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94回国会衆議院1981/02/13

大蔵委員会 第3号

発言数
51
登壇者
8
会派数
2
開催日
1981/02/13

会議録

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これより会議を開きます。  酒税法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府より提案理由の説明を求めます。渡辺大蔵大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 ただいま議題となりました酒税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  わが国の財政は、現在、特例公債を含む大量の公債発行に依存せざるを得ない状況にありますが、こうした状況から一刻も早く脱却をして、財政の対応力を回復しておくことがぜひとも必要であります。  このような考え方に立って、昭和五十六年度予算におきましては、公債発行額を、前年度当初予算よりもさらに二兆円減額することとし、自然増収を優先的にこれに充てることといたしました。これを受けて、歳出面においては思い切った節約合理化を図ったところでありますが、福祉、文教等の行政水準を維持するためには、なお相当の財源が必要とされたところから、これに対処するために、歳入面において徹底した見直しを行うこととしたところであります。  したがって、税制面においては、現行制度の基本的枠組みの中で相当規模の増収措置を講ずることとしており、その一環として、酒税につきまして、物価水準の上昇等に伴いその負担水準が低下してきていること等にかんがみ負担の引き上げを求めることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。  第一に、酒税の従量税率の引き上げを行うことといたしております。  すなわち、清酒特級、ビール、果実酒類、ウイスキー類、スピリッツ類、リキュール類及び雑酒について二四・二%程度その税率を引き上げることといたしております。  また、その他の酒類については、その消費及び生産の態様等に配慮して、税率の引き上げ幅を、清酒一級については一四・五%、清酒二級、合成清酒、しょうちゅう及びみりんについては九・六%程度にとどめることといたしております。  この引き上げ幅を通常の容器一本当たりの税額に換算いたしますと、たとえば、清酒特級は一本百七十九円程度、清酒一級は五十六円程度、清酒二級は十五円程度、ビールは二十五円程度、ウイスキー特級は二百六十円程度となります。  なお、税率の引き上げが行われる酒類をその引き上げの際、一定数量以上所持する販売業者等に対しては、従来と同様、手持ち品課税を行うことといたしております。  第二に、酒税の諸制度につきまして所要の整備合理化を行うことといたしております。  すなわち、溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のものを酒類の範囲に加えるとともに、清酒等についてアルコール度数による減算税率が適用されるアルコール度数の下限を引き下げるほか、酒税の納期限を延長する等所要の改正を行うことといたしております。  以上、酒税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  すなわち、酒税法の一部を改正する法律案について、参考人の出席を求め、その意見を聴取することとし、その日時及び人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。     —————————————

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田委員 第一に、今回の酒税で、一般的に言えば二五%というような、細かい金額だけを大臣は言われておりますが、きわめて大衆に転嫁をしていく課税である、その点を大臣としてはどのように考えて今回提案をなさったのか。日本の民族性その他からいっても今日の社交的な条件の一つにもなっている酒等について特にその比率が高くなるということは、きわめて国民に対する圧力といいますか、生活上の圧迫にもなるというふうに考えますし、また小売価格への転嫁がどういうふうになっていくかという点についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 私といたしましては、ともかく財政の健全化を図っていかなければならない。そのためにまず自然増収の中で二兆円の国債減額というものを吸収いたしましても、あとの自然増収の剰余分は地方交付税及び国債費で消えてしまう。一方、当然増経費を補うために歳出の切り込み、抑制、それを徹底的にやりましても、どうしても一兆数千億円の歳入不足が生じる。こういうような中にありまして、酒税だけでなくて広い項目から、御案内のとおり法人税、それから印紙税、物品税、酒税、各方面にわたって極力小幅に広く税負担をお願いをしなければ当然増の経費の不足分を賄えない、そういうようなことで酒税もその一環の役割りを果たしていただくことにしたわけでございます。  特に酒税は従量税でございまして、その負担比率というものは過去数年来の長い統計を見まするというと落ちてきておるというような状態もございまして、いろいろ考えたわけでございますが、日本酒等においても特級と一級、二級というようなものについて配慮をいたしまして、大衆が好んで用いる二級酒及びしょうちゅう等についてはその上げ幅を非常に少なくした。したがってこういうようなものは、ともかく間接税でございますから、大衆課税だという御批判は一般論としてはこれは必ず出てくるわけでございます。しかしながらその上げ幅は、毎日の消費量というようなものから見ればそうひどいものとは私考えておらないわけでございます。したがってこの程度のことは何とか、政策上いろいろな新規の当然増を認めるということになれば何らかの負担増はなければならないわけでございますので、その一環として酒税でお願いをしたい、こういうことが今回提案をした大きな眼目でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 今回のこの大幅値上げは、税収を見込んでから値上げ幅を決めたということになるわけですか。この程度上がるのは、何を基準にこの程度上げることが必要だと、いわゆる入るをはかって税率を決めたのか、あるいはこれだけ税収が欲しいということで率を決めたのか、それともその税率には何か根拠があって結果的にこの増収というものがもたらされるということに計算したのですか。これは大蔵大臣よりも計算をした方からその根拠を一応明らかにしていただきたいと思います。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 ただいまも大臣からお答えがありましたように、今回の酒税の負担の引き上げは清酒一級、二級、しょうちゅう、みりん、合成酒というようなものを除きますと、二四・二%程度の引き上げ幅でございます。それによりまして、二千八百億余円の増収を予定いたしておるわけでございますが、その引き上げの幅を算定いたしました根拠は、大臣からお答えのありましたように適正な水準の確保、それから物価への影響、酒類業界に与える影響、それらを総合勘案いたしまして、はじいたわけでございます。したがいまして、大体酒税の五割はビールから御承知のように上がっておりますので、ビールにつきまして大びん一本当たり二十五円程度、これは前回も二十五円程度の負担増をお願いいたしたわけでございますが、その引き上げを目途として二四・二%という税率をはじき出したものでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 細かいことを聞くようでありますが、日本のお酒は——小売になりました場合の経過は回答がありませんでしたからお伺いします。  われわれが焼き鳥屋で一杯飲むにしても、とっくりで出てきますね。とっくりにはこれは特級とか二級とか一級とかという証票はないですね。そうすると、これがこれだけ上がってきた影響というものを小売にどういう影響が出てくるかということの経緯というものについては何ら説明なされておりません。そういうところで飲むな、うちへ行って飲めというならば、これは話は全然別なのでありますが、そうでないとすれば、一般の人間、一般の人が飲む場合においてその区別というものはきわめて困難である。幾ら二級酒の割合を下げたといってみても、それは一級酒である、あるいは特級酒であったというふうに言われればそれを否定するものはないのだ。その辺は、どうせこれだけ上がってくるということになれば、飲む側にとってみれば大変これは気持ちの悪いもの。そういう意味において、表向きはこう区分はしたけれども、一般市場に出てきたときにはその区分は何もなくなってしまう、こういう危険性もあるわけでありますが、その歯どめはどこでだれがやってくれるのでありますか。たとえば料理屋で飲んでも一杯飲み屋で飲んでも同じ条件が生まれてくると思うのでありますが、その点はどういうふうに解釈をされているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

小泉忠之国税庁間税部長

○小泉政府委員 価格のお話でございますので、国税庁の方から適宜答弁さしていただきますが、御指摘のように、酒類の価格につきましては、昭和三十九年の六月から基準価格制度というものを廃止いたしておりまして、それ以来一貫してたてまえは自由価格、こういうことになっております。したがいまして、今回の税率の改定を受けまして、各企業がそれをもとにいたしまして生産流通の状況を独自に判断して、そうして各段階におきまして市場流通の状況にあわせて価格を決定していくということになろうかと思いますが、先生御存じのように、本来酒税につきましては、税額の転嫁というものを前提にいたしました税金でございますので、今回の増税に当たりましても、ほとんどの酒類について現行価格に増税額を加算して価格設定が行われるというふうに予想いたしております。個別の酒類ごとの価格につきましては、この税率改正が確定いたしました後に各企業が取引慣行に従って決めていくというふうになっておりまして、私どもといたしましても、従来から税率改正に際しましては、適正な価格になるようにということで、必要があれば必要に応じて指導していくという体制になっております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 少し大蔵大臣の答弁を見習った方がいいよ。大蔵大臣はあけっ広げみたいに、ごまかしながらあけっ広げみたいな答弁をしているけれども、あなたの答弁は答弁になっていないんだよ。いわゆる聞いていることに答えていない。時間をつぶして一番悪い答弁だ。消費者価格にどういう影響を与えるか、あるいは特級、一級、二級の区別を一般国民にどう知らせるのか、その辺はどういうふうに考えているのか。せいぜい三十秒ぐらいで答えられる質問なんだ。いわゆる卸売が小売にどう転嫁するのか、それをきちっと言ってくれ、こう言っているわけですから、そういうことを答えてください。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 今回の増税によりまして幾ばくが転嫁されるかということは価格設定の問題で、いま国税庁から御答弁したわけでございますが、増税額だけ小売価格が上がるということを前提にいたしまして消費者物価への影響を試算いたしてみますと、CPIで〇・一二ということに相なります。それで、外食の中にビールという項目が入っております。そのビールの分を加算いたしますと〇・一六、これが現在CPIの中で酒の消費が万分の百八十七となっておりますので、万分の百八十七を占めております各項目につきまして今回の酒税の上昇分をはじきまして出しました数字でございます。  それから全体の酒類の中で家庭で飲まれますものというものは、酒の種類によって違いますが、たとえば二級酒でございますと四二%ぐらい家庭で飲んでおります。それから二〇%ぐらいのものを業務用で使っております。これは統計の趣旨が違いますから一概に申し上げかねますが、業務用のものは料理店で飲まれるわけで、ただいま委員から御指摘がありましたように、そういう場合に特級酒、一級酒がお銚子に入れてどういう値段になるかわからないということがございますが、これはあくまで料飲店の価格形成の問題であろうかというふうに存じまして、一般の酒をびんで売ります場合の値段につきましては、国税庁からお答えしたとおりに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 一番先に大蔵大臣、酒の値上げが出てきた。これは国対で出てきたのか、政府がそう出したかったのか、その辺の関係は別であります。本来ならば、前国会でも言いましたけれども、国の財政の計画全般についてあと一つの輪郭ができて、財政再建の一部分の酒の税だけをきわめて短い時間の中で議論をする、きわめて危険な議論になるおそれがあると私は思うのですね。いわゆる行政改革、財政再建ということから財政元年だと言う。その元年で必要な要件は何か。それは与党も野党も同じく突き合わしてみて、これは削れるのじゃないか、そういう議論の中で、どうしても足らない分を酒なら酒に頼る。その必然性のプロセスがわれわれには全然判明してないのです。その点は、この酒の議論をするに当たっても、もう上がるものだという前提に立って議論をしていく立場というものは私が不本意とするものなんですよ。問題は、財政を再建させるために酒を上げるのだとするならば、その財政再建の前提になる条件について欠格条項はないのかあるのか、欠けているものはないのかどうか、その点が前提条件として本来明確にされて、その上でなおかつこの分が不足だ——不足だというのは大臣が自分で決めちゃって言っているわけであって、行財政の改革という分野についてはとにかく目を覆うている、こういうことになるのでありまして、これは大臣としても自分の所管でないと言うかもしれませんが、日本の財政を再建しようというためには、ある意味において泣いて馬謖を切るという言葉があるように、そういう一つの前提条件がわれわれの前に提示されて、その上で議論ができる場所が本来必要ではなかったかというふうな気がする。これは予算委員会でやっているということになるかもわかりませんけれども、われわれは予算委員会の分をある程度聞いておりますけれども、その点については若干不明確である。たとえば、たとえばと言ってもいろいろありますが、補助金の問題もいろいろ出ておりましたね。あるいは特殊法人の問題もありました。それでは三十六もある特殊法人をどうするのだ。学校安全会と給食会を一緒にする案が出ているくらいで、ほかは余りいじっていない。そういう全体輪郭については非常に不明確である。この点は酒を議論する前の前提条件として、実はこうなっていますということが明示された上で、これはやはり上げなければならぬのですという理由を提示していただきたいのです。この酒を上げなければならない前提の条件、私たちはこういうふうに努力しました。この点も財政的には、行政的な改革についてはこう努力しました。これで幾らが出ます。こうして、しかも不足だからこうなんですという差し引き勘定、大蔵大臣の一番得意なやつなんですが、これはいまここで答えてもらうと私の質問時間が全部なくなってしまうのですが、それをひとつ次回までに、いわゆる前提条件、なぜ酒を上げなければならないか、きわめて素朴な質問なんですが、その前提条件をひとつ明示をしてもらうようにして、私はその後質問をしていきたいということがあります。そうでないと、いわゆる酒だけのエリアで何か焦点をしぼって議論をしてしまう、いい悪いの議論になってしまう、これは非常に危険な議論だと思います。  そういうことでありますから、委員長に、その点は前提条件を明示してもらって、その上で議論をしていく。本日はこれで留保して、その後質問をしていきたい。あとはまた参考人の意見を聞きまして、さらにまたその上に固めて質問をしたいと思いますので、もし大臣、いまの質問でお答えがあったら、そのお答えで私は一応あとは留保してまいりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 審議をする当然の御要求だろうと私は思っております。  御承知のとおり、行政改革というものの計画があって、それによって七千数百人の実は減員をしているわけですが、やはりそれぐらいふえちゃうのですね、ふえる部分が。たとえば文部省だけで二千百十八とか、何でそんなにふえるのだ。私も不思議に思った。医科大学の関係で途中でやめるわけにいかぬとかということで、そういうことはいろいろやっておるのですが、それでも結局プラス、マイナスすると百十何人しか一般公務員は減らないとか、一方は月給が上がったら数が減らないのだからふえるとか、いろいろな問題がございます。  補助金等につきましても、千七百億円弱実は切ってはいるのです。ところが、六千五百億円もふえてしまう。何でふえるのだということを調べてみると、結局はそのうち三千億円からのものは社会保障費だ。これは皆法律で決まっている、九七%が。法律を変えてもらえないことには大蔵大臣どうしようもないというようなのがいっぱいあるわけです。したがって、それは今後議論の過程で私はだんだん明らかにしていきたいと思っております。  早い話が、これだけ増税をいたしましても一兆三千億円ぐらいしか、政府の方約一兆一千億円しか使えないわけですね、地方交付税で三千億出ちゃいますから。そこで結局あとは税外収入を二千億円ばかり余分にふやして持ってまいりまして、一兆三千億という歳出の枠をふやしたわけですけれども、そのうちのすでにもう六割というものは社会保障と恩給にとられてしまうわけです。これはもう必然増みたいなもので、制度を変えてもらわぬことにはどうしようもない。それから科学技術と文教で一六・五%一般歳出の増税分に当たるようなもの、それが消えてしまう。防衛関係で一二・九、エネルギーで八・八というようなことで、ともかく増税分が一般歳出増に見合うのだが、そのものはこういうふうなもので消えるのであって、どれをとってもこれはむだだ、むだだ。立場が違うと防衛費はむだだなんと言う人はあります。それは見解の相違になってくるわけですから、それ以外のところは、社会保障にしたって、恩給にしたって、文教にしたって、エネルギーにしたって、これはむだだからこれだけ切れという議論を私は余り聞いたことはない。防衛費の議論はずいぶん聞いているけれども、それ以外はほとんど聞いてないわけです。したがって、当然そういう御疑問があって、われわれは当然それに答える義務がある、そう思っております。その個々の内容その他について、長くなりますから、また御質問の機会があるそうですから、継続してひとつ私も誠意をもってお答えをしてまいりたい、かように考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 言いっ放しというのはどうもあれですが、私はこの前の国会のときに、減速的な経済を運営したらどうかという提案もしているわけです。いわゆる五年計画は七年計画に、三年計画は五年計画に若干減速をして、経済の成長率の伸びも若干歩どまりを見ながら、しかも国民に耐えていただくところは耐えていただきながら、しかもそういう減速をある程度やったらどうだという提案も実はこの前の国会でしているわけであります。だから、大蔵大臣はむずかしいところだけをずっずっと挙げてこられたけれども、私個人としては、何も揮発油税みたいな特別財源を廃止して一般財源化をしなさいという提案もしているわけです。そういうことについてはやはり踏ん切りがつかない。そういうことがやはり現在のいわゆる政治の弱さ、そこに原点がなければならぬ。それをまず払拭した上で、次にわれわれは酒を上げるなら上げる必然性があるのかどうかを審議をしていく。そういうことを、私はやはり謙虚に立たなければならぬ。何々族だけでこれを運営されることは困るという意味で言っているわけですから、次回にはそれに納得できる材料をひとつ出していただくようお願いして、留保していきたいと思います。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 中村正三郎君。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 ただいま提案理由の説明を大蔵大臣からいただいたわけでございますが、わが国の財政が現在大量の公債発行に依存せざるを得ない現状にあること、またそうした大量の公債依存から脱却して一刻も早く財政の再建を図らなければいけないということは、何人も異論のないところだと思います。今回の酒税法の改正案の本日の提案理由の説明によりますれば、五十六年度において公債発行額を五十五年当初比二兆円減額すると同時に、適切な行政水準を維持するために相当の財源を確保することが必要であるというところから、一連の増収措置の一環として提案されたものであるということはわれわれ理解するわけでございます。また財政再建の必要性も十分理解した上でございますが、その上で必要な歳出を賄うためにはある程度の増税が必要だということもわかるわけでございますが、この際お酒というのは国民に大変愛されているものでございまして、私も愛飲させていただいているわけでございますが、この酒税に的をしぼって申しますが、酒税の負担増加を求めた理由はどこにあるのか、また概要はいまお伺いいたしましたが、この酒税増税というものを提案された基本的な考えにつきまして御説明を伺いたいと思います。

保岡興治自由民主党大蔵政務次官

○保岡政府委員 先ほど提案理由で大臣が述べられましたことを踏まえてお答えをしたいと思います。  まず五十六年度の税制改正で財政体質の改善に資するために、現行税制の基本的な枠組みの中で相当規模の増収措置が必要である、このことは大臣が先ほど申し上げたとおりでございます。そこでその一環として酒税についても負担の引き上げを検討をいたしました。酒税については、ぜひ歳入の充実の要請があるということの理由のほか、酒税が従量税率を原則としているために、物価水準が上昇したためにその負担水準が低下してきている。そういうことで、従量税率を原則として二四・二%程度引き上げることにする。ただし清酒一級、二級及びしょうちゅう等については、これらの酒類の消費及び生産の態様等に配慮、あるいはどちらかというと大衆の飲料に供しているというようなことから、その税率の引き上げ幅を圧縮してお願いを申し上げた、そういうことでございます。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 ただいま御説明をいただきましたが、酒税のこととちょっと離れるかもしれませんが、税負担を求めるに当たりまして、この酒税でありますとか個々の税目について適切な負担水準はどうかということを検討していくことも重要でございますが、同時にそれらが税体系として全体のバランスのとれた構成になっているかどうかということも十分検討していく必要があると思います。  そこで私、日本の税体系を概観してみますと、主要外国に比べましてもかなり直接税に偏った税制になっているのではないか、間接税の比率が少なくなっているのではないかと思うわけでございます。たとえば戦前におきましては、昭和十年当時は間接税比率が税収全体の五〇%を超えていたわけでございますし、戦後におきましても、三十五年四五・七%と、間接税比率が四〇%を超えていたわけでございますが、その後四十五年は三四%、五十一年三二・五、五十二年が三二・二、五十三年が、年度の所属区分の改正を除きますと三二・八、五十四年が三一・八、五十五年が三〇・九、そして五十六年度の予算案によりますと、間接税比率が三〇%を切りまして二九・一%、九兆八千億が間接税からの収入であるということでございます。  ちなみに、アメリカの非常に直接税に偏った特殊な例を除きますと、イギリスで大体六〇%以上、西ドイツで五〇%以上、フランスでも四〇%以上の間接税に対する比重があるわけでございます。  そして、間接税は所得税を補完して、実質的な税負担の公平を確保するという面のほかに、経済に対する中立性でございますとか、負担感等の面ですぐれた特性を持っていると思うわけでございます。そして、所得税等に加重がいきますと、かせいだものみんな所得税で取っていかれてしまう、あとは福祉だよということでは、この自由主義経済の活力も失われると思うわけでございます。間接税の比率をふやすことは選択の余地、支出の選択の余地も個人にとりまして多くなってくるわけでございます。こうした面で、全体のバランスとして間接税の比重を高めていった方が、税体系としていいのではないかと考えるわけなんでございますが、その点につきまして大蔵省の御所見を伺いたいと思います。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 ただいまもお話がございましたように、わが国は最近の税制では直接税の比率がどんどん高くなってまいったわけでございます。そこで、いろいろな方々の御意見を伺ってみても、また税制調査会の中でも、もっと間接税の比重を高めたらどうだという御意見があるのは事実でございます。  しかしながら、考えてみますと、税制の中で直間の比率がどうであるかということは、多分にその国の経済なり、歴史なり、国民の感情の所産という点もございますし、また時間の推移とともにそれもかなり変わっていくわけでございます。  間接税は、御案内のように、少し話が余談になって恐縮でございますが、大体において、一般的な間接税を取っておりません場合には、個別の消費物資について課税をしていくわけでございます。しかも、徴税上の技術からどうしても従量税ということになります。そこで、次第次第に、いわゆる支出の弾力性と申しますか全体の国民所得がふえていく場合に、たとえば酒、たばこといったようなものに対する支出の割合というものは漸次下がってまいります。それと、従量税でありますために、物の値段が上がりましても税負担がふえてこないという問題もございます。そういうことで、昭和三十五年から五十五年まで二十年ぐらい振り返ってみますと、日本の間接税の国民の消費支出に対する割合といいますのが四ポイントぐらい下がっておるわけでございます。一ポイントが一兆五千億ぐらいに当たります。そういうことで次第次第に間接税が減っていくわけでございますが、それをどういう程度に組み合わせるのが最善かということがその次の御質問でございますけれども、これは一概にはなかなかむずかしい問題だろうと思うのです。どういう税目を使うかということもございましょうし、間接税といいましても、個別の消費課税といいますと非常に課税対象にするものが狭いという問題もございます。  そこで直接税は、理論的にいいますと再分配に一番資し得る、人的に総合的な課税ができるという意味で、税制の一つの典型でございますけれども、そういう長所もある反面で、仰せのような短所もございます。どっちかに偏るということは余りよろしくないことだろうというふうに大体は考えておりますけれども、日本の場合これからどういうふうに運んでいきますかにつきましては、この国会での御審議ももちろんのこと、今後の財政経済のあり方を踏まえまして、私ども個別、毎年毎年の税制改正においてあるべき税制の姿というのを考えてまいりたい。その場合に、ただいまお示しのありましたような諸点につきましても一層真剣に検討してまいりたい、こういうふうに存じます。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 ただいま局長からお話ございましたので再度お伺いするわけでございますが、いま間接税を個別の物にかけていくということには品目等にもいろいろな限定があるということでございますが、特定の物品に対する税率を引き上げて個別消費税のような枠の中で増収を図りということでは、おっしゃるとおり間接税の比率を引き上げていくということはみずから限界があると思うわけでございます。そして、いまなかなかこれはお答えになりにくいむずかしい問題だということでございましたが、この間接税比率を高めることがいいという方向だとすれば、この支出もこれから相応の伸びが今後予想される。「財政の中期展望」でも拝見いたしましたが、かなり苦しい財政が続くだろうという中で、これに対しまして広い課税ベースの間接税を検討せざるを得ないのではないかというようなことをしばしば伺うのでございますが、この点につきまして、今後の検討の方向についてお尋ねしたいと思います。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 これはたびたびこの委員会でも御議論があったことでございますが、税制調査会の昨年の十一月の中期答申の中で、「課税ベースの広い間接税は避けて通ることのできない検討課題であり、引き続いて論議を重ねることが適当である。」という御意見が示されております。すでに申し上げるまでもなく、一昨年の末に国会での御決議もございまして、そういうことを踏まえました上での、そういうことを含めました上でのこの税制調査会の中期答申でございますが、これから私どもこれについてどういう検討の方向で取り組んでまいるかということにつきましては、国会の御議論なり今後の財政なり経済全体の動向、さらには国民生活の動向というものを踏まえて、これは歳入歳出全般にわたっての幅広い検討ということで進めてまいりたいというふうに考えております。いま具体的に御質問のようにどういうことをこれから進めていくかということにつきましては、お答えするだけのまとまった気持ちを持っておらないわけでございます。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 では、酒税の問題に戻りまして、現在のこの酒税制度を見ますと、従量税を基本として、比較的高額な酒類に従価税を課するという制度がとられているわけでございますが、先ほど次官のお話もございましたわけでございますけれども、従量税でございますと、物価の上昇とともに価格に対する税率は下がっていくわけでございます。逆に見ると、今回のこの増税は、その税率低下の調整をとったにすぎないと見ることもできると思うわけでございます。従量税により課税されるものについては、こういうふうに物価水準の推移に応じまして随時負担の見直しが行われているということだと思いますが、この見直しがどうしてもおくれがちになる傾向があるのではないか。適正な負担水準を維持する見地から、酒税について従価税制度を重点に移行すべきではないかというような意見もあるわけでございます。いかにも増税というような感じにとられますが、五十三年の改正から見ますと、安いお酒についてはむしろ税負担率は売価に対して下がっているようにお見受けするわけでございます。こういう面につきまして、適正な税収を得るということで、従価税移行ということについては今後御検討の余地があるのか、いまどのようなお考えをしていられるでしょうか、お伺いしたいと思います。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 これは、ただいまもお話しのように、酒の価格に対する税負担、いわゆる税負担率でございますが、これが経済ないし物価の上昇とともに次第に下がっていくという傾向のあるのは、従量税のもとではこれは避けられないわけでございます。その点に着目をして、適正な負担水準の維持という観点から、たびたびの税制調査会の中期答申でも随時従量税の見直しをすることと同時に、従価税制度というものに移行したらどうかという考え方が示されております。しかしながら、従価税制度を直ちにとります場合にはいろいろな問題が出てまいるというふうに思います。  そういうふうに、従価税は価格に応じて、所得、物価水準の推移に応じて適切な税負担を求めることができるというすぐれた点があります反面で、課税標準をどう決めるか、たとえばおけごとにコストというのは違うわけでございましょう。また出荷する時期ごとにコストが違うわけでございますから、酒屋さんがその酒を出荷しました場合に、これは庫出し課税でございますから、いかなる価格で出したか、工場ごとにまた値段も違ってまいります。そういうことで課税標準の算定というのは非常に技術的にむずかしいということでございます。  それからまた、納税義務者になっておられる酒の製造者にしてみますと、たとえばコストが上がってどうしても営業を継続するために値上げしなければならないというときに、その価格に比例する税金も上乗せをしていかなければ、価格形成をしなければいけない、それができるかという問題もございます。それから、税務執行の面でもいろいろなむずかしさがあろうかと思います。  そういう諸点をいろいろ考えまして、税制調査会の昨年の十一月の中期答申では「税務執行上の問題、酒類の生産、流通の実情等も十分考慮する必要がある。」から「現実的な観点をも踏まえて酒税制度全体のあり方とともに検討を」せよ、そういう御答申をいただいております。いまもお話のありましたように、私どもは、従価税制度への移行ということは、将来の方向としてこれは当然考えるべきことでございますけれども、一方で納税義務者たる酒類業界というもの、それからまたその酒の消費者というものも頭に置きまして、どういうふうにこれに取り組んでいくかということを勉強してまいりたい、中長期的な問題として検討していきたいというふうに思います。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 ただいまの問題にもちょっと関連いたしますが、酒類のうちに、従価税制度の導入されていない清酒一級、二級、しょうちゅう等の中にかなり高価な商品も見受けられるわけでございます。これらの高価な商品にも従量税率が適用されているために、その税負担率は標準的な商品に比べて相当低いものになっていると思います。結局、清酒一級、二級、しょうちゅう類であれば、大変高いものでも税率は低いという結果になっているわけでございまして、高価格酒に対する税負担が若干不公平なのではないかというような見方をする人もいるわけでございますが、高価格酒に対するこの従量税による課税のアンバランスがあるのかないのか、またそういうことがあれば、これに対するあり方についてどういうふうに大蔵省当局ではお考えになっておられますか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 酒税は従量税を基本といたしておりますけれども、高価格酒は従価税という税体系でございます。従量税によります場合でもいわゆる分類差等課税と申しますか、酒の種類によって、また級別によって、それからまたその成分、製造方法によって高い低いという税率を設けまして、商品に合わせて税負担を求めるということを一般的に考えているわけでございますけれども、現在の特、一、二級という級別制度では必ずしも完全にそこにキャッチアップできないということがございます。いまもお話がございましたけれども、二級酒の中でも一・八リットル一万円という二級酒がございます。そうなりますと、普通の二級酒は小売価格に対して税負担率一二・九%というふうにお話ししておりますが、一万円で売られますと、税負担率がわずか一・五ということになるわけであります。     〔委員長退席、山崎(武)委員長代理着席〕 一級酒の場合でも、通常の一級酒は二四・一%くらいの税負担かと思うわけでございますが、一番高いものでは、一升と申しますか、一・八リットル二千円で売っておる、これは十七・五度でございますからもっと高い税率になります。四合びん、七百二十ミリリットルで二千五百円というものがございます。そうなりますと税負担率は六・六ということになる。しょうちゅうの乙類などでも非常に高いしょうちゅうが出ておりまして、通常の税負担率をはるかに下回るという事例があります。こういうアンバランスは、酒税が消費税であるというたてまえからしますと大変おかしなことでございます。  それで、そういう問題を踏まえまして、たびたび申し上げております政府の税制調査会でも、従価税率の適用範囲を広げていくということを検討してはどうかという御指摘がありまして、今回の改正の際にもいろいろ検討いたしました。ただいま申し上げますように、千八百ミリリットル当たり千二百円から一万円までという非常に広く価格の幅が広がっている場合に単一の従量税率でいいのか、それは従価税を適用しなくてもいいのかという問題もあります。そういうことで、清酒一、二級とかしょうちゅうの乙類に従価税を導入することができるかどうかという検討をいたしました。しかし、答えから申しますと、それは見送ったわけでございます。  と申しますのは、先ほど酒税について従価税を全面的に導入することをどうかという御質問がございまして、これは将来、中長期的な検討課題だということを申し上げましたが、そういう観点と絡めまして、もう少し時間をかけて関係業界と十分な御理解を得るように話し合いをしていきたいと思いますし、その上で適正な判断をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 やはり課税はアンバランスがないように公平に行われることが理想でございますから、大変技術的にむずかしい点があるのだと思いますが、その点、今後御検討くださいますようにお願いを申し上げます。  いままで清酒の課税の技術的な問題について伺いましたが、根本的に清酒というのは民族の酒だと私は思うわけでございます。私も日本酒が好きでいつも愛飲しているわけでございますが、今後ともこういった民族の酒を育成していくのが筋であろうかと思うわけでございます。しかしながら、清酒業界の経営の現状を聞きますと、相当数の企業が赤字の状態にあり、そして経営の不安定さが続いておると聞くわけでございます。そして、かなりの数の清酒業者が年々廃業していくというような現状があると伺っております。今度のこの増税でございますが、こういった民族の酒を守るという立場から、製造業者の経営の安定でございますとか発展とか、そういったものについて、国税庁といたされましては、どのような配慮をなさって、また、保護育成策を講じてこられましたでしょうか。また、今回の酒税法の改正に当たりまして、そこいらは、大蔵省といたされまして、どのような配慮をされましたか。

小泉忠之国税庁間税部長

○小泉政府委員 御質問のように、清酒製造業につきましては、非常に厳しい環境にあるということは十分私ども承知いたしておりますが、近年におきます売上高に対する税引き前の純利益、この割合が経営指標では基本でございますが、この最近の動向を見ますと、全体的には必ずしもそういう結果になっていないというような見方もあるのじゃなかろうかと思います。ここ数年間は横ばい傾向を示しておるということでございまして、他の業種に比較いたしまして必ずしも遜色がないのではないかというような判断を私どもいたしております。  数字的なことで大変恐縮でございますけれども、たとえば五十三年度のいま申し上げました売上高に対する税引き前純利益率を見ますと、清酒製造業全般について見ますと二・六%というデータがございます。食品の製造業全般ではこれが二・七%ということでございまして、ほぼ同水準。それから、御指摘ございました赤字企業の状況でございますが、これも全国で二千八百社、非常にすそ野の広い業界でございますが、これ全般をながめてみますと、若干古いわけですが、五十二事業年度では二九・六%、五十三年度で二八・六%とほぼ同水準で、横ばいないし若干減少傾向ということになっております。  清酒製造業のうち法人企業が約九〇%程度になりますが、これの赤字の状況をながめますとやはり同様な傾向でございまして、五十三年度で二九・七%、食品業全般につきましてこの赤字状況を見ますと四五・五、こういうことでございますので、他の業種に比べて平均いたしますと一〇%以上低い赤字企業割合ということでございまして、部分的には御指摘のようにかなり厳しい環境の企業もございますけれども、業界全体の収益性は、高いとは申せませんけれども、他の業種に比較してそれほど遜色があるというふうには考えておりません。  民族酒という御指摘でございまして、清酒につきましてはやはり日本古来の致酔性飲料でございまして文化生活を支える大事な食品でございますので、その酒類の内容は概観いたしますと、先生御存じのように多種多様に分かれております。その主な酒類をながめますと、これは清酒とビール、洋酒、こういうことになるわけでありますが、これをつくっている業界のバランスがなかなか複雑になっておりまして、たとえば洋酒、ビールにつきましては非常に近代的な装置産業、企業の規模も非常に大きいということでスケールの大きな企業が同時に寡占的な状態で製造しておる。一方清酒製造業につきましては、これは各地域、地域の地域経済に組み込まれておりまして、地域経済の非常に大事な役割りを果たしておるということでございまして、そういった非常にコントラストを持った酒類全体の構造になっておる。私どもとしては、やはりそれぞれがそれぞれの特色を生かしまして、適度な収益力と適度な成長力というものを持っていただきたいというふうに思うわけでございますが、何よりも大事なことは、非常に質のいい商品を適正な価格、妥当な価格で安定的に供給するということが大事ではないかと思うわけでありまして、それぞれの業界の位置づけというのは、やはり最終的には消費者の支持とそれから各業界の企業の努力というものがこれを支えるということは申すまでもないわけでございますが、私ども政府といたしましても、この対策については非常に重大な関心を持って従来からいたしております。  最近の需要の動向を拝見しますと、最近五年間の四十九年度から五十四年度までをちょっとながめますと、清酒につきましては年率〇・七%の増加、こういうことになっておりまして、横ばいか若干上向きな形になっております。それからビールにつきましては五・一%、洋酒については一〇・二、こういうことでございまして、全般を通じて見ますと余り高い成長度ではございませんけれども、四%程度の年率で伸びてきておるということでございまして、その中でやはり清酒はどうしても他の酒類に比べますと停滞傾向が心配される向きもある、こういう状況でございます。  これに対しまして、私どもとしては数多くの対策を業界対策として考えて実行いたしておるわけでありますが、その主要なものをお話し申し上げますと、第一点はやはり清酒業の振興対策ということが言えるのではないかと思いますが、清酒製造業の安定に関する特別措置法というのがございまして、この安定法に基づきまして、同時に中小企業の近代化促進法、こういった法律的な根拠をもちまして、この清酒製造業全体の需要開発なり製品の新技術の開発といったものを共同で業界自体が行うということにつきまして支援を行っていくということをいたしております。  それから第二には、安定法に基づきまして、まず清酒製造業が製造いたします際に酒造資金を借り入れるわけでありますが、その酒造資金の借り入れの信用保証事業というものをいたしております。これは、昭和四十五年度から現在まで三十億六千万円の補助金を交付いたしまして事業を実施しておるということでございます。  それから第三には、先ほど申し上げましたように、五カ年計画をもちまして昭和五十二年度から五十六年度まで第三次近代化の事業を実施しております。  それから第四には、清酒製造業を廃止する方々がおられますが、これの円滑な事業転換を促進する意味で給付金の給付をいたしておる。これが五十四年度までを集計いたしますと、十六億円の給付金の支出が行われておる。  それから第五には、清酒の原料米に対する助成でございます。これは食管制度の枠内で非常に原料高ということで、他の酒類に比べますとコスト面でやはり清酒製造業はハンディキャップを負っておるという見方も非常に強いわけでございまして、食管制度の枠内でできるだけの原料米に対する助成を行っておりまして、年間大体百八十八億円の助成があるというふうに見込んでおります。  以上でございます。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 ただいまのお話でいろいろな対策がとられていることがわかったわけでございますが、今回の増税によりまして五十三年の改正時の負担率と比べますと、上級のお酒と安いお酒の負担率の差が広がっていると思います。むしろ清酒二級、しょうちゅう等は、金額に対する負担率は五十三年当時よりも下がっておるということで、安い方のお酒に対する優遇措置をしていろいろな配慮をしておられる結果だと思いますが、そのことが逆にこの清酒の需要を上級から二級に移行させることに拍車をかけることになるのではないかというような意見もあるわけでございます。今後の清酒需要の動向をどのように見ておられますでしょうか。  また二級酒市場へ、先ほどお話のありました業界の構造にも関係あることだと思いますが、大手メーカーが参入することにより中小メーカーが打撃を受けるようなことがあるということを懸念する向きもあるわけでございますが、これに対してどのような対策を考えておられますか、お伺いいたします。

小泉忠之国税庁間税部長

○小泉政府委員 簡単に申し上げますが、昨年の清酒の需要動向につきましては、特級、一級と比べますと二級は若干増加しておるという状況でございます。この二級の増加の理由につきましてはいろいろな見方がございますが、一つは、先ほど申しましたように地域経済の中で地酒として二級主体の地酒が見直されつつあるのではないか、こういう見方がございます。もう一つは、やはり特級、一級との価格差が広がってきておるということで、この嗜好がシフトしているのではないかというような見方もございます。いずれにいたしましても、この状況は昨年の後半以降のことでございまして、比較的短期的な動向でございます。この動向がどういうものであるかということにつきましてはいろいろ見方がございまして、まだ明確な方向づけというものは出てないものというふうに私ども考えております。  いずれにいたしましても、二級市場というものが今後どうなるかということにつきましては、全般の清酒の需要動向の中で解決されるべき問題でありますし、従来は二級酒の割合が低かったわけでございまして、ざっと申し上げますとほぼ四割というような水準でございまして、一級の方が主体でございました。現在もその傾向は続いておりますけれども、それがかなり年々低下してきた状況が最近になって二級に対する見直しというものが若干出ておる、こういうことでございます。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 いろいろな方策をおとりのことと思いますが、中小業者がひとつ困らないようにいろいろ今後の政策を進めていただきたいと思います。  時間が参りましたので、最後に大蔵大臣にお伺い申し上げます。  今回の改正で、粉末酒を酒類の範囲に加えて課税するという案があるわけでございますが、改正理由につきましては、粉末酒は現行酒税法の下においては酒類の範囲に入らず、したがってこれを酒税法のうちに取り込むことによって種々の規制の下に置くことが適当と考えるということでございますが、仮にこれを放置しておったらどういうことになったか、また従来の取り扱いとあわせて今回の改正はどういう趣旨でございましょうかということが第一点。  もう一点。粉末酒には原料とする酒の種類によって種々のものが製造可能であるということでございます。その製造過程における原料の酒類のほかにいろいろな化学物質が、デキストリンというんでございますか、加えられておりまして、従来の酒類とは品質面で相当に異質のものとなっていると伺っております。したがって、このようなものが本来の酒類の表示のもとに販売されるのは問題ではないかと思うわけでございますが、表示の方法についてもどのようにこれから御指導されるお考えか。また、販売方法につきましても、大変簡単に持ち歩けるものでございまして、いま私、ここに持っておりますが、見本をいただいてまいりました。こんな簡単なもので、ポケットへ入ってどこへでも持ち運べて、水に薄めれば飲めるということでございます。青少年対策の面等で問題なしとしないという意見もございますが、販売のあり方についてどのような御指導をされますか、お伺いいたします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 粉末酒は放置をしておくとやはりいろいろ問題があります。したがって、これは適当な監督下に置かなければならぬ、こういうようなことで今回取り入れることにしたわけでございます。技術的な方法論については主税局長から答弁をいたさせます。     〔山崎(武)委員長代理退席、委員長着席〕

小泉忠之国税庁間税部長

○小泉政府委員 御質問のとおり、粉末酒というのは非常に特殊な酒類になろうかと思います。粉末状態の酒類でございますので、同様に需要の面も非常に特殊ではないか。特殊な分野で需要が出てきておるというようなことではないか。したがいまして、この表示方法その他販売のあり方につきましては、私ども、粉末酒が酒類に取り込まれました場合には、やはり酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律というものに基づきましてこの適正な表示をしていく。同時に、粉末酒の場合は、御指摘のように、原料は一般の酒類を使うわけでございますが、これにいわば粉末化剤と申しますか、デキストリンを混和いたしまして、摂氏七十五度から八十度の温度で高速をもって噴霧いたしますと、水分が蒸発いたしまして粉末化される、こういうものでございます。したがいまして、原料は一般の酒類を使いますが、できたものは近似した酒類ということになりまして、そもそも原料としている酒類そのものではない、こういうことになるわけでございます。したがいまして、一般消費者に原料としている酒類と区別ができないような表示というものはできるだけ避けた方がよろしいんではないか。これは不当景品類及び不当表示防止法というのがございまして、これではやはり不当な表示というものは差し控える。この法律にも抵触しないようにしていくということが必要ではないか。いずれにいたしましても、表示自体は製造業者自身がこういった法規制に抵触しない範囲で決めるという問題でございまして、私どもといたしましても、酒類産業所管官庁といたしまして必要であればこの表示について直接の所管官庁であります公取委員会等とも協議いたしながら十分な指導を行ってまいりたい、かように考えております。

中村正三郎自由民主党

○中村(正三郎)委員 質問を終わります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 熊川次男君。

熊川次男自由民主党

○熊川委員 先ほど大臣の酒税法の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を聞きました中に、思い切った節減合理化を図ったものであるというお話でありました。しかし、一兆四千億に及ぶ税負担の増加というのは、これは見方によっては大変な額になりますので、国民に理解を求めるに当たって、その前提としていわゆる歳出削減と行政改革の推進がどう行われたのかということは関心のあるところではないかと思いますし、またそれを徹底すれば必要がなかったかあるいははるかに少額で済まなかったかという意見もあろうかと思いますが、簡潔に教えていただきたいと存じます。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 歳出でどこを切ったかということは必ず言われるのです。これは、各般にわたって切らなければ当然ふえるものを抑え込んだり現実に切ったりという部分がございます。かなり多い部分にわたるのですが、大きなものを例示的に言うと、たとえば学校の建築というようなものについて、現在非常に鉄筋がふえたからそんなに数多く建てなくてもいいじゃないかというようなことで数量を減らすということで、四百何十億円というものは現実にカットしているわけです。それから、たとえば農林予算ですと、減反補助金というものを出しておりますが、これも減反面積がふえるというさなかにあって、しかも反当五千円ずつこれを低くするというようなこともお願いをいたしました。これもそうしなければやはり五百何十億円か経費が違ってくるわけですから、そういうようなこともやっております。あるいは小さなものですと、児童手当というものについて四百五十万円という所得制限を設けましたが、それを設けるということと設けないことでは三十数億円違うというようなことや、あるいは地方への特別な助成金を、今回は国の方が財政事情が苦しいんだからしばらくがまんしてもらえぬかということで千数百億円というようなものを削っておるとか、あるいはこの間も国会で取り上げられたわけですが、当然に住宅の補給金として出す金を、六百六十億円ですか、それを今回は財政事情が非常に厳しい、したがってその分についてはとりあえず財投で出すから、金に色目はないわけだから、一般歳出からのものは御勘弁いただきたいというようなことをやるとか、いろいろな何十カ所というそういう問題がありまして、八千五、六百億円の歳出の削減及び抑制というものはやってきておるわけであります。  それはすぐわかることは、一兆九千億円も当然増があるわけですから、これは抑えようとしてもなかなか抑えられない。老人の数がふえるのを抑えるというのは、これはむずかしい。老人がふえれば年金がふえる、これも抑えようがない。物価が上がれば年金が物価スライドする、これも抑えようがない。老人がふえれば病気がふえる、これも抑えようがない。それから子供がふえれば教室がふえる、教室がふえれば先生がふえる、これも抑えようがない。というようなものが例示的に言うとたくさんあるわけです。したがって、そういうようなものは実際問題として本当になかなか抑えられなかった。  しかしながら、一兆八千億円ぐらいのどうしても抑えられないものを一兆三千億円の増税の中へ入れちゃったわけですから、そのほかにまた新規の項目で、エネルギーを初め新しい需要についてはスクラップ・アンド・ビルドだけでは入り切らないものもあるわけですから、そういうようなものも取り入れるものは取り入れたということになると、何か裏で切るものがなければその枠の中に入るはずがないわけです。したがって、大蔵省といたしましては、各省庁の御協力も得てそういうように抑え込んだり切ったりするものはかなりのことはやりました。しかし、それは法律かなんかでどかっと表に出るようなものが余りないものですから世間に知られておりませんが、そういうことを苦労はしてきたわけであります。  行政改革については、これは金目としてはすぐに大きく出てくるということにはなかなかいかない。それでも国鉄等はことしは一万人を減らしてくださいよ。それをやってくれなければ七千億円の補助金は出しません。それをやると言うから——これは大変なわけですね。国鉄だけで七千億円も補助金を出すということは、実際は増税の半分くれてしまうという話なんだから。だけれども、これもそういうように将来の大きな改革をやることを前提にして助成をしたということであります。

熊川次男自由民主党

○熊川委員 大臣の並み並みならぬ御努力のほどもわかりました。また、茶の間にわかりやすい財政をという形で国民に理解されていることも大きな効力ではないかと思います。他面、先ほど収入面においても徹底した見直しを行うこととしたという御説明でございましたけれども、その収入面においての見直しの基準あるいは基本姿勢、こういうものを本件の酒税との関係でお聞かせいただけたらありがたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○渡辺国務大臣 まず収入面におきましては、税外収入などでいままでにやったことのないようなことで、極力金を集めなければならぬというような点から、たとえば、税外収入ということもいままでにないことを実はやっておりまして、電電公社にお願いをしてことしは一千二百億円を納付していただくという国庫納付というようないままでに例のないことをやらせてもらったし、中央競馬会の五百億とか日本航空の五十八億とかその他いろいろなことをやっております。国有財産の売却ということについても去年度よりも四五%よけいに売却するようにいろいろな物件を探してやっておるわけでございます。そのほか所得税については、かねてから課税最低限を据え置いておるということもあって、今回はこれについてはもちろん一切さわっておらないわけでございますが、法人税を初めその他の多くの税目について薄く広くできるだけそれらの財政需要を補うための必要にして最小限度のものをお願いをしたということであります。

熊川次男自由民主党

○熊川委員 ただいま最小限度の希望というか案であるというお話でありましたが、それにしても酒が先ほどのお話のとおり特殊な嗜好品として、伝統的な嗜好品としてだれにも親しまれてきたものであります。このような厳しい状況、財政状況はわかりますけれども、それにしても御案内のとおり大衆課税ではないかという声も聞かれるわけでありますので、物価に与える影響などもどんなふうにお考えでしょうか。簡潔にお聞かせいただけたらありがたいと思います。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 酒税を原則的に二四・二%引き上げさせていただくという場合に物価にどれほどの影響を与えるかと申しますと、酒の消費が、消費者物価指数を算定いたします場合のウエートが家計の中で万分の百八十七でございます。それを使いまして試算をいたしますと、CPIを〇・一二%押し上げるというふうに見込まれます。外食の中のビールの値上げも考えますと、〇・一六%程度というふうに算定されます。これが確かに国民生活にとって受忍をお願いするということでございますけれども、人がどれほどずつお酒を飲むかばらばらでございましてはっきり申し上げられませんけれども、毎日一合ずつ二級酒を飲んでいる、晩酌をとっておられる方ですと月当たりの増税額は四十五円くらいということでございます。毎日ビールを飲まれるということになりますと、ビールは七百四十円くらい月に負担の増加をお願いするということになろうかと思います。いずれにしても、二兆円減額と歳出の節減合理化というものと相並びまして今回の酒税の引き上げをお願いいたしておりますについて、そういう点について国民の御理解をお願いしたいというふうに存じます。

熊川次男自由民主党

○熊川委員 ただいまビールの話が出ましたが、ビールの税負担率は諸外国と比べてみてすでにかなり高いところにいっているかと思います。最近は女性の愛飲家もきわめてふえてまいりました。まさに大衆向きの酒であります。せめて清酒の二級と同じ程度の増税率でとめられなかった事情をお話しいただけたらと思います。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 仰せのありますように、日本のビールについての税負担というものは負担率で申しますと高いわけでございます。今回改正をお願いいたしております増税後でございますと四七・九%に相なろうかと思います。イギリスが二八、フランスが一六、ドイツが一九というのに比べますと高いわけでございますが、これはおのずと定着した風土というものとの関連だと思います。ドイツですと日本人の大体四倍くらいのビールを飲んでおるようでございますが、これは水がわりというようなことだと思います。それからイギリス人あたりでも日本の三倍くらいビールを飲むようでございます。そういうことで飲料の習慣や嗜好というものが異なっておりますから、単純に比較することはできないだろう。日本は外来の酒ということでずっと飲んできたわけでございますし、おっしゃいますようにかなり高い税負担ではございますけれども、それにしても消費量がおおむね順調に伸びてきておる。それから業務用消費の割合というのは大体三割でございます。日本酒ですと一九%くらいでございますが、ビールの業務用は三割ということでございますから、そういう意味からしますと担税力というものもあるんではないかというふうに考えられますので、ビールにつきまして原則の引き上げ幅で負担の引き上げをお願いするということに考えておるわけでございますが、御理解をいただきたいと思います。

熊川次男自由民主党

○熊川委員 先ほどわが党の中村委員からの御質問とお答えでもかなり明らかになりましたが、重ねて関連の点を。  特に酒税の従量税から従価税への移行について、先ほどの御説明ですといろいろ御配慮してくださっていることはわかりますが、先ほどの御説明の中に、たびたび税制調査会でも真剣な議論が交わされたという事実、それから将来の方向として考うべき問題だといってきわめて前向きな、重要な問題としてお答えございました。しかし反面においては、関係業界とも調整と言われましたか、調整をとってというふうに理解したのですが、そういう疑問もある。しかし、何といっても私たちが今回これだけいろいろ関心を集めているこの酒税について増税ムードというのは一にかかってこの従量税か従価税かということにありはしないだろうか。中身を分析してみると、同じお酒でありながら片方は従量税であり片方は従価税であるものが現にある、こういうことですので、いろいろの犠牲、困難なことは先ほどわかりましたけれども、それよりか、増税ムードというこの大きなデメリットでしょうか、そういったことをあおられるといいましょうか、国民に理解をいただくのに大変な御苦労を願わざるを得ないこのエネルギー、こういうものをあわせ考えるならば、それ相応の困難は伴うでしょうけれども、早急にこの従価税移行ということを御検討いただけないでしょうか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 全体の酒類の中で、いま酒税を納めていただいております中で九%ぐらいが従価税による税金でございます。数量で申しますと一%程度でございますが、物によって違っておりまして、ウイスキーあたりになりますとかなり従価で消費をしていただいておる。ワインもそうでございます。そういうふうに酒によってかなり違ってきておるわけでございますが、仰せのありますように、たびたび税制調査会でも論議が行われたことでございますし、またその納税義務者たる酒造業界のいろいろな問題、それから課税標準の算定等の税務執行上の問題、いろいろございますけれども、なお引き続いて、中期答申にありますように、全面的な酒税制度全体のあり方等含めて検討を行ってまいりたいというふうに思います。

熊川次男自由民主党

○熊川委員 また、それとの関係で、これまで本来税率が各酒の種目ごとに妥当であったならば、このたびの変更率も全く同一率でよかったのではないかと思いますが、かつての税率が当を失していたのか、あるいは今回同じ清酒一つとってみても率が違うわけですが、これらの積極的事由というものはどういうところにあったのでしょうか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 昭和三十七年に間接税のかなりの減税と一緒に、各酒の種類間のバランスをとりました税率というのを設定いたしたわけでございます。当時はかなり高うございまして、清酒が、特級ですと五〇%を超えたくらいの税負担率、ウイスキーですと、やはり角びんなんかですと五〇%を超えたくらいの税負担率ということで、バランスがとれておったわけですが、その後、御案内のように、米を使います清酒についての原価の値上がりというもの、それから消費の伸びが非常に堅調でありました洋酒なりビールというものとの間にそれぞれ格差が生じてまいったわけでございます。製造者の、また消費者の格差というものが生じた。それに応じて三十七年、四十四年、五十年、五十三年と、税負担率を税制改正によってお願いをしてきたわけでございます。その場合には、その直前の税制改正の際のバランスというものを回復するようにということを頭に置いてきたわけでございますが、税率設定後十九年を経過しておりますので、三十九年当時の各酒類間の税負担のバランスというものにその後の社会経済情勢の変化というものが織り込まれて、今回改正をお願いいたしておりますような案でございますと、大体前回改正時の税負担率に戻していただくことを主な考え方としておるわけでございます。それによって、酒の種類間のバランスというものをおのずと回復することになると存じます。

熊川次男自由民主党

○熊川委員 時間も参りましたのでそろそろと思いますが、これは増税という大変な問題であります。しかし、他面、物価の上昇率など考えてみれば、お聞きすればかなりよくわかってまいりましたが、それにしても重要なのは、高いかどうかではなしに、公平かどうかということにあろうかと思います。国民の間にも、その不公平な点が着々公平の面に向かって前進しているということが理解をされつつあるのは、渡辺大蔵大臣を先頭に、また自由民主党の努力もありましょうが、執行部の方でもますます国民の理解を得るように努力を重ねていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十三分散会

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