大蔵委員会 第9号
- 発言数
- 313 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/03/03
会議録
○綿貫委員長 これより会議を開きます。 物品税法の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案、有価証券取引税法の一部を改正する法律案、各案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 きょうは有価証券取引税と印紙税法について若干お伺いをさしていただきたいと思うわけであります。 いま皆さん方のお手元にも大蔵省の資料を配らしていただいたわけでありますけれども、ここに区分されているのは各短期金融市場における税負担を資料にしてもらったわけであります。ちょっとわかりにくい点がございますが、いわゆる公社債を担保にして短期的な金融的役割りを演ずる現先市場、これの自己現先の場合が現行有価証券取引税〇・〇四、委託現先の場合が〇・〇八ということになっているわけです。たとえば現先市場とそれから右側に書いてございますコール、手形、CD各市場で一億円を調達しようということを考えた場合に——短期市場でございますから一年に一回とは限らぬわけですね。ぼくは一カ月、二カ月、三カ月の表にしておけと言ったのでありますけれども、この表は一年に一回流通するということで書かれております。たとえば自己現先の場合には平均しまして大体半月くらいで実は流通するわけです。そうしますと現行四万円の半月といたしますと二十四倍ですから、半月で自己現先で流通いたしますと九十六万円。自己現先で改正前一億円調達をしようとすると九十六万円かかるわけであります。委託現先の場合はその倍ですから百九十二万円かかるわけです。これはもちろん一カ月に二回流通したとしてであります。ところがコール、手形、CDの場合には現行百円。ただCDの場合にはたしか印紙ではなくて公証人の手数料という形になってくるわけでありますけれども、いずれにしろこれは改正をされましてもたかだか二百円、こういうことになるわけです。これの場合にはもちろん一カ月ものにいたしますればもっとかかりますが、いずれにしろこれの十二倍ということですから、現行でいきますればコールも手形も千二百円しか一カ月ものは税金がかからない。ところが現先の場合にはいま申しましたように自己現先だと四十八万円、そして委託現先の場合には九十六万円、こういうことになってくるわけです。この表はちょっと見にくいので本当は一カ月もの、二カ月もの、三カ月ものと短期市場でありますからそうしてもらわなければいかぬのでありますけれども。確かに現先市場というものが公社債の売買であるということは私も否定しませんけれども、やはり金融的な流通をする市場であることは間違いないわけですね。その際に最も日本の中で公正な自由市場になっているこの短期市場というものが、現先市場とコール、手形、CD市場というものがこんなに税金の負担が違うということは一体どれほど違いの意味があるだろうか。短期市場におきますそれが売買という形態になろうともあるいは金融という形態になろうとも、その具体的な経済的な意味がどれだけ違うか。私はこのことに対する積極的な説明を願いたいと思うのであります。
○吉本(宏)政府委員 ただいま現先、CDあるいはコールのいわゆる短期資金市場におけるファイナンスの実情につきまして御質問がございましたので私からお答えを申し上げます。 現先市場は言うなれば債券の売買という形をとりまして実質的には一つのファイナンスと考えていいかと思います。ただこれはファンクションとしてはファイナンスでございますけれども形式はあくまでも売買ということになっておりまして、その結果ただいま有価証券取引税がかかるということでございます。 先ほどの数字にもございましたようにかなりの取引税がかかることは事実でございますけれども、実際の市場の状況を見ますと、現先とコールの金利の動向を見ますと必ずしも同じ動きをしておりません。現先がコールを上回る場合もございますし、またコールが現先を上回る場合もある、こういったことでございまして、実際には有価証券取引税の負担をある程度吸収するような形で現先市場におけるファイナンスが行われておる、こういうふうに御理解いただいていいのではないか、このように考えております。
○佐藤(観)委員 余り説明にならぬのじゃないかと思うのですね。いま御説明があったことで非常に重要なことは、現先というものは債券売買という概念である、これは私も理解いたします。しかし一方では現実経済実態として証券の流通という面から見ればこれは実質ファイナンスだということも言われた、これも私わかるのです。 そこで主税局長にお伺いしたいのですが、税のかけ方というのは実質でいくのじゃないですか。もちろん形式も重要でありますけれども、実質ということは非常に重要なポイントだと思うのですね。われわれもいろいろな実態面における執行を見ましても必ずしも単なる表面的な理屈だけではなくて、実態的にその財産形成なら財産形成がどういうふうにできてきたか、こういうことが非常に大きなウエートを占めると思うのであります。ですから、意味的に現先市場というのは債券売買であるということは私も否定しませんけれども実質的にファイナンスであるというときに、現先市場に課せられているのは、これは単位が二けたも三けたも違う。コール、手形、CD市場と現先市場が課せられている税負担は余りにも違い過ぎるのではないか。違うなら違うで私はそれなりの意味がなければいかぬと思うのですね。そういった意味で実質的な経済的活動として現先市場とコール、手形、CDというものにどれだけの違いがあるのだろうか。もちろん手形が行き来する、コールの場合には何も行き来しないで金利でいくわけでありますからそういう意味の違いは十分わかっておりますが。 もう一つお伺いしておきたいのは、短期市場でありますから大変細かい動きになってくるわけですね。その場合に税負担の多い少ないというのが金利動向にも大変大きな影響を持ってくるわけであります。そういった観点から、税負担が余りにも違うという問題はどういうふうに考えられて今回の改正を出されたのか、ひとつ納得のいく説明を求めたいと思います。
○高橋(元)政府委員 短期の金融市場は非常に重要なものでありまして、そこにはいまお話しのように三つの大きな市場があるわけでございます。コールなり割手の市場とそれから現先市場、その間に有価証券取引税が介在することによって、もちろん金利裁定は働くわけでありますけれども、市場の機能がゆがめられるという点は確かにおっしゃるように非常に問題であろうと思います。ただ、有価証券取引税は、これは申し上げるまでもなく有価証券の取引の背後にある担税力に着目しまして、それは損をする場合もありましょうし得をする場合もあるわけでございますが、有価証券を売った人に対して浅い税負担をお願いする流通税でございますから、公社債の売買でございます限り有価証券取引税を課さないわけにはまいらない。 そこで、現実に今回税負担の引き上げをお願いするにつきまして、そういった短期金融市場相互間の金利裁定に及ぼす今度の税負担引き上げの影響について証券局ともよく相談をいたしました。そうやってやってみますと、現先市場の大体六割は国債で調達をされておるわけでございます。そこで、これは制定以来、甲、乙と有価証券を分けまして、乙が国債、公社債ということになっておりましたが、今度、甲、乙、丙に分けまして、乙を国債にし丙を公社債にするということにしまして、丙についての税負担の引き上げをお願いする、しかし乙である国債につきましては税率を据え置くということにいたしたわけでございます。そうなりますと、現先市場の六割近くを占めます国債にかかる有価証券取引税の税率は現行のままということでございますし、それから、現先で売買の対象になります有価証券を見ますと、そのまた六割は国債のようでございます。国債についての金利の引き上げをとめておく、税負担の引き上げを据え置くということによりまして、全体としての現先市場の円滑な流通を確保するということに特段の配慮を行ったというのが私どもの立場でございます。
○佐藤(観)委員 私も余りしつこく言うのは性格的に好きじゃありませんから言いませんが、いまの主税局長の御答弁ですと、要するに債券売買の背後にある担税力をポイントに置いておるのだ、こういうことのようなんですね。そうすると、私がくどくお伺いしているように、実質的にファイナンスである、金融である、実質的にはですよ、つまり金融的性格を持った売買である。それはいわば、コール市場においてももちろん金融であるしCD市場においてもそうなわけですね。それから手形市場においてもそうだというものの性格では、たかだか半分になっておりますとかあるいは千円しか違いませんというならまだしもです。くどいようですけれども、たとえば一カ月で運用した場合には、自己現先だと、一年は十二カ月でございますから四十八万円税負担するということになるわけですね。委託現先だとこの倍で九十六万円。それに対してコールだと千二百円。これはけたが違うんだな。それから手形だと一カ月で十二回でありますから千二百円。CDは三カ月ものでありますから四倍で二千円ということであります。いま申しましたように、四十八万円、九十六万円、千二百円、千二百円ではもう余りにもけたが違い過ぎるということなんです。ですから、これだけ違うにはもう少し積極的な意味が、私も概念的にはわからぬわけじゃないのです、証券局長から答弁あったようなことでわかるけれども、実質的にはこれはファイナンスの役目をしていることも事実でありますから、そういった意味で、余りにも違う負担額ですね、これをひとつ変えていくべきではないか。そういった点で、確かに配慮があったのは認めます。国債について配慮があったのは認めますけれども、なおかつ余りにも単位が違い過ぎるということで、日本の短期金融市場という大変自由な市場をなお一層これから発展をさせていくためにはもう少し、頭のいい主税局長が私にも、そうかそこまで言うならばという御説明が十分できるようにしていただかないといかぬと私は思うのですね。最後にもう一回お伺いをして、次の問題に移りたいと思います。
○高橋(元)政府委員 いまのお話の点につきましては、私どもも昨年の暮れにいろいろ検討いたしまして、たとえばCDについて有価証券取引税をかけるという形で相互のバランスを保つということはどうであろうかという検討も行ったわけでございます。 しかしながら、CDの性質からまいりますと、これは有価証券と申しますよりもやはり指名債権でございますし、有価証券に化体されている権利を売却するという形ではなくて、指名債権の譲渡、つまり債務者の承諾ということが必要でございます。そういうことから、これは印紙税が課せられるということはあるとしましても、CDを有価証券取引税の課税対象とする、その有価証券とするということにつきましては、証券取引法の扱い等もございますけれども、税制の立場からも問題が多いのではないかと考えました。 そこで、CDと公社債類の売買によりますところの短資市場というものの差を税によって埋めるということでなくて、先ほど来お答えいたしておりますように、国債の税率を据え置くことによってその点の公平を図るということにしたわけでございます。 それと、もう一つ申し上げたいと思いますのは、有価証券取引税は、有価証券の譲渡者が譲渡の際に自主的に納付してこられる税金でございます。したがいまして、その譲渡によりまして得た資金の使途を、これを金融の目的に充てるのか、単に資産の売却、処分ということであるのか、これは必ずしも正確に把握できないわけでございます。そういう執行上の公平と申しますか正確ということを期する意味からしましても、やはり、先ほどのお答えで十分御納得をいただけないようでございますが、有価証券取引税につきましては、有価証券類を売却しましたときに一律の軽い税負担を求める、こういう税の本来のあり方の中で、できる限り金融市場に対する影響を緩和するような工夫を講じたということでございますので、御理解をいただきたいというふうに考えております。
○佐藤(観)委員 ただ、現先の場合には買い戻し売り戻しというのが条件つきでございますから、その意味では、なおいまの御説明でも完全に納得はできないのでありますが、時間の関係もありますから、次の問題に移らせていただきたいと思います。 次は、いま大変問題になっております投資顧問室の誠備の問題であります。きょうはお忙しいところを谷村参考人にもお越しをいただいたわけでございますが、参考人に入る前にちょっと法務省に一問お伺いをしておきたいのでありますけれども、この誠備投資顧問室の実質的な指導者であった加藤嵩が脱税、まあ所得税法違反で逮捕されているわけでありますけれども、その社員でございます田久保という人も不起訴ということで釈放されたことも報道されております。 私はこの問題は、本質的に脱税の問題というのは非常に重要なことでありますし、今国会でも脱税に対する罰則やその他のことを長くしようという法案が出るようでございますし、これはかねてからわが党の主張でございますから、脱税の問題というのは決して軽視をするわけではございませんが、この誠備の問題は、脱税の問題というのはいわば副次的な問題と言ったら悪いけれども、本質的な問題ではなくて、もちろんこれも重要でありますが、どうも法務省、検察の動きを見ておりますと、本当に脱税だけなんだろうかということを正直いって疑問に思っております。皆さん方の方で、たとえば証取法五十八条の不正取引の禁止とかあるいは百二十五条の仮装売買、相場操作等の禁止及び安定操作の制限、この百二十五条の一項二号には「自己のなす売付と同時期に、それと同価格において、他人が当該有価証券を買付けることを予めその者と通謀の上、当該売付をなすこと」というのがあるわけですね。三号目には「買付をなすこと」というのがあるわけでありますが、投資顧問室のいろいろな実態がわからない点がありますので、まだこれと断定できるとは私も思っておりませんが、そういった百二十五条とか百二十七条の自己計算取引、売買一任勘定取引及び過当数量取引の制限、こういった証取法の関係あるいは、いわゆる出資法、こういったものに触れるということも頭に置きながら捜査なり逮捕というところまでいっているのですか、その点はいかがでございますか。
○飛田説明員 いろいろ一遍にお尋ねがございましたが、大ざっぱに申し上げますと、まずただいまのお尋ねは、現在東京地検が捜査しているのが巷間に言われる誠備グループ事件と呼ばれているそのすべての問題を捜査しているというふうな前提に立った御質問のように思うわけでございますけれども、現在東京地検が捜査の対象としておりますのは、国税当局から告発がなされた吉永こと金丞泰という人の所得税法違反事件であるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。 それから、それに関連いたしまして、いまつかまっております加藤という人が行った行為が証券取引法とか出資法に違反するのではないかという趣旨のお尋ねでございますが、これは現在捜査をしております加藤という人の具体的事件、つまり脱税事件の加藤という人の行為について当面捜査の対象となっていないものの法的評価に関するものでございまして、これに関係する事実関係が証拠により明確にされていないこの段階におきまして、加藤氏の行ったことが証取法や出資法に違反するかどうかということについてここでお答えすることはちょっと差し控えさせていただきたい、こういうことでございます。
○綿貫委員長 ただいま東京証券取引所理事長谷村裕参考人が出席されております。 参考人からの意見の開陳は委員からの質疑によって行うことといたします。
○佐藤(観)委員 きょうは東証の理事長の谷村さん、御苦労さまでございます。 いま法務省からも若干お伺いをしたわけでありますけれども、当委員会にとりましても証券市場の問題というのは大変重要な課題の一つでございますので、きょうはお忙しいところ参考人においでをいただいたわけでございます。 それで、今日まで社会党というのか私というのか、証券行政のあり方の基本といたしまして、大衆投資家の保護を一つの観点として行政や法律が一体できておるだろうかどうだろうかということを一つのポイントに置き、そして金融市場でございますので当然信用秩序の維持発展、こういうことに眼目を置きながらいわば今日まで審議をしてきたわけでございます。 私はきょう四つの観点からお伺いをしたいと思うのでありますが、一つは、今度の通称誠備グループ事件というのか、脱税が入っているからということだから事件と言うのかどうかわかりませんが、この問題について今日ここまで来たのについて、行政の怠慢、こういったものが一体あったのかなかったのか、あるいは二番目に、制度上のいろいろな欠陥が一体あったのかどうなのか、三番目に、中小証券会社の経営姿勢というのに問題はなかったのかどうなのか、四番目は、どうも政治家の名前がちらちらしてくるわけでありますけれども、一体政治家のモラルとしてどうだったのだろうか、私はこの四つの点からお伺いをしていきたいと思うのであります。 まず第一番目に、そもそも投資顧問室誠備による仕手戦というのでしょうか、あるいは宮地の場合には会社の経営権を握るということだったわけでありますけれども、事実関係については参考人と私と少し違うかもしれませんが、一体こういった一連の動きというのは基本的に悪と見るべきなのか善と見るべきなのか。なかなか善悪では決めにくいかと思いますけれども、東証の理事長としてせめて行き過ぎと考えていらっしゃったのか、あるいは将来こういうことがあってもおかしくない、こういうふうに考えていらっしゃるのか。 というのは、私が昭和四十五年に当委員会に来て初めて証取法の改正があったときに、当時の志場証券局長とやったのは、テーク・オーバー・ビッド、つまり日本語に訳せば乗っ取り、こういったものを証取法として悪と考えるのか善と考えるのかという論争をしたことがあるわけでありますが、証取法自体はそれに対しては中立的であるということに今日まで証券局もなっているはずであります。 そういった意味で現場にいらっしゃる谷村理事長として、今日の一連の動きというのは少し行き過ぎがあったのではないか、現在の証取法ぎりぎりではないかとお考えになっているのか。あるいはこれはアメリカなんかでは、会社の、乗っ取りという言葉は余りよくありませんが、経営権の移譲と言うのでしょうか、これ自体は何らやましいことではなくて、そのために株式は公開をされているわけでありますから、それについてはアメリカの風土、土壌においては何ら悪とはみなされてないわけですね。一体この一連の動きについて行き過ぎがあったのか、あるいは将来こういうことがあっても不思議ではない、こういうふうにお考えになっているのか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
○谷村参考人 大変いい観点から御質問をいただいていると思うのでございまして、私は行き過ぎという言葉を二つに分けて申し上げたいと思います。 たとえば、信用取引制度を利用しながらお互いに丁々発止、俗に言う仕手戦をいたしますことは、取引所の中で取引所のルールに従ってやっておられる限り、私は必ずしもすべてそうなってくれて結構だとは申しませんが、一つの勝負でございますから、それ自体がどうなってもこれは一つのあらわれであると思っております。ですから、そこに行き過ぎがあったかどうかという判断はいたしません。ただし、非常に投機的になるようなときは行き過ぎであったというふうに言いたいと思います。 それから、七〇%の株式をすでに買い占めてしまって経営権取得というような形で会社に乗り込んでいったということ、このこと自体は、本人の意思であったかどうかは別といたしまして、そうなってしまうということ自身も私はあり得ることとして別に行き過ぎと思いません。 俗に行き過ぎだったというふうに思う点が二つあると申しました一つは、多数の投資家の方、これは私は非常にいろいろなお立場の方がおいでになると思いますが、それがいわば、どなたかリーダーになるような方にお願いして、ひとつよろしくお願いします、万事お任せします、うまくやってくださいというような形で、それも本人の御自由でございますけれども、投資をなさるというふうなやり方は、私どもの立場から言えば、善悪というふうにおっしゃいましたけれども、好ましくない投資の態度である、そういう意味で、行き過ぎという言葉が当たるかどうか、まあ私どもから見ればいやなやり方だ、かように考えております。それが第一点。 それから第二点は、もちろんどういう値段でどうお買いになるかは御本人たちの判断であり、責任の問題ではありますけれども、私どもはやはり、たとえば株価といったようなものは、中立の立場では見ておりますものの、本来はいわば力ずく——需給関係だけでてきるというよりは、その需給のもとになっている経済の実態、会社の実態というものがなければいけないという考え方を持っております。そういう点で申しますと、いかに妙な引っ張り合いの結果そうなったとはいえ、いわゆる一株当たりの利益、それに対する株価の割合、これを俗にPER、株価収益率と呼んでおりますが、これが私どもで平均で大体二十倍というのが通例でございますが、それが二百倍近くになってしまうというふうなのはやはり行き過ぎである。また、一株当たり株主資本純資産、たとえば百五十円とか百三十五円とかございますが、それに対して東証の株価というのは二倍半ぐらいというのが平均的なものでございますが、よほどの事情があればこれが大きく動きます。その事情がどうであるかというのはあれでありますが、非常に異常だというのでたとえば二十倍とか三十倍とかになってしまうと、やはりこれは異常ではないか、それで行き過ぎだ、こういうふうに判断をいたします。 先生の行き過ぎかどうかという点については以上二点であります。
○佐藤(観)委員 理事長としてのお考えは感覚的に非常によくわかりました。 そこで、宮地鉄工の場合には最高値が八月二十八日の二千九百五十円まで行っているわけですね。私もあれはたしか五十三年の八月だったと思いますが、ヂーゼル機器が問題になったときに理事長にお越しをいただいていろいろ議論したことがあるわけであります。いまのお話ですと、とにかく会社側の言うことを言えば、うちの会社の株というのは実態価格は二、三百円ですよと言っているのについて二千九百五十円というのは明らかに異常高値ですね。会社側の言うのを基礎にすればですよ。そうじゃないと思っていらっしゃる方もいるからここまでいくわけでありますけれども。そういうときにいまの過度の仕手戦がいわば過熱をした場合に除去装置として、きょうは時間がないから私から言っちゃいますけれども、注意銘柄に指定しまして毎日信用残を公開するとか、あるいは信用取引の委託保証金率を四〇%からだんだん上げていって、宮地の場合には最高八〇%までいっているわけですが、保証金率を上げるとか、現金の率を上げるとか、あるいは代用担保の掛け目率を七〇%以下にするとか、信用取引の貸し株の禁止をするとか、値幅制限するとか、宮地の場合は三十円ということになったわけでありますが、信用銘柄にしない、そのために会社の信用取引できる資本金を上げるとか、こういうようなたくさんの手だてがあるわけですね。たくさんの余り過熱しないように水をかける、シャワーか何だかわかりませんが、装置があるわけです。これが今度の場合には理事長の力をもってしても何とも及ばなかったということなのか。いやもうとにかく現金買いされたら、これだけあおられたらどうにもならぬという、いわばいま私が申し上げたこの七つの手段ではいまは法的に不備ですということなのか。それとも法的には十分あるんだけれどもタイミングを失した、こういうことなのか。なぜ理事長が実態価格から余りにもかけ離れたんじゃないかと言う二千九百五十円までいってしまったのだろうかということについては、実際に運用をされた理事長いかがでございますか。
○谷村参考人 御承知のように私どもいろいろな手だてを尽くしましたけれども、おっしゃるような値段が出てしまいました。その値段が出たこと自身だれもがおかしい値段だなとは思っておりますけれども、取引所でおかしいとかおかしくないとかいうこととは別としてもできた値段はできた値段として公示してしまったわけでございます。後から振り返ってみますと、私自身タイミングを誤ったかもしれないと思うのもございますけれども、市場で現実に動いているときに当局あるいは私ども取引所がどう対応していくかということはある意味で言うと結果論みたいなことになってまいりまして、出過ぎれば不当な介入にもなり、早過ぎるということにもなります。その点で私どもは一つの教訓としてこれを受けとめて、また今後のいろいろな対応の仕方を考えたいと思います。 そんな値ができていいのかという点についてはもうみんなの視線がそこに集まっておりまして、結局こういった問題の最後は、仮に無理につくった値であればやがては価格メカニズムの結果、それがそのままでは済まないという実態となってはね返ってくるということにおいて、私は市場というものはその自律性を取り戻すのではないかと思う。無理に人為的にいろいろな手だてを尽くしてみても、仮にいまおっしゃったような意味で力ずくで来ればそれには限界がございます。対応ができません。しかし、力ずくでやった仕事はいずれはまた壊れるという実態が起こるのが市場であり、価格メカニズムである、私はそう思っておりますので、必ずしも十分に対応はできなかったかもしれませんが、無理につくった値段であるとすれば、それはやがて壊れる、これが一番基本であると思っております。
○佐藤(観)委員 そうしますと、確かに私の質問自身結果論的なところもなきにしもあらずだ、それは私もわかっているのでありますが、もう一つだけ重ねてお伺いしておきたいのは、いま七つの手段を私例示したわけでありますけれども、これさえあればある程度余りに無理な価格のときには対応できるという新しい手段というのを、かって五十三年に特別報告銘柄制度というのをつくったときのように新しい何かを、この事態に遭遇した後つくらなければいかぬというふうには考えていらっしゃらない、こういうふうに理解してよろしいですか。
○谷村参考人 ただいまの状況においては、取り得る手段をさらにこのほかに何か一つのメカニズムとして考えられるかと言えば、私はちょっとむずかしいと思っております。ただし、検討、研究はいたします。ただ、御質問と離れるかもしれませんが、いまおっしゃった意味で、この株価の動きは、この取引の動きは正常ではありませんよ——正常でないという言葉がいいかどうか知りませんが、皆さんよく注意して見ていてください、なぜこの株はこういうふうに動くのであるかということをより広く一般の方に示す、そういう体制をつくってはどうか、かように考えておりまして、私どもはもっとディスクロージャーと申しますか注意銘柄といいますか、そういうものの出し方についていろいろと工夫をこらしたいと思います。その上で承知でなさる方がおれば、それはまたその方の責任だ、かように思っておりますから。
○佐藤(観)委員 ちょうど話がそこまで行きましたので、たくさんありますけれども、今度の宮地鉄工株について言えば、五十三年十月に実施になりました特別報告銘柄制度というのは発動されなかったわけですね。これは確かに規則を読む限りは「相当数の買集めがあり、又はその疑いがあると認める場合には、その銘柄を特別報告銘柄に指定する。」ということになっていて、肩がわりということはこの規則の表面には出てこぬわけですね。しかし皆さん方の運用といたしましては、この肩がわりということを買い集めた株主等が求めた場合には、その実態によっては特別報告銘柄に指定するということのようでありますけれども、今度の場合でも端的に言って、これは私も現場にいたわけではないし、確認できるわけのものじゃありませんのでいずれの機会にまた当事者からも聞いてみたいと思うのでありますが、たとえば某有力建設会社の会長が仲介に入ったとか、あるいは某鉄鋼メーカーの会長が間に入ったとか、あるいは有力都市銀行が間に入ったとか、そして誠備側というのでしょうか、こういった方の株の肩がわりを宮地鉄工所に要請したという話も、確認はできませんが入っているわけですね。そうなってまいりますと、今度特別報告銘柄というのにこれが指定されなかった理由というのは一体どうなのか。そしてヂーゼル機器のときには特別報告銘柄にしたわけですよね。そのときに、肩がわりというのは一体どういう時期にどういう認定があれば肩がわりを求めているというふうにするのか。これは会社側の申告というのですか、東証に上場している会社が、実はこういうことですというふうに理事長に訴え出るというような形になるのか、その点をちょっと御説明いただきたいと思うのです。
○谷村参考人 確かに私どもの特別報告銘柄についての規則には御指摘のように書いてありましたが、基本的には私どもの定款の規定から踏まえておりますので、いわゆる買い占め、肩がわりを目的とする場合に加担してもらっては困るという立場からこれは決めているものでございます。 運用に当たってどういう時点でどう判断するのかということでございますが、目的が三つございまして、そのうちの一つは、たとえばすっかり浮動株がなくなってしまって、そのために二部に変わってしまうぞというふうな話になったときに、それを種にしていわば要請の根拠に使うというふうなことがあってはならないというので、たとえば二部に移るのを待たせるなんというのもございますし、それからたとえば会員業者がいろいろ売買の方に携わっておっても私は知らなかったということでは済ませませんよといったような規定も入っているわけでございますけれども、基本的にはおっしゃるとおり肩がわりが目的となっているかどうか、これは今回もずっといろいろとトレースしておりましたけれども、取引所の中でのいわゆる仕手戦と申しますかそういう動きではありましたけれども、その背後にどれだけの人がどう動いていてそれがどうなるかということをいろいろ聞いてはおりましたけれども、ヂーゼルのときのような形で会社側に対しての接触というものが何もない。私どもも聞いておりません。それから、それ以外の情報で間に入るとかどうとかいうのはありましたけれども、それはもちろん確認できることではない。私ども、不確実な前提のもとに何らかの介入措置をとるというのはその点では十分慎重でなければならぬと思いまして、いろいろ検討はしておりましたが、差し控えておりました。
○佐藤(観)委員 そうしますと、ヂーゼル機器のときと違うというお話でございますが、ある程度、たとえば東証の理事長として上場している企業に対してでもいいし企業からでもいいですが、肩がわりが要求されているということが確認をされた際には特別報告銘柄に指定をするということになるわけですか。その場合に、要するに直接その上場している企業から確認をとるかとらないか、これが報告銘柄に指定するかどうかの一つの決め手になる、こういうことでございますか。
○谷村参考人 上場会社の方からの情報も一つでございますし、それ以外の情報もあると思います。最終的には私がそれだけの、判断をするだけの自信を持てればいたします。しかし、それは非科学的ではやはりいけないので、そこが非常にむずかしいところだと思いますが、できるだけ情報をとった上で判断をするということでございます。
○佐藤(観)委員 次に、私は今回の一連の動きについて大変深刻に思っているのは、きょうもいわゆる誠備銘柄というのはストップ安が続いているわけですね。きょうでずっと十三日目くらいになりますかストップ安が続いている。これによっていわゆる大衆投資家というのにも自殺者が出てくるのではないかという心配、それから、後からさらにお伺いをいたしますけれども、会員である中小証券も六月に決算が集中をして、これはいまのままでいけば無配転落、赤字になっていくんじゃないか、信用不安を起こしてくるのではないかという大変な危機感を持ってきょう当委員会の時間内で質問させていただいているわけでありますが、いわばそのきっかけになったように私には思われるのが理事長が一月の二十日に出された「信用取引の受託について」という、これは形式上通達というのでしょうか、この文書だと思うのですね。この文書自体を読むと、きわめて異例な文書だと私は思うのであります。 これは重要なものでございますから、一度ちょっと読んでおきます。 本所は、現在信用取引に係る全般的な委託保証金率を四〇%以上とし、また委託保証金代用有価証券として差入れられる株券の代用掛目を七〇%以下と定め、更に、委託保証金率については必要に応じて個別銘柄について臨時措置として別に定める料率以上と定めております。と、これはいわば書いてあることを確認をしているわけですね。 これらの、信用取引に係る委託保証金率、代用掛目はその取引に当たって徴求すべき担保の最低限度を定めたものであります。これはいわばあたりまえのことが書いてあるわけですよね。だって「委託保証金率を四〇%以上とし、」というのですから、以上だったらそれ以上とっていいというのはあたりまえでありますし、「代用掛目を七〇%以下」というのでありますから、それ以下にするというのは各証券会社の判断で当然できることになっておるわけでありますから、ここまではあたりまえのことが書いてあるわけなんですよね。 したがって、会員が信用取引の受託に際して個々の取引の実態に応じてこの委託保証金率を引き上げ、あるいは代用掛目を引き下げる等の措置をとりうることは、当然であります。 いわばこれは当然なことが書いてあるわけであります。 特に、株価が企業実態と遊離し需給関係を主な要因として形成されている場合には、その後の推移いかんによってその株価が大きく変動することも考えられますが、そのようなことが予想される場合には、あらかじめ上記の措置をとる必要性が高いと考えられます。 会員各位におかれましては、取引の健全性を一層確保する見地から、いかなる事態にも十分対応できるしかるべき措置をとられますよう要望いたします。 以上 この場合会員というのは言うまでもなく東証に籍を持っている正会員、八十三社でございますか、ということでございますね。 それで、私がこの文書を疑問に思うのは、一月二十日時点でなぜこのような、前半は常識的なというよりも、いわば何も書いてないに等しいようなものが理事長名で出されなければならなかったのか。そして、理事長としてはかって代用掛け目にしたってあるいは委託保証金率にしたって、先ほど冒頭でお伺いしましたようにいじってきたわけですね。いじってきているわけであります。なおかつここで、私に言わせれば異例な通達というのを出さなきゃいけなかった背景というのは何なんだろうか。 あわせて、一体理事長はこれを一般的に注意してくださいよという軽い気持ちで出されたのか、それとも具体的に各証券会社が、たとえば安藤建設にしろ石井鉄工所にしろ丸善にしろ、こういった世に言う誠備グループの株については担保をとる場合にはもっと掛け目率を下げなさいということを具体的な行動を期待してこの通達を出されたのか、その辺についてまずお伺いしたい。
○谷村参考人 まず第二段の方にお答え申し上げておきますが、私の立場からすれば個別的具体的なものを対象として言ったのではなくて、ここで述べておることは一般論であります。その一般論をそれぞれの会員が自分らの判断でどう対応しどう適応していくかということは私どもが一つ一つ指図する問題ではございません。それはまずお答え申し上げておきます。 第二番目に、かような通達というか何というのですか文書を、通達とかなんとか言われておりますけれども私どもそんなえらそうなことを言える立場じゃございません、こういうことを会員代表者に申し上げましたことの背景、これはお恥ずかしい次第でございますが、会員のいろいろな内部の動きを私どもが耳にいたしますと、たとえば外務員の方々やなんかがいろいろ、これはいい仕事であるといって持っておいでになる、そうすると、従来はいわば機械的にそれぞれの事務で処理をしておったようなものが事後に上級者のところに報告が来る、たとえば専務あるいは社長の耳に入る、そうすると社長が、おおこういうものを引き受けたのか、これはどうだというふうなことをおっしゃる、いやいいじゃありませんか、いややはりこれは問題だ、こんな掛け目で危ないんじゃないかとか、それぞれの中でいろいろその辺のお話が出ていたようでございます。そして私どもの方にもその点についてのお問い合わせがございました。株価それ自身がこれから先どうなるかわからないというときに掛け目七〇でとっていいと自分たちは思わないけれども、たとえば第一線にいる者はいやそのままとってもいいんだと言って、そこで中でいろいろごたごたしているんだというような、お恥ずかしい話ですが、そういうような話も入ってまいりました。そこで、こういうのは証券会社に対する注意でありますから、むしろたとえば協会の方から注意してもいいんじゃないかというふうな話が出たり、それでちょっと時間がたちましたけれども、やはりそれは理事長の名ではっきりしてくれよ、はっきりするもくそも決まっているじゃないか、先生のおっしゃるようにそう決まったことじゃないか、いやそうじゃない、はっきりしてください、そういうようなやりとりがありまして、私どもの立場としてこの解釈を、言わずもがなでございますが申し上げる、これが第一段。 そしてやはり第二段というのは、これもまた言わずもがなかもしれませんけれども、特別にいま扱っているものをねらい撃ちにして物を言うということではない、一般論として言っているわけでありますが、背景としてはそのときの動きをしていたものについて具体的に適用があるというふうな話になった次第でございます。
○佐藤(観)委員 ちょっと事実関係を確認しておきたいのですが、その際にこういう文書というんでしょうか、通達というんでしょうか、これが出された場合に、東証といたしましては個々の証券会社に内容、これそのものはもちろん通達するのでありましょうが、じゃその証券会社から売って帰って、言うところの「株価が企業実態と遊離し、需給関係を主な要因として形成されている場合には、」というようなものは、個々具体的にはどういう株なんですか、聞かれた場合には答えるのですか。あるいは東証から各証券会社にこういうものの中身はこういう銘柄のことを言っているのですよ、こういうような指示はたとえば電話なんかではしないのでしょうか、どうなんでしょうか。
○谷村参考人 いたしません。むしろ私は具体的な例を一切挙げておりません。
○佐藤(観)委員 そうしますと、いま理事長からお話があったように、これは個々ばらばらに独自にやったということだと思うのでありますが、これは四大証券の次に証券会社のところに属するものでありますけれども、「規制の主旨 最近の市況のなかで一部の銘柄の株価が」ここからがこの文書と一緒なんですが「企業実態と遊離し、需給関係を主な要因として形成されている場合には、その後の推移いかんによってはその株価が大きく変動することも考えられます。」ここは通達と一緒の文書が書かれて、「従って当社顧客の取引の健全性をこの際一層確保する見地からとりあえず今日七銘柄の規制を行うことにした。」実施日は五十六年一月二十三日より実施。規制銘柄、七銘柄、安藤建設、宮地鉄工、石井鉄工、新電元工業、塚本商事、丸善、もう一つ何かあるわけですね、というようになっていて、中小の方でも同じようなあれが、ここに私の手元にあるのは中小証券で一月二十七日付にやはり掛け目率をもっと落としなさいということでS、A、Bという代用掛け目ランクというのをつけられているわけでありますが、これは東証の方が具体的に指示をしたのではなくて、この理事長のいわば文書、通達によって独自に判断をしてやられた、こういうふうに理解をしていいわけですね。
○谷村参考人 そのとおりであります。
○佐藤(観)委員 そこでもう一つ、この文書の中でお伺いしておきたいのは、「株価が企業実態と遊離し、需給関係を主な要因として形成されている場合」というところが非常に意味が重いわけですね。その場合、これは一般論だからこういう表現になるのだと思いますが、株価が企業実態と遊離しているかしていないかというのはなかなかむずかしいのですね。私は自分自身が株というのをやったことないけれども、いろんな人の話を聞くと、たとえば丸善だって一等地を大変たくさん全国に持っていて、いやあれだって含み資産を入れると千二百億円にもなりますという片方夢を持っていらっしゃる方もいらっしゃるわけですよね。そのあたりで「株価が企業実態と遊離し、」というのはなかなか判断がむずかしい、個々そう思って買われる方もいらっしゃるのだし、いやそんなにはないだろうと思って逃げられる方もいらっしゃるわけでありますので、そのあたりに、直接的には理事長が書かれた文書ではないと思いますが、「株価が企業実態と遊離し、需給関係を主な要因として形成されている場合には、」というのは、一月二十日付でいった場合には、証券界だれでも、いわば誠備グループの仕手戦だというふうに推測するのは、証券界の中では過去の経緯から言っても通常ではないか。だからそれをこの時点に、これは一般論でございますと、出されて、理事長の責任というのは全くいやこういったいわゆる誠備株なるものの暴落というのは予想してないのですというように果たして言い切れるだろうかどうだろうか、その点はどういう御判断をお持ちになってこの文書を出されたのでしょうか。いわば一般論と言われてこの時点に出すということになれば、具体的にはいわゆる誠備銘柄というものを直撃するというか、こういうことは当然予想されたんではないだろうかと思いますが、その点はどういうふうにお考えになって出されたのでございましょうか。
○谷村参考人 お説のとおり、具体的にはあの時点でもしこういう通達といいますか、文書の考え方に従って各会員会社が行動するとすれば、それによって対応される対象はいま御指摘になったような銘柄が多いであろう、これは当然であります。私はそれを否定いたしません。ただ私は、そういうことをあの時点でさえむしろ言うのが必要であったと思っております。と申しますのは、世上俗にああいう通達が出たから金が借りられなくなったとか、ああいうのが出たからもう動きができなくなった。わしら——わしらとはおっしゃらぬですが、ぶん殴られたのだ、こういうふうにおっしゃいますけれども、私は本来金を貸す立場、信用を供与する立場だったら当然そういうことは考えるべき時点であったとも思いますし、実はそういうことがあろうとなかろうとお金がつけばうまくいくものかどうかという点については、これは本質的にさっき申し上げましたように無理やりに金で支えて、金を借りて支えていてもそれではむしろそのままでいけるのかという問題があるわけでございます。そういうことは私が言うまでもなくいろいろと世間でも言われておるわけであります。私がいま責任を免れることができるかとかいうふうなお話がございましたけれども、あれで株価がせっかく行っていたのが一転してとっとことっとこ行ってしまったとかどうとかいうふうには私は思いません。むしろ実態がそれをやらせているのであって、そういう実態があり得るというふうに考えられるときに、のうのうと腕を組んで金融をつけているというふうなことがあるとすればそっちの方が問題だ、私はそう思っておりました。
○佐藤(観)委員 そこが非常に判断のむずかしいところで、株価の実態というのは一体何ぞやというのが大変むずかしいゆえに問題になるわけでありますが、ただ私も基本的に誠備だけの話じゃなくて、こういう買い方をしていけばどこかで宮地鉄工の株の四百億か五百億というものが肩がわりをしてくれて、その金がもう一回生きない限り、その分だけまた会員が入って、そしてそれが金融がついていかないことにはまた株価を支えることはむずかしいんじゃないか。その辺に金だけの、金さえあればいつまでもこの価格が維持できたのだというふうに私も必ずしも思っていないわけでございます。ただあくまでこの通達が代用掛け目を低くしなさいということでございますから、その意味ではこれによって資金繰りが苦しくなることは事実ですね、それは背後で資金をしぼるためにやっておるわけでありますから。その意味ではそこで資金のパイプが細くなったことは事実だと思うのであります。 そこでお伺いをしていきたいのでありますけれども、もう一回もとへ戻ってしまうのでありますが、それならばなぜ二千九百五十円まで行かない前に、こういういわば一般論として当然のことの書いてある通達が、二千九百五十円まで行かない、恐らく七月とか八月の時点に出されなかったのだろうか。理事長にしてみれば議員なんというのは結果論で物を言ってと言われるかもしれませんが、私もそのことはある程度わかっているのでありますが、私が異例と言ったのは、すでに九月一日にはいわゆる誠備グループの方は宮地鉄工所に対して役員派遣をするということも言っておりますし、あるいは臨時総会も要求しておる。いわばそのときには終わってしまって、一月二十日なんというのはそれ以後の話なんですね。それにもかかわらずあえてまた、もちろん宮地鉄工だけじゃなくて安藤建設の問題とかその他の仕手戦が続いておりますから、それはそうかもしれませんが、本来だったら十一月二十七日に臨時総会が行われていたわけでありますから、二千九百五十円に行くまでにこういう資金をしぼるならしぼる。事実掛け目率は下げているわけでありますからやってしかるべきだったのじゃないか。一月二十日にこれがあえて出ているというところに私は若干不可解さというのを持つのであります。その意味で再度お伺いしていきたいのでありますが、八月二十八日の最高高値に行くまでに、東証としても当然保証金率の引き上げとか掛け目率の引き下げということをやっていらっしゃる。そしてなおかっこの一月二十日に同種類のこの文書が出されたというのはどういうことなんですか。どうも私は時期が七月、八月の時点ならまだわかるのだけれども、一月の二十日の時点というのはどうもよくわからぬのであります。もう一度御説明願いたいと思います。
○谷村参考人 別におかしいことはないので、一月というよりはむしろ十二月の末ごろから一月にかけて、各証券会社で宮地なら宮地というところの株を担保に、本担保の方じゃなくていわゆる代用掛け目をかけてとる担保に、それをとるのに問題ががたがた起こってきましたものですから出たわけでございまして、それ以前の段階、たとえば去年の八月とかいうようなときには、もちろん信用で買い付けた場合にはそれが本担保になりますけれども、添え担保として出ております代用掛け目をどうするかというふうな問題は去年の段階では全然出ていないわけでございます。というほどに、まだ宮地なら宮地というものの株を担保に添えて金を借りるというふうな姿というものが出ていなくて、証券会社でも別にこれをこの値でこの担保にとっていいであろうかどうであろうかというごたごたした議論は出ていなかった。私どもはそれは初めからこういうことは一つの方針として言っておりますから、別に強いて注意する必要がない段階では注意いたしません。わざわざ平地に波乱を起こすようなことを言うつもりはございません。したがって、問題が起こってきて証券会社からいろいろ問い合わせがあったりしたのでこういうことを言ったということでございます。
○佐藤(観)委員 そうすると理事長のお考えでは、この通達というのでしょうか、これがもたらす結果についてはどのくらい予想されていたでしょう。結果というのは、株価がこれによって金融が締まって暴落するんじゃないだろうかという結果については、先ほどからお話がございましたように、いやこれは地相場と違うのだ、だからそれはあり得るだろうというふうにお考えになったのか。株の話でありますからなかなかむずかしいのでありますけれども、これは中小証券の経営や信用不安まで起こってくる問題だと私は思うので、そのあたりは一体どういうふうに考えられ、その際に、それに参加をなさった中小の投資家というのでしょうか大衆投資家というのでしょうか、こういった方の観点はどういうふうに配慮をされていたのでしょうか。
○谷村参考人 むしろ私は、私自身の判断としましては、去年のある段階から、すなわちはっきりと資金の固定が目立ってきた時点から、いずれは金融問題というのが出てくるというふうに思っておりました。したがって、一月二十日に私どもが出しました証券会社に対する要望それ自身は、一つのインパクトにはなるかとは思いますけれども、大きな流れとしてはすでにもうそういう流れが私は起こっておったと思っております。これのせいでひどいことになった、たとえば会員会社も大変困ったことになったというふうに言われる向きがあるかもしれませんが、仮にそれをしていなかったらもっとひどいことになったかもしれないと私は思っております。もっと続けさせてくださっていればもっと私どもはうまくいっていたろうになんて、そんななまやさしい状況では私はなかったと思っております。そういう意味で、おまえはこれによって金が詰まり、値が下がることを考えておったかと言われれば、そういうことの流れにある意味では拍車がかかったかもしれません。しかし、そこで措置をとっておかなければ仮に一時しのげてももっとひどいことに証券会社としてはなるおそれもあったろうと思います。そういうふうに私はいま考えております。
○佐藤(観)委員 証券会社もそれを担保にとっているわけでありますから、追い証が入るかどうかというのは大変経営上の大きな問題になるわけですね。ただ結果的に見まして、たとえばここに宮地の値動きがあるわけでありますが、一月二十日の理事長通達のときが二千四百二十円、それからほとんどずっとこれは三十円、ストップ安でございますか、理事長通達以来ずっと下がりっ放しになっちゃっているわけですね。私はこの株自身持っておりませんが、やはり株を持っている大衆投資家もいるわけですね。それから、石井鉄工にいたしましても、理事長通達以後若干反転をしておりますけれども、また加藤逮捕で下がってくる。丸善についても理事長通達以降ストップ安になっているわけですね。ですから、そういった意味から言うと、理事長通達というのが具体的に結果論から言えばなっているんじゃないだろうか。その際に、一体これに参画した投資家というのは、投資家保護の立場から見てどういうふうなことになるんだろうかというのは私は大変疑問に持つわけですね。しかももう一つは、いまストップ安がずっと続いているわけでありますけれども、地相場よりはかなりこれは食い込んでいっているわけですね。これについては、いわば地相場より下がっているというのはこれはまた問題が逆の面で出てきているのじゃないかと思うわけですが、それについてはどういうふうに考えていらっしゃるわけですか。
○谷村参考人 投資家の方々のお立場としては、もしずっと買い支えていてくれればこういうことにはならなかったろうにと思っていらっしゃる方もおいでになると思いますけれども、私どもとしては金融をつけて買い支えている相場というものでその上にこれでいいと思って安心して乗っかっていらっしゃる投資家の方々は、それは本当にお気の毒だとは思いますが、それが長続きすると思っていただいていたのでは、そういう情勢をつくっていること自体に私は問題ありと考えておりますので、お気の毒な方がずいぶん多いと思いますけれども、私どもが考えております行き方というものそれ自体を間違っておったとか責任を感じるとかそういう立場では見ておりません。 それから、値幅制限がございましたために気配相場の下げ方がじわじわと下がってくるという形で、ある意味で言えば異常に行き過ぎた高さであったものが戻ってきているということが、一挙に行かずにいわば時間をかけて行っているということが何がしかの意味での緩和策にはなっているかと思います。けさ出がけに見てまいりましたところで、宮地のようなところは三十円刻みで落ちておりますから、いま二千円ぐらいのところにまだおりますけれども、すでに御承知のように日立精機でありますとか安藤建設はけさは大体行くところへ行ってむしろ買いに回ったとかいうふうな姿が出ているようでございますし、落ちつくところに落ちついてきつつあるものはもうそこで、その点で立つ、そういう意味ではむしろ逆に突っ込み過ぎというものが起こっているかというと、私はそういうものは起こっていないというふうに見ております。行くところに行っていれば、値ごろに出てくれば買いも入ってくる状況だと見ております。
○佐藤(観)委員 これは証券局長にお伺いした方がいいかもしれませんが、これに参画をした中小証券というのも、いろいろな決算やら、あるいは追い証が入らなくて、六月にそういった決算の整理の時期が来ますので、その意味では中小証券のこれに対する今日までの姿勢と申しますか、いわゆる誠備グループと言われるものの担保がお互いに担保、担保になっていて、その意味で信用残が大変多くなっていたということで、その投機株中心にやってきた、全部ではありませんけれども、その中小証券の姿勢というのにも、これは問題になってくるのではないだろうか。しかもいま理事長が言われるように最後までもう一回上げてくるということになれば、ある程度信用不安ということになってきませんけれども、これがずっとストップ安ということが続いてまいりますと、これは大変な信用不安を起こしてくるんじゃないだろうか、こういうふうに考えられますけれども、一体今日まで証券局としては、こういった、誠備だけのあれではございませんけれども、動きに対して、いわゆる信用残を調べたり、その他のそういった行政的な監視というのでしょうか、してきたのか。そして将来の不安に対してどういうふうに考えていらっしゃるのか、対応しようとされているのか、その点についてはいかがでございますか。
○吉本(宏)政府委員 ただいま東証の理事長からいろいろ市場規制という観点からお話がございまして、私どもから見まして、昨年の四、五月以降、仕手株の乱舞、仕手株の急騰というような現象がございまして、これに対して東証を中心として適切な処置をとっていただいたというふうにまず考えております。 私はこの問題を考えてみますと、やはり一番大きな制度的な問題点として、投資顧問制度というものに対する大蔵省の規制が及ばないという点が一つ問題としてございます。誠備は言うなれば町の投資顧問業者ということでやっておりまして、これに対する規制が及ばない。したがって誠備投資顧問が取引をしております証券会社を通じて、その実態をある程度見るということにならざるを得なかった。したがって非常に隔靴掻痒の感があったということは否定できないと思います。 ただいま中小証券がこの問題について少し姿勢がどうであっただろうかということについて御質問がございましたけれども、中小証券は言うなれば株式のブローカーというものを中心として商売をやっておりまして、外務員制度を中心にいたしまして商売をやっておるわけであります。この問題を考えてみますと、やや誠備投資グループというものに商売を偏り過ぎたと申しますか、その点中小証券の営業の苦しさというものはあるわけでございますけれども、若干こういった投資顧問グループとの取引が多過ぎたんではないかという感じがいたします。 そこで中小証券の経営問題でございますけれども、私どもは現在いろいろ調査をしております。この仕手株を信用残として持っている会社あるいは仕手株を担保として取っている会社、こういったものがかなりございます。私どもが見る限りでは、この金繰りの問題として約数社程度はかなり大変なんではないかというふうに見ております。これに対しましては、十分その実態を見きわめまして適切な措置をとってまいりたい。いやしくも中小証券の経営困難というような事態は絶対に避けたい、このように考えております。幸いにして、中小証券はかなり財務内容もよくなっておりまして、十年前免許制がしかれた当時に比べますれば、財務内容もかなりよくなっておりますので、私どもとしては、いやしくも経営困難というような事態は避けられる、このように考えております。
○佐藤(観)委員 私も、今後、証券界というのでしょうか、こういった投資顧問的なものがいま大体百ぐらいあると言われておりますけれども、これが全く野放し、だれでも開業できてだれでも情報を出して同じようなことができる。もちろん、それにはいろいろな力が加わらなければいかぬとは思います。金を集めるとかそういった意味の力が必要かとは思いますけれども、だれでもこういったことができるようなことで果たして将来の証券業の発展というか、いわゆる証券業の発展というよりも、直接金融の育成というものができるだろうかということについて私はちょっと疑問を持っておるわけであります。いま業界の方でも、アナリスト、日本で言えば証券分析調査というのでしょうか、こういったのを育成しているようでありますが、私はやはり将来、こういったアナリストの制度というものを——アメリカ並みにちゃんとした資格を持って企業内容が読める、こういった方の情報を判断しながら一般投資家も動いていく。判断は個人の判断でございますけれども、していくというようなことが必要だし、やはり証券行政の中の一つにこのアナリスト制度というのも取り入れていく、将来そういったことを検討していく必要が十分あるのではないかということをひとつ証券局長からお答えをいただきたい。 最後に、大臣にお伺いしておきたいのでありますが、私が非常に不快に思うのは、こういった誠備グループのいろいろな動きに政治家の名前がちらちら、いろいろ出ているわけですね。株主名簿にも厳然と出ていらっしゃる方もいらっしゃる。何も私は株を個人的に買われることは、決してそれ自体を否定するものではありませんけれども、一見何が肩がわりするのにそういった力を使うがごとく見られたりということになりますと、やはりこれも政治家としてのモラルの問題になってくるのではないかと思うのであります。 以上、二点、簡単で結構でございますので、お答えいただきたいと思います。
○吉本(宏)政府委員 ただいまアナリストについて御質問がございましたが、御承知のようにアメリカにおきまして公認証券アナリストというものがございます。これは制度的に確立したものでございまして、投資顧問業に従事しておるわけであります。日本の場合はまだこのアナリストの制度が社会に必ずしも定着しておりません。ただ、日本証券アナリスト協会というものがございまして、これは社団法人でございます。この協会が証券アナリストの試験を実施しておりまして、その試験に受かった者が検定士というような形で、ある程度そういった社会的に認められるという制度にはなっております。これを公的な形まで高めるかどうかという問題につきましては今後十分に検討したい、このように考えております。
○渡辺国務大臣 政治家と株の話の感想を求められているわけですが、政治家が株を買って悪いということはないでしょうけれども、何でもこれ、程度問題というものがございまして、世間から批評を受けないようにすることが大切だと私は考えております。
○佐藤(観)委員 当委員会でなくても結構でございますが、大蔵委員会には金融、証券の小委員会もありますし、今度の一連の動きというものは私は将来また起こり得る問題だろうと思いますので、そういった意味ではまたいろいろな方の参考人を——たとえばこの誠備投資顧問室の藤原三郎という社長がいらっしゃるわけでありますが、そういった方から、一体誠備の中身というものがいまの法体系の中でどういうことになっていくのか等々もわが委員会としても検討していく必要があると思いますので、ひとつそのことも今後の委員会運営の中で御配慮いただくことをお願いをして、私の質問を終わります。
○綿貫委員長 谷村参考人には御多用中のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。 戸田菊雄君。
○戸田委員 質問に入る前に、調査室について委員長に意見具申をするものであります。 私はさきに調査室に対して、ある資料を要請したが、正確な資料を出すことは困難であるという返事でありました。 私も参議院で社会労働委員長をやった経験がありますけれども、調査室は委員長の掌握下にあるわけですね。そういうことを前提としてその対処策を講ぜられることを求めるものであります。
○綿貫委員長 ただいま戸田委員からお話がございました点については、後刻理事会で協議したいと思います。
○戸田委員 ぜひその点については要望してまいりたいと思います。 それでは、印紙税についてまず質問してまいりたいと思います。 今回のこの税率改正案を見ますると、第一の「不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書」以下四項にわたって実は第一号としてあるわけですが、この区分を見ますると、非常に多様に数多く区分をされているわけです。これは後から意見を申し上げまするが、そういった階級別の実績の一番多いもの、こういうものは一体どういうものか、ちょっと説明をしていただきたいと思うのです。 〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕
○高橋(元)政府委員 適用されます階級定額税率別については、後刻審議官から詳細に申し上げますが、文書別に申し上げますと、全体の現行法によります税収で申しますと、三五%弱が受取書でございまして、三四・七%。今度お願いいたしております改正案によります改正後の五十六年度予算で申しますと、三五・二%が二十二号の「金銭又は有価証券の受取書」でございます。 それから、次いで多うございますのが三号の手形類、約束手形、為替手形でございまして、現行法によりますと二七・五%、それが改正後に五十六年度予算で二八・六%と相なります。 第三番目に位しますのが第二号文書の「請負に関する契約書」これが一一・五%が現行法でございまして、改正後一一・七になるというふうに私どもは見ております。 それから次が一号文書、不動産の譲渡契約及び消費貸借契約書、合わせまして現行法で九・五%でございますが、改正後で九・七ということになると思います。 それ以下四号、五号、二十三号、こういうことでございますが、それ以下の文書につきましては構成比が非常に小さいものでございますから、時間の関係で大きなものだけ申し上げました。
○戸田委員 等々の説明のあったとおりなんでありますが、たとえばこの一号の不動産等の問題について、これは私の調査によりますると、九・五%の中で、これを一〇といたしますと、大体六割以上は一般の利用者、たとえばサラリーマンがマイホームでもって住宅を建設するということになりますると、この区分で言う一千万、この近辺がいま非常に多いと思うのですよ。その辺の実績といいますか、五十四年実績があるわけでしょうから、一応各種日別に、その辺の利用度、これをひとつ説明していただければと思います。
○高橋(元)政府委員 昨年の九月に印紙税の実態調査というのをいたしました。いまお尋ねのございました不動産譲渡契約でございますが、これは運送契約書と含めて集計しておりますので、若干運送契約書の分が入っておろうかと思いますが、全体を一〇〇といたしますと、課税文書の中で非課税のものが八%ぐらいございますが、課税されておりますものの中の税率区分で申しますと、一千万円から五千万円の不動産譲渡契約というのが一番大きいようでございまして、約六割。それが現状でございます。
○戸田委員 大臣、いま発表がありましたように、不動産譲渡の場合に、一千万から五千万、この辺が一番大きいのですね。ですから、全国平均、マイホームで住宅建設、土地を買う、大体百坪以下ですね。そういうことになりますと、この中に該当していくわけですね。そういうものに対して、実は目に見えない印紙税まで取っているわけですね。 住宅ローンでもって、いま八・二%くらいの利率を払っている。借りるときにまた多額の利子がつけられる。こういう状況の中で、もう二重、三重にやられているわけですが、私は、印紙収入の階級制について、これはもう少し縮小合理化したらどうかというふうに考えるのですが、大臣、どうですか。
○高橋(元)政府委員 印紙税は本来四十二年の改正前は、すべての商業上の文書について課すということで、いわゆる三十一号文書というものがございました。それで、その場合には、広範に経済取引に関する文書についてはすべて課税されるというたてまえであったわけでございますが、四十二年の改正で、現行のように、二十五種類の文書を掲記いたしまして、限定列挙主義ということに改めたわけでございます。 限定列挙主義の文書の範囲、それからそれに盛られてまいります税率がアンバランスではないかといういま御指摘かと思うわけでございますが、この文書税でございますところの印紙税というのは広く申して流通税の一環でございます。したがいまして、作成行使される文書の背後にあります担税力というものについて、それが具体的に買い手または売り手のいずれに帰属するかということを必ずしも問わなくていいような軽い税率ということを頭に置きまして税率を盛っておるわけでございます。もちろん、手形についての税率が不動産譲渡の税率よりも低いというように若干の差はございますけれども、やはり広く薄くと申しますかそういう形の税負担ということでございます。 それで常時税率を直してまいります際に、たびたびの国会での御指摘もございまして、最高価格帯の税率を上に上げていくことによりまして取引規模の拡大に伴う適正な負担を求めるように配意してきておるわけでございますが、現在の御指摘の点につきましては、たとえば外国の立法例でも不動産譲渡契約の中でイギリスあたりはいわば高額になりますと税率が若干上がるという構成をとっておるものもございますけれども、前にも申し上げましたように明治六年以来百数年の経験を経ておりまして、わが国は元来比例税から出発したこういう印紙税だものでございますから、そういう税率を持ってきますにつきましてはやはり相当慎重な配慮なり慎重な社会の適応ということが前提に相なりますので、引き続き検討問題として私ども外国の立法例、それから日本の契約取引の実情、文書の作成の度合いというものを考えながら検討させていただきたいというふうに考えておりますが、ただいまお願いいたしておりますのは最高価格帯を設けまして、あとは階級定額税率を二倍にいたすという改正で御審議をお願いしておりますので、何とぞ御理解がいただきたいと存じております。
○戸田委員 この一号で見まして契約金十万以下百円ですね。これが二百円と倍になる。一万未満は免税でしょう。ですから一万以上かかるということになりますね。そうしますと、たとえば飲食その他についても領収書をもらえばそれは明確にやらなくちゃいけない、こういう受け取りの実績というものは先ほど局長がお話しされたような数量ですね。非常に多い。だから、大体私の試算でまいりますと一千万以下のこの収入印紙税の税率、約八割見当、そういう状況だと思うのですね。これは数字があったら示してもらいたいと思います。ところが、五千万を超える一億あるいは五億、十億、十億が最上限になっているわけでありますが、これは額にしては大きいのですけれども件数が非常に少ない。それはそうでしょう、十億以上の家を建てる人は、土地を保有するというのは大変な資産家でなければできないわけですから。ですから、額は大きいけれども件数は少ない。総体的に見てやはりこれも大衆重課の方向でいっているということは間違いないと思うのですね。その辺の見解は大臣、どう考えますか。
○高橋(元)政府委員 いまもお答えをいたしておりますのですが、今回御審議をお願いいたしております改正案では最高価格帯の見直しで約九十億円の増収というものを予定をいたしておるわけでございます。 と申します趣旨は、取引金額がだんだん経済の発達につれまして大きくなってまいりますから、そこに階級定額の最高税率をかけておきますと税負担が下がってまいる、その点を補正いたしますために最高価格帯につきましてはたしか五つの種類の文書につきまして四倍という値上げをお願いをいたしておるわけでございます。 一方で免税点につきましていろいろ私ども非課税文書の範囲についても検討いたしたわけでございますが、先ほどもお答えをいたしておりました印紙税の実態調査の結果によりますと、五十二年の改正前、四十九年の改正後、そういうところと課税、非課税の文書の割合というものはそれほど変わっておりません。受取書で申しますと、全体百億通くらい受取書が発行されます中で、免税点以上の、課税になります受取書は一〇%、約一割の十億通でございます。それは免税点の設けられております文書類につきましてほぼ同じようなことが申し上げられると思いまして、課税、非課税の割合が余り変わっていないということを前提にいたしまして、御指摘のような点は私どもも常時検討をこれから進めていかなきゃならないとは思いますが、今回の改正ではすべて免税点は現行のまま、改正前のままといたしましてすべての税率を二倍にし、最高価格帯につきましては四倍に及ぶ新設をするという改正案で御審議をお願いいたしておる次第でございます。
○戸田委員 それじゃ、私の統計は財金統計月報であります、一九八〇年八月ですが、印紙税の税印捺印、書式表示その他の区分で総額はどうなっておるか、納税人員はどうなっているか、それを教えてもらえば大体印紙収入総額に税金がどのくらいということがわかるわけでありまして、五十五年度、五十六年は見通しになりましょうが、総額においてどういう状況になりましょうか、説明をしていただきたいと思います。さらに、もし階級別に五百万以下、一千万以下、五千万以下、一億円以上等々の区別でわかればひとつそれもあわせてお答え願いたいと思います。
○高橋(元)政府委員 国税庁からお答えすることですが、五十四年の国税庁の税務統計で実績が出ておりますが、現金納付の課税額は六百七十六億円、対前年九・九%の伸びとなっております。その中で、税印による分が六億二千八百万円、納付計器によります分が二百四十二億二千六百万円、書式表示によります分が二百六十四億五千三百万円、一定時納付、これは預金通帳のようなものですが百五十八億七千二百万円、委任状等が四億七千七百万円、以上合わせまして六百七十六億五千六百万円というのが私どもが税務統計で承知しておる数字でございます。
○戸田委員 五十五年、六年はわかりませんか。
○高橋(元)政府委員 実は昭和五十五年度はまだ進行中でございますから、統計ができますのは一年前の事務年度で、これは御勘弁いただきたいと思います。わかり次第またお知らせすることにいたします。
○戸田委員 これは同じく財金統計月報なんですが、それによりまして私が試算をしますると、税制改正による増収見込み、これは五十六年度は大体三千六百九十億、これは先ほど担当官の方にお伺いをしたのですが、総額で七千八百億ですから三千六百九十億増収を差し引きますと五十五年度は四千百十億円、こういう計算になるかと思いますが、この計算間違いありませんか。
○高橋(元)政府委員 そのとおりでございます。
○戸田委員 そういうことですから、同じ統計で見ているわけでありますが、たとえば国際比較でいっても、日本の場合に直間比率は直接税が大体六九・一%、間接税が三〇・九%、その三〇・九%の中で印紙収入は三・四%、第四位を占めているわけですね。一番多いのは御存じのように揮発油税、それから酒税、それに物品税、次がこの印紙収入、こういう順位になっているわけですね。ところが諸外国にいきますると、アメリカの場合はこれは印紙税はないのでありますが、間税のその他に入っておるようですね、それが〇・二%ぐらいですね。それからイギリスが一・一%、西ドイツはないのですが、フランスの場合は印紙税として一・八%、大体こういう状況なんですね。そごから見ますと日本の場合非常に高率である。諸外国においてはいろいろ国情が違いますから必ずしも比較、妥当ということは私も考えませんが、やはりこういうものは大衆重課であるから、使う人は低所得者層がやはり多いというところに配慮しているんだろうと思いますが、その辺の見解はどうでしょう。
○高橋(元)政府委員 昭和五十六年度の税収予算で申しますと、ただいまのお話にありました間接税等でございますが、その比重は国税収入に対して二九・一と若干下がっております。その中で印紙収入がいまもお話ございましたように四・一%、こうなっておるわけでございますが、実はこの印紙収入は印紙税、登録免許税、罰金、手数料等をすべて含んでおりますので、その中の印紙税だけを引き出しまして国税収入に対する割合を出しますと二・三ということになります。 印紙税が非常に広い範囲の文書に課せられておりますのは、御案内のようにイタリアでございますが、イタリアの場合でも正確に登録税がどれだけ入っているかわかりませんが、登録税を含めまして五・六というのがイタリアの印紙税の国税に対する割合でございます。それで、ドイツは手形にしか印紙税を課しておらない。イギリスも数種類の文書に課するだけであるというように、各国によりまして印紙税の課税範囲はさまざま異なっておりますが、日本につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、昭和四十二年以前は作成されるすべての経済的な価値のある文書に課税をいたす。古くは万分の五という税率で課税をいたすという構成をとって、たびたびの変革を経てただいまに及んでおるわけでございます。 もっと課税文書の範囲を整理せよというお話でございますが、将来大きな経済取引の流れの変化に応じてもちろん検討の対象ということは否定できないと思いますけれども、ただいま現在といたしましては、四十二年改正以後、二十五種類の文書に課税をいたすいまの制度は、それなりにワークをいたしておるというふうに思っております。 〔大原(一)委員長代理退席、越智(伊)委員長代理着席〕
○戸田委員 いま局長の説明は、間税に対する割合が二・三%、印紙収入だけを限定した場合、そういう見解ですか。
○高橋(元)政府委員 間接税でございませんで、国税収入に占める印紙税収入の割合でございます。
○戸田委員 いずれにしても総額においてはこれは七千八百億円、こういう税額ですね。やはり相当莫大ですね。大きいですよ、七千八百億円というのは。ですから、このくらい知らない間に印紙税として国民から莫大な税金を取っているわけです。こういうものに対して大臣、どう考えておりますか。 ことに、例に漏れず大衆重課、生活必需品として必要に応じてどうしても生活基盤をつくる、家を建てる、土地を買う、あるいは飲み食いをやる、そういったものが大多数そこへ行っちゃっているわけだ。だから、目に見えないから国民は余り抵抗しないけれども、今度の所得税のように表向きばっとこれくらい上げますよといったら大変なあれですよ。知らず知らずに取られているから文句言わないでいるけれども、それは大臣、どう考えますか。
○渡辺国務大臣 間接税全体について同じようなことが言えるのじゃないか。確たる根拠はないけれども、税金というものは必要な財源を確保するために取っておるわけですから、それは直接税で取ったり間接税で取ったりいろいろあります。ヨーロッパ先進国では大体間接税が四割から六割くらいになっていますね。そういう国は大衆課税をやっていてけしからぬ国だとばかり頭からなかなか断定できない、それぞれの国の実情に応じて政府のサービスの財源として確保するわけですから。 ですから、印紙税もそういう意味では大衆課税に最終的にはなることがあろうと思いますが、しかし昔から担税力があって余り抵抗がなくて、それである程度理由づけができてということでやっておるので、財源確保の一環だ、こういうふうに御理解をいただきたいと思っております。
○高橋(元)政府委員 ちょっと金額的に補足して申し上げさせていただきたいと思いますが、個人が作成いたします文書で印紙の貼付が必要でございますものは、請負契約、これは家を建てるときに業者とお互いに取り交わしますこちら側が出します分でございます。それと、不動産の譲渡契約、これも買い手となります場合に出しますから、これもお互いに相交わすものだと思います。それから借金をいたします場合の消費貸借契約、これは銀行に差し入れる場合でございます。合わせまして今回の税収見積もり七千八百億の中の割合というものは二〇%ぐらいでございます。二〇%の中で半分は売り手でありますところの業者または貸し手であります銀行が出すものと考えてよろしいかと思いますから、したがいまして、個人が直接負担をされる印紙税というのは、戸田委員のお示しになりました八千億よりはかなり小さい金額にはなろうかとは思いますが、全体として営業に関して作成される文書と申しますか、営業者が発行をいたします受取書というようなものにつきましては負担を求めておりますが、個人が営業に関係なく作成します受取書については負担がないというようなことで、個人が家計の消費に関連して作成する文書は、通常の場合、いま申し上げましたように外れておりまして、特別に借金をなさるとか、それから家を買われますとか、土地を買われますとか、そういうときにまれに負担が起こるということに御承知をいただきたいと思います。
○戸田委員 次に非課税問題ですけれども、たとえば不動産等の所有権移転、この契約金は一万円末満、これは非課税ですね。それから請負契約書においても同様の金額です。それから物品切手の場合は券面金額六百円未満、これは非課税、約手、為替のような場合には、これは一覧払いのもの、金融機関の相互金融あるいは外国通貨表示のものが十万円未満ですね。いま経済が非常に大きくなって、それから貨幣価値も大変低下をしている。大分経済変動があるだろうと考えるのです。こういうものについてやはり私は適正な合理性を持った非課税体制をとるべきじゃないだろうか、こういうふうに考えるのでありますけれども、その辺の見解はどうでしょう。
○高橋(元)政府委員 手形でございますと、昭和二十九年の免税点と最低税率の関係、三千円の免税点に対して税率が十円だったわけでございますが、その関係が今日には免税点が十万円になりまして税率が二百円でございますから、約六割に軽減されてきておる。六割と申しますか、最低税率のかかる割合と免税点の引き上げ割合を比べますと、最低税率の方が六割であるということが申し上げられると思います。 それから物品切手につきましても、これは六百円というふうにいたしておりますのは、実は六百円以下でほとんどの、九割に及ぶ物品切手は実際は印紙税を負担しておられないわけでございます。三千円を超えます物品切手が全体の二%ぐらい作成されておりますが、それからほとんどの税金をお願いをしておるというような状況でございまして、これはむしろ人為的に物品切手の作成に免税点がありますためにひずみを起こしておる、と言うと言葉が悪うございますが、そういう点があるいはあろうかと思うのでございます。 受取、請負契約書の免税点につきましては、たびたび行っております印紙税の実態調査で、課税、非課税の割合がほぼ前回改正の際の割合に保たれるような配慮をしてきておるというのが私どもの立場でございまして、さらに引き上げて小額の文書に負担を求めずということに相なりますと、階級定額税率の引き上げ幅をもっと大きくしていかなければならない。これは、大臣からもお話のございましたように、財政上の必要ということもございますので、そういう急激な変革を印紙税のように自主納付というような税金でお願いをするということが果たして即座に可能であろうかという点も考慮に置かなければならないというふうに考えておりますので御理解をいただきたいと思います。
○戸田委員 大臣、いま一万円という金の価値ですね、かつて五年ぐらい前の千円ぐらいの価値しかなくなっているのじゃないでしょうか。家族三人で食堂に行って、一杯やりながら少し食事をごちそうしようというときに、三人で行ったら一万円が吹っ飛んじゃいますね。これは地方税関係でありますけれども、飲食税なんというのは、単品の課税は千円以上でしょう、千円以上になれば税金がかかる。また、一人一回二千円を過ぎれば飲食税がかかっちゃうわけですから、あの課税最低限は経済動向に応じてもっと上げるべきだと私は思うのです。これも同様の性格を持っている内容ではないだろうか、こう考えるのですけれども、大臣の見解をひとつ聞かせていただきたい。
○渡辺国務大臣 これも理屈のつけ方でして、それはあなたのような理屈も私はりっぱな御意見だと思います。しかしながら、飲み食いする人にそれが転嫁されているのか、あるいは料理店の利益がそれだけ減っているのか、それは実際はどちらとも言えないわけですね。結局はしょせんこれも財源とのかかわりで、物価が上がったんだから免税点をつくったときは物価の変動に応じて引き上げたらいいじゃないか、これもりっぱな御意見なんですよ。しかし、これも財源との絡みでございまして、やはりそういうような考え方もありますが、私どもとしてはこの際は、ともかく税収の確保をしなければ当然増の経費が賄えないというような異常な状態なものですから、御容赦を願っておるところでございます。
○戸田委員 直間比率については何年来か論争されてきて、現在間接税の場合は三〇・九%、こういうことになっているわけです。今後、一般消費税に見合うそういう税金導入を含めまして、間接税の拡大を図っていこうということなんでしょうが、大臣の考えとしては、間接税の割合は直間でどの程度までいったら妥当なのか、その辺の上げ幅の見通しですね、考えをひとつお聞かせ願いたいと思うのであります。 それからもう一つは、先ほども私指摘をしたのでありますが、アメリカその他で〇・二%、イギリス一・一%、西ドイツは手形税ということで〇・一%、フランスは印紙税一・八%、これは局長からも説明がありましたが、いずれにいたしましても、仮に日本の場合は印紙税が二・三%といっても、一番高額ということだけはうなずけると思うのですね。しかし、全体の税金をずっと考えてみまして、じゃほかの税金は安いものがあるのか、所得税では大分大臣もがんばって、国際比較では日本が一番安い、こう言っていますが、それは国内条件でいろいろ違って、所得税の場合、円、ドルの関係、計算の関係その他もありますから大分まやかしがあると思っているのですが、そういうことからいってやはり大衆重課の税金である、こう私は考えるわけですね。大臣、この辺どういう見解を持っておられますか。
○渡辺国務大臣 税金というのは、やはりいろいろな国の施策をやる上においてどうしても必要でして、財源がなくては社会福祉だ文教だと言われても結局何もできないということです。小学校に一人子供がいれば国と地方で四十万円かかっているのだし、二人だったら八十万円公費がかかるわけですから、だれかがそれは払わなければならぬ。どこから取るかという問題でしょう。そこでわれわれは、歳出の抑制、削減、これに最大限の努力はいたします、しかし不足分については国民に相応の御負担をお願いしなければならぬという姿勢で来ておるわけです。 それで、まず間接税と直接税の割合は幾らがいいんだ、これも幾らがいいという科学的根拠というのは私はないと思うのですね、実際問題として。日本は間接税は三〇%だ、フランスは六〇%だ、ドイツ、イギリスがその真ン中ごろということでして、これは国によってみんな違う。ただ私としては、いろいろな人の意見も聞いてみているのですけれども、直接税を上げて、一遍もらった月給袋の中へ手を突っ込んで税金を取るということは、言うべくしてなかなかむずかしい。しかし一方経費はかかる、財源は必要だという状態の中では、私としてはともかく、フランスが六〇%間接税を取っているから大衆課税の一番悪い国だというようにもだれも余り言ってないし、イギリス、ドイツについても同じようなことなんで、世界をながめてみて日本の三〇%は少し少ないのじゃないか、できたらもう少し——所得税の方は上げないでも、皆下げろと言っているわけですからそれを上げるということはとてもむずかしい、下げることはあっても上げることはなかなかむずかしい。ということになると結局、将来の問題ですけれども、やはり間接税でもう少し御負担をいただけないものか。 〔越智(伊)委員長代理退席、山崎(武)委員長代理着席〕 これはサラリーマンの人なんかに聞いても、やはり所得税を上げられるのは困る、どうしても費用がかかるんなら間接税は少しくらい、みんなでいつの間にか知らず知らずに納めてしまうから、これは大衆課税だと思えばそうかもしれませんよ、しかし反発が少ないことも事実なんですね。ということになると、もう少し間接税の領域をふやしてもらえぬか。(「やはり一般消費税か」と呼ぶ者あり)いやいや、そうは言ってない、そうは言ってないんだが、国民の代表である皆さん方の御意向もこの国会を通じていろいろお聞きをして、そして私は今後の参考にさせていただきたい、そういうように考えておるわけでございまして、幾らがいいという数字はいま持ち合わせておりません。
○戸田委員 印紙税の結論としては、私はこういう希望を持っているのですね。でき得れば、階級別制度をもう一回見直しはできないのだろうか。少なくとも三段階ぐらいに、それが無理なら四段階、一つは五百万以下とか、あるいは一千万までとか、一千万を超える五千万まで、一億以上、刻みを多くするなら上の方を少し刻みを多くしていくとか、等々すれば全体として上厚下薄というようなことになっていくのじゃないだろうか。いまのところは、何といっても低所得者が非常に大きな負担を背負っているということだけは間違いありません。ですから、そういう点をもう少しシフトして上の方に持っていくわけにはいかないだろうか、こう考えるわけです。今後そういった階級区分の整理を、合理化あるいは適正なものに検討する意思ありや否や、この点をひとつ大臣に。
○高橋(元)政府委員 いまのようなお話は、たとえばイギリスの不動産等譲渡契約の場合には万分の五十から万分の二百に及ぶ累進税率と申しますか、非常に大まかな階級定額税率というものを設けておりますし、不動産の賃貸契約につきましてもイギリスの場合には一万分の百から一万分の二千四百、こういう税率が設定されておる例もございます。そのほかの国のいろいろな税率表を見ておりますと、日本のように一万分の二ないし一万分の十という非常に低い税率に対してイタリアなんかずっと高くなっておりますが、概して比例税率でございます。日本の場合もかつて、明治の何年かからずっと昭和の初めまで一万分の五という比例税率でやってきたわけでございまして、そういう時代もございますけれども、累進税率にいたしますという考え方は確かに外国の立法例にもございますし、いまの戸田委員の御指摘も私、十分理由のある御主張だと思いますけれども、やはり比例税で百年やってまいりまして、いまの階級定額の刻み方というのは、改正前で申しますと一万分の二ないし一万分の十という比例税になるように階段が盛ってあるわけでございますから、そういうものを累進になるような階段の盛り方にいたしますにはやはり慣熟とかかなりの社会的ないろいろな問題の調査ということが必要でございます。これから先の検討問題としては十分御指摘の点は勉強してまいりたいと思いますが、ただいまのところは、御提案申し上げております改正案という形でぜひ御理解をいただきたいと考えております。
○戸田委員 大臣、見解をどうですか。
○渡辺国務大臣 それは理論的にはそういうことも考えられるでしょう。しかし、大きな取引というのを課税を強めるということはわかるんだが、それによって下の方を税率とか額を減らしてしまうということになると、全体としては絶対私は歳入減になると思います。取引数量が違いますから。したがって、そういうところで財源確保という点からすると、いろいろまた別の問題が出てくる。理論的にはあなたの言うようなこともあり得るけれども、現実財源確保という点から見るといろいろ問題もある。それからまた余り細かい区分をつくると実際徴税上非常に煩わしい、間違いやすいという問題もあります。われわれ現に印紙でもいろんな書類を書いたりなんかして張るのに、何が幾らだかなんということは大蔵大臣でも覚えていませんよ、正直な話が、わからない。やはり何か見なければわからない。見てもどっちに該当するのかなと思って、本当に自分でも首をかしげるようなこともあるくらいですから、それをさらに細分化するということは、実務的ではないのではないかという気もいたしまして、将来の検討課題としては考えられますが、いまのところそれを細分化する考えはございません。
○戸田委員 これではとても、大臣、税法を上げるわけにはまいりませんから……。 次に、同僚議員がきのう大分減税については触れられておるようでありますから、私は四点等について一応質問しておきたいと思うのでありますが、その第一点は、大臣に物品税創設の時期と目的、これをちょっと説明していただきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 物品税はこれもよく御承知のことと思いますが、北支事件特別税法というのが昭和十二年八月にできました。その北支事件特別税法の中で戦費調達の目的で小売五品目、製造五品目、合計十品目に特別物品税を課するといたしましたのが税金の濫觴でございます。その後、戦時中のことでございますから、消費を抑制していくという観点もございまして、また財源を調達して戦時インフレーションを防止するという観点もございまして、逐次課税範囲は急激に広げられてまいりまして、たしか昭和十九年には百四という品目になって、金魚から小鳥から何でもかかるという状態にあったわけでございます。当時は消費物資も非常に少のうございましたので、課税対象になります百四品目と申しますと、現在ではちょっとどうやって執行したらいいのかわからないような細かい品目に至るまで全部課税が及んでおりました。戦後は昭和三十七年までは物品税は課税範囲を縮小する歴史であったわけでございますが、戦時中に過剰に取り入られました本当の零細な物資、これを逐次課税から外していきますと同時に、三十七年の改正で二〇%を標準税率にして四〇、三〇、二〇、一〇、五ですか、五つの税率に統合するとともに、非常に零細企業に属するものとか、もうかけておいても意味がないもの、それからスポーツ用品、文房具等、そういうような必ずしも好ましくないというものを外しましたが、同時に三十七年から後は、そういうふうにしてできました物品税につきましての骨格を維持するとともに、逐次新規に開発された物品とか、課税の対象として課税品とのバランス上課税に取り込むことが必要なものというものを課税の対象に入れてまいることによりまして、物品税体系を維持していくという形の考え方になったわけでございます。そこは戸田委員よく御存じの、昭和四十三年の長期答申というものにその思想はよく出ていると思います。 非常に長々申し上げましたが、物品税の創設の目的は戦時課税でございましたが、戦後三十七年以降は比例的な課税であり、物品税を消費担税力照応の税金としてむしろ税制上の地位を維持していくという考え方に変わったということが要旨でございます。
○戸田委員 いま主税局長がおっしゃられたとおりだと思いますね。ですから、言ってみれば戦費調達の手段として当時課税対象になっていた。だからその目的はもう解消したと私は考えるのです。ところが十五年にさらに物品税に独立をさせて戦後またこれを拡大しているわけですね。だから、これは私はその創意趣旨、目的、内容等からいって、消滅したものと判断するのでありますが、大臣どうお考えになりますか。
○渡辺国務大臣 ただいまの主税局長から説明をしたとおりでございまして、確かに当時の趣旨と違ってきているということは言えると思いますが、しかしながら、先ほどから繰り返して言うように、やはり財源を確保しなければ国の行政は維持できないというような点から、どこかでそのものをなくすとすれば別なところで調達しなければならぬ、それはなかなかむずかしいというようなことから、やはり担税力に応じて均衡のある課税ということをとっておるわけですが、裏返しに言えば、担税力があるということは納めやすいとか、あるいは納めることに余り抵抗がないとかという意味だと私は思いますよ。取る方から見れば取りやすいのじゃないかという理屈も、それは当然裏表でございますからあろうかと存じますが、そういうような点からして、現在そういう始まったときと趣旨が違うのだからやめたらいいじゃないかと言われましても、ほかにかわるものが見当たらないという状態の中では、行政水準を下げるということもできませんので、やめるということもむずかしいと考えます。
○戸田委員 この物品税は、間接税全体がそうですけれども、結果的には全部消費者に転嫁されるわけですからね。だから、消費者の約八〇%は五百万円以下の低所得でしょう。これにほとんどいくわけですよ。だから税金の体制全体を見ますと、所得税もそう、物品税もそう、酒税もそう、全部そういうことの仕組みになっているのです。だからこの一つくらいは、私はいま全部廃止しろとは言いません、言いませんが、生活必需品、それから時代によって生活が高まってきているわけですから、そういうものと照らし合わせてみて取捨選択する余裕はあるのじゃないか。だから、たとえば小型普通乗用四輪自動車、こういうものは比較的低所得者の人たちが買っていると思うのです。普通乗用車とかそういう高級車は余り買えないですからね。大体当局の説明を聞きますと、課税対象台数が三百万台だ、こう言っているのですね。そのくらいいくわけですよ。恐らくこの中の半分以上はやはりそういう低所得者じゃないでしょうか、ことに軽四輪その他は。あるいは電気の掛け布あるいは敷布等々、これも新たに加える、あるいは衣類乾燥機というものは、私も余り詳細は知りませんけれども、しかし、これなんかも全体としては乾燥が必要なんですから、ことに最近は都会生活の中では日照が非常にまずくて、やはりそういう乾燥機でもってやらなければいけないという数がふえてきている。だから需要は相当高まってきていると思いますね。だから、こういう生活必需として不可欠な要因を持つ各種物品に対しては、もう少し取捨選択の余裕があっていいのじゃないか、こう私は考えるのですが、その辺は大臣どうでしょう。
○高橋(元)政府委員 大臣からお答のあります前に、事実関係を申し上げさせていただきたいと思います。 全体としての税負担というものをどう考えるかということでございますが、これは申し上げるまでもなく間接税、直接税二十数種類の税金を組み合わせまして総合的な税負担において累進ということを判定するということであろうかと思います。したがいまして、間接税は消費基準でございますから、たとえば酒とかたばこというようなものにつきましては、たばこはことにそうでございますが、かなりはっきりした逆進があらわれております。しかしながら、物品税だけを取り出してみますと、物品税は、五十二年の家計調査を基礎にして分析をいたしますと、第一・十分位が収入金額に対して〇・二一%でございますし、第九・十分位で〇・二四、第十・十分位で〇・一八、こういうふうにその関係はほぼ比例的な税負担ということになっております。しかも、比例的であるから累進性がないという点では逆進的ではないかという御指摘もあるわけでございますが、そういう税負担をお願いして、なおかつ直接税に見られます顕著な累進性、すなわち第一・十分位で一・四二、第十・十分位で九・五一、こういう急激な傾斜を持っておりますので、そういうものと相殺をいたしまして、全体として、第一・十分位の総合的な税負担が三・一一であり、第十・十分位が一〇・三七である、こういう累進性が保たれておるわけでございます。 昭和三十三年に、臨時税制委員懇談会というのがございまして、そこで物品税についての総合的な評価をいたしております。「今後も間接税に相当な比重を置く必要がある実情から見て」、当時は一般消費税という言葉を使ったのですが、「一般消費税の性質を持つ物品税は間接税体系のうちでも重要なものであり、今回の改正は上記のような趣旨で行う」こうなっておりまして、かなり比例的な税金でもあるし、課税品についての整理をやり、新規課税を取り込み、先ほど私が御説明したような、戦時以来の細々したものを外していくならば、物品税は間接税の中でも重要なものだということで、その後所得なり消費なりが上昇をし、多様化し、平準化していく過程の中で、私ども三年置きぐらいに改正をお願いいたしまして、物品税体系を適正に維持してきておるのが現状でございます。以上が状況でございます。(伊藤(茂)委員「財源がありませんので」と呼ぶ)
○渡辺国務大臣 戸田委員の趣旨は、五百万円以下の低所得者が消費の八割も支えているんじゃないか、だからそういうような大衆課税になるものはなるべくやめなさい、そういう御趣旨だと思います。しかしながら、この五百万円以下の人が大部分であることも事実でございますが、子供が三人も四人もいると、二百五十万円や二百八十万円では所得税は払わない。しかし先ほど言ったように、子供を一人学校にやれば、四十万円の国と地方の金がかかっている、二人出せば八十万円かかっているわけですし、医者にかかれば、入院して月何十万かかっても、国民健康保険だと七割給付、三割自己負担。しかし、七割のうちその七割は国庫が持っているわけですから、そういう金はやはりかかっているわけですね。だれかが納めているわけです。したがって、それを所得税を払う人だけでみんな納めろといってもなかなかそこまでいかないということのために物品税とか印紙税とかいろいろございますけれども、実際これには、軽四輪の自動車、今度はライトバンに五%かけるのはけしからぬという御議論もあるかもしれない。しかしそれじゃだれでもなめている砂糖に何で税金かけるんだ、酒だって、金持たない人だってしょうちゅう飲むんだから何で税金かけるんだという議論にまで発展してしまうということもありまして、この際は、先ほど伊藤さんから話があったが、財源がないのですからひとつ御容赦を願いたい、こういうわけでございます。
○戸田委員 時間がありませんから、残り三点について一括質問してまいりたいと思いますが、大臣、誤解してもらっては困るけれども、さっきも私は、現行の物品税全部を廃止しろとは言ってないのです。生活必需品、あるいは生活度が高まった、そういうもので物品の見直しをやって取捨選択の余裕はないのかどうか、あって、これはやはり外すべきだという妥当なものは適正に合理化をやっていくべきじゃないかということを言っているのですから、その点は答弁の際には明快にお願いしたい。 それから、一般消費税大綱五十四年度答申案でありますが、この第九項目に「他の税との調整」ということがありますね。「広く消費一般に対して負担を求めるという新税の課税の趣旨からみて、基本的には既存の個別消費税の課税対象とされている物品又はサービスについても新税の課税対象とすべきであるが、物品税については新税に段階的に吸収する等各税の性格等にも配慮し、政府において具体的に検討することが適当である。」こういうことを言われておる。この内容でいきますと、仮に政府が来年、五十七年に一般消費税に類似するような新税の導入をやった場合は物品税を一体どういうふうに調整していくのか、この見解をひとつお聞かせを願いたい、それが第一点であります。 それから第二点は、有価証券関係でありますが、今回の改正では免税関係で、国債を除いておりますね。なぜどういう理由で国債を除いたのか、もしこれに課税をするとずればどの程度の税額が見込まれるのか、これが一つであります。それから、全体の捕捉率はどのくらいいっているのか。それから国内の各課税状況、、これは有価証券取引税の課税の内容であります。 以上、有価証券取引税の関係については三点だけお伺いをして、時間がそろそろ来るようでありますから……。
○渡辺国務大臣 まず私が大まかな——大まかなと言ってはなんですが、考え方の話をいたしまして、委細は事務当局から答弁をしていただきます。 生活必需品の課税をなるべくなくしてしまえ、奢侈品とかそういうものをもっと強化しろ、こういう御趣旨であると思います。それも一つのりっぱな考え方でございますので、私どもといたしましては、やはり大型車、小型車等については持つ人の担税能力等も加味いたしましておのずから差をつけるように実はしておるわけでございます。 それから、広く消費に着目した消費税ができたときには、物品税はどういうふうな位置づけになるのか。広く消費に着目した新税の具体的内容をまだ研究しておりませんが、研究して検討するというような状態になれば、やはり税調で言っておるように、「物品税については新税に段階的に吸収する等各税の性格等にも配慮」するというふうな御意見もございますから、こういうような御意見は貴重な意見として慎重な検討の対象になるのではないだろうか、そう思います。しかし、これはわかりませんよ、まだ新税をどうするかということが決まっておりませんから。 なお、有価証券で国債を除いた理由その他については、主税局長から答弁いたします。
○高橋(元)政府委員 有価証券取引税の引き上げの対象から国債を外した理由でございますが、これは、先ほどもお答えを申し上げておりましたように、一つは現先取引に対する影響ということでございます。公社債の売買の状況を見ておりますと、その六割は現先の売買でございます。現先というものを取り出しまして現先の売買の対象になっておるものは何だと見ますと、これまた六割は国債でございます。短期の金融市場における資金調達ということは非常に重要な問題でございますから、公社債にかかる有価証券取引税を一律に引き上げる場合には、やはり佐藤委員からも御指摘がございましたように、コールなり手形市場にないような新しい税負担がかかってくるということで、現先市場に不測の影響を及ぼすというような問題がありますので、その点を第一に考慮いたします。 それから第二に、国債は現在市場で割り負けをしております。したがいまして、国債の有価証券取引税の引き上げをしないからといいまして、特に国債に比べて他の公社債類が不利になるということもない、この辺は、証券市場の状況も十分考えて国債を据え置きにいたしたわけでございます。 なお、据え置きによって幾らぐらい期待し得べき税収が減ったかという御質問でございますが、五十六年度ベースで約百億円というふうに見積もっております。 執行の問題は、国税庁からお答えをいたします。
○小幡政府委員 お答え申し上げます。 昭和五十四年分の有価証券取引税の課税の実績を申し上げますと、税額で千九百九十三億円ということに相なっております。 それから、捕捉状況という御質問でございますが、私ども特に捕捉率というふうなデータはないわけでございますが、有価証券取引税は御案内のように三つの種類があるわけでございまして、証券会社自体が所有しておりますものを譲渡した分についての課税の問題、それから証券会社以外の者が所有しておりますものを証券会社を通じて譲渡した場合の課税、それから相対取引による課税、こういうふうなものがあるわけでございます。前二者の証券会社を通じます分につきましては、証券会社に対しまする個別の調査指導、あるいはまた一般的な問題につきましては証券業協会を通ずる指導等をやっておりますし、また相対取引に関します分につきましては、法人税並びに所得税の調査の際に有価証券取引税の調査指導も行うというふうにいたしておりますので、全体を通じて私どもとして適正な課税処理をしておるつもりでございます。
○戸田委員 大臣、最後に、今回財政再建ということで大増税をやり、片や特別運用措置でもって電電公社等から納付金体制をとったわけです。一千八百二十億円程度やったのですね。いろいろあらゆる部分について取り出しをやっておるわけですね。ところが、いま局長の説明によりますと、金融市場の若干混乱といいますか、そういうものが現先取引でもっていろいろ影響が出る、こういうことだが、大体パーセンテージでいっても〇.五五でしょう。だから、もしこれを段階的にやって国債全体やれば、運用部資金ないし日銀買いオペでもって七十一兆円の中で約三割いっているわけでしょう。だから、いまおっしゃられたように約二千億仮に課税した場合はできるというのですよ。こういうところに私はもう少し創意工夫をこらして、全体同一税率で取れとは言いませんが、何かそういう方法はないのかどうか。本当に財政再建といったらいろんな面でやってきたわけですから、この部分についても私は考えてもいいのじゃないか、こう考えるのですが、その点を聞いて、本会議の関係で時間厳守ということを言われておりますから、これで質問を終わります。
○渡辺国務大臣 国債の問題は、いま非常に国債の消化がよくないというような問題でありまして、国債がだぶついちゃって売れないということは非常に困る、それはもう何十兆の話ですから。そういうようなことも配慮して今回は据え置いたわけでございます。
○戸田委員 終わります。
○山崎(武)委員長代理 村山喜一君。
○村山(喜)委員 私はまず印紙税について承りたいと思うのですが、印紙税は有権的な解釈によりまして、大変取り扱いに幅があるのではないかというふうな感じがするわけでございます。まあ文書税と言われるわけでございますが、文書を取り交わした場合に担税力があるものとして課税をされるという仕組みになっているのだろうと思うのでございますが、印紙税の性格は流通税でありますけれども、どういうような性格として位置づけているのか。文書を交換をする、そういう経済的な取引をする、したがって担税力があるから課税をするという発想でございますか。世の中がだんだんに進んでいきますと、いろいろな流通形態があらわれてくるわけでございますが、そういうようなものに一々着目をして、新しい流通の形態は課税をしていくというような形の中でとらえていくのでは、これは世の中の進歩におくれると思うのでありまして、そういうような意味ではこの印紙税の性格は一体何だろうかということが気になってしようがないわけでございますので、まず印紙税の性格を明確にしてもらいたいと思います。
○高橋(元)政府委員 印紙税は、これもよく御案内のことと思いますし、たびたびお答えもいたしておるわけでございますが、文書の作成の背後にございます経済取引などに着目をいたしまして、軽度の税率で課税をいたします流通税でございます。 ここで一つお断りしたいのは、経済取引そのものに対する課税ではございませんで、経済取引などに関連して作成される文書に対して課税する文書税でございます。したがって、経済取引がありましても文書がつくられなければ課税ができないということでございますし、一つの取引でも数通文書が出ればそれぞれについて課税をするというのが、文書税である印紙税の性格でございます。そういうこともございまして、大体税率は定額税率を基本といたしておりますけれども、担税力が大きいと考えておりますような継続的取引の基本契約書なり会社の定款なりというようなものにつきましては高い税率を課しますし、また同じ文書でもいわゆる階級定額税率で、金額の大きい担税力があると考えられるものにつきましては担税力照応の負担を求めるという意味で、階級定額税率を採用いたしておるというのが、印紙税の考え方でございます。 なお、印紙税につきまして非常な特徴は、国税犯則取締法の適用を受けない、文書作成者がみずから文書に印紙を貼付して納付するという自主納付制度というものをとっております。これも非常に大きな特色だと思いますが、繰り返しになりますけれども、印紙税の基本的な性格は、流通税であり、文書税であるということに相なるわけでございます。
○村山(喜)委員 そこで、具体的に問題を指摘をしながらお尋ねをしてまいりたいと思いますが、今日運輸白書によりますと、トラックによります運送というのはトン数の八〇%を占めておる、それからトンキロでいきますと大体五〇%、全国には三万三千社の運送会社があるというようなことが出ておるわけでございまして、私も年末にこういうような文書を作成をしておりましたら、どうもこれは大変だということで——新聞にも一部取り上げられました。 〔山崎(武)委員長代理退席、大原(一)委員長代理着席〕 その中で、読売新聞だったと思いますが、国税庁が運輸業界に対しまして警告を発しましたね。それは、十一月三十日の読売新聞によりますと、「トラック貨物の送り状 年四百八十億の印紙“脱税”国税庁警告」という記事が出ました。これは税務署に参りますと「印紙税のしおり」というのをこうして配っておるわけでございますが、この中にいわゆる運送契約の条項がございます。これについては、送り状というのは課税の物件から排除するけれども、いわゆる契約文書になっていた場合には印紙を張らなければなりませんよというような内容になっておるわけでございまして、中身を調べてまいりますと、最近の送り状なりあるいは控えなりというものをここに私も持ってまいりましたが、事務的に非常に合理化していく中で、昔は領収書と送り状と切り離した形のものが使われていたのが今日は事務合理化の立場から一つの冊子にまとめてその中で処理をされるようになったものですから、どうも紛らわしいものが入っている。明らかにこれは運送契約になるんじゃないかということで着目をされて、その書式が脱税にならないようにしなさいという警告をされたものだ、こういうふうに承っているわけでございます。その後いろいろ研究をいたしましてひな形ができておりまして、私もこれは見せてもらいました。なるほどこの文書であるならば課税対象にはならないであろうというふうに思うのでありますが、そこで、このトラック協会の方でもそれぞれ適正な措置がなされるようにということで指導をいたしているようでございまして、それによりまして国税庁の方でも各地に出向いていろいろ指導をされたように承っているわけでございますが、今回印紙税法の改正を行うに当たりまして、今日までのこの経緯というものがどういうふうになってきたのであろうか。大体いま私が承っているところでは昨年の十一月の十七日からそれぞれ指導文書を発行いたしまして、そして書式によります改正が漸次行われておりますから、これに対していまからまた追徴をするとか過怠金を取るとかあるいは新規にこういうような送り状を依然として使っているから課税をするとか、そういう態度はおとりにならないものだと考えているわけでございますが、その点についてどういう措置をなされてきたのか、またはなされようとしているのか、その点についての御説明を願いたいのでございます。
○小泉政府委員 御指摘のとおりに印紙税法上第一号文書第四というのがございまして「運送に関する契約書」、これは課税になっております。これは運送の契約の成立を証明する文書ということで課税という規定になっておるわけでありますが、御指摘のように、その中で運送状につきましては非課税ということで課税の対象から除いてあるわけでございます。これの趣旨は、御存じのように運送状と申しますものは荷送り人が運送業者に荷物を預けて送付するわけでございますが、運送業者がその荷物の確認を荷受け人に示すという意味で運送状というものは、これは送り状とも申しておりますが必要なわけでございまして、どれだけの個数のものが送ってこられたかというものは、その運送と同時に運送状というものが荷受け人に渡されまして荷受け人がその数量等を確認をいたす、同時にまた、この支払い方式が着地払いという場合には、その荷受け人の支払いの義務の範囲もそれによって確認するという確認の文書でございまして、これにつきましては一般の運送契約とは別の性格であるということで、従来から運送状につきましては非課税という措置がとられておったわけでございますが、御指摘のように運送状あるいは送り状と称する文書でありましてもいろいろな形のものが現在使用されておるということでございまして、先ほど申しましたように、運送状あるいは送り状と申しましても運送業者は今度は逆に貨物の運送を引き受けたということを荷送り人に交付してこれを証明するという意味の逆の方向へ出る運送状というのがございまして、これはやはり運送契約の成立を証明する契約書に該当するというような解釈でございます。こういうような文書につきましては、昨年の九月ごろ私ども業界全体を通じましてこの印紙が張られていないという事実が判明いたしましたので、全国でそれ以来三百三十回に及びますが、各地の国税局あるいは税務署を通じまして説明会を開催いたしまして指導いたしたわけでございます。したがって、それ以後、表題にかかわらずそういった運送業者が荷送り人に交付する運送状につきましては、これは運送契約書に該当するということでこの印紙税の対象になるということになっておりますが、従来いろいろ紛らわしい点がその名称によってございました関係上、業界全体を通じては、これは課税対象にならないのではないかという誤解が非常にございましたわけでございます。当然課税ではございますけれども、そういった解釈上の誤解を解く意味で昨年の十二月に私どもは通達を出しまして、それによって取り扱いを明確にいたしたわけでございます。通達によって解釈を明確にしたということでございまして、それ以後はそういった形で適正に貼付が行われておるというふうに考えるわけでございますが、今後調査いたしました場合にまだ貼付していないというような事実が出ました場合には、これは印紙税法によりましてやはり過怠税の徴収を行う、他の文書と同様に行うということでございますけれども、経緯がいま申しましたようなそういう経緯でございますので、誤解しておった点についてやむを得ない事情もあるという場合もあろうかと思いますので、その辺の事情を踏まえて慎重にそういった場合については検討してまいりたいというふうに考えております。
○村山(喜)委員 大変温情のある取り扱いをされて私は結構だと思うのですが、結局、文書を見てみますと、商法五百七十条の「運送状」というものがあるわけでございまして、その運送状は、印紙税法の別表第一の一の四号に関しまして定義してある「運送に関する契約書」には課税をするけれども、運送状は含まないものなんだよということが明示されておるわけですね。ところがこれは国税庁が出している文書ですが、これを見てみますと、——これは私の地元の税務署でもらってきた。印紙税額一覧表というのがございまして、一番のところには運送に関する契約書、運送契約書、用船契約書などは課税の対象になりますよということは書いてあるけれども、その運送状は含まないものでございますよということは書いてございませんね。これもやはり商慣習として今日までずっとやってきた、そういうようなのが事実的にここにも明示されているような感じがしますね。そういうような意味においてはもっと丁寧なものをお出しになっておればよかったんじゃないかなという気がします。したがいまして、これは今後法律の趣旨に基づいて処理がされることになると思いますが、領収書と送り状とは切り離した形の中で処理がされる、こういうようなことでよろしゅうございますか、印紙税法で。
○小泉政府委員 第一の点でございますが、御指摘のとおり、説明のパンフレットあるいはしおり等につきましては、できるだけ内容を納税者の方におわかりになりやすいように組み立てているつもりでございますが、何分にも課税対象が非常に広範でございまして多種多様にわたるということでございますので、原則だけをお示しするということの範囲にとどまるということもやむを得ない場合もございます。御指摘の点につきましては、したがいましてその原則は、運送に関する契約書は課税になります。ただ、運送状とか送り状というものについては課税の対象になりませんという例外的な問題でございますので、その点紙数の関係で折り込みが可能であれば今後考えてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから第二点の御質問は、取引の関係で先ほども御説明申し上げましたように、運賃の支払いの方式が着地払いの場合と元払いの場合とあるわけでございます。元払いの場合も非常に多いわけでございまして、元払いの場合には領収書で済ませまして、運送状とか送り状というのは出さないということも多数あるようでございます。その場合には私どもも確認を常々いたしておりますが、領収書につきましては、正規の印紙税が納付されておるというケースが非常に多いということでございますので、それが合体されるとか、いろいろ複雑な様式も出てまいりますと思いますが、そこは性格的に分けまして、領収書は領収書、契約書は契約書、それから送り状あるいは運送状は運送状というふうに適用してまいりたいというふうに考えております。
○村山(喜)委員 そこで、最近いろいろな流通形態が変化していくわけですね。たとえばチケット事業をやっております協同組合組織が多いわけでございますが、それは消費者の購買ニーズに適合した物品あるいはサービスの提供を図るとともに、中小小売業者の発展を図ることを目的にしまして、中小小売業者がみずからを組織をして相互扶助の精神にのっとるとともに、資本力、信用力を統合して共同でチケットを媒体とした信用事業を行う、こういうようなことで、最近大型店舗の攻撃の前に、言うならば小売店の専門店会とかいろいろな形のものが、自己防衛のために、お客さんを確保すると同時にお客さんのニーズにこたえるために大変な苦労をしながらがんばっている。多くの形態を見てまいりますると、これは協同組合組織が多いわけです。 〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕 ところが、このチケット事業団体というのが全国に約千あるそうでございます。私もいろいろ関係者から聞いてみたら、そういうことになっておる。会員が約一千万人ぐらいおるようでございますね。そこで事業団体と加盟店との間には立てかえ払いをやるわけでございますし、チケットを集めてそれに対する立てかえ払いをやるわけでございますから、これは継続的な取引の基本となる契約書であるわけですから、当然印紙税を納める。今度は二千円のものが四千円になる。こういう形態になることは、これは当然だと私は思う。ところが、会員でございますが、いま申しましたように、一人の会員がそのチケット団体の幾つかに入ることもできるし、入らないこともできる。これは一般消費者ですね。この一般消費者がチケットによって支払いをして商品を購入をする、こういう形になる。そのかわりチケット事業団体との間には、この人は大丈夫かということで信用調査を受けるわけでございますね。そこで信用登録というのをやる形のものと、いや、もう信用登録はしなくてもチケット発行をやる、大丈夫なものはよろしいということで、チケット発行をやるという二つの形態が現に存在をしているわけなんです。 そこで、私はこれは無理して金を取ろうと思えばできぬことはないと思うのですよ。そういうようなのから考えた場合には、信用登録でございますから契約になる。しかしながら、ある団体は取り、ある団体は取らない。これは後日のトラブルが起こったときのいわゆる措置として、そういうような信用登録をとっておくんだという筋もわかります。しかしながら、そこまでしなければならないのかどうかということを考えてまいりますと、それも法的にも完結をしなくてもいいじゃないかという気がいたします。 そこで問題は、そういうようないわゆる今日の取引形態という問題をとらえてまいりました場合には、何か工夫をこらしたらこの問題の処理ができるのではないだろうかということを私は考えておるわけでございますが、そういうような意味においてこの利用会員が、では、あなたの間には契約が結ばれているのだから今度は二百円ずつ取りなさいということになると、一千万人ぐらいおるわけですから、そこからまた皆さん方は新たに取り立てるというような形のものをお考えになっているのか。それとも、やはりそういうような零細な小売業者が生き延びていくために、また消費者の一般の会員のニーズにこたえていくために、大企業の大きな資本を持っている——取引高を調べてみましたら、五十四年度では三%ぐらいの取引量であるようでございまして、今日だんだんに発展をしつつある取引形態だと思うのでございますが、こういうようなものも印紙税が落ち込んでいるから、これは契約文書としてみなして印紙税を増徴をするんだという構えでございますか。それとも、いや、それは新しい小売業者のためのものでもあり、一般消費者の利便のためでもあるのだから、そういうようなことはするまではないじゃないかというような意味において、さきのトラック業界ではございませんが、そのような理解のある措置をおとりになろうとしているのか。具体的な例でございますので、お答えをいただきたい。
○小泉政府委員 具体的な執行面の御質問でございますので、国税庁の方から適宜お答えさせていただきたいと思いますが、全国各地で消費者の方々が各種の専門店会等に加入をされて、御指摘のようにチケット団体あるいはクレジットの団体と加盟店、それから消費者、これは会員になるわけでございますが、そことの間で、三者の間で、信販、信用クレジットの関係あるいはチケットで割賦販売をするというような事態の御質問でございまして、これにつきましては、私ども執行上厳正にこの印紙税法の適用を行っているつもりでございますが、問題は二つございまして、御指摘のように消費者が加入する場合に加入の申し込みをいろいろなさるわけでございます。その場合に、この団体の方で、これは協同組合とかあるいは信販会社になるわけでございますが、核になる団体の方で御指摘のように信用面あるいは人物面等いろいろ念査をいたしまして、申し込みがあってからこの加入の承諾が行われるというケースが実は一般的に非常に多い。これはクレジットの関係で当然でございますが、場合によっては、しかし一方的にこの加入の申し込みだけでこの加入が実現するという場合もあるわけでありますが、前者の場合、一般的な場合には、これは単なる申し込みでございまして、この契約の問題ではない。ですから加入の申し込みの申込書については、これは印紙税は課税してないということでございます。ただ、その場合に申し込みの加入申込書という様式を活用されませんで、もっと実質に入ってこのクレジットあるいはチケットカードの利用者と信販会社あるいは協同組合との間に契約を結ばれる。これは非常に厳密なわけでございまして対抗力も非常にあるわけでございますが、そういった契約書をお結びになる場合には、これは印紙税の課税対象になるわけでございます。しかし、いずれもこの場合は一通百円ということでございまして、今回の改正でも二百円になるということでございまして、たとえば百の加入者がございますれば一万円が二万円になるというような計算になろうかと思いますが、いずれにいたしましてもそういった場合には第十九号文書で物品の譲渡に関する契約書というものに該当するわけでございまして、ですからいろいろなケースがございますが、くどいようでございますが、申込書で取り扱っていらっしゃる場合には厳密な審査を行う。審査を行いますと申込書自体は課税の対象にはならない、こういうことになっております。
○村山(喜)委員 そこで信用登録をすれば契約になり、十九号の物品売買の契約書になる、こういう解釈ですね。だから、今度はそういうことでなしに厳密に信用調査をするわけです。信用調査をした者を会員として、あなたは会員のなにがありますからということでチケットを向こうの事業団の方から発行した場合には、これはかからないわけですね。そこで、こういうようないわゆる苛斂誅求といいますか、余りにも数が多いのですよ。そういうような消費者の便利または小売業者が組織をしていくというようなものについてまで、そこら辺は工夫すればいいのじゃないかというくらいの気持ちで私は処理を願わなければならないのじゃなかろうかと思うのですが、大蔵大臣は、いやそれはおかしいからどうしても取り立てるのだという政治の姿勢でございますか。それとも会員というのは、職域ごとにあるいは地域ごとに一つのまとまった単位が多いのですよ。そういうことを考えますと、お互い会員同士のモラルの問題もございますし、私はそういうようなのはやるべきではないと考えているのでございますが、どういう御心境でございますか。
○高橋(元)政府委員 先ほど間税部長からお答えを申し上げておりました一方的な申し込み形式、つまり非課税の形式というものが圧倒的に多いようでございます。したがいまして、従来もそうでございますが、今回の改正によってそういうクレジットカード団体、それからその利用者というものに大きな打撃と申しますか過重な負担と申しますか、そういうものをお願いするということはないと私どもは考えて、おります。
○村山(喜)委員 大臣……。
○渡辺国務大臣 ただいま主税局長が答弁したとおりでございます。
○村山(喜)委員 わかりました。これは安心するだろうと思います。そのほかいろいろなフランチャイズチェーン組織の問題も調べてみましたが、時間の関係でこれは省きたいと思います。 そこで、この印紙税の問題は、具体的に適用していきます場合に、いろいろな問題が、税法自体で決めてあるものをどういうふうに細かに適用するかという問題はこれからも大変多く出てくるのじゃないだろうかと思うのです。きょうの新聞でございますか、どうも消費税関係が落ち込んでいるあるいは印紙税収入も落ち込んでいるというようなことで、これは大変だというので皆さんがどうしても取り立てるのだということになりますと、それは有権解釈によってこいつは怪しいぞということでずっとチェックしていくと、印紙税は大分取られるだろうと思うのですよ。それじゃなしに、余りそういうようなもので大衆から巻き上げていくような方向は私はとるべきでないと考えるわけでございまして、特に零細な地位にあります消費者や小売業者、そういうような人たちに大変な影響をもたらすような繁雑な事務をまた強制するようなことを税法によって強制をすべきではないと考えております。そういうような意味において、大蔵大臣はさっきはいわゆるクレジットカードの取り扱いの問題についての御答弁はいただきましたけれども、全体を運用していく場合の心構えについて大臣の御所見を最後にお尋ねして、印紙税については終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは先ほど私が答弁をしたわけでございますが、やはり必要な財源を確保しなければならない。どういうふうにそれを取るかということについてはいろいろな方法論がございますが、直接税だけで全部賄うことは不可能でございますので、その一環として印紙税というものがあるわけでございます。これにつきましても再々事務当局から答弁をいたしておりますが、長い歴史を持ったものであって、その中には余り細か過ぎるとかいろいろな御議論があることは私もよく知っておりますが、皆さんが余り抵抗のないようにして、納めやすいようにして国の財源確保に御協力をしていただきたいと考えております。
○村山(喜)委員 そこで、これはひとつ確認をしておきたいのですが、お互いに事業をやっている。それが売掛金と買掛金をそれぞれ持っている。その場合の相殺が単なる帳簿上の決済として処理をされた場合には、これは印紙税の対象にはなりませんね。
○高橋(元)政府委員 文書が作成されませんので非課税でございます。 〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕
○村山(喜)委員 そこで有価証券取引税でございますが、今回三千三百九十億の算出をされているわけでございますが、これはどういう算出の根拠でございますか、説明願います。
○高橋(元)政府委員 まずこれは五十五年の税収をいかように見るかということから御説明を申し上げなければならぬと思うのでございますが、今回の補正予算で二百八十億円の有価証券取引税の増収見積もりを立てて御審議をいただきました。と申しますのは、五十五年度の当初予算では有価証券取引税の税収額は千九百六十億円という見込みでございましたが、十一月までの実績及びその後の伸びを考えますと、大体二五%ぐらい伸びるというふうに考えるわけでございます。したがって、十二月から三月まで二五%の伸びということが最近の課税実績ないし証券市場の状況から予想されますので、二百八十億追加いたしまして二千二百四十億円といたしたわけでございます。 それから五十六年度は、その基礎の上に立ちまして、最近五カ年間有価証券取引税の伸びが二三%くらいあります。しかしながら五十四年、五十五年の伸びが低かったということも加味いたしまして、五十六年は申し上げた二千二百四十億円が二五%伸びるというふうに見込みまして二千八百億円といたしました。それが改正前税収でございますが、改正増減は地方債証券と社債券に係る増収額を一種で四十億円、一種と申しますのは自己の売りつけでございます。二種は個人の売りつけでございますが百十億円、合計百五十億円ふえる、こう見まして、株券に係る増収額を第二種で四百四十億円増加するというふうに見込みまして、合計五百九十億円の増収を見込んだわけでございます。以上合計いたしまして、先ほどお話がございましたような二千八百七十億円という税収を予算に計上いたした次第でございます。
○村山(喜)委員 これは譲渡価格に比例をするようになっておりますが、譲渡価格の値上がり分と、それからそういうような有利な金融資産への転嫁という数字的な伸びとの比率はどういうふうになりますか。
○高橋(元)政府委員 お答えの前に、私先ほど二千八百七十億円と申し上げましたが、誤りで三千三百九十億円でございます。御了承いただきたいと思います。 有価証券取引税は、課税の実績からいたしますと非常にぶれておるわけでございます。ある年は四割伸びたと思いますとある年は五%しか伸びないというようによくわからない。それはなぜかと申しますと、たとえば株価がどういうふうに毎月推移するか、その場合に出来高がどうなるか、これは個々に見積もりますのは大変むずかしゅうございます。そこで取引高、売買高とそれから株価、それに税率を掛けました相乗としての税収の伸びが大体過去平均二三%あるというところから、五十五年度の実績の見込みを二五%伸ばしておるわけでございまして、その中の価格部分と取引高部分がどれだけになるかということは、実はこれがわかれば株式市場の将来がわかるわけでございます。とてもそういう力もございませんので、全体としての税収で観察をいたしておるということでございます。
○村山(喜)委員 非常に大まかな見込みの数字だということだけはわかりました。算定はしにくいだろうと思うのですけれども、どれだけそういうような金融債券にお客さんがついて、株価がどういうふうに形成されるかということから過去の相乗平均を求めざるを得ないと思いますが、これは見込みは大丈夫ですね。
○高橋(元)政府委員 ただいま五十五年度の税収につきましては、予算で見込みました程度は確保できるのではないかと考えております。これからの証券市場の推移によりますから確たることは申し上げられませんが、大体私どもはそういう気持ちでおります。
○村山(喜)委員 そこで物品税の問題でございますが、今度物品税は新たに課税をされるものやあるいは政令で措置されたものをさらに拡大をするというもの、租税特別措置のもの、三つぐらいあるようでございますが、これはそれだけの担税力があるからこの物品税を新たに課そうという発想に立たれたものなのか、この点はいかがでございますか。
○高橋(元)政府委員 もちろん消費課税でございますから消費行為の背後に想定される担税力に対して税負担をお願いいたすわけでございますが、今回新規に二十二品目、法律上十二品目課税をお願いいたしております考え方は、新たに開発されました物品、これはたとえばVTRのようなものでございますが、こういうようなもので現行の課税物品とのバランスから課税をすることが適当という考え方を持って課税の範囲に追加させていただくというお願いでございます。 それからもう一つは、消費態様の変化と申しますか家計の変化と申しますか、たとえば大型冷蔵庫と申しますと従来は四百リットルで打ちどめにしておったわけでございますが、最近家庭の中に四百リットル以上の冷蔵庫というのはかなり入ってきておりますし、そういう消費の変化に応じてやはりこれも現行の課税物品とのバランスから課税をすることが相当と考えられるものを新規に課税範囲に取り入れるという考え方で、全体の新規課税案を作成いたして、御審議をお願いしておるわけでございます。 なお税率につきまして、自動車関係の税率の引き上げをお願いいたしておりますが、これは自動車が、たとえばいま普通の自動車でございますと二百万近くしておりますが、これにお願いをいたしております税率が一五%でございます。大型の冷蔵庫が二〇%でございますのと比べて小型乗用自動車の税率が低いのではないかということは三十七年以来ずっと考えてきたことでございますので、この機会に自動車につきまして二・五%の税負担の引き上げをお願いいたす、ただし軽乗用車は据え買きという考え方をとっておる次第でございます。
○村山(喜)委員 そこで、新規課税物品の主なものの小売価格帯はどうなりますか。
○高橋(元)政府委員 ライトバンでございますが、今度一〇%の課税をお願いいたしますのは大体七〇万から八十六万円の間かと思います。軽のライトバン、これは五%で課税をお願いするわけですが四十七万から五十七万円と思います。電気カーペット、これは二平方メートル以上の電気カーペットということにしておりますが、四万二千円から五万六千円ぐらい、これは店頭の価格でございます。それから衣類のドライヤー、これは四万三千円から五万二千円ぐらい。温水暖房機、冷水製造機、この辺は単独で買われるということはなくて、ファン・コイル・ユニットと組み合わせて住宅用の一つの冷暖房設備、空調設備として働くわけでございますが、ちなみに個々のものを申し上げますと温水暖房機が十六万円から二十一万円くらい、冷水製造機、これはチリング・ユニットまたはチラーというのですが七十万から八十万ぐらい、ファン・コイル——この風の出てくる部分ですが八万三千円から十万七千円ぐらい、このくらいが個々の物品の価格でございます。それからストーブの上から風の出てくるファンつきコンベクターというものがありますが、これが三万九千円から五万四千円ぐらい。ビデオプロジェクターとなりますとぐっと値段が高くなりまして、五十四万八千円から八十三万円。VTRが十九万八千円から二十六万五千円。テレビのチューナー、これも単体で売買されることは少ないと思いますが四万九千円から七万円。テレビカメラが十七万八千円から二十三万円。テレビチューナーとかテレビカメラはほかの部分と合体をして、たとえばテレビプロジェクターでございますが、そういう形でモニターテレビとくっつけて、そういうものになると思いますが、単体としての値段は大体そういう形でございます。
○村山(喜)委員 そういたしますと、この税率は漸次三年間にわたりまして引き上げていくという思想ですね。ただし軽トラの場合は五%の据え置き、あとは一五%ないし二〇%のところまで引き上げていくという形で出されている。これは何か大蔵大臣、税制調査会の方は一つの答申を出しておりますね。そのほかの物品税を新たにまたつくるという関係の中から、そういうようないわゆる年度ごとに引き上げていくという思想。来年度になったら新たな立場からぜいたく品とかあるいは何とかというようなこと以外にも物品税をかけなければならないでしょうというようなことを言っている。それも思想との関係の中で問題をとらえて、税率をそういうふうに刻みをつけて上げていくという中に新たなものをまた持ち込んでいく、そして横並びに見たときに低いから上げていくのだ、新規につけるのだ、そういう形の中で物品税の増徴を図ろうという思想ですか。
○高橋(元)政府委員 たとえば衣類乾燥機でございますと一五%という本則税率をお願いしております。それからチリング・ユニットでありますと一五%、こうなっておるわけでありますが、そういう税率をなぜ本則としてお決めいただくかと申しますと、電気カーペットでございますと電気毛布とのバランス、これは一五と一五でございます、衣類乾燥機でございますと洗濯機とのつり合いで一五と一五、こういうふうに決めさせていただくわけでございます。ただしこれは製造場課税の消費課税でございますから、したがいまして急激な税負担の変化によりまして価格が変動いたします際に転嫁がうまくできないという問題もありますので、大体毎年五%ずつ税負担の引き上げをお願いする暫定軽減税率というものを組み合わせて御審議を願っておる次第でございます。従来から、新規課税品につきましては暫定軽減税率というものを設けて消費者の方々のことも考え、かつまた納税義務者たる製造者の税負担転嫁についての利便を図る、容易さを増進するという形の配慮をしてきておるわけでございます。 もう一ついま村山委員からお話のございましたのは、社会、経済情勢、消費事情、所得水準の変化に応じて、常時新しい品目を現行の課税物品とのバランスから課税の範囲に追加したらどうか、こういう考慮でございますが、この点は税制調査会の答申の中にも言われておりますように、これは常時私としては検討を進めていかねばならないことであるというふうに考えますが、具体的な案は、ただいま御審議願っております五十六年度の物品税改正案という以上の具体的な案は、いまのところ持ち合わせておりません。これから検討いたしたいと存じます。
○村山(喜)委員 時間が余りありませんので、この際通産省の日用品課長においでいただいておりますのでお尋ねいたします。 伝統産業関係は百二十二品目あります。この中で繊維から金属工芸、あるいは仏壇、いろいろなものがあるわけです。私はいろいろ聞いて調べてみますと、その中で二百万から三百万するようなものがありますね。これは伝統産業を受け継いでいくのには、大変高価なものが特定の人たちの手に渡りながら続いていかなければならないものだということはよくわかります。しかしそれには物品税は課さないのだというような思想がございますね。そこで私は伝統産業関連のものに課税をしなさいという気持ちはございません。しかしながら、そこには常識的に見てやはり問題があるのではないだろうかという気がするのです。 それで、これから日本の戦略産業になるようなものは、若い世代がそれを購入するというようなことを考えてまいりますと、若い世代からはどんどん物品税として重課をしていきながら、伝統産業として残すものはこれは非課税ですよ、そういう限界をつくるのも結構ですが、そこら辺のバランスをどういうふうにとったらいいのだろうかということで、担税力ということになりますとそこには課税の原則が働かなければならないし、伝統産業を守るという立場からはそれを排除すべきだし、いろいろな複雑な立場があるわけでございますが、担当者としてはどういうお気持ちで今日まで折衝してこられたのかをお聞かせいただきたい。
○坂本説明員 先生いま御指摘ございましたように、伝統工芸品であるから物品税の非課税対象になっているという例はそう多くございませんで、家具の一部に確かにそのような例がございます。ただその場合には、消費者の担税力という観点もございますけれども、伝産品の場合は、御承知のように近代的な機械工業製品との競争という非常に厳しい状況に立たされておりまして、メーカー、つくる方の力の問題ということもございましてこのような措置がなされていると理解いたしております。
○村山(喜)委員 それは間違いなんです。間違いは指摘しておかなければいかぬと思う。伝統産業関係で物品税の課税の対象になっているのは、金属工芸品の銀器、そういうようなものだけでございまして、あとは非課税でございます。その点から私は問題を提起しているわけです。実情の説明だけは承ったことにしておきます。 そこで、時間がありませんので締めてまいりますが、大蔵大臣、担税力それから横並び、これが物品税の基礎になっているようでございます。そうすると、生活必需品というのは課税の対象にはしないのですか、するのですか。どこまでが生活必需品かというのがわからぬから担税力で一括処理をしていこうという考え方ですか。伝統産業に対しては、皆さん方は要求をされたようでございますが途中で理解をされたようでございますので、それは今後も同じような立場で処理をされていくものだと考えますが、いかがでございますか。
○高橋(元)政府委員 四十三年の税制調査会の長期答申が物品税についての基本的な考え方を述べておるものであることはたびたびお答えをしておるわけでございます。そこで消費課税というもの、また課税対象物品の選択につきましては、所得水準が上がり、一般に消費が平準化してまいります。そうなりますと、普及率が高まったという理由だけで課税を除外することは適当ではなかろう。やはりより高級な便益品、奢侈品、趣味・娯楽品というものにつきましては相互のバランスをとって物品税の課税をやり、その充実を図っていくということが間接税制としては大事な工夫ではないかということを言っておるわけでございます。ただし、これも繰り返しになりますが、物品税は製造場課税でございますから、零細な手づくりの業者の方々に製造場課税で直ちに税負担をお願いいたすことは、税負担の転嫁ということだけでなくて、納税の手続その他でかなりむずかしい問題がございます。たとえば漆、それからキリだんす、これらには執行上いろいろな問題が指摘されておりますけれども、そういう観点から伝統的工芸品の中で漆塗りのもの、またはキリを主材とするものという形で除外しておるわけでございます。したがいまして、伝統的工芸品がそもそもの趣旨から、私門外漢ではございますけれども、そういう手づくりの従来からやっておりますような耐久消費財をつくっていかれる、そういうことを主眼としております関係で、伝統的工芸品には課税品が余りないということになっておるという理解でございますし、今後ともそういう考え方でまいりたいと考えております。
○村山(喜)委員 そのほか私は最近の脱税、使途不明金の問題等につきまして、有価証券報告書やあるいは法人税法の施行規則の別表四との関連や、あるいは所得税法上の人格なき社団の取り扱いの問題等につきまして若干の問題点を指摘したいと思っておったのでございますが、それは次の機会に譲らせていただきます。 いずれにいたしましても、大蔵省というところは税を取る側の理論体系の中で問題を進めようとするわけでございます。しかしながら商慣習として今日まできたものを急激に変更する、こういうようなものにつきましては、先ほどの御説明で配慮いただきましたが、いずれにしても重税路線の道だけを走ることは、特に担税力がない者から税金を取り立てるということだけはやらないように私はこの際要望申し上げまして終わりたいと思います。
○大原(一)委員長代理 午後二時再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十六分休憩 ————◇————— 午後二時開議
○大原(一)委員長代理 休憩前に引き続き、会議を開きます。 鳥居一雄君。
○鳥居委員 大蔵大臣に冒頭伺いたいと思うのですが、野党の社会党、公明党、民社党で減税の要求をいたしております。これは単に予算委員会ペースということではありませんで、全党的な取り組みでこの要求をいたしておりますことをすでに御承知だと思いますが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 承知をいたしております。
○鳥居委員 われわれはこの要求の内容はきわめて妥当な線だと思っておりますが、また歳入にかかわる点がございます。事と次第によっては大蔵委員会に籍を置くわれわれの立場として重大な決意をしなければならないとも思っております。きょうは大体五時をめどに回答があるんではないかと思うのでありますが、どんな御用意でございましょう。 〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○渡辺国務大臣 実は政府の方は要求をまだ受けておらぬわけでございまして、公式的には党と党の間の話し合いでございますから、私どもの方はおたく様よりも先に予算案を出しておりまして、こちらが出しておるものを私が出しておいて私が直すというわけにはいかない。したがって、自民党と五党との話でございます。党の方からは私には正式にまだ何の話もございません。
○鳥居委員 それでは午前中、本会議前に引き続きまして、物品税の今回の改正、また物品税の本来のあり方、こういうことにつきましてお伺いをしてまいりたいと思います。 まず物品税の基本的な考え方でありますが、一つの原則と申しますか、基本的な考え方、法の精神というのがいずれの税目にもございますけれども、物品税について何か無原則な広がり方をしてきているように思えてならないのです。具体的な問題について伺ってまいりたいと思います。 四十八年に廃止になった、課税品目から外されたマッチでありますけれども、マッチが外れた理由、外れたときの減収額見込み、これはどんな経緯でしょうか。
○高橋(元)政府委員 マッチは実は課税を非常に古くからしておりまして、昭和十三年から昭和四十九年まで課税をしてまいったわけです。税率は千本につき一円。これはたばこの消費関連というのが表からの説明でございますけれども、実はもう一つこれは、こういう公の立場で申し上げて必ずしも適切でないのかもしれませんけれども、マッチの生産調整という観点もあったやに聞いております。そういうことで第三種物品という非常に特殊な税率を設けまして、非常に低額な課税をしてまいった。そういう実際の課税の必要性と申しますか、課税廃止しては困る理由というのが消滅をいたしましたのと、家庭用に使用されているきわめて低額なものであるということで、当時マッチ組合はまだ存続してくれという話をしておったんでございますけれども、四十八年に課税から外したということでございます。
○鳥居委員 いまお答えになりましたでしょうか。廃止の時点で減収額はどのくらいでございましたか。
○高橋(元)政府委員 三億円と承知しております。
○鳥居委員 マッチを廃止した理由、それは端的には手軽な家庭用品である、それでずっと歴史があるけれどもこの段階であえて外した。また、マッチが加わったということの理由は、嗜好品としてそれまで追いかけてきた酒、たばこ、そのたばこの周辺にあるものとしてマッチが入っていた。これは間違いありませんか。
○高橋(元)政府委員 マッチを課税した理由はたばこの消費関連ということでございました。課税を廃止した理由は、先ほども申し上げましたが、非常に低額なもので税収も少ない、課税の手間も大変であるということで、なお生産調整のために存置してくれという話はございましたけれども、課税廃止に踏み切ったということでございます。
○鳥居委員 政府税調の答申の中にも出てまいりますけれども、外したものをまたもう一回引き上げていくという一つの方針めいたものがございます。これまでに外したもの、これはどんな品目がありますか。それから品目とあわせてその物の普及状況あるいは増収を図るために加えるとするとどのぐらい見込めるのか、この点について。
○矢澤政府委員 廃止した主なものを昭和三十四年度から申し上げますと、三十四年度には大理石、玉ラムネ、口中剤、仁丹みたいなものだと思います。三十七年度には運動用具、釣り用具、金庫、文房具、それから四十一年度には皮革製品、双眼鏡、羽毛製品がございます。四十八年度にはパイプ、尺八、粉末ジュース、マッチ等でございます。
○鳥居委員 さらに伺いたいのでありますが、電気製品は物品税の大変なシェアを占めておりますけれども、家庭電気製品の中で、ほとんどかかっているわけですが、電気がまにかけないというのはどういうことですか。
○矢澤政府委員 電気がまにつきましては価格が比較的低廉でございます。一万円前後というようなものでございますので、そういった観点から外されておるというふうに考えております。
○鳥居委員 それでは電気スタンドはどうしてかけるわけですか。
○矢澤政府委員 電気スタンドにつきましては、安い物高い物いろいろございますけれども、価格の広がりの幅の広い物につきましては免税点を設けております。免税点の関係でただいまでございますと小売価格大体八千円ぐらいな物は非課税になるということで学生用、勉強のために使うような電気スタンドは非課税になるということでございます。
○鳥居委員 それからこの電気製品で電灯ですね。電灯の考え方、課税をするかしないか。螢光灯、白熱灯、こうありますけれども、どういう考え方で課税をしておりますか。
○矢澤政府委員 白熱灯につきましては、昭和十六年に課税対象に取り入れられております。それからずっと続きまして三十七年に螢光灯を含めまして課税対象から廃止されております。
○鳥居委員 一つの埋め込みに螢光灯四本まとまると物品税かかるようになるのじゃないですか。
○高橋(元)政府委員 それはシャンデリアのお話かと思います。シャンデリア照明器具として課税されるわけで、電気の球にはかかっておりません。
○鳥居委員 電気製品の中でなぜ扇風機がいまだに外れないのかという点で非常に不思議に思っているのです。説明を聞きましたらば、電気製品の中で暖めるもの、冷たくするもの、こういう発想が追いかけるかどうかという根本になっているようですね。それで、大蔵省の基本的な考え方として、温度を下げる、冷やすもの、これはぜいたく品、それから温度を上げる、これもぜいたくであるけれどもやむを得ない面がある。そういう考え方を税率の上で、暖めるものは一五%、それから温度を下げて冷やすものは二〇%、基本的にこういう考え方があるようですが、これも私たちとしては合理性を追求するという上から言って、どうも納得のできない一つなんです。いかがでしょう。
○高橋(元)政府委員 扇風機はいま冷房の普及に伴いましてやや時代おくれになってきたという面はございますけれども、冷房用の便益品であるという性格は失っておらないというふうに思うわけでございます。 それから税率の設定につきまして、ルームクーラーは二〇%で課税をお願いしておりますが、暖房機器も冷房機器も一五%という考え方でやっております。 それから免税点は、暖房につきましては昭和三十四年にわが国の気候条件から見て免税点を設けて、現在一万一千五百円というのが石油ストーブについての免税点でございますし、扇風機につきましては、免税点を置いておらないわけでございます。
○鳥居委員 もう少し品目を挙げまして伺っていきたいと思います。 化粧品に対して物品税がかかっております。もともと物品税の発想というのは、特に合意がとれる——これは高価な便益品だからこれに課税する、あるいは奢侈品であってかなりぜいたくである、あるいは趣味・娯楽である、こういうことが大もとにありますから、これは物品税の対象品目として挙がっているんだな、また納税側からいきますと、国民の側からも一応はそれに対して理解がある。ところが、たとえば化粧品一般にかかっておりますね、口紅からおしろいからポマードからすべてかかっているわけですけれども、これはこの中のどれに当たるのでしょうか。あるいはまた新しい理由か何かあるのでしょうか。
○高橋(元)政府委員 これは私ども比較的高価な便益品、趣味・娯楽品、それから奢侈品と申し上げておりますが、もう少し細かく申しますと、身辺用細貨という考え方があるわけでございます、ハンドバッグなんかそうでございますが。そういうものとして化粧品にも——かつて香水は三〇%という課税をお願いしておった時代がございますけれども、たびたび申し上げております三十三年の臨時税制委員懇談会、そこで化粧品については税率を下げるべし、標準税率は二〇%だが、化粧品の税率はもっと下げるべしということで一〇%というふうに三十七年に低税率にしたわけでございます。それは香水でございます。 クリームにつきましては、従来から五%でずっと課税をしてきておりましたが、昭和四十一年にクリームに免税点を設け、昭和四十八年に香水に免税点を設けまして、現在、クリームというのはどのくらいのびんに入っているか私よく存じませんけれども、百グラムのびんであれば千円くらいまでは非課税である。香水は十ミリリットルで四百円くらいまでのものは非課税である。こういう措置をとっておりまして、それを超えます身辺用細貨である化粧品について課税をお願いしておるということでございます。
○鳥居委員 電気製品の中でテレビ、ラジオ、これが課税対象になっておりますね。テレビの場合、いまどんな家庭にも一台は最低普及しているというような非常に普及率の高い電気製品ですね。それからラジオ、災害防災対策上ラジオを携行すべきだということがいま非常に周知徹底がなされております。手軽なラジオを持って行動する。そうすると、そういう意味で手軽な携行できるラジオというのは、ある一つの政策目的で普及をしようという形になっているわけですが、税制上これはどうなんでしょうか、電気製品だからかけていく、追っかけていくのだということと、一方においてはもう当然外していいのじゃないかと言えるものがかなりあるわけです。たとえばテレビ、テレビは免税点——二百一万五千円、標準家庭におきましてそれ以下の家庭でもいま置かれるような形になっている。所得税の考え方の中に課税最低限を設けて、そしてそれ以下の皆さんに対しては税金を課さないという考え方があるわけです。物品税の考え方の中に大衆課税をなるべく防ごうという考え方があるのじゃないかと思うのです。ありませんか。
○高橋(元)政府委員 人的な総合課税でございます所得税につきましては人的控除でございますとか、いわゆる課税最低限というのがありまして、それを超える所得について累進的な課税をお願いをしておるわけでございます。これが税制の一つの典型的な姿でございますが、たとえば消費課税でございます物品税につきまして、所得のない人がテレビを買われるということももちろんあるとは思います。しかしながらテレビが高価な便益品であって、その裏に担税力を推定すること、そのことはテレビの普及が高まってまいったということと必ずしも直接に関連させるべきことではないのではないかと思います。たとえば自動車、これもかつては本当に高級な希少財だったわけですが、現在はむしろバスがすたれて乗用者が伸びてくるという時代になりました。しかしながら、自動車が消費の担税力を推定してよろしい高価な便益品であるという性格は、それによって変わっていないんだろうというふうに私どもは考えております。それは、たびたび申し上げております四十三年の税制調査会の長期答申以来私どもが現在の物品税について持っている考え方でございまして、物品税の品目の選定、それから免税点の設定、これらについて十分な考慮を払うことによりましてほぼ逆進的でない比例的な税負担を求めることができるわけでございまして、現状もそうなっておると思います。こういう比例的な税負担でありますところの消費課税というものと、応能的累進的な税負担でございますところの所得課税というのと組み合わせて全体としての税体系というものをつくりまして、それによって必要な歳出についての財源を国民に御負担をお願いをいたしておる、こういう趣旨に御理解をいただきたいと思います。
○鳥居委員 つまり物品税法の精神にも大衆課税をなるべく避けるという考え方があるわけですね。免税点を設けている点あるいはラムネにかけないあるいは税率において配慮をする、普及率の上から言ってかなりの普及率があるものについては見直しという考え方がどこかに出てくるという意味から言って、物品税には一律——いわゆる担税力の表現も非常にあいまいなんですが、収入がある人は何かしら買うことができる、購買力がある、そうすると担税力があるのだという発想。ですから、なかなか線の引けないものでありますけれども、物品税法そのものに大衆課税を避けようという考え方は私はあると思うのですけれども、いかがですか、ないですか。
○高橋(元)政府委員 低額なもの、たとえば先ほどお話のございました三十四年に課税を廃止したラムネ、こういうものは課税をいたしておりませんが、たとえばジュースでございますと、現在はJASの規格のございますジュースよりももう少し価格の低いジュースについても課税をお願いをいたしておるわけでございます。 それから電気がまというお話がございましたが、電気がまは先ほど審議官からもお答えいたしましたように、比較的安いものだということと同時に、これが当初から課税の対象になりませんでしたのは、主食の調理器具だということが一番主な理由であったように私は記憶いたしております。そういう意味で、ある意味ではたとえば主食を炊いて食べるかまには課税できないけれども、それ以外の便益品については課税してよいという意味で鳥居委員仰せのような考え方がないとは私も思いません。思いませんが、やはり高価な便益品と申しますか、選択によって買っていくことのできるものについて一律の税負担というものをお願いする、これが消費税の特質と申しますか、いわば本質でございますから、そういうことを消費税についてお願いをしながら、全体として所得税によって累進性、再分配の原理というものを担保していく。学者とよくいろいろなお話をしておりますと、消費税には応能以外に応益という税制の考え方があるはずだ、消費をする限り必ず社会の便益というものを受けているわけだから、それに伴って応益税である消費税というものの負担を願う相当な理由があるではないかということを言われます。私も直ちにその議論をいまここで鳥居委員に、だから物品税についてはと、こういうことで申し上げるつもりでもないのでございますけれども、比較的価格帯の広いもの、たとえばストーブにしますと簡素なものからかなり上等なものまでございます。値段もかなりばらついております。そういう場合には免税点を設けまして一定以下の価格品は外す。これは生産者の事情もございますし、消費者の事情もございますし、高価と言えないという理屈もございます。そういう工夫はいたしますけれども、たとえば扇風機でございますと値段がほぼ一定でございますから、これは全部について免税点を設けずに課税をお願いするというふうに、そこはまた物の性質によりましては細かくいろいろな配慮はいたしておりますが、基本的には、私申し上げましたように、複税体系、幾つかの税金という意味で複税と申し上げるのですが、複税体系の中での消費税ということをできるだけ課税物品のバランスを保ちながら維持していきたいという考え方で課税物品の選定をいたし、その税率について見直しを行いながら今日に至った、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○鳥居委員 高額の便益品であるとかあるいは奢侈品であるとか趣味・娯楽品であるとか、そういうものだなとだれでもわかる、そういう品目であればいいと思うのですね。しかし、いろいろな六十八種類の中に、今回八十種類になるわけですけれども、たとえば灰ざらあるいはたばこ盆、火ばち、こういうたぐいがありますね。灰ざら、これも大蔵省の発想というのは、いわゆる酒、たばこという趣味・娯楽品の周辺にあるものだからそれを追っかけたという形ですね。いま家庭用品の中で確かに底辺の広いものだ、徴税の側から言えば物品税の中にこれが一つ加わるということは大変結構な立場だと思うのです。しかし灰ざらというのはどうも納得ができないですね。これは高価な便益品、趣味・娯楽品、奢侈品、嗜好品、一体このどれに当たるのか、いつまでこの見直しをせずに通り過ごせるのか。マッチのたぐいだと私は思っているのです。マッチも最近は広告のマッチが出ていて、もう一回追っかけようかなんという発想があるように聞いておりますけれども、もうこのあたりこっけいと言わざるを得ない感じでおりますけれども、どうなんでしょう、灰ざら。
○高橋(元)政府委員 これはたばこ消費関連ということで非常に古くから課税をお願いをいたしておるわけでございます。現在は免税点がございまして千二百円ということでございますから、先ほどの午前中の御質疑にもございました伝統的工芸品の中の灰ざらというようなものが若干課税の対象になっておりますが、その割合は二、三%であろうかと思います。灰ざらというものがあまたある中で二、三%の高価なもの、これは灰ざらそのものが比較的安いものでございますから、そういう形で高価な便益品と申しますか、身辺細貨と申しますか、これはいわば趣味・娯楽品関連と申し上げた方がよろしいかもしれませんが、そういうものに課税をお願いをいたしておるというのが現状でございます。
○鳥居委員 現状はわかるのです。一定の妥当性というのを国民が認められるものについては、これは従来の物品税という考え方があるのですからいいと思うのですけれども、一つは、原則を飛び越えてどんどん広げていくのだという考え方は非常に危険だと思いますし、その合意の上で成り立っている物品税という意味から言ってどうも納得できない、見直しが必要である、こう思います。 四十八年以来免税点の引き上げが検討されておりませんけれども、免税点も、物価がこれだけ上がってまいりますと、当時の水準から考えてみて手直ししなければならないのじゃないか、こういう対応があたりまえなことだと思うのです。いかに時代が変わり生活様式が変わろうと一回つかまえたものは放さない、こういう行き方はどうなんでしょうか。免税点の洗い直し、少なくとも物価上昇に見合うような免税点の引き上げ、これは大衆課税を防ぐための一つのバネでもあると思います。そういう考え方に立てないものでしょうかね。
○高橋(元)政府委員 物品税のような個別の消費課税でございますと、原則として製造者課税でございますから、課税品と非課税品の間に、いわば税による撹乱と申しますか、そういうものが生じてくるわけでございます。そういう意味で中立性を保って、しかも納税義務者であられる製造者の方々に転嫁を容易にするような配慮、また制度というものを維持していく、なるべく中立性を保つという形で物品税については競合商品、新規開発商品というものをできるだけ課税品の中に入れてくるという配慮をしてまいりましたし、これからもしてまいらなければならないのではないかというふうに考えておるわけでございますが、今回物品税を七年ぶりに見直すに当たりまして、課税対象の拡大、税率の引き上げと、こういう増収の方向で現下の厳しい財政事情にこたえて改正案をつくりまして御審議をお願いいたしておるわけでございます。確かに物価が上がったということは五十二年以来あるわけでございますけれども、課税範囲の縮少となるような一般的な免税点の引き上げということは、こういう考え方から今回は取り入れておりません。ただ、海外から主要原材料が入ってきておって海外要因でその原材料が異常に高騰しておるというような貴金属製品とかベッドを除きます木製家具というものにつきましては、やむを得ない例外措置として免税点の引き上げを政令で行わせていただくように現在予定をいたしておるわけでございます。
○鳥居委員 いまお答えいただいたわけですけれども、物品税のかかる税率、五%、一〇%、一五%、二〇%、三〇%ですね、この税率の刻みがある点と免税点があること、あるいはなるべくすそ野の広いようなねらい方をしますけれども、一回つかまえると放さない構えの中でも、物品税にも明らかに大衆課税を防ごうとする法の精神がある。大臣、いかがでしょうか。私は、所得税に大衆課税を防ごうとする一つの仕組みがあって物品税にないというのはおかしいと思うのです。同じ税法の体系の中で物品税といえども大衆課税を防いでいくのだという法の精神があって、そしてこういう仕組みができ上がっていると思うのですけれども、いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 それは主税局長からお話があったように、あなたの言うような気持ちが物品税にはないとは言わないです。あるから免税点ができたりなんかしておる。だけれども、物価も上がったのだからそれなら免税点を上げたらいいじゃないかという議論にすぐなってくるわけです。それは上げれば税収が減ってしまう、これはもう事実ですね。したがって、税収を減らして改正した方がいいのか、こういう時期だから、ともかく大衆課税といっても免税点を上げなかったことによって非常に困るというような状態でもないので、どちらを優先するかという話でありまして、何回も同じことを言うようなことになりますが、やはり税収の確保をしなければ当然増の経費等の財源がないということで、今回は免税点はいじらないということにしたわけでございます。
○鳥居委員 くどいようですけれども、免税点の問題、それから所得税における課税最低限が二百一万五千円ですね。それ以下の生活保護世帯の皆さんまで含めて、低所得者でも家庭の中に備えていなければならない品物まで現在この税率をかぶっているわけです。そういうすそ野の広いものは追っかけやすい、しかも一回追っかけると放さない、そういう中でも見直しが必要だろうと私は申し上げたいのです。ぜひひとつ御検討いただきたいと思います。 それで、この物品税の基本的な考え方を広げていきますと危険だなと思うのは、形式的には全く違うものでありますけれども、大型消費税への関連性という問題になってくるわけです。一般消費税という名で五十四年十月の総選挙において国民に信を問いました。その結果、これは政府税調でも認めたとおり、考え直さなければならないだろうということです。この一般消費税、国会決議では仮称とありましたけれども、従来の物品税は一つ一つ単品で追いかけていってこれに課税しようという行き方ですね。ポジティブに対してネガティブ、物品税はポジティブでしょう。大型消費税の基本的な考え方は、全体にかぶせてしまってまずいものはネグっていく。食料品ネグろうあるいは教育関係費ネグろう、全体にかぶせてしまった方が徴税側から言えば、手数の上からいっても簡単なことだと思います。あれを除く、これを除くという形で新しい税の体系をつくろう。しかし、これは一般消費税という名で国民に信を問うたところが、ああいう結論が下されました。いま政府税調の言う広く消費に着目する新しい税の道を考えなければならないだろうということが、いわゆるネガティブの税法の上から言ったら、これはすでに結論が出ている一般消費税イコールのものですね。この点どういうふうにお考えでしょうか。
○渡辺国務大臣 一般消費税イコールと言われましても、まだ一般消費税をどういうふうな枠組みでどうやるということを考えてないわけですから、直ちにそいつに結びつけられない、さように考えます。
○鳥居委員 それじゃ伺いますが、鈴木内閣の渡辺大蔵大臣は、五十四年十二月の国会決議を尊重する御意思がおありですか。
○渡辺国務大臣 決議には私も加わっているわけですから、それは尊重しないなんていうことは申し上げられない。
○鳥居委員 わかりました。 そうしますと、国会決議にあった一般消費税と、いま政府税調で言ういわゆるネガティブの大型消費税、大型、一般の違いですけれども、この概念はすでにいままでに一般消費税の仕組みあるいは一般消費税についての評価と問題点で大綱あるいは輪郭については公表されているとおりです。そうなってくると国会決議の中にある一般消費税というのが政府税調で言う大型消費税、広く消費に着目した新しい税制、これとイコールだ、最終的には消費者、国民に税負担を求めていく行き方、しかもネガティブの方式、これは一般消費税そのものではないかと私は思うのですよ。いかがですか。
○渡辺国務大臣 私は国会決議には加わっておりますと言ったのは、決議は尊重します、尊重しますけれども、それは決議の言っているとおりのことを尊重するわけですから、これは要するに導入する具体方策として検討してきた一般消費税という仕組みは国民の理解が得られなかった、だからそういうことをやらないでもっと別なことをやって財政再建をしろ、こういうのが国会の決議なんです。しかし、実際は国民の理解が得られれば別な話なわけですね。当時得られなかったことは事実だった。しかしそれは、最初から安易に大きな税金を出すということが、何で一体そんな税金を取る必要があるのだということを国民がわからなかったことが一つだと思いますね。もう一つは、なぜわからなかったかというと、政府の方が財政の実態について国民に周知徹底させる努力をしてなかったということも原因の一つではないか。だから現状というものをよく知ってもらって、財政をこのままおけばどうなるのかということもよく認識をしてもらうこと。 もう一つは、できるだけ経費を切ります。この国会を通じても、経費を切れ、経費を切れという要求ですから、これは思い切って一遍切る。しかしそのことの方が一般消費税よりももっと大きな騒ぎになるかもわかりませんよ、わかりませんが、どうしても切れないという問題が出れば、じゃそのお金はどうするのだという御相談と兼ね合いのことであります。 もう一つは、一般消費税が理解されなかったということは、すぐさま昔の取引高税を連想した。あれも悪税でして、もう二年か三年でやめてしまったのです。それはいろいろ問題点がある、私もよく知っています。したがって、それを直接的に連想させたという問題もあったかと思います。 われわれは仮にどういう形のものにするか、これはサービスの水準との相関関係ですから、今後どうしても所得税はふやしたくないのだ、減らしてもらいたいのだ、しかも経費は、社会保障の負担はある程度までしか削れないということになると、どういう負担をするかについては、負担の仕方その他、国民会体の御意見は聞けませんから、まず国民の代表である国会議員の皆様の御意見をこの国会を通していろいろ承って、それを十分参考にして今後の問題を検討していきたい、そういうことを言っておるわけでございます。
○鳥居委員 ともかく大衆課税である点は間違いありませんで、われわれも重大な関心を寄せておりますし、さらに分析してまた機会を改めまして論議したいと思うのです。 現行税制の不公平感、これは制度面はもちろんですが、執行面にあることがしばしば指摘をされてきております。所得捕捉の不公平、これをどういうふうにつかんでいらっしゃいますか。どんな事情で起きておりますか。
○高橋(元)政府委員 実情につきましては国税庁からお答えをさせていただきますが、現在の基幹的な税目であります所得税、これは人的総合累進とたびたび申し上げておりますような、いわば典型的に理想的な税金であることは確かでございます。これにつきまして、さらに所得税を中心にして今後の税負担の増加をお願いすることの政治的に非常にむずかしいという点は大臣からお話がございました。 また、実際上も所得の把握ということにつきましては、元来、収入金額と必要経費と両方わかっていなくてはならないわけでございますし、それに税法の適用をするわけでございますから、技術的にも大変むずかしい、取引の記録であります収入、それから経費、資産、負債、それらが正確に記帳されておるということが基礎でございます。青色申告の方もかなりふえてきておられますけれども、なおまだ取引の記録、またそれに基づく正確な所得の計算ということは必ずしも完全にいっているということではないというふうに思います。そうなりますと、水平的な不公平と申しますか、税の捕捉が必ずしも完全にいかない。これは良心税であり、自主申告、自主納税でございますから、納税者が自分で税額を計算なさる、そういうプロセスが完全にいかないということをどう考えていくのかという大きな問題がございます。間接税は物税であって水平的に非常に公平だということがしばしば言われております。税体系の中で水平的に公平な間接税というものと、垂直的に理論的には公平な直接税というものを組み合わせて全体の執行水準を高めていくということが、私ども税制ないし執行に携わっております者の永久の課題であることは御指摘のとおりでありますし、私どもそういうことで努力をいたしていくわけでございますが、過般の十一月の税制調査会の中期答申の中でも、記帳水準を向上させるということによって、その点にいろいろな工夫を払うことによって所得税の公平を一層強めていくということの必要性が言われておりますし、その線に沿って検討をしてまいりたいということを考えておる次第でございますが、実情につきましては、国税庁から引き続いて答弁してもらいます。
○鳥居委員 申告漏れの状況につきまして国税庁の五十二年度事務年報、これで五十一年分を見てみますと、営業所得者、調査件数が十万七千八百五十二件、そのうち申告漏れと指摘したものが九万三千四百十八件、八七%。その他、これは大口資産家等で、調査件数が一万一千七百八十五件、申告漏れが九千九百九十八件、八五%。譲渡所得、調査件数が三万七千七百九十件、申告漏れが二万四千四百二件、六五%。同じく山林所得、これは調査件数が千百四十六件、そのうち申告漏れ八百四十件、七三%が申告漏れ。これは理由はどうあれ、故意であれ申告漏れであれ、また所得の過少申告であれ、限定した数の調査でありますけれども、所得の捕捉の上で不公平が現にあるということの証拠だろうと思うのです。こうした執行上の不公平の是正、五十六年度はどういうふうにしてやっていくお考えですか。
○川崎政府委員 先生御指摘の八〇%以上の申告漏れがあるではないかというお話でございます。これは統計に出ておりますとおりでございますけれども、限られた人員で調査対象、つまり申告漏れなり脱税の疑いのあるものを厳選して調査している結果でございまして、残りのものが全部が全部そういう状況になっておるものとは考えておりません。しかしながら、定員はほぼ横ばいでございますが、納税者なり課税対象は二倍、三倍という状況にこの二十年の間になっておるわけでございまして、私どもとしましてはできるだけ工夫をして実調率を上げていく、また納税協力団体を育成あるいは指導するとか、青色申告の普及に努めるとか、そういった納税環境の整備にも努めまして、いわゆる課税の不公平ということがないように精いっぱいの努力をしていきたいと考えておるわけでございます。
○鳥居委員 それで、実際に国税の執行に当たる現場の様子なのですけれども、執行上の不公平というのは起こるべくして起こっているという実感をきわめて強くしたようなわけなのです。 まず、納税人口が急激に増加していますね。これはある統計ですけれども、この十三年間に所得税の申告件数が一・八倍にふえております。法人数で二・〇倍、源泉徴収義務者数で二・五倍、間税関係納税者数で一・五倍。事務量のきわめて著しい増加。また税務調査の内容ですけれども、非常に事務が複雑、困難の度を深めている。ちなみに税務統計から法人企業の実態の推移を取り上げてみますと、この十三年間で資本金一千万円以上の法人数が四・七倍にふえている。総収入金額が六・四倍にふえている。総所得金額が六・一倍。国税庁の定員は、人員というのは横ばいですね。四十年以来ほとんど変わらないままです。一方で人数の上でほとんど横ばい、そういう枠があり、また一方においては事務量の著しい増大、こういう状況ですから、どこまでいっても執行上の不公平というのは払拭できない状況というのが実感ですけれども、一体どういうふうに今後改善をされるお考えでしょうか。
○川崎政府委員 先生御指摘のとおり、職員数はほぼ横ばいでございますが、課税の対象なり納税者の数はふえておるわけでございます。しかしながら、片一方でたとえば税理士さんの数も何倍かにふえる、あるいは青色申告の普及もまた何倍かにふえるという状況もございまして、私どもは限られた職員数ではございますが精いっぱい工夫をして、公平な税務が執行できるように努力をしていきたいと考えておるわけでございます。また一方、定員の増加ということにもずっと努力をいたしておりまして、今後とも増員ということには力を尽くしていきたいと考えておるわけでございます。
○鳥居委員 これはひどいのです。税務職員のあるアンケートでありますけれども、いまの職場の状態どう思いますかという問いに対して、十項目から三つ選ぶという回答の方式でやっております。半数近くが人員が仕事に追いつかない、仕事がきつくなっている、こういうふうに答えております。また回答した職員の三〇%が持ち帰り仕事をしておる。年休の消化率が悪い理由は、仕事が忙しいためだ、こういうふうに回答している様子がすでにわかっております。私は、歳入あっての歳出であって、この国税の収納という大変重要な役割り、そしてしかも執行上の不公平があってはならない、こういう状況の中できわめてひどい状況がそのままに放置されてきている、こう思えてならないのです。 さらに人員の問題からくる実調率、この実調率でありますけれども、昭和三十九年まで実調率は三〇%台にあった。四十年代に入りまして、昭和四十年に三〇%を割って二七%、それから逐次どんどん低下をいたしまして、四十九年に六・六という最低記録。これは石油ショックの後特に悪質なものを重点的にということで、実調率は下がったけれどもかなりの成果は上がったのだ、こういう説明をされておるようですけれども、しかしそれ以来横ばい。ですから、実調率そのものの数字は横ばいとは言いながら、見かけ上実調率を上げるために質の低下を招いた。一件当たりの調査平均六日を三日ぐらいで処理しなければならない、こういうような状況がいまの現場なのです。ひどい話です。診療報酬制度で医師からの請求が参ります。支払基金が集まってきたレセプトをチェックする。もう超人的なことをやっているわけですね。ぺらぺらめくるだけで不正請求や何かに対するチェックがほとんどノーチェックというのと、システムの上からいって非常に近い書類審査重点、現場へなかなか行けない、こういう状況が実は執行上の不公平をさらにさらに輪をかけて招いているように思えてならない。こういうことを御存じでしょうか。
○川崎政府委員 先生御指摘の税務の仕事は非常にむずかしい困難性の多い職場でございまして、職員の方にいろいろ希望もあり、またニーズもあるということは十分承知いたしております。そういった点につきましても、ずっといろいろ配意をいたして努力をしたところでございますが、なお今後とも努力をいたしたいと考えておるわけでございます。 ただいまお話しの実調率の件でございますが、三日ほどの調査で十分なことができないという点もございますが、いろいろ事案に応じまして簡易な調査でも足りるという場合もございますので、実調率といいますか、接触率を高めるという意味で、非常に時間をかける調査という反面に短い時間でやる調査というような手法も最近導入してまいっておる次第でございまして、御指摘の点いろいろ総合的に考えまして、なお一層努力をして課税の不公平といったようなことがないようにしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○鳥居委員 それで、まだひどいんです。ここ十年間に国税庁の国税職員のベテランの皆さんが総退陣です。四十六歳以上のベテラン、いわゆる三十年からの税務の現場でたたき上げ、がんばってまいりました皆さんが、四十六歳以上が四〇%です。こういう状況になっておりますから、ただ若手をふやせば何とかなる、こういう考え方は現状において非常に甘いと言うしかないですね。ここ十年で総退陣なんということになったら、これはどうなってしまうのですか。ですから、国家的な配慮、これが私は必要だと思うのです。こういう状況を踏まえて今年度は何人要求して何人がとれたのか、伺いたいのです。 それから大臣、ひとつここ一番のお働き場所じゃないかと思うのですが、大臣からもあわせて伺いたいと思います。最初は国税庁から。
○川崎政府委員 先生御指摘のように中高年職員が多いことは十分自覚をいたしております。これは公務員全般の職員構成上見られる現象でございますけれども、税務の職場では若干その傾向が強いわけでございまして、四十六歳以上の職員が一万八千名を超すぐらいの感じでおります。したがいまして、十年にわたりまして二万名足らずの職員が退職するという現象が近く起こるわけでございますので、その対策をどうするか、つまり採用を平準化しまして、こういった職員構成上の波が再び上がるといったようなことがないようにしたいということで関係官庁にもいろいろお願いをいたしまして、努力をしておるところでございます。 また、ことしの定員についてのお尋ねでございますが、定員の要求は九百六十七名いたしまして、増員が認められましたのは四百三十八名でございます。
○鳥居委員 職員の年齢構成に大きなひずみがあるのが国税職員の特徴だと思います。そのひずみ、ゆがみを考えた上での充足計画というのが非常に重大だと思っております。最後に大臣から伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 仕事の量が非常にふえまして、現在の国税職員にたくさん御苦労をかけておることは私も十分承知をいたしております。しかしながら、そうかといって大蔵省は各省庁に対して人員を減らせ、能率を上げろという大号令をかけておるというような状況もございまして、なかなか自分のところだけ満足なだけ人をふやすということも現実問題としてむずかしい。そこで今回は四百数十名の、削減に対して、それだけ新しく補充をしてもらったというような実態でございます。 なお、税務職員が退職しますと、その大半は税理士になる方がいままでの例から見ると多いわけでございます。やはり税理士になって、結局正しい申告を慫慂するというようなことをやってもらえば、税務職員の数と同じというわけにはいきませんが、少なくともその何割かのものは補ってもらっておる、これもまた事実でございます。それと同時に、われわれとしては幾ら職員をふやしても、納税思想が悪化をしたんではこれはだめであって、社会不安が起きて幾ら警察官をふやしてもどろぼうがふえるという話になってしまいますから、だからそういうようなことにならないようにしなければいけない。そのためにはやはり正しい政治をしなければならぬし、むだ遣いだと言われるようなことのないようにしなければならない。われわれ政治家も本当にそれは心してやらなければならぬ、そう思っておるわけです。でございますから、納税思想の普及徹底というものが効果のあるように、かけ声だけじゃだめなわけですから、やはり率先垂範のところもなければいけない。したがってそういう面からしても、政府としては厳正な職務の執行その他について意を用いて努力をしておるというのも実際でございます。今後また機械化、コンピューター化、いろいろそういうふうなことをやって、昔は自分自身が調べなければならないような統計等も、いまはコンピューターをかなり使っておりますから、そこに入れますと、大体どこらのところにおかしなのがあるかということがある程度わかるのですよ。ですから、かなり人数だけ多くというわけにもいかない。そういうようなことで一罰百戒で脱税者は摘発するということも必要です。いろいろ取りまぜて、課税の不公平、制度の不公平、そういうのがあれば直さなければいけませんし、人だけふやしたからといって申告漏れがなくなるわけじゃないわけですから、いろいろなものを総合いたしまして、それで適正な申告をしていただくということに努力をしてまいりたいと考えます。
○鳥居委員 終わります。
○綿貫委員長 正森成二君。
○正森委員 きょうは主として印紙税と有価証券取引税について質問をさせていただきますが、どういうわけか午前中の社会党の各委員の質問内容が、私が昨日大蔵省に差し上げておきました質問事項とほとんど重複しておりますので、同じことを聞いてもあれでございますし、時間の節約にもなりますので、それに関する部分は省略させていただきます。ただ私が予算委員会の分科会に入っておりまして後ろで聞いていないときに質問をされたこともございますので、その部分については恐れ入りますが、結論だけもう一度言っていただきたいと思います。印紙の関係については、私は各項目ごとの収入や収入見込みを伺うつもりでしたが、それはたしか戸田委員が質問をなさったと思いますし、それからトラック貨物の送り状等につきましては、承りましたら、他の社会党の委員が御質問なさったようですから省略いたします。 〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 ただ、この点につきまして私が指摘しておきたいのは、トラック協会では送り状に印紙を張らなければいかぬ、課税されるということになると、送り状にかえて、課税対象から外れる受取文書の作成研究など対策に乗り出したというように新聞で書いてあるのです。そうしますと、私どもが入手しましたものによりますと、税漏れは大体四百八十億円にも上るというように言われております。 それからその課税対象となる文書というのが私が見たところでは三つくらいあるんじゃないか。それはまず第一に、継続的な関係のある業者の間では運送基本契約書というのがある。そのほかに送り状と称するものがあります、これは注文主に対して。そのほかに運賃料請求書となっておりますが、それに金額を書いて領収書がわりに渡しますと実際上は領収書になるということで、それぞれについてしかるべき印紙を貼付する必要があるんじゃないか、こう思われるのです。しかるに、それについて何とか課税対象から外れるような便法はないかというので研究をしているというのが公然と新聞に出ておりますので、それはやはり課税の公平の上から言ってもおもしろくない、こう思いますのでその点について重複になるかもしれませんが、答弁をお願いします。
○小泉政府委員 運送状の御質問でございますので国税庁の方からお答えさしていただきたいと思います。 御指摘のように運送状、送り状と称します文書でございますけれども、いろいろな内容のものがございます。それにつきましては昨年の暮れから私ども主要団体を通じまして御理解をいただくように十分指導を尽くしてきたつもりでございますが、運送状と称しますものの中にたとえば運送契約書に類するもの、先ほど御指摘ございましたように長期的な基本契約に属するもの、これは印紙税額は現在一通二千円ということでございますが、そういったものとかあるいは運送状契約、これは契約金額によりまして段階的に印紙税の課税が行われる、あるいはまた請求書の内容をもってそれを運送業者が判こを押しまして受け取ったという領収書に類するもの、御指摘のようなとおりでございます。それから本来の運送状、送り状、これは非課税になるわけでございますが、そういったものがございますので、それぞれの性格に応じまして私ども適正な処理をしてまいりたい。 なおつけ加えますが、一万円以下には非課税ということでございますので私ども状況は全部把握はいたしておりませんが、いろいろこの環境を調べました結果はかなりのものが小口の運送でございます。小口の運送でございますと比率にして大体九割以上がそういうものになろうかという感じでおりますが、これは本来非課税ということでございます。 それから、運賃の支払い方式が元払いの場合と着地払いの場合がございまして、本来送り状等は着地払いの場合に非常に有効なわけでございますが、元払いの場合には領収書だけで済ませるという方式も実は理論的には可能でございまして、そういった点も文書をつくらなければ私どもとしては課税にはいたしませんたてまえでございますので、業界の方ではいろいろと研究はしておられる。 それから、そういった指導をいたしまして貼付が行われていると思いますが、今後その貼付状況、納付状況の点検は私どもいたさなければならないと思いますので、点検の過程で不貼付という場合にはやはり印紙税法に従って順当な措置をとるという考え方でございます。
○正森委員 それでは有価証券関係の質問をさせていただきたいと思います。これも午前中佐藤観樹議員が大蔵省から資料等の提示を受けまして御質問があったわけですが、短期金融の現先関係についてごく簡単に聞かしていただきたいと思います。 金融財政の十二月八日号に有価証券取引税について反対の論点が約八点くらい書いてある。私たちはそのすべてについて同意できるものではありませんし、これから申します点についてもこの見解に私が同意して申し上げるわけではないのですけれども、一応問題として考えてみる必要があるということで、そのうちの二点について伺いたいと思います。 午前中に佐藤議員もお聞きになりました現先の取引ですが、これは確かに有価証券の売買という形をとっておりますけれどもファイナンスとして行われるというのは証券局長の御指摘のとおりなんです。そうしますと、ここで資料として書いておりますけれども、自己現先の場合と委託現先の場合で違いますが、委託現先の場合は二カ月ものが多いということで〇・〇八に二分の十二を掛けますと〇・四八、つまり〇・四八%負担がかかるという計算を業界ではしているようであります。それからまた自己現先の場合は半月ものが多いので〇・〇四掛ける〇・五分の十二で〇・九六実際上は負担がかかる。だから金融財政に出ております資料では十億円のファイナンスをやるのに自己現先だと四百八十万円、それから委託現先だと九百六十万円。ところがコール市場だったら百円掛ける十二で千二百円。手形市場でも同様だ。CDの場合には公証人の関係があるから五百円掛ける四で二千円、こういうように言われているのですが、それについて午前中伺っておりましたら、主税局長は国債関係で行われるのが大体六割で、それについては今度は増税を見送っておるので大したことはないというような御意見でございましたが、大体そう伺っていいのですか。
○高橋(元)政府委員 短期の金融の疎通を図ることの重要性は申し上げるまでもないわけで、そのためにコールでございますとか割手でございますとかいろいろな市場がございます。それと並んで現先も非常に重要な役割りを占めておりまして、現先の六割は国債の売買だと言われていることはよく御承知のとおりでございます。そういうものの疎通を課税を強化することによって片や印紙税であり片や有価証券取引税でございますから負担が違っておるために影響を及ぼすのは困る、それは私どももそう思います。 そこで現先取引を見ますと、現先の媒体となります債券類は国債が六割でございます。それ以外に金融債、大体利付債券が使われていると思いますが、利付金融債と国債とで、大体国債が六割であれば国債の税率を据え置くことによって全体としての現先市場の円滑な流通は確保できる、こういう観点で国債を今回の増税の対象から外した形で案をつくって御審議をお願いしておるわけでございます。
○正森委員 ただでさえ国債の売れ行きが鈍っておるのに、うんと買ってもらったりうんと売ってもらったりしなければ困るというのももちろん大きな理由だと思うのですけれども、そのほかにここで指摘されておりますのは、流通のたびに有価証券取引税がかかるためにこれが中小証券会社の負担を非常に重くしておるというのが資料の中に出ているわけであります。 ここの資料を見ますと、中小証券企業で資本金十億円未満、五億円未満、二億から三億、それから一億から二億というようにA、B、C、Dで四つのグループくらいに分けておりますが、この前増税になりました以後の資料で見ますと、たとえば一番基盤の弱いと思われるDグループでは、五十四年九月の決算を見ますと、株式の自己売買益が一億五千百万円で、それに対して株券の有価証券取引税が一億三千八百万円にも上って、その割合は九一・三%である。それから、税引き前の当期利益が二億八千百万円であって、その中に占める有価証券取引税の割合は四九・一%であるというように計算上なっておるのですね。ちなみに、増税前の四十七年九月で言いますと、この割合は、自己の売買益に対する割合では、税額はわずか六・八%であり、税引き前の当期利益に対する割合では、税の占める割合は四%であったというようになっているのですね。これはどこまで信用できるかは別ですけれども、一応金融財政に載っているのですからわりと信用度があるのではないかと思いますが、こういう傾向を見ますと、有価証券の取引の回数とその手数料の占める割合が非常に大きい中小証券会社にとっては、確かに有価証券取引税の負担割合というのは軽視することのできない負担となり、重みを持っておると思うのです。そういう点についてはどういうぐあいに考えておりますか。
○高橋(元)政府委員 いまもお示しのありましたように、これは株券が中心だと思いますが、株券の自己売買の売買差益率と申しますのは比較的低いわけでございますけれども、低い中でも、資本金規模が小さくなりますとより高くなるという傾向がございます。私は全国証券会社営業報告書集計表というので五十四年九月期の数字をいま持っておりますが、一億円未満の会員会社の場合の自己売買差益率は〇・九五%、たとえば四社となりますと〇・〇二六ということで、資本金が高まるほどその割合が減っていくわけでございます。つまり、中小証券ほど自己売買によるところが大きいし、また差益も大きいということでございます。 そこで、有価証券取引税の負担がどうなっておるかと申しますと、自己売買だけ取り出しますと、確かに、規模が大きくなりますと売買益を超える有価証券取引税の負担を負っておるようでございます。こういうところは自己売買が非常に少ないわけでございますから、そこに大きな負担がかかってまいるということで、たとえば四社の場合ですと、自己売買の利益が十億で取引税が七十三億というようなことで、約七倍の税金を払っておりますが、四社以外の一億円未満の会員になりますと、その割合は一九%ぐらいということでございます。 しかしながら、全体として、証券会社の行いますディーラー業務と申しますか自己売買と申しますのは、株式の需給の出合いをつけるために行われるという面が多うございますし、その割合も比較的小さい、また足が非常に速いわけでございます。たしか一年に九回転ぐらいいたしておりますか、一般の投資家は二年何カ月に一回転というような割合でございますから、非常に足が速うございます。速くなっているところへ何回も何回も同じ税率をかけていくというわけにいきませんから、従前からいわゆる一種というものの税率は二種の四割ということになっておりましたが、今度は一種の株券につきましては動かさないということで、二種が万分の五十五をお願いたしますのに、一種の方は万分の十八という従前のままの負担という形で、その点の、いまお話しのような点につきましての配慮はいたしておるつもりでございます。
○正森委員 いま、自己現先についてもあるいは自己売買についてもいずれも配慮しておるという答弁があったのですが、しかし、私が思いますのに、やはりそれにしても、税制の体系として、有価証券の譲渡、つまりキャピタルゲインについては、個人の場合は五つぐらいの例外を除いて原則非課税であるということで、いわばその代替措置として有価証券取引税を流通税として課しておるという体系にはそろそろ限界が来ているのではないかという感を禁じ得ないわけであります。 それで、代替的な税であるということについては、必ずしも主税局としては同意されないかもしれませんけれども、資料を見てみますと、有価証券の流通に対する課税は、昭和十二年に行われた税制改正の一環として有価証券移転税法というのが制定されたわけですね。それから昭和二十五年にシャウプ勧告がございまして、有価証券譲渡に対しては全面的に課税するということになりましたが、占領が終わった直後である昭和二十八年に有価証券の譲渡所得に対する所得税を全廃して、そのかわりに有価証券取引税法が制定されたという経緯になっているわけであります。巷間、いろいろなものを読みましても、この税金は有価証券譲渡益つまりキャピタルゲインに課税されなくなったかわりのものであるというように書かれているものが大部分であります。 そこで、やはり証券会社にも影響が非常に大きく出てきておりますし、この税制は、もうかろうがもうかるまいが課されるもので、担税力があるからもうからなくたってしようがないじゃないかという考えでありますが、それにしても、そういうことを言われるなら、有価証券を譲渡することによって真実に利益を得たものに対しては、例外的な場合を除いて課税しないというようなやり方をいつまでもとっておるのは、そろそろ一考していいのじゃないかと思いますが、いかがですか。
○高橋(元)政府委員 昭和二十八年に現行の有価証券取引税法ができましたときの提案理由説明というのを読みますと、「政府は、今回有価証券の譲渡所得に対する課税を廃止することとしているのでありますが、有価証券の取引を行う者の担税力等に顧みまして、この機会において有価証券取引税を創設し、」云々となっております。この文書がややあいまいでありましたことから、いま正森委員からお話がありましたように代替税だという考え方が出てきておりまして、そういうことが書かれました本を私も読んだことがございます。 しかしながら、私どもは、たびたびお答えもしておりますが、これは代替税という考え方を持っておりません。有価証券移転税は買い手にかけておった税金でございます。有価証券取引税は売り手にかけておりますが、これは流通税でございますから、売り買いいずれにかけても取引当事者の間でどっちかにおっつけっこして税負担が決まっていくという考え方をとっておるわけでございまして、ヨーロッパの例を見ますと、大体買い手にかかっておる税金でございます。売り買い連帯とか買い手にかけている税金ということでございます。そういうことから、イギリスも買い手でございますし、売り手は日本だけでございます。そういう意味で、有価証券取引税が有価証券の譲渡の背後にある担税力に着目して、利益のあるなしにかかわらず概括的に薄く課税する流通税だということから、これは代替税という意味を持たないと私どもは思っておるわけです。 有価証券のキャピタルゲインにつきましては、二十八年に非課税にいたしましてから、三十六年でございますか、たびたびの改正を経まして、現在五つのケースに課税をしているようになっておりますが、私どもは、長い税制のこれからの検討の方向といたしまして、有価証券の個人の譲渡益につきましても、これは原則課税ということでいくべきであろうと思います。ただ、有価証券市場に与える影響、売買取引の把握の方法、それから、損ばかり出てきて、もうかっておる人にみんな課税できないと、かえって課税の不公平が起こるという点も考えまして、漸次段階的に課税の強化を図っていく、五十二年の中期答申でそういう方向が出されまして、その方向で五十四年にも一銘柄二十万株以上の売却を課税の対象にするという改正をして、段階的な強化の線の上におるということを申し上げておきたいと存じます。
○正森委員 いま主税局長が言われたことは、私も大体において承知しております。しかし、「この機会に」と言うから、代替ではないということなんでしょうけれども、それはやはりみんな、この機会にと言うと、かわりにだというように理解しているのですね。その一つの証拠にここに昭和二十七年に日本租税研究大会というのですか、第四回の大会の記録があるのですね。そこで東京証券業協会の常務理事の梅原穣という人が「株式課税についての考察」というので報告をしておるのです。なかなか意気軒高でいろいろなことを言っておられるのですが、その一部を読みますと、こう言っているのですね。これは昭和二十七年ですからまさに昭和二十八年の直前でありますが、どう言っているかと言いますと なお、株式の譲渡所得課税を廃止いたしますと、いままでのシャウプ税制のが廃止される直前ですね。 それに伴って、その税収の減少を防ぐ意味をもちまして、有価証券の移転税が復活するというようなことを昨今耳にいたしておるのでありますが、この移転税は証券が今日のように民主化されてまいりますと、証券の流通に対して昔以上に非常に阻害になるということも考えられます。また、これは徴税の手続がきわめて複雑でありますので、徴税事務費の騰貴致しております今日この課税の復活ということに対しては、私どもの立場からいたしますと、あまり賛成もできないのでありますが、しかしながら、わずかであるといたしましても、譲渡所得課税を廃止することによって生ずる税収減を補填するのだという意味からの復活であるといたしますれば、証券の流通を妨害しない程度の、ごく軽微なるところの移転税の税率復活をしていただきたい。少なくとも私どもは万分の三ぐらいの税率で十分ではないかと思うのであります。と申しますのは、譲渡所得というものは、従来は御承知のようにほとんど捕捉せられておらないのであります。現在捕捉せられている譲渡所得というものは、ほとんどが不動産の譲渡所得でありまして、株式の譲渡所得のごときは、いわゆる贈与等に伴うみなし譲渡所得以外のものはほとんどつかまっていないという実情であります。従いまして、そういうことから考えますと、その税収減の補填ということならば、いま申し上げます万分の三で十分ではないかと思うのであります。 云々……。こう言っているのですね。 これもずいぶん勝手な議論でありまして、どだいつかまってない税金のかわりだから税率は低く低くゼロに近くてもいいんじゃないかということでありまして、私はずいぶん昔のこういう記録を読んでおりまして、証券業協会の常務理事という者が公の席で発言している内容にしてはずいぶん不謹慎だなというように思うのですけれども、やはりこういうように理解されておったし、そして現在多くの学者の書いておるものも、その有価証券譲渡所得に対して課されていない一応のかわりとしてやはり課せられてきたというふうに思っているのですね。私はやはりこういう考え方をそろそろ払拭をして、キャピタルゲインにはやはりきちんと課税するというように移らなければいけないんじゃないかと思います。ただ、その前提として、現在主税局長が言われたように、五つの項目についてはキャピタルゲインについて課税しておりますということですが、それはおよそ年収どれだけ上げておりますか、御説明願いたいと思います。
○小幡政府委員 昭和五十四年分の有価証券の譲渡益につきましての申告状況につきまして実態調査をした結果を申し上げます。継続的取引による所得、これは五十回二十万株という所得税法施行令二十六条関係でございますが、これが七十三件ございます。それから第二番目に買い占めによる所得、所得税法施行令の二十七条関係でございますが、これはございません。それから第三番目に、同一銘柄二十万株以上の譲渡による所得、これは措置法の施行令二十五条の五、一項のものでございますが、これが八件ございます。それから第四番目に、特別報告銘柄二十万株以上売買したことによる所得、これは措置法の施行令二十五条の五の三項のものでございますが、これは該当はございません。それから第五番目に、事業等の譲渡に類似する所得、所得税法施行令の二十八条の関係のものでございますが、これが二百十一件というふうになっております。なお、昭和五十四年分の調査実績については、まだ取りまとめを終わっておりません。以上でございます。
○正森委員 いま件数だけが報告になったのですが、それによってどれだけ税収を上げておりますか、というのが私の質問です。
○小幡政府委員 そういう金額の集計はございません。
○正森委員 個人に対するキャピタルゲインの課税を徐々にふやしておるんだ、やるんだと言われましたけれども、中には五項目のうちゼロだというものもあるし、それからわずか八件だとかいうようなのもあるし、そんなもの、いやしくも日本という国全体の収入から見ればほとんど無視できるようなものなんですね。 私はここに文献を持っておりますけれども、河合信雄さんの「現代企業税制批判」というのですか、そこに引用されている内容ですけれども、こう書いてあるのですね。 有価証券譲渡所得が非課税とされた理由は、それまでの課税実績によれば、その所得の把握が困難で、ごく一部のまじめな申告に依存していたにすぎず(申告所得のうち有価証券の譲渡に係るものの割合はきわめて低く、昭和二十六年分において〇・二五%程度)、課税の公平を期しえない状態にあったこと、さらに調査の徹底を図れば証券市場に与える影響が大きいことを考慮し、税制上は不合理であるが、資本蓄積を急務とする当時の経済的要請から、健全な証券市場の育成を図るために、あえて行われたものであるとされる。 こういうことで、それは税制調査会の「当面の税制改正に関する答申」からの、どうも引用のようであります。当時でもとにもかくにも〇・二五%といってパーセンテージを出す程度のものは税収を上げていたのですね。ところが、現在では昭和二十八年に譲渡所得課税が廃止されてから徐々にふやしまして、特に昭和五十四年ですか、わが党の東中光雄議員がふざけておるじゃないかというので質問をして、同一銘柄二十万株以上というのは課税するということになったのでしょう。そのときに引用したのですが、船舶振興会の有名な笹川良一氏がある雑誌で放言したのは 株の売買は年間五〇回、二〇万株までとなっておる。両方超えたらあかん。たしかに二〇万株なんて、今どき商売にならん。しかし『注文伝票総括』ちゅうのがあって、(ひと口注文の)届け出をしておけば、ひと月に何回、一〇〇〇万株売り買いしても一回ということになる。それでいけば、月に一〇〇〇万株、年に一億二〇〇〇万株やっても回数を超えないでしょう。わたしら、そういう研究するから、ひっかからん こう言って、何ぼやっても税金がかからぬということを放言しているから、これはけしからぬじゃないかということになって、一銘柄二十万株以上あるいは二十万口以上はあかん、こうなったわけでしょう。それでどれぐらいその効果が上がったかといま聞いてみれば、もう数えるほどでしょう。それでどれだけ税収が上がったかと言ったら、もうこれだけ資料の完備している主税局や国税庁が恥ずかしくてもう小さい声で、それは一々とっておりませんと言わなければならぬぐらいの額なんですね。 〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕 恐らくほんのちょぼっとなんでしょう。そういうことを一方ではやりながら、一方では利子配当所得は総合課税だということになれば、グリーンカードというような手間の置けるものをつくって、どれを調べるかと言えば、課税対象になる大口の利子配当所得者を調べるのではなしに、マル優で課税してもらうのを勘弁してもらうものは全部届けろ、こういうことで税金を納めない人の手間をかけて、五千万人、六千万人に迷惑をかけるのでしょう。一方ではそういうことをやりながら、一方では担税力は大ありに大ありで、そして株の売買をやってりっぱに利益を得るという人間については、こういうことで野放しにするというようなことは、大臣、これはすこぶるよくないですね。それで、いま、たび重なって、二十八年以来改善してきた、改善してきたという意味のことを主税局長がおっしゃるから、まあおっしゃるだろうと思って、じゃどれぐらい税収を上げたんだというのを調べてきなさいと私が言ったら、もう声も小さく、答えられないという状況なんですね。 そして、そういうように不当な優遇をしながら——私は何も、有価証券取引税を取られる証券会社なり何なりを弁護するわけでも何でもないのですよ。わけではないけれども、利益があろうがなかろうが、流通税としてその取引があれば課していく、その税率を上げていくというのでは、本当にもうかっているキャピタルゲインの獲得者は、ウハウハ笑いがとまらないんじゃないですか、損したやつだって何だっておれのかわりに税金を負担しているわ、おれはもうけてと。 しかもこれだけ、何十兆あるいは二百何兆でしょう、というように売買されているのに、それで課税しなければならぬのがゼロだとか八件だとか七十三件だとか二百何十件だとか、そんなことないですよ。兜町へ行ってごらんなさい。何万回、何百万回とやっているでしょう。そういうことは大臣、ほっておいたんじゃ、そんなもの、所得税減税しろと言うのはあたりまえですよ。一般消費税反対と言うのはあたりまえですよ。 だから、行政改革か何かでぶった切るところはぶった切るというのはもちろん大事ですけれども、同時に、担税力があり、しかも、キャピタルゲインというのはもうけている者に課するのですから、キャピタルロスが出た場合にはそれは控除すればいいんで、きちっと調べればいいんですから。 だから、それをやらないで、ロスもあるからむずかしい、つかまえるのがむずかしいと言うけれども、株の売買なんというのは、地の底へもぐってなかなかできないのですから、大体は原則として証券取引所を通じてやるのですから、だから、証券会社に顧客名簿の提出を命ずるとかいろいろなことをやれば、そんなものは全部つかまるのです。 そうすれば株式市場が沈滞するとか、やれ投資しなくなるとか売買しなくなると言いますけれども、それだったらどうですか、国民はグリーンカードか何かで全部届けなければいかぬ、それで貯蓄がなくなりますか、やはり貯蓄はするでしょう。 しかも、そういうぐあいにやって、もうからないのに税金をかけられるというのじゃないのです。もうかったら税金を出してくださいというのがキャピタルゲインでしょう、有価証券課税でしょう。だから、その税額さえ妥当なものにして、税を払っても結構キャピタルゲインとして引き合うというものであれば、それはなさるのが当然であって、いま五項目ぐらいの是正措置をしたからそれで十分だなんていうようなことはとうてい言えないものであるというように私は思いますが、いかがですか。
○高橋(元)政府委員 私も先ほどのお答えの中で、現在の課税と非課税の関係で十分であると申し上げたつもりはないわけでございます。 総合課税の対象に取り入れるということは基本的な路線でありますが、その中で漸次段階的に強化を図っていきたい、その第一歩が五十四年の改正であるとお答えを申し上げたつもりでございます。今後もそういう線で工夫を重ねてまいりたいという考えでおります。
○正森委員 大蔵大臣、政治家として答えていただきたいのですよ。主税局長としては、最高位にあるとはいえやはり政治家じゃないですから、ああいうお答えは私はやむを得ないかと思いますけれども、しかし、漸次といったって、余り遅過ぎますね。牛歩もいいところで、五項目はあったけれども、ゼロだとか八件だったら笑い話にもならないですよ。それで漸次なんて言うなら、これは一般消費税も漸次やってほしいですな、百年先か二百年先に。だから、そういう点について、政治家としての大臣はどう思われますか。やはり公平でなければいかぬでしょう。
○渡辺国務大臣 これは本当にむずかしい問題なんですよ。もう株を十年も持っておった、持っておった株を売った、売って税金はかからない、それにしても、これは本当にキャピタルゲインかもしらない、あるいは譲渡所得かもしらない。ところが、一年に十回も二十回も百回もやって、いま言ったような何回かに分けてやるんじゃなくて、まとめてやって回数が少なかった、そのために課税が逃れられるということになれば、これはやはり問題ですね。 しかし一方において、株の大衆民主化、これも私は結構なことだと思うのです。そこのところで、金額で一年間に、ともかく株でもうけたものは、百万円とか二百万円とか、それは免除してやるよ、一般の人も株をやりなさいという、何かそういうことはできないかといって、実はぼくも多年研究しているのです。 ところがこれは、もうかったときは知らぬふりしてしまって、損したときばかり持ってくる、それで、ほかのものと引いてくれというような話になって非常にむずかしい、こう専門家が言うわけです。実際のところ私もそれ以上勉強している暇はないし、何かうまい手はないかと——実際それは正森さんの言うとおりなんです。それは私も、そういうふうなことを何かうまくつかまえられないか——税務署が証券会社へ入れば、それは調べられるのですよ。それは調べているケースはあるのです。もうみんな出しますから、架空名義なんというのはすぐばれてしまうんだ、税務署が行けば。現実にみんなばれている。これは、店員がわからない架空名義はわからないですよ、しゃべろと言ったって人がわからないんだから。一人の人が五人にも十人にも分けていれば、店員に聞けば大体ずらずらと出てきているのですよ。いままでも脱税とかなんかでつかまっているのはみんなそうだから、出ているんだから。 だから、それはそれでやれるんだろうけれども、もっと根本的にうまく何かできないかと思って研究しているのですが、いい案があったら共産党の方からも教えてもらって——私はその方向は決して否定していないのです、そうあるべきだと私も思っているんだから。 ただ問題は、どうしてやるかという技術論、これになると、いろいろなむずかしい問題があるようです。したがって、ここで、こうしてやりますということを断定できませんが、今後も御意見を拝聴して、社会的不公正を直すようには私も努力をいたします。
○正森委員 いい方法というのは、私どもが「国民のための財政百科」というのを今度出しましたが、それの百二十二ページに、顧客資料の提出を義務づけろ、そうすればどんずばりばっちり捕捉できるんだということを言っているわけですよ。
○渡辺国務大臣 いまやっているんじゃないですか。
○正森委員 いまやっていないのです。 ここにこう書いてあるのですけれども、今度は、グリーンカード制度ができまして、そして、預金をしようなんというときは全部そのグリーンカードをやらなければならないのですから、やはり株の関係の人も、貯金をする人は皆そういう手間をやるのだからということで、証券会社を通じていろいろやるときに、証券会社との合意でそういうことを義務づけるということは、決してできないことではないと思うのです。 それで、これは私どもの党の立場から言うとおかしいのかもしれませんけれども、このごろの証券業界の憂うべき現象は、キャピタルゲインが、個人は原則非課税だから、そうしたら個人の持っているお金が証券市場にどっと流れ込むかといったら、そうはなっていないのですね。税制上は有利になっているのに、個人はどんどんどんどん株から逃げているのです。そして資料によりますと、いまから二十年ぐらい前は、株の保有者のうち六〇%までは個人だったんですね。それがどんどんどんどん減りまして、現在では三〇%を割っているのですね。 それはなぜだろうかということを考えますと、きょう午前中にお見えになった谷村裕さん、あの方は非常に学のある方ですが、「株主勘定復活論」という本を書いておられるのですね。私どももいただきました。 それで、それを非常におもしろいから読んでみますと、株主勘定という字からして、大体資本勘定なんかになっているのがおかしいと言うのですね。これは株主のものなんだからという発想で書いておられるのですが、それの(その二)の冒頭に あなたは何を楽しみに株式投資をしていますかという問いに対しては、「配当が楽しみで」「増資が楽しみで」「値上がりが楽しみで」という三つの答えが返ってくるのが常だった。今から二十年ほど前、私が大蔵省で証券行政を担当していたころの話である。そのころは高度成長の時代だったから、企業はどんどん大きくなっていった。収益力の増加は株価の値上がりを呼び、それがまた増資を可能にした。増資は株主に対しての額面割り当てだったから、株主は五十円払込むだけでその数倍の時価の株を手にすることができた。配当もまた額面をもとにして考えることができたから結構いい利回りになった。 いまはどうだろう。三つの楽しみのうち残っているものといえばせいぜい「値上がりの楽しみ」ぐらいのものだが、すでに経済は低成長の時代である。みんなが値上がりを追えば、所詮ババヌキのような勝負ごとにならざるを得ない。いや、そういう需給相場で目先の値を追うのが楽しみなのだと言う人もいるだろうし、それをまた一概に否定するわけにもいくまいが、それが投資のすべてになってしまっては、流通市場は昔に逆戻りである。証券取引法のもとで、実物取引を中心とした流通市場が発足してから三十年経つ。いま証券市場は大きな転換点に立っていると思う。ここで途を誤れば、わが国の自由私企業体制はとんでもないことになってしまうような危機感をさえ私は持つ。 こう言っているのです。これは本当だと私は思うのです。私は株なんか余りやったことはないのですけれども、私のおやじは商売人ですから少しはやっていましたが、やはり配当の楽しみ、増資の楽しみ、値上がりの楽しみで、谷村さんは理事長さんだけあってやはりいいことを言うのです。本当にこれがなければ株をやる魅力というのはなくなるのです。ところが配当利回りはどうかといいますと、株の値段がずっと高くなるからこのごろは一・四%くらいだというのですね。そんなものは郵貯にしたって何にしたって、定額貯金なんかにすれば複利にすると最終的には一〇%を超えるというのでしょう。それが一・四%だ。増資はあるかというと、このごろ株主に額面で割り当てるなんということはやらないんですね、プレミアムつきで。だからちょっともうまみがないのです。そして、プレミアムつきでやってもこれは配当しないでもいい、会社の金だということでできるだけ配当しないようにして内部留保だけはしこたま高めるということだから、会社を支配している大株主や経営者はいいかもしれないけれども大衆はちょっとも恩恵にあずからないのです。だから自分の持っている株を売ると、その売った金は郵貯に持っていこうということで二度と株の方には帰ってこないのです。その割合がどんどん高くなっているのです。ですから、私新聞も持ってまいりましたけれども、そこで言われているのは株式市場というのはもう静かに死ぬよりほかしようがない、現在の資本主義は法人の法人のための資本主義になっておるということなのです。コミュニストである私が何も資本主義を守ってやろうと思ってこんなことを言っているのではないので、早く死んでくれた方がいいのかもしれないのですけれども、それでは証券局長も失業して困るだろうから。(笑声)いまある資本主義を前提とする限り余りひどいじゃないかということを問題提起として言っているわけで、これはよほど反省しなければいけないことじゃなかろうかというように思うのです。大臣、いかがですか。
○渡辺国務大臣 コミュニストの正森さんから資本主義の擁護論をぶってもらって私も本当にありがたく思っております。 これは、本当に私が常日ごろ考えていることと全く同じなんです。それはどこかにやはり狂いがあるんじゃないかという気が私はしまして、正直なところ株主が粗末にされ過ぎていますよ。ですから、配当控除があって当然なんだから。ただしかし、その別な面でおかしな操作があってそこで不公正があってはいけない、庶民大衆がもっと株を持てるようにしたらいい。大きな製造メーカーなんかで従業員割り当てというのをやっていまして、私も幾つも知っているが、その従業員は結構株を持っていますよ。余り売りませんな、ちゃんと自分が株を持っている。新聞社なんかもおもしろい。これは配当なんかないらしいけれども、新聞社はもうからないからね。新聞社なんかも社員とかが株を持たせてもらったり、やめるときには株を返していけとか、あそこらは資本主義かどうか知りませんが、いずれにしても、愛社精神がわくことも事実、商売もうまくいくと私は思うのです。日本の重役会というものが余り権限を持ち過ぎてしまって、それで勝手に重役の方で割り当てを株主に割り当てないで第三者割り当てをやるとか親引けをやるとか株主不在のことが多い。しかし、これについてはなるべく株主を優先的に考えろということで証券局長に対しましても、商法改正その他の問題とも絡んでおるのかもしれませんが、時価発行の問題については株主優先割り当て、プレミアムも株主に優先的に返還しろという方向でいま実際は行政指導をやり始めたのです。アメリカのようにまた株主ばかりが力が強いのもどうかと思うので、アメリカなんかで社会が落ちぶれたのは、資本主義が落ちぶれたのは、逆に言うと株主の利益追求だけで重役の力がない、目先の配当だけに追われる、したがって技術革新をやらない、したがって近代化がおくれる、日本に負ける、これもちょっとどうかと思う。したがって、いろいろな試行錯誤がありますが、あなたのおっしゃることは全く健全な資本主義社会を伸ばすために必要だから、私は今後真剣にもう少し勉強させてもらいます。場合によっては顧問になってもらってもいいと思う。(笑声)
○正森委員 大蔵大臣からそう余り期待されても困るのですけれども……。 そこで、私は、なぜこういうことが起こってきたかという原因はいろいろあると思いますが、その一つにシャウプ税制勧告の考え方というのから非常に離れてきた点にもあると思うのです。私は何もシャウプ税制勧告がいいとは言えません。ドッジ氏の勧告と一緒にあのころは非常に中小企業に対する苛斂誅求になったというような経緯を持っておりますので全面的に肯定するわけでも何でもありませんが、そこで言われていることのうち、大企業や資産家が自分に都合のいいところだけは有利に活用して自分に都合の悪いところだけはどんどん変えてしまった。そして全体としての体系を崩してしまったということの中にも一つの原因があるように思うのです。 それでシャウプ勧告の少し関係のある部分を読んでみますと、こう言っているのです。 ここにわれわれが勧告しているのは、税制、タックスシステムであって、相互に関連のない多くの別個の措置ではない。一切の重要な勧告事項および細かい勧告事項の多くは、相互に関連をもっている。もし重要な勧告事項の一部が排除されるとすれば、他の部分は、その結果価値を減じ、場合によっては有害なものとなろう。したがって、われわれは勧告の一部のみを取り入れることに伴う結果については責任を負わない。たとえば、われわれは国税たる所得税および法人税において法人所得の二重課税を避け、同時に恒久的脱税を防止する税制を立案した。この制度のうちでも精髄をなす部分はキャピタル・ゲインの全額課税とキャピタル・ロスの全額控除である。こう言っているのです。つまり二重課税は排除してやるけれども、それが本当に税制上統一的なものとしてできるためには、いざ売ったときにキャピタルゲインに課税するというのでなければ二重課税排除なんかやるというのはしり抜けになってしまうんだ、こう言っているのです。あたりまえの話なんですね。ところが、二十八年以降はまさにその精髄をなす部分を抜いてしまったわけでしょう。だから、どういうことが起こるかといいますと、結局キャピタルゲインに課税しませんから、そこでいろいろ弊害が起こりますが、私が言いました幾つかの本の中で一つ起こってくる矛盾として挙げているのを見ますと、結局株主に対して配当として利益が分配されますと、そこに対しては二重課税排除が行われるかどうか知らないけれども、所得税は課せられるのですね。ところが、未配の利潤部分は社内留保になるでしょう。その社内留保については課税が完結しないままずっと残っていくのですね。しかも主税局長はよく御存じでしょうけれども、いまや法人の持っております株式のうち個人に渡っているのは三割ですね、七割が法人の持ち合いになっているのです。それに対しては受取配当益金不算入でしょう。そして税金はかからない。内部に留保をされているものは、これは外へ出ない。それは清算でもすれば出ると言うかもしれないけれども、新日鉄やら日立製作所やらが清算するかといったらしないですね。そこの重役から聞いたんでは、日本は滅びても日本製鉄は滅びないなんて言うているぐらいですから、だから清算なんかしっこない。それで一方、途中で持っている株を売ってくれれば、そのときには個人に対してキャピタルゲインで課税がいくかというと課税はない。こうなっておれば、未配の利潤部分については、これは課税が完結されないままでずっと内部留保で利用できるということになるわけですね。そうなるとどういうことになるかというと、通常の法人税率というのは個人所得税の最低税率よりは高いわけですね。だから庶民にとってはこれは非常に損だけれども、最高税率を受けるような高額所得者にとっては、法人税で先取りされておるといったって本来より少ないわけですから、だからその分だけ税金もかからずただでずいぶん金を使うことができるということになっているわけですね。そしてそういう結果、内部留保されたものがあるから株の値段が上がるわけでしょう、実質よりも値打ちがあるということで。それで、その実質より値打ちがあるというので高額所得者が株を売りましてキャピタルゲインを得る、それに課税されるなら公平ですよ。それに課税されないでおれのものになってしまうということだから、その部分は非常に不公平な税制のまま放置されるということになるわけですね。ですから、シャウプ税制が、キャピタルゲインに課税が行われるということが、これが私の勧告の精髄であると言っているのは、ある意味では本当だというように言わなければならぬと思うのですね。それは大臣だって当然の理屈ですからそのとおりだと思われるでしょう。 そこで、シャウプは最後の方でこう言うているのですね。 個人所得税および法人税に対するわれわれの勧告は、キャピタル・ゲインの全額課税、キャピタル・ロスの全額控除ということに基づいている。もしキャピタル・ゲインの全面課税およびキャピタル・ロスの全額控除がとり入れられないとしたら、われわれは法人税の軽減をはるかに縮小し、法人のおこなうあらゆる種類の分配に対して所得税の取扱いをはるかに峻厳なものとするように勧告するであろう。さらにその他いくつかの制限を勧告しなければならぬが、そのように制限してみてもえられる純効果としては一層不公平な税制となってしまうであろう。キャピタル・ゲインの全額課税、キャピタル・ロスの全額控除こそはわれわれの勧告のうちで最も強調されているところなのである。 こう言って締めくくっているのですね。 だからいまのようにキャピタルゲインを事実上放置して、私がどれだけ税収を上げているか報告してみなさいと言うても答えられもしないというような状況のもとでは、ここで言うているように、法人税についてもっと峻厳な態度をとらなければならぬと当然になるのですね。それこそ不公平税制の是正なんですね。それをやらないで、一般消費税で間接税の比重をふやして、ちっとは出してもらうのもええんじゃなかろうかと思うておるとかいうようなことを大蔵大臣に言うてもらったんでは、これは庶民としては納得できない。これは理の当然なんですね。だからもし私を顧問に採用されるなら、やはりこういう意見をこそ聞いてもらわなければいかぬですね。それならまたわれわれも党中央に諮って、顧問になるかどうかひとつ考えてもいいと思うのですね。(笑声) これで質問を終わります。答えてください。
○渡辺国務大臣 きょうは大変参考になる話を聞かしてもらって……。確かに税制の改正というようなものが趣旨一貫しないで都合のいいときだけのつまみ食いをしたきらいはなきにしもあらず。しかし、現実の経済の実態というものが課税の公平だけで貫けばそれはシャウプさんの言うとおりと私は思うのです。それがいろいろな日本の産業界の問題で、日本の産業を振興させる上において不都合になる部分もあるいはあったかもわからない。それは時代の要請でそれが便益的に流れたために税制がゆがんだという点もあるかもしれない。その調和をどこにとっていくか。公正だけで貫いて産業のことは別に後回し、公正であればいいというだけならそれも一つの考え方ですね。だから日本は昭和二十七、八年から現在まで、これまでになる間の過程で、あるいは税法の筋を曲げたという部分も私はなきにしもあらずだと思う。だからそれらの相関関係がありますから、もとのとおりにぴちっと戻せるかどうかわかりませんが、少し行き過ぎの点もあるのじゃないか。そこらも含めまして、今後のいろいろな日本のあるべき姿というものも考えて中長期的観点でこれは一遍見直す時期が来ておると考えます。
○綿貫委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 財政再建のために渡辺大蔵大臣大変御健闘で敬意を表します。それに関連してひとつ本論に入る前に、要望というか質問等あるわけですが、それは行政改革の問題です。行政改革を思い切ってやれ、またやれば増税しないで済むではないかとかあるいは少なくとも増税の額が半分になるではないか、いろいろな御意見がございます。いずれにいたしましても、中曽根さんが非常に真剣に取り組んでおられることはわれわれも了承しております。役に立たなくなった法律を三百件廃止するとか窓口のサービスをよくするということももちろん大事でありますから、それは一つも否定しませんけれども、現下の財政再建の重要課題から見るならば、要するに行政改革によって何兆円、何千億円、何百億円の支出をあるいは経費を節減して財政に具体的に寄与、貢献するか、こういうことでなければ私は意味がないと思うわけですね。そういう意味で、熱心にやっておられることはそれぞれ必要でありますし敬意を表しますが、財政再建にはたとえば来年度の予算編成については金額においてどの程度の役に立つのかということについて見通しがあるのかないのか。また大蔵大臣の方からは少なくとも一兆円はひとつひねり出してちょうだいということで具体的な要望をされていくのか。そういう点についてのお考えをひとつ承っておきたい。
○渡辺国務大臣 先生の言うのは五十七年度のことか五十六年度のことかよくわからぬですが、ともかく五十六年度におきましてもできるだけ行政の改革をしなければならぬということで、われわれも行管と一緒になっていろいろ工夫をいたしました。したがって行管の試算によりますと、五十六年度の予算で約四千五百七十億円程度の節減効果をもたらしておる。この主なる内訳は、要するに補助金の整理合理化で千六百八十八億円、あるいは特殊法人からの国庫納付で千九百九十億円というようなものや、いろいろ集めましてその程度の効果をもたらしておる。しかしながら、それに対しては足りないというのが皆さん一般のいままでの声なんです。野党の修正要求にもございますが。ただそれじゃどこをどういうふうに切るのかということになると、そこのところが具体性がどうも余りよくわからない。したがって、具体的に行政整理をやるとすればどこで何名どこの省を減らす、どの補助金を具体的に切るという御指示をいただけるとわれわれも一層勇気づくのですが、そこらのところの問題だとこれからは思います。
○竹本委員 来年度についてはまだ全然そういう問題については、具体的な構想なり要求なりというものは考えられませんか。
○渡辺国務大臣 五十七年度……。
○竹本委員 五十六年度ですね——いまのが五十六年か。
○渡辺国務大臣 ええ。
○竹本委員 ではそれで結構です。 いずれにいたしましても、金額の問題は大変むずかしい問題ですけれども、いま考えられておる数字というものはわれわれから言うと非常に少ない。と申しますのは、ずっと前、三十九年でしたか、第一次の行革で考えられた数字、あるいは太田さんがいろいろ言っているような数字等から比較してみてもちょっとけたが違い過ぎる。そういう意味において、もう少し大幅な削減効果を上げてもらいたいと、われわれ要望する意味でそのことをもうちょっと強く、もっと数字を具体的に大きくすることができないかという点、もちろん総論賛成、各論反対が多いからむずかしいこともよくわかりますけれども、とにかく財政再建に増税、あるいは増税以前に行革が大きな役割りを果たしてもらいたいと思いますので、そのことをちょっと大臣にお伺いいたします。
○渡辺国務大臣 それはもう避けて通れない問題で、私は柳の下にドジョウはいないよと言っているのです。今回はこういうような既存の税制で、洗いざらいみんな動員をして、何とか当然増あてがうことができたが、来年また同じような状況のもとではむずかしいのじゃないか。したがって国会が終わり次第、来年の概算要求を前にしてもう一遍徹底的に経費の見直し、つまり制度の見直し、これから言う見直しというのは法律に絡んでおる制度ですが、そういうような法律制度の見直しというものも含めてサマーレビューをやらなければならぬ。そういう点においても、野党の皆さんからも具体的にこれをやめたらどうだということを、政党が違いますから、どこかの政党みたく軍事予算を七千億切れと言われましても、これは具体性がありますが、ちょっとそれはわれわれものめないものもあります。ありますが、そういうふうな具体的な問題も出していただけば、そこで大いに議論ができて、一緒になって行財政の改革ができる、私はそう思っておるわけです。
○竹本委員 私が申し上げている点は、とにかく見直しを具体的な数字にまで凝集させなければ意味がありませんということで言っているのですから、ひとつ御健闘を祈っておきます。 次に、直接税、間接税の比率が七〇対三〇ということがよく言われておるわけですけれども、それらとの関連において、先ほど来御議論がありましたように、一般消費税の問題については、国会の決議もございましてなかなかむずかしいと思いますが、最近一部では、一般消費税がだめになったのでひとつ庫出し税でいったらどうか、こういう意見があるやに伺っておるのですけれども、庫出し税というものは、まず第一にサービス部門がのけられてしまう。そのほか医療品だとか食料品だとかいうものも考えなければならぬということになると思うので、いま必要とする財政再建の面から考えますと、庫出し税が問題にならぬとは申しませんけれども、一般消費税にかわって大きな役割りを果たすと期待することは大変誤解を招くし無理であると思いますが、大蔵当局としては、庫出し税というものはこの際十分検討して、場合によっては一般消費税にかわり得るものであるというところまでの期待を持っておられるか、いないか、その辺を伺っておきたい。
○高橋(元)政府委員 これは新しい形の課税ベースの広い間接税をどういうふうに検討を進めるかということとの関連がございます。その問題は後ほど大臣からお話があると思いますが、いまお尋ねのございました庫出し税、これは製造者消費税ということだと思います。カナダが現実にそういう立法を持っておるのですが、これの問題かと思いますのは、製造者が売りますものの中で再び製造者の原料になるものがかなりあるわけでございます。私どもが流通の統計から推察をいたしますと、六割ぐらいはもう一遍製造者に戻っていってしまうだろうと思います。そうなりますと、一体どの段階でどういう形になったときに課税するか。つまり私の言葉で言えばネガリストが非常に大きくなるわけでございます。ネガリストが非常に大きくなりますと、納税者の方は課税、非課税の判定をするのが容易でない。またそれを簡略にいたしますと二重課税が起こるというような問題があるようでございます。私ども現在カナダの実情を勉強いたしておりますが、現実に執行に移しますとなかなかむずかしい問題がある。消費税というのは従来の考え方では物税である。物を売っていく税金という意味で物税と申し上げるのですが、物税という形で執行しておりましたので、物の出入り、受け払いということをかなり厳格に要求したわけでございますから、それに非常に大きなネガリストがついて納税義務者がふえるということになりますと、いろいろな問題が出てまいることは容易に想像されます。 それからもう一つは、税収がどうなるかというお尋ねでございますけれども、非常にラフにやってみた程度で恐縮でございますが、大きく見積もって、かつて五十三年に税制調査会から出しましたときの一般消費税(仮称)の四割かと思います。それは卸、小売のマージンなり、それからもう一つはサービスが課税対象にならない、こういうことから大体四割程度か、大きく見積もってそんなものであろうかと思います。
○竹本委員 私が言うのは、いま主税局長の御答弁にいろいろありましたが、そういうような技術的な困難性と、それから収入の面における期待の量が大したことがないという面と、両方合わせて一部にはこれで今度はいくんだというような過大な期待を持たせるような言説もあるが、そういうものは真っ正面から取り組むだけの値打ちがないというか、少しでも欲しいからということで検討するということになればまたそういう考え方もあり得ますけれども、いま財政再建ということで、これも野党と与党とではどれだけ要調整額が要るかという問題については議論がありますけれども、おおむね常識的に考えまして、一般消費税が言われたときの三兆円なら三兆円といったような収入を前提に考えると、庫出し税、製造者消費税というようなものは、この段階でそう真剣に取り組むには値しないと私は思うのだけれども、しかし、いかにもそれで代案ができたように言ったり宣伝したりすることも一部にありますから、その辺を明確にしておいた方が、国民に無用な混乱を招かないでいいのではないかと思うので、もう一遍念を押しておきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 課税ベースの広い間接税ということが税調の答申に、昨年の十一月に出てきておるわけでございますが、これは製造段階、卸段階、小売段階、また全段階税額控除で、すべての段階で課税するいわゆる付加価値税型、それから全段階で累積して課する取引高税型、五つあると思います。どういう具体的な形を得るのが果たしてそういう大型の間接税というものを導入することが政治的な答えとして出てまいるのか、私どもそこまではお答えする力を持っておりませんけれども、税制調査会の答申を受けて検討してまいる場合に、そういう諸点が、その五つの類型がそれぞれ対象に含められるということは申し上げられると思いますが、税収的に申せば、その中で一番源泉にさかのぼればさかのぼるほど、つまり製造者段階にさかのぼるほど上げ得る税収は小さくなる、累積の可能性も大きくなるということはあろうと思いますが、一方で納税者の数が少なくなる、課税捕捉がよりやりやすくなるというメリットもないわけではない、その辺を彼此勘案して税制調査会としては検討を進められることになろうと思います。
○竹本委員 次には物品税の問題ですけれども、今度物品税がずいぶん課税対象も広げられました。率は五%から三〇%ですか、そういう幅を余り大きく持たせないで、ある意味においてはもう少し低い方へ交通整理をして、そのかわりに課税対象を、すそ野を広くすることによって大きく収入をかせぐ方法があるのかないのか、その辺の物品税のすそ野を広げることが、これも大変事務的にむずかしいのじゃないかと私想像するわけですけれども、専門家の立場から、これをもっと広げることによってもっと多くの収入を期待するということは可能であるかないかという点についての事務当局の専門的な御意見を承っておきたい。
○高橋(元)政府委員 これもあくまで技術的なお答えで恐縮でございますが、物品税は個別のものを選んでかけていく税金でございますから、したがって課税されるものと課税されないものの間の、学問的に言いますと代替ということが起こるわけであります。そういう意味で経済の中立性ということが非常に問題になってぐる。 広げてまいりますといたしまして、現在の課税物品の選び方が、たびたびお答えいたしておりますように、高価な便益品でございますとか趣味・娯楽品、奢侈品というようなことにとどまっております限りは、税制調査会の答申にもありますように、余り課税範囲を大きく広げるということはむずかしいであろうと思います。そうなりますと、昨年の中期答申にありますように、考え方を変えて、たとえば業務用品とかそういうようなものにまで課税の範囲を広げていくかどうかという問題があるわけでございますが、そうやってまいります場合に、資本財課税または重複課税ということがどうしても起こってまいります。課税回避のための企業の垂直的統合でございますとかいろいろな問題が生じてまいりますことは、これは従来の消費税の検討の際にも問題になったことでございます。それと、広く家計の最終消費支出、現在百十六兆ばかり五十五年にあるわけでございますが、その中身を見ていきますと、食べ物、食品、飲料、たばこで三十兆、衣類、履物で八兆円、家賃、水道光熱費で二十一兆円、こういうふうになっております。それからまた医療保健というようなサービスが十二兆円、交通通信というサービスが十兆円、レクリエーション、娯楽、教育、文化サービスというものが十兆円でございます。 そういうふうに考えてまいりますと、物、物品にかけていくという形の消費税を広げていくこと自身に非常にむずかしい問題がありますと同時に、いまの物品税が持っております、いわば食べ物とか繊維製品を初めとする着物に課税しない、また家賃とか交通費とか医療保健というようなサービスに課税しないという考え方でございますと、物品税を拡充していく場合に、かなり物としてとらえても家計の消費の実態に必ずしもそぐわないという面があるのではなかろうかというようなことを、まあ大変とりとめもなく申し上げましたが、考えられる問題点かと思います。
○竹本委員 次へ参りますが、今度の印紙税の問題ですけれども、これはもともと中小企業にとって非常な負担であるとよく言われる点でございますけれども、今回の増税の場合に、印紙税の問題については中小企業のために特にどういう配慮が行われたかという点をひとつ伺っておきたい。
○高橋(元)政府委員 印紙税は、大体売り上げというものに関連して作成される文書が大きいわけでございます。そのほかの金融取引も含めて広く経済取引と申し上げた方がよろしいかと思いますが、それに関して作成される文書でございますから、取引高にほぼ比例して税負担が起こっておるということかと思います。大企業、中小企業、総取引高の統計からいたしますとほぼ相半ばしておるということでございますが、今回の改正で申し上げますと、預貯金の通帳でございますとか預貯金の証書、社債、信託の受益証券、保険証券、こういうものはいわゆる大企業の負担でございます。それから階級定額税率の最高価格帯の見直しをして約百億円弱の増収を図っておるということを申し上げたわけですが、そういう高額取引の負担というものは印紙税としては大企業の方に影響してまいるというふうに考えます。 そこで今回、定額、それから階級定額、両方を含めまして二倍に引き上げさしていただいて、かつ作成される文書の実態に応じまして免税点は今回さわらないという改正をいたしておりますが、今回の改正によりまして、いま申し上げたような次第で、中小企業に特に強いインパクトがあるということはないというように考えておる次第でございます。
○竹本委員 余り議論をやる時間がありませんから、もう一つ有価証券取引税の問題について……。 先ほど、キャピタルロスはどうだ、キャピタルゲインはどうだと、いろいろ熱心な御議論、参考になりましたが、私はここで二つの問題をひとつ考えてみたいと思うのです。 一つは直間比率の問題で、先ほど一口申しましたが、日本では直接税が非常に多過ぎる、パーセンテージが七割だと言われるこの問題を、日本の税制が所得税中心にある意味においての近代化が進んでおるというふうに受けとめるのか、あるいはそうでないような形において、非常にアンバランスになり過ぎたというふうに受けとめるか、一つの考え方の根本の問題ですけれども、私は必ずしも直接税中心主義というものが行き過ぎだとか悪いとかいうふうに思わない。ある意味で所得税、直接税が中心になっておるということはむしろ近代的に進んでおる面もあるというふうに思うのですけれども、大蔵当局としては直接税中心主義的ないまのあり方をどう評価されておるか。また、これを改めるという御議論もあるわけですけれども、改めるとすればどの辺をもってバランスのとれたものと考えられるのか、その辺だけをちょっと伺いたい。
○高橋(元)政府委員 わが国は直接税が七一%、間接税が二九%、これが五十六年の現状でございます。その七一%というのは、もう少し細かく申しますと、所得税が四〇%で法人税が三〇%でございます。法人税の税収に占める割合が三〇%に達しておるというのは先進国の中では日本が最高でございます。アメリカが二二、三%でございましょうか、その他の国は大体一割というのが法人税でございますから、日本の直接税の割合が非常に大きいということは、いわば法人税が非常に大きいということでもあろうかと思います。 そういうことと、もう一つ、日本の間接税が、これは特定の商品を課税対象にしておりますために、だんだん時がたつとともに税収のウエートを失っていく、そういう性格を持っております。昭和三十五年から五十五年まで二十年の間に、当時の間接税率で、当時の間接税の負担割合で、当時の間接税の課税対象の品目の割合というものが固定したとしたならば、消費支出に対していまよりも四ポイントぐらい、いまの間接税制でも多かっただろう、それが従量税でございますとか、酒というようなわりあいと消費支出弾力性の低いものを課税対象にしておりますとか、そういうことで減ってまいって、そこで現在個別消費税制のもとでは、申し上げているように二九%が間接税ということになってきておるわけでございます。いろいろ税制調査会でも、間接税というものが税体系の上で持っておるそれなりのといいますか、かなり重要な機能なり役割りにかんがみまして、その維持充実ということを図っていかなければならぬ、そうなりますと従価税というものも検討の対象に入れていかねばならないし、課税範囲も見直していかねばならない、こういう御指摘をいただいて、今回の税制改正もそういう趣旨を盛り込んで御審議をお願いいたしておるわけでございますが、しからば直間の割合が幾らであればよろしいかということは、これは固有の割合というものはないと思うのでございますね。これは民族、風土、経済、それぞれの表現でございますし、沿革の所産でもございますから、いま申し上げたように非常に法人税が大きい、しかし反面で間接税がほっておくと次第次第に小さくなってしまうという性質を持っておる、それをどういうふうに工夫をしていくかということがこれからの税制の問題だと思います。非常に事務的なことで恐縮でございますけれども、私はそういうふうにお答えをさしていただいて、もし必要がございますれば大臣から大きな問題としてお答えいただきたいと思います。
○竹本委員 これはひとつ大臣に伺いたいのですが、日本の高度成長は、よく言われるように、低金利と間接金融だということでいままでやってまいりました。ところが、これがいままでどおりにこれからもいくかというと必ずしもそうでない。そういう意味から言いまして、自己資本を充実させることの方にもっと力を入れないと、経済変動に対する対応力も弱くなるし、経営の健全性から言っても問題が出てくる、いろいろな意味でもう少し自己資本を充実するということと、いわゆる間接金融にばかり依存するということは妥当でもないし可能性も少なくなりつつあると思いますが、その点についてはどういうふうにお考えであるか伺いたい。
○渡辺国務大臣 私は、これから限られた資源の中で人間が生存をするということになってくると、どうしてもいままでのような高度経済成長一本やりという形でなくて、安定的な成長ということになるのではないか、そうなってまいりますと、ただ合理主義、生産性向上だけではなかなかうまくいかないのではないかという気がするのです。そういうような点から、社会制度の安定という意味においても勤労者、特に従業員がその会社の株をたくさん持つということは奨励すべきものであって、だんだんそういうふうにしなければいかぬのではないか。そういう場合においては私はいままでと少し発想を変える必要がある、そう思っておるわけであります。 先ほど正森さんとの応答の中にもあったわけですが、シャウプ税制というのは公平の原則というものを一つの柱として貫いてありますから徹底しているわけですけれども、しかしそれは産業政策という面でいろいろ問題があって、どちらを優先するかということで税制の継ぎはぎが行われた。そこでゆがんだじゃないかという主張は私はあると思うのですよ。だけれども、そこらのものも全部含めて、今後の経済政策という大きなものの中で検討していく必要がある。そのためには、その一つとして、要するに自己資本を充実させることも必要だし、どういう形で充足するのか、自己資本といっても、法人間の持ち合いみたいな自己資本を言ってもいかがなものでありましょうか。やはり自己資本の充実と言うからには法人同士の持ち合いの充実ではなくして、個人株主をふやしていく、そのためには個人株主が冷遇されておってふえるわけはないのだから、優遇される道を講じなければならない、そのためには不公平もなくさなければならない、これはいろいろむずかしい問題があるのですよ。だからそこらの点は一貫して是正をすることも必要だろう。これは来年、再来年の問題とは言い切れませんが、今後の方向としては大きな問題だろうと思っています。
○竹本委員 時間がなくなりましたが、せっかく証券局長と銀行局長がいらっしゃいますから、きわめて簡単に伺います。 先ほど正森さんの方でいろいろ議論がありましたが、株主になる喜びとか楽しみというものがだんだんなくなっていくという話が出ました。そういうこととあわせて、今度の有価証券取引税の引き上げがその自己資本を充実させるということにプラスかマイナスかという問題についてのお考えを承りたい。それが一つ。 これはどなたの所管になるかわかりませんが、最近はそういうことは言われなくなりましたけれども、資産の再評価をやるという形によって、いまの持ち合いとか何かじゃなくて、自己資本もある程度、一四%か一五%のものが大きくふえるではないかということがよく言われましたけれども、最近においてもその問題は一体どうなっておるのかという点を伺いたい。 それからもう一つ、銀行局長に、間接金融でこれからいくと言っても、実際問題として銀行の地盤沈下ということもあって、私はなかなかむずかしいと思うのですね。そこで銀行局長には銀行の地盤沈下とは何を言っているのか、またいかなる理由によるものか、そうした中で国債の消化もしなければならない、いろいろ問題があります、そういう状況の中でこれからの銀行がいままでのように貸し出しでどんどんやれるということが可能であるかどうかということについての見通しを伺って終わりにしたいと思うのです。
○吉本(宏)政府委員 有価証券取引税の増税の問題でございますが、証券市場の立場から申しますと、税率の引き上げはやはりデメリットだというふうに申し上げざるを得ないと思います。ただ、今回の改正案では、特に国債の税率を据え置くとか証券会社の自己売買分を据え置くということでかなり配慮をしていただいておりまして、私どもとして流通市場に特に大きな影響を与えるというふうには考えておりません。 自己資本の充実をどうするのかという問題でございますが、これはかねてからの私どものいわば中心的な課題でございまして、これをどうやって実現していくかということは私ども常々考えているところであります。やはり増資、資本の供給をふやすことが基本でございますので、時価発行増資のほかに最近私どもとしては、額面発行と時価発行との中間の中間発行というようなものも考えたらどうかというようなことを言っております。また転換社債、これはいずれ株になるわけでございまして、こういったことで株式の供給を何とかふやしていきたいというふうに考えているわけであります。 それから資産の再評価の問題でございますが、これは私ども現在特に検討しておりません。と申しますのは土地の問題、地価、これをどう考えるかというかなりむずかしい問題がございまして、現在のところ特に再評価については検討いたしておりません。
○米里政府委員 銀行の地盤沈下の問題でございますが、これは申し上げていると非常に長くなる可能性がございますので、ごく簡単に申し上げたいと思います。 地盤沈下といいますと、一つは資金量の伸び悩みという問題、もう一つは収益力の悪化という問題、大きくこの二つに分けられようかと思います。 資金量が伸び悩んでおります構造的な要因というのは、やはり成長パターンが変わって、マクロの視野から見ますと金融活動もかつてほど活発に行われなくなったということが最大の要因かと思います。短期的と申しますか、その他の特殊の要因としては郵貯の急伸ということも挙げられようかと思います。 収益力が次第に衰えてまいった、悪化してまいったことの最大の理由は、私は、これも金融緩和期が非常に長く続くようになったことであろうかと思います。第一次石油ショック以後、金融緩和期に比べまして金融引き締め期というのは非常に短期になっておる。金融緩和時代が続きますと、どうしても金融機関の利ざやは悪化してくるという傾向がございます。その他に、企業の資金需要というものと公共部門、個人部門の資金需要というもののウエートが変わってまいったこと、それから個人の金利選好というものが非常に強くなってまいったこと、及び特殊要因としては国債の評価損、売却損、こういったもろもろの理由からの収益の悪化だと思います。 こういう事態に対処いたしまして金融機関としてどうすべきかということでございますけれども、こういった構造的な要因というのは一朝一夕に変わる、一過性であるという性質のものではないのではないかというふうに私は考えておりまして、そういった場合の金融機関のあり方としては、やはり基本的には経営の効率化ということを中心にいたしまして、同時に、単なる量的拡大の競争でなしに、金融機関がそれぞれ個性を持った経営で国民経済的にサービスしていくことが基本であろうかと思います。 以上、簡単でございますが、時間の関係もございますのでお答えいたします。
○竹本委員 以上で終わります。
○綿貫委員長 柿澤弘治君。
○柿澤委員 物品税法の一部を改正する法律案外二法案の質疑をいたしたいと思いますが、それに先立って、いま問題になっております点を関連して二つほどお聞きしたいと思います。 一つは、電電公社の五十五年度の年末のいわゆるやみ手当といいますか、超勤の一律支給とも言われておりますけれども、それについて政府も認める方針であるということが先週の末に伝えられております。この点についてはたしか会計検査院等も不当事項として指摘したことでもあり、完全に実施を撤回するというのが本来のやり方ではないかと思いますが、その点について、まず実態を郵政省の方からお伺いしたいと思います。
○吉高説明員 御質問の点につきましてお答え申し上げます。 本日の朝刊で御案内のように、電電公社におきましては昨日労使間において、基準内給与の〇・三七七月分支給することを合意したようでございます。私どもも昨日報告を受けたところでございます。 郵政省といたしましては、公社職員の給与は労使間の団体交渉において適切に処理すべきものであるというふうに考えておるわけでございますが、公社は公共部門の一つでもございますし、また公社事業の公共性、独占性という性格から、公社当局として節度を持って対処することを期待してきておりました。今回の決定につきまして他との均衡など議論のあるところもあろうかと存じますけれども、公社当局といたしましては、従来の経緯、あわせて事業運営の円滑化等を総合的に勘案して結論を得たものだと承知いたしております。
○柿澤委員 そうしますと、従来時間外手当の一律支給という形でやっていたと聞いておりますけれども、五十五年度についてはどういう名目になっているわけですか。
○吉高説明員 五十五年度につきましては、原資は基準外給与を寄せ集めたということかと思いますが……(柿澤委員「基準外ですか基準内ですか」と呼ぶ)基準外給与です。まあ名目は一時金と申しますか、そういう形で合意に達したと承知いたしております。
○柿澤委員 どういう名目で出しているわけですか、何手当ということになるのでしょうか。
○吉高説明員 年度末に参っておりますが、そのために、公社の全体の予算をにらみまして一時金と称しております。
○柿澤委員 年度末の手当については各公社原則として一律であって、業績等によって前後〇・二の差を設けることができるというように私承知しておりますが、そうだったでしょうか。
○矢崎(新)政府委員 御指摘のとおり三公社につきましては、現在の予算におきましては国家公務員の四・九カ月よりも〇・二カ月少ない四・七カ月を計上いたしておりまして、そのほかに年度末に業績手当として、予算に対する収入の増加あるいは支出面での経費の節減等があった場合にその一部を業績手当として支給する、こういう仕組みをとっているのは御指摘のとおりでございます。
○柿澤委員 そうしますと、公務員に比べて〇・二多い部分までは一応容認できるという感じになるわけですか。いまの〇・三七七というのはそれを上回る額になると思うのですけれども、それとの関係はどうなんでしょうか。
○矢崎(新)政府委員 昨年度の五十四年度の例で申しますと、電電公社の場合は御指摘のように業績手当が〇・四ということで決定をいたしておりますから、そうしますと足しまして五・一になって、昨年の場合は〇・二多いという結果になっていたわけでございます。それで、今年の場合に業績手当がどのようなことになるか、これは現在まだ未調整でございまして決まっていないわけでございますが、ただいまお話しの〇・三七七と言われているものは、ただいま申し上げました業績手当の話とは別のものではないかというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○柿澤委員 郵政省の方もそうですが。これは別のものですか。
○吉高説明員 業績手当については今後のことになっておりますので、別のものだと理解しております。
○柿澤委員 そうすると、業績手当については前年並みということはないと考えてよろしいですか。
○吉高説明員 これは今後のことでして、ちょっといまお答えいたしかねます。
○柿澤委員 電電公社等が労使の協調路線の中で生産性を向上しようという努力をしておられることについては、私は評価していいと思うわけです。しかし、それが年度末手当の一律支給というような形で会計検査院からも指摘されるような方式で行われるのがいいのかどうか、その点については問題があろうかと思うわけです。業績手当については上下の〇・二の弾力性というものを設けているわけですから、その範囲の中でやることであれば問題ないと思いますけれども、それ以上のことをやる権限といいますか弾力性というものはいまの公社に与えられているのだろうか、与えられていると考えていいのだろうか。その点についてはどう考えておられるのでしょうか。
○矢崎(新)政府委員 公企体職員の給与につきましては、電電公社の場合で申しますと電電公社法に規定がございまして、職員の給与は、職員の発揮した能率が考慮される必要があるということが書いてございます。しかしまた、公企体等の事業が公共性、独占性が高いとか、あるいはその運営が国家財政や国民の負担と密接な関係を持っておるといったような点もございまして、基本的には、その給与は「国家公務員及び民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して」定めるというふうな規定が置かれておるわけでございます。そういったことから私どもは、いわゆるこの賞与のプラスアルファ的な支給というものにつきましては従来からその適正化を要請してきているところでございまして、この点は、現在もその考え方は変わっていないわけでございます。 そこで、ただいま御指摘の問題につきましては、私どもとしては公社当局からいままで具体的に何も伺ってきておりませんのでどういうことであるのか承知をしていなかったわけでございますけれども、私どもといたしましては、この賞与のプラスアルファ的な支給は適正化してもらいたいということを今後とも要請をしなければならない立場にあるというふうに考えておる次第でございます。
○柿澤委員 五十六年度の予算ではこの点はどういうふうになって計上されておりますか。
○矢崎(新)政府委員 恐らく御質問の趣旨は、執行上の問題として電電公社がこういったことができるとすれば一その辺について予算計上についてどういった配慮をしているかという御指摘ではないかと思います。 この点につきましては、五十六年度の予算の編成に当たりましては、人件費の積算については実績等を十分見まして適正な査定をいたしておるというつもりでおるわけでございます。
○柿澤委員 五十六年度については今後の執行の問題ですから、あくまでもその基準内、基準外の給与の積算の根拠ということにすぎないのかもしれませんけれども、その点で国民の疑惑を招くような形の支給というものはできるだけ避けるように関係当局でぜひ御検討いただきたいと思います。 その点について大蔵大臣にお伺いをいたしますが、政府としてはこれだけの大きな増税を国民にお願いをする立場にあるわけで、その前提として行政の簡素化といいますか、それからさまざまな支出の抜本的な見直しというのが求められておることは大臣も繰り返し御指摘のところだと思います。その五十六年度の予算審議の最終段階になってまたこういう問題が起こってくるということでは、国民の側でまだまだその点についての政府の努力が不十分なんじゃないか、ある点で妥協をしているんじゃないかという不満と批判が出てくると思うわけですが、その点について今後の予算の執行上大蔵大臣としてもしっかり目を光らせてまいりますということできちっとした指導をしていただけるものかどうか、その辺をお伺いをいたしたいと思います。
○渡辺国務大臣 もうすでに御指摘があるように、大蔵省としては国民の批判を受けるようなやみ給与的なものは因りますと言ってきたわけです。 今回の問題は予算に計上をされておって、大蔵省が直接これは支給してはいかぬとかどうとか言えない基準外給与の問題ではありますが、やはり国民の理解が得られるようにしてもらいたい。同時に、政府に対して初めて納付金を四千八百億円出していただくわけですが、これはいわゆる利益剰余金の中から出すのでして、それが値上げにつながったり何かは困りますよ、その分については働き出して納めてくださいということを言っておるわけです。 そういうことで、電電公社の中でともかくも労使協調して生産性を上げる、新総裁が就任をされてどういうようなお話し合いをしたか知りませんが、ともかく新総裁としても労使の関係をうまくしていかなければならぬというようなことからやったのかもしれません。私どもには正式には何ら話はないわけでございますから、公式答弁で申しわけありませんが、国民の理解が十分得られるようにしてもらいたいということを言っておきたいと存じます。
○柿澤委員 この点はきょうの本論ではありませんので、また私どもも勉強して次の機会に議論を譲りたいと思いますが、ただ五十六年度予算についても、生産性向上に協力をしているからという形で安易に手当を出していくことには問題があろうと私は思うわけです。電電公社を初め三公社のあり方については、スト権の問題とも絡んで長期的に公企体のあり方を見直す答申も出ているわけですけれども、その後基本的な見直しというものはどうも行われていない。私どもとしては簡素な政府、効率的な政府ということを主張し、今後とも自由経済の活力を高めていくという立場から言えば、三公社の経営のあり方にもっと民営的な感覚というものを入れていっていいんじゃないだろうか、その意味で生産性に協力をし、労使がともに手を携えて合理化を進めるということであれば弾力的な給与の支給があって悪いことではないと思います。 ただ、ある意味では、いまのがんじがらめになっている公企体のあり方から違法な形でといいますか、違法ではないにしても不当な形で支出をされるということでは問題がある。さらに言えば、電電公社については生産性向上の努力は認めますけれども、これからの日本の情報産業のあり方を考えていきますと、もう少し民間との競争原理が導入されていい、情報の交流についてすべて電電公社を通さなければいけないといういまの独占的な形が電電公社の高収益を支えている点でもありますので、その点も含めて五十七年度予算までの間にぜひ検討していただきたいと思うわけですが、その点について郵政省並びに大蔵省の御意見を伺いたいと思います。
○吉高説明員 先生のいろいろ貴重な御意見を参考にしながら勉強してまいりたいと思います。
○矢崎(新)政府委員 公企体のあり方というのは非常にむずかしい問題を含んでおるわけでございますけれども、この点につきましては今後とも政府部内で慎重に検討を続けていきたい、こう考えております。
○柿澤委員 大蔵大臣、御意見ありますか。
○渡辺国務大臣 柿澤委員のおっしゃったことはまことに一つの筋論でございますから、筋論は尊重されなければならない、こう思っております。
○柿澤委員 それではその問題は結構です。 もう一つ、いま大蔵委員会としても大変関心事ではございます銀行法の改正の法案の作成作業といいますか、きょうの報道によりますと、大蔵省としては見切り発車をする、提案をするという形で態度をお決めになったというふうにも言われておりますし、一方では、銀行協会側は、いやまだまだ話し合いを続けていきたいというようなことを言っておるようですけれども、その辺の実態はどうなっているのでしょうか。
○米里政府委員 銀行法改正案につきましては現段階で最後の詰めを行っているという状態でございます。昨日も大臣が金融界首脳に会われまして協力要請をされたという状態でございます。 この問題は金融界、証券界、両業界にまたがる改正でございますし、金融界の中でも都銀、地銀、興長銀、信託銀行あるいは為替専門銀行というようないろいろな業界に関係しておりまして、いわばその利害の接点というような問題も含まれているわけでございます。したがいまして、各業界からはいろいろな御意見があることはよく承知しておりますが、各業界がすべて一〇〇%満足するというようなことは事柄の性質上なかなかむずかしい点もあろうかと思います。 私どもとしては国民経済全体の立場から筋の通ったかつ客観的に見て公平な措置を決めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。いま法案の最後の取りまとめを行っておりますので、私どもとしてはぜひ今国会に提出し、御審議願いたいと考えております。
○柿澤委員 きのうの金融界、銀行界との懇談会では、大蔵大臣はもう見切り発車をしますよというふうにおっしゃったわけですか。
○渡辺国務大臣 私は別に見切り発車しますなんてそんな高慢なことは言わないのですよ。私は、余り頭は下げたことはないけれども頭を下げます、御協力をしてください、御不満も多少はあるでしょう、しかしどこもあるのですよ、これはみんな関連があるのですからと、いろいろ例を挙げまして、そこでともかく一〇〇%満足というわけにはいかないわけだけれども、しかしこれ以上ぐうたらなことはできませんから、ですからここでひとつ協力をしてもらいたいということを申し上げたわけです。それで、あとはこちらは法案の作成、あるいは党の了解等を得てなるべく早いうちに閣議決定をしたいということを言ったわけであって、その後一切おつき合いしませんよということじゃなくて、細かな問題についてはまだ詰めることがあれば事務同士で詰めてもらって結構ですが、それにはしかし時間の制約もありますということを申し上げたわけであります。
○柿澤委員 そうすると、大蔵大臣としてはもうきのうが最後という感じでございますか。
○渡辺国務大臣 何遍会ってもだめなものはだめなわけですからね。ですから大体銀行側の言い分というものはもうほとんどよく取り入れているわけですから、これ以上取り入れるものはほとんどないのじゃないか、細かいことはよく私は知りませんよ。だから大体これで業界をまとめるようにやってもらいたいということを申し上げたわけです。
○柿澤委員 この問題、渡辺大蔵大臣の財政演説の中でも、「関係方面とも調整を図った上で、所要の法律案を今国会に提出したいと考えております。」とおっしゃっておられるわけで、その点で関係業界との対立を残したままで国会に出されるということは、グリーンカードの問題ではありませんけれども成立後の実施の面でいろいろとぎくしゃくが出てくるだろうと思うのです。その点でやはり粘り強いといいますか慎重な対応が必要だと考えておりますので、十分な調整を図った上で国会にお出しいただくようにお願いをいたしておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 私も調整を図りたいと思いますから、それは努力をして、いままでもいろいろ指示をして事務間で交渉したわけですから。しかし、業界の言うことを一〇〇%のめと言われても政府はできない場合もあるということも事実なんであって、それは政府は政府でありますから全部業界の言うとおりというわけにはいかないこともあります。
○柿澤委員 わかりますけれども、もう一つだけ伺っておきますが、これは証券取引法の改正とはワンセットと考えてよろしいわけですか。
○米里政府委員 今度の銀行法の証券業務のくだりに関連いたしまして証取法との関連が出てまいりますので、法案を提出させていただくときにはワンセットで提出させていただきたいと考えております。
○柿澤委員 切り離して出すということは考えておられませんか。
○米里政府委員 現在のところ考えておりません。
○柿澤委員 この問題もいろいろ議論すれば長くなりますが、きょうのところはこの辺で終わりたいと思いますが、銀行局長結構です。 それから物品税の問題ですが、もう各委員からいろいろと微に入り細をうがった議論がされておりますので、ラストバッターになるとなかなかダブらないテーマの方がむずかしいのですけれども、物品税の対象というものを今回は六十八品目の特定品目に拡大をしているわけですが、個別に品目を拡大していくというところにやはり最後のところ無理があるのか、その点で客観的な基準というものが今度の場合にはいろいろな意味でぐらついているような気がするわけですけれども、その辺の対象品目の選定の基準について、依然として整合性を保っているというふうに主税局ではお考えになっているのか、整合性を保った範囲の中でこれがぎりぎりのところだというふうにお考えになっているのか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
○高橋(元)政府委員 新規開発物品で現在課税いたしております六十八品目、その中にあります物品と消費面でいわば競合するというものがVTRでございますとかテレビのカメラでございますとかビデオプロジェクターなどだと思います。それから物品の多様化によって出現してまいった新しい物品で現行課税商品と消費面で競合するもの、これは大型冷蔵庫などだと思います。第三に、いままでありました物品でございますけれども、現在の物品とのバランス上課税することが適当と認められるもの、ライトバン、全自動洗濯機、それから第二種原付自転車というようなものだと思います。これらを課税対象にすることを御提案しておりますその考え方は、比較的高価な便益品、趣味・娯楽品、奢侈品、まあ身辺用細貨、そういったものを選びまして課税をしてまいったという従来の物品税のらち内で私どもは新しい物品を選定して御提案をしたわけでございます。たとえば検討の過程ではアイスボックスのようなものも課税をしたらどうかというようなことも一時議論になりましたけれども、そういう生産手段には課税しないというような従来の消費財課税ということの枠の中で処理をいたしたというふうに私どもとしては考えておる次第でございます。
○柿澤委員 いまのお話ですけれども、業務用物品というものもかなり入ってきているわけですね、ライトバンとか大型の冷蔵庫とか。そういう意味で果たして業務用物品は排除するのだという趣旨がこれで貫かれているのかどうか、だんだん拡大する方向にあるというふうに思うわけですけれども、その点はどうなんでしょう。
○高橋(元)政府委員 今回の案ではライトバンについて、普通のライトバンは一〇%という税率でお願いをいたしておりますのは、乗用車一七・五ということに対して貨物積載部分というものがありまして、それを考慮に置いて一〇という税率で御提案いたしたわけでございます。業務用に使われますものでしばしば議論になりますものは、一つはタクシーだと思います、それからもう一つは自家用の会社の自動車だと思うのです。こういうものが提供いたします便益というのはやはり個人の輸送、より高速でより快適な輸送という便益でございますから、そういう便益を提供する消費財であるという観点では業務用のもの、たとえば一般管理費支弁、工業製造経費支弁というものでありましてもやはり物品税の負担をお願いしてしかるべしという考え方でございまして、その考え方の範囲内で物品の選定を行ったというのが私どもの考え方でございます。
○柿澤委員 そうしますと、業務用については課税しないというのが依然として原則であると考えていいですか。
○高橋(元)政府委員 業務用と申しますと必ずしも適切に私どもの考えが表現できないので、生産手段に課税せず消費財に課税するというふうに御理解いただきたいと思います。
○柿澤委員 この製造課税物品の中で二〇%の物品の欄を見ますと、パチンコ機とかボウリング用品というのがあるのですけれども、パチンコというのはパチンコ屋さんに納入するのは業務用だと思うのです、生産手段というかサービスの提供手段だと思うのですが、これは奢侈品なんですか、それとも便益品なんですか、その辺の定義はどうなっているのですか。
○高橋(元)政府委員 これは趣味・娯楽品ということだと思うのです。パチンコを店に並べましてお金を取ってそれで暮らしを立てておられるパチンコ屋さんからしますとそれは営業の手段で、ございますけれども、パチンコに玉を入れて楽しんでおられる方からしますとそれはまさに趣味・娯楽の便益を提供しておるわけですから、趣味・娯楽品の課税という範囲に入ると私どもは思っております。
○柿澤委員 それで言いますと今度は飲み屋さんとかみんなに趣味・娯楽を提供する映画館とか全部趣味・娯楽を提供するための物品だということなら物品税の対象ということになると思うのですけれども、その点はいかがでしょう。それでしたら映画館のプロジェクターとかそういうものにも全部かけてしかるべきだと思いますが、映画は玉は出てきませんけれどもやはりスクリーンを見て楽しむわけですから、その点はどうなんでしょう。
○高橋(元)政府委員 サービスに対する一般的な課税は、国税としては入場税だと思います。それから地方税としますと、たとえば娯楽施設利用税とか料理飲食等消費税とか、そういうものがサービスに対して税負担を広く求めておる税金であろうと思いますので、そういうサービスとして物が売られる場合にはそういうものでかけるというのがあれかもしれませんが、パチンコ場入場税というものよりはパチンコ機に源泉でかけておくという考え方で、一種の——ゴルフ場に入りますと娯楽施設利用税を千円か何か払いますね。それと似たような考え方で、やはり個人消費課税というらち内で把握しておるわけでございます。
○柿澤委員 私はどうもこの表の中でパチンコ機とかボウリング用品というのに非常にひっかかるので、これに課税できるということであれば、まだまだ同じような便益の物がたくさんあるんじゃないだろうかというふうに思うわけですね。いまの主税局長の論旨でいくのなら、一体テレビゲームだとかさまざまなエレクトロニクスのおもちゃはパチンコと違うのですか、同じなんですか。その辺の性格づけというのはどうなっているのですか。
○矢澤政府委員 娯楽品という意味ではパチンコと同じでございまして、私どもも今回の物品税の課税対象の拡大に当たりまして取り込むことを検討したわけでございますが、調査いたしますと、もうすでに盛り、ブームを過ぎておりまして、現在は既存のテレビゲーム機がプログラムを改造して使われているという状況なので見送った次第でございます。
○柿澤委員 税法というのは、大変整合性を重んじ、形式論理学の世界だということで私ども理解をしていたのですが、盛りを過ぎてしまうと対象にならないというのもちょっとおかしな話で、そうすると人間でも、美人でも盛りを過ぎると所得税がかからなくなるのかというのはちょっと問題だと思うのですね。やはり、その物の性格に着目をして選定をしていくということでなければ整合性がないと思うわけで、私どもはボウリング、パチンコ機がこの中に入っていることに若干疑問を持ちますけれども、百歩譲ってそれを入れるというなら、やはりインベーダーゲームであるとかその他の物は当然拾ってしかるべきだと思うわけです。その点を外しながらこれでぎりぎりの線でございますというのはどうも整合性に欠けるように思うわけですが、その点来年度の税改正でもう一回議論をするということになるのでしょうか。
○高橋(元)政府委員 たとえば私ども検討しました物品で布団乾燥機というのがあったわけでございます。これは日本特有のものらしくて、輸出もしておるのでございますけれども、調べてみますとこのごろ輸出もとまってしまいまして、つくっていないというのでありますね。それで、インベーダーゲームも同じような性格でございまして、これはおっしゃるように、もっと早く課税対象物品に取り込んでおけばよかったのかもしれません。ただ、それをやっておりませんうちにテレビゲームというものがすたれてしまった。そこで、製造課税として課税対象品目に取り込む由なしという感じであったわけでございます。現在ありますのは古い物を再生して使っておるということでございますから、そういう意味で課税ができなかったわけでございまして、私が冒頭にお答えしましたような考えで、物品税を今度法律改正で課税対象品目を八十にお願いしておるわけですが、八十品目に類似する品目、同じような効用を提供する消費財というものにつきましては、課税の対象として常時所得水準なり消費のあり方なりというものの関連で検討を続けてまいりたいというふうに考えます。
○柿澤委員 それから、奢侈品や高価な便益品ということで課税対象を選定するとすると、最近玩具の中でかなり高価な物がいろいろ出てきているように思うわけです。私ども、もうおもちゃを買ってくれという子供の声にせがまれて、ほどほどの値段だから逆に都合が悪くていろいろ買わされるので、ある意味では物品税の対象にしながら禁止的課税にしてくれると親としては助かるという面もあるわけですけれども、それはともかくとして、玩具類については本来物品税の対象品目なのかどうか、その辺どうお考えになっているのでしょうか。
○矢澤政府委員 御指摘のように、本来は物品税の対象品目でございます。 従来の経緯を申し上げますと、昭和三十七年に、財源が非常に豊かな時代でございますが、製造者が零細であるということで、製造課税から小売課税に一回移しました。その際に免税点を設けたわけでございますが、その後、免税点がたとえば当時は人形なんというのは高価なおもちゃだったようでございますが、五千円というふうに非常に高い免税点であったものでございますので、だんだん課税額も減ってまいりましてほとんどなくなってしまったということで、昭和四十一年に課税を廃止した経緯がございます。ただ、最近御指摘のように、必ずしも零細企業ばかりではない、かなり大きな企業が高価なおもちゃをつくるようにもなっておりますので、その辺はまた個別、具体的に今後の検討課題としてまいりたいと思っております。
○柿澤委員 品目の問題はそのくらいにしまして、物品税についても、いわゆる直接税に言われる徴税上の問題といいますか、クロヨン、トーゴーサンのような問題があるというふうにも聞いております。物品税対象品目の中でも、特に小売課税物品についての脱税が多い。正直に払っているところと脱税したといいますか、網の目をくぐった商品を売り歩いているところとの間で競争力に非常に違いがあるというような声も民間の関係者から聞くわけですけれども、その辺についてはどうなっておりますか。
○小泉政府委員 御指摘が徴税上の問題でございますので、国税庁の方から適宜お答させていただきます。 物品税の調査につきましては、御案内のように大口の取引業者あるいは脱漏税額が多いのではなかろうかというふうに認められる業者に重点を置きまして、課税上不公平にならないように留意しながら実施しておるという状況でございますが、御指摘の第一種物品、特に貴宝石関係につきましては、従来から脱漏が多いというふうに巷間言われておりますが、いわゆるかばん屋等のもぐり業者に対して貴宝石が裏商品化しないようにということがポイントでございまして、そのために昭和四十八年の四月に物品税法が改正されまして、販売業者の証明書の制度というものを設けました。業者の方に申告していただいて、これを持っていらっしゃらない業者に売った場合はこれはすべて小売課税ということで、そこで課税をするという制度に改めてまいってきております。この制度の執行によりまして年々適正になってきているというふうに考えておりますが、御指摘のように裏商品取引の根絶というのはなかなか困難でございまして、今後とも悪質な脱税に対しては徹底した調査を行って厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
○柿澤委員 国税庁の方においでいただいておりますので、印紙税についても同じようにこれから問題はいろいろあろうかと思うわけです。こうした形で税率を上げてまいりますと、正直に印紙を張った場合とそれを張らないままで見過こされている例と、そういうものの間の不公平というものが大きくなってくると思うわけですね。そういう意味で、税率の引き上げをするということであればこの問題についての徴税上の不公平が起きないように、間接税におけるクロヨンの問題が発生しないように国税庁として十分な対策が必要だというふうに思いますけれども、その点についての具体的な対応策というのを考えておられるわけでしょうか。
○小泉政府委員 御指摘のように印紙税は自主的納付をたてまえといたしております。したがいまして、これの課税環境といいますか、これにつきましては国税庁は従来にも増して十分留意してまいりたいと思いますが、現在課税文書に対する執行の状況は、三点をポイントに置いて効率的な調査を実施しております。一つは、課税文書を大量に作成する方々、それから比較的高額な印紙税を課される課税文書の作成者、あるいは過去の調査結果から見まして納税水準が低調な業種といったものを重点にいたしまして、効率的な調査を実施しておるわけでございますが、印紙税につきましては、先ほど来主税局長からお答えがございましたように、明治六年以来の印紙税納付の慣行がございます。まあ重要な文書をつくれば印紙を貼付するということは、半ば国民の非常にエスタブリッシュした慣行になっております。それから従来の税率の過去二回の改正時の改正後の状況を見ますと、納付水準の変化というものはそれほど大きな変化を生じていないといったような事情もございます。それらのことから、今後この税率改正によって課税環境が大幅に変わるというようなことは予想いたしておりません。しかしながら、私どもといたしましては、この法律案が、税率改正が成立いたしました場合は、直ちにポスターの掲示とか、あるいはパンフレットの配布、説明会の開催というようなことで重点的な広報、指導を行う。これが自主納付のたてまえである印紙税にとっては非常に重要なポイントでございますので、従来にも増してそういったPRにまず努め、そして先ほど申し上げましたように納付環境の点検を随時行っていくというふうに心得ております。
○柿澤委員 印紙税に関してですけれども、これだけ高額のものになってきますと、課税対象になっているものとなっていないものとのアンバランスと不公平というものが拡大をしてくるわけで、その意味ではできるだけ課税の公平を期す形の改正であるべきだと思いますが、従来から、たとえば弁護士さんとか自由職業に関する領収書に関しては、たとえ何百万というような高額のものであっても課税対象になっていないというふうに聞いておりますし、その点では一般の事業の領収書との間に大きなアンバランスといいますか、不公平があるように思いますが、その点についても課税対象に含めるという考え方はないのでしょうか。
○矢澤政府委員 御指摘のように医師、弁護士、税理士等の自由職業者につきましては、営業に関しないということでその受取書は非課税となっております。これは明治六年以来の伝統でございまして、大正元年には医業のごとき専門の技術または学識を要する精神的労務を給付する業務、こういったものは普通営業とは観念しないというような判例も出ておりまして、その考え方に従っていままで非課税が続いているわけでございます。 しかしながら、最近におきましては自由職業者の活動領域というのも大変広まっております。そういうことで課税の対象として検討すべきであることは当然の課題でございまして、今後関係者の御理解も得つつ、また皆様の御意見も伺いつつ幅広く検討してまいりたいと思っております。
○柿澤委員 その点については、五十六年度のこの提案されている法改正の中に含めなかった理由というのはなぜなのですか。
○矢澤政府委員 この点につきましては、今回私どもの作業といたしましては含める方向で検討いたしたわけでございますが、何分にも百三年間続きました慣行でございますし、しかも先ほど申し上げましたように営業と観念するのはおかしいではないかというようなことに基づいた考え方でございましたものですから、なかなか関係者の御了解を得られないで今回は見送った次第でございます。
○柿澤委員 いまの御説明ですと、営業に関しない受取書というのがそれらの自由職業の方々に課税しない根拠になっているわけですけれども、私、常識的に考えると、営業に関しない受取書というのは、たとえば個人の間でお金の貸し借りをした、お返ししたときに、お金について確かに受け取りましたというようなそういうものを指すのであって、いまの自由職業人の事業に関して、営業と言えるかどうかわかりません、事業に関して領収書が出た場合には、当然一般の領収書と同じ扱いになるべきだと思うわけですけれども、そういう意味では、むしろ営業に関しないという言葉の解釈の問題として、現在の法律でも課税できるというふうに考えたいと思うのですけれども、その辺はいかがなんでしょう。
○高橋(元)政府委員 一般に営利を目的として反復継続して行う事業活動というのが直接税間接税を含めての営業についての私どもの解釈でございます。そうなりますと、普通商法上の商行為ということがそれに当たると思うのでございますが、いま御質問の医師、弁護士等の自由職業者の職業活動、これは委任という契約形態になりますでしょうか、商行為とはなりませんので、したがってそこのところを営業に含まないという解釈をとってきておるわけですが、矢澤審議官からもお答えしておりますように、これは検討課題だというふうに思います。
○柿澤委員 この点については、印紙税を課している国というのは外国にもさまざまあるわけですが、外国では日本のように自由職業は別だ、お医者さんや弁護士さんは別だというような例をとっているところがありますでしょうか。
○矢澤政府委員 ただいまはちょっとまだ十分な調査にわたっておりませんので、私ども知り得る限りではと申しますか、目下その辺はまだ調査した資料がございませんので、これから調査してみたいと思います。
○柿澤委員 その点資料がないというのでは、それが出てくるまで審議ストップというわけにもいきませんでしょうから、ぜひ実態の方を調べていただいて、またぜひ課税の公平という観点から御検討いただきたいと思います。大蔵大臣、その点はどうお考えでしょうか。
○渡辺国務大臣 十分検討しますが、いきさつは、どうですか、やはり昔は弁護士が国会議員多かったんじゃないですかね、実際は。医者とか、そういう政治勢力が強かったということも言えるのじゃないか。世界の歴史を見てもそうだし、しかし、実態論として医療の場合も、診察するだけでなくて、高度の機械を使っていろいろやったり、たくさんのお薬や何かくれたり、物も伴っておるわけですから、今後の課題として検討いたします。
○柿澤委員 それでは印紙税の問題はこのくらいにしまして、時間の関係もありますので、最後に有価証券取引税の質問をいたしたいと思います。 有価証券取引税については、キャピタルゲイン課税の代替物だという議論がよくあるわけですが、税務当局としては、キャピタルゲイン課税の代替物である、キャピタルゲインについて課税できないから税率を上げても差し支えないじゃないかという考え方をとっておられるのでしょうか。
○高橋(元)政府委員 そう考えておりませんので、たまたま昭和二十八年に有価証券のキャピタルゲイン課税が所得税から外れましたときに、同じときにできたということで、片や所得課税、片や流通課税ということで別物であると考えております。法人につきましては、有価証券の譲渡益は現在でも課税をいたしておるわけでございます。
○柿澤委員 もしもキャピタルゲイン課税の代替物であるということでないとすると、やはりたとえば国際的な水準等その辺のバランスをとって考えるべきだと思うわけですけれども、今回の引き上げで国際的に見ても非常に高くなるという点が議論を呼んでいるわけですけれども、その点については、取引を阻害しないということなのか、国際的なバランスというものをこの点については考える必要がないというふうにお考えになっているのか、その辺はどうなんでしょう。
○高橋(元)政府委員 OECDの租税委員会でございますか、資本の自由な移動の利益というものに着目をして、有価証券取引税の税率は〇・五%ということにしたい、どんな場合でも一%を超えない方がいい、こういう報告書が第五作業部会の報告書等に出ております。現在世界じゅうの有価証券の取引に関する税制の中で一番高いのがイギリスでございますが、イギリスは株式を売ります場合に二%、これは印紙税だと思うのですが、印紙税という税目でとっております。それが一番高いわけでございます。アメリカが〇・〇四二とか、ドイツが〇・二五とか、フランスが〇・三とか、いずれにしても日本の現状よりは安くなっております。 私ども今回〇・五五に第二種の株式を引き上げている案を御提案しているわけですが、現状ではそういう国際水準とかそういうOECDの報告とかいうものからしますと、言葉が悪くて恐締ですが、かなりいいところの税率にはなってきたのではないかというふうに思います。 ただ、これが株式の流通を阻害するかというお尋ねでございますけれども、株式の流通を阻害しないようにいろいろな配慮を加えておりまして、第一種の売買については税率を据え置いておる。つまり証券会社の自己売買については税率を据え置いておりますとか、それからもう一つ、公社債でも現先市場との関連で国債の税率は据え置いておるとか、そういう配慮は行っておると私どもは考えております。
○柿澤委員 そうなるとこの辺がもうぎりぎりの線だ、再度引き上げというのは、OECDのノームといいますか基準から見て、当面考えられないというふうに受けとってよろしゅうございますね。
○高橋(元)政府委員 これはまた財政の需要との関連もございまして、いまこれから〇・五五以上に上げないということをこの場ではっきり申し上げるのもなかなかむずかしいかと思いますが、そういうOECDの報告等があることは十分念頭に置いておるわけでございます。
○柿澤委員 あと第一種、第二種で差を設けている。それから株式と公社債とで差を設けている。いろいろと理由はあろうかと思うのですけれども、有価証券の取引である点については同一の性格のものだと思うわけです。それにもかかわらず格差がこれほど大きくなって、果たして税制としての整合性というのは保たれるのだろうかという点に若干疑問を感ずるわけですけれども、その点は、債券ごとに差を設ける理由は一体どういうところにあるわけでしょうか。
○矢澤政府委員 まず第一種と第二種との間に税率の差を設けている理由でございますが、第一種は証券会社の売買でございます。証券会社の場合は、投資有価証券ということではなくて、たな卸商品として株式なり公社債を持っているわけでございます。その商品の性格上当然保有期間も短いし、それから相当の量が一回で取引されますし、取引の回数も普通の投資家の場合よりも非常に多いわけでございます。 もう一つ証券会社がこういった株式、公社債を保有する理由は、出合いをよくして市場の流通を促進しようという見地からも持っているわけでございます。そこで一般の投資家と比較いたしまして、先ほど申し上げましたように、保有期間も短い、あるいは大量の売買、頻度も多いというようなことを考慮して差を設けているわけでございます。 それから公社債と株式との差でございますが、株式は御承知のように会社の経営に参加できる、それから利潤分配にあずかる利潤証券である。それに対して公社債は確定利付証券でございます。そういったことを反映して、値動きの幅というものが株式の方が公社債よりも大きいというような事情から、公社債と株式の差が設けられたというふうに私どもは考えております。
○柿澤委員 その後の方の説明がちょっと納得できないのですけれども、値幅が大きければ高い税率をかけていいのか、値動きが激しければ高い税率をかけていいのかということになりますと、何かやはりキャピタルゲインに課税しているという感覚になってしまうと思うのです。むしろ株式の方が売買回数から見れば公社債より非常に回数は多い。売り買いが常時行われるのが常態である。それに対して公社債の方が長期保有ということで売買頻度が少ないとすれば、税率については逆にな ってもいいはずだという気がするのですが、その辺はどうなんでしょうか。
○高橋(元)政府委員 一般の方々が株式を売られます場合、いわゆる第二種の株券の売却ですが、 これは私どもが統計で知っております限りでは二十七カ月に一回ぐらいの回転率になろうと思います。公社債の場合には確かに一回ごとの売買の値幅は少ないわけですけれども、現先のようなものは二カ月または一カ月で行ったり来たりする売買でございます。そこで、一概に公社債よりも株式の方が足が早いのではないかということにはならないという感じはいたしますが、いずれにいたしましても、これは売り主、買い主いずれが負担するかということを消費税、間接税のようにはっきり決めておりませんところの流通税でございますから、売買のマージンよりも税率が大きくなってしまうというのは、非常に売買そのものを阻害することは確かでございます。 ちょっと余談にわたって恐縮ですが、今回もっと高い税率の引き上げ幅ということを実は想定いたしましていろいろはじいてみますと、取引所に払います株式の売買手数料、あれよりも税率の方が右向くなってしまうというようなこともございましたので、いまの五十五銭というような率を御提案しておるわけです。 いずれにしても、売り買い両方でそこに推定される漠然たる有価証券売却の裏にある担税力に課税する。それがどういうふうに帰着するかは両者の勢力関係によるということでございますので、売買のマージンというものも、一応税率を考えます場合の基準ではあろうかと考えて、いま審議官からお答えをしておりましたような一種、二種、甲、乙、丙という税率を盛っておるわけでございます。
○柿澤委員 そこのところは一種、二種で、一種の方を安くしているというか低くしている理由は、そちらの方が営業で売買頻度が高いからだ。今度株式と公社債になると、株式の方が売買頻度が高いから高くするんだというのは論理が逆にねじれているような感じがしてならないのですけれども、実務上のいろいろな理由はあろうかと思いますが、果たして整合性があるかどうか疑わしい点があるなという気がいたします。 それから、公社債の中で国債だけを特に据えおいて優遇する、これは国債消化策としてというように考えられると思うのですけれども、国債だけを公社債の中で特別扱いする理由というのが税法上の論理としてあるんでしょうか。
○矢澤政府委員 今回国債にかわる有価証券取引税を据え置きましたのは、一つには短期の金融市場に対する配慮でございます。御承知のように、公社債の流通市場の六割くらいは現先市場が占めているわけでございますが、現先市場は、コール市場あるいは割引手形市場といった短期の金融市場と競合している関係にございまして、非常に薄い利ざやで金利裁定が働くメカニズムになっているわけでございます。こういったときに、公社債のすべてにつきまして有価証券取引税を引き上げますと、現先市場が壊滅的な打撃を受けるのではないかというような御心配もございました。そこで、この現先市場の中で国債が大体六割くらい占めておりますから、国債につきましてはこれを据え置くことといたしまして、現先市場への影響を最も軽微にとどめるという配慮をしたわけでございます。 それからもう一つ。その関連では御指摘のように現在の利回りを申しますか、流通利回りでございますが、二月二十四日の数字でございますが、たとえば国債が九・五〇%の利回りでございます。これに対して利付金融債が八・二九、地方債が八・一三という利回りでございまして、逆に取引される売買価格の方を見ますと、国債が一番安いということでございまして、国債がそういった意味で大量発行の結果、利付金融債あるいは地方債に比べて割り負けしている状況にもございますので、これらを配慮いたしまして、今回国債の有価証券取引税を据え置いた次第でございます。
○柿澤委員 国債の方が利回りが高くなっているのは、ある意味では大量発行のとががまさに出ているわけで、さっきの担税力原理でいえば、高利回りの方が有価証券取引税を高くしたっていいのではないか。低利回りの方を高くして高利回りのものを安くするというのは、まさに主税局まで一緒になって加担して低利国債の大量消化を図っている。ブルータスよおまえもかという感じになるわけですけれども、そこの矛盾は感じませんでしょうか。
○高橋(元)政府委員 ちょっと古くなって恐縮なんですが、十二月十七日の国債流通利回りが八分九厘二毛だったのです。当時利付金融債の利回りが八分四厘三毛でございました。有価証券取引税の五〇%アップをいたしまして、足が二カ月で回りますとしますと、利付金融債は八分五厘二毛、こういうことになります。利回りが高いというのは値が安いということでございますから、値が安いものの利ざやがどれだけ流通税を負担することが可能かということも考慮の中に置かなければいけませんので、税法の論理からしますと、国債を今度乙にし、公社債を丙にしまして、いままで乙一本だったものを税率を二つに分けたのは、税法の論理だけで説明し切れるかというと、そこは審議官からもお答えしていますように、現実の金融市場、証券市場を見ての答えでございます。完全と申すわけにもいかないかもしれませんが、現在の公社債の流通市場における地位、国債の流通市場における地位というものから考えましていまのような税率を御提案をしておるわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○柿澤委員 あと三分ですから最後の一問にしたいと思うのですけれども、有価証券取引税についても、こうした形で税率を上げていった場合に、税の執行上の問題がまた出てくると思うのです。特に相対売買にかかわる有価証券取引税というものが従来からしっかり取られているかどうか疑問視する向きもあるわけですけれども、その点についての今後の把握といいますか、取引の把握というものについてどのように改善策を考えていらっしゃるか、その辺をお伺いしたいと思います。
○小幡政府委員 御指摘のように、相対取引は証券会社を通さない相対の会社間あるいは会社と個人というふうな取引でございますので、それにつきましては、私どもの方といたしましては法人税あるいは所得税、そういう税の調査の過程におきまして、それぞれの法人、個人につきまして調査、指導を行いまして、この有価証券取引税の適確な納付ということについて努めているわけでございますが、今後とも一層努力を重ねてまいりたいと思っております。
○柿澤委員 では最後に大蔵大臣に、この三税を含めて、こうした形で課税対象をふやし、そうして税率を上げてまいりますと、さっきの徴税の不公平という問題が直接税と同じように起こってくると思うわけです。その点について徴税の公平の確保というものがますます重要な課題になってくると思いますが、その点について全体を通して今後一層の努力をお願いをいたしたいと思いますので、その点、一言いただいて終わりにいたします。
○渡辺国務大臣 御指摘のとおり、間税にもいろいろ細かい矛盾はございます。それは私は認めないわけじゃないわけです。しかしながら、税収、財源との関係もあって、今回はそれらについて是正措置を講じなかったということでございますが、今後、将来の問題としては、見直すときにはなるべく筋道の通ったものも考えていきたいと思っております。
○柿澤委員 終わります。
○綿貫委員長 次回は、明四日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十三分散会