大蔵委員会 第21号
- 発言数
- 141 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/04/10
会議録
○綿貫委員長 これより会議を開きます。 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平林剛君。
○平林委員 きょうは財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置、これについてお尋ねをしたいと思います。 提出されました法律案によりますと、五十六年度における特別公債の発行は別にいたしまして、日本中央競馬会から二百億の特別国庫納付金、それから日本電信電話公社から毎年度千二百億円を四年間臨時国庫納付金として納付させる、日本開発銀行と日本輸出入銀行から利益金の処分の特例として合計百六十五億円を予定している、これを政府は「当面の財政運営に必要な財源を確保」するという表現を用いて提案をしてまいりました。こういう特殊法人からそれぞれ納付金あるいは利益金の処分とかいう名目はつけておりますが、言葉は悪いけれども一種の御用金のような法律案と私は見ておるわけであります。この特殊法人の剰余金を国庫に吸い上げるという構想は、いままでの新聞報道その他から承知しておるところによれば行政管理庁長官を中心にしてまとめ上げたというわけであります。この法律でまないたにのったのはいま挙げただけでございますが、それ以外にも対象になった特殊法人があるのかないのか。きょう初めて長官にお聞きするわけですが、一説によると行政管理庁ではこういうやり方で一兆円程度は浮かせることができるというような意気込みで取り組んだというようなニュースもございましたのでその他にもあるんじゃないのか、あるとすればどんなことがあったのかということについてお話をお聞かせいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 昨年の八月から作業をやりまして堀内政務次官を中心にして百以上の全特殊法人の見直しを行いました。その結果候補に上がってきたのが二十前後ございまして、それからさらにしぼりまして今回御審議願っておるものにしたわけでございます。それは電電公社だけでなくて日本競馬会もございますしあるいは開発銀行もございますし、あるいは日本航空のようなものは株を売ってもらいたい、そういうようなさまざまな取り合わせでやった次第でございます。
○平林委員 この電電公社の臨時国庫納付金につきましては今日まで各委員からもいろいろな角度から追及されておりましたが、電電公社から四年間かけて積立金のうちから四千八百億円に相当する金額を納付させるという考え方は、公社発足の当時の理念あるいは国会の審議の結果というものを否定することにならないかというのが私のお尋ねしたい点です。これは大蔵大臣に関係がありますから渡辺さん、あなたに質問します。 この納付金という制度は、電電公社がまだ公社制に移行しないで電気通信省時代ですか、政府機関という立場に立って利益金の一部を一般会計に納入をしていたという時代があったようでございますね。それが公社制度に移行するに伴っていろいろと議論があり、国会でも審議した結果国庫納入という制度は廃止された。当時のことをいろいろ聞きますと、この廃止をした理由というのは、事業経営における自主性を確立するということ、もう一つは公社に独立採算制を堅持させるという立場からこの措置をとったというふうに私は承知しておるわけでございますが、この間質問を聞いておりますと、御答弁は、いや、それはそうだが、当時の事情と今日の事情では違ってまいりました、もう一つの理由は、財政事情もいろいろありまして結局こういうことになりました、こう言うのです。しかし、それは結局大蔵省あるいはこれを発案された政府側の見解であって、国会の意思というのは独立採算制をとらせよう、あるいは電電公社に自主性を持たせようというような趣旨から納付金の制度を変えたわけなんです。国会の意思、公社発足のときの理念をこの法律は否定し去っていくんじゃないか、こう思うのですけれども、これに対してはどうお考えですか。
○渡辺国務大臣 当時の国会の御意思はいま平林委員のおっしゃったとおりだと私は思います。しかし、それから長い年月がたちまして事情の変更ということもあるわけですから、今度国会の御意思がどういうふうに出るか私はわかりませんが、政府といたしましては、世の中も変わり、いろいろなことを皆わかっておりまして、国会の方は国全体のことをちゃんと考えて、電電公社のことだけでなくて国全体の中で電電公社の生きる道も考えていただく、こういうようなことでございますから、国会の御意思もそういう点について独立採算を守っていくという点は同じかもしれませんけれども、この程度のことでは独立採算制を著しく損なうような事態ではない、またやり方によって電電公社の体質も労使双方の協力によって非常に合理化、近代化ができた、そういうようなことでございますし、なお一層できる見込みもあるということでございますから、私はこの程度のことをお認めいただけないだろうか、こう思って提案をしたわけでございます。
○平林委員 改めて国会の御意思を問うという謙虚な立場で提案をした、こういうお話でございますけれども、独立採算制とか公社の自主性はこれで著しく侵されるものではないという御判断ですね。
○渡辺国務大臣 さようでございます。
○平林委員 ただ、私は電電公社に納付金を課するということは、いま問答いたしましたが、公社制度の根幹に触れる問題だけではなくて、そのほかにもたくさん疑問があると思うのであります。繰り返しては申し上げませんけれども、たとえばいま独立採算制を言われましたけれども、予算の執行、運用については全部法律で拘束を受けておるわけでありまして、予算を上回る場合の純利益でさえもその使い方は自由裁量じゃない。投資または債務償還ということで処理されておるわけでございますから、一般的に言う利益金とは全く性格を異にしているのじゃないか。それに着目したのはちょっと疑問があるというのが一つの問題でございます。また、今日段階でも公社事業における損益勘定は年々悪くなっておるというお話も聞いておるわけでございまして、このままいけば電電公社は五十八年度にはまた電話料金を上げなければいかぬようになるかもしれぬというようなお話もございますので、そのときに、幾らかゆとりがあるからというような御判断でこういう措置をとったとすれば、そこにまた疑問がある。その上に臨時国庫納付金を課するというのは、収支が急速に悪化するんじゃないのか。だから電電公社が言っているように、料金の値上げということが早まってくるという不安、心配もあるわけでございますね。これはみんなからときどき指摘されておる。もしそうだとすると、この法律案にはこういう措置をとるのだが、それをやることによって「国民生活と国民経済の安定に資する」という提案理由になっておるのですけれども、ちょっと矛盾するんじゃないのか。結局かなり無理なやり方をとって納付金を課する。その結果電電公社、せっかく現在のところはこういう状況になっているものが、これによってもし悪化して電話料金の引き上げというようなことになったとすれば、提案理由に書いてあるような「国民生活と国民経済の安定に資する」というようなことには結果的にならぬのじゃないのか、そこに矛盾がある、こう思うのですけれども、それはいかがですか。
○渡辺国務大臣 電電公社が生産性は上げないで、そして賃上げだけしていくというようなことになれば、それは当然悪化しますよ。(平林委員「賃上げ……」と呼ぶ)要するに生産性が上がらないで、それで賃上げが毎年行われていく。そうすれば悪化することは当然だと思うのです。しかしながら、いままでもやってきたように、電電公社としては労使一体となって一層その生産性の向上というものに努めていただく、そういうような中で売り上げ約四兆円弱、三兆九千幾らですか、その中での一千二百億円ですから、確かに三%強ということになります。その程度のものは生産性の中でともかく何とかその利息の分は解消できるし、それから元金そのものも一兆六千億円という余剰金の積立額、もちろんそれは現金で持っているわけじゃありませんが、そういうものの取り崩しの中から払っていくんだということであるし、問題は利息ですよ。利息については今度はまた売り上げに対しては〇・幾つという話ですから、そういうものは生産性の向上の中で吸収していくことができる、そう思いますので、私どもといたしましてはそれが直ちに損益計算上電電公社の悪化につながるというようには思っておりません。
○平林委員 電電公社の方からは小川総務理事、おいでになっていますね。ちょっとお尋ねしますが、今度こういう納付金を千二百億納めなければならぬ、事業の収益というのもそんなによくない、だんだん悪くなってくる、きついものだからということで、この問題を提起されたときに苦労されたと思うのですよ。それで結果的には、去年までは五百億円財政投融資を受けていたものを五十六年度は千五百億円にふえた。あなたの方から財政投融資をふやしてもらわなければできないということで政府に要請して投融資をふやしてもらったのですか。
○小川説明員 お答えいたします。 電電公社といたしましては、本年度予算に関して見ますというと、収支差額というものが昨年度の予算二千七百七十四億に対しまして、本年度は御承知のように昨年の十一月二十七日からの夜間割引の実施、さらにまた現在国会に法案をお願いしております夜間割引、さらに日曜、祭日の割引、こういったことを実施したいという考え方がございまして、五十六年度は九百三十八億という収支差額になってございます。したがいまして、本来収支差額が大きく下がってまいるものでございますから、資金的には建設勘定はやはり三%余り伸びておりますので、どうしても外部資金に依存する度合いというものが高くなるということで、概計時期から大体二千億ばかり外部資金がふえる、そういう状況になってまいってきております。したがいまして、納付金が入るということは別にしましても、かなり財投はよけいちょうだいしたいという要求をいたしておったところでございます。
○平林委員 そうすると、私の聞いたのは、あなたの方から言ったのか、こういう問題が持ち上がったもので、政府とあなたの方が相談して、まあこんなことでこれはふやしてやるから、まあがまんしろよ、こうなったのか。そこのところがちょっとわからない。
○小川説明員 お答えいたします。 当然資本勘定の支出で納付金というものを賄っていくということでございますので、どうしても資金繰りが必要でございますので、そういった建設の増加あるいはいまの納付金の方、こういった相対的に考えまして、やはり財投、外部での、特別電電債での調達ももちろんふやしますし、さらに財投でもめんどうを見ていただきたいということをお願いいたしました。
○平林委員 建設関係の資金もその他のものも去年から比べて特別にふえているわけじゃないのですよ。電電公社は、それは四十年以降毎年毎年財政投融資からあるときは百億とか、あるときは二百億とか融資は受けておりますね。受けてはいますが、今度は一遍に千五百億、去年の五百億でも多かったんだけれども、三倍にもなったという理由は、納付金との兼ね合いじゃないですかと聞いておるのですよ。
○小川説明員 お答えいたします。 確かに納付金というものが出てまいったということも一つの原因でございます。
○平林委員 一つの原因じゃない、それが大半の原因なんだと私は思いますね。結局大蔵大臣、あなた、銀行なんかをやるときに、中小企業や会社が金を借りに来るときに、どうしても借りたければ預金をしろ、そうすれば金を貸してやるというあの歩積み両建てというのを知っておりますね。これはあれと同じことでしょう。要するに財源を確保するために電電公社に相当の納付金をさせなければならぬ。したがって、それをさせるのに都合のいいように、またやりやすいように、財政投融資の方から金はよけい積み増して貸してやるぞ、だから上納金をやれ、納付金を出せ、こういうのは、いわゆる銀行の中における歩積み両建てと同じようなものじゃないですか、どうですか。どこが違うのですか。
○渡辺国務大臣 それは銀行の場合と違いまして、利益準備金が一兆六千億円もあるわけです。普通だったら、一般の会社なら、利益を上げたときにその半分近いものはもう税金で納めるわけですよ。しかしそれは、利益が上がったからといってその利益が全部現金で上がっているわけじゃなくて、固定資産になっている場合もあるし、たな卸しになっている場合もあるし、売掛金になっている場合もあるし、預金になっている場合もいろいろございます。しかし、税金で納めるのは現金で納めるわけですから、大変なわけですね。したがって、電電公社の方でも、いままで納付金を考えていなかったというところに納付金ということになれば、それはその分だけ金繰りが必要だということは言えると思いますよ。したがって、結局剰余金の中から取り崩すといっても、それは納めるのに現金で年内に納めてくださいということになれば、急に言われても金繰りが必要でございます。何か売るといっても、電電公社の場合はパラボラアンテナを売るとか、電話機を売るなんというわけにはいかぬわけですから。ですから、そういうような金繰りについて、金に色目はついていないわけですから、建設資金の方へ行く金が回ってくる場合もあるだろうし、財投で借りた金が回ってくる場合も、金に色目はないわけですから、そこのところはどの金がどこへ行ったということを言われてもちょっと私はわかりませんが、そういうような金繰りについて配慮したということは事実であります。
○平林委員 頭のいい大蔵大臣にしてはずいぶん苦しい答弁をしているね。そういう理屈が通るなら、私この間も議論したのだけれども、日本の企業の中には、退職積立金だとか価格変動準備金だとか、賞与積立金だとかといって何兆円もあるんだから、そういうのを引き出すということをなぜ考えないで、電電公社だけこんな無理な算段をして、たかだか年間千二百億円を引き出すようなことを相談して出したのですか、矛盾しているじゃないですか。もうちょっと全般的に見れば、そういう方面については国民の批判も受けてやらなければいけないものがいっぱいあるのに、それは見向きもしないでこれだけをやるというのはどういうわけですか。
○渡辺国務大臣 それは民間の方は現実に法人税で利益の半分も納めているわけですから、ともかく国民感情からすれば、電電公社が一兆六千億円も利益準備金があって法人税払ってなかったのですかとむしろびっくりしている人も実際はあるわけですよ。政府がこれだけ苦しんで、民間からも増税をやっているというようなときなんだから、利益のある電電公社も、まして、政府と親戚で——親戚というかまあ政府みたいなものですね、実際は国有ですから。だから、そういうような中で、ひとつ財政の窮乏している政府に対して、それはともかく電電公社も応援しようということで応援をしていただいたということであって、民間と比べたら、私は決して民間より粗末にされているというようには思っておりません。やはり民間、中小企業の方だって法人税というのは利益の半分近いものを納めているわけですから。ですからそういう点も考えれば、この際国民感情の問題からいっても、電電公社当局者としてはそれは納めない方がいいに決まっておりますよ、決まっておりますが、それは世界に例のないことでもないし、ひとつこの際は御協力願いたい、こういうことでお願いをしたということであります。
○平林委員 売り家に出す三代目というけれども、とにかく自民党政府も大分財源に苦しくなって、理屈の通らないことをやるもんだなというのがこの法案ですよ。あなた国民感情と言うけれども、国民感情からいえば、大企業の退職引当金だとか価格変動準備金だとか、いろいろな引当金、準備金で膨大な金額の税金を免れているという方がよほど批判の対象だ。それをほおかぶりしておいてこっちをやる。 いまお話の中に法人税を納めてないんだからと言うなら、そんな考え方があるなら、これがもしなくなった後、これは四年間で終わるんだけれども、その後電信電話利用税なんというようなことを考えて、それを含みとしてやっているように判断されるのですけれども、そんなことはないのでしょうね。それはどうなんですか。
○渡辺国務大臣 ドイツなどでは納付金制度というのがありまして、八〇年か七九年かの実績から言うと約四千億円ぐらい納めているのです、毎年三千億とかね。ですから、今回のことは決して世界に例のないことをやったというわけでは実はないわけです。 四年先はどうなるかといって、これは財政の事情、電電公社の事情、いろいろございましょう。しかし、われわれは四年先までいまのところ考えておりません。現在は臨時特別の措置ということでありますから、そこから先どういうのを考えておるかと言われても、考えておりませんから考えておりませんということを申し上げます。
○平林委員 もう一つ、別な角度から聞きますが、今度の場合とにかくこの納付金のために財政投融資は、去年は五百億だったがことしは千五百億、つまり一千億円ふやしたと思うのですよ。私も財政投融資計画というものはどういう法律根拠に基づいてやるのかなと思って、いろいろ法律を調べてみたら、二つばかり法律があるんだよね。その法律をゆうべよく読んでみたんだ。長ったらしい法律で資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律、六法全書を出してもちっとも出ていないものだから調べてもらったのですけれども、こういう法律と資金運用部資金法という二つの法律、大体これが財政投融資をいま政府がおやりになっておる根拠法規だというふうにわかったのです。しかし、今度のような納付金を納めさせるために財政投融資の資金をつけるなんというのはこの法律のどこからも余り出てこないのですけれども、どこを根拠にしてこれはやったのですか。
○渡辺国務大臣 これは先ほど電電公社からもお話があったと思いますが、このために財投を貸したというわけでなく、金に色目がないということで、別の方の目的があって出したので、別に法律違反じゃございませんので……。 その法律の解釈については専門家の方から答えさせます。
○宮本(保)政府委員 お答え申し上げます。 従来からの財政投融資の金につきましては、建設勘定の支出に要する資金の一部を充当するために出しておるわけでございます。これは長期の資金でございます。したがいまして、五十六年度におきましても、私どもといたしましては建設勘定の支出に充てるという趣旨には変わりございません。 したがいまして、今回の臨時納付金につきましての資金調達は、私ども政府といたしましては特別債券の発行によって調達いたすということでございますが、ではなぜ財投を一千億ふやしたのかという点につきましては、先ほど来大臣もお答え申し上げておりますけれども、全体の資金繰りから見まして建設勘定がふえておるとか、あるいはそれに見合いまして収入は大変減っておるというようなこともございます。それから電電公社の民間の調達力といいましても、去年よりは約二千億も民間からの調達をふやさなければいけないというふうな全体の資金繰りがあったものでございますから、私どもといたしましてはあくまでも建設勘定に充てるためということで実施したわけでございますけれども、全体の資金繰りの中からいろいろな、電電の方の経営の事情等もございますので、一千億を増加いたしたということでございます。
○平林委員 まあ、とにかくややこしいやり方をしているんだ。これは非常にわかりにくいですよ。渡辺さんの所説というのは、大体筋が通っていてすうっとわかって国民受けがいいんだよ。しかし、これはちょっと説明しにくい、私そう思うのですよ。それで、財政投融資に関する法律からはこういうような貸し付けは許されていないのですよ。それは金に名前をつけられないからほかの理由を幾つかつけて違反じゃないと逃れているだけのことであって、まともに解釈すれば、財政投融資から納付金を納めるために融資をつけるなんというのはおかしいですよ。あなた苦しいからほかの理屈をつけて、金には荷札がつけられない、こう言っているんだろうと思います。だけれども筋は通らないですよ。 そこで財政投融資計画、いま財政投融資というと国民から非常に批判があるんです。政府の御都合で勝手な運用をするというところに問題があると私思うのです。ですから最近財政投融資計画などにつきましては見直しをしたらどうかという議論が出ているんです。もちろんこの問題からじゃないが、第二の予算と言われる財政投融資計画は巨額の使い残しがあるじゃないかとか不用額が多過ぎるじゃないかとか財政投融資の運用については時代の要請に合わないものができているとかというようなことで根本的な見直しを要請されている。そのほかに今回のような余り筋が通らないような運用までやるということはどんなものだろうか、私はこういうふうに思うのでございます。こうした財政投融資計画は一体だれがまとめ、どこでやっていますか。
○宮本(保)政府委員 一言で申し上げまして予算と同じでございまして、通例で申し上げますと一応八月末までに各財投機関から計画額の要求が参ります。それを受けまして私ども査定作業をいたすわけでございます。そして普通でございますと年末に資金運用審議会の議を経まして政府案を決定いたします。そして年明けて国会に提出しまして、国会の御審議を経た上で可決成立ということになるわけでございます。
○平林委員 財政投融資計画を予算案と並行してお立てになってある程度案がまとまりますが、まとまったものは資金運用審議会というものにかけられる。その議を経て閣議で決定をしていく、こういう手順だと思いますが、その事務当局で立てられた計画案が資金運用審議会で変更されたり改正されたりしたことがいままでございますか。そういう例がございますか。
○宮本(保)政府委員 私どもといたしましては計画の査定段階におきまして資金運用審議会をかなり開催いたします。たとえば五十五年でございますと十回にわたって開催いたしておりまして、広くあらかじめ委員会の御意見等もちょうだいいたしまして策定いたしておりますので、最終的に政府案を決めますときの運用審議会で変わったということはございませんが、その途中の段階でいろいろ御意見等ちょうだいいたして策定いたしておるということでございます。
○平林委員 この運用審議会というのは去年は十回くらいやったというお話でございますけれども、いろいろ御意見を聞き、国会でも議論があるし、世間からも批判はある。だけれども、これが実際の資金の運用であるということが最終的に決まるのは、予算の大綱が決まらぬと決まらぬですよ。国家予算が決まって、いろいろやりくりして予算の中に組み込めないものは財政投融資でやるということになるからぎりぎりいっぱいまで、本当に実際に運用されるものは十二月の段階にならなければ決まらない。しかも私の承知しているところでは、この運用審議会はその年度の国家予算を決める閣議の三十分か一時間前に開かれる。そこで議論をするなんということはできない。たとえば今度のような問題について批判があったとしてもその意見を述べる機会はない。あるいはこうしたらいいああしたらいいということはふだんは述べられてもそこに盛られているのか盛られていないのか。それを直せる、批判をする、意見を述べるという機会がない。三十分や一時間の運用審議会でできるはずはないじゃないですか。私はそれが実情だと思うのです。大蔵大臣、今日まで財政投融資について国会でもいろいろ批判があり、あなたもこれについては検討すると言ったけれども、この問題について政府と大蔵省それから事務局の間のさじかげんでいろいろ変わるようなことであっては今日とうてい国民の批判が出てくることに対してこたえることができない。そこで見直ししたいということを政府も約束しているのですから、ならばこの資金運用審議会の運営を形式的でなく実際的にやるようなことを考えてほしい、そう思うのですけれども、お約束いただけますか。
○宮本(保)政府委員 私どもといたしましてはこの資金運用審議会が実質的な審議の意味を持つように絶えず努力してまいったところでございますけれども、今後ともこの審議会が十分機能を果たし、私どもが審議会の委員の皆様方の御意見を反映しながら計画を策定できるようにそういう運営に努めてまいりたいと思います。
○平林委員 大蔵大臣、どうですか。
○渡辺国務大臣 私も余り細かいことは知りませんが、審議会の委員の意見を十分聞いて運営するようにしたい、こう思っております。
○平林委員 私が申し上げているのは、最終的に決まるときの資金運用審議会の運営ですよ。三十分か一時間でやって閣議が待っていますからひとつ、なんというやり方はやめなさい、こう言っているのですよ。大臣、わかりますね。そうでないと幾ら意見を聞いたといったって形式的な運営、この批判を避けることはできないですよ。いまいろいろな議論が起きているときですから、少なくとも最終的に財政投融資計画の意見を聞く、あるいは意見を盛り込むというようなときは形式的な運営は避けてもらいたい、このことを一つ注文しておきます。 それから委員長、われわれの委員会にも財政に関する小委員会というのがありますね。国民のそういう批判、期待にこれからこたえるためにわれわれの小委員会の運営も、そういう問題も含めてやれるようにまた委員長においてもぜひ御配慮をいただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○綿貫委員長 一応承りましたので、また理事の皆さん方と御相談いたします。
○平林委員 次に行政改革の財政主導の傾向につきましてちょっとお尋ねしたいと思うのです。 私は、鈴木総理の増税なしの財政再建、行政改革に政治生命をかけるという発言は、いろいろな裏側の理由は別にしまして、総理大臣のリーダーシップとして一般的な支持を受けている、こう思っています。私も共鳴するところがございます。渡辺大蔵大臣も増税なしの財政再建に政治生命をかける、こう言われましたし、中曽根さんも第二臨調の土光さんと心中する気持ちで取り組むということを言われて、鈴木内閣は役者が多いなと思っておるわけでございます。大変結構なことだと思っています。ただ、いま行政改革と言えば増税なき財政再建がにしきの御旗になっておる。これに抵抗しこれを批判する者は国民世論に反抗するものだ、これがいやなら増税だというにらみをきかせるような傾向でございまして、行政改革、行政改革といえば草木もなびくというような風潮になっています。そこで心配なのは、行政改革に便乗する動きです。実は方々の新聞に一面トップ見出しでショッキングな報道がされているのですよ。各新聞を見ますと大きく取り上げていまして、どこでこれは発表するのかなとニュースソースについて不思議に思っているのですよ。ただ、四月の初め経団連の会長とか永野日商会頭らがつくっております財界の五団体の責任者、行革推進五人男ならぬ五人委員会というのがありますね。五十七年度に実施すべき緊急課題を打ち出して、これを土光さんが会長になっている第二臨調の答申に反映させようと意気込んでおるという報道でございます。その報道の記事を私は持ってきたのですけれども、これによりますと、財政再建法の制定により補助金を一括削減をする、老人医療の無料化など政策経費を見直す、特殊法人の整理統合を急ぐなど八項目の対策を盛り込んでおる。国会審議の方法まで指図したり、鈴木内閣の考えを裏打ちしたり、土光さんの応援団よろしく財界主導の印象を強めていますね。けさの新聞なんかもトップ記事にそういうものが飾られております。 私は、これらの方々の提言をすべていけないと言って異論を唱えるものじゃないのです。むしろ当然の要望もありまして、われわれもまた政府にその実行を迫っていきたいなという改革案もございます。しかし、これらの提案の中に、行政改革に便乗して、財界の野心をここで実現をし、前進させようとする策謀がありありと浮かんでいるものもあるのですよ。 記事によると、三公社の民営化について、行政改革のシンボルとなり得る、民営化により業界が巨額の財源を確保できる、民間の受けざらづくりも可能で、民間の活力向上につながるなんて書いてある。 私は、こういうような動きはやはり注目をし、警戒をしなければいかぬと思っております。つまり、行政改革が財界の野心を満たすような場になってはいかぬ、あるいは財界主導による改革として、国民の側からも、何だ財界は手前の都合のいいようなことを考えているのじゃないかというような疑惑が生ずるようなことは、せっかく真剣に取り組んでいる人もいるわけですから、そういうものを汚していくことになる。行政管理庁というのは、きのうも質問の答弁を聞いていると、中曽根さんは土光さんの答申を待ってなんということを言っていますが、それらの人に全部任せるわけにもいかない場合もあるのですよ。行政管理庁がそれまでは開店休業では、庁のところに看板を出すわけにいかない。ふだんからも公正な立場からのいろいろなお考えをぜひ検討していってもらいたい。そうでないと、財界主導型ということで国民からかえって疑惑を持たれることに相なります。政府としては行政管理庁が公正な立場でながめていく、いやしくもそこで便乗していままでの懸案の野心を実現するなんというようなことがあれば、それは正しい目でもって逆に見直していく、こういう態度がなくちゃならぬと思うのですが、いかがでございますか。
○中曽根国務大臣 行財政改革は、いわゆる言われておるような財界主導であってはなりません。これはまさに国民主導でやらなければならぬ、そう思います。いまお話しいただきました点はわれわれも非常に戒心をしておりまして、公正な立場で判断をしていかなければならぬと思いますし、取り扱いもそのように進めていかなければならぬと思っております。 ただ、官業と民業の間をどういうふうに限界線を引くか、特殊法人をどうするか、あるいはいわゆる官業あるいは行政制度によりまする肥大化とか非能率性をどういうふうに効率性にもっていくか、そういうような点については第一次臨調のときから答申が出ておりまして、あのときの答申の中にも、官業を思い切って民業化しろというのがあったと思います。その後の各種審議会の答申等も見ますと、やはり公共企業体等々にあっては民営化すべきである、特殊法人についてもそうすべきであるというような議論がかなり実際は強く出てきておる。それから同じ労働組合の中でも、同盟が最近持ってきましたわれわれに対する進言を読んでみますと、思い切って民業に移せという提言をなさっております。あるいは政策推進労組会議が持ってきているのにも、かつてわれわれがいろいろ研究したものよりももっと鋭い言葉で出ているのもございます。そういう国民全体の意見をよく考えながら、また、いわゆる官業の中にある人たちの意見もよく聞きながら、われわれは静かに、合理的に物を進めていきたい、そう考えておる次第であります。
○平林委員 いろいろ各方面の意見も聞き、国民的立場で考えるというお話でございますから、一応私もきょうはこの程度においておきますが、財界主導による行政改革の批判と疑惑にこたえるためには、いまお話しになったこと以外にも、たとえば会計検査院法の改正というような問題、所管は違うかもしれませんが、やはりまないたに乗せるべきではないか。これを行うことによって、たとえば開発銀行とか輸出入銀行、今度の法に出ていますね。ああいうような問題と絡めて一つの前進が図れるのじゃないかと思うのでございます。こうした問題あるいは渡辺大蔵大臣がしばしば申しておりますが、租税特別措置法による課税の不公平の是正という問題を通じまして、財源を得る、つまり行政改革の一つの目的は増税なき財政再建ということでございますから、当然こうした問題につきましても大蔵大臣とも相談をされてまないたに乗せる、あるいは先ほど渡してきました財政投融資計画の検討、それから中曽根さん、昔、第一次石油ショックのときによく発言をされておりまして、私、当時衆議院の物価対策特別委員長をやっておったので議論をしたことがございますが、独禁法の改正による原価の公開というのが、とうとう財界の反対で実現しませんでしたね。しかし、こうした問題も国民がお互いに耐え忍んでいかなければならぬというような財政再建の過程におきましては、一部の者たちだけがぬくぬくとしてふところ手していることは許されない。こうした問題につきましても、別な角度から改めて検討するというようなことも、つまり行政改革とは違いますが、広い意味の財政再建につながる問題として念頭に置きながら御検討していただけないだろうかと思うのですけれども、いかがでございましょう。
○中曽根国務大臣 すべての要素を念頭に置きながら、しかも国民的に公平あるいは犠牲の負担、いわゆる公正さが実現するような考えに立って行政改革も政治も行われなければならない、このように考えます。
○平林委員 総理大臣級のお答えをいただきまして、がんばってもらいたいと思います。 最後に、私は、行政改革の問題と塩専売事業の問題につきましてお尋ねをいたしたいと思っています。 これも新聞の報道によりますと、政府はアルコール専売、塩専売事業を二ないし三年間の猶予期間をもって民営に移管する方針をかためたという記事が出ています。第二臨調の土光さんも民営移管には意欲的で、七月をめどにまとめる第一次答申にこのことを盛り込みたい、つまり、長年の懸案であった三公社などの民営移管実現の突破口にしたいようである、このような伝え方が実はされておるわけであります。 私の承知しているところでは、閣議了解事項として、昭和五十五年十二月二十九日に、塩専売事業につきましては専売事業審議会における審議経過を待って、また国内製塩業の自立体制の確立を促進しつつ、こういう二つの条件つきで基本的には廃止するという方針で検討するということに了解をしておるわけでございますが、私どうも、こういう閣議了解事項も何か長年財界が希望しておりました問題に追随するようなかっこうで釈然としないのであります。私の見解は引き続き質疑の中で明らかにしたいと思っておりますけれども、いろいろな議論がございまして、新聞を読んでいますと余り塩専売事業についての認識がないような発言や、それを取り上げた記事などがございまして——中にはひどいのかあるのですよ。塩専売事業やアルコール専売は財政に貢献度が少ないから民営に移管しても国庫にはさして収入減はないなんということがもとでこういう方針が決められたというようなことが書いてあったり、それから民営にした上で税金を取ればいい、その方がいいのだというような判断でこう決まったんだとか、何とかいいますか、そういう報道に一々税金をつけるわけにいかないから、どこから聞いてきたかわかりませんが、いろいろ書いてあるわけですね。こういう報道が国民の間に広まると大変なことになるというふうに実は思っておるわけでございます。 閣議了解で条件はつけましたけれども、この塩専売廃止論という主張はどこにあったと認識をされて、どういうお話を聞いて了解されたのか、中曽根さんの御見解をちょっと承っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 塩とアルコールの専売をどうするかという問題は長い間の懸案でございまして、アルコールについては、一定の条件を残しておりますが、新エネルギー機構に吸収統合する、塩につきましては、平林さんのおっしゃいましたような条件下に原則的に廃止する、そういうことはすでに去年の暮れに閣議で決めておるわけでございます。ただ、その条件が満たされるかどうかということはこれからの検討の課題でありまして、われわれもそれは誠実に検討していかなければならぬと思っております。 現在の情勢を見ますと、工業塩と食料塩、いわゆる食卓塩、それから国内の製塩事業を今後どういうふうに取り扱っていくか、特に食料塩という問題は国民生活に影響するところも非常に大きいわけでございますからそういう点も考えるが、しかし製塩事業の情勢及び生産という問題が昔と非常に大きく変わってまいりまして、そういう大きな変化も踏まえて経営形態を考えていかなければならぬ、こういう点も強く影響しておると思います。
○平林委員 前段のお答えで確認をしておきますが、結局、閣議の了解事項のように、専売事業審議会の審議、決定を待って慎重に検討したい、こういうことでよろしゅうございますね。
○中曽根国務大臣 やはりわれわれが判断を下すのには審議会の御決定が非常に大事な点でもございますので、特にそれは挿入されておる次第なのであります。
○平林委員 私はいまの中曽根長官のお話を聞きまして、やや安心しました。やはり専門的な見地からあるいは国家的見地から、国民的な立場から考えてどうすべきかということを慎重に検討してほしい。土光さんあたりのように七月に出される、あと二カ月か三カ月の間に結論を出すようなそんなあわてたようなやり方をとって国家百年の大計を誤ってはならぬと実は心配しましたものですから、中曽根さんのお答えを求めたわけでございます。 とにかく、少し演説になりますけれども、塩専売制度を廃止したらどうなるかという視点がまだ少し欠けているのじゃないかと私は思うのですよ。たとえば、いま長官もお話しになりましたように、塩専売制を廃止しますと一部の商社にもうけさせるだけだと私は思うのですよ。行政が複雑化して社会的混乱を起こすだけだというのが私の見解なんです。いまお話ししたように、日本でソーダ工業塩その他はほとんど商社が自主取引で輸入しておるのですから、国内塩を除きますとほとんど民間に任せられたと言っていいわけですよ。ですから、そういう専売制というものの一つの管理機構を失いますと、そうした商社の思惑によってどうにでもできる、こういうような結果をもたらすので、私はやはり慎重に検討すべきだと思っているのです。 それから、塩の値段は確実に上がりますよ、現在塩は、ソーダ工業用は民間会社が自己輸入制度によって生産者と自主取引ができているわけですから。国内塩、つまり家庭用の塩の方は年間大体四十七万トン使っておるのです。つけものとかみそ、しょうゆ、それから水産その他の加工食品を加えても百二十万トンです。ソーダ工業はこの五倍も六倍も使っているのですね。それはもう民間で自己輸入制度によって自主取引でやっているわけです。つまり国内塩の百二十万トンというのは、価格にいたしますと大体五百億円もあれば全部買い占めできるのですよ。最近は株を買い占めて、それを不当につり上げたというような事件が起きましてひんしゅくを買いましたけれども、この塩をもし商社か——専売制を廃止したらこれをだれが取り扱うかわかりませんよ、それが買い占めたら五百億円でできるのですよ。それで幾らでも価格をつり上げるというようなこと、売り惜しみ、買い占めができるのですよ、民間に移される場合には。そういうようなことになりましたならば塩は投機の対象になって、生活必需品が投機の対象になるおそれがある。それで私は、閣議で了解されましても慎重にやってもらいたい、やるということをお聞きして安心しましたが、そういうこともありますと言うのです。 実は私、きのうちょっと買ってきたのですけれども、これは食塩で、千グラム、一キロの袋です。これは幾らだと思いますか。こんな失礼な質問で済みませんけれども。——いや、ほかの人に聞いちゃだめ、あなた方は専門家だから。大蔵大臣、これは政治を担当する人がいかなる御見解か、大体見当をつけて、あなたならどのくらいの値段だと思います。
○渡辺国務大臣 砂糖が一キロ二百五、六十円だから、八十円ぐらいかな。
○平林委員 長官はどのくらいだと思いますか。
○中曽根国務大臣 私より大蔵大臣の方が専門家ですから、大蔵大臣の言う方向に従います。
○平林委員 これは現行価格六十円、ビニールも含めてこれで六十円。国民は一年間にこれを十袋使いますかな。そんなに使わない、八袋。安いでしょう。これはアメリカや西ドイツやイギリスやオーストラリア、カナダではどのくらいしているかというと、アメリカでこの同じ千グラム、一キロで大体二百四十一円。わかりますか、四倍です。それから西ドイツで二百五十五円、イギリスで、高いので大体二百八十三円、それからオーストラリアが大体二百五円くらい、カナダ二百八十円、フランス二百三十二円。いいですか。日本の四倍もするのですよ。官業と民業どうだこうだと言うけれども、民業に移してこれが六十円で売れるかどうか。国際比較なんて大蔵大臣好きだから、二百四十円くらいでいいだろうなんて言ってやった。これは二百四十円にしたら、四倍にしたら、国家財政はたちまち何百億——そうですね、少なくとも相当数の財源が入ってくる。 ですから、私の言うのは、官業と民業とどうのこうのと言うけれども、これは国内でつくっている塩ですよ、それでもこの価格でできるわけです。少しくらい上げたって財源は出てくるのですよ。日本輸出入銀行やその他から百六十五億円取るなんということを考えなくたって、ちょっとこの価格を、国民にひとつ御協力をいただきたいと言うだけでも相当の財源は生まれてくるわけです。これはよけいな話ですけれども。しかし、こういうことを考えますと、いま塩専売事業というものは、外国から買う塩も、すでにソーダ工業の会社が自分で自主取引で買っているのですよ。民間でやっているのです。それから塩の輸送も民間でやっているのです。それから塩の販売も塩の小売屋さん、これを買ってきたのは官業じゃない、民間の小売店で買ってきたのです。輸入も生産も販売も、流通機構、全部民間なんだ。どこを専売制を外すのかということになるわけです。したがって、これは私に言わせると、ただそれを管理しているところを外せということです。それを外したらどういうことになるか。さっき言ったような思惑買い、買い占め、売り措しみ、一部の商社が大もうけする、価格はつり上げられる、こういうようなことしか待っていないのですよ。ですから、塩専売事業とかその他、財界の人たちが民営化、民営化と言っているのは、そこには別な思惑がある、そういうものに乗せられてはいかぬというのが、私の行政改革と塩専売事業に対する質問の趣旨なんです。土光さんが幾ら言ったって、それと心中する気持ちになってはだめですよ、こういう問題については。 いずれにいたしましても、先ほど長官がお話しになりましたように、専売事業審議会において慎重な審議を私は要請いたしますし、財界のそうした——表は、表面はいいですよ。官業、民業のどうのと言うけれども、私は一つの例を挙げただけです。細かく挙げればいっぱいあります。あるが、一つの例を挙げましたが、官業の民業のなんて言っている人たちの間には、その実態を知らないか、でなければ別な隠された意図があるのかどっちかだということを疑いながら御検討いただき、国家百年の大計を誤らぬようにしていただきたい、行政管理庁長官にそのことをお願いしますが、ひとつ御見解を承って私の質問は終わります。
○中曽根国務大臣 平林さんの御経験に基づく貴重な御体験の話を承りまして、大いに傾聴した次第でございます。慎重に検討いたしたいと思います。
○平林委員 どうもありがとうございました。
○綿貫委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 ————◇————— 午後二時五分開議
○綿貫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案、臨時通貨法の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 これより各案について順次政府より提案理由の説明を求めます。塩川運輸大臣。
○塩川国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この法律案は、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等につきまして、別途、本国会で御審議いただいております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の改善措置にならない所要の措置を講ずるほか、遺族の範囲の見直し、公共企業体職員等共済組合法に基づく遺族年金に加算される寡婦加算の額の引き上げ等の措置を講じようとするものであります。 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 第一に、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等のうち、昭和五十五年三月三十一日以前に給付事由が発生したものにつきまして、恩給の措置にならい、その年金額の算定の基礎となっている俸給を昭和五十五年度の国家公務員の給与の改善内容に準じて増額することにより、本年四月分から年金額を引き上げることといたしております。 この結果、平均で約四・四%程度年金額が増額されることとなります。 第二に、長期在職した者に係る退職年金等及び旧国家公務員共済組合法に基づく殉職年金等の最低保障額につきまして、恩給の措置にならい改善することといたしております。 第三に、組合員期間が十年以上の組合員等の配偶者につきましても、その期間が十年未満の組合員等の配偶者と同じく、組合員等の死亡当時主としてその収入により生計を維持していたことを遺族の要件とすることにいたしております。 第四に、公共企業体職員等共済組合法に基づく遺族年金に加算される寡婦加算の額につきまして、本年四月分からその額を引き上げるとともに、その遺族年金を受ける妻が同時に退職年金等を受けることができるときは、寡婦加算の支給に関し必要な調整を行うことができるよう措置することといたしております。 このほか、昭和五十四年十二月三十一日以前に退職した高額所得を有する退職年金受給者につきましても、昭和五十五年一月一日以後に退職した者と同じく、年金の一部の支給を停止することとする等所要の措置を講ずることといたしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○綿貫委員長 渡辺大蔵大臣。
○渡辺国務大臣 ただいま議題となりましたアフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案外三法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 初めに、アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案につきまして申し上げます。 この法律案は、別途本国会において御承認をお願いいたしておりますアフリカ開発銀行を設立する協定に基づき、わが国が同銀行に加盟するために必要な措置を講ずることを目的とするものであります。 アフリカ開発銀行は、アフリカ諸国の経済開発及び社会的進歩に寄与することを目的として一九六四年に設立された地域開発金融機関でありまして、現在、アフリカの独立国五十カ国が加盟しております。 同銀行は、アフリカの開発途上諸国に対して、農業、電力、運輸等の分野において活発な開発融資活動を行い、多大の成果を上げてきておりますが、これに伴い、同銀行の資金基盤の強化に対するこれら開発途上諸国の期待が一段と高まってきております。 このため、同銀行は、域外の先進諸国に対して同銀行への加盟の要請を行い、一年近くにわたる交渉の結果、域外二十一カ国との間で加盟条件に関する原則的な合意が得られるに至りました。 政府といたしましては、わが国が同銀行へ加盟し、アフリカの開発途上諸国の経済発展のための努力を支援することは、これら諸国の国民生活の安定と向上のためのみならず、世界経済全体の均衡のとれた成長を確保するためにも重要であると考え、他の先進諸国とともに、これに加盟することを決意した次第であります。なお、わが国は、同銀行の活動を補完することを目的として一九七三年に設立されたアフリカ開発基金に、その設立当初から加盟し、積極的な協力を行ってきたところであります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、政府は、同銀行に対し、加盟に伴う当初出資として、協定に規定する計算単位で二億四千五百六十八万計算単位に相当する金額の範囲内において、本邦通貨により出資することができることとするほか、予算で定める金額の範囲内において、本邦通貨により、追加出資し、また同銀行の特別基金に充てるため拠出することができることといたしております。 第二に、同銀行への出資及び拠出は、国債の交付によることが認められておりますので、国債の発行権限を政府に付与するとともに、その発行条件、償還等に関して必要な事項を定めることといたしております。 第三に、同銀行が保有する本邦通貨その他の資産の寄託所としての業務は、日本銀行が行うことといたしております。 次に、一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案につきまして申し上げます。 この法律案は、別途本国会において御承認をお願いしております一次産品のための共通基金を設立する協定に基づき、わが国が同基金に加盟するために必要な措置を講ずることを目的とするものであります。 一次産品のための共通基金は、一次産品の価格の安定及び一次産品に関する研究・開発、生産性の向上等に資することを目的とした国際機関であり、国連貿易開発会議の場における四年余にわたる設立交渉の結果、昨年六月にその設立について合意が成立したものであります。 一次産品の価格の安定と品質の改善、生産性の向上等は、一次産品の輸出所得の改善を通じて、開発途上諸国の開発と発展に大きく寄与するものであり、また、一次産品の大部分を輸入に依存しているわが国にとってもきわめて重要なことであります。 政府といたしましては、このような見地から、同基金の設立交渉の場において積極的な役割りを果たしてまいりましたが、同基金の設立に当たり、これに加盟することを決意した次第であります。なお、同基金には、世界の独立国百六十三カ国の加盟が予定されております。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、政府は、同基金に対し、協定に規定する計算単位で二千五百四十七万六千三百九計算単位に相当する金額の範囲内において、本邦通貨により出資することができることとするほか、予算で定める金額の範囲内において、同基金の任意拠出に充てるため本邦通貨により拠出することができることといたしております。 第二に、同基金への出資及び拠出は、一部国債の交付によることが認められておりますので、国債の発行権限を政府に付与するとともに、その発行条件、償還等に関して必要な事項を定めることといたしております。 第三に、同基金が保有する本邦通貨その他の資産の寄託所としての業務は日本銀行が行うことができることといたしております。 次に、臨時通貨法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 現在、臨時通貨法に基づいて発行されている貨幣の額面は、百円が最高となっているのでありますが、最近における国民の経済取引の実情を見ますと、より高額の貨幣が必要であると考えられますので、政府は、国民生活の利便に資するため、新たに五百円貨幣を発行して五百円の日本銀行券とあわせて流通させることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 この法律案の内容は、政府が発行できる臨時補助貨幣として新たに五百円の臨時補助貨幣を加えるとともに、その法貨としての通用限度を一万円とするものであります。 次に、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 この法律案は、国家公務員共済組合法等の規定により支給されている年金につきまして、別途、本国会で御審議いただいております恩給法等の一部を改正する法律案による改善措置にならい所要の措置を講ずるとともに、国家公務員共済組合法に基づく遺族年金に加算される寡婦加算額の引き上げ、共済組合間における短期給付の財政調整事業の実施等の措置を講じようとするものであります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、国家公務員共済組合等からの年金の額を改定することであります。 すなわち、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、旧国家公務員共済組合法及び国家公務員共済組合法に基づく年金のうち、昭和五十五年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、本年四月分以後、年金額を引き上げることといたしております。なお、引き上げにつきましては、恩給における措置にならい、昭和五十五年度の国家公務員の給与の改善内容に準じ、年金額の算定の基礎となっている俸給を増額することにより行うことといたしております。 この結果、平均で約四・四%程度年金額が改善されることとなります。 第二に、公務関係年金及び長期在職者の受ける退職年金等の最低保障額を、恩給における措置にならい改善することといたしております。 第三に、国家公務員共済組合法に基づく遺族年金に加算される寡婦加算の額を、厚生年金及び恩給等における寡婦加算の額との均衡を勘案して引き上げることといたしております。 なお、遺族年金を受ける妻が、同時に退職年金等を受けることができる場合には、必要な調整を行うことといたしております。 第四に、遺族の範囲の改正であります。 現行法では、組合員期間が十年以上の者の配偶者につきましては、遺族の要件として、死亡した者との生計維持関係を必要としない扱いとなっております。これを、死亡した者との生計維持関係をその要件とする扱いに改めることといたしております。 第五に、現在二十五の共済組合が個々にその事業を行っている短期給付につきまして、財政調整事業を行うことといたしております。 以上のほか、掛金及び給付額の算定の基礎となる俸給の最高限度額につきまして、公務員給与の引き上げ等を考慮し、現行の四十一万円を四十二万円に引き上げることといたしております。 さらに、昭和五十四年以前に退職した年金受給者に対しまして、昭和五十五年以後に退職した者と同様、退職後の給与所得に応じて年金額の一部の支給を停止することとするなど、所要の措置を講ずることといたしております。 以上が、四法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いをいたします。
○綿貫委員長 これにて各案の提案理由の説明は終わりました。 質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○綿貫委員長 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題といたします。 質疑を続行いたします。村山喜一君。
○村山(喜)委員 中曽根行政管理庁長官おいででございますから、初めにまとめて長官にお尋ねをしてまいりたいと思います。 第一は、福田内閣以来行政改革が進んでまいったわけでございますが、どうもわれわれが見ているところでは、進んでいるのは定員削減だけじゃないか。特に特殊法人の役員などというのは、きょうも新聞の社説にも出ておりましたが、かえってふえているのではないか。五十四年十二月十八日に、特殊法人の役員については天下りは半数以下にとどめる、渡り鳥は例外は一回だけだよ、それから高齢者の任用については厳しくやろうじゃないか、あるいは長期留任はこれもチェックしよう、常勤役員は一割程度は削減をしよう、後任の補充は三年間の計画で行わない、不補充の線でやりましょう、こういうことを決めたというのがこの行政管理庁の報告書の中に出ているわけでございます。一体、そういう実績を踏まえて長官はどういうお気持ちでございますか。その点を初めにお伺いしたい。
○中曽根国務大臣 行政改革の実が方針の線に沿って十分行われていないことは、まことにわれわれも反省しなければならないと思いまして、力の足らざるをうらむ次第でございます。しかし、その中におきましても徐々に、一歩一歩前進はしておるのでございます。 特殊法人の役員問題につきましても、一割削減ということを決めまして、たしか昨年は三十九人減らしまして、ことしは四十八人減らします。その次の年は三十六人減らしまして、この三年間に百二十三人ともかく減らすことを推進しておる最中でございます。 それから、よく批判されまする渡り鳥、あるいは官庁出身者と民間出身者の割合の問題等にいたしましても、できるだけ民間出身者を多くしようということで、過去一年前は六〇%以上あったのが、ようやく五〇%台になりまして、たしか五七%程度になっておると思います。 それから、いわゆる渡り鳥というのもたしか二、三%に減ってきておると思いますし、それから年齢制限を超える者のチェックにつきましても、同じように徐々に徐々にその率は減らしております。 特殊法人全体につきましては、五十五年行革で十八法人、実質的には十六法人になりますが、これを減らすということでいま進行中でございます。今回も住宅公団と宅地開発公団を統合する、あるいは共済組合を統合する等の法案を御審議願っておる次第でございます。しかし、テンポがいかにも遅いように私も思いまして、これらをできるだけ進めるように努力してまいりたいと思います。
○村山(喜)委員 そこで、中曽根長官にお伺いしておきたい第二点は、政府関係のそれぞれの金融機関があります。国民金融公庫から住宅金融公庫、それに農林漁業金融公庫、いろいろな各種の金融公庫がございますね。そのほかに、公庫ではありませんけれども、金融を兼ねて業務として行っている団体がある。基金があり、あるいは公団がある。数えてみると二十四ございますね。 そこで、沖繩振興開発金融公庫というのがあるわけですが、その業務分野を見ておりますると、国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、医療金融公庫、環境衛生金融公庫、日本開発銀行、七つの業務をまとめて所管をしているわけですね。それで、まあ沖繩という復帰の特殊な条件はありましたけれども、地域的にそれを総合して処理をしている。ところが、たとえば日本輸出入銀行の場合などは、東京と大阪しか本店がない、支店がない。だから北海道の者や九州の者がそれを利用しようと思ってもなかなか利用しにくいわけですね。こういうようにたくさんの政府関係の金融機関がある。こういうようなものは、それぞれの時点においては歴史的にもそれだけの必要性があり、任務があったと私は思っているのです。しかしながら、沖繩振興開発金融公庫のようにやろうと思えば、その地域の人たちの利便のためにそういうような総合的な形のものがとられ、現実にそれが実施されているわけですね。ですから、国民のために便利な措置を考えていくならば、それをできるだけ中央においては統合をして、それだけ役員は少なくて済む、そして各地にそういう総合的な支店網を形成をしていくというような問題をやはり行管は考えるべきじゃないだろうかと私は思うのですが、それに対しては長官はどういうお気持ちであるのかお答え願いたい。
○中曽根国務大臣 その点は検討すべき課題であるように思います。もちろんその特殊法人の性格から見まして、中小企業であるとか農業であるとか住宅であるとか、そういうように専門、専門に分かれてそれらの公庫等が設立されておるわけであり、それらは調査、審査等について非常に専門的分野の研究も力も持っていなければならぬところでございますけれども、出先の問題になりますと、物によっては国民金融公庫に貸し付け等を頼んでおるものもあるわけであります。 ここで思い当たりますのは、いまの沖繩の公庫の例がございますし、また官庁の仕事の関係では、北海道開発庁が同じように公共事業関係は一括してやっております。したがいまして、中央においては一本であるけれども、地方の出先というものは同じ場所で仕事が全部足りるというようなことは、業務形態にも先例があることでありまして、これらがどの程度可能であるかという点も統合、簡素化の問題で一つの検討課題であると考えております。
○村山(喜)委員 そこで、今度第二臨調ができたわけでございますが、この提案の趣旨をもう一回ひもといてみますと、基本的には簡素にして効率的な政府を目指して、行政の抜本的な改善を長期的に、総合的にやる、そのために適正な合理的な行政制度及び行政改善についての基本的事項を調査審議をして、結論を得て答申をいただく、答申を得られたものは尊重をするんだというような仕組みでございます。ところが、その調査会の所掌事務というところから見まして、緊急当面の課題として伝えられております増税なし予算編成とか、あるいは二兆円の新規財源を生み出すための財政改革とか、そういうようなものを第二臨時行政調査会が任務としてやるというのは、法律の上においては行政制度と行政の改善ということには触れておるけれども、財政の問題については、付随的な問題はもちろん生まれてくることはわかりますが、補助金をどういうふうにするとかなんとかという仕事は、所掌の事務範囲からいった場合には権限外のことをやろうとしているんじゃないだろうかという気が私はいたすのでございます。これに対しましては長官は非常に慎重な態度で、五十七年度予算編成に間に合うように期待をしているんだ、それに即応する体制は準備をし、宿題を勉強をしているところだということを言われておるわけでございますが、巷間伝えられているように行政だけじゃなくて行財政の具体的な表現、補正予算の問題であるとか予算編成の問題であるとかというような問題は長官のところの所管でございますか、その点をお聞かせ願います。
○中曽根国務大臣 臨時行政調査会設置法によりますと、わが国の行政制度及び行政運営に対する改革案をつくるということになっておりまして、行政制度の中には財政あるいはそのほか厚生行政から運輸行政から通産行政から農林行政から、つまり行政と名のつくものにつきましては全般的に検討の対象になり得る、こう思うわけであります。その中で財政処理の適否という問題も入ってまいりまして、予算編成のやり方はいいか悪いか、効率的に行われているかどうか、国民の利便の関係はどうであろうか、そういう点も当然制度の一環として考えらるべきものであります。 ただ、私は委員の皆さんにも申し上げておるのでございますけれども、行革には行革独特のドクトリンあるいは思想、哲学というものがあるのであって、財政というものはたまたま行革の一環として反射的に出てくる要素が非常に多いのです。つまり政府かいかにあるべきかという政府の姿を探求するのが行革でありまして、財政節減のみを目的に行革はあるのではないのです。七月の緊急答申にいたしましてもその本旨を忘れてはならないのであります。しかし、簡素にして効率的な政府をつくるということは今日ただいまから出発しなければなりませんし、五十七年度予算編成というのはその大きなチャンスでもございます。したがいまして、五十七年度予算編成にも有効にそれが作用し得るような答申をつくっていただくこともまた臨調の大きな使命の一つであると考えております。 私たちは、二年間では長過ぎるじゃないか、隠れみのじゃないかとよく質問されましたけれども、中間答申をいただいて、そしてできるものからずばりずばりやっていきます、そうお答えをして御了承もいただいておる、そういう次第でありまして、いま申し上げた行革の本旨をわきまえてそれを間違えないように、かつ行財政の効果を上げるように中間答申というものも考えてやっておるわけで、本質を取り違えることはいたさないつもりでおります。
○村山(喜)委員 最近新聞あたりを見ておりますと、財界五人男が五つの提言、また経団連は二兆八千億の削減をやれ、大変なはしゃぎ過ぎの文章がいやというほど出てくるわけです。どうも今度の第二臨調では財界の応援団が大変たくさんおりまして、やいのやいのというようなことで渡辺大蔵大臣などというのはどこかに吹っ飛んでしまって、予算の編成権などというのはどこかへ行ってしまったのではないか。二兆円の減税だ、二兆八千億の減税だ、こういうようなことで大変勇ましいラッパが鳴っているようでございます。 それで、反射的な意味における財政の問題について触れるのはいいけれども、臨時行政調査会はいま大臣もおっしゃったように、行政の制度のあり方、それに行政運営の改善に関する問題をやるのであって、そういうような財政プロパーの問題は財政制度審議会というのもあるわけですからそちらの方が中心になってやらなければいかぬし、補助金の整理などという問題は、いまの予算編成を大蔵省がやっている以上は大蔵省がやはりその問題について責任を持ってやるということでなければ、何でもかんでも臨時行政調査会に持ち込んでそちらの方の答申が出るまでは政府の態度は白紙でございますとかなんとかというようなことでは余りにも過大な期待を臨時行政調査会にかけ過ぎる。そしておまけに財界がそういうようなはやし方をやっているということについてはこれまた問題があり過ぎるじゃないか。 そういうことを考えながら新聞を見ておりましたら、臨時行政調査会の顧問団会議というのですか、顧問の皆さんと懇談会を中曽根長官はやられた。長官は余りそのことについては触れていらっしゃらないようですが、一緒に出席した加地事務次官は質問に答えて、補助金の整理だけではなくして歳入歳出の全体を見直すのだ、これが方針だというようなことを説明されている。大臣はこの席においでになったときは非常に慎重な態度、ところが部外では大臣も交えた事務次官のそういうような話が新聞にこうして出るわけですね。財界はこの問題を自分で壊してしまうようなことをやりつつあるのじゃないだろうかという気がしてなりません。臨時行政調査会の答申方針が明確になるまでは政府の方は白紙でございますと言いながら、事務次官はそういうような方針を述べていらっしゃる。一体これは何ですか。
○中曽根国務大臣 行政改革は一大蔵省、一行管庁でやられるものではないのでございまして、内閣一体となって、また国会、皆さんのお力を得て、また国民一体となってやらなければできない大事業であると心得ておりまして、そういう意味から国民の皆さんの論議が高まり、各方面からいろいろな議論が出てくることは歓迎すべきであると思っております。こいねがわくは百家争鳴というような形でお花畑のように議論が出てくることを期待しております。幸い労働界の方からも政策推進労組会議がこの間案を発表されましたし、政策推進労組会議では国民運動を前進させるというので国民会議までおつくりになった。また総評の側におきましても富塚さんが中心になりましていろいろ検討を加えられたり、また総評の皆さんが私のところへおいでになりまして独自の御見解をお伝えになりましたし、また丸山委員のお考えか新聞に発表されたり次第に熱が上がってきたのは非常に歓迎すべきことで、今度は知事さんや市長さんやあらゆる面からのそういう御議論がお寄せいただけますことを期待しておるわけでございます。われわれはそういう国民の皆さんの声を虚心坦懐にお聞きいたしまして、どこに国民の皆さんの真意があるかということを把握して反映させていきたいと思っておる次第でございます。 事務次官が申されましたことは部分的には真理でありまして、歳入歳出全部洗うことは当然であります。しかしそれだけじゃなくて定員も機構も医療制度も地方財政もあるいは出先機関の問題もすべて行革の対象案件としてはあるのでそういう全般の話をしたのであります。たまたまそれが新聞記事に載ったというだけでありまして、それが事務次官の言っていることの全貌ではありません。恐らく新聞の好みによってその部分だけが出たのではないかと想像しております。
○村山(喜)委員 私は、臨時行政調査会設置法の趣旨に基づいておやりになることは結構だと思うのですが、どうも中身を見ておりますると、財界一流のキャンペーンを張りながら、電電公社や専売公社の民営移管の問題等も触れながら、もうかる方には自分たちが手を出していこうという姿がちらりちらり見えるような行政改革であっては、国民のための行政改革であるとは私は考えられない。そういうような意味において、本当に国民が何を期待しているのかということをよく見きわめた上でおやりになることを要請申し上げておきたいと思います。長官もお忙しいでしょうから、あとは大蔵大臣その他にお尋ねしていきます。 そこで、大蔵大臣、これは予算委員会でわが党の阿部助哉議員の方からも、また本委員会でも塚田議員の方からそれぞれ質問がなされたわけでございますが、財政法第四条等に関連をする出資金の問題でございます。一体今日のこの財政がこのような状態になってきたその背景というものは、長い間の放漫財政、そして国債に抱かれた財政と言われるようなものが続いてきた。その中から財政の赤字というものが生まれてきた。これは行政の減量だけで解決ができる問題じゃなくて、小さな政府をつくればそれでいいというものじゃないと私は思うのです。補助金の整理をしさえすればそれでいいのだ、しかもその補助金の整理は大蔵省に任せておったのではどうもまどろっこいといいますか、大蔵省はようやり切らぬだろう、だからおれたちが大段平を振ってそれをやってやろうと言わんばかりの姿が新聞等にちらほら出ているように、まともに読む限りは私はそういう気がしてならないのです。しかし、そういう問題は主として大蔵省が任務を持っているのじゃないだろうかという気がしてなりません。 そこで、行政改革だけでは国民の期待にこたえられない、その中にあっては財政の改革というものをやらなければならないのじゃないかということを考えながら、一体いまの財政が今日のように硬直化してきた原因は何だろうかということをいろいろ考えてみますと、私は第一に、財政制度の中で後年度負担という問題が非常に大きなウェートを占めるのじゃないだろうかと思うのです。八二年度以降の支出業務づけが予定されているものが二兆六千億もある。八一年度、ことしの五十六年度の会計から始まる分だけでも、拾い上げてみると、国庫債務負担行為と継続費と合わせると一兆七千九百十八億円ある。そのうち防衛費が七千七十四億。こういうような数字が出てきているわけですね。この国庫債務負担行為なりあるいは継続費というものは、事業の内容によってあるいは予算の性格によってそういうものが必要だということはわかりますが、後年度支出を約束していくようなものが次から次に出てくる。そしてそのときになって、予算の編成に当たって前食いをするという形のものは今後十分にチェックしていくという体制をつくらなければ、財政硬直化は防ぎ得ないのだというふうに考えるわけでございますが、大臣の所見を。
○渡辺国務大臣 村山委員の御指摘のとおり、国庫債務負担行為、継続費というものがたくさんできれば、財政をその分縛るということも事実でございます。しかし、これも御理解のように、そういうふうにしなければ仕事ができないというものもあるわけですね、何年もかかるものがあるわけですから。そこらの兼ね合わせをどうするか、そこが問題でございます。したがって、予算編成の際も、一年にその債務負担行為などが集中するということは避けていかなければならぬ。したがって、予算の編成のときもかなりチェックをしてはおるのです。おるのですが、今後とも厳しい財政でございますから、当面うんと楽になるという見通しもないときでございますので、後年度に負担を大きく残すことについてはきわめてシビアに対処していきたい、そう思っております。
○村山(喜)委員 そこで、もう一つの財政の問題というのは、どうも人件費もさることながら、それ以上に問題なのは放漫な事業費に問題があるのじゃないだろうかという気がするわけでございまして、一般会計は締めていく、ところが特殊法人の方では赤字を出しっ放しという形が現実に生まれているのじゃないだろうか。それを拾い上げてまいりますと、たとえば原子力三機関と言われます日本原子力船研究開発事業団それから動力炉・核燃料開発事業団、日本原子力研究所。ことしもそれぞれ出資金として五十四億、六百六十億、六百二十九億七千六百万円というのが、これは建設国債の方から出されておるわけですね。 財政法二十八条に基づきますこの参考書類を見てまいりますと、その三機関だけでちょうど六千百一億でございますか、損失金というのが出ている。大臣の答弁だったかどうかわかりませんが、いや、それは財産としては残っていないかもしれないけれども、ノーハウとして残っているのだ、こういう答弁をされたように記憶しているわけでございます。 宇宙開発事業団の場合でも、もう四千五十八億もこれは損失金として計上されている。 この四つの機関だけで一兆円という大きな穴があいているわけですね。そして次から次に建設国債をつぎ込んでいく。ことしも七百八十三億円を宇宙開発事業団には出資金としてつぎ込んでいる。国の補助金なりあるいはその他の負担金と合わせて、出資金もその補助金もごちゃまぜにしてしまって、それを食いつぶしながらそれぞれの機関では仕事をやっていく、こういう形になっているわけですね。 一体、そういうようなときに、この出資金というのは国の債権として、国の資産として残っている、だけれども、国債は、将来そういうような資産形成が六十年でされるものとして、百分の一・六ずつを法定積み増しをしておるわけですが、資産は残っていない。こういう形の中で一般会計と特別会計とのつなぎ合わせで、ドッキングさせて見ていくと、明らかに問題があり過ぎるのじゃないだろうかという気がしてなりません。 〔委員長退席、山崎(武)委員長代理着席〕 したがいまして、これについては財政法四条の出資金のあり方の問題まで含めて検討するということを、たしか大臣は言われたと思うのですが、この問題は四十三年ごろから国会で取り上げられて、いまだに検討中ということでは、十年河清を待つがごとしというのはもうとうに過ぎてしまったということになりますが、大臣はいつまでにその見直し、結論をお出しになるつもりなのか、この辺についてお答えをいただきたい。
○渡辺国務大臣 私はつい最近検討するといったばかりなんですけれども、前の人が言っていればそれはやはりつながっているわけですね。問題はむずかしいところがあるのですよ。確かに一面から見れば、村山委員が言うように、消えてなくなっちゃうもの、出資金とは何だ、建設国債とは何だという議論が当然出てくるのです。しかし、一般の会社などでも開発費というようなものは消えてなくなっちゃうものがたくさんあります。しかし、それによってがんの薬を発見したということになれば一遍に莫大な費用が入って、何年間は大赤字だけれどもあるときから大黒字ということはどうも配当もできない、まずいというようなことから、一応資産計上を繰り延べ費用で認めてよろしい、そのかわりうんともうかるときにそいつを経費にして引き揚げるということを民間でもやっておるわけですね。したがって、宇宙開発事業団のようなものでいろいろロケットを飛ばして消えてなくなっちゃうじゃないかと言っても、その技術が確立されるまでには何年かかかるわけですから。しかし、確立されるということになれば、じゃその債券はだれにどういうふうに売却するんだというようなことにもなりかねない。そこで、どこかで線を引かなければいかぬのじゃないかな。永久に、十五年も二十年も研究費がみんな出資金で残っていくということが果たしていいものかどうか、私も疑問があるのです、実際は。ですからどこかで一遍線を引いて、償却するものは償却するとか何かする方が正しいのじゃないかということを思いまして検討すると言ったわけでございますが、まだ検討の結果は出ておりません。おりませんが、やはり大切な問題でございますし、いつまでもというわけにはいかない。私はその事業ごとに区切りをつけるということがやはり一つの方法かなと思っておりますので、これは本当に検討をいたします。
○村山(喜)委員 いろいろむだなものがあるのですね。新東京国際空港公団に五十六年度も三十億の出資増をやりまして、総出資が九百五十六億余り、総投資額が四千六百四十六億円、欠損金の累積が五百七十三億円という状態です。五十六年度は百二十六億欠損をしますよというのが堂々と出ているわけですね。しかも、それは永久に赤字国際空港じゃないかということさえも言われている。あそこが本当によかったかどうかということについては今日問題が指摘をされておりますね。科学的でなかったとか政治力によって曲げられてしまったとかいろいろ言われている。そういうむだな投資というものをどうチェックしていくのかということが私はいまの段階では一番大事なことではないだろうかと思うのです。特に、いま大臣は検討するとおっしゃいましたが、これが一般財源の中からそういうようになるのだったらまだよくわかるのですが、建設国債という形でこれが処理をされているところに一つの問題がある。 それから、直接の受益者というのは、回り回ってやがては国民に還元をされることになるけれども、とりあえずそういうものができて、それを一つの仕事として会社を経営する人たちが果たして応分に負担を出しているか、民間の方からの三機関等に対する出資金なり負担の状態はどうであろうかということを考えると、財界が出しているものは本当に微々たるものしかないじゃないですか。財界が勝手に自分たちの利益になるようなものについては手を出して、おれのところによこせ、そのかわりこういうような金がかかる仕事は政府がやるのだよというような姿をどうも出し過ぎているのじゃないか。自分たちがこういうものは大事だと思うならば、もっと出資をしていくべきで、国民の血税といいますか、国債によって出資をして大変なことをやっているのに、自分たちは手をこまねいて見ているというような姿は、これは反国民的な姿だとしか受け取れないのですよ。ですから、この点についてはその適正な負担まで含めてあり方を検討願いたい、要請を申し上げておきます。よろしゅうございますか。
○渡辺国務大臣 適正な負担は必要だと思います。ただ、国家がやらなければやれないようなもの、将来にとって非常に必要だと思うのだが、もうからないことには民間は手を出しませんからね。もうからないことに手を出さなければ、だれも出さないということになると、技術においてうんとおくれてしまう、国際競争に勝てないということですから、非常に大型なものとか危険を伴うものとか、当面利益は考えられないようなものであってしかも世界的水準から見てどうしても日本も必要だというようなものはやはり国がある程度出すのは、どこの国でもやっておることでありますから、これはやらざるを得ません。しかしながら、飛行機や何かの開発の、一部産業界へ出す補助金のように、成功した場合は補助金を国に返すとかそういう制度もありますから、そういうようなもの等の並びもございますので、純然たる民間の方に技術がみんな行ってしまうというようなものについては将来そういうものも組み合わせて考えていく必要がある、そう思います。私も同感であります。
○村山(喜)委員 それから大臣、地方公共団体の場合でもいろいろな開発公社というようなのをたくさんつくっていますね。そうして工場が来てくれるだろうというので農地をつぶして、ペンペン草を生やして、借入金の返済に四苦八苦している。それが、二兆円ぐらい借金がたまり込んでいる、さっぱり土地の動きがないというような状態が全国至るところにありますよ。こういうようなむだな投資というものは財政の問題を論議するときに当たってはやはり検討すべきじゃないですか、これは私の意見として申し上げておきます。 そこで、時間が余りございませんので次に入りますが、電電の国庫納付金の問題でございます。総裁もお見えでございますので郵政省の方と両方にお尋ねしてまいりますが、千二百億ずつ四年間、四千八百億拠出をする、財投からお金を借りる、ことしは一千億よけいに借りる、これは十年で八%の利子を盛り込んだ場合には大体三千四百億、それに元金の四千八百億ですか、合わせて八千二百億の負担をする、こういう計算になるということでよろしゅうございますか。
○岩下説明員 お答えいたします。 この納付金につきましては、この財源を外部借り入れに求めるというところから金利の負担がございます。この金利につきましてはいろいろ算定の仕方があろうかと思いますが、現在私どもの外部資金調達は電信電話債券の引き受けをしてもらうという形でやっております。現在の債券の償還年限が十年になっておりまして、金利を八%前後という想定で算定いたしますと、先生がおっしゃいましたように、金利の負担は三千四百億円でございます。
○村山(喜)委員 そこで、電電公社が夜間割引のサービスを去年の十一月二十七日からおやりになっている。これの額は何ぼになりますか。
○岩下説明員 お答えいたします。 昨年十一月から実施をいたしました夜間料金の値下げの影響額でございますが、五十六年度は、これが一年間、言わば平年度化されますが、この金額は予算におきましては影響額としまして一千二百七十億円を算定しております。
○村山(喜)委員 そこで、大体千三百億。それからこれは五百キロ以上の遠距離通話料の低減の問題がいま審議をされておるわけでございますが、これはいつから実施をされるのですか。そして、それによります減少サービス額が幾らになるのか、それからあわせて日曜、祭日の割引料金が実施されようとしているわけですが、これが幾らですか。
○岩下説明員 ただいま先生おっしゃいました、遠距離料金の値下げ及び新たに日曜、祝日の割引を実施します。この制度は法律の改正を必要としますので、今国会におきまして御審議をお願いをすることになっておりますが、遠距離料金の値下げにつきましては、法律上は法律が成立をいたしましてから公示を要しますので、三カ月以内で政令で定める日ということになっておりますけれども、予算におきましては、六月一日から実施をするという前提で収入の算定をしておりますが、この影響額としましては四百六十四億円を盛り込んでおります。 それから、もう一つの日曜、祝日割引につきましては、これは割引ができるという点につきまして法の改正をお願いをしておりまして、法の成立後、これは割引その他にうきましては大臣の認可にかかわるということになっておりますが、これまた公示その他を要しますので、予算上では十月一日の実施ということで算定をいたしております。この影響額は五十六年度におきまして百七十九億円を盛り込んでおります。
○村山(喜)委員 五十六年度はいいのですが、平年度化した場合にはこの三つを合わせると幾らになりますか。 〔山崎(武)委員長代理退席、越智(伊)委員長代理着席〕
○岩下説明員 トータルいたしますと、約二千三百七十億円に相なります。
○村山(喜)委員 二千四百億というのが、これからサービスの方に振り向けられる。国民は大いに期待をしているわけでございます。 そこで、離島の場合には、私のところなんか離島が非常に多いものですから、この同軸ケーブルの有線施設のものよりもマイクロウェーブを使っておるものですから、そちらの方は料金が安いはずだ。ところがいまの料金体系ではそうじゃなしに、海上距離によりまして計算をするものですから、離島通話料金というのは非常に高過ぎるという声が高いわけですね。そこで、一体料金の原価計算というのはどうなっておるのかということがよくわれわれにも質問として出てくるということになりますが、そうなりますと離島の通話料金の問題というのはいつ解決をしていただくのか。それから都会の場合には単位料金の区域内通話料金というものをグループ料金制を採用してもらいたい。道一つ隔てて他の局の方の電話だということで電話料金が違うのはおかしいじゃないかという話がある。それから一般加入区域がいま七キロとなっておるが、これを十キロぐらいに広げてもらわないと大変困る、こういうような利用者の声もありますね。こういうような問題は一体今後どういうことになるのですか。私はそのことをまず、これは事務当局の方で結構ですが、お答えをいただきたいと思うのです。
○玉野説明員 離島等につきまして、無線でやっておるから安いのではないかとおっしゃる点がございますが、これは無線でやったりケーブルでやったり、いろいろいたしておりますが、これは陸上も同じでございまして、無線で行っているところもありますし、有線で行っているところもあります。それで通話をされるときにはあいているところを通っていきますので、無線の料金、有線の料金というふうに分けておりませんで、その平均値でいたしておりますので、料金はそういう計算をいたしております。 それからグループ料金制のことでございますが、これは先生おっしゃいますとおり、従来は、もうちょっと詳しく申し上げますと、最低に話しする単位が加入区域ということで非常に狭かったわけでございますが、これは先般の四十七年の改定のときに平均三十キロの単位料金区域ということに改定いたしましたので、面積等につきましてはほぼ平等になってまいったわけでございますが、ただ、おっしゃるようにその単位料金区域を越えますと、道路一つ越えて違うという話がございますので、その辺につきましてグループ料金制と、これはイギリスでやっておりますが、単位料金区域内と隣接の単位料金区域を同じ通話料にするという考え方でございますが、これは全般的に料金体系といいますのが、日本は近距離が大体外国の二分の一から四分の一というふうに非常に安くなっておりまして、遠距離は一・五倍から二・五倍ということで、逆にまた非常に高くなっておるという点がございますので、その辺の修正のために先般夜間割引の拡大とか、現在公衆法の改正でお願いをしております比較的高い遠距離二段階の割引をするとか、こういうことをやっておりますが、グループ料金制につきましてはかなり料金に影響も大きいものでございますから、その双方を抜本的に改正するときにやりたい、こういうふうに考えておるわけであります。 それから、いまおっしゃいました七キロといいますのは、最低で話ができる距離の話ではございませんで、電話をつけますときに、その距離を超えますと線路設置費とか付加使用料をいただく、こういうふうになっておるわけでございますが、これにつきましてはいま架設対策ということで、私の方もどういう方法で持っていったら皆さん方に一番お便利になるかということで検討をいたしております。それで次回のやり方といたしましての考え方は、この距離で刻むのではなくて、ある程度数があればもうつけていくというやり方で考えていきたいということで、現在検討中でございます。
○村山(喜)委員 そこで、私は真藤総裁にお尋ねしたいのですが、あなたは民間の出身の総裁としてユニークな立場でこれからも経営に当たっていただけるのだろうと思うのですが、きのうの委員会でございましたか、四年間は値上げをしないように努力をするんだということをおっしゃった。それは決心としては結構なことだし、また国庫納付金を納めながら料金を上げてくれというのは筋が通らぬということを山内郵政大臣も言っておられるわけですが、それはそのとおりだと思うのです。ところが、いま長期計画というのが五十七年度で第六次が終わる。そうなりますと、将来グループ料金の問題等は第七次の長期計画の中で取り上げていかなければならない国民的な課題だと思うし、また将来はデータ通信とかファクシミリの時代に備えてそういうような対応の仕方をやっていかなければならない。こういうことを考えてまいりますと、やはり料金体系という問題は——四年間は値上げをしないということでそういう努力をしていただくことは結構でございますが、そういうようなグループ料金制度を採用するとかというようなことになってきたら、料金体系の基本的な問題にまで触れなければならないであろうということが言われているわけですが、その点はもう長期計画の中ではオミットして、そしてまたそのグループ料金制度という問題は第七次の長期計画の中では取り上げない、こういうことにならなければ、総裁の発言の裏づけができないと私は思うのですが、それはいかがでございますか。
○真藤説明員 お答えいたします。 いまの長期計画は五十七年度で終わることになっておりますが、いまのお話の料金を変えずに何とかやっていきたいというのは五十八年、五十九年の問題でございます。したがって次の五カ年計画なりの長期計画の中に入ってくるわけでございますが、その辺につきまして、社内におきましていま基本的にいろいろな計画を練っておるところでございますが、とにかく当面、五十九年度までは値上げせずにいろいろな努力をしていくということを私ども当事者の責任だというふうに考えております。ただ、従来どおりのやり方ではなかなか問題が解決しそうにございませんので、そのときに及んでいろいろなことをまたお願いいたしますので御指導、御援助をいただかなければならないだろうというふうに申し上げておるわけでございます。 いまの料金体系の問題でございますが、いまこれもいろいろ勉強を始めておりまして、実際、さしあたり夜間割引あるいは日曜、祝祭日の割引、それから遠距離の割引というふうなことが具体的な通話の度数、あるいは通話時間の平均の長さというものにどういうふうに影響してくるだろうかということをしっかりつかまえなければなりませんので、いま全国でかなりの数の局にそういう計測装置をつけまして、そのデータをとりつつあるところでございます。 〔越智(伊)委員長代理退席、山崎(武)委員長代理着席〕 そのデータに基づきまして遠距離通話料と近距離通話料、要するに料金体系の合理化、見直しというふうなことをつかまえていきたいというふうに考えておりますが、いまさしあたり今日までの記録では現在の通話料の動きというものが科学的につかまっておりませんので、ちょっとここでお答えにくい点がございます。しかし、いずれやらざるを得ないし、やる気でおるというふうに御了解願いたいと思います。
○村山(喜)委員 時間の関係がありますから、その問題はそのまま置いておきます。 この前、われわれも電電公社の武蔵野の研究所を見学に行きました。そのときに大変研究投資が十分に行われて、日本のこの面における技術の水準は世界的な最高水準をいっているということで、技術陣の人たちも大変な自負とそれから責任を持ちながら取り組んでいらっしゃる姿を見てまいりました。どこが一番こわいですかと聞いたら、アメリカのGEの方が技術的には一番こわいということを言っていらっしゃったのを記憶しているわけですが、いまの公社形態というもので一番うまくいっているのが電電公社ではないだろうかという気がしてならないのです。しかも、もうかったから四千八百億円も国の方に臨時に納付をしましょうというようなところまで来ている。 こういうような点から将来のあり方を考えてまいりますと、情報というものをやはり国民のものにしていかなければならない。それからプライバシーの確保という問題はやはり非常に大事な問題になってくるということを考えてきますと、どうもいまの公社の経営形態を民営に移管して、独占資本のそういうような民営の企業にわれわれの情報が握られていくというようなことでは、これは国民としてもおもしろくないということを考えながら現在の公社のいわゆる運営のあり方を見てみますと、経営委員会というのがありますけれども、これは非常勤で、監査委員なんというのも専門的な監査が十分に行われるわけでもない、また予算の拘束制度とか、あるいは給与総額制度、当事者能力というものを、春闘の時期でございますが、総裁もお持ちになっていらっしゃらないというような問題を考えますと、もう少し当事者能力というものを与えていくような方向のものがいいのではないだろうか、ましてやこれを民営に移管するなどというのはもってのほかだ、これは国民の率直な声だと思うのですが、真藤総裁はそれに対してどういうようにお考えでございますか、簡潔にお答えをいただいて次の質問に入ります。
○真藤説明員 私、多分に個人の見解になりますがお許し願いたいのでございますが、現在の民間の民営論というものは本当に深く勉強して出てきたものだというふうには了解いたしておりません。公社のいろいろなやり方のまずさというものからくる、あるいは公社はもうかっておるからということまでは考えていないとは思いますが、そういうことからきたムード的な議論が、全部じゃありませんが、多分にそういうところがあるように思っております。私もプライバシーの問題、特に総合安全保障問題というふうなことから考えますと、これは慎重に対処しなくちゃならぬ問題と思いますが、ただ、私ども当事者といたしましては、国で御方針をお決めになるまで、民営がいいとかあれがいいと言う立場にはないというふうに了解いたしております。具体的に方針が決まりましたならば、その方針に従って具体論に入ったときには責任を持って当事者としていろいろな意見を申し上げなければならぬというふうに心得ております。
○村山(喜)委員 KDD、国際電信電話株式会社、これは民間の株式会社にしたところが、御案内のようにああいうような大変な問題を引き起こして、そこで五十四年十二月二十八日の閣議決定によりまして予算、決算を主務大臣の認可事項とする、そうして会計検査院の検査対象に組み入れていったわけです。だから株式会社はりっぱであるということは、民間の人たちはそういうように考えるかもしれないけれども、問題があり過ぎるということを指摘しておきたい。 最後に残りましたのは、もう時間がございませんが、これは大蔵省ですか、日本輸出入銀行の総括損益計算書や貸借対照表、一般勘定の損益計算書、この資料を拝見していく中で、一体日本輸出入銀行は五十九年までに利益金を生ずる見込みがあるのかどうかということについて、私はどうも実績を見る限りにおいてはもうからないのじゃないだろうか、法定準備金をきちっと積み立て、それから貸し倒れ引当金をきちっと積み立てたら国庫に納付する状態にならないのじゃないだろうかという気がしてならないのでございますが、この点はいかがでございますか。
○吉田(正)政府委員 お答え申し上げます。 恐らく先生の御質問は、ここのところ利益金も出ていないというようなことから、それが今度開銀と同じような国庫納付の制度が適用されるのがいいのかどうかというような御趣旨のように承りましたけれども、実際に過去の実績を見ておりますと、過去にも五十二年度に利益金が生じたこともございますし、五十四年度にも法定準備金を積み立てたことがございます。輸銀の増収要因といたしましては、たとえば金利変動に伴う貸付金利の上昇とか、あるいは円安というようなことがございますと、外貨貸しをしておりますので、外貨貸しの利息の増加というようなことが考えられます。したがいまして、制度といたしまして国庫納付金制度は従来から全く日本開発銀行と同じにとっていたということが、今度また同じような形で国庫納付の制度を変えたわけでございますけれども、今後も金利変動とか何かによっては利益を出すこともあり得るという前提で、そういうようなことで今度の法案、改正ということでお願いしているわけでございます。
○村山(喜)委員 私、大臣に聞いてもらおうと思っておったのだけれども、大蔵省、聞いておってください。 どうもこれは、一ドル二百十七円で換算レートを決めまして、そして予算をつくっているわけですね。ところが、円高基調というのはこれからさらに拡大をしていく。そしてそれになればなるほどドル建ての輸出の場合には差損が出てくるというような問題が出てくるわけでございまして、果たしてそういうようなことで、横並び方式で開銀と同じようにあなた方は措置されたけれども、実際問題としてはそういう事態が生まれない可能性が強いのに、無理してここでは法律の形態を整えるために並べられたのだなという気がしてならないのです。だからこういうようなのはもうおやめになったらどうかということを、意見を申し上げて、私の時間が来ましたので質問を終わります。 以上です。
○山崎(武)委員長代理 柴田弘君。
○柴田委員 いま当委員会におきましては財源確保法の審議をいたしておるわけであります。この財源確保、財政再建という立場から、まず不公平税制の是正、そして二千億にも及ぶ年間税収をもたらすグリーンカード制の完全実施という問題について私は質問したいと思います。 それで、この問題につきましては、再三私も当委員会において質問をしてまいりました。また予算委員会等々でも質問が出まして、総理初め大蔵大臣から、これはもう確実に実施をしていく、こういう答弁をいただいておるわけです。もちろん私も同意見でありまして、最近のマスコミの論調を見てまいりましても、不公平税制是正のためにはこれを完全に実施していかなければならない、こんなことで非常に心強い限りであるというふうに思っているわけであります。私はここで、後から、これの完全実施のためにも環境整備を図る、そういう観点から一つの私なりの考え方を申しまして大臣の御所見を伺いたいわけですが、その前に、このグリーンカード制を廃止せよとかあるいは見直せとか、こういった議論は、この間私が質問いたしまして、大臣から答弁していただきたいと思っておったのですが、主税局長が答弁をしました。 この見直し論の根拠になっておるのは、預貯金が金や株式や土地などそういう実物資産にシフトするとか、あるいは海外へ資金が流出するとか、それが設備投資などの産業資金の供給を阻害するとか、あるいは換物の助長はインフレを招くとか、こういった問題が出でおるわけです。果たしてこれが現在の段階において本当になるものであるかどうかということが一つ問題にされなければならぬと私は思います。この辺の見解を伺いたいのですが、ここで私は議論をいたしました。 それで、その答弁を集約してまいりますと、まず、最近の民間金融機関の預貯金の伸び悩み傾向というものは、主として個人の金利選好意識の高まりによって、債券ですとか定額郵便貯金など高利回りの金融資産への資金シフトが響いているのであって、これはグリーンカードの影響ではない。 それから、五十七年度以降の郵貯の名寄せについても、これは昭和五十八年以前預入分を含めたグリーンカード番号により行うことが決まっておりまして、これによって、グリーンカード制度実施に当たって郵貯とマル優との間の、郵貯は安全有利だという風聞も消えている。 それから土地については、これはもう税務当局が登記簿によって容易に把握できますし、昭和四十四年以降取引をした土地の譲渡所得に対しては、四〇%と一般の所得税の一〇%増しのいずれか高い方で重課されることを考えれば、土地へのシフトというのは起こり得ないであろう。 それから金につきましては、価格変動が激しく、投資リスクがきわめて大きいことを考えれば、預貯金が金へ大量にシフトするということは考えがたいのではないか。最近の金の需要の増大というのは、基本的には価格の下落を反映したものであって、これをグリーンカードと結びつける根拠はない。 海外へのシフトの問題についても、海外への預金は日銀の許可が必要でありますし、外国証券、海外不動産を購入する場合は外為法上一定の手続が必要であり、国内に記録が残り、税務当局はこれらの記録をチェックできる体制にあるということである。 こういった事実関係があるわけであります。 だから私は、当委員会でも明らかにされておりますが、現在のこの見直し論というものの根拠はないのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、大臣の御所見はいかがでしょう。
○渡辺国務大臣 私もそう思っております。 ただ、しかし、非常に一部グリーンカードを知らないで、背番号につながるのじゃないかとか、それから高額所得、税率の問題とか、資産合算の問題とか、そういうようないろいろな、実際極端に問題があると思われるようなこと、必要以上な不安、そういうようなものは不安をなくす必要があるのじゃないか。だから、まだ時間がありますから、そういう点はよくPRをして、心配ないんですよということを徹底させれば、そういうような反対運動というのはだんだん鎮静してくる、そう見ております。
○柴田委員 いま大臣がおっしゃいましたように、いまそう思っているということでございます。結論といたしまして、グリーンカード制の実施によりまして預貯金が、実物資産あるいは海外へ資金逃避が起こる、またそれがインフレにつながる、あるいはまた産業資金供給の阻害要因になるということは全く根拠がない、こういうことが明らかになったわけであります。 問題は、後段で大臣がおっしゃいましたように不安、動揺がある。だから、やはり財源確保のためにこのグリーンカード制を実施していくためには、あるいはまた不公平税制の是正のために、総合課税にいわゆる円滑に移行していくための何かの方法というものがここで考えられなければいけないのじゃないか、こう思うわけであります。これはもう大臣がかねがねおっしゃっております環境整備ということに通ずるのではないか。これは意見が大臣と私は恐らく一致する、こう私は思うわけなんです。 そこで、ここで私はお伺いをしたいのは、過去においていろいろな事情から他人名義や架空名義あるいは無記名で預金をしてしまった預金者も多いと思いますね。こういった預金者に対して不安を与えないようによく留意しながら、総合課税へのソフトランディングというものを図っていく必要がある、こう思います。そのためには、大口な悪質な場合は別といたしまして、そのような預金者に対してことさら厳しくするというよりも、むしろありのままに指導し相談に乗っていくといった体制というものを一日も早くつくっていくべきではないか。そして、それを徹底させることで総合課税への移行に当たっての不安、動揺というものを除去していかなければならない、こんなふうに考えられるわけでありますけれども、その辺はどうでしょう。
○渡辺国務大臣 私もそう思っておるのです。世の中には、何十年かかかりまして営々として積み重ねて一千万か二千万持っている人が中小企業や何かにはあるでしょうが、それが表へ出てきたときに、つい二、三年のうちにどこかでもうけたのではないかということで追及されたのではかなわぬ。私は金をつくるのに何十年もかかったんだという人もあるわけですから、そういうのは心配ないわけです。ただ、そういうお金は一人三百万円まで、郵便局も三百万円です、銀行も国債も三百万円ですというのに、いろいろな架空名義や何かで無税で積んでおられたのでは困るのです。だから、それを限度に分けてください、ただ、無税のものはおろして分離課税の方に積んでおいてもらえば追及しませんよ。極端に二年とか三年でふえたものはどうか知らぬけれども、何十年もかかってふやしたものは追及したって始まらぬわけですから、むしろ、ありのままに出してもらって、いまのうちからそろそろ分離課税の方に回してもらっておけば、いままで隠れてあるいは知らずに脱税をやっていたという人は、とにかくことしじゅうに積みかえてやってもらえばいい、私はそう思っております。
○柴田委員 私は名古屋でございますが、昭和四十八年でしたか、名古屋国税局、税務署が仮名預金をなくす運動をやりました。ここにそのビラを一つ持ってまいりました。仮名預金を正しい名義の預金にということで、「険しい夜道をライトをつけずに走るなんて危険です」「くわしくは裏面をご覧下さい」ということでいろいろ書いてあるのです。この中を読んでみますと、「「仮名預金をもっておられる皆さんのなかには、仮名を本人名義に変更することによりなが年にわたってたくわえてきた仮名預金のすべてが税として納税させられるのではないか、また、税負担に無関係な仮名預金であってもその立証のために税務調査をうけなければならないのではないか等税に関するいろいろなご不安やご心配をお持ちになることと思います。“そのようなご不安やご心配は無用です”」」こうありまして、 “国税局・税務署では皆さんの自主申告に対し具体的には次のように取り扱うこととしております。”(詳しいことはもよりの税務署でお尋ねください。) 仮名預金を本名に切り換えるにあたっては、経験ゆたかな税務署の幹部職員(統括官)が専門的にご相談にあたり、原則として相談によって解決を図ることとしております。 仮名預金の発生が比較的新しいものについては、適正な申告と納税をしていただくこととなります。 仮名預金の発生が比較的古いものでその発生状況等から勘案して課税時期等が判然としないものについては、課税をいたしません。 ここのところが大事なのですが、 自主修正申告による納税には、重加算税はもちろん過少申告加算税も課税をいたしません。 このところは、要するに国税通則法六十五条第三項の規定によりましても、自主修正申告をすれば過少申告加算税は加算されないわけです。これは大臣もよく御存じであると思います。それから通則法の運営によって重加算税もいいのではないか。 それからもう一つは、「自主修正申告等により仮名預金を本名に書きかえられた方々に対しては、すでに過ちを正された納税者でありますから、今後においては脱税者に対するような取扱いはいたしません。」こういうふうになっております。 これはずいぶん仮名預金が正しい名義に切りかえられて成功したというように私はお聞きしております。だから、私はこのままグリーンカード制の導入に伴っておやりなさいと言うわけではありませんが、やはりこういった一つの具体例があるわけですので、これを一つの参考にしていただいて、検討するという段階でなくてそういったソフトランディングを図っていく上においても、不公平税制を是正していく上においても、大蔵省当局でそういった体制を国税庁あるいは全国の税務署の中でつくっていただいて、ゴーサインを出していく段階になっているのじゃないかと思いますが、これはいかがでしょう。
○渡辺国務大臣 名古屋方式というのは非常に実情に合った、人心をよくつかんだ方式だと私は思っておりますが、その前に、無税の預金というのは一人三百万だということを知ってもらわなければ困るわけでありまして、これは銀行でも信用組合でも郵便局でも同じなのです。問題は、一人で十口も二十口もというのはいけないのであって、一人一口、あとは分離課税三五%払えばそれは差し支えないわけです。堂々と預金を実名でやっていただいて、そういうものについてはいま言った名古屋方式がいいのじゃないか、私はそう思っておりますから、十分にもっと実務的なことを考えてPRしていきたいと思っておるのです。まず始まりは、無税の預金を幾つも持ってはいけませんよ、有税にすればちゃんと税金を分離課税で納めるわけですから安全なのですよ、そういう方向に持っていく。そしてその預金についてはいま言ったようなことで、自発的に古い預金を自分の名前にされたり、いままで無税になっていたけれども、これはいかぬわということで一部税金を納めてもらうということにすれば、幾ら持っておったって差し支えないのです。私はそういうようにしたいと考えておるわけでございます。
○柴田委員 名古屋方式は大いに結構だという御答弁がありましたが、先ほど言いましたように一つの物差しをつくって、そして全国的にそういった相談の窓口にいらっしゃいいらっしゃいとやる体制、これはいいですね。大臣にそういうふうに御了解いただけば、今度はそれをどう実施していくかというのは国税当局の仕事であるというふうに私は思っております。 そこで国税庁、いま大臣が御答弁なさったのですが、これから後、具体的にグリーンカード制の実施は五十九年一月一日でありますが、スケジュールを描いてこういった一つのものをつくって、そして全国の税務署に相談体制を開いていかれる、その辺のところをちょっと御説明をいただきたい。
○川崎政府委員 事務処理体制と申しますか、特に移行年の処理体制をただいま大臣がおっしゃいましたような線でいろいろ検討しておりますけれども、まだ若干時間のあることでございまして、いま具体的に税務署の方でどの程度のどういう相談体制にするというところまで議論が行っておりませんけれども、大臣の御答弁の趣旨を十分踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
○柴田委員 それではまだ多少の時間はあるわけでございますけれども、それは大臣ひとつよろしくお願いしますよ。国税庁もお願いしますね。 次に、私は国債管理の問題についてお聞きしていきたいと思うわけであります。 それで、本年度二兆円の減額はなされましたけれども、十二兆二千七百億円の発行ということになるわけであります。赤字財政の解消、財政再建の問題、そして国債発行に伴う国債管理政策の問題というのは密接不可分の関係であります。財政と金融の接点ともいうべき国債管理政策は、特に財政再建を進める、国債発行の減額に努めるといっても、先ほど申しましたようにまだ十二兆二千七百億円、この国債発行は続くと思います。その中でこの国債の円滑な消化、あるいはマネーサプライの有効なコントロールを図るという観点から、私は国債管理政策というのはまだまだ大事ではないか、こういうふうに思います。 そこで、当局といたしましては、昨年、一昨年五項目、七項目の国債管理政策というものを発表して実施をされてきているわけでありますが、この時点に立ちまして私も、個人的な意見でありますが、何点かの国債管理政策についての考え方を持っております。もちろんこの問題は、昨年の国会におきます当委員会におきましても、私は提言をしてきたわけでありますが、再度ひとつお伺いをしていきたい、こういうように思います。 もちろん、国債管理政策の重要な点は、発行額の一層の減額をしていくというのは当然のことなんです。それから第二点といたしましては、市中の消化額を圧縮していく、これももう当然なことである。それから第三点、これもやはり当然のことでありますが、発行条件の実勢化という問題であります。しかし、この問題につきまして私は一つ異論があるのは、要するに昨年末いわゆる市場の状況を無視した政策的な条件改定というものを行った、これは大臣御承知かどうか知りませんが、これが国債発行の消化難に拍車をかけ、国債に対する信頼感を著しく傷つけてきたということも事実であります。この発行条件の実勢化というものはまだまだ不十分ではないか、こういうふうに私は思っております。 それから第四点は、中期入札国債の改善と活用という問題があります。中期国債というのは、二年から四年の短い期間の国債である。ところが、この入札制度本来の機能というものがまだ活用されていないというふうに思います。これは説明するまでもなく当局はよく知ってみえると思いますが、肩たたきだとか足切りだとか胴切りだとかいった問題がありまして、先ほど申しましたように本格的な活用期に入っていない、こういうふうに思います。ですから、やはり七十兆円になんなんとする発行残高の累増時に対応した本格的な国債管理政策というものが今後とも実施されていかなければならないというように私は考えておるわけでありますが、その辺のところにつきまして、まず御見解をお伺いしたい。
○渡辺(喜)政府委員 国債管理につきましては、かねてからいろいろな機会に申し上げておりますとおり、量が市場の規模等に比較して多い。特に、五十年度の大量発行以来毎年毎年の発行量も多い上に、そういうものが累積いたしまして、市中残高が累増してきておるというところにすべての問題が集約されるわけでございますので、基本的には発行量をできる限り圧縮していくということが一番大切だろうという考え方に立っておるわけでございます。 量の問題と同時に質の問題、いま委員がおっしゃいましたように、国債が質的に商品として十分市場に存在し得る、そういう国債の商品性といいますか、質的な面についてもできる限りの改善を図っていく、こういう観点でやってまいっておるわけでございます。したがいまして、いまおっしゃいましたように、まず発行額を圧縮していくということは、五十五年度、六年度と引き続いて努力をしてまいっておるわけでございますし、あるいはさらに全体の量を圧縮する中で市中の引受分をさらに圧縮するように配慮していく、これもここ数年を通じまして十分配慮してまいっておるわけでございます。五十六年度につきましては、総枠を二兆圧縮した上に資金運用部の引き受けを一兆増加しておりますので、両方合わせまして市中の消化分というのは三兆減っておる、十年債ですと六兆台に乗っておるというようなことでございます。今後ともこういう方向で進めていけば、全体として国債の発行、消化の問題というのはかなり先行きは明るくなってくるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 発行条件の実勢化につきましても、昨年の十二月の全体の金利引き下げに絡んだ問題点の御指摘がございましたけれども、国債金利というのはこれが単独で存在しているわけでございませんで、やはりもろもろの長短金利と非常に絡んでいるものでございます。その辺のバランスについてもやはりある程度の配慮をしていきませんと、全体として金融秩序に混乱が生ずるという問題がございますので、単に市中の実勢金利だけで国債の発行条件を決めていくというわけにはまいらない面があるわけでございますが、その中におきましても、基調としては先ほど申しましたように、国債の商品性を維持するという観点から市場の実勢には十分な配慮を払ってきておるつもりでございます。 また、中期債の公募入札についていろいろな御指摘がございましたが、私どもとしては、公募入札制度というものは限界がございますけれども、その限界の中においてできるだけ定着、拡大化を図っていきたいということで運営をしてまいっておるわけでございます。決して意識的に、特定の金利水準というものを実現するために肩たたきをしたり足切りをしたりということをやっておるわけではございませんで、そのときどきの金融情勢あるいは市場の実情というふうなものを踏まえまして運営をしてまいっておるつもりでございます。当然のことながら入札に際しましては、市中の状況等をサウンドしたりいろいろすることはございますけれども、決して肩をたたいて特別な協力を求めるというふうなことをやっておるつもりはないわけでございますので、御了承をいただきたいと思います。
○柴田委員 発行条件の実勢化と中期国債の入札制度の改善、これはこの場ではそういう答弁しかできないと思いますが、肩たたきの問題にいたしましてもあるいは足切り、胴切りの問題にしましても、これは現実にあるわけでありまして、今後ともより一層の改善ということをお願いをしていきたいと思います。 それで、具体的に中期国債について多様化の推進という観点からお伺いをしていきたいわけでありますが、御案内のようにこの中期国債というのは大変な議論を重ねられまして五十三年から発行されております。しかし、この発行額というのは市場全体の一割程度ではないかというふうに思いますね。それで、大量国債の消化のためには投資家のニーズに幅広く対応する必要がある、こう思います。そのニーズというのは、保険とか年金などの長期のものもありますが、やはり全体としては諸外国と同様にわが国でも中短期のものが多いのではないかと私は思います。しかし、それにもかかわらず、先ほど申しましたようにわずか一割程度、依然として長期国債が圧倒的なウエート、八〇%程度を占めておるということであります。したがいまして、大量国債の消化の円滑化のために特に中短期の国債を多く発行するなど、期間の多様化というものを一段と推進することが必要ではないかというように私は思いますが、当局の御方針はどうでしょう。
○渡辺(喜)政府委員 先ほども申し上げましたように、公募市場の育成、定着化という観点は常に持っておるわけでございまして、現に中期債の発行規模というものも年々わずかではございますがふやし続けてまいっておりますし、実績も毎年増加をしてきておるわけでございます。 基本的な方向はそういうことでございますが、ただいろいろ問題がございます。したがって、先ほども限界がある中でというふうに申し上げたわけでございますが、一つは、余りに国債の中短期のウェートが高まってまいりますと、どうしても償還借りかえが短期間に累増するという問題があるわけでございまして、全体の財政状況との兼ね合いでやはりその辺の構成は考えていかなければいかぬという制約があるわけでございます。 それからもう一つは、すでに過去において出した十年国債が次第に償還期が近づいてまいっておる関係上、事実上中期、短期の国債になりつつあるということでございます。現在市場に七十兆残高があるわけでございますが、過去たとえば五十年度に発行いたしました十年国債はすでに残存期間五年になっておるわけでございますから、そういう意味で、ここ一、二年の間に市中にある十年債は実質的に三年債、二年債になっていく、こういうことでございます。そこへさらにまた新規の中期債をどんどん出していくということになりますと、国債全体の期間構成というものが非常に短期の方にアンバランスに偏ってくるという問題が生ずるわけでございまして、その辺の状況等も十分勘案しながら考えていかなければいかぬ。 それから、五十三年度から中期債を発行してまいりましてその経験からいたしますと、公募で財政資金を適確に調達していくということについてはいろいろ困難がある。現に毎年度毎年度予定をいたしました中期債の発行額というのは満額達成できない、実績はややそれを下回ってきているというような状況でございまして、特に金融事情あるいは資本市場の状況、経済の状況、そういうようなもので非常に影響を受けやすいというのが私どもの経験からきた実感でございます。そういう意味で、いろいろ探りながら定着化を図っていきたい、こういう考え方で現在対処しておるわけでございます。
○柴田委員 そういうことであるならばもう一つ私は御提案をしたいわけであります。要するに超長期国債といいますか私募債の問題です。これは後で質問しますが、借りかえ問題との関連が出てくると思うわけであります。いままでの五項目、七項目の中のいわゆる国債管理政策の中でも私募債の発行というものは一つの政策として論じられてきたわけでございます。もちろんこれは大蔵省当局としても検討になっておると思いますし、何とかしてやりたいという気持ちも持ってみえるんじゃないかと思うわけでありますが、引受手の問題もあると思うわけなんですが、やはり今後の国債管理政策を考えていった場合に投資家の中には長期で運用していきたい、そういったニーズを持っている人もあるのではないか。しかもこれは安定した財政資金の調達にも資するということになるわけでございますので、こういった点ももっと真剣に前向きにその実施に向かって検討されてしかるべきではないか、こんなふうにも私は思っておるのでございますが、これはいかがでしょう。
○渡辺(喜)政府委員 私どもといたしましても長期の国債が受け入れられれば財政上の観点からは大変好ましいと考えておるわけでございます。ただ超長期になりますと市場性を同時に持つということが非常にむずかしい面があるものでございますので、いま方向としては、もし超長期債ということになればそれは私募債で市場外の長期性の資金というものを引き当てに考えていった方がいいのではないかというふうなことで検討をいたしておるわけでございます。 ただ、いろいろ問題がございまして、特にここ一両年のように市中の変動が非常に激しい期間、五十四年度はどんどん金利が上がっていく、逆に五十五年度に入ってからは金利が急激に下がっていく、こういうふうな非常に変動の激しいときにおきましては長期債の条件設定は非常にむずかしいわけでございます。 御指摘のように過去二年間国債管理政策七項目、五項目を出しまして長期債という考え方を打ち出してきたわけでございます。鋭意努力をしてまいりまして関係方面との検討はかなり煮詰まっておるわけでございます。ただ、こういう変動期でございますので最後の条件設定という問題がなかなかまとまらないというのが現状でございまして、もう少し市場の状況が安定いたしますれば何とか実現にこぎつけられるのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○柴田委員 ひとつその辺の条件設定をきちっとやっていただいて、これは前向きに対応していただきたい、こう思います。 次に、借換債の問題をちょっとここでお聞きをしておきたいと思います。 昨年末でしたか、理財局長が座長になって国債借換債懇談会で五十七年から五十九年にかけての問題については一応の結論が出ているようであります。それはそれといたしまして、それ以降の問題をここでお聞きをしておきたい。もちろんそれはまだ先の話だからこれからですよ、こういう御答弁かもしれませんが、私なりに一つの考えがありますのでそれをお話ししながら御見解を伺っていきたいわけであります。 御案内のように借換債は国債管理政策の一つの重要な課題である、私はこういうふうに思います。昭和四十八年度から五十三年度までのいわゆる建設国債の借りかえは一口に言いますと、これはいまさら私が説明するまでもありませんが、個人につきましては現金償還、シ団、金融機関については乗りかえ方式、いわゆる保有者乗りかえ方式という形で処理をしてきた。もちろん金額も少ないわけでありますし市中の保有高も少なかったわけであります。ところが今後本格的な償還に入る借りかえ問題については真剣に検討していかなければならない問題であると私は思います。 ちなみに大蔵省の資料を私ちょっとまとめてみたわけでありますが、昭和五十五年から五十九年では満期到来債が十兆六千八百二十二億円あります。これはもちろん中期国債は除いているわけでありますが、このうち市中保有分は三兆二千百八十二億円。ところが六十年以降六十三年まで満期到来額が二十四兆五千三十三億円、このうち市中保有分は十九兆二千三百七十四億円というふうに市中の保有分は莫大なものになってくるわけであります。金額もそのパーセンテージも多くなってくる。ここでやはり借りかえのための一つのルールの確立、借換債の円滑な消化を可能とするルールの確立が必要になってくるのではないか、私はこういうふうに思うのですが、当局はどうでしょうか。どのようなお考えでしょうか。
○渡辺(喜)政府委員 私どももできるだけ早く借換債についての考え方、ルール、方針というものを取りまとめたいと考えておるわけでございますが、先ほどお話にありましたように、去年の秋、借換債問題につきましての懇談会を数次にわたって開催いたしまして、当面、五十九年度までの方針を決めたわけでございます。 その際、六十年度以降借りかえが本格化するときに対処して考えておかなければいかぬのじゃないかという意見が大分出たわけでございますが、ただ問題は、六十年度以降の財政の状況がどうなっておるか、つまりそのときの新規発行債の規模、財政なり経済に対するウエート、そういうものがどういうふうに変わっておるであろうか、あるいはそのときの金融事情というものはどういうふうになっておるのであろうか、いろいろもろもろの要素が不確定、不明確であるわけでございまして、そういう不明確な要素を前提にいろいろな仮定を立ててここで確定的に方針を決めるわけにもいかない。したがって、まず当面、五十九年度までの借りかえの方針を決めて、それを実際に実施していく、その過程で、経験を踏まえながら、さらに継続して六十年度以降については勉強しましょう、こういうことになったわけでございます。 私は、個人的には、とにかく六十年度までの間における財政再建の成果といいますか、それが本当にいまわれわれが考え、目標としておるような実績がちゃんと出てくるかどうか、それが一つの大きなポイントではなかろうか、実際に新規発行債が所期の成果を上げて、所期の予定どおりに減額が達成されていくということになりますと、借りかえ問題の処理もかなり容易になってくるということではなかろうかと思います。これが失敗いたしますと、いまお話にありましたように、新規債に借換債を加えた国債の発行量というものは相当大きな規模になってくるわけでございますので、その処理は大変むずかしい問題になってくる。したがって、五十九年度まで大した量でありませんので、既定の方針に従って借りかえを処理していく傍ら、国債の発行減額を目標どおりに確実に実施していく、これが当面まずやるべきことであろうかというふうな考え方を持っておるわけでございます。
○柴田委員 まさしく六十年以降は財政再建の成否であるということ、これは当然のことであるわけであります。しかし、膨大な借換債が出てくるわけでありますから、先のことではございますが、やはりいまからそういった対応あるいは検討というものは進めていくべきではないかと私は思っております。 そこで私は、これは一つの考え方でありますが、借換債の一つのルール化の確立という問題で、三点について私なりの考え方を申しまして、また理財局長の御所見を伺いたいわけであります。 一つは、郵便貯金を国債消化に有効に活用していくということです。資金運用部資金の運用の中で、郵貯増加額の一定割合を借換債の引き受けによって充当するルールをつくったらどうだ、こういうことです。最近郵貯はちょっと伸びがとまっていますけれども、昨年あたり郵貯は相当急増してきた。あるいはまた今後も急増するかもしれません。こういったルール化、これはどうでしょうかということ。 それから第二は、原則として残額は公募入札方式で発行していく、個人の一般投資家が購入しやすいように、中期債を、なるべくパーセンテージをふやしてやったらどうだろうということです。 第三点は、そういった公募入札によっても売れ残った分は、イギリス等で実施されておりますような、中央銀行、まあ日銀ですね、これが政府向け信用を調整することによって一時的にこれを引き受けて、その後市場の実勢を見ながら市中へ売却していく方法、これは結果的に見ましてマネーサプライの過剰供給が回避されるのではないか、こういうふうに私は思います。 こういった問題は、日銀の問題、郵政省の問題いろいろあると思います。なかなか簡単にできないかもしれませんが、国家的な見地に立って、国民経済的な視点に立ってやはり検討を進めていくべき課題ではないかというふうに思いますが、どうでしょう、御所見、お考え方だけで結構ですのでお聞かせいただきたいと思います。
○渡辺(喜)政府委員 この郵貯の資金というのは資金運用部に全額預託されてくるわけでございますが、資金運用部の資金というのは郵貯の資金だけでございませんで、年金の資金その他特別会計の余裕金とかいろいろな資金が集まっておるわけでございます。それらについては統合的に運用しておるわけでございまして、あるところに運用部の配分された金は郵貯からいったのであるとか年金からいったのであるというふうな区分をいたしませんで、全体を統合運用する。それによって効率的な運用を図っていくというので運用部というシステムができ上がっておるわけでございますので、郵貯の分から何%をどういう目的にということはなかなかなじみがたい問題だろうという気がいたします。 ただ、実際問題としては、運用部資金の中における郵貯の資金のウエートというのは非常に高いわけでございますので、全体として資金運用部資金で国債を引き受けていくという点については十分な配慮をいたしておるわけでございます。現に資金運用部資金に占める国債引き受けのウエートというのはここ年々急速に上がってきておるわけでございますから、そういう意味では、郵貯の資金というものはより一層多く毎年国債の方に振り向けられてきておるということは言えるわけでございます。もちろん財政投融資というものも資金運用部資金の用途の主要な目的でございますので、中小企業金融でございますとかあるいは住宅でございますとか、もろもろ非常に政策的に重要な使用目的があるわけでございます。国債もその中の一つであるわけで、財政投融資金の需要、国債あるいは資金運用部の原資の事情、そういうもろもろのものを勘案いたしまして資金の配分を決めていく、こういうことが基本的な考え方であるわけでございます。その中におきまして、この大量発行あるいは市中の国債引き受けの現状というふうなものを十分配慮いたしまして、実際に国債への配分というのはかなりふやしてきておる、こういうことでございます。こういう考え方は、大量発行の続く間、当然のことながら継続して配慮していくべきものであると考えるわけでございます。 それから公募の問題につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、なかなか実際問題として量的に限界があるということでございます。いま十年債も含めて、公募で確実に財政の必要資金を調達しろと言われても、なかなか自信が持てない。したがって、手探りで徐々に公募市場の育成を図っていくという考え方で対処してまいっておるわけでございます。 それから、中央銀行に一たん引き受けさせて徐々にそれを市中に流していく、まあタップ方式ということでございます。先ほどの借りかえ問題の懇談会におきましても、このタップ方式はどうだという議論もあったわけでございます。現に有力な外国においてもこれを事実やっておる国もあるわけでございますが、ただ問題は、現在わが国の制度からいきますと、日銀が国債をまず引き受けるということ自体につきまして財政法の制約がございますし、それからまた、このタップ方式をとりながら、しかもインフレマネーにならないようなことをうまくやれるのかどうか、いろいろな検討課題があろうかと思います。現在では、直ちにこれを採用しろと言われてもなかなかむずかしいというのが実情でございます。
○柴田委員 昭和六十年以降でございますので、まだ期間があります。いろいろむずかしい問題があろうかと思いますが、膨大な借換債の発行ということについての真剣な御検討をお願いしたい、こう思います。 それから、次の問題は、きょうは銀行局長は来ておりませんね。だから、私は大臣にひとつお聞きしたいのですけれども、国債引き受けに関連をいたしまして、やはり都市銀行を初めとする金融機関の資金ポジションの問題があると思います。つまり、資金調達力の問題。御案内かと思いますが、昭和四十年から四十九年まで、この間に民間の金融機関で実質預金の増加額に占める国債消化額の割合は一〇%だ、四十年から四十九年ですね。ところが、五十年代に入りまして、五十四年までのこの五年間、これは四七%になってきておる。結局、発行額はずっと削減されていくと思いますが、まだまだ引き受けというのは続いていくわけです。だから、そういった意味におきまして、私は昨年本委員会におきまして、二度か三度銀行の資金調達力の強化拡充という問題、資金ポジションの良化という問題で、やはり新しい定期預金を創設をして消費者ニーズ、国民のニーズにこたえていったらどうだ、このような観点で御質問申したわけでありますが、これは最近のマスコミの報道を見てまいりますと、全銀協の会長が記者会見で、早ければこの四月に大蔵省に届け出をして六月一日、まあボーナス時期をねらってスタートさせたい、こう言っておるわけですね。いままでの銀行局長の答弁は前向きに積極的に対応していく、こういうことでありますが、私は大蔵大臣といたしましても、金融機関から届け出があった場合には速やかにスタートできますような対処というものをお願いしたいというふうに思っておるわけでございますが、ひとつ大臣の御見解をお伺いをいたしたいと思います。
○渡辺国務大臣 まだ正式に届け出も、そういう話聞いておりませんが、そういうふうなことがあった場合においては、局長と同じでございますから前向きになるべく速やかにそれは対処したいと思っています。
○柴田委員 国債の問題はこの程度にしまして、私は所得税減税についてこの際ちょっと御質問していきたいと思います。 御案内のように与野党合意で五十六年度は剰余金を充てるということになりますね。いま行政改革というものが大きくクローズアップされております。五十七年度予算編成に際しましては大型新税は念頭に置かないで、要するに行政改革によって予算編成をしていくんだ、こういうことでありますね。そうすれば、この所得税減税というものについては大臣が、私は予算委員会の答弁なんかを読んでみますと、これは一つの政府としての政策的な課題、政治的な課題として取り組んでいかなければならないというふうな方向で御答弁をなさっているように記憶しているのですが、五十七年度は行政改革の成否というものが問われるというふうに私は思っています。それが実施できるかどうかということはこの際なかなか確約はできないでしょうが、やはりこの所得税減税についてはどのようにお考えになっておるのか、その政策課題としてこれは念頭に置いて対応していかなければならないのではないか、こんなふうに私は考えるわけでありますが、どうでしょう大臣。
○渡辺国務大臣 所得税の減税はできれば私も決して拒否をするわけではないのです。何回も言っているように最大の政策課題は要するに財政の再建でございまして、それには五十九年度までに赤字国債から脱却する、それのめどがきちんと立つことが一番最優先、それからもう後は歳出カットですね。そういうようなことによって来年度の当然増を賄うことができるかどうか。しかも、景気が思ったより回復しまして、それでそういったような問題が必配なくできるという場合、また直間比率の話を、いつも私はこれを言うのですけれども、国民の同意が得られて、ともかく直接税の分を間接税に少し肩がわりはできないかというようなものなど含めまして、そういう点で国民の合意が得られるということならば、私は所得税減税は決して回避するものではございません。今後の経済情勢の推移、それから財源確保の見通し、こういうようなものとのこれは裏表ということでございます。
○柴田委員 つまり大臣の頭の中には政策的な一つの課題としてちゃんとあるんだ、こういう理解でいいわけなんですね。ですから、先ほどおっしゃったように財政再建の進展の度合い、行政改革の成否、こういうことがやはり私は所得税減税が実施できるかどうかではないか、こんなふうに考えるわけであります。どうかひとつ念頭に置いていただきたいと思います。 最後の質問になりますが、行政改革に関連をして補助金の整理の問題であります。予算の査定権を持ついわゆる大蔵大臣、最高責任者としての大臣のお考えを私はお聞きしていきたいわけでありますが、これはきのうの参考人質疑においても私はお聞きをいたしました。いまマスコミ等の報ずるところによりますと、まあ一律カットをするとかあるいは点数制にするとかあるいはノルマ方式といいまして各省庁に削減枠を割り当てて、その中で具体的にどの補助金を整理するか各省庁に任せるとか、いろいろと報道されておるわけでありますが、私はこの一律カットということにつきましては、これは問題があるのではないかというふうに思います。やはり福祉社会の建設、これは将来のわが国社会の根幹となるわけであります。そういった領域と一方高度成長のときに肥大化してきた領域、この分野を同一に削減をしていくということはこれはいかがなものか、こう思います。ですから、この補助金削減の基準といいますか物差しをつくって、国民生活との関連の視点から一律カット方式ではなく、まず補助金というものを全面的に見直して総点検をして、必要なもの不必要なもの、これを分けていく、いわゆる分別削減方式とでも申しましょうか、こういった方式で整理、合理化していくべきじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。これは今後の問題でありますが、しかし、先ほど申しましたように予算の査定権を持つ最高責任者である大蔵大臣、やはり一つの御見識なり一つの理念というものがあろうかと思いますので、そういった観点からお伺いをしていきたいと思うわけであります。
○渡辺国務大臣 それは重要の程度、時の流れに従って目的を果たしたもの、こういう時勢だから、金のあるときはめんどうを見てあげたいが、こういうときには遠慮していただきたいというようなもの等とのふるい分けももちろん大切です。それと同時に、みんなしてがまんするのだよというのも大切です。したがって、それらの組み合わせをどうしていくか、いろいろいま検討中でございまして、これでいくんだという案が決まったわけではございませんが、十分御意見は参考にさせていただきます。
○柴田委員 それでは、時間が参りましたので、これで終わらさせていただきます。
○山崎(武)委員長代理 竹本孫一君。
○竹本委員 きょうは珍しく割り当ての時間が非常に多くて、久しぶりに本格的に議論をしようと思っておったわけですが、たまたま大蔵大臣が外国へ行かれるという話が入りまして、腰を折られた形でございますけれども、二つ三つ簡単に十分ばかり大臣に質問をして、後は大臣にはお帰りを願って、あとの方でひとつ質問をさせていただく、こう思います。 ドイツへ行かれるということですから、最初に希望を申し上げますけれども、手前みそになって恐縮ですけれども、ドイツはいま社民党の政権なんですね。したがってわれわれと全く同じ考え方なんです。いかにドイツの経済——あるいは物価安定あるいは労使関係あるいは財政再建への取り組み、あるいは金融政策というような、ドイツにおいてやっておることは、私は、ほぼ一〇〇%といっていいか九九%というかは別としまして、おおむね賛成である。そしてまた、おおむねそれが成功しておる。そういう意味におきまして、社民党を見直す、民社党を見直すという意味ではなくて、やはり経済政策のあるべき姿というものをひとつ前向きに取り組むという意味において、大いに接触を深くして実りのある御旅行であることをお祈りをしておきたい、かように思う次第であります。 特に、財政再建のことの問題等につきましても、ドイツのやり方は、シュミットさんを初めとして首脳部に非常に大きなリーダーシップがある。閣僚といえどもぐずぐずつまらぬことは言わせない。いわんや与党にも言わせない。そういう形で、党の分裂を半分かけてでも財政再建をやったでしょう。そういう意味で、これから日本の財政再建も、いま問題になっている第二次臨調、行政改革の問題を初めとして、やはりこれから本当の意味で、いま渡辺大臣からいろいろ御答弁がありましたけれども、財政の再建をやるということにはいろいろな障害があると思いますけれども、ドイツの取り組みの真剣さというものを、やはり大いに参考になるように取り入れて帰ってきていただきたい。その辺のことも含めて、今回またどういう目的でお出かけになるのか、それも一口お伺いしておきたい。
○渡辺国務大臣 いま竹本委員からお話があったように、ドイツと日本は非常によく似ているのです。それで、たとえば医療制度の問題一つ取り上げましても、あそこも保険制度で出来高払いではありますが、それと同時に、やはり請負制みたいなことをやっておるとか、年金なんかもやはり労使折半というような点で日本とよく似ておる。それからあそこは農政なんかでも非常に参考になることが多うございまして、私は農林大臣のときも行きましたし、厚生大臣のときにも行きまして、ドイツのやり方は非常に参考になりました。たまたま今回——いろいろな点で世界の経済は共通をしておって共通の利害というものがあるものですから、ドイツと日本との話し合いということは非常に重要なことでございます。そういうような点で、私は財政問題等についても忌憚のない意見を聞いて、どういうところで失敗して、失敗するときにはどういう問題があるのか、成功したのはどこがうまくいったのかというようなことなども、電報を見ただけではわからない点もございますから、ひとつよく聞いて参考にしたいと思っておるわけでございます。
○竹本委員 ついでに、これは先ほど申しましたけれども、金融政策についてです。ドイツの金融政策というのは非常に巧妙にできておる。また慎重である。日本のように公定歩合を下げる前から、一%下げろとか、あるいは下げた翌日、また下げろと言ってみたりして、アナウンスメント効果を自分で消してしまうようなばかなことはドイツはやらない。それからまた、ドイツの金融政策は自分の国内だけでは見ないで、世界の経済あるいはアメリカの金利の動きといったようなものを見て、この際金利を下げるということが為替レートにどういう影響があるか、国内経済あるいは物価にどういう影響があるかということも勘案しながら、非常に慎重に、非常に整合性のある金融政策を打ち出しておると私は高く評価しておるのです。日本のは、後で議論をするつもりですけれども、片っ端から日銀の独自の権限をむしろ侵してまで政党が勝手なことを言い過ぎる。それがために政策効果というものは半分になってしまう。そういうようなばかなことはしていないと思うのですが、そういう辺もひとつよく見ていただけばありがたいと思います。希望を申し上げておきます。 〔山崎(武)委員長代理退席、越智(伊)委員長代理着席〕 そこで本論に入るわけですけれども、一つはきょうは公債の問題をいろいろと議論をしたいと思いましたが、先ほど来理財局長の答弁はまことに明快でよかった。そういう意味で、その問題についてはもう触れません。 それから税の問題等もいろいろありますけれども、一つ二つだけ大臣の口から伺っておきたいことがあります。 その一つは、例の二兆円の国債減額の問題ですね。これは私は初めから強く主張もいたしておりましたし、そうなって、鈴木さんの決断を高く評価しておるわけです。「財政の中期展望」を見ますと、五十六年度の特例公債は五兆四千八百五十億円、その次は三兆六千五百億円、その次は一兆八千二百億円、こういうふうになっておる。これに対して四条公債の方は六兆七千八百五十億円でずっと横にいっている。そのことについては予算委員会で、これはおかしいではないかというような御議論がありました。それも一つの根拠がある議論だと思いますけれども、私は収支試算というものの性格上、一応そういうことで試算をしなければ、これは主計局の味方をするわけではありませんけれども、それ以外、別に効果的な方法がないではないか。こういう意味で要調整額の問題もあるし、六兆七千八百五十億で横に並んでいくということもやむを得ない、こういうふうに理解しているわけです。ただし、特例公債五兆四千八百五十億円を三兆六千五百億円、一兆八千二百億円、こういうふうに毎年二兆円ずつ減額をするということは、ことしだけの問題ではなくて、五十八年の一兆八千二百億円までずっと続けていくということについては、これは絶対的なものでなければならぬ。ほかの要調整額や四条公債の発行額の試算という問題ではなくて、これはむしろ絶対的な至上命令的なものとして受けとめるのでなければ、財政再建の歯どめといいますか、踏み台と申しますか、基礎ができない。そういう意味でかなめだと私は思いますので、大臣からお伺いしたい点は、四条公債についてはあるいは多くなることもあるいは少なくなることもあるかもしれないし、それで必ずしも悪くはない。しかしながら特例公債の二兆円減額というのは本年度だけの問題ではなくて、五十九年度ゼロにするまでは至上命令として取り組むべき決意が必要であると思うが、その点はどうでありますか。これだけ伺っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 私も同じような趣旨でありまして、特例公債は五十九年度で脱却する。その一兆八千億円前後でずっとなっておりますが、その点についてはそのときの状況により多少の上下はあるかもしれませんが、ともかく五十九年度脱却するということは至上命令と考えております。
○竹本委員 一兆八千か二兆か、そういう問題は小さな問題ですけれども、とにかくおおむね二兆円減額をするということが至上命令としてこれからの財政のかなめになるんだという大臣の御答弁をひとつ最後まで貫いてもらうように要望をいたしておきたいと思います。 あとはもう一つばかりですが、六十二年度においては国債整理基金の残高が御承知のように一応の試算ではゼロになりますね。そこでそのためにいろいろの数字が並べてあるわけですが、これも試算でございますから細かくは言いませんけれども、いずれにいたしましても国債を整理していくために整理基金勘定が余裕がなくなる。このためには定率繰り入れのほかに予算繰り入れもやらなければならないということになっておりまして、一応の数字が六十年、六十一年、六十二年、三年と、こうなっておりますが、定率の方と予算繰り入れと合わせればあるいは五兆円くらいの繰り入れをしなければならぬということで、そういう計算になります。問題は、これこそ数字を一応書いたものだと思うのですけれども、正確な数字の出入りは別といたしまして、おおむね三兆円なり五兆円なりというものを定率繰り入れなり予算繰り入れという形で繰り入れていかなければならぬ。その財源は数字の上ではそういうふうに書いただけで表ができておるのですけれども、どう埋めていくか、どうその財源を繰り入れるなら繰り入れるということを可能にしていくかということについては経済政策、先ほど来お話しの景気の動き、そういったようなものが非常に重大な条件になると思うのですけれども、これは単なる数字の試算だけではなくて、数字の出入りは別としまして、この定率繰り入れと予算繰り入れは必ず実行するんだ、実現していかなければ財政再建はできないんだというふうにある意味においては非常に厳格に受けとめなければならぬと思いますが、その点についての大臣のお考えも承っておきたい。
○渡辺国務大臣 これはやはりこのように繰り入れていかなければ財政再建はできないということでございます。ただ景気の動向もありますから、時として大きく繰り入れられることもあるかもわからない。その場合に、ともかく大きな数字の年が少し減るということもあるかもわからない。それはやはりそのときの景気の動向によって多少の影響は、私はあろうかと存じます。
○竹本委員 景気の動向で税収も変わるし、その他動きの変わることはよくわかりますけれども、私がいま言っておりますのは、ここに書いてある数字が、あるいは三兆円、合計すれば五兆円というのは完全に画餅に帰するようなことがあってはいけないんだ、逆に言えばこれだけの税収が上がってこれだけの繰り入れができるように経済政策のかじはとっていきますという裏づけの中でこれが考えられるべきことだというふうに厳格に解釈していただきたい、こう思うわけです。よろしゅうございますね。
○渡辺国務大臣 よろしゅうございます。
○竹本委員 大臣にはこれで最後にいたしますが、けさの新聞でしたか、経団連が二兆八千億円ばかりの行財政改革をやるんだというように項目を発表して具体的に取り組んでおられる。その熱意は大いに歓迎をいたします。 そこで私は、これは半分は要望になりますが、果たして二兆八千億円の増収になるような行財政改革が五十七年度の予算編成に時期的にも間に合うようにぴたっと成果が上がるものと考えるべきかどうか。大臣に御答弁を要求するということはちょっとデリケートすぎると思いますから私の方から申しますが、この二兆八千億円というものが現実に上がってこなければ、試算で出ておる二兆七千七百億円の要調整額というものは埋まらなくなってくる。一方から言えば、この間も議論が出たようでございますけれども、増税路線というものが行財政改革路線に切りかわってそれで万事オーケーだ、こういうふうに変わるのですかという質問もこの間ここで出たと思いますが、そういうように、私から言うとちょっと言葉が行き過ぎになるかもしれませんが、簡単に考えてはいけないのだ、財政というもの、五十七年度の予算編成というものは厳粛なる事実として目の前に来るわけですから、一方の二兆七千億か八千億か知りませんが、それがいま言ったように間に合うように的確に収入になって予算編成に役に立つかどうかということは別問題だ。したがって、総理大臣から言えば政治生命をかけますと言って本気で取り組む姿勢を示された、大いに結構です。その熱意、努力は買いますけれども、それと財政収支の問題にどれだけ具体的に来年度予算編成で間に合うかということとは若干距離があるのではないか。したがって、簡単にもうこれで増税問題は一切終わり、行財政改革一本やりで政治路線が変わりましたと言い切るのは若干軽率ではないか、少なくとも大蔵大臣としてはそういうことまで言えないのではないかと思いますが、その辺は大蔵大臣も十分踏まえて答弁されておるようにも受け取っておりますので、ひとつ大臣大いにその辺も厳粛に受けとめていただきたい。要望を申し上げて終わりにいたします。もう大臣お帰りになって結構です。 あとはもう簡単に一通りやって終わりにしたいと思うのですけれども、一つは五十六年度におきまして特例公債が御存じのように五兆四千八百五十億円である、四条公債が六兆七千八百五十億円である、国債費が六兆六千五百四十二億円となっておるようでございますが、その中に国債の利子というものが幾らあるかという問題について、ひとつ伺いたいと思います。
○西垣政府委員 大まかに申し上げまして、五兆六千億でございます。
○竹本委員 そういたしますと、特例公債の額とそれから利子の額とは大体とんとんに近い、ということは、国債の利子を払うために特例公債を出しておると言っても必ずしも間違いじゃない、数字は大体とんとんである、そういうふうに思いますが、それでいいですか。 〔越智(伊)委員長代理退席、委員長着席〕
○西垣政府委員 金額のオーダーとしてはそのとおりでございます。
○竹本委員 そこで五十九年度ゼロにしなければ、六十年度になったならば一方で国債を発行しながら一方でまた利子を払う、あるいは利子を払うために国債を発行するというようなことになってはなはだまずいというのが大蔵省の公の立場と思うのですけれども、ある意味から言えばそのことはいますでに崩れておるというふうに理解してもいいんじゃないかと思いますが、政務次官、この点はどうですか。金額は大体とんとんです。でありますから赤字国債を発行するその金額と国債の利子は大体において同じだ、そうなりますと、国債の利子を払うために赤字国債を出しておるのはけしからぬというような議論が出ても、ある意味においてはやむを得ないではないかと思いますが、どんな感じでございますかと、こういうことです。
○保岡政府委員 従前大蔵省が、六十年から本格的な特例公債の償還が始まる、そのために借金を重ねることはこれは大変だということで申し上げていると同じような趣旨のことが始まっているのではないかという先生の御指摘は、いま主計局の次長の方からもお話し申し上げたとおり、金額の点においてはすでにそういうことが始まっておる、同じような借金財政の困った現象が起こりつつあると言うてもいいのではないだろうか、そういうふうに思います。
○竹本委員 私はこれは揚げ足取りのために言っておるのではないのです。というのは、これは後でまた話が出るかもしれませんが、最近の減税の問題にしましても、財源がないとか財源があるとかいうような問題なり、あるいは公債の発行がどうだという問題ばかりが議論になっているのです。ところが実際は政治において一番大事なことは、過去の政治に対する反省が将来への新しい出発になると思うのですね。したがって、いますでに財政は破綻しているというかサラ金財政になったというか、言い方はいろいろありますが、少なくともいまの財政でもすでに破綻しておる、借金の利子を払うためにまた借金をしているんだというような状態にすでに陥っているのです。そういう状態に陥れたのはわれわれの失敗であった、責任であるという厳粛なる反省がなければだめだとぼくは言うのです。これは速記録にも残っておりますが、田中さんが大蔵大臣をやめられたとき、ぼくはちゃんと大臣に言ったのです。あなたは大変幸せな人だ、借金はやりっ放しにやって金庫を空にして、後を引き継いだ大蔵大臣はそのしりぬぐいをしなければならぬのでお気の毒だけれども、あなたはやりたいことをやったのだから大変運のいい人だということをぼくは大蔵委員会でちゃんと言っておる。だから私の立場から言えば、そのころから続いたインフレ財政、そのころから続いた年に二五%も歳出を伸ばしたばかな予算編成のとがめがいま来ておるのだという反省がなければ本当の意味の財政再建はできないと思うのですね。これから先のつじつまだけの問題ではない、過去の誤った失敗の問題がある。 それから、いま大臣も景気のいかんというようなことを言われる。さらにまたわれわれが要求をした減税ができるかできないかという問題についても、後でいろいろ聞きますが、減収の問題が出てくる。その減収、減収と言うのだけれども、なぜ減収になっておるかということになれば、これは経済政策の失敗ですよ。経済がうまく伸びて景気がよくなれば法人税も所得税もふえるに決まっている。したがって、経済政策の失敗か成功か、あるいは今後の経済政策をどう切りかえるかという基本点に立って問題を論議しないで、ただ増収があるとか、いや減収で困りましたとか、そういうことばかり議論しておるのはぼくはピンぼけだと思うのですね。これは要望ですけれども、今日、財政政策は、私の言うように金額の上でと言ってもいいが、金額の上ではすでに破綻しているということは、自民党さんの十年あるいは二十年の財政政策のとがめがいま来ておるのだということも考えてもらいたいし、またこれから税収が十分あるとかないとかいう問題を論議するときには、いまの経済政策は一体成功しているのか失敗しているのか、その結果がここにどういうふうにあらわれているかということについての基本的な掘り下げがなくて、ただ収入がどうなりますといったような事務報告ばかりを議論しておっても話にならない、そういう根本をひとつ忘れないように考えてもらいたい、こういうことでございます。よろしゅうございますね。
○保岡政府委員 先生の御指摘のように、財政が非常に厳しい事情にあるという認識においては私どもも変わりないつもりでございます。まあ、破綻しているという言葉が適当かどうかは別といたしましてですね。おっしゃるように、経済政策の運営を全うして景気を十分確保しながら、税収も上げながら国民生活を守る観点から財政再建を果たしていくということはきわめて重要な、基本的なことだと思います。
○竹本委員 そこで経済政策の方で経済企画庁に伺いますが、これは大蔵省の方にも関係がありますが、「六年ぶり税収不足か」五十五年度の剰余金減税に影響があるかもしれぬ、こういう大きな見出しで出ております。これは主税局の方に聞けばよくわかるのでございますが、そうですね、それではその前に主税局に聞きましょうか。一四・四%の伸び率を期待した、しかるに最近まではそれが一二・五%ぐらいの伸びで、差し引き一・九%ぐらい伸び率が悪いというような話を聞きましたけれども、その後における税の動きはどうなっておるかということが一つ、それから三月の税収の実績はいつごろになればはっきりするかということの二つをちょっと伺っておきたい。
○梅澤政府委員 現在まで判明いたしておりますのは二月末までの税収でございますが、それはただいま委員が御指摘になりましたように、前年同期と比較いたしまして一一二・五%でございます。補正後の見積もりは、年度を通じまして前年度決算額に対して一一四・四でございますから、瞬間風速と申しますか、現時点で見る限りは税収の伸び足が一・九%ポイントほど落ちておる。これを単純に機械計算をいたしますと、前年度の決算額が約二十四兆円でございますので四千数百億という数字になるわけでございます。 ただ、これを税目別に見まして今後私ども注目して見ていかなければならないと思いますのは、一つは何といいましても法人税でございます。法人税につきましては、二月末税収までの時点に関します限り、補正後におきます見込みよりも若干足取りが悪うございますけれども、御案内のとおり二月末までの税収というのは、法人で申しますと十二月の決算期までをカバーしておるわけでございますが、今後、三月決算の法人税というのは法人税の年全体の三割近くを占める非常に大きなかたまりの税収でございますので、私どもといたしましては三月期決算の法人の税収、これは法定の期限が、現実に税収が入ってまいりますのは五月末でございますが、これに期待をいたしておるということでございます。 それからもう一つ、これはすでに申告期限は終わっておるのですが、三月に入ってまいります申告所得税の税収がございます。これも税収としては非常に大きいかたまりでございまして、私ども各所からサンプリングで申告の状況は徴収いたしておりますけれども、これが最終的に補正後の見込みと比べて一体どれぐらいのオーダーになるのかというのは、現時点ではまだ判明しておりません。そのほか、間接諸税につきましては若干伸び足が悪いという状況でございます。
○竹本委員 ついでにもう一つ審議官に伺っておきたいのですが、最近、巷間伝えるところによれば、いよいよ法人税が二%上がる、それならば駆け込みというわけですが、利益も何も計上すべき可能なものはいまのうちに全部計上して二%安いところで納めた方が得だということで、法人税の収入は案外伸びるかもしれないというような意見というか考え方があるようですが、当局としてはどういうふうに見ておられるか承っておきたい。
○梅澤政府委員 ただいま御指摘の点でございますけれども、これは税務執行当局でございます国税庁が各申告書を分析いたしまして見ておるわけでございますが、そういう傾向につきまして私どもは何も承知をいたしておりません。 それからもう一つは、これも執行の問題になるわけでございますけれども、もし各法人がそういう操作をするといたしますと、これは税務申告上、期間計算の操作とか適正でない申告といいますか、所得計算をするわけでございますから、仮にそういうことが起こりましても、申告なり更正調査の段階で治癒される問題でございます。大勢としてそういう傾向にあるというふうに私どもは承知いたしておりません。
○竹本委員 本論に返りまして、六年ぶりの税収不足というのだけれども、その税収が予定どおり入ってこない、全体として一四・四%にうまくいきそうにないということを個別的に見ると、たとえば物品税がうまくいかない、たとえば関税収入もうまくいかない、たとえば法人税もうまくいかない、もちろん所得税の方の申告もうまくいかない。しかし、それは物を買わないから物品税の収入がないのでしょう。景気は伸びないで、物も買わない、原材料も仕入れないから関税収入も上がらないのでしょう。法人の動きが活発でない、大体一月あたりの生産の拡張は前年比で三・六%ぐらいでしょう。大体生産なんというのは一〇%ぐらい伸びなければ話にならないでしょう。それが三分の一の三%前後だ。そういうことになれば法人税の収入が落ちるのはあたりまえのことです。でありますから、私が先ほどちょっと申しましたのはその点で、財政の収入がうまくいかないのはすべてこれ経済がうまくいってないのだ、もっと言うならば、経済政策がうまくいってないのだ、そういうふうに受けとめなければならないのだと言っておるわけです。 ところがまた今度は、これに対しまして政府は、経済がうまくいかないのは油が上がったからだ、油の値上がりで、去年一年間に大体四兆五千億円ぐらいの金が向こうへ移った、したがってそれは成長率を二%ぐらい落とすわけだ、それはそのとおりだと思います。思いますが、そうすると財政収入がうまくいかない、減税もうまくやれないのは収入がないからだ、収入がないのは景気が悪いからだ、景気が悪いのは油のおかげだ、こういうことになりますと、何かおけ屋の理論みたいな形で、結局全部アラブに問題を持っていかなければ話が解決しないような持っていき方だけれども、そうではない。 まず第一に油の問題について言っても、これまた過去にさかのぼって余り議論しては、時間もありませんから恐縮ですが、日本の中東外交なんというものはもともと失敗ですよ。三木さんがあそこに行くまでは、われわれもそうですけれども日本の政府も、中東外交なんてほとんど重きを置いてなかった。そして、油が大変になってから初めてびっくりして特使を派遣したりしたわけですね。しかもまた、その後においても、油の問題が重大だというので、主な国が七カ国か集まってサミットをやっておる。このサミットも私は必ずしも十分でないと思うのですよ。消費国だけが集まっていわゆる小田原評定を幾らやってみても、お互いの輸入量を制限しようという意味の効果はありますけれども、それが限界で、問題はOPECの生産国だ。それに対する十分な働きかけや根回しや環境整備が全然ないままに、サミットで総理大臣や大統領が何遍集まったって一体何ができるかということについて、政府においてもどれだけの反省があるかということを私は言いたい、過去においても現在においても。したがって、油は確かに日本にとっては大きな、二%以上のマイナスの効果がありますから、日本の経済には悪影響は大きいと思いますけれども、それをどう組みかえていくかということについての反省なり前向きの努力がなさ過ぎるということも私はここで指摘しておきたい。 そのほかにまだある。油だけの問題ではありません。たとえば、私どもがこの間から減税を少なくとも三千億円ばかり何としてもやりなさいということを言った。これも半分おさらいになりますけれども、これはねらいが二つある。一つは八%物価が上がっているときに七%の賃上げだ、今度は大体八%になりそうですけれども。しかし、物価が八%上がって収入が七%ふえれば実質収入は〇・九%マイナスになることは決まりきっておる。マイナス〇・九ということの影響が全部に響いているのですよ。政務次官、経済の動きというものはそうたくさんあれこれ現象を調べたってなかなかむずかしいので、私は、きわめて簡単にいつも日銀券の動きを見ているのです。日銀券ほど経済の脈をとるのに便利なものはない。ところが日銀券の動きが、例の狂乱物価のときには、一番多いときには二七・五%までふえました。私が予算委員会で警告を発したときには一八%だった。いましっかりしなければ大変なことになると言ったら、すぐ二〇%を超えて二七・五%まで行ったわけです。いまはCDもあるしいろいろな関係もありますから、また情勢も変わりましたから一必ずしも二〇%がいいとか悪いとかということにならないけれども、いまでも一二、三%は——いまはCDを含めてもM2が七、八%です。そういうものが一二%くらいにならなければ経済は動かないですよ。悪いに決まっている。ところが日銀券は、下手をすれば二・三%ぐらいですよ。そして全体の動きもいま言ったようにM2は一〇%がなかなかいかない。こういう情勢では景気がよくなるはずがないし、よくなっておるということが考えられるはずがない。それがいま全部減収になってあらわれておる。したがって、これを早きに及んで手を打たないということに問題がある。 経済企画庁が見えたから申しますが、一体あなた方は何を根拠に五十六年度の経済成長は五・三だというようなでたらめというか希望的観測を述べておられるか。去年の暮れは伸び率は二・三でしょう。その後において経済がどれだけうまく好転してきておるか。七−九期にGNPがちょっとよかったのは、輸入が減ったということだけなんですよ。日本の経済政策それ自体の成功で日本の経済が非常にスムーズに発展しておるという徴候はどこにもない。しかも、ことしの経済成長からいって五十六年度の五・三は、げたがない。ことしに比べてげたが半分になる。げたの問題から考えても、あるいは世界にはいま二千五百万人の失業者がおる、イギリスはいつの間にか二百四十八万人の失業者が出て倒産が五〇%ふえたというのでしょう、したがって自動車の輸入制限を初めとして問題が厳しくなる、こういう国際環境から見ても、国内のしぼんだ景気の動きから見ても、どこを考えれば一体五・三%の経済成長ができるのか。しかも、その五・三%の経済成長ができなければ絵にかいたもちで、中期財政試算などというものは何の役にも立たない。一体どういうところを根拠にそういう楽観的、希望的五・三%の成長率を出しておるかということを、ややまとめて御答弁を願いたいと思います。
○大竹政府委員 いろいろお尋ねがございました。一つは経済政策が機動性を欠いておったというかうまくいっていないのじゃないかという御指摘、もう一つは五・三%の問題ということかと存じますので、その二点についてお答え申し上げます。 昨年度は年度当初におきましてかなり物価上昇率が憂慮すべき状態にあったのは、御承知のとおりでございます。(竹本委員「これからどうして、いかなる根拠で五・三を考えておるかというところだけ言えばいいです」と呼ぶ)そちらの方だけお答えいたします。 五・三%は、これを国内の需要と国外の需要に分けて考えますと、前年度におきましてはむしろ海外に依存した成長ということで見通しを持っておったわけでございます。事実、御指摘のように、昨年の十二月あたりでは国内成長がきわめて微弱であるという状況でございまして、三月には対策を講じました。現在、その効果を見守っておるところでございますけれども、今年度といたしましては、五・三のうち大体四%が国内需要の寄与度であると考えておるわけでございます。したがって、残りの一%ちょっとばかりが海外需要というように考えております。しからば国内需要は何をもってそのように支えられるのであるかということでございますけれども、財政は大きな力が期待できないことは御承知のとおりでございます。やはりウエートとして大きい消費需要と民間設備投資、主としてこの二つが民間の最終需要を支える柱になると考えておるわけでございます。 まず消費につきましては、消費者物価の影響によるところがきわめて多いわけでございます。最近といいますか、石油の大幅な値上げ後の家計の消費の状況を見ておりますと、CPIの上昇率が急激に上がってくるという局面におきましては、実質消費が下がるということがうかがえます。それから、あるところまで達して一応安定しますと、また消費が回復してくる、下がってくる局面ではこれはかなり大幅に伸びてくるといったような傾向が読み取れるように思います。 御承知のように、二月の全国のCPIが前年比六・五でございましたが、東京都区部の三月は六・五ということでございます。昨年四月はいろいろな要因でCPIがかなり上がりまして、今年度は恐らく五%台になるだろうと見ておるわけでございます。昨年度は、年度当初には八・四%ぐらいのところにおったわけでございますので、それから比べますと、伸び率として三%ぐらい落ちてくるということが考えられるわけでございます。 一方、雇用所得につきましては、経済見通しにおきましては、一人当たり大体七・五%前後の伸びであろうというような推計をいたしておりますので、その面からいたしまして消費の実質の伸び率は、まあ五十五年度は二%というような非常に低いものにとどまったわけでございますけれども、五十三、五十四は五%ぐらいずつ伸びてきたわけでございますので、今年度におきましては、何とかそこに近いところにいくのではないかと考えております。 それからもう一つ、設備投資でございますが、今年度は前年度に引き続きましてやや伸びは落ちますが、最近のアンケート調査等で見ますと一〇%前後というふうな集計になっております。やはりこれも物価の安定ということを加味いたしますると、実質の伸び率ではかなり高いところにくるのではないかということで考えております。 その二つが主要な需要の支えになるというふうに考えておるわけでございます。 それから、経済全体の動きからいたしまして、五十五年度は、特に夏以降在庫調整の局面にあったわけでございますけれども、その経済全体の動きが在庫調整の底入れとともに上向いてくる、在庫循環の局面から申しましても、五十六年度の内需全体が、五十五年度に比べて力強いものになってくるということを期待して五・三%という成長率の見通しを立てておるわけでございます。
○竹本委員 これで終わります。 政府の五・三%をより可能にする一番大きなファクターは、消費者物価の落ちつきだと私は思うのです。これだけは期待ができる。可処分所得がそれだけふえますから、それで消費がふえるだろうということを期待するのですが、その消費者物価の落ちつくということに対しても野菜が値下がりするようにということが唯一の頼みの綱で、一体どれだけ消費者物価が下がるか。円高のおかげで一応物価の下がる条件もありますけれども、いずれにしましてもいまのようにとにかくみんなが萎縮し始めた場合には、ショックを与える以外にはこの経済の落ち込み、低落傾向はとまらないと思うのです。 そこに着目して、もう一度繰り返すことになりますが一言だけ申しますと、われわれが三千億円にしろ減税しなさいと言ったのは、この前もちょっと総理大臣には言ったけれども、二つ理由がある。第一は目減りに対する補償である。あるいは物価政策の失敗の謝罪料である。政府は経済政策で失敗しておっても何も反省しないし、何も国民に謝っていないじゃないか。消費者物価をここに抑えると、社会契約というほどの具体的なものはなかったかもしれぬけれども、われわれはそれを期待しそれを信頼して、労組も要求を自重した。あるいは国民も勤勉に働いた。ところが、大部分政府の責任における原因で消費者物価が予定どおりいかなかった。七・七か七・八かは別として予想外に高くなった。この失敗に対して大臣一人やめた人がいないじゃないか。申しわけないと言ったか言わぬかよく知らぬが、少なくとも具体的に責任を明らかにした話は聞いておらぬ。そんなふざけた話はありませんよ。国の経済政策を預かっておきながら、しかもその一番大事な消費者物価の問題で大失敗をして、国民をひどい目にあわして実質マイナスを与えておいて、だれも責任をとらないというばかな話がありますか。責任をとってやめることができなければ、少なくとも申しわけなかったと、謝罪料として金一封三千億円出せと言うのだ。あたりまえの話じゃないか。 次にもう一つ、いまの日本の不況は、経済企画庁に聞くのをちょっと忘れたけれども、少なくとも新聞社、エコノミストの一般の人が言うのは、この前の不景気は企業の不況、今度の不景気は消費不況だと言うのですよ。この前のオイルショックの打撃はもろに企業に行った。だから企業がまいってしまった。しかしながら、今度は大分転嫁もしたものですから、物価も上がるのは上がって消費不況になった。消費不況を克服して景気の回復をやり、自然増収もふやし財源も豊かにするということのためには、消費不況を直さなければいかぬ。その消費不況を直すのに三千億円でどれだけの効果があるのかということについては、乗数効果その他研究が要りますけれども、何よりも大事なことはショックですよ。心理的影響ですよ。こんなにみんなが沈うつになって、たとえば公共事業といってみても、この間三月十七日でしたか決めて、十四項目がたくさんステッキを並べたように並んでおるけれども、役に立つのがありますか。いままだ半月ばかりしかたっていないから、その決められた総合経済対策、それの効果がどれだけあったかを論断するには確かにまだ時期が早いが、しかし、これから半年待ってみても大体知れたものだ。何が効果が出るか。公共事業といったって用地費に二割食われて、資材がうんと上がって、だれも事業を起こしゃしないじゃないか。家を建てろといったって、百五十万戸だ、百六十万戸だといってみても、土地が値上がりして今度は百二十七万台でしょう。全然家建ちゃしないじゃないか。後は金利を少し下げて、われわれが先ほど申しましたように、下手な金利の引き下げのアナウンスメント効果を全部なくするような引き下げ方をやって、それでも海外との金利差ができ過ぎたから、日銀は今度は特別貸付金利を公定歩合よりも高いものを考えなければならぬようになったでしょう。逆効果の方が先に出たじゃないですか。あの十四項目の具体的な成果というものは一つも目に見るものはない。それにもかかわらず五・三%と言ってみたってそんなものはナンセンスだ。 そういう意味で、きょうは時間を切り上げるという約束だから切り上げますが、私は経済政策が失敗していますよということを言っているのです。しかも、経済政策の失敗は、私は大企業中心がいいとか悪いとか、そんなことは言いませんが、何よりも大事なことは庶民のふところぐあいなんです。百貨店の売れ行きや町の横町、裏町における小売店の売れゆきが伸びるということが一番大事なんです。それが全然伸びない、萎縮している。したがって、日銀券も要らないから二、三%しか伸びない、こういうふうにじり貧過程に入っている。それにショックを与えて景気を出そうというのがわれわれの努力の先ほどの具体的な要求になっているわけです。それはひとつここへお集まりの皆さんによく理解していただきたいということで、最後に一言だけ伺っておく。 アメリカだって大赤字だ。しかもレーガンさんは、予算も大いに切り詰めますが、同時に一〇%ずつ三年間ぶっ続けにひとつ減税やろうという。ラッファー教授が一体どう言ったか、サミュエルソンがどう考えておるか、アメリカにおいてもいろいろ議論がいまあるようです。私もいろいろ読んでおる。したがって、この経済学はケインズ経済学をひっくり返すような考え方でありまして、供給サイドの経済学が果たして成功するか失敗するか、いまにわかに学問的にも実際的にも論断できない。しかしただ、教えられることが一つある。それは、日本においては不景気で財源がないから減税はできないというような形で悪循環を拡大していく。アメリカは逆に、不景気でどうにもならぬから、強いアメリカ、強いドルをつくるということでレーガンさんか国民に呼びかけて——いささかどこの国だって減税をやるのは無理ですよ。しかしながら、不景気だから減税をして景気を出そうという努力をしておる。それがどこまで成功するかはいま言ったように簡単に言えない。しかし、大きな努力と試みと挑戦であることは間違いない。 そこで、政府に考えてもらいたいことは、日本は不景気でありますから減税もやりません、何もやりませんと言って縮小再生産を急いでだんだんじり貧を急いでおる。アメリカは不景気だからここで一〇%減税をやりましょう、企業については加速度的な減価償却をやらせましょう、そして活力を呼び出しましょうということをいま試みておる。日本とまるきり逆でしょう。その逆の試みを、ただあれは恐らく失敗するだろうといった程度の受けとめ方だけではなくて、やはりアメリカにも、レーガンさんは俳優だから大した頭はないと思うが、少なくともレーガンさんの後ろには有名な若手の教授がたくさんおるのですよ。しっかりした人がたくさんおりますよ。その人たちの言われたところ、出した結論をレーガンはそれなりに大統領として演出をしていくんだ。 結論として、私は、レーガンのそうした試みにわれわれも一遍えりを正して再検討してみる、あるいは耳を傾けてみることが必要であると思うが、政府はどうか。ひとつ政務次官と企画庁のお考えを聞いて結論にし、終わります。
○大竹政府委員 レーガンの新政策についてお触れになりましたが、確かにアメリカの今回の経済政策、一連のものは従来の考え方と基本的に違う面を持っておるということは事実でございます。それがおっしゃるようないわゆるショック療法といいますか、いわば国民の期待を変えるような形でうまく働くかどうかということは、これからわれわれも興味を持って見守っていかなくちゃいけない問題だと思います。ただやはりアメリカの置かれております状況と日本経済の置かれております状況はかなり基本的に違うところがございます。御承知のように、アメリカが景気が悪い、特に非常に高いインフレ率に悩んでおるという状況は日本とかなり違うわけでございます。しかもその高いインフレ率の中で貯蓄率が非常に低い。しかも企業の設備投資がなかなか出てこない。しかも、その設備投資が長期的な視点から生産性を向上させるようなものに結びついていないというようなところに基本的な問題があって、そのために減税という手段を通じて、いわば投資を呼び起こそうというねらいを持っておるわけでございます。ところが日本の場合は、物価面につきましては消費者物価はまだ完全には落ちついたとは申せないかもしれませんが、鎮静の方向に向かっておるわけでございますし、卸売物価はもはや前年に比べて二%を切るような上昇率にとどまるというような状況でございます。繰り返しでございますが、設備投資もかなり高い水準を維持できそうでございます。そういうところから申しますと、やはり現在の政策スタンスを続けていくということで日本経済の運営にそれほど基本的な誤りがあるというふうに私は考えておらないわけでございます。いろいろおしかりは受けるわけでございますけれども、むしろ国際的には非常に日本の経済運営がうまくいっているという面で羨望の念を持って見られておる面もあるわけでございます。だからと言って、全部がいいというわけではございませんけれども、そういう面もございまして、やはりアメリカと日本との置かれた状況から、アメリカの行き方は一つの考え方でございますが、直ちに日本に適用するということはやや現実的ではないように私は思います。
○保岡政府委員 レーガン政権の経済政策、特に減税政策をわが国の政策に照らしてどう考えるかということは、いまお答えを申し上げたように、それぞれ前提も違いましょうが、やはり外国の、特にアメリカ経済というものはわが国の経済に重要な影響を及ぼすわけですから、わが国の経済運営に資するという点からも、またアメリカ経済との関係から言っても、これは十分注視していかなければならないと思います。 また先生先ほどから御指摘の点でございますけれども、政府の五・三の経済見通しを五十六年度持って経済運営に対処していくわけでございますけれども、しかし経済というものは私たちの生活そのものでございます。先ほど来御指摘の財政再建にも基本的に重要にかかわる問題でございますから、これはあくまでも最悪の事態まで予想して十分先手先手で対処しなければならない。特に財政が対応力を失っている今日でございますから、金融政策の機動的な運営初め経済運営については特に細心な注意を払うべきである。また物価政策も、これは経済運営の基本であるという御指摘は当然でございますし、いろいろな点でとにかく経済を守っていくということは、内外厳しい環境の中でいろいろな意味で国民生活を守る上で重要でございますので、政府としても大蔵省としても先生のきょうの御意見を参考に一生懸命努力をして国民生活に資するようにしたいと思います。
○竹本委員 これで終わりましたということになるのですが、フォードがこの前減税をやったときも、減税で果たして効果が出るだろうかどうだろうかということを盛んに日本では議論したものですね。しかし、ある意味においてそれは成功した。今回の場合もレーガンのやることはインフレになるだけで大失敗するのではないかというような批評が日本には多いし、私もその心配はしてますよ。しかし、私がいま言っておるのはレーガンのやったとおりやりなさいと言っているんじゃないんだ。しかし、レーガンが新しい挑戦をしておるので、日本人の頭、われわれの頭がケインズ経済学で汚染されていると言ったんじゃ言い過ぎだけれども、そういう考え方に偏ってしまっているんだから、ここで別の考え方、別の発想というものがありはしないか、あるのではないかということについて、ひとつ謙虚に耳を傾けて考えてみたらどうですということを私は言っている。のみならず私どもが特に言いたいことは、景気を出すというのは私に言わせるとそうむずかしいことじゃないんだ。それは、昔から信なくんば立たずという言葉があります。この政府は、まあいまで言うなら行財政改革はやってくれるだろう、この内閣はひとつ景気もうまく回復してくれるであろうという信頼がなければ何もできないんですよ。信なくんば立たずだ。ところが、その信頼をかち取るような大きな政治というものの手がほとんどないではないかということです。これは総理大臣に言わなければいかぬ。政務次官にはちょっと申しわけないことだ。 それからもう一つは、経済政策についても、いま私が言っている経済論がわかるのは、いまの内閣じゃ河本さんぐらいだな。ひとつ経済企画庁は帰って河本さんにそう言ってください、私がそう言ったと言って。役人のほじくる根性で違うところばかり探しておったって結論は出ませんよ。政治はもっと大量観察をやらなければだめです。そういう意味で、ひとつ新たなる角度からの日本の経済、財政への取り組みを強く要望いたしまして、質問を終わります。
○綿貫委員長 次回は、来る十四日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十二分散会 ————◇—————