石炭対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 207 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/04/09
会議録
○森中委員長 これより会議を開きます。 まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事金子岩三君から、理事を辞任いたしたい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森中委員長 御異議なしと認めます。 それでは、委員長は渡辺省一君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○森中委員長 内閣提出、産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中西積介君。
○中西(績)委員 先般、参考人に意見聴取をいたしましたけれども、その間におきましても、産炭地域振興臨時措置法が制定されて以来二十年間経過をいたしておりますが、その中でも振興対策の面で何か欠陥があるのではないかということでいままで大臣にもお聞きしましたし、さらに参考人にもお聞きをいたしましたけれども、それぞれ述べられておる中身をつぶさに検討してみますと、はっきりしたものがなかなか出ておりません。 ただ一つ言えますことは、特に産炭地域にかかわりを持つ方々の意見としては、現在の対応の仕方ではどうすることもできないというのが実態のようであります。したがって、きょうぜひ大臣にお聞きをして確認をしたいと私が思いますことは、この法改正を論議するに当たりまして、やはり一番中心的な、基礎的なものをある程度意思統一をしておかないと、論議する基盤が異なってくるのではないかという気がいたしますので、いまの欠陥なり問題点をもう一度再確認をしておきたいと思うわけであります。 特に私が指摘したいと思いますことは、法の四条にあります計画は国がつくっておりますけれども、その財政措置なり何なり不明確な点がありますし、どこが中核になってやるかということ等について、いまだに私確認をすることができなくて困っているわけでありますけれども、こういう点等につきまして大臣どのようにお考えなのか、もう一度お答えをいただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 いま国会で御審議をお願いしております産炭地振興法の十年延長ということを契機に、ここで内容を、つまり精神的にもそれから外部に対しましても衣がえをしなければならない大きな節目であるというふうなことは、中西委員御指摘のように、私も痛感いたしております。したがって、この再スタートに当たって、はっきりしたものを確認しておくことは非常に大切だ、私も過去の経験からそういうふうに思っております。 一つは、もちろん私ども国会あるいは政府の責任もございますけれども、産炭地のそこの住民、それからその関係者という人たちがりフォメーションと申しますか、精神革命をまずしてもらいたい。皮肉な話でございますけれども、私も筑豊地帯出身でございますが、筑豊地帯に炭鉱の坑口が一つもないのに、いまだに産炭地、産炭地というわけでございます。 私はときどき選挙区で言うのです。旧産炭地と言うならば話はわかるけれども、産炭地というのはどこに炭が出るのだということを言っておりますが、そういう一つの象徴的なことに見られるように、炭鉱があった、現在もそれが非常にかかわりはあるのですけれども、それとの結びつきということを余りにも強く意識し過ぎているのじゃあるまいか。つまり反面、もう少し深く言いますと、自立する精神といいますか、そういうところがそういうことによって欠けておるのじゃあるまいか、これはひとりよがりの私の反省かもわかりませんけれども、そういう反省を持ってほしいという願いがあります。 それから、後のことはわれわれは十分やらなければいけないことでございますけれども、私どもも大きな責任があるのは、それぞれの地域地域あるいはそれぞれの単独の陳情とか、鉱害対策とか、そういうことだけにうつつを抜かしておったということはないのですけれども、結果的にはそういう部分の広域的なものの欠如、極端に言えば一件一件の話には応じ、一件一件の相談には乗ったけれども、二件、三件、十件とか、これはたとえでございますけれども、そういう広い範囲のことについて本当に真剣にやったかどうかという反省を持ちます。したがって、広域的な対処の仕方、それぞれの地域、町とか村とかいうこともございますけれども、そういう筑豊なら筑豊地帯、北海道なら北海道のある大きな地域というような広域的な範囲のものの考え方を徹底してやったかどうか、こういうようなこと。 したがって、そういうふうなことからしまして、私ども、特別地域のそういう地域の状態に適応するような事業を促進するというようなことで、今回十一億をそういうもののために計上いたしたわけでございますけれども、そういうことに金を使ってほしい。それと同時に、政府も、いま事務レベルの各省との連絡会議が持たれておりますが、そういう点の活用をフルにして、あと十年間のスタートに立ってそういう反省をすると同時に、反省するだけじゃなくて、そういう観点からこの事態を見直して、実行に移したいというふうに考えます。
○中西(績)委員 いまお答えいただきました点が三点あったと思うのです。後半の総合的対策という問題等につきましては、この前明らかにされましたこの答申の内容をつぶさに見ましても、この中に明らかにされておるところであります。さらにまた、その上に立って、この答申の中の最終段階におきまして、政府あるいは各省庁間あるいは地方公共団体等の体制をどう立て直し、見直していくかという問題等についても出ております。 ところが、一点目の自主性あるいは自立性が欠けるというこの点でありますけれども、産炭地だということでもってその意識が強い。そうしたものが自主性あるいは自立性が欠如するということにつながるだろうかということを私は非常に疑問に思います。確かに、いままで産業面からあるいは経済的な位置づけからいたしますと、余りにもこれ一本に頼っておったという地域でありますだけに、これがなくなれば当然そこには虚脱的なものが起こるし、そのことへの郷愁なりそういうものが大変強くあるということは事実であります。だからそこに自立性が欠けるということにはなってこないのではないか。 私が指摘をしたいと思いますのは、何と申しましても、この法律そのものを見てまいりましても、先ほど指摘をいたしましたように、計画をつくるということはあっても、具体的にこの前質問をした際に、年次的計画は非常に困難だということを言っておりますけれども、少なくとも十年という規制される年限があるならば、その中で一応これだけのものは達成をするという目標の設定とそれに対する財政的な裏づけなり何なりがあって、そして国が果たす役割りとさらに地方自治体の果たす役割り、あるいは住民の果たす役割りというものを明確にこの基本計画の中に示すべきであろうと思いますね。基本計画を見てみましても、そのような羅列されたものはありましても、そうした具体的なものはそこには余りない。こういうことになってまいりますと、どこが責任を持ってその任を果たしていくかということが欠落をすれば、今後十年間これをいたしたとしましても、また同じことが繰り返されていくのではないかということを私は恐れます。 そういう意味で、この一点目の問題、そういう心情的なものはあったにいたしましても、もう少し踏み込んで、いままでの二十年なりの中で何が一番問題だったかということを明らかにしておく必要があろうと思います。そのことを埋めていって今後の対策はどうするかということを考えなければ、この十年間単純延長があったとしても、また再びその過ちを犯していくのではないかと私は思いますので、この点もう一度回答をいただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 過去長い間、すでに産炭地振興並びに通常言われております石炭六法というもので、私ども政府が中心になってそういう法律でこれらの産炭地を含めました炭鉱問題を処理してきておるわけでございますが、御承知のように特別会計というものを設けてやってきております。大体千二、三百億円の金はその特別会計に計上されてもおりました。しかし、他の地域あるいは他の産業、たとえば中小企業対策といたしましても、五十六年度は大まかに言うと二千五百億くらいの金でございます。そういうものに比べるときに石炭勘定の金というものは、いま計上されておるのと比べますと、他の産業部門が指摘するように、石炭関係は長い問、しかもかなりの金額じゃないかという指摘は、私どもはもろにそれを肯定できなくても、政府といたしましてはかなりの金額だというふうに思います。 したがって、特に私ども自由民主党の政策は、他の政党とも違いますけれども、民間の活力、民間の自主性、民間の創意工夫というものをどっちかというと先に進めておりますし、市場機能、マーケットの自主的な運営によって価格が決まるというような自由主義経済でもございます。そういうことを勘案するときに、そこの住民あるいはそこの産業に携わっている人々の自立性というものをまず頭に置く私どもの政策でございます。したがって、そういう一つの特定の地域の人々の考えというものについて、過去のいろいろな、まあ本人たちは長い間のなれと申しますか、そういうことで当然視しているようなことが、はっと気がつけば、案外よそと比べるときにそうではないかもわからないこともございます。 したがって、過去のことが当然だというような、たとえば私はいつも指摘をしておるのですけれども産炭地振興法というようなこと、鉱害法というようなもの、あるいはそれにまつわる諸法律が、たとえば私の方の筑豊地帯からなくなった場合どうなんだろう。これはすでに一つの産業化しておる。一つの産業と申しますか工業でもいい。一つの企業が来て、そしてそれを肩がわりしているのがこれらの法律じゃないかという疑問を私はいつも提示しておりますけれども、そういうことになっておるのはどういうことなのだろうかという反省が、やはり私は地域住民に欲しいと思うのです。 中西さんの御指摘のように、まず政府の法律の整備、あるいはそれにまつわる機構面の構造的なものの整備があって、それからのことだというふうにお考えの考え方ももちろんございますし、私もそれを否定するものではございません。しかし、やはり重大なのは、そこの地域の人々の物の考え方がどうなのだろうかという反省がどうしても欲しいという気持ちは私は色濃く残ります。もちろん、これに対しまして、私ども政府は現在事務次官レベルの会合というものがあります。それより一層の責任を持った閣僚の会合に引き上げろという案もあるかもしれませんけれども、私どもは、閣僚よりも事務次官が関連する協議会をより以上機能的に効率的に運営するならば、むしろそれの方がいいと思いますし、いままでの長い問の経験を踏まえて、それを材料にしてより一層の運営をする方、がいいのじゃないかという気持ちでございます。
○中西(績)委員 いま指摘ございました特別会計で千二百億あるいは千三百億措置をしておるということでありますけれども、その内容を検討していただくとおわかりのように、この合理化安定対策費、さらに鉱害対策費をもってすれば、大体この額は消えてしまうわけですね。特に旧産炭地域の問題の中でも鉱害対策というのは、いかに自立しようと、いかに反省をしようと、そのことの中から住民が立ち上がるということにはならないわけです。この被害は、あくまでも当時石炭採掘をやった企業の責任であるし、そしてその後こういう法律ができ上がった段階では国の責任、そのことは否定できないわけですね。 しかも戦時中等から特別に石炭採掘をし、そして特別大きく被害の出ておった地域あたりは特別指定までするくらいの状況になっておりますものだけに、今回の場合を見ましても五百三十九億というのはこの鉱害対策のためにあるわけです。そうしますと、実質的に、この産炭地域振興対策あるいは労働省の分等を含めましても、その金額はいま指摘をされた特別会計全般に大きく影響する中身にはなってないわけなんです。 ですから、私が申し上げるまでもなく、あくまでこうした再生を図る、しかも国土の効用回復を求め、そして住民が安定して生活できる体制をどうつくっていくかということになれば、この点はやはり国が責任を持って補償する、その上に立って産炭地域振興をどう推し進めていくかというこうした施策的なものが明らかになってこなくてはならないのではないか。しかも地域でと申しますけれども、地域の各自治体の財政状況は私がここでとやかく言う必要もないくらいにきわめて厳しい状況に陥っておるわけでありますから、その点はやはり国が中核になってその責を果たすべきではないかということをここで明確にしておきたいと私は思うのですが、この点どうでしょう。
○田中(六)国務大臣 筑豊地帯のそれぞれの市町村の財政力指数から見ますとボトム、つまり日本のあらゆる地方に比べまして非常に落ち込んでおります。これは政策あるいは長い間の施策が欠如しておったからなったのか、あるいは長い問の、極端に言えば保護政策と申しますかびほう策と申しますか、悪く言えばそういう私どもの継ぎはぎの、ほころびたところだけを詰めていこうという飛び飛びの政策の大きな誤りだったかもわかりませんけれども、つまりでんとした一ところに金を集中してそれを大きく切開手術するというようなことではなくて、長い間胸を病んでおったり、がんの治療が非常に長引くと同様のような一つの臨床の状態、そういうようなもので、ただ床に寝かして薬をずっとやっておって長生き、つまり寝たきり老人みたいなことの施策、そういうようなものが誤りであった、それは過去の過ぎし方を見たときにそういうことが言えるのであり、私どももあるいは地元の要望も、その瞬間瞬間、その一時の施策というものを求め過ぎておったんじゃあるまいかということもあるんじゃないかと思います。 したがって、この十年問いまからスタートするについて、過去の反省、過去のやり口、手口というものを、もちろん私どもも大きく施策というものを練り直していく、私もそれは認め、そうしなければならないと思っておりますが、そういうことについて地方の人たち、私の県をとって恐縮でございますが、県知事初め市町村の首長も考えなければならない。 いま中西委員から、鉱害対策に五百幾らとられて、それでほとんど消えるんじゃないかという御指摘もございますけれども、その鉱害対策そのものが問題でございまして、約百以上の中小企業の建設業者が鉱害対策に従事をする、そこに雇用しておる人間あるいはまた失対初めその他の人たち、道路でもそうでございますけれども、鉱害の金が八〇%は筑豊地帯に行くということは、雇用の実態をながめていただければおわかりのように、産業の誘致というものを私ども振興法の中にもうたっておりますけれども、なかなか産業誘致というのも大変な面があるわけでございまして、鉱害対策の金がそのまま余り潤わないようなことになるのじゃなくて、何か保護的なものに結びつくものがあるのじゃないかと思われます。 いずれにいたしましても、私どもがいいと言っているのじゃなくて、そこに大きく地域住民の反省の度合いを求めるわけでございます。といって、私ども先ほどから指摘しておりますように、特殊事業、そこに発展するような情勢あるいは広域の市町村が相互に話し合っていく地盤の金は設けておるわけでございまして、この出発点に当たって、私は極端に言い過ぎたかもわかりませんけれども、大きな反省のもとに、私ども政府もリードしていきたいという決意は強く持っております。
○中西(績)委員 いま御指摘のありました鉱害対策が雇用を生ぜしめておるとか、私はこういう点について否定をしているわけではありません。今度は十年間ということを強調して制限をするようでありますから、その十年間の期間をどう生かしていくのか、それから政府の財政措置をどう生かしていくかということになってくれば、いままでの問題点をつまびらかにした中で洗いざらい出して、ここら辺が問題であったということをお互いに確認し合った上で、これからの施策を同じ基盤に立って討論をしていきたいという気持ちが私には絶えずありますからこの点を指摘して言ったわけなんです。 ですから、私は筑豊ですから、たとえば筑豊の再生あるいは旧産炭地域の再生、また、現在北海道の場合におきましてはどんどん閉山をしておるわけですから、その地域の再生等を含めまして、いままで落ち込んでいた部分をある程度レベル化したということはでき得たとしても、私たちが新しい期待をする、あるいは再生し得たという認識にまで立ち至っていないということは事実なんです。ですから、いままでの努力、二十年間における努力というのはそういう点で一定の地ならし程度はできたということは言えるかもしれません。しかし、それでもなおかつまだ格差があって落ち込んでおるところもあることは事実なんです。 審議会が答申しておる中身の中にもはっきりしております。六条地域の特殊な地域におきましては、まだまだそういう一定のレベル化しているところにも達してないことははっきりしておるわけですから、こういう点あたりが依然として残っておるし、答申の中身からすると、過去、市町村段階でわずかの補助金政策なりで十分ではなかった、それを今度は全体的にどう押し上げていくかという広い視野に立っての対策を持とう、こういうふうになっておるわけでありますから、先ほど申し上げたように、そういう点はある一定のレベルまでレベル化することには成功したけれども、一定の地域は依然として残っておる、そういう条件の中でどう再生を求めていくかということになってくると思うのです。 いまこの点だけやっておったのでは時間がございませんから、そういうように認識をした上で二問に入りたいと思います。 問題は、高度成長期における条件はいろいろありましたし、またいまの産炭法の第一条にあります鉱工業を中心とする浮揚政策、そのことでまた可能でもあったかと思うのです。しかし、この前から、参考人の皆さんからの意見聴取をいたしましても、特に内陸部あたりにおきましても、そういうことがもうほとんど不可能に近い状況になっておるのではないか。こういうことを考えてみますと、企業誘致ということは非常に悲観的になってくる。 先般の大臣の答弁の中では、やはり政府の大きな力でもってしなくてはならないだろう、そうしなければ、そうした再浮揚を図るということについても困難ではないかということの答弁があっておるわけでありますけれども、そうした中で、この第一条にある目的、これとの関連で、先般からも主張しておりますように教育、文化、福祉、こういう点についてどう措置をしていくのかということになれば、やはり地域の財政措置では非常に困難だということになれば、先ほどから言っておるような特定事業促進調整費などが十一億とは言っていますけれども、これらの額で果たして足りるだろうかと考えるわけなんですね。 ですから、大臣ちょっとお聞かせいただきたいと思いますけれども、この内陸部においては、こうした低成長の時代においては特定の基幹産業的なものを誘致することは非常に困難だと見るべきか、今後もこれを継続してやるべきか。二つ目には、もしそれができないなら、国の大きな力でもって何らかの措置をするのかどうか、こういう点についてひとつお聞かせ願いたいということが一つであります。 それから二つ目が、この第一条にやはり教育、文化、福祉というものをある程度文章化するくらいに強力に推進をするという体制をつくるべきではないかと思うのです。文章化する必要がありはしないかと私は思うのですが、できるなら文章化してほしいし、もしできなければ、それにかわる措置を何らか考えてほしいと思うのですが、この二点について、大臣どうでしょうか。
○田中(六)国務大臣 第一点の、高度成長期からいまの経済の安定成長期への変化に伴なって、それに即応した対処をすべきじゃないかという点でございますが、私もやはり中西委員と同じような考えも当然浮かびます一高度成長期に産業誘致、工業誘致ということでやったような、ああいう態度で現在の経済情勢のもとで済まされるかということでございます。したがって、発想の転換ということが必要になろうかと思います。 たとえば、北九州とか福岡市があって、筑豊地帯をそのベッドタウン化するというようなことも考えられます。しかし、御承知のように、また反面、文化の時代あるいは地方の時代とか、あるいは過疎、過密の情勢というようなことも結構うたわれておるし、またそうしなければならない事態でもございます。したがって、そういう地方の時代というようなことで、臨海面における工業、あるいはそれに必要な工業あるいは産業というものは不可能かもわかりませんけれども、十分内陸面での仕事というものもございますし、それから広域的な発想法からいたしますと、臨海あるいは内陸と申しましても、いま交通あるいは通信、そういう面からいたしますと、距離の差というものは非常に縮まっていると思います。 したがって、そういう面で、どちらかというと混合と言ったらどうかと思いますけれども、ミックスしたような発想法でいくことの方が得策じゃないかというふうに考えますし、政府のある程度の、強力な推進ということも必要な要素になってくるのじゃないかというふうに思います。 第二点目でございますけれども、これにつきまして私どもどういうふうな対処をしていくかということでございますが、第一条の目的の中に、御承知のように工業というもの、そういう生産面の振興、産業の振興というようなものをうたっておるわけでございまして、十一条あたりに文化とかその他社会のこと、福祉というようなことをうたっておりまして、やはり目的は、最後は、産炭地でございますし、一つの鉱業というものがあったわけでございますので、それにかわる落ちつく先は、この法律並びにこれに関心のある点は、第一条が目的でございますし、その手段として文化あるいは福祉、そういうようなものが考えられるわけで、いま時代が変わっていろいろしているから、この法律では手段となっておる部分を第一条の目的に、これも発想の転換の一つというぐあいで必要な点かもわかりません。 しかし、それぞれの法律がたくさんございますし、この法律について、目的と手段というふうなことで、わざわざ目的の部分に手段の面を持っていかなくてもという考えも浮かびますけれども、私は、中西委員のお考えも一つの考えとしては適当ではないかと思いますし、そこら辺の調整につきましては、ある程度国会の方にお任せするのも一つの考えではないかとは思っております。
○中西(績)委員 そうしますと、いまのお答えでは、一点目、内陸面と臨海産業、距離が近いということもあって、中核になるべき基幹産業、企業というものを誘致なりあるいはそれとのかかわりで、第一条、目的に沿うようにしたいというように理解をしてよろしいでしょうか。
○田中(六)国務大臣 私は、これは非常に主観的で恐縮でございますけれども、たとえば私の方の田川市郡というものを考えた場合に、小倉の方からある峠を越えてくる、行橋の方からまた峠を越えてくる、また福岡の方からも八木山、これは一つの地名で、私の余りにも身近な話でございますから客観性はないかもわかりませんけれども、いろいろな峠を越えて三方から田川の盆地に入ってくる。 これは、私が小さいときに読んだ「ロストホライズン」つまり失われた地平線という小説があるわけでございます。要するに、そういう峠を越えてきてそこに入ると本当に楽園があったというようなことなんでございますけれども、そういうものを理想と夢に描く、頭に描くとすると、工場とかそういうものが来て近代化したことがその住民の幸福かどうか、あるいは昔のままの姿である方が幸福かどうかということは非常に疑問に思いますし、実は主観的には迷いますけれども、やはり住民の生活レベルというものが平均化し、標準化した日本の現在の情勢では、他にあることを自分にも求めるということになりますと、やはり一つのテクノポリス的な、産業も近代化されたものがあると同時に、並行して農村的なものも残っておるというものをそこの住民が求めるんじゃないかというふうに考えられますので、私は、第一条にあることでまあまあいいんじゃないかという気持ちがしておるわけでございます。
○中西(績)委員 いま言われました住民主体的に考えて、それでいいんではないかということのようでありますけれども、いずれにしましても、やはりこの法を論議する場合には、十年という制限がついている以上、これをさらにまた延ばすということであれば私はここまで言いませんけれども、やはり具体的にもうちょっと言っていただきたいと思うのです。特にいま筑豊なりの例が出ましたからなんですけれども、こういう筑豊なら筑豊という内陸部に本当に企業誘致ができる、そういう視点に立っての基本計画を立てるおつもりですか。その点どうでしょうか。
○田中(六)国務大臣 人間というのは、過去の経験とか習性を将来を判断する大きな材料にしがちでございますけれども、たとえば筑豊地帯に私ども多くの企業を誘致し、あるいは努力もしたときもございます。いま努力を捨てているというわけではございませんけれども、どうしても中高年齢層の雇用の産業とか仕事というものが来にくくて、しかも女子雇用型の縫製とかあるいは非常に軽工業的なもので、それが倒産したり、また起き上がったりするような状態の明け暮れという現状を考えますときに、来るなら大きな、しかも中堅の人たちも十分雇用できるような企業が頭に浮かぶわけでございます。 しかし、客観的に見まして、たとえばIC産業など、九州はいまICアイランドというような異名さえとるほど福岡県以外の他府県では非常にそれがたくさん来ておるわけでございますけれども、事産炭地となりますと、地盤の下に坑道があるため、すでにそうではないのですけれども、非常に恐れる。地盤が安定しておる地帯というようなこと、つまり鉱害のない地帯ということになって、困難な場合が多いのです。したがって、臨海といっても、たとえば自分の選挙区中心のお話で恐縮でございますけれども、それの方が手っ取り早いから申し上げたいのですが、苅田に日産があってこれも臨海、それから北九州もそうでしょうし、福岡もそう。 そういうことになっていきますと、やはりそこに通える人、交通も、いろいろ車などもありますし、だんだんそういうようになっていっておるわけです。ただ交通が不便であるという場合は住居の移動ということもあるでしょうけれども、十分通えるような範囲の、先ほど申しました時間的、空間的あるいは距離的なものが非常に短縮されておる時代になっておりますので、ベッドタウンというようなことも考えられます。そういう点で、現実的にはそういうものも加味したものというようなことで、それは私どもの選択もありますけれども、その地帯に住んでおる人たちの選択の方にウエート、があるのじゃないか。 それでは具体性がないじゃないかというおしかりも受けるでしょうけれども、やはりそれは地域の人たちの選択、あるいは市町村長の広域的な——いずれにしても、指さすかなたはどうかといいますと、そこの市町村の首長が広域的なことを考えていかなければ、産炭地の財政力指数から見ましてもうまくいかない。したがって、その広域圏の中でそれぞれの市町村が、市町村の合併というようなものをしていく過程において何を選択するかという具体性が生まれてくるのではないかと私は思います。
○中西(績)委員 ちょっとわかりにくいのですけれども、ただ私がこれにこだわるのは、前回の質問の際に大臣は、国関係が大きな力を発揮する必要がある、大きな力が中心にならないと絵にかいたもちとなるであろうという言い方までしておるだけに、これからいたしますと、その地域に一つの基幹産業的なものを誘致して、その場合には国がそこに座って、民間企業なり何なりを誘致するにしましても最大の努力をしていく、こういう体制の中で考えたのではないかと思っていました。しかし、いま答えられている中身になってまいりますと、ちょっと違ってきているようですね。そこら辺がちょっと整合性を欠きますので、重ねて私はお聞きをしておるわけです。 ですから、たとえば筑豊には何を特徴づけて発展をさせていくのか、それは地域の多くの皆さんの意見なり住民の要求なり、そういうものを民主的に吸収してまとめ上げていくことは当然でありますけれども、その際何かを中心に据えなくてはならぬと思うのです。それは何だろう、こういうことをお考えになっておられるかどうか。この前の答弁の中身とのかかわりで私はお聞きしているわけです。どうでしょう。
○田中(六)国務大臣 人間は試行錯誤ということがございまして、実はわれわれは政府の閣僚の一人といたしましてもいろいろなことを考えるわけです。産炭地あるいはそういうものを含みました通産行政でございますのであれこれ考えているわけで、たとえば、北海道の場合は閉山した方がいいのではないかと思うような条件も加味しておる新夕張の北炭の問題、こういうものは地元の要求もございまして、地元もずいぶん金を出しておって、これはどうしても再開に踏み切ってほしいといえば、私どももエネルギー問題も控えておりますし、結果的には大きなロスになるんじゃないかという思いがございましても、地元の御要求あるいは全体の要求を加味してそれぞれ勘案するわけでございます。 それと同様に、いま筑豊地帯のことが問題になっているわけでございますが、そこに大企業を持っていくと仮定します。そうすると、どの企業がいいかという選択に迫られるわけでございますが、雇用の条件も考えるし、いま申しました地盤のこと、あるいは環境なども考えた結果、そういう考えももちろん消えたわけではございません。それもいいだろう。しかし、いま申しましたように、臨海地帯の工場がどんどん拡大することによって雇用が拡大するでしょうし、雇用が拡大すれば地域住民への波及効果も大きくなりますし、そういうことは住民の選択と、それから私どもの一つの行動があるわけでございます。 私が前は大企業を持ってきたい、それが発揮しなければどうにもなるまいと言ったじゃないか、いま言っていることと違うという論理でございますけれども、前に言った考えが全く消え去ったわけではございません。そういうものをいろいろ考えていって、そこの県知事もそうでございますが、市町村長、住民あるいは議会、それから私どもの考え、そういうものを十分相談ずくでやらなくてはいけません。だからといって前のことが消えたとか、今度が浮き上がったという結論にはならないと私は思いますし、また私どももそれが消え去ってしまって、まるで配置がえするというような考えまで飛躍はしておらないわけです。
○中西(績)委員 前の論議というのは、十一月に答申がなされたときにいろいろお聞きした際の答弁であったわけです。ですから、それとのかかわりで今度は一部改正を提案されておるわけでありますから、そういう点で確かめておきたいし、こういう点がある程度確定なり自信を持っておらないと、将来的な政策の展開は非常にむずかしい。もう試行錯誤でなしに、八月には基本政策をつくり上げて、具体的な案は十月までにつくり上げなくてはならぬという時期になっておるときだけに、いまこっちにふらふらあっちにふらふらではどうすることもできないのではないかと思うので、この点をあえてお聞きしておるということを御理解いただきたい。 そして言葉じりをとるわけじゃありませんけれども、先ほど言っておりました、たとえば北九州あるいは臨海という問題が出ておりましたけれども、そのこと一つをとってみましても、では北九州が果たして筑豊との関連の中で、大きなそういう経済圏として位置づけができるだろうかということを私は大変危惧し始めたのです。 と申しますのは鉄冷えの町、あるいは鉄の撤退ということによって、八幡地域における人口の減は大変なものであります。したがって、その地域では、先般問題になりましたように、筑豊における生活保護世帯が多い。そのことがある程度解消しつつあるときに、福岡県全体の生活保護世帯がまたふえてきておるという条件は何かと言ったら、北九州の生活保護世帯が非常に多くなったということにかかわるからであります。そういうことになってまいりますと、北九州がある程度空洞化が進んでおるという実態からいたしましても、中核としてあるいは機関車的な役割りとして、本当に発揮できるだろうかということを私は危惧するのです。ですから、そうであればあるほど、筑豊における何を主体にしてこれから計画を立てていくかということをやはり明確にしていく必要があるのではないか。 たとえば地域で論議する際にも、中央ではこれだけのものはやらなくてはならぬというこの問題は別にいたしましても、地域の皆さんの要求とそれをまとめ合わせていくことは非常に大事であるということは当然でございますし、そのことは容認いたしますし、進めなくちゃならぬと思うのです。しかし、その際に、その地域の人たちが考えておるそれで果たしてできるだろうかということになったときに、私たちが一つの施策なりを持たないと、その達成はこの十年で可能だということは言えないと私は思うのです。そういう意味で私は言っておるわけでありますから、この点を御理解いただいて、何かお答えになるようなことがあれば、答えていただきたいと思うのです。
○田中(六)国務大臣 一地域のことばかりに私と中西さんが終始することは非常に恐縮に思いますけれども、北九州市の人口の増加の状態、あるいは財政力指数が〇・六、これは日本全国から言いますと非常に高いレベルにございます。したがって、いろいろな条件、悪条件もあるでございましょうけれども、日本全国というような点から比べますときに、いま指摘しましたように、財政力指数が〇・六というのは高い方でございまして、そういう点で、こういうものが近くにあるということ、それから、御承知のように、実は私どもも結構頭が新しいようで古いのは、産業と言えば昔の産業、あるいは八幡の製鉄所というようなことを考えがちでございますけれども、だんだん近代化していっておりますと、サービス業が非常に枠を広げていると同じように、産業の実態というものが変わっていっていると思います。商業、製造業、サービス業というようなものがあるわけで、産業の構造に変化がある。 したがって、そういう観点からいたしますと、北九州市が近くにあって、それがたとえば筑豊地帯の妨げになるような市の状態では必ずしもないのじゃないか。もう少し私どもも、北九州市の状態——それから政府が、たとえば特別交付税の問題をちょっと例にとりますと、こういうものでかなりのカバーもしております。これは北九州市のことを言っているわけじゃなくて、筑豊地帯でもそうでございますが、北九州市そのものも特別交付税についてもかなりの額でございますし、御承知のように政令都市でございます。そういう点で、私は、必ずしも北九州市が足を引っ張るということはない。むしろエンジンとしての役割りを結構果たしておるのじゃないかという認識と判断を持っております。
○中西(績)委員 大臣は認識が大分違うと思うのですよ。 そこに労働省が来ておるからおわかりいただけると思うのだけれども、きょうはこのことで余り論議を深めるつもりではなかったのですが、求人倍率にしましても、すでに北九州市はうんと落ち込んでいることは事実ですね。それから財政が豊かであると言うけれども、ここはばくちが多いから財政力が高いわけですよ。ばくちと言うと大変語弊がありますけれども、競艇だとか競輪だとか競馬だとか、こういう普通のところにない収入源が一つの市の中に四つも五つもあるという条件がやはり一つあるわけなんです。しかし、生活保護率についてもどんどんふえているはずですよ。この点は否定しないと思うのですけれども、そうでしょう。時間がありませんから、お答えはもう必要ございませんけれども、そうでしょう。
○加藤(孝)政府委員 求人倍率につきましては、全国〇・七二という中で、福岡県で〇・三二あるいはまた筑豊というものをとりますと〇・二二ということで、全体として見ますと、全国平均に比べまして三倍以上の厳しさにある、こんなような状況にございます。
○中西(績)委員 求人倍率も、いまお答えいただいた福岡県の平均よりもいまや下がっているのです。だから、石炭の閉山によってその地域の求人倍率が下がり、町村の財政指数が下がっていった、それから生活保護率が高まった、こういう状況と全く同じようなものがいま北九州の状況に出ておる、それくらい厳しく見た方がいいのではないかと私は思っています。 ですから、この点を討論しても平行線のようですけれども、いずれにいたしましても、その認識の仕方の中に問題がまだあるのではないかと私は思っています。したがって、機関車的役割りを果たし得ないという断定はできないにいたしましても、これが強力なものになり得るかどうかということになってまいりますと、私は大変危惧するだけに、いま言われるようにそういう地域であるということ、その中における旧産炭地域だということ、もう一度私たちはこの位置づけを見直した中で論議をしていかないと誤るのじゃないかと思いますので、この点を長時間をかけて論議をしてきたところであります。したがって、ぜひこの点をしんしゃくの上、これから後計画を立てるに当たりましても、討論をする際にもこういう面を重要視をしていただきたいと思います。 そこで、労働省にお聞きいたしたいと思いますが、鉱害復旧対策事業に就労する人員、あるいは産炭地域振興法にかかわる地域整備公団などの事業にかかわる労働者の数、あるいは同和対策事業にかかわる就労者の数、失業対策就労事業、なかんずく三事業、これにかかわる数、どの程度になっておるか、労働省おわかりですか。
○加藤(孝)政府委員 お尋ねのございました鉱害復旧事業、同和対策事業、地域整備公団の事業につきましては私ども把握をいたしておりませんが、一般失対事業の関係で約二万人、それから緊就事業、開就事業、特開事業、いわゆる失対三事業合わせまして約八千人の方が就労しておられる、こんな状況でございます。
○中西(績)委員 通産の方でおわかりのところがあるのですか、いま質問をした中で。
○福川政府委員 先生お挙げになりましたいろいろな事業につきまして、私どもいろいろ統計を当たって、しかるべく努力はいたしてみましたけれども、いろいろ重複があったりいたしまして、私どもの方としては把握できておりません。
○中西(績)委員 私、これは大変重要だと思いまして、先般からずっとあれしているのですけれども、鉱害復旧対策事業に従事をする人員が福岡県で大体七千から八千あるいは九千という数になっています。関連まで入れるとその倍数に近いのではないか、こう言われています。そうしますと、同和対策事業も大体同じ数になってくると思うのですね。いま失対事業にかかわる人が福岡で二万八千、こういうことになっています。そうしますと、産炭地振興法にかかわる地域整備公団事業等にかかわる就労者の数は少ないといたしましても、すべてトータルしますとこれは大変な数ですね。六万から七万の数になってくるわけです。 そうしますと、何だかんだと言われましても、現状の中ではこれは基幹産業的なものになっていることは否めない事実なのです。ですから、私はお聞きしたいと思いますのは、こういう多くの就労者を抱えているこの事業が、十年間という計画の中で初期事業がどういう位置づけになり、そしてこれから計画を立てられるに当たってどのように考えていかれるのですか。これが一つ。時間がありませんから簡単にしてください。 それからもう一つは、こうした場合に、この前から問題になっておりますように、鉱害問題での臨鉱法の延長というのがその位置づけによっては必ず問題になってくるわけですね。 さらに、これは特に大臣に聞きたいと思いますけれども、同和対策事業特別措置法、こういう問題についても、依然として事業は残っているわけですから、この地域においては大変な問題です。ですから、これの延長問題をどうお考えになっておるのか。 さらに、三事業についてのこの中における位置づけをこれからどうしていかれようとするのか。この点は労働省で結構です。 以上です。
○福川政府委員 今後十年の期間の中に、いま御指摘のようなそれぞれの就業機会、これにかわるようなものを見出すべくどのような展望を持っておるかというお尋ねでございますが、私どもも、いまいろいろ当委員会で御論議がございましたように、それぞれ北九州あるいは福岡等々との連関を考えながら、また、それぞれの産業化の効果が順次波及していく等のことで、この地域の、広域的な地域の発展スキームを導入するというようなことでこの重点的な育成を図ってまいりたいと考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、今後の対策によりまして産炭地域の経済社会の活性化を図っていく、就業機会の増大を図っていくということで、現在、福岡県の方でも、先生御承知のように、夏あるいは秋を目途にこの展望をつくっていく。その中で、私どももこのような就業の機会が得られるように努力をしてまいりたいと思っております。このような問題につきましては、私どもも、労働省の方とは緊密な連絡をとりながら、雇用の安定ということが経済的な社会的疲弊の一つの重要なポイントとして十分努力してまいりたいと思っております。
○加藤(孝)政府委員 失対三事業でこれまで行ってまいりました主なものは、道路整備の関係あるいは住宅団地の造成、工場団地の造成、土地整備の事業、こういったような関係で事業を進めてまいったわけでございますが、率直に申しまして、先ほど通産大臣からお話もございましたように、全体の計画の中ではっきり位置づけられて行われたというよりは、そこに就労者がおられる、失業者がおられるという中で、それぞれの関係市町村の方々の要望というようなものの中でこれが実施されてきたというきらいがないわけではないわけでございます。 今後、こういう失業対策諸事業につきましても、産炭地振興の具体的な計画の中にはっきり位置づけをしまして、これらの事業が産炭地振興にもっと効果的に結びつくような形での計画への織り込みといったものは考えていかなければならぬ、こんなふうに考えておるところでございます。
○田中(六)国務大臣 同対法の延長の問題でございます。私ども、すでに予算委員会あたりでも、この延長は考えなければいけないと思っておりますが、その期限とかそういうものはいま各省でいろいろ連絡して検討しておるようでございますので、その結果を待ちたいと思います。
○中西(績)委員 ただ、私は申し上げたいと思いますのは、七万から八万人に上る就労者、こうした事業とのかかわりを全部持っておるわけでありますし、いま大変支えになっているわけですから、これがなくなった日にはまたさらに下がるわけですので、これが十年間という中長期の中における位置づけというのは、その分を補っておるということの意味から、これの一定の評価と位置づけを明確にしながら、そして今度は後の振興策をどうするか、そういう関連づけを考え、そして就労者はどう移行できるかということをやはり考えていかなくてはならぬと思うのです。そうしなければ、また大変な多くの問題、失業者問題を抱えることになるわけでありますから、そうした意味では、特にこの対策案を練り上げる際には十分しんしゃくをしてやっていただくということを確認してよろしいですか。
○福川政府委員 私どもといたしましても、この雇用の問題というのは、いま先生も御指摘がございましたように、有効求人倍率あるいは失業率といった資料に端的にあらわれておりますように、この地域の重要な課題でございます。もちろん、広域的な発展計画は素案は中央、道県を中心に作成を願うわけでございますが、地方も重要な問題としてこの点の展望を明らかにすると思いますし、私どももその点につきましては十分注意をして考慮、検討してまいりたいと思います。
○中西(績)委員 この前も、鉱害問題については大体臨鉱法の延長ということを答弁いただいておりましたけれども、この点についてはもう確実ですね。
○福川政府委員 御承知のように明年七月に期限が参ります。現在第七次策、これは石炭合理化法等関係法律が来年の三月に期限が参りまして、現在それにつきましての対策を検討をいたしておりまして、私どもも延長の方向で新しい対策を見出すべく石炭鉱業審議会で御検討いただいております。鉱害につきましても、現在、私どもも残存鉱害量の調査を実施をいたしておりますが、五、六月にはその展望もわかると思いますので、私どもも、石炭鉱業審議会の関係部会の方で今後の対策を御検討を煩わすという予定にいたしております。もちろん、これから御諮問申し上げるわけでございますから、先の方向を私がいまここで明確に申し上げるのはいかがかと思いますが、現在の見通しとしては、残存鉱害量の処理が、現在の法律の期間内ではかなり厳しいという状況を私どもも認識をいたしております。したがいまして、私どもも一つの気持ちといたしましては、いま先生の御指摘のような方向で御答申が出るものと考えております。
○中西(績)委員 大臣から先ほどお答えいただきましたように、延長は考えているけれどもいままだ発表する段階にないということでありますけれども、この点は延長しなければならないということの附帯決議からすべて見ましても、まだ不十分であるということの意味を含んで、延長はしなくてはならぬということの確認はされておるのですか。この点どうですか、いまのお言葉。
○田中(六)国務大臣 延長を前提にいま各省の事務当局で相談をしていると思います。
○中西(績)委員 その時期はいつごろになるかおわかりじゃないですか。
○福川政府委員 先ほど申しましたように、現在、残存鉱害量の調査を取りまとめの段階に入っておりまして、五月あるいは六月にはその展望が出ると思います。したがいまして、私どももその時期には関係省とも相談をいたしまして諮問をするということでございます。一応明年度の予算に絡む事項でもございますし、私どもとしては、少なくともことしの秋あるいは遅くとも年末までには石炭鉱業審議会の御答申をいただかねばならないと思っております。その過程で、関係省庁との折衝は、すでに予備的な話し合いはある程度始めておりますけれども、残存鉱害量の調査が明らかになった段階で、より明確な形で関係省庁とも御相談をし、石炭鉱業審議会に諮問をするということにいたしたいと思っております。
○中西(績)委員 大臣の答弁は先ほどの同和対策事業ですね、それでよろしいですね。(田中(六)国務大臣「いいですよ」と呼ぶ) それでは、あと地域指定の問題に入りたいと思います。 地域指定につきましては、特に経済生活圏というものを設定するということになっていますけれども、これはどうなるのでしょう。範囲はどういう方向でいま検討がなされておるのか、これが一つです。 そしてその後に指定解除があるということになっていますけれども、何と何を基準にして指定解除と考えておるのか、この点簡単にお答えいただきたい。
○福川政府委員 第一の広域的な経済生活圏をどのように設定するかというお尋ねでございます。いま私どもも、事務的に関係道県と連絡をとりながらそれを検討いたしておるわけでございます。御承知のように、現在産炭地域は九つの地域に分かれておりますが、その地域の中をそれぞれ機能的に見て、有機的な連関の高いものを一つの広域経済生活圏としてつくり上げていくということを考えておるわけでございますが、私どもも、六条の市町村は圏域内に必ず含まれるということが必要であろうと思っております。 さらにこの類似の制度といたしまして、先生御高承のとおり、自治省が考えております広域市町村圏、これは、産炭地九地域におきましては四十一広域市町村圏が設定をされております。さらにまた、建設省の方で地方生活圏というものをつくっております。北海道には設定されておりませんが、北海道以外で二十二ございます。もちろん、産炭地域の指定が一部地方生活圏あるいは広域市町村圏のところでまたがっているところもあろうかとは思いますが、私どもといたしましては、原則としてこの六条市町村を含み、かつ自治省が考えております広域市町村圏を単数あるいは複数組み合わせることによりましてこの生活圏をつくっていくというふうに思うわけでございます。 したがいまして、換言いたしますれば、いま地方広域行政ということでやっております最小単位である広域市町村圏がその最低単位ということで、それを複数その実情に応じまして考えていくということで、現在関係道県の意見を聞いているところでございます。 また、いま地域の指定解除の基準をどのように考えておるかというお尋ねでございます。これも答申にもございますように、今後、指定の条件等を考慮しながら明確な形でこれを明らかにしろということになっておりまして、産炭地域振興審議会にいずれお諮りをすることになると思っております。 私どもとしては、この地域の指定のときの基準、大ざっぱに申しますと財政力指数というのが非常に端的に出てくる指数でございますが、それぞれ広域的な経済生活圏に含まれます六条市町村の財政力指数がどのような推移になっておるか、これが指定をいたしましたときの基準、レベルに回復していったかどうかということ、それぞれの広域経済生活圏の中にございます六条市町村の全体が、どのようなレベルで考えて評価できるであろうかということを概括的に見ていくというようなことで考えてまいりたいと思っております。 また、あるいは地域によって必ずしもそれだけで不十分であるような場合には、たとえば生活保護率といったようなものを補整的に、補完的に、その考慮の中に入れるということも一つの方法かと思っておりますが、今後この法律が制定されました暁には、関係の審議会にもお諮りをいたしまして、大要いまのようなことで練り上げてまいりたいと考えております。
○中西(績)委員 いまお答えいただきました六条地域の財政力指数なり、あるいはそれ以外といえば生活保護率なりその他の条件があれば、こういうことで理解してよろしいですか。
○福川政府委員 私どもとしては、広域的な経済生活圏に属しております六条市町村の財政力指数というのを一応主要なメルクマールとして考えております。 その際、指定のときに経緯がございますが、もしそれで必ずしも十分でない、あるいは全体を総合的に判断をいたしますときに、もし仮に補整すべき要因があるとすれば、生活保譲率といったようなものがその要因になるのではないかという考えでございますが。
○中西(績)委員 次に、先般質問いたしました際に森山長官の方から答弁いただきました財源問題ですが、これは、五十六年度については需要を前提として定額方式で充てる、そしてもし不足する場合には必要な措置を、一応この前はこういう答弁だったと思うのです。これは、十年間の期間内におきましても、依然としてそういうお考えをお持ちになるのか、何か抜本的な財政措置をお考えになっておられるのか、その点どうでしょう。
○森山(信)政府委員 五十六年度につきましては御指摘のとおりでございまして、定額制で一定の財源を優先的に確保するという政策をとったわけでございます。 五十七年度以降どうなるかという御指摘でございますが、先生もよく御承知のように、現在の石特会計法が五十六年度いっぱいで切れるものでございますから、いま直ちに五十七年度以降どうこうするということを申し上げる段階ではございませんけれども、石特会計法の延長問題と絡みまして、財源確保につきましては万全を期していきたいと考えております。
○中西(績)委員 母法になる産炭法が十年延長になるわけでありますから、それに伴う財政措置というのは当然必要になるので、いま言われる来年の法律改正の時期にはもう当然と言っていいのではないかと思うので私お聞きをしたわけであります。一応この点も鉱害問題と同じように、やはり一定の年限を措置しなければならぬし、さらにまた、確実な財源措置を目指さなければならぬことは当然過ぎると思いますが、その点でそう理解してよろしいですか。
○森山(信)政府委員 私ども石炭政策を担当しております者から見ますと、いま先生のおっしゃったとおりと同感でございますが、財政当局とのすり合わせの問題もございますので、その点につきましては、先ほど申し上げましたように、私どもの立場を強く主張しながら、所要の財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
○中西(績)委員 先ほどからずっと論議してきた経過を考えてみましても、地盤沈下したものがまだもとに返っておらない、そういう条件の中でございますので、しかもその格差が非常にひどいという状況があるだけに、この点だけはひとつ何としても達成をしていただくように強く要請をしておきたいと思います。 そこで、建設省にお伺いをしたいと思います。 産業基盤整備ということになってまいりますと、やはり何と申しましても交通体系の整備が必要なんですが、大変筑豊地区がおくれておる。この前、審議会の会長さんあたりに聞きますと、ある程度できているのじゃないかというようなことを言っておられましたけれども、私たち実態をつぶさに検討しますと、大変おくれています。 特にわかりやすく筑豊で言いますならば、北九州あるいは福岡という経済圏、これと結ぶ間の一番のど首になるところが全部詰まっているわけですね。こういう点等を考えてまいりますと、いかに地域内整備が整っても、経済生活圏を設定してやる場合に、先ほど大臣の答弁にもありましたように、やはり何と申しましてもそういう基幹産業なり何なりを、しかも臨海ということを想定しながらやるとなれば、当然この幹線道路の首根っこを抑えられたのではどうすることもできぬわけですね。 そうなってまいりますと、今後十年間でこれを整備するということになれば、十年間でということで計画を立てていただけるのかどうか。しかし、それ以前に立てていかないことには、これは十年間で打ち切られるという内容になりますから、十年間どころでなしに三年なり五年なりでこういう見通しが立てられるものであるかどうか。この点どうでしょう。
○田中(六)国務大臣 私どもは、十年間の延長でございますので、これをたとえば十年以内に処理するということになりますれば、当初において十分な計画を設定しなければならないというように思います。
○中西(績)委員 建設省、ちょっと。というのは、建設省はこの前特別措置をしておるという答弁があったのです。ところが、実際には三億から四億程度しか、たとえば私のところで言うなら三百二十二号線を例に挙げると、なっていないのです。三百二十二号線全部で三百七十億くらいかかるのですね。北九州圏だけを通ずるやつを考えてみたとしても百五十億以上かかるのではないかと思うのです。そうしますと、三億円程度で特別措置したなんということになったのでは永久にできぬのと同じことになるのです。ですから、いま言われますように当初の計画を立てる、その際にはやはり一定の年限的なものを立てていかなくちゃならぬわけですから、通産大臣はそうお答えをいただいたのですけれども、建設省はどうなのですか。
○信高説明員 いま先生の御指摘の件でございますが、この筑豊産炭地域の交通体系としましては、沿岸部に三号、十号あるいは九州縦貫道を配置いたしまして、内陸部に三百二十二号あるいは二百号、二百一号というような国道が地域を縦断しあるいは横断して交通体系を形づくっておるわけでございます。 国道の整備につきましては、地域の幹線道路の機能に照らして、道路整備現況あるいは地域の実情を見ながら逐次整備を進めているところでございまして、特に産炭地域につきまして特別の配慮を従来もやっておりましたし、今後もやるつもりでございますが、五十六年度の予算措置といたしまして、道路事業費全体の伸びが対前年比伸び率ゼロでございます。それから直轄事業、補助事業だけ取り上げますと九七・数%にしかなっておりませんが、この地域のいま申し上げました三百二十二号、二百号、二百一号の三路線をトータルいたしますと、これは有料道路事業も含めてでございますが、約一八%増の事業費をもって事業を進めようとしておるところでございます。
○中西(績)委員 いや、一八%増をしたからそれがある程度達成できればいいのですよ。しかし、十年間という制限された法律がある中でこれをどう措置していくかということになると、そこにやはり問題が残るわけなんですね。しかもそれは有料道路を入れての話です。有料道路でないところが大部分でありますから、そういう点を考え合わせていきますと、いま言われるように年限的に、たとえば五カ年計画を立ててある程度それを達成していくということになるかどうかということですから、この点簡単でいいから答えてください。
○信高説明員 先ほど申し上げました数字、有料道路を入れて一八%と申し上げましたが、有料道路を抜きましても一五%ぐらいの増にしております。 それから各道路の整備でございますが、現在先生御案内のように、たとえば三百二十二号の田川バイパスとか工区を設定して事業を進めているわけでございますが、もちろん全体として非常に大きな金がかかるものですから、工区の事業の進捗を見ながら、次の工区に手をつけていくというふうな方向で事業を進展させたいと思っております。
○中西(績)委員 そういう年限的に、たとえば三年なら三年、五年なら五年という計画が立てられれば、それに付随してある程度無理をしてでも達成していくというお考えがあるのかどうか、そこに特別措置を本当にしていくかどうかということをお聞きしているのですから、工区ができ上がってからなんということになりますと、わずかな金を注ぎ込んでいってそれが終わってからその次、その次と延ばされたのではたまったものではありませんからね。この点、どうですか。
○信高説明員 ただいまの先生の御指摘でございますが、道路事業予算全体の将来の伸びということにもかかわりまして、はっきりしたお答えはできかねるわけでございますが、私ども事務担当の気持ちといたしましては、とにかく早急な整備が必要である、今後努力してまいりたいと思っております。
○中西(績)委員 一応それはおきます。 次に運輸省、ローカル線の問題で一つお聞きしたいと思いますけれども、先般から私ずっと回ってみまして、筑豊地区の産炭地域に対する工場誘致の問題等につきましてはいろいろ多くの問題があります。その中でもやはり今回の場合のローカル線を廃止するというこのことが及ぼすイメージダウン、これはもう大変なものだということ、ちょうど、対比するのに大変失礼なんですけれども、かつて石油ショック直後に筑豊では暴力団問題がございまして、抗争がございまして、それが工場誘致に大きく影響したというのを今度回ってみてつぶさに聞かしていただきました。それと同じくらいの逆効果があるということがはっきりしたのです。 そうなってまいりますと、このローカル線をどう位置づけていくのか、特に産業基盤の整備、総合交通体系を明らかにする必要があると思うのですけれども、そういう中でローカル線の位置づけというのがきわめて重要です。前回の御答弁では、「輸送需要の動向に対応しつつ、既設鉄道の整備を図るとともに、」云々ということで、前回五十二年に出されました産炭地域振興計画の中にそれが盛られておるということで安易な答弁をしていただいたのですけれども、そうではなくて、いよいよ十年という制限の中でこれから死活を決することになるわけであります。したがって、この点をどのようにお考えでしょう。
○金子説明員 お答え申し上げます。 地域内の旅客交通ということの実態を見てみますと、近年、自家用自動車の普及に伴いまして国鉄のシェアというものが全般的に減少いたしておるわけでございます。大都市圏以外の地域におきましては、国鉄のシェアというものは七・五%というようなところまで落ち込んでおります。こういったような実態になっておりますので、これは、地域住民の交通手段の選択の結果として国鉄の役割りが著しく低下したということを示しているのではないかというふうに考えるわけです。 このような輸送需要の実態に即して考えますと、特に輸送密度の小さい地方交通線は、国民経済的に見まして、よりコストの低い、かつ運行回数とかあるいは停留所の増加等が図られ、地域住民の足としてきめ細かなサービスというものを提供し得るバスに転換を促進するということが、効率的な地域交通体系を形成する上から見て適切ではないかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、産炭地域であろうと他の地域であろうと、輸送需要に適合した形の交通体系をつくっていくということ、それによって地域交通を確保するということが必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○中西(績)委員 そうしますと、問題は、何と申しましても、この地域計画をこれから立てて発展をさせていこう、そして半減しておる人口もある程度回復させよう、そこでの産業を興していこうということであるわけでありますから、その点を考え合わせてまいりますと、いまのような住民が結束をして、大臣が要望しておるように、みずから燃える者でその地域を再生をしようという体制づくりに入っているわけですから、その努力に水をぶっかけるようなことをしたのでは、これはまたその結束を大きく乱すことにもなりかねないわけですね。 そういうことを考え合わせてまいりますと、具体的に大臣にお聞きしたいと思うのですけれども、国鉄を利用しよう、そしてその地域を何とか浮揚させよう、こういうことが非常に強まっている時期でありますだけに、先般も、地域においてそういう状況になっておるけれども、最後まで努力をするということを言っておられましたが、この点は運輸省なりと十分連携をとっていただいて、さらに期間的な余裕なり何なりを持ち得るように努力をしていただいて、そして先ほど言われましたように、自立あるいは主体的な体制づくりを固めていただく、こういう姿勢になっていただきたいと思います。この点をお答えいただきたいと思います。 それから、炭鉱の改良住宅問題については、時間がございませんので失礼させていただきます。 最後に、先ほど出ました建設省の基幹道路の問題にいたしましても運輸省のそういう関係にいたしましても、何と申しましても、各省庁が連絡をとるということが欠けておったのではないか。これから強化をしていこうということをこの答申の一番最後のところに特に強調をしてあります。しかし、ただ単に事務レベル段階で集まっても、通産省が実際に把握をする予算源というものはわずかなんです。ほとんど大部分が他の省庁にわたるものであるし、それが強化されなければ基盤の整備ができないという状況にあるわけです。 そうであればあるほど、この大変な財源を背負い込んでもう十年間で打ち切ろうという意見があればあるほど、この点についての連携、協力体制、少なくとも閣僚会議くらいでも催していただいてでも、これを強化をしていただかなくてはならぬと私は思うのです。こういうものとあわせまして、大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 産炭地振興法を十年延長して、その延長の中で振興しなければいけないわけでございますが、ローカル線との兼ね合い、それとの接点が、いずれにしても、私どももローカル線廃止案が提出されたときに、十年間延長のこの法案についての説明も申し上げ、通産省の事務当局も非常に苦労、苦心したわけでございまして、その点は運輸省も建設省も十分わかっておりますし、閣僚の間でも、私も、この問題を指摘し、振興計画とどういうふうに整合させるのかということは閣議でも強く申し上げております。そのときにまた相談しようやということでございましたので、私としては、十分そこの猶予あるいは話し合いのアローアンスと申しますか、そういうものはあるものと信じておりますし、また事務当局もそういうふうに信じておりますし、私どもは、振興法が成立し次第そういうことについても十分な話し合いをしていきたいというふうに思います。 閣僚会議の問題でございますが、先ほどから、振興法の具体化についてのときに御答弁申し上げましたように、すでに事務次官の協議会も設定されておりますし、それ以下の石炭部長初めエネルギー庁長官なども含めまして各省とも十分連絡をとっていっておりますので、それ以上閣僚レベルの会議を常設するとか臨時に開くとかいうようなことを、いま私自身のアイデアとしてもお約束することは困難でございますし、私は、現在の段階では、そういう事務次官レベルの会合をもう少し運用を活発にしていけばいいんじゃないかと考えております。
○中西(績)委員 さらにその点、地方自治体との関連等におきましても十分な体制がとれますように希望いたしまして、終わります。
○森中委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 いまの中西君の質疑、通産大臣が答弁をされているのを聞いておったんだけれども、ちょっと気になるのは、寝たきり老人の例で、いままで進めてきた政策が自立心を失わせた、そうした反省の上に立ってこれからの政策を進めていかなければならない。これからの政策というのは言葉にも出たようだけれども産業政策、広域的ないろいろな施策を講じていくというようなことも含まれておったように思うのです。言葉じりをとらえるわけではないのですが、産炭地に対して寝たきり老人的な後ろ向き政策とはどういうものだというように認識しておられますか。 もう一つは、自立心を失わせる云々ということを言われたんだけれども、大体坑口のない産炭地がどうして生まれたのか。なるほど炭を全部掘り尽くして、そういう自然現象的な形で閉山をした山もないとは言わない。しかし、その大半はそうではなくて、政府と企業とが一体化した経済至上主義、そういうことによって、可採炭量があったにもかかわらず国民の税金から金を出して買い上げる、そして炭鉱を荒廃化させたというこの事実をどう認識しておられるのかということです。だから、産炭地振興というのは、鉱害の問題もしかり、その他市町村は財政的にも疲弊をしているし、経済的社会的にも疲弊をしている。いまの失業者の問題もしかりです。それはそうした政府の経済至上主義という形の中からもたらされたものだということは否定することはできない。そしてそういう状態であることは現実なんです。 だから、政府がいままで進めてきた政策にしても、さらにまた今回この審議会の答申、こういうものも産炭地以外の市町村と経済的にも社会的にも財政的にも均衡のとれたところまでレベルアップしていかなければならないという考え方の上に立って、いままで政策展開をしてきたのだろうし、また答申によってもそういうことが強く望まれているわけだから、そのために十年間の延長も必要になってきたのだろうから、大臣はそこらの認識をどうとらえておられるのか。大臣がいま寝たきり老人的なということで後ろ向き政策をとってきたことに対する反省、それは自立心を失わしめる、その考え方はどうも納得できないというように思うのです。その点に対しての大臣の考え方をもう一度率直に述べてもらいたいと思います。
○田中(六)国務大臣 御承知のように、産炭地の問題は過去二十年間あるわけで、特に最近の十年間におきましては——六回にわたる答申が出ており、今度は七次答申をお願いしているわけでございます。その来し方を考えてみますと、スクラップ・アンド・ビルド、つまりエネルギー革命によって民間のまた国策もあったでしょうし、二十年間あるいは十年間の歴史の中にいろいろなものが浮き沈みするわけであります。これは政府の指導もあり民間企業でもあった。 しかし、いずれにしても、それはあたかも国営であるかのような手厚い保護が経営者にもあるいはそれに関連する者にもあって、これだけ国の金を使うならば、いっそのこと国営にしても同じじゃないかというような御意見も長い歴史の中には強く残っておったわけです。したがって、そういう国の資金をたくさんつぎ込んだ。しかもエネルギー革命という外からの大きな波もあったのでしょうけれども、経営者においてもあるいはそれにかかわる普通の人においても、多くの法案が示しておりますように、あの手この手の法案で、外から見ればかなり過保護のような点があったに違いない。 いまから始めようという段階において、もちろん政府は反省いたしますけれども、過去二十年間のことなど、それが悪いと言っているわけではないですが、やはりそこから分析した何物かを出して、次の新しい飛躍に備えるという条件の中の一つに、そこにかかわりのある人々もお考え願いたいということであります。それがいいとか悪いとかいうようなことを言っているのじゃなくて、全体的な国民、国家というような観点からお考えいただいたらどうかということが大きな意味でございます。
○中村(重)委員 いま大臣が答えられたような国営論は、石炭産業というのが斜陽化して、莫大な探鉱費用、採掘費用等を投じて生産しても採算ベースに乗らないということで出てきたのですが、その国営論が後ろ向き国営論だという意見があったことも事実ですよ。しかし、その後ろ向き国営論というのは、何でもいい、炭鉱で働けさえすれば、そして利益を得て労働者も賃金をもらっていく、それがあればいいじゃないかという無責任な考え方の上に立って出たわけではないのです。日本のように資源がない国にとっては、石炭は貴重な地下資源です。それをただ採算ベースからだけ考えて、まだ石炭があるにもかかわらず炭鉱を閉山するのは、長い目で見たならばこれは大きな損失になるのではないか。 これは、炭労の政策闘争もそういうことだったのですよ。そのとおりになったじゃありませんか。いまいわゆるエネルギー革命論というものが出てきている。これはその反省の上に立たなければいけない。国営論なんということが出たことは考え方が間違っておった、その反省の上に立って前向きの施策を進めていかなければならぬ、そういう発想の上に立って施策を組み立てていくということになってくると、私は過ちを犯すような気がしてなりません。 石油は非常に埋蔵量も少なくなってきている。政府としても、いまエネルギー革命をやって、六十五年には石油の依存率を五〇%に下げていこうとする考え方の上に立っているのです。そしていまや石炭は時代の寵児になった。非常に強い光が差してきた。しかし、二千万トンベースでこれを生産するのは大変困難だ。それは可採炭量があったにもかかわらず山をつぶしてしまったからだ。つぶした山をまた再開発するということはもうできないことだ。 その反省というものは率直に言って大臣はあるのじゃありませんか。国営論などという意見が出たことは間違いであったというような反省ではなくて、政府が進めてきたエネルギー政策、いわゆる百年の大計の上に立たないでやってきたことの誤りということをこそ反省をしなければならないと私は考える。その上に立った施策の推進でないといけないと思うのですよ。私は別にあなたを攻撃するのではなくて、意見の交換というようなことでお尋ねをし、申し上げているわけです。 だから、産炭地に対していろいろな施策を講じていくということは、寝たきり老人的な後ろ向きのものではなくて、アフターケアをやっていかなければいけない。もしやらないと、何をやろうとしても産炭地の振興という形には結びついてこないというように思う。今回の審議会の答申を読んでみても、そういう考え方の上に立って出しておると思う。だから大臣は、その点はひとつ率直な考え方の上に立って今後の取り組みをしてもらいたいということを私は要請するのです。 ですから、いわゆるアフターケア政策と前向きの振興政策を併用してやっていく、そこに産炭地の健全な振興が行われて、産炭地以外の市町村との財政的、経済的、社会的、あるいは雇用の面その他においても均衡のとれた政策が行われる、そこに初めてこの産炭地振興対策というようなものは終わりを告げるのだと思う。 そうした考え方の上に立つと、先ほど第一条の目的はこれでよろしいと言われたのですが、「この法律は、産炭地域における鉱工業等の急速かつ計画的な発展と石炭需要の安定的拡大を図ることを目的とする。」とあるのですけれども、この目的はむしろ変えなければいけないと私は思う。今度十二業種にプラスして三十二業種、いわゆるメニュー方式ということでこれから進めていこうとしていらっしゃる。私はこっちの方に相当ウエートがかかってくるのじゃないかという感じがいたしますよ。 初年度と言いながら、にもかかわらず十一億という予算を計上しているということに対しては、私は納得できないのです。県が十一億出して国と県で二十二億でしょう。どうもこれはけた違いじゃないかという感じがするのだ。同額ではないだろうけれども、十一億だったらこの十年間で百十億じゃありませんか。財政的な事情もあるけれども、少なくとも初年度に百十億ぐらい計上するというようなことで、このメニュー方式の政策推進をやっていくということでなければいけなかったのじゃないでしょうか。その点はどうお考えになりますか。
○田中(六)国務大臣 私どもは、アフターケアをやってやることがこれからの前進に必要であるということは十分考えておりますし、そういう点で過去のことも十分検討し、分析して前へ進みたいという考え方からいろいろなことを申し上げたわけでございます。 それから第一条の目的を変えなければいけないのじゃないかということ、これは中西委員にもお答え申し上げましたけれども、私どもは、この目的をいますぐ変えるというようなことはまだ考えておりませず、十分これの運用を図っていけば、それは、一条の目的の中に何となくそぐわないのじゃないかというようなことも考えられる部分もございますけれども、現在の段階で私どもは変えなくてもいいという判断でございます。 それから調整額の十一億、そういうような金では、広域面に対する事業の促進調整制度という金額にしては余りにも小さいということでございます。これは全体の枠の中で十一億円というものを国の財政から出そうということでございまして、初年度でございますし、これを土台にして、私どもは時宜に適した拡大というようなこともこれから将来考えていかなければならないというふうに思っております。
○中村(重)委員 企業誘致はなかなかむずかしいというような御意見もあったわけですが、私もこれはなかなか簡単じゃないと思うのですね。相当期待感を持っておったのになかなかうまくいかないようだけれども、大体二十年間に産炭地振興のためにどのくらい投資をしているのか。それから、これから十年間にどの程度投資をしようとお考えになっているのか。 前の二十年間の実績と、これから十年間は具体的には答申をこれから検討してやっていこうとしているのだろうけれども、大まかな考え方、この審議会に諮問をする場合は、通産省、エネ庁の考え方なんというようなものをある程度持って諮問したのだろうと私は思うのですよ。絶えず審議会の中でいろいろ議論もしてきたのだろうから、どの程度投資をしようとお考えになっておられるのか。これは初年度だから三十二業種に対して十一億だと言われる。 それから、現在誘致をしている企業というのはどの程度あり、また労働者はどの程度働いているのか。そこらの実績と見通しを含めてひとつお聞かせいただけませんか。
○福川政府委員 府県別の設備投資額は正確なデータがございませんので、私どもその数字はいま手元にございませんけれども、たとえば五十四年度の実績をとってみますと、石炭対策特別会計、財政投融資といったようなことで私どもの方の所管部分で二百八十八億を出しております。さらにまた、他省庁で一般会計から、たとえば市町村公共事業費の補助率の引き上げ、あるいは地方交付税等によりまして、企業の誘致税制等によります地方公共団体の減収補てん分等々を考えますと三百二十八億円ございまして、五十四年度での産炭地域振興対策の関係費は約六百億ということになるわけでございます。 これに民間の負担部分が加わるということになるわけでございまして、特に民間関係のがどのくらいと見るかわかりませんが、大体融資比率が民間部門について半分程度ということになりますれば、これにその部分をかさ上げをした程度の投資額になるかと思っております。これで二十年間でございますが、御承知のように、従来からかなり水準が上がってまいったという経過を考慮いたしますと、これにつきまして大体十倍程度の規模の投資があったのではないかというふうに思います。 今後どのくらいの投資が行われるであろうかというお尋ねでございますが、今後この地域につきましても、たとえば市町村の補助金の引き上げあるいは産炭地の産炭債の発行等々がございますので、私ども、地域のそれぞれ道県でつくってまいります計画等を見ながらやっていかなければなりませんが、今後道県の計画を見ながら、基本計画の中でその辺の検討をいたしてまいりたいというふうに思っております。
○中村(重)委員 今後政策展開を進めていく上についての経験というのか、大臣のお言葉で言えば反省という点もあるわけですけれども、それはそれとして、二十年間その政策を推進したけれども、審議会の答申にあるように、一部は相当よくなっているようですが、財政的にも経済的にも社会的にも疲弊している状態というものはなかなか解消されない。なぜにそういうような疲弊状態というものから脱出できないのか。事務当局からもっと具体的に、こういう点が問題だと——だから大臣の反省といったような言葉が出たのだろうし、それからいわゆる甘え、自立心を失うといったような、大臣がそういった考え方を持つ上に立って、事務当局としてはこういった点が問題があるんだというようなことについて大臣に進言もされただろうが、事務当局、政府委員から見て指摘できる点というのはどういうことなんですか。
○福川政府委員 確かに、二十年の施策を展開してまいったわけでございますが、特に内陸部を中心にいたしまして、いまだ社会経済的な疲弊が回復していないという点は、答申に御指摘をいただいているとおりでございます。これには、私どもも、複合的ないろいろな要因が積み重なってそのような状態になっておるものと思うわけでございます。特に、昭和四十年代の半ばに非常に終閉山が集中して起こってまいっておるわけでございます。これによって地方の財政状態もかなり苦しい。そのような終閉山が起こりましたために、とりあえず当面の生活環境施設等々の修復、復元というところに追われてきたということではなかったかというふうに思うわけでございます。 もちろん、その回復の過程の中で、オイルショック等々の経済的な成長の軌跡の変化ということも影響してきたというふうに思うわけでございます。また、今後さらに安定成長の過程をたどるということの中で、それぞれ地域の経済的社会的な疲弊を回復するということのためには、それぞれの地域を広域的に、限られた財政を効率的に使用していくということが必要であろうと思うわけでございます。そのためには、いまも当委員会でも御質疑がございますように、それぞれ地域の自主性あるいは創意工夫ということを中心にいたしますと同時に、それに対して、私どもの方がそれに協力しながら支援をしていくということで、地方の自主性、創意工夫、自主的な展開ということと、中央からそれを補完をしていくということでないかと思うわけでございます。 御承知のように、産炭法によりますと、公共事業等ハードウェアの整備の点につきまして、それぞれ補助率のかさ上げ等々の規定が財政上とられておるわけでございまして、それをむしろうまく効率的に使っていくということがこれから非常に重要であり、また私どもも、従来の施策にかんがみて反省をしなければならなかった点ではなかろうかというふうに思うわけでございます。そういう地域の自主性、創意工夫と、それを効率的に進めていきますための関係省庁の協調体制、これがこれからさらに非常に重要な点になってくるというふうに思うわけでございまして、その点は、この答申にも盛られております従来の施策についての反省ということをあらわしているというふうに考えております。
○中村(重)委員 答申の三ページの(2)に「広域的な地域発展を図るという基本的な方向に照らして、多くの産炭地域における従来の対策の進め方の実態をみると、経済生活圏としてのまとまり、発展の目標の設定、圏域内における市町村の位置付けと役割等についての検討が十分ではなく、また、振興事業間の調整と優先度の決定などについても、その計画面で総合性を欠く憾みがあった」こう指摘をされていますね。 恐らくこれが基本になって今後の政策展開がなされるのだろうと思うのですが、この中からメニュー方式というようなものが生まれてくるのだろうと思うのです。したがって、先ほど大臣、この答申の中にもそういった点からして十年間必要だ、こう言っているんだが、そこで、これはこの十年間で終わるべきであるという意見が出る。大臣は先ほど、十年を待たないでもっと早くこれを終わらせたいということについては、そうした計画を立てて進めていかなければならぬというような答弁が出てきたわけですな。そうすると、いろいろ青写真があるのだろうと私は思いますが、その点をもう少し詳しくお聞かせください。
○福川政府委員 中村委員御指摘のとおりに、先ほど申しましたように、今後地方の自主性を尊重しながら、広域的にそれぞれの経済生活圏の中での機能分担を果たして、効率的な展開を図っていこうということが今後の考え方の一つの大きな柱になっておるわけでございます。御承知のように、現在九つの地域が指定されているわけでございますが、今後、その九つの地域の中を幾つかの経済生活圏に割りまして、それぞれの機能分担を効率的に図っていこうということを考えているわけでございます。 私どもといたしましては、先ほども中西委員の御質問にもございましたが、六条市町村が一番疲弊の著しい市町村でございますが、これを含めまして、関係市町村がそれぞれの地域特性等に応じまして、ある場合には工業的な機能、ある場合には農業的な機能、さらに都市的な機能、ベッドタウン等々の機能、あるいは場合によってはサービス産業等々を分担いたしまして、相互にそれぞれの効果が有機的に溶け合って発展するという形でこの圏域を考え、限られた財政支援の中でそれぞれの道県の地方の努力を実らしていくことを考えていくということで考えておるわけでございます。既存の広域市町村圏あるいは地方生活圏、さらにまた場合によりましてはモデル定住圏といったような考え方がございますが、そういった考え方と溶け込ませながら考えていくというふうにいたしてまいりたいと思います。 さらに、私どもも、この産炭地域振興法の目的は、それぞれの地域ができるだけ早い時期に達成いたしまして、社会的な疲弊の回復を果たすことが本法の目的であろうと考えますので、もし地域によりまして、それぞれの圏域におきましてそれぞれの施策あるいは地方、地元の努力が実りまして、社会的な疲弊ということで産炭地域に指定されましたような基準、これの水準に達した場合には、私どもも、この地域の指定から外して一般の地域開発政策の中に吸収していくということで、地域によりましてできる限り早く卒業させていくというふうに、もちろんそれぞれの地域の特性に応じながら努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 そういった施策を展開していって卒業するわけだから、その卒業基準というものをどのように考えていらっしゃるのですか。
○福川政府委員 御承知のように、産炭地域の指定につきましては、それぞれ石炭を産出していた地域が石炭の閉山によりまして社会的な疲弊を生ずるということでございまして、大要を申しますと、従来石炭への依存度、これは指数的には鉱産税のウエートということで判断をいたしておりますが、その石炭の依存度と、それから経済的社会的疲弊の一つの象徴といたしまして財政力指数、これが全国の平均の〇・七二より低い市町村をこの六条市町村の指定の基準に考えたわけでございます。もちろん、それ以外に補整的な若干の基準がございますが、大要を申しますと鉱産税と財政力指数というのがこの地域指定の基準になったわけでございます。 したがって、私ども、できるだけ指定をいたしましたときの水準に引き上げるということが産炭地域振興の大きな目的であろうというふうに思います。今後、広域的な経済生活圏ということで考えて、その中には六条市町村が当然含まれるわけでございまして、その六条市町村がその圏域の中でそれぞれの機能、産業的な機能あるいは都市的な機能の影響を受けながら社会的疲弊を克服していく、こういう状況になっていくことを期待しているわけでございます。したがいまして、その圏域の中に含まれております六条市町村、これが指定されましたときのレベル、具体的に言えば財政力指数がおおむねその指定されたときの水準に回復したということを一つのメルクマールにして考えたいというふうに思うわけであります。 もちろん、指定の解除に当たりましては、その答申にもございますように、それぞれの地域の実情ということを考えなければなりませんし、あるいは場合によっては経過措置ということも考えなければならないと思いますが、私どもも、いま申し上げましたような六条市町村の財政力指数がいかに回復するかということを、この指定の解除の中心的なメルクマールとして考えたいというふうに思っております。
○中村(重)委員 経済社会発展計画でも、具体的な計画は立てられて、予算見積もりとどの程度の投資が必要であるということを試算しているわけだから、わずか十年間だから、いまお答えになったような、そういったことで卒業するのにはどの程度の投資が必要であるというようなことは私はもう出ているんだろうと思うのですが、先ほどの御答弁ではっきりしなかったので、もう一度ひとつお答えいただきたい。
○福川政府委員 今後、関係の道あるいは県がそれぞれ関係市町村の意見を聞きながら広域的な経済生活圏ごとにその発展計画をつくる。これを道県が集約して県としての素案をつくっていただく。これを基本計画あるいは実施計画の中に反映をさせ、さらにそれに基づいて関係の道県におきます発展計画というものを実施をしていく、こういうことになるわけでございます。 今後の考え方は、どの程度ハードウエアの部分にウエートを置くか、あるいはソフトウエアにウエートを置くか、これはまずそれぞれ道県が一次的には考えていくということになるわけでございます。それぞれのウエートの立て方というのは地域発展計画の中でそれぞれ特色が出てくるというふうに思うわけでございます。 では、いま金額的にどの程度の投資規模が全体として行われるのか、あるいは公共事業の投資がどの程度行われることになるのかということにつきましては、関係省庁のそれぞれの事業ということにかなりまたがることでございまして、私どもとしても、それぞれ関係道県に予算的な措置をお願いし、あるいは企業の誘致、民間の設備投資を考えていくということでございますと、それぞれの道県がいろいろの関係省庁にまたがります事業についてどのような展望を持っていくかということを明らかにしていくということが、今後関係省庁とお話をしていく上での一つの助けになるというふうに思うわけでございまして、私どもも、そういった大きな展望、まずそれぞれの道県が発展計画の中に展望を描いていくということを期待いたしております。
○中村(重)委員 経済生活圏の平均に卒業基準というのを置くのかあるいは下限に置くのかということによって大変大きな開きがあるわけなんだな。どこに置くべきかということくらいは考えているのじゃないですか。
○福川政府委員 考え方の基準は、それぞれ経済生活圏の中に属します六条市町村の、指定されたときのレベルの財政力指数を中心的なメルクマールとして考えたいということは先ほど申し上げましたが、しからば、複数の六条市町村が一つの広域経済生活圏の中にあった場合にどこをとるのかというお尋ねであろうと思います。 これは確かに、複数六条市町村がございます場合には、ある程度地域的経済的な効果が波及してみればこれが同一のレベルにいくことも期待はされますが、まさに御指摘のように、一つの市町村は回復したがもう一つの別の市町村はまだだということは当然十分あり得ると思います。その場合、全部が合格をするというところまで待つのか、あるいはその経済生活圏の中で大体複数の六条市町村の中の過半のものが合格をしたら一応それでいいと考えるかという点が、私ども一つの大きなポイントになるというふうに思っております。 私ども、いまこれから産炭地域振興審議会でそのレベルを相談をいたすことになっておるわけでございまして、なるべくこれは端的にその指標をあらわす方がいいという御答申もいただいておりますので、今後検討いたしてまいりたいと思っております。私どもとしては、そこに複数あります六条市町村の大半のものが回復したというあたりを一つのめどに置きたいと考えておりますが、具体的にどのようなものでそれを審議会にお諮りするかという点は、今後仮に法律ができました場合に検討いたしたいというふうに思っております。
○中村(重)委員 企業誘致の問題にしてもそれは大変だろうと思うのだけれども、やはり中核的企業というものを誘致をすることも、百年一日のごとく、まあ二十年しかこの政策はやっていないのだから二十年一日のごとく言われて、熱意がないのか隘路があるのかわからないけれども、そういうこともできないでいる。 工場再配置法、これは田中さんが列島改造論を出す前に、再配置法というものを商工委員会でずいぶん議論をして、これは過疎、過密を解消するということで、多少の問題はあるけれどもやらなければいかぬということで踏み切ったわけですね。そこで、六条地域くらいは全部誘導地域にするということ、それから補助金にしてもできるだけアップしていくとか、採択基準の問題等もできるだけ緩和していくとか、ともかく八〇年代は地方の時代と言われるのだから、従来の惰性にとらわれたことではなくて、相当思い切った政策展開をやらないと、これを読んでみるとなかなかいいことを書いているのだけれども、文字だけに終わってしまうおそれがあると思うのです。十年たったけれども現状とほとんど変わらぬじゃないか、私はそういうようなことにだってなりかねないと思っています。 ですから、これから先は、大臣も、この産炭地の問題については、みずから産炭地にいることであるし、また、石特の委員会で田中さんは——いまは大臣ですから大臣と言いますが、石炭にはずいぶん情熱を傾けるなと感じさせるくらいに、商工委員会と石炭の委員会と二つに籍を置いて、本当に石特におけるところのあなたの取り組みは積極的であったし、非常に情熱を傾けてきたと私は思うのです。それが、今度は大臣というこれを実施する地位にいまついているのだから、さっきのような考え方じゃなくて、これは大きく成長発展させるという考え方に立たないと、十年してから、あなたは総理大臣を考えておられるようだけれども、それはそれでいいですが、ここで答弁をするときにどういう形で私の質問に対して答えられるのか。胸を張って答えられるようにせぬといかぬ。そのためにはもっと積極的なやり方でないといかぬ。 財政的にも、あなたの通産行政全体に対して大蔵とずいぶん折衝されたのだけれども、このメニュー方式は三十二事業ですよ。公共事業関係は十七の事業です。これは三十二ですよ。これが実際問題としては中心になるのです。にもかかわらず、初年度だからといって十一億やそこらで、そんなへっぴり腰みたいなことで、産炭地振興をやる、そういうことにはなりませんよ。だから、徹底した発想の転換というものをやって、ことしは予算が通ってしまったからしようがないけれども、来年度は相当思い切った予算も計上して、そしてそれこそ鬼になったような気持ちで産炭地振興をやっていくということでなければ私はいけないというように思いますが、大臣、いかがですか。
○田中(六)国務大臣 中村委員に御指弾を受けるまでもなく、いずれにしても一生懸命やらなければならないという気持ちです。
○中村(重)委員 短い言葉でしたけれども、決意だと思って受けとめます。 それから、運輸省もお越しですし、労働省、自治省、来ていただいているわけですが、先ほどローカル線の問題についてお答えがあったわけです。答申の中に「関係各省庁において地域の実情に応じた交通体系の整備を進めるべきである。」こうあるわけですが、これに対してどのような認識を持っていらっしゃるのですか。
○金子説明員 お答え申し上げます。 現行の産炭地域振興実施計画におきまして、たとえば筑豊地区の鉄道の整備につきましては、地域の「輸送需要の動向に対応しつつ、既設鉄道の整備を図る」というふうにたしかなっていたかと思うのでございますけれども、鉄道の整備がその地域の輸送需要の動向との関係においてとらえられているわけでございますので、地域における効率的な交通体系の形成を図ろうとする私ども今回進めております国鉄の地方交通線対策というものと、決して矛盾するものではないというふうに考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 さっきのあなたの答弁は、利用者が非常に少なくなった、それは住民が国鉄を利用しようということでなくなっているのだ、利用者が少なくなって赤字になっているのだ、だから、これはやめてしまって、そしてきめ細かいという言葉を使ったが、なかなか言葉としては耳ざわりがいい言葉だけれども、バスとかそういうものに切りかえていくことが当然だというように言われた。産炭地というものをそういう言葉でもって——言葉ということはあなたの考え方だろうけれども、課長であるあなたを何ぼ責めてもしようがないのだけれども、これは、産炭地を振興する、工場も誘致していく、さらにまた、先ほど来何回も申し上げているメニュー方式による三十二事業というものをこれから追加をして積極的にやっていくのですよ。そういう際にローカル線、鉄道を廃止してしまったらどうなるか。 これは大臣も閣議においても相当強調されたというようなことなんだし、相当余裕を持ってやってもらうものであるということを期待するということを言っておられたのだけれども、その点に対しての考え方は事務当局としてはどう持っていらっしゃるのですか。バスにこれを切りかえていくなんというようなことは、この答申とは私は全く異なる考え方であるというように思っているのですよ。
○金子説明員 お答え申し上げます。 今回の国鉄の営業線として廃止の対象になります特定地方交通線、これにつきましては、この選定に当たりましては、過去昭和五十二年度から五十四年度の輸送の実績で判断したいと考えております。しかしながら、たとえば工業団地とかあるいは住宅団地、学校、そういったものの開発計画の実現によりまして、昭和六十年度までにそういった施設が完成する、それによって輸送需要の増加が見込まれるといったような場合には、そういった開発計画に伴う輸送需要増も加味したいと考えております。 それで、六十年度と申しますのは、今回の国鉄再建法の目的に書いてございますように、六十年度までに国鉄の経営の健全性の基盤を確立するということになっておりまして、国鉄の財政再建というものが非常に緊急性を要する事柄でございますので、昭和六十年度までに鉄道としての特性が発揮でき得るものにつきましては、そういったローカル線は維持する。国鉄としての経営の健全性の基盤を昭和六十年度までに確立するという法律の趣旨からいたしまして、それ以降長期的に鉄道の特性が発揮できるものにつきましては、第三セクター等の地方鉄道による維持を含めまして、対策協議会において御議論いただきたいと考えているわけでございます。
○中村(重)委員 それ以上の答弁はあなたに期待するのは無理でしょう。 次に、労働省と自治省にお見えいただいておりますから、失対事業、緊就事業と開就事業というのをやっているんだけれども、最近は緊就事業はほとんどやっておられないのじゃないかというふうに思うのですが産炭地には相当な失業者がまだ滞留をしている。だとすると、この失対打ち切りといったようなそういうことにとらわれるんじゃなくて、緊就事業、開就事業にはもっと力を入れていかないと、産炭地の失業者の滞留をなくすることはできないというように考えているのですが、その点に対する現状と、この答申を受けての将来の展望といいますか考え方をお示しをいただきたい。 それから自治省は、地域開発というのは、いま申し上げた開就事業が、財政対策という面からどうも就労事業が軽視されてくるという点が私は非常に強いと思っているのです。それに対して現状をどう見ているのか。また将来、この答申を受けてどう改めていかなければならないと考えているのかという点。 まとめてお尋ねをいたしますが、地域振興整備公団の事業実施に対して自治省はどの程度関与しておられるのだろうか。九州でもいろいろ問題点が出まして、これに自治省が余り関与していないというように考えたことがあって、この問題に対してはもっと積極的に関心を持って自治省は対処していく必要があるのだろうと思っているわけです。その点をお伺いしたい。 それから産炭地域の地方公共団体の財政の疲弊、経済的社会的疲弊の対処、振興対策のあるべき姿というのを、答申を受けて自治省はどうお考えになっていらっしゃるのか、その点をひとつそれぞれお答えをいただきます。
○加藤(孝)政府委員 緊就事業につきましては、五十六年度の事業計画におきまして、予算規模で二千四百五十人の規模、予算額にしまして六十四億の計画をいたしておりまして、道路の新設、改良あるいは土地造成、河川整備、そういったもので計画をいたしております。 また、開就事業につきましては、五十六年度の事業計画といたしまして、三千二百人の規模で予算額百一億ということで予定をいたしておりまして、事業種目といたしましてやはり道路の新設、改良、土地造成等々を予定をいたしておるところでございます。これらの事業につきましては、産炭地におきます雇用失業情勢が今日なお厳しい情勢にございまして、早急な雇用機会の拡大はなかなか望み得ないという事情にございますので、当面、五十六年におきましては従来の方針でこれを継続運営していきたいと考えておるわけでございます。 なお、この答申で、引き続きこれらの就労事業についてその合理的運営を図る、こういう御指摘をいただいておるわけでございまして、この答申を率直に受けとめまして、今後産炭地域の振興対策との関連を十分考慮しながら、その合理的な運営を図っていく、こういうふうに考えておるところでございます。
○藤原説明員 お答えいたします。 まず開就事業についてでございますが、私どもの方といたしましても、できるだけ国で財源措置を講じていただくようお願いしておるわけですが、自治省といたしましても交付税あるいは地方債の措置を講じております。今後とも引き続き努力してまいりたいと考えております。 それと、二番目の地域振興整備公団の実施する事業に対してどのような関与をしておるのかという御質問でございますが、地域振興整備公団法によりますと事業実施基本計画をつくることになっておりますが、この基本計画のうち地方都市開発整備事業に関連するものの認可、あるいは基本方針の決定、こういうときには関係行政機関の一つとして協議にあずかっております。そのほか、事業実施面では公共施設の立てかえ施行の際、協議をいただいておるわけです。いずれにしましても、地域振興整備公団が実施する事業というのは、産炭地域の振興上非常に重要だと思いますので、今後主務大臣あるいは公団から協議がありましたら、私どもとしても積極的に対応してまいりたいと考えております。 それと、三番目の地域振興のあるべき姿についてどう考えておるかという御質問でございますが、確かに、産炭地域の経済的社会的疲弊の解消は、まだ十分その目的を達していないと考えております。そういう現状でございますので、一層計画的な施策の推進を図っていく必要があるんじゃないか。先ほど来石炭部長から御答弁もありましたように、地方公共団体あるいは関係各省間の連携をさらに密接なものにしていく必要がございますし、また実施計画等におきましては、できるだけ実効性が上がるような計画をつくっていく必要があるんじゃないかと考えております。そういうことで、われわれといたしましても関係地方公共団体の意向に十分配慮しながら、通産省とも緊密な連携をとりながら努力してまいりたいと考えております。
○中村(重)委員 終わります。
○森中委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 ————◇————— 午後一時三十四分開議
○森中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。岡田利春君。
○岡田(利)委員 私は、ちょっと午前中の質問から角度を変えて若干質問をいたしたいと思います。 先ほど来も産炭地振興、いわば産炭地と旧産炭地がこの概念の中には含まれておるわけです。また、答申の中にも鉱工業の振興ということが書かれておるわけです。そういたしますと、産炭地振興政策そのものは、石炭政策、特にいま検討されておる第七次政策と密接不可分の関係にあるのではないか、こう私は言わざるを得ないわけであります。したがって、そういう意味では、既存の炭鉱の安定あるいはまた新しい地域の開発、こういうことが産炭地振興に積極的に寄与することになる、こう言わざるを得ないと思うのですが、そういう認識について大臣はどう考えられますか。
○田中(六)国務大臣 いずれにいたしましても、古い炭鉱の処置あるいは新しい炭鉱の開発、そういうものを含めまして、やはり炭鉱関係の振興計画について私どもが十分な措置をしておかなければ、退く問題の話につきましても、これから新たにいろいろ開発する問題にいたしましても、まず学習的態度から見ますと、そういうものをしっかりしておかなければ、あるいはそういうものが確然とした姿で、問題意識を持った人にいいイメージと申しますかいい回答を与えなければ、私は古いのも新しいのも処置ができないというふうに思っております。
○岡田(利)委員 現在第七次政策が検討されておりますけれども、石炭をめぐる内外の情勢は刻々と変わっておるわけです。まだ公式発表はないようでありますけれども、中国炭は五十四ドル強、こういう一応の価格で交渉が妥結をする、そうしますと、九州に持ってくると十三ドルかかりますから、保険料を含めても着で一万四千円を超える、こういう状況になっておるわけです。わが国の国内炭と中国炭を比較しますと、いわば揮発分等が違いますから、そういう点を価格で換算いたしますと、まさしく中国炭といえども国内一般炭とは価格差はむしろ逆転したとも言える状況にあるわけです。 そういう意味で、従来は既存炭鉱の周辺鉱区の調整、あるいはまたそういう開発ということを進めてまいりましたけれども、しかし、既存の炭鉱から離れておる地点の開発は現行法ではできないのであります。もしやるとすれば、これは当然法の改正が必要であります。したがって、すでに封鎖されておる鉱区、あるいはまた事業団が所有しておる鉱区、あるいはまた休眠しておる鉱区等もございますけれども、この計画的な開発は第七次政策の中で道を開かなければならないのではないか、こう思うわけであります。 そういたしますと、これは露頭採掘が主でありますから、露頭採掘の採掘の内容というものは、一つは装備の点にかかります。一つは炭価の動向によって深度が決まってくるという関係にあるのだと思うのです。だがしかし、その採掘した跡地を完全に処理をするということがその場合きわめて重要だと私は思うわけです。そういたしますと、重装備をしなければならぬ、跡地の処理については責任を明確に負わなければならぬ、こう考えるならば、これらの封鎖鉱区とか休眠鉱区の開発は当然、計画的にやらなければ重装備はできないわけでありますから、計画的にやらなければならない。そうしますと、その事業主体については当然限定されなければならないのではないか。 第七次政策の中でこれらが議論された場合に、既存の採掘権者、既存の炭鉱をすでに経営している者以外のいわば封鎖鉱区、休眠鉱区等の開発が可能な地点の開発は認めるべきではないのではないか。既存の炭鉱の場合には当然後処理についても責任が負えますし、あるいはまた重装備の点についても既存の炭鉱はそれだけの力がまだありますから、そういう形で限定をして、計画的に封鎖鉱区や事業団所有鉱区というものを採掘をしていく、こういう方針を第七次政策で示すことも産炭地振興のために大きな役割りを果たすのではないか、こう思うのですが、この点いかがでしょうか。
○福川政府委員 委員御指摘のとおりに、現在消滅鉱区の開発につきましては、その周辺で既存の炭鉱と整合的にやった方が合理的であるという場合に認められておるわけでございまして、最近でも釧路地区においてそのようなケースでさらに開発に移行したというようなケースもございます。また、あるいは露頭炭等につきましては、お話のような形で鉱区調整が行われているということもあるわけでございます。今後、新鉱の開発あるいはまた離れたところの開発をどのようにするかということでございますが、これも今後の石炭の生産体制をどのように考えていくかということについて重要なかかわり合いを持つわけでございます。 現在の合理化法の体系につきましては、委員御高承のとおりに、新たな坑口開設工事をする場合には、石炭の鉱量とかあるいは能率等が一定の基準を上回ること、あるいはその鉱業権者が保安を確保するに足る経理的基礎、技術的な能力を有するという場合に許可することに相なっておるわけでございます。また採掘に当たりましては、鉱業法によります施業案の提出、認可が必要でございますし、その場合に採掘に伴います地上物件に対しての影響あるいは危害、鉱害の防止に関する事項あるいは炭鉱の休閉山時の措置に支障がないかどうかを審査いたしまして、その施業案の認可をいたしておるわけでございます。 したがって、今後どのようにその新鉱開発を位置づけていくかという点は、いま鋭意審議会で御検討いただいておるわけでございますが、現在の体制を見ましても、これらの手続を経て新鉱開発に着手いたしますものは、十分な経理的な基礎あるいは技術的な能力を有する事業主体になるわけでございまして、このような考え方は御指摘のとおりに今後とも維持すべきものと私ども考えておりますが、これはいま審議会等で全体の体系の中で御検討いただいておるという状況でございます。
○岡田(利)委員 この問題はすでにそれぞれの地域でも希望が出ている問題でありますから、第七次政策の中で処理しなければならない案件である、私はこう認識をいたしております。 次に、九州地区では長くボタ山の処理事業が行われて、しかもそのうちローカロリーの石炭の回収等も長い問行われてまいったわけです。現在もまた進められておるわけです。その後、北海道等においてもこういう活用が図られる情勢になってきたのではないか。 先般、高島炭鉱でも黒ズリの捨て場から三千五百カロリー程度の炭を回収することも現実に行われているわけです。あるいはこれらの低品位炭と他の、たとえば木くず等を合わせてハウス燃料等の工場も最近は立地をするという傾向も出ておるわけであります。したがって、そういう意味で、ボタ山利用ということがさらに進んでいくだろう、こう判断を実はいたしておるわけであります。そういう意味で、すでに旧方式で買い上げた炭鉱もありますし、あるいはまた所有権が残されている炭鉱もあるわけでありますけれども、特に旧方式などによって買い上げられた炭鉱のボタ山の活用について検討される用意があるかどうか、承っておきたいと思います。
○福川政府委員 ボタ山から産出いたします低品位炭につきましてその活用を図るべしという御指摘は、国内資源の有効な活用の一つの方法であろうという点は、私も同様の認識を持つものでございます。現に、地域によりましては、水洗炭という形でエネルギー源として利用する場合、あるいはまたセメントの材料を兼ねた燃料として利用する場合、あるいは建築材料として利用するといったような利用が図られておるわけでございます。 しかしながら、このボタ山の利用につきましては、そのボタ山の崩壊等によります危害の防止が非常に重要な問題でございまして、この点については十分留意をして活用が図られていかなければならないと思うわけでございますし、またかなり低カロリーのものということになりますと、その経済性についても十分検討して取りかかる必要があろうと思いますし、またハンドリング等の面からの制約があるというふうに思うわけでございます。 したがって、そのような客観的な状況が許します場合には、このボタ山の利用ということを考えていくべきものと思いますが、そのような利用が非常に広く普及していくということについては困難があろうと思いますが、先ほど申しましたような諸条件を十分考慮して、ボタ山の利用ということについて進めていくことは一つの方法であると考えております。
○岡田(利)委員 産炭地というのはかつて石炭を掘り出しておったところでありますから、いわば石炭になじみの深い地域であります。したがって、昨今の石炭火力発電所の建設計画等から考えますと、もちろん立地条件によりますが、産炭地に積極的に石炭火力発電所を建設するという方が理解も得やすいし、望ましいのではないかと思うわけであります。松浦等は旧産炭地域でありますし、そういう意味ではこういう地域に火力発電所を設ける、あるいは茨城も産炭地でありますから石炭火力を設置する、あるいはコールセンター等も立地が許すならば産炭地に設ける、崎戸などはまさしく産炭地に設けられるという地点だと思うわけです。 あるいは最近、COMの問題が出ておるわけでありますが、小名浜にCOMの製造基地をつくる、これも産炭地域であるわけです。いわば、石炭に関連する意味において、コールセンターとかCOMの基地だとか火力発電所というものは、産炭地振興の面から積極的に立地をさせる、こういうことが特に大事ではないか。 また、火力発電所ができれば灰の利用、これは研究開発を進めておるわけで、もうヨーロッパでは灰利用の技術は相当開発されておるわけでありますが、これらも産炭地振興の一助になるんだろうと私は思うのですね。そういう点を、これからの産炭地計画の中で新たなエネルギー情勢に対応してもう少し積極的な位置づけを図るべきではないかと思うのですが、この点はいかがですか。
○福川政府委員 御指摘のとおりに北海道、九州あるいは常磐、宇部といった諸地域に石炭火力発電所の立地が進められていくということは、最近の状況から、石炭のなじみと申しましょうか利用度といったことから地元の同意が得やすいということは、私どももそれなりに御指摘のような点があろうかと思っておるわけでございます。 それで、産炭地振興対策を考えます場合には、地域の経済的あるいは社会的な疲弊の解消ということを目的としておるわけでございますし、そのようなかって石炭を利用したそれぞれの社会的な諸条件等が残っております場合には、これを利用するというのは確かに一つの有効な方法でもございますし、また、それによって社会的な疲弊の解消につながるということになろうかと思っておるわけでございます。 コールセンター、COMあるいはそのほか石炭火力発電所といった石炭関連事業、これはもちろん、石炭火力発電所となりますと、それぞれエネルギーの有効利用という需要面からの配慮が必要ではございますけれども、産炭地域振興を考えていきます場合に、御指摘のような事業につきましてもそのような目的に合致するものという場合であれば、前提となる諸条件を十分考慮した上で、私どもとしてもこの推進につきましては十分検討をして、そのような方向に進むように努力をしてまいりたい、またまいらねばならないと思っております。
○岡田(利)委員 石炭産業というのは労働集約型の産業でありますし、また石炭関連も物量的に大量なものが動くわけでありますから、そういう意味で雇用力も他の場合と違って非常に大きいと思うわけであります。私は、そういう点をもう少しこれからの新しい十カ年計画の中にきちんと位置づけをしていく、そういう積極的な姿勢を期待しておきたいと思います。 そこで運輸省にお伺いしますけれども、産炭地鉄道の問題が先ほど来いろいろ出ておりますけれども、私が聞きたいのは炭鉱が生きている歌志内線とか幌内線、しかも歌志内線は七億ぐらいの収入があるわけですね。幌内線も五億以上の収入があるわけですよ。ところが、人中心のローカル線の計画基準が決められたという点について、この二つの線はどうもなじまないのではないか。たとえば上砂川には上砂川鉄道というのがありますけれども、これは函館本線に含まれているというだけにしかすぎないわけですね。果たしている役割りは、上砂川鉄道も歌志内も幌内も全く同じなわけであります。 百万トン程度の出炭規模を持っている炭鉱が存続しておる間は、この鉄道の廃止というものは不可能ではないのか。やるということに閣議でも決まったのでしょうけれども、後期に入れたという点についてどうも理解ができないわけです。これはもう確実にやり得る自信があってこの基準の中に含めたかどうか、承っておきたいと思います。
○金子説明員 お答え申し上げます。 現下のエネルギー事情にかんがみまして、周辺地域において産出される石炭を相当量輸送している路線につきましては、第一次選定の対象から除外するよう政令上措置が行われたところでございます。貨物輸送につきましての運輸省としての考え方を申し上げますと、大量定型貨物輸送を行う路線につきましては、御承知のように幹線として位置づけられておるわけでございますので、特定地方交通線にかかわる貨物輸送の量といたしましては、鉄道としての特性を発揮し得ない量である、基本的にはトラック輸送により貨物輸送需要に応ずることができるというふうに考えておるわけでございますけれども、特定地方交通線の第二次以降の選定につきましては、通産省を含めまして関係省庁と御相談しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○岡田(利)委員 既存の炭鉱の中で国鉄が直接石炭を輸送している線というのは幾つありますか。これは三つよりないですよ。あとは皆、あれでしょう、大夕張の場合は南大夕張鉄道、夕張新鉱がつながりますわね。ですから、いま言ったこの二つと、夕張とそれから上砂川しかないわけです。あと、太平洋も三池も、島の方は国鉄はないわけであります。だから、そういう意味で、このわずかな産炭地の石炭輸送の鉄道のうち、二線だけを後期に入れた、これはどうも理解ができないわけですね。これは人間だけを考えるのではなくして、鉄道輸送をふやす、むしろこういう施策を進めるべきではないか。 たとえば北海道で最も新しい内陸発電所の奈井江火力なんかは、鉄道の引き込み線がないからトラックで運ばざるを得ないわけですよ。これは引き込み線があれば皆鉄道で運ぶわけです。むしろそういうところに努力をすべきであって、そこに引き込み線をつけないから結果的にトラックで輸送するということになるわけですね。あるいはまた苫小牧火力発電所、これは鉄道が迂回して、将来変更するわけですね。そして貯炭場に引き込み線がないから、これはトラック輸送しているわけですよ。引き込み線をつければ貨車輸送ができるわけですね。そうすると、山元から苫小牧まで石炭はずっと輸送されていくわけです。 そう考えますと、いろいろな効果が出てくるのだと私は思うのですね。そういう合理性を追求することが先であって、機械的に二つのところに、百万トン規模の炭鉱の鉄道を後期で——これもまあ恐らく第三セクターというわけにはいかないでしょう。これはちょっと行き過ぎだと私は思うのですが、そういう反省はないですかね。
○金子説明員 お答え申し上げます。 今度の地方交通線対策で、貨物輸送については、幹線の基準として輸送密度が四千トン以上という基準があるわけでございますけれども、この四千トンと申しますのは、国鉄が一定の合理化を行った上で、貨物の個別収支において均衡し得るというラインなんですね。ところが、御指摘のたとえば歌志内線、幌内線を考えてみました場合、輸送密度的には千トンぐらい、おおよそそれぐらいでございますので、国鉄の財政再建という観点から見ますと、四千トンの個別収支でさえ均衡を図ることが非常にむずかしいというライン、四千トンがボーダーラインでございますので、千トンというふうな状態を考えますと、そういった国鉄の財政再建との兼ね合いからいって、運輸省としては非常に問題があるのではないかというふうに考えておるわけなんでございます。
○岡田(利)委員 あなたはここで、この基準を変更するような発言はできないだろうと思うのですね。だがしかし、歌志内の場合も、トラックで輸送するといったらこれは大変なことですよ。道路事情からいって、または冬期間の輸送等考えますと、国道でも、雪がうんと降るとこれは一車線になってしまうわけです。北海道の場合にはそういう特殊的な条件もあるわけです。したがって、この二線の廃止ということはやるべきではないし、むしろ合理的な方法を他に追求すべき二線であるということを指摘して、今後この問題についてはしつこく議論をしていきたい、私はこう思っておりますので、これらの対応策をもひとつ十分検討しておいていただきたいということをまず要請申し上げておきます。 そこで私は、石炭関連についてずっと述べたわけでありますけれども、産炭地振興政策の中における石炭及び関連というものをもう少し積極的に考える、こういう私の物事の考え方について、通産大臣はどう考えますか。
○福川政府委員 産炭地域振興法では、鉱工業等の計画的な発展を図るということになるわけでございますが、現に稼行中の炭鉱を所有いたしております産炭地域、これにつきましては、もちろん石炭第六次政策、現在実施中でございますが、さらに今後第七次政策ということでその方向づけを考えていくわけでございますが、もちろん、現在稼行中の山につきましては、それぞれの炭鉱の維持あるいは合理化を図っていく。これは、広いエネルギー全体の立場から評価をし位置づけをしていかなければならないわけでございますが、それは石炭政策の一環として、そのような炭鉱の将来のあり方というものについては十分配慮をしてまいる必要があろうと思います。それの社会的な関連施設あるいは石炭鉱業以外の産業の導入、あるいはその地域の振興といったものにつきましては、産炭地域振興法の考え方からいろいろな地元の努力、創意工夫をそれに組み合わせてやっていくということが必要であるというふうに思うわけでございまして、そのように、稼行中の炭鉱というものは石炭政策、エネルギー政策の一環としての石炭政策の中で十分その将来の方向づけをし、いわゆる社会的な基盤あるいは広い産業的な基盤、この辺は産炭地域振興対策ということと両々相まってやっていくべきであろうというふうに考えております。
○岡田(利)委員 今度の答申の中にも炭鉱跡地の利用について述べられておるわけです。たまたま参考人の意見を聞きますと、ほとんどが、旧炭住、空き家の炭住を含めて鉱業財団の担保に入っている。そういうことで、この担保対策ということがこれから必要になってくるだろう、こう思うのです。現在、政府の関係では、第二次肩がわりの政府資金は五十七年度で終了するわけですね。残るのは第三次肩がわり分だけであります。第三次肩がわり分は特に政府関係金融機関のウエートが非常に高いわけですね。現在、残高は、第三次肩がわりは民間、政府系に分けて、どうなっておりますか。
○福川政府委員 第三次肩がわりの残高は、五十五年度末、八社の合計でございますが、政府関係金融機関で二百九十四億円、市中金融機関で四十億円、合計三百三十四億円、この残高がございます。
○岡田(利)委員 したがって担保対策、あるいは炭住を解体する場合、担保に入っているためになかなかむずかしいという問題もあるわけです。したがって、答申が炭鉱跡地の利用について特に触れられておるわけでありますが、これらの対策についてはどういう考え方を前提にしてこの答申が行われたのか、ひとつ御説明願いたいと思います。
○福川政府委員 ただいま岡田委員が御指摘のように、この炭鉱の跡地、特に炭住の存在しております跡地、これについては特に鉱業財団を組成いたしております関係で非常に権利関係が錯綜しておるという問題がございまして、それがこの炭鉱跡地の合理的な利用の妨げになっておるという認識をその答申の中ではうたっておるように理解をいたしております。 したがいまして、今後これをどのようにしていくかという点が一つの大きな問題でございますが、私どもといたしましては、それぞれ各地方で利用計画を立て、そして関係者間での話し合いをしていくということが一つの大きな柱であり、また若干の事例におきましては、そのような地方公共団体の努力によりまして、合理的な跡地利用というものがなされているケースもございます。したがいまして、そういう関係者間での話し合いで、このような錯雑した権利関係を解きほぐして、利用が進められていくということが一つの重要なポイントではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。 そのために私どもも、もちろん地元の努力を促していくということも必要でございますが、また同時に、いろいろな権利関係をそれぞれのケースに分けて把握し、炭鉱跡地再開発といったようなものの諸問題を類型化して、解決策を見出していくということのために、五十六年度からこの跡地に絡む諸問題の調査をしよう、そして地元の努力を中心としながら、必要な問題点の解決に努力してまいりたい。こういうふうな趣旨で答申が出ておるわけでございまして、それに沿いまして、私どもも予算要求等をして跡地調査等の予算を準備いたしたわけでございます。
○岡田(利)委員 地域振興公団の造成された団地でありますけれども、かっては、団地を譲渡する、そこで工場の立地が行われない場合は二年たつと金利の分を見て買い戻す、こういうことになっていたわけですね。これは最近は一年延びて三年間立地しない場合には戻してもらう、こういうことになっているわけですね。しかし、最近は団地もなかなか売れないものですから、なかなかそのとおりにはなっていないのではないかと思うのです。したがって、この譲渡団地のうち、工場立地計画を示して団地が譲渡されるわけでありますから、そのうちの利用率というのは一〇〇%ではないと思うのですね。何%ぐらいなのでしょうか。
○福川政府委員 公団造成の団地のうち譲渡済みの部分につきまして、現在その利用率はどのぐらいであるかというお尋ねでございますが、五十六年の二月末現在の譲渡済みの土地は千六百七ヘクタールでございまして、これに対しまして工場の建設に着手した案件の土地の合計は千四百六十四ヘクタールということになっておりまして、この比率は九一%でございます。
○岡田(利)委員 各地方の団地の譲渡率というのが資料で出されておるわけです。北海道が一番低いのであります。譲渡率五九・六%、こういう数字が出ておるわけであります。しかし、北海道には大型団地が建設されておりまして、たとえば釧白工業団地というのはほぼ造成は完成しておるが、一工区と四工区が完成団地、これが百二十ヘクタール、二工区と三工区合わせて百八十ヘクタール程度あるわけです。あと水道をつけると完成だということになるわけでありますけれども、ほぼ完成している団地、こう言って差し支えないわけです。これらをもし完成団地として見れば、北海道の譲渡率というのは五〇%以下なのです。そう認識することの方が私は正しいと思うのです。 したがって、こういう実績から見ますと、北海道の団地に対する企業の誘致、あるいはまた特に九州でも内陸地の団地の企業の誘致ということは、普通、臨海部の工業団地と同じような政策ではなかなか企業の立地はできないのではないかと私は思うわけです。せっかく団地はつくったけれども、半分程度しか譲渡ができないということになるわけであります。 そうすると、もう一歩進めて、特定団地に対しては特定政策というものをむしろ考えなければならないのではないか。これは中核的な誘導企業でありますから、資本金とか雇用力、こういう面で特定される企業にもちろんなると思うのです。全般的にやるということは私は政策上困難だと思うのです。だがしかし、そういう大型の団地や内陸の譲渡率の悪い団地については一定の基準を設けて、一定の雇用率あるいはまた投資額、こういうものに基準を設けて、特定のいわば誘導政策のための政策をとらなければ、なかなか企業の立地というものはできないのではないか、こう思うのですが、今回の答申にはそういう検討がなされていないようでありますけれども、現実問題として、そういう政策をとって十年間の成果を上げるということがきわめて重要であると思いますが、この点はいかがでしょうか。
○福川政府委員 御指摘のように、地域振興整備公団の土地造成事業の目的は、鉱工業等の企業の立地にあるわけでございます。したがいまして、長期にわたり工場等を建設することなく推移をする場合につきましては、契約の解除あるいは買い戻しあるいは譲渡希望企業への譲渡努力というようなことで、企業を持ってくるという点に努力をいたしておるわけでございます。しかしながら、御指摘のように、経済環境の急激な変化とかあるいは災害等の事情などによって、三年の期間内に建設できなかったケースで、なお若干の余裕を与えることによって工場建設が可能というようなケースに関しましては、むしろ期間を延長することによって企業の立地が促進できるというようなケースがあるのではなかろうかということで、そこは私ども弾力的な運用を図っておるわけでございます。 さらにまた、譲渡率の悪い団地、いま特定団地というお話がございましたが、このようなケースに関しまして、従来から、地域振興整備公団におきます長期低利融資あるいは税制上の優遇措置といったようなもので企業の誘致を図っておるわけでございますが、いま御指摘のような六条地域の中でも特に立地条件に恵まれないもの、たとえば北海道などの団地に立地いたします企業につきましては、地域振興整備公団の融資に当たりまして融資比率を引き上げるなどの措置、最高七〇%まで引き上げるというようなことで、このような諸施策を組み合わせることによりまして、企業の立地の促進に努力をしてまいりたいと考えております。
○岡田(利)委員 そういう努力については私も理解をしておるのですが、果たしてそれだけで所期の目的が達成できるかというと、まだ疑問が非常に多いと思うのです。これから十年間でありますから、これからの実績も見守りたいとは思いますけれども、そういう点についても対応策をぜひ研究していただきたいということを申し添えておきます。 次に、融資の対象企業体の問題でありますけれども、従来は会社でなければ融資対象にならないわけですね。たとえば地方自治体が振興公社をつくる、これはもちろん民間も出資をしておるわけです。第三セクターのようなものですね。ここは融資の対象にならないわけです。もちろんそういう形態で、会社であれば対象になるわけですね。あるいは協同組合、これも対象になっていないわけです。これからもやはり、投資の内容を見ても、こういう自治体と民間が一緒になってやる公社制度とかあるいは協同組合、こういうケースも出てくると思うのです。したがって、これからはこれらについてもぜひ融資対象の企業主体として認めるべきである、こう思うのですが、いかがですか。
○福川政府委員 地域振興整備公団の融資に当たりましては、公団法の十九条の第一項第七号によりまして産炭地域の振興に必要な鉱工業等を営む者を融資対象にするということになっておるわけでございます。確かに、株式会社がケースとしては多いわけでございますが、御指摘の事業協同組合につきましては、従来から融資対象ということで取り上げてまいっております。 それから、地方公共団体の公社の御指摘がございましたが、この公社も法人の形態としては株式会社形態をとるもの、あるいは民法上の法人の形態をとるもの、いろいろございますが、株式会社の形態をとります公社等につきましては従来も融資対象にいたしたわけでございます。今後具体的な事例に即しまして、その事業内容等から見て、先ほどの定義で融資対象とすることができるかどうかを検討して、その適否を決めてまいりたいと考えております。
○岡田(利)委員 確かに事業協同組合は対象になっています。たとえば夕張の額縁事業協同組合、これなんか対象になっているわけです。ただ、それ以外の福祉協同組合、これは対象にならないわけです、生活協同組合ももちろん対象にならないですね。そういう意味で、私が言っている協同組合というのは一つの協同組合、事業協同組合じゃない協同組合、これなんかもこれから対象にした方がいいのではないか、こう思うわけですね。 それから、公社のような場合には、債務負担行為というのはそれぞれの自治体の議決を経ることになっているわけでありますから、株式会社でなくとも、そういう公社に対して融資の対象にしてもいいのではないか。もちろんこれは必ず議会の議決を要するわけですから、厳格な規制があるわけです。そういう点、私はぜひ対象にしていただきたい、対象にすべきだ、こう思っておりますので、御検討願いたいと思うのですが、いかがですか。
○福川政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、この融資につきましては、法律上産炭地域の振興に必要な鉱工業等を営む者を融資対象とする、こういうことに相なっておるわけでございます。この定義に即しまして、具体的なその事業内容等を見まして、融資対象とすることの適否を検討さしていただきたいと思います。
○岡田(利)委員 「鉱工業等」の「等」が問題なんですね。「等」というのは全部入るわけですよ。ホテルの場合もあるわけでしょう。あるいはまたレジャーセンターの場合もあるわけです、対象になっているわけですから。したがって、「鉱工業」の「鉱工」まではいいですけれども、「等」の内容が出てくるわけです。そういう意味で、なかなか企業の立地ができないとすれば、それぞれの状況を生かしながら自治体も工夫するわけでありますから、そういう意味で申し上げておるのであって、余り多くはないけれども、内容を検討していきますと非常に幅広いわけですね。そういう意味で御検討願いたい、こう思います。 次に、この法律ができていままで出資事業というものが行われてきたのですが、私の記憶では、いま残っておるのは羽幌の無菌豚の出資事業一つではないかと思うのですね。あと九州でセラミックですか、二つの出資事業のうちこれは成り立たなくて解散したという実績があるのだと思うのですね。したがって、これからの十年間の産炭地振興に対して出資事業をどう活用するかということはきわめてウエートを置いて考えなければならぬ問題ではないか、私はこう思うのですが、今回の答申に当たって、この出資事業についてどのような検討がなされたか、承りたいと思うのです。
○福川政府委員 公団が出資をいたします事業は、産炭地域の立地条件を活用いたしまして新技術の企業化を図る事業で、早期に収益が上がることが期待できないで企業化が見送られるというものに対して公団が出資をしようということで、このような制度が昭和四十一年に創設されたわけでございます。 御指摘のように、制度創設以来現在まで二件の出資を行っているわけでございます。実績が少なかった一つの理由といたしましては、産炭地域の立地条件を活用した新技術の開発案件が少なかったということが挙げられるわけでございます。今後は、この産炭地域がかなり基盤整備も進んできておる、立地のしやすい状況にもなってきておるといったことでございまして、産炭地域の地方公共団体と連携をとりながら、この制度の広報、PRにも努めながら、優良な案件の発掘ということに努めてまいりたいというふうに思うわけでございます。今後、特に新技術の利用ということと組み合わせました立地というのが、産炭地域にもいろいろな波及効果を及ぼすというようなこともございますので、今後とも弾力的な運用を図ってまいりたいというふうに考えております。
○岡田(利)委員 私は、さしあたりいま石炭技研などで進めている火力発電所の灰の利用、これなんか出資事業としてリスクも多いわけでありますから、積極的にやってみるということは、エネルギー政策の観点からいっても、産炭地振興の面からいっても、望ましいのではないかと思うのです。完全に完成するまでは企業化しないというのでなくして、一歩進めて企業化する。そのためには公団が出資をする。こういう積極的な姿勢があっていいのではないかと思うのですが、こういうような面は考えられませんかね。
○福川政府委員 出資は、御承知のように融資に比べまして特に優遇された措置であるわけでございます。いま新技術の例として灰の利用ということにお触れになったわけでございますが、私どもも産炭地、それから新技術というこの二つの要件の中で、新技術の定義、これをどういうふうにするかという点はケースとしていろいろあろうかと思いますが、御指摘のようなケースにつきまして、これも地元の振興に役立つケースがあろうかと思いますので、ケース・バイ・ケースで十分検討させていただきます。
○岡田(利)委員 今度設けられた十一億円の調整基金の交付の基準についてまだ検討中なのか、大体交付の基準ができ上がって予算が十一億円ついたのか、この点はいかがですか。
○福川政府委員 特定事業促進調整額制度でございますが、これは広域的な経済生活圏の発展に資するために行うものでございまして、従来の施策体系によりまして必ずしも十分な推進が図られないような特定事業を促進して、それぞれ六条市町村を対象にいたしまして、その地域特性を発揮させていくというところに主眼を置いているわけでございます。今後、市町村が道県の作成をいたしてまいります発展計画、これに基づきまして広域的な共同施設の建設あるいは地域特性に応じた市町村の機能分担を高めるための基盤の整備、あるいは教育、文化、福祉等のレベルアップを図るための施設の整備等の特定の事業を行います場合に、これらの事業のうち国庫補助事業として採択されましたもので、産炭地域振興法十一条の規定による国庫補助率のかさ上げの措置の対象とならないようなものを中心にいたしまして、それぞれの地域特性を発揮できるような形でこの調整額を運用してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○岡田(利)委員 この交付基準はいつごろでき上がりますか。
○福川政府委員 この点につきましては、この法律が成立いたしました暁に産炭地域振興審議会にお諮りをいたします基本計画あるいは実施計画、その前提となります道県の考え方といったようなものとの連関であるわけでございますが、私どもも、これをなるべく弾力的に運用いたしますために、この交付基準はなるべく早くつくることにいたしたいと思っております。時期をいつかという点は、私もまだここでいま明確に申し上げかねますけれども、今後、道県の振興計画等をつくってまいりますのに支障のないタイミングではつくりたいと思っております。
○岡田(利)委員 時間ですから、最後にもう一問質問して、終わります。 問題は、卒業生活圏地域といいますか、六条、十一条から卒業させる、適用を除外する、俗に卒業地域とわれわれ言っておるわけでありますけれども、問題は卒業のさせ方なんですね。卒業のさせ方によってはなかなか卒業できないことになりかねないと思うのです。たとえば一つの例を申し上げますと、閉山した場合に閉山交付金というのが交付されるわけです。これもいろいろ歴史的な経過があって、最終的に行われたのは初年度一〇〇%、二年度目は七五%、三年度目は五〇%、四年度目は二五%、五年度目からゼロ、こういう閉山交付金交付制度というのが従来とられてきたわけです。 卒業させる場合には、少なくともそのような段階的なアプローチがないと、生活圏の中にはもちろん差もあるでしょうから、平均してこうだとかいっても、自治体によっては同じ水準じゃないと私は思うのですね。ですから、相当慎重な卒業方式を考えないと、地方自治体の財政上大きな問題になるのではないかと私は思うのです。少なくともいま私が述べたような段階方式による卒業方式は当然考えられておると思いますけれども、この点の考え方があれば、お聞かせ願いたいと思います。
○福川政府委員 ただいまのいわゆる卒業のことでございますが、この産炭地域振興審議会の答申におきましても「産炭地域振興対策の目的を達成したと評価される経済生活圏に属する市町村については、必要に応じ経過措置に配慮しつつ、一般的な対策に委ねることにより自立的かつ恒常的な発展への道を歩ませるべきである。」と書かれておるわけでございます。この指定の解除の基準につきましては、さらにそれに続きまして「地域指定の基準を勘案し、地域の振興の実態を端的に表わす内容のものによってなされるべきである。」こういうふうに相なっておるわけでございます。 地域の指定の点につきましては、主として財政力指数あるいは補足的な基準として生活保護率といった指標があるわけでございますが、そういうものを勘案しながらその基準をつくっていくということで考えておるわけでございますが、御指摘のようにこれを一時にすぐ卒業ということにつきましては、地元等のいろいろな混乱等もあろうかと思いますので、私ども何がしかの経過措置ということは考えなければならないというふうに思っております。
○岡田(利)委員 終わります。
○森中委員長 小渕正義君。
○小渕(正)委員 この産振法の質疑については、前国会から、答申が出された直後からも質疑をやっておりましたので、私は、主にこれから十年間の産振法をどのようにやっていくかということを中心にして、二、三お尋ねしたいと思うわけであります。 今回の答申の中では、特に従来の経験にかんがみて、一つの経済生活圏といいますか、そういうものを設定して、一つのブロックごとにものを考えながらやるべきである、こういうようなことが新しく盛られておるわけであります。そういう意味では、地方自治のそれぞれの市町村ごとでなしに、一つの大きな経済生活圏といいますか、そういう関係の中でこれから考えていくということについては、これは非常にいいことではないか、かように思うわけでありますが、その場合に、そういう経済生活圏というかそういったものをどのような考え方でくくるといいますか、一つのまとめをやっていくのかということと、そういった場合の手続といいますか、そういうものがどのような形の中で進められることになるのか、そこらあたりについてお尋ねしたいと思います。
○福川政府委員 今後残された最後の十年間に産炭地域振興の目的を達成しようということで、当委員会でも御質疑がございますように、地元関係者の主体的かつ自発的な努力というものを中心にいたしまして、近隣市町村が一体となって効率的な発展を図っていこう、こういうことをこの新しい対策の考え方として産炭地域振興審議会は答申の中に提案をしているわけでございます。この経済生活圏をそのような観点の中でどのように設定するかというお尋ねでございます。 現在、御承知のように産炭地域は九地域ございますが、この地域の中を効率的に機能分担のできるような生活圏の設定をいたしていきたいというふうに考えておりますが、基本的な考え方といたしましては、いわゆる六条市町村を中心にいたしまして、それぞれの生活圏の中には六条市町村を必ず入れる。その中でそれぞれの地域特性に応じて鉱工業的な機能、これはいろいろな産業が中心になるわけでございますが、さらに農業機能あるいは都市機能あるいはベッドタウン等々の機能、これを分担をして相互に影響し合いながら一体的に発展を図っていく、こういう圏域で考えてまいりたいというふうに思うわけでございます。 現在、こういう広域的な考え方といたしましては、自治省が中心にお進めになっておられます広域市町村圏、これは市町村行政の効率化を図るということで考えられている施策の体系でございます。さらにまた、建設省がお進めになっておられます地方生活圏といったものがございますし、さらにモデル的なものでございますけれども、定住圏構想といったものがございます。私どもも、このような既存の圏域の考え方、これとの調和、融和を図ってまいらねばならないというふうに思うわけでございます。したがいまして、私どもも、その産炭地域の九つの区域を幾つかに分けます場合には、最低単位としましては広域市町村圏を最低の単位といたしまして、それを複数組み合わせる。その中には、先ほど申しましたように、六条市町村が必ず入るというような形で圏域を考えていくのがよろしいのではないだろうかというふうに考えております。 さらに手続の点についてもお尋ねがございましたが、私どもといたしましては、この答申の中に流れます思想を尊重いたしまして、地元の自主性を尊重していくということで、関係の市町村の協力を得て、どのような圏域がいいかということを道県を中心にお考えいただきまして、さらに産炭地域振興審議会の意見を聞いて最終的には決め、それに基づいて基本計画、実施計画をつくっていくというふうにいたしたいと考えております。
○小渕(正)委員 そうしますと、手続的なことをお尋ねしますが、地元の自主性を尊重されて、それぞれ都道府県の中で一つの基本計画というか一つの計画ができ上がる、そういうものを出した上で審議会の中に一応中身をかげながら最終的に基本計画として通産省の方で決める、こういうことでいまの御答弁を理解していいですか。
○福川政府委員 基本計画あるいは実施計画はいまお尋ねのような広域的な経済生活圏をベースに作成するわけでございます。私どもも、道県が関係市町村の協力を得ておつくりになりましたような生活圏の範囲、さらにその上に展開されます今後の広域的な機能分担というようなことを尊重をしていくわけでございまして、現在延長をお願いしております法律によりますと、基本計画、実施計画は産炭地域振興審議会の意見を聞くことになっておりますので、その一環といたしまして、それぞれの圏域の範囲、それからその圏域において果たすべき機能分担の将来の展望をその中で諮問をしながら明らかにしていく、その場合には地元の意見は十分尊重していくということにいたしたいという趣旨でございます。
○小渕(正)委員 経済生活圏のくくり方、先ほどいろいろ説明がありましたが、広域市町村圏を最低単位にするということで、その場合に六条地域を必ず入れるということでありますが、これを具体的な例として考えてまいりますと、私、長崎の出身でございますが、長崎県も、産炭地としては、南部は離島を中心にいたしました伊王島、香焼、高島、それからずっと北の方に行きますと、北松と言われておる佐世保以北の現在松浦市あたりを中心にした産炭地域がたくさんあるわけです。そういうようなことを考えて、長崎で、いまのお話を承った場合に、どのような形で生活圏といいますか、そういった経済生活圏のくくりをしていくか、非常にむずかしい感じもするわけであります。 しかし、特に長崎の南部を私、見た場合に、離島が中心でございますから、こういった点についてもやはり一つの大きなブロックとして生活圏を考えていかないことには、それぞれの自治体だけでは、市町村だけでは、産振法を十年延長してやろうとしても、なかなか立ち直りができぬのではないかという気もいたします。 そういう意味で、いま申し上げたような考え方といいますか、いま私が例を長崎県にとった場合に、南と北は非常にいろいろ特殊的で生活圏が違うわけでありますが、大体どういうブロックごとに一くくりできるというふうな考え方があるか、例示で結構ですから、何も固定的でないわけですけれども、一応そういった点で御参考までにお聞きしたいと思います。
○福川政府委員 長崎の産炭地域は、いま広域市町村圏では実は四つに分かれておるわけでございます。お話のように、長崎県の産炭地域を広域市町村圏で分けて見てみますと、伊万里・北松地区、佐世保地区、県央地区、それから長崎地区ということで四つの広域市町村圏が設定をされておるわけでございます。 これを、先ほど申しましたように、単数あるいは複数でその広域的な機能を発揮させるという観点から圏域を設定していってはどうかということになるわけでございます。いま私どもでは、これは私どもの一つの案でございまして、これから県、市町村の御意見によってこれはさらに固めてまいるわけでございますので、とりあえずの感触ということでお聞き取りいただきたいと思いますが、北松地区、佐世保地区につきましては、一つの広域市町村圏域を一つの広域経済生活圏とすることが可能ではなかろうかというふうに考えておりますが、県央地区は、大村が実は十条地域でございまして、県央地区には六条地域を含む圏域がございませんので、この点が一つの問題点になるわけでございます。長崎地区には、大瀬戸町、外海町とそれから香焼、あるいは伊王島といったようなものが地理的に離れているといったような問題がございます。 これは今後どのように県でお考えになるかということでございますが、先ほど申しましたように、県央地区だけですと六条市町村が入っておりませんので、これはしかるべきところと一体として考える、また考えられる経済的な地域特性があるかどうかという観点を踏まえまして、もう一つの広域市町村圏との合体を考えるということになるのではないかと思うわけでございます。確かに、御指摘のように非常に島が離れておるといったような点につきましてもこれは一つの問題ではございますが、これもそれぞれの圏域として一体になるかどうかということで含めて考えていくというようなことになるのではなかろうかと思っております。 いずれにいたしましても、長崎県と私どもも十分協議をいたしまして、産炭地域振興の観点から適当だと思われる圏域を見つけ出してまいりたいというふうに思います。
○小渕(正)委員 確かに、いまお話のありました常識的に一くくりの生活圏でとらえても、北松地区、佐世保を単位とした地区、これは大体一つのそういう関連性を持った経済圏ということでは私も理解できるわけであります。問題は、県央、というのは大村でありますが、あの辺あたりは産炭地は別にございませんが、長崎地区に入れるべきかどうかということでは、先ほどお話がありました大瀬戸とか外海町。外海町は現在生産出炭鉱山を持っているところでございます。大瀬戸というところは松島火力が実際に現在も稼働している地区でございます。 それと、かなり南に下ったところに本当の意味での一番救済を必要とする伊王島地区とか高島とかがあるわけです。高島は現在生産活動をやっておりますが、そういう点では確かにここらあたりをどうくくるのかなというのが一つの大きなポイントじゃないかという気がいたします。ただ、問題は、私どもがながめてみました場合に、同じ産炭地域といいましても、伊王島とかこういった本当にもう炭鉱が閉山になって過疎化現象でどうにもならぬようなそういう自治体と、大瀬戸とか外海町とか香焼とか——香焼は御承知のように三菱重工の造船所が進出したという意味で、日本的にも、地方自治体の単位で見ればかなり裕福な財政を持ったところになっていますし、大瀬戸あたりは松島火力の関係、電源三法の関係から、かなりまた財政的に見たら伊王島あたりと比べると比較にならぬような、そういう意味では同じ産炭地町村の中でもかなり格差があるわけですね。 そこらあたりをどうくるめるかということは非常にむずかしいと思いますが、そういう意味では、私は、南部の島関係はやはり長崎地域としての経済生活圏の中で考えていかなければいかぬのじゃないか、こういう気がするわけです。そういう中で一番いま問題になっているのは、そういう外海町と大瀬戸町に隣接する崎戸という島がございます。これは大島町と崎戸は隣接した島でございますが、大島の方は松島炭鉱の大島鉱業所があったのが閉山になったところでありますが、大阪造船が進出しまして、まあまあそういった意味では大体大島町はかなり立ち上がっておるわけであります。そのお隣の崎戸町は三菱鉱業所があったところで、これが現在一番疲弊しているところであります。 そういう意味で、今回崎戸の方にコールセンターの設置の動きがかなりございまして、ほぼ間違いないというところまで来ておるのじゃないかという気がするわけであります。これは特に九州電力を中心にして計画が取り組まれるというふうに思うわけでありますが、特にこのコールセンター設置にかなり崎戸町自身が期待しているわけであります。そこらあたりに対して、現在ほぼ間違いないところに来ているのかどうか、そういう計画について御説明できる範囲で結構ですからひとつお知らせいただきたい、かように思います。
○福川政府委員 コールセンターの建設につきましては、今後海外炭の需要がふえていくというところから、この設置促進ということが今後のエネルギー政策の中で一つの重要な課題になるわけでございまして、そのような観点から、コールセンターの立地条件の調査ということを実施をしてまいったわけでございます。 崎戸に関しましては、五十五年度基本設計調査を実施をいたしたわけでございます。昨年の十一月、この基本設計調査を踏まえまして、九州電力が、これが石炭の大口の需要家でございますけれども、コールセンターの建設に参加するという方針を発表いたしておりまして、現在同社を中心にいたしまして具体的な検討がなされているわけでございます。 崎戸のコールセンターに関しますフィージビリティー調査の結果によりますと、これは五十五年二月から十月にかけて実施をいたしましたが、大きく分けて第一期と第二期という工事に分けてしてはどうだろうかという考え方でございます。なお今後さらに、需要家でございます九州電力を中心にいたしましてこの計画が練られてまいると思いますが、フィージビリティー調査の結果といたしましては、年間の扱い量を大体第一期分で七百万トン程度、貯炭の能力を百二十万トンぐらいに置きまして、面積三十五ヘクタールということで設計してはどうだろうかということでございます。 また、船につきましては、これは御承知のように非常に大型船で輸送コストを下げていくということが一つの大きな課題でもございますので、受け入れのバースといたしましては二万五千トンから十五万トン程度の船が入れるようにというようなことでございます。さらに、これに払い出しのバースが付置されなければならないということでございまして、そのようなことで、大体考え方として七百万トン程度のコールセンターを第一期にしてはどうかということでございます。第二期としては、さらに三百万トン乗せて、将来としては一千万トン程度のものを念頭に置いてはというのが基本設計調査、フィージビリティースタディーの結果でございます。 これを一つの案といたしまして、今後、九州電力などを中心にいたしまして具体化していくものと思われるわけでございますが、そのためには、需要家の将来にわたる利用のめどと同時に、港湾の条件あるいは地元の支援といったことでございますが、幸いにいたしまして長崎県、埼戸町も積極的なバックアップをしていただけるということのようでございます。したがいまして、これにつきましては、今後、九州電力の方がこの石炭を利用いたします火力発電所の建設のテンポ等を見ながら実行に移していくというふうに考えておるわけでございます。
○小渕(正)委員 先ほどちょっと触れましたが、先ほどから御質問の中で、経済生活圏である程度目的が達成されたというところは逐次解除といいますか、そういうことに対する考え方は財政力指数、そういったものを含めて勘案していくということを言われておりました。そういう点で考えますと、先ほど例に挙げましたが、香焼町なんかは財政だけから見るならばかなり裕福な町なんです。だから、そういう全国平均を上回るような裕福な町の財政力指数で見るならば、真っ先に対象除外という形になることは必至だと思うのですが、そういう意味では単なる一単位として見ないで、一つの生活圏単位として見るということで、個々の町のそういうことだけでは考えないのかどうか、そこらあたりはどのようにお考えですか。
○福川政府委員 指定地域の解除の点のお尋ねでございますが、私どもも、これは経済生活圏を一体としてとらえ、それを総合的に判断をいたしたいと考えておるわけでございます。 いま香焼町の財政力指数の点がございまして、たしか最近では一・三五ということで、これは確かに財政力指数はかなり豊かな方の部類に属するわけでございます。もちろん、産炭地域振興の考え方は、いま委員も御指摘になりましたように、近隣市町村が一体的に発展し得るようなまとまりということが重要であるわけでございますので、指定解除につきましても、そのような考え方で経済生活圏を単位として総合的に考えてまいりたい。したがいまして、香焼町単独で指定を解除することは、いまのところ適切ではないのではないか、私どもも総合的に判断をいたしたいと考えております。
○小渕(正)委員 先ほど私がちょっと長崎県の特異性というか地理的な条件と環境について申し上げたわけでありますが、確かに、長崎の北の方、佐世保寄りの北の方の北松、松浦を中心の産炭地は、どちらかというと福岡の筑豊地帯に似たような性格を持っておる、集団的にかたまった市町村が隣接している。もちろん、そういう意味での町の規模はまだ小さいわけでありますが、大体そういった性格がある。ところが、南の方はいま申し上げたように、個々に分離されたような中での自治体がそれぞれあるというわけであります。 これから産振法で、十年間の延長の中で何とか立ち上がらせようというわけでありますが、そういう意味で、何か長崎県の限られたといいますか、ほかの県と違った産炭地の特殊事情がある。特殊と言ったら悪いのですが、そういう状況の中で、長崎の場合にはこういう方面を重点にしたこれからの発展計画を考えるべきではないか、そういう指導的なものをでき得れば中央の行政当局としても持ちながら指導していただければ非常にいいのではないかという感じがするわけでありますが、そこらあたりについて何かお考えがございますれば、お聞きしたいと思います。
○福川政府委員 長崎県の産炭地域は、三市十九町で県北から県南まで分散いたしておるわけでございます。今後、長崎県が関係市町村と協議をいたしまして発展計画を策定していかれるわけでございますが、一般的に見ますと県北、県央、県南というところにそれぞれの地域的な特性があるやに私どもも感じております。 県北につきましては、松浦市を中心にいたしまして臨海工業地帯が存在をいたしておるわけでございまして、あるいはこの地域にはその部門の鉱工業に属する企業の誘致ということを中心にいたしまして、それに加えて農林あるいは水産業の育成、融和を図っていくということも必要ではなかろうかと思います。 県央につきましては、佐世保を中心といたします地域にはすでに造船業等も存在いたしておりますが、豊富な水資源があるわけでございまして、今後水資源を利用したダム建設等を行い、あるいはそれを利用しながら工業立地を促進するということで、この点につきましても鉱工業の発展の促進が期待されるのではなかろうかと思います。また、国立公園等もございますので、いわゆる観光立県としての一つの拠点ということで、観光業、観光産業の発展ということも、一つの有力な発展のための資源になるのではなかろうかと思います。 県南でございますが、長崎市を中心といたします県南におきましては、産炭地域が確かに散在をいたしておるというようなところがございますが、非常に歴史的な地域でもございますし、観光産業の育成あるいは沿岸の漁業の振興といった点が非常に期待できると思うわけでございます。 このように、確かに長崎県の産炭地域につきましても多様な特性の発揮が期待できるという気がいたしますので、長崎県を中心にいたしましてそれぞれの特性を発揮して、相補い合って、今後の産炭地域振興の目的が達せられるということになることを期待をいたしております。
○小渕(正)委員 確かに、従来のようにどちらかというと企業誘致、しかも鉱工業を中心にして何とか産炭地振興を図ろうということ一本やりでは、なかなか当初の目的を達成することはできないと私は思います。そういう意味で長崎県は、特に先ほど私が例示しました大瀬戸にいたしましても外海町にいたしましても、ああいった西彼杵半島というのは優秀な観光資源を持ったところでございますので、もっと多様的に見て、そういう形の中で全体的に産振法の趣旨に沿ってそれぞれが自立できるような、そういう方面での御指導を特にお願いしておきたい、私はかように思うわけであります。 次に、先ほどからお話がありましたが、今回新しく予算化いたしました十一億円の特定調整額ですか、この使い方といいますか、その考え方等について具体的なものがあれば、お示しいただきたいと思います。
○福川政府委員 特定事業促進調整額制度でございますが、経済生活圏としての広域的な発展に資する事業であって、従来の施策体系では必ずしも十分効果が発揮し得ないような場合に、その特定の事業を促進するために、その事業を実施する産炭市町村のうち財政疲弊の特に著しい市町村に対し財政援助を行うということを考えておるわけでございまして、これによりまして広域的な特性というものを発揮できるということを念頭に置いておるわけでございます。 確かに十一億円という金額でございますけれども、これはそれぞれの六条市町村におきまして、それぞれ考えておる幾つかの公共事業についての助成措置に上乗せをして誘導をしていくということでございますので、この金額は十一億円という規模ではございますが、それの基礎的な部分につきましての助成ということが加えられておるわけでございますので、私どもは、これはむしろ一つの誘導的な効果を発揮するものというふうに考えておるわけでございます。広域的な経済生活圏におきまして、六条市町村を対象にいたしまして、それぞれ道県が作成をされました圏域の発展計画に基づきまして、広域的な共同施設の建設あるいは地域特性に応じました市町村の機能分担を高めるような基盤整備の事業、さらに教育、文化、福祉といったレベルアップを図るための施設の整備といった事業を行う場合に、これらの事業のうち補助事業として採択されたものを対象にしたい。これを効率的に予算を配分いたしますために、産炭地域振興臨時措置法十一条の規定によります国庫補助率のかさ上げ措置の融資対象とならないもので、非常に広域的な機能分担に役立っていくようなものを中心に、その経費の一部に相当する金額について助成をしていくということにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。 若干の例示を申し上げてみますと、たとえば広域的な共同施設といたしましては、広域水道水資源開発とかあるいは広域的な医療といったものを考えるのも一つの方法であろうかと思いますし、あるいは市町村の機能分担を高めるための基盤整備といたしましては、たとえば土地改良事業とかあるいは漁業振興施設といったようなものも考えたいと思いますし、さらに教育、文化、福祉等のレベルアップを図るための施設の整備といたしましては、公民館とかあるいは青少年の家とかあるいは老人福祉施設とかといったようなものをいま例示的に考えておるわけでございますが、先ほど申しましたような考え方で効率的な配分をし、誘導効果を発揮してまいりたい、そのような運用を期してまいる所存でございます。
○小渕(正)委員 いま御説明いただいたのでは非常に多面的に、なかなかいい内容のものであるわけでありますが、それじゃ、この十一億の根拠はどういうところから出たのですかね。ただ漠然とこれだけあればいいだろうというわけにはいかぬでしょうし、そこらあたり初めての予算化なので御苦労はあったかもわかりませんが、一応根拠となるものがある程度ないことには、いま申されたそういういろいろな事業にはこう出していくのだ、効率的にということだけで果たしてどうなのかなという感じがするわけであります。たとえば二十億出したけれども大蔵省との折衝ではこれしか確保できなかったと言えばそれまでですけれども、何かそういうことについての根拠がございましたら、ちょっとお聞きしたいのです。
○福川政府委員 昨年八月末、大蔵省に概算要求をいたします際に、このような構想が、当時産炭地域振興審議会でも議論されておりまして、その考え方を踏まえまして関係道県のヒヤリングをいたしまして、それぞれの希望を取りまとめまして、一応十一億円という予算の積算をつくったわけでございます。もとより、財源の非常に限られた時期でございましたので、それで各ヒヤリング等から採択率等を考慮いたしまして十一億円にまとめたわけでございますが、予算折衝の過程におきましては、一応私どもの要求を満額財政当局にお認めいただいたという経過になっておるわけでございます。しかし、これはあくまでも要求時のことでございますので、私どもといたしましては、その予算の範囲内で今後さらにそれぞれの各県、市町村の実情等を十分調査をして、この発展計画の内容等を吟味しながらその配分を考えてまいりたいというふうに考えております。
○小渕(正)委員 根拠はわかりましたが、そうなりますと、各省の産炭地関係でのいろいろなそういう中からの、集まった中での金額はこういうことだったというわけですから、まあ、いま後から部長は申されましたけれども、基礎的な、大体こういうところでこういうものをしたい、こういうところではこういうものをしたいなという一つの、確定的ではないにしてもそういう基礎になるようなものが大体現在はある、こういうふうに一応見ていいですか。
○福川政府委員 予算要求時にいたしましたヒヤリングでございますから、これは各道県あるいは市町村もそのとおり確実に実行するというコンクリートの計画を持っていたわけではないと思いますが、一応財政当局と折衝いたしますのに足る根拠ということとして採択をいたしたわけでございます。これを今後活用してまいります上におきましては、関係道県、市町村もより具体的な計画をつくるわけでありますが、その場合には、道あるいは各県がそれぞれどのような将来の発展の計画を描き、そして地域特性、機能分担を図っていくかということを地方の自主性、創意工夫をこらしていただいた上でつくっていくということになってまいりますので、いまそれじゃ関係道県あるいは市町村に相当確固たるものがあるかと言われれば、あるいはそこらはまだあいまいなものがあるのではなかろうかと思いますが、今後道県、市町村の検討の過程でその辺が徐々に固まってまいるのではなかろうかというふうに考えております。
○小渕(正)委員 わかりました。 実は産炭地関係の市町村の中での一つの悩みは、跡地利用といいますか、炭鉱の跡地を何とか利用しようとしても——たとえば古い炭住、何かちょっとしたいろいろな炭鉱の建物、そういうものを取っ払ってきれいにして何とか活用したいなという意欲は持っているようでありますが、では跡地はどういうような形で、どのようなものをやるのかという跡地再利用の計画をぴしゃっと出さぬことには、なかなかあれができない。ところが地方自治体の中では、そこまでのはっきりとしたものはないにしても、ともかく一回きちっとそこらを、きれいに跡地を整理して、それに立っていろいろの計画を立てて考えてみたいというような空気が非常にあるのです。 ところが、そういうことをする場合に、地方の町村ではお金がない。だから、そういう炭鉱の跡地の施設を撤去するための特別な起債を何か認めてもらえれば自分たちとしては非常に助かる、またいろいろなことを考える上に立ってもいいのだけれどもと、こういう悩み事を私ども二、三相談を受けたのです。いまの制度でいくならば、跡地利用をどうするのだというぴっしゃりした計画を持って出さぬことには、なかなかできないことになっておる関係から、そこまでのあれがなかなかまとめにくい段階で、でき得れば、地方自治体で自分たちで後のことを考えてやるから、とりあえず撤去、きれいに整地するだけのお金が欲しい、こういうことがよく言われるのですけれども、何かこういうものについての手だては、いまの制度の中でできませんでしょうかね。それと、自治体としては、この点でそこまでのあれができればもっと何か考えていきたい、そういうことがよく言われておるわけでありますが、ちょっと念のためにお尋ねいたします。
○福川政府委員 炭鉱の跡地利用につきましてはいろいろ問題がございますわけですが、一番大きな問題は、そこの炭鉱の跡地がこれは権利関係が大変複雑になっておる、特に鉱業財団に入っておりますためにこの権利関係がなかなかうまく整理できない、そのためにいろいろな事業が進まないということが一つの大きな問題であろうというふうに思うわけでございます。 現在、そのようなことで、私どももこの跡地の現状と権利関係を把握いたしますために、もちろんこれまでもすでに成功した事例等もございますので、それも参考にしながら、地元の努力をしていただくということと同時に、さらに、もしこの問題がございますれば炭鉱跡地開発の調査ということを行いまして、その跡地利用に絡みます問題点の類型化を図って、地方の努力をバックアップする方法がどういうものがいいかということを検討してまいりたいというふうに考えております。
○小渕(正)委員 では、ひとつその点は早急にそういった作業を進めていただくことを期待しておきたいと思います。 次に、いろいろこの産振法の中でお話があっておりますが、問題は、産炭地域の振興にとりましては、ただ単なる通産省関係だけではなしに、自治省その他必要によっては厚生省に関係するところがありましょうし、運輸省に関係するところがあるわけでありますが、いろいろとそういった各省との関係が必ず出てくるわけであります。そういう点で、各省のこういう協力体制がないことには、いろいろな計画を立ててもそれが実現に向かってなかなかむずかしいというふうに思うわけでありますが、そういう意味での協力体制というものをどのように現在考えられておるのか、そういった点と、それから次は、先ほどから言う、県や道が中心になってまとめられる発展計画というものは大体いつごろまでをめどに作成させようとされておるのか、そこらあたり、二点についてのお尋ねをいたします。
○福川政府委員 現在、この産炭地域振興のために各省いろいろ御協力を願いながら進めておるわけでございますが、十四省庁にまたがりましてこれの推進を図っておるわけでございます。もとより、御指摘のとおり、この十四省庁間の連絡協力体制の緊密化を図るということは、もちろん地元市町村、道県との協力とともども非常に重要な課題であるわけでございます。したがいまして、私どもとしても各省連絡会を設置いたしまして、産炭地域振興上重要であります施策につきましては、その連絡会を通じて各省庁に協力の要請をいたしておりますし、また、定期的にその連絡会として現地の視察を行うといったようなことで、関係省庁の認識を深めかつ共通にしていくという努力をいたしておるわけでございます。 今回の答申でも、この関係省庁、さらにまた地方公共団体との連絡、調整、協調ということも非常に重要であるという御指摘をいただいておりまして、この点につきましても、私どもも、従来以上に緊密化を図っていくということが必要ではなかろうかというふうに思うわけでございます。もとより関係省の連絡会の場に応じまして、さらにまた、必要がございますれば関係道県の意見を反映させるなど、実態に即しまして、各省庁の施策の総合的かつ円滑な推進を図っていく、そういう努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 関係各省の連絡会につきましては、実施計画あるいは地域別の開発計画、そのほか企業の導入、金融等々の問題につきまして連絡調整を図っておるわけでございますし、さらにまた、産炭地域振興審議会の中には関係省庁の次官クラスにも入っていただいておりまして、それぞれの施策に十分遺漏なきを期するということでございまして、大臣からもしばしば当委員会で御答弁申し上げておりますように、関係省庁の連絡協調体制、これまでの反省の上に立ちまして一層努力をしてまいりたいと思っております。 それから、第二のお尋ねの、発展計画はいつごろまでにつくるかというお尋ねでございます。 私どもとしても、法律ができます場合にはできる限り早期にその実施に移っていくということが必要であるというふうに考えております。現在、地元におきましては発展計画の原案の作成に着手をして検討しておられるところも多々ございまして、また、この産炭地域振興臨時措置法が延長されます場合には、政府としても、それぞれの発展計画の各府県から出てまいりました原案をベースにいたしまして、今後実施計画あるいは基本計画ということに着手をしてまいりたいと思うわけでございます。私どもも、できるだけ早くこの発展計画をつくってもらいたいというふうに考えておるわけでございます。また、場合によりますと来年度の予算にも反映させなければならないということでもございますので、そのような事項につきましては、中間的に意見を取りまとめながらでも予算要求等の作業に支障がないようにいたしたいと思っておりますが、少なくとも、遅くとも五十六年度中には策定作業を終えなければならないと思いますし、またそこまで待たずとも、私ども、なるべく早くこの道県の計画を策定させたいというふうに思っております。
○小渕(正)委員 次に、いまのところ五十六年度末までにはどんなことがあっても、何とかそういう計画をつくらせたいということでありますが、そういう計画はでき上がった、しかしながら、それは本当に実効性あるものとしてこれからやっていくためには、やはりローリングプラン的なものが必要ではないか。ただただ計画を出させて、それをいろいろやるだけではなしに、そういったところまでのフォローアップといいますかそういうものをしないことには、実効が上がっていかないのではないかという感じもするわけでありますが、その点に対しての何か御見解がございますれば、お尋ねしたいと思います。
○福川政府委員 経済生活圏別の発展計画でございますけれども、まず道県が関係市町村と協力の上作成して、それぞれの中で関係市町村がその地域の特性に応じて分担すべき機能あるいは計画的に実施すべき振興事業の内容といったようなものをつくっていくわけでございますが、御指摘のように、このような内容を持つ発展計画でございますから、事業の進捗状況あるいは経済社会情勢の変化ということも当然予想されるわけでございまして、そういうものの変化を踏まえながら、その展望を常時見直していく、それぞれの時点でベストの発展計画に絶えず見直しをしていくという意味でローリング的にそれを見直していくということは、大変御示唆に富む御意見であろうというふうに思うわけでございまして、私どもも、道県の発展計画の取り進め方に関しましては、御指摘のような方向で道県に連絡指導してまいりたいと思っております。
○小渕(正)委員 お忙しいでしょうけれども、その点はぜひやっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 それからちょっと角度を変えてお願いがあるわけですが、実はそういう産炭地域の中でいろいろ新しい企業を誘致する、その点いろいろ振興策をとるわけでありますが、例を挙げますならば、今度松浦市には九州最大の石炭専焼火力発電所ができる計画になっておるわけですね。電発と九電との二つ、それぞれ約二百万キロ。こういった産炭地域振興の中でああいった一つの用地が確保されて、いよいよ実現するところまでやっとこぎつけたわけでありますが、実は松島火力のときの例を私から申し上げますれば、松島火力は電発がやったわけですけれども、地元の経済の振興に非常に役立つようなものでなければならぬと思うのです。 ところが、松島火力の場合、発注されたそれぞれのところを見ますと、みんな県外で、県外の大手メーカーに全部が発注されて、その孫の孫ぐらいのものが長崎の一部の中小企業、中小工業の中に落とされてくる、こういう事例がかなりあるわけですよ。われわれといたしましても、県を挙げて、できるだけ地元のそういう鉱工業を振興させるという角度から地元発注を優先的にということの要望はしておりましたけれども、電発側に言わせると、電発は公共性のある事業ですからそういかなければいかぬとかなんとかいう名分の中で、結果的にはほとんど中央の大手へ行って、その後ずっとピンはねされた残りが県内に幾らか仕事が落ちてくる、こういうのが実例として松島火力なんかにあります。 だから、今度松浦火力は二百万キロという九州最大の石炭専焼の火力発電所になるわけですから、行政当局としては、せっかく産炭地の中にそういうものをやるわけですから、もっと地元、地域発展に寄与するような、そういう意味での計画、工事というものを進めなければならぬと思うわけですが、そういうものについて行政当局のお考え、また指導——指導と言えば悪いですけれども、そういう意味での指導性も私は発揮してほしいという期待もあるわけです。そこらあたりの御見解があれば、お聞きしたいと思います。
○福川政府委員 火力発電所の立地に当たりまして、発注先をなるべく地元の振興に役立つように考えるべきではないかという御指摘でございます。もちろん、火力発電所という高度の技術的なプラントを建設するわけでございますから、事業主体といたしますとそれなりの技術的な問題等々の制約があろうかと思います。しかしながら、電源立地を行うということにつきましては、もちろん地元の理解、協力ということが不可欠でございますし、また、電源立地促進のためにはそれなりに施策がいろいろ準備されているわけでございます。発注先をどのようにするのがいいかという点につきましては、もちろん事業主体として効率性あるいは経済性等も十分勘案しなければならない問題でございます。 そういう制約はございますけれども、地元の理解、協力を得るということが電源立地の一つの大きな問題でございまして、制約があろうかとは思いますけれども、私どもも、条件が同一でありますならばできる限り地元の理解あるいは協力を求める、あるいは地元へそういった利益を還元していくということも一つの方向ではなかろうかという気がいたすわけでございまして、その点につきましては今後とも十分注視し、必要があれば、それなりの対応を考えていかなければならないと思っております。
○小渕(正)委員 確かに、高度な技術力を中心としたああいった事業ですから、それはなかなか特異性もございますから、すべてが全部そういうことで賄えと言うわけにはいかないと思います。ただ、そのことに籍口してといいますか、便乗して全体的にほとんどそういう形にされてしまっては、せっかく地元がそういう意味で協力していこうというのに対して、しかも地元としてそういうものを十分やれるような中小工業の技術があるにもかかわらず、それが必ずしもそういうふうにされてなかったという松島火力の実例がございますから、ひとつ行政当局としても、特に電発関係については政府も関係する機関でございますから、ぜひそういう意味での御指導をお願いをしておきたいと思うわけです。 それから、これは大臣にお尋ねしますが、こういう質問はどうかと思いますが、一応十年間で産振法、これが大体最後だということで、そういう心構えでやらなくちゃいかぬということになりますが、仮定の話で大変恐縮ですが、もしこれが十年間でどうしてもだめだというふうに結果論としてそのときに認定された場合には、なお次のことを考えるということに大体いくのかどうか。これは非常に仮定の話で恐縮ですけれども、その点大臣いかがでありましょうか。
○田中(六)国務大臣 この産炭地振興法の十年間の延長は、審議会の答申にもありますように、十年間で何とかこれを切り上げてほしいという意欲がその中にも見えておりますし、私どもも過去のことを十分反省し、その地域の人たちの意向も十分くんだ上、私ども、施策もまたその反省の上に立って前進させなければならないと思っております。私どもの考えと地域住民の人の考えが一体になってこの十年間のうちにいろいろなことを完成して、産炭地の振興を図らなければならないと思っております。 したがって、現在のところ、それが十年間たったらあとまたどうしようというようなことは、正直に申しまして考えてはいませず、この十年間のうちに、そしてこのスタートの最初にいろいろな実施計画、そういうものについての万全の措置をとっていきたいというふうに考えております。
○小渕(正)委員 仮定の御質問で恐縮でしたけれども、いまお話をお伺いしましたが、十年以後はもう後がないということで、強力な決意を持ってやらないことには、結果的には過去の二十年間の繰り返しに終わったということになってはいけないと思いますので、そういう意味では、特に大臣のこれからのそういった強い指導性を期待いたしまして、私の質問をこれで終わることにいたします。
○森中委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後三時十六分休憩 ————◇————— 午後三時二十八分開議
○森中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鍛治清君。
○鍛治委員 先ほどからずっと質問がございまして、私の質問したい点も重複した質問になる点が若干あるかもわかりませんが、なるべく避けて御質問を申し上げますので、よろしく御答弁をお願いいたします。 最初に、経済生活圏に関する問題で、これも先ほどからいろいろ質疑が交わされておりますが、改めてまたお尋ねをいたしたいと思います。 先ほどの石炭部長の御答弁、再三ございましたが、現九ブロックをさらに中を分けて、六条地域を含めて自治省の言う広域市町村圏の地域を単数ないし複数合わせて考える、こういうふうな御答弁でございました。その分け方でございますが、全国で大体二十地域程度にしたいというふうに考えておられるようでございますが、その点についてまずお尋ねをいたします。
○福川政府委員 経済生活圏をどのように考えるかということでございます。筑豊に例をとりますと、筑豊地区に属します市町村の数は四十九ございまして、自治省でお進めいただいております広域市町村圏の数は筑豊では七つ、それから建設省の方でお進めになっておられます地方生活圏では四つ、こういうことになるわけでございます。 〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕 この四つの地方生活圏あるいはまた七つの広域市町村圏をどのように地域特性を発揮させるように組み合わせを考えていったらいいだろうかという点は、実は私どもも、考え方として、いま地方の意見も聞きながら検討をいたしておるところでございます。 先ほど申しましたように、建設省の方での四つの地方生活圏、このうちの一つはかなり小そうございまして、これを一つ独立させるのはいかがかというふうに思っておりますが、私ども、これを大まかに申しまして、主として建設省の考え方の四つをあるいは二つにするのがいいかあるいは三つに考えるのがいいか、その辺をいま検討いたしておるところでございます。考え方といたしまして、六条市町村がその中に含まれるということと、最低単位は先ほど申したこの七つの広域市町村圏ということでございますので、これを組み合わせてまいるわけでございますけれども、北九州あるいは福岡といった工業地帯、これが一つの核になるわけでございまして、これの波及効果をどのように考えていったらいいだろうかということも一つの大きなポイントになるわけでございます。 特に、直鞍地区とかあるいは飯塚あるいは田川地区、この辺を一つのグループでまとめるのか、あるいは北九州あるいは福岡、この辺との連携を考えるのがいいかという点は、それぞれこの地域特性の発揮のさせ方として福岡県でもいろいろな検討を恐らくおやりになるのではなかろうかというふうに思っております。 私どもも、これをいま申し上げましたような地域特性を発揮させていくというような観点で、大まかに三つあるいは場合によっては二つ、この辺にグループ分けを考えるのが一つの案かというふうに考えてはおりますけれども、なおいま申しましたように、これはかなりいろいろ検討をしていかなければならない点がございますので、とりあえずの感触でございまして、今後福岡県の検討を見ながらこの経済生活圏をどのようにしたらいいか、鋭意検討してまいりたいというふうに思っております。
○鍛治委員 私の出身地のことを御配慮をいただいていろいろと細かくお答えをいただいたわけですが、大変ありがとうございました。 私がちょっとお尋ねしたのは、全国的に二十地域程度というふうにしたいというふうに聞いているわけですが、その点を再度確認の意味で御質問を申し上げます。 それともう一つ、いま御答弁の中で出ました福岡の場合と北九州地域と、中核的な都市と申しますか核となる都市というもの、中核体というものを考えながら、六条地域を含めてこのブロックには経済生活圏というものを設定をして、そしてそれを中心に引っ張っていく、こういうようなお考えがブロックづくりのまたポイントの一つにもなっているようにも聞こえたわけでございますが、そのように理解してよろしいわけですか。
○福川政府委員 産炭地域全体九地域、二百十六市町村ございまして、先ほど申しましたように自治省の広域市町村圏では四十一、建設省の地方生活圏では、北海道地区は設定されておりませんので、北海道を除きまして二十二、これをベースにいたしまして、私どもで産炭地域の中の経済生活圏を設定をしていくというわけでございますが、いまのところ、まだ最終的に全体を幾つにするかという点は成案は得ておりませんが、大要二十から二十五前後ぐらいになるのではなかろうかというふうに予想をいたしております。それぞれ道県が市町村と御相談の上で持ってまいりますので、この辺は、さらにもちろん道県の考え方を尊重して考えたいと思っておるわけでございます。 〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕 また、お尋ねのございましたいわゆる経済生活圏と六条市町村との関係でございますが、私どもとしては、自治省の広域市町村圏全国に四十一ありますものを最低単位といたしまして、それを単数あるいは複数を組み合わせて経済生活圏を考えるわけでございますが、その際には、やはりこの産炭地域の疲弊を解消する、疲弊の著しい六条市町村の疲弊を解消するというところを目的にいたすわけでございますので、六条市町村がその中に入る。さらにまた、その機能分担の中で、いろいろな考え方があろうと思います。都市機能を中核として考えるか、あるいは工業的な機能を中核として考えるか、それはそれぞれ地域の特性がいろいろあろうと思います。いずれにいたしましても、そういった特性を発揮することによって、その中の六条市町村の疲弊が解消していけるということで、この経済生活圏を考えていきたいというふうに考えております。
○鍛治委員 自治省の広域市町村圏それから建設省の二十二地域も私はまだ具体的に目を通しておりませんので、詳しくはわかりませんけれども、やはり経済生活圏の場合、六条地域を含め、さらに中核になる都市といいますか、特色ある経済生活圏でありますから、そこを引っ張っていくような中核になる都市なり何かが必要なような気がいたしますが、そういう産炭地域に当たっているところに、中核になるような経済的な特色のある、引っ張っていけるような中核体になるようなところが入っておれば大変スムーズに、今後十年間手を打っていったときに行きやすくなるということが考えられるわけですが、北海道等ちょっと考えますと、そういう中核的になる都市、そういう特色のあるものがない地域があるような気もいたします。 そういうような場合に、場合によれば、その近郊にそういう中心的な都市なり何かがあれば、そういうものを含めて、やはり波及効果を考えながらこの十年間の延長というものが本当に実質的に達成できるような形でこれをくみ上げて推進する、こういう考え方もあっていいのではないかというふうに思いますが、この点についてはいかがでしょう。
○福川政府委員 広域的な地域発展を図っていくということのためには、確かに、私どもも、都市的な機能あるいは工業的な機能、いわゆる中核的になる機能があるということがもちろん有効であるというふうに考えておるわけでございます。いま御指摘のように、しからばその経済生活圏の中に中核になるようなものが仮にないような場合には、その周辺の中核的な機能を含めて考えてはどうか、こういうような御趣旨と承ったわけでございます。 私どもといたしましては、いまのところ経済生活圏の中の考え方として、産炭地域以外の地域を含めるということを考えておりませんで、圏域ごとの発展計画ということの中でいまの中核的な機能ということの連携をもちろん考えてまいりますが、圏域自身の発展計画ということ自身には、私どもは、その産炭地域をさらに拡大をして考えるということではなくて、その圏域の中でそのような中核的な機能を考える、あるいはもしその産炭地域以外の近隣に中核的な都市機能があるということでございますれば、そこの中核的な都市との連携を考えて、その圏域、経済生活圏の発展の計画を考えていくというようなことで対応をしてまいりたいというふうに思っております。
○鍛治委員 その点につきましてはひとつ幅広くお考えをいただいて、実質的に産炭地域がこの十年で浮揚するようにひとつお進めをいただきたいと思います。 次に、発展計画に関する件でお尋ねをいたしますが、最初に、答申の中でも、いわゆる自助努力、主体的かつ自主的な地方自治体の努力ということがうたわれているわけでございますが、具体的にその自助努力、これは今後十年間大変大切になると思うわけでありますけれども、これは具体的にはどういう内容を考えておられるのか、お尋ねいたします。
○福川政府委員 答申でも、地域の特性を考えていく場合に、その地域の自主性あるいは創意工夫を基本に置いて、今後の地域の浮揚を図っていくべきであるという思想でございます。私どもといたしましては、それぞれの地域に一番密着しておられます市町村あるいはその市町村を広域的に取りまとめた形で道県、これがそれぞれの地域の発展の計画の原案、素案をつくっていただくということがまず第一でございます。それぞれ関係の市町村等々の意見を十分くみ上げながら、あるいはまた、関係業界等の意見も十分くみ上げながら今後その地方の発展の方向を見出していただく、こういうことをまず第一に考えておるわけでございます。 それで、さらにそのような地域の発展計画を私どもが集約いたしまして、産炭地域振興の基本計画あるいは実施計画に集約してまいるわけでありますが、それをまたさらに参酌してそれぞれ関係道県に地域の発展計画をつくっていただいて、それを道県がもちろん主体となりながら実施していただく、それに対してもちろん必要な財政的な補助といったようなものが行われていくということでございまして、計画の策定さらには道県があるいは市町村が分担しております実施、これにつきまして地方がそれぞれの特色を十分発揮しながら、創意工夫をこらしながらやっていただきたい、こういうふうに思っております。
○鍛治委員 これも午前中からの質疑の中ではいろいろと問題になって質疑が交わされておりますが、再度のお尋ねになりますけれども、先日の参考人の方のお話ないしは質疑を交わす中でのお答えの中で福岡県の副知事は、いまもございましたが、自助努力というものの一番最大のものはこの発展計画だろうという御答弁がございました。この計画を国との関連でどのように吸収されるか、どれだけ国にフォローしてもらえるかが焦点である、こういうふうに答弁をされておりました。裏返しをすれば、それが足りないと、幾ら一生懸命自助努力という形でがんばってみても、十年間で達成できるかどうかわかりません。こういうことにもなろうかと思うわけでありますが、そういう意味合いから、全面的な国の協力体制が不可欠であると思います。 さらには、その中で具体的に中央における連絡協議会というのですか、これの答弁はございましたが、さらに出先の方でこういう各省庁間の、十四省庁あるという御答弁でございましたが、こういう出先機関の方においても何か対策本部的なものをつくって、しょっちゅう連絡をしながらこの発展計画を確実に実施していく、そして浮揚を図っていく、こういう進め方をさらにしていただくと大変いいのではないかと思いますが、こういう点についてはいかがでしょう。
○福川政府委員 関係の市町村、道県と中央との連携、さらにまた、中央省庁間での連絡協調体制の整備促進が、今後これを成功に導く一つの大きな決め手になる点は御指摘のとおりでございます。また、私どもといたしましても、先ほど来御質疑がございますような特定事業促進調整額制度といったようなことで、それぞれ広域的な立場に立って地域特性が発揮できる、そういう誘導的な制度も用意をいたし、また、従来からございます臨時交付金等の制度を十分活用して、それぞれ地方の発展を図っていくということが必要でございます。 そのために、関係の道県の意見あるいは関係市町村の意見、これが十分反映されなければ、今後の産炭地域振興もまた絵にかいたもちになるのではなかろうかという御指摘につきましては、私どもも最大限地方の意見も活用をいたしたいと思いますし、それからまた、産炭地域振興審議会には関係道県の知事あるいは副知事に委員あるいは専門委員の形で御参加も願っております。私どもも従来以上にこの道県の意見を尊重してまいりますと同時に、関係省庁との連絡体制、これは従来から連絡会も用意いたしまして年数回やると同時に、また地方への視察等も行いまして、それぞれ産炭地域の実情についての認識を深め、かつ認識を共通にしていくという努力をいたしておりますが、今後ともそのような形で進めてまいりたいと思います。 さらにまた、関係省庁は地方の出先機関を持っておるわけでございまして、それぞれ関係省庁はこれまでも常に関係を保ち、連絡をいたしておりますし、また、本省との連携というのも関係省庁にも今後十分御留意をいただきながら、私ども、各省連絡調整というようなところで地方の意見を吸い上げながら、関係省庁の間に一層の意思の疎通を図って、この施策の効果的な発揮ができますように努力をしてまいる所存でございます。
○鍛治委員 出先の対策本部的なものというのも一つの提案でございます。これは言うまでもなく通産が主管の省として機能されるわけですから、出先等でも少なくとも九州、北海道くらいには対策本部的なものもおつくりいただいて、ぐんぐん進めていただくというようなものがあったらいいのではないかというふうにも思いますので、また御検討願って、この十年間の確実な推進をお願いをいたしたいと思います。 さらに、この前の参考人への御質疑の中でも、福岡県の場合、副知事の答弁では今年の十月ごろに発展計画ができ上がる、また基本的な計画は六月ごろだ、こういうふうなことで答弁をされておりました。この地元での発展計画のつくり方、これはもちろん経済生活圏との絡みも出てくると思いますが、この中で県を中心にいろいろと検討しておるようでございます。ここから上がってきた発展計画、基本計画なり実施計画というものは通産当局では尊重するということは先ほどから再々御答弁ございましたが、それはそのまま最大限生かしてやる、そのまま認める。極端なお話かもわかりませんが、そういう表現でいいのかどうか、そういう形でお認めになってこの発展計画を推進するということになるのか、そこらあたりの具体的なことをちょっとお聞きしたいと思います。
○福川政府委員 先ほどからいろいろ御論議がございますように、私ども、地方の自主性ということを十分考えてこの法律を運用してまいらなければならないと思っております。私どもも、道県が発展計画をつくってまいります過程で、十分道県と連絡をとりながらこの計画を仕上げていくというふうなことが望ましいと思います。また、道県は関係市町村の意見を十分吸い上げてやっていく、こういうことであろうと思います。私どもも、私どもとしてあるいはまた関係省庁の意見として織り込んでもらった方がいいじゃないか、あるいはこの辺はあらかじめ考えてもらった方がいいじゃないかというような問題につきましては、道県と十分キャッチボールしながら練り上げていっていただくということで考えてまいりたいと思っております。したがいまして、一回ぽっきり、ただ出てきてこれを認める認めないという形ではなくて、できる限り有機的に、つくります過程で総合的、整合的に努力をしてまいりたい。 したがいまして、私どもとしても、できてまいりましたものはいろいろの関係省庁のそれぞれの施策の体系との整合性も図る必要がございますから、そこはある程度の調整を要する場合が出てまいると思いますけれども、私どもとしては、道県の考え方を最大限活用をする、またその途中の過程でも、実質的に意見調整あるいはアイデアの出し合いというような形で、関係省庁の本省の機能あるいは出先の機能を十分発揮していくということにいたしたいと思っております。
○鍛治委員 そこで、発展計画のフォローについては資金需要というものが大変問題になるわけですが、これが非常に増加してくる場合も考え得ると思います。残存鉱害量の調査もなさっていらっしゃるということですが、こういう関係にしろ、また後でちょっと触れたいと思いますが、炭住の改良等にしろ、これはいままでのペースですと、十年間で果たして終わるのかなというふうな感じもいたします。 これは基本的な問題でありますから、こういったものが十年で終わらなかったら、これはもう発展計画も何も、もちろんその中に組み込まれるのではございましょうけれども、成り立たないという気もいたすわけでございまして、そういう意味から、大幅な、いままでのペースより以上の資金需要というものが、いろいろな計画を実施するに当たって必要であるということも起こってくると思います。こういうものに対する対応は主管官庁としてしっかりやっていただきたいと思いますが、この点についてはいかがでございましょう。
○福川政府委員 産炭地域振興のための財政資金の運用に関しましては、大きく言いまして、私どもの方の石炭対策特別会計から出てまいりますものと、それからこの法律によります、公共事業等につきましてのいわゆるかさ上げといった制度的な支援、さらに自治省の方でおやりいただいております地方交付税の弾力的な活用、いろいろな制度があるわけでございます。 そこで、今回このように地方の自主性を尊重してということにつきましては、限られた厳しい財政事情の中で、それぞれの経済生活圏の有機的な発展を図っていく、いわゆる効率的な財政資金の運用を図っていくということで、地域の浮揚もあわせ図っていこう、こういうことでございます。したがいまして、それぞれの計画を、非常に新しいアイデアを出し合いながら、関係市町村の地域特性を発揮しながら有効にやっていこう、こういうことであるわけでございます。そのために調整額制度等もそれぞれの事業の呼び水として用意をいたしたわけでございます。 もちろん、今後の財政事情等々はいろいろ考慮いたさなければならないわけでございますが、これも、自治省初め関係省庁がそれぞれの御所管の制度の中で最大限御配慮を願うように、私どもとしてもお願いもしたいと思いますし、各省連絡会等の席でもその旨を申していきたいと思います。 また、石炭対策特別会計で分担をいたしております範囲の中におきましては、それぞれもちろん財政上の制約はございますけれども、この期間内に産炭地域振興の施策が十分効果を上げますように、私どもとしてもその財源の確保にも十分留意をしてまいらなければならないと思います。また、効率的な運用も図っていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、関係省庁それぞれ十分連絡をとりながら、それぞれの持ちます財政上の諸措置を有機的、効率的、なおかつ必要なできる限りの手だてを講じていくということで努力をいたしたいと思っております。
○鍛治委員 この発展計画の目標達成と地域指定の解除の関係についてお尋ねをいたします。
○福川政府委員 地域指定の解除の点でございますが、産炭地域振興審議会の答申にもございますように、これはできる限り経済的社会的疲弊の解消を図るということでございまして、この地域指定をいたしましたときの考え方、これは、特に疲弊の著しい六条市町村、これは主として石炭への依存度とそれから財政力指数を中心にいたしまして地域指定が行われたわけでございますが、私どもとしては、その指定をいたしましたときの考え方、基準、これを指定解除のときの基準にもおおむね適用して考えていくのがいいのではないだろうかというふうに考えております。産炭地域振興審議会の答申におきましても「地域指定の基準を勘案し、」という表現がございますが、そのように考えてまいりたいと思います。 その際、広域的な考え方で、経済生活圏としてのまとまり、その機能の発揮ということを今後の運用として考えたいということでございます。したがいまして、指定の解除をいたしますときには、その経済生活圏の中に含まれております六条市町村、これは単数の場合と複数の場合とございますが、それぞれの地域の経済生活圏の中に入っております六条市町村の状態、財政力指数がその典型であろうと思いますが、これが指定をいたしましたときの状態に回復しているかどうか、これをメルクマールに考えて、それで経済生活圏として卒業するかどうか、こういうことを判断してまいりたいと思います。 その場合に、一つの経済生活圏の中に複数の六条市町村がございます場合には、それぞれ財政力指数等々の基準、状態、これに差があることが当然予想されるわけでございますが、その場合には、私どもとしては、その経済生活圏の中にあります六条市町村の状態を総合的に判断して、それで経済生活圏として全体で卒業するかどうかということを考えたい。したがいまして、仮に複数あります中の一つの市町村だけが財政力指数が、指定をいたしましたときのレベルに達したからといって、それでその経済生活圏全体を、あるいはその当該市町村だけをすぐに卒業させるということではなくて、その経済生活圏に属します六条市町村の財政力の状態を総合的に判断して、卒業するかどうかということを考えていきたい、また、そのような基準を今後産炭地域振興審議会にお諮りをして、基本計画その他必要な計画の中で明らかにしてまいりたい、かように考えております。
○鍛治委員 指定解除の問題と発展計画の目標達成との関連につきましては、また後日、こういう質疑を交わす機会があればぜひやりたいと思います。ひとつこの点についても、温かい配慮を保ちながら、全般的な浮揚を考えて指定解除等にも当たっていただきたい、こういうふうに思うわけです。 さらに、老朽炭住の除去に関する問題ですが、先日も参考人から御意見を伺ったときに、これを除去するについての費用の調達ができなくて大変困っているという話がありました。この点については、やはりまず発展計画そのものの一番基礎となる、前提としての環境整備という意味からもぜひやらなければいかぬだろうというふうに思うわけです。そういう費用の調達等につきましては、やはり国から何らかの援助を与えるという方向が必要ではないかと思いますが、この点につきましてお尋ねをいたします。
○福川政府委員 炭鉱の跡地の問題、これは確かに大変重要な問題で、特に産炭地の疲弊の一つの象徴として、これを十分改良してまいらなければならないポイントでございます。炭鉱の跡地、これがなかなか進まないということの一番の問題は、それが鉱業財団等を組成をしておりまして、権利関係が非常に錯雑しているということからなかなか担保解除等が進まない、したがって、なかなかそれを利用する計画にいかない、こういう状況にあるわけでございます。 そのような計画をつくり、それの改善を図ってまいります場合には、関係の市町村、地方公共団体等がそれぞれの関係者の間等を調整をしながらして、現にある程度の成果をおさめている先進的な事例もございますが、今後そのような地方の努力を私どもも促していきたいと思いますし、またさらに今後それを解決をしてまいりますのに、私どもとしても、炭鉱の跡地を再開発をしていくというためにどのような問題があるのかということを十分類型化をしてその問題の解決策を見出していく、そして地方にいろいろな今後の新しい利用を図っていくための努力を促していく方向づけをしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 もちろん、資金的な側面というのもいろいろあろうと思いますが、私どもとしては、こういった権利関係、鉱業財団等に入っておったりいたしまして、なかなかそこが錯雑しているところにやはり一番のネックがあるというふうに考えております。したがいまして、そのほかいろいろな地方公共団体の機能等もどのように取り込んでいったらいいかということも含めまして、五十六年度の予算に計上されました炭鉱跡地再開発調査費を活用いたしましてその問題点の解明を図り、今後の地方の努力を促していく方向づけの指針にいたしたいというふうに考えております。
○鍛治委員 権利関係は次に質問する予定でございましたが、御一緒に御答弁をいただきました。確かに、費用の面とそれから権利関係、この二つが大きなネックになっていると思います。この権利関係については、先ほど小渕委員の質疑の中でもございましたので、重ねて質問は、いま御答弁もございましたからやめますが、審議会の答申にも、権利関係の洗い直しというものを国でやって、そして地方でいろいろ発展計画をつくり、再建していくのに援助を与えるようにというふうにも出ておりますし、予算も組まれているようですが、ひとつこれはなるべく早く取りかかりをしていただいて、そしてこういう問題の解決が一日も早くできるようにお取り計らいを願いたいと思います。 運輸省の方から来ていらっしゃると思いますので、ローカル線問題でお尋ねをいたします。 先ほどからも質疑がございましたが、私は、これも再々申し上げております参考人からの意見をお聞きいたしましたときに、このローカル線の問題、特に私の地元の福岡では、たしか五十七年度には五、六線くらいでしたか廃止という形になっていると思いますが、これをひとつお考え直しをいただけないか。というのは、やはり発展計画というものが、先ほどから、また朝から質疑が交わされております中で御承知いただけたと思いますが、産炭地域にとっては大変な今後重要な問題になってまいります。さらには、この発展計画の中身いかんによって、地域の浮揚ということが考えられました場合、国鉄のローカル線に乗る乗降客というものの変動というものが大変出てくる可能性も十分あるだろう。 そういう意味で、参考人の方からも切なる願いとして、この発展計画ができ上がって、そしてさらにこれが検討なされ実施の段階、目途が出てきたら、それとにらみ合わせながらこのローカル線の廃止の問題もお考え願いたいという訴えがございました。私も、まことにそのとおりではないか、また、ぜひそういうふうに、発展計画等が策定されてはっきり目途が決まったら、その中身をさらに御検討願って結論を出していただくということで、留保をしていただくという方向でお考えをいただきたいわけですが、この点についていかがでしょう。
○金子説明員 お答え申し上げます。 バス転換等の対象になります特定地方交通線の選定基準の当てはめに当たりましては、過去の輸送密度というものを原則として使いますけれども、住宅団地とかあるいは工業団地とか、そういった開発計画等の実現によりまして、昭和六十年度までに確実に増加すると見込まれる輸送量についても加味するということにいたしております。御指摘のように、今後策定される計画の実施による輸送量の増加によりまして、長期的に見てバス輸送と比べて鉄道輸送の方が国民経済的に有利になる、すなわち、鉄道特性を発揮し得るような状態になると見込まれるような場合につきましては、これは国鉄の財政再建の緊急性ということにかんがみまして国鉄の営業線として維持するということはできないわけでございますが、この場合には、第三セクター等による鉄道の維持を含めまして、地方公共団体も御参加いただきます特定地方交通線対策協議会の場において十分検討されることになるのではないかというふうに考えております。
○鍛治委員 この件については、参考人の願いが切に出ておったということは、一つには、そういう乗降客その他いま御答弁がありました内容を含めて、相当確信ある発展計画も立てられるという前提でお話があっていると思いますし、私自身も、地元のいろんな皆さんの状況ないしは今後のことを考えまして、これは留保の上、それがはっきりした時点でぜひ再度検討願いたい、こういうふうに思いますので、これは御要望として申し上げておきます。 次に入りたいと思いますが、発展計画は、今後十年間でやるにつきましては、この後もちょっと触れたいと思いますけれども、いままでの二十年分を十年分に織り込むぐらいの決意でやらないとこれが達成できないではないかというような気もずいぶんいたします。そういう中でやはり第一年目が大変重要になろうかと思いますが、これも質疑の中で交わされてはおりましたけれども、この発展計画の策定と絡んで、この法が延長ということで仮に決定をいたしました場合、これはそうさせなければいけませんが、まず一年目にこの発展計画の予算というものが十分盛り込まれる、こういう形が出てこないと、もう大幅にこの十年というものの計画がおくれてくるであろう、この一年がいわば改めて新しいスタートでありますから一番大切な初年度である、これに予算が十分反映させられなければならない、こう思うわけです。十分に予算に反映できるように指導もいただきたいし、またいろいろと発展計画、基本計画等の吸い上げというものも早くできるようにやっていただきたいわけですが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○福川政府委員 御指摘のとおりに、新しい十年がことしの十一月から、この法律が延長になりますれば、その次の十年間、最後の十年間が始まるわけでございます。そういう意味で、五十七年度の予算、これは実質的な初年度として十分その必要な財源予算をも確保すべきではないかという御指摘があったわけでございます。もちろん、これから道県あるいは関係市町村の意見を中心にいたしました広域的な経済生活圏をベースにいたしました発展計画が出て、これが基本計画あるいは実施計画というものとの連携を保ちながら実施に移されてまいるわけでございまして、この諸施策が、企業の誘致あるいは基盤の整備、さらに地方財政援助など各般にわたって実施していく体系になっておるわけでございます。 私どもも、確かに最後の十年でございますので、このスタートが非常に重要であり、なおかつ、それは十分将来の展望を踏まえた英知を集めたものでなければならないというふうに思うわけでございまして、このスタートを、そういったこの十年間に十分疲弊を解消できる意欲と英知を集めたものにしなければならないというふうに思っております。また、その計画等をさらに必要があれば財政的な支援という中に反映をさせていただかなければならないわけでございますが、今後私どもも、実施計画の内容あるいは道県等がつくります広域的な発展計画、このようなものを踏まえながら、この産炭地域振興対策の推進に必要な資金の確保には努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○鍛治委員 時間が迫ってまいりましたので、先ほど質疑がありました点は要望に変えて申し上げますが、この法律の中で「鉱工業等」の「等」の中に教育、文化というものが十分入っているということは、国会で修正を加えたときのいきさつがあって御理解をいただいていると思いますが、その中で、特定事業促進調整費の使い方の御答弁があった中で、教育、文化の振興についても十分配慮してこれを使いたい、こういうことはございました。これはひとつ十分に配慮をしてやっていただきたい。やはり形にあらわれた面、物質的な面、建物とか予算とか、そういうもの以外に、精神的な面といいますか、そういう面の教育、文化というものが産炭地の振興ということと重大なかかわり合いを持っている、こういうふうに思うわけでありまして、そういう意味で、教育、文化の振興という目途のもとにこういった調整費等が十分活用できるようにひとつ今後ともやっていただきたい。 さらに、特定事業促進調整費が上積みして新たに設けられたということは、私は、こういう行政の中でまず芽が出るということが非常に大切だというふうに思っておりますし、そういう意味で、新しい芽が出たということには大変評価をするわけでありますが、これは大臣の御答弁にもございましたように、この調整費がさらにふえていく方向でひとつ今後のお取り組みを願いたいと、要望を申し上げておきます。 基本的な問題の中で何点か、いまこれは基本的な問題の中に入りましたが、またちょっとお尋ねをいたしますが、経済生活圏の設定と発展計画の策定ということは、私が考えてみますのに、いままでと違った重要な政策転換ではないかというふうに思います。ところが、この点につきましては、いわゆる運用面のみでの措置でこれが行われているようでありまして、法の上での位置づけというものがなされてないように思うわけですが、これはやはりはっきり位置づけをすべきではないか、こういうふうに思うのですが、この点についてはいかがでしょう。
○福川政府委員 今後の産炭地域振興対策におきまして、それぞれの経済生活圏において、鉱工業的な機能、農業の機能あるいは都市機能あるいは住宅的な機能といったようなものを分担して、相互に影響をし合いながら一体的に発展していこう、こういうことで、既存の広域市町村圏あるいは地方生活圏あるいはモデル定住圏といったものの調和を図りながら進めていく、こういった圏域を従来の九地域の中で設定をしてこの適切な運用を図っていきたい、こういうのがこの考え方でございます。 これについて経済生活圏ごとには、これは関係道県が自主性を持って作成をいたします事業プログラム的な性格を有するものでございまして、これを集約した形で私どもの方で通商産業大臣が実施計画の策定をするということでございます。したがいまして、考え方の基礎として、この実施計画の中のベースとなり、またこの実施計画の実効性と円滑な推進を図るというのが、道県がつくります発展計画でございまして、そういう意味では、先ほども申しましたように、事業プログラム的な性格をも兼ね備えたものであるというふうに思うわけでございます。 したがいまして、これは関係道県の自主性を尊重いたしまして、実施計画との連携を図りながら進めていくものでございますので、このような運用をいたしますことによって、産炭地域振興政策の総合的かつ効率的な推進が図られていくというふうになるものでございまして、私どもといたしましては、現行法の運用の改善というようなことで位置づけられていくべきものではなかろうか、これによりまして従来の対策の進め方が十分改善され、それからまた、道県あるいは関係市町村の自主性も発揮され、また、そういう道県の自主的な努力を関係省庁の全体的な施策にも反映さしていく、こういうことで運用の改善として位置づけていくべきものではなかろうかというふうに考えております。
○鍛治委員 今度は自治省の方にお尋ねをいたします。地方財政援助対策については、幾つかの点で産炭地域には援助がなされておるわけでございますが、法の延長に伴いまして、その中で特に普通交付税の産炭地補正でございますが、これも先日の参考人の御意見の中で特に取り上げて、これは継続してほしいという御要望等もございました。この点について、ぜひとも五十七年度以降についても他の財政援助と同様に存続をしていただきたいと、こういうように思いますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○能勢説明員 産炭地域の市町村につきましては、地方財政の面でもいろいろな特例措置を従来からやってまいったわけですが、お話のございましたいわゆる産炭地補正と申しますものは、昭和五十一年度から、少し細かくなりますが、普通交付税の算定上「その他の諸費」という種目に投資補正IIという割り増し経費の算入を行うための補正を設けまして適用してまいっているわけでございますが、この補正を適用してまいった基本的な考え方は、産炭地域振興の諸施策が拡充されるまでの、いわばつなぎ的な措置ということで、そういう考え方で適用してまいっておりまして、したがって、根拠にしております交付税法の省令の規定の中にも、五十一年度から五十六年度まで適用するというようなことにいたしておるものでございます。 ところで、五十七年度以降の適用につきましては、産炭地域振興臨時措置法の延長等目下審議されているわけでございますが、こういった法律に基づきます諸施策の状況なりあるいは市町村の財政の状況といったようなものを総合的に勘案してまいりながら、五十七年度以降の適用について私どもとしては検討してまいる考え方でございます。
○鍛治委員 これはぜひ前向きで存続という方向で検討を願いたいと思います。 時間が参りましたので、最後に大臣にお尋ねをいたしますが、先ほどから議論もいろいろございましたが、私の前の委員の御質疑の答弁の中で石炭部長も、残存鉱害量の調査をいましておって、五ないし六月ころにその調査結果が出て、これを審議会に諮問するというふうなことで御答弁があった中で、この残存鉱害量をいまの時点で類推すると、今後の十年間での措置も、よほどの取り組みがないとむずかしいといった意味の御答弁がありました。 それから、先日の参考人に対する質疑の中でも私がお尋ねをした一つですが、炭住の改良の問題がございます。これなんかも、私の地元の田川市なんかに例をとりますと、いままでの、過去二十年間やってまいりました。ペースでいきますと、この炭住改良についても明らかにあと二十年くらいはかかる、こういうふうな数字が出てくると思います。そういう意味で、先ほどの御質問の中でも、過去二十年間分をむしろ十年間に圧縮してでもやらないと、この審議会のメンバーの皆さんがお考えになっておられるようなこの十年で最後だという形をとるとするならば、これは相当強力な押し込みをやらないと恐らく達成は不可能ではないかというふうな気もいたすわけでございます。 そういったことを含めて、主管官庁である通産省の役目は大変重大なものがあると私は思いますが、この点の、遂行するについて、いろいろ申し上げた点を含めて考えながら、この十年間大臣の取り組む姿勢について、法延長の出発に当たっての、通産大臣として、また地元の福岡御出身の代議士の大臣として、ひとつ御決意のある御答弁をお願いをして、私の質問を終わらしていただきます。
○田中(六)国務大臣 まず第一点の残存鉱害量の策定は、石炭部長も述べましたように、五、六月ごろまで、もうわずかな時間でございますが、それまでにはっきりしておきたいと、少なくとも数千億にわたる、金額にしてそうでございますが、そういうような大きな鉱害、これも、産炭地振興法が十年間延長しておりますので、鉱害も、来年鉱害法もある程度の措置をしなくちゃいけませんけれども、残存鉱害量が全部解決するような方途で考えなければならないと思っております。 それから炭住のことでございますが、これも長い間かかって私どもやっておりまして、すでに累積の炭住街の改修も大きにわたっておりますけれども、来年度はまた一千軒ぐらい考えておりまして、この予算は計上しております。 それから、振興法全体の十年延長を含めましてのこれからの取り組みでございますが、鍛治委員御指摘のように、私もたまたま産炭地のど真ん中の出身でございますし、自分の過去の経験、それから住民の人たちの意向も十分参酌し、誤りなき方策をせなければならないというふうに腹に決めておりますし、この委員会においての皆さんの御意向も十分入れて、自分の力の限り、能力の発揮できる限り一生懸命努力していきたいと考えます。
○鍛治委員 終わります。
○森中委員長 石原健太郎君。
○石原(健)委員 先般、大臣は御所信の中で、今後とも「国内炭の生産を長期的に維持するよう引き続き努める」と述べられましたが、このためには労働力の安定的な確保が大切な柱の一つであると考えるのです。 ところが、先日の委員会で中田参考人が述べられたところでは、北海道の炭鉱にありましては高齢化が著しく進んで、近いうちに平均年齢が五十歳にもなるだろうと言われておりました。現に年齢構成を見ますと、四十五歳以上の方が全体のちょうど半分を占めて、三十歳未満は一一・六%しかおりません。こういう状況では、将来とも安定的に石炭産業を維持できるのかどうか不安を感じるのでありますけれども、この点に関しまして政府委員はどのような認識を持っておいでになるのか、また、どのような対策を考えておられるのか、御説明ください。
○福川政府委員 今後、石炭鉱業の生産を維持してまいります上で、労働力の確保が一つの重要な要因であることは委員御指摘のとおりでございます。現在、この平均年齢がどのくらいになっておるか、いま四十五歳以上が半分以上という御指摘がございました。 最近十年間の推移を見ますると、大体平均年齢は四十二歳、それでおおむね横ばいの水準でございます。確かに昭和三十年代の初めごろでございますと、たとえば昭和三十三年度末をとりますと、三十五・五歳が平均年齢でございまして、これはその後逐次上昇してまいりまして、昭和五十年度で四十二・六歳、最近五十四年度では四十二・七歳、こういう推移をたどっておるわけでございます。もちろん、国内炭の安定的な供給を図る上で基本的な前提でございます。そのためには、石炭鉱業の将来性の展望あるいはその経営の基盤の確立がまず非常に重要なことでございまして、その意味では、私どもとしては企業の自己努力ともども政策的な助成を図っていくことが必要ではなかろうかと思うわけでございます。 また、労働力そのものにつきます対策に関しましては、労働省の方でもいろいろ御指導いただいておるわけでございますが、私どもとしても安全な職場の確保、保安の確保、さらに技術的な面での充実ということが、若い労働力を吸引してまいります一つの重要なポイントでもあろうと考えております。さらにまた、福利厚生面におきまして住宅あるいは福利厚生施設の改善、年金制度の実施といった形で、私どもの所管の範囲内でできるだけの努力をいたしたいと思っておるわけでございます。 五十五年度の、二部実績、見込みがありますが、常用労務者の異動状況をとってみますと、前年度末の人員が常用労務者で一万八千五百四十二人でございました。それで新規の雇い入れ等を中心にいたしまして増加いたしましたのが千九百二十八名、それから減少いたします、これは主として定年あるいは自己都合退職ということでございますが、千八百十四名、こういうことでございまして、そういう異動をたどっておるわけでございます。 しかしながら、御指摘のとおりにいまの人員構成、今後の新規の雇用状況等の推移によりますと、さらに高齢化していくということが十分予想されるわけでございますので、私どもとしても、今後の石炭生産を維持していく過程で、この労働力の確保、さらには特に若年労働力の確保のためには、いま申し上げましたように石炭鉱業全体の展望あるいは企業の力の充実さらに技術、保安教育面の充実、さらに福利厚生面の充実といった点について、十分努力をしてまいらなければならないと考えております。
○石原(健)委員 全体の感じからいたしまして、そういうことをやっていけば労働力には不安はない、そういうふうに理解さしていただきたいと思います。 次に、若い人たちに新たに炭鉱に就職してもらうには、廃鉱に次ぐ廃鉱というニュースばかりでは希望が持てないと思うのです。やはり新鉱の開発ということも必要になってくるのじゃないか、将来に明るい希望を持つためには大切じゃないか、こう考えるのであります。ところが、五十六年度のこの予算等を見てみますと、海外炭の新規開発には六十六億円ぐらいとられておるにかかわらず、国内炭開発の関係は三億九百万ということであるようです。この差は一体どのような判断に基づいてなされているのか。なぜ海外にそれほどの力を入れながら国内にはこれだけの力しか入れないのか。やはり地方の振興を図り発展を図るためにも、石炭鉱業というのはそれなりの役目を果たし得ると考えるもので、国内炭の開発ということは今後ともなお一層力を入れなければならないと思うのでありますけれども、先ほど申し上げました海外と国内とのそういうギャップについての御説明をいただきたいと思います。
○福川政府委員 今後の日本のエネルギー構造を展望いたしますと、石油の依存度を相対的に低下をさせていくということでございまして、その石油にかわります代替エネルギーの開発、これが一つの重要な柱になるわけでございます。 いま海外炭の点についてのお尋ねがございましたが、従来、石炭の海外からの輸入は原料炭に集約されておりましたが、今後は石油にかわりまして一般炭も輸入がかなりふえてまいる、こういう予定でございます。恐らく昭和六十年度には、いまの暫定需給見通しによりますと一般炭の輸入は二千二百万トン、さらに六十五年度には五千三百五十万トンということでございまして、これから相当急速に海外の石炭に依存せざるを得ない、こういうことでございます。 それで、今後、石油の供給の不安定性ということから、原子力と並んで海外の一般炭の輸入ということに努力をしてまいることも、また今後のエネルギーの供給の確保と経済の安定的な運営ということから重要な柱になると思うわけでございます。しかしながら、そのために国内炭をゆるがせにしようということではございませんで、御指摘のとおりに今後新鉱の開発という点については十分評価、検討を加えていかなければならないと思っておるわけでございます。第六次政策におきましても、新鉱の開発について五十年度以降調査を行いまして、比較的有望と見られる北海道におきます天北及び釧路西部、この二地域を調査してまいりました。五十五年度では九地域を選定いたしまして、その後有望性の高いものを選ぶということで、順次その自然条件のみならず、開発についての必要な諸条件の調査検討を進めてまいっておりまして、現在その調査結果がかなり終局の段階にいっているわけでございます。開発をいたしますと、その経済性、さらに環境問題、それから委員の御指摘のございました労働力の確保、さらにまた、地上の権益との関係といったようなものを十分考えなければならないわけでございます。 そういうことで、現在その評価をいたしておるわけでございますが御指摘のとおりに、今後石炭の国際的な諸事情あるいは石油を含めましたエネルギーの需給構造、これはかなり変貌が予想されるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、現在第七次策の検討の中で、石炭鉱業審議会におきまして、今後の世界的なエネルギー需給構造の中で国内炭をどのように位置づけるべきか、そのためには世界的な石炭の需給が将来どうなるか、さらにまた、国内の既存炭鉱の自然条件、経済条件がどういうことになるか、また、そういった経済性等を考慮して新鉱の開発の可能性がどうであるかという点につきましては、これは一つの重要な課題としていま御検討をいただいておるわけでございまして、私どもとしても、今後そのような新鉱の開発の可能性をどのように位置づけていくべきかという点については十分考えたいと思っております。もちろん、現在国内炭につきましても、石炭対策特別会計におきまして十分な予算上の措置も講じておるわけでございまして、既存のものの合理化のために、たとえば近代化資金の交付とか、あるいは坑道探鉱の補助金等につきまして、かなりの額を投入をいたしております。 海外につきましては、最初に申し上げましたような事情から、石油及び代替エネルギー勘定の方から、先ほど御指摘のございましたような予算を準備をして、将来のエネルギーの需給構造に遺憾なきを期したい、かように考えております。
○石原(健)委員 私は、なぜ頭から海外から二千二百万トン輸入する予定であるというふうに決めてしまって、それなりの予算をつけたのか、そういう点をお聞きしたがったわけなんですけれども、時間がありませんので次に聞かせていただきたいと思うのです。 若い人たちが新たに就業する場合には、賃金とか待遇といった面での配慮が大切と考えられるのでありますけれども、昨年秋のこの委員会で、労働省の伊藤課長の御説明では、石炭関係労働者の所定内給与というものの平均は十七万八千円で、鉄鋼、金属、電力などと比べるとかなり低い額になっておるわけです。企業努力によって給与の改善が図られるべきは当然でありますけれども、やはりそれにも限界があるのじゃないかと考えられます。やはり炭価の決定に際しましては、こういった面への配慮も十分取り入れてなされるべきだと考えるのでありますけれども、こういった点いかがでしょうか。
○福川政府委員 炭価の決定につきましては、石炭鉱業合理化臨時措置法によりまして、現在標準炭価制度というのが設けられておりまして、石炭の生産費あるいは競合いたします燃料の状況等々を総合的に勘案をして決めるということに相なっておるわけでございます。最近、国内炭の需給はかなりタイトに推移をしてまいりましたが、これまでかなり引き取り問題と絡んでまいっておりまして、関係需要業界、それから石炭業界の話し合い等をベースにしながら、引き取り問題と絡めながら炭価が決定されてきておったという点は事実であろうというふうに思うわけでございます。今後、この炭価の決定がどのような水準であるのがいいかという点は、実は第七次策の検討におきましても非常に主要な課題の一つでございまして、炭価決定の考え方あるいはルール、これをどうするかという点は、いまいろいろ鋭意御検討をいただいております。 一方の考え方は、いわゆるコスト補てん主義、いろいろなすべてのコストを補てんをするという考え方が一つございます。また一方の極には、自由市場、マーケットプライスにゆだねるということの一つの考え方がございます。もちろん、企業努力あるいは労働者の合理化努力といったようなものの報われるような形でなければならないと思いますし、さらにまた、これがある程度ユーザー業界にも負担可能なところでもなければならないというふうに思うわけでございまして、いま両極端の価格の決定のことを申しましたが、そのいずれもなかなかそのとおりには進みにくいということではなかろうかというふうに思うわけでございます。 もちろん、今後いろいろな労働条件につきまして、賃金等の御示唆もございましたが、今後こういった石炭のコストの状況、これをいろいろ合理化を図っていきながら、安定的な操業ができるような賃金体系あるいは賃金決定のメカニズム、炭価決定のルールというものがどういうところが一番合理的であるのか。確かに、石油はかなり国内炭よりも高くなりました。しかしながら海外炭、これも最近はかなり価格が上昇いたしておりますが、海外炭に比べますと、比較をいたします諸条件によって違いがございますけれども、まだ格差がある。そういうことを踏まえながら、国内の生産を合理化努力と組み合わせながら安定的に維持していく、そのようなレベルはどのようなところであるべきかという点を、私どももいま鋭意検討をしておるところでありますし、また同時に、第七次策の中での一つの重要なポイントになるというふうに考えております。
○石原(健)委員 次に、この間の審議会の答申に関しましてお尋ねしたいのでありますけれども、今後の産炭地振興の基本的方向として「鉱工業機能、農業機能、都市機能等を分担し、圏域ごとにその圏域全体の発展計画を策定し、それぞれの機能を高めるための事業を集中的に推進すること等が考えられる。」こう述べられておるのでありますけれども、農業機能を高めるというのはどういうふうに解釈されているのか、御説明いただきたいと思います。簡単で結構です。
○福川政府委員 近隣の市町村が、地域の特性を踏まえながら一体的に発展できるというような形で広域的な発展の方策をとるということをこの答申の中で言われているわけでございますが、このような考え方のもとで、たとえば農業適地の地域につきましては、農業の近代化、多角化等を推進するということによって、住民の就業の安定あるいは所得の向上を図る、さらにまた、その地域の経済活動を活性化するということが産炭地振興になるのではなかろうかというふうに思っております。農林水産省とも私どもも協力をいたしまして、現在いろいろ農林省がやっておられます土地改良事業等々の農業の振興の諸事業に連携を保ちながら、今後の産炭地域振興ということの中で、工業地域あるいは地域の特性によっては農業地域の振興ということも、その地域の有機的な発展ということの中で位置づけを明らかにし、またその助成を図りたいと思っております。
○石原(健)委員 農林省の方にお尋ねいたしますけれども、産炭地の振興を図るために農業機能を高めるということは、現時点でどのような方法が考えられるのか、御説明いただきたいと思います。
○塩飽説明員 お答え申し上げます。 御指摘がございましたように、産炭地域振興審議会の答申の中では、産炭地域についての農業機能を高めるための事業の推進について述べられておるわけでございます。このような観点から、農業機能を果たすべき地域、当然産炭地域内にもかなりあるわけでございまして、そういった地域のそれぞれの実情があろうかと思います。私どもとしては、そういった実情に応じましていろいろな対策を実施しているところでございまして、具体的には土地改良事業、圃場の整備でございますとかあるいは農道の改良、それから用排水施設の整備、そういった基盤の整備関係の事業が一つございます。 また、最近御承知のように需給が大変厳しくなっております。同時に農村の構成といいますか、混住化といいますか、そういった農村の実情というものが相当変化をしてまいっております。そういう意味では、単に生産面の施策だけではなくて、環境の整備がきわめて重要になってきておりますので、そういう生産、環境を一体として推進をいたしますような農業構造改善事業等を推進しているところでございます。今後ともこのような事業の推進を通じまして、産炭地域の農業の発展を図り、就業の場の確保と所得の向上に努めてまいりたい、かように考えております。
○石原(健)委員 いま御説明いただいたわけですけれども、農業機能を高めることによって産炭地の振興が図られるのかどうか、私は大変疑問に感じているのです。というのも、食糧の自給率は年々低下する一方であります。また、米の減反は強化されつつありまして、米価の値上げというものもきわめて抑え込まれている。牛乳は生産調整ということで三年も四年も据え置かれている。ミカンもどんどん切り倒さなければどうしようもない。農家の農業所得というものは二年連続減少しておりまして、五十四年度は対前年比五・八%の減、五十五年四月から十二月までで二八・五%も農業所得というものは減っているわけであります。 この答申を出された審議会の中に、果たして本当に日本の現在置かれている農業の状況、実態を把握しておられる方たちがいて、慎重に審議を重ねられてこういう答申が出てきたのかどうか、私はこの辺も疑問を感じるところなんでありますけれども、結論から言わしていただきますと、農業機能を高める努力をしても、産炭地の振興にはつながらないのじゃないか、こう考えるわけであります。 そこで、大臣にお考えをお聞きしたいのでありますけれども、この法律にあるとおり、産炭地におきましては鉱工業等の発展を図る、とりわけ石炭鉱業の振興は何より大切なのじゃないかと考えるわけであります。私は、去年この委員会から派遣されて北海道を見てまいりまして、現地でつくづくそういう感じを強く持ったわけでありますけれども、この点に関しまして、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 答申の中に都市機能の発揮、農業機能の発揮、鉱工業機能の発揮と、三つの機能の発揮がうたわれております。これはそれぞれの地勢あるいは住民の要望によって大きく三つに分けたわけで、都市機能というのは、サービス業を中心とする非常に繁栄した都市というものを頭に置いているのじゃないか。鉱工業機能というのは、御承知のようにいままでの既成の産業あるいは企業の育成。農業というのは、その地区に農村——表向きは炭鉱ということになってなくても、御承知のような日本の坑道が非常に深くありますし、表面づらは農業ということで、たとえば鉱害などを見ましても、家屋の復旧、土地の復旧がございますけれども、大きく鉱害復旧の中に占めておるのは、たんぼあるいは稲、そういうものをつくった炭田の復旧が大きく占めておる点を見ましても、そういう三つの機能のいずれの選択にも合うようなことを言っておるのじゃないかと思います。 いずれにしても、そういう機能のいずれを選んでもいいようなことを言っているのであって、必ずしも農業機能にだけ偏るというようなことじゃなくて、鉱工業機能を発揮するならば、いままでの石炭の発掘と同じようなことをやってもいいわけで、新鉱の発掘につきましてはいまのところは法律上の規制がございますけれども、私ども、この機能につきましても、国会にお願いして法案の修正などもやりまして、新鉱の開発にも努力していきたいと思いますし、旧産炭地をそのまま、ある程度炭量とかそういうものがございますならば、新鉱開発に結びつけ合わせることが発展計画の中に組み込まれるならば、私どもはそれでも十分だというように考えますし、いずれにしても、今回の産炭地振興の計画の中にいろいろな点を加味し、それを実現すべく、私どもは地方の時代に沿った機能の発揮に努めていきたいというふうに思います。
○石原(健)委員 それからまた、答申によりますと、厳しい雇用失業情勢、全国水準を上回る生活保護者の滞留、所得水準が低く、財政事情も困窮している、そういったことから地域が疲弊している、だから十年の延長が必要であるというような答申のようでありますけれども、ここでちょっと失業の実態であるとか生活保護者の実態、その趨勢などを御説明いただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 失業の情勢を端的に示します有効求人倍率、求職者一人に対して求人が幾つあるか、そういう観点の数字で申し上げてみますと、全国で、昭和五十年で〇・五八、これに対しまして、最も深刻な失業情勢が言われております筑豊で〇・二四というような情勢でございます。 それで五十年以降の推移で申し上げますと、全国が、五十年〇・五八、五十一年〇・六二、五十二年〇・五三、五十三年〇・五八、五十四年〇・七三ということで、ここ五十三、四年あたり上向きに少し転じております。筑豊の方は、同じ五十年からの数字を申し上げてみますと、〇・二四から、五十一年〇・一九、五十二年〇・一七、五十三年〇・二一、そうして五十四年〇・二五、こんなような状況でございまして、〇・二五と申しますと、求職者一人に対して〇・二五しか求人がない、こういうような状況でございます。 また、生活保護の関係で見ますと、千人当たりの生活保護者の割合でございますが、全国で五十年が一二・一、これに対しまして、福岡県の場合には四四・八、こんな状況でございます。五十五年でございますと、全国で一二・一九、そして福岡県の場合四三・〇〇というようなことで、こころもち下がっておりますけれども、大体同じような状況が続いておる、こんな状況にございます。
○石原(健)委員 それで、生活保護世帯などを見ますと、全国平均の四倍ぐらいの方がおいでのようなんで、ずいぶん多いなという実感もするわけですけれども、そういう方たちは、本当に働く場所がなくて働けないのか、あるいは東京あるいは大阪あたりに住んでいる人のように一時間でも二時間でも通勤するとか、また東北地方の農民のように出かせぎをする気持ちがあるならば仕事は見つかるのか、そういった点、現地は一体どういう状況なのか、おわかりでしたら教えてください。
○加藤(孝)政府委員 こういう産炭地域におきます雇用失業情勢が非常に厳しい状態の中で、私ども労働省といたしましても、広域職業紹介ということを基本に進めてまいったわけでございまして、これまで約六万名の方々をこれら産炭地から一般の地域へ広域職業紹介で移転就職をしていただいたというような紹介活動をしておるわけでございます。しかしながら、現在こういう産炭地におきまして失業対策諸事業を実施しておりますのも、やはりそれぞれこういう移転就職等がしがたいいろいろな事情がございまして、たとえば比較的高齢者であるとか、あるいはまた炭住等の払い下げというような形で自分の家がわずかながらあるというようなことで、全くそれを捨てて移れないとかいうようないろいろな事情の中で、それらの方が他に職なくおられるという中でこういう事業を続けてきておる、こういうわけでございます。 もちろん、そういう一時間以上かかって通勤するという場面につきましても、これはいろいろお話も出ておりますように、北九州地域であるとかあるいは苅田の地域であるとか、産炭地からもそういう相当長時間かけて通勤をしておられるという方ももちろんあるわけでございますが、やはり基本的に産炭地を取り巻きます全体の雇用量が少ないというところに問題があるわけでございまして、今後の産炭地振興の中でそういった雇用の増進もだんだん図っていかなければならぬ、こんなふうに考えておるところでございます。
○石原(健)委員 今後ますます世間一般に高齢化社会を迎えると言われておりまして、そういった地域でも老齢化が進むと考えられるわけであります。この次の十年間にこういった失業の情勢とか生活保護者の滞留というものが解消できる見通しがあるのかどうか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
○福川政府委員 私ども、今後最後の十年としてこのような疲弊した状態を何とかして改善いたしたいというふうに思うわけでございます。いま御指摘のように、雇用失業状態、あるいは生活保護者の滞留、あるいはまた工業出荷額の低さ、あるいは市町村の財政力の弱さ、こういうことがございますために、私どもとしても、これを何とか克服いたしますために、一応制度的には従来の制度を踏襲はいたすといたしましても、その運用の点につきましては、それぞれの地方の自主性を発揮しながら、効率的な地域特性の発揮ができるようにして、このような事態はぜひ改善をいたしたいというふうに思うわけでございます。 いろいろな機能を組み合わせながらということでございますので、いろいろな見方があろうかとは思いますが、たとえば工業出荷額の伸びを見ますと、昭和三十五年と五十三年とを比較いたしますと、全国では一〇・四倍に対しまして産炭六条地域は一七・一倍ということでございまして、このレベルで見ると、産炭地域の工業出荷額の伸びというものも統計的にはある程度高さを示しておるわけでございます。絶対的な水準が低いわけでございますから、このこと自身で産炭地域の疲弊というのが現在時点におきましてはまだ厳しい状態にあるということは、先ほど来の御質疑のとおりでございますが、今後さらにいろいろな鉱工業等を中心にいたしまして、この疲弊した状況を回復していくということに、私どもも最大の努力をいたしたいというふうに思っております。
○石原(健)委員 では、時間ですので質問を終わります。ありがとうございました。
○森中委員長 本日の質疑通告者の質疑は全部終了いたしました。 次回は、来る十六日午前九時五十分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十三分散会