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94回国会衆議院1981/04/08

大蔵委員会 第19号

発言数
338
登壇者
35
会派数
6
開催日
1981/04/08

会議録

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これより会議を開きます。  財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  すなわち、ただいま議題となっております本案について、明九日午前十時、参考人の出席を求め、その意見を聴取することとし、その人選につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 ただいま日本中央競馬会理事長武田誠三参考人が出席されております。  この際、武田参考人に一言申し上げます。  本日は、御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございました。  本委員会におきましては、目下、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を審査いたしておりますが、武田参考人には忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願いいたします。  なお、御意見は、委員からの質疑にお答え願うことといたします。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。戸田菊雄君。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 まず最初に確認をしておきたいことがあるのですが、それは日本航空の株式処分によるところの金額と株数、これはどのぐらいですか、ちょっとお伺いしたい。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 お答え申し上げます。  売却予定数は二百五十三万一千株でございまして、金額は市場価格を予定いたしておりまして、見積もりといたしましては二千三百円、したがいまして、歳入といたしましては五十八億二千百万円になります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 これは今後の時価売買ですから結局時価相場によっては若干変わることもありますね。大勢、余り大きな開きはありませんか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 市場価格でございますので、もちろん変動がございます。そのときの時価によるということになります。多少の動きはあろうかと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 そこで行管庁にお伺いしますが、五十六年度の行政改革の実績はどのようになっていましょう、ちょっと教えてください。

佐倉尚行政管理庁行政管理局長

○佐倉政府委員 五十五年行革の実施状況でございますが、主要事項につきまして若干御説明申し上げますと、まず第一番目に特殊法人の統廃合でございますが、五十五年度実施予定の五法人のうち三法人の減、これはオリンピック記念青少年総合センター等でございますが、それがすでに実施されておりまして、残りの二法人のうち一法人につきましても関係法律が成立済みでございます。  それから五十六年度に実施を予定しております七法人の減についても、関係法律を国会に提出するなど着実な推進に努めております。  それから地方支分部局の問題でございます。これの整理、合理化でございますが、ブロック機関の整理につきましては、第九十三国会で一括整理法案が成立いたしました。四月一日をもって施行されることになりました。  それから府県単位機関でございますが、昨年度の閣議決定において処置法人を決定した次第でございます。  それから支所、出張所は昭和五十五年度に百機関以上について整理しましたけれども、五十六年度には五十二機関を超えるものを整理することになっております。  三番目が公務員の定員管理でございますが、第五次定員削減計画がございます。これにつきまして昭和五十五年度、五十六年度両方合わせますと、削減の側だけでございますけれども、一万四千八百九十人を削減したという結果が出ております。五十六年度はそういう予定にしておるということでございます。  それから補助金等の整理、合理化の話でございますが、五十五年度に三百二十八件、五十六年度に二百九十二件を廃止しました。補助金の整理額は、五十五年度千六百六十七億円、それと五十六年度の予定は千六百八十八億円ということになっております。  これからも今後御審議いただく行政改革の関連法案、前国会で継続審議になっておるのが四件ございますが、こういうものの早期成立に努めていきたい。あるいは昭和五十五年度行革、さらには昨年末の新たに決定されました行政改革計画を着実に実施していきたい、そのように考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 いま説明があったのですが、これは行革の部類に入らぬと思うのです。私が調べた内容では日本航空機製造、これは五十七年度に民間移譲、もう一つは五十六年度以降二年間で許認可事項一千件の統合、権限の移譲、見るべきものはこのくらいなんですね。あとはもうすべて第二次臨調の結論待ち、こういうのが実態じゃないでしょうか。だから鈴木総理は財政再建は非常に厳しいのだ、徹底した歳出削減をやりますよ、こういうことを言明しているのですけれども、まさにつめ切り行政改革と言われるような、全く何もやっていないというような状況と等しいのじゃないかと思うのですが、その見解はどうですか。

佐倉尚行政管理庁行政管理局長

○佐倉政府委員 五十六年度に予定されております行革をどのように盛り込んだかということを御説明すればよろしいかと思いますが、当然その行政改革は、先生御指摘のように、臨時行政調査会の答申を待つまでもなくできるものは実施していくのが当然だろうと私どもは考えております。それで、当面の課題としまして、事務事業の整理、移譲等の行政の減量化の問題がございますが、これを中心とする新たな角度から、昨年の十二月に決定されました「今後における行政改革の推進について」という閣議決定を推進していくというのが現在のわれわれの態度でございます。  この行政改革によりまして、昭和五十六年度に生ずると見込まれる経費節減額でございますけれども、いまお話のありましたような特殊法人からの国庫納付あるいは補助金等の整理、合理化等によって、試算でございますが、約四千五百七十億円というふうにしております。これは五十五年度の約二千二百七十億円の二倍に近くなっているというふうに私どもは考えているわけでございます。  以上でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 そこでちょっと角度を変えまして、主計局次長に質問いたしたいのですが、五十六年度の財政投融資計画総額十九兆四千八百九十七億円、対前年の伸びで七・二%、こうなっております。五十六年度の財投計画の特徴はどういうところにあると考えておりますか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 財政投融資計画につきましては、御案内のようにまず原資があるわけでございます。一般の予算と違いまして、必要に応じて原資をふやしたり減らしたりというふうなことはなかなかむずかしいわけでございまして、まず与えられた原資がある、その原資をいかに効率的に配分するかということが財政投融資計画の本旨でございます。したがいまして、そういう限定された原資事情のもとにおいて、一方財政投融資に対する需要というものはかなり強いわけでございます。特に最近のように一般会計の方が非常に引き締めぎみに編成されておるという状況下におきましては、どうしても財政投融資に対する依存の度合いが高くなるという状況でございまして、予算要求の段階における財投需要というものはきわめて強いわけでございます。  それらの中におきましても、たとえばエネルギー問題でございますとか、あるいは中小企業でございますとか住宅でございますとか、いろいろ政策的に相当力を入れていかなければならない分野というものがあるわけでございまして、そういう分野に対する配慮を行っていく必要がある。また一方、国債につきましても大量発行が続いておるわけでございまして、金融事情というものは、市中の金融機関とか証券等々でこれらの大量発行を全部消化していくのは非常に困難な状況にあるわけでございます。そういう意味で、資金運用部がある程度の国債を引き受けていかなければ、全体の国債発行消化というものは円滑に動かない、こういうふうな事情もございまして、国債に対する配慮も一方していかなければいけない。それやこれやを総合的に勘案いたしまして、切れるところは思い切って切って、財投機関の業務内容に至るまで見直しを行う、こういうふうな考え方で五十六年度の財投編成をいたしたわけでございます。  したがいまして、いま先生がおっしゃいましたように、五十六年度全体の規模は七・二%ということで、五十五年度も八%であったわけですが、一けたの伸びというのは昭和三十三年以来というきわめて圧縮された厳しい編成になったということでございます。個別の財投機関につきましても、全部で五十四機関あるわけでございますが、そのうち二十二機関は対前年減になっておるというふうな全体の姿になったわけでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 私の聞いているのはそういう一般論じゃなくて、特徴は何かということです。私の理解としては、一つは道路、建設です。五十六年度予算は、大体歳出の伸びは一けたで抑えたでしょう。それで歳出は四・三%、こういう枠内で処理をして、公共事業は結果的にゼロ、一般会計面では実質マイナスでしょう。それを財投にきて、ことに与党内部の道路族や建設族をなだめるために大量の投資をやっているんじゃないですか。この点は私はどうしても納得がいかない。  もう一つは電電公社に対する投資の問題です。従前は五百億でしょう。これを三倍の一千五百億、片や納付金を納めさせて片方財政投融資で補強している。それでなければ電電の運営は成り立っていかないのでしょうが、これは妥当性を欠くのじゃないですか。この二点についてことに私は見解を聞きたいのです。  それから第三は、いままでの融資体制ではたとえば北東開発公庫、これは減少しましたね。沖繩振興開発、これも減少しました等々、開発銀行の融資関係は、いままでホテルや何かの融資をやったということで若干非難があったものだからエネルギー関係に重点を移した、こういった点が改善といえば改善と言えるでしょう。  もう一つは郵貯の問題で国債引き受けですよ。政府資金で国債を引き受けているわけです。こういった状況からいったら、弛緩政策として大量にまた国債乱発方式にいかないかという心配が出てきます。ことに第二の電電の融資問題についてはどういう角度でやられたのですか、その見解を示してください。     〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 最初の一般会計の方で、公共事業は対前年ゼロに抑えておるのに、財投の方では道路や何か伸ばしておるじゃないかということでございますが、これは先ほど申し上げましたような原資事情の中におきましても、できるだけ重点的な配分をしたいということを申し上げたわけでございますが、経済政策上の観点から申しますと、もし資金的に余裕がある、あるいは許されるならば景気の維持拡大という観点から、やはり公共事業にもある程度の配慮をしていく必要がある、こういう考え方のもとに、限られた原資の中で道路、住宅等への配分をしたわけでございます。  それから電電公社につきましては、電電公社の方で今度国庫納付をすることに相なったわけでございますが、国庫納付をする資金は、公社としてはすでに何らかの形で運用されておる資金でございますから、金繰りにおきましてはどうしても別途納付する資金を調達していかなければいけないという事情にあるわけでございます。私ども納付する金をそのまま財投で融資するという考え方は毛頭持っていないわけでございます。電電公社全体としての資本、工事勘定における資金繰りを十分私ども見まして、その中において必要とされる資金を配分した、その結果が一千億の増になった、こういうことでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 いろいろ言っていますが、結局は財投でもって埋めた。四年間で四千八百億、年間一千二百億、この補てん策として今回一千五百億を充当した、こういうことじゃないですか。私はそう思うのです。  それで、今回電電公社に対して納付金を導入したことについて、これはどういう基準あるいは根拠か、その考えをひとつ示してもらいたいと思うのです。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 基本的な考え方をまず申し上げますと、御承知のような財政状況でございます。電電公社につきましては大変な企業努力をなされた、それから環境もよかったというようなこともございまして、かなりおつりがある。他方、国の方は大変な状況であるということでございまして、税制につきましても相当程度のことをやっていただかなくちゃならない、歳出削減についても相当のことをしなくちゃならない、総合的に考えた場合には、歳出に充てるための財源を何らかの形で調達していかなくちゃならない、その一環といたしまして、電電公社の剰余金の中から一定のものを政府の歳入として期待したい、こういうのが基本的な考え方でございます。  その基本的な考え方に立ちまして、しかしながら、電電の損益に直接影響を与えるような形じゃなくて納付金を納めてもらうためにはどうしたらいいかということで、資本勘定にございます剰余金の中から四千八百億のものを出していただく。しかし、その四千八百億のものを一挙に出していただくのは、電電公社の財務状況、資金繰り等からいってもなかなか大変であろう。他方、国の方も、ことしだけではなくて今後も財源が必要だというようなこともございまして、四千八百億のものを四年間に分けまして、五十六年度におきましては千二百億を納付していただく、こういう考え方でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 電電は若干黒字になっておるし、自己資本形成もよろしい、こういうことがねらいじゃなかったのですか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 いまも申し上げましたような電電公社の状況でございますので、この程度のことをお願いしても企業努力の中で吸収していただけるのではないかということでお願いしたわけでございまして、恒久的に納付金制度を設けるというふうなことではなくて、臨時的なものとして納付金をお願いする、こういう思想でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 これは企業経営の資料なんでありますが、銀行局で調べたものですね。  いま電電の自己資本比率、これは十五年間平均したものでありますが、五十五年度末総資本が九兆五千三百二十九億円、五十五年度末自己資本比率三八・六八一%、四十年から五十四年の十五年間の平均比率が三三・五四三%、四千八百九十八億円。これが資本金の形成ですね。  これに対して、相対的に日本の資本構成が、自己資本というものが非常に少ないのですけれども、たとえばアメリカのベル、同じ電信電話産業ですが、これは高いときで六〇%ですね。最近の、三年ほど前でありますが、これで見ますと四〇%ないし三八%、こういうことです。西ドイツの場合もやや四〇%ないし三八%、こういうことになっておると思うのであります。  こういうところからいけば、まだまだやはり電電の自己資本比率というものは小さいと思うのです。これは国際比較でどう考えますか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 諸外国と比べましての自己資本比率でございますけれども、アメリカのベルが四二・三%、西ドイツにつきましても自己資本比率が高いというのは事実でございます。  ただ、日本の場合には民間企業の自己資本比率は一般に低うございまして、日銀統計によります一九七八年全産業平均では一三・六%というような水準でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 そこで電電総裁にちょっとお伺いしますけれども、最近この減収を、法律改正によって実行しましたね。その中身はどういうふうになっていますか、額を教えてください。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 まことに相済みませんが、ちょっと御質問の初めの方を聞き漏らしたのですが……。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 改正法施行に伴う公社の減収見込みを教えていただきたいのです。たとえば遠距離分、日曜、祝日、福祉電話基本料金、夜間割引の拡大等々、最近やりましたでしょう。その内訳を。事務当局でもいいです。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 わかりました。係の者に答弁させます。どうも失礼いたしました。

西井昭日本電信電話公社営業局長

○西井説明員 お答え申し上げます。  公社は、御存じのとおり、昨年の十一月二十七日から夜間におきます割引の時間帯の拡大並びに長距離の割引率の拡大を行っておりまして、これにつきまして大体平年度約千三百億の減収の見込みでございます。それから、ただいま国会にお願いをいたしております、五百キロメートルを超えます長距離区間の料金の値下げ、それから日曜、祝日の割引できる根拠を法律でお願いをいたしておりますが、これの両方合わせますと、平年度で大体約千百億の減収の予定でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 四千八百億、年間千二百億、さらに減収が一千百億見当、こういうことになっていくわけですね。本来ならば電電の利益金については資本勘定繰り入れがたてまえでしょう。そして利用者なり大衆に還元していく。この六十一条との関連で、国会の特別立法措置を主計局次長は一体どう判断しますか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 ちょっと条文の関係につきましてはいま調べておりますが、私どもの考え方を申し上げますと、設備投資のために内部資本と外部資本とをどういうふうに組み合わせてやるかというのは、やはりそのときの政策判断ではないかというふうに思うわけでございます。  おっしゃいますように、剰余金につきましては従来設備投資にほとんどのものが充てられているということは事実でございます。ただ、先ほども申し上げましたような財政状況でございまして、公社の現状からいきましてこの程度のことならばそう無理をしなくても何とか吸収していただけるんではないかということでお願いをしている次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 経理上は九百三十八億見当ですか、収支差がありますから。しかし、それでも千二百億というとマイナスになりましょう。それと法的な関係はどうかということなんです。政策判断だというなら、大蔵大臣、これはどういうふうに考えますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これも考え方でございまして、電電公社は一〇〇%の政府出資ですから、きのうも申し上げたのですが、政府の子会社みたいなものであります。かつては独立採算制、特別会計なんかも大体そんなことになっているのが多いのです。それでも印刷局とか、それから昔は国有林野なんかもむしろ国の財源であったわけです。木を切ったものをかなり国に納めていたわけですから。いまは反対になっちゃって、国からつぎ込んでもらっているような状態なんです。  あなたのような見方もございますが、それぞれの立場、法律の趣旨その他から理屈はいろいろあろうかと思います。しかし、大所高所から見て、民間ですら増税で国のためにひとつ奉仕をしようということでございますから、電電公社三兆九千億円の収入の中で、まだ税金を納めていないから一兆数千億円の余剰積み立てがある。それは現金で持っているわけじゃない。しかしながら、内部のいろんな指数から見て健全経営をやっている状況にもあるので、金繰りはちょっと困るという点もございますから、金繰りの方では別な面で政府は別途めんどうを見さしてもらう。しかしながら、金利の問題は〇・何%というような売り上げに対する負担ですから、それは内部で吸収していただいてひとつこの際は御協力をいただきたい、こういうような趣旨でやったわけでございます。部分的には私は戸田委員のおっしゃるようなことも一つの御議論だと思っております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 これはきのう同僚の佐藤議員も話をしているので複合は避けたいと思うのでありますが、ただ電電の改良六次五カ年計画、この内容とか、あるいはこの六次五カ年計画の主要工程の進捗状況等々内容を見まして、さらに今年度の政府の予算説明書、これによりますとやはり一貫して収入のウエートを占めているのは電話収入なんですね。たとえば今回の電信電話公社の予算の内容を見ますと、電信収入は五百九十一億八千九百万、電話収入は三兆四千七百七十四億八百万、専用収入が二千七百四十四億八百万、圧倒的に電話収入が上位を占めている。したがって、今後の投資部面を考えても、大体電話台数が三千七百万台、こう言っておるのでありますが、これからもこれを計画的に投資拡大を図っていく。大体百万台ぐらいふやしていこう、こういうことですね。それは地域その他ありましょうけれども、計画的にはそうなっている。  ですから、当然公社の性格からいって、きのう山内大臣も言われましたように、公共性、独占性、それから会計上は独立採算、こういうことになっているわけであります。六十一条というものを土台にして今日の大衆還元方式をやってきた、こういうのが実態だと思うのですね。  そうして聞けば、五十七、八年までは何とか黒字体質でいけるけれども、五十九年度からは赤字だ、こういうのです。そこで、きのう佐藤議員も言ったように、赤字になった場合は一体何によってこれを補てんするのか。料金の値上げにいくのか、それとも借金政策でいくのか、こういうことでやったけれども、総裁は料金の値上げはいまのところ考えていません、こう言っているのですね。そうすると、借金政策でいかなくちゃいけないのですね。そうでなければこの年次計画進行というものはできないのでしょう。その辺の見解はどういうふうに考えておりますか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 いま次の五カ年計画を社内で審議しておりますが、それを実行いたしまして、少なくとも次の五カ年計画で値上げをしなくていくのにはどうするんだというたてまえで勉強いたしております。その勉強が大体具体化してきますと、どういうことをやろうとすることについて今後政府関係に、また組合との協議をどういうふうに進めるかということをその期間、幸い初めのうち一、二年はバランスがとれていく見込みでございますので、その間にそういう関係のところを調整し、お願いして、それを実現するべく万全の努力を払いながら、次の五カ年計画を何とか突っ張っていくということにわれわれ当事者の使命があるというふうに考えて、いま進んでおるところでございます。そういうことがわかりますのにはまだかなりの時間が要りますけれども、この間から御説明しておりますように、五十七年度までは何とか黒字でいける、八年度はいけるかもしれぬ、いけぬかもしれぬということでございますが、まだ二、三年時間がいただけますので、その間に努力を続けていくということで社内の思想をまとめておるところでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 この間私も電電の研究所を見学させてもらいましたが、大変な技術革新、その他開発をやっているのですね。ですから、大量の投資もあるかもしれませんが、そのことによって収入も非常に増大をしている。非常によくやっていると思うのですよ。だから、そういうことでなおかつ二年間しか黒字体制がもたないというのですから、こういうものに対して過酷な納付金制度をやっていくというのは、経営企業その他から考えても、国家的見地から立っても、どうも妥当性を欠いているんじゃないか、総合性を持ってないんじゃないか。一時しのぎでこちらの方に少し、黒字体制だからこれをひとつ、大臣の言われるように国の子会社だからと、こういう考えで安易にあるところから引っ張り出してくるということはいかがなものかという考えを私は持っておるのです。ですから、結局二十七年の法制定時にはいろいろな角度で検討されて、そうして当初は導入を決めましたけれども、衆議院でも修正をされて、附則条項ただし書きでやったものを参議院で修正されて、そして両院協議でもって結局導入しないということになった、あらゆる知恵をしぼってそういう状況になったと思うのです。そういうものがよかったから、きのう中曽根長官から言わせれば悪いところもある、こういうことだから、それはそうでしょう。だけれども、総体的にここまで九兆円を超す資本を形成して、そして黒字体制でもって自前方式がとれるという状況にまでなったというのは、当事者はもちろんですが、そういう制度的なものも加味されてそういう結論というものを生んでいるんだろう、私はこういうふうに考えるわけです。  ですから、できればこれは四年間と言わずに、赤字体制が五十九年からなるのですから、中央競馬の今回の納付金、単年度とは言わないけれども、この短縮に向けて検討する必要があるんじゃないだろうか。裏では財投でもって補てんしているのですから、そういう非合法な財政再建の運用というものはどうも納得できかねる。この辺について大臣、どう考えておりましょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これは一般の会社でも、新日鉄にせよどこにせよ、何千億円利益が出たと言っても現金で持っているわけではないのです。これは在庫で持っているとか投資で持っている。したがいまして税金を納めるのには、半分近くまで税金をとられるわけですから、毎年毎年、それは借金をいたしまして納税している。民間はみんなそうなんです。そこで、私といたしましては、いままで電電公社は法人税を払えば、本当は余剰金のうち半分くらいは法人税で政府に納めなければならない。しかし、それは政府に納めないで結構ですから、そのお金でともかく内部の設備その他の更新や技術革新をやっていきなさいということで、いままでやってもらってきた。それが労使協調でうまくいった。非常によくなってきた。非常にいいことだと私は思っているのです。したがって民間と比べますと、これはとてもじゃないが、電電公社の方が私は恵まれた立場にあったといっても少しも過言ではない。ますますこれから電電に対する需要というものは非常に私は多いと思うのです。電話の問題にしろ、プッシュ電話にしたって、自動車電話にしたって、データ通信その他、電電公社の将来は無限だと私はそう思っているのです。したがって、これについては、ともかく今回は民間から総裁もお迎えをして、そして私は労使問題等についても、何かうまい展開を考えたらいいじゃないかと思っているのです、本当の話。そしてお互いに協力して生産性を高めてやれば、私はもっと利益も上がるし、やり方もできるというようなことが考えられないか、そう思っておるわけなんです。したがって、年間一千億円か一千二百億円の納付金を納めていただいても、売り上げに対して〇・幾らというくらいのことでございますので、そこらのところは、ひとつこういうような国の財政事情でございますから、利用者の国民にお返しするのも、それも一つの方法でございましょうが、利用者の方の国民は酒やたばこやその他で、税金までたくさん払っているという状況なんだから、この際利用者に返すも、利用者の代表である国家へ納めてくれるも同じようなことなんで、ひとつそれならば国家の方へ納めてもらえませんかということになったということであります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 短縮その他についての検討は、目下のところ考えていないということですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 したがいまして、ここを四千八百億円をふやすことも考えておりませんし、減らすことも両方考えておりません。これは臨時特例の措置でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 時間がありませんから、次に中央競馬会法について若干質問したい。農林大臣、お待たせして申しわけなかったのですが、時間が余りないものですから端的に聞いてまいります。  大臣は、五十六年の一月二十七日、大臣の談話を発表した。場外馬券場をふやして国の台所を助けようというようなことをおっしゃられたと思うのですが、談話を発表したことは事実でございましょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 そのとおりでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 公営競技調査会答申、俗称長沼答申ですが、そのほかにも、五十四年六月七日に公営競技調査議員懇談会あるいは五十四年六月二十一日の公営競技問題懇談会、これは吉國さんが会長ですが、等々の答申があるわけです。これらは大体長沼答申と内容はそう異なっていないように理解をするわけでありますが、その長沼答申の結論によりますと、中央競馬会についてはその経理を円滑にするために徹底的に検討しなさい、こういうことが付記されているわけですね。したがって、今日まで競馬会に対する検討、改善なりそういうものがあれば、ひとつ発表していただきたいと思うのです。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御指摘の点につきましては、中央競馬会の内部に経理問題の研究会をつくりまして具体的な改善を各般にわたって講じております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 では、具体的にお伺いしますが、「投票方法については、各種公営競技間の統一をはかりつつ的中率を多くすることにより、射倖心の過熱をさけるとともに、競技場における紛争を防止する見地から、次のことを検討」せよということなんですが、この内容についてどうですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 投票方法の問題につきましては、これは射幸心を助長するような形というのは考えていかなければならぬだろう。そういう形で、一つは重勝式が廃止されておりますし、さらにその後、いわゆる連単の発売も廃止しております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 この6の「公営競技による収益の使途については、公営競技発足当時との状況の変化に鑑み、次の点を考慮する。」ということになっておりまして、その(イ)でもって「売上金の一部を、関連産業等の振興に充当する」云々とありまして、これを法律に明記しなさいとなっています。この点はどうなっていますか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 私どもが所掌しております公営競技ということでは、地方競馬でございますが、これにつきましては三十七年に競馬法が改正されまして、一つは地方競馬全国協会でいわゆる開催者から支出されました交付金のうち畜産振興に支出するということが決められて、年々事業を実施しているところでございます。また、二十三条の四で収益使途についての努力規定が設けられて、法律改正が行われたわけでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 農林大臣、この中央競馬会で大体一兆円を超す収益があるわけですね。その収益の納付金体制は第一、第二とありまして、今回さらに二百億をこれから補てんをして、総体で五百億を納める、こういうことになっていますね。いままでもそうですが、その収益に対しては七五%を的中者に払い戻しをし、二五%で施行者と政府納付金、こういうことになっていますね。そういう内容について予算上どういう取り組みをするのかということで、この間担当者に聞きました。そうしたら、それはプールでそのまま入れちゃう。たとえば本来の競馬法からいけば、畜産振興に充てるとか、そういう目的がありますね。いまは地方競馬の場合ですが、これは法律条項としてきちっとやっているという話ですが、中央会のはそこまでいっていない。こういうものについても私は明確に整理をしていく必要があるのではないかと思うのですが、その辺は、大臣、どうでしょう。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御指摘の点につきましては、競馬法に規定がございまして、畜産の振興と社会福祉に充てるということになっているわけでございます。しかし、これは区分経理をいたしませんで、御指摘のように一般財源として受け入れられておりまして、これを念頭に置きながら畜産局の予算等も計上されているという実態でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 収益を上げた、予算に組み込んだ、プールにしてしまう、それでは言われておるところの畜産振興なり社会福祉というものに対してストレートで行くという保証はないでしょう。そこはやはり法律に定められた方向に向かってきちっとするものはするということでないと、本来の趣旨から外れるのではないですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 中央競馬会法の三十六条で、一つは酪農振興法第二十四条の四第一項の国の補助のための経費その他に要する畜産の振興のために必要な経費、それから民間の社会福祉事業の振興のための経費に充てるということになっておりまして、この場合社会福祉の方にはおおむね四分の一に相当する金額を充てるということになっているわけでございます。私ども予算の編成に当たりましては、当然畜産振興に国として計上しております予算、あるいはいわゆる民間の社会福祉事業に国として計上されております予算と、この中央競馬会の納付金との関係ということは検証しているところでございます。  ただ御指摘のように、具体的に特定財源として制度上固定しているというふうな制度的な規定にはなっておりません。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 そういう事務的な説明じゃなくて、制度上はそうなっているのですから、本当は予算執行においても実行予算においてもそれがストレートにいけるような、そういうものの裏づけとしては、年次計画なり五カ年計画なり畜産振興の事業計画というものがあるわけでしょう、全部立てるわけだから。それをどうしてすとんといくように法的にあるいは執行運用について考えないのですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 具体的な数字で申し上げますと、たとえば五十五年について申し上げますと、国庫納付金の四分の三に当たるものとして一千三十六億円が予定され、四分の一に当たるものが三百四十五億円になるわけでございます。一方畜産振興の予算は一千三十六億円を上回ります一千六百八十一億円が予算として計上されておりますし、また民間の社会福祉事業の予算も、先ほどの三百四十五億円を上回ります三千六百三十億円が計上されているわけでございまして、いわば中央競馬会法に規定されました予定を上回って政府はそれぞれの事業に支出しているわけでございまして、過去の各年度もいずれもそういうわけでございまして、趣旨に反するような事実はないということは御理解賜りたいと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 時間がありませんから詰めるわけにいきませんが、しかし制度上そういうことになっているのですから、それは運用としては間違いなくそういうふうにやってますよ、こう言っても、それは私は不確実性だと思うのです。もう少しそこはぴしっとだれにでもわかるように、目的に依存した金の使い方をやっていただきたい、これをひとつ要望しておきます。  それからもう一つは、これは時間がありますからこっちで言いますから、資料その他でもし間違っておったら指摘してください。十にある公営競技関係者の雇用、労働その他関係を近代化しなさい、こういうことになっている。この間私行きましたらこういうようになっているのです。たとえば調教師であるとか、それから厩務員、こういったものは全部馬主が抱えるというかっこうになります。そしてその待遇はどうかということで聞きましたら、待遇は固定給で生活保障がなっていないということです。結局勝ち馬に乗って優勝すればそれに対する歩合、賞金を何ぼかもらえる。これが生活を支えているものだ、こういうことです。これは賃金の形態としては、私から見ればまさに非近代的だと思うのです。やはり一定の固定給でもって最低生活を保障する、その上に立って賞金とか歩合給とかそういうものを加算していく、こういう姿が現代の賃金のあり方じゃないか。えてして徒弟制度でやられている。それは中央競馬会には直接責任ありませんよ、馬主がやっているのだから、こういうことになるのかもしれませんが、これは競馬場の経営、施設その他等を含めて二頭立てのものだと私は思うのです。一つの競馬運営の舞台だと思う。そういうものに対する指導監督というものをもう少し強めてもいいのではないか。ことに人間の尊重、待遇、こういったものはもう少し近代的な方向に善導する必要があるのじゃないかと思いますが、これはどうですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御指摘の調教師、騎手、厩務員の関係でございますが、まずこの点をはっきり申し上げますと、調教師が厩務員を雇っている関係になりますが、騎手は独立した存在というふうに制度上なっております。ただ、実際問題としては厩舎に属しているという形が多いわけでございます。現在この関係者の年間の収入を見ますと、たとえば五十四年で申しますと、調教師は年平均で大体千七百四十五万くらいの収入になっている。騎手は大体千百七十八万くらいの収入になっている。厩務員も四百二十五万くらいの収入になっておりまして、特に水準自体としてどうという状況ではないだろうと私ども思います。雇用関係といたしましては、厩務員の問題は本質的には調教師と厩務員の労使関係ということになるわけでございます。  ただ、私どもといたしましても、やはり厩舎関係者の生活の安定を図るということは、競馬の安定的発展を図る意味で重要な課題だと思っております。そこで競馬会自体が直接介入すべきものではないわけでございますが、そういった生活の安定を図っていく、あるいは広い意味での雇用の安定を図っていくという意味におきまして、競馬会自体も各般にわたる援助措置を講じているわけでございます。宿舎とか厚生会館とか診療等の厚生施設の設置とか、それから災害補償制度の実施とか、休業給付の実施等を行っておりますし、また厩務員につきましては、それぞれ調教師会等を通じて、一定の手当に相当する分につきましては、一定の比率でいわゆる交付金を出して、雇用なり所得の安定を図っているという措置を講じているわけでございます。  ただ、何と申しましても、これは一つの歴史的な伝統のある制度でございますし、馬を競走させるビジネスでございますから、馬主が厩舎なり騎手を選んでいくという関係、そういう競走を頭に置いて、そういった雇用なり労働関係が生まれてくるということは否定できないだろうと思います。なお、一般的な意味での労働条件の特殊性その他にかんがみましての雇用の安定のための間接的努力については今後とも競馬会が重要な関心を持っていくべきものと思っております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 答申の内容について忠実に検討したとは言えないと思うのです。もう少し近代的な労務関係というものを善導していく必要があるだろう、私はこういうふうに考えます。たとえば健康で働くときはいいですね。しかし、病気とかそういう状況になったら、これは全く惨めなものですね。現に勝ち馬その他に常に乗っている騎手は非常にいいそうです。しかし、乗れない、年じゅう負けている人になると本当にひどいというのです。あとは調教の騎乗の回数で計算されるくらいで、あとは何にも収入がないというのですから。それは確かに競馬関係だけではないと思いますよ。いろいろなスポーツ関係がありますから、国全体としては社会保障全体の中で考慮していかなくちゃならない問題でありますけれども、しかし、もう少しこれは近代的な方向で努力をしていただきたいと思うのです。  それからもう一つは、これは保安部長が来ていると思いますが、いま、のみ行為で大体中央競馬会の収益くらい、一兆円を超すのみ行為があるというのです。この事件も相当あるようでありますが、いままでの件数はどのくらいありますか、これをちょっと教えてください。それからあわせて防犯対策ですね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 競馬に絡むのみ行為の検挙取り締まり状況でございますけれども、昨年一年間で千八十八件、五千七百七十三人を検挙しております。この内訳を申し上げますと、いわゆる胴元というのが千四十三人でございまして、相手客が四千七百三十人というような状況になっております。  これに対する防止対策でございますけれども、競馬場内あるいは場外売り場におきますものにつきましては、施行者側と十分連携をとりまして、監視体制をしいておるということでございます。なお、場外におきますのみ行為につきましては、御案内のとおり、特に資金が必要ではございません。もう電話一本で、アパートの一室で簡単に行えるというようなことでございまして、その胴元あるいは相手客の発見というのがなかなかむずかしゅうございます。しかしながら、やはり暴力団などがその資金源としましてこののみ行為をやるという例が多いわけでございまして、私どもといたしましては、施行者側と協力しまして、これの取り締まりの推進を図ってまいりたいと思っております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 実際問題としては相当むずかしい問題だと思いますけれども、現金の授受でも摘発をしなければなかなか事件としてつかまえられないということが出てくるでしょうが、しかし、大勢として一兆円以上の金を動かしているわけです。だから、いろいろ聞いてみますと、実質胴元になって、中継人が多ければ多いほど胴元にはいかないようになっている仕組みなんです。また逆に、多くの中継人をつくっておると、それに手当をやって、結局的中者に払い戻しはされない。だからただ損ということになってしまうのですね。  だから、一方においては大衆が非常に損害をこうむり、片っ方では、もうどういう状況があったってつかまらないようにちゃんと配慮をしてやっているわけです。この辺非常にむずかしいところでしょうけれども、やはりその辺の不正を適正にやるということは非常に大事なことではないかと思うのですね。そういう点について、農林大臣、どうでしょう、防犯も含めた、競馬を含めた——人間ですから、本能的にはだれでも一獲千金、射幸心を持っている。そういうものを鉄火場方式でもって、競馬場でもって発散をさせたり何かしてこうやっていくというようなことではきわめて不正常だと思うのでありますが、その辺の見解はどうでしょう。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 やはり競馬を監督している責任にある私といたしましては、御指摘のようなのみ行為というものが一番頭の痛い問題でございます。これを防止をいたしまして、そして快適な明るい競馬、ファンの期待にこたえていくという方法はどうかということを農林水産省としても今日までいろいろ検討し、考慮をいたしておるわけでありますが、やはり何というても、大衆、国民から受け入れられる処置ということが前提でございます。  やはりあちこちで場外馬券の売り場を設置してもらえれば、のみ行為がそれだけ防止できる、こういう声も一方にあるわけでありますけれども、私どもとしてはその期待にこたえてやりたいと思えば、今度はそれは環境上思わしくないから反対である、こういうことでなかなか地域的な合意が成り立たないために、場外馬券売り場の設置を希望しつつも進んでいかないというのが現実でございます。  また一面、のみ行為につきましては、警察当局とも綿密なる連絡をとりながらその防止策をとっておるわけでありますが、これまた御指摘のように、完全防止というところまではるかに遠いという事態でございます。したがいまして、競馬場といたしましても、その施設の中に、馬券の買いやすいような、しかも競馬場を快適なふうに改造をしてまいるとか、いろいろ工夫をこらしながら競馬会も努力をいたしておるというのが実情でございまして、まあ地域社会の合意が得られれば、一番先にお話し申し上げましたように、場外馬券売り場を設置をしていきたい、こんなふうに考えておるわけでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 時間が参りましたからこれで終わりますけれども、最後に、どうしても私は理解できないのは、馬券を買う、それはどういう人かというと、やはり国民の働いている人たち、大衆といいますか、そういう人が大量に愛好者になっているのですね。そうするとどうしても二重課税になっていくんじゃないかという私の理解なんですね、そういう中で二五%も施行者と納付金でもって取ってしまうわけですから。  これはイギリスやフランスやアメリカの例をとりますと、大体一〇%以内ですね。これは昔だって、大前田英五郎、清水次郎長なんて、テラ銭は五%ですよ。それをいま二五%とにかく頭から取っているわけでしょう。だから、これはやはり国際並みに一〇%程度に減らしたらどうかというのが私の考えです。  その根底はやはり二重課税だ。どうしても税金と同じかっこうになっているのです。一千万人も愛好者がいるのですからね。これはもっとふえるでしょう。のみ行為までいったらその倍になるということになるのですからね。そうなりますと、勤労者の半分がそこへ行っちゃっている、そうして鉄火場のようなかっこうでとにかく血眼を走らせてやっているという、そういう状況では非常にうまくないんじゃないだろうか。だから、せめてこれは一〇%経費以内あたりでやれないかどうか。  たとえば、この甲号歳入歳出予算、これは大蔵省に資料をいただいたのですが、これを見ましても、今年度納付金が二千三十八億円ですよ。それから、五十六年度のそれぞれ収入一切を考えてみても、非常に膨大な金額になっているのですね。だから、これは的中者に還元するように、一遍に一〇%下げることはできないというなら、当面五%下げていくとか、五カ年計画でそこまで持っていきますよと言ってやはり的中者に、そして子供を連れて楽しんで見られるようなところまでいかなければ、本当のレジャーとして、将来国として考える場合どうするかということだと思うのですね。  だから、そういう規制を加えながらやっていく必要があるかと思うのですが、これは一体どうでしょう。大蔵大臣と農林大臣の見解をひとつ最後にお伺いをしておきます。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 御指摘の点は理解できるわけでありますけれども、ただ、日本の実情というものをやはりよく考えてみなければいかぬと思うのです。戦争をやってすってんてんになって再建を図って四十年、その間、国民の努力によってある程度の社会資本の充実も行われてきておるわけでありますけれども、道路、港湾等々公共施設等を見てまいりますと、まだまだその点は先進国に比べますと非常におくれておるというのもこれまた現実でございます。これはもう本当に市町村に行ってみましても、でき得べくんば、図書館、博物館あるいは史料館というようなものがありまして、その中を一回りすれば、自分がそこに生まれてきた意義を感ずるような施設が先進国ではみんなそろっている。日本もやはりそこまでそろうぐらいは——その中で厳しい国際競争に打ちかってきておるわけですし、またこれからも打ちかっていかなければいかぬ、そういう事態の日本でありますから、まあいまの二五%というのが私どもとしてはちょうど手ごろではないかなと。  私も農林水産大臣になりまして、しばらくぶりであちこちの競馬場を見て回っておりますけれども、なかなか快適になりまして、子供連れで本当に楽しそうに、競馬が行われている馬場の中で親子連れで弁当を開いてやっているというのも見ております。しかし、御指摘のとおり、やがて社会資本が充実されたような暁にはできるだけファンに返していくという趣旨はお説のとおりである、こう考えております。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 清水次郎長でも五%しか取らないのに国が二五%も取るとはおかしいじゃないかと……(戸田委員「全く悪党だよ」と呼ぶ)その悪党と言われましても困るのですが、清水次郎長はともかくそんなりっぱな施設をつくってやったわけでもないし、国の方はかなりりっぱな施設をつくって、自動車の駐車場を置いたり、スタンドのでかいのをこしらえたり、それから馬主に対しましても——確かに二五というのは外国よりも多いのですよ。多いのですが、日本の馬主ほど恵まれた馬主も余りないのじゃないか、私はそう思っている、実際は。外国なんかでは、たとえば闘牛なんかだってあれは奉仕なのですよ。牛を持っている人がただで出すのです。だからロイアルボックスへ入れて王様の隣に座らしたりするのです。日本の馬主はもうかるわけですから、牧場を持って、何億ももうかっている。馬主は少しもうけ過ぎじゃないかという議論も実はあるのです。だから、ギャンブル税をもっと取ったらいいじゃないかという議論も実はあるのです。いろいろ議論がございますが、この際はそういうことをやっておる暇はないから、とりあえず第一納付金は納めていただく、そこへ特別納付金、第二納付金。第二納付金は三百五十億円くらい出しておるわけですから、そうすると、あとは自分の方へも三百五十億円くらいしまっておくわけだから、そんな百五十億円くらいのものを積み立てたって、競馬場もずいぶんこしらえたのだし、ですから少し、まあまあこういう時期だから積立額のうちから、仮に三百五十億円今年も出て、とっておくうちを百五十億円くらいことしに限って出してくれないかと、そうむちゃくちゃなことを言っておるわけじゃないのでありますから、御了承願います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田委員 以上で終わります。

大原一三自由民主党

○大原(一)委員長代理 鳥居一雄君。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 財確法について質問をいたします。  まず特例公債の発行についてでありますが、政府は、赤字国債の発行、これを五十九年度にゼロにする、それを財政再建のめどにされているわけであります。その一つの方法として、本年度国会に提出をいたしました「財政の中期展望」、これによりますと、五十六年度の予定発行額が五兆四千八百五十億円、これを五十七年度以降五十九年度まで毎年度一兆八千三百億円程度減額をして、それで五十九年度においてゼロにしよう。この毎年度均等割りで減額をしていく、これは一つの見識であろうと思うのですが、大蔵省の考え方、こう受けとめてよろしいでしょうか。決定的なものでしょうか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 大蔵大臣がお答えすべき問題だと思いますが、中期展望の関連の問題でございますので、事務的にお答え申し上げます。  私どもは、五十九年度に特例債から脱却するということが必要だと考えておりまして、そのためにできる限りの努力をしたいということでございます。  実際のその特例債の減額の規模につきましては、その年、その年の財政状況あるいは経済状況あるいは起債市場の状況、そういったもので決まってくる性質のものだと思うのでございますが、中期展望におきましては、五十九年度に発行額をゼロにするという前提のもとに、各年度の発行額をどうするかということにつきましては、決め手がございませんので、とりあえず等額減額していくという考え方で整理をいたしております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 五十五年度の財政収支試算、これによりますと、国債発行額をたとえば対前年度比で五十六年度はマイナス七千四百億円、五十七年度、そのおよそ二倍、マイナス一兆四千億円、五十八年度、マイナス二兆一千五百億円、五十九年度、三兆一千九百億円マイナスする。つまり、後年度にいくほど国債の発行の減額幅を大きくして、最終的にゼロにしよう、こういう方法だろうと思うのですが、これもあり得るのでしょうか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 財政収支試算と、今度私どもつくりました中期展望とは全く性質が異なるものでございまして、財政収支試算につきましては、その目標年度、これは中期経済計画で示されております計数を使いまして、その年の財政の状況につきましてある程度の推計を入れながらマクロ的に一応の想定をしておきましたものをゴールといたしまして、でき上がっております予算案からいわば機械的に伸ばしていったということでございまして、各年度につきましての計数につきましてはそういった機械的なものだということで考える必要があるわけでございます。したがって、各年度の計数につきましては具体的な意味はございません。  ところが、今度の中期展望につきましては、公債につきましてはいまのような前提で機械的にやっておりますけれども、それぞれの費目につきましては極力個別に積み上げをしております。歳出と歳入につきましてそれぞれ推計をいたしまして各年度の額をはじきまして、その差額が、歳出、歳入それぞれ別個にはじいておりますので一致いたしません。一致いたしませんので、その差を要調整額ということにいたしまして整理いたしましてお示ししてあります。要調整額につきましては、かねがね申しておりますように、歳出の削減か歳入の何らかの増加でもって埋められなければならないものだ、それほどの悪い状況に財政が現在あるということをお示しする意味において中期展望は考えていただきたい、こういうことでございます。  そういったことでございまして、先ほどおっしゃいましたように、財政収支試算の各年度の公債の減額の規模というのは意味があるものではございません。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 この減額の方法ですけれども、毎年度均等割りというやり方、それと比べてみまして、実際に計画的に減額を進めていこうとする主体的なものがなければならないと思うのですが、GNPにしても財政の規模にしても、後年度ほど大きくなっていくというそういう中ですから、この国債の減額幅というのはなるべく後年度厚くしていく、できるときにそれ相応の減額をしていく、そういうことが対応上、対応能力といいますか、その上でも大事だろうと思うのです。五十六年度のように、国債減額二兆円、これがほとんどすべて増税という形でこの減額幅を大きくしていくわけですから、後年度の減額幅を大きくしていく、こういう方法について今後十分検討していく余地があるのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これは実は非常に重要な問題なんです。六十年から国債の償還が始まりますから、われわれといたしましては五十九年度までに特例国債脱却という大前提でございます。  いま次長からお話しいたしましたように、中期展望では一兆八千数百億円の平均というものを出しておるわけでございます。しかし、これは別に固定したものではございません。問題は五十九年度までに脱却すればいいわけであって、そのときどきの財政事情、それから景気の動向、こういうようなものとも考え合わせましていきたい。  ただ、だからといって一兆八千億円前後のものが一兆三千億になったり二兆二千億になったりということはあり得ない。それは、そんなに急激にあと短い年次にしわ寄せすることはできませんから。われわれは、できることならば平らに、なし崩しにやりたいと思っておりますが、鳥居委員のおっしゃることも一理ある話でございますので、今後のいろいろな事情等を考えた上で無理のないようなやり方をとってまいりたい、しかし、五十九年度からの脱却ということは守っていきたい、そう思っております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 単なる指標だということに非常に抵抗があるわけですよ。  五十五年一月の財政収支試算、これでは後年度ほど減額幅を大きくしようという方法を提示されておりますし、本年度の「財政の中期展望」では均等割りというような形になっているわけです。しかも赤字国債を減額する財源というのは一般消費税やあるいは大型消費税という考え方、特にしないとしても大増税である、要調整額、こういう形になっているわけです。これでは国民として、政府が赤字国債の発行ともう一つはどういう方法で減額をしていくかということと同時に、財政の肥大化、その検討内容、これと見比べ、判断をしなければならないという問題があると思います。ですから、少なくとも五十九年度までの減債計画、これは明確に計画として打ち出すべきだと思うのですが、どうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 それは、財政の計画もきちんと決めてしまうというためには、世界の経済状態も動かない、日本の経済情勢も動かない、石油も上がらない、突発事故も起きないという状態ならばきちんとした計画ができるのです。しかし、そういうことは不可能ですね。  それからもう一つは、現在の制度、既存の制度をそのままにしておけば、歳出がどんどんふえる計画ができますよ。しかし、歳出を減らすという計画はできない。したがいまして、現在の制度というものをまずどういうふうにしたならばもう少し減らす、負担が余りかからないで済むようにできるか、むだがなくなるか、こういう時期ですから増税はみんな好まないのですから、税金をふやさなくとも何とかしのげるものはしのいでいけるかどうかというような、国民のコンセンサスを得た上で一応の短い目安は私はできると思うのです。ですから、なるべく、きちんとした計画ではないが、それに近いようなものが得られるように、今回の歳出削減のいろいろな勉強会を通してそれに近いようなものをつくっていきたい、さように考えておるわけでございます。したがいまして、ただいいかげんに考えているわけでも何でもないので、これは非常に熱心に考えているわけでございます。     〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕  なお、増税で国債削減をやるとおっしゃいますが、私どもとしては、考え方は経済を持続させて自然増収の中で、その中でできるだけ国債の減額、それから地方交付税と国債費というものは新たな増税を求めない、その中で十分に消化をして、さらに、余れば当然に当然増の財源に回っていく、そういうことを第一義的に考えておるわけであります。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 ところで、最近の新聞報道等によりますと、大蔵省、行管だろうと思いますが、行政改革の一環として削減リストをつくろう、これまで聖域とされてまいりました社会保障、文教予算、この削減を前提とする制度の見直し、これを強行する考えが明らかにされております。肥大化した歳出構造の見直し、こういいますとストレートに最も弱い、取りやすい、削りやすい、そういう児童手当制度やあるいは教科書無償供与制度、これがやり玉に上がってくるわけです。あるいは補助金の一律削減だ、こうなりますとストレートにねらいがこれらの制度にやってくる。これは何とかしなければならないと思うわけですけれども、大蔵大臣はどうお考えでしょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 別に児童手当や教科書無料だけをわれわれはねらっておるわけではございませんでして、全体の歳出全部を根っこから洗い直すという考えでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 歳出の削減について総理は五十六年度予算に先立ちまして、歳出の見直しには聖域がない、福祉、文教、防衛などいずれも聖域視しては財政再建は進められない、こういう発言を繰り返してまいりました。そしてその結果、行政改革による歳出の削減あるいは補助金の整理、国民が望む形でのこれにほとんど手つかずという状況で総額一兆三千九百六十億円という増税予算が組まれ、増税主導型の五十六年度予算になったわけです。その一方で、見直しといいますと短絡的に福祉、社会保障、文教、これらの見直しということになるわけです。これは大変な間違いだと実は思うのです。  新経済社会七カ年計画、この中で社会保障の整備につきましても「今後の社会保障の方向としては、現在までに達成した西欧諸国に遜色のない水準を維持しつつ、予想される社会的変動及び経済環境の変化に即応して、一層的確かつ安定的にその役割を果たしていけるよう、長期的な展望に立って、体系的に整備を進めていかなければならない。」こうある。この基本的な考え方、この七カ年計画をそれとも否定される考え方に立つのか、大蔵大臣、どうでしょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 決して否定的な考え方に立ちません。立ちませんが、要するに社会保障はできるだけ充実することがいいと私は思います、いいと思いますが、限りある財源の中でどういうようにめりはりのついた社会保障を実現していくかということが大切なことであって、社会保障の金額がどんどん聖域として毎年ふくらんでいくことだけがいいというふうには思わない。社会保障費の中で一番何が重いかといったら医療費です。十二兆円からの医療費を使っているわけです、国民は負担しているわけですから。その医療費の中で、たとえば一開業医が三年間に十五億円も十六億円も脱税している。それを調べてみると皆架空請求、不正請求だった、そういうものはほかにないという保証もないのでありまして、そういうようなものもしかし社会保障なんだからどんなことをやっても見逃せと言われてもわれわれとしては困るわけでございますから、やはり社会保障といってもルーズにやればそれを乱用するものもいることも事実であって、そういうような中でのめりはりというものはきちっとつけていかなければ、国民の貴重な財源を預かるわれわれとしてはとうていその任を負うことができません。したがいまして、やはり社会保障といえどもどういうところにむだがあるのか、この程度のことならば、これだけみんなも減量経営してくれ、税金はもうふやされちゃ困ると言っているのだから、それならやはりそいつは自前でやってもらう、やっていけるじゃないかというようなことの線をどこで引くかということは国民のコンセンサスの問題だと私は考えております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 大臣の言われるその意味のめりはりというのは確かにそのとおりだろうと思うのです。それで具体的に児童手当制度について伺ってまいりたいと思うのですが、余り十分な時間がないので端的に伺います。  厚生省に伺いたいと思うのですが、昭和四十六年以来児童手当制度が続いてまいりました。それで当時収入制限二百万というこのラインがあったわけです。その後年々こうまいりまして、昭和五十二年、一たん制度によってその児童手当の受給ができるようになった人を途中で打ち切ってしまわないために収入制限がインフレとともに次第に上がってまいりました。五十二年で四百九十七万です。これはそれなりの見識であり、この制度として当然のことであったと思うのですが、実は五十二年に四百九十七万になって以来三年据え置き、四年据え置き、そして五十六年度にがあんと収入制限が下がりました。四百五十万。この収入制限を据え置いたことによって受給対象児童がどのくらい減ったのか、それから今回五十六年度におきまして収入制限を四百五十万に一段と厳しく切り下げたことによってどうなるのか。

近藤純五郎厚生省児童家庭局児童手当課長

○近藤説明員 お答えいたします。  五十二年度から三年間据え置かれたことによりまして、五十三年から五十五年の三年間で支給対象児童数は約十三万人が減少したと推定されます。また、五十六年度におきまして四百九十七万円から四百五十万円に下がることによりまして支給対象児童数は約十万人下がるというふうに見込んでおります。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 もう事実上児童手当制度についてはどんどん制度を弱める方向で進んでいるというのが実情です。五十三年度以来、本来受け取っていた人で受け取れなくなってきている人が次第に出てきている。五十六年度においてはまたそれが一段と、十万人においてカットになる。ですからもうすでにこの打ち切りに近いものは進行していると言えるだろうと思うのです。ところで、七六年にわが国におきましてILO百二号条約の批准をしたわけでありますけれども、この中に児童手当について一定の国際基準に相当するものがありますが、この基準、それからわが国の現状がこの基準に対してどんな関係にあるのか、かいつまんで御説明願います。

近藤純五郎厚生省児童家庭局児童手当課長

○近藤説明員 お答えいたします。  ILO百二号条約、これは「社会保障の最低基準に関する条約」でございますが、その第七部に「家族給付」つまり児童手当に関する規定があるわけでございます。そこでは給付の事由でございますとか保護対象者の範囲とか給付内容について規定しているわけでございますけれども、これらの基準のうちで給付の総価額という面で、まあ給付総額でございますが、これについて基準を満たしていないということでございます。この給付の総価額につきましては古い推計値しかないわけでございますので、現段階で考えますと、大体この基準に対しましてわが国の場合は三分の一から四分の一ぐらいに当たるのではないかというふうに推定しております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 最低水準を決めたその水準の三分の一から四分の一という現状。この制度ができたときに国会におきまして決議がなされておりますが、この決議の中の第二項目「児童手当の額は、児童養育費の増嵩(こう)の傾向を勘案して、今後さらに引き上げるよう努める」、第四項に「第三子以降の児童となっている支給対象児童は、将来できるだけ早急に拡大するよう努める」、第六項目「児童手当の支給についての所得制限をさらに緩和すること。」こうあります。それから社会保障制度審議会が厚生大臣の諮問に対して答えた意見書。この冒頭に「本制度は、将来飛躍的に発展させなければ本来の目的を達成できない。」こうあります。この児童手当制度のもともとの出発点、これは第三子から始まったわけでありますけれども、これが、第二子あるいは世界でもうすでに始まっている第一子。世界の大勢は第一子からです。そういう方向とは全く違う行き方がわが国における児童手当制度の現状であると思えてならないのです。  児童手当制度について大蔵省の考え方は、これは賃金との関係でわが国の賃金体系がヨーロッパ諸国と違う、家族手当を含む年功序列型になっており、生活給としての色彩がある、税制上の扶養控除もあることだし、これに加えて児童手当を支給するのは適当なのか、こう言っておりますけれども、大蔵省は本当にそう考えているのでしょうか。

矢崎新二大蔵省主計局次長

○矢崎(新)政府委員 先ほど御指摘のありましたILO条約との比較におきましても、給付の水準がそのILO条約の求めている水準よりも低いのではないかということですが、そこの内容は主として給付対象がわが国の場合は第三子以降になっているというようなこともかなりの理由になっておるかと思いますが、いま御指摘のございました各種の御意見の中にも、こういった児童手当の支給の対象を第一子からにすべきではないかというような点、その他の点を御指摘になっている御意見があることは私どもも承知をいたしておるわけでございます。しかしながら、私どもは、こういった児童手当のあり方につきましては社会保障施策全体の中でいろいろな優先度等を考慮して検討した場合に、現行の仕組みにつきましてやはり日本の特殊性に応じた制度になっているように思うわけでございます。  まず一つは、日本の場合は家庭におきます親と子の結びつきが強いわけでございまして、賃金体系も家族手当を含む年功序列型の生活給としての色彩が強いということでございまして、児童手当制度に依存しないで児童の健全育成を図っていけるような社会的経済的な基盤があるように思うわけでございます。  それからまた税制との関係でございますけれども、日本の税制の考え方は諸控除から成る課税最低限と税率との組み合わせによりまして適正な税負担を実現するということを考えた体系になっているわけでございまして、そういった基本的な体系を無視するような税制の扶養控除の廃止というようなことについては疑問があると考えておるわけでございます。  それからさらに、第一子から仮に支給するというようなことになりますと、対象児童数は約十二倍、現在二百四十万人程度でございますけれども、これが二千九百万人までふえるというようなことにもなりまして、巨額の財源を必要とするというようないろいろな問題点があるわけでございまして、社会保障全体の効率的な財源配分という観点からいたしましても、そういった御意見については賛成をいたしかねるということでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 賃金体系といったって、高度経済成長期以降、わが国におきましては職務職能中心の仕事給に切りかえられつつある。そこでいわゆる生活給的賃金体系、これは約一割にしか相当しない。一方において家族手当を持つ企業といっても、この賃金総額に対する割合が三%ときわめて低い状況です。世界の趨勢は、児童手当制度実施国が六十六カ国ありますよ。第一子からの児童手当が五十七カ国、第二子は四カ国、フランス、アルバニア、コスタリカ、ハンガリー、それから第三子というのが四カ国ありますけれども、わが国と南アフリカ共和国、モーリシャス、ベトナム、こんな状況ですから、児童手当制度そのもの、これはいろんな障害がありますけれども、厚生大臣が老齢化社会への対応という立場からいって、また将来の日本の人口のあるべき姿からいって児童手当制度をさらに充実させるべきだという考え方を披瀝しておる今日、財政当局がそういう対応であってはならないと思うのです。そして補助金の一律カットあるいは行政改革、肥大化した行政の見直しだということになりますと、社会保障の中でめりはりをつけるのだということよりもむしろ全体的なめりはりだという形になる。こういう点で非常に先行き不安であるわけです。行管庁長官として今後の行政改革の中でどうお考えでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 補助金の整理の問題等は、第一次臨調のときからの答申に盛られておりまして、自乗各方面からそれが不徹底であるとずいぶん指摘されておるところで、特に第一次臨調の積み残しの大きな項目として批判を受けてきておるところであります。いまのようにたまたままた財政窮乏の段階になりまして、この際それが俎上に上ってくることはやむを得ない事態であるだろうと思います。  ただ、これを行うことにつきましては、よほど注意深く、そして犠牲と負担が公平に行われるように、かつまた本当に困っておる人たちに迷惑を及ぼさないように配慮することは政治として当然のことであると思っております。  それはしかし一般論でございまして、これからいよいよ具体的にどうするかということにつきましては、いま土光さんの臨時行政調査会が審議をスタートしておるところでございますので、われわれがここで先入観を与えたりとやかく申し上げることは差し控えて、委員間の自由な討議、御審議をいただくことが適当であると考えておりますので、それ以上の言明は差し控えさせていただきたいと思う次第でございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 教科書の無償供与制度につきまして二、三伺いたいと思うのです。  一昨年の五十五年度予算編成に当たって、当時竹下大蔵大臣ですけれども、五十五年度は現行制度を維持するけれども、今後の問題は各界の意見に耳を傾けながら対処しなければならない、こう言って、その後の経過の中で教科書無償のための予算、今年度におきましても二百八十七億円、五十七年度前半の分まで含めて四百五十三億円の予算がようやく復活をし、内示をされたという経過があります。それで全予算の三分の一に相当する補助金と比較しますと、文部省予算の中のたった一%です。予算の中の〇・〇一%にしか相当しない教科書無償配付制度、これがいつもやり玉に上げられることは非常に奇異に感ずるのです。また制度が実施されてようやく定着し、完全に実施されるようになったのは四十四年以降でありますから、十年、風向きが変わるとこの制度がやめになってしまったり、あるいは収入制限という形で導入された場合には親の所得が教室の中に持ち込まれてしまう。子供の世界の中に差別を生んでしまう。こういう教育上大変ゆゆしき問題がこの中にあるわけですが、制度を存続させるか廃止するかという二者択一の方向に行かざるを得ない。そういう風前のともしびといいますか、教科書無償制度、これは国の方針として財政当局としてこの教科書無償制度を十分検討して残す、こういう方向をとれないものでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私も教科書無償制度は悩みまして、これは年二千円とか三千円ぐらいの金なんだから、それくらいのものはみんないま塾にやって月五千円かけるとか一万円かけるとかという人がいっぱいおって、月にすれば二、三百円の話ですよ。その教科書も子供に買ってやれないというのは一体いかがなものだろうか。こういう時勢なんだから、親が子供に買ってやるのが思想上も教育上もいいんじゃないかと私は思ったのです。ところが教科書無償をやめると偏向教育がふえるとか、いろいろな問題が出まして、それで私としては、わが党の中でも反対がいっぱいありますから、そう短兵急な必要もないので、今回はそこらの点を中心にもう少し検討をしてみる必要があるということで、ことしは最初から撤回をしたということであります。  将来どうするかということについては、いますぐにどうするという考えはございませんが、よく相談をしてまいりたいと思っております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 今回の財確法の電電公社の納付金についてしぼって伺いたいと思うのです。  四年間にわたって毎年千二百億円、公社としては借り入れをしますから、ざっと八千二百億円に相当するものを向こう十四年間で返済をしよう、大変大きな負担が電電公社当局にかかることになると私は思うのです。  それで昭和二十七年、公社発足のときに、国会では電電公社が納付する、これは適当なのかという議論が盛んになされておるわけです。そして衆議院において、当時の記録によりますと、公衆電気通信法第六十一条の中に納付条項というのがあったのですね。これは衆議院で審議をされた結果、政府案の条文の中にあったものを衆議院としてはただし書き条項にこれを修正した。後に参議院へ参りまして、納付というのは適当でない、それは効率的な公企体としての役割り、電気通信という事業の性格からいって、納付金というのは、当時の公社として積滞解消とかさまざまな公社事業に対する重要な役割りがありましたために、参議院においてこれが削除になった。そして、両院において議決が違うわけですから、異例の両院協議会が開かれて、その結果電電公社の納付というのは削除になったわけです。昭和二十七年に電電公社が発足して、それ以来の経過があります。電電公社の本来のあり方からいって、納付金というのはすでにこの時点で否定されたわけです。いまどう考えても、公社の置かれた立場というのはその当時と変わってないと私は思うのです。そこで四千八百億という根拠、これはどういう数字ですか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 昭和二十七年の制度発足のときの経緯は確かにおっしゃるとおりでございまして衆議院に出しました原案におきましては、納付金を納付するというのが原則であったわけです。衆議院の改正でそれがむしろ例外になりまして、参議院で論議されました結果、それもどうだということで両院協議会で削られた、これはそのとおりでございます。どうしてそうなったかという大きな理由といたしまして、当時電気通信事業につきましては非常に大きな設備投資の不足がございまして、積滞問題というのがあったわけでございます。それが一つの大きな理由であったということだと思います。  その後の状況でございますけれども、ようやく積滞が解消し、自動化につきましても大体完成を見たというふうな状況がございまして、当時とは状況が大きく変わっているということが一つございます。  もう一つは、国の財政の大変な危機でございまして、何らかの形で財源の確保を図らなくてはいけない。税ということもございますが、それだけではいけないということで、あらゆる方法で国の収入の増加を図らなければいけない、こういう要請がございます。もちろん歳出の削減にも努力するわけでございますけれども、五十六年度におきましては、それでは十分ではないということで、税以外の財源を求めよという強い要請があったわけでございます。  電電公社の剰余金につきましては、公社の職員も含めての大変な企業努力も片一方ではあり、それから環境にも大変恵まれていたというふうなこともございまして、財務状況についても国と比べれば十分余裕があるという状況でございます。そこで、恒久的な制度として納付金という制度を設けることにつきましては、諸外国の例としては、たとえば電話利用税でございますとか納付金制度とか、いろいろ恒久金な制度がございますけれども、そういったことではなくて、さしあたっての国の財政危機に対処する一つの手段といたしまして公社に納付金を求めたいということで、いま考えておりますのは、公社の自己資本の中で利益剰余金、この中から取り崩しをしまして一定のものをお納めいただくということで四千八百億というものをはじいたわけでございます。その基本的な考え方は、公社の自己資本比率が過去の十年あるいは十五年の経緯の中で大体どの程度であったかということを基準にいたしまして、現在それを上回っているものについて、こういう異常な時期でございますので、助けていただくという意味で納付してもらうということで四千八百億というものをはじいたわけでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 昭和二十七年電電公社発足のとき、公企体として国への納付というのはいいのかという議論がありましたね。それで電電公社は、電気通信という将来に向かって大変な事業を進めていかなければならない使命を持つ公企体として、納付金というのはあるべきじゃないという結論が出たわけです。納付するならば赤字の場合に補助をしてもらう、これは裏表の問題です。黒字になったときに納付をして、赤字のときに国がめんどうを見ない、これは独立採算制を完全にぶっ壊すことを財政当局みずからがやる形になるわけです。  それと同時に、昭和五十一年に国鉄再建法ができました。日本国有鉄道法五十四条に二から十一まで加わりました。国鉄の補助というのを考えてみますと、従来納付と補助は裏表の問題で、昭和二十七年まであったのですよ。それが二十七年に電電公社が納付規定を削除したために国鉄も削除になっているはずです。それが昭和五十一年になって、国鉄に対する補助をするかわりに、国鉄が黒字の場合には納付、これを五十四条の中に加えようという配慮がなされているはずです。ですから大臣はあうんの呼吸だ、昨日の答弁でこう言いました。今回電電公社の納付金を決定する背景として、将来電電公社の経営上値上げをしないで赤字解消のために国が補助するんだ、こういう考え方がありますか、ありませんか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 将来といってもいつの将来かわかりませんが、電電公社が十年も十五年も値上げしないなどということはあり得ないと思うのです。物価水準が上がってみんなが上がれば、それに公共料金というのはある程度従うのは当然過ぎるほど当然なことだと私は思っております。しかし、ここ当面その必要はないし、現在の電電公社の状況から見れば、一千億円の納付をしたからといって、一兆数千億円の利益剰余金を持っているわけですから、一般の会社ならその半分はとっくに税金で払っているわけです。一般の民間に比べれば、利益が出て税金を払わないで済んで、仮に税金を払ったら、赤字になったときは国がどんどん補助金を出してバックアップしてくれるなどというところはどこにもないわけでございますから、民間の国民感情からすれば、こういうようにともかく電電公社もおかげさまで充実をしてきたということになれば、それは利用者に返すのも一つの方法だし、利用者の代表である国——代表と言えるかどうか知りませんが、国家は国民の代表です。国家と国民は同じものです。国家は国民のものでございまして、決して自民党のものでも何でもない。国民のもの、全体のもの、したがって私はそういう意味で国民にお返しをすることが一つの方法ではないか、そういうふうに考えておるわけでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 自己資本比率、これを見ると、公社は五十二年以降大変いい。三三%何がしかあったものが、五%の開きがある三八%台になった。これは当然ですよ。五十一年に公衆法の改正をやって、電電公社の通話料金、これを改定した。つまり値上げをしたわけです。その値上げに着目したというか注目したというか、それまで抱えていた四千数百億の赤字というものを政府からの借り入れ、これを値上げによって返した。利益剰余金、確かに大臣の言われるように一兆六千八十億あります。しかし、これは全部固定資産じゃないですか。次へのサービスのために全部つぎ込んでいるもので、現金としてはないわけです。ですから、今回の納付金は、八千二百億に相当するものを昭和六十九年までかかって十年満期、最後の四年目のものが六十九年です。これは公社事業に響かないのか。料金に大変かぶせる結果になっていくだろうと私は見ているのです。今回の納付金がないとしても、五十八年にはこのまま推移すると赤字じゃないかと心配されている公社経営の中で、また値上げがちらちら出てくるそういう中で、今回の八千二百億に相当するものは、利子、元本合わせて八千二百億と推計できます。ですから、公社としてはこれを納得して受けるのですか、それとも、交通事故に遭ったみたいなもので、どらおやじが借金がかさんじゃって、娘よ少し貢げということで、借金してどらおやじに拠出する。そして後々その借金のカタをつけなければならない。これはみんな通話料金にかぶってくることじゃないですか。資本勘定で計上しようが、あるいはソフトランディングかもしれませんけれども、収支勘定じゃないことと資本勘定に入れて公社として外部資金を導入することとは、利用者にとっては全く変わりません。大蔵省の方では、経営努力と増収を図ることによって吸収しろと言っているわけですけれども、増収というのは従来やってきていることですし、経営努力もやってきているわけでしょう。それともやってこなかったということなのでしょうか。電電公社にぜひひとつ伺いたいのです。

小川晃日本電信電話公社総務理事

○小川説明員 お答えいたします。  この納付金につきましては、電電公社としても、確かに、先生御指摘のように、これまでも相当の合理化を行ってまいっておりますし、また通話料の遠近格差の是正とかサービス格差の解消とかあるいは新技術、新サービスの開発導入、こういった今後まだやらなければならないことも山積しておりますけれども、しかし国の財政再建のための喫緊の課題だという御要請でもございまして、私ども政府関係機関としてはやはりやむを得ざる措置であるというふうに考えまして、今回納付することにいたした次第でございます。いずれにしましても、現在第六次五カ年計画を遂行中でございまして、五十八年度以降の計画につきましては目下鋭意検討をしておるところでございまして、こういうものを作成する過程におきましても、収入の確保、支出の節減、さらには合理化を進めるよう極力工夫をいたしまして、どの程度までできるか、現在案を作成しているところでございまして、とりあえず現段階ではそういった形でまず協力するという姿勢でできるところまでやってみたい、こういうふうに考えておるところでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 さらに伺いたいと思います。  電信電話諮問委員会で電電公社のあり方について答申をしております。五十三年です。それで、電電公社としては利用者からの通話料、これらで成り立っているわけですから、本来、利益というのはどの程度あるべきか、経営の実態というのはどういうふうにすべきか、こういうことについて、学者、文化人がこの諮問委員会において協議をして、その結果答申されたわけです。都留重人会長以下十数人いらっしゃいます。この中で、公的必要余剰について、A方式、B方式の二方式で言っておりますね。本来、自己資本比率で計算していくべきだろうと言われておりますが、公的必要余剰という点で考えてみまして大幅な黒字なのでしょうか、それとも、この指摘のとおり、可もなく不可もなしという状況でしょうか。

西井昭日本電信電話公社営業局長

○西井説明員 ただいま先生から御指摘のございましたとおり、公社の中において諮問委員会というのを設けまして、そこに、公社のような公共企業体というところに果たして収支差額は認められるべきものであろうか、また、利益というものを仮に認められたときに、その限度はどういうふうにあるべきかということを一つの大きな柱として諮問をいたしたところでございます。その結果、ただいま先生がおっしゃいましたとおりの答申が出てまいったわけでございますが、これで計算をした結果によりますと、いま先生がおっしゃいました二つの式と、それから幅が若干ございまして、そのおのおのについて多少の出入りはございますが、五十六年度予算に計上いたしております収支差額はそのいずれの計算式よりも若干下回っておる、こういう結果でございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 収支差額が下回っているという現状、まだ環境が悪いことを数え上げれば切りがありませんよ。積滞解消はできた、五次五カ年計画で一応終わったとはいえ、積滞解消ができた今日ですら百万台からの設備をしていかなければならないという現状あるいは建設を引き続きやらなければならないという状況、そんなことが、私も調べてみましていろいろございました。それから、五十八年の三月いっぱいで拡充法が切れるわけですね。そうすると、これまでは積券十五万円、電話を入れるたびに加入者に義務として、加入電話あるいは専用線ということで強制的に加入者債券を引き受けさせることができたのですが、これも切れるわけですね。  五十一年の公衆法の改正以後料金の値上げをしたのだから、電電公社は四年間に分割すれば四千八百億円相当の納付ができるだろうという今回の納付金。電電公社の料金は法定料金なんですよ。しかも黒字だということのいちゃもん、これが仮に行政機関から出てくるとすれば、国会で審議をし、今後設備投資をしていく上でどうなければならないかという論議が公衆法の中で盛んに行われたわけです。ですから、五十一年の改正で電話料金の引き上げをやった、市内通話三分間七円が十円になった、そこに電電公社として納付金の根拠があると仮定した場合には、これは問題じゃないでしょうかね。そういうところに全く根拠を置かずに、交通事故に遭ったみたいなもので、どらおやじと先ほど申しましたが、臨時かつ特例ということで通り過ぎよう、一番筋を通さなければならない財政当局がそういうことじゃ本当に困ると思うのですが、公共料金の性格上、これはいかにして長もちさせるかということは公共料金の使命だと思うのですね、行政当局としては。あるいは取り過ぎであれば戻すというのが公共料金としてあるべきあたりまえな姿だろうと思うのですよ。納付ですから、どんな事情があろうが納付というのは無理じゃないですか。無理を押し通しますか。大臣に伺います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これはやはり額の問題でございますから、これが一年に何千億とかという話ですとそれはもう無理だという、常識の問題だと私は思います。しかしながら、年間一千二百億、四年で四千八百億、その根拠については先ほど主計局次長から説明をしたとおりでございまして、民間との関係、それからいろんなところとの関係から見まして、この際は非常に国の財政窮乏の折でございますから、電電公社も国の機関と言っても差し支えないような状態でありますので、その剰余金の一部について——金繰りの苦しいことは私どもよく承知をいたしております。したがいまして、それについては別途手当てをするというようなことで御協力をいただきたい、こういうことを申し上げておる次第でございます。額の問題でございますから、その点は御了承を願いたいと思っております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居委員 いまのお伺いしました質疑を通じて、電電納付金に関してはちょっと筋が違うな、こういう思いを深くした次第でございます。  私の質疑を終わります。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 この際、お諮りいたします。  すなわち、ただいま審査中の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案につきまして、農林水産委員会、逓信委員会からそれぞれ連合審査会開会の申し入れがあります。これを受諾し、これらの委員会と連合審査会を開会いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会の日時は、各委員長と協議の上、明九日午後二時といたしたいと存じますので、御了承願います。  午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十二分休憩      ————◇—————     午後一時四分開議

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前に引き続き質疑を続行いたします。玉置一弥君。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 いろいろ時間の都合があるようでございますので、なるべく各省庁別にまとめてやっていきたいと思います。  今回の財政特例法といいますか、財政運営に必要な財源確保ということ、これはやはり現在大変な財政難であり、なおかつ行政改革、財政改革というものがなかなか進んでいかない、それに業を煮やして、比較的余裕のあるところからいわゆる上納金を取る、そういうような感じでわれわれは受け取っているわけでございます。  そこで、現在の行政改革という意味から見て、中曽根長官の方にお聞きいたしたいと思います。  従来といいますか、当初十六法人を対象に検討されてきたというお話を聞いておりますけれども、今回実際に出てきたのは四法人にしぼられてきているということでございまして、これに関していろいろな経過もあり、また検討の結果そういう判断をされたというふうに思います。現在の、特殊法人を含めて三公社五現業それぞれのいろいろな計画案をお持ちでございますけれども、そういう一環として現在の剰余金を緊急の策として採用された、そしてそのほかに官営工場の民営化とかいろいろなお話を聞いておりますけれども、今回特に十六法人を対象にされた、当初検討されたというその経過なり、いま四つにしぼられたということについての中身といいますか内訳、それをいろいろお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 初め、全特殊法人を点検しまして大体二十前後にしぼりまして、そしていまおっしゃるような数に最終的にまとまりました。それは、特殊法人の性格とかあるいは財政、経理の状況、剰余金、今後の見通し、そういうものを見た上で最終的にしぼった次第でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 確かに特殊法人というのは非常に経理内容の悪いところが多いということでございまして、たまたま今回取り上げられている部分が、経営状態が比較的堅調である、そういうふうに、実際いろんな資料を見ても見られるわけです。  一つは、調子のいいところといいますか、要するに経営上黒字になっているところについて取り上げる。これは要するに入ってくる方をふやすことになるわけですけれども、逆に、出す方をしぼるという意味から考えますと、現在赤字の特殊法人について、黒字の方については一応取り上げるという形で出しておられますけれども、赤字の特殊法人について特にそれらしき対策というものが五十六年度、いわゆる対比の問題として出てきてないというふうに私は思うのですけれども、そういうことについてはいかがでしょうか。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 お答え申し上げます。  先ほど大臣からお答えいたしましたように、全部の特殊法人の財務諸表を一応分析いたしました。その中で特殊法人の型がいろいろございます。それから国庫納付の型もこれはさまざまございますので、そういう中から詳細調査をやるもの二十二ほど選びまして、先ほど大臣から申し上げましたような措置の法人を出したわけでございますが、ただいま御指摘のような赤字の法人につきましても別途の監察等でいま検討を進めている状況にございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 国の財政にとってみれば、補てんをするということも支出の拡大になりますし、逆に納付金になると要するに財源として確保できるということで、両方関係するわけですけれども、具体的にたとえば国鉄でありますとか、それからいま話が出ておりますアルコール専売、国営のアルコールの工場ですね、そういう工場について、赤字が出ているとすればどういう対策を考えているか。そういう具体案はありますか。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○中政府委員 ただいま私どもの方でやっております中では、赤字の中の最大の国鉄の問題につきましては勧告案を検討中の段階にございます。その他のものにつきましては、まだ資料の分析中という形でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 ほかもいろいろ聞きたいのですけれども、具体的な話ばかりしているとなかなか前に進みませんので全般の話へ戻ります。  行財政改革に政治生命をかけるという方が非常に多いわけでありますけれども、鈴木総理が特に補助金についていろいろ考えておられる。しかし、補助金をいろいろ分析していきますと国として大変しぼるのはむずかしいんじゃないかというふうに考えるわけです。たとえば文教関係あるいは社会福祉関係、農林関係、建設関係、大きな柱としてこういうのがあるわけでございますけれども、個々にしぼっていくと必ず大変大きな反対運動が盛り上がるということもある。逆に変な狭め方をしますと、今度はいまでも超過負担で困っております地方財政を大変圧迫しかねないということでございます。  十四兆という大変膨大な補助金、そしてそれ以外に四十四兆数千億という地方財政があるわけですね。現在、特に国の財政の中でのいろいろな行政改革案というものを検討されておるようでございますけれども、この四十四兆数千億という地方財政を縮小していかなければ、国が行政改革をやる、たとえば補助金をしぼるということを実施した場合に大変な負担になると思うわけです。それと十四兆の補助金を減らしていこうということを考えるならば、むしろ地方財政の方から手をつけて、そしてその大きい枠の中で縮小を考えていかなければなかなか十四兆も減らないのではないか、そのように考えるわけですけれども、国の行政改革の一環として地方の行財政の改革というものは考えられないかどうか、それについて中曽根長官の考え方をお聞きしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 国との関係において地方制度のことも検討する、そういうことになっておりまして、国がいろいろ節減したりあるいは簡素にしたりするのに対応して地方もその均衡を得るようにやっていただく、そういう要請、指導ということはいずれ行われるのではないかと思います。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 第二臨調で今回検討される中に、地方と国とのつながり、仕事の分担、制度のあり方という話が行われるというお話を内々聞いておりますけれども、実際地方行政、財政ともに国と大変結びつきが深いわけであります。そういう制度上の問題もありますけれども、たとえばいろいろな補助金関係とかそういう問題についても検討していかなければならないと思うわけでございます。そこで、ぜひともそういう地方行政、地方財政ともに国が取り上げて強力に推し進めていくという姿勢が必要だと思うのですけれども、地方自治という話もありましてその絡みが非常にむずかしいというふうにも思うわけで、その辺で効果を上げていくために国がどの程度タッチをすればいいのか、もしお考えがあればお聞きをしたいと思います。

佐々木晴夫臨時行政調査会事務局次長

○佐々木政府委員 お答えいたします。  臨時行政調査会の審議でございますけれども、三月十六日に発足をいたしまして、まずこの二年間の検討課題及び総理から七月に五十七年度予算に影響を与えるような調査審議の結果をもらいたいという御要請がありますので、そうしたような緊急課題につきまして何を課題にすべきかということにつきましてただいま委員会で鋭意検討、審議を続けていただいておるという段階でございます。  いま先生の御質問の、いまの臨時行政調査会がどこまで地方制度について触れるのかということにつきましては、実は衆議院の予算委員会でかつて議論になりまして、これは政府の統一見解としまして臨時行政調査会の設置法の中に行政制度及び行政運営の改善、合理化について全般的に調査審議するんだということがすでに規定をされております。ただ、憲法上九十二条以下で地方自治の本旨に従って法律等で地方制度が定められるんだということが書かれております関係で、調査審議の範囲はおのずから制約はございます。しかしながら、国の行政との関連で十分御議論いただく、どれを課題にするかについては臨時行政調査会で委員さんの良識によって決まっていくことになっておりまして、現在の御審議の様子を一応見ておりますところでは、地方行政についても、これは国政上大変重要な問題を持つ部分が多い、したがいまして、行政改革の対象としていまの地方行政のあり方等についても当然御議論が行われる、このような感じで進んでおるところでございます。さらに今後において具体的な内容につきましての詰めが行われるもの、このように予想いたしております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 それでは中曽根長官に最後に一言だけお聞きをしたいと思います。  今回特に補助金関係を含めて五十七年度から増税しないで財政再建をやっていくんだというお話がございますけれども、財政再建を急ぐ余りに景気の低下を招いたりあるいは雇用問題が発生をするという危険があるのではないかと思うのです。それと、いまの状態から考えて、いままでともかく行財政改革を一生懸命やられまして、そのわりには効果が出てこない。いままで出ないのに何で一年で出るんだという気持ちになるわけです。  そこで五十七年度行財政改革でほとんど不足分が賄えるかどうかという判断はいまはできないと思いますけれども、決意といいますか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 総理も大型新税を念頭に置かずに五十七年度予算編成をやる、そのために行財政改革を徹底してやる、そう明言されておりまして、われわれもその線に沿いまして全力をふるって実行してまいるつもりでございます。これを実行するためには自民党のみならず野党の皆様や各関係団体あるいは地方公共団体の皆様の御協力も仰がなければならぬと思いますので、よろしくお願い申し上げる次第でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 いまの話の関連で自治省の方にお伺いをしたいのですけれども、現在地方財政対策ということで今年度、五十六年度一兆六千五百億の地方財政の不足がありまして、その中で本来国が一兆二千七百億くらい負担をしなければならないところを千三百億くらいしか負担をしてないという話でございます。先ほども言いましたように、自治省の行政改革ということを考えてみれば、当然自治省の管轄でございます地方行政、地方財政、そういう中身を見直すということも行革の動きの中にむしろ主体的に取り入れられなければならないというふうに思うわけでございますけれども、それについてどのようにお考えになっておられますか。

津田正自治省財政局財政課長

○津田説明員 五十六年度の地方財政につきましては、先生御指摘のとおり当初一兆六千五百億の収支不足があったわけでございますが、その後税制改正だとか、あるいは五十五年度の国税三税の自然増の処理というものに絡みまして、最終的には一兆三百億でございました。それで、一兆三百億につきましては、地方交付税の増額、もっともこれは臨時特例交付金あるいは交付税特会における借り入れ、そういうような措置あるいは地方債の増発ということで完全に補てんいたしまして、地方団体の財政運営に支障のないようにしたところでございます。しかし、いずれにしましても昭和五十年度以来国の財政と同様地方財政でもかなり深刻な危機の状況が続いております。したがいまして、行政改革あるいは行政の簡素、効率化ということは地方財政にとっても非常に重要なことでございまして、今後第二臨調におきます審議の過程におきましても、国の財政再建のみならず地方の財政再建のあり方、あるいはもう地方行財政は何と申しましても国の行財政と非常に絡んでおりますので、それの関連におきまして有益な意見が出るのではないか、かように考えております。しかし、いずれにしましても単に国の財政再建だけじゃなくて、やはり地方財政の再建ということも念頭に置いていただきたい、かように思っておる次第でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 今回その一兆三百億の中で千三百億しか——しかというのははちょっと変ですけれども、負担をしていない。この残りが約九千億円あるわけでございますけれども、これがいわゆる地方が借り入れをして返済を引き延ばしているというような形になるわけでございまして、完全なしわ寄せになるわけですね。本来であれば、国、地方、別々だからいいじゃないかということでございますけれども、実際最後のしりぬぐいというのは必ず国がやらなければ地方財政がもたないわけでございますから、そういう意味で年度ごとの目標というのをやはり設定をしていかなければいけないのじゃないかというふうに思うわけです。そういうことで自治省として、むしろ自治省自体の目標づくり、その財政の内容ごとに、地方自治体にそれぞれの割りつけをやっていかなければいけないと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

津田正自治省財政局財政課長

○津田説明員 一兆三百億の補てんの仕方としましては、いわゆる五十六年度で現金でもらう金と申しますのは、臨時地方特例交付金千三百億、若干端数がつきますが、そういうようなものであったわけでございます。いずれにしましても、その他の部分は交付税特会借り入れ、あるいは地方債の増発ということで、過去の借金が延ばされているという現実は否めないと思いますし、五十年度以来そういうものを累積してまいりますと、五十六年度末には交付税特会借り入れが大体八兆円弱、それから地方債残高が三十数兆、こういうような状況でございます。したがって、財政再建のためには単にその年々の収支の均衡のみならず、そういうような過去の累積した借金を解消できるような財政構造なり財政体質に改めていかなければならない。そのために行財政制度全般にわたって見直しをしていかなければならない、かように存じておるところでございます。  それで、先生御指摘のとおり、まず年度別にその再建計画というものを立てたらどうかということでございますが、しかし現実の問題としまして、この国の財政の動向あるいは行政のあり方ということに非常に絡んでまいりまして、もちろん地方団体の自主、自立性というものでの自主的な努力というものもまずあるわけでございますが、国の行財政制度に絡んだ問題としてなかなか御指摘のように具体的な再建計画というものも立てにくい現状でございます。しかし財政再建は非常に緊急な事態でございますので、私どもとしても努力してまいりたい、かように存じております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 たとえば地方公務員の給与が、異常に高いというのは言い方がおかしいですけれども、比較的国家公務員より高いという話が数年前から言われておりながら、人事院勧告には従って毎年定期昇給をなされる。定期昇給というか、要するに昇給がなされるということもありますけれども、実際のところ強制力というものがなかなかむずかしいわけですね。各自治体でそれぞれ決められる。しかしいわゆる官官格差というか、そういう格差もある。官民格差もある。ましてや退職金については異常な格差があるということが言われておりますけれども、各都道府県一斉にいまの厳しい財政状態の中でそれに取り組んでいるというところは非常に少ないわけですね。そのことを考えてみると、やはり自治省なりあるいは国の政府として一つの方式——方式というかパターン、モデルですね、それをつくって、それに当てはめていく。それは出ているところが悪いんだ、だからその中でもっと効率化を考えなさいというようなことをやはり考えていかなければいけないんじゃないか。特に人件費の査定の問題とかその辺について、前向きには取り組んでおられますけれども、なかなか進展度が遅いような気がするのですけれども、その辺について実際業務をやられまして国として本当に限界なのかどうか。というのは、地方自治等の問題がありますからね。その辺と、やはりいまの地方財政の悪化を救っていこうと思えば、どうしてもそこへ手をつけなければ収拾がつかないような気がするわけです。そういう観点からいまの現状をどういうふうにお考えになっているか。それから、これからどういうふうにやらなければいけないか、その辺お話しを願いたいと思います。

大塚金久自治省行政局公務員部給与課長

○大塚説明員 地方公務員の給与の水準につきましては、国家公務員を一〇〇とした場合の、一般行政職でございますが、いわゆるラスパイレス指数で見ますと、昭和四十九年四月一日現在におきまして一一〇・六の高さでございました。その後五十年以降地方公共団体で非常な適正化努力をいたしました結果、毎年前述のラスパイレス指数が低下しております。五十五年四月一日、一番新しい実態調査の結果でございますが、におきまして一〇六・九となっております。したがってこの間三・七ポイントの低下をしておるわけでございます。しかし私どもこの水準は依然として国家公務員の水準を全団体平均で六・九ポイント上回っておるという高さでございますし、また地方公共団体の中には国家公務員の水準を相当上回る団体もあるわけでございます。それは先生御指摘のとおりでございます。  それでこれらの団体につきまして、自治省といたしましてこれまでも給与改定時に給与改定の見送りとか、一号下位に切りかえるとか、昇給延伸をするなどによってその給与水準の適正化を図るということを指導してまいりました。それからあわせて、もともとそういう高い給与水準になるにつきましては構造的な原因があるものでございますから、そういう高い水準の原因となっている初任給基準の是正、それからいわゆるわたりと言われるような運用上の昇格制度の廃止、それから場合によっては運用による昇給期間の短縮等の制度、運用にわたる問題点がございます。これを改めるように強く指導してまいっておるところでございます。特に最近は、御指摘のとおり国、地方を通じまして行政改革、財政再建を叫ばれている今日でございますので、地方公務員の給与の適正化について非常に関心が高まっております。そういう現状を踏まえまして、昨年九月、その適正化の具体的な内容を個別に示しまして適正化の指導を特にしたところでございます。今後ともそういう給与水準を高める原因となるような制度、運用を国に準じた内容にするように強く指導を徹底してまいりたい、このように考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 かなり高いのが特に大都会にかたまっているようでございまして、そういう面で非常に効率のいいところほど高くなっているというような感じがするわけですね。そういういまの給与の話もございますけれども、やはり地方財政に手をつけるということが、先ほど申しましたように十四兆少しある補助金、これを見直すことになるのではないかというふうに考えるわけです。そこで、この十四兆数千億を直接国がやるよりも、むしろ各地方自治体が自分たちの府県あるいは市町村、その範囲においてある程度余裕を持って運用できる、そういうふうな統合された補助金というものに変えた方が整理がしやすいのではないか、そのように考える部分があるわけです。それと、たとえば十四兆数千億で一律カットするということになりますと、本当に必要なのと不必要なのとのアンバランスがますます生じてきて、必要なところに行かないで不必要なところも余り削られないというような形になるわけです。それよりも、たとえばいま一つのところに何千億という出資をしている、そういうのはないのですけれども、たとえば百億の補助金を出している。そうなれば、その補助金全部込みで百億。それをやはりある程度、百億を九十億に下げたい、一〇%下げたい、一〇%下げるというのは個々に見れば大変ですけれども、その中の優先度を考えてみて、あるいは運用の面から考えて一〇%の可能性が出てくるのではないか、そのように考えるわけです。ここに全国知事会臨時地方行財政基本問題研究会というところから出されました資料の中に整理すべき補助金の事例とかいろいろなのがあるわけでございまして、これが出されたのが五十三年十一月、もう二年以上経過をしているものでございます。全国知事会と言いますから、地方自治体の長がやっておられるわけでございまして、その実際に運用をやっているところでさえも整理すべきだ、あるいは余り効果がないというふうな分類をされているわけですね。こういうものを整理統合するということを早急にやらなければ、五十七年度の、要するに増税をやらないで、新税を設けないで財政の穴埋めをするということは大変むずかしいのではないかというふうに思うわけです。そういう面で、まず自治省として手の及ぶ範囲においてその補助金のあり方についてどのように考えておられるか、その辺をお聞きしたいと思うのです。

津田正自治省財政局財政課長

○津田説明員 補助金自体の問題は、実は自治省も若干の補助金は持っておりますが、しかし、その大部分は各省でございます。そういう意味で各省なりにそれぞれ考え方を持っておるかと思うわけでございますが、自治省といたしましては、その知事会の提言でもございますように、やはり地方自治の伸長、自主、自立性の向上、こういうような観点がもちろんあるべきでございます。それで当面補助金の整理の問題になっておるときに、私どもとしまして特にポイントとして考えておりますものは、やはり国、地方を通ずる行政の減量という行政改革の趣旨からいたしまして、現在国の補助金によって地方団体がやっている事務が、現在の社会経済情勢に果たして適合しているものかどうか、そういうような基本的な見直しを通じまして不要不急の事務あるいは現在の社会情勢の実態に適合しないような事務、そういうものは事務を廃止して、そしてその補助金も廃止する、こういう観点が第一かと思います。  さらにそのほか注目しなければならない点としましては、先生も御指摘のように国、地方との間におきまして補助手続の手間と申しますか、あるいはそれに張りついている職員というものはかなりおるわけでございます。そういうようなことで補助手続自体の簡素化あるいはさらに踏み込んで言えば補助金というものをやめて、むしろ一般財源の充実というような観点によって整理しまして、いわゆる国、地方間におきます事務処理の手間等を効率化する。そして事業自体が地域の実態に即したような効率的なものあるいは効果的なものというものがやれるように統合化、メニュー化というような観点で臨むべきじゃないか。もちろんその事務、補助手続の手間が実際使います事業よりもよけいかかるというような零細な補助金は徹底的な削減をすべきものだ、かように考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 いま非常に前向きの整理統合、そういう方向はあるのですけれども、今回行財政改革を五十七年度を短期的、そして後、中長期的にという中に本当に組み込んで、その際やはり補助金行政のあり方というものを見直していかなければならない、そういう時期だと思うのです。各省庁に補助金が分かれていますけれども、やはり運営をされたその結果について一番まとめられているのは自治省じゃないかというように思うわけです。そういう面から見て現在の行革推進の中に織り込んでいけないか。その辺についてはいかがでしょう。

津田正自治省財政局財政課長

○津田説明員 第二臨調の一つの大きなテーマとしまして補助金の整理、合理化ということが取り上げられよう、こういうふうに聞いておりますので、私どもそれなりに意見というものは申し上げてまいりたい、かように考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 やはり窓口といいますか財源の大蔵省に聞かなければいけないと思うのですけれども、現在各省庁間で非常に類似をしたいろいろな項目の補助金があるわけですね。そしていま話がありました統合・メニューの形でその中から選択をする、あるいはいろいろな項目を一本化して、要するに適用範囲をある程度広げていく、そういう方法もあるということでいろいろなメリットが出てくるのではないか。そして場合によってはいままで定常的に出ているならばひもつきにしなくて、地方の一般財源に繰り入れられるようなそういう方法に変えるべきだという話がかなり強く出されているわけです。こういうことを見ますと、特に五十七年度以降この四十四兆数千億という地方財政の見直しをするとともに、補助金についても当然大蔵省として手を加えられるということでございますから、そういう意味で五十七年度を頭に置いてまず短期的に手をつけられないか。長期的には各省のいろいろな調整がある、制度的には統一しなければいけないという問題があるかと思いますけれども、短期的に考えるならばどういう手があるか。というのは、十四兆という補助金が本当に減らせるのかという心配がありまして、それが頭にありまして、やはり将来必ずこういう方向に行かなければいけないんじゃないか。それは大蔵省が自治省なりあるいは行管庁と一緒になっていまの補助金の制度について深くタッチをしていかなければまず進まないのではないか、そのように考えるわけです。その辺についていかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 補助金の整理は、これもやらなければならない課題でございまして、その中でむだを省くためにまとめて交付税の中へ入れてやったらいいじゃないかという御意見もございます。ところが先ほど自治省からもお話があったように、本当に人件費なんというのはむだなんですね。大阪近辺に参りますと、みんな名も知らない——名も知らなくもないけれども余り有名でもないような市が、一二五から八ぐらい国家公務員よりも高い。一体どうしてこんな現象が起きるのか。ですから、まとめてやってみんなして役職員で分配ばかりされたのでは、せっかく国が血税を国民からちょうだいして預かったものを勝手に分けっこされたのでは、これまた困る。何とかそういうのには別なことを、ペナルティーかどうか知らぬが、何か一つ、そのかわりそんなに余裕があって人件費ばかり上げるのだったら、別なことで削減するとか何かうまい工夫はないものかと思っているのです、実際は。そこで良心的にやってくれるならば、われわれとしては一番いいのですが、乱用防止、どこでとめるかという問題を考えなければなりません。  それから一般の補助金でも零細補助金の整理はもちろんやるのでございますが、仮に一回百万円の補助金、零細だからといって一万カ所整理してみたって百億ですから、十四兆なんていったら顕微鏡で見るような話になっちゃいますよね、これは。金目にはならない、しかし断固やるということになると、やはり大口のもので節約をしてもらうほかないということになってくるわけです、実際は。大口というと、先ほども言ったように主要経費の中でも十四兆五千億のうちで社会保障、文教、科学技術、公共事業で約八割ですから、十一兆四千億あるわけですから、こういうものは全然触れないのだと言われても、それでは補助金でともかくある程度の節約を図るなんということは不可能に近いわけですね。しかもこれはほとんど法律事項でございまして、いま言った三つの関係で、十一兆四千億円のうち十兆四千億円、九一・二というのは法律補助なんですよ。ですからここらのところの兼ね合いをどうするか、これから中身をうんと詰めていかなければならない。したがって、いま具体的にどれとどれの補助金はどうだというようなことを申し上げるだけの準備は私はしてないのですが、国会が終わり次第早速これは取りかかっていかなければ、とても概算要求までに間に合わない、考え方をまとめなければならぬから。そういうわけであります。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 総論賛成、各論反対の方が、議員になれば大体気持ちもわかるのですけれども、本当を言うと窓口を一本化して陳情を一切受け付けないというぐらいのかたいとびらというか、囲いをつくっていただいて、その中へある程度閉じこもっていただいて思い切ってやるということが行政改革を進める上に当たって一番効果があるんじゃないか、そのように考えるわけです。そういう面で窓口として中曽根長官もおられますけれども、財政の面から大蔵大臣にぜひがんばっていただきたい、かように思うわけです。  現在の補助金が非常に複雑な手続といいますか、補助金を取るがために陳情なりあるいは説明なりいろいろなことをやりながら、それにかかる一件当たりの費用が膨大な費用である、これは予算委員会でもわが党の大内啓伍委員が質問して指摘をいたしましたけれども、補助金にかかる人件費、そういうものをできるだけ削減していくということも必要でございますし、またそのためにかかる手数を何としても取り除いていかなければいけないのではないか、そのように考えるわけです。前回、予算委員会で指摘された後、どのような改善を考えられておるか、あるいは手をつけられておるか、もしございましたらお聞かせいただきたいと思います。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 金額の面ではむしろふえておりまして、幾ら減ったということはございませんけれども、件数につきましては、あれは五十二年度末でございますか、一応件数を基準にいたしまして、その四分の一を整理するという補助金整理の計画をつくりまして着々実施をいたしております。五十五年度におきましても五十六年度におきましても、平均的な目標値よりは高いところで達成いたしておるという状況でございます。  先生御指摘のような補助金の問題につきまして、たとえば補助金整理といっても地方が八割というような状況でございまして、国と地方との関係というのは、よほどよく整理していきませんとなかなか歳出の圧縮はできないわけでございまして、これは国だけ地方だけということじゃなくて、両方にらみながら進めていきたいと考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 それでは、行革についてはこれで打ち切ります。  それでは電電関係のことについて政務次官にお聞きしますけれども、当初納付金問題が取り上げられましたときに、電話利用税というものを新設したいという郵政大臣のお話がありまして、それでも何か押し切られたのかどういう話がついたのか知りませんけれども納付金になったわけです。今回四年分割で納付をされるわけでございますけれども、考えようによっては利用税的な要素にもなっておるわけです。そういう面から、電話利用税についてその後郵政省がどのように考えておられるのか、その辺についてお聞きをしたいと思うのです。

渡辺紘三自由民主党郵政政務次官

○渡辺(紘)政府委員 お答えを申し上げます。  電話が社会基盤として国民生活に欠かせないものとなっている今日、大衆利用者の負担を重くするような電話利用税の新設が好ましいと考えているものではないわけでございます。そのような利用税が新設されることにつきましては、反対の立場でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 利用者に負担をかけないということは非常に結構でございます。  そこでいままでにお話が出たかと思いますけれども、納付金のある間は値上げをしないというふうに言明されております。いまの公社の決算のやり方、そういうものをいろいろ見ていきますと、本当に値上げをしないで済むのかなという心配があるわけでございますけれども、個々に内容は後でお聞きすることにして、本当に四年間値上げをしないでできるかどうか、その辺について政務次官と総裁にそれぞれお聞きをしたいと思います。

渡辺紘三自由民主党郵政政務次官

○渡辺(紘)政府委員 郵政省といたしましては、公社の経費節減等一層の経営努力によりましてこれらの負担増加を吸収することを期待をいたしており、これのみをもって直ちに料金に影響を与えるものではないと考えております。現行料金水準をできるだけ長く維持することが望ましいと考えております。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 お答えいたします。  値上げをせずに突っ張っていくということが当分われわれの経営の責任と心得ましていまいろんな施策を進めておりますが、従来ちょっとやったことのないようなこともやらざるを得ないかというふうに考えておりますので、その面につきましてはまた関係の方面にお願いして回るということがあり得ると思います。しかし値上げをしないという大前提で施策を進めていく覚悟でおります。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 従来やらなかったことというのはどういうことなんでしょうか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 経費節約という意味でそういうことをやればやれる可能性があるように思いますので、それを指しておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 電電公社というのは独立採算制で事業を行っているということで、よく聞きますのは、電電公社というのは国には何も負担をかけてないし、また余りお世話になってないというような話を聞きます。しかしまず独占企業である、国がもう最大の譲歩をして国民のためにやっていただいているということでありまして、まさに公社ということで国が最大の権限を委譲したということにもなると思います。  そこで公社にしたという性格から考えますと、普通の民間会社でありますと景気の情勢を見ながら次年度予算を組んで、その中で必ず剰余金を出すようにいろんな工夫をしていくわけでございますけれども、いままでの電電公社のやり方を見ておりますと、剰余金が出れば建設勘定と言われる部分に投資をされていくというそういうやり方をやっておられました。これでありますとどんどん設備投資が広がりまして、要するにその金額の範囲内でやられればいいのですけれども、新規投資をやりますと必ず金利がかさむ、金利がいま五千何百億という大変な数字なんですよ。五十六年度を見ても一兆七千七百億ですか、建設勘定という項目の中にいろんな投資をされる中身がありますけれども、いまの建設勘定の考え方を変えない限りどんどん電電公社の母体が広まっていく。本来であれば剰余金を積立金として資本金勘定の中へ入れなければいけない。資本金というのは固定資産でもいいわけですからどんどん新しい店舗を開設されるということにもなり、一部見た目には利用者が非常に便利になるということでございますけれども、利用者は別に電話局へ行って電話をかけるわけじゃない。だからある地域に能力さえあれば十分サービスができるわけですから、そういう面で考えて、余り設備拡充ばかり考えていったのではこれからの電電公社は大変経営上苦しくなるのではないか。だからいまの資本金に積み立てをされております剰余金の考え方を変えない限りいまの納付金問題についてもまた出てくる可能性もございますし、また逆に言えばこれが消費者にはね返って、赤字を穴埋めするために、剰余金を出すために値上げをしなければならない、そういう心配があるわけです。それについてはどのようにお考えになりますか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 いままでは電話の拡充ということを最大の目標にやってまいりましたので、局の数あるいは局内の設備それから配線関係の拡充をしなければなりませんでしたのでああいう姿になったのはやむを得ないと私も了解いたしております。今後は、設備投資の方向が、電話の増加が飽和点に達してきつつありますので、これから急速に出てくる非電話サービスに対応する設備投資ということに主力を注がざるを得ないのでございますが、これは主に局内の設備の古いもので非電話サービスにたえる能力のない機器を非電話サービスにたえる機器に入れかえることに投資の主力が向くというふうに質的な変革を五十七年度から意識的にやらざるを得ないと思っております。いま御説の、全体の投資の金額をいかに少なくて有効にするかということにつきましていま社内においていろいろ真剣な討議をしているところでございまして、いままでの拡張一本の方向から大きく考え方も変えていく必要があるのは確かでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 政務次官にお聞きしますけれども、現在収支状況がいいということで電電公社の納付金に目をつけられまして——戦前に戦費調達という意味で納付金を課されたこともありますけれども、いわゆる戦費調達ですからそれ以降消えてしまっている。今回新たに出てきた。逆に言えばいままで何で電電公社に納付金がなかったのかという話と、それから、じゃ、いま黒字だから目をつけられた、赤字だったらどうするんだ。たとえばこの四年間というふうに分割をされておりますけれども、これは赤字でも黒字でも取るのか。これはどちらかというと大蔵大臣に聞いた方がいいのかなと思いますけれども、郵政の立場でお答えを願いたいと思います。

二木實郵政省電気通信政策局次長

○二木説明員 お答えいたします。  電電公社法ができましたときに政府原案では納付金の規定が盛られてあったわけでございますが、衆議院、参議院それぞれ修正がございまして、両院協議会でその規定が落ちて現在に至ってきたわけでございます。その落ちた当時の事情は電話の積滞等がたくさんございまして、公社の自主的な経営を維持するというようなところから両院で規定が落とされたというふうに認識しているわけでございますが、電電公社の経営も積滞がなくなりまた自動化率も完了したわけでございます。一方その間に国の財政が非常な危機に直面しているわけでございまして、このほど公社のいままでの経営努力あるいは技術革新によって得た財務力に着目いたしまして四千八百億円の納付金を四年間で納付するということになったわけでございます。  この期間を四年といたしましたのは、公社の資金調達力やあるいは国の財源の安定的確保という観点から四年になったわけでございまして、その支出は、支出に直接に影響のない資本勘定から支出するということになっております。したがいまして、今後の事業収支のいかんによってこれを変更するという性質のものでないと考えておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 現在確かに剰余金が出ている状態でございますけれども、最近の収入の伸び、やはりいろいろな経済活動との絡みもあると思いますし、また、たとえば収益幅についても五十五年度を見ると若干落ちているような、落ちるというか、まあともかく中身というか収益が今後そんなによくならないのではないかなという気がするわけです。それで、その中にたとえばいま拡充法によって電話の新規加入をされますと債券を買われます。それによる収入がございましてそれが大体二千六百数十億円である。     〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 これは聞くところによりますと、五十八年の三月に期限切れになる。いままで再三引き延ばしてこられましたけれども、新規加入というのは確かに減ってきておりますし、そういう面から考えて今回多分継続はむずかしいんじゃないかという見通しが立つわけです。  そういうふうに考えますと、いま損益勘定だけじゃなくて資本金勘定の中で二千六百億ぐらいの収入があるわけですけれども、それがなくなる。そして一方では納付金が上乗せされる。五十八年以降はもろにきいてくるわけです。二千六百億はなくなりさらに納付金が乗っかっているということで、三千九百億円ばかりが非常に落ち込みというかそういうことが考えられる。剰余金九百数十億ということで予算計上されておりますけれども、これがもしそのままスライドしていくとして、中の経費はふくらんでいく一方であるということを考えた場合、あるいはいまの債券の利子負担というものが五千数百億、建設のためにまたやられるということであれば、年々、場合によっては一千億ぐらいずつふくらんでいくという可能性もあるわけでございまして、少なくとも五十八年、五十九年についてはまず赤字基調ではないかというふうに思うわけです。そうなった場合に公社としてもその時期に合わせた合理化計画というのを考えていかなければなりませんし、短期的には今年度どうするんだという話も考えていかなければいけない。一つは合理化計画というものを中長期あるいは短期、年度ごと、それぞれかなり思い切って考えておられるかどうかという話と、それから、たとえばその合理化計画がより以上に進行しまして利益が出ましたという話になった場合にどういうふうに評価をされるか。  と言いますのは、確かに機転のきいた非常にいい合理化案であったということも言えますし、思っていた以上に職員の方々が努力をされて達成度が上がったという話もある。それで私が心配するのは、まだ黒字がさらにふえるからもっと取ろうとなったときに、全部そちらの方に取られて職員の方への還元というのが本当になくなるのじゃないかという心配があるわけです。労働分配率もありますけれども、やはりある程度の配分を考えていかなければいけないし、合理化努力というものに対する報償ということも考えていかなければいけないのじゃないかというふうに思うわけです。その点はいかがでしょうか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 いまおっしゃったような傾向がございますので、さっき申しましたように、いままでやってきておったやり方の範囲ではぐあいが悪いということでございます。そのために、いまおっしゃるような趣旨に沿うために、いままでやっていないことをやらなければならぬ。それにはどうしても関係の方の御了解、御援助が必要だということをお願いしているわけでございます。さっき申しましたように、これから先の設備投資というものは方向が変わりますし、それと、これから先の電電の収入の伸びといいますものは、既存の電話の通話料がふえるということと、それからもう一つは新しい情報産業による回線の利用度を上げるということでございます。現在の公衆法では回線の利用についてとかくまだ不十分で——ございませんので、この点をいま郵政省と御相談して、民間の方でもっと幅広く自由に回線を使ってもらって、そしてそれによる増収を図るというふうなことを緊急にお願いしておる次第でございます。  それと、もし幸いにしてそういう努力が実り、またそういう増収が来まして収支差額に余裕ができました場合には、やはり第一義的には、現在私どもの料金体系が長距離が非常に高くて短距離は割安だという昔のシステムがまだ残っておりますので、この辺の料金体系の合理化にまず手をつけて、収支差額の黒字があるものはできるだけ加入者の方に料金を下げることによって還元するということに考えなければいかぬと思います。もちろんそこに到達いたしますためには、従業員の技術的な知恵の力と勤労意欲というものを期待して初めてできることでございますので、その辺につきましても、実現するためにはまたいろいろ考えなければならぬ点が多々出てくるというふうに覚悟いたしております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 合理化の中身の評価といいますか、同じような話が逆に赤字の場合でも言えると思うのです。国鉄がいま約一兆円の赤字を出しているという話がある。これはもう年々、言っている間にもふえていきますけれども、まず一兆円という金額が普通の職員にとって膨大な数字であって、自分一人動いたってそう変わらないのじゃないかという気持ちが非常に強い。それと、その赤字の責任という面から見まして、国が持つべき分と国鉄が本当に責任を持って処理しなければいけない分というふうにあるわけです。そういうふうに分けて考えますと、一兆円まるまるということはまずあり得ない、場合によっては半分くらいになるのではないかなというふうな気がするわけです。そういうことを明確にしておかないと、もうかっていないのに一生懸命給料をその分上げるためにかせがなければいけないということになりますし、かせぐにしてもお客が逃げるというような悪循環を繰り返しておるわけでございますけれども、その一つの例として、公的年金、いわゆる共済制度でございます。これが三公社ともにほかと若干差があるということがちゃんと明確になっておりまして、たとえば国家公務員共済を見てみますと、総財源の一五%が国庫負担である。そして、厚生年金を見ますと給付費の二〇%が国庫負担である。地方公務員は地方が持っているということでございますけれども、まあほとんど二〇%から一五%が国庫負担である。ところが、国鉄、専売、そして電電と三公社につきましては国庫負担がなくて公社負担であるということが法律上決められております。それを見ますと公社負担、もうかっているから多分当初はそういうふうにされたんだと思うのですね。国の財源が苦しい、何とかそこで賄ってほしいというようなことだと思いますけれども、いま国鉄の例を見ても一兆円になってしまった。その中には当然人件費として共済年金の負担額が入っているということにもなります。こういうことを考えますと、いまの年金制度について責任を明確にするという面からやはり国庫負担にすべきではないかというふうに考えるわけです。  ともかくもうかったら取る、じゃ持つべきものは持ってくれ、そういうことを公社としては言いたいのじゃないかなというふうに思います。国鉄部長さんに……。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 いまおっしゃいましたように昭和五十四年度までは八千億程度の赤字でございましたが、昭和五十五年度になりまして一兆を超える赤字を出しました。非常に危機的な財政状況でございまして、先般、国鉄再建特措法を通させていただきまして、そして国鉄として最後のチャンスということで減量化あるいは経営の重点化ということで非常にその合理化に努めておるわけでございますが、その下敷きになりました昭和五十五年度の閣議了解におきましても、いま先生おっしゃいますように国鉄の合理化を求めるとともに構造的な問題というものにつきましてやはり国としてもいろいろな手だてをやっていく、こういうことでございます。  いま共済関係につきまして、約一六%につきまして公社が負担しておりますが、これをむしろ国ということに考えたらどうかというお話でございますが、これはまあ共済全般といいますか三公社全般の話でございます。いわゆる社会保険制度におきます保険料というのは、事業主と被用者が負担するということになっておるわけでございますが、やはり社会保険制度の成熟度の状態とかあるいは被保険者の所得水準あるいは保険給付の水準等を考えまして、そして、社会保険制度を推進する上から国等の公経済の主体が一応国部分を持つ、こういう考え方でいっておるわけでございまして、国鉄の場合も三公社の一つとして、本来公経済の主体として国に準ずるものとしての従来の沿革あるいは企業態様等々から見まして、国と同様に国鉄がその国部分とされる一六%部分について負担すべきもの、そういうふうに考えられておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 ちょっと続きは後にしまして、真藤総裁に一言だけ。  いま公社も国であるというような話でございますけれども、そういう意味から考えて赤字の幅あるいは黒字の幅、それぞれの中身を明確にしていかなければいけないと思うのですね。そうでなければもう本当に責任があいまいになってしまうということでございますから。これから後時間をかけてもう一回がっとやりますので——もう何か時間が来ているようでありますから、ぜひいまの国が負担すべきものをまだ持っていないんだ、そういう認識できょうはお帰り願いたいと思います。  それではいまの続きに入ります。公社が国であるということであれば、では国鉄へお金を出すのにそう一々とんがらなくてもいいのじゃないかというふうな気がするわけです、同じ国の中でやりとりをしているんだから。そういうことになるわけでございますけれども、そういうことになりますと、もうかってももうからなくてもいいじゃないかということにつながってくるのじゃないか、非常にそういう心配をするわけです。だから、責任を明らかにするということで、同じ出すのなら国が持てばいいじゃないかということなのです。というのは、ほかの企業というかほかの団体でいろいろな保険がありますが、それとの比較を見ても非常に不公平であるということなんです。その辺から考えてみて、やはりこれから本当に平等な道を進んでいく、そして責任を明らかにしていくという面を考えたら、国庫負担というものを考えなければいけないと思います。それはいまの財政で持てというのは非常に厳しい話ですからあれですけれども、持てない間はせめてその金額を表示するということをやはり考えなければいけないと思います。決算書をいろいろ調べてみたら、共済年金の負担が幾らになっているのか全然載ってないのですよ。そういうことでは、何もかも込みで赤字だ、みんな職員が悪いんだ、やり方が悪いんだという話にしかつながらないわけです。本当に職員の悪いのはどの部分だということを明確にしていかなければ、やはり責める方もやりにくいし責められる方も耐えられない。私、両方やってますからそういう言い方になりますけれども、本当にそうだと思うのです。そういう意味でぜひ考えてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

永光洋一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○永光政府委員 いま先生から年金のお話がございましたが、国鉄の経営成績を分析します場合にいろいろの見方があるかと思います。昭和五十四年度の日本国有鉄道の監査報告書におきましても、退職手当あるいは年金負担につきまして、これはある意味では戦後の復員とかそういうようないろいろな事情がございまして、人的構成にある意味ではゆがみがございまして、それが現在大量の退職時期を迎えているわけでございます。これは確かに国鉄経営上いかんともしがたい面がございますので、その点を一定の手法に基づきまして、たとえば退職につきましては異常な、いわゆる平均的な退職人員を上回るような退職者に対する退職手当あるいは年金につきましては三公社なり国共の平均成熟度を上回るようなそういう部分の年金の手当、こういうものを、いわゆる異常な損失のものを別掲した試算をやっておりました。これはあくまでも一つの経営の分析というか手法の一つの考え方として行われたものでありますけれども、そういう考え方が報告書で言われておりまして、先生いまおっしゃったような考え方と共通のものじゃないか、こういうふうに考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 電電公社の方に、総務理事さん、同じような話なんですけれども、現在は確かに黒字基調で来ている、ところが四十九年、五十年みたいに急激に落ち込むこともあるわけですね。それから、いま申し上げましたように新規需要がなくなってくると、いまのいわゆる売り上げの中でいかに黒字を確保していくかということになってくるわけです。そうなりますと、いまの一五%相当分というのはかなりの金額になると思いますけれども、それが込みにされているのがやはり問題になるのではないか。そういうことと、納付金はいつまで続くかわかりませんけれども、一応四年と言われていますね、そういうことを考えてやはり十分な対応というものを考えていかなければいけない。本当にもうかる体質というか、本当にいまそういう形になっているのであれば、逆に利用者還元ということも考えてもらわなければならない、そのように思うわけです。そういう面で考えていまの決算といいますか経理の締め方あるいは経営計画の立て方、それぞれを見てこれからの取り組み方についてお考えがあればお伺いをいたしたいと思います。

小川晃日本電信電話公社総務理事

○小川説明員 お答えいたします。  確かに先生御指摘のとおり今後の収支状況を見てまいりますと、まず納付金は資本勘定で賄っていく、支払っていくということでございますが、そのために大変な資金調達問題が大きな課題になろうかと思います。  収支の方は極力増収に努力をするということで私どももやってまいりたいというふうに思いますが、一時のように一〇%を超えるような増収というものは期待できませんで、せいぜい四、五%というのが毎年の伸びであろう。支出はどうしてもそれ以上に伸びやすい傾向にございますので、どうしても相当の合理化努力をしていかなければ対応がむずかしいのではないか。特に五十七年度に拡充法が切れますと、先ほど先生がおっしゃったように二千六百億程度の金を自前で調達しなければならない。そういったことになりますと、昭和四十七年から九年ぐらいまで三百万以上の電話の架設をしておりまして、これの償還がどっと出てまいりますので、六千億を超える債務償還もくるというようなこと、これの資金調達が目の子算でも恐らく一兆円を超える調達を自前で、しかもこの分をやらなければならないというようなことがございまして、そういった事態を考えますと、私どもとしては何をさておきましてもやはり資金調達というものについてその多様化を極力図りまして、五十八年以降の非常にむずかしい時期を何としても乗り切っていかなければならないだろうというふうに考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 余り時間もありませんので、最後に大蔵大臣に一言と郵政省に一言。  今回電電の場合には四年分割ということでございまして、そのほかは今年度一年限りという剰余金の納付ということになっておりますけれども、現在の財政状態を考えてみて本当に今回限りで済むのかなという心配があるわけです。その辺について渡辺大蔵大臣の取り組み姿勢を言明していただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 納付金は臨時特例のものでございますから、それ以上ちょうだいしなくてもいいようにしなければならない。電電公社の方につきましても一層生産性を高めてもらいまして国民の期待にこたえていただきたい。われわれはそれについて何らか協力できるところがあれば今後とも協力してまいりたいと思っております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 特例法であるからこれ一回限りであるということでよろしいですね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 この法律は臨時特例のための法律でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 法律の問題じゃなくて、この事例について言っているわけでございまして、この事例については一回限りかどうか、お答え願いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 目下今回だけというように考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 郵政省に、政務次官にお聞きしますけれども、これは四年分割というか、四年にわたって納められる。考え方によっては四年もするとある程度定着するのではないかなという心配があるわけですね、意識として。そうなりますと、先ほど言われた電話利用税につながっていくのではないかな、要するにもう枠として確保できた、あとは制度の問題であるという心配がありますけれども、それについてはいかがでしょうか。

渡辺紘三自由民主党郵政政務次官

○渡辺(紘)政府委員 お答えを申し上げます。  先ほどからいろいろ、先生方のお話しのとおりでございますが、何といいましても、いわゆる剰余金というものは加入者に還元をすべき性質のものだと私は確信をいたしております。しかしながら、今回まさに国の財政再建は喫緊の課題でもあります。そういったことで、今回限りということでぜひお願いを申し上げたい、このように考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 終わります。

大原一三自由民主党

○大原(一)委員長代理 蓑輪幸代君。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 いま審議しております法案は財政再建問題と密接不可分でございまして、非常に重要な関係がございますので、この点についてお尋ねをしていきたいと思います。  最初に財政再建の方法についてということですけれども、一体何によって進めるのかということ、この方法の問題について改めて簡潔にお願いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 財政再建の方法につきましては、まず経費の節減、合理化、これが一つでございます。それによってできる場合はそれだけでもいいわけでございまして、それによってできなかったから昭和五十六年度においてはその財源の確保ということを並行して併用したわけでございます。五十七年以降については、先々まではわかりませんが、さしずめ五十七年度予算に向かいましては大型増税を念頭になく予算の編成に当たるということで、その中で要するに五十九年までに特例公債を消化していく、こういう考えでございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 まず経費の節減、歳出の削減と申しましょうかそういうことで、あわせて五十七年度について大型間接税は導入をしないというお約束でございますけれども、五十八年度以降についてはどうなるのかということもやはりどうしても心配になるわけですね。五十九年度までに特例公債をなくしようということで五十九年あるいは六十年、先のことをずっと考えながら財政再建というものを考えているわけですから、五十八年度のことは先のことだからわからないというようなことではちょっとぐあいが悪かろうというふうに思うのです。  そこで五十七年度大型間接税導入というのはしないということですけれども、私は五十八年度以降もこういう大型間接税の導入というのはやらないということをこの際大蔵大臣はっきり言っていただいた方がいいんじゃないかと思いますけれども、その点いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私といたしましてはしたくないのでございます。問題は、要するに赤字国債から脱却をして健全財政に持っていかなければなりません。一方増大する経費がございますから、その経費は極力抑えますが、抑えましてもなかなか抑え切れないのがあるわけですよ。老人の数がふえるとか、そういうものは抑えようがない。これはある意味ではありがたい話です。しかし一方では大変な費用がかかる。したがって、それ相応に何らかの形で国民は負担をしなければなりません。ですから、将来にわたっても負担の増加は一切ないんだということまで私はここで断言できません。ただ大型間接税というものはとるかとらないか、それはそのときの国民のコンセンサスの問題でございまして、やはり何で財源をつくるか。歳出に充てるために財源をつくるのでございます。財源のために財源をつくるわけではないのでございまして、どちらを優先するかという問題はそのときの国民の判断、つまり国民の代表である国会の判断によるということに最終的にはなろうかと思います。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 ぜひ、したくないとおっしゃるわけですから、その方向での努力をお願いしたいわけですけれども、大蔵省が歳出百科とかあるいは財政再建パンフレットをおつくりになりましたし、大分宣伝されたわけです。その中で再建へのぎりぎりの選択というようなことで、一つは社会保障、教育、公共事業などの公共サービスの水準について相当の引き下げを行う。二つ目には公共サービスを維持充実するために必要な負担の引き上げを行う。三つ目に公共サービス水準の引き下げと負担の引き上げの組み合わせということで、この三つの選択肢を出されまして、国民の審判を仰ぐ、判断を仰ぐというようなことをおっしゃっておられるわけですけれども、いまの大蔵大臣のお考えはこの三つの選択肢との関連でいくとどういうことになりますでしょうか。     〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 毎回予算を組むときいつでもこの三つの選択だと私は思います。どの程度の組み合わせをするか、それはそのときどきの判断によるわけでございますから、たとえて申しますと、厚生年金という問題で、六十歳支給というようなことで、仮に給付水準が上がっていくのにかかわらず保険料を上げないということになれば、いま四十五くらいの人は自分がもらうときには積立金は全然ございませんということになってしまうわけでございまして、こういうようなものも給付と負担との関係でございますから、どういうふうにするか、この三つの選択の中で現実問題として常に判断していくというしかないのじゃないか、そう私は考えております。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 三つの選択なわけですけれども、結果的には公共サービス水準の引き下げと負担の引き上げ、両方ともが押しつけられてくる。国民にとってみれば公共サービスの水準は下がるは負担はふえるはというようなことで、生活の上でも非常に大変になってくるという認識になっているわけです。それは財政再建のときだから何とか国民に協力してほしいというように言われる向きもあるかと思いますけれども、五十七年度に向けて考えていく場合に、主として歳出削減、そしてその中で公共サービス切り捨てという方向にウエートがかかってくるのではないかというふうにも受けとめられるように思うのですが、その点はいかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 切り捨て、切り捨てとおっしゃいますが、切り捨ては目的じゃないわけです。要するに限りある財源の中でどういうふうに配分するかという問題でございますから、財源がこれだけしかとれない、これだけしか上がらないということになりますと、その中で優先的に、要するにいままで当然税金で払うべきものを借金で賄ってきた部分がございますから、そういう部分はだんだん固有の収入の中で賄っていくようにしよう、こういうことなのです。したがって、その枠の中に入るように、むだなものから、むだというのは余りないと思うのですけれども、しかし、豊かなときにはそれでもいいが、こういう時代だからそれは自前でいいじゃないか。国が何もそれに補助金をつけなくていいじゃないかというようなもの、あるいは補助率を低めたっていいじゃないかという国民のコンセンサスを得られるようなものから、それは少しずつ減らしていくということのほかに方法はなかなかないのじゃないか。ありましたら幾らでもお知恵を拝借させてもらいたいと思います。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 私どもは公共サービスの切り捨て、福祉の切り捨てということにつながるのではないかと非常に心配をしているわけです。この点に関して総理大臣も、福祉については一定の考慮をするというような答弁もしておられますわけで、大蔵省としても、この総理の発言を受けて、福祉について一定の考慮を払っていくという姿勢があってもしかるべきだと思うのです。その点はいかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 当然に私どもは限りある財源の中でめりはりのついた社会保障を実現していかなければならない、そういうわけです。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 めりはりという言葉は非常に抽象的でございまして、特に福祉に重点を置く、あるいはそこに特別の配慮をするというような中身がないと、一般的にめりはりと言ってみても、結果から見て、大臣はこれがめりはりだと言われるし、国民から見てそれはめりはりじゃないということにもなりかねませんので、その点で福祉についての配慮をするというめりはりが欲しいと思うのですが、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 福祉についても配慮をいたしますが、福祉の悪乗りというようなものは排除していかなければならない、こう思っております。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 悪乗りという言葉がございましたけれども、私どもがいま福祉と申し上げているのは、本当に国民の生活、それから豊かな社会ということを目指してこれまでやられてきた真の福祉を意味しているわけでございます。特にいろんな報道なんかを見ますと、歳出削減について聖域をつくらないことを基本方針としているというようなふうに言われているわけですけれども、結局福祉が切り捨てられていくのじゃないか。教育も削られるのじゃないかという心配がますます大きくなってきているわけです。  総理の所見では、たとえば身体障害者などに対する福祉等について十分な配慮をする、そういう気持ちで財政再建にも取り組んでいくというふうに言われましたし、参議院での答弁ですが、園田厚生大臣も、社会保障が占める所得再分配の要素は非常に大きなもので、世の中がつらくなればつらくなるほどこれは政治的に大きな問題ですから、財政当局の御理解とさらに一層の御奮発を期待するというふうな答弁があるわけです。財政当局を預かっておられる大蔵大臣が、この総理や厚生大臣の福祉に関する発言を踏まえて、もう一度だけ御回答いただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私も基本的には一つも変わってないのです。同じなんです。同じなんですが、ただ、社会保障の予算、福祉の予算というのは、ともかくふえればふえるだけいいというものじゃないということを私は言っているのでありまして、例示的に申しますと、たとえば社会保障費につきましても、本当にお困りの方に社会保障費を充実してやるということは結構なことだ、できるだけ配慮したい、しかしながら、暴力団が社会保障費をもらっていつまでもごろごろしているというようなものは認めるわけにはいきませんよ。社会保障なんだからもらっている。職がないんだ、それで自分は外車を乗り回しているというようなことを放置することはできません。これを言っているわけです。  医療費の問題についても、医療費がふえることはある程度やむを得ないけれども、監査、審査がうまくいかない。ほとんど無監査状態だということをいいことにして、お客を来たことにしたり、安い薬を高い薬を使ったことにしたり、そういうようなこととか、何かきょうの新聞を見ていると、五歳か六歳の子供に一日に五十本ずつ注射を打って、一カ月一千何十万とか書いてありましたが、そういうことが本当に正常な医療なのかどうか私はわからない。専門家でないからわからないが、そういうことをみんながまねしてやるようになったら、それは幾ら保険料を値上げしても、国庫補助を上げたって追いついていけない。したがって、そういうようなものについては、ただかかったから幾らでも負担しますというわけにはまいりませんということを言っているのであって、蓑輪さんのおっしゃる真の社会保障は私は配慮いたします。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 おっしゃる、そういう極端な例につきましてはごもっともな向きもあると思うのですけれども、内容的に、本当に国民の声を聞きつつ福祉についての十分な配慮をお願いしたいと思います。  そして、当面する財政再建に向けて、補助金整理というふうに一言で言われる傾向があるわけです。補助金整理ということに関して、たとえば点数制などを設けてということも言われているわけですけれども、これは一体どんなもので、どんなことを考えておられるのか、ちょっとその点数制ということがわかりかねますので、お話をいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 大蔵大臣もわからないのですから、わからなくても何ら差し支えないと思います。私もわかりません。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 わからないとおっしゃるのですけれども、新聞報道によれば、「重要度に応じ10ランク」ということで、ちゃんと新聞に出ているわけですね。これはやはり大蔵省、何にも知らないというふうに言われるのかどうか、そのことを含めてちょっと……。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 この新聞によると、これは「廃止することを検討し始めた。同省首脳が一日明らか」——首脳ってだれですかね。私は実際は明らかにした覚えはないのですがね。ですから、私が首脳というのに当たるかどうかわかりませんが……。ちょっと答弁してくれ。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 補助金の削減につきましては、私どもも真剣に取り組まなければならないというふうに思っておりますが、新聞に載っております点数制というのは、全くの推測記事でございまして、事務当局である私どもも承知しておりません。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 全く点数制なるものについて検討されていないというふうに伺ってよろしいのでしょうか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 点数制というような補助金削減の具体的方針というものを決定しているというようなことは全くございません。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 じゃ、点数制という言葉ではなくても、これに類するようなものを考えておられますか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 いま一生懸命検討しているところでございまして、まだ具体化するには至っておりません。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 この点数制というものではないにしても、一定の基準を設けて——過去にもこういうランクを設けて検討されたことがあるやに報道されているわけですけれども、点数制という形でないにしても、一定のランクを設けてというようなことは考えられていないのでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 それは国会の議論を聞きますと、補助金の整理はやれ、こうみんな言うのですよ、むだな補助金をなくせと。そうかといって一律カットはいけませんよ、こう言うのですよ。(「めりはりだな」と呼ぶ者あり)めりはりをつけろ、こう言うわけですよ。そのめりはりというのは点数か何か知りませんが、これは大事な補助金とか、これはもう目的を果たした補助金とか、これはもう半分でいいじゃないかとかというように何らかの政策がなければ、もう大事も大事でないも関係なく、ただ一律というのはけしからぬということになりますと、大蔵大臣としてこれでは何をやっていいかわからなくなってしまうのですね。そういうような点で、どちらがいいのか、やはり政策の重さ、軽さ、真ん中ごろぐらいなものも考えた方がいいのか。いずれにいたしましても、そういう一切のことを含めて、実行のしやすくて、しかも効果があって、世間が見て、まあ仕方ないだろうなと思うような方法は何が一番いいかということをいま研究をしておるわけでございまして、点数とかどうとかいうことまで進んでおりません。それは本当のことです。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 「補助金を重要度に応じて十ランク程度に区分し、点数の低いものを削減幅を大きくする案が有力。」で、「大蔵省では「法律で決められている補助金は他の補助金に比べて一般的には点数が高くなる」としている」ということで、非常に具体的に新聞報道があるわけですけれども、こういう形で点数制なるものが今後は検討されて、来年度の補助金削減に向けて一つの基準になる可能性みたいなものは残されているということなんでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これは、一々新聞に出たことまで私が責任追及されましても、実際責任は持てないのですよ。これは首脳によればというんだから、首脳というのは、私も首脳じゃないかと思っているんですがね。  そうすると、もう首脳の近くのところにいる人もそこにいるんだけれども、そこから下の方も知らぬということになりますと、実はそれは個人的なお話があるいはあったかどうか知りませんが、実際組織としてどうだという話までなっていない。これはもううそでも何でもないことですから……(蓑輪委員「今後のことを聞いているのです」と呼ぶ)今後ですか。今後は検討してみなければわからぬわけでありますから、いま私は、これは絶対にだめだとかどうとかというんじゃなくて、先ほど私が言ったような思想で、それは、一律がいいか、目的を果たしたのだからこれはもうやめたらいいとか、そういうふうなことも当然じゃないでしょうかね。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 重要度というのが当然あると思うので、私は福祉、文教を重要視してほしいということでお願いしているわけですが、特に、軍事費の問題についてどういう扱いにするのかということが非常に疑問になるわけです。当然この軍事費についても同様に厳しく見直していく、削るべきだというふうに私は思うのですけれども、大臣はどうお考えでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 防衛費の問題につきましても、これはやはり中身を見まして、もういまさらこんなものは買わなくてもいいとか、それからもうこういう旧式なものはだめとか、むだになるようなことはいかぬとか、その中身は当然に厳しい査定をしていきたい。むだになるようなことはなくさなければいけません。  しかし、軍事費を全面的に削減するかどうか。共産党のように、七千億円だったか、軍事費削減とかという、はっきりしてしまえばそれは一番簡単かもしれませんが、しかしそれは、党が違い、選挙公約が違うわけです。だから、軍事費にも厳しくなにはしますが、いまから、軍事費はいまよりも低くしてしまうんだというようなことを断言するわけにはまいらないのであって、その中身について点検をさせて、それは聖域ではございませんということを申し上げるわけです。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 私はその軍事費について、特にF15とかあるいはP3C対潜哨戒機とかいうような正面装備の問題について、ぜひ削っていくべきだというふうに考えますけれども、実際、アメリカの要請とか財界の意向によってどんどんと増大しているという傾向があるわけですね。そして、先日の伊東・ワインバーガー会談での防空能力や対潜能力の強化要請ということがあったわけで、そんなようなことを初めとして一層の強化というものが要請されてきているという状況の中で、この軍事費問題をどう見ていくのかということ。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 防衛力の充実の問題につきましては、これは非常に政治的な高度な問題でございまして、世界の認識、どういうふうに戦略的な見方をとるのか、世界の情勢をどういうふうに見るのか、そういうような根本的な判断が違いますと、結果がまるきり違うことがございます。  われわれといたしましては、これは外務省、それからもちろん総理を中心にいたしまして関係閣僚間で、非常に慎重に、真剣に考えていかなければならない問題である、こういうように考えております。したがって、防衛費を伸ばすということも、またそれを大幅に減らすということもいまのところ考えておりませんが、中身については厳しく査定をしていくつもりである。決してこれはアメリカの要請によってやるものでなくて、自分たちの国は自分たちが守らなければならない問題でございますから、それはそういう観点に立って私は配慮してまいりたいと考えております。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 五十六年度の予算編成に当たってもこの軍事費の別枠問題というのはいろいろ議論になりましたけれども、特に五十七年度に向けての予算編成の中で、現在のいろいろな状況の中で一層軍事費増額に拍車がかかるのではないかというふうに心配されているわけです。やはり軍事費の伸びを別枠で考えるというような考え方はこの際きっぱりと捨てて、来年度の予算編成に向けてもこの別枠扱いをやめるという姿勢を明らかにしていただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これもいろいろな、非常に高度の問題でございますから、私としては、防衛費の内容については聖域ではございませんということを申し上げておきます。  どういうふうなシーリングにするかは、今後検討結果を待った上で各省庁に示したいと思っておりますので、目下既定方針はございません。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 ことしの予算の中で、軍事費の伸びが福祉の伸びを上回ったということが戦後初めてだということですけれども、現在そういう状況の中で第二臨調が発足して、行政改革問題が論議されているわけです。  先日、第二臨調が発足した三月十六日に、その第二臨調に合わせて財界の行政改革推進五人委員会というものができて、そこで「臨時行政調査会に期待する」という声明が発表されたわけですけれども、その際、日向方斉関経連会長は、「財政合理化に際しても防衛力充実には最優先の配慮を」というふうに述べたと伝えられております。財界がこういう臨調の応援団をつくり、そしてその臨調の中で行革問題が論じられる際、軍事費だけが特別な配慮をされなければならないというふうにハッパをかけているというふうに私は受け取ったわけです。こういうことだとますます国民の不安は増大するばかりですけれども、大臣はこのことについていかがお考えでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私は日向さんがどういうことをおっしゃったか存じませんが、いずれにしても非常に厳しい財政事情の中でございますから、防衛力の問題についても、中身については厳しく査定をし、真に必要なものを優先的に考えていくというつもりでございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 そうはおっしゃっても、今年度の予算について実質九・七%の増ということをアメリカとの間で約束したと言われ、それに対応して燃料費などを含めて増額させるために九月に補正予算を組む、そしてその方針はすでにアメリカにも伝えてあるというふうなことが報道されたりしておりますけれども、大蔵大臣、こういうことは御存じでいらっしゃいましょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これも新聞で見ただけでありまして、財政の責任者である私は存じませんから、内閣の方針であるとは思っておりません。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 それにしても、五十六年度の予算を組むに当たって防衛庁が当初八百三十三億円を概算要求していたのが五百三十九億円の査定でとどまった。それについて、最初八百三十三億円必要だとして要求をしたわけですけれども、後から説明された、五%節減のこと、さらに、当初の見込みよりも三割弱の値上がりにとどまったという説明を受けても、さらに約百五十億円不足する計算になっている、これと公務員のベア分を合わせて、これが五百億円になって九・七%という数字になってくるというふうに言われているわけで、その点全く御存じないと言われますと、こういう報道がされているということについて大蔵省としては承知してない、補正予算を組むという含みで五十六年度予算を組んだのではないというふうに断言されるわけですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 最初防衛費のシーリング九・七ですか、ほかは七・六ですかな、そういうことを認めたことは事実なんです。しかし、それは七月の末、八月の初めのことでございますから、やはりそれが出てまいりますと、しかしながらレートの見方も違いが出てくるとか、それによって石油の値段の違いが出てくるとか、それから人件費はどこの役所もそれは皆カットしたわけですから、二%、一%落としたわけですから、防衛庁も落ちるのはあたりまえで、それだけでも百億円ぐらい落ちるわけですよ。その落ちた結果が、査定の結果が二兆四千億円という数字になっただけでございまして、それ以上のことは、幾ら乗せるかということは、防衛庁だけ、それじゃ補正予算で乗せるなんということは考えてもおりませんし、約束した覚えもございません。それはもう責任者の私がそう言っているわけですから、新聞よりは私の方が、目下考えていることは政府の責任者としては責任があると思っています。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 もしそういう補正予算を、新聞報道のような形で組むということになれば、これは非常にペテン的なものになると思うわけです。そんなやり方というのは補正予算の本質からも外れるわけでして、そういう仕組みになるような補正予算であればそれは拒否すべきだというふうに思いますが、その辺はいかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 予算が通ったばかりでして、それで、私は補正予算をいま組むことは全然考えておりません。したがって、補正予算がどういうふうなことになるかどうかということも考えておりませんので、いまのところは何とも補正予算については申し上げられないというのが実情でございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 特に燃料費などというようなものは、当初から予定されている使用量などもはっきりしているはずですので、それを補正で要求してくるなどということは非常に不正常な軍事費増大というふうに言わざるを得ないと思うわけです。ぜひその点見識ある処置をとっていただきたいというふうに思っております。  さて、次に、補助金の問題ですけれども、いろいろ見直すというふうに言われておりますが、電子計算機器の振興とかそれから民間ジェット旅客機開発というようなことで大企業向けの補助金がいろいろ出されているわけで、これをやはりこの際大幅に廃止、縮小すべきではないかというふうに思います。  この技術開発に対する補助金というのは、関係企業の収益に応じて返済するという仕組みになっているわけですけれども、実情はどうなっているのか、御報告をいただきたいと思います。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律というのがございまして、その第七条の第二項で、収益の一部を納付させることができるという規定がございまして、いま御指摘のような、収益を生むような、たとえば企業化を目的とする技術開発でございますとか資源の探鉱開発に対する補助金でございますとか、こういったものにつきましては収益納付義務を課しております。  五十六年度の一般会計予算におきます具体例といたしましては、たとえば次世代電子計算機開発費補助金、YX開発費補助金、民間航空機用ジェットエンジン開発費等々がございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 その制度があるということはわかるのですけれども、収益状況に応じて返済している状況についていかがでしょうか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 これは今後の見込みも含めて申し上げますと、まず民間輸送機開発費につきましては、YX、次期民間輸送機開発費補助金、これは五十四年度から五十七年度までの四カ年計画でございまして、まだ開発の途上でございます。したがって、収益納付という段階には至っておりませんが、YXはすでに受注も相当数に上っておりまして、開発終了後収益納付によりまして補助金の一部、場合によっては全部に近いものが返還されることになるのではないかというふうに期待しております。  それから電子計算機産業振興対策費、これは現在補助対象事業としておりますOS、オペレーテイングシステム開発はまだ開発段階でございまして、収益納付は開発が終わりまする五十八年度以降の問題でございます。ただ、過年度の電子計算機関連の補助金のうちで、四十七年度から五十一年度まで行いました電子計算機等開発促進費補助金につきましては過去約二億円の国庫納付の実績がございます。  それから情報処理振興対策費。この中で情報処理振興事業協会というものに補助を出しております。これは補助事業によって取得した財産を処分した場合の収入につきまして国庫納付の制度を設けておりますが、これは通常の意味の収益納付とは別のものでございます。ただ、この協会が補助事業によって開発したプログラムの普及収入等につきましては、毎年度の補助金額を計上するときにその分は控除するという形でございまして、実質的にはそれは入っているという実態がございます。  それからジェットエンジンにつきましては、これはまだ、五十五年度から六十二年度ということで、八カ年の開発を目途としているものでございまして、今後の問題でございます。  それから鉱工業技術振興費あるいはエネルギー技術研究開発費というような内訳がいろいろある補助金制度につきましては、個々の補助対象研究開発課題ごとに企業収益を生じました際に国庫納付が行われておりまして、その額は五十四年度実績では約十七億、過去十年間四十五年度から五十四年度までの累計では約八十六億円ということになっております。  余り詳細にわたりますのもなんでございますので、以上にとどめさせていただきます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 いま御報告いただいたもの以外にもいろいろあるようですが、これら収益納付規定のあるすべての補助金についてぜひ全部の結果を御報告いただきたいと思います。後ほどで結構ですが、よろしいでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 できるだけお届けいたします。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 できるだけというか、もうすでにいろいろ調査されている部分があると思いますので全部お願いをいたします。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 そのほとんどが通産省の所管の補助金でございますので、通産省ともよく相談をいたしまして、できるだけ取りまとめてお出しするようにいたします。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 それでは次に、財政再建問題でやはり非常に重要な問題となっております官僚の天下りの問題についてお尋ねしたいと思います。  三月三十一日に営利企業への就職の承認に関する年次報告書というのが人事院から出されております。いわゆる人事院の天下り白書というものです。それにきのう政労協からやはり天下り白書というのが発表されました。天下りの問題がいろいろ発表されているわけですけれども、特殊法人の常勤役員のうち国家公務員から直接就任した数について、八一年の一月一日の人数と常勤役員総数に占める割合を述べてください。

栗林貞一内閣官房内閣参事官

○栗林説明員 特殊法人の役員の中でことしの一月一日現在で国家公務員から直接就任した方の人数は三百十八人おられまして、常勤役員総数七百六十九人に対しまして四一%程度でございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 計算すると四一・四%になるわけですけれども、過去五年間これはどのように推移しているのでしょうか。

栗林貞一内閣官房内閣参事官

○栗林説明員 先生いま五年間ということをおっしゃられたわけでございますが、実はいままで申し上げておりましたのは、国家公務員から直接特殊法人の役員に就任した人と、それから国家公務員出身ではありますけれども長い間民間などに行っておられた方もおりますが、そういうもの全体を合わせまして六割程度ということを申し上げておったわけでございます。ただ、これにはいろいろ問題がございまして、一昨年の十二月に閣議了解を行いまして、国家公務員から特殊法人の役員に就任する人につきまして一つの具体的な線を設けたわけでございます。と申しますのは、国家公務員から直接に就任した人及びこれに準ずる人について全特殊法人の役員の半分ということを目標にして具体的に動き出したわけでございます。したがって、それに準じて、その考え方に沿っていま整備をしているところでございまして、したがって、前の六割程度というのと現在の、先ほど申しました四〇%、あるいはそれに準ずるものを加えたものと若干ずれはございます。したがって、五年間の推移というのは、考え方が閣議了解によって少し変わってきておりますのできちっとした数字は出にくいと思いますが、いま申し上げましたようなことで、直接とそれ以外で六割程度、大体そんなことで推移してきております。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 私どもがちょっと調べたところでは、七六年の一月一日には八百二十五人中二百九十五人、三五・八%、それから八〇年一月一日は七百八十八人中三百二十三人、四一%、これが直接国家公務員から常勤役員に就任した人の数と割合なわけです。閣議決定とか閣議了解があるにもかかわらず、実際はこの割合がふえているというのが実情なわけです。  この際、役員全員が天下り官僚で占められている特殊法人は幾つで、それはどこか、御報告いただきたいと思います。

栗林貞一内閣官房内閣参事官

○栗林説明員 特殊法人の中で常勤役員が全員国家公務員出身者であるという特殊法人につきましては、私ども把握しておりますのは、内容はいろいろありますが、二十一程度だろうと思います。この内容はそれぞれ理由がございまして、法人の業務内容が国の業務の延長上であるようなもの、たとえば消防機械器具の試験、検定を行いますところとか、農機具の改良、試験研究、検定を行いますところとか、そういった業務上の問題それから行政上の専門的な知識、経験を必要とするもので、たとえば請求書の審査をやるとか付加金の徴収をやるとか、そういった専門的な知識、経験を必要とするものとか、あるいは業務内容から見まして、福祉施設の設置、運営をやる、あるいは共済事業をやるところ、それからまた具体的に民間の人に来ていただくと実は利害関係その他の問題で仕事の上で非常に問題があるというものも若干ございまして、そういったものを合わせていま二十一ぐらいと思っております。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 ぐらいというのはちょっとよくわからないのですけれども、特殊法人だけで二十一ということですか。そして公益法人を含めた場合にどうなるのか。また認可法人への天下り状況というものも含めて数字を把握しておられたらかいつまんで御報告いただきたいと思います。

栗林貞一内閣官房内閣参事官

○栗林説明員 私どものところでは、先生御承知のように閣議決定あるいは閣議了解によって内閣官房に協議が参りますものをベースにして、各省の仕事であるわけですけれども、私どもの方でまとめて、わかる範囲でお答えしているわけでございまして、そういう意味で、いま申し上げたのは特殊法人だけの数字でございます。二十一でございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 公益法人あるいは認可法人への状況はつかむことができないということなんでしょうか。

栗林貞一内閣官房内閣参事官

○栗林説明員 認可法人につきましては特殊法人と扱いが違いまして、各省で具体的にそれぞれ監督をしておるということでございますし、また公益法人につきましてもそれぞれの省庁で監督しておりまして、そういった数字を統一的に私ども把握しておりません。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 やはりこれは把握していくべきだというふうに思います。  ところで、閣議了解では、常勤役員総数の一割縮減ということが言われておりまして、「五十五年四月一日以降任期を満了した際に後任を補充しない方法による」というふうに言われていますけれども、これまでこの方針に基づいて天下りのポストが縮減されたことはあるのでしょうか。

栗林貞一内閣官房内閣参事官

○栗林説明員 いま具体的なポストで人がどういうふうにかわって出身別にどうなったかということは、私、手持ちございませんけれども、この縮減計画につきましてはたしか初年度分が三十九人だったと思いますが、それは五十五年度でございますが、そのとおり実行しておりまして、この中でたとえば廃止とか統合などによるものもあるわけでございます。その中で相当数は国家公務員のポストがなくなっているのは事実でございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 この政労協の天下り白書によれば、これまでに三法人、日本道路公団、動力炉・核燃料開発事業団、中小企業金融公庫で減ったけれども、結局それは天下りポストが減ったのではなくて、役員のポストが減って結果として内部登用とか民間登用のポストが減っただけであるというふうに言われております。またこの三法人以外の法人はすべて後任が補充されているという実態を述べているわけです。結局この閣議了解では任期満了した際に後任を補充しない方法でやると言っているのですが、全然実行されていないのじゃないかというふうに思いますけれども、これはどうなんでしょうか。

栗林貞一内閣官房内閣参事官

○栗林説明員 いまの縮減計画との関係を具体的にどういうふうに人の入れかえを行うかというのは、第一次的には各省で判断して私どもの方に協議が来るというたてまえでございます。参考に申し上げますと、常勤役員につきましてこの間の閣議了解が行われました直後の五十五年一月一日の数字で見ますと七百八十八人の常勤役員がおりましたが、ことしの一月では先ほど申し上げましたように七百六十九人でございます。十九人減っておるわけですが、国家公務員出身者は実は四百六十七人から四百四十二人で二十五人減っております。全体の減っている数よりも多いわけでございまして、したがって国家公務員出身者の比率も若干低下しつつあるということで、徐々にではありますが閣議了解の線に近づいているというふうに考えております。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 なかなか思うように減っていかないというのは、やはり後任がまた同じようなポストから補充されるというようなことが慣例になっているみたいな傾向があるからだというふうに思うので、その点はぜひ改めていかなければならないというふうに思います。  それから特殊法人への天下り官僚の出身省庁別というのを見ますと、今年度第一位通産五十九人、第二位大蔵四十二人、第三位農林三十八人、第四位建設三十五人、第五位文部二十五人というふうな結果になっているわけです。ずっと過去の例を調べてみますと、大蔵省は常に上位四位までに必ず入っているという実績を持っているわけです。こういうふうな中で、やはり大蔵省を初めとして大量の天下りをなくしていくためには、特殊法人の常勤役員の半数というふうな決め方自身の中に全体の半数というふうな認識があるからで、一向進まないというわけだと思うのです。だからこれは個々の特殊法人ごとに半数以下にするというふうにすべきだと思いますが、この点についての御見解をお聞きしたいと思います。  あわせて、政労協では官僚の天下り規制についての提言というところで特殊法人単位で役員を半減する、役員自体を半減するという提言をしているわけです。この政労協の提言についてのアンケート結果というのは特殊法人からの回答は一〇〇%不支持、官界からは五〇%不支持、つまり天下る方と天下られる方が不支持が多いわけですけれども、このほかマスコミ関係一〇〇%、それ以外のその他は九割の支持があるという状況なわけです。こういう提案について大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 趣旨が私よくわからないのですが、事務当局から答弁させます。

栗林貞一内閣官房内閣参事官

○栗林説明員 最初に先生申されました各法人別にそれぞれ半数とかそういった基準を設けるべきだというふうなことは実は一回議論したことがございます。しかしそれは、いまだに国家公務員出身者が常勤役員の全員を占めておるというのが若干残っておりますように、仕事の内容などが、特殊法人と一言で言いましてもずいぶん違っておりまして、一律に決めるというのは適当でない。しかし全体的に適当なところに落ちつけるべきだ。特殊法人は国にかわって能率的に業務を行うというのが本来の性格でございますので、役人出身であるからといって排除するということではございませんけれども、民間のそういった活力も大いに活用していこうということで全体として半数ということにとどめることにいたしました。ただ閣議了解で書いてございますように、「この目標を達成するため、主管省庁及び各特殊法人においては、法人の業務内容等に応じ、民間人等の起用について一層努力するものとする。」ということで、全体的に数字を確保していこうということで議論した末にこういうふうな閣議了解になったわけでございます。  それからもう一つは半数ぐらいに減らせというお話でございます。この点はいろいろ御議論はあるとは思いますけれども、実は五十五年、去年からやっております常勤役員の縮減計画といいますのは全体で百数十人減らそうということで、三年間で百数十人減らすということは実は大変なことでございまして、いま各省庁がその計画どおりいかに実行するかということで一生懸命になって努力している最中であるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 一方、国家公務員法百三条の関係で人事院の承認を必要とする営利事業への天下りというものがあるわけですが、これの実態はどうなっているのでしょうか。

叶野七郎人事院事務総局職員局審議官

○叶野説明員 実態と申しますと、過去五年間の承認件数で申し上げたいと思います。五十一年が百五十九件、五十二年が百九十八、五十三年が百九十七、五十四年が二百三十三、五十五年が二百二十八、このような数字になっております。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 出身省庁別の上位をちょっとお知らせください。

叶野七郎人事院事務総局職員局審議官

○叶野説明員 五十五年の数字で申し上げますと、上位五つくらい申し上げてみたいと思いますが、大蔵省が四十六件、それから建設省が二十七件、通産省、運輸省がそれぞれ二十五件というような数字になっております。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 大蔵省がぬきんでてトップを占めておるわけですが、五十五年度で人事院の承認を必要とする天下りとそれから特殊法人への天下りとの数を合わせてみますと全部の省庁の中で大蔵省が一番多いという結果になるわけですね。この点で大蔵省のトップである大蔵大臣はこの天下りについて今後どのようにすべきとお考えか。そして天下りをなくすためにいろいろ提案がされているわけですけれども、特に汚職腐敗との絡まりもございますし民主的な運営が大事だろう。天下りに当たって人事院が承認をするもの、あるいは全然チェックされない特殊法人への天下りは全部合わせて審査会などの厳しい審査を受けるという方向を考えてみるべきではないかというふうに思いますけれども、この天下り問題に関する大臣の御認識と御見解をお聞きしたいと思います。

山口光秀大蔵大臣官房長

○山口政府委員 公務員はそれぞれ長年にわたって行政経験を積んでおりますし、またなかなか高度の知識を持っている人材がかなり多いわけでありまして、この人材を退職後も活用するということは社会にとりましてもそれから本人にとりましてもそれなりに結構なことではないかと思うわけでございます。ただ問題は、御指摘がございましたようにたとえば民間企業と癒着するとか行政の公正さがゆがめられるとかそういうことがあってはならない、これは当然でございまして、国家公務員法もそういう趣旨で定められておるわけでございます。  大蔵省のそういう人たちの数が多いという御指摘でございますが、大蔵省の仕事が金融でございますとか予算でございますとかあるいは経理、そういう方面にかかわっている仕事が多いものでございますから、その関係の専門的知識の活用を求めるというケースが多いことによるのではないかと思います。いずれにいたしましても先ほど申しましたような癒着とか行政の公正がゆがめられるとかそういうことのないように国家公務員法に基づいて人事院が厳重に審査をしておりますし、そういうことがないよう今後とも厳正に対処していくことは当然だと思います。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 いままでいろいろ問題があったからこそ天下りをなくしていかなければならないという大きな世論になってきているわけです。いままで汚職もなければ癒着もなければ公正に全部やってきた——人材は優秀な人材ですから活用するのは当然のことでございますしその点は否定するものではありませんけれども、自分で人材が優秀だと言っているだけじゃだめなので、やはりそれが優秀な人材であるとか、あるいはその点で今後癒着がないだろうかというようなことを公正な機関でチェックする。人事院では厳重にやっているというふうな御答弁でございますけれども、特殊法人については何らチェックがないという実態もあります。人事院のチェックにしてもこれを拝見しますと、非常に厳重と言いますが、その事項を所管しなかったとか特に問題とすべき事情は認められなかったとか非常に簡単な承認理由であって、問題がこれではわかりにくいわけです。  さらにまた第一次臨調のときに意見が出されているわけです。「規制を強化し、公務員が離職後二年間は、離職前五年間に密接な関係のあった民間企業へは、事由のいかんを問わず転出できないこととすべきである。」ということとか、「現職公務員が公団、公庫等へ、期間を限って出向する制度は現状からみて活用されることが望ましいが、その首脳部にまで現職から直ちに横すべりする方式は、公団、公社等を設立した趣旨からみて適当でない。」この事情は現在に至っても変わらないというふうに思います。  そこで、先ほど大臣はちょっと趣旨がわからないということもおっしゃいましたけれども、この天下り問題について大臣が日ごろお考えになっておられることでも結構ですが、御見解をお聞きしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私は、いま官房長が言ったと同じ考え方なんですよ。天下りをして悪いというのは、結局、癒着があるとか自分が関連したようなところへ行くとか、あるいは省が圧力かけて先輩を引き取らせるとか、そういうことは私はいかぬと思うのですよ。しかしながら、役所をやめて、それだけ才能のある人が引く手あまたで、あっち来てくれ、こっち来てくれというようなことだったら、そのこと自体を悪いとはなかなか言い切れないのじゃないか。たとえば検事さんがやめて優秀な弁護士になって、しかしながら、自分の担当した事件や何かの弁護はいけませんとか何か規則があるのでしょう、私はよく知らぬけれども。しかし、ともかく弁護士さんが検事になってしまうとか判事になるとか、それは天下りでないかもしれない、横滑りかもわからぬけれども、まるっきり違った立場に立つ業種になることだって認めておるわけです。役人の場合も、ただ役所をやめて、その才能を買われて民間会社に行ったということだけを悪いということはなかなか言えないのじゃないか。しかし、いまおっしゃったような、ややもするとそういう弊害が、人間の世界だから、情実が絡んだり、先輩がいるから銀行検査を少しかげんしてしまうとかということになったらまずいわけであって、それは厳格にやらなければいけない。その点は全く私は意見が実は一致をしているのです。ただ、大蔵省は天下りの数が多いと言われますが、財界のトップはいないのですよ。おもしろいものだなと思う。才能がないのか何かよくわからぬけれども、通産省の方が財界の有名な超一流の企業のトップなんかに結構出ているのですね。大蔵省の方は、地方の方だったら少しぐらい行くけれども、案外そんなことを言うとまた後で嫁入り先に困るから言わないけれども、そういうところがおもしろい、どういうわけかと思ってむしろ不思議に思っているくらいです。しかし、先生の趣旨はよくわかりましたから、誤解のないように厳重に注意をいたします。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 いまの大臣の御発言ですと、大蔵省の官僚が財界のいいところへ行きたいみたいな感じにも受け取れるわけですけれども、そういうことでは困るので、やはり国家公務員法百三条が設けられた趣旨を踏まえて考えていただかなければなりません。裁判官、検察官あるいは弁護士、この法曹三者の問題は天下りの問題と全く違う問題なんですよ。これを一緒くたにして論じられるということは非常に見当違いのことでございますので、やはり大蔵省としても、大蔵大臣としても、これは考え直していただかなければならないと思うのですよ。法曹三者の問題はこれはまた別の観点でいろいろな決まりがございまして、それなりに法律もあるわけですが、国家公務員法の百三条の趣旨ということは全く違うわけでございますね。いま申し上げましたように、臨調でも言っておりますし、やはり癒着の危険それから汚職、腐敗、不公正という懸念が現に数々これまで起きてきたという実態を踏まえて天下りをなくす、当面減らしていくという方向で大臣の御尽力をお願いしたいと思います。その点いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 天下りについては世間から誤解を受けないように厳重に処置をいたします。

簑輪幸代日本共産党

○蓑輪委員 あと財政投融資の問題、国債の問題もお聞きしたいと思いましたけれども、時間がございません。またの機会にしたいと思います。ありがとうございました。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 柿澤弘治君。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 それでは、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に関連して質問をいたします。  行政管理庁長官はお見えになっていませんか。——お忙しいところを行政管理庁長官においでいただきましたので質疑を始めたいと思います。  行政改革が当面の課題になっておりますが、特に鈴木内閣の御方針としては、五十七年度予算に向けて金減らしというものを中心にやりたい、こういう御意向があるようでございますが、その点について補助金削減の基本的な考え方、行政管理庁長官、いかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 簡素にして効率的な政府をつくるという当面の目標を遂行するために、補助金その他いままで出されているお金の中でも、切ってしかるべきものはこの際縮減すべきではないか、そういう方向でいまの第二臨調の方も進んでいると思いますし、またわれわれ政府当局としてもそういう方針で御審議願いたい、そういうことでお願いしているところでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 そういう意味で、補助金については聖域論というのがときどきあるわけですね。福祉は聖域であるとか教育は聖域であるとかという話がありますが、行管長官としては聖域をお認めになるおつもりでしょうか。それとも聖域なしにすべてに対して、虚心坦懐といいますか切り込むといいますか、見直しをするというお考えでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 聖域というものがないのが民主主義の世界ではないかと思うのです。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 その御方針でぜひ貫いていただきたいと思うわけです。  そこで、きょう問題にしたい、取り上げたいと思いますのは、私学の補助金の問題でございます。私どもは、三Kということがよく言われますし、三Kについてはさまざまな論議をしてきましたが、教育に対する補助金がある意味で四K、第四のKになりつつあるのじゃないかという懸念を持っております。その中で、特に私学助成の補助金については四十五年以来大変急増しているという点が問題になっているわけです。その点についてはいかがお考えでしょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 日本の大学教育あるいは教育体系の中で私学が果たしておる機能というのは非常に重要なものがあると思います。特に最近に至りましては、いわゆる官学系統というものが沈滞してきておりまして、わりあいに私学の方が非常に士気が上がってきておることは民主主義の上からも非常に喜ぶべき現象であろうと思います。その背景には、やはり財政的にも国がめんどう見てきておる、それでわりあいに経営についてもあるいは教学面についても自信が出てきたということがあるだろうと思います。私も昔、私学の総長をしたことがありましたけれども、財政面というのは非常に悩みの種で、特に授業料の値上げは学生騒動が起きたりして、当時は非常に苦労したものであります。しかし、国家的助成がだんだん進むにつれて経営者の方がそういう困難を回避して甘えの構造の中に同じように入ってきている憂えなきにしもあらずではないか。最近における私学の中でいろいろ出てきておる問題等も見ますと、やはりぴりっと張った緊張感というものがなくなってきておるのではないかということも考えられまして、第二臨調等においてその助成や補助金というものをいま点検しておりますけれども、恐らく検討の中に入る問題ではないかと想像しております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 私どもも私学の日本の高等教育に占める、まあ高等教育だけではありませんけれども、役割りの重大性というものについては認識するにやぶさかではありません。ただ、最近の私学助成の問題点を幾つか指摘したいと思うのです。  文部省おいでになっていますか。——最近では、私学の教員の給与水準の方が公立の教員の給与水準よりも上回っているという指摘がなされておりますが、それは事実でしょうか。最近文部省で調査をされたそうですけれども、その資料を出していただきたい。

坂元弘直文部省管理局私学振興課長

○坂元説明員 一昨年の十二月三十一日現在で五%の抽出調査をいたしました。その結果、国立換算額と申しますか国立学校と比較いたしますと、全国平均で一二・四%私学が高いという状況にございます。これは地域によっていろいろございまして、京阪神地区あるいは首都圏地区は比較的高く、東北、北海道、中国、四国地区は比較的低いというような傾向値でございますが、平均しますと一二・四%高いということでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 いまのは私学と公立の平均値だと思いますけれども、かなりばらつきがあるんじゃないでしょうか。小さな大学ということは結構ですけれども、総合大学の中で公立に比べてもっと高い、二割を超える格差のあるところがあると聞いておりますけれども、その辺はどうでしょう。

坂元弘直文部省管理局私学振興課長

○坂元説明員 大学名は御勘弁いただきたいのですけれども、都内の比較的有名大学で高いところが四〇%程度、それからその他若干の大学で二割から三割程度国立より高い。それから、関西の方も同様に有名大学が大体二割から三割程度高いという数字をつかんでおります。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 そういう給与水準をそのままにしておいて果たして私学助成を今後伸ばす必要があるのか、この点については私どもも疑問を持たざるを得ません。私学がりっぱな先生を迎えようとすることで待遇の改善をする、これ自身を否定するものではありませんけれども、これがある意味で私学助成の支えによって安易なベースアップにつながってくるとすれば、これが結局は国立大学の先生方の給与水準をつり上げる結果にもなりかねないという意味で問題だろうと思うわけです。  そのほかに、これは国の補助金ですけれども、教員数その他についても査定の権限がない、ただ私立大学から申請が出てくればその定数を認めるだけだというふうに聞いていますけれども、そうでしょうか。それとも、文部省として定員数、教員数等について基準をつくって、それに対して補助金を出すという方式で配分をしているのでしょうか。

坂元弘直文部省管理局私学振興課長

○坂元説明員 お答えいたします。  教員数につきまして仮に基準をつくるということになりますと、国立大学との比較で基準をつくらざるを得ない。もとより国立大学の場合には御承知のとおりに研究所を持っておったりあるいは理工系関係で大プロジェクトの研究を推進しておるということで、一概に国立大学と私学を比較して、そして国立大学の教員の配置数をそのまま私学に持ってくるというわけにはいかないとは思いますが、どうしても国立を基準にせざるを得なくなろうかと思いますが、現状で申し上げますと、私学の教員一人当たりが抱えておる学生数は二十七.六人でございます。一方、国立大学の教員一人が抱えております学生数が八・一人ということになっておりまして、現段階では私どもといたしましては、私学が経営上の問題その他もございまして非常勤講師の持ち時間というのが、総授業時間数の中で四五%が専任教員でなくて非常勤講師で持っておる、国立の場合はそれが二〇%でございます。そういうこともございまして、現段階では私ども私学の教員については特別な査定を私どもの段階ではしないで、むしろ専任教員をふやす方向で、そうすることによって教育条件の改善につながるのだという指導をいたしまして、一応専任教員はそのまま補助の対象にするという方針で予算編成あるいは予算要求をいたしております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 その国立並みという考え方は一つの理想論ではあろうと思うのですけれども、きのうのNHKのテレビでもやっておりましたが、名古屋商科大学で事務職員の人を教員という名目で採用して申請をして、そのまま補助金をもらっておるという例が報道されておりましたね。その点についての査定なり監査なりというものがかなり安易に流れているのじゃないかということを想像させるわけです。そのほかにもたとえば北里大学で三十数億円の寄付金をやみで処理をして、補助金のある意味ではごまかしといいますかをやっていたということが指摘されているわけですけれども、その点についての監査体制は一体どうなっているんでしょうか。それから不正に補助金をもらっていたいまの北里大学その他最近における事例があれば述べていただきたいわけですけれども、それの補助金返還等の措置をきちっととっているのかどうか。

坂元弘直文部省管理局私学振興課長

○坂元説明員 お答え申し上げます。  監査体制につきましては、私ども私立大学の経理につきましては決算を公認会計士の目を必ず通すということをいたしまして、学校法人が経理を適正にやるということを公認会計士の目を通して担保しておるというシステムをとっております。  それから補助金上の問題でどうかということですが、これは私学振興財団を通じて補助金を配分しているわけですが、私学振興財団で十分チェックをし、かつ補助金担当者の大学法人の関係者には毎年三回ぐらい研修会を開いて補助金申請に遺漏のないような指導をしております。  それから、いま例に挙げましたきのうテレビで放送になりました愛知の大学の件でございますが、私どもが電話などで聴取したところでは、そういう事実はないというようなことを大学側は言ってございます。いずれにしましても、細かい問題については至急私どもの方に説明し、かつ財団の方にも説明に来るようにという指示はいたしております。  それから最近問題になりました、私どもも新聞紙上等を騒がしまして大変遺憾に存じておりますが、幾つかの医科大学の不適正な事例でございますが、その中で北里学園、北里大学の医学部につきましては五十四年度、五十五年度医学部の入学生に係る寄付金につきまして別途経理をいたしておりまして、五十三年度で十二億、五十四年度で十四億、五十五年度で六億、トータルで三十二億五千万円の別途経理を行っておったということで、私どもとしましてはそのことが学校の管理運営不適正であるということで、五十三年度にさかのぼりまして医学部に係る補助金につきまして二分の一の減額措置を講ずるということで、五十三年度、五十四年度の医学部に係る補助金額の二分の一に加算金を加えまして二十四億円の返還を命じました。それから五十五年度につきましては医学部にいくべきものの半額十二億をカットいたしまして補助金の交付を決定いたしました。トータルで三十七億円の補助金の減額措置を講じております。すでに今月の初めに国庫の方に返還されております。  それからもう一点、北陸大学は、これもやはり五十年に創設されたのですが、その創設された後から直ちに別途経理をやっておりまして、三十七億円の別途経理を行っておったという事実が判明いたしましたので、やはり管理運営不適正ということで、北陸大学につきましては補助金につきましては一般的に学校が完成しない限り、一年次から四年次まで完成しない限り補助金を出さないシステムになっておりますので、五十四年度から補助金を出しておりますが、大学側からも全額返還する意思表示も明らかにいたしておりましたので、私どもとしましては五十四年度の補助金それから五十五年度の補助金の一部を十二月上旬に概算払いしておりますが、そのトータルの六億三千万円に加算金を加えまして六億八千七百万円の返還を求めまして、これも今月の初めに国庫の方に返還されております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 私学の補助制度については文部省直接でなく、私学振興財団を通じてやっておられるわけですけれども、その点についていま公認会計士の監査を求めているということですが、公認会計士の監査の目がなかなか及ばないということは民間企業でもよくある事例でございますし、それを前提にしてやっていくということで十分なのかどうか。現在の補助金制度を続けていくとすれば、文部省の中にもっとしっかりした監査体制をつくる必要があるんじゃないかというふうに私は考えるわけです。ただそれは私学の建学の精神といいますか自立の精神というものをある意味では今度は阻害することになるということで大きな矛盾に突き当たるんだろうと思うのです。  もう一つ私学に関して問題を提起したいと思うのですけれども、これはきのうの放送でも取り上げられていた問題ですけれども、私学への寄付金は試験研究法人ということで特定寄付金扱いになっている。ですから所得税法上の控除ができる。ただし所得税法でも「学校の入学に関してするものを除く。」と明示してあるわけですね。ところが名古屋商科大学でもそれを控除の証明書を出してちゃんと所得税を控除させるようにしていた。それから東京の一流大学といいますか、きのうも名前が挙がっていたからいいと思いますが、早稲田大学でも同じような措置をとっていた。七千万円近い、そういう意味で不正の税額控除が行われていた可能性がある、こういう指摘がされているわけですけれども、この点について文部省は一体いままでどういう監督をしてきたのか、その点をお伺いしたい。

北橋徹文部省管理局企画調整課長

○北橋説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の特定寄付金につきましては、学生の入学に関するものは除外をするということになっておるわけでございますので、私どもとしては取り扱い上、学生の入学に関していたします寄付金については試験研究法人の証明書は交付をしないというように従来から指導してまいっております。また仮に寄付を受けたときの領収書でございますが、これについても学生の入学に関してなす寄付金はこれには含まないという旨をはっきり書いて、そういった受領書を渡すということにしております。従来からこの点を指導してまいっております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 それでは、いま私が指摘した両校については実態はどうなっておりますか。

北橋徹文部省管理局企画調整課長

○北橋説明員 お答えいたします。  とりあえず、きょう取り急ぎ大学の方に事情を聞いてみたわけでございますが、早稲田大学の場合にはやはり百年記念事業ということで百億円の募金をしておった。これについて早稲田大学は校友、父兄、教職員を含めて一般に広く募集をしておったということでございます。もともと早稲田大学は入学に関する寄付金というものを取っておりませんものですから、そういったこと等も含めて実は特に新入生の父兄ということを区別せずに試験研究法人等の証明書の写しを渡しておったということを答えております。  なおもう一つの大学につきましては、さらによく事情を聞いてみたいと思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 その場合に、文部省としてはどういう措置をおとりになりますか。

北橋徹文部省管理局企画調整課長

○北橋説明員 私立大学の募金の方法等についてはそれぞれの学校の特別な事情その他あると思いますが、そういった点についてもし文部省の指導等に反しているという事実がはっきりいたしました上で、必要とあらば国税当局等ともよく相談をいたしましてしかるべく適切な指導をしたい、このように思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 これは指導ということでいいのでしょうか。再三にわたって文部省の管理局長名の通達も出ているわけですね。それを知らなかったというふうには言えないんじゃないでしょうか。

北橋徹文部省管理局企画調整課長

○北橋説明員 この点につきましては、昭和三十八年に管理局長名で通知を出しております。そういうことでいろいろな機会をつかまえて指導をいたしておりますが、中にはあるいはこういった指導についてたまたま知らなかったというようなところもあるかもしれませんし、そういった点を私どももう一度全部によく周知徹底をするように改めて検討したいと思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 この点についてはこうした問題が、いま文部省側の調査でも早稲田大学については事実を大学当局も認めておられるということなんですけれども、国税当局としてどういう対応をすべきだというふうにお考えでしょうか。

小幡俊介国税庁直税部長

○小幡政府委員 先生お話ございましたように、所得税法によりまして入学に関してする寄付金は寄付金控除の対象にはならない、こういうことになっておるわけでございますが、入学に関してする寄付金というものは何かということになりますと、これは入学ということとそれから当該寄付ということとの間に相当因果関係があるかどうかということになろうかと思うわけでございます。  私ども個々の大学の具体的な状況は承知をいたしておりませんので、そういう点につきましては、よく文部省当局とも相談の上適切な処理ができるようにやってまいりたいというふうに思います。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 国税庁の通達でも、募集開始の日からその年末までになされた寄付金は入学に関してなされたものとみなすというのがあるわけです。これは文部省にもこのまま伝わっているわけですから公開されているわけですけれども、その趣旨でいけば、いま百年祭であろうと、その年内に行われた入学者の父兄による寄付は税法によって寄付金控除の対象にはならない、こういうふうに考えるべきだと思いますが、どうでしょう。

小幡俊介国税庁直税部長

○小幡政府委員 ただいまも申し上げましたが、入学に関してする寄付金は寄付金控除の対象とならない、そのメルクマールが入学ということと寄付金との間に相当因果関係があるがどうか、こういうことでございますが、そこで原則として、入学してから一年の間に行われたようなそういう寄付金というものは相当因果関係が濃いのではないかということが書かれておるわけでございますが、しかしながら、一年以内であればすべて相当因果関係があるかということは、一〇〇%そうも言えない場合もございましょうし、あるいはまた一年を超えて翌年に寄付をした場合でも相当因果関係のある場合もあり得るわけでございまして、これは原則的にはそういうことがあると思いますけれども、個々のケースに応じて考えていかなければいけない問題だというふうに思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 そうすると三十八年の直審の四という通達はそのまま適用はしない。これはむしろ弾力的に実態に即して適用する、こういうお考えですね。通達にはきちっと明示されているわけです。その年に入った寄付金は入学に関してしたものとみなすというふうになっていると思いますけれども、その点は修正されるわけですか。

小幡俊介国税庁直税部長

○小幡政府委員 先生御指摘の通達は、所得税の基本通達の七八−二という通達を指しておられると思いますが、ここで言っておりますのは、入学に関してするものかどうかということについては、たとえばその納入がなければ入学を許されないこととされるもの、その他入学と寄付との間に相当の因果関係があるものをいうのだということを述べまして、その後で、入学願書受け付けの日からその年末までの期間内に納入したものは相当因果関係があるものに原則として該当する、こういう一つの指針を示しておるということでございまして、先ほど申し上げましたように、その個々の内容によりましては、必ずしも全部が全部相当因果関係があるというふうに言い切れないものもあろうかと思いますし、また一年を超えて来年になってから入学寄付金を出したというものが相当因果関係があるというものも、それはあり得る場合があるというふうに考えられるわけでございますので、この通達はそういう一つの指針を示しておるということでございますから、この通達の趣旨に即しながらよく個々の実情を踏まえて措置をしていくべきもの、こういうふうに考えておるわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 行政管理庁長官と大蔵大臣にお伺いしたいのですけれども、私学のこれからの経営についてはいろんな意味で改善を要すべきところがあろうかと思うわけです。私学助成というものも、基本的な理念として、一つの教育に対する国のかかわり方の態様だろうと思いますけれども、最近のように学歴取得のために大学へ行く。そのためには不正手段も辞さないというような、いわば学歴偏重社会の弊害が大学の中に非常に色濃く出てきている社会の中で、こうした形での教育助成というものがいいのかどうか、基本的に問われなければならないと私は思うわけです。その意味では、高学歴社会から高学習社会へということを私どもは主張しているわけですけれども、大事なのは学歴でなくて学習の内容だ、そういうふうに考えますと、学ぶ能力と意欲がある者が大学に行かなければならない。その意味で学ぶ意欲のある者については受益者負担といいますか、教育について受益者負担というのがあるのかどうかわかりませんけれども、やはりその考え方をある程度取り入れなければいけないのじゃないか。意欲と能力がありながら経済的に入学がむずかしい家庭の子女などについては、私ども従来から主張してきておりますように、奨学金の形で補助をする、国としてはそういう方々には勉学についての経費を負担するというのが筋であって、たとえば大金持ちの息子であろうと、それから貧しい家庭の息子であろうと、同じような形でいま補助金が入っている。これは渡辺大蔵大臣がしょっちゅうおっしゃっておられますけれども、松下幸之助さんの食べるお米にも補助金が入っていれば、生活保護家庭の食べるお米の中にも補助金が入っているといういまの食管制度、補助金制度の矛盾とある意味では相通ずるものがある。これを見直さなくて、臨調の補助金の見直しということが言えるだろうかという気がするわけでございます。  その点について行政管理庁長官の御意見を伺いたいと思いますし、特に最近のように、私学の経営についていろいろ問題が起こっているというにもかかわらず、私学の補助金については、四十五年の創設のときに臨調として行政監察の対象にしましたけれども、その後一回も対象になっていない。この辺で行政管理庁としてもよく現状を把握するという意味で、行政監察の対象にしていただきたいと思うわけですけれども、その辺についての長官のお考えを伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 私は、基本認識においては全く同感でございまして、私学の補助に対する取り扱いにつきましても、いま御指摘の点につきまして十分検討してまいりたいと思います。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 それは行管としてよく勉強をするという面も含めてでございますか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 私学の助成が適正に行われているかどうかを監察する、そういう意味と理解して、それを検討してみたいという意味です。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 大蔵大臣は参議院の委員会だったかで、私学補助についても来年は見直しの時期に来ているということを発言されていると思いますが、その点についてのいまの基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私にとってはどんな経費でも全部見直しをするわけですから、もちろん私学も入っています。私は全く柿澤委員と同じでして、ともかく日本に大学がこんなに必要あるのかという疑問を最初から私は持っているのです。ヨーロッパじゅう何十カ国にあるよりもよけい日本の大学の方がある。そういう必要が本当にあるのか。そこで問題は、先ほど言った学歴社会で、何でも大学という名前がつけば月給が違う、そういうところから来ているわけですから、学校でなくても、能力あるものがもっと抜てきできるような社会にしなければいかぬし、そういうことから始まらなければこれは根本解決がつかないじゃないか、私は実際の話が本当にそう思う。ですから、一遍にそこまでできないでしょうけれども、大学をどんどん許可して、大学と名がつけばみんな補助金がつくみたいなことは、これはこういう時代ですから、もう一遍見直してもらわなければならぬし、本当に能力があって経済的に困る人には育英資金、奨学資金というもので対応できるわけですから、また官学もこれだけたくさんあるわけですし、入れるわけですから、だから、できないことまで全部国が補助金を出して大学を出さなければならないのかどうか、そこらのところは一遍考え直す必要があるのじゃないか、私はそう思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 行政管理庁長官、そして大蔵大臣に、この点についての抜本的な見直しをぜひお願いをしたいと思うのです。  その点では何も私学だけをそういう意味で見直せばいいということでなくて、国立大学の授業料水準についても見直す必要がある。そして、経済的に貧しい家庭については奨学金を思い切って充実をしていく、もしくは進学ローンをもっと充実して、これもお父さんに返してもらうなんという、そんなのじゃなくて、大学を出れば所得水準が上がるわけですから、二十年にわたって本人が返していくというぐらいの気力で大学へ行ってもらう必要があると思うわけで、その点については基本的な問題だと思いますので、お願いをいたしたいと思います。  行政管理庁長官、お忙しい中おいでいただいて、あと一つだけ追加でお聞きしたいのですけれども、電電公社についてこれから郵政省にお伺いしたいと思うのですが、私どもは、三公社については民営への移管をまじめに考えるべきだ、民営にまでいかないまでも、民営的な感覚というものを取り入れることは絶対必要だ、こういうふうに考えております。  それに対して、きのうの当委員会の質疑では、電電公社については優等生だからそういう必要はないんじゃないかというような御趣旨の発言があったというふうに新聞等で見たわけですけれども、私は電電について、他の公社に比べて、いままでの生産性向上の努力や経営改善の努力がすぐれていることは認めたいと思うのです。率直に認めたいと思いますが、だからといって、いまのままでいいということではない。これは、これから日本が情報化社会に進んでいく場合に、情報の伝達手段としての通信回線というものを電電公社という独占企業体が握っているということが、日本の情報化社会への障害にならないかどうか、そういう観点からこの電電公社のあり方は見直すべきだというふうに考えているわけです。  ですから、どんなに能率が高くても、電電公社の回線を利用するときにいろいろな制約がつく、現在でもついているわけですけれども、そういうものが改められない限り、情報化社会にとって公社という制度が障害になりかねない。それはある意味では、日本の経済力というものを低下させて、国際競争力にも障害になってくる。日本は情報化社会の中で生きる以外にはないわけですから、そうした二十一世紀の産業構造、社会構造というものを念頭に置いていまの公社のあり方を抜本的に見直すというのが第二臨調の基本的な姿勢でなければいけないと私は思うわけですけれども、その点についての行管庁長官のお考えをお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 電電公社につきましては、いい点と悪い点があると思いまして、私は、いいと思った点を指摘して、悪いと思った点は黙っておったのであります。  それで、特殊法人はすべて、官業あるいは民営のどちらがいいかという仕分けの対象には一応なると思っております。電電であろうが国鉄であろうが、ともかく特殊法人となっているものは一応洗ってみる、そして、どういう形態が適正であるかという点は、第二臨調において全部検討されるだろうと思います。電電だけが特別の例外的措置を受けるものではない、みんな同じように一応はそういう検討の対象になる、そう考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 検討の対象になるというお話ですが、それはいま私が申し上げたような通信回線の開放とか民間活用の円滑化とか、そういうものを促進する上でどういう経営形態がいいか、こういう方向づけでお考えをいただけるわけでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 そういう狭い分野だけじゃなくて、日本における電気通信体系の基本的あり方及び経営の能率化あるいは弾力化、そういうような面から総合的に見られると思います。しかし、御指摘のように、データ通信についてはいろいろなお考えもあることであり、そういう面からもこの問題が検討の対象になるということは考えられると思います。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 中曽根大臣、結構でございます。どうもありがとうございました。  その問題について少し郵政政務次官と電電公社にお伺いしたいわけですけれども、いま申し上げましたデータ通信に関する通信回線の開放の問題、この点については民間からいろいろな要望が出ております。私も読まさせてもらっているわけですけれども、特に、昨年の十二月に出ました政策構想フォーラムの「活力ある分権的情報社会へ」というデータ通信政策に関する提言、これはある意味で、これからの日本の情報産業といいますか、通信産業、通信政策を考える上で非常に有益な示唆を含んでいると思います。  この中で、いま日本の制度では、データ通信に民間が使える部分の利用については、他人使用、共同使用、相互接続、その三つについて非常に厳しい制約がある。電電公社の方で審査をされて、郵政省の個別審査というようなものがずっと続いているわけで、この他人使用、共同使用、相互接続に関する制約というものが、果たして現在のような情報化社会の進展の中で必要なのかどうか、合理性を持ち得るものかどうか、私は非常に疑問に思っているわけです。その点について、もっと自由な考え方で民間との共存共栄というものを図る必要があると思いますが、その辺いかがでしょうか。

二木實郵政省電気通信政策局次長

○二木説明員 お答えいたします。  先生御指摘のように、近時におきますデータ通信の発展また多様化というのは私どもも十分認識しているわけでございまして、先ほどお話のございましたフォーラム初め各界から、もっと回線を自由に使わせろというような声が上がっていることを認識しております。  私ども、この要望につきまして、現在いろいろな角度から分類整理、研究をしている段階でございまして、現行法制内での運用を改めれば実現可能なものもあるのではないか、またさらには、現行法の改正を要するものもあるのではないか、そういう分類整理を行っているわけでございますが、さらには、この回線制度問題を含めましてデータ通信全般の問題としまして、民間の活力、民間の創意工夫を生かすような観点から取り組んでまいりたいと思っているところでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 その辺の検討は、一体いつごろ結論が出るのでしょうか。

二木實郵政省電気通信政策局次長

○二木説明員 私ども、昨年の七月に電気通信政策局ができたわけでございますが、これからの電気通信行政というものを踏まえまして、各界に御意見をいただくということで、現在、郵政大臣の私的諮問機関であります電気通信政策懇談会というものを持っております。そこでもこの問題はいろいろと議論されておりまして、私どもは、この懇談会の中間的な御報告と申しますか御提言というものが八月ごろいただけるんじゃないかと思っておりますが、あわせて、なるべく早く私どもの方の方針も決めてまいりたい、このように考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 従来の考え方では、共同使用、他人使用を制約をしているというのは、公衆電気通信のクリームスキミング、いいところだけ民間に取られてしまったのでは電電公社としての経営が成り立たない、こういう趣旨のようですけれども、その考え方というのは現在でも妥当性があるのでしょうか、私は非常に疑問に思うわけですけれども……。

西井昭日本電信電話公社営業局長

○西井説明員 お答えいたします。  ただいま先生おっしゃいましたとおり、現在の公衆電気通信法では、共同使用、他人使用あるいは回線接続について一定の制限がございます。  ただ、ただいまの公衆電気通信法ができましたのは昭和四十六年のころでございまして、そのときの改正で、当時から見ますと画期的な回線開放をわれわれとしてはいたしたつもりでございますが、余りにも民間を初めといたしますデータ通信の進歩が激しゅうございまして、一見、現在の実態から見ますと、現在の法制は非常に厳しいというお考えをお持ちになるのはまことにごもっともかと思っております。  ただ、現在の法制では、いまもお話のございましたように、郵政大臣の個別認可にかなりの部分がゆだねられておりまして、私どもといたしましては、郵政省の方の御指導も得まして、この個別認可制度の最大限の活用によりまして現行のデータ通信に関します民間の御要望に大体ほぼ一〇〇%近く沿っているのではないか、こういうふうに考えている次第でございますが、何さまそういう手続がよけいであるとか規定がほかの方によくわからないとか、そういう御要望もあることは確かでございますので、ただいま郵政省の方から御答弁がございましたとおり、郵政省の方でも御検討していただいておりますし、私どもも基本的には自由化の方向でやっていただくことについて本質的に異議はない、こういう次第でございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 もう一つ、問題はやはり国際的なデータ通信がいまのようにこう非常に発達してまいりますと、国際的なレベルとの調整というものも問題になってくると思うのです。私も前からいろいろと苦情を聞いていたのが、一つは銀行の国際的な為替取引に関するシステム、SWIFTの国内でのセンター設置に当たっては、郵政省、電電公社、国際電電の独占の壁に阻まれて、なかなか国内に制度が導入できなかったということで、国際的にも非常にトラブルのもとになっていたと聞いているわけです。そのほかにも、たとえばKDDのいままでの回線の制約については、アメリカ側からも一種のノン・タリフ・バリアだという批判も出てきている。そういう点からも、できるだけ国際的なレベルまで開放を進めていくことが必要だと思いますし、SWIFTその他がどういう形でこれから解決をするのか、その辺についてはどうなのでしょう。

二木實郵政省電気通信政策局次長

○二木説明員 国際間におきますデータ通信につきましては、各国の電気通信制度の相違からいろいろ利用制度も異なっておるわけでございます。  御指摘のSWIFTでございますが、これは国際的な銀行の集まりの一つの機関でございまして、これが新しい通信の利用形態を持ち込んできたということから、既存の通信秩序との調整を図るために相当時間がかかっておりました。しかし、これも三月に認可が終わりまして、実際に運用を開始しているところでございます。  これからの国際化の進展に伴いまして、やはり国際間のデータ通信の利用というのはますますふえるでございましょうし、またその利用のあり方も非常に多様化してくるのだと思うのですが、私ども国際的な、各国の制度の動向というものもよく見きわめながら、また国内の通信の制度というものとの調和も図りつつ、基本的には国際間の自由な情報通信の流通ということに配慮してまいりたいと思っておるわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 もう一つは、そのデータ通信の料金体系の問題がいろいろと話題になっておるわけです。日本の場合には遠距離が非常に高い。場合によっては専用通信回線については、特定通信回線ですか、百五倍というような料金格差がある。外国の場合にはそんな大きな格差はないし、アメリカでは最近はパケットサービスの場合にはほとんど距離間の格差をなくしているという話もあるわけで、その点はいまの料金体系というものがコストの面から不可欠なのかどうか、その辺についてもっと合理的な、情報化社会を進展させるための料金体系、コストに見合った料金体系というものが考えられていいと思うわけですけれども、その辺はどうでしょうか。

西井昭日本電信電話公社営業局長

○西井説明員 データ通信回線を初めといたしますいわゆる専用線の料金体系が、遠近格差が非常に大きいというお話でございますが、確かにおっしゃるとおりでございまして、わが国のこの専用線の料金を諸外国と比較いたしますと、各国によっていろいろな体系をとっておりますので一概に正確に申し上げるわけにはまいりませんが、わが国の料金は、近距離料金は諸外国に比べて安くて、そのかわり長距離料金は高い、こういう料金になっておることは確かでございます。  ただ、私どもといたしましては、これは電話の通話料も同様でございますが、近距離を上げまして遠距離を下げたいということを希望申し上げておりますが、実際そういうことをいたすといたしますと、利用されておる方の利害が必ずしも一致いたしませんでして、なかなか実態的には、私どもが考えておりますようにするということが困難というのが実情でございます。ちなみに、専用線の回線の大部分、約九割が集中しておりますのはやはり近距離でございまして、その安いところを多少とも上げるということになってくると、やはり多数の方が反対をされる、そういうのが実態でございます。  それから、ただいまデータ通信のためのいわゆる回線設定についてどうかということでございますが、これは日本も大体諸外国に負けずにいろんなデータ通信のための回線を設定いたしておりまして、現在のところ、データ通信のために利用されますディジタル網——新データ網と言っておりますが、ディジタル網によります回線交換サービスと、それからいまおっしゃいましたパケット交換サービスを、昭和五十四年並びに五十五年にそれぞれ開始をいたしております。これはいずれも国際標準規格にのっとりました回線網でございまして、この国際標準規格にのっとりました二つのデータのための回線サービスを実施いたしましたのは日本が世界で初めてでございます。  公社といたしましては、そういうようなことでできる限りわが国のデータ通信の発展のために、世間様から見ますといろいろ御批判もあろうかと思いますが、できる限りの努力をいたしておるつもりでございますので、よろしく御理解を賜りたいと思います。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 政務次官、これからの日本の経済力、経済的な活力、社会の活力というものを考えてまいりますと、これは何としてもやはり情報の流通というものが非常にスムーズにいく、円滑にいく、そして情報活用型の社会にならなければいけないと思うわけです。それが日本の一番の活力だ。そういう意味で、この電気通信サービスというものの持つ社会の中での意義といいますか役割りというものはますます高くなってくる。そのあり方が将来の日本の経済力なり社会の力を左右するというくらいに大きな分野だというふうに私は考えているわけです。その点で、民間の活力を損なわないように、民間の情報産業化をむしろ推進する形で電電公社のあり方、電気通信政策のあり方をお考えいただきたいと思うわけですが、その点の御所見を伺ってこの問題を終わりたいと思います。

渡辺紘三自由民主党郵政政務次官

○渡辺(紘)政府委員 お答えを申し上げます。  先生のおっしゃること、まことにすばらしい御意見だと拝聴しておきたいと思います。大いに検討を加え、また電電と手を携えて、先生のおっしゃるとおり将来の電気通信網のあり方について大いに勉強していきたい、このように考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 ぜひがんばってください。  それから、中央競馬会のことでちょっとだけお聞きしたいのですが、もう時間がなくなりましたので……。  中央競馬会については、事業がある意味で、こうした形で財政に貢献をする。それと同時に、社会にとって何らかの形で潤滑油といいますか、果たしていくためには、多くの人が健全に楽しめるというのが必要だろうと思うわけです。その意味で、多くの方が競馬を楽しむというのは場外馬券、こういうことになるわけですし、それからその場外馬券が円滑に機能して十分に設置されない場合には、逆にのみ行為の横行ということになって非常に犯罪にもつながる、またギャンブルが、こういう競馬事業というものが暗い影を持ってくるということになるわけですけれども、場外馬券売り場の整備についてどういう方針で今後取り組んでいくつもりか、その辺をお伺いしたいと思います。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御指摘のように場外馬券売り場の整備というのは今日の大衆化した競馬需要と、それからもう一つはかなり広範にあると思われますのみ行為を合理的に抑制していくために私どもも非常に重要な問題だろうと思っております。従来いろいろ懇談会等もございまして、射幸心を刺激するという意味から場外馬券売り場の問題については比較的消極的な御意見がかなりあったことは事実でございますが、今日の状態ではもう場外馬券売り場の売り上げが三分の二を占めているという現実があるわけでございます。そこで、私どももできるだけ現実的に前向きに場外馬券売り場の問題と取り組んでいくべきだろうと思っております。  ただ、具体的にはなかなか地域住民の反対があったり、また公営競技との競合等がありましてむずかしい点もございますが、やはり基本的には御指摘の方向で考えるべきだろうと思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 実は既存の場外馬券売り場でもいろいろと地域住民からのクレームの対象になっている部分もあるわけです。たとえば、私の地元の墨田区の錦糸町というところですけれども、大きな馬券売り場があります。しかし競馬のある日には、全く周辺の駐車場が整備されていないということで交通渋滞が起こる、騒音が激しい、それから清掃人が出て掃除をしても馬券を捨てていくとか後から後からごみの山になる、そういうことで地域に与えるいろいろな障害もあるわけです。この辺をやはり前広にといいますか計画的にそうした地域社会に与えるデメリットを排除していくことがある意味では場外馬券売り場の健全な発展といいますか整備のために必要だと思うわけです。従来その点に関しては中央競馬会から助成金が支給されていますが、この使い道その他についてもどうも地元の希望に十分こたえた形になってないということ聞いております。  たとえば地域の環境整備、環境美化等に使おうと思っても、清掃費であると目的が非常に制約されている、その辺はもう少し弾力的に地域社会の人たちが希望する方向で使えるようにある程度柔軟な姿勢を打ち出す必要があるのじゃないか。せっかくお金を出していて喜ばれる使い方をされないというのでは、ある意味で意味がないわけですから、その点についてぜひ御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょう。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御指摘の環境整備事業、やはり場外馬券売り場を新設する場合においてもまた維持継続する意味においても私ども必要な事業だろうと思っております。歯どめがなくなっては困るということで、範囲とか対象施設等については限定しておりますが、特認事業というものを設けておりますので具体的な実情に応じて弾力的に対応できるよう必要に応じて私どももアドバイスしてまいりたいと思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 具体的に周辺の商店街のカラー舗装に使いたいという話があるのですけれども、この辺はどうでしょう。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 ただいま初めて伺いました話なので、少し検討させていただきまして相談させていただきます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 あと実は国有財産の話をお伺いしたいと思ったのですけれども、国有財産については最近、来年度増税なし予算を組むというために思い切って処分をすべきだとか、する意向であるというような話が出ております。しかし私は、国の財産、特に土地、これについては決して安易な民間への売却は考えるべきではないというふうに考えるわけです。特に大都市においてはこれから公共用地をどうやって確保していくか、これが公園の整備、道路の拡張、住環境の改善のために大事なポイントでございます。その意味で、国有地がある意味では活用されていない形で散在をするとか、有効に利用されていないものについて態様を変えながらそれを地域住民のための緑地、公園にしていく、公共施設を整備していく核にしていくということは結構だと思いますけれども、幾ら貧乏したからといって財産全部をたたき売っちゃう、それでお金にかえてしまうというのは、現在の非常に狭い国土の中で住環境を整備していきたいと考えている日本の政策としては、少なくとも都市政策としては誤りではないかという気がするわけですけれども、その点についての大蔵省の基本的なお考えを伺いたいと思います。

楢崎泰昌大蔵省理財局次長

○楢崎政府委員 先生おっしゃられますように土地というものは工業生産品と違いまして再生産がきかないという性質のものでございます。一たん手放すと、また公用、公共用ということになりましても手に入れることがなかなかむずかしいという特性を持っているものでございます。したがいまして、現在国有財産は相当残り少なくなっております。これらのものはやはり優先的に公用、公共用に使っていきたいということが基本的な考え方でございます。ただ現在、財政再建という基本的な問題を財政当局としては抱えている折からでもあり、将来とも公用、公共用に使えないという国有地もあるわけでございまして、それらのものは将来とも公用、公共用に使えないということを念査いたし、たとえば国有地を民間に貸し付けてあるというようなところもございます。そういうのは将来とも公用、公共用に使えないというような判断が出てくる土地でございます。そういうものにつきましては積極的にこれを処分していく、そういう基本的な考え方でございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 時間が参りましたので、公用、公共用に使えないところでもただ単純な売却とか民間利用ということではなくて、できるだけそれをほかの土地と交換をするなり何なりして集積していく、そして有効利用を図れるようにするというのが基本線ではないかと私は思いますので、その辺もぜひ御検討いただきたいと思います。  大蔵大臣、最後ですけれども、いまの国有財産政策ですが、ことしは八百数十億円の国有財産の売却予算を計上しているわけで、来年についてどう一生懸命やったところでそんなに五千億だの六千億だの出るはずがないと思うわけですけれども、その辺がちょっと世間の認識として誤って伝えられているのじゃないかという気がします。もし大きな処分可能な土地があるとすれば、国有地であるよりも政府関係機関とかそういう点ではないかと思うのですけれども、その辺についての御認識を伺って私の質問を終わりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 過去の実績から見まして何千億なんという莫大な金は国有財産からなかなか出ないのじゃないかと私は思っております。しかしもう一遍洗い直してみます。また、土地の処分については柿澤委員の言われるように安易な処分はできませんので慎重にやらしていただきたい。公共用を優先する、そういうことでございます。政府関係機関、特に国鉄その他、これらについても総点検をやってもらいたい、そう考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤委員 国鉄その他についての総点検はぜひお願いしたいと思います。  終わります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 塚田庄平君。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 行政管理庁長官、非常に御多忙の中ありがとうございました。時間もございませんので、先に長官からの御答弁をいただきたい、このように考えております。  三月十六日に第二次臨調が発足をしたわけでございますが、この臨調における作業の手順といいますかスケジュールといいますか、これについてどのように考えておられるか。特に関連事項につきまして後で大蔵大臣から御答弁願いたいと思いますけれども、最近サマーレビューというのは何遍もやっておりますが、スプリングレビューといいますか、予算が通ったその次の日から見直しあるいは五十七年度の予算の編成等を目指していろいろと作業をやっておるようでございます。あるいはまた総合経済政策の大綱ですか、たとえば公共事業等の七割程度の前倒しとかいろいろな日程が詰まっておりますが、そういう中で行革の占める位置というのはきわめて高いと思いますので、そういう面から、一体どういうスケジュールで、手順でこれから作業を進めていくかということにつきまして、ひとつ概括的な御答弁をいただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 ただいまいわゆる第二臨調で審議が開始されておりますが、私の想像では恐らく最初は総合的な話で、いわゆる第二臨調を支配する一つの理念とか哲学とか、そういう包括的なものが論ぜられて、今次行政改革の大体の輪郭というものがまず論議されるのではないかと思います。それと並行しまして、いわゆる七月答申と言われてます緊急対策についての審議が恐らく進められるのではないだろうか。それで、われわれの期待しているところは、来年度予算編成に影響のある答申というものを考えて期待しておりますものですから、そうなりますと、概算請求前に出していただく必要があると思うのであります。七月中旬ごろまでに少なくともお出しいただくように御努力をお願いいたしたいと思っております。そうなりますと、概算請求閣議というのはいつも七月の末、二十九日ごろ行われておりますが、時間が非常に短いわけであります。恐らく、ですから大蔵当局におきましてはいわゆるサマーレビューというものを繰り上げて、そしてもうすぐ全般的な予算編成の見直しあるいは準備、下調査というところに入っているのではないかと思います。臨調の審議のぐあいによりまして、補助金問題等が出てまいりますれば、それをどういうふうに処理するかという問題も出てきますから、当然財政当局やあるいは各省内部におきましては即応体制といいますか、自分の省はどういうふうな対応をすべきかということを勉強なさるだろうと思うので、恐らくそれは各省事務次官あたりが中心になって即応体制なりあらゆる政策に対する対応できる勉強も始めなさるのではないかと思います。そういうような形で臨調も進められて、夏の七月のごく短い期間でございますけれども、いろいろな調整作業を大至急、大馬力でやって、そして概算請求という形で進むのではないであろうか、そんなふうに考えておりまして、これはわれわれ政党といたしましても、あるいは官庁側といたしましても、この夏は非常に暑い夏になるのではないかと覚悟いたしておる次第であります。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 いま長官から、この夏は非常に暑い夏になるのじゃないか、こういう御答弁がありました。暑くてもその暑さを乗り越えていける、そういうスケジュールあるいは時間的な余裕あるいはそういう政策的な背景あるいは経済的な周囲の情勢というのがちょうど臨調とぴたっとマッチしながらやっていけるような体制になってくれるとこれは一番いいのですけれども、後で質問をしたいと思いますが、なかなかそういう情勢でないように私どもは思います。  そこで長官、いま第一番には理念といいますか輪郭といいますかこの議論から始めてもらう。一般に報道されておるところによりますと、臨調はまず第一に歳出の削減、特に補助金の見直し、これを少なくとも七月ころまでに終えて、それが終わったら二年間のあれがあるのですから、特殊法人の整理、合理化等も含めて本格的なと言ってはあれですが、いわば西ドイツの構造的な財政再建法と匹敵するようなそういう形に持っていきたい、こう理解していいものかどうか、ひとつ御答弁を願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 総理から来年度予算編成は大型新税と言われるものを念頭に置かないで、そして増税を極力回避して予算編成をやる、そういうふうに明言されておりますので、その線に沿って七月答申というものも御努力願うことになるのではないかと思います。それがどういう形で出てまいりますか、これは委員の方々がどういう御判断をなさるかによって決まるので、いま予断することはできないと思います。しかし政府側といたしましては、いろいろ御下問もあるかもしれませんし、こういう資料を準備しろ、ああいう準備もしておけという指示が出てくるかもしれませんから、そういうものに対応する勉強だけはしておかなければならぬと思いますが、すべてどういう結果が出てくるかということは委員の御判断によって決まることで、われわれはいま全く白紙の状態でどういう答申が出るか、かたずをのんで待っている、そういう状態であります。     〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 いわんやいわゆる財政再建法をやるのではないかとかという御質問がありましたが、そういうことも全く白紙の状態でありまして、答申を見た上でなければどういう対策を講ずるかという判断もできないというのが実際の状態でございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 そういう答弁で逃げられるだろうと思っておりました。しかし長官、結局ガバナーなんですね。決して臨調を横目で見ながらその結論を待つというものではないと私は思います。臨調はあくまでもやはり政府のいろいろな諮問に応じて答申する機関であって、何をどうするか、これはいかがですかというのは行政管理庁の方であるいはその他政府の方で原案というか原案と言うと少し語弊があるのですが、そういう方針を一応示してよしあし、あるいは足らざるはどうか、行き過ぎはどうかという意味の答申をいただく、これが本当だと思うのですけれども、その辺ひとつ率直に、新聞ではもう政府方針はどうだとかこうだとか、ここまでは私は言いません、言っておりますが、しかしその辺のことをある程度われわれはこういう心構えで二年間の臨調に対して問いかけをしていきたいのだ、こういうことについてひとつもう少し立ち入った御答弁をいただきたい、このように考えております。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 臨調は隠れみのではございません。今度委員に任命された方々は日本の各界を代表されるみんな尊敬すべき人士でございまして、その御判断は国民的判断として私たちは受け取りたいと思っておるのでございまして、われわれが先入観を持ったり条件をつけたりするということは厳に戒めて、委員の皆様方の自由な判断、フリーハンドを保障するということを私たち一番心がけたわけでございます。ですから、第一次臨調の法案をつくる際に附帯決議が行われましたけれども、今度は附帯決議すら行われなかったというのは完全なるフリーハンドでやっていただくという考えに立って附帯決議も行われなかったのであります。いわんや政府が影響力を行使してその考えを臨調の名前において出してもらおうというようなことは絶対慎むべきことで、それはこの発足に当たりまして行管庁の役人や政府関係の者に厳に私が戒めたところで、そういうわれわれの手あかのついたものが出てくるということになれば、決して国民の皆様方はこれを虚心坦懐に受け取っていただけません。そこが一番大事なところなのでありまして、そういう意味において、白紙の状態でわれわれはお待ちするという考えに立っておるのでございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 そうすると、巷間伝わっておる政府の決定ということで、たとえばまず第一に、補助金の見直しをやる。しかしこれはなかなか政府部内においても、あるいは与党の内部においても抵抗があるだろう。したがって三年時限立法でやるんだとか、二段構えで二段腰で臨んでいくとかいろいろ言われておるのですが、そういったことは一切白紙だ、こう受け取っていいのですか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 これだけの国の根幹に関する問題を御審議願うわけでございますから、いろいろな雑音が起こるのは当然のことでございます。しかしこれは雑音でありまして全くわれわれは委員の御答申を白紙で待っているというのが実相であります。ただ先ほど申し上げましたように、大型新税を考えないで予算編成をやるという緊急課題がありますから、その場合に備えて各省や大蔵省あるいは行管庁あたりがどういう宿題が出てくるか、そういう点について勉強もし、準備もしていざというときにお答えできるようにしておくということは官庁としては当然のことでございますから、これは内々勉強しておるところもあるとは思います。しかし政府がこういう考えでやるという主体的意思を持って政策を決めたとか方針を決めておる、そういうものではございません。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 それじゃ非常にくどいようですが、このように最後に理解していいですか。いま大型新税を避けて財政再建をやりたいあるいは一般的には増税なき財政再建、こうなりますと、結局歳出を調整する、端的に言うと歳出を削る、ここにまず第一に着眼して、臨調はその審議に入っていくということしかわれわれとしては常識的には考えられないのです。歳入法案について、もちろんドイツのような例は歳出歳入全部にわたって四十二、三項目ですか、数項目にわたって実は出ておるのですけれども、そこまでは別として、少なくともいま歳入についてはとりあえず大蔵に任せて、そして歳出についてこの際徹底的なメスを入れる、こう考えていいかどうか、補助金というと非常にまた語弊があるようで、長官には拒否反応があるようですから、この辺はどうですか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 臨調の命題が、簡素にして効率的な政府をつくるというのが当面の具体的なターゲットになっているだろうと思います。そういう面から機構、人員、金、全面的にぜい肉を切るということは恐らく常識的に考えられるところであると思いますが、それが具体的に一体どういうふうに展開されてくるか、これは私らがまだ予断することはできない状態でございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 ぜい肉といって、これは語弊があるかもしれませんが、その際、やはり私どもがとにかく見直しをしなければならぬ最も大きなものは三点あると思うのです。  一つは、何といっても三分の一を占める補助金だと思うのです。第二は、これまた先ほど御答弁がありましたが、いろいろといいところもあれば悪いところもあると言われた特殊法人の問題だと思います。これは話しますと、これだけでもう何時間もかかりますからやめます。もう一つは、第二予算と言われるいわゆる財投、ここに大きなメスを入れなければならぬ、この三つが私どもは着眼すべき大項目だと思うのですが、大体そうだろうというなら、そのようにお答えを願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 それはすべて臨調の委員がお決めくださることで選定なさることでございますから、私がここで予断を申し上げることは差し控えたいと思います。しかし塚田さんは権威者でございますから、貴重な御意見として拝聴しておきます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 それじゃ中曽根さんどうもいろいろありがとうございました。  では大蔵大臣に、いま質問したことに関連いたしまして、今度われわれが審議しておりますのは名称は次のような法案ですね。それは財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案、大変長い題なんですけれども、ここには特別措置と、特別は書いておりますけれども、特例公債という公債のコの字も出ておらないという状態です。だからこの法律の題名だけを見たんじゃこれは一体公債のことを言っておるのかどうか即わからない。内容を見ますと、三つか四つあるのだとわかります。昭和五十三年に、公債の発行とそれから納付金について一緒にして出した経緯がございます。昭和五十三年です。五十四年は公債だけなんですが、五十三年は昭和五十三年度における財政処理のための公債の発行及び専売納付金の納付の特例に関する法律及び、アンドで結んであるわけですね。その前は公債発行だけですね。特例公債に関する法律が出たわけです。だから前は特例公債一本でちゃんとわかる。五十三年は公債と専売納付金と二つ一緒にして出しました。  さて、五十六年は今度全部ひっくるめて、公債という字もないのですね。これは財政法で特例公債の発行ということについては厳重な規制が行われております。原則的にはだめだということなんです。ただしということで出ておるわけです。こういう財政法の一番大きな根幹をなす四条の問題、これを大蔵省はどう見ておるのか。その見方の変遷が、最初はきちっと特例法で出る。その次はアンドで結ぶ。その次は消えてしまう。消えてしまうと言うと悪いのですが、この法律の字面から消える。これは大蔵省の、あるいは政府の公債に対する態度のあらわれがこういう字面になっておるのじゃないかと考えるのですが、杞憂でしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 決してそういう考えはないわけでございます。立法法制上の表現の問題でございますので、事務当局から答弁いたさせます。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 従来の扱いでございますけれども、二つのものを一緒にするときには及びということで名称を付する。三つ以上になりますと、全部書き上げるということじゃございませんで、包括的な名称を付するというのが法制技術上の慣例でございまして、御指摘のように特例債のことが名称から落ちてはおりますけれども、重要性においては全く変わるところはございません。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 私は五十三年のときもこういうことを言ったことがあるのです。これは一緒にすべきじゃない。特例債は単独で出すべきだ。形式的なあれになりますけれども、それだけ非常に重いものだ。だからいかなる場合においても他のものと合併してアンドで結んだり、いま、いや二つあるから技術的にアンドで結んだんだ、三つ以上になるとアンド、アンドになって、だからなくなったんだ、こういう答弁なんですが、そういう形式の問題じゃなくて、特例公債というのは非常に厳格な態度でこれに接し、あるいは法案を出すべきだというその気持ちのあらわれが単独法ということで私は主張いたしました。この点については大蔵大臣どう思いますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 特例公債というのは財政法上特例中の特例なものでございますから、私はそういうような考え方も全くりっぱな考え方だと考えております。しかし二つになった場合、それじゃ競馬会だけ別に離すかどうか——という前例もございますものですから、そこで今回はこういうことでお願いをいたしましたが、今後そういう御趣旨については十分に検討をさせてもらいたいと存じます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 それじゃ今後形の上においてもきちっとえりを正しながらこの特例公債には立ち向かっていく。まあ出さないのが一番いいんですけれども、そうはいかぬだろうと思います。  そこで私は、形だけではなくて内容の面についても、最近特例公債の発行あるいは建設国債の発行も含めまして公債の使い方が非常に乱れておるんじゃないかという印象を深めております。これはことしの予算委員会でも若干問題になりまして、時間がなくて十分な議論ができないまま、大蔵大臣恐らく御記憶はあるだろうと思いますが、検討しますということで終わったんですが、たとえば公共事業、これは私も理解ができます。恐らく百分の一・六というのも、公共事業というのは後代に残ってくる財産があるんですから、それを後代の人も引き受けて、いわば六十年くらいで返還していくという趣旨であろうと思うのです。ところが出資金について公債を使っておる。しかもその使う金額は例年だんだん多くなってきているのです。それから項目も多い。最初は、昭和四十一年ころは恐らく二十項目足らずだったろうと思うのです。いまはもう三十四を数えております。出資金にどんどんつぎ込んでおる。一体どういう根拠で出資金に公債金を充てるのか、こういうところについてひとつ御答弁を願いたいと思います。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 申すまでもないことでございますけれども、四条で公債は原則として禁止する、ただし例外として出資金、貸付金及び公共事業につきましては公債を発行することができるという規定がございまして、法律上定められた国の出資規定のある法人に対して出資をしている場合に四条債の対象としているというものでございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 私はその場合の出資金というのは、これは変な言葉ですが、回り回ってやはり有形的な資産として残ってくる経過をたどるもの、あるいはその出資金が利益を生んで国に納付されることを予定したもの、そういう限られたものであると思うのですね。ところが、時間もありませんから指摘します。  この出資金の中のたとえば宇宙開発事業団の出資金あるいは原子力研究所の出資金あるいは動燃の出資金、あるいは原子力船も同じですね、これらは配当どころか例年赤字ですね。どうしてこういうものに——ここへ出資して一体何が残るのですか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 いま御指摘がございましたのは、御指摘の原子力関係の特殊法人、動燃、原子力研究所それから原子力船研究開発事業団、こういったものに対する出資の中で有形資産に残るものならば四条の例外として認められている公債には当たるだろうけれども、無形なもの、資産として残らないようなものについてこれを四条債の発行対象とするのはおかしいのではないか、こういう御趣旨だと思います。  私どもの扱いといたしましては、これらの法人で一般管理経費に当たりますものは補助金として予算計上する。それから研究開発経費、この中には有形資産として残るものと有形資産として残らないものがございます。これを一緒にして出資金として出しているわけでございます。それがおかしいではないか、こういう御指摘かと思います。  なぜこれを出資金として出指しているかという考え方でございますが、これらの法人が遂行いたします事業はいわば科学の最先端を行く研究開発に係るもので、その成果を上げるまでに長期間を要し、また事業の性格上成否についての不確実性もあるために通常の企業会計と同様の表示方法をとる場合には損失処理をしておかざるを得ないわけでございますけれども、終局的には無形も含めまして資産として残る、国民経済の発展に大きな役割りを果たすものである、そういうことが考えられるわけです。さらに事業の性質上国が主体性を持って進める必要があるということで国の出資という形をとるのが適当である、こういうふうに考えているわけでございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 そうするといまの答弁から言うと、たとえば動燃ですね、これは補助金が出ております。六百六十億の出資金に対して補助金が百二十億出ております。ほかのものも補助金と出資金あわせて皆出ているのです。いま御答弁がありましたとおり、いや残るものはあるのだ、まず原子力船だったら船が残る。これは有形財産です。その他資産に計上できるもの、これがある。しかしそうでないもの、ノーハウといいますか、こういったものを財政法が制定された当時果たして出資金の対象として考えて例の四条があったのかどうかいろいろ調べてみました。しかしそういったものは当初は考えていなかったというのが大方の意見です。たとえば東大で有名な杉村章三郎さんですか、この人の著書などは一貫してこの説ですね。いまのような答弁ならばどんなところにでも建設国債は使える、そういう議論にならないですかね。私はこれでは公債の歯どめにならない、このように考えるのですが、どうでしょうか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 ただいま申し上げましたような最先端的な技術開発ということで、国がどうしても主体性を持ってやらなくてはならないような研究開発ということを考えますと、いまおっしゃいますように、無制限に広がっていくというようなことではなくて、おのずからそこには制限があろうかと思います。私どもといたしましては従来からこういう考え方をとっているわけでございますけれども、その一つが、形にあらわれた資産以上の大きな資産を生み出すものであるという実態と、それからそういった技術開発を国が主体性を持ってやっていくんだ、国がつぎ込んだ額を出資金という形で明確にしておくということはそれなりに意味がある、こういうふうに考えている次第でございまして、私どもはやはり出資金とするのが一番適当ではないかと考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 私は意味がないとは言っていないのです。これを建設国債でやるということについて疑義があるのです。むしろ特例債がいいのじゃないですか。そして出資金の形で出せばいいのです。建設国債という形をとるところに、つまり建設国債に出資金という項目があるから使うんだ、しかしそれはこの意味とは違うのですよ。むしろこういった種類の出資金は一般財源でやるか、あるいはせいぜい特例債あたりで勘弁してもらおうか、これが本当ではないですか。建設国債はおかしい、こう言っているのです。ましてや百分の一・六などという償還の率がある、後代に有形財産として残るというものでもない、こういうことになると一般的なあれで扱ったらどうですかというのが私の主張です。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 最も財政が健全な状態におきました場合には、何も公債を発行しないで一般的な財源で出資し得る、これは当然のことでございます。いまのような特例債を出さなければならないような状況の場合、特にそういうことが問題になるのだろうと思うのですが、法律上定められた出資金で資産性があるものということを考えますと、これは当然のことながら財政法四条の出資の対象となり得る、こういうふうに考えている次第でございます。     〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 これはもうこの辺でやめたいと思いますが、私は承服できません。そしていま言いました宇宙開発あるいは日本原子力研究所、原子力船、動燃を合わせますと、公債金による出資金の三六%をこれだけで占めておるのです。しかもこれは全部赤字なんです。国に対する配当とか国に対するお返しなどできる筋合いのものじゃないのです。こういうことからいって、私はこれは公債金による出資金で賄うべきものではないという主張は変えません。これはいつまでいっても平行線ですから、いずれまた別の機会で議論したいと思います。  さて大蔵大臣、先ほど中曽根長官といろいろ議論し合いましたが、第二次臨調はお聞きのとおりの状態で進んでまいります。それからスプリングレビュー、これは私がつけた名前なので果たして正しいかどうかわかりませんが、とにかく予算が成立した直後からいろいろと見直しをやっている、こういう状態、あるいはまた第二次臨調ではっきりとは言いませんでしたが、とにかく増税なき、あるいは大型増税なき財政再建を考えておるのだということです。そういう問題、あるいは総合経済計画ですか、ついこの間閣議決定しました大綱というのがありますね。こういう中で公共事業の前倒しというのがあります。大体前半で七〇%程度と書いてあります。七〇%程度前倒しをする。そして恐らく景気浮揚のためにやるのだろうと思いますが、こういったいろいろな政府の経済政策あるいは臨調、あるいは予算の要求時期、あるいは要求予算の目安などは大蔵省は示さなければならぬと思うのですが、こういったいろいろな問題を一体どう調整するつもりなのか、どういう手順でやるつもりなのかということを、予算編成の責任者としての大蔵大臣に聞きたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 景気促進策として一連の公共事業の前倒し、金利その他、それをまず一番先にスタートさせたわけです。いま国会中でございますからなかなか手が抜けないわけでございますが、国会が終わり次第、どういうふうに経費のカット等ができるか全面的な見直し作業を行って、行管からどういうものが出るか玉手箱はわからぬわけですから、それが出たときに受けて立てるような体制をとらなければならないと考えております。そして七月の末になるかもっと早くなるかどうかそこらのところはわかりませんけれども、各省庁に対して一つのシーリングをおろすとか、また今度はそれをどれくらいにという幅の問題がもちろんあります。それからどういうところを中心に抑え込んでもらうか。ただ抑え込む、抑え込むといったってなかなかできないわけです。ですからシーリングを考えると同時に一つの方針をある程度立てざるを得ないんじゃないか、そう思っております。まだ具体的に詰めてありませんから、大体そんなふうな方向で行くつもりですが、具体的にどこのところをどうということを勉強する暇がないのです。毎日毎日朝から晩まで国会に来ているわけで、早くこれを終わらせてもらわないと前に進まないというのが実情なんです。ですから、国会が終わり次第早速入りたいのです。だからその下準備のことは手のすいたところでやってくれと頼んであるのです。指示はしてあるのです。しかし幹部が毎日国会でいないものですから、そういうところに問題点がございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 渡辺大蔵大臣は考える暇もないというような情勢のようでございますが、現実は経済情勢あるいは行政執行はどんどん進んでいます。特に公共事業の七〇%程度の前倒し、これはあなた金を出さなければならぬですよ。前半ですから大体六カ月で七〇%、莫大な金です。これで景気浮揚と言っていますけれども、私はこれは非常に怪しいと思うのです。なぜかというと、景気浮揚というのは内需を刺激してとにかくやろうじゃないか。だから公共事業を第一番に取り上げて七〇%程度を前倒しでやる。だけれども内需の半分は個人の消費ですよ。これは大臣よく知っていますね。それを上げなければ景気浮揚の大事なところがつかえることになるのです。減税をやれと言ったってやらない。やるようですけれども、ちゃちな減税で終わる見通しを新聞は立てています。(「五千億くらい出るかもしれない」と呼ぶ者あり)では期待しています。しかしいずれにせよ、いま庶民の世論調査をとってみても、景気浮揚になる材料、特に個人消費の浮揚はちょっといまのところ望み薄だ。たとえば公共事業を進めても、家を建ててもあるいはマンションを建てても、買う人がいないのですよ。それは買う力がないからなんです。そうなりますと七〇%前倒しといってもうまくいかない場合も考えられる。そして七〇%でどんどんと金をばらまく。だけれども効果は出てこない。したがって補正予算などということが出てきたら、これは大変だと思うのです。この点一体どう思いますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 そういうことになっては困りますから、公共事業の問題についてはどんどん事務方で、地域差もございますがどういうふうにやったらいいか、早く契約しなければだめですから、それが整うためには設計図も何もなくちゃ契約もできるわけもないんだし、そういうところを促進するようにいまやっております。そして先生の御指摘になるような事態にならないように持っていきたい、そう思っております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 大臣、いみじくも地域差ということを言いましたね。私は北海道出身なんですよ。これはどっちかというと早くやりたい方なんですけれども、いま言いました諸準備ですね。まず見積もりをやる、あるいは入札をやる、あるいは地域の選定ですね。そして仕事にかかる。となりますともう九月からでなくちゃかかれない。だから北海道は、とにかく年度は暦年にしてくれなんというような要求さえあるのですよ。そういうところからやっていくということになりましても、いま北海道あたりでも前倒しと言われてもそれに間に合うような作業はできない。地方の行政を全部公共事業にしぼってみても六カ月で七〇%もやられたんじゃ公共事業地方公共団体になっちゃう、こういう嘆きが実際にあるんです。だから、一年間の財政計画をせっかく立てたんですから、こういうむちゃなことをやって、そして補正予算を組まなければならぬというような事態を招くようなことのないような調整を大蔵省としては主張すべきじゃないか、私はこう考えておるのですが、どうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 大体六〇%だと自然体なんですよ。いつでも大体そんなことですから、後半は雪が降ったりなんかしてできませんからなるべく前半にやる。しかし、今回は七〇%以上を目途にやるということにしたわけであって、七五ということでやったこともあるのです。ですからまるっきりできないというわけでもないと思っております。できるだけ進めたいと思っております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 時間もございませんから、それじゃ次へ移りたいと思います。  大蔵大臣、財投について質問をしたいんですが、財投の五十二年、五十三年、五十四年、五十五年はまだ推計程度だと思いますけれども、財投全体で未消化額ですね。消化できないで余しておる金、これを五十二、五十三、五十四と分けてどのくらいありますか。それぞれ年度別に言ってください。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 未消化額という言葉は私ども余り使わない言葉でございますが、不用額とそれからもう一つは繰越額というのは、その年度中に使わなかったという意味ではあるわけでございます。したがいまして、不用と繰り越しというふうに分けて申し上げたいと思います。  五十二年度は不用額が五千三百十三億円、繰越額が二兆六千四百九十三億円、五十三年度、不用額一兆五千四百六十五億円、繰越額三兆二千四百十八億円、五十四年度、不用額七千二百八十四億円、繰越額二兆九千四百五十六億円となっております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 いま答弁で、未消化額という言葉はわれわれは使わない、こう言いましたね。財政金融統計月報というのを読んだことがありますか。これにははっきり未消化額というのが出ているのですよ、重要な指標として。われわれは使わないじゃ困るですね。これは大蔵省が出しておる月報なんです。その辺が未消化なのかもしれないですね。(「消化不良だ」と呼ぶ者あり)冗談はやめまして、ことほどさように未消化額が出ております。私は財政金融統計月報の言葉をそのまま使いますが、五十二年度は全体計画の未消化額は大体二〇%、五十三年度はずっと上がって二六%、そして五十四年度は一八%の使い残し。これだけ使い残しておる。いわば使い切れない、使うあれがないこういう財投というのは、こういう実行状況を見たときに何を一体やっておるのかというふうに私どもは考えたいのです。しかも、財投は当初計画というのを出します。その当初計画の額に従って予算が組まれる。次に、大体経済情勢を見て、これが多い、少ない、こういう見通しの中で改定計画額を出します。しかし私の知る限りでは当初計画額と改定計画額が違っておるというのは本当に九牛の一毛なんです。こんなばかな話はないと思うのです。財投計画というのはいかにでたらめか。しかもいま言ったとおり未消化額は二〇%、二六%、一八%、これだけ上がっておるのです。一体大蔵大臣、財政を預かる責任者として、毎年毎年こういう状態が続くということについてどう考えますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これは繰り越しとか、その理由は、地方自治体などで、財投の金の金利が長期ではあるが高いものですから、したがって借りられるとき短期の市中の金利などで間に合わしてきて安い方を使っておって、最後の土壇場に来てから借りるというケースもかなりある。そして金額が大きいということを聞いております。委細については事務当局から説明させます。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 ただいま大臣が申し上げましたように、繰り越しにつきましては長期運用法上、財投というのは一般会計等に比べまして弾力的に運用しなければいかぬという趣旨によりまして、法律上初めから認められておるわけでございまして、ある意味では事業の進捗等を勘案いたしまして二年度にわたってやるというふうな法律上の構成になっておるわけでございます。特に地方公共団体におきましては出納整理期間に集中して財投の金を引き出すというふうなことになっております関係上、どうしても繰越額というのはかなり多額に上っておる。それが毎年毎年繰り返されて出納整理期間分だけずれた形で毎年度運営されていくというふうなことになっておるわけでございます。本当の意味で未消化といいますか使われなかった金というのは不用の方でございます。不用額につきましては、五十二、三、四年度におきましては、ちょうど景気がかなり停滞しておった時期でございますから、したがって、景気を維持浮揚するというふうな観点で、ある意味では政策的に財投計画を相当大きくしておったというふうな事情もございますし、それからまた、当初の計画策定時とその後の経済の状況というものは、当初計画策定時に見込んだような伸展がなかった、金融が非常に緩んできて、したがって財投の金の繰り上げ償還がかなりふえてくる、あるいはまた事業、つまり資金需要がかなり落ち込んでくるというふうな経済の変動要因がございます。あるいはまた、海外等におけるもろもろの変動要因がございまして不用が生じたわけでございますが、私ども、資金の効率的な運用という点から、こういう状況はできるだけ早く是正しなければいかぬということで努力をしてまいりまして、財投計画の徹底的な見直しを図ってまいったわけでございます。  したがいまして、五十三年度に比べまして五十四年度の不用は半減をしたわけでございますが、五十五年度につきましてはまだ確定的な結果は出ておりませんけれども、不用額は恐らく二千億を相当下回るぐらいの量に圧縮できたと思うわけでございます。そういう意味で、不用の問題はかなり解決できたのじゃないか、これからはまあ摩擦的な不用というふうな程度で財投計画を締めていけるのではなかろうかと思う次第でございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 いま二千億という答弁がありましたが、恐らくそれは括弧してあると思うのですね。それは地方に出しておる財投については全然触れておちないのですよ。恐らく五十五年度についても地方だけでもう一四%超えておると思うのです。どうですか。——そうなんですよ。だから、そういう都合のいいところばかり答弁しては困るのです。  そこで大臣、全体計画の未消化額のうち特殊法人は一体どのくらい占めておるかといいますと、五十二年度は四五%。これは私が計算したのです。五十三年度は五三%。未消化額のうちの半分以上は特殊法人なんですよ。五十四年度は四三%。こういう状態です。  時間もありませんから次に移ります。  財投の不用額は非常に大きい。さっき二〇%、一八%、いろいろ言いましたね。そのうちで特殊法人の占める分は半分近く、あるいは半分以上のところ、ありますね。こういう未消化額を出しておる。  それでは、先ほど答弁がありました不用額でいきたいと思うのです。  私はここに、財投計画の実行状況のワーストファイブを挙げました。悪いものですよ。これは、それでは不用率で見てみたいと思います。  一番悪いのは、五十三年は石油公団七三・七。これは不用額を見たのです。未消化額じゃないのです、不用額。いいですか。七三・七%、だから四分の一だけ使ったということです。四分の三は使い残したということなんです。いいですね。それから金属鉱業事業団四八・六、輸出入銀行三六・八——三六・八だけ利子のつかない金が寝たということです。いいですね。それから公害防止事業団三〇・七、京浜外貿公団二三・一。五十四年は公害、地域振興あるいは中小企業、輸出入銀行、そして雇用促進、これは一から五まで並びます。それぞれ七四・四、七〇・三、五三・七、四六・一、四五・八と、大体半分くらいは不用額なんです。これは未消化じゃなくて不用額で残したのです。先ほどから不用額と言っていますから私はそれで言いますよ。一体こういう状態について大蔵大臣はどう考えますか。特殊法人でワーストファイブをとったところが、七十何%も不用額を出しているとか五〇%以上出している。どう思いますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 これは、先ほど局長から話があったように、五十、五十一、五十二、五十三年と不景気で、もっとそれを立ち直らせなければならぬと、かなり大まかに財投を組んだということも事実のようです。ところが、それが消化し切れなかったというような事情やその他の細かいことがあろうかと存じますが、それぞれの事情については局長から答弁をいたさせます。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○渡辺(喜)政府委員 いま塚田委員のおっしゃったのは、年度が一年あるいはずれておったのかと思います。五十二年度と三年度をおっしゃったのじゃなかろうかと思いますが、いずれにいたしましても、五十三年度というのは、先ほど申しましたように一番大きな不用の出た年でございます。  特に主要な要因といたしましては、日本輸出入銀行に見られるように、海外の状況というものはそれぞれの国の政治的あるいは経済的な激変期にあったわけでございまして、たとえばイラン、イラクでございますとか、中国でございますとか、ソ連でございますとか、そういうもろもろの要因で海外に出るべき輸銀の金が計画どおりに出なかったというようなことがあったわけでございますし、国内におきましてはなかなか用地の交渉等が計画どおりに運ばなかった。公害防止事業団におきましても、設備投資が当初の予想のように出てこなかったというような関係がございまして計画が未達になったわけでございます。  くどいようでございますが、先ほども申し上げましたように、そういう効率のよくない資金の配分は改めていかなければいかぬということで、五十四年度以降、不用額の圧縮に努めてまいったわけでございまして、五十五年度につきましては二千億以下の不用にとどめ得るのではないかと考えておる次第でございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 財投の見直しについて、私、先ほど中曽根長官にも言いましたけれども、大蔵大臣、大蔵省としてもいまの実態を踏んまえて——海外要因と言いましたけれども、五十二年度なんか実はそうではないのですよ。確かにそれもあるでしょう、輸銀については。本当は金融の緩みなんです。そうすると、何も国の特殊法人を使わないで、民間の方へ走るのです。国の方は前の金利でやっていますから、公定歩合が下がるとすぐ民間へ走る、こういう事情にあるわけですね。だからこれは予測できるのです。あっ、こういう事態が来たな、これは民間へ走るな。そうしたら、計画を変えればいいじゃないですか。一番最後まで、もう年度末のぎりぎりまで持っていって、計画を変えない。途中でそういう経済変化があったならば計画を変える、そして余分な金は吸い上げるということをするならば、もっと計画的な資金の利用ができるのじゃないか。いずれにせよ、財投というのはいま見直さなければならぬ時期に来ていると私は考えておりますが、もう時間がありません。これについてひとつ大臣の所懐を聞きたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 法制上の問題がどうなっているか、私は詳しいことはわかりませんが、塚田委員のおっしゃることは、途中で一度補正みたいなものですね、財投の。そういうことができるかどうかも含めまして、十分御趣旨を踏まえて検討したいと思っております。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 もう一点だけ。大臣、これが最後です。  財政再建の問題について、いま第二臨調をやっておりますが、たまたまドイツの例が出ます。ドイツの財政構造改善法、これは財政を構造的に改善した画期的な法律と言われております。その中で非常にドラスチックなことをやっております。たとえば租税特別措置の撤廃、日本にある措置と同じです。これを撤廃しております。それから貯蓄奨励プレミアム、例の三百万円のあれですね、これを引き下げております。いま標準家族で、三百万というと、四人ですから千二百万できるわけです。ところが、最近の統計によりますと、標準世帯で貯蓄は大体四百七十万ぐらいですかな。そうしますと、仮にそれを半分にして百五十万にしても、大体余りあると思うのですね。そういう実態に即してプレミアムの引き下げをやっております。  あるいは病院の新築についてはこれを規制しております。日本の場合、たとえば特殊法人の持っておる病院などは非常に能率が悪いのです。みんな赤字です。なぜかというと、これはそこの鉄道なら鉄道に勤めておる人だけを診るからですよ。なぜもっと一般に開放しないのですか。反対がいるのですよ。(渡辺国務大臣「医師会」と呼ぶ)そのとおりです。医師会なんです。私はそういうものを押し切ってもっと開放すべきだと思うのです。いま開放しているのは郵政の病院ですね。それから警察病院がそうじゃないでしょうか。この一、二だと思いますよ。  だから、そういうことで財政構造改善法と同じような効果を大臣ひとつねらってみてはどうかということ。あるいは戦争関連の諸立法の改正ということ、これは大体おわかりだろうと思います。こういうドラスチックなやり方をとっておりますが、これは第二臨調がいま出発しておりますからいろいろと検討されると思います。しかし、大蔵大臣としてやはりこういった問題等も思い切って見直すべきだ、私はそう思いますけれども、大臣はどう考えますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 社会党で有力な議員である塚田さんからそういう大変りっぱな御指示をちょうだいしまして、私も意を強くいたしております。極力御趣旨に沿って見直すようにいたしますから、何分の御協力をお願い申し上げます。

塚田庄平日本社会党

○塚田委員 では終わります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 次回は、明九日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十四分散会

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