社会労働委員会 第20号
- 発言数
- 393 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/07/30
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件、特に丸山ワクチンの有効性、安全性をめぐる諸問題について調査を行います。 この際、お諮りいたします。 本件について、本日、参考人として、癌研究会癌化学療法センター所長桜井欽夫君、国立熱海病院第一外科医長梅原誠一君、国立療養所東京病院名誉院長砂原茂一君及び佐々木研究所病理部長佐藤博君、以上四名の先生方から意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○山下委員長 参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 参考人各位には、御多忙中しかもお暑いところ当委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございました。 本日御出席いただきました参考人各位は、かねがねそれぞれのお立場から国民医療の進展のため御努力いただき、衷心より敬意と感謝の念を表する次第であります。 さて、がんは、世界じゅうの医学、薬学を初めとする関係科学者の間に、その原因究明のために真剣な研究努力が払われているのでありますが、いまだその原因が究明されないまま猛威をふるい、特にわが国においては、死亡率において第一位の脳卒中に迫り、いまの勢いからすればここ数年の間に死亡率第一位になろうと言われています。 かような社会的背景の中に丸山ワクチンの有効性についての問題が大きく取り上げられてきており、中央薬事審の抗悪性腫瘍剤調査会においてはすでに十日に「有効性は確認できなかった」という結論が発表されましたし、特別部会でも二十八日に調査会とほぼ同趣旨の内容のものが公表され、あとは来月七日に予定されている最終審の常任部会の発表を待つばかりとなっています。 にもかかわらず、関係ある諸団体等から、この問題について社会労働委員会においても国民の納得のいくような審議を尽くすべきであるという趣旨の請願、陳情書、意見書等が委員長あてに多数提出されており、これらにこたえ、かつ世論に対して国会がこの問題を究明するのは必然のことであるという立場から、本日の委員会を開会することになった次第であります。 参考人各位には右の趣旨を御理解の上、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をなるべくわかりやすくお述べくださるようにお願いをいたします。 議事の順序は、まず参考人各位からお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、御発言の際は、その都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人から委員に対して質疑することはできないことになっていますので、さよう御了承願います。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○山下委員長 速記を始めてください。 それでは、桜井参考人からお述べいただきたいと存じます。桜井参考人。
○桜井参考人 私、調査会の座長を仰せつかっておりますので、このたびの丸山ワクチンの審査につきまして簡単に御報告を申し上げます。 この調査会と申しますのは、ただいま六人の臨床の先生と六人の基礎の先生と、私を含めまして十三人で運営をいたしております。問題につきましては各人がその専門領域で逐次検討をいたしまして、その後でこれを総合的に討論をいたします。そしてその結果を座長が取りまとめまして、これを皆様の御了承を受けまして、上部部会でございます特別部会に伝えるという仕事でございます。 この丸山ワクチンにつきましては、結論といたしましては、もうすでに御承知のことと存じますが、提出されました審査資料というものについて検討いたしました限りにおいて、これの有効性を実証することが困難であったということでございまして、これを特別部会に上程したわけでございます。 その理由の要点を申し上げます。 一つは、薬といたしまして最も大切なことは規格というものでございまして、簡単に申しますと、その薬がいつ何どきお医者様の手に入りましても、常に同じものであって同じ効力が保証されておるということを決めます規定と、それを実証いたします実験方法が確立をしておる必要がございます。この点、丸山ワクチンの規定、規格につきましては不安なところがございました。それは、効果を決めます動物実験のやり方につきまして、その実測の方法が常識的に考えましても非常にむずかしい、細かな数字を出すことができないということが委員の専門の方々の御意見でありまして、それを皆さんが納得したという点で、規格に不十分なところがあるということが一つでございました。 それから次は、一般の安全性の問題でございます。 これはいわば毒性の試験でございます。これにつきましては、一般の薬物といたしましてはいささか実験に不足がございます。具体的に申しますと、一定のドーズ、薬の量で試験がしてあって、その用量と作用との関係が出ていないということでありましたけれども、これは丸山ワクチンというお薬が、臨床に使われますときは非常に微量でございまして、一日に千分の二ミリグラム使うというようなことでございますので、そのことを勘案いたしますと大して重大な問題ではないであろうというのが皆様のあれで、その安全性については決定的な問題はないということでございました。もちろん、薬として課せられておりますいろいろな実験につきましては、もう少しこういう実験をしなければならぬということが指摘されてはおります。 それから、いろいろな動物のがんを使いまして、丸山ワクチンが効果があるかどうかという実験がなされております。これにつきましては、数種のネズミのがんで有効性が証明されております。ただ、そのときに使う量は、もちろん人間の量に体重比で比較いたしますと二百倍とか五百倍とかいう量が必要なものが多いのでありますけれども、これは必ずしも人間に対する効果を否定するものではございません。少なくともネズミの一種類の腫瘍、がんにつきましては、人間の使用量の二十五倍というようなところで若干の抑制効果が出るという結論が出ております。 この作用機作については、どうしてネズミのがんに効くのかということについてはよくわかりません。しかし、この丸山ワクチンを注射いたしますと、あるネズミの血の中にインターフェロンが出てくるという実験がございまして、大変興味あるものでございます。ただ、現状におきまして、インターフェロンががんに対してどういう効果を発揮するかということはただいまも広く臨床試験が始まっておりまして、インターフェロンの制がん効果に対しては現在検討中でございますけれども、まだ結論が出ておりません。 臨床試験につきましては、これは最も重要なことでございますが、その結果につきましては、もう御報告あるいはいろいろな報道がなされましたし、時間的にもございませんので、詳しく申し上げるいとまはございません。しかし、一言所感を述べさせていただきますと、臨床試験といいますものは、制がん剤の開発では最も大事なところでございます。ことに免疫治療剤につきましては、現有のところ、少なくとも詳細な理論的展開は過去四年か五年ぐらいからの歴史しかないわけでございます。したがって、基礎実験のデータからこれは人間に効くであろうという予言をいたしますことは、一般の制がん剤の研究に比べてさらにはるかに困難でございますので、効果の判定は臨床領域、臨床の先生方の御判定に待つことがきわめて大きいということでございます。 この臨床の成績の中で最も慎重に行われました東北大学を中心とするものと、愛知がんセンターを中心といたします二つの比較臨床試験のデータをよく検討いたしました。これは臨床の先生が非常に詳しく検討をされたのであります炉、たとえば愛知がんセンターの研究の例を見ますと、後層別をいたしまして、不完全な手術を行われた胃がんの手術の中で腹膜に転移のある者を分けて層別をいたむますと、非常に有意な丸山ワクチンの効果が出ている例がございます。ただし、こういうふうに後層別をしておりますので大変少ない例になってしまいますので、こういう点は、これをもう一回数をふやして検討に値するものであろうというような意見もございました。私も同感でございますが、そのためには、先ほど申し上げました薬の規格の安定性というものをしっかりしてからやっていただきませんとまた問題が起こるのではないかということを痛感いたしております。時間が来たようでございますので、私が申し上げたいことはここまでにいたしたいと思います。
○山下委員長 次に、梅原参考人。
○梅原参考人 初めに、参考資料を提出いたしました。よろしゅうございますか。——配っていただきます。 身分のことについて一言申し上げます。七月一日付で第一外科医長に配置がえを受けましたが、六月三十日までは第二外科医長でありましたから、まさしく私は梅原誠一でございます。 話しなれないものですから、用意しました原稿を読ませていただきたいと思います。 私のSSM使用症例は、社会保険中央総合病院における二百四十一例と国立熱海病院における百七十五例であり、総計四百十六例に達しております。 私が厚生省中央薬事審議会に報告書を提出しましたのは昭和五十一年のことであり、まだSSMの、丸山ワクチンのことですがそう呼びます、構成成分すら明らかにされていない時代でありました炉、すでにこのような報告書に対照例のないこと、効果判定基準をがんこなまでに昭和四十二年外科学会発表当時に用いた独自のものとしたことの二点で、審議会から見れば無価値に近いものであろうことは私自身が予測しておりました。しかしこの時点では、他施設による臨床治験例は少ないことから、第一次申請の旗上げ的な役割りと考えて、社会保険中央総合病院の症例のうち完全な手術のできなかった症例、非治癒切除例と申します手術の全くできなかった症例、たとえば試験開腹に終わった症例及び再発例の百七十四例をまとめて報告書を作成いたしました。 効果判定基準として学会提唱の基準を用いなかった理由は、延命効果を主とするSSMの効果を制定するには、腫瘍の縮小を目安とする化学療法剤の効果判定基準は不適当であると考えたからであり、また、常に手術との併用にこそこのSSMの効果を期待し得ると主張しております私が、手術例について報告しなかった理由は、これこそ厳密な対照治験で物を言うべきことであり……
○山下委員長 ちょっと参考人、あなたの陳述に基づいて、その後で質疑をやるのです。ですから、朗読は結構ですが、よく聞こえなければ後で質疑できませんので、時間を一、二分超過してもいいですから、もうちょっとゆっくり読んでください。
○梅原参考人 わかりやすくお話ししますと五分超過しますが、よろしゅうございますか。
○山下委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○山下委員長 速記をつけて。 暫時休憩いたします。 午前十時二十九分休憩 ————◇————— 午前十時三十九分開議
○山下委員長 これより委員会を再開いたします。 梅原参考人、陳述をお続けください。
○梅原参考人 速記を外していただきたい。冗談を申し上げます。 私が東京医科大学の学生であった時代に、講義を読み上げる講師がおりまして、私はノートは一番速いんだといばっていたわけです。ところが、聞いていてわからないことがあると、私はよくストップしてもらったものです。私の話でわからないことがありましたら、私が講師に言ったと同じように、委員長の権限で、ちょっととめろ、もう一度言い直せと言ってくだされば幸いであります。先ほどの続きを申し上げます。(「初めからやってください」と呼ぶ者あり) 私のSSM使用症例は、社会保険中央総合病院における二百四十一例と国立熱海病院における百七十五例であり、総計四百十六例に達しております。 私が厚生省中央薬事審議会に報告書を提出しましたのは昭和五十一年のことであり、まだSSMの構成成分すら明らかにされていない時代でありましたが、すでにこのような報告書に対照例のないこと、効果判定基準を昭和四十二年外科学会発表当時に用いた独自のものとしたことの二点で、審議会から見れば無価値に近いものであろうことは私自身が予測しておりました。しかしこの時点では、他施設による臨床治験例は少ないことから、第一次申請の旗上げ的な役割りと考え、社会保険中央総合病院の症例中、完全な手術のできなかった症例、手術の全くできなかった症例及び再発例の百七十四例をまとめて報告書を作成いたしました。 効果判定基準として学会提唱の基準を用いなかった理由は、延命効果を主とするSSMの効果を判定するには、腫瘍の縮小を目安とする化学療法剤の効果判定基準は不適当であると考えたかちであり、また、常に手術との併用にこそこのSSMの効果を期待し得ると主張しております私が、手術例について報告しなかった理由は、これこそ厳密な対照治験で物を言うべきことであり、一般病院に勤務する私には、症例数の点でも、救いを求めて来院される患者さんたちの要望から考えても不可能なことであり、後に専門施設に依頼すべきものであると考えたかちであります。 さて、私の第一次申請用報告書について申し上げますと、その極値は、刻々と死に近づく闘病生活の途上で患者さんたちが残していってくださったデータの写真集にあるものと思います。写真は事実の記録であり、絵のように作成されるものではありません。 私の報告した症例の大部分は、一時好転を示した症例でも、死亡いたしましたが、延命効果を主として判定した有効率は、化学療法剤マイトマイシン併用例を含む全症例で四四%、約半数を占めるSSM単独療法で三五%であります。マイトマイシンの投与法は、原則として二十ミリグラムをただ一回だけ静脈注射をするものであり、これは現在の化学療法から見ればかなり微量なものと考えます。 私の言うやや有効例は主観的なものであるとされることが多いと思いますので、これを無効例に入れてもこの成績があるのでありますが、この主張の根拠として私の写真集が役立つと思われますので、わずかな部数でありますが、この委員会に提出いたしました。委員長に御承認いただければ配付していただきたいと思います。私以外の参考人として出席されている諸先生にもお渡し願えれば幸いであります。 私は、すでに述べました理由で、現時点における審査の対象はしっかりした基礎実験の成績であり、また厳密な対照例をとった臨床治験成績であるものと考え、私の報告書はとうの昔に廃棄されているものと思っておりましたが、今回この委員会に出頭するに当たり、本会に提出する目的で私の報告書の残部を取り寄せて、驚きました。 第一に、今回の審査対象にこの報告書も含まれていたことであり、第二には、貴重な私の症例の写真が、粗悪な印刷により私の手元に残しておいた写真貼付による第一次報告書のものとは似ても似つかぬしろものになっていたことであります。 この報告書により桜井先生に効果判定をお願いしたのだとすれば、無効判定を下されたことに異論を唱えるわけにはいきません。症例報告の文章は幾らでも作文できるものであり、写真が不鮮明であり文章しか当てにならない場合は、否定されてもいたし方がないからであります。 本日の報告書には、私の病院の複写機によるコピーと、急遽私のスライドからプリントした写真を貼付してあるわけでありますが、よりはっきり治療効果を読み取っていただけるものと思います。 私は、昭和五十四年十月、第三十四回国立病院療養所医学会総会におけるがん免疫療法の臨床というシンポジウムで、国立熱海病院の症例七十六例について報告いたしましたが、この報告では、やはり腫瘤縮小を目安としてはいても、比較的SSMの効果判定に応用し得るカルノフスキーの判定基準を用いて判定を試み、四〇%の有効例を得ております。しかし、ここでも学会報告では余り耳にしない薬効第II群、すなわち腫瘍の発育がとまりあるいは遅くなり、患者は生存するというグループが二八%を占め、SSMの延命効果を主とする薬効の特徴を示しました。 委員長、別にここへコピーをとって配付していただきたいものをお渡ししてありますが、よろしかったら配付してください。 私は、昭和五十三年以来、事情が許す限り術前投与の後に手術標本を検討することに努め、また、やむを得ない併発症のために再手術を行った症例の転移巣などの検討を行って、SSMの効果を探索してまいりましたが、著効を認めた標本の顕微鏡写真を第一次報告書の最後に貼付してありますので、ごらんいただきたいと存じます。これは国立病院療養所医学会総会に提示したものでありますが、卵巣がん再発により腸通過障害を来し、よその病院で化学療法剤フトラフール六〇〇ミリグラムを六カ月投与された後、私の症例となった七十八歳の患者さんであります。免疫力を障害しないとされているフトラフールを継続したままSSMの併用を開始、さらに八カ月後に皮下脂肪組織内の転移巣を切除したものであります。 最後の写真をごらんください。がん細胞は化学療法剤の影響を受けたようには見えません。がん細胞付近にリンパ球と思われる細胞が攻め込んでおり、しかも戦いの跡は瘢痕化しております。 現在、各施設による基礎実験でSSMの作用機序は各段階で解明されておりますが、この写真は、それらの各段階を介しての最後の像を示しているものと思われますし、また私の第一次報告書の著効例が示した臨床データの写真の変化を理解するのに大いに役立つものと考えます。 現在までのところ、がんの自然退縮例の頻度は八万ないし十万例に一例とされております。私が報告した百七十四例の中の著効例、十一例だけをとってみても、腫瘍効果を示した症例はもちろん、きわめて異常な状態に陥りながら延命した症例の頻度は高く、しかもこのうちの三例は現在まで十年以上生存中であります。 不幸にして私は自験例を持ちませんが、すでに市販されている他の免疫療法剤による治療症例と比較していただいても、決して遜色はないものと確信しております。 多くの偉大な研究の発端は、単なる事実である事例は数多くありますが、私は治験第一例の効果に驚いて、臨床経験わずか六年余の若輩であった私の願いを許してくださった社会保険中央総合病院の外科で治験を始め、現在に及んでおります。しかし、私自身はその効果を解明するための実験は全く行わずに症例を重ねるだけでありました。 SSMの基礎実験では、周知のごとくすでに多くの成果が発表されるに至り、また臨床的には、東海地区SSM研究班の治験のように、学会の約束に従った上での研究で外科的な立場からその有効性が確認された現在、私は世間にうそをつかずに済んだと安堵しているところであります。 委員長、東海地区のデータを、先ほど桜井先生が症例が少ないとおっしゃいましたが、これもコピーをとって配付していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。 多くの医師がSSM使用依頼の申し出をその意に反して受ける場合は、現代医学の限界を、当面する患者さんに関して告知する場合ではないかと想像されます。これはたとえば手術したってこのぐらいだよというようなお話をしてしまうと、手術するならSSMの方がよかろうと希望するのではないかと想像されます。 私は当初マスコミに発表された、昭和四十一、二年のころでございましたが、発表された当時を除いて、患者家族にSSM使用を希望されたことはほとんどありませんし、また可能と考えてお勧めする手術を拒否された経験もありません。私自身が治療方針を立て、SSM併用の許可を得て治療に当たり、トラブルもありません。手術不能例にはもちろん使用しておりますが、患者さんの苦痛をやわらげることに役立っているからこそ、それが実績となって、次の症例の家族がまた治験を承諾してくれるものと考えております。日本医大の研究施設に集まる症例もまた同様であろうと思われます。昭和五十一年に丸山先生が出された御本、単行本ですね、あれには私自身が強い困惑を感じました。あれを読んだ結果と思われますが、手術をきらって不幸な運命をたどった症例を私自身も二、三例は知っております。しかし過去十六年にわたって日本医大に集まる患者さんたちが、すべて無知なるがゆえに列をなすものとは考えられません。やはり実績によりその数を増すものと思われます。このことは過去に話題になってやがて消え去った公認、非公認を問わない多くの薬剤のことを考えれば、明らかなことであります。効いているからこそあそこに集まるんだと思います。 私は一刻も早くこのSSMがごく自然に臨床医の手に入るようになり、その上で各臨床医が自分の治療手段に組み込むか否かを自由に選択できる状態が実現することを強く希望いたします。そうした段階になってこそ、さらにより正しいSSMの評価がなし得るものと信じております。 以上です。
○山下委員長 次に、砂原参考人。
○砂原参考人 私は、丸山ワクチンは結核菌の抽出物質ですが、がんに効いてもいいと考えております。しかしいままで集まっている資料からは効くと確言できないという点で、調査会の報告と一致いたします。 二番目に、私は、丸山ワクチンをこういう社会問題としてしまったことは非常に不幸だと思います。しかし、そのゆえをもって丸山ワクチンを特に厳しく扱ったり特に甘く扱うべきではないという原則は貫徹していなければいけないと思います。 私は、一番問題なのは、審査で通ったとか通らないとかということじゃなくて、いままでの丸山ワクチンの研究の態様が非常に問題だというふうに思います。それが大変、わらをつかむというので、いわゆる患者の家族の方などに、確立していないのに、つまり研究と治療のけじめがなしに渡されてしまっている。そういうことの中にこういう不幸な混乱が起こって、私は、患者の方々、家族の方々のために一番それを悲しみます。 現在新しい物質に薬として市民権を与えるのには確立した方法があります。それが始まりましたのは一九六二年、アメリカのキーフォーバー、ハリスという二人の上院議員のつくりました薬事法の改正であります。本来この委員会、キーフォーバー委員会は、薬の価格を調査する委員会であったわけです。ところが、ちょうどそのときにサリドマイド事件が起こりましたものですから、そういう価格の問題よりも薬の効果と安全性がきわめて重要だということによって改正案ができて、他の多くの先進国はこれにならったわけです。日本だけは法律そのものを、去年まで薬事法を改正しないで、許可の手続というようなことでごまかして——ごまかしてと言うと語弊がありますけれども、きていたというようなことも、日本のこういう薬事行政のおくれだと私は思います。 それで、一九六二年に確立した筋道によりますと、まず先ほど桜井さんがおっしゃったように規格をはっきりして、動物実験をちゃんとして、動物実験をしないで人間に使ってはいけない。人間に使う場合でも一相、二相、三相と、最初は数人から、数十人から何百人というふうに一遍にたくさんばっと使ってしまっては、危険な薬や効かない薬が治療とまぎらわしい形で使われては非常に非倫理的であるということで、そのステップを踏むように決まっているのです。 丸山ワクチンは安全だとおっしゃいますけれども、それは結果論であって、最初の新物質が初めて人類に遭遇するというときには、これはどういう危険性があるかわからない。動物には効いても人間には全く効かないかもしれないという前提で使われるべきであって、それを踏み越えてしまって、後になって動物実験をやったり、臨床実験のステップを逆にたどったりなさるから、問題が混乱して、こういう不幸な事態に陥ったんだと私は思います。 それから一九六二年から二年後に世界医師会のヘルシンキ宣言というものが出まして、人間に対する、これは薬だけではありません、あらゆる人間動物実験はどのくらい自由に、どうやってもよろしい、しかし人間を研究材料とするとき、治療研究、薬を与えることももちろんそうですが、それには一定の仕組みを通らなければいけないということがはっきりとうたわれた。 一つは、これは研究である、治療でないということを明言して患者に与えることと、それから研究者自身が自分の判断で患者に自分の発見した物質を与えてはいけないということです。第三者の委員会に渡して、それがやって、その研究計画を見て、これは科学的、合理的であって、効かない薬を患者さんに与えて患者さんを不幸にしたり危険な薬で不幸にしないということを、本人を除いた第三者が決めなければゴーとは言えない。 いま薬事審議会にその薬に関係した人を入れてはいけないというような問題が出ておりますが、私は当然だと思いますけれども、問題はその段階にあるのではないのです。最初に人間に、人類に新しい化学物質を与えるときに、そのけじめがついていなければいけないのです。そうしないと今日のように治療かどうかわからない形になって使われておりますものですから、確定していないものが患者さんに渡ると、効いたか効かないかということを判断なさることが、御家族の方なんかできっこありませんからね、ですから、こういう混乱が起こる。 これは家族の方だけではありません。医者がそういう判断ができないのです。単なる素朴な経験例だけを集積していたのでは、ある人はこれは雨ごいの太鼓だと言いましたけれども、太鼓をたたいたらいままで雨が降らなかったのが降ってきた、太鼓が雨を降らしたというのと同じで、時間的に後で起こったことに因果関係があるかどうかということは、そうたやすくは決まらないわけなんです。気圧が変化して落ちてきたのかもしれませんけれども……。 スモンを思い出していただきたい。キノホルムというのはもう十数年使われていた薬です。こんなスモンみたいなものが起こったのは日本だけです。そして、これはアミーバ赤痢の薬でありまして、外国では旅行者下痢に幾らか使われていますが、それでも効かないということになっておりますし、それを使う場合でも、数日使って数日休むというような原則がちゃんと通ってきたのです。日本だけはどんな下痢にでも、量もたくさんなら期間もたくさん使って、こういうたくさんのスモンの患者を起こした。 それを許可したのは厚生省ですけれども、別に薬務局長があれにそう考えてやったものではありませんし、製薬企業が、たくさん長く使ってたくさんいろいろな病気に使った方が得だから、もちろんそれは結果的には得したと思いますけれども、やったわけじゃないのです。それは医者が使ってみて、いろいろな下痢にもよく効くという、それは一人でやったわけじゃない、たくさんの医者がそう言うし、危険でないと言うからこそ、企業が得たり賢しとしてそういうようにキノホルムの幅を広げて、量や期間を延ばして、薬務局もそういうもんかいなというのでなさったわけなんです。 したがって、たとえばはっきりした薬の効果を決めるために二重盲検ということをやります。これは医者の方にも、ある薬がその患者さんに与えられたかどうかわからないようにして、乳糖みたいなものを与えたのか、それを本当に与えたかわからない、医者自身がわからないようにしなければ、医者が効くと思っていれば効くというような判定をするわけですから、医者さえも盲にしなければ——私はいつもそうしなければならぬと言っているのじゃありません。しかしそうしなければならないほど、こういう効果の判定というのはむずかしいものだということです。 もちろん個々の患者さんに丸山ワクチンなら丸山ワクチンを使って非常に効果があったという症例は貴重ですから、それは無視してはいけません、大発見はそういう偶然のところから出てまいりますから。しかしそれは個別的な偶然的な事実ではなくて、法則であって、いつ、どういう患者さんに与えても害よりも利益の方が多いということを確認するには、臨床試験という手続が必要だということです。そのことを申し上げておきたいと思うわけです。 時間が来たようですから、簡単に丸山ワクチンそれ自身について一言、二言申し上げておきます。 第一に、丸山ワクチンでやはり問題になりますのは、先ほどから話がありましたように規格がはっきりしない。同じ強さのものを使っているのか、きょう使ったものとあす使ったものとは違うのか、たまたまそのときの丸山ワクチンは効いたのか、いつも同じ品質のものかという確かめがいま行われている動物実験では確認できていないということ。 それから、たとえば一日使う量にいたしましても、〇・二マイクログラムだけ使ったり、二マイクログラム使ったり、二マイクログラムの丸山ワクチンと〇・二を交互に使ったり、どうするのが一番よろしいかということを、さっき申し上げた臨床試験の第一相、第二相でそういうことがきちんと決まっておれば混乱はないのですが、たくさんの患者さんにいろいろなものを使ってしまったらもうわからないわけです。なぜ二種類を使うかという意味がわからないからこういうことになるのだと思います。 それから三番目に、今度いたしました臨床試験の中で特に東北大学でおやりになりましたのは非常にりっぱな試験をおやりになっていると私は思います。しかしそれにもかかわらず、あれだけでは効いたと言えないという結論については私は調査会と同じ意見です。それはやり方は皆さん調査会はいろいろな欠点を指摘しておられますけれども、それはもちろんないとは言えませんけれども、人間のやりますことですから必ずしも完全にはできませんけれども、基本的な問題がある。たとえば丸山ワクチンを使ったときと使わないときは、使えば八〇%治る、使わなければ一〇%しか治らないというふうな大きな差があるならば二、三十例ずつの例を比較してもできるのです。ところが六〇%と七〇%ぐらい、一〇%ぐらいの効果の差を比較しようと思えば何百人という者が使わなければわからないわけです。 結局ここにある原理というのは、百円銀貨を投げて表が出るときも裏が出るときもある。表ばかり出るときも裏ばかり出るときもありますけれども、何千回、何万回やっていれば裏が出るときと表が出るときと同じになっていくという原理に立っているわけですから、したがって東北大学などは全体としては非常によくやっていると思うのですけれども、あの数で、数だけの問題ではありませんけれども、あの実験のデザインの範囲では効くということは言えない。しかし効くかもしれないという傾向は認められる。けれどもそれは実際にやってみたら効かないこともあるかもしれない。たとえば東海地区の例で申しまして、ある東海地区は封筒法が乱れておりまして指示されたとおり無作為になっていないということは致命的な欠陥でありますけれども、その封筒法でやられたとおりでなくて実際に飲んだとおりに今度は組みかえてやると例数は多くなるわけですね、違反例も入れるのですから。それにもかかわらず、逆に東海地区で使用される効果があるというのがなくなってしまうという、多いためにかえってなくなる、つまりもう少し試験の例数が多ければより真実に近くなっていくということがある。そういう点で仙台の試験などはもう少し多数の例でやれば効かないか効くかもう少しよくわかるようになるのではないかと思います。 結論といたしまして、私は研究をなさった方の人道的な気持ちはよくわかりますし、それから製薬企業も一生懸命おやりになったと思うのでございますけれども、どうも基本的な筋道をよく御理解なさらないで、一生懸命善意を持っておやりになっているのだけれども、やはりこの段階では効くということは断定はできないのじゃないか。しかしそれは最初に申し上げましたように、ぼくは大きな効果があるとは思いませんけれども、幾らかの効果を証明することはもう少し研究のデザインを苦心すれば出てこないでもないだろう、そういう段階だなと私自身は思っております。 どうも超過いたしまして申しわけありませんでした。
○山下委員長 佐藤参考人。
○佐藤参考人 佐藤でございます。 ただいまの御説明にもありましたように、動物実験と臨床とが前後するということが大変に問題のようでございますけれども、かのブレオマイシンも動物実験が成功しないうちに臨床に使われました。しかしその後で動物実験の追加がありまして、これは調査会までに十分間に合ったのでございますけれども、このSSMはいまのところ十分な説明のつくだけのものはございませんが大変にユニークな働きでありまして、時間がかかっていることは確かでございます。しかしこういう研究は現段階で非常に進歩してまいっているということを申し上げたい、そしてこういう研究の火を消さないでほしいということを申し上げたいのが一つございます。 それから、従来の制がん剤は直接効果を目標として一次効果を判定することを非常に強調しておりまして、延命効果は二の次であったかと思います。そして多くの症例の中から適当なものを選ぶというふうな利点がございました。しかし今回のものは直接効果がございません。クレスチンとかピシバニールも本当は直接効果はないものだと私は思っておりますが、申請の段階におきましては直接効果をうたわれております。 今回のものは全く直接効果をうたっておりませんので、したがって延命効果を要求されることは当然でございますが、この延命効果を要求される研究段階におきましてこのチームの編成に敬遠する者が大変に多かったという残念なことがございます。そして提出してもそれが採用されないというふうなこともあったかと聞いております。そのために症例が非常に少なくて困っているわけでありますが、丸山ワクチン研究会の症例は全くこの考慮の中に入れられてないということもございます。これはいろいろ判定や何かがむずかしいということでありましょうけれども、ここに集まる患者はすべて末期の見放された者であるということを銘記すべきではないかと思います。そしてこの委員会の専門の先生方がいままでの薬では確かに参加してその薬の持ち味というものを非常に研究されていたのでありますが、今回ではだれ一人参加せず、その持ち味を吟味された方は一人もいなかったということもございます。 それから、ただいまの砂原先生の説明にもありましたように、二重盲検とか封筒法というものが現在では大変にいい方法とされておりますけれども、これは胸の疾患であるとか原因がはっきりしたもので、その原因に直接攻撃を与えるようなものに対しては大変に有効であろうかと思いますけれども、がんはこの二重盲検に対しての対象になり得ないと私は思っております。 それはがんの患者が大変に個性があるということだけではなくて、がんというものはその患者に発生して患者とともに死んでいく非常に変わった細胞、生物でございまして、一人一人が違うというがん細胞の個性というものもあります。そういう二重の個性を持っている上に、さらにこういう丸山ワクチンのような宿主を対象とするものはその宿主の反応がまたそれぞれに違うという、これで三重の難関を突破しなければいけないというふうなことがございまして、こういうものに二重盲検法でただ投与すればいいというふうなことはとても考えられない。 それから、ただいまの〇・二とか二ガンマをいろいろにやるという方法も、これはやはり患者の反応を見てその投与法を考えながら投与するという非常にユニークな方法でありまして、これはやはり患者不在の投与法ではないということで、こういう進め方もあるということを銘記しなければいけないと思います。 以上でございます。
○山下委員長 以上で参考人各位からの意見聴取は終わりました。 〔委員長退席、今井委員長代理着席〕
○今井委員長代理 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。山下徳夫君。
○山下(徳)委員 まず桜井参考人にお尋ねいたしたいのでございますが、調査会の基本姿勢の一つとして、今回の丸山ワクチンの調査に当たって、私はどうも素人でございますから納得のできない一つに、審査の対象とされるデータの採用の基準ですか、基本的にはこれはメーカーが提出したものを中心に行われるというふうに伺っておりますけれども、これらのものがたとえば従来の例からいたしますと、いわゆるだれもが認める日本の権威と言われるがんセンターであるとか癌研であるとかあるいは駒込病院とか東京医療センターとかございますけれども、そういうところだけに限定されておるのか。この点は、あなたが今月の十七日、患者、家族の会から要求が出た後の記者会見で、日本の医薬品開発はメーカー独自の研究データだけでは許可されない仕組みになっている、大学の医学部や専門医療施設など公的医療機関の協力で基礎臨床データをそろえることが条件であるというふうに述べておられるのでございますが、これによりますと、あくまでいわゆる公的な医療機関に限定されるのでございましょうか。 たとえば開業医が長年かかって辛苦の末、われわれ素人が見てもなるほどと思うようなものもございますが、専門家のあなた方からごらんになった場合は、開業医というだけでいけないのでございましょうか、その基準についてまずひとつお尋ねします。
○桜井参考人 お答えいたします。 まず最初のことでございますが、製薬会社が薬を開発いたしまして厚生省に申請書を出します段階で、自分のところの研究データだけであってはいけない。公的な、公的という言葉は不適当かもしれませんが、たとえば財団法人でもその中に入っておりますが、そういう機関の実験データを含めて出すということになっております。 ただし、これは臨床の問題ではございません。臨床につきましては、製薬会社が独自の臨床データを出すということはございませんので、すべて製薬会社が委託した方々の病院のデータでございます。 これにつきましては、従来、厚生省の内規といいますか、一つの考え方といたしまして、その中にがんの専門病院を含むということになっております。ですからそれ以外の病院のデータがあってはならないというようなことは一切ございませんし、従来の申請書の中にいろいろ個人の病院のデータとかそういうものは幾らでも入っております。ただし、先ほど御指摘がございましたようながんの専門病院のデータが全然ないということは、私ちょっと記憶がございません。必ず入っておるようでございます。 それから、いま開業の先生のお話が出ましたが、開業の先生のデータを入れてはいけないというようなことは一切ございません。ただ臨床データといたしましては、いろんな条件がついてございます。たとえば一人の患者さんであれば、その人の確診と言っておりますが、組織病理学的診断が確実についてなければいけないということ。それから治療の経過が一定の経過を追うように、たとえばこの薬をこれだけの量で一週間に二回ほど注射して、こうやっていった。つまりどれだけの薬を使ってこういう結果が出たという評価、プロトコルと言っておりますけれども、そのやり方が決まってデータを出していただくこと。それからもう一つは、その間の副作用、毒性、そういうものをその経過においてチェックしていただくというような条件がございます。これに合致しますということは、臨床試験ということになってまいります。 それで先ほどちょっとお話がございましたけれども、臨床試験と治療というものの間には、私は医者じゃございませんからあれでございますけれども、大変違いがあるように思います。開業の先生は来られた患者に対して全力を尽くして患者のための御治療をなさるわけでありまして、臨床試験という段階になりますと、ただいま申し上げたような一つの制約がどうしてもつきまとってまいります。それで臨床試験というものに対しては、先ほどからお話のありますような強い倫理規定をもってこれを抑えていきませんといけないというような実態があるわけでございます。したがって、これはなるたけ少ない数でデータを出すというのが原則でございまして、治療と臨床試験とは非常に違うものではないかというふうに私は考えております。多くの開業の先生は、患者のために最善の治療をしていらっしゃいますので、そのデータが、あるいは御提出いただきましたときに、そういう点で不十分であるということがあり得るかというふうには考えております。
○山下(徳)委員 開業医は一定の条件のもとにはこれを採択するというお話でございます。そこで私がお尋ねしたいのはどういうことかと申しますと、あなたの記事の中で、いわゆる単独療法について一つでも効いたという例があればよかったのだがなというようなことをおっしゃっておられます。しかも開業医は一定の条件のもとに認められるということであるならば、山形県の酒田市の加納医師のデータについて御存じであれば、御存じであるかないかだけで結構ですから。
○桜井参考人 そのデータは申請書の中に入っておりませんので、私は拝見しておりません。
○山下(徳)委員 これは厚生省段階で午後の質問になるかもしれませんが、御意見として承っておきます。なるほど加納医師は開業医でございますけれども、過去十年という長い間この問題に取り組んできて、そして手術したがん患者の数が三十八人、その中で三十七人についてはあなたが御指摘なさいました条件、いわゆる病理検査について、新潟医大であるとか東北大学の医学部であるとかあるいは酒田市の市立病院ですか、そういう権威あるとみなされるところで行っておられるということでございます。 ごらんになってなければ結構ですが、そういう条件がかなっておるものについては、今後どういうふうになさるのでしょうか。そういうものならば今後大いに採用してもいいよ、厚生省が云々というお話がございましたけれども、厚生省のこれらのデータの扱い方について、もしも御意見があるとするならば、むしろあなた方の方が学術的な立場でお決めになるのですから、厚生省にあなた方の方から大いに意見をおっしゃってもいいと思っておりますが、この点ひとつ。
○桜井参考人 お答えいたします。 まことに存じないことでございますけれども、ただいま伺いましたことについて一つだけ問題がございますのは、一番最初に私が申し上げました薬の規格の問題が一つございまして、その規格が完成しておりますことが臨床試験の評価の一つの基準になっております。従来も制がん剤の臨床試験を取り扱いますときに、ある薬で、これは合成品ですからはっきりと構造式の決まったものでございますけれども、それの塩酸塩がございまして、それの臨床試験を一部始めましたところが、不安定であるというのでほかの酸との塩に変えました場合に、との臨床試験は規格が変わってしまっておりますから参考データとするということで、審査の対象でなくなったという例もございます。 これは大変機械的なことで不思議なこととお考えになるかもしれませんけれども、行政的な立場を踏まえました薬事審議会の調査会では、そういう薬の規格というものを決定いたしまして、その規格で行われたものを評価するということが一つございます。十年前に丸山ワクチンはどういうものであったかということについては規格がございませんので、そういう点、古い臨床データは十分参考にさせていただく価値があると思いますけれども、審査の対象からは外してきたというのが慣例でございます。
○山下(徳)委員 参者までに承っておきますが、いまの加納医師の各大学に委託した結果によるデータによりますと、治癒率が四七・四%、五〇%に近い数字になっておりますが、このことは御存じであるかどうかという点だけ承っておきたいと思います。
○桜井参考人 お答えいたします。 先生の発表を存じておるわけではございませんけれども、うわさと言っては失礼ですが、お話は承っております。四十数%の改善率と言えば全く驚くべき数字でございます。
○山下(徳)委員 重ねてお尋ねをいたしておきますが、参考人の御答弁で、開業医といえども一定の条件にかなっておればいいよということで私も意を強くしたのでございますけれども、丸ワクに対して扱われてきた面から見ると、いままで非常に白眼視されたという面もないではなかった、私どもはそういう感じがするわけでございます。しかし実際には、たとえば権威あるがんセンターであるとかあるいはまた癌研究所、そこで手術を受けた患者がその後内科的治療を受ける場合には、町中の開業医に委託される、あるいはそちらの方に行って内科的治療を受けるというのが非常に多いと思っておるのですが、この点はいかがですか。
○桜井参考人 お答えいたします。 私はその数的実態をよく把握しておりませんので、がんセンターがどうなっておるのかよく存じません。しかし私の癌研におきましてはそういう患者さんも確かにおられます。多くは地域的理由で、手術が済んで多少軽快状態になりましたら国へ帰りたいというようなことがありますので、そうする場合にはその国の病院に紹介するとかそういう処置をとっております。しかし多くの患者は外科で手術を終わりまして、さらに化学療法を必要といたしますような状態がありますと、癌研の病院の中の化学療法科に移しまして、そこで化学療法を行っております。
○山下(徳)委員 時間がございませんので、もう少しお尋ねしたいのでございますが、次の問題に移りたいと思います。 この愛知がんセンターの中里医師が中心となって投与されたもので、十カ月目のデータを発表になっているが、薬剤投与による生存率の問題ですね。これは丸ワクの併用の場合に、使用した群が使用しない群よりもかなり高い率である。七〇対四七ですか、これは御存じでございましょうか。 なおもし御存じであるとするならば、最終的にこれは没になっていますね、この資料は。この理由をお尋ねしたい。
○桜井参考人 お答えいたします。 没になったという御表現は私ちょっと違うように感じますのは、その統計的な差を報告が出しておりまして、その報告にあらわれております差というものをいろいろと研究者御自身が解析をしておられるわけでございます。そしてその発表を読みますと、これは胃がんの手術をされました患者でございますけれども、胃がんの手術ができなかった患者では全然差は出なかった。つまり丸山ワクチンの効果は見られなかった。それから、手術はした、しかし完全に手術ができなかったというのを化学療法と丸山ワクチンで比較をされておりまして、ある経過を追っていきますときに、あるポイントでは差が出てくる。それはその差はSSM、つまり丸山ワクチンを使った方が多少いいという数字が出てきておりまして、それは統計学的に有意になっておるということでございます。 しかしもう一つは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今度その患者さんを層別をいたしまして、腹膜転移のある患者とない患者とに分離してその統計処理をしてみますと、腹膜転移のない方、つまり軽い方の、軽いと言っては語弊があるかもしれませんけれども、ない方の患者さんでは差がない。それで、ある方の患者さんでは差がはっきりあるということが先生の御報告の中に書いてあるわけでございます。 先ほど申し上げましたのはそういうことでありまして、全体で見ますとわずかな差でありまして、その差は数点、この場所、何月目、何月目ではあってもそのほかの月では差がないので、この程度では確かに統計的に有意であっても、医学的に現在のがんの治療の段階で有意義であろうかということの判定で、有意義ではないであろうという結論があるわけでございます。しかし、これを層別しました腹膜転移のある群については非常にはっきりとした差が出ております。 それで先ほど私申し上げましたのは、そのところの段階では、ただし症例が二十例くらいになってしまいます、腹膜転移のあるものだけにしますと。ですからそこは大変おもしろいところで、そういうところをもう一度大きな数字でやったらば大変有意の差が出るのではないかという見解もありましたということを申し上げたわけでございます。ですから、私たちはあの実験をもう少し展開をされましたらば有意が出るのかもしれないということを感じたことを申し上げたような次第でございます。
○山下(徳)委員 愛知がんセンターでデータを出された、封筒法というのですか、これは御承知ですね。
○桜井参考人 存じております。
○山下(徳)委員 これは何か不正があったということで採用にならなかったと聞いておりますが……。
○桜井参考人 不正というのは言葉が大変不適当だと私は存じますけれども、封筒法の違反と言っております。これは要するに封筒をあけますと、どちらの薬を使うかと二群に分けておるわけでございますから、どちらに属するかということを封筒法でランダムに、無作為に決めていくわけでございます。それがこちらの群でやれ、つまりSSMを使わないで化学療法だけでやるという群でやれといって出たものを、SSMを使う群に移してやるということでございます。それが全体で六十何例でございましたか、ちょっと数を忘れましたが、そのレンジで九例ぐらい起こっておる。 そしてその間違いでございますけれども、その間違いが、今度はSSMを、つまり丸山ワクチンを使えという指令が出たものが使わないで、使わない方へ入っているのが一例ということで、統計学者が問題にされますのは、封筒法違反というのは、人間のやることで間違いが起こったりしましても、それが非常に偏って起こっておるということが無作為のせっかくの操作をいたしましたことに対してマイナスになる、そういう意味でございます。
○山下(徳)委員 私も御指摘のとおりだろうと承っております。ただ、この違反につきましては、どうしても丸ワクを使ってくれという患者の切なる願いがあったということも聞いておりますが、これは違反は違反ですね。違反は違反で結構だと思いますが、ただ、いまあなたも御指摘なさいましたように、違反の件数ははっきりしているのですね。そうしますと、その部分だけ除いて、あとをお取り上げになるということはできなかったのでしょうか。私はそこがよくわからない。 たとえば私どもの選挙なんというのは最も厳正なものなんですが、無効票がある場合にも、無効票があったから全部だめだと言わないのです。無効票を除いた他の部分については、これはあたりまえに評価すべきだと思う。いかがでございましょうか。
○桜井参考人 お答えいたします。 無効票が——無効票、失礼いたしました。封筒法違反があったためにだめだという判定を下したわけではございません。先ほど申し上げましたように、その論文の成果に従いましてそこに数点の、二点でございましたか、有意の差がある時期に出るということははっきり書いてありますことで、ただ、その差が非常に小さいということを論じているわけでございます。ただ、その背景に、そういうような封筒法違反もあるので、その封筒法違反の大きいほどそういう無作為の比較臨床試験の正確度というものは落ちることはやむを得ないと思います。 それで愛知がんセンターの報告を拝見いたしますと、そういう封筒法違反のあるものを全部外してございます。外して実験がしてあります。ですからそれは確かにいま仰せのとおり外してあるわけですけれども、外しますと本当の無作為抽出ではなくなる結果になります。 それから一つは、やり方としましては、そういうふうに……(山下(徳)委員「簡単で結構です、時間がないから」と呼ぶ)はい。
○山下(徳)委員 先ほどあなたは参考人としての陳述の中で、動物実験のやり方について規格で不十分であったということをお述べになっている。動物実験の場合は人体実験に比べると三百倍から五百倍ぐらいが妥当ではなかろうかということもお述べになりましたね。 そうしますと、ここに出ておりますデータによりますと、これはピシバニールですが、最高人体の一万六千六百六十七倍というのがある。あるいは三千倍とか二千五百倍というのがありますが、これはあなたがいま自分でおっしゃった適当な量からすると大変に飛び離れて多い。一体動物の場合には人間の一万六千六百六十七倍という濃度でもってやって、これで直接アタックして効いたんだよということで、そのままこれが人体に適用できるかどうか。 特に私がお尋ねしたいのは、この一万六千何倍とか三千倍とか二千五百倍というのは、主としてあなたと塚越さんお二人ですか、あるいはもう一人ですか、が実験の結果のものがほとんどなんです。他のこれにタッチされた方のは、こんな倍率は余り出ておりません。特にあなたのが一万何千倍、そしてそれだけ強力なものを使って効いたよと言うことが妥当であるかどうか。私は専門家じゃないから、あなたに専門家として一言だけ承りたい。
○桜井参考人 お答えいたします。 ただいま私が最初の陳述で申し上げましたのは、丸山ワクチンで幾つかのネズミの腫瘍が消えておる。それを拝見いたしますと二百五十倍から三百倍ぐらいのものが多いということを申し上げたのでありますが、しかし、そのとき同時に申し上げましたことは、その倍率が適当であるというのではなくて、倍率が免疫治療剤においては人間の量と大変違っていても仕方がないのだということを申し上げたわけでございます。 それでピシバニールの場合は、あれは菌体そのものでございます。菌体そのものでございますから、これは薬といいますよりも一つの粒子でございまして、これが生体の中でどういうふうに動くかということについては、普通の薬の用量というようなものと違う概念になってまいります。そういう意味で、あれは動物のある種の腫瘍では非常にたくさんを使い、人間の場合でもたとえば一ユニットを使うような場合もありますし、三十ユニットも使ったりする例もございます。 そういう点で、私が申し上げますのは、免疫治療剤の場合に動物実験は三百倍、五百倍が適当であるということを申し上げたのでなくて、動物実験の場合、免疫治療剤では動物におけるドーズは人間のドーズ、用量についての予言性は余りない。だから三百でも五百でもそれはいいのではないかということを申し上げたわけでございます。
○山下(徳)委員 こういう問題について質疑を繰り返したいのですが、もう時間が余り残っておりません。あなたのきょうの陳述は学界の権威者がどう御判断になるか、それにまつといたしまして、次に、あなたの論文によりますと、クレスチンの臨床効果が二一・五%と出ております。これは大変な数字だろうと私素人でも思うのです、これだけ治癒率があるということは。ところが私が承っておる中では、このクレスチンの二一・五%の結果が出ている同じ研究の中で癌研究所のものは一つも効いてない。ゼロだということを聞いているのです。また東海大学の分もゼロと聞いております。ただ一つどこでございましたか、がんセンターの分については放射線を非常に強く照射したのだけ一例があるということを聞いておりますが、いま申し上げました二一・五%というすばらしい数字が出ておりながら、私が個々にその大学から聞くのは、あれは効いてないんだよとおっしゃる。そうしますと、いま申しました三つの点はあなたの論文の中にどのように整理してあるのでございましょうか。できますればこの問題につきましては答弁とあわせてデータをお願いいたしたいと存じます。
○桜井参考人 お答えいたします。 クレスチンのことにつきましては、調査会におきまして提出されました論文に従って処理をいたしました。そして昭和五十二年でございますか、そのときの評価の方法は日本癌治療学会基準というものを使っておりました。それに基づいて各臨床家から出ましたものを集計をいたしましたものでありまして、調査会においてはこの臨床成績のそこに書いてある書類を調査いたしまして、その基準として癌治療学会基準というものを用いましたのは、二五%の腫瘍の縮小があるということでありますとプラスとするという当時の評価を用いました。それで見ましてそういう結果になったわけでございます。 で、調査会におきましては、実験的な面につきましては追試もできますし、時間的にもできるものでありますので、おかしい場合には追試もいたしておりますけれども、臨床については提出された資料についてそれを集計をしていく。そしてその臨床上の表のつくり方の誤りあるいは診断のないものというようなものをよりまして落としていくというような操作をして出してきたものでございます。
○山下(徳)委員 もう時間がございませんが、ただいまの問題はあなた御自身が開発され、その論文はクレスチンの認可申請に添付されたものであります。このことが委員としての適格性、除斥という問題まで今日論議されておる。 この問題はおきまして、少なくともさっき申し上げました四つの権威ある機関とかに正式に委託されたものについてはいまの十三名の調査会の委員はほとんど全部タッチしておられると私は思う、委託するのですから、これはいいのですよ。ただ、この丸ワクについては拒否されている。そういう他のものについては全部はだで感じてそして審査されるのですが、この丸ワクについては、そんなものはうちでやらないよというかっこうで拒否された。一体はだで全く感じてない人たちによって公正なる審査ができるとお考えでしょうか。時間がもう四分くらいしかありません。一言、イエスかノーかで結構です。
○桜井参考人 お答えいたします。 そういうことはございません。ございませんといいますのは、臨床試験を依頼されましたときも基礎実験を依頼されましたときも、われわれはそれを義務として受け取ってやるわけではございません。われわれが学問的にそれに興味を持って協力するときに限りますので、実際の委託試験とは違いますので、やらない場合もありやる場合もあるということでございます。
○山下(徳)委員 具体的に申し上げます。私はこれを申し上げるのは、がんセンとか癌研というところは丸ワクに非常に拒絶反応を示しておられるんじゃないかと思うから具体的に申し上げるのです。 昭和五十二年の五月の中旬、丸ワクに好意を持っておられる癌研の医師から実験してみたいので持ってこいということでメーカーが持っていった。これは当時の丸谷という薬局長を通じて持っていっている。これは丸ワクのA、B各百本ずつ持っていっておりますが、その年の九月にあなたは丸谷局長に対して、丸ワクを薬局に置いていると丸ワクを使っているとみなされるからよくないよ、メーカーに返したまえ。こういうことで丸谷局長が直ちにメーカーを呼んで残ったものそれぞれ五十本ずつを返したということでございますが、これはいかがでございましょう。
○桜井参考人 お答えいたします。 私が丸谷局長にそういうことを言ったことはございません。しかし丸山ワクチンにいたしましてもそれらのものでも、癌研で臨床試験をいたしますときには、臨床試験をやるかやらないかということは、これはどこの病院でもいまそうだと思いますが、院長の許可を受けてやることになっております。勝手にやることはできないようになっております。これは私のところだけではないと思います。多くの病院がそうなっておる。そういう注意を院長がされたことは、私知っております。私はそういうことを守っていただきたいということを院長に申告したことはございます。
○山下(徳)委員 もう一つお伺いいたします。 癌研に服部隆延さんというお医者さんがおられますが、あなたは服部医師に対して丸ワクにかかわるのはよくないですよ、おやめなさいということを言われたことがありますか。
○桜井参考人 お答えいたします。 私が申したことでございますか。(山下(徳)委員「服部さんに」と呼ぶ)いいえ、そんなことは言ったことはございませんし、服部医師ははるか大分昔に癌研をやめておられますので、そんな事実はございません。
○山下(徳)委員 時間が参りましたので最後に一言申し上げたいと存じます。 実は私の妹が胃がんで昨年の九月開腹いたしました。全く手の施しようがなくそのまま縫い合わせました。これは公的な有名な病院であります。あなた方が信頼される公的な何百というベッドのある病院であります。その妹の主人はこれまた大学の助教授をやった医師でありますが、初めは丸ワクを相手にしなかったのですが、私の勧めによって使い出した。初め二カ月もつかと言われたのが、それからすでにもう八カ月たっている今日、私が行きますとエレベーターでおりて車のところまで送ってまいります。 こういう立場からするならばむしろ私自身が参考人という立場でありますが、こういう人がたくさんいると思う。それなのにわずかの治療でもってこれは効かないという判定を下される。がんのごとき宿命的な病気に対してはあなた方の態度はむしろ何かあったならばひとつ助けてやろうというお気持ちにならなければならないのであって、何かあったらこれを認めないようにしようということがもしあるとするならば、私はこれは大変な問題だと思っております。いままで何かしら丸ワクに対して拒絶反応を示してきた。さっき申し上げたように有名な機関は丸ワクを取り上げようとしない。そしてあなた方自身が、さっき申し上げましたクレスチンですか、直接タッチしてこれはいいよというデータをお出しになっているということでございます。 ほかにもたくさん申し上げたいことがありますし、他の先生にお尋ねしたいことがありますが、そういう人道的な立場から私お尋ねしたのですから、最後にこれに対するお答えをいただきたいと思います。
○桜井参考人 お答えいたします。 一番最初の御質問でございますが、癌研やその他の病院が丸山ワクチンの臨床を拒絶したというお話でございますが、そういう病院におきましては大概薬事委員会のような委員会を持っておりまして、そこに入っていって、動物実験やその他安全性の試験、有効性の試験というようなものをよく検討いたしましてからでなければ臨床試験はやらないことになっております。がんセンターもそうであります。そのために、そういうデータが丸山ワクチンにそろっていない場合には臨床試験はできないということになっておるわけでございます。 それから第二の御質問で、たとえばクレスチンとかというものでございましたが、私たちのところでクレスチンの動物実験をやったデータがあることは事実でございますが、しかし薬の審査といいますのは私たちのところでやった動物試験で通るわけでも何でもございませんので、全般の審査が必要でありますし、先ほど申し上げましたように、現在のがんの薬の許可の大部分は臨床データによって決まってくるわけでございます。ですから、その臨床の成績は決して一カ所から出たものではございませんので、そういうものを審査して決めたということでございます。
○山下(徳)委員 もう一言だけ言わせてください。 いま申し上げましたように、私は卑近な私の妹の例をとったのでございますが、このことにつきましては、公的な病院の院長も、主治医も、顕著なものである、効いたということははっきり認めているのです。にもかかわらず、もしもあなた方がおっしゃるように薬効性がないということで製造が中止された場合には、私の妹に対するこの供給はとだえるわけです。ここのところをひとつもう一言お尋ねしたいと思います。
○桜井参考人 お答えいたします。 私はこういう薬の研究を閉ざそうとか研究がいけないとかそういうことを少しも考えておりません。もちろんそんな立場にもおりませんので、研究は幾らでもお進めいただかなければなりませんけれども、厚生省の調査会の委員としましては、私たちに課せられております先ほど申し上げましたような薬の規格やその他についてのことを評価するのが義務でございますので、そういう意味で、ほかの薬、従来の薬、これから出てまいります薬、そういうものに対してやはり一定の評価の仕方をしておかなければならないものというふうに考えております。
○山下(徳)委員 終わります。
○今井委員長代理 八田貞義君。
○八田委員 まず、時間の関係で桜井先生にちょっとお尋ねしたいのですが、どうか先生簡単にお答え願いたいと思うのでございます。 いろいろたくさんあるのですが、まずお伺いしたいのは、化学療法剤といわゆる免疫療法剤とを併用した場合、拮抗作用あるいは相殺作用というものがないかあるか、その点ちょっとお答え願いたいと思います。
○桜井参考人 お答えいたします。 学問的に化学療法剤には免疫の抑制作用がございますので、免疫剤の効果を減少するのではないかというおそれは十分ございます。ただし、最近になりまして、免疫発現をいたしますための体の中の細胞のいわゆるリンパ球の中に免疫を促進するものと免疫を抑制するものとが出てきて、一つの抗原に対して両方が出てきてバランスをとっておるということが明らかになってまいりましたので、ある制がん剤を使いますと免疫の抑制細胞の方が抑えられてかえって免疫が強くなるという例も多々報告されてまいりました。それですから、一概には化学療法剤は抑制的であるとは申せませんけれども、その心配は十分にあると私は考えております。
○八田委員 もちろんいろいろな例がたくさんあるのですが、丸山ワクチンと化学療法剤とを併用した場合、作用機作、仕組みが全然違うのですから、時期的にずらしてやるとかしないと、一緒にやったのでは相殺されるのじゃないだろうか。これは川崎医大の木本教授もちゃんと言っておられるのですね。それについて、先生、ちょっと具体的に、簡単でいいですからお知らせ願いたい。
○桜井参考人 お答えいたします。 従来そういう御指摘のような問題がありまして、免疫療法剤と化学療法剤とを併用いたしますときには、大概の場合、できる限りは、縦に使うと申しますが、化学療法剤を使いまして一定の時間の後に免疫療法剤を使いまして、それから化学療法剤というような使い方をいたすことが可能であれば、化学療法剤並びに免疫療法剤の方の条件で可能であればそういうふうに使うべきであるということが、学界では言われております。それから事実そういうふうにやっておる例もございます。
○八田委員 時間がありませんから次に進みますが、比較試験で東海地区の封筒法の試験について、先生、大分違反が多いので問題にされているようなのですが、この封筒法の試験というのはお医者さんにとってはある程度の違反というのは常識としてあるのだ、こういうふうに見られているのですね。それを先生は今度は非常に大問題かのごとく考えられまして、しかもまた、それは全体の確実性、信頼性に欠けるのだというまでに強く言われておるようですが、今度の愛知がんセンターの成績につきまして封筒法違反をどうしてそんなふうに強く全体の信頼も裏切られるというふうにお考えになっておるのか、それについてちょっとお知らせ願いたいのです。
○桜井参考人 お答えいたします。 信頼性が欠けるという表現はよろしくないかもしれませんが、その封筒法の違反例はあの例では全部排除して計算がしてございます。ですからそれをデータとして私たちは検討させていただいたわけでございます。そういたしますと細かいところに差が出てくる。ただし、研究者のおっしゃいますように、腹膜転移のあるなしに分けていくと、ない方では全然差がないということも著者、研究者が申しておられることであります。それで腹膜転移のある方だけでやってみると非常にはっきりとした差がある。これも著者がおっしゃっていることでございます。それを私たちは先ほど申し上げたように評価をいたしました。しかし、その背後にそういうこともある。 そして封筒法違反ということは起こり得ることであるそうであります。ですけれども、それが非常にアンバランスに起こってきますと、いまも申し上げましたように、片方が九で片方は一、総数は六十ぐらいでございますので、そういうふうに起こってきますと、この比較臨床試験の本質であります無作為の層別ということに数学的な傷がついてくる可能性がある、こういう意味で申し上げましたので、違反があるから信頼できない、違反があるからあのデータはだめだ、そういう意味ではございません。
○八田委員 先生、簡単にお願いしたいのですが、違反が非常に多いというふうに言っておられるのですね。これで違反が多いと言っておられるのですが、実際に愛知がんセンターはそれを削除しておるのですね。その違反と言われる部分だけはもう削除して取り除いてそして成績を出しておられる。しかも、先生、二時期において有意の差がある、こういうふうに言われておるのですが、どうも全般的に見て差がないのだというふうに言われておるのは、どういう点を指してそういうふうに言われるのですか。
○桜井参考人 お答えいたします。 差を取り除いてデータを出しておられますので、違反を取り除いて後に残ったもので出しておられますから、それは一つのやり方であると伺っております。私は統計の専門家でございませんが、調査会では統計の専門家を呼びまして参考人として検討していただいたわけであります。ただ、それは、封筒法違反が多いということでなくて、偏っておるということです。そうなりますと、片方が九で片方が一ということになると本当の意味の無作為層別になっていない。ですから比較臨床試験の基本にそれは欠点が出るわけでございます。そういう意味でございます。しかし、もう少し計算の仕方もございまして、間違ったのはそのままそっちへ入れてしまうというような計算の仕方もございますが……(八田委員「時間ですから」と呼ぶ)
○今井委員長代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○今井委員長代理 速記を起こして。八田君。
○八田委員 いま、取り除いた成績について、それはいいのです、取り除いた成績についてはいいのだけれども、しかし、それについて全般的な問題について傾向的には有意の差はないのだ、こういうふうな説明がちょっとあったように思うのですが、それをどういうふうにして確証されたのですか。
○桜井参考人 あの報告を見ますと、有意の差が二点で出ております。これは動かせない事実だと思います。それはいまの封筒法違反を取り除いた実験では出ておるわけでございます。ですけれども、結局有意の差というものは統計的なものでございまして、それだけの有意の差を一体医学的にどういう意義があるかということを断定することは、これは臨床家の判定にまたなければならないわけでございます。そのために調査会におきましては、調査会の臨床家が検討いたしまして、この程度の有意差というものは余り現在の治療段階では意義がない、そういう調査会の意向を特別部会に上げて、特別部会の判定にまったわけでございます。
○八田委員 私の言うのは、先生、有意差がないんだということはどうしてですか。愛知がんセンターの成績は、佐久間教授もこれは十分妥当だとはっきりこう言っているのですよ。妥当だと言った成績を先生が有意の差がないんですと言われるのは、調査会の意見ですが、調査会としてどうして有意の差を否定したのですか、それをちょっと御説明ください。
○桜井参考人 お答えいたします。 有意の差がないということを調査会は答申しておりませんので、有意の差があるけれどもそれが非常に少ないので、臨床上、有意義ではないというのが調査会の判定でございますので、これは調査会の臨床のお医者さんの考え方でございます。ですから、ここにはいろいろ問題があると思いますので、調査会としてはそういう資料を添えて特別部会の審査を待ったわけであります。それで特別部会の先生たちもその点を御検討になった。これは有意義であるかないかはわかっております。
○今井委員長代理 重ねて申し上げます。 各党ございますので、時間だけはお守りください。
○八田委員 もう一問だけ、大切だから。 先生、私がお伺いしたいのは、せっかく愛知がんセンターが出したデータですよ。しかも違反は全部取り除いてやった成績ですよ。しかも佐久間教授は非常に妥当な成績だと言っているのです。ところがそれがある時期においては有意の差があるが、全般的に見てどうも有効というふうには考えられない。どういうふうな実験をされたのですか。どういうようなお考えでやられたか。非常に大切なんですよ。これはざっくばらんに話してほしい。
○桜井参考人 お答えいたします。 統計的な有意差というものが若干の時点であるということは、専門家に見てもらいまして、調査会で確認をしております。その若干の層、たとえば全経過の中で四カ月目に一群の方はどう、二群のところで何人かの人が生き延び方が違うということでございますね、それが有意であるということ、その次の時点になると同じになってしまうけれども、またその先でもう一回そういう時点が起こる、こういうところでそこの有意性を計算すると有意であるということは、私たちも参考人の先生の計算によって確認しております。 しかし、そういうことが臨床上に有意義であるのかどうかということ、そういうことにつきましては、参考人の、つまり統計学をやっておられる先生は、これは臨床医の判断に任すということでありまして、その価値については臨床医が判断をしたわけでございます。
○八田委員 桜井参考人、この点非常に大切なんですよ。どうして、せっかく愛知がんセーターが出した成績、有意の差を出した成績、しかもこれは統計学者としての佐久間教授も非常に妥当であるというふうに言っておられるのです。その成績を調査会で全般的に見て有効と判断できない。これはどういうふうな方法でそういうふうに判断されたのですか、そこを先生、言ってくださいよ。そうしないと、何回も質問されることになりますよ。大切なところですから、それだけ言ってください。
○桜井参考人 お答えいたします。 その点は、佐久間教授が参考人として計算をいたしまして、佐久間さんの意見でございます。たとえば層別のときに九名の違反が不均衡に起こったというようなところは、やはりこのデータの信頼性に欠けるところが出るというのは佐久間教授の意見でございました。
○今井委員長代理 八田委員に申し上げます。大変失礼……
○八田委員 大切な問題ですから。
○今井委員長代理 大切であろうと思いますが、やはり時間は守っていただきたいと思います。
○八田委員 守ります、守ります。
○今井委員長代理 もういけません。
○八田委員 もう一問だけ。
○今井委員長代理 では、時間を限りましょう。もう一問だけ許します。八田君。
○八田委員 桜井先生、この点だけひとつ……。そうしないと、何か委員長とけんかしなければならぬですよ。これは大切な問題なんですよ、先生。愛知がんセンターの中里さんに対して、信頼性に関係いたしますよ。そういうふうに有意の差があるというりっぱな成績、それが統計学者に頼んだらばだめになった。どういう方法でやられたのですか。その点だけはっきり言ってくださいよ。その一問だけでいいですよ。これはこういうふうにやったのです、ところが有意の差がなくなったのです、そういうふうにおっしゃってください。
○桜井参考人 お答えします。 統計的な有意差は数学的にありましても、その差が非常に少ないものでありましたときに、それが臨床的に有意義であるのかどうかということは別の問題であるという立場でございます。それは臨床医が判定をすることである。佐久間教授は数字をそこまで出しまして、あとは、この問題のプラスかマイナスかということは現在の医学、がんの治療の実態の中で、その値が数学的に有意でも、有意義であるかどうかは診療医が決めることであるというのが佐久間先生の意見でございました。
○八田委員 非常に納得できません。桜井先生、どうして決めたか納得できないですね。質問は、時間が来たので終わりますが、桜井先生、本当に納得できない御答弁であったので、また改めて質問するようにいたします。
○今井委員長代理 小林進君。 〔今井委員長代理退席、委員長着席〕
○小林(進)委員 私は、医学の問題は全く素人でございまして、なおかつ言葉を知りません。あるいは先生方に失礼なことを申し上げるようなことがありましても、ひとつあらかじめお許しをいただきたいと思うのでございます。 社会党でございますが、社会党は、この丸山ワクチンに対しましては党議によってこれを保険薬として採用すべきであるということを決定をいたしております。その決定に基づきまして昨年末、わが党の飛鳥田委員長が鈴木総理と党首会談をやるときに幾つかの重点項目を並べましたが、その中で、この丸山ワクチンを早期に採用することも党首会談の重大な項目として話し合いをいたしました。これに対して鈴木総理も、これを受けて、努めて善処をする、こういう確約をされておるのであります。同時に、当時の厚生大臣でありました園田直氏にもこの党首会談の内容をそのままぶつけて話し合いをしたときに、園田氏も、ともかく丸山ワクチンは無害である、これは先生方も証明になっておる、それからもう毎日数百名が生きるか死ぬかという生命をかけてその薬を得るために付属病院まで行って狂奔をしているというこの事実、この明らかなる事実は黙視できないのである、これをあえて意地悪く、あるいはまたほかの考えで拒否するようなことがかりそめにもあるとするならば、これは人権問題であり、人道問題であるから、努めて善処いたします、こういう確約をされておるのであります。ところが、どうも総理大臣、前厚生大臣の約束どおり事が進まないのが非常に残念でありまするけれども、そういう立場でひとつ四人の先生方に御質問を申し上げたいと思います。 何しろ限られた時間でございますので、かいつまんで申し上げますが、まず、桜井欽夫先生には三つの問題についてお伺いいたします。 いま私の手元に抗悪性腫瘍剤調査会のメンバーの名簿がございます。当社労の委員長からは資料の用い方について激しい御質問がありましたが、私は資料採用の問題の前に、この調査会の人的構成について御質問いたしたいと思うのであります。 十三名を拝見いたしますが、この中ではいわゆるクレスチン、これは同種の薬でございますが、それの資料をみずから作成をした人が二人も三人も含まれておる。座長のあなた自身も、このクレスチンの資料を作成する重要な役回り、みずから答案を書いてみずから点数をつけていらっしゃるという役割りをしていますが、そのほかにも、あるいはこの中で塚越茂先生しかり、太田和雄先生しかりであります。なお、そのほかに、丸山ワクチンについて最も明確に反対意見を表明していられる古江尚先生ですか、これもわれわれの調査によりますと、ピシバニールの資料の作成をしておいでになる。こういうふうに一人一人調査いたしますと、第三者として公平な立場に立つという人はないということを言わざるを得ないのであります。 そこで私はお伺いいたしますが、この十三人の中で丸山ワクチンというものを肯定する立場でいらっしゃる方が一体何人いらっしゃいますか。これが一つ。 しかもまだ、その中で一体この丸山ワクチンというものを、あなたはさっき基礎をやられた方が六人、臨床が六人、それと座長を含めて十三人とおっしゃったが、事実上丸山ワクチンをみずから研さんをし、臨床された調査会委員の方が一体いらっしゃるか、いらっしゃらないか、お聞きしたい。私の調査によると、みんなもうこれは、何といいますか、食わないうちにあれは水だとかあれは効果がないとかいう反対の人だけが集まっている集団なんだな。 特に申し上げたいが、これは午後の厚生省の部で私は申し上げる。厚生官僚なんというやつはけしからぬやつなんでありますが、この中で同じようなのが、国立衛生試験所の毒性部長だとかあるいは国立病院医療センターの外科部長だとかいるが、大体国立といえばいよいよ厚生省の指揮下にあると見てよろしいが、その中でも、この丸山ワクチンなどというものを真剣に実験し、調査をし、その成果を上げていらっしゃる、御本人を前にして悪いですけれども、梅原先生も同じ国立熱海病院にいらっしゃるんだから、反対の者を入れるんなら賛成の者も入れて均衡をとってしかるべきじゃないか。なぜ入れない。こういう一方的な、全く反対の偏向学者の集団をつくり上げておる。ここに私はまず問題があると思うのでございまして、こんなことをしゃべっていると時間がなくなりますから言いますけれども、この十三人の人たちが本当に丸山ワクチンというものを臨床し、治験とあなた方はおっしゃるかもしれませんが、治験をされた、そういう経験の上に立っていられる方がいらっしゃるかどうか、それが一つ。いいですか、あなたに対する質問を三つ持っているのです。これが一つです。 第二番目に、皆さん方先ほどから東北大学のこのたびの実験資料は非常にりっぱであるというおほめの言葉がありましたが、その東北大学の後藤教授がお出しになった資料をあなたたちは素直に解釈をしてない。 東北大学医学部教授後藤由夫、SSM研究論文執筆責任者の野村暢郎というのですか、この方が厚生省薬務局中央薬事審議会抗悪性腫瘍剤調査会の座長桜井欽夫殿ということで、そして自分たちの出した資料をあなたたちは正しくそれを採用していないという、「発言に対する異議申入れ」というものがちゃんと文書で出ている。 それは一体内容は何かと言えば、時間がないから残念でありますけれども、この東北大学でお調べになりました二百十二人の末期的がん患者をいわゆる丸山ワクチン、化学薬品と両方をやって、その結果が、化学剤と丸山ワクチンを投与した者は、一年半たったけれども三人生き残っておる。片っ方、皆さん方が許可した化学薬品を与えた者は、一年半たったら一人も残らないで全部スーラスーラ。スーラスーラというのは中国の言葉で死ぬということであります。死んだということであります。みんな死んでしまった。けれども丸山ワクチンと化学薬品を併用して与えた者は三人通ったという、その資料をあなた方は努めて過小評価をしておる。その評価の仕方が納得できないと言って後藤教授が異議の申し立てをお出しになっている。 実に私は貴重だと思うが、しかしあなた方はそれを半分だけ訂正された。たった一人の末期の手術もできないがん患者が生き残っておることだけは認めたが、他の二人はまだ軽症のがん患者だというような理屈をつけて、あなた方はこの異議の申し立てを採用されてない。 前向きで善意に解釈か、悪意に解釈か。これは天地の開きがあるのですよ。百人ですかあるいは二百人ですか知りませんけれども、三人も一年半も命を長らえてくるというその効果は大変なものだ。キリストは何と言いましたか。九十九匹が正しく行っても一匹の迷う羊がいたらこれを助けろ。ましてや三人ですよ、三人も一年半も命を長らえている。この効果は実に甚大でなければならぬが、それを認めない。これが一つ。なぜこれをやらぬのか、これは第二問です。 第三問として、これは私も何回かお会いして、この問題については私の非常にいい友人の東大の篠原教授以下六人の方々が署名であなた方をやめさせろという厚生大臣に対する陳情書、さすがに学者の書いた文章ですね、一分のすきもない、りっぱなものであります。 その中には、あなた方はクレスチンだ、ピシバニールだ、みんな薬屋のひもつきじゃないか。そんなもので一体公正な判定ができるか。人の生き死にに関する問題だ。どこの世界にあったって、反対者がいれば賛成者、中立の第三者というものを構成して物を審議するというのが国会におけるわれわれの常識です。ところが、あなた方の調査会とか審議会だけはこの常識が通らない。なぜ通らないかというと、がんに対する学者が少ないからだ。何を言うか。この丸山ワクチンを肯定する人たちも山ほどいるのです。この人たちを厚生省もあなた方も、あれは学者じゃない、専門家じゃないと言っている。まして臨床の現場においてこつこつと人の命を助けるために働いて、三十六も三十八もちゃんと科学的なデータをつくり上げて、そしてそれを厚生省へ提出している山形県の名医もいらっしゃいますよ。われわれから見ればこれこそ本当の学者であり、本当の名医であると思うのだ。厚生省は、あなた方は、どうした、ああ開業医か、開業医のデータなんというものは机の上にほうり上げてそのまま用いない。一体医者の権威と医者の学問と医者の専門を否定するものはだれだ。われわれじゃない、あなた方自身じゃありませんか。医者がみずからの同僚、みずからの友人、みずからの仲間の研究をみんな否定しているのです。そして自分たちだけ天皇さんになったつもりで、自分のやることだけが正しいと思っている。そのやり方はだめです。一体なぜそういう人たちのこの真摯な態度をあなた方の研究の中に反映させられないのか、これが私のあなたに対する質問ですよ、いいですか。 もっと言いたいことがありますけれども、いまのこの篠原教授を中心にする申し立て書を一体どうあなた方は取り上げるかということです。 それからいま一つです。あなたは村山雄一という阪大の教授を御存じでございますか。あなたの先輩ですか。(桜井参考人「違いますけれども存じております」と呼ぶ)そうですか。まあ、よろしゅうございます。この村山さんがやはり丸山ワクチンと同じようにいま結核菌からワクチンのBCGを……(「山村さんです」と呼ぶ者あり)山村、山村雄一。村山じゃない。村山さんは厚生大臣でございます。間違えました。山村雄一でございますが、その人が結核菌からワクチンをいま研究されている。BCGでございますかなここから新しい免疫のワクチンをいま研究中である。 そこで、この人の研究に丸山ワクチンが邪魔をする、だからこれを抑えるという、そういう学会の、何か聞くところによりますと村山雄一教授は(「山村」と呼ぶ者あり)村山か。あ、山村、山村。どうも村山君とは選挙区が一緒で朝から晩までこれに脅かされているものでありますから、ついどうも習い性となりまして申しわけございませんけれども、その山村でありますが、近くいまの医師会の武見先生が引退されると、彼がその後の日本医師会の会長にあるいはなるのではないか、有力なる候補者の一人であるという風評も聞いておりまして、なかなか医学界のオーソリティーでいらっしゃるという、その人がいまこのワクチンの研究中である。 そこで、どうも丸山ワクチンなどというものが出ると邪魔になるからこれを抑えるという、そういう一般の風評があると言われますが、私はいまの山村さんのそのワクチンが近くあなたの調査会に持ち出されるような見通しがあるのかどうか、承っておきたい。 それから、これはあなたではありません。あなたではありませんが、丸山ワクチン、この丸山さんに、おまえはこれを本当に学会から認めてもらいたいならば、いまのこの山村教授のところへ行って、山村さんとひとつ、まあ軍門に伏せとは言わぬけれども、門へ行ってそこでひとつ共同でこの薬を開発するという手続をとられたらいかがですか、そういうことを極力進言をした。これは梅原先生もよく御存じのはずだと思いますけれども、こういう事実を丸山さんが断られてから大変げきりんに触れて、これが今日の混迷を来しておるもとであるというのがもっぱらの風評であります。風評ですから、これは風評にすぎないのかどうかお聞かせをいただきたい。 時間がありません。これがあなたに対する質問、いま四つです。よく覚えていただきたい。 それから、これは梅原先生にお伺いいたしますけれども、文藝春秋の八月号、あれはあなたのことを中心にずっと丸山ワクチンのことが書いてありますから、あなたはお読みになったと思いまするけれども、ここに切り抜きがあります、この中には、あなたは日本外科学会に行って二回も丸山ワクチンの、あなたの経験をせられたその事実を中心にして報告をせられておる。なお、その他方々に報告せられておりまして、あるいは七一%とか、数字は細かく言いません、六〇%とか有効率がある、効果があるということを発表せられておる。いまもこれに盛られた文藝春秋の八月号の記事に重大なる間違いがないかどうか、大体事実を報道しているとあなたはおっしゃるのか、私は所見を聞きたいと思うのであります。 私はあなたの勇気に非常に驚いているのであります。この大ぜいの中で孤立を守りながら丸山ワクチンの有効性を至るところの学会で堂々と論じておられる。あなたは勇気があります、ごりっぱであります。心から敬服をいたしまして、その御意見を承りたい。 私は第三問日に、時間がありませんから、もうやめろやめろと言っておりますから、三問目に砂原先生に申し上げる。 あなたは、丸山ワクチンの有効無効は別として、これを患者に投与するまでのステップ、段階が少し間違っている、やはり人間の命に関することだからステップを踏んでいくべきだというお話がありましたが、それに関連して、丸山ワクチンは五十一年に申請をしていま五年たっているけれども、まだ資料が足りない、あるいはアメリカ式の臨床実験書を添えてこいとかと言われているが、この先生のおやりになったクレスチンはわずか一年でもう厚生省の関門を通過しておりますね。それから、ピシバニールはまだ三年ですか、二年半でこれは許可になっておるわけですが、私どもが集めました資料あるいは専門家から聞いたところによりますと、その認可をする条件が違っていると言う。なぜ丸山ワクチンにだけこういう新しい過酷な資料の提出を求めているのか。むしろ五十五年度から、ピシバニールあるいはクレスチンにも要求しなかった、新しい最も困難にして手数を要するそういう実験資料の提出を要求いたしておりまして、大衆の側あるいは使用する側から見れば、むしろこの要求は非常に不公平だ、こういうことが言われておるのであります。 先生のお話を聞きますと、何か丸山ワクチンだけがどうもステップを踏み違えたようなお話だったのでございまして、話は逆じゃないかというふうに私は考えたのでございますが、この点をたとえて言いましょうか、丸山ワクチンは申請から五年もかかって、しかも五十五年夏から急にアメリカ流の臨床実験における生存率データを義務づけた、そして急に認可の基準を厳しくしてしまった。これを適用すればピシバニールもクレスチンも全部落第するだろうというのが、これは他の専門医、私じゃないのです、専門医の先生の考え方なんですから、この問題についてひとつお聞かせ願いたい。 もう質問時間が来たと言いますから、委員長、これで終わりますが、私は最後に佐藤博先生にお伺いいたしますけれども、先生は、動物実験と人体は違うぞ、ましてがんは生体から生ずる、個人個人も差があるし、人間の質も違うのだから、そう一律一体にはいかないのだ、人間一人一人の体質、資質がみんな違うように、がんの質も内容も違うのだから、しかも先生の長い基礎学問ですか臨床によりますれば、まあ二〇%ぐらい効用率はあると先生はおっしゃるから、やはりこれは保険薬として採用すべきではないかという主張をされておる。私は実にりっぱな名言だなと、心から敬服をいたしておるのでございますが、こういうことについて改めて先生の御所見を承りたい。 以上、四人の先生方に御質問を申し上げました。
○山下委員長 まず桜井参考人から御答弁願いたいのですが、質問は四方になされております。小林委員の質問だけで持ち時間はすでにオーバーいたしておりますので、ひとつ要領よく、桜井参考人、少し御丁寧過ぎるきらいがありますので、どうかひとつ、その点特に配慮を願います。
○桜井参考人 お答えいたします。 一番最初の質問は、調査会の人員十三人がどうして選ばれておるのか、その中にいろいろな薬に関係しておる者がおるではないかということであったと存じます。 この調査会の人員の選択といいますのは、これは厚生省で人名を選びまして、それはたくさんの数を選びまして、それを大臣が指名をされるという形でございます。私がたしか昭和五十二年に調査会に入りましたときにはすでにその構成ができておりましたが、さらにその後で数人の方が御参加になっております。それは、やめる方が出てくるからでございます。この選択に当たりましては、制がん剤の専門家に来ていただくということになっておりますので、臨床家といえども基礎の実験といえども、調査会に入ってくる薬には何らかの関係ある者がおると思います。私自身もそうでございます。 しかし、たとえばクレスチンの例を挙げられましたけれども、私たちはクレスチンが動物のがんに対する効果がこうであるという実験を出しておりますけれども、クレスチンの審査資料というものは膨大なものでございまして、規格から毒性から安全性、催奇性、そして臨床のデータがその主力になるわけでありますが、そういうものに比べますれば、各人が担当いたしております量はきわめてわずかなものであります。それで、その部分につきましては、調査会では皆良識を持って、主張をするようなことはしておりませんので、それで今日まで来ておるわけでございます。 もちろんそういうお疑いがあるということでありますれば、これに対しては何らかの方法がとられてしかるべきと思いますし、私もそれはやめた方がいいという御意見等ありましたらいつでもやめるべきであると思っております。 それからその次に、後藤教授の東北大学のデータについての御質問がございました。東北大学のデータは、ごく簡単に申し上げますと、消化器がんでございますけれども、胃がんが大部分でありまして、そのほかに膵臓がんとか胆管がんとかいろいろなものが少数まじりまして、そのほかに肺がんも三例ほどまじっておるという集団でございます。それで、私たちはやはり治療の経過とか薬の使い方、それから効く薬というものも皆、膵がんとか肝がんとかいうのと違う。肺がんに至ってはもちろんそうでありますので、これはやはり胃がんだけで統計を見た方がいいのではないかという結論でございました。後藤教授も同様にそういうお考えであったと見えまして、胃がんだけの集計をしておられます。 それで、後藤教授の申請書を拝見しますと、胃がんでは差はないという結論が申請書に書いてございました。しかしその中で、問題になりましたいまの点は膵臓がんがあったのでありますが、その膵臓がんの記載を拝見いたしますと、確実な診断つまり組織診断がしてない、マイナス、それから転移マイナスという記載で提出をされておりましたので、これはそういうものとして処理をし、転移がなし、そして組織診断がなければ、そして五百日からの生存だと、もしかすると慢性膵炎ではないかという可能性があるということを申し上げたわけであります。 しかし、調査会が終了しました後になって後藤教授から、組織診断ができた、それから肝臓に転移が出たという御報告がありましたので、その段階ではもうがんであることは間違いありませんので、特別部会の段階でこれをがんとして訂正をいたしました。 それからもう一つは、II期というのは、これは申請書に後藤教授が書かれていることでありまして、胃がんの中にII期が何人かございます。それで、私たちの調査会の臨床の先生たちは、もしII期の胃がんであれば手術ができるのではないか、手術不可能例を対象としたと書いてあるけれども手術ができるのではないかというので、そのアンケートを出しました。そうしまして、特別部会の前になりましてそのお答えが返ってまいりまして、II期というのはこういう理由で手術はしなかった、しかしII期と書いてございまして、ただ高齢のため、患者が手術を拒否したためというふうに書いてございますので、私たちはやはりそれはII期として計算をいたしました。御申請のとおりであります。 それから、もう一つの山村教授のことでございますが、山村教授は私の尊敬する学者でございますけれども私の先輩ではございません。しかし、山村教授はいま御指摘のような免疫の研究をしていらっしゃいまして、これがいつ出てくるかはわかりませんが、これはすでに三年前からただいまの比較臨床試験を始めておられます。比較臨床試験には時間がかかりますので、実はことしじゅうにはそれが完了するやに伺っておりましたけれども、何かこの間の御発表では、それではまだ完了しない、まだ一年ぐらい続けなければならぬというお話でございました。そういうことは私は耳で聞いたことでございます。いつ調査会に出てまいりますか、それは存じません。
○梅原参考人 文春の記事が事実かどうかという御質問だったと思います。 訂正事項が二項ほどあります。 第一例は感染で死亡したと。三輪先生は長い間けんか相手であり、仕事の仲間でありましてよく知っておりますが、彼はいまや脳外科部長兼任作家でございますので、多少書き違えたところがあるらしくて、あれはがん腫でございます。私の先ほど提出しました報告書に写真が載っておりますが、あれは最後の段階でありました。最初第一例でありまして、写真で克明に腫瘤の大きさを記録するのをちょっとためらいまして、最後の写真を、何といいますかセロハンみたいなものに腫瘤の大きさを撮った写真はございますが、現物の最後の写真は、あれはみごとな腫瘍腫でございます。 それからもう一項目、中山教授の名誉にかけてここでは訂正しておかなくちゃなりません。私のあこがれの的であった中山教授が私のところへお見えになったように書いてありますが、あれも作家の修飾でございまして、確かに河合良成さんがあの当時、第一報、外科学会に発表した直後に中山先生にお会いしてこの薬の効果を説明し、治験をやっていただいたらどうかというお話がございました。しかし、当時私は、私のような青二才が先生のところへ出しゃばって行くのは無礼に当たる。よって、丸山先生が退院されてから大物同士でお話ししてくださいということで、あの項目も訂正したいと思います。(小林(進)委員「中山さんがあなたに電話したと書いてある」と呼ぶ)それは間違いです。私は謙虚な男です、野蛮ではありますが。 先ほど外科学会に発表したのは事実かとの御質問ですが、ここに外科学会の会誌の抄録のコピーがございますが、お入り用でしたら提出いたします。 第一報だけではつぶされる可能性がある。そこで第二報——第一報は名古屋でしましたが、第二報は翌年金沢でいたしました。これはひとえに学会長、名古屋の橋本義雄教授、金沢の占部教授が寛容に私の演題を採用してくだすったたまものだといまでも感謝しております。
○砂原参考人 ピシバニールでしたか非常に早く許可になったけれども、丸山ワクチンは三年もかかるのはとおっしゃるのですけれども、先ほどから申し上げましたように、私は丸山先生も個人的によく存じ上げているしするのですけれども、やはり新しいこういう薬を開発するという手続をちゃんとなさる準備がなかった。それから会社の方もそういうことに対して、恐らく新しい製品の開発の経験がないのでしょうが、それでデータがそろっていなかったということだと思うのです。確かに私たちが見てもそうなんです。 ですから、クレスチンや何かは、それは桜井先生がおやりになったのかどうか知りませんけれども、それはそろっていたから早いのは当然で、むしろ私が申し上げたいのは、さっき申し上げたように、五十一年の前から十何年もおやりになっていて、その間に動物実験や何か当然やるべきことをおやりになっていないで、不完全な形で五十一年にお出しになったというのは、ずいぶんむだなことをなすった、時間の空費であったというふうに私は思います。 それから、臨床試験をこの場に及んで丸山ワクチンいじめのために持ち出したんじゃないか、そうはおっしゃいませんけれども、似た御発言なんですけれども、実は臨床試験というのを日本へ持ち込んだのは私が最初なんです。 私は本来は結核の医者でございまして、がんのことは余りよく知らぬと言っちゃなんですが、結核の場合もがんの場合と同じように、いろいろな大学の先生がいろいろな薬をつくられたわけですよ。動物実験はやった、そして自分で効いた効いたとおっしゃって、そのために気の毒な結果、患者は家屋敷を売り払って非常に悲惨な目に遭っている。私はそれを見て、そんなものはだめだ、お金があるなら牛乳や卵でも買って安静にしていなさいということを口を酸っぱくして言った。その経験が私の中にあるわけです。 ですからがん患者の方もそういう目に遭わしちゃいけないというふうに思うので、私は臨床試験をきちんとおやりにならなければ、ドラマチックな症例というのは、それは無視してはいけないけれども、それだけでは法則にはならぬのだからと申し上げたのですけれども、なかなかお聞き入れにならなかったのですが、この免疫療法剤が出ましてから、これは非常に緩徐なものですから、結局、がんが小さくなったとかなんとかいうことではうまくつかまらないものですから、これでなにしたのだろうと思うのです。 しかし、私、記憶がきわめて正確とは申しませんけれども、ピシバニールの論文の中には患者についての生存曲線というのがありまして、それは、丸山ワクチンみたいにところどころちょっと有意差になるけれどもあとはだめだというのではなくて、もっときれいな、後になるほど開きが大きいものがちゃんと出ております。それからクレスチンは、がんの患者についてもあったかどうか私はよく知りませんけれども、動物実験について生存曲線がもっときれいに出ております。 ただ、私は、先ほどの小林議員の御質問の最後におっしゃったことに答えるといたしますれば、だから丸山ワクチンをいいかげんに通せとおっしゃるのは論理の逆立ちであって、それならクレスチンやピシバニールをやめさせろと言えばいいわけだと私は思う。それで、そのためには、先ほど申しました、日本で言いますと昭和四十二年の新薬の取り扱いの一つが変わりましてから、再評価ということをやっているわけです。そして去年の新薬事法で、新しく許可した薬も前からの薬も、六年たったら——つまり基準が変わりますからね。だからさっき言ったように、いままで臨床試験なんというものをそう重視しなかったから幾らか弱々しいものも入っていないと言えないわけですからね。六年ごとに繰り返すようなことになっておりますから、そのときには見直しをすべきであると私は思います。
○佐藤参考人 私は、さっき申しましたように、二重盲検法というものはがんに適用できるものではないということは強く思っております。数多くやればいいというものではなくて、がんというものはその人個人が対象でありまして、成績が三%であるかもしれないけれども、その人にとっては一〇〇%であるということが大変問題であろうかと思います。こういうふうに必ず死ぬような病気にプラセボ効果を期待するということが大変無理なことでありまして、にせ薬を与えるということは、人道上だけではなく、私の言う理論から言うと科学的にも成り立っていないのだ、こういう方法はがんには通用しない、ほかの病気には通用してもがんには通用しないということを言っております。 そして、お医者さんでもがんの専門でない人ががんのことを言うと大変に間違いが起こるので、なるべく発言なさらない方がよろしいんじゃないかと思っております。
○小林(進)委員 残念ながらこれで終わります。
○山下委員長 森井忠良君。
○森井委員 桜井参考人にお伺いいたしますが、クレスチンを御審査なさったときには、癌治療学会基準というのがあって、それでおやりになったということですね。今度の場合、丸山ワクチンの場合は、この基準でおやりになったのかどうなのか、お伺いいたします。イエスかノーだけで結構です。
○桜井参考人 そのとおりでございます。 一言申し上げたいのは、同じ基準でやりましたというのはいわゆる一般臨床試験でございます。比較臨床試験の場合ではございません。
○森井委員 よくわからないのですが、もう一度お伺いしますが、そうすると、クレスチンと条件が違っておるのですね。
○桜井参考人 違っておりません。クレスチンの場合は比較臨床試験がありませんので、すべて一般臨床試験でございますので、一般臨床試験については同じ基準で見ております。
○森井委員 そうすると、再度お伺いしますが、クレスチンの場合は比較臨床試験というのはやらなかったということですか。
○桜井参考人 そうでございます。やっておりません。
○森井委員 二重盲検法というのが先ほど来出ております。丸山ワクチンの場合はあなたの方はそれをお勧めになった、そういうことでしょうか。
○桜井参考人 お答えいたします。 二重盲検法までは勧めはいたしませんでした。封筒法でもよろしいということです。
○森井委員 佐藤参考人にお伺いいたします。 あなたの所論によりますと、二重盲検法もしくは封筒法についてもがん患者には適用しない方がいいんじゃないか、こういうことでございました。その点若干理由を御説明いただきたいと思います。
○佐藤参考人 これは実験でも出ておりまして、同じように胃がんであるとか肝臓がんであるとかと言いましても、同じような形で、同じような広がり方をしておりましても、それぞれ個性があって、違う細胞である。それで近ごろでは胃がんの組織をヌードマウスに入れて試験しておりますが、これでも皆違うのでありまして、それぞれ違う生物を扱っているから、二重盲検や封筒の対象にならないと思います。
○森井委員 ついでに佐藤先生にお伺いいたしますが、先ほどの意見の御陳述の中で、今回の丸山ワクチンを審査なさった抗悪性腫瘍剤調査会のチームの編成について少し偏っているのではないか。たとえば丸山ワクチンを積極的に投与して臨床試験をやりたい、そういった方々はほとんどなかった、こう私は聞き取れたわけでございますが、チームの編成についての所感を一言で結構でございますからお願いいたします。
○佐藤参考人 私はチームを編成した責任者でございませんので、それははっきりわかりませんけれども、お願いに行っても断られるということはあったと思います。
○森井委員 次に、梅原参考人にお伺いいたします。 ずいぶん苦労なすって、いい資料をいただきました。これは私非常に感銘をしたわけでございます。そこで、これだけ苦労していらっしゃる第一線の臨床医の方々の声がこういった調査会で取り上げてもらえない。これはどこに欠陥があるのか。それが一つ。 それからもう一つは、日本医大ですでに十余万人にわたって投与が続いているわけですね。そして現に延命効果が日本医大の資料によると出ているというものもある。しかしこれも没になった。したがって、この種の調査会の審議に当たっては、単に申請者だけでなくて、いま申し上げましたような、すでにある臨床の結果あるいは学会で発表された数々の論文、そういったものは当然その道の権威の方が御審議なさるのですから、考慮に入れるべきだと思いますが、梅原参考人の所見を承りたいと思います。
○梅原参考人 私は臨床医ですから、それからみずから断っておりますように専門医じゃありません。たとえば胃がんの手術症例、ことしは外科の二十三年生でございますが、まだ百六例でございます。早期がんなどというのは余りございません。東京におります時代に東京のがん検診センターから数例もらったのを加えてもわずかなものです。臨床医の報告は、私の意見を調査会に反映していただく立場ではなくて、先ほども申し上げましたように、私の報告書は二つの理由でとっくに現時点の審査の対象になり得ないと自覚しているものであります。ところが幸いなことに審査していただいたそうなんですが、写真が不備なので、きょう改めてつくり直してきました。臨床医、私個人のことを申しますと、それで十分だと思いますが、それを正しく評価していただけたかどうかは疑問に思っております、写真がぼけておりましたから。 ただ、私の症例は分母がしっかりしているということでございますね。いろいろと話題になっておりますのは、日本医大には確かに私の百七十四例のうちの著効例十一例、しかも現存している三名がいますよということのような症例はたくさんございますが、残念なことに分母がしっかりしていない。これは確かに大きな欠陥でございます。ですから、症例報告ということで先ほどからの諸先生の御意見を伺いますと、現時点で対照例をとって、一つの規格をつくって、それでどのくらい効くのかという言い方を一つの基準にしますならば、日本医大の症例はちょっと困りものという欠陥を持っております。
○森井委員 桜井参考人にお伺いしますが、私の手元に「昭和五十五年度科学研究費がん特別研究審査委員名簿」というのがございます。これによりますと参考人はそこの主査をしていらっしゃるわけですね。そして、これは文部省関係だと思うのですけれども、膨大な研究費の補助金の配分等なさっていらっしゃいます。 拝見をいたしますと、まことに失礼ですけれども、総括班・制癌剤のスクリーニング特別委員会というのがございまして、これは責任者が参考人になっているわけでございますが、三千九百万円。他の研究費等がほとんどと言ってもいいほど百万単位ですね。参考人が責任者でやっていらっしゃるいま申し上げました特別委員会というのは、そういう意味では高い方からランクされるわけでございます。しかし、これとて私ども決して多いとは思っておりません。恐らく御苦労なすっていらっしゃるのだろうと思うのですけれども、この際、一言でいいのです、配分に当たってどういうところに御注意なさるのかということが一つ。それが一つです。 二つ目は、先ほど来ピシバニールの研究等でいろいろ意見が出されておりましたけれども、やはりこういったがんの研究をなさる場合には、文部省、厚生省も研究所を持っていますからざっと十六億ばかり、これも同じように配分をするんだろうと思います。しかし、それにいたしましてもなお不足なさるだろうと思うのですね。そういった不足する場合は、その資金はどこから御調達なさるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○桜井参考人 お答えいたします。 まず第一の件でございますが、私は昭和五十五年まで文部省の学術審議会の科学研究費委員会に属しておりまして、がんの特別研究費、当時十八億でございましたが、それの審査委員会の主査をいたしたことは事実でございます。昨年度をもってやめまして、ただいまは違います。そこに出ておりますのは五十五年度のものだと存じます。 そして、その配分に当たりまして、文部省のがん特別研究は総括班というものをつくっておりまして、総括班といいますものは約十数人で編成しておりまして、総括班長がおります。そこで議論いたしまして、この研究費をどういうふうに配分するか、そのときに総括班として全体の特別研究の運営に必要なものを幾つか決めまして、俗称サービス班と言っておりますが、全体にサービスになるような班を四つつくっております。一つはスクリーニング、これは日本の方々から参りましたサンプルをそこで効果を決めて通知をしてあげるというサービスをやる。一つは医学情報のサービス。一つは実験動物のサービス。それからもう一つはいろいろな血清とかそういうものの良質のものを一遍にバルクとして買って分配をしますためのサービス。 これは普通の研究費と違っておりまして、私の場合はその一つのスクリーニングのサービス班でございまして、大体その年は三千九百万円いただきまして、そのうちの三分の二が私のところへ来て、三分の一はここにいらっしゃる佐藤博先生の方に行って、その仕事に協力していただいているわけでございます。 それから第二の……(森井委員「不足分はどうするんですか、足りればいいのです」と呼ぶ)不足分といいますのは、私たちのところでは絶えず財界募金をいたしております。それで、そういうものが赤字を補っていくようになっております。経団連に募金のお願いをしたりしております。そのほかに、共同研究をやりましたときに、共同研究に必要なネズミの代とかそういうものは会社から実費を取っております。しかし、これは微々たるものでございます。
○森井委員 時間がありませんので終わります。
○山下委員長 草川胆二君。
○草川委員 簡単に御質問をします。 まず、佐藤先生にお願いを申し上げたいわけでございます。 佐藤先生が丸山ワクチンについて動物実験の資料を提出をされたわけでございますけれども、人間と動物実験との対比で非常に使用量が高い。三百五十倍というのはいかがなものか、信頼の置けないものだというので否定をされたやにお伺いをします。ところが、いまお話がございました桜井座長のいわゆる実験、ピシバニールの実験では、委員長の方の御質問もございましたように、白血病L一二一〇では一万六千六百六十七倍の倍率でやっておみえになるわけです。片方は、自分の方の実験では一万六千倍でも十分だという御説明がいまございました。ところが、佐々木研究所、もう本当に日本のトップの研究所の佐藤先生の三百五十倍はだめだと言う。こういうのは、私も全く素人でございますし、政治が薬のことに関与することには反対です。だけれども、差別ということについてはあくまでもわれわれは絶対許せない。この原則の意味からいきましてもこれはいかがなものか、こう思うのでございます。 さらにまた、ピシバニールのいわゆる承認された効能効果のデータを見てまいりますと、単独投与、併用効果、胃がんの場合一九・六の効果あり、併用効果二〇・五の効果あり。ところがこれが肺がんの方へいきますと、単独効果一九・六、併用が二二・九とか、あるいは食道がんの場合は二六・一対二一・一とか、結腸がんの場合は二〇対二八・六とかと比例しないような例もあるわけであります。 私は、このクレスチンの内容、ピシバニールの効能効果等を見てまいりましても、臨床実験はいたしておりませんし——いま臨床実験の問題も大分出ておるようでございますけれども、いずれにしても納得できかねるものがあるのですが、この点佐藤先生の方から御意見を賜りたい、こう思います。
○佐藤参考人 ただいまの三百五十倍という私の丸山ワクチンの投与は、私はそんなに多いものだと思っておりません。きわめて妥当な数値だと思っております。——よろしいでしょうか。
○草川委員 妥当だとおっしゃっておみえになるのが否定をされておるわけですが、桜井先生どうでしょう。
○桜井参考人 お答えいたします。 先ほどからたびたび申し上げておりますように、動物実験におきますドーズが不当であるというようなことは私は申し上げておりません。先ほど一番最初に申し上げましたように、丸山ワクチンの場合にはいろいろな実験がされておりますけれども、多くは二百五十倍から三百五十倍ぐらいのところで効いておるということを申し上げたのです。 ただし、動物実験におきますときには、免疫治療剤では、ことにドーズで臨床上のドーズとの平衡を求めることは大変むずかしいものですということを申し上げております。
○草川委員 非常に厳しい要求が丸山ワクチンの場合にされておる、こう思います。 同じように桜井先生とかつて同じ癌研等で研究をなされたと思うのですが、服部隆延先生の論文というのがございます。これは今回の審査に当たって判断の材料になったかならないのか、お伺いをします。
○桜井参考人 今度の丸山ワクチンについてでございますか、御質問は。——それは資料として入っておらなかったと存じます。
○草川委員 厚生省、これは非常に重大な問題ですよ。明らかに資料として提出されておるのです。ところが、いま資料として見ていないというのは基本的にこれは問題だと思うのです。これはメーカーからも明確に資料が出ているんだ、服部隆延さんの資料。私、きのう会ってきたんだ。話を聞いてきたんだ。そうしたら、桜井さんと同じグループでおれは研究したんだ、ところがぼくの出した資料については何らのコメントがない、おかしいじゃないかと言っているわけですよ、本人は。この先生はあなたたちのグループですよ。その服部先生が出した資料をあなたは読んでいないというのはおかしいじゃないの。しかも、この先生の資料というものは日本の癌学会の正式な化学療法剤の雑誌にも掲載をされておるわけです。あなたのような権威者がそういう雑誌に出ておるものを知らないというわけはない。一方では、そういういい資料が出ておるのを見もしないで判定をするというのはおかしいじゃないですか。 委員長、こういう態度で、——参考人にせっかくおいで願っておりますけれども、そんなでたらめな、明らかな事実を隠されて、私どもがお伺いするといったって問題があると思うのですよ、こういうのは。私に与えられた時間はわずか十五分です。これはもっと、一時間も二時間もかけて私ども審議さしていただきたいと思うのです。資料が出ておるのですから。厚生省にも出ておるのです。私は、けさ、出したメーカーの担当者も呼んだんです。確認をしたんです。出したと言うんですよ。その資料を見ていないとおっしゃるのはどうなんですか。自分たちの友達の論文ですよ。
○山下委員長 桜井参考人、ただいまのは間違いないでしょうか。
○桜井参考人 いまの服部隆延博士はかつて癌研におられましたけれども、臨床の先生でございまして、私たちが一緒に仕事をしたことはございません。内科に属されておりました。そして、数年前から内科をおやめになりまして、いまはどういうお仕事をしておられるか、私よく存じません。私が服部隆延先生と共著の論文を出したことはございません。
○草川委員 大きな声を出して大変恐縮でございます。それはおわびをいたします。参考人にせっかくおいで願って申しわけございませんけれども、本当に日本にとってがんというのはいま一番大切なんだから、私が声を上げるだけでは済まぬ問題だと思うのです。先生の本当の御決断があれば三万人の人は助かるかもわかりません。私は昼からも申し上げますけれども、正しい資料をやっていただきたいと思うのです。そうでないと、いまも梅原先生が、自分の出した写真と違うなんということをおっしゃっておられますけれども、そんなばかなことはないじゃないでしょうか。せっかく出したら、私は正式に御検討を願いたいものだと思います。 そこでもう一つ、せっかくのことでございますからお伺いをいたしますけれども、桜井先生はプロテクトンの吉富製薬の副社長と何か同級生かお友達だそうで、顧問もなすっておみえになるのではないだろうかと言われておりますけれども、制がん剤の発明者で特許も持っておみえになる。この審査に当たって調査会では座長をなすっておみえになるわけでございますけれども、それでは自分のものについて有利だと思われないでしょうか、お伺いをいたします。
○桜井参考人 私は癌研の化学療法センターにおりますが、そういう私たちの義務、仕事と申しますのは制がん剤を開発していくことでございます。制がん剤を開発していきますときには必ず会社と協力をしなければできません。なぜなら、われわれのところでは大きな動物の安全性試験もできませんし、臨床試験をやろうとしても臨床のサンプルはつくることができませんので、いずこが開発をいたしましても必ず会社と協力をすることになります。そうでありますので、プロテクトンの場合は私たちの研究室で開発したものでございますけれども、臨床段階では吉富製薬と協力をいたしました。 ですから、それに限りませず、これからもどれかの調査会の先生方と一緒になってくることであろうと思われます。その場合には、調査会で自分のことについては発言をしないとか、いろいろ内規的なことで今日まで参りました。しかし、そこに大きな疑惑あるいは御疑問があるとすれば、そこのところを改善をしていただく、あるいは私にやめろというお話もございますので、そうすれば私がやめる。私のみではないと思いますけれども。私たちとしてはそういう研究を三十年間やってまいりまして、それをやめるわけにはまいりませんので、そういう立場におりますので、これは調査会の機構としてお考えをいただく、私たちも考えねばならないというふうに感じております。プロテクトンというのは私の研究室でできたことは事実でございます。
○草川委員 いずれにいたしましても、先ほど小林先生もお話がございましたように、平等に取り扱っていただきたいと思うのです。先生は先生でそれで結構だと思うのですが、丸山ワクチンについても同じようなことをしていただきたい。 そして、国立療養所の砂原先生もおっしゃったのですけれども、もう少し資料を出せばいいじゃないか、手続をやればいいじゃないかというのですが、実はメーカーの方から上申書が出ているのです。いろいろな実験を公の機関にお願いをしたのだけれども、なかなか取り上げていただけない、その点をぜひ厚生省の方も御判断願いたいし、調査会の方も御判断願いたいという切々たる上申書が出ておるわけですから、そういう平等な同じ条件さえ与えられるならば、みんなで応援してあげるならば、丸山ワクチンというものはもっと別な運命をたどったのではないだろうか、私はこう思うのです。その点についてはどうでしょう。
○桜井参考人 お答えいたします。 全く同感でございます。先ほども申し上げたことでございますけれども、各病院が臨床試験をやりますときには、その基礎データというものを検討してやる委員会がございますので、それに合うようなデータをつくっていただきたい。たとえば丸山ワクチンで最初私が申し上げましたように、規格などというのは非常に重要なことでございますので、そういうところがちゃんとしておれば、何も癌研はお断りするとかいうことはないと信じております。
○草川委員 時間がございませんが、いま癌研は、先ほど先生の方からもお話がございましたように、いろいろな共同研究というので、たとえば呉羽から五十年三月には五十万円だとか、武田から百万円だとか、その他の各社から毎年三百二十万円、あるいは三百万円、四百六十万円、五百万円、これは厚生省の資料をいただいて私は申し上げておるのですけれども、一括処理で桜井先生の口座にお金が振り込まれております。しかし、この企業の名前を一覧表で見ますと、みんな大手で、共同研究といっても五十万とか百万という単位では共同研究じゃないわけですから、実質的な財団法人の癌研が、桜井先生の口座にそういうお金が振り込まれておるということ、しかも、その会計処理が一括の寄付行為として処理をされておるわけであります。共同研究で受け取っておきながら寄付行為として受け取るというのも不鮮明でございますし、こういうような企業の中にはゼリア新薬の名前が入っていないわけです。私はこれもやはり差別だと思うのです。 癌研が費用が不足をして寄付を求めるならば、全社に求めるべきでしょう。特定の企業だけからお金を取るというのはいかがなものか。この点についてはどうでしょう。
○桜井参考人 ただいまのにお答えいたしますが、私たちは、研究の協力を求められることしばしばでございますけれども、委託研究を主とする研究機関でありませんので、来ましてもお断りするものもございます。そのお断りする理由は、私たちがそれに興味を持たなければ、お断りをしております。そして、それはまたほかの研究機関に行って、そこでアクセプトされて、研究が行われているのでありましょうと思います。 それから金でございますけれども、そういう会社の研究をやりながら、それを全部財団の費用でやるということはちょっとおかしい点がございますので、いま御指摘のような程度の金でございますけれども共同研究費というものを入れてもらっておりますが、それが一括私の口座に入っているわけではございませんで、これは財団の口座に入っております。ただ、その寄付は特定の用途が指定されてございまして、化学療法センターにおけるこういう薬の共同研究に使うのだということになっております。
○草川委員 私は時間が五十九分まででございますから、正確に時間を終わりますけれども、いま私が、皆さん方参考人にわざわざおいで願って、大きな声を張り上げたことを深くおわびをいたしますが、なぜ怒ったのかというのは、服部隆延氏の論文が、昭和五十四年に化学療法学会が博多で行われたところで発表されております。そして、かなり生存率が高いということが、これは丸山先生の系統の先生ではございません、十二名連記で報告が出ておるわけでございます。五十五年化学療法学会雑誌ナンバー2にも、それが論文として出ておるわけでございます。そしてメーカー側の方から、一番上にこれを最初に資料を提出をされておるけれどもノーコメントであるというのはいかがなものか、こういうことを申し上げておるわけでございますが、たった一つのこういう貴重な資料ですら桜井先生はお読みになっていない。参考にしていない。では一歩下がって、提出されていないとしても、先生は権威者でありますから、こういう各種の雑誌、学会誌を全部読んでおみえになるはずです。読んでなくて提出された資料だけのいいか悪いかぐらいだったら、だれでもこれはできるわけです。 なぜ選ばれたかということから考えるならば、もう一歩国民の命を、毎日何百人と並んでおみえになる方がおかしければ、あなたたち並ぶべきじゃないよ、こんなものは効かないよと、あなたは言うべきなんですよ。いま日本で一番の成人病というのはがんですから、だれだってこのがんについては早く治したい。だったら協力をしてあげるという姿勢を桜井先生が持たなければだめなんです。桜井先生が協力をしない限り、もう絶対丸山ワクチンというのは幻のワクチンになるのですよ。三万人の命じゃない、過去の十数万人の人の命にも影響するわけです。だから十数万人の日本の国民の命を一歩進んで桜井先生が見てあげようかという気持ちになるか、それはだめだ、あくまでも学界の権威、手続が必要だ、そんなものは後回しだということをやられるかどうかによって、これは重大な問題になると私は思うのです。その点だけを桜井先生に今後十分お考え願って、人の恨みを買わないように先生がやっていただきたいことをお願いをして、私の質問を終わります。
○山下委員長 米沢隆君。
○米沢委員 先ほどから再々指摘もされておりますが、今回の調査会の結論を見ましたときに、桜井先生が丸山ワクチンと同様の制がん免疫療法剤であるクレスチン、ピシバニールの製造認可にかかわる基礎データの作成に関与しているということで、いわゆる利害を有しておるということで、本件の審査に関して公平な判断を期待できない、すなわち委員として不適格であるんじゃないか、こういう指摘がなされておるわけでございます。それゆえに調査会の結論にも不信がわく。こういうことが続けられることは本当に重大な問題ではないかと思うのでありますが、そういうことで、私は医学者としての先生の良心を信ずるにやぶさかではありませんが、第三者的には、いまここで指摘される疑念が出てきても仕方がない、やむを得ないという点もあるような気がしてなりません。 そこで、先生の中央薬事審議会の委員としてのみずからが関与した薬剤を審査する立場はどのようなものであろうか、また、それと利害対立するであろう新薬の製造承認の審査をする立場はどのようなものであろうか、あるいは公平厳格な審査が確保されているという実証等々、ここに指摘される問題等に関して所見があれば簡単に述べていただきたいと思います。
○桜井参考人 お答えいたします。 審査会の中の、私も含めまして、いろいろなほかの薬の開発に関係しておるというような問題であると存じます。これは今日までそういうことでありまして、自分で関係しておることは、何と申しますか口を出さないように遠慮をするというような、きわめてパッシブなことで来ておりますので、ここでただいまのようにいろいろな御疑惑を受けるというようなことになりますことは、調査会としてもはなはだ本意でもございませんし、それから世間に対しても申しわけないことだと思います。 これはいろんな方法があるわけでありまして、たとえば米国のようなシステムをとって、これは全く官庁の中にこういう審査委員会をつくる、お役所をつくるということも一つでございましょうけれども、当面の問題としましては、私一番考えますのは、審査が行われましたときに、たとえば私はクレスチンをやったといっても本当を言うと動物実験をしたにすぎないのでありましてそれでもってクレスチンの効果が決まるわけではございません。しかし、そういうことを含めて、やはりある程度の審査の内容というものが、これはいろいろ機密の問題もあるのでございましょうから私わかりませんけれども、私たちはこういうデータに基づいてこういうような審査をいたしましたということが御説明できるようなことになることが一番いいんではないか。そして、私たちの審査に不正があれば論外でございますけれども、そうでなくても、私たちにはただいま御指摘のごとく完全なことがたった十三人でできていないかもしれませんので、それを御批判いただく機会というものがあって、御叱正をいただく場合というものがある方が私はいい、これは一つの解決ではないかと思います。 さきの御質問のときに服部隆延博士の論文を私が見ていないと申し上げました。臨床の領域でありましたので、私がそれを見落としておりましたようでありまして、この点については深くおわびを申し上げます。追加申請書の中に帝京大学のデータが入っておりまして、服部先生はその帝京大学の講師をしておられるそうでありまして、そこのお名前の中に服部先生のお名前が入っておりましたので、これは大変申しわけないことでございました。深くおわびを申し上げます。
○米沢委員 今回の調査会の決定、八月七日に最終的な結論になると思いますが、目下言われるところは、現在の資料を見る限り有効性は確認できない。そうなりますと、とりあえず医薬品として製造できない、そういう結論になるんじゃないかと思います。 そうなった場合に、医学的にはどうも有効性は判断できない、しかし約三万人前後の人が、それががんに効くんだということで列をなしてワクチンを求められておる。そういう相関関係を見ますと、どうもすなおに、謙虚に見ましたときに、現在の医学の基準ではこの丸山ワクチンの有効性については確認できないものであるけれども、御案内のとおり免疫療法剤というのは歴史も浅いし、おっしゃいましたように、効果を判定することも非常にむずかしい。現代の医学では現在のこの丸山ワクチンの有効性について確認できないにしても、何か有効性があるような気がするんですね。現代の医学では判断できないにしても、もっと医学が進みあるいは分析する能力がふえていったならば、また新しい基準がいろんな面で改正されていったならば、この丸山ワクチンの有効性について確認できることがあるんじゃないか、これはいまの段階では神様しかわからないのかもしれませんけれども、現在の基準ではわからないけれども、ひょっとしたらあるかもしれないという、そんな感じが、一方では効かないと言われ、一方では欲しいという三万人前後の人がおるというこの図を見て私は感じるんですけれども、その点桜井先生の御所見を聞かしてもらいたいと思いますし、同時に佐藤先生、その点いかがなんでしょうか。
○桜井参考人 お答えいたします。 最前からも申し上げたことでございますけれども、丸山ワクチンそのものが効かないというような断定を下す材料はございません。ただ、この程度の実験では効いておるというようなことは言えない。 それは何かといいますと、一つは規格の問題でございまして、これを早く整備していただくことが第一に大事だと思います。 それから臨床の実験の中でも、確かにいまのたとえば愛知がんセンターを中心としたあれのようにある層別をいたしますと、たとえば腹膜転移があるというようなものでは例数が余りに少ない。二十例ほどでございますけれども、明らかに差があるので、こういうものを明らかに追試していただいて、そういう症例においては効くんだというものを出していただければいいんじゃないかという気がいたしますし、調査会並びに特別部会の席でも、そういうようなことを踏まえて現状においては確認できなかったというような結論になったというふうに存じております。
○佐藤参考人 動物実験の段階におきましてはSSMもわずかながらというか、だんだん作用機作というものが証明されてきております。そしてピシバニールとかクレスチンなんかにつきましても、やはり同じようなインターフェロン効果があるんだというようなことも近ごろわかってきたようなことでありまして、以前に言われたような投与量による直接効果というものはクレスチンやピシバニールに求めるのは非常に困難かと思います。その点SSMは非常にユニークな、これからの医学の一分野を担当すると言うと大げさですが、そういったおもしろい物質であろうかと思っております。
○米沢委員 梅原先生にお聞かせいただきたいのでありますが、いままでの経験で丸山ワクチン以外の免疫療法剤をお使いになった経験はございますか。もしあったとするならば、その症例と丸山ワクチンを使ったときの症例との比較をしたときに有意差等があったのかどうか、その点経験学的にお聞かせいただきたいと思います。
○梅原参考人 私はほかの免疫療法剤を使った実験例はございませんと先ほど申し上げてございます。丸山ワクチンの片がつくまでは私の義務だ。外科学会に発表したのが、公の学会で発表したのが、有効だと言い出したのは私自身でございますので、この片がつくまでは浮気はいたしません。
○米沢委員 砂原先生にお聞かせをいただきたいんですが、先ほどの先生のお話を聞かせていただいておりますと、どうも丸山ワクチンの悲劇は、いわゆる基本的に医学の筋道というのですか、薬を認可するまでの筋道を追っていない、そういうところに医学界全体の反発を買っておる、そんな感じがするわけでございます。したがって、実験してくれと言っても受け手がないとか、そんなもの使うためにはもう少し実験をしてこい、したがってうちの病院では使えないと、そんな感じで、結果的には何か意地悪をされるような結果を生んでおるのではないか、学界内でも何となく反発があるのではないか、そんな感じがするのですけれども、それが丸山ワクチンの悲劇みたいな感じが、私は先ほど先生のお話を聞いてしたのですけれども、どうなんでしまうか。
○砂原参考人 私も幾らかそう思います。したがって、できるだけそういう要素がなくて物が扱えるようにしなければいけないと思うのですが、何といっても、先ほどから桜井先生がおっしゃるように、規格といいますか、物が安定しているのでないというようなところがあって、そして、治療か研究かわからぬ形で患者さんの家族に渡されてどんどんと広がってしまって、その方から使え、使えというような話が出てくる。どうも逆立ちしているものですから、治療に入るまでに研究のところできちんとおやりになって、そして、たとえば癌研にしてもがんセンターにしても、基礎的なことをこれだけやってくださいと言ってそれをおやりになれば、癌研の人だってがんセンターの人だってどこの人だってそんなに食わずぎらいはしないと私は思うのですけれども、何となく学問それ自身でないようなものが入っているのが、私は丸山さんのお人柄はよく知っていますし、ああいう純粋な方で、それはいいのですけれども、だんだん問題をこじらせているので、これは大変不幸なことで、これからこういうことがないように関係者は気をつけなければいけないことだと思っております。
○山下委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 まず桜井先生にお伺いをしたいと思うのです。 先ほどからのお話の中で、先生の癌研にもこの丸山ワクチンについて、臨床比較検査ですか、これの依頼が来たけれども、自分の方としては前提になるようなデータなどもそろっていないので断ったというようなお話だったように思うのです。また、別の方には、興味を持たないとそういうようなものについては受けないこともあるというようなお話もあったわけですけれども、私は別の角度から考えると、これだけ社会的にも大問題になっておるような丸山ワクチンについて、本当に効くものか効かないものかというようなことについて、先生が所属しておられる癌研のような権威のあるところで決着をつけてやろうじゃないかということで受けて立った方がよほど世間も納得したろうし、また先生がそういうようなことに興味をお持ちにならぬはずはないのじゃないか。先ほど興味云々という発言もあったのですが、この点まずお尋ねをしたいと思うのです。
○桜井参考人 お答え申し上げます。 興味と言いましたことは大変悪い言葉でございましたが、私が申し上げましたのは、私たちは基礎の研究をしておるのでございまして、基礎の研究の段階で会社が協力研究を申し込んできましたときに、私たちはいろいろな仕事をしておりますのにただそれを全部無条件で引き受けるわけにいきませんので、私たちが興味を持ってやっておりますことに何らかの利益といいますか、学問的な利益のある主題でないと協力をしない、そういうことでございます。臨床の場合とは全然条件が違います。私は臨床家でございませんので、臨床は癌研の病院の院長の支配下にございます。 ですから、これは私がとやかく言うことではございませんけれども、一般論といたしまして、いまのがんの専門病院はどこでも、臨床をやりますときには、そこの委員会で基礎実験、安全性のデータを検討して、倫理上の問題が起こらないといろいろな問題を皆さんが合意した段階で始まるのが普通であろうと思います。私は、病院の方に丸山ワクチンがどういうふうに会社からアプローチがありまして、それを院長がどういうふうにお断りになったかということは存じません。
○小沢(和)委員 いまの桜井先生のお話でも私十分には納得がいきませんけれども、論争はしないことにしたいと思います。 それから、先生がクレスチンにタッチをしておられた。それで、それにタッチしておられた方がこういう同じような免疫療法剤である丸山ワクチンの審議に参加をしたということからいろいろと問題になっているわけですけれども、けさあたりの新聞を見ると、そういうようなほかの問題にタッチをした方については今後遠慮をしていただくようなルールの改正をやろうかというようなことが問題になっているというようなことも書いてあったのですけれども、先生御自身もそういうような発想が、これが問題になった当時の段階で起こらなかったものだろうか。よく裁判なんかでも、裁判官などが利害関係があるような場合には自分で辞退できるような制度もありますね。私は、良識のある先生はそういうようなことをお考えにならなかったのだろうかという点ちょっと疑念を持つのですが、いかがでしょう。
○桜井参考人 お答えいたします。 調査会の委員の全員と言うと語弊がありますが、多くの方がそのことを大変気にしておられまして、自分たちはこういう薬の開発に関係しておるけれどもそれで調査会にいていいのかという御疑問がございまして、それは厚生省当局に伺いまして、それでも仕方がない、現状においてはやむを得ないからその自分の関係した薬については発言を控えてもらうというようなことで運営をしていこうということになって、それがいままでの調査会のやり方でございました。 それともう一つは、一つの薬の開発に当たって、全面的に関係しておるという方はおられません。基礎の方で言いますれば、ある動物の、ネズミに対して効いたという実験をしておる人、体の中でどういうふうに配分していくとどこのところにはたくさん行くとかいうような実験をしておる人、安全性の実験をした人、臨床に至りましては、耳鼻領域の先生は耳鼻科でお使いになり、内科の先生は内科でお使いになるということで、そういうものがたくさん集まってまいっておりますので、一人が関係したからそれでもういいことにしてしまうといったようなことは現実には起こっていないわけです。 ただ、いかにもいまのように自分の答案に自分で採点するかと言われますとまさにそのとおりでございますので、私は、何か改正をすべきであるというふうに感じております。
○小沢(和)委員 では次に、砂原先生にお尋ねをしたいと思うのです。 今度の結論というのは、有効性が確認できなかったということになっておるように思うのですけれども、前提になる資料そのものが不備であるというお話のようなんですね。だからこれについてそもそも十分な検討そのものができない。たとえば規格が確立をしていないとかあるいは臨床比較試験の症例が少ない、しかもその五つの地区でやったうちの三つまでは採用できないとか言ってこれを外したとか、そういうようなことを先ほどから伺ったわけですけれども、これだけ長期間かかって、しかも社会的にも大問題になったもののその申請の内容としては私奇異に感ずるぐらいに初歩的なミスというか、お粗末な話じゃないかという感じも持つのです。 この点で、本当に世間が納得するように、たとえば規格が確立していないというのはどういうようなことなのか、これだけ時間をかけて議論をしてきたのですから、その辺についてはすっきりしたものぐらい当然出てくるはずのものじゃないかと、私なんか素人として思うわけですが、その辺についてもう少し先生の御説明を伺いたいのです。
○砂原参考人 ごもっともな御質問だと思います。 一つは、私は薬一般のことをやっておりまして、がんのことを特にというのではありませんけれども、現在の審査の形は、企業なりから上がってきたものを審査するという形でございますね。ですから、日本は行政指導というのが好きな国ですから、こうしなさい、こうしなさいと薬務局でやっているのだと思うのですけれども、丸山ワクチンなんかに関係してみますと、もう少し、たとえば五十一年ごろに出てきたときに、ここをもっとということを二十何項目か指示されたらしいのですけれども、日本医大の方々もそれからゼリアの方々もこういうことに非常にふなれな方で、気ははやるけれどもきちっとしていないところがあるので、やるべきことをもっと早くできるような、それは余り協力するとどこの会社にだけ親切にしたのだということになって、実際言えばむずかしいのかもしれませんけれども、来たものはこれはだめだ、だめだと言うのじゃないようなのが親切だと思うのです。 それから第二の点についてでありますけれども、たとえば臨床試験の問題にいたしましても、東海地区の場合には、先ほどたびたび話に出ましたように、一方の群は封筒法違反があったことではないのです、封筒法違反が丸山ワクチンの群とそうでない群とに余り偏り過ぎている。つまり故意にやっている、故意というのは悪い故意ではありませんけれども、患者さんが希望するからということがあるのかもしれませんけれども、たとえば重い、このものは重いから、封筒法はこう出たけれども、ほかのものをやるとすれば、片一方に軽いのばかり集まって片一方は重い、そういうようなことがあるものですから、動物実験とは違って、動物実験というのは同じ腹から出た遺伝的な同じ性質のものを集めることができますけれども、人間の場合は患者さんのより好みもできませんし、かんなをかけてならすわけにいきませんし、一卵性双生児の片方に丸山ワクチン、ちょうどうまくと言うと怒られますけれども、お二人ともがんになってということはできないのですから、そういう個人個人のばらつきをならすわけにいきませんけれども、集団としてのばらつきをならして、中ではばらついているけれども集団としては比較が可能なものをつくるということですから、それがきちんとなっておりませんと、先ほどの何%有効だとか、危険率幾らだとか、有意差とかいうようなことよりも、そこがきちんといっておりませんと、偏りが初めからありましたら問題じゃございませんので、そういう点で十分いっていない。 しかし、先ほど申しましたように、仙台の場合なんかは比較的よくおやりになっている。仙台の場合なんかむしろ例数がもっとふえればもう少し——丸山ワクチンというのは、これははっきり申し上げておきたいのですけれども、いままでの資料では驚天動地のがんの薬だとはきわめて思いにくいと思います。 〔委員長退席、湯川委員長代理着席〕 丸山ワクチンだけが及第点が一般が六十点なのに七十点にするとか、世間が騒ぐから六十点に及第点を下げるとか、あるいはいままでのいきさつが少し気に入らぬから七十点にするというようなことはしないように、これは厳重に関係者がしなければならぬことだと思いますけれども、いままでのところお治りにならないということ、がんというものの研究のむずかしさというものもあるのでしょうけれども、残念ながら現在の資料では——ですから、調査会でも効かないとは一言も言っていないわけですけれども、出てきた材料だけではというので、必要な材料をやれば、それはまただめだということになるかもしれませんけれども、これでよろしいということになるかもしれないということだと思います。
○小沢(和)委員 時間が来たようですから、砂原先生にもう一言だけお尋ねをしたいのですが、先ほどからも何人かの方が問題にされたのですけれども、開業医の方などが実際に使った例がたくさん出ているわけですね。こういうようなことが、こういう審議をするに当たって今後、どういうような形でかにしろ、今度のように十何万人にも投与をしたということになったら、そのことが積み重なったらおのずからやはり一つの傾向なり、結論を示すような重みも持ってくるのじゃないかと思うのですね。今後そういうようなことが反映するようなルール化というか、そのことも考えないといけないのじゃないかということをさっきから考えているのですが、その点はいかがですか。これで終わります。
○砂原参考人 ごもっともなお話だと思います。 ただ、毎日の日常の診療の中で使っておりますと、たとえば、がんには自然治癒ということはそうございませんけれども、自然によくなったとかほかの薬を一緒に使ったとか、なかなか見分けがつかない。安全性、つまり薬害の方は、スモンだとかコラルジルみたいな、大きな災害を伴ってではありますけれども、そのうちに正体が暴露します。効き目の画期的な薬は別でございますけれども、ややいいかどうかというようなのは、群衆の中に紛れ込みますとなかなかすりを捕らえることができにくいというようなことだと思います。しかし、その中でも丸山ワクチンの場合なんかは画期的に効いたような経験をされている方も開業医の方であるわけですから、それには前提があって、がんであることの診断だとか、治ったということの判定がきちんとできていなければいけませんけれども、そういうイマジネーションをできるだけ豊富にわかせるということはやはり新しい、大学者というのは余り飛躍的なものは思い浮かばぬかもしれませんから、やはりそういうのを取り上げる必要があるかもしれない。 〔湯川委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、それは二段目で、ですからそういう旺盛なイマジネーションと、一方で批判的な仕掛け、臨床試験みたいな、それのバランスがとれませんと、イマジネーションだけで、世間があんなにたくさん使う、たくさん使うからかえってわからなくなっているようなことは幾らでもあるわけですから、それは両立しなければいけない。 ところが、たとえばイギリスあたりですと、開業医の方でも臨床試験にちゃんと参加していらっしゃるところがあるわけですね。ですから、そのときには普通の診療じゃなく臨床試験であって、決めたことはきちんと守らなければいけないんだということで、むしろ臨床家の方々も臨床試験に協力がいただけるようなそういうところへ来るのが理想じゃないかと私は考えております。
○小沢(和)委員 終わります。
○山下委員長 菅直人君。
○菅委員 大きく二つに分けて桜井参考人にお尋ねをしたいのですが、一つは調査会の問題、特別部会の前回の認定にかかわる問題について、それからもう一つは、先ほどから問題になっているいわゆるそのメンバーの構成が果たして妥当であるかどうかという問題に分けてお伺いしたいのです。 朝からの議論を聞いていますと、桜井座長は規格の問題をしきりに言われているのですけれども、少なくとも、七月十日の調査会が終わったときの記者会見のテープを私はいろいろな形で読ましてもらったり聞かしてもらいましたけれども、あの段階では規格の問題は何も言っておられないわけですね。調査会が終わってから急に規格のことを言われ出して、私自身は非常に不自然な感じがするわけです。そして朝からの一連の経緯を見ておりますと、まず桜井さんが最初に言われたのは、ネズミにおいてはかなり効果があったということを一つ言われております。それから臨床試験においても、愛知の問題は封筒法等々いろいろ問題はあったけれどもある程度の効果があったということも認められています。それから、東北のデータについてもある程度の効果があったということを認められておるわけですね。しかし、臨床的には有意義でなかったとかなんとかということで、先ほど八田先生が最後に聞かれておりましたけれども、なぜこれだけ効果がありながら、それをすべて最終的には判断としてネグってしまっているのか、ここがどうしてもわからないわけですね。このことについてお尋ねしたいと思います。
○桜井参考人 お答えを申し上げます。 まず第一は、動物実験においてある程度の効果があったということ、これは申し上げましたように数種のネズミのがんに効いたということは事実でございますが、しかしそれと臨床試験とを結びつけることはかなり問題点があるということを申し上げたわけです。 それから、次は臨床の問題でございますが、臨床については、あの場合にも規格にも問題があるということは申し上げましたが、実際の問題としては臨床の問題が一番の大きな問題なので、規格、毒性、そのようなことについては余り重点を置かないで、臨床の結果がどうだったかということを発表してほしいという要求がプレスからございましたので、そういうことを申し上げました。 それからもう一つは……(菅委員「愛知と東北です」と呼ぶ)愛知の例でも、先ほど申し上げましたように数学的に言いますと、全経過中、二点のところで有意になるような差があるということは報告に書いてございます。しかし、それをどういうふうに医学的に評価するかということは別問題であるというのが統計学者の見解でございまして、そこから先は調査会あるいは特別部会の臨床の先生方の判断にゆだねたわけでございます。
○菅委員 その判断の理由を聞いているのです。
○桜井参考人 その判断というのは、現在の医学の新治療で、たとえば外科の手術が二種類の手術術式がありまして、片方の手術と片方の手術のどちらがいいかといったときに、一体どのくらいの差があったら片方がいいと断定するかということは、これは現場の臨床家の判断にまつものであろうということでございます。
○菅委員 つまり、もう皆さんデータを持っておられると思いますけれども、東海地区のデータでも、先ほどから何度も桜井座長が、一時は差があったけれども、一時は差がなくなって、また差があったと言われますけれども、つまり最終的に十カ月なり十五カ月という長い期間を見ると、かなりはっきりした差が出ているわけですよ。差が一時クロスしているのは、大体五カ月から六カ月あたりのデータで一時接近しているだけで、特に延命率ですから、これは五カ月、六カ月で多少差が縮まっても、最終的に大きな差が出ているわけですね。 東北の例では、これも御存じのように、百五人の丸山ワクチンを併用した中から三名の方が現在生存しているわけですね。それを併用しなかった化学療法剤では百七名の中で全員が亡くなっておられるわけですね。 この明らかな差がありながらそれを全部ネグってしまっている。なぜなのか、何度聞いてもわからないのですね。同じ答えですか。
○桜井参考人 それは先ほどから申し上げましたように、そこのわずかの差というものをどう判断するかというのは、調査会並びに特別部会の臨床の先生の判断でございます。ですから私は、そういうところには学会としての判断があると思いますので、その判断がもし間違っておるということでございまして、これはその事実が公表されましたときに、日本の癌治療学会なり癌学会などからそれが指摘されるようなことでありますれば、私たちの重大な責任だと思っております。
○菅委員 まさに重大な責任だと思うのですね。 それから、特にこの中で申し上げなければいけないのは、先ほど小林委員の方からもありましたけれども、抗悪性腫瘍剤調査会が終わった後に東北大学の後藤教授の方から異議の申し入れがあって、それを皆さん方は一部採用をされて、特別部会ではその報告書を変えたのだということを言われているわけです。特に具体的に言えば、膵臓がんであると書いてあるものを、しかしこれは長く生きているから多分膵臓がんじゃないのだろうとさっきも言われましたね。それから病理のデータがなかったとか、それから膵臓がんというのは末期の場合はほぼ完全に生存できないと言われている、だから五百日も生きているのだからこれは違うだろうといって、それを外して抗悪性腫瘍剤調査会では判断をされたはずですね。そして、それを申し入れがあったものだから、それだったらわかりました、そういうことで特別部会にかけられているわけですね。 調査会というのは、がんのまさに専門家が集まっておられて、特別部会にはもちろん桜井さんを含めて何人かは出られたでしょうけれども、私が聞いているのは二人ですが、ほかの方は出ていないわけですね。そのまさに臨床の重要な、ある意味では事実関係の認定が違っていたことについて、どうして調査会で再度諮らないで、そのまま特別部会に持っていかれたのですか。こんなことができるのですか。
○桜井参考人 調査会の審査の段階ではそういうデータがありませんので、そこに調査会の資料に書いてございますとおりの判断をいたしました。しかし、特別部会に出ます段階で、調査会の審査が終わりました後で、そういうデータが入ってまいりましたので、これを特別部会に提出いたしました。そして、調査会の報告は特別部会において訂正をするということになっておりますので、それによって訂正をいたしました。
○菅委員 そんなことを座長御自身ができるわけですか。臨床医でもない座長が、そういう臨床的な結果を変えて特別部会に報告するというのは、調査会を開かないで一存でできるのですか。
○桜井参考人 私が一存でやったわけではございませんで、調査会のデータを特別部会に上げまして、特別部会の専門家たちがそれを審査するように後藤教授のお手紙の資料も提出いたしまして、そこで訂正が行われたわけです。私が訂正したわけではございません。
○菅委員 つまり、がんの専門家の臨床医の六名の方は、抗悪性腫瘍剤調査会におられるわけでしょう。特別部会にがん専門の六名の臨床医はおられないわけでしょう。それなのに、なぜ調査会をすっ飛ばして、そういう非常に重要な指摘がありながら、それをすっ飛ばして特別部会に報告したか、それで済むのですか。
○桜井参考人 それは特別部会には特別部会でがんの専門家がおられます。私たち調査会から一人臨床の先生が出席されておりますが、特別部会には特別部会でがんの専門の先生がおられます。 それから、ただいまのように後藤教授のお話は調査会が済んだ後から来た資料でありますけれども、これはすでにがんの転移が肝臓に及んでおり、それから組織診が行われたということになれば、これはそのとおりに、どなたも疑うことではないと思います。
○菅委員 これは特別部会を二十八日に強行されたわけですけれども、私はもう一回調査会に戻して、まさに膵臓がんを膵臓の慢性炎症だろうということで扱われたことを、もう一回ちゃんとそうだということを前提として審議をされることを強く望みたいと思うのです。 こればかりだともう一つ問題ですので、もう一つの点をお尋ねしたいと思うのです。 先ほどから一人二役といいますか、そういった問題が出たときに、桜井さんは、全面的に関係している人はいないとかいろいろなことを言われていますが、先ほど草川委員からも御質問がありましたけれども、私はここに桜井さんが出された、昭和四十二年に公告になった特許の公報を持っているのですが、たしかこれはいま発売されている吉富製薬のプロテクトンの基本特許だというふうに伺っています。つまり桜井さんは、自分がみずから持った特許を吉富製薬とともに開発をされて、さらに製品化されて、そして認可のときにはやはり座長をされていた。それから、先ほどの質問にもありましたけれども、その吉富製薬の顧問もされていると製薬会社からも聞いています。これは事実ですか。
○桜井参考人 全く事実でございます。
○菅委員 いいですか、これは午後の問題にもなるわけですけれども、私、昨日からずっと厚生省にもいろいろな話をしているのですが、会社の顧問をされて、また基本特許を自分が持って、先ほど言われたように、自分の研究室がこれを開発したと御自身はおっしゃって、まさに全面的じゃないですか。全面的にかかわって、これを自分のときに座長として認可をされた。 さつきクレスチンの場合は動物実験でたくさんある中の一部だとおっしゃったけれども、基本特許さえ持って、これがごく一部なんですか、そういう認定なんですか。
○桜井参考人 先ほど申し上げましたように、それは申請書になります前には毒性試験とか臨床試験が必要でありますが、臨床試験というのは私たちのところでやったものではございませんから、そういう意味で一部だと申し上げました。
○菅委員 それはまさに逃げでして、そういう点で私は今回の問題で、一つは先ほどの東北のデータに対して、非常に重要な臨床的な事実関係の認定が間違っていたにもかかわらず、調査会をすっ飛ばして特別部会にそれを報告すれば済むといったようなやり方が一つ。 それからさらには、調査会そのものの構成の中で、まさに桜井参考人御自身が果たして適正であったのか。いわゆるこういうものをそういう形でやっておられて、それでいながら座長を現状において続けておられる。もちろんこれは厚生大臣の任命ですから、厚生大臣なり厚生省の責任もあるわけですけれども、私はこれは国民の目から見て非常に不適当じゃないかと思うのですが、最後に桜井さん御自身、このプロテクトン問題も含めてどう思われますか、適任なんですか。
○桜井参考人 私は、先ほどから何度も申し上げているとおりに、そういうことでいままで不公平が起こりませんように、そういうことの発言については控えていくというような内規で済んでまいりましたけれども、ただいまそういう御指摘がありまして、そういうことは信用できぬということでありますれば、私は不適任だと存じます。
○菅委員 もうこれで終わりたいと思いますけれども、個人的には失礼に当たる点もあったかと思いますが、少なくとも調査会の責任者としての半ば公的な立場もあるわけですから、さらにそれを監督している責任については午後の審議にまつと思いますけれども、そういうことを含めて、先ほど山下現委員長も言われましたけれども、がんについてまさに決定的な薬がまだ見つかっていない。さらに、丸山ワクチンについてはほぼ副作用は全くないと言われている。そして、効果についてもいろいろな見方はあるけれども、ある程度の効果はあるのじゃないかというデータが現実にたくさん出ている。そういうものをまさに採用されて、せんだっての薬事法で改正されたように、六年後の見直しのときに厳密にやられればいいのじゃないか。先ほどから砂原先生も言われておりましたけれども、確かにいろいろな不幸な経過はあったかもしれないけれども、ここでその不幸な経過を不幸な形で終わらせないでまさに国民にとって幸いな形にするには、そういった形で一たん、ある程度の効果があるわけですから、認めるべきものは認めた上で、そして六年後の再審査を、法律をわざわざ変えたわけですから、そういう形でやられればいいのじゃないか。最後に申し添えて、私の質問を終わりたいと思います。
○山下委員長 これにて参考人に対する質疑は終わりました。 参考人各位には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。(拍手) —————————————
○山下委員長 森井忠良君。
○森井委員 せっかくの参考人の先生方の御意見を聞かせていただきましたけれども、何せ時間が足りませんでした。まだまだ、お聞きしたいこと、解明をしたいことも山ほどあるような感じがいたします。 つきましては、本問題に関します委員会の調査は、本日は時間的な制約がございますのでやむを得ませんが、後日改めて開催をしていただきますように、委員長にお願いをいたします。
○山下委員長 後刻、理事会を開きまして、決定いたしたいと存じます。 午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時四十二分休憩 ————◇————— 午後二時九分開議
○今井委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 丸山ワクチン問題について質疑を続行いたします。八田貞義君。
○八田委員 厚生大臣にお伺いいたしたいと思いますが、現段階においては有効性が確認されなかったとの調査会特別部会の見解でありますが、参考人の答弁にもありますように、専門的に見れば、丸山ワクチンは今後の研究により医薬品としての可能性を有するものであると考えられます。また、現在三万人の患者に使用されております。これらの点を考慮すれば、厚生大臣は丸山ワクチンの今後をどうするお考えか、お伺いいたしたいのであります。
○村山国務大臣 お答え申し上げます。 まず厚生省の姿勢といたしましては、がんにつきましてはまだ原因もわからず、あらゆる手術から制がん、放射線、それから免疫剤を通じましてまだ未発達の段階で、まことに遺憾に思っておるわけでございまして、一日も早くこれらの薬あるいは医療が発達することを望んでおるわけでございますので、新薬の申請が出た場合に一つでも多くこの試験をパスしてもらうように、これがやはり医学の進歩、薬学の進歩に非常に役立つ、できるだけ多く承認されるものが出ることを望んでおるのでございます。これはまず基本姿勢でございます。 しかし、新薬の承認は厚生大臣の行政処分にかかっておるわけではございますけれども、先生御案内のように、有効性が認められないときは与えない、あるいは有効性に比べて副作用があるときには与えない、こういうことでございまして、厚生大臣はいわば自由裁量を余り持たない規定になっているわけでございます。したがいまして、厚生省といたしましては、いま考えられる最高の機関と思われます薬事審議会の審査の決定を尊重しなければならぬ、そういうふうに考えております。 しかし同時に、最後の行政処分は厚生大臣にあるわけでございます。したがいまして、現在丸山ワクチンの服用者はたくさんおられる、患者の方もたくさんおられるし家族の方も非常に、心配しておられる、そういうことを考えますと、この審議会でどういう結論が出るか、まだ先の問題でございますけれども、仮にこの段階では承認できないというような答えが出た場合でも、少なくとも現在の患者の方々が手に入りやすいような措置、これだけは講ずる必要があろう、こう考えているわけでございまして、いまそういうことを一方において考えながらこの問題に対処してまいりたい、こう思っておるところでございます。
○八田委員 そうすると、いま厚生大臣は、現在の三万人の使用を考えて、何とか供給に骨を折るという考えで持っていきたい、こういうお考えのようにお聞きしましたが、そのように承知してよろしゅうございますか。
○村山国務大臣 先ほど申しましたようなことから、薬事審議会の結論に反するわけにはいかぬと思いますけれども、しかし行政処分でございますから、その与えられた裁量の範囲内で、いまの患者の方々が手に入るように全力を挙げたい、私はかように思っておるわけでございます。
○八田委員 どうか厚生大臣、実際に現在使用されている三万人の人は、もしも不認可になれば製造中止になりますから、そうすると一体どうするのだ。自分らの命の綱が切られてしまう。太い綱なんですね、こういった末期がんの患者の人々にとっては。ですから、いまの厚生大臣の御答弁を、ぜひとも行政的にお考えいただきまして、患者の不安をなくすようにお骨折り願いたいと思います。 終わります。
○今井委員長代理 山下徳夫君。
○山下(徳)委員 薬務局長にお尋ねいたしますが、現段階における丸山ワクチンは治験薬ですか、治療薬ですか。
○山崎説明員 二つの面を持っていると存じます。 治験、つまりたとえば東北大学でやりました試験で使われましたものは治験薬でございますし、いわゆる千駄木にございます日本医科大学の研究施設において投ぜられておりますものは研究用薬、こういうふうに考えております。
○山下(徳)委員 治療薬としては全く現段階においては考えられないのですか。
○山崎説明員 治療薬ということがいわゆる正式の承認された医薬品という意味であるならば、それはまだぐあいが悪いわけでございます。 治験薬といいますものは、実験データを集めるために使われる薬を治験薬と呼んでおりますし、研究用薬は、お医者様自身が御自分の医療の研究のためにお使いになる薬を、いわば研究用薬と呼んでおるわけでございます。
○山下(徳)委員 丸山ワクチンは、当初日本医大における一つの治験薬として申請を出されている、これは私も承知いたしております。 ところが、本来治験薬というものは、一定の病院、一定の医療機関と申しましょうか、そして一定の期間を限って特定の医師または患者に供与されるものが治験薬だと私は理解をいたしております。 それなのに、今日までもう十何年ですか、にわたって、ほとんどだれでも手に入れられ、どこでも利用できる、しかも十数万人が使っている。これでも治療薬ではないのでしょうか。だれでもいま利用している。
○山崎説明員 そういう社会実態があることを否定したり無視したりするものではありませんけれども、いわゆる厚生大臣の承認を受けました治療薬ではない、いわゆる医薬品ではない、こういう意味で申し上げたわけでございます。
○山下(徳)委員 ちょっとくどいようですが、厚生大臣の云々ということでございますが、私は一つのカテゴリーとしてどちらに入るかということを、そういう理屈は抜きにして、現段階において——じゃ、もう一つお尋ねしましょうか。 先ほど大臣の御答弁でも、最終的に来月の七日に開かれる何委員会ですか、常任部会ですか、そこで仮に否定的な結論が出ても患者に対する供給は絶やさないようにしたいというお話であります。本来治験薬ならば、その時点においてもうストップさせるべきなんです。しかしそれにもかかわらず、重ねて大臣は、やはり供給は絶やさないとおっしゃる。いいですか。私は、治験薬というものは、そういうふうに審議会がこれは効かないと言った場合には、もうその時点においてアウトだと思うのでございますけれども、にもかかわらず、繰り返し申し上げますが、それでも使わせるということである。あなたのおっしゃるように云々じゃないのだ。いわゆるそのカテゴリーとして、そこまでいってもやはりまだ治療薬ではないのかということを再度お尋ねいたします。
○山崎説明員 社会実態としての、そういう薬として使われている側面と、ただそれは現行法の上で医薬品でないという、そういう意味での側面を私は申し上げたつもりでございます。
○山下(徳)委員 非常に何かこだわられるようでございますが、それではいままでの経過をたどってみましょうか。 先ほど申し上げた、日本医大から申請されてから、昭和五十二年の春ごろになって厚生省は、投与の広がりを見ながら困ったなという態度であった。私はそう伺っております。違うなら違うで結構ですよ。そして五十四年になって厚生省は、これを治験薬とみなして供給行為を続けることはちょっとまずいよということでメーカーに注意を喚起されたと私は聞いているのであります。私は、これは厚生省の措置としては行政当局として当然だとこのことを受け取っているのです。 いいですか、もう一回言いますよ。そのときに、こう広がってきてはちょっと治験薬とは言えないなということで、供給行為はこれはまずいよということを言われたというのでありますね。それはそうでしょう。さっき申し上げたように治験薬は一定の期間、一定の医療機関において特定の医師、患者に供与さるべきものだと思うものですから、厚生省がこういう挙に出られたことは当然と私は思うのです。したがって、いま申し上げましたようにその後、五十四年の十二月にメーカーの代表と薬務局長の間で、この問題は法律のみで中止すべきではない——これは温情ある判断かもしれません。しかし、あらゆる面を考慮して、むしろ行政的判断に基づいて継続せざるを得ないという相互理解に達した、このように聞いているのですよ。 だから、こういった一つの歴史的過程を振り返ってみても、勧告されたのは当然だと思うのだ。ここまで広がって、十何万人使って、治験薬ではないよということをおっしゃっている。それでもあなたはあくまで治療薬ということはおっしゃらないわけですか。では何ですか。治験薬とは言えないと言いながら治療薬でもないなら、何ですか。
○山崎説明員 冒頭申し上げましたが、治験薬と研究用薬の二つがあると申しました。治験薬という概念は、実際にそれが治療のために使われているかどうかは別にいたしまして、医薬品として承認を受けたものではない、こういうことを申し上げただけでございまして、したがいまして、いまの丸山研究室で使われているものを治験薬であるのか研究用薬であるのかと見るならば、むしろ研究用の薬ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○山下(徳)委員 丸山研究室云々というお話でございますけれども、たとえば癌研においてもがんセンターにおいても使っちゃいけないというたてまえになっているけれども、ここに行っている人たちが陰でたくさん丸山ワクチンを利用しているという事実がある。これは日本医大にリストがありますから、比べてみればすぐわかります。行政当局ならすぐわかる。そこまで広がりを見せておるのにもかかわらず、やはりそういう御回答しかないのでしょうか。この点一言だけ、繰り返すのも大変ですから、大臣、いまのような歴史的過程を振り返ってみて、治験薬とはこのようなものだという一般社会常識にもかかわらずあくまでそういう局長の答弁でございますが、大臣いかがでしょうか。これは理屈は抜き、現状はどうなんでしょう。
○村山国務大臣 私の理解しているところを申し上げますと、やはり試験薬といい治験薬といい、これは薬事法上の承認を正式に受けたものではない。しかし、医者がどの薬を使うかということは全くその診療所の良心に従って、その責任において使うわけでございます。したがって、まだ承認を受けていないものにつきましても、それは使うことは当然あり得ることだと思うのです。言葉の問題だ、あるいは法律上の概念の問題だと思っているわけでございます。
○山下(徳)委員 では別の立場から御質問申し上げますが、それでは治験薬というのは一体何でしょうか。今後、七日の日に常任部会でアウトと仮に出ても製造は絶やさないという、これは好意でしょう、親心でしょう。私はそれは認めるのです。 そういうふうにだんだん広がっていって、現在十八万ですかの者が使っているが、これが五十万になっても百万になってもやはり治験薬でしょうか。これは薬務局長で結構。
○山崎説明員 量的な規模とかそういうものがおのずから社会的な一つの実態を形成するということはよくあることだと思います。ですから、そういう実態に着目して考えた場合に、先生がそういう治験薬の枠をはみ出しているのじゃないかというような御趣旨の御質問であるならば、確かにそういう社会実態と法律上の定義といいますか、そういう点は相当な乖離があると思います。 しかしながら、どこまでが一体そう言い切れるのか。これは何人もなかなか言い切れない問題だと思います。いま先生冒頭お尋ねのように治験薬というものは何かということを言えば、法律的に言って申しわけないのですけれども、要するに医薬品承認のための申請データを集めるためにある医療機関にその薬を投与してもらってそのデータを集める、そのために利用されるものが治験薬でございます。
○山下(徳)委員 局長、ああ言えばこう言うということで、それで逃げ切れればいいのですよ。今後新しい薬も次々と開発されてくる、その場合にあなたのような御趣旨で行けますか。五十万、百万となったときはその時点で考えるがと言うが、すでに二十万近くになっているが、二十万ではだめだよとおっしゃるなら三十万はどうですか。四十万はどうですか。
○山崎説明員 ですから、先ほどの繰り返しになるわけでございますけれども、いわゆる治験薬のためには正式な意味で治験届けというものが出てまいります。ですから、丸山研究室系統で仮に治験届けというものが出てくればそれは治験薬になるわけでございまして、そうでない限りは、先ほど大臣御答弁のとおりお医者様の自由な診療行為の内容としましての研究用のお薬だ、こういうふうに観念しております。
○山下(徳)委員 最後に、この問題についてはもう一言にとどめますが、もしも同じようなものが今後開発された場合に、これだけ広がっても治験薬でいいよということであなた方取り締り官庁として行けますか。いいですか、今後そういうものが出て五十万百万広がっても、あるいは二十万、三十万広がっても治験薬でいいよ、治療薬でないよということで指導官庁として行けますか。
○山崎説明員 そういう意味ではこの丸山ワクチンは全く異例の広がりを見せているものだと理解しておりまして、今後ああいう規模にあのように拡大する薬はちょっと予想できないのでございます。
○山下(徳)委員 この問題はもう時間がございませんから……。そういう回答しか返ってこないということは大変どうも残念です。 それでお尋ねしますが、ピシバニールとクレスチンは現在化学療法剤として使用されていますか、あるいは免疫療法剤としてか、主としていずれでしょう。
○山崎説明員 クレスチンとピシバニールは、当初承認した段階とは非常に学問の進歩もございまして……(山下(徳)委員「時間がないから現段階でいいです」と呼ぶ)現段階では免疫療法剤というような考え方で使われているのではないかと思います。
○山下(徳)委員 おっしゃるとおり五十三年あるいはもっと前の五十年ですか五十一年ですか、そういう時点においては免疫療法剤というような扱い方はなかったと思うのですから、それは私もよく理解をいたします。そういうことで丸山ワクチンに対しても申請の当時同じだったと思うのですが、同じ扱いしかできなかったということもわかります。 そこで丸山ワクチンについては、俗に言う抗がん剤ですか、これは学問的な言葉ではないかもしれませんが、どうも有効性が確認できない、それではということで初めて免疫療法剤というものがここで考案されたと言いましょうか一つのハードルができて、これをクリアしなさい、これはある面においては厚生省の最大の好意だと思うのです。何とかしてがん患者のために救いがあればということで新しいハードルをつくって、これをクリアすればクレスチン、ピシバニールと同じような条件のものはクリアできなくてもいいよ、こういうふうに好意的におやりになったと私は理解しますが、いかがでしょうか。
○山崎説明員 好意的といいますかどうですか、とにかくあの時点、第一次、第二次の審査におきましては、クレスチン、ピシバニールと同様の目で単独療法、併用療法という一般臨床試験の結果を見たところどうもぐあいが悪かった。それならばその比較臨床試験というような形でやってみたらあるいは何かいい芽が出るのじゃないか、こういうことでやったことは事実でございます。
○山下(徳)委員 その措置は丸ワクについての特例でございましょうか。
○山崎説明員 丸ワクについての特例といいますか、要するに丸山ワクチンの何らかの有効性がどこかの場面であらわれるようなそういうものの一つの可能性として追求した、こういうふうに理解しております。
○山下(徳)委員 そうであれば、今後申請されるそういった制がん剤について、どちらを基準として審査されますか。いまのは特例に近い御答弁ですね。これで何とかならないかという特例に近いような御答弁ですが、今後新しく出るものについては、ピシニバールあるいはクレスチンが当初受けたと同じような取り扱いで、あるいは丸ワクもそうでございましょうが、おやりになるのでしょうか、特例ならば。
○山崎説明員 いまのところの考えでは同じような扱いでやっていくということが筋だろう、このように考えております。
○山下(徳)委員 そうすると、あくまでこれは丸ワクに対する特例であって、今後はいわゆる免疫療法剤というと再びお蔵に入ってしまうわけですね。もう丸ワク以後はこれをおやりにならない、あるいは昔はそういう制度はなかった、比較的新しい検定法と申しましょうか、しかし制度ができた以上は今後これも全部やるのだよということですか。そこのところをちょっとはっきりしてください。
○山崎説明員 要するに、単独療法で効いているということであれば、その単独療法を見る基準というのは癌学会の基準とかそういうもので見る、こういう意味でございます。
○山下(徳)委員 それで、ピシバニール、クレスチンは単独療法で見た。ところが事志と違って、現在はこれが免疫療法剤として使われているということをさっき御答弁でお認めになった。免疫療法剤として当時の認可の基準と違った方向で現在通用されているのはあなたも認めたし、学会の実際の臨床においても、これはだれでもが認めている。 それじゃどうでしょう。これはクリアさせなくていいのでしょうか。免疫療法剤としてもう一回クリアさせる必要はないのですか。
○山崎説明員 基本的には、いわゆる単独療法で基準をパスしておりますので、それにつけ加えて別の基準を持ってくるという考えはいまはございません。
○山下(徳)委員 ちょっといまのは理解しかねます。私はもう一回申し上げますが、単独療法ですか、それによって最初基準をクリアしているのです。しかし、あなたはさっき、これは免疫療法剤として使われていると明らかにお認めになったのですよ。そうすると、いま丸ワクが受けているのは免疫療法剤としての延命効果でしょう。ですから、免疫療法剤としてクレスチン、ピシバニールが使われているというのは、やはり延命効果を期待して使われておる、これは常識なんです。そこのところを聞いているのですよ。それであれば、延命効果についてもう一回おまえの方もテストするよということを言わなくていいのかということを聞いているのです。
○山崎説明員 免疫療法剤として使われているからという使われ方の問題、これはいわば学問的な観念の仕方といいますか、実際にそれが免疫療法的な効果を発揮しているという側面をとらえたものだと思うのでございます。ところが、クレスチン、ピシバニールはすでに従来の基準でパスしておりますので、それはそれなりに動かすことのできないものだ、かように考えておるわけでございます。
○山下(徳)委員 ちょっと私は解しかねますが、たとえば整腸剤というのが許可されて、下痢どめのものを、むしろ秘結剤に使ったらよかったからというのでそれをどんどん使ってもいいのですか。それはもう認めるのですか。ある意味においてはそれは有効性がない、再評価の場合はひっかかると私は思うのですよ。
○山崎説明員 薬には一般的に効能効果がありますので、たとえばがんについて言えば、どういうがんに効くというような適応症が掲げられておるわけでございますから、それにのっとって使用するのがお医者さんの準則、こういうことになっておるわけでございます。
○山下(徳)委員 そうでない使われ方をしているとあなたは認めているでしょう。
○山崎説明員 それは、免疫療法剤とか化学療法剤とかいうその薬の性質をあらわすものと次元の違う区分の仕方だと思います。
○山下(徳)委員 では、クレスチン、ピシパニールは、免疫療法剤として一般的に使われる、それが最近の一般的な使い方だとわかっても、今後は免疫療法剤としてのいわゆる延命効果というのは、再評価の立場からやらなくていいですね。もうおやりになりませんね。はっきり、それでもいいのでしょう。
○山崎説明員 そういう判断になりますと、また別のこういう判断があるわけでございます。と申しますのは、効果判定の基準というのは、学問、がん治療の進歩というものに応じて変遷がございます。そういう意味で、すでに承認されている免疫療法剤につきましても、仮に学問レベルの水準に照らして見直すべきであるという御意見であるとするならば、そういうものにつきまして今後の推移を見て検討していくべきものだ、このように考えております。
○山下(徳)委員 これは午前の参考人の部でただすべきだったのですが、時間がございませんので、御意見として承っておきます。 わが国における年間のがんによる死亡者は約十六万人ですか、この数字はこれでいいのですか、これは私のメモでございますけれども。仮に東北大の実験によって三%としてみた場合でも、いわゆる三%ということは、十六万人に対して四千八百人に該当するわけであります。毎年毎年、丸ワクを認めることによって四千八百人の命が救われるとするならば、ただ単にパーセントにこだわるべきではないと私は思うのです。これはおかしな例かもしれませんが、いまの宝くじを見てごらんなさい。三千万円の当たりくじというのは百万枚に一枚ですよ。これをパーセントに直しますと〇・〇〇〇一%、しかも銭金だけの問題、それに人が群がっている。一方は三%、しかも人命の問題でありますが、このことについて、やはりこういうがんについてはかぜ引きの薬と違った一つの行政的な立場から基準を考えてもいいというお考えがあるかどうか。
○山崎説明員 がんについてはなかなか特効薬がないという現状もございますし、そういうことでがんの薬についての基準も、学問レベルの進歩もございますけれども、いろいろと考え直していかなければならない、そういう問題は確かにございます。先生がおっしゃるように仮に三%であったとすればそういうことになる、そういうことはそれなりに理解できるわけでございますけれども、それにしてもがんの薬についての一つの判定基準というものがございますので、それに従って承認が行われているということでございます。
○山下(徳)委員 時間でございますからこれ一問で終わりますが、昭和三十八年の閣議の了解事項として、この種の審議会の委員の任期は四期八年ということに了解されている。しかるに桜井さんは、さっき何か五十二年からどうとかと言っておられましたけれども、通算すると、これは十八年に及んでいるのです。しかも、閣議の了解事項のところで例外というものが確かにあったと思うのです。閣議として、特に例外として云々とあるのですが、これは全く余人をもってかえがたいようなごく特別なものであると私は解釈している。そうでなければ、閣議で何も決める必要はないと思うのです。 そこで、桜井さんは全く貴重で、余人をもってかえがたいということで十八年もおやりになっているが、ここを通らなければ全部製薬の認可は取れない。認可の前提ですからね。だから、十八年も、すべて座長であったとは思いませんけれども、二十年近くこういうところにいるということはいかがなものであるか。先ほど桜井さん御自身が、不適格であったかもしれないとおっしゃったのです。厚生省に、まあまあいいからと言われたからいたのだと、さっき答弁がありましたね。ここのところはどうでしょう。
○山崎説明員 確かに、一審議会の運営の問題あるいは委員の余りに長期にわたる問題についていろいろな御批判があることは十分承知しております。そういう意味で閣議決定、これは一応ルール違反ではないのでございますけれども、それにしても実質が余りに長過ぎるではないかという御批判もございますので、それらの点を含めまして早急な是正措置なり何なりを積極的に考えていきたい、こういうふうに思っております。
○山下(徳)委員 簡単ですからもう一言付言。 桜井さんはさっきみずから不適格とおっしゃった。そしてあなたも、今後はやはり改めるべきだという気持ちがおありのようであります。今後はそれで結構でしょうけれども、瑕疵ある座長によって決められたことは、もう一回もとに戻さなければならぬ。不適格であったということを桜井さんが認めた以上は、もう一回原点に立ち返って、瑕疵のない委員によって再審査されるべきであると思うのでございますが、大臣、これはいかがでしょう。これで終わります。
○村山国務大臣 委員の構成につきましては、私はいろいろ考えるべき節があるであろうと思います。という意味は、疑いを持たれるとかあるいは新しい知識を入れるとかそういった観点でございまして、先ほどから四人の参考人の意見を聞かしていただきまして、それぞれ専門の立場でりっぱなことをおっしゃったと私は考えているわけでございます。したがいまして、仮にの話でございますけれども、委員の交代をしたからといっていままでのものが無効であるとかあるいは不公正であるというふうには私は考えておりません。
○今井委員長代理 次に、森井忠良君。
○森井委員 村山厚生大臣は、過ぐる通常国会の途中で園田前大臣とおかわりになりました。私どもといたしましては、早速大臣の所信をお聞きする一般質問の委員会を開こうといたしましたけれども、やや無理があるということでございまして、また、いきなり就任直後にお聞きするのも失礼かと存じまして遠慮させていただきました。こういうふうに委員会で大臣に御質問をいたしますのは事実上初めてでございます。きょうはすでに御存じのように丸山ワクチンの問題を中心にお伺いをするわけでございますが、いまの答弁をお聞きいたしましても、私どもといたしまして大臣とのおつき合いを少し変えていかなければならぬかなという感じもいたしますものですから、思いつくままに一つ二つ、直接丸山ワクチンとの関係はないかもしれませんが、大事な大臣の所信をこの際お聞きするという意味でちょっとだけ質問させてもらいたいと思うのです。 一つは、きのう厚生大臣は総理と会談をなさいました。そして総理からいわゆる行政改革についてかなり強い要請をお受けになったように、新聞では報道いたしておるわけでございます。具体的には、予想されます臨時国会におきまして特に厚生年金の国庫負担割合の削減をぜひひとつ提出しろ、こういうことでございました。しかし、実際は厚生省はまだたくさん問題があるわけでございまして、それ以外にも、たとえて言いますと、児童手当の問題あるいは社会保険事務費の保険料肩がわりの問題等々、私どもが記憶をしておりますものだけでもかなりあるわけでございます。 大臣は、総理の要請どおりお聞きになるおつもりですか、まず所信のほどを承っておきたいと思うのです。
○村山国務大臣 率直に申し上げますと、きのうは総理といろいろ話しまして、厚生省として臨調を受けてどういう考えを持っているかということで各項目についてわれわれの現在の考えを申し上げました。 総理がその中で特に言われましたことは、今度の臨時国会に行革がらみのもので臨時暫定的なもの、これをできるだけ多くまとめて通しておきたい、ついては厚生年金の国庫負担の削減、これは目玉商品だから臨時措置としてぜひ入れたらどうか、こういうお話でございました。私はまた別の見地から、むしろ通常国会の方が適当ではないですかという幾つかの理由を挙げて申し上げたのでございますが、総理はやはり臨時国会の目玉商品だから何とか入れるように努力してくれということできのうの二人の間の会見は終わったわけでございます。今後詰めてまいりたいと思っております。しかし最終的には、もちろんわれわれは来年度のいわゆるゼロシーリングに対して協力する立場にありますものでございますから、できるだけ総理の指示に従って努力してみたいと思いますけれども、きのうは厚生省の考えを述べ、総理はそれに対して強い希望を示された、こういう段階でございます。
○森井委員 そうしますと、最終的には総理の指示に従うということですか。
○村山国務大臣 それは最終的にどうしてもやるということになりますれば、これは従います。
○森井委員 それでいいんですかね。大臣御存じのように、臨時国会では、継続案件になっております老人保健法案がございます。それに厚生年金の国庫負担割合の削減ということは、具体的には年金受給者のみならず年金を掛けておる現役の労働者にも全部響いてくる大きな問題でございます。したがって、私はある意味で厚生大臣の職責をかけてでも、いま申し上げましたように老人保健法案と一緒にこの問題を審議するというふうなことは、これはきわめて重大だと思っておるわけでございます。しかしそれにいたしましても、そういった配慮なしに総理の指示に最終的にお従いになりますか、そこのところをお伺いをしたいわけでございます。
○村山国務大臣 省略いたしましたけれども、私の方の考えを種々述べたわけでございます。 それから、いま委員からおっしゃいました年金の掛金者に対して迷惑をかけるというようなことは考えていないのでございます。
○森井委員 国庫負担が減るということは、結果として年金の加入者に影響が出ると思うのですね。したがって、私どもといたしましてはこれはきわめて重大な問題だと受け取っているわけでございます。先ほど申し上げましたように、老人保健法案でもこれは大変な問題ですね。そういうものとあわせて最終的に総理の指示に従うということは、とりもなおさずいまも申し上げましたように臨時国会にかけるということになるわけですから、影響は出てまいりましょう。
○村山国務大臣 率直に申しますと、私自身が、恐らくいまの考えでございますといまの臨時措置というものは、どういう形になるかわかりませんが事によると一本の法律で特別委員会にかかるのじゃないかと思います。老人保健法案は何といっても社労の方でお願いしなくちゃならぬ、これは大変な大きな問題でございます。これは私がきりきり舞いをするということは覚悟せざるを得ない、こう思っておるわけでございます。しかし、さっき森井委員がおっしゃいましたような、それが年金の掛金者に最終的に負担になるというような内容は考えていないところでございます。
○森井委員 これ以上の議論は、きょうは時間がありませんからいたしかねるのですけれども、これは年金局長いますか。——私の意見だけ申し上げておきますが、国庫負担が減れば当然年金の加入者に影響が出るものと私は思います。したがって、この点十分慎重に対処していただきたいと思っております。 特に、もう一点、だけですけれども、七千億以上の削減をおやりになるわけでしょう、それしか方法がないのですか。 たとえば、わが社会労働委員会でしばしば問題になってきておりましたことの一つに、医療費の支払い方式あるいは医療費のむだの排除という問題がございます。出来高払い点数制で、どんなに濃厚診療をしても、どんなに数多い検査をしても、支払基金へ請求すれば無条件で金がおりてくるという仕組みになっていますね。薬価の問題にいたしましても、これは欧米先進国並みの総医療費に占める薬代ということになれば、いまの半分近くにはなるはずです。七千億どころか一兆円でも一兆五千億でもやろうとすればできるわけです。しばしば指摘しておりますものについてはそれは触れないで、いきなり厚生年金でありますとか、あるいはきょう時間がありませんから申し上げませんけれども国民健康保険の一部地方肩がわりだとか、そういったことをおやりになるのは少し短絡的だとお思いになりませんか。政治家としてこの点一言だけお伺いしておきたいと思います。
○村山国務大臣 医療費の適正化につきましてはわれわれは最大の関心を持っておるところでございます。そういう意味で、その手段、方法はいま申し上げませんけれども、最大の関心を持っておりますし、現に来年度のゼロシーリングにおきましてもかなりの金額を見積もっておるところでございます。
○森井委員 大臣のお気持ちは私には理解できませんが、お気持ちのほどは察しがつきますのでこれくらいにしまして、次に、先ほど申し上げましたとおりあなたの前任は園田厚生大臣でございました。そして、当然のことでありますが通常国会でかなりな部分おつき合いをしていただきましたからいろいろ議論がございまして、その当時の園田厚生大臣の発言が数々ございます。こういったものにつきましては、当然のことでございますが厚生大臣として御発言になっていらっしゃいますので、したがって、村山厚生大臣も園田大臣の答弁につきましては、議事録で明確になっておる限りそれを継承なさるものと理解をいたしますが、この点はいかがでしょう。
○村山国務大臣 私も予算委員会のメンバーでございまして、園田大臣の発言はよく聞いておりました。そういう意味で、やはり公正ということが一番大事だということを私はよく考えました。したがいまして、いままでにないことでございますけれども、この薬事審議会における審議の経過並びに結果についてはすべて公表する、そして専門家の領域あるいは関心を持っておられる各方面の批判を仰ぐことが結局この問題を公正に取り扱い、ひいては薬学の進歩につながる道だ、こう思ってやっておるところでございます。
○森井委員 抽象的にお伺いいたしましたところ具体的に答弁をしていただきましてどうもありがとうございました。 そこで、園田厚生大臣は、いま大臣がおっしゃった点もございます、このデータの公表、クレスチンもピシバニールも、そして今度の丸山ワクチンも三つとも公表なさるのじゃないかというふうに私ども考えておりました。いまの大臣の御答弁はそういうふうに解していいかということが一つ。 それから問題は、公表すると言いましても忘れたころに公表されたのじゃ、それこそ私ども頭が悪うございますから、これは拍子にも合いません。したがって、いつ公表なさるのか、この点についてもどうでしょう。
○村山国務大臣 私が公表と申し上げているのは、調査会が済みましてから、調査会長がいままでの審議の経過、それから結果についてプレスを初めといたしまして、これも厚生省に入っているプレスだけでございませんで、広くプレスを通じまして、その他のマスメディアを通じまして説明をしているわけでございます。それが早くも各方面に反響を呼んでいるわけでございます。特別部会における吉利委員長が公表したのもそういうことなのでございます。 そういう意味で、いわばガラス張りの中でこの審議を進め、その結論もまたガラス張りの中で得たい、これが公表という意味でございます。
○森井委員 けさほどの参考人からの意見聴取でも大臣お気づきになりましたように、不満の一つはピシバニールやグレスチンと比べて丸山ワクチンがまま子扱いになっているではないか。逆に言えば厳しい審査が丸山ワクチンには課せられているではないか、こういうことだったわけです。 そこで、先ほど吉利特別部会長の話が出ましたけれども、あれで発表なさった程度ではこれはもう具体的なデータの公表と言えないと私は思うわけでございます。したがって、細かく出てまいりましたデータの公表と、それからできることならやはり調査会と特別部会の議事録、そういったものをぜひ明確にしていただきたいのと、いままでとかく風評がございましたクレスチンやピシバニールについても当然比較検討しなければ国民は納得いたしません。したがって、これにつきましても申し上げましたような基礎となったデータと、そして議事録とをあわせて公表なさるべきだと思うわけでございます。大変恐縮でございますが、再度御答弁をいただきとう存じます。
○村山国務大臣 おっしゃるようなことでございますが、可能な限りひとつ公表してまいりたいと思っております。
○森井委員 次に薬務局長。もちろん非公式な話で気にもかけていないと言われればそれもやむを得ませんが、私たちはあらかじめ、きょう社会労働委員会を開いていただきまして、そして丸山ワクチン問題の集中審議をしようということにいたしました。したがって、それを決定いたしました後に、いま申し上げましたようにもちろん非公式で、おれは聞いていないと言われればそれもやむを得ないと思いますが、せめて二十八日の特別部会は延ばせないか、もし延ばせないのならば少なくとも結論をしばらく待ってもらえないか、これだけの要請はできるだろうという気持ちで私どもはそういう非公式な話し合いをしたと思うわけでございます。残念ですけれども予定どおりおやりになりまして、そして予定どおりの結論をお出しになったわけでございますが、私は、今月の十日に調査会の結論が出て、それから委員会で何とかしなければならぬじゃないかという問題になり、そして要するにこの丸山ワクチンの承認を何とか早くしてもらいたいという国民の皆さんの声にも耳をかしながら今日に至りました。これだけのお願いをしても、残念なことに先ほど申し上げましたように予定どおりの行動をなさいました。あえて私は国会軽視とは申し上げません。与党の皆さんは恐らく党議でお決めになったことじゃないでしょうから、したがって、そうは申しませんが、私どもの党のように態度を決定しているところもございます。恐らくほかの野党の皆さんもほとんど同じじゃないかと思います。きょうは与野党を通じてほぼ同趣旨の丸山ワクチンを承認しなさいという立場での質問が続いたわけでございます。にもかかわらず、申し上げましたように、あえて強行と申し上げますけれども、一昨日の特別部会でお決めになった。 あなた方はどういう立場で、どんな努力をなさったんですか。
○山崎説明員 七月十日が最終の調査会の日でございまして、その日にすでに次の特別部会の日取りが決められたという事情もございまして、審議会というのは自主的に御自分で、日取りもそうでございますが、自主的な御判断でやっておられるわけでございますので、私ども事務方としましてもそういう自主性は当然のことながら尊重してまいらなければならない、これが基本原則だと心得ておるわけでございます。
○森井委員 薬事審議会には幹事という制度がございますね。幹事は局長もなっておるわけですか。局長は幹事ですか。
○山崎説明員 さようでございます。
○今井委員長代理 薬務局長に申し上げますが、もうちょっと大きな声で発言をしてください。
○森井委員 幹事は部会に出席して意見を述べることができるようになっていますね。私どもがそういった要請をしたことについて意見をお述べになりましたか、述べませんでしたか。
○山崎説明員 お答え申し上げます。 日取りの点についてはすでにもう決定済みでございますので、意見を述べる機会がませんでございました。
○森井委員 私は二つ言ったのですよ。日延べはできないか、もし日延べができないのなら、結論を待ってもらえないか。部会には御出席になったんでしょう。せめてきょうは結論を待ってくださいと言えなかったかどうかなんです。
○山崎説明員 国会事情その他の状況はそれなりに一般的にお話し申し上げました。私にかわりまして課長がお話し申し上げましたが、何と申しますか、そういう具体的なお話につきましては審議会独自の御判断で行動されるのがたてまえになっておりますので、具体的に結論を延ばせとかあるいは結論を急いでくれとか、こういうことを申し上げることは私どもの範囲を超えている、こう感じておるわけです。
○森井委員 もう一つ聞きますが、かつてといいましてもことしの通常国会の社会労働委員会におきまして丸山ワクチンが問題になったときに、園田厚生大臣は、調査会の委員の中に丸山ワクチンに反対をする人はいるのかいないのか、これはいないということでございました、こういう発言がございました。それなら厚生省としてもできるだけ丸山ワクチンがよい方向に向かうように——たしかよい方向に向かうようにという言葉だったと思うのです、厚生省としてもお手伝いをさせるようにいたしております、これは恐らくあなたもおられたところであったと思いますけれども、大臣の答弁があったと思います。お認めになると思うのですが、丸山ワクチンの認可についてあなた方は一体どういうふうなお手伝いをしてくれたの。
○山崎説明員 一つは、申請者に対するいろいろな面における指導ということが私どもの当然の一つの職務としてあるだろうと思います。そういう意味におきましては、可能な限り申請者サイドにいろいろと指導をしてきたつもりでございます。 もう一方の審議会に関する問題につきましては、先ほど来申しておりますように自主的に御判断することでございますが、ただ私どもは、一般論として、やはり審議を早めていただきたいということは前大臣もそう申しておりましたが、そういう方向で進めておりました。 たとえば五地区の資料というものがなかなか出そろわなかったのですが、そのうち三地区が先に届きましたので、その時点で全部そろわないうちに調査会を開いていただくというようなこともあえてやっていただいた、そういういわば日取りその他の点につきましては審議会にお願いしたという経緯はございます。
○森井委員 先ほど同僚の菅議員から桜井座長に質問をしておりましたけれども、今度期せずして、特別部会のときに初めて出された丸山ワクチンの規格が違っておった、具体的に言いますと、申請をしたものとそれから現に使っているものと違いがあるということを言われました。私はこれは驚きなんです。それなら仮にそれが事実だとすれば、私はちょっと信じがたいのですけれども、仮に事実だとすれば、それこそいま使っているものを持ってこい、これは簡単な行政指導でできるはずです。結論が出るまで黙っておいて、あれは規格が違っておったというふうなことが吉利部会長から発表になっておりましたけれども、事務局に携わる厚生省としてこれは冷淡きわまる。後で草川委員からも話があると思いますけれども、数々の文献についても、もし手伝う気があるなら、これも見てください、これも見てくださいというのをあなた方は指摘していいじゃないですか。ほとんどそういったことがなされていない。 再度、手伝いの意味について御答弁願いたい。やっていないならいないと言ってくれた方がいいんだ。
○山崎説明員 これは相当長い時間の経過があるわけでございますけれども、いろいろとゼリア会社に対しまして、申請データその他についても途中の時点、第一次の後、第二次の後というふうな段階におきまして、それぞれ審議会の意見もよく伝え、中身はこうだというようなことで十分指導してきたつもりでございます。そういうことでございまして、私どもは私どものなし得る範囲で十分のことをやったつもりでございます。 そういう事情でございますので、結果がこうなったからやらなかったんじゃないかというようなおっしゃられ方は多少あれでございまして、私どもはそういう気持ちでおるわけでございます。
○森井委員 ちょっとはっきりしてください。規格の問題については私重大だと思うのですよ。それで、もしあなた方が言われるように物質のすりかえがあったと言われるのなら、電話一本で済むことなんです、同じ都内ですから。全部そのままにしておかれたのかどうなのか。それから事実すりかえがあったのかどうなのか、すりかえといいますか申請されたものと違っておるのかどうなのか、この点はぜひ明らかにしていただきたいと思うのです。
○山崎説明員 先ほど午前中に参考人がお述べになりましたものは、ある物質の再現性があるかどうかについて非常に不安がある、こういう意味で申し上げましたので、先生の御質問とちょっと違うかと思います。 先生の御質問のような面も一つございまして、形式的なものだというふうな割り切りもできないわけではございませんけれども、今回ことしになって申請されたものはSSMの注射液、従来Aと言っておりましたものでございます。ところが、臨床データその他実験に使われましたものは、AとBというものを単独に使ったり交互に使ったりという、そういうものでございます。それは現実実態でございます。 ただ、これはこういう問題はありますけれども、中身は性質は同じであろう、こういう割り切りが一つございます。ですから、そういう後の問題は後の問題として処理しよう、いわばこういうことで中身の審査に入っていただいた、こういうことが一つございます。 それともう一つは、実は規格の中身にも関連しますが、フェノールが入っている、入っていないという問題が一つまた別の問題としてございます。
○森井委員 だから、いままで試験をしたと同じものを持ってきなさいというふうなことぐらいはあっていいと思うのです。 いまSSMのAとBの問題については局長が触れておられましたけれども、これは濃度の問題だけですね。したがって、防腐剤がどうかこうかという問題がありますけれども、私は注意をなさればいいと思うのです。特にわざわざ特別部会長が記者会見の場で明らかにされるような中身じゃないと思う。私はためにするけちだと思うのです。けちをつけているに違いない、そうとしか受け取れませんよ。この点は時間がありませんから、厳重に注意をお願いしておきたいと思います。 次に、私きょう感じましたけれども、確かに私ども理事の段階で、来ていただきます参考人につきましては人選をいたしました。しかし、間接的ではありますけれども、私どもの野党だけの推薦ではありません。間接的に恐らく政府の厚生省の意図の入った方も与党を通じて出されてまいりました。ある意味で私ども公平を保ったつもりでございます。これは大臣もきょうお聞きいただきましておわかりをいただいたと思うのでございます。そういった中で、私は率直なところ、ずいぶん印象を変えました。いままでどこでだれがとは申し上げませんけれども、厚生省の皆さんはもう丸山ワクチンなんというのは取るに足りないものだ、とてもじゃありませんけれども、あんなものを認めるわけにいきませんという趣旨のことを私も何回か小耳にはさんでおるわけでございます。 しかしきょう聞きますと、れっきとしたりっぱな先生方が、それこそ具体的に申し上げますと桜井座長の孤立の場面がしばしばあったと私は思うわけでございます。まさに孤立でした。たとえば砂原参考人の意見も聞いてみますと、これはいいものだ、しかしボタンのかけ違いで、研究のルールを間違っているというふうなことを申されました。これは私には、反論があるのです。これはもともと皮膚科の専門の先生の問題ですから、動物実験をしろといったって、人間の皮膚と同じような動物というものはどこにおるのでしょうか。私はそう見つかるものじゃないと思う。そういった意味の反論はあるのですよ。あるけれども、総じてみんなが協力をし、あの人はルールとおっしゃいましたが、ルールを何とか正常に戻せばこれもおもしろい実験ではないかということは盛んに言っておられました。 特に重視したいと思いますのは、桜井座長さんは御承知のとおり癌研です。しかし、後でちょっとお伺いしたいと思いますが、佐々木研究所の佐藤博士、これも日本にとりましては欠かすことのできないりっぱな研究者だという理解を私はしております。これは一体だれに聞いたらいいのですかね。やはり薬務局長。癌研と佐々木研究所と比べてどっちが偉いのですか、俗っぽい言葉で言いますと。 文部省の研究資金は、お聞きのように三分の二は癌研が取ると言われました。癌研といいますか、桜井さんの方へ取る、三分の一を佐藤先生の方が取る、こういう表現でございましたけれども、一体これはどっちが権威があるのですか。
○山崎説明員 私素人でどちらがお偉いとかなんとか、そんなことをおこがましく申し上げる立場にございませんけれども、佐藤先生は医薬品の開発の基礎的な研究分野、特に効力薬理という研究の分野で大変なすぐれた方だ、こういうふうに承知しておるわけでございます。
○森井委員 あなた、わからないものを答弁をしてもしようがないからそれは私もこれ以上追及しません。これはもう率直なところどなたに聞いても甲乙つけがたい。ただ、あえて権威主義からいけば、やはり癌研かなということが返ってまいりますけれども、実績からいけば、たとえばピシバニールにしてもクレスチンにしてもやはり佐々木研究所でちゃんとデータをおとりになっているのですね。基礎実験をおやりになっています。きょうは時間がなくて聞けなかったのですけれども、そこではいま申し上げました先発二つの薬、免疫剤と、丸山ワクチンとの間ではほとんど差はなかったというように私どもも聞いています。これは局長、耳に入っていますか。
○山崎説明員 正式な意味でといいますか、文献その他で承知しているというような意味じゃございませんが、私はたしか週刊誌だったかよく覚えておりませんけれども、そういうことを見たか聞いたかした覚えがございます。
○森井委員 クレスチンを承認される場合に二つ三つ条件がついたというふうに聞いておるのです。たとえば薬効成分の正体の研究と解明、まだ不十分ですから。それから副作用をもうちょっとチェックしなさい、臨床効果の報告をしなさい。表現は適当でないかもしれませんが、そのほかもあるかもしれませんが、幾つかの条件がついていますね。
○山崎説明員 クレスチン、ピシバニールにつきましてそれぞれ幾つかの条件がついております。
○森井委員 それはもう報告がありましたか。
○山崎説明員 ございました。
○森井委員 すべて解明するに足りる資料でしたか。
○山崎説明員 お答えいたします。 それぞれ中身がいろいろ複雑でございますけれども、それぞれのものについてその都度報告があり、調査会にその都度それを審議していただいて了解されております。
○森井委員 もう時間がないからいいですよ。あとまた同僚の皆さんに追及をしていただくとして、いずれにしてもクレスチンとてこれは完全なものではなかったし、全部が解明されて承認をしたわけではないのですね。このことを明確に申し上げておきたいと思います。 そこで大臣、私最後の質問ですけれども、ぜひお聞きをいただきたいのは、先ほど来山下委員長からもちょっとお話がありましたように、先ほど桜井座長は、もう私は適格でございませんという意味の答弁をなさいました、不適格者でございますという答弁がありました。これは明確にありましたね。そして言われておりますように、この人たちはすでに承認になっておりますクレスチンあるいはピシバニール、そういった研究に関与をなさって、しかもことしの通常国会で問題を指摘されて、厚生大臣もやはり人選については検討したいという意味のことを話しておる。これは私が質問したのではありませんからいずれ質問者からまた解明があるかもしれませんが、いずれにしても大臣、この際人事を一新する必要があると私は思うのです。これをしなかったらきわめてゆゆしい問題になってくる。 しかも人選を調べてみますと、たとえば抗悪性腫瘍剤調査会の委員のメンバーを見ますと、同じような系統の人、大要三つになるのですよ。一つは桜井座長等を中心にいたしますいわゆる癌研のグループです。これが三人いらっしゃいます。それから国立衛生試験所、そういった関係の方が三人。そしてあと国立病院あるいは医療センター、そういったところからこれまた私の調査によりますと三人ないし四人なんです。 いずれにいたしましても偏っていまして、いみじくもきょう、先ほど言いました、権威ある佐々木研究所の部長をしていらっしゃいます佐藤博士から、これはチームが偏っているではないかという指摘がございました。こんなことをしておったら、これはいつまでたってもやはり問題が残る。先ほど行革の答弁、私納得しませんでしたけれども、せめて大臣これはやってくださいよ。もうしばしば言われて、ちょっと言葉がどぎつうございますが、利権ふんぷんたるものです。だから責められて先ほど桜井座長はとうとう、私は不適格者でございますと言い切ってしまいました。 それで今度また常任部会があるわけです。ここでまた同じような結論が出る。実際には機械的なんです。調査会で出たものは特別部会で恐らく、二十八日何時間かかったか知りませんけれども、先ほど指摘されたようなデータの変更も含めて、極端に言えばこれだけの大きな問題を審議するのにあっという間に終わってしまったと私は見ているのです。こんなことを許して本当に国民の命と暮らし、健康が守れるのかどうなのか。 特にこのがんの問題につきましては、いろんな意味でまだ未解明な部分が非常に多い。丸山ワクチンはああいう形ですけれども、薬をもらいに行く人はどんどんふえているのですよ。特に七月十日の発表以来、だめだという発表があってからむしろ患者や家族の人がふえておるということを私どもは聞いています。 大臣、ここまで来ますと、これはとりあえず常任部会を延ばしていただく、これが一つ。そして延ばした上で人選をやりかえてください。それでないと、仮に常任部会でおやりになってまた私どもと意思が違うということになりますと、これは国会審議にも影響してくると思うのです。大臣の所信をぜひお伺いしておきたいと思うのです。
○村山国務大臣 私は先ほど四人の参考人の意見をじっくり聞かせていただきました。それぞれの立場、それぞれの専門領域のお話ではございますけれども、いずれもりっぱな人だなということをしみじみ感じたのでございます。それだけまた、がんというものがむずかしい問題であることも、よく認識いたしました。 いまのお話しでございますが、疑いが持たれることがないような方法を考えてみたいと思います。そのやり方、時期等についてはお任せ願いたいと思います。
○森井委員 ほぼ時間が参りましたから、聞きたいことはまだ山ほどございますけれども、はしょらせていただきますが、私どもといたしましても、いま大臣、適当な方法を考えるとおっしゃっていただきましたから、いますぐというのはちょっと無理だと思いますけれども、常任部会が開かれます来月の上旬までには、大臣の決断があるものと期待をいたします。 以上です。
○今井委員長代理 次に、小林進君。
○小林(進)委員 午前中にも申し上げましたけれども、わが社会党は、ともかく党議に基づいて、これを保険薬として用いることを決定しているのです。 それは何が理由かというと、わが委員長飛鳥田君が鈴木総裁にもお話しをしたのだが、彼は切実な経験を持っている。自分の一番身近な——これから先は言いませんけれども、実際にあらゆるがんの手術と化学的療法で手を上げられた末期現象を、丸山ワクチンによっていま命を長らえているという切実な経験を持っている。私も門前の小僧習わぬお経を読むで、なぜ一体こんなことを一生懸命やっておるか。これは大臣、私の身近なところで、いま現実に医者に手術を勧められているのが、手術がどうしてもいやだ、肺がんですから。そこで丸山ワクチンをいま投与しながら二年有余生き長らえているという切実な経験があるんだ、私には。だから、私はだれが何といったってこの問題は論ぜざるを得ない。また、わが党の政審会長の武藤山治、これは一生懸命になって超党派的な、われわれの丸山ワクチンを守る会の有力なメンバーになって、ここにいられる八田さん等とともに、民社の春日君だとか、草川さん、みんなこれ一つのグループで、熱心にこれをやっておる強力なグループをもって、いま国会の中で、これを超党派的に推進している。 聞いてみると、一人一人がみんなそういう切実な、なまの経験を持っているのです。しかし、皆さん方から言わせれば、いま薬務局長、君なんかの方から見れば、われわれは無知蒙昧の徒だと言うのだろう。無知蒙昧な徒がそんな経験を持ち合って、そんなものは話になるかと君は言うのだろうけれども、しかし、われわれに言わせれば、そういうあらゆる医学の枠を集めたその手術も拒否せられ、化学療法でもだめになって、丸山ワクチンに助けられている、身近なこの経験は、だれが何といったって百聞は一見にしかずだというのだ。君たちがどう言ったところで、われわれの切実な、一つの受けた天の恵みのような喜びを、これはかえるわけにはいかない、そういう立場で論じているのだから、これをやはり真剣に受けとめてもらわなければならない。 そこで一つ申し上げますが、どれから言っていいか、わずかな時間だけれども、一体クレスチンというのですか、ピシバニール、これの一年間の売り上げは一体幾らですか。
○山崎説明員 お答え申し上げます。 クレスチンが昭和五十五年、昨年の実績で四百十八億、ピシバニールが百七十三億と承知しております。
○小林(進)委員 これは、両方合わせて約七百億円に近い売上金だ。これは独占ですよ。がんの独占企業だ。一体クレスチンというのは売り上げ会社はどこですか。呉羽紡績の三共製薬ですか。(森井委員「呉羽化学から三共」と呼ぶ)そうそう、呉羽から三共。それからピシバニールが中外、こういうことになっておりますね。これが約二百億の売り上げ。一体この二つの製薬企業に厚生省からお役人の天下り、どんな方が行っておられますか。
○山崎説明員 呉羽化学、三共製薬には私どもの先輩は就職されておりません。中外製薬には坂元元事務次官が就職されております。
○小林(進)委員 いま、何ですか、蚊の鳴くような声で、中外製薬の副社長にわれわれの先輩の、何とか元事務次官がいらっしゃるという。あなた方、都合の悪いときになるとだんだん声が小さくなってくるのだが、一つのがんの薬にまつわる、こういう巨大な売上高、そこに厚生省のOBの高級官僚がいる。そこへ現役の厚生省の役人がつながっていると世間の人は解釈している。こうやって製薬会社と官僚とぐすっと結びついて、そこにはいわゆるこれを使用する患者とか大衆の利益をどうしようなんということは一つもない。これがいまの君たちの薬務行政だと国民は考えている。そうでないと言うなら、ないという証拠をひとつ見せてもらおうじゃないか。そうだと思わせる証拠はわれわれの方に幾つもあるんだよ。そうでないという証拠をひとつ見せてもらおうじゃないか。 たとえて言えば、ぼくは幾つも現場で苦労しているお医者さん方の切実な声を聞いているんだが、これを読み上げていったら切りはないが、仮に申し上げますと、山形県の——山崎君、これは君、わかるだろう。山形県の酒田市の加納勇という診療所のお医者さんなんだ。これはがんに対する臨床データだ。四十六年の四月から五十五年、去年の三月まで、いわゆる切除例だ。がんをみずから切開をした例、三十八例だ。そのうち胃がんが三十二例、結腸がんが四例、腎臓がんが一例、つまり進行がん三十三例だ。そのうちの生存率、一年以上は三十三人中二十六人、七八・八%。二年以上が二十八人中二十人、七一・四%。三年以上が二十二人中十一人、五〇%。四年以上が二十人中十人、五〇%。五年以上が十九人中九人、四七・四%。この病理の標本を二十六例、データを添えて五十一年の十月に厚生省に提出をしたというのです。丸山ワクチンをいわゆる併用したことによってこれほどの顕著なる効果があらわれておる、こう言ってやったというのです。 そうしたら、山崎局長というんだ。山崎局長というのは君のほかにいるかね。なあんだ、開業医か、開業医のデータかと言って、ぽんと机の上へぶん投げたきり、いまだ今日に至るまで取りざたがないというんだよ。回答一つないというんだよ。実に泣くに泣けないというんだ。厚生省の高級官僚なんか、われわれ開業医や出先が血みどろになって闘ってどんな資料を集めても、こんなものはちりあくただ、人間扱いしないというのだよ。こう言って血の涙を流して泣いたという切実な話があるけれども、そのデータはないかい。ないならないとちゃんと言いたまえ。本人は渡したと言うのだから。これはうそを言ったことになるよ。
○山崎説明員 申請者のゼリアメーカーから申請されたデータの中には、当該、先生御指摘のデータは含まれていないということでございます。
○小林(進)委員 厚生省に提出をしたのだ、それは。君たちが言うようにどういうルートでどうとか——本人は地方で第一線で働いている人だから、厚生省の厚生大臣あてにやれば、それはその省のどこへ行ったか知らないけれども、ちゃんと人間並みの扱いをしてもらうと考えるのはあたりまえだよ、あなた。それが何だ。申請書の中に入っていないと言うのか。いわゆる調査会の方へ回るような窓口へ行かないでよその窓口へ行ったから紙くずにして捨てたというのかい。どういう扱いをしたのだ、一体。君の手に入らなければみんな捨てたということか。そこに君たちの言う官僚政治の思い上がりがあるというのだ。一体それをどこへやった。厚生省じゅう、行って捜してこい。捜してそれを持ってこい。どこへやった、一体。そういう失敬なことばかりやっているから世の中が混乱してくるのだ。
○山崎説明員 先ほどもお答えしましたようなことで、申請データの中にそれが含まれておりませんので、私どもは受け取っていないということが事実でございます。
○小林(進)委員 君が受け取っていなければ、あとは飛んでいこうと野となれ山となれ、責任はないと言うのかい。君の耳に入らなければ全部責任はないと言うのかい。君は、そういう末端からちゃんと上がってきて、何月何日に厚生省へ送りましたと本人が言っているのだから、せめて調べてみようという気持ちにならぬのか。一片の人間心があるのならば、血が通っているならば、丸山ワクチン、これは別にしておいても、せめてわれわれの省へ来た書類ですから調査をしてみましょうくらいの返事があってあたりまえだろう、君。委員長、薬務局長に注意してもらいたいのだ。
○山崎説明員 お答えいたします。 先生おっしゃるとおりでございますので、早速調べさせていただきます。
○今井委員長代理 よろしい。
○小林(進)委員 これは委員長、ひとつよく御記憶にとどめていただきまして、その調査の結果は委員長を通じてまた私に御返事を下さいますることをあえて要望いたしておきます。
○今井委員長代理 承知いたしました。
○小林(進)委員 私は出先の先生方の血のにじむようないろいろの苦労話も承っているのでございますけれども、鶴見大学の名誉教授の山崎清先生、東京医科歯科大学元歯学部外科部長さん、この先生なども、大変りっぱな先生ですよ。佐藤博先生にまさるとも劣らざる名医ですがね。この人も丸山ワクチンの熱心な支持者なんだ。外科部長を十六年務め、あごの骨のがんを二件手がけたが、顔半分の骨を削り片目をえぐり放射線をかけて、もう化け物みたいな顔にした、そういう手術をしたというのです。その結果四カ月の延命、がん患者の命を四カ月延ばした。それは学界では非常に評価をしてくれた。四カ月の延命をしたということで非常に評価をしてくれたが、評価を受けたその山崎清先生自身は、つくづくいやになった、それから外科部長をやめてしまったというのです。 切らずに治るということをそこで真剣に考えた。こんな残酷な手術までして人間を化け物にして三カ月、四カ月命を延ばして、それで医学の効果ありなんというばからしい話に私はみずからあきれてしまった、私は外科部長として何とか切らずに治る道がないか研さん努力し、やみの道を歩いた結果、丸山ワクチンに到達をしたというのです。 先生はうまいことをおっしゃるのだ。この外科手術は信長流だというのだ。敵も味方も皆殺しにしてしまう、ジェノサイドだというのだ。それに比較して丸山ワクチンは秀吉流だと先生はおっしゃるのだ。敵をじっくり追い詰めて兵糧攻めにする、そして味方は安泰にしておく、これが丸山ワクチンだ、私はこれあるがゆえに丸山ワクチンを支持し、その普及に努めているとおっしゃる。 本当に調査会を設けるならば、こういう先生も十三名の一人の中に任命したらいかがなんですか。こういう御意見も聞いてみたらどうなんですか。(「がたがたになってしまう」と呼ぶ者あり)そうだろう、がたがたになるだろうなあ。あなたの言うとおりだ、がたがたになるよ。いままでの一方的に丸山ワクチンは水でござるなどということでこれを撲滅することを考えていた先生方にとっては、それはまさに頂門の一針だから、調査会ががたがたになるのは——しかしそれで国民は助かるのですよ。こういう先生が調査会に入ることによって国民は助かる。そこをひとつよく考えてもらわなければならないと私は思うのだ。 これは、私はお名前言いますよ。先生勇気を持っておっしゃるのだから、先生あなたのお名前申し上げてもいいかと言ったら、いいとおっしゃった。これは春日井の市民病院の大橋大造という医務局長です。この先生はこうおっしゃいましたよ。丸山ワクチンを百人くらいに使ってみました、しかしクレスチンやピシバニールが許可されて丸山ワクチンだけが許可されぬのはやはり厚生省と調査会や製薬会社の癒着があるのではないですか、そう思う以外に理由はわかりません、こう言っておられますよ。これはまあよく国民の声を代表する天の声だと私は思いましたがね。こうおっしゃっているのでございます。これが世論なんですよ。 まだ申し上げましょうか。これは日本大学の田村豊幸教授です。この教授はこう言っていらっしゃる。がんの専門家というのは、専門家であればあるだけ製薬メーカーと関係ができている、丸山ワクチンでも患者を中心に考えないで大学の研究室のような理論を押しまくっている、現場の医師の意見を聞き、副作用とかいろいろのメリットを判断して決めるべきだが、これは一つもやろうとはしない、こういうことを言っていられるのですよ。これはそのとおりでしょう。 午前中の桜井先生の陳述の中にも、われわれはやはり研究するためには力がない、製薬メーカーと一緒になってそのメーカーの研究室と金を相手にしなければ研究できないといって、みずから特別の密着をしなければならぬことを明らかに告白をしておいでになりましたことは、大臣、あなたもお聞きになったとおりでございますけれども、これが度を過ぎていったのでは国民はたまらない。ここをひとつ明確に解明をしてもらいたいと私は思う。 最近の話だけれども、山崎君、君はどこかのレセプションがあったその会場の中で大臣と御一緒したそうだ。君は大臣と席を並べながら、大臣、どうもこの丸山ワクチンはがたがたして困る、本当は五十二年のあのときに禁止して打ち切っておけばこんな大騒ぎにならなかったのに、一つ失敗しましたという話をした。これはそばでちゃんと聞いた人がいて、あんな業務局長がいたのじゃ大変だ——これは私はかり聞いたのではない。八田さん、あなたも聞いているのだ。そういう報告を受けているが、君、どうだね、そんなことは言った覚えはないか。言ったのなら言ったとはっきり言った方がいい。
○山崎説明員 そういう端的な表現で申した覚えはございません。私の意識の中にございますのは、五十三年時点におきまして第二次の審査が終了いたしました。その時点で、単独の効き方がどうしてもまずかった、こういう結果で比較臨床試験というものをその後要求したわけでございます。そこで何とか芽が出ればそれはそれでいい、そういう今日までの経過があるわけでございます。 そういう意味におきまして、実はその比較臨床試験を要求したことが、過酷な条件をこの丸山ワクチンだけに負わせたというような解釈が一方でございますので、そういう解釈は違うのだという意味で申し上げたつもりでございます。仮に申し上げたとすればそういうっもりでございます。
○小林(進)委員 申し上げたのだから、その気持ちのことは——君たちは白を黒、黒を白とも言いくるめるのがお役人の商売だから、まあいい、言ったことだけ認めていればそれでよろしいです。そばで聞いている者がいるのだから、言わないということであればこれは問題だけれども、そういう意味で言ったのじゃないと言うのなら死一等減じてこれはこのままにしておきましょうや。また後の楽しみにして残しておきましょう。 それで、君たちがいまも言うように芽が出るのなら出た方がいいという意味で言ったというのならば、君は調査会のその席上にいて段取りして、事実上君がリードしている。だから、調査会の結果も桜井座長と一緒になって君も新聞発表している。重大な役割りをしていることは天下周知の事実だ。それほどなら、君が調査会の中に入って役割りをしているのならば、この篠原教授が言われるような申し立て書の理由にも書いてあるように、いま少し前向きに、好意的に物を処置したらどうかね。 私は午前中にも言ったから、菅さんも言われたから、くどく繰り返したくないけれども、この東北大学の教授の、百五人の中から三人のがん患者が一年半過ぎて生存、いわゆる化学的療法をした人たちは百七人全部死んだけれども、こっちの方の丸山ワクチンを受けた人たちは三名残ったという後藤教授の報告書を、一名はいやそれは膵臓がんだとか何がんとか言っても本当のがんじゃないからそれはデータにならないとか、「この二例は試験開始時に進行癌であったことを再度確かめました。したがって、記者会見で軽症例であるから長く生きているのは当然で、これらを除いて計算するのが妥当という発言」、こういう発言はあなたと桜井君と二人でやっているのだ。その二人は軽症だから長く生きるのは当然であって、だからこれを計算の中に入れるのは妥当でないというふうな発言は、公平を欠く一方的な見方になります、われわれの貴重な研究にそういう意見を加えて、せっかく三人生きたのを一人も生きないような発表にしてもらったのでは困ります、こういう文書をもってあなたのところへ反対意見書を出している。あなた読んでみなさい。 私は午前中には時間がなかったからそれを読み上げることはなかったけれども、あなた方の判定が丸山ワクチンに不利のように、不利のように扱っていることに対して、この後藤教授、野村暢郎執筆責任者も耐えかねて、実に切々として文書をもって異議を申し込んでいる。せめてこういう文書でも出てきたら、調査会のやり直しくらいやるのはあたりまえじゃないですか。これは午前中にも言われた。重要な文書ですよ、あなた。あなた方は、東北大学から出ているデータは非常に価値があると言った。その価値があるデータを作成した作成者が、まだわれわれのデータを正しく評価をしてくれないじゃないか、それは間違いです、異議があると言っているのだから、これほど重要な異議の申し立てがあったら、その調査会はもとに戻って、これをたたき台にしてやり直すのがあたりまえじゃないか。 それが調査会の後から出てきた。特別部会の前に出てきたから、部会に出してちゃかちゃかと決めてしまった。半分は認めたけれども、半分は大したことがないから、この半分の異議は水流しにしておいてそれを認めたという桜井座長の言い分だ。それは桜井座長の言い分だけではないだろう、半分は君の意思が入っているのだろう。厚生官僚としての君の、悪者の意思が半分入っているとわれわれは判断している。だから厚生官僚が一番悪いと言うのだが、何か理由があるならひとつそこで言ってみてくれ。
○山崎説明員 その後藤教授からの文書につきましては、先生もいまお述べになりましたように特別部会においてそれを処理したという形になっておるわけでございまして、私はそういう実質的な審議の内容には一切立ち入っておりません。
○小林(進)委員 立ち入っていなければ、こういう重要な文書だからその取り扱いをいま少し慎重にしてくれぐらいなことは、君そばにいるんだから、新聞発表も一緒にやっているんだから、一言言ってもいいじゃない。むしろそんなものを無視した方がいいだろうという立場で君は喜んでいる。 それならこれをもう一回読み上げる。時間がないけれどもこれを読み上げよう。いいですか。 発言に対する異議申入れ 七月十日に開かれた調査会後の記者会見のことが日刊紙などで報じられましたが、七月二十六日付サンデー毎日二十頁の東北地区の治験に対する貴殿の発言に これは桜井欽夫のことを言っている。 貴殿の発言に事実と異る点のあることが、多くの共同研究者より指摘されました。そこで当日の録音テープをとり寄せて聞いてみました。その結果、論文(申請書)の症例一覧表の記載不充分な部分について貴殿らに誤った判断のあることがわかりましたので異議を申入れる次第です。 いいですか。 生存者三名についての個所ですが、「このうち二名は病期IIで、つまり軽症で、これは対象から除くということで実験が行われているのに(デザインされているのに)実際にはIIのものが入っている。この二例を除くと差は小さくなる」とあります。 せっかく三人生きているうちの二人を除いてしまったわけだから差はなくなってしまった、こういうことになります。 われわれの論文には対象例として病期IIのものは除くとは記してありませんので、これは事実と異った発言になります。この胃癌の二症例は手術できなかった例で、レ線所見、内視鏡所見ではっきりした進行癌です。 この二つは内視鏡で見たはっきりした進行がんです。 ステージIIの判定は手術して転移の有無をみなければわからないわけで、手術しない例にステージを記載したのは妥当ではなかったと思います。これは、恐らく主治医が、体表面から触診でわかる肝、リンパ節などの転移巣や、レ線上肺転移などが認められないことからステージIIと記入したものと思われます。いずれにしてもこの二例は試験開始時に進行癌であったことを再度確かめました。したがって、記者会見で軽症例であるから長く生きているのは当然で、これらを除いて計算するのが妥当という発言は、公平を欠く一方的な見方になります。 これは大変重要ですよ。 また生存中の一例の膵癌例については組織所見がないことから、その症例は膵炎であるかも知れないと、医師の誤診の可能性を示唆する発言をしていますが、主治医に問合せたところ、この症例は手術で組織を確認し、つい最近血管造影を行い肝転移も認めているとの報告を受けました。したがって「その症例は膵炎かも知れないから、結論的に生存の三例はいずれも症例そのものの選択に問題があるのであって、SSMの効果による延命とは考えにくい」という発言は、軍に一覧表に記載されていることを、公平を欠く一つの視点からのみ把えようとしているとしか受取れません。 生存の三例はいずれも問題があるので、これを重視することはできにくい、ということはわれわれの研究が杜撰であることをさすものであり、これは東北大学医学部第三内科ならびに関連病院医師の名誉にもかかわることであります。 この事実に相異した貴殿の発言を早い時期に、公的な場において訂正されることを、代表責任者として強く要望します。 どうですか。東北大医学部を侮辱するものだ、関連医師を侮辱するものだから、公の場所においてその発言を明らかに取り消せと要望しているやつを、何にも調査会にも諮らなければ、ちょっちょと上の方に出してそれで能事終われりとしている。さっきの桜井君の発言なんか能事終われりじゃないか。これは資料提出者に対する実に重大な侮辱です。 こういうようなごまかしばかりやられていて、そしてわれわれの命に関することを軽率に扱われて、われわれはこんな審議を続けていくことができますか。 委員長、厳重なる注意をしてくれ、これをどう扱うか。大臣に命令して直ちに調査会を再開して、この問題を中心にしつつ審議をし直すことを、委員長から厳重に申し入れてください。
○今井委員長代理 重要な問題でもありますので、理事会でひとつ協議をさせていただきたいと思います。
○小林(進)委員 前向きに審議されるというならば、ひとつ委員長を信頼いたしまして、次に移ります。 次に、私は申し立て書の理由を申し上げますよ。権威ある大学教授、私の尊敬する篠原教授を中心にいたしまして、いま私が申し上げました山崎清博士以下有力者の方々が連名でお出しになっている。この中にいわゆるピシバニールとクレスチンの場合との採用の条件が実に不公平に扱われている。 調査会は、東北地区のデータについて「大変よくデザインされた試験」であることを認めつつ、五〇%生存率は化学療法群と比べて丸山ワクチン併用群は二〇日間ほど(正確には二四日間である)しか延命しておらず、これは癌の治療の常識から言うと大きな差ではないこと、また内科的には、ステージの一(第二期)が若干まじっているので、これをはずすと統計的有意差がなくなってしまい、延命効果の確証が得られなかったと判定する。 という点、これは非常に扱いが不公平だ、こう言っている。 まず、内科におけるステージングは外科におけるほど、明確な分類は出来ない。分類上は第二期であったとしても進行癌には違いなく、これについては従来の化学療法では九九・六%(五年生存率)助からない ということになっている。 ピシバニール、クレスチンの場合、第二期で延命効果の認められた症例は皆無の筈である。 何もないという。あなたは知っているだろう。しかるに丸山ワクチンの場合は、いまも言うように、「二年六カ月経過した今日なお三名が延命している」のだ。 また、五〇%生存率時点での二四日間の差は、明らかな有意差と言える。桜井座長のいう「普通は月単位」「外科は年単位」でなければ治療効果ありと認めないというのは、 たった二十四日なんかにその有意差というものを認めるわけにはいかないと言っているけれども、この場合は、何も治療しないものと丸山ワクチンを飲んだものとの差ではない。化学療法したものと丸山ワクチンを併用したものとの、その二人の治療の中において、なおかつ二十四日間の差が出たということは、これは飲まないものの一月や一年の差よりももっと大きな開きだ、こう言う。それを何にも認めていないという。だから、そんな差なんというのは効果がないと言っているということは、いかにクレスチンやピシバニールともこの扱いを不公平にしているかという何よりの証左じゃないかと言っている。 どうですか、この問題は。山崎君、君は黙ってそばで見ていたのか。
○山崎説明員 調査会、特別部会の御審議が、まさしく先生御指摘のような点をめぐりまして行われまして、桜井さんが午前中に申し上げましたように結論としてなった、こういうふうに考えております。
○小林(進)委員 時間が参りまして、やめろということでございますから、残念ながらやめますが、このいわゆる被害なし、薬害なし、何も問題がない。 しかも園田前厚生大臣でありませんが、園田さんも、大きな声では言わぬけれども、私の家内のお父さんをがんでやられたときに、うちの家内は丸山ワクチンをお父さんにささげて非常に効果を上げられたし、運転手もこの丸山ワクチンに助けられた。周辺にそういう人がたくさんある。人間的にも、これをどうしても薬として許可をしたいという情熱に燃えているということを非公式ながら言われておったのでありまするが、いま毎日毎日、またわれわれがこうやって叫んでいるときに、数百名の人たちが行列をなして、日本医科大学の付属病院の丸山ワクチンを買うために並んでいるのですが、これを許可することによって一体どれほどの弊害が出てくるのですか。 あなた方はかつてスモン病患者をつくり、薬害でもってサリドマイド等で大ぜいの人たちを殺した。薬剤としてみんな許可をして、製薬会社と結びついて多額の金をもらったなんという品のないことは私は言いませんけれども、それほどの大きな被害を出した厚生省が、いま丸山ワクチンで一体どれだけの被害が出るというのか。しかも国民は、いわゆる天啓を待つつもりで、このワクチンを手に入れるために、いま全国から集まってきている。せめて北海道でも沖繩でも九州の果てでも、そこの場所でこのワクチンを手に入れるような道だけ講じてくれと言っているのだ。値段は言わない。保険薬にしようとしまいとそんなことは構わないけれども、この薬一つ手に入れるために飛行機に乗ったり宿屋を予約したりして日本の果てから飛んできて、あの駒込にある日本医科大学のところへ、この炎天の中ですわり込んでいわゆる五千円出して四十日分の薬を買っていく、この苦しみだけはひとつ解消してくれないかというのが切実な願いなんだよ。 それを解消することによって、一体どんな被害が出てくるのです。どれほどの迷惑を国民に及ぼすのだ。及ぼすのは、五百億円と二百億円のわけのわからぬクレスチンとかピシバニールとかを売っているその薬屋の売り上げが被害をこうむる以外にはあとはないだろう。これを許可することによってどんな被害があるのか、どんなに困るのか、それを教えてください。
○山崎説明員 先生十分御存じのように、薬の承認に当たりましては有効性というものがまず基本になければならない、これが薬を承認する場合の法律的な備えでもあるわけでございまして、そういうことでその薬の承認の可否につきまして科学的なレベルでの検討を審議会にお願いしている、こういうたてまえであり状況であるわけでございます。
○小林(進)委員 これで終わりますが、大臣、これをあなたが製造を許可されても被害は一つも出ません。日本国民が挙げて喜ぶだけです。それだけです。 終わります。
○今井委員長代理 次に、草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。 私が丸山ワクチンを取り上げるようになってから四年になるわけですが、一番最初にこの問題にかかわり合ったときのことを申し上げますと、厚生省の若い方々四、五人が私の部屋に参りましてレクを受けたわけでございますが、最後に若い方が、草川さんこれはだめですよということを明確に言ったことを鮮明に覚えております。おかしいじゃないかというのがそもそもこの問題にかかわり合った最初であります。ですから丸山ワクチンは、行政側としては最初に結論があるわけであります。 そして四年間、いろいろな経過があるわけでございますけれども、今日のような混乱もある。しかも途中に、有名な日本の薬学界の最大の権威である大阪大学の山村教授が丸山先生に共同研究を申し込み、丸山先生がそれを断ったことからそもそも混乱が起きておるというのが私の実は前提でもあるわけであります。この前提を厚生省がどのようにつぶしてくれるか、そのかわりのものを問題提起をしていただければ問題がないわけであります。私どもの理事である平石さんのところへ、きょうも故郷である四国の方の患者の方々から、一体将来どうなるんだろうかというようなお電話があったという話を聞いて、全く私は胸が打たれる気持ちになるわけでありますが、ひとつそういう国民の声を背景に、私がかねがね主張しておる、厚生省は差別をしていないということの証明をいまから実証していただきたいどう思うわけであります。 その前に、きょう午前中に桜井教授の方からいろいろな答弁があったのですが、食い違う点があるので、これは委員長を通じて議事録を出してもらいたいと思うのです。 私は、佐藤博士のいわゆる動物実験が三百五十倍というのはあたりまえじゃないだろうか、ところが桜井さんはそれを否定したわけです。一部の新聞では、二万倍くらいの動物実験の投与をして、これはおかしいというような報道もされておるわけであります。しかし、桜井さんはただいまの答弁では、佐藤さんの資料については不当とは言っていないと答弁されておるわけです。ところが過日の新聞記者会見では、明らかに信頼性が置けない、きわめて高い投与をしておるので、臨床的に見ると投与量が高いのでだめだということを言っておるのですが、きょうここで私の質問に答えられたものと違うことを言っておみえになります。 これは重大な問題です。せっかく参考人としておいで願っておるにもかかわらず、過去の向こうで言っておる言葉と違うことを言っておみえになるわけですから、これは議事録を正確に調べていただいて、そして厚生省に当日の記者会見をされたところの議事録を出していただきたいと思うのです。この議事録のテープを消したという説がございますけれども、そんなことは私はないと思うので、一体桜井教授が言ったことがどうなのか、きょうの私への答弁と食い違いがあるのかないのか、明確にしていただきたいと思います。その点、どうでしょう。
○今井委員長代理 政府側、何か発言がありますか。
○山崎説明員 御趣旨の点、できると思います。そのようにさせていただきたいと思います。
○草川委員 では、それを後でまた確かめる機会を与えてください。 それから午前中に桜井座長が、私が取り上げた服部隆延論文、これは化学療法学会の雑誌にも載っておる論文であります。そしてメーカーが申請した書類であります。それを読んでおみえにならぬと言われたわけです。こんなばかなことがありますか。最大の関心があるメーカーの申請書類の論文を読んでいないと自分みずからがおっしゃった。一体厚生省はどういうようなサポートをしたのですか。
○山崎説明員 後で桜井先生訂正されましたように、何か思い違いされたのか記憶が出てこなかったのか、ちょっとよく私どもにはわかりません。
○草川委員 だから、そんなことで丸山ワクチンが却下されたわけでしょう。これは世間に通りますか。国民の皆さんに通りますか。専門家の方々がメーカーが出した申請書類の論文、しかも自分の友達である知った方々の論文を読んでないと言われる。それで、だめですよという結論が通る。 大臣から答えてください。このことがいいかどうか、一言だけ。
○村山国務大臣 私が午前中に聞いておったときの記憶によりますと、確かに最初お答えになったときは、読んでいない、こう答えたと思います。その後から私の方の人が、これは出ておりますということをたしか申し上げたはずですが、私は動物実験の専門であって臨床でないから自分は読んでいないが臨床の方では読んでいるはずです、こう答え直されたと思っております。
○草川委員 素人と違うのですよ。しかも座長ですよ。彼はそもそも医者じゃないのです。薬学の専門の先生にすぎない。しかしいろいろな実験をしておるわけですよ。自分の専門でないから読んでない、ところが座長としてまとめて結論を出しておる。 そんな程度の結論ですから、いま小林先生がおっしゃったように、もう一遍これはやり直してくださいよ。やり直していただけるようなことをぜひ私は要求したいと思います。 さらにもう一つ、きょうは時間がございませんから余り申せませんけれども、実はこの審議会でいろんな資料が配られております。この中でこれも某新聞が発表しておるものでありますけれども、FDA、アメリカの食品医薬品局からのデータというのが審議会に配られております。ところが不思議なことに、この中のデータ、いろんなデータがあります。たとえば「本ワクチン単独で他覚的に効果の見られた症候数」これが、けさ私がいただいた厚生省からの資料ですけれども、二と出ております。ところが同じFDAの書類で丸山先生のところへ出されておる資料には「本ワクチン単独で他覚的に効果の見られた症候数」四と出ております。これには時系列的に一年間の差がありますよ。これはわかっております。一年近い、細かく言えば半年くらいの差がある。だけれども、少なくともアメリカのFDAから丸山先生のところに来た書類には本人の明確なサインがあります。メイヤー博士のサインがあります。ところが厚生省の方に配られた書類の中にはサインがないのが配られておるわけですよ。 一体、基本的なこういうアメリカからの資料、しかもこれは丸山先生の方が頼んだ資料じゃないのです。アメリカの方もいろいろな患者が打ってくれと言うので調べた結果として出ておる。末期的でもうだめだという方々に投与したのだけれども、四件助かったという資料が出ておるのです、丸山先生の方には。ところが、審議会の方には二しか生存がないという資料が配られておる。 こういう基本的なデータが食い違っておるようなことは明らかに差別だとぼくは思うのです。だったら、前の資料も出しながら時間的におくれたら新しい資料も両方出して、先生どうでしょうかと審議されたらどうなんでしょうか。その点どうですか。
○山崎説明員 これは御指摘のように、アメリカのFDAの治験といいますかそういう状況の資料でございまして、参考といいますか、審議の参考という意味で、先生の丸山博士あてのFDA書簡及び厚生省がFDAから受け取りました書簡、いずれも調査会に審議の参考として配付いたしております。
○草川委員 だから、厚生省の方の顕著の例が悪いというのが一部の新聞に発表されておるのですよ。この資料というのは、厚生省の課長あてにアメリカのFDAから来ておるわけです。少なくともだれかがある新聞にリークしておるわけですよ。そして効かない、効かないということが大きく出ておるわけです。私の方はその新聞を見て、おかしいなというので調べてみたら、数字が違う。四という数字が出ております。まだほかにもありますよ、いろいろなたくさんの例がありますから。これはいまおっしゃったように、アメリカのこの資料も大したことないとおっしゃるかもわかりませんけれども、少なくとも——これは委員長に見せますけれども、二つの書類があるというのはおかしいじゃないですか。ちょっと見てください。これは二つあります。 こういうことが私は疑問に感ずると言うのですよ。私はこんな立ち入ったことを言いたくないのです。専門家の先生だからお任せしておけばいい。ところが、こんな話がぼつぼつ出てくると、どうやら私が一番最初に言いましたように、ボタンのかけ間違いというのはかなり深刻だ。しかも、けさの先生じゃないけれども、自分が提出した写真が悪い写真にすりかえられておるということを参考人みずからがおっしゃるというのは、これはまたいかがなことか。これは現代の最大の疑問ではないだろうか、こう思うのです。 きょうは時間がございませんから、ひとつこの問題について明解な——いまの局長の答弁に私は満足いたしません。そして全員の方々に、前に出ておる資料もあるわけですから、こういう資料もあります、あるいは後から出た資料はこうですとか、もちろん別にアメリカだけが最大の問題ではないのですけれども、本当に末期的な、亡くなる人たちに渡して、アメリカでも四人、たとえば厚生省が配った資料でもいいのだけれども二人も助かったというのなら、それこそ一つの参考資料として私はもっと温かい目があってもいいのではないだろうか、こう思うのが主題であります。 そこで、いまこの審議会にいろいろな先生が参加をしておみえになるわけですが、そういう先生は丸山ワクチンについてはきわめて厳しい対応を示しておみえになるのですけれども、一体どういうようなことをやっておみえになるのかというので、抗悪性腫瘍剤調査会の十三人のメンバーの方々のそれぞれの研究所における内容について私は調査をいたしております。こんなことは本当はやる必要はないのです。だけれども、権威がある権威があるとおっしゃるから、その権威がある先生方はどのようなところでお金をもらって研究をしてみえるのかということで、たまたま癌研の話もいたしましたが、たとえばこの十三人の中で、厚生省ですから国立病院の担当者の方の問題を取り上げてみましょうか。 国立病院の医療センターの外科部長木村先生、木村先生の名前を挙げるのは大変不穏当でございますが、たまたま厚生省ですから返事が来ますから……。この方も病院ですけれども製薬メーカーからの資金の供与を受けた事実があるかないかという資料請求を私は厚生省にしました。そうしたら厚生省としては、国立病院医療センターとしてはそういう供与を受けたことはないけれども、個人としてはあるという答弁が返ってきました。これは正式な答弁です。 これを見ますと、五十二年までは中外製薬から、これはピシバニールのことですけれども、八十万。これは大した金額でないかもわかりませんけれども入っておるわけです。五十二年には中外あるいは武田から百十九万円というものが受け入れられております。これが五十二年までは個人のふところに入っておったわけですよ。そこで会計検査院の方が、ちょっとこれはおかしいじゃないか、正式に入った金なら金で取り扱いを決めろということで検査院は厚生省に申し入れをして、五十三年の四月からは国立病院医療センター受託取り扱い要領というようなものをつくって研究費は院長名義の預金口座に入るようになったわけです。そしてその通帳は院長の特別用の印鑑もつくらなければいかぬよということで、一つのプールにするというのですか、一つの財布をつくるようになったのですけれども、こういうやり方で特定のメーカーとだんだん深みが深まっていくというのはおかしいじゃないか、こう私は思うわけであります。やり方は明らかに不明朗だと思うのです。そして本当に寄付を求めるなら、財政法上に基づく収入に挙げなさい、支出に挙げなさい、特別会計でもそういう処置をしなければいかぬと思うのです。 この点はどうですか。厚生省としてどういうお考えですか。こういう特定の医療メーカーとこういうやり方がいいですか。
○田中説明員 医薬品のいわゆる治験薬を受託する場合には、先生いま御指摘のとおり、現在国立病院・療養所におきましては、医務局長通達によります受託研究費の取り扱い準則というものに基づいて、各病院におきまして受託研究費審査委員会というのをつくりまして、これは院長が主宰する委員会でございますが、そこにおきましてその治験薬の研究を受託するかどうかということを審議いたしまして、適当と思われるものについて受託をやっておるわけでございます。 その受託研究費の経理についてでございますが、これも先生ただいま御指摘のとおり、各病院で決められました取り扱い準則に準じまして院長が任命いたします出納員が帳簿等を整えて出納上これを記録して経理の明確化を期しているところでございます。
○草川委員 だから、どっちにしてもいいか悪いかと聞いているのですよ。 会計検査院にお伺いします。会計検査院として、こういうやり方はいいのかどうか、簡単に一言だけお答え願います。
○天野会計検査院説明員 国立病院等におきましては、受託研究にかかわる収入支出につきまして国の会計事務に準じた経理を行っておりますが、国の歳入歳出に計上しておりません。しかしながら、先生御指摘のとおりこれらの受託研究は国の職員が国の施設及び設備を使用して実施しているものでありますので、本院といたしましても研究に要する経費の収入支出につきましては国の歳入歳出に計上すべきであると考え、厚生省に対し予算上必要な措置をとるなどその検討をかねてから求めているところでございます。 〔今井委員長代理退席、戸沢委員長代理着席〕
○草川委員 ですから、会計検査院も不適当だと言っているのですよ。そういう人が抗悪性腫瘍剤調査会の調査委員になってはだめなんですよ。しかもお金は大手メーカーからの寄付金ばかりなんですよ。それは情がわくでしょう。しかも国家公務員として給料をもらっているわけですから、本当に実費を取るなら取るで予算に立てて支出をする、会計検査院の言うとおりにしてください。そしてかかるいろいろなメーカーと深入りになるような方々は調査会から外す、これが原則です。これを強く私は申し入れをいたします。 そして、いま私どもが調べておる中で一番問題になりますのは、実は国立大学の先生方も予算が少ないわけですから、受託研究をしなければいけない場合に、どうしてもメーカーとの癒着というのは深まってくるわけです。一体幾らぐらい新しい薬の治験薬は要るのですかと私どもずいぶんいろいろ何社からも、大阪からも、いろいろなところへ行って調べてきました。口を閉じてなかなか申しませんけれども、平均的に言われるのは、一人の患者に対して予算は十五万円、これが相場だというのです。一体何人ぐらいの患者かというと、千人くらいの患者のデータがないと抗悪性腫瘍剤調査会の方ではパスしないだろう。大体一億から二億要るというのですよ。ただし、これは一年間ですよ。二年かかれば二倍の二億ぐらい新規の開発費で学者に渡す金が要るというのです。その中のごく一部が、私がさっき言った国立病院などでは表へ出てくる金額なのですよ。二百万とか三百万。そして、大学のトップの先生には大体最低でも一千万円の現金が入る。そして、あとはその教室の連中の会議費、あるいはフラスコ代、印刷代、いろいろなものを含めていくと、結局、最低でも二億は要るでしょうというのが結論なのです。 その金はメーカーのどういうようなところから出るのか、メーカーで調べてまいりますと、メーカーの方も経費では落ちません。だから、使途不明金という形で製薬メーカーは学界のトップの方々にお金を渡すわけです。 国税庁に聞きますが、いま使途不明金の多いのは、建設会社と製薬業界だという話がありますけれども、それはどうですか。
○草野説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の件でございますけれども、私どもが把握しておりますのは、国税庁で所管しております資本金一億円以上の法人について実地の調査を行ったものにつきまして、全体の計表は持ってございますけれども、ただいま御指摘のような業種別の計表は持ち合わせてございませんので、いま明確にお答えすることができないわけでございますけれども、感触として一般的に申し上げますと、先生御指摘のように、建設業界あるいは製薬業界といったものは使途不明金がわりあいに多い部類に属するということを考えております。 以上でございます。
○草川委員 いまおっしゃったように、結局、大体一億とか二億という金を学者先生に払わなければ通らぬわけですから、それは出し方としてはいまのようなことになると思うのです。 では、国立大学の先生が一体、年収入一千万なら一千万ですけれども、一千万円以上のいろいろなことをやっておみえになりますけれども、明確な確定申告をしておるかどうか、これも私は調べましたけれども、非常に疑問があります。 ある製薬メーカーは、どういうようにしてお金を渡すかといったら、現金で渡すと汚職になるから、絶対現金を渡すことはいたしません。ではどうして渡すかといったら、学会があるときに、あらゆるエージェントを通じて飛行機の切符を全部買います。たとえばパリへ先生が行かれるときにはパリ行きの切符を、日航であろう、パンアメリカンであろう、SASであろう、いろいろな会社の切符を全部買って渡すというのです。そして、窓口のエージェントがそれを全部払い戻しをするというのですよ。そして、先生のところヘキャンセル料だといって持ってくるというのです。これだったら汚職にならぬというのです。こういう具体的な事例があるのです。 国税庁の所得税課長に聞きますけれども、かかる薬事関係の教授がそのような不当な所得を持って薬の認定に参加をするということは私は許せぬと思うのですけれども、確定申告を本当にしておるのかどうか、細かい例を聞く必要はございませんから、こういう事例に対して興味があるのかどうか、関心を持つのか持たぬのか、それだけお聞きします。
○入江説明員 改めて申すまでもございませんけれども、私ども税務当局にとりまして、適正かつ公平な課税を確保するということは最大の眼目でございます。そういうような観点から、いろいろ種々の資料、情報の収集を図り、かつそれを課税に活用しているわけでございますけれども、先生のおっしゃいましたような個々の事案、あるいは個々の事案の基礎になります情報、それを国税庁として、特にお医者さんに着目して事績を取りまとめているというような状況がございませんので、個々にはお答えしかねます。 しかし、いずれにしましても、先生おっしゃいましたように、私どもにとりまして公平な課税をするということは重要なことでございまして、そういう意味で、いま先生がるる御指摘になりましたようなことにつきましては非常に関心を持ってお聞きいたしました。今後、そういう御指摘の趣旨も踏まえまして、より一層公平な課税が図られるように努力してまいりたいと思います。
○草川委員 私は余りこういうことを申し上げて個人的なことをやりたくないけれども、余りにもいまの調査会のメンバーの方々が科学的だとか客観性だとかということを言われるので、では、あなたたちが一体どれだけ科学的な、客観的なことをやっておみえになるのですか、客観的に証明されることをやっておみえになりますかということを聞きたいために言うわけであります。 しかも、これは私は過日も申し上げたのですが、日本とアメリカとの抗がん剤の生産量は、これはもう厚生省と私との間には数字に間違いはございませんが、時間がないので申し上げませんが、結論だけ言いますと、日本は人口当たりについてアメリカの六倍の抗がん剤の生産をやっておるのです。これは間違いがないのです。六倍の抗がん剤の生産を上げながらも、がんの死亡率というのはアメリカよりもいま多いのではないですか。あるいは成人病と言ってもトップなのですよ。だから、いまできている薬がいかに効かないかということなのですよ。全然効いていないのですよ。客観的だとかどうのこうのと言っていま言ったような先生が認めた薬が役に立っていないのです。 だから、副作用のない丸山ワクチンという話があればわっと飛びつくのです。そこで神話が生まれるのです。だから私たちは丸山先生にも申し上げているのですが、神話をつくってはいけない。だけれども、こういうことをやればやるほど神話ができてくる。これは近代国家としてきめて不幸なことだと思うのです。だから私は冷静な平等な取り扱いをやれということを言っておるわけです。 しかも、過日大騒ぎになっております薬価の引き下げについて、中外製薬のつくったピシバニールというのは、平均一八%の薬価の切り下げ、抗生物質は三割から四割下がっておる中で、たったのマイナス一〇%より中外製薬は打撃を受けておりません。呉羽、三共がつくっておりますところのクレスチン、年間四百億売っておるのも、わずかマイナス七%より打撃を受けていない。強いのですよ、この二つの抗がん剤は。いま小林先生から質問がありましたように、ここには厚生省の大幹部も天下っておみえになります。 そしてこの背景には、さっき申し上げたように、阪大の山村教授という非常に強い影響力を受けておる。そういうところにいま製薬業界というものは握られておるわけですよ。これに盾を突いた人間は、薬だって全然認可されぬわけですよ。だから厚生省はいろいろなメーカーの連中に、せめてこの調査会のメンバーにうまいことをやって、そしてこの人たちの協力を得るようにしろというような行政指導を内部的にもしたことがあるのですよ。もっとひどいのは、阪大の山村教授のところに丸山先生の申請書類が行っておるわけですよ。そういう内部の資料を私は持っておる。そんなばかなことが許されますか。他人の申請した書類がライバルのところに入っておるのですよ。これはだれが持っていったかわかりませんね。 そういういまの医学界、薬学界の実態というものにメスを入れるのが近代工業国家ですよ。だからこそ前厚生大臣の園田さんは裏の裏まで承知をしておるということを私の質問に対して言われたと思うのです。そして、私はことしの予算委員会で、鈴木総理にこの場でお願いをしたわけです。この調査会と、申請者のゼリアと丸山先生との関係というものはもうこじれにこじれ切っておるから、こうなっては大臣が、あるいは厚生省が仲を取り持って糸をほぐす以外に、丸山ワクチンは幻のワクチンに終わるから、どうかひとつお願いをすると言って、私は予算委員会で総理にお願いしたわけです。鈴木総理は意を体して努力しましょうとおっしゃった。 その後厚生省は本当に調査会との間を取り持って、少なくとも進行ぶりに協力したかと言ったら、違う書類を出してみたり、一部の新聞には一番悪いデータを与えてそれを大きく書かせるというような手の込んだことをやっておみえになる。これは正義ではないと思うのです。やるなら平等にやってもらいたいと思うのです。それは大臣の意向かわかりませんけれども、私は大臣がかわったからそうなったと思いたくない。しかし、少なくとも園田さんは大衆の心がわかったと思うのですよ。前の野呂厚生大臣も、本当に効くのかどうか、どうしたらいいかと言って、学者を集めて相談をされた。橋本厚生大臣だって、スモンのときには製薬メーカーを呼んで、徹夜で泣かせて製薬メーカーを説得してスモンの交渉をやったじゃないですか、厚生省は。 厚生省は、そういう実績があるのですよ。だったら、いまもお話があったように、丸山ワクチンのようないわゆる副作用のないものについてもう少しヘルプ、応援ができないのか、支援が。だからこうなった以上は、少なくとも条件つきに、もう二年か三年の間にとにかく国立がんセンターもあるいはいろんな国立の病院もみんな動員して、おい早くいい実験をやろうじゃないか、ゼリアを呼んで、もう製造をやめるなんということを言うな、とにかくもう少し生産をして、全国に、北海道から九州まで治験をやる場所をたくさんつくって、早くこの問題について、効くのか効かぬのか、効くならばこうやったら効くのか、あるいは丸山先生がかねてから主張しておるように、これは本来は単独投与なんだ。がんのある者がさあっと治る薬じゃないのですよ。私どもも承知しているんだ、免疫療法だから。われわれが打っておいて、強くなってがんにならぬようにする薬なんだ、本当は。だから制がん剤でないかもわからない、本来の意味から言うならば。そういうことも含めて、単独投与で効果があるような研究をやってやろうじゃないか。そして、いましばらく待ってくれということを私は厚生大臣が言うべきだと思うのです。 私は、率直なことを申し上げまして、一昨日までアラブにおりました。サウジアラビアの厚生大臣にも会ってきました。サウジも抗がんの、いわゆるがんセンターをつくりたいということを私どもに言いました。がんの問題は世界の問題だと言っておるのですよ。少なくとも日本が意地悪をして、この問題だけは認めないというようなことにならぬように、それこそ科学的にこの問題に対処をしていただきたい。 要は、厚生大臣の決断いかんだと思うのです。かつての古井厚生大臣は、ソ連からのポリオの生ワクチンの輸入については薬事審議会の決定を待たずして厚生大臣の判断で輸入を許可しました。私は、現在の厚生大臣ならそれができると思うのです。あなた自身の決断です。既成の古びた権威を尊重することによって国民の厚生行政なり医療行政なり、私がいまがたがた言っておるように、先生方の収入がどうのこうのというところに目が向かぬうちに前向きの対応を立てられる、すなわち条件つきの認可をするように認めるのが私は厚生大臣の任務だと思うのです。 最後に、私もこの問題については本当に命をかけたいと思うのです。国会議員の命をかけてもこの問題の促進を図りたいと思うので、大臣の見解をお伺いをしたいと思います。
○村山国務大臣 いま草川委員の御発言、心からよく聞きました。いろいろな点で示唆されるところがたくさんございます。 しかし、先ほど申し上げましたように、きょう参考人のお話を聞きましても、それぞれの立場で真実を吐露しておる、私はそういう心証を受けておるわけでございます。まだ常任部会が残っておりますけれども、何と申しましても行政処分の権限は私にあるわけでございますけれども、効くか効かぬかという話になりますと、厚生大臣は残念ながら素人でございます。したがいまして、現在の段階では、薬事審議会の意見はそれなりに尊重しなければならない。しかし、同時にまた、行政処分は私がやるわけでございますので、意のあるところを十分伺いましたので、善処してまいりたいと思っております。
○草川委員 どうもいろいろありがとうございました。ぜひ私どもの意向をくんでいただきたいということと、さらに、非常に審議の時間が短いわけでございますので、先ほど森井先生の方からおっしゃられた促進方をお願いして終わりたいと思います。 以上です。
○戸沢委員長代理 米沢隆君。
○米沢委員 午前中から種々議論がなされておりますが、結論的には、今回も丸山ワクチンの製造認可にかかわる申請は却下される見通しになりました。そうなりましたならば、いまいろいろと使われておりますこの丸山ワクチンは今後どういう運命をたどるのでございましょうか。
○山崎説明員 最終答申はまだ出ておらないわけでございますが、仮にも先生御指摘のようなことになりますれば、私どもは、一つは、現在丸山ワクチンを多数の方々が使われているというそういう実態はそれなりに無視することはできないというか、重んじなければならない、こういう側面があるわけでございますので、患者、家族の皆様方の不安を招くことのないように、申請会社に対しまして慎重な配慮を要請しておるわけでございます。 片や、そういう次元とは別の次元におきまして審議会の議論の過程というものを考えてみますると、現在提出された資料では必ずしも有効性が確認できない、したがってまた、医薬品として現在では承認できない、しがたい、こういうような結論であるわけでございまして、そういう意味は、逆に言えば、決して無効だと言い切っているわけでもないわけでございますので、将来の試験研究の積み重ねという努力が一方において必要なことである、かように考えておるわけでございます。
○米沢委員 一応製造認可が今回の場合だめになる。そうなりますといままでと同じようなかっこうで、試験用としてあるいは研究用として丸山ワクチンが使用されるであろう、そういう前提に立って考えれば、今後、申請するデータ等をもう少し加えて判断しやすいようなデータをつくっていけば認可されるということになるわけでありますが、そういう段階になるまでに丸山ワクチンをもうゼリアがつくらないと言い出したらどうなるんだろうか。そのときに一体厚生省としてどういうような対応をなさるおつもりなのか、それが第一点ですね。まずそれから聞かせてください。
○山崎説明員 これはだめになったことを前提にしての話であることはもちろんでありますが、私どもとしましても、ゼリア新薬会社と十分よくその辺の事情を話し合ってまいりたい、かように考えているわけでございます。
○米沢委員 仮定の話で恐縮でありますが、ゼリア新薬がもうたえ切れないと、こうなったときには、日本医科大学が実験用としてつくらざるを得ないですね、もしそのまま研究用として使っていこうとされるならば。ということになりますと、需要に対してはかなり逼迫した状況になると思うのでありますが、そういう段階では一体政府はどうなさるのですか。
○山崎説明員 仮にかなり需給関係が逼迫してくる、このことだけでも現投投与を受けておられる患者さんの不安は増すだろうと思われますので、その辺の事情も十分踏まえてゼリア会社と十分話し合ってまいりたい、かように考えております。
○米沢委員 先ほどからの答弁を聞いておりますと、この丸山ワクチンについて、今回の場合、認可はノーだけれども、患者がたくさんおることにかんがみて、患者の皆さんが丸山ワクチンを取得できるような方法を考えたい、そういう御答弁を大臣もなさっておられますね。それは、結局いままでと同じような状況を確保してあげるという努力をするということなのか、一歩進んで、先ほどから話になっておりますように、わざわざ遠いところから買いに来なくても、少なくとも各地区ごとに行ったら取得できるようなところまでしてあげるということなのか、全然そんなことは考えてないのかどうか、そのあたりをちょっと聞かせてもらいたい。
○山崎説明員 その辺も、今後十分相手方との関係においていろいろと議論していかなければならないと思いますけれども、当面私どもは現在の状態が急変するようなことのないような、そういう指導方針で臨んでまいりたい、かように考えております。
○米沢委員 当面はいままでと同じようなかっこうの状態を確保する。その後認可されたら、少なくとも保険薬なんかに指定されましたら各地に出回ることになるわけですが、認可されない段階でそういう患者の要望について対応する用意は、検討はされるというふうにとっていいのですか、それとも全然検討するということすらいまの頭にない、こういうふうに理解していいのですか。
○山崎説明員 当面の措置は別にしまして、将来問題として考えた場合に、やはり先ほど申しましたようにこの薬の開発ということ、つまりちゃんとした医薬品としての承認という、こういう道につなげるのが本筋の道筋であろう、かように考えております。そういう意味で、治験用薬としての薬のあり方、こういうものの問題として今後考えてまいりたい、かように思っております。
○米沢委員 丸山ワクチンは、すでに先ほどから議論になっておりますように、もう十数万の人が使用済みだ。現在でも三万人前後の人が使っておられる。これは治験薬だとかあるいは研究用薬だとおっしゃいますけれども、治験薬だとか研究用薬として使用されるというよりも、実態的にはもう治療薬的なものに商品化されておるというふうに理解をしなければならぬ、そう思うのですね。 ところで、現在のところ医薬品として認可されてない、こういう薬が一般的に使用される、十数万の人が使うわけですから、一般的に使用されているということは、薬事法上はどういう取り扱いになるのですか。
○山崎説明員 薬事法上は、一つは治験届けを受けましての治験薬の位置づけがございます。もう一つは、これは薬事法ではございませんが、お医者様の研究用の薬としての使用、こういうことがある、かように考えます。主として丸山研究室での扱いの問題は、中には治験用の位置づけをすべきものもあるかもしれませんが、現在では研究用の薬のそういうラインに乗るものであろう、かように考えておるわけでございます。 先生の御指摘は、しかし実態として十数万人、現在時点では三万人近くということでございますが、そういう形での薬の供給というものが現実に実態としてある、この現実をどう認識するか、こういうお尋ねであろうと思うわけでございますが、その辺は長年の間にこういう形に出てまいったわけでございまして、いままでも薬事法上これをとやかくと私ども言ったこともございません。その辺は量がどのくらいになればと、そういう問題でもなかなか解決しにくい問題でございますので、とりわけて現在、薬事法上どうのこうのと言う考えは持っているものではございません。
○米沢委員 薬事法上全然問題がないということは、この丸山ワクチンについては結構なことかもしれませんが、一般論として、認可されてない薬があるいは治験用あるいは研究用薬として使われる、その場合の法的な規制がないなんというのはおかしいような気がするのですが、一体どうなるのですか。
○山崎説明員 治験用薬につきましては、その治験という目的、趣旨にかんがみまして、先般の薬事法改正の中に一条文を加えさせていただいたというようなことで、一つのルールがございます。研究用薬というものは、何といいますかお医者さんの自由な診療の範囲あるいは研究の範囲に含まれる、そういうものであろうというふうに考えるわけでございまして、丸山ワクチンにつきましてはきわめて異例の状態がある、こういう認識をしておるわけでございます。
○米沢委員 それならば、たとえばこれからも制がん剤等については、各社とも血眼になって開発に努力しておりますから、いろんな研究用薬が開発されていくと思うのですね。そうなった場合、研究用薬というものは勝手に患者に投与していい、あるいは注射していい、薬を飲ましてもいい、こういうことになっておると後で何か問題が起こることになりはしませんか。
○山崎説明員 その辺が実は午前中の、たとえば砂原先生の陳述の御意見にもございましたような事柄が一つあるわけでございます。しかし幸いに、この丸山ワクチンにつきましては副作用がないという一つのものを持っている、こういうようなことでもあるわけでございまして、仮にも別の薬でああいうような普及のあり方というものがあって、しかも副作用があるというようなことになれば、これはもう大変なことでございます。そういう意味で、研究用であろうと何であろうと、その辺は十分対処していかなければならないわけでございますけれども、何せきわめて異例のそういう状況が一つ生まれている、こういうことでございます。
○米沢委員 いま私は丸山ワクチンに限って物を言っておるのじゃありません。今後いろいろ開発されるであろう研究用薬が、医者なら患者に勝手に使っていいか。副作用がなければ本当にいいですよ。しかし治験をし研究をし、それが本当に認可に至るまで何回となぐ何万回となく患者に投与され注射されたりする、こうなりますと、普通の医薬品がいろんな手続を経てオーケーになった、それを使うというのとは別の課題として、われわれの研究課題として考えておかないと、大変なことになりはしませんかということを言っておるわけですね。 逆に、たとえばこういう研究用の薬として、ある程度の規制と言うと言葉が悪いかもしれませんが、いろいろある程度のデータをそろえて、有効である、そして副作用がある程度ないという、そういう有効なデータを提出し、それで大体オーケーをとったような研究用でないと、人体に投与するなんというのに、それが法的な規制もなければ、お医者さんと患者の関係だなんて言われると、大変なことになるような気が私はするのでございます。 そういうものについて法的な規制がない、法的な取り締まりとかあるいはこれだけはしろという、そういう法規制がないがゆえに、結局丸山ワクチンなんかでも認可申請にかかわって長年にわたって審議が続いていく、そういう状況を逆につくっておるのじゃないかという気がするのですね。研究用薬なんていつ使ってもいいのだから、ゆっくり時間をかけて審査しようということにもなりかねない問題を含んでおるような気が私はしますよ。 同時に、この丸山ワクチンについては、商品化の方が先行して裏づけのデータの方が後追いしておるものですから、これは医薬品の認可に関しては大変不幸な道をたどっておると私は思うのです。こういう状況をつくり出したのも、やはり研究用薬として何らかの指導なり規制なりあるいはこれだけは守ってくれという、その部分を法的にびしっとしないからである。これはおかしいのじゃないか。もしこれが万一副作用でもあるようなものだったら大変なことになる。これはないからいいようなものですね。逆に、こういうものがないがゆえに審査がおくれているのじゃないかという気がするのですね、ゆっくりやれるのだから。あるいはまた本当にデータをそろえてから商品化するという、その順序が狂ってくるということを許してしまうのじゃないかと私は思うのですね。 そういう意味で、今回私はこの丸山ワクチンの勉強をしてきて初めて気がついたのですが、ちょっと法的な不備じゃないか。そのあたりを御検討いただいて、研究用薬としてでも人体に投与したり注射したりするわけですから、認可した医薬品の薬害等については非常に厳しくなりつつある段階において、開発の段階で薬そのものが放置されておる、野放しになっておるということは大変問題じゃないか。その点を踏まえて今後の検討課題にしてもらいたいと思うのです。どうですか。
○山崎説明員 通常の薬の場合は、こういう事象が生ずることはまずないわけでございまして、治験用の場合、研究用の場合通じまして、お医者様の倫理規定、ヘルシンキ宣言というものが倫理の奥底にあるわけでございます。動物実験から始めて、健康人にそれが試験投与されていく。それに至るまでの間、何遍となく基礎実験が繰り返し行われる。そこで人に適用しても大丈夫だという踏み切りがついてから、健康人あるいは少数の患者、さらには少し幅を広げた患者さんに投与して、その実験成績を持ってくる、こういうことが通常のルールとして行われるわけでございますので、まずこのようなケースになり得る可能性はほとんどない、こう言い切っていいんだろう、私はかように考えております。
○米沢委員 この丸山ワクチンに関しては、たくさんの方が使うことになってしまっておる。だから、ほかの研究用薬についてはそんなことになるはずがない、それはおかしいと思うのですね。なる可能性なんて何ぼでもありますよ。ある薬を、たとえばがんならがんに効くという研究をされておって、これを何とかやろうといったときに、それはある程度医学的な検討を加えられて、副作用がどうだとか薬害がどうだという少々の議論がなされたとしても、それは確かに長期投与されたり、結果的には思わぬ副作用を生むような、そんなのは何ぼでもあるんじゃないですか。そんなのがなかったら、でき上がった医薬品が副作用があるとかいって後から問題になるようなことはないと思うのですよ。 ですから、でき上がった医薬品の薬害については大変厳しく取り締まらねばなりませんけれども、研究用薬の分も、確かに研究用はぴしっと決まってないから研究用なんですから、そういう意味でむずかしいところがあるかもしれませんけれども、研究用薬についてもある程度の法的な何かをしないと、結果的には人体実験で殺してしまったりすることがあるんじゃないですか。それはあり得ないことないでしょう、皆さん。どうですか。
○山崎説明員 薬の承認を前提としました道筋はいまでもすでにでき上がっていると言ってもいいんだろうと思います。ただ、その研究の内容その他について、法的な規制その他が及ぶということが果たしていいのかどうか、これは今後検討さしていただきたいと存じます。研究の自由という問題が一つあるわけでございますし、そういうものとの絡みも当然出てまいると思います。 ただ、いずれにしましても、お医者様の倫理規定として強く働いておりますのがヘルシンキ宣言に代表されるような倫理規定で、それは薬の投与という問題、あるいは開発、研究、そして薬として登場するまでの道筋なりあり方というものを宣言したものでございますが、そういうものに一般的に道義的に拘束されるということだろうと思っております。
○米沢委員 研究の自由よりも生命の尊厳の方を大事にしてもらいたい。そういう観点からぜひ御検討をいただきたいと私は思います。 それから、これも先ほどから問題になっておりますが、たとえば審議会のメンバーが、それぞれのいろいろな会社の薬を開発する場合にタッチをされて、そういう方が審査のメンバーになる場合には大変むずかしい問題が出てくるんじゃないかというような話がずっと出されております。今回の場合にも、御案内のとおり不適格ではないかという申し立て書が出されるなどいろいろ物議を醸しておるわけでありますが、確かにその委員が本当に医者の良心に基づいてやったかしれないし、横からがたがた言われるようなものではないかもしれませんけれども、形式的にはそういう疑念を持たれざるを得ないような委員がおるということ、ひいてはそういうことから結果的に結論さえ不信の目で見られるということで、今後あらゆる場面にこういう場面が出てくると思うのですが、それを放置していたならば、いつまでたってもまず不信感先にありきで納得してくれない。そういうのがあたりまえだとしておりますと、私は不幸だと思います。仕方がないんだということではどうもおさまらない。 そういう意味で、けさの新聞等読ませてもらいますと、薬事審議会の規程を改正しようとかいうような話が出ております。けさの桜井先生なんかの話によりましても、本当にわれわれ学者がやらぬでも、役所でそういう審査するような機構をつくってもらった方がいいとか、あるいはまたもう少し審議の経過を公表することがベターではないか、その方がわれわれとしてもやりやすいとか、いろいろな発言がなされておりましたね。そういうことを踏まえて、今後審議会のメンバーの構成なり選任の仕方なり、そのあたりどういう改定を具体的になさろうとされておるのか、その点をちょっと説明してもらいたい。
○山崎説明員 そういう線でいま問題を鋭意詰めておるところでございまして、第一に、委員がたまたま御自分の研究する分野で発表された文献、リポート、こういったものが、具体的な、個別的な、開発する薬の会社の資料として登場する、たまたまそれが委員の先生の一部と重なるケースがあるわけでございまして、いまの体制からすると、その発生すること自身は避けられない、かように考えております。そういう意味であれば、審議会の方の運営の仕方で、その辺の工夫をぜひ近々にやりたい。 具体的に申しますれば、たとえばデータの作成、こういうものに関与した人が委員である場合には、当該データの評価等について審議する議事に加わらないとか、そういうものを考えておるところでございます。
○米沢委員 あと、たとえば審議の経過を公表するとか、提出された資料を公開するとか、そういうものまで踏み込んでやられるお考えですね。
○山崎説明員 データの公表問題につきましても積極的に考えてまいりたいと思います。 ただ、一つの条件は、ごく小部分でありまするけれども、企業秘密の問題が、製剤の方面について多少残っております。それから、提出されたデータなり論文の主要なものは、提出申請前にほとんど学会誌なり学術誌に発表していることが原則である、こういう指導を強くしておりますので、その辺の公表関係は実態とは大分違ったものになろうと思いまするけれども、いずれにしましても公表を原則にしまして、議事の経過その他を公表することを考えてまいりたい、こういうふうに思っております。
○米沢委員 一つ心配なのは、たとえば一流の学者、一流の方に何しろ委員になってもらうというのが、まず皆さんの努力目標でしょう。一流の学者なんというのは、大体みんな何らかの形で医薬品の開発にかかわっておられるのではないかと思うのです。特に専門的な立場で審議されればされるほど、その専門家については、いろいろな専門薬の開発について携わっておる。そうなると、なる人がいなくなるのじゃないかと思うのですね。あるいはまた、ここまでやかましく言われると、おれはもうなりたくない、こんなところに連れてこられてやかましく言われるのはかなわぬと言うて、何か逃げるようなことになってしまうのじゃないかという心配も私は一面するのですよ。これは非常にむずかしい話です。 そういう意味で、口では簡単に言えますけれども、大変むずかしいところがあると思いますので、できればやっぱり資料の公表等で、おれたちもそれにかかわったけれども、その中に入っておる、しかし、こういうかっこうで、こういう結論を出したのだという、そちらの方をもうちょっと積極的にやってもらった方が、学界の進歩というものに対してはやはり皆さんの協力が得られるのではないかという個人的な見解を私は持っております。 それから、今回の審査に関しましていろいろと不評であるのは、たとえば日本医科大学のワクチン療法研究施設がやったような一般臨床試験というのは、みんな排除されておる。なぜこんなのを排除するのだろうか。これは確かに専門的に言うたら、規格がどうだとかいろいろありましょうけれども、治ったという一般の臨床試験の例を排除するという、そのやり方がどうもおかしい。私もそんな疑問を持つんですね。治ったという臨床例について、確かに専門家の立場からは、こういう例でないといかぬ、こういう例でないといかぬ、いろいろなモデルケースみたいなものを持ってこいと言われるかもしれませんけれども、研究用薬と言われますように、いま悪戦苦闘して、ふやしてみたり減らしてみたり、一生懸命やっておられると思うんですね。そういう意味で、治ったというのは、いわゆる一般の薬を使って治ったという臨床例なんかとは違った、別扱いでやはり考慮の中に入れるという、そういうシステムにならないと、私は、非常に疑問もわくし、不信もわくし、正当な評価につながらないのではないかという感じがするんですね。 そこで、聞かしてもらいたいのは、ちょうど委員の不適格を申し立てたというその申し立て書の中には、先ほど言いましたように、日本医科大学のやった「一般臨床治験例は、調査会においては一切評価の対象とされていない。」とか、また、「権威ある癌専門施設の権威ある専門医師の入った多施設研究グループの手がけた臨床データでないと調査会においては評価されず、」とか、「また丸山ワクチンについては、申請者の再三の臨床実験の要請をこれら権威ある施設、専門医は拒否し、厚生省も」それにあっせんしてくれなかった、したがって差別だというふうに、一連の流れがこういうふうな感覚でなされておるわけですね。 そういう意味で、こういう審査をされる場合、いろいろな学問的なむずかしさはあるかもしれませんけれども、やはり一般臨床例みたいなものは、あらゆる角度からすべてを吸収してそれを審査するというシステム、一応学問的にはいろいろ理屈があるかもしれませんが、やはりそういう治ったという一般臨床例等についてはあらゆるところから集めて、聞かしてくれ、見せてくれという、そういうシステムを入れないと、いつまでたってもこんな欲求不満が出てくるのじゃないでしょうか、どうなんでしょうか。
○山崎説明員 お答えを申し上げます。 いまのシステムから申しますると、申請者サイドで、御自分でいろいろ実験、試験をやられた、そういう成績のいろいろな資料を、取捨選択といいますか、その中で御自分でひとつ系統的にそれを整理、収集する、そしてその整理、収集し、さらに整理、評価して、それをデータとしてこちらに提出していただく、こういうたてまえ、ルールになっておるわけでございまして、そういう意味で劇的に効いた症例なども、そういうものも整理、収集、評価してお出しいただければ、十分それはそれで足りるといいますか、こちらの目に触れることができるわけでございます。 何せ、全国のいろいろな例を私ども自身で集めるということは、現実問題としてはとてもできることではございませんので、それはもう挙げて申請者サイドに、御自分の治験計画に基づいたデータが当然発生するわけでございますから、それを整理、収集、評価して出していただく、こういうたてまえになっておるわけでございます。
○米沢委員 今回の場合には、申請者が治験例を集めて持っていったのではないですか。しかし、それは除外されたのではないですか。そうじゃないのですか。
○山崎説明員 少なくとも私どもは、データとして出されているものを突き返すとか除外するとか対象にしないとか、こういうことではございません。出しているものは全部評価の対象になっているわけでございます。
○米沢委員 出したけれども、いろいろ判定の基準に合わない臨床例であるから除外して考える、こういうことになったのじゃないですか。
○山崎説明員 この丸山ワクチンにつきましては、第一次、第二次、今回第三次というそれぞれ歴史があるわけでございまして、たとえば第一次に出したもの、この中では、確かに個別症例のいろいろなケースを申請データとして提出されたものがあります。しかし、これをその当時の審議会の目にさらして評価してもらいますと、こちらから見れば、それは評価にたえない、約束事の目から見て、いろいろな無理がある、仮にこういう無理なものがあるならば、それは今後もお出しになってもなかなか無理ですよ、そういう意味で、次からの資料の問題についての御注文といいますか、そういう関係は生じております。
○米沢委員 もう時間も来ましたけれども、今回のこの丸山ワクチンに関しては、全国でもかなりの人数の方が欲しいということで行列をなさるような状況でありますから、でき得る限り製造認可できるようなかっこうで、データの提出等々、できる限り助言、助力をしていただいて、再審査の道を早くつくっていただく、そういう御努力を厚生省としても、つとに心がけてもらいたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
○戸沢委員長代理 小沢和秋君。 〔戸沢委員長代理退席、今井委員長代理着席〕
○小沢(和)委員 いままでにもうすでに大分審議をされまして、私が聞きたいと思っておったことも、すでに質疑の中でかなり出てきております。ですから、できるだけそういうような重複を避けながら質問をいたしたいと思うのです。 まず第一にお尋ねをしたいのは、この丸山ワクチン問題についての今後の厚生省の対処ですね、許可にならないだろうというような見通しに現在なってきている。許可にならない薬を、国の方が積極的に手に入れることができるようにいろいろと手を打つということもおかしいじゃないかという話もあるけれども、しかし現実問題として、先ほどから話があっておるように、これを入手したいということで行列をする人も出ておる、あるいは全国各地から飛行機や汽車に乗って集まってきておるということも、これは現実であります。先ほどからのお話で、政府としては、当面は生産の継続を要請し、そして日本医科大学に来れば渡るようにしたいというお考えのようですけれども、私、政府がどうせこういうような態度でおられるというのであれば、全国各地から来なくても、それぞれの地域で手に入れることができるような方法というのも、そこまでやるなら考えた方がいいのじゃないかと思うのです。この点についてお考えになっているかどうかということをひとつお尋ねしたいのです。
○山崎説明員 先ほどもお答え申し上げたのでございますが、今後のあり方につきましては、一つは、やはりこの丸山ワクチンが将来といいますか、もちろんだめな場合を前提としての話でございますけれども、薬として認可、承認される、こういう方向において、治験用の薬として各臨床施設において治験が継続される、こういう関係においてその供給の確保があり得るという側面が一つであります。もう一つは、研究用の薬としてお医者様の自由な診療の範囲内のものとしてそれを位置づける、この二つの考え方があるわけでございまして、それを具体的に今後どうやっていくか、これは相手もあることでございますので、今後の課題にさせていただきたい、かように思っております。
○小沢(和)委員 その課題にするということはわかりましたけれども、しかし実際、私は九州の出身ですよ。こういうようなところから欲しいということで、私の知っている人などもこっちへ来たりしているということも私は知っているわけです。だから、どうせこういうような継続をして供給ができるようにしたいというのであれば、思い切ってそういうような措置もその中に含めて考えた方が現実的ではないかというふうに、私思っているわけですよ。その点でもう一度答弁願いたい。
○山崎説明員 おっしゃるお気持ちはよくわかるのでございますが、それにしましても、臨床研究の場という条件が一つそこに存在しなければなりませんし、場合によれば治験の場という存在が不可欠の前提であろう、かように考えておるわけであります。
○小沢(和)委員 いまの話はどうも余りよくわかりません。わかりませんけれども、いまの段階では言いにくい問題でもあると思うから、供給を保証するというのであればそこまで考えた方が現実的だということを私はもう一遍だけ申し上げておきたいと思うのです。 そこで、私は丸山ワクチン問題がこういうような形で議論になっておるということはある意味では不幸なことじゃないかと思うのです。やはり医薬品として本当に効果があるのかどうかということが一番の根本問題ですから、冷静に研究なり実験なりをとことんやって早く結論を出すということが一番肝心だろうと思うのですね。 そういう立場に立って次のお尋ねをしたいのですけれども、こうまでなってきた以上、国自身の責任で追試などをやるというようなことは考えられないのか。何かそういうようなことを考えているというようなニュースもちらほらしているように伺っているのですが、どうでしょうか。
○山崎説明員 メーカーがみずからそういうことを行うというのが本来のたてまえであります。そのたてまえはちょっと崩せないのではないか、かように考えておりますが、御趣旨もわからないではありませんので、その辺も今後の課題にさせていただきたいと思っております。
○小沢(和)委員 それから、これはつい先ほども議論になった点ですけれども、丸山ワクチンが医薬品として許可もされてないのに十数万人の人にすでに投与されておるというのは私も全く異常な事態だと思うのですね。こういうような事態については、局長は先ほど来、いや、今後はそういうようなことは考えられないというふうにおっしゃっているのですけれども、ほかにも何とかワクチンというようなことでかなり投与されておるというケースもあるというようなことを私はすでに聞いているのですよ。 そうすると、本来の順序を踏まずに、実際は治療のために大量に薬がどんどん許可もされずに使われていくというような事態というのは、これは今度のこの経験からいって、いまの仕組みの中ではもう防ぎようがないということになるのか。もしそうだとしたら、これは私は大問題だと思うのですね。その辺どうお考えですか。
○山崎説明員 防ぎようがないのかとおっしゃられますと、一つは薬事法という問題があるわけでございまして、そういう状態に立ち至って実質上の販売なり流通なりというような関係が生ずれば、それは薬事法違反ということになるケースも一般論としては当然あるわけであります。
○小沢(和)委員 いや、そういうケースもあると言うけれども、実際に現在丸山ワクチンはこういうような状態になっている。たまたま丸山ワクチンについては副作用がないということはもうほとんど一致した見解になっているからいいけれども、これがもし副作用、たとえばスモン患者みたいなのが出てくるというような薬であったとしたら、これは本当にぞっとする話じゃないかと思うのですよ。いまも申し上げたように、すでに別のワクチンなどもそういう手続も経ずに大量に使用されるような状況になってきているというような話も私は聞くし、だからこういうようなことについて今後これを教訓としてこんなようなことが起こらないようにどういうふうにしたらいいのかということについて国として真剣に考えないと、一般論としてですけれども、本当にこれは大問題じゃないのでしょうか。その点どうお考えですか。
○山崎説明員 この問題を離れまして、一般論としては先生のお説はごもっともだと存じております。そういう関係ですでに私どもは薬事法という法律を持っておりますし、そういう面で十分対応できる、かように考えておるわけであります。
○小沢(和)委員 いや、その薬事法という法律を持っておるという事態のもとで現在のようになっているわけでしょう。だとしたら、この薬事法ではそういうような事態については有効な対処はできないということが現実によって証明されたということじゃないのですか。だから、こういうような事態が今後起こらないようにしていくという上ではもっと考えなければいけないという点があるのじゃないのか。 私は素人だからちょっとそういうような問題意識を持つという程度のことしかできませんけれども、その点いかがですか。
○山崎説明員 先ほども申し上げたのでありますが、この丸山ワクチンにつきましては全く異例の経過なり何なりをとっていると私は認識しておりまして、そういう面から見まして、全く同じようなことが今後も別のことで起こるというふうには私は考えられないと思っておるわけでございます。 そういう一般論としてでございますが、仮にもそういうものが生じ、またそれが何らかの弊害を持つ、こういう状況になれば、もちろん現在の薬事法で十分対応できる、かように考えております。
○小沢(和)委員 いまの点は必ずしも十分に納得できません。その点だけ申し上げておきたいと思うのです。 次に、新薬の許可をめぐる問題について二、三お尋ねをしたいと思うのです。 私も今度の丸山ワクチン問題などについて改めて勉強してみて思ったのですけれども、いまのように新薬の許可を申請する場合には、薬のメーカーの方が大学病院なり信頼のあるどこかの病院なりに依頼をして、そして実験をして、そのデータを提出して審議を求める、それに基づいて書類でその審査をして決める、こういうような仕組みになっているということになりますと、これはどうしてもそういうような製薬企業と、そういう非常に権威があると言われるような大学やその他の病院の医師などとの間に癒着の関係というのが生まれてくる。私はやはりそういう必然性というか非常に大きな危険性がそこにあるのじゃないかと思うのですよ。だから、少なくともこの癒着の関係を断ち切るような機構をつくっていく必要があるのじゃなかろうか。 だから、製薬メーカーが直接こういうようなところに依頼をして実験をするというようなことじゃなくて、こういう薬の有効性については第三者機関なりが、費用などを当然メーカーなどから徴収しなければいけないでしょうけれども、その第三者機関でやる。そして、客観的にそこで明らかになった資料に基づいて審議会が検討する、こういうような仕組みをつくるということが癒着を断ち切っていく上で必要ではないかということを感ずるのですが、いかがですか。
○山崎説明員 先生の御提案、検討に値するものだと存じまするけれども、現在は各企業が独自に臨床試験を行っておりまして、それもきわめて広範に行われておりますし、対象医薬品もさまざまな、多種多様なものでございまして、その数もきわめて膨大なものになる、こういう関係だろうと思います。そういうのを、まあ第三者機関とおっしゃいましたけれども、何か一つの機関に取りまとめて臨床試験を整序された姿でやっていくような組織をと、こういうお話だろうと思うのでございますけれども、それは一つは大変予算的に膨大なものになるということが当然予想されますのと、確かにメーカーと医療機関との癒着というのか何といいますか、メーカーと医療機関との関係がいままで個別個別に行われていたものが整序される、こういう意味合いがあると思うのでございますが、だから技術的にたとえば臨床試験を取りまとめるにしましても基礎的なデータを、動物実験その他のデータをどう評価してからそこに進むのか、こういういろいろな技術的な問題があります。あるいは、どの段階からそういう第三者的な機関というものが関与すべきものなのか、技術的にもいろいろと難点も多いと思いますので、いまさしあたって現実的にその問題をこなしていくのは困難があろうと思います。 私ども、欧米先進諸国におけるそういう新薬開発のあり方あるいは承認までのプロセスのあり方につきましても、さような姿というのはちょっと見つけていないのでございます。
○小沢(和)委員 いま局長は西欧先進国の事例なども研究したというようなお話がありましたのですけれども、たとえばアメリカなどではFDA、食品医薬品管理局というような機構があって、新薬の審査をするための専門の職員を千人も抱えているというような話も聞いているわけです。 〔今井委員長代理退席、委員長着席〕 私がさっき言った第三者機関というのとこのFDAと必ずしも一致している話じゃありませんけれども、しかし私は、アメリカにこういうような機構があって、その開発からさらに安全性、有効性などについての臨床試験などに至るまで国の責任でやっておるというようなことについて、もっと研究をしてこういうような考え方を積極的に導入をしていく必要があるのではないかというふうに考えるのですが、どうですか。
○山崎説明員 確かにそれも一つのお考えだと思いますし、私どもの部内の考え方もそういう方向を否定する考え方は必ずしも出ておりません。ただ、いままで長年にわたりましてへまあ日本的なと申しますか日本のあり方というものが、審査スタッフをもちろん持っておりますけれども、おおむね高度の科学的、技術的な審査というものは外部の審議会というものに任せるといいますかゆだねているという、そういう実態が定着してきているわけであります。 いま何も行政機構改革というような時期だからこういうことが実現が無理だとかなんとかいう意味ではないのでございますけれども、技術的な問題といたしまして、アメリカのFDAなんかでも、そういう恒常的な、常駐的な審査スタッフを内部に多数抱えるという方式というのは技術の進歩というものをあるいは阻害している面もあるのではないかという反省も生まれているように聞いておるわけでございまして、つまりその審査スタッフ、担当官がどうしても技術刷新から取り残されてくる、こういう弊害もある、こんなことも問題意識としてあるようでございます。まあ、あれやこれやいろいろと、利点もありますが、考えなければならない点もあろうかと、かように考えております。
○小沢(和)委員 いま弊害もあるなどというようなお話もありましたけれども、一番の問題は、メーカーがお互いの思惑あるいは学閥がらみなどというような話も今度出てきましたけれども、そういうようなことによって新薬の開発などにいろいろな邪魔が入ったりしないように、国の責任でそこのところを進めていくという点で私そういう提案をしているわけです。 大臣にこの機会に一言お尋ねしたいと思うのですが、いま臨調というようなことが大分問題になっていますけれども、私は、やはり国の責任においていま言ったような安全性あるいは有効性などについての臨床試験などをやる、こういうような機構を設けるというようなことはぜひ検討する必要があるのじゃなかろうか。臨調というような状況の中でも、私は、国家百年のためには、こういうようなことは考える必要があるのじゃなかろうかということを考えるけれども、大臣はいかがお考えか。 それからまた、ついでですけれども、先ほど臨調の問題について、大臣は最終的には総理大臣の指示に従わなきゃならぬというお話だったのですけれども、しかし私、いま臨調の関係でいろいろ出ている問題というのは、総理大臣の意向に従わなきゃいかぬということで一方的に従ってもらったんじゃ困るような問題が余りにもたくさん提起されているように思うのです。厚生大臣としてこういうようなものは困るというようなことで毅然とした態度をとってもらわなければならぬ問題がたくさんあると思うのですけれども、その辺についてどうお考えなのかということも、ついでですから一言だけお尋ねしておきたいと思います。
○村山国務大臣 前段の問題でございますけれども、きょう参考人からいろいろ伺いまして非常に得るところ多かったと思うのでございます。何分やはりがんが原因がわからないというところに最大の問題があると思います。そういう意味で、いまのところいわば薬事審議会の審議というのは統計的な審議をやっているわけでございまして、統計的に合わないのはいま排除している。これも一つのやり方でございます。しかし、ある参考人が言われましたように、しかし効いているという事実はたくさんある、こういうわけでございます。それをいかに科学的に証明できるのか、ある参考人はこういう点に気をつけてやるべきだというようなことを言われたのを、私は非常に参考にして聞いておったのでございます。 いずれにいたしましても、そういう意味では、がんはもう医療器械の発達とともに、まだ解明はできませんけれども、日々進んでいるのじゃないかと思うわけでございます。そういう意味で、これからもう判定基準そのものも、だんだんいろんな判定基準が出得る可能性を持っているということを深く感じているわけでございます。 そういうことで、一方におきまして丸山ワクチンの問題、決して無効だなんか言っているわけでないので、出されたデータから従来の方式でやると有効性が認められなかったというにすぎないのだろうと思っているわけでございます。 いま小沢委員が指摘されましたその検査のやり方の、一種の公的機関をつくったらどうか、これも確かに参考に値するわけでございますが、同時にまた、公平を期するという意味はまたいろんなやり方が私もきょうお話を聞いて考えさせられました。人選のやり方あるいは運営の仕方、これによってかなり担保できるのじゃないのか。また今度は、公平にいたしますと、やはり企業というものは本当に真剣に開発する努力をするわけでございますので、弊害ももちろんあると思いますけれども、それ自身薬学の進歩に大きな影響を持っていることも確か、この両方を殺さないようにどう組み合わしていくか、小沢委員のことも頭の中へ入れながら今後検討してまいりたいと思っておるわけでございます。 それから、第二の問題でございますが、臨調について、私は、最終的には総理の意見に従う、こう言いましたけれども、これは一般論として申し上げたわけでございまして、もちろんいま言われている中でどうしても受け入れられない点はあるわけでございまして、その点はきのうも総理に申し上げておいたわけでございます。それは、私の判断でこれとこれは受け入れられませんと一々具体的には申し上げません。しかし、事柄によりまして、私も国務大臣の一員であり、そしてまた、今度の財政を見直すという姿勢そのもの、これには賛成しておるわけでございますので、最終的に譲り得る範囲において総理の意見をやはり尊重してまいりたい、こういう意味でございます。
○小沢(和)委員 もう時間もぼつぼつ迫ってまいりましたので、あとお尋ねしたい問題は二問ですが、続けて申し上げて回答をいただきたいと思うのです。 一つは薬価の問題なんです。 丸山ワクチンは、その指導料ということで、これは四十日分ですかね、五千円ということになっておるわけですね。これは指導料ということだから単純に薬価だというふうに言うことはできないと思うのですけれども、しかし私は、この丸山ワクチンというのが製造している原価などと全然無関係に、まるっきり大赤字でこういうような値段が決められているのではないのじゃなかろうかという感じがするわけです。これと対照的に、クレスチンとかピシバニールというようなものの薬価を見てみると、一日の薬代がクレスチンの場合には三千二百五十四円、ピシバニールの場合は五千三百三十三円。製法やらその他がいろいろと違うんだというようなことが言われてはおりますけれども、しかし私は、こんなことを言うと素人の議論だと怒られるかもしれぬけれども、たしかクレスチンというのはサルノコシカケ、そもそも山の中からただで持ってきたものを原料にしているじゃないかというふうに言い出したら、このクレスチンというものにしたって、三千二百五十四円、これはちょっと高過ぎるんじゃなかろうかということを改めて今度感じたんですよ。 そういう点からお尋ねをするのですが、近く薬価基準の算定方式の見直しというふうなこともけさの新聞ですか、報道されております。私たちはかねがね、やはり薬についても製薬の原価というものをもとにして適正な価格をはじき出すべきだということを言っているのですが、今度の場合も何かやはり実勢価格というのが大体において基準になるような考え方のようですけれども、この辺ですね。製造原価というようなものをもっと重視して、これをベースにするというような薬の値段の決め方をしないといけないのではないかということを、もう一度、これは丸山ワクチンの問題に関連してひとつお尋ねをしたいのです。 それから最後に、これは大臣にお尋ねしたいと思うのですけれども、抜本的ながん対策、さらには成人病対策ということでちょっとお尋ねをしたいと思うのです。 御存じのとおり、いま、がんに限らず、心臓病とかあるいは高血圧とか糖尿病とかいうようないわゆる成人病というのが死亡原因の上位にずらりと出てきているわけですけれども、これはいわゆる先進諸国に共通した現象。日本でも生活様式が西欧化するにつれて急速にそういうふうになってきているということが言われている。やはり生活様式とこういうようなこととの関係が非常に大きくあるんじゃないかということを私も感ずるわけです。アメリカなどでは上院に栄養問題特別委員会というのを一九七五年から置いて、二、三年かけて、こういうような食生活とがんなどとの関係を権威のある人たちを呼んだりしていろいろと研究をしている。動物性の脂肪やたん白質のとり過ぎががんなどととも非常に関係がある、四十万人のがん患者のうち三十五万人は食事やあるいは体内に入る化学物質が何らかの意味で原因しているというようなことまで言われているのですね。 私は、こういうような抜本的な、生活様式にまで立ち入って国民の健康を守るというような研究を日本でも力を入れてやらなければいけないんじゃなかろうか。私たちには、いわゆる西欧的な食生活というのは何か非常に理想だというようなイメージがあるのですね。ところが、アメリカなどでは非常に反省が起こっておる。この辺についても日本でも厚生省を挙げてどうしても取り組むべき時期に来たんじゃなかろうか。その辺についてどうお考えか、最後にお尋ねしたいと思います。
○大和田説明員 前段の問題につきましてお答え申し上げます。 新薬の価格算定方式でございますが、これは御承知のようにいわゆる類似薬効比較方式というものをとっておりまして、すでに市場価格によって価格が設定されておるという既収載品目の価格と比較して割り高にならぬように、そういうことで薬価を算定しているところでございまして、先生おっしゃいましたような原価方式はとっておらぬ。原価計算方式の議論、当然私どもも承知しておるわけでございますけれども、やはり開発経費であるとか設備費とか品質管理費といったようなことで算定の方式が非常にむずかしいということで、原価方式を採用することはなかなか困難であるというふうに考えておるわけでございます。 この新薬の算定につきましてはいろいろ議論がある。したがいまして、私どもも、これは五人の斯界の専門家の方々にお集まりを願いまして、新薬の薬価算定に関して議論をしていただくということで、すでに今月の十七日でございますけれども初会合をしていただきまして、このあり方につきまして検討を願っておるところでございます。私ども、その先生方の検討の推移を拝見しながら適正な新薬の算定方式というものを考えてまいりたいというふうに考えております。
○大谷説明員 後段についてお話し申し上げます。 成人病につきましては、先生御指摘のように治療よりも予防、予防よりも生活だ、特に食生活が大事だというふうなことは当然のことでございまして、厚生省では昭和五十三年度から国民健康づくり計画ということで生活の健康教育に力を入れてきておるところでございます。 ただ、がんと食生活の問題につきましては大変むずかしい問題がございます。たとえばわが国では胃がんあるいは子宮がんにつきましては減少の傾向になってきておりますが、大腸がんでありますとかあるいは乳がん等については若干増加しておりますし、特に肺がんあるいは呼吸器がん等につきましては非常に増加をしておる、こういうふうになっております。呼吸器のがんにつきましてはたばこ等のことが言われておりますが、大腸がんでありますとか乳がん等につきましては食生活のパターンの変化、欧米化というものが非常に関係があるのではないかというふうに言われております。 ただ、この問題につきましては、なかなか簡単にそういうふうにはまいりませんで、食生活の欧米化というものが、たとえば高血圧の問題でございますとか脳卒中等の問題に非常によい傾向も与えておるわけでございますし、また栄養等の問題につきましても非常によい結果も与えており、一律的には申せないのでございますけれども、食生活とがんの問題につきましてはなお十分な研究をいたさなければならないということで、私どもは非常に注目しておるわけでございます。
○小沢(和)委員 終わります。
○山下委員長 菅直人君。
○菅委員 きょうは、私は社会民主連合の委員なんですけれども、新自由クラブの皆さんの御好意で、この丸山ワクチンの問題については積極的な姿勢ということでは一致をしておりますので、その質問時間を私の方にお譲りいただいて合わせて質問させていただくということをあらかじめ申し上げておきたいと思います。 大臣、この丸山ワクチンをめぐるこれまでの経緯はいろいろなところでお聞きになって御存じだと思いますけれども、多少お話をしたいと思うのです。といいますのは、一昨日でしたか、朝のテレビに大臣が世相講談か何かに出ておられて話しておられるのを聞いて、これは大臣、御存じないことも結構多いのではないかなという気がちょっとしたものですから申し上げるのですが、たとえばあの場で、中央薬事審議会のいろいろな公表の問題についても、たとえば委員のメンバーなんかはいつでも公表してきたのだというような感じのことを言われていたわけですけれども、実際には、半年ほど前までは私たちが一生懸命要請をしてもなかなか委員の名前すら教えていただけない時期があって、それをやりとりをしながらやっと引き出すことができたという現実があるわけですね。 それから、たとえばもうすでに認可がおりたクレスチンとかピシバニールについて、私も三カ月以上前からそれのいろいろな申請の書類とか調査報告書とかをぜひ出してほしいということでずっとかけ合ってきたのですが、一昨日実は調査報告書はいただいたのですけれども、それの中身になるいわゆる申請データについては出せないといいますか、いまだ私の手元には届いていない。 しかし一方で、これはきょうも来られていますけれども、行政の、たとえば生物製剤課の皆さんなんかは、またいろいろな関係者は、丸山ワクチンというのはきわめて効果が薄いのだ、これまでの薬に対して効果がこんなに違うのだということをいろいろな機会に発現されているわけですね。私もこの耳でラジオを通して聞いたことがありますけれども、それでは私がその効果を言うときに、たとえば丸山ワクチンは三%とか非常に小さい、これまでのクレスチンとかピシバニールはかなり大きい。ではどういう基準で大きい、小さいを言われているのだということを聞いても、その中身は教えていただけない。 次第にわかってみますと、調査報告書なんかを見ますと、クレスチンについて二一・五%という数字が書いてある。しかし、これは延命率の効果ではなくて、いわゆる外観的云々と書いてありますけれども、簡単に言えば、がんの腫瘍が一時的にしろ縮小した効果をとって——二十何%というのの大部分はそういうデータなんです。しかし、いまの免疫の学界では、私も門前の小僧であちこち聞いて大分わかってきたのですが、一時的に免疫効果でがんが縮小するということはほとんど効果に入らない、またはそういうことはあり得ないはずだ。たとえば佐藤先生なんかもそういう意見なんですが、つまり免疫剤というのはそういう効果ではなくて、前に小林先生も言われておりましたけれども、まさにじわっと抗体を強めていくような効果だ。ですから、従来の二一・五%というものと丸山ワクチンの三%というのは基準そのものが全く違うわけなんです。しかし、そういうものをあちらこちらで非常に効果があるものと効果がないものだということを言われ、それをマスコミの中でもそのまま受け取って報道されることがあるということがこれまで多々あったわけです。ですから、その中身を知りたいと言ってもなかなか出してもらえなかったのがこれまでの経緯なわけです。 それで、大臣に所見をお聞きしたいのですが、これまで先ほどどなたか前の委員の方も言われておりましたけれども、丸山ワクチンの一連のことに対して、行政自体が非常に冷たかったというのが、私に限らずかなり多くの方の感じなんですね。ですから、これまでが冷たかったか温かかったかはともかくとして、少なくともこれから、またこれまでの経緯を含めて、行政上の差別とか行政上冷たい扱いをさせないその責任は厚生省の長である大臣にまさにあると思うわけですけれども、そういったことを含めて、行政上の立場として中薬審の公正な審査に責任があるのではないかと思うのですけれども、その点についての御所見を伺いたいと思います。
○村山国務大臣 公正な審査という問題を中心にしてお話し申し上げますと、私が聞いている限りでは、丸山ワクチンは、前に申請されたそのときには日本癌学会の判定基準によった。その場合のあれはやはり縮小効果あるいは自覚、他覚症状等のものであって、その基準はもう御存じだと思いますが、それでやりました。それで、残念ながら縮小効果が見られないということ、あるいはデータが統計的に不備であるということで、それならせめて、ちょうどアメリカで盛んになりました比較臨床法によって延命効果を出してみたらどうか、こういう忠告をしたというふうに聞いております。 それで延命効果の結果は今度の調査会が報告したとおりでございまして、評価はいろいろあるだろうと思います。私が冒頭に申しましたように、このがんというものは未知の分野がまだ非常に多うございますし、きょうの参考人の発言の中にも、ことによるとがんというものは個人差が非常にあるのじゃないかということさえ言っているわけでございます。未知であるだけに、それだけに、今後大きく伸びなければいかぬし、そしてまた、現在の医療器械の発達をもってすればある程度検証がきくこともあり、また判定基準もあるいは変わり得るかもしれぬ。これは本当に私素人でございますけれども、きょうのお話を聞いてそういう予感がしているわけでございます。 公平という問題については、これは絶対に公平にやらなければならぬと思っておりまして、一つでもいい薬が出ることを望んでおりますし、丸山ワクチンももちろんその例外ではございません。特に丸山ワクチンについては多くの人がこれを使用しており、多くの家族の方がおられるということはよく承知しております。願わくは通過することを願っておったわけでございます。そういう意味で、今後とも公正を担保する意味であらゆる努力をしてまいりたいと思っております。
○菅委員 公正を担保するあらゆる努力をしていただけるということで、この点についてもう一つだけ申し添えておきたいのは、いま大臣みずから言われました従来の基準ですけれども、これはきょうの参考人の意見の中にもありましたように、もともといわゆる免疫療法の基準ではたしかないはずなんですね。いわゆる抗がん剤と言われるがん細胞を直接攻撃する薬に対しての基準であって、その基準も見直さなければいけないということで補助金をとられて、きょう来られた桜井さん自身がまたそれの研究をされて新しい基準に近いものをつくったりして、その中にも比較臨床実験といった問題が入っているわけです。ですからある意味では、今回丸山ワクチンについて本来審議されるべき内容は、私はまさに比較臨床実験のデータをどう見るかということだと思うわけです。 それがきょうの朝からずっと議論があったわけですけれども、私もいろいろな方と話をしていると、どうも常にすりかえがあるわけです。それじゃ従来と同じにやりましょう、従来と同じであればがんが縮小する効果は丸山ワクチンには認められないから、それならだめですよ。そして延命効果は、これは確かに有意差はあるが、臨床的には有意義でないなどと桜井さん言われていましたけれども、そういった言い方で逃げてしまう。それじゃクレスチン、ピシバニールについて延命効果が調べられているかというと、これまでのデータによればこれは全くないわけです。そういう点では、丸山ワクチンの基本になっている判断というのはまさに免疫療法に適する初めての判断だということをよく御理解いただいて、それを公正にやっていただきたい。そういう意味では単純な比較にならないものをいつも比較している、私が申し上げたのはそういう意味なんです。 それを含めて次の問題に移りたいのですが、中央薬事審議会のいろいろな規定の改正等を報道で、また個別にも私伺っているのですけれども、きょうの先ほどの議論では、たしか薬務局長でしたか、その評価等について議事に加わらない等の運営をやりたいということを言われていましたね。しかし、前回、三月十九日に私が局長にいわゆる一人二役のことについて具体的にお聞きしたときに、「自分の意見を通常控える、これが慣例になっている」という形で薬務局長は答えられているわけです。 しかし、その後いろいろわかったところによると、桜井さん自身ですけれども、座長として全部の意見を自分で取りまとめて、特別部会に持っていって、その中でも審議に加わり、さらに常任部会まで行ってクレスチンについても加わっているわけです。それを局長は、「自分の意見を通常控える、これが慣例になっている」から公正なんだということを私に対して言われたわけなんですね。今回また、評価等について議事に加わらないという言い方をされているのです。半歩ぐらいは進歩していますけれども、これじゃ単なる審議会の中の慣例を、内部的な規定を多少変えるだけにしかならないんじゃないですか。 本来、中央薬事審議会のメンバーの選任は審議会令、薬事法三条に基づく政令で決っているはずです。ですから、当然選任の問題については少なくとも政令で決めなくてはおかしいし、これまでの経緯がそういうことを示していると思うわけです。 ついでに言えば、こういった選任の問題でどういう人を外さなければいけないかということと同時に、いわゆるデータの公表、特に認可が終わった後についてはすべてのデータを公表するといった公表の制度の義務化、もう一つは、これは私の提案なんですが、異議申し立て制度ですね。いま事実上薬の認可については、おかしいと言って厚生大臣にあてて異議申し立てができたとしても、中央薬事審議会に対する異議申し立てというのは審議会ですからできないわけです。しかし実質的にはそこで決まっているわけです。ですから、中央薬事審議会に対して一定の結論が出た段階で異議申し立てができるような制度の導入、つまり委員の選任の問題に加えて、公表と異議申し立て制度の導入をぜひ検討いただきたいと思うわけですが、大臣なり局長なり、いかがお考えでしょうか。
○山崎説明員 具体的な御提案でございます。先ほども私が答弁いたしましたが、先般菅先生からお尋ねがありましての答弁の趣旨は、俗な言い方をすれば一人二役、そういうことでデータを作成した委員がそのデータについて審議の場にたまたま一致することがあり得る、これはいまの実態から見てやむを得ないことであろう、こういうふうに私は思っておるわけでございます。 ただ、そのあり得た場合にそれをどう解決していくかという、そういう調整の問題として考える場合に、それを公正の担保という見地から考えてみますると、いまのやり方というのは、要するにそのデータ、論文が審議会の皆さん、たとえば十三名の方々全部に渡りまして、名前も列記されておるわけで、仮に知らない方がいらしても、あ、これはあの委員の論文であるかということはその場でも十分わかるわけです。そうなればそのデータを作成した当該委員の方は、このデータについての評価なり何なりについて当然その身を控えてのことになる、こういうことで申し上げているわけでございまして、そういう意味が慣例化しているので、それを規定に書きたい。これは選任の問題でなくて運営の問題であるといまのところ私ども考えておるわけでございまして、そういう意味で、政令の問題ではなくて審議会規程自身の問題として解決したい、こういうことでございます。 あと、公表の義務化あるいは異議申し立ては、それぞれ今後の課題にさせていただきたいと思います。
○菅委員 これはあえて大臣にお聞きしたいのですが、いまの問題で運営の問題だというふうに言われましたけれども、たとえば薬メーカーの社員、端的な例で言えば研究所にいる社員とかまたは取締役とか顧問とか、そういう関係者が中央薬事審議会の認可に携わる委員になっている可能性というのは、もしそういうことがあったとしたら、これは適正なんでしょうか、どうでしょうか、大臣。
○村山国務大臣 かなりいろいろな疑惑を招く要素にはなると思います。ただし、この運営をどうするかという問題をもうちょっと詰めてみなければならぬと私自身は思っております。そういうことを総合的に判断いたしまして、いやしくも公正について疑われることがないように考えてみたい、かように思っております。
○菅委員 局長には個別にいろいろレクチュアを受けたりしたときにもお伺いしたのですが、同じことなんですけれども、そのときには、薬メーカーに関係をしているそういった人は認可の過程に携わる委員にはしていない、あった場合にはそれは遠慮してもらうことになるだろう。これは、私がそうなるのですかと聞いたときにそういう趣旨のことを個別には言われたわけですが、その点について薬務局長、そのとおりですか。
○山崎説明員 個別の医薬品の承認、こういう任務を負っているたとえば抗悪性腫瘍剤調査会なり新医薬品第一調査会に、本来の職務としての製薬会社の役員が参加していることはございません。
○菅委員 大臣は午前中の私の質問のときにちょうど退席されていたのでお聞き漏らしになったかと思いますけれども、薬務局長はおられたのに聞いておられなかったのかもしれませんが、プロテクトンという薬、これは吉富製薬がいま販売をしているわけですが、これの基本特許を持っておられるのは先ほどの桜井先生なわけです。ここに特許の公報もありますが、御本人も認められました。そして吉富製薬の顧問をやっておられるわけです。これも御本人が認められております。つまり、会社へのかかわり方というのはいろいろありますけれども、社員であること、取締役であること、そしてこの薬についてはみずからが最初に開発をしてオリジナルな基本特許をとって、そしてそれを吉富製薬と組んで製品化をされて、顧問にもなられている。しかも自分が審議委員になって、抗悪性腫瘍剤調査会の座長になって半年目に調査会に申請を出しているのですね。そして自分の手で許可を出して、いま実際に売られているわけです。 局長、これはどういうことなんですか、それは会社に関係がないと言うのですか。御本人が吉富製薬の顧問であることを認められたわけですよ。
○山崎説明員 会社の役員でそういう新薬の承認に関係する調査会の委員になっている方はいらっしゃいませんというふうに申し上げたわけでございまして……。
○菅委員 それはおかしいじゃないですか。先ほどそんなことは言われませんでしたよ。それから、私が昨日個別に話したときもそういうことを言われなかった。それでは顧問はいいと言うのですか、報酬を受けている顧問は構わないと言うのですか。おかしいじゃないですか。
○山崎説明員 製薬メーカーとの関係の度合い、濃度、密度、いろいろあると思うのでございます。少なくとも桜井先生の場合、御本職は財団法人癌研究会に属しておられるわけでございまして、その吉富製薬の顧問というものがどういう具体的なかかわりを示すか、それは実態との絡みで判断しなければならないのではないか、こういうふうに思っております。
○菅委員 この特許は四十年ごろ出ているわけですけれども、私が漏れ伺っているところによれば、その当時から、それに近い時期から吉富製薬におられて、そしてその後癌研に来られたというような経緯も聞いているわけですね。その立場、立場でいろいろなものにダブられていたかもしれませんが、かなり長期間にわたって顧問を続けられているということなんですね。これじゃ同じことじゃないですか、会社のことと。どうなんですか、それは。こういう人は外すという約束を先ほどされたばかりじゃないですか。
○山崎説明員 でございますから、何といいますか、選任の問題その他についても課題にしなければなりません。ただ、その方の御本職あるいは別の会社とのかかわり合いというものは、その派生する問題としてこれまた十分考えさせていただきたいと思います。
○菅委員 それじゃ大臣に直接お尋ねしますけれども、私はこれは約束からいってもおかしいと思うのですよ。つまり、それは会社には社員もある、取締役もある、顧問もある、監査役もある、いろいろな関係があります。しかし、相当長期間にわたって会社の顧問をやっておられたことを御本人が認めている。それを本職はこうであったからこうでないとか、それは全く認められないと思うのですよ。こんなことだったら何を聞いても、いや、そんな形式は、それじゃ給料が安かったからあの人は関係ないとか、ほかにも仕事を持っていたから関係ないとか、そんなことを言われていたんじゃ話を聞いたって意味ないじゃないですか。 大臣はこの問題をどうお考えですか。適任じゃないでしょう。ちょっとついでですけれども、桜井さん御自身がきょう朝のこの席で、そういうことを含めて適任ではないんじゃないですかと私が申し上げたら、私も適任じゃないと思いますとみずからおっしゃったわけですよ。大臣はどうなんですか。
○村山国務大臣 先ほども申し上げましたが、具体的な名前は別に差し控えさせていただきますが、疑いを持たれるようなことはないようにいたします。
○菅委員 それは現時点で、将来ということではなくて、現時点の抗悪性腫瘍剤調査会を含めて疑いを持たれないようにされるというふうに理解をしていいわけですね。
○村山国務大臣 その時期その他は私にお任せ願いたいということを申し上げているわけでございます。
○菅委員 しかし、いま丸山ワクチン問題がここまできている段階で、将来の先の先の話ではないわけですよ。その中に不適任者がいるということなのです。つまり、抗悪性腫瘍剤調査会の一番重要なメンバーである座長が不適任者だと本人みずから認めている。その人物がいまなお座長として、このままいけば常任部会に出ていかれるわけですね。それを少なくとも常任部会が始まるまでに、国民の疑惑を招かないような形にちゃんと処理されると約束していただけませんか。
○村山国務大臣 先ほども申し上げたのですが、少なくとも私の心証は、きょうずっと参考人の四人の方の話を伺いまして、どういう立場にあるかということはつまびらかにいたしませんけれども、きょう発言を聞く限り、それぞれの立場で本当に学者として真剣にやっているという心証を私は受けておるわけでございます。全くそれぞれの考えが違いますけれども、端的にそれぞれの立場で学者としての意見を述べているように私には思われるわけでございます。 しかし、おっしゃるように疑いを受けるようなことはやはり今後は避けなければならぬ、こう思っておりますので、私もその時期その他についてはお任せ願いたい、こう申し上げているのでございます。
○菅委員 この問題はちょっとこのままでは引き下がれませんので、時期についてはと言ってそれが一年先だとか半年先だったら、結局食い逃げですよ。ピシバニールに関係しクレスチンに関係し、みずから基本特許をとったプロテクトンに関係をして、さらに顧問をやって、それで今度はライバルメーカーがつくっているといいますか、一種のライバル関係にある丸山ワクチンの審議にああいう形でかかわっている。それがいつになるかわからない。疑惑を招いたら困るから何とかするけれども、いつになるかわからない。 これはちょっと委員長の方でどうかしてもらえませんか。
○山下委員長 後刻理事会で御相談いたしましょう。
○菅委員 あわせてもう一つだけ申し上げて、時間もなくなりましたのであれしたいと思うのです。きょう朝のときにも申し上げたように、今回の問題で先ほどほかの委員の方からもありましたが、抗悪性腫瘍剤調査会が七月十日に審議をして一定の結論が出て、一昨日特別部会に出したわけですけれども、二つの点でこの審議はおかしいと思うわけです。その一つがいま言ったメンバーの問題そのことです。それからもう一つが、先ほど小林先生からもお話がありましたように、その事実認定そのものが明らかに間違っていた。東北大学のデータについて間違っていた。それを本来のがんの専門家が、臨床医を含めて中心にいるところで、審議しないまま特別部会に持っていった。 先ほど言いましたように、いまの調査会というのは直接には異議申し立ての制度がないわけですよ。ですから私は大臣にぜひお願いしたいのは、この結果がどうなろうとも、私はやり直すかまたは諮問をし直してもらいたい。つまり新しい調査会メンバーを選任後、申請が出ているのは厚生大臣に出ているわけですから、諮問の結果がおかしければもう一回再諮問ということも大臣の権限でできるはずなのです。ですから、こういうおかしな形でやられた審議については再諮問をしていただきたい。そのことについて御答弁をお願いしたいと思います。
○村山国務大臣 私は、先ほど申し上げましたように、今度の審査が不公平に行われたという感じを持っていないのでございます。皆さんがその人的構成についておかしいということは言えるかもしれません、あるいは疑うに足るというようなお話かもしれません。しかし、私はずっと聞いてまいりまして、そういう立場を離れて、学者は学者として真剣な討論をしておる。そしてまた、いまの運営でございますけれども、基礎医学は基礎医学の立場で、臨床は臨床でそれぞれがみんな分業でやっているわけでございます。そういったことから言いまして、今度の審査が公正を具体的に欠いているという心証を実は得ていないのでございます。これは私の心証でございます。
○菅委員 それでは最後に一言だけ申し上げて終わりにしますが、先ほども申し上げましたピシバニールの調査報告書の中にこういう一項があるのです。「臨床の側において、作用機序の特異な本剤使用への強い要望があることを考慮し、特別部会への審議送付を決定した。」この最後の末尾に書いてあるわけです。 これはどういうことかといいますと、当時免疫療法として初めて開発されたピシパニールはかなり副作用が心配をされている。この中にも書いてあるわけです。しかし、いまがんというものを考えたときに、こういう免疫療法というものは臨床のお医者さんの中で非常に要請が強い。だからそういう点も勘案して、いろいろ注意項目も入っていますけれども、注意をしながら使ってもいいのじゃないかということで出しているという一項目があるわけです。 私は丸山ワクチンについても、まさにいまのがんという治らない、なかなか治りにくいという現状、さらに副作用がないという現状、さらに手術後の再発防止なんかで効果的な免疫療法が非常に要求されている。これは患者だけではなくて、すでに相当多くのお医者さん自身がそういうことを要請する署名を集めて、何千人という方がそういうことを言っておられるわけです。さらに加えれば、クレスチン、ピシバニールについては、何でも六年後の見直しというのは、あるいは事前にさかのぼらないということでやらないそうですけれども、去年から少なくとも今後認可されるものは、認可された時期から六年後には確実に見直しをするということを薬事法の中で決められているわけですね。そういう点でもすべて勘案をしてみれば、まさにこれが認可になって全くおかしくない。そういうお医者さんや患者の要請も非常に強いわけですから、そのあたりもあわせて大臣には判断をいただきたい。先ほど心証だからと言われましたけれども、そういった結果がそうでない方向に向いているとすれば、やはりその心証を変えていただいて御判断をいただきたいということを最後に申し添えて、私の質問を終わらせていただきます。
○山下委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後六時七分散会