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94回国会衆議院1981/04/15

商工委員会 第10号

発言数
142
登壇者
16
会派数
3
開催日
1981/04/15

会議録

野中英二自由民主党

○野中委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案及び商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の審査中、商工組合中央金庫理事長影山衛司君及び商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案の審査中、全国商工会連合会会長辻彌兵衛君の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野中英二自由民主党

○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

野中英二自由民主党

○野中委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。植竹繁雄君。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 私は、自由民主党を代表しまして質問いたします。  去る四月十日、日本銀行が三月の卸売物価指数を発表しましたが、それによりますと、五十年を平均一〇〇といたしますと、三月は一三二・一となり、前月と同水準でありまして、前年同月比も一・八%と、二月の三・九%を大きく下回っております。そして五十五年度の卸売物価の上昇率は、年度平均一三・三%と、政府の改定見通しの一四%を下回っておりまして、今後四月の見通しも引き続き横ばいが予想され、消費者物価の先行きにも大きく好影響を与えるものと思われます。  しかし、物価の方はそのような状態でありますが、これで第二次石油ショックも一段落したと言えると考えられます反面、一方、景気の方はどうかといいますと、昨年半ば以降、月平均千五百件から千六百件以上続いた中小企業の倒産の状況は、ことしに入りましても毎月千三百件を下らず、中小企業を中心とした景気のかげりはきわめて厳しいものがあります。中小企業の設備投資について五十六年度を見ますと、前年比マイナス三〇・八%となっており、しかも上期はマイナス二六・三%、下期は三五・九%と先行きは不振で、まことに暗いものがあります。また五十五年度の設備資金の借入依存度を製造業の例で見ますと、大企業の場合の一二・七%に対し中小企業は五八・三%と大きく借入金に依存しております。  このような状況から、政府は去る三月十七日の経済対策閣僚会議で第二次経済総合対策を決定し、物価の安定をより確実なものとしつつ、景気の維持拡大を推進することを決定いたしました。これに伴いまして日本銀行も公定歩合を引き下げて六・二五%にするとともに預金準備率も引き下げたのでありますが、私は、このような措置はもっと早くとられるべきではなかったか、経済といいますか、景気の実態は御当局が考えられるよりもきわめて深刻な状況であると考えております。  一方、今回の引き下げにおいては政府系三金融機関が設備資金の貸し付けについて配慮をなされましたことは大いに評価されるものでありますが、しかしながら、公定歩合の下げ幅の一%がそのまま反映しなかったことは大変残念であります。  本来、金利は弾力的に運用され、政府関係機関内においての整合性が要求されるべきものであると考えます。今回の金利引き下げで産業界全体で、資本金一千万円以上二十五万二千社を対象としますと年間でおよそ六千五百億円ふえ、五十五年に比し三・五%の増益となります。内訳は、資本金一億から十億未満一万三千社を見ますと二千九百八十八億円の増益となり、増益効果は三・一%と新聞では報じておりますが、資本金の大きいほど効果が上がり、低いほど効果は下がっておるのが現状でございます。したがって、中小企業の設備投資を促進し、景気の回復を行うためには長期金利の引き下げの早期確定と、長期金利の下げ幅は長期プライムレートと同一水準といういままでのやり方に追従することなく、公定歩合の一%の幅の連動を強く要望するものであります一つきましては、この点に関し、御当局の見解と今後の景気見通しをお伺いしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 植竹委員にお答え申し上げます。  御指摘のように、非常に景気が停滞しておりまして、私どもも、物価と景気の両にらみという体制をとってきましたが、物価の方は、御指摘のように、まあまあ卸売物価、消費者物価とも安定の方向に行っております。しかし景気の方は、たとえば中小企業の倒産件数、まさしく非常に大きなもので、五十五年度を見てみますと、ちょうど一万八千二百十二件、これは年度で見ますと、まさしく史上最高でございます。この一月になりましても負債金額一千万円以上の倒産が千三百十三件、二月が千三百二十七件、三月が千五百九十七件というような状態でございまして、私どもも非常に頭の痛いことでございます。一方、御指摘のように設備投資も非常に停滞しておりまして、五十五年度はまあまあ横ばいといたしましても、五十六年度は三〇%ダウンというような状況でございます。  したがって、私どもも、これも御指摘のように三月十七日に新しい経済対策をとりまして、その中に一項目、中小企業対策も入れておるわけでございます。バンクレート中心金利の一%引き下げ、これに連動して私どもも大幅な引き下げを政府三機関に求めておるわけでございますが、御承知のように、現在公定歩合、それから一般市中銀行のプライムレート、それからまた郵貯などの〇・七五%というのがございますけれども、タイムラグがございまして、まだ大蔵省、郵政省などとの調整もいっておりませず、政府三機関の金利が固定しておりません。ただ、これも私ども三月の十八日に遡及して、金利が決まれば、その後借り出しておる設備投資の金につきましての金利は遡及して適用しようということでございます。御指摘のようにできるだけ中心金利あるいはプライムレートに合わして、郵貯などにも合わしてやるべきでございますけれども、そうはまいりませず、頭の痛いところでございますが、できるだけ中小企業の意向に沿った、あるいは景気振興というようなことを私どもも目指しておるわけでございますので、金利の適用はいま大蔵省その他と話し合い中でございますので、植竹委員の御指摘のような、できるだけいい方向に私どもも努力をしなければならないというふうに思っております。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 ありがとうございました。  さて、商工会法及び商工中金法の一部改正案について質問するに当たりまして、まず、中小企業対策上の観点から、去る十日固まったと言われます銀行法改正案について、大蔵省に二、三伺いたいと思います。  銀行法改正自体については、本来ならば日本は自由主義経済を基調とし、戦後、政治、経済よく歩調を合わせまして今日の経済発展につながったわけでございますが、その経緯から考えまして、今回のような制限的な方向づけにはいろいろと問題もないとは言えませんが、諸般の事情から考えましてもっともな点もあると思うのでございます。  そこで第一番目に、第十五条の関係の「同一人に対する信用の供与」については、いわゆる大口規制と言われる条項でございまして、その内容は、昭和四十九年十二月二十五日の蔵銀第四四八一号の通達で規制されているものを明文化されるのでありましょうが、その理由についてお伺いしたいと思います。

足立和基大蔵省銀行局銀行課長

○足立説明員 ただいま先生が御質問になられました銀行法の改正案について、私ども、いま鋭意国会へ提出すべく準備中でございますが、御質問にございました大口融資規制につきましては、今回の改正案では十三条になるかと考えておりますけれども、この考え方といたしましては、私ども、いまお話がございましたように、従来通達でやってまいりましたものを今度の銀行法改正案に盛り込みたいと考えております。  その基本的な考え方といたしましては、金融制度調査会の答申にも織り込まれておりますけれども、まず第一に、大口の融資というものは銀行の健全性という観点から問題があるのではないか、したがって、危険の分散という見地からこのような大口融資規制というものを行わなければならないというのが第一点でございます。  それから第二点といたしましては、やはり一債務者に対しましての信用の供与の集中ということを抑制するということは、一方では、中小企業であるとかあるいは個人であるとか、そういったところの各層の資金供給を受ける機会というものを拡大するという方向にあるわけでございますので、したがいまして、そういう観点から資金の適正配分、こういうような考え方が出てくるわけでございまして、以上二つの考え方から、大口信用供与というものを法制化したいと考えておるわけでございます。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 また、改正案第十五条第一項にあります「銀行の同一人に対する信用の供与は、政令で定める区分ごとに、当該銀行の資本及び準備金の合計額に政令で定める率を乗じて得た額」、これを信用供与限度額と言いますが、「を超えてはならない。」としております。そして、その後のただし書きに、「信用の供与の額が信用供与限度額を超えることについて政令で定めるやむを得ない理由がある場合において、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。」ということがありますが、この「やむを得ない理由」というのは一体どういうものでしょうか。

足立和基大蔵省銀行局銀行課長

○足立説明員 お答えいたします。  大口融資につきましては、先ほども述べましたような考え方で行いたいと思っておりますが、答申にも、この大口融資信用供与につきましては、経済、金融情勢の変化等に適切に対応することができるよう、この規制の適用除外については命令で定めることが適当であるというような答申をいただいておるわけでございまして、私どもも、経済、金融情勢の変化に弾力的に対応できるような考え方、こういうものを盛り込みたいと考えておるわけでございます。  そこで、法律におきましては、この債務者の合併とかあるいは営業譲渡というようなものはやむを得ない場合ということで定めるわけでございますが、そのほか「政令で定めるやむを得ない理由」というものにどのようなものがあるかという御質問でございますが、現在のところ、私どもは二つの考え方をとっております。  一つは、債務者等の事業の遂行上予見しがたい緊急の資金の必要が生じた場合、その信用の供与を限度額の範囲内において行うというようなことにすれば当該債務者等の事業の継続に著しい支障が生ずる、そういうおそれがある場合、これが一つ、やむを得ない場合でなかろうかと考えておるわけでございます。  それから第二番目に、いまの一号は一般的な規定でございますが、もう一つの規定といたしましては、債務者等が電気事業法に規定します一般電気事業その他大蔵省令で定めます国民経済上特に緊要な事業を行っている場合におきましては、やはり信用供与限度額の範囲内において信用供与を行うこととすれば当該債務者等の事業の安定的な遂行に困難を生ずるおそれがある、こういうような場合には、やむを得ない場合といたしまして、大蔵大臣の承認を得て限度超過の融資が可能になる、こういう道を開いておるわけでございます。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 いまお話のとおりでわかりましたが、大口融資規制については、いまのとおり、信用供与限度額を超える適用除外規定を承認するに当たりましては、一定の企業に過度にされますとやはり国民一般、経済、金融に与える影響が大きいのであります。その意味で、特に中小企業は大きく影響を受けることになりますので、非常に慎重に許可をされるよう特に要望いたしまして、一言当局の御見解をいただきたいと思います。

足立和基大蔵省銀行局銀行課長

○足立説明員 お答えいたします。  先ほど申しましたように、大口融資規制というものの基本的な考え方に資金の適正配分というものがあるわけでございますので、先生の御指摘の点も踏まえまして、実際の法の運用に当たりましては慎重を期してまいりたいと考えております。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 ありがとうございました。大蔵省、もう結構です。  次に、今回の商工会法改正について質問いたします。  わが国の経済発展に重要な役割りを果たしてきました中小企業は、また地域社会の経済を支える担い手でもあり、商工会はその地域経済社会の中核的な存在組織として商工業の改善発達に貢献してまいりました。最近、地方の時代と言われるように地方の重要性が見直され、地域振興、魅力ある地域づくりのため、それぞれの特性を生かした産業開発が要求されてきておりますが、その指導的役割りを果たしてきた商工会の今回の法律改正は、このような問題とどのように関係があるのか、当局の御見解を伺いたいと思います。

児玉清隆中小企業庁長官

○児玉政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のように、最近地域振興の重要性がますます高まってまいっておるわけでございますが、こうした地域の実態に応じまして、地域の中小企業の振興とそれから中小企業者が地域社会に対しまして、経済的な諸側面だけではなくて、新しく社会的、文化的な側面におきましても、積極的にその地域の経済社会に貢献しまして、そして住みよい魅力あふれる地域のコミュニティーづくりを志向するということが御指摘のように大変重要になってまいっております。中小企業者を初めといたしまして、商工業者の自主的な組織でありますところの商工会が、いま申し上げましたような非常に重要な役割りを果たすことが御指摘のように期待されておるわけでございます。  今回の商工会法の改正におきましては、このような中小企業及び商工会を取り巻きますところの最近の情勢変化、それと商工会自体の基盤の強化を踏まえまして、商工会が真に地域の総合的な経済団体といたしまして、地域の経済社会の振興に積極的に貢献してまいりますために所要の改正を行いまして、商工会及び商工会連合会の事業活動をより一層促進しようとするのが私どもの念願でございます。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 次に、商工会の目的に「社会一般の福祉の増進に資すること」を加え、また、その「事業を行うこと。」とありますが、福祉の事業とは一体どういうようなことを指しているか。  また、商工業の発達、発展という本来の目的が、この福祉の増進ということを強く打ち出した場合、損なわれるおそれはないか、その点について伺いたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 お答え申し上げます。  御質問の「社会一般の福祉の増進に資する事業」とは何かということでございますが、これは地域の社会の福祉増進を直接の目的とする事業を言っておりまして、具体的には、たとえばお祭りでございます。これは、住民がそのコミュニティーに対しまして非常に結びつきを深めるという意味もございますし、また、伝統文化を保存するという意味もございます。そういったお祭りの実施でございます。それから、住民の各種の教養を高めるための文化活動、また住民のためのレクリエーション活動あるいは地域の緑化、美化運動等々を指しているわけでございます。  それで、こういった仕事は、実は従来商工会がその本務の一助としてかなりやっておったものでございますが、今回新たにこれをその法律の目的に加えますゆえんは、商工会が各地域におきまして今後の貢献を非常に期待されているという状況下におきまして、このような事業を継続的に実施いたしますことによりまして、いわゆる地域の魅力を高めるあるいは地域への人口の定着を図る、さらにはそういったことを通じまして商工業の一層の改善発達に資するといったことが期待されているからでございます。それによりまして、たとえば商工会の組織率も上がってくるということも言えるかと思います。  いずれにいたしましても、こういった新しい目的を加えるわけでございますが、無論、御指摘のように商工会の本来の目的と申しますのは、やはりその地域の商工業の総合的な改善発達にあることは言うまでもございませんので、そういったことをおろそかにしていいというわけではございません。そういった本来の業務をやりまして、あわせて社会一般の福祉の業務をやっていただくというのが今回の改正の目的でございます。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 また、商工会は中小企業でもむしろ小規模事業者が非常に多い社会にあります。  すなわち、わが国の中小企業は事業所数で約五百八十万、全事業所の九一%、そして従業者数は三千四百三十万人、全従業者の約八一%ですが、小規模事業者、いわゆる工業等で二十人以下、商業、サービス業で五人以下、こういう小規模の事業所は約四百六十七万、全体の八〇%を占め、従業員数では千三百九十万人、これも全体の三二%を占めております。これら業者のための経営の近代化、合理化等経営改善を推進して地域の総合的発展を図るためには、大店法やあるいは分野調整法あるいは商調法との関連や、また税制等いろんな複雑な問題を多く抱えております。そういう意味におきまして、こういう事業者に対し適切な指導あるいは助言を与えるためには、商工会の経営指導員の果たす役割りというものは非常に重要なものとなってくるわけでございます。  現在、この経営指導員はどのくらいおるかといいますと、小規模事業者と指導員の割合は、五十三年度には小規模事業者数が四百四十万に対し指導員が八千三百六十九人、大体指導員一人当たりの事業者が五百二十六人、五十四年度には四百四十八万のところ八千五百四十七人、そして指導員一人当たりの事業者が五百二十四人、五十五年度に至りましてはこの小規模事業者数がふえまして四百六十二万一千、そして指導員は前年度より減っておりまして八千四百五十三人、つまり、指導員一人当たりの事業者は五百四十六人となっております。この一人当たり指導員に対する事業所数が五百以上の状態では、先ほど申し上げましたような社会のニーズにとてもこたえられるとは思えません。  つきましては、今後、商工会法改正に当たりまして、この指導員というものの増員をどのように考えているか。また、指導員の今度は質的向上をするためにはどういうふうにしたらいいか。また三番目としまして、増員するためにその待遇の改善をどういうふうに考えているか、この点につきまして御見解を伺いたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 御指摘の経営指導員の問題でございますが、これは小規模事業者の経営の改善のために活動していただいている、そういった意味では小規模事業対策の不可欠の要素でございます。  そこで、御指摘のようにこれをもっと増員を図るべきであるということは、われわれもかねがねそう思っているところでございまして、現在非常に厳しい財政状況のもとでございますが、逐年この数をふやすことができておるわけでございます。五十六年度で申し上げますと、経営指導員を七十七名純増させることができることになっております。そのほか、これを補助いたしますいわゆる補助員と言っておりますが、この方々と、それから記帳の仕事を専門にやっておられます記帳専任職員、こういった方々もそれぞれ毎年増員を図ってきておるわけでございます。今後とも十分この辺の増員を図ってまいりたいと思っているわけでございます。  なお、この増員につきましては、当然ながら県と国と両方で補助して差し上げている状況でございますので、県ともよくお打ち合わせをしながら進めてまいりたいということでございます。  それから第二点の、指導員の資質の向上ということでございます。  これにつきましては、二つポイントがございまして、経営指導員のいい人材を確保するということが一つ、それからそういった方々の研修をしっかりやるということが一つだと思います。  まず、人材の確保という面からまいりますと、現在商工会のいわゆる都道府県の連合会におきまして人事管理委員会というのを持っておりまして、そこでその県下の商工会の経営指導員の方々を一括して採用する、統一採用試験によって採用するということをやっておりますし、さらに、これは二年ほど前からでございますが、そういった方々を採用した後、二年間にわたりましてみっしり研修をする、その後各商工会に配属するといった制度を採用しておるわけでございます。  また、研修の充実という意味におきましては、都道府県におきまして、たとえば中小企業施策の原則でございますとか、あるいは税務対策でございますとか、あるいは金融問題、簿記といったいわゆる基本的な研修をやっておるわけでございまして、指導員の方々は全員、毎年四十時間程度の研修を受けるということになっております。  さらに、最近中小企業大学校が設けられたわけでございますが、そこでは実務、それから管理の基礎の勉強、それから各業種ごとの専門コース等々の非常に多彩な研修コースが組まれておりまして、これによりまして経営指導員の方々の研修をしているという状況でございます。  最後に、待遇改善の問題でございます。  これは、先ほど申しましたように、国と県と両方でこの経営指導員の方々の人件費を補助しているわけでございますが、予算を毎年ふやしまして、現在かなり改善が進んでおるわけでございます。給与、諸手当等を入れまして、ほぼ国家公務員並みの待遇にはなっているわけでございます。また、特に退職金につきましては、事業主の負担経費を予算で出すということをやっておりまして、これもかなり充実した段階に来ておりまして、今後経営指導員の方々が安心して仕事をしていただけるような体制ができつつあるわけでございます。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 今回の改正で、商工会に商工業者以外の会員を認めることになりましたが、その理由及び定款でその範囲あるいは基準等をどういうふうに定めていくか、これについて御見解をいただきたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 今回、法律の改正によりまして、定款によって会員の範囲を広げるということができるようにさしていただきたいわけですが、これは、今後商工会が地域の商工業の一層の振興とそれから住みよい地域づくりというもののために参加する、そういった役割りにこたえまして、商工会がより的確に事業を遂行し得るように、商工業者以外の方々にもその会員となる道を開こうとするものでございます。それによりまして、その方々の意思が商工会の仕事に反映できるということでございます。  その内容としましては、商工業者でなくとも、その地区の商工業に非常に密接な関係のある方々、それを含めたいと思っておりますが、反面、余り商工業団体であることの性格を逸脱するということもいかがかと思われますので、ただいま申しましたような目的の範囲に合致します方々に限定したいということも、また一面考えておるわけでございます。  そこで、具体的には、地区内に営業所を持っておりますたとえば総合会社でございますとか、あるいは公社でございますとか、あるいは青色申告会、商店会、そういったいわば商工業に密接な関係を持っておられるそういった法人、あるいは青年部、婦人部というのが各商工会にございますが、こういった方々の幹部の方々、そういった方々に入っていただくということを考えておるわけでございます。  無論、こういった方々を入れます場合には各商工会の定款で定めるわけでございますが、この場合に、中小企業庁といたしましては、模範定款例というものを定めまして、それによりまして御指導申し上げるというつもりでございまして、特に先ほど申しましたような範囲に限定をさせますことと、また、そういった方々を会員とする場合には理事会の承認をとらせるといったような指導をいたしたいと思っております。そういった模範定款例を定めまして、実際に認可をしますのは各都道府県知事にお任せしているわけでございますが、その都道府県の認可に当たりましては、そういった模範定款例によりまして認可していただくという方法をとろうと思っておるわけでございます。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 昭和五十六年一月二十日現在、商工会は全国で二千八百六十カ所、そして会員は百七万二千九百八十一人となっております。そしてその組織率は全国で六六・九%であり、まだまだ非常に低いのではないかということです。  そこで、この組織率を強化するためには、現在一商工会当たりの平均予算が、財政規模というものが二千百四十万というようなきわめて低い財政状態でございます。そうしますと、今後組織率を強化するにはとても足りないのではないか。そういう意味におきまして、財政的に今後どう考えるのか。  また、マンモス地域になりますと、末端までこの商工会の効果というものが届かないために、小規模事業者にとっては非常に困る。こういうものに対する対策はどうであるか、お伺いしたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 商工会の問題でございますが、現在商工会の収入は会費、それから国、県等の補助金、それからその他の収入ということに分かれておるわけでございます。補助金に依存する割合が非常に高いわけでございまして、今後とも補助金は大いに確保してまいりたいわけでございますが、それ以外に自主財源も大いに確保してまいりたいとは思っております。会費につきましては、これは余り値上げするわけにもまいらぬかと思いますが、適当な水準の会費収入を確保したいということを考えております。それから自主財源といたしましては、商工会は、現在社会保険の事務代行とかあるいは記帳の代行とかというようなことによりまして、その手数料をいただいておるということでございまして、こういったものが商工会の財源ともなるわけでございます。今後ともこういった業務の拡充を図ってまいりまして、財源の充実については配慮してまいりたいと思うわけでございます。  それから、非常に広い地域の商工会についてどうするかというお話でございますけれども、小規模事業者に対しまして、広い地域の商工会につきましては、効率的な経営指導が行えますよう、たとえば指導用の車両、これは乗用車でございますけれども、これを補助いたしております。指導用車両を持って指導する場合の補助を出しております。  それから、人口が非常に多い、したがってその経営指導が行き届かないというところにつきましては、地元の有力者の方々等をいわゆる小規模企業振興委員ということにお願いいたしまして、経営指導員とそれから小規模企業者の間を取り持ちまして、経営指導がうまくいくように推進するというようなことをやっていただいておるわけでございます。また、人口が非常に多いという場合には、その商工会の理事の間で担当制度を設けまして、ブロックごとの担当理事を設けるというような指導をしているわけでございます。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 さらに、今回、商工会法改正におきまして商工会の充実ということがなされたわけですが、現在、商工会議所と商工会の格差があることは明らかであります。そういう意味におきまして、この社会的評価の点では、どうしても商工会の方がおくれているんじゃないか。  実は、私ども、市町村合併によりまして、市の中に商工会議所と商工会が併存しているところがあります。具体的に言いますと、親代々企業を営んできた店を長男が相続する。そして、商工会の地域にあって商工会の役員として、また会長として商工会に無償で奉仕をしている。長年、地域社会また業界のために一生懸命貢献してきた。一方、こういう長年の伝統ある店を受け継いできた長男の弟が分家をいたしました。その分家したのが商工会の地域じゃなく、商工会議所の地域であった。そして商工会議所の中で商工会議所の活動をやってきた。そしてある年齢に達しましたとき、この社会的評価という問題についていろいろ検討されることになったわけでございますが、一方では、この商工会議所と商工会の格差のために、本来ならば客観的に見て同じような評価がされるべきなのに、どうしても商工会議所の方が高く評価されている。つまり商工会の方が商工会議所に比して低い評価をされているというようなことがあったわけです。  こういう例が全国でもあるかと思いますけれども、今回の商工会法の改正によりまして、商工会の位置づけというか格づけというものをはっきりとしていただいて、商工会の格上げとともにこういう社会的評価を公正にやっていただきたい、こういうことを強く私どもは要望するわけでございますが、この社会的評価につきまして、ひとつ当局の御見解を伺いたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 商工会も法制定以後二十年たって、その活動も非常に活発になってきておりますので、地域の商工業の振興に対します寄与という点につきましては、商工会議所に決して劣るものではないというふうにわれわれは考えているわけでございます。  しかし、御指摘のような例があったということは、非常に残念なこととは思われるわけでございます。これは、やはり商工会議所の方が歴史が古いということ、それからまた、業務範囲も現状ではまだ非常に商工会より広く規定されているというようなことがあるいは原因であったかと思われるわけでございます。  しかしながら、今回、この商工会法が改正になりまして、その目的あるいは事業の範囲も広がるということになりますと、地域の総合的な経済団体としての役割りが非常に拡大する、格も上がるということになろうかと思います。といたしますと、商工会関係者の方々の地位が一層向上いたしますし、また社会的評価が高まるということが期待されるわけでございます。われわれ関係者といたしましても、今後商工会の関係の方々がこのような活動をなさった場合の社会的な評価、正当な評価ということにつきまして十分配慮する必要があろうと思われますし、また関係方面にそういった理解が深まりますよう十分努力してまいりたいと思うわけでございます。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 ありがとうございました。その点、特に要望しておきます。  また、商工会には中小企業というよりも小規模事業者が多いことは、その地域性からいって当然ですが、昨年来問題となっておりますように、中小企業の相続税軽減の問題について質問いたします。  日本経済の成長発展に寄与いたしました中小企業の役割りは、まことに大きいものであります。そして、中小企業を支えてきました経営者の多くが世代交代時期を迎えようとしておるわけですが、その中でも小規模企業が多い現状より考えてみますと、小規模事業になればなるほど事業の後継者のほとんどが世襲であります。そして事業経営面においては個人的要素に強く左右され、それがたとえ法人組織におきましても、中小同族法人の経営であります。しかし、このような中小企業が事業の承継をすることになった場合、個人企業の事業用財産及び中小同族法人経営者の有する自社発行の株式等に対する相続税上の課税評価額が地価高騰等から異常に高くなり、事業経営上大きな問題を招いております。こうしたことは、後継者の事業意欲の減退をもたらし、地域社会に対し大きな影響を与えております。また、個人企業におきましても、子供の一人が親の事業に従事し、親とともに事業発展に実際的に多大の貢献をしておるにもかかわらず、相続時では均等相続のゆえに、被相続人の財産は相続人の間で分割されてしまうのであります。このように、現行の相続税または贈与税の課税制度では、中小企業者の自主的努力によってこの問題を解決しようとすることはきわめて困難であり、ここに政策的な配慮がなされるべきと考えます。  中小企業政策上、事業承継の円滑化のため税制上の措置を考えることは、企業経営の維持安定化ばかりでなく、従業員の雇用の安定と確保、地域社会発展に絶対に必要であるものと考えます。つきましては、農業における農地の生前贈与制度のように、中小企業者の中でも個人事業者に対し同様な生前贈与措置、同族会社の株式は市場性がないので、実態を考え適正な評価をする等その他の対策がいろいろ考えられるわけですが、この点について通産御当局の基本的な見解をお伺いしたいと思います。

木下博生中小企業庁計画部長

○木下政府委員 中小企業の経営者が高齢化いたしますとともに、世代交代が進んでおりまして、いま先生がおっしゃいましたように、土地の値段が上がるというようなことで相続税が非常に高くなり、特に小規模企業につきましての事業の承継が非常にむずかしくなってきているという声が最近強く聞かれております。  それで、中小企業の場合には事業が安定して継続的に行われるということが非常に重要でございますので、この相続税との関係について、特にその相続税につきまして改善を求める声が強くなってきておりますので、中小企業庁といたしましては、昨年十月、全国商工会連合会に委託をいたしまして、中小企業承継税制問題研究会というのを設置いたしました。  最近、その中小企業承継税制問題研究会が報告書をまとめたわけでございますけれども、この研究会におきましては、中小企業の事業承継の実態がどういうふうになっておるかということが一つ。それから中小企業に、いま先生がおっしゃいましたような農業並みのいわゆる生前贈与制度というのを導入することができるかどうか。それからまた、取引相場のないような同族会社につきましての株式の評価方法について改善する道はないのかという点を研究したわけでございます。  その報告書によりますと、中小企業者の事業承継の円滑化のために相続税に関する改善方策が幾つかいろいろと提案されております。  たとえば、個人企業者の場合につきますと、事業用財産、特に土地につきまして生前に一人の後継者に贈与いたします、その贈与いたしましたときに、すぐに贈与税がかかるというようなことになりますと、非常に事業経営が困難になってまいりますので、その贈与税につきまして納税を猶予して、それで実際に相続が起こったときに贈与税のかわりに相続税をかけるというような制度を新たに設置することができないかという点の提案が一つなされております。  それと同時に、株式会社方式の場合に、その株式が不当に高く評価されるというようなことを防ぐために収益還元方式を導入するなどいたしまして、評価方法を改善し、適正な価額で相続が行われるというような形にすることが必要だという提案をいたしております。  そのような報告がなされましたので、中小企業庁といたしましては、この報告書の研究成果を踏まえまして、今後施策に反映してまいりたいと考えております。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 その点は本当に中小企業の大事な問題なので、強く要望するわけでございます。  次に、現在中小企業政策審議会におきまして中小企業の枠の改定ということが言われております。現在、中小企業とは、製造業では資本金一億円、従業員三百人、あるいは卸売業では資本金三千万、従業員百人、また小売、サービス業は資本金一千万、従業員五十人が基準となっております。しかし、今後製造業の資本金を三億円に枠を広げ、あるいは卸売業は一億円に、サービス、小売業は三千万に引き上げる動きがありますが、現状は、製造の分野で全産業会社数百五十一万二百七十五社中、現在資本金一千万ないし一億のものは二十一万七千四百五十八社、一四・四%、資本金一千万未満百二十七万九千八百七十四社、八四・七%を占めております。卸売業では、全部で二十五万二千四百二十一社中、資本金三千万未満が十六万五千三百五十七社、六五・五%、全小売業二十九万七千五百五十二社中、資本金一千万未満が二十七万六千六百三十社で九二・九%、全サービス業十七万八千六百一社中、資本金一千万未満が十五万六千四百八十四社、八七・六%で、小売、サービス業合計では四十七万六千百五十三社中、一千万未満のものが四十三万三千百十四社で九〇・九%を占めております。  このような状況にありますときに、この枠の拡大をやりますと、いままで一億円まででありましたものに対して、その本来の中小企業という性格が薄れていく。また、その税制面におきましても、財政再建の折から、この一億円を三億円にしてそれが中小企業並みの税制を受けるということになりますと、財源というのが減ってまいります。そういう意味において財政再建上にも問題があるのじゃないか、こういうことでございますので、この中小企業の枠の拡大という点についてはきわめて慎重に検討していただきたいということを要望しておきます。  そして、この問題について最後に、中小企業の活力というものは今後日本経済を支えるために原動力となっていかねばならない、そして、この商工会の果たす役割りは、こういう意味においてまことに重要であります。いま中小企業で問題になっておりますのは、何といっても長期金利の改定、設備資金の増加のための金利の改定ということが大きなポイントになっておりますが、先ほど大臣のお話では、慎重に検討をしてこれを解決するというお話でございました。しかし、この長期金利の下げ幅というものが、われわれに聞こえておるところでは〇・四%ぐらいしか下げられないじゃないか、あるいはそれ以下じゃないか。一%公定歩合が下がったわけでございますので、これが一%下がってもらうのが一番いいのですが、最低〇・七五ぐらいまでは下げていただきたいと強くこの点を通産大臣に要望いたします。そしてまた、今後商工会及びこういう小規模企業対策に対しまして、政府はいかに指導推進していくかを伺いたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 中心金利であります公定歩合が一%下がった。プライムレート、それから郵貯など〇・七五%預貯金が下がるわけでございますが、できるだけそれに連動して政府三機関の金利もやるようにということで、もちろん私どももそういうことを希望いたしますけれども、金利体系はそれぞれ厳然としておりまして、今回設備投資の貸し出し金利の問題を、決まってから遡及するということ自体さえもこれは画期的な問題でございましたが、それはそれとして決まったわけでございます。したがって、金利の問題につきましては、先ほども申し上げましたように関係当局で話しておりますので、〇・四%くらいの機能の発揮では効果も薄いと思いますので、できるだけ幅の広いような措置をとることが望ましいことだというふうに思っております。  それから、この商工会の活動力をもう少し生かして、全体の中小企業の活動をみずみずしいものにするということにつきましては、私どもも、この改正法案がそれを目的とすることでございますし、他の中小企業の五十六年度予算の中にいろんな問題を織り込んでおりますので、そういうものを加味して総合的な中小企業対策を、この商工会法の改正に伴ってより一層きめの細かい措置をとって万全を期したいというふうに考えております。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 次に、商工中金法改正に当たりまして伺いたいと思います。  現在、商工中金、正式名は略させていただきますが、いわゆる商工中金の貸し付け原資は、昭和五十六年二月現在、資本金千二百二十二億円、商工債券は発行残高四兆二千七百三十八億円、預金残高一兆三千億円となっております。商工債券発行による資金調達が最も大きなウエートを占めておりますが、昭和五十五年十二月の発行限度額は五兆三千九百五十一億円であります。また、債券発行余力は一兆一千九百余億円となっておりますが、債券発行残高の伸び率が五年間で平均一三・八%であるとすれば、五十七年度ではほぼ枠がいっぱいになるわけでありまして、商工中金の法的存立期間の昭和六十一年までには、どうしても限度額を現在の二十倍から三十倍に引き上げなければならない。そのための改正であると思いますが、今回の引き上げによりまして、商工債券の増加が、現在国債、公債、社債、その他金融債が多く出回っておりますときに、特にその中でも金融債の発行条件と同一であるために競合することになります。したがいまして、商工債券の円滑な消化が一番大事でありますが、その辺に対する消化対策について御当局の見解を伺いたいと思います。

影山衛司商工組合中央金庫理事長

○影山参考人 お答え申し上げます。  商工債券の消化環境は、先生御指摘のとおり、今後厳しいものが予想されるのでございますけれども、幸いにいたしまして、過去五年間におきます商工債券の発行残高の伸び率は平均して一三・八%でございまして、発券六行による金融債全体の伸び率一二・六%を上回っておるのでございます。  その理由といたしましては、何と申しましても、商工中金は国が出資をしておる政府系の金融機関であるという信用力をバックにいたしまして、全国九十三の店舗網を活用いたしまして、販売努力、販売体制を整えておるような次第でございますが、五十五年度末におきまして、商工中金債の残高が三兆八千五百七十億円でございますが、一般個人二七%、法人七・二%を占めておるような状況でございます。また、次に中小企業事業団の共済部門でございますとか、退職金共済事業団等の余裕金の運用といたしまして、商工中金債を引き受けていただいておりますが、これが二五・六%を占めております。また、市中銀行と保険会社の方が中小企業政策に協力するという意味で計画的な引き受けをいただいておりまして、これが二二%を占めておるのでございます。  こういう商工中金債の基盤、消化基盤というものは今後とも維持してまいりたい、こういうふうに考えておるのでございますけれども、今後グリーンカード制への移行あるいはワリショーにつきましての総合課税制への移行というようなこともございまして、個人消化には特に困難が予想されるわけでございまして、私どもといたしましては、その対策といたしまして職員のレベルアップを図り、あるいは貯蓄あるいは税務等の相談もできるような体制も整えまして、今後の厳しい消化環境にも対応をしてまいりたい、こういうふうに考えておるような次第でございます。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 わかりました。  また、商工債券の発行限度額を引き上げることにより貸付原資を大きく増加するものでありますが、貸付資金コストを軽減するためには、何といっても資本金の充実が一番重要であると考えるわけです。  そのためには、一般の組合出資を期待するのでございますが、中小企業関係の新規組合参入が年々少ないこと、また小口の出資組合では資金の負担能力に限界があるので、今回、一所属団体の出資口数限度額を五万口、五百万円から所属団体の出資口数の百分の一に変更することになったことと考えますが、何といってもこの資金を集める場合に一番いいのは、政府出資の比率を増加することが一番いいのじゃないか。しかも、商工債券の引き受けにおきましても、良質な資金ということであれば、やはり政府引き受けというものが一番いいのじゃないかと思いますが、政府出資の点について当局の見解を伺いたいと思います。

木下博生中小企業庁計画部長

○木下政府委員 先生おっしゃいましたように、商工中金の経営基盤を強化して、政策的な金融の機動的な実施を可能にするためには、政府出資を高めまして、それによって経営基盤を強化する必要があると考えております。  五十六年三月末の政府出資は現在八百三十九億円になっておりまして、五十六年度におきましても百十億円を追加出資することにいたしております。  一方、厳しい経済情勢の中で、民間出資につきましても、非常にむずかしい情勢がございますけれども、商工中金における御努力もありまして、民間からの出資も極力ふやしていこうというようなことをやっておりまして、五十六年度は、五十五年度から五億円ふやしまして三十五億円の出資を民間から期待するということを考えております。  それと同時に、商工債券につきましても、政府としてそれをできるだけ引き受けるという形で商工中金の資金規模を拡大させる方向に努力したいと考えておりまして、現在までのところ、五十六年三月末における政府の引受残高は四千六百十一億円、全体の商工債券発行残高の一〇・七%となっております。これにつきましては、今後とも政府としてはできるだけその引き受けをふやすように努力していきたいと考えております。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 もう時間もありませんので、最後に、中小企業に関係しまして一つお願いがあるのでございます。  御承知のように、商工中金は繊維産業に対し三千九百五十三億円、全体の八・二%の貸し出しを行っているわけでございますが、いま昭和五十六年の蚕糸の基準糸価の問題についていろいろと検討されておるわけでございます。そして、本来ならば三月中にこれが決定されるわけでございますが、十四万八千俵の蚕糸事業団の在庫の問題もございまして、なかなか決定に至っておりません。そのために一方絹業業者、機織りの方では非常に困っておるわけでございます。大体、繊維産業というのは目いっぱい資金を金融機関から借りておるわけでございますけれども、今回のように基準糸価も決まらずに、しかも非常に需要があるにもかかわらず、安い割り当ての糸をもらえない、繰業ができないということで、非常に繰業の資金に困っておるわけでございます。この資金についてどのような救済資金といいますか、それを考えておるのか。そして、この繊維産業というものに対する強力な助成といいますか、そういうものを考えていただくと同時に、輸入の問題についても、製品が入らないように要望するわけでございます。  この点を最後に伺いまして、質問を終わりたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○若杉政府委員 先生のおっしゃるような事情があることは、深刻に受けとめております。したがいまして、金融措置といたしましては、先生御承知の体質強化資金というものを活用いたしまして手配をしておりまして、すでに最大の産地である京都府では相当優遇した条件で実行に移しております。そのほか、絹関係の産地の府県に対してはこういう制度を活用して措置するように要請しておりまして、需要に応じて対策を講ずることになっております。  それから輸入に関しましては、御承知のようにいろいろむずかしい問題がありますけれども、絹関係全部にわたってほぼ大体コントロール下にあるわけでございまして、すでにここ二、三年相当強力に輸入量を削減してまいっております。今後ともこういう体制を維持していきたい、かように考えております。

植竹繁雄自由民主党

○植竹委員 ありがとうございました。  以上で質問を終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 清水勇君。

清水勇日本社会党

○清水委員 商工会法と商工中金法あわせて審査をするわけでありますが、法案それ自体さしたる問題点があるわけではありませんので、無論法案にも触れていろいろとお尋ねいたしますが、少し周辺問題等について大臣初め関係の皆さんから所見を承りたい、そう思います。  最初に商工会法から入りたいと思うのですが、率直に言って現在の商工会地区というものは、七〇年代を通じての高度成長時代にいわゆる高成長政策から見放されていた。したがって、個別事業所は非常にその基盤が脆弱であるばかりではなしに、高成長時代のひずみを一身に背負う、こういうような形で今日存在をしているように思うわけであります。生業的な事業者が非常に多い、経営の近代化がおくれている、そういう状況でありますから、経営基盤を強化をし、かつ時代の趨勢にマッチをするような近代化を促進する、あるいは地域社会のニーズにも同時にこたえていく、そういう意味合いから言えば、今後いよいよ商工会の果たすべき役割りというものが非常に大きくなっていると私は見ているわけであります。後でも触れますが、全体として商工会は組織的にも運営の面でもいろいろな険路を持っているわけでありますから、商工会活動というものを積極的に支援をしていく、助成をしていくということが今日政府の大きな責務ではないか、私はそういうふうに見ているわけでありますが、まず冒頭に大臣からその辺についての所信を承っておきたい、こう思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 中小企業は、御承知のようにわが国の大きな基幹の産業の大部分を占めておるというふうに私は思っております。と申しますのは、事業所で五百八十万軒、九九・四%を占めておりますし、従業員数で三千四百三十万人、製造業出荷率で五三%というふうに言われておりますし、まさしく私どもはこれが日本経済を支えておるし、海外の投資につきましても、日本のそういう中小企業の安定度というものは非常に評価されております。  したがって、これが対策につきましても、私どもは各年度ごとに非常な努力はしておりますし、新年度予算におきましても、約二千五百億円、財投で三兆五千億というような予算も組んでおりますし、対策につきましてもいろんなことをやっておりますけれども、なかなかうまくいきませず、倒産件数も御承知のように膨大でございます。したがって、これらの対策につきましても、中小企業の倒産対策、つまり融資制度、それから共済制度、保証制度、あるいは相談室の拡大とかいうようなこともやると同時に、下請代金支払い遅延防止、あるいは公共事業関係の事業の分担の仕分けを多くする対策も、あるいはこれに応ずるいろんな諸措置も万全を期しておりますし、それは私どもが政府として、中小企業がいかに日本の経済体制を支え、社会あるいは文化、そういうものにも波及する大きな問題に連なっておるかということでございまして、今回の商工会法改正につきましてもそういう観点からこの問題をお願いしているわけで、そういう政府の方針はあくまで貫いていきたいというふうに考えております。

清水勇日本社会党

○清水委員 いま大臣から中小企業一般に関する所信の披瀝があったわけでありますが、いぼ述べられている数字の中で、商工会として組織なりあるいは事業なりの対象にしていく小規模企業、これが、いま一般的に言われている中小企業の中でもとりわけその基盤等が脆弱であるというところから、今度の法改正等を通じても一段とてこ入れを要する対象ではないかと私は見ているわけなんです。  たとえば、示されている数字によると、小規模企業は事業所数で四百六十七万、従業者数で千三百九十万と言われております。そこで、厳密に見て、いま私が挙げた数字のうち、いわゆる商工会に組織し得るものといいましょうか、対象はどの程度というふうに政府では押さえておりますか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 御指摘の点でございますが、現在御指摘のように約四百八十万、小規模の企業者がございます。このうち、現在、これは商工会地区と商工会議所地区両方に分かれておりますが、それぞれ会員としましては百万ちょっと。商工会地区でございますと百七万、それから商工会議所地区で百十万程度でございます。それは中規模企業と小規模企業の両方合わした数字でございますけれども、その大部分が小規模企業者と言ってよろしいかと思います。それで商工会の例でまいりますと、この数字は、実は組織率六七%程度でございますから、まだまだふやし得るという状況かと思われます。

清水勇日本社会党

○清水委員 昨年の七月に報告をされている数字を見ますと、全国の商工会の数は約二千八百六十、会員数はいまお話しのように百七万名、いまの答弁で組織率が約六七%であるからまだ組織化の余地がある、こういうことを言われているわけです。しかし、たとえば商工会の数をここ数年見てみますと、ほとんど昭和五十年代に入って二千八百何十という台で横ばいになっておるわけですね。そこで、そういう点でどうも商工会それ自体については一定の限界性というようなところへ来ているのかどうか、こういう疑問も持つわけでありますが、一面、数の点では百七万名でまだ四十万前後組織対象がある、こういうふうにごらんになっているのかもしれませんが、その辺はどうなんですか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 商工会のまず数でございますけれども、御指摘のように、現在二千八百六十ございます。これは実は昭和五十年代に、正確には四十九年度でございますが、二千八百台に達しまして、後逐次ふえてきたわけでございます。現在、商工会も商工会議所も組織されておらない都道府県は実は約三十カ所、二十九カ所かと思いますが、約三十町村になっておりまして、数の面ではもうほぼ飽和状態、無論、残ったそういった市町村を組織する必要はございますけれども、かなり進んでまいったということでございます。  それから、組織率の面でございますけれども、これにつきましては、やはり今後その商工会の活動をますます活発にいたしまして、その地域の商工業者の方々にもっと入っていただくということが必要かと思われます。

清水勇日本社会党

○清水委員 そこで、よく言われるように、二兎を追う者は一兎をも得ずという話があるのですが、全国でまだ二十九町村くらいに商工会の組織がない、こういうお話でありますが、無論、そういうところで自主的、自発的に組織化されることを期待をする、これは必要でありますけれども、今日、より重要なことは、二千八百六十余りの商工会が、その事務局体制の整備強化などを含む全体としての活動力といいましょうか、力をつけていくということが政策的には非常に重要なんではないのか。  ただ、そこで私なりに私の地元などの各町村の実態を見させていただくことが多いのですけれども、えてして商工会地区の中で当然商工会に入ってもらうべき事業所が入っていない。たとえば、従業員十人とか二十人とかという雇用労働者を抱えているような事業所は、その地域の中ではかなり有力な存在なんです。ところが意外にそういう事業所が入っておらないという傾向がある。これは商工会全体の運動なりあるいは運営なりにも多少支障を来すということに私はなるように思うので、そこで現実にそういったところが、無論入って一生懸命協力をされているのが多いんですけれども、しかし入らないで傍観をしているというような向きがあるのは、商工会それ自身にメリットを感じないとかあるいは何となく魅力を感じないといったことなどが原因であるのか、その他何かがあるのか、つかんでおられたらその辺の事情もお聞かせをいただきたい。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 商工会法ができましてすでに二十年たつわけでございますが、最初の段階では、この商工会が小規模企業者の指導機関という性格を、これは現在ももちろんそうでございますけれども、非常に強く持っておりまして、そのことのために御指摘のように中規模の方々が余り関心がなかった時代があろうかと思われます。しかし、最近商工会は非常に基盤もしっかりしてまいりましたし、また総合的な地域経済団体としまして非常に活発な活動もしてきているということで、おしなべてその存在が非常に強調されてきておるので、商工業者一般の方々の関心は非常に深まっているということでございます。地域によってそれぞれいろいろ差があるかと思いますけれども、今後、たとえば今回の改正の機会などを一つの契機といたしまして、商工会活動をますます活発にしていただくということによりましてさらに組織率が高まっていくということを期待したいと思っております。  組織率につきましては、たとえばこの十年間をとりますと、先ほど最近の組織率が六七%程度と申し上げましたけれども、十年ほど前の昭和四十五年では、これが六一%ぐらいでございましたので、十年間約六ポイント程度の向上にはなっているかと思います。今後ともこういった努力を進めてまいりたいと思っております。

清水勇日本社会党

○清水委員 私は、法制定以来満二十年、商工会が順調に育ってきているということを高く評価をしているわけなんですが、しかし、そうした中でなお個々の商工会運営の実態等に触れてみると、いろいろと手だてを講じていかなければならない点が数多くあるように思っているわけなんです。  そこで、よく言われるように、組織は人なりという、そういう言葉がございます。率直に言って、地域の商工業者のニーズにこたえる、あるいは最近強調されるような地域社会の要請にこたえる、こういうことのためには、無論会長以下の役員方の努力もさることながら、非常に重要なことは事務局体制の拡充整備ということに尽きるのではないか、こういうことを実は感ずるわけなんです。つまり、商工会という組織が人材を確保する非常に重要な時期に来ているんじゃないか、こう思います。  ところが、現在、たとえば町村部等の商工会を見てみますと、一商工会当たり指導員が一人、補助員が一人といったようなケースがかなりの部分を占めているわけですね。これでは、私は率直に言って、どんなに意欲的にあるいはどんなに目的意識を持った指導員なり補助員であっても、そうすべての会員にきめ細かなサービスを行う、指導助言を加えるというようなことは物理的にむずかしいんじゃないか、こう思わざるを得ません。その上今度の改正では、一般地域社会のニーズにこたえるような、社会の福祉を増進するような事業もやる、これを目的と事業に追加をされておるわけですね。  そこで、問題は、新たにそういう事業が追加をされるけれども、人の面ではいままでどおりということになりますと、どうしても新しい事業遂行のために、本来の指導事業の幾分かを割愛せざるを得ない。そうなると、また会員の期待やニーズにこたえる部分が後退をするというようなことになりはせぬかという懸念を実は持っておるわけです。その辺のことについてどういうふうにお考えでしょう。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 御指摘のように、商工会の強化には事務局体制の強化が大事であるということは、われわれも全く同感でございます。  そこで、経営指導員につきましては逐年その増員を図っておるわけでございまして、五十六年度も七十七名の純増が認められた次第でございますけれども、御指摘のようになお広い地域にばらまいておりますので、地区によりましては経営指導員が一人のところもあるという御指摘でございます。こういうところにやはり補助員とかそういった者も置きまして、いろいろ仕事の補助をさせておるわけでございますが、今後ともさらに充実してまいりたいと思っておるわけでございます。  そこで、今回の改正によりまして、従来の経営指導のほかにさらに新たな業務をつけ加えるということになった場合に、どういう方々がこの新しい事業に従事するかという問題でございますが、経営指導員の方々あるいはその補助員あるいは記帳専任職員の方々は、実は非常にその御専門の業務が多いわけでございまして、なかなかほかに時間を割けないというのが現状だろうと思われます。また、こういう方々はその経営指導の業務に専念していただくという必要がございますので、余りほかの方に時間をとっていただくということも非常に困るわけでございます。そこで、今後のそういった社会福祉一般というような事業につきましては、その補助対象となっております経営指導員の方々ではなくて、一般の職員にお願いするということがかなりあろうかと思われますし、さらに、現在商工会でも有力な要素でございます青年部、婦人部といった方々、こういう方々は非常にいわゆるボランティア活動として従来からもやってこられておりますし、今後もまたそういった活力を持っておられるという層でございますので、そういった方々にも大いに期待したいということでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 青年部だとか婦人部などのボランティア活動に期待をする、一般職員等に期待をする、無論そういうこともありましょうけれども、現実の問題として、今度の法改正を通じて福祉事業を起こしていく、あるいは地域の商工業の発展のために具体的な事業を起こしていく、こういうことを強調されているわけですから、本来ならばこれを裏づける人的配置というものも同時に考えられなきやならなかったんじゃないか、私はこう思うのです。釈迦に説法で大変恐縮ですけれども、全国二千八百六十余りの商工会のうち、いま事務局長を置いているのは三〇%台でしょう。長野県の場合に百十の商工会がございますが、やはりせいぜい三〇%前後という商工会がようやく事務局長を配置しているという程度でございます。  そこで、よしんば青年部なり婦人部なりその他の形で新しい事業を進めていくにしても、それを具体的に計画をし、あるいは構想を立て、推進を図るかなめになる者がだれかいなければならない。だから、そういう点でいけば、実情を見ると非常にむずかしい側面もありますけれども、国は、全国の各商工会に事務局長を設置をしていく、配置をしていく、こういうことを方向づけて、そのために必要な財源措置等について県や自治体と相協力をしてその確保を図っていく、こういうことになりませんと、法改正を通じて仏をつくってみても魂が入らないのではないか、こういうふうに感ぜざるを得ません。その辺の御所信をひとつ長官から聞かせてください。

児玉清隆中小企業庁長官

○児玉政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘の、新しく追加されます社会一般的な事業と、これをこなしていきます陣容の関係でございますが、確かに私どももその辺は非常に心配はしておりますが、商工会活動は御指摘のように人でございまして、人の数というだけではございません。したがいまして、人材のさらに活用を図っていくということと、それから今回やります仕事の性格は、いわゆる地域ぐるみで盛り上げていこうという性格の事業が多うございます。したがいまして、これにつきましては、先ほども小規模部長の方からお答え申し上げましたように、相当程度ボランティア活動のパワーに頼る部分がございます。  これは、従来から非常に活発な中核体は青年部、婦人部でございますが、これに加えまして、理事諸公の数もふやしましてやっていく。それから、そういった全体の総取りまとめと申しますか、かなめになりますのは、御指摘のように理想的には事務局長でございまして、これは現在千三百六十程度しか配置がございませんけれども、逐次これも配置してまいる必要がございます。ただ、事務局長がないところはいわゆる理事、今回ふえます理事がそういった分担も十分責任を持って遂行していくということによりまして、従来からやっております事業には支障を及ぼさず、かつ今後拡大されます事業については総力を挙げて地域ぐるみの結集を図っていく、こういった知恵と配置を考えていきたい、このように考えております。

清水勇日本社会党

○清水委員 理念としては各理事の共同責任という点にも期待をかけていきたい、わかります。だがしかし、会員であり理事である皆さん、それぞれ自分の仕事を持っている。その仕事、商売をめぐる環境も高成長時代とは比べものにならないほど悪化をしてきている。容易でないのですね。事業の片手間に商工会活動に参与していくというようなことを、口で言うほどそう楽にはできない。だから、どうしてもそういう雰囲気につくるためにも、やはり一定のかなめ役が存在をするというようなことがどうしても重要ではないかと私は思う。  さて、そこで一つ聞いておきたいことは、現在小規模事業者の数三百人未満の商工会に指導員が一人、三百人以上千人未満でしたかの商工会には二人、こういう配置になっていると思いますね。そこで、現実にそういう少ない数の指導員が、金融から始まってさまざまの相談事、悩み事、ときには巡回をしたり会合を持ったり、いろいろな手法を用いておられるだろうけれども、大体年間一人の指導員がどの程度の件数の相談に乗っているのか、数字がつかまっていたらお聞かせいただきたい。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 商工会におきまして経営指導員の方々がどのような相談件数に応じているかということでございますが、五十四年の統計を見ますと、これは全数でございますけれども、総数で三百八十万件という統計が出ております。特に一人地区でどうかということはちょっと数字としてはつかんでおりませんけれども、いずれにしましても、非常にたくさんな数であることは間違いございません。

清水勇日本社会党

○清水委員 私は、いま言われた五十四年の数字で、一指導員当たり指導件数は年間で七百八件というふうに聞いている。私は、これは大変な数だと思うのですね。一指導員が七百八件。実情を伺うと、昼間は巡回をしたり相談に乗ったりするが、それぞれの会員が一日の仕事を終えて夜指導員の家まで訪ねていろいろ相談をする。こんなことはとても長続きできるものじゃないと思うのですよ。  だから、そういうことを考えると、やはりどうしても一商工会に指導員は最低二人ぐらい置く。そして、長い目でかゆいところに手が届くような、そういうきめの細かい指導が行き渡るように配慮する。こういうふうにしなければ、さっき長官が言われたり小規模部長が言われるように、これからだんだん組織率も伸びていくだろうし、運動も活発になるだろうと希望をされても、なかなかそうはならないのじゃないか。ですから、そういう点で、将来一商工会に指導員を最低二人ぐらい配置をしていきたい。それに見合う程度の補助員の配置も考えていきたい。さっき申し上げた事務局長の問題についても、長官は千三百六十人と言われたが、私の得ている資料によると千百人という配置しかなされていないというふうに聞いているわけですが、数字はともかく、そういう点での不十分さというものを政府が高成長時代に放置をしてきて、それが今日低成長時代を迎えて大変なひずみの中にあえいでいるこういう零細な商工業者に対するこれは責務じゃないのか、こう思うわけなんですが、もう一回、長官、聞かしてください。

児玉清隆中小企業庁長官

○児玉政府委員 正直申し上げまして、現在の財政事情を考えますと、これからの拡充をいわゆる人員の面でやっていくことだけに頼りましても、なかなかむずかしい面もあろうかと思います。もちろん、私どもはそういった人員の拡充ということに対しまして、小規模企業政策上最大限努力を発揮してまいりたい、このようには考えているわけでございますが、それと並行いたしまして、事務処理の合理化と申しましょうか、いわゆる処理の機械化その他で、これは全部ではございませんが、そういったことである程度できる面もあろうかと思います。  そういったいろいろなものを総合いたしまして、いま御指摘のように、これから仕事を拡大いたしましても実際的な支障が出ないように、しかも第一義的な経営指導事業につきまして十分な、さらに細かい指導をできるような形に最大限の工夫をしてまいりたい、このように考えております。

清水勇日本社会党

○清水委員 さて、これは大臣に承らなければなりませんが、現在第二臨調が発足をして、御承知のように行革を推進する積極的な構えをとっておられるわけであります。鈴木総理もしばしば補助金の一律カットということを発言され、昨日も各省庁ごとに八%ないし一〇%の五十七年度予算における補助金の整理、こういうことを発言をされております。  そこで、いわゆる中小企業分野だけがこのらち外に置かれるというようなことは考えられないと私は思うわけですが、しかし一面、いま私申し上げ、長官からもお答えがあったのだが、商工会活動を伸長していくためには、どうしてもまだ足らざる指導員等の充足を図っていかなければならない。無論それだけではなしに、機械化とか合理化とかという事務能率の面も考えなければならぬとは言いますが、そういうことが根幹である。だんだんに国の商工会等に対する補助額もふえています。しかし、たとえば商工会に対する補助金というものは、俗に言われる消費的経費といったような性質のものでなしに、いわゆる指導員等の人材確保のために七割なり八割なりという費用が充当されているわけです。だから、これをたとえば一律カットをするなんということをやって指導員の数を整理するなんということがあれば、これは現実の問題として指導員、つまり人即事業なんですから、それ自身が大変なマイナスにならざるを得ない。だから私は、そういう点から言えば、一律に何でもかんでも各省庁ごとにカットをするの整理をするのということは、木を見て森を見ないやり方じゃないか。こういう点で、ひとつ大臣の所信のほどを承りたい。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 まさしく清水委員御指摘のように、経営指導員と申しますか構造改善事業費、それらと結びついたものがこの商工会並びに中小企業関係の補助金につながっておるわけでございます。  それで、補助金として現在六百三十六億円、それから補給金というのが五十五億、それから委託費というのが十五億ございまして、トータルで七百六億円ぐらいでございますが、これはまさしく大事な金でございまして、これは経営指導員、それから構造改善事業費というような、私どもがこれからもまことにふやさなければいけない金でございます。  ただ、一方、ただいま御指摘のように行財政の改革ということで、臨調で補給金のカットということがございますが、一律のカットが妥当かどうかというのは清水委員御指摘のとおりでございまして、私どもは、このカットの場面では十分考えた上で、質的なものを頭に置いてやらなければいけないというふうに思っております。

清水勇日本社会党

○清水委員 いまの件に関して、全国商工会連合会、全国連の辻会長お越しでありますから、御所信を承り、この機会に政府筋に指摘をすべき点があればしかと御指摘をいただきたい、こう思います。

辻彌兵衛全国商工会連合会会長

○辻参考人 全国商工会のお世話を仰せつかっております辻でございます。  清水先生の御質問にお答えする前に、先ほど来参考人席で先生のお話を拝聴いたしておりまして、平素地元におきまして商工会を身近にごらんになり、私ども役員なり職員の諸君の苦労をつぶさに見ていただきまして、私どもの商工会という組織に対する大変ありがたい御激励のお言葉を数々ちょうだいいたしておりますことに対しまして心から感銘をいたしておりまして、先生の御期待に沿うように、法改正を契機に一層努力をいたしてまいりたい、かように存じておるわけでございます。  先ほど御質問のございました件につきましてお答えを申し上げたいと思いますが、先生も御指摘のように、中小企業の予算というものが今回の補助金の整理による行革の大きな柱になっておることは私ども承知いたしておりますし、また中小企業の予算といえども聖域でないことも十分に承知いたしておるつもりでございます。  ただ、しかし、私どもがいただいております補助は、先ほども先生の御指摘がありましたように、小規模零細企業者のための経営指導でありまして、ただ単に商工会員でなくても、その地域における小規模零細企業者のすべてがその対象になっておるわけでありまして、いわば公益性のきわめて高い補助金であります。  第二点といたしましては、先ほど来御指摘がありましたように、事業はまさに人なりでありまして、私どもの補助金は大部分が経営指導員その他の職員による指導事業でありますから、人件費というものがきわめて高い比率を占めておることは当然でございまして、昭和五十六年度の予算におきまして七六・六%という高い比率、経営指導員その他いわゆる事務局長設置費等のものを含めますと、そのような高い数字でございます。したがいまして、仮に補助金が一律カットというふうなことになりますと、直ちに経営指導員等の解雇につながるおそれがあるわけでありますし、またこれによりまして、せっかく地域に活力をという目標のために日夜努力いたしております地域における小規模零細企業者に対しまして大変大きな打撃を与えることになると思いますので、その点につきましては、政府当局におかれましても補助金の扱いにつきましては十分慎重な御配慮をいただくことを心からお願いを申し上げたいと思います。  どうもありがとうございました。

清水勇日本社会党

○清水委員 いまの大臣の所信も、また辻会長の御意見もしかと承ったわけでありますが、これから法改正を通じて、いろんな厳しさ、困難さはあるけれども、全体として商工会活動というものを国も積極的に育て上げていく。その際に、私は、一面で、決して商工会に苦言を呈するわけじゃありませんけれども、商工会は言うまでもなく地域商工業者の自主的な地域組織であることは変わりがないわけですから、だからある面で言えば、今日自主財源というものが非常に乏しい、人材の確保に当たっても国等の補助に期待をしていかざるを得ない、こういう状況だと思いますから、たとえば会費を思い切って引き上げていく。現在、平均年間会費が七千円前後というふうに承っておりますが、これを平均一万円とかあるいはそれ以上にというふうに、将来にわたってこれは引き上げること等をしながら自主財源を確保していかなければならない。しかし、そのためにはやはり商工会そのものに魅力なり期待なりというものがかけられるように全体のムードというものが広がっていかなければならないと思うわけです。だから自主財源を確保し、あるいは財政基盤を確立するまでの間は、少なくとも国がその過渡期を、いま手だてを講じておられるわけですけれども、さらに一層必要な助成を行う、ラフな言葉で言えば、めんどうを見ていくという、そういう基本的な構えがなければならぬのじゃないか、私はそういうふうに考えております。  そこで、商工会が自立をし、ひとり歩きをどんどんやっていく、こういうふうになることを期待するためにも、いま二千八百六十余りの商工会のうち、千百余りしか事務局長が配置をされていない。たとえば二百八十万円というふうにかなり大幅に事務局長設置費も増額をされた。だけれどもこれだけでは足りないことは、もうはっきりしているのですね。だから、財政力の乏しい商工会では自前でカバーをしながら事務局長を置くというようなところまではいかない。せっかく二百八十万までいっているのですから、そうだとすれば、残余の補完すべきものも、少なくとも自立のできるまでの過渡期は国が県等と相談をしながら応援をしていく、こういうことをやはり早急にやってもらう必要があるのではないか。  それからもう一つは、これは模範定款等のかかわり合いもあるのですけれども、昔と違いまして最近の商工会の会長さんなどの仕事は大変なのですね。私は、まさに激職だと思います。自分の事業を抱え、かつまた周辺に大型スーパーなどが進出をすればこれに対応しなければならない。単に対応するといっているわけにいきませんから、たとえばこれと対抗しこれと競争し得るようなショッピングセンターをつくるとか、新たなる商店街を構想するとか、いろんなアイデアも考えなければならない。正直言って、会長はとても名誉職だなどと言っていられない状況に来ていると思うのですね。だが、しかし、報酬や手当を出してはならない。まさに手弁当、自腹を切ってすべてやらなければならない。こんなことではとても長続きしないですよ。また、最近は青年部や婦人部の活動もかなり活発になるから、商工会に対してさまざまなニーズが持ち込まれる。こういうようなことを考えると、会長さんとか副会長さんとかいろいろありますけれども、そういう皆さんにもぼつぼつ一定の手だてを講ずるというようなことが考えられなければいけないときに来ているのではないか。最近、たとえば私の地元なんかでも、大型店に対抗する意味で新しい商店街の形成をどうするか、専門機関のコンサルタントなどを煩わしていろいろ構想を練ってもらっている。こういうようなことがあるのですけれども、そういう中にも必ず会長などが中心的に位置していかなければ仕事は進まないわけですね。そういう点、これはどうなんでしょう、何か検討されたことがございませんか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 先生の御指摘、二つあると思われるわけでございますが、一つは、いわゆる事務局の強化のために事務局長をもっと設置するという問題でございます。  これにつきましては、現在その設置のための一部補助をいたしておりまして、その補助個所がことしも百五十カ所ほどふやしまして、現在千五百十カ所は設置できるという状況になってございます。これにつきましては、今後とも設置の補助の額をもっと高めたいと思っておりますし、また、個所数もふやしたいというのがわれわれの気持ちでございますが、そういったことで事務局の充実につきましていろいろな方法をとってまいりたいと思っております。  それから、御指摘の役員の方々、特に会長さん方が大変お忙しいということ、全くそういった状況であることを承知しておるわけでございますが、従来の定款、特に模範定款例でまいりますと、やはり役員の方々は非常勤が原則でございます。非常勤の方は、通常いわゆる実費弁償的なものは別にいたしまして、報酬は受けないというのが一般の社会のルール、常識かと思うわけでございますが、その原則を急に変えるというわけにもまいらぬとは思いますけれども、おっしゃるように非常に仕事の量もふえてくるということがございますために、非常勤ではあるけれども何らかそこに、たとえば慰労金といったものを差し上げるようなことが考えられるのではないかという御意見もかなり出てきております。そういった方向で定款例等を見直そうかという状況でございまして、これは無論個々の商工会あるいは連合会の財政状況にもよるわけでございますけれども、そういった方向を今後研究してまいりたいと思っておるわけでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 これは商工会法関係では最後ですけれども、さっきもちらっと私申しましたが、今度の予算を見てもいろいろの補助事業がございます。さっき申し上げたような、たとえば商店街など推進をする場合、コンサルタント等に依頼をしていろいろと調査研究、検討を進めてもらう、やはり相当な費用がかかるわけですね。今度計上されている五十六年度予算の中では、そうした事業に対してどの程度までめんどうを見てもらえるのでしょうか。  それから、いまの部長の答弁に対してちょっと希望を申し上げておきますと、たとえば商工業者の皆さんがあれこれと会長に相談をするとか、物を頼もうとしても、考えてみればもうみんな自腹切って犠牲になっている人にあれこれそう無理なことも頼めない、頼みづらいというような雰囲気もぼつぼつあることも事実ですから、だから模範定款の見直しなら見直しというようなことについても、やるなら速やかに検討されるように、この点は注文をしておきたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 商工会は、従来からその地域の商工業の状況につきましていろいろ調査をしておりますし、またこれについては補助を、中小企業庁側からも調査事業費を差し上げている状況でございます。  五十六年度の予算で申し上げますと、たとえば地域の小売商業の近代化対策につきましては、調査費としまして四億二千三百万円計上しております。これは昨年に比べまして八千六百万円の増加でございますが、それから特に今後商工会の地域で商工業の将来ビジョンをひとつ勉強していただいて、りっぱなビジョンをつくっていただきたいという気持ちがございまして、そのために単価一カ所三百万円程度でございますけれども、これを二十商工会に、これは予算の積算でございますので最終的には必ずしも二十になるかどうかはっきりいたしておりませんけれども、大体二十カ所ぐらいの商工会にそういった単価でビジョンの研究をお願いしたらどうかということでこれは予算を計上してございます。こういった方向での調査研究事業、これは今回の法律改正の中身でもございますけれども、大いに充実していただきたいというつもりでございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 次に、商工中金法についてお尋ねをいたします。  初めにちょっと聞いておきたいのですけれども、御存じのとおり商工中金は商工中金法の四条で、その存立期間を五十年というふうに定めているわけですが、設立は昭和十一年ですから六十一年がその期限になる、逆算をしてあと五年であると思います。しかし、法律では、無論主務大臣が認可をすれば延長ができるということですから、貸し付け残高が五兆四千億になんなんとしているようなこういう状況の折に、商工中金の役割りはすでに終われりなどというようなことには無論ならないと思います。しかし、そうだとすれば商工中金のあり方について、所属団体なり中小企業者等の間からいろいろ意見のあることもまた事実なんですから、今度の法改正に合わせて五年後を想定しながら、この際、今後の商工中金のあり方をめぐって一定程度検討をされたのではないかと私は思うわけなんですけれども、もし検討をされているならば、大臣が席を外されましたから、長官のところからまずお答えをいただきたい。

児玉清隆中小企業庁長官

○児玉政府委員 お答え申し上げます。  商工中金は、これまで中小企業の組織化という政策を金融面から支援、促進してまいりました専門的な金融機関といたしまして、中小企業金融政策上きわめて重要な役割りを果たしてまいりました。政策融資の面におきましても、中小公庫、国民公庫と並びまして、中小企業の経営の安定に大きな実際上の成果を上げております。  今後におきましても、経済成長率の鈍化等を背景といたしました金融構造の変化はもちろんあるわけでございますが、中小企業が抱えております資金調達難という問題は、容易に解消されるという見通しにはございません。このため、中小企業の組織化の推進を金融面から支えます商工中金の役割りには、引き続き非常に大きなものがあるというふうに私ども認識をいたしております。  他方、商工中金をめぐります経営環境は厳しさを増してくることも予想されますが、中小企業の資金需要に円滑に対応してまいりますための資金量の確保及び中小企業のニーズに沿った良質な資金の供給には、従来にも増して私どもも政策的努力を展開してまいる必要がある、このように考えております。  以上のような点を含めまして、また組織化政策の推進など商工中金の持っております特殊性を十分生かしながら、今後の新しい発展段階にどういうふうな運営をもって対応していくか、その改善発達につきまして十分に検討してまいりたい、このように考えておりまして、いまのところ、これといった検討結果は持ち合わせいたしておりません。

清水勇日本社会党

○清水委員 いま長官から若干の所信が述べられ、これから検討をしていく、こういうことなんであります。  そこで、お越しをいただいている商工中金の理事長に承りたいのでありますが、これまでの約四十五年、半世紀に近い歴史を振り返りながら、今後の商工中金はどうあるべきかといいましょうか、あり方等についてお考えなり御所信がございましたら、若干五年後ということも展望しながらお聞かせ願いたい。

影山衛司商工組合中央金庫理事長

○影山参考人 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、商工中金は存立期限をあと五年後の昭和六十一年に迎えるわけでございますが、今後のあり方につきましては内部でも真剣な検討をいたしておるのでございますが、この三月から対策室を設置いたしまして、中小企業庁の御指導を今後受けながら、また中小企業の皆さん方を初め広く皆さん方の御意見を承りながら、あり方につきましての研究をしてまいりたい、こういうふうに考えておるのでございますけれども、御承知のように、商工中金は昭和十一年設立以来、半官半民の中小企業金融機関として、官と民のよさをあわせ発揮しながら一中小企業の皆さん方との信頼のきずなというものを広め、また深めてまいったのでございまして、今後ともこのスタンスは守ってまいりたい、こういうふうに考えているものでございます。  また、商工中金の特色でございますけれども、これは、商工中金法にも書いてございますように、協同組合等に対する組織金融を使命といたしておるものでございますが、この際、この組織金融及び組合組織の原点に立ち返りまして、そのあり方を検討し、また新しいニーズをくみ取りまして、さらにこれを前進をさしていきたい、こういうふうに考えております。  また、第二の特色といたしましては、中小企業政策融資のうちに、特に中小企業に対する救済融資に力を入れてきておるのでございます。円高融資でございますとか、あるいはイラン向けの輸出対策融資でございますとか、雪害融資あるいは中小企業倒産対策融資というふうな救済融資につきまして努力をし、また実績を上げてまいっておるわけでございますけれども、今後とも広く中小企業政策に協力をする態勢で参りたい、またそれと同時に、長期低利の安定的な資金の提供ということを大きな課題として努力をしてまいりたい、こういうふうに考えておるものでございます。  そういう一環といたしまして、地方公共団体からの預託を受けまして、地方公共団体、県や市の制度融資を実行できますのは、政府系金融機関の中で商工中金だけではないかと思うわけでございまして、これは金利の点も非常に助かるわけでございますので、これを今後とも活用をしてまいりたい。また、国が出資をしておる中小企業金融機関でございますので、それの信用力というものをバックにいたしまして、今後の商工債券の安定的な市中消化というものも努力をしてまいりたい、こういうふうに考えておるものでございます。  以上のように、商工中金の半官半民の特性、官と民との特色を生かしながら、今後とも中小企業の皆さん方のお役に立っていきたいということを念願といたしまして六十一年問題に対処してまいりたい、こういうふうに考えておりますので、今後とも御指導をよろしくお願い申し上げる次第であります。

清水勇日本社会党

○清水委員 それでは次に移りますが、法案に入る前に確かめておきたいことが一、二ございます。  三月十七日に政府は総合経済対策を立てた。その中で、中小企業対策に力を入れる、こういうことにしておられるわけでありますが、二月に大臣の所信表明に対する質問をした際に、あれこれと当面する中小企業問題に触れて私も注文をいたしましたが、金融の問題、倒産防止の問題あるいは官公需対策とか下請問題、いろいろ今度の総合経済対策の中には盛り込まれていると思います。  それはそれで結構だと思うのですが、さて、あれから約一カ月間経過をいたしました。特に、金融をめぐってさまざまな問題が提起をされてきているわけですけれども、この間に金融対策として特別にてこ入れをしたという対策と、それに伴う改善といいましょうか、影響といいましょうか、それはどういうふうにあらわれているか、まずお聞かせをいただきたいと思います。

児玉清隆中小企業庁長官

○児玉政府委員 お答え申し上げます。  非常に大事な問題でございまして、若干細かくなりますが、御報告申し上げたいと思います。  三月十七日に総合経済対策が打ち出されたわけでございますが、その中で一番重要な柱として位置づけられましたのは、やはり中小企業対策の円滑な金融の推進ということでございます。  いま御指摘のございました金融の確保、円滑化という点だけについてまず御報告を申し上げますと、三月十七日に発表いたしました設備資金の特段の措置ということにつきまして、これはまだ決まっておりませんが、今後決まるべき政府系の三機関の設備資金の貸出金利の引き下げにつきまして、三月十八日に前倒しで遡及するという措置を講じておるわけでございますが、これにつきまして私どもは、この趣旨が十分徹底するようにということで、政府系の三機関あてに、中小企業庁長官名と銀行局長名で通達を発しておるわけでございます。  その中身は、いわゆる一般的な問題と今回の措置を踏まえまして特に金融の円滑化に配慮するようにということでございますが、たとえて申しますと、貸出手続の迅速化、あるいは実情に応じた既往債務の返済猶予、あるいは担保徴求の適切な運用というようなこと等々でございます。  それから、そういったものを背景といたしまして、五十六年度に入りまして第一・四半期の貸付規模の認可の問題が起こったわけでございますが、これにつきましては現在御指摘のような事情にございますので、第一・四半期は前年度対比二六%増という資金量の配分を確保いたしたわけでございます。  それから、これも金融に間接に関係をいたしますが、信用保険法によりますところの不況業種の新規の指定というものが実は四月一日の予定であったわけでございますが、これを繰り上げまして三月二十日からということで、不況業種の指定を三月二十日の告示で行っております。従来の百三十業種がここで百三十五業種になったということで、信用補完面で具体的な効果を出しつつございます。そしてこれの措置は、御存じのように六月三十日までということで一応の区切りをつけております。  それから、同じく制度金融でございますが、体質強化資金助成制度の前倒し適用ということがございまして、これも三月十七日の中小企業庁長官の通達をもちまして、通産局長及び県知事、それから商工会議所の会頭、商工会連合会会長あての通達をもちまして、いわゆる倒産対策特別相談室で相談を受けまして、商工調停士が特に必要と認めたものにつきましては体質強化資金制度を適用するということで、相談と金融というものを直結する措置を三月十八日から実施をいたしております。  それから、同じく金融面でございますが、これは一般的な信用補完の一環といたしまして、先ほど申しましたほかに、信用保証協会連合会会長あて、それから一般の市中金融機関への協力という二つの面からこれも通達を発しております。信用保証協会の会長あてのものは三月十七日、これは銀行局長と中小企業庁長官連名でございます。  それから、一般的な、いわゆる市中金融機関と申しまして、これは全銀協それから地方銀行、相互銀行、信用金庫、信用組合中央協会、ここの責任者あてに長官名をもちまして、四月二日でございますけれども、中小企業に対する貸し出しにつきましては、閣僚会議の決定を特段措置するような情勢であることにかんがみまして、中小企業の経営の実情を踏まえまして適切な、かつ機動的な対処を行うようにという措置をいたしております。  これも新年度に入りまして、末端金利の引き下げ措置が現在議論をされておるわけでございますが、それが決定いたします過程におきましても、私どもは、先ほど通産大臣から御答弁申し上げましたようなあれで、十分な成果を上げますような点で金融面でも今後ともさらに努力をしてまいりたい、このように考えております。

清水勇日本社会党

○清水委員 長官にこの際一つ希望を申し上げておきますが、いまるる説明のあった、三月十七日を契機とする一連の中小企業に対する金融対策の実施状況等について、できたら一枚の紙にきちっとまとめて報告——報告というと失礼だが、出していただけませんか。私の方でいろいろ貴重な参考資料にしたいと思いますから、早急にお願いいたします。  さて、そこで聞きたいことはたくさんあるのですけれども、時間の関係がありますのではしょって申し上げますが、いまお答えになった中で触れられていなかった問題が一つあるのですけれども、たとえば親企業が下請に振り出す手形が最近非常に長期化をしている。これは建設業なんかではまたぞろ台風手形、お産手形と言われるようなそういう長期なものが非常に問題になっているわけですね。しかし、下請企業といえども、たとえば月末に払う労働者の賃金は現金でなければならぬわけですね。仮に少々手形サイトが長いといってがまんをしないではないにしても、少なくとも現金で決済しなければならない賃金相当分等は当然現金で支払わせるべきである。私は前にも申し上げたのだけれども、相変わらずこれが実施をされていないという企業が多いわけですね。不当なものはそれは公取で征伐をするというような話にもなりましょうけれども、しかしこれは時間がかかってしようがないわけなんですよ。だから、やはりこの際は、とりわけ中小企業庁として、下請代金の決済については現金で支給をしなければならない労働者の賃金等相当額は必ず現金で払え、こういうことをさらにきちっとやってもらいたい、これが一つ。  それからいま一つは、昨年二度の公定歩合の引き下げがありました。先般さらに一%の引き下げがあったわけでありますが、昨年の例で言いますと、私は二月の質問の際にも触れたのですけれども、必ずしもこの公定歩合の引き下げが中小企業金融に連動しないのですね。それが中小企業の事業者の非常に大きな悩みなんです。五月に入って金利の幅が最終的に決められるのだろうと思います。政府系三金融機関にしても、無論できるだけ借りやすい資金にするための利率というものが配慮をされ、これが三月十八日にさかのぼる、こういうことでないと期待外れに終わらざるを得ないということになりますが、時間の関係がありますから簡潔でいいです、その辺についてちょっとお聞かせをいただきたい。

児玉清隆中小企業庁長官

○児玉政府委員 まず第一点の下請代金の点でございますが、これは先ほど御説明申し上げましたところで落ちておりますが、ほぼ金融措置と同時に下請につきましても厳重な警告を発しておりまして、特に建設業関係につきましては事態が深刻でございますので、これにつきましては所管であります建設省におきまして、非常に強い通達を二度ほどにわたりまして発しておられるところでございます。もちろん、その具体的内容といたしましては、賃金相当分、これは現金で払うこと、これが原則であるからこれを遵守しろということが一番中心的な内容になっております。もしそういうことで遺憾な点がございましたら、私どもは連絡を受けまして公取と一体となりましてこれの指導、取り締まりに当たりたい、このように考えております。そういう措置を政府につないだということによりまして不利益を受けることはないということをはっきり通達の中でも書いておるわけでございますが、そういったことによりまして、私どもはできるだけ実情に即した浸透を図ってまいりたい、このように考えております。  それから第二の点でございますが、いわゆる公定歩合の引き下げその他の一連の金融政策が中小企業の窓口面になかなか反映しない、浸透しないという問題でございます。  この点につきましては御指摘のような実情が現在もございまして、非常に追随率が悪いという点がございます。伝えられるところによりますと、中小金融機関におきましていわゆる資金コストの点で下支えが入ってしまいまして、なかなかコストの面で追随できないという事情はあるようでございますが、この点につきましても、先ほど来申し上げましたような金融行政上の措置として十分浸透を図ってもらいたいということを政府部内でもお願いをいたしておる次第でございます。  それから、金利の連動体制でございますが、これにつきましては、たとえば中小の政府機関の金利にいたしますといろいろと資金運用部を通じた財投資金に頼っている部分が非常に多いわけでございますが、そのもとになります預託金利がいわゆる預貯金という層から集めたものもございまして、そういうものについてもやはり中小企業政策との兼ね合いという問題がございます。預貯金者の立場という問題がございましていろいろ話し合いが進んでいるわけでございますが、この面につきましても、私どもは中小企業政策の立場からできるだけ金利連動が三機関の金利に反映いたしますように、預貯金が下がったことを背景として十分その浸透を図ってその効果が実際的に出るように期待もいたしておりますし、私どもといたしましても側面的な働きかけを行っている次第でございます。

清水勇日本社会党

○清水委員 法案に触れる時間が大変短くなって失礼千万なんでありますが、短い時間でありますので私も簡潔に承りますから、さようお答えを願えればありがたいと思います。  今度の改正で、債券発行限度額を二十倍から三十倍に上げる。安定的な原資の確保ということを考えるわけでありますから、それはそれでいいと思います。ただ問題は、従来からも資金の調達は債券の発行というものに依存をする度合いが非常に高いわけですね。勢いこれが資金コストをプッシュする、押し上げる、そこでさらに債券発行に依存をするというウエートを大きくするということが金利に影響をするというようなことがあってはならないんじゃないかと思うのです。さっき商工中金の理事長が言われるように、できるだけ長期、できるだけ低利の資金を中小商工業者に安定的に供給をする、これが商工中金の役割りであろうというふうに思うわけですね。だから、正直言いますと、中小公庫等々に比較をしてどうも商工中金の金利は高い、こういうことが、ただでさえ指摘をされているわけですから、このことが、つまり限度額を引き上げ依存度を高めるということがさらに金利高に連動していくというようなことのないようにしてもらいたい。これが一つ。  それから、政府としても、全体として商工中金の金利をできるだけ引き下げていく、こういう努力をすべきだろうと思うのです。私も前にも指摘をしたんですけれども、そのためには、それは確かに政府出資額も年々増額されている、しかし、年々行われている程度の増資では金利下げというものになかなか結びつかない規模なんですよ。だから、一回くらいは思い切って金利下げにつながるような大幅な政府出資を行う。しかも、政府出資が思い切って行われることを通してそれが金利下げにつながるというようなことになりますと、民間の出資もそれに誘われて、多少刺激を受けて増大をしていくという機運をつくることができやせぬか。だから、やはりそういう点をひとつ考えてもらいたい。  それからいま一つは、詳細にお聞きをするつもりでありましたが、時間がありませんから聞きませんけれども、たとえば現在の政府引受債、その残高を見ますと、七、三の割合で利子の高い利付債にウエートがかかっているわけです。政府の引受債は金利なんかどうでもいいとは、そんなやぼなことは言いませんけれども、しかし、できれば政府が引き受けるものは利率の多少低い割引債の方へむしろ集中することによってそういう面からも金利を幾分でも下げる、こういう前向き、意欲的な努力が行われなければなかなか金利なんというものを下げることにはならないんじゃないか、こう思いますが、以上の点、ひとつ一括して要領よく納得のいくようにお答えをいただきたい。

木下博生中小企業庁計画部長

○木下政府委員 お答え申し上げます。  まず、お話しになりました第一点の、長期低利の資金を中小企業者に安定して供給できるようにするために努力すべきだ、それで債券発行限度を上げることによって資金コストを上げることになるんじゃないかという点での御質問でございますけれども、今後増大します資金需要に応じていきますためには、もちろん私どもとしては政府出資の額をふやし、それから民間出資の額をふやすことによって、それで債券とそれから出資額あるいは預金額とのバランスをできるだけ保っていくという形での運営をしていく必要があろうかと思います。そういうことから、政府としては、できるだけ政府出資の増大に努めるというようなことによりまして、今後コストが上がっていくのをできるだけ防いでいきたいというふうに私どもとしては考えておりますし、また商工中金におきましても、従来から商工中金自身の経営努力によりましてできるだけ効率化を図ってコストを上げないようにしていくということをやってきておりますので、今後もその努力を続けてもらうように指導してまいりたいと考えております。  それから、政府出資につきましては現在七、三の割合になっておりますけれども、厳しい財政下にはありますが、今後もますますその資金需要の増大に応じて政府出資をふやしていき、それが引き金になって民間出資がふえていくように増大さしていきたいと考えております。  それから、割引債と利付債との比率の問題でございますが、確かに先生御指摘になりましたように、政府の引き受けております債券のうち、相当部分が利付債であるという点はそのとおりでございますけれども、これにつきましても、資金運用部資金の全体の運用の体系の中で、できるだけ低利の資金が債券の引き受けという形で商工中金の方に流れていくように、私どもとしては大蔵省の方とも十分相談してまいりたいと考えております。

清水勇日本社会党

○清水委員 市街地再開発組合等を所属団体にすること等についても、若干の意見もありますし、お尋ねもしたかったわけでありますが、時間が参りましたので、その余の点は他の同僚委員にお願いをいたしまして、以上で質問を終わります。  ありがとうございました。

野中英二自由民主党

○野中委員長 午後三時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十一分休憩      ————◇—————     午後三時三十五分開議

野中英二自由民主党

○野中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。水田稔君。

水田稔日本社会党

○水田委員 若干、午前中の清水委員の質問と重復する点があるかもしれませんが、法案についてそれぞれ質問してまいりたいと思います。  一つは、商工会の現在の組織の状況、それから現在のいわゆる事業の内容ですね。もちろん商工会の主たる事業は、恐らく大半が経営指導なり記帳指導ということでしょうが、そういうことは別にして、それ以外にどういうことを現実にやっておるかということをまずお伺いしたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 お尋ねの商工会の組織及び事業の現状でございますが、現在全国で商工会が二千八百六十設立されておりまして、会員は百七万三千という数でございます。これは、商工会地区に該当します商工業者の数百六十万四千の六六・九%に当たるわけでございまして、これは組織率でございます。  それから、商工会の事業でございますが、御指摘のように実は大部分が経営指導、それから記帳指導といった指導業務でございますけれども、それ以外に、その地区におきます総合経済団体という立場から、たとえば大売り出しをやりまして商業を振興いたしますとか、あるいは商調協を開きまして例の大店法の関係のいろいろな審議をいたしますとかといった商業対策、それから地元の観光地のPR等々のいわゆる観光対策、それから融資のあっせん等の金融対策、それからさらに小規模企業共済とか倒産防止共済とか、そういった共済事業の手続代行あるいは社会保険等の事務代行、それから記帳の代行というようなことをやっているわけでございます。

水田稔日本社会党

○水田委員 実際問題としては、たとえばその地域の祭り、商店街を中心にした祭りであるとか、あるいは交通安全とか美化、緑化運動等もやっておるのではないですか。いかがですか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 御指摘のとおり、美化、緑化運動あるいは交通安全運動等々やっております。これは、やはり本来の目的であります商工業の総合的な改善発達に資するということで、いわば付帯的にやっているわけでございます。

水田稔日本社会党

○水田委員 それからもう一つ、実際に商工会館を持っておるのが大分あると思うのですね。そこなどでは、いわゆる手数料ではなくて使用料等を徴収して会館の運営をやっておると思うのですが、それはどの程度ありますか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 仰せのとおり、現在みずから商工会館を持っておる商工会が約千五百ございまして、これはその地区のいろいろな行事にお貸しすることがしばしばございます。この場合には実費と申しますか対価としてお代をちょうだいしておるということがあるようでございます。

水田稔日本社会党

○水田委員 もう一つは、商工会館に関連して、駐車場等を持ってその使用料等の徴収をやっておるのもあると思うのです。いかがでしょう。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 ごくわずかな例でございますけれども、一部商工会館に付属した土地を駐車場としてお貸ししている例があるように聞いております。

水田稔日本社会党

○水田委員 それから、違った面でお伺いいたしますが、一つは五条の関係なんですが、「商工会でない者は、商工会という名称を用いてはならない。」という条文があります。六条に「商工会は、これを特定の政党のために利用してはならない。」という条文があるわけですが一具体的にどこでどうということは申し上げませんが、こういった点が厳密に守られておるのかどうか、私は疑問に思うわけです。その点について中小企業庁としてはきちっとした指導がこれまでできておるのかどうか、あるいはそう言われても仕方のない面が一面あったとお考えになっておるのか、その点をお伺いしたいと思うのです。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 商工会の監督につきまして二つお尋ねがあったと思いますが、一つは、まず第五条の名称制限の関係でございますけれども、これにつきまして、商工会でない者が商工会という名称を使ってはならないという規定があるわけでございます。これは、立法の当時そういう規定が入りまして、立法されてから三年以内にそういった名称を使っている者は改めなくてはならないという規定がございまして、もうとうに三年は過ぎているわけでございます。その後、そういった類似の名前を使っている者があるということは耳にいたしておりますけれども、これは全くの任意団体でございまして、本法に基づきます正式の商工会とは非常に違ったものというふうに受け取られておりまして、たとえばそれによって混同を招いて、第三者が非常に損害を受けたという例もないような事情でございます。したがいまして、たとえば本法に基づきますどこかの商工会がそれによって非常に被害を受けたので裁判所に申し出たというような例も特に聞いておりませんために、特に罰則を適用した例はいままでないわけでございます。現在も特にそういった状況の変化がないので、われわれとしましては、特にそういう罰則等の手続はとっていないわけでございます。  それから、もう一つのお尋ねの第六条の問題でございます。  政治的中立性の問題でございますが、これにつきましては当然ながら、こういった地域の総合団体であります商工会が政治利用されてはならないということでございますために、中小企業庁といたしましても、たとえば選挙などがありますときに、それに先立ちまして中小企業庁長官名をもちまして商工会等に通知をいたしまして、政治的中立性を守れというような通達をいたしておりまして監督をしているのが実情でございます。

水田稔日本社会党

○水田委員 先ほどお伺いしました、いわゆる祭りであるとか交通安全であるとか美化、緑化運動あるいは商工会館の使用料の徴収等、こういうものの根拠がないということで今回の改正をやろうとしておるのだろうと思うのですが、その点はいかがですか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 今回の改正の項目でございます社会福祉一般の事業を加えること、それから商工会館等の施設の設置、維持をすること、これにつきましては従来も、その地区の商工業の総合的な改善発達に資するといういわば付帯的な事業としてやってまいったわけでございます。かなりの商工会でそういったことをやっているわけでございますが、今後その商工会が各地域におきまして、より密接な地域振興への関与をいたします場合に、そういった事業も単なる付帯的なものでなくて、正面から直接的にそういった目的を持った事業を行い得るようにしようということで、いわば今後そういった事業が重要であり、かつ継続的であり、また多くの商工会で行われている普遍的なものとなるということを期待いたしまして、今回の改正をお願いしているわけでございます。

水田稔日本社会党

○水田委員 いまの法律でそういうことが読み切れないからこの改正をやろう、こういうことだろうと思うのです。私は、法律というのはつくった以上少なくとも原則的には守っていく、五条、六条についても、具体的に挙げるということはしませんけれども、それは十分な指導ができていないという疑いがあるから申し上げておるわけでありまして、午前中の清水委員の質問にもありましたように、商工会というのが商工会議所に比べてきわめて零細な業者の集団であるだけに、経営とかあるいは現実の商店の運営ということでは、そのことにまだまだ足りないことがたくさんあるわけですね。だから、そちらへウエートを置いてやるべきではないか。その中で、守るべき法律はきちっと守らしていくという前提でやらなければ法体系というものは崩れてしまうわけでしょう。その点を、現在の法律の中で枠を越した問題、そしてほかの条項でも、きちっと守るべきことを守らしてないということについては、これからの問題としてきちっと守らしていくという指導をやるという態度をとってもらわぬと、後追いを国会で認めてくれというようなことになってしまうわけですね。その点はひとつ法律の運用の問題について中小企業庁の決意のほどを聞かしていただきたい、こう思うわけです。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 御指摘のように、今回お願いいたしております改正の中身につきましても、今後それが厳正に行われますようわれわれとしては指導してまいるつもりでございます。特に商工会が、今後地域の活動につきましてさらに密接な関係に立つわけでございますので、御指摘のような点を踏まえまして十分にこれを遂行してまいるつもりでございます。

水田稔日本社会党

○水田委員 ぜひそのようにお願いしたいと思います。  そこで、今回の改正の一つの柱である「社会一般の福祉の増進」、先ほど幾つか言われたのですが、具体的にこの条文によって今度読む、何と何と何を考えてこういう条項を入れられたのか、もう一遍確認のために御説明いただきたいと思うのです。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 「社会一般の福祉の増進に資する事業」でございますが、われわれといたしましては、地域社会の福祉の増進に直接役に立つ事業ということで、具体的には祭事、お祭りの実施、これは住民のコミュニティーと申しますか地元の社会への帰属ということにも非常に役に立ちますし、また各地域の伝統文化の保存という意味もあるわけでございますが、そういった祭事の実施というのが大事なことかと思います。それから、住民の教養の向上という見地からいたします講習会、講演会等の開催、そういった文化的な行事。それから、住民のためのレクリエーション運動でございます。たとえば早朝野球大会とかいうようなことをやっておるようでございます。それから地域の美化、緑化運動等々でございます。それから、さらに社会福祉施設への寄付ということがこれに当たろうかと思います。これらは、商工会議所ではすでに広範に実施されていることでございますし、また商工会も、先ほど申しましたように付帯的な意味でかなり実施されている例が多いわけでございます。  そこで、今回この改正に当たりまして具体的にどういうことを期待しておるかということを各商工会、これは約二百数十でございますけれども、それにアンケートをいたしました。また同時に、その商工会の属しております市町村の行政の方にもお伺いしたわけでございますが、そのときにこういうことをやりたいということで挙げてまいりましたのが、繰り返しになりますけれども、お祭り、それから地域の文化活動、住民ぐるみのレクリエーション、それから健康診断の実施、美化運動、交通安全運動、こういったものを挙げてきております。それから、その市町村の方からもほぼ似たような、似たようなといいますか、ほとんど一致しておりますけれども、そういったものをその商工会が今後やる事業として期待をしておるということを伺っているわけでございます。  以上のようなものが今回の社会福祉一般の事業になるかと思います。

水田稔日本社会党

○水田委員 商工会議所法に全く同じものが載っていますね。商工会議所と商工会を比べた場合、全く同じことができる財政基盤なりあるかどうかということになると、全く違うと思うのですね。  本来、たとえば企業の社会的責任という言葉がよく使われるのです。それは、企業がいまの社会の中でもうけるのは自由だということで勝手気ままなことをしてはならぬ、その地域に住んでいる人たちへも影響が大変あるということ等を含めて言うわけですね。本来、商工会がその会員である商工業者の発展を通じてその地域の住民にいろいろプラスの影響を与えていく、そういう意味の社会福祉といいますか、そういう面での影響というのをまず第一義的に考えるべきじゃないか。  後で触れようと思っていましたが、この際申し上げますが、たとえば商工会議所というのは、地方を見ても県庁所在地だったら、商工会議所の会頭というのは年商何百億という会社の社長なんです。商工会というのはまさに零細業者の寄り集まりですね。財政基盤が全然違うわけです。ですから、いわゆる福祉団体がやるような仕事を少々やったところで、財政的にも結構もつわけですね。だから、そういう点から言えば、商工会が考えるのは、ウエートはむしろ商工業者が経営基盤を固め発展する、そしてそれらが寄り集まっている商店街なり地域の地場企業が伸びることによってその地域の住民に影響を及ぼしていく、そういう形での社会的な責任が果たせるような条件をいかにつくってあげるかということの方が、現状からいったら、商工会議所と商工会の条文が違ってもウエートをそこに置けるようなものであって、それに対して国からの助成がどれだけできるということの方が本来の姿じゃないかと私は思うわけです。あえて、この条文に反対という意味じゃなくて、本来のあり方はそうじゃないかという意味で申し上げるのですが、いかがでしょうか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 御指摘のように、商工会は当然ながら商工業者の自主的な組織でございますので、あくまでも第一義的にその地区内の商工業の改善発達を図るべきものであるということは今後とも変わらないわけでございます。  ただ、今回の改正によりまして、先ほど申しましたような地区内の社会一般の福祉の増進の事業も加えることにはなりますけれども、これは当然本来の仕事をおろそかにしていいということではございませんので、その能力に応じてやっていくということになろうかと思いますが、現在のように商工会がより地域と密着した存在になっていくという状況におきましては、従来の経営指導中心の業務はもちろんのこと、それ以外に、たとえば広域的な事業をやることによりまして地域の魅力をさらに高める、あるいは人口の流出を防ぐ、あるいはそれによってさらに組織率が高まっていくというような効果をもたらすような広域事業をやるということも今後の一つの方向かと思われます。直ちに全面的にそれが期待できるという状況にはないにいたしましても、そういった道を開いていく必要があろうかと思うわけでございます。  繰り返しになりますけれども、あくまでもそれは本来の商工会の業務をおろそかにしてはならないのでありまして、それとあわせて財政力等々能力に応じて今後広域的な仕事をやっていくということを期待するわけであります。

水田稔日本社会党

○水田委員 先ほどから申し上げますように、また午前中清水委員の方からも意見がありましたように、商工会の会費というのは年平均六千円ぐらいですね。これは町村単位ですから規模は非常に小さいものですね。一体何ができるか。事務局長の問題も午前中出ましたけれども、現在会員である商工業者の指導と助成といいますか、そういったことに対してどれだけのことができるかということは、完全にでき切れていないと思うのです。それは一体どうすればできるのか。たとえば事務局長を全部配置すればできるのなら、したらいいわけですね。それで会費をふやせというようなことは、そうは言っても町村の零細な業者でそう簡単に会費をふやすということはできないと思うのです。大変なジレンマに陥っているのが現状じゃないか。たとえば指導員が一人おる、その一人が出ると、実際にはだれか来ても相談には乗れない。二人おればできる。それは全体にやるということは大変なことです。そういうことも含めて今度福祉関係は正式の事業にしてやろうということですが、全部ボランティアでやれるものじゃないと思うのです。あるいは役員の中心的な人に物すごいロードがかかるかもしれないということになる。いまは法的にあれがないものですから、やれることはやろう、だからノーと言うこともできる人もおるわけです。今度は事業になるわけですから、決めたらおまえらついてこい、こういう話になるわけですね。いまの財政規模の中で、基盤が非常に脆弱だと私は思うのです。単に人だけ配置してもらって、経営指導あるいは記帳の指導だけで事足りるような、いまの町村の商工業の実態はそんなものではない。もっと何らかの指導なり助言ができる体制が本来は必要だと思うのです。  そこで、いまの財政基盤と事業をそうやって拡大するわけですが、そういう点で問題点は一体何があるのか、あるいはそれを切り抜けていくための実のある商工会の活動をするためには、具体的には中小企業庁としてはどういうことを考えておられるのか。いま予算もきちっと決まっておるわけですし、それからこの法律も出しておるわけですから、この枠の中だけではなくて一つの方向というものを聞かせていただきたい。

児玉清隆中小企業庁長官

○児玉政府委員 お答え申し上げます。  大変むずかしい問題でございまして、実際活動をいたします第一線の商工会も、いま御指摘の点は悩んでいる点だと思います。若干鶏と卵の関係がございまして、商工会が非常にいい活動をすれば財政基盤の方も強化しやすいわけでございますが、いい仕事をするためにはまた金を集めなければいかぬという問題がございまして、その辺の兼ね合いをどうするかは非常にむずかしい点でございます。  要するに、商工会の活動というのは地域に根差した、地域と一体となった活動が一番基本でございまして、縦割りの業種別組合と違います点はそういう点でございます。したがいまして、産業と社会が一体となりまして溶け合った形でその地域経済に具体的に貢献する、そうしてその中でお互いが繁栄していくということでございまして、商圏を掘り下げてお互いにその商圏の中で相互扶助、助け合っていくと同時に、その産業活動の基盤となるその地域社会の向上あるいは充実といったものと密接不可分に進んでいこうということだろうと思います。  そういった性格からいたしますと、一つは財源の構成の点でございますが、現在におきましても六六%が国と地方公共団体の合成された補助金になっておりまして、自主的財源と申しましょうか、いわゆる会費収入に依存しておりますのは一一%でございます。これは、いま申し上げましたような商工会の性格及び商工会のメンバーであります小規模零細性という点からいきますと、そういった構成にならざるを得ない点がございまして、にわかに会費の大幅値上げというのは実際問題として非常に困難がございます。したがいまして、財政の六六%をさらに大幅にふやせるかといいますと、この辺も実際問題としては相当むずかしい問題もございまして、着実に進めていく以外にございません。  あと第三の道といたしますと、商工会の活動によりまして自前の財源をつくり出していくということになるわけでございますが、それも営利性を伴ったものではいけないわけでございまして、やはり営利を目的としないという社会公共性を踏み外さない形におきまして自主財源をつくっていく必要がございます。そういった第三の道を着実に進めますためには、現在もそうでございますが、若干公的な仕事が委託事業としてございます。現在の例で申し上げますと、一つは社会保険の事務代行がございます。それから記帳の代行。それから、青色申告会あるいはスタンプ会、事業協同組合等から委託を受けましてそういった受託業務をやりまして、それの見返りといたしまして手数料あるいは受託料等をちょうだいする。そういうものを財源に少しずつ積み立てていくということがございまして、いま申し上げましたようなことは、その地場の商工業者の経営改善という観点からも非常に貢献するところが大きいわけでございまして、単に手数料収入だけでプラスであるのみならず、実際にはそういった仕事がその地場の商工業者の地位の向上にもつながっていく、あるいは経営の近代化につながっていくという面を持っておりますので、そういった第三の道の充実が非常に有効ではなかろうかと考えております。  もちろん、御指摘のように公的性格が強いという面もございまして、今後やはり商工会に対しまする助成という面では私どももできる限りの努力はしなければいけない、このように考えております。

水田稔日本社会党

○水田委員 やはり、たとえば社会保険の事務代行とか記帳代行とかいうのを業務としてやれば、これはまさに営利を目的としたあれですから、本当は当然法に触れると私は思うのです。それをやりますと、たとえば社会保険労務士というのは資格を取って業としてやっておるわけですから、広がっていけば仕事が減るということで恐らくどこかでトラブルが起きるだろうと思うのです。記帳代行も、やり方によったら税理士会の方からまた文句が出るかもしれないということですね。  私は、商工会議所と商工会を同じに考えなくてもいいのじゃないかと思う。そういう意味で、いわゆる大企業と零細企業というような物の見方での商工会に対する助成というのを、これはきょうの返事じゃなくてもいいですけれども、そういうことを考えない限り、自立できる、本当の目的を達成できるような商工会の活動はなかなかできないんじゃないか。商工会議所というのは、社長は専念しておっていいわけですよ。全部やってくれる、そういう人が会頭になっておるわけですね。そして経営基盤も相当なものがありますから、何も補助金に頼るのじゃなくて、ほかの会費を出せと言ったら相当の金額でも負担できる能力のある、余力のある人たちがおるわけですから、それを全く同じような基準で人員の配置等を考えたいまの考え方を改める、ひとつぜひそういうことを検討していただきたい。  いまやっておられることに水を差すわけじゃないのですが、そういうことで努力されることはいいと思いますが、ただ商工会なら商工会で社会保険の事務代行をずっとやりますと、その近くで業としてやっておる社会保険労務士が仕事をとられれば当然そこで問題になってきましょうね。社会保険労務士はどこからも補助をもらわずに自前で営業しておるわけですからね。そういう問題もあるということだけ指摘申し上げまして、少なくとも商工会議所と違った意味での自立できる財政基盤の確立のための格別の方法をひとつ検討していただきたい。これは要望しておきます。  それから、それに関連いたしまして、商工会に比べて商工会議所の組織率が二六・八六%ですか、半分以下なんですが、それはどういう理由なのか。商工会議所へ入ったってそれほどメリットはないということなのか、どこに問題があるのか。これは都市部にあるのと町村部にある違いで、商工業においては変わりはないわけですから、どうしてこういうことになるのか。この五年間の増加の数を見せてもらいましても、たとえば商工会議所は全国で五カ所、商工会は四十三です。五年間でそのくらいですから、組織化について、あるいは宣伝ですか、PRですか、そういうことをそれほどやらぬでもいいということでやってないからこういうことになっておるのか、どういう理由なのか、聞かせていただきたいと思うのです。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○神谷政府委員 御指摘のように、商工会議所の組織率は商工会に比べましてかなり低いわけでございます。商工会議所が地域の総合経済団体としてその任務を果たしていくためには、やはり地区内の商工業者の大多数が会員になることが望ましいわけでございますけれども、そうなっていないその理由はどうなのか、こういうことでございますが、御承知のように、申すまでもなく商工会議所は原則として市を単位としておりますし、特に大きな都市が含まれておるわけでございます。大都市においては、これはあたりまえのことですが、商工業者の数が、絶対数が非常に多い。絶対数の多いのを高い組織率に持っていくというのは非常にむずかしいわけでございまして、われわれの方でも実は都市の規模別に商工会議所の組織率を調べてみますと、たとえば百万人以上のところは一三・七%程度、これが五万人未満になりますと五三・八六%というような形で、この間連続的に規模が小さくなりますとやはり組織率が高くなる。大きな都市の低い組織率が全体としての低い組織率に影響しておるのではないかと考えられます。  御指摘のように、商工会議所の会員になってもメリットがないんじゃないか、特に小規模の事業者にとっては余りメリットはないのではないか、こういう指摘もございますし、また地区団体としてそのあたりのところも十分反省せねばなりませんので、商工会議所では地区内の規模の小さい事業者のための経営改善指導であるとか、あるいは相談、情報提供といった活動の強化を図っておりますし、あわせて、これと同時に組織率の向上に努めておるところでございます。現実に、逐年わずかずつではございますけれども、組織率は高まってきておりまして、たとえば昭和三十七年一二・五%、五十年の三月末で二三・三%、これがだんだん上がってきまして、五十五年三月ですと二七・七四というような数字になっておるわけでございます。  先ほど申し上げましたような原因がございますので、なかなか飛躍的にはまいりませんが、こういう努力をさらに続けていくよう指導してまいりたいと考えております。

水田稔日本社会党

○水田委員 昭和五十年七月四日の衆議院の商工委員会で、「中小企業政策の確立に関する件」という決議があるわけです。その中には、いわゆる従業員の福祉対策、これは恐らく商工会に加盟しておられる業者の六〇%以上は、一人から四、五人ぐらいまでしか使ってない。そういうところに限って労働者の定着というのは非常にむずかしいし、そのことがその仕事の盛衰に直接影響するだろうと思うんですね。そういう点でこういう決議がなされたわけですが、これは労働者の方で法律云々じゃなくて、実際に中小企業の発展のためにどういう中小企業庁としての改善のための指導がなされたのか。  それからもう一つは、ここで経営指導員及び記帳指導員等の増員の問題と待遇改善ということも決議されておるわけです。それがどのように改善されておるのか、あわせてひとつお聞かせを願いたい、こういうように思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 昭和五十年の七月四日に衆議院で「中小企業政策の確立に関する件」という決議をいただいておるわけでございます。その六番目に、経営指導員等の増員、待遇改善、それから小規模企業の従業員に対する各種の福祉対策の強化といった項目があるわけでございます。  具体的な改善を要すべき項目としまして、中小企業退職金共済制度の改善とか、あるいは小規模企業の従業員に対する社会保険制度の全面適用といった問題を含んでおるわけでございまして、これはそれぞれ所管官庁で改善策を進めておるわけでございますが、中小企業庁といたしましては、先ほど御指摘ございましたように、こういった各地域の小規模事業者の従業員の福利が、当然ながら直接その地域の商工業の振興につながるという意識を持ちまして、こういった従業員の方々の福祉対策にいろいろ努力しているわけでございますが、たとえば五十四年度の実績をとってみますと、これは全国の商工会全部の合計でございますけれども、小規模事業者の労働問題に関する相談指導等をいろいろお受けしているわけでございます。四十三万件ほど五十四年度にはその御相談があったわけでございますが、その大部分が労災保険なりあるいは年金それから退職金共済への加入といった小規模事業者の従業員の方々の労働問題に関する御相談を受けて、それに乗ったということでございます。また、この間労働問題に関する講習会というようなものも開いておりますし、また中小企業退職金共済制度に関係いたします加入促進業務等々をやりまして、それぞれの商工会におきまして地域の小規模企業の従業員の方々の福祉をいろいろやっているということでございます。  それから、もう一つめ点でございますが、商工会の経営指導員あるいは記帳専任職員といったいわば補助対象職員の方々、これについての増員と待遇改善を図るというのがやはりその決議に入っているわけでございますが、この増員につきましては、逐次予算的にもその増員を図っているわけでございまして、たとえば五十六年度予算におきましては、経営指導員、これは全国でございますけれども、七十七名の純増、それから補助員としまして四十名の純増、それから記帳専任職員が三百人の純増というものを確保いたしているわけでございます。  今後ともこういった方向で、必要な人員の確保に努めてまいりたいと思っているわけでございますが、また待遇につきましても、いろいろ給与の水準あるいは諸手当の改善を図りまして、現在の段階ではほぼ国家公務員に近い、ほぼ同様の水準になっているということが言えるかと思います。

水田稔日本社会党

○水田委員 いま答弁の中にもありましたように、別に社会一般の福祉にこだわるわけじゃないのですが、経営の内容の指導とかあるいはそこに働く労働者の福祉というのは、これはその商工業にとっては一番振興につながる、いま答弁になったとおり振興につながる問題なんです。この方をまず法律に入れて、その次に社会一般が入るなら私はいいと思う。別にそこまで修正意見で申し上げるわけではないのですが、それほど実は従業員問題というのは大事な問題だろうと思う。私は、いまいろいろ御答弁ありましたけれども、いわゆる使用者の側での相談に乗るのではなくて、逆に使用者には少々気に入らなくても、労働者の条件をこうすることによってそこに定着するぞというような、そういう指導が本来入るべきではないか。これは答弁、結構ですが、今後のいわゆる従業員の処遇改善という問題につきましては、少なくとも官庁として指導する場合には、商工業者の立場だけに立つと、それはやはりだめです。だから、むしろその言えない、組織もされてない従業員の処遇の問題等については、むしろ中小企業庁の方からそれをすることが、いま出費が少しふえるかもしれないけれども、それはひいては振興につながる。やっぱりこういう指導をしてもらいたいということを要望として申し上げておきます。  それから、法律の中で今度文章が変わるのですが、いわゆる資格の問題です。このただし書きに、商工業者以外の者について定款で定めればいいということなんですが、具体的にはこれは何か基準を示さないと何でも入るだろうと思うのです。何でそれを示すのか、そしてその範囲は具体的にはどういうものを考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 今回改正をお願いしております点の一つが、会員資格の緩和と申しますか、現在までこの商工会の会員たる資格を持ちます者は商工業者、その地域に営業所等を有します商工業者でございますが、今回これを緩和いたしまして、定款によりますればそれ以外の者も入れられるということにするわけでございますが、御指摘のようにどういう者が入ってもいいというものではございませんで、今回の目的といいますか改正の趣旨、すなわち商工会が今後ますますその地域の中で本来の仕事を中心に事業を進めてまいりますために、商工業者でなくとも商工業に非常に密接に関連した方々に入っていただいて、その意見を商工会の業務に反映するということができるようにするという目的でございます。  で、基準と申しますか、この定款に定められ得る者といたしましては、ただいま申しましたように、その地区の商工業に密接に関連のある者ということにいたしまして、さらにまたそれを具体的に申しますれば、たとえば地区内に営業所を持っております相互会社ですとか公社でございますとかあるいは青色申告会、商店会といった団体、あるいは青年部、婦人部の代表者といった方々になろうかと思いますが、こういった者につきましては、いわゆる模範定款例を定めまして、これによって、これを一つの基準として指導いたしたいということでございます。  各商工会で定款でお決めになる場合には、その模範定款例に沿ってやっていただくということでございますし、都道府県知事の認可事項でございますけれども、その際にその模範定款例を参考にして認可していただくということにしてございます。

水田稔日本社会党

○水田委員 直接商工業に関連がある、あるいは振興に関係がある、こういうぐあいな基準だろうと思うのですが、これは事前の説明の中で私もおかしいなと思ったのは、たとえばという中にロータリークラブがある。ロータリークラブが入るならばライオンズクラブも入るんだろうか、こう思ったのですが、そこらあたりになるとまさに、それは一人一人の会員、クラブの会員の人が商工業者というのはありますけれども、そういう選び方をするのかどうかというのをちょっと疑問に思ったものですから、その点は模範の定款例ですか、その中にはそういう者は入るんでしょうか、入らないのですか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 模範定款例で定めますのは、先ほど例に幾つか挙げましたが、そういった者に限定をいたしたいと思っております。ロータリークラブ等につきましては、これはその地域の商工業に密接に関係する者という範疇にはちょっと入りにくい者と思われますので、それは排除いたしまして、先ほど挙げたような者で、限定的に書こうというつもりでございます。

水田稔日本社会党

○水田委員 いわゆる日本が高度経済成長から低成長にならざるを得ない。エネルギーの問題からそうなってまいりまして、大きなコンビナート方式の発展というのは、これからはそれほど考えられない。そういう点から言えば、地場産業、地場企業というものをいかにもう一遍復興するかということがこれからの大きな課題だろうと思うのです。  そういう中で今年度の予算で、いわゆる地域におけるビジョンづくりのための予算というのが、一カ所三百万円で二十カ所組まれておるわけです。これを実際に、先ほど来ずっと午前中からの論議にありましたように、いまの商工会、これは大変失礼な言い方かもしれませんが、商工会の現実にやっておる仕事の能力から言いまして、三百万円流しても本当に新しいビジョンづくりができるんだろうかという疑念があるわけです。いままさに町村における商工業者の受けておる影響というのは、たとえば交通体系が一つ変わることによって大変ドラスチックな影響を受ける、あるいは大型店舗が一つ出てくることによって大変な影響を受ける。事前の調査なんというのは恐らく商工会なんかじゃできないと思うのですね。しかし、このことがきわめて大事なことであることは間違いないのですが、そういう点では確かに県の商工会の連合会というのもありますけれども、それしも、いわゆる商工会議所、県庁所在地の商工会議所等に比べれば、まさにそういう点では対応できるそういうメンバーを持っているかというと、私は疑問に思うわけですね。ですから、非常に大事な事業ではありますけれども、受け入れる体制が予算を流せばそれで効果のある、そういう計画ができ上がるかどうかということに大変疑問を持つわけです。出す以上効果のある、そして本当にそのことが大事な事業だけに効果あらしめてほしいと私は思うのですが、具体的に指導なり助言ができる体制がなければ、私はおざなりの計画——大変失礼な言い方かもしれませんけれども、金は出したけれども本当にそのことによってよかったなどいうように商工業者が思う計画にはならないのじゃないか、そういう気がして仕方がないのです。その点は、いかがな指導なりあるいは助言ができる体制をつくるようにお考えになっておるのかお聞かせいただきたい、こういうように思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 御指摘のように、今回各商工会にその調査、研究の事業をお願いしているわけでございまして、特に五十六年度からその地域の商工会のビジョンというものをつくっていただくということにしてございます。これは、一つの商工会でそれをつくる能力が十分あるというものがそうあるわけではございませんので、当然ながらこの作成に当たりまして、中小企業庁といたしまして十分な指導と協力をいたしたいと思うわけでございます。  また、商工会の全国組織であります全国連合会におきましても、当然ながら個々の商工会の業務あるいは連合会の業務の指導という立場にあるわけでございますから、そういった方々のお知恵も借りまして、せっかくのビジョンづくりでございますので、後まで有効に使えるようなものをつくっていただきたいと思っております。

水田稔日本社会党

○水田委員 中小企業問題は、抽象的な答えでは具体的なあれにはならぬと思うのですね。私が申し上げているのは、たとえばいまの陣容を考えるときに、県の単位商工会にしても県の連合会にしても中央にしても、人というのはほとんどが補助金によって賄われておるのが大半なんですね。それは仕事は限定されているわけです。私が申し上げるように、いまの経済的な変動というのは、一つは交通体系の変化もあるし産業構造の大きな変革、そういう中で起こってくることですから、一つの町村だけで見たってだめなんですね。相当大きな圏域での大変な変化が起こる。ビジョンですから、たとえば一年先どうだとかいうようなことじゃないと思うのです。これから十年、二十年先のこの地域の産業構造なり交通体系等も含めた、そういう検討がされたものを出していかなければ、具体的な対策がそこに出てこなければ意味がないわけですね。その点では、大変失礼な言い方かもしれませんと私が申し上げたのは、たとえば商工会の県の連合会なり中央でそれだけの陣容をいま持って、そういう人たちをちゃんと確保しておるかというと、恐らくないのじゃないだろうかと思うのですね。その点では、何らかのそれができる条件をどうやってつくるのですか、こういう点をお伺いしておるわけです。  そういう能力を持った広域的な、それは産業構造の問題も交通体系からも含めた、場合によっては国際的な経済の変化の中でその地域の産業はどうなるということまで含めて、それがこの町村にどういう影響を及ぼす、そこまでのものを見なければそれは絵にかいたもちになる心配がある、こういう気がするわけですから、いまの御答弁ではまさに実際にできるのだろうか、私は疑問に思いますね。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 御指摘のように、現在の商工会またその地区を取り巻く経済の環境の激変があるわけでございまして、先般、中小企業政策審議会から発表されましたいわゆる中小企業ビジョンによりましても、国際的な事態の変動それから産業構造の変化、国民ニーズの変化あるいは雇用労働問題の情勢の変化といったものに対処しまして、今後の中小企業、特に地域中小企業の発展を図っていかなくちゃならないという状況下でございます。  そういったあらゆる条件に応じての今後のビジョンをつくってまいりますために、やはり各地域で専門家の方々、たとえば学識経験者の方々を中心として委員会組織といったものをつくっていただきまして、そこでいま申し上げましたようなあらゆる角度から、かつ将来相当長期に向かいまして勉強していただくというような組織をこれからつくってまいりたいと思っておるわけでございます。

水田稔日本社会党

○水田委員 地域の学識経験者というのは、その町村という意味でしょうか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 町村でいい人材が得られた場合にそれでも十分かと思いますけれども、当然ながら広域的な問題を含んでおりますので、その県あるいはさらに広い地域からそういった委員会への参加をお願いしたらいかがかと思っております。

水田稔日本社会党

○水田委員 まさに私はそうだと思う。場合によったら、二十カ所ぐらいならある程度中小企業庁が、全国的な視野での産業構造の問題なりあるいは交通体系の問題等の専門的な人をたまには派遣するぐらいのことを考えなければ、実のあるものにならない。それから、県段階での学識経験者の意見も十分入れなければならぬ。そういう点では、三百万では金が少なくて十分なものができないかもしれませんから、そこらあたりをやって実のあるものをまずどこかでつくるということを積極的にやってほしい、こういうぐあいに要望を申し上げておきます。  それから、商工組合中央金庫法の一部改正に関して、商工債券の発行限度額の二十倍を三十倍にするということなんですが、これは今度農林中金も同じく二十倍から三十倍、銀行法がどうなるかということで出てくるようにはなったようであります。これがもし通りますと、さらに日本興業銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行なども全部発行限度額が二十倍から三十倍になる。いわゆる債券市場でこれだけ全部が、まあ資金需要に応じて発行するのですから、一遍に三十倍やるわけじゃないのですが、出資金をふやさないで上げていくわけですから、そういう点で言えば債券市場の資金というものは窮屈になってくるのではないだろうか。そういう点で、いろんな銀行、金庫が限度額を引き上げていくという中で資金が十分賄えるかどうかという心配をするのですが、その点はいかがですか。

木下博生中小企業庁計画部長

○木下政府委員 ただいま先生がおっしゃいましたように、商工中金そのほかの金融機関で債券発行限度を高めようという案ができているのはおっしゃったとおりでございます。商工中金につきましては、現在債券発行限度が約五兆四千五百億円くらいで、五十六年三月末が四兆三千億円ということで約八〇%弱の限度ということになっております。  近年における債券発行高の伸び率をここで考えていきますと、この調子でいきますと来年度かあるいは再来年度ぐらいにはその限度に近づいていくというようなおそれも生じますので、中期的に中小企業金融の円滑化を図るために、その債券発行限度いっぱいになって資金調達できなくなることを防ぐために、あらかじめその限度を高めておこうということでございます。したがいまして、いま先生がおっしゃいましたように、二十倍から三十倍に引き上げましても直ちにその限度いっぱいの債券を発行するわけではございませんで、そのときの資金需要に応じまして徐々に発行額をふやしていくというようなかっこうになっていくかと思います。  それで、日本経済全体が拡大していくわけでございますから、当然債券市場、金融市場というのも大きくなっていくわけでございますので、そのような拡大に応じて商工中金もその債券を発行していくということでございまして、商工中金あるいは農林中金その他の金融機関が限度を広げるからといって、直ちに債券発行競争が起こるということはないんではないかというふうに考えております。  商工中金におきましては、従来から政府及び政府系機関あるいは保険会社等々、安定した債券の引き取り先が行われておりますし、個人にも広く債券が売られておりますので、いままでと同様の債券売り込み努力をやっていけば、商工中金にとって必要な資金は十分調達できるのではないかというふうに考えております。

水田稔日本社会党

○水田委員 資金コストの問題ですが、午前中にこれも清水委員から質問があったのですが、もともとこれは発足のときから半官半民、フィフティー・フィフティーの出資一千万円ですか、で出発をしておるわけですね。いま七、三になっておるわけです。これは配当が五分なんです。債券市場で資金調達をすれば、五年もので七・九%、一年もので七・六%、これは当然均率で払っていくわけですね。ですから、コストの点から言えば、出資をふやすことによってやれば資金コストは安くなる。金利を下げることもできる。たとえばいまの出資総額をフィフティー・フィフティーにすると、民間五百億ほど出せばということになるのですが、とてもじゃないが出せないだろうと思うのです。たとえば五百億上積みすれば、一三・八%の年率の伸びで見ても、二十倍の枠でもう二年ぐらいはいけるということになるわけですね。そういうことよりも、資金コストを下げて金利を下げるという努力、いわゆる内部の経営努力というのもありますけれども、少なくとも大綱的にはやはり出資で賄うのか、いわゆる債券市場で賄う率の問題でコストは決定的に決まってくる。そうしますと、五分と七分九厘、七分六厘といえば、それがいわゆる留保という形で片一方では差額が残っていくわけですね。  そういう点では、これは清水委員も触れましたように、政府の出資ということもさることながら、もう少し民間も努力していいのではないだろうか。そのことがコストにはね返り、金利にはね返ってくるという点で、午前中も答弁ありましたけれども、私も重ねてその点を、七、三、そのままでいいんだということでもないんじゃないかという気もするものですから、政府の方も努力すると同時に、加盟しておる各組合ももう少し努力していいのじゃないか。そのことが本来のこの金庫の目的を達するための条件をつくっていくことになるのじゃないか、そういうぐあいに思いますものですから、お答えいただきたいと思います。

児玉清隆中小企業庁長官

○児玉政府委員 お答え申し上げます。  金利の問題は、商工中金につきましてはかねがねいろいろ問題が出ておりまして、これの改善につきましても私ども頭を痛めておりますが、御指摘のように、まさしく商中の金利を薄めますためには、間断なき出資の投入ということが必須要件だと思っております。そういったことで、ここ三、四年来、できるだけ商中の金利アップを抑制できるような形で、一般会計からの出資という形で投入をいたしておりますけれども、それで必ずしも十分というところではございません。  かたがた民間の出資でございますが、民間の出資が、本来の原則のようにフィフティー・フィフティーということで、政府と同額にいくのが理想的ではございますけれども、第一次オイルショック以降の状況を見てまいりますと、出資者であります組合、特に中小の組合になりますと、出資余力が現実にはなかなかないというのが実情でございまして、心ならずも現在は七、三という結果を招来しているわけでございます。  今後とも、御指摘のように金利を軽減するためのオーソドックスな措置といたしまして、政府の出資もさることながら、民間の活力をできるだけ早くつけて、民間出資も引き出してあるべき姿の方向へ誘導してまいりたい、このように考えております。

水田稔日本社会党

○水田委員 終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 北側義一君。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 商工中金法の一部を改正する法律案、また商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案に先立ちまして、まず田中通産大臣にお伺いしたいんですが、この八〇年代は、いわゆる中小企業にとりまして、戦略的にも海外投資を考えていかねばならない時代だ、こう言われておるわけです。そこで、今回中小企業庁にも国際室が設置されましたし、また中小企業の海外投資のアドバイザー制度等設けられたわけです。  そこで、最近の新聞報道等見ておりますと、欧米諸国やサウジアラビアなどから、わが国の中小企業の誘致の話で通産省に協力要請が来ておる、こう聞いておるわけですが、田中通産大臣として、これらの欧米諸国、またサウジアラビアなどの中小企業の誘致に対してどのように対応なされようとしておられるのか、それをまずお伺いしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 私ども、ASEAN諸国をお訪ねしたときに、エネルギー問題あるいは人材の養成、製品輸出の問題なども提唱いたしましたけれども、中小企業の育成ということを項目の中にうたいまして、鈴木総理大臣ももちろん中小企業の育成がASEAN諸国にいいんじゃないか——東南アジア諸国でも、私はその他の国々を回って提唱いたしました。これはわが国の経験からも、これらの諸国は中堅企業、中小企業の育成が経済の発展につながるのじゃないかという観点からでございました。  新しい五十六年度予算におきまして、北側委員御指摘のように、海外投資のアドバイザー制度というものを私ども設けまして、そういうアドバイスをできる一つのシステムを創設したわけでございます。そのほか情報の提供、それからいろいろなあっせんの問題などもございまして、できるだけ日本の中小企業を紹介する。そして現地にこれを育成することが、日本と東南アジア諸国との交流にも非常に役立つという観点から、情報の収集、提供だけじゃなくて、人材の養成というようなことから、研修生の日本側における養成、現地における養成などもしておりますし、その後各国から——各国と申しましても、主として中近東あるいは東南アジア諸国でございますけれども、これらの国々からいろいろな要請がございますので、セミナーのあっせんその他のことにつきましても、私どものできる限りのことを事務当局も十分あっせんして、これらの国々との交流をより一層深めるべく努めておる段階でございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 最近、中小企業の海外投資が非常に急増しておるわけです。そこで、資金力の弱いこういう中小企業のために、情報の収集とか提供、また人材の育成、資金の供与、このようなことをやって中小企業にアドバイスして海外投資を助けていこう、こういうことでいろいろやっておられると思うのです。  具体的に予算措置されたもので、この中小企業の海外投資を助けるものとして、大体どのようなものを考えておられるのか。

山崎衛中小企業庁指導部長

○山崎(衛)政府委員 お答えいたします。  五十六年度予算におきましては、第一に中小企業海外投資アドバイザー制度、これは海外に長く駐在した人たちをアドバイザーとして中小企業事業団に登録しまして、海外投資をしたいという中小企業の相談に応ずるという制度でございます。  それから、第二の対策といたしましては、海外投資中小企業管理者研修と申しまして、やはり中小企業の場合には、情報とともに人材の不足の問題がございますので、海外へ行くような中小企業管理者につきまして集中的な研修を行うということを考えております。  さらに、海外投資のための情報事業の一環といたしまして、中小企業の海外投資につきましていろいろな情報ファイルを整えるとか、そういうことと同時に、海外から中小企業に来てほしい、それに応ずる中小企業がわが国に存在するかどうかというようなことを含めまして、中小企業で海外投資を希望するかどうかというようなあたりの基本リストの作成といったものを含めて、予算化をしたわけでございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 では、次に、今回の商工中金法の一部改正ですが、けさほども少し質問がありましたとおり、商工債券の円滑な消化によって、商工中金の貸し付け原資の安定化を図っていこう、こういうわけでありますが、この商工債券の場合でもどの場合でも同じであろうかと思うのですが、金利につきまして、やはり金利というのは高い方がいいと言う人もおれば、安い方がいい、こう言う人もおるわけです。両者あるわけです。そこで、貸し付けを受ける側にすれば、金利が安い方がいいでしょうし、また、商工債券、いわゆるリッショーとかワリショー、こういうものを購入する側から見れば、これは当然利率の高い方がいい。  そこで、現在、公社債市場において、国債とか地方債、また社債、金融債、こういう債券が多数出回っておるわけです。債券の利率から見て、商工債券が果たして原資の増収に大いに役立つだろうか、そういう疑問を私自身が持っておるわけなんですが、その点、商工債券の発行の増大にどのように具体的に取り組んでいかれるのか、それをお伺いしたいと思います。

木下博生中小企業庁計画部長

○木下政府委員 商工債券は、現在利付債の五年もので七・九%という率で発行されております。この金利は、興長銀等の長期信用銀行が出しております金融債と同じ金利で出しておるわけでございます。先生おっしゃいましたように、そういう金融債、そのほか国債等も大量に発行されておりまして、それらの債券が市場で売られているわけでございますけれども、そういう中で債券を売っていきます場合に、もちろん買う方にいたしますと金利が高い方がいいということは言えますが、発行いたします金融機関といたしましては、その資金を用いまして貸し出しをやっていくわけでございますので、その点を十分考慮しなければいけないということになろうかと思います。  商工債券の場合には、過去五年間で年率約一三・八%というような率で債券が発行されてきておりまして、ほかの金融債よりもやや高い比率で従来債券が売られてきておるわけでございます。  その背景といたしましては、政府系金融機関が発行する債券であるという意味での信認が高いということのほか、商工中金の場合には、比較的全国各地に支店を持っておりまして、そういう支店を配して、一般個人や地方の法人、企業等に店頭販売をやっているというようなことで、わりあい販売がしやすいという面もございます。そのほか中小企業事業団等、中小企業関係事業団の余裕金運用というような形でも商工債券が買われておりますし、政策に協力するという意味で保険会社あるいは市中金融機関の引き受けも得ておりますので、今後とも安定的に消化が期待できるのではないかというふうに考えられます。それ以外に新たな機関投資家等も出てくると思いますので、債券発行市場全体の環境は今後厳しいものがあるとは思いますけれども、努力をすれば十分消化できるのではないかというふうに考えております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 けさほど、商工中金の影山理事長さんが、商工債券といわゆるグリーンカード制度の実施、これについて少しお話しになっておられたわけです。  そこで、このグリーンカード制度というのは、これは実施するか、実施しないかというのは、海のものとも山のものともつかないと思うのですが、もしこのグリーンカード制度が実施されますと、商工債券の消化についてかなりの影響が出てくるのじゃないか、私はこういう見方をしているわけです。と申しますのは、たとえばグリーンカード制度が実施されますと、御承知のとおり、その場合は源泉分離課税は廃止されまして総合課税になるわけですね。としますと、商工債券のワリショーなどは割引金融債であるわけですから、その利子所得は源泉分離課税を選択すると、現在税率が三五%、これについて、ワリショーの割引債の利子である償還差益については二八%、これは優遇されておるわけですね。この恩典が、グリーンカード制度ができますと、まずなくなるということですね。これが一つです。  第二点目に、この商工債券を転売できなくなるおそれがあるということです。と申しますのは、期間中の、たとえば売り手、買い手、これを税務当局が完全に把握することは、この途中では無理だということですね。と申しますと、不可能に近いのですから、当然結果として、グリーンカード制度ができますと、満期時の最終保有者から税金を徴収しなければならないようになるのじゃないか、こういう見方ですね。そうしますと、満期直前には、税の徴収を考えると商工債券はなかなか持ちたがらない、常識としてそうなっていくのじゃないか、こう思うのです。これが第二点です。  次に、またグリーンカード制度を実施しますと、たとえばグリーンカードかもしくは住民票の写しを示して、住所、氏名を記入した告知書を金融機関に提出することが義務づけられるわけですね。そうしますと、買うとき、現在ですと一六%だけ税金を払えば、無記名債の場合、住所、氏名、これは載らないで済むわけです。これまでの割引金融債の売りものは、そうした場合に、商工債の場合にも適用できると思うのですが、減少してくるのではないかと思うんですね。ですから、このグリーンカード制度が、たしか五十九年だと思いますが、もし実施された場合には、この商工債券、特にいわゆる一年もののワリショーですね、これは御承知のとおり割引金融債になっておりますので、売れ行きというか、出ていくのがうんと減る、そういう心配があるのじゃないかと思うんですよ。そこはどうお考えになっていますか。

木下博生中小企業庁計画部長

○木下政府委員 グリーンカードの適用の問題につきましては、現在大蔵省、国税庁の方で、実際具体的な運用のやり方について検討をされているというふうに私ども聞いておりまして、まだ内容についても十分私ども聞いておりません。  ただ、先生おっしゃいますように、確かに割引債につきましては、現在低い税率での源泉徴収で税金を取っておりますので、その制度がなくなって総合課税になるという点は確かだと思います。ただ、割引債全体、商工中金の割引債だけではなくてほかの長期信用銀行の割引債も、取り扱いは全く同じことになるわけでございますし、それから利付債につきましてもその取り扱いが皆同じような形で変化することになるわけでございますので、したがいまして、条件としましては、特に商工中金の債券だけが悪くなるということは必ずしも言えないと思いまして、全体のグリーン制度が適用される体系の中で債券の売れ行きがどうなるかというような問題になってくると思いますので、今後グリーンカード制度自身が適用されたときにその金利関係がどうなるか、税金関係がどうなるかということを考えた上で、各金融機関とも発行の政策を考えていくということになるのではないかと考えております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 もうそのとおりだと思うのですね。やはりここで考えなければいけないことは、いまですと税金を考えないでこういう債券を買えるわけですね。ところが、グリーンカード制度が実施されました場合に、まともに税を総合課税やられるので、当然お金を債券じゃなくしてほかのものにかえていこう、そういう傾向が最近でもぼつぼつ、金市場あたりはそうなってきているわけですよ。そこらも頭に置いておかなければいけないのじゃないかというのが私の意見なのです。なるほど各債券全部同じでしょう。当然同じような条件でやるのでしょう。しかし、特にいま私が申し上げましたようないわゆる一年もののワリショーあたりは、割引債券ですから、そういう点で出ていくのは非常にむずかしくなるのじゃないかという考えを私自身が持っておるわけです。そういう点でお聞きしたわけです。  それから、商工中金は商工組合の団体貸し付けや団体の構成員に原則として貸しておるわけですが、その原資は商工債券によるものが中心となっておるわけです。これに政府の出資金と団体出資金が加わっておりますが、大半は債券によってなされておるわけです。そのために、財投資金あたりを使っておる中小企業金融公庫また国民金融公庫、ここらと比べますと非常に利率が高いのですね。私はそういう声をよく聞くわけです。わりかた割り高になっておるわけです。特に短期が非常に高いわけですね。長期のものを少し見てみますと、三年を超え七年以内ですと、組合貸し出しの場合九・一。これは間違いかどうか知りません、間違っておったら間違ったと言ってください。構成員の貸し出しが九・四。七年を超えますと組合貸し出しが九・二、構成員貸し出しは九・五、こうなっておるわけです。私、見てみますと、非常に高いように思えてかなわないのですよ。その点どうお考えでしょうか。

木下博生中小企業庁計画部長

○木下政府委員 商工中金の貸し出しの中で長期資金と短期資金の占める割合でございますが、約六、四ぐらいの割合で、短期資金の貸し出しの割合が四〇%ぐらいございます。それに対しまして原資の方でございますが、これは政府出資や民間出資の出資金のほかは、預金貸しが二〇%ぐらいありますが、一番大きな部分は金融債でやっている、金融債の中でも長期の五年ものの利付債でやっているというようなことがございまして、その貸付原資は比較的長期の資金を使い、それで四割ぐらいのものを短期で貸しているというようなことがございまして、特に短期資金についてはやや割り高な感じを与えているというような点はあるような感じがいたします。ただ、これはあくまでも表面的な金利の高さでございまして、実質金利というような点を見ますと、中小専門金融機関としての補完機能は十分果たしているのではないかというような感じがいたしております。  現在、商工中金の貸しております中心的な金利は、これは一年から三年もののものでございまして、これが組合貸しの金利が八・八%ということになっておりますけれども、これは中小企業金融公庫や国民金融公庫の基準金利と全く同じ金利でございます。これはあくまでも標準とする利率ということになっておりまして、商工中金が実際に貸し付けを行います際には、これを基準として貸し付けを行っているわけでございまして、標準とする利率を下回るものも六割ぐらい出ているというようなことでございまして、全体としてはできるだけ低い融資金利で融資を行うように商工中金として努力をしているということでございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 また、今回の一部改正で、市街地再開発組合を所属資格団体に追加することを考えておられるようですが、この都市再開発法という法律は、昭和四十四年に審議されまして、その当時私も建設委員をやっておりまして、たびたび質問させていただいたわけですが、四十四年から今日まで十二年過ぎておるわけです。市街地再開発組合を資格団体に追加したその経緯というのはどういうものなのか、それをお聞かせください。

木下博生中小企業庁計画部長

○木下政府委員 先生ただいまおっしゃいましたように、昭和四十四年に都市再開発法ができましたときに、なぜその市街地再開発組合を商工中金の対象組合としなかったのかという疑問が出てくるわけでございますけれども、その当時、私どもといたしましては、再開発事業を行うに当たって、その関係の中小企業者は事業協同組合等を組織するとかあるいは既存の事業協同組合に入って、そういう組合を通じて商工中金から資金の融通を受けるというようなことになるのではないかというようなことを考えましたために、特に市街地再開発組合を商工中金の所属資格団体というふうにはやる必要がないだろうと考えたわけでございます。  しかし、先生おっしゃいましたように、十数年経過いたしまして、実際の事業がどんどん進んでまいりますと、場合によってはわざわざそのために事業協同組合をつくるというようなこともなかなかむずかしいというようなことがありまして、その対象となる中小企業者は零細なためになかなか資金を借りにくいというようなケースも出てきたというようなことを受けまして、この際、今回の改正の中で、この市街地再開発組合を対象とさしていただきたいと考えたわけでございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 私、市街地再開発組合を所属資格団体に追加することは反対ではない。賛成です。賛成ですが、余りにも私たちの目から見ますと、とっぴのような感じがするのです。  と申しますのは、都市再開発法の施行に当たりまして、組合施行の市街地再開発事業、これは大体駅前再開発というのが多いのですね、組合施行の場合は。地方自治体の施行の場合は住宅が非常に多いわけですけれども、組合施行の場合、大体駅前再開発が非常に多い、こういうことです。そういう場合は、大体小さな商店がたくさんあって、そこを再開発をやろう。商店の人は比較的小規模企業の人が非常に多いですから、当然資金的に困るということは、もうこれはわかり切ったことなんですね。また、そういう組合をつくっても、大手がばあんと入っておるとわりかたうまく、スムーズにいっておるのです、いままで見ておりますと。ところが、大手が入っておらない場合はその組合自身もやはり資金的に非常に困る。そんなことはもうこの法律案を四十四年に審議したときにわかっておるわけですよ。それがいまさらなぜここに出てくるのかなという単純な疑問ですが、そういう疑問を持つわけです。ですから、いまの質問をしたのです。  次は、建設省になるのですかね。実はこれは建設省からいただいた資料なんですが、答弁はどちらでも結構です。  組合施行再開発事業について、商業再開発地区では、いわゆる事業完了だとか工事中だとか事業計画認可だとか都市計画決定だとか計画準備中、全部含めまして四十六のうち三十二がデパートもしくはスーパーが出店した、または出店する予定、こうなっておるわけです。大体見ますと、四十六のうち三十二というのは、三分の二以上がスーパー、百貨店が出てくるわけです。今回の法改正で市街地再開発組合を資格団体に追加することになった理由として、商業再開発地区に出店もしくは出店しようとするスーパー、百貨店の進出をたやすくしようとしてこういういわゆる追加がなされたのではないかというような、これは考え過ぎかわかりませんが、この数字を見ていると、そうとも受け取れるような感じがしてならないのです。その点どうでしょうか。

木下博生中小企業庁計画部長

○木下政府委員 確かに先生おっしゃいましたように、市街地再開発事業を組合でやっておりますケースの中で、特に商業再開発をやりますケースが数が多うございますけれども、その中に大規模店舗を入れていくというケースは確かに過去においてもございますし、現在計画中の中にもございます。この問題は、一般的に小売商業と大規模店舗との問題、一般的な問題と全く共通する問題でございまして、その点につきましては通産省といたしましても、今後も大規模店舗と小規模零細商業者との間の調整問題を十分図っていきたいと考えているわけでございます。  ただ、商業再開発をやる市街地再開発組合の場合に、確かに一つの建物の中に大きな店舗が入りますと、それと共存する形で、その地区におります小売商業者、サービス業者の人たちも一緒にその中に入っていく、そして共同で店舗を持つあるいは集団で店舗を持つという形で、その地区におります小売商業者、サービス業者の方々の近代化のためには非常に役立つわけでございます。それで、大規模店舗があるということによってその地区にお客がたくさん集まるというようなことがございますので、その市街地再開発事業自身の成功につながっていくというようなことから、そういう大きな店舗を入れてきているということではないかと思います。  その場合に、それじゃその周辺の小売商との関係が起こるじゃないかというようなことがございますので、これは一般論といたしまして、大規模店舗の問題として私どもとしては十分慎重に取り扱っていきたいと考えております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 私は、決して悪いという意味で言っているわけじゃないのですが、ただ余りにもこの組合施行の場合、スーパー、百貨店、これが多いわけです。そこで、小売業者が泣きを見ないようなやり方をぜひともやってもらいたい、こういうことで御質問申し上げたわけです。  それから、建設省済みません、先般建設業協会がまとめました昭和五十五年度の会員倒産状況によりますと、倒産件数が八十五件、前年比六三・五%、非常に大幅にふえておるわけです。倒産の原因については、従来では放漫経営、こういうのがあったのですが、五十五年の場合は受注の減少、資金繰りの悪化、これが主な原因となっておるわけです。中でも、建設業でも中堅、中小企業の建設業者の倒産が非常に多いわけです。  そこで、政府が先般発表なさいました第二次経済対策のうち、公共事業の執行率を、来年度上半期の契約率を全体の七〇%以上にしよう、こういう方針が出されておるわけです。その七〇%の契約発注、これは中堅や中小建設業にとっては全く干天の慈雨といいましょうか、経営不況の続いております業界にとりましてこれは非常にありがたいことなんです。  そこで、これらの中堅、中小業者に発注を増加するよう何らかの手を打っておられるのかどうか。手を打っておられるようでしたら、その状態等御説明願いたいと思うのです。

谷田部嘉彦建設省計画局建設振興課長

○谷田部説明員 先生御指摘の点につきましては、昭和五十六年度上半期の公共事業の契約率の目途を七〇%以上といたしまして、直ちに発注機関に所要の事務手続を速やかに進め、円滑かつ的確な執行を図ること、また、私ども発注標準と言っておりますが、それぞれの事業の規模に応じた事業者に発注するという発注標準の遵守あるいは分割発注の推進、共同請負制度の活用等による中小建設業者の受注機会の確保等につきまして通達をいたしております。  また、特に建築関係の業況が不振でございますので、公共建築工事について中小建築業者の受注機会の増大に一段の配慮をするよう指導いたしております。  なお、全般的に従来やっておりますが、中小企業に対する発注の比率を確保するよう、別途に目標を定めて発注するよう指導しておるところでございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 実は、私がここに持っております資料は「省庁等別官公需実績の推移」過去五年の数字なんですが、これによりますと、五十年度から五十四年度までの省庁等別官公需実績の推移、建設省の昭和五十四年度の官公需総実績のうち中小向け実績が四六・一%、平均より非常にいいわけです。ところが建設省関連の各公団を見てまいりますと、昭和五十四年中小企業向け実績が、日本住宅公団の場合は三四・一%、日本道路公団が二三・二%、首都高速道路公団が一七・五%、阪神高速道路公団が二五・八%、このように建設省と比べますと非常に低くなっておるわけです。これにはいろいろな理由もあるでしょう、あることは私もわかりますが、やはりこういう中堅、中小建設業は非常に大変な状況のときですから、できたら日本住宅公団、また日本道路公団、阪神高速道路公団、首都公団、ここらも建設省並みの、いわゆる中小企業向けの官公需の発注、何とかひとつこれをしてもらいたいと思うのです。それについてはどうお考えですか。

谷田部嘉彦建設省計画局建設振興課長

○谷田部説明員 公団等につきましては、事業の性格上、大規模工事の比率が高いといった事情がございまして、中小企業向けの発注比率が直轄事業等に比べて相対的に低くなっておるわけでございます。  この点につきまして、各公団別に見ますと、それぞれ毎年発注比率の増大に努めてきておるところでございまして、たとえば日本道路公団の場合には昭和五十三年に二二・五%でございましたが、五十五年には二三・二%、阪神高速道路公団の場合は五十三年が二二・三%でありましたが、五十五年には二六・四%にする、このように各公団ともすべて比率を高めてきております。今後も中小企業者の受注機会の確保を図るために、発注実績に相応したような発注比率の増大に配慮してまいりたいと存じております。  なお、合計で見ますと、公団の発注比率の合計が年々下がってきておるように見えますが、これは中小企業向けの発注比率の高い日本住宅公団の事業費の伸びが相対的に低くなっているということから、見かけ上、公団全体の中小企業向け発注比率が低まってくるというような事情がございますが、各公団としては非常に努力をいたしておるところでございます。今後も努力していきたいと考えております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 この問題は、なるほどあなたがおっしゃるとおり、年々徐々には伸びておるわけです。しかし、先ほど私がお話し申し上げましたとおり、対前年比六三・五%も大幅に倒産が現在出ておるわけです。そういう状況もありますし、またいわゆる七〇%の契約を上半期でやろうというわけですから、この際ぜひともこれは中小企業向けの発注を行うように、建設省からひとつ指導してもらいたいと思うのです。住宅を見ましても、土地を見ましても、中小建設業というのはやはり非常に苦しいのは変わりないと思うのです。だから、いつもと同じような考え方でやってもらうと困ると思うのです。再度それに対しての御答弁をいただきたいと思うのです。

谷田部嘉彦建設省計画局建設振興課長

○谷田部説明員 先ほど御説明申し上げましたとおり、公団の行います事業は非常に大規模工事の比率が高いということから、やはり事業の規模あるいは性格に応じた発注を行う必要がございまして、格段努力はいたしておるところでございますけれども、やはり限界がございます。その中でなお今後も十分配慮いたしたいと存じておりますので、今後努力するということで御了承いただきたいと存じます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 なるほど、技術的にそこまでいかない中小建設業者もおられるでしょう。しかし、中堅企業あたりはかなりの技術を持っておるわけです。ですから、ジョイントベンチャーでやろうと思ったらできるわけですから、そこらもひとつ考慮に入れて、ぜひとも中堅、中小建設業者を助けていただきたいと思うのです。  それから、次に、石油代替エネルギー政策や省エネルギー政策を中小企業分野まで推進していこう、こういうことで、中小企業金融公庫の石油代替エネルギー貸付制度の創設や省エネルギー貸付制度の特利化、これがなされておるわけですね。現在、政府系中小企業金融機関の利率の引き下げによりまして設備投資がかなり増加の傾向にある、こういうことも知っておりますし、また、エネルギー対策投資促進税制の創設がなされておる、こういうことも知っております。しかし、中小企業にとりまして、個人消費が御承知のように非常に停滞しておる状況の中で、果たしてこの資金が利用されるのだろうか、こういう疑問を持っておるのですが、いかがなものでしょうか。

山崎衛中小企業庁指導部長

○山崎(衛)政府委員 先生の御質問は、省エネルギー投資がこれから中小企業分野で進むかどうかという御質問だと思います。  私ども、昨年は、中小企業白書でも分析しておりますが、確かに第一次石油ショック後、中小企業のエネルギーの消費量原単位、これは生産一単位当たりのエネルギー消費量でございますが、これは低下傾向にございます。ところが、消費額原単位、これは生産額に占めるエネルギーの代金でございますが、これは大企業が五十年をピークにしまして若干下がりぎみなのに対しまして、中小企業の場合にはむしろ上がりぎみという問題がございます。したがいまして、今後エネルギー価格の上昇というのは、中小企業の経営を非常に圧迫する要因でございますので、対策よろしきを得れば、先生の御指摘の金融、税制、それ以外にもエネルギー診断バスというような制度を五十六年度から創設しまして診断指導も行いますので、中小企業の省エネルギー投資は今後進むと私どもは考えております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 中小企業は、代替エネルギーとか省エネルギーの投資をする場合に、中小企業としては当然エネルギー価格の今後の動向も考えるでしょう。そうして投資の予想収益率から金利水準を差し引いて企業にプラスになるのかマイナスになるのか、ここらはやはり計算すると思うのですよ。当然、マイナスになるようでしたら企業としては投資しません。そこで、石油代替エネルギーや省エネルギーの貸付制度は、政策的には当然やらなければならない問題であろうと思うのです。  そこで、投資の予想収益率と金利の関係、今後のエネルギーの価格の動向、これを考えてどのようにPRしていこうとなさるのか、そこらをひとつお答え願いたいと思うのです。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 エネルギー問題は私ども焦眉の急でございまして、御承知のように長期需給暫定見通しにおきましても、十年後には石油代替エネルギーを五〇%にするということで、そういう方針を進めております。したがって、中小企業に対しましても、代替エネルギーあるいは省エネルギーという観点からそういう相談室を設けて、各県にそれぞれ相談をして、中小企業の省エネルギーあるいは代替エネルギーの具体的な方針を私ども相談をして進めていこうという方針で進んでおります。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 余りむずかしい話するのはやめておきましょう。  もう時間がないので、一点だけ通産大臣にお伺いしたいのですが、第二臨調が発足しまして、鈴木総理も行財政改革には政治生命をかける、こうおっしゃっているわけです。わが党でも行財政改革特別調査委員会を発足いたしまして、現在調査を進めております。  そこで、通産省関係の補助金についてもいろいろ私、調べたのがあるのですが、五十六年度予算では中小企業対策費約七百五億八千二百七十八万円、こうなっておるわけですね。けさほども少し話があったようでございますが、この補助金の整理統合については、不要不急のものもあれば、また、現在まだまだ不十分なものもあると思うのです。  たとえば、今回の法改正で一例を挙げますと、商工会法で、商工会の中で記帳の指導員とか経営指導員、これに関する補助金、けさほどの会長さんもおっしゃっておられましたとおり、ほとんど人件費なわけです。こんなのが一律カットされますと、商工会の運営自身に非常に支障を来すのではないか、こういう考え方を私自身は持っておるわけです。特に中小零細企業の経営指導などを考えますと、一律カットなどはもってのほか、こういう感じを私自身は持っておるわけですが、この補助金の整理統合について通産大臣はどのようにお考えになっておられるのか、それをお伺いしたいと思うのです。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 いま臨調で行財政の改革ということをやるわけでございますが、そのときに補助金の一律カットということはやはり私どもも量的に質的に勘案して十分考えなければならないと思っております。  御指摘のように、新年度予算では全体で七百六億円を計上しておりまして、補助金がその中で六百三十六億、それからそのほか五十五億の補給金、それから十五億の委託費というようなものがございまして、全体の予算は、御承知のように二千四百九十七億円で全体の二八・三%でございますけれども、補助金は、全体の補助金が十四兆五千六十七億円でございまして、約〇・五%が私どもの中小企業の中に占めておるわけでございます。  したがって、いろいろな指導員とか近代化のための相談を受けるための補助金などでございますので、一律にカットしていくということでは私どもも、質的な面で商工会並びに中小企業の近代化あるいは育成ということにもなりませんので、そこら辺は十分考えてこれに対処していきたいと思っております。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 ひとつよろしくお願いを申し上げます。  最後に児玉長官に、まことにしつこいようで申しわけないのですが、マル経資金についてお伺いしたいのです。  実は五十五年度の貸付実績の速報値、これを合計で見ますと二十四万三百件、金額にして四千七百九十三億九千四百万となっておる、このように私、承知しておるわけですが、五十四年度の貸付実績と比較してみますと、同じ合計で二十万七千五百八十七件、金額にして三千六百十九億四千百万円、これが五十四年の実績なんですね。これは件数にして約一五・八%、金額ベースで三二・四%伸びておるわけです。  最近、金利が非常に安いとか、またマル経資金というのは非常に評判がよろしいわけです。物すごい増加率を示している、こう私はお聞きしておるのです。たとえば五十五年の貸付実績速報値が、金額で四千七百九十三億九千四百万、これを基礎に対前年度伸び率のまま五十六年度も横滑りで考えてみますと、六千三百四十七億一千七百万の需要が、五十四年から五十五年に伸びた率を五十五年から六年同じ率で伸ばしてまいりますとそのようになるわけです。ところが五十六年度の予算に計上されておるのは五千三百億。これは前に御質問申し上げたとおりですが、五十五年度の実績速報値と比べても、金額ベースで約一〇・六%の上乗せしかされておらないわけです。恐らくこれは間違いなく足らぬようになると私は思うのです。前長官は、大体いけるだろうとおっしゃっておられたわけです。これは、あと一年たちますと、私の考えが正しいのか、長官のお考えが正しいのか出てくるわけですが、もし足らなくなった場合、こういう資金は大事な資金でございますので、何とか補正を組むとか、いろいろやってもらいたいというのが私の気持ちなんです。どんなものでしょうか。

児玉清隆中小企業庁長官

○児玉政府委員 お答え申し上げます。  いろいろな見方がございますので、いま先生のような見方で計算なさいまして、五千三百億ではパンクするというお見通しを御指摘いただいたわけでございますが、そういう見方ももちろんあり得ると思います。  ただ、私どもの積算と申しましょうか、こういった予算を組んだ背景でございますが、実は現時点もそうでございますけれども、マル経資金の金利と、それから一般の三機関の金利との間に開きがございまして、それがならされていないために、若干経営改善資金、いわゆるマル経資金の方に殺到している傾向がございます。したがいまして、その傾向値をどの程度にカウントするかという問題がもちろんございますけれども、そういった特殊事情は厳然たる事実だと思いますので、早急に今度三機関の金利是正が行われまして、マル経資金の金利との格差がそれほど開かないということになりますと、十分消化の方もなだらかになっていくと考えております。  したがいまして、そういったあらゆる点を総合勘案いたしますと、実績に対しまして一〇%の伸びを見ておれば一応私どもとしては資金の量的な点では不足は来さないのではなかろうか、このように考えております。もちろん財政にもう少しゆとりがございますと、十分ゆとりを持った枠を先取りできるわけでございますが、現段階の事情からいたしますと、伸びの一〇%ということで組むのが精いっぱいであったという事情がございまして、なるべく私どもはほかの金利との格差を是正することによりまして、ここへだけ集中するという傾向でなしに、一般的な政府資金の消化ということがなだらかに行われることを期待しているわけでございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 時間が来たのでこれでやめますが、そうだからといって、マル経資金の利率を上げるというようなことはなさらぬようにお願いします。  ありがとうございました。

野中英二自由民主党

○野中委員長 次回は、来る十七日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十八分散会

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