商工委員会 第6号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/03/20
会議録
○野中委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島村宜伸君。
○島村委員 私は、きょうは特にエネルギー問題に話をしぼって御質問を申し上げたいと思うのであります。 〔委員長退席、辻(英)委員長代理着席〕 イランとアメリカの紛争が起き、続いてイラン・イラクの戦争が始まって、いわば第二次石油危機を迎えたわけでありますが、その後イラン・イラクの紛争も小康状態を得ておりますし、また同時に世界的な経済の停滞あるいは消費節約の徹底、さらには暖冬冷夏という異常気象が世界的にありまして、それらのことごとがむしろあずかって力になって、石油危機自体もいわば小康状態を得ているやに感ずるわけでありますが、国民の間では、ともすればもう石油危機は去ったというような何か安心感が行き渡っているような感じが私にはするわけであります。 しかし、その実態を見るときに、いま言ったような諸条件か逆転すれば一遍に石油危機はまた再燃するわけでありますし、あわせて、いまの時点ではいわばイランとイラクの紛争にとどまっておりますが、ペルシャ湾に何かの事故が起きた場合、あるいは日本あるいは世界に対する最大の石油供給国であるサウジアラビアにうわさされる何かの政情不安が出た場合、これらのときにはまた大変な石油危機を迎えることになるわけでありますが、これらにつきまして通産大臣はどのような見解を持っていらっしゃるか、伺いたいのであります。
○田中(六)国務大臣 お答えいたします。 私ども、長期エネルギー暫定見通しという計画のもとに、昭和六十五年、つまり十年後、約十年ですが、五〇%まで石油依存率を下げると同時に、反面を言いますと、代替エネルギーで五〇%を済ます。ちょうど七億キロリットルを全部で予定して、その半分、つまり三・五億キロリットルを頭に置いているわけでございます。したがって、いま島村委員が御指摘のように、いざイラン・イラクというようなところで紛争が起こった、非常に依存率が高いペルシャ湾岸諸国でございますけれども、それでは非常に不安定なことになるという観点から、エネルギーの分散ということをもちろん頭に置いておりまして、インドネシア、あるいは豪州、あるいはカナダ、アメリカはもちろん中南米諸国、中国、そういうようなところにそういう石油、石炭あるいはLNG、そういうものの分散は当然考えなければなりませんし、そういうふうに考えて、私どもはまず石油の安定確保、これを第一次の目標に、第二は代替エネルギー、省エネルギーというようなことを頭に置いて国内のエネルギー資源を節約するというようなこと。この安定確保、それから省エネルギー、代替エネルギーという三本の柱を十分踏まえて、エネルギー対策を実行していくという方針でございます。
○島村委員 わが国は、御承知のように石油依存度が七〇%を超えるわけでありますし、同時にその石油自身もまた七〇%以上を中東に依存しているわけであります。そこで、この石油依存度を一日も早く低くしていかなければエネルギーの安全保障は確保できないわけでありまして、閣議においてもすでにエネルギー供給目標がはっきり決定されているわけでございます。 そこで、いま石油代替エネルギーとして期待される石炭、原子力を初めもろもろのエネルギーの目標が掲げられているわけでありますが、これに対して個々にどのような形で進められ、この目標の達成が果たして明確に期待できるのかどうか、御答弁いただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 私ども、代替エネルギー、つまり石炭、原子力発電、LNG、地熱、太陽熱、バイオマス、その他いろいろございますが、石炭は油換算にいたしまして一億二千三百万キロリットル、これを十年後に予定しております。それから原子力は七千万キロリットル以上、それからまたLNGは七千百十万キロリットルですか、そのほかいろいろ各代替エネルギーについてもそれぞれ十年後の想定をしてやっております。 特に私どもがいま必死に取り組んでおるのは原子力発電所でございまして、いま二十一基稼働しております。そうしてこれを三十五基まで持っていくべく、いろいろなトラブルもございますけれども、何とかそういう方向に持っていこうという努力をしております。ちょうど五十数基までなりますと、十年後に五千百万キロワットから五千三百万キロワットくらいになります。いまのところ三十五基が完成してもなかなかそうはいかぬのじゃないかという説もございますけれども、最近の私どもの調べでは五千万キロワットに達するというような計算もできております。特に、原子力発電所は御承知のようにコストが非常に安いし、安全性を私ども必死になって研究あるいは努力していく。これも島村委員御承知と思いますけれども、いままで原子力発電所関係で死傷者はございませんし、私どもは大いにこれが推進のために新年度予算におきましてもそれらの対策を盛った予算をお願いしております。
○島村委員 国民の間では、いろいろな機会に話を伺ってみると、かなり知性度の高い方でも、新エネルギー、代替エネルギーが、特に新エネルギーがかなりの進捗状況を有している、要するにすでにこれらですべてが賄い得るんだという安心感が漂っているわけでありますが、新エネルギーも供給計画を見るまでもなくわずか五・五%、地熱を含めて六・五%でございまして、現在の七一%を超える石油依存度を五〇%に下げるとなれば、それ以外のもので少なくも一五、六%のものを補わなければいけない。しかし、石炭にしても天然ガスにしても、あるいは水力にしても、おのずからこれで賄える限界があるわけでありまして、帰するところ原子力に依存することが最も得策ではないか、私は実はそう考えるわけであります。 そこで、原子力発電について、さきの窪川町のリコール問題で町長のリコールが成立いたしましたことで、何か原子力発電が少し頭打ちになったというか、大変な障害を持ったような印象が持たれておりますが、大臣ほどのような御見解をお持ちでありましょうか。
○田中(六)国務大臣 いま原子力発電所が稼働しておる部分に関する限りは、アメリカは現在七十一基稼動しておるわけでございますけれども、アメリカを一番にしますと日本は世界で三、四番目にあるわけでございます。したがって、原子力アレルギーを持っておる日本の風土、そういうもののわりには原子力発電所というのはたくさん稼働しております。 しかし、いろいろ窪川町に見られますように、あるいはそれに似たような公聴会でのトラブルもございますが、私ども、そういう点はプロフェッショナルな人たちが騒動に動いておるといううわさ、あるいは現実にそういうこともあるようでございますけれども、住民の皆様によく理解できるようなPRに専念しておりますし、窪川町の案件もまたその地方のいろいろな特殊事情があるようなことも聞いております。しかし、そういうことだけに終始して、私ども、これ言いわけをできるわけはございませんし、より一層住民の理解を深めるために、予算面での立地交付金関係の問題とか、あるいは電気料金に絡む、電気料金の割引ということではないのですけれども、実質的には電気料金の負担が下がるようなこと、それからもう一つ大事なことは、先ほども申し上げましたけれども、原子力発電所は安全なんですよ、こういうぐあいですというようなPRをすると同時に、これからも絶対大丈夫というような研究の仕方を鋭意進めると同時に、原子力安全委員会におきましてもダブルチェックの方針をより一層固めて、住民の皆様に安心いただけるような体制をとっていきたいと思います。
○島村委員 この間の窪川町長のリコール問題につきましては、その間にいろいろなチラシ等がまかれているわけでありますが、中でも決定的な影響を持ったと思われるものがここにある高知新聞の夕刊でございます。 これは御承知のピッツバーグ大学のアーネスト・スターングラスという教授が、スリーマイル島の事故以後、新生児の死亡率が異常に上昇した、こういうことを週刊誌の「ネーション」というのに掲載したことによるものであります。このアーネスト・スターングラスという教授のいろいろな活動等につきまして、その後私が調べた範囲では、アメリカでは正直言って余り信用度の高い人でない。そして同時に、かつてもそういうようなことで問題があった人であるというようなことを私は知ったのでございますが、この点について御説明をいただきたい。
○田中(六)国務大臣 物事をやるのに賛成と反対と、いまパーティシペーションといいますか、参加という時代でございますし、反対も賛成もおるわけでございますが、私は、新聞に大きく報道されてばらまかれるということ、これがかなりの大きなウエートを占めて町長リコール問題が完成したというようなことも聞いておりますし、これが対策にどうしたらいいか、やはりPR不足ということ、それから住民の人たちが納得するというようなところが足らなかったという反省をしております。したがって、窪川町のことは私ども十分PR対策も含め、あるいは反対の人たちのそういう動きも十分これを学習といいますか学んで、これからの対策に努力する大きな糧としたいと思い、ます。
○辻説明員 御質問のスターングラス教授の新聞発表の件について、やや補足説明をさせていただきたいと思います。 スリーマイル島の事故によりまして、ペンシルベニア州及びニューヨーク州北部などで新生児の死亡率が増加したということが新聞に報道された、それがスターングラス教授の報告だということなのでございますが、これにつきましては私どもといたしましても、放射線医学総合研究所等の専門家の意見も聞きました結果、次のような見解を持っているわけでございます。 アメリカの放射線の事故によりますところの放射線の影響につきましては、アメリカのNRC、原子力規制委員会が詳しい調査をやっているわけでございますが、その調査結果によりますと、TMI事故によって環境に放出されました放射性物質のうち、人体に影響を与える可能性のあるものといたしましては沃素が考えられるわけでございますが、この沃素が人体に影響を与えるのは、ミルクを経まして人体に入る、それが甲状腺に蓄積されるというケースが想定されるわけでございまして、この沃素の放出量は全体でわずか十五キュリーにすぎなかったということが調べでわかっております。周辺の牧場におきますところのヤギのミルクから検出されましたものも、一リットル当たり四十一ピコキュリー、これはピコキュリーでございますから、二百五十億分の一キュリーという非常に微量なものであるということがわかっておるわけでございまして、こんなミルクでございますと、毎日一リットル乳幼児に飲ませましたとしても、その影響は五ミリレム、幼児の甲状腺に対する許容線量は千五百ミリレムというのが国際的な基準になっておりますが、それの三百分の一ということでございまして、このような微量な被曝によりまして、新生児といえども死亡するというようなことは全く考えられないのであります。 先生御指摘のように、スターングラス教授は、前にも同様なことを言っておるわけでございまして、それを契機にいたしましてアメリカの州の保健局が詳しい調査をいたしました。その結果によりましても、乳幼児の死亡率に統計的に意味があるような変化があらわれてないということを州保健局も発表しているわけでございまして、スターングラス教授は一九六九年にはストロンチウム90に関する研究を発表する、これにつきましては、アメリカの小児学会から全く根拠のないものということを言われておりますし、一九七〇年にも原子炉周辺の事故で幼児死亡率が増加しているという発表をしたことがございますが、これにつきましても、アメリカの原子力委員会によって手厳しく批判されている学者でございます。 私どもといたしましては、以上申し上げたことから、今回のスターングラス教授の意見が原子力の安全性に疑念を与えているようなことは全く考えられないというふうに思っております。
○島村委員 わが国の長期エネルギー見通しにいたしましても、石油依存度五〇%に下げるという六十五年度の目標があるわけでありますけれども、どうもこれは私の邪推かもしれませんが、ベネチア・サミットでわが国が枠として認められた六百三十万BDを前提に置いて、その枠を崩さないという、そのような考えが多少裏にあってこういう数字になっているんじゃないか。もしできることなら、たとえばフランス並みといかないまでも、フランスを見習ってもっと原子力発電所というものを強力に進める努力をすべきじゃないか、また目標をそこに掲げるべきじゃないか、そう私は考えるわけであります。 ちなみに、ここに各国のいろいろな長期見通しがありますけれども、たとえば日本の国は御承知のように一九九〇年度、いわば昭和六十五年度で一〇・九%、ところが同じような体質、日本よりは恵まれた環境にあるフランスでもすでに三〇%、そして西ドイツにおいても一五・七%という高い目標を掲げているわけであります。アメリカやイギリスのようにエネルギー事情の非常に潤沢なところは、アメリカが九・二あるいはイギリスが六・五でございますが、少なくも最も資源事情の厳しい、エネルギー事情の厳しい日本の国とすれば、当然にもっと思い切った高い目標を掲げるべきではないか、そのために政府はもっと原子力の安全性とか有利性とか経済性、すべてのことを強力にPRすべきではないか、私はそう考えるのですが、いかがでしょうか。
○石井政府委員 ただいま先生御指摘のフランスの原子力発電所立地の長期計画によりますと、電気全体の需要の約七三%を原子力発電で賄うという、きわめて意欲的な数値が公表されておるわけでございますが、これを日本の実情に即して考えてみた場合にどういうことになるかと申しますと、やはり電力の需給状況がフランスと大分違うという点は十分考慮しなくちゃいかぬだろうと思っております。 フランスの場合には、夏冬ピークの差が余りございませんが、日本の場合には夏ピークが非常に大きく出てまいりまして、原子力発電所がベースロードの発電施設であるという性格を考えますと、日本としてはフランスほどの比率に引き上げるのは非常にむずかしい。ただ、先生の御指摘のような一〇・九という全エネルギーのウエート及び電源構成におきます六十五年度の目標としまして二二、三%ということを考えておるわけでございますが、私どもはこの目標を最低限確保するという方向で、極力この比率の向上ができるような施策を今後考えてまいりたいと思うわけでございます。 ただいま先生御指摘のように、安全性、経済性及び必要性につきましては、特に原子力発電所の立地に関しまして広く一般国民のコンセンサスを得た上におきまして、地元の理解と協力を得てこれを推進する必要があるわけでございますが、そういう面におきます広報、安全対策の充実強化ということを今後とも図ってまいりたいと思っております。
○島村委員 わが国の軽水炉原子力発電所の運転を開始されてから約十年になるわけですが、この間いろいろな反対を押し切って一つ一つ歩を進めてこられた関係各位には敬意を表するわけでありますが、その間の電力量はすでにもう三千九百億キロワットアワーになっているわけであります。これを石油で見ますと約九千万キロリットルに相当するわけでありまして、それだけの石油節約が現に行われているわけであります。 こういうことごとを考えれば、現在自身でも十万トンタンカーで九百隻の輸送量になるわけでありまして、今日わが国が輸入している石油自身を考えてみると、五十四年の年間で約三十億キロリットルの輸入をしているわけでございますが、これはタンカーで延べ約三千隻、実に地球を千回も回るような勘定になるわけであります。したがって、中東情勢はもとより、国際紛争が起きるたびに日本の石油需給が揺さぶられるわけでありますので、ひとつこの点について、もういつまでも石油に依存するという体質を思い切って脱却して、国民の合意のもとに、むしろ現在の一〇・九%程度でない、思い切った目標にもう一回置きかえてみるように私はお願いしたいのであります。 そこで、この原子力発電につきましてはたまたまアメリカのスリーマイル島の事故があって、それがまた大変に大きな衝撃になったわけでありますが、そのときに、たとえば電力労連の橋本委員長はこういうことを言っているわけであります。 現在までに米国原子力規制委員会及びわが国の原子力安全委員会などが発表した事故経過並びにその分析結果から見て、スリーマイル島の原子力発電所の図式はイコール日本の原子力発電所に結びつかない。設備面では、スリーマイル島原子力発電所はバブコック・アンド・ウィルコックス社製であり、またわが国の場合にはウエスチングハウスあるいはGE社製でありますが、装置の面から比較しましても、日本の場合は、タービンがとまると同時に原子炉も停止するが、スリーマイル島原子力発電所の場合は原子炉が停止しない。したがって、日本の場合であれば、トラブルと同時に最初に原子炉が停止している。第二には、補助給水ポンプが自動起動したにもかかわらず、出口弁が全部閉止されているために水を送ることができず、事故を重大化さす一因となったが、補助給水ポンプの出口弁を全部閉止して運転が行われているなど、日本においてはおよそ考えられないことであり、あり得ないことである。 さらには、原子炉格納容器の底部にたまった一次系の排水を自動的に起動したサンプポンプで補助建屋内の廃液貯蔵ポンプに移送し、放射性ガスが外部環境に出る結果となった。日本の場合には、緊急炉心冷却装置が作動すると自動的に格納容器は隔離されるシステムになっているなど、放射性ガスが外部環境に出て住民避難という事態を招いたスリーマイル島原子力発電所と同じことには絶対ならないのだ。これは、日本では人的ミスというよりもむしろ安全規定違反あるいは法律違反ともいうべきことに当たるものだ。 労働組合の側の委員長ですら、こういうことを公の新聞で発表しているわけであります。 そこで、私は、社会党を初めとして野党の方々の中には、原子力発電にいろいろな角度から大変厳しい反対をされる向きがありますが、むしろ各党間で話し合って超党派でこの原子力発電を進めるという姿勢を打ち立てるべきではないか、そう思うわけであります。 ちなみに、フランスでは、フランス民主連合が全面的賛成、共和国連合、これが与党でありますが全面的賛成、同時に共産党、社会党も基本的には原子力開発を支持しているという事実があるわけであります。そして同時に、一部には反対運動はありますが、国民レベルではフランスは原子力なしでは将来はやっていけないという認識が定着している、こう言われているわけでありますが、日本のこういう感覚的なおくれについて大臣はどのように対処されるお考えなのか、ひとつお教えいただきたい。
○田中(六)国務大臣 原子力発電所の将来を展望するときに、日本が三十五基というときにフランスは十八から七十四ぐらいまでつくり上げる、アメリカは現在七十一の稼働が百八十九というようなことが言われております。それほど時間の経過とともに、日本はいま上位にいますけれどもだんだん後ろに下がってしまうという現実の計画があるわけでありまして、私どももそのことは非常に頭の痛いことでございます。 したがって、国民の理解と住民の人たちの理解を得ることが先決でございますが、その前に国会において、島村委員が指摘をしておりますように、与野党を挙げて一本化して、原子力発電所の効率のよさ、金のかからない点、そういうものが本当にコンセンサスを得られるようになれば、国民住民の方々も納得すると思いますし、政府もできるだけ安全性の強調、それからそういうものを含めました野党の人々の御理解も十分得るようにこれから先も努力しなければならないというふうに私は思っております。
○島村委員 最近、教科書問題がとやかく言われておりますが、たとえばここに掲げられているある教科書の例を引きますと、「原子力の平和利用として、原子力発電所が実用化されつつあります。しかし、放射能の問題が、住民をおびやかしています」。いかにも原発が危険きわまりないものだという印象を与えるような記事が載せられて、しかもこれが義務教育の課程で採用されている。これは私は大変問題だと思うのです。 そこで、ここに資源エネルギー庁あるいは日本原子力文化振興財団のつくった、たとえば「原子力発電」あるいは「原子力手帳」等の中に記載されている「日常生活と放射線」の図表があります。これによりますと、たとえば人間は黙って生活していても、日本人の場合平均して約百ミリレムの放射線を受ける。あるいは肺のレントゲンを一発受けるだけで、これでやはり百ミリレムの放射線を受ける。あるいはまた胃の透視のレントゲン写真を受ければ、これが何と千五百ミリレムの放射線を受ける、そういうような数字がたくさん出ているわけであります。きわめてわかりやすくて、この話をしますとだれでもみんなわかってくれる。こういうことの中で、たとえば原子力発電所はどうかといえば、これが年間五ミリレム以内だという許容の数値に抑えられているわけであります。何か私が聞いたところによると、ちなみに人間が同じベッドで裸で一年間つき合うと、これでわずか一ミリレム前後の放射線を受けるけれども、これはたまたま原子力発電所のへいに裸で一年間抱きついていたのと同じ数値の放射線だ、こんなような話も聞くわけであります。 たとえの方法はいろいろありましょうが、少なくもこういう大変いいものが出ているのでありますから、これらをむしろ教科書に盛り込むくらいの姿勢があっていいのではないか、いたずらに原子力発電というものが危険だという形に持っていくのは私は間違いじゃないかと思いますので、ひとつお願いをしたいのでありますが、いかがでございましょうか。
○田中(六)国務大臣 私ども総合安全保障関係の閣僚会議を持っておりますが、その際も文部大臣からそういうことが指摘されまして、そういう重大な点で等閑視しておった、つまり無視しておったようなことで、私も実は驚いたわけでございますが、これから先も、文部大臣も意識しておりますし、教科書の問題はこの原子力発電所だけのことではなくて、いろいろな誤った、本当のことでないことが盛り込まれた教科書があるということも十分わかっております。したがって、これが具体的な点については文部大臣とも十分話し合って、そういうものの改定あるいは反撃に対するPRも十分心がけていきたいと思います。
○河野説明員 お答えいたします。 原子力利用の問題はわが国にとってきわめて重要でございますので、義務教育においても、児童生徒が発達段階に応じて、主に社会科や理科の学習においてこの問題についての認識を深めるように従来から指導してまいっているところでございます。 御指摘の教科書の記述については、文部省の定めました学習指導要領は、社会科の場合きわめて大綱的に資源エネルギーを学習内容として取り扱うことを述べるにとどまっておりますので、著者によって記述内容にニュアンスの差が生じるわけでございますか、今後とも検定の過程を通しまして記述内容の改善を図っていくように努めたいと考えております。
○島村委員 次に、原子力発電所立地の問題でひとつ伺いたいのであります。 現在までにそれはいろいろな角度から検討をされてきたことと思いますけれども、たとえば青森県大間町は原発誘致に非常に積極的だと聞くのでありますが、立地計画はその後どうなっているのでありましようか。
○石井政府委員 お答えいたします。 青森県大間町におきましては、五十一年六月、大間町議会において原子力発電所立地の適否にかかわる環境調査を実施すべきであるという旨の請願の採択が行われて、隣接町村と協議の上で、五十三年五月に大間町から電源開発株式会社に対して、環境調査の早期実施方の要請があったところでございます。同時に通産省の方にもその協力要請方がございまして、通産省としては、設置者として期待されております電源開発株式会社の現実的な立地計画、設置計画がまだ具体化していない段階でございますので、通産省の立地環境調査は、設置者が行う本格的な調査の前の段階のいわば概査に当たるわけでございますが、この概査を五十五年八月から実施して、現在実施中の段階でございます。
○島村委員 同時に、CANDU炉の導入問題はその後どうなっているのでしょうか。カナダとの資源外交等を考えれば、大局的な判断から導入すべきではないか、そう考えますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
○田中(六)国務大臣 CANDU炉の問題につきましては、国内それからカナダ、いろいろ問題がございますが、事務当局が現在そういうものを具体的に把握しておりますので、事務当局から答えさせます。
○石井政府委員 当省といだしましては、CANDU炉がわが国のエネルギーセキュリティーの向上にきわめて寄与するのではないかというふうに考えております。 〔辻一英一委員長代理退席、委員長着席〕 特に、天然ウランを燃料として使用できること及びその燃料効率がきわめて高いこと、こういったことを考えまして、こういったすぐれた特性を日本に導入することはできないかという検討をいたしたわけでございますが、ただいまの段階では、導入問題とは別個の問題といたしまして、内外の諸情勢に的確に対応できるように現在調査研究を進めておるところでございます。 具体的には、先生御承知のように、もうすでに高い稼働率による安全稼働という商業炉としての十年以上の実績が示されておりますので、これをわが国に適用する場合に特に安全性あるいは耐震性、こういった個別要素の確証試験が必要であるという判断から、これまでそういった要素研究を積み重ねてきておるわけでございますが、大体五十六年度をもちましてそれらの調査研究もほぼめどのつく段階に至っておるわけでございます。
○島村委員 再び先ほどの話にちょっと戻るのですが、窪川町の町長は、いわば議会の決定に従って原発誘致を言い出したわけでありますが、たまたまその町長の選挙の際に原発反対を公約していたということから非難を受けたということでございます。 そこで、この窪川町の問題については、議会が誘致を決議しているとすれば当然また続けてこの問題を進めるべきだと思いますが、その辺はどうなるのでしょうか。
○石井政府委員 昨年の秋、窪川町の議会が、原子力発電所の適地であるかどうかについての調査を行うべき旨の請願を採択いたしまして、この町議会の請願採択を受けまして町長から四国電力に対しまして調査実施方の要請があったわけでございます。これに対しまして四国電力は、調査を実施したいという旨の町からの要請を受諾するということになっておりまして、町と四国電力との間におきましては、一応そういう公的な関係が現在でも生かされておるのではないかというふうに考えております ただし、実際問題として、現地の調査を実施いたします場合には地元の御理解を得ない限り実施できないわけでございますが、今後の町当局の方針をよく四国電力と相互に調整していただいて、これが実現できることを私どもとしては期待いたしておるところでございます。
○島村委員 ところで、ここに小渡議員が見えておりますが、この間たまたまちょっとお話をした中で、沖繩の電力料金が非常に高い、そしてまた石油の価格が非常に高い、これらについて何か先行きに対しても対策を打たなければいかぬと話をしたわけでありますが、沖繩電力につきましては五十七年の三月末に民営移管の時期を迎えるわけであります。聞くところによると、今日までに百五十億を超える累積赤字を抱えておるやに聞いておりますが、御承知のように一〇〇%石油火力に依存しているわけでありまして、その料金は約二十七円であります。これは本土の平均二十二円に比べて大変割り高であるわけであります。 そこで、このコストはいわば石油価格の上昇でさらに上回る可能性もあるわけでありまして、沖繩の電力が将来にわたって安定した料金を目指すためには、安い電源というものを探さなければいけない。その場合には、発電コストの安い、また安定している燃料の供給も確保できる原子力の導入というものを考えるべきだと私は考えるわけであります。なるほど、最近ワンユニットの原子力発電所は大変大規模なものになってはいますが、しかし、それなりにまた軽水炉の原発の大変小型なものの検討が進められているやに伺っているわけでありまして、この点について伺いたいと思います。
○石井政府委員 当省といたしまして、五十六年度の予算から大型軽水炉を補完するものとしまして、中、小型軽水炉につきまして、その経済性、技術性の検討を開始いたしたいというふうに思っておるわけでございます。これは、特に地盤あるいは需要の規模、あるいは需要の種類、こういった地域の特性あるいは地域のニーズに合致した形で今後原子力発電所の立地を推進するという観点から、その経済性及び技術性あるいはPA上の諸問題につきまして十分詰めておくという必要がございますので、これを二年間計画で研究を進めていきたいというふうに思っておるわけでございますが、これは一般的に大型軽水炉の補完策としての検討でございます。
○島村委員 小渡議員が関連して質問をされるようでございますので、しばらく交代いたします。
○野中委員長 小渡三郎君。
○小渡委員 島村委員の御発言に関連をいたしまして二、三お伺いをいたしたいと存じます。 まず第一点でございますが、沖繩電力は復帰特別措置法によりまして三つの特別措置が講ぜられております。 まず一つは、発電するために必要な石油でございますが、重油を含めましてその関税は免ぜられております。そしてその額は、五十一年から五十四年まで五カ年間でざっと十七億三千万の免税でございます。そしてまた公庫からの財投融資につきましては、年利五%から六・五%という優遇を受けております。同時に、もう一つは事業税でございますけれども、この事業税も軽減されまして、五十一年から五十四年までで約六億七千二百万の軽減措置が打たれております。にもかかわらず、五十四年の三月末現在で百四十九億の累積赤字を抱えております。そして五十五年度、決算をいたしますとおおよそ三十億ぐらいの赤字がさらに累積されるであろう、こういうぐあいに言われているのです。 ところが、先ほど島村委員から御発言がございましたように、五十四年十二月二十八日の閣議の決定によりますと、これは特殊法人でございますが、民移行が五十七年三月三十一日までになされる、こういう了解になり、決定をいたしております。通産省としては、大臣、民移管をどのようにお考えになっているのか。あと一年しかないんでございますけれども、県民はいま大変な不安に駆られております。的確な御答弁をいただきたいと思います。
○森山(信)政府委員 いま御指摘のございましたように、沖繩電力につきましては、五十六年度末を目途に民営移管をすべしということが閣議の決定事項としてあるわけでございます。 ただ、その際の前提条件といたしまして、沖繩の特殊事情、離島を多く抱えておるということの特殊事情等を踏まえながら、十分民営移行ができる体制を固めた上で民営移行を図るということでございまして、私どもは閣議決定の趣旨は、双方の条件が満たされた時期において初めて実行し得るというふうに考えておるわけでございます。 そこで、沖繩の先ほど申し上げました離島等を多く抱えておるという特殊事情等を踏まえて、民営移行すべき条件をどういうふうに整備していったらいいかということでございますけれども、先ほど先生の御指摘になりましたような、いろいろな特別措置法によります援助等の措置を今後とも継続していけるかどうか、あるいはいま沖繩電力の持っております一〇〇%石油依存という体質をうまく切りかえていくことができるか、そういうような問題を十分調整しながら民営移行の問題を考えていくべきではなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。
○小渡委員 いま資源エネルギー庁長官から御答弁いただいたのでございますけれども、沖繩電力株式会社に対する通産省の措置につきましては、文書を私持っているのでございますが、これによりますと、一番最後の方に、沖繩電力株式会社については、沖繩の実態に配意しつつ、民営移行のため、存続期間の切れる昭和五十六年度末までに諸般の措置を講ずる、こういうぐあいにうたっているのです。 ところが、その諸般の措置を講ずるということが漠然としてわからないのです。たとえば累積赤字の現在の対策といたしましても、五十五年度の補正予算において経営改善の緊急対策費として修正された四十億、これを要求したけれども、これも見送られてしまっておりますし、また減資につきまして、これは百四十七億に対する資本ですから、これに対する減資をやらないと経営がますます苦しくなるわけですよ。そういうことから、百四十七億の減資につきましても、民営移行の対策費として二億円の要求をしているけれども、これも見送られているわけです。こんなような実態があるんですから、それじゃ、その諸般の措置を講ずると言うけれども、あと一年しかないんだが、これから後具体的にどんなことをどのような形でやるのかということになると、漠然としてわからないというような事実があるのです。そこに私は非常に問題があると思います。 仮に現在の料金だけを見ましても、最近報ぜられるところによりますと、各電力会社は一兆円以上の黒字を出すであろうというようなことが言われておりますので、当分の間は料金は据え置きだ、こういうことが報ぜられております。今度は沖繩の電力ですよ。去年は年二回料金が上げられました。その結果どうなっているかというと、電力総合単価がキロワット時二十七円二十二銭、全国の平均が二十二円二十五銭。全国の平均が二十二円二十五銭ですから、二十七円二十二銭というのはもう最高のうちの最高ですよ。こういう形で、沖繩が復帰して十年になろうとしていますよ。格差は是正されてない、自立経済の基礎条件は整備されてない、第二次産業は衰微している、こういう実態ですから、こういう二十七円二十二銭の電力エネルギーの供給の中からこういう問題を解決していくということは、もうほとんどむずかしいんですよ。最高の電力料金で沖繩の第二次振計を進行しなさい、これはむちゃなことですよ。生産費が高くなるでしょう。そうすると、そこで生産される生産物は市場で競争することはできませんよ。みんな中小零細な製造業でございます。みんなぶっつぶれてしまうじゃありませんか。そのことか沖繩県の主要経済指標の中にも、これは開発庁から出ておりますか、これからも明らかになりますけれども、不渡りの実情を見ましても、その実態が五十一年以降実に悪くなっているのです。 これは一々述べたら時間がございませんから申し上げませんけれども、この資料は開発庁から出ておりますので、どうぞおとりになって見てください。五十五年度は電気料金が上がったために企業が萎縮してしまいまして、不渡りの件数もふえるわ、不渡り額もふえるわという実情が出ているのです。 さらには百貨店の売上高、これも五十三年までは順調に伸びてきましたけれども、その後五十四年、五十五年と百貨店の売上高もしりすぼみになっているんです。また消費者物価指数の中で那覇市の場合が出ておりますけれども、これでも光熱費が占める比率、これが極端に高くなっているんです。 こんな事実を見ましても、電力料金が高いということは、沖繩の振興開発計画という一億国民の願いを達成することはできないんです。だから電力料金の値上げどころじゃありません。これは今後抜本的な改革をいたしまして、少なくとも全国平均以下の電気料で供給するようでなければ、沖繩の振興開発計画などということはこれは絵にかいたもちにすぎないのですよ。もっと具体的にお話しください。
○石井政府委員 沖繩電力の本質的な問題、私は、特殊法人か民間移行かというところにあるのではなくて、いずれの形態におきましても、石油一〇〇%依存という形態及び離島という大きなハンディキャップをしょっておるということ、この二つをどう解決するかというのが基本的課題ではなかろうかというふうに思っております。 したがいまして、この課題解決の方法といたしまして、具体的には六十年度運開を予定して建設計画を進めておりました石川三号につきまして、石油火力の計画を廃止いたしましてこれを石炭火力に置きかえるということで、今後石川三、四号二基につきまして、十五万六千キロワット二基をつくり、できるだけ代替エネルギーによるコストの低減化を図るということが必要でございますが、それ以上に、現実問題として六〇%以上の燃料費、石油のコストウエートがあるわけでございますから、これをどういうふうにサポートしていくかというのが基本的課題でございます。 現実に離島を多く抱えているということで発電規模が小さくならざるを得ない。同時に、離島の電力供給の安定を確保するということから、本土におきます電力会社よりきわめて過大な供給予備率を維持しなければいけない、こういったハンディキャップをしょっておるわけでございますから、これは、私どもの考えといたしまして、沖繩電力株式会社のハンディキャップじゃない、沖繩県という地域特性のハンディキャップじゃないか。したがってこれに着目して、今後第二次振興計画におきまして根幹となるエネルギーである電力の安定かつ低廉な供給を維持していくという観点から、具体的な方策を考えなくちゃいかぬ。そういう意味におきまして、私どもとしましては、沖繩電気事業協議会の場を活用いたしまして、私ども専門家も入りまして、具体的な方策を五十七年度までに考えていきたいというふうに思っております。
○小渡委員 時間がございませんので、まず提案だけしておきたいと思います。 まず第一点は、いま御説明ございました石川市の十五万六千キロワット二基の石炭火力発電所の建設でございますが、これが運開するのは昭和六十二年なんです。それまで一体どうするかという問題があるのですよ。 それと、今度は仮に電源が多様化されたとしましても、本土の電源が多様化されている中で沖繩の小さなユニットでもって十五万キロワットですから、そういう小さい規模でやったところで、その格差はどんどん広がるばかりである。これがまず第一点です。 それで、私は、やっぱり現在の形のままで経営を続けていくというんならば、電力料金に対する差額に相当する額を国が補助するという形が続かなければならないと思いますけれども、それは財政上非常にむずかしいでしょう。であるならば、それもむずかしいというんだったならば、本土における有力電力会社に吸収をされて、そして低廉なしかも安定した良質の電力が供給される、こういう形のものでなければならないと思います。 最後に、復帰と同時に沖繩電力会社が設立されるときには政府から調査団が派遣されまして、前後四回ぐらいにわたって調査がなされました。そして現在の特殊法人電力会社が発足をしたのです。こういう一つの区切りでございますから、もう一度沖繩の電力はどうあるべきか、どうすべきか、具体的な内容、問題点、こういうものを、専門家で構成する調査団を派遣していただいて、それで沖繩の電力事業審議会とも十分話し合いをして結論を出していただきたい。沖繩の選択の道なんですよ。非常に重要でございますので、これを申し上げまして、終わります。
○島村委員 続いて御質問申し上げます。 最近の原子力発電所の建設に要するリードタイムが非常に長くなってきている。ちなみに既運開の約十カ所にわたる発電所の一基のリードタイムは約八年一カ月でございますが、最近計画されるものの平均は約十六年を要する、こう言われております。そこで、大体この建設年限が七年間延びると建設費の資金のコストが約倍になる、こう聞いているわけでありますが、このリードタイムをもっと短くすることができないか。この前、電力会社の関係の人たちに話を聞きましたら、住民のコンセンサスと許認可の手続の合理化、効率化が図れればこれは八年ぐらいにはできるのじゃないだろうか、遠慮なく言ってもらったらそのような話がございました。 そこで、安全性に対する危倶とか、あるいは漁業権の調整とか土地所有者との調整とか、市町村長その他地元関係者の政治家の対立とか、外部からの反対の扇動とか、立地メリットに対する不満とか、いろいろありましょうが、時間がありませんから私の方からしゃべっておりますけれども、要はこのリードタイムをもっと極端に縮めるための努力をすべきだと思うわけでありますが、この点についてはどのような取り組みがなされておるのでありましょうか。
○石井政府委員 原子力発電所の立地に関しますリードタイム、およそ三つぐらいの要素から構成されておるのではなかろうか。第一が、電調審にかかるまでの地元の合意形成でございます。第二が、この立地が確定いたしました段階におきまして環境調査、安全審査にかかわります審査及び土地取得等一連の許認可制度の手続上の問題、これが第二の要素ではなかろうか。第三が、現実の建設期間というものではなかろうかと思います。 特に第三の建設期間につきましては、先生御承知のように、容量が四十万から八十万、さらに百十万ということで拡大いたしております関係もございまして、建設所要時間が一応長引いておるというのが現実問題でございますが、これにつきましては電力業界に対しまして工事の標準化、こういうものを推し進めることによってできるだけ短縮を図るように要請しておるところでございます。 第二の要素につきます手続問題でございますが、これは現在、立地円滑化研究会を当部の中につくりまして、極力この短縮化を図るべく現在研究を進めておる段階でございます。
○島村委員 ただいま公益事業部長の御説明を伺うと、建設期間が長くなっている、それは規模が大きくなっているからという話でありますが、私が聞いている話では、この原子力発電所建設当時には七十カ月を要したけれども、最近では五十七カ月でこれができるようになっている、そう聞いているわけであります。むしろ同一の機種を採用する場合に同じような安全審査が繰り返されているところなどが大変むだである、こういうような指摘がありましたので、御検討をいただきたいと思います。 時間がありませんから、結びに一つだけ通産大臣にお願いし、御答弁をいただきたいのでありますが、どうも私は、政府自身が第一次石油危機のときのあの心理的パニックにこりて、何か国民を安心させよう、安心させようというようなPRばかり先行しているように思えてならないのであります。 ちなみに、たとえば石油備蓄は百十日分ある、こういうことがどこでも言われているわけでありますし、現にイラン・イラクの戦争が起きた場合にも、百十日分あるのでこれをイラン、イラクの供給量に引き当てた場合には約三年間あるのだ、こんなような説明もしていたわけでありますが、この百十日の裏づけを見てみるならば、そのうちの約四十五日分は全国どこでも油を行き渡らせるためのいわばランニングストックだ。そうすると残りは約六十五日分、二月分しかない。これは三月あるのと二月あるのとでは大違いでありまして、常識的にあと二月しか食べる米がない、あるいはあと二月しか使う石油がないというときの周章ろうばいを考えると、むしろこういう底の割れたPRというのは私は危険じゃないかと思うのです。 そこで、日本の国がこれから本当に安泰を維持し、そしてまた近代文明の横溢した生活を維持しようとするならば、やはり経済性あるいは安全性そして燃料の安定確保、すべての面で一番好ましいのはむしろ原子力だということを進んでPRすべきじゃないか。特に総理大臣が、たとえばテレビを一時間借り切って、この問題についての座談会等を持ちながら事実を一つ一つ解明するぐらいの姿勢があっていいのじゃないか。新聞あるいは週刊誌その他いわゆるマスコミを最大限に利用して、原子力発電の安全性というものをもっと徹底的にPRすべきじゃないか。そうっとパンフレットを出して気休めをしているということは、私は大変不満なんであります。 それと同時に、原子力発電所その他に私たちが伺った際に、ミニプラントを見ていろいろ説明を受けるわけでありますが、聞いてみると、あのプラントは約一億円でできる。現在原子力発電所が緊急の課題であるということに照らせば、これはかなりの金をかけても全国各地にこのようなものをつくり、場合によってはエネルギーパークぐらいの思い切った構想を打ち出して、原子力発電というものを徹底的に進める、そしてその他のエネルギー開発についても国民の協力を求める、こういう姿勢か私は必要だと思うのであります。 最後の質問になりましたけれども、通産大臣の御見解を伺いたい。
○田中(六)国務大臣 島村委員御指摘のように、代替エネルギー五〇%を十年後までに完成しなければいけないという中でどっかり座っているのは原子力発電所でございまして、これにつきましては私どもいままでPRもしてきておりますし、また死亡者もない。スリーマイルアイランドの事件が拡大されて非常に喧伝されておりますけれども、実際には死者もないということが現実でございますし、一生懸命PRもしておりますけれども、なかなかそれが浸透していない――まあ浸透しつつありますけれども完璧ではないということに対する反省は、島村委員御指摘になるまでもなく、私どももやっております。 そして、ただ反省しておってもしようがありませんし、より一層のPRそれから予算面、税制面その他のことにつきましても、特に安全性につきましては研究もすると同時に、これがPRにはより一層の努力を傾けていきたいというふうに考えます。
○野中委員長 渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 最初に、中小企業庁長官にお伺いをしたいわけですが、対中国のプラント輸出について、いま契約破棄、中止の問題で大変問題になっておるわけでありますけれども、工事中止に係るものに関係する下請中小企業、これは相当多いと思うのです。この関係について中小企業庁のサイドで調査をなさっておるかどうか、もし調査をなさっておるとすれば、どの程度までそれが進んでおるか、これをお聞きしたいと思います。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 中国の問題は現在非常に流動的でございますが、私どもが一番心配になりますのは下請関係でございまして、いま先生の御指摘のとおりでございます。 下請関係につきましても、すでに納入済みのものもございますし、これなどにつきましては、納入した以上元請及び第一次下請あたりから完全に下請代金が支払われるということを私どもも監視をいたしておりまして、円満にそれが支払われているかどうかということについて警告を発しております。 それから、第二段階のものといたしまして、現在仕掛かり中のもの、あるいは一応製品の製造段階を終えておりましてまだ納める段階まで至っていないものにつきましては、極力親の方でその製品を早急に引き取りまして、そして代金支払いにつないでいくようにということを指導しております。 それから、第三番目のカテゴリーに入りますのは、親の方で一応受注はしておりましても、まだ下請に対しましては未発注のものももちろんございます。こういうものにつきましては、できれば今後の問題として、本契約の方が円満に解決することによりまして下請に仕事が出せるという状態になることを期待しているわけでございます。 この辺は全体として現在流動的でございますので、私どもは各原局と緊密な連携をとりまして、まず実態把握をしようということから始めておりまして、かたがた、先般私どもの名前と原局の局長の名前連名でもちまして、約五百五十社でございますが、親の企業及び第一次下請の重立ったものに対しまして、下請代金支払遅延等防止法に触れることのないようにという重大な警告及び注意喚起を発しているところでございます。
○渡辺(三)委員 わかりました。いま長官もおっしゃいますように、非常に流動的だと思います。 ただ、宝山の第二期は、報ぜられているところによりますと、事実上完全な中止、計画そのものの中止になるのではないか。しかし、石油化学コンビナート関係あるいは宝山の一期、これは大体製品は納入されているのだと思いますけれども、そういった関係でこれは非常にすそ野が広い。ですから、円満な合理的な解決をわれわれは強く望みますし、政府もそのために努力しておられると思いますけれども、しかし、このことによって、後で申し上げますが、中小企業の経営状況が全般的にはきわめて憂慮すべき事態にある、これに加えてこういった大きな影響が出るということになりますと大変なことでありますから、どのような事態になろうともこれに対処して十分な対策が打てるように調査を綿密にし、指導を強化していただきたい、このことだけを申し上げておきたいと思います。 それから、次に、イランの関係について一つだけお伺いをしたいと思います。 アメリカ大使館員の人質事件の解決後のイラン向け輸出の状況、非常に一般的な言い方でありますけれども、その後の概況で結構でございますが、これをお答えいただきたいと思います。
○藤原政府委員 お答え申し上げます。 イランの関係でございますが、アメリカ大使館の人質解放に伴いまして本年の一月二十六日政令改正を行いまして、いわゆるイランに対します経済措置は解除をしたわけでございます。したがいまして、そういう意味合いから貿易は正常化いたしておるわけでございます。 ただ、イランにおきましては、革命後、貿易国有化政策を進めておりまして、公団を通じまして輸入の一元化等の新制度を導入いたしておるわけでございますが、その辺で貿易関係の手続で事務的にやや円滑を欠く点がございまして、旧に復するというところまでは若干いきかねておるような感じでございます。 若干数字を申し上げますと、制裁開始前は月に大体一億ドル以上のものがございまして、制裁措置が行われまして七千五百万ドル、七千六百万ドルというふうな経緯をたどりまして、それからイラン・イラク紛争が始まりましてからこれが五千万ドルラインくらいまで落ちておるわけでございます。本年の一月でございますが、解除いたしましたのが二十六日でございまして、したがいまして一月は季節的な関係もございまして対イラン輸出は三千七百万ドルと非常に低いレベルでございました。二月に入りまして解除の効果が出てまいりまして、一応二月の暫定数字でございますが、六千七百万ドルと大分回復をいたしております。したがいまして、今後次第に正常化をするかというふうに考えておる次第でございます。
○渡辺(三)委員 新規の成約ですね、いま数字を挙げて御説明いただきましたからおおよその動きはわかるのですけれども、具体的な製品でどういうふうな成約が新たに期待されるのか、そういった点はどうでしょうか。
○藤原政府委員 イラン関係の貿易でございますが、経済的に相当困難な状態が続いておるというふうな関係もございまして、生活物資とかあるいは繊維とかあるいは若干のいろいろな工場の部品、鉄鋼製品、非常にさまざまなものになるわけでございまして、余り際立ってこれというふうなものはなくて、いわば生活物資を中心にいろいろな商品ということになろうかと思います。
○渡辺(三)委員 それから、この問題ではもう一つだけお聞きしたいのです。 商社その他の進出企業の現地の駐在員あるいはこちらからの派遣技術者、こういった点でいわゆる人質問題の解決後新たに顕著な動きが出ておりましょうか、あるいはほとんどいままでと同じだ、こういう状況でしょうか。
○藤原政府委員 現在のところ、そういう面での余り顕著な動きは出ておりません。
○渡辺(三)委員 次に、これは河本長官にお尋ねをしたいと思いますけれども、十七日の政府が打ち出された総合経済対策、この問題で、まず金利政策についてひとつお伺いをしたいと思います。 公定歩合の一%の引き下げ、それから市中金利全般の引き下げ、あるいは金融の量的緩和、こういった問題を中心に今日の経済の現状に対応して的確な機動的な対策をやるんだ、こういうふうなことで打ち出されたと思うわけでありますけれども、ここでひとつ先に確認をさしていただきたいと思いますのは、中小企業の場合には、政府系の中小企業三金融機関の貸出金利を事実上公定歩合の引き下げと同じ時期にといいますか、直ちにこの引き下げを行うというふうに言われておるわけですけれども、その点は間違いございませんか。
○井川政府委員 先般、十七日の経済対策閣僚会議で決定いたしました対策のうち「景気の維持・拡大」で七つばかり挙げてございますが、そのうちの大きい柱として三番目に中小企業対策がございます。先生のただいまのお話は、中小企業対策の柱になります中小企業金融対策のうちで「特段の措置を講ずる」と書いてあるけれども、これは何だ、こういう御質問かと思います。 言われますように、今回公定歩合が一%下がりましたが、公定歩合が下がりましても各種金利は直ちに一斉に下がるものではございません。まず短期金利がある程度これに連動していく、それから各種の長期金利が徐々に市場の実勢に見合って下がっていくという状況でございます。そういうような長期金利、長期プライムレート等の下がりに連動して中小企業政府系三機関の金利が下がる、従来こういうことになっておりまして、現段階でいつごろ、どの程度という見込みを立てることはむずかしゅうございます。 しかしながら、いずれにいたしましても、今回の十八日の公定歩合引き下げに見合って将来下がるべき中小企業政府系三機関の設備資金の下がるのを十八日の日まで遡及しよう、これを3の(1)中小企業の金融の円滑化ということで述べているわけでございまして、いま、一%下がったのだから一%下がるのかという先生のお話でございますが、これは現実にその時点の長期資金の趨勢を見てみないとわかりません。 しかし、いまここで申し上げられますことは、この間の公定歩合は一%下がりましたけれども、預貯金金利が〇・七五にとどまっております。そうすると、金融機関全体の収支の関係からいきますと、一%まるまる下がるのは大変むずかしいのではないか。大蔵省ないし金融当局としては、それができるだけ大幅に下がるように今後誘導していく、河本長官の方からも対策会議の席上、公定歩合だけじゃなしに量的緩和をやっていけという要求を出されまして、政府としてそういう方向に行くことになっておりますが、そういう量的緩和等々を進めてできるだけ長期資金を下げ、その結果政府系三機関の事実上の下がり方が大きくなるようにしようというのが現在の政府の立場でございます。
○渡辺(三)委員 いまもありましたように、たとえば市中金利の引き下げ、こういうふうに言われますけれども、具体的には公定歩合の一%の引き下げあるいは預貯金金利の引き下げ、これだけで貸出金利が下がるかどうかという大きな問題が一つあると思うのです。 それから、特に私が確かめたいと考えましたのは、私どもこの総合経済対策の細かい資料をもらっておりませんので、一般的に報道されている中からの判断に基づく質問にならざるを得ないわけでありますけれども、長期金利全般の引き下げと切り離して、中小企業政府系三機関の問題については、公定歩合の引き下げと同時に引き下げを考えていかなければならない、こういうふうな趣旨に報道されているわけです。 したがって、いま御説明がありましたように、長期金利の引き下げに連動しながらそういう条件をつくって、できるだけ大幅に引き下げられるようにというふうなお話をいただきましたが、さらに確認したいのは、長期金利の引き下げと全然別個に政府系三機関について考えるということではないということですね。
○井川政府委員 金利体系の中で中小企業政府系三機関の金利も考えざるを得ないということでは、将来長期プライムレート、長期資金の金利の下がり方を見ながら考えていくという点で連動いたしております。ただし、それが将来下がりました場合に十八日まで遡及する、さかのぼって適用するということになりまして、これはまさに公定歩合が下がったその日に遡及して適用される、こういうことになっております。
○渡辺(三)委員 これは物価政策に関連してお聞きしたいと思いますが、簡単に言えば、公定歩合の引き下げとの関連でいわゆる消費者物価対策は万全になされているか。つまり、今度物価対策としてもいろいろな項目が総合経済対策の中で打ち出されておりますけれども、すでに、昭和五十六年度の政府の経済見通しあるいは基本態度によりますと、五・五%程度の消費者物価上昇率、こういうふうに見通しを立てながらの経済政策が進められつつあるわけでありますけれども、今回の総合対策の中に述べられておる物価対策は、いままでととりわけこの点が違ったというふうな点がありましようか。
○廣江政府委員 今回の対策の中でも申し述べておりますように、物価の安定ということは国民生活安定の基本要件でございますし、わけても経済運営の基盤をなすものであるという考え方を述べております。こういう基本認識の上に立ちまして今度の経済対策というのは出されております。 それに基づきましていろいろな施策がうたわれるわけでございますが、先生のお尋ねの、どういう点が特色をなすかといったような点に限って申し述べてみますと、今回の対策の物価の項の前文におきまして、こういうふうに書いております。「「国民生活安定対策等経済政策推進費」の活用を含め一般会計の機動的な執行により対処することとする。」これは経済政策、中でも物価安定というものが非常に重要であるということにかんがみまして、機動的に物価対策をやっていかなければいけない、細心の注意をもって機動的にやっていくということを具体化した表現でございまして、もう少しかみ砕いて言いますと、いまいわゆる物価対策費として経済企画庁に計上しております三十億円という対策費がございますが、これを使用することは当然でございますが、必要に応じましては予備費の使用等を含めまして十分にやっていくのだという姿勢をうたっている点は非常に大きな特色かと思います。 もう一つは、これはいろいろの見方はございましょうが、七項目の具体的対策をうたっておりますが、この中で力点を置いておりますのは、3項にございます「生活必需物資の安定的供給と価格の安定」という項でございまして、これは具体的には生鮮食料品、わけても野菜等を考えておりますが、これにつきましては供給の安定化というのが一番重要だという観点に立ちまして、「野菜については、十分な作付を指導するなど、供給の確保に努める」というふうに書いております。これは、今年及び昨年の冬場におきます野菜の高騰等にかんがみまして、この辺は十分にやらなければいけないという点に大きな思いをいたしているという点をお考えいただきたいと思います。 そのほか、物価対策といたしますと、生産性の向上とかエネルギー対策等の重要性をうたっておりますが、あえて特色を挙げろと言われますと、そういった点が挙げられるかと思います。
○渡辺(三)委員 いま局長が言われました、たとえば野菜の計画的な生産、これはこれまでも何回かお聞きしました。計画的生産というのは、具体的には中身としてどういうふうなやり方をなさっているのですか、またこれからなさろうとするのですか。
○廣江政府委員 野菜は、大きく分けますと、夏秋野菜、それから秋冬野菜というのがございます。過去の例等に徴してみましても、夏秋野菜は気象条件その他天候の条件に恵まれまして、基本的には安定をしておりまして、ただ九月といったようなときに端境期現象が起きることがございます。したがいまして、そういった場合には過去の例にも徴しまして、端境期対策というのを十分にやらなければいけないということが考えられますが、一番問題を起こしておりますのはやはり秋冬野菜でございます。 これにつきましては、重要野菜需給調整特別事業等を中心にいたしまして、特に重要な野菜につきまして余裕のある作付というようなものを指導していただき、そのことによって供給の確保を図るということが重要でございますし、また秋冬野菜に至る過程におきまして、たとえば秋あたりの台風でやられるということのためには、本年度にも実行いたしましたが、予備苗によってこれの対策を立てるということ。さらには、契約栽培といいまして、通常の栽培地以外におきまして準備をしておくということによって、これまた供給対策を立てるというようなことが考えられます。これらはいずれも秋冬物でございますから、具体的な検討というのはこれから先になりまして、その時期を待ってやるということになりますが、これも昨年のこと、ことしのこと等を考え合わせまして、十分にやらなければいけないと思っております。
○渡辺(三)委員 この問題は、計画生産の内容、やり方、さらに生産されたものの流通、これは非常に具体的に中身の問題に入りますと問題がございます。それから、議論しなければならない点がありますけれども、これについてはきょうは省略をいたします。 そこで、もう一つ物価の問題で聞いておきたいと思いますのは、しばしば問題になっております例の五十五年度の各党の了解に基づく五百億の物価調整資金があるわけです。これはよくよく使われてないわけでありますけれども、今回思い切ったある程度の総合経済対策、いわゆる景気浮揚のための諸対策が一方で行われる。そしてまた、それとの関連で物価の安定ということはどうしても求めなければならないわけでありますから、これには相当の力を入れていかないとそのバランスが崩れる、こういうふうな状況が心配されると思います。そういう状況の中で、せっかく各党の合意の中で準備をされてきた五百億、一部使われておりますけれども、これについて、いわゆる物価安定を真剣に考えてきておられる経済企画庁としては、せっかくの資金でありますから、これをこういうふうに活用すれば物価の安定に大きく寄与できる、こういうふうな前向きの考え方はおありでしょうか。
○廣江政府委員 五十五年度予算編成の過程におきまして四党で合意をされましたいわゆる物価対策費五百億につきましては、今日までの段階におきまして、昨年十月及び今年二月にいろいろ御協議をいただきまして、いろいろ知恵も出していただきまして、約四十四億を物価対策に使わせていただいたわけでございます。その効果は、たとえば野菜等につきましても出ておると思います。その対策を講じました効果が今回の野菜対策等に随時生かされているわけでございまして、それは大変ありがたかったことだと思っております。 これにつきましては、先ほどもお答えいたしましたが、五十六年度におきましても引き続き経済企画庁に計上しております物価対策費三十億円を使いまして、なお必要に応じては一般会計の機動的運用によってやるということでございますから、その精神を受け継ぎまして、今後も必要な対策をやっていくということでございます。五十五年度の例に徴しますと、主としてこれは野菜対策に使ったわけでございますが、野菜対策で五十六年度必要になれば当然でございますし、そのほか重要な政策があれば大いにこの項を活用していきたい、こう思っております。
○渡辺(三)委員 総合経済対策ではもう一つだけお伺いしたいと思います。 「業況悪化業種等に対する対策」という項目がございます。業況が著しく悪化している業種あるいは構造的な対応を進める必要があると思われる業種、これに対しての対策が述べられておるわけでありますけれども、これは具体的にどういう業種を指して対策を進められようとしておられるのですか。
○井川政府委員 需要が停滞しております中で大変業況が悪いという業種、それから構造的に不況的な要素を持っている業種には各種の業種がございます。 しかし、先生も御承知のように、塩化ビニール樹脂であるとかあるいはまた短繊維紡績糸であるとか、あるいは紙の一部クラフト紙、それからさらに素原材料の平電炉、アルミ製錬といったような各種の業種が現在大変業況が悪いと言われておるわけでございまして、このほかにもたとえば雇用調整給付金制度の指定業種あたりは九十九業種あるわけでございまして、こうした現在業況が悪い業種については、たとえば金融上後ろ向き資金についても積極的に貸し付けていくという問題、あるいはまた特定不況産業安定臨時措置法の活用を図る、さらに先ほど申し上げました雇用調整給付金制度というものの活用を図る等々によって現在の苦境を乗り越えてまいるというのが、対策に考えております業種及び施策の内容でございます。これらの業種はまたさらに広がっていきますと当然指定を拡大していく、こういうかっこうになろうかと思います。
○渡辺(三)委員 その中で一つだけお聞きしておきたいと思いますが、特定不況産業安定臨時措置法、この適用をさらにいますぐに拡大をして、新たに業種を指定をしなければならないというふうなものを想定しておられますか。
○井川政府委員 この点は所管の通産省の方にひとつお答えいただきたいと思いますが、すでに十四業種指定されており、その十四業種が現段階になって業況か悪化をしているということであれば、従来の指定業種について活用していくという話も参っております。新たに追加については、ちょっといまのところ私は話を聞いておりません。
○渡辺(三)委員 通産省。
○神谷政府委員 ただいま経済企画庁の方から御答弁ございましたように、現時点で特定不況産業として新たに追加する業種ということで予定しておるものはございません。ただ、先生御高承のように、合成繊維並びに平電炉の小形棒鋼につきましては、本年度で終わります安定計画、基本計画を期間延長し、合成繊維に関しましては若干追加の廃棄処理を行う、こういう予定になっております。このあたりが最近の状況を反映して新たにとられた措置でございます。
○渡辺(三)委員 それでは、次に、昭和五十六年度の中小企業関係の税制の問題についてお伺いをしたいと思います。 まず最初に、概括的に、現行の税制と、五十六年度の中小企業対策の中で改正される、変わる、こういうふうに考えられる税制について、ひとつ長官の方から具体的に項目を挙げていただきたいと思うのです。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘の、五十六年度において大きな変更のある税制と申しますと、新規項目が二項目ございます。 まず、法人税についてでございますが、法人税につきましては、一般の法人税と同様に、中小企業につきましても二%の一律引き上げということが実施されることになっているわけでございます。そういう原案に現在なってございます。 ただし、その際も、特に何らかの中小企業についての配慮をすべきであるということが検討の過程で入ってまいりまして、中小企業に対する軽減税率の適用対象限度というのがございます。これは、現在金額が七百万円以下ということになっておりますが、これを百万円引き上げまして八百万円以下ということにいたすことになっております。 それから、新規の大きな第二でございますが、これは、産業のエネルギー基盤の確立を図りますために、中小企業におきまして、特にそういった省エネルギー体制を生産プロセスあるいは販売プロセスの中に組み込む必要がございますので、そういった省エネルギー設備等に対する投資を行いました場合に、取得価格の三〇%の特別償却制度または取得価格の七%の税額控除、それの選択適用という仕組みによりまして、エネルギー対策促進税制というものを創設いたすことになっております。 先ほど申しましたように、中小企業につきましては幅広くこれを適用することによりまして、この新しい税体系の効果を一層高からしめるためのものを考えております。
○渡辺(三)委員 このことは、他の質問の時間がありますから長くはとりませんけれども、私としてはきわめて不満であります。 この委員会において、私は何回か中小企業の税制の問題を取り上げてまいりました。とりわけ、繰り返すまでもなく大変な倒産状況、そういう状況の中で中小企業に対する税制というものを思い切ってもっと変えていかなければならぬのじゃないか、こういうふうな提言を申し上げながら、特に中小企業庁長官からも非常に積極的な御答弁を何回かにわたってお伺いをしてまいりました。そして来年度、つまり昭和五十六年度ではこういうことをやりたいという、相当広範な中小企業税制改正に関する通産省の見解が昨年の夏場からまとめられてきたと思うのです。それらの項目を、いま時間の関係で一々は細かく申し上げませんけれども、ずっと見てまいりますと、ほとんど前向きの改正というものが行われなかった。いま行われようとしていない。 しかも、いまお話がありましたように、これは国の財政の問題かありますけれども、法人税の一律二%の引き上げ、これは逆に、われわれが言う中小企業に対する税制改善から言えば後ろ向きであります。それから、わずかに、総合エネルギー対策の促進税制の一環として二番目の問題がいま御答弁あった程度でありまして、あとはもう、通産省自体か来年度はこれをやりたいというふうに考えてきた税制の改正というものがほとんど政府の意見としてまとまらなかった、こういうふうに私は総括せざるを得ないと思うのです。これについて長官並びに通産大臣は一体どうお考えですか。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 いま御指摘のとおりでございまして、私どもも、昨年の税制改正と取り組みます夏ごろからの姿勢は、こういう非常に困窮した中小企業の情勢でございますので、できるだけ従来の税制につきましても前向きの改善策を織り込んでという要求は、本国会でも御答弁申し上げたとおりでございました。 そういうことで、政府部内におきましてもいろいろ折衝を全力を挙げてやったわけでございますが、御存じのような財政事情でございまして、まず既存のものをどう整理するかという方にむしろ論点が非常に強く出されておりまして、いわんや減税といったものに絡むものにつきましては、なかなか議論として通りにくかったという実情でございます。 その中で、中長期的に考えてみまして、やはり中小企業の体質の問題という点で一番重要なのは、いまの環境下におきまして大企業に比べまして特におくれております省エネルギーの体制でございますが、これにつきましては、特に中小企業につきましては広く適用すべきであるし、新規項目で減税項目ではございますが、これだけは何とかということで最後の段階ではこの一点にしぼられて、その実現方について折衝を行ったわけでございます。したがって、御指摘のとおり、ほかの既存の税制の改正の部分につきましては通っておりません。この点につきましては、私どもの力不足でございますけれども、一応これからの対応すべき一番重要なテーマでありますエネルギー税制も何とか実現する必要がある。かたがた、法人税につきましても、これは二%引き上げということにつきまして中小企業の特例を相当部内で主張しておったわけでございますが、全体の情勢からしますと、それも一応一律ということになったわけでございます。ただ、その際にも、中小企業だけに認められております軽減税率の限度だけにつきましては何とかということで努力いたしまして、その点について七百万円を八百万円、こういうことで一応落着を見たわけでございます。
○田中(六)国務大臣 中小企業に対する税制の問題でございますけれども、先ほどから中小企業庁長官が答えておりますように、法人税二%の問題につきましても、その軽減税率を七百万以下から八百万以下に引き上げる、あるいは省エネルギー関係につきましての特別償却制度あるいはむしろ多少の減税になるような体制はとりましたけれども、もちろんこれはほんの一部のことで、大幅な減税措置というようなことは正面切ってとられなかったことは御指摘のとおりでございまして、私どもも、現在の倒産率から申しましても、本当に済まないような気持ちでございます。 〔委員長退席、辻(英)委員長代理着席〕 財政再建それから減税というような体制が整っていなかったということも配慮いたしまして、私ども努力が足りなかったことを率直に認めますけれども、金融面におきましては、特別のいままでの金利体系を大蔵省は崩すんだという主張が強くてどうにもならなかったわけでございます。 私ども、中小企業庁長官を中心に、政府三機関の金利を、どの程度になるかあと一、二カ月見なければわかりませんけれども、十八日から遡及して実施するということは本当は画期的なことでございます。そういう点、そのほかの措置で何とかカバーしてもらって、また次の年度あるいは補正予算、そういう面があるならば一生懸命努力していきたいというふうに考えます。
○渡辺(三)委員 いま大臣からも御答弁がありましたが、たとえば工業の地方分散化を進める、こういうふうな一環から税制の改正を求める声が地方自治体にも非常に強いわけであります。私どももいまの現状を見ますと、やはりそういうふうに考えます。 商工委員会でもしばしば全国の各地を調査するわけでありますけれども、しかし、いまもなお造成されつつあるような大型の団地、こういうところに対する張りつけの企業というものの見通しが立たない。なかなかそれが遅い。したがって、先行投資といったってこれはもう自治体でも限度があるわけでありまして、大変な財政負担になっておるわけですね。せっかくこういう新しい国土づくりというかっこうで進められつつあります団地がりっぱに運営されるように、機能するように図っていかなければ、国土の均衡ある発展などというものは私はできはしない、こういうふうに思うわけです。もちろん、投資減税だけでその問題が解決するというふうな甘い考えは私は持ちません、経済全体の状況がありますから。しかし、やはりそれらを促進するような政策的な誘導というものはどうしても進めなければいかぬのじゃないかと、五十六年度に期待をしたわけでありますけれども、これもだめでした。 今後こういう問題について、税制の改正というものは非常にむずかしい問題があるということは私もわかります。しかし、いま言ったような状況の中でさらに通産当局としては、税制の改正がいますぐできなくとも、これにかわって、いま言ったような均衡ある発展のための工場の地方分散、これを進めるための決意がおありかどうか。そしてまた、それらに対して新たな政策展開なりを考えておられるかどうか、ひとつこれも大臣からお伺いしたいと思います。
○田中(六)国務大臣 渡辺委員御承知のように、私は、中小企業が日本の経済を支えておるものと信じておりますし、現実に五百八十一万の事業所、それから人数にいたしまして三千四百七、八十万人もおる中小企業者で、しかも出荷率は五三%という、日本経済にとっては本当になくてはならない中小企業関係でございますし、私ども来年度の経済成長率を五・三%に持っていこうというときに、中小企業がこれほど倒れていくということ、これほど苦しいということで、そういう成長率の目的さえ私は達し得ないと思うのです。したがって、これがための対策といたしましては、金融面はもちろんでございますが、ある程度の税の軽減というものをあくまで考えなければ、その対策は非常に手ぬるいと思うのです。 したがって、将来、実は今年度もいろいろあの手この手で主張したわけでございますけれどもそうはいかなかったわけでございまして、将来は、渡辺委員御指摘のような税の面における諸対策を十分考慮して進めていきたいと思います。
○渡辺(三)委員 きょうは北海道東北開発公庫から総裁がお見えになっておりますので質問をしたいと思いますが、時間の関係がありますから、最初単刀直入に具体的にお聞きしたい内容を先に申し上げたいと思います。 昭和五十四年の三月だと思いますが、したがっていまから二年前、酒田中央水産株式会社というところに北海道東北開発公庫の方から二億五千万円の融資が行われていると思います。これは公庫法のどういう条項を基礎にして、どういう条件で融資をされたのか、お答えをいただきたいと思います。
○新保説明員 北海道東北開発公庫の融資対象業種というものは、法律である程度列挙されておりますけれども、さらにそのときどきの情勢に従いまして、総理府の告示をもちまして追加をされることになっております。 ただいま先生御指摘のショッピングセンターは、昭和四十七年でございますが、商業流通施設整備事業として告示されたものでございまして、自来それに従って融資を実行いたしております。条件といたしましては、これはケース・バイ・ケースでございますけれども、一番中心になります金利は長期プライムレートということでやっておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 いま総裁お答えになりましたが、総理府、大蔵省告示によります必要な事業の指定、いまちょっとお話ございましたけれども、その中のどういう項目ですか。
○新保説明員 商業流通施設整備事業には内容が四つございまして、その一つにショッピングセンター施設整備事業というのがございます。それがいま問題の融資業種でございます。
○渡辺(三)委員 この融資をするについては、当然北東公庫としてはその土地建物の購入、建設、こういう問題について、あるいはその後の営業態様、こういうものについての条件が付されていると思います。 その中で、時間の関係で単刀直入に申し上げますけれども、たとえばショッピングセンターを建てた後のその改造といった問題については、これはできないことになっておるのではございませんか。
○新保説明員 ショッピングセンターというものにも一定の基準がございまして、これは一定人口以上の都市におきます小売業者を計画的に集団化し、統一的に管理運営する小売商業施設を整備する事業、こういうことになっておりまして、一定の売り場面積とかあるいは事業者の数は十以上、そういうような要件が決まっております。したがって、この中へ入っていただくテナントの方々の業種とかそういうものは審査の重要な対象になって、小売業者であるかどうかということは確認させていただくわけでございます。 そこの中の施設をどういうふうに改造するかということによりましては、これもまたケース・バイ・ケースで、そのショッピングセンターの使用目的をより合理的に、効率的にするための事業であるならば、それからショッピングセンターの資格要件を具備するならば、これはできる場合もあろうかと思いますけれども、先生御指摘の場合はそうじゃなくて、目的外というようなことが入ってきておるものでございますから、いま問題にしておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 北東公庫が融資をなさった酒田中央水産株式会社と、それから契約書によりますと、春山政直という方の名前になっておりますが、これが昭和五十五年、昨年の十二月二十七日に賃貸借契約を結んでおるわけです。 この春山政直という方がやろうとしておりますのは、内部を改造してパチンコ店を開こうとしておるわけです。それで非常に問題を起こしている。つまり、もともとショッピングセンターが建って四十四店舗ぐらいテナントを募集したのですけれども、実際は半分ぐらいしか入らなかった。また、この酒田水産とそれから借りた側の小売店、この中でいろいろな問題が起きましてなかなか経営がうまくいかない、あるいはテナント同士の協調もうまくいかない、こういうふうな状況から、せっかく北東開発公庫で融資をなさって、そしてまた市中銀行の協調融資も受けて建物は建ったんだけれども、中身は全くうまく運営できておらないわけです。こういうふうな事情が背景にあるために、私がいま契約書を申し上げましたような内容のパチンコ店の経営というふうなかっこうになろうとしている。こういうことについて、北東公庫としてどのように具体的な指導をその後なされておるのか、現状どうなっているのか、お答えをいただきたいと思います。
○新保説明員 このショッピングセンターは、当初三十四店舗入れる予定でございましたが、建設当初は二十四店舗でございましたかの申し込みがございまして、計画どおりのテナントの確保はできるであろうというような見通しも実はあったわけでございます。 それで融資を実行いたしたわけでございますけれども、いま先生がおっしゃいましたように、いろいろな情勢の変化がございまして、というのは、一つは、近所に大きなデパートができるという一つの見通しがあったわけでございますが、その建設が非常におくれているわけでございます。そこが将来は商業の中心地区になるわけでございますけれども、そのデパートの開設がおくれたとか、そういうようなことがありまして、非常にお客さんの足が少なかったそうでございまして、そういうことから、ただいまおっしゃったようなことが起こってきたのだろうと思います。 しかし、春山さんでございますか、パチンコ店をそこの中で営業するということは、貸付契約のどこを見てみましても契約の違反になることでございます。実は突然そのことが起こったわけでございませんで、去年の五月でございますか、パチンコ店を入れてよろしいかという打診が公庫の支店にございましたが、それは融資の目的からいってもいけません、そういうことでは困るのですということを再三申し上げたわけでございます。その後、ことしの一月になりまして、支店には、私どもの方には無断でパチンコ店としての改装工事に着手をなさいましたので、現場に参りまして、それは中止をしていただきたい、それから原状回復していただきたいということを口頭でも再三申し上げましたし、二月三日にはこれを文書で酒田水産の社長さんに申し上げているわけでございます。引き続き、当初の計画どおりにショッピングセンターとしての条件を備えるようにということをお願い申し上げている状況でございます。
○渡辺(三)委員 これは、北東公庫としては適正に融資が行われておるわけでありますし、それに伴ってその建物もりっぱにできたわけでありますから、そのこと自体、私は問題にならないと思います。 しかし、いまも総裁お答えいただきましたように、何回か北東公庫の方から酒田中央水産株式会社の方に、これは融資の条件と違うではないか、しかも、これは私から言うまでもない話ですけれども、国民の税金です。そういうふうな資金の運用、このことを考えてみますと、そういう注意をしたにもかかわらず、何回かその工事を強行しているわけですね。そして、注意をされたその後しばらくの間は工事を休むんですよ。ほとぼりがさめるとまた始めるのです。こういうふうな悪質なやり方というものは絶対に許されない、こういうふうに私は思うのです。 しかも、御承知のように、酒田は昭和五十一年の十一月に全市の大火がございました。そして中央商店街が全部焼けました。国の金も入って、中央の商店街を中心にりっぱな都市再建ができたわけであります。それと並行しながら、駅前に新たな商業流通地域を整備しようということで、いまのお答えの中にもありましたように、地元の百貨店それからバスターミナル、これと付属をするような形でこの酒田パルナードというものが建設された。それに北東公庫が資金をお出しになった。こういう全体の商業区域としての地域整備あるいは都市全体の再建、こういうふうな状況の中で、この計画の意義を認めて北東公庫としても金を出されたわけでありますけれども、それが、いま言ったように、全く全体の状況というものを無視してそういうことが強行されることは、私は絶対に許されないと思うんですね。しかも、その建物の中に入った小売店舗、ここの人々が、パチンコ屋を一緒に隣でがらがらやられたのでは、とてもじゃないけれどもわれわれの営業は成り立たぬ、こういうような立場から、この問題についていま山形地裁に訴訟を起こしていますね。こういうふうな状況です。それにもかかわらず、公庫側の言うことを聞かないというふうなやり方であれば、総裁として今後どのようにきちんとした手段をとられるか、ひとつお答えいただきたいと思うのです。
○新保説明員 私どもの公庫が融資をいたしましたのは、酒田市大火以後における市の都市計画と申しますか、将来の発展計画がございますので、それに沿った計画であろうということで、市の方あるいは商工会議所の御推薦もございまして御融資申し上げたわけでございます。しかし、それはあくまでもショッピングセンターとしての条件を備えたものでなければならないということ、パチンコ屋等はいけないということは再三申し上げているわけでございます。いま裁判の方も若干進んでいるようでありますが、私どもとしましては、これはあくまでも当初の計画どおりの目的に従ってやってもらいたいということで、パチンコ店の入居は排除いたしたいと考えております。 しかし、どうしてもそれができないというのであるならば、私どもは、あえてその貸し金の回収だけに拘泥するわけではございませんけれども、しかし公のお金をお預かりしている以上は、貸し金の回収あるいはそういうことを含めた適当な措置をとらなければならないと考えております。 しかし、あくまでもとにかく地元の発展のためでございますから、当初の目的どおりにテナントをそろえていただいて、テナントの数はふえたり減ったり、あるいは若干顔が入れかわってもそれは差し支えないと思いますけれども、そういう当初の目的を達成するように関係者でお話し合い願いまして、そういうふうに実現していければ幸いだと考えております。
○渡辺(三)委員 きょうは、東北開発公庫全体の業務内容とかそれから融資の状況などをお伺いするつもりで大蔵省あるいは国土庁もお呼びをしたのでありますけれども、時間がありませんからそこまで触れません。 国土庁の東北開発室の方から、いまの質疑をお聞きになっておってどういうふうに考えておられますか、一言見解を述べていただきたいと思います。
○永井説明員 国土庁といたしましては、東北地方に係る業務計画につきまして北東公庫を監督する立場にあるわけでございます。 常日ごろ東北開発の推進に実効が上がるような指導をしているところでございますが、このたび先生御指摘のような、酒田駅前のショッピングセンターについてのパチンコ屋の入居というようなことになりますと、これは融資目的に反するものでございますので、先ほど総裁が申し上げましたように、しかるべき措置をするように十分に検討させたい、そのように考えております。
○日向説明員 すでに十分御案内のとおり、北東公庫も政府関係金融機関の一つといたしまして、政策目的を達成するために一定の政策、法令等に定められた融資対象事業を実行しているわけでございます。 いま御議論になっておりますショッピングセンターも、商業施設整備事業として融資いたしたものでございますから、これにつきましてその融資したものがその費途等について厳格に守られていくということは当然のことであろうかと思っております。その意味で、公庫の総裁も申し上げておりますように、事態が融資目的に合致するように十分指導していくことが第一番目に大事なことだと思いますが、さらにその事態が改善されない場合におきましては、貸付契約等の条項を法に照らしまして適正な措置をとってまいるよう私どもといたしましても指導してまいりたい、かように考えております。
○渡辺(三)委員 一、二分ありますから総裁に最後に一問だけお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。 北海道東北開発公庫、これはいわゆる事業目的があって、特に融資の場合にも、先ほど一部お答えいただきましたように、北海道東北地方の開発のためにあるいは産業経済の発展のために役立つような業種に対していろいろ融資を行っておられるわけでありますけれども、短い時間で結構ですから、その融資の中で中小企業の占める状況が一体どうなっておるか、非常に大ざっぱで結構です、最後にお答えいただきたいと思います。
○新保説明員 私どもの公庫ができました三十一年に国会の附帯決議がございまして、公庫は、資本金の規模にかかわることなく、開発に役立つ中小企業に対しても貸し出しをよくやるようにという決議がございまして、その趣旨に従って初めからやっておるわけでございますが、大ざっぱに申しまして、対象の件数では約六割五分、会社数でございます。それから金額では約四割五分が中小企業でございます。もっとも、この場合の中小企業というのは、基本法で決めてあります資本金一億円以下とか、あの基準に従っておるわけでございますが、それに従って計算をいたしますと、六五%とかあるいは四五%という数字になるわけでございます。
○渡辺(三)委員 終わります。
○辻(英)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ――――◇――――― 午後二時二十三分開議
○野中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。上坂昇君。
○上坂委員 きょうは、消費者保護行政の問題についてお伺いをしたいと思います。 ことしから実施することになりました消費生活アドバイザー認定登録制度というのがあります。この制度の創設の趣旨と制度の仕組みについて、まず御説明をいただきたいと思います。
○神谷政府委員 消費生活アドバイザー認定制度につきましては、御指摘のように、本年から発足をさせることになったわけでございますけれども、かねがね通産省といたしましては、技術の近代化あるいは工業化等に伴っていろいろな新しい製品が世の中に送り出されてまいります、これらの商品の使用の仕方あるいは流れ方といったものは非常に複雑になってきておりますし、それらの用い方等に関してメリットを十分発揮させるような用い方もできますし、場合によりますと危害を加えたりあるいはメリットを十分発揮できない、マイナスを惹起するようなこともある、こういうことで、種々の消費者行政を通じまして、できるだけデメリットを少なくしメリットを最大限にするような方策を講じてきておるわけでございますけれども、法律とか規則だけでなかなかこういうものはできませんで、企業の自主的な、消費者のニーズに適合したような対応というものが要請されるわけでございますけれども、とかく企業と消費者との間のブリッジと申しますか橋渡しが十分ではない、そういうことから、こういう橋渡しをするに適当な人をできるだけ世の中から発掘いたしまして、企業の方もそういう方々を企業の中にひとつ採用をしてもらいまして、生の消費者の声というものを企業が聞きながら、消費者のニーズに対応したような企業活動を行ってもらおう、こういう趣旨でこの制度を発足させたわけでございます。 具体的な制度の内容といたしましては、昭和五十五年、昨年の七月二十四付の通産省告示によりまして、消費者相談業務に関する知識及び技能審査事業認定規程というものを定めまして、日本産業協会、この協会からの申請を受けて同年十月十五日一同協会の行う事業を同告示に基づいて認定をいたしております。この認定に基づいて産業協会がアドバイザーの認定の審査を行い、さらに審査に合格した者を登録する、こういう形になっておるものでございまして、登録を受けた消費生活アドバイザーは、企業からの照会に応じて協会があっせん、仲介等を行って企業等に採用をさせ、その中で先ほど私どもが期待いたしましたような活動を行っていただく、こういうことをねらいとしており、ただいま御説明いたしましたような概略趣旨の制度でございます。
○上坂委員 そうすると、趣旨としては、どういう人たちを対象にしてこのアドバイザーになってもらいたいのか、その辺のところを……。
○神谷政府委員 私どもがねらいとしておりますところは、できるだけ実生活、要するに商品であるとかサービスの受け手の側の実感というのをよく体して、それを企業の中に持ち込んでもらいたい、こういうふうに考えておりますので、家庭生活の経験が豊かであるとか、その他もろもろの生活体験の豊かな方々にできるだけ応募してもらいたいと思っておりますし、審査に合格してもらいたいというふうに考えております。しかし職業によって差別するわけにもまいりませんので、主婦でなくちゃいかぬとか、そういうことはございませんで、ただ、そういうものをできるだけ体した方が審査に合格するような形の審査にしたい、こういうふうに考えております。
○上坂委員 生活経験が豊かで、まあ家庭の生活にも十分経験があるということになりますと、ある程度のそれは年輩に達すると思うのですね。これは十何歳ではだめだからね、どうしても。そうすると、ある程度の年輩ということになりますと、これから勉強するということはやはり大変だと思うのですね。容易じゃないです。子供は大きくなるし、自分もなかなか物も覚えにくいし、大変だと思うのです。 そこで、私は、試験が行われたということを聞いておるわけでありますが、この第一次試験が昨年の十一月ごろに行われたのですか。そこで、応募者数が二千四百三十五名、それから受験者数は少し減って二千三百六十名というふうになっておりまして、女の人が六五・八%を占めているということですから、これだけ見ると何となく趣旨に沿っているような感じがするわけでありますが、中身を見ますと、なかなかそういうわけにいかないで、どうしてもやはり主婦の人は、聞くところによりますと百名くらいしかいなかったというふうに言われておるわけであります。そうしますと、ほかから受験をされた人はどういう人なのか、こういうことになりますと、これはやはり企業サイドの人が非常に多かったのではないかというふうな気がするわけであります。その辺のところをひとつ、どんなふうな状況だったのか御説明をいただきたいと思のです。
○神谷政府委員 応募者の数、受験者の数等は、先生が御指摘になったとおりの数字でございますし、合格者も、御指摘になりましたように全国合計で二百二十五名でございます。 このうち、御指摘のような主婦がどのくらい、会社その他に属しておる者がどのくらいかという数字につきましては、合格者二百二十五名のうち職を持っていない方が五十名でございます。したがいまして比率にいたしますと二二・二%ということになりまして、当然のことながらこの職のない方々、無職という表現がいいかどうかは別といたしまして、その中の四十六名、ほとんどが主婦でございます。したがいまして、主婦の割合が二〇・四%ということになります。それから有職者、職を有する方が百七十五名で七七・八%でございます。この七七・八%のうち会社の社員、職員等が四八・四%、百九人ということになっております。 具体的にどういう業種の、どういう会社の人が受かっておるのかということにつきましては、産業協会の方でそういう集計、統計をとっておりませんので、ここで申し上げる数字はございませんが、私どもが一般的な話として聞いておりますところでは、百貨店とかスーパーとかの大手の総合小売業、それから家庭電器のメーカーあるいは自動車のメーカー等々、比較的消費者と接触する機会が多い業種あるいは消費者との関連の深い製品を製造しておる業種、そういう業種に属する社員の受験並びに合格が多かったというふうに承知しております。 ただ、御指摘のように、主婦が二〇%だけでは本来の趣旨から言うとちょっと不満足ではないかという御意見、私どももやはり同じような気持ちを持っております。これは、職業別で合格者を選別するというのは試験の公正から見ましてできませんので、結果がこうなってしまったわけでござ いますが、ただ、これは一回目のことでございますので、従来、先ほど申し上げましたような会社の中で消費者行政の部門に携わっている方々、そういう社員の方は資格としてそういうものが欲しいというような方も非常に多いので、かなり積極的な応募もあったというふうに承知いたしておりますので、一回目の特殊的要因もあるのではないかというふうに考えております。 そのほか、いずれにいたしましても一回目のことでございますので、試験の傾向その他が、果たして主婦等から受験される方に十分であるかどうかというような問題等いろいろ広範な御指摘をいただき、われわれも一回一回の経験を反省しながら、より当初の目的に沿ったものに改善していきたいと考えております。
○上坂委員 この制度創設のときには、当初、いま言ったように主婦が応募してくれるだろうということを期待し、主婦を対象にして通信教育のようなものを六カ月から一年くらいやって、ある程度消費者問題についての認識といいますか知識というものを与えておいて、それから試験をする、そういうふうにした方が、先ほど言ったように、年配だし、家庭の束縛からそんなにぽんぽん離れるわけにいかないという人に対しては非常にいいだろう。 それから、今度は試験をやる、こういう構想だったように聞いておるわけですが、それをどうしてやらなかったのか、このことについて御説明いただきたい。
○神谷政府委員 御指摘のような方法をとるのが、やはり私も適切であろうというふうに考えております。したがいまして、先生御指摘のように、われわれ、主婦の方を主として対象といたします通信講座というものをこの協会で開設するのが適当だろうとアドバイスをいたしておりますし、協会の方でもそのように計画をいたしておりまして、明年度からその通信講座を実施する予定にいたしております。 したがいまして、これらの講座で特に消費関連の法規であるとか消費者行政関連のいろいろな問題を勉強されますれば――大体この試験は二つのグループに分かれておりまして、いま申し上げましたような法律だとか経済的なもののほかに、もう一つのグループとして、食生活とか衣生活とかあるいは住生活とかいろいろな商品知識を審査する二つのグループに分かれております。後者の方は主婦の生活の方ですから、これはやはり身に体しておられると思いますので、第一の方を通信講座で学んでいただければ、むしろ企業で学んでいられる方よりも合格率が高くなるのではないか、こういうふうに期待しておるわけでございまして、二回目の試験等の結果を期待したいと考えております。 ただ、そういうものをやってからやったらどうか、こういう御指摘もあろうかと思いますけれども、この制度を発足させまして非常に反響も高いわけでございます。受けたいという方も非常にいらっしゃいましたので、とりあえず、その研修は間に合いませんが、当面受けてみようと考えておられる方に窓口を開放する意味で一回目の試験を行ったわけでございます。明年度の試験は、研修を受けられた方がかなり応募されることを期待しております。
○上坂委員 もっとほかに、こんなに早くやらなければならなかった理由がどうもありそうな気がしてならなかったわけですが、それは後にして、この受験料というのが一万円だったそうですが、その辺はっきりしないんだけれども、一万円ということになるとかなり高い。企業ならば幾らでも出せるでしょうけれども、個人で旅費を使って、一万円受験料を出して主婦がやるとなると、これは大変です。その辺のところをひとつ説明してもらいたいと思うのです。 また、時間がないからもう少しやりますが、こういうのを聞いているわけです。某自動車会社だそうですが、販売会社かどうかはわからないですが、五十六人一社で応募させた、三十人くらい出しているスーパーとか何かがやはりあるそうで、ダイエーなんかが各地方の支店から全部集めて受けさせれば、もちろん一遍に二百五十人くらい受けさせることになるだろうとは思うけれども、そのくらい一社でやらせるということ、これもまたどういうことかな。主婦の人、いわゆる職のない人たちに資格を取ってもらって、そして、その人たちを企業にあっせんをして消費者との間をつないで、消費者の意向というものを十分反映した製品づくりをする、こういう形にするわけでありますが、企業では余り雇わない。どうも、うちにちゃんと最初から入ってくれた人でないとぐあいが悪い、余りとやかく言われるのは困りますというので、いろいろアンケートをとると、なるべくならば社内の人で間に合わせたい、こういう傾向が非常に強いというふうに言われておるわけであります。 その辺のところもやはり問題の点ではないかと思うのですね。先ほど言ったように、企業ならば旅費を出して出張手当を出して、それでもちゃんと資格を取らせればいいし、また中でいろいろやっていた人、専門的な人をうんとつくり出すということで企業の利益にもなるという形でありますから、そうした結果が生じたのじゃないかというふうに思います。 それからもう一つ、聞くところによると、これは皮肉じゃありませんが、何だか早くやらなければならないから、こっちで募集しているとむずかしいから企業の方にお願いをして、なるべくいっぱい受けてくださいというようなことをやったようにも言われているのですよ。だから余り評判がよくないのだけれども、そういうふうに言われている。そこら辺が問題なので、ちょっとそのことについて御説明をいただきたいと思います。
○神谷政府委員 受験料の決定の仕方でございます。一万円はちょっと高いのじゃないかという御指摘でございまして、私も余り大きな金を出しませんので、一万円も出すというのはちょっと個人的にはきついのでございますが、うちの担当がよく調べますと、国立大学の受験料一万五千円というようなところを勘案し、かつこの協会で実際試験を行うに当たつての経費等を総合勘案して一万円を決めた、レベルとしては決して高くない、こういうふうに聞いておりますので、私の個人的感覚とは違ってまあまあこんなものかな、できるだけ協会の業務は簡素化いたしまして、余りどんどん値上げもしないようにさせたいというふうに考えております。 それから、試験が高いので、あるいは東京と大阪しかやっておりませんので旅費その他の関係から企業からの応募が多いのではないか、特にある会社から何十人も応募した、こういう御指摘でございます。 確かに今回は東京と大阪しかやっておりませんので、地方の主婦の方には私どもお気の毒だというふうに考えております。通信講座が行き渡りましてもこの問題は解決できないのでございますけれども、やはり関心が高まっていき、協会もある程度スタッフ、財務的基盤等が整備してまいりましたら東京、大阪以外にも受験地をつくりたい、将来の問題としては考えたいと思っております。 各会社が集団で受けさせましたということに関しましては、これは非常に私ども痛しかゆしでございまして、イメージから言えば主婦にわっと集団で応募してもらいたいわけでございますが、会社の方でもこの試験をある程度りっぱな認定試験と認めたからこそ大ぜい来てくれているのだろう、そういうふうに会社が認め、企業が認めませんと、なかなか登録されたアドバイザーを雇おうという気にもならない、こういうことでございますので、ここらあたりは人気があるのもありがたいし、こういう傾向ばかりで今後続いていくのも好ましくないな、こういうふうに考えております。 先ほど申し上げましたように、第一回目を反省しながら、主婦の方に適合し、かつ、主婦の方の実力をできるだけ盛り込めるような試験、審査制度にしていきたいというふうに考えております。 それから、企業が余り雇わないのではないか、なるべく社内の人で間に合わせたいという意向があることは承知しております。やはり企業も一つの組織でございますので、自分で採用して雇った人の方が安心だから、そういう方がある程度の知識、経験を積んでもらった方がいいと思うのは自然かもしれませんけれども、そういう気持ちだけでは、なかなかやはり今後の企業としては消費者のニーズに適合した活動はできませんので、こういう主婦あるいは一般生活を体した方を雇用するような形で持っていかなければならない、こういうふうに考えております。先ほど申し上げましたように、協会ができるだけあっせん等をするわけでございますが、通産省としても側面的にこれを応援しながら、できるだけ登録をされた方は活用してもらうようにいたしたいと考えております。 ただ、アンケート調査等を行いますと、いま先生御指摘のような御意見の企業もありますが、そうじゃなくて、ひとつ前向きで考えようという企業もございますので、そういう企業を突破口にして、しかもそういう企業の中でこういうアドバイザーの方が大いに活躍をしてひとつ資格そのものの価値を高からしめ、御指摘のような問題あるいは風評が飛ばないようにしたいと考えております。 それから、早くやらにゃならぬが余り応募者がいないと困るから、ひとつ企業に集団で受けてくれという働きかけをやったといううわさが飛んでおるということなんでございますが、実は私も初耳でございまして、担当の課長に聞きましても、そういうことはないと言っておりますし、私も耳にしておりません。むしろ予想外に受験者が多かったので驚いておるわけでございますので、一回目の成果から見まして、今後そういうような風評も立つことなく、二回目、三回目の試験が行えるものと考えております。
○上坂委員 そこで、第一次試験の内容の問題についてちょっと触れますが、三百ぐらい問題が出たというのですね。私が受験した人に聞いたら、まあとにかく息子の大学の試験よりも大変だったと。もうとにかく毎日毎日、参っちゃったということなんです。だから通信講座でもやってくれればずいぶん助かるのだけれども、息子と一緒に夜中起きているものたから、お父さんにもずいぶん迷惑をかけたということのようです。 そして、その内容をもらって見たけれども、私も受けてみたら、これはとてもだめじゃないかと思うぐらいすごい内容なんですね。あるわあるわ、べったりなんです。すごいんです。読み上げると長くなっちゃうからあれなんだけれども、大変なんです。これじゃとても勉強するのは容易じゃない。たとえば第一次試験で試験科目の範囲ということになると、こういうふうになっている。消費者のための経済学とか裏町の経済学というのはあるけれども、経済学、それから消費者行政、コミュニケーション、何のコミュニケーションだか知らないけれども、それから衣生活、住生活、家庭経営。そうすると今度は消費者関連法規、消費者問題、消費者関連調査統計、食生活、商品サービス、これではとてもではないが、私はなかなか受験できないと思う。しかも一万円取られるのだから容易でない。これではとても行けないと思うのです。 私は、こういうふうにも聞いているのですよ。三百ぐらい問題が出たうちで、どうも消費者問題に余り関係のないものまで出ている。大学か何かの試験だと思っているらしいのだね。(「楽しんでいる」と呼ぶ者あり)本当、こちらが言うとおり楽しんでいるような問題が出てきている。それで、こんな問題を一体だれがどこでつくったのか、ここが問題。一面では、非常に素人がつくったんではないかというふうに言われているわけです。その辺はだれがつくったか、答えてください。 それから、私は、そういうことを二度と疑問を持たせないためには、試験の内容というのですか、問題を公表する必要があると思うのです。ところが日本産業協会に聞きますと、絶対に公表はしません。自分たちのやっていることが余り都合よくないから、本当のことを言うと公表したくないのではないかと私は思うのだけれども、公表しない。しかし、いまは情報化の時代であって、特に通産省は情報化については全国的にこれを奨励をし、各省に対しても要請をしている立場にあるわけです。そうなりますと、なぜ消費者問題について問題が知られてはいけないのか。大学の試験を受けるのですら、高等学校の試験を受けるのですら、各新聞社がみんなやって公表しているでしょう。これがいまの世の中なんです。そういう世の中に反するようなやり方の中で試験が行われているのでは困るのですね。公務員の上級試験だって問題は公表していると私は思っておりますが、その点はどうですか。公表しますか。これはぜひしなければいけないと思うのです。 それから、時間がなくなるからやりますが、今度は第二次試験から見て、これがまた何かむずかしいのだけれども、私は、第二次試験は同じようなことをやってはだめだと思う。なぜかというと、自動車会社から五十六名も出ているのだ。自動車会社の人が食品のことをやって、コンサルタントになってみたってしようがないと思う。いや、知らないよりはいい。知っているのはいいよ。だけれども、衣類とかなんとかやったってしょうがないのだから、第二次試験というのは私は専門化してやるべきだと思う。ある程度専門化をした試験科目をつくった上でこの試験をやらないと、本当のコンサルタントはできない、こういう考え方を持っているのです。ですから、そういうことはやはり検討をしていって、これからもっと実のあるものにしてもらいたい。 そこで私が言いたいのは、第一次試験では、消費者問題についての全般に関する、いわゆる法規であるとか行政もあるでしょう、それからコミュニケーションの問題もある、常識的な問題としてこれをひとつ取り上げる。第二次の試験では、専門的で、いわゆる衣食住あるいは商品別、サービス別、こういうことに関連のあるもので受けさせるような、そういうシステムというものを考えるべきではないか。これはある程度専門化し、高度化してもいいんではないか、こういうふうな考え方を持っているわけであります。この試験問題についてお答えをいただきたい。
○神谷政府委員 試験科目につきましては、先生御指摘のような試験科目になっておりまして、実は協会等からこの問題につきまして私どもの方に報告がありましたとき、私自身も全く先生と同じ気持ちでございまして、もっと何かうまい試験の方法がないのかということでいろいろ相談もしたわけでございますが、やはり最小限消費者関連法規その他の常識は持っていないと相談には応じられないし、衣生活、食生活、住生活等の生活実態に即したものも必要である。しかし、これを試験問題にいたしますと、御指摘のように、何か大学受験と同じような試験になってしまうという傾向にございますので、できるだけそれを排除して、本当に実生活の、いわゆる主婦としてベテランだったら、特に衣生活、食生活等は満点が取れるような試験にしなければいかぬということを繰り返し言っておったわけでございますが、試験問題作成は私どもができませんで、これは試験委員が公平にやりますから、要望はいたしたのですけれども十分ではなかったような感じを依然として持っております。ただ、私がそう言いましても、そういう試験がすぐできるわけじゃございませんので、いろいろな御批判をいただきながら、御指摘のような方向にできるだけ持っていくように今後試験委員の方々とも話をしたいと思いますし、担当にもよく話させたいと考えております。 ちなみに試験委員は、大学の先生でございますとか、いわゆる消費者問題の専門家であるとか、あるいはおのおのの分野における専門家の方々に委員になっていただき、試験を作成していただいております。 それから、こういう問題の多い試験であるから試験問題を公表したらどうか、こういう問題でございまして、産業協会の方では公表できないということになっておるようでございますし、いろいろな試験の中でも公表する試験としない試験が確かにございます。公表しなくても事実上新聞等に出ちゃうのはございますけれども、二種類ございます。ただ、私も、御指摘のように何も隠さなければならぬことはないのじゃないかと考えておりますので、ひとつ検討させてみたいと考えております。 それから、第二次試験を専門化すべきであるというのは御指摘のとおりでございまして、衣食住みんな知っているなどという方よりも、衣類の方は非常にエキスパートであるというような方で、ある程度消費者関係の常識を持っておられ、人格円満であればいいわけでございます。 実は第二次試験は、グループ別にいたしました場合に、たとえば衣、食、住、商品サービス等に関してはそのうち一つを選んで論文を書けばよろしいということで、食の専門家であれば食だけ論文を書いてもいい形にしておりますので、その点で、専門家をそこでさらにピックアップするという先生御指摘の方向は第二次試験の中に盛り込んでおります。しかし、第一次、第二次を通じまして、ただいま御指摘いただきましたようないろいろな問題を私ども今後も十分参考にさせていただきながら、二回目以降よりよい試験にしていきたいと考えております。
○上坂委員 いまの公表の問題については、やってもらわないと困るのです。なぜかというと、公表しなかったら、こういう制度をつくるのは国民全部が大体において消費者問題については認識を持つということにしたいし、そうありたいためにやるわけでありますから、どういう問題がいま一番問題になっているのかということがわからなければ、国民はそっちのけになっちゃう。そういう点で、私はこれは大臣に特にお願いをして、大臣からでも十分指導していただきたいと思うのです。いまのこの試験の問題を公表するということについてお答えをいただきたい。
○田中(六)国務大臣 消費者保護のためのアドバイザーでございますので、できるだけオープンにオープンにしていくことがいいとは思いますが、専門的なこともまたこれは身につけておかなければなりませんし、試験科目あるいは試験の制度、そういうやり方については、試行錯誤的に一回目やったわけでございますので、上坂委員のおっしゃるように、そういうものも加味して、一回目のことを十分研究し、それに何を加えて何をマイナスしていけばいいかというようなことを十分加味して次に対処したいと思います。
○上坂委員 次に、認定の審査をする、認定の業務をやる財団法人の日本産業協会についてお伺いします。 私は、これは大正十年の設立だと聞いているのです。それで最初は国産品の輸出奨励を目的につくられた団体である、こういうふうに聞いているわけですが、どうなんですか。そして、これは戦前は何をやってきたのか。そんなことをやってきたんでしょうが、戦後は一体何をやってきたのか。それから、従来何人ぐらいで運営をされてきたものであるか。それから、それが急に定款を変えたと聞いているんだけれども、定款はいつ変えたのかわからないけれども、その点についてもお知らせをいただきたいと思います。定款を変えて、急にこのアドバイザーの認定業務をやることにした。それはどういう理由でこの日本産業協会にさせることになったのか。その辺もお聞きしたいところです。 というのは、第二臨調が最近つくられまして、いまあちこちで戦々恐々としているわけだ。それで、通産省の中でもどこをつぶすか一生懸命考えているわけだから、非常に危機にあるところもたくさんある。その中でこれ一つ減りますと、あなた方、なんて言っては失礼だから余り言わないんだけれども、通産省の偉い人たちが行くところが一つ減る、これは大変だからなるべく温存しておいた方がよろしい、そういうことも考えて急に復活させたのではないか。それまで眠っていた子供を起こしたのではないかという感じもするものだから、その辺のところをお聞きしたいわけであります。時間がないから、いわゆるメンバーですね、現在のメンバーをひとつ発表してもらいたいと思います。
○神谷政府委員 御指摘のように、日本産業協会は大正十年三月三十一日に、その前に社団法人博覧会協会と財団法人国産奨励会というのがございまして、この二つの公益法人が合併いたしまして農商務大臣の許可を得て財団法人日本産業協会と改組されて成立したものでございます。 理事十名で構成されておりまして、主として見本市の開催あるいは博覧会の開催、産業貿易功労者の表彰その他定期刊行物等の発行等の事業を行ってきたわけでございますが、その後活動が衰退してまいりまして、しかも役員が御高齢の方ばかりでどんどん死なれまして、役員が欠員になりまして欠けてしまいましたので、東京地方裁判所によりまして仮理事が任命されて協会財産の確定等の業務を行ってまいりまして、この協会を今後どうしていくかということを御検討されたわけでございますが、新しい社会のニーズに対応した形での活動を進めたい、こういうことで仮理事会の同意を得まして新しい体制に衣がえして、第一回の理事会を昭和五十五年七月二十八日に開催したわけでございます。その際、御指摘のように寄附行為を改正いたしまして、従来の産業奨励、優良なる生産物の普及といった事業のほかに、さらに消費者志向の促進というものを目的の中に加えまして、新しい社会的課題に対応することにいたしたわけでございます。そういうことで、通産大臣の告示に基づいての消費生活アドバイザー制度の運営実施を行おうという準備を進めてまいりましたが、五十五年十月十五日認定申請を受けて、先ほど御説明いたしましたような通産大臣から認定を受けてこの事業を発足させたわけでございます。 御指摘のように、休眠しておる公益法人を衣がえしたのではないかということに関してはそのとおりでございまして、具体的に申し上げれば、休眠公益法人に関しては、これを解散した場合にはその残余財産というものは類似したような公益事業を行っている公益法人に引き継ぐ、こういうことになるわけでございます。したがいまして、この消費生活アドバイザー制度を実施いたすに当たりまして、新しい公益法人をつくって、そこに産業協会からの残余財産を受け継いで行うという方法もあるわけでございますが、やはり仮理事の方々の灯を消さないで、このまま新しい社会的ニーズに対応して事業を続けていきたい、こういう要望も受け、私どもとしては、先ほど申し上げましたような寄附行為の変更認可申請を受け審査した上で、しかも新しい業務の実施事業計画その他を審査し、この協会を衣がえして引き続いて行っていくことが適当であろう、こういうふうに考えて、この協会に事業を実施せしむるに至ったわけでございます。 現在の役員はどういうメンバーかということでございますが、会長は、日本経済新聞社顧問の円城寺次郎氏でございます。そのほか理事といたしましては、日本チェーンストア協会の副会長の伊藤氏並びに経団連専務理事の奥原氏、伊勢丹の、これは百貨店協会の当時会長でございました小菅氏、日本商工会議所専務理事の佐々木氏、電気事業連合会会長の平岩氏、日本アパレル産業協議会理事長の本間氏、家電製品協議会会長の山下氏、味の素株式会社社長の渡辺氏が理事でございます。監事といたしましては、仮理事でおられた弁護士の三輪氏並びに全国銀行協会連合会会長の山田氏が監事になっております。
○上坂委員 こういう状況だから、一年ぐらい通信教育をやろうと思ったのだけれども、とにかく早く復活させないと、これは存在がないものなんだから、去年の七月に定款を変えてこれを復活させたわけでしょう。そして役員を選んだのでしょう。早く仕事をさせないとだめだというので大急ぎでやったから、せっかく設けた通信教育もやらないでやってしまった。こういうふうに言われても、率直に言うと返す言葉がないとぼくは思うのです。こういう便宜的なことをやっては困る。しかも、いま第二臨調で行政改革がぐっと進んでいるときだから早くやろうじゃないか。幾ら弁解しても、こっちの方に頭があったと私は思うのです。 それで問題なのは、このメンバーを見ても、私が聞いているところによると、消費者の問題についての専門家というのは一人ぐらいしかいないそうですね。あとはもう社長さんばかりで、余り自分で買い物をしたことのないような人ばかりいるわけだから、その辺のところが、消費者問題については末端まで行くとなかなかむずかしいという感じがしている。だから試験問題も大体むずかしくなっちゃう。だから主婦は困って、なかなかアドバイザーになれない。こういう問題があったような気がしてならないのですね。したがって、これをせっかくつくっているのですから、これは非常に有効なものにしていかなければならない。そこで、この運営とか何かに十分気をつけて、そして実のあるものにしてもらいたいというふうに私は考えておるわけであります。大体アドバイザー制度は、世間的には受けましたけれども、現実にやられた実態については、あちこちで聞きますと余り評判がよくない。 それからもう一つは、日本産業協会があっせんをする、こう言っておるのですね。きのう部長に聞いたら、通産省の方であっせんするようなことを言ったのだけれども、そうじゃなくて日本産業協会であっせんをする。これは、あっせんをする資格というのが産業協会にあるかどうか。これは労働者の問題だと思うけれども、これについて、先ほど話したことと一緒に答えてください。
○神谷政府委員 せっかくいい制度だと思って発足させましたので、できるだけいろいろな御批判をいただきなから、りっぱなものにしていきたいというふうに考えております。 具体的なあっせんでございますが、これは労働関係法規の違反にならないように労働省の指導を受けながら進めてまいりたいと思いますが、基本的には登録簿を持って企業からの照会に対してお答えする、こういう形になっております。 ただ、こういうものが社会に定着して効果を発揮するためには、やはり合格した一号の方、二号の方というような方々が企業に入って、本当に所期の目的のような働きをしていただかなければなりませんので、そういう意味では合格した方々に関しましては、通産省はまあどうしても表には出られませんから側面でございますが、側面的には、できるだけ企業が活用し大いに成果を発揮してもらうように受け入れ姿勢を整えていただくよう要請し、指導していきたいと考えております。
○上坂委員 時間が来ましたので、この問題はまた後でやることにして、きょうはやめます。 それでもう一つ、そっくり商品の問題について質問をしたいのです。私、ここに持っているのですが、これは油のこし紙です。デザインは全く同じ、中身も使用方法も同じ、しかし、つくっているところは違うのです。こういうものが出回ってきたような場合、たとえばある有名なメーカーの品物が出ている、それと同じものがまた出てきたという場合に、消費者の被害が生ずるおそれがある。そこで、消費者がそれに気がついてそれを持ち込むとき、窓口は一体どこへ持っていったらいいかわからない。実はこれを取り扱った人は一カ月かかった。まず通産省に行ったがだめ、特許庁に行ってもだめ、公正取引委員会に行ってもだめ、そして一番親切によく教えてくれたのが東京都の消費生活センターで、みんな法律がこうなっていますからこれはできません、私の方ではここまでしか法律が適用になりませんからここから先はだめです、こうなっちゃって全然取り扱ってくれない。そうすると、消費者、国民は持っていくところがないわけですね。これでは困るので、こういう問題が生ずるおそれというのはこれからどんどん出てくるわけだから、窓口をやはりきちんと設けるようにしてもらいたいと思うのです。その辺のところを各省、各関係で相談をして、これは通産省に関係のあるものばかりじゃありません、食品だって何だって全部出てくるわけで、農林省だって何だってみんな関係があるわけだから、その辺のところを、まずどんなふうにしたらいいのか、御説明いただきたいと思います。
○神谷政府委員 実は、先生お示しの油こし紙というのは、私も昨日見まして、余りそっくりなので驚いておるわけでございますが、このケースそのものはちょっと複雑でむずかしいことは確かでございます。ただ、そういうものに関して、御指摘のように通産物資のほかに農林物資その他いろいろございますので、全部というわけにはいかないのでございますが、通産関係物資でございましたら、私ども、快刀乱麻を断つごとく全部はいきません、なかなかむずかしくて頭をひねるかもしれませんが、うちの相談所窓口においでいただければ、うちの所管以外のものでも含めまして、あちらに行って相談したらというところまでアドバイスもできるだろうと思いますし、一緒になって頭をひねるようにしたいと思います。
○上坂委員 そうすると、生活産業局に行けばいいんだね。
○神谷政府委員 通産省の一階の正面入り口を入った右側に相談所がございます。所管的には産業政策局に属しております。ただ、具体的案件によりまして、そこからおのおのの局課に行くというようなこともあるかと思います。
○上坂委員 こういうことはこれからもあるから、ちょっと説明をしておきますと、これが「クレール オイルフィルター」なんです。これは興人商事というところでつくっているのですが、これは顔だけが登録商標になっているわけです。体の方はないわけです。それから、こちらは後から出てきた企業で、「ニューオイルメイト」という方ですが、これは安積濾紙というところです。これは顔を含めて体全体、ここのところも含めて意匠登録をしているわけです。ところが、この顔はこっちからもらっちゃったんですね。興人の方から取っちゃった。そうしたら今度は興人の方は、こっちのいわゆる安積濾紙というところの方から体をいただいちゃったのです。そして全部ぱあっと組みまして同じものをつくったから、これは素人が見たらどれがどっちだかわからない。値段は大体百円近い。性能は余り違いません。似たようなものです。中身は少し違うのです。 そういうような形だからいまのところではまだ被害が出ていないわけですが、しかしこれに類するものが、商品は数が多いから被害が出てくると大変なので心配したから、早くそれをやってもらいたいと私は思ったのです。それで歩いた人によると、官庁というところぐらい不親切なところはないと言って、ますます通産省の評判が悪くなっちゃっているものだから、私も商工委員として全く情けなく思った。恥ずかしくなっちゃった。だからこれはそういうことのないように、よく質問なとを通じて大臣にも反省を求めて――でも大臣は一生懸命ほかのものを読んでいるから、反省しているかどうかなかなかそいつはわからないけれども――私も言っておきます、こう話をしておいたわけであります。 それで、いま審議官の方から、これについては十分窓口をつくるから。ただ窓口をつくるだけじゃなくて、こういうものについてやはりどういう法律で対処するのかということを前向きで検討してもらいたい、こういうふうに私は思うのです。その点についてお答えをいただいて、質問を終わります。
○田中(六)国務大臣 品物はよく見ておりました。それこそ非常にそっくり、家内はうまくいくかもしらぬ、私はどっちがどっちかわからぬで買って帰るのではないかというようなことを思いながら考えておりました。いずれにしても、そういうことのないように十分指導すると同時に、取り締まって、市場が混乱しないように努めたいというふうに思います。
○上坂委員 大臣は頭が複式に働くようですから、あっちこっち全部できるようですから、いまお答えをいただいてありがとうございました。十分ひとつ審議官の方でも実態に即してやってくれるように要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○野中委員長 水田稔君。
○水田委員 私は、塩化ビニールの業種の問題についてお伺いしたいのですが、その前に、一つは、全体的な産業構造の問題で大臣に冒頭お伺いしておきたいと思うのです。 いま、日米とか日本とECとの間の経済摩擦というのは、自動車であるとかVTRであるとか、大変に日本が強いということでいろいろ言われているわけです。恐らくアメリカも、自由貿易の原則は崩さないというたてまえをとりながら、いわゆるロビーの力が強くて立法という圧力をかけながら自主規制を求めてくる。そういう強い圧がかかってきておるわけであります。 しかし、それは日本の業者間の協定なら単に独禁法違反で済むわけです。ただ、こういう問題を考えるときに、たとえば自動車のアメリカへの進出ということも求められるかもしれない。しかし、たとえばカラーテレビがアメリカへ大量に入っていったときに同じような摩擦があったわけです。現在アメリカへカラーテレビの工場が六社進出して、向こうで二百四十万台つくっている。たとえば、そのときに日本のカラーテレビの工場がVTRに転換できなかったら大変な雇用問題が実は日本で起こってくる。そういうぐあいに一つの経済摩擦の問題というのは、強い場合でも、問題解決についてはそういう問題が起こってくるわけでありますが、残念ながら全体的に見た場合に、日本とアメリカ、日本とECの間で日本が強いというのは一体どれだけなんだろうか。むしろ弱いといいますか、国際競争で負けておる業種というのが大変今日の不況の中でもたくさん影響を受けておる。それは、特に四十八年あるいは五十四年というオイルショックによって電力料が上がる、あるいは原料が高騰するというような中でたくさんの業種に起こってきておるわけであります。 したがって、そういう日本の産業構造を考える場合、強いものだけでなくて、そういったおくれた、それは技術がおくれておるのか、あるいは構造的にそういう立場に置かれておるのかという問題もある。しかし、いま強いといういわゆる日本の産業が成り立っておるのは、日本においていま悪いと言われておる基礎素材をつくる多くの産業というのが、品質のいいものを安定的に、ある程度は値段の点でも競争できる、安いもので供給できるという条件があったから、今日の経済摩擦になるような強い商品ができてきた。その一つずつが崩れかけている。 この前大臣がおられなかったので政務次官に申し上げたのですが、たとえば鉄鋼は強いと言われるけれども、フェロアロイがやられてしまえば、副原料ですから鉄鋼もかげってくる、あるいはいろいろな商品にアルミを使うという場合もあります。そういうことなどを考えながら、日本の産業構造を一体どういう方向へ持っていったらいいのか。そういう中でたとえば化学産業というのは、まさに原料の値上がり、石油そのものが原料ですから、そして電力料の大幅な値上がりによってダブルのパンチを受けておるわけであります。ですから、こういう問題を含めて日本民族が生きていくためには、一体産業構造をどういう形に持っていったらいいのか。たとえば石油化学は原料はもう外国で、産油国で工場をつくってやり出す。日本へ持ってきてエチレンをつくる必要はない、向こうから入れろということになるのか。なっても困るわけですね。そういう問題も含めて、日本の強いあるいはいま大変厳しい状態に置かれておる産業をどういう形で、たとえばアルミなら百六十万から百十万になってきた、それでもなおかつやられておるというような問題、あるいは苛性ソーダ等についても化学産業の基礎素材だけれども、このままでいいのかどうか、いろいろな問題があるわけです。そういうことも含めて、これからの日本の産業構造というものをどういう方向へ持っていくのか、細かい点はよろしいですから、大まかな方向として、大臣に、日本の産業が生き残っていくための方向というものを、ひとつお考えがあれば冒頭に聞かせていただきたい、こういうぐあいに思うわけです。
○田中(六)国務大臣 日本のこれから先の産業構造をどうするかという問題でございますが、現状並びに将来を展望する場合、必ず過去の業績と申しますか過去の歴史がやはり大きな作用をすると思います。 たとえば繊維から始まりテレビ、鉄鋼それからいま自動車、この次はICあるいは航空機というようなことを言われておりますが、いまの自動車の経済摩擦はアメリカだけじゃなくてEC諸国、全世界のうちおよそ先進国と言われるところで起こしておる摩擦でございまして、これは裏を返せば、ちょうど技術が競合しておって日本の技術がそれより上回っておるというところから来ておると思います。 これから先どういうことになるかと考えますときに、日本はあくまで自由主義貿易でなければならない。貿易依存型でなければ日本の経済あるいは私どもの国民の生活の安定というようなこともできないわけでございますので、貿易摩擦というようなことはもう日本には終生ついて回る問題だと思います。したがって、これを打破するという場合、もちろん自動車の摩擦によってアメリカに二十万のレイオフ、失業者が出てきた、これは実態がどうかは別としても、向こうはそう主張しているわけです。それからEC諸国でも、これは一概にEC九カ国を同じ国のように扱うことは誤りでございまして、フランスはフランスなりに、イタリーはイタリーなりに、私どもに言わせるとガット違反を堂々とやってのけておるところもございますが、そういうことは別にいたしまして、私どもは、繊維産業のような軽工業はもうすでに韓国とか台湾とか香港とか、チープレーバーと申しますか、労賃の安いものはどんどん発展途上国に渡し、そこの購買力を強めて、そして日本の品物を買ってもらわなければいけませんので、そういう意味ではこれはいたし方のないことで、私に言わせれば、日本が貿易立国ということは即技術立国でもなければならない。先端技術というものを常にみがいていかなくちゃいけませんし、これからの産業は、ICにも見られますように、複合先端産業と申しますか、四ミリ角のチップの中に二十万、三十万の素子、つまりコンピューターみたいなものが入り込んだ、それがいろいろ近代産業の中にはめ込まれるということ。これはECもすでに日本は追い越して、アメリカに負けておりましたけれども、最近の一年ぐらいはエレクトロニクス関係のそういうものはアメリカとも競合しておるわけでございまして、将来ますますそういうことになる。 したがって、日本の産業構造と申しますか、やはり常に技術というものを頭に置き、民間が技術を高めることの環境づくりを政府がすると同時に、できるならば大手を振って、助成ということはまた批判もあるでしょうけれども、政府のやることはやはり技術を高める、複合先端産業と称せられるそういうものをどういうふうに育成していくかというようなことを常に頭に置いてこれからの貿易をやらなくちゃいけませんけれども、あくまでそういう先端産業のベースになるものを、保護主義貿易を世界に蔓延させるんではなくて、自由主義貿易のもとでいかにしてうまくできるかということを頭に入れつつ、貿易、通産、商業関係をやっていかなければならないんじゃないかというふうに思います。
○水田委員 ちょっと私の質問、後のところは抜けておったような気がするんですが、強い商品での経済摩擦が起きておる。逆に言えば、負けておるたくさんな、いろんな見方がありますが、二業種は強い、あるいは六業種は日本がアメリカより進んでおる、しかし二十八業種はまさにまだおくれておるというような問題がある。そこでは実は向こうからの大量のわが国の輸入によって、そのために業界が大変な苦境にあるというものがある。日本が自由貿易を立てるとするだけに文句を言ってない。アメリカも自由貿易と言いながら、現に失業者が出ればあれだけの圧力をかけてくる。しかし、日本は言ってないから経済摩擦が起こってないように見えるけれども、マイナスの、こちらが弱い分での経済摩擦というのは、今日本当は存在しておるわけですね。 ですから、そういう問題について、いま大臣が言われたように、自由貿易の原則を守らなければならぬけれども、そこらを含めて――開発途上国が追い上げてくる分は、まだいわばゴム履物であるとか繊維であるとかそういうものなんです。私が申し上げているのは、たとえば非鉄金属は基礎素材として今日の日本の先端産業を支えておるわけですね。アルミにしてもそうでしょうし、たとえば化学工業の中では苛性ソーダというのはそれ自体は余りもうからぬけれども、基礎素材としてなくなったら困るわけですね。そういうものが今日破滅するんではないかという心配なところへ置かれておる。日本が言わないから経済摩擦が起こってない、そういう産業を一体どうしていくか、それらを含めてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 つまり、基礎素材産業というものが現在不況の中にあって、じっと見ておりますと、これらの素材産業が非常に痛めつけられて在庫調整も全然進まない、したがって生産も落ちておるというようなことが展開しているわけでございまして、そのための中小企業者関係がかなり倒産しております。私は、先ほどは貿易のことばかり言いましたけれども、大きな本質的なものとして、やはり日本はできるだけ国際的な摩擦は避けねばならない。そうなりますと、外需という概念をもう少し内需というふうに向けなければいけない。国際的摩擦を少なくすると同時に国内の内需を刺激していく方策をとるならば、そういう不況下にある素材産業も助かると思うんです。 したがって、これからの政策のやり方は、対外的にもあるいは国内的にも内需刺激型の、あるいは内需をどういうふうにして活発化するかということにも十分頭を入れた産業行政を展開しなければならないということは、私ども頭にあることを申し上げたいと思います。
○水田委員 大臣、また改めてアルミとか非鉄金属とかそれから苛性ソーダの問題等やらしていただきますが、若干大臣の答弁では守り得ないものがあるのです。それでは解決しないものがあるのです。塩ビについてはちょっとこれから申し上げます。 一つは、化学工業を見ますと、医薬品だけはいいわけですね。農薬もちょっと息をつくぐらいです。それ以外は全部悪いわけですね。いわゆる化学製品というのは大体七割が内需なんです。塩ビを見ますと大体九割が内需なんですね。そういう中で今日の状況を見ますと、昨年の四月一日から電力料が値上げになりますから、それまでにいわゆる仮需ということで、早くということで稼働率が八〇%を超すような状態だったのが、そこで仮需が落ちると同時に、仮需だけでなくて本当の需要も落ちておったということ。そして、今日ではまさに操業率五九・四%という状態。ですから、大変な雇用問題もすでに起こってきておるわけであります。在庫が十万九千二百四十三トン。そして大きな会社で、たとえば三井東圧でも人員整理をやろうか、あるいは、後で個別にも触れますが、水俣のチッソもいろいろな問題を抱えておるわけですが、この際工場をスクラップ・アンド・ビルト――ビルドといったって非常に小さいものですから、まさに縮小の方向へ行かなきゃならぬ。 そういう中で、もう一つは量の問題もあるんですが、原料のナフサが上がるあるいは電力料が上がって塩素が上がる。五十五年のいわゆる仮需が終わった時点ぐらいは二百十一円パーキログラム、一キログラム二百十一円ぐらいであったものが今日では百八十七円に下がっておる。もう一つは、いろいろ調べてみましたが、量としては輸出、輸入が大体とんとんのような形なんですが、値段の点で言えば安いのは一キログラム百十七円、高いので百五十五円ですから、日本よりはぐっと安いものが入ってくるというような中で一体どうするかということが、これは働いておる労働者あるいは企業を経営しておる人たちを含めて今日大変な問題になっておるわけでありますが、通産省としては現況をどういうぐあいにとらえて、将来に向かってどういう形でこの業種の展望を切り開いていこう、そういうぐあいにお考えになっておるか、お伺いしたいと思うのです。
○小松政府委員 お答え申し上げます。 塩化ビニールにつきましては、先生からいまお話がございましたような状況でございまして、一昨年は生産量で百六十万トン、それから販売量で百五十三万トンということで史上最高という状態だったんですが、昨年の四、五月以降、いわゆる仮需の反動それから実際に景気の動向が下降カーブに来たというようなこともございまして、いま生産は相当低迷いたしておりまして、ピーク時、これは五十五年の三月だったんですが、月十五万トンペースだったんですが、これが現在では十万トン台に落ちてきているということで、企業は非常に苦労しているわけでございます。また、在庫量の方も先ほどお話がございましたような状況で、在庫を相当抱えておるという状況でございます。一方、そういう中で海外の景気も非常に悪い状況でございますので、海外からの輸入も若干ふえてきておる。昨年の秋ぐらいまでは大体月千トンから三千トンペースの輸入だったんですが、十月、十一月は八千トン台にふえる。ただ、ここへ来てまたアメリカなどの若干の値上がりがございまして、輸入の方は若干落ちついた動きになってきておりますが、いずれにいたしましても、内需の低迷それから輸入の圧迫というようなこともございまして、現在塩化ビニール業界というのは非常に苦難の状況にございます。 そういうことで、当面、全体としての景気の振興が図られなければいかぬのですが、緊急対策といたしまして、現在、生産制限によって需要に見合った供給体制をつくろうということで不況カルテルの検討を行っております。これは業界の方の体制が整い次第、できるだけ早くその体制をつくっていきたいというふうに思っているわけでございます。 ただ、同時に、こういう景気動向だけの問題ではございませんで、これも先生から御指摘がございましたけれども、塩化ビニール業界自身が構造問題を抱えているわけでございまして、全般的な供給過剰、特に設備過剰の問題以外に、先ほどお話がございました原油価格の値上がりによります原料エチレン価格の上昇、それからソーダ製法の転換に伴います原料塩素の値上がり、こういうことで、原料面でも非常にむずかしい問題を抱えておる、こういう構造問題がございますので、緊急的にカルテルでその場をしのぐと同時に、長期的な問題につきましては、今後構造問題を解決していかなければいかぬということで、現在塩化ビニール工業協会の中にも長期ビジョン研究会というのがございますが、そういうところで業界としても検討をしておりますし、通産省としても、そういう長期の構造問題を含めて、今後塩化ビニール業界の健全な発展のために努力していきたい、かように考えております。
○水田委員 不況カルテルで少々調整をやっても、需要が起こってこなければ全く過剰設備を抱えたままの状態、根が通らぬという問題も起こってくるわけですから、もちろんそういう努力もしていただかなければいけませんけれども、一つは、根本的に置かれておる日本の石油化学全体、塩ビの場合でも一緒ですが、原料に税金をかけるということですね。 いまある程度の免税措置はとっておりますが、これは五十六年度一年間延びただけなんです。たとえばアメリカは原料にLNGを使っておるわけです。自国でとれる安いものを使っておる。ヨーロッパではいわゆる石油を使っておるけれども、ナフサは完全な免税、ゼロなんです。日本も配慮をしておるけれども、やはり百五十円は取っておるわけですね。しかも日本はヨーロッパとも競争するけれども、アメリカとも競争が激しいわけですから、そういう中では、もともとの条件が悪いところへもってきて、工業の原料であるナフサにさらに税金をかけるということは、政府の施策の中で競争力を奪うことになるのではないか。ですから、これはぜひ免税にすべきではないか。 時間の関係でついでに申し上げますが、たとえばナフサの輸入というのは、石油業法によって石油の輸入業者にしか認めてない、そのために価格なりあるいは量についても、業界が自由に持ってくることができないというネックもあるわけですね。ですから、アメリカに比べたら、もともと天然ガスと石油ということで条件が違うわけですし、大変悪いわけですから、それを少しでもカバーするためには、障壁をもっとつけるんじゃなくて、むしろもっとなくしていく方向で――日本の石油化学はなまやさしい状態に置かれていない、これから将来展望を見ても。そういう中で根本的に生き残るためには、いままでのいろいろな法律の枠の中でこそくな手段でやっても、これはとてもじゃないが起死回生の施策にはならぬだろうと思うのです。アメリカ並みにせいといったってこれは無理ですけれども、アメリカは最近変わったようですが、インフレ対策として、いわゆる石油であるとかあるいはLNG、LPGの値段をそういう面から抑えておるから、全然日本は悪い条件にありながら、向こうはいい条件にありながら、さらにそれが優遇されるという形になっておった。ますます差がつくわけですね。けれども、そこまではいかないにしても、せめてヨーロッパ並みの条件で、あとは日本が国内における各企業の努力なりによって太刀打ちできる条件をつくっていく必要があると思うのです。そういう条件をつくることは、私は、通産省がこれをやらぬのなら、化学産業は適当にやって、そのうちつぶれてしまえ、こういう態度をとっているのじゃないか、こう言わざるを得ぬのですが、その点について御答弁いただきたいと思うのです。
○小松政府委員 先生御指摘の石油化学の原料問題でございますけれども、確かにアメリカの場合は非常に安い天然ガスが主要原料になっておるということで、ナフサを主要原料といたしております日本の立場から見ますと、日本の石油化学工業は競争力の点で問題が出てきているということは事実でございます。 ただ、アメリカの方も、最近、先生御存じのように、価格統制撤廃ということで、石油につきましてはことしの一月から価格統制が撤廃されまして、徐々に値段が一般国際価格に近づきつつある。また、天然ガスにつきましても、いずれ早い機会に段階的な統制の撤廃が行われるのではないかというふうに考えております。 同時に、日本の場合は輸入ナフサについていろいろの問題がございますが、本来輸入ナフサについてもできるだけ自由に入れられるような体制の整備については、私どもも日ごろ努力いたしておりますし、また国産のナフサにつきましても、石油精製会社と石油化学会社との間で、当事者間の交渉で自由に、できるだけ安いところで価格が決まるような体制整備は、今後もしていかなければいかぬというふうに思っております。 さらに、関税とか他の税の問題でございますが、これは先生から、無税にしたらどうかというお話がございますが、いままでも相当努力をいたしまして、関税につきましては相当の軽減税率の適用とか、国内で製造されたナフサにつきましては、関税の一定分については還付制度を持つとか、また石油税につきましても、輸入ナフサにつきましては免税措置をとるというような努力もいたしておるわけでございます。 ただ、いずれにいたしましても、原料問題というのが今後の日本の石油化学にとりまして非常に大きな問題であるということは私どもも認識しておりまして、現在私どもの局に石油化学原料問題懇談会というものをつくりまして、そこに関係の識者を集めまして、いろいろ御意見を伺いながら、今後の原料対策をどうしたらいいか、石油化学の国際競争力を確保するための原料問題についてどう対応したらいいかということを、現在一生懸命勉強しておるところでございます。先生御指摘の点も含めまして、今後さらにその面の検討を続けてまいりたい、かように考えております。
○水田委員 ナフサの関税の問題というのは、額の問題もさることながら、基本的な化学産業に対する政府の考え方の問題なんです。条件は、私が申し上げるよりも、アメリカに対する条件あるいはヨーロッパに対する条件というのは御存じだと思うのです。そういう非常な苦境にある中で、なおハンディを背負って、日本の化学産業に、いまの状態から立ち直れ、自助努力でやれというのは、まさに見放すようなことになるわけですね。 もう一つは、石油の輸入業者を通じてのナフサの輸入供給ということをやっておりますが、そのことはやはり、国内のいわゆる流通の過程では首根っこを押さえられるわけですね。そのために、そうでなくても、その点を離してもらえばまだ自分の努力で、原料の手当てその他でなお少しは自助努力ができる点が全くできない。それはよその会社のことですからね。そういう問題が現実にある。そして、いまどうにもならぬところに来ておるから声が大きくなるわけですから、その点はいま局長、私の意見を含めて検討ですが、いまの二点については強い意見として申し上げておきますから、ぜひ実現のための努力をお願いしたい、こういうぐあいに思います。 それからもう一つは、先ほども出ましたように、塩ビというのは国内需要が大半で、国内のいわゆる個人消費なり建設関係の、特に住宅建設が二割から三割と落ちておるわけですから、それをもろにかぶっておることは間違いないわけです。 そこで経企庁の長官にお伺いしたいんですが、これまでの経済の見通しで、恐らく在庫調整というのは、各業種十二月くらいまでには済むんじゃないか。大体去年の四月までの状態というのは、仮需を含めてずっとよかった。ですから、その後少々悪くても、十二月までに在庫調整済んで、ことしの一月以降少しは横ばいから上回っていくだろう、そういう見方をされておったと思います。その見通しは、化学産業について言えば、全くそういう解消の方向には行っていない。恐らくこれは下半期にまで在庫調整がずれ込むのじゃないか、そういうことです。そうしますと、全体的に国内の景気回復というのはおくれるだろうと思います。 一昨日ですか、公定歩合の一%の引き下げをやったわけです。これは確かに借入金の金利負担が下がるわけですけれども、いま民間設備投資が若干上回っておるというのは、何も設備投資をやってもうけようということでやれるのじゃなくて、たまたまいままで工業開発をやったところが、いやでも応でも設備更新しなければならぬ時期に来ておるというものの方が多い。一部にはあります。たとえば超LSIとか、そういうものではあるわけですけれども、そういうことでこれが新しい設備投資にどういう形で回ってくるだろうかという疑問を持つわけです。 もう一つは、公共事業がいいか、減税がいいかという前にいろいろ論議がありまして、波及効果の問題、誘発需要という問題がいろいろ言われたわけですけれども、七〇%ぐらい公共事業を早目にやる、こういうことを言われているわけですか、景気の動向が塩ビの需要にも即はね返ってくるわけですから、一体そういう点の見通しをどういうぐあいに持っておられるのか、お伺いしたいと思うのです。
○河本国務大臣 いま景気の動向をお話しになりましたが、大体私も同じような意見でございます。在庫調整も若干おくれておりますが、下半期ということはない、こう思います。おおむね四-六にほぼ終わるのではないか。非常に悪い業種は一部それ以降になるかもわかりませんが、下半期ということはまずない、このように思っております。 そこで、今回、金利の引き下げと公共事業の前倒し、中小企業対策、こういうことを中心とする一連の対策を物価対策とあわせて進めたわけでありますが、これからの見通しにつきましては、消費者物価がだんだんと安定の方向にいっておりますから、個人消費もある程度盛り返してくるであろう、こう思っております。 それから、中小企業なども設備投資意欲は非常にあるのです。あるのですが、何しろ金利水準が非常に高い。いまの高い金利のお金を借りて投資をするわけにいかぬということでありますから、今回、金利も下がりますし、資金量も豊富になりますから、ちゅうちょしておられた向きも投資に踏み切られるだろう、こういう感じもいたします。そこで、下半期には内需を中心とする力が回復をするように期待をしておるというのがただいまの対策の中心だと考えております。
○水田委員 それでは、基礎産業局長に、むずかしい問題ですが、いままで言いました原料の問題もあるのですが、当面する問題として、日本が自由貿易の原則を崩すわけにいかぬということではあるのですが、そういう中で、たとえば集中豪雨的に輸入がふえてくる場合に、一つは、数量規制というものはできないものかどうかということが一つ。 それからもう一つは、たとえばEDCですね、中間物のEDCについては共同輸入というようなことでやれば国内の混乱というのは若干避けられるのじゃないか。そういうことは考えられないかどうか。あるいは物によっては、必要に応じてTQ制というものを採用することができないかどうか。時間の関係でもう簡単に申し上げますが、その点についてのお答えをいただきたいと思います。
○小松政府委員 塩化ビニール樹脂についてのお尋ねだというふうに考えておりますけれども、現在塩ビにつきましては、先ほども申し上げましたように、確かに輸入がふえてはきておるのでございますけれども、ふえておる中身その他から見まして、塩ビ樹脂そのものが今後そんなに急激にふえてくることにはならないのではないかという感じを持っております。 と申しますのは、輸入品の場合は、アメリカの場合には確かに原料価格差がございまして安いわけでございますけれども、品質その他の面では日本の国内品の方がかなり優秀であるというような問題もございますし、またユーザーの立場から見ましても、輸入ということになりますと安定供給という面でも問題がございます。そういう面で国内品が有利であるとかいろいろございますし、さらに今後海外の景気動向いかんにもよりますので、現状から見ますと、今後塩ビ樹脂そのものについて輸入が急速に増大してくる状況にはまだ現段階ではないのではないかというふうに思いますし、日本の塩ビについてそういうきめ細かい合理化、それからユーザーに対するサービスを行えばまだまだやっていけるというふうに思っておるわけでございます。 同時に、先ほど来の原料面での問題がございますので、これは先ほど先生から御指摘ございましたように、EDCといいますか二塩化エチレンの輸入問題があるわけですが、これは原料対策から見ても一定規模の輸入は今後していかなければいかぬということで、これについては合理的な輸入、安定的な輸入体制をつくるためには共同輸入などの問題も当然検討してしかるべきだということで、現在業界でもその面の検討を行っておりますし、私どもとしても応援していきたいというふうに思っております。
○水田委員 最後ですが、実は先ほども申し上げましたように、この塩ビ業界の不況の中で、チッソの水俣がポリマー現有能力五万トン・パー・マンス、これは小さい十一基でやっておるのですが、これを三万五千トンにして二基にする、大型にして量を減す。それから、モノマーは七万トンですか、これはゼロにするというのですね。塩ビ全体については先ほど来論議をしておるようなことですが、このチッソというのは、特に有機水銀による汚染を起こし、そして大変な患者の救済をいま責任を負ってやっておるところであります。そして、どうにもならなくなって、これは県が肩がわりして、県債を発行してその補償をする、こういうことをやっておる。そのときに県議会なり県知事は附帯決議としてあるいは要望として、この水俣工場の存置、強化発展させていく、こういうことを約束しておるわけですね。これは人数の点でいってもだんだん少なくなってきておる。工場も余りないところですから、その地域の雇用の問題もあるし、働いておる人のいわゆる雇用の問題もある。そして、患者救済の問題等もある。これは通産省としてもここでてきるだけ――ここだけじゃないのですが、千葉なり水島なりの工場等を含めて、ここで患者救済の補償ができるようなことの努力をそれなりにしてきてもらったと思うのです。 こうなりますと、これは塩ビだけの問題じゃなくて、塩ビが縮小されれば、逆に言えば、今度は間接費その他がほかのところへかかっていくわけですね。そうすると、いまのままでやっておればそこはコストが引き合うけれども、塩ビが縮小することによってコスト負担がほかへかかっていくということになればこれもだめだ、こういうことになる。能力の点から言えば、千葉なり水島というのは新鋭工場ですから、いわゆる純然たる企業経営でいけば余り効率の上がらないところはつぶしていきたいというのはあると思うのですが、しかしここの場合は条件が違う。そういう中でいまみんなが心配しておるのは、一遍にはつぶさぬけれども、徐々にそうやって、仕方がないというようなことでなくなってしまう、つぶしてしまうのじゃないかという心配もあるわけです。そういう不安があるものですから、この塩ビの問題に関連してチッソの問題について、通産省としてはいま言った条件を、これは政府としても責任を負っているわけですから、そういう点で県が約束しておることを守れるような条件を、たとえばこれは塩ビがだめならほかを何か持っていってでもやらすとか、これは企業の自主的な判断ですけれども、チッソの場合はそれ以上の別の条件があるということで、地域の住民、いわゆる被害患者のことなどを含めて通産としてどういうぐあいに、私はそういう不安を除くための努力をしてもらいたいと思うのですが、お考えがあれば聞かせていただきたい。
○小松政府委員 先生御指摘の、チッソの水俣工場におきまして現在塩化ビニール樹脂製造設備につきましての合理化の計画があるというのは私どもも承知をいたしております。チッソの場合には、水俣工場自身が相当の赤字で、実はチッソ全体の財政の重荷になっているわけでございますが、その中でも塩ビというのが非常に古い設備でございまして、コストが高い。それが現在の市場動向の中で十分ペイしないということで赤字の大きな原因になっているわけでございます。これを取り除くということがチッソの会社経営とか被害者に対する支払い能力を増すという意味では、むしろある程度積極的な意味を持っているのじゃないかというふうに思っているわけでございます。そういう意味でこの合理化計画は、新しい設備をつくることによってコストを下げる、それで九州市場でいろいろ売れるような、需要に見合った生産体制をつくるということで、これは合理化としてやはりチッソとしてやっていかなければならない問題ではないかというふうに思います。 ただ、先生御指摘のように、こういうことで水俣工場の設備ないしは生産が一部減るというようなことになりますと、全体の雇用の安定の問題、さらにはチッソ全体の会社の経営能力その他に影響が及ぶのではないかという御心配の点はまさにそのとおりなわけでございますが、そういうことで私どもも熊本県の方と相談しながら、チッソに対して、現地でそういう合理化をやると同時に一方で新規事業の導入を考えたらどうかということで、チッソ自身も新しい事業を水俣工場に導入することによって雇用の安定にも役立たせる、また会社の経営の合理化にも役立たせるというようなことで、現在鋭意チッソ自身が水俣工場の再建計画の検討を行っておる段階でございます。 ただ、先生御承知のとおり、チッソ自身非常に経営が苦しいわけですし、仮にそれに対する再建計画ができましても、その資金手当てということになると非常にむずかしい問題があるわけでございまして、この点につきましても、チッソのそういう再建計画が軌道に乗れるようなバックアップができないものかどうかということで、現在、関係省庁と鋭意検討を進めておる段階でございます。
○水田委員 終わります。
○野中委員長 長田武士君。
○長田委員 初めに、政府は日米自動車摩擦について総理訪米前の決着を方針とされておるわけであります。しかし、米国の対応は、規制すべきかどうか、もし規制するならば法的措置か自主規制かという点で非常に論議が沸騰しておるようであります。また、ニューヨーク・タイムズの論調を見てまいりますと、日本が自主規制しても米自動車産業が再建される保証がないという論調であります。政府も大河原駐米大使を通じまして、こうした米国内における対応の実態についてほぼ感触はつかんだと私は思うのですけれども、米国の政府あるいは議会、そうして国民世論など、それぞれ若干の食い違いがあるようにも私、承っております。 そこで、これらにつきましてどのように対応されようとしておるのか、また通産大臣はこの問題をどのように認識をされておるのか、まずお尋ねをいたします。
○田中(六)国務大臣 自動車問題をめぐる日米の経済摩擦が大きくクローズアップされまして、日本から輸出する乗用車の台数が問題になっておりますし、それは向こう側だけの言い分によりますと、日本の輸出が多過ぎて、レイオフ、つまり二十万人くらいの自動車産業関係の労務者が失業しているというようなことがおしなべての一般的な問題になっておるわけでございます。したがって、わが政府も、アメリカのビッグスリーのうち、クライスラーも変になっておる、フォードも問題があるかもわからぬという説もございますし、長い間の日米関係のことでもあるし、現実そのものも日本の貿易量の中で四分の一前後をアメリカが占めておりますし、アメリカが体質が弱くなっておるさなかだから、日本側もできるだけアメリカの意向に沿わなければならないということが基本的な問題でございますけれども、それはアメリカのことも考えますけれども、あくまでベースとしては、日本の自動車産業がいま占めておる日本経済の中の位置、それから、それに関連する自動車産業の人々、従業員、労働している人たちのことも考えるのが当然のことでございますので、そういうことを踏まえてこの対策を考えておるわけでございます。 具体的には、いまアメリカがルイス運輸長官を座長とするタスクフォースの問題がございます。これはアメリカの対日自動車問題ということだけではなく、アメリカの自動車産業のあり方を中心に作業を進められている案件でございます。それから、ダンフォース、ベンツェンという上院議員が出しておる自動車規制の法案がございまして、どちらかが早く結論が出るというふうに私ども最初は解釈しておりましたけれども、どうもアメリカの作戦というようなことはないかもしれませんけれども、近くある、もう二、三日であるというようなことでございますけれども、いずれもはっきりしていないわけでございます。 その間、伊東外務大臣もあす立つわけでございまして、大河原駐米大使も数日前帰ってきまして、本当は大河原大使が日本に帰るときはタスクフォースの一部でもわかって、それを持って帰るというような情報もございましたけれども、結論としては、タスクフォースの内容はまだ外には出ておらない段階でございます。私どもも、自分たちのカードを切るにいたしましても、やはりこれは情報の分析あるいは情報収集というものがなければ的確な判断はできませんので、アメリカのこれらの結論といいますか、情報を待っておるわけでございます。したがって、これらの情報を分析して、それから日本の態度を一歩一歩コンクリートにしていかなければならないという状況判断でございます。 しかし、いま申しましたように、両方ともまだどうにもなっておりません。したがって、日本側の態度でございますが、日本側は、向こうが二十万人の失業者ならば、こちら側も六十二、三万の直接の自動車産業の従事者がございまして、下諸企業、ディーラーなどを含めますと、五百万人というのは多少大げさでございますけれども、それに近いような人々がおるのではないか。したがって、日本といたしましても、こちらからいろいろ頼む頼むということでも実はない案件でございまして、両国が長い伝統のもと、あるいは将来の展望も含めまして仲よくいくということが目的でございますので、それには向こう側の言い分も聞くと同時に、こちら側の言い分もある程度、歯に衣を着せずにやるべきだという基本方針を持っておりまして、それならば具体的に法律によるのか自主規制によるのかという具体論になるわけでございますが、向こうの情報あるいは資料の収集というものが定かではございませんので、現在のところ法律によってどうするとか、自主規制を具体的にどうするというようなことにつきましては具体的に決まっていない段階でございまして、伊東外務大臣があす立つし、また新たな情報が直接聞けると思います。そういうものを含めて、私どもはまだ、いま待ちの姿勢であるという現状でございます。
○長田委員 通産大臣、聞くところによりますと、四月中にブロック米通商代表が来日をいたしまして、自粛交渉と申しますか、協定の交渉をやりたい、そういうようなニュースも実は流れておりますね。この点はどうですか。
○田中(六)国務大臣 ブロック通商代表が日本に来るであろうということは、私もうわさの段階で聞いております。まだそういうことが、来るとか来ないとか、つまり来るというようなことが外交ルートを通じて正式に来ていないということは伊東外務大臣も言っておりますので、現在は正式にそういうことを受けてはおりません。ただ、いろいろな新聞情報とかそういうことでは聞いております。
○長田委員 政府として当初の、総理訪米前の決着という方針は変わりはないわけでありますけれども、そうなりますと、ブロック代表が四月中に来日ということにもし決まった場合、通産大臣のアメリカ訪問というのはちょっとずれ込みますですね。
○田中(六)国務大臣 ただいまも申し上げましたように情報収集、あるいは私どもの考えといたしましては、日本からこの問題で次々に人が行く、それもいいかもわかりませんけれども、やはりアメリカからも、こちらが制限とかいろいろな問題があるわけで、向こうはそういうことがないわけでございますので、本当は向こうから来るのも当然の筋合いではないかという、これは自然な考えとしてどうしても起こってくるわけです。 したがって、私どもは、向こうから来ることもやはりこの問題をうまく片づける方法に、潤滑油になるんじゃないかという気もございますし、ブロックさんが来るということになれば、もちろん私ども大歓迎でございます。 それから、総理が首脳会談に臨む前にこれを解決するかどうかということの判断並びに結論でございますけれども、やはりこれはある程度流動的な点もございます。したがって、いろんな御意見もあるようでございますけれども、私どもといたしましては、総理の意向も打診しました結果、やはり総理が訪米前に片づけてほしいという基本方針には、いまのところ狂いがないような状況のようです。
○長田委員 先ほどお話にありましたとおり、あした伊東外務大臣が訪米されるわけであります。これはレーガン政権発足以来、日米間における初めての大臣級の接触になりますね。そういう点で私は非常に重要だと思うのでありますけれども、通産大臣とは打ち合わせができておりますか。
○田中(六)国務大臣 幸いに予算委員会のときでも実は私と伊東外務大臣と隣り同士でございますので、ちょっと小さな問題が起こればいろんな話をしておりますし、きょうも本会議場でもお話をしましたし、大体話し合いは交互にしておりますし、事務当局もずっとこの数日、いろいろ話を進めております。
○長田委員 私は、外務大臣が行かれる、もちろんその自動車の問題が出てくると思いますけれども、やはり主務大臣は通産大臣なんですから、通産大臣がしっかりしてこの問題については対応するということが筋だと思いますが、どうでしょうか。
○田中(六)国務大臣 私もそのように思います。 しかし、伊東外務大臣があす立たれるわけで、行けば自動車問題以外のことがメーンになるかもわかりませんけれども、自動車問題も常識として出るというふうに私も考えておりますし、私と伊東外務大臣との食い違いがあるならば、これはかえって話し合いのことでございますので、向こうを利するとか利せぬとかいうことは別といたしましても、やはり外務大臣と私の意見が食い違っておるというようなことはナショナルインタレストといいますか、そういう国益上も問題があろうかと思いますので、その重要な点の基本的な問題について、基本的な要素については狂いのないように二人とも話し合っておりまして、伊東外務大臣が立つ前のきょう、そういうような今日の段階で狂いがあるようなことはないようになっております。
○長田委員 通産大臣、予算委員会でも隣り合わせております、きょうも実は本会議の会議中に話し合いました、私はその程度の話し合い、意見交換では、このような重要問題は解決できないと思いますよ。やはり伊東外務大臣が行く前に、きょう夜でも具体的な意見交換というものはしっかりやっておいたらどうでしょうか。
○田中(六)国務大臣 私も政治家ですし、それからあなたも政治家で、私に尋ねている問いは、率直に申し上げましてやはり的を射ていると思います。したがって、そういうことを十分考えておるということをお伝え申し上げたいと思います。
○長田委員 それでは、具体的な問題に入ります。 通産大臣は十八日の参議院の予算委員会では、自主規制によって解決をする方針というふうな答弁をされておりますね。しかし、きのうの参議院の予算委員会の答弁では、むしろ規制をする、そしてアメリカの独占禁止法に抵触しないように努めたい、そういうニュアンスの答弁をされたようであります。これはニュースですから具体的な問題については把握できておりませんけれども、そういうニュアンスの発言をされておるのですね。そうなりますと、勢いアメリカの通商代表も十八日に声明を発表しまして、この声明については、通産大臣御存じですか。
○田中(六)国務大臣 アメリカの伝えるところでございますけれども、四、五人の関係者がそれぞれ反対、賛成、中立とかいうようなことに分かれておるような報道もございます、確定的なことではございませんけれども。それで私どもも、実はたとえば田中六助の頭の中に引き出しがこの問題に対する考え方として数種類あるとしますと、それをばらばらばらばら発言するわけにもなかなかいきませんし、また正直申しまして、この方式がコンクリートになっておるということでもありませんし、聞かれたときに、数項目ある中からその人の――というのは、質問を受けて、全部が違っておるということも全く言えないのです。それに対して、その中の一部をそれぞれ申し上げておることが、何か意識が分裂しておるような印象を与えておるかもわかりませんけれども、いまの段階で全部こうなんですということが言えないような私の気持ちがいたしますものですから、質問者の方に聞かれれば、確かに日本の独禁法と違いまして、向こうは私どもが考えていないようなほど独禁法をあちらこちらで使っておりますので、その点の配慮もしておかなければ、問題がかえってこじれるという感じを私は持っておるわけでございます。
○長田委員 そうしますと、大臣のお考えも大体わかるのでありますけれども、政府といたしましては、輸出貿易管理令や輸出入取引法などの法的手段でもって規制をするのかあるいは業界の自主規制によって解決を図ろうとするのか、その点大臣、いまの御心境はどうですか。
○田中(六)国務大臣 自主規制と自粛ということがまた非常に微妙なことになるのです。したがって、一番いい方法は、業界が自粛して、しかもその台数がアメリカ側がまあまあということで一致することではないかと思いますけれども、なかなかそうはいかないと私は思っております。そこで、自粛に似たようなことでいくのか、また法律でそれをかぶしてしまうのか非常に微妙な段階で、特に伊東外務大臣があす行くことでもございますし、今日国会で――国会は最高機関で全部言わなければいけない、たてまえも本質もそうでございますけれども、交渉事でございますし、いまの段階でこれでいくのだというようなことが私自身もコンクリートになっていないのも事実でございますし、またそれを幾つかの答えをここでお答えすることは、非常に恐縮でございますけれども差し控えさせていただければ幸いだと思います。
○長田委員 通産大臣、私は予算委員会でも通産大臣に要望したのでありますけれども、一つのタイミングといたしまして、レーガン大統領は待ちの政治であるということも実は言われておるのですね。そういう点を考えますと、この決着についてはむしろ日本が積極的に行動を起こさない方がいいのではないかというような感じを私は持つのです。早い話が、先ほどのニューヨーク・タイムズの論調を見ましても、アメリカの小型自動車業界、なかんずく自動車業界のこれからの景気対策というもの、雇用の問題であるとかあるいは業績が急に回復するというような見通しはないという論調でございますから、そうなりますと日本の車が勢い自粛される。そうなりますとどういう現象が起きるかと申しますと、ヨーロッパの小型車がどんどん入ってくるであろう。そうなりますと日本の輸出はとまってしまう、少なくなってしまう、かえってヨーロッパが進出をしてくるという結果になるような感じが私はするのですね。そうなりますと、総理が行かれる前に決着をつけるということも私は政治的な判断としては正しいようには思います。思いますけれども、功を焦ったためにかえって結果が悪いような状況になりはしないかという心配を私はするのですが、どうでしょうか。
○田中(六)国務大臣 いまおっしゃったとおりの御意見並びにそれに似たような考えを述べる人も実はいます。それで私どもとしては、状況判断をして自分の行動を決めることが必要でございますし、それから、これも実は内容によりけりだと思うのです。大体台数は調べればずっとわかっておりますし、これをしたからこれからの自動車の展望が非常にだめになるということなのか、あるいは台数をある程度決めておったことの方がむしろいい方向にいくかもわかりませんし、そういうところの判断も含めて、いずれにしても、一応目安としては総理訪米前ということに決めてかかっておいた方がいいのじゃないか。それから、そのときになってまたいろいろ考えつくことがございましたら十分考えてもいいのじゃないかという気持ちで、一応目安はあくまで既定方針どおり総理訪米前ということで私どもの考えを進めておるわけです。
○長田委員 通産大臣、きょうの新聞を見ますと、きのう石原自動車工業会の会長が記者会見をしていますね。それによると、いま日本側が自主規制すべき時期ではない、両国政府とも九月ごろまで事態を静観すべきである、こういうふうに言っておりますね。この点、御意見はどうですか。
○田中(六)国務大臣 そのことも含めて先ほど答えたつもりでございましたけれども、そういう意見を石原さんがおっしゃっておることは私、まだ確かめておりませんけれども、そういうことも業界としては十分考えられる考えだと思っております。
○長田委員 経企庁長官にお尋ねいたします。 現在、わが国の景気は内需要因が非常に低下しておりまして、どうしても輸出によって支えるということが多いわけであります。したがいまして、この日米自動車問題の解決の仕方によっては、私は国内経済や景気の動向にも大きな影響が出てくるであろうと考えております。 そこで、五十六年に自主規制がなされた場合、去年の実績百八十二万台が大きく下回るということになると、私は、日本経済の停滞という点では非常に心配されるわけであります。来年度の経済成長率は経企庁長官、五・三%と見ておるわけでありますが、この点、もし自動車摩擦問題がこじれた場合、経済の見通しとしては私は非常に暗いと思いますが、どうでしょうか。
○河本国務大臣 自動車産業はいま非常に大きくなっておりまして、日本経済を支える大きな柱になっておると思います。したがいまして、いまお述べになりましたように、この問題がうまく解決されないということになりますと日本経済に非常に悪い大きな影響が出てくるであろう、こういう点を私も心配をいたしております。 ただ、アメリカの経済は非常に大きな経済でありまして、過去のアメリカの国内の自動車の需要などを見ておりますと、少し景気がよくなりますと、一年に千二、三百万台になる、ちょっと景気が悪くなりますと八、九百万台に落ち込む、こういうことで非常に大きな需要の増減がある、こういうことであります。いまアメリカの経済は非常に悪い状態でありまして、需要そのものが九百万台に落ち込んでおるということでありますから、ちょっと回復しますとさらにまた二、三百万台はたちまちのうちにしてふえる、こういう市場であります。 幸いに、レーガン政権が新しい政策を発表いたしまして経済もだんだんとこれから回復の方向に行くのではないか。新政権は、来年は経済成長四%、再来年は五%成長を目標にしておりまして、先般そういうことを発表しておりますから、私どももアメリカの経済が計画どおり回復することを期待をいたしておるのであります。アメリカの経済が回復いたしますと、日本の自動車が若干ふえましても、そんなものは鯨の胃袋にのみ込まれるようなものでありますから、さほど大きなことにならぬのではないか、こう思いますが、幸いに通産省にその交渉に当たっていただいておりますので、わが国経済に悪い影響が出ないように、そういう成果が上がることを私どもは期待をしておるのでございます。
○長田委員 次に、三月十七日に決定をされました総合経済対策について河本長官にお尋ねをいたします。 まず、第一次総合経済対策につきましては物価と景気、この両にらみといたしまして打ち出されたわけですね。今回の第二次総合経済対策は何を主眼とされたのか、ねらいはどういうところにあるのか、この点をお尋ねします。
○河本国務大臣 五十五年度の経済成長目標は実質四・八%を目指しておりますが、この成長目標はおおむね達成できると思っております。しかし、当初考えておりましたような内容にはなりませんで、外需中心の成長になっております。そこで、世界景気も悪いところへもってきまして日本経済が外需中心の成長を続けておるものですからいろいろ摩擦が起こっておるということでありますので、何とか五十六年度は内需中心の経済運営に持っていきたい、このように考えておりまして、そのために物価を安定させながら若干の内需拡大策を今回考えた、こういうことであります。
○長田委員 まず、その中で公共事業の執行に当たりましては上半期における契約率を七〇%以上とする、これをめどにしておりますね。公共事業自体の伸びが少ない五十六年度におきましてはどの程度期待できるのか、ここいら私は一つ疑問を持っております。また、下半期の事業量は前倒しをいたしますから当然少なくなります。こうなりましてなお景気が停滞しておるということになりますと、ちょっと気の早い話ですが、補正予算でも組んで公共事業の追加が必要じゃないんでしょうか。この点どうですか。
○河本国務大臣 公共事業は、五十五年度と五十六年度は金額的にほぼ横並びでありますから、仕事の量はむしろ五十六年度の方が減っておる、このように言えると思います。 それじゃ金額はどの見当かといいますと、中央の関係は、一般会計と財投を合わせまして約十四兆円であります。地方の関係が約十兆円、合わせて二十四兆ぐらいであります。土地代は別であります。したがいまして、GNP全体に比べますとせいぜい九%ぐらいな規模でありますが、しかし、五十五年は公共事業の上半期執行を非常に落としまして五九%そこそこに落ち込みました。秋になりましてから急いでやろうということになったのですけれども、なかなか思うように進まない。そこで五十六年は、例年ですと六七、八%なんですけれども、七〇%以上の執行を目指して、そして五十五年度のような失敗を繰り返さないようにしよう、こういうことを目標にしたのでありますが、私どものねらいは、上半期公共事業の執行を集中することによりまして、民間の設備投資、特に中小企業の設備投資が計画どおり進む誘い水にしたい、民間の設備投資全体は四十二兆ぐらいを想定しておりますので、その誘い水にしたい、このように考えております。だから、上半期は公共事業を集中的に執行いたしまして、下半期は民間の設備投資を中心に経済運営をしたい。国全体の仕事の量が減らなければいいわけでありますから、公共事業が下半期減りましても、一方で民間の設備投資が計画どおり伸びてくるということになりますと、これはいいわけでありますから、必ずしも補正予算を組む必要はない、このように思っております。
○長田委員 それでは、通産省にお尋ねをいたします。 総合経済対策の中で、金融について特段の配慮がなされておる、こういうふうに私見ておるのですけれども、その中で、政府系三金融機関の設備投資の新規貸し付けについては金利を下げることが検討されておる、このようにうたっておりますね。どの程度の金利になるのでしょうか。
○田中(六)国務大臣 この問題は、政府系三機関、つまり中小企業、国民金融公庫、商工中金の金利の問題を指しておるわけでございます。御承知のように、いままではこの三機関の金利体系から申しますと、バンクレート、つまり公定歩合が下がって、それが直ちに連動して等しい利子率が下がるということにはなっておりませず、長期金利と短期金利の大きな金利体系に分かれておりまして、このたびそういうことを考えたらどうかということを中小企業庁長官も非常に頭を痛めました結果、私ども相談し、党とも相談し、河本企画庁長官とも御相談申し上げて、何とかなるまいか、と申しますのは、いつも公定歩合を下げても中小企業の方には余りうまみがないということを言われておりましたし、実態的にも政府系の三機関が直ちにそういうふうにならぬ。むしろ中心金利が下がった場合に、今回でも一%が下がればそれは〇・四%ぐらいの効果しかあるまい。しかも、それは直ちにそういうふうにできるんじゃなくて、プライムレート、つまり優良企業に対する優先的な貸し出しから始まって、徐々に短期から長期に移っていくプロセスがありまして、いままでのしきたりとしては、すぐ直ちに量も質も、それから期間もそういうふうにいかないということになっておりますので、ひとつそれは直ちにということにしたらどうかということから、これはいま借りても遡及いたしまして――それは自然に金利か落ちついたところで三機関の金利が大体決まっても、十八日から、借り出したその日から遡及しまして金利はそういうようになるんだという一つの方針を確認し、また、これは日銀もそれから大蔵省も、関係機関は全部認めておることでございます。
○長田委員 いま通産大臣言われたように、長期プライムレートが一つの目安になっているようですね。政府の三機関の一つの基準金利、いま八・八%であります。そうなりますと、当然、私は、財投資金がほとんどそれに充当されておりますから、財投資金は八%でありますから、勢いそれ以下にはならないという感じはするのでありますけれども、実際問題、中小企業の皆さんが異口同音に言っておりますのは、金利が高過ぎるということがやっぱり苦痛になっているようですね。そういう意味で、もう公定歩合が一%下がったわけでありますから、当然これに連動する。大体これは、聞くところによりますと、もう半年ぐらいかかるみたいですね。もうちょっと機敏にやっていただくことと、今回のプライムレートは、いま大臣が言われたとおり、大体〇・四%ぐらいを予定しているようであります。そうなりますと、この三機関の基準金利も、八・八から〇・四ですから八・四ぐらい。こうなりますと、中小企業対策として強力な金利政策をやるんだなんて言っても、私は余り効果がないんじゃないかなという感じがしますけれども、どうでしょうか。
○田中(六)国務大臣 まさしくそういう考え方が浮かぶわけでございます。したがって、長くかかる期間をできるだけショートにするということがもちろん一つです。それから、〇・四%というようなことも、私はここでそういう数字をいろいろ言うことはどうかと思いますけれども、少なくともそんなことでは困るということで、私どもは大蔵省にも、それから関係の機関にもそのことも強く主張しております。
○長田委員 次に、中小企業体質強化資金助成制度というのがありますけれども、それによって倒産防止のための融資を繰り上げ実施する、こういうふうにこの景気対策ではうたっております。現在この体質強化の助成制度といいますか、この貸付状況はどうですか。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 融資実績でございますが、五十五年、昨年の四月から十二月までで申し上げますと、件数が六千七百七件、金額にいたしまして五百四十七億四千九百万円でございます。
○長田委員 私が調べたのでは、体質強化助成制度を実施している自治体というのは余り多くないですね。大型店進出対策融資では三十五、下請中小企業対策融資で二十、地域産業対策融資で三十五、組合共同事業対策融資で三十六と、全国的に見ても非常に少ないわけであります。この制度をもっともっと活用すべき指導が私は必要だと思いますが、どうでしょうか。
○児玉政府委員 御指摘のとおりでございまして、現在三十九の県とそれから七つの市で実施をいたしておりますけれども、これを、各項目を見ますと、大型店対策あるいは下請、地域産業あるいは組合の共同化、いずれもやはり全国それぞれ各地域とも当然必要とする制度でございますので、現在の全体をカバーしてないという状況から、できるだけ全体に及ぼしますように、私どもも指導してまいりたいと思っています。
○長田委員 次に、公共事業と関連をいたしまして、中小企業対策についてお尋ねをいたします。 中小企業庁に伺いたいのでありますが、今日における中小企業の経営状況は至って思わしくありません。この二月に発表になりました日銀の企業短期経済観測、これによりますと、大企業の経常利益は前年比の〇・五%増加いたしております。中小企業は対照的に二一・八%の大幅な減少になるとしておるのですね。こうした中で、特に倒産件数の三割は建設関連中小企業者であろうと言われております。これは住宅着工が最近前年に比べて二〇%以上も減少しておる、こういうことが大きな理由だとは私は思いますけれども、このように昨年下半期あたりから中小企業の経営というのは特に悪化しておるわけですね。 いずれにいたしましても、いま中小企業にとりまして一番望んでおりますのは何かといいますと、仕事を欲しいということなんです。仕事がない。もう一つは、金利対策等も、先ほどもちょっと触れましたけれども確かにありますけれども、何といっても仕事を欲しいということなんです。この経済対策にも、官公需を一〇%ぐらいふやそうというような、そういう目標でやっておるようでありますけれども、この官公需の問題についても、五十五年度の目標三六・五%ですか、決められておりますけれども、この点目標の達成はできるのでしょうか。あるいは五十六年度についても、先ほど申し上げましたとおり一〇%ぐらいふやしたいということなんですが、現実できるでしょうか、この点お尋ねをいたします。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 五十五年度のちょうど年度末にいま差しかかっておりまして、三六・五%という目標を極力達成いたしますように現在各省にも緊密な連携と督励を行っております。この点はいまはっきりした数字は、まだ途中でございますのでつかめておりませんが、三六・五%に相当近い、あるいは完全に達成できるというような状況に現在来ておるというふうに私どもは考えております。 それから、三月十七日の景気対策に関連いたしまして、来年度の公共事業の七〇%以上上半期発注という、契約ということがございまして、それと連動いたしまして中小企業の上期の受注率を一〇%ぜひ前年度に比べまして伸ばしたいということを織り込んでいただいたわけでございます。これにつきましては、先ほど経済企画庁長官の方からお答えございましたように、七〇%以上ということが一つの景気のはずみになりますと同時に、中小企業にとりましても一〇%増ということではね返ってまいりまして、それが中小企業の仕事量をふやしていくということの重要な契機になろうかと期待をいたしております。
○長田委員 通産大臣、いま官公需については政府も力を入れておるということで、私も非常に賛成でありますけれども、しかし、中小企業と言いましても非常に広範なんですよね。資本金一億円以下、従業員三百人以下、製造業でありますけれども、そういうふうな定義がされておりまして、実際問題東証第二部で上場されております中小企業もあるのです。そういう意味で私は、中小企業向けの官公需と言いましても、もう少しきめ細かい対策が必要かなという感じがするのです。 たとえば中小企業の規模別発注状況というような、そういうものをきちっとつくられたらどうでしょうか。資本金五千万円から一億円の企業、資本金一千万円から五千万円までの企業とか、あるいは一千万円以下の企業に対してはどういうふうになっておるとか、私は、こういうきめ細かい官公需の対策というのが必要であろうと思いますが、その点どうでしょうか。
○田中(六)国務大臣 官公需の中小企業向けの発注につきましては、私ども毎年一応これを議題にして閣議でその方針を決めておりますけれども、それ以上に、中小企業向け官公需につきましては、たとえば分割発注をするとかあるいは事業組合をつくりまして、それを中心にしてそれぞれ分けるとかいうような方針は従来とっております。 これから先、いま長田委員のおっしゃいましたように、中小企業は御承知のように製造業で一億以下、三百人の従業員、それから資本金が三千万円、人間が百人ですか、それからまた一千万の資本金、五十人の従業員というようにそれぞれ分かれておりますが、分割発注というか事業組合を通じての発注は、そういうところを十分に考えた上でやっておるわけでございますけれども、まだ手抜かりが現実的にはあると思います。したがって、一層きめの細かい発注方法、受注方法というものをやっていかなければならないとは思っておりますし、そういう点についてもこれからも十分気をつけていきたいと思います。
○長田委員 通産大臣、そういう規模別な対応も十分やっていらっしゃるというような御答弁でありましたけれども、実は私、予算委員会でその資料を要求いたしましたが、依然としてそれはわかっていないのです。そういう点では、私はもうちょっときめ細かい対策というものが必要だろうという感じがするのです。 それでは――長官、何かありますか。簡単にやってください。
○児玉政府委員 大臣の御答弁のとおりでございますが、若干補足させていただきますと、御指摘ございましたような点につきましては私ども検討いたしてみましたし、また現在も検討中でございますが、現在全体の件数は千三百万件でございます。千三百万件ということでございますので、中小企業の案件につきましてこれをさらにクラスファイしまして、資本金別あるいは従業員別ということでやることについて事務的に非常にむずかしい点がございまして、その点が件数の千三百万件という大変に多いことを前提に考えますと、いまのところこれをすぐランクづけ、各細かく切りまして、きめの細かい件数に分類するということが非常にむずかしいというような実情にございます。
○長田委員 官公需法による中小企業庁の統計によりますと、同法によって発注を義務づけられておる国等の定義の中に、三公社と住宅公団など七法人が含まれておるんですね。そこで、この対象に含まれていない公団や事業団などの特殊法人の中に、たとえば宅開公団というのですか、それから本四公団あるいは電源開発株式会社、こういうのも入っておりません。これらは私は対象にすべきだと思いますが、この点どうでしょうか。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 現在の官公需法体系で対象にいたしておりますのが、法律で各省庁それから専売、国鉄、電電という三公社、これが法律ベースで決まっております。それから政令で七つ決めておりまして、公団が六つ、それに雇用促進事業団を加えまして政令対象が七つでございます。そのほかにつきまして、現在のところ五十四の機関につきまして実際上の運用といたしまして、対象にしたのと同じような効果を持たせるような官公需の中小企業者向けの受注増というものを指導をいたしております。 ただ、現在官公需問題が非常に重要な地位を占めてまいっておりますので、中小企業の受注機会の増大を図るという観点から、政令指定対象以外の法人につきまして現在運用上できるだけやっておりますが、今般経済対策閣僚会議におきまして、景気対策の一環として官公需発注機関の拡充等を行うことが決定されましたことにかんがみまして、同法対象法人の拡充について現在関係省庁と協議をいたしております。したがいまして、先ほど御指摘いただきました本四あるいは宅開公団あるいは電発、こういうものにつきましても、現在折衝を重ねておる次第でございます。
○長田委員 それでは、最後にお尋ねをしたいのでありますけれども、この総合経済対策の中に、灯油などの石油製品について、元売、小売段階における価格の監視を強める、こういうこともうたわれておるわけであります。ところが石油連盟の永山会長は、ことしに入りまして再三石油製品の値上げ問題に触れておるわけでありますが、三月もしくは四月が値上げの時期であるというような発言も実はしておるのですね。業界からこのような意向を通産省は聞いていますか。
○森山(信)政府委員 私どもも新聞その他で、石連の会長が発言されたことは見聞いたしておりますけれども、直接石油企業から値上げのことに関しまして話が来た事実はございません。
○長田委員 何か新聞紙上によりますと、そういうような発言を何回となくされておりますね。去年の十二月の中間決算のときに、御存じのとおり二千二百九十二億円経常利益を出しております。この点について物価問題等特別委員会で永山会長を参考人として呼びまして、その還元の問題を要請いたしました。国民とすれば、十二月現在で膨大な利益、史上空前の経常利益を上げておって、三月になったらもう値上げだなんというのははなはだ納得できない。この点についてどう対応されますか。
○森山(信)政府委員 いまの石油業界の状況を一口で申し上げますと、五十五年の上期におきましては、御指摘のとおり相当ないわゆる為替差益が発生したわけでございますので、経常利益は大変大きな数字が計上されたわけでございます。ところが、下期に入りまして情勢はだんだんと変わってまいりました。 と申しますのは、長田先生もよく御承知のように、原油の価格が秋以降ずっと上がってまいりまして、たとえて申し上げますと昨年の十二月末の状態は、日本に入ってまいりましたのはCIF価格で三十四ドル八十セントだったわけでございますけれども、一月に入りますとこれが三十五ドル七十八セントに上がってまいりました。それから、二月の通関がつい先日発表されましたけれども、三十七ドル二十二セントということでございまして、秋を境にいたしまして大変な原油の値上がりが続いているわけでございます。しかも、いま申し上げました数字は、日本に入ってきました全原油の平均の数字を申し上げたわけでございまして、これを分析いたしてみますと、アラムコ系、非アラムコ系に大きく分けますと、いわゆるアラムコ系のものは平均の数字よりは若干安く買っておりますし、非アラムコ系は平均の数字よりもかなり高く買わざるを得ない、こういう状態が続いておるわけでございます。 したがいまして、石油産業の中を細かく分析してまいりますと、そういった意味で原油を高く買わざるを得ない企業につきましては、秋以降大変なさま変わりということでございまして、会社によりましては大変な苦境に陥っているというのがいまの石油産業の実態ではないかと思うわけでございます。 しかし、まあそういった背景はございますけれども、上期に蓄積いたしましたいわゆる為替差益というものをバックにいたしまして、できるだけ企業努力というものを続けてほしいというのが私どもの基本的な姿勢でございまして、従来もそういう対応をしておったつもりでございますし、今後もそういう対応をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○長田委員 終わります。
○野中委員長 渡辺貢君。
○渡辺(貢)委員 まず、河本長官にお尋ねをいたしたいと思うのですが、三月十七日の閣議で決定を見た総合経済対策の問題について御質問をいたしたいと思います。 この総合経済対策が発表された後の当日の夕刊などを見ますと、余り反響がよくありません。朝日新聞では「政策の効果は疑問」と大変大きな見出しで書かれておりますし、毎日新聞では「効果は期待薄」、それから日経では「民需回復、金融頼み 手持ち札ほぼ出しつくす」もうカードはなくなったというふうな報道であります。 これは、なぜそういう報道があるかというと、去年の九月に第一次の総合対策がありました。八項目にわたる総合対策でありますけれども、今回の景気と物価の両にらみ、景気対策でも七項目、物価対策でも七項目、幾らか詳細に述べられておりますけれども、ほとんど去年の九月五日決定の第一次の対策と整合してみますと変わりがないわけであります。同時に、去年の九月以降今日までの経済運営、経済状況を見た場合に一体どうなっているかというと、物価問題でもあるいは国民の実質所得の問題でもマイナス、あるいは中小企業の倒産は相次いでいるという状況であります。 そこで、第一に、この対策を立てられた前提として、去年の九月以降半年余りになると思うのですけれども、どういうふうにわが国の経済を認識されていたのか、またその九月の対策の欠陥がどこにあったのか、こういう基本点についてお尋ねいたしたいと思います。
○河本国務大臣 まず第一に申し上げたいことは、第二次石油危機の悪い影響がいま全世界を覆っておるということであります。昨年の十二月にOECDで経済の見通しを発表しておりますが、OECD全体で一九八〇年の下半期はマイナス成長である、一九八一年に至ってようやくプラス成長になりますけれども、それはせいぜい一%成長である、来年になってようやく二、三%成長が期待できるということでありまして、第二次石油危機のデフレ効果が全世界に非常に大きな悪い影響を及ぼしておるということをまず認識しなければならぬと思います。 それから、わが国にはそのほかに、昨年の九月にイラン・イラク戦争が起こりましてさらに油の値段が急上昇する。油を全部買っておる日本といたしましては、その影響もまたフルに受けざるを得ない。また、昨年の夏以降異常気象が続く。こういういろいろな悪条件が重なりましたが、それでは何か対策をやらなければならぬということでありますけれども、財政は御案内のような事情でありまして、財政を景気対策のてこにするわけにはいかぬ、物価情勢は御案内のようにまだ鎮静をしておりませんから思い切った金融政策も展開できない、こういう幾つかの制約の中にありまして考えられる最善の対策を総合的に立てたということであります。
○渡辺(貢)委員 長官のお話ですと、主として外的な要因にその理由を求めていらっしゃるわけでありますが、しかし、経済運営を進めていく場合に、これは昨年、私も長官への質問の中で指摘をしたわけですが、実際上国民生活がどうなっているか、そこを基本にして考えていかなければならないというふうに考えるわけであります。 とりわけ、これは長官もあるいは通産大臣もたびたび述べていらっしゃるように、日本経済を支えているのは中小企業であり、あるいは非常によく働く勤労者である。ところがその中小企業や勤労者の実態を見ますと、昨年一年間で中小企業倒産は一万七千八百件を超えている。ことし一月、二月も史上最高あるいは史上第二位という状態ですし、とりわけ内需の拡大ということを強調されているわけでありますが、勤労者の実質賃金を見ますと、最近の総理府の発表でも前年度に比べてマイナス〇・六、手取りの収入を見ると実質的にはマイナス一・四である。これではとても内需の拡大を図ることができないわけなんです。そういう点から、政策の重点をこの辺にかなりウエートを置いていく必要があろうかというふうに思います。 そこで、具体的な内容について二、三触れたいわけでありますが、一つは、公定歩合を一%下げました。先ほどの答弁にもございましたけれども、長期プライムでいくと〇・四、当然中小企業金融公庫など、八・四という制約があります。 これは民間の金融機関の調査でありますけれども、十億円以上の大企業をとった場合に、公定歩合の一%下げによって年間の収益増加額は二千二百七十億円に達するであろう。また一億円以上十億円未満の中堅企業をとった場合には千二百二十七億円、利息の減少による収益増加が見込める。合計三千五百億円になります。その増益効果は大企業が三・六%、中堅企業が四・八%。ところが資本金一億円未満の中小企業の場合には三・一%にしかすぎないということなんです。つまり、長期プライムの関係があるから八・四%に抑えざるを得ないという、ここに一つの問題があろうかと思うのです。二月二十七日に同僚の小林委員が質問をいたしましたけれども、その中で中小企業の金利が現行大企業に比べて高いという指摘をいたしました。その原因として、たとえば日本輸出入銀行をとった場合にはなぜ金利が安いのか、政府出資金の比率が非常に高いわけであります。九千二百五十三億円出資されている。期末の貸付金残高四兆九千八百六十三億円のうち一八・五六%を占めている。ところが中小公庫の場合には、政府の出資金は二百五十二億円であります。貸付残高が三兆八千六百億円、わずか〇・六五%しか占めていない。そして、ほとんど財投に依存せざるを得ない。ですから、長期プライムの関係があるから八・四でやむを得ないというのではなくて、この点をかなり思い切って検討をし、対策を立てていく必要がある、この点が第一点であります。 第二点は勤労者の問題でありますが、これも住友銀行の調査によりますと、一%の公定歩合の引き下げにほぼ連動して預貯金金利は〇・七五%下げられるわけであります。個人預金者の去年の十二月末の残高約二百五兆円、いろいろ当座等もあるわけでありますけれども、この個人預金者の利息が〇・七五%下がることによって約一兆円下がってしまう。大変多額の預金者もあろうかと思うのですけれども、現在は住宅ローンであるとかあるいは老後のための貯蓄あるいは教育のための貯蓄など、大変小口の預金者か多いというのが特徴であります。ところが、この分野で約一兆円利息が下がってしまう。これも需要を喚起していく上では大変大きなマイナスになるわけでありますが、この二点について十分な検討があってどのような対策がとられているか、お尋ねをいたしたいと思います。
○児玉政府委員 まず、第一の点についてお答えを申し上げます。 政府三機関に対する出資の問題でございますが、御存じのように、五十六年度予算で、これも大変紆余曲折ございましたけれども、中小公庫と国金につきましては、それぞれ二十億円の出資増、それから商工中金につきまして百十億円という予算原案でいまお願いをいたしておりますが、こういった財政状況のもとでも、やはり中小企業につきましては三機関の金利が高くなることを何とか抑制するという意味も込めまして、いま言いましたような相当額の出資をお願いをいたしております。 現在積み上がっております中小公庫の出資の資金は、二百五十二億に、五十五年度分が二十億追加になりますので、これで二百七十二億でございますが、確かにそれ自身は実際の貸し付け残高に比べますと非常に低い線でございますけれども、これも中小企業の借ります金融資金の金利を、一流企業に向けて都市銀行が貸しますところの少なくともプライムレート並みには抑制をし、そしてそういったサービス金利で提供したいという結果でございまして、ほかの機関との関係で、それぞれ別の目的がほかの金利体系にはございますので、中小公庫の体系といたしましては、やはりいろいろ勘案すべき要素がございますが、基本的には長期プライムレート並みということで現在まで推移をいたしております。もちろん、途中の実績といたしましては、そのほかに資金運用部資金のコストが下がりますと、その分だけ長期プライムよりも下げて実際は実施をしておりますけれども、原則は、やはり日本の一流企業が借りる、そういった有利な資金の金利水準に少なくとも合わせていこうというのが、この三公庫の金利水準を決定する一つの原則、要因でございます。
○河本国務大臣 いま中小企業のプライム〇・四というお話がございましたが、これは、一部の新聞にはそういうことが伝えられておりまして、私もそれを見ましたけれども、必ずしも真相を伝えていないと思うのであります。 昨年の十一月に公定歩合を一%下げまして、そのときにも預貯金金利は〇・七五下げました。長期プライムは、若干おくれましたけれども〇・七下がったのであります。それで、今回も公定歩合は一%、預貯金金利は〇・七五でありますので、私は、できるだけ〇・七五に近づけるような長期プライムの引き下げを期待をしておりまして、そのためには金融機関の手元をうんと楽にする、金融の緩和を図っていく、こういうことがぜひ必要だということを言っておるのであります。幾ら公定歩合を下げましても、また、預貯金金利を下げましても、銀行の手元が窮屈であるということになりますと、実際の金利は少しも下がりません。しかも、選別融資などが行われまして、余り役に立たないということでありますので、金融の緩和を、やり方もいろいろありますが、いろいろな形で金融緩和を並行して進めていく。そして実際の長期プライムを〇・七五を目標にする、それぐらいな目標にしてこれからやっていく必要があろうか、こう思っておりますので、そこらあたりはこれからの進め方、交渉でありまして、〇・四という数字が決まったものでも何でもないということは御理解をしていただきたいと思います。
○渡辺(貢)委員 中小企業庁長官、大企業、優良企業の場合と中小企業と横並びさせるような御発言だったわけでありますけれども、中小企業庁の昭和五十六年度予算要求の中にもありましたが、大企業はかなり自己資本を持っていて、そして設備投資も前年同期に比べて、たとえば昨年の十一月段階では四・五ぐらいだ。中小企業の場合にはマイナスであるという中小企業庁自身の資料もあるわけですね。それで、先ほども触れたように、答弁になっていないと思うのですが、輸出入銀行には九千二百億円余り、開銀の場合には二千三百億円余り政府の出資があるわけでしょう。だから金利が低い。そういうことに対してどうするかということを聞いているわけなんで、そこをもう一回はっきりお答えいただきたいと思います。
○児玉政府委員 これは私の所管でございませんのであれですが、いろいろ輸銀等につきましては、やはり国際金利の動向それから輸銀の目的というのがあろうかと思います。中小企業の場合で申し上げますと、やはり格差是正というのが一番の眼目でございまして、この格差是正はやはり、たとえば大企業が市中で調達しますときは非常に有利な条件で、特に金利水準につきましては、市中のマーケット金利の一番優遇された金利ということになっております。せめて中小企業につきましても、政府機関においては、そういった大企業が借りるときの水準と同じ低い水準でというのが現在とられておる政策でございまして、それが格差是正の一番大事なことではないかということでやっております。実際にはそれよりもさらに割り込みまして、資金運用部の資金コストが下がった分は、さらにそれを大幅に引き下げるということで実施をいたしておりますので、長期プライムよりも実際は有利な期間も過去におきまして実績としてございますけれども、原則といたしましては、せめて大企業の、一流企業が借りる金利とほぼ同一水準で借りられるようにしていきたい、そういうことでございます。
○渡辺(貢)委員 時間がないからあれですけれども、その点はさらに詰めていく必要があると思うんですね。現実に去年の九月五日段階で決定したことの効果が上がっていないということでありますから、ひとつ十分な検討を求めたいと思います。 ちょっと進めますけれども、中小企業の問題であと緊急に必要なのは、中小企業の官公需をさらに拡大、比率を高めていくということだと思うのですが、昭和五十四年度の実績を見ますと、官公需の実績総額が八兆九千二百十七億円、うち中小企業向けの比率は三五%です。この中で官公需実績で多いベストスリーが、日本電信電話公社約一兆六千億円、国有鉄道が一兆四千億円、総理府が一兆三千億円、この中でほぼ二〇%台から三〇%前後でありますが、この官公需を積極的に中小企業に向けてふやしていくという点が一つ。 それからもう一つは、官公需の中で八品目の特定品目があるわけでありますが、これは本来一〇〇%を目指さなければならないと思うのですが、八品目平均で大体七〇%前後だというふうに聞いております。中小企業がすぐにできる外衣、下着など、現在は三四・八%、これはすぐにでも発注することができると思うのですが、こういう特定品目等についてどういう施策をこの間進めていくか、簡単で結構ですけれども、お答えをいただきたいと思います。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 いわゆる官公需の率を引き上げるということは御指摘のとおりでございまして、政府の昨年の七月の閣議決定で三六・五という過去の最高の率を決定していただきましたのもそういう趣旨でございます。特に三月十七日付の政府の総合対策におきましても、上期に七〇%以上の公共事業の増ということとあわせまして中小企業向けの官公需につきまして引き上げるということで、昨年の実績に対しまして一〇%増ということをお願いをいたしてございまして、これが決定を見たわけでございまして、この線に即しまして私どもも官公需の増額につきまして十分努力してまいりたい、このようにまず第一に考えております。 第二の点でございますが、いわゆる官公需特定八品目、これは御存じのように、きめ細かな中小企業への情報の提供その他できるだけ個別具体的な問題につきまして、中小企業が受注しやすいようにという努力を特に傾注する品目でございます。そして、それの実際の受注比率が先ほど御指摘のような比率であるということも、私ども承知をいたしております。特に外衣あるいは下着類でございますが、これが三四・八%というのは、全体の七四%に比べまして非常にこの八品目の中で見劣りがするわけでございますが、私どもも、外衣、下着類こそ中小企業性の商品ではなかろうかということでいろいろ中で検討をしてみましたところ、現段階で把握しております事情から申しますと、たとえば外衣百万着というような、非常にロットが大きくて、その百万着が色違いであったりいろいろその差が出ますと非常に問題がある。したがってその受注能力、それだけの大きなロットをこなせるかどうかというような点にまず第一に問題があるようでございます。 それから、受注いたしましてそれを実際に納品しますまでの期間、これは生産能力その他との関係がございますが、そういったこととの関係も若干あるようでございます。まだ完全に理由をつかんでおりませんが、ロットの非常に膨大なものにつきまして、そういった事情が判明しております。 もちろん、たとえばメリヤス等につきましては、これはいわゆる下請のための公認の組合で防衛庁の方から一括受注をするというようなことを実現をいたしておりますので、こういったいい実績を踏まえまして、ほかの外衣、下着類につきましても、メリヤス下着類と同様なことができないかということでさらに検討を続けてまいりたい、このように考えております。
○渡辺(貢)委員 お話を聞きますと、検討、説明ばかり多くて、具体的な施策が非常におくれているということを痛感するわけですね。そういう点で、実行できるところからすぐ実行していくという姿勢をやはり中小企業庁としてはぜひ確立をしていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。 最後に、この問題で特に経企庁長官に、簡単で結構ですけれども……。 やはり内需の拡大が必要であるということを最近盛んに強調されておりますので、そういう意味では、いろいろ論議をされておりますけれども、減税問題であるとかあるいは公共料金の抑制、福祉の充実、そして全体として国民の購買力を高めていく、そういう点に相当これからの力が入る必要があろうかと思います。また、公共事業についても、大型のプロジェクト、空港、港湾などではなくて国民生活密着型の公共事業、まあ下水道などもそうでありますけれども、そういうところに力を入れながら、施策全体を本当に国民型に変えていく、そういうことが実効ある効果をもたらすというふうに考えるわけでありますが、簡単で結構ですけれども、所信をお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 いま日本の経済の足を大きく引っ張っておりますのは、国民の所得が減っておるということであります。したがって、国民の実質所得をどのようにふやしていくかということが、国民生活充実というそういう大目標と同時に景気対策上も非常に重要な課題である、そういう認識でございます。
○渡辺(貢)委員 それでは、通産大臣にお尋ねをいたしたいと思うのですが、きょうの衆議院本会議におきまして、武器輸出問題等に関する決議が全会一致で行われました。その際、田中通産大臣が、この決議に対する所信ということで、決議の主旨を体し今後努力してまいる所存です、こういう所信がきわめて簡潔に述べられたわけでありますが、決議の中ではこういうふうに言っているわけですね。「制度上の改善を含め実効ある措置を講ずべきである。」こういうふうに決議は全会一致で採択をしているわけでありますけれども、そうなると、今日までの論議の中で必要であると言われている、とりわけ武器輸出禁止に関する法制定という問題が、最も具体的な制度上の実効ある措置であるというふうに考えるわけでありますが、通産大臣の御見解いかがでありましようか。
○田中(六)国務大臣 きょう本会議場で、議長裁定の決議を尊重するということを申し上げました。私どもは、あくまでこの決議を尊重してまいるわけでございますけれども、武器輸出法という法律については、私どもは、いまのところ、そういうようなことではなく、きょうの決議を尊重していくということだけを考えております。
○渡辺(貢)委員 武器輸出禁止の問題については、総理大臣も、平和国家として当然である、そういう衆議院予算委員会での答弁もありますし、政府の統一見解、またきょうの決議、こうした点から見ると、最も実効のある措置をとらなければならないと思うのですね。 私が主張する、そういう法律、制度が必要であるという背景は幾つかありますが、第一に、憲法の前文やあるいは第九条で指摘されておりますように、平和国家としての戦後三十数年間のわが国の存立の理念があります。その点が第一点であります。 第二点は、現行の貿管令など、すでに明らかにされておりますように、大変しり抜けである。堀田ハガネを中心に約三千点以上のものが出ている。しかもこの中には、わが国最大の兵器メーカーと言われている三菱重工などもいろいろの形でかんでいるということも明らかになっているわけでありまして、現実に欠陥があるということです。ですから、これは、ジュネーブにあります戦時国家安全保障研究計画センター、大変国際的にも権威のある研究センターのスチーブン・E・ミラー博士が指摘をしておりますけれども、アメリカの軍備管理軍縮局の統計によると、一九七八年度は日本の兵器輸出は六千五百万ドルである、二十位のランクに入っているわけでありますが、国際的にも現実に日本が武器を輸出しているというふうなアメリカの軍備管理軍縮局の統計を引用しながら指摘をいたしております。そういう点で、武器輸出はしないというわが国の原則的な態度が、国際的には現実に武器輸出をしているのだという評価になっておりますので、これもきわめて重大な問題であるというふうに第二点には考えるわけであります。 それから第三には、財界の見解として、これは永野日商会頭なども述べているわけですけれども、武器輸出三原則は法律でも国際条約でもなく行政指導、それならば時勢の変化とともに変わるものだということを経団連の防衛生産委員会の席上でも述べているわけなんですね。つまり、背景としては世界的にも日本は武器輸出国になっているんだ。あるいは財界の方でも、法律ではない、行政指導、見解である、決議も国会の見解だけであるというふうに解釈をするおそれも十分にあると思います。 そういう点で、もう一度通産大臣として、本当に国民の期待にこたえていく、そういう平和国家の理念の立場からも、あるいは国際的なわが国の存立の責務からも、改めてこの問題についてのきちっとした見解をお伺いいたしたいと思います。
○田中(六)国務大臣 私どもは、平和国家としての理念を十分踏まえて行動しておるというふうに考えております。 それから第二点の、貿管令はざる法ではないか、国際的にはそんなものは認められてないという御主張でございますけれども、私どもは、現在の武器輸出三原則並びに政府統一方針に基づいて出されたものに対して承認を与え、それから税関でこれをチェックし、それで問題があるならば罰則を適用するという従来の方針をあくまで堅持していくことで十分であると思いますし、それが即平和国家を傷つけることにもならないし、それからざる法というようなことになるとは思っておりませんし、現状の方法でまいろうというふうに思っておりますし、将来、国会の決議もございますので、その点を踏まえて行動していきたいと思います。
○渡辺(貢)委員 もう一つ違った角度から指摘をしたいと思うのでありますけれども、在日米軍の問題であります。 日米安保条約第六条に基づいて在日米軍地位協定が決められておりますが、その第十二条の中には「合衆国は、この協定の目的のため又はこの協定で認められるところにより日本国で供給されるべき需品又は行なわれるべき工事のため、供給者又は工事を行なう者の選択に関して制限を受けないで契約する、ことができる。」こういうふうな地位協定第十二条第一項があるわけであります。つまり、在日米軍は日本政府の制約を受けないで、在日米軍がいつでもどこでも勝手に需品、備品を購入することができる。つまり軍需品も含めてであります。そういう意味では、明らかに在日米軍は法の対象外であるというふうに考えざるを得ません。 また、第十一条の五項では税関問題に触れているわけですけれども、「税関検査は、次のものの場合には行なわないものとする。」米軍の場合には「公用の封印がある公文書及び合衆国軍事郵便路線上にある公用郵便物」また「合衆国政府の船荷証券により船積みされる軍事貨物」これは税関の検査も何も受けない。地位協定によって、在日米軍はいつでも完全に軍需品を調達することができる。そういう意味ではしり抜けといいますか、超法規的なものになっているわけであります。 そういう点で、一九六〇年代から七〇年代にかけて、あのアメリカの行ったベトナムにおける侵略戦争、どれだけ在日米軍がわが国の軍需産業から調達をしていったか、明らかであればお答えをいただきたいと思います。
○古田政府委員 ただいま先生御指摘の地位協定の第十一条、十二条に関しましては、御指摘のとおりの内容になっているかと思います。 すなわち、在日米軍は地位協定上、武器の調達についても契約自由の原則に基づく待遇を受けるということができることになっております。またその貨物の搬出につきましても、米軍の場合につきましては貿管令の輸出承認手続を免除されるということにもなっているわけでございます。これは、いずれにしましても、安保条約及び地位協定に基づきますわが国が果たすべき国際法上の義務であるというふうに考えられるわけでございます。 それから、さらにこれに関連しまして、米軍の調達実績はどうであるかということにつきましては、最近時点におきましては軍関係の受け取りとしまして日本銀行の国際収支月報により明らかにされているところによりますれば、五十五年につきましては、暫定数値でございますけれども約十億ドルという数字になっております。
○渡辺(貢)委員 そういう点では、いま答弁があったように、在日米軍はいつでもどこでも、ほしいままに軍需品を調達することができる、海外に持ち出すこともできるということであります。これはきわめて重大であると言わなければなりません。 特に昨年来、日、米、ヨーロッパ三国の兵器の規格化の問題あるいは日米安保条約をNATO並みの攻守同盟に変えなければならない、こういう意見が非常に強いわけでありますが、そういう中で昨年の九月三日、四日、アメリカにおいて日米両国の担当者による装備技術担当者会議が開かれておるわけですね。ここでは、技術開発を行っていく、あるいは共同生産も考えていく、こういうふうなことが検討をされておりますし、昨年十二月来日した当時のブラウン国防長官はこういうふうに言っているわけですね、日米双方は軍事技術の日米協力の促進を指示した。こうなると、新しいエレクトロニクスを含めて、先端技術の開発を含めて軍事技術、軍需生産の共同的な生産を行われるのではないかという心配があるわけでありますが、これは現行の三原則等に照らしてどういうふうに判断をされているか、御見解を承りたいと思います。
○栗原政府委員 お答えいたします。 ただいま先生がお話しの、会議が行われたという事実関係を私承知しておりませんけれども、現在、防衛庁の件でございますが、防衛庁といたしましては日米相互防衛援助協定に基づいて、アメリカの国防省との間でこういった防衛装備にかかわります情報を相互に交換しておるということは聞いております。
○渡辺(貢)委員 ちょっと答弁になってないのですけれども、そういう技術開発、そして共同研究に基づく技術の輸出あるいは共同製品、つまり部品の分離生産というものは今度の国会決議あるいは三原則に対してどういうふうに見られるか、はっきり答弁をいただきたいと思います。
○栗原政府委員 現時点では、先ほどお答え申しましたように、もっぱら情報交換が行われているというふうに私どもは承知しております。したがって、その限りにおいて、おっしゃるような品物の輸出ということはないのではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、こういった問題、将来の仮定の問題になりますので、私どもといたしましては、武器輸出三原則あるいは政府統一見解に即して処理をしていきたいと考えております。
○渡辺(貢)委員 仮定の問題と言われますけれども、現実に検討されているわけであります。三原則あるいはこの決議に基づいて検討する、当然禁止であるというふうに私は理解をいたしたいと思います。 最後に、いままでの論議の中で、予算委員会等を通じて、武器そのものは確かに貿管令その他で輸出はできない、三原則もあるということでありましたけれども、汎用品の問題についてはいろいろの見解がございます。 そこで、ちょっとお尋ねをしたいと思うのですけれども、ココムにわが国は加入をされていますね。
○古田政府委員 自由主義諸国政府間でココムを設けまして、戦略物資の輸出規制を行っているわけでございますが、その機構にわが国は参加しております。
○渡辺(貢)委員 ココムのいわゆる戦略物資として現在禁止されている品目はどのくらいに上がりますか。
○古田政府委員 ココムリスト自体で何品目かという点につきましては、これは実はココム加盟国の申し合わせによりまして公表できないということになっておりますので御了解いただきたいと思いますが、このココム規制を実施するために、私どもとしましては、輸出貿易管理令の別表第一で取り上げているわけでございますが、その数は百六十三品目でございます。
○渡辺(貢)委員 その品目でありますけれども、これは一九六九年十月八日、英国の商務省が発表した英国版ココムリストの全訳なんですけれども、この中には兵器リスト、原子力リスト、工業リストということでAグループからJグループまで、金属加工機械あるいは電気機械・発電装置などいわゆる汎用品と言われるものもたくさん含まれているわけなんですね。それから、最近発表された「セキュリティー・エクスポート・コントロール」というもの、これは一九七六年四月三十日でありますけれども「トレード・アンド・インダストリー」、イギリスの報道機関が発表した商務省のやはりメモでありますが、この中でも同じようにそういう品目が指定をされております。約二百近い品目になっているわけでありますが、私たちはココムそのものを認めているという立場ではありません。貿易自由の原則から、共産圏であれあるいは自由圏であれ当然だと思うわけでありますけれども、兵器の輸出あるいは汎用品の問題についてはまた違った見解を持っております。 このレポートによりますと、幾つか注目すべき点があるわけでありますけれども、こうした汎用品の問題等についてこういうふうに指摘しているわけなんです。「一覧表記載のいずれの商品についても、輸出承認の申請が出されれば考慮される。この場合、その商品の正確な説明書、用途、最終仕向地などを始めとするすべての説明資料を提出することが特に重要である。」そういうものが出されるならばライセンスをおろす、こういうふうなことが書かれておるわけなんです。 いままでの答弁の中では、汎用品については非常にそういう使途証明などもむずかしいというようなことが言われているわけでありますけれども、ココムの品目については現実にこういうようなことがやられている。これはイギリスのレポートでありますけれども、わが国の場合にはその点についてはどうでありましようか。
○古田政府委員 やり方としましては、基本的には同じでございます。
○渡辺(貢)委員 そうしますと、武器輸出の問題についてこの決議あるいは三原則、私は法制化することが必要であるということを主張しているわけでありますけれども、当然、武器並びに汎用品を含めて規制することが法制上可能であるというふうに理解することができると思います。そういう点で、この問題での通産大臣の御見解をお承りをいたしたいと思います。
○古田政府委員 大臣御答弁の前に、若干使途証明等につきましての御説明をさせていただきたいと思います。 ココム規制の対象となります貨物は、戦略物資としまして非常に高度な性能を有するということで特殊な貨物でございますし、ココム対象国におきましては、戦略的な用途に用いられる可能性が高いという性格のものでございます。このような貨物のココム対象国向けの輸出は、原則として承認しないこととしているわけでございます。しかし、このような貨物でありましても、例外的に民生用等戦略性の乏しい用途に用いられるということが明らかである物につきましては、場合によりまして輸出を認めるということがあるわけでございまして、その際の判断材料の一つとしまして、輸出者から用途を証する書類の提出を求めることもあるわけでございます。しかし、こういうのはきわめて例外的なケースでございますが、他方、先生御指摘の、武器にも使用されるかもしれない、いわゆる汎用品の問題は性格が全く別になるわけでございまして、基本的には民生用といいますか、武器以外の用途に使われるという性格を持つものでございます。したがいまして、その件数も非常に膨大に上るということが予想されますし、かかる使途証明制度を適用するということはきわめて困難ではないかというふうに考えているわけでございます。
○渡辺(貢)委員 百数十品目、二百品目に近いわけでありますけれども、たとえばヘリコプターなんかも入っておりますし、工作機械も入っております。そういう点から見ると、いわゆるわが国では汎用品と言われている物も、このリストによりますと中に含まれているわけなんですね。そういう意味から最後に大臣にこの点について――私は法制化がどうしても必要だというふうに思いますし、また軍需生産の異常な競争増大というのが決して生き残りの戦略ではなく、滅亡の戦略であるというふうに私は考えております。 かつてミサイルの受注競争をめぐって岸元総理大臣がアメリカの何とかというところに書簡を送ったというようなことが契機になって通産省から出向していた防衛庁の森田装備局長が自殺をされた、まさにそれは破滅死であったわけでありますけれども、そういう点で武器輸出はすべきではないし、また武器に転用される汎用品についても法制上きちっと制約を加える必要があるということを主張して、質問を終わりたいと思うのですが、最後に大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。
○田中(六)国務大臣 私どもは、輸出によって国際紛争の種になるようなことはあくまで避け、武器輸出三原則並びに政府統一見解に基づいて貿易を行いたいと思いますし、それからココム諸国につきましても国際的な決まりもございますし、最初政府が申し上げましたような方針をあくまで貫いて貿易をしたいと思います。
○野中委員長 次回は、来る二十四日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十八分散会