商工委員会 第2号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1981/02/24
会議録
○野中委員長 これより会議を開きます。 小委員会設置の件についてお諮りいたします。 エネルギー及び鉱物資源に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなるエネルギー・鉱物資源問題小委員会及び、 流通に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなる流通問題小委員会を、それぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 両小委員会の小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 両小委員会の小委員及び小委員長は、委員長において追って指名し、公報をもってお知らせいたします。 なお、小委員及び小委員長の辞任、補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○野中委員長 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水平豊彦君。
○水平委員 私は、まず最初に、対中国経済協力の問題についてお尋ねをいたします。 日中長期貿易取り決めは、中国が日本へ原油、石炭を供給する、それから日本が中国へプラントを輸出する、いわゆるバーター取引を骨格として結ばれたものでありますが、御案内のとおり、中国の経済調整によりましてこの取り決めは空洞化されておると言ってもいいと思うのです。 さて、そうなりました背景を探ってまいりますと、一つには、中国側の原油、石炭の増産が思ったより進展しなかった。二つ目には、国家財政の大幅赤字による国内資金不足、それによるインフレの高進だ。このことは、特に中国側は、財政赤字の原因というものは海外からのプラント輸入を軸とした大型プロジェクトにあるのだ、こういう解釈をしておるようでありますが、これが二番目。三番目には、プラント建設計画に関与した経済関係の要人の政治的地位の後退等が挙げられるわけでありますが、まず第一に、これらの事実というものをなぜ見通しをすることができなかったのかということがあります。 さらに申し上げますならば、昨年の夏ごろからは、中国側から盛んに、調整したいあるいは中止したいあるいは見送りたいと言明しておったし、昨年の秋矢野通産省事務次官が訪中されましたときにも、このような旨が伝えられておったと思うのでありますけれども、言うなれば、政府の対応策というものはきわめて遅かった。なぜ早くこれに対応しなかったか。もちろん、この問題を内政干渉ととらえて遠慮しておったという気配もあるやに伺っておりますけれども、通産大臣、まずこれらの問題についてお答えを願いたいと思います。
○田中(六)国務大臣 お答えいたします。 日中の関係は、日中長期貿易取り決めという取り決めで決まっておるわけでございまして、これは一九七八年から一九九〇年までの長期取り決めでございます。わが国の方は、この長期取り決めで大型プラントの輸出というものが中心課題になっておりまして、向こう側は、原油の輸出と石炭の輸出、つまりエネルギー問題が中心でございます。 御承知のように、中国側から、その中の石油化学についての三つのプラント、それから鉄鋼関係が一つというようなものを、自分のところの近代化の調整をやらなければいけないからストップだということを言ってきておるわけです。それから、もちろん原油の輸入につきましても、最初の予想から大きく狂って、八一年、八二年、それぞれ八百三十万トンということ、石炭の方は、これはまた協定どおりの方向に行っているということで、向こうの調整政策という政策の変更によって、長期取り決めになっておる具体的なそういう案件を変更するのだというように言ってきております。 これらのことについて、それなら細部をどうするかということでございますけれども、今明日中に向こうから関係者が大挙して参ります。一月間ぐらいの予定だということでございますので、どの程度の責任を持ってくるのか、これも大きな検討事項でございますけれども、やはり大挙してそういう関係で来るわけでございますので、細部にわたって意見交換をしなければならないというふうに考えております。 それから、もう一つのお尋ねの、どうしてそれが見通しがつかなかったのかという御質問でございますが、先ほども申しますように、これは長期の取り決めでございますし、変更があったといたしましても、一九九〇年までの取り決めでございますので、そう大きな変更は問題があるというような認識もありましたし、過剰なプロジェクトであるということも考えられた点もございましたが、向こうからそのようにたくさんやめたと言ってくるというようなこと、しかも最初に申し上げましたように、まだ緒について二、三年、残りの年月の方がはるかに多い、そういう過程でございますので、それほど大狂いを、大狂いといってもほとんどの変更のような気もするわけでございまして、そういう点、見通しが悪いと言えば悪いことにもなりますけれども、やはり国際的な大きな取り決めでございますし、そこら辺は十分考えた結果というようなことが大切だ。中国側は御承知のような国でございますので、私どもの国と違って、それが国家計画等との結びつきなどにつきましても非常に配慮が足らなかったと言えばそれまででございますけれども、やはり民間との協定でございますので、私どもはそういうことを尊重していくという方向であったわけでございます。 ただ、先ほども申しますように、十分向こうの意向を聞いて、それから検討し分析して、こちらの意見も述べるというようなことになるわけでございますので、そういう点、向こうから来る、それから日本の民間のこれからの動きというものを十分見きわめた上で、政府なりの見解あるいは政府なりの判断、そういうものをやっていきたいというふうに考えます。
○水平委員 幸い、本日、中国側の契約責任者が来日されるということでありますが、いままでは、たとえて言えば有利な条件での借款を希望しておるとか、あるいは日本輸出入銀行の資源開発融資をしようとか、民間銀行の商業融資だとかあるいは合弁会社だとか、いろいろな方式があると言われておるわけでありますけれども、その責任者がきょう来日されることによって事情が一層明らかになると思うのです。恐らく、明らかになった時点で政府に業界からの支援要請というものがあると私は思うのでありますが、しかとそれにこたえて、日中友好の精神を傷つけないように円満にやれるだけのことは受けとめていただきたいと思うのであります。その点だけ一言確認しておきたいと思うのです。
○田中(六)国務大臣 御趣旨を十分踏まえて、両国に大きなひびの入らないということは十分考えていきたいと思います。
○水平委員 次に、私は、日米の経済問題についてお尋ねいたします。 日米経済問題というものは即自動車問題と言っていいと思うのです。いままで通産大臣も大変御努力しておられるようであります。たとえて言えば、昨年の十月から十二月までの間、通産省が業界へ要望されて、対米自動車の輸出実績は前年同期比二%ダウンした、あるいはまた本年の一月から三月までの前年同期の四十六万一千台を下回る四十五万台以下になるであろうという減少予測等を、大変胸を張ってアメリカ側におっしゃったようでありますが、アメリカ側はこれらの自粛では納得しない。そこでもっと具体的に、かつまた厳しい態度で出てくるということが予測される。 そこで、私は、大きく分けて二つの問題についてお尋ねをいたします。 一つは、ただいまアメリカでは、GMとフォードとクライスラーの再生計画を、ブロック通商代表とかルイス運輸長官が中心となって特別作業班が作業を進めているのです。三月の上旬には自動車再建政策というものを打ち出す。これはすなわちレーガン大統領の政策となる。当然この中には対日自動車対策も入ってくる。日米間の抑制救済政策が恐らく打ち出されるのではないかと注目されているのです。なければいいのですけれどもね。その中で特に注目すべきことは、米政府が一九七四年制定のアメリカ通商法二百一条、言うなれば輸入による国内産業の被害救済条項に基づいて、三年間輸出数量が規制される厳しいものがあると予測をされている。なかったらいいのでありますが、こんな大変な事態になったならば、わが政府はどう対処するかという問題が一つ。 もう一つは、鈴木総理が本年の五月に訪米されるようでありまして、田中通産大臣とか伊東外務大臣、現在は大来代表が行っておられますが、天谷審議官も三月中旬には行くと言われている。鈴木総理訪米の前に解決したいという意図はわかる。言うなればレーガン政権の自動車政策というものを調べて、アメリカはこういう考え方ですよということをわが国自動車産業に示して協力を取りつけたいという意向に私は思う。 さて、そこで注目すべきことは、三菱と提携関係にあるクライスラー社再建協力なんです。特に三菱はクライスラーを相手に新会社構想はいやだ、やる気はないと言って暗礁に乗り上げているのですね。そこで注目すべきことは何かといったら、一つ、三菱車の販売独占権はクライスラー社にありますね。二つ目は、カーター大統領時代からの構想でありますが、フランスのシトロエンとの共同出資による会社の設立問題があるのです。 そこで問題なのは、もしもフランスが積極的に出て、シトロエンが五〇%の出資をすれば販売権は当然移譲されると見なければならない。そうなりますと、クライスラー社以上に三菱の車は販売権がシトロエンに移りますから、売れ行きはきわめて悪化のおそれがある。当然、生産は減る。そうなったときに下請関連企業に重大な影響を与えて、いわば連鎖倒産というものをもたらしたならば、これは大変なことになる。こうした意味において、政府は、粘り強くやるとか企業ベースというようなことをおっしゃっておられるわけでありますが、クライスラー社倒産の事態にでもなったら大変なことになる。だから、いかなる政府援助というものが――民間の話でありますけれども、重大な問題にかんがみて、その対処策について、時間が経過してかないませんから、もう簡単、明確にお答えいただきたい。
○田中(六)国務大臣 まずタスクフォースの関係でございますけれども、これはルイス運輸大臣が中心になってやっております。これも結論が出る。それから、いまダンフォースとベンツェンの上院議員が出しておるのが、三年後に百六十万台ぐらいにやろうというような結論が出る予定でございますけれども、これは私どもがいろいろ言うべきではなくて、向こうの結論を待ってそれから対処をし、交渉をしなければならないというふうに考えております。 それから二番目の、総理が行って、私がその前に行くということの件でございますけれども、この自動車は、もちろん御指摘のように、日米経済問題の重要な問題でございますので、総理が行く前にできるだけ、何とかグローバルなことの片づけ方はしておきたいと思っております。 それからクライスラーの問題でございますが、御指摘のように、三菱自動車との関係がございます。しかし、実はいろいろな情報を私どもはいま得て、大きなダメージを三菱側が受けないように、それから日本の国内にそれが大きく波及しないようにという観点から、種々あらゆる情報をとって対処すべく分析しておりますけれども、いま具体的にそういう内容を言えというお尋ねがあったといたしましても、これはクライスラー社にとっても非常に重大なこと、即アメリカの自動車産業、アメリカの経済にとっても非常に重大なことでございますので、私どもがいま得ている情報全部をさらけ出すわけにはいきませんけれども、クライスラー問題は、私どもの日本経済に与える影響も大きい、それから日米関係に与える影響も大きいという観点から、慎重に、しかもこれに対する態度は十分、変なことにならないようにという観点から判断し、対処していきたいと思います。
○水平委員 では次に、一言だけですが、日本とEC問題についてお答えを願いたいと思います。 欧州共同体の対日経済摩擦というものに対する態度も日増しに硬化しているのですね。そこで、ベネルックス三国は最も強硬で、セーフガードを主張しております。フランスも日本車の輸入を三%以下に抑えている。イギリスも、英国の国内総需要の一〇%以内だということで、非常に厳しい態度を示しておる。言うならば、第二次世界大戦前夜のABC包囲網と言ってもいいような状態に、厳しいさなかに立たされている。 そこで、私は、どう考えても日米欧は三角関係にあると思うのですよ。ですから、日米間の取り決めがうまくいっても、そのしわ寄せば当然欧州へ来る。欧州で話がうまくいったって、日米へ来るのですよ。特にECの考え方は、むずかしい言葉を使うならば、市場の経済原則というよりも、いわゆる経済的安全保障というものを優先しようというような、しかもヨーロッパ的カルテルの波及が一番国際経済秩序を安定させるんだという認識に立っていますね。困ったものと言えば困ったものでありますが。そのように考えてみた場合に、日本の基幹産業は、知らず知らずのうちに管理貿易の枠組みの中に組み込まれてしまうのです。だから、この際、懸命に打開をするウルトラCはないかどうか、お尋ねいたします。
○田中(六)国務大臣 米国との自動車問題は、即ECと日本との自動車問題でもあろうと私は思います。したがって、日米間の自動車問題の解決と同時にやはりこれはEC諸国とも、米国とひとしく自動車問題を、タイミングもそれからいろいろな質的なものにつきましても、同時解決をすることが賢明だというふうに考えておりまして、その点は、特定の地域に特定の種類のものを集中豪雨的に輸出するということは、米国並びにECその他にも同様な対処の仕方でやらなければならないというふうに思っておりまして、いまECは、日本との貿易関係を見ますと、合わせますと百億ドルぐらい日本が出超でございます。こういう点を十分頭に置いて、ECとの経済関係をうまくし、あるいはまたこれを解決しなければいけないというような考えでございます。
○水平委員 次に、私は一言、通産省の外交姿勢についてお尋ねいたします。 まず最初は、このごろ通商問題の中で、外交上機密に属する問題がありますね。ときどき通産省側からリークしているといううわさがあるわけでありますが、事実とするならば大変国際的な信用を失墜することになる、なければいいのでありますが。 例題を二つ言います。 一つは、昭和五十五年十月二十一日、パリ郊外のドゥールダンにおいて、サミット七カ国、オランダ、デンマーク、オーストラリア、EC委員会等が、対OPECの長期戦略を検討するための会議を極秘に開催せんとしたが、直前になって新聞にリークされて中止された。日本側の通産省筋から漏れたと言われるのでありますが、しかもこれは東京発の外電に流したという巧妙な手を使った。実はこの問題が暴露されておるわけでありますが、なければ結構であります。この点を私は忠告しておきたいと思うのであります。 二つ目の例は、これはきわめて重大問題でありますが、昭和五十五年十二月、イラン・イラク戦争の後で、サウジアラビアが五十万バレルから六十万バレルを増産することになったのであります。そのうち日本へ十四万バレル・パー・デーを増量することを約束した。これを第二次大堀原油という。最初は四万バレルでありましたが……。米国の石油関係の雑誌にこのことが報道された。だからヤマニ石油相が怒った。日本側が漏らしたと言って、これをほごにした。日本では船まで用意して港まで行ったんですが断られてしまった。この点はフランスもル・モンドに書いておりますが、ヤマニ石油相に今度はジスカールデスタンが圧力をかけて、なぜ日本とそういうやみ取引をするのかと言って忠告した。その上ジスカールデスタンは、ミラージュをもってちゃっかりと今度は五万バレル・パー・デーを取りつけたというのです。まことにばかげた話でありますけれども、これは田中通産大臣と通産省との間がうまく連携されていなかったと私は思うのですが、この点について明らかにされたい。
○田中(六)国務大臣 いまリーク、リーケージという、そういうようなことで日本が国際的ないろんな機密のことを漏らしておるんじゃないかという二つの案件を披瀝しておられるわけでございますけれども、私どもはそういうことをリークした覚えはございませんし、外交的な重大なことについてそういうふうな対処の仕方をしたことは、少なくとも私が就任して以来ありませんし、以前にも私はなかったと思います。 ただ、石油をめぐる問題は、非常に各国はシビアといいますか、非常に警戒並びに憶病、それからお互いに裏の闘争みたいなのが激しく、OPECそれからメジャー、それからそれに上回る、私はときどきポン引きと言っているのでございますが、そういう人たちを通ずる裏の工作が、もう私が知っている限りでもかなりございます。したがって、国際的にもメジャーとOPECの争い、そういうようなものから、スパイと言ってはなんでございますけれども、何かコンクリートがうまくいきつつあると、それを崩すために先にリークするというようなことがしばしば行われておるような節もございますし、特定の国の悪口は言えませんけれども、そういうことをすることによって油を手に入れようというようなこと、それから日本の国内は、御承知のように九九・八%まで油が輸入でございます。その上にまた三十五、六社絡まる社がありまして、それぞれが自分が得るために、まあ悪いことですけれども、コンクリートになりつつあると早目にそれを崩すというようなこと、内外のそういう石油問題に対するいろいろなトラブルがございまして、そういうことが波及してそういう結果になっておるようなことが考えられます。しかし、政府みずからがそういうことをやった覚えもございませんし、それからもう一つ、通産大臣と通産省がちぐはぐじゃないかというようなことも、私が自分で言うのはおかしいのですけれども、前もそうかもわかりませんが、いまほど通産大臣と通産省全体がうまくいっているときはないような気がすることも申し上げておきたいと思います。
○水平委員 まあ多くは言いません。大臣、どうぞお帰りになってください。さっきの第二次大堀原油の問題は、今後注意してくださいよ。おわかりになりますね。もう結構です。 次に、私は、経済企画庁長官にお尋ねいたします。 まず日本経済の展望ですが、そのうちで春闘についてお尋ねします。 昭和五十四年から五十五年の半ばにかけて第二次石油危機が進行しておったのでありますが、日本の消費者物価の上昇率は一けたで済んだ。大変結構です。それはなぜかと言えば、一つは、生産性が非常に高い伸び率であった。もう一つは、春闘の賃上げが小幅にとどまったということです。私は、今日までの政労使というものは非常にいい信頼関係にあったと思うのです。労働生産性を上回っての賃上げというものは、やがては物価を押し上げる。それはインフレを加速し、実質賃金の目減りになります。そういう点を配慮されて、非常にこの賃上げと消費者物価というものの両立をうまくやってきたと思うのです。それがまことに残念なことに、昨年は賃上げが六・九%、労働省調べでは加重平均六・七四です。物価は六・四%という前提、つまり約束のもとにこの六・九%が妥結したのです。それが途中で七%に修正をしなければならなかったのです。年間平均の実質賃金というものは〇・九%減なんです。これは戦後初の目減りなんですよ。言うなれば、賃上げは物価の面から崩れたと言っても決して過言ではない。 そこで、本年度におけるところの春闘は、総評を初め四団体が目減りの回復をスローガンにして、一〇%アップだとか二万円前後というものについての主張をすると言われております。私は、この問題については、政府が六・四を七%に修正をしたという、この点について責任を痛感してもらわなければならぬと思うのですよ。しかも、企業経営は昨年は円高メリットもあって好調な状況で推移したのでしょう。そのもとでの実質賃金の目減りであっただけに、大変悔やまれてならぬと私は思う。 そこで、一つは政府、労使間の信用を高めていただきたい、どのように対応するかということが一つと、この場合の賃金上昇というものは一応生産性の伸びを大きく下回っているのだから、賃上げは個人消費を刺激し、景気浮揚の推進策にもなるという背景があるのだから、去年は企業経営の利益が高かったのですが、本年はどうも景気にかげりがあると言って、これらの問題にはむずかしいと言っているわけでありますけれども、昨年の春闘の背景があるだけに、私は責任ある対応の仕方をしてもらいたいと思うのでありますが、この点について河本大臣の御意見を承っておきます。
○河本国務大臣 ベースアップの問題につきましては、これは労使双方で相談をしてお決めになることでありますから、政府の方としてはそれに対して申し上げることはありませんが、ただ、一言希望を申し上げますと、いまもお話がございましたように、第二次石油危機を日本が順調に切り抜けることができつつあります背景は、やはり労使の広い立場からの現在の日本の経済に対する認識があったということも非常に大きな力になっておりますので、今回もできるだけ生産性の向上の範囲内において賃上げが妥結することを期待をいたしております。もちろん業種間によって明暗がございますから、それぞれのやはり事情もございましょう。しかしながら、やはり日本が国際競争力を維持するためには、生産性の向上の範囲内ということが望ましいと期待をいたしております。 政府の方といたしましては、当初予定をしておりました六・四%という物価目標が実現できなかったことを大変遺憾に思っております。先般七%程度ということに修正をいたしましたが、最近はようやく野菜も峠を越しまして順調に下がり始め、卸売物価も急速に鎮静化をしております。さらにまた円高も続いておりますので、これからはだんだんと物価は安定の方向に行くものと考えておりますけれども、当初の予定六・四%というものが達成できなかったということに対しては大変遺憾に思っております。
○水平委員 次に、私は景気の動向について一言お尋ねいたしますが、今日のような景気の低迷実態というものが放置をされますと、先行きに対する不安感が高まってくる、だから先手の策を打たなければならぬという意見があるわけでありますが、そこで、三月の上旬に経済閣僚会議を開いて総合経済対策を決める方針と伺っております。その骨子となるものは、一つには金融対策の機動的な運営、二つ目には五十六年度における公共事業の前倒し執行、さらに三つ目には中小企業金融対策を中心としたところの拡充強化でございましょう、恐らく。 そこで、具体的に言って公定歩合の第三次引き上げの見通しというものが注目されるわけでありますが、これに対する、特に早期引き下げ論者である河本大臣、そして公共事業執行のあり方というものはどうあるべきか、まずこの点をひとつお尋ねしておきたいと思うのです。
○河本国務大臣 景気の状態が、最近相当警戒すべき状態になっていることは御案内のとおりであります。そこで、三月の多分十日過ぎになると思いますが、目下日程は調整中でありますけれども、経済対策閣僚会議を開きまして、当面の経済運営をどうしたらよいかということについて相談をすることになっております。相談の内容は、三月の初めにいろいろな経済指標が出てまいりますので、その段階におきまして関係各省で詳細相談をすることにいたしておりますが、大体の方向はいま御指摘があった数点だと思います。 そのうちで金融政策につきましては、昨年の五月に政府の方では、今後引き続いて金融政策を弾力的に運営する、こういう基本方針を決めております。金融政策を弾力的に運営するという表現は非常に抽象的でありますけれども、もう少し具体的に言いますと、現在の金利水準は非常に高い、経済活動の足を引っ張っておるので、条件が整い次第できるだけ早く低い水準に持っていくことが必要である、こういう趣旨であります。その政府の基本路線に従いまして、日本銀行の方でもいまいろいろ条件を検討しておられると思いますが、その条件を総合的に判断されまして、公定歩合をいっ引き下げたらよいかということについていろいろ検討しておられるものと考えております。 しかしながら、公定歩合だけ下げましても、現実に金利が下がりませんとこれは余り意味がございませんので、公定歩合が下がると同時に現実に金利が下がるという方向に持っていく条件は何ぞや、こういう観点からいま検討が続いておるものと考えております。
○水平委員 どうもありがとうございました。 いま河本大臣が後半にお述べになりましたように、私も御期待申し上げておりますが、一つは、引き下げにおいて預貯金金利の連動の問題もあります。それから特に、幾ら公定歩合を下げても、民間金融機関においては、このごろ郵便貯金の方がぐんぐん伸びている、あるいはまた大量の国債引き受け等で貸し出しの余力が非常に減少しているのですね。いまお話がありましたように、この点を配慮していただきたいと思います。 それから、特に昨年の四月以来、小型車を中心に国内における販売は、需要が一巡したということで売れ行きが一応連続落ちているのです。すなわち、国内販売の不振が輸出へ力寄せをする、それが摩擦になる、そして締め出しを食うておる、こういう状況ですね。いままでは国内国外両方ともよかったかあるいは少なくとも片一方がよかった、だから成長してきたと言えるのです。ところが現在は両方とも悪い。御案内のとおり、自動車産業というものは鉄鋼や電機を上回る年間売り上げ十八兆円産業ですね。そうすると、部品、素材、それにガソリン関係等の支援部門も含めるならば四百五十万人からの就業で、すそ野の広い産業なのです。この土台が崩れたならば、中小企業初め関連倒産が起きてくる。どのように景気を高めていくかということが一つあるわけです。 それからもう一つは、昭和五十六年度の実質経済成長見通しは五・三%です。ところが輸出環境の厳しさとかあるいは増税、公共料金の値上げによる可処分所得がふえないとか、あるいは大幅賃上げがむずかしいとか、そういうことで特に昭和五十五年度の成長率四・八%というものは内需型と当初見ておったけれども、中身は結局輸出の外需型だ。輸出の外需が大変厳しいということになると、さらに内需に目を向けなければならぬわけでありますが、今度は五十六年度は五・三%なのですよ。果たしてこの点が達成できるかどうかというこの二つについてお答えいただきたいのです。
○河本国務大臣 いま御指摘がございましたように、五十五年の経済は貿易依存型の成長であったと思います。五十六年は内需中心の成長に転換をさせたいということで、先般その基本方針を決めたわけでございます。しかしながら、現在のような情勢では、内需中心の経済に切りかえるといいましても、まだなかなか条件が整っていないと思うのであります。そこで、先ほど申し上げましたように、そのための第一歩として、三月十日過ぎに対策を決めよう、こういうことでございますが、そういう状況のもとにおいてことしの五・三%経済成長は達成できるかということでございますが、五十五年度の四・八%成長はただいまのところおおむね達成できるであろう、このように判断をしております。三月の初めに指標が出てまいりますと、おおむねその成否が明らかになりますが、大体可能であろう、このようにいま考えております。五十六年度は内需中心の経済でありますから、やはり民間の設備投資が政府の計画どおりある程度活発にならなければなりませんし、同時に民間の消費活動がある程度活発にならなければならない、こう思っております。民間の消費活動を活発にするためには、やはり何といいましても物価を早急に安定させることが絶対の前提条件だと思いますし、また民間の設備投資、特に中小企業の設備投資が最近落ち込んでおりますので、これを計画どおり回復させるためには、やはり金融の条件が投資できるようなそういう環境にならなければならない、こう思っておりますので、以上の二点について気をつけながら経済運営を進めてまいりたいと思います。
○水平委員 次に、物価の問題についてひとつお尋ねいたします。 卸売物価は昨年の春ごろまでは上昇しておったのでありますが、円高傾向もあっていまは鎮静している。だから消費者物価は、五十五年は原油価格の高騰や冷夏等も加わって、前年同月比七から八%で推移してきたわけでありますけれども、このところ寒波とか異常乾燥のために野菜価格はかなり上がっている。先ほども大臣はお述べになりました。ところが、一応原油価格は落ちついておるので、基調的には安定の方向だと思われます。政府は当初、先ほども私が申し上げたように、消費者物価上昇率を六・四%から七%に修正されたわけですが、あと一カ月ありますけれども、再修正の必要はないかどうかということが一つと、それから昭和五十六年度を展望いたしますと、酒税や物品税の増税がある。それから米麦とか郵便料金とか国鉄運賃、大学の授業料値上げが予定されておりますね。またさらに私鉄運賃やタクシー料金の値上げ申請が出ている。国民生活にとって重大な公共料金というものは、軽々に上げるものではないと私は思うのであります。これらが物価にはね返ってくると、果たして五・五%という昭和五十六年度の消費者物価の政府見通しというものは守られるかどうか。料金改定に対する御見解と五・五%達成の意欲について示していただきたい。 要は、経済問題というのは非常にむずかしいのでありますが、一言で言うならば、物価や国際収支のバランスを壊してでも景気を浮揚し、高い成長率を求めていくか、あるいは低くてもバランスをとるか、私は一つの選択であろうと思うのです。その時世に応じた適策を誤りなくとるべきだと思うのでありますが、河本長官の御所見を承っておきたいのであります。
○河本国務大臣 経済成長の目標でございますが、新七カ年計画を立案いたします際に、日本の経済といたしましてまず解決しなければならぬ一つの大きな課題といたしまして、国際競争力を維持するということが一つ、それから雇用問題を解決するということが一つ、それから日本の置かれております立場から海外の経済協力というものを進めていくということが一つ、そういう観点に立ちまして、それらのことを実現するためにどの程度の成長が必要かということを計算いたしまして一つの目標を設定したわけでありますが、それを安定成長と私どもは呼んでおりまして、五・五%成長を今後の五カ年、昭和五十四年からいいますと七カ年の間を通じまして達成をしていきたいというのが基本の目標になっております。 その場合に一番のキーポイントは、いま御指摘がございましたが、物価問題でございます。特に五十六年度の物価目標を達成できるかということでございますけれども、五十五年度よりは物価政策は大分やりやすい、こう思っております。 一つは、卸売物価が最近になりまして急速に鎮静化しておるということであります。五十五年度の初めは、ちょうど一年前のいまごろは年率二〇%を超える非常に高い水準でございましたが、夏ごろからだんだんと鎮静化してまいりまして、一月には六%台、二月初旬には三%台、こういう方向に鎮静化をいたしております。しかし、年の前半が高い水準でありましたので、年度平均にいたしますと一〇%を超えまして一三、四%くらいになるのではないか、こう思っております。しかし、いずれにいたしましても急速に卸売物価が鎮静化しておるということで、五十六年度の目標であります四・一%というのは十分達成できるであろう、こう思っております。したがいまして、卸売物価から来る影響というものは五十五年度のようなことはない、こう思っております。 それからもう一つ、五十五年度の物価政策で大変やりにくかったのは、電力、ガス料金が大幅に上昇いたしまして、これが消費者物価を一%以上押し上げております。そこで全体としての公共料金の物価の押し上げが二%以上になっておりましたが、五十六年度は公共料金関係の物価に及ぼす影響は比較的小さいと思っております。現在のところは〇・三%と想定をしておりますが、なお物品税であるとか酒税であるとか、そういうものの引き上げがございますので、そういうものが間接に消費者物価に影響するといたしまして、それを加算いたしましても〇・五%見当ではないか、こう思っております。でありますから、五十五年度とは非常に大きく違いますので、この点が非常にやりやすい、こう思っております。 それから、第三には石油価格でありますが、石油価格が、九月の戦争がございまして、これによりまして予想外の急上昇をいたしましたが、五十六年度は五十五年度のようなああいうことにはならぬであろう、このように想定をしておりまして、消費者物価対策というものは五十五年度に比べますと相当やりやすい、こう思っておりまして、政府といたしましては、五・五%の消費者物価目標というものは十分達成できる、このように考えております。 ただ、生鮮食料品、特に野菜対策につきましては、これは消費者物価に占めるシェアは比較的少ないのですけれども、非常に価格が乱高下をいたしまして、最終的には消費者物価に相当大きな影響を及ぼしますので、これは農林省の方と十分連絡をとりながら野菜対策には万全を期していきたい、こう思っております。
○水平委員 ありがとうございました。 私は、中小企業問題をこれからお尋ねしますけれども、河本大臣がおられる間に一つ申し上げておきたいことは、政府が景気対策というものを、これは物価の話から景気に戻っちゃうのですけれども、景気対策を打ち出されるときは、私も肯定いたしておりますが、どうしても公共事業の問題だとかあるいは金融問題、金利の引き下げ問題に目が移りやすい。それで結構だと思うのです。ところが、口にはすぐ中小企業倒産防止だとか中小企業の不振を救うためにと出るのです。口では言われるけれども、どうしても政策は後手に回ってしまうのですね。悪い言葉かもしれませんけれども、いわば景気対策のダシに使われる傾向が強い。たとえば金融を一つ例にとりましても、大企業の場合には資本力もあるし現預金もある。これをもとにしてすれば長期的に幾らでも資金を借りられるし、いわゆる金融収支勘定が非常にいいのです。ところが中小企業の場合というと、どうしても選別融資で苦しんでみたり、地域における信用組合とかあるいは信用金庫等の利用率が大変高いのでありますけれども、いわゆる貸し出し余力というものは少なくて現実には非常に困っておる。どうしても後手へ後手へと回ってしまうわけですから、どうかひとつ景気対策を打ち出されるときには、中小企業対策というものを配慮されたあるいは先行されるような打ち出し方をしていただきたい、これは御要望を申し上げておきます。御要望を申し上げておきますが、ひとつそのように御配慮をいただきたいと思います。河本大臣、結構ですから……。 それから、私は、中小企業の倒産防止対策についてお尋ねいたします。 昭和五十五年の中小企業倒産は、件数と負債額ともに昭和五十二年の最悪時に次ぐ史上第二番目なんですよ。五十五年九月以降も連続して毎月千六百件以上の倒産が続いている。本年の一月も、一月としては過去最高の千三百十三件なんですね。じゃあその倒産の原因はといって見ると、販売不振とか累積赤字とか収益性の悪化、いわゆる不況型倒産がいつもトップを占めるのが通例でありますけれども、どうも今回は、中には放漫経営もありますよ、放漫経営もありますが、直接景気動向とは結びつかない、他社倒産のあおりを受けるいわゆる連鎖的倒産が多いことは注目すべきなんですよ。 そこで、まず第一にお尋ねいたしますが、中小企業信用保険法による倒産事業者の指定というものは、倒産の発生から大臣告示までどのくらいの期間を必要とするかが一つ。もう一つは、指定基準を満たしているかどうか正確を期すため余りにも遅くなる、もっと簡易に迅速にできぬかという点についてまずお答えいただきたい。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 信用保険の不況指定は二つございまして、いわゆる大型倒産が出ました場合に、その関連倒産を防止するためにその本体であります大型倒産企業を指定するというのと、それから不況業種を指定するという業種ぐるみの指定がございます。 その前者につきましては、いま先生御指摘のように、大臣の指定ということが緊急に行われる必要がございますので、これは倒産が発生しますと、その地域におけるところの通産局及び財務局あるいは日銀の出先、関係金融機関等が緊急会議を開きまして、早急に関連中小企業者の手当てを必要とする、このように判断いたしますと、これが本省に参りまして私どもの方で、ほとんど一日ないし二日という期間にやりますので、合計いたしましても大体一週間ないし遅くても十日というのが現状でございます。 それから、第二の業種ぐるみの不況指定でございますが、これにつきましては、現在三カ月ごとの洗いがえをやっておりまして、現在時点におきまして百三十業種が指定されておるわけでございますが、たとえば昨年の九月以降、建設倒産が激しいために、この建設関連の指定を昨年中に繰り上げて実施をするというような措置をとっております。もちろんすぐということも、一日、二日というわけにまいりませんけれども、業種ぐるみの場合は、地域の調査データがそろいますのにどうしても若干時間がかかりますので、三カ月というのがぎりぎりの洗いがえの期間だと思います。 それから、個別倒産につきましては、先ほど申しましたように、これは事の性格上緊急に手を打つということで、極力いま対処をしておる次第でございます。
○水平委員 官報によりますと、早くて二十日、遅いものが二カ月ですよ。法的措置をとったものは早いが、夜逃げなどの場合は関係資料が見つからないからおくれるというのが通例なんですよ。指定日は倒産の日に遡及するので問題はないかもしれないという意見がありますけれども、しかし、債権者は手形の回収とかあるいは運転資金の手当てに早急に飛び回らなければならない。そうしますと、大臣の告示が出てから市町村長の証明をとったり、融資の申し込みをしておっては手おくれなんですよ。 たとえて言えば、私の愛知県でありますけれども、県の制度融資の発動は、興信特報によって一定の要件を満たすと判断すれば直ちに県の倒産企業に指定しているのです。だから、融資段階での審査もあることでありますから、保証枠を広げたからといって、私は別段不都合はないと思うのです。何かというとすぐ政府は、機動的に、機動的にと口で言うけれども、機動的に善処されたいと私は思うのでありますが、一言御答弁願いたい。
○児玉政府委員 いま御指摘の指定の点でございますが、これは先ほども申し上げましたように、ぎりぎり最善の措置をとっておりますが、なお私どもとしてこれの短縮、一日でも二日でもということは努力してみたいと思います。 それから、その後の措置でございますが、これは再保険につながるいわゆる信用保険保証の第一線の活動というのがすぐ開始されるわけでございますが、倒産に至りますいわゆる予兆と申しますか、前兆段階におきましては、その倒産がうわさされただけで問題になるということもございまして、前兆の期間が非常に短うございます。したがいまして、いきなりすぐ調査ということにかかりましても、やはり若干の時間はかかるという事情もございますし、それから信用保証協会自身の手当ても、これもふだんからの取引ないしは保証の対象にどの程度なっているかというような精粗もございまして、相手方によりまして若干ずつあれがございますけれども、指定がまず最初の前提条件でございますので、これを早めることによりまして、信用保証協会の緊急な手当てをやる。 で、いま御心配いただいておりますような事態が昨年の九月以降ございますので、信用保証協会及びその大もとであります保険公庫、それから各金融機関に対しまして、実は昨年の九月の十九日、それから今回の豪雪に当たりましても、厳重な通達を発しまして、いま先生おっしゃいましたように、適切かつ機動的に運用をするようにということを督励をやっている段階でございます。
○水平委員 森山長官が参議院の方へお行きになる関係もありますから、この際、問題の性格がちょっと違うのが飛び込んでまことにおかしな話ですが、一言省エネの問題についてお答えいただきたいと思うのです。 今月は省エネ月間ですね。国際エネルギーの需給はかなり緩和基調にある。これは結構でありますが、このごろヤマニ石油相は、何かOPECの皆さん方に、生産量の削減だとか、一バレル三十二ドルを三十四ドルにするとか言って、ちょっと注目すべき傾向にあります。 そこで、昨年の節約目標七%の二千万キロリッターというのをはるかに大幅に上回って、一三%を超えるような結果になると言って、楽観的な予測がされているのですね。これは大変結構なことであります。これが本格的な燃料転換などの消費構造改善による真の節約の結果ならば結構でありますけれども、昨年の景気の沈滞とか天候だとか一時的なものによっている。だから、本年の二千五百万キロリッターの節約目標も本格的な意味のある節約でなければならぬと思うのでありますが、どう対策をお持ちかということが一つ。 もう一つは、ガソリンスタンドが――一月二十三日の総合エネルギー対策推進閣僚会議で、いま言ったように二千五百万キロリットルの節約対策を決めましたね。そこで、その効果の試算によれば、マイカー使用の自粛で約二百十五万キロリットルの節約を図ることができると言っているのですよ。それならば、初めて日曜、休日の給油所休業の推進が取り上げられたわけでありますが、この休業対策によって石油は何万キロリットル節約できるとお考えになるか、試算の根拠を示していただきたいということが一つ。 全部聞いてしまいますが、もう一つは、これは新聞にも出ておりますが、通産省の調査によりますと、スタンドの日曜休業実施率は九八%だと言って宣伝しておった。だから節約はうまく進んでおりますよと言って、省エネの基礎的な材料として力んでおみえになったわけでありますが、主婦のモニターによるとそれは違う。九八%じゃない、実は九二%だ。東京都あたりは一〇%を超える誤差が出ているのですよ。だから、この点を通産省も重大に注目されて、今後いろいろな委員会等を立てて強力にこの省エネ対策を進めていきたいと言っておられるわけでありますけれども、指導のあり方とか改善策とか実施率の調査方法とか、いろいろ問題点があるわけであります。それをひっくるめてお答えをいただいておきたいと思います。 ただ、その際、休業指定というものはすでに行政指導として各通産局とか県とかが業界等に――推進方法等は各県に推進協議会というものをつくっておやりになっておられるわけでありますけれども、業界の足並みが乱れている。しかもガソリン需給の関係もある。あるいは業者の経営基盤というものを考えた上で適切な推進を図らなければならぬといういろいろな問題があるわけですよ。これらの問題を総合してお答えをいただきたいと思います。
○森山(信)政府委員 まず第一点の五十五年度七%以上の節約ができそうなことに関しまして、構造的にそういうことになっておれば結構だが、特殊の事情によってそうなったのであれば問題があるのではないかという御指摘、まさにそのとおりだと思っております。 私ども、現在、石油の消費が大変落ち込んでおりますのは二つの面があると思っております。 一つは、いま御指摘のとおり、構造的に石油からほかのエネルギーに転換していくという構造変化のあらわれが現在出つつあるのではないかという感じがございます。ただ、すべて構造的に変わってしまったと言うにはまだほど遠い状態でございまして、特に五十五年度はいわゆる冷夏あるいは景気の落ち込み等々の原因もございまして、そういうものが絡まり合いまして消費が大幅に落ち込んだのではないか、こういう見方をしておるわけでございます。基本的には、構造的な変化が定着するまで省エネルギー運動を推進していくことが望ましいということでございまして、私どもが提唱いたしておりますいわゆる何%の消費節約も、そういった意味でのアピールを繰り返し繰り返しやっていきたいということにほかならないわけでございます。 それから第二点のガソリンスタンドの関連におきまして、マイカー自粛によります消費節約の目標が二百十五万キロリッターという、御指摘のとおりでございます。これは、言ってみますと、いわゆるハードウエアに対しますソフトウエアへのアピールということでございまして、燃料特にガソリンの節約のためには機械そのもの、つまり乗用車、自動車等の機械そのものが省エネルギー型になってほしいという節約運動と、それから機械をお使いになる、車をお使いになる方の上手な運転の方法あるいは不要不急のときには乗らない、こういったような、言ってみますとソフトウエア面からの効果を期待いたしまして、二百十五万ということを算定したわけでございます。 それから三番目の休日の達成率の問題でございますが、九八%という数字が出ておりますけれども、モニターの調査によりますと九二%という数字もございます。これはアンケート調査によりまして私どもは推測しておるわけでございまして、ただ、いずれも九〇%を超えておるということは大変心強い結果になっておるわけでございます。しかしながら、これはいやしくも一部のガソリンスタンドが休日に店をあけるということになりますと、大変な問題を惹起いたしますので、私どもはこの点につきまして、一〇〇%の達成率を目指してがんばりたいということでございます。ただ、これはガソリンスタンドの方々に休日、祝日には休んでくださいということをアピールするだけではなくて、ユーザーの立場から日曜、祝日にはもうガソリンは買わない、こういうような考え方が定着するような、いわば精神高揚運動というものを繰り返し繰り返しやっていくことが必要なんではないかということでございまして、せっかく努力をしてまいっておるところでございます。
○水平委員 もう一遍もとへ戻りますが、私は、次に倒産防止共済制度についてお尋ねいたします。 本制度が画期的なものであるから、私は評価いたしております。ただ、問題は、中小企業者の加入率が低いですね。制定当初は年間十万人を想定されておったのでありますが、それがこのごろでは二万人前後ではないかなという感じがするわけでありますが、加入者がふえるほど有利な制度になる。だから、もっとPRしなければいかぬ。加入申し込み窓口を金融機関に広げてはどうかという問題が一つある。 そこで、特にこの際お尋ねしておきたいことは、共済加入者が倒産企業の債権者であり、倒産企業の手形を持っておれば所要の貸し付けは受けられるかという問題ですね。 なぜ私がここに力を入れて聞くかといいますと、実例がある。昨年の五月、愛知県一宮市の興葉繊維株式会社の関連倒産で、同社の手形を持っておった企業は共済金の貸し付けを拒否されたのです。債権者が倒産企業の手形を割り引いたり裏書きして他へ回すことなく所持をしておって不渡りとなったとき、共済貸し付けを拒否されたのですよ。そこで、市役所や商工会議所が共済事業団へ交渉しましたけれども、拒絶をされたんです。その理由はというと、銀行のフィルターを通っていない手形には貸し付けできない規定だと言っているのですよ。私にはよくわかりませんけれども、この理由は一体どうか。この制度は、悪意の加入者を排除することは大切でありますが、善意で落ち度のない者を救済しないと、私は制度は生かされないと思うが、いかがですか。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 最初に御指摘ございました非常に加入が少ないという点でございますが、五十三年度に発足をいたしまして、現在、昨年の十二月末で三万件になっておりますが、確かに出だし、初年度に二万件、その後、遅々として進みませんで、昨年の七月からやっとスピードがアップされまして、そして最近のペースは相当高いわけでございますけれども、いずれにいたしましても相当低い水準でございます。したがいまして、立法の趣旨を十分考えまして、このPR、普及をもう少し精力的にやりたいということで、来年度の予算におきましても、相当PR費用を組ましていただいておる次第でございます。 それから第二の興葉繊維のケースでございますが、実は具体的にお聞きしましたのがいま突然のことでございますので、早速私どもこれを調査してみたいと思います。もちろん本法の趣旨からいたしますと、やはり善意な関連倒産を防止するためということでございますので、早速調査をしてまいりたいと思います。
○水平委員 調査をされるということですから、私、了解しますけれども、昨年五月七日の商工委員会において中小企業庁の廣瀬小規模企業部長は、貸し付けの受けられる対象は売掛金債権と法定されている、この債権の中には当然手形事故も含まれると言って、掛金の十倍の範囲ならばオーケーだと私は確認いたしておるわけでありますが、しかと調査をされて善処していただきたいと思う。 次に、私は、商業活動の事業分野の調整問題についてちょっとお尋ねいたします。 法律名が非常に長いですから私は略称で言いますけれども、大店法と商調法、商調二法と分野調整法、商調二法は改正を重ねることによって知事の権限が強化されてきた。ところが分野調整法には知事の権限がないのです。だから、地域的発生問題に適確に対処しておれないと私は思うのですよ。特に地域の実情把握というものは地方自治体が一番よく知っておるし、あるいは地域に密着した事業活動を行っている中小企業の事業分野というものは自治体が守るということが、その責務として一番いいのではないかと思うのです。 特に昨年の七月に、ある化粧品会社と生命保険会社が呉服の展示販売会をしたのです。そこで名古屋呉服商業協同組合と東海三県繊維小売商連合会が知事に調査と調整の依頼を出した。何ともならぬものですから、県会と市議会が地方自治法第九十九条第二項に基づく意見書を出して決議しているのです。法改正をしてくれ、調整権限というものを知事に委任せよ、こういうことを言っておるわけでありますが、御所見を承っておきたいのです。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 分野調整法の運用につきまして、御指摘のような点は前から私ども十分承知しているわけでございますが、具体的に発生します例がきわめて広域的なものが多いという点からいたしまして、現在はそのつど、必要に応じ各県知事と私どもが連携をとりまして、実質上こちらからの情報提供、それから県知事側からの情報及び意見の吸い上げということをやって具体的には対処をいたしております。 ただ、これが法律改正という御指摘でございますけれども、この点につきましては、現在問題の発生それから分野調整法で扱いますことの案件が、ほぼ大体全国的あるいは県の領域を越えた問題というのが基本的な原則的性格になっておりますので、そういう点では、現在それを補完するものとして、実体的な運用の面で県との連携を十分とるということで対処してまいりたい、このように考えております。
○水平委員 この委員会でもしばしば広域性だとか、たとえて言えば製造業は特定な都道府県の範囲内にはとどまらないとか、あるいはサービス業をながめたってすぐ類似のものが隣接県に波及する、だから広域性のものであるからというような、いつもそういう答弁がある。 それなら私は県知事に権限強化を――きょうは時間がないから、再質問は私はなるべくしないようにやりてきたのです。ですが、私はあえてお尋ねしますが、知事に権限を委譲しておけば、類似的なものが次々と発生したならば、それぞれの県段階、県段階で受けとめていけばいいじゃないですか。何も広域性だからと言ってごまかさぬでも、県知事の段階で、愛知県がやったなら右へならえで岐阜県がやればいいのです。適確に自治体という限られた範囲内でとらえることができて、全国一律にうまく調整されるということだったならば、こんないいことはないじゃないですか。広域性というものは、私は、知事権限付与に対することの反対理由にならぬと思う。その点いかがですか。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 広域性と申しますのは、いわゆる法的な処理としての段階での広域性の場合は、各個別の知事の権限ということまで現段階で踏み切れないということでございまして、御指摘のように、県がまたがります場合にその両県の意見を弾力的に集約いたしまして、そしてこれを中央のいろいろな判断に資するということはもちろんやるわけでございまして、現在のところ、何も中央の権限だから中央だけで、地方とのパイプを全然やらないということではございません。これはもう実質的に、いま先生御指摘のように、各県個別にやるということでございますけれども、一つのものを法的処理でやる場合に、広域性というものはそこで各県知事に個別に、県知事の独自権限というところまで踏み切ることが現段階で適切であろうかどうかという点について、私どもはまだ適切でないということで考えておる次第でございます。
○水平委員 では簡単に言いますが、先ほど言った名古屋呉服商業協同組合の問題については、知事に強い要請が出ておりますから、中小企業庁としても知事とよく連絡をとって、強力な行政指導等援助体制を一遍とってください。そう言っておきます。 そこで、この際ひとつお尋ねしたいことは、大手スーパーのチェーンの展開問題についてであります。 店舗経営に当たっては、大企業本部の直営と大企業からの出資、役員派遣等実質的に大企業の支配を受けている中小企業が経営している場合は、商調法の適用があります。ところが、中小小売商がチェーン本部の募集に応じて、経営のノーハウの教えを受け商品の提供も受けて経営する場合、これは最近多いですよ、フランチャイズ制ですね。公取等が相当調査をしているという話も聞いておりますけれども、これは適用がない。どのように対処されるか、お答えください。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘のように、中小企業が大企業のダミーとして機能しております場合には、中小企業の活動でありましても実質的には大企業の活動というふうに私ども判断をいたしております。しかし、現実の経済におきますところの大企業と中小企業の関係を見てまいりますと、中小企業は資本関係あるいは役員の派遣関係あるいは債権債務関係等何らかの形で大企業と一般的に関係を持っております。 そういう実態にございますので、したがいまして、分野調整法あるいは商調法の点で、これの運用に当たりましては、私権に制約を課するということとなるおそれのある法律でございますので、その法律上取り扱いますダミーの範囲というものをあらかじめ明確にしていく必要がございます。そういったことで、ダミーの規定は現在、先ほど御指摘のとおりでございまして、資本関係あるいは役員の派遣関係ということで、外形標準のはっきりする形での制限ということであらかじめ決めておるわけでございまして、それが実態上ダミーの範囲ということになりますと、フランチャイズシステムにおきましてそれが果たして中小企業のためにどうかという判断が別途加わるわけでございまして、そういった関係で、現在のところはあらかじめダミーの外形標準を表示いたしまして、それに基づくものを取り締まるという制度をとっておるわけでございます。 その適切かどうかという点につきましては、実態をよく見まして、現在の制度、ダミーの範囲がどうかという点については、私どもも謙虚に検討してみたいと思います。
○水平委員 フランチャイズ制については、何か公取が調査をしておるというのでありますから、一遍連絡をとって研究していただきたいと思うのですね。特に商調法は、これは単なる苦情処理じゃないのです。これは、ちょうどおられます清水委員もしばしば力説をしておられるのでありますが、分野の確保をどうやって安定的にするかということです。何かというと、自主的な努力があるからおまえらで努力して解決せよというような逃げの法律では、これはいかぬわけですよ。だから私は、もっと積極的にこの商調法の法律の発動というものを求めておきたいと思うのです。 そこで、時間がオーバーしてまいりましたから、私は最後に一言お尋ねいたしますが、中小企業関係法というものはたくさんあります。中小企業というものは、農業、農村団体のように補助金でやっていくというわけにいきませんから、金融だとか税制で対処していくということはよくわかります。そうした意味においても非常に法律をたくさんつくって、きめ細かく配慮しておられるようでありますが、何か肝心なところが抜けておりますね。 いままででも私は一部指摘をしてまいりましたが、たとえて言えば下請中小企業振興法という法律がある。この下請企業振興法という法律は、何か振興基準に基づいて下請同士が組合をつくって適正な工賃の支払いを受けるとなっている。ところが、親企業の責任とか義務は明記されておるけれども、罰則規定はないんですね。罰則規定のないようなものがどうして責任とか義務を明確にされるかという反論があるわけでありますし、下請代金支払遅延等防止法、これも下請が納品し、検収後六十日に支払いをするということになっておるでしょう。昭和三十年の法制定でありますから、当然支払いは現金だと思うておったわけですよ。ところが、いまは手形が横行して、標準手形期間、繊維が九十日、その他百二十日ですね。その百二十日ですらも超えるという状況が続いているんですよ。だから公取が調査に入っておるわけでありますけれども、このごろでは百二十日を超えるもののウエートがだんだんとふえてきておる。もう短縮させることを公取あたり何か指導しておるというわけでありますけれども、中には納品してもなるべく検収をおくらせているというような、そういう悪い面もあるわけですよ。 あるいはまた昨年のこの委員会でしたか、前の左近長官が、たとえて言えば中小企業にも会社更生法による再建策のようなものを適用してもらいたいという要請がいま非常に強い、できるかできないかはこれからの検討いかんでありますが、それで昭和五十四年より学識経験者に、私的な委員会ではあるけれども、いろいろと検討してもらっておるのだということがこの委員会でも表明されたんですよ。あれから二年たつけれども、その後どういうふうに検討なさっていらっしゃるかもさっぱりわからない。だから、何か事があって中小企業の倒産というものが出てくると、中小企業、中小企業と口ではおっしゃるけれども、後手後手へと回って実効的な意義のある対策というものはどうも抜けたまま、何か空洞化されたまま今日を迎えておるような気がしてならない。時間がないから一々、それぞれの法律によって私は質問はできませんけれども、これを一体どのようにあなた方は考えておられるかということについて総括的な意見を求めておきたいんです。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 下請取引関係につきましては、御指摘のように、振興基準の方であるべき姿を明示いたしまして、実際にその方向に誘導するというソフトなやり方をとっております。それから、別途下請代金支払い遅延防止の関係につきましては、厳正な調査をもとにいたしまして必要な措置をとる、これはまさしく公取と二人三脚の活動でございまして、公取と私ども、たとえば私どもの方は年間四万件を分担する、それから公取の方は三万件を分担するということでやっております。 したがいまして、下請関係につきましては取引の実態が大変複雑でございますし、業種業態によって商慣行も違いますのでなかなか一律にはまいりませんが、要するに振興基準に基づいて行政指導をかたがたやるとともに、裏側におきましてきわめて厳正な取り締まりの実行をやっていくということで対処をいたしております。これも現在が万全であるということを申しておるわけではございませんで、来年度はさらに調査件数をふやす、そういった改善措置を考えておる段階でございます。 それから、第二にお話のございました会社更正あるいは倒産のいわゆる債権者保護の措置と、それから後の清算手続、両方ございますが、これにつきましては御指摘のように一昨年から勉強を始めまして、昨年の七月の下旬に答申が出されました。その答申を踏まえまして、必要な点につきまして現在最高裁判所及び法務省に協議を行っている段階でございます。 中身は二つございまして、法的措置を要するもの、たとえば下請の従業員の給料の分についてこれをいわゆる更正手続に基づく優先権を認めるかどうか、こういう点につきましては法律の改正を要しますので、法的改正についてのいろいろ意見交換を行っております。 それから、実際に下請の持っております債権について、優先的にこれをいわゆる共益債権として取り扱うかどうかということにつきましては、これは裁判所の判断が必要でございますので、この点については別に法律の改正ということでなしに、運用の改善ということでできるわけでございますので、現在鋭意折衝をいたしております。昨年の七月下旬に答申を受けまして、現在各関係省庁との間でそういった具体的な詰めの交渉をやっておる段階でございます。 それから、ついででございますが、会社更正法の適用につきまして中小企業が除外されているということはございませんで、これが株式会社である限りにおきましては、やはり平等にこの適用は認められております。
○水平委員 最後に、一言だけお願いします。 未来都市、テクノポリスという技術集積都市の構想が通産省から発表されましたが、全国三十五の自治体から、大変人気がよくて申し込みが殺到していると言われているのですよ。五十六年度には二千万円の予算を計上しておるのですが、全国で五カ所の調査地域を選定したいと言っておるわけでありますけれども、この調査地域、わかったら五カ所を明らかにしていただきたい。完成は六十五年だというのですが、これは早めてもらいたい。それから、モデル建設地域をふやせと私は言いたいわけであります。この点どうか。一年に全国で一カ所か二カ所ですが、もっとふやす。 それから最後に、特に愛知県あたりは独自でこの構想を進めようとしておるわけでありますが、こうした場合には政府は何らかの補助態勢をとってもらえるかどうか。 答弁できる人がおりますか。――どうぞ。
○松村政府委員 お答えいたします。 いま御指摘ございましたように、テクノポリスに関係いたします予算が昭和五十六年度について考えられておりまして、二千万円の調査費が予算原案について計上されているわけでございます。 その構想として、五カ所くらいの現地調査候補地点を選定するということになっているわけでございますけれども、これについては現在まだ決定はいたしていないわけでございます。 現在研究委員会を設けまして、いろいろな適格条件でございますとかあるいはその他の条件について検討いたしている段階でございまして、ただいま先生から御指摘のありました、たとえば完成の六十五年を早めたらどうか、あるいは五カ所という候補地を若干ふやしたらどうか、あるいはまた最後のお話でございました、それ以外の県、自治体等が独自で行う場合の政府の助成といったような件については、これは取りまとめまして、この研究委員会あるいは私ども当局の方で現在検討を続けているという段階でございます。
○水平委員 ありがとうございました。 終わります。
○野中委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時二十四分休憩 ――――◇――――― 午後一時五分開議
○野中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。清水勇君。
○清水委員 さきの両大臣の所信に関連をして、若干のお尋ねを申し上げたいと思います。 まず最初に、五十六年度の経済見通しについてお尋ねをしたいと思います。 改めて言うまでもなく、政府は二百六十四兆、このGNPと五・三%の実質成長を達成をする、こういう決意を持っておられるわけでありますし、そのことについて私は異を唱えるつもりはございません。ただ、問題は、それを裏づける主要経済指標が果たして目標どおりにいくかどうか、この点に多分に疑問を持ち、また心配を持っているわけであります。 そこで、まず最初に、そうした目標の達成について政府として具体的にどのような政策展開を予定されているのか、改めてお尋ねをいたします。
○河本国務大臣 昭和五十六年の経済成長目標につきましては、いまお述べになったとおりでありますが、五十六年度は内需中心の経済に持っていきたい、こう思っております。五十五年は貿易依存型でありましたけれども、現在の世界の経済情勢から考えまして、貿易中心の経済を進めてまいるわけにはまいりませんし、また財政依存型の経済ということもむずかしいと思います。そこで、民間経済活動を盛んにいたしまして、内需の拡大を中心とする経済運営を進めることによりまして政府の目標を達成するというのが現在の考え方でございます。
○清水委員 私もいま御指摘のような貿易に依存をするということは、今日の日米間あるいはECとの間の深刻な経済摩擦という事態からいっても無理なことだと思いますし、言われるとおり、政府も歳出を削減する等、財政もまた索引力になりがたい、勢い内需に依存をしていかなければならない、こんなふうに言われることに同感なんでありますが、そこで問題は、内需と言えば三つの柱として、一つは個人消費、一つは住宅、そしていま一つは民間の設備投資ということになるわけであります。そこで、その一つ一つの見通し等について、若干の意見をはさみながら、所信を承りたい、こう思います。 まず第一に、住宅建設のことについてちょっとお聞きをしたいと思います。 正直のところ、五十五年度で百五十万戸という目標を立てられていたわけでありますが、結果として年度間百二十万戸前後に落ち込むのではないか、これはきわめて深刻な事態だと思います。今日、中小企業の倒産、わけても建設関係の倒産が多発をしているというのもその辺に一因を持つのではないかと見ているわけでありますが、そうした住宅建設の趨勢というものがにわかに四月以降好転をし、たとえばここ二、三年来の平均的な百五十万戸という数字を回復するというようなことはちょっとむずかしいんじゃないか。確かに住宅需要というものは、一説によれば七百万戸というように出ていることを私も承知をしておりますけれども、しかし現実には土地の高騰、建築費の値上がり、こういうものを通して、庶民の間に残念ながらあきらめムードというものがかなり出てきた。童謡ではありませんけれども、「だんだんお家が遠くなる」といったような考えが出ているわけであります。中には、私どもの周辺にもありますが、夢にまで見たマイホームをローンが払い切れずに手放さなければならない、そういう傾向も決して少ない数ではございません。 そこで、そうした昨今の情勢を見るときに、住宅というものにどれだけの期待と依存をかけられるのか、率直なことをお聞かせいただきたいと思います。
○河本国務大臣 住宅投資の現状は、いまお述べになったとおりであります。百五十万戸ぐらいの建設があるであろうと考えておりましたが、激減をいたしました。いろいろ理由をお挙げになりましたが、その理由もそのとおりでありますが、要するに三十万人見当の人が、現在の所得では家は建てられないという判断に立たれたために、この百五十万戸の計画が百二十万戸に減ったものだ、こう思っております。 ほかにも理由を言う人がありますけれども、しかし四年間ずっと百五十万戸ないし百五十五万戸の建設が続いておったわけでありますから、やはり家を建てたいという人は相当あるものだと考えておりますし、建設省の新しい五カ年計画もそういう想定のもとに進められておりますから、これはやはりいまお述べになったような理由が背景だ、こう思っております。 五十六年度につきましては、戸数は残念ながらほぼ横並びではなかろうか、こう思っております。ただ、毎年家を建てます場合に内容が少しずつよくなっておりますので、その分だけは投資が拡大するであろう、そういうことで四%台の投資の拡大を見込んでおるというのが現状でございます。
○清水委員 意見はあるのですけれども、この点についてはまた別の機会に申し上げるとして、もう一つ私、大変心配をしているのは、民間の設備投資なんです。 これは通産大臣からもお伺いをしなければならぬと思うのでありますが、率直に言って、今日なお相変わらず中小企業の倒産が多発をしている。五十五年を振り返ってみると、年間で一万八千件に近い倒産があり、最近は次第に負債額が大幅になってきている、つまり大型化をしてきている状況でございます。 一面、私も先週の土曜日に地元で中小企業の関係の皆さんとも懇談をする機会がございました。しかし、非常に景況が悪いといいましょうか、深刻な不況感を訴えておられる。あるいは、きのうの朝こちらへ出てくるときに、信金の理事長さんその他と一緒だったのでありますが、そういう皆さんの意見などを伺っても、どうも政府はマクロ的にとらえて、何となく五十六年度は明るい展望を見出し得るのだといった発想が強いようであるけれども、現実にミクロの場面で見ると非常にシビアな環境に置かれている、こういうことがしきりと強調をされているわけであります。 無論、そうした事態をどう打開をするか、そのための政策展開がこれから必要になるわけでありますが、それは後といたしまして、とりあえずそういう状況ですから果たして、まあ大企業等の場合には省エネ投資等にも五十六年度の場合一定の限界といったようなものが出てくるのでありましようが、それが出るか出ないかは別として、そんなに引き続き大規模な投資効果を期待するというようなことがむずかしいというところから、中小企業での設備投資、これにかなりファクターを置いているのではないかといった感じなのでありますが、その辺の見通しについて果たして自信を持つことができるかどうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 中小企業の倒産件数その他いろいろな現在の指標から見ますと、たとえば九電力の石油大口消費量とかあるいは燃料油の販売量など、その他雇用の条件などを見ますと、景気がよくなるであろうというような見通しも一部にはあるようでございますけれども、現在の在庫調整の進み方、たとえば一―三で済むところが四―六になる、四―六でもまだ危ういというような製造業関係があるわけでございます。しかもそれは少なくない。そういうふうな情勢を見ますときに、将来非常に明るくなるというような断定は私はできないのじゃないか、むしろ持続した不況、そういうような考え方をした方がいいのではないかという気持ちがしております。 ついせんだって、私ども中小企業庁長官が中心になって百社に対するアンケートをとったところでも、五〇%は不況が続くであろう、それから現状維持というのが四〇%程度、それからわずか一割、一〇%程度がまあまあというようなアンケートが出ております。 そういうようなことから勘案しますときに、やはり私は、私の守備範囲でございます中小企業関係から見たときに、景気は将来明るくなるというような考えは浮かびません。むしろ、これをほっておいたらどうにもならないような状態になるのじゃないかというような考えが強くしておりまして、これが対策には早目に何とかしなければならぬのじゃないかというような考えを持っております。
○清水委員 通産大臣から、きわめてシビアな環境にあるという御意見があったわけでありますが、しかし、そうした中で、たとえば実質五・三%の成長を達成するためには、一面でどうしてもそうした中小企業の設備投資活動というものに期待をしていかざるを得ない、しかしぼっておいたのではなかなか実は結ばない、こういうことだろうと思うのであります。 そこで、内需を中心に景気を引っ張っていくと経企庁長官は言われているわけでありますが、そういう立場から言った場合、非常にすそ野の広い中小企業の存在、トータルで言えば五百八十万事業所、三千四百万と言われるような雇用者を抱えている、こういう中小企業の経営基盤というものがどう強化をされていくか、こういうことなしになかなか期待に沿うような事態を引き出せないのじゃないか、こう思うのです。ですから、いまも言われるように、中小企業対策に大いなるてこ入れをしたい、これはそうしてもらわなければならぬわけであります。ただその場合に、口を開くと金融対策ということが言われる。これは無論重要なんです。だがしかし、昨年二回の公定歩合の引き下げがございましたのに、現実に中小企業における実質金利は余り下がっていない。私も公定歩合をもう一回引き下げるべき時期に来ているのではないかという見方をしている一人なんですけれども、ただ、公定歩合を下げればこれが中小企業金融に連動する、こういうことに現実はなっていないわけですから、その辺をどう連動させるかというようなことが十分に配慮をされていかなければならないと思うのです。 それから同時に、受注確保をどうするか、受注をどう確保するか、こういう問題。あるいは、受注があって仕事をして納品をする。しかし、最近の親企業から出される手形サイトはまた非常に長くなっている。正直言いますと、三カ月などというものをはるかに超えて六カ月、中には八カ月という事態がある。とてもこんなものは持ち切れないものですから、町の金融機関に割り引いてもらう。大変な手数料がそこで取られる。ただでさえ単価が買いたたかれているという状況の中で、またそこで一定のデメリットというようなことが現に起こっている。だから、中小企業対策を言うならば、同時並行的にそういう点についても十二分に目に見えるような手だてを講じてもらわないと、なかなか実効ある結果が得られないのではないのか、こんな感じがしてならないわけでありますから、この辺についても、一面では注文、一面では御意見を承りたい、こう思います。
○田中(六)国務大臣 御指摘のように、中小企業者の事業所は五百八十一万、従業員にして三千四百二十九万人ぐらいですけれども、そういうようにすそ野が広くて、製造業の九九・四%という事業所がある。したがって、私どもの目標といたします経済成長率を五・三%まで持っていくには、この中小企業の活力、中小企業の景気の向上というものがなければ、その成長率は達成できないと私は思うのです。したがって、その前提を踏まえますときに、この中小企業対策が何よりも先決ではないかと私は思います。 したがって、私ども五十六年度予算におきましては、財政再建とかいって非常に厳しい中でございますけれども、一般会計で二千五百億、正式には二千四百九十七億円でございますけれども、それを一般会計にしております。これは、中小企業事業団の設備共同廃棄事業に係る出資金が二百十五億ぐらいあったわけですが、それがいまゼロになっておるから前年度の率としては二・六%ということになっておりますけれども、実質的には一二・五%アップしておるのです。そういう一般会計と、それから財投の方に三兆五千億という金を政府三機関を中心に計上しております。 そのほか、私どもはこの対策といたしまして、保証制度の確立あるいは共済制度それから資金の枠を広げる資金貸付枠の拡大、それから、いつも私どももある程度胸を張って言っております倒産防止の相談所を、百二十一カ所現在ありますけれども、これを百六十一カ所にしておったり、その他、御承知のような中小企業体質の改善育成制度というようなものを活用してやっておりまして、非常に苦しい予算の中ではございますけれども、私ども、ミクロもマクロも両方踏まえた対処を一応やっておるつもりでございます。しかし、これがなかなか現実問題としてはうまく活用しない面もございますけれども、できるだけ、あらゆる知恵をしぼる、あらゆる制度の活用を図って努力していきたいというふうに考えます。
○清水委員 そこで、河本大臣にもう一回所見を求めたいのですけれども、たとえば、いま言われるように中小企業を取り巻く環境はきわめて厳しい。しかし、これを何とか打開していかなければならない、こういうことなんでありますが、さてそこでどう打開をするかという場合、中小企業は一般的に、GNPの六割近いウエートを持つ個人消費とのかかわり合いというのが非常に深いと思うのです。ですから、中小企業対策を考える場合、その前提としてどうしても、全体としてその個人消費をどう豊かなものにしていくか、こういう方向性というものとセットされた形で政策というものが展開をされていかなければならぬというふうに見ているわけなんであります。 さて、そこで、現在庶民の消費意欲、消費態度というものを見てみますと、たとえば雇用者が五十六年度では四千五十万人と予想をされております。この雇用者に限定して申しますと、いわゆるサラリーマン層、せんだって大蔵省の試算が発表されておりますが、仮にこの春七%のベースアップがあった場合に、所得税は一五%増になると言っているわけであります。わが党の政策委員会で試算をいたしますと、一七%ないし一八%くらいの所得税の増税になりはしないか、こういう数字も出ているわけでありますが、数字のことはさておいて、とにかく、仮に七%ベースアップが行われれば一五%増税になる。勤労所得税がそれだけふえれば、住民税にこれが連動する。住民税がふえれば、これが公立の保育園の保育園料に引き上げという形でつながっていく。ですからそういう意味で、増税になるのだぞという発想が前提に大きくクローズアップをされていくと、これはなかなか、消費意欲を起こせと言う方が結果として無理になるのじゃないのか。理屈はこの際申し上げませんが、そういう点からいっても、所得税の減税という発想、これはどうしても、消費の刺激剤というような点で着目をしても、欠くことのできない緊急な課題になるのじゃないか、私はそう見ているわけなんでありますが、この辺、いかがでしょうか。
○河本国務大臣 先ほど個人消費に触れられましたが、個人消費は、いま相当落ち込んでおります。五十三年が六%台、五十四年は五%、現在は二%前後平均で推移しておるのではないかと思いますが、五十六年度はこれを五十四年度の水準に近づけたい、こういう方針をいま立てておるのでございます。四・九%という目標を一応設定しておりますが、それには御指摘のように、可処分所得がふえないといかぬではないか、税金が重過ぎるのではないか、ここ三、四年、所得税の減税をしておらぬから所得税の負担が相当ふえておる、これが個人消費の足を引っ張っておる、まさにそのとおりであります。 したがいまして、現在のような状態では、実際はこの所得減税をやれればやった方がいいんだと思いますけれども、残念ながら五十六年度の予算では一兆数千億という増税をしなければどうにもやっていけないという国の財政事情でもありますので、そこで先般来総理大臣からも、何とかことしは御容赦を願いたい、こういうことを申し上げておるのが現状でございます。
○清水委員 総理なり大蔵大臣が、しばしば所得税の減税に触れて考え方を述べておられることは私も百も承知なんですが、しかし経済閣僚の、特にここにおられる両大臣、とりわけ経済閣僚会議を主宰をされる河本さんとしては、まあそれは閣僚という立場ではいわく言いがたい側面もあるのかもしれませんが、ぼくはやはりこの際虚心坦懐に、どうすることが実は個人消費を盛り上げていく要因になるのか、こういうような角度から、この点はひとつオウム返しのようなお答えではなしに、意のあるところを率直にもう一回お聞かせをいただきたいと思うのです。
○河本国務大臣 個人消費がある程度回復いたしますためには、一番大きな要因はやはり物価の安定であろう、こう思います。いま政府が一番力を入れておりますのは、消費者物価をできるだけ早く政府の見通しあるいはそれ以下に安定させるということを一番大事な政策だと心得まして、いまいろいろ対策を進めておるわけでございますが、一方で、同時に所得がある程度やはり伸びないと、物価が安定いたしましても消費活動にはつながりませんから、所得が伸びることとそれから物価の安定ということが、二つの大きな要素だと思います。 そういうことで、ことしのベースアップについてもいろいろ皆さん方もお考えがあろうかと思いますが、ただ、いま何分にも第二次オイルショックの後でございまして、経済が激動期であります。ここで経済運営を間違えますと、たちまちのうちにして国際競争力がなくなってしまいますから、そこで私どもといたしましては、ベースアップという問題は労使間でお決めになることであるけれども、国民経済的なそういう広い視野に立ってひとつ御判断を願いたい、こういうことを強く期待をしております。 税金の問題につきましては、これは財源があればやりたい、こういうことですけれども、増税をしなければならぬような状態だから、まあ残念ながらことしはむずかしい、こういうことだと思います。
○清水委員 減税に必要な財源については、社会党としても、きょう具体的に政策審議会の全体会議で政府側に提案をするという予定もございますので、ああこの辺にあったかというふうな着目をされることによって、先ほど来、できればしたいものだと、こういうふうに言われているわけでありますから、お含みを願いたいと思います。 さて、いまの御答弁の中で、物価の問題が出ました。このことについては、昨年のちょうどいまごろ、正示長官の時代でございましたが、正示長官は当時胸を張って、責任をもって六・四%に消費者物価を抑えてみせる、自信がございますと、こう言われたことがございます。まあ、私はちょっと首をかしげたんでありますが、そうおっしゃられた。しかし、その後四月以来様子がおかしくなって、秋十月の臨時国会の折に、これで六・四%はもう崩れてしまったんじゃないか、ひょっとすると八%ぐらいまでいきゃせぬかということを河本長官にお尋ねをしたら、憂慮すべき事態になっているが、何とか六・四という目標に近づけるように努力を重ねたいというお話でございました。期待をしていたわけなんでありますが、残念ながら事態は、年度間でどうやら七・七とか七・八ぐらいになるんじゃないかという予測も現に出ております。 そういたしますと、仮に七・七という場合にはげたが一・三ということになろうと思いますし、七・八の場合には二・四というげたをはくことになるわけでありますから、そうすると、五十六年度の五・五%というものについて、どうも私はそれが一つの暗い影になるのではないか、こんな感じがしてならぬわけでありますが、その辺はどういうお見通しでしょうか。
○河本国務大臣 げたがどの見当になるかということは、これは三月末の状態を見ないとはっきりした数字は申し上げかねますが、ただ、五十五年度と違いまして、五十六年度の物価政策はある程度私はやりやすい、こう思っております。 その第一は、五十五年度は大幅に公共料金が消費者物価を押し上げております。電力、ガス料金の昨年四月の大幅急上昇を初めといたしまして、全部合わせますと二%以上物価を押し上げておりますが、ことしは直接の公共料金のほかに、物品税とか酒税などの間接のものも入れましても、おおむね〇・五%ぐらいの物価に対する影響であります。この点がまず第一点であります。 それから第二点は、卸売物価は数カ月たちますと消費者物価に非常に大きく影響してまいりますが、五十五年度の平均は一三、四%ぐらいになるのではないか、現在は三%台に下がりましたが、年度当初は二〇%近い水準でありましたので、政府見通しは一四%ということに考えておりましたが、それよりは若干低くなるかもわかりません。しかし、それにいたしましても一四%から来る影響と、それから五十六年度は四%前後と考えておりますので、そこから来る影響には相当大きな違いがございます。 それから第三点は、石油価格の見通しでありますが、五十五年度は戦争などが勃発いたしまして予想外に急上昇いたしましたが、五十六年度は五十五年度のようなことはないのではないか、若干の希望的観測も入りますけれども、そのように期待をしております。 もう一つ野菜の問題がございますが、そういうことを総合いたしますと、五十六年度の五・五%成長というものは比較的現段階では実現がやさしい、こういう感じがいたします。五十五年度よりもはるかに物価政策は進めやすい、こういう感じでございますので、五十六年度は十分目標が達成できるであろう、こう思っております。
○清水委員 実は昨年も、五十五年度の物価の動向について、むずかしい局面もないではないが六・四は自信がある、こういうことで当時の長官が胸を張られた経過があるわけでありますが、どうもいまおっしゃられるように、一面では希望的観測といったようなものも内在をされての御所見かと思うのでありますが、これはいずれにしても、たとえば昨年のベースアップというものは六・四%というものを前提に低く決まっているわけなんです。しかし物価があれだけ上がったものですから、実質一%に近い賃金の目減りが起こっている、これが購買力を落ち込ませる、住宅建築を冷え込ませる、こういうことになっていたことは疑いのない事実でございますので、この点は総合的に十分責任を持って経済運営に当たってもらわなければなりませんし、また、昨年度といいましょうか、五十五年度の物価と賃金といったような関係についても、一定の責任を負ってもらわなければ困るということを申し添えておきたいと思うのであります。 さて、そこで、たまたまいま河本大臣から賃金についてのお話もございました。実は、生産性に見合うものでなければならない、そうでないとインフレへの影響が懸念されるというふうな御指摘もございました。そこで、たまたまわが国の労働生産性、これはNRIの発表されている数字なのでありますが、一九七〇年を一〇〇とした場合、八〇年で見るとこれが一八七に伸びている。ところが、西ドイツは一六六、アメリカは一二九、イギリスは一二八でございます。わが国の労働生産性は大きくこれらの先進工業諸国を上回っている。また、単位労働コストの上昇率について見ると、一九七六年から八〇年の平均で、日本はわずかに〇・一%、西ドイツが一・八%、アメリカが六・八%、イギリスが異常でありまして一一・九%も単位労働コストが高くなっている。そこで、労働生産性は非常に高く、労働コストは非常に低い、こういう実態が具体的な数字で他国との比較を通じて出ているわけなのでありますが、それに比べるとわが国の賃金水準というものはどうかというと、相対的に実質的に低い、こういうことが明確に言えるわけでございます。 そこで、おっしゃるように五十六年度のベースアップについてどうするか、これは自主的に労使が交渉を通じて決めるということが正しい原則なのでありますが、しかし、現実に昨年の場合は政府が物価を六・四%に抑えるからそれを前提にということで、いわば六%台のベアにとどめたという経過があることは紛れのない事実なのです。しかるに今度といいましょうか、五十六年度の場合には、二百六十四兆円のGNP、五・三%の実質成長を達成するためには個人消費が中心になっていかなければならない、こういうことを昨年度とは違ったニュアンスで提起されているのでありますから、そうだとすれば、やはりそれに見合う一定のベースアップを期待する、つまり可処分所得というものが消費の拡大につながっていくというような自主的な高まりを期待する、そういう基本的な考え方があってしかるべきだというふうに私は思うのでありますが、この点はいかがでしょう。
○河本国務大臣 物価が安定をして可処分所得がふえるということは経済に大きな活力を与えますから、それはその点で大変望ましいと思います。ただ、先ほども申し上げましたように、やはり国民経済的な広い視野に立って、そういう観点からの判断が望ましい、この点だけを政府としては特にお願いしておきたい、こういうことでございます。
○清水委員 それでは、経済見通しについては以上で終わりたいと思います。 次に、当面する自動車問題、武器輸出問題について、ちょっと通産大臣等にお聞きしたいと思います。 実は、私、中国のプラント契約破棄の問題について触れるつもりでございましたが、これは後で同僚委員が触れることにいたしましたので、非常に重要な課題ではございますが、きょうは割愛いたします。 さて、実は去年のこの委員会で、ちょうどUAWの会長が来ておりまして、日米自動車摩擦というものが大きくクローズアップをされる。私もそうした動きに関連をして政府の所信をただしたことがございますが、私自身は、いろいろな方法があるのでありましょうけれども、このまま放置をしていった場合に、たとえば保護貿易主義が台頭する、あるいは輸入規制等を強くかけてくるということも予測をせざるを得ないので、節度ある輸出といいましょうか、自主規制といったようなそういう道を選択しながら事態の解決を図っていくというようなことが必要なのではないか、こういうことを申し上げたことがございます。が、当時政府からはそういうこともあるだろうけれども、しかしアメリカ側の今日的対応を通じて見ると、わが国のたとえば日産、トヨタ等が現地生産体制をとる、これが一番ベターなのではないか、そういう立場で行政指導を進めてこの問題にピリオドを打っていきたい、こういうふうに言われていたわけであります。しかし、事態はだんだん火の粉が火事というような状況に拡大をする。最近天谷さんが訪米をされて以来、一層あわただしさが増しているわけなのでありますが、このところ連日通産大臣からこのことに関連をして、自動車問題をどう収拾するかという所見が披瀝をされているのであります。これは簡潔で結構でありますが、基本的にどういうプロセスを踏んで、大体どのくらいな時期にこの問題の決着をつける、こういう腹づもりでおられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 自動車問題は非常にむずかしい問題でございます。一応私の頭の中ではその決着をいつごろかということから申し上げますと、総理が五月の初旬に訪米いたしますので、そのときには両首脳の間でこういうことだった、こういうことになったということが大体決まっておるような状態、そういうものに持っていきたいというふうに、時期並びに目標の時期というのはそういうところに置いているわけです。したがって、総理の渡米する前に私は行かなければならないならば行きたいというふうに思っております。 その内容でございますけれども、どういうふうに持っていくかということは非常にむずかしいところで、私ども役所を挙げてみんなで知恵をしぼろう、これは日本国内の民間のそういう業者の意見ももちろん聞かなければいけませんし、向こう側にまたいろいろな人が行って向こうの意見を聞くと同時に、できますならば向こうの方からも日本に来てもらいたいと思っております。 それで、基本方針といたしましては、たびたび申し上げますように、特定の地域に集中豪雨的な特定種の品物が輸出されるというようなことはないように、しかもそれが経済問題が政治問題化しないように、徐々にそういう方向にありますけれども、そして根本的には保護貿易主義にアメリカ並びにECその他の諸国が陥らないように、あくまでも自由貿易主義に開放経済というような体制をとらなければならないというふうに大まかなところ考えております。
○清水委員 いずれにしても、そういう情勢判断のもとで通産大臣が訪米をされる。これは向こう側のブロック通商代表等が言っているそうでありますが、法律による規制ではなく話し合いで解決したい、いわばこういう考え方に乗った形で交渉を持つことになるのだろうというふうに思うのですけれども、その場合に、事態を収拾するためには一定の妥協をせざるを得ない。こちら側からも収拾案を持っていかなければならない。仄聞するところによると、たとえば百八十二万台くらい出ていた数量を百七十万台くらいに下げるというふうな程度でどうかとかいろいろな意向も、固まってはいないようでありますが、あれこれと出ているようであります。私は、いずれの解決を図るにしても、わが国政府として、単にアメリカにだけ目を向けて事態の解決を図るという姿勢をとることには賛成できない。たとえば、今日自動車は、下請関連まで含めると雇用の量は五百万になんなんとするような、非常に大きなウエートをわが国経済、産業の上に占めている。ただでさえ、たとえばトヨタ自動車のかんばん方式なんてことのよしあしがございますが、そういう方式を通じて下請関連がたたかれてきている。そういう状況にさらに輪をかける。たとえば雇用の面やあるいは下請関連に暗い影が落とされるといったような、そういうことが起こらないような発想で一面では臨んでもらわなければならないんではないか、こんな感じがするわけでございます。 同時に、いまお話にもありましたが、ECとの関係、これもほっておくと、EC側は、やがて日本は大きなリスクをしょうことになりますぞなどというような非公式警告なども最近しているようでありますが、それやこれや十分承知の上だとは思いますけれども、どういう決意に立って臨まれるのか、改めて所信をお聞きしたいと思います。
○田中(六)国務大臣 もちろん日米関係だけの自動車問題解決では済まされないと思います。したがって、EC、カナダ、その他いろいろな国がございます。こういうものはグローバルに考えた解決策を講じなければならないということは頭に置いております。 それから、第二点はアメリカとの関係でございますけれども、アメリカは、日本の自動車輸出が即二十万から三十万のレイオフに関係する、つまり失業輸入だというようなことを言っておりますけれども、それはひいてはわが胸にもこたえることでございまして、日本の自動車の直接関連というのは六十三万人くらいございまして、孫の孫までいったりいろいろ関連しますと五百万人近い関係者がおるわけでございまして、そういう者がアメリカと同様に失業ということにならないようなことは、私どもどうしても、大きく声を出して言う言わぬにかかわらず、これはきちんと頭に置いて解決しなければならない問題であるというふうに基本的には思っております。といって、アメリカの立場にもしも私がすりかえて立った場合に、アメリカにしてみれば、第二次大戦以来長い間日本にあれもしてやった、これもしてやったと思うと思うのです。したがって、そういうアメリカの立場というものをやはりこういうときこそ日本がくんでやらなければいけないんじゃないか。非常に二律背反的な気持ちでございますけれども、そういうことも頭に置いていかなければなりませんし、そういうことを考えれば非常にむずかしい問題でございますけれども、山より大きなイノシシは出ないというようなこともございますし、私どもが真剣に対処してアメリカにぶつかっていって、あるいはEC諸国にも誠意を披瀝していくならば、私は、問題はむずかしい中でも何とか解決する方向にある、それからまた、そういうふうに努力しようという考えでございます。
○清水委員 せっかく努力をいただきたいと思います。 そこで、この際に少しだけ聞いておきたい武器輸出問題についての関連がございます。実は私も党のプロジェクトチームの責任者の一人という立場もございますので、やがては本件はこの商工委員会で、自民党の理事さんも予算でやらずにこっちでやれやという御説もあるようでありますから、俎上に上るだろうと思いますので、そういうことも加味しつつお尋ねをしておきたいと思います。さりとて、現在予算委員長預かりみたいな形で、衆議院において予算案が上がるまでに一定の答えを出そう、こういうことでせっかく予算委員会での努力があるわけでありますから、私は中身に入るつもりはございません。 さて、そこで、もともと野党の間にはかねて武器輸出禁止法という構想のあったことは事実であります。他党のことを言ってはなにでありますが、公明党さんの場合には四十七年に当委員会に付託をされる議員提案をされておる、こういう経過もございます。私も、これが特に予算委員会で問題になった折にずっと予算委員会に出ていたのでありますが、これについては、つまり法制化という問題については田中通産大臣も非常に大きな責めを負われる立場にあるんじゃないかという気が私はしてならない。というのは、わが党の大出委員が武器輸出問題についてあれこれと具体的な資料を示しつつ問題を提起をする、政府の所信を伺う、こういうことがあったわけでありますが、そうした中で、たとえば今日通産省としては貿管令を盾に精いっぱい規制をやっているのであるけれども、何せ千五百五十億ドルというような膨大な貿易量、そういう中で一々武器の輸出についてはなかなかうまくチェックができないんだ、貿管令にはそういう意味で限界があるんだ、こういう意味のことを言われたと思います。そうであるならばなおのこと、三原則なり政府の統一方針では不十分である。第一、武器輸出三原則、五十一年の政府の統一方針、これは言うまでもなくダイレクトに武器の輸出を禁止するという発想にあるかどうかと言いますと、多少やはり弱い面がある。統一方針の中に「慎む」という言葉、こういう文言が用いられているほどなんでありますから、どうしてもここで、わが国が今日の憲法というものに立脚をして諸外国との関係、つまり平和と安全の関係を結んでいくんだとするならば、武器輸出をチェックをするためには、よりベターな実効ある措置としての法制化、こういうものが必要になってくるのではないのか、こういうことで、ずっと予算委員会等の場を通じて論議を尽くされてきたと思うのです。そして、具体的に予算委員長発言を通して実効ある措置、たとえば法制化の問題も含めつっとにかく答えを出していくように努力をしようということになっているわけだと私は思います。ところが、どうも最近あれこれと大臣の発言を聞いておりますと、これはとても法制化なんというのは無理だ、したがって貿管令等の規制を強化をし、運用に万全を期すれば何とかなるんだ、こういうふうに言われておるのであります。私は、どうもちょっとその辺がとらまえ方が不十分なんじゃないか、こんな感じがするのでありますが、大臣の所信を承りたいと思います。
○田中(六)国務大臣 この問題は、私は二つの側面を考えておるわけでございます。 一つは、ミクロと申しますか、非常に近視眼的な眼前の問題でございますけれども、私ども、いまの外為及び外国貿易管理法に基づく貿管令につきましては、輸出業者から申請がある。私の方でこれを承認する。そしてまた次に税関でチェックする。それで、違反者があるならば罰則をやるという一つの過程を通るわけでございます。したがって、現実に千五百五十五億ドルと言ったのは五十六年度の見通しでございまして、五十五年度は千三百六十億ドルの貿易量があるわけでございまして、その中、大体チェックの対象になる量は四百から四百五十万件だと言われておりますけれども、そういう審査の対象の中で、税関の職員が約七百名と言われております。こういう人たちが、いま申しましたそういうプロセスを経て確認をする場合に、それがどうだろうか、やはり漏れていく場合もあるでしょうし、現実に堀田ハガネは漏れたわけでございます。これも皆さんに指摘しましたように、刑法とか刑事訴訟法あるいは民訴でもそうでございますけれども、こうしてはいけない、こうすればこういう罰則があるという法律が世の中には多うございます。それから刑務所もあるし、また巡査の派出所、警察署もある。これは別に犯罪があろうがあるまいが、予測した一つの体制でございまして、人間に性悪説、性善説があることから来たのかどうか疑問といたしましても、そういうことがある。それでもなお殺人事件が頻繁にあるし、どろぼうは一日こうしている間にもどこかで妙なことが行われているでしょうし、そういう犯罪を考えて、犯罪数あるいは殺人数などを見ましたときに、それならば第二刑法をつくるか、第三刑法をつくるかという問題よりも、現行の法律をいかにシビアにするか、あるいは現行体制をいかに強化するかということに頭がいくと思うのです。それと同様に、私どもいま行政改革、機構改革で、人数をふやすことはむしろほとんど不可能な状態にある中でどうするかといった場合に、いまの貿管令で私どもが行った方がいいんじゃないか。法律で取り締まることよりも、むしろいまの体制を強化していくということの方が私はベターじゃないかという見解を持っておるわけでございます。 第二の側面は、私どもいま貿管令とかいろいろなもので規制しております品物、つまり現実に、武器そのものは別でございますけれども、一九八〇年代に臨みまして、だんだん時代とともに汎用品というものを考えたときに、私は、日本の貿易量が非常に多いだけに、輸出の立国あるいは技術立国という場合に、競争力というものを持たなければいかぬということを考えて貿易量との勘案をしますときに、日本の将来の技術というもの、すでにIC回路はそうでございます。この次にどういうことになるのか。航空機になるかもしれないし、その他のものになるかもしれない。たとえば飛行機一つとってみても、エンジン、尾翼あるいは胴体あるいは両翼をとってみても、その機械の中の何一つとってみても武器につながるものになるものじゃないかと思いますし、ICそのものでも、御承知のように、いま四ミリから五ミリ角のチップの中に二十万から三十万の素子が入るコンピューターの関係があるし、時計もそうですし、カメラもそう、日本の自動車が非常に優秀なのも、やはりそういうものを使っているからだと思うのです。食料品でもそれを戦場に持っていけば武器になる。その他衣類にいたしましても繊維にいたしましても、そういったことがこれからはあるであろう。私どもは発展途上国に次々に一九八〇年代の技術、いろいろな品物を譲って、そういうものを製造させなくてはならない。私どもは次代の産業をねらう場合に、複合先端産業というものに焦点を合わしていかざるを得ない。そうなるときに、単に大企業だけではない、すそ野の広い、いま委員も御指摘のような日本の中小企業の状態、人数の状態あるいは件数の状態でございますので、そういうものに-現実にすでにコンピューターでもそうですが、IC関係でもそうですし、鉄板関係でも十分中堅企業、中小企業が用いているわけです。あるいはつくっているわけです。 そういうことを総合的に勘案しますときに、二つのそういう側面から与えたときに、私は、むしろ法律よりも現行制度で、それを私どもがお互いに注意して、それで厳重にやっていけばいいのじゃないかという判断に立っておるわけでございます。ただ、私が法律を云々することは、御承知のように、いま国会で各党でやるということになっておりますのでそれはタブーでございますけれども、私の見解を言いますならば、大体要約しますとそういうところでございます。
○清水委員 冒頭に申し上げたように、議論をする機会でもありませんから、いまの大臣の御所見に私は大いに異を唱えなければならぬ部分があるのですけれども、これはまた別の機会にしたいと思います。 ただ、現行の貿管令の運用を強化をして何とかやればいいのじゃないかと言われるけれども、実は佐藤内閣の時代あるいは三木内閣の時代になって、三原則を出したりあるいは統一方針を示さなければならなかったほどに、ちょうど魚が網の目から逃げていくような、そういう不十分さというものを今日の貿管令は持っているわけですから、なかなかこれで十全な取り締まりを期するというようなことにはならない。そういうところから、たとえば法制化という提案、提案といいましょうか、意見が出ているわけであります。 なるほど汎用品というお話もございました。半導体一つとってみても、これを軽々に武器の部品というような形で取り扱うべきであるかどうか、いろいろ問題もあります。私も法制局などとその辺をいろいろ詰めたという経過もありますけれども、それは最高に理想的な法律体系をここで求めようとすれば難事業かもしれません。しかし、現実的に立法可能で、しかも実効を期し得る、少なくとも武器輸出について抑止効果を発揮し得る、こういう程度の法制ならば、法制局としても十分その条件のあることを言っているわけなのであります。これは立法府でいまいろいろやっているわけでありますから、ひとつ大臣も前向きに対応してもらいたい。 それから、きょうの発言で言うわけではありませんが、通産当局のこの問題についての対応を見ておりますと、どうもここ一、二年来急速に高まってきている財界、とりわけ兵器産業界等の武器輸出緩和という政府に対する要請、こういうものが皆さんの気持ちを拘束するなんということがあってはならないと思うのです。ですから、ゆめゆめそういう、外野の雑音といった言い方は失礼でありますが、そういうものに耳目を奪われることのないように、毅然としてやっていただきたい。一言だけひとつ。
○田中(六)国務大臣 いま委員御指摘のように、私どももその点は十分気をつけてこの問題に対処していきたいと思います。
○清水委員 次に、エネルギー関係についてちょっとお尋ねをしておきたいと思います。 〔委員長退席、辻(英)委員長代理着席〕 実は、午前中も水平委員とのやりとりでエネ庁の長官の見解も述べられているわけでありますから、同じことは繰り返しません。ただ、いずれにしても当初の五十五年度における七%節約の目標というものは、予想以上に大きな数字となって達成をされている。ただ、これには先ほど来私が指摘をしているように、景気後退による生産活動の停滞、こういう影響もありますし、同時に冷夏といった一過性の要因もあると思います。そういう要因があるとは思いますが、しかし着実に、ベースで言えば省エネ効果というようなものをあらわしているのじゃないか。たとえば五十五年度石油消費量五百四十万バレル・パー・デーをかなり下回っているのじゃないか。現実の問題として、六十年度に石油を六百三十万バレル・パー・デーという目標を立てているのは、これは五十五年の五百四十というのがベースになっていると思うので、そこが構造的な意味も含めてかなり落ち込んだということになるとすれば、将来にわたる長期エネルギー需給暫定見通しそのものの改定といいましょうか、数字上の整合性を見出すためにこれを修正しなければならないのではないかという感じがするのですが、その辺はどういう御所見でしょう。
○田中(六)国務大臣 確かに清水委員御指摘のように、五十五年度の五百四十四万バレルの一つの消費というようなものは、これは見通しがふえたわけじゃない、減って狂っているわけでございますけれども、したがって、五十六年の見通しも、いまのところ五十五年度がはっきりしておりませんので確定できないわけでございますが、十年後に六百四十万バレルあるいは全体のエネルギーの需給暫定見通しというものが、それぞれ石油から石炭、LNG、原子力発電所、そういうものを勘案しますときに、石油の方はいずれにしても私ども依存率を相対的に五〇%まで下げよう。つまり、代替エネルギーを五〇%に持っていこうということの計画でございます。といって、それなら代替エネルギーの方がうまくいくかと申しますと、原子力発電所につきましても、私ども七千数百万キロワット、つまり電気需要量にいたしまして五千百から五千二百万キロワット、これに持っていきたいといって、何とかそれに焦点を合わしておるわけでございますけれども、五千三百までいけるかどうかという疑問もございます。いろいろ考えますと、あっちでよければこっちの方が悪い、こっちでよければあっちの方がというようなことでございますので、いずれにしてもエネルギーの需給暫定見通しの変更というものは、発足してまだわずかでございますし、全体的なことを勘案して、その五〇%に油の依存率を持っていくことに鋭意努力していくということで、まあ大きな狂いは、いまのところ目標と大狂いはないだろう、全体的に見まして。部分は別でございます。そういうようなことで、しかし非常にウォッチして、注意はしていかなければなりませんとは思いますけれども、いますぐ改定しようというような考えはございません。
○清水委員 それでは時間の関係もありますから、その点はその程度にしておきまして、SRCHについてちょっと大臣に聞きたいと思います。 これは二十日の閣議で相当な議論になったのをひた隠しに隠されたというのはどういう根拠なんですか。
○田中(六)国務大臣 実は、ひた隠しに隠したというつもりはないのでございまして、御承知のように、閣議の事項というものは、もうこれは大体秘密なんでございます、提案事項は別といたしまして。それで、原則として秘密でございますけれども、ある閣僚が――全部を申し上げるとあれでございますから、エキスだけ申し上げますけれども、SRCHをアメリカが教書で公社に移すというようなことがあるがどうかというお尋ねがございましたので、教書ではそれを読んでおる。しかし、アメリカから正式な何らの通知がない。これはドイツとアメリカと日本と三国協定で、福田・カーター会談で決まったことで、その後、すでに昨年度から発足して、日本も五十五年度では予算も計上し、その一部を使っておるし、今年度は百五十億円を計上しておるというようなことで、日本としては一歩もこれを変更する考えはないし、西ドイツもいろいろなうわさがあったけれども、何ら通告もないし、西ドイツも現状のままだ。さあ向こうから正式に何かあるでしょう。あったときに、これは国際協約でございますし、しかも非常に先進国である唯一のアメリカが一方的にこれを破棄することはあるまい。現実にあれを読んでみますと、これをこういうふうに公社に移すけれども、これは相手国である日本と西ドイツと三国で十分話し合った上でそういうふうにしたいということも書いておりますので、私どもとしては正式な通告があって、それからいろいろ相談に乗ればいいことで、それでもその相談も向こうが一方的に国際協約を、長くあるのをそれをぱっと変えるというようなことは私どもとしては全く予想もしないし、相入れないことでございますので、そういうことであるということを言ったら、それはオフレコにしようじゃないか。私、もうすでにそのことは二、三日前に国会で答弁していることなんです。したがって、ちょっと文句を言おうと思いましたけれども、閣議は原則的に秘密であるし、それもいいやと思ったのが私の感じでございますので、ほかの閣僚はどういう感じを持ったかわかりませんけれども、これを大げさに、何か秘密にしたからどうとかこうとかあるというものじゃなくて、いま言ったようなことが事実でございます。
○清水委員 SRCHについて、レーガン大統領が歳出削減の一環として政府出資は取りやめだ、合成燃料公社に移すのだ。その前に予算局の内示等の時期にそうした意向が述べられているわけですから、何も閣議が箱口令をしがなければならないという筋のものだとは私は思っていなかったのだけれども、しかし宮澤長官あわてて箱口令と言ったやに聞いているわけでありますが、ぼくは非常にこそくだと思うのです、仮にそういうことを言ったとすれば。 そんなことはどうでもいいんですけれども、いずれにしても大臣はいまそうおっしゃられているわけですが、これは予算委員会で中村委員が質問をしたときは、まだ予算局の内示の時代ですから、わが国と同じような全面復活を求めるというような動きが出るに違いない、こういう希望的な大臣答弁がございましたけれども、いまや事態は明白になったわけです。ただ、国際信義との関係もあったり、日本の予算審議中でもあったりというわけで、多少アメリカ側もオブラートに包んで物を言っていると私は思います。きょうあす、ああするこうすると言わないと思います。言わないとは思いますが、しかし現実の問題として、この日米独三カ国によるSRCHプロジェクト、これは最良の場面でも再検討を求めざるを得ない、あるいは最悪の場合には破綻に瀕するというようなこともあるいは起こるかもしれない。現に西ドイツ政府は、西ドイツ政府の財政事情というアメリカ同様のことではありますが、新年度の予算にこれを計上しないという表明をされている。そういたしますと、私は、百五十億の予算が盛られているというようなことの取り扱いもむろん問題ですけれども、いま一面で言いますと、昨年の代替エネルギー法案の審議の際に、実は最も商業化ベースに近い有望なプロジェクトである、こういうことから最終的には六千トン・パー・デーの液化油をこれによって確保する、こういうようなことも含めて、石油代替エネルギー法を審議しているときにこれが実は大きな問題になっておりまして、政府側からは代替エネルギーの大きな目玉という立場でこれが提案されたという経過がある。しかも、この三カ国共同プロジェクトで得られるであろう技術をわが国の液化技術に導入をして、さらに石炭液化を加速的に推進をしたい。 しかし、現状を推測するに、そういう期待をしていた方向というものがどう考えてみても再検討を余儀なくされる、あるいは非常に危なくなる、とにかくアメリカという本体がぐらついているわけですから、そういうことを感ぜざるを得ないわけなんですが、その辺はいかがでしょう。
○田中(六)国務大臣 清水委員御懸念の点は、私はもっともなことだと思います。 石炭液化についてのそういうガルフの技術、それから西ドイツのそういう技術も含めましてでございますけれども、たとえば一歩譲りまして、清水委員の御懸念がある、それは即私どももそういう懸念を持っていないというのもうそでございますが、そういう懸念があればあるほど、また私のそういう代替エネルギーにおける大きな期待を持った項目の一つであればあるほど、私どもは一生懸命がんばらなければいけないと思うのです。これはあくまでアメリカの一方的なことでございますので、私どもは終始がんばると同時に、私の個人的な意見でございますが、私はひとっこれを貫いてみようという決意でございます。
○清水委員 私どもも、このプロジェクトがうまくいかないことを願っているわけじゃむろんございません。昨年の審議を通じて、よしわかった、こういう発想に立っているわけですから、これがいまのような状況で危なくなってきていることを実は憂えているわけですから、そういう点でひとつ十分、一朝有事の場合がたがたすることのないような意味で貫いていただきたいと思います。 さて、そこで、これは若干暫定見通しとも関係するでしょうが、昨年来たとえば中小水力発電ということを私も申し上げてまいりましたし、通産当局もこれを大いに推進をするという見地に立って、今年度予算を見ますと昨年度予算に比べて中小水力開発の補助金はきっと五割以上のアップになっているのだろうと思いますから、意欲的に取り組んでおられることは否定はいたしません。ただしかし、もうちょっと腰が入らなければならぬ、こういう立場から若干のお尋ねをしたいのであります。 いまさら釈迦に説法でありますから、私はくどくどと申しません。たとえば水力は再生可能なエネルギーであるとか、クリーンで安全性に心配がないとか、とりわけ中小水力の開発等の場合、一基百万キロワットなんということになると話は別でありますが、せいぜい一万とかその前後というような場合には、いま仕事がなくて困っているような地方の中小企業などにも一定の需要を喚起することができる、あるいはそういうものを通しながら雇用が伸びる、所得がふえる、消費活動が起こる、地域経済が一定の活力を持つことができる、こういった幾つかの利点を考えると、とりわけ今日のようなインフレが憂慮をされるとき、発電コストというものはまことに安定しているわけでありますから、今日長野県にあるような大規模な水力発電を建設するというようなことは現状に合わなくなってきているわけでありますが、申し上げたような中小水力というものにかなり力を入れても入れ過ぎだなどと言われる筋合いではないというふうに思っているんですが、その辺、大臣はどんなふうにお考えでしょうか。
○田中(六)国務大臣 御指摘のように、水力発電というのはクリーンで、しかもわが国にはそれこそ再生可能なところもございますし、私どもも水力発電については今回も新年度予算、皆様にお願いしている予算の中でも、四本柱の大きな一つとして水力関係を三十五億円程度計上しているんです。それで大もそうでございますけれども、中小につきましても、五万キロワットあるいはそれ以下の小さな電力につきましては、これまた私ども十分考えて地方の開発、そういうものを含めましてひとつ交付金制度を十分利用して水力発電の開発には万全を期していきたいというふうに考えます。
○清水委員 大臣もたぶん、電源開発が三菱総研に委託をして「中小水力発電の社会経済的評価調査」というものをやらせて、最近その調査結果がレポートという形で出されているわけですからごらんになっていると思うのですけれども、この中に指摘をされていることを一部引用して申し上げると、たとえば百万キロワット程度の水力発電の建設に要する初期投資額は三千八十億ぐらいと見ているようでありますが、その金額は原子力発電の百万キロワットの建設コストとほぼとんとんぐらいなんじゃないか、私はこう思います。しかし、違う点は、水力の場合には、さっきも申し上げたように、立地の地域に有効需要を起こすというようなたくさんのメリットが全国の多くの地域に起こるわけでありますし、のみならず運転開始後、たとえば火力発電の場合で言えば、百万キロワットの火力発電の場合、年間百四十万キロリットルの石油を必要とする。仮に一キロリットル五万円で計算をしても七百億という燃料コストがかかる。しかし、水力の場合には、そういう燃科コストを含めて、運転開始後の運転コストというものはほとんどかからないわけですね。そういう非常に大きな利点がある。 ですから、さっき大臣三十五億と言われたが、私の記憶では二十七億余りだったと思いますが、補助金をつけているんですけれども、この程度で、たとえば暫定見通しに示している年間八十万キロワットくらいの水力発電の開発を促すという費用――費用というと語弊があるが、そういう体制を賄い得るんでしょうか。
○石井政府委員 先生の御指摘のように、五十六年度二十七億円の中小水力建設費補助金-大臣が先ほど申し上げましたのは水力発電所所在市町村交付金の金額でございまして、建設費補助金は二十七億という先生の御指摘のとおりでございますが、これにつきましては、私ども要求額満額を確保いたしまして、現実の中小水力の発電所立地計画に具体的な支障がない状態を確保しておるつもりでございます。 ところで、供給目標年間八十万キロワットの水力電源立地が必要ではないかというお尋ねでございますが、私どもの考えは、いまこういうふうに考えております。 現在、五十四年度末に約千八百八十万キロワットの水力発電所が運転いたしております。現に建設中のものが約百三十万キロワットございます。したがいまして、合計二千十万キロワットのものがほぼ運開のめどがついておるわけでございまして、さらに六十年度までに二千二百万キロワットを目標といたしまして、その差額百九十万キロワットを今後さらに建設に着手しなければいかぬというふうに思っているわけでございます。 そういう意味におきましては、六十年度までの段階におきまして年間約四、五十万キロワットの開発を進めていく。さらに六十一年度以降供給目標達成のために、先生御指摘のような約八十万キロワットの建設をしなければいかぬだろうというふうに思っておりますのは、五十五年度から始めまして四年間、五十八年度までに第五次包蔵底力調査というのをいたします。これによりまして約千六百万キロワットの水力地点を発掘してまいろう、その約四分の一を六十一年度から六十五年度にかけて推進していこうということになると思います。したがいまして、私ども、六十年度までの間は年間平均約四十ないし五十万キロワットの開発を進めるわけでございますが、御指摘の二十七億円の建設費補助金は、昨年、五十五年度の継続地点を含めまして約二十地点の開発に充当しようと思っておるわけでございます。 このほかに、一般電気事業者、九電力でございます、あるいは電源開発株式会社、こういったところの若干大きな水力発電所の計画等もございまして、これらを合わせて、当面の目標である年間四、五十万キロワットの開発を進めてまいろう。先生御指摘のように、今後の水力開発は中小のウエートがさらに高まっていくであろうということになりますと、その進展に合わせまして補助金の額はさらに大きな額を確保していく必要が生ずるであろうと思っております。
○清水委員 せっかく実力大臣と言われる田中さんが通産大臣をやっておられるわけでありますから、特にお願いをしておきたいのでありますが、中小水力発電とかローカルエネルギーは新しい追求すべき政策課題でありますから、関係市町村、つまり自治体等のニーズといいましょうか、地域的な要求を深く吸収をしてもらいながら必要な財源はつけていく、こういうことでこれからも大いにやってもらいたいと思います。 さて、公取委員長さんには大変お待たせして恐縮でございましたが、最後に公取の関係でちょっとお尋ねをしておきたいと思います。 〔辻(英)委員長代理退席、委員長着席〕 委員長は、「パフォーマンス契約書」というのはごらんになりましたか。――ごらんになっていれば前略でお尋ねをいたしますが、この契約書の第五条、これはどう考えてみても、私もずいぶんこれを吟味をしたのですけれども、ユーザー側の選択の自由が確保されていない。大体コピーの機械をメーカーからユーザーが買う、これはユーザーのものになるわけですね。だから、またこういう精密な部分もあるわけですから、保守、維持のサービスを一定程度受けなければならぬということは言うまでもありませんけれども、そのために「パフォーマンスチャージ」と称して、基本料金を五百枚までは一枚について十円取る、五百枚を超えたら一枚について七円、五千枚を超えた場合には一枚について六円取る、そういうべらぼうな料金を取るということ自体、これはどうも独禁法の言う不公正な取引方法ということになるのじゃないか、私はこう思うのでありますが、その点が一つ。 それから、時間がなくなってしまいましたから続けて申し上げますが、この第九条ですね。「用紙及びトナーの指定」というふうに規定をされているのですけれども、契約書によれば、コピーの機械を使用するに当たって、ユーザーはメーカーの指定した紙を使い、指定したトナー、つまりインクを使え、こういうことを規定をしているわけでございます。紙などというものは一定の規格品を指定すれば十分に間に合うのでありますし、それからトナーというのは粉なんだそうですけれども、一種のインク、と言うと語弊がありますが電子印刷機で色をつける、そういうことになるわけであります。こうしたトナーという個別製品も現在十社くらいが大々的な売り込みをやっているわけなのでありますが、それぞれが企業秘密があるから別の社のものを使ってもらっては困るなどと言うことも、どうもこれは抱き合わせ販売を強制するというような不公正なやり方じゃないか。 また十一条の「期間」というところを見ますと、メーカー側がユーザー側に五年という期間を限ってサービスをいたします。五年過ぎたらもうサービスをやらない。サービスをしないということは、紙もそれからトナーもくれないということでありますし、保守サービスもしないということでありますから、このコピーの機械を使うことができない。結局これは廃棄をして新しいものと買いかえなければならない。ところが、大量にコピーをするような事業所の場合、五年もたてばかなり傷むということを聞いておりますが、コピーを余り大量に行わないような事業所の場合には、五年が十年でもまだ使える。にもかかわらず五年を限って使える機械をストップをさせるなんというようなことも、まことにけしからぬ規定ではないかと思うのであります。 つまり、私は、いきなり五条、九条、十一条というふうに触れましたが、私が手元にしているのはリコーのものでありますけれども、「パフォーマンス契約書」というものを、ユーザーが機械を購入する場合、いやおうなしに、無条件に締結をさして、そして以上申し上げたような不公正な運用をする。 実は、これは去年の秋口から私のところへ中小企業関係の皆さん等からたくさん苦情が出てまいりまして、公取の方にも非公式に申し上げて、これは何とか改善してもらわなければ困る、こう言ってきたわけなのでありますが、新しい機械からそういう契約のあり方について再検討してもいいなどといった程度の動きしかないやに仄聞をしたわけであります。これはもう問題にならない、こういうことから、この際、委員会の場で公取委員長の確固たる御所信を承りたい、こう思うわけでございます。
○橋口政府委員 複写機の販売契約につきまして、いま御指摘がございましたように、幾つか問題がございます。 申すまでもございませんが、複写機は成長産業でありますし、また、機械の性格から見まして、ユーザーの方の発言権が弱くなるというような問題もございまして、中小企業者等からいろいろ御注文もいただいておりまして、いま御指摘になりました諸点につきまして、複写機のメーカーと折衝をいたしまして、折衝と申しますよりは警告をいたしまして、その警告に基づいていま改善の計画書というものが公取に提出をされつつある段階でございます。 それで、いま数点御指摘がございましたが、販売方法で、一言で申しますとユーザーサイドに選択の幅がないということが一番問題でございまして、メーカーの方で決めた条件に適合しなければ複写機を使えない。いまお話がございましたような、基本料金を取って、使っても使わなくても基本料金を取るというところも問題でございまして、この点につきましては、そういう制度と、それからスポット方式と申しますか、使った分量に応じて料金を支払うという、そういう制度の併用を考えるというところまでメーカーとしては改善したいということを申しております。つまり、どちらかの販売方法をユーザーの方は選択できるというふうにしたいということでございます。 それから、コピー用紙その他の仕様でございますが、コピー用紙につきましては、メーカーの支給したあるいは支給する用紙でなくても、一定の仕様書に該当してますものであれば他のメーカーのものでも差し支えない、そういうものも保守契約の対象にするというところまできておりますが、いまおっしゃったトナーの問題につきましては、まだ先方と意見が合わない。メーカーの方は、いま御指摘がございましたように、やはり企業秘密とかあるいはノーハウという点から、トナーについてはまだ譲っておらない状況でございます。 それから三番目の、保守契約を締結した後、いわば新機種を強制的に買うように持っていくというやり方につきましては、これは販売のときの表示の問題として適当でないというふうに思いますので、有効期間が終了した場合にはこの機種の取り扱いはどうなるかということにつきましては、あらかじめお客の方、ユーザーの方に対して周知をするというようなことで改善をしたいという計画書が現在出つつある状況でございます。 確かにお話がございましたようにいろいろ問題があるわけでございますから、さらによく指導をいたしまして、利用度の低いユーザーの方から苦情が出ないように、契約の片務性と申しますか、一方性というものをできるだけ解消するように努力をいたしたいというふうに考えております。
○清水委員 委員長に釈迦に説法ですから失礼な話になりますが、仮にリース会社からリースという形で機械を借り受けているということであるならばあるいは許される内容かもしれません。その場合でも一部強制にわたるような問題点があると思うのです。いわんや百万前後の金を出して機械を買い入れたユーザー、自分の機械でありながら自分が自由に使えない、こんなばかなことはどう考えたって考えられない。 たとえば企業秘密にわたるとかこれはノーハウが漏れるからとかいう説がありますが、そんな機械は世の中にざらにありますよ。たとえば自動車を買いました。ガソリンはここのガソリンじゃなきゃいけない、何はうちのものでなきゃいけないなんということが成り立つはずはないのでありますが、ひとりコピー機械メーカーについてはそういう点がまかり通っていたということ自身、これは私も不勉強でしたけれども、これは少なくとも明るみに出ている以上厳格にひとつ御指導いただき、たとえば新しい機械を購入をしていただいたユーザーからそういう契約方法にすることは考えてもいいなんというようなことではなしに、これはやっぱり既往の契約についても当然さかのぼって行う、こういうことでユーザー側の利益が確保されるようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○橋口政府委員 いまお話がございましたように、一般的に申しまして、やはりメーカーは、自動車の場合でも、たとえば自分の自動車にはある決まった業者のカーステレオをつけてほしいというようなことは間々言う傾向はございますけれども、これはそれよりはもっと一体性を持ったことでございますから、よくひとつ勉強させていただきまして、御期待に沿うようにいたしたいというふうに思います。
○清水委員 終わります。
○野中委員長 次回は、来る二十七日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十六分散会