大蔵委員会 第26号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/04/24
会議録
○綿貫委員長 これより会議を開きます。 脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柿澤弘治君。
○柿澤委員 脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律案について質疑をいたします。 この法律改正の趣旨は、徴税の公平を期するために除斥期間等を延長しようということでございますが、その背景には課税対象所得の捕捉率が低いという問題があろうかと思うのです。その意味で、世の中で言われているクロヨン、トーゴーサンという問題に関係するわけですけれども、このクロヨン、トーゴーサンについて、最近出た「季刊 現代経済」というのを読みまして、石弘光さんが論文を書いております。 これは、国民所得統計等から国税統計とは別にそれぞれの勤労所得、事業者所得、農業所得等を推計をして課税所得と対比をしながらクロヨンの実態に迫ろうという試みのようですけれども、この点について国税当局は税務執行当局は実感としてどういうふうにとらえておられるか、その辺をまずお聞きをしたいと思います。 石さんは、給与所得者のケースについては国民所得統計から推計したものと国税が把握している所得との間で大体ほぼ一〇〇%課税されているという推計をしております。事業者所得の場合にはこれはなかなか推計がむずかしいといいながら七二%とか七割前後の課税ということで、クロの口は六ですけれども七割程度じゃないか。 〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 それから農業所得についてはクロヨンのヨン、トーゴーサンのサン、四割、三割と言われておりますが、この推計に基づくとさらに低くて二割前後ではないか、こういう推計をしておられるわけですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○小幡政府委員 ただいま先生がお話しございました石先生の論文につきましては私どもまだ十分勉強いたしておりませんけれども、いろいろな角度から各種の統計を使われまして、またいろいろな推計方法を使われて分析をしておられるということであろうと思います。私どもひとつその先生の論文を十分勉強させていただきたいと思っておりますが、執行当局といたしまして感じとしてどうかというお尋ねでございますけれども、私ども率直に申しまして、いろいろな税務調査というものを通じて申告漏れがあるということを承知いたしておるわけでございますので、税務調査をしておりません分野につきましてそれがどうであるのかということを判断するだけの資料を持ち合わせていないわけでございます。しかしながら、税務調査をやりましたものにつきましては、その結果等につきましてはいろいろな機会に発表させていただいておりますように各種の申告漏れがあるということは御案内のとおりでございますし、また一方非常にまじめに誠実に記帳をし、ありのままに申告をしておられる適正な申告納税者がおられるということもこれまた事実でございます。恐らく先生の周りにもそういうりっぱな納税者が多数おられると思うわけでございますが、そういういわゆる不心得な人からまじめにやっておられる人までいろいろあるわけでございますので、それらを全体を通じましてその申告漏れが幾らであるかということはにわかに私ども断じがたいわけでございますが、私どもの感じといたしますれば、世間で言われているほどの申告漏れ割合があるというふうには思っていないということでございます。
○柿澤委員 二つの問題があると思うのですが、国税当局として課税漏れになっている所得は捕捉してないということですが、この石さんの試みのようにいろいろな形の推計というのはあり得ると思うわけです。その点については従来何らかの形で内部的には検討されたことはあるわけですか、それとも全くそういう作業はしてないということですか。
○小幡政府委員 所得の申告漏れということになりますと、石先生の論文にもありますように、たとえば国民所得統計と税務統計を比べて、そして国民所得統計の中に入っている所得の中から、いわゆる控除失格でありますとか無資格の者とかいうそれらの所得を除いていく、あるいはまた税務統計にあらわれている所得に対しまして青色申告の専従者控除等々を加算していく、そういうふうなこと、それは一つの方法論としてはあり得る方法論であろうと思います。ただ問題は、どういう人が一体控除失格あるいは無資格になっているのかということを推計するその方法というものは非常にむずかしいわけでございまして、なかなか一概にそういう数字が出てこない。そういうふうなこともございますから、石先生の手法というものは一つの有力な手法であろうと思いますけれども、具体的にどういうふうにすればそういうものが推計で出てくるのかということになりますと、これはなかなかむずかしいのではないかということでございまして、私どもといたしましても、そういうふうなことの計算はなかなかできないというふうに思っておるわけであります。
○柿澤委員 まあ課税捕捉率がいま国民の間で非常に大きな関心を持たれているわけですね。国民の関心だけではない、石先生もこの論文の中で述べておられるように、これから租税負担率が高くなっていくと、表面にあらわれている経済活動というものと地下にもぐってしまった地下の経済、ここではアンダーグラウンドエコノミーと書いてあります。イレギュラーエコノミー、不法な経済、そういうもののギャップがだんだん大きくなってくる。そういう意味では、アンダーグラウンドエコノミーの規模というものを推計しながらそれで経済政策を立てていくというのも、これは重要な課題になってまいります。 それからもう一つ、課税の公平という点で言うと、制度的な公平だけを形式的な公平だけを追及していって果たしていいのだろうか、実態的な公平というものがもっともっと検討されなければいけないのじゃないか。その点で、いままで行政の立場としてはともすれば形式的な公平感が保たれればそれでよろしい、実態については実態と形式との遊離、たてまえと本音との遊離はできるだけこれは表に出さないで遊離がないんだという前提で議論をしたいという傾向があるようでございますけれども、それでいいのかどうか。特にこれから税負担が高くなっていったときに、その実態的な不公平感というものにもつとメスを入れていく必要があるのじゃないか、国税当局としてもそれにまじめに取り組んでいくといいますか正面から取り組んでいくという姿勢が欲しいと思うのですけれども、その点立法に当たっておられる主税局としてはどうお考えでしょうか。
○高橋(元)政府委員 いまもお話しございましたように、単に課税の技術的なまた制度的な公平ということを越えまして、おっしゃるようなアンダーグラウンドエコノミー、こういうようなものが拡大をしていくということは社会全体の経済のパフォーマンスからしても好ましくない問題を含んでおるだろうと思います。まあ有償の市場経済以外にだんだん無償の、無償のと申しますか対価を市場で払わない公共経済の部門が広がっていくことが、これからの社会の高度化ということに伴って当然起こってくるわけでございますから、そういう場合にその費用を国民に負担していただくための制度というものを考えていきます上でも、やはりおっしゃるようにイレギュラーと申しますかアンダーグラウンドと申しますか、そういう経済の実態というものを、これはもうそもそもわからないからアンダーグラウンドになっているわけでございますけれども、できるだけ正確にとらえて、社会の動きというものに即して税制というものもぜひ考えていきたいというふうに考えております。
○柿澤委員 そのイレギュラー、アンダーグラウンド、わからないからそうなんですけれども、それを推計しながら、いま国税関係の法律の改正によってねらおうとしているもの、そのねらいの相手の獲物の大きさというものをおおよそ推計しながらそれに合ったメジャーというか手段というものを立案していくのが大事だと思いますし、そういう意味で相手の量なり性格なりがわからないでそこに無理やり突進していって、七年に延ばしたから果たしてどのくらい効果があるのだという問題が出てくるわけで、その点でもこういう立法の過程でアンダーグラウンドになっている部分がどういう性格のどの規模のものなのかというのは、基礎資料として当然持っていなければいけない。それが推計不可能だということでギブアップされていて徴税の効果がどれほど上がるのか、公平が期待できるのか。これは相手がわからないままに武器をつくっているわけですから、それでは果たして有効かどうかだってわからないじゃないですか。そういう点でもう少しその辺の推計の方法なり相手、徴税当局としてこれからとらまえなければならない獲物の性格と量と大きさというものを推計する必要があるのじゃないかと私は考えるわけです。 それからもう一つ、石先生も触れておられますけれども、ここに書いてあるのを読みますと「課税所得の捕捉率に漏れがあることを、わが国の税務当局は少なくとも表面的には認めたがらない。これはアメリカの内国歳入庁が過小申告にかんする自らの推計を公表し、世論を喚起しているのと非常に対照的である。」こういう御指摘があります。そういう意味で、課税の公平について特定の大きな脱税事件が起こったから何とかしなければいけない、けしからぬ、それは非常に情緒論であり感情論だと思うわけです。この問題が非常に大きな問題なんですよということを世論に納得してもらうためには、その前提がなければいけない。この法案の審議の段階になって各党の中でもいろいろとこれの是非をめぐっての議論が出てきておりますけれども、こういうものがこの段階に来て出てきているというのは、つまり対象の推計ができていない、方法の重要性と目的と手段に関する適合性というものが十分に納得されていないからこの法案自身に対するそういうさまざまな懐疑的な動きというのが出てくるわけです。その点についてもう少し積極的に取り組む必要があるのじゃないでしょうか。その辺、いかがでしょう。
○高橋(元)政府委員 国民所得統計、事業所統計その他の経済に関する統計を用いまして、それと税務統計との不突合という形で誤差、脱漏というものをマクロで推計していくという方法がございますけれども、もちろん国税庁でもいろいろな手段は、とても結果がこうなりましたということをお話しするほど自信がないものではありましょうけれども、いたしておるはずでございますけれども、ここでそういうものを国民の前で申し上げるだけの自信はないと思います。 いまお話のございましたアメリカのインターナルレベニューがやりました脱漏の調査と申しますのは、私が承知しております限りでは社会保険の給付に関して資力、資産の統計をとっております。そういうものをベンチマークとして、どれだけの脱漏があるかということをかなり自信を持って個々のデータとの突き合わせで初めてやっていくわけでございます。国民所得自身が一つの推計でございますから、そういう推計の持っている誤差というものを含んでおります。石先生の労作でございますから、私いますぐ御批判は申し上げるあれはないのでございますけれども、それだけの勉強はしていないわけでございますけれども、そういう推測、誤差を含んでおりますものをもととした捕捉率というものに加えて、もう少し自信のあるいろいろな角度からの勉強は国税庁と一緒になってぜひしてまいらなければならない。執行と税制と両方、それをもとにして考えてまいりたいと思っております。非常に貴重なお示しでございますので、十分勉強いたします。
○柿澤委員 主税局長からそういうお話がございましたので、この辺についてはやはり一番資料を持っておられるのは国税当局でいらっしゃるわけです。国民所得統計は確かに推計でございます。私もやっていたことがありますけれども、いろいろとあやふやなところが確かにあるので、むしろ石さんのこういう一石を投じられたものに対して、この点はこういう問題があるのじゃないかというような形でもっと正確なものができていけば結構だと思いますので、その点についてできれば世論に訴えられるような説得力のあるような形の何らかの課税の実態、たてまえといいますか法的なたてまえと実態との遊離の部分、これは認めるのは何も恥じゃないと思うのです。むしろそれに対してどういう手段を必要とするかという議論を喚起する上でも私は必要なことだと思いますので、お願いをいたしたいと思います。 それからもう一つ、最近この法改正に絡んで問題になっていることですけれども、こういう形で課税の期間が六年、七年というふうに七年まで延長されるようになりますと、もし課税対象所得が税務調査で明らかになった場合に、納税の義務が出てくるわけですけれども、所得実現と納税時期との間に大きなずれが出てくる。その意味で納税の義務は当然果たさなければならないけれども、納税をすぐにしてくれと言われても、なかなか資金的にといいますかむずかしいという問題があろうかと思うのです。これは所得をすでに費消してしまっているという場合もあるでしょうし、資産という形で固定化してしまっていてなかなかすぐにそれを現金化することができないという場合もあるでしょうし、そういう点についてはこの除斥期間を延長した機会に何かそういう納税困難な人たちに対する救済制度というものを、従来もいろいろあるわけですけれども、さらに拡充をする必要がないのだろうか。そうした手当てができれば、納税者に対する不安を解消する一助にもなろうかと思うわけですけれども、その点についてはいかがでしょう。
○高橋(元)政府委員 国税通則法の四十六条の三項という規定がございまして、法定申告期限から一年を経過した日以後に納付すべき国税が確定した場合には納税者の申請によりまして一年以内、やむを得ない理由があればもう一年納税の猶予ができることになっております。それから、そうやって税額が確定して納税の猶予をした上でさらに、まじめに納付しようとされる納税者が直ちに滞納処分を受けるよりも猶予を受けた方が国税の徴収上有利であるという判定ができますものにつきましては、一般的に一年、やむを得ない場合にはさらに一年換価の猶予というのを認めておる。これは国税徴収法の百五十一条の規定でございます。こういうことによりまして、ただいまお話しのございましたような納税の緩和ということにつきましては、修正申告の日から四年までの期間にわたって分納することが可能になっております。その際には、現在、一四・六%、日歩四銭の半分の日歩二銭、七・三%の延滞税でいいというように延滞税の免除もあるわけでございます。納税緩和制度を積極的に適用するように進めてまいりたいと存じております。
○柿澤委員 その点については、現行の制度を何らかの形でさらに緩和をするというお考えはありますでしょうか。
○高橋(元)政府委員 今後の問題として実情をよく把握して、また必要があれば勉強してまいりたいと存じます。
○柿澤委員 今回の法改正は課税の公平の追求という意味での一歩前進ではあろうと思いますけれども、同時に課税の公平の問題から捕捉率の向上という点では記帳義務の問題があろうかと思うのです。これについてはすでに三十六年ですかの答申にも記帳義務の導入というものが答申されているわけですけれども、その記帳義務の問題については今度の法改正の中には含めておられないわけですね。この趣旨はどういうところにあるのか。しかも五十五年の中期答申では「納税環境の整備の検討」ということで触れられているわけですけれども、その答申と三十六年答申との関係、その辺はいかがなんでしょうか。
○高橋(元)政府委員 三十六年七月のいわゆる第二次答申の中では、法人とそれから一定規模、年所得百万円、前々年の事業所得が百万円と当時言っておりました、そういった一定規模以上の比較的大きな個人に対しまして記帳義務を課する、ただし青色申告者よりも簡易な帳簿等を備えつけてもらう義務を課する、そして、その義務を果たした方につきましては、帳簿書類を調査した後でなければ更正決定をすることができない、こういうようなことをして、しかも記帳義務に罰則の規定を設けないということにしたわけでございますが、そういう答申が出てまいりましたけれども、法制化は実はその後二十年間見送られておるわけでございます。 その理由は、当時の青色申告の普及率が個人で五割、法人で八割にとどまっている状況ですから、そういう制度化をしたといたしましても空文化してしまう、無用なトラブルを招く、こういうことから見送られておりまして、青色申告の育成に努めながら、一般の記帳慣習の成熟を図っていくということが実際的であるという趣旨であったかと存じます。 昨年の十一月の税制調査会の中期答申では、記帳水準の向上ということにつきまして工夫を重ねていくことが必要だという御指摘がございました。それは、いまお答えをしておりました、三十六年の第二次答申に述べられておる記帳義務の問題を含めて、より広い観点からの問題提起であるというふうに私どもは理解しておるわけでございます。 直ちに法的にすべての納税者に記帳を義務づけることが、申告水準なり記帳水準の向上を図るために果たして有効かつ適切かという問題を含めて、非常に検討を要する広範な問題があるということは申すまでもありませんので、申告水準の向上のために何が有効かつ適切か、申告所得税は納税者が御自分のためになさる適正な事業利益の計算というものの上に成り立っておるわけでございますから、そういう自主的な申告を正確にしていただくために何が有効かつ適切であるかということにつきましては、税調の中期答申も踏まえて真剣に検討していきたいと思っております。
○柿澤委員 それから、これからの課税の適正化を図る上で、税務職員といいますか、税務署の執行体制の整備充実というのも大事な課題であろうと思うわけです。 ただ、現在のように、行政改革、定員の拡充が非常にむずかしい、なかなか世論の面からも認められないという状況の中で、この税務執行体制の整備拡充は非常にむずかしい課題になってきていると思うわけです。 その点で、大蔵省内での人員の配置転換による国税部門の充実とか、それから、その他の諸官庁との間の配置転換による税務分野の充実というようなものが考えられないだろうか。たとえば、財務局から国税へ移すとか、食糧事務所から税務署へ移して、果たしてうまく再教育ができるのか、最近、食糧事務所から原子力発電の安全管理に移って余り効果を発揮していないという例もありますので、その点は研修、再訓練、いろいろむずかしい問題があろうと思いますけれども、そういう内部での充実というものは考えられないかどうか、その辺はいかがでしょうか。
○名本説明員 国税の確保、それから課税の公平を期するために、国税の人員の確保ということが大変重要であることは先生御指摘のとおりでございまして、まず省庁間の配置転換につきましては、政府に設けております配置転換連絡会議等を通じまして、大蔵省としても積極的にこれらに対応いたしまして、積極的にこれを受け入れていくという方針で来ておりまして、五十五年度におきましても、申し出のありました職員につきましては全面的にこれを受け入れましたし、五十六年度もそういう方向でやってまいりたい、かように考えております。 大蔵省部内での職員の配置転換の問題、これはなかなかむずかしい問題がございますが、たとえば財務局について申しますと、四十三年以来現在まで、約千四百人を超える人間でございますが、二割を超える定員の削減を行っておるというような状況であります一方、こういう財政事情のもとで財務局の果たしている役割りというものは大変重要であるというふうに考えておりまして、そういう事情もあるんだという点を御理解をちょうだいいたしたい、かように考えておるところでございます。
○柿澤委員 終わります。
○大原(一)委員長代理 渡部一郎君。
○渡部(一)委員 三月二十日の当大蔵委員会の質疑の際、私は、クロヨンまたはトーゴーサンなどと言われているいわゆる不公平税執行の実態調査研究などをお願いいたしましたところ、これについてきわめて前向きな御答弁をいただいたやに記憶しているのであります。 この問題は、国民の間で課税の不公平を論ずる際に、きわめて大きな、関心の高い項目となっているのであり、罰則の強化がうたわれている本委員会の質疑の前提として大事なことではないかと思われるわけであります。 罰則期間を延長するだけではなくて、こうした実態を調査した上で討議にかかるべきが当然であるのに、こうした資料についてはいまだに提示、あるいは実際的に調査研究が行われていることを聞いておらないのであります。したがって、この間は大変前向きな御答弁があったわけでございますが、その後の実態調査、研究はどういう方向で行われているか、どういうふうになさるおつもりか、その辺をまずじっくりとお尋ねしたい。
○川崎政府委員 この前の先生の御質問で、できる範囲で検討をするようにいたしたいと申し上げたわけでございますが、その後検討をいたして、ことしじゅうに何とか答えが出るような調査に取り組みたいと考えておるところでございます。
○渡部(一)委員 それで終わりですか。
○川崎政府委員 把握率がどれほどであるかというむずかしい調査でございますので、この前御答弁申してすぐ答えが出るというわけのものでございませんので、全国の国税局に、こうこういう様式でこういう調査をしろと言う案をつくらなければいかぬわけですが、その素案をいま議論をしておる段階でございまして、恐らく案ができて指令が出るのはいましばらく時間がかかりまして、それに基づいてある種の調査を行って、またその取りまとめに時間がかかりますので、まあ年内にできればというぐらいの感じでおるわけでございます。
○渡部(一)委員 いまの御答弁だと、どちらに主体があるのかがよくわからないのですが、いまあなたは、全国の国税局に命令してどういうふうにやるのかを問い合わせるとおっしゃいましたけれども、問い合わせをする、命令されるのはあなたの方で、全国の国税局から命令を川崎次長はお受けになって何か考えられるのですか。
○川崎政府委員 ちょっと私の発音が不明瞭であったかもしれませんが、国税局に指令をして、こういう調査をしろと言うその原案の議論をいましておる段階でございまして、まだ指令の内容を確定できておらぬということでございます。
○渡部(一)委員 そうすると、あなたはまだ命令していないわけですね、簡単に言うと。それで、命令する前にいろいろと参考意見をいま集めている。あなたのいまの脳みそは、皆さんの意見を問い合わせて、そしてこれから考える、こういう意味ですか。
○川崎政府委員 私の脳髄ということではございませんけれども、この前御答弁申し上げましたように、先生が御指摘をされているような調査はやったことはないが、経営実態調査といった若干類似の調査はいままででも多少経験がございます。したがいまして、その経験をもとにしまして、どの程度御要望に沿う調査をやることができるかという検討をいたしておるわけでございます。
○渡部(一)委員 こういう押し問答というのはくたびれるのでして、要するに、やる気が余りないということを意味しているわけだ、日本語に翻訳すると。それが、国民の間に課税の不公平ということを大声で言えるゆえんがある。私も、こういうことを言われればすぐ宣伝カーを持ってきて国税当局はこういういいかげんなことを言っておる、ことし一年税金を払うのをやめましょうという演説をする口実になるわけだ。というのは、なぜかと言えば、自動車なんかを製造する場合を例にとって言うなら、その自動車が適切にできているかどうかは瞬時にテストしなければならない。そしてそのテストをしている途中でもう直しにかからなければいけない。そういう宿命的なものを背負っているからこそ、それに対抗する方式が編み出されているからこそ自動車産業は日本において特別に優秀な自動車ができているはずです。ゆっくりみんなの現場の意見を聞いて、一年後に直し方をゆっくり検討するなんということをやっておったとしたら日本の自動車はみんなぶっ壊れてしまうだろうと私は思うのです。だから私がこの前も申し上げたのは、抜き取り検査の方式を使えばきょうでも全国の実態はある程度把握することができるではないか、世論調査の方式を使ってもそれは十分可能ではないか、何ポイントか私は申し上げたわけであります。それなのに一年たたなければやり方が決まらないというのはどういうわけなのか。
○川崎政府委員 一年たたなければやり方が決まらないのじゃございませんで、結果が出ないということでございます。やり方は恐らく二、三カ月以内に決まるであろうと考えております。
○渡部(一)委員 二、三カ月たったら決まるでしょうなんという天気予報みたいなことをあなたはどうして言うのですか。あなたが命令する方なんでしょう。あなたがやる気があるのかないのか疑わしいね。二、三カ月たてば命令が出せるでしょう、そして一年たてば答えが出るでしょう、そんなことを言っているならあなたはNHKの天気予報の担当になられたらどうですか。これは本気で仕事をやっているかいささか疑わしいな。もう少し偉い人に聞いてもいいけれども、本気で何月何日までに調査方式については検討いたします、それを御提示いたします、何月何日までに調査報告を提出いたしますというのがあなたのお仕事じゃないですか。それともあなたはだれかがやるのを横で見ているのですか。責任は国税庁長官にあるというのか主税局長にあるというのでわざわざそんな目をしておられるのか、あるいは大臣がみんな悪いんだというのでそういう目をしておられるのか、そこを聞きたいですね。
○川崎政府委員 主管部が直税部でございまして、先生の御質問の趣旨に沿うように直税部が現在鋭意作業をしておるわけでございます。したがいまして、まだ何月何日までにこういう案ができると私が断定的に申し上げることができないのは残念でございますけれども、かなり早い時期に案ができて指令が行われるということは申し上げることができると思います。
○渡部(一)委員 いま川崎次長は主管でない自分が答弁するから答えられないというふうに答えられました。川崎次長は直税部を直轄されておられないように見えます。こんな不見識なことを言うなら直税部から正式な御返事があるまで私は質問を留保して、やめたいと思います。本当に冗談じゃない、質問を停止します。勝手にやってください。
○小幡政府委員 ただいま次長が基本的な考え方を申し上げたわけでございますが、やり方といたしましていろいろなやり方があるわけでございますが、私どもがいまいろいろ部内で検討しておりますのは、ランダムサンプリングの方式によりまして調査対象を選定いたしまして、その選定いたしました調査対象につきまして税務調査によってその申告の内容を把握していくというのがいいのではないかということでございます。 〔大原(一)委員長代理退席一委員長着席〕 先生からも過般御指摘がございましたように、何しろこういう調査はいままで私どもの部内で実施したことがございませんので、どういうことでやるのが一番効率的なやり方であるかということになりますと、これは関係局の専門家の意見も聞いてみなければわからないということで、よりよい内容のものをつくっていくためにはどうしてもある程度の準備をしてかかりませんといい内容のものが、せっかく動員してやっても効果がなくては困る。私どもの方でも、先生十分御案内のとおりに非常に人手も少ない中で、先生の御指摘をいただきましてこういう重要な調査はやっていかなければならないと考えましてこれを実施しようとしておるわけでございます。そういうことになりますと、どういうふうなやり方がいいかということでどうしても少し時間がかかるということでございまして、決してそういうことをおろそかにしているわけではなくて、むしろまじめに真剣に取り組んでおるために多少時間がかかっておるわけでございますが、できるだけ早くそのやり方につきましての案を取りまとめまして各局に指令をし、そして各局で調査をしていただきましてその結果を取りまとめる、こういうふうなことでやりたいという基本的な考え方は持っておるわけでございますが、そんなことで多少時間がかかっているということでございますので御了承いただきたい、かように思う次第であります。
○渡部(一)委員 そうすると川崎さんは、直税部長が答えるべきことをあなたがかわって、簡単に言えば予想屋のごとく答弁したわけだな。あなたは本当に態度が悪過ぎるよ。そんなのは答弁の妨害というべきものだよ。自分が答えられないことは黙っていなさい。直税部長もけしからぬよ。川崎さんがしくじって怒られるのを黙ってじっと見ているというのはどういうわけなんだ。相当の悪じゃないの。自分の所管だったら自分でちゃんと出てきて答弁するのがあたりまえでしょう。ここはそういうやり方なの、国税というのは。けしからぬよ。 直税部長、ちゃんと伺いますが、ランダムサンプリングでやればいいなんということは初めから決まっていることじゃないの。それをいまさら事新しく言うということは何も決まってないということじゃないの。いつまでに方式を決めるのか言いなさいよ。目的も決まらないで人に質問させておいて、あと何もやらないなんというのは何事だ。国民に増税をお願いするからには実調率がどれくらいあるか、クロヨンの実態はどうだとかいうのを調べるのはあたりまえじゃないか。そして課税当局がいま死にもの狂いになって課税している最中じゃないか。増税を恨む声は天下に満ち満ちている。それなのに自分の方はやるべきことをやらないで、そのうち一年たったら何とかなるでしょう。天気予報を聞いているんじゃないよ。何たる不見識だ。私は委員会審議にずっと協力してきましたよ。それは審議を通して明らかじゃないですか、意見が反対あったって。それなのにあなた方はクロヨンの実態も調べないでまた一年たとうというのか。ふざけてはいけないよ。どうされるのか言いなさい。一年後というのは何月何日に報告するのか言いなさい。方式がいつ決まるのか言いなさい。だれに報告すれば決まるのか言いなさい。そんな怠け者があるか。
○小幡政府委員 ただいまの申告水準の調査と内容等でございますけれども、これは広く納税者の中から内容を代表するような者を選んでやらなくてはいかぬということでございますから、先生御指摘のようにランダムサンプリングの調査方式というものでまず対象を選ばなければいけない。それからまた、どういうふうな項目について調査をすればその内容がよくわかるのかということにつきましても、私どもこれは初めてやることでございますので私どもの国税庁の中で議論をするだけでは足りませんので、関係の局のいろいろな実務の専門家の意見も聞いてみなければいけないということでございまして、われわれの中でいろいろ案を練っておるということでございます。そういたしまして、調査をやりますのは税務署の第一線の者が税務調査の過程におきまして納税者の方々に実地調査をし、その中で聞いていくということしかないわけでございます。税務調査といいますのは、一般的なあれで申し上げますと、確定申告が出てまいりました後、その確定申告の内容につきまして机上において出してまいります各種の資料等との突き合わせその他書面審理をいたしまして、それからいろいろ作業を経て調査というものに全面的に入っていくわけでございます。そういうふうに税務署の調査に入っていくような体系になると、そういう内部のいろいろな仕事が済んで税務調査に入っていくというのは五月から六月ごろにかけて税務署の第一線が一斉に税務調査に入っていくわけでございます。したがいまして、そういうふうに税務署の第一線が一斉に入っていくということになりますと、六月になれば全部入っていくわけでございますから、そういうふうな時期までに私どもの方できちっとした処理の方式というものを定めまして税務署の第一線の方に流して、そして六月から本格的に各署で第一線の税務調査が行われるわけでございますから、そういう中におきまして、そういうふうな調査というものも行っていく、そういうことになりますと、それの集計というものは、大体年内までにはそういうものについての集計というものをしていかなければならないだろうというふうな一応の考え方というものは持っているわけでございますが、そういうふうなことにつきまして、これも関係の実務家の方の考え方も聞いてまいらなければならないというふうなことでございます。そういうことで、まだ私どもの中で固まっておるわけではございませんけれどもいろいろ検討しておるわけでございますが、できるだけ早く結論を得て実施をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○渡部(一)委員 答弁はふまじめだな、明らかに。考え方は一応あるが何にも決まってないとは何だ。こんなので答弁になるかね、本当に。
○小幡政府委員 先生の御趣旨を踏まえまして、できるだけ早急に結論を出して調査に入るように努力をしたいというふうに思っております。
○渡部(一)委員 はなはだ恐縮でございますけれども、これは委員会質問になりませんです。私は前回の委員会においてここで御質問をし、クロヨン、トーゴーサンという税制上の不公平を議論したわけであります。抜き取り検査あるいは世論調査方式によるランダムサンプリング方式等を利用して、そういう実例は幾つもあるわけですから早急にと申し上げまして、非常に甘い御答弁をいただいた。しかし、いま伺うところによると、考え方はもうそうなるのは当然だから、その考え方はぼんやり認めているようでありますが、川崎次長はどうなるかわからない、天気予報屋のごとき答弁をする。直税部長は何にも返事しない、自分の考え方はあるが決まっている考え方でないと公然と述べる。これは委員会審議を冒涜するものであります。委員長からもおしかりをいただかなければ、この話は話として次の審議ができる状況ではないと思われます。まことに恐縮ですが御注意いただきたい。
○保岡政府委員 先生が税の公平の確保の見地から捕捉率というものの調査を厳重に正確にきちっとしろという御指摘はごもっとも当然のことでございまして、国税当局もそれを受けて一生懸命やる気でいるということでございます。六月からは実調も始まりますので、それまでには先生御指摘の御意見等も参考にさせていただきながら鋭意検討を始めて、調査に当たる段階までにはしかとした方針を決めたい。実際に調査に入って正確なものを得るという時期までにはそういう方途について明確にさせたい、指示したいと思いますので、それで御了承を願えれば幸いでございます。
○渡部(一)委員 政務次官のせっかくのお言葉でありますが、それでは正確ではございません。ここでやらなければならないことは、このような税の不公平な執行というものに対して国民の怨嗟の声があるのですから、それに対してどういうやり方でやるということが早く明示されなければならない、急いでいるわけであります。その話がいつまでにどういうやり方でやるかが決まったらすぐ報告されなければならない。しかも、当委員会で指摘されたのでありますから、当委員会に対して報告されなければならないのです。そして、いつごろまでにその調査が完了するかは報告されなければなりません。いまの御答弁は基本的方向を明らかにされたものとして感謝しているわけでございますが、具体的な面についてお触れにならないのはお答えにはならないかと存じます。私は、その点具体的に御答弁を求めます。
○綿貫委員長 ただいまの渡部委員の御要望に対して、それはもうちょっと具体的に詰めて、委員長に一遍また報告してください。 渡部さんそういうことで、いずれまた聞いた上でなるべく早く、あなたのいろいろ御要望の点について報告をする義務があるから、させたいと思いますから、ひとつ質問をやってください。
○渡部(一)委員 せっかくの委員長のお話でございますから、委員長にこの件についてのお計らいを御一任いたしまして、ちゃんとやっていただくように要望したいと思います。 私は、大蔵省を非常に尊敬していると同時に、非常に軽べつしている点があります。それは何かというと、非常に優秀な人員を擁し、まじめな意欲で仕事と取り組んでいる点については私は尊敬しております。しかし、当委員会が国権の最高機関で物事を決議したのに対して、ふまじめな対応しかしないというのに対しては私は非常に怒っておるのです。たとえば私は何回も何回も申し上げて、きょうもまた申し上げようと思って準備してまいりましたが、「国税職員の定員増加等、税務執行基盤の整備・拡充に関する件」、今度は決議でいただいてきました。これは国税職員の労働組合から持ってきたものであります。 政府は、変動する納税環境・財政再建の緊急性にかんがみ、複雑、困難で、かつ高度の専門的知識を要する職務に従事している国税職員について、職員の年齢構成の特殊性等従来の経緯及び今後の財源確保の緊急かつ重要性ならびに税務執行面における負担の公平の確保のために、今後ともその処遇の改善・定員の増加等に一層努力すべきである。 右、決議する。というのを持ってまいりました。これはこの間から七回決議されたわけであります。七回決議されたのに、全部ではありませんが、その半数は逆に定員は減少いたしました。行政改革のときだから減らせという議論は別個にしなければならぬ。それはそれだと思います。しかし、当委員会の決議として行われたのは全党一致の決議であります。それに対しては忠実にふやすのが行政官として、立法府を尊敬するならそういうふうにするのが当然だと思います。ところが、逆に減らそうとする。これは国会決議に対する違反であります。これは当委員会を侮辱し、なめたものであります。これについて見識を承りたい。 自分の方は罰則ばかりして国民を締めつけることは考えているけれども、自分のぐあいの悪いことはやらない、自分の好きなことはやる。そんな乱暴な議論が許されてよいかと私は言っているわけです。しかも私は国税職員をちゃんとふやして、穏当、妥当、公平な課税をしろと言っているのは、国税当局の仕事を妨害するために言っているのじゃないのです。何でこうやって公然と六回にわたって国会決議を無視したか、説明していただきたい。
○保岡政府委員 国会の決議が非常に重いものであることは先生御指摘のとおりで、大蔵省も従来からできるだけそれに沿うように努力をしていることは事実だろうと思います。御指摘の国税職員の増員の点、税務行政の充実についての御意見、これは定員のいろいろな決まりが政府もありますし、その範囲内で行政改革等のいろいろな要請の中でできる限りの努力をしてきたことは事実であろうと思いますので、なかなか苦しい手の内でございますけれども、一生懸命努力してきていることはお認めをいただきたいと思います。
○渡部(一)委員 それは残念ながら認めるわけにはまいりません。政治というのは結果論であって原因論ではないからであります。結果がよければよいのであって、結果が実行できなければいけないのです。どろぼうしまいと思ったけれどもどろぼうしたといったら、法律の中ではどろぼうした方が問題になって当人は逮捕されるではありませんか。増員することが命じられ、約束されているのに、増員をしなかったら決議違反であります。どんなにその決議を守ろうと思って努力したかは、決議した当事者の方が情状酌量するというだけの話であります。この問題について政務次官にお答えさせるのはちょっと気の毒なんです。私は、歴代の大蔵委員長がこの問題について猛然と怒って政府と対決しなければならぬ問題だと一つは思います。もう一つは、歴代の大蔵大臣がみずからの権勢によって国会決議をじゅうりんし尽くしたというのは、それこそ悪い慣習をつくられたものだと思います。歴代の総理がこのようなやり方で国会を運営してこられたということは、総理としてはなはだ不見識だったと私は弾劾するものであります。こういう上にあぐらをかいているのだったら、この姿勢を直すという確約が得られない限りは当委員会で何も話が進まないだろうと私は思います。都合のいい法案だけは出てくる。そして守るべきものは何一つ守らない。この程度では法人税の実調率はここのところ下がる一方であります。法人税一つを考えてみましても、五十三年は一〇・四%でありますし、労働組合側の調査によれば、五十九年は七・八、六十四年は六・一、機械的な部分が余りにも機械的でありますから、オフィスオートメーションの知識等を導入しないやり方で考えているのでやむを得ないでありましょうけれども、これでは課税の公平は達成し得ない。単に罰則の期間だけ延長したとしても、実調率はさらに下がるばかりではありませんか。実調率の議論をする、罰則の議論をする前提として私は言っておるのです。幾ら罰則を強化して長い期間調べるといったって、人数が足らなくて、手が足らなくて、しかもここ五年のうちに優秀なる調査官が二万人も退職するということはすでに当委員会でも指摘されているとおりです。職員は二万人も減らす、実調率は下がる、そうしておいて罰則だけ長く延ばす、これはおかしなやり方だと私は思います。だから法案の審議に入る前提が崩れているじゃありませんか。私は聞きたいのです。今後国会の決議は遵守するかどうかの確約を求めたい。大蔵省として、政務次官にもお尋ねしなければならない。事務次官にもお尋ねしなければならない。だけれども、きょうは事務次官はおられないから、次の大蔵省有力者と言われる高橋主税局長にも大蔵省の職員を代表して言ってもらわなければならない。それでも、これほどまでにじゅうりんされたということに対しては反省していただかなければならないと私は思います。いかがでしょうか。
○綿貫委員長 ただいまの渡部さんの御発言は委員会の権威に関する問題でございますし、委員長からも強く申し入れますから、そういうことで御了承願いたいと思います。
○渡部(一)委員 委員長から言っていただいて、私は大変恐縮に存じております。委員長にはぜひ御努力をお願いしたいと思いますし、名委員長の誉れ高くがんばっていただきたいと思います。ただ大蔵省当局は、今後決議のとおりにしますとは一回も言ったことがないのです。議事録をよく見てみましたけれども、一回もない。ただ努力しましたという表現だけはある。 さて大蔵省全体として、今後こういう決議に対してはちゃんと守るかどうかお尋ねします。
○保岡政府委員 国会の決議は非常に重いものであって、あとう限りの努力をする姿勢で対処することは当然でございまして、従来もその姿勢でやってきていると思いますけれども、今後はなお一層努力をしたいと思います。
○渡部(一)委員 保岡さんにこれ以上お答えさせるのは気の毒ですから、あとは大臣にこの問題はお伺いしたいと思います。 それで主税局長に伺いたいと思います。主税局長、ここにおられる国会議員でない大蔵省員を代表されまして、この問題についての御見識を承りたいと思います。
○高橋(元)政府委員 ただいま政務次官からお話しのありましたように、私どもも真剣に今後とも国会の御決議の趣旨に沿って努力を続けてまいりたいと存じます。 問題は実調率をいかにして高めて所得の把握を正確ならしめるか、そのために努力すべきだという渡部委員の御指摘であります。私どももそのとおりと痛いほど思って日夜努力しているわけでございます。定員の中で内部事務から現場のフィールドの方にできるだけ人を移していく、こういう努力も重ねてまいったわけでございますが、納税人員がふえてまいる、取引が非常に複雑化していくということに対応し切れなくなってきていることも私ども率直に認めなければならぬと思います。 四十九年、一番底になりました実調率、接触率というものも、いろいろな努力の積み重ねによりまして、先ほど渡部委員からお話のございましたように、五十三年に一〇%を超えるところまで戻ってまいりましたが、さらに高めてまいらなければならぬ。御指摘のとおりに心得ておりますから、国会の御決議、御意思を尊重して今後とも十二分に努力したいということを申し上げたいと思います。
○渡部(一)委員 今後当委員会の決議が守られない場合はどういう方がどういうふうに責任をとられるのか。しつこいようですがお尋ねいたします。
○綿貫委員長 後から大蔵大臣にひとつお尋ね願いたいと思います。
○渡部(一)委員 それでは青色申告の問題について少々お尋ねしたいと思います。 現在青色申告の普及状態はどの程度になっておるかということからお尋ねしたいと思うのですが、最近個人の青色普及の割合は向上していないように見ているわけであります。記帳が大変めんどうで、実際的に言えば記帳自体が庶民の大きな負担になっておる。しかも帳簿を保存している青色申告者のみが脱税を発見されるということがこの罰則においても強く強く憂慮されるところであり、逆に白色申告者と申しますか、帳簿を保存していない方にとりましてはこのような脱税というものが追及されない状況を迎えている、こういう事態について課税当局はどうお考えであるか伺いたいと思います。 〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕
○小幡政府委員 最初に青色の普及割合のお尋ねでございます。先生御指摘のように、個人の青色申告の普及割合というのを見ますと、ここ数年五三%ということで横ばいの状況になっておるということでございます。青色申告の普及は非常に大事なことでございますので、今後ともこの問題につきましては私どもさらに努力を重ねてまいりたいと思います。 第二に先生に御指摘いただきましたのは、今後の除斥期間の延長によって、青色申告者の方が帳簿を持っているだけに追及されて不利になるのではないか、こういう御指摘でございます。この点でございますが、今回の除斥期間の延長というのは、偽り、不正の行為をもちまして税の逋脱を図るという人に対しまして、従来除斥期間が五年でありましたものを七年にする、こういうことでございますから、一般的な過少申告をされた方を対象にいたしておるものではございません。そういたしますと、現在偽り、不正ということで追及をされます除斥期間が五年ということでございますから、現実には一般の過少申告の方は三年まででございますけれども、そういう偽り、不正のものについては四年目、五年目についての課税が行われている。その割合がそれではどうかということを申し上げてみますと、個人の場合についておおむね一%、法人の場合についておおむね二%程度でございます。したがいまして、今後その除斥期間が偽り、不正について六年、七年ということになるわけでございますが、現在のそういう偽り、不正に対します課税の状況等から考えまして、一般の零細な中小企業の方々に対して、青色申告をしておるからといってそういう追及がされるというふうなものではないということでございます。今後の運用につきまして、私どもも先生の御指摘の意を十分体しまして運用をしてまいりたい、大口、悪質というものを重点にした運用を引き続きやってまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○渡部(一)委員 青色申告者にとって問題なのは、青色申告の取り消しということ、当初から振り回されて、実際的な調査あるいは調査以前の税務署員の接触の点においてすら非常におどかされ、脅威を受けて税務署員を迎えなければならないという人が多くあるように聞いております。この青色申告の取り消しの原則というものはどのようになっておるのか、現実にどの程度取り消されておるのか、また調査にかかったかかからないかの段階で青色を取り消すぞなんということは妥当なのかどうか、そういうところも含めて、青色取り消しのやり方、現状、方策、指導のやり方等を含めてお答えいただきたいと存じます。 〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○小幡政府委員 青色申告が取り消される場合というところから申し上げさせていただきますが、法律の定めがあるわけでございまして、所得税法におきましては帳簿書類の備えつけ、記録、保存、それがない場合というのが第一番目でございます。第二番目が、帳簿書類につきまして税務署長の指示に従わなかった場合でございます。それから第三番目に、取引を仮装、隠蔽して帳簿書類に記載しておったというふうな場合でございます。法人税の場合には、このほかに第四番目のカテゴリーとして、申告書を提出期限までに提出しなかった場合というのがございます。 こういう法の規定を受けまして、それでは現実に青色申告の取り消しがどのくらいあるかということでございますが、個人の申告所得税について見ますと年間百件程度でございます。法人税につきましては年間千件程度でございます。その取り消しの理由もほとんどが、先ほどの取り消し事由の第一番目にございました備えつけ、記録、保存がない、こういうケースでございます。 それから、その次に先生に御指摘いただきました点は青色申告の取り消しについての税務署側の態度に関する点でございますが、私どもといたしましては、青色申告者の帳簿書類の一部に不備があるというふうな場合に直ちにこれを取り消すという運用は行っておりません。それはただいまの数字が示しますように、個人でいきますと三百万の青色申告者がおるわけでございますが、それの年間百件ということでございますから三万分の一くらいでございましょうか、非常に微々たる件数でございます。そういうことで、私どもも青色申告者につきましては指導ということを重点にいたしまして、記帳の一部に不備があるというものにつきましてはこれを指導し、今後是正してもらうということで、取り消しは行っておらないということでございまして、今後ともそういうふうな見方をもって青色申告に対して対処をしてまいりたい、かように考えております。
○渡部(一)委員 最近、実調率が非常に低下してきている。この低下した理由はどこにあったのか、またこれに対して制度上、執行上どういう対策をとっておられるのか、今後の見通しはどうなのか。大臣がおいでになる前の質問に戻りますけれども、職員がここのところでまた大幅に減ろうとしている、ここ数年以内に二万名近い方々がやめようとされておる。実調率はだんだん下がる。だからパチンコの玉が当たるみたいなもので、調べられたら最後だ、運が悪いのだ、当たらないところは二十年も調査がない、当たり続けるところは毎年来る、どうしてこんな不公平なんだ、怨嗟の声が満ち満ちているわけでございます。この実調率の問題について当局はどういうふうに考え、措置されておられるか、今後どういうふうに対策を立てていかれるか、お伺いをいたします。
○小幡政府委員 先生が御指摘いただきましたように、実調率はいま非常に低い水準にあるわけでございまして、個人の所得税で見ますと最近のところでは四・五%、法人税につきましては一〇・四%というふうな状態でございます。 これはどうしてそういうふうに低くなったかということでございますが、税務署で対象といたしております納税者数というものが非常に増加をしてきておる、また、一つ一つの内容が非常に複雑、困難化しておるというふうな事情、それの反面、税務署の職員がふえないというふうなことの重なり合いによりまして実調率が低い水準にあるということであろうかと思います。 今後の対策ということでございますが、私どもといたしましてはきめ細かに資料、青報の収集を図る、あるいはまた職員の研修を図っていく、あるいはまた広く世の中の申告水準向上のための国民の意識の高揚をお願いしたいというふうなこと、それからまた、先生が重ねて御指摘いただきましたような定員の増ということについても格段の御配意をいただければありがたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○渡部(一)委員 大臣も長く税理士をおやりになっておったと承るわけですが、国民の税理士に対する態度というのは、私は最近見ていまして、弁護士と錯覚しているところがあると思います。弁護士だったら悪いことを全部のみ込んで、かばって弁解してくれると思っておる。税理士の中にもそう思っておる人があって、しょっちゅう脱税の方法を一生懸命教えるのがはやる税理士になる。逆に今度は、税理士の中には、納税者に対して、おれは税務当局とは長いつながりがあってあの税務署長とは懇意であるから全部うまくやってやる、したがって税金は君のは何十万円安くしてやるとあらかじめ言っておいて引き受けて、そして徹底的にごまかしにかかってくる、そしてかえって納税者の悪い実績を向こうに伝えることによって税務署の信用を得る。あるときは逆に、それによってある部分はひどいごまかしをする。この税理士の関与の形態というものは、弁護士と違うという意味で、はなはだ問題があろうと私は思っておるわけであります。要するに、税理士はどっち側の立場に立っているかということが不明瞭なために問題が起こる。アメリカの場合では、税務顧問弁護士とか経理顧問弁護士とかいう弁護制度があり、税理士の内容が二つに分かれていて、税務署側につくものと納税者側につくものとが分解される方向にいくように最近なりつつある。そういうのを見ておると、税理士の関与の形態についてこの際御検討いただいた方がいいのではないかと私は思っておるわけです。 特に、この法案に関連いたしまして、税務代理をしておる税理士が脱税した場合の処罰、課税の除斥期間等について、また税務相談を受けた税理士が脱税方法を教えて納税者と一緒になって脱税した場合の処罰について、こうした点十分御配慮もあってなさったことだろうと思いますけれども、こうした税理士と納税者の関係から始まって、こうした問題について御見解を承りたいと思います。
○渡辺国務大臣 税理士も何万人といますから、弁護士にも警察官にも裁判官にもときどき変なのがいるように、数のうちですからそれは変なのがいないということは私は申し上げません。しかしながら、そういうように税金を安くしてやるよというようなことで引き受ける人は結局、長い目で見ると余り繁盛しないのですよ。そういうのは信用がなくなるし、それから、最近おかしなことばかりやっているというのは、税務署が見ましてそういう税理士はやはりマークしますから、そういう人は実調率が高くなるのです。したがって、しょっちゅうぼろがどんどん出てくる、かえって余分な加算税、重加算税を取られたり何かするということで、これは口コミですぐに広がります。ですから、そういう点の一つ社会罰があることと、やはり脱税に関与したということになれば、当然これは罰則適用になって登録の停止とか、そういうようなことにもつながります。今回の税理士法の改正で、特にそういうような脱税がある場合には、それはいけませんよと言って助言をしろということに、助言義務といいますか、そういうことが入ったわけですよ。だから、いままでだったら知らぬぷりというのだが、それはいけない、知った以上は助言をするということになっておりますし、ですから全体的に見るとごく少数の部分では御指摘のような点も、私はないとは言いません。あるかもしれません。しかし、全体的に見れば、税理士のそういうような納税意識、納税の正義を実現させるというような気分は非常に強くなってきているんじゃないか、そう思っております。したがって、税務署の優秀な人は税理士にどんどんと係長クラスが転向したという時代があるのです。どんどんやめちゃって、調査官、統括官クラスの人、そういう人が逆手に回ったら困りますから、協力的な立場に来ておるという現状では、やはり税務署の方はえらく助かっているのではないか、むしろ私はそう思っております。今後とも、納税者の納税意識の高揚とともに、税理士の要するに業界内部の道義の高揚というか、税理士法の使命感に基づいた税理士の職務執行というものを厳正にやってもらうように一段と指導してまいりたいと考えております。 〔委員長退席、山崎(武)委員長代理着席〕
○渡部(一)委員 ここのところで大臣、話をもとに戻します。おいでになる前に、私はちょっと小言を申し上げておりまして、それは当委員会で、クロヨン、トーゴーサンについて調査をしていただくように、私は今年の三月二十日の委員会で申し上げ、有力な御答弁をいただき喜んでおったわけでございますが、その後の不公平税制についての実態調査、研究をお願いいたしましたところ、まだ方針が確として決まっていないということでございまして、その意思は十分におありだし、今年いっぱいには何とかという意向もやわらかくは表明されましたけれども、こういたしますという確たる御答弁ではありませんでした。私は、当委員会の質疑中約束されたことについては、もう少し正確に実行していただくようお願いいたしましたところであります。 〔山崎(武)委員長代理退席、委員長着席〕 私は、それは大体決着がついておるわけでありますが、当大蔵委員会で、国税庁の職員につき増員するよう、私何回も申し上げました。これについていままでに七回決議されております。七回決議されたのに逆に人数は減り、そして途中でふえたこともちょっとありますけれども、また減り、ことしはプラス・マイナス・ゼロ、実質的にはマイナスと同様のものでございますが、こうしたことになるというのは当委員会の審議に対して軽視するものであってよろしくない。今後は委員会決議をいただいたら、それを実行するのが行政府の役で、議論するのは立法府の役であって違うではないかと私申し上げたわけであります。それで、政務次官初め局長からは、これに対して実行いたしますという御答弁をいただき、今後の実行は大蔵委員長から見守る旨、御発言があり、さきの問題につきましては、不公平税執行の問題については、委員長から当委員会に報告せよというお話もございましたので、大体片はついておるわけでございますが、現在のこうした税制問題についての最高責任者は大臣でございますから、大臣から重ねてこの問題についてお伺いしたいと思います。というのは、行政改革の上から人数を減らさなければならぬ。それはそれでひとつ議論があることはわかっております。私の言うのは、ここのところで決議されたことを守るかどうかの問題について、これは厳粛な態度が必要である、こう申し上げているわけでございまして、大臣の御見解を承りたいと思います。
○渡辺国務大臣 大蔵大臣は一方で要求者であって、一方で査定者であるという立場にあるわけです。だから人数をふやしたいということはやまやまなんです。それで横並びの問題もございます。行管との関係もあります。努力はいたしておりますが、今回プラス・マイナス・ゼロという結果になったことも事実でございます。 私がやはり一番心配するのは、いま渡部委員が御指摘のように、あと数年たてばベテランのところが、いまのままではぞろぞろっとやめることになる。そのあとの補充といっても、にわかに採用しても、そんな急にベテラン調査官になれるわけじゃないわけですから、そこのところは私も非常に心配をしておりまして、どういうふうにしてそういう事態に備えていくかということについては、今後よく内部で相談をして、その国会の決議をまつまでもなく、われわれもそれに対処していくことを真剣に考えなければならぬ、こう思っております。ところが、御承知のとおり、国会中ですと全然そんな暇はないわけよ。朝から晩まで衆議院か参議院かどっかにみんな張りついておるわけですから、大臣と局長が二十分会うのは一日の間でも非常にむずかしい。これも現実の話。ですから一刻も早く国会を終わらしてもらって、内部でもよく相談をしてその趣旨に沿って努力をしてまいりたいと考えます。
○渡部(一)委員 いまのは、私は名前が同じだから甘いわけではないけれども、大臣にがんばっていただいて、二十分しか局長と話す暇がないなどというお話を聞かされると、あとは言いようがないけれども、それは詳しい打ち合わせが必要なのではなくて、指示が必要なんですから、これは一分間で済む問題だと私は思います。ですから、今後もかっきりやっていただきたい。そうでないと、もう税務執行に関する不公平感というものは国民の中に怨嗟の声になって起こっておる。特に今回の増税というものによって国民の中の恨みというのは噴き上げておるということを十分御認識いただいて、公平にしていただかなければならないと思うのです。一方では二十年に一回しか来ない。こっちは毎年毎年調査に来る。そして特にお得意さんのように査察官が毎回やってくる。そしていじめる。どうしておれのところだけ、憎まれているなと一方で言う。またある特定団体に入っているグループに対しては全然調査がない、こっちの方ばかり調査に来る、こっちは甘い顔しているから調査に来るんだろう、こういう声がもう巻き上がっておる。だから調査するのに十年に一回ならみんな十年に一回にしてくれ、そして三年に一回ならみんな三年に一回にしてくれ、一方は行かなくて一方だけ来るのは何だ、こうした声がもうどうしようもないほどの不公平感というものを持って巻き上がっておるわけであります。したがって、これに対して答えなければならない。クロヨン、トーゴーサンの話だって、私が調査しろとがんがん言いますのは、クロヨン、トーゴーサンの問題について調査もしておりません、実態もわかりませんで、うわさだけが広がっていく。実態がどうなっているかもわからない。一方では調査官はやたらと人数が足りないという、こうした不公平感というものに対して、適切な御指導、御指摘をいただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 それは現在の体制でもできないことはないんで、特定な政治の団体をつくっておくということは、絶対これはいけない。これについては私の方からも厳重に言って、それはそういう声が起きないようにやらせます。
○渡部(一)委員 あと、この法案に戻りますが、除斥期間の延長によりまして調査方針には変更が生じるのかどうか。課税の不公平がなくなるのかどうか。また零細業者の六、七年前の調査なんというと、零細業者に対する打撃ばかりひどくて、実際的な調査効果、課税効果というのは上がらないのではないかとも思われますが、一体どの辺にねらいを持っておられるのか。除斥期間の延長の問題について、具体論で承りたいと思います。
○小幡政府委員 最初に、調査方針に変更があるかということでございますけれども、私どもは従来から、高額、悪質重点という基本的なスタンスで調査に臨んでおるわけでございまして、今回の除斥期間の延長ということによって調査方針の変更ということは考えておりません。 それから除斥期間の延長によりまして課税の不公平はなくなると考えるかということでございますが、ただいま申し上げましたように、今回の偽り、不正による行為、それによる逋脱についての除斥期間の延長、この問題は先ほども申し上げましたような非常に例外的なケースでございます。しかしながら、大口、悪質なものについては七年間遡及して課税されるという、このことは誠実な一般の納税者の信頼を培うというような意味で大きなプラスがあるというふうに考えておる次第でございます。 それから第三点の零細な業者についてどうかということでございますが、先ほどもお答え申し上げましたように高額、悪質なものを重点とした調査ということでやってまいりたいというふうに考えておりますので、一般の零細な業者の方々に対して御迷惑のかからないような運営ということを十分配慮してまいりたいというふうに思っております。
○渡部(一)委員 最後に申し上げるのですが、要するにこの罰則を強化するという執行のやり方というものは、政治のやり方としては、ある意味で大事ですけれども、これが万能ではない、つくづくその辺は御理解をいただきたいと私は思うのです。私がさっきから公平とがんがん言っておりますのは、悪いのは罰するといっても全脱税者を処罰することは現在の行政能力では不可能だと私は思うのです。そうすると、悪いのを全部罰することが不可能なら均等に罰するのが公平なやり方であって、そのための配慮は、大臣さっきいまでもかなりできるとおっしゃいましたが、そのための手続を強化していただかないと、これは例を見ない悪法になる可能性がある。つまり摘発された者には極端な処罰がいく、それで処罰されなかった、運のいいというか運が悪いというか、そういう者には極端に罰則は軽い、こういう宝くじ的な行政執行というものは私はまずかろうと思う。したがってこの法案の審議に当たって最も考えなければならないのは、税執行の公平感の醸成のために何をするかということを課税当局はよほどに御苦労していただかなければならないだろうし、それはもはや課税当局が単独の、個人的な努力の限界を超えて大臣が指導され、そしてそういう方向で財政当局が取り組むしかないだろうと私は思うわけであります。したがって、この法案について一番大事なのは今後におけるそういう指示だろうと思いまして、大臣の御決意を承りたい。
○渡辺国務大臣 全く私も同様な考え方でございまして、やり方についてはただいま直税部長が答弁したとおりでございます。
○綿貫委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三分休憩 ――――◇――――― 午後三時五十分開議
○綿貫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律案について議事を進めます。 この際、本案に対し正森成二君外一名より修正案が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。正森成二君。 ――――――――――――― 脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○正森委員 私は、日本共産党を代表いたしまして、政府提出の脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律改正案に対する修正案につき、提案理由並びにその概要を御説明いたします。 大企業による悪質で大がかりな脱税を根絶することは、国民本位の財政再建を進める上でも重要な意義を持っています。最近一年間に国税庁が摘発したものだけでも大洋漁業の十八億円を筆頭に、日魯漁業、三越、平和相互銀行、フジタ工業などの大企業が悪質な脱税を行っており、法人税白書によれば国税当局が調査した法人の七八%、十四万社に総額八千五百億円の申告漏れ、うち三万八千社に二千億円もの意図的な経理操作による所得隠しが発覚しております。 また、大企業の脱税は、続発する汚職、腐敗事件と分かちがたく結びついています。ロッキード事件での全日空、ダグラス、グラマン事件での日商岩井など政界工作用の裏金づくりは同時に悪質な脱税事件でもありました。公共事業発注をめぐる建設大企業の大規模な裏金づくりについて言えば、昨年六月に摘発されたフジタ工業の申告漏れ十六億円、うち使途不明金二億円、竹中工務店の申告漏れ一億八千万円、うち使途不明金一億円という巨額に達しており、フジタ工業事件に対する東京地裁判決でも、裏金は受注競争に勝ち抜くため政財界などへの工作資金に使われたと認定されています。裏金づくりを中心とした大企業の悪質な脱税を防止することは、大規模な不正、腐敗事件の再発を防ぐとともに、公共事業の発注を明朗化するなど、民主的な行政改革を進める上でもきわめて重要な課題であります。 政府提出の改正案は、偽りその他不正による脱税の更正、決定等の除斥期間を現行の五年から七年に延長するものであり、悪質脱税摘発の制度的保障を前進させるものであります。しかしながら、政府提出の改正案には以下のようなさらに改善すべき点が含まれています。 それは、第一に、不正、腐敗の重要な根源である使途不明金による裏金づくりについては何ら触れていないことであります。 第二に、悪質脱税の除斥期間延長を二年にとどめたことであり、これでは昭和四十二年から四十六年にかけて五億円を受領し、それが五十四年に発覚した松野頼三元防衛庁長官のようなケースは結局摘発できず、もらい得ということになってしまいます。 政府改正案をさらに改善し、勤労市民や一般中小業者への徴税強化に悪用されることを防止しつつ、大企業等の大口悪質脱税の取り締まりを徹底させることは緊急の課題であります。これが本修正案を提案する理由であります。 次に、修正案の概要について御説明申し上げます。 まず、偽りまたは不正による脱税で、その税額が一年につき二千万円を超えるものについては、更正、決定の除斥期間及び国の徴収権の消滅時効期間を十年に延長し、二千万円以下のものについては現行の五年のままとすることにいたしております。 次に、使途不明金に対する課税の強化であります。法人の各事業年度の支出金のうち、寄付金、手数料、仲介料、交際費等を一千万円を超えて支出した場合には、法定納期限までに、その金額、相手方の氏名または名称及び住所その他の事項を届け出なければならないこととし、その届け出のない一千万円を超える仲介料等は使途秘匿金として、四二%の法人税のほか一千万円を超える部分の金額の七五%相当額を加算することといたしております。これは、使途不明金の受領者が結局不当に課税を免れていることを考慮したものであります。 以上が、脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律案に対する修正案の主な内容であります。 何とぞ御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○綿貫委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○綿貫委員長 これより原案及び修正案について討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。竹本孫一君。
○竹本委員 私は民社党・国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております法案に対し、またその修正案に対し、反対の討論をいたします。そもそも今回の脱税罰則の強化に関しまして具体的な契機というのは、言うまでもなくロッキード事件であります。したがいまして、ロッキード事件に対してだれよりも怒りを感じておる私どもとしましては、このロッキード事件を契機とする賄賂罪の罰則の強化あるいはそれに関連する一連の法的な体制を整えるということはもちろん賛成であります。総理大臣の諮問機関が答申をいたしましたものを読んでみましても、最後の第四に賄賂罪の罰則の強化その他をうたっております。脱税に関する罰則の強化というのがその第四の第二項にあるわけでございます。総理大臣の諮問機関が考えたのは、あくまでもロッキード事件に始まってロッキード事件に終わっておると思います。 ところが、今回出された法案というのは、税法独自のいろいろの法則もありまして、ロッキード事件の裏側の賄賂だけを厳罰でいくということは法的に技術的に困難である、そういうことも含めまして、あるいは大蔵省当局としてはロッキード事件に便乗して一般の罰則を強化するという御意思であったかどうか私にはよくわかりませんけれども、本来事の起こりは、ロッキード事件に対する賄賂罪の罰則の強化、あわせて脱税に対する罰則を強化するということであったと思うのであります。それがやむを得ず法の必然性から中小企業を巻き添えにするということで、わが党におきましては特に中小企業に対する関心の強い分野が多いものですから、これは中小企業にとっては大変であるということから――現実に申しますと、この法案に賛成しようかという最後の段階になりまして、これをやられたら中小企業が大変だということで、党内に非常に反対が巻き起こったわけであります。ここにもいろいろ皆さんからもうたわれておりますけれども、悪質な脱税者に重点を置いてこれから大いに処罰を厳重にする、もちろん賛成であります。また、ロッキード事件その他のわが国の汚職事件、スキャンダル的なものに対して厳罰で臨むこと、もちろん賛成であります。 しかしながら、法の不備あるいは法のむずかしさから、本来汚職に無関係な中小企業を巻き込んでいくということは納得できないというのが私ども民社党の考え方であります。特に中小企業のためを考えた場合に納得ができないということの理由は、皆さんも一部指摘されておりますように、五年が七年ということでございまして、保存期間が長くなるということが中小企業にとっては大変むずかしいことである。あるいは挙証責任というものは税務署が持っておるのだから中小企業が特にいじめられるわけではないというような御説明も承りましたけれども、税務署がそういう挙証責任を完遂される過程においてはどうしても五年前、七年前の具体的事実について中小企業から事情聴取をせざるを得ないと思うのです。その場合に、中小企業は五年前あるいは七年前のことを思い起こせとか、あるいはそのときの書類を持ってこいとか言われても、現実の中小企業の苦しい立場等を考えますとそのことは大変むずかしい問題である、したがって、汚職事件の追及は結構でございますけれども、その巻き添えといった形において中小企業は特に大変な負担をさせられるということは納得できない、こういう意味において本案についても反対ということでございます。 共産党の修正案につきましては十分検討する時間も持ちませんので、遺憾ながら反対をさせていただきます。 以上で討論を終わります。
○綿貫委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○綿貫委員長 これより採決に入ります。 まず、本案に対する修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○綿貫委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。 次に、本案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○綿貫委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 ―――――――――――――
○綿貫委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、小泉純一郎君外五名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党、新自由クラブ、六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。沢田広君。
○沢田委員 脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表して、簡単にその趣旨を御説明申し上げます。 本附帯決議案は、この法律案が航空機汚職事件に端を発し、国民の多くの批判を受けたことを契機とする脱税に対する経緯にかんがみ、高額かつ悪質な脱税に対し厳しくしたことは一歩前進とみなすことができます。 ただ、このことにより営々として働く中小企業者をも含めて厳しくすることを求めたものでなく、特に政府の特段の配慮を要請するとともに賦課、徴収、帳簿の保存期間の延長等についてもきめの細かい配慮を要請するものであります。 個々の事項の趣旨につきましては、以上の趣旨のほか案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。 脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、左記の事項について留意すべきである。 一 今回の改正により延長された更正、決定等の制限期間における調査に当たっては、高額、かつ、悪質な脱税者に重点をおき、中小企業者を苦しめることのないよう特段の配慮をすること。 一 脱税の調査に当たっては、理解の差、過誤、故意、悪質脱税などの相違による性格の相違を配慮し対処すること。 一 所得実現の時期から相当期間遅延して納付すべきこととなった場合に、納付困難となる納税者を救済するため、納税緩和制度を積極的に適用するよう努めること。 一 今回の改正に伴い保存期間が延長される青色申告者の帳簿書類の範囲については、少なくとも中小企業者に過重な負担とならないよう、特段の配慮をすること。 一 税務調査に当たって、使途不明金の性格については社会情勢、社会道義、社会常識、社会的責任を十分に参酌して適正な課税を行うこと。 以上であります。 何とぞ御賛成くださいますようお願いを申し上げます。
○綿貫委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく本案に対し附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。渡辺大蔵大臣。
○渡辺国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って、誠意を持って対処いたしたいと存じます。 ―――――――――――――
○綿貫委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○綿貫委員長 次に、本日付託になりました銀行法案、中小企業金融制度等の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案及び証券取引法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 これより、各案について順次政府より提案理由の説明を求めます。渡辺大蔵大臣。
○渡辺国務大臣 ただいま議題となりました銀行法案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 わが国経済の安定成長への移行に伴う金融構造の変化等、銀行をめぐる経済社会情勢の変化は、著しいものがあります。このような変化に対応して銀行の健全経営の一層の確保を図るとともに、国民経済的、社会的に要請される銀行の機能の適切な発揮に資するよう銀行制度の整備改善を図ることが必要となっております。 このような状況を踏まえ、金融制度調査会は、昭和五十年以降四年間にわたる審議を行い、昭和五十四年六月に「普通銀行のあり方と銀行制度の改正について」の答申を行い、銀行法を全面的に改正するよう提言されました。この答申を受け、その後、政府部内において検討を進めてまいりました結果、今般、昭和二年に制定された現行銀行法の全部を改正することとし、ここに、この法律案を提出することとした次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 まず、第一に、目的規定を設けることとしております。 すなわち、この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、その健全かつ適切な運営を期し、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とすることとしております。また、この法律の運用に当たりましては、銀行の業務の運営についての自主的な努力を尊重するよう配慮しなければならないことを明らかにしております。 第二に、銀行が営むことができる証券業務につきまして、所要の規定を設けることとしております。 銀行が営む証券業務につきましては、現行銀行法に明文の規定がないこともあって従来種々の議論があったところでありますが、金融制度、公社債市場、国債管理政策等の種々の面からの総合的な検討を踏まえ、銀行が、国債、地方債及び政府保証債、すなわちいわゆる公共債につきまして各種の証券業務を営むことができる旨を規定することといたしました。 第三に、大口信用供与規制に関する規定を設けることとしております。 銀行に対する大口信用供与規制は、昭和四十九年以降行われてきたところでありますが、この規制が銀行の資産運用の安全性の確保と銀行信用の広く適正な配分のために重要な役割を果たしていることにかんがみ、今回この規制に関し、所要の規定を設けることとするものであります。 第四に、銀行の休日に関する規定を弾力化することとしております。 これは、今後の経済社会情勢の推移に弾力的に対応できるよう、銀行の休日を、日曜日その他政令で定める日とするものであります。 第五に、銀行の営業年度につきまして、一年決算制を採用することとしております。 これは、昭和四十九年の商法改正以後、一般企業では、一年決算制を採用するものが大勢を占めるようになっておりますので、銀行につきましても、現行の半年決算制を一年決算制に改めることとするものであります。 第六に、業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧に関する規定を設けることとしております。 すなわち、銀行が業務及び財産に関する説明書類を主要な営業所に備え置き公衆の縦覧に供するものとすることにより、自主的かつ創造的な努力を通じ、銀行が社会的要請に適切に対応するよう促すものであります。 第七に、外国銀行に関する規定を整備することとしております。 近年、金融面におきまして急速に国際交流が進み、これを背景に外国銀行のわが国への進出が増加している状況にかんがみ、外国銀行支店等に対する銀行法の適用の仕組みを明らかにし、もって関係者の理解に便ならしめるとともに、外国銀行について適正な規制を行おうとするものであります。 このほか、本法案におきましては、監督、合併または営業の譲渡、廃業及び解散等につきましても、それぞれ規定の整備を図ることとするとともに、この全部改正の機会に、現行のかたかな書きの法文をひらがな書きに改めることとしております。 次に、中小企業金融制度等の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 中小企業金融の専門機関であります相互銀行、信用金庫及び信用協同組合の諸制度につきましては、昭和四十三年及び四十八年にその見直しが行われたところでありますが、その後における経済社会情勢の推移を考慮し、金融制度調査会は、昨年十一月に「中小企業金融専門機関等のあり方と制度の改正について」の答申を行ったところであります。 この答申では、中小企業金融専門機関につきまして、適時適切に業務機能に関する制度の見直しを行うことが必要であるとするとともに、労働金庫制度につきましても、信用協同組合等との権衡に留意しつつ、制度の見直しを行うことが適当であるとして、具体的な見直し事項を提言しております。 政府は、この答申に基づき、中小企業金融制度等の整備改善を図るため、相互銀行、信用金庫、信用協同組合及び労働金庫に関するそれぞれの法律の一部を改正することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして、その大要を御説明申し上げます。 まず第一に、相互銀行法につきましては、相互銀行が担保付社債に関する信託業を行うことができることとしております。 第二に、信用金庫法につきましては、信用金庫の会員資格のうち、現在法律で定められております法人の資本または出資の額の限度を、諸情勢の推移に弾力的に対応することができるよう、政令で定めることとしております。また、信用金庫及び同連合会が外国為替取引を行うことができることとするとともに、業務の代理を行っている公庫、公団等の資金の取り扱いを行うことができることとしております。 第三に、中小企業等協同組合法につきましては、信用協同組合が内国為替取引及び有価証券の払込金の受け入れ等の事業を、組合員以外の者のためにも行うことができることとするとともに、政令で定めるところにより、組合員以外の者に対しても融資を行うことができることとしております。 また、信用協同組合連合会が内国為替取引を会員以外の者のためにも行うことができることとするとともに、会員以外の者からの預金等の受け入れを行うことができることとする等の改正を行うこととしております。 なお、協同組合による金融事業に関する法律につきましても、中小企業等協同組合法の改正に伴う所要の規定の整備のほか、信用協同組合等の行う余裕金の運用方法に関する改正を行うこととしております。 第四に、労働金庫法につきましては、労働金庫の会員たる資格を有するものとして、地方公務員共済組合等を明記するほか、労働金庫が内国為替取引を行うことができることとするとともに、政令で定めるところにより会員以外の者に対しても融資を行うことができることとする等の改正を行うこととしております。 また、労働金庫連合会が内国為替取引を行うことができることとするとともに、会員以外のものに対しても融資を行うことができることとする等の改正を行うこととしております。 次に、証券取引法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 最近の証券市場をめぐる環境は、公社債市場の急速な拡大、内外資本交流の活発化等に見られますように大きく変化してきております。このような状況を踏まえまして、証券市場の健全な発展を図り、あわせて投資者保護に資するため、証券取引法において、銀行等の公共債に関する証券業務についての規定の整備等を図ることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 まず第一に、今回提出されました銀行法案において、従来種々議論がありました銀行の公共債に関する証券業務について明文の規定が設けられることにかんがみ、銀行等が、公共債に関する証券業務を営もうとするときは、投資者保護の観点から、一定の場合を除き、大蔵大臣の認可を要することとしております。 第二に、銀行等の公共債に関する証券業務の認可につきまして、証券会社に関する免許の種類の規定等所要の規定を準用することとしております。また、当該認可を受けた銀行等につきまして、投資者保護のための不公正取引の禁止の規定等所要の規定を準用することとするほか、報告、検査等につき証券会社と同様の規定を置くこととしております。なお、準用規定の範囲につきましては、銀行等が銀行法等による一般的な規制を受けていること、銀行等の証券業務の対象が公共債に限られていること等を考慮して定めております。 第三に、外国の譲渡性預金証書及びコマーシャルペーパーの国内における円滑な流通を確保するため、これらの取り扱いを証券会社も行うことができるようにする必要があることにかんがみ、証券会社の兼業制限に関する規定を改正することとしております。 このほか、本法案におきましては、経済社会情勢の変化に対応して罰金の額の適正化を図る等の改正を行うこととしております。 以上、銀行法案、中小企業金融制度等の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案及び証券取引法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 以上であります。
○綿貫委員長 これにて各案の提案理由の説明は終わりました。 三案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ―――――――――――――
○綿貫委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、ただいま議題となっております各案について、来る五月十二日火曜日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することとし、その人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、来る五月六日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十八分散会 ――――◇―――――