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94回国会衆議院1981/04/14

大蔵委員会 第22号

発言数
329
登壇者
41
会派数
5
開催日
1981/04/14

会議録

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これより会議を開きます。  昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田委員 最初に、共済の問題はいま非常に大きな課題となっているわけでありますが、日本の工業生産、あるいは国民の一人当たりの所得は十六位ということでありますが、GNPでは世界自由主義国の中では第二位、こういうふうに言われているわけであります。現在もいろいろと貿易上の問題等にはたくさん課題がありますが、いつも大蔵大臣が税金の問題で取り上げます場合には、安い高いの議論は認識の差があるわけでありますが、今度も外国へ行かれて、ドイツその他を見て、ごちそうにだけなっていたのでは値段は払っていないからわからないのかもしれませんが、食費が非常に安いということに気づかれたのではないかという気がするのです。せっかくおいでになったのでありますから、会議の内容を御報告していただくのは、一時間しゃべられたのでは私の質問する時間がなくなってしまいますので、そのことはもし触れられるならばこういう点が違っていたということだけで結構でありますが、お聞きしたい。もう一つは、いま述べたように向こうの食費が非常に安い。日本ではどこへ行ってもちょっと食べ物をぜいたくにすると一万円はかかるというような状況もなくはないのです。ステーキなど食うとそういうようなかっこうになるということですが、向こうはワインも飲んでやってみてもせいぜい一人三千円くらいで上がってしまうということで、食べ物の値段の差というのはきわめて大きいと思うのであります。その点はどういうふうに認識をされたか、二つ、まず大蔵大臣からお聞きをして進めていきたいと思っております。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 二、三日お暇をちょうだいしまして大変恐縮いたしました。  食べ物は一品一品について実際に自分で支払いをしないものですからわかりませんが、日本よりもやや安いのは事実でしょう。しかし税金の高いのも事実であって、大使館あたりで使っているレディー、OLですか、これは日本より少し賃金も高いが、手取りは日本よりも高いとは言えないというのが大体の認識のようです。入ったばかりの人が十二万円とか十五万円とかいう金をもらっていても、最初から三〇%税金がかかる。ですから、どっちがどうかということはなかなか一概には言えないのではないか。ただ私は今回歩いてみて、非常にインフレが強いということで、ここの点は賃上げをしてもインフレで全部取られてしまって何にもならぬというような観点から、組合側もインフレ防止ということについてはかなり真剣に考えているようです。したがって、ドイツあたりでもどれくらいのあれになりそうですかと言ったら、断定的なことはもちろんまだ言えないが、四、五%くらいになるんじゃないかというようなことを言っている人もありました。いずれにしても高金利とインフレということは、いまの主要先進国では一番の大問題でございまして、アメリカが高金利であることは非常に困るんだけれども、しかしやむを得ないんだな、結局向こうは金利が高いから、自分らの方も下げたくとも下げられないというような話でございました。  以上でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そこで、いままで比較されてきた中で、今度行かれてこれを調べてきたとは思いませんので、これは大臣でなくて結構なんでありますが、日本の年金制度、それからECの年金制度、そういうものの水準、それから国民の負担率というものを考えてみてどういうふうになっているかここでお答えをいただきたい。これは国鉄関係が一番成熟度が高いのでありますから、フランスなりドイツなり、ドイツは今度賦課制度になっていますから、そのときの年度の支給額に対して賦課制度になるわけですから年々違うということになると思うのでありますが、フランスなりイタリアなりイギリスなり、北欧諸国もありますが、その点知り得るところを、特に職員といいますか、共済組合員の負担率の比較についてお知らせいただきたい、こういうふうに思います。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 お答えいたします。  ECあるいはヨーロッパの代表的な国における年金、特に鉄道関連の年金についてどうであるかというお話でありますが、国情あるいは沿革等々が違いますのでなかなかつまびらかにできませんが、一般的に申しまして欧州の各国の鉄道輸送は、自動車交通の発達あるいは戦災等の影響を受けまして衰退の一途をたどってはおりましたものの、一九六〇年代に入りまして、エネルギー等の問題の認識も含めて鉄道輸送に対する再評価というような動きもあるようでございますが、このような中で一九六九年に、EC理事会規則の鉄道企業の会計正常化のための共通準則というのが締結されまして、この中で増大する年金の負担金についても触れておりまして、鉄道企業は普通法、一般の年金法だと思いますが、普通法の制度または他の運輸機関がとっている年金制度に置かれたとした場合の年金負担額と、それからその所要額との差額を国家補助の対象とするような一般的な考え方を打ち出しまして、具体的な算定の方法は各国における国鉄と政府との間の協定で定められるということになっておるようであります。これをフランスの国鉄年金について見ますと、EC規定に基づきましてフランスの政府と国鉄の協定が一九七〇年に改定されまして、フランス国鉄の年金負担に対する一種のルール化というのができまして、これによりますと、フランス国鉄の退職年金の分担率は退職年金算定のための基準給与額の四二・九%とされておりまして、そのうち職員の負担分が六・〇%、事業主の負担が三六・九%というふうになっております。一九七九年のフランスの国鉄の年金の収入を見ますと全体で六千億ほどございますが、掛金、負担金等約二千五百億ほどございまして、その他のものを国家助成等で充当しておるようでございます。  なおドイツにおきましては、ドイツ国鉄は官吏が恩給制度の適用を受けて国鉄の負担金と国庫補助金によって賄われておりますが、労務、事務職員につきましては一般の法定年金の適用を受けることになっておりまして、事業主と職員とも総報酬の九・二五%を負担しておるということのようでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これは大蔵大臣、年金をマルクなりクローネなりでそれぞれもらうわけですから、いまの差で比較しまして、問題はもらっている金額の多寡よりももらっていくそのものの中身が問題なんですね。生活する中身。さっき食事のことを聞きましたけれども、それから引き去りが大きいといま大臣は言いましたが、住宅で大体五、六万円の家賃をいま払っている。二十万円の所得とすると大体その程度の金額になるだろう。それから共済の掛金が、たとえば外国の例と日本の例とまた違いますが、日本でいきますと、今度のあれでいくと短期が千分の五十、それから長期が千分の七十ぐらい。そうすると、それを個人の給与に直しますともうすでに一二%ということになります。国鉄を例にとれば七・四の四・八ですから、もう一二・二、こういうことになるわけですね。それに税金。税金はあたりまえだということになりますから一割とすると二二%、それに住宅費が大体六万円。だから、これは一般厚生年金も同じでありますが、いま日本の庶民生活の中で取られている分は、もし家賃を加えると仮定すれば三割以上四割に近い。それに二〇%の平均預貯金をやっている。ですから実態でいくと五割、半分で中身の生活をしている。それで二六%のエンゲル係数がある。そうすると、残りの二四%がその他光熱からレジャーを含めての充当金である。それが勤勉であると言われている日本の実態になっているわけですね。  ですから総合的に、税金が向こうは四〇%と多い。税金というか税金的なものといいますか、四〇%になっておるでしょう。しかし、日本も同じような状態になっているのですね。そのことの事実は、日本が税金が安い安いと言いながら、その他の年金の掛金とか短期の掛金とか、それからいま言った住宅費とかというようなものを加えますともう四十何%になる。医療費なんか短期も入っていますからそれを含めると、自己負担は除くというふうにして考えてもそういう状態になる。  そこで私は、いま調べた報告で言われるようにイギリスは五・七五です。これは七七年のですが、使用者は八・七五、こういう比率です。フランスは、国鉄の場合六・〇、三六・九、こういまも言われましたが、一般の場合は四・五、片一方の使用者は一三・〇、アメリカも五・八五、こういうふうに数字が、これは標準報酬と本俸との関係はありますけれども、いずれにしてもそういう比率である。だから七を超えている水準というものはEC諸国と比較してもより高い水準にある。どこかに何かが一つ間違っている。成熟度は向こうの方が高くていいはずであるというふうに思うのです。ところが組合員の掛金率の上に行くと、どうしてもその比率の割合が半々ということでありませんけれども、半々であるとしても高くなっていっている。こういう水準になっているわけでして、これからまた高齢化社会がどんどん進みますと、厚生年金もそうですし、国民年金もそうですし、それから共済年金もそうですし、八十年ごろには三四%、それの半分ですから一七%というような掛金になっていくということも推定されているわけですね。こういう形の推定というのが果たして正しいのかどうかということになると思うのです。そうすると一七なんということは、これはもうそんなことは通る話ではない。そうするとやはり使用者側の負担というものをふやしていくという形がいやおうなしにとられていかなければ、EC諸国とのバランスを見てもあるいは国内の可処分所得の中身から見ても本人負担というものはある程度抑えていく、そして使用者側の負担というものが、国であれ雇用者であれそのことは別として、その割合というものは三対七とか四対六、そういう段階を踏んでいかなければならない。そういう必然性が今日の年金制度の中に生まれている。何でも半々でいくということがすべてではないというふうに、いまの実例でもそういうふうにはなってないんですね、外国でも。ですからそういうことから見ると、税金の問題だけでなしに年金制度そのものを見る場合に、ああいう諸表が出ていますが、いまの二分の一という制度をそのまま踏襲した比率で厚生年金も出ている、国民年金も出ている、その出し方それ自身を考えていかなければあれは恐怖感を与えるだけですよ。言うならば老齢化社会に向けて若い人たちが、スウェーデンじゃないけれどもこんな一七%の掛金を納めるようなことになるなら大変だ、とんでもないという論議を起こさせる要因をあおっている。公企体ではあおる行為、こう言っています。あおる行為はいけないと大分言っていますけれども、いわゆる政府自身がそれをあおっているというふうにも私は考えるわけですが、これは大蔵大臣にお答えをいただくわけですが、一応時間がありませんから大ざっぱに言ったんですが、そういう諸表が出ていること自身が言うならば日本の年金制度に対するきわめて危険な発想である。だから外国の例を見てみても、成熟度は高くてもそんなに掛金は上がってない。使用者負担は上がっているけれどもいわゆる国民の掛金の負担は上がってない、そういう実態等を考え合わせたときにその認識と、これからの展望にああいう諸表を出すことが果たしていいかどうかきわめて私は問題が多いというふうに思うわけです。いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 日本の場合は外国と必ずしも基盤が同じじゃないのですね。要するに外国には退職金制度、何千万円くれるなんという退職金制度はございません。ない国が大部分ですね。昔日本では、民間は恩給という制度がなかった。お役所の方は退職金という制度がなかった。恩給であった。ところが民間はその退職金という制度を残したままで年金制度を取り入れた。お役所の方は恩給制度、年金制度もあって退職金制度を新しくつくっちゃった。こういうことに私は問題があるんじゃないか。したがって問題は、退職金というものをヨーロッパ並みになくしてしまって、退職金の掛金というものを年金にほうり込んでおけば、それはかなりの事業主の負担率にはなるわけです。しかし、企業によっては退職金はだんだん減らして年金の方へ行こうと労使で話し合いをして、始まっているところもあるようです。一つの世界的な傾向でしょう。ですから、そういうような問題や支給開始年齢の問題等とも比べなければなかなか一概に一長一短を言うことは私はできないのじゃないか。ドイツと日本というのは年金の問題が両方折半で一番よく似ているのです。だけれども掛金率も、ドイツの方は千分の百八、九十ですか、ですから日本の倍以上くらいになっているのですよ。(沢田委員「組合員が二分の一ですよ」と呼ぶ)だからそれは日本は同じで二分の一ですから。したがって千分の百八十にすれば九十、九十ずっと、日本は両方合計して今度は一〇・五か一〇・六に直したということであって、非常に短期間に老齢化がうんと進んできて、しかも年金給付の水準を思い切ってどんどん引き上げたために現在の掛金ではとうてい賄い切れない、その実態を係数であらわすと八十五年になったら三〇%取られるみたいな話になってくるわけです。したがって、とうていそういうことは仮に折半としても負担できないだろう。したがっていまのうちから、年金制度を守っていくためにはどういうふうなあり方がいいのか、冷静にみんなで知恵を集めて、合理的に、現実的につくっていく必要がある、そう考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 いま言われた中で、これは認識の問題じゃなくて事実関係ですから、企業年金制度は除いた比率でいま私は言っているわけです。企業年金制度の問題はこれから日本の新しい課題として、それぞれの普及されておる状況も考えて、退職金がないから掛金が少なくて済んでいるのだし年金が多いのだという論理じゃなくて、純粋に国がやっているものの例だけ私は挙げたのですから、その点は相互に誤解がないように受けとめておかなければならぬだろうと思います。  それから次の問題は、そういう意味においてEC諸国との比較をやっていった場合に、西ドイツだけは九・一を出されましたけれども、これは賦課制度になった条件の中で出てきた数字でして、日本の掛金率というのはいまの積立方式をやっている諸外国の例から見るとそれ以下に下がっているということを私は言いたかったのでありまして、日本も賦課制度にすればもっと高くなるかもわかりませんね。賦課制度という、その年度年度の支給額をその年度の組合員が負担する、こういう方法をとれば別ですが、いまからこれはできない。三十四年ごろいろいろ議論をされたわけでありますが、そのときには結局現在の積立制度を政府は採用したわけですから、その積立制度を採用したということは資金の運用で十分に賄えます、こういうことが積立制度が維持される原因なんですね。ですから、インフレによって積立制度に失敗を起こした場合の本来の責任は、私の方から言えば政府の金融政策の失敗にある、こういうふうに思いますが、これは意見として述べておくだけにとどめます。  次に、さきの国会でそれぞれ附帯決議を付したわけでありますが、その附帯決議の実行について若干お伺いをいたしたいと思うのです。特にこの前の附帯決議は、いまの成熟した年金制度に対して今後どういうふうに考えていったらいいかという若干の展望を持ちつつ決議をしたわけでありまして、言うならば一つの方向を示したものでもあります。  この第一は、長期給付に要する国庫負担分については、厚生年金等の負担と異なっている現状にかんがみて公的年金制度間の整合性に配慮してやってほしい、こういうことです。御承知でしょうが、厚生年金は二〇%の国庫補助があるわけですね。この共済関係については現在一六%である、こういうアンバランスもあるわけでありますから、その点についてはどうか。  それから遺族年金の関係についても、これはまた後でもう一回質問しますが、どうなのか。  三番目は、まだ若干実態が伴っておりませんが、いわゆる重労働職種、危険職種等の減額退職年金の減額率の問題についてはどうなのか。  それから懲戒処分等による給付制限、これは厚生年金とは違うのでありまして、この前も言っているように、厚生年金は刑務所へ行ってでも掛金があり、雇用と掛金が伴っていれば年金がついていくわけでありますから、この辺と公務員の懲戒処分による減額というものは基本的な性格の相違であります。この点はどういうふうになるのか。それからまた、各年金間においてそれぞれアンバランスが出ておるけれども、それらについても十分考慮する必要がある。  それから基本的事項について一元的な調査審議をすることが必要である、こういうことで要請をしたわけであります。  これについて、時間の関係がありますが、この附帯決議はきわめて重要な問題でもありますので、それぞれ回答をしていただきたい、こういうふうに思います。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 ただいまお話しの五十五年五月の衆議院大蔵委員会における附帯決議の五項目についてでございますが、その後種々検討を続けている次第でございます。  まず第一項目の、ただいま御指摘のございました国庫負担についての公的年金制度間の整合性に配慮しつつ検討を続けることという点でございますが、社会保険に対します国庫負担のあり方については種々議論があるところでございます。保険料だけでは適正な給付水準を確保することができない場合であるとか、あるいは被保険者の範囲が低所得者層に及ぶといったような場合におきまして、国庫負担の必要性の緊急度に応じまして社会保険制度全体の均衡を考慮しながら検討をすべきものであるというふうに考えておるわけでございますが、他方、国の財政力に応じまして、低所得者層に重点的に配慮するといったような財源の効率的な配分の見地からも慎重に検討が必要だと思っておるわけでございます。今後の老齢化社会を迎えての公的年金の国庫負担のあり方につきましては、公的年金制度全体のバランスあるいは年金財政の健全化の問題も含めまして財源の効率的配分という見地から今後とも総合的に検討を進めたいというふうに考えております。  それから第二点の、遺族年金の問題につきましてなるべく速やかに給付水準の引き上げを図るよう検討を行うことという附帯決議でございますが、遺族年金全体の総合的な見直しにつきましては給付水準の問題だけではございませんで、遺族の範囲でございますとかあるいはその要件、あるいは遺族年金と本人年金との給付調整などのいろいろな問題が絡んでおるわけでございまして、そういった面も含めまして総合的に検討をする必要があるのではないかというふうに思っておるわけでございます。こういった諸問題につきましては、共済関係の各省間でいろいろ協議をいたしまして、今後とも関係審議会やあるいは共済年金制度基本問題研究会の御意見も拝聴しながら、引き続き総合的な見地からの検討を進めていきたいというふうに考えております。ただ、この遺族年金全体の総合的な見直しにつきましてはなお相当の日時を要すると思われますので、今回、寡婦加算額につきましては他制度と同じ水準に引き上げるよう御提案を申し上げている次第でございます。  それから第三点の、高齢者の勤続が不適当と考えられる重労働職種や危険職種に長期間従事していた者が退職した場合におきます減額退職年金の減額率の問題でございますが、これをさらに緩和することにつきましては、こういった職種の選定あるいはその減額率をどの程度にするかといったような問題があるわけでございます。この危険または重労働職種をどういったふうに選定するかという問題については、いま各省ごとに意見を伺っている段階でございます。今後、民間における類似職種の実態の把握等もあわせて行いまして、官民の均衡というような点も考慮しながら検討を続けていきたいというふうに考えておる次第でございます。  それから第四項目の懲戒処分者に対します年金の給付制限については他の公的年金との均衡も考慮して再検討することという点でございます。御承知のように、新法に移行しました共済年金の性格は公的年金制度としての機能を持ちますと同時に、国家公務員法を根拠としているところからも見られますように公務員制度の一環でもあるわけでございます。したがいまして、給付制限を全廃することには問題が多いわけでございますけれども、かねてから御指摘がございますし、また附帯決議でも御指摘があるところでございますので、この点は政令の改正によって措置ができる問題でございますので、政令の改正によって緩和する方向で関係省とも現在いろいろ協議を行っておりまして、国家公務員共済組合審議会にも諮っている段階でございます。そのようなことでまだ結論は得ていないわけでございますけれども、今後審議会の意見も伺いながら、適切に対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  それから第五項目の共済組合制度に関する基本的事項について一元的に調査審議する機関の設置について検討を行うことという点でございますが、共済制度全般につきまして共通した審議の場をつくる必要性があるのではないかということは、各方面からの御指摘があるわけでございまして、今後とも検討はしていきたいと思っておりますけれども、この問題につきましては既存の審議会との関係などいろいろ問題がございますので、当面の措置といたしまして共済年金制度基本問題研究会を昨年の六月に発足をさせまして、そこで今後の共済制度のあり方についての全般的な検討をお願いをしておるわけでございます。  以上、附帯決議の五項目についての御報告を申し上げた次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 この五番目の五十五年六月にできました共済研、こう言っておりますが、共済研の見通しをひとつお伺いいたしたいと思うのですが、いかがでしょう。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 共済研究会は昨年の六月に発足をしておるわけでございますけれども、現在のところ、おおむね二年程度を目途にして御意見の取りまとめをしていただきたいというふうにお願いをしているところでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 いま言われた二年程度というのは、この共済研が二年間かけてやるという意味ですか、それともその前に、答申はいつごろ出していただこうという考えなんですか。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 最終的な御意見の取りまとめということになりますと、来年の春ごろになるのではないかというふうに思いますけれども、できることでございますれば、ことしの秋ごろには何らかの中間的な方向といいますか、そういうものをまとめていただければありがたいというふうな感じはいま持っておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 五十六年の秋ごろというふうに理解をいたしますと、今度の財政再計算に当たっては四年間で一応設定したわけでありますね。ですから、今日のような情勢になりますと、退職者の数も、退職金が減っちゃかなわない、定年制がまたしかれたら地方公務員等では大変な退職者が出る、こういう状況も考えられるわけでありまして、いわゆる四カ年の財政計算が果たして妥当なのかどうかということの問題にもなるわけであって、四年もつという保証はあるかどうかということはきわめてむずかしいんじゃないか。特に行政改革というような問題を抱えている今日、この四年間というのはそういう問題が起きないとすればという前提で設定されているわけでありますから、そういうような異常事態が発生するともっと早まるという、いわゆる成熟度というか年金受給者がふえるという条件というものがより早まるんじゃないかという危険性を持っておると思うのですね。だから、いま言った五十六年の秋ごろで果たして間に合うのかどうか、法体系の整備とかその他政令の整備を含めて可能なのかどうか、若干私は危惧があるのでありますが、その点いかがでしょうか。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 ただいまの共済問題研究会で検討をお願いしております項目は大きく分けまして三つございまして、一つは共済年金制度自体のあり方、給付水準でありますとか給付要件等の問題でございますし、二番目は他の公的年金制度との整合性等の問題でございます。それから第三点に国鉄の年金財政を含みます年金財政の問題、この三つを主たるテーマといたしまして検討をお願いをしておるわけでございます。  ただいま御指摘のございました四年間という問題は、国鉄の年金についての当面の問題であると承知をしておるわけでございまして、御指摘がございましたように、今回実施されました財政再計算の計画におきましては、五十九年度までの四年間の計画を暫定的に組むというような事態になっておるわけでございます。そこから六十年度以降についての収支のバランスが、現在の大幅な掛金の引き上げをした時点で見ましても見通しが立てられない、こういうような状況になってきていることは十分承知をしておる次第でございます。したがいまして、共済年金の問題を検討するに当たりまして、国鉄共済年金の問題をどういうふうに取り扱うかということが非常に重大な問題であることは十分承知をしておるわけでございますし、共済研究会の中でもそういった議論がいまなされておるわけでございます。  そういったものを十分踏まえながら、ただいま申し上げましたようなスケジュールで審議を急いでいただいているというのが現状でございまして、そういった共済研究会での研究の結果が最終的に来年の春ごろに取りまとめられるということでございますと、それを参考としながら関係省庁との協議をさらに十分行いまして、できるだけ早急に制度改正全体についての成案を取りまとめるということに努力をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 地方団体においては、やはり成熟度がものすごく加速といいますか、たとえば海軍工廠があった呉であるとか大牟田であるとか、そういうような都市を例に挙げれば——そのほかの市の、いわゆる急増地帯においては若い人が入ってきておりますから、ちょうどいまの電通さんみたいなかっこうになっているわけでありますが、そうでなくとも人口がふえていかない、だんだん老化していって新規採用も少ない、そういう都市においてはすでに赤字になっている市町村も多いわけです。地方公務員の方はいま五兆六千億くらいの積立金があるようでありますけれども、全体的に見ればあっても、それぞれの都市の共済でいきますときわめて危険な状態に入りつつあるし、入っているところが多い。そういう状況をどういうふうに当面は考えていかれる予定ですか。いわゆる財政的には破産になっちゃっている市町村もあるわけですね。この点をひとつお伺いいたしたいと思います。

柳克樹自治省行政局公務員部福利課長

○柳説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の点は、呉市の共済組合ですとか大牟田の共済組合の問題を頭に置いておっしゃっておられると思いますが、これらの都市職員共済組合につきましては、三十組合で連合会をつくっておりまして、一応財政調整の仕組みができております。したがいまして、当面一つの組合で財政上都合が悪くなるということがございましても、全体としてお互いに助け合うという仕組みになっておるわけでございます。ただ、このままでいいかどうかということについて大変いろいろ問題がございます。したがいまして、今後の問題としては検討していかなければいけないというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 その場合の財政調査には、金利をつけているのですか、つけてないのですか。ただ連合会の積立金をそのまま融通してやって、補てんをしてやっている。それには金利はつけている、つけてない、どっちですか。

柳克樹自治省行政局公務員部福利課長

○柳説明員 現在まだ財政調整の仕組みは動いておる段階に至っておりません。各共済組合の積立金で現在は運用しておるという状況でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 その場合はつけるのですか、つけないのですか。

柳克樹自治省行政局公務員部福利課長

○柳説明員 連合会の積立金については利子を当然つけております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 続いて、短期共済の今後の問題について若干聞いておきたいと思うのです。  おととしでありますか、全林野さんが一番問題が多いわけでありますけれども、全林野さんの場合の短期共済については千分の五十ということで頭打ちをして、それ以上の掛金の増額は過度に過ぎる、職員に対する負担が余りにも強過ぎるということで、五十ということで置いて、一応線引きをしたわけであります。ところが今回、何かそれを引き上げられたようでありますが、一つには、そういう全体的なバランスの中で五十が限度であろうということで取り決めをしたものが安易に破られるということは、きわめて遺憾だと思うのです。ですから、たとえば五十三にこれから決めたと仮定しましても、またその次にそのことが移動していくという危険性を持っている。今度は全く大丈夫だというふうに理解していいですか。政治家の発言ほど当てにならないことはないと言われているくらいですから、公務員の発言もこのごろは当てにはならなくなってきているからまるっきり信用できるかどうかわかりませんけれども、いわゆる五十三というレベルは将来確保するレベルとして、特別の事情変更がない限りこれは原則として継続される、こういうふうに理解をしてよろしいでしょうか。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 ただいま御指摘のございました林野共済の掛金率につきましては、五十二年のときに千分の五十ということにとどめる措置を講じたわけでございますが、それは実は、健康保険組合の被保険者の保険料率とのバランスを考えて、当時そういった一つの判断をしたという経緯があるわけでございます。  それは、当時林野庁共済組合が医療給付費が非常にふえていきまして、掛金率を大幅に引き上げないとバランスがしない、収支のバランスがとれないといったような状態になったわけでありますけれども、その当時の健康保険組合の被保険者の保険料率の上限が千分の四十ということになっていたわけであります。ただこの千分の四十というのは、実は総給与に対する比率をとるような仕組みに健保組合の方はなっておるわけでございまして、それと実質的には同じような水準ということを翻訳をして考えてみた場合に、公務員の場合は、掛金を本俸だけに対して掛けるというふうな仕組みをとっておるものですから、実質に換算しますと、対本俸千分の五十というのがちょうどそれとバランスがとれているというふうに判断いたしまして、御指摘のような措置をとったわけでございます。しかしながらその後の状況は変化をしておりまして、健保法の改正によりまして、健保組合でもボーナスから特別保険料を徴収できることとなったり、あるいは昨年の法改正で保険料率の上限が千分の四十五と、これは対総給与でございますけれども、そういう率に引き上げられたということがございます。こういった事情を踏まえて、五十二年当時と同じような思想、考え方で公務員の場合に掛金率を対本俸ベースで試算をしてみますと千分の五十九ぐらいになってしまうわけでございます。  ところが林野庁共済の短期給付財政というのは依然として非常に厳しい状況にございまして、これを収支をそのままバランスさせようということになりますと、出っ放しの数字で言いますと、五十六年度の所要掛金率というのは千分の五十九すらも超えるというふうな状況になってしまうわけでございます。そういうことで、もしそれを仮に五十二年と同じような考え方で千分の五十九までは引き上げようというふうなことになりますと、この掛金率の水準というものは、御承知のように組合によっていま相当な差があるわけでございまして、一番低い組合は千分の三十ちょっとというようなことでございますから、そうなると二倍もの差が出てしまうというので、これは林野庁共済の立場からいっても非常に問題があるというふうな状況にいまあるわけでございます。  こういったようなことで共済組合の財政基盤に強弱があることから掛金率に格差が生じる構造になっているわけでございまして、これを何とか相互扶助と連帯の精神でお互いに助け合いをする方法はないかということを考えまして、今回この格差の緩和を図るために組合間におきます財政調整を行って、一定の掛金率以上の組合に対して助成を行うというふうな、保険集団を広げるというふうな形での相互扶助の仕掛けをこの改正法案で御提案をしているわけでございます。  そういった意味で、今回の措置につきましては、基準の掛金率という意味から——基準の掛金率と申しますのは、格差緩和という目的から、先ほど申し上げましたような千分の五十九というふうな高い数字にはこだわらないで、全体の、全組合の法定給付に必要な平均の財源率というものを基礎にいたしまして、一定のルールで千分の五十三というものを基準として採用をしようということにした次第でございます。したがいまして、ルールとしては基準掛金率が動けば理論的には今後も変動することはあり得るわけでございますけれども、しかしながら医療保険の実態と申しますのは、先生も御承知のように、やはり給付の内容そのものの適正化ということを一層推進しなければならないという現状にございますので、そういった面につきましては今後ともさらに一層の努力を払って給付費の増大を抑制をし、この基準掛金率そのものもできる限り高くならないような努力は続けていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 いまの問題、書かれた文章を皆読んでいるから大分時間を食ってしまって後なくなってしまうのですが、二つの問題があるのですね。  一つには不正請求の審査に対して果たして的確に行われているかどうかということがあるわけです。これはほかのところで使おうと思ったものなのでありますが、「自賠責保険の水増し請求 二カ月入院二百五十万円も」「悪徳医都内で二十カ所超す」こういうようにあるわけです。この中身は、もう時間の関係上読みませんけれども、えてして地方公共団体の請求は——これはもう全額負担でありますから本人はほとんど関知しない。家族が入っても関知しない。あるいはまた、本人はもとよりのこと、そういう中身についてきわめていいかげんだと言っては——全くいいかげんなのであります。そうでないまじめな人もいるでしょうけれども、いいかげんな人も相当いる。そういうことに対してやはり審査が少し甘いということが一つ言える。  それから白ろう病、難聴、腰痛、そういうように職業病的な労災的なものをそれぞれの健康保険組合で担っていくのが果たして正しいのかどうか、これも基本的な問題として考えなければならない第二の点だろうと思うのです。林野が赤字になっている最大の理由はいわゆる職業病なのであります。だから職業病によって短期共済が赤字を生じてきた場合に、国の労災関係を含めて全然めんどうを見ていかないで組合員の相互扶助だということで済まされるのかどうか。あるいは製材工場なんかにおけるところのけい肺病、あるいはかじ屋だとか製かんなんかにおける難聴、あるいは重い物を持つところの腰痛というような職業病的なものは短期共済の枠外として扱っていくという方向がこれはとられなければならない、国の損害賠償請求の基本的な中身に入るものではないのか、こういうふうに思いますが、いかがですか。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 公務上に起因する疾病ということになりますと、当然公務災害として扱うということになるわけでございまして、共済組合の医療給付の対象からはそういったものは除外をされるという仕組みになっておるわけでございます。  そこで、公務上であるかどうかという認定をどうするかということでございますが、これは公務員の災害補償法等に規定いたしておりまして、実施機関の意見を聞いて決めていくということになっておるわけでございまして、これは林野庁のみならずほかの役所も同様だと思いますけれども、その辺の認定は適正に行われているように考えておるわけでございます。白ろう病等につきましても同様ではないか、適正に処理をしてやっているのではないかというふうに思っておりますが、今後ともその辺の仕分けに適正を欠くことのないように十分関係の共済組合等を指導してまいりたいというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これは常識的に認定の時期がずれるというようなことでその間共済を食っている、こういうものも多いわけですね。認定がおくれればその間共済で払っているわけですから、そういうようなことの問題もあるし、あるいはそれが認定以前になぜ林野だけがこう医療費が高いのかということになれば、やはりこういう遠隔にあるということがまず一つあるのですね。旅費がものすごく高くなるというのです。もう一つは、いま言った職業病的なものがまだ認定されない以前の状態においていろいろとある。これが結局医療費をふくらませている一つの常識的な意味において、不正請求は別として起こっている現状なんですね。遠隔であるなら国鉄なんかだって同じように遠隔のところがある。ただ駅があるからお医者さんがいるだろうということになって、全林野の場合はお医者さんもいないようなところが多い、だから往診にも相当旅費がかかる、こういう条件は確かにあることは認めるのですが、それにしても高過ぎるのはどこかに原因がある。それはやはり職業的な条件の中における医療制度というものが十分でないというところに起因するのだと思うので、これは組合員の責任じゃないのですね、配置されている職場によって起こってくる原因の問題なんですから。これを共済組合のお互いが負担をしなければならぬ、北海道と沖繩にいる者で組合をつくってその間を往復していれば、これは赤字になるのはあたりまえですからね。そういうことがこの全林野の場合にはもっと根本的に検討される必要がある、そして正常な状態に戻すようにこれは努力をしてもらわなければならぬ問題が含まれているんだと私は思うのでありまして、この点はひとつ御検討いただきたいと思いますが、それで御返事をいただきたいと思います。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 初めに御指摘のございました職業病の認定がおくれる場合の問題ということでございますが、これは公務上に起因するものであるということに認定が出ますと、発病の時点にさかのぼりまして、仮にそれまで共済の方で見ておったものがありましても公務災害の方に振りかえて精算をするというふうなことをやっております。  それから、林野が何でこういうふうに状況が悪いのかということでございますが、一つには平均の給与水準が総体的にやや低いというような問題とか、あるいは高齢者が多くて疾病の発生が比較的多いとかいうふうな状況もあるように聞いておるわけでございます。結局のところ、そういったような特質を持った共済組合でございますが、集団としては四万数千人という小集団で運営をされているところからその苦しさが出てきているという面もあろうかと思うわけでございまして、これは保険の基本的な問題でございますが、やはりある程度大集団で考えていくということも必要かと思います。そういう意味で今回の短期調整を御提案申し上げているという点を御理解いただければ幸いに存ずる次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 だから検討してほしいということを言っているのです。  次に遺族年金の問題で今度二百四十万円、これはもう時間の関係で細かいところを省略しているのですが、いわゆる配偶者が遺族年金をもらえる一つの限度を二百四十万円という金額にした答申はいつの時期のものであったか、ちょっと教えてください。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 昭和四十八年のことでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 四十八年に答申されたものを今日に、もう十年、この間の賃金スライドを全然含めないでその提案をしたという理由はどこにあるのですか。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 この遺族の要件につきましては、共済年金の基本原則といたしまして生計維持要件というものをとっているわけでございまして、配偶者の場合については、現在十年以上組合員であった者の配偶者につきましては生計維持要件を特に要しないというふうな扱いをしてきたわけでございますけれども、これはかねてから共済年金の遺族の要件というものは制度内での統一を図る必要があるのではないかというふうな問題があったわけでございまして、今回そういう点を見直しまして組合員の遺族の要件の統一を図るというふうに考えた次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そういうことを聞いているのではないので、四十八年の答申の金額というものを五十六年になって、八年もたっているのに、共済年金関係は賃金スライドを原則としているわけで厚生年金は物価スライドを原則としているわけでありますから、当然賃金スライドをこの八年間に加えて提案することが本当ではなかったのかということが私の質問です。金額が高いか、いいか悪いかの問題じゃないのです。本質的な問題として、その当時答申された金額は賃金スライドをされた金額で提案する、それが高いか安いか、政治的に削るかどうか、この問題は別なんですよ。たてまえとしてはそういうことでないと筋が通らぬのじゃないかということをいま申し上げたかったのです。その点、イエスかノーかで、あと三分か五分ぐらいしかないですから。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 御指摘の点でございますけれども、これは他の遺族よりは要件としては緩和された形にすでになっているということが一つございますのと、それからまたこういった収入限度額が適用されますのは夫の場合もあるわけでございまして、そういった本人年金をもらう夫がさらに遺族として優遇されていくというふうなケースができていくのは一つ問題があるのではないかという点と、全体といたしまして今後遺族の要件等を含めた給付水準の見直しという問題を抱えておる現状におきまして、これ以上の緩和を図るという点については問題があるという判断をした次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 もしこういうことで政治的に削減をするなら軍人恩給についても当然、これはあなたの方の所管じゃないでしょうけれども見直さなければならぬ筋合いのものだと思うのですよ。共済は大変だからといって軍人恩給だけはずっと野放しにいくという筋のものでもない。とすれば、所得制限をここへ強めるとするならば当然軍人恩給においても所得制限を強める、そういうことの歩調がそろわないと年金制度そのものの全体のバランスを崩すことになるわけですね。もう時間の関係であとは要請だけにしておきますが、いわゆる遺族年金の支給制限といいますか、これは夫であっても妻であっても同じ条件になるのでありますが、それの整合性を進めていただくように要請しておきます。特に軍人恩給についても同じようなことが言える。それだけは野放しであるという要件ではない。あえてもっと申し上げるならば、四百八十万だなどという金額の最高額はもう少し下げてもいいんじゃないかという気はしないではありません。だからそういう点についてもこれを下げてある程度圧縮をすることぐらいは、これは全体の問題として考えていかなければならぬことではないかというふうにも思いますので、この点は申し添えておきたいと思います。  この遺族年金の問題の整合性は今後ひとつお願いをするということで、まあ今度の法案にも乗っかっているわけですが、そういう意味において、四十八年の分を賃金スライドしないでそのまま据え置いてそれでまかり通るというのは若干私は疑問が残るわけでありますが、これは次回にでもひとつ改定をしてもらうように、この点はお願いをしておきたいと思います。非常に不満ではありますが、その点はそういう形で処理していきたいと思います。  続いて、これは全然違う問題なのでありますが、大蔵大臣も疲れているから、時差ぼけしているようだからほかの方でも結構ですが、保険控除のあり方ということで、たとえばおやじの生命保険を四億掛ける、五億掛けるというのがこのごろきわめて多い。ギャンブルもこのぐらいになると狂気のさた、こういうことになるわけでありまして、おやじが死んだらば後うまくもうけて母ちゃんは適当に生きていこうということで四億なり五億なりとばかばかしいような掛金を掛けて、殺人に至ったなんという例もあります。私はこの前、退職金の場合も言いましたけれども、所得の十倍ぐらいを限度としてそれ以上はもう控除対象から外すということが必要じゃないかという気がする。それで、保険をなぜ控除対象に入れたかと言えば、今日のような年金制度にならなかった、まだ年金が未熟で年金ももらえない、老後の不安定要素が多いということで、この生命保険をある程度育成強化するためのこれは政策的な控除対象であったと思うのですね。ですからそういう意味においては、生命保険で四億だ五億だなんというばかばかしい金額を掛けていくということが果たして妥当なのかというと、私はかえって世の中にギャンブル性を強めるだけである、だからせめて年間所得の十倍までを控除対象にするというぐらいを原則に置いておくべきではないか。控除対象は十倍でも十分なんですが、それ以上は逆に控除対象から外すということが一つ。  それから損害控除の長期の扱いなのでありますが、損害保険は短期がほとんどなんですね、長期というのは少ない。その辺の取り扱いであえて申し上げるならば、保険控除はもうなくしていいんじゃないか、そういう時期に来ているんじゃないかというふうに私は思うのです。これだけ年金が成熟してきて企業年金もできていく中で、生命保険等の控除を温存しておく理由は今日もうなくなったというふうにも思うのでありますが、その点は最悪の場合でも十倍程度のものに適用する、それ以上は適用しない、どちらかを私は選択していただきたい、こういうふうに思うのですが、大臣の見解を承って、時間ですから質問を終わりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 御趣旨は年五万円の控除の話だと思いますが、これはもともと預金利子免税などとの絡みで考えられたものだと私は存じます。そこで、そういうものをなくすればいいかどうかということは、結局五万円の控除ですからまあ小さな金額です、庶民相手のものである。しかしこういう財政事情のもとでございますから、一つの御提案として検討をさせていただきます。  また、所得の十倍以上の生命保険を掛けた人には講ずるな、認めなくてもいいというのか、それまでの人は認めてもいいというのか、そこらのところも含めて後でまた詳しくお聞かせいただきたいと思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それでは終わります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 柴田弘君。

柴田弘公明党・国民会議

○柴田委員 まず私は、共済年金のいわゆる成熟度、特に国鉄の成熟度が一番高いということでありますが、こういった関連におきまして、国家公務員並びに公共企業体の共済年金における今後の財政収支の見通しについてそれぞれお伺いをしていきたい、こう思います。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 まず国鉄の共済年金財政につきまして、将来の見通しを含めまして、現状から簡単に御説明いたしたいと思います。  現在、国鉄の共済組合は、いま先生がおっしゃいましたように成熟度が非常に高くなっておりまして、他の共済年金制度に比べましてきわめて厳しい状況になっております。ちなみに昭和五十五年度の成熟度を見ますと国鉄は七三でございまして、百人で七十三人を養うと申しますか、いたしておりますが、電電が一七とかあるいは国家公務員連合会が三〇ということでございますから、他の三公社、国共の平均に比べまして約倍近い成熟度になっております。これはいろいろ理由があるわけでございますが、現在、国鉄の年齢構成を見ますと、この成熟度がさらに高まるということが見込まれておりまして、昭和六十年には一一六、一人が一人というような非常に高い成熟度になるように思われます。  したがいまして、年金財政の面からも非常に危機的な状態にございまして、このため、今回年金収支計画の見直しを行いまして、さらに今年度から掛金率あるいは事業主負担両方合わせまして財源率を千分の百七十七に上げる、本年度だけは暫定的に百七十二でございますが、現在千分の百四十七のものをこの四年間の収支計画の後半三年間は千分の百七十七まで上げないと何とかやりくりがついていかない、こういう状態になっておりますが、これすらも昭和五十九年までの間の収支均衡がどうやら図れるという暫定的な対策ということの内容になっております。今後、この収支計画に基づきまして五十六年以降やっていく予定にいたしておりますが、これらの措置を講じましても、いま申しましたように暫定的な期間を越えますといわゆる赤字の収支予定になっておるわけでありまして、早急に抜本的な対策を講じていかなければならない、こういうふうに考えております。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 国家公務員の共済組合の場合について申し上げたいと思いますが、五十四年の十月に財政再計算をしたわけでございまして、そのときの結果によりますと退職年金の成熟度は、連合会加入組合の一般公務員の場合で見ますと、五十五年はまだ二三%程度でございますけれども、七十五年になりますと四〇%というところまでいく見込みでございます。  収支の状況を見ますと、これはいろいろな推計要素があるわけですが、仮にベアや年金改定とも五%というふうに仮定をして計算をしてみますと、現行の財源率のままでは昭和六十六年度には収支残が赤字になって、七十五年には積立金がなくなるという試算が一つございます。こういったことではぐあいが悪いので、財源率の引き上げを五年ごとにある程度上げていくということで試算をしたものがございまして、そういうことでやりますと、財源率を、現行が一二・三%でございますが、七十五年には二三・三%まで上げなければいかぬというふうな試算があるわけでございまして、将来の見通しからいいますと、給付と負担のバランスをどう考えていくかということが非常に大きな問題であろうかと考えております。

柴田弘公明党・国民会議

○柴田委員 それぞれ御説明をいただいたわけであります。国家公務員につきましては先ほど御答弁がありましたように、昭和七十五年度には年度末の積立金が赤字に転落してくる、マイナスになってくる、それから国鉄の場合は国鉄共済年金審議会が国鉄総裁に提出した資料によりましても、昭和五十九年度には、整理資源と言われているいわゆる追加費用が五千三十二億円、掛金の七倍にもなってくる、しかも当年度、五十九年度の収支残が百五十一億円、積立金が四千三百七十五億円、こういうことになってくるわけであります。この五十九年の収支残の百五十一億円は、六十年には恐らく一千億円程度のマイナスになってくるのではないか、赤字に転落をしてくる、しかも積立金も六十年、六十一年、六十二年以降にはゼロになってくる、私はこんなふうに推測をいたしておりますが、時間がありませんので簡潔に御答弁をいただきたいと思います。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 収支審議会の五十九年までの暫定措置以降、六十年以降どうなるか、こういうような御質問でございました。いろいろ前提がございまして、現実に国鉄は合理化計画等々で、要員その他についても先々どういうようなかっこうで合理化していくかという問題もございましょうし、あるいは将来のベースアップ等々もございますので、長期的な話は別としまして、わりに中期的な短期で見ましてどうなるかというのもいまのところ明確にまだオープンする段階にはございませんけれども、おおよそのことを申しますと、先生がおっしゃいましたように、六十年には千億程度の赤字になるのではないかと思われますし、それから六十一年、六十二年には現在の積立金がほぼなくなる、こういう事態になるのではないかと予測されるわけでございます。

柴田弘公明党・国民会議

○柴田委員 そこで、こういった危機的な状況を迎えた国鉄共済年金をどうするかということでありますが、これは私も承知をしておりますが、昨年の五月に国鉄共済年金財政安定化のための研究会の報告書もあります。それから、昨年十二月十八日の国鉄共済組合収支計画策定審議会の答申、いろいろ出ているわけであります。この中身を読んでまいりますと、いろいろな方法があるわけであります。事業主負担をどうしていくのだ、あるいは国の財政負担をどうしていくのだという問題がありますが、これらは恐らくとうてい不可能ではないかと思う。結局、現行の事業体単位ごとの財政運営制度を改めて、成立の基盤を共有する共済組合年金制度を財政的に一元をしていくという方向が妥当ではないか、こんなふうに言われております。  この成立の基盤を共有する共済組合年金制度を財政的に一元する、これは二つの方法がありまして、一つはいわゆる個別制度ごとの分立体系を基本的に維持させながら一定のルールに沿った制度間の財政調整を行う方法、もう一つは全面的に統合・一元化をして制度全体としての共通の基礎率、財政基盤のもとに自動的に費用負担の均衡を目指す方式、いわゆる統合・一元化ということでありますが、これしかないであろう、こういうふうに言われているわけでございます。  まず国鉄当局としては、この危機的状態を迎えた年金制度をどういうふうにしていったらいいのか、国鉄独自の考えがあるのかどうか、それをまずお聞かせをいただいて、その後大蔵省としても、先ほど主計局次長から答弁があったわけでありますが、共済年金制度基本問題研究会の中でこの問題も審議をしてみえる、今年の秋ごろには報告も出るということですが、大蔵大臣としては財政当局の責任者としてどうしていったらいいのか、一つのお考えがあろうかと思いますので、大蔵大臣の基本的なお考えというものについてお聞かせをいただきたい、このように思います。

足代典正日本国有鉄道共済事務局長

○足代説明員 お答えいたします。  ただいま先生の御発言のとおり、昨年の六月に総裁の諮問機関である研究会から答申をいただきました。私どもといたしましては、この答申に盛られた解決策しかない、かように考えておりまして、ぜひ、この答申が一つのたたき台になりまして抜本的財政安定策が早急に樹立されることを願っておる次第でございます。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 共済年金制度は現在五つの制度に分かれておるわけでございまして、発足時期なり沿革や仕組みにもいろいろ差がございます。そういうことから言いまして、直ちにこの一元化を図るということには問題があろうかと思っておるわけでございますが、この共済年金制度全体のあり方につきましては、共済年金制度基本問題研究会を設けまして学識経験者の御意見も伺っているところでございますので、今後こういった御意見も十分参考にしながら、関係各省庁でどういう方向に持っていくのがいいかということについては検討を深めてまいりたいと考えております。

柴田弘公明党・国民会議

○柴田委員 ひとつ検討を深めていただきたいと思います。  大臣にお伺いしていきたいわけなんでありますが、いわゆる八〇年代以降の年金制度の課題ということであります。私どもといたしましては、公的年金制度改革の方向といたしまして、基本年金制度の創設によりまして、年金による所得保障の最低限の確保、無年金者の一掃を図り、それに所得比例年金を上積みすることにより、在職中の所得に近い所得を確保するということを今後目標にしていかなければならないじゃないか、こういうふうに考えております。  その理由といたしましては、年金制度の分立による不合理な格差、不均衡を是正するとともに、社会的、経済的諸条件の変化に年金制度を適応させることにより、公正で効率的な体系を確立する。二つ目の理由といたしましては、人口の高齢化と年金制度の成熟化が年金財政に及ぼす厳しい影響を的確に把握をし、長期的な視野に立って適切な対応を速やかに講じていかなければならない、こんなふうに考えておるわけでありますが、ひとつこの辺について大臣の御所見をお伺いをしてみたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 社会保障の一つの大きな柱は何といっても年金でございます。したがって年金制度についてはどういうふうにこれを根本的に持っていくのか、いろいろな階層の方の御意見も踏まえて目下研究中であります。しかし、いずれにしても公的年金は老後の生活をそれだけでもう非常に楽々と暮らせるというところまではなかなかむずかしいんじゃないのか。その上に任意の年金がございまして、なかなか自由社会というのは、強制労働の社会じゃありませんからね。それはもうそこのところの問題なんですよ。だからどの辺のところがいいのか、識者の意見も十分聞いた上で、費用負担と給付の話でございますから、こういうような世知辛いと言ってはなんですが、非常にどこの国でも財政が赤字あるいは国際赤字等で悩んでいる。それでなかなかすぐ短期には解決がつかないというような状態も加味しまして、十分現実的に中身のあるものを考えていきたいと存じます。

柴田弘公明党・国民会議

○柴田委員 それで、先ほどの質問と同じような質問になるわけでありますが、私ども公明党といたしましては、高齢化社会に対応した年金制度の確立のために、大臣もお読みになっていただいておるかと思いますが、福祉社会トータルプランの中で、基礎年金の上に比例年金を上乗せする、いわゆる二段階方式の国民基本年金構想というものを提唱してまいっております。これは要するに、先ほど申しましたように、国民基本年金、最低年金制、それに所得比例年金を上乗せするという二段階方式ですね。これは六十五歳以上すべての国民に国民基本年金として全産業労働者平均賃金の三五%、夫婦では七〇%を保障する。それからこの基本年金の財源というものは応能負担の年金税で賄っていく、財政方式は修正賦課方式に移行していく、こういったことを提唱いたしているわけであります。この点につきましては、大臣も御承知かと思いますが、すでに総理大臣も園田厚生大臣も賛意を表明をしていらっしゃるわけです。でございますから、私どもといたしましても、やはりこういった観点から今後のこの年金制度については、財政問題をどうするか、あるいは給付率はどうするか、あるいは受給開始年齢はどうするかといった問題に政府としても今後とも真剣な取り組みをしていただきたい、こんなふうに要請をいたしておるわけでございますが、この点について大臣の御所見をお伺いをしたい。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 一つのりっぱな考え方でありますから、十分検討の対象にさせていただきます。

柴田弘公明党・国民会議

○柴田委員 じゃ十分に御検討していただきますことを心からお願いを申し上げまして、時間が参りましたので質問を終わります。ありがとうございました。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 玉置一弥君。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 毎年同じようなものが出てまいりまして、三番手ということもありまして大変質問しにくいのでございますけれども、できるだけ簡単に質問しますから、簡単明瞭、簡潔にお答えを願いたいと思います。  今回も含めまして、共済制度の中でやはり成熟度というものが老齢化社会、特に公共企業体についてはいろんな国の政策等も絡みまして急激に成熟度を増してきている。その中でも国鉄においてはもうすでに六九%、もうすぐ七〇を超えてしまうというような状況になっておりますけれども、現在の共済制度の財源を見てあるいは給付水準から見て、これからの共済制度というよりも年金制度全体でございますけれども、これを財源措置から見てもやはりぼつぼつ見直していかなければ大変破綻を来す部分が、特に国鉄でございますけれども、あるのではないか、そのように思うわけです。先日のときにも質問をしたわけでございますけれども、現在のそれぞれの成熟度というものがやはりどうなっておるかということが一つと、それからいまの成熟度で、現在の共済制度で成熟度をまず標準として考えられておられるのは何%前後であるか、そしてその超えたものについて、あるいはこれから近い将来超えるというふうに思われるものについて、今後どういう手を打っていかれるのか、どういう制度の見直しをいつごろからされるのか、その辺について簡単明瞭にお願いしたいと思います。  まず状況について運輸省の方から……。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 成熟度につきまして国鉄及びその他の公社あるいは公務員関係につきまして御答弁をいたします。  五十四年度に国鉄の成熟度は六八・九でございましたが、電電が一六・五、専売が四三・六、国家公務員連合会が二六・一、こういうふうになっております。昭和五十五年度には国鉄七三に対しまして電電が一七、専売が四六、国家公務員連合会が三〇ということになっております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 標準をどの程度に考えておられるか、矢崎主計局次長お願いします。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 ただいま運輸省の方から御答弁がありましたのは現状の成熟度でございまして、しからばこれがどういった標準的なものがあるかという御質問でございますが、標準的な成熟度というものを私ども現在ちょっと考えておりませんので、問題は、先ほどもお話し申し上げましたように、今後逐次成熟度が高まっていくということに対応して、全体のこの年金財政をどういうふうに補充していくかということを考えなければならないというふうに考えておる次第でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 財源の統合とか制度間の統合とか従来からいろいろな話が出ておりますけれども、実際統合される側から見まして成熟度の非常に悪いというか高いところについては低いところを引き寄せるというのは、それはもう大賛成になる。ところが逆に国鉄と専売を見た場合に、大変な開きがあるわけですけれども、国鉄を一緒に抱えてしまうと専売の方の負担率が極端に上がってくるというような実態から非常にむずかしいと思うのです。やはり思い切った改革というのは必要でございますし、その中でも国庫負担、通常の場合には四二、四二、一六というふうに、一六%は国庫負担である。ところが三公社につきましては、国庫負担分を公社が負担をしている。年金の基金とは関係ないわけでございますけれども、国鉄の場合には、先日もお話をしましたけれども、かなりの財政負担、収益の圧迫というような形で出てきていると思うのですけれども、統合に際して責任を明確にするという意味から、国庫負担分というものをやはり公社についても考えていかなければならない時期に来ているのではないかというふうに思うわけですけれども、それについてはいかがでしょう。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 公社の場合に、いわゆる公的負担部分と申しますものが公社の方で負担をしていただいているということは、御指摘のとおりでございます。この公的負担部分の考え方でございますけれども、これは公経済の主体としての公企体という意味で負担をしているわけでございまして、これはもともと国の事業であったという沿革でございますとか、あるいは国の公権力を背景とした独占的な企業であるという態様でございますとか、あるいはその事業収入についても種々の公的な規制というものを伴っている、そういったような特別な性格にかんがみまして、この所属職員に対しましては、当然公経済の主体としての責務を負っていただきまして、負担をしていただくのがしかるべきかというふうに考えておる次第でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 政務次官にお聞きをいたしますけれども、いまの話で国鉄再建法というものが出されまして、国鉄の再建を図ろうということでやっておられます。その中でも、国の政策として戦後大量に人を雇い入れたということもございますし、そしていまの財政状態から見て、本来もうかっているときというか、負担の少ないときには支払い分も少なかったのですけれども、現在は成熟度も非常に高い、そして、財政上も三千億前後の年金に対する負担というのを企業が行っているという状態でございます。赤字の中身を明らかにするということもありますけれども、制度間の公平な負担というものを見ていきますと本来国で持つべきであるというふうに考えますけれども、それに対してはいかがでしょうか。

三枝三郎自由民主党運輸政務次官

○三枝政府委員 お答えいたします。  先ほどから成熟度が非常に高くなっていくという傾向にあることについていろいろと御質問がありまして、国鉄自体につきましても、御承知のように昨年の十二月十八日に国鉄共済組合収支計画策定審議会の答申がありまして、その中にうたっていますが、各方面から提唱されているいろいろな意見も参考にして、そしてできれば同種の年金間の幅広い連帯を基軸とする方向で検討願いたいということになっております。  それから、先ほど沢田委員からの御質問で、ヨーロッパEC諸国でもやはり成熟度がだんだん高くなっている国鉄、しかしまた国鉄の見直しという点もあって、ECの各国ではこの差額については国庫負担をするという方向でいっているようでございますので、私どもとしましても、先ほどからお答えありましたとおり、成熟度が高くなる一方でございます。これは何としても最終的には国民の負担になるわけでございますので、せっかくいま大蔵省に研究会が設けられておりますので、その場において各方面の意見を十分に参照しながら、将来のあり方を検討して出していきたい、そういうように考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 大蔵大臣にお開きをいたしたいと思いますけれども、現在厚生年金の支給開始を若干後ろへやろうという話もございますし、将来の年金財政というものを考えた場合に、特に近い将来破綻を来す可能性のあるものもある、そして、二十年後には必ずアウトになるというようなものもありまして、そういう意味でいろいろな支出をいかに抑えていくかという動きが多分出てくると思うのです。それとともにやはり考えていかなければいけないのは、いまのお話にもございましたように、国の社会保障制度としてどれだけの負担を国民にというか、受益者に持っていただくかということも再検討すべきである、そういう時期にある程度来ているのではないか。年金というのは非常に先の長い話でございまして、その中で十分納得の得られるようなレベルを確保する、その内容として欧米との比較をよくやられますけれども、その中でやはり税負担率と社会保障負担、その二つを加味してあるレベルで国民が負担をするという話になってくると思うのです。最近よく出ておりますのは、その中でも所得制限という話がございまして、所得制限を導入すべきであるというふうな話が大分あちこちで出ております。そういう状況を考えまして、どういうレベルといいますか、租税負担と社会保障負担というものを加味して大体どの辺が適正かどうか、あるいはそういう検討をされるかどうか、検討されるって変ですけれども、どの辺だと思っておられるかということと、それから年金と定年という話がありますけれども、たとえば普通の会社で言いますと、いま大体六十歳定年に近づいております。公務員の場合にも五十五歳から六十歳。公務員の場合には定年と支給がつながるような形になっておりますけれども、普通の民間会社を考えた場合には、五十五歳と六十歳というふうに五年間の開きがあるわけですね。本来であれば退職をされて即仕事がなくなるというふうに考えた場合に、やはり年金支給が始まるべきではないか。逆に退職されても再就職をされた場合には、ある程度所得制限ということが必要ではないかというふうに考えるわけですけれども、その辺について、退職の時期と年金をつなげるということについてはどのようにお考えになっておるか。  この二点、いわゆる負担として大体どの程度が適正であるかということと、退職と年金をつなげるということについてのお考えについてお伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 結論から申しますと、いま具体的に数字を申し上げるという段階ではないということであります。やはり高い年金をもらうためには掛金もふやしていく、それしかないわけでありますから。  ただ、その場合に財産を持っている人、そうでない人では受け取り方が違うのじゃないか。農家などで聞いてみましても、年金はそれはいいですよ、いいけれども、毎年上がっていって、うちの中で二万ずつ毎月納めるということになると、もらう金は、先のことはもらいたいが、掛金が大変だということで余り喜ばぬですね、これは。財産を持っていますから、いざというときには財産を売ればいいんだから。そのかわり一番年金に熱心なのはやはり無産階級——無産階級と言っちゃしかられるかもしれぬが、財産のない人が一番熱心です。サラリーマンの奥さんなんか国民年金に入っているとかいう例は、やはり財産がないから働きバチの自分の主人が死んだときはどうするか、子供は大きくなっていないというようなことで、国民年金に入っている率が非常に多い。ですから、そういうような考えも何か参考にする必要が一つあるのじゃないか、国民年金なんかの場合特に私はそのような気がするのです。  それからもう一つは、所得制限の問題について、確かにお役所の次官でやめた人が銀行の頭取になって年金をまるまるもらっている。一千万とか一千五百万円の報酬をもらっているほかに年金をまるまるもらっている。あるいは国会議員になったら年金をみんなもらっている。こういう場合に全部というのがいいかどうか。もらうことはある程度構わぬと思うけれども、国家が助成している部分くらいはある所得以上がある場合には御遠慮願うようなことを考えてもいいんじゃないか。  それから六十歳支給か六十五歳支給かという問題が一つあります。これについて、六十歳からどうしてももらわなければ困るという人には六十歳から払う。払うけれども、そのかわり若年だから何割か少なくする。六十五歳からもらう者はそのかわり額を多くするというようなことで、中で財政調整ということを考えていったらいいじゃないか。  年金は、農家もそうですし、役所もそうですし、行政改革やったら下の人を採らないわけですから、採らなければ下の人が少なくなるのですから、一人当たりの負担が多くなるのは決まっているわけであります。したがって、こういうものはそれぞれ単独にできたけれども、なかなか自分たちでやっていけないという状態になってきているのがありますから、こういうものはもっと広い立場から考える必要がある。  一番おもしろいのは農林年金ですよ。私どもは農林年金は厚生年金から飛び出さない方がいいよと勧めた。ところが、何が何でも私学やなんかと一緒にやるんだと言って、無理してかなりの政治運動で強引にあれはつくったんですよ、最後は私も手伝ってやったんだから。ところが、いまになってしまったら結局農家戸数が減る。したがって農協も人を採用しない、むしろ減らしていくというために負担がうんとふえる。給付ばかりうんともらう計算をしちゃってそういうふうにみずから飛び込んじゃった人もある。私のところへ来たから、じゃあまたもとの厚生へ戻ったらいいじゃないか。  そこらのところを余り近視眼的にやると失敗が起きてくるわけです。したがって、少し長期的に全体の制度の見直し時期に来ているんじゃないかと私は思っております。皆さんの御意見は十分に参考にさしていただきます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 時間が参りましたので一言だけ。いまの御答弁に対してのこれからの希望という形なんですけれども、個々の小さい規模の基金ということではこれから財政上非常に運営がむずかしくなるのではないかということで、できるだけ大きくまとめていただきたいというのと、いまの所得制限につきましても、税の特に課税の制度的な面と、徴税の技術といいますか、その面からの不公平感というものが出てくると思うのです。そういう面をぜひ配慮していただきたいと思います。  時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 蓑輪幸代君。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 今回の法改正の中には恩給法の改善にならって定年後の年金額を引き上げる等の措置と並んで寡婦加算についての併給停止措置や遺族の範囲の見直し、短期給付に係る財政調整事業の実施という共済年金制度にかかわる内容が幾つか含まれています。この点について組合あるいは組合員の納得が十分得られていないのではないかというふうに思われます。そこで何点か伺いますけれども、時間が短いので簡潔に御答弁をいただきたいと思います。  今回の法改正について国家公務員共済組合審議会からも意見が出されています。たとえば遺族の範囲の制限について、寡婦加算の大幅引き上げと短絡的に結びつけることについては疑問が持たれると指摘されていますけれども、この点についての大蔵省の御見解をお聞きしたい。こういう疑問についてどのように答えてきたのかということをお尋ねしたいと思います。  同時に、この審議会の答申で遺族年金の改善は支給率の引き上げによるのが本筋という意見も強く出されているというふうに指摘されています。私は、遺族年金の支給率については現行五〇%から八〇%に引き上げるべきだと考えますが、この引き上げについてのお考えをお聞きしたいと思います。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 今回寡婦加算額を増額いたしました理由は、共済の新法遺族年金受給者だけが寡婦加算額について据え置かれたという状態になっておりますこと、他方遺族年金全体の総合的な見直し、検討についてはなお相当の日時が必要だというようなことも考慮いたしまして、年金制度間の権衡上の観点から引き上げを図ったという事情にございます。  それから、また一方、御指摘のございました遺族の範囲の問題でございますが、これの見直しを行いましたのは、遺族の受給要件と申しますのは共済年金制度では原則として死亡した者との生計維持関係を基礎とするということになっておるわけでございます。そういう意味で共済制度内の受給要件の統一化の観点からこれを他の方々と合わせたということでございます。  したがいまして、二つの改正はそれぞれ別個の観点から改正することとしたものでございまして、短絡的に結びつけるといったような考え方に出るものではないわけでございます。  それから、次の給付水準の問題でございますが、遺族年金の問題と申しますのは給付水準の問題も一つございますが、それだけではございませんで、遺族の範囲なりあるいはその要件といったようなもの、それから遺族年金と本人年金との給付調整の問題といったようなもろもろの問題がすべて絡んでいるわけでございます。したがいまして、こういったものを総合的に検討して負担と給付のバランスのとれた姿での遺族年金のあり方を今後検討していく必要があると考えておるわけでございまして、その辺のことも共済問題研究会の御意見も参考にしながら検討することにいたしておりますので、いまの時点で御指摘のような五割を八割にするということについて賛成はいたしかねるわけでございます。しかしながら、遺族年金全体の総合的な見直しはなお相当日時を要するというようなこともございまして、今回寡婦加算額については引き上げを図った、こういう事情にございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 今後の検討の中でこの給付率を引き上げることについてぜひ積極的な御検討をいただきたいと思います。  さて、今回組合員期間十年以上の者の配偶者についても死亡した者との生計維持関係が必要というふうにされていますけれども、審議会の答申でも疑問と言われているような問題ですし、あえて持ち出してくる理由はないし、そうすべき緊急性もないというふうに考えます。そこで配偶者の場合の生計維持関係の判定についてちょっとお尋ねいたしますが、現行の政令では組合員の死亡当時の給与の額を超える所得が将来にわたってあると認められる配偶者以外はすべて遺族として年金をもらえることになっていますが、これはこれからも変わらないのでしょうか、確認をしておきたいと思います。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 遺族となるための生計維持要件の判定の基準でございますが、配偶者の場合についても死亡した組合員の所得を超える所得を将来にわたって有すると認められる方々以外のケースでございますと遺族の要件として考えていくという点は従来と同様でございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 配偶者の所得が組合員の死亡当時の給与の額を超える場合でも、現行ではその配偶者の収入が二百四十万円以上でなければ受給資格があるというふうにされています。この点について国公共済と地方公務員共済とを比べてみると、著しい格差があります。地方公務員共済では、国公共済の二百四十万円の部分については掛金の算定基礎となる俸給の最高限度額の十二倍と定められておりまして、この額は、現行では四百九十二万円となっています。最高限度額が引き上げられれば自動的に上がる仕組みになっているわけです。ところが、国公共済では定額二百四十万円ということで定められておりまして、これは昭和四十八年以来七年間も据え置かれているわけです。この間の物価上昇だけを考えてみましても、これは余りにも不合理ではないでしょうか。国公共済についても、この二百四十万円の金額について大幅に引き上げるべきだと考えます。ぜひ御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 遺族の要件の問題につきましては、配偶者の場合は他の遺族の場合よりも非常に緩和された形になっておりまして、現在の収入限度額二百四十万円というのは、他の遺族の場合ですと七十万円未満ということになっているわけでございますから、非常に優遇をされているわけでございます。そういったことを考えますと、さらにこういう緩和された姿のものを拡大するということはいかがかという問題が一つございます。  それからまた、配偶者と申しましても妻だけではなくて、夫の場合もあるわけでございまして、この限度額を引き上げますと、本人年金をもらう夫、だんなさんがさらに遺族の要件も満たしていくというふうなケースがふえていくという問題もあるわけでございます。給付の重点化、効率化を今後図っていかなければいけないという全体の遺族年金の問題の中で考えた場合に、私どもはこの点については慎重にならざるを得ないわけでございまして、地方共済の方の扱いが違っているという御指摘がございましたけれども、私どもといたしましては、全体の給付と負担の均衡、適正化の観点から制度全体の見直しを進めている現状に照らしまして、現在の国公共済の取り扱いを直ちに改めるという考えは持っていないわけでございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 今回この二百四十万円をすぐ大幅に引き上げるというのが困難であるとしても、こうした七年間の物価の情勢、いろいろな状況をすべて勘案してみましても、二百四十万円で据え置くということは納得が得られない状況だというふうに思います。今後の共済の中でぜひこの引き上げについて検討していただきたい。重ねてお願いしておきたいと思います。  次に、生計維持関係の判定の運用についてですけれども、その当時は配偶者も一定以上の収入があり、受給資格がないと判定されたけれども、その後不測の事態などによって収入が減ることになり、生活が成り立たないという場合にも、一たんその時点で一定収入以上の収入があったために資格なしと判定されても、その後の事情を考慮して資格を与えるという、いわば救済措置を今後とれないものかどうか、こういう点について検討する余地はないものか、お考えをお聞きしたいと思います。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 遺族についての収入認定の考え方は、遺族になった時点での現状で判断しておるわけでございますけれども、その場合でも、この収入と申しますのは恒常的な収入というものをとらえるという考え方で運用いたしておりますので、御指摘のような問題は余りないのではないかと思いますし、それからまた、将来の状態で見直しをしていくということになりますと、では収入がふえた場合に一体どうするかといったような逆の問題もございまして、これは制度の統一的な運用というような観点からも、現在の取り扱いで十分慎重に恒常的な収入の認定をしていくということで対処してまいるべきものではないかというふうに考えておるわけでございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 収入がふえた場合は救済措置は必要ないわけで、救済措置という観点での御検討をお願いしたいと思うわけです。  ところで、今回短期給付の財政調整事業について提起されているわけですけれども、この実施内容について組合員の方から不安の声が上がっています。それは、この財政調整事業が組合員の要望に沿う方向で行われるかどうかという問題点だと思います。  第一は、組合員の負担面についてです。現在考えられているこの事業の実施方法によれば、一定の掛金率を設けて、それを超える負担分は連合会が助成を行うことになっておりますが、この掛金率は各共済組合の掛金率の水準を基礎にして計算され、現状では毎年自動的に上がらざるを得ないような仕組みになっています。これでは組合員の負担の増大という問題について解決されないわけで、この点について、基準掛金率に上限を設けるべきだと考えるわけです。  第二は給付面の問題です。この事業の実施に当たっては各組合の支払い準備金、不足金補てん積立金の二分の一を連合会に預託し、その運用益を財源に充てることが考えられていますが、これによって各共済組合の給付面に影響が出てくるのではないか、各共済組合にとって給付面にマイナスに働くのではないかという点です。この点についても十分配慮していくべきだと思います。  第三に、この事業については国家公務員共済審議会でも、その成否が関係組合及び組合員の協力いかんにかかることに留意し、その運営については格別に配慮されたいと述べているように、組合及び組合員の十分な納得のもとに進めるようにすべきだと考えます。  これらの点をぜひお願いをしておきたいと思います。  最後に、旧日赤陸海軍従軍看護婦の方々の問題についてお伺いいたします。  特に申し上げるまでもなく、これらの方々にとっては、戦争中赤紙一枚でお国のためということで軍人同様に召集され、最前線で命をかけて勤務してきました。あるいは女性ということで軍人以上に、言葉には言いあらわせないような苦労をしてこられた数々の体験が明らかにもなってきています。こうした長年にわたるこれらの方々の強い要望が慰労金という形で支給されることになったわけですけれども、旧軍人の恩給と比べていろいろな面で不利な状況になっているわけです。旧軍人並みということが非常に強い要望になっています。ぜひ従軍看護婦についても旧軍人並みという措置を強く要求したいと思います。  私ども岐阜県でも、元日赤従軍看護婦の会岐阜県支部というのが組織されまして、現在会員が百十六人で運動を進めていますが、たくさん要求があります。きょうは、たくさんある中で、とりあえず慰労金についてぜひ物価スライド制を導入してほしいということを強くお願いしたいと思います。今後ぜひこの物価スライド制について御検討いただきますようお願いしたいわけですが、御答弁をお願いします。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 まず第一点の短期給付の財政調整の基準掛金率に上限をつくったらどうか、こういう御指摘でございます。この点は、社会保険方式で短期給付をやっておるわけでございますから、この収支が均衡するように掛金を定めるというのが原則でございまして、基本的にこの掛金には上限を設けることはなじまないように思っております。  それからまた財政調整の事業についての基準掛金率の問題でございますけれども、これは財政状況の非常に苦しい組合を相互扶助の精神で支援をしていくというための一定の基準を考えたものでございますけれども、やはり全体の医療給付がふえていく場合には平均の所要財源率もふえていくという構造に当然なるわけでございますから、そういう意味でこの基準掛金率も、理論的に申しますとそういうケースの場合にはふえる可能性はあり得ると思います。ただしかし、これが野方図にふえるということはもちろん好ましいことではないわけでございますから、組合の経営努力を強化いたしたり、それから医療費通知をやったりというようないろいろな対策を講じまして給付面の増加を抑制することを通じまして、この基準掛金率の増加ができる限り大きくふえていかないような運営を配慮すべきだというふうに考えております。  第二点目の短期給付についての財政調整によって各組合の財政を圧迫するのではないかという点でございますけれども、これは相互扶助の事業でございますから他の組合に助成をするために拠出をする方の組合がある程度の負担をするのはやむを得ないことではないかと思っておりますが、現在の見通しではそれほど大きな負担にはならないように思っておるわけでございますし、それから事業の実績によりましては各拠出した組合への還元ということも考えられるわけでございまして、そういった意味で効率的な事業の執行を今後さらに心がけたいと思っております。  第三点の全体の財政調整事業の運営についてできる限り各組合員の意見を反映するようにという御指摘はまさにそのとおりでございまして、今後の運営に当たりましてそういった仕組みを考えるようにいたしていきたいと思っております。  それから第四点の日赤従軍看護婦等につきましての共済年金制度の期間の適用の仕方の問題でございますが、現行制度におきましては、その発足前において恩給、旧法等の年金制度の適用を受けていた期間につきましては、現行共済年金制度がこれらの諸制度を統合して発足したということにかんがみまして組合員期間に算入をいたしまして年金額計算の基礎となる期間といたしております。御質問の旧陸海軍従軍看護婦のように年金制度の適用を受けていない公務員期間につきましては、例外的な措置といたしまして、現行制度の発足時まで引き続いているものにつきましては組合員期間に算入をするということをやっております。それからもう一つは、現行制度発足時まで引き続いていない期間につきましても配慮をしておりまして、これは年金受給資格を発生させるための期間、通常資格期間と言っておりますけれども、その資格期間の方にはこれも算入をする、こういった特別の配慮はしているわけでございます。それから日赤従軍看護婦のような公務員でなかった特殊な期間につきましても、これも資格期間として算入をするということにしております。  そもそも共済年金制度というものが相互扶助による職域保険制度でございますから、掛金を負担した期間だけを給付の対象にするというのが原則でございますから、現在の取り扱いは、旧制度で掛金を負担した方々との権衡も考えまして、権衡を失しない限度で最大限の配慮をしているということでございまして、これ以上の問題についてはなかなかむずかしい問題ではないかというふうに考えている次第でございます。

山崎八郎内閣総理大臣官房参事官

○山崎説明員 五十四年度から支給を開始いたしております旧日赤救護看護婦に対する慰労給付金は、女性の身でありながら軍の命令等によって戦地、事変地に派遣され戦時衛生勤務に従事したという特殊事情を考慮いたしまして、その労苦に報いるために支給することとしたものでございまして、これによって所得の保障を図るといったような性質のものではないというふうに理解をいたしております。このような慰労給付金の性格にかんがみまして、現在のところ物価スライド制を導入して給付金の額の改定を図るということは現段階においては考えておりません。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 あらかじめきのうお願いした点についても御丁寧にお答えいただきまして、ありがとうございました。  今後ぜひ要望した点についての御検討をお願いして質問を終わりたいと思います。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時六分休憩      ————◇—————     午後一時四分開議

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題といたします。  ただいま、日本中央競馬会理事長武田誠三参考人が出席されております。  本日は、御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。正森成二君。

正森成二日本共産党

○正森委員 それでは私から聞かしていただきます。中央競馬会から武田理事長がお見えになっておりますので、余り長くお引きとめするのはお気の毒ですから、最初に短い時間聞かしていただきまして、終わりましたらどうぞ御退席ください。  中央競馬会からの納付金については他の議員からも詳細な御質問がございましたし、中にはテラ銭が清水の次郎長の五%に比べて格段に高過ぎるというようなユーモラスな質問もございました。結局、第二納付金に幾らか上積みして五百億円になるまで特別積立金の方から国庫へ入れるということのようでありますが、最近の例等を見ますと、第二国庫納付金は恐らく三百五十億円ぐらいになるであろうと見込まれておりますから、その差額は百五十億円ぐらいだろうというのが大方の予想のようであります。そこで、従来までの特別積立金の推移はどうであろうかというように見てみますと、理事長はよく御承知のように、五十年度が大体二百三十二億、五十一年二百六十七億、五十二年二百九十三億、五十三年はちょっと下がって二百五十七億になりましたが、五十四年が三百二億というような状況で推移しておりまして、特別積立金の累計は五十四年度までで二千四百九十六億円程度、五十五年になりますと、それが恐らく二百八十億円前後になるのではないか、こう思われますが、そう伺ってよろしいか。

武田誠三日本中央競馬会理事長

○武田参考人 いま先生の五十五年度における積立金、単位をお間違いだったと思うのですが、二千八百四十五億の特別積立金になると思っております。  そのほかは、先生のお話しのとおりでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 済みませんでした。  そこで伺いたいと思うのですが、国民もあるいは一部の人も、五十四年度で言いますと特別積立金がほぼ二千五百億円あれば、その中からわずか百五十億や二百億しかこの国庫のピンチのときに入れないというのは少な過ぎるではないか。中曽根行管庁長官が多からず少なからずというような答弁をされましたけれども、素朴に言いますと、そういう感じを持っておるのですね。ところが一方、伺いますと二千五百億円の特別積立金があるといっても、それは何も現金で積んで朝な夕なながめているのではなしに、その大部分は施設に投資されて、競馬場、厩舎あるいはスタンドその他になっておるのだ、こういうことで余裕はそれほどないという説もございます。  そこで、特別積立金とされておりますもの及び資本金、資本剰余金も含めてそういう資産がどういう内容になっておるのかについて簡単に御説明願いたいと思います。

武田誠三日本中央競馬会理事長

○武田参考人 お答えをいたします。  日本中央競馬会の資本金は四十九億でございます。日本中央競馬会が国営から競馬会営になりましたときに、戦前日本競馬会が所有しておりました資産、これが終戦のときに無償で国庫に収用されまして、それを戻していただいたものが四十九億でございます。それから資本剰余金が約六十億、五十九億七千万円ほどでありますが、これは中山の競馬場のスタンドを改築する等のときに、第一国庫納付金に相当します分を免除していただきました。それで資産化したものが約六十億ほどでございます。それから、そのほかが特別積立金で五十五年度の末で二千八百四十五億になるわけでありますが、そのうちの固定資産になっておりますものが千九百三十億でございます。これの内容は、スタンド等の建物、構築物、あと備品、土地、その他に相なっております。それから百四十五億ほどのお金は、本年度中に施設化される予定のものでございます。残りの七百七十億が、国債その他長期債で持っております流動資産でございます。  以上のとおりでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 いまの答弁でほぼ推察がつくわけでございますが、千九百三十億円ほどはもうすでに固定資産になって設備投資されておる。百四十五億円は、五十六年度中に支払われる工事費である。そうしますと、それ以外に、流動資産として随時出動できるように保留しておられるのが約七百七十億円で、それは国債等に運用されておる、こういうことになるわけであります。  しかし私は、競馬会がお金を持ち過ぎておると厳しく言うわけでは決してございませんが、手元にいただきました皆さん方の予算を見せていただきますと、その規模というのは年間ほぼ二千億円程度ですね。五十四年で見ますとほぼ二千百十九億、そんなものですね。それをしさいにながめてみますと、たとえば五十五年では、予備費として百二十億円計上されていますが、間違いありませんか。

武田誠三日本中央競馬会理事長

○武田参考人 百二十億で間違いございません。

正森成二日本共産党

○正森委員 ですから、いま私ちょっと五十四年度を言いましたが、五十五年度で見ますと、収入が二千九十八億四百万円、支出も同様でございますが、その中で予備費を百二十億円組んでおるわけです。これは年間の上がりについての予算ですね。そしてそのほかに、いま武田理事長がお答えになりましたように、いままでの事業の中から特別積立金の中で流動資産として持っておられるのが約七百七十億、こういうぐあいになりますと、貧乏な国の予算と比べてはあれですが、国の場合は、四十六兆ぐらいの予算規模で予備費というのは三千五百億ですから、一%に足りないわけです。ところが、競馬会は二千億の年間予算規模で百二十億持っておるというと五%をはるかに上回る額があって、そのほかに流動資産としていつでも設備投資等に出動でき、運転資金に使える金七百七十億円を握っておって、ふだんは用事がないから国債等に運用しておる。こういうことで、やはり貧乏な国の予算に比べますと相当余裕がある。特別積立金の二千八百億何がしがいつも遊んでおるとは言えないということは先ほどの答弁でわかりましたけれども、なお余裕があって、この余裕から見れば百五十億や二百億でなしに、一遍に取ってしまうと問題があるかもしれませんが、財政再建の期間中ぐらいに、毎年経営を見て百億前後ずつ繰り入れるということも必ずしも不可能ではないのではないかという気がするのです。それはいかがですか。

武田誠三日本中央競馬会理事長

○武田参考人 いまお話しのように、表面づらから見ますといかにもたっぷりしているようにおとりかと思うのでございますけれども、競馬事業と申しますものは、御承知のようにその年その年の人気に左右されます一種の興行的なものでございます。したがいまして、私どもの勝馬投票券の売り上げにつきましても、前年対比一割くらい伸びた年があるかと思うと、ほとんど前年同様、三%ぐらいしか伸びないというように、非常に左右をされております。  一方で、競馬につきましては御承知のように馬を取り扱っておりますので、馬の流行性感冒等の大きな病気が発生いたしたりいたしますと、馬を移動させて競走に出すことができなくなったりいたします。また、不測の地震その他事故がありました場合には、そういったことで競馬が開催できなくなることがございますので、そのときば収入が全くなくなってしまいますものですから、馬のかいば料から何かを全部めんどうを見てやらなければならないというようなことのための用意に、そういうことに対する相当額の手当てをいたしておく必要があるわけでございます。それから一方で、スタンドの改築でございますとか、あるいはそのほかの競馬馬の育成施設、あるいはファンサービスのための各種の施設といったようなものに毎年三百億近く、将来は恐らく四百億くらいの投資を年々必要とすると思っております。そういったものに特別積立金を原資として支出されなければならないものですから、いまの水準で十分だというふうにも必ずしも思っておりません。ただ、国の財政等のことがございまして非常な御要請もございましたので、当面はお話の筋のようなことでお国の方へ協力をしたいということで五百億が決まったような次第でございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 いま武田理事長のお話を伺っておりますと、地震で競馬が開催できなくなるときを初め備えなければならないということですけれども、もちろんわが党も、たとえば予算委員会の総括質問で不破哲三議員が地震の問題を取り上げましたようにその必要性はあると思いますけれども、しかし、地震は可能性の問題で、財政が赤字でにっちもさっちもいかないというのは目の前の現実の問題でございますから、私は、武田理事長のいまのお話を聞いてもなおかつ、いま少し協力し得る余地があるのではないかという気をぬぐい去ることができないことを指摘しておきたいと思います。  農水省に伺いたいと思いますが、あらかじめ申し上げるのをちょっと忘れたのですけれども、たしか昭和五十四年六月二十一日付で「公営競技の適正な運営について」というのが、公営競技問題懇談会の座長吉國一郎さんから、当時の総理府総務長官の三原朝雄さんに出されていると思います。  それで、その問題のごく二、三点について注意を喚起しておきたいと思うのですが、それを見ていただきますと、四ページに「交付金の収納、配分を行う振興団体については、十分な監督体制を確立するため、会長、副会長および監事を主務大臣の任命制とすることなどを検討すること。」それから「振興団体の役員が交付金の配分を受ける団体の役員となることは避けること。」こう書いてあります。これは私は名前を挙げませんけれども、船の関係ではとかくうわさに上っている人がおりまして、ある月刊誌などを見ますと、監督大臣が、御老体であるからそろそろ引退されてはどうかということを言ったら、その省の所管の局長が一大事とばかりその人物のところへ御注進に行った。一体どこの官庁か、だれの官庁かというようなことまで暴露されている例もあるのですね。ですから、こういう問題が入れられているのも無理からぬことだと思いますが、農水省としてはこういう問題についてどういうように考え、あるいはまたどういうように措置しなければならないと思っておりますか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 私ども所掌しておりますものとしては中央競馬、公営競馬の二つあるわけでございますが、私どもの関係で申しますと、中央競馬会の役員はすべて第三者委員というか中立的な委員、中立的な立場の方が皆それぞれ理事職についておる、管理職についておるわけでございます。それから地方競馬の全国協会、これは振興団体としての機能、それからそれぞれの自治体が行います競馬の開催事務を援助する仕事あるいは馬主とか騎手の登録等を行っておりますが、これも中立的な立場の役員をもって構成しておりまして、この間の問題はございません。

正森成二日本共産党

○正森委員 それではもう一つ伺っておきます。  同じく三ページを見ますと、「関連産業の振興に充てられるいわゆる一号交付金については、新しい目で見直し、従来の関連産業のほか、新しい時代の要請に即した事業に配分することについても検討すること。」それから「スポーツの振興、社会福祉の増進、医療、公衆衛生の向上、文教事業の振興など公益の増進に充てられるいわゆる二号交付金については、現在は極めて広汎多岐な事業に配分されているが、より重点的な配分をすることとし、必要に応じルールあるいは基準の確立を検討すること。」こうなっております。農水省の関係ではこの点についてどういうように考えておりますか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 中央競馬に関しましては、御案内のように中央競馬会法の三十六条で、その収入というものの四分の三が畜産振興に、四分の一が社会福祉の民間事業に充てるということになっておりまして、これは特定財源になっておりませんが、大体それを上回る予算額が計上されているということは事実でございます。そこで、地方競馬の関係でございますが、御案内のように地方競馬全国協会が畜産振興のための事業を実施しております。これは、実は私どもの方はいわゆる第二号交付金と言われるものがございませんで、すべて馬匹の改良その他畜産振興だけに充てております。その内容につきましては、やはりそれぞれの時代において畜産振興の要請が具体的内容が違っておりますので、かなり弾力的に運営が行われております。最近の状況で申しますと、馬の改良増殖それから経営及び技術指導、もう一つは流通の合理化等各般にわたる事業を実施しております。

正森成二日本共産党

○正森委員 大蔵大臣にお伺いしたいと思います。  いま、すでに大蔵大臣よく御存じのことについても武田理事長からお答えを願ったのですけれども、われわれの感覚からしますと、二千億円規模ぐらいの事業で毎年百二十億ぐらい予備費を持っておる。積み立てば二千八百億余りあって、もちろんそのうち二千億は設備投資にしておるが、七百七十億円ぐらいは余裕金として運用しておるということになれば、本年度はこれでいいとしても、来年度以降についても勝ち馬投票券というのですか、それの売上状況にもよりますけれども、なお国が協力願わなければならない場合があり得ると思うのですけれども、いかがお考えですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 さしずめ五百億円を御協力願うことにしたところでございますから、法案も通らないうちに来年度以降のことを申し上げることは差し控えさせていただきます。

正森成二日本共産党

○正森委員 大臣はなかなか政治的な答弁で、五百億も協力してもらったと言うけれども、五百億じゃないですよ。三百億ないし三百五十億はほっといたって納めなければいかぬ金で、協力してもらったのは百五十億か二百億です。だから国民の方には所得税減税もやらないで厳しいことを言い、そしてもともと馬の品質向上というような名目はあるにしても、ギャンブルのお金でそれを相当程度国に協力してもらうというのが設立の目的ですから、そこに余裕があればそこら辺にまず目を向けないで、何ぞもうほかに国民から取ったるものがないかないかでは、余り納得しないと思うのです。大臣はどうやら国民より馬の方に同情があるのじゃないかというようなことになってしまいますから、その点についてはこれ以上申しませんが、私がこういうことを申したことを記録にとどめておきたいと思います。  それでは次に、大蔵関係のことを少し伺いたいと思います。  御承知のように、今回三月五日に予算委員会で強行採決というような、二十九年ぶりの不祥事がございまして、その後議長裁定ということで国会が正常化したわけであります。そこで、予算修正については、財政再建の目途、財政収支の状況並びに剰余金というようなものを考えながら、剰余金というもので対応できる場合には、各党間で協議するということで、その後本委員会で、剰余金を通常ならば二分の一以上は国債整理基金の方に入れるのだけれども、それについては本年度はやらないということになったわけであります。それについてこの間から大蔵委員会の理事会でも出ておりますが、新聞紙上等で予備費は一千億が少し切れるとか不用額は二千億円前後出るとか、いややっぱり一番問題なのはまだ未発行の特例公債二千二百億円をどうするかだとかということで、新聞によっては所得減税に充てる額が相当出ると書く新聞があれば、いやいや出ないと書く新聞がある。同じ新聞でも一日違うと、出ると書いておったのが出ないと書くというようなことで、高校野球じゃないが国民は一喜一憂するわけです。そこでそういう問題について、財政当局からおわかりの範囲内できちんとしたお答えをいただきたいと思います。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 五十五年度の剰余金の見通しはどうだ、こういう御質問かと存じます。  剰余金がどうなるかという点につきましては、まず第一に予備費の中でどの程度の不用額が残るか。それから第二点といたしまして、その他歳出の中でどれだけ不用額が出るか。第三点といたしまして、税収等の歳入がどんなことになるのか、増加が出るのか減に立つのか、その辺がどうなるか。この三つの組み合わせがどうなるかということで決まるわけでございますが、この三つの中で予備費の不用は三月末に確定いたしましたが、その他歳出の不用額が決まりますのが五月末でございます。それから、税収等の歳入の増減につきましては六月末にならないと概数の把握ができません。そういった意味で、現段階で剰余金の見通しを言うということはその性格から言ってもできませんので、ひとつお許しをいただきたいと存じます。

正森成二日本共産党

○正森委員 そうすると、新聞等に出ているのは全く新聞社が勝手に書いたということになるのですか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 いろいろと推測をして、記事を書かれたのではなかろうかというふうに思います。

正森成二日本共産党

○正森委員 それではもう一つ伺いたいと思うのですが、たしか昭和五十二年の四月に同じように所得減税が行われましたが、そのときには昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案というのが出まして、その第一の部分は今年度と同じような法案ですが、第二の部分は昭和五十一年度の赤字国債の未発行残額約三千四百六十億円について、五十一年度の財政特例法の規定によって五十一年度の一般会計歳出の財源に充てるという目的に限定されているんですけれども、これを剰余金繰り越しの方法によって五十二年度の追加減税の財源とすることができるような特例措置をあらかじめ講じられておったと思うわけであります。本年度の措置についてはそういうことが行われなかったわけですが、これは各議員の立法によって行ったわけですから大蔵省は関知しないと言えばそれまでですが、そうだとすれば、五十二年度の場合には何ゆえ自然に剰余金がどのくらいになるかということを見定めないで四月の段階でこういうことをやったのか、それについてお答え願いたいと思います。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 お答え申し上げます。  今国会の法案につきましては、お話にもありましたように議員立法でございますので私どもが立法趣旨を申し上げるのは適当ではございませんが、特例債の発行条項がないということは確かに五十一年度と違うわけでございます。  五十一年度の場合にどうして財源措置としての特例債条項が設けられていたかということでございますが、五十一年分所得税の特別減税の場合にはこの六条の特例法を立法いたします時点におきましてすでに戻し税方式による三千億円の減税が決定されておりまして、その特別減税法を受けましてその財源措置として昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律が制定された、そういった事情の違いがございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 事情の違いがございますというのはよくわかるのですけれども、五十二年四月に行われた五十一年度の剰余金の扱い方についてはなるほど確かに初めに三千億円ありきでこれをひねり出すためにどうすればよいか、剰余金の二分の一繰り入れはやめるけれども、さて肝心の剰余金が出なければ困るから特例公債のうち追加財源に充てるのに満つるまでは発行するんだという権限はあらかじめもらっておいたわけです。ところが今度はそういうことをやっておらないで、大蔵省がよく使う自然体だ、こういうことになりますと、これは積極的に所得減税をやろうという姿勢ではなくて、結局自然体で推移を見守って二千五百億円の特例公債を発行しないで何とか年を越すことができればそれはそれで済ますということになるのですか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 議員立法でございますので、立法の趣旨を私どもが言うのはいかがかと思うのでございますが、今回できました特例法は、議長裁定を踏まえました六党間の合意でございます。つまり、第一に、「財政法第六条の特例を設け、五十五年度剰余金は、その全額を所得税減税に充てる。」それから第二に、「右の措置は単年度限りとし、議員立法を以って措置する。」この二つの合意をそのまま議員立法にされた、こういうふうに承知いたしております。

正森成二日本共産党

○正森委員 それは私もよく知っていることなんですが、五十一年との違いにおいてその意味を聞いているのです。今年度の議員立法の趣旨を聞いているんじゃなしに、五十一年度の措置との違いからその意味を聞いているのです。  私が先ほど申し上げたことについて主計局次長が答えましたけれども、私の言った意味は大臣もおわかりだと思うのですが、結局成り行きに任せて特別にこれだけを所得減税に充てるために、まだその必要性があるかどうかわからないのに特例公債を発行するということはしない。やはり五月末なり六月初めまでになって特例公債を発行しないでも何とか年を越せるということになれば発行しない、こういうように伺っていいのですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 手続上のことは私はわかりません。わかりませんが、趣旨がかなり違うと思うのです。要するに、五十一年のときは、政府も一緒になって三千億をまずどうしてとるか、三千億先取りしちゃって、それでその不足、三千億円の減税するためにむしろ赤字公債も出す、そういう趣旨だったものです。今回は財政再建というものを掲げて、まず二兆円の赤字国債を減らしますというような年でございますから、ともかく幾ら五十五年度といっても、五十四年度に比べて一兆円は減らすことにしたわけですから、そういうような年のときに、本来から言えば、政府は減税したくない。要するに剰余金が残るといっても、言うならば借金のし過ぎで剰余金が残るのだから、初めから残ることがわかれば剰余金を減らすのが普通の手法なんですから、だから本当はしたくない。したくないけれども、国会が剰余金の半分も国債整理基金に入れない、とっておくというやり方をしたわけですから、それは成り行きにお任せをする、政府から積極的に赤字国債を発行してでも財源確保するという積極的な姿勢はとりません。議長裁定のあのとおりのことしか前にも後にもやりません、こういうことでございます。そこら辺、かなり違いがあります。

正森成二日本共産党

○正森委員 私が質問の中で最初に言いましたように、だから同じ剰余金で所得減税をやる場合でも、五十二年四月に五十一年度の剰余金でやった場合には、初めに三千億円ありきだった。今度の場合には、初めにはわからぬありきだった。つまり、出るか出ないかわからぬ。そういう差が、やはり立法のこういう相違になっておるのだというように私としては思うのです。  そこで、渡辺理財局長にこの点に関連して伺っておきたいと思います。ほかにいろいろあなたには伺わなければならないと思っておりますが、五十五年の五月二十一日に大蔵省が「当面の国債管理政策について」というのをお出しになりました。これはたしか五十四年にも似たようなものをお出しになったと思いますが、それの第一項を見ますと、「予算の執行状況、税収の動向等を見ながら、五十五年度国債の発行減額に努める。」こうなっておるのです。そうすると、理財局の立場から言えば、あるいは大蔵省全体の立場から言えば、発行しないで済むものなら、いまだ発行してない特例公債というのは発行減額に努める、こういうスタンスになる、こういうことなんですか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 特例公債はそもそも財政運営の過程においてできるだけ発行額を少なく済ませるという考え方で対処をしておるわけでございます。現に、毎年お願いしております特例公債法においても、その一部は出納整理期間に持ち越してその状況を見て発行をするというふうなことを法律的に規定をしていただいておるわけでございまして、その趣旨は、まさに一方で特例公債を出しながら大幅に剰余金を出すというふうなことをできるだけ避けて特例公債の発行額を極力圧縮する、こういうことがねらいであるわけでございます。当然のことながら、これは私ども発行当局の立場だけでなくて大蔵省あるいは政府全体としても赤字のための国債発行というのは極力圧縮するということではなかろうかと思うわけでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 各党の合意のあった非常に微妙な問題ですから、私もこれ以上、碁で言えばだめまで詰めて伺うことはやめておきますけれども、五十二年と本年との違いが非常にはっきりしたというように私としては思います。  次に、国債の問題について伺いますが、わが国の国債の状況というのは大変な状況で、主要西欧諸国、イギリス、西独あるいはアメリカ等と比較いたしますと政府の債務残高というのが非常に高い。また、対名目GNP比で見ても五十四年度末では約三五、六%で、第二次大戦以後の遺産とでも言うべき国債で五十四年三月末で五三、四%であるイギリスに次いで二番目である。西ドイツや米国に比べてもはるかに高い残高を示しておるというように思いますが、それはそのとおりですね。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 長期債務について見ますと、わが国の場合は国民総生産に対します長期債務残高の割合というのは、一九八一年の当初で三六%ということになっています。この比率というのは、イギリスはもっと高い四五%ぐらいだと思いますが、おおむねアメリカ並みだというふうに私どもは考えております。ヨーロッパ大陸諸国の場合はわが国よりはかなり低い比率になっておるという現状でございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 私の申しましたことをほぼ裏書きされたと思います。  そこで、国債の借りかえの状況について申したいと思うのですけれども、長期国債は七年債というのが相当長い間続きました。その借りかえは昭和五十三年に済んで次の十年の長期債が五十七年二月から始まりますから、ちょうどこの二、三年間は端境期に当たるわけで、この期間が非常に大事なわけであります。  そこで、その借りかえがどういうぐあいに行われてきたかというのを見ますと、四十八年から五十三年までの借換国債の発行額を一〇〇といたしまして、日本銀行と資金運用部がどれぐらいの割合を引き受け、市中金融機関がどれぐらいの割合を引き受けたかというのを見てみますと、大体四十八年から五十三年累計では日本銀行が約九〇%、資金運用部が六・八%前後、したがって、市中金融機関はわずか三・一%程度にとどまったというように私の手元の資料ではなっておりますが、その程度ですか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 おっしゃいますように、五十三年度までに行いました借りかえにおきましては、発行国債の大部分というのは一年市中金融機関が保有した後、日本銀行のオペでほとんど日銀の方に吸収されておったわけでございますので、いま御指摘のような結果に相なったということでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 いまほとんど買いオペが実施されたということを言われましたが、これも私の手元の資料ですが、金融機関向けの買いオペの実施率、これは生保分は買いオペの対象にならないそうですからそれを除いた分ですけれども、見てみますと、大体四十九年ごろは八〇%ないし八五%ぐらいが買いオペになっておる。ところが五十四年になりますと買いオペの実施率というのは二六、七%だというように思われますが、そのぐらいですか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 たとえば四十二年度買いオペの実施率は八〇・二%、四十三年度八四%、四十四年度六一・八%、五年度が八二・三%というふうなことで、大体そういうくらいのペースで買いオペが行われております。それが五十三年度になりますと三四・二%というふうなことになっておりまして、買いオペの比率は五十年代の大量発行が始まりましてから急速に落ち込んでおるという状況でございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 五十四年は二六・七ですね。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 五十四年、ちょっと手元に数字がございません。

正森成二日本共産党

○正森委員 私の手元の資料では、たとえば四十九年は八五・四だったのが五十四年には二六・七に落ちております。五十三年はいま局長が言われた三四・二、こういうことであります。  これは従前は成長通貨供給ということで買いオペの実施率が非常に高かったのが、大量発行に伴って、そんなに買いオペをやったのではインフレになってしまうということで、買いオペが控えられた、あるいはできないために、買いオペの実施率が低くなった、したがってその分が日銀の方に入ってこなくなったということであろうと思います。したがってそれに伴って保有者構造というのがずいぶんと変わってまいりまして、従前は資金運用部と日本銀行が十のうち大ざっぱに言ったら七ぐらい持っておった、それ以外が三であるといたしますと、最近では逆に資金運用部と日銀の方が三でそれ以外がほぼ七ぐらいの割合になっておるというように大ざっぱに言っていいかと思いますが、間違いありませんか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 五十五年度末で保有の状況を見ますと、資金運用部が一六・九%、日銀が一二・八%ということになっております。なお、金融機関以外、つまり個人とか一般法人等の分、証券も含めまして、それが三六・三%ということでございますので、金融機関は残りの三四%を保有しておるという状況でございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 逆の七対三になっておるという私の主張は、ほぼいまの数字の説明で合致しておるというように考えていいと思います。  そこでそういうところから、借りかえの問題は大蔵省で非常に御考慮願っているようでありますけれども、重大な変化を迫られてくることはやむを得ないというように思うのですね。いままでの場合でしたら買いオペが実施されておりましたから、大部分を日銀と資金運用部が持っておりますから保有者乗りかえ方式というのでも応ずることができたわけですけれども、現在のように買いオペの実施率が低くなってしまって大部分は日銀と資金運用部以外が持っておる、しかもそれもシ団で買いました金融機関が持っているのじゃなしに、金融機関も長い間持ち切れませんから市中で売却するということになりますから個人や事業法人等が持っておりまして、当初国債を買い受けたものと現在持っておるものとが違う、そういう状況が出てきていると思うのですね。ですから、これが理財局長の私的諮問機関である借換懇でも非常に問題になっているところだというように考えざるを得ないわけであります。  そこで、復習の意味で伺っておきますが、従来の借りかえの方法というのは、個人については全額現金償還する、それから市中金融機関については七年債の場合は、保有額の六十分の七程度を現金償還して、残額は乗りかえの方法で借りかえる、日銀や資金運用部については残りの現金償還可能額を現金償還化率が同一となるように両者に配分して、それ以外の大部分は乗りかえによる借りかえを行うということでやってまいりましたし、それで市中金融機関などに大して不満なくやれる程度に買いオペが実施されておった、こういうように伺ってよろしいか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 おっしゃるとおりでございまして、六十分の七を現金償還するということでございますから、その現金償還分をまず個人に優先的に引き当てる、それから残りがあれば金融機関保有分に引き当てる、さらにその後も残りがあればそれは公的機関の保有分に充てる、こういうふうなことでやってまいったわけでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 それで、今後はなかなかそうはまいらないようになってきているということは皆さん方がよく御承知のとおりであります。  理財局長に伺いたいと思いますけれども、あなたの諮問機関である国債借換問題懇談会が五十五年十二月十日に「当面の国債借換問題についての基本的考え方」というのを出しました。それで、これについての個別的な問題についてはまた伺いますが、大きく言いまして、この基本的考え方の底を流れているものについて一言説明してください。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 借りかえ問題がおっしゃいますように五十七年度からまた始まるということ、それから六十年度になればそれが相当大規模に必要になってくるというような問題意識を踏まえまして借換問題懇談会をお願いしたわけでございます。いろいろ議論があったわけでございますが、まず第一の前提といたしまして、当面五十九年度までの問題と六十年度以降の問題は分けて考えた方がいいのではないかということで、今回は当面の五十九年度までの問題についての考え方をお示しいただいたということでございます。  その考え方の基本的なラインと申しますのは、五十九年度まではまだそれほど大きな負担になるような量ではございませんので、できるだけ被借換債と相対応するような借りかえ方式をとっていこう、つまり中期債は中期債で借りかえる、公募のものは公募で借りかえる、十年債はできるだけ十年債で借りかえていく、五年の割引債は五年の割引債でというふうな考え方が基本になっておるわけでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 五十九年と六十年については状況が違うということで、五十九年までは量も大したことはないしというように言われましたが、それはもちろんそうですが、それだけでなしに、五十九年はどちらかと言えば五十六年までとそんなに変わらない、量もそれほど多くないというだけでなしに保有者の構造についてもそれほど変わらない、まだ十分とは言いがたいけれども日銀の買いオペの実施率が相当高い、こういうことが言えると思うのですね。ところが、六十年以降になりますと日銀の買いオペ実施率が非常に下がってきておるということのほかに、六十年からはいよいよ特例公債の償還が始まるという決定的に相違する事態が新しくあらわれるので、五十九年までの考え方では六十年以後を律することができないということで、六十年以後と一応分けられたということであろうと思うのですね。盛んにうなずいておられますからあえて答弁は求めませんけれども。  そこでそれはそれとして、しかし五十九年までの借りかえについての考え方というのが六十年以降についても一定の影響を持つことは事実ですね。これが六十年以降に全く影響を持たないということはないと思うのです。そこで、借換問題懇談会の中に出ている考え方についてこれから若干伺いたいと思います。  まず第一に、この考え方というのは、新規財源債の発行量の圧縮が最も肝要である、こう言っておるのですね。これは幾ら借りかえ問題だけをうまく解決しようと思いましても、新規発行債がどっとこどっとこふえている中で借りかえ問題だけを新しく考えようと思っても、結局、借換債借換債と非常に特別な問題であるように言うても両者の区別というのは財政会計制度上のものであって、債券としては両者変わりがないわけでありますから、新規債が減らないようでは借換債問題を十分解決することはできないというのが大前提だと思うのですね。  そこで、そういう前提を置いた上で、日本銀行と資金運用部が保有しているものについては、これは従前どおり借りかえの方法でいくというのが基本のようでありますが、そうですか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 公的機関の保有分につきましては、原則として乗りかえによる借りかえをやりたい。ただ、たとえば資金運用部の場合でございますと、長期債を保有する、引き受けるということにつきましては当然のことながら国会の御承認も得なければなりませんし、毎年度毎年度そういうことで、予算編成過程を通じてそれを実現していきたい、こういうふうに考えているわけです。それから、日本銀行の場合にも金融上の諸問題があるわけでございますので、いまから必ず借りかえるというふうにはなかなか決めかねるわけでございますが、考え方として原則的に乗りかえをやっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。     〔委員長退席、山崎(武)委員長代理着席〕

正森成二日本共産党

○正森委員 それは当然でありまして、資金運用部の資金というのは、いろいろ問題がありますが財政投融資にも使われますし、それから新規国債も引き受けなければならないしということがありますから、自分の保有している分について借りかえるのは別として、それ以外によそがもてあましたものについてまで借りかえるということになればそれは大変な負担になりますから、一概に安受け合いはできないというのは当然のことで、財政当局としても大変な問題だと思いますが、同時に、資金運用部は市中銀行とは違って日銀との間に非常に大きなパイプが通っておりますから、一歩誤ると実質的な日銀引き受けになる可能性すらあると思うのですね。その点はどうですか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 現在、財政法に基づきまして、国債の日銀引き受けというのは原則として禁止されておるわけでございます。したがいまして、私ども、資金運用部と日銀との間の関係につきましても、その財政法の考え方に即しまして、実質的に日銀引き受けというような形にならないような配慮はやってまいっておるわけでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 五月二十一日の「当面の国債管理政策について」「本年七月に、資金運用部保有の国債約七千億円を金融機関に対して売り戻すことに配慮し、本年度の資金運用部による国債の引受けを七千億円増額し、シ団引受予定の十年利付国債を減額する。」こうなっておりますね。これはどういう意味で、どういうぐあいに実施されたのですか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 その七千億は、市中からスワップ取引で資金運用部が買い入れたものでございまして、その期限が去年の五月に来たわけでございます。したがって、契約に従ってそれを市中に売り戻したわけでございます。ただ、資金運用部としましては、その売り戻した代金が入ってくるわけでございますが、その七千億の金は一応財投計画上の原資には組み込んであったわけでございますけれども、当面すぐにその金が必要になるという状況ではなかったわけでございます。したがいまして、その七千億の余裕金を、できれば新たな国債の引受原資に充てたいというふうに考えまして、特に、当時の金融事情等からして市中金融機関の国債の引受負担というのがかなりに重かったものでございますので、そういう配慮からそういうことをそこで決めたわけでございます。ただ、その当時は、その七千億を新規の国債資金に使いますと、当初の財投計画に七千億はすでに組み込んであったものですから、場合によっては資金がショートするかもしらぬというふうなことも懸念されておったわけでございます。幸いにその後、夏場を過ぎましてから郵便貯金等が非常に好調に推移した結果といたしまして、七千億以上の余裕が資金運用部に生ずることになったものでございますので、それはことしに入りまして三月に、その七千億に加えましてさらに五千億を追加して資金運用部の引き受けを実行したわけでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 同じく借換懇の申しておりますところでは、中期利付国債というのは公募入札方式で借りかえていくことが適当だという基本的な考え方のようですね。しかし、私の承知しておるところでは、五十四年度当初二兆七千億円発行する予定だったけれども、それだけ発行できないで、発行実績というのは当初予定の約三八%の一兆円にとどまった。五十五年度は、たしか二兆円の発行の予定で、まだ全額発行していないのでしたか。五十五年度の状況についてお答えください。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 五十五年度は、当初計画で二兆円の発行を予定しておったわけでございますが、公募によって発行いたしましたのは、実績としては一兆七千三百十六億にとどまったわけでございます。当初計画に対しまして八七%弱の実績であったということに相なります。

正森成二日本共産党

○正森委員 その程度の水準にとどまった理由は何ですか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 この公募入札というのは、そのときどきの金融情勢、特に金利の動向それから資本市場の状況というふうなものに非常に左右されるわけでございます。私ども、できるだけ国債発行の種類並びに方法の多様化ということで、この公募入札制度を定着、発展させていきたいと考えて努力をしておるわけでございますが、ただ先ほど来申し上げましたように、実績は当初計画になかなか達しない。ただ、五十三年度からこの入札制度を始めたわけでございますが、毎年毎年着実に増加はしてまいっておるわけでございます。したがいまして、なおそういう方向で努力を続けたいと考えておるわけでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 たとえば五十四年度では、私の手元にある資料では、七回で総額一兆二千五百億円のオファーが行われて、応札額は一兆六千七百八十九億円だったけれども、利率等で折り合わないので、結局、カットして発行しないようになったというように承知しておりますし、それから五十五年度についても、いろいろいま御説明になりましたけれども、結局つづめて言えば、十年利付国債というような長期のものの応募者利回りを相当超えてしまうというような場合には金利体系から見ても好ましくないということで発行を見合わせざるを得なかった、こういうことになるのじゃないのですか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 五十四年度は当初の目標が非常に過大であったこともありまして、実績率が非常に落ち込んだわけでございますが、特に金融情勢というのが常に金利の先高というふうな状況にあったわけでございます。したがって、思うように進捗しなかったということであろうと思います。五十五年度に入りましてからは、金利動向もむしろ先安という順風が吹いたわけでございまして、そういう意味で五十五年度は先ほど申しましたように八七%程度の実績を得たということでございます。ただ、仮に金利が先安ということであっても、金利が動くとき、公定歩合が変わった月でありますとかそういう動くときというのは、これはなかなかうまく出せないというふうなことがございまして、現に五十五年度においても、十一月、十二月、この前の金利の全面変更の際、中期債の発行は思うようにいかなかったというふうなことで、結局、二千六百億ぐらいが残ったというような形になったわけでございます。  そういうことでございまして、これは入札でございますので、私どもはできるだけ当初の計画どおりに達成していきたいと考えておるわけです。ただ、入札いたします場合に、一応各入札ごとの目標量というのを設定いたしますけれども、それはたとえば千五百億ですと千五百億程度ということでございまして、おおむねその辺をめどに落札量を決めていくということでございます。特に入札の内容があるところに非常にかたまって入っておって、それからぽつぽつと少量ずつ非常に飛び離れて入ってくるというふうなケースが非常に多いわけでございます。そういう場合にはかたまったところで切らしてもらうというふうなことからも、設定目標量に到達しないような場面がしばしば生じておるということでございまして、十年国債の金利を上回るものは全部切ってしまうとか、そういうふうなことでやってまいっておるわけではないのでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 五十五年度は十年利付国債の金利前後のものを発行したようですけれども、確かにそれはかたまったところでやって、ちょっと離れたものは切るから、応募したものでさえ話が合わないのができるのだということですけれども、しかし公募入札といっても金利が全く自由になっているのではないので、大蔵当局としてはなるべく国債費の利払いも安くしたいし、それからいろいろ言われておりましても厳然たる金利体系はあるし、中期のものが長期のものを余り上回ってやってしまうということでもまずいというような配慮があって、そこら辺の配慮があるからなかなか消化というものについては時がかかる、また全額消化というわけにはいかない、こういうことなんでしょう。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 もちろんどんな高い金利でも入札してきたらみんな落とすということではございません。財政負担という面を考えますと、仮に中期の二年とか三年の短いものが十年よりかなり高い利回りだということになりますと、その発行はやめてその分を十年債で発行した方が全体として財政負担は助かるわけでございますので、そういう面の配慮はもちろんやらなければいかぬわけでございますが、ただ基本的な姿勢としては、そもそもこういう入札制度を始めたというのは、市場の実勢というものをそれで聞いていく、こういう考え方があるわけでございまして、したがいまして、ときによっては十年債を超えるような場合も踏み切っているというのが現状でございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 その問題については金利の問題として本当は議論をしたかったのですけれども、きょうは伺いましたら銀行局長が用事があって相なるべくならば遠慮させてほしいということで、銀行局から答弁のできる人が来ておられないようですから、別の機会に質問をさせていただきたいというように思います。  次に中期利付国債の満期構成に及ぼす影響について伺いたいと思います。  中期利付国債は借りかえの場合にも同種のもので借りかえていくということのようでありますが、しかしこの問題は、たとえば毎年度の新規財源のうち二兆円ずつを三年の利付国債で発行して同じもので借りかえていくとしますと、六十年償還だとすれば、各償還期は六十分の三ですから、千億円が現金償還ということになりますと、三年たった四年目は、新しいものが二兆円と借りかえが一兆九千億円と約二倍の三兆九千億円になるわけですね。そうすると、七年目は三倍の五兆七千億円ということで、中期利付国債が三年ごとにほとんど倍増していくというかっこうになるわけですね。そうすると、全体の借換債を含む国債発行の中で中期のものの占める比率というのが非常に高くなっていく。ということは、金融その他に及ぼす影響がこれは非常に大きいということですから、五十九年まではこれでいってもやれるかもしれませんけれども、六十年以降に単純にこういう考え方でいくということは非常に問題があるのじゃないかという指摘もなされているようですが、どう思われますか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 おっしゃるとおりでございまして、本来財政の観点からいきますと、できるだけ長期の借り入れということが望ましいわけでございます。ただ、借り入れをできるだけ円滑にするという意味で市場のニーズ等に応じた期間構成というものも考えていかなければいかぬということで、私ども中期債をいろいろ多様化いたしまして発行をしておるわけでございます。ただ、いまおっしゃいましたように、中期債のウエートが非常に高くなってまいりますと、償還とか借りかえの負担というのが非常に短期間に累増するという問題があるわけでございますし、それから過去に発行した長期債の残存期間は累年短縮化してまいっておるわけで、したがって市中にはそういう意味でだんだん短い残存期間のものが累積してくるわけでございますから、そういう点から言いましても安易に短い国債の発行に依存するという形は決して好ましいものとは思っていないわけでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 それから借りかえを進めていきます点では、同時に現金償還を受けたものが借換債あるいは新規債に再投資するということを考えていきませんと、また国債市場に金が戻ってこないというように思うのですが、再投資について従前は代用払い込み価格を低減するとかその他の方法も行われたようでありますけれども、今後ますます現金償還を受けたものが再度国債に再投資するための方策というのは考えていかなければいけないと思うのですが、それについてはどう考えておられますか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 この問題はさきの借換問題懇談会でも議論されたところでございます。結果としてはなお専門家等を集めて検討するということになっておるわけでございます。過去五十三年度までの借りかえにおきましては、借りかえ対象が主として金融機関でございますので、新規債の引き受けと全く同じように借りかえ手数料というものを払ってまいった経緯があるわけでございますが、これからの借りかえというのは保有構造がすっかり変わっておるわけでございまして、一般の個人、法人等が相当のウエートを持っておるという状況でございますから、そういう非常に不特定多数のものを相手にしたうまい乗りかえのような制度が一体維持できるのかどうかというような点、かなり技術的、専門的な問題点もあるわけでございまして、その辺をこれからひとつ早急に検討してまいりたいと考えておるところでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 技術的なことが長々と続いて、大蔵大臣申しわけありませんでしたが、これから少し政治的なことを伺っていきたいと思います。  今度の予算委員会で「国債整理基金の資金繰り状況についての仮定計算」というのが出ました。これは「財政の中期展望」を前提としてつくったものですが、ここで「予め負担平準化のための予算繰入れ等を行わない場合」について見てみますと、これは六十五年ごろは大変なことになりまして、六十五年だけで予算繰り入れ、剰余金繰り入れが六兆四千四百億円というようなものになるわけですね。つまり六十二年で国債整理基金の余裕金残高はもうゼロになってしまう。そしてそこからは現金償還分は全部予算繰り入れでやらなければならないということですから、六兆四千四百億円というような大きな額になる。あらかじめ負担平準化のための予算繰り入れをやる。これは五十九年までは特例公債を減らすために一生懸命やらなければなりませんから、繰り入れできない。六十年から、この計画ですと六十年は八千億、六十一年は一兆七千四百億というように平準化のための繰り入れをずっとやっていきますと、六十五年度はまあまあ三兆八千二百億円、こういうことになっておるわけですね。しかも新規財源債発行額は五十九年度発行額と同額と仮定するという場合でこれなんですね。どう言ったらいいのでしょうか、公共事業等については一〇%ふやすという別の方の計算でいきますととてもこれでは済まないという状況であります。資料、急に言いましたが、おわかりになりましたか。  そこで大臣に二、三点伺います。  まず第一点は、五十九年までは特例公債を減らさなければなりませんから、これまでは予算繰り入れをやらないというのは確立された方針だと思いますが、六十二年に国債整理基金が空っぽになるのを待つのでなしに、少なくとも六十年からは予算繰り入れをやる、剰余金が出たらその二分の一以上を繰り入れるというのじゃなしに予算繰り入れをやるということをやはり考えていかなければいけないのじゃないかと思いますが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 そういうことができれば本当は一番いいことでございますから、一刻も早く国債は累増させないという道を講ずるために今後いろいろ検討してまいりたいと存じます。

正森成二日本共産党

○正森委員 大蔵大臣に申しておきますが、ここに持っております週刊東洋経済という五十五年十一月八日号に「金融界を揺るがす国債借換えの重圧発行総額の圧縮が先決」というようにタイトルのついたのがあるのです。その中の書いていることを見ますと、非常に先を見通しておもしろいことが書いてあるのです。その部分を読んでみますと、ある部分では「都銀は国債を二、三年で売却しており、」これはいまでは二、三年どころじゃないですね。ずっと早く売却しておりますが、「ほとんど満期まで保有していない。したがって都銀にとっては借換債も新発債も全く同じことであり、モロに引受量の上乗せとなる。それだけに「借換債はいや応なしに発行せざるをえないものだ。だから借換債の問題は新規発行をどれだけ減額できるかだ。これからの国債消化は発行総額を抑えることが重要だ」という主張が先鋭的に出てくる」こう言っているのですね。これは当然のことだと思います。さらに次にはこういうことを言っております。「運用部といえども、乗換分以上の借換債引受は新発債と同じことであり、新発債、借換債両面からの引受要求には限界があろう。それだけに、民間から財投を圧縮し、国債引受優先を要求されるところだ。」この最後の部分はいろいろ政治的に問題がありますからあれですが、その前に言うている部分はそのとおりだと思うのです。さらにこう言っているのです。「実際のところ、六四、六五年度に七兆円前後にのぼる赤字国債の現金償還が実行可能だ、などとは誰も思っていない。」特例公債は現金で償還するということが法律で決まっていますけれども、それが実行できるなどとはだれも思っていない、こう書いて、それからしばらくその後で「その場合には、」つまり六十年になって本番の償還が近づいてきた場合には、「赤字国債の借換債の発行とか、」すでに財政指針はそういう可能性はあり得るということを言っておるのですね。「建設国債の費目のより一層の拡大による実質的な赤字国債の借換債の発行といった“悪しき”手段の採用も話題になってこよう。」つまりもろに赤字国債の借換債でいくか、建設国債という範囲をぐっと広くして、実際上は赤字国債の発行なんだけれども建設国債の発行だというカムフラージュでいく、そういうようなことが話題になってくるだろう、こう言われているのです。それは私は十分に危険性のあり得ることだと思うのですね。それでそういうことにならないようにぜひ財政再建を国民的立場でしっかりやっていただきたいと思うのです。  それからもう一つ申し上げたいことは、いままでの借換懇談会というのは五十九年度までのことしか言っておりませんけれども、しかしこれでは困るのですね。というのは、理財局長にも聞いておいていただきたいのですが、十年の長期の国債でも五十八年ごろになれば借りかえがあと二年だというように近づいてきますね。そうすると必ず現金償還を受けるんだということでありますと、これは二年ものの定期預金と金融上は同じことになってくるのですね。ですから市中で売買されるときには必然的に二年ものあるいは一年ものの定期預金ともろに競合するということになるので、そうだと思っておったら、いや特例公債も借りかえするんだとか、いや半額借りかえだとかいうことになれば、これは先行きの見通しが立たないのですね。ですから、これはあえて申し上げて失礼ですが、大蔵省の理財局国債課の課長補佐の後藤敬三という人がいますか、この席にも来ているかもしれません、渡辺さんの部下だと思いますが、そういう人が書いている。読みますよ。「これを厳密に考えれば、毎年度ごとに新たな方式を策定することが必要となるが、多額に上ると見込まれる借換債の処理についてなんらの目安もつくらないことは、国債の安定的発行・消化を任とする発行当局の立場からはもちろん、市場における安定感の観点からも問題なしとしえないと考えられる。」と、この人はずい分頭がよくて遠慮して書いておるんですね。問題ありと書けばいいものを「問題なしとしえない」というふうに二重否定になっているんですね。これは英語でよく使う表現です。ここにおりますか、手を挙げてください。なかなか頭のいい書き方ですけれども、よほど遠慮してこう書いたと思うのです。つまり発行当局が五十九年度まではやるけれども六十年度以降のことは先は知らぬ、そんなことをやられたのでは困る、大いに問題ありということを言いたいのだけれども、身は大蔵省から禄をはんでおるし、上には渡辺大蔵大臣というこわい人もおるし、だから「問題なしとしえない」と、こういう遠慮した表現で言っているんですね。ですから五十九年までは何とか借換懇が方針を出したけれども六十年はまだまだ来ないからいいんだということではいかぬということを部内の人も言っているんですね。そういう点を考えますと、やはり新規債を減らすということと同時に六十年以降の借りかえ問題をどういう方針で行くかということは早い目に確立しないと、特に理財局長は担当ですから、そうしないとやはり国民全体としても困ると思うのです。こういうことを問題提起として部内の人も言っておられるということを含めて申し上げておきたいと思うのです。御見解をちょっと承りたいと思います。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 後藤君の書いたもの、実はまだ私読んでないので申しわけないのでございますが、恐らく五十九年度までのことを頭に入れて書いているんじゃないかと思います。それはいずれにしましても六十年度以降の問題を放置しているわけでは決してございませんで、六十年度以前において六十年度以後の借りかえ問題についての方針はぜひとも決めなければいけないということで、借換問題懇談会もそういう意味で現在も継続して存在しておるということでございます。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 全く御指摘のとおりでありまして、したがってわれわれ国債の新規発行を抑えていくということを最大の当面の課題にしておるわけです。もう一つは、建設国債も国債でございますから、建設国債がふえたから利息がつかないなら別でございますが、別に金に色目はないし、そういうところに安易に考えてもいけない、こういうことを両方考えております。借りかえ問題は非常に大きな問題でございますから何かうまい奇想天外な手がないかと思って、いま研究している最中でございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 時間がちょうど参りましたので、実は申しわけないことに会計検査院や公取も来ていただいておったのですが、質問ができませんでしたので、一般質問その他の機会がございましたらさせていただきますので、質問ができぬでえらい申しわけありませんでした。

山崎武三郎自由民主党

○山崎(武)委員長代理 沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では、行管からお伺いいたします。  今度の法案で行管が目をつけたのがなぜこれだけになったのか、どれだけの分量を扱った中でこれを選択した理由、それを簡単にひとつ御説明を願います。

石坂匡身行政管理庁行政管理局管理官

○石坂説明員 先般、行政管理庁設置法を改正いたしまして、いろいろな調査権限を与えていただきましたその権限を用いまして、特殊法人の資産の状況等いろいろ実態を調査をさせていただきまして、そういった中で財源につながりそうなものを検討させていただいたということでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そういう抽象的なことをいま聞いているんじゃないんで、そんなことは聞かなくたってわかるというんだ。この法案を出すに当たってどれとどれとどれをやった、そしてその中でこれを選んだ理由は何か、これ以外にはないということなのか、その辺のけじめをきちんと聞きたい、こういうことなんです。

石坂匡身行政管理庁行政管理局管理官

○石坂説明員 調査の対象といたしましては全特殊法人を、財務諸表等を取り寄せまして昨年の秋以降調べたわけでございます。その中で大きく目をつけなければならない法人というものが調査の過程でだんだんしぼられてまいりまして、電電公社、中央競馬会等につきまして、調査の過程でだんだん問題点がしばられていったということでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そのときの条件は、どういう条件とどういう条件をもって物差しとしたのですか。

石坂匡身行政管理庁行政管理局管理官

○石坂説明員 それぞれの法人の収益の状況等を見まして、利益の積立金が多い法人等に特に目をつけたということでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これは後からも言いますが、ほかにもたくさんありますね、だから単に利益の積立金が多いからということだけではなかったのじゃないかという気がするのです。それぞれの特殊法人の持つ性格、そういうものもあるわけでありますから、当然それにはそれに応じた、たとえば積立金が多くても必要経費が将来たくさん予想されるものは多いといってもそうではない、あるいは貸借対照表の中から出てくる金額だけでは測定しがたい。だからその性格的な判断の物差しがあったのだと私は思うのですが、なかったのですか。ただ積立金が多いか少ないかだけで判定したということに理解していいですか。

石坂匡身行政管理庁行政管理局管理官

○石坂説明員 それは先生の御指摘のように、実際のその法人の事業の収支状況等も当然判断の対象にしてございます。また、将来ともどのように推移していくかというふうなこともいろいろ検討をしたわけでございますが、そうした中で利益の積立金というふうなところに集約的に姿があらわれているのではないかというふうに判断した次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 あなたの答えは、いま私が言ったらそうだと言う、今度また聞けばまたそうだと言っているんじゃこれは切りがない。だから、最初からこれを挙げるに至った原因はどこに限界を置いたか、たとえば産投会計では五十三年度末の決算で三千五百四十九億ですか、それだけあった。それでは三千億以上のものとか二千億以上のものは考えたということなのか。私はそんな単純なものではないだろうと思うのですね。だからそれには第二、第三の条件というものが当然伴って、全般的に洗った結果こういうものが浮かび上がったということになるのだと思うので、そのときの標準にした物差しは何なのかということを答えてもらいたいわけですよ。でなければ、国民から見てなぜこれだけが浮かび上がったのか、ではほかにないというのか、たとえば十億でもあるいは五億でもないということなのか。なくはないのでしょう、もっとほかにもあるわけでしょう。しかし当面必要なものがこういうことであったということでこれを出したんじゃないのですか、いかがですか。

石坂匡身行政管理庁行政管理局管理官

○石坂説明員 ほかにそのようなものが全くないというふうなことではなかろうかと思います。やはり利益の大きなものというふうなところに重点を置いたということはそのとおりでございます。もちろん利益積立金だけの話ではございませんで、開発銀行等の貸し倒れ引当金の率等にも着目をしておりますし、利益積立金あるいはその他の貸し倒れ償却の引当金等々の状況をそれぞれ見ていった結果であるということでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 まあ、ほかにもあったということですね。  それで大臣、先ほど席を外されていたから飛ばして先に向こうへ聞いたのですが、いまの質問にもありましたけれども、特例公債というのはできれば発行したくないというものなんでしょう。首を縦に振っているからもうそれでいいです。それではそういうことだとしますね。そうすると、その前になすべきことは何かということがあると思うのですね。それでわれわれはいつも主張しておりますけれども、前提としては不公正な税制を改めて、そしてまず取るべきところから取ってその上で特例公債を算出する。いわゆる高度成長経済というものはいまはもうなくなってしまった、だからそういう安易な方向はとれないのだ、だとすれば、不公正な政策税制をまず改めてさらに圧縮して、それでなおかつ足らないからこうなんですということで国民に対してそれが増税に変わってみたり、あるいは特例公債を発行してみたりということのやりくりを示す前には、やはり不公平税制の是正を行うということが大前提でなければならぬのではないかというふうに思います。その点はいかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これもかねて答弁をいたしておりますように、不公正税制とは何か、ここのところでかみ合わないところが実はあるわけです。特別措置法は不公正税制とは思っておりません。しかしながら、すでにその目的を果たしたもの、いまのようなときにはもうめんどうを見なくてもいいじゃないかというようなものがないとは言い切れないので年々洗い直しをやっている。それで、まあおたくの党などでは、たとえば貸し倒れ準備金とか退職引当金とかいうことを言っておりますが、これは不公平税制ということよりも、むしろこれだけ財政窮乏のときだから、その債務性はある程度わかるけれども、余裕を持たせる必要はないという見方は私は考えられると思うのですよ。したがって、これらの点については真剣に検討をしていきたいと私は思っております。  いずれにしても問題は執行面の不公正といいますか、これはときどきありますし、捕捉が足らないという問題もございますので、御趣旨のように、まずそういうようなものを極力発掘して適正な執行をやることが前提であるということは当然のことでございます。しかし、それが全部終わらなければ特例公債を発行するなと言われましても、これはなかなかむずかしいことであって、一方においてそれを強化しながら特例公債も少なくしていくというところに力を入れてまいりたいと思います。

沢田広日本社会党

○沢田委員 不公正税制のシンボルと言われているのは医師の優遇税制であります。これについては毎年直すようにと言ってきているわけですが、依然として七二%の経費控除は認められている。すでにもう二年経過いたしましたか。青色申告の割合もふえてはいるようでありますが、依然として七二というものが認められている。ですから、そういう意味においてこれももうそろそろこの機会に青色申告なりに勧奨誘導をして、そして正規の申告にしてもらう、こういう方向は最小限度やらなきゃならぬことだと思うのですね。医者というものが特別優遇された待遇に置かれているということは国民に決していい印象を与えてはいない。一方では不正請求が山ほどある、そしてべらぼうにもうけている、というような悪徳医者ばかりではないですけれども、一般的に見るとそういう一つのシンボルになっているわけですね。これはきわめて遺憾なことだと思うのです。ですから、まず行うことは、優遇税制を直して、青色申告でも白色申告でもどっちでもいいですが、いずれにしても本人の意思によって申告してもらう。天引き七二で税務関係の処理はあなた要らないですよ、そういう形のことでなしに、国民の総体的な義務として、とにかく中小企業も青息吐息で帳面つけつけ税務署へ出すようにしているわけです。お医者さんだけがのんびりとして、私は先生ですという顔されていたのでは、国民は納得しないと思うのでありますから、これはせめてまず第一歩進めていただきたいと思いますが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私もかねてから、医師特例は医療荒廃の諸悪の根源であるということを言ってきた手前もございますから、それは否定するものではないのです。しかし御承知のとおり、青天井で認めておったものを二千五百万円の売り上げまでしか認めないということにしたわけですね。二年前にそこまでやっとの思いでやったわけであって、本当は私は全部撤廃したいのです。しかし、そのときには、零細中小企業がやっていると同じように、個人開業医にも、営利法人ではないが、合理的経営をやる道を全部ふさいでおいて、させないというのもいかがなものか、そういう点で一人法人は、金もうけ主義は困るけれども、経営と技術を分離することは悪いことじゃないわけですから、そういうことを認めざるを得まい。それを認めれば、現在千数百億円と言われておりますが、恐らくそんなには税収として上がらぬでしょう、しかしそういうものとワンセットで厚生省がその気になれば、私は受けて立ってもいいと思っているのです、実際は。いずれにしても合理的に、国民が納得するようなことをやる必要がある、こう思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では続いて、時間の関係がありますから電電の問題に入ります。  電電納付金というのは、これはいろいろな委員からも質問がありましたから言うのでありますが、現在の電電公社の経営、性格そのものからいって、金がないのだ。そうすると、いま建設費その他で持っているかもしらぬが、それは当然出ていってしまう。ここで千二百億納めるためには借金するのだ、借金すれば利息を払うのだ、そしてその千二百億は国へ納めるのだ、まさにどろぼうに追い銭だと私は思う。それだったら、もし特例公債千二百億を上乗せして——国は、利息は損するかもしれません。しかし、その千二百億の特例公債を電電が引き受けて、十年後にはそれを相殺をして請求権を持ちません、それで、八・八八八%の金利はついてくる。自主能力の一助としてまず考えられることだ、これが一つ。そうすれば、同じ借金にしても——公債は出したくないと言っても、これは特定のものだから、公債は預ける。そして、十年の間に自主能力で四千八百億を返済しなさい、四年間納めなさい。しかし、それ以外の利息の分は、公債を買っていることになるのですから、それは公債持ったって借金するのですが、その借金の金利と公債の金利との差は、損害が少なくて済む。  同時に、その公債を持っていることによって、資金運用ができる。いまの公社の企業形態では法律上資金運用がきわめて困難である。だから、公共企業体という以上、もう少し弾力的に運用ができる仕組みを第二にはつくらなければいけない。これは前の国鉄がそうであったと同じであります。専売も同じであります。公共企業体といいながら、それだけの自主的な運営がすべてできない。手足を縛られてしまっていて結果的にはどうにもならぬという状況で、いまになって、ホテルをつくる、いや何をつくるということでやるように緩められたけれども、当時は物資部だって、道路に背中を向けていなければ店をつくらせなかった。そういう制限をして組合員でなければ使わせてはいかぬ、民間を圧迫する、こういう状況にしてきて、公社は手足を縛られて運営されているわけであります。今度も千二百億だけ黙ってぶったくりをされる、後は自分が借金をしてその借金の利息を払う、だから八千億だとかなんとかいう議論になる。それだったら、特例公債なり公債を電電に預けて、電電がその公債を運用していく資金の担保になります。担保になって、運用することは不可能ではないと私は思います。  これは、わかりやすく言えば大蔵大臣がそういうことですよ。あなたに一億出せと言ったら、これはあるだろうけれどもないと仮定しましょう、そうすると、なくて私なら私に一億持ってくることになった場合は、あなたが借金をする。一億の借金をすればあなたは利息を払わなければならぬ。借金をして私の方によこしてしまうのですから、利息と元金を払っていかなくてはならぬ。私の方は、もらっているのだから一番得をしてしまう。だから、それのかわりに今度は自分の公債をあなたに担保に上げた。あなたは、その担保のもらった公債で資金の運用を銀行の貸し付けその他に利用できる。二重にも三重にも利用できる。電信電話公社の信用が高ければ、第一抵当、第二抵当、第三抵当でも金は動かしていける、そういうことになるわけですから、資金運用から考えていけば、特例公債千二百億上乗せして電電にその運用をある程度任せる。それを住宅貸し付けに持っていくかあるいはさっき言った共済事業に持っていくか、そのことは別ですが、いずれにしても、それによって幾らかでも損害が救済されるということになるわけです。同じです、考え方としては。ただ便利に千二百億を取ります。だから、その千二百億の八分なり九分の利息を上乗せして国に納めなければならぬという結果になる。だから、片方から見ればどろぼうに追い銭、こういうことになる。取られる方から見ればそういうことなんです。だから、それよりも、どうせ公債があるんだから、その公債を発行するんだったら、千二百億をおまえに預けるから、公債をうまく運用して利益も上げなさい、あるいはほかの節減で利益も上げなさい、そういうことで千二百億を出してくる。短い時間の中で説明しにくいですけれども、商行為とはそういうものですよ。信用があるかないかによって同じ千二百億も二千四百億になるか三千億に動かせるか、これはやはりその人の、電電の信用によって信用貸し付けもできるわけですから。同じやるならば、ただ取るのじゃなくて、運用益をつくれるような組織、運営を考えてやる必要がある。  これは電電の方から聞きましょう、大蔵大臣はだめだと言うに決まっていますから。  電電の方は、そういうことでもし法律体系も変えられて自主性を与えられたらばもっとやりよくなるのじゃないか、もっと納められるのじゃないかという気もしないでもないのですが、その点はいかがですか。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘のような形での公債の引き受けと申しましょうか、その形であれば私どもの金利負担が軽減されることは事実でございます。ただ、現行の制度のもとでは財務関係の各種の統制、規制等がございますので……。ただ、公社の実態に即したような制度についての改善方が図られるとすれば、公社としては望ましいことだと考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 大蔵大臣、いま電電公社は、公共企業体としてそういう運営が可能な体制がもしとってもらえれば、よりその方が効果的であるという答弁、そういう方法をとってやる意思はありませんか。そうすれば、将来もっと入ってくるかもしれない。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私、いまのはよくわからないので……。  電電公社に赤字国債を買わせるわけですか。(沢田委員「そうそう、そういうこと」と呼ぶ)電電公社に引き受けさせて、電電公社がその赤字国債を持っていって、どこかから金を借りてくる……(沢田委員「それはもちろんそうでしょう。そうでなければ千二百億を納められない」と呼ぶ)だからそれは国の方は赤字国債を増発しろということになりますね。(沢田委員「そういうことです」と呼ぶ)私の方は赤字国債を減らすというつもりなんですから、そこが一番先の食い違いがあることが一つ。それからもう一つは、結局電電公社から国は借りたらば、借りた金を今度は電電公社へ返さなくてはならない。私の方は返すつもりはないわけですから、そこが二番目に違うところなわけなんですよ。  その理由は、要するに電電公社の剰余金の中から、普通の民間なら半分ぐらいは税金で納めるところを納めてないのだから、いままでこれだけ地盤もよくなったし、国も困っているから、親会社の方もまいってしまっているので、ともかく四千八百億円を四等分をして、利益の中から、税金を払ったつもりでひとつ御協力金としてお願いをしたい。ですから考え方の違いがございまして、いいアイデアかもしれませんが、来年以降また四千八百億が終わったときにでもよく研究さしてもらいます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 大臣、二番目の問題はないのですよ。これは十年で返しませんよ、国がもらい得ですよ、十年になったらば国債は効力は消滅します、そういう約束です。だから四千八百億も持っていくことは国の言うとおり間違いないのです。問題は、その間国債を電電に置いておくという期間があるということです。問題は、その間の運用で電電が頭がよければ当然利益が生み出される。経営能力があれば生み出していくだろう。だってさっき言ったように、それはその方が望ましいというわけです。だから、もしそれは十年たったらば償還しないで済む国債なんです、利息は払わなければなりませんけれども。だから、そういうことで結果的には電電としては運用利益を上げやすい、こういうことなんです。これは個人の関係においても同じことですよ。これはそういうことを考えてみる必要がある。時間がありませんから極端な例を言いますが、パチンコ屋は毎日毎日資金運転をやっているのですよ。たとえば一日十万円の売り上げであろうと三百六十五日動けばそれだけの資金になる。この間も言いましたけれども、森林は五十年に一回、七十年に一回しか金は動かない。どんなに高くても、一千万であろうとも五十年に一回しか動かない。農家の人は、耕作物は一年に一回しか動かない。そのいわゆる金の回転の率が違うということは非常に違いがあるんだということを私は言いたかったわけです。だから同じ一千二百億納めてみても、それの担保を持っていればそれがどうにでも動かしていく可能性を持つ。それが民間企業だったらもっとうまい動かし方があるでしょう。極端に言えば、たとえば武富士あたりに貸せば、三五%から四〇%ですよ。そのぐらいになって、武富士あたりでは貸して一五%ぐらい戻ってきますわね。まあ武富士を例に挙げればそういうことですよ。しかし、まさか電電公社が武富士に持っていくわけにはいかぬでしょうから、これは不可能だとしても、論理としては、極端な例を挙げて言ったのですが、そういう可能性はあるわけですよ。だから金というものなり、あるいは債券というものは利用の仕方によってそれが千二百億以上に借りられるということも言いたいわけです。それは一般の金融機関だって第一抵当、第二抵当、第三抵当を入れながら、現在の価格がそれほどでもなくとも、将来伸びるであろうと思えば、株が高くなるのと同じように、金融機関は信用貸し付けをするわけですから、そういう資金運転というものの道を開いてやるということが必要だということをいま私は言いたかったわけです。だから事務的なものではない。     〔山崎(武)委員長代理退席、越智(伊)委員長代理着席〕 ただその資金運用が可能な道を開いてやることと、いま言ったような方法で電電は十分採算はとれるし、それは国も損害は八分八厘の損害で済む。それもそれだけであと元金は没収してしまうんだから、利息だけの損害になる。だからその手で考えたらどうですか、こういう提案をしているんで、ちっとも食い違いがないんで、知恵をもう少し働かせれば、私はその道はあったんじゃないか、こう思っているわけです。いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 あなたの考えていることと公社の考えていることが果たして一緒かどうかわかりませんけれどもね。(沢田委員「大体一緒です」と呼ぶ)しかし仮に債券をやっても、じゃ国は国債を一千二百億電電公社に預けて金を取り上げても、十年たったらその国債はただになってしまうわけでしょう、紙切れになってしまうんだから。(沢田委員「そういうことです」と呼ぶ)紙切れになってしまう国債をだれか担保に取って金を貸す人がありますかね、これは。(沢田委員「ありますよ。十年間は大丈夫ですよ。十年過ぎてからはだめだけれども」と呼ぶ)そこらのところがね。——検討します。

沢田広日本社会党

○沢田委員 大臣、次の問題で、国には一般会計予算、それから財投の予算というのがあります。私はあえて第三予算という名前をつけているのですが、自転車振興会、船舶振興会、地方競馬協会、競馬会も含めてでありますが、これから出ている金の中身ですね、これは資料も求めたし、そちらへも行っているだろうと思うのです。これから出ていっている金というのは、言うならば政策の重複なんですね。結核予防協会にいっていますとか、あるいは日本体育協会にいっていますとか、癌研究会にいっていますとか、こういうことにいっているのはすべて政策の重複なんであります。それでこれをつかみ取りに使って適当にやっていったのがいままでの慣例なんであります。いま補助金まで切ろう、あるいは行政改革もとにかくやろう、こう言っているときに、こういう重複している予算の——予算じゃないでしょうけれども、任意団体であるが、国でやっているギャンブルでありますが、国が国営でやっているギャンブルから出た金は、あえて言うならば、統一化をするべきではないか。これはそれぞれの団体が任意団体だというようなかっこうで出す性格のものではない。やはり国民のニーズにこたえて、そのこたえた緊急度合いというものをはかって国が統一的に一元化をしつつその整合性をとる。法律で決まっているものまで切ろうと言っているときに、こういう法律にも何も決まっていないものに、観光協会に出したり、いろいろなものをやっております。そういうものを、あえて言うならば予算の編成の中に組み入れて考えていくということが必要になってきているのではないか。  特にまた、もう一つこれは地方自治団体が来ておりますから、そこから順番に聞いていきましょうか。大蔵大臣、ひとつ思い切って第三予算というものを、いわゆる国の目で見て二重になっているか、なっていないか、また二重になっているとしても、それは二重になっていないにしても、国の予算の中ですべてを統合していく、こういう形にすることが、今日段階においては必要な時期に来たのではないか。モーターボートの益金にしてもそのとおりです。それから振興会にしてもそのとおり。これは両方振興会ですが、自転車にしてもモーターボートにしても馬の方にしても同じであります。中身についてまで私はどうだ、こうだと言おうとは思いません。少なくとも出ている政策的な支出、これはやはり国の統合化の中に組み込む。あえて申し上げるならば、馬は農林省との癒着、船舶は運輸省との癒着、それから自転車は通産省との癒着、こういうものによって今日までいろいろ材料も提起されてきたことは御承知のとおりであります。私はそういうことのスキャンダル的なことをいま言おうとは思っていない。だから政策の二重化を避けて、そういう第三予算は国が一貫して、国の政策の中で実行していく、こういう姿勢をとるべきじゃないかということが、まず第一点であります。いかがですか、大蔵大臣。——大蔵大臣が答えられないんなら、行管で……。

堀内光雄自由民主党行政管理政務次官

○堀内政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの沢田先生の御質問の御趣旨はわかるのでございますが、公営競技関係法人は、それぞれ法律に基づきまして関連産業の振興だとかあるいは公益事業の振興のために交付金の交付を行っているわけでございます。そして交付金につきましては非常に適正かつ効率的な使用が行われている、あるいは行われるべきということは先生のおっしゃるとおりでございまして、そういう意味に基づきまして、総務長官からの依頼によって行われました公営競技問題懇談会の五十四年度の検討を踏まえまして、おのおの配分に当たりましては、内容の精査あるいは関係省庁等の意見の聴取、また第三者機関の意見の聴取、そういうものを踏まえまして、また配分決定の公表というようなものを行いまして、その適正かつ効率的な配分に努めているというふうに承知をいたしておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 答弁になってないのですよ。いまの現状でいいということでしょう、その返事では。いま法律で決められている補助金まで切ろうと言っている段階なんですよ。ところが、ここに出てきているようなものは、言うならば政策的なものが多い。ならば一般会計予算の中で組むという体系にしてその選択を、それはいまこれが直ちに必要なのか、もっと必要なものがあるかもしれない、そういう形でもう一回見直して、一般会計予算の中に組み込んで、その中で編成をしていくという形をとらないと、整合性を欠くおそれがある。第二臨調はもう間もなく出ちゃうわけです。その前にこういう問題についての適否を決めながら、国が掌握をしていかなかったならば、とんでもないところにいってぽこっとタケノコみたいに出てくるかっこうが出てきちまう。必要なものが削られて、不必要なものとは言わないけれども、選択度合いから言ったら遠いものに金が行っちまう、こういうことになりかねないのですね。  これはお手元にあるだろうと思っているのですが、なければこれ持っていって……。ガン協会に出ていたり、防犯協会に出ていたり、自然保護協会に出ていたり、国際身体障害者技能競技大会に出ていたり、国際科学博覧会のあれに出ていたり、九十九里ホームに出ていたり、恩賜財団済生会に出ていたり、皆同じようなものですよ。別に中身が悪いとかなんとかは言いません。とにかく重複する政策になっているじゃないですか。そこの点はきちんと区分けする必要があるのではないか。だから現在やっている政策が不十分なら、こんなものに頼らないで、国の予算にして、予算の中で整合性を図るというのが正しい方法じゃないですか。政務次官は大変申しわけないけれども、もう少し踏み込んだ答弁をしてもらわなければならないと思うのですが、いかがですか。

堀内光雄自由民主党行政管理政務次官

○堀内政府委員 ただいまの御質問の競技四団体でございますが、それぞれの所管官庁において、これは検討したり指導したりしているわけでございます。なおかつ、この公営競技四団体はそれぞれ事業主体ではございませんので、各地方公共団体が事業主体として上げた収益の一部をこういう団体に回しまして、それがまた配分をするというような状態になっているわけでございます。  したがいまして、行管庁としていまの御質問にお答えする限りにおきましては、やはり各監督官庁の指導、検討というようなものを見守っていくという以外にはないのではないかというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そういうことになると、この特定財源を選んできた経緯との整合性を欠くのですよ。こんなものを残しておいて、電電や開発銀行や輸出入銀行やあるいは産投会計の積立金から持ってくるなら、これは同じ政策に使っている金を国に持ってきて、事業の中で重複しているかどうかを調べながら、総体的にながめる方がより有効でしょう。方法論としての道にもなるでしょう。これは八億の、九億の、それから八億のというふうに、全部合わせるとこれで大体百億くらいになりますよ。まあ競馬会なんかの二千億みたいな積立金まで考えればもっと多くなるのですが、それは全部取るというわけにはいかぬでしょうけれども、出ているものだけでもそうなる。  私はもう一つ、自治省に来てもらっていますから申し上げるのですが、この分は、じゃどういう基準でその都市に行っているかということになる。開催都市だけなら私も文句言いません。開催都市だけじゃない。たとえば中央競馬会が行った環境整備事業交付金というのだけ選んでみた。環境対策の環境整備事業交付金ほどいいかげんなものはないと言ってもいいと私は思う。しかし、それだけでも挙げてみても、全国の各市に行っているわけであります。それで、緑化事業だ、道路整備だといって、必ずしもそこでやっているとは限らない。だからその分は、自治省は地方交付税から削ったらいい。その分は、これだけこういうところから環境整備に行っていたらば、環境整備の部分は地方交付税の算定基礎から、基準財政需要額から削ったらいい。二重にこれを交付する理由はないでしょう。これがまず第一。  第二には、公害だとか騒音だとか迷惑料だ、じゃなぜ地方交付税の中に公害の指数が入らないんだ、なぜ地方交付税の算定基礎の中に、基準財政需要額の中に、騒音であるとか水質であるとか大気汚染であるとか、あるいはその他の公害の問題についての指数を含めないんだ。だから、こういう問題が起きてくる一つには原因を生んでいる。道路のふくそう、迷惑がかかるというのなら、基準財政需要額の中に全国同じ条件で公害指数というものを含めて交付をしていくことにすれば、こんな金は要らなくなるのじゃないですか。でなければ、この分は当然差し引かなければほかの市町村との整合性はなくなると私は思うのであります。いずれにしても、この点は不合理だと私は思います。  しかも、この配られ方というのは、余り言いませんけれども、きわめていいかげんな配り方もなくはないのですよ。競輪場の周りにいる人だけに地代と称して、とにかく一回の開催ごとに三万とか五万とかそうやって配っているような状態。そんなに隠れ隠れ、日陰者みたいなことでやるのだったら、やめた方がいい。国で認めたことなんです。それは不公正を拡大するだけの話しかならぬ。もっと堂々とやれるような形をとって——住民を金でごまかして、周りの人間に配って、それが環境対策整備事業交付金の金の流れじゃないですか。そういうことでギャンブルを扱って、自分自身で格を落としている。ギャンブルは私はいいとは思っていないけれども、やはり整然と行われるようにするための措置は必要だが、そういうことがみずから品位を傷つけているということになるんだろうと私は思うのです。  三つ言いました。あえて申し上げるならば、これは自治省に来てもらっているから、こういう金が行くならば、それは地方交付税から減らしなさい。そうすればそういう金はもらいませんと言うでしょう。それがまず第一。第二番目は、公害指数を地方交付税の算定基礎の中に含めるべきであるということ。第三番目は、この行った金の行方についてもう少し精査をすべきである。以上三点についてお答えをいただきたいと思います。

能勢邦之自治省財政局交付税課長

○能勢説明員 お話のございました中央競馬会の地方団体向けの交付金、五十五年度では三十一件で約五十三億程度あるということは聞いておりますが、その具体の内容を私はつぶさに承知はいたしておりません。  御提案は、交付税の算定基礎に入れたらどうかという御提案でございますが、これも御案内のとおり地方交付税は、地方税の代替財源としてあるべき基準財政需要額なりあるべき収入額を算定する、いわば三千三百の地方団体の標準的な財政運営に要する一般財源を措置しようということでございますので、御提案でございますが、いまの段階で交付税の計算基礎に直ちに入れていくということについてはいろいろ問題が多いのではないかというふうに考えます。  それからいま一つの御提案で、騒音等に係る交付税の算定に関しまして公害指数といったようなものを考えたらどうかという御提案をいただいたわけでございますが、これもやはり交付税の計算基礎には公害関係の一般的な経費は算定いたしておるのでございますが、お話のような公害指数というような新たな補正をつくることは、技術的に見ましても交付税の算定に使用できるような公信性のある客観的な指標ということでつくれるのかどうかといったような問題もございますので、今後慎重に検討してまいりたいとは思いますが、いま直ちに具体化するというのはなかなか問題が多いんではないかというふうに思います。

沢田広日本社会党

○沢田委員 とにかく公害に対する交付税算定の基礎については不十分であるし、非常に正確度を欠いている。しかし現在公害基本法ができていることも事実ですね。公害基本法ができているのですからその算定の数字というのは出るんですね。水質にしても大気汚染にしても振動にしても騒音にしても悪臭にしても、一応全部公害基本法の中に規定されているわけです。だからそれが算定できないというはずはない。それは自治省が怠けているからだ。怠けて勉強しようとしない。環境庁にでも行って聞いてきなさい。皆基準があるんだから。その基準をそれぞれの市町村——出ている金は何かといったら道路整備でしょう。交通安全施設でしょう。道路整備、道路整備、道路整備。結果的には地方交付税の二重取りじゃないですか。道路整備は道路の延長キロ数、皆地方交付税の算定基礎に入っているじゃないですか。少なくとも二重取りでしょう、この中身は。だから精査しなさいと私は言っている。地方交付税はアンバランスをつくっていることになる。アンバランスをつくるんだったら、もっとその分はとって公平にしなさい、こう言っている。河川改修だったら下水道なら下水道にちゃんと地方交付税は行っているわけでしょう。その市だけに行かなければならぬという論理にはならぬでしょう。  そういうことで、表街道を歩いている仕事であるならば表街道を歩いているような形をやりなさいよ。裏街道を歩いているんだから、ばくちの金、テラ銭のかせぎだから適当に配っていいやという発想で自治省もいたりあるいは各省がいるんなら、これはもう何をか言わんやということになる。そんなものは皆やめてしまった方がいい、そういうふうになると私は思う。表街道を歩くんなら歩くような性格のものにならなければいけない、また社会から見ても批判をされないものにしていかなくちゃいけない。一方ではやはりそういう義務を負っているわけだ。そういう点において自治省の答弁はきわめて不満足、不勉強だ。もう一回見てみなさい。道路整備ばかりだ。地方交付税の二重取りだ。どうですか、その点は。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 中央競馬会関係の環境整備事業についての御質問でございますので、まず実態をお話しさしていただきたいと思います。(沢田委員「長くはいいですよ、これを大臣のところへ持っていって見せるから」と呼ぶ)  内容は先生御指摘のように道路整備、交通安全施設、公園整備、緑化対策、下水道の対策それから消防施設、そういった事業が主要な内容でございます。毎年四、五十億ずつ支出していることは事実でございます。  これはもう御案内だと思いますが、中央競馬の開催に伴って騒音とかごみの散乱とか交通の混雑という大変な迷惑を地元に与えている、原因者になっているというととは否定できない事実でございます。また地元の協力を得なければなかなか競馬の開催は順調に行うことはできない。しかも事実といたしましてこの迷惑は競馬の開催を続ける限りなかなか解消できない本質を持っているというところに私どもの悩みがございます。そういう意味で基準を定めて支出しておりますが、自治体側の要望も非常に強いという実態があることは御了解いただきたいと思います。あくまでも地域の個別の事情で基準を定めて支出しているところでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これは開催のところだけなら私も何も言わないのですよ。そうじゃない。たとえば重度心身障害児施設あるいは救急センターができるとかそういうときには振興会から補助金として出る、市から補助金として出る、そういう形が行われていることについて私は問題提起しているので、何も悪口を言おうと思っているのじゃないのです。そういうところとそうでないところとの不公正を是正することが必要である。だから私は競馬会だけを言っているのじゃない。自転車振興会も船舶振興会も同じような立場で二重投資になるかっこうになりますよ。だから二重に補助金をもらいたい市町村は一生懸命陳情に上がってきているわけだ。何とか自転車振興会から金をもらいたいということで願い出ているわけだ。通産省へ年じゅう通っているでしょう。あるいは農林省、畜産振興事業団なら畜産振興事業団に通っているでしょう。そういう形から脱しなければこれからの行革の第一歩は踏み出せませんぞ。そういうものだけは温存しておいて第二臨調だなんと言ったってへのかっぱですよ。こういうものを残しておいて何が第二臨調ですか。とてもじゃないがそんなものは踏み込めるものじゃない。かえって不公正の拡大にしかつながらないと私は思うのです。  そういう意味において、ここにあるいろいろな事業の補助金も政府に一元化しなさい、そして公正を期しなさい、そして癒着を絶ちなさい、私はこういう提言をしているのです。大蔵大臣、この機会に、第二臨調がいつ出るかわかりませんが、補助金を見直すとかなんとか言っているけれども、これこそ会計検査院の検査の対象にもならない。わけのわからない金に使われても何の指摘もできない。で、市町村はもらい得という形になっている。こういう安易な財政運営は避けなければいけないと私は思います。いま真剣に特例公債だ、電電だとこう言っているときに、一方にそんななまぬるいものが存在していることは許されるものではないと考えます。各省は大臣が来ていないので政務次官はおっかなびっくり、大臣に怒られちゃいけないと思っているらしいし、次に大臣に外れたら固っちゃうと思うから安全な答弁しかしません。大臣、ひとつ勇気のあるところで、総理大臣になったつもりで——上がるとすればこの次は総理大臣以外にないのですから、そのつもりでこの点にメスを入れてもらうということが必要なんではないかというふうに思いますので、お答えをいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 往々にしてこういう団体の出費について監督が不十分じゃないかというような御批判を受けるわけでございます。時勢がらでございますから各省庁においてはそういうような批判を受けないようにやってもらうことが大切だ、こう考えております。  ただ、特に地方競馬のようなものはそれぞれ地方でやっておったりあるいは主催者が地方の場合が多いので、国が取り上げるというよりもむしろ主催者の方で一緒になって、そういうようなむだ金があればそれは返してもらうあるいは納付してもらうというようなことを真剣に考えても結構じゃないか、そう思っております。ただ道路の対象事業で、競馬場の周りに集まってくる進入道路とか駐車場とか都市計画とか、一般のものだけではとても間に合わない、だから競馬の開催に便利になるように中央競馬会なんかが余分に金を出してそこだけ整備させているというようなことはあるいはあるかもわかりません。  いずれにいたしましても国を挙げて行政改革をやったりむだな経費を少なくしよう、そういうものはなくしようとやっているときですから、こういう外郭団体も独占的に権限をいただいてやっているわけですから、そこで批判を受けるような金の使い方があってはならない、こういう点については各省庁の協力を得て御趣旨の点を徹底させるようにしたいと考えます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 後で堀先生が質問するときには各大臣集まるわけですから、それぞれ関係の人はこの問題について今後どう取り扱うか、簡単で結構ですからその分だけ答弁をしてください。大蔵大臣はいま答弁をいただきましたので各省の大臣にそれについて答えてもらいたい。率直な申し上げ方をすればこの資料の中身にもいろいろ問題があるのですが、それは時間の関係でまた別の機会にやりますけれども、うちの同僚議員も競馬会の問題でいろいろがたがたやりましたが、そういう内容だけを追及することだけがすべてではない。その金をどう正常に運営していくか、どう社会に還元をするか、その方法論を適切にしていくということが大変大切だということを私は言っているわけです。  それから、地元に迷惑がかかるというのは私も十分わかる、私のところもそうなんですから。えらい迷惑。どろぼうが多くなる。しかし、どろぼうが多くなれば地方交付税の中に入るのですよ。盗人が多くなれば多くなったように地方交付税の算定基礎の中に入っていく。だから、そういうことで私の県もどろぼう天国なんて言われております。五〇%はいい方だと言われているのですが、五〇%くらいの逮捕率しかない。そういうようなことで埼玉なんというのはどろぼう天国と言われているくらいなんであります。そういうことで迷惑は確かにあります。駐車はどんどんやられて出口もなくなってしまった。裏口からへいを跳び越えて出なければ出られなくなっちゃった。でも壊せば刑法に触れてやられる。パンクさせたらそれだけで刑法に触れる。なかなかむずかしいものだと思っています。しかし、公の大道を歩く競技であるとすれば、そういう姿勢で物に臨んでもらわなければ困る。何かこそこそ悪いことをやっているのだという前提に立って発想することは許されることではないということを私は言いたかったわけです。ですから、そういう対応した適切な措置、しかも公開制の、秘密主義をとらない制度にしてもらいたい、こういうふうに考えるわけです。  それから、残された時間で、開発銀行その他もありますが、誠備グループの問題、これは最終的な問題ですから結論だけ言います。  誠備グループに関係をした銀行の調査を大蔵大臣やるべきである。幽霊会員百人だなんて言って、結果的には名前はわけがわからなくなったというような状況ですが、それに関連した銀行について、これから銀行法を大蔵大臣も出そうとしているのですから、そういうような意味において、銀行がそういう不明朗なあるいは法律に触れたり背任になったりというようなことにならないように、少なくとも銀行調査だけはきちんとやってもらいたい。また関連した証券会社についても、どういう経緯によってそういう関連性を持ったのか、その経過についてだけはひとつ正確に報告をしていただくような措置を講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 株のことでございますから、多少の変動があるということは仕方のないことだ。しかしながら、外務員が一括して白紙委任みたいな形で、本人の知らないうちに売ったり買ったりやるようなことは認められていないはずだと私は思うのですが、そういうところの監督が不十分であればもっと監督をさせて、少なくとも委託者が知らずに売っちゃったとか買っちゃったとかということはなくさなければならぬ。また銀行等も、仕手株でつり上げられたものを担保に金を貸すわけなんですが、これもおのずから適正価格というのはあるはずなんであって、えらいばか高くなってしまったものを担保にとって損したなんというのは銀行の方が悪いのであって、私は、素人でもわかるようなケースについては、少なくとも銀行は玄人なんだから、そういうばかなことを二度と繰り返さないように指導してまいりたいと思います。  具体的な手法については、審議官が来ておりますから、審議官から説明させます。

吉田正輝大蔵大臣官房審議官

○吉田(正)政府委員 思惑投機なんかに融資したものについて金融機関を調査すべきではないかということでございますが、私どもといたしましては、この思惑投機を助長するような融資につきましては、かねてから抑制するように指導してきたところでございます。  今後のあり方といたしましては、大臣も国会で、こういう思惑投機を抑制するよう指導したいというふうに申し上げているところでございますので、最近におきましてもさらにこういうような行為を差し控えるように指導しております。証券金融自体、私ども、金融界としてやってはいかぬという問題とは考えておりません。やはり証券流通市場の円滑化というような意味で、それ自体はよろしいのでございますけれども、その結果、思惑投機に巻き込まれた姿はきわめて遺憾であると思いますので、ただいまいろいろと調査をしておるところでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 国会になるとどうも謙虚になられるので、外へ出ると謙虚でなくなってしまうのだろうけれども、国会の答弁がされる以前に大抵報道されてしまうということになってしまう。この前も私はその点を指摘したのですが、いまの問題は、これに関連した銀行を調べてください、こう私は言っている。調べてくれるかくれないかなんです。背任が生じているか生じていないか、取締役会の議決を必ずとっているかとっていないか、あるいは簿外貸し付けになっているのかなっていないのか、そういう点についてだけ、チェックしたことの経過を報告してほしい、こういうことを言っているわけでありますから、それはイエスかノーかで答えてもらいたい。プロセスは要らない。

吉田正輝大蔵大臣官房審議官

○吉田(正)政府委員 社会的にも注目を浴びた事件でございますので、私どもそういう金融機関についてはかねてから調査しています。先生御指摘の点も、ないかどうかを調査しておるところでございます。  ただ、これを報告するかどうかということでございますけれども、私どもは銀行法に基づきましての監督権ということで、預金者保護あるいは信用秩序の維持ということ、これはかなり大きな大蔵大臣の権限でございます。それを使いまして調査しておるわけでございまして、その結果の公表につきましては、信用秩序の維持とか預金者保護の観点からやっておりますので、公表するというようなことは差し控えさせていただきたいと思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 言葉じりをつかんで公表ということを言ったけれども、公表ということに私はこだわっているわけじゃない。私は質問した。質問者に対して当然答えてくるという義務はないのだろうかということなんです。何も新聞に発表しろなんて私は言ってない。これが秘密なら、秘密だと言ってくれれば秘密は守るのだ。ただ、あなたの職務で、そういうことであったら、その内容についてだけは報告してもらいたい、こう言っているわけです。あるいは委員会全体に報告するかどうかの問題は、これは委員長と相談して決めることであって、その点については公表という言葉で逃げてもらっては困る。その点はどうなんですか。

吉田正輝大蔵大臣官房審議官

○吉田(正)政府委員 公表と申し上げたのは訂正させていただきまして、先生が御関心を持っておられる簿外とかあるいは取締役会の決議とか、そういう事実については先生の方とまた御連絡させていただきたいと存じます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 時間の関係で、きょう虎の門の病院の問題が大きく出ました。これは大蔵大臣に忠告だけということにします。  眼科の部長さんがめがね屋さんからリベートを取っていた、こういうことなんです。これは何も虎の門病院だけじゃないだろうと思うのです。公的病院のいかんを問わず業者とのつながりというものは起きる可能性がある。私はもう一カ月前ぐらいから注意しておいた。こういうことにならないようにということで、私はこういうふうに発言はしなかったが、こういうことになるから注意しなさい、善処しなさいということを再三銀行局長を通じ、あるいはそれぞれの連合会の理事長にも通じ求めてきた。しかし、今日発表になるような事態になりました。私はこのことはオープンにしないで解決の道を図りなさいということで言ってきたわけなんです。ところがそれに応じない。応じないでこういうふうになってしまって、結果的には望ましい結果ではないし、公的病院としての品位を傷つけた、こういうことになるわけであって、この点については、二つ問題がある。われわれも、そういうふうなところからいろいろ情報を得て、事前に忠告を与えることもあるわけです。事前に忠告を与えたことをやはり的確に対処してもらうということが必要なんです。それを無視するから、こういうことになってしまうということになるわけで、それが誤報であるかどうかの問題は調べてもらえばわかるわけなんですから、そういう点は忠告として大臣に言っておきたいと思うのです。そういうことにならないようにということで私は事前に要請をしておいたはずなんです。  次に、いま春闘の時期でありますが、経済企画庁は呼んでおりませんけれども、現在実質賃金の目減りその他もありまして、今日の公務員の給与は当然一%で済むはずはない、相当の金額になることが予想されるはずであります。だとすると、予算は通ったのでありますけれども、当然補正予算を国会に提出するということが伴わなければならぬのではないか、こういうふうに考えますが、その点の見解を求めて私の質問を終わりたいと思います。     〔越智(伊)委員長代理退席、委員長着席〕

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 ただいま春闘のピークでございまして、例年でございますといずれ人事院勧告が出るということになるわけでございますが、人事院勧告が出された場合におきます取り扱いにつきましては、従来からそうでございますけれども、人事院勧告が出されました後でそのときの経済社会情勢、財政状況その他諸般の事情を考慮しながらその取り扱いを決定するということにいたしておるわけでございます。そういうことでございますし、補正予算というようなことをいま口に出して言うような段階ではないということでお許しをいただきたいと思います。  なお、今度は給与改善費が一%ということで従来より低いわけでございますが、人事院勧告を尊重するという政府の従来の方針が一%計上ということで変更されたものではございません。ただ、情勢が厳しくなっているということはわれわれ感じております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では、終わります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 伊藤茂君。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 本法案の討議もだんだん詰まってまいりましたが、幾つかお伺いしたいと思います。  まず最初に、電電公社納付金に関連をしてお伺いしたいと思います。いままで当委員会でたくさんの議論がございまして、具体的なさまざまな質疑が行われてまいりました。公社の会計と納付金のあり方の問題、あるいは利用者に対する料金値上げにつながらないかどうか、財投と納付金四千八百億が八千二百億になるのではないか、また公社の当事者能力とかさまざまな議論がなされてまいりました。私は、今後の電気通信事業、今後の電電公社という立場から見て、今回提案されている内容が妥当であるかどうかという視点で意見をお伺いしたいと思います。  そういうことで、まず最初に公社と郵政省に伺いたいわけでありますが、公社からも郵政省からもいろいろ資料をいただきまして読んでまいりますと、いま大きな転換期といいますか新たな発展を前にした時期に置かれているということにつきまして大変勉強させていただきました。北原副総裁の書かれたパンフレットを見ましたら、表題が「新たな飛躍へ」と書いてございまして、そういう表題にふさわしいようなことがいま公社の置かれている状態ではないだろうか。また、今後の電気通信事業、情報産業分野から見ましても非常に大きな課題が迫っているというふうに思うわけであります。そう考えますと、いろいろな新たな問題にどう対応するのかという課題を明らかにしてまいらなければならないと思います。資料を読ましていただきましても、従来のすぐつく電話とか待たずにつけられる電話とか、そういう意味での二大目標はほかの国に例がないほど早い期間の間に達成をした。その二大目標を達成して電話社会が成熟をして、今後どういう目標を持つのか、新たな飛躍に向けたというわけであります。  そういう意味で最初に伺いたいのは、公社と郵政省に伺いたいのですが、公社の方では五十七年度までの第六次中期五カ年計画、そして五十八年から新たな長期計画に入っていく、第七次五カ年計画となるのでしょうか、そういう計画に入る。そしてまた、第六次の中期計画の内容、柱とは非常に大きく変化をした、さらに発展をした次の計画の柱が立てられるであろう、そういう中で当面、来年、五十七年が重要なスプリングボードになる年ではないかということが言われているわけでありますが、それらの見通し、その後の目標、計画、その骨格をどうお考えになっているのか。  監督官庁としての郵政省も同じことだと思いますし、電気通信政策局ができて、大臣の私的諮問機関としての懇談会ができて何回かその会合を重ねて、言うならば論点整理といいますか問題点を整理をしたという中身も伺いました。公社の方でも五十七年がスプリングボードだと言っておるわけでありますから、どういうふうに今後の担当官庁としての政策をつくっていくのかということが非常に大事になっているであろうというふうに思いますし、これからの社会全体に大変な影響を与えるわけでありますから、それらの分野が積極的にしかも民主的に、また国民に開かれたものとして進んでいくということを私も大変期待をいたしているわけであります。そういう意味で今後の重点を公社、郵政省としてどうお考えになっているのか、詳しい御説明は長くなりますから、ポイントだけそれぞれお聞かせください。

岩崎昇三日本電信電話公社計画局長

○岩崎説明員 お答えいたします。  先生は現状につきましては非常にお詳しいようでございますので省略させていただきまして、今後の長期計画につきましては、現行の電気通信サービスを維持しながら、先生がいまおっしゃいましたような飛躍に向けてということで現在検討中でございますが、その内容を性格づけて申し上げますと四点ほどになるのではなかろうかというふうに思っております。  第一点は、事業を拡大いたしまして健全な経営を図っていくということを考えまして、新規サービスの開発、拡充に努めること。第二点といたしましては、情報化社会の要請に積極的にこたえるというために新データ網、新しい加入ファクシミリ通信網あるいは自動車電話サービスというようなネットワークサービスの全国的な早期拡大にございます。第三点といたしましては、公共事業であるということの観点から各種のサービスの全国的な普遍化といいますか普及ということ、さらに、加入区域外の電話というようなものに代表されますように、過疎地対策というものの電気通信サービスの改善でございます。それから第四点といたしましては、福祉用電話の開発普及ということでございまして、公共性の観点からこのようなことをやらなければならないだろうと思います。  いま申し上げました四点はサービスの面でございまして、あと設備の観点から申し上げますと、現在、世界的に将来の電気通信網のあり方というものが大体明らかになってまいりまして、それはどのようなことかと申しますと、現在の設備は、技術的な用語でございますが、いわゆるアナログというものでできているわけでございますが、将来はすべてディジタル技術で形成されるであろうということが言われております。これには、日本の場合を考えましても、ほぼ二十年ほどの時間がかかるわけでございますけれども、将来にわたりまして有効な電気通信設備をつくっていくという上で、設備の拡充あるいは更改というようなものに合わせまして、通信網のディジタル化を図っていくということでございます。  いずれにいたしましても、公社といたしましては、豊かで安全な国民生活あるいは社会活動の効率化というものに少しでも多く寄与したいという考えで計画を立てていきたいと考えております。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 郵政省から御答弁申し上げます。  先生御指摘なさいましたように、電電公社の戦後からの二大目標、自動化完了あるいはまた積滞解消、これは最近に至りましてようやく達成したわけでございますが、今後に向かいましていろいろ解決すべき課題、積極的に取り組むべき課題、いろいろあると私どもとしても考えておる次第でございます。具体的にはいま公社の方から、いろいろサービス面あるいは設備面等々ございましたが、私ども、おかげさまで政策局ができましたので、これからの行政展開というものに当たりまして、郵政省と事業体の方だけのあれだけではなくて、附帯決議にもございましたけれども、広く国民各層、各界の方々の、いろいろな有識者の方々の御意見も承りながら政策展開していかなければいかぬ、こういう気持ちで、ただしその場合に、大所高所論と技術、専門的な分野というのが非常に多いわけでございますので、これをどうやってうまくかみ合わせながら今後の課題につきましての御提言をいただくかというのを念頭に置いておる、こういうことでございます。  もちろん、具体的には、いま公社からも御説明ありましたような第七次計画に向かってというものがございますし、またその前に、例の日本の国内の基本的な従来のサービスと新しいサービスとの整合性というものを十分踏まえていかなければならぬ。また、従来のサービスの中では、ときに料金体系の問題で、諸外国、先進国と比べましても遠近格差が非常にあり過ぎる。近間の方が二分の一、四分の一だ、遠距離の方は比率的に七十二倍だ、こういう非常にアンバランスなものになっておりますので、そういう問題についても国民の皆様の御理解を得ながら料金体系の問題というものに取り組んでいかなければならぬ、このように考えておる次第でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 いまの御説明にもございましたが、今後の電気通信事業あるいは今後の電電公社、資料や本を読ましていただいたり、またいろいろお話を伺いまして、これはこれからの社会構造の基礎にかかわる、あるいはまた今後の技術革新の面でも最先端をいく非常に重要な分野であろうと私も思うわけであります。そういうことを考え、また、五十八年からの計画を考えますと、来年五十七年が重要なスプリングボードであって、すでに郵政省で鋭意いろいろと研究をしたり、また懇談会の御議論を願ったりということを聞きましても、全体としてまだテンポが遅過ぎるのじゃないかという気さえするところであります。  いまこの委員会にかかっているのは納付金のことでありますから、関連をして論点を進めてまいりたいと思いますが、そういう意味から言いますと、一つ心配になるというのか、大丈夫だろうかと思うのは、今後の公社の資金調達計画の問題であります。大変大きな、新たな産業革命とも言うべき新たな飛躍をやらなければならないというわけでありますから、従来も急テンポに額が拡大してまいりましたけれども、今後相当膨大な資金調達が不可欠の条件になるということではないだろうかと思います。またそういう中で五十七年度、五十八年三月には拡充法による加入者債券の制度が切れる。何か五〇%以上を現在の電電債だけで占めているそうでありますが、重要ないままでの資金調達の道が閉ざされるということになる。また一方では、昭和四十年代の借入金の償還期を迎えるというふうな条件もあるようであります。私はいろいろ話を伺いますと、電電債というのは非常に評判がいいようでありますし、高く評価されているようでありますから、国内国外含めまして資金調達は、優良債券として調達の見通しは決して暗くはないと思いますが、終始そういう資金調達それから今後の返済その他の中長期の計画を考えますと、相当厳しいものがあるのではないだろうか。そういうベースがあるだけに、総裁が、同僚議員の質問の中での、利用者の負担とか新たな料金値上げにつながらないかという御質問に対して、そういうことをしないことを前提にして厳しい努力をしなくてはならぬということを言われてきたのも、そういう気持ちではないだろうかと思うわけであります。今後の資金調達計画、資金計画などについて、その中期の次のプランをつくるということと兼ね合わせまして、どんな見通しをいまの段階で持っておられますか。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 お答えいたします。  資金調達の計画につきましては、先生ただいま御指摘のように、端的に申し上げまして将来なかなか厳しい局面が予想されておると思っております。設備投資につきまして先ほど計画局長御答弁申し上げましたように、相当額の所要資金を必要とする。加えまして、債務償還につきましても昭和五十八、九年にかけまして従来よりも相当多額の債務償還資金を必要とする。片方、資金の供給面におきましては、拡充法の期限切れといったものがございますので、五十八、九年ごろにかけましては資金の需給につきましてかなりむずかしい問題があろうかと思っております。  これに対しまして、まず第一に内部資金の充実、これは増収あるいは節約にいま努力をいたしまして、この充実に努力することはもちろんでございますが、同時に公社が過去何年来発行しております国の内外におきますいわば公社の自主的な形での資金調達、国内の公募債あるいは外国におきます外債の発行、こういったいわば資金調達の多様化の努力を一層進めてまいりたいと思います。  かたがた、政府におきましても、安定した低利の資金としての財政資金という面から、いわゆる財投という形での御協力もぜひお願いをしたいと考えておりますが、その辺総合的に長期的な資金対策につきまして現在検討中でございまして、この辺は先ほど御答弁申し上げました中長期計画の中で明らかにしてまいりたい、かように思っております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 大蔵省に伺う前に郵政省にもう一度伺っておきたいのですが、それらの事情を含めて、単に政策だけではなくて、当面中長期のさまざまな問題に対して、全面的にこれが円滑に進行するように支援をしていく、あるいは必要なさまざまな新しい手を考えてやっていかなければならない、そういう姿勢で対応されるということですね。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 先ほど公社の方からも資金調達についてお話が出ましたけれども、私どもといたしましても、従来は債券の発行、引き受けという形だけで、ほとんど主力がそれであったわけでございますが、今後はいわゆる証書借り入れと申しますか、こういう手段を導入していかなければならぬし、さらにはいままで対象としておりませんでした民間生保だとか、あるいはまた損保だとか、国内のそういう金融事業に対してもそういう道も開いていかなければならぬし、もちろん先生御指摘のような財政投融資という関係につきましても、大蔵省とも十分話し合いしまして配慮をしていかなければいかぬ。さらにはまた肝心の建設投資の方でございますが、納付金を納めましても、五十六年度予算でございますけれども一兆七千七百億、前年対比三・六%ちょっとでございますかの増。公共投資はほとんどゼロに近かったわけでございますけれども、これからのそういう電話社会なりあるいは高度化計画なりに対しても十分配慮をして支援していきたい、このように考えておる次第でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 大臣がお帰りになりましたからお伺いしたいのですが、渡辺大蔵大臣は自民党のニューリーダーの一人というふうに伺っております。よくそういう記事や紹介を拝見するわけであります。きのうはロンドン、きょうは東京でもお疲れの色もなく活躍をされております。ニューリーダーの一人ということですから、大事なことはやはり先見性、それにふさわしい先見性を渡辺大臣はいつもお持ちになっておるというふうに思うわけであります。  いま公社とか郵政省に伺いましたが、私もいろいろとこの法案にも関係をし、前からも関心を持っておりましたから、さまざまな意見を聞いたり本を読んだりしますと、これからの八〇年代から二十一世紀を展望して、やはり社会経済全体の基礎にかかわる大変大きな革新といいますか変化を担う電気通信産業分野ということを痛感をするわけであります。卑近な例で、私ども政治家でも間もなく、この次の選挙のときには自動車には全部電話がつくであろうとか、間もなく地元と議員会館もキャプテンシステムでつながることになるであろうとかいうようなことを聞かされたり思ったりするわけでありますが、いずれにしても社会生活全般に大きな変化を与える。しかも世界じゅうで、たとえばフランスでもイギリスでもアメリカでも懸命になって先端部門を模索しておるというふうな状態になっておるわけです。ですから、先見性をお持ちのニューリーダーの渡辺大臣として、先ほどの同僚議員に対する答弁を伺っておりますと、とにかくこれだけ商売がうまくいってもうけがあるのだから、民間だったら今度から四二%税金を払う、それと比べたら千二百億掛ける四は何とかひとつ了承してもらいたいというふうな話なわけでありますが、これからの電気通信産業が社会全体にどういう大きな変化を与えるか、それでお金を取ったためにもし何かマイナスが起きた場合には、国際的な競争も含めて大変な問題になる、前にもそういう例があったようですが、そういう多面的な御理解を前提にしてお考えになるということが非常に大事なところではないだろうかというふうに思うわけであります。  この間、産業構造審議会の情報産業部会の去年の年末に答申をしたものを読みました。公社で研究しているものを、話を聞いたのと比べれば、余りできはよくないですね。ただ、ぼくは一カ所だけ感心したのですよ。一番最後に、「今、われわれが情報化について、一〇年先、二〇年先をめざして、強力な布石を打たなければ、これらの壁は打ち破れないし、間にあわない。「明日では遅過ぎる」のである。」と書いてあります。そういう時期にいまぶつかっているということだと思いますが、そういう視点からこの納付金、今後の電電公社あるいは今後の電気通信産業というものを考えていく必要が非常にあるのではないかと思いますが、ニューリーダーらしい御答弁をいただきたい。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 ニューリーダーかオールドリーダーかわかりませんが、私は電電公社が今日まで非常にがんばって基盤を築いてきたことについては敬意を表しているのです。しかし、環境も非常にいいことも事実なんです。いつも国鉄等例をとっては申しわけないのですが、これは将来の産業ですね。それで競争相手がない。郵便局と競争しているようなものですから、とても郵便局はかないません。料金値上げすればまた手紙の数よりも電話の方がふえるということで、いま伊藤委員から話があったように、目先のわれわれのことでもプッシュホンに変えるとか自動車に電話を入れるとかテレビ電話にするとか、幾らでも仕事があるわけです。恐らく電電公社だけではできないでしょう。だから、できなければできる人にやらせることも一つの方法だと私は思いますが、しかしこれはやり方次第ではないか。  電電公社が、いままで国営に準じたような公社制度でやってきた、それなりのメリットももちろんありますが、いまおっしゃったようにいろいろなことで制約を受けているというデメリットも——企業としてのアイデアをもっと出したり、もっと生産性を上げたりという点においては、実際はやりづらい点もあることも私は事実だと思う。ですから、それはそれとして将来の問題として検討すればいいことでありまして、とりあえず、その一千億円を出すから電電公社が非常に困ってしまうというようなことを言ったら、正直な話が民間の会社は皆つぶれてしまいますね。ですから、民間と比べればまた上には上もあるだろうが、下には下もございますので、国の方も非常に厳しい財政事情でございますから、民間だってみんな現金そろえて利益が出たわけではないので、この際はひとつ、臨時特例のことでもございますので、年間一千二百億円だけの御協力をちょうだいしたいということでお願いをしておるわけでございます。今後とも電電公社の発展のためには、われわれは御協力できることはできるだけのことはしていきたい、そう思っておるのです。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 私はもうこの法案審議の終盤局面ですから、あえて率直に伺いたいと思っているのです。附帯決議の草案もさっきつくったところですから、もう間もなくしかるべき処理がされるでありましょう。ただ、公社、郵政省、特に公社の方は、大臣がさっきおっしゃったように国は困っているのだから、とにかく臨時特例措置としてがまんして協力してくれと言われて、万々やむを得ずお国のためにと思って御協力することにしてこういう法が出されたという経過でありましょう。  ただ、先ほどの公社の話もありましたけれども、当面、今後の電気通信産業をほかの国におくれないように、しかも世界の先端を行くように進めると、五十八年、五十九年は資金計画の面でも非常に厳しい時期にぶつかるであろう。五十八年、五十九年はまだ千二百億ずつもらう年になっているということもあります。そういうことですから、とにかく、大臣が民間の会社と比較したらこうなんだからという言い方ではなくて、やはりこれからの電気通信産業が持つ重要な役割りというものを十分に理解をして対応されるという姿勢をお願いしたいと思います。  それから、現実問題として五十八、五十九、私はそのあたり、どこかで無理がくる可能性があると思うのです。技術革新もしなければならぬ、膨大な設備投資もしなければならぬ、資金調達もしなければならぬ。それから片方では、納付金払いながら値上げをするというのも筋が通らぬ、当事者としてはいろいろな御苦労をなさることだろう、また職員の協力も得なければならぬということになるわけであります。ですから、国が困っているから協力しろということはありますけれども、困ったり困られたり、これは相身互いでありますから、公社が困ったとき、公社が必要とするとき、そういうときには、さっき郵政省から今後の財投の話がありましたけれども、やはり困ったときに政府としても必要な努力をやっていくという姿勢が必要であろうと思いますが、それは当然ですね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 電電公社は国が一〇〇%出資をしている子会社みたいなものでございまして、これは国と一体だと言ってもいまは差し支えないと思うのです。したがって、それはまず困らないようにやってもらうことが先決でありますが、困ったときは考えるのは当然のことであります。それは当然ですよ。しかし、困らないようにできる、私はそう思っております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 それからもう一つだけ、これは大蔵省に伺っておきたいのですが、先ほど来中央競馬会の問題、また地方競馬、競輪、競艇、その他いろいろなことが出ました。もっと社会にサービスをするようにすべきではないだろうかというふうなお話がございました。私もそういうことではないかと思います。それから今度提案されている開銀、輸銀の問題、私はこれらのことは、特に競馬会の問題なんかはもっと社会に還元してもいいという意味でのコンセンサスも得られる、またそういう筋合いでいいのではないかというふうなものではないかと思います。電電公社の場合にはそういう意味とは筋が違うことだと思うのです。いままでこの法案の冒頭からそれについてのいろいろな御議論がございました。どうも私は理解がいかない。単に会計制度の違いという意味で収支差額、言うならば利益の部分が資本勘定に入っている。その資本勘定から取るのがどうという理屈だけではなくて、やはり冒頭から伺いましたような今後の資金計画、今後の必要な投資その他というものを含めますと、どうしても筋が通らぬという気持ちがずっと続いているわけであります。冒頭からの答弁ではどうも筋が通らないという気がするわけでありますが、今後の電気通信産業分野、公社、そういうことも含めて考えてみて、筋違いなのか違わないのか、どうお考えになっておりますか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 繰り返しになるようで恐縮でございますので簡単に申し上げます。  私どもの考え方は、現下の財政事情にかんがみまして臨時特例的な措置として公社から財政に援助していただくという形で四千八百億の納付金ということを考えたわけでございます。その際に、納付金を納めていただきましてもそれが損益収支に直ちに響かないようにということで極力配慮いたしまして、そのための仕組みといたしまして利益剰余金の取り崩しという形にしたわけでございます。納付金の仕組みといたしまして、競馬会あるいは輸、開銀と仕組みが違います。同じ電気通信事業から納付金をもらう仕組みにいたしましても、たとえばドイツの場合には収入額に対する一定率、あるいはスイスの場合には利益金に対する一定率、アメリカの場合には税、いろいろな仕組みがございますけれども、私どもの考え方といたしましては極力損益収支に響かないような形でということで、自己資本の一部取り崩しという形にしたわけでございます。  それでいまの御質問の趣旨は、さはさりながら今後どうするんだ、今後の電気通信事業の重要性、あるいは国民の電気通信サービスに対する期待、あるいはニーズが多様化し複雑化し、電電公社はその対応を迫られていくであろう、そこのところは大丈夫かということでございます。そこのところは私どもの考え方は、それはおっしゃるとおりだと思うのですけれども、具体的にどの程度の設備投資が必要であるのか、その内容はどうであるのか、そのテンポはどうであるかという今後の問題でございまして、結論的に申しますならば、従来環境にも恵まれながら公社が努力してこられて非常にりっぱな業績を上げておられますが、損益面でも資金調達の面でも十分対応できるのではないか、私どもといたしましてもそういった公社の対応に対しましてはできるだけの配慮をして何とかやっていきたい、こういうように考えておる次第でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 公社と郵政省に、冒頭伺ったような今後の電気通信産業、今後の電電公社という意味から言いますと、もう一つ伺っておきたいのは、今後の経営システムのあり方について公社、郵政省はどうお考えになっているのかということであります。私は、こういう事業分野でありますから、たとえば正月休みに読みましたフランスのシュレーベルの「世界の挑戦」なんかを見ましても、過大と思うほど非常に評価している。しかし考えてみると、国際的に見て非常に最先端を行く、あるいは社会の変化の基礎となる、そういう意味での関心が持たれているというふうなことであろうと思いますし、またそういう関心と関連をした今後の電電公社というふうなことであろうと思います。そう考えますと、最近臨調とも関係いたしまして、民間か公社かというふうな議論がございますが、何か範疇で割り切って、どっちかどっちかみたいな経営形態を行革あるいは財政の都合などで論ずるというのは非常におかしいのだろう、これからの時代、これからの事業に要求される最も適切な形は何だろうかということを考え、またそれに適合するような努力をしていかなければならないということであろうと私は思います。  きのうも臨調の関係者で知っている方に聞きましたら、いやそういう議論を七人ですか九人ですか、偉い委員の方々がみっちりやることにしたのだという話もいただいたわけでございます。臨調の土光さんを初めとする方々でもそうでありますから、話が違いますが、大臣にも財政の帳じりだけではなくてこれからの社会その他、やはりニューリーダーらしい展望を示して、その中でのあるべき経済と財政はこうだといったようなことを少し言ってもらったらいいのじゃないか、そういう勉強をしてもらったら大変いいのじゃないかと私は思いますけれども、それは別にいたしまして、公社あるいは電気通信事業についてもそういうことを非常に深く検討しなければならないというふうなことであろうと思います。そういう意味から考えますと、一定のオフィシャルコントロールといいますか、全体のコントロールシステム、この枠組みというものは今後の多国間、国際間の関係、それからさっきも冒頭に話がありました福祉サービスとか公益性とか公共性とかという部面から見ましても、あるいは新しく出ているプライバシーの問題とか見ましても当然必要であろう。同時に民間の活力に負けない積極的な回復の努力が求められているというふうなことであろうと私は思います。  そういう意味から言いますと、いろいろ回復すべき問題がある。一つには、行政制度の方から言いますと、くしくも総裁が民間からおいでになって御就任のときに、責任は重いが権限はほとんどないということを何か漏らされたそうでありますが、そういうことでは意欲のある活動ということにならないだろうと思います。そういう意味で予算拘束性その他を初めとしてさまざまな拘束を緩和する、当事者能力を拡充する、そういう意味での経営責任を持っていただく。そういう意味から言いますと、幾つか問題があるのではないかと思います。たとえば予算、それから人件費もそのほかも公的な法律で縛られておりますし、そういう意味での拘束性をもっと緩和するということがあっていいと思います。また当事者能力の問題でも、同僚委員も前に指摘をされましたが、経営委員会のあり方、NHKやその他とどう比較するのかということは別にいたしまして、今後の公社にふさわしい形での権威ある、また強力な経営委員会なり、そこに各界の意見を吸収していく強力なシステムというものがあっていいと思います。  また電電公社は昨年いろいろと残念な問題がございました。監査の部内の責任者に聞きましたら、内部監査で、いわば内部の規律の強化を通じてこういうことが発見できなかった、きちんとできなかった、会計検査院その他外部から指摘されたということは非常にくやしいということをしんみり言っておりましたが、これもまじめな当事者としての気持ちであろうと思います。またそういうことを含めて考えてみても、何も商法改正と同じようにというわけじゃありませんけれども、システムとしてこういうことが起きないような、国民に開かれた、また内部規律のあるものをつくらなければならないというふうなことであろうと思います。  三つ、四つ問題点を申し上げましたが、それらの改革というものに対して、公社と郵政省それぞれどうお考えになっているか、簡単に感想をお聞かせください。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 郵政省としてお答えいたしますが、現在郵政省といたしまして、公社の経営形態の問題等論議が出ておりますけれども、あれは五十三年でございますか、公共企業体等基本問題会議の意見書が出まして、その公共性、効率性等の面から見て公共企業体として維持していくのが適当である、こういうふうな御意見も出ておりますし、またいろいろな当事者能力等の問題につきましてもそれなりの意見が出ておりますので、私どもとしてはそれを踏まえておるというのが現在の状況でございまして、それ以上の検討だとかいうふうなことは全くいま考えていない、こういう状況でございます。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 公社のこれから先のことについての御質問というふうに考えますが、私どもいま考えておりますのは、いまの公社でまず大事なことは、この間からのいろいろな不祥事件がありまして社会の不信を買っておるという厳しい現実におりますので、まず自分の姿勢を正すということに当面全力投球しなければならぬと思っております。したがいまして、実力のある自己監査能力を持ちたいということで、具体的にいろいろ御相談をしながら近日中に実現できる見込みを持っております。そのほか政府関係その他のいろいろな平時における御連絡あるいは御指導を仰ぐ方向についてなお力が足らぬように思いますので、その辺の補強をするというふうなことで、開かれた姿を社会に見せていくということに従来よりももっと力を注がなければならぬというふうに思っております。  ところで、納付金の問題につきましては、五十九年度までに納付を終わるわけでございますが、現在の状態から考えますと、五十七年度までば何とかバランスをとっていくのは自信がございます。五十八年でどうだろう、五十九年になるとかなり厳しくなるということははっきりいたしておりますが、私どもといたしましては、現状のままの料金で五十九年度を黒字の決算をして乗り切るということが当面の私ども経営者の責任だと心得て、いまいろいろな作業を進めております。ただ、ここではっきり申し上げておきたいことは、従来どおりのやり方ではなかなか簡単に乗り切れそうにありませんので、具体的に従来のいろいろなしきたり的な法の運営について、法律の許す限りの範囲においていろいろ御援助をしていただくようなことをお願いに参らざるを得ないと思っております。何を申しましても三十三万人の全国に散らばった大世帯でございますので、五十九年度が苦しいからといって五十九年になってお願いしたって間に合いません。二年あるいはそれ以上に早くから手を打ちませんと実際の数字の上で五十九年に効果をあらわすことができませんので、どういうことをすぐお願いすべきかということをいま鋭意研究いたしております。そういうことで、いずれの機会かには具体的にお願いすることがあると思いますので、その点いろいろ御援助をお願いしたいと思っております。  それから、経営形態の問題でございますが、いろいろ世間で議論があるようでございますが、私ども当事者といたしましては、現段階において私どもがその経営形態について希望あるいは反対ということを表明すべき立場には立っておらぬ、それは国でお決めいただくことでございますのでというふうな考え方で社内の方は思想統一いたしておる状態でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 いま総裁の方から現法体系の枠内でぎりぎりの努力をしていきたい、また今後のことについては研究をしてできれば意見も言いたいというふうな趣旨のお話がございましたが、いずれにしてもそう遠くない時期にさまざまの具体的な改革が法制面も含めてなされなければならないという時期に来ている。そういう認識をお持ちなので郵政省側も新しい局をつくり、また懇談会で各界の代表的な人に集まって議論をいただいているということだと私は思います。  その論点整理を見ますと、最初のところに「電気通信の基本的枠組(法制)を再検討し、」「八〇年代電気通信の新秩序の確立について検討を行う。」というふうなことも書かれてあります。その他いろいろなことが書かれてあります。言うまでもありませんが、郵政省の方でも五年、十年とか長い見通しの問題ではなくて、五十八年からの公社の第七次五カ年計画があるわけですから、そう遠くない時期にさまざまの体系を整理し、論点を整理して具体的な執行に移せるような措置をしなければならないという時期に来ているというふうに認識していると私は想像するわけであります。まだこういう審議、討議を始めたばかりですからはっきりはしないかと思いますが、そう遠いことではない。しかしなるべく早い時期にどうしていくのか、その辺は何か計画かお考えがございましたらおっしゃってください。

守住有信郵政省電気通信政策局長

○守住政府委員 いま電気通信政策懇談会のお話が出たわけでございますが、八〇年代非常にロングランでございますが、それに臨みまして政策局として通信政策課題に取り組むべきものは何があるか各界からの御意見を承ろう、これが基本的な趣旨でございます。その中には長期、中期、短期といろいろあるだろう、それを御判断いただきたいということでございますが、特に短期のものといたしましては、実はこの第一にございますように電気通信の新秩序の確立ということでございまして、公社の制度論と申しますかそちらの方ではなくて、特にデータ通信サービスの回線利用制度の問題というのが各界の意見、要望が最近、もうデータ通信制度を開始しましてから十年たっておりますけれども、その利用形態、情報化社会に向かってのあるいはコンピューター化社会といいますか、それと電気通信の結合の中で非常に多様なニードが出ておりますので、その問題を焦眉の急の問題として取り組むというのが現在の状況のようでございまして、なお中期、長期のいろいろな問題、国際化の問題等々もございますわけで、それもいろいろ御議論していただこう、こう考えておる次第でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 次に防御費の問題についてお伺いいたしたいと思います。防衛政務次官、御出席いただきまして……。  最初に大蔵大臣に伺いたいのですが、いままでのこの法案に関係した議論の中でも、防衛費は聖域ではないなどなどのお話がございました。私ちょっと最近また心配なのですけれども、最近毎日、新聞を見ましても、潜水艦の当て逃げ事件もありますし、特に日米首脳会談の前ということもあるのだと思いますけれども、とにかく防衛力強化、さまざまの関連をしたことについて新聞に相当大きなスペースで載らない日はない。先日は駐日アメリカ大使が相当強く日本に要望するというふうなオープンのお話もされておりました。これもいままでの中業見通しではなくて、大綱そのものの早期達成というふうな趣旨を言われていたようであります。何かそういう動きを考えますと、レーガンさんが大統領になって日米相伴って、行革をひやかす意味ではありませんけれども、小さな政府に大きな軍隊なんということになったら大変だ、まあそんなことにならないようにというふうな気がするわけであります。特にそういう意味で最近の相次ぐ報道、いろいろな動き、それから日米首脳会談を目の前にした動き、あるいはまたアメリカからのさまざまな要望その他あるわけでありまして、そういう中での行政改革なりあるいは財政再建なり、血の出るような思いをして財政再建の努力をしなければならぬという状況に置かれているわけでありますが、その辺、聖域ではないというだけではなくて、国の安全を守るんだって軍隊を強化するだけじゃなくて、やはり何といっても外交が大事ですから、それらも含めましてお考えあるいはそういうことについての渡辺哲学がございましたらお聞かせください。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私は防衛費だって聖域じゃないと前から言っているのです。したがって、むだなものは困る。しかしながら、どうしてもこういう国際情勢の中で日本の自衛隊が必要なもので、効率の上がるようなものに、これは必要なものは必要なのでありますから、どういうふうにするかということは専門家の意見も聞き、また、私も全体の予算のバランスという問題もございますから、最終的には防衛の問題は日本人が決めるのがあたりまえでございまして、私はアメリカに行ったときも幹部の諸君にも言っておるのです。きのうも会って言ってきた。それは、やはり国内のコンセンサスが得られないようなほどのものはだめなのでございまして、外部からの防衛よりうちの中がけんかになってはなお困る。だからそういう点は少なくとも国民のコンセンサスが得られる、それでまた理解が足りなかったらPRをうんとして理解してもらったらいいのです。だから、われわれが必要だと思うときは、正しいことは国民に向かってちゃんと理解と協力を求める、こういうことが大切なことですから、決してアメリカの都合というだけでなくて、日本の都合で防衛費は決めていきたい、そう思っています。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 大臣、そういうことですと、例年よりも早いと言われるシーリングのときにまた防衛費は別枠である、ほかよりも二ポイントか三ポイント高いということはないわけですね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 どうするか、日本の都合でふやす場合もあるし減らす場合もあります。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 山崎政務次官に御出席いただきまして、三つお伺いしたいのです。  一つは、これはあなたの揚げ足をとるわけではありませんが、新聞に大きく出たものですからお伺いしたいと思うのですが、五六中業を完全に達成するとGNP比一%を超えることもあり得るというようなこと、これは仲よしクラブの会合ですか、仲よしクラブの会合が何でこんなに大きく新聞記事に出たのかわかりませんが載っておりました。この辺のことを担当防衛庁としてといいますか、また次官としてどうお考えになっているのかということが一つです。  それからもう一つは、前にも当委員会でちょっと話題になりましたが、予算が通ったばかりでありますけれども、いずれにしろいろいろと無理のある予算でございますから、何らかの手当てがこの秋から年末に検討されなければならないということは当然のことであると思われているわけであります。大蔵省も内心では全部そう思われていることだと思います。その中でことしの防衛費伸び率七・六一、九・七と言ったのに比べれば大蔵大臣はずいぶん抑えたとなっているわけでありますが、たとえば人件費、さっき公務員も一%、それがどうなるか、相当厳しいというふうに認識しているというお話もございましたけれども、いずれにしたって一%で済むのかどうか、これもたとえば六%、七%までいったら三百億、四百億という予算になるであろう、正確な数字は出しておりませんが、という気がするわけであります。また、報道によりますと燃料費を大分低く見積もったので百五十億円ぐらいプラスしてもらわないとならぬ、演習も多いのかもしれませんが、というようなことが載っております。そういうことからいたしますと、私ども勘で計算をしてみますと、最終的には昨年比九ポイントの伸び率にはなってしまうということじゃないだろうかという気がするわけでありまして、何か記事を読んでおりますと、そういうことを政府首脳の何人かは理解していてすでにアメリカ側にも話をしているということが、憶測かどうか知りませんが載っておりますが、そういうことの見通しをどうお考えになっておりますか。予算が通って、これから先のことになりますが年内のことでありますからお考えをお聞かせください。  もう一つ、三つ目の質問は、これも新聞報道で、私、大蔵的感覚からしてもへえと思ってびっくりしたのですが、三月十三日の朝日新聞ですが、P3Cも神奈川県に配備されることでずいぶん苦労しておりますが、P3CとかF15とか繰り上げ発注、五十九年度分を五十七年度にもというふうなことが飛行機の写真入りで——何しろ現在の値段で九十七億円ですか、するわけですから、私の方は、平和の問題もあるし、値段の方と予算のことも頭にくるわけですけれども、そんなことがありまして、本当かどうか、三つあわせて恐縮ですが、お伺いいたします。

山崎拓自由民主党防衛政務次官

○山崎(拓)政府委員 お答えいたします。  まず第一点でございますが、これは去る三月十八日私どもの衆議院当選四回生議員と鈴木総理との懇談会がございましたときの私の発言についての記事でございます。その概略を申し上げますと、私が発言をいたしましたのは、防衛庁の見解を申し上げたのではなくて、四回生議員の一人としての個人的な見解として申し上げたのであります。その内容は、現下の国際軍事情勢にかんがみましてわが国としては「防衛計画の大綱」の水準に一日も早く達する必要があるのではないか、それで五六中業におきまして「防衛計画の大綱」の水準に達したいということを申し上げたのであります。その際、今後のGNPの伸び率あるいはその規模等についてもちろん不確定でございまするし、また「防衛計画の大綱」の水準に五六中業で達した場合の防衛費の規模につきましても不確定でございますので、対GNPの比率がどの程度になるか、これはわからないのではないかということを申し上げた次第でございます。  それから第二点でございますが、伊藤先生の御質問の趣旨は今後予算の補正を考えておるかというようなことではなかろうかと思うのでありますが、その中で特に具体的に御指摘のありました人件費の問題でありますけれども、これはまだ人事院勧告が行われておりませんし、またその結果の政府の対応もわかっておりませんので何とも申し上げられないわけでございます。まだ現段階におきましては防衛庁として補正予算等について全く考えておりません。  それから第三点でございますが、私も新聞記事を拝見いたしましたが、五三中業におきましてP3Cに関しましては三十七機、F15に関しましては七十七機調達する計画であることは御案内のとおりであります。すでに五十五年度におきましてP3C十機、F15三十四機を調達する予算をお認めいただいたところでございます。したがいまして、残るP3Cの二十七機並びにF15の四十三機に関しましては、これを五十七年度から五十九年度の間に調達する必要がございます。ただ、五十七年度に何機分予算を要求いたしますかは中期業務見積もりの見直し及び五十七年度業務計画案作成の過程で検討してまいり、かつ決定いたしたいと考えておるところでございまして、現在のところ何らかの方針を決めたということはございません。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 いろいろとまた防衛関係費の後年度推計とか正月以来も大分話題となって、あちこち数字をいじくったりしたのですが、もう時間がありませんのでまたの機会にお伺いしたいと思います。  また、山崎次官にお願いしたいと思いますが、昔は愛される自衛隊が合い言葉だったけれども、最近は戦って勝つ自衛隊になんというのが合い言葉になっているとかあるわけであります。さっき大蔵大臣もおっしゃいましたが、そういう変化があるということをわれわれは聞くわけでありますけれども、最近大臣はわが日本国民のベースの上に立ってというようなことを言われましたが、いろいろと今後の防衛問題、国民から遊離した危険な議論にならないようにお願いしたいと思います。  時間ですから、済みません、一分だけ大臣に。  フランクフルトからロンドンから、日本にお帰りになって国会一日目ですが、きのうはロンドンきょうは東京で飛びますが、これは国際的な仁義がありますから言い方は気をつけていただいて結構なんですが、五カ国蔵相会議、発表しないのが慣例らしいのですが、何か前から新聞報道ではポーランドのことが話題となるということがちょっと報道されておりまして、債権国会議なんかも月末には最終結論を出す。それから民間の分もありますし、政府信用にかかわる部面もあります。またそういう中でこの融資問題にどう対応するのか、金融支援の問題にどう対応するかという新規の問題もあります。五月には「連帯」のワレサさんがいらっしゃるとかというようなこともありまして、一体こういうことを通じてどんな姿勢をお持ちになっているかということを伺いたいわけであります。特別の五カ国の蔵相会議のようでありますから、だれがどうとかそういうことを伺うつもりはありませんが、日本国大蔵大臣としてどんな対応をなさるべきかあるいはなさろうとお考えになっておるのか、一言お願いします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 ポーランド問題が出たとも出ないとも申し上げることはできません。できませんが、要するに日本も昨年は相応の協力はしたわけです。しかしポーランドは日本と遠い国であります。また経済的にも関係の薄い国でもございますから、日本が先に出しゃばることは何にもない、こういうことであります。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 終わります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 渡部一郎君。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 財確法につきお尋ねするわけでありますが、電電公社の問題を少し取り上げたいと存じます。  最初は非常にスムーズにいくはずでありますが、電電公社の国庫納付金は昭和二十七年日本電信電話公社法が国会で成立する際、政府原案に織り込まれながら衆議院、参議院ともに修正されまして削除された経緯がございます。しかしながら、今回の財源確保を図るための特別措置に関する法律案におきましては四千八百億を四年間均等で国庫に納付しなければならないとなっているわけでございますが、この国庫納付について電電公社はどういうふうに受けとめておられるのか、また納付金四千八百億というのはなぜそうなったのか。また、電電公社は専売公社とも違い、収益を得るための存在ではなく、サービスの改善、積滞解消などの目的があり、完全独立でいくべきだということで納付について議論されてきた経緯があるわけであります。今回の措置は納付についての方針転換なのか、また電電公社の役割りあるいは使命が変わったということなのか、その辺を当初に戻ってお尋ねしたいと思っておるわけでございます。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 お答えいたします。  この国庫納付金につきましては、公社としては端的に申し上げまして財政再建に対しますいわば協力金の拠出というふうに受けとめておるわけでございます。公社には通話料の遠近格差の是正ですとかあるいはサービスの地域格差の是正といった幾つかの固有の問題がございます。ございますが、また国の方としましては現下の財政再建という非常に緊急、緊要な課題を抱えておるというところからの協力の要請を受けまして、政府関係機関としましてこれにまた協力するということもやむを得ない措置であろう、こう考えまして臨時かつ特例的な措置ということで国庫納付をすることになったわけでございます。  公社の事業運営の基本としましては、先生御指摘のとおり発足以来独立採算制または受益者負担ということを本旨といたしましてサービスの提供に努力をしてまいりました。今回の措置につきましてはこれは期限を限りましたきわめて臨時のしかも特例の措置というふうに受けとめておりますので、私どもの事業運営の考え方の基本としましては独立採算制の理念というものは今後とも保持、堅持してまいりたい、かように思っております。サービスの提供に対する社会的な責任につきましても今回の措置によりましていささかも変わるところはない、かように考えております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 言ってみれば、これは財政再建の話を横にどけて話をすれば、わずか百八十八億円の出資をしたという最初のひっかかりがあるために四千八百億円のお金を取られるというのは、まるで町のごろつきにおどかされてお金を取り上げられる哀れな中小企業者に変わらない。そういうお立場にあり、しかもなおかつ納付金のごときものは納めないとさんざん言っていたにもかかわらず、迫られて、これはどういうことなのか、いまのお話によると協力的拠出、まるでやくざがお祭りをやるから祭礼の拠出金を出せと言ってかみつかれてきたときに、仕方なしに泣きながら、それじゃお祭りの祭礼の協力金を出しますよと言って出させられたのと非常に似ているわけだな。だから私どんなお気持ちで、財政担当者は要らないから、総裁という偉い人が来ておられるわけだから、その総裁はどういうおつもりでそれを出させられるおつもりになっておられるのか、その辺からちゃんと伺いたい。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 この問題は私が着任する以前に大体方針が決まっておりましたので何とも申し上げかねますが、個人的な立場としまして民間の考えで少しそろばんをはじいてみましたら大体四千八百億というのは、百八十八億円の資本金に対して税金を払い、一割二分配当したということにほとんど似たような数字になってまいります。もちろんその配当金を無税で八分ぐらいに回してそれから税金も取ったという形に大体バランスしているように思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 これまたかなり物すごい答弁が行われた、ちょっと私もギョッとしたのでありますが、そういう論理でそれをのみ込まれたとすると、これは財政当局としては何とか言わなければならぬことだろうと思いますね。というのは、なぜかと言うと、まじめに財源確保のための法律と言いながら実際的にはおつに絡んで無理やり文句の言えないところから金を巻き上げたというだけでは、そのしこりが後々よろしくない状況をもたらしてくると思うからです。というのは、道理でない財政再建などというものは後にもっと大きなショックを招くからだと私は思います。大体一割二分配当に当たるから出すのはやむを得ぬと言われたのは、後から自分を慰めるための後づけの理由だろうと思いますが、きわめて皮相な意見だろうと思います。これは大蔵大臣、どういうふうにお聞きになっておられましたか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 百八十億しか出さないで四千八百億も取るとはけしからぬというお話でございますが、日本銀行は一億円の資本金で、五十六年度は七千三百億ですか莫大な納付金を納めてくれるわけです。それから競馬協会も、あれは全部国から日本競馬会に払い下げたものだ。そこで納付金を取るのはおかしいじゃないかという議論の人、ここで意見を言った方もございます。国のものじゃないのだから、何で納付金、おれが出さなければならぬ、みんな言い分はいろいろあるわけですよね。民間の人は会社を持っていても、国から別に資本金を出してもらわなくても、新日鉄でもどこでもみんな株を集めてちゃんと配当して、国にも税金半分納めてくれておりますから、それは理屈を言うとお互いにいろいろあるだろうと思うのです。しかしいずれにせよ、電電公社と国は本当に親戚みたいなものでございまして、本家が非常に苦しいということで国民にも増税までお願いしなければならぬというような状態の中ですから、今回は税金も納めてないことでもあるし、一兆六千億円の利益準備金の中から一千二百億円ずつ四年間にわたって臨時の措置として協力を願いたいというだけのことで、私は余り法律上の細かいことはわからないのでございますが、そういうことで話し合いをした結果、それじゃ協力しようということになったわけでございます。  これは民間の方から聞いてみると、電電公社は税金を払っていたと思っている人の方が多いらしいのですよ。しかしそれだけの利益があるのならば、それぐらいはおれらも増税で払うのだから同じじゃないかというようなお話もございますので、御了解いただきたいと考えております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 ただいまの御議論は、法律的な見解について余りお触れにならず述べられたものでありまして、論議の上ではこの御説明では不十分なものと存じますし、大臣御自身がその点はよくわかっておられて、わざと諧謔めかしてお答えになったのだろうと私は思います。これは公社法の法的な基礎から論議いたしますと、多分に問題があると私は思います。ただ、この議論、余り長くしておりますと、ほかに行きませんから、この辺でちょっと先へ進めます。  電電公社としては、この納付金の捻出のために十年間の借り入れを行いまして、利子元本合わせて八千二百億、昭和六十九年まで返済が続き、かなりの負担になる。またその余力があるか、この辺のところをお尋ねしたいと思います。  これは大蔵省や行政管理庁が公社の不正経理というものをこの際一挙に暴露することによってこうしたものを押し切ったというニュアンスの報道すら行われており、またこれらの電電納付金を料金転嫁する含みを持ってこれらの法案はのまれたということもこれあり、中には電電公社を民営に移管するぞという威嚇も同時に行われたように見えるわけであります。これは電電公社側としては、非常にやりにくい局面に処してこの法案に対処しなければならなかっただろうと同情いたしております。  私は、政府が本議場で法案を審議して新しいルールを国家として決める以上は、それに従ってもらわなければならないのは当然だと思います。ですから、それをどうこう言っているわけではありませんが、こうしたやり方で一気に電電公社を追い詰めることがわが国にとってプラスなのかどうなのか。そしてそういうやり方が政府の信用を、電電公社あるいは電気通信産業行政全体に対する影響性というのはどうなのか、きわめて不安な感じがいたすわけでありますので、あえて伺うのでありますが、これらの納付金の先行きの捻出の問題について、電電公社のトップはどういう見解でおられるのか承りたい。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 お答え申します。  決まりました以上は料金を値上げせずに、この納付を進めていきたいと考えております。さっき御説明がありましたように、納付金については損益勘定には出ない計算方式になりますから千二百億出していくのが損益ですぐ赤字ということにはなりませんが、財投で借りかえるわけでございますから、その金利負担は納めた日からついてくるわけでございます。それは四千八百億仮に全部財投で借りかえたといたしますと、一年間に約三百七、八十億くらいの金利負担になります。それだけが結局電電公社の経費増として四年間にわたってひっかかってくるということは否定できません。それがフルにかかるのが昭和六十年からでございますが、われわれがどこまでほかの費目を合理化することによってあるいはまたいろいろな情報産業に対応することによってどれだけ増収をしながらバランスをとっていくかというのが私どもに課せられた責任だというふうに考えております。そういう観点でまじめに本気になって追っかけていくというよりほか方法はございません。さっき申し上げましたように、その途中でいろいろな問題当然出てまいりますので、それについては前向きのいろいろな御考慮をお願いしなければならぬことがあることは確かでございます。いずれ具体的にお願いに回ることにしたいと思っております。ただし、さっき申しましたように非常に非常識なことをお願いする気はございません。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 電電公社の累積剰余金は現在までのところすべて建設投資に回されており、予算より黒字幅が大きくなったらその分は投資に要する外部からの借金、いわゆる電電債の発行額を減額するために充てられる仕組みになっております。特に五十一年度末は五千五百九十億の累積赤字を抱えておりましたが、五十二年の電話料金の値上げによりまして黒字になりまして、五十二年度は赤字穴埋めに三千三百七十二億、建設投資に一千十八億、五十三年は赤字穴埋めに二千六百十億、建設投資に千二百九十八億、五十四年度は建設投資に二千九百六十四億円、穴埋めの方は千五百六十五億と建設投資に大きな費用がかけられるようになっております。  今回、国庫納付金を認めることによってどんなことが起こるかというと、電電料金は法定料金でございますから、剰余金が出たからといって国庫納付金にせよというのはちょっとおかしいんじゃないかと思われます。現に五十六年度は千四百億円の黒字、五十七年度は数百億円の黒字しか見込まれていないわけでありますから、ここから毎年千二百億ずつ抜きますと、たちまち赤字に転落してしまう、こういうことになると思います。そうすると、電話料金を値上げするという方向に、いまの御言明にもかかわらず一気にいく。結局、何のことはない、国民の税金に加算されてくる、こういうふうになってしまうのではないか。電電債の導入の際に受益者負担の考え方が導入されておりますから、こういう形でツケを回しますと、結局、電話受益者というよりも国民の税金にこれを課することになってしまって、別の種類の増税という形になるのではないかと私は思うわけであります。したがって、ただいま総裁は、料金を当分値上げすることなくと言われましたが、途端に赤字になってしまう公社財政を抱えられて、またお願いすることもあるからと言われました。どんなお願いをしに来られるか、まことに恐るべき発言でございますが、何をお願いされるのかわかりませんけれども、電話の料金にさわらないで何かをなさるのかどうなのか、その辺は全くわかりません。ただ、推論するところ、こういう形で赤字になってくるという様子について財政当局とよくお話を詰められたのかどうか、私はお尋ねをいたします。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 私がいま申しましたのは、生産性を上げる手段としていろいろなことをお願いに参るつもりでございます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 また今度はえらい短い御答弁で、審議促進に協力されていると感謝いたしますが、いよいよ言いにくいことを私が聞いたようでありますね。結局赤字になる、その赤字のツケはどうしてくれる、こんな変な法案を出して、私は耐えがたい思いである、踏んだりけったりではないかという恨みを込めていま一言言われ、黙って引き下がられたものと私は思います。  財政確保という名前はいいけれども、電電公社いじめに属するやり方というのはどうかと私は思う。というのは、私は全然別の観点で大蔵大臣に一つだけ申し上げておきたいのは、わが国の存立の上からいって、電気通信事業というものの必要性、特に巨大な研究所を擁し、世界の先進的技術を確保し、しかも、ある意味で、アメリカにおける同種機関のごとく軍需産業と密接に絡むことなく、世界の電気通信事業に貢献しつつあるこのような企業体というものは、ある意味でこれを善導し、発展せしめることは、広い意味の日本の安全保障にとって不可欠の存在だと私は思うのであります。  本日は電電公社の肩ばかり持っているようで恐縮でありますが、後の日にまた悪い点はがっちり指摘いたしますが、こういう大所高所を考えますと、電電公社からお金だけ取ればいいというものではなかろうと私は思います。その意味で、電電公社の問題については、今回はお金だけ取る、ともかくある意味で形をつけられたのはわかりますが、今後の運営についてはもう少し綿密かつ合理的、効果的、また日本の安全保障も考えられた行政の観点からこの問題について処理していただきたいと、国務大臣、渡辺大臣に対してお尋ねしますが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私も電電公社の重要なことはよくわかっておりますし、それから非常に時宜を得たということもございましょうが、時代に合った仕事で、しかも労使の努力でりっぱに地盤を築いてきたということは私は高く評価しているのです、実際は。しかし、一方、あれも偉いと私は思っているのですよ。新日鉄なんというのも国有だったのですが、民営であれだけ世界一になって、KDDなんというのは国有じゃないですが、千五百億で二百億円も税金を納めている。ずいぶんむだ遣いもしたようですね、世間でいろいろなことを言われて。それでも利益が三百六十億も出るというのですからね。どこに秘訣があるのか、私は、こういうものはまるきり同じシステムじゃございませんから、そのまま当てはめることはもちろん考えておりませんが、やはり民間の企業のやっているいい面も取り上げて、そして生産性を高める方法、まして電電公社の場合はいろいろ仕事の分野が無限だと言っていいくらい非常に多いんじゃないか、そういう点、国鉄とは全然違う立場にある。ですから、これはやり方で、新総裁も実業家で来られて、やはり国に配当しなければいかぬという気持ちでお引き受けしていただいて、ありがたく思っているのですが、今後ともよく相談をしながら、国民のためにもなりそれから国家のためにもなり、電電公社自身も体質改善になるということを一緒に考えていきたいと思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 それでは、電電公社のテーマはここまでにいたしまして、次のテーマにかかりたいと思います。  今度は大蔵大臣にお願いしたいのですが、私どもが財政再建を考える場合に、はなはだ不本意に思うことの一つは、公共土木事業に関する遅延であります。当初の見積もりが五年間だというのに、それが十五年にまで延びてしまう。これは何のことを言っているかというと、東北新幹線と上越新幹線の例であります。四十六年の十月十四日に着工し、五十一年度に完工するというのが、完成予定は実に六十一年であります。当初の見積もりが八千八百億であった東北新幹線は、現在総工事費は二兆五千九百七十億、実に三倍近くになっているわけであります。また上越新幹線も同様でありまして、当初の五カ年の計画が十五年に延びてまだ実行中であり、四千八百億が実に一兆六千八百六十億、これはまさに三倍を超える膨大な費用を要しているわけであります。また青函トンネルは四十六年九月に着工、当初完成予定は五十三年度なのに、五十八年度が完成予定であり、当初の見積もり二千十四億が四千六百五十億であります。これまた二・三倍のランクになっているわけであります。新東京国際空港においては、A滑走路が四十二年に着工、当初完成予定が四十六年三月、四年三カ月の予定が五十三年の五月に完成、一千億のものが、その他の設備も要したのではありますが、四千五百億になっております。  見積もりが違うということは民間工事においてもしばしばあることであり、一割、二割あるいは場合によっては五割というような状況があることも事実でありますし、民間工事と違って、特に激しい住民との協議あるいは打ち合わせというようなものが滞るため、物すごい費用がかかっているということもうなずけるわけであります。それを全部攻撃いたしているわけではありません。しかし、少し大き過ぎる。そして、小さい金額が二倍にふくれ上がったのならがまんができるけれども、数千億のものが三倍になる、四倍になるというばかげた状況に対しては、これをもう看過するわけにいかない。これではまるで、ざるで水をすくうようではないかと私は考えるわけでございますが、こうした問題について、見積もりがだらしがないのか、途中のもめごとが予測できなかったのか、工事期間に対する算定が全く食い違っていたのか、いろいろな言い方はできるでしょうが、不穏当かつ不適切なことにかけては間違いがないと私は思います。財政を預かられる大蔵大臣としてもかなりの問題意識をすでにお持ちのことだと思いますし、——行政管庁長官がちょうどこのぐらいで入っておられるはずなのに、これ以上入ってこられないと質問やめますぞ。この辺からいいところなのに。行管庁のほかの役人は来ていますね。後でちゃんと言ってくださいよ。  それではまず行政管理庁、これほどだらしのないのを、だらしがないと認めているのか認めていないのか、指導しているのか指導していないのか。最初の見積もりの三倍にも四倍にもなっているのを何でほっているのか。それからまず伺いましょう。

門田英郎行政管理庁長官官房審議官

○門田政府委員 お答えいたします。  先生御指摘の公共事業につきましての工期のおくれあるいはその間における経費の増大という問題でございますが、公共投資、公共事業というものが極力計画どおりに実施されていくべきであるということは御指摘のとおりというふうに考えております。ただ、こういったふうに計画が変更になるのは、すでに御案内かと存じますけれども、工事中における単価の上昇あるいは用地取得の種々の技術的な問題、あるいは当該公共事業の周辺対策の問題等々、当初の見積もり、予想と食い違ってくるような事態が生じてきているということによる場合であろう、こう考える次第でございます。こういったことは事業の実際の実施上ある程度は避けがたい面があるのではないだろうかというふうに考えておりますが、なお一層私どもの方としても、計画検討として段階でその検討の充実が行われるべきであろうというふうに考える次第でございます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 いまの答弁ははなはだけしからぬのです。私がちゃんと言っていることを何で繰り返す必要があるのか。オウムじゃあるまいし、繰り返せばいいというものじゃないだろう、本当に。私は、それに対してどう処置したのか、今後どう処置するのかを聞いているわけですよ。民間だってよくある。そういう事情が幾らあるにしたって、一つの見積もりが三倍も変わるとは何だと言っているのじゃないですか。それをどう処置したのかと聞いているのじゃないですか。そういう問題意識はいままで持ったことがありません、私どもは怠けておりました、行政管理庁というのは一番処理しなければならない官庁なのですと言うなら答弁は許してやりますよ。行政改革の対象として、こんなに働かない、怠けている官庁があるか。三倍じゃないか、それをどう思っているのかと聞いているのじゃないですか。しかるべき答弁をしなさい。長官が来なければ答えられないのなら長官が来てからと言いなさいよ。

門田英郎行政管理庁長官官房審議官

○門田政府委員 お答えいたします。  行政管理庁は累次の行政監察におきまして、種々の政策的な見地からのいろいろなテーマについての監察を行っている次第でございますが、先生がただいま御指摘の公共事業についての工期の大幅なおくれあるいは工事費の増大という問題について直接調査をした経緯は、私、承知しておりません。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 そうすると行政管理庁というのは、そういうものを直接調査したことがないから知らぬ、こういうわけですか。知らぬから責任がないというわけですか。言ってください。

門田英郎行政管理庁長官官房審議官

○門田政府委員 ただいま申し上げましたように、行政監察におきましてそういう調査をしたという経緯を、実はとっさの御質問でございますので私ただいま承知していません、そういうことをお答えしたわけでございます。申しわけございません。御了解をお願いします。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 これは、こういう答弁を行管庁がやるのじゃ質問になりません。委員長、恐れ入りますが、質問を留保させていただけますか。これはもう話にならない。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 行政管理庁長官は、いま決算委員会が終わりましたので、いま参ります。もうちょっとお待ちください。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 行管庁長官がお越しになりましたので、行管庁長官に。  事情はお役人の方が御説明なさったと思いますが、私がいま問題点にしようとしているのは公共土木事業に関する分野でございまして、新幹線とか青函トンネルとか本四架橋とか国際空港とか例を幾つか挙げまして、その着工当初の完成予定日と着工当初の財政見積もりがはなはだしく変わっておる。期間で言うと、一番ひどいものは五年でできるというのが十五年に延びる。また財政的に言うと、費用が実に二倍半から三倍半ぐらいまで引き伸ばされている。一項目が数千億も要するものですから、ばかばかしい国費の乱費になっておる。行政改革の声もはなはだしいときでありますが、たしか長官は、行政改革というのは機構をいじるだけではなくて、それを担当する者の意識もまた改革しなければならぬと先日力強くおっしゃったのを私は感銘をもって伺っているわけでございますが、こういうひどいむだ遣い、でたらめな見積もりが慣行のごとくなっていることに対してどう考えているかをお尋ねしたわけであります。そうしましたら、御答弁ははなはだ不十分でありまして、いきなり言われてもそういう問題は調査してないから知らないというのがいままでの御答弁の趣旨でありましたので、私は不快の念を示し、長官のおいでを待っていたところであります。  こうした工事が簡単に、当初の見積もりどおり行くものでないということは私もわかっているとすでに申し上げてあります。しかし、三倍とか四倍とかというランクになり続けていくこういう体質を改革するために何かをしなければいけない。中曽根大臣の先輩であられた河野一郎さんが関西圏において国道の建設を猛然と速めることによって財政効果を上げたということは、関西圏の地方自治体の首長はいまだにそれをたたえて言っているところであります。私は、こういう大きな金額が雨ざらしになって十何年も寝ている、その金利を考えないということ自体が行財政のはなはだしいしくじりだと思います。重要な点として取り上げられなければならないのではないかという観点から申し上げておる。それについて長官の御意見を承りたい。また、今後の御決意を承りたい。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 まず、政府委員の答弁が大変不十分なものでございまして失礼をいたしたことをおわびいたします。  第二に、ただいま御指摘になりました公共事業、特に大型公共事業に関する点は御指摘の点が多々あると思いまして、私たちも大変残念に思います。これは今後のわれわれの行革あるいは行政監察の対象として真剣に考えていかなければなりませんし、まず、これらの事業を始める際に、その見積もりが果たして的確にそのとおりいくかどうかよほど大蔵省や関係当局が吟味して監査しなければならぬだろうと思います。こういう事業が始まるときにはややもすれば政治的な影響によって行われる場合が多いので、政治的妥協の産としてそういう事業見積もりが科学性というものを無視して行われるきらいなきにしもあらずであります。  それから、事業が始まりましてから、おっしゃいましたように金利の概念というものは政府の仕事にはございません。それから人は、一般会計やその他で金が出ているものでありますから、人件費の概念というのもございません。要するにバランスシートという概念がないのでございます。この点は、公共事業についてもわれわれがこれから大いに監督を強化しなければならぬ点であると思います。事業の性格によっては、関門あるいは青函の場合のように、水が出たり、土質が思わぬ土質であったりして事故が起きたりしたという例もございますけれども、それらにいたしましても、事前のボーリングをするとか、よほど見きわめてやるべきものでなければならぬと思います。  それから最後に大事なことは、いまおっしゃったように、工期が三倍になるとか、工費が二倍、三倍になるとかという場合に、だれが責任をとるかということであります。これが不問に付されておって、そして無責任な仕事がそのまま継続され、また新しい仕事が次々に起きてくるという風潮は、大体高度経済成長時代、自然増収で相当税収があったときの頭の惰性の流れで来ておるのではないかと思います。こういうことは、まずわれわれが精神面において関係者を引き締めると同時に、それらの監督行為についてももう一回見直してやらなければいかぬ、そのように思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 ただいま、まことにいい御答弁をいただいたと私は思います。私は早速お願いしたいのでございますが、大型公共土木事業を今後始める場合には、よほど丁寧に初めから工期あるいは費用の見積もり等につき、また責任者の所在等につき厳重な点検を行った上スタートしていただきたい。また、現在行われつつある事業については集中的かつスピーディーにこれを行い、金利負担をこれ以上上昇せしめることのないようにしていただきたいと行管庁並びに大蔵大臣にお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 ただいま申し上げましたように、思いを新たにいたしまして発想の転換をやって、これらの監察、監督をやってまいりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 限りある予算でございますから、ただ、いままでの慣例どおりばらまいて十年もかかるということがいいのか、幾つか手がけておれば緊急度から早く、十年かかるものは四年で仕上げるというものを先行させた方がいいのか、これは非常に重要な問題だと思います。いままではいろいろな関連があって、いままでの実績主義みたいなもので予算を配分しておるというのも事実でございます。政治的な圧力もかなりある。去年までついていたのがことしは全然つかないということになると、騒ぎになるわけですよ。ですけれども、公共事業の予算などを大幅に伸ばせるという財政事情にはございませんから、これからはやはり御趣旨のような点も十分に考慮して予算づけをする必要があるのじゃないか。それには、各省庁の中でも、限りあるもので同じ金を投下してどういうふうにしたら一番早く効果が出るかということも考える必要があろうかと存じます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 くどいようですが、住宅公団の例を大蔵大臣にちょっと聞いていただきます。きょうは建設関係をお呼びしておりませんでしたので、私の伺ったペーパー、お役所からお話しになったペーパーをそのまま申し上げます。  朝日ケ丘団地というのがございまして、千葉県でございますが、四十七年の三月に着工、五十一年の四月に完成いたしましたが、公共下水道が未完成のために入居できず、総工費が九十一億円で、うち償還分が八十三億円、五十一年四月から五十五年の三月まですでに二十億円の利子を支払っており、その他に保守管理費として五千八百万円が支払われております。つまり総工費九十一億ですが、二十億の利子を払った上、保守管理費を六千万円近く払ったというばかげた話がまだ続いております。五十一年四月に完成したのですから、今日に至るまでそれから五年たっているわけであります。公共下水道の建設の見通しが悪かったというのがこの悲劇を生んでいるわけであります。  次は兵庫県の武庫川団地であります。これは工事計画では七千二百二十五戸つくり上げたわけでございますが、千九百九十二戸しか入っていない。どうしてかと言うと、地元の民間鉄道との関係の打ち合わせが悪く、新鉄道の建設が拒否されたため、交通の便が悪いと称して保守管理をいたしているわけであります。全体の三分の二ががらあきです。  このような現在保守管理中の団地が全国で五十団地、一万九千三百四十七戸、利息の支払いが百六十四億、保守管理費は五億二千九百万、これは昭和五十二年から五十四年の分であります。  人間が一人どろぼうすれば、千円でも日本の警察は追っかけてそれを逮捕しようとする。ところが、五億二千九百万円の保守管理費だとか利息の百六十四億を失いながら、それに対する責任者は処罰された例を私は聞かない。  このだらしのない住宅公団のやり方、言語道断と申しますか、余りのことにあきれ果てているわけであります。これであるならもうつくらない方がいい。それよりも多少の費用を使ってこれらの団地が生き返るように投資をする、新規事業をやめてこういう古いものを決着をつけるという方向に向かわれた方がいいのではないかとまで思っているわけであります。しかしこれは解決の一つの策にすぎず、もっといろいろな対策を、現場に偉い方が踏み込んでいただいて対処されるのが必要じゃないかと私は思っているわけであります。  こういう問題に対してまじめに対処しなければ、国民は増税の中で、その幽霊のような、お化けのような大団地を見ながら、見ろ、おれたちの税金はあのざまだということが、この該当エリアでどんなにひどい反撃になって政治不信の波風を立たしているか。千葉市の朝日ケ丘団地とそして兵庫県の武庫川団地の周辺に行ったときの住民の恐るべき反応というものを味わっていただかなければならないと私は思うわけであります。  この点恐縮ですが大蔵大臣に、こうした問題に対する政府の御見解というものをまとめてお尋ねしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私も前にも聞いたことがございますが、本当に親方日の丸でなければこんなことは起きない。民間の会社だったら恐らくもう会社がつぶれてしまいますからね。親方日の丸だからつぶれない。そんな安易なところに建てた、それに建てても人が入らない。神奈川県あたりもそういうものがあるそうです。したがって私は、要らないものを買い込んでしまったり入らない家をつくってしまったりしたら、みんなそれを売ってから、売った金で来年の仕事をしろというくらいの厳しいことをやる必要があるのじゃないか。国だからつぶれないというような考えがなきにしもあらずだ。また立地の選定等についても、どういうことでそんな人の入らないようなところにつくったのか、そういう問題もいろいろあろうかと存じます。本当に、こういうことは二度と繰り返さないように、これからはそういうような立地選定なんかについても責任をとってもらいたい。それでなければ国民の税金を予算づけするのは非常に困る、私はそう思っておりますので、今後とも厳しくそういうものは査定をしてまいりたいと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 財源確保法を論議するに当たって、財源を確保するというプラスを政府の財政にもたらそうとしたら、出る方のだらしないざるで水をすくうような部分の穴埋めをしなければ、財源確保になり得ないわけですね。それを私どもは考えなければいかぬと思います。  私に老婆が一人おるわけでありますが、国会議員になったときに、私が何億円というような話をしていたのを横で聞いていて、初めは何万円を恐ろしい金だと思うだろうけれども、年をとって議員になれると何億円があたりまえの数字になってきて、そういうお金での失敗が平気で耳元を通り過ぎるようになったときは堕落だよ、そううちの老婆は私に教えたことがあります。私は、こういう膨大な数字にショックを受けない担当の方がおられるということ自体を改革しなければならぬと思いまして、この法案の審議に当たって一つ申し上げたわけであります。  次に私は、時間がございませんが、非常に重大なプライバシーの問題について、行管庁長官がかねてより御担当でございますので、基本的な問題についてのみお尋ねをしておきたいと思います。  それは、プライバシーの保護について、早急な対策を要する時期になったと私は存じます。というのは、国家権力と個人の生活のかかわり合いがますます増大しておりますし、私的な取引におきましても日常生活における個人情報というものがきわめて価値が高まり、企業がそれに関与することが多くなっております。OECD等においても、プライバシー保護の問題について国際的な打ち合わせが行われているようでありますが、プライバシーの保護規定のない国に対する個人情報の伝達というものにブレーキをかけようという国がすでに出ているわけであります。  また、コンピューターと通信技術の進展で個人情報の収集、加工処理、機構、記録、利用が広範囲に行われているということでありまして、こうした問題について政府は審議会等におきまして扱いを開始されておられるようでございますが、スピードがのろくて心配をいたしております。ところが、最近国際的なコンピューター関係の会社がデータ通信の国際化に伴いまして、マーク3とかサイバーネットとかテレネットとかチムネットとかユーロネットとかノルディック・データ・ネットワークとかシッターとかスイフトとか、こうしたたぐいの国際的なネットワークによりましてわが国のデータも国外に収集されていく、そしてそれらのデータをまた買うということで、データが国際化されつつあるという様子になってまいりました。  最近、フランスの財務省のデータがアメリカのデータバンクに蓄えられており、カナダの行財政データがアメリカのデータバンクに収集されているということが両国において問題化しつつあります。わが国のデータも最近海を越えてそれらのデータバンクの中に収集が開始されております。広い意味でこうしたデータバンクの所在というものは、公的な機関のある意味のプライバシーの問題でありまして、これらに対する処理は急がなければならない問題だと思います。しかしながら、わが国においては法制上これに対する適確なものがございませんので、これに対する処理は自然に放置されていると言っても過言ではない状況にあるかと存じます。大臣に、この辺に対する御見識をまず承りたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 プライバシーの保護の問題は、公的プライバシーも私的プライバシーも御指摘のように非常に重要な段階になりつつあると思います。私の方では学者を集めまして、プライバシー問題の研究会をもう相当回数やって、これをどういうふうに取り扱うか、そろそろ結論を出してもらう時期に到達しつつあります。     〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 公共の安全あるいは公共の秩序維持のため、あるいは個人の秘密保護、人権擁護のため、こういう種々の面から公的並びに私的あるいは企業的プライバシーの保護が要請されておりまして、特にOECDにおいては、これが国際間に流れていくのを防ぐために立法措置をやろう、あるいは条約も考えなければならぬ、そういう方向に動いてきております。これらの時代の流れに沿うて、日本も国内プライバシーの保護それから国際的流通の問題について検討を加えて処置していかなければならぬと思っております。  ただ、一般に公表していい程度の情報が各国間に流れることは必ずしも否定すべきではないのであって、そういうものがお互いに公開されあるいは蓄積されていけば国情がわかりますから、無用な戦争をしなくなる、そういう効果も逆にはあると思います。そういう面において、国際秩序や平和を維持するという要件も逆の面では考えられますので、そういう要件をどう調整していくか、今後検討していくべきであると思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 私はただいまのお話で大筋は大変結構だと存じますが、この電電公社の問題を、納付金の問題と絡めまして電電公社の民営論と簡単にくっつけられまして、日本の公的、私的のプライバシーの問題がガードされる前に、各国のそうしたグループによって奇妙な形で利用されることのないような御配慮もまた十分お願いをしたい。そうでないと、電気事業を分割したときとは違って、電電公社というものを簡単に分割処理をいたしますと、そこに集まる日本の持つ情報処理能力が急激に低下する可能性がある。システムができる前に、単純なやり方で行政効率だけをねらって民営云々の話はまた後にして、わが国の情報行政というものを確立してからでないと危険な点があるのではないか、私はそう思うわけでございまして、その辺大臣の御所見を承りたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 特殊法人をどういうふうに処理するかという問題は、臨時行政調査会の一つの検討項目になるであろうと思います。その中に電電公社も特殊法人でございますから含まれるとは思いますが、これをどういうふうにするかということは、単に経営問題だけでなくして、いまのような科学技術あるいは情報問題等も含めて、非常に広い視野で検討する必要があるだろうと考えております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)委員 以上です。どうもありがとうございました。

大原一三自由民主党

○大原(一)委員長代理 堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 本日は、今回のこの法律についていろいろな問題を同僚委員から質問をされて、それなりの政府の御答弁がありました。私はきょう、質問の最後に少し基本的な理念の問題といいますか、哲学論争を少し閣僚の皆さんとやらせていただきたい、こう思っておるわけであります。  それはこの法律そのものがまさに現象面だけに着目をして、さっきからいろいろ表現がありますけれども、なりふり構わず金のありそうなところから金をかき集めた、国債の特例法の方は性格が違いますけれども、その他の問題はまさにそういう感じが私もいたしてなりません。それは確かに大蔵大臣がお話しのように、財政が非常に窮屈になっておることはよくわかります。しかし考えてみると、これだけの自然増収があって、自然増収の上になおかつ補正予算が組まれて、ですからこの合計というのは大変な実は増収のある年でありますが、その上にまだ一兆四千億近い増税を行って、さらにいまのこれらのなりふり構わぬ歳入を考えるということは、私は政府の姿勢としていかがであろうかという感じがしてなりません。来年度は第二臨調が設けられて、少なくとも大幅な増税をしないということで行政改革をやる。総理はそれに政治生命をかけられ、中曽根長官も渡辺大臣も総理の考えに準じてやろう、こう言っておられるわけでありますから、そういう意味で昭和五十七年度予算というものは、私はそれなりに評価をすべきものがつくられるのであろうと考えるのでありますが、この五十六年度予算は、歳出面において当然処理すべきものが処理されていないで、安易に増税やこういう法律によってそこらから金をかき集めて処理をしたという感じが私はしてならないのであります。予算の問題でありますから、まず最初に大蔵大臣の御答弁をいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 ただいまのような御批判は、財界、マスコミあるいは労働組合などからも私受けておるわけです。しかし、決して大蔵省がゆるふんな査定をしたわけではなくて、八千数百億円はかなり切ったり抑え込んだりしたことも事実でございます。しかし、それ以上のことについてはいろいろな法律の関係等があって補助金などはなかなかうまくいかなかった、これも事実でございます。それから、反対運動が強くて一応は俎上に上せたが引っ込めちゃったというのも事実でございます。たとえば学校の教科書もそうであるし、あるいは農業関係の学校牛乳の補助金もそうであるし、そういうのがたくさんございます。そういうようなことで努力はいたしましたがまだ足らぬじゃないか、私はこれについては謙虚に実は耳を傾けておるわけでございまして、これも結局は増税というようなことをやったものですから、もう野党も増税はけしからぬという反面、もっと行政改革をやれ、もっと切れというのは与党、野党の中からも国会の衆参両院非常にたくさんの声が出てきた。このことは大変ありがたいことであって、本格的に第二臨調等もやってくださるそうでございますし、われわれはわれわれなりにもつとどうしたら切れるか、これは増税よりは切ることがむずかしいと思っておりますよ。しかしそれはどうしてもやり遂げなければ、鈴木総理に言わせれば同じ増税二回できるかいということでございますから、これも政治家の感覚として私は全く同一でございますし、やはり増税をやらないということになれば、当然増は黙っていても二兆円からふえるのですから、いままでの手法でやればこれはふえる、それを抑え込まない限りは来年度予算は組めないということになるので、ともかくそういうことでやらしていただきたい。  それからもう一つは、政府が増税をするくらいならば、歳出カットのほかに政府自身もゆるふんでなくてもっと裸になったらどうだ、政府の関係機関や何かも土地を持ったりいろいろなものを持ったり金を持ったりしている人はもっと自分みずからも吐き出せ、政府の身内の中から、それでなければ国民はなかなか了承しないぞという意見もございまして、これも私はもっともな御意見だということで、見方によっては恥も外聞もなく、洗いざらいあっちこっちからかき集めたという御批判もあろうかと思いますが、たとえば国有財産の売り払いというものも三割以上、ちょっと過大見積もりかと思われるぐらいに今回は見込んでおるわけですから、そういう思想のもとで政府みずからも血を出して切るものは自分も切ってという思想で、実はこれらの増収措置を図ったわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私は、政治というものは、常に現時点だけを見て政治が成り立つと思っていないのです。行政は現時点だけ見ているかもしれませんけれども、政治というのは一定の将来方向を見通しながら物を考えていかなければそれは政治と言えないのであって、私は全くまずい行政措置であったな、こう思っているわけであります。しかし現実にはここまで来ておることでありますからやむを得ない点があるのでありますけれども、しかし私はこれらの問題のもとにある問題を少し明らかにしておかなければならぬ、こう考えております。  その最初の問題は、実は四月六日に行われた第二臨時行政調査会の第三回会合で、基本理念について財界代表委員は「行政の公平、効率、総合性を理念とすべきだ」こう述べられて、労働側委員は「行政の公平、」ここは同じでありますが、「民主、有効性」を強調したと新聞が伝えているのであります。中曽根長官、こういうようなことがあったのでございましょうか、ちょっとお答えいただきたいのであります。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 あったと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私は、この問題が実は今日の政治上の最大の課題だというふうに思っているのであります。というのは、いま財界の皆さんが考えておられることは、経済というものの面から一生懸命物を見ておられる。本来仕事の性格上そういうことでありますからそれはそれなりにわかるわけであります。今度労働者側委員の方は働く者の立場から物を見ようということでありますから、当然そこでは働いておる者の生活というものから物を見ようという考えが出てくる、これも当然なのであります。そこで私なりの分析をしますと、経済というのは要するに抽象的なものなんです。抽象的なもので、いまの日本の市場経済という仕組みからいきますと、やはり合理性と効率性が求められる、経済というものはそういう性格のものだと思います。個人の生活は、生きていくためにはその時点だけの問題ではなくて自分たちの人生というものを考えながらいろいろな行動をしていく。少なくとも貯蓄が行われるということはそういう人生の一つのプログラムにあって働いた中から貯蓄をしていく、こういう問題が片方にあるわけです。ですから、いま経済という抽象的なもの、非常に大きなものからこれをずっと微分していって最終的な到達点は家計という最小単位。この家計という原単位がずっと国民全体に広がって、その上に日本経済が乗っかっている。だから、要するに家計の集積、こちら側の積分の結果できた最終のところが経済、こういうふうな形になっているんじゃないか、こういう考え方を私なりに持っておるのです。そうすると、個人の家計の方から見たらここで言われる民主性というような問題、民主主義というのは一人一人の基本的な人権を尊重するということから出るわけでありますから、個人の生活を優先して考えようという発想がこちら側から当然出てくるわけです。ところが、片方は生産性を上げるとか、そういうことが主になりますと、どうしても経済の効率性とか総合性とかという問題が問われることになる。ところが、これは本来相反するものなんです。この相反するものをどこで調整するかというのが私は今日の政治的課題であろうと思っておるのです。  いまここに郵政大臣と大蔵大臣並んでおられますから、いま金利の一元化問題というのが起きておりますね。郵政省は国民の貯蓄は少なくとも郵政審議会で、貯金の法律の定めるように物価を勘案して金利を決めるべきだ、御承知のとおりこういう主張が行われておるわけです。これは私当然だと思うのです。個人の貯蓄は、個人の家計の生活を維持しながら不測の事態に備え、将来の計画に備えるために個人が貯蓄をしておる資金でありますから、貯蓄の側から見ればこれは当然物価との関連で見なければならぬ。これは私は当然のことだと思う。ところが、片方は貯蓄じゃないのです。企業に対する貸し出しなんですね。貸し出しの金利を決めるのが金利調整審議会なんです、本来的には。そうすると、この貸出金利が動くときにはいまの仕組みでは預金金利が動かなければ金融機関はもたない。だから、貸出金利を動かすために預金金利を動かそう。なぜ動かすか。要するに企業経営がいまの効率性、総合性が維持できるようにするために貸出金利を動かしたい。これは経済全体上の問題なんです。この二つは本来違うものなんですよ。これを片方は金利一元化で処理しようと言うし、片方はいやそれではいけませんよというのがいまの一つの問題点になっているわけです。だから、私は今日のいろいろな問題のまさにその接点をどこに置くかということがわれわれ政治家に託されておる任務ではないのか、こう考えておるのです。  だから、これからの臨時行政調査会の中で行われるいろいろな問題の中に、この間から中曽根長官がともかく第二臨調ができたのだから自分はいま物を言わなくて、第二臨調にすべて任せたい、第二臨調から出てきたことはそのとおりを法律にしたい、こうおっしゃっておるのですけれども、政治不在でそういう部分のものを処理するなどということは、私は一体国会とか政治家とかいうものはこういう重要な問題について判断をする場所を持たないのかという点において非常に問題があると思う。ですから、私は中曽根長官に伺いたいのは、個々のことは伺いません、しかしあなたがこの第二臨調の問題でいまの効率性と民主性、私が言っておるところの個人の家計と経済全体というか、こういう問題のどこに政治的な接点を求めるかというのは私は行政管理庁長官の責任ではないかと思う。ただ逃げて通って、要するに第二臨調大明神といって拝み祭っておったところで物は始まらないのでありまして、やはり私は宮司がしっかりしていてそこからの御託宣を宮司の政治的判断で対処するのでなければ第二臨調暴走論になりかねない、政治的な責任回避だという気がして仕方がないのでありますが、中曽根長官の御意見を承りたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 まず二つのことを申し上げてみたいと思います。  まず第一に、行政改革というものは財政再建のためにのみあるのではない、行政改革には行政改革特有の哲学、ドクトリンがあるべきであるという考え方であります。要するに行政機構というものは、言いかえれば国家統治の機構並びに機能の改革問題であります。国家統治という考え方からきますれば、外交も防御も社会福祉も教育も入ってきておるわけでありますから、非経済的な要素がかなりあるわけであります。そして一面において財政問題というものも入ってきておるわけであります。そういう考えに立ってこの行政改革全般を見通さないといけないし、それからこれから出てくる情報社会とか高齢化社会、そういうものの展望も踏まえながらそれに即応できる体系に転換していくという要素もまたなくちゃならぬと思うわけです。ところが、いまたまたま財政窮乏の事態に陥りまして、その面がいま非常に強調されて出てきています。確かにこれも国家統治の中の一つの大事な要件でありまして、八十二兆も国債が重積してくれば、国民負担も将来相当膨大なものにもなるし、一歩間違えば悪性インフレを呼ぶという国家の大事が前途にあると考えなければならぬということを考えますと、いまのうちに処理しなければならぬ大変大事な問題として登場してきております。したがいまして、いま臨床的にはこの財政問題をどう解決するかということが正面に出てきて、それに真剣に取り組んでいきつつありますが、他面において行革というものの本質は国家統治の機構及び機能問題であるという本質を忘れてはならぬ、そう考えております。これが第一です。  それから第二番目に、現在補助金問題その他が登場してきておりますけれども、言いかえれば、ケインズよさようなら、フリードマンよこんにちわ、こういうことで一世を風靡して、サッチャーさんもレーガンさんもそういうことでやっております。しかしわれわれがこの行革をやるについてはどういう基本的考え方が日本にとって正しいかという基本哲学、体系を持ってやらないといかぬ、そう思っております。  私は、日本の国家構造の本質あるいは特色というものを見ますと、まだストックも足りませんし、混合経済の体質だ、そう思っておるのです。混合経済の背景には福祉国家観というものがございます。しかし過去十年間ぐらいを見ると、高度経済成長でかなり自然増収が入ってきたために、いわゆるばらまき福祉というものも出てきましたし、冗費も目立つし、あるいは場所によっては冗員もかなり目立ってきているものもある。余りにもこれが大きくなり過ぎて財政負担をかけ過ぎている。そういう意味においていま減量の手術をやろう。これは臨床的なものです。それにフリードマンさんをかりてこようと思うのです。フリードマンさんが全能ではない。日本の体質自体は都市の再開発の問題もありますし、高齢者、老人問題も抱えておりますし、科学技術の問題もございますし、ストックの蓄積においてはイギリスやアメリカから見たらはるかにまだ足りない要素が多々あるわけでありますから、したがって、福祉国家観というものはやはり基礎にあるべきであると思います。ただ、それが高度経済成長で余りにも自然増収が多くできたので、いわゆるばらまき福祉というようなことになって堕落した、そういう面がかなり出てきたところはあると私は思います。それをいま直そう。それにフリードマンさんをかりてこよう。しかしフリードマンさんについても批判はかなりあります。サミュエルソンその他が批判しておることもあります。私は日本の体質全般を見ると、やはり日本は混合経済体質で今後もいかなければならぬポイントを持っておる。ただ、いまわれわれが当面しておる場合にはフリードマンをかりて、そしてこの際減量を思い切ってやって、白活力を強める。何のための行革かと言えば、私は国の活力を回復するためである、こう思っております。国の活力を回復するという意味は、民間の活力を回復すると同時に、行政の活力を回復するという点もあると思います。行政に活力がなくなってしまったらおしまいでもあります。そういう意味で、国がよみがえるような体制に持っていくための行革をやるべきである、その一環として財政再建という問題がここに来ている、そういう観点に立って、長期的に耐え得る基本哲学を持ちながら行革をやっていかなければならぬ。こういう基本的考え方は、いま当面やるべき問題と、長期的に持続すべき問題と、いま抑えていく問題と、将来伸ばしていく問題と、継続してやっていく問題と、ちゃんと色分けが次第に出てくるだろうと思うのであります。そういう観点に立ってやりたいと思っているのです。  臨時行政調査会にはいろいろな人が入っておりまして、辻清明さんのような碩学もおりますし、ジャーナリストの代表もおりますし、労働者の代表もおりますし、財界の代表もおりますし、いろいろな人がおって、大体国民的にバランスのとれた構成になっておると思うのです。したがって、この臨時行政調査会から出てくるのは、あるいは財界から出た方と労働界から出た方が激論するかもしれません。それをアンパイアとして学者が、この辺が日本に一番向くんだと言って判定を下すかもしれません。そういう作業の中で結論が出てくるのでありまして、私は、いまの構成を見て、出てきた結論は、まあいまの国民世論を代表するものが出てくるのだろう、そう見ておるのです。  決して私たちは逃げようとは思っておりませんし、無責任に放置していようとは思っておりません。いろいろ聞かれればいつでもお答えする用意はしてありますが、しかし、それだけりっぱな、日本を代表するだけの方がお集まりでありますから、われわれがいろいろなことを申し上げることは、かえって先入観を与えたり、国民に誤解を与えたりすることになるので慎んでおるのであります。これは当然政治家としての態度であると思って、そういう態度を持続していきたいと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまあなたがお答えいただいたことは、私と同感の点がかなりあるのです。  私はこの前渡辺さんとの間で、財政再建というのは一体何かという問題を大分議論をいたしました。財政再建というのは、ただ国債を減らしたらいいという話ではないのですよ、戦後の高度成長の時期にできてきたこのシステム、これは高度成長のときにできたシステムですから、現在のような低成長の時代になれば、このシステムを見直さなければ財政再建にはなりませんよ、要するに金だけ減らしたらいいという話ではありませんよということをすでに大蔵大臣とやっておるわけであります。  そこで、何が必要かというと、いまの政府の仕事の中には、どうしても政府がやらなければならない仕事というのがあるわけです。しかし、その政府のやらなければならない仕事も、やり方によってより能率的、効率的にやる方法もありますよということを、私はこの前大蔵委員会で大蔵大臣とかなりやっているわけですね。ですから、それは要するに、システムを見直して、いまあなたのおっしゃった機能を生かすようにするということが、実は行政改革、財政再建を含めての一番大きなポイントだということを私は大蔵委員会で言ってきておりますので、その点は、いまあなたがここでお答えをいただいた、国家統治の機構と機能を見直していこうという点は、私は賛成なんであります。  そこで、フリードマンの話が出ましたが、いまここで経済論争をする時間はありませんから多くを触れませんけれども、私は、フリードマンが言っているサッチャーのやり方、レーガンのやり方がうまくいくと思っていないのです。これは歴史が証明することですから、私はきょうここで多くは言いませんけれども、それには経済上少し無理があるというふうに判断していますから、そのようなやり方で第二臨調答申が実行されることは国民的には不幸があると思うので、余りそのケインズとかフリードマンなどにこだわらないで、やはり日本は日本流のやり方をやっていただかないと困るんじゃないか。日本流のやり方が今日アメリカのやり方やイギリスのやり方よりもよくいっているから、実は今日経済の面で非常にあっちやこっちからいろいろと言われておるんだと思いますから、まあ中曽根さんは大体は民族主義の方だと私は理解しておるので、余り外国の模倣などしないで、日本民族の特性に着目しながらひとつこの問題の処理をしていただきたいということをちょっと注文しておきます。     〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、ちょっと一言だけ、農林大臣がおいでになっておりますから……。  さっきの経済と家計の問題、生活の問題の中で、これから非常に問題になるのが、実は農業問題、これは補助金関係で大変問題になると思うのですね。産業政策、農業政策という政策の問題と個人の家計の問題、要するに生産者としての生活の問題というのが、これは私が申し上げたと同じようにあるわけですね。ちょっとこの前私がやや産業政策にウエートをかけて、日本の酒が、米が高いから非常に生産が減ってきた、そこでひとつ三分の一の値段のカリフォルニア米を少し輸入したらどうかという話をしましたら、農業関係の皆さんから、これはとんでもない話だということがございました。  確かに、いま強制的に減反をさせられておる米作農業従事者の皆さんにとっては、私の発言は大変ショックだったろうと思うのです。やや産業政策に偏った発言であったというふうに私も思っておりますが、しかし私自身は、要するに、そういうインセンティブを与えて、その結果清酒の生産量がふえれば、それはまた日本の米が使われるようになるから、決してそう後ろ向きではなくて前向きの話と思ったのですが、大変誤解を与えたようですから、その点は本日この場をかりてちょっと訂正をいたしておきますけれども、しかし、農業政策というのも、どちらかと言うと、私の言う個人の家計にウエートのかかった政策なんですね。  ですから、いま政府の方では、何しろ補助金を一兆四千億削るという話になる。農林大臣として、この農業関係の補助金を削るということについてはどんなお考えで対処をされるのか、具体的なことは要りません、あなたの基本的なお考えだけを承っておきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 鈴木内閣として、今回の行政整理、行政改革は徹底的にやろうということで、閣議においても、総理が先頭に立ってやろう、こういうことを決めたわけでございますので、私といたしましても、農林水産大臣としてこの内閣の話には協力していこう、こう思っております。  そこで、どういう手法によって、全国の農民諸君の信頼を落とさず、しかも、自然的な、社会的な、経済的な不利な条件のもとにどろまみれになって、そうして食べ物というものを一年に一遍しかつくれない、こういうものに本当に生産意欲を燃やしてやっていけるような農業を推し進めていくために、必要なことを実行しながら、しかもなおかつ行政改革というものをやり抜くというための手法を考えなければならぬ、血を出さにゃいかぬ、こういうことで実は事務当局にも——一例を申し上げますならば、事業量を減らさずに、そうして補助金を整理してもやれることもあるわけであります。たとえば、私どもかつてずっと、いまでも制度の中にありますが、非補助事業という土地改良の手法がございます。最近はそういう面が、いろいろ制肘を受けない融資でやった方が自分たちの計画もよろしい、こういうことで、そういう気風も農民の中から——特にいま堀先生の指摘された生産性の向上は、どうしてもこれはもう農家の使命だ、社会的責任としてやはりそういう方向にいかなければいかぬのだという農家もだんだん出てきておるわけですから、そういう意味で、私は、総理の示された方向は御協力申し上げてぜひともやらなければならない、こう思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、ちょっと話を進めますけれども、実は今度の第二臨調の中で、三公社及び特殊法人の経営形態を見直すということがテーマになっておるようです。これはことしの七月二十日までの答申に入ることではなくて、二年間の期間の中でやられることだと思うのでありますけれども、この問題について基本的な考え方をちょっと承っておきたいと思うのであります。  それに入る前に、最初に法制局にちょっと伺っておきたいのですけれども、予算と法律の関係という一点だけであります。予算というのは財政法に基づいて組むようになっておる、そして予算が組まれても、予算関係法律を使わないと予算も執行はできない、こういうふうになっておりますから、そういう意味では予算を組んだから法律がどうかなるというのではなくて、法律が前にあってそれに基づいて予算が執行される、そういう性格のものだと思うのですが、その点の関係をちょっと答えていただきたいと思います。

前田正道内閣法制局第三部長

○前田(正)政府委員 予算の支出につきまして法律の根拠を要するものにつきましては、言われるとおりでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そういうことを聞いているんじゃないのですよ。それはわかり切ったことなんでして、私が聞いておることは、予算と法律がこうありますね、そうすると、要するに法律がなければ予算を執行できないものもあるわけですから、また予算の執行を予定していても法律が変わればその予算の執行ができない場合もあるわけですから、そういう意味では、順序としては法律が予算を拘束するということはあっても予算が法律を拘束するということはないのではないか、こういうことを聞いているわけなんですよ。

前田正道内閣法制局第三部長

○前田(正)政府委員 先ほどお答えいたしましたのは、すべての支出に法律の根拠を要するものではないという意味であのように申し上げたわけでございまして、ただいまおっしゃるとおりでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 もう法制局結構です。  そこで、いまの企業の問題を考えますと、これは中曽根長官に伺いたいわけですけれども、現在の日本経済というのは市場経済でございます。それで、私どももこの前の大会で制御された市場経済でやるということを決めていますから、コントロールされない市場経済なんというものは古典的市場経済ですから、当然皆さん方もコントロールされる市場経済と考えておられるでしょうから、その限りではいま私どもと皆さんとの間にはそういう観点での違いは実はないのです。そういうベースに立って伺うわけでありますけれども、要するに現在の民間企業というのは利潤追求が第一義にある、こう考えるわけです。中曽根長官はいかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 人によって違いますが、一般論としてはそういうことが言えると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、公的な部分は第一義は一体何でしょうか、長官。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 公共の安全とかあるいは公共の福祉とかあるいは平和とか、そういうものだろうと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私も同感でございます。これが実はクロスしますね。まあ平和とかそういう問題は、これはちょっと企業となじみませんから横へどけますが、公的なものが考えておるのは、要するに公共の福祉というのが現在の憲法が定めておる公的なものの一番ウエートの高い部分にあって、片方、企業は利潤追求ということになりますから、本質的にこれは別個の分野のものだ、こう私は思っているのです。それが、先ほど長官がおっしゃたように混合経済の形でうまく運営ができればそれで大変結構なんですが、公的なものを何でも民間に移しさえすればいいということではあり得ないという基本理念をちょっと確認したいのでこういうふうに申し上げたわけです。  そこで今度は、そうは言ってもいまの日本経済というのはアメリカや欧州と違いまして、大企業といえども所有と経営はほとんど分離されているんですね。まあ例外はありますよ。松下さんだとかサントリーだとかというようなところは非常にたくさんの持株を持っているから必ずしも経営と所有は分離していないかと思いますが、一般的には経営と所有は分離している、こういうふうに考えるのですが、長官はいかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 日本の場合にはそういう特色が非常にあると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、いまの民営論という問題は一体何だろうかと私なりに考えてみますと、実はいますでに経営は所有の問題とは切り離されておる企業の皆さんが民営論と言っていらっしゃることは、所有の問題よりも経営の方に重心がかかっておるのではないかというふうに私は判断をするのですが、長官はいかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 いま行革とか臨調というものを離れてお答えいたしますと、堀さんの頭にはたとえば電電とか国鉄とかがあると思いますけれども、しかし片方において電力なんかはもう民営になっているわけですね。あるいは私鉄なんかももう民営になっておる。では私鉄と国鉄の差はどこにあるのだ、距離の大きさがそれなのか、みんな公衆を運んでいるものだ、そういうことで、水際みたいに相接している部面が多くなってきているわけです。そして時代によって次第に観念が違ってきて、社会党でも国有国営論を唱えておったのを、最近はいまおっしゃるように統制された市場経済というふうにお変わりになる。そういうように時代の変遷、国民意識の変化、それから企業経営の科学化とか効率化とかという面から見て領域は次第に変化していくのだろう、侵食される部門も出てくるのだろうと思います。したがって、かたくなに観念的に、これが絶対領域であるというふうに限定することはできないと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いや、私はそういうことを伺っておるわけではないのです。要するにいま民営と言われておることは、所有形態よりも経営に比重をかけて物を考えた方がいいのではないかというのが財界の皆さんが言う効率化の問題ではないのか。所有の問題は、いまあなたがおっしゃったように私どもも所有の問題はちょっと卒業して、所有が国営になったから国民のためにいい企業になるかというとそんなことはない、だからそれは、現代社会主義の中にいろいろ問題があるという点で私どももそういう反省をしておるわけですが、そうではなくて、経営に民営的な要素を求めたいということではないかなと、こう私は伺っているのです。それに対してのお答えをお願いしたい。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 それは効率化という面においてはそういうものだろうと思います。     〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、実は公社の民営論というのが出ているわけでありますが、私、各公社の歴史的な経過をちょっと振り返って見てみたわけであります。そうしますと、専売公社は明治二十三年に作業会計法というのができて、それが長く続いておりまして、その後昭和二十二年に専売局及び印刷局特別会計法というのができて、そして昭和二十三年十二月に専売公社法ができ、二十四年六月に現在の専売公社になった、こういう歴史的な経過があるのですね。日本国有鉄道も特別会計から昭和二十三年十二月二十日、同じ時期に日本国有鉄道法で公社になった。そして電電は、これは通信事業特別会計規則というのが昭和九年にありまして、それが昭和二十七年に日本電信電話公社法に変わっておる。とりあえず公社だけを対象にいたしますと、専売公社法と国有鉄道法は実は同じ日にちに公社になっているのですね。  それで、なぜ公社になったかということで皆さんの話をいろいろと聞いてみると、これは何も日本の側がやりたいということよりも政令二百一号で、例の二・一ストライキの後の対応としてどうやらこの二つは先に公社になって団体交渉権を認めようということになったけれども、要するに逓信省所管は当時の労働組合の抵抗が大変強いので、そのままに放置をされて実は昭和二十七年に公社法になった、こういう歴史的な経過があるようです。  そこで、この二つは基本的な性格が違うのですね。公社法をしっかり読んでみますと、公社法のでき方が違う。どういうふうにでき方が違うかといいますと、専売公社法を例にとりますと、第一条、「日本専売公社は、たばこ専売法」云々とたくさん法律が書いてありますが、「に基づき現在の国の専売事業の健全にして能率的な実施に当たることを目的とする。」「能率的」というのが入っているのですけれども、「専売事業の健全にして能率的な実施に当たることを目的とする。」というのが専売公社法第一条なのですね。ところが電信電話公社法の方は、第一条で「公衆電気通信事業の合理的且つ能率的な経営の体制を確立し、公衆電気通信設備の整備及び拡充を促進し、並びに電気通信による国民の利便を確保することによつて、公共の福祉を増進することを目的として、ここに日本電信電話公社を設立する。」目的、第一条から全然タイプが違うわけですね。要するに、この二十七年の電電公社法で初めてアメリカのガバメントコーポレーションの考え方がここにはっきり導入されてきている、こういうのが歴史的経過なのですね。  そこで、実は非常にこの点について興味がありますのは、   当時の連合軍総司令部は、このような状態を改善するため、マッカーサー元帥から芦田首相あて昭和二十三年七月二十二日書簡を発し、「能率増進のために」逓信省を再編成し、内閣に二つの機関を設置することを促し、引き続いて同年九月には総司令部覚書が発せられ、逓信省を廃止し新たに電気通信省と郵政省を設置すべきことが勧告された。この結果、昭和二十四年六月一日に電気通信省が誕生し、電気通信事業の新しい運営体制が確立された。 その後、   政府は、前述の電気通信事業復興促進に関する衆参両院の決議に基づき、電信電話の復興・拡充の促進を図るため、昭和二十四年七月十二日内閣に電信電話復興審議会を設置することを閣議において決定し、会長に経団連会長の石川一郎氏が指名された。   同審議会は、昭和二十五年三月漸く結論を得るものとなり、内閣総理大臣に対しおよそ次の内容の答申を行なつた。   電気通信事業は、公共的事業であるとともに一つの経済的企業であるにかかわらず、国営であるがゆえに企業経営の基礎であるその財務会計および人事管理の制度、方法が一般行政および一般公務員のそれと同一の基調において律せられている点において致命的な欠陥を有するものである。木事業の経済性に対する制約が、事業の公共性の達成に阻害となつている点に留意して、その経営主体を十分に自主性と機動性を持つた企業に改め、もつて最も能率的な運営を行なわしめる必要があると考える。 これは昭和二十五年三月の当時の経団連会長石川一郎氏が主宰をしたいまの電信電話復興審議会の答申なのですね。この答申を受けて佐藤郵政大臣が、今度の電信電話公社法の提案説明の中でこう言っておられるのですね。   さきにも申し上げましたように、財務、会計、人事管理等の面での国営形態の欠陥を除去して、企業的能率的経営をなし得るためには、純然たる民間形態も考えられるわけでありますが、電信電話事業は、全国にわたる膨大な組織及び設備を有し、巨額の資産を擁する公共事業でありますから、これを民間に払い下げて株式会社組織に切りかえることは、再評価、株式の引受け、その他に多くの困難が予想されること、強度の公益性、技術的統一性及び自然的独占性を有する木事業については、純民間企業としての長所を十分に期待できないこと、また公租、公課の賦課が加わるため、経営の合理化が促進されてもなおかつ相当の料金値上げを招来すること、年々巨額の拡張資金を民間資本にのみ求めることは、現在のわが国の資本蓄積状況から見てほとんど望み得ないこと等の理由から、民営形態は適当でないと思われるのであります。   政府は公衆電気通信事業の合理的かつ能率的な経営の体制を確立し、公衆電気通信設備の整備及び拡充を促進し、並びに電気通信による国民の利便を確保することによつて、公共の福祉を増進するためには、国会及び政府から必要な監督を受けることによつて公共性を確保します とともに、一方事業経営上財務、会計、人事管理等の面における一般行政官庁の制約を脱し、民営の能率的経営技術を取入れた自主的な企業活動を行い得る企業体としての公社形態に当事業の経営を行わしめることが最も適当であると考えまして、ここに日本電信電話公社を設立することといたした次第であります。 こういうふうに佐藤さん提案趣旨説明を述べておられるのです。こうなっていれば、実は今日いまのような民営問題なんか出てこないのです。  そしてここに非常に重要な点がありますのは、   第二章は経営委員会に関する規定でありまして、公社の業務の運営に関する重要事項を決定する機関として、民間会社の取締役会に準ずる経営委員会を設置いたすこととしております。この経営委員会は、両議院の同意を待つて内閣が任命する非常勤の委員三人と、職務上当然就任する常勤の特別委員である総裁、副総裁二人の合計五人をもつて構成され、委員長は委員の互選により選任することとなつております。 まさに日本電信電話公社というのは、そういう意味の目的を持って設立をされた公社であったわけであります。  ところが、昭和二十八年に設立をされて、三十一年まではこの電電公社法に基づいて運営がされていたのでありますが、昭和三十二年、当時の大蔵大臣だれだか覚えてないのですけれども、そのときから予算統制というものを始めて、予算総則によって給与総額制その他の流用その他を禁止して、がんじがらめに経理上その他でともかくまた特別会計へ引き戻した、これが私は今日の電電公社の実態だと思うのです。  それで専売公社、国鉄はどうか。国鉄も専売公社も初めからこういう発想になってないのです。だから、たとえばたばこ審議会というものができていますけれども、これは大蔵省の中に審議会がある。言うなれば特別会計から名前だけ公社に変えたというのが専売公社と日本国有鉄道の公社なのです。だから中曽根長官、いま私が申し上げている問題は、いま問題意識として民間の皆さんが持っていらっしゃることは、電電公社が初期のこの石川さんたちの答申に基づき、当時の佐藤大臣の提案趣旨説明のように運営をされておるならば、私は民営論なんて出る余地はないのじゃないか、こう思っておるのですが、長官いかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 電電公社設立の趣旨につきましては、私も前から拝読いたしましてそういう趣旨であったように思います。ただ、予算統制が昭和三十二年から厳しくなってきたということで公社の経営が弾力性、活力を失ってきたという面は、これは否定し得ない面があるだろうと思います。しかし、にもかかわらず今日民営論が出ないかというと、必ずしもそう断定はできないだろう。もっと大きな早い力で、大きな流れで時代が流れてきている。科学技術の進歩その他の面におきましても、あるいはいわゆる管理形態、管理社会になってまいりまして、そして大きな変化がいま行われつつある、意識の転換すらも国民の間に行われつつある。そういう面を見ますと、民営論が起きなかったろうと断定することは早いのではないかと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いや私が伺っているのは、こういうふうに運営されていれば、さらにこれを民営にする理由はないのじゃないかということを伺っているのですよ。いまの公社はそうなってないのです。私がいま言ったように特別会計に逆戻りさせて、ここのさっき指摘をされた、要するに、「国営であるがゆえに企業経営の基礎であるその財務会計および人事管理の制度、方法が一般行政および一般公務員のそれと同一の基調において律せられている点において致命的な欠陥を有する」という答申が出ているわけですね。いま皆さんの方は三公社五現業という一つのグループにしてしまって、五現業はもう明らかに公務員ですよ、一般の公務員です。それから二公社は、実は公務員とちっとも変わらないような公社法になっているのですよ。それは給与の問題のところを見れば非常にはっきりするわけであります。給与は、公務員法第六十二条で、「職員の給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなす。」公務員法第六十二条の給与に関する部分。日本専売公社法第二十一条、「公社の職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。」日本国有鉄道法第二十八条、「職員の給与は、その職務の内容と責任に応ずるものでなければならない。」これは、公務員法とその他変わらないのですよ、ここまでは。そして電電公社法第三十条は、「職員の給与は、その職務の内容と責任に応ずるものであり、」ここまでは同じです。「且つ、職員が発揮した能率が考慮されるものでなければならない。」法律の体系がここは全然違うのです。初めてここに、生産性を上げるためには能率に応じて給与をふやせ、それが民間におけるやり方と同じだということが法律の制度に書かれておる。  大蔵大臣いいですか、私がさっき法制局を入れて、予算が法律を拘束することはない、法律は予算を拘束するということはそのとおりだと法制局が答えている。電電公社法がいま予算を拘束しているのじゃなくて、予算総則が電電公社法を拘束しているのですよ、いいですか、大蔵大臣。あなた方は、ともかく日本国憲法第七十三条で内閣の職務というのがありまして、「内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。」「法律を誠實に執行し、國務を總理すること。」憲法は、要するに内閣について法律を誠実に執行するということを義務づけている。そうすれば、当然皆さん方内閣は電電公社法を誠実に実行する義務がある。だから、そういう憲法上の規定もあるし、そういう電電公社法というりっぱな法律があるのだから、私は、いまの予算総則で法律を拘束しているということは重大な法律違反だ、こう考えるのです。大蔵大臣いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 財政法でどうなっているか、法律上の解釈の問題ですから事務当局から答弁させます。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 これはもう先生御存じのことだと思いますが、財政法によりまして、予算総則で予算の執行に関し必要な事項は総則で定めることができるという規定がございます。したがいまして、予算総則の規定そのものにつきまして法律の根拠があるということでございますから、その予算の決定と法律事項とが相矛盾するというものではないと私どもは解釈いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 財政法は第十六条で、「予算は、予算総則、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為とする。」こう書いてあるだけなんですよ。予算の内容を規定しているわけですね。「予算は、予算総則、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為とする。」予算というのはそういうものですよと、予算の内容を規定して、そうして予算総則の内容は、二十二条で、「予算総則には、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為に関する総括的規定を設ける外、左の事項に関する規定を設けるものとする。」こうなっているだけなんですよ。根拠法規で、要するに片方にある法律まで拘束できるということはこの財政法のどこにも書いてない。何の根拠ですか、答えてください。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 先ほど財政法と申しましたが、電電公社の予算につきましては電電公社法に根拠がございまして、電電公社法四十二条に「公社の予算は、予算総則、収入支出予算、継続費及び債務負担行為とする。」とございますが、四十三条に予算総則の規定がございまして、「予算総則には、」ということで第一項本文がございまして、七号に「その他予算の実施に関し必要な事項」というふうに定めてございまして、この規定に基づきまして予算総則の規定が置かれているわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 これは要するにそういう取り扱いを決めているだけですよ。事務的な手続法なんです、これは。公社の、前段の公社法第一条なり、いまの電電公社法三十条、「職員の給与は、その職務の内容と責任」という、大前提や三十条の規定をねじ曲げていいようなことが同じ法律の中に書けるはずがない。手続が書いてあるだけであって、これはその内容を規定するようになってない。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 私どもの解釈では、電電公社法に給与の決定基準というのがございます。これは三十条の規定でございまして、先ほど先生第一項だけをおっしゃいましたが、第二項に、「前項の給与は、国家公務員及び民間事業の従業者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」とこういう規定がございます。それから電電公社法の第七十二条に給与準則の規定がございまして、その給与準則の中では、「国会の議決を経た当該事業年度の予算の中で定められた給与の総額をこえるものであってはならない。」という規定がございます。それから給与決定につきましては、公共企業体等労働関係法も関係いたしておりまして、その八条では、団体交渉の対象として給与の決定ができる、給与決定が団体交渉で決められるという原則がうたわれております。  それを総合して解釈いたしますと、給与の決定は団体交渉で決められるわけでございますが、公社の企業性と同時に公共性もございますので、給与の決定基準といたしましては、「国家公務員及び民間事業の従業者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」ということで、そこのところは国民の納得を得られるような給与ということになっておりまして、予算総則の方につきましてはそれを担保するための手段ということであろうかと思います。  そういう考え方を受けまして予算総則にああいう定めをしているということでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまの答弁でだめなんです。どうやってもだめなんです。  なぜかというと、給与準則、七十二条は、「公社は、その職員に対して支給する給与について給与準則を定めなければならない。この場合において、この給与準則は、これに基く一事業年度の支出が国会の議決を経た当該事業年度の予算の中で定められた給与の総額をこえるものであってはならない。」私は給与総額の問題を触れているのじゃないんですよ。基準内外の賃金を固定をして、その流用すらも禁止している、そういう予算総則はこの法律の中から出てこないと言っているんですよ。いまのあなたの答弁、全然私の質問に答えてない。給与総額を決めるのは当然だ。だけれども、給与総額の内部における基準内外の賃金の流用も、額を決めて流用も禁止するなんということは法律違反だ、こんなものは。もう答弁よろしい。  大臣、私のあれで大体おわかりいただけたと思うのですが、そういう技術論は大したことないですからいいですよ。問題は、要するにこれからの公社をどうしていくかということなんです。ということになれば、いま私が読み上げたこの審議会の答申、最も中心部分に触れているわけですよ。要するに予算統制なんかをやめて、もちろん給与総額を決めるのはいまの情勢では仕方がないでしょう。しかし、それを内外の流用を禁止し、おまけに細かく一々手当を全部書き込んでやるなんということは民間会社ではあり得ないことなんですよ。  そこで、私はちょっと総裁にお伺いをいたしたいのであります。さっきからいろいろ四千八百億の問題が出て、それについて大変問題になるだろう、これが今後料金値上げにつながるのではないかという心配が実は私どもの同僚委員の中にもありますし、国民の中にもあると思うのです。これは八千億からのものをともかく公社がひねり出して国に納めなければならぬ、借金の利子を払わなければいかぬ、こういうことなんでありますが、そういうことを超えて、料金値上げもしないで今後の電電公社の生産性を上げて国民の負託にこたえるためには、民間からおいでになった総裁として、こうしたいというお考えがあるだろうと思うのです。私は、この時期に民間から真藤総裁がおいでになったことは大変時宜に適した人事であった、こう思っておるのでありまして、そういう意味で真藤総裁が政府に対して、こういうことはぜひしてほしい、私はいま大分申し上げておりますから、こういうふうにやるべきだということは並んでおられる閣僚は全部、官房長官を含めて御理解いただいておると思うのでありますけれども、総裁からちょっとお答えいただきたいと思うのです。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 民間から参りまして、まず非常に奇異に感じたことがございます。それは予算に残業量を規定しておるということでございます。もともと残業量といいますものは、電電みたいな装置産業の場合はないのがたてまえでございます。しかし、必ずしも実際の運営面ではそうまいりませんので、残業というものは必然的に出てまいります。いわば、残業というものはエマージェンシーのものでございます。それが月々に割り当てられたり、あるいは年度で割り当てられたりというのは経営の原則からいいましてもってのほかのことでございます。それで、私見ておりますと、残業量を規定してあるために年度の終わりに近づくと、あるいは年度を通じて残業量を十分使い切るような細工が行われておるのが事実でございます。こういうことがありますと、幾ら経営を合理化し生産性を上げようと思いましても、経営の規律が保てません。だから、いまおっしゃいますように、人件費というものは総額で予算で決めるのはいたし方ないといたしましても、その内容を一々当事者でないほかの官庁から規定されることは全くもって民間から考えますと非常識なことでございまして、この点は、この点だけでもありませんが、この間から、納付金を納めながら通話料を上げずにどうするのだという御質問に対して、今後いろいろ具体的にお願いすることがあります、法律の範囲内でということを申しましたが、これなんかその一つでございます。  まだほかにもございます。公社法ではっきり書いてあります弾力条項というものがありますけれども、これなんかも、現在においては一切運用されておりません。この辺のこと、漸次また具体的にお願いしなきゃならぬというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまのこと、民間から来られた総裁として当然のことだと私は思うのですね。だから大蔵大臣、どうでしょうね、ともかく民間から来られた総裁が自由に腕がふるえるようにひとつ来年度予算はいま私が言ったように——法律で、総額は給与準則その他で決まるというのだからこれは仕方がないですよ、私もそれを認めます。それ以上の予算統制はこの際やめて、私がさっき読み上げた公社の独自性が発揮できて——さっきからあなたも親方日の丸だから問題だとお話しになっておるでしょう。そうではなくて、効率追求ができるシステムが置かれておりながら効率追求を邪魔するようなことをこの際にやってはいかぬと私は思うのですよ。大蔵大臣、どうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私は詳しい法律論争はわかりませんが、やはり公共企業体というものは政府の機関で独占的な仕事をやっているものが多い。したがって、国民の生活などとも関係がある。ですから、給与体系等については、先ほど次長が説明したように国民の理解を得ることも大事だ、私はそう思います。     〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕 しかしながらその一方で、やはり親方日の丸ということは非常に困るのじゃないか。ややもすると国家の機関とか、地方でもそうですが、よけい働いた者によけい給料がいかない、どうしても悪平等になるから生産性は上がらないというのが普通の状態じゃないか、公企体などの一番生産性が上がらない原因の一つだと私は思っておるのです。そこのところの調整がうまくできるかどうか、問題はそこでございまして、ただいますぐというわけにはいきませんが、今後合理化をさらに一層進めて——公社は、やる気になれば探せば仕事はまだいっぱいあるのですよ。その点は生命力が非常に強い。したがって、経営形態との絡みもどうなるのか、そこらの点も、果たして経営形態がいまのままで非常に能率よくできるのかどうか等も含めまして、十分に前向きに検討してみたいと考えます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 まあ検討を約束しておられるからいいのですが、納付金を取られて、しかし夜間通話料は引き下げる、遠距離引き下げる、一生懸命やっているわけですね。そのやっているというのは、職員が一生懸命やっているから、それに基づいて、よそはみんな上げているときに下げているでしょう。だから、そういう生産性向上に対しては当然配慮しなければいかぬし、同時に、民間から来られた総裁が自由に腕がふるえれば、いま問題になっている民営化の問題は、言うなれば、そこで除かれていくわけですよ。私が言っているのは、水は方円の器に従うというのですけれども、システムを変えない限り発想は変わらないのですよ。幾ら真藤総裁が来られても、手も足も縛ってそして歩けと言われても、実は歩けないのです。ですから、手や足を縛っておるものを解き放して、総裁、一遍やってみてください、そのためには重要な問題が一つあると私は思っております。  それは、きょう官房長官おいでいただきましたのは、一体政府は電電公社の経営委員会をどう考えているのかということなんです。この前には小佐野さんという人が電電公社の経営委員になりました。今度はまた、誠備問題で問題を起こした方が経営委員になっているわけですね。こういう人が経営委員になるというのは電電公社というものを完全に軽視しておる、経営委員会というものの存在を無視しておるということだと思うのですよ。さっき私は、電電公社の経営委員会というのは取締役会にも準ずるものだと佐藤元総理は大臣のとき言っておられるわけですね。そういう位置づけを経営委員会にやろうという姿勢もなしに民営論なんという話は私は問題だと思っているのですが、この際電電公社の経営委員は——日本銀行の政策委員あるいは日本放送協会の経営委員、いずれもまともに選ばれておるのですよ。安易に勲章欲しいような人のために門戸を開放していないのです。  ただ、問題がありますのは、この電電公社法は経営委員は無給とするとなっているのですよ。日本電信電話公社法は十六条で、「委員は、報酬を受けない。但し、旅費その他業務の遂行に伴う実費を受けるものとする。」そうして十八条で「公務員たる性質」として「委員は、罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する者とみなす。」罰則では公務に従事する者とみなして給与はゼロだなんて、こんなばかな法律は考えられないですね。そこで、少なくとも日本放送協会、NHKは経営委員に対して一日三万五千円の報酬をお渡ししておるのです。月に四回定例的に会議を開いておる。だから、合計十四万円ですかの報酬を与えておる。だから、これひとつ山内郵政大臣、次の行革法の臨時国会でまず電電公社の経営委員に正当な報酬を払うということを法律改正で出していただきたいと思う。そうしてさらにいまの官房の方で、ここにまともな経営委員を送るんだという姿勢をここで明らかにしてほしいのですよ。そうして名実ともに電電公社の経営委員というのは電電公社に全責任を負うというかっこうにやってもらいたいと思うのですが、郵政大臣いかがでしょうか。——事務当局よろしい。政治的答弁だ。そんな入れ知恵することないよ。大臣、官僚の答弁だけ聞いてやってるようじゃだめですよ。あなたの政治的な政治家としての答弁を言ってください。

山内一郎自由民主党郵政大臣

○山内国務大臣 電電公社がほかの公社公団と一番違うところは経営委員会のあることでございます。最高の意思決定機関でございまして、それに基づいて公社が活動している、こういうことで非常に特徴のある経営委員会で権威のあるものだと思っております。  そこで、その委員の問題についていろいろございましたけれども、報酬があったからなかったからということではないと私は思います。したがって、いま堀委員の御提案は必ず報酬を出すように今度改正したらどうか、こういうことでございますが、ひとつ検討させていただきたい、ここではそういうお答えをしておきます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大蔵大臣、これは予算に関係しますからね。  ともかく人を使うのにただで使おうなんという発想はよくないですよ。国会に参考人やその他でおいでいただいても、わずかではあっても差し上げているわけでしょう。まして経営委員はそれだけの重要な責務に見合って仕事をしていただいているのに、報酬なしなんという話はとんでもないですよ。だから、行管庁長官も官房長官もこれは真剣に考えてもらいたいと思うのですよ。その点は郵政大臣検討すると言っていられるからいいけれども、それが私の提案どおりになるようにしていただきたいということが一点。  もう一つ、これは総裁に申し上げておきたいのでありますけれども、真藤総裁、監査問題です。自己監査は監査にあらずということを、ディスクロージャー、要するに大蔵委員会というのは監査問題を所管する委員会でありますから、それは監査じゃないと言っているのですよ。ところが、実は郵政省もそうだし電電公社もみな内部監査なんです。そこで、やはり監査については少なくとも、いま監事というのがあるでしょう、この監事が本当に役に立つような監事になっていないと私は思うのであります。だから本当に役に立つような監事を据えて、その監事が、たとえば公認会計士を費用を出して使ってもいいから外部監査を電電公社の内部でやってほしいと思っているのです。そうやって監査をやればいまのような不正経理なんという問題は起きないだろう。  不正経理問題は二つありまして、さっき総裁のおっしゃった超過勤務手当というものが流用されたという例でありますが、私はこれは不正経理と思っていないのです。これは要するに団体交渉で決まったことを政府が認めないものだから仕方がないから出さざるを得なかった、官房長官御承知の案件でありますが、そういうことなんで、これは大平総理が合理的なものに改めたいということで官房でこれからやりますとおっしゃっておるので官房でも御検討いただくことでありますけれども、そういうのは別なんです。しかし、それ以外における不正経理は、私は国民に対して、利用者に対しても大変申しわけないことだ、こう考えておりまして、その点ではひとつ監査が公正に行われるような対応を電電公社としても運用上お考えをいただきたい、こう思いますが、いかがでございましょうか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 その件につきましては私も全く同感でございます。実際上経営委員会に所属する監査は、おりますけれども、現状においては何もやっておりません。それで、この件につきまして経営委員長と十分相談いたしまして具体的に実力のある内部監査ができるように、いま経営委員長が人選を外部からお願いしておられる状態でございまして、いずれ具体的に決まりましたらまた郵政省にも関係のところにも御了解をいただきたいと考えておりまして、これは具体化しつつございます。厳正な監査ができませんと私の立場からも責任はとれません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 官房長官、いまの経営委員会の人選問題について、今後のあり方をひとつ官房長官からお答えをいただきたいのであります。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○宮澤国務大臣 電電公社の経営委員の人選についてのお尋ねと存じます。法律に基づきまして大切な権限と責任を持っておるのが経営委員でございますが、最近就任された後に辞任されるようなケースがございました。大変残念なことでございまして、今後人選をいたしますに当たりましては十分慎重にいたさなければならないということを反省いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 最後に大蔵大臣、御承知のように拡充法が五十七年で終わりになるのですね。そうすると、拡充法は終わりになる、しかし金は取られる、こういうことなんですね、電電公社は。だから私は、ここでは資金ショートが起こる余地があると思っておるのですね。だから、そういう資金運用その他の問題についてはひとつ電電公社の総裁の裁量に任せるということをこの際大蔵大臣から御答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 当然法律の範囲内で十分に配慮します。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 終わります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 本案に対し、自由民主党を代表して越智伊平君外三名より修正案が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。越智伊平君。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。  御承知のとおり、この法律の施行期日は、原案では「昭和五十六年四月一日」と定められておりますが、すでにその期日を経過いたしておりますので、本修正案は、施行期日を「公布の日」に改めることとしようとするものであります。  何とぞ、御賛成くださいますようお願い申し上げます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に付します。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。麻生太郎君。

麻生太郎自由民主党

○麻生委員 私は、自由民主党を代表し、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案及び同法律案に対する修正案に賛成の意見を述べるものであります。  御存じのように、わが国は、第一次石油危機後に予想された経済混乱を回避し、景気の回復と国民生活の安定のため、あえて大量の公債の発行を行うことにより高目の成長率を維持すると同時に、物価も総じて安定化の傾向を示すなど、その経済政策の成功は諸外国から高く評価されているところであります。  しかし反面、異常なまでの公債依存度、国債費の急増など、財政の運営が硬直化してきていることもまた事実であり、公債依存財政から早期に脱却し、社会経済情勢の変動に十分対応し得るよう財政に柔軟性と弾力性を回復させることが現在緊要の課題となってきております。  この点に関し、先般成立しました昭和五十六年度予算においては、公債の発行額が前年度当初予算よりもさらに二兆円減額されており、これは政府の財政再建への強い決意を示すものであると同時に、再建達成への着実な第一歩を踏み出したものとして評価するものであります。  ただいま討論に付されております本法律案は、この五十六年度予算と一体をなす重要な法案であり、本法律案の成立は、五十六年度予算執行に必要な財源の裏づけを与える必要不可欠なものであると信じます。  すなわち、第一に特例公債の発行であります。  五十六年度予算編成時に行われた歳出歳入両面での各般の努力によって、その発行額は二兆円減額されましたが、昭和五十六年度においても、引き続き特例公債の発行によらざるを得ないことは厳然たる事実であり、昭和五十六年度予算の歳出の財源に充てるため、五兆四千八百五十億円に上る特例公債の発行は必要やむを得ないものであると考えます。  もちろん特例公債の発行は、あくまでも特例的な措置であり、特例公債依存からできるだけ速やかに脱却するよう、今後とも中長期的展望に立った政府の一層の努力を求めたいと考えるものであります。  なお、昭和五十六年度の特例公債の発行につきましては、本法律案において、特例公債の発行額は予算で定める旨の規定、その他所要の規定を設けておりますが、これらの規定は、従来の特例公債法と同様の内容となっており、いずれも特例的な措置に対応した適切な規定であると考えます。  第二に、電電公社、中央競馬会、日本開発銀行及び日本輸出入銀行からの臨時特例的な国庫納付等につきましては、国の財政の緊急事態に対応してこれらの法人に臨時かつ特例的な国庫納付等を求め、財源の確保を図ろうとするものであります。  このような措置は、それぞれの法人の立場からすればいろいろ意見のあるところかとは思われますが、国の財政の現状、特に財政再建のため厳しい歳出の抑制と税負担の増加を必要といたします国家財政の緊急事態から見て、やむを得ない措置であると考えます。  今回の法律案においては、法人の経営に及ぼす影響をできるだけ少なくするような配慮もなされてあると考えます。また、本法律案の審議の過程で、今回の国庫納付等の特例措置が利用者へのサービスの低下や、料金の値上げ等につながるのではないかとの懸念が示されておりますが、各法人におきましては、そのようなことのないよう、より一層の経営努力を尽くされるよう要請いたしますとともに、政府においても、このような観点から各法人に対する適切な措置を期待するものであります。  また、本法律案の施行期日である四月一日は、すでに経過しておりますので、これを公布の日から施行することに改めようとする修正案は当然の措置と考えるものであります。  以上、私は、本法律案に定められている各特別措置が、財政の現状に照らし、適正な行政サービスを維持するための財源の確保にやむを得ないものであると考えますことを申し述べますとともに、財政再建達成のため、国民の合意を得るべく、今後一層努力することの必要性を強調し、本法律案及び同法律案に対する修正案の賛成討論を終わります。(拍手)

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 戸田菊雄君。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 私は、日本社会党を代表して、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に反対の立場で討論を行うものであります。  反対の第一は、今回の特別措置法案は、財政再建の見取り図もなく、その場限りの歳入確保策で増税再建に走り過ぎていることであります。政府の財政収支試算(八〇年二月衆議院予算委員会提出表3)は、新経済社会七カ年計画が想定する八五年度の日本経済の姿を前提に機械的に計算したにすぎないと言っております。このような政府の言い逃れの言動は無責任きわまりないものと考えます。  政府は今日まで、財政再建のためには八四年末までに赤字国債を打ち切ることが最大の政治課題だと強調し続けてまいりました。赤字国債の解消計画を早急に示す責任があったはずであります。すなわち、八一年度に国債発行額十二兆二千七百億円と前年度当初予算比二兆円減額としたことで、財政収支試算が予定しておりました国債発行額の八三年度十三兆四千億円、八四年度十一兆六千六百億円の中間まで八一年度で達成することになり、二年半ほど繰り上がるはずであります。また財政収支試算が予想した税収よりも増収、法人税は減量経営等で好調、かつ所得税の減税見送りにより自然増収による歳入の増収が多くなること必定であります。さらに歳出増加率は財政収支試算の見込みより少なくなるかと思います。歳出削減はおろか、中期展望も示されず、史上空前と言われる大増税で財政の確保だけに走り過ぎた増税再建策だからであります。  第二は、国会の審議権を軽視し、制限する不法性についてであります。  今回の特別措置法案は、電電公社納付金、中央競馬会納付金、政府関係機関の貸し倒れ準備金の取り崩し、日航の政府保有資産の処分等々、それぞれ性格の全く違う異種のものを同じ法案に組み入れ、あまつさえ公債発行まで行うことになっております。歳入確保のためには手段を選ばずの措置は全く前例がなく、国会の審議権を軽視し制限する不法性は許すことができません。  第三は、西ドイツの財政再建法の自分に都合のいいものだけのつまみ食いに終始しているからであります。  特別措置法は西ドイツの財政再建法をモデルにしたと言われていますが、西ドイツでは歳出歳入両面にわたって徹底した施策を講じております。たとえば、歳出面では、幾つかの点で徹底した歳出削減を実行いたしております。しかる後に、歳入面での租税特別措置法の大企業、大法人の優遇措置の撤廃を初め、種々の検討を行い、均衡のとれた施策を実行したと言われております。金集めのみに狂奔し一方的に国民の犠牲と不公平を拡大する今回の措置には賛成できません。  第四は、政府系金融機関、公庫等の貸し倒れ引当金も実態と遊離して積み立てられ、実際は利益隠しとなっているのであります。政府系金融機関には、開発銀行と輸出入銀行のほかに住宅金融公庫を初め八行もあります。それらの公庫内貸し倒れはいずれもゼロで、公庫等の貸し倒れ引当金の積み立てを行っておるわけであります。それにもかかわらずこれらには何ら手つかず、財政確保策としてはきわめて不十分であります。  第五は、財政再建の予算の組み方が一貫して大企業中心、高度成長時の硬直した編成に終始しているからであります。  政府の八一年度予算及び財政投融資計画の予算説明書の六十四ページでも明らかなように、一般会計の赤字解消を政策の最優先課題と言いながら、八一年度予算では、法案によって百六十五億円を産業投資会計に吸い上げておきながら、一般会計には五十億円しか繰り入れず、三倍の金が大蔵省の手かげんで貸し付けに回そうとしております。このように相変わらずの大企業中心、高度成長時の硬直した予算編成になっているからであります。  以上、本法案の反対理由を申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 柴田弘君。

柴田弘公明党・国民会議

○柴田委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案並びにただいま提案のありました修正案に対し、反対の態度を表明し、討論を行うものであります。  反対する理由の第一は、政府が赤字国債の発行を減額するに当たって、その財源を増税のみに頼っているという点であります。  すなわち、政府は、昭和五十六年度予算で赤字国債を五兆四千八百五十億円発行するものとしているものの、その発行額が五十五年度予算に比べて二兆円の減額となっていることから、政府が命名した財政再建元年の目玉商品とさえしております。われわれも国債減額に異論をはさむものではありません。しかし、五十六年度予算及び税制改正等で示された政府の国債減額策とは、所得税減税の見送りによる実質増税二兆七千億円を初め、一兆四千億円にも及ぶ法人税、酒税、物品税、印紙税などの引き上げによる史上最高の増税によって措置されたものであります。しかも政府の増税措置は、国債減額の前提である行財政改革や不公平税制の是正に国民の納得がいく成果が見られないままで強行されているのであります。このことは、鈴木総理の五十七年度以降行財政改革によって増税なき財政再建を進めるという発言を見ても明らかであります。  同時に、わが国の国民生活、特に勤労者は政府の失政とも言える物価高騰、所得税減税見送りによる実質増税、低いベースアップなどから、実質所得が対前年比でマイナスとなる最悪の状態に陥っております。また、中小企業倒産も現状のままで推移するならば、五十六年度は史上最悪になることが予想されています。こうした国民生活の状態を知りながら、政府は財政再処とは国債減額イコール増税という短絡的な発想に固執し、増税のみを前提とした本法案を認めるわけにはいかないのであります。  反対する理由の第二は、政府が赤字国債発行から脱却することに明確な方途を示さないことであります。  われわれは、かねてより財政再建を国民合意のもとで計画的に進めるために、財政計画の策定、提出を求めてまいりました。われわれの要求にこたえて財政当局も従来の財政収支試算から、本年度は「財政の中期展望」に変えるなど努力をされたことは認めます。しかし、財政再建の一つの指標である赤字国債の減額については、五十五年度の財政収支試算では後年度になるほど減額幅が多くなっておりました。比べて、五十六年度の「財政の中期展望」では、毎年度均等額になっております。このように国債減額だけを見ても、政府の提出資料が激変をしているのであり、政府の財政再建策に疑問を抱かざるを得ないのであります。  したがって、政府が財政再建に明確な展望や計画を示さないままで赤字国債の発行を続けることには賛成できかねるのであります。  また、日本電信電話公社等の納付金制度の今回の措置は、電信電話料金等の値上げに結びつく危険性が十分に考えられ、反対せざるを得ないのであります。今後の措置を十分に検討されることを要求をいたしますとともに、ただいま提案のありました修正案にも反対の意思を表明し、私の反対討論を終わります。(拍手)

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 玉置一弥君。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 私は民社党・国民連合を代表し、ただいま議題の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案原案及び修正案について反対の意思を表明し、討論を行います。  わが国の財政は、昭和五十年以降、社会経済状況に対応するため、毎年度大量の公債発行に依存せざるを得なかったが、その後の景気の変化に機敏な財政の対応がなく、現在の財政悪化をもたらしました。  今年度予算編成の際、鈴木総理が公債の発行額を前年度より二兆円減額することを言明されましたが、財政再建を急ぐ余り一兆三千九百億円の増税が伴ったのであります。  従来われわれは、財政再建を税の自然増収と行財政改革によって進めるべきであると主張し、個個に具体的提言を行ってまいりましたが、予算の硬直化による景気対策への影響の薄れや、行財政改革での実効の上がらない状況から今後に不安を覚えるものであります。  今回提案された法律案の個々の内容について主な反対理由を申します。  特例公債発行二兆円減額については、実行に移されたことを大いに評価いたします。しかし、行財政改革に対する鈴木総理の決意を十分受けとめた各省庁の動きがほとんど一般歳出には見られないのであります。  十四兆円以上にふくらんだ補助金の整理統合、各省庁の経常経費の洗い直しとともに、四十四兆円以上にもなっている地方財政、地方自治体の実態にも、ぜひ行革として手をつけることを提言いたします。用途を決められた補助金の体系とその効果を実行面で最も評価できるのは各地方自治体であり、整理統合に参画すべきであると思うのであります。しぼられた補助金でも、各自治体の裁量で適正な用途に活用できれば、十分な効果を生むことができるのであります。  二つ目に、日本中央競馬会の納付金については、畜産振興への影響を考えなければならないとともに、今後競馬会の健全な発展のためには、国民の信頼を得られるような明確な運営システムが必要と感じております。  日本電信電話公社の納付金については、電話利用税につながるおそれがある、現在の電電公社の運営方法を変えない限り、収益圧迫がサービス低下、料金値上がりに結びつく、電電公社職員の合理化努力の評価の方法が明確になっていない等いろいろな問題点が残されたままになっています。問題点についてそれぞれ解決しておかなければ、単にいま黒字だからといって納付金として取り上げるだけでは、第二の国鉄になりかねないのであります。  以上、反対理由を述べましたが、今後の財政再建について国民が期待をしている行財政改革をより積極的に政府が進められることを要望し、反対討論を終わります。(拍手)

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 正森成二君。

正森成二日本共産党

○正森委員 私は、日本共産党を代表し、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置法案及び同修正案について反対の討論を行います。  反対の第一の理由は、本法案がなりふり構わぬ財源かき集めの策にほかならないということであります。  政府・自民党は、大企業へのてこ入れのための景気対策で公債を乱発し、財政危機をここまで深刻化させておきながら、その責任にはほおかぶりをしてきました。そればかりか五十六年度予算では、国民に大増税と福祉切り捨てを押しつける一方で、アメリカや財界が要求する軍備の大増強を進めてきております。本法案による財源は、この予算を裏打ちするものにほかならないものであります。しかもその内容は、期限を切ってはいるものの、異常の措置の寄せ集めであり、国民本位の財政再建を阻むものであります。真に国民合意の財政再建を考え、財源確保を図ろうとするのであれば、いまこそ国民本位の財政再建、行政改革に着手し、軍事費など不要不急の支出の大幅な削減、大企業、大資産家優遇税制の徹底した是正、政府関係機関や特殊法人などの国民的な立場からの見直しで、国民生活の防衛と日本経済再建のためにも役立てるものとすべきであります。  第二の理由は、憲法、財政法の恒久平和の精神を踏みにじるものだということであります。  財政法第四条については、法制定当時の平井平治大蔵省主計局法規課長も、「公債のないところに戦争はないと断言し得るのである、従って、本条は又憲法の戦争放棄の規定を裏書保証せんとするものである」と指摘しているところであります。軍備拡張のもとでの赤字公債の大量の発行は断じて認められないところであります。また、電電公社からの国庫納付は、昭和十三年から終戦までに実施された日中戦争のための臨時軍事費特別会計への繰り入れを想起させる異常なものと言わざるを得ないのであります。  第三の理由は、取るべきでないところから取る一方、取るべきところからは少ししか取っていないということであります。  日本電信電話公社は、もともと非営利事業体と位置づけられ、料金決定の権限も国の握ってきたものであります。さきの不当な大幅料金引き上げによる利益は、国庫へ取り込むよりはむしろ利用者への還元に充てるべきであります。また、今回の国庫納付分を補うために予定されている財政投融資拡大などの措置は、電電公社に借金を押しつけ、公社経営を圧迫して、さらなる料金引き上げを促進するものと言わざるを得ません。  日本中央競馬会からの納付金は、畜産振興を配慮するにしても、その売上額や内部留保の増大ぶりや、日本発馬機汚職や不当に高い用地借り上げなどの実態からすれば、当然さらに多くの国庫納付額とし、今後ともに実施させるべきであります。  開銀等からの産業投資特別会計への繰り入れ及び産投から一般会計への繰り入れについて言えば、金利面での優遇措置で大企業への見えざる補助金の配分機構となっている輪、開銀やその源泉となっている産業投資特別会計のあり方を、国民本位の立場から見直し、さらに大規模な国庫納付を求めてしかるべきであります。  最後に、今回のこの法案は、財源確保との共通内容はあるものの、余りにも性格の異なるものが一括されており、国会での徹底した調査、審議をあわよくば免れようとする、いわば議会軽視のそしりを免れないものであります。今後はかかる便宜的でこそくな手法によらず、国民的財政再建策に踏み切るべきであります。このことを指摘して、私の討論を終わります。(拍手)

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これより採決に入ります。  まず、本案に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 起立多数。よって、本案は修正議決いたしました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、大原一三君外四名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新自由クラブ、五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。伊藤茂君。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を御説明申し上げます。  御承知のとおり、昭和五十六年度予算におきましては、歳入歳出両面にわたる見直しにより、公債発行予定額を前年度当初予算よりも、さらに二兆円減額し、しかも、そのすべてを特例公債の減額によることといたしましたことは評価できるところであります。  しかしながら、国民生活の安定・向上を図るために必要な行政水準を維持するためには、なお相当の財源が必要であり、五十六年度においても引き続き特例公債を発行するとともに、特殊法人からの臨時特例的な国庫納付等を求めざるを得ない状況にあります。  本附帯決議案は、このような状況に顧み、公債依存度の低下を図るための努力、建設公債の借りかえの本格化に備えての国債管理政策の確立、抜本的な行財政改革、日本電信電話公社及び日本中央競馬会の経営努力等について、なお一層の配慮を政府に要請するものでありまして、案文の朗読によって内容の説明にかえさせていただきます。     財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について十分配慮すべきである。  一、健全財政を回復するため、財政収支の改善に全力をつくし、昭和五十九年度に特例公債依存の財政から脱却することを実現するとともに、建設公債についても可能な限り抑制し、公債依存度の低下を図るよう努めること。  一、建設公債をもつて出資する特殊法人等の予算執行のあり方について検討すること。  一、財源対策としては、負担の公平化に一層努力し、中長期にわたる基本的展望に基づいて見直しを行うこと。  一、今後建設公債の借換えも本格化することに備え、金融・資本市場の動向をふまえた市中消化の原則、発行条件の適正化等適切な国債管理政策に関する方針を確立するよう努めること。  一、今後における社会経済情勢の推移に対応し、補助金行政・各種の特別措置の洗い直し、財政投融資・特殊法人の経営の見直しなど、抜本的な行財政改革を進めること。  一、公衆電気通信事業の公益性にかえりみ、日本電信電話公社の臨時国庫納付金の納付が料金値上げをもたらすことのないよう能率的な公社経営を可能にする諸般の改善を行い、職員の自発的な協力を求めるよう努めるとともに、政府においても公社設立の趣旨に基づき、経営の主体性が十分発揮されるよう努めること。  一、日本中央競馬会については、政府の指導監督と自主的な経営努力を通じ業務の適正な執行を図り、競馬の健全な発展に資するよう努めること。 以上であります。  何とぞ、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  お諮りいたします。  本動議のごとく本案に対し附帯決議を付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。渡辺大蔵大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 次に、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  両案につきましては、先刻質疑を終了いたしております。  両案に対し、自由民主党を代表して越智伊平君外三名より、それぞれ修正案が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。大原一三君。

大原一三自由民主党

○大原(一)委員 ただいま議題となりました両修正案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。  御承知のとおり、これら共済年金関係の二つの法律の施行期日は、両原案とも「昭和五十六年四月一日」と定められておりますが、申し上げるまでもなく、すでにその期日は経過いたしておりますので、両修正案は、それぞれ、施行期日を「公布の日」に改めるとともに、これに伴いまして、所要の規定の整備を行うものであります。  案文は、お手元に配付してございますので、朗読は省略させていただきます。  何とぞ、御賛成下さいますようお願い申し上げます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず、本案に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。  次に、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず、本案に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 ただいま議決いたしました両案に対し、大原一三君外五名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党、新自由クラブ、六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。  国家公務員及び公共企業体職員の共済年金につきましては、今回、恩給における措置にならい、年金額の引き上げが行われるところでありますが、なお、年金生活者の現状にかんがみ、その給付水準及び給付要件等の改善とともに、年金、財政の健全化に努め、共済組合制度の安定を図る必要があると思われます。  この附帯決議案は、懸案の諸項目につきまして、政府の一層の努力を要請するものであります。  以下、案文を朗読いたします。     昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、共済組合制度の充実を図るため、左記事項を実現するよう、なお一層努力すべきである。  一 共済年金の成熟度の進行にかんがみ、その財源措置及び整合性を確保することにつき、さらに検討を行うこと。  二 遺族年金の給付水準については、受給者の生活実態等を考慮し、さらに充実するよう検討すること。  三 短期給付の引上げについては、さらに医療費の審査及び組合員の生活実態等に着目し、掛金負担の適正化について十分努力すること。 以上であります。  何とぞ御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  お諮りいたします。  本動議のごとく両案に対し附帯決議を付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。渡辺大蔵大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 塩川運輸大臣。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしましてその趣旨を体し、十分検討したいと思います。ありがとうございました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 次回は、来る十七日金曜日午前十時五十分理事会、午前十一時二十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時二十四分散会      ————◇—————

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