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94回国会衆議院1981/04/17

大蔵委員会 第23号

発言数
226
登壇者
24
会派数
6
開催日
1981/04/17

会議録

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これより会議を開きます。  アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案及び臨時通貨法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 大臣が見えましてから、先般西ドイツに行かれた報告を承りたいと思っております。  きょうは外務省に見えてもらっておりますけれども、ことしの七月に行われますオタワ・サミットの準備会議に菊地外務上審議官が参加をされましていろいろ準備を進めていらっしゃるようでございまして、その場合の議題は援助問題が中心になるというようなことでございます。アメリカではレーガン大統領が誕生した。あるいはフランスのジスカールデスタン大統領の話を聞きましても、最近、アメリカやフランスの景気後退等に伴いまして、自分の国を建て直すのが先だというような問題から、不協和音が聞こえてくるような状況になってまいりました。この中で、オタワ・サミットの会議がこれからどういうような姿で展開をされるのか、そうしてまた、わが国の経済協力に対します援助の理念というものは変わりがないのかどうか、この点についてまず外務省からお答えをいただきたいのでございます。

佐藤嘉恭外務大臣官房外務参事官

○佐藤説明員 お答え申し上げます。  サミットの全体の問題と経済援助の問題と、二つございましたかと思います。  御案内のとおり、サミットは、日本を含みます先進七九国の間の首脳の自由な意見の交換の場として過去六回行われてきたわけでございます。  御指摘のとおり、七月二十日及び二十一日の両日、オタワにおきまして第七回の会合が開かれる予定になっておるわけでございます。日本といたしましては、世界経済の運営につきまして応分の責任を持つわけでございますので、この会議に積極的に参加をいたしまして、現下の国際情勢の困難な諸問題につきまして首脳の間で十分な意見交換を行われることとなっておるわけでございます。過去六回のサミットにおきましても、日本としては同様な役割りを果たしてきたものと確信をしております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 私が尋ねた一つだけしか答えていない。わが国の援助理念はどういうものかということについては、ことしの三月十六日に、わが国の経済協力政策という資料が外務省から出されておりますが、一体わが国の援助理念は何なのかということをもう少し説明をしておいていただきたい。

坂本重太郎外務大臣官房外務参事官

○坂本説明員 お答えいたします。  わが国の援助理念でございますけれども、現在国際的に一般に通用しております援助理念というのは、大まかに言って二つあろうかと思います。一つは、いまから十年ほど前に出されましたピアソン報告で強調されておりますけれども、人道的見地から援助をしなければいけないという援助理念でございます。それから第二の援助理念としましては、昨年ブラント委員会で報告書が出されましたけれども、その報告書の中に強調されておりますが、開発途上国の繁栄なしには先進国経済の繁栄もない、こういう相互依存の関係からわれわれとしては援助すべきである、これが第二の一般的に確立された理念でございます。  この理念をわが国の国情に合わせて敷衍いたしますと、わが国の場合には、大きく申しまして大体四つの要素が考えられるのではないか、こう私どもは考えております。  その第一は平和国家として特殊な立場にございますわが国の立場。それから第二は経済的に非常に大きな国になってまいりました経済大国という立場。それから第三番目にはわが国の対外依存度、特に対外経済依存度というのが非常に大きいわけでございますので、この特殊な立場。それから最後には、わが国は非西欧国家として近代化を遂げたという歴史がございますけれども、この特殊な歴史、こういうものを一応背景といたしましてわれわれとしては援助を進めていかなければならない、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 政務次官保岡さん、アフリカ開銀の域外加盟の今回の措置はわが国の経済協力政策に基づく一つの手段としておやりになるんだ、こういうふうに考えてよろしゅうございますね。

保岡興治自由民主党大蔵政務次官

○保岡政府委員 そのとおりでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで、経済協力の国際目標はGNPの一%、そのうち政府開発援助はGNPの〇・七%、そしてODAのグラントエレメントは八六%以上、こういう一つの目標数字が出されているわけでございます。  大蔵省にお尋ねいたしたいのですが、実績はどういうふうになっておりますか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 GNPの比率でございますが、七九年度が〇・二六でございます。それからグラントエレメントの方でございますが、七七・八%でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 いま加藤国際金融局長お答えになりましたのは政府開発援助の割合ですね。経済協力全体の国際目標値というのがあるのですね。これは幾らになっておりますか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 七九年でございますが、〇・七五%でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで、五十六年度のODAの事業予算は幾らになりますか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 ただいまの広い方の定義で八千八百八十八億円でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで、経企庁の方にお尋ねいたしますが、政府開発援助の中期目標はどういうふうになりますか。

西谷浩明経済企画庁調整局経済協力第二課長

○西谷説明員 御説明申し上げます。  先般策定いたしましたODAの中期目標につきましては、GNP比の改善に努めるということにいたしておりまして、特定で何%にするというようなことについては触れてございません。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 一月の二十三日に経済企画庁が出しました中期目標というのがあるのじゃないですか。

西谷浩明経済企画庁調整局経済協力第二課長

○西谷説明員 御説明申し上げます。  先生御指摘のとおり、一月二十三日に経済企画庁が大蔵省、通産省、外務省等の意見を調整いたしまして今後五年間にわたります政府開発援助の中期目標を定めたところでございます。その内容をごく大まかに申し上げますと、先ほども申し上げましたように一つは今後GNP比率の改善に努めるということでございまして、もう一つはこれまで五年間に行ってきました政府開発援助の総額を、大体百六・八億ドルでございますが、これを今後五年間に倍増以上にするということでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 五十六年度の一般会計の中に占めますODA関係の予算は幾らですか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 三千九百六十五億円でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこでお尋ねをいたしたいのは、そのODA事業予算と、それから一般会計予算との開きですね。この開きは、残額四千八百八十六億ありますが、残りは財投と国債だ、こういうふうに見てよろしゅうございますか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 さようでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこでお尋ねいたしたいのは、五十六年でGNP比の〇・三四%、まあ事業費ベースで見た場合には去年の比率と変わりがないわけですね。ところが政府全体としては、政府開発援助の中期目標というものを決めていらっしゃる。この割合でいった場合には一体目標を達成することができるのだろうか。〇・七に近づけていくために政府は倍増するのだということを決めておるわけですが、倍増したときに一体どういうような割合になるのですか。〇・七にどのように近づいていくのですか。これの年次計画はないのですか。

西谷浩明経済企画庁調整局経済協力第二課長

○西谷説明員 御説明申し上げます。  先般定めました中期目標では年次計画というようなものは定めてございませんが、できるだけGNP比率の改善に努めるということにいたしております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで私はお伺いしたいのは、ODAのGNP比率の〇・七%の目標の早期達成は、目標再確認のために第五回のUNCTADの決議が行われました。これを見てみますと、DAC諸国のGNPの総計に占めますアメリカ、日本、それに西ドイツのGNP合計の比率が六四%を占めている。そういうことから、特にUNCTADの決議というのはこの三国に対して早急に目標達成のために努力をしてくれということを込めての決議だというふうに受け取るわけでございます。そこで私は年次計画をつくるということは非常に問題だろうと思うのですが、こういうような計画を提示して、そういう国際的な決議が行われたものに従ってわが国は努力をしていくんだという姿をお示しになっているとするならば、倍増計画ということで五年後には倍にするんだということになるならば、もちろん財政資金を伴う問題でございますけれども、一応の目安、その時点においてはGNP比率で一体どこまで達成をすることになるんだという全体の数字が当然出てくるはずであると思うのであります。そういうようなものは鈴木総理がASEAN諸国も回られて、大変現地の要請にこたえるようなことも約束されてきた。近くはまた日米首脳会談が開かれて、日本はそういうような面からの要請を受けるに違いないという状況の中にありまして、一体総体の見込み、中期目標が達成をされるその時点においてはどういう姿になってくるんだ、GNP比率でどれくらいの数字になっていくんだということは総合的に押さえていかなければならない問題だと思うのですが、経済企画庁が調整官庁だということになりますと、どこまでそういうようなのを具体的にこれから推し進めていこうとしているのか。数字は皆さん方がつくられるわけでございますから、一応の方向性というものをもっと明確にしてもらいたいと思うのですが、どうですか。

西谷浩明経済企画庁調整局経済協力第二課長

○西谷説明員 御説明申し上げます。  大変事務的な説明になりまして恐縮でございますが、お許しいただきたいと思います。  私どもが今回中期目標をつくりますに際しまして一つ考えましたことは、申すまでもなくこの中期目標というのは国際的な目標というふうに考えられるということでございます。その場合考えましたことは、わが国の場合こういった国際目標がやむを得ない理由で達成できなかった場合には非常に非難を浴びるというような傾向がございます。したがいまして、その表現はあくまでも慎重でなければならないということを前提とした考え方でございます。  そこで技術的な問題に入りますが、GNP比をはかります場合、まず母数になるGNPでございます、これは御案内のとおりわが国新経済社会七カ年計画というものがございまして、六十年までの一応の見通しもできてはございます。しかしながら、経済社会七カ年計画の本文の中にも書かれてございますように、世界経済の前途等非常に不透明なものがあるので、年々これをフォローアップしていって変えていくということがございまして、すでに五十四、五十五年と行われております。  それから分子になります政府開発援助額でございますが、このうち、年によりまして相違はございますが、借款の部分と、それからただいま議題になっておりますような国際機関に対する投融資、多国間開発援助でございますが、この割合が非常に多うございます。  これらのものにつきまして、まず多国間の開発援助につきましては、これは御案内のとおり各国の合意によってそれぞれの機関の需要に応じて決まるものでございますのでわが国の一存だけでは非常に予測しがたいものがある。特に五年先になるとむずかしい。また借款になりますと、これからの借款というものはあくまでも開発途上国の自立的な経済社会開発に対する自助努力を支援していくそういうプロジェクトでなければならない。その場合開発途上国の受け入れ体制が十分に整備されるだろうか、そういうような面があって借款についても相当精度を持って予測することがむずかしい。そういうような状況がありますので、その中であえてGNP比を書くということはかえって誤解を招くおそれもあるというようなことからGNP比の書き方については慎重を期したというような状況があることを御理解賜りたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 大臣が見えましたので、大臣早速ですが、大蔵大臣は先般ドイツに行かれましてドイツの財政経済状態を調査してこられたわけでございますが、ポーランド問題をめぐります西欧諸国の、貸し付けの問題の主軸を占めている西ドイツ、それからデタントの後退とかいうような問題等がある中で東西間のそういうような紛争の問題に伴いますインパクトあるいは石油ショックそれからマルク相場の過大評価の負担、こういうような問題の中で、いままで西ドイツと言えばECの中で自由主義貿易の旗手として、また日本と並んで機関車的な役割りを果たしてきた経済的な実力、そういうような上から見まして日本とも非常に共通する点があったわけでございます。しかし、どうも最近の西ドイツの経済はおかしくなりつつあるのじゃないか、変調を来しているということから、これの行く末がどういうふうになっていくかということについては日本にとっても非常に大きな関心事であると同時に参考にしなければならないという意味で、国会の開催中でありましたけれども大蔵大臣は急遽ドイツに行ってこられたのだろうと思うのです。  その中で、そういうような問題のほかに構造的な問題があるのじゃないだろうか、エアハルトの魔法の仕掛けがダウンし始めたのではないかということが言われておるわけでございますが、大蔵省の「調査月報」等を見てみましても、経済専門家委員会の見通し等が触れられているのを拝見をいたしましたが、最近の状況を見てみますと経済成長率といい雇用水準といいあるいは物価の問題といい国際収支の均衡の問題といい、どうも変調が出てきているのじゃないだろうかという状況でございます。二月十六日の為替相場では一ドル二・二マルクを割り込んでしまった。こういうような状況の中にありまして、昨年末に比べてマルクが一五%くらい下落をしているというような状況の中で、下手したらコストプッシュ・インフレに入っていくのじゃないだろうかというような問題があるようでございます。そういうような状況を見ながら、何といってもODAの中に占める援助の割合から見ますとアメリカ、日本、西ドイツが非常に大きなウエートを占めている。今度はオタワで先進国のサミット会議がある。その中にありましては経済援助のあり方についていろいろな意見が出ることも間違いない。アメリカのレーガンは自分の国内の問題で手いっぱいだ、その牽引車だった西ドイツもおかしくなりつつあるということになってきたら発展途上国に対する経済援助、なかんずく政府援助の問題についてもいろいろ意見が出るのではないだろうかという気がするわけでございます。  そこで、渡辺大蔵大臣がドイツに行かれましてその状況を見た上で今日どういうような反省を持ち、これからわが国の施策にそれをどう生かしていったらいいかという問題も含めて御報告をいただきたい。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私は皆さんのお許しを得まして、西ドイツではラムスドルフ経済相、それから大蔵相のマットヘーファーが病気で入院中なものですから次官のシュールマン、それから連邦銀行総裁のペールらと会談したわけでございますが、見方は、私が言うまでもなく、いま村山委員の言ったとおりでございます。非常に深刻に物を考えておりまして、私は西ドイツへ参考になることを探しに行ったのですが、逆に、日本のことを見習えというのがヨーロッパでありまして、日本のいまの置かれておる経済状況等を実は非常に高く買っておる。むしろ日本に学べと言わんばかりのことでございます。  アメリカが、新政権になって歳出削減というものを重点的にやっておりますから、そういう点で、海外援助等についても、やらないとは言わないが、国際金融機関への出資等も、予定したものを後年度に引き延ばすというような案を出しておって、それでは困る、日本とドイツだけは実行するのに、困る、イギリスだって、イタリアも半分はもう払い込んでいるじゃないかとか、そういう議論が実は多かったわけでございます。  特に、マルクの維持という点について、アメリカと西ドイツの金利差が非常に広がることは困るということで、短期金利について少し引き上げる方向をとった、その結果、それがマルクの維持に役立ったというようなことを言っておりました。  アメリカの高金利については、最初のうちはちょっと批判めいた話を、この前私が会ったときには言っておったのですが、最近は各国とも、ドルが下落しては困るし、アメリカの経済がだめになってはわれわれも全部影響を受けるから仕方がないのじゃないか、そのうち、早く成功してもらってアメリカの金利が下がってくれればいいというような、願望に近いような話になっておるわけでございます。  物価は、そこは非常に神経質でございますから、今度の賃上げ等は、ともかく労使もコストインフレになっては非常に困るということもあって、そこは日本のように一斉にやるとは限っておらぬようですが、もちろん労使間の問題だから政府は関与しないし、はっきりしたことはわからないが、大体四・五から五ぐらいのところでなだらかにいって、経済に支障を来さないようにみんな考えているのじゃないかというようなことでありました。  それから財政の問題等については、やはり厳しい措置をとっているということは事実でございます。財政計画等も、日本から言うと西ドイツのものは金科玉条のようなことで、うまくそれで全部済むように思っておるようですが、実際はどこの国だってなかなかきちんきちんとはいっていないのは事実であります。しかし、全体として、みんなが国の経済が沈下することは困るということを考えております。  特に日本に対しましては、日本の低金利というものの中で、それがさらに輸出圧力となって、政府が何かバックアップしてプラント輸出などについて輸出ドライブをかけるのじゃないか、そういうことはちょっと歓迎できないというようなニュアンスのことが多くて、特にラムスドルフ経済大臣などは日本に何回も来ておるし、また六月にも来るそうです。日本の事情は本当によく知っておりまして、われわれは自由貿易主義でやりたいのだ、それは日本のためにもドイツのためにもなるはずだ、だけれども、余り集中豪雨的なことで自動車を初め持ち込んでこられると、われわれが両手を広げて、自由貿易なんだ、仕方がないじゃないかと言ってがんばっておるのだけれども、しかしそう理屈ばかり言ったって、別の政治勢力が強くなれば負けちゃう、であるから、それは将来のことを考えれば、日本も結局はダメージを受けるのだから、ひとつわれわれの自由貿易主義というものが成り立っていくように、お互いに友情と、何か協力とかなんとか言っていましたが、そういう長い目で、お互いにそこは助け合っていこうじゃないかというふうなお話でございました。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 「調査月報」の七十巻の第三号の西ドイツ経済専門家委員会の年次報告というのを、大蔵省からもらいまして、この中を読んでおりますと、まあ、経常収支の赤字が減少することが見込まれたら、為替相場の期待というのは再びインフレ格差に着目をすることになるであろう、だから、その場合には、このマルク相場というのは上昇傾向を示すようになるだろうというような見方をしながら、今日高金利政策が続けられているのは、インフレとの闘いが収束していない証拠だというようなことで自信を持つと同時に、西ドイツはこういうふうにやりたいという一つの方向を示していることは事実でございます。  そういうような意味から、私がお尋ねをしたのは、先進国である西ドイツが今度のオタワ・サミットにおいて、政府援助という問題について音を上げるのではないだろうかという気がしたものですから、その点は大丈夫かどうかということについて大蔵大臣の所見を聞いたわけでございます。その点は大丈夫ですね。(渡辺国務大臣「音を上げる……」と呼ぶ)ええ、もうとても持てぬと、そういうようなことはございませんか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 西ドイツは、やはりおつき合いはしよう、しかし、アメリカもやってくれよということでしたね。アメリカが引っ込まれては困る、われわれも義務を果たすのだから、政権が変わったからといって、政策の急転回みたいなことは困るのだ、だから応分のものはやはり持ってくれという意見が非常に強かった。したがって、西ドイツが自分の方から辞退するとか、ひとつ勘弁してくれということまでいくようなニュアンスはなかったと思います。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 そこで、最近の日本の為替管理政策をちょっとお尋ねしてみたいと思うのでございます。  最近は、ドル高円安という状態があらわれてきているようでございますが、そういう中で、もちろんレーガン・ボーナスというような心理的なものもありましょうし、あるいは異常なアメリカの高金利というような問題もありましょうし、アメリカの経常収支が黒字基調をたどっているというような問題もあるわけでございます。こういう中で、一昨年新しい外為法の改正が行われて、そして自由化体制というものが進められてきたというような状況の中で、円の相場の安定をどういうふうにしてこれから図っていくのかという問題はきわめて重要な問題だと考えるわけでございますが、いままでのように貿易収支で黒字を上げて、その余剰を海外に資本輸出をしていくという姿は今日望むべくもない。こういう状況の中ではある程度の経常赤字というものは残ってくる。そうなってきた場合には、安定的な資本の流入の確保を図りながらやっていかなければならないであろうということはよく言われるわけでございます。その安定的な資本の流入の確保あるいは短期資金のそういうようなユーロダラーの動き等に対するチェックという問題についてもいろいろと検討をされているだろうと思うのでありますが、日本の円相場の安定をどういうふうにして進めていくのかという問題につきまして、新しい外為法の影響が今日どのような状態の中であらわれているかということを見定めながら、今日の政策の推進の方向をこの際明らかにしておいていただきたいと思うのです。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 まず最初にけさのレートでございますが、昨日、終わり値が二百十七円五十五銭でございました。寄りつきが大体同じぐらいの二百十七円二十五銭、十時現在二百十七円四十五銭でございます。マルクと円とを比べてみますと、マルクの昨日の終わり値が二・一八七〇と、円とマルクとの関係は大体百ぐらいの関係で動いております。  それで御指摘のドルとの関係でございますが、ドルが強くなっておる、幾つかのことが言われておりますが、一つは金利にかなり差がある、あるいはポーランドの問題がある、あるいは日本の円については貿易摩擦などがささやかれておるというようなことがございます。ただいま申し上げました数字からおわかりいただけますように、全般的にドルが高い、マルクと円との関係で見ますと円の方が若干ではございますが強目傾向というような状況にございます。  御指摘の新外為管理法以降の為替管理政策という問題になりますが、新外為管理法は百八十度転回いたしまして原則禁止を原則自由にする、有事の場合だけ規制するという考え方に立っております。したがって、対外取引は基本的には自由にする。現にOECDの自由化コードで申しますと、いままで八つ留保をしておりましたが、今回の外為管理法によりまして三つまでに減らしております。したがって、対外経済取引は全般的に自由化になっておるわけでございます。  その場合に、為替管理政策をどうするか、有事の場合はしばらくおきまして平時の場合にどう考えるかということでございますが、これは為替政策の領域と国内の全体の経済政策と両方あるわけでございます。私どもは為替政策の領域を担当しておるわけでございますが、一つは、レートが乱高下する場合に弾力的に介入していくという基本方針を持っております。もう一つは、御指摘のように、経常収支が基本的に石油の価格の上昇ということで今後かなり長きにわたって赤でいかざるを得ないという状況にございます。その場合に放置いたしておきますと円が安くなって物価が上がるという問題が出てまいりますので、資本勘定の方で安定的なかっこうで資金を取り込むというようなことをやっていく。その場合に、先ほど申しましたように為替管理法上は自由でございますので、金が出たり入ったりするわけです。そこで、物価の問題とか経常収支の動向とか金利の問題とか、そういう国内の政策の方がディシプリンを持ってしっかりやられなければならないという問題に出てくるわけでございます。国内で財政赤字がある、対外的にも赤字である、両方の赤字を踏まえながら日本経済を維持していくためには、単に為替政策の面だけではとてもしょい切れるものではないので、物価なり賃金なりあるいは生産性なりそういう基礎的な経済の条件をしっかりやっていくということがまず根本になければならない。  その場合に国際金融政策の領域でどういうことが補完的にできるかという問題になりますが、短期的にはただいまも申しましたように乱高下防止を目的とする機動的な介入、もう一つは、長期安定資金をどういうかっこうでどこから取り込むかというようなことが国際金融政策の領域の問題だと思います。それからもう一つは、国際的な通貨体制のあり方というような問題について積極的に参加しながら安定的な通貨体制を目指して進んでいく。いろいろな議論が行われておりますが、目下のところはこれという具体案がございませんけれども、たとえば代替勘定というようなもの、SDR中心で通貨体制を再構築するとか、あるいはドル以外にマルク、円が準備通貨化しつつあるわけでございますが、こういう複数準備通貨化を、マネージングをどうやってやっていくか、準備通貨が複数化しますとその間を渡り歩いて為替市場にいろいろと変動が大きくなるわけでございますから、こういうものをどういうかっこうでマネージングできるかというのが当面の通貨制度にかかわる問題点になっておりますが、具体的な案はなかなかいい案がございませんけれども、そういうような面に日本は日本なりの独自の見解を積極的に打ち出していかなければいかぬというようなことを考えております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 それで、いま新外為法の影響もさほどあらわれていないし、ことしの予算で見ましたように一ドル二百十七円ぐらいで換算率も決めて日本輸出入銀行の積算等もやっているようでございますからどうということはございませんが、問題はユーロマネーの動きが今後どういう姿の中で出てくるか。アメリカの場合に高金利でドルが強いから、いまホットマネーと言われる数千億ドルの金が余り動いていない、利ざやを求めて駆け回っていくような動きがないわけでございますが、これが経済の変動というような問題が出てまいりまして動き始めてくると、資金量が大きくなっているだけに大変な問題が出てくる。  それともう一つ、一番大きな世界的な問題としては、非産油発展途上国の累積赤字の問題が最大の問題になってくるのじゃないだろうかという気がするのであります。七七年末の中長期の債務が二千五百八十億ドルもある。しかしながらそのうちの千五百五十億ドルは民間債務である。そういうようなことからその九四%が中進国に貸し付けられている。それに及ばない経済力の弱いところは、どうにもならないというような形の中で、金を借りようと思っても高利貸しみたいな金を借りて回転をせざるを得ないというような状況もすでに報告されているわけですね。そういうような状況の中で今日の累積の赤字額は、七九年で三千九百十億ドルと言われておる。それに八〇年の経常赤字が七百億ドルぐらいあるだろう、八一年は八百億ドルになるだろうと言われておるわけですね。  こういう状況の中で、アフリカ開銀の域外加盟の問題をめぐりましても、われわれも賛成でございますが、これは単に日本だけで解決できる問題じゃありません、また単なるOECDの国々だけで解決できる問題じゃない、あるいはOPECの国もあるいは共産圏の経済力を持つ国もともに考えなければならない課題だというふうに思うわけでございますが、大蔵大臣としては、そういうような意味からこの国際金融の動きに対しましてよほど今後、この問題の対処を、わが国としてもそれだけの経済大国としての一つの責任という問題が出てくるわけでございますので、そういう面において国際金融の問題については重大な関心をお持ちであろうと思うのですが、時間が参りましたので、これに対する大臣の御所見だけをお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。     〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これも村山委員の御指摘のとおりでございます。日本だけがOPECから金を借りられればいいということではもう済まないわけであって、だからといって、ではOPEC諸国がそれらの経済力の弱いところに融資をするかと言えば、これはなかなかしてくれないわけでございますから、国際的にOPECからその金をどうして還流させて、そして国際機構を通してそれらの非産油の発展途上国にリサイクルをしていくかということは大きな問題でございます。一方、そうするためには、サウジを初めそれらの国の権利といいますか、主張というか、出資持ち分というか、ただ金だけ貸せ、権利は認めないと言っても、これはなかなかむずかしい話でございますから、やはりそれ相応の資格なり何なりも認めながら協力をしてもらう。また、協力しないということになると、これは産油国にとっても、たくさんのドルを持っても、ドルの値打ちが下がっちゃって、輸入するものは高くなってということは同じことなのですから、運命共同体でございます。そういう点に産油国も最近大変理解を示しまして、協調の方向にいま歩みつつあるということは大変うれしく思っております。  そういう点において、日本は日本の世界的な、国際的な責任というものを分担して、出すものは出す、しかしお願いするところはお願いするということでやっていかなければならぬ。これらに対しては、お金もかかるわけでございますから、国民の皆さんには切り詰めてもらったり、今回のように増税をお願いしたりしながら、国際的には分担すべきものは分担するということはなかなかむずかしい。むずかしいわけではございますが、これは国民の皆さんに負担、御協力いただかないとできない問題で、全体の、世界の中での日本がなくなってくれば、日本の経済的な地盤は低下して、結局は国民の頭の上に何らかの形で降りかかってくるわけですから、そういうところの理解を深めていただくということが大切ではないか、そう思っております。そういう意味において、村山委員が大変御理解を示しておることについて、心から感謝を申し上げる次第でございます。

大原一三自由民主党

○大原(一)委員長代理 伊藤茂君。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 引き続いてお願いしたいと思いますが、その前に大臣に時の問題を一つ伺っておきたいと思います。  十五日にことし初めての税調の総会が開かれまして、大型新税の具体的審議は見送り、七月までお休みということになっておりますが、いままでの税法の審議の経過を見ましても、大臣の方からも、たとえば所得税について税率の額の上の方の部分をグリーンカードとの兼ね合いで下げる可能性とかいろいろなことが言われておりますが、私どもの方からは、所得税減税、来年やらないと五年目になるわけですね、五十七年で。調整なしの五年目になる。ことしでもずいぶんいろいろな国民世論がございまして、来年はこのままでいったら大変なことになるという気がするわけでありますが、これらの問題について、税調お休みも結構なのですが、大蔵省で検討する、あるいは国民的理解が得られるように研究してもらうということも必要ではないだろうか。所得税の問題ですね。ことしも所得税のあり方について、大変にどこの新聞も一斉に書いている。税調が七月まで休憩ということなのですが、大臣の方はこれら所得税の問題について問題意識を強く持って、諮問をされるとか、研究されるとかいうお考えはございますでしょうか。

矢澤富太郎大蔵大臣官房審議官

○矢澤政府委員 税制調査会でございますが、去る十五日に総会をいたしまして、主要なテーマは、最近の情勢の変化に伴います今後の政府の方針につきまして大蔵、自治両大臣との懇談、それから行政管理庁事務次官からの第二臨調のスケジュールについての御説明、それから今国会におきます予算、税制の審議を通じましてのもろもろの御議論の御披露ということでございました。  こういったテーマをこなしました後で、今後のスケジュール、税制調査会の審議日程について小倉会長からお諮りがございまして、小倉会長からの御提案は、政府におきまして現在歳出削減あるいは行政改革に全力を傾注しておることでもありますし、また税制調査会といたしましても行政改革と歳出削減を強く望んでいるところでございますから、しばらく事態を静観したいという方針を示されまして、委員の間で御了承を得たものでございます。  今後の日程につきましては、そういうことで全く白紙でございますけれども、税制調査会そのものの目的が本来税制の基本的事項に関する調査、審議をする機関でございますので、私どもも、ただいま委員から御指摘のありましたような点について、いずれ適当な機会に税制調査会におきまして審議が再開されることを期待しているところでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 いや、それはわかっているのですよ。私は、今後のわが方の作戦計画がありますから大臣に聞いたのです。これからわが方がどういう対応をしたらいいのかもありますから、ことし大変大きな問題となった物価調整とかあるいは所得税率の問題とかについて、問題意識を強く持って今後の税調の作業再開とか大蔵省の勉強とか、対応されるおつもりがあるのかどうかだけ聞いておきたいのです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 いま審議官からお話のあったとおりなんです。政府は歳出カットでやろうというときに、税調がここで増税の審議をなんということはできないわけです。  しかし問題は、減税を言っても、財源がなければ減税もできないわけです。歳出カットで、うんと減税財源が出るほどのカットができるのか。できないということになればどうするのか。ですから結局は、来年度の予算編成まではいかないが、概算要求等のやりとり、そこで大体どういうようなものが表に出てくるか、そういうことを見た上でということになるのじゃないか。所得税減税をやると言っても、財源がなければ減税のやりようがないわけですから、その負担のあり方と両方含めて、もし税調で勉強するということになれば勉強していただくことになるのじゃないか、そう思います。したがって、当分、ここ中二、三カ月になるのか何カ月になるのかは、動きはちょっとないんじゃないか、そう思っています。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 特別論争をするつもりはありませんから。  済みません、もう一つ大臣に伺いたいのですが、先ほど村山委員の方から、アメリカの対外援助についての姿勢の変化、レーガン新政権の態度、また二月末ですか、新しい国務長官がODAの二六%削減ですか、というふうな方向を出されております。これらが、この審議をする現在の二法案についても、今後の南北問題についてもいろいろな影響を及ぼしてくるということが懸念をされるわけであります。しかし日本は、削減するのではなくて着実に増強しなくてはならぬという立場をとっているわけですから、違うわけですね。私は、日米関係、政府も緊密な関係ですから、ぜひアメリカに対して説得をするといいますか、南北問題に真剣に取り組むように態度をとっていく必要があるのではないだろうかと思います。それで、やがて日米首脳会談それからオタワ・サミットという日程になっておりますし、オタワ・サミットの方には当然ですが大蔵大臣、御出席をされるわけです。     〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕 またカナダのトルドー首相なんかも、前から南北問題については熱意を持ってサミットの議論をしなければならないというふうにも言われておるようでありますが、その後レーガン政権それから先進国の景気状態が悪い、いろいろな影響がある、こういうふうなことでありますけれども、政府としてもまた大蔵大臣としても、南北問題の打開あるいは途上国に対する先進国の対応、これらについて前向き、積極的に考えていかなければならないということだと思いますが、やがて来るオタワ・サミットの中でも、出席をされる大蔵大臣も、日本政府は前向きの姿勢で臨んでいくということでございましょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 オタワ・サミットの問題としてわれわれいま考えていることは、私の担当は一般的な経済問題、したがって世界的な景気後退の問題あるいは失業増大の中でのインフレ防止の取り組み方、これは金融政策とか財政政策との関連においてどういうふうに持っていくか。それから生産性向上のための施策、供給面重視の経済政策にどういうふうに対応していくか、これらのものにこれからどういうふうに具体的に取り組んでいくかというようなこと。または、いま言ったような非産油途上国の国際収支の非常にせっぱ詰まった状況、債務の累積、これらに対して先進諸国がどういうふうに取り組んでいくかというようなことは大きな議題になるのではないか、そう思っております。アメリカにもやはりアメリカの国際的な責任というものは果たしてもらいたい、この間集まったときもそんな議論が出まして、ともかくアメリカが出さないのじゃおれたちも出さないよという国もあるのですよ。しかし、アメリカが出さなくたってわれわれだけでやろうじゃないかという国もありますし、物によっていろいろございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 本法案に関連してお伺いしたいのですが、たとえば一次産品共通基金についても、レーガン政権になってからの変化というのか、カーター時代からの延長というのか、アメリカの方ではいまだ出資を決めていない。現在の予算では当然入っておりませんし、聞くところによりますと、八二年度になるのですか、この十月からの年度に盛り込まれるかどうかというふうに言われておるようであります。これはレーガン政権の方が南北よりも東西という政治思想も強いようでありますし、また経済的にはとにかくアメリカが強くならなければほかの国も困るだろうという考え方もあるようであります。  ただ、こういう途上国との関係、南北問題から言いますと、これは大平さんが御存命当時の東京サミットで、特に日本側が提起をした世界エネルギー開発基金、第三世銀と言われるものについてもアメリカは未発効、それからIDAの第六次増資についても、わが国会は決めたわけでありますが、アメリカはまだ、一次産品共通基金についてもわからないというふうな状況があるわけであります。ただ、この一次産品共通基金についても、発効するための条件を見ますと、やはり大きな国と金額がそろわないと現実にはスタートしないということになるわけでありまして、これらにどういう見通しを持つのか、または傍観をするのか、いろいろな働きかけをするのか、その辺いかがでしょう。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 アメリカが援助の予算を削ったという問題でございますけれども、正式には従来国際的に約束したことは守る、ただ、金を払うのを延ばしたいというふうに理解しております。  それで具体的な問題でございますが、共通基金につきましてはいま御指摘のとおり、この十月から始まる予算には恐らく入らないであろうと見ております。その場合に、共通基金がいまわが国会で御審議いただいておるわけですがどうなるかということでございますが、御承知のように百六十三カ国の中の九十カ国と、出資金の三分の二集まれば発効する、目途は来年の三月末をにらんでおるわけでございます。その場合、アメリカが入らなかったらどうなるかということでございますが、御承知のとおりアメリカも昨年、入るべく署名はしているわけでございます。ただいま申し上げましたような発効の条件から見て、仮にアメリカが入りませんでも計算上は成立いたすわけでございます。  ただ、先ほど大臣が答弁されましたように、何と申しましても世界の大国であるアメリカが抜けていいのであろうかという問題は、関係者の会合がある都度私どもも申しておりますし、他の主要国の中からもそういう意見が出ております。  特に二番目に御指摘がありましたIDAでございますが、これは六月末までどうやらつながりますが、わが国は昨年の国会でお認めをいただきまして事前拠出ということをやっておりますが、主要国の中では事前拠出をやってない国もある。三月末に関係国の会合があったのですが、そういう際にも、せめて事前拠出くらいはやるべきではないかというような発言を私どもはいたしております。  アメリカが六月末以降どういう態度をとるか、いま定かでございませんが、何といってもアメリカが参加しないことには意味がないという立場、それから、私どもは基本的な援助政策の考え方といたしまして、先ほど外務省の方からも答弁がございましたが、発展途上国の経済開発あるいは社会開発、民生の安定、向上の自助努力を彼らがしておるのを助けることによって途上国の福祉の向上をねらう、その結果、世界の安定、経済の発展が確保される、そうしてわが国の経済にも寄与されるというような考え方を持ってやっておるわけでございまして、たまたま中期計画の新しい目標も掲げられておる際でございますから、そういう基本政策はアメリカによって影響されないという意味において、アメリカに対しても協力方を要請していくというような考え方でやっております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 アメリカにも努力方を要請しているということですから、南北という問題はいろいろな意味で今後の世界の枠組みに関する重要な問題でありますから、やはり日本が積極的に貢献をする、また努めて国際的にも評価をされるような存在になるように努力をされるように期待をしていきたいと思います。  関連して、アフリカ開銀に関連をしてお伺いをしたいのです。私はレーガン政権との関連などからいってちょっと心配なんですが、たとえば難民問題なんかについても、新聞を見ますと、レーガン政権が特使を派遣をして大規模にこれらの対応を考えましょう、また、相次いで各国が援助を表明する、日本も何かアメリカにつられたようなかっこうでと言いたくなるような形で対応を決めているという感じがするわけであります。私も不勉強ですが、アフリカ地域は年じゅう数カ所か十カ所くらいは紛争が起きて戦争をやっている。一千万とか二千万とか大変な難民も生まれている。しかもそれが飢餓状態に置かれている、大変な問題を抱えているところだろうと思います。そういうことを考えますと、やはり超大国の勢力の角逐の場という面もあるわけでありまして、それではいかぬではないか、少なくとも国際機関に融資、増資、参加をするという面においては、平和国家日本としてのプライドを持った努力が必要ではないだろうかという気がするわけであります。  念のため伺っておきたいのですが、今度の域外加盟について、域内五十カ国、これは全会一致で決まったのですか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 御承知のように五十一カ国あって、南アが抜けて五十で、四カ国ほどがまだ賛成の意を表しておりません。四十六カ国で成立したわけです。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 賛成しなかった方は、リビアとかアルジェリアとかというようなことを聞きますが、どういう態度表明だったのでしょう、中身を。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 大変抽象的でございますが、アフリカ的性格が薄まる、要するに自分たちだけというような感じのところへ、銀行の資金を増強するという意味で域外国の加盟を求めようという意見と、いや自分たちだけでいくということの方が重要ではないかというような見解の差であろうと思っております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 これは域内五十一カ国でもいろいろ意見があるだろうと思います、むずかしい面が。それで今回わが国も加盟をするというようなわけでありますが、さっき申し上げたようにいろいろ紛争が起きやすい、しかも外からの関係でも紛争が起きやすい。またLLDCの数も多い。しかし、資源の問題その他含めて将来的にはもっと深い関係を持たなくちゃならぬということになるわけでありまして、そういう意味での現実に発生している紛争地域への対応、あるいは国連なんかでも長らく問題になってきました南アフリカ、いろいろな問題などに対して日本政府としてのこれらの機関への加盟、運用に当たっての態度のとり方、アメリカ、ソ連、中国、大国のいろいろな関係もある、しかし日本は大変高潔、フェアな態度でありましたという面が必要だと思いますが、そういう基本的な考え方、これは外務省ですか、どういうことでしょう。

小宅庸夫外務大臣官房外務参事官

○小宅説明員 アフリカにつきましては国連の場でいろいろ、あそこのアパルトヘイトといいます人種差別政策、これに関連して一連の決議が採択をされておりますが、加盟国の一員として日本はその決議を遵守するということでやっております。たとえば南アとの経済関係につきましてはこれを通常貿易の範囲にとどめるとか、それから外交関係につきましては大使館ではなくて総領事館にするとか、それから文化関係につきましてもこれを最低限に抑えるとか、こういうことでやっております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 私どもも国際会議にたまに出ますと、南アフリカ、ナミビア、いろいろな問題を現地の人も含めてずいぶん話を聞きます。深刻な問題だと思います。また、国連など国際的な場でもいつも大きな話題となるというわけでありまして、それらに対する対応については十分な配慮をお願いしたいと思います。  それから、レーガン政権との関係は別にしまして、今後の日本の南北問題の取り組みについて幾つかお伺いしたいのですが、大臣御都合悪いようですから一つだけお伺いをして、御退席願って結構だと思いますが、外務省と大蔵省と両方伺いたいのですが、まず外務省の方に。  一月二十三日に決められました先ほども答弁の中でも話題となりました政府開発援助の新中期目標、今後八五年までに倍以上にするというわけであります。三つほどその柱も、閣議了解ですか、中に出ておりますが、これでいきますと金額の面で七六年から五年間にドルベースでいって百七億ドル、それからいまの新中期目標といいますと総額で言えば少なくとも二百二十億ドル以上二百五十億ドルくらい、何か新聞で見ましたら二百二十億ドル以上というふうに外務省は考えられていると出ておりましたが、その辺のことをどうお考えになっているのか、具体的なめどの金額の見通し。  それから大臣も先ほどおっしゃったように、とにかく財源がないという苦労を味わっておられるわけでありますが、しかしこれは日本の経済上、一次産品その他に関連して日本の経済が大変な強い影響を持つためには大きなウエートを持つというわけでありますから、この政府開発援助の新中期目標の達成ということは日本の経済の発展のためにもどうしても必要だという位置づけになるのではないかと思います。今後の中期の財政計画の中でも、この点は十分配慮をしていかなければならないということじゃないかと思いますが、その点いかがお考えか、外務省と大蔵省、両方からお答えください。

坂本重太郎外務大臣官房外務参事官

○坂本説明員 お答え申し上げます。  第一の点でございますが、具体的に金額をどの程度考えておるのかということでございますが、先生御案内のとおり、この計画によりますと今後五年間で過去五年間の百七億ドル弱のものを倍以上にするということでございますので、最小限私どもとしましては二百十四億ドル、これはもう絶対確保しなければいかぬ、こう思っておりますが、私どもの気持ちでは以上というところに非常に期待を持っておりまして、GNP比の改善というものを図るということになっておりますので、以上をできるだけふやした上でGNP比の改善につなげてまいりたい、こう期待しておるわけであります。  それから第二の南北問題を考える際に、日本経済の発展のためにも必要ではないかという点でございますが、先生御案内かとも思いますが、OECDが一年ほど前に「インターフューチャーズ」という報告を出してございます。それによりますと、今世紀終わりにもし日本が大体いまのままで成長してまいりますと、一人当たりのGNPはアメリカを抜いて世界第一番目になるという姿が出ておりますが、万が一南北関係が非常に悪化いたしまして南北分裂型で今世紀末を迎えますと、日本の一人当たりのGNPは大体三千数百ドルで、アメリカの半分以下という姿が出てございます。このOECDのリポートを見てもおわかりかと思いますが、やはり援助をして南の国の経済の繁栄を図るということは即日本経済の発展につながってくる、こう考えまして、私どもとしましては援助は決して人のためではない、こういう認識を持っております。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 先ほどもお話ししたように、非常に厳しい財政事情の中で国際関係を考慮して倍にしていくというのですからこれは実際は大変なことなんです。したがって私は、その援助のやり方ということについても効果のあるようなことでなければ困ります、援助をして怒られたり恨まれたり対日批判が起こったりしたら困るわけですから、したがって援助のあり方という問題についても、ただ言われたからすぐはいはいということではぼくの方は困るのだ、中身をひとつ調べさせてもらわなければ困るし、そうして結局喜ばれる援助にしなければならない、ずさんなことは困るということを言っているのです、そうでないと国民の理解が得られませんから。国民の理解を得て国民の方には節約を求めて、外国の方には倍もふやす話なんですからね。これは実際私としては大変なことです。(伊藤(茂)委員「しかも大増税しないで」と呼ぶ)大増税をしないで。ただ、相手の援助を受ける方にも私は注文をつけておるのです。実は国際会議、IMFの総会などでも、やはり自助努力というものもやってもらわなければ困ります、ただもらえばいいという話だけでは幾らつぎ込んだってその効果は出てこないわけですから。ですから時と場合によってはIMFに加入してもらったり、加入したがらないで金を貸せとかいう国がいっぱいあるのです。加入するとともかく最初のうちはいいがだんだん内政干渉されるとか、内政干渉じゃないけれどもでたらめな経済運営をやっておったのでは幾らつぎ込んだってだめなんですから、合理的なこともやってもらわなければ困るということで国際機関がいろいろガイドラインを設けたり指導したり、それを守らなければもう援助はやらないよとか、金を貸さぬよとかやるわけですよ。  これはやはりやってもらわぬと、金を出す方の身分になれば、出せばいいというものじゃないのですから、効果を上げてもらわなければならぬということで、その援助を受ける側もやはり自主努力、自助の努力というものを要請をしていきたい。両々相まって効果が出るものだ。そういう意味では、着実に援助も伸ばしますが、相手方にも要請するところは要請してまいりたい、かように考えております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 それは大臣が言われたとおりだと思うのですね。私はそういう意味で二つ問題意識を感ずるのですが、効果のある、しかもむだでない、喜ばれるような開発援助を考えますと、一つは、さっきもODAの新倍増計画がございましたが、ODAの量と質、これをGNP対比、DAC平均どうかどうかという議論をする仕方、これももうそろそろ新しい発想があっていいんじゃないか。  何か物を読みますと、ベネチア・サミットで、もう従来の枠組みといいますか、いままでの先進国の政府開発援助の伝統的な手法、やり方でいいのかどうかということも、ジスカールデスタン大統領などから提起をされたということも伺うわけでありまして、私は、何かそういう時期に来ているという感じがいたします。そういう意味から言いますと、私は、一つ新しい発想というものがあっていいんだろうと思います。  私は、一橋大学の名誉教授の都留さんなどにときどき伺ったりしてもそうだと思うのですが、日本が、南北途上国の関係、まあ途上国といっても非常に複雑ですしいろいろですからなかなかむずかしいわけですが、それについて、南北センターとかあるいは効果のある援助のための基礎となるさまざまの人的、学術的あるいは情報を含めた交流とか、何かそういう将来に向けた展望のあるプランニングのベースをつくっていくということが必要ではないか。そういうことに日本が先進国の中でも特段に貢献をしているということになれば、日本との貿易、経済、一次産品輸入その他についても非常に大きな敬意を持ってつき合われるということが出てくるんじゃないだろうか。何かそういう発想の転換が必要ではないかと思います。  もう一つは、大臣も自助努力と言われましたが、そのとおりだと思うのですが、自助努力というよりも、やはり自立的な、あるいは自主的な発展を途上国がそれぞれ可能とするような条件をつくるということも非常に大事なのではないだろうか。  私はブラント・レポートを読みましたら、たとえば一次産品についても、価格が不安定その他状況は御承知のとおりですが、若干の中間加工をすれば、付加価値の面でも、あるいは収入の面でも全然違ってくる、しかし、それをやる体制と余裕がない、それをやろうと思っても、技術の援助もむずかしいし、また、関税の面でそれが非常にできなくなる、ちょっと加工をすると、先進国側の、輸入する側の関税がぐっと高くなる、いろいろな障壁も現実につくられている、これを何とかしなければならぬということをこのブラント・レポートでも強調されております。そういう努力が非常に必要なんではないか。  だから、ODAの数字だけではない努力というものを二つ申し上げましたが、やるべきではないだろうかということについての考え方を伺いたいわけであります。  あと時間がありませんから、もう一つだけついでに質問をして終わりたいと思いますが、もう一つは、一次産品に関係をして、その効果の問題であります。  これは申し上げるまでもなく、何年かの協議を経てこの協定が成立をするということになったわけでありますが、またその過程では、共通基金の設定についての途上国側の強いさまざまの要望や意見が出たようであります。  そうして今度のプログラムが採択をされるということになったわけでありますが、七六年にナイロビの第四回UNCTAD総会でこれらについて提案をされたときには、将来六十億ドルの資金を運用できること、加盟政府の払い込み資本が当初十億ドル、将来二十億ドル、四十億ドルは借り入れで賄うというふうな構想として提案をされたわけでありますが、合意された、また今度提案されている内容では、当初払い込み四億ドルに削減ということになっているわけでありまして、このブラント・レポートで一次産品について書かれているところを読みますと、いま合意されたものが十分かどうかについては重大な疑念が表明されている、しかし、この新しい国際協力の試みが成功するようにあらゆる努力を払うべきであるというふうに述べております。  一体どれだけ効果があるんだろうか、またどういう展望を——まあスタートの問題もありますよ、さっきのいつスタートするのかという問題もありますけれども、これがスタートをする、それの持つ効果ですね、これがどういうふうに見込まれるかということと、それから、当初提案は六十億ドルの資金運用という提案で構想があったわけですから、そういう方向に向けてさらに発展させる姿勢でいくのかどうか。幾つかまとめてお伺いして恐縮ですが、お願いいたします。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 前段の方でございますが、援助のあり方の問題に二つ御指摘があったわけですが、御指摘のとおりだと思います。  ベニスのサミットの際に、七〇年代に非常に援助が量的にふえたわけでございますが、ジスカールデスタンがいまの、枠組みというような言葉でおっしゃいましたが、そういうようなものを見直すべきではないかというような議論が行われたことは事実でございます。  先般ASEANに鈴木総理が行かれたわけでございますが、私もお供いたしたわけでございますけれども、総理は、地についた援助というような表現で言われておるわけです。まず飯を食えるようにする、食糧とか農村というようなものを考えよう。いま付加価値というような御指摘がございましたが、中小企業というようなものを考えよう。それから、エネルギー、人づくり、教育、そういうような問題を重点を置いてASEANに対してやっていきたいということを各所で言われまして、先方からも高く評価されたところでございまして、伊藤委員の御指摘のとおりだろうと思います。  それから二番目の方の問題でございますが、率直に申して、現在十八品目ぐらいが考えられております。六十億ドルという議論もございましたけれども、その十八の商品協定の中で現在四つぐらいが、この共通基金とつながりの可能性が大きなものとして考えられているわけでございますが、そういうようなことから言って、現在の出資金四億七千というようなスケール、これは、まず最初そういうようなことから始めていくことがいいのではないかと思うわけでございます。日本が一番関心を持っておりますASEAN関係の一次産品、天然ゴムとかすずとか、そういうようなものが比較的可能性が高いわけでございますが、そういうようなことから考えて、一方的に基金に加盟国が出すというよりも、それぞれの商品協定の方からも金を出す、現在の仕組みが大変現実的ではないか。  将来のことでございますけれども、将来は、これをやってみてからまたそのときの条件で考えるということが本当のところだろうと思います。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 二分ありますから、もう一つ、これは外務省に聞きます。  新聞を読みましたら、「対外政府援助に基準設定」特にODAに関係するのだと思いますが、どういうふうに日本の援助の枠組みを決めていくのかというわけでありますが、この内容を見ますと、アジア七割、中東、アフリカ、中南米それぞれ一割、合計十割ですね。聞きましたら、アフリカは日本の援助の中のシェアが低いパーセンテージからだんだんに高まってきて、九・何%ぐらいになっているようです。何か中期的な枠組みの中で、さっきASEAN重点というお話もございましたけれども、アジアに七割、中東、アフリカ、中南米一割ずつというふうな枠組みみたいなこともお考えになっているわけですか。

坂本重太郎外務大臣官房外務参事官

○坂本説明員 お答えいたします。  一応外務省といたしましては、先生ただいま申されましたような感じで、地域的な二国間ODAの配分は、アジアにつきましては七割くらい、それから中近東、アフリカ、中南米、各一割くらいということを考えております。実績は、現実にはたとえば七九年の数字でございますけれども、アフリカには九・七%、中南米には八・六%、中近東には一〇・四%ということで、実績もいま申しましたようなところと余りかけ離れておりませんので、ASEANは重要でございますけれども、アジアだけに余り集中しても困る、やはり全世界を相手に援助をしていくということで、いま申したようなことをわれわれは内々考えておる次第でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 終わります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五十一分休憩      ————◇—————     午後一時四十八分開議

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前に引き続き質疑を続行いたします。渡部一郎君。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 まず一次産品の問題からお尋ねをしていきたいと思います。  一次産品共通基金に関しましては、多年にわたる南北交渉の生み出した成果の中でも特に重要な成果と目されているものでありますが、その実行に当たりましてはなかなか大きな問題点がたくさんあるのでございまして、今後において南側だけでなく北側においてもいろいろな研究と取り組みが必要であると思います。特に緩衝在庫に対する融資、いわゆる第一の窓、研究開発、生産向上、市場開拓など、緩衝在庫以外の措置に対する融資、贈与に関する第二の窓、この両者がお互いに独立して活躍をさせる、こういう形で共通基金は出ているわけでございますけれども、この共通基金の基本的な性格について、まず南側の主張と北側の主張がかなりのレベルで交差しているわけであります。その交差しているレベルの最大の問題点が決着がつきませんと、取り組みが余りうまくいかないのではないかと思われる点があります。  輸出所得の大きな部分につきまして、南側の主要な主張は、輸出所得の一番大きな部分を第一次産品の輸出にゆだねているわけでございますから、第一次産品の価格が安定することが経済発展の基礎である。だからこそ、この一次産品の国際緩衝在庫における融資を行う共通基金というものが必要なんだ。この融資という面に大きな重点を置いてもらうのでなかったら、一次産品の安定的な価格維持を行うことはできないし、ひいては南側諸国の経済発展の基礎を揺るがすものになるとがんがん主張しているわけであります。  ところが、北側から言わせるならば、一次産品の価格を人為的に市場価格より高い水準に設定することは、マーケットメカニズムのメリットが全部なくなってしまうのだ、そういうやり方では困るのだ、こういう考え方が強くあり、特にアメリカのクーパー国務次官のステートメントなどというものは、共通基金というのは援助機関ではない、そうではなくて、こういう立場を強く主張し、国際金融機関であるというようなことを強く述べたわけであります。  金融機関であるならば、その際限のない、一次産品の価格維持のためにたくさんのお金を投下することにブレーキをかけなければならぬものでありますし、援助機関であるというならば、ある水準の金額は常時補てんしていくというやり方でやっていくということも道が開くわけであります。  どうやら決着は灰色に近い状況であるように見えるわけでございますが、この点、日本側の立場はどちらの立場をとり、どういうふうに今後この問題を誘導していくか。いままでの歴史を見まして、緩衝在庫の歴史というものは、常にある意味のごね得型の推移をしてきた。結局、いろいろ言うけれども、お金はだんだんなくなってきてしまって、緩衝在庫はつぶれていくという方向にあったのではないかと私は思います。したがって、アメリカと違ってこの問題について非常に大きなお金を元気よくお出しになった日本の大蔵省、大蔵大臣といたされましては、深い御見識がいろいろおありになるだろうと思いますから、この点について、基本的なところからまずお伺いしたい。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 共通基金の性格は、先生のいま御指摘のような議論が過去五、六年にわたって行われたわけでございます。  でき上がりましたものは、一つは第一の窓、要するに融資をする方のファンドでございますが、私どもの方は、これを大蔵省が所管していることからもおわかりのように、国際金融機関というふうに考えておるわけでございます。  ただ、いま御指摘にもございましたように、南側から援助機関的性格というような議論があった結果でき上がっておりますものは第二の窓の方で、生産性の向上とか新市場の開拓とかいうような若干援助的色彩を持っておる、中間形態みたいな感じが入っていることは事実でございます。  ただ、私どもが国際金融の角度からこれを取り上げたいというのは、まさに御指摘のように、援助的性格を持ちながら国際金融機関として考えるという立場をとっておるわけでございます。  アメリカの考え方でございますが、御指摘のクーパーの言っているような考え方の上に立って、彼らは市場調査とか生産性向上の方には入らないわけでございます。それでファンドの方に入る。この場合、次の問題点は、一体本当に実効があるのかという御指摘でございますが、わが国の場合も、食管制度から始まっていろいろ価格支持の制度がございます。この場合、適切な価格が設定されて、需給関係との結びつきが適切であるならば、かなり有効に機能するのは経験的にあるわけでございます。  たとえば、ドイツがかなり前にやっておりました、瞬間タッチで食糧関係のものを価格操作するというようなのもかなり効果を上げた。わが国の場合にも、いろいろ御批判はありましょうけれども、それからうまくいっていないのもございますけれども、うまくいっている価格支持政策もあるというようなことから申しまして、先進国側にとっては安定的な価格で原材料が手に入る、後進国の方から見ると所得が安定する、理論的にはそういうメリットがあることは事実だろうと思います。したがって、いま申しましたように、適切な価格が設定されて、需給との関係で円滑にワークするならば相当のプラスがあるのではないか。  それからもう一つ、わが国の立場で申しますと、ASEAN諸国がこの一次産品系統にかなり依存しておるわけでございます。御承知のような天然ゴムとかすずとか、そういうものは圧倒的にASEANが大きい。ASEANが特に強くそういうものを求めておった。ヨーロッパの場合にはSTABEX、ロメ協定とか、いろいろ類似のものがある。ところが、日本の関係国にはそういうのはないという議論がございまして、マニラで行われましたUNCTADの際にも、大平総理がかなり前向きな姿勢をお示しになった。これはひとえに、そのものの意味合いと、それから特に日本と日本周辺の途上国との関係ということをお考えになったのだろうと思うわけでございますが、そういうことで、理論的にはかなりユニークな、従来の国際金融機関でございますと、加盟国の国別に考えていくというのを、今度は品物に着眼してやっていくという、非常に特殊な形態でございますが、ロジカルにはワークする。  で、現実どうなるかということでございますけれども、当面、四商品協定が大体近々にこれと結びつく可能性がある。四つの中では、とりあえずは天然ゴムなりすずなりは有望だろうと思います。そういうものをやってみるということだろうと思います。相当の歳月をかけて関係者が議論してまいりまして、こういう、きわめて現実的な案でまとまったと思うわけでございます。したがって、私どもとしては大きな期待を持って臨んでおるわけでございます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 この拠出分担の基準につきまして、アメリカはいままでのGNP比率と国連分担比率のほかに、今回新たに一次産品の貿易比率を加えて検討せいということを強く主張することによりまして、自国も一次産品の巨大な生産国でありますから、アメリカ側は貿易比率を勘案せよという言い方で米国の分担額というのを大幅に削減したという状況になっております。  また、ただいま申されましたように、日本としては、第二の窓に対する任意拠出として、交渉参加国の中では最大の二千七百万ドルを拠出するようにすでに申し出られております。こうすると、アメリカは引っ込む、日本は前へ出るという形で非常に大きな日本側の意欲というものが見てとられるわけであります。  現在時点で、おっしゃいましたように、商品協定群はIPC、一次産品総合計画十八品目のうち、天然ゴムとすずとココア程度、ココアもまだ交渉中ということでございますから、非常に局限された商品協定と連動するわけでございますけれども、これでは第二勘定の業務、第二の窓の方が基金の活動の主たる業務にいまのところなるだろうと思われます。したがって、ある意味で言いますと、ソビエトを初め東欧諸圏の基金協定の加盟というものは、いまのところ非常に経済的に行き詰まっている国家群が多いところから見ても、ポーランドのあの紛争を見ておりましても、とてもお金は出せないだろうと思われますし、アメリカはアメリカで、いまのような貿易勘定を勘定するなどという言い方で後ろへ下がる。また当該国におきましては、実際的な商品協定がわずか三つしか手がつかないというような状況であることを考えれば、第二の窓だけがぽかっとあく、そこへお金を持った日本大蔵省が元気よく登場していくと非常に奇異な感じがするわけですね。私は経済援助をするなと言っているわけではありませんけれども、こういう形で日本側が前へ大幅に出ていく、他の地域は大幅におくれてしまうということがありありと見てとられる状況におきましては、下手をすると基金の直接拠出資本の四分の一以上が不足する、したがって基金の発足ができなくなる、そういうことも可能になる。また、発足したとしても日本ばかりがんばるという形になろうかと思うのですね。私はそれがいけないと言っているのじゃなくて、そういう選択をするということは日本として、東南アジアの国々を初め発展途上の国はみんなまとめてめんどうを見るのだ、それがわが国の貿易施策あるいは金融市場政策として大事なことだという判断をなさったのかどうか、ここのところがまさに日本のこれからの行動を決定する上での一番重大な問題になるわけでありまして、一交渉当事者が判断をすべき問題ではなかろうと私は思います。現実の問題としては、これほど意欲的に取り組まれておりまして、まるで公明党の政策集か何か見ているような感じもするわけでありますが、野党が言っている段階ならまだそれなりの理想主義で貫かれているとしてよいのでありますけれども、少なくとも政権を担当されている政党、政府がこれをリードされる以上は十分の御検討もあった上おやりになっているだろうと私は謙虚に申し上げているわけですが、これは本当に大丈夫なんですか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 御懸念の点は、まさに五、六年もかけて議論してきたことからわかるわけでございます。私もこれの一番最初に担当をしておったことがございまして、御指摘のようなことをいろいろ問題提起をしたことがございます。率直に申して、後進国の言っておりましたような大規模なやり方でやった場合に一体うまくワークするかどうかということが懸念されたわけでございます。現在でき上がったかっこうは、御指摘のように商品協定の方から現金を持ってくる、そしてこっちから出した金と合わせてやっていく、要するに自己責任の方も追求しておる、そういうような仕掛けができておるわけでございます。よって、かなり長い間議論した過程で、問題点を整理した上でこういうような現実的な案ができているので、私どもとしては設立目的のとおりにワークするという大きな期待を持っております。  それから二番目に、もしワークしなかった場合に第二の窓だけがひとり立ちしちゃうのじゃないかという御指摘でございますが、これは全然皆無だと申せないと思います。ただこの場合も、後進国側の本来のねらいは一次産品の輸出所得の安定ということにあったわけでございます。現にこれとよく似たようなものでIMFにコンペンセトリー・ファイナンシング・ファシリティーというものがございますが、これが比較的うまくワークしておるわけでございます。そういうことからいって、第二の窓だけがひとり立ちしちゃって第一の方が動かないというようなことはないのじゃないだろうかと思います。  それから三番目に、日本が何かえらく突っ走っているというような御懸念をお持ちでございますが、数字的に見て事実日本の金はかなりウエートが高いわけでございますけれども、日本だけが突出するということは考えられないわけでございます。というのは、金を何でも出せばいいというわけじゃないので、それぞれ、各国集まってこういう基準で金を出し合ってこういう責任でやっていこうというやり方をやるわけでございますから、国際金融機関の場合ほとんどそうでございますけれども、ある一国だけがうんと出すということについては逆の意味で、発言権が強くなるということの反発も出るわけでございます。そういうようなこともございますから御懸念のような点は万々ないというふうに考えますけれども、長い間議論した過程でいろいろな問題点はあったわけでございますので、法案成立後、執行の過程では関係省と語らいまして重々注意をしてまいりたいと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 外務省では商品協定を扱う人は余り出世せぬという言葉があるくらいこれはめんどうな協定で、話がまとまらなくて、しかも報酬が少ない、大蔵省の御担当の方も大変な御苦労をなさった御様子がありありと見えて私は敬意を表しておるわけであります。一国対一国の取引ならまだ問題は簡単ですが、この場合に先方の意見というものが非常にバラエティーに富んでいる上、しかも執行に当たってうまくいったという実証がない。明らかに脳みその中ではうまくいくように検討されているけれども、続発するであろうと思われる難点に対してガードはきわめてない、これがこうした協定の特色だろうと私は思います。その意味で、大幅な出資をする意図を持っている日本としては、出資をするに当たってもっといろいろな研究とルールをつくり直し、かつこれを自分がかなりの責任を持ってリードする立場にならなければむずかしい点があるのではないかと私は思います。わが国ではとかく、機構をつくりますと後の機構は自動的にうまくいく、適当に許認可権あるいは自己責任というものを拡大解釈し、あるときは柔軟な処理をしつつやっていくという行政的慣行がありますが、この場合は外国でありまして、そういうルールは全く通用しない。この場合、見れば見るほど心配な点が多いわけであります。  したがって、単に御担当の方々に責任を負わせるだけではなく、本省としてまた政府としてこれらの問題について責任を持たれ、実務を担当される方々から上がってくるたくさんのワーキング上のいろいろな問題点に対して、それを抱えて処理をしていく担当部局をきちっと定めておくこと、責任者を決めておくこと、そして、それに対してかなり濶達自由に判断できる権限のある役所をつくっておくこと、そうしたことが緊急かつ必要であると私は思いますが、その点、大臣、いかがでございますか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 これはもう御承知のとおり、第一の窓の方は大蔵省の国際金融局が責任を持っております、予算も大蔵省の方に計上していただいておる、それから第二の窓の方は、従来の商品協定の系統の色彩が強いので外務省の方で責任を持っていただくというように、政府間で分け合いをやっておりますが、同時に、関係省庁との間の集まりを設けまして御指摘のような点についてそごのないようにいたしたいというふうに考えております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 それでは大蔵大臣と外務大臣が責任を持ってくださるということですからひとつがんばっていただくとしまして、今度はアフリカ開発銀行の方と絡んで申し上げますが、ここに持っているのは新聞の記事でございます。「アフリカ飢える二千万人 地域紛争で急増の難民 大かんばつが追い打ち」という記事が書かれておりまして、アフリカ大陸ではここ数年間に大紛争が発生中でございまして、難民の数が国連の最新推計でも約五百万、それに十五年ぶりという三年続きの大干ばつが全土を襲って、飢えや病気に苦しむ人が二千万、アフリカ総人口の二十人に一人、一日の飲み水の配給が牛乳びん一本以下の地域も珍しくないという記事が生々しく記されております。こういう状況の中にあるところに対して、このアフリカ開発銀行への加盟とかただいまの一次産品とか議論しておりまして、何か隔靴掻痒といいますか、かゆいところをくつの上からかいているような、全然関係のない感じがしてならないわけですね。こんなことを言ったって効き目があるのかと。現実には死んでいく人がある。内戦、紛争に対して手をほとんど出さない日本が、ともかく銀行だけつくってあげようなんて言ったって、牛乳びん一本の水を二本にしろという人に対してもう意味がない。そうすると何か問題点がしぼり切れていないという感じ。国際的な打ち合わせだから、これをやったんです、ほかの国から言われたんだからやったんですという言い方でこれが出てきているのはわかっていますけれども、その点どうなんだという感じがひどくするわけであります。  特にレーガン政権にアメリカがかわられましてから、西側陣営の一員としての協力という言い方で、選別的援助という言い方で援助からアメリカは大々的に後退中である。そして一方では日本の防衛力の増強を声高に言っておる。そして日本については、援助するというだけで防衛分担を下げるわけにはいきませんよという念押しが行われておる。そこでわが国はどうしているかというと、非常に人のいいことで、防衛分担もふやしますよと一方では言っておる。そして一方ではタイとかパキスタンとかトルコとか、紛争周辺地域にも援助の手を差し伸べて、オーマンだとかジャマイカだとか、そういうところにも援助を広げているわけですね。  このやり方を見ると、お金持ちの成り上がり者が神社の寄付だとか道路工事の寄付だとか町内会のおつき合いとか、老人クラブへの援助金だとか言われるたびに唯々諾々とウイウイと言いながら金を出している、そういう成り上がりのぼんぼんさんみたいな感じがするのです。こういうやり方でいいのか。  アメリカの方は選択的援助、選別的援助なんという言葉で国際機関やマルチ援助、つまり多国籍に対する援助はやめた、一対一だ、おじぎを一回したら一回出すというような調子の方向へ援助方針を大々的に変えていく。わが国にとって大事なことは、このアメリカの方針を変えるという交渉をしないでおいて、回ってきたツケだけを払うというやり方では、われわれの援助は多少ふやしたって、こうした後進国には何にも意味がない。  しかも、この援助するシステムというのはアメリカ好みの、銀行をつくるとか、何とか基金だ、そして現場の人にはお米の一握りも届かない、水の一杯も届かない。これはちょっと何か基本的に駆け引き、かけ合いというものが、交渉というものが間違っているのではないか、私はそう思うのです。どうでしょうか、この辺は。きわめて政治的な問題なんですが。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 おっしゃることはよくわかるのです。     〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 したがいまして、私は、いろいろなものを担ぎ込んでこられましてもうのみにはできませんよ、それは片一方は増税をして、これから歳出カットをいっぱいやらなければならぬわけでありますから。しかしその反面ではいま渡部委員の言うような、そのものずばりと言えばそのものずばりかもしらぬが、ややもするとそうなる危険性もなきにしもあらず、したがってそういうようにならないようにきちんと歯どめをつけていかなければならぬ、そう思っておるわけです。  アメリカに対しましても、やはり政権がかわったからといって手のひらを返すようなことは困りますよ、国際的ないろいろな約束もあるようなことについては、義務は、アメリカという国は続いているんだから、だからそれは履行してくださいよということを重ねて言っているわけです。  それから、いろいろな機関をやたらにつくって、世銀をつくれば第二世銀をつくって、またその下に何かつくるとか、それと同じようなことがアフリカでもまた基金があって銀行があって、その下にまた何かつくるというようなことで、何かそこに勤めている人が職場探しというか、天下り、特殊法人か、見方によってはそういうようなうらみなしとせずだ。したがって私はこれらも、援助官僚というものができてしまうと、その中で結局今度は次の分野に仕事また仕事というようなことにとられがちな面もなきにしもあらずじゃないか。だからこれからは安易にだんだん機構ばかりふくらましていってしまうと、金を出さない人はいいですが、金を出す方は困るわけだから、これは全部慎重に対処していくようにしたいと思っております。  御指摘のことば私もわからないわけではないのです。ただ、大蔵大臣としては余りはっきり物は言えないというだけのことでございます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 いや、これは大臣も本当に率直に言われるし、ぼくも相当率直に言っているわけです。これはお互い困ったことだと思います。困ったじゃ済まないのですが、当委員会の短い質疑の間でとても処理できる問題ではなかろうと思います。  日本の国として後進国に対する援助という形をもうちょっと広げて、われわれが最近困っておるのは、日本のGNPの一年の増加率がASEAN諸国の増加率なんかよりもはるかに大きいでしょう、はるかにしのいでいる。もうちょっとたちますと例の七十七カ国グループ全部のGNPの増加率にも対抗できるほどの大きさになってくる。こんな巨大な、南北格差といいますけれども、日本一国と他の開発援助国との格差というものが急速に出てきているのは国際的な貧富の格差のめちゃめちゃな大きな拡大であり、それは世界的な経済秩序の崩壊であると私は思います。これはアメリカとソ連というだけでなくて、日本という国が貿易立国でやっていく構造というものを基本的に覆すことになってしまう。ではお金を少しばらまいたら南の人が物を買ってくれるか。これは手数料だ、手間賃である、あるいは入場料だと思って払うならそれはそれでおさまればいいけれども、入場料や手数料や手間賃、そうしたもので済まないだけの巨大な南北格差というものが生じておる。そうすると、わが国の経済の成り立ち方もその辺で再構築しなければならぬじゃないか。私は、開発銀行とか世銀とかこういう銀行システムとか一次産品に関する緩衝在庫だとかというシステムはそのために役に立つならありがたいことだと思っておる。だけれども、いま見る限りでは、役に立たないとは言わないけれども、役に立つなんということはそれこそよほどの神経がなければ言えるせりふではないと思います。非常に残念なことなんですけれども、こうした問題について今後もっともっと御研究をいただかなければならないのではないか、私は深刻に感じているところであります。  政府開発援助というものについて、日本はこの五年間にGNPに対する比率を他の先進諸国並みに上げると言っている。これはいままでは目標になり得た。ところがGNPの数字がある程度以上大きくなって日本が強大になると比率を同じにする、横並びにするというだけでは意味がなくなってくる、こういう率では。国際経済の、特に日本の経済行政というものが国際的に進出した場合に、日本側の意図を表明する適切な交渉基準というものがない、イメージがないということは、日本にとってはいま非常に問題になってきてしまったわけですね。そうして一次産品のように、その勧進元であったアメリカが退いてしまって、いつも二番手か三番手で後ろへ並んでいたわれわれが幹事役をぱっと押しつけられてくる。  では、それを引き受けていいのかどうか。ことしは引き受けていいのかもしれないが、来年からいいのかと言われたときには、われわれはこういう先導車にならっていく行き方、アメリカの後ろについていればいいというような経済外交のやり方ではとうてい対抗できない。私は、これは基本的に全部考え直さなければならないだろうと問題を提起しておきたいと思います。御研究をぜひお願いしたい。  私は、きょうは小さなことを論ずるつもりは全くありません。しかもこの問題については私も適切な案を表示することができません。問題ばかり非常に大きいと思っておる。そして、こうした問題について当委員会だけでなくて日本の政治、経済、貿易、外交、全部がひっ絡んでおるということも御存じの上でございましょうけれども、あえて指摘しておきたいと思いまして、今後の御検討をお願いしたいと思います。この辺について渡辺大臣の御見識を承りまして私の質問といたします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 大変貴重な御意見だと私は思っております。最近におけるいろんな国際間の大蔵大臣の集まり等もございますが、アメリカについていくというのでなくして、日本は日本としていろいろな意見を言える立場にございますし、また言わなければならない立場にもあるわけでありまして、そのような御意見を踏まえて、これらの国際機関に対する出資等が本当に所期の目的どおり使われるように、そうしてまいりたい、そう思っております。今後いろいろ派生的な問題等については一層慎重に取り組んでまいりたいと存じます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 この問題については経済協力関係の担当部局もやられておりますし、外務省の経済局がやっておられるのもわかっておるし、もちろん本省においていろいろ御苦心されておるのもわかっております。そういう打ち合わせが、もっと濃密な打ち合わせと、戦略上の打ち合わせが必要かと思います。その基本戦略が組み上がらないで、担当官がいきなりこういうところで交渉させられるというのは、担当官が気の毒で、声の出しようがあるまいと私は思います。だから、言われた条約にサインするためにがんばってこいよ、ここのところを国益を損するなという程度でいくのではとっても交渉できない。こっち側の中で打ち合わせしなければならない。向こうと交渉する前に、こちら側にアイデアがないというときぐらい交渉ができないことはない。いってみれば総合安全保障会議の議題にもなるべきような大問題だと思いますけれども、こうした問題について重ねて、今後の御検討と、これに対する御検討の成果が数カ月以内に開陳されることを望みまして、私の質問といたします。

大原一三自由民主党

○大原(一)委員長代理 玉置一弥君。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 今回一次産品、そしてアフリカ開発銀行ですか、いままでの動きの一連ということもございますけれども、特に貿易摩擦上のこれからの対応という面から考えましても、特に一昨年来南北問題というようなことが取り上げられまして、世界経済の南北の大変大きなひずみ、そして相互理解がなかなか進行していかない。特に輸出産油国といいますか、そういう国々と非産油国との格差が広がってきている。いろいろな問題点が浮き彫りにされまして、それぞれの対応の中で方向としては非常にいい方向に来ている、そういうように感じております。しかしヨーロッパのそれぞれのニュアンスを聞いてみますと、日本がヨーロッパに直接いろんな製品を売り込むことも大変脅威であるけれども、第三勢力、そういう国々に対して大変力を伸ばしてきている。このことが、日本のことだけを考えてやっているのではないかというような大変強い批判があります。こういうことを考えますと、今回の基金を通じての融資ということになれば、世界経済の中の規模に応じた日本の社会的責任のような、そういう一端を担うということにもなるわけでございまして、そういう面では大いに評価ができるわけです。しかし、いままでのいろんな経済協力を見てみますと、日本の国内で各所轄官庁といいますか、交渉が日本の国、相手にとっては日本の国でございますけれども、日本の国内から見るとそれらの所管が各省にまたがっているという話があります。こういう場合に、果たして日本の外交政策として、相手国が一本の軌道に乗った政策をとっているというふうに受けとめられるかどうかというような心配が出てくるわけでございます。  たとえば大蔵省の所管としましては海外経済協力基金あるいは食糧増産等援助費ですか、国際通貨基金あるいは国際金融公庫、アジア開銀、世銀、そのほかいろいろありますけれども、外務省管轄としても国際協力事業団、経済開発等援助費、国際分担金ですか、そういういろいろなのがある。文部省、厚生省、農水あるいは通産、いろいろな分野に分かれております。こういうのを見てみますと、それぞれ年度予算のときには個別にいろいろ出されてきて、法律あるいは条約等それぞれの立場ということで結ばれておりまして、また、いままでの進行状況を見てみますと、各省力の入れぐあいが国によって違うというような感じがするわけでございます。そういう面から考えまして、日本の国という立場からそれぞれの国に対して政策をもって対応するということを考えた場合に、現在のやり方で果たしていいのかなという、そんな気持ちが出てくるわけでございます。  そこでまず外務省に、現在の海外に対するいろいろな協力体制、それの状態がどうなっているのかというお話を伺いますとともに、外務省あるいは大蔵大臣として、あるいは国際金融局長、それぞれいろんな点でお考えになっていると思います。そういう面での御意見を伺いたいと思います。

坂本重太郎外務大臣官房外務参事官

○坂本説明員 お答えいたします。  ただいま先生が御指摘されましたように、援助に関しましては関係省庁にまたがっておりまして、その援助政策を決めるに当たっては、どうしてもその関係省庁間の密接な協議というものが必要になっております。  これは申すまでもございませんけれども、経済協力というのはどうしても外交政策それから経済政策、通商政策あるいは財政金融政策等いろいろな角度から検討が必要な非常に多面的な行政でございますので、どうしても関係する省庁も多くなってまいります。たとえば円借款を決める場合には外務省が在外公館といろいろ連絡をとって、その結果大蔵省それから経済企画庁さらには通産省といろいろ協議をいたしまして政策決定をいたし、それからまた決定後さらに在外公館を通じて先方政府と交渉するという過程をとります。それからまた無償資金協力に関しましても、一応外務省、大蔵省等々、さらには農林水産省などとも協議しながら実施をしてございます。  こういうことで、現在の体制下におきましてはどうしても関係省庁間の協議が必要でございますので、われわれは従来とも何とか密接な協議をしたい、こう思ってやってきておりますし、これだけだんだん援助が大きくなってまいりましたので、今後その円滑な実施というのが一つのわれわれの大きな課題になっておりますので、関係省庁間の協議をできるだけ密接にした上で有効な援助を供与してまいりたい、こう考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 現在の総括的なというか、対外的に受け入れるというのはやはり外務省だと思いますけれども、外務省の中でもいろいろな局に分かれておりますね。それがそれぞれ各省との連絡をとっておられると思いますけれども、果たして外務省の考えておられるのと、そして各省が、いわゆる各省それぞれ日本の国内事情、国内のしがらみ、悪い言葉で言うとそういうことになりますけれども、そういう関係で外国の要請が十分うまく伝わらないということもあるかと思いますけれども、現在、そういう点から見て、窓口としてどういうふうにお感じになっておりますか。

坂本重太郎外務大臣官房外務参事官

○坂本説明員 ただいま先生が申されたとおり、一応援助に関しましては外務省が窓口になっております。外務省の私が属しております経済協力局が第一義的な窓口になっておりまして、主として政府開発援助を扱っております。  ところが、民間と政府開発援助が絡むような、たとえば混合借款、こういうような問題になりますと、これは地域局が主管しまして、われわれ経済協力局も協議をいたしております。  具体的な経済協力案件が起きる場合には、まず先方政府、ある特定の開発途上国からわが方の大使館に対して、または国際会議場等において正式の要請が入ってまいります。それをわれわれが受け継ぎまして、関係省庁と協議をして政策決定をするわけですが、決定をした後、この実施の問題でいろいろ問題がございますので、たとえば円借款でございますと、海外経済協力基金がこの担当に当たってその実施をやっておりますが、われわれとしましては、できるだけ直接先方政府とコンタクトを持ちたいということで、最近は先方政府の要人に来ていただく機会が非常に多くなっておりますし、それからまた、われわれの方から出かけていって直接先方と交渉するというケースもふえてきております。やはり直接のパイプを持たないと、在外公館だけを通じてではどうしても弱いというぐあいに判断しておりますので、今後ともそういう方向で援助を決めていき、また実施してまいりたい、こう考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 いろいろな分野での交流というのがあるわけでございまして、そういう面での要請というものもそれぞれ上がってくるように思います。  そこで、やはり将来というか、それぞれ具体的な動きは各省に任せざるを得ないと思いますけれども、いままで外交政策というのは、日本の場合には非常に揺らいでいたというふうに言われておりますし、それぞれの国のお話を聞いても、一本筋の通ったものが欲しいというようなことを聞くわけでございまして、そういう面からぜひ、窓口一本化だけではなくて、思想的にも政策的にも一本化されたような、そういう方向で、これからの海外技術援助あるいは協力ということだけではなくて、外交政策として筋の通った方法でお願いをしたいと思います。これは外務省だけに言ってもしようがないので、本当は各省またがっている問題でございますから、そういう中で話をしていただかないといけないと思います。  今回、共通基金あるいは開銀ということで出資をすることになるわけでございまして、世銀あるいはそのほかいろいろな海外のというか、要するに、国際的な金融機関、国際的な機関というものへの出資がなされておりますけれども、一方では、日本と二国間でのいろいろな援助、一般の援助がありますし、無償というのもございますし、あるいは昔は賠償というのもありました。     〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕 そういうのを比較していきますと、本来であれば、資金といいますか、要するにかかる費用から見た効率という面から見ると、やはり二国間というのが一番相手にとって、これは日本がやってくれたものであるというようなことがよくわかりますし、また逆に、大変人間関係ができるという面でも非常にいいわけでございますけれども、やはりまだまだその基金への出資というものが年々出ておりまして、そういう状況から見て、果たしてどういう効果があるのかなという、ちょっと危惧を抱く部分があるわけですね。  先ほど渡部委員の方から、経済成長率に見合った、あるいは経済規模に見合った出資比率といいますか、そういうものをなるべく確保したい、だけれども、やはりいまの伸び率から見て、これから先はいろいろ考えていかなきゃいけないよということでもございますけれども、実際のところ、どこまでやったらいいのかという心配もありますけれども、本当にいままでそういう国際的な機関を通じてやった場合に、日本の評価が高まるとか、あるいは相手国が十分な理解をしてくれるということがあるのかなというふうな気がするわけでございまして、まずその点について、外務省あるいは国際金融局のニュアンスといいますか受けとめ方、それを聞いておきたいと思います。

坂本重太郎外務大臣官房外務参事官

○坂本説明員 お答えいたします。  確かにわが国の場合に、二国間援助と多数国間援助をどういう形でそれぞれのメリット、デメリットを組み合わせながら進めていくのかというのが一つの問題でございます。  先生がただいま御指摘されましたように、二国間援助につきましては、やはり機動的に援助を供与し得るというメリットもございますし、それからまた、外交的に非常に使えるというメリットもございます。  他方二国間援助の場合には、わが国の場合はできるだけそういうことを避けておりますけれども、若干ほかの国の場合には内政干渉的な色彩を帯びるということもございます。  他方国際機関を通ずる援助の場合には、ちょうどそれと逆のメリット、またデメリットがございます。たとえばメリットといたしましては、多数の国が参加いたしますので、それだけ資金源が大きくなるというメリットもございますし、それからまた、多数の国に対して多くのお金を使って効果的な援助ができるというメリットもございます。それから、いろいろ国際的な専門機関の知識、ノーハウを活用した形で援助を効果的に行えるということもございます。  たとえば、最近非常にその効果をよく上げたと思われるケースとしまして、難民関係に対する援助がございます。たとえば、カンボジア難民、ベトナム難民に対して、UNHCRが先頭に立ちまして、ユニセフとか世界食糧計画、WFP、ICRC、国際赤十字などと一緒になりまして、非常に効果的な援助をしたというケースもございます。  従来日本の援助を見ますと、この二国間の援助と国際機関の援助が大体七対三くらい、二国間の援助が七割、それから多数国間の援助が三割くらい、こういう比率になっておりまして、先ほど申しましたようなメリット、デメリットを組み合わせながら、今後とも大体この程度の目安で外務省としては進めてまいりたい、こう考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 時間が、遠慮して非常に短いのでございますけれども、方向としては七対三、大体従来どおり進まれるということのようでございますけれども、たとえばいま、先ほど申しましたように、経済摩擦という中で、第三勢力といいますか、そういう国々に対して、これから市場開拓をやっていく、そのためにはやはり経済力を高めていこうということで、先進国がこぞっていろいろな投資をやります。その中には当然民間ベースもありますし、先ほどみたいに、混合でいろいろな計画をしていくということもあると思いますけれども、民間と政府だけではなくて、たとえばイギリスなりフランスなりドイツなり、そういう国々と組んでやっていかなければならないという部分も出てくると思うのです。そういうときには当然政府が主体になるということでございましょうけれども、そういうときには本当に、たとえばでき上がってからの経済のいろいろな市場開拓のシェア、そういう面でのいろいろなメリットを分け合わなければならないとかいろいろなものが出てくると思うのですけれども、いまそういう動きはありますか。

坂本重太郎外務大臣官房外務参事官

○坂本説明員 お答え申し上げます。  いまの点は非常に私どももその必要性を痛感しておりまして、現実に、ちょうど一年半ほど前からアメリカとの間で非公式な、われわれ実務者レベルでございますけれども、この実務者レベルの間でアメリカと日本の援助政策、お互いにもう少し効果を上げるために協調をすべきではなかろうかという議論をしておりまして、すでに日米間では三回ほどこの会議を持たれております。それから、今度初めてでございますけれども、この七月になろうかと思いますが、西ドイツとの間で初めて日本が援助問題に関して協議をしようということになっております。それから今月末でございますけれども、ECから援助担当のシェイソンという委員が参りまして、これまたECと日本との間で援助協議をしようという方向に進んでおりまして、私ども外務省としましても、先生がいまおっしゃられた点、われわれも非常に必要性を痛感しておりますので、今後こういう形でできるだけ多くの主要援助国と協議を進めてまいりたい、かように考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 世界的な低成長という中で、経済の枠を拡大していこうと思えば、先進国以外を高めていくということしかないと思うので、その中でまた経済摩擦が拡大するということは、今後の国際協調という面から大変な問題になってくると思うので、ぜひ積極的に参加していただきたいと思います。  そこで、今回一次産品の共通基金というものをつくられるときに、南北の対立があったというような、何かそういう話を聞いておりますけれども、一つは現在の個別商品の国際協定、そういうもので十分対応できるではないかという先進国側と、いま非常に一次産品の値段が不安定である、そういうものをぜひ何とか大きな枠で確保したいということでその基金をつくるということにより積極的な、いわゆる南、南半球の方ですね、そういう人たちの対立があったというように聞きますけれども、先日のいろいろな御説明を聞いておりますと、いまは非常にうまくいっているということでございます。  しかし、これを生産者と消費者というふうに考えてみた場合に、果たしてこの基金ができた後もめごと、もめごとというかいろいろな対立が出てこないか、あるいは非常ないざこざといいますか、そういうものが生じないかという心配があるわけでございます。たとえば、当然消費者としてはいまの基金がいわゆる活動を開始するレベルが低いほどいい。ところが生産国にとっては高いほど所得がふえるわけでございますから、そこにおのずから対立の関係ができるということにもなりますし、逆に余り高いレベルで維持をしますと、高くするためにはある程度の在庫、買い入れる在庫、そういうものを大変多く持たなきゃいけない、そうなりますと非常に基金的にも大変な負担になるわけでございます。そういう心配があるわけでございまして、そういう面から見て本当に、この基金が設立をされてうまく運営できるか、外務省がいまお聞きになっている範囲内で判断していただいてお答え願いたいと思います。

内田富夫外務省国際連合局経済課長

○内田説明員 御説明申し上げます。  共通基金そのものは一次産品市場に直接介入するということはむしろございませんで、この緩衝在庫を有しまする商品機関が共通基金と提携協定を結びまして、このような提携協定に基づきまして基金から貸し付けを受ける、こういった提携協定を通じましてコモンファンド、この共通基金の価格安定機能が出てくるわけでございます。この点は御高承のとおりでございますが、それでは、その各産品の商品機関における緩衝在庫操作というものがどのように行われるかという点が先生の御質問の点かと思うわけでございますけれども、こういった緩衝在庫の買い出動、売り放出といった点につきましては、価格帯を設定しておりまして、一つ一つの商品機関に意思決定機関がございますから、そういった正式の意思決定機関の意思を尊重いたしまして価格帯を設定し、生産及び消費の水準の動向とか生産コストとかあるいは為替レート等の種々の要因を総合してこういった価格帯が設定されております。したがいまして、こういうメカニズムにおきましては、産消と申しますか、つくります方、消費します方、双方の利益が勘案されるというふうに期待されておりますので、そういった価格安定操作というものがたとえば生産過剰に必ず結びつくといったことはないというふうに思いますし、また、日本といたしましても、そういった理事会等の立場で臨みますときには、そういった方向で中立的な運用が行われるようにいたしたいということを考えておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 設定当初というのはかなり理想的なことがあるわけでございますけれども、実際運用上従来より高いレベルにあるなというような場合には、たとえば日本から、いまのレベルについてはおかしいじゃないかというような話ができるわけですか。そういうルートはあるわけですか。

内田富夫外務省国際連合局経済課長

○内田説明員 各商品機関のこういったオペレーションにつきましては、当該商品機関の意思決定機構を通じますいわばコントロールというものが働いておるわけでございます。わが国も大口拠出国でございますから当然理事国になったりあるいは事務局に十分な人材を送り込んだりという形で有効な関与を常にいたしておる、あるいは将来の問題といたしましてはぜひそういった方向で対処いたしたいというふうに考えておる次第でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 その基金の中に人を送り込まなければできないということですね。いわゆる外交ルートなりあるいはそういう正式な何か手続、手順がありまして提訴をするとか、そういうことはできないのですか。

内田富夫外務省国際連合局経済課長

○内田説明員 私の御説明が不十分だった点はおわびいたしますが、たとえば、各商品機関の親機関でございます共通基金に関しますれば、年一回開かれることが予想されております総務会あるいは随時開かれます理事会の場におきまして、わが国の利益が反映されるべく対処するということが常に可能なわけでございます。事務局と申しましたのは、こういった国際機関にはつきものの適当な規模の事務局ができることが予想されておるわけでございますけれども、こういったところに適宜関与していくということも一つの有効な手段であるかと思っておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 理事会等で十分な意見が出されるわけですね。そういうふうに受けとめておきますけれども、日本の場合蚕糸事業団がいろいろため込んでなかなか放出しないというのがありまして、日本と違うから大丈夫かなという気がしますけれども、そういう心配が一つあります。  大臣お帰りになりましたので、現在いろいろな開発途上国への援助あるいは貸し付けという形で累積債務が大変増加をしているという話を聞いておりますし、一人当たりの国民所得が二百六十五ドル以下の国は貧困国である、むしろいまの発展途上国よりちょっと高い、そういう中進の国々の借り入れ債務が非常に多い。もし、経済の活動が世界的な傾向で非常に低調になっておりますけれども、これがある程度行きついてきますと、貸付金の焦げつきができるのではないか。そうなりますと、国際金融恐慌というようなことが起こるのではないか、そんな気がするわけでございます。現在、年々低成長が安定してきた、こういう時勢でございまして、それにこの金融恐慌、起こる、起こらないという見通しは非常にむずかしいのでございますけれども、大臣自身いろいろなお話をお聞きになっておられますし、大臣自身がいろいろな考えで見ておられる、その辺でいまの累積債務が発展途上国にたまってきている、こういうことが将来どうなる、もし最悪の場合は破綻を来すということになるわけでございますけれども、そうなった場合に日本として十分対処できるかというところまで含めてちょっと考え方をお聞きしたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 御指摘のような実態がないわけではありません。しかし、そういうように一国でもそれがパンクしてしまって国際経済にでかい影響を及ぼすということは困ることでございますから、やはりみんなで手を組んで、そうしてそういうように破綻をさせないように最善の努力はしていく、それと同時に、そういうような債務をたくさん持った国に対しては極力勧告も助言もして、それは言うことも聞いてもらわぬことにはみんな困るわけですから、やはり政治、経済その他においての立て直しというものもきちっとやっていただくということも強く要請をしていく、そのかわり援助もするということで一人前に立っていただくということでなければせっかくの援助も何もならない。要するに、援助する国の国民の負担にだけなって援助される国の方でむだ遣いになっては困るわけですから、だから、そういうことにならないように両面からそれはチェックをしていきたい、そう思っております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 もう時間が過ぎておりますのでやめますけれども、ひとつお願いなんですけれども、いま特に中近東あるいはアフリカ、非常に政局の不安なところで新しいプロジェクトを日本の民間会社がやっておられますけれども、本来であれば資源を確保するという重大な使命のためにある程度入り込まなきゃいけない、そういう政策的な面もあると思うのですね。今回サウジアラビアのプロジェクトに対しては国の出資をするというふうな決定をなされたという話でございますし、イランの石化についてもある程度持つというような話もございますけれども、民間だけに任せないで、政府としてやはり積極的に強いつながりをつけていくということが必要だと思いますし、また相手国が、日本がいわゆる経済大国であり、非常に技術力も高く勤勉である、本当にものすごい評価をしておりますので、そういう面から、今後のそういう対外的ないろいろな協力関係については民間より積極的に政府が取り組んでいただきますようにお願いをいたしまして、時間が過ぎておりますので私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 平林剛君。

平林剛日本社会党

○平林委員 私は臨時通貨法の一部を改正する法律案につきまして若干の質問をしたいと思います。  今回政府が補助貨幣として新たに五百円硬貨を加えるこの臨時通貨法の改正案を国会に提出をされたのでございますが、五百円硬貨を発行するという政府の発表は昨年の十一月、渡辺大蔵大臣が大阪の造幣局へ参りまして貨幣大試験を行った際に記者会見によって行われたようでございます。当時私も翌日の新聞を見まして何か抜き打ち的な発表の仕方だなという印象を実は受けたわけであります。この法律案の提案理由によりますと、最近における国民の経済取引の実情を見ますと、より高額の貨幣が必要であると考えられるということと、国民生活の利便に資するためとございますが、堂々たる理由から見まして何か抜き打ち的に発表したような印象を受けるのは奇異に感じたのですけれども、こういうような発表の仕方をいたした理由は何かございますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 特別に何もなくてこのとおりでございます。昭和三十年に百円貨幣が発行されてから、それ以来通常の高額貨幣の発行というのはありませんでした。この間消費者物価は四・七倍、卸売物価は二・二倍になってまいりました。このような経済動向を反映いたしまして百円貨幣の全貨幣に占める割合は現在では六〇%を超えるに至ってます。このようなことで自動販売機の普及が目覚ましく、設置台数は四百五十八万台、その販売額は二兆七千四百九十億円、こういうようになっております。  五百円貨幣の発行は、このような状況を踏まえて、現実の問題としては百円で何枚も何枚も入れるということになっておりますし、五百円の品物というのもたくさんあって、もうなかなか百円玉だけではやっていけないということなので、この五百円硬貨を発行しようじゃないか。五十五年末に行われた民間調査機関の調査によると、五百円貨幣の発行に対して肯定的な人は約三五%だった。否定的な人は二〇%だった。その他の人はどちらでもいいというようなことでありました。そういうことも見まして、そういう時期ではないかということで発行することにしたのです。発行するということを決めましてもすぐには発行できませんから、かなりの年月がかかるので、もうそういうことを表に出して、それを何年か後に実際に使えるようにしようということで今回法律案を出したということでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 そうすると、五百円硬貨を発行しようという決断といいますか決定をいたしましたのはいまお話しのような経緯を経て大蔵大臣として判断した、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。いま挙げた理由は民間の調査ということを挙げられましたが、一方、新聞記者会見のときには、いまお話にもありましたように自動販売機の普及が急速に進んで民間からも高額硬貨を発行してほしいというニーズが高まっているという説明をされたのであります。実は私もこうした問題については深い関心を持っておったのですが、ぜひそうしてほしいとかこういう五百円硬貨を発行してほしいというような陳情とか国民の声というのは余り接したことがないのであります。それにもかかわらず大蔵大臣のところにはそういうような話が来て最終的な判断をしたのか、全くそういうこととは関係なしに大臣が判断をされたのか、こういう点を明らかにしてもらいたいということであります。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これは当時私が大蔵大臣になって間もなくのことでございまして、一応いろいろなことを事務当局としては内々調べておった。したがってそれらのいきさつ等については理財局長から答弁させます。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 特別にいま非常に不便だから五百円硬貨をつくってくれというふうな陳情を受けたわけではございません。私ども経済の推移、各種貨幣の流通高、利用状況等々、もろもろずっと調べてまいりまして、そろそろ五百円の貨幣をつくる段階に来ているのではないかというふうな判断をするに至ったわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 理由としてはいまのような経過を経て、国民の経済取引の実情ということと国民生活の利便に資する、こういうことに尽きると思うのでありますけれども、最近一般の新聞で発表されておりましたが、協和銀行が東京と大阪のサラリーマンを対象に行った新しい五百円硬貨の発行と金銭感覚に関するアンケート調査、これを見ますと、五百円硬貨があるといいなと考えたのが全体の二六%、いや五百円硬貨はなくてもいいと答えたのが二八%でありまして、どうも先ほどお話しのような国民の声が五百円硬貨を発行すべしと高まっておるようにはこの調査結果から見ますと言えないのじゃないか。国民の利便に供すると言うけれども、この調査結果によると、それではなぜそんなに五百円硬貨について興味を持たないのかというと、五百円以下のものが値上がりしそうだというような懸念と、次々五百円のような硬貨などを発行していくと五百円そのものの値打ちがなくなるという漠然とした不安感が多かった、私はこういうふうに読んだのであります。特に五百円玉は女性に人気が悪い。これはある意味では平均的な国民の反応ではなかろうか、私はこう思うのであります。大蔵大臣、こういうアンケート調査結果についてはどういうふうに見られますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これは設問の仕方その他でいろいろあろうかと思います。ただ私のところに手紙が一通、一通だけ来ましたが、こういう手紙でした。それは五百円札をいままで香典に使っておる、村じゅうで五百円にしようと。しばらく長い間、もう二十年くらいやっているのですかね。それがなくなってしまったのでは千円になる。五百円玉ではちょっと香典袋に入れづらいというのがあってそれは困るという手紙が一本、どこの県でしたか私のところへ来ました。まじめな手紙でした。それに返事を出しておきました。それは、五百円紙幣がなくなるわけではありません、五百円紙幣はずっとございますから、いままでどおり、香典は千円札にしなくて結構ですからどうぞ五百円札を使ってくださいと言ったことがあります。五百円硬貨を出すことによって、百円札というのは確かにいまはなくなってしまいましたね、だからそれを連想して五百円札がなくなってしまうのじゃないか、そう思ったのじゃないか。あるいはそういう答えをした人の中には五百円札がなくなるのじゃないかと思っている人もあるかもしれません、それはこちらのPR不足である、かように考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 その点に関しても後でお尋ねしたいと思いますが、この臨時通貨法の一部を改正する法律案の概要や新しい硬貨を発行する理由等を説明いたしました大蔵省理財局の資料によりますと、一つは最近の自動販売機の急速な普及ぶりから既存の百円以下の硬貨で対処するには著しく不便になっているということ、第二にはこのような経済取引の実態を反映して貨幣の流通高全体に占める百円貨幣の流通高は六三・四%に高まっていることを挙げておるわけであります。この貨幣の流通高全般における百円硬貨の流通高、これも五百円硬貨を発行する理由の一つと理解しなければならぬでしょうか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 私どもいま先生がおっしゃいました資料におきましては自動販売機等々の理由を挙げておるわけでございますが、そういう理由の背景にあります基本はやはり経済の情勢というものだろうと思います。したがいまして全体の貨幣の流通高に占める百円の貨幣の流通高というもののウエートがかなり高まってきておるということが、さらにそれより高い硬貨を必要とするということの基本的な理由であると考えておるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 私は、新しい五百円硬貨の発行する理由の一つに、貨幣流通高全体に占める百円貨幣の流通高、これが非常に高まっておるということを理由にしてこの硬貨を発行するということについては、実は一つの不安を感じておるわけであります。この五百円硬貨を発行することによってわが国の通貨制度に新しい問題を提起しないか、これは私も漠然とした不安でございますけれども、これがやがてインフレ的心理を助長しないかという問題を抱えている、実はそういう不安を感じておるわけでございます。  この問題について私がお尋ねする前に、硬貨に対比していま発行しておる紙幣の流通高についての状況を少し御説明いただきたいと思うのです。日本銀行が発行するところの種類別の発行高、たとえば一万円札、五千円札、千円札、五百円札とございますが、その発行の状況とそれぞれの構成比ですね、それはどういうぐあいになっておるかということを私がこれから質問を展開するに当たってまず御説明をいただきたいと思います。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 日銀券につきましては、ことしの三月末現在で申し上げますと、総額が十六兆八千二百七十六億円流通しております。  券種別に申し上げますと、そのうち一万円券が十四兆九百二十四億円、これは全体の八三・七%、それから五千円券が七千四百八十五億円、四・四%、現在の千円券、現在のと申しますのは古い千円券がわずかにまだ残っております。現在の千円券が一兆六千七百六十一億円で一〇%、それから現在の五百円券が二千三百七億円で一・四%ということになっております。  これは金額ベースで申し上げたわけでございますが、枚数で申し上げますと全体が五十二億一千六百万枚、そのうち一万円券が十四億九百万枚、二七%、五千円券が一億五千万枚で二・九%、千円券十六億七千六百万枚で三二・一%、五百円券四億六千百万枚、八・八%ということになっております。

平林剛日本社会党

○平林委員 私がいま理財局長から紙幣の流通の状況についてお尋ねいたしましたのは、いまお答えの中にございましたように一万円札の占める割合が種類別発行高の各紙幣の中で八三・七%を占めておるということに実は着目をしていただきたいと思うのであります。  いま、五百円硬貨を発行する理由の一つに百円硬貨の流通高は全般の六三・四%に高まっているというのを挙げられました。もしこれが一つ新しい貨幣を発行する理由だといたしますれば、一万円札は八三・七%でございますから、百円硬貨の発行の構成比から比べますと、より高いということをまず指摘をしたいと思うのであります。  こんな話を私なぜ出すかというと、大蔵大臣も御承知のように、丸い硬貨の方はいま一円玉、五円玉、十円玉、五十円、百円、今回で五百円が加わりますと六つの種類になるわけであります。これに対して、現在流通しておる紙幣は五百円札、百円札は昭和四十何年ですか、製造停止になりましたから流通しておりませんから、一番小さい紙幣というのは五百円札、千円札、五千円札、一万円札、つまり四種類であります。現在もうみんな麻痺しましたが、かつて五千円札とか一万円札というのはいわゆる高額紙幣と呼ばれたことがありまして、この高額紙幣を発行するときに政府が挙げた理由は、硬貨と紙幣との対比を五対五にしたいというわけです。それであのときに流通しておりましたのは、まだ五千円とか一万円札がないときでありましたから、百円と五百円と千円と、硬貨は五種類あるけれどもしかしお札の方は三種類しかないから、五千円札、一万円札で発行して、通貨体系といいますか、そういうものを整えるのだという理由が実はあったわけであります。  そこでまず第一番に、現在発行しておる通貨の構成が、片や硬貨においては六種類、紙幣においてはいまのところ四種類、こういうことになっておりますので、六対四だから将来高額紙幣を発行したらどうかというような議論になっては問題が残りはしないか。いわんや、通貨に占める構成比が六三%になったのだから五百円硬貨を発行するというようなことを理由にいたしますと、しからば一万円札はもう八三%を超えているのだから、五万円札、十万円札ということがあっていいじゃないかというような理由づけにならないとは限らない。私はそういうことを考えますと、そこに私の実は心配があるわけです。  つまり、そういうことになりますと、やがて五万円札、十万円札の発行の理由づけになり、それを発行することが通貨系列を整えるものだというようなことに発展をいたしますと、それが私は、やがてインフレ心理というようなことに向かってくる、こういうことを考えますので、構成比の問題を理由にすることが適当かどうかという実は問題意識を持っておるわけでございます。  そこでこの際、大蔵大臣にひとつはっきりしておいていただきたいのは、こういうさらに超高額紙幣が発行されるようなことはお考えになっておらない、そういうことはないよ、そういうことは結局将来の経済におけるインフレ心理にも影響を与えるので、慎重の上にも慎重を期さなければならない、こういうような安心感をひとつ私に与えてもらいたい。国民の中に潜在的にあります不安に対しましても対応してほしいということを申し上げたいのでありますが、大蔵大臣の御見解を承りたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 非常に重要な問題でございます。高額紙幣を発行するかどうかは、基本的には国民の現金種類に対する需要の動向及び高額紙幣発行についての心理的な影響も含めた総合的な見地からこれは慎重に検討しなければなりません。日銀券発行残高に占める一万円券の金額構成比は、ただいまお話があったように、最近八三%程度で比較的落ちついた推移をしております。過去において高額紙幣を発行した際の同様の比率を相当下回っております。このような観点から考えた場合、現在高額紙幣がないために取引上支障があるというような状況にはありませんので、目下考えておりません。

平林剛日本社会党

○平林委員 いまのお話で大体私も胸に落ちましたが、かつて議論したときは、紙幣の発行においても八〇%を超えるような構成比になったときは次のステップを踏まなければならぬというような議論が実はあったのであります。それで私は念のために大臣の見解を承りたかったのであります。  お話のとおり、一万円券はすでに昭和四十六年当時から構成比は七〇%を超えまして、今日まで十年間に八〇%前後をそれぞれ上がったり下がったりしておるわけでございます。そういうことから見て構成比が八〇%を超えたから次の高額紙幣を発行しなければならないという理由にはならぬと私は思います。ただいま大蔵大臣のお話では現在考えておらないということでございますので、どうかその考えを貫いてもらいたいということを希望しておきたいと思います。  次にお尋ねいたしますが、五百円硬貨は昭和五十六年度はどの程度発行するのかということと、それから、日本銀行券の製造高を見ますと、五百円札の方は昭和五十六年度の計画では大体六億六千万枚製造すると書いてありますけれども、五百円札と五百円硬貨というような関係はどういうぐあいにして流通させるつもりであるか、この点をお伺いしたいと思います。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 五百円の硬貨につきましては、この法律案を御承認いただければ直ちに準備に着手いたします。政令で図柄等を決めまして製造準備にかかりまして、今年度内に大体一億枚程度をつくるという計画をいたしております。それで五十七年度から流通に乗せるということになろうかと思います。  現在、お話がありましたように五百円札の方は流通高としては大体五億枚程度が流通いたしておるわけでございます。結局、最終的に硬貨、紙幣の割合というものをどういうふうに持っていくかということにつきましては、ある意味では国民の選択に任せるという考え方でいきたいと思っておるわけでございます。もし国民の選択が半々であれば大体二億五千万枚ぐらいずつの配分になろうかということではなかろうかと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 これも私希望を申し上げておきますが、結局五百円硬貨が国民にとって便利なのか、五百円札を国民は非常に欲しておるかというようなことは、流通の段階において国民の選択がどういうふうに変わっていくかという判断によって動かすことが大切だと実は思っておるわけでございます。百円硬貨を発行するときも、百円札とのバランスをどう見るかということでかなり議論いたしまして、政府の方も非常に慎重な態度をとって、百円札をなくすためには百円硬貨を発行してから十年以上たってこれを廃止をしていくというような非常に慎重な態度をとりました。私は今回の場合においてもそういうような配慮をすることが必要だと思います。国民の選択の問題とおっしゃいましたが、そうしたことを慎重に見きわめることが必要だと思いますが、これについて重ねて考え方を示してほしいと思います。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 私ども頭から貨幣の方をどんどんふやしていくというつもりは持っていないわけでございます。紙幣並びに貨幣の需要というのは日銀の窓口でおおむねわかるわけでございますので、そういう国民の側の需要に応じた生産、発行を続けていきたいと考えておる次第でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 五百円硬貨のデザイン等については、理財局の説明によりますと、この法律案の成立した後で、図柄とか形式等に関する政令をつくって造幣局における刻印の作成を行うとありますけれども、大臣、あなたが記者会見をやったときに——去年のことでありますから、ちょっと記憶が薄くなったかもしれませんが、大阪の造幣局で記者会見をやったときに、図柄は国民の親しみやすいものを考えたいと言っておるわけですね。国民に親しみやすい図柄というのはどういうものをお考えになっているのか、これをひとつお聞かせいただきたいのであります。  それから、そのときに発言をなさった中で、デザインは国民の間から公募することを検討してみたいとも言われましたね。これは非常にいい話なんでありますが、さっきの話を聞くと、五十七年度からは流通させたいというわけで、期間的に見てどうかなという感じがします。しかし、いやしくも一国の大蔵大臣がデザインは国民の間から公募することを検討してみたいと発言をされますと、国民の中には、それじゃ私のつくったやつで今度は日本国の五百円硬貨にしたいといって、いまごろは相当な案をつくっている人がいるかもしれない。こういうことでございますので、一体その検討をしてきた結果どういうふうにするのか。がっかりさせるなら早いところがっかりさせた方がいいし、手続をとるなら手続をとる、やはりそのけじめをつけなければいかぬと思いますが、この二つについて大蔵大臣のお考えいかん。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 当時の記者会見のときに記者団から、一般国民から募集するのかという質問がございまして、それについて、それは検討する、決まったわけではないが、そのことも一つの方法だ、法案も通らないうちから余り言ったら国会でしかられちゃうからねと実は言ったわけなんです。法案が通れば手続はしなければならないということを申し上げたのですが、どういうふうにするか、法案も通らないうちから言ったらしかられちゃうからということなんでして、まあそれも一つの方法。しかし造幣局の中にもそういうことの大好きな人がいっぱいいましてね。われもわれもというてんぐがいるわけですよ。ですから、どっちにするか、まだ実は決まっていないのです。法案が通ってから検討いたします。

平林剛日本社会党

○平林委員 もう法案が通る通らないは時間的な問題なんでして、やはり国民全般が注目しているこの委員会で発表する、裏の方でこそこそ、あれはまずかったかなと頭をかくようなやり方ではなくて、検討してみた結果はこんなふうに考えているということをいま発表するのが本当じゃないですか。  それから、大臣、意地悪なようですけれども、国民から親しまれやすい図柄というのは何ですか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 先ほど大臣が申し上げましたように、一つの考え方ということで記者会見のときに大臣がおっしゃったのだろうと思いますが、私ども事務的に、そろそろ法案も上げていただけそうな時期に来ましたので検討を開始しておるわけでございます。いろいろ造幣局当局とも打ち合わせをしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、五十七年度早々に流通に乗せるということのために、それまでの準備の工程その他の時間をはかってまいりますと、デザインを決めるまでの期間というのはそうない状況にあるわけでございます。したがいまして、いまから公募や何かの手続その他を進めて一体間に合うかどうか、その辺をいま早急に詰めておりますが、かなりむずかしいのではないかという感じを持っております。しかし、いずれにいたしましても、国民のいろいろな意見というものを十分聞かなければいかぬということは当然でございます。仮に専門家なり学識者等に委嘱をして図柄を決めるというような場合におきましても、たとえば何か審議会みたいなものでも招集いたしまして、そういうところを通じて国民の意思をそれに反映させたいというふうなことを現在考えておる段階でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 結局、実際問題としては、広く国民の間から公募することは困難じゃないか。そうすると、大蔵大臣の言われるように、造幣局の職員の中にも、技術も、そうした問題についても非常に堪能な人もおるし、それから印刷局の方にもないとは言えない。そういうような人の協力を得て、何種類か選んで、それを国民の代表するような形にして位置づけて、審議会のようなものを組織して、そこで検討していただくということにしないと、大蔵大臣がぬか喜びをさせたということになるわけで、全国にはそういう人もおられるでしょうから、そういうことを考えますと、せめていまのような傾向にせざるを得ないだろうということはやはりはっきりさせておいた方がいいのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 そう時間をかけないで、内部で検討します。

平林剛日本社会党

○平林委員 この機会に、ちょっと通貨に関する法律についてお尋ねをしておきたいと思います。  今回は臨時通貨法の改正案とありますので、私ちょっと勉強したときに、臨時通貨法とあるから、臨時じゃない通貨法があるのかなと思って見たのです。六法全書を開いてみたら、臨時でない通貨法なんというのはないわけなんです。見当たったのは、貨幣法というのがあるわけなんですね。  そこで、この貨幣法につきまして読んでみますというと、明治三十年十月一日に施行されておりますが、この法律自体は、三十年三月二十九日、法律第十六号ということになっている。第二条に「単位」というのがございまして、「純金ノ量目七百五十ミリグラムヲ以テ価格ノ単位ト為シ之ヲ円ト称ス」と書いてあるのです。第三条には、「貨幣の種類」として、「貨幣ノ種類ハ左ノ九種トス」「金貨幣 二十円 十円 五円」「銀貨幣 五十銭 二十銭」「ニッケル貨幣 十銭 五銭」「青銅貨幣 一銭 五厘」とあるわけでございます。それで、第五条の「貨幣の品位」に至りましては、金の貨幣は「純金九百分参和銅一百分」、銀の貨幣は「純銀七百二十分参和銅二百八十分」等、品位の問題についてまで法律で定められておるわけでございますが、現在、実際にはこういうものにはお目にかからない。博物館あたりへ行って見せていただいて、ああ昔はこんなものがあったかなという程度のことで、現在の法律といたしましては、死文といいますか、そういうものがあるというだけにとどまっておるわけでございます。これは一体このままでいいのかどうか、法律を実情に合わせて改めて法をつくり上げる必要があるのか、そういう点については私は非常に疑問に思うのでございます。これはどういうふうになさるつもりであるか、このままでいいのか、これを実情に合わせて改正するという考えがあるのか、この点をひとつこの際お尋ねいたしたいと思います。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 いま挙げられました貨幣法、それから現在御提案をしております臨時通貨法についてもそうでございますが、死文化したといいますか、現在全く動きようのない規定があるということは御指摘のとおりでございます。ただ、小額通貨整理法という別途の法律で手当てをいたしまして、しかるべく法令上の工夫をいたすことによりまして、国民の日常生活あるいは経済取引に支障を来さないような配慮をいたして運営をしておるわけでございます。  立法論といたしますれば、御指摘のように、貨幣制度全般について根本的な改正を行うということ、できるだけ統一的、体系的な貨幣制度にこの際整えるということが望ましいことはそのとおりだと思うわけでございます。ただ、貨幣制度というものは国民生活の根幹にかかわるものでございます。経済の、ある意味では基本法というものでございますので、改正する場合その影響はかなり大きいわけでございますが、できるだけ経済が安定をしていろいろな思惑を呼ばないような時期を選んでしなければいけない。また同時に国際通貨制度との調和という問題もあるわけでございます。現在国際通貨基金協定の方で、いずれ各国が統一的な平価制度の採用に向かっていく、こういう規定になっておるわけでございまして、現在はまだその辺に到達していない状況にあるということもあるわけでございます。あれやこれや考えますと、貨幣法の全面的な再組織ということについてはなお慎重に考えていかなければいかぬかなというふうに考えておるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 いまお話がございましたけれども、小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律というのは、あなたの言ったとおり、必ずしも貨幣法や臨時通貨法をそのままにしていいという理由にはなっていないと私は思うのです。その間にも隔離がある。小額法の方は円単位のことを言っておるのでありまして、実情に合わないということは、いま一つの法律の例を挙げましたが、それでは埋め尽くせないものがあると私は思うのです。特に今度の臨時通貨法の場合でもそうなんですけれども、素材や形式等について政令を出して決めたいと言っていますが、臨時通貨法の第四条を読んでみますと、素材、形式等について、「臨時補助貨幣ノ素材、品位、量目及形式ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム」と書いてあるのです。いまどき勅令というのはないわけですね。政府から提案をされています臨時通貨法を見ますと、ただ二条と三条の新旧対照表が出されているだけで、実際の法律を見るとこういう状態なんです。これをほおかぶりしまして、どうも申しわけありません、済みませんと言って国会を通過させるということはいかがなものだろうかと私は思ったのですよ。勅令で定めるとなっていて政令でやるとか、法律に合ってないことを今度やるわけですね。それから、この法律そのものにはいろいろな欠陥があるのを私ら知らないでいればごめんなさいと言って通っちゃうかもしれないけれども、こういう欠陥があるんだけれどもまことに申しわけないがひとつ臨時通貨法の二条と三条だけの修正で御勘弁いただきたいという御発言があって、初めて国会はうん、そうかなということになるわけですね。こうした問題についてやはり国会に一言あってしかるべしだと思うのですが、大蔵大臣いかがでございます。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 貨幣法、臨時通貨法には死文化した規定もあることは御指摘のとおりでございますが、小額通貨整理法によりしかるべく法令上の工夫がなされておりまして、国民の日常生活または経済取引の上で特に支障は来しておりません。ただ、立法論から言えば、今後適当な機会に貨幣制度全般について根本的な改正を行いまして、現実に即した統一的な通貨法を整えることは望ましい、私はこう思っております。  しかし、貨幣制度は国民生活の根幹にかかわるものでありますから、改正の内容によっては影響するところが非常に大きい。それだけに、その改正は経済が安定し種々の思惑を呼ばない時期に行われなければならないと思います。また同時に、国際通貨制度とも調和のとれた法体系があることが必要だ。このように考えると、現状では貨幣法の全面改正についてはいましばらく検討を続けていく必要があるというのが、大蔵省の統一見解でございます。  それから、勅令と政令の問題につきましては、これは私専門家じゃありませんが、何か読みかえる単独の法律が出ておると思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 大蔵大臣、自分で読んでいてどうも自分自身に釈然としないでしょう。適当な時期——この法律が現存しているわけですから、それに相矛盾した、それから実際でないという問題については速やかに処理する。いまお話があったように、国会というものの権威というものもありますし、基本法であればあるほど実体のないような一法律をいつまでも置いておくということは問題があると思いますので、ひとつ御検討いただいて速やかな処理を要求をいたしておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 承知いたしました。

平林剛日本社会党

○平林委員 次に、五百円硬貨の素材と品位、量目につきまして、今度政令を出すということになると思うのですけれども、百円の臨時補助貨幣の形式等に関する政令を見ますと、素材は銀の合金、品位は銀六百分、銅は三百分、亜鉛百分、量目は四・八グラム、こうあるのです。百円の補助貨幣でも、素材、品位につきましてはこういう形で発行しておると思うのです。いまだにこの政令のとおりの品位になっているのかどうか、これちょっと私もわからないのでありますけれども、五百円硬貨の場合には、この素材とか品位、量目は一体どうなるのでございましょうか。仮に百円の場合に銀の合金や銅、亜鉛ということになっておる。それ以上の価額の貨幣でございますから、品位等につきましても十分な配慮があるかなと思われるのでございますが、いかがでございましょうか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 現在百円貨幣は白銅でございます。(平林委員「どうして」と呼ぶ)いま平林委員がおっしゃったのは、昔の百円貨幣の品位だろうと思います。現在流通しておりますものは、白銅貨でございます。  今回五百円貨幣につきましては、いずれその品位、大きさ、図柄等々、政令で決めるということになるわけでございますが、技術的に申しますと、材質につきましては、できれば現在の百円貨幣と同じ材質が望ましいというのが技術的観点からの意見でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 ちょっと待ってくださいよ。百円の臨時補助貨幣の形式等に関する政令は昭和三十二年七月十日に出されまして、それによりますと素材は銀合金となっており、品位も銀、銅、亜鉛、それぞれ先ほど申し上げた分になっているのですね。それが白銅になったのはどういうわけですか。それはいつなりましたか。そのときは政令は出ているのですか。私政令のことを聞いたら、この政令の中にはそれがないんだな。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 その後政令が改正になっておりまして、現在は素材白銅と……(「白銅にしたのは何年だったか」と呼ぶ者あり)昭和四十一年政令第三百四十一号というものをもちまして、白銅というふうに変えてございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 今後は、本職に対するところの資料を提供するときは間違いないように、古い政令を出してこないように注意をするように喚起を求めます。  それでは、そろそろ時間でございますので、自動販売機の問題について少しお尋ねいたしたいと思います。  自動販売機の普及状況はどういう状態にございますか。また、現在ある自動販売機が五百円硬貨を併用しようとする場合には相当の改造費用を負担をするということになると思うのであります。私も関係者の人にちょっと尋ねてみましたら、一つの自動販売機を直すためには三万円くらいお金がかかるんじゃないのかというような話もございました。こういうことにつきまして政府は何か特別の措置をとるのか。今回発意をいたしまして五百円硬貨を発行するという場合に、こうした関係をする団体等に対しまして何らか特別の了解工作をとったかとらぬか、こうした業界との話し合いはしたのかしないのか、こういうようなことにつきましてお尋ねをいたしたいと思います。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 まず自動販売機の普及状況でございますが、昨年の五十五年十二月末現在で販売機数、設置台数といいますか、大体四百五十・八万台というふうに言われております。販売額が約二兆七千五百億円。したがいまして、国民二十六人に一台というふうなことで、かなり広く普及をしておるというふうに考えられるわけでございます。また、一人当たり、一年間自動販売機からの購入金額というのが二万三千五百円というふうな統計もあるわけでございます。なお、この数字は公衆電話を含んでおりません。公衆電話はこれ以外に約八十八万台ございます。  修理費ですが、この五百円硬貨を出しますと、それを使用するためには何らかの修理が必要であるということになろうかと思います。いま先生御指摘のように、私どもが聞いたところでは一台につき四万円くらい修理費が要るんではないかというふうに聞いておるわけでございます。ただ、それは販売する商品等にもよるわけでございまして、特に、たとえば乗車券でございますとか、雑誌類でございますとか、あるいは酒類でございますとか、そういう高額の商品を売る自動販売機は、これはどうしても修理をして五百円コインに対応するようなことを考えていくのだろうと思いますが、もう少し安い商品を主として販売するような、そういう販売機は、従来どおり百円玉を引き当てに考えておるということでございますから、当面修理する必要はないということにもなるわけでございまして、五百円貨幣導入によって、全部が全部どうしても直さなければならぬというようなものでもないわけでございます。  それからまた図柄、大きさ等をできるだけ早く決めまして、それを周知することによりまして、来年の春の導入時までに、それに対応する時間的余裕を十分与える必要があるということも考えておるわけでございます。その辺につきましても業界の意見を聞いてみましたところ、半年もあれば、それは十分対応は可能である、こういうことであります。それに対する補償とか何とかという話につきまして、私どもいま考えていないわけでございまして、業界の方で業界の採算で対応を考えていくということになろうかと思うわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 私は、以上五百円硬貨の発行については、自動販売機の普及による国民の利便という理由もありましょうけれども、一般の国民といいますか、消費者のサイドからながめますと、インフレの象徴にならないか、それから便上値上げが心配だ、こういうような警戒の声が強いことも私は事実だろうと思います。かつて、私は五千円札と一万円札の高額紙幣を発行しようといたしましたときに申し上げました。つまり国民経済の利便ということで高額紙幣を発行するという考え方をとるか、それとも当時千円札が一番大きい紙幣だったのですが、千円札を持って何でも買える、五千円や一万円はなくても、千円札があれば十分いろいろな品物が買えるというような国民生活にするかということは、いわば通貨制度における政治の選択であるということを申し上げたことがございます。私は、そういうことを考えますと、先ほど大臣にも今後は五万円札とか十万円札というような、庶民の立場から見れば気の遠くなるようなそういう紙幣を発行するよりは、現在の国民経済の中において少なくとも流通している貨幣が中身のあるようなものになるような、そういう政治を行ってもらいたい。ですから、こうした五百円の硬貨の発行が、内在的に不安を抱いているインフレの懸念に裏打ちされるようなものにならないような政治的な配慮が必要でございますし、また便乗値上げについては十分監視をするというような姿勢が必要だと思うのであります。物価がこれ以上上がらないようにしていくというようなことは、鈴木内閣においても重点課題だと思いますけれども、特に大蔵大臣、こうした問題について、新しい貨幣を発行するに際して、こうした国民の不安、それから国民生活ということを考慮して特段の配慮をしてもらいたいということを要望いたします。お答えがあればそれを承って、私の質問は終わりにいたします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 慎重に配意してまいります。

平林剛日本社会党

○平林委員 どうもありがとうございました。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 鳥居一雄君。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 臨時通貨法の一部を改正する法律案について、何点か御質問申し上げたいと思います。  まず大臣に率直に伺いますが、インフレでお金の価値が下がったから五百円玉を出されるのか、五百円玉を出すからインフレになってお金の価値が下がるのか。五百円玉発行の別の角度から伺いたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 別にインフレだからというのではなくして、現在五百円札も流通をいたしております。これは続けて流通はいたします。ただ、先ほどもお話があったように、自動販売機等で百円玉を何枚も入れなければならぬ。それから電話などでも遠距離電話などというのは、同じようなそういう状況にございますので、そういうようなことで国民の利便を考えまして、その五百円札があるのですから、その方で通貨の方もそれをこしらえたということでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 この百円玉が新しく発行されることになりましたその当時と、いま五百円玉を発行しようという今日と、物価を比べてみますと、まず百円玉発行の当時、ビールで申しますと一本百二十五円でございました。つまり五百円と申しますと、この当時四本買えた。それがいま酒税の値上がりですから、一本半という形になっているわけですね。たばこ、ピースで言いますと、一箱四十円。ですから当時十二個半買えた。それが五百円玉発行のいまは一箱九十円、五つということになっているわけです。こう見てまいりますと、たとえば国鉄運賃、当時新橋からずっと参りまして掛川まで参ります、二百二十三キロ乗れる価値が五百円にございました。いまは新橋から大船まで。また理髪代は、百円玉の当時百五十円、今日では二千百円、こうなっている。  こういうふうに確かに物価がどんどん上がってまいりましてお金の価値がなくなってきた。百円玉では間に合わなくてついに五百円玉の発行をせざるを得ないという背景がここにはっきりと私はあると思うのです。それでお金の価値が下がって最大の迷惑をこうむるのは国民生活でありますから、その点に全く触れずに通り過ぎるということは一体どんなものか。この辺についてははっきりとけじめをつけてしかるべきではないかと思うのです。いろいろ言われております。今回の五百円玉発行に関しては、売る側は歓迎であるけれども、消費者側にとっては非常に警戒である、これも大きな一つの特徴的な五百円玉発行ということに関する反応だろうと思うのです。  一つこういう話もあります。かつて聖徳太子が登場したのは百円札でございました。これは最高高額紙幣として登場した百円札に聖徳太子が登場する。しかし、お金の価値がだんだんなくなってまいりまして、次に聖徳太子は千円札発行という段になって引っ越しをいたしまして千円札、そして千円札がまた次第に価値がなくなってまいりまして五千円に移り、一万円に移った。何も引っ越し好きの聖徳太子ではございませんで、聖徳太子の住む住まいとしてはまことにみすぼらしい。安住の地を求めて移り行く結果になった。今回の五百円玉発行というのがお金の価値が次第次第になくなっていった姿をまことに如実に物語っているだろうと私は思うのですが、この点お認めになりませんでしょうか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 おっしゃいますように百円硬貨を出しました昭和三十二年から現在までの消費者物価の状況を見ますと、平均いたしまして四・七倍ということになっておるわけでございます。ちょうど五百円硬貨が来年度に出るといたしますとほぼ五倍ということで、何となく計算が合うわけでございますが、ただその間の実質国民総生産というものの伸びを見ますと、これは六倍ということになっておるわけでございまして、たとえばアメリカとかドイツ、イギリス等を見ますと消費者物価の上がり方はちょぼちょぼでございますけれども、実質国民総生産の伸びは日本ほど伸びていないということでございますから、個人の実質所得というベースで考えますと必ずしも諸外国に比べて劣るものではない、むしろ非常によく伸びておるということが言えるのではないかと思うわけでございます。  聖徳太子が移っていくというお話がございましたが、聖徳太子というのは戦後わが国の通貨の象徴みたいな形になっております関係上、そういう国民の意識をあらわしましてそのときに流通しておる一番高額のお金に聖徳太子を載せておる、こういう結果そうなったわけでございまして、決してインフレを促進するとかそういうような趣旨ではないわけでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 それで同僚委員の指摘にもございましたが、貨幣法と臨時通貨法であります。指摘のとおり貨幣法は明治三十年、臨時通貨法が昭和十三年、率直に申しまして、現在貨幣法の三条に「貨幣の種類」こう明記されておりますけれども、この九種類の貨幣は現在全く使われていない、臨時通貨法で臨時措置として臨時かつ特例という意味を込めて発行された分が現在使われておる、常用されている貨幣になっているわけですね。これが本位貨幣に対して補助貨幣、そういう意味ではこの貨幣法の中に歴然として補助貨幣が存在するわけです。臨時通貨法の中で通貨として認められているものがやはり補助貨幣であるわけです。そうなってよくよく考えてみますと、現在使われている補助貨幣と言われる百円玉、五十円玉あるいは五円玉、一円玉、これは全部臨時であって、正規の貨幣として認めているものが全く使われていない、つまり死文化してしまっているものである、これはまことにもって不合理千万と言わざるを得ないと思うのですね。どんなものでしょうか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 貨幣法制定当時は金本位制度でございまして、本位貨幣というのは金貨であるということでございます。それを補助するものとして銀貨以下ニッケルとか青銅貨というふうなものがあったわけでございます。ただ、昭和十二年に支那事変が始まりましてからインフレも非常に進んできておる、それから同時に補助貨幣に使う材質、非鉄金属等々が非常にアンバランスな値上がりをするというふうなことで、貨幣の表面価額と材質価格というものが非常にアンバランスになってきたというような事情もございまして、臨時通貨法というものを定めまして、そういう貨幣法上の補助貨幣を離れた現在のような形の補助貨幣というものがつくられたわけでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 つまりこの臨時通貨法なる昭和十三年六月一日施行のこの法律は、これはあくまでも臨時の立法措置であったと思うのですね。この法律ができたのが、ただいま申しましたが昭和十三年の六月、この昭和十三年六月というのは、この年の四月に国家総動員法が制定されている。そしてその戦時体制の中で臨時措置としてこの通貨法ができて新たにコインを発行しなければならないという事態があった。その後臨時通貨の製造発行については期限つきで支那事変が終わってから一カ年、こういうふうに決められていた法律であったわけです。その支那事変終了後一カ年を限ることになっていたはずのものが、十七年の二月にこれを大東亜戦争終了後、こう法律改正をして、戦後になってから「当分ノ内」と言いながら五回、このまま臨時通貨法という形で補助貨幣の発行をしてきた。こう考えてみますと、確かに現在使われている貨幣のすべてが臨時の補助貨幣である、こういう法律的な位置づけはよくわかるわけですが、これは貨幣法と臨時通貨法の本来の、今日の管理通貨制度というもう揺るぎない体制の中でわれわれの使っている貨幣がこういう法律に基づいているということはこれでいいのだろうか、こう思うわけです。一日も早くこの管理通貨制度は、金本位制度にもう一回戻すのだということであれば別ですけれども、そうでない以上この制度は改められてしかるべきだと思うのですが、大臣、いかがでしょう。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 臨時通貨法の制定以後の経緯は、いま先生の御指摘のとおりでございます。当初は戦争中の臨時措置ということでこの法律が制定されたわけでございますが、その後累次の改正を経まして終戦後に現在のような姿に改められたわけでございます。その改めましたときは「当分ノ内」というふうに書きまして、「当分ノ内」というのは貨幣についての体系的な全面改正が行われるまでということでありまして、もちろん戦争が終わっておりますから、もう戦争ということを離れましてそういうふうに改められたわけでございます。そういう意味におきまして、今後いろいろな状況を勘案しまして貨幣制度についての総合的な改正がいつの日か行われるべきであると考えるわけでございますが、そのときまで現在のような体制を維持していく、こういう趣旨で現在の法律は定められておるということではなかろうかと思うわけでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 そういうわけですから全面的な見直しを早速にもやるべきだと思いますが、この点について大臣のお考えはいかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 先ほども申し上げたのですが、これは国の基本法なんです。しかし、国内だけの問題でなくて国際的な問題もやはりよく見ておきませんと、いや早まったというようなこともなきにしもあらずでありますから、国内だけで見ればもう皆さんのおっしゃるとおりなんでございますが、国外的に全然懸念がないとなかなか断定し切れない点もちらちらあるということなので、いずれにしてもこれは内部でよく相談をいたします。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 一日も早く着手していただきたいと思います。これは円の単位を別なものにしてしまうとかそういうことではありませんで、先ほど指摘されたように根幹にかかわるもので影響も大きい、あるいは経済の安定が大事である、思惑を生むので時期を考えたい、こういう話でありますが、基本的にはそういう前提の上に立ってこの法体系を今日的に改めるということはできることであると思うのです。  そこで、ニッケル、銅の合金によって今回の素材は百円貨と同じであるということですが、そうしますと、現在の百円貨、それから新たに発行されるであろう五百円貨、これは素材価格、コスト、これを合わせて一枚当たりどういうふうな計算ができますか。幾らですか。  それからあわせて、補助貨インフレーションという言葉がございます。歴史的にも、たとえばヒットラーの出現の前にフォン・パーペン内閣のドイツにおきまして補助貨インフレーションが起こったということがございますが、補助貨インフレーションは必ずしもないとは言えないと思うのです。それは金本位制が廃止になりまして兌換紙幣が不換紙幣になった、そういうことの方がはるかにインフレの危機、危険性は大きいだろうと思うのですけれども、この補助貨幣の場合にもないとは言えないだろうと思うのです。そこで今後どういうふうに対処されるのか、この点についてあわせて伺いたいと思います。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 貨幣のコストにつきましては、これはその貨幣に対する信認の維持というふうな観点もございまして対外的には明らかにしていないわけでございます。ただ素材について申し上げますと、百円のお金に使われます素材の材料費は四円五十銭ぐらいになっておるというのが現状でございます。  それから補助貨幣のインフレ問題という御指摘があるわけでございますが、今回は、五百円貨幣を出しましてもそれは五百円紙幣に代替する、あるいは一部は百円貨幣に代替していくというふうなことでございまして、それがそのまま純増で上乗せになっていくという話ではございませんので、そういう点の懸念はないかと思っておるわけでございます。またわが国におきましては、補助貨幣全体のウエートは全通貨量の五%強、五、六%という程度でございます。さらに日銀の適切な金融調整というものはもちろんあるわけでございますので、補助貨幣によるインフレという心配は私どもはしていないわけでございます。外国、特に西欧の場合には、補助貨幣を出しましてもそれに見合う準備資金というものを全然積まないでどんどん発行してしまう、こういうふうなことでございますから、その限りにおいてはかなりのインフレ要因ということになろうかと思いますが、わが国の場合は同額の資金を準備として積むというふうな配慮もしておるわけでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 時間が参りましたので質問を終わります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 正森成二君。

正森成二日本共産党

○正森委員 それでは私は、アフリカ開発銀行、一次産品基金、それから五百円の通貨の問題の三つ一緒に、短時間でございますが、質問をさせていただきます。  非産油途上国における経済の困難は深刻の一途をたどっておりまして、それは一次産業交易条件の悪化というものにあらわれているようであります。経済関係の書物によりましてたとえば非食糧農産物を見ますと、一九六一二年を一〇〇とした指数は一九七四年の一一六から七五年は八一、七六年九五、七七年九四、七八年九一と低下傾向を示しております。食糧を見ましても、一九七四年には一時一四一に上がりましたが、その後七五年一一一、七六年一一五、七七年一四〇、七八年一〇三と、一時的上昇はあっても長期的には低落の傾向をたどっていることになっております。そういう傾向から、発展途上国全体として国際経済上の地位を改善する方向が容易に見出せないで、いわば先進資本主義国の金融的従属のもとで呻吟しております。発展途上国の対外債務累積額を見ると一九七七年末には約三千億ドルに達しており、七七年中の元利返済額はこれら諸国の輸出総額の二一%以上となって途上国人民に大きな重荷になっている、こう言われているようであります。  そこで、今回出ております一次産品の基金というのが多くのところで時宜を得たものであると言われておりますのはもっともなところであると私どもは思っております。ただ、少しただしたいことがありますので伺いますが、当初、共通基金を中核に据えた一次産品の総合計画がUNCTADの一次産品委員会に同会議事務局から提出されたのはたしか一九七五年の二月であったと思いますが、そのときには、新しい国際機関をつくって百五億ドルの大基金を使って主要一次産品の緩衝在庫の操作等々を行うということになっていたようでございますが、それが今回その十分の一以下というように非常に縮小をされたのはどういういきさつなのか、お答え願いたいと思います。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 後進国側は非常に大きな規模のものを考えたわけでございます。それで御承知のように、商品協定がいま候補が大体十八あるわけでございますが、その中で実際にバッファーストックを積んで、資金的にもそういうことをやっている資金を見ますと、日本の関係のないオリーブ油を入れまして四つぐらいというような現実があるわけでございます。それで先進国側は、後進国側のそういう大規模な構想に対して、もう少し現実的に考える必要があるのじゃないかというようなやりとりが四、五年続いたわけでございますが、結果的に私どもとしては現実的な案になったのではないか、そういうふうに見ております。

正森成二日本共産党

○正森委員 現実的なものになったと言われておりますが、よくわからないのです。一部の新聞、資料によりますと、当初の百五億ドルの大基金という場合には、言ってみれば主要一次産品の緩衝在庫の操作と生産調整を一手につかさどるという、国際一次産品市場の計画経済化をねらったのではないかと思われるぐらいの規模のものだった。それを先進国などの意見もあって大幅に縮小する経過になったのだ、こう言われておりますが、大体そう考えてもいいのですか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 私どもが承知いたしておりますのはちょっと違いまして、当初百五億ドルというような議論があったわけでございますが、その後検討の過程で、現在ございます国際商品機構の方で余剰資金を基金に持っていく、現にまとまりました案は三分の一出すというようなことを考えますと、そういう大きな規模の金が要らないではないかというように議論が収斂していったように聞いております。

正森成二日本共産党

○正森委員 いま国金局長の方からその仕組みについてお話がありましたが、念のために仕組みについて伺っておきたいと思います。  この一次産品の基金は第一勘定、第二勘定とも、あるいは第一の窓、第二の窓とも言われております。第一勘定というのは四億ドルの出資のようですが、私ども素人の者が、四億ドルの出資だったら、四億ドルの緩衝在庫についての融資ができて、仕事ができるのか、こう思っておったらそうではございませんで、それも含めて国際商品協定側が三分の一の現金預託をするだけでなしに、そこに加盟している国が三分の二のギャランティーキャピタルといいますか、保証資本ということをやりまして、相当多額の、MFRと言われているようですが融資をすることができると関係の論文には書いてありますが、その仕組みについて少し御説明願いたいと思います。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 簡単な方の第二の窓から申しますと、直接の拠出資本が七千万ドルで、払い込み資本が七千万ドルでございます。それ以外に任意の拠出金が二億八千万ドル予定しておる。これはかなり年数をかけてこの金を集めるわけでございますが、ファンドからこの金が出ていく。  それから第一勘定の方でございますが、御指摘のように拠出資本は四億でございますが、払い込み資本が三億、コーラブルキャピタルといいましてこれが一億ございますが、この部分は、加盟国が金を払わない、それでファンドの方が金に困ったときにコールをかける、そしたら金を持っていく、そういうクレジットラインみたいなもので、金はないわけでございます。そうしておいて、今度はこの共通基金に加盟する商品協定が、ただいまお話しのように自分の価格の設定とストック量によって所要資金が決まってまいりますが、その所要資金の三分の一をキャッシュでコモンファンドへ持っていく。同時に、三分の二を個々の商品協定の加盟している国が保証を、ギャランティーキャピタルを共通基金に持っていく、そうすると共通基金はそれを担保にしてマーケットから金を借りる。一つは払い込み資本、ファンドそのものの請求払い資本、それからもう一つはそれぞれの商品協定の方が出すキャッシュ、出された保証資本を担保にしてファンドがマーケットから借りた借入金、こういうような複合した資金で回るようになっておるわけでございます。  それで、いまのところの想定では、実際に有望性が一番高いのは天然ゴムとすずだろうと思いますが、この法案が成立しまして各国が来年の三月末までを目途にもしも批准して成立すると、予定どおりでございますと、それぞれの商品協定の方でこの基金と協定を結ぶというかっこうで、こういうものがその段階でどれだけのバッファーストックの量を持つか、それから現実の価格と自分たちの考えている価格差、そういうようなものを考えて金額が決定してくる。ただ、道具立てとしてはそういうような金融ミディアムが用意されておる、そういうことでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 いま大体御説明を伺ったのですが、緩衝在庫のための融資、バッファーストックのための融資の場合に担保がないと不安ですね。そのときは倉荷証券か何かを基金側が握っておくというようなことになるのですか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 御指摘のように倉荷証券を取るわけでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 そこで伺いたいのですが、五十五年六月二十九日付の毎日新聞の社説を見ますと、これは政府にとって当たっているか当たっていないか知りませんが、「日本は最初、米国に同調して基金にそっぽを向いたが、七七年ごろから、この基金が東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々にとってきわめて重要なことに気付き、積極的な推進派に転じた。」こう書いてあるのです。事実アメリカは、第二の窓に対しては結局一文も金を出さないということに終始したようであります。そこでわが国は、ここに書いてあるように、当初はアメリカに同調して消極的だったのかどうか。そしてそれが積極的に、現在では第二の窓に進んで二千七百万ドル出す、こうなっておるわけですね、それはいかなる理由によるのか、御説明願いたいと思います。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 実は一番最初の議論のときに私は主計局でこの系統の担当をいたしておりまして、国金局の方から話を聞いた段階でいろいろな案があったわけでございます。その段階でわが国としては、いま先生がおっしゃったような議論もございましたけれども、同時に、いまのお話の中にありましたように、東南アジアがこの一次産品のウエートが非常に高い、そういう問題と東南アジアと日本の依存関係の深さということから何かのかっこうでやはりつくるべきではないか、現にヨーロッパの方では御承知のSTABEXとかロメ協定というものがあるというようなことから、現実的な案としてどういうものがあり得るかという観点で、あれは五十一年でございますが、その当時からいろいろな各種の案を検討いたしておりまして、頭からだめだということではございませんでした。     〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕

正森成二日本共産党

○正森委員 外務委員会でもお答えがあったようですが、いわゆる第一の窓、第二の窓について、現実的にこの基金の対象になり得る品目は結局はどういうものになるだろうか、念のためにお答えを願いたいと思います。

内田富夫外務省国際連合局経済課長

○内田説明員 御説明申し上げます。  御高承のように、共通基金は一次産品総合計画の対象としております十八品目につきまして、それらをすべて対象にするということで、そういう可能性があるということで発足、いまの段階にあるわけでございますけれども、これらのうちすでにコーヒー、ココア、砂糖及びすずにつきましては、この一次産品総合計画採択前から商品協定が存在しておりましたような事情もございまして、このうちコーヒーを除きまするココア、砂糖、すずにつきまして、それぞれ協定が採択になっておるわけでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 天然ゴムは言いましたか。

内田富夫外務省国際連合局経済課長

○内田説明員 まだ申し上げません。  それから天然ゴムは、この一次産品総合計画の採択後に新たに商品協定が採択された例でございます。  以上のように、砂糖、ココア、すず、天然ゴムの各商品協定によりまして設立される機関が第一勘定の貸し付けの対象になることができると私ども考えております。  それから付言いたしますと、ココア協定は現在署名のために開放されておりましたのですが、現在の状況を正確に申し上げますれば、本年の五月三十一日までに発効要件を満たせば、その時点で発効するといった状況でございます。そのほか第二勘定の対象といたしましてジュート、ジュート製品が交渉中でございます。さらには熱帯木材、硬質繊維、銅、茶、綿花等につきましてUNCTADの場で予備協議が行われているわけでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 いま御説明いただいたようなことだそうでありますが、結局第一勘定については商品協定との提携というのがかぎになるわけですね。ですから、ここのところがきっちりいたしませんと、たとえば商品協定との提携ができるのが一つとしかできないということになれば、実際上つくった意味がなくなるというような感じにもなりますので、わが国としてはそういう点に十分配慮していかなければならないと思いますし、それからバナナだとかなんとかというストックのきかない物の場合は第二の窓をよほど活用いたしませんとこれは効果がないということにもなりますので、なお一層発展途上国への配慮を、これを機会に続けていっていただきたいということを希望しておきたいと思います。  次に、アフリカ開発銀行関係について申しますが、これはすでに同僚議員が質問をされたわけですが、アフリカ開発銀行が従来域内国のみをメンバーとしてきた理由は一体どういうところにあったのですか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 こういう地域国際金融機関の場合の通例でございますが、自分たちの地域の特性ということで運営したいという考え方、この場合アフリカ的性格ということを言っておりますが、そういう観点から域内国だけでやっておったわけでございますが、片や銀行の業務が拡大していきますと、域内国だけではどうしても資金調達能力に限界が出てくるというようなことが起こりまして、米州開発銀行の場合しかり、アジ銀の場合しかり、域外国も加盟を求める。その場合に、その地域の特性との調和を図るために域内国の方に投票権はウエートをかけていく、従来どおり支配的な投票権を域内国だけで持っていくということをやって、この場合ですとアフリカ的特性を維持していくというような考え方で他の地域の国際金融機関と同じようなかっこうに発展していったものでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 たしか午前中に伊藤委員から御質問もありましたが、アフリカ開銀が今回域外国にメンバーシップを開放するについて有力なアフリカ諸国の一部が、たしかアルジェリアが棄権し、リビアが反対したというように聞いておりますが、その理由について正確にもう一度御答弁を願います。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 これは一言で申しまして、ただいまのアフリカ的性格を一〇〇%維持したいという角度、観点が中心であったと思います。

正森成二日本共産党

○正森委員 あなたの方からいただいた書面では、「域外国の加盟に道を開くことは、アフリカ地域内の銀行というアフリカ開発銀行設立当初の性格を全く変更するものである。アフリカ域内諸国の資金負担が重く、域外加盟予定国の先進国及び産油国の資金負担が軽くて均衡を欠くものである。この二つの理由からアルジェリアは棄権し、リビアが反対の態度を表明している。」こうなっておりますが、間違いありませんか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 そういうことでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 アフリカ開発銀行の新協定の第十七条「業務に関する原則」(1)の(d)ではどういうように規定されていますか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 長くなりますのでポイントだけ申し上げますと、銀行の調達先は加盟国に限られるというような趣旨の文章でございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 つまりアフリカ諸国が融資をしてもらってそれで何か買う場合には、アフリカ開発銀行に加盟している国、つまり域内国あるいは域外国のいずれにせよ加盟しているところからでなければ物が買えない、つまり平たい言葉で言えばアンタイドではない、こういうことですね。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 基本的にそうでございますが、その後の方に、理事会の決定を経れば加盟国以外からも調達できるという条文はございますけれども、基本的には御指摘のとおりでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 もうこれは結局大蔵省や外務省の説明を聞きますと、この種の大抵の銀行はこういうことになっておるんだ、例外ではない、こういうことですけれども、しかしそれぞれのアフリカ諸国が本当に自分の欲しいものを買おうとするときには、やはりこれはひもつきの一種として作用するということは否定できないと思うのですね。ですから、本当にアフリカ諸国自身のためを考えるなら、やはりこういう規定はなくしていくという方向が私は正しいのではないかというように思います。  もう一つ伺いたいと思うのですが、アフリカ開発銀行は、なるほど一定の役割りを果たすでしょうが、これも一つの論文では、アフリカ関係への資金の流れというのは従来非常に少なかった。一九六〇年代までは総額で十億ドル台、一九七四年には約七十億ドル台、一九七五年には百三十億ドル台、そして一九七八年末の実績で約百九十億ドルというように増大したが、このうちODAが四四%を占めており、アフリカへの資金の流れがなおコマーシャルベースではない、そしてそのうちアフリカ開発銀行グループの十五年間の累積は四億ドルという実績で、ほとんどネグリジブルといいますか、無視し得るような額だ、こういうように言われているんですね。これはアフリカの開発のためにとっても、非常にわれわれがよく心しなければならぬことだと思われるのですが、その中でこういう注目すべき指摘があります。それは今回のアフリカ開発銀行のメンバーシップの域外開放に当たって、アフリカ開発銀行の「創設時には協力要請通達が送付された共産圏諸国に対して関心が払われなかったことにも問題の一端が示されている。」ということですが、これは開発銀行というのは今度の域外国への開放に当たって、いわゆる社会主義諸国へは関心を示さなかったということはあるのですか。その結果社会主義国が入らなかったのですか、ユーゴスラビアを除いて。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 前段の方のお話も申し上げたいと思いますが、わが国とアフリカ大陸の関係は、何といいましても距離が遠い。それから旧宗主国がかなり強いわけでございますね。それから貿易関係もウエートが小さい。そういうような問題がございまして、同時にわが国の欲しいマンガンとかクロム、かなり輸入依存度が高いわけです。そういうようなことでバイでなかなか入り込めないという問題がある。そこでこういうマルチの機関を通じてだんだんと依存関係を深めていきたいという考え方があるわけでございます。アフリカに金の還流云々という議論がございますが、今後いろいろな面で、ヨーロッパの方から見てもかなりアフリカは重要視されているわけでございまして、現にフランスやなんかのODAのアフリカ配分は非常に高い、わが国は低いわけでございますけれども。そういうような歴史的な問題もあろうかと思います。  それから、後の方の問題ですが、結局向こうの側が関心を示さなかったようでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 先方が関心を示さなかったということですけれども、私が引用しましたのは「東京銀行月報一九八〇年六月号 アフリカ開発銀行の活動と役割り」という調査報告であります。それを見ますと、やはり単に社会主義国側が、恐らく二国間援助ということに重点を置いたのかもしれませんが、関心を示さなかったということだけでなしに、この開発銀行側も創設当時に比べて熱心でなかったというように読み取れるわけであります。そしてそれにかわってアメリカが一九七五、六年ごろから非常に高度な関心を示し始めた。それにはやはり宗主国にかわってアフリカのウランその他の天然資源に一定の目をつけまして非常に積極的になったということがあるように言われているわけであります。  そこで大蔵大臣にお願いしておきたいのですが、このアフリカ開発銀行にわが国も一定の寄与をするに当たっては、やはりいやしくも旧宗主国の、言葉は悪いかもしれませんが、植民地主義的なやり方といいますか、あるいは自分のところに資源をとってくるということだけを第一義にするとかいうことでなしに、経済主権というものを考えてその国の利益をまず考え、そして同時にわが国の一定の利益にもなるようにという考え方が必要だと思いますが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 そのとおりだと思います。

正森成二日本共産党

○正森委員 時間がございませんので、通貨の問題について全く聞かないのもなんですから、一言だけ聞かしていただきます。  通貨の問題では、後で附帯決議にも出ると思いますが、この間私もそういうことができるのかと思ったのですが、フィリピンのお金か何かを入れて、日本の五十円玉と非常に似ているというので大分物をとった。刑法上はやはり窃盗になるのですね。あれを見ますと、五十円玉というのは穴があいているのですね。フィリピンの方は穴があいてないのですね。われわれ素人から見ると、大きな穴が真ん中にあいているもの、まあ丸いから円である、こういうことを言う人もいるのですが、それが穴のあいてないフィリピンの硬貨と間違ってガラガラと出てくるというようなことを考えますと、今度五百円の場合には金額が多いわけですから、関西の言葉で言うとちょろまかされるといいますか、だまされるといいますか、そういうことのないように自動販売機をつくる方も気をつけなければいけませんけれども、金をつくる方もやはり一定の注意が要ると思うのです。そういう点について大蔵大臣から造幣当局に——幾ら一生懸命やっても悪いことをするやつはそれをまた上前をはねますから、絶無にはできないにしてもそういう配慮も必要だと思いますが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 十分に配慮しなければなりませんから、専門家に注意させるようにちゃんと指示をいたします。

正森成二日本共産党

○正森委員 それから通貨の関係ですからついでに聞かしていただきますが、二月一日の日経新聞によると大判、小判など七万枚にのぼる古銭が国有財産として日銀の地下金庫に保管されているそうでございますが、主なものにはどんな古銭があるのですか。

楢崎泰昌大蔵省理財局次長

○楢崎政府委員 明治時代以前の古い本邦貨幣といたしましては大判、小判、一分金あるいは二分金、改三分定銀等がございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 どのぐらいありますか。

楢崎泰昌大蔵省理財局次長

○楢崎政府委員 大判は三枚、小判は十八枚、一分判金が一枚、二朱金が千六百七十七枚等でございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 これは新聞の方が間違っておるのかもしれませんが、日本経済新聞の二月一日号を見ますと、享保大判が二枚、万延大判が一枚、天保大判が一枚、これだけでも四枚ある。それから慶長小判、元禄小判、天保小判、二分金、一分金、二朱金、一朱金など江戸以前のものが合わせて金貨四千四百九十四枚、それから銀貨が一万六千四百三十枚等々あるということで書いてありますが、違うのですか。あなたの言われた数字と大分違うようですが……。

楢崎泰昌大蔵省理財局次長

○楢崎政府委員 さらに詳しく申し上げますと、享保大判が二枚、万延大判が一枚、天保五両判が一枚、慶長小判が二枚、元禄小判が一枚、宝永小判が二枚、享保小判が九枚、安政小判が二枚、正徳小判が一枚等々でございます。     〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕

正森成二日本共産党

○正森委員 仮に放出するとすると、どういう方法で放出してどのぐらいになりそうですか。また文化財として重要なものの保存はどうするのですか。

楢崎泰昌大蔵省理財局次長

○楢崎政府委員 販売方法等まだ十分定めておりませんが、原則的には専門業者に対する一般競争入札になろうかと思いますが、なお検討を必要とするというぐあいに思っております。  処分価格につきましては、これは一つ一つ専門家に鑑定を依頼していかなければなりませんので、現在定かには申し上げる段階にはないというぐあいに思っております。  それから最後に仰せの文化的価値があるようなものにつきましては、この処分を、現在に至るまでの間に造幣局等において処分を留保し、保存をしておく必要があるものということで約六千枚程度を所管がえをいたしまして、そこにおいて保管するという措置をとっております。

正森成二日本共産党

○正森委員 最後に一点だけ伺っておきたいと思います。これは従前同僚議員も言いましたが、紙幣等において目の不自由な方々への配慮がわが国の場合著しく欠けている。何か物の本によりますと各国の紙幣は大体三つのグループに分けられるのだそうです。はっきり指先で感じとれるようにオランダの十ギルダー紙幣の左下に点が三つ並んでおって、これは直径五ミリの丸をさわってみるとはっきり凹凸が出る。こういう一番配慮しているのを筆頭に、イギリスやアメリカやベルギー、チェコスロバキアというようなのがこのグループに入る。やや手でわかるようにしているのがギリシャやハンガリーやスペイン。何の配慮もしていないのがエジプト、イタリア、スイス、フランス、西ドイツ、東ドイツ等々で、日本は一番悪いうちの部類である、こういうことになっているんですね。そこで参議院の八代さんなどもオランダのギルダーを模範であると言っていつも持ち歩いておられるようですが、これについて将来の問題として配慮をなさるかどうかを伺っておきたいと思います。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 おっしゃいますように、オランダ、スイス等は全面的に盲人用の識別マークというのを紙幣につけておるわけでございます。ただ、考えてみますと、オランダ、スイス等は紙幣の種類が非常に多いわけでございます。わが国の場合は紙幣は現在四種類しかございませんし、各種の紙幣がそれぞれ形が違っておるわけでございますので、そういう意味ではオランダにおけるほどの必要性というものがなかったということで現在のような形になっておるんだろうと思います。ただできるだけ簡単に識別し得るということの方が望ましいわけでございますので、今後の問題として技術的な問題もいろいろあろうかと思いますので、検討を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 柿澤弘治君。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 臨時通貨法の一部改正案について先に質問をさせていただきます。  補助貨幣については、今回の提案のように新たな種類を出す場合には法律改正が必要なわけですけれども、もっと高額の通貨である日銀券についてはそういう仕組みになっていないわけでございまして、経済情勢の変化に応じて弾力的に対応できる、その点で補助貨が本位通貨と言えないと思いますけれども、日銀券よりももっと規制が厳しくなっているというのはどういう理由なのか。その辺については補助貨の性格の変化といいますか、むしろ本位通貨と補助貨の間の差がなくなってきている現状にかんがみて、その辺を統一的な扱いにする必要があるんじゃないだろうかという気がいたしますけれども、その辺についてはいかがでしょう。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 おっしゃいますように、日銀券の方が高額であるのに規制が緩い、補助貨幣の方は低額のものであるのに一々法律が要るというようなことで、一見非常に奇妙な形になっておるわけでございますが、これは結局は貨幣法以来の歴史的な経緯によってそういう形になっておるということと、もう一つは、かなり観念的なものでございますが、貨幣の方は政府が発行しておる、日銀券は日本銀行の発行するものであるというふうなことから来ておるんではなかろうかと思います。  将来の方向としてはその辺やはりもう少し統一的に考えていった方がいいんではないかと思っておるわけでございます。ただ、貨幣に関するもろもろの制度の改正というのは経済取引、国民生活の基本にかかわる問題でございますので、そういう時期までは現在のような方法でいかざるを得ない、いつか貨幣全体についての統一的な改正をする時期におきましては全体を通じて統一的な考え方にしたいというふうに考えておるわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 日銀券、銀行券等補助貨との性格的な差異が非常に薄らいでおる現在でございますから、その辺について見直しが必要だろうと思います。  その時期までとおっしゃったんですけれども、その時期というのはデノミを考える時期、こういうことでございますか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 必ずしもデノミというふうに特定して考えているわけではございません。経済が安定をし、仮に貨幣制度に手をつけても各種の思惑というふうなものが生じないような見通しがあるというようなこと、あるいはまた国際的な面からも、国際的な貨幣、通貨の制度に調和した形の貨幣制度というものがとり得るというふうな状況が来た場合というようないろいろな要素を勘案して考えていきたいと思うわけであります。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 経済が安定してきたらと言いますけれども、いまは安定なのか不安定なのか。いまが不安定だとすると安定というのはないのじゃないかと思うわけですが、その点でそろそろきちっと勉強しておく必要があるような気がするわけです。その意味で通貨制度のあり方について、たとえば民間の有識者の見解をいろいろと尋ねる審議会をつくって検討するとか、そういうことも作業を一歩進める上で必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 もし仮に貨幣制度を全面的に見直すというようなことになりますれば、有識者等にお願いをして審議会に諮るというふうなことも必要かと思います。ただまだ現在の情勢でございますと、仮に通貨制度に手をつけるというふうなことが一体どういうふうな影響を及ぼすであろうか、いろいろな思惑を呼ぶのではないかというふうな懸念も一方にあるわけでございまして、その辺の見きわめがついた段階でひとつ踏み切りたいということで、現在は慎重に見守っておるところであるわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 その辺はぜひ抜本的な検討をお願いしたいと思います。  それから、今回五百円貨幣を新たに発行したいということですけれども、これは自動販売機の普及その他で高額の補助貨、コインに対する需要が高まっているというのが大きな理由になっております。しかし、いま正森委員からもちょっと指摘がありましたように、先日もフィリピンの七円程度の貨幣なんだそうですが、それが五十円玉と全く同じでどんどん自動販売機から物が出てくる、おつりが出てくるということで、大きな問題になりました。その点では、自動販売機の普及に伴う新硬貨の発行ということであれば当然その辺の対策が十分講じられていなければいけないと思うわけです。  通産省おいでいただいておりますが、今度の自動販売機のミスといいますかに対しては、通貨の方で考えるべき問題もあると思いますが、販売機メーカーの方でもいろいろ対策を講じなければいけないと思うわけです。その点については具体的にどういう手段を講じておられますか。

見学信敬通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○見学説明員 お答えいたします。  現在までのところ自動販売機等で使われます硬貨の判別を行う装置、これをコインメカニズムと言っておりますが、これにつきましては、判別を硬貨の厚さと直径、重さ、材質といった点から調べているわけでございますが、硬貨の不正使用等在来からいたずらがございましたので、自動販売機関係の業界といたしましても従来から精度の高いメカニズムを研究、開発しておりますが、最近におきましては特に電子技術を入れた高度のものも開発途上にございまして、一部流通も開始しております。こういったことでございますが、本問題の重要性にかんがみまして通産省といたしましても関係業界に対して、技術の開発等に最重点を置くよう指導してまいりたいと思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 その点では自動販売機の技術もどんどん高度化している、精緻になっているというふうに説明を受けたので私も安心をしていたのですけれども、今度のフィリピンのものは穴があいていないわけですね。日本の五十円は穴があいている。そういう意味ではその識別すら入ってないわけで、その点でもっともっと改善をする必要があるだろう、五百円になるともっとその点が重要になってくると思いますので、行政当局としてもぜひその点御指導をいただきたい。国の発行する通貨に係るこうした盗用といいますかミス作動というのは、ある意味では通貨に対する信認にも影響するわけですから、その点はお願いをしたいと思います。  その対策の一つとして前から言われていたのは、クラッド貨幣というのですか、磁気性状が違う一種類の金属をサンドイッチのように重ね合わせた硬貨をつくったらどうだという議論があったわけです。五百円という高額の貨幣になると、製造原価に対して名目の価格が非常に高くなって差が大きくなるわけですから、もう少しコストをかけても、そうしたクラッド貨幣の採用というものも現実的な対応としてあり得るのじゃないかと思いますが、その辺は考えていらっしゃるのでしょうか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 きわめて技術的な問題でございますから、私どもなかなかその辺の見きわめがむずかしいのでございます。造幣局の専門担当者に聞いてみておるわけでございますが、クラッドは確かに有利な面もあるが、やはりそれでも、たとえばメッキ等を行うようなことによってなかなか偽造を完全には防止できないというふうな問題があるようでございます。当然のことながら、貨幣の素材を選ぶに当たっては、一般で余り広く使われていないような素材を選ぶ、それからまた、相当の大規模な機械でなければ鋳造できないようなそういう種類の素材を選ぶとか、あるいは図案等につきましてもかなり複雑にして簡単に模倣ができないようにするとか、いろいろな対策があろうかと思います。専門家にも十分その辺の検討を依頼しているところでございます。  なお、先ほどのフィリピンの話等も、国際間にわたる話でございますので、できるだけ諸外国において使われていないような形、図柄というものが望ましいわけでございます。その辺にも十分な配慮をしていきたい。国際的には造幣局長会議というふうなものがありまして、そこでいろいろ国際間のそういう相互の意思疎通が図られておるわけでございます。わが国は、それについては、オブザーバーの形ではございますが、参加をいたしまして、十分各国とも情報の交換をしているという現状にあるわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 いまのところクラッド貨幣等を鋳造する御意思はないようですけれども、技術的な検討はぜひ続けていただきたいと思います。  それから、後半理財局長が述べられました各国との関係で言いますと、情報交換に十分努めておりますとおっしゃっていますけれども、フィリピンのように不意打ちで来るわけですね。それに対する対抗手段がいまの日本の自動販売機にはない。そういう意味では、できればやはり五百円貨幣を今度つくる前にしっかりとした情報交換をしておく必要があると思うのです。いま世界の造幣局長会議という話がありましたけれども、特に問題になるのは、日本周辺のアジア諸国についてそういうことが十分なされているかどうか。その辺についてはいまの体制では心もとない点があろうかと思うわけです。その意味で、硬貨については、造幣局の博物館を見ましたが、見本のように並んでいますけれども、ああいうのを一般の人に見せる前に、たとえばコンピューターの中に通貨の性状とか材質とかが全部入っていて、つくるときに、日本の周辺なり世界の通貨の中であいている部分はどういうところかなという形でぽんぽんとコンピューターで答えを出させて、その辺で大きさなり厚さなり品質を決めていくというようなプログラムみたいなものは、情報さえあれば簡単にできると思うのですね。コンピューターに入れておけばいいわけです。それで、順列、組み合わせじゃないですけれども、直径、厚さ、材質、穴があるかないか、四角いぎざがあるかないか、そういうものを全部入れておいてコントロールすればいいわけですから、その辺の仕組みというものをぜひおつくりをいただきたい。こんなものはマイコンでもできる話だと思いますが、どうでしょうか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 できるだけの情報の収集あるいは交換ということに心がけておるわけでございますが、必ずしも万全ではございませんので、なお一層努力をしたいと思っておるわけでございます。ただ基本的あるいは最終的には、通貨の問題というのは各国の主権に属する問題でございますので、やはりそういう意味の制約があるということではなかろうかと思います。フィリピンのケースにつきましても、二十五センチモのフィリピンの貨幣というのは、わが国の五十円貨幣より大分後につくられてきたものであるわけでございまして、そういう意味で完全というのはなかなかむずかしいけれども、できる限りの努力はしていきたいというふうに考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 主権に属するというのは、その場合のエクスキューズにはならないと思うのです。つまり、お互いに情報交換のネットワークがきちっとできていれば、あえてそこに後から同じようなものをつくるというのは紳士協約で避けられることでございますし、主権に属するからということで、同じものをつくると言って力む国があったら、これはちょっと異常なあれだと思うのです。ですから、そういう点で日常の情報交換が非常に大事だということを申し上げておるわけでございまして、新しくつくる場合には、少なくともほかに例のないようなところにねらいを定めてつくる、こういうことが必要じゃないかということを指摘しておきたいと思うわけです。  それから、通貨の問題はもう終わりにしたいと思いますが、補助貨幣については補助貨幣回収準備金を積んでおるわけですね。何か一兆円以上に上ると聞きましたけれども、この辺は、日銀券は準備金を積んでいるわけでもないと思いますし、必要なのかどうか。回収といったって、通貨がみんな戻ってくることはないわけですから、その辺は、五十七年度予算は増税なしだというのなら、財源対策としてこれを取り崩して使うというのも一つの方法じゃないかと思いますけれども、どうでしょうか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 補助貨幣につきましては発行高と同額の回収準備金を積んでおるわけでございます。これは補助貨幣についての信認を維持するという観点から従来一貫してとられてきておるわけでございまして、現在私どもは、この資金を取り崩して一般会計の歳入にするということは考えていないわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 もう少しお話をお聞きしたいのですが、アフリカ開発銀行加盟措置法案と一次産品共通基金加盟法案の方に移りたいと思います。  アフリカに対する日本の援助政策、これは日本としてはなかなか哲学の定めがたい部分があるわけですけれども、アフリカ諸国はこれからの日本の資源外交という意味で非常に重要な役割りを果たす、それから、国連加盟国その他国際的な発言権も、非常に数が多くて大きい、人口的にも無視できないということで、私はかねてから、アフリカについてはもっと積極的な取り組みが必要だと思っているわけですが、その点についての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。

坂本重太郎外務大臣官房外務参事官

○坂本説明員 お答えいたします。  ただいま先生がおっしゃいましたように、確かにアフリカの最近の政治的な重要性というものはだんだん増してきておると私どもも判断しております。アフリカには、御承知のように非常に貧しい後発開発途上国が多く、他方潜在的な資源保有国というのも多い。いま先生がおっしゃったように、アフリカには全部で五十一カ国ございまして、これがだんだん国際場裏において発言権を強めておりますので、私どもといたしましては、そのような重要性を増しつつあるアフリカ、この認識をもとにいたしましてこれから経済協力をますます積極的にやっていきたいと思っております。  ちなみに、御参考までですが、実績を申し上げますと、二国間のODA、政府開発援助の中でアフリカが占めるシェアは、一九七七年がわずかに六・三%、それが七八年には六・九%に上がりまして、七九年には、これが一番新しい数字ですが九・七%、一〇%弱まで来ております。今後、私どもといたしましては、アフリカには大体一割くらいの二国間援助を割り当てていきたいと考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 その点では、アフリカに対して日本は非常に遠い。アフリカの方も日本に対して大きな期待を持ちながら、なかなかそれにこたえてくれないという欲求不満があるわけです。ともすれば、そういう意味では、アフリカ開発銀行の融資等も旧宗主国として大きな発言権を持っている欧州諸国に引っ張られるおそれがあるわけです。その点では日本がアフリカ援助の哲学をしっかり立てると同時に、こうしたアフリカ援助機関に対しての発言権をしっかり確保をしていく必要があると思うわけですが、その点について今度の開発銀行の中での日本の発言権というのはしっかり確保されているんでしょうか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 簡単な設例で申しますと、理事が六人でございますが、六分の百で一六%、それで私どもの方が御承知のように一四・〇四というようなことで、日本と肩を組みます国を見ましても大体日本は理事がとれるというようなことで、その点は大丈夫でございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 一つ具体的な話をお伺いをして、質問を終わりたいと思います。  先日も私はリビアに行きまして、オベイディ外務大臣とフライワ計画大臣といろいろ議論をしてまいりました。従来からリビアについては、日本と技術協力協定を結びたいという希望が向こうから出ております。日本の方は、アフリカの国を見るとき色めがねがありまして、果たしてリビアがと、こういう話があるのですけれども、そういう点では欧州諸国の方は非常に割り切って、西ドイツにしても何にしても、向こうがやりたいというのなら協定を結びましょうという形で弾力的に対応しているわけですね。それで商売をしっかりとっている。その点では日本の姿勢というのがちょっと画一的で硬直的ではないかという気がするわけですけれども、その点についてぜひ前向きの姿勢で対処をしていただきたい。先方も日本からのテクノロジー・トランスファーというものを非常に強く期待をしているわけですから、その点での外務省の柔軟な対応が必要だと思うのですけれども、その点どうでしょうか。

堤功一外務大臣官房審議官

○堤説明員 リビアの方から一昨年十二月に技術協力協定の提案がございまして、私どもこれを真剣に検討しまして、昨年七月に実は日本としての対案を出しているわけでございます。この対案は技術協力協定ということではございませんのですけれども、私ども従来技術協力協定というのを結ぶ際には、それが本当に協定を結ばないと実務上差しさわりが種々起こる、そういう場合に結んでおります。と申しますのも、そのような実際の必要性がある国から徐々に結んでいくという現実的な考え方をとるべきだと思ったわけでございますが、事実アジア、中南米、アフリカ等、ほかからも申し出があるわけでございます。ですから、リビアに対しましては決して消極的ということではございませんで、リビアとの間で必要に応じた対応をいたしたいということで、その対案はすぐに技術協力協定ということではなくても、事務レベルの協議の場をリビアとの間に持とうではないかという具体的な提案でございました。  しかるに、それに対して先方から何の反応もございませんので、現在のところリビア側の回答待ちというところでございます。これについては具体的な回答が参りますれば、決して消極的なことではなく、前向きに検討いたしたいと思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 時間がありませんので終わりますが、いまのは回答待ちとおっしゃいましたけれども、実務レベルでなくて、ぜひ閣僚レベルからスタートしてほしいという要望が出ているわけです。それは外交ルートできちっと出ているかどうかわかりませんけれども、この間も計画大臣、外務大臣に会って確かめてきております。ですから、局長レベルでスタートをするのか、閣僚レベルでやるのか、それとも準閣僚レベルでやるのか、その辺についてはぜひ具体的な御検討をお願いをしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

堤功一外務大臣官房審議官

○堤説明員 何分にも先方から正式のチャンネルでは御回答がございませんのですが、その回答があり次第前向に検討いたしますけれども、ただいまのところでは準閣僚と申しますか、閣僚レベルではなく事務レベルで応じたいというふうに思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 終わります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これにて各案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  次に、一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 ただいま議決いたしました両案に対し、小泉純一郎君外四名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新自由クラブ五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。伊藤茂君。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 ただいま議題となりました両法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨とその内容を簡単に御説明申し上げます。  この附帯決議案は、政府開発援助の新中期目標の実現、アフリカ開発銀行への参加に当たり、その対応のあり方等について、政府に要請するものでありまして、その趣旨は案文で尽きておりますので、説明は省略し、案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。     アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案及び一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、左記事項について配意すべきである。  一 政府開発援助に関する新中期目標の確実な実現に努め、その実行に当たっては発展途上国の自立と民生の安定、継続的な発展に寄与する総合的対策を立案するよう努力すること。  一 アフリカ開発銀行に参加するに当たっては、域内諸国の意向を尊重するとともに、域外諸国が対応する際に、我が国の立場を十分に認識して対処すること。 以上であります。  何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  お諮りいたします。  本動議のごとく両案に対し附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 起立多数。よって、さよう決しました。  本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。渡辺大蔵大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 次に、臨時通貨法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、小泉純一郎君外五名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党、新自由クラブ六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を簡単に御説明申し上げます。  最近における経済取引の実情にかんがみ、政府は、国民生活の利便に資するため、新たに五百円補助貨幣を発行して五百円の日本銀行券とあわせて流通させることといたしておりますが、本附帯決議案は、五百円補助貨幣の発行に当たり、政府において留意すべき諸点を取りまとめたものであります。  附帯決議案の内容は、案文で尽きておりますので、その朗読によって説明にかえさせていただきます。     臨時通貨法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、左記事項について留意すべきである。  一 五百円補助貨幣の図柄、形状等については、利便、価値等を考慮すること。  一 五百円補助貨幣の発行に当たっては、自動販売機の普及に伴い、外国通貨の形状にも十分配意し、自動販売機が不正に利用されることのないように努めること。  一 五百円補助貨幣の発行に伴い、便乗値上げ等のないよう配慮するとともに、国民の利用実態等を勘案し、その発行数量等について十分配慮すること。 以上であります。  何とぞ、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  お諮りいたします。  本動議のごとく本案に対し附帯決議を付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。渡辺大蔵大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って十分配意いたしたいと存じます。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 各種手数料等の改正に関する法律案及び脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  これより両案について政府より提案理由の説明を求めます。渡辺大蔵大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 ただいま議題となりました各種手数料等の改定に関する法律案及び脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  まず、各種手数料等の改定に関する法律案につきまして申し上げます。各種の行政事務に係る登録手数料、許可手数料、特許料等のうちには、人件費及び諸物価の上昇等に伴うこれらの事務に要する経費の増等の事情を勘案すると、費用負担の適正化を図るべきものが生じてきております。  このような状況にかんがみ、昭和五十六年度予算の編成に当たっては、統一的な観点から、各種手数料等の金額について、法律に規定されているものを含む全般的な見直しを行い、その改定を図ることとした次第であります。  この法律案の内容は、不動産の鑑定評価に関する法律等三十四法律に規定されております各種手数料等の金額または金額の限度額につきまして、所要経費の額の増等を勘案して、おのおの所要の引き上げを行おうとするものであります。  なお、この法律案に基づく各種手数料等の改定は昭和五十六年五月一日から実施することを予定しております。  次に、脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。  政府は、最近における納税環境整備の必要性に顧み、税務執行面における租税負担の公平の確保に資するため、今次の税制改正の一環として、脱税に係る更正、決定等の制限期間の延長等の措置を講ずることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。  第一に、偽りその他不正の行為により免れた国税に係る更正、決定等の制限期間を五年から七年に延長することといたしております。なお、現在、偽りその他不正の行為により免れた国税の徴収権は、五年で時効消滅することとされておりますが、この制限期間の延長に伴い、その国税の徴収権につきまして、最長二年の範囲内で更正、決定等の日まで時効が進行しないこととすることといたしております。  第二に、所得税、法人税、相続税及び贈与税の脱税犯に係る法定刑の長期を間接諸税のそれに合わせ、三年から五年に引き上げることといたしております。なお、この法定刑の長期の引き上げに伴い、刑事訴訟法の規定により、これらの脱税に係る罪の公訴時効期間も、三年から五年に延長されることとなります。  第三に、所得税、法人税、相続税、贈与税及び間接諸税並びに関税の納税者の代理人等が、その納税者の業務等に関して脱税に係る違反行為をした場合には、いわゆる両罰規定により納税者も罰金刑に処せられることとされておりますが、その罰金刑に係る公訴時効期間を、その代理人等に係る罪である懲役刑の公訴時効期間によることとするほか、所要の改正を行うことといたしております。  以上、二法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これにて両案の提案理由の説明は終わりました。  質疑は後日に譲ることといたします。  次回は、来る二十一日火曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十六分散会      ————◇—————

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