思いますけれども、この辺について大蔵省は調査をしていると書いておりますけれども、もう二十五日ぐらいたっておりまして、二日ぐらいやればある程度わかるのではないかという気がするのですけれども、この件についてはいかがでしょうか。
○米里政府委員 そういう新聞記事が出ておったことは承知しております。それで私どももその関係を調べております。どのくらいの範囲でどのくらいのことをやっているのか、まだ全体はよくわかっておりませんが、さしあたり幾つかの銀行を呼びまして事情を聴取いたしておりますが、さらに現在調査中であるという段階と申し上げられるわけでございます。
○玉置委員 金利を上回ったからどうこうという話でなくて、ガイドラインというのはあくまでもその近辺であればいいんじゃないかと私は考えているわけです。ただ、いままでのお話を聞いておりますと、それを外れた場合には秩序を乱したという話でございまして、秩序を乱していながら何で二十五日も放置するのかというそちらの方が問題なんですね。どちらかというと、金利というのはある程度自由化して幅のある範囲内で自由競争を認めるべきである、私はそういうふうに思っておりますので、調査の内容についてこの委員会で至急報告をしていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。 そういうことで、銀行の自主性というのが非常にあいまいになってくるわけですね。ガイドラインというものがあり、経営的にはいろいろな指標がありということで、自主性をまあ持っている。新商品をいろいろ言われておりますけれども、その認可がおりないということでございまして、果たして自主性が銀行の中で育っていくのかという心配があるわけです。その辺について、これからの新商品、いろいろ銀行局長もお聞きになっていると思いますけれども、どのような面で拡大をしていくのか、あるいは健全性というものを育てながら、いろいろな面で自主性というものを打ち出しておられますけれども、単なる言葉だけなのか、あるいは具体的にこういう面でというお話があるのかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○米里政府委員 自主性を尊重するというのは具体的にどういうことかという御質問でございますので、一例を申し上げますと、先ほどもちょっと申し上げましたが、五十六、五十七両年度の店舗通達というものをごく最近出したわけでございますが、その中で、店舗の設置についてできるだけ経営者の自主的な判断の余地を拡大しようというようなことからいろいろな手段を講じております。 そのうちの一つは、店舗の種類の選択性というものを打ち出しております。具体的に申しますと、一般店舗、小型店舗、機械化店舗、三種類の店舗のうちで一定の比率を決めまして、一般店舗を選ぶ者は選んでもいいし、小型店舗を選ぶ者は選んでもよい。具体的に言いますと、一般店舗一に対して小型店舗三、小型店舗一に対して機械化店舗三というような比率を決めまして、経営者が自主的にそれを選べるような方法をとっております。 逐次こういった自主的判断の余地というものを拡大してまいりたいと思っておりますが、その場合に前提になりますのは、やはり個々の経営者の方の考え方が横並びでないということが前提にならないと、自主性という形の行政を拡大いたしましても結局は過当競争になってしまうというようなおそれが非常にございます。そういったような意味合いで、それぞれの銀行が個性のある判断をしていただくというようなことから、逐次自主性の余地も広げていくということになろうかと思います。
○玉置委員 なかなかむずかしいと思いますけれども、店舗を認めただけで自主性かどうかという問題もございます。しかし、いままでの町のといいますか出先、第一線のいろいろな要望というものも、やはり各銀行に一番よく入っていると思うので、その辺での活用をぜひお願いしたいと思います。 健全性とあるいはいまのいろいろな指標等見て、それとやはり個々の業務内容というものを監視をしていくという面から金融機関検査というものがあるわけでございまして、先ほど鳥居委員の方からも質問ございましたように、検査項目というものが重要になってくる。それと、戦後間もなくと経済成長のころといまと、それぞれねらいがある程度変わってくるのではないか、そのように考えるわけでございまして、そういう面から、どういう項目を主に検査をされて、ねらいが従来からどういうふうに変化してきているのか。そして検査結果としてどういうふうな資料が集まり、どういう判断をされ、どのように対処されたか。簡単でいい、お願いします。
○米里政府委員 最近の金融機関検査でございますが、検査項目といたしましては、資産の健全性、融資の審査管理、事務処理の状況、歩積み両建て預金の自粛状況、法令等の遵守状況といったようなものが主たる検査項目でございます。 主眼点につきましては、やはり現在経営環境の悪化という時代に向かっておりますので、資産の健全性というものを主眼にいたしております。また、いわゆる支払い保障面での検査ということが最近のいろいろな事例にかんがみまして一つの重点になっておるということも事実でございます。さらに、歩積み両建て預金の自粛、あるいは不祥事件、顧客とのトラブル等の未然防止といったような事務処理の問題というものを中心に検査いたしております。 最近の、五十五年度の検査結果でございますが、五十五年度に検査を行いました対象が大体五十四年の事業年度であったというような関係もございまして、資産内容は全般的に景気の動向も反映しまして改善いたしております。融資の審査管理というような問題あるいはまた内部事務管理というようなものについてはなお十分でない金融機関というものが若干見られておりますが、歩積み両建て預金の自粛などは、検査の結果はかなり良好な状態が出ております。 いずれにいたしましても、こういった検査を行いまして、必要な場合は示達書などによって個別に改善策を報告させております。また、検査期間中及び行政の指導を通じまして、そういった問題点の指摘及び改善を指導しております。
○玉置委員 確かに、資産の健全性という面で安定成長に備える面ではねらいは非常にいいと思うのです。 五十三年の十一月だったと思いますけれども、不良債権として土地の購入に融資をしてその回収がままならない。そして全体で約二十兆円近い金額のものが企業の保有ということで、いろいろな会社で持たれていて換金できないものが十兆円、残りが十兆円という話があったように聞いておりますけれども、十兆円の不良債権というものが残っておりますと大変なことになるのではないか。余り言うとよくないと思うので、その辺判断していただいて、現在どうなのか、そして将来として影響ないのかどうか、その辺をお答え願いたいと思います。
○米里政府委員 御指摘の数字はともかくといたしまして、先ほど申しましたように、五十五年度の検査というのは五十四年度の事業年度を対象にいたしております。五十四年度というのは経済の状態もわりあい回復に向かっておったという時期でもございますので、最近の検査の結果、いわゆる総資産分類率というものは各種金融機関ともかなり好転してまいっておるというような状況にございます。
○玉置委員 総資産で、結局ほかでカバーをしているというふうにも受け取れるわけですね。いわゆる総資産で貸付金になるわけですか。言っているのは、不良債権とまでなってしまったいわゆる土地投機への融資、この回収が果たしてできるのかどうか。これができないと、不良債権のままでずっと残るわけですけれども、それ以外がかなり逆に影響を受ける。 先ほどからのお話の中に金融条件の悪化という話も出ていますように、利ざやが非常に少なくなっている。逆ざやになっている場合もある。預金者から考えますと、やはり何とか利率を高目につけてほしい。ところが、そういう悪い要因がありますと、その眠っている借金といいますか、取れればいいんですけれども、利息も取れないということになりますと持ち出しになるということですから、やはり利率が薄まってくるという影響が出てくるわけですね。その辺についてどういうふうにされるか、お聞きしたいと思うのです。
○米里政府委員 土地に対する融資も、当時に比べますと融資の占める総貸し出しの中でのシェアがだんだんに減ってきておるというような傾向がございます。個別には、もちろんおっしゃるような事例がないことはないと思いますけれども、その収益に及ぼす影響というのは大体総資産分類率で全体の傾向は見られるわけですが、先ほど申し上げましたように、最近の検査の傾向では下がってきておるという状況だと思います。
○玉置委員 では話を変えまして、自主管理、自主努力をやりながら行政指導の中で健全経営というものを続けていっておりましたところ経営状態が悪くなった。もしそういう事態が起きたならば、大蔵省として独自で、独自でというか銀行協会に働きかけたりいろいろなことをなさると思いますけれども、たとえば、ある銀行がもう経営が成り立たないという瀬戸際まで来たときにどういう処理をされるか。もしわからなければ具体的な名前を出しますけれども、できるだけ出したくないということで、一般論としてお答えを願いたいと思います。
○米里政府委員 一つの金融機関が内容が非常に悪くなってまいるというようなときにどうするかということは、そのときそのときによっていろいろなやりようがあろうかと思います。悪くなったといってもいろいろまたパターンがございますので、たとえば資金繰りが非常に悪くなっておるというような問題でございましたら、これはしかるべき金融機関関係の貸し出しを行うというようなこともございましょうし、またその資産内容が非常に悪くなっておるということであれば、それは流動化を急がせるとともに、必要があれば、損益勘定に及ぼす影響をにらみながらしかるべき手術を行うというような場合もあろうかと思います。まあ、ケース・バイ・ケースでいろいろなやり方があろうかと思います。
○玉置委員 この場合は、この場合というのはあれですけれども、乱脈融資という問題があったらしいのですけれども、たとえば経営者が乱脈融資をした場合と、それから従業員の方がかなり無理な融資をされたという場合、やはり巨大な金額が動かなければそういうことはまず余りあり得ないと思うのですけれども、そういう場合に、たとえば人事権なりあるいは経営形態そのままのいろいろな規制とか、そういう面での手当てというのは、大蔵省としてはやらないのですか。
○米里政府委員 経営者または従業員が乱脈融資をしておるという事態がわかれば、まず最初にその乱脈融資をやめさせるということが何よりの問題であろうかと思います。その場合に、人その他の問題については、これは第一義的にはやはりその金融機関自体で、そういった乱脈融資を生んだところの審査管理体制なりあるいは人的配置というものに対してどういう取り扱い、改善方法を策するかということをただすべきであるというふうに思います。
○玉置委員 協調融資とかそういうのもあるわけですね。協調融資というか、そこへは融資しないけれども、金融機関同士の融資というのは。それはもうごく当然な話だと思うのですけれども、ただやめさせて、後の処理というのは本当に的確に行われているような様子もないということもありまして、行政指導、監督ということから言えば、やはり最小限に被害をとどめてすぐ後の措置をするということが大変重要だと思うので、これからの中で、人に頼るということだけではいけないと思いますけれども、ある程度やっぱり人だと思うのです。企業全体の監視も必要ですけれども、人的要素というか、そういう面での見きわめというか、そういうこともやっていただきたいと思います。大体いつもマスコミに載るような大きな事件を引き起こしている中には、かなり数年前からとか長い話があるわけです。毎年監査をやられながら見つかっていないということに問題があるわけでございまして、そういう面でのチェック機能というものをぜひ大蔵省の中に備えていただくように要望したいと思います。 現在の預金の動きなんかを見ておりますと、自分たちがなかなか借りられない都市銀行へ中小企業、零細企業あるいは個人の方々が預金をされて、そしてその率がだんだん今回下がってきておるわけですね。その伸び率のほとんどが郵貯の方へ吸収されている。そういう結果が出ております。 そこで、これは仕向け地というか取引先別に数字がいただきたいのですけれども、大手、中小法人、個人の資金需要、そして預金、要するに出と入り、こういうのがわかれば簡単にいまお答え願いたいと思います。
○米里政府委員 まず預金でございますけれども、法人預金と個人預金はわかります。法人預金の中で大手法人と中小法人というものを分類した統計がございません。そこで推計ということになりますが、法人企業統計年報に法人規模別の現預金保有残高がございますので、それで比例配分するという非常に大胆なことを計算いたしてみますと、結論として、預金残高としては、五十五年三月末の計算でございますが、個人が四三・七%、法人企業の中で大企業が四三・〇%、中小企業が一三・二%、まずこういうことになります。次に、貸し出しのうちで大手法人、中小法人、個人の金額と割合でございますが、こちらの方は統計がございまして、五十五年十二月末現在でございますが、大企業向けがウエートで三五・六%、中小企業向けがウエートで五〇・一%、個人が一三・四%、こういうことになっております。したがいまして、預金と貸し出しを機械的に比較いたしてみますと、大企業の場合には、預金のシェアが四三・〇%で貸し出しのシェアが三五・六%、中小企業が、預金のシェアが一三・二%、貸し出しのシェアが五〇・一%、個人が、預金のシェアが四三・七%、貸し出しが一三・四%、一応こういうことになります。 なお、これをやや時系列に見てみますと、貸出残高に占める大企業向けウエートが四十年十二月末は五二・八%、それが五十五年十二月末で先ほど申し上げましたような三五・六%ということで、非常に減っております。それから中小企業向けは四十年が四三・八%、これが五十五年には五〇・一%。それから個人は四十年十二月が二・六%、これが五十五年十二月が一三・四%。つまり、けさほど来申し上げておりますように、ここ十年間ばかりで中小企業向けあるいは個人向けウエートが非常に高くなってまいりまして、その分だけ大企業向けが減っておるという顕著な傾向がございます。
○玉置委員 これを見てみますと、個人については預金金利が大きく響き、大企業については預金金利、貸出金利はさほど影響ない、中小企業については貸出金利が大きく響く、何となくそんな気がするのですけれどもね。 いま郵便貯金のお話をしましたけれども、郵便貯金が現在一八・九%のシェアまで非常にふえてきておりまして、この一年間でいくと二%近い伸びを示しているということでございます。郵便貯金、まあ先ほど金利一元化という話もありましたけれども、預金だけの金利と預貸両方合わせた金利とで収益をとっているところと一元化するというのは非常にむずかしいんではないかという気もするわけですけれども、逆にこのようにいま一八・九%のいわゆる資金調達の中のウエートを占めるという事実、これが大変大きくなりますと、逆に、農協なんかも含めて考えてみますと、もう約三割に近い数字がいわゆる公の機関に集中しているというふうに見られるわけですけれども、そういう面で考えると、資金調達という面からと、それから金利政策の面からちょっと問題が出てくるのではないかなという、そんな気がするわけですけれども、この辺についてはいかがお考えですか。
○米里政府委員 郵貯が非常に量的に拡大した場合、それも絶対額でなしに、ストックとそれから増加率と両方の議論があろうかと思いますが、拡大した場合に、金融政策上起こり得る問題としては、やはり金融政策の効果が阻害される傾向があるという問題が一つあろうかと思います。この辺は、なぜ阻害されるかということについてはいろいろ議論がございますけれども、少なくとも現在の金融政策というものは民間の金融の流れというものを中心に考えてシステムができておる。郵貯の場合には、もちろん一度揚げに立ちまして、その後で何らかの払いに立って民間に還元されるわけですけれども、少なくともその間のタイムラグというようなものはありますし、いわんや民間に移りました預金、民間に吸収されました預金が信用創造機能を持っておるというようなことを考えますと、その辺が郵貯の揚げの場合との違いであるというようなことは申し上げられようかと思います。 そういった金融政策の問題から離れまして、いわゆる民間の金融機関から民間が金を借りるというわが国の現在の金融構造、そういったものが主体をなすという現在の金融構造に対して、官の資金吸収というものが非常に大きくなりますと、形が変わってまいるということも事実であろうかと思います。そういったような意味での金融構造あるいはマネーフローといったようなものに対して、いろいろな影響を与えることになろうかと思います。
○玉置委員 現在の預金と貯金の競争といいますか、こういうのを見ていると、まだまだおさまらないような気がいたしますし、そうなってくると問題が出てくるという面で、早急に解決策というものを考えていかなければいけないんじゃないか、そのように思うわけです。 大蔵大臣、いまのお話で、どの程度という話はないですけれども影響が出るだろうというお話でございますが、金利政策だけではなくて、民間の資金という面から考えても、やはりある程度の分野での調整というものが郵政省との間で必要ではないか、かように考えるわけですけれども、いかがですか。
○米里政府委員 民間預金と郵貯の問題も含めまして、御承知のように現在総理のもとで五人の中立委員の方から成る私的懇談会が開かれておりまして、大蔵省、郵政省を初めとして、各種の民間金融機関その他関係団体からヒヤリングを行っておられるという状況にございますので、ここで基本的な審議が行われ、実りある答申が出されるものと私どもは期待しておる次第でございます。
○玉置委員 先ほどから話が出ていますように、いろんな資金調達という問題、この辺についてお聞きをしたいと思います。 特にわれわれの生活の周りといいますか、身近なところで中小零細企業からのいろんな資金調達の相談とかいろいろあるわけでございますけれども、どうしてもわれわれの周りの方を見てみますと、いわゆる担保貸しといいますか不動産を担保に資金を借りているという方が非常に多いというふうに感じるわけですけれども、全般としてどういう状況になっているのか、もしわかればお願いしたいと思います。
○米里政府委員 中小零細企業向けの貸し出しにつきましては、信用金庫、信用組合というものが中心でございますので、これらの機関の貸し出しの中で担保の状況を見てみますと、担保を徴求しておりません貸し出しのウエートは信用金庫で約三〇%、それから信用組合で約二〇%程度でございます。このほかにいわゆる信用保証協会の保証づき貸し出し等がございます。これらの割合は、全貸し出しの、信用金庫で一〇%、信用組合で五%程度ということでございます。これらにつきましても、金融機関の側では普通は担保を徴求してないというふうに考えられますので、合わせますと信用金庫で約四〇%強、信用組合で二十数%というものが担保を徴求していない貸し出しということになろうかと思います。
○玉置委員 いま信用金庫だけのお話でしたけれども、全体に、通常の場合都市銀行と取引のあるような会社ですと、信用というものもあり、担保つきが非常に少ないように聞いておりますし、逆に中小企業の方になると半分以上が担保つきである。まあ思ったより若干多いなという感じを受けたわけでございますけれども、しかし、個々に見てみますと、事業として伸びているというところについてはある程度の先の見通しがわかるわけでございますけれども、ここ一番というか、特に流通形態というか流通産業、小売店を含めて、その辺に多いんじゃないかという気がするのですけれども、ある時期だけ資金ショートする。ところが、いまはやはり売り上げがまだまだ伸びているところだと思いますので、そういう面での運転資金も要る。そういう状況のときに、ある時期どこかの、信用保証協会の拡大というものもありますし、逆にそこが信用されないといいますか、不動産がいろんなところに押さえられている、それである時期のつなぎという資金ができない、こういうのがわかっているところはそれに備えてちゃんと手当てをしているのですけれども、いつも大変緊急な様子で動いておる方が非常に多いように見受けられますけれども、そういう場合の無担保貸し出しの枠の拡大とかそういうことが図れないか。これが逆に見れば、いまお話のありました信用組合あるいは信用金庫の健全性というものに非常にリスクを負わせるような形になるわけでございまして、そういう面での対処の方法を何か考えていただきたい、かように思うわけですけれども、それについてはいかがですか。
○米里政府委員 御承知のように、最近中小企業をめぐる環境も非常に苦しくなっておりますので、ことしの三月十七日に大蔵省銀行局長、中小企業庁長官連名で国民公庫等に対しまして通達を出しまして、中小企業の経営の実情を踏まえまして、貸出手続の迅速化、あるいは個別中小企業の実情に応じた既往債務の返済猶予、担保徴求の適切な運用等について十分配慮されたいというような指導をいたしております。一般的には、いま申し上げましたような民間の担保徴求の状況に加えまして、いわゆる中小企業信用保険法の改正による保険限度額の引き上げであるとか、あるいはまたいわゆる信用補完制度というものの活用といったようなものを通じて中小企業に対しての制度的な措置はかなり手厚くなっておるというような状況であろうかと思っております。
○玉置委員 中小金融機関の場合地域が偏っている、そして業種が偏っている、場合によってはその両方が偏っている場合があるわけでございますけれども、こういうときに大変景気変動の波あるいは地域差というか、そういう面での危険度が高いんではないか、そのように感じるわけです。中小金融機関と大手の場合、利率の面でどういうふうに違うのかということをいろいろ考えてみますと、大手銀行の場合には定期性預金というものが非常に少なくて大体四〇%くらいである、信用組合、信用金庫以下になりますと七五%から八〇%が定期性預金というような形で、いわゆるコスト高ということになりますし、また個人向けという面で見ますと、信用金庫が約三〇%、銀行関係が一〇%ということで長期資金が寝てしまうということで、この七五%くらいが住宅ローンであるということがあります。それと普通銀行の場合には、一件当たりの貸出額が非常に大きい、片方は零細企業相手ということで一件当たりのコストが非常に高くつく、こういうことが最近の金融情勢の中で、これがなくても悪くなっているのですけれども、さらに悪くなっている、これはもともとそういう状態であるということが言えると思うのですね。これをカバーするために税制の中で、固定資産税あるいは法人税なり特別措置法があると思いますけれども、果たしてこれだけでカバーできるかどうか。逆に、経営自体はカバーできても果たして軽減の目的に使われているかどうかという心配もあるわけでございまして、そういう面から見て、まずいまの信用組合、あるいは相互銀行も入るかもわかりませんけれども、信用組合とか信用金庫、その辺のこれからの健全経営というものが保てるかどうか、その辺についてまずお伺いをしたいと思います。
○米里政府委員 信用金庫、信用組合につきましても今後ますます環境が厳しくなるというような状況にあろうかと思っております。税制上の優遇措置というものが確かにございますし、その優遇措置の結果もございましてか、信金、信組は、内部留保というものも含めました自己資本比率が他種金融機関よりは相対的に高いというような実情もございます。しかし、こういったようなものだけで今後の厳しい環境を乗り越えられるかどうかということについてはなかなか楽観を許さない点もあろうかと思いますが、要は、やはりできるだけ個々の経営者の厳しい環境に即した新しい経営体制の樹立ということ以外にはなかなか即効薬はないのではないかというように考えます。行政サイドでも、必要がございましたらいろいろな手を打って、全体の経営基盤を強化していくために補完的な措置は講じたいと思っております。
○玉置委員 高度成長のときにはやはり中小企業関係でもかなりの返済ができたわけでございますけれども、地域が偏っているということもありますね。そういうリスクを抱えている。その辺について、本当は内部留保を厚くしておかないと健全性というものは保てないのじゃないか、そのように思うわけです。これは、先ほどお話が出ておりました地方銀行にも相通ずることだと思います。そういう意味で、普通銀行という見きわめの中で、都市銀行と地方銀行というものはやはり性格が違うわけですから、そういう面では分けていかなければいけないのではないかと思うのですね。というのは、無理な貸し付けというか、逆に言えば無理やり借りるということもときどきあるわけですね。危険を承知で貸さなければしようがないこともある。そういうのが地方銀行たるゆえんだと思いますし、また地域の信用金庫たるゆえんである。たとえば、そのときにそっけないことをやりますと、そういううわさがその町全体に広まってしまって、業界からあるいは地域からそっぽを向かれる、これが非常に大きいんですね。日本全国の中で一つくらい横向いてもというどころではなくて——大体町のうわさというのはすぐ広まりますからね。そういうことを考えると、健全性を保つためにある程度やむを得ないところで切らなければいけない。だけれども、やはり地域の人間性といいますか、その面である程度は助けなければいけないし、またそれが中小の金融機関の持ち味である、そのように思うわけですね。そういう面で金融機関の公共性という面を考えて、ぜひそのリスクのカバーというものを租税特別措置だけではなくて制度的にもうちょっと何か考えられないか、そういう気がするのですけれども、それについては大蔵大臣いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 これはもう相矛盾した話でございまして、どっちも大事なことなんです。銀行の健全性を守れ、担保は確実にとって、定期預金を担保にとってそれで貸すのなら絶対こわいことは何もない。しかし、財力のない人はいつも借りられないという問題が一方に起きてくるわけです。その兼ね合いをどうするかということでございますが、中小企業の問題等については信用保証協会というものもございますし、したがって、一つが倒産することによって銀行が貸し込んじゃってほかの多大の預金者に迷惑をかける、これはもちろん困る。こいつはまず外さなければならぬ。ですから、金額の多寡にもよってくるのじゃないか。ですから、やはり中小企業、零細企業をめんどうを見なさいよというからには、多少のリスクは仕方ないことじゃないか。そこを完全に潔癖にやれば、もう困ってる人はめんどうを見るなということだから、わかりやすく言えば。それではやはり銀行の公共性という点に問題がある。大きなところなんかだったら、焦げつきになってもみんな寄ってたかって全部銀行で抱いてやって、それで銀行ごとつぶれるやつを助けようと現にやっているわけですから、それはきめ細かい配慮というものがある程度必要だ、しかし野方図にはできない、ケース・バイ・ケースである、かように思っております。
○玉置委員 確かに、逆に緩めてしまうと悪用されるということもございますし、ほかの預金者に迷惑がかかる。そういう面があって、本当に選別でその都度ある程度相談に応じられる幅ということをやはり見ていただかなければいけないのじゃないか、そのように思うわけです。 大口融資とかいろいろ話がありますけれども、時間も余りないのでいまのもう一つの中で、シェアを見てみますと、資金調達という面から見ますと全銀、要するに都銀のシェアが従来一番多いときは三九%、四〇%近いシェアが現在二七・二%に落ち込んできておるという事実。そして、地方銀行がほぼ横ばい、信用金庫が横ばい、郵便貯金が漸増。こういう状況を見ますと、預金額を獲得するためにまず各銀行間といいますか、都市銀行、地方銀行、相互銀行それぞれの間での、景気のいい場合はいいわけですけれども、悪くなるといろいろな取り合いになってくるというような心配もあるわけでございまして、その辺の調整というものがどのように行われているのか。その辺、預貸両面についてお聞きをしたいと思います。
○米里政府委員 ちょっと御質問の趣旨が必ずしもよくわかっておりませんので、あるいは違ったお答えになるかもしれませんが、御承知のように現在各種の専門制度というものが設けられておりまして、いわゆる普通銀行、相互銀行、信用金庫、信用組合、相互銀行までが株式会社、あとは協同組合組織であるというようなことで、資金の運用面におきましては、中小企業の中でまた規模によりまして三つに分けまして、相互銀行が比較的大規模なものから中規模なもの、それから信用金庫が中規模ないし小規模のもの、信用組合が中小特に小規模零細企業のものに対して資金の運用を行うということになっております。ただ、これは原則でございまして、全体として中小金融機関が総貸し出しのうちの八割まではそれぞれの重層的な対象の中小企業に融資を行う、あとの二割はそれ以外に運用するという形にはなっておりますけれども、全体としてはそういった三段階の重層的な制度によりましてきめ細かく中小企業に融資が均てんするというような制度になっております。
○玉置委員 それはあたりまえの話で、私が聞きたいのは、預金を集めますね。その預金を集めるのはどこでもいいわけでしょう。貸出先は規制されていますけれども、預金を集めるのはいい。そうなりますと、従来大手銀行のあるレベルまでというか預金のときに食い合いになるのじゃないかという話と、逆に大きいところはどこでも行けるわけでしょう。都市銀行であれば、貸し出しのときに零細企業でも行っていいという話です。そういうときに、預貸両面でのある程度の調整というものはどういうところで行われますか。大きいのは全部包括できるわけですね。小さいところは、員外貸し出しは二〇%以内ですよと規制されております。そういう面で、片方はフリーで片方は制限されておる、これについてはどうですか、そういうことです。
○米里政府委員 私どもがそういった問題を特に意識しておりますのは店舗行政の面でございますが、都市銀行であれば全国どこへでも一応店舗を設置できる。中小金融機関になると、その営業地区が次第に小さくなっていくという場合に、競合するという場合のさばきでございますが、私どもは原則として地元金融機関を優先する、あるいはまた下位の金融機関を優先する、フェーバー方式とかなんとか申しておりますけれども、競合した場合には下位あるいは地元の金融機関を優先するということで調整しておるというのがその一つの例になろうかと思います。
○玉置委員 先ほど再編問題というものがちらっと出てまいりましたけれども、これは素人考えかもわかりませんが、先ほどのいろんな検査とかあるいは監査という中でどうしても思わしくない銀行というものがあるかと思うのですね。特に金融の条件というのが非常に悪化をしているという状態の中で効率化を目指していこう、預金者保護という立場から考えますと、競争はしてもらった方がいい、しかしつぶれられては困るという、そのぎりぎりのところが一番いいわけです。ところが、それではやはり銀行間の優劣というものが非常に極端についてしまう。片方では効率化をどんどん進めるに従ってまたお客さんも集まってくる。そういうことを考えると、もう優劣ついたら極端な話ある程度整理したらどうか、そういう気がするのですけれども、再編問題ということでいろいろ問題になっていますけれども、これからの動きとして、いまの安定した経済の中でいままでみたいな金融界、各銀行の活動というのは非常にむずかしいのではないか。再編についてどのようにお考えになっていますか。
○米里政府委員 御指摘のように金融効率化という考え方で競争原理あるいは金利機能の活用というものは従来以上に進めていかなければならない、また国際的な諸環境から見てもそういったことが要請される色合いはますます強くなってくるということだと思いますけれども、しかし一方、金融機関というのはそういった私企業性以外に公共性がある。それぞれの金融機関は種類別にそれぞれの国民経済的な要請があるということでございますから、いわゆる十八世紀的なレッセ・フェールのような状態がわが国の金融界の今後のとるべき姿であるとも思わないということであろうかと思います。そこで、おのずと金融環境が厳しくなる中において再編あるいは業務提携あるいは合併というような問題も発生してこようかとも思いますけれども、それはあくまでも自主的にそういう形で金融効率化が進められるということが経営者を初めとする関係者が一致してそういった方途をとられた場合のことであって、何か金融界の再編というような一つの目標を掲げてそれに誘導していくというような性格のものではないんではなかろうか。しかし、再編とか業務提携とか合併とかいうことが、条件が整えばそれは金融効率化の一つの手段であるということはまた間違いのないところだと思います。そういったような意味合いで、ますます環境の厳しくなってくる各種金融機関がそれぞれの方法で効率化を図っていくというような努力が強く期待されるところだと思います。
○玉置委員 いまのお話を聞いていますと、経営状態の悪くなった銀行が自分から言い出さない限り手を出さない、そういうふうにも聞こえるのですけれども、その辺についてはいかがですか。
○米里政府委員 金融機関といえども一つの生き物、企業でございますから、どこかで決めて、その企業、金融機関の意図いかんにかかわらずスケジュール的に再編あるいは合併をするというようなことは適当でないというふうに考えます。
○玉置委員 相手の良心に任せるということですね。自主性の尊重ですね。そういうふうに理解をしたいと思います。 もう時間もありませんのであと一件だけ。 一年決算に移るということでございますけれども、いま銀行の方は五月あるいは六月に株主総会を開いて次のといいますか、次の期間への対応という準備が非常に盛んなようなんですけれども、いろいろお聞きをしますと、早く実施時期を決めていただかないと、印刷の関係とかいろんな事務的な手続、そういう面で、途中でまたやり直しをしなければいけないという話を聞いているわけですね。当初は五十八年から一年決算というお話でございましたけれども、何か一年早めて五十七年度からやるような話も聞いておりまして、それによって対応を決めていかなければいけない。いま両面で準備をされているところもあるというようにも聞いておりますけれども、その辺について、今回、法案審議中でございますけれども、一応大蔵省として予定をされておりますのは、実施時期はいつからということか、そのことをお答えいただいて、時間前でございますけれども、終わりたいと思います。
○米里政府委員 御質問の一年決算につきましては附則の第九条に特別の規定を置きまして、「昭和五十六年四月から開始する銀行の営業年度については、大蔵大臣の定めるところにより、同月から昭和五十七年三月までとすることができる。」つまり、一年決算につきましてはすぐに適用することができるような案文になっているわけでございます。そこで、この九月期の決算を行わないで五十六年度から早速一年決算に移りたいというような意向の金融機関もかなりある模様でございますが、その場合に、いま御指摘の一年決算に変わるといたしますとまず株主総会で定款変更を行わなければならない。その株主総会のチャンスというのは今度の三月決算総会、つまり六月下旬の総会でなければならない。そういたしますと、総会の二週間前に株主総会の招集通知が要りますし、その前に決算役員会が要る。これを逆算してまいりますと、大体五月の下旬には決算役員会を開かないと五十六年度から一年決算に移行するというのは間に合わない。こういうことをしばしば私どもの方に各種金融機関から言ってまいっておるわけでございます。そういったような趣旨もございまして、ぜひひとつこの法案を早く御審議いただきまして御賛成いただけるということを心からお願い申し上げる次第でございます。
○玉置委員 五十六年度から実施できるということですね。
○米里政府委員 五十六年度から実施できます。
○玉置委員 終わります。
○大原(一)委員長代理 蓑輪幸代君。
○蓑輪委員 銀行法の全面改正案に関連して、特に銀行の社会的責任ということでお伺いいたしたいと思います。 今回新たに目的条項が設置されることになり、その中で銀行業務の公共性ということがうたわれておりますけれども、この公共性という中身について具体的にどのようなことを指すのか、お答えいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 銀行というのは国民大衆のお金を預かっておるということでございますから、これも一つの公共性。それから、やはり先ほどもお話があったが、金を借りるときは担保が要るんだけれども金を預けるときはなぜ担保を発行しないんだというぐらいに、信用ということで人様に信用されて人から金を集めるわけですから、これも一つの公共性と関係がある、私こう見ておるわけであります。また、いろんな企業、個人を初め公共部門等にも適切に資金を供給をしているという意味でも公共性がありますし、もう一つ、莫大な資金量を動かすという点で、それが何か誤って先ほど言うように投機的なものだとかあるいは別なところへまとめて金を貸す、それによってえらい物価騰貴とかあるいは買い占めとかあるいは乗っ取りだとか、あるいはその他大量の資金が供給できるから利用者によっては運用の仕方では反社会的なこともされる危険性がある。そういう意味でも公共性がある。私は公共性というのはそのほかにもいろいろあろうかと存じますが、そういうことを包括的に言っておるものと、かように考えます。
○蓑輪委員 公共性というのは非常に幅広い概念で、その中に盛り込まれているものはたくさんあると思いますし、みんなが期待している内容も幅広いものがあると思うのです。公共性というところから導き出されてくる概念といいますか内容として、いまもおっしゃいましたように社会的責任ということがあるというふうに思うわけです。金融制度調査会の答申の中でもそういう公共性それから社会的責任ということで述べておるわけで、特に銀行に要請されるという中身について幾つかの点が挙げられておりますけれども、「企業部門のみならず個人及び公共部門への円滑な資金供給を行う等資金需要面におけるニーズの多様化に適切に対応していくこと」ということやら、あるいは「土地投機等社会的に著しく問題のある企業活動を助長するような資金供給を抑制していくこと」、また「中小企業及び個人に対する融資を受ける機会の公正な提供、個人取引の適正化及び歩積・両建預金の解消への努力等社会的公正を確保していくこと」ということが銀行に要請されているというふうに答申では述べているわけです。そこで、この銀行法案の第一条の目的規定の中にいま述べましたような点が含まれていると理解してよろしいのでしょうか。
○渡辺国務大臣 結構であります。
○蓑輪委員 目的規定の中に「金融の円滑」というような言葉が入っているわけですけれども、この「金融の円滑」ということの具体的内容、趣旨について一言お答えいただきたいと思います。
○米里政府委員 第一条の書き方は、「銀行の業務の公共性にかんがみ、」というのが全体にかかっておりまして、信用秩序の維持、預金者保護、それと金融の円滑、こうなっておりまして、ここで言っております「金融の円滑」というのはあくまでも社会的に要請されている望ましい分野に資金を円滑に供給するということであろうかと思います。
○蓑輪委員 資金の供給ということが円滑な金融というふうに言われるというお答えでございますが、全国銀行協会連合会の方では銀行法の改正に関する意見というのを述べています。 〔大原(一)委員長代理退席、越智(伊)委員長代理着席〕 その中で、銀行の公共的性格について、預金者保護と信用秩序の維持を図ることが根幹であり、銀行法の目的とは、銀行の健全経営維持に必要な規定を定め、もって預金者保護と信用秩序の維持に資することを基本とすべきであるというふうにしておりまして、銀行法の目的規定には抽象的なあるいは解釈の幅が生ずるような用語、表現は避けるべきである、たとえば適正な資金配分といった内容が盛り込まれると、国により資金配分に一定の方向づけがなされることを是認する根拠となって好ましくないというふうに全国銀行協会連合会は述べているわけですね。そういう中で今回の全面改正の一つの大きなきっかけとなりましたのは、前にも述べられておりますように一九七二年から三年ごろの大銀行が大企業本位の資金供給をやってきたということで、これに対する国民の大きな批判があったということは否定することができないというふうに思うのです。そういう観点から適正な資金配分ということが非常に注目されているわけですけれども、この適正な資金配分という言葉が入らずに「金融の円滑」というふうになっているわけですが、この「金融の円滑」という言葉自体は適正な資金配分ということとほぼ同じというか、全く同じというか、どのようにこの関係を理解したらよろしいのでしょうか。
○米里政府委員 先ほど申しましたように、適正な資金配分ということと「金融の円滑」ということはほぼ同じ意味だというふうに御理解いただいて結構だと思います。
○蓑輪委員 ほぼ同じならばなぜ適正な資金配分というふうに書かれなかったのか、その理由はいかがでしょうか。
○米里政府委員 金融制度調査会でその思想を条文化するに当たりまして法制の専門家が集まられまして小委員会というのをつくりまして、その小委員会でいろいろな調査会の趣旨をどう具体的に字句で当てはめるかという検討をなされました結果、金融の円滑を図るためという表現が一番いいんではないかという判断に達したということでございますので、私どももその言葉をおかりしたということでございます。
○蓑輪委員 「金融の円滑」というよりも適正な資金配分というふうにした方が私どもは理解が容易なわけだし、国民としても理解がしやすいというふうに思うので、適正な資金配分と「金融の円滑」がほぼ同じならば適正な資金配分というふうに変えられたらいかがでしょうか。
○米里政府委員 あえて申し上げれば「金融の円滑」の方が若干意味は広いかというような感じがいたします。適正な資金配分ということだけにとどまらないで、全体の金融の資金配分された後もそれを円滑に遂行していくというような意味もあろうかと思いますし、こういった表現を採用させていただいたというわけです。
○蓑輪委員 私は、適正な資金配分とはっきりうたう方が銀行の社会的責任という点でも明らかだと思いますけれども。 続いて、今回、社会的責任という言葉についても、法律の上ではこの言葉があらわれてこないというわけですけれども、銀行の社会的責任ということはむしろはっきりと条文上うたった方がよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○米里政府委員 銀行の社会性あるいは社会的責任ということは公共性という言葉の中に尽くされておるというふうに私どもは考えております。「この法律は、銀行の公共性にかんがみ、」という中にまさに社会的責任という意味をうたっているというふうに考えております。
○蓑輪委員 公共性というのは現象をあらわしたもので、社会的責任ということをやはりはっきりうたうことが銀行の責務として明確になるのではないかと思いますが、あえてそれが含まれているというふうにおっしゃるわけで、続いて、私の方としては「銀行の業務の運営についての自主的な努力」というのがこの目的規定に掲げられているというのは目的ということと理念上相入れないものだというふうに思っておりますけれども、こういうことを書くならば社会的責任ということを「自主的な努力」とあわせて書くべきではないかというふうに思います。 ところで、この社会的責任を果たしていくに当たりましてディスクロージャーの制度が設けられるということで、このディスクロージャーについてお尋ねします。 一昨年の金融制度調査会小委員会の意見では、「銀行は、毎営業年度終了後一定の期間内に」「貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書面及び資金運用の概要に関する書面を公告しなければならない。」というふうにしていたわけです。ところが、今度の改正案で二十条では利益の処分または損失の処理に関する書面と資金運用の概要に関する書面というのが削除されているわけです。調査会の答申及び小委員会の意見よりもこれはぐっと後退をしているというふうに私どもは受けとめておりますが、法案に盛り込まれなかった理由はなぜでしょうか。
○米里政府委員 御指摘のとおり答申には貸借対照表、損益計算書のほかに剰余金処分計算書それから資金の運用に関する報告書のようなものを公告するという答申をいただいておったわけでございます。最後の資金の運用に関する部分につきましては、次の二十一条の縦覧規定、これが、今度は資金の運用という言葉はなくなりましたけれども、銀行がディスクローズする主たる内容が、預金者の膨大な預金というものを託されているという立場からいいましても、また社会的要請からいいましても、当然そういった資金の運用面の資料が中心になるというように思われます。 剰余金処分計算書は、現在すでに新聞面でごらんのとおり、大体の金融機関が剰余金処分計算書を掲載しておるわけですが、あえてこれを義務づけるかどうか、そういった必要があるかどうかということについて、それほどの重大な意義も認められないということから削らせていただいたということでございまして、いずれにいたしましても、新聞公告の実質面から見て、これによってディスクローズが著しく不足する事態にはならないのではないかというふうに私は考えております。
○蓑輪委員 ディスクローズする内容について、資金運用状況にかかわる面はあえて必要性がないかのようにおっしゃいましたけれども、この調査会の答申では、このディスクロージャーの中で、「銀行の自己責任と自主性に基づく努力を前提とし、また、社会的要請の確定の度合及び現状における対応の可能性等を勘案しつつ、」「銀行のディスクロージャーの重点は、国民の預金を託されている機関としての性格及び最近における社会的要請等にかんがみ、資金運用状況に置かれることが適当である。」この資金運用状況についてのディスクローズを法律上規定することが望ましいというのがこの金融制度調査会の答申内容だというふうに理解しておりますが、間違っているんでしょうか。
○米里政府委員 おっしゃるとおり、ディスクロージャーの中心は資金の運用状況になるべきものだというふうに私どもも考えております。先ほど申し上げましたのは、第二十条の新聞公告から落としました最大の理由は、二十一条で公衆の縦覧に供する対象として、主としていまおっしゃった資金運用状況が対象になるであろうということから、重複を避けたという意味でございます。
○蓑輪委員 そうしますと、二十一条の方を見ますと、その資金運用状況ということが書かれていないわけですね。ここでは「業務及び財産の状況に関する説明書類」ということで、小委員会意見で見ますと、この書類についても資金運用の概況を示すものを記載しなければならないというふうにされていたわけですが、今回はこの二十一条のところに資金運用状況ということが書かれていない。その理由はなぜでしょうか。
○米里政府委員 資金運用状況よりも、この「業務及び財産の状況に関する事項」は若干広い概念かと思いますが、その中で中心となるべきものが資金運用状況であろうということは、私どももそういうふうに考えておりますし、恐らくこれを受けて銀行がそれぞれ個別に創意工夫をこらされる際にも、当然その内容は資金運用状況が中心になってくることを私どもも期待しております。
○蓑輪委員 事が期待どおりにいくならば法律は必要ないわけで、やはり法律というのは最低ラインを決めるところだと思うのです。その点から言えば、この縦覧制度については、当初罰則を伴う義務規定になっていたものが、この提案されております二十一条は訓示規定になっており、その点で資金運用状況がディスクローズされるという保証がないわけです。その点に関しては重大な後退であり、社会的責任の観点から言ってもこれではしり抜けではないかというふうに思われるわけですが、いかがでしょうか。 〔越智(伊)委員長代理退席、委員長着席〕
○米里政府委員 たしか答申の中におきましても罰則云々の話は出てなかったと思いますし、私どもの当初提出しました原案も、不作成のゆえをもって罰則にかけるというような考え方はなかったわけでございます。その点におきましては、特に条文が変わったために後退したというようなことには、経緯的に見ますと当たらないかと思います。先ほども申し上げましたように、条文が変わりました最大の点は、当局が必要的記載事項を決めるか決めないかという点でございます。
○蓑輪委員 罰則を伴うということにつきましては、この小委員会意見でということではないと思いますが、この小委員会の意見では、義務規定であるということには変わりないわけですね。経過の中でこれほどディスクロージャーについて詳細に小委員会の意見では述べられているのに、一括して「業務及び財産の状況に関する事項」ということで、これが実施されるか否かも、銀行局が期待するという程度にとどまっていたのでは、真に銀行に課せられている公共性、社会的責任という点から、それを果たすことはできないというふうに思います。自主的な努力、もちろん銀行の自発的な努力というのが進められなければならないことは当然ですけれども、最低この小委員会の意見にあるような、「貸出、有価証券保有の状況その他資金運用の概況を示すもの」というのはディスクローズすべきである、しなければならないというふうに規定して当然だと思いますが、いかがでしょうか、重ねてお伺いします。
○米里政府委員 今度の第二十一条にも「公衆の縦覧に供するものとする。」と書いてございますし、現にこの法律の規定ができます前から、かなりの金融機関が、自己の内容を積極的に対外的に明らかにするというようなパンフレット類その他をつくっているという現状でございます。また、この規定自体につきまして、各種業界前向きに考えて対処しておられますので、この規定が訓示規定であるというようなことから、つくる者もつくらない者もあるのではないかというようなことにはならないのではないかというように考えております。むしろ、こういった規定によりまして、その内容が各金融機関の自発的な創意工夫にまつという形になりましたことによって、必要的記載事項を大蔵省が決めまして画一的にディスクローズを行われるよりも、相互にいろいろ工夫をこらしながらディスクロージャー制度が自発的に発展していくというには、プラスの面もあるのではないかというふうに考えております。
○蓑輪委員 自主的にディスクローズされるならば何も問題ないわけですが、なかなかそれが、国民が望むようなものがディスクローズされないというところで問題が起こってきた経緯を考えますと、とうてい納得できないわけですけれども、銀行局としては、ディスクローズされるであろう項目について、一体どのようなものを考えておられるのか。 たとえばバンカメリカでは、自主的な自発的なディスクロージャーコードというものを設けて、七十項目による事項が自発的に開示されるということになっておりますけれども、この程度のものが縦覧に供される、ディスクローズされるというふうに理解していらっしゃるのでしょうか、お伺いします。
○米里政府委員 御承知のようにバンク・オブ・アメリカの自発的ディスクロージャーコードというものは、われわれがディスクロージャーの中身を考えます際に非常に参考になる有力な資料であるというふうに思っております。 ただ、このバンカメのディスクロージャーコードというものは日本の制度とやや違いまして、みずからこういった書いたものを積極的に縦覧するということではなくて、要求があれば開示するものはどういうものであるかというような性格のものであるというふうに伺っておりますので、若干性格が違うことがあろうかと思います。バンク・オブ・アメリカの広報部門から入手可能なものであるというようなもののようでございます。しかし、さはさりながら、これは非常に参考になるコードでございまして、各種金融機関がつくられる際ももちろんこれは一つの参考として活用されるというように考えられます。
○蓑輪委員 ディスクローズされる項目につきましては、やはり銀行の社会的責任などから導き出されるものであるべきで、単に銀行のPRとかあるいは対外説得の手段に終わっていたのでは何にもならないということが言えると思います。現在ディスクローズされている部分とほとんど変わりないということであるならば新しい銀行法が設けられた意味もなくなると思いますので、その点の内容的な充実がぜひとも必要ではないか。訓示規定ではなくて義務規定にするということ、そして特定企業の大口融資とか大企業と中小企業向けに対する貸出金利などの貸出条件の問題やあるいは大光相互銀行で問題となった関連子会社などという問題についても開示することが大切だと思いますが、この点は含まれていくというふうになるのでしょうか。
○米里政府委員 内容がどういうものがディスクロージャーの対象になるかということはまさに個個の経営者の方の考え方である、またディスクローズする内容自体にその銀行の特色が出てくるということによって相互に刺激し合ってディスクロージャー制度が発展していくというような性質のものであろうかと思います。これを法定化するということにつきましては、ディスクロージャーそのものが金融機関の私企業性と公共性というものの調和という形から社会的なニーズに応ずる自己規制策であるといったような性格に考えられておりますので、そういった意味では今後の各種金融機関それぞれの創意工夫の内容というものを私どもは期待していきたいと考えております。
○蓑輪委員 大分意見が違うところがあるのですが、次に社会的責任に関連して幾つかの個別的な問題についてお伺いしたいと思います。 まず、過当競争の問題についてですが、先ほども質問がありましたが、新聞で報じられておりますように、解約分に満期利息を払った問題が指摘されているわけです。これとは別に、預金金利が四月十三日に引き下げられたがために起こってきた問題があるわけです。 富士銀行の場合ですけれども、預金金利が四月十三日に引き下げられましたけれども、この大手都銀であります富士銀行が四月十三日以降受け入れた新規の定期預金、たとえばこれが四月十四日ということにしますと、四月十一日付の起算日扱いで、この新しい定期預金について旧レートを適用して扱うというやり方をしている例があるわけですが、これは違法ということにはならないのでしょうか、また先ほど問題になりました日銀のガイドラインとの関係ではどうなるのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○米里政府委員 いずれも個別銀行の個別の行為でございますので具体的な言及は避けさせていただきますが、一般論といたしまして一年定期なら一年定期を預け入れまして、それを一年定期本来のガイドラインあるいはみずから提出した預金利率表に反する扱いをその後に行ったということにつきましては、先ほども申し上げましたように法律違反ではございませんけれども、金融政策上の問題あるいは金融秩序の問題等から見まして、ことにそういった特定の預金者に対して特定の有利な取り扱いをするというようなこと自体にも特利的な問題がございますので、そういった意味で総合して好ましくないと考えております。
○蓑輪委員 ここに資料もあるわけですけれども、電算機に起算日扱いのプログラムをもう組んで、これは組織的に行われていると見てもいいわけだと思うのです。そして、これが単に富士銀行だけではなしにほかの銀行でも行われたということが十分考えられます。相銀の場合でも、岐阜相互銀行の場合ですとやはり起算日扱いを行って、その中で特に大口預金者に限って起算日扱いをやるという、預金者を大口と小口とに分けて、大口預金者に対し特別に有利な計らいをする、特利行為が行われたと言えると思うのです。特利行為については通達も出されているわけですし、こうした起算日扱いというのは銀行の社会的責任というところから見てもとても見過ごすことはできない問題だ。先ほどの三井銀行の問題と同じ、あるいはそれ以上に重大な問題だと考えますが、大蔵省はこうした実態を個別に御存じないのでしょうか。先ほどは一般論としてそうならば望ましくないというような趣旨のお答えをいただきましたが、事実ことしの四月十三日の金利引き下げに際してこうした扱いが各銀行でなされているという点について御存じないのでしょうか。
○米里政府委員 幾つかの事例については私どもも承知しております。いずれも個別の問題でございますので個々に申し上げることは避けさせていただきますが、いずれにいたしましても、中途解約の分について定期預金の期間終了後の利率を支払うとか途中で定期預金の種類を切りかえる、そういったようなことは定期預金の性格から見ても金融慣行に反する適当でない行為であると思います。もちろん、一部の預金者に対してだけ行ったということはおかしいではないかという御趣旨もございますが、一部でなくて全体であってもそういった取り扱いをなすということは、金融秩序あるいは金融慣行に反するものとして適当でないと私どもは考えております。
○蓑輪委員 一般論ではなくて、一部の銀行ですでにそういう事実を把握しておられて、その後の処理はどうされたのでしょうか。
○米里政府委員 好ましくないことでございますので、厳重に注意し、今後このようなことが起こることのないように指導してまいりたいと思います。
○蓑輪委員 指導してまいりたいとおっしゃいましたので、まだ指導しておられないと思いますから、実態をつぶさに把握していただいて、こういうことが、銀行の信用にもかかわり社会的責任にもかかわるという観点から、二度と行われないような行政指導をしていただきたいとお願いしておきたいと思います。 次に、岐阜相互銀行にかかわる問題で、岐阜県郡上郡高鷲村に郡上高原カントリークラブというゴルフ場があります。ここは去年からことしにかけての豪雪で孤立してしまうようなところでございますけれども、そしてまたゴルフ歴の長い人に言わせると、プレーできる期間が長くて年間七カ月しかなく、岐阜市から車で二時間以上もかかるし、経営上、採算上非常に問題があるというふうに思われるというふうに言われている、そういうゴルフ場があるわけです。そのゴルフ場の理事長に岐阜相互銀行の社長が就任しているわけです。この社長は、ゴルフ場が非常に好きなようで、前にも福島県の方へ一徳開発というゴルフ場経営の会社をみずから設立したわけですけれども、聞くところによりますと、大蔵省のお許しが出なかったやに聞いておりまして、設立から半年余りで解散という、実際上全然物にならなかったゴルフ場もあるわけですが、そういう経過がある中で、今度はこの高鷲村の郡上高原カントリークラブというところの理事長に就任をいたしました。そこで、この社長は、百六十万円もするゴルフ場の会員権を、岐阜相互銀行の従業員に割り当てて買わせる。さらに顧客に対しても売りつけるというようなことを進めているわけです。このカントリークラブには、支店長経験者の従業員も出向しているということもありますし、このカントリークラブは奥美濃高原開発株式会社というのが経営しているわけですが、五十二年度の決算では、一億三千万円余りの欠損を出している、そういうゴルフ場なわけです。雪でプレーができない期間が長いというわけですから、こういう欠損がずっとその後も続いていると見なければなりません。 こういう中で、私どもが入手しました銀行の秘書室長の手による「郡上高原CC会員募集」、カントリークラブですね、「CC会員募集」という書類を見ますと、対象は、原則として四等級以上の行員、括弧をして一等級から三等級の行員でも入会歓迎。入会金の支払い方法としては「入会時にマル専の割賦手形を振り出す。期間は五年十カ月以内とし、次の方法による。」ということで、「最低額毎月給料時一万五千円で七十回」、さらに「毎賞与時五万円で十一回」という形で百六十万円払うというような書類を配っているわけです。事実上、強制的に入会させられているといういきさつがありまして、五十三年の七月現在では、岐阜相互銀行の行員全体で千百二十一人、うち男性が七百四十九名です。男性役職者四等級以上の係長以上は三百六十九名いるわけですけれども、そのうちの三百五十四名がマル専手形を発行して購入しているということで、九五・九%の率をもって、ゴルフをする、しないにかかわらず購入させられているという実態があるわけです。これを追及いたしましたのに対して人事部長は、社長が引き受けた以上、銀行として全力を挙げるのはあたりまえという答弁をしておりますし、非常に前近代的な発想と言わなければなりません。そして、先ほど申し上げましたような状況であるこのゴルフ場では、今後も健全な発展どころか、非常に危機的状況にあるということで問題があるわけです。こういうやり方は非常に好ましくないというふうに思いますし、行員も、これを断るに断れないという状況では大変困るわけで、こういうことは直ちに行政指導でやめさせていくべきではないかというふうに考えますけれども、こういう実態を御存じでしょうか。そしてどのようにお考えでしょうか。
○米里政府委員 御指摘がございましたので、私どもの方も調べさせていただいたわけですが、この郡上高原カントリークラブでございますが、親会社は奥美濃高原開発株式会社、岐阜相互とは出資関係あるいは人的関係など、特にございませんが、岐阜相互から通常の運転資金融資がなされているという関係があるわけでございます。 そこで、そこの理事長に四十九年の六月に岐阜相互の宇佐見社長が就任されたということでございますが、これは資料を見ますと、銀行とは直接関係のない話で、宇佐見社長が岐阜県経営者協会会長であるというようなことから、強力に依頼がありまして、「村長、区長を始め村民有力者が多数再三懇請に来ましたので、断わり切れずに已むを得ず引受けた次第でございます。」というふうに記録に書いてあります。そこで、宇佐見さんが理事長になられまして、なお、理事長になられるに際しましては、当時の資料を見ますと、「理事長を引受けるについては小職としては左記のような条件をつけました。岐阜相互銀行としては如何なる場合にも融資・投資はしないこと。」という条件が入っております。それで、その後、一部の行員や顧客に対して会員権購入に、できれば協力してほしいと勧めたことはあったようでございます。 そこで、その段階で、五十年の九月に至りまして、東海財務局からゴルフ場の会員権の取り次ぎは好ましくないという指導を行いまして、そこで宇佐見理事長が一札を出されまして、「東海財務局ご当局からの会員権の取次ぎは好ましくないと言うご注意を頂きましたので直ぐに取次ぎを取止めました。今後は絶対に致しません。」という一札が入っております。その後、さらに念のために確認しましたところ、この報告のとおり、五十年以降、岐阜相互は、このゴルフ場の会員権の取り次ぎの行為は一切やっていないということでございますので、かつて、ややそういったようなことがございましたが、現在では、その問題は解消しておるということであろうかと思います。
○蓑輪委員 一つは、顧客に対する取り次ぎ行為がありますし、もう一つは、行員に対する押しつけの問題があるわけです。いまお答えをいただきました、取り次ぎ行為は一切やっていないということですけれども、現に、まだ顧客に対して渉外係等がこのゴルフの会員権販売を行っているという事実もありますので、その点は事実と違うと思いますが、さらに一層御調査をいただきたいと思いますと同時に、行員に対する押しつけの問題についてはいかがでしょうか。
○米里政府委員 行員につきましては、企業内の問題でございまして、強制的にそういうことを行ったというような労使間の円滑を欠くようなこともなかったようでございますので、特に企業内の問題として、当局が過度に介入すべき問題でもなかろうかと思います。 先ほど申し上げましたのは、おっしゃるように、確かに対顧客の問題でございます。私どもは、現在は五十年九月の一札以降、ないというふうに聞いておりますが、必要がございましたら、さらに調査をいたしまして、不適当なことがあれば十分指導してまいりたいと考えております。
○蓑輪委員 現在もなおこの危機に瀕していると思われる奥美濃高原開発の経営を続けていくために融資をどんどん行い、最近の融資残高では一億円を超えているというふうにも聞いておりますし、取り次ぎ行為もなお続行されているやに聞いておりますので、調査の上、また御指導いただきたいというふうに思います。 それから、相銀など中小金融機関のあり方についてですけれども、岐阜相銀の場合で言いますと、各店別の預貸率というのが出されておりまして、それを見ますと、五十五年度の平残計画では、大阪、東京の支店が百六十数%というふうになっております。五十五年十二月五日の実績で見ますと、大阪一七六%、それから東京一八一・四%というふうにオーバーローンになっているわけです。さらに、貸し出し平均約定利率の問題で見ましても、大阪、東京の支店は同行の平均を下回っているという状況で、かなり大都市の方に資金が移動しているという傾向が見られるわけです。もちろん相銀と一口に言いましても上位と下位ではいろいろと実態も違いますし、抱えている問題、格差もかなりあり、一律に見ることはできないというふうにも思いますけれども、この岐阜相互銀行の場合で見ますと、大都市への資金集中ということは非常に好ましくないのではないか。地域では地場産業が非常に重要な産業として育成されるべきだというふうに期待をされておりますし、資金の地元還元というような問題から見ましても現状は決して好ましくない状態ではないかというふうに思います。相銀の今後ということを考えてみましても、こうした地元の産業の発展、資金還元というようなことを中心的に指導していく必要があるのではないでしょうか。その点についてお伺いしたいと思います。
○米里政府委員 御承知のように、法的には相互銀行の業務の地域制限というものは昭和四十三年の法改正で廃止されたわけですから、法律上はいずれの地域でも営業できるというたてまえになっております。しかし、中小企業金融専門機関でございますから、そういった性格上地域に密着した商売を行うということが同時に中小企業金融の円滑化に資するゆえんであるというような性質がございますので、相互銀行のたとえば店舗行政におきましても原則として本店所在県内の地元を優先するというような考え方に立って行政を行っているわけでございます。 岐阜相互の場合でございますが、相互銀行全体の県内店舗というものは相互銀行の店舗合計の七四・四%、つまり四分の三が地元の県の中にある、県外店舗が二五・六というのが相互銀行全体の姿でございますが、なるほど岐阜相互銀行を見てみますと県内店舗が六〇%、それから県外店舗が四〇%ということで、ややほかの相互銀行の平均よりは県外店舗のウエートが高いかなというような形はございます。しかし、これをさらにフォローして見ますと、県外店舗というのはほとんどが愛知県でございます。県外店舗全体で十八ございますが、そのうち十三が愛知県。そう考えてみますと、愛知県と岐阜県という関係でございますので、まあ地元に準ずるような地域でもあるというようにも考えられますので、あながち地元に店舗が余りないということでもないようにも思われます。いずれにいたしましても、相互銀行は地元に密着したきめ細かな中小企業金融をサービスしていく立場にあるわけでございますので、そういった意味で御趣旨のような線で今後とも相銀全体は指導していかなければならないというように考えております。
○蓑輪委員 岐阜相互銀行ではいろいろ問題がありまして、賃金差別問題で係争中でもありますし、またその他最近事故も四件一気に発覚するというような状況も起こっておりますし、非常に問題が多いわけです。そういう点で、健全な経営を確立していく、そして地元の住民から信頼される銀行として発展するという立場で適切な指導をすべきだというふうに考えますので、重ねてその点での御指導をお願いしておきたいと思います。 それから、いま問題になりました営業店舗の問題で、営業所の設置認可についてですけれども、第八条で「営業所の設置、位置の変更、種類の変更又は廃止をしようとするときは、大蔵省令で定める場合を除き、大蔵省令で定めるところにより、大蔵大臣の認可を受けなければならない。」というふうになっているわけですね。これに関連した省令というのがどんな内容になるのかいまつまびらかでありませんし、いますぐつくるものかどうかもわかりませんけれども、長期的に見て、この省令の決め方次第で銀行行政というのはかなり左右されるというふうにも見られるわけです。それから、店舗の設置の仕方によって過当競争ということが一層激しくなるということも予想されるわけですけれども、いま省令案について大体どんなものが考えられているか、概略お答えいただくことはできませんでしょうか。
○米里政府委員 まず、営業所の設置等の認可でございますが、これは法律的にはまず審査基準を定めましたグループとそうでないグループと二つに分けておりまして、営業所の設置についてはこの際特に審査基準を設けないというグループの方に入れたわけであります。審査基準を定めましたグループと申しますのは、合併、営業譲渡あるいは廃業、解散といったような銀行の新設あるいは消滅のような重大な効果を有するものをそういったグループで審査基準グループに入れました。 店舗につきましては、どちらかといいますとそのときどきの金融情勢、あるいは銀行の経営戦略、あるいはまたそのときの店舗の設置状況の移り変わり、国民のニーズといったようないろいろな要件がございますので、できるだけ機動的、弾力的に行うというような考え方で特に審査基準は設けなかったということでございます。 なお、法律第八条に書いてございます省令というものは、一つは手続的な規定でございます。認可の対象などを決めます省令につきましては、たとえば営業所の定義であるとか営業所の種類であるとか、そういったようなものを決めるというような考えでおります。 それから、営業所の設置等のうちで認可を要しないものを定める省令というものが法令上書いてございますけれども、この分につきましてはなお今後の検討ということで、すぐに何か具体的な中身を省令でうたおうという考え方は現在のところございません。
○蓑輪委員 金融制度調査会の小委員会の意見の中ではこの認可申請の審査基準というのを「設けることが適当である。」というふうにしておりまして、「業務を的確、公正かつ効率的に遂行しており、」とか「適正な競争関係を阻害する等金融秩序を乱すおそれがないか」とか、そういう審査基準というものをこの意見では述べているわけですけれども、法律案では全面的にこの審査基準を削除されているということで、しかし実際この「大蔵省令で定める」という場合には、この小委員会の意見に述べられております審査基準が当然のこととして考えられると理解してよろしいのでしょうか。
○米里政府委員 先ほど申し上げましたように、第八条に「大蔵省令で定める場合を除き、大蔵省令で定めるところにより、大蔵大臣の認可を受けなければならない。」と書いてございますが、最初のこの「大蔵省令で定める場合を除き、」というのは、営業所の設置などで認可を要しないものが将来考えられれば、そのものを大蔵省令で定めようということで、さしあたり何かをすぐ考えておるというようなものではございません。 その次の「大蔵省令で定めるところにより、」というのは、全くの手続規定、定義その他でございまして、この大蔵省令の中で審査基準的なものをうたおうというような考え方にはなっておりません。それで、審査基準につきましては、むしろ毎年毎年の、二年に一回でございますが、二年に一回の現在の店舗行政の基本通達が、そのときそのときの経済情勢、金融情勢あるいは国民のニーズ、店舗配置の現状等々といったようなものを勘案しながら弾力的に基本方針を打ち出しまして、その方針の中で個別に申請していただき、お読み上げのようなことをも頭に入れながら個別に認可を行っていくということになろうかと思います。
○蓑輪委員 最後に、他業の禁止規定の抜け穴となっている役員の派遣や取引関係を通じる他企業に対する事実上の支配の問題についてお伺いしたいと思います。 金融制度調査会の答申でも、「銀行の関連会社の業務内容及び銀行による企業の株式取得等に関しては、銀行業務への専念等銀行経営の健全性を確保していくという見地等から、何らかの規制が必要である」というふうにされていたわけですが、その観点は今回の銀行法案ではどのように配慮されているというふうになっていますか。
○米里政府委員 第四章でございますが、第四章の「監督」の規定の中に、第二十四条がございまして、二十四条全体は報告または資料の提出義務をうたったものでございますが、その第二項に「銀行の子会社に対し、当該銀行の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。」と、報告または資料の提出権というものが出ておりまして、あわせまして、第二十五条に、検査の規定でございますが、第二十五条の第二項に、「当該職員に銀行の子会社の施設に立ち入らせ、」云々云々「又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。」という規定がございまして、ここで新たに二十四条、二十五条に子会社検査権及び子会社に対する報告資料の提出権というものを規定したわけでございます。 特に最近では金融機関が本来の業務の一部を分離いたしまして、一〇〇%持ち株会社という形で別の企業にやらせるという形が漸次広まっております。こういうことになりますと、大都市銀行のように次第に子会社に分離していったところは親元だけを検査する、その他のところは全部検査するというような問題にもなりかねませんので、実質的に銀行業務と同じようなことを子会社を分離してやっている場合にも報告資料あるいは検査の対象にしようということで、この新たな規定の設置をお願いしておるわけでございます。
○蓑輪委員 問題になりました平和相互銀行とか大光相互銀行の例に見られるように、特に関連会社なんかをつくって土地投機をする例などがありましたし、不良貸し付けという問題も起こったことがあるわけですし、こういう問題は全容を明らかにされているとは言いがたい状況にあります。まだまだこういう問題が今後も起こり得るというふうに心配される状況にありますから、この点に関する規制というのは一層強化していかなければならないと思いますが、重ねてお伺いして、終わりたいと思います。
○米里政府委員 一般に金融機関が非常に密接な関係にあると思われております企業におきましても、持ち株関係その他から見ると余り関係がないというようなことも間々ございますので、どういったものが関連があるということを把握するのは実はなかなかむずかしいわけでございますが、御趣旨に沿いまして、今後ともに、その金融機関に実質的に影響力のあるような関連会社のあり方については、制度あるいは行政面で十分気をつけてまいりたいと思っております。
○蓑輪委員 終わります。
○綿貫委員長 次回は、来る八日金曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十七分散会 ————◇—————