大蔵委員会 第11号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1981/03/17
会議録
○綿貫委員長 これより会議を開きます。 物品税法の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案及び有価証券取引税法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 二週間ぶりぐらいの審議になると思いますが、世間は春一番が吹いたようでありますけれども、国会の中では非常に真剣に今後の税制、減税問題について各党の意見が闘わされたというふうなことであろうと思います。一定のめどがついたということで審議が始まるわけでありますが、勉強家の政務次官に最初に伺っておきたいと思います。また明日は、大臣に同僚議員からいろいろと今後の決意なりあるいは感想なりを尋ねられると思いますが、きょうは政務次官が責任者でございますので、ひとつ伺っておきたいと思います。 議長裁定問題以来何回か各党間の議論が闘わされて今日に至りました。私はこの経過を振り返ってみて、議長裁定が出されたときに何か渡辺大蔵大臣も言われていたようでありますが、バイブルのように一言一句間違えないようにこの言葉を尊重いたします、私は、大変率直に、端的に物を言われる大蔵大臣にしては大変めずらしい論理学を言われているというふうな印象を持ったわけであります。政治家として、また政治の決着といいますか、交渉として議長裁定が出された、そうしてこれは誠意を持って減税を可能な限りの額をもって実施をするということを意味しているというのは政治の世界では当然のことであろうというふうに思うわけでありますが、私はひとつ政務次官に、きょうお見えの事務当局も代表して姿勢を伺っておきたいと思うのです。 特別、個人的に私は批判するわけではありませんけれども、たとえば問題となってきた予備費の残とか、あるいは不用額の程度とか、さらには今後の税制、税収がどうなるのだろうかというふうなことがいろいろと議論されてきたわけでありますが、そんな中で、マスコミを通じたりそれからいろいろな人を通じたり何かして、何か四千億ぐらいことしの五十五年度締め切りのときの税収はマイナスになっているであろうというふうに事務当局は言っているとかうわさが聞こえてきます。私は、そんなことは頭脳明晰で有能な主税局長とか主税局の方が言われるわけはないと思うので、もしそんなことを言われるとしたら、先般大蔵省並びに国会の責任で七千四百億税収を見込んで補正予算をつくったばかりでありますから、その補正予算の収入見込みの半分近くも税収欠陥があるなんということを見通すようでは、これは重大責任といいますか、りっぱな政務次官にもなかなかむずかしいだろうという気もするわけであります。そういうことも含めて政務次官から最初に一言伺っておきたいと思いますが、事務当局を代表してあるいは政務次官として、主要な各党が一致をして、こういう方向を実現しようというふうにまとまっていく、当然議員立法、われわれの責任の問題もございますが、そういうことを、特に主計、主税その他各当局が関係いたしますけれども、大蔵省としてこれを誠実に実施をするように努力をしていくということが必要だろうと思います。一言そうですとお答え願いたいと思います。
○保岡政府委員 先生がおっしゃったように、議長裁定は非常に重い、これは最大限尊重するという趣旨で各党間でお話し合いができたことについては、十分これを守ってまいりたいと考えております。
○伊藤(茂)委員 具体的ないろいろな問題は、また今後の議論にさせていただきたいと思います。 いま議題となっております三つの法律につきまして、いままで同僚各議員からさまざまな質疑がございました。また御答弁も伺いました。それらを振り返りながら思いますことをそれぞれ二、三点ずつお伺いをしたいと思います。 まず、物品税の問題でありますが、いままでの質疑を通じまして、物品税の基準は何か、あるいは品目、税率の整合性は何か、そして今後どうなのか、さまざまな議論が、たとえば扇風機についてあるいは全自動洗たく機について、灰ざらについてなどなどいろいろと行われたわけであります。 いままでの御説明を伺いましても、基準は三つある。税調で長年確認をしてまいりましたように、奢侈品、ぜいたく品あるいは高価な便宜品、趣味・娯楽品ということでやっていく。品目、各税率について、個別商品、さまざまの問題について主税局長からいろいろと詳しい説明がございました。私、聞いておりますと、さっき批判したから言うわけではありませんけれども、この間正月にNHKの磯村さんが訳した「世界の挑戦」という本を読んでおりましたら、人間の脳みその中には百億の神経単位がある、何かそれが頭蓋骨の中に入るくらいに新しい超LSIの時代になるというようなことを読んで感心しましたが、頭蓋骨も大きいし、主税局長の頭脳の中には、通常百億ですが百五十億くらいの神経単位が入っているのじゃないかというふうなことを思いながらこの説明を聞いていたわけであります。大変高級でりっぱな論理学であります。 ただ、今後のことを考えますと、庶民にもわかる、常識でわかる物品税論というものがないと、わからないだろうと思うのですね。たとえばお嫁さんに行った、お父さん、お母さんは余りお金持ちでないから二十万、三十万のたんすを買ってもらった、そしてお嫁に行って新婚生活を楽しみながら、私の二十万か三十万のたんすには物品税がかかったけれども、どこかのお金持ちの買った八十万、百万のキリのたんすには物品税はかかっていない。幸せな気持ちになるだろうか。理解できるだろうか。 〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 それは民族的あれであるとか工芸品であるとかいうことも伺うわけでありますが、いままでの審議を通じて見ましても、コーヒーにかかる、紅茶にかからない、ココアにかかる、紅茶にかからない、ダイヤモンドが一五%、電気毛布が一五%などなど、今度の改正もあるわけですが、私は、庶民にわかる、常識でわかる税制というものがなければ、高度な論理学だけではやはり国民の御納得の得られるような税制にならないのじゃないかというふうに思うわけでありまして、そういう意味から言いますと、主税局長の神経単位が百五十億の頭脳と、同時に、有能な政務次官に恐縮ですが、とにかく政治家の立場で、庶民に常識でわかる、庶民の感覚でわかる物品税というような方向にもう一度これから検討してみる、考え直してみる、いろんな新しい努力が必要ではないだろうかというふうに思うわけでありますが、政務次官、御感想をお聞かせください。
○保岡政府委員 先生御指摘のように物品税の課税対象あるいは税率については今後もできるだけ検討して勉強をしていかなければならない問題点もあろうと思いますけれども、今回の税制改正においては、従来の考え方に従ってその考えを踏襲して、従前決められていた物品税の対象品目とバランス、あるいは税率上もそのバランスを考えてこれを見直すということで対処してまいりました。今回の改正にはそのような点を御理解賜りたいと思います。
○伊藤(茂)委員 やはり政務次官は、恐縮ですが優等生のお話なんですね。 前回の審議のときのを読んでおりましたら、なるほど大変正直な、率直なお答えだなと感心したのですが、当時愛知大蔵大臣、高木文雄さんが主税局長、主税局長が言っておりますが、こういうものが物品税の課税対象となるんだということを一つの思想としてなかなか説明しにくいのは、そういう過去の経過から実はきております、愛知大蔵大臣、だれが見てもぜいたく品、奢侈品だというものに限定すべきではないかということでありますが、それが本筋と思いますが、なかなかそうはいかない現実も現実にはあるわけでありますが、御理解いただきたい、物品税はできるだけ生活必需品でないものに対象を向けて考えていくべきであると思いますと。これは常識論的物品税の気持ちですね。たまたまいままでは税金はまけるときだったから、こういうときもあったのかもしれませんし、今度は上げるときだから大変厳密な話があるのかもしれませんが、そういう前回の先輩の答弁というものを含めて、やはり普通の人の頭脳で、理屈にといいますか、なるほどと思える方向の検討、これは私は後ほど申し上げますが、これだけではない税全体のことについても重要な転換期であろう、そういう勉強を私ども議員としても、大蔵省としてもやられていくということが必要ではないだろうかと思うわけでありますが、どうでしょう。
○保岡政府委員 いま先生が読まれた先輩大蔵大臣のお答えはそのとおりだろうと思います。 しかし、いま先生が言われたいろいろな物品税の問題点というものは非常に広範囲にあろうと思いますので、ここで一概に全般的にその新しい見解を述べるということはいささかむずかしい問題があろう。そういう観点から、先ほどお答えしたように従前物品税の対象とされていたもの、あるいは税率と比較、バランスにおいて今度の改正を行わせていただいた、こういうふうに一般的には御理解を賜りたいと思います。
○伊藤(茂)委員 この点は今後ぜひ要望しておきたいと思います。 私は、この前の酒のときにもそうでしたが、いろいろと社会の進行、経済の実態と現在の税制とのずれが起きていく、いろいろな面で検討しなければならない、物品税でも常識で考える国民の意識といまの制度、品目、税率、ぴったりするだろうか、そうではないだろうと思います。そうして片面では財政再建、総理も新規大型増税はやらないということを予算委員会で答弁をされておりますから、その範囲でのさまざまな努力をしなければならないということでしょうが、やはりこれからの時代に対応するさまざまな勉強が常になければならないという意味でこれは要望をいたしておきたいと思います。 もう一つだけ物品税に関連をして具体的なことを主税局に伺っておきたいのですが、昨年十一月の税調中期答申、それから昨年暮れの年度答申の物品税のところを見ますと幾つか書いてありますが、その中に、既存の課税品目とのバランスに配慮しつつ、新規に開発された物品を初め、かつて課税が廃止された物品等を積極的に課税対象に入れる努力を怠ってはならないと考える、何か今度は税収を拡大しようという方向ですから、いままでとは違った形でこういうトーンも生まれているということがありますが、具体的にどういうことを考えておられますか。たとえば、まさかいままで廃止になったきせるか、電気マッチか、マッチか、包丁研摩機かというようなことでもないだろうと思うし、昔の書画骨とう、高価な奢侈品、これはあってもいいと思いますが、そういう部面を考えるのか。新しい物品だけではなくて、かつて課税が廃止された物品も積極的に物品税の課税対象の中に取り入れていくということについて主税局としてはどうお考えになりますか。
○高橋(元)政府委員 いまもお話ございますように、かつて課税廃止されました物品と申しましても、比較的零細な業者がつくっておられる日用品というものに属するものがかなり多いと思うわけでございます。これは戦時立法として発足をいたしました物品税が課税範囲を広げていきます段階で、花、果物、たる入りの食料品とか金銭登録機とか謄写機とかタイプライターとか、一つは、比較的日常よく見られる零細な業者のつくられるもの、もう一つは、事務用品というところまで課税を拡大したわけでございます。 そういうプロセスから、いろいろと戦後物品税の純化ということで、先ほどもお示しのありましたように奢侈品なりぜいたく品、娯楽用品、趣味・観賞用品、社交的身回り品、便益品、そういうふうな形で逐次整理をして今日に至っておるわけでございますから、一つはそういう事務用機器と申しますか文房具、スポーツ用品というようなものを新たに課税に取り込むことが適当かどうかという問題だと思いますし、もう一つは、かつて課税が廃止されたもの、または課税しようとしてできなかった織物や書画骨とう、キリだんす、そういうようなものを新しく課税に入れるかどうかという問題があろうかと思います。 今回、五十五年の十一月の中期答申というものを基礎にいたしまして五十六年度の税制改正の案を検討するに当たりまして、かつて課税が廃止された物品に対する物品税の課税についても検討いたしたわけでございますが、こういうものは、何と申しますか一品生産的な、家内工業的と言ったら語弊があるかもしれませんが、手工芸的な産品に属することが多いわけでございます。そういう意味で製造者課税に果たしてうまく乗るかどうかということが、一つ大きな問題でございます。昭和三十三年に高級織物に課税するかどうかという問題がありました際にも、これを製造者課税で把握することは執行上も転嫁上も大変問題があるから、小売課税ということを考えてはどうかというような指摘もあったわけでございます。私どもは決して、かつて課税廃止された物品の中で、いま申し上げておりますような基準に照らして課税相当であるものというふうに考えますものについて課税対象に取り入れる努力を怠っておるわけではございませんけれども、そういうふうに零細な業者、伝統技術の保存、それから執行上の困難、そういうことを乗り越えまして、こういうものにつきましてもバランスをとって物品税の課税対象品目に取り入れる努力を続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○伊藤(茂)委員 まだ物品税のことについても、それから印紙税、さらには有価証券取引税、これも前に同僚議員が質問があって取り上げた誠備の問題、その後のさまざまの問題から、もっと本質的な問題、いろんな大事なことを実は議論をさせていただきたいわけでありますが、ごらんのとおりにどうも落ちつかない。さっきの相談の経過もありますけれども、きょうはいろんな意味での決着がついたときでありますから、しかもお互いに一致して確認してまいりましたように、正常、円滑、慎重な、また国民の負託にこたえるような整然たる議論をしていこうというには、朝から日没までの延長戦で、どうもまとまっておりませんので、委員長恐縮ですが、幾つか質問したいことも、整理したのが飛んでおりますので、また改めて整理をさせていただきまして、明日さわやかな、論旨明晰なところで質問を続けさせていただきたい。委員長の御了解をお願いをしたいと思います。
○大原(一)委員長代理 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕 〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○綿貫委員長 速記を始めてください。 次回は、明十八日水曜日午前九時三十分理事会、午前九時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時二十二分散会