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94回国会衆議院1981/04/07

大蔵委員会 第18号

発言数
55
登壇者
10
会派数
2
開催日
1981/04/07

会議録

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これより会議を開きます。  財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 きょうから財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案という大変長い名前の法律案を審議するわけでございますが、内容はきわめて多岐にわたっておりますので、限られた時間の中で要領よくお伺いをしていきたいと思うわけであります。  それで、本法律案には、提案理由の説明にもございましたように、四条公債を発行するいわゆる財政特例法、二番目に電電公社やあるいは日本中央競馬会、こういったところから特別に国庫納付させる法律あるいは輸銀、開銀、産投会計から操作をいたしまして一般会計に繰り入れる、こういうような内容が入っているわけであります。どうも大蔵省の説明によりますと、いずれにしろこれらは臨時異例の措置だ、一回限りなのだという共通項があるから、この法律案というのは一本で出てきたのだということのようであります。しかし、財政的に経済的に借金をしようという法律と、後からお伺いいたしますけれども、いろいろな理由をつけて各特殊法人あるいは公社、こういったところから特別に納付しなさい、いわば一回きり、取りっきりのお金を取ろうという法律案、こういった借金をするという問題とそれから一回限りで取り上げてしまうというような内容とが一緒になっている法律というのは、一体これは一本の法律で出してくる体をなすのだろうか。私も大蔵省が言う共通項については否定はいたしませんけれども、しかし、基本的に財政的に見ましても、その経済的効果の違う内容をこうやって一本にしてくるというのは大変問題があるのでありまして、昭和五十三年に専売公社の特別納付金、これと財政特例法とを一緒にしましたときも理事会でも大変問題になりまして、以後こういったことは極力避ける、こういうことが大蔵省から表明をされた経緯があるわけでございます。今後、行政改革の行方によりましては、名前はどうなるかわかりませんけれども、財政再建法なる各省庁にまたがる法律を一本で出そうということがいろいろと言われている中で、国会の審議権との問題と絡みまして、こういった法案の出し方というのは大変問題があるし、国会の審議する立場から言いますと、きょう大蔵、農水、郵政そして行政管理庁、こういった四大臣にこの委員会に寄っていただかなければ審議ができないと申し上げたのもそういうことにあるわけでありまして、財政的に意味の違う借金をする法律、片や取りっきりのもの、これを一本で出されてくるこのことについて大蔵大臣として一体どう考えていらっしゃるのか、まずこの点からお伺いをしていきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私が答弁しようと思ったことを佐藤さんいま全部話してしまったわけでありまして、いろいろ御議論はあろうかと思いますが、ともかく臨時特例のものである、歳入を確保するためのものであるというような点から、立法技術その他でいろいろな意見は私はあると思います。あると思いますが、今回はこれをぜひ一本でお願いをしたい。別に違法性もないしいたすものですから、スピードも上げてやらなければならぬ、こういうような点もございまして便宜的にまとめさせていただいたわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その便宜的というのは私たち審議をする立場から言いますと大変困るわけでありまして、実はこの問題ももう少し議論をしたいのでありますが、何分限られた時間でありますから、ただ五十三年のときに同じく専売特別納付金と財政特例法とを一緒に出して、そのときの経緯のあることも十分御承知おき願って、今後こういった法律についてはおのおの所管の委員会に出せるように考えていくべきであるということだけ申しておきたいと思います。  次に、電電公社の国庫納付金の問題についてまずお伺いをしていきたいわけでありますけれども、一つここでお互いに議論のベースといたしまして確認をしておかなければならぬことがあると思うのであります。それは、まず電電公社というのは確かに形状は政府関係機関になっているわけでありますけれども、この電電公社が昭和二十七年発足以来独立採算制できているということ、国鉄に対しては補助金あるいは利子補給金、補給金、特別交付金、特別貸付金、たくさんの財政措置がとられてまいりましたけれども、電電公社についてはこういった財政的な措置というのは一切なかった。二十七年発足以来今日まで、確かに国は余裕金があるときにはお金を貸すあるいは政府が借金の一部を引き受けるということ、つまりお金を貸すということはありましたけれども、今日まで資本金の百八十八億以外財政的な措置を一銭たりとも出してない、こういうふうに認識しておるわけでありますが、その点は間違いございませんか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 電電公社の資本金百八十八億、そのとおりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いま私が申しましたように、財政的な措置も、政保債の引き受けないしはそういった形がございますけれども、補助金なり利子補給金なりというような財政的措置も一銭も行ってきていない。このこともよろしいですね。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 そのとおりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 もう一点は、電電公社というのが、その資産内容から見まして本当に政府関係機関と言えるのだろうかという点でございます。電電公社の貸借対照表を見ましても、固定負債の部においては、電話設備負担金は加入者からのものでございますし、電信電話債券、これもたとえば五十四年度の決算額を見ますと、約三兆円ばかりは拡充法により加入者からお借りしておるものでございますし、そのほかの二兆円は、特別電電債で電電公社が加入者の方々に債券を買ってもらうという形で来ているわけでありますし、借入金は、若干二億三千万ほど政府から借り入れている。資本勘定を見ましても、資本金百八十八億以外の資本剰余金、これは設備料を合計したものでございますが、これも加入者の蓄積である。それから利益積立金も収支差額の累積でございますから、いわば料金の蓄積であるというふうに見られます。電電公社の資産を見ましても、実際に政府が出してきたものというのは総資産八兆八千七百四十一億の中で百八十八億円で、この資本金以外は全部加入者のものである、こう理解すべきではないかと思うのでありますが、この点はいかがでございますか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 電電公社設立以後、剰余金が生まれましたならば、とにかくそれは積滞の解消というようなことで内部留保に充てることで現在まで至っておりまして、その結果として政府が出資した資本金が百八十八億、その他につきましては、利益剰余金でございますとか設備のために利用者から拠出していただいております設備負担金でございますとか、そういった形になっておることはおっしゃるとおりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私たちは、電電納付金の問題を考えるときに、いま申しましたように、公社発足以来今日まで独立採算で、確かに国庫余裕金等を借用するというような形での国からの援助はございましたけれども、具体的に財政措置をしてきたものではないこと。そしてその八兆何千億というように電電公社の資産がふえてまいりましたのは、これはひとえに加入者の蓄積、もちろんそこには電電公社の職員その他の働きがあったわけでありますけれども、そういう内容で来ているわけであります。政府関係機関と言いますと、いかにも政府が出資して、全部政府がやっているように思われますけれども、電電公社の場合には、まさにそういった国民加入者の共有財産、共同所有、歴史的にも、また資産の内容から見ましてもこういう形態になってきていると私は思います。このことを一つ前提にして、電電納付金というのを考えていかなければならぬと私は思うのであります。こういう性格の電電公社に対して国に納付金を納めさせる。総資産のわずか〇・二%に当たります資本金百八十八億に対するこの納付金というのは、いわば利潤という意味なのか。それとも国の財政が大変な状況にあることは私も十分わかっているわけでありますが、そういう状況なるがゆえに、いわば利益積立金があるから、ひとつ電電公社も国の財政に協力をしてくれという協力金、寄付金、こういった性格のものなのかどうか。これはどなたにお答えいただくのがいいのか、言い出しっぺと言われている行政管理庁長官がいいのか、財政を預かる大蔵大臣がいいのか、どちらでも結構でございますが、お答えをいただきたい。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 法律論から言えばこれはどういうことになるのか、私も法律家でありませんからよくわかりませんが、いずれにいたしましても、政治的に考えますと国は非常に苦しい財政事情にある。電電公社は一〇〇%出資の会社でございます。平たく言えば、どこかの会社が一〇〇%の子会社を持ったようなもので、親会社の方がおかしくなってしまいました。それで、もともと創立したときに、子会社の方は親会社にある程度の納付金を納めるという規定をこしらえたのだけれども、それは積滞がいっぱいあって、そんなふうな規定をつくったってなかなか納められるような状態ではないということで、国会で削除になったいきさつがございます。ところが、最近は、非常に労使の努力はもちろんございますけれども、何といっても国鉄と違って、こちらは公衆電気通信法で通信業務を独占しておるわけでございまして、国鉄ならば自動車にとられる、飛行機にとられる、船にとられると、お客を皆とられてしまったが、こっちは郵便との競争ということになってまいりますと、一日も早い方がいいということから電話の利用が非常にふえたことも事実でございます。そのかわり電報の方はだめですがね。電話の方はみんな条件もよかった。こういうようなことから何とか一人立ちでやっていけるというようなことになったために、資本の内部留保という点でも恵まれた状態にあるということから、国がともかくにっちもさっちもいかないという状態で国民に大増税までお願いしなければいかぬというような時期でもございますので、いろいろ細かい言い分はあろうと私は思いますが、この際ひとつ御協力を願いたいということですから、寄付金といいますか、協力金といいますか、そういうようなことじゃないか、こう考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いま私の質問に対しては、いわば寄付金的性格だということのようであります。ただ、大臣の答弁の中で子会社、子会社と言うけれども、確かに当初資本金を出したことは間違いないのですが、いまの実態は、その資産の大半は電話加入者のものなのですよ。確かに独占的な法律によって独占的な力を与えているのが国であることは私も否定しませんが、資産内容から言ったらいわば国民加入者で成り立っている電電公社ですから、本来なら法律だけで一体決めていいのかというくらいまでの問題があると私は思うのです。ですから、私は前提として、独立採算制で来たことと、資産の内容の大半は加入者で成り立っているということを申し上げているわけでありまして、そうなりますと、いま大臣が言われましたような御説明になれば、これは電電納付金を納めさせた後に、独立採算で来ているところから、国が苦しいから、親会社がどうも危ないからひとつ金を出してくれと言う限りは、子会社が危なくなってしまったら今度は親会社が援助してやるというのは当然な結果になってくると思うのですね、話の筋立てとして。後、本当にそういう経理がどういうふうになっていくかということについてはまたお伺いをいたしますけれども、そういう具体的な話は別といたしまして、親会社が危なくなったから子会社から、ちょうどおまえのところは少し蓄積があるから取るというならば、今度は、親会社が直ったら、子会社が危なくなったら子会社には援助してやるのでしょうね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 子会社が危なくなるほど協力させることは困るわけでございまして、危なくならない限度というものも考えなければならぬ。しかし、万一、将来の問題だけれども、それはお互いに協力関係にあるということは間違いない、そう私は思っておるのです。それは電電公社といえどもやはり国の機関でございますし、言うならば一千二百億円納めていただくことが、その金は国民に還元されるわけですから、結局、国が取り上げてしまったというわけじゃなくて、必要な歳出に充てるためにちょうだいをしておくので、ですから、比率で言えばそのうちの七割ぐらいは文教と社会福祉に回っているといってもこれは間違いのないことでございます。したがって、物は考えようでございます、実際は。これが仮に民間の会社でありますれば、国際電電をいつかも私、例に引きましたが、二百億円ぐらいの税金をつい最近は払っているわけですから、売り上げは千四百五十億円ぐらいしかない。ですから、いままであるときは何千億もうければ、もしこれが民間だったならば、そのうちの半分は税金で国に民間の会社でも納めてくださっておる。たまたまこれは税金を払わなくたっていいという仕組みになっておって、それでございますから、まず国民にサービスするための内部の充実を図るという点に御奉仕をしてもらってきたということも事実でございます。したがって、子会社がもしだめになったときには国がめんどうを見るのかと言われますと、だめにならないようにまずしなければなりませんが、万が一将来の場合、そういうようなことはあり得ないと思うけれども、あった場合は、国の機関である以上はやはり国が知らんぷりということはできないんじゃないか。国鉄なんというのは何とかしたいと思っても毎年毎年何千億も取られてしまっておるのも事実なわけでありますから、そこら辺のところはここでお約束は私としてもいたしかねるけれども、それはあうんの呼吸ではなかろうか、こう私は思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 具体的にはもう少し後でお伺いしますけれども、郵政大臣、これは歴史的な経過からいっても、いま資産の実態からいっても、この電電納付金というのは大変筋が違うんじゃないだろうか。郵政大臣も早い時期にむしろ電話利用税にすべきじゃないかということも言われていた。これはいい悪いは別ですよ。いい悪いは別といたしましても、それはそれで一つの筋を追って行けば……。ただ、電話利用税となりますと、やはりこれは一般消費税的な背後の担税力というわけにいきませんので、そういった問題がありますから、賛成、反対は別としても、これは一つの見識だと私は思うのですね。そういう立場で来られていろいろな協議の結果電電納付金を納めるということになったわけでありますけれども、受けた側のとにかく監督官庁として当然これは公社の経理に大変なしわが寄るのじゃないだろうか、これは独立採算で来た電電公社の将来について禍根を残すのではないかということについては当然心配があったと思うのでございますが、その点についてはどういうふうに了解をされて、これは引き受けるという言葉が正しいかどうかわかりませんが、了解をされたのでございますか。

山内一郎自由民主党郵政大臣

○山内国務大臣 五十六年度の予算の編成のときに大蔵省から要請がございまして、非常に財政が逼迫しておるので増税もやらざるを得ない。しかも大変な増税になるのだから、何とか電電公社の納付金というものについて考えてくれないかという、これは要請があったわけなんです。そこでいろいろ電電公社とも御相談いたしまして、最近の実績から見れば財務状況もそう悪くはないということで納付金の返し方の問題。毎年の収支差額からすぐ返すということになるとこれは大変な問題でございまして、新しい事業もできない。そういうことになりますと、いま先生がおっしゃったように利用者からさんざん金を取っておきながらそんなものをすぐ納付金に回すのかというようなことはとても納得できるものではございません。そこで事業は事業として進めてまいります。したがって、損益勘定では、要するに納付金は借入金でやらざるを得ないのですから、利子の分はなるほど損益勘定で影響していきますけれども、資本勘定の方で納付金というものを借入金によって、また債券によって逐次返していこう。その間に電電公社も大変御苦労でございますけれどもひとつ大いに企業努力をしてやっていただけないか、こういうようなことで現在の案になっているわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 この収支差額というものは、非常にこだわらなければいかぬのはこれが法律で建設勘定に入れなければいかぬということが決められ、なおかつ予算以上に収支差額が出た場合でも債務償還に充てなければならぬということで全部使途が決められている、そういう体系になってきているわけですね。こういった収支差額というもの、もちろん直接的な関係では収支差額から電電納付金を納めろという形にはなっておりませんけれども、いわば利益の積立金という形、それは収支差額の累積でございますから、こういった収支差額というものの性格が一般の民間企業の利益金と違う性格を持っているということについては、公社の法律上これはすでに支出が予定をされている収支差額でございますから、それを原資とする建設勘定に大変影響が出てくるのではないかということは当然考えられるわけでございまして、その点については一体どういうふうに考えられたのですか。

山内一郎自由民主党郵政大臣

○山内国務大臣 いまちょっと申し上げましたけれども、収支差額はいわゆる資本勘定、建設勘定に回りまして利用者へのサービス、施設の改善に充てるべきものである。これははっきりしているわけでございます。したがって、そういう計画になっております。それでは千二百億はどうするのだということになりますと、財投と借入金をやりまして、それから納付金を納めてそれを時間をかけて返していく、こういう仕組みでございます。しかし、それでも電電公社は私は大変だと思うのです。従来非常に成績を上げてこられましたけれども、なおかつひとつ御尽力をいただいて企業努力をお願いをして、そして納付金を逐次返済していく、こういうことでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ちょっと西垣主計局次長にお伺いをしておきますが、この四千八百億円ですね。これは本会議の答弁では自己資本比率が従来三三%が三八%にいま電電公社なっておるから、この五%分だという御説明が本会議であったのですが、そのとおりでよろしいですか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 いま大蔵大臣、郵政大臣からお答えいたしましたように、今回の納付金は恒久制度としてお願いしているような納付金ではございませんで、現下の財政事情、それから電電公社の収益力、財務状況というようなものを見まして、暫定的、臨時的なものとしての納付金ということでお願いしているわけでございます。  四千八百億の考え方はそういったことで、直ちに損益収支に影響を与えないような形で資本勘定から剰余金の一部を取り崩してお納めいただくという考え方でございまして、その場合の一応の基準として考えましたのが自己資本比率でございます。自己資本比率につきまして、過去十五年間の平均自己資本比率あるいは過去十年の中の異常な状態を除いた場合の自己資本比率、これを一応の基準といたしまして、それを超えている部分につきまして納付していただいたらどうだろうかということで四千八百億ということにした次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこで、そうなってきますと、四年間の話はわかりました。しかし、そういう論理を使ってまいりますと、これは大蔵大臣にお答えいただいた方がいいかと思いますけれども、この四年がたってある程度収支の状況もよくなってくる、その間にいろいろな努力を公社もすると思うのでありますけれども、またこの自己資本比率が大変よくなってくる、こういう場合だって起こり得るわけですね。そのとき国の財政事情がどうなっているかわかりませんけれども、そうなってきますと、これは恒久制度じゃないというものの同じような論理でまた納付金を納めるという事態も起こってくるんじゃないだろうか。そのころ渡辺大蔵大臣がどうなっているかわかりませんけれども、暫定的な措置あるいは恒久的な制度ではないというものの、いま御説明があったような基準でやってまいりますと、これはいつでも、いつでもというか、つまり、収支がよくなれば、いわゆる平均の自己資本比率よりも高くなるという事態があれば、いつでもまた納付金制度が導入をされてくる、これは大臣からも御説明があったように二十七年の公社設立のときに大変な議論がこの納付金制度にあったことは私も十分承知をしているわけでありますけれども、そうなってまいりますと、独立採算で来たという公社の基本的なあり方、これの変更にもなってくるんじゃないだろうか。確かに関係をされた三大臣は暫定的な措置ということでありますけれども、御説明のあったようなはじき方でいきますと、これは自己資本比率を超えればまたまた同じようなことだって当然あり得るんじゃないか、こう考えるのが普通だと思うのでありますが、その点についてはいかがでございますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 いまのところそこから先のことは実は考えておらないわけでございます。ただ、独立採算とか特別会計というようなことで独立採算をやっているところは他にもございまして、たとえば造幣局とか印刷局とかそういうものもあります。印刷局とかアルコール専売の特別会計というようなものは公社ではございません、特別会計でございますが、やはり国庫納付は実は行っておるということでございますし、かつては国有林野なんというのもかなり国のために働いてくれたわけですが、近ごろは赤字になっちゃってむしろ持ち出しということであります。したがって、先々のことはどうなるか何とも申し上げられませんけれども、現下のところともかく四年限りの臨時の措置だ、こういうように私は考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いまの段階では当然そういうお答えになると思うのですが、ただ、きわめて国庫納付金制度というものが暫定的というものの、非常に性格がわかりにくい点があるものですから、しかもいま御説明があったように、自己資本比率を基準にして計算をしてくるということになりますと、またまたこれはあり得る可能性というのはいつでも私は起こってくるように思いますので、その点だけは歯どめをひっかけていかなければならないと思うのであります。そのことは、農林水産大臣にお伺いをしたいのでありますが、日本中央競馬会の問題についても、第一次納付金があり、第二次納付金を納付させ、今度はなおかつ納付金を納めさせるということなんです。この中央競馬会の問題については、これは個人的にもギャンブルやる方とやらない方と、正直言っていろいろ感覚も違うし、いや、もっと取ったらいいじゃないかと言う方もいらっしゃる。いや、そうじゃなくて、七五%、何と言うんですか、お客さんと言うんでしょうか、に返しているのをもっとふやすべきではないか、二五%も主催者側は取り過ぎではないかという議論もあるわけです。いずれにしましても、第二次国庫納付金まで取っておき、その上第三次に、いや、そうは言っておりませんけれども、相当するようなものを納めさせる、これは、私はいろいろな考え方もあろうと思いますけれども、大変無理なのではないか。無理というのは、経理的な無理でなくて、論理的に無理ではないのか。むしろそれならば、大変利益を上げている日本中央競馬会でありますから、それなら、先ほど申し上げました七五%のお客さんへ返す分をふやすということ、これも考えられるだろうし、いずれにしろ私は、おのおのの機関で従事されている方が一生懸命働いて、その中に節約もあると思うのです。企業努力をもって合理化をする、そういった効率性を上げているものもあると思うのであります。そういったところが効率を上げれば、上げた分は国に目をつけられて持っていかれてしまうというのでは、いわば企業経営的色彩を持つ特殊法人なり公社公団というものの管理運営の基本に触れてくる問題だと思うのです。日本中央競馬会の問題につきましても、農林水産大臣は、これは一回限り、本当にこの一年限りの二百億だということでございますけれども、第一次、第二次まで国庫納付金があり、その上に乗せてくるこういったものについて、どういうふうにお考えになり、とりわけ、こんなことをやっていくと、その場その場で国に召し上げられるというんだったら、企業努力はなるべくやらぬでした方がいいということになってしまっては私は大変だと思うのです。その点についてはどういうふうにお考えになったのでございますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 この法律の提案されました趣旨にもありますとおり、国家財政の非常に厳しい折から、あらゆる努力をして、増税さえもしなければならないのだ、こういうときでありますので、政府関係機関としては協力できるものなら協力するということが私は筋道であろう、こう考えまして、競馬会当局ともいろいろ話し合いをし、打ち合わせをいたしたわけでありますが、五十六年度の一年限りということであれば、競馬開催にも、またファンの方々にも、馬主の方々にも、また競馬関係の調教師やあるいは騎手、そういう方々の了解も得られることであれば、これは国の困ったときに協力をするという立場で御協力いただけないだろうか、こう話しましたところ、競馬会の方でも、五十六年度限りということであり、そういう事態であれば、競馬開催にも支障はない、話し合いもつきました、こういうことで、提案しておりますとおりの納付金を納めるということに踏み切った次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 もう一つだけ重ねてお伺いしておきたいのですが、国の事情は私も十分わかっているのです、わかっているのですが、その場その場でそうやっていきますと、一生懸命利益を出したり積立金をしてあるところはいつもねらわれるということになるならば、その中で働いている人もまあまあ適当にやっておこうやということになってしまってはいかぬと思うのです。そういう点についてはどういうふうにお考えになっていますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 したがいまして、その点につきましては、話し合いということでとことんまで納得をちょうだいをするという努力をいたした次第でございます。  確かに佐藤委員仰せのとおり、せっかく努力をしてその努力が自分たちの競馬に生かされないでほかに持っていかれるという考え方もあろうかと思いますけれども、国家が困っているときに国家財政に寄与するんだということも理解していただければそれにこしたことはない。幸い納得していただけた、こういうことで私ども決意をした次第であります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私がそういう感覚を持つのは、たとえば電電公社の場合でも五十四年度の決算を見てみますと実績と予算との差が七百五十億あるわけですね。いわばそれだけ節約されているわけであります。七百五十億のうち何が節約されたのかと見てみますと人件費が百二十三億と項目別の中では一番大きいわけですね。一生懸命やってもそれも結局収支差額に入ってくるものですから、収支差額を余り上げれば国に納めなさいということになって、幾ら節約をしてもこれは自分のところへ返ってこないのではないかということになったのでは、公社制度のいわば企業的経営感覚を持って当たろうという基本的な姿勢からいってもいかぬと思うので、それで私はあえてその点を申し上げたわけであります。  次に、先ほどもちょっと触れましたけれども、今後の公社経営の方向、見通しなんでありますけれども、これはなかなか容易ならぬものがあるんじゃないかと私は心配をしているわけであります。たとえば収入の方で見ましても、昨年の十一月でございましたか日曜、祭日の料金割引、あるいはいま法案が出ております遠近格差を是正しようということで遠距離の料金を減らしていこうという収入減に立つことがありますし、あるいは収支差額も今度の国庫納付金がありましたから四百七十五億ばかり五十六年度の予算の概算の時期から見れば圧縮をされているわけであります。電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律、いわゆる拡充法も五十七年で切れる。返済額も五十八年からは六千五百億前後というふうに大変ふえてくる。こういうようなことを考えてみますと公社の経営の見通しというのは決して明るくない、こう見ざるを得ないのでありますが、その点についてはいかがでございますか。

岩崎昇三日本電信電話公社計画局長

○岩崎説明員 お答えいたします。  五十六年度の電電公社の収支差額というのは九百三十八億円ございまして、これの中には先生いま御指摘になりました各種制度面での改定、これは値下げでございますが、それと納付金の影響額というものを織り込んでございます。五十七年度以降どうであろうかということでございますが、いろいろと経営努力を積み重ねることによりまして、五十七年度の収支差額は、特段の経済情勢の大きな変動がございませんとすれば、黒でいけるというふうに判断しております。五十八年度以降ということになりますと、漸次悪化の傾向をたどるものというふうに判断しております。  以上でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 大体私の見ているところと一緒なんでありますけれども、そこで総裁、こういった事態になってきているわけでありますが、新聞で拝見をしますと、総裁が五十九年の国庫納付金が終わるまでにも電話料金は値上げをせざるを得ないのではないかという発言をしたやに報道しているのであります。いまの計画局長のお話をお伺いしましても、少なくとも収支差額が赤になる段階で料金値上げということになるならば五十八なり五十九年というのは値上げせざるを得ないのではないかと見ざるを得ないのでありますが、その点はいかがでございますか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 お答えします。  いまの前段の御質問の値上げせざるを得ないのではないかと私が発言したかのごとき新聞記事でございますが、これは私がそういうふうな質問を定例記者会見のときに受けましたので、そうではないのだということを言いましたけれども、あの新聞だけが書いておりまして、ほかの新聞は一切書いておりません。あれは誤報と御了解いただきたいと思います。五十八年度、九年度につきましては、私ども、いま計画局長が申しましたような見通しを持っておりますが、これをいかにして職員と一緒に協力して収入を図るべく努力し、また支出を倹約するべく努力するかということでやっていきたいというふうに考えておりまして、いま値上げを前提として事業計画は考えておりません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それは事業計画はそうなるかもしれませんが、少なくも国庫納付金の制度が終わる五十九年までは値上げをしなくてもやっていけるある程度の目算はあると受け取っていいのですか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 お答えします。  いまから具体化していきますいろいろな合理化の施策がある程度実現できれば何とか切り抜けられるのではないかという希望を持ちながら全員一丸となってやりたいと思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それではそれは希望ということで理解をして、過去四十九年から五十一年のときには収支差額がかなり大幅赤字になりましたけれども、このときは赤字のまま過ごして五十一年に値上げをしたということがございましたから、必ずしも収支差額が赤になったから直ちに値上げということにならぬ場合だってあるわけですね。そういった意味で、それは収支状況から見ますれば決して好ましいことではないと思いますけれども、そこでお伺いをしておきたいのは、いま総裁も言われましたように、いずれにしろこの四年間で四千八百億円資本勘定からの借入金もその分だけふえるということでございますから、なお一層経営努力をしていかなければならぬということになるのでありますが、その際当然職員の皆さんや、あるいはいろいろな形での節約等々ということを考えていらっしゃるのだと思いますけれども、労働生産性を上げて何とか財投で言えば四千億円分吸収をしていくということを心がけなければいかぬと思うのでありますが、その点について、いま総裁は、何とか国庫納付金という分を企業努力で吸収していこうという具体的なお考えをお持ちなのでございましょうか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 お答えします。  いま申し上げましたように、この国庫納付金が決まりますと、それに応じて、その対策としていままで電電でやらなかったことを、新たにいろいろなことをやらざるを得ませんし、いまそれを具体的にいろいろ計画を練っておりますが、いずれその実現の過程においてはまた関係のところにお願いすることもいろいろ出てくると思いますが、私どもとしては、四千八百億を納付している間は何とかバランスをとるべく覚悟していまその計画を立てておるところでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしますと、その努力の具体的な中身はまだ詰まってないというふうに理解しておいてよろしいですね。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 そのとおりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこで、少し先のことについてお伺いしていきたいのでありますが、ことしにつきましては、一千億の財政投融資資金を貸し出すということで、電電公社には千二百億円国庫に納付をしてくださいというやり方になっているわけでありますけれども、残り三年間、これも同じように財政投融資資金は最大一千億ずつ見ますよ、こういうことに大蔵大臣と郵政大臣の間ではなっておるのでございますか。それとも、これは毎年毎年、そのときの経理状況を見て、一千二百億円納付させることだから、これぐらい財投でめんどうを見ましょうか、こういうことになっているのですか。その点はどういうふうになっているのですか。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 お答え申し上げます。  五十七年度の財投の問題につきましては、その時点におきまして、電電公社の設備投資の必要額とかそのときの剰余金の状況でございますとか、そういったもろもろの条件を検討しながら決められる問題でございまして、いまから幾らというふうに決めておくわけにはまいらないと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 しかし、いずれにしろこういう事態になることは確かだと私は思うのですね。いまお答えがありましたように、確かに、そのときに一千億になるのか一千百億になるのか八百億になるのか、それはある程度全体の経理状況でわからない点があると思うのです。しかし、図式的、モデル的にかけば、一千二百億を納めるために恐らく四千億近い財投を借りなければいかぬだろう。そうなってまいりますと、大体十年返済でありますから、それにほぼ四千億の借金がつく。それが終わりますのが、五十六年からでございますから、最終的には昭和六十年、そして返済は、昭和六十六年の時点でまず頭金である一千億は返さなければならぬ。したがって、全部で、最初から最後まで十四年間、この四千八百億円を納めるために、公社としては八千八百億円の負担になる。細かい端数は別ですよ。こういう負担になるというふうに原則的に理解しておいていいと思うのでありますが、その点はそれでよろしいですね。

西垣昭大蔵省主計局次長

○西垣政府委員 具体的な数字がどういうふうになるかということにつきましては、先ほども申し上げましたように、いまの時点ではっきりとどのぐらいだろうというふうに言うわけにはまいらないと思います。ただ、先ほど申し上げなかったわけでございますけれども、財投でどの程度のことをするかという額は申し上げられないにいたしましても、そのときの電電公社の状況に応じまして十分な配慮はしなければならないと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 次に、公社制度の改革の問題について若干お伺いをしていきたいのでありますが、いま行政改革に絡んでいろいろな新聞が推測をして書いているわけであります。その辺とも関連をして若干お伺いをしていきたいのでありますけれども、新聞の報ずるところでは、鈴木総理の決断によって民間から真藤新総裁を迎えられた。これは電電公社の現状からいってそれなりに大変意義のあると申しますか、時宜を得たと言うのでしょうか、そういうことになるようにしたいなと私は思っているわけであります。  そこで、真藤総裁が就任されたときに、第一声だか第二声だかわかりませんが、民間で長い企業経営の経験を経られた総裁から見て、電電公社という、約三十万余の職員を抱え、八兆八千億という大変膨大な資産を持っているこの大企業に来てみたときに、責任ばかり重くてどうも権限がないなという趣旨の発言が出ていたのでありますけれども、それはどういう実感と申しますか、そのときに新総裁はどういう点を感じられていたのでございましょうか、まずその辺からちょっとお伺いしておきたいのであります。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 あのときは、民間の社長と電電総裁との比較論をお尋ねになりましたのでそう申し上げましたが、現実の総裁というものは、こういう形の企業でございますので、現在のいろいろな経営上の、政府関係あるいは国会関係のメカニズムがあるのは当然だと認めております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 国会の方のメカニズムなり、あるいは監督官庁である郵政省の方の監督なり、これは当然だと思うのであります。実際に御就任せられてまだ半年もたっていないわけでありますから、細かいことは結構なのでございますが、民間の企業から見て、たとえば、大筋は国会で決めてまいりますけれども、予算の移流用にしてもあるいは繰り越しにしても、そういった意味で大変大きな事業体としての電電公社の経営という面から見て、こういう縛りがなければ本来の公社制度の力をもっと発揮できるのじゃないだろうかというふうにお考えになった点はないのでございましょうか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 さっき、値上げをせぬで収支バランスをとるべく全員一致で協力いたしますが、途中でいろいろお願いしなければならぬことがあると思うと申し上げたのは、そういう過程の中でいろいろお願いしなければならぬというのはそういう意味のことでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それでは少し具体的にお伺いをしていきたいのでありますけれども、昭和二十七年に公社を発足させるとき、当時の提案者は逓信大臣佐藤榮作氏であるわけでありますが、その提案理由の説明を読みますと、公社制度というものについてきわめて希望を持って、国営ではいかぬ、さりとて民営では国民に均一のサービスをすることもできないし、その事業の膨大さからいって十分負託にこたえられないんではないか、こういうことを言っているわけですね。  提案理由の中で   わが国の電信電話事業は、創業以来公共事業として終始一貫国営により経営されて参つたのでありますが、昭和九年特別会計制度を採用いたしました後も、事業の国営に伴う諸制度に縛られ、設備の拡張資金につきましても、その時々の国家財政のわくに左右されて、十分かつ安定した資金を得られず、さらに企業経営の基本であります財務、会計、人事管理についても、一般行政官庁と同一の規律を受けているため、活発な企業活動を阻害されて来た点が少くなく、ために戦争によつて極度に荒廃した電信電話の復興は、戦後の産業、経済、文化等国民活動の進展に伴うことができないで、遺憾ながら国民の要望に十分こたえることができなかつたのであります。   このため昭和二十四年七月に内閣に設けられました電信電話復興審議会は、昭和二十五年三月三十一日に電信電話事業を民営の長所を最大限に取入れた公共企業体に運営せしめることの必要性を政府に答申いたしたのでありますが、 それが当時朝鮮戦争が勃発してできなかったというようなことを言われて、  財務、会計、人事管理等の面での国営形態の欠陥を除去して、企業的能率的経営をなし得るためには、純然たる民間形態も考えられるわけでありますが、電信電話事業は、全国にわたる膨大な組織及び設備を有し、巨額の資産を擁する公共事業でありますから、これを民間に払い下げて株式会社組織に切りかえることは、再評価、株式の引受け、その他に多くの困難が予想されること、強度の公益性、技術的統一性及び自然的独占性を値する本事業については、純民間企業としての急所を十分に期待できないこと、また公租、公課の賦課が加わるため、経営の合理化が促進されてもなおかつ相当の料金値上げを招来すること、年々巨額の拡張資金を民間資本にのみ求めることは、現在のわが国の資本蓄積状況から見てほとんど望み得ないこと等の理由から、民営形態は適当でないと思われるのであります。 これが当時の公社制度、とりわけそのときには専売も国鉄もあったわけでありますが、なおかつ、その若干の経験を踏まえた後、電電公社というのはこういった理念に基づいて行われたと思うのであります。そういった面から見ますと、現行の予算制度、確かに予算の弾力性というのはあるのでありますが、よく読んでみますと予算総則でほとんどそれはできなくなっている。当初予想しておりました給与の基準内外の移流用についても、昭和三十二年以来それもできなくなってしまったというようなことがありまして、そういったことから見ますと、本来の公社制度のあり方からいって、いまの公社というのは余りにも国営化し過ぎているんではないかという感が——細かくやる時間はないので余り細かくは言いませんけれども、いま読み上げました当時佐藤榮作逓信大臣のこの理念からいきますと、余りにもいま細かく規制し過ぎてしまって十二分の公社制度のいい面というのが生かされていないのではないかという感がするのでありますが、この点について郵政大臣そして行政管理庁長官に、行革の中でも何かこういった問題も出てくるように言われておりますので、お二人の大臣に見解をお伺いしたいと思います。

山内一郎自由民主党郵政大臣

○山内国務大臣 昭和二十七年に電電公社というのは発足したのでございますけれども、何しろ公共事業であるということと、それから独占事業である、二つの点がございますので、これを民営でやるような場合には、当然損得といいますか営業的なことを考えざるを得ないということでございますので、公社で発足したものだと私は思います。  そこで、できるだけ自主的裁量を与えて御判断をいただいてやっていただくというので、ほかの公社にございません経営委員会というのがございます。経営委員会にかけて、基本方針を十分練っていただいて仕事をしていただく。ただ、やはり国の予算というものとそれから電電公社法という法律もございますので、その点はある程度拘束を受けておりますけれども、予算のいまの基準内外の流用の問題もございましたけれども、郵政大臣の承認を得ればできないこともないのでございますし、まあこの程度が適切であるんじゃないかというので発足して現在に至っている、こういうふうに考えております。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 各公社公団はそれぞれの意味を持っていままで活躍してきたと思いますが、電電公社はそれらの公社公団の中でもまあまあ成績を上げて、公社にしてよかったんではないかと評価されているものの一つではないかと思います。それは電話の普及率や機械化あるいは科学技術の開発力等々を見ると、かなり一生懸命やっているように思います。しかし、現在の時点になりますと、第二次臨時行政調査会が発足いたしまして公社公団を全面的にまた見直すという段階になりまして、その時点に立ってさてどういう制度がもっといいか。公社公団制度でよく批判されますのは弾力性がない、労使の関係にいたしましても経営にしてもそうである、そういうことをよく批判されます。大体いままでの公社公団で欠陥が出てきたと言われるのは、官及び民の悪い方がみんな出てきてしまった、こう言われるのが多いわけです。そういうような批判が特殊法人については非常に強い折から、一体特殊法人全体をどう見直すかという段階になりまして、これは行政調査会の皆さんが御判断していただくことであると思っていますが、電電公社に関しましては比較的合格の公社公団ではないか、そう評価しております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 もう一問だけちょっと。  これは行管長官にどうかとは思いますけれども、いま郵政大臣から経営委員会のお話がございました。確かに法律を読んでみますと経営委員会というのはいかにもそれなりの力があるようでありますが、実態は専門の事務職員もおらなければ、あるいは無報酬であるということで来て、経営委員会というのがどうも余り有効な力を発揮してないんじゃないか。いろいろ調べてみますと、経営委員会で本当に経営委員会的だなと思うのが、NHKの経営委員会が民主的でそれなりの力を発揮しているんじゃないかと思うのでありますけれども、こういった経営委員会をもう少し力があるもの、そうしていわば国民の皆さん方に直接関係の深い電信電話の関係でありますから、もう少しこれはオープン的なものにしていくことが必要なのではないか。あわせて監査についても、昨年十二月に会計検査院から指摘をされて、不正経理問題というのが大変大きな問題になり、総裁が辞任をされるという事態にまでなったのでありますけれども、この監査制度を見ましても、どうも監事を二人、監査局なり監査部というのがありますが、内部監査だけではどうにもいたし方ないということで、年間六兆円も七兆円も扱うようなところだったら、これは公認会計士を入れたりして外部監査というものをもっと強めていく必要があるのじゃないか。経営委員会のもとにさらにこういった国鉄並みの監査委員会——監査委員会はどうも国鉄が一番有効のようでありますけれども、そういう機構改革もしていくことも必要なのではないかと思うのでございますが、いま臨調に答申を諮問されているお立場で長官も少し物が言いにくいかと思いますが、その点について御意見があれば承っておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○中曽根国務大臣 経営委員会や監査委員会は、おのおのの特殊法人の中でそれぞれ機能を果たしていると思います。しかし、一般の民間人の見方から見ますと、やはり公社公団というのは膨大な力を持っておって、経営委員になるとか、監査委員になった場合でも、その事情の中へ入ってしまうと動きがつかなくなってしまう。そういうような事情の中へ入ってしまうような、組織に吸収されてしまうような影響を受けているのではないかと一般には考えられている向きがあります。そういうような点につきましては、やはり特殊法人の見直しの際に検討せられるべき問題点ではないかと考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 時間もなくなりましたので、もう一問お伺いしていきたいのでありますが、これは電電公社の計画局長になるのか経理局長になるのかわかりませんが、公社の中でも各通信局別に収支率のようなものを、目安というか、目途というか、目標といいますか、出していらっしゃると思うのでありますが、いわば全国平均の公社の収支率よりもオーバーなところですね。簡単に私は悪いとは申しません、これは地域の事情があるわけでありますから、オーバーしている地域というのは大体常識的にもわかるのでありますが、一〇〇をオーバーしているところというのはどういうところですか。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 お答えいたします。  現在、公社の全国の平均の収支率は九十数%でございますが、十一通信局ございますうちに一〇〇%を超えるもの、つまり収入よりも支出の額が大きいという通信局の数で申し上げますと、七通信局でございます。つまり四通信局は一〇〇%以下、つまり収入が支出を上回っておるという状況でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしますと、全国の平均より収支率が上回っている地域というのは、いま、これはどこまで話が進んでいるのかわかりませんけれども、民営化にして九分割するんだ、九電力並みにするんだというようなことで——電力と違いまして、局の数が十二ですか。(岩下説明員「十一です」と呼ぶ)沖繩がありますから……。いずれにいたしましても全国の収支率よりも高いところというのは、もしそのまま分割するということになれば、これはもちろん経営のやり方によりますけれども、直ちに赤字になる。ですから民営論者というのは、もし分割をした場合には、料金値上げなりあるいはサービスの低下なりを、その地域はしていかなければならない。恐らく私は黒字になっているというのは、東京なり近畿なり東海なり、こういった都市圏であって、それ以外は大抵が収支率は一〇〇を超えるということになると思うのですね。ですから、そういうところがもし分割をし、独自にそこの通信局一つをいわば民営化をした場合には、これは恐らく、もちろん経営のやり方にもよるかと思いますけれども、そこで料金値上げなりサービスの低下なり、もっと極端なことを言えば、たとえば東京から福岡へかけるときは、東京の局からだから、これは安いけれども、逆に福岡から東京へかけた場合には、そちらの方が高いという、いわばサービスの均一性が保てないということだって、これは技術的な均一性の問題だって当然出てくると思いますけれども、起こり得るのだと思うのですね。これはどなたにお答えしてもらったら適当かどうかわかりませんが、私の見通し、というほどのものではありませんが、これは恐らくそういうことになるのじゃないですか。その点はいかがでございますか。

岩下健日本電信電話公社経理局長

○岩下説明員 お答えいたします。  ただいま先生御質問のような趣旨での、実は具体的な地域別収支採算という観点からの検討を詰めてやったわけではございませんので、的確なお答えは非常にむずかしいわけでございますが、たとえば収入は地域におきます発信地において算定をされます。ところが、支出の方は収入の出方とは直接の関連は必ずしもなくて発生するものもございます。したがって、地域別に収支をぴたりと対応させて地域別の採算性を測定するというのは非常にむずかしいことかというふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこを詰めていけば詰められないわけではないのでありますが、きょうは時間も参りましたので、まだまだいろいろ問題点がありますけれども、きょうの私の質問は終わらせていただきたいと思います。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  すなわち、ただいま議題となっております本案について、明八日、日本中央競馬会の関係者を参考人として出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、明八日水曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十六分散会

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