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94回国会衆議院1981/05/12

社会労働委員会 第14号

発言数
281
登壇者
33
会派数
5
開催日
1981/05/12

会議録

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これより会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。丹羽雄哉君。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 山林労働者がチェーンソーの振動で体をむしばまれ、病に苦しんでいるという白ろう病でございますけれども、ごく軽症なものは別といたしまして、いまだに治癒の方法が見出されないのが現状でございます。この病は御存じのようにチェーンソーを長い時間使えば必ずかかるという職業病でございまして、職業病にも認定されているわけでございますけれども、その本質というものは水俣病や六価クロムなどと全く同じように、言葉がちょっときついかもしれませんけれども社会的な怠慢が生んだと言ってもいいのではないか、このように考えているわけでございます。山林労働者は病を知りながら黙々と働かされ、いや働かざるを得ないような労働条件に置かれているのが実情でございます。  まず最初に、労働省はこういう現状をどう認識していらっしゃるか、またこれまでどんな対策をとっているかにつきまして、見解をお聞きしたいと思います。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 最近におきます林業における振動障害の発生状況は、五カ年で見ますと、各年度ごとに新規の認定者数は、五十年度が五百五十六人、五十一年度が八百九十九人、五十二年度が千三百四十八人、五十三年度が千四百三十一人、五十四年度が千八十二人ということでございまして、現在も毎年多数の方が新たな振動障害認定を受けている現状にあるわけでございます。  労働省といたしましては振動障害防止対策を行政の重点としまして、昭和四十五年に予防のための通達を示して以来いろいろと施策を講じてきているわけでございます。  一つは、低振動のチェーンソーを普及させるためチェーンソーの構造規格の制定だとかあるいは使っているチェーンソーの買いかえ補助制度の実施、こういったようなことによりまして振動の大きいチェーンソーの排除に努めてきたところでございます。また、チェーンソーの取り扱いにつきましても作業指針を策定いたしまして、その普及、指導によって事業場におきます作業管理の実施の促進を図ってきたところでございます。さらに、委託巡回方式によります健康診断の実施によりまして受診率の向上を図り、潜在している患者の発見にも努めてきたところでございます。またさらに、都道府県段階におきまして林業振動障害健診治療推進会議の設置、運営をいたしまして、いわゆる振動障害の健診治療体制の整備を図ってきたところでございます。また、事業者に対しますチェーンソー作業者のチェーンソーを取り扱います特別教育の問題につきましても、これの実施の義務化を図る、そういった対策を講じて現在まで来ている次第でございます。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 チェーンソーが最初に導入されたのは昭和三十年前後、そして三十五年ごろになりましてからこの白ろう病というものが各地で発生し始めたわけでございます。ところが、最初は患者側の訴えに対しまして、当局は因果関係がはっきりしていない、またあるいは患者の体質によるものだというような理由をつけて逃げてきたきらいがあるわけでございますけれども、その後いま局長がお話しになりました数字でもわかりますようにどんどんふえてきたということで、先ほどから申しましたように四十年にやっと職業病として認定したわけでございます。  そして五年後の四十五年に、遅まきながらチェーンソーの操作時間一日二時間、連続操作時間は長くても十分以内にするようにというような指導要綱をつくったわけでございますけれども、しかし、いま吉本局長のお話でもございますように、この指導要綱をつくった後もどんどんふえてきているわけでございまして、これは累積で見ますと、五十年の九百一人から五十四年は実に四千八百九人、五倍にもふえているわけでございます。この数字を見ましてもわかりますように、通達は出したものの全く効果が上げられていない。たくさんのいろいろな施策を行っていることを局長はお示しになったわけでございますけれども、実際は全く効果が出てないというのが実情ではないか、私はこのように考えるわけでございます。  そこで、通達では限界があるわけでございますので、ひとつ国は法制化の方について検討をしていただいたらいかがであろう、このように考えるわけでございますけれども、大臣の見解をお聞きしたいと思います。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 お答えを申し上げます。  丹羽さんが御指摘のとおり、振動病といいますものがここまで拡大をしてまいった、政府当局といいますものの対応がおくれてきたという事実をはっきりと認めていかなければならぬ、私はかように考えます。あわせて、こういった病気に対します医療といいますものの研究あるいは対応、治療といいますものもまたおくれてきたということでございまして、こういったことが両々相まちまして、こういったたぐいの職業病が根絶をするというところまでいかなければならぬわけでございます。  しかしながら、いままでも御指摘のとおり、本当に何百枚というような通達を出しておるにかかわらず、なおそういった病気の根絶ができていない、こういうことでございますから、一片の通達で事足れりというような政府の姿勢が誤りであることはもちろんでございますし、そういったことによって法制化してでもやらなければならぬではないか、こういう強い御要望、御指摘、御譴責といいますものを私どもはそのままちょうだいをさせていただかなければならぬ、こういう立場にございます。  しかしながら、事は根絶をどのようにするかということでございまして、それを法律で書く、書かぬということによりまして、法律に書いたから根絶ができたとか書かないからできないということでは、これは政治といいますものの存在が疑われる、私はかように思います。したがいまして、私といたしましては法律に書かなくてもそういった法律に書いた以上の成果が上がりますようなそういう強い指導を行って、そしてそういった関係各位に十二分の御注意の喚起、そうしてこの職業病に対しますきわめて正確な認識を持っていただくための努力をしなければならぬ、ひとつ強い覚悟でもってこれに当たってまいりたい、かように考えております。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 いま大臣のお答えを聞きまして、前半は非常に率直に反省したということ、大変評価するわけでございますけれども、何か後段の段階で法制化になりますとちょっとややちゅうちょしているような御答弁でございます。もう一度お聞きいたしますけれども、法制化について前向きに検討する用意があるかどうか。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 まことに恐縮でございますが、私は法律というやつが大きらいでございまして、法律をつくってやらなければならぬような政治は政治の本道ではない、かような信念を持っておるものでございますから、まことに残念でございますけれども、私が大臣に在任をさしていただいておる間は法律をつくる意思はございません。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 大先輩の藤尾労働大臣のお答えでございますので、これ以上私の方で質問はやめます。  続いて林野庁にお聞きしたいのでございますけれども、この白ろう病の原因の一つといたしまして、山林労働者に対しまして出来高払いの賃金システムがとられていることが最大の原因ではないか、このように挙げられているわけでございます。木を切れば切るほど金になる。これはもう山林労働者に限らずだれでもたくさん木を切りたいわけでございます。  先ほどからお話ししておりますように、通達ではチェーンソーの操作は一日二時間と決められているわけでございますけれども、これが守られないのが実情でございます。現在出来高払いと日給制を併用している、このようにお聞きしているわけでございますが、チェーンソーを使う作業については少なくともこのような旧態依然とした出来高払いを禁止するような思い切った対策をとらない限りこの白ろう病というものは根治しないんじゃないかと考えますけれども、いかがでございましょうか。

安橋隆雄林野庁林政部森林組合課長

○安橋説明員 出来高払いの賃金の支払い形態は、民有林におきましては特に伐木造材、搬出部門において長年採用されている賃金の支払い形態でございまして、これは作業現場が山間であるということ、しかも広範囲にわたっているというような実態から見まして、林業労働の実態に即しているというふうに考えているわけでございます。  林野庁としましては、出来高払いでございましても功程単価が適正であるあるいは労働安全衛生に対する認識が高いということでございますれば問題はないというふうに考えておるわけでございまして、従来から安全衛生点検パトロール事業を実施してきておりまして、こういった事業によりまして功程単価、安全衛生に対する認識等について指導を行っているわけでございますが、さらに五十五年度からは振動障害対策巡回指導事業というものを振動機械使用者の多い市町村におきまして実施して、五十六年度はその市町村を倍増して指導を強めているというようなことでございます。  いずれにいたしましても、指導によりまして功程単価あるいは安全衛生に対する認識の高まりがございますれば特に問題はないのではないかというふうに考えているということで、指導を強めているという次第でございます。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 いまの御答弁ちょっと私は不満足なわけでございます。これは十分に認識しているはずでございますけれども、この出来高払いというのはどうも山の中では監視が十分に行き届かない、作業員がサボっていて調べようがないというような発想が根底にあるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。チェーンソーを使えば確実に白ろう病になるわけでございます。そして手が動かなくなり神経をやられる、夜も眠れない。どうもその辺の認識が余り十分じゃないのじゃないか、このように考えるわけでございます。ここに「この痛みを知れ 白ろう病の患者」という本があるわけでございますけれども、これを一回ごらんになったことがありますか。これはぜひ読んでいただきたいと思います。想像を絶するほどの病にかかるわけでございまして、すでに病気を苦にして五人もが自殺をしているという事実もあるわけでございます。  こういう肉体をすり減らしてその代償として賃金を獲得するという労働条件、労働体系、システムは何か非常に非近代的ではないか、このように考えるわけでございますけれども、労働行政を預かる労働省はこの出来高払いについてどのような御見解をおとりでいらっしゃるか、お聞きしたいと思います。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 もとより賃金の問題につきましてはその作業形態等労使の間で決めるのを基本にしているわけでございます。しかし先生御指摘のように、出来高払い制が林業に通常的に行われておるところが多い、しかもそれがこの振動障害予防のためにいろいろ問題になっておるということも聞いておりますので、そういった点につきましては十分林野庁あるいは森林組合等と連携をとりながらそういった方面についての指導もしてまいりたいと思います。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 いま労働省の局長からこのような前向きの発言が出たわけでございますが、どうぞ林野庁においても旧来の慣習を脱却してひとつ出来高払いについて十分検討をしていただきたい、このように考えているわけでございます。  次に、いままでは全般的な国有林でございましたけれども、民有林の労働者の場合は国有林よりもさらに深刻でございまして、組合がないということもありますけれども、白ろう病の認定も一向に進んでいないのが実情でございます。また患者の実数も十分につかめず、事実上野放しになっているわけでございます。  特に民有林の労働者にとって深刻なのは、白ろう病と診断されるとかえって失業する、それを意味するということでございます。白ろう病に認定されましても簡単に転職するわけにいかないわけでございます。  また民有林の労働者の多くは非常に短期間で事業主も次から次へかわるわけでございますけれども、こういう特殊な事情を十分踏まえてさらにきめの細かい防止対策が必要と考えておりますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 民有林におきましてただいま先生のおっしゃるような特殊性、すなわち林業労働者の多くは短期間の雇用で事業者間を移動する、あるいは農業等と兼業する者が多い。場合によりましては雇用労働者、場合によってはいわゆる請負契約によります一人親方に転換する、こういうようなことで一定の事業者による継続した管理が大変むずかしいということ、あるいは小、零細な事業者が多くて、かつ御承知のような作業現場が山間部に点在するということで事業者の直接管理が及びがたい、こういうような特殊な事情がございまして振動防止対策が十分浸透しなかったということが多く、そのために多くの患者が発生しているというように考えられるわけでございます。  しかしながら、私どもといたしましては、防止対策の徹底のためにこういった民有林の特殊性も十分考慮しながら、事業者はもとより実際に作業を行っている労働者の理解と協力を得ることが大事である。こういうことで先般来林業県に関係事業者団体なりあるいは行政機関、またその中には労働者の代表も含んでいただいて、林業振動障害防止対策会議を設置いたしまして、この会議の活用によって関係者の理解と協力を得ながらお互いにいろいろ知恵を出し合って適切な作業管理の実施等の対策をより一層浸透させる、こういうふうに考えて現実にその施策を進めているところでございます。  今後とも、そういった点につきまして関係省庁と連絡の上、そういった作業管理の適切な指導といったことが定着できるようにやってまいりたいというふうに思います。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 いわゆる振動病対策費として、五十六年度の予算を見ますとざっと三億五千万円ほど計上されているわけでございますけれども、これをずっと細かく検討してみますと、たとえば特殊健康診断は林業災害防止協会に付託される、振動障害巡回指導員は市町村が管理している、また労務改善指導員は森林組合を通して県にというふうに、補助金が非常にばらばらに配賦されているのが実情でございます。御案内のように、いま行政改革が非常にフィーバーしているわけでございます。鈴木内閣も行政改革を強力に推進する、鈴木総理自身はこの問題に政治生命をかけるということまで言っているわけでございまして、この白ろう病の補助金がこういうふうにばらばらにつけられているという問題についても、当然メスを入れる必要がある、私はこのように考えるわけでございます。  三つに分かれているわけでございますけれども、いろいろ現場の声をお聞きいたしますと、やはり一番実情に明るいのは市町村ではないか、市町村に一本化してやればもっともっと思い切った対策がとれるのではないか、ばらばらにやっていて、どこのところで何をやっているかわからないというのが実情であるというような話も聞いているわけでございますけれども、この点について、思い切って一本化する考えがあるかどうかについてお聞きしたいと思います。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 ただいま先生御指摘のように、補助金につきましては、私どももできる限りの努力を払いながら予算化に努めてきているところでございますが、こういった形をさらに進めていくということでございます。  ただ、いま先生おっしゃるように、ばらばらではないかという御指摘でございます。それぞれの角度からそういう一つの施策の裏打ちとしての予算を組んでいるわけでございます。今後、そういう点についても、十分先生の御意向をくみながら対処してまいりたいと思いますし、また特に市町村との連携ということは重要なことでございます。先ほど申しました振動障害防止対策会議におきましても、現地の市町村も入っていただいて、お互いにそういった点についての理解を進めながら、この防止に当たるようにやっておるところでございます。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 きょうは白ろう病の集中審議ということでございますけれども、次に、同じ労働者の安全管理という立場から、最近発生いたしました原発事故につきまして、原発労働者の安全管理の問題について取り上げてみたい、このように考えております。  日本原子力発電会社の敦賀発電所で放射性廃液のたれ流し事故があったわけでございます。原発の安全管理がいかにお粗末であるかということが天下周知の事実となったわけでございます。しかし、そこに働く原発労働者の安全管理というものは、お粗末というよりも、これを通り越しまして危険きわまりない、非常に残酷なものであるというように私は考えるわけでございます。  新聞報道でございますけれども、放射性廃液が流れたと言ったら、さあちり紙を持ってこい、バケツだ、ぞうきんだ、これでふき取れというようなことを言っているわけでございますけれども、小学校の廊下でバケツの水がこぼれたのじゃあるまいし、何か余りにも非科学的で心もとない感じを持っているわけでございます。  原発労働者の安全管理につきまして、所轄の労働省はどのようにお考えになっていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 原子力発電所における放射線業務に従事します労働者の被曝管理という問題について、私どもは、労働安全衛生法なり電離放射線障害防止規則というものに基づきまして、その角度からこういった方面に対処しているわけでございます。具体的には、管理区域の設定、被曝線量の限度、被曝防止措置、被曝線量、作業環境及び汚染状況の測定問題あるいは電離放射線健康診断、こういったようなことを内容にいたしまして規制を図っているところでございます。特に原子力発電所の定期検査の時期等をとらえまして監督指導を実施し、その徹底を期しておるところでございます。  さらに、原子力発電所等の元請事業者が下請事業者に対しまして必要な指導、指示を行えるよう、これも労働安全衛生法に基づいて指導を行っているわけでございますが、具体的には、総括安全衛生管理の職務を行う者の選任、協議組織の設置及びこれの適正な運営の問題、また定期検査等の場合に、関係請負人の名称、責任者名、作業等の内容、作業期間等を把握して適切な作業方法を指示する、あるいは定期検査等の場合の管理部門と現場部門との責任、権限の分担と明確化を図って、両部門の連携体制を確立する、こういったような事項につきまして規則、法令に基づいて指導を行い、下請事業所も含めました適切な放射線管理を行えるよう、現在までこういう点について対処しているところでございますし、今後ともさらにこういった点を進めてまいりたいと思っております。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 いま吉本局長からいろいろ対策が講じられているというお話があったわけでございますけれども、実際はそのようなことが行われていないのが問題ではないかというふうに考えるわけでございますが、大臣、原発労働者の安全とか労働管理につきましてどのような見解をお持ちか、ひとつお聞きしたいと思います。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 原子力を扱っておること自体がきわめて危険であるということは、だれでも知っておるわけでございます。そういっただれでもわかっておる非常に危険な原子力を利用して発電をするという仕事をするわけでございますから、その発電の事業のイから最後のンまで徹底した管理を必要とするということは当然でございますし、その管理の上で何が大切だといいましても、安全がまず第一に大切であるということは当然のことであろうと思います。  こういった当然過ぎるほど当然な一つの考え方というものも、日常の事業になってまいりますと、そこになれ、あるいは不注意というようなことが続発をしておる、これはきわめて遺憾でございまして、毎日毎日、仕事にかかる前の点検でありますとか、安全に対する確認でありますとか、あるいは安全に対する注意でありますとかいうようなことが念の上にも念を入れて行われていなければならぬ、それが当然だろうと私は思います。  ところが、今回の原電の敦賀発電所の場合のようなものを顧みてみましたときに、原電の管理者というものが、いま発電所で何が起こっておるかということすらわかっていないとか、あるいは運転に当たりまして運転日誌もつけていなかったというようなことは、私どもといたしましてまことに驚くべきことでございまして、その責任はいかに追及をされましてもそれで追及が十分であるということではない。原電責任者といいますものがいかなる責任を負いましても負い足りない、私はかように感じておるわけでございます。こういつたことが、特に原電の職員は申すに及ばず、原電が下請の作業員の方々をお使いしておるというようなときに、こういった方々に対しましてもより以上の安全に対する確認と指導が徹底をしていなかった、これは頂門の一針であろう、私はかように思います。  今日、御案内のとおりのエネルギー事情で、今後とも原子力発電がある一定の年限の間必要であるという情勢を考えてみましたときに、このようなことは非常に重大なことでございまして、今後のそういったエネルギー対策の上から言いましても、こういったことは徹底した上にも徹底をさせなければならぬ、非常に重大な私どもに対します教訓であった、かように考えております。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 いま大臣から大変前向きな発言があったわけでございますけれども、今回の事故で労働省はどのような対策をおとりになったか。  また、いま非常にりっぱな御意見をお持ちでいらっしゃいますから、こういう原子力発電所の管理者を呼んで、大臣みずから注意するような姿勢が必要と私は考えているわけでございますが、いかがでしょうか。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 私ども、労働基準局といいます役所、そういったものの出先を当然十二分に持っておるわけでございますから、今回の事故が発生をいたしまして直ちに、現場並びに基準局からもこういった係員が参りまして、所要といたします調査はいたしております。  しかしながら、そういったことではないわけでございますから、私みずからが原子力発電株式会社の社長さん、会長さんを招致いたしまして、今回の責任を十二分に果たし、今後の原子力発電の将来のためにも十二分の調査と責任をとってもらいたいということは申しつけてございます。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 いま大臣のお話にもございましたように、今回の事故で被曝いたしました作業員のうち大部分が原電の社員ではなくて下請労働者であるということが明らかでございます。これは通産省の資料ですか、たとえば原電の廃液貯蔵タンク漏れの修理作業では、原電の社員が四十五人に対しまして請負の下請労働者が四百十八人もあるわけでございます。その大半の下請労働者は地元の農民や漁民を駆り出してきているということでございまして、専門的な知識を全く持っていない素人ばかりでございます。いつも危険な汚染が非常に強いと言われておりますところは下請労働者が点検をしているというように、危険な目に遭っているのは下請労働者ばかりであります。こういうところに非常に問題が多いのではないか、こう考えるわけでございます。原発労働者のこのような実態を労働省はひとつ十分に把握して、もっともっと安全教育の徹底を図っていただきたい、このように考えております。  この点につきまして、労働省の考え方をお聞きします。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 先生のおっしゃるとおり、具体的な処理に当たりましてはいわゆる関連の下請業者がかなりそういったウエートを占めているわけでございます。そういう人たちの安全教育につきましては、当然それぞれの事業所で行っていかなければならないと思いますが、私どもといたしましても、そういったことは徹底できるように今後とも指導してまいりたいと思います。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 次に、電離放射線障害防止規則というのがございますですね。これの第五十六条によりますと、いわゆる放射線業務に従事する労働者、原発労働者は当然でございますけれども、六カ月ごとに定期検査を行うべきだ、健康診断を行うべきであるというふうに義務づけられているわけでございます。ところが、原発の労働者の放射線の許容量、これは、この程度なら放射線にかかっても安全であると言われておりますのが年間で五千ミリレム、三カ月では三千ミリレムというふうに決められているわけでございますね。これはそのとおりですね。——それを見ますと、半年に一回の検査ではこの三カ月の許容量を検査することはできないのじゃないか、このように考えるわけでございまして、全くこれは実情に合わないわけですね。半年に一回しか検査しない。そして許容量が決められているのは三カ月に一遍であるということでございますから、その辺はどういうふうになっておりますか。三カ月に一回の健康診断をしなければこれは意味がないんじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 先生いま御指摘されました五十六条は健康診断の問題になりますので、健康診断は確かに相当長期間になります。被曝線量の問題はもっと毎日チェックするというようなこともやっておりますので、それが累積されていって三月三レムに達しているかどうかということでチェックが行われます。健康診断は確かに先生おっしゃるように半年に一回ですけれども、被曝線量そのものは毎日チェックが行われているという実情でございますので、被曝線量そのものについては三月三レムとか年五レムというのは年間を通じて許容される一つのレベルを示したものでございますから、その線量そのものの被曝の状況は毎日チェックが行われているということでございます。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 被曝線量は毎日チェックされているということで大変結構なことでございますけれども、これはどの法律に基づいてやっているわけですか。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 同じ電離則に、二十条に被曝線量の測定の問題がございまして、その中にフィルムバッジそれからポケット線量計というようなものを装着させるという形になっております。したがいまして、フィルムバッジのようなものは毎日でございませんけれども、ポケット線量計の線量というものは毎日一定の入り口から管理区域内に出入りをする段階でチェックができる、こうなっております。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 ポケット線量計を毎日持っていく、これは当然で、義務づけられているわけでございます。このポケット線量計、これは労働者の自覚の問題にもなるかもしれませんけれども、ポケット線量計を持っていないとか、あるいはこの針が飛んでしまっているとか、いろいろな実態があるわけでございます。  いずれにいたしましてもこれだけ危険なところで働いている労働者でございますから、普通の業務と違うわけでございます。半年に一遍ではなくて、当然この法律にも定まっているわけでございますから、ひとつ三カ月に一遍ということで健康診断するような方向で前向きに検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 健康診断の問題と日々の線量をチェックする議論というのは必ずしも同じレベルの議論ではございませんで、現在電離則の中に定められておりますのは、専門家の御意見というものを踏まえて定めたものでございます。健康診断そのものは現在半年に一回というふうに定められておりますが、おおむねこの程度の許容線量の範囲内であれば、健康チェックの頻度としてはこの程度で適切ではないかというような専門家の御意見を踏まえてこういうことが定められているという過去の経緯があるということでございます。

丹羽雄哉自由民主党

○丹羽(雄)委員 時間が来たようでございますので、これで質問を終わりますけれども、前段で申しました山林労働者の白ろう病にいたしましても、原発の労働者にいたしましても、肉体、生命を犠牲にしてやむを得ず働いているわけでございまして、そしてその裏には生産性を向上しなくちゃならない、また科学技術の進歩からこのような病気が発生しているわけでございます。労働省は労働者の味方でございますから、こういう気の毒な労働者に対しましてもっと十分に実態を把握いたしまして、労働条件の改善とか安全管理に努めていただきたい、このように考えております。  これで質問を終わります。      ————◇—————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 この際、池端清一君外四名提出、雇用保険法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。池端清一君。

池端清一日本社会党

○池端議員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました雇用保険法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  最近では、景気が回復しても失業者が減少しないどころか、本年三月の完全失業者が百四十二万人に及ぶという事実からも指摘されるように、むしろ増加傾向がほとんど恒常化しております。  このような状況の中で、東北、北海道など、積雪寒冷の地では、ただでさえ狭隘な冬期の就労が、ますます困難になっております。これらの地域では、積雪寒冷という気象条件下にあって、冬期間の産業活動が著しい制約を受け、雇用面にも大きな影響を及ぼしております。このため季節的に循環雇用を常態とする季節労働者は北海道だけでも二十九万人余の多きに達し、そのほとんどが建設業を中心として、夏期に就労する専業型の季節労働者であり、冬期間は離職を余儀なくされる実情にあります。  冬期間出かせぎによって大都市に職を求めても、もはや大都市での雇用情勢が悪化している今日では、満足に職につくことも不可能になっております。そもそも長期間にわたって家族のもとを離れ、ひとり大都会に生活しなければならないなどということは、本人にとってもまた家族にとっても余りにも非人間的なことであり、国がそれを放置したり、奨励したりしてよいはずはありません。  憲法第二十七条は、すべての国民に勤労権を保障しております。国と自治体は、国民に対してそれぞれの地元において、勤労の場を保障しなくてはならない責務を有しているのであります。  それが果たされないまま、多くの国民が季節的に失業の憂き目を見ている今日、雇用保険法は本来の趣旨に基づき、こうした失業者をよりよく救済するのが当然であると言わなければなりません。一方では実質賃金が低下する中で、季節労働者の生活はきわめて苦しくなっております。これら季節的に循環雇用を常態としている季節労働者に対して、特例一時金五十日分だけではなく別に四十日分までを上乗せすることによって、せめて従来の失業保険制度のように、九十日分までの手当を支給すべきであるとするのは、ごくささやかな必要最少限の要求であると言わなければなりません。  日本社会党は、このような実態にかんがみ、これら雇用と失業を反復する季節労働者救済のため、雇用保険法の改正を提案する次第であります。  次に、この改正法案の内容について御説明申し上げます。  第一は、短期雇用特例被保険者に対する特例基本手当の新設についてであります。  この改正法は、特例一時金の支給を受けた者が、離職の日の翌日から起算して六カ月を経過する日までの期間内において、当該特例一時金の支給を受けた日以後、失業している日が通算して五十日を超えた場合に、当該五十日を超えた日から当該六カ月を経過する日までの期間内の失業している日について四十日を限度として、特例基本手当を支給するものといたしております。  なお、特例基本手当に係る失業の認定、手当の日額、支給方法等は、一般被保険者に対する基本手当の支給に準じて行うものといたしております。  第二は、特例傷病手当の新設についてであります。  この改正法は、特例一時金の支給を受けた者が、前記の五十日を超えた日以後、公共職業安定所に出頭し、求職の申し込みをした後において、疾病または負傷のために職業につくことができない場合に、当該五十日を超えた日から当該六カ月を経過する日までの期間内の疾病または負傷のために、特例基本手当の支給を受けることができない日については、四十日からすでに特例基本手当を支給した日数を差し引いた日数分を限度として、特例傷病手当を支給するものといたしております。なお、これに係る疾病または負傷の認定、手当の日額、支給の方法等は、一般被保険者に対する傷病手当に準じて行うものといたしております。  最後に、この改正法は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行することといたしております。  以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして、御説明申し上げました。  この法律案は、厳しい生活環境に働くすべての季節労働者とその家族の切なる願いであることを十分に勘案され、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これにて趣旨説明は終わりました。      ————◇—————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 再び労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  本日は、参考人として岡山大学医学部教授青山英康君に御出席いただいております。  青山参考人には、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。  参考人の御意見は、質疑応答の形式で承ることといたします。  質疑を続行いたします。矢山有作君。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 時間が限られておりますので、私の方の質問も簡単に要約して申し上げますから、御答弁の方もだらだらならぬように簡単に要点をとらえて御答弁願いたいと存じます。  まず第一に、林野庁の方にお伺いしたいのであります。国有林における振動病の認定状況をずっと見てみますと、一九七三年度に四百三十九名、七四年度七百八十八名、七五年度四百八名、七六年度二百一名、七七年度百九十五名、七八年度八十七名、七九年度七十三名、そして八〇年度は十二月末で二十四名、こういう状態になっておるようであります。一年度間に八百名近い認定患者が出ておったのが、七九年度には先ほど申し上げましたように七十三名、八〇年度は十二月末では二十四名、大幅に減ってきておるわけでありますが、今後の見通しをどう考えておられますか。

関口尚林野庁職員部長

○関口説明員 ただいま先生の御指摘にございますように、国有林におきます振動障害認定者数、最近の新規認定数は減少傾向を示しております。今後も減少傾向をたどるものというふうに考えております。われわれとしましても、予防健診対策を推進しまして減らしていきたいというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 そこで第二点。同じく林野庁にお伺いしたいのですが、新規の認定患者が国有林においてこのように大幅に減少しておるわけでありますが、それはどういう対策をやった結果こういう大幅な減少を見たのか。大幅な減少を見た理由、簡単に要点だけ御説明いただきたいと思います。

関口尚林野庁職員部長

○関口説明員 減少傾向をたどりました原因といたしまして、林野庁といたしまして予防対策をやっておるわけでございます。幾つかございますが、一つは振動機械の操作時間を規制することを徹底したということでございます。労働組合との協定に基づきまして時間規制等をやっておるということでございます。  それから振動の少ない機械、それと振動機械にかわる代替機械、リモコンチェーンソーとか、あるいは玉装、こういったものの開発、導入を図ってきております。  それと振動機械を使用しない他の作業、造林等との組み合わせを考える。  それと健康診断に関しましては、春と秋の特殊健康診断を振動機械使用者全員につきまして実施しておるということでございます。  以上でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 民間林業における振動病の発生状況を見てみますと、一九七四年度で二百四十一名、七五年度で五百五十六名、七六年度で八百九十九名、七七年度で千三百四十八名、七八年度で千四百三十一名、七九年度で千八十二名、こういうことになっております。一九七七年度以降千名を超す患者を出しておるのでありますが、労働省の方は今後の発生状況がどういうふうになると見込んでおられますか。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 患者の推移はいま先生御指摘のとおりでございまして、これについて私どもといたしましては従前から予防対策を行政の重点としてやってきておるわけでございまして、四十八年以来委託巡回方式の健康診断の実施を行うということで潜在している患者の発見に資するように努めてきておるわけでございまして、その結果がこういうような数字になったわけでございます。  数字自体をながめますと、五十四年度の新規認定者数が前年度に比しまして若干減少しておるような数字を示しておりますが、あくまで将来の見通しというものが減少に転ずるのかあるいはまた上昇してくるのかということにつきましては、直近のこの数字だけではまだ判断ができないというように考えておるわけでございます。将来の見通しとして今後減少するとも、あるいは増加に転ずるとも、この数字だけではまだ判断できないというように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 そこで、参考人の青山先生には御遠路大変お忙しいところ御苦労さまでございました。  参考人の方に御意見をお聞かせいただきたいのでありますが、一九八〇年三月末までに民間林業では累計してみまして六千名近い認定者が出ておるわけであります。この認定者が北海道、京都、和歌山、高知、宮崎に特に多いということで、労働省の方ではこれを特定地域というふうな呼び方をしております。しかしながら、その一方で林業県と言われて多数の振動機械の使用者があるというふうに考えられる県でもほとんど認定者がいない県があるわけでございます。  その状況を参考までに申し上げますと、私どもの調査によりまして、特定地域だと労働省が呼んでおるところ、それは北海道、京都、和歌山、高知、宮崎でございます。     〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕 それから宮城。その道府県でありますが、そこの状況を見ますと、チェーンソー作業従事者特別教育受講者が北海道は六千九十名、京都が千百十一名、和歌山が三千六百七十四名、高知が四千百七十一名、宮崎が三千二百二十八名、宮城が二千四十一名でございます。それに対して七九年度末の振動病として認定をされた人、これは療養継続中の者の数でありますが、それが北海道が千四百九十一、京都が三百二、和歌山が七百九十、高知が六百十五、宮崎が三百十六という状況になっておるわけです。特定地域というのは宮城を除きます。北海道、京都、和歌山、高知、宮崎です。その状況がそういうふうになっておる。  ところが一方で見ますと、チェーンソー作業従事者特別教育受講者数が宮城では二千四十一名、それから茨城で二千八百六十二名、新潟で三千六百十二名、石川で千五百四十二名、岡山で二千三百三十一名。それから秋田で二千三百八十八、山形で千八百四十九、福島で千八百八十六、群馬で二千三百四十、鳥取で千、島根で千八百四十五、こういうふうにあるのです。そこで七九年度末の振動病の認定を受けて療養継続中の者というのが宮城は二、茨城がゼロ、新潟が十九、石川が一、岡山が三、それから秋田は十三、山形は六、福島が十六、群馬がゼロ、鳥取が十一、島根が十七、こういうふうな状況になっておるわけです。  このことを見まして私どもが考えますのは、今日までの振動機械の使用の状況を見まして、むしろ認定者がたくさん出ておる県、これこそが普通の状態なんじゃないか、ほとんど認定者が出ていない県については、これはむしろどうしてこんなに認定者が少ないのだろうか、チェーンソーを常時使っておる者の数が非常に多いのに逆に振動病に認定された者が非常に少ない、これはおかしいじゃないか、こういうふうに考えていくのが至当だと私は思うのです。そうしてその極端に認定者の少ない原因を追及してみるということでなければならぬと私は思う。  ところがそういう姿勢がなくて、認定者の多い県を特定地域だと呼んで何か特別扱いするというような姿勢というのは非常な間違いではないかという認識を持ちながら私はお尋ねするわけでありますが、こういうようにチェーンソー作業従事者が非常にたくさんおるのに認定者が極端に少ない。それは専門家としてこの仕事に携わってこられた青山先生としてどういうところに原因があるとお考えになりますか、お伺いしたいと存じます。

青山英康岡山大学医学部教授

○青山参考人 お答えします。  二つの原因が考えられると思います。一つは地域の特性がございます。と申しますのは振動障害が発症するためには三つの原因がございます。第一は振動機具を取り扱う。それから第二番目にはそれに伴う騒音等です。もう一つ大事なことは寒冷というのが振動病発症に非常に大きな原因になります。そういうことで、まずは北海道だとかそういう寒い地域での多発が考えられるわけで、北海道その他の寒い地域における患者の多発は寒冷が発症を促進しておると考えられるだろうと思います。  それから逆に高知だとか宮崎予ての他の暖かいところで、じゃなぜ多発するのかということが考えられるわけですが、この場合は、たとえば高知を例にとりましても、高知は暖かいという何か常識的な考え方と逆に、高知県の場合は非常に山が高いですから温度差が大きい。こういうところがもう一つ多発の原因になると思いますし、さらには高知県の場合には暖かい、逆に暖かいがゆえに操作時間、振動機具を取り扱う時間が長くなるというのも問題になってきます。  そういうふうな地域特性によるある程度の差はございますけれども、いま御指摘の特定地域を考えてみまして、たとえば私たちの産業医学会といいますか産業衛生学会の振動障害の健診をする能力を持った医師の分布ともよく一致しておるのではないかというふうにも私考えられますので、もう一つの要因としての、健診を行うその健診体制といいますか健診内容といいますか健診の質と申しましょうか、そういったことでかなりの潜在患者がおるのじゃないだろうかというふうには考えられます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 ありがとうございました。  私も、いまおっしゃったように一つは地域の特性があろうし、一つはやはり健診の問題が絡んでおると思うのです。  私は、一昨年、一昨々年ですか、この振動病の問題で和歌山から奈良の方に実地調査に参ったり、それからまたことしも高知の方に実地調査に行っていろいろ調べてみたのですが、この特殊健康診断をやるやると言ってかなり通達を流しておられるのに、現実の問題として受診者が非常に少ない。たとえば高知だとかそれから和歌山あたりを見ましても、受診者が非常に少ないのです。和歌山の場合は、このことは和歌山の行監局からも指摘されておるようですが、非常に少ない。そうすると、健康診断が徹底して行われていくなら、むしろ減るどころの話じゃない、今後認定患者はふえる方向に向かわざるを得ないのだというふうに私は考えるのです。  この点、労働省としては、いま特殊健康診断が十分に行われておるという認識を持っておいでになるのですか。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 特殊健康診断の実施につきましては、もう先生御承知のように四十八年以来少しずつ実績を伸ばしてきておりまして、現在は私どもと林野庁サイドの一人親方の健診を合わせて年間二万人程度でございます。この数字が必ずしも十分なものではないというふうに私ども理解をいたしておりますけれども、四十八年以来、延べ人で相当の方に健診を行って、そのことが、顕在化していなかった患者さんというものを顕在化させるという上で非常に有効であったのではないか。  したがって、こういうような方式を今後も続けていけば、当然患者さんというのはまだ発掘されるというように考えておりますので、この健診方式そのものは今後も続けてまいりたい、そういう考え方でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 私もそのとおりだと思うのです。たとえば和歌山に、労働省が特定地域だと言って、この認定患者が多いところだ、こう言ってわざわざ部内文書で指摘をしているのですが、その和歌山においてすら、和歌山の行監局が調査したところによると、四一・三%というような非常に受診率の低いところがあるという指摘をやっておるわけです。これから見ても、やはり健診が徹底されていくなら、認定患者というのはまだふえる傾向にある、こういうふうに考えざるを得ない、そういうふうに私は思います。この点は珍しいことに労働省と意見が一致をいたしました。今後さらに健診を徹底していって早期にこの認定患者の発掘に努めて、そして治療対策に万全を期していくということで努力していただきたいと思います。  そこでもう一つ参考人の方にお伺いしたいのでありますが、健診について、私は、早期発見、早期認定、完全治療という上から考えても、今日行っているような一次、二次健診というようなこんなやり方をやるよりも、精密検査を一挙にやってしまった方がよほど患者の発見と早期治療という上から見て効果がある、大切なことだ、こういうふうに思うのです。なぜかと言うと、一次健診を受けながら二次健診を受けない人がたくさんある、これは現実の問題として。したがって、私はそういうふうに考えるのですが、いかがでしょうか。

青山英康岡山大学医学部教授

○青山参考人 お答えします。  健診の正確さから言えば、できるだけたくさんの健診項目を一次から行うというのが望ましいというふうに考えられやすいわけですが、私は必ずしもそういうふうに思わないわけです。  と申しますのは、いまも先生自身御指摘のように、かなりこの実施状況が悪い。したがって、そのために潜在患者がたくさん残っていることが予想されるわけで、まずはどういうふうに健診を充実するのかという内容の充実よりも、どれだけたくさんの人に健診を受けていただくのかということの方が大切だろうと考えるわけです。そういった場合には、特殊な方といいますか特別な医者でなければできないような精密健診を加えることによって健診の実施率を下げるよりも、できるだけこの健診をたくさんの人に受けてもらうということをまず考えるべきだろうというふうに考えますので、ただ単に健診項目をふやすことに対して、私、結構だということは言えないわけです。  ただ問題は、その健診項目をふやすことよりも、健診を行う医師が、その業務内容、就業内容についてもっと十分に詳しく聞く、問診の充実を図っていただきたい。この辺が十分に行われないままに、ただ検査結果だけで局所振動障害であるとかないとかという判断をされているところに問題があるのだろうというふうに考えるわけです。いま健診を行っても発見されてないところは、特にそういうふうに検査結果だけに基づいているものですから、就業状態を知らないで判断しているために落とされているのじゃないだろうかというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 わかりました。  いまの参考人の御意見を聞いてもやはり、私はあえてこの精密健診を最初からやった方がいいのじゃないかという聞き方をしたわけですが、第一に、いずれにしても健診を徹底させるということがきわめて重要なことだということが明らかになったわけです。  それともう一つは、健診をやる場合に、先ほどおっしゃったようにいわゆる就業の実態といいますか作業の経過、そういった問診ですね、そうおっしゃったわけですね。その点をやはり十分検討することが必要だ、こうおっしゃったわけです。その点で私は、健診というものに対してもっともっと徹底化を図っていくという努力を今後やっていただきたいということを強く要求しておきます。  健診の徹底化については御異存ありませんね。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 ただいま先生の御指摘どおりでございます。私どももそういった点についてはできるだけ努力するようにいたしてまいりたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 そこでお伺いしたいのは、国有林においてはこの認定者数の発生が大幅に減っておる。民有林においては激増を続けておる。     〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕 そこで私はあえて林野庁に聞いたのです。なぜ林野庁ではこれだけ大幅な減少を見るようになったのかと聞いたら、それは要するに予防対策を徹底してやったことだ、こう言っているわけですね。その予防対策をやった中身については、先ほどおっしゃったように振動暴露時間を規制することによった、徹底した、つまり振動機械、チェーンソーの使用時間を徹底的に規制していった、これを中心にしていろいろな、いま四点ばかり述べられた方策が実行されていったわけです。それがこの国有林において振動病の多発を抑えているわけですね。民間林業においても、チェーンソーを使ってやっているということにおいては同じでしょう。  そうすると、民間林業においてこの振動病認定者の多発を抑えていこうと思えば、国有林の実態に徴して明らかなように、どれだけ予防対策に力を入れなければならぬかということがはっきりしたと思うのです。これはそうじゃないということはあなた方は言えない。そうすると、予防対策をはっきりさせなければならぬという立場から考えて、これまであなた方がやってきた予防対策というのは、たとえばチェーンソーの規制にしても、時間規制ということを考えながら盛んにこの通達を出して指導した。通達で行政指導をやればやれるんだと言ってきたのが、いま全然効果を上げてない。これをどう考えられるのですか、予防対策を確立させる、強化するということについて。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 国有林につきまして先ほど林野庁の方から御説明のありましたように、民有林におきましてもいろいろ施策を講じております。ただ、民有林におきましては、事業場におきます、山間僻地にあるとかあるいは雇用の形態とか、いろいろ問題、特殊性がございますので、なかなかそういった点の浸透が図れておらないというのが実態でございます。  私ども従来からいろいろチェーンソーの規格の制定だとかあるいはチェーンソーの買いかえの問題だとか、また先ほど先生御指摘のように、作業時間規制を含めた作業指針というものを策定し、これらの定着を図るようにしていく、こういうことでしてきているわけでございます。  そこでやはり何と申しましても、そういったいろいろな施策についてはそれぞれの関係者が十分理解をして実施していかなければならぬ、こういうふうに考えているわけでございまして、まさにその予防を実質に有効ならしめるためにそういった努力が必要だ、こういうことで先般来林業県におきまして林業振動障害防止対策会議というものを設けて関係者が一堂に会し、労働者の代表も含めましてそういった問題についての具体的な検討をし、その結果を現場に浸透させる、こういうふうな形で予防を図ってまいりたいというふうに考えて現在実施しておりますが、今後なお一層そういった作業管理、作業仕組みの定着化を図ってまいりたいというふうに思っております。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 いまの御答弁は、先ほどの丹羽さんに対しての御答弁と同じことなんで、私はやはりそれだけでは満足できない。いまおっしゃるような施策をやりながら、なおかっこの認定患者が激発する状況にあるということを考えるなら、そこにしかるべき手段、方法というものが講ぜられなければならぬと思うのです。この点は、次に質問を移しますから、後で申し上げます。  そこで、労働省は「林業関係の労災保険収支の実情と問題点」、これは部内用の文書だと言っていますが、これを出して、林業における労災収支が、振動病のために近年とみに悪化して、このままいくと労災保険そのものが崩壊するかもしれないというような心配をしておるようですが、それほど、労災保険が崩壊をするかもしれぬというほど心配をしておる、それはどういうことでそういうことをわざわざ部内の資料で強調しながら指摘したのですか。部内資料を読んでみればわかりますけれども、あなたの方から、そういうふうに強調をして言ったのはどこに原因があったから強調したんだということをこの場で言っていただきたいのです。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 お答えします。  昭和五十四年度で収支の状況を見ますと、林業の保険料の収入は七十一億に対して補償費の支出が二百五十九億と百八十八億の赤字となっております。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 だからそんなになった原因は何なんですか。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 それから労災保険全体の赤字が五十四年度は約五百七十億で……

矢山有作日本社会党

○矢山委員 それはわかっている。だから、そういうふうに労災保険収支が破綻するほど悪化した原因は何だと言ってあなたはこの指導文書の中で指摘しておるんだと言っているのです。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 その文書は労災保険の補償の立場から、補償課として部内資料として労災保険の赤字の現状の分析をいたしたわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 そこで、その現状分析で、この労災保険が破綻するほどえらいことになっておる、その指摘した原因は、あなたは振動病が多発をして、しかもその振動病の休業給付なり療養給付が、治療が長引いて大変な額になっているんだという指摘をしているんでしょう。  問題は、この労災による給付は労災が起こらなければ必要はないのです。起こりさえしなければ必要はない。そうすると、労災保険の現状がこうだ、振動病がたくさん出るからだ、療養が長期化しているから大変なんだ、そんなことを強調するよりも、その労災保険を危機に陥れたものの予防というものをやはり重視して、それをどうするかということを考える方が先なんじゃないですか。労働省の考え方は逆転しているんです。予防の方はいままでいろいろと通達行政でやってきた、さっぱり効果が上がってない、認定患者は多発する、その予防の問題について、認定患者の発生をどう抑えるかということに、一番肝心なところに焦点を当てないで、当面の労災保険の赤字を何とかしょうというので、こういう部内資料で第一線を指導しているわけだ。だからその結果が認定患者に対する物すごい締めつけになっているわけですよ。そういう問題が起こっておるんですよ。  予防の問題を第一に考えなければいけないのですよ。だから局長、あなたもいろいろ言われているわけだ。しかし言われておるんだけれども、その予防対策としてやっていることが効果がないんだから、余り効果が上がっていないんだから、だからこの時点でどうしたらいいのかということをあなたは真剣に考えなければいけないと私は思うのです。従来のようなやり方だけやっておったんじゃ……。  そこで、予防対策はもっと後で詳しく聞きますから、時間の関係がありますから次にお伺いしたいのですが、労働省は、労災会計での収支が振動病多発のために悪化しておると先ほど言ったように言って、これを重大視して、そして振動病と「同様の症状が発現する他の症状との鑑別を行うことが医学的に困難なこともあって、これらの除外が行われずに認定されている問題点もある。」ということを、このいわゆる先ほど言った部内資料の中で言っておるんですね。  だから今日認定されておる患者の中にそういう問題を含んだものがたくさんあるという見方を労働省はしておるんですか。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 御指摘の文書に書かれております当該内容につきまして、私ども振動障害の認定基準におきまして、たとえば末梢神経障害とか軽微の運動機能障害というような症状につきましては、他の疾病の場合におきましても発症する一つの症状でございます。そういうようなことがあるわけでございまして、したがいまして、認定上非常にむずかしい問題があるということをそこで触れただけでございまして、当該行政上の認定に当たりましては、もちろんそのような類似疾病のものが含まれないようにいろいろ努力しているところであります。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 だからいまの認定患者の中にそういう鑑別があいまいで認定された者がたくさんおるんだというふうに考えておるんですか。肝心なところはそこなんですよ。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 新規の認定に当たりましては、先ほど申し上げましたように、認定基準によりまして類似疾病者につきましては、これは認定をいたしておらないわけでございます。したがいまして、判断の誤りのない限りは、その者は含まれていないというふうに理解しております。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 そうすると、現在認定をされておる者については、そういう誤った認定をされた者は含まれていない、こういうことなんですね。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 さようでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 それだったら、こういうおかしな書き方をして第一線を指導してはいけないですよ。こういう書き方をされるから、いまの認定患者の中にそういう他の原因で発症した者が振動病として認定されておるんじゃなかろうかというような疑いを第一線に持たして、お医者さんに対する干渉あるいは認定患者に対する規制、干渉が非常に強まるのですよ。こういうおかしな指導を第一線に対してやってはいかぬ。これは大変な混乱を起こすわけだ、第一線では。こんなことを書かれると、第一線の人は、繰り返しになりますが、振動病として認定してはいかぬ者まで現在認定されておる者に含まれておるんじゃなかろうか、だからことさらにお医者さんにいろいろなことを言っていったり、あるいは認定を受けた者にいろいろなことを言って、よけいな干渉、規制をやるわけです。それはあなた第一線に対してこんなおかしな指導をやってはいけませんよ。  そこで私はこの際、そこの事態を明確にするために参考人の方の御意見を伺いたいのですが、振動病は今日までの研究の成果をもってして、健診を行う際に振動病と同様の症状が発現する他の症状との鑑別を行うことが医学的に困難な現状にあるのかどうか。  同時に、御専門の立場から、今日までに認定されている振動病患者の中には、区別できないでそのまま振動病の症状とされてしまっておる者が多数いるというふうに見るのかどうか。この点は労働省は現在認定患者の中にはそういう者はおらぬとおっしゃったから、この問題は解明されたと思いますけれども、念のためにひとつ御見解を伺いたいと思います。

青山英康岡山大学医学部教授

○青山参考人 お答えします。  先ほどのお答えどおりに、われわれ医者が診断をする場合にこの職業病であるかないかというのは、原因が業務に関係しているかどうかということであるわけですね。それを業務との関係を無視して、ただ検査結果や症状だけで診断をすれば、当然これは過ちを犯すだろう。したがって、先ほども申し上げましたように、業務内容との関連でこの辺を十分問診をして検査をしてもらいたい。  ところが残念ながら、先ほどの特定地域じゃございませんけれども、医者がこのチェーンソーと言えばどんなものなのかと知らないやつもおるし、またチェーンソーを自分自身が使ったこともない、見たこともない、そういう場合が出てきますと、検査結果だけで診断をつけようとすると誤診をするだろうと私は思います。したがって、健診をする医者についてはできるだけチェーンソーそのものを見てもらったり、また作業現場を見てもらったりというようなことが非常に大切じゃないだろうかと思います。そういうふうにして健診を行えば、まずそんなにむずかしいことではない。  もう一つは、現状において健診で落ちているというか、取り込み過ぎといいますか振動障害以外の人を取り込んでいるというよりも、私は逆に業務内容を十分知らないために落としている方が多いんじゃないかというふうな感じの方を私は持っております。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 だからいまの参考人の御意見でもはっきりしたと思いますが、業務内容というものを十分に認識しながら健診をやるように認定基準についても詳しい通達がちゃんと出ておるのですから、したがって、医学的に認定が困難だとかなんとかということは私はないと思う。しかも、言うなら認定から落とされている方がむしろおっしゃったように多いので、まざり込んでいるのはないと思うのです。  だから、もう一遍申し上げますと、この部内の指導資料と言っていいのですか、これは何ですか、この記述は、第一線に対して非常に誤解を与えて無用な混乱を起こし、そして第一線の指導が医師や認定患者に不当な干渉や規制を加えるような結果になっておるから、この点は今後の措置として十分に改められる必要があるだろう、こういうふうに考えます。  そこで、もう一つ参考人にお伺いしたいのですが、振動病は悪化すれば症状が全身的なものへと広がって死に至る場合もあり得る、そういう意味では振動病は全身疾患であるという考え方で治療などをしていく必要があるというふうに私どもは聞かされております。ところが、そうでなくて局所的な疾患であり、これが悪化しても死に至ることなどはないというふうにどうも労働省の方は考える傾向があるのではないかと思っておるのですが、この辺の御見解はどうでしょうか。

青山英康岡山大学医学部教授

○青山参考人 これは振動障害に限らず、どんな健康障害でも、どんどん症度が進んでまいりますと全身障害になりますし、死に至らしめるのは、これはもう当然の医学的な事実だろうというふうに思います。  とかく局所振動障害とか白ろう病というような言葉で何か指の問題だとか局所の疾患のように考えられているのは、これは非常に大きな誤解でして、チェーンソーを取り扱った振動障害者の場合でも、たとえば発汗異常、全身的にそれこそ水もしたたるいい男なんというような感じで、大学の先生が診察に来たというだけでざあっと汗が出るというような方も現実に私診察させていただいておりますし、それから睡眠障害ということで非常に睡眠時間が短くなる。そういうものを繰り返していって死に至らないという方が無理ではないだろうかというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 これは労働省にはよく聞いておいていただきたい意見なんです。  これは高知の方で宮本さんとおっしゃる方が振動病で亡くなられた。これの問題について労働省の見解は、あくまでも振動病というのは局所的なものであるという考え方で認定をしようとしておらぬわけですが、先ほどの参考人の御意見を聞くと、やはりこうした振動病についても全身障害に及ぶのだというふうな考え方がそれはあたりまえな話なんだというふうに私ども考えております。したがって、これはまた別に追及をされる問題でありますが、その点、きょうの参考人の御意見を十分踏まえておいて今後に対処していただきたいということを申し上げておきます。  そこで、要するにこういうふうに審議を進めてまいりますと、何といいましても振動病の最大の問題は、予防措置をどうするかということであります。たとえばチェーンソーの使用時間の規制等についていろいろ指導を通達文書によって始められてから十年以上たつ。ところが十年以上たつのに、民間の方では一向に振動病の発生が減らない。減らないどころか、ふえる。ところが、一方では林野庁の方は、先ほどお話があったように、チェーンソーの使用時間の規制等を初めとする措置を十分にとった結果、大幅な減少を見ておる。  こうなってくると、私はいままでのような通達文書による指導というのは、やはり根本的に問題がある、これはどうしてもこの辺でこのやり方というものに対して考えなければならぬのじゃないかというふうに思うわけです。  そこで私どもがかねて言っておるのは、法的な規制を考えるべきではないかということを言っておるわけです、この段階になったら。先ほど大臣は、丹羽さんの御質問に対して、法的規制を考えるなにはない。大臣在任中は絶対やらぬ、こうおっしゃったのですが、これは私は、労働大臣が今後五年も十年も十五年もおやりになるのなら、自分が発言された言葉、法律はつくらぬでも、おれが政治の責任において絶対にこれは十分な措置をとって患者の発生を抑えていくんだ、それが実証される期間在任されるのなら、そこまで言い切られることも私はわかる。しかしながら、残念ながら日本の内閣のあり方として、なかなか五年、十年在任されない。そういう人が私の知る限りほとんどおられない。ほとんどじゃない、戦後一人もおらぬ。まあせいぜい長くやられて二年程度、短い人は六カ月か七カ月でやめてしまう。そうすると私は、自分が在任中は絶対にやらぬということまで言われるのは問題があるのじゃなかろうか。やはり大臣としては、現在の民間林業における振動病の発生状況というものを真剣に御検討になり、そして労働省がいままでとってこられたいろいろな措置を再検討されて、これはやはりぐあいが悪いなというふうにお考えになる余地があるなら、そこで大臣としての決断を下されるべきだ。それだけの慎重な検討をした、しかもおれの在任期間はまだ五年、十年ある、おれの在任期間中に法的な規制をやらぬで行政指導を続けていって減らせるという見通しを確認することができるとお考えになるのなら、それはいまのような御発言も当然だ。大臣在任中は絶対に法的規制は考えないとおっしゃるのも当然。しかし、そこまでいまの段階で言い切られるのは私は問題じゃないか。これは大臣にはなはだ失礼でありますけれども、あなたの御答弁を聞いて私の感じた感じを率直に申し上げたわけです。  私はやはり特にチェーンソーの時間規制を含んだ法的規制について検討される必要があると考えるのですが、これはまず専門の事務当局の方でどうお考えになるのか承って、なお大臣の御所見を承れればお聞かせ願いたいと存じます。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 チェーンソーの使用に伴います振動障害の防止につきまして、ただいま先生御指摘のように法的な規制でもってやったらどうかということでございます。私どもも、実はこれらにつきましては昭和五十二年にまずチェーンソーの規格の制定を行ってそれを法制化し、また特別教育の義務づけにつきましてもそういった規則制定をして可能なものから法規制を行ってきているわけでございます。  ただ、先生御指摘の二時間規制の問題につきましては、暴露基準が科学的に未解明であるというような問題、あるいは暴露管理のための技術的指導が確立されておらない、こういうようなこともございます。したがいまして、現段階では、法制化をするということにつきましては困難であるというふうに私は考えているわけでございます。  しかしながら、二時間規制を含みます暴露基準の科学的根拠というものにつきましては現在調査研究を鋭意進めておるわけでございますから、今後もさらに一層そういった点につきまして検討を進めて、こういった問題の確立に努めてまいりたいというように思っておる次第でございます。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 お答えを申し上げます。  先生御指摘のとおり、この振動病につきましても国有林野におきましては激減をいたしておるわけでございます。国有林野で激減をさせることができておる、そういったことがなぜ民有林野でできないのかということが問題でございますから、国有林野で行っております以上の指導を民有林野に徹底させるということの方が先行すべきである。  それが政治でございまして、法律に何か書き加えたからそれで事済めりというような文書の上の解決ということを私は非常にきらっておる。現実にそれをどうするかということで、どれだけの実績を上げ得るかということが私どもに課せられた政治責任である、かように考えておりますので、御指摘、御批判は御自由でございますけれども、その御批判は、私にまずやらしていただいて、その後なお、おまえがやっていることはこれだけのことをやっているけれども何もやっていないじゃないか、こういう御批判ができましたときにちょうだいをさせていただきたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 そうなると事務当局は大変な責任なんですよ。労働大臣は残念ながらおかわりになることがあるかもしれない。しかし継続性はあるのですから、労働大臣がここでこれだけ強くおっしゃったことは、それを法制化しないで何としてもその効果を上げる責任があなた方にかかってきたわけですよ。この責任の厳しさは十分認識しておいてもらいたい。国会ももうこの審議だけで終わって来年からなしになるのじゃないのですよ。この審議はずっと毎年毎年ありますよ。だから大臣のおっしゃった言葉は事務当局が大変な責任を負うことになるのですよ。そのことはしっかりと腹に入れておいていただきたい。  それでもう一つお伺いしたいのですが、先ほど局長はチェーンソーの使用時間の規制について、法的措置をとっていくのに科学的根拠も十分でないからというふうにおっしゃった。ところが私は現在の段階で可能とされるものがあるのではないかというふうに思っておるのです。これは私は最近手に入れたのですが、振動障害委員会報告というのが一九八〇年九月に出されております。これは日本産業衛生学会振動障害委員会から出されておる。それを見ると、ISOで一応の規制についての基準というものですか、そういったものが示されておる。そして測定法だとか評価法というようなものについても詳しい検討の結果が出されておるのです。こういうものをさしずめ参考にしながら法規制の措置をとっていくということは不可能ではない。一応国際的に認められた現時点における基準というものが示されておるわけです。私はそう考えるのですが、これは御存じありませんか。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 いま先生御指摘のISOの基準の問題は承知をいたしております。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 承知いたしておるわけですね。承知いたしておられるのなら——ILO条約百四十八号、それからそれに関連する勧告がありましたね。これを批准している国も幾らか現実に出てきているわけですね。何ぼあるのですか。七、八カ国ですね、いま批准しておるのは。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 六カ国あるというふうに伺っておりますが、振動の暴露基準をそれぞれの当該国が制定した上で批准をしたのかどうかということは不明でございまして、現在調査をいたしております。  ただ、特に振動障害の防止対策が進んでいると考えられる東ヨーロッパ圏内の国は批准をいたしておらないようでございます。これは空気汚染の問題、騒音の問題、それから振動の問題と三つが含まれておりまして、そのいずれかにつきまして暴露基準を設けて批准するということが可能なような形のように伺っておりますので、私いまちょっとそのものはございませんので確かなあれでございませんが、私の記憶ではそうなっておりますので、その六カ国は振動の問題で批准をしたのかどうかということはまだ確認できていないわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 そうするとその点については今後検討されるでしょう。されるでしょうから、その問題はそれとして、こういった一つの国際的な基準というものも生まれておるわけですから、そういうものを検討しながら法規制できるのかできないのか、というよりも、法規制をやるという方向で積極的に検討を進めていくべきだ、こういうふうに私は思うのです。  そういうふうにされる姿勢がありますか。これは局長さん、どうです。あなたがやれと言うぐらいじゃないとだめです。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 私の説明が若干不足だとあれなんですが、私どもは基本的には規則をつくることに反対をしているわけではないわけでございます。  ただ、いま先生がお示しになりましたISOの基準の議論も、現実には振動対策の進んでいるソ連などの考え方とは若干違う問題が含まれておるというようなことがございますので、実は先生お示しのISOレベルでの騒音をどういう形で測定をするのか、その問題についてISOで提言をしているような方法で振動工具についての振動の大きさを測定する、その問題を二年間やってきておるというようなことでございます。  基本的には将来規則をつくるという方向に向かって——もっと早くやれという御叱正をいつもいただいておるわけでございますが、われわれとしてはそういう専門家と御相談をしながら、時間はかかっておりますけれども^つくる方向で努力はいたしておるということは私申し上げられると思います。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 そこで、その努力をさらに一層強めて、早期に法規制の問題を検討していただきたいわけでありますが、それとの関連で、ILO条約の批准を早くやるべきだと思うのです。この点はどうですか。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 先生御指摘の百四十八号条約につきましては、ILO条約といたしましては比較的新しい条約でございまして、先ほど御説明のございましたように六カ国が批准している。その中でも振動によって批准されたかどうかはわからないわけでございますが、わが国の条約批准の方針といたしましては、国内法制が条約に適合した場合につきまして批准をするという方針をとっております。先ほど来衛生課長が御説明しているように、国内法制の整備の段階におきましては、まだまだ解明すべき部門が多いわけでございます。したがいまして、国内法制と条約条項との抵触部分があるわけでございまして、直ちにILO百四十八号条約を批准するということはむずかしいかと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 日本政府のILO条約等に対する姿勢というのは、どこの場で聞いてみても、まず国内法制が十分整ってないから批准ができないのだという答弁が、労働省だけじゃない、どこでもそのような関係のときには出てくるのです。国内法制が整ってから批准する、それは批准した以上は、わが国内ではこのようにやっているのです、きちっと批准した条約案どおりにやっていますよ、その手がたさはわかるのです。手がたさはわかるけれども、同時に、その法制化を促進しようと思えば、やはりまず賛成した条約なら批准をする、批准をして、その上に立って、それを足場にしながら国内法制の整備を図っていく、これが政治じゃないですか。  大臣、そうじゃないですか。大臣は政治政治とおっしゃるが、私は政治というものはそういうものだと思うのですよ。全体の情勢を見て、そういう条約がつくられて賛成をした、それに賛成した以上は、国内において早急に実施をする、その足がかりにするために批准をしていく、そして国内法整備に積極的になっていく、これが私は政治だと思います。大臣は政治がお好きですからね。私の意見に大臣はぜひ御賛成を願いたいのですが、どうですか。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 前段に矢山先生が言われました手がたさと申しますか、国際的責任といいますか、日本の国はこうやりますと言ったことはきちっとやらなければ私どもの国際信用にかかわる大事になろう、私はかように思うわけでございまして、そこにILO条約ができたからともかくも批准してしまえというような無責任な批准のやり方というのは私は余り好かぬ、余りしたくない、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 それは大臣、おかしいですよ。やはり賛成をしたというなら、その賛成をしたというのは厳然たる事実ですから、賛成をした以上はそれを実施するというのがまず手がたいことの第一番なんです。  それで、賛成をしたものに対して国内法の整備が足らぬというなら、それを急いでいく、これが政治の姿勢です。その点は大臣とちょっと意見が合いませんね。これはおかしいですよ。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 重ねて申し上げますけれども、私が申し上げているのは、決して何でもかんでもいかぬと言っているわけではないのでございまして、まずそういった批准をする前に、そういったことができる体制を早くつくるということが、私どもに課せられました政治責任だ、こういうことを申し上げているわけで、そういったものがきちっと全部でき上がってしまえば、これでできました、批准をいたします、責任を負いますということになろうと思いますよ。多少ニュアンスに違うところはありますけれども、私は、先生のお考えになっていることとは月とスッポンほど違うとは思っておりません。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 月とスッポンはいざ知らず、かなり見解の相違はありますね。私は、やはり国際場裏で条約案に賛成をした以上はそれを批准するというのが賛成をした国の最大の国際的な責任だと考えますので、ひとつぜひ批准を急いでいただきたい。いま信用という言葉が出ましたが、まさに国際的な信用の問題です。私はこの方がより重要な課題だと思いますので、ぜひ批准を急いでいただきたい。  それからもう一つだけ聞きます。  先ほど申し上げました「林業関係の労災保険収支の実情と問題点」、これについては一、二の問題点を私は指摘いたしましたが、この部内資料で第一線を指導されたことには大変な問題がある。恐らく後で同僚議員からふらちなやり方というものを個別に指摘されるかもしれません。したがって、これについては撤回してしまって、正式に新たな通達文書を出して、第一線の混乱なりあるいは認定患者に対する不当な締めつけなり、そういうことのないような状態をつくり出さなければ、つまり正常な状態をつくり出さなければならぬと思いますが、この点どうでしょう。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 先生御指摘の「林業関係の労災保険収支の実情と問題点」、部内資料でございますが、これは、先ほども補償課長が申し上げましたように、補償という観点から労災保険の現状について分析、検討したものでございます。  しかしながら、先生おっしゃるように、予防というものがその前提になり、それが強化されなければならぬということは当然のことでございます。この部内資料におきましても、予防対策が効果を上げることが期待されるということでその重要性も述べておるところでございますけれども、私どもといたしましてはこの機会に、振動障害の予防を含めた総合的な対策について別途指示をする予定にいたします。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 最後に大臣にお願いして御所見を承りたいのですが、先ほどチェーンソーの時間規制等を含んだ法規制の問題について、事務当局は、あなたが強いハッパをかけられたので、真剣に検討して、法規制が必要ならそういう方向で研究すると言っていますから、法規制なんか要らぬぞということをおっしゃらぬように、むしろ事務当局に今度はあなたの方がそういった措置を進めさせるようにお願いしておきたいと思うのですが、よろしゅうございますね。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 先ほども申し上げましたように、国有林野でできることが民有林でできないということは、労働省といたしましても非常な恥でございますから、私はそういったことをそのまま認めていくわけにはいかないわけでございまして、まずそういった汚名を払拭させるような政治自体を先行させるということに全力を注ぎたい、かように思いますし、それは必ずやらせますから、ひとつ御信頼をいただきたい。

矢山有作日本社会党

○矢山委員 以上です。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 川本敏美君。

川本敏美日本社会党

○川本委員 それでは続いて振動病について私も質問をいたしたいと思います。  先ほど来矢山委員がいろいろ追及をいたしておりますが、まず私は局長にお聞きをいたしたいと思うのです。  いま矢山さんが指摘をいたしました、昨年八月に労働基準局の補償課が内部資料として通達を出した「林業関係の労災保険収支の実情と問題点」、これは恐らく、先ほどからの答弁を聞いていますと大臣は御存じないのじゃないかと私は思うわけです。大変なことが書いてある。ちょっと簡単に言いますと、「林業における昭和五十三年度保険料収納額は六十七億一千六百万円であったが、給付額は特別支給金を含めると二百十七億円に達しており、収支率は三二三二%、赤字額は百四十九億八千四百万円と巨大な額を計上している。」こういう書き出しなんですよ。そして、五年後の昭和六十年度には林業関係の赤字額は一千億程度に達するものと思われると言って、その前書きの一番最後は、「このまま進むと、労災保険制度の根幹を破壊しかねない状況にたち至る怖れなしとしない」、こういうとらまえ方に立って、以下ずっと分析をしておるわけです。  そして、その分析の中身をもう少し詳しく言いますと、いわゆる病院で、百人の従業員を使っておる病院の場合は一年間に保険料は百二十万円である。同じ百人を使っておっても、林業の場合はその六十倍、七千四百四十万円の労災保険料を払わなければいかぬことになる。「もし、このような保険料率が林業において課された場合には、林業経営の基本すらも極めて危うくするものであって、その結果多くの労働者や事業主が不利益をこうむることになる。」こういう状態だから「安易な保険給付を行うことは許されない。」こういう言い方で、いわゆる保険収支が赤字だから、安易な保険給付をやってはならぬ。労災保険が何で林業関係のその基盤を危うくすることまで心配せなければいかぬのですか。私はそういう点についても大きな問題があると思う。  そして、一番最後のまとめのところでは、もっとひどいことが書いてあるのです。「この高い給付水準のもとで、ゆがめられた保険給付が拡大する事態については、厳正に対処していかなければならない。不適正な給付の蔓延は、被災労働者の社会復帰意欲を減退させ、勤労を尊ぶ健全な常識をゆさぶり崩す危険をはらんでいる。そして、ひいては、補償水準が高いからいつまでも給付を受けたがるとの批判を増幅させ、補償水準」改善についての重大な阻害要因となっておる。  何ですか、これは。こういうことが現在下部の行政の末端の現場で大きな混乱と問題を提起しておるということについて、労働省は認識をしていますか。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 御指摘の「林業関係の労災保険収支の実情と問題点」、これは補償という観点から労災保険の現状について分析、検討し、適正給付について補償上の問題点を指摘した会議資料でございます。そういうことでございまして、いま先生御指摘のように、現場でいろいろ問題を生じておるのではないかという点につきましては、私ども必ずしも本資料との関係は明らかでございませんが、現場で適正給付の推進のために努力をしている過程の中で、そういった患者に対しまして不安を与えている場合がある、こういうような点を陳情その他のことでもって承知しております。

川本敏美日本社会党

○川本委員 それならば、私はもう少し具体的な例を申し上げますが、労働大臣、よく聞いておいてくださいよ。  ことしの二月九日に北海道の旭川の労働基準監督署が富良野商工会議所というところへ調査官二名を派遣をして、男子三名、女子三名計六名のいわゆる振動障害の認定患者を呼び出して、あなた方に対しては完全に治療を打ち切ることは考えられないが、軽作業につきながら治療を続ける、したがって休業補償は通院日だけとする、こういうことを通告しにやってきたわけですけれども、そのときにどういうことを言っているかといいますと、年金だけで君は生活できるじゃないかとか、あるいは住宅は持ち家か借家か、土地は自分のものかどうか、子供がもう成人しているのか成人していないのか、子供が成人したら子供の収入で生活できるんではないかとか、歩ける者は皆働けるのだから、歩ける者は全部作業について働いてもらわなければならぬ、富良野のような小さなところでは軽作業がないから、思い切って旭川へ引っ越したらどうか、こういうようなことを一人一人の患者に言っておるわけです。そして女性の方にはどういうことを言っているかというと、体のぐあいの悪いのは亡くなったお婿さんの看病疲れじゃないかとか、あなたは子供を余り多く産み過ぎたから体のぐあいが悪くなったのじゃないか、こんなことまで言っておるわけです。  こんなことは、全く本来労災保険と関係ないですよ。こういう不穏当なことをいわゆる労災保険の認定患者に対して末端の労働基準監督署の係官が言っておるわけです。これは不穏当だと思いますか、思いませんか。適法な行政指導だと思いますか。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 ただいま御指摘の発言その他がどのような状況のもとで行われましたか、詳しいことは承知しておりませんが、仮に労災保険給付に関する調査や患者に対する指導に際して不穏当な表現があったとすれば、これは改める必要がございますので、患者に無用の不安を生じさせないよう注意をしてまいりたいと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 もう一度、補償課長にお聞きしますが、不穏当なこういう指導、調査は直ちに改めるよう、はっきり指導しますのか。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 ただいま申し上げましたように、保険給付に関する調査や振動病患者に対する指導などに対して不穏当な表現があったとすれば、これを改める必要があるので、患者に無用な不安を生じさせないよう十分注意をして直させたいと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 そのほかにもまだあるのです。言えば何ぼでもあるのですが、もう一つは高知県の中村労働基準監督署ですが、これもいわゆる労災保険の認定患者で休業して治療中の人に対して、今度は中村労働基準監督署は、あなた方は狩猟の免許を持っているだろう、その狩猟の免許を持っている者は全員免許を県に返してこい、それで県に狩猟免許を返してきた証明と、同時に今後狩猟免許はとりませんという誓約書を入れなければ、休業補償は支給しません、こう言ったのですが、これは適法な行為ですかどうですか。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 御指摘の中村署におきます狩猟免許の件でございますが、この狩猟免許につきましては、冬季間狩猟が行えるという免許でございまして、先生御承知のように振動病の患者につきましては寒冷にさらされるということが療養の態度としましては最も不適切なものでございます。したがいまして、療養を受けている間につきましてはやはり療養に専念をしていただくというような、現場の職員がむしろ労災被災者の一日も早い回復を期待いたしまして指導申し上げたわけでございます。もちろん、法律的には療養に専念しない場合につきましての給付制限条項等はございますが、職員といたしましては、その条項の適用よりもむしろ行政指導によりまして、狩猟に行かないで療養に専念をしていただく、そういう熱意のあらわれではないかと思うわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 私は、少なくともそういう狩猟免許を県に返して、返してきた証明を持ってこいとか、誓約書を入れよというのは、これは基本的人権にかかわる問題だと思っておる。それは医師と患者との信頼関係において、医師が療養上必要とあれば、狩猟はやめなさいよ。こんなことを言ったら、そんなら自動車の運転や単車に乗る免許証を持っておる者は全部、労働基準監督署は、あなたは単車の免状を返してきなさい、そうでなければ休業補償を渡しませんよ。休業補償を担保にとっておいて、そして基本的人権を踏みにじるようなことを、それは熱意があるからやったんだでは済まぬと思う。こういう点については、やはり行政の限界というものをはっきりしなければ、私は納得できないと思う。  そのほかにも高知ではまだありますよ。山林労働組合の役員をしておる人に対して、あなたは組合業務で会議に出たり行動したりしておるじゃないか、その日は休業補償を支給しない、こういう言い方をしておる。それだったら、これは労働組合運動に対する弾圧じゃないですか。労働組合が白ろう病の問題で、休業補償の金額が月七万五千円やそこらでは生活できないからもっと上げてもらいたいとかいろんな活動をしておる。そうすると、組合活動に従事した日は休業補償は支給しないなどと、組合運動に対して圧力をかけることを目的としてこういうことまで言っておる。  さらには、通院費の請求の問題ですけれども、バスに乗って通院しておるとしたら、監督署は人が多うて暇ですよ、わざわざ山間僻地の三原村というところのバス停まで監督官を派遣して、朝出発するバスに乗るか乗らぬか隠れて見に行っておるじゃないですか。そんなことをしてまで白ろう病の認定患者の通院費を支給しないように、何とか証拠をつかもうとか、あるいは休業補償を支払う日数を一日でも減らそうとか、こういうことが起こってきておるのは、皆先ほどのあの通達が原因なのですよ。  どうですか局長、このようなことは今後改めさせますか。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 先ほど申しましたように、あの部内資料につきましては、補償の観点から給付の適正化を期するという観点で説示したものでございます。しかしながら、問題はやはり予防対策というものが中心である、先ほどの矢山先生からの御指摘もあるわけでございまして、私どももそういったことは当然のことであるというふうに思っております。したがいまして、現在先生御指摘のような適正な給付に伴う運用上の問題について、受給者に無用の不安を与えることのないよう注意はしてまいりたいというように思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 それだけじゃない、まだあるのですよ。実は、監督署長名で医療機関に対して通達の文書を出しておる。私、持っていますが、この文書を見ると、どういうことを書いてあるかというと、いわゆる全暦日の休業をさせないで、症度一ないし二の者については休業補償は通院した日だけを休業として証明していただきたい、その他の日はできる限り軽労働可ということで休業補償が行われないようにひとつ考えてもらいたい、こういう趣旨の通達を出しておるわけです。その中ではっきり書いてあることは、「休業補償給付請求書の9欄「療養のため労働することが出きなかつたと認められる期間」の証明は、通院加療のため就労できなかった日又は、症状により就労不能の日のみを証明願うこととなります。」したがってその他の日の休業補償は行われないことになりますので、担当医より当該労働者に十分説示の上、カルテに労働不能と認めた日数を明確に記載しておいてもらいたい、こういうようなことが書いてある。  そのほかにも、あるいは恣意によって毎日理学療法とかほかの治療を受けるようなことのないように医師において適切に指導してもらいたいとか、あるいは、なおこの診断を不満として転医する者も予想されるので、転医先の医師に従前の症度を事前に通知し、従前の症度より重い格づけがされないようにされたいなどという、医師に対して、まず休業補償は通院日だけにしてください、そしてそれを不満として転医した場合には、それより重い格づけをせぬようにひとつ前もってお医者さんに連絡しておいてください、こういうことで、いわゆる全暦日の休業をやめさせて通院日だけの休業とするために、すべての労働者に軽労働はできるという診断をせよという趣旨の通達の文書を出しておるではないですか。  こんなことは私は労災保険法上問題があると思うわけです。この点について労働省はどのように考えますか。私はこんなことは人道上許されるものではないと思う。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 振動障害者の治療につきましては、臨床専門医の御意見を承りまして治療指針というものを作成しております。それを治療の医療機関にお配りいたしまして、それによりましていろいろ治療に当たっていただきたいということをお願いしているわけでございます。  その治療指針におきまして、患者の振動障害の症状別に四段階に区分しているわけでございます。そのうち、通院による療養を受け一般の労働が許される者、そういう症状程度の者は症度一とランクづけることになっているわけでございます。  症度二といたしましては、原則として通院による療養を受け、適宜労働を制限を行う場合もある。したがって、労働を制限する場合もあるし、労働も可能な場合もある、そういう場合で一よりもその症状が強いものを予定しているわけでございます。  そういうように労働省が現在把握している限りにおきましては、御指摘のような症度二の者につきまして、一律に通院日だけ休業扱いにしろという指導を行ったというような事実は聞いておりません。現地監督署が医療機関に流した通達につきましても、治療指針に従いまして、症度二の者につきましてはどれだけ働けるのか、どの程度労働が可能なのかということをよく確かめていただきたいということに触れているのみでございます。  それから、転医した場合の医療区分につきまして、症度区分が前の医療機関と違う場合があるわけでございます。やはり医学的な判断、客観的な判断といたしましてそれらに違いがあるのはおかしいわけでございまして、医療機関が違うことによってそのような症度区分に差異が生ずる場合につきましては、よくそれを確かめて適正な症度区分に格づけすることが必要でございまして、現地の署におきましても、そういうことから、転医後の医療機関につきましても症度区分を連絡をしてもらいたい、そういう違いのないように十分鑑定をしてもらいたいという趣旨から通達をしているわけでございます。  そういうことで、私ども決して、適正に給付を受けられる者につきましてその給付を制限するという意図は毛頭ございません。やはり一定の治療を継続し、さらにその医療効果が上がれば、その上がったのに応じまして種々の対応をしていくということが本来の労災保険制度の適正な運用ではないかと理解しているわけでございます。  こういう趣旨に基づいて現地が個々具体的な事例に応じまして措置をしているものと理解しているわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 いま審議官お答えになりましたが、私はそれは全く事実に反すると思う。というのは、さきにいわゆる林業における労災収支の実情と問題点、こういうことで現場の監督署に指示をしてあるから、現場の監督署は、先ほど来問題になっておったようないわゆる労災収支の改善をするためには予防措置をして、振動病患者の発生をなくしていかなければいかぬという方よりも、いわゆる自分の監督署管内で全暦日の休業者がおればそれを通院日だけにしていこう、こういうようなことで、一生懸命いま休業補償を通院日だけにして、仕事があろうがなかろうが、軽作業はできますよと言って軽作業につかせようとしておるのが、先ほど来の私の指摘したあらわれじゃないかと思うわけです。  現実に振動病が起こるような山林労働者が住んでおるのは山間僻地ですからね。山間僻地に、林業労働か土建の仕事を除いたら、もう仕事はないのです。そんなところで、軽作業につきなさい、軽作業はできますよと幾ら指導したって、それは軽作業がなければ、振動病の患者は、通院日だけで一カ月に一万五千円や二万円の休業補償をもらったら生活できませんよ。  そういう実情を労働省はどのように把握しておるのか。その点についてはどう思っていますか。療養に専念できると思いますか。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 労災保険制度の中の休業補償でございますが、労災保険法の十四条第一項によりまして、労働者が業務上の負傷または疾病によりまして療養のため労働することができないため賃金を受けられない日につきまして休業給付を行うという規定になっているわけでございます。  個々の振動病の患者の方がいろいろ療養を受けている、その療養を受けるのは症度によりましていろいろあるわけでございますが、通院日につきましては、確かに療養のために労働をすることができないし、賃金も得られないということでございますが、通院日以外の日につきまして、医師が自宅で安静休養を命ずるというような場合につきましては、私どもはそれにつきましても療養のため休業をしたというふうに理解をしているわけでございます。  ただ、それ以外に、療養としては通院日だけでいい、または週の中の一定日数だけでいいというような判断が下されたような場合につきましては、当該療養の日につきましては休業補償給付を支給いたしますが、それ以外の日の収入を補てんをするということにつきましては、労災保険制度の中で措置をするということは無理ではないか、そのように考えております。

川本敏美日本社会党

○川本委員 そういうことであれば、そのような療養中の振動病患者であって、軽作業が可だと仮にお医者さんが決めた、これは従来労働省が一生懸命お医者さんにそういうふうにせいと言って決めさせておるわけですけれども、そうしたらその人たちは、通院日だけしか休業補償はもらえない。しかし、もう一度働いて家族を養わなければいけませんから、家族を養うために仕事をしようとすれば、また山林労働か土建の現場の重労働しかないわけです。  そうしたら労働省としては、そういう人たちの就職について、これは安定所もあるわけですが、この前、昨年の四月にも国会でこの問題が問題になったときに、労働省倉橋審議官は、職業安定機関を初め各行政機関あるいは各事業団体においてその辺のカバーはしてもらうんだ、こういう答え方をしておる。いまでもその考え方は変わりないのですか。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 労災保険法なり労災保険制度の中で、これらの方々に対しての収入の確保ということは非常にむずかしいわけでございまして、私どもはもとよりのこと、職業安定機関、林業関係行政機関、その他地元におきます関係機関等といろいろ相談、協力いたしまして、それらの方の就業の機会の発見に努めていくということでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 それなら職安局長に聞きますが、基準局はそう言っておるのですけれども、現に振動病の患者で、一週間に一回か二回お医者さんへ通院治療を受けに行っておる人、そういう人が軽作業ができるということで、職業安定機関でいままでにこういう人たちを就職あっせんをして、そして仕事につかせたという事実がありますか、これからの見通しはどうですか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 お答え申し上げます。  軽作業可という方が安定所に求職申し込みをされる際に、そういう状態であるということまで明らかにして求職申し込みをされるとは限っておりませんので、いままでそういう実例があるかどうかというお尋ねでございますが、私どもの出先ではそういう数を把握するということができませんので、実績として申し上げるわけにはいきませんが、公共職業安定所というのは、労働の意思と能力のある求職者に対して職業紹介をするのが一番の基本の使命でございます。  そういう意味で、求職者が参りますれば全力を挙げてこれをあっせんするということに努めておるわけでございますが、先ほど来先生の御指摘がございますように、それらの方々の居住されておるところは、いわば山林という遠隔の僻地でございます。また、通院をしなければならないという、そういう条件を負っている方の再就職というものは、通常のやり方では非常に困難なものがあるのではないかと思います。  そういう意味におきまして、私どもといたしましては、今後においては、職業安定機関だけではなく、現地の監督機関はもとより、山林関係の事業主の団体あるいは地元の市町村、そういったような関係者と十分連携をとって、就労の場の確保に全力を挙げてまいりたいと思っております。

川本敏美日本社会党

○川本委員 林野庁、お見えいただいていますね。  林野庁でも従来、いわゆる新林構という事業で、振動病の認定患者で治療中の人が軽労働はできるといった場合に、それの受けざらとして、新林構の事業場で就労可能だというふうに言っておられると思うのですが、現実にいままでこういう認定患者を新林構で何人就労させていますか、そして今後の見通しはどうですか。

安橋隆雄林野庁林政部森林組合課長

○安橋説明員 新林業構造改善事業は、昭和五十五年度から開始いたしたばかりでございますので、現在までのところ、軽労働可になった振動障害認定者につきまして、新林業構造改善事業にかかわります事業場で就職されたという事例の報告はないわけでございます。  新林業構造改善事業は、地元の事業体なりあるいは市町村なりが自主的に計画をして林業振興のための事業を実施していくというたてまえになっておりますので、今後どういう形で出てくるかというのは非常に予想しがたいわけでございますけれども、事業の性格からいたしまして、これに対しまして過大な期待を寄せて、これで林業の振動障害者を救っていく決め手であるというふうな期待を寄せるところまではいかないのではないかというふうに考えておる次第でございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 森林組合課長、いわゆる新林構というのは、補助金を出してやっておる事業だと思いますが、その事業の補助金を出すときの条件として、振動病患者を優先的にここで働かせなさいよというような担保として考えられておるのかどうか、その点もう一回はっきり。

安橋隆雄林野庁林政部森林組合課長

○安橋説明員 新林業構造改善事業は、地元市町村なり林業事業体の自主的な計画意欲に対しまして事業を補助するというたてまえでございますので、認定者で軽作業になった方々を優先的に雇い入れるということを林業構造改善事業の補助条件とすることは、事業の性格からしてはむずかしいのではないかというふうに考えておるわけでございます。ただ、事業体自体の方でそういう者を雇うというような希望が出てまいりますれば、受けざらとしてはなり得るわけでございますが、あくまでも地元の意向いかんであるというふうに考えているわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 次に、厚生省おいでいただいていますね。厚生省に私はお聞きしたい。  先ほど来申し上げておるような労災保険の治療中の認定患者、そしてそういう振動病の患者は通院日だけしか休業補償がもらえない。そうしたらあとの日はどうか。大体山林労働者は発病した途端に仕事がなくなってしまう。日雇いですから、出来高払い制ですから解雇された状態になっている。ほかの収入は全くない。そうしたら先ほどの話のように、安定所で世話しても、遠隔地でしか仕事がないから仕事にはつけない。林野庁の新林構でもそんなことの補償はできない。そうなればもう生活していけないわけですよ。そんな場合、そういう振動病患者に対して生活保護は適用できますか。

加藤栄一厚生省社会局保護課長

○加藤説明員 御説明いたします。  生活保護制度におきましては、真に生活に困窮されております方に対しましては、その困窮の程度に応じまして必要な保護を行う、そして最低限度の生活を保障する、こういう制度でございますので、その前提といたしまして、生活保護制度を適用する場合に、まずその方が利用し得る他の収入でありますとか資産でありますとかあるいは稼働能力、そういうものをお持ちの場合にはまずそれを十分に活用を図っていただく、さらにあるいは扶養義務者が扶養できる能力があるということでございますと、そういうものも履行していただくということが前提になりますが、そういうあらゆるものの活用を図りましてもなお生活するだけの収入が得られない、それで厚生大臣が設定しております最低生活基準に満たない場合には、御質問のような方でありましても、その最低の生活基準に満たない部分につきましては生活保護の給付を適用いたします。そういう取り扱いにいたしております。

川本敏美日本社会党

○川本委員 わかりやすく言えば、生活保護法は適用できるけれども、しかし一定の認定、それも生活保護世帯として認定の基準があって、いわゆる扶養義務者に所得があるとかあるいは財産があるとか、いろいろなそういうものがあれば、生活保護基準に達しない場合は生活保護費は支給されないということですね。いろいろ条件があるということですね。

加藤栄一厚生省社会局保護課長

○加藤説明員 生活保護法で定めております各種の資産の活用あるいは他法、他施策活用あるいは能力活用ということでございまして、この場合の方も、軽労働可能でありますればできるだけ軽労働の求職をする努力はしていただくわけでございますが、その努力をされてもなお適当な就職口がない、あるいはそういう働き口がないという場合には、生活保護を適用いたします。

川本敏美日本社会党

○川本委員 生活保護の適用ということについては、いまおっしゃるようにいろいろな問題があって、ここでは言えても現実にはなかなか適用できないのじゃないかと私は判断するわけです。  そこで、私は労働大臣にこの際お聞きしたいのですが、労働大臣、先ほど来聞いていただいたような状態です。今度の「林業関係の労災保険収支の実情と問題点」、この通達によって、末端の監督署は予防対策をやるよりも支出を減らすという方で、患者の認定をできるだけおくれさせたり、あるいは休業を認めさせないようにいろいろ指導をして締めつけをしておるわけです。この中にはっきり書いてある。全暦日の休業者の数が八一・何%になっておる。これが最も大きな問題点のあるところだということできちっと指摘しておるわけですから、こういう振動病患者に対する締めつけだけを考えて労災保険の収支をよくしよう、こういうような考え方はもう基本的に私は間違いではないかと思うし、それはまた労災保険法の精神にも反するのじゃないかと思うわけです。  労災保険法の第一条では、「労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、廃疾又は死亡に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、適正な労働条件の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。」その被災労働者の生活の援護や社会復帰の促進やあるいはその福祉の増進という労災保険法の精神から見ると、いまやっておることは全く逆の逆さまのことをやっておると私は思うわけです。  そこで、こういういまの労働基準局の労災、振動病患者に対する行政の姿勢というものを根本的にこの際改める必要があるのじゃないか。発生予防に重点を置いて、療養給付や休業補償給付の認定を締めつけていって労災保険の収支の改善を図ろう、こういうようなことはもってのほかだと思うのですが、こういう点について労働大臣、どのように思われますか。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 先ほど来いろいろな御指摘をいただいて、私もいろいろ考えさせられる点があるわけでございますが、労災保険の財政といいまするものも一応の健全な収支を保っていく必要は、それはそれなりに私はあろうと思います。ただ、その財政の収支を保たんがために必要な経費の支出を抑えるとかあるいは支出を牽制するとかいうようなことはもうとんでもない話でございまして、これはそういった趣旨に第一反しておる、さようなことだと思います。  ただ、私どもが申し上げたいと思いますのは、何といいましてもこういった労災患者が出てしまった場合、労災患者の社会復帰とかあるいは御生活の安定とかいうようなことについてできるだけの御助力をしなければいけないわけでございますから、そういったことについての一つの指針をお医者様がこの程度にこうやれという判断をおつけになられれば、その医師の指示に従っていくのが私は当然であろうと思います。またその医師といいまするものは、その立場、立場におきまして医師の良心に従ってこのような指導をされるであろう、かように信じたいわけでございます。  同時に、私は患者の方とされましても、何といいましてもそういった病気の苦痛から一日も早く治られるということが先決でございますけれども、同時に社会復帰をなさるという意欲も私はそこになければならぬわけだ、かように考えるわけでございまして、医師の御指示といいまするものは十二分に聞いていただかなければなりませんし、先ほどそのような御指摘がございましたけれども、そういった振動病の患者に指定をされておられる方が狩猟免許を持っているとか持っていないとか、そういうことに干犯すべきではないと思いますけれども、その狩猟免許があるから休んでいる間にそれではちょっと鳥を撃ちに行こうかというようなことは余り芳しいことではないわけでございますから、療養に専心をされる、その努力をしていただきたい、その療養のために山歩きが必要であるということならばこれは大いにやっていただかなければならぬことでございますけれども、医師の指示、指導といいまするものが基本でなければならぬ、そういったことに行政というものが干犯をすべきではない、こういうことを私はきちっと守らしていくべきである、かように考えます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 そこで参考人の青山先生にこの際ちょっとお聞きしたいと思うのですが、先ほど来お聞きいただきましたように振動病に認定された患者で治療の結果症状がだんだんよくなってきておる、治療上悪影響を及ぼさないという程度の作業であれば、いま大臣もお答えになりましたように就労可能な患者もいると私も思います。  しかし、この場合林業ではほとんどの患者は雇用関係が切れておるというのは先ほど申し上げた。そういう特殊な山間僻地の地域の状態の中で、軽作業といってもその仕事がない。また労災保険で治療中の患者を引き受けてくれる事業主も、先ほど来のお話のようにもう全然ないわけです。これが現実の姿です。このような場合に、休業補償を通院日だけに限定すると患者は生活をしていけない、家族を養っていけない。そうなれば患者だって家族を養わなければいけませんから、またお医者さんに黙って山林労働に行ってチェーンソーを使ってそして生活の糧を得る、その結果、また病気が悪化して長引いてしまう、こういうような事態が起こりかねないと私は思うわけです。  こういう場合、主治医のお医者さんとしては、患者の治療を行う上で医師が適当と判断する作業でない限り就労させられないと思っておられるお医者さんも多いと思う。山間僻地でそういう重労働の山林労働や建設工事の労働しかないようなところでは、お医者さんとしてはその責任上、軽作業からといって通院日だけの休業補償にしたらまた山に行って働くおそれがあるから、やはり全体で療養に専念させざるを得ないと判断されるお医者さんもおると私は思うわけです。  そういうことについて、もし仮にそういう主治医がこういう態度をとられても、お医者さんの責任上全く間違った判断だと言えないのではないかと思うのですが、その点、青山先生はどのようにお考えになりますか。

青山英康岡山大学医学部教授

○青山参考人 リハビリテーションというのは二つの意味で大切なことがあると思います。  まず第一は、非常に早期に患者を把握したいという場合に、先ほども申しましたように症度の軽い段階でつかまえて作業をさせながらその治療をしてみる、こういうふうな状況がございますね。  それからもう一つのリハビリは、一度とことん悪くなってもとへ戻していくというリハビリの問題ですね。この場合も、入院している期間治療して、それで退院させれば翌日から元気に働くということは無理なものなんですね。スムーズに職場に戻していくというのがリハビリの本質だと思うわけです。  そういう場合に、いまの補償の状況であれば入院させるかそれとも通院させるかの二つに一つ。通院させた場合には通院の日だけということになれば、これは医学的な治療というのは非常にむずかしいだろう。そういうことで日本産業衛生学会の私が主宰をいたしました頸肩腕障害の委員会と研究会の方でも出しているわけですが、症度の決め方については、症度というのはあくまでも身体的な医学的な診断ですね、重さですね。ところが、そういう診断をつけたらそのままいわゆる日常生活に戻れるのか、職場に戻れるのかというのにはもう一つの診断が必要だろう。その二つの診断を組み合わせて、いわゆる生活指導と医療指導という二つの組み合わせで職業病の場合はつけていかなければならないのじゃないだろうかというふうに考えているわけです。  そういうことで、症度が同じで軽度の作業なら可という者はすぐその日からうまく軽度の作業ができる人もいらっしゃるし、もしもできない場合には退院させるわけにいかないということになるわけですから、これは退院させるならさせるで軽度の作業が保障されるのかどうかという形で診断つければ、医学的には退院させるわけにはいかないだろうと思います。ですから、いまのままでいけば、入院をずっと続けさせるかそれともよっぽど元気になって帰すかの二つに一つしかできないということになれば、医療を行う上で非常に制限されますので、当然軽度の作業の場合でも補償をしていただければ医学的な適正な治療がしやすいだろうというふうに考えます。  一般的には、職業病の場合はいわゆるまじめな労働者の方が仕事のやり過ぎで重症な職業病になりやすいですし、もう一つ、健康な人が考えるほど、入院している人は寝てて金もうけができれば楽だというような形で、仕事をサボるために寝ているというような患者さんは、特に職業病の場合は私はきわめて少ないというふうに考えていいんじゃないだろうかと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 私も参考人の青山先生のおっしゃるのと全く同感なんです。  大臣、聞いておいてください。私この前にも申し上げたかもわかりませんが、実は、私の奈良県吉野郡の野迫川村というところで山林労働者の人が、去年の三月ですけれども子供を高校に進学させた。姉は高校二年生で弟は今度高校一年になる。そうしたら二人高校へやらなければいかぬ。山間僻地ですから下宿させなければいけないわけですね。下宿させれば一カ月に一人六万円は要る。二人で十二万円要るわけですね。そうなれば私は働かざるを得ない。ところが振動病の健診車が回ってきて巡回健診を受けいと言われておるのだ。何もお医者さんに診てもらわなくても私は自分の体だからようわかってますと、自分が振動病にかかっているということぐらいは、しびれているし痛いし、自分でわかっている。しかし私がもし振動病と診断されて患者になって通院せいとか、通院した日だけ休業補償をもろうて、チェーンソーを使うたらいかぬ、こう言われたら子供を二人とも高校へやることはできぬようになるのや。だから私は断じて健診は受けぬつもりや。下の息子が高校を卒業するまでは私は健診を受けぬでチェーンソーを使うて働いて、そして子供らを学校を卒業させるために働かないかぬのや、こう私のところで言っておった。  その人は息子を育てるために、家族を養うために自分の命の切り売りをしているわけですよ。振動病にかかっておるのはわかっておる。しかし振動病の患者やと言われたら休業補償ばわずかで、そしてチェーンソーを使うて働けないから収入がなくなる。これじゃ子供を高等学校へ出すことできないから、自分の寿命が短くなることがわかっておっても私は働かざるを得ないんだ。だから健診は受けないんだ。こう言ってがんばっておる。これがいまの山林労働者の気持ちの実情ですよ。  そういうことを労働省の方はわかっておるのかどうかということです。労災治療中の患者に幾ら仕事せいと言ったってこれはできませんよね。どこの事業場でも、一週間に一回か二回お医者さんへ診てもらいに行きますがそれで雇ってくれますかと言って雇うてくれる親方がおったら、私はお目にかかりたい。そんな企業や会社はないのは労働大臣わかると思う。労災保険の治療中の患者であるということの認識を労働省は持っていないと私は思う。そして軽労働できるんだから早う軽労働させい。そこまで労働省が言うのなら、私は、いま青山先生おっしゃいました、完全に働ける体になるまで入院させる以外にないということになってくるわけだと思う。  その点私は、軽労働ができるようであっても治療中は、これならどんな仕事をしてもよろしいとお医者さんが言うまでは全体として休業補償を払うという原則を立てない限り、この振動病の問題に解決しないと思うのですが、その点基準局長どうですか。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 症状が軽化して一般労働が可能になった方に対しまして、地域に就労の場が得られないという実情があることは十分承知しておりますけれども、労災保険の休業補償給付を引き続き支給するということは、制度のたてまえからいってむずかしいことでございます。そういうことで、先ほど職安局長からもお話がありましたように、関係機関あるいは関係事業主等にいろいろ要請をいたしまして、何とかそういう意味での就労機会の確保ということを積極的に進めていかなければならないというふうに思っているわけであります。  さらにこれとあわせまして、一般労働が可能となった者について就労の場が得やすくなるような方策につきまして、今後ひとつ鋭意研究はしてみたいと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 基準局長は、労災保険法上いろいろ問題はあると言っておられますけれども、いま最後に、転職というようなことについて指導したいということを言われましたね。これは遠隔地に行かなければ就職できない状態にある。労働基準局は振動病さえ直したらいいと思っているかも知らぬけれども、一方職安局の方は、仕事をあっせんして憲法で保障された国民の権利を保障する責任があるわけです。先ほどから言っておるように、労災保険法の第一条にもそういうことは明記されておるわけです。労災保険法上、援護措置とか福祉というような措置もあるわけですし、さらには職業安定局の方でも、新しい仕事につけるためのいろいろな措置があると思うのですが、そういうあらゆる措置を考えて、振動病の患者が生活の不安がなくして療養に専念できるような体制を整えない限りこの問題は解決しない。ただ一片のこのような通達を出して、療養患者に対する締めつけで労災保険の収支の改善を図ろうということはもってのほかだと思うわけです。  先ほど御論議がありましたが、こういう問題については早急に白紙撤回をして、改めて総合的な新しい通達を出すと同時に、いま言うような労働省を挙げての努力によって、療養中の患者の生活の保障をするという措置を考える必要があると思うのですが、最後にその点について大臣からお答えをいただきたい。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 不幸にして振動病にかかられた方々の御就職あるいは復帰につきましては、当然私どもにも大きな責任がございますけれども、振動病の大半は林野の仕事に携わっておられる方々でございますから、国有林であろうと民有林であろうとその方々に対しまして、それぞれ前に雇用関係にあった職場にまず第一に復帰させる努力がなければならぬ、かように私は考えるわけでございまして、そういった点は私どもでも手の及ぶところは全力を挙げてやりますが、あわせて林野当局も、先ほど来何か人の話みたいな話をしておりますけれども、そういうことではないわけでございまして、責任を持って、その産業に従事しておられる方々の福祉のために何を考えるべきかということをひとつ徹底して追求をしてもらいたい、かように思います。  私どもといたしましても、先ほど来申し上げておりますように、できますることはまず何といいましても、そういった病気にかかられた不幸な方方の社会復帰を実現することでありますから、社会復帰をさせますために全力を挙げる。そのために必要とあれば、ただいま参考人が言われましたように医師がそれぞれの立場立場におかれまして、このような程度ならばこのようなことができるというような指導を徹底されるべきである、かように考えます。  いずれにいたしましても誤解を与えるような内部指導というものがそこにあるわけでございますから、そういった誤解を解くことが先決でございますので、それば必ず私の責任においてやらせます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 終わります。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 川俣健二郎君。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 ただいまのような大臣の決意があれば余りもめることもないのだけれども、きょうは時間的に人道上の問題もあるのだが、青山先生、もう少しおつき合い願いたいと思います。  そこで、私は治療、補償、予防、そして最後に認定の問題で確認していきますから、どうか答弁の方も協力してください、いままで出た問題ですから。  大臣、国有林の認定患者が減少してきた。ところが民有林の方は減少しない。これはいろいろありまして、過去十年間の議事録を調べてみますと、先輩の皆さんは御存じなのですが、私もやってきましたけれども、国有林労働者を先に取り上げた。皆さん御承知のように、昭和二十九年の洞爺丸事件のときの台風で北海道の立木が全部倒れて、百台のチェーンソーが日本に上陸したということからこれが始まるのでございます。  なぜ予防に力を入れたかというと、言いたくはないのだが、政府の方で自主的にきわめて良心的に自然と予防に力を入れるようになったのじゃない。やはりこういう集中審議なんかをやっているおかげで、いわば委員会がやかましいからだ。国有林の場合は、一人の労働者に補償費はどのくらいかかるか。かつては、死亡者が三人出て、その三人のうちの一人は、死亡診断でこれは白ろうであるかどうかという診断に一年かかった。これは当時の松形林野庁長官が答弁しているところを見れば、私に対する答弁と同じだ。だから、だんだんに国有林も減ったのじゃないのだ。四十八年ごろはチェーンソーを使っている者の二四%だけが認定患者。ところが今度五十年になったら四三%に上がった。これは大変だというので集中審議をやった。そうしたら、これは労働省もよく聞いておきなさいよ。集中審議をやった後は、やかましくなったから認定患者が出る。ところが同時に、いま大臣がおっしゃるように予防のことも言うから減る、こういう傾向になっている。波打ってきているんです。きょうは与党も含めて全野党が集中審議で大変結構だと思うんですが、そういうことなんです。したがって、いまの政府の方の答弁どおりに現場がやっておれば何ももめることはなかった。集中審議も要らない。ところがそうじゃないから困るんです。  そこで私は青山先生に一つだけ伺って、遠いところからおいで願ったのであと結構であります。  温泉治療がいいかはり治療かという論議をここで大分やったことがある。あれはやはり長くかかるし、温めなければならぬし、ほかの病気から言うとぜいたくな病人だなというふうに思われるんだが、温泉治療もいい、はり治療もいい、こういうように私たちにはお医者さん方が教えてくれた。ところが厚生省の方で、はり治療はいかぬ、こういうようにおふれを出した。四十二年九月十八日、はりきゅうの対象に振動病が入ってない。先生どうですか、はりの効用をちょっと教えてくれませんか。

青山英康岡山大学医学部教授

○青山参考人 私の専門は西洋医学の方で、はりきゅうの方は専門ではございませんが、私どもの教室でも東洋医学のはりきゅうの研究をさしておりますので、その知見で私はお答えいたしたいと思います。  いわゆる一般的に言えば注射や薬でだめならはりきゅうがあるさという形でのはりきゅうではなくて、はりきゅうというのはあくまでも中国というところでの、中国だけじゃございませんけれども、長い歴史の中で効果が確認された形で治療が今日に至っているものだというふうに考えるべきだろうと思います。したがって、西洋医学的な論理でもって効くか効かないかという判断ではなくて、そういう歴史的な遺産としてのはりきゅうを正しく使えばこれの適用は非常に範囲が広がるだろうと思います。特に振動障害の場合にはこれに的確に効く薬物療法がいままだ非常に少ないといいますか皆無と言ってもいい状況でございますので、そういった点では今日のところいわゆる理学療法で一定限度成績を上げている、それ以外では早急にはりだとかきゅうというようなものでわれわれも効果を上げなければならないという形で検討を進めておりますし、若干の事例においていい成績も得られております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 大臣に入る前に、衛生課長、これに異論がありますか。あなたは労働省ではたった一人のお医者さんなんだから、希少価値なんだから。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 私も医師の免許証を持っておりますし、もとは臨床の医師でございますが、いまは労働衛生課長という立場でございまして、補償の給付の内容の問題は私専門でございませんので、その辺のところについて医師個人として答えろと言われましてもちょっとそこのところは私は適切なお答えができませんので、そこはお許しをいただきたいと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それは時間があれば許さぬのだけれども……。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 青山参考人には御苦労さまでございました。御退席いただいて結構でございます。  川俣君。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 これは一つの事例で出すのだけれども、大臣聞いていただいたように、いわゆる白ろう病退治というのは労働省、林野庁、厚生省三省協力ということで長年ずっとうたってきた、これは大臣も御存じでございます。ところが一々厚生省にいかがでしょうか、これもどうかと思い、労働省にりっぱな医者がいるでないか、こうなる。ところが私は衛生課長であって医師じゃない、こういうことだ。それじゃ労働省もどうだ、白ろうに対処するくらいの医師団が一つの課なり部に必要なのじゃないかという論議があった。この論議をまず大臣の頭の中に入れておきます。  それからもう一つ、これは後で資料で提供してもらいたいのだが、国有林の場合はこれをのこでやらせればとてもじゃないけれども能率は悪い。チェーンソーを買ってやったチェーンソーの代金、予防の費用、治療の費用、そして認定患者になったら補償の費用の総額は一体——大蔵省をきょう呼んでいないんだが、チェーンソー一台買ってあげた投資効果があるのだろうかということをやった。とてもじゃないが投資効果が出るわけはない。一人に一千万もかかる。ところが民有林労働者はそんなにかけてもらえない。チェーンソーを使わなければ白ろう病にならないはずが、どうしてもチェーンソーを使う。使うなと言ったって、いまごろのこでやれと言ったって無理なんだ。そこで私は後で資料を求めるのだが、民有林の労働者の予防、治療、補償、こういったもののトータルの一覧表をつくってもらいたい。  これはなぜ求めるかというと、だれかが言っておったように使用者はできれば金のかからない使用の仕方をしたい。ちょっと悪くなったなと思ったら、ばば抜きと称して山林労働者が隣の森林組合に行くようにもっていく。これは危ない、白ろうにかかっているぞ、狭い地域だから回しっこをやっている。じゃ、どこで白ろうになったかというその認定をめぐって混乱しておる。したがって私はこれは大騒ぎをしなければならぬのだ。予防、治療、補償、患者に仕立ててしまうとこうなるんだよということを事業主に見せなければとうてい時間規制等をやらない。大臣の法律をつくらないでいわゆる行政指導でやってみるというその意気込みに私は感服しておったのだが、なかなかそれはっかみにくい。  なぜつかみにくいかといいますと、国有林労働者というのは全部登録です。労働組合もしっかりしておりますし労使協定で決めます。ところがチェーンソー一丁でどこで働いているものだかどんな働き方をしているものだかわからないものを、労働省の役人につかめと言ったって無理なんだ。何人いるかつかみにくい。  つかんでいますか。想像でしょう。いまチェーンソーは何台で何人くらい働いていると思いますか。

今村清光林野庁指導部研究普及課長

○今村説明員 お答えいたします。  林業におけるチェーンソーの使用者数でございますけれども、一応五十四年度林野庁調べでございますが、民有林約五万七千人、国有林約六千人、合計で約六万三千人でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 民有林だけの台数。

今村清光林野庁指導部研究普及課長

○今村説明員 民有林約二十七万九千七百台でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 二十八万台で五万七千人が使っておる。ところが二十八万台というのはどこからつかんだか。何となく業者の販売数からつかんでいる。  そこで私は大臣に提案したいのだが、チェーンソーというのは、衛生課長が言っておりましたけれども、きょうは言わないとは言わないだろうが、まず大半はかかるというのだ。ただレイノー状態になるか、どの程度しびれるか、動かなくなったかは別として、何十年もチェーンソーを使っていく人は人生の最後は振動病患者になっている。  そこで問題は、野放しになっている民有林の労働者をどうチェックするか。チェーンソーを買う時点でチェックするのが一番いいのではないか、こういうことが私の持論なんです。危険物、あるいは火薬類取締法、銃剣等取締法等々あるのだが、危険物ほどのと言うわけにはいかないのだが、やはりそれを使うと普通の人の体でなくなるということが明確にされている以上は、業者に対して買い求めるときに登録する、そこにチェックのあれを考えるべきではないかと思う。  大臣、時間がないので具体的には詰めませんが、一つの考察じゃないだろうか。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 りっぱな御見識だと思いますので、林野とも話をいたしまして、できるだけそのようにさせるようにいたします。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 さっきの資料要求はいいですね。  そこで三つ目に確認したいのは、山林労働者が白ろう病になる原因、理由はチェーンソーの使用以外にはない。山林労働者が振動病障害になったというその原因、理由は、チェーンソーの使用以外にはないという統一見解でいいかどうか。いろいろあるのだ。たばこの吸い過ぎとか、いつだかお酒の話も出た。あるいは帰りぎわに寒いところをオートバイで走っていくからそうなんだとか、家へ帰って草刈りを一生懸命やるからそうなんだというが、まず委員会の審議では、少なくとも山林労働者が白ろう病になったよりどころの原因、理由というのはチェーンソー以外にはないんだ、この確認をしたいのだが、どうですか。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 山林労働者がチェーンソーを使用したことによりまして、手指のしびれ、手足の神経障害、そういうような症状が出た場合につきましては、私ども、労災保険制度の中の認定基準によりまして、振動障害としての業務上認定をするということでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 そういうふうに曲げないで、もっと端的に。そこがいろいろと非常にもめるところなんだ。これは振動障害になっているな、これは大臣、こういうことなんだ。振動障害の認定基準は、御承知のように、だれが見ても客観的に患者であるということと、本人の主観的なものがある。痛いか、痛くないのだけれども痛いと言うのだろうとか、あるいはつめをこうやって戻らない、こういうのははっきりしているけれども、しびれないだろうと言うと、いやしびれる、本当か、ここにも非常にもめる原因がある。したがって、まず山林労働者が白ろう病になったという原因、理由はチェーンソー以外にはよってくる理由はないのだ、これは審議官、答弁を直さなければだめかな。統一見解はそれでいいだろう。     〔委員長退席、森井委員長代理着席〕

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 先ほどの繰り返しになるかと思いますが、山林労働者がチェーンソーを一定期間使用したことにより、認定基準から見まして振動障害を起こしていることが明らかであれば、もちろんそれは業務上であるということでございます。しかしながら、認定基準の中には、類似疾病等なり、さらにはチェーンソーの一定の操作期間を経過しないままにいろいろな症状が発症する等の事例がありますので、そういう場合については類似疾病との関連も懸念されるわけでございますが、いずれにいたしましても、認定基準によりまして判断される症状に該当するということになりますれば、振動障害として認定してよろしいのではないかと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 そういう考え方をお上の方で持っているから下の方の監督署も混乱するのです。疑いをかけるのはいいけれども、この人が訴え出るということは、チェーンソーを使っているんだな。あなたは類似症状、こう言うけれども、素人でよくそんなことが言えるな。この人はチェーンソーを使っている。しかし基準の一年以上使っていないのになぜそんなに痛いのだ、こう言ってはいけないのです。認定してしまうということは、患者になって補償がかかって金がかかるんだ。痛いと訴えた以上は、チェーンソーだな、まずこう考えなければだめなんだというのです。どうなんだ。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 振動病の予防対策といたしましては、あらゆる条件のもとにおきまして発症しないような要因をつくるという点でございますので、いま先生のおっしゃったような考えに立ちまして、山林労働者等にしびれが出ているというような点につきましては、そのようなことのないような予防対策を講ずる必要があるのではないかと思います。  先ほど私が申しましたのは、労災保険制度の認定上の問題でございますので、予防対策を含めまして考えるならば、先生のお考えのとおりではないかと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 そうなんだ。予防になると軟化するんだ。患者に認定というと構えるんだ。その態度がだめよ。よく医学で千円の予防、十万の治療、百万の補償、こういうように社労委員会でよくやるじゃないですか。だから痛い、しびれるというように訴えてきたら、最終的にどの程度の認定症度であるか、どの程度治療しなければならぬか、補償しなければならぬかというのはお医者さんに任せなければならぬ。だけれども、行政機構としては、チェーンソーを使っている者が訴えてきたら、おまえほかの理由だろうという見方をすべきではない。倉橋さんが大分わかってきたようだからこれ以上詰めません。いまの答弁は十分ではないんだが、そういう考え方になるべきだと思います。  それから四つ目ですが、主治医が認定する。あなた方はこの人でなければだめだといったって、そんなに専門医が方々にいるわけじゃない。専門医というか、労働省指定の労災病院のお気に入りのお医者さんが多く散らばっているわけじゃないから、そうすると、主治医がこれは振動病だなと認定しておるものを覆したことがありますか。あるいはこれはおかしいから、労災病院に行ってもう一遍診てもらってこい、こういうことがありますか、そういうように指示してありますか。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 個々の診断医の方々の判断を変更したということにつきましては、私ども具体的な事例を把握しておりませんが、一つの医療機関におきましていろいろ診断、判断、検査等を行った内容につきまして、その検査数値等が客観的なデータなりと主観的なデータ、具体的に申しますと、たとえば皮膚温なりエックス線所見等の客観的データと本人が痛いとか握力がどれだけだというような主観的なデータとにいろいろ医学的に納得のできないような相違があるような場合、さらには同一時期に二人なり複数のお医者さんがいろいろ実施した検査におきまして検査数値に著しい差異があるような場合等々につきましては、やはりそれの医学的な客観的な数値を把握する必要等もございますので、これにつきましては、必要に応じまして鑑別診断と俗にわれわれは言っておりますが、そういうものを行う場合があるわけでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 今度は局長に伺う。五つ目ですが、大臣にもこれだけは確認しておきたいのです。  この休業補償をもらう段階になると次から次へと低い賃金のところへ移動させられてどうしても休みがちなんで、一覧表を見ると大変に安いんだ、二千円前後あるいは二千五、六百円前後なんだ。  そこで、労災補償保険法施行規則の九条に、これは局長がやれると書いてあるから局長に聞くんだが、「前三号に定めるほか、平均賃金に相当する額を給付基礎日額とすることが適当でないと認められる場合」ということは、余りにも低い、こういう場合は「労働省労働基準局長が定める基準に従って算定する額とする。」四号は局長が人為的にああこれは気の毒だなと、過去の高いときの賃金のことなんかを勘案してやることができるようになっておる。せっかく皆さんが、進歩的な官庁と言われる労働省が終戦後つくったやつなんだが、これは法律はあるんだけれども、過去先輩方がこれを使ったことがあるのかね。局長どうですか。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 過去に一度そういったことを発動したことがございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 これからも使う用意がありますか。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 ただいま先生御指摘のように、振動障害にかかった者について、振動障害にかかり稼得能力が低下した、そういった期間が平均賃金の算定期間とされる、したがって、健常時と比べて給付基礎日額は低額になる、こういう御指摘でございます。  健常時におきます稼得能力が適正に反映されるような方法につきましては、私ども今後検討をしてまいりたいと思いますし、いま御指摘の労災法規則の九条四号の規定、この運用も含めましてこの点については検討してまいりたいと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 大臣、過去に一回この四号を使ったことがあるんだが、事務当局がこういうわけでこれを発動というか適用させてほしいという場合は、それは当然でしょうな。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 規定がある以上はその規定を運用をする、あたりまえのことだと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それじゃ個別的な交渉になると思うのだが、これはじゃんじゃん使えということを言っているのじゃないです。じゃんじゃん使えと言っているのじゃないのだが、どうも訴えても使わない、使おうとしない、こういう傾向がある。  それはなぜかということで最後に、この資料、大臣はお持ちでしょうが、とは言うても補償課長が苦し紛れにしゃべっておったが、矢山委員にもしかられておったが、この一枚の収支状況を見ますともう判然としておる。  下の方の「林業の収支状況」、昭和三十五年、労働者が四十六万四千人もいる、にもかかわらずこの収支はプラスになっておる。さて、そこでチェーンソーの症状が日本の国に四十年前後から出てきた。三十二、三年から大量に入ってきて、四十年前後でこの委員会でうるさく言って出てきた。したがって、五十二年になってから五十三年、五十四年と常に持ち出しなんです。というのは、いわばこの数字というのは上の方の括弧内ですから、内数ですから、一般の労災保険を食って暮らしておるという状態なんです、林業の収支状況は。さりとて労働基準法にあるように労災保険というのは使用者の責任であるから事業主の負担になる。したがって、五十四年に上げた、上げたら事業主の方が音を上げてきた。値上げしたら音を上げてきた、そんなに上げてもらっちゃ困ります。そこで収支状況という通達か文書を流した。そのときに補償課長の、木材価格も低迷しておりましてという言葉が出てきた。そこで、みんなに怒られた。おまえ、補償課長、何で木材価格のことを心配しなければならぬのだ、それで補償課長と言えるか、こういう場面もあった。  ところが、補償課でこの収支状況というものを管理されている限りにおいては、五十五年の見込みを見ますと百三億に対して持ち出しが約三百億、約二百億が△になっている。これはここではわかった、わかったと言うが、労働省の自分の机に帰っちゃうとやはり厳正にもっと保険収支が好転するように締めてかからなければならぬな、こういう気持ちにさらされると思うのだ。私はこれで知恵はない提案もないのだが、この収支状況はこのままではいかぬと思う。何らかの形にしないと、課長はまた別の課長が座っても、百億入って三百億持ち出す。これを持たせられたって、やりようがない。これは放任しておくわけにいかない。何か検討方法がないかね。局内で検討してないかね。現実に発症は出てくるわけだから、現実にチェーンソーを使えばこのように出てきているわけだ。これだって認定を渋り、治療を渋り、補償を渋っても、百億入って三百億持ち出す。これは何とか考えなければならぬよ。何かないのかね、どうですか。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 労災保険収支の面だけで考えますとこのように支出の方が三倍になるというようなことでございますが、これを保険収支だけで考えるということになりますと、保険料を三倍にアップするという形になるわけでございます。すでに林業の保険料率が一二%近くになっております。それを三倍に上げるということになりますと、三十何%。そういうことになりますと、労働者の賃金改善部分とかその他の労働福祉費用というのは保険料だけで食われてしまうというよりも、それでも足りないような状況になってしまうわけでございますので、私ども保険収支の中でこれを改善することは今後は非常にむずかしいと思っております。昨年度につきましては八・九%の料率から一一・三%に大幅なアップをしたわけでございますが、現在われわれといたしましては単に保険収支を償うために料率のアップをこの業界にこれ以上求めることは非常に困難ではないかと思います。  さすればどうするかということでございますが、もちろん現在発生しており認定されております受給者の方につきましては適正な給付を続けるということは当然でございますが、さらに今後につきましては予防対策等を積極的に講ずることによりまして、いわゆる新規の受給者をできるだけ発生しないような予防対策により力を注いでいく必要があるのではないかと思うわけでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 問題はそれなんだ。保険収支で賄うといったって賄いようがないよ、百億集まって三百億出すんだから。そんなの賄えるわけがない。さりとて、じゃ予防にうんと力を入れてみる、そうすると三百億が百億になるか、それも無理だ、チェーンソーを使う以上は。これがやっぱり根差しているんじゃないの、局長、どうなんです。  今回ぎくしゃくして、ついに理事を煩わして集中審議と相なった今日は、これが根差しておるのでしょう。どなたが見たってこれが根差していると思うよ。だけれども、この対策を何か考えようがあるでしょうや。私も予算委員の末席に座っていますけれども、何かあると思いますよ、これは。どうですか。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 ただいま審議官からお話をしましたように、私どもも労災保険の収支、特に林業における収支状況につきましては心配をしておることは先生のおっしゃるとおりでございます。したがいまして、これに対して何とか改革しようということでございますが、ただいま申しましたようにこういった予防対策を強化することによってできるだけその点を圧縮していくということで対処していかなければならない、こういうように考えている次第でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 大臣がいなくなって、しまったと思ったけれども、局長、それは無理。これは政治家同士話をしなければならぬと思うけれども、百億の収入に対して三百億出ていくものを、予防に力を入れるとか何か切り詰めるというと結局現地でぎくしゃくして、認定しないか、治療でやるか、補償でするしかないとなるんだよ。労働省は画期的なことを考えなければだめでしょう。ここは防衛費の増まで言いたいところだけれども。そういうことをなぜ大臣に対して提示しないのだよ。事務当局が提示しなさいよ。だれが考えたって、三百億の支出、百億の収入、これをどんなに改善したって、どんな名人がやったって収支のバランスがとれるわけがない。しかし国家的に——チェーンソーはいまやどうにもならない、もうのこぎりに戻れといったって無理な現象になってきている。  そこで、これは「ぜんりんや」というんですが、これだけのあれで諸外国を見て歩いたのだ。これだけ文明の利器が発達してきた反面、国ではどういう手だてをしているのだろうか、山林の事業主から収入を集めてそれだけで補償するという国はないよ。国家補償がなければこれは無理です。  これはどうなんです。それを局長、大臣がいないであれだけれども、いないから言いやすいだろうから、大臣にそれを提示するか。諸外国を調査したことがないのでしょう。組合の方でこれだけ分厚いものを調査してきた。チェーンソーというものに対する補償は、一事業主がそれぞれの労働者に補償するだけの余裕がないようになっている、これは文明の利器なんだから。だから国家補償なんです。そういう説明の仕方、報告の仕方を大臣にやりますか。いまあなた方は予算をつくっているのでしょう。局長どうです。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 先生のおっしゃることも一つの御意見だろうと思いますし、また貴重な御意見と思います。そういった御意見も参考にして今後検討させていただきます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 そんな、一つの意見じゃないよ、これしかないでしょうと言うのだ。この間も労働省は林業事業主にブースカ言われたでしょう。もう酒もごちそうしないとかとまでは言ったかどうか知らぬけれども、十何%に上げて百億しか入らないのだよ。だけれども、詰めても詰めても、労働者には文句を言われても三百億は出るのだ、収支が一対三なんだ。そうしたら結論は一つでしょう。チェーンソーに対する国家補償がこれは時代の要請なんだ、諸外国は。  そうでしょう、局長どうなんです。大臣もちょうどいないから、提言するくらい言いなさいよ。それ以外にないですよ。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 確かに先生のおっしゃることも貴重な御意見だと思います。私は、そういうことを踏まえましてなお検討させていただきます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それじゃ後ろの方で盛んにしゃべりたがっているから……。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 労災保険制度というのは、先生御承知のように労働基準法の使用者責任の保険制度でございますので、その負担責任というのは使用者にあるべきでございます。国が補償をするという考えは労災保険制度の中ではなかなかとり得ないわけでございます。したがいまして、保険制度の中で現在原則といたしまして、同一業界の中で経費を負担するというようなたてまえになっているわけでございます。  先生御指摘のような、諸外国でそのような国家補償的なことがあるというお話を初めて伺ったわけでございます。私どもそういうような内容については全然知っておりませんが、そういう点につきましては今後勉強してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、使用者責任という形で保険をしている現在の保険制度の中で、具体的には一般会計財源を求めろということでございましょうが、それは非常にむずかしいのではないかと思うわけでございます。  なお御指摘のように、外国のそういうような制度につきましては勉強してまいりたいと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 諸外国のあれは知らないという、勉強しないから知らないんでしょう。それじゃ諸外国全部百億の収入に対して三百億でこういうことをやっているかというのだ。これは認識不足だよ。チェーンソーというものはそれほど画期的だったんだ。山林労働者、通称山子と言うんだけれども、山子が歌を歌いながらやるのをざあっとやるようになったのは大変画期的なんだ。それは一つの方法だってあるでしょう。チェーンソーを売った人から取るという方法もあるでしょう、積み立てに。それから、大蔵省少し出してくださいという方法もある、いろいろあるでしょう。  ただ、倉橋さんのように労災は事業主の責任なんだという一点張りじゃ、その考え方は二十一世紀は無理ですよ。どう考えたって無理だ、百億の収入で三百億支出するのだもの。この三百億を抑えると言うの、それともこの間十何%に上げてまた上げるという気ですか、どっちです。収支状況を聞かせてください。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 保険料の引き上げにつきましては、昨年度二度にわたって上げたわけでございますので、当面この引き上げにつきましてはむずかしいのではないかと思います。  ただ、私ども本質的には、本来使用者が負担すべきものであれば当然それは個々の事業主の負担が強まっても上げるべきだと思いますが、現在の客観的な情勢におきましては、これを直ちに引き上げて収支を償うというわけにはまいらない情勢にあると思います。  したがいまして、先ほど言いましたように、できるだけ予防対策を講ずることによりまして、給付の適正化を図りつつ、さらに今後の発生につきましていわゆる受給者の漸減を図って、それによって支出の方を抑えていくということでございます。  なお、当面の間の収支の問題といたしましては、林業関係だけは収支は償っておりませんが、他産業の方からの料率負担等も事実上お願いしているわけでございます。そういうような資金上の関係で、給付につきましては支障のないようにしてまいりたいと思っております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 予防とかなんとかというのは将来の問題で、いま現実に間に合うわけないじゃないの。いまの認定患者で給付額が三百億出ているわけだから。さりとて、ほかの産業から少しもらってなんと言ったって、山林給付は事務管理費は恐らく免除してもらっているのでしょう。この収支状況に事務管理費は入ってないのでしょう、どうなんです。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 事務管理費は、前の年度の予算のときに給付費に対してある割合で決定をされるわけでございます。したがって、本来ならば入るべきでございますが、そこでは案分がむずかしいので、林業の場合には記載をしておりません。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 これだから役人は頭がよ過ぎてごまかすと言うのだ。期待しているか、してないかは別にして、この収支状況には管理費は入ってないのでしょうと言うのだ。入ってませんと言ったらいいじゃないですか。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 いま記載していませんと言ったので、その表には入っておりません。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それでは局長、私は粘るけれども、これだけ約束してくださいよ。そこに両大先生いるけれども、これは政治家同士の話かもしれぬが、事務当局としてはこれだけ提案してください。大臣はやる気があると言うのだから。さっきから、法律なんか要らない、国有林が減っているのに民有林の方はふえてわが省の恥だ、私がいる限りは絶対法律はつくらせないし、行政指導でやってみせる。だけど十一月改造でどうなるかなとだれか言ったけれども、それではだめなんだよ。  したがって、大臣、どなたがやっても百億しか入りません、三百億はどう詰めても出ます、したがってこれからは一般会計からも少しいただかねばならぬ、チェーンソーを売るときにチェックとして売り賃の何ぼを出さねばならぬ——こういう制度はほかにあるのだから。こういった提言をしなければだめじゃないかと言うのだ。そのくらいのこと言えますか。大臣はそんなにおっかない人じゃないですよ。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 ただいま先生から直接国庫の補助問題あるいはチェーンソーを売る方からの手数料の問題、いろいろ御示唆に富むお話でございます。私も先ほどそれについて検討すると言ったのは、労働省全体として検討するということを申し上げたわけでございますので、そういったことで先生の御意見を踏まえて検討をしてまいりたいと思います。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 どうもありがとうございました。

森井忠良日本社会党

○森井委員長代理 午後二時十五分より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時五十五分休憩      ————◇—————     午後二時十七分開議

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。田口一男君。

田口一男日本社会党

○田口委員 貴重な時間でひとつ要を得たお答えをいただきたいのです。  午前中大変問題になりました労働基準局補償課の名前で出ておる、これは部内資料だそうですが、「林業関係の労災保険収支の実情と問題点」、私はこれを一べつして、いろいろ問題ありましたが、どうもこれから見た判断とそこから得られる対応が多少問題があるのじゃないか。もう午前中繰り返し言われておりますから私は言いませんが、ただこの文書の中で、保険の収支の状況が悪化の一途をたどっておる、その原因は振動障害の激増にある、したがって振動障害の新規発生を防止するための対策というものが年々強化をされて、やがてその予防効果というものが次第に上がってくるだろう。私はそう願いたいと思うのですね。  ところが、同じ政府部内で、四月十四日の本委員会で、林野庁田中業務課長がこういう答弁——私はこれを無理にこじつけて解釈しようとは思いませんけれども、林業労働者の労働生産性の問題に限ってこういう言い方をしておるのですね。国有林の直用労働者と民間の林業労働者との間の生産性の問題、ちょっと要約をいたしますと、官民の比較のケースはないけれども、標準的な仕事のやり方を一〇〇といたしまして、一〇〇より下回ったらそれだけ悪いんだ、こういう前段の説明で、昭和四十七年の九三が最高、「その後逐年残念ながら低下をいたしまして、五十年ごろは七九の最低の数字になっております」、この原因は「いろいろ振動障害の多発でございますとか、それに対します対策のおくれとか、あるいは一部労使紛争もあったわけでございます」、こういう言い方は、九三が最高で最低の七九になったのは振動障害、それからそれに絡まる労使紛争があったから生産性が落ちておるんだ、その後逐年努力をいたしまして八六になったり、五十五年度は決算途上ですがまあ九〇までいくだろう、こういう田中説明員の答弁があるわけでございます。  そこで、私は大臣にちょっと後でお答えをいただきたいと思うのですけれども、さっきからいろいろ問題になっている、確かに収入が百億に対して支出は三百億だ、その収支の改善を図らなければならぬということは常識で言ってもわかるのですけれども、その収支の改善を図るために新規発生を大いに抑えていこう、予防に万全を期そうという言い方をしておきながら、一方の発生源、振動病の発生源は言うならばその職場で言ったら山、機械はチェーンソー、その発生源において予防対策は二の次にしてどんどん生産性を上げることにのみどうも意を用いておるかのようなこの林野庁の御答弁ではないのか。  そうすると、この問題になっております文書でも指摘をしておりますように、百に対して三百だから保険料の負担の限界を超えておる、このままいったら林業経営の基盤を危うくするとまで労働省は心配しておるのですけれども、その心配をされておる発生源では、振動病の発生は二の次だ、どんどん生産性を上げろというようなことを言っておるとしか私は思えない。  ところが、この九三、七九といった数字に関連しますと、午前中矢山委員からも具体的な数字がありましたが、昭和四十九年七百八十八、ここで余りにも発生が多いためにのこぎりにかえておるのですね。のこぎりにかえたために生産性の数字が七九までぐんと落ちた。落ちたけれども振動病の発生件数は五十年には四百八、前年の約半分、以降逐年二百一、百九十五、八十七、七十三、昭和五十五年の十二月には二十四というふうに振動病の発生予防という数字はこの限りでは具体的な数字となってあらわれてきておる。  ですから、これは民間の労働者と国有林直用労働者の生産性の比較ということでがちゃがちゃ言うのではなくて、ここまで実績を上げておるのですからね、さっき大臣の答弁もありましたけれども、民間の山林労働者にもそういった方法でやれば新規の発生件数は減ることは実験済みだ。そうなってくると、振動病の発生件数が減ってくる、しかも労働生産性は五十五年の九〇にまで近づいてきておるというのですから、生産性も上がる、一方労災保険も安定化の方向に持っていけるのではないか。私が言うとおりに行けば三方うまくおさまるじゃないかと私は思うのですね。  しかし、いまどうしても林野庁、この間の十四日の答弁では、どうも国有林直用労働者は振動病だなんのかんの言って働かないけれども、それでは労働生産性は上がらぬから検討いたしますということを思っておるのか。全林野の諸君と労働協約を結んでこのように発生件数も減り、リモコンとかなんとかということで生産性も上がっておる現状にかんがみて、この民有林の、民間の労働者にも推し広めていこうとする気がないのか。  そういう点、まず林野庁のお考えを聞きたいし、最前御論議がありましたけれども、もう一遍大臣の振動病の絶滅、予防強化のための御決意を伺いたいと思います。

田中恒寿林野庁業務部業務課長

○田中(恒)説明員 お答え申し上げます。  御案内のように、林野庁におきましては生産事業を直用の形と請負の形で実行しておりますけれども、全く同じ条件ではやっておりませんので、正確な比較というものはなかなかむずかしいわけでございますが、概略申し上げまして、やはり生産性、能率性におきましては請負事業の方が直用よりもまさっておるという現状にございます。  もちろんそれでよしとしているわけではございませんけれども、直用の仕事の仕方と申しますと、官庁制度のもとで実行いたしておりますので、やはり会計法とか物品管理法とかのいろいろ繁雑な制約もございますし、あるいはまたどうしても労務管理も硬直化しやすい傾向はある、あるいは管理組織もややもすれば肥大化しかねない、そういうようなことがありまして、いわゆる官業非能率ということになりかねない問題点が、私ども率直に、あるのではないか、そういう反省をいたしておりましてその改善には取り組んでおるところでございます。  また一方、請負事業体は民業でございますので厳しい企業意識を持ちまして真剣な能率向上に努めておりますので、個別の作業工程は別といたしまして、やはり総合的にそこら辺の差が出ておるのではないか。  もちろん問題もそれぞれ双方にあるわけでして、直用の方が労働条件が整備されておるけれども能率の方には問題がある。請負の方は能率はすぐれておっても労働条件面あるいは労働安全の管理面におきましていろいろの問題なしとはしない。そういう双方の長所、短所をそれぞれ伸ばし是正するということによって、そこに競争原理を働かせながらどちらもよりよく伸びていくようにやってまいりたいということでやっておるわけでございます。  それで、国有林におきまして、これは一般民間においても使用できるように、十分定着するまでに新しい機械、技術等を開発いたしまして民間の方がそれをどんどん使えるようにすることも大変大きな国有林の仕事であろうと考えております。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 林業も産業でございますから能率を全然考えないというわけにはまいらぬだろう、私はさように思いますけれども、しかしながら、先ほど川俣先生の御指摘にもございましたとおり、生産性を上げるということのために医学的な範囲を超えてチェーンソーを使いまくるというようなことになって、不幸なことでございますけれどもそこに振動病の患者が出てくるというようなことになりましたならば、結局そのツケは非常に高いものになって返ってくるわけでございまして、当然いま一般的に言われておりますように、チェーンソーの使用に関する規定というようなものに従いまして、一日二時間なら二時間しか使ってはならぬということであればそれを守ってもらわなきゃいけませんし、続けて十分以上使ってはならぬということであればそれをきちっと守ってもらわなければならぬ、さように思います。  請負に出した場合には能率がいいんだ、それはそうかもしれませんけれども、その結果、その能率のためにかえって国全体といたしましての非常に大きな負担がかかってくるというようなことがあってはならぬわけでございますから、そういった意味合いにおきまして、産業倫理と申しますか産業秩序ともいいますか、そういった意味の基本的な倫理だけは、規定だけはひとつきちっと守ってもらわなきゃならぬ。それを厳正に指導してもらうことが、かえって大局において生産性を高め、能率を高めることに通じていく、私はかように考えるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 わずか十六分ですからあと突っ込んではいけませんが・この機会に、前回本委員会で同僚委員から失対事業の問題に関連をして質問がありましたので、一つだけお尋ねをして終わりたいと思います。  多くを言う必要はないと思うのですが、昨年の暮れ失業対策制度調査研究会からの報告がありまして、これを受けてその実現方のためにいろいろな措置を講じられようとしておるそうでありますけれども、先般、今年度の予算の中で七月から九月にかけて失対就労者のうちの高齢者、病弱者について百万円を特別に支給をしてその自立、引退を促進をするという措置を考えられておるそうでありますけれども、前回川本委員も強調しておりましたように、その自立、引退の促進が強制にわたるようなことがあってはならぬ、十分配慮をしてもらいたい、私はこれは当然であると思うのであります。  そこで、きょうお尋ねをしたいことは、それに関連をいたしまして、この失業対策を実際やっておる現場の、私どもは俗に副監督と言っているのですが、作業管理員というものがございます。御存じのように身分は地方公務員であります。この諸君が、当然にこういった措置によって就労者が減少するであろう、その減少に伴って分限解雇というふうなことになったり、意に反して強制配転されるのではないかという心配が最近とみに強まっております。  いままでの経過を調べてみますと、ちょうど十年前、やはり五万人の自立促進という措置が行われましたときもこういった問題が取り上げられまして、たしか参議院の社会労働委員会だったと思いますけれども、その附帯決議の中の一項目に、こういう自立、就職を行うに際して予想される分限解雇、強制配転というようなことのないようにという趣旨のものがあったと思うのですけれども、それに照らして今回も当然に適切な措置が講ぜられるであろうと私は期待をしております。  こういう考え方に対してこの機会にひとつ失対部長の方から明確なお答えをいただいて、現場の諸君のそういう不安を解消してもらいたい、解消の一助にしてもらいたい、こう思います。

加藤孝労働省職業安定局失業対策部長

○加藤(孝)政府委員 失対事業の運営等につきましては、昨年の失業対策制度調査研究報告を受けまして、これの円滑な実現を図るという方針のもとに、今後の失対事業については労働政策としての事業として実施されるよう、先般職業安定局長名で通達を出したところでございます。  また、こうした観点から、研究報告に提言されておりますように、本年の七月から九月の間に限り、百万円の特例援助金を差し上げ、高齢、病弱者についてその自立、引退の促進を図ることといたしております。  先生の御質問のございましたこの高齢、病弱者の自立、引退に伴う作業管理員の問題でございますが、労働省といたしましては、研究報告にも指摘されましたように、今後の事業運営を適正にしていくためにも、作業管理員の補助基準の改善を図ったところでございます。したがいまして、特例措置の実施が特にこれら職員に分限解雇などといった影響を及ぼすものではないと考えております。  これらの職員は地方公共団体の職員でございますので、直接労働省としてどうこうするという立場ではございませんが、なお前回の経緯やただいまの先生の御意見の趣旨にのっとりまして、関係地方公共団体等に対しても、作業管理員が強制的に配置転換されたり分限解雇されたりすることがないように配慮するようお願いをしていきたいと考えておるところでございます。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 御趣旨のとおり、御心配のないように措置をさせていただきます。

田口一男日本社会党

○田口委員 終わります。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。  私は、いま非常に関心を呼んでおります日本原子力発電の敦賀発電所あるいはその他の電力会社の問題、なかんずくそこで現実に働いておりますところの下請労働者の問題を取り上げていきたい、こう思っております。  まず最初に、日本原子力発電の敦賀発電所におけるたくさんの事故があるわけでございますが、一々名前を申し上げるのも恐縮でございますから、わかりやすく大まかに分けて、四つことし発生をしたところの事故を第一、第二、第三、第四といたします。  第一は、いわゆる給水加熱器の溶接部のひび割れ、これは一月十日の事故であります。第四給水加熱器の問題です。  それから二番目に、一月十九日の新しい廃棄物処理建屋における濃縮液の貯蔵タンクのひび割れ、いわゆる廃液漏れ、これを第二の事故といたします。  それから第三は、第一番と同じ給水加熱器のひび割れがございまして、コーキングというのですか、わっぱを巻いてとめたという一月二十四日の事故、これを第三といたします。  第四に、旧廃棄物処理の建屋のフィルタースラッジの貯蔵タンクから十五トンぐらいオーバーフローして水が漏れて、これが一般地下排水路から流れたという事故。  この四つに大まかに分けて質問をし、あるいは問題提起をしていきたいと思っております。  まず最初に、通産省の方にお伺いをいたしますけれども、これらの事故の立入検査の概要がそれぞれもうすでに四月十日あるいは四月三十日中間報告という形で出ておりますが、問題点をしぼって、これらの中のいわゆる被曝者というのですか、その対象者はまず正規の原発の職員が何名で、下請の方々が何名か。ちょっと質問が悪いわけでございますが、被曝線量が全部わかっておるならば、被曝線量で御指摘願いたいと思います。アバウトな話で結構でございますから、お伺いをします。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○平田説明員 御説明申し上げます。  第一の事故から第四の事故までに関しまして、先生のおっしゃった第一の事故、これは一月十四日に修理いたしましたが、これにつきましては従事者数が十九名、総被曝線量が百三十三人ミリレムでございます。  それから第二の事故と言われますのは一月十九日でございますが、ちょっといま手持ちの数字がございませんので後ほど答えさせていただきます。  第三番目のものは一月二十八日から二月二日にかけて給水加熱器について修理をいたしたものでございますが、これが七十六人従事いたしまして三千八百九十五人ミリレム。  それから第四番目の三月八日のものでございますが、これが五十六人従事いたしまして、総被曝線量が千九百六十一人ミリレムでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま第二をおっしゃらなかったのですが、それはまた後で数字を出していただいていいわけでございますが、各人によってそれぞれ被曝した線量が違うと思いますけれども、現場で作業したのは正規の社員か下請か、お伺いをいたします。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○平田説明員 正規の社員の監督のもとに大部分は下請の社員が実施しております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私は全く原発のことがわかりませんからお伺いをするわけでございますが、このような非常に重大な職場は、正規の社員がこのような仕事をしないのが普通でございますか。すべて下請がやるというのが一般的な常識なのか、お伺いします。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○平田説明員 通常正規の職員の監督のもとに下請の社員が実施しているというのが実情でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いまおっしゃる答弁がそのとおりだと思うのです。私がきょうここで取り上げたいのは、原子力発電の問題については非常に重要でございます。これは年間通して安全な職場で作業をしていただかなければいけない。あるいは定期検査というのもあります。定期検査以外に臨時に補修工事をしなければいけないこともあるのであります。そういう場合に原発ジプシーと言われるようにAという発電所あるいはBという発電所、Cという発電所を歩く。あるいはまた後ほど具体的な資料を提示をいたしますけれども、日ごろはお百姓さんをやりながら臨時雇いという形できわめて重要な作業につくということを放置をすることはいかがなものかという意見を私は持っておるものであります。本来であるならば非常に重要な原子力発電に従事をする現場作業者は全員常用労働者であるべきだ、パーマネントで雇われるべきではないだろうか、これが私の基本的な立場です。しかし残念ながらいま通産省のお答えになっておられるように、現場の作業というのは下請ということになります。  今度は、下請ということはある程度理解したとして、たとえば一次下請なのか、二次下請なのか、三次下請なのか、四次下請なのか、五次下請なのか。いま申し上げた一番、二番、三番、四番のそれぞれの事故の現場でだれが作業をしたのか。それが第何次の下請なのか、これをお伺いしたいわけであります。これは通産省と労働省と双方からお伺いしたい。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○平田説明員 いまの御質問にお答えする前に、先ほどの抜かしました分ですが、百人作業いたしましてトータルで一万六百八十四人ミリレムでございます。失礼いたしました。  それから、今回の作業は大きく分けますと給水加熱器の作業と除染作業でございます。  給水加熱器の作業につきましては、一月十四日に行われましたあて肉、すみ因溶接作業の際は、原電が直接作業依頼したので、溶接等の作業を行ったそれぞれの業者は原電に対しては元請の関係をなすものであったわけでございます。  一方一月三十一日に行いました作業では、東芝が元請になりましてその下に一次下請企業が作業の助成を行ったと聞いております。  それから除染作業でございますが、これにつきましては原電から聞いたところによりますと、放射性廃液のオーバーフローによる除染作業は原子力代行という会社が作業の内容により元請または一次下請企業となっております。  一方濃縮廃液貯蔵タンク補修作業におけるタンクの除染作業は、原子力代行が一次下請となっていると聞いております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私の答弁に答えていただいていないわけです。実際作業をやった人が何次の下請の人かということを聞いているわけです。いま通産省の方は一次下請の名前しか知らないということです。これは通産省ですから直接仕事をやっておるわけではなくて、原発を通じていろいろと調査をしておるからそういう結果になったと思うのですが、いまトータルの線量というのですか被曝の量をおっしゃいましたけれども、今度は個々の例で最高ということで聞いてみましょうか。最高被曝量の人は一体何ミリレムだったか、原発の発表はどうかということをお伺いします。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○平田説明員 一連の給水加熱器の補修作業につきましては作業期間中の最大被曝線量は百九十五ミリレムでございます。それから放射性廃液のオーバーフローの除染につきましては百五十五ミリレムでございます。それから濃縮廃液貯蔵タンク補修作業につきましては六百二十七ミリレムでございます。これはいずれも作業期間を通じての最大被曝線量でございます。  それから一日に直しますと、同じく給水加熱器補修作業につきましては九十ミリレム、それから放射性廃液のオーバーフローの除染につきましては五十六ミリレム、濃縮廃液貯蔵タンク補修作業につきましては百ミリレムでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 原発が途中で被曝線量の発表をした数字といまの通産省の数字とはちょっと違うように私お伺いいたします。原発の方から事故があったときに発表した被曝線量はそれを下回っております。いま通産省の方が言われたのが高いわけでございます。  ここで労働基準局にお伺いをいたしますが、基準局は、一、二、三、四の敦賀発電所の立入検査についての基準局としての調査はどのようになされたのか、お伺いをします。

望月三郎労働省労働基準局安全衛生部長

○望月説明員 お答えいたします。  まず一番大きな事故とされました三月八日の事故でございますが、これに対しましては私ども一番問題になるのは除染作業を行った労働者、これは会社の職員とそれから先生おっしゃった下請の従業員でございます。これらがどれだけの汚染を受けたかということについて調査を現在続行中でございますが、人数から言うと、会社の職員が三月九日に最初に発見した一人を含めて応急措置をとった人が二人、それからその後で汚染の応急措置に参加した人六名、計八名。それから三月九日から四月十五日の間におきまして十五日間をかけて除染作業が行われておりますが、このときの一次下請十六名並びに二次下請三十二名、下請で合計四十八名につきまして、かつてのレコード、会社のレコードの確認、それから個々の労働者の聞き取り調査ということを現在続行しておるわけでございます。  それから、その他の先ほどの事故でございますが、私どもは、これらの事故につきまして、一人が一日最高どのくらい浴びたかということが非常な関心事でございますので、それらについて会社からその数字は聞いておりますが、それらの裏づけにつきましてさらに慎重に調査を進めているという段階でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私、ここでちょっと労働省の方にお聞きしたいのは、被曝記録というものが正確なものであったかどうかということがいま非常に重要になっております。筒みたいなものがあって、上からのぞいて何ミリレムかということをやるわけですけれども、その記録を、日本原電の場合は、鉛筆ですか、で書き込んであって、後で修正をされたというような例があるわけですが、その点の監督行政の立場からの御意見はどうですか。

望月三郎労働省労働基準局安全衛生部長

○望月説明員 その点、御指摘のとおりでございますので、私どもとしては会社の記録だけに頼らずに、できるだけ個々の労働者一人一人に当たって調査をいたしております。そういうことで若干時間がかかっておりますが、ほぼ終わるころでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 労働省として私の質問の趣旨を体してすでに個々の労働者の聞き取りをやっておみえになるというわけでございますから、会社のデータというものはこの際徹底的に真相を究明していただきたいと私は思います。特に手書きでデータを出すということは非常に問題があると私は思います。よその発電所の例を調べますと、手書きのところは少ないようであります。最終的に、いわゆるアウトというのですか、出るときに第三者の人がチェックをして、それをタイプで打ち込むシステムをとっておるところもあるわけでありますから、この敦賀発電所の場合は、ひとつ徹底的に実態を把握していただきたいと私は思うわけです。  それから同時に、いま一次、二次ということをおっしゃいましたけれども、たとえば第四のスラッジ処理の場合も、これは二次下請ですか、三十二名ということをおっしゃっておりますが、実際私どもが聞いておるところによりますと、末端の本当の作業労働者というのは三から四になるわけです。  これは定期検査の場合ですけれども、まず電力会社から商社を通じてメーカーにオーダーが出ます。このメーカーというのは、東芝、日立が沸騰水型、それから三菱は加圧型、それからGEも同じでございますけれども、そういうところへいって、それから元請工事会社、これは全国で言うとわずか五社くらいしかありません。元請工事会社に落ちるわけです。これを一と見るか、あるいは受けたわけですから、商社を通じておるから二と言うかは別として、これを一としてもその下に下請会社が全国で約四百社あるわけです。これが約二万人の対象労働者を持っております。そして二次下請というところへ出まして、私どもの調査によりますと、これが全国で約千社、これも一万五千名から二万名程度の動員力があるわけです。第三次の下請会社というものが大体十人程度のメンバーで、ときにはお百姓さんをやりながら、あるいはまたときには原発ジプシーと言われて、A地区、B地区、C地区というふうに移動するわけでありまして、その中で自分たちの仲間を集める場合には、実際上は第四次になるわけでありますけれども、いま労働省が調べられた聞き取り調査をやってみえる対象というのは、私の言う三次なのか、いま労働省は二次だとおっしゃいましたが、それは全国的に約千社の規模になりますが、かなりしっかりした企業になるわけです。そこら辺の答えはどういうものでしょうか。

望月三郎労働省労働基準局安全衛生部長

○望月説明員 日本原子力発電株式会社の敦賀発電所から、元請として原電事業という会社にこの三月八日の事故についてはおろされまして、これが元請になりまして、ただこの原電事業は労働者を一名も出さずに、私、先ほども申し上げました、元請に対して第一次下請ということで御説明をしたわけでございますが、第一次下請の株式会社原子力代行に第一次を出しまして、そこから十六名がこの作業に従事しております。それからさらに株式会社原子力代行が株式会社藤沢事業というのから従業員として七名を下請している。それから有限会社井上興業が一番数が多うございまして、二十五名ということになっております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま通産省の方から被曝線量の最高値が出ておりますが、労働省は、いま通産省が報告をされました被曝線量を認められるわけですか、それともまた別の数値をすでにつかんでおみえになりますか、お伺いします。

望月三郎労働省労働基準局安全衛生部長

○望月説明員 三月八日につきましては、現在のところ同じ数値でございます。その他につきましてはいま裏づけを急いでおります。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 ぜひ私は全部、一、二、三、四の事故それぞれについて一体どの程度の電離放射線というものを受けておるのか、被曝をして受けておるのか、その線量のデータを早急に明らかにしていただきたい、こう思うわけです。  細かいことになりますけれども、私先ほど言いましたように、入るときに被曝がわかる一つの筒を持って入るわけですし、フィルムバッジのようなものを持って入るわけですけれども、それが常時稼働をすれば問題ないのですけれども、現実の例を挙げますと、非常に短期間に被曝をいたしますから、わずかの時間で作業員は引き揚げなければいかぬわけです。だからついつい、五分や十分ぐらいの仕事ではとても物になりませんから、いわゆるフィルムバッジなり線量計というものを第三者に渡して仕事をするという例が私どもに来ておるわけです。  たとえば私が草川昭三だとするならば、草川という同じ名前の他人の草川太郎なら草川太郎という人にその線量計を預けて、その間だけ五分か十分余分に仕事をする。実際問題として常識的に五分とか七、八分の仕事というのは、これは時間的に余りできません。しかし、その間にこの線量がオーバーをする、百ミリレムを突破してしまうということになると大変ですから、ついつい線量計を預けて仕事をしてしまうという例が私どもに挙がってきておるわけです。  そこまで基準局としては考えられて調べられておるかどうか、お伺いします。

望月三郎労働省労働基準局安全衛生部長

○望月説明員 それらの事実につきましても、個個の労働者に、その従事した当時の状況の中で一応聞きただしてやっております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 ぜひこれも徹底的な調査をしていただきたいわけでございますが、簡単なことを私ここで言っておりますけれども、実際、作業をやる人はもう大変なことでございまして、私は少し写真の写しも持ってきておるわけでございますが、これは大臣にも見てもらいたいのですけれども、赤い服を着て入るのを特攻隊と言います。それでマスクをしますが、マスクも両眼になりますし、めがねを大きく覆わなければいかぬものですから息苦しくて、大変苦しい作業環境なんです。それでめがねをかけている人はだめなんですね。めがねを外してコンタクトレンズでないと作業ができないのですよ。コンタクトレンズをはめることによって、現場の労働者は非常に苦しいとか言いまして、安全上の防具も若干ありますけれども、それを無視してでも仕事をせざるを得ないというような劣悪な条件にあるわけでありますから、いまけしからぬけしからぬと監督だとか厳しく締めつけるのではなくて、その劣悪な条件を私はまず解決してあげたいと思うのです。一日五分ぐらいしか仕事ができないわけです、あとは死んじゃうわけですから。だけれども、あとの時間を保障するような賃金がないのかというわけなんです。  いま、原発一基についての据えつけ工事費が幾らか、これは後ほどまとめて通産省にお伺いをいたしますけれども、作業労働者一人当たりの単価、手取りが非常に安いわけです。七千円や八千円や九千円なんです。町の大工さん並みなんですね、命をかけて。これはひどいと思うのです。ところが、実際に原発が第一次下請に出す賃金というのは十倍以上、二十倍以上のコスト計算をして払っておるわけです。私は事前に通産省に積算根拠を出しなさい、たとえば日本原電の電気溶接工あるいは取りつけ工、そういう者の一日当たりの労賃の積算を出してくれと言っておりますので、いまちょっと答えていただきます。ピンはねというのですか搾取が多過ぎるのではないかと思うのですが、その点、今度は通産省にお伺いいたします。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○平田説明員 原子力発電所における作業におきまして、溶接工、鉄工の工賃を発注者である電力会社が積算上どのくらい見込んでいるかという点につきまして御説明申し上げますが、溶接工、鉄工等の労賃というのは、先生御承知のように、一般的には建設物価とか積算資料によって実勢が把握されております。電気事業者の場合においても一般的には、工賃の算定に当たってはこれらの建設物価等を参考として、これに社会保険料、宿泊費、日当及び管理経費等の必要経費を織り込んで適正な積算をしているものと考えております。  それで、建設物価によりますと、現在のところ東京におきまして溶接工が一日一万一千八百円、鉄工が一万二千八百六十八円だそうでございますが、実際の作業員の一人当たりの工賃の積算額は、これらの直接労働者に支払われる労賃のほかに、いま申しましたような必要経費を見込むと二倍程度になると考えられております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 建設物価調査という、そこらの公共事業の数字を出していただいてもだめなんですよ。問題は、日本原子力発電が一工数幾らの計算をして積算をしておるかということなんです。  私どもの調査によりますと、日本原電の積算根拠は、一日一人七万円から八万円出しておると言うのです。それが二次、三次、四次へ行くと七千円や八千円になるわけです。私は日本原電を責めるのはちょっと気の毒だと思うのですよ、実際積算根拠ではかなり高いものを払っておるわけですから。しかし一次、二次、三次、四次へ行く間に、もちろんそれは必要経費だとか税金を払わなければいかぬことはありますが、そういう構造、システムを労働省で考えてもらいたいと思うのです。  私は、かねがね下請労働者の問題を取り上げておるわけですけれども、これは余り時間がありませんから長く申し上げませんが、結局この下請労働者にすべてのしわが寄っております。そして被曝の問題について、率直なことを申し上げまして、国内の法規は被曝線量の規制は一番厳しいのじゃないですか、アメリカに比べてもソ連に比べても。日本の被曝線量の規制は一指厳しいから、私はこれ以上規制を厳しくしろとは言いません。しかしそれではなくて、そのバックグラウンドというのですかバウンダリーというのですか、その背景をわれわれは改善することの方が急務だと思うのです。そして余りやかましいことを言いますから、日本原子力発電あるいは日本の九電力の多くは何をやるかというと、外国人労働者を日本の中に連れてきておるわけです。  通産省にお伺いをいたしますけれども、原子力発電に従事をした過去の外国人労働者の数を明示していただきたいと思います。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○平田説明員 原子力発電所の定期検査の期間には、原子力発電設備を構成する外国製品等の補修に外国人技術者が従事するケースがあったと聞いております。それで、これらの外国人技術者が請け負った作業は、具体的には給水スパージャーの取りかえ工事等、熟練した技術を必要とする炉心部の改良であったと聞いておりますが、これらの人数につきまして私どもが把握しておりますのは、昭和五十一年度におきまして福島第一発電所におきまして百十八名、五十二年におきまして敦賀発電所におきまして八十六名、福島第一発電所で六十六名、五十四年度に東海第二発電所で二十三名、福島第一発電所で九十名、以上でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま通産省からあったように、五十一年福島で百十八人の外国人労働者が働いております。五十二年にはこの問題の日本原子力発電敦賀発電所で八十六名の外国人労働者が働いております。福島第一は六十六名、五十四年の東海第二、福島第一で二十三名、九十名とそれぞれ働いておるわけです。  これはGEのゼネラル・エレクトリック・テクニカル・サービス・カンパニー・インコーポレーテッドというのが元請になっておりますが、これは日本に事務所を設置しておりまして、GETSCO社が元請になってやっておりますが、これは日本でこれだけの仕事をやるわけですから、この会社は当然建設業法による届け出をして原子力発電の定期検査なりあるいは補修工事に従事しておると思うのです。  建設省にお伺いをいたしますが、この日本のGEのGETSCOの支社は建設業としての登録をしておりますか。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○北村説明員 お答え申し上げます。  私どもで調査した結果、建設大臣及び各知事の許可は受けておりません。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 建設省で許可を得ていないそういう第一次下請が日本の原子力発電の重大な工事にかかわるというのは一体どういうわけでしょう。  この点は労働大臣にお伺いしたいと思うのですが、労働省としては外国人労働者を従事させるということには反対なんでしょう。反対というよりも、外国人労働者の就業というものを日本の労働省は認めていないはずです。しかし、これだけのたくさんの数がいま言ったように現実に原発で仕事をしておる。しかも半数は黒人です。  それで、きょうは法務省も来ておられますので法務省にお伺いしますが、これだけの多量な外国人労働者がどういう形で日本に来て仕事をやっておるのか。その許可をした案件というのは、どういうランクでこれだけ大量の外国人労働者が危険な原子力発電の修理に従事をしておるのか、お伺いします。

黒岩周六法務省入国管理局入国審査課長

○黒岩説明員 お答えいたします。  先ほど先生御指摘の多量の外国人労働者ということでございますけれども、われわれ考えておりますのは、これは労働者というものではございませんで、先ほど通産省からも御説明のありましたとおり、原子力発電機材等の輸出、日本から見まして輸入に伴いましての技術指導と申しますか、そういったことで入国したものと理解しております。  それで、このような形で高度の技術の提供と申しますか、あるいはまたプラントの補修、アフターケア等のために入国する外国人技術者につきましては、こういった外国人の交流を容易にするというようなことも勘案いたしまして、現地大使館限りで査証を発給するということになっておりますもので、法務省には協議は参らないというぐあいになっております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 だから、これはひとつ直していただきたいのです。いま法務省からおっしゃったように、在外公館で入国ビザを発行して、それで後は全然どこもひっかかってこないわけです。  なぜ在外公館で入国ビザが出るかというと、GEという会社の信頼性がありますね。GEですから、これはりっぱな会社ですから、そこから労働者が来るわけです。そして、受けるのは日本の原子力関係の会社ですから、問題なしに出るわけですからやるわけですが、いま法務省が言われたように、技術指導なのかどうか。そして、本当に給水スパージャーというようなもので、この人でないと、いわゆる余人にかえがたい技術指導があって、日本人の労働者がその下で加工をしたり修理をしたなら、それは私認めます。いまの答弁でいいと思うのです。全くおっしゃるとおりでいいと思うのです。  しかし、現実には百十八人も来て、日本人と同じように床を掃除しているのですよ、汚染したようなものについて。それから、溶接をしたり、ボルトを締めたり、それこそ五分間とか七、八分の間で往復しているわけですから。外国人労働者の方が規制が甘いから外国人労働者でいいだろう。しかも、半数は黒人です。別に黒人だからどうのこうのと言うわけではありませんけれども、向こうでは黒人の労働者というのは、明らかに肉体労働、最末端の労働として日本に来ておるわけです。  現実に敦賀の発電所で、五十二年の四月から五十二年の七月まで八十六人、敦賀観光ホテルに泊って、現地の観光ホテルで毎晩けんかがあったり大騒ぎがあったのですよ、地元では。あの外国人労働者は一体何だ、こういう話が現実に起きておるわけです。  それは一体通産省が見るべきなのか、あるいは法務省の出入国管理で管理しておるのか、労働省で見るのか。少なくとも日本は、外国人労働者は中華料理のコックさんのように特殊な方を除いて現場で仕事をやる方は認められていないわけですよ、閣議決定で。にもかかわらずこのような多量な外国人労働者に、しかも危険な原子力関係の補修工事をさせるというのはいかがなものかと私は思うのですが、これはひとつ労働省から答えてください。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 お答えいたします。  外国人労働者の問題につきましては、先生御指摘のように、産業上の高度なあるいはまた特殊な技術または技能を提供するために国内の公私の機関により招聘された者、こういったものは通産省との協議で入国が認められます。それからまた、熟練労働に従事する者、たとえば中華料理のコックさん、フランス料理のコックさんのようなもの、こういったものは労働省に協議がございまして、国内でどうしても見つけることができないということが明らかになれば入国を認めるということで法務省の方に回答することになっておりまして、単純労働者の受け入れば認めないという方針で運営しているわけでございます。  したがいまして、ただいま御指摘のように、産業上の特殊な技術あるいは技能のために招聘するというものが非常に短期のものであれば、外国の在外公館だけの査証で入国できるということになっておりますが、もし事実上その形で単純無技能労働の外国人労働者が入ってくるとすればこれは問題でございますので、私どもとしては関係省庁と十分に連絡をとって、そのようなことのないようにしてまいりたいと思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 では、これは一回調査をして、ぜひ対処してください。いいですか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 はい。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いいですね。  では、外国人労働者の問題は、ぜひいま私の申し上げたところをよく体して調べていただきたいと思います。そして、もし外国人労働者で被曝をしたような事態が後ほど出れば、国際的な問題にもなりかねない問題ですから、厳重な対応をお願いしたいと思います。  最後になりますが、実は私、下請の問題をいろいろと取り上げてきておりますが、下請労働者の実態というものをもう少し客観的に調べてみることが必要だと思うのです。通産省なり労働省で、原発の被曝線量を対象とするような下請労働者の調査をしたことがございますか。まず通産省にお伺いをいたします。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○平田説明員 通産省といたしましては、原子炉等規制法に基づきまして、毎年度ごとに「実用発電用原子炉施設における放射性廃棄物管理の状況及び従事者の被ばく状況について」という報告書を出しておりまして、その中で、原子力発電所に従事する従事者につきまして、社員従事者と請負等社員外従事者とに分けて、被曝状況について調査し報告を出しておるわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 こういう調査があることを御存じですか。「原子力作業従事者実態調査」というものを、ATTというところがやっておるわけです。これは一種のシンクタンクでございますが、昨年の七月の初旬に、行動するシンク・タンク推進グループという非常に若手の学者の方々が、世上「原発ジプシー」とかいろいろな批判の本が出ておるので、ひとつ原発を推進する立場から、安全性ということも確認をしながら調査をしようではないかというので、各発電所の下請労働者の方々を対象に、定期検査の作業に入ってきた業者の了解を得て、作業従事者に説明をして、そしてその用紙を返信用封筒に入れて、大変高い回収率で回収をしたということがあるわけです。  これは通産省の方も当然御関心があったのではないかと思うのですが、この事実を知っておられるかどうか、お伺いします。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○平田説明員 昨年、民間におきまして、先生御指摘のように定検作業に従事している作業者に対しアンケート調査を実施し報告書を取りまとめたということは聞いております。報告書については入手しておりませんので、具体的内容は承知しておりません。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 これは実は非常に各界の注目を浴びて調査をやられたものでございまして、下請作業員約二千名を対象にやられておるわけです。それでかなりの社会的な影響力もあるような結果が出たわけでございますが、どうしたことか、このレポートは公表されておりません。電力業界の団体であるところの電気事業連合会から、社会的影響力が大きいからというクレームがついて、いろいろなことがあったようでございますけれども、この報告書は限定少数部の印刷で電事連が買い上げてしまったのですね。ですから、これはいわゆる幻の報告書になっておるわけです。せっかくこの学者先生は、批判派のことに対して新しくいこうじゃないか、原子力というものを信頼していこうじゃないかと言ってつくられた。  私、きょう、これは一部を持ってきたわけですけれども、なぜこれが公表されないのか、きわめて遺憾だと思うのです。私が見たってこれは大したことはないのです。発表すればいいような結論でございますけれども、そういう電事連の態度、それがあえて隠されておるというところに非常に問題があります。  それで、通産省は御存じないと言いますから、私がごく大まかに問題点を提起いたします。  この設問というのはたくさんあるわけでございますが、設問の問いは全部で四十八です。四十八項目を下請の人に書いてくれと言って直接渡したわけですから。ところが、この中を見てまいりますと、確かに電事連がちょっとまずいなあと思うようなこともうかがえるわけでございますが、一つの例を挙げてみますとこういうのがあるのですね。  「個人被ばくの放射線測定器をいく種類もつけさせられているが、どれも信用できない。」「そう思う」「どちらかといえばそう思う」「どちらかといえばそう思わない」「そう思わない」とかというような、そういう設問もあるのですね。これは非常に重要なことですね。それから「きびしい被ばく線量の低限規定があって、作業者の技術や経験は、二の次で、頭数がそろえられた寄り合いである。チームワークも技術レベルもあったものでない。」という設問があるのです。それで「そう思うか、そう思わぬか」というような四十八ですか、たくさんのことがございます。  この中で非常に特徴的なのは、「今までで最も多かった被ばく線量はどのくらいでしたか。」という問いに対して、百一ミリレム以上の人は全部で対象者の九・七%あります。約一割近い人が——いわゆる所内基準でございますけれども、百ミリレムというのは、一日、一週間、一カ月、一年というものの逆算の大体限界値というのは百ミリレムになるのですが、それ以上の線量を受けたというのが九・七%あります。それから七十一から百ミリレムの限界点ぎりぎりの人は二八・四%いるわけです。これはちょっと、やはり問題ではないか、私はこう思いますね。しかも一年間でいわゆる三レムというのですか、三千ミリレム以上の人がやはり二・三います。これなんかは以上ですから、天井がないわけですから、四になるのか五になるのかわかりませんけれども、かなりの人は被曝をしておる、限界値以上の被曝をしておるということを下請の人が書いておるわけですね。  さらに問題になりますのは十一番目の設問事項ですが、「あなたは今までに内部被ばくがあったと評価されましたか。」されたという方が七・六%もおります。わからないという人が一〇・五%です。  これは私は非常に重要な問題提起ではないだろうかと思うのです。ですから電事連はこれを買い上げて幻の報告書にすべきではない。やはり公に明らかにして、では、どうしたらいいかということを考えるべきですね。下請労働者は一日わずか五分か十分で命をかけて、赤い突撃隊という名前でマスクをはめて仕事をやっておる。そういう中でつくられた電気がこういう電気だとするならば、われわれは同じ人間の立場から言って、将来のエネルギー問題を考えたって、そういう命をかけた形で電気がつくられておるとするならば、これは文明の進歩でも何でもないと思うのですよ。私はそういう立場から、厚生行政でも、通産行政でも、あるいは労働行政が基本的ではございますけれども、その労働行政も考えていただきたい、こう思うわけです。  実にこの下請の方々の実態調査というのは、たとえば「原子力発電所の仕事以外の職業をお持ちですか。」五・一%の方は「普段は農業をしておる」こういうわけであります。これは二次の下請であるわけがありません。私に言わしてみれば、四次、五次の下請になるわけです。  それからこれは四十幾つの質問でございますから切りがございませんけれども、大まかに言いますと、「放射線被曝傷害に対する補償制度は明確に」してもらいたいという項目の中で、放射線をとにかくこわがっている人が大体三人に一人はいるというアンケート調査の結果も出ておるわけです。三人に一人がやはりこわがって仕事をやっておるわけです。  いま日本の中で、それは足場に上がって仕事をする人も危険かもわかりませんけれども、命をかけて仕事をするというのは、私はやはりこういうところが最たる職種だと思うのです。こういう人たちを何とか救う方法はないのですか、今日の近代社会において。労働省はまさしくこのような下請労働者の実態に手を当てるべきではないか。しかも一方ではめんどうくさいから外人労働者を採用しろなんということが、現実にいま言ったように起きております。それはもう指導とか何とか言ったって言い逃れで、百何人の人が来ているわけですから、こういう点について労働大臣の見解を賜りたいと思います。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 お答えをいたします。  ただいま御指摘のさるシンクタンクの四十八項目に及びます調査書、電力業界の総元締めである電事連が全部そういった報告書を買い上げてしまったというようなことは、きわめて奇怪な、私としては受け入れがたいことでございます。しかしながら、そのシンクタンクもだらしがない。買い上げられて、全部買い上げられてしまいましたでは、私は何のために御調査になったのか、その御調査の学問的な信念というものはどこにあるのかということを疑いたくなる、さように思います。  しかし、たまたま先生のお手元にそういったものが入っておるということは非常にありがたいことでございまして、こういったことを機会にいたしまして、私ども早速それを全部買い上げたと称する電事連といいますものに申し上げまして、そういったことは、公開すべきものは公開をする、あたりまえのことでございますから、それだけ危険なことを、また危険なおそれのあることをひた隠しに隠してしまうというようなことでは、私どもの技術も、また私どもの将来の労働の安全も保てないわけでございますから、そういったことを頂門の一針にして、そういうことのないようにするということこそが、私は研究者であり、あるいは事業者の倫理であろう、かように考えます。  したがいまして、いませっかくお教えをいただいたわけでありますから、即刻、電事連の会長に私から私の名前で申し入れをいたしまして、提出をさせ公開をさせるというお約束をいたします。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 最後に私は実は通産省に聞こうと思っていたのですが、いま労働大臣があれだけ明確におっしゃったわけでございますから、所管官庁としての通産省は、こういうデータというのが電事連にあるわけでございますから、ぜひ公にしていただいて、いま置かれておるところの下請労働者、二次、三次、四次という形での非常にきわめて厳しい下請の雇用関係の改善を図りながら、日本の原子力発電が堂々と胸を張って、世界に安全はわが日本の原子力発電である、そして作業従事者あるいは下請労働者も苦しめることのないような原子力発電が発展をすることを切に私は要望しておきます。  時間がございませんし、きょうは正確に時間を終わらなければいけないそうでございますので、これで終わりますが、ぜひ通産省はいまの労働大臣の言を体して関係業界なり関係者に通知をしていただいて、われわれに報告ができるようなことを希望いたしまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 米沢隆君。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 けさほどから振動障害対策の問題がるる取り上げられておりますが、私もこの問題につきまして若干の質問をさせていただきたいと思います。質問に入ります前に、振動障害対策に関する数字並びにコメントをいただきたいと思います。  一つは、振動障害の業務上の新規認定者数の推移、二つ目には振動障害の療養継続者数の推移。それから三つ目には治癒状況の推移。それぞれ林野庁、労働省から御説明いただきたい。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 まず私の方から民間における労働者の認定の状況並びに療養継続者の数についてお答えいたします。  昭和五十年度新規受給者は五百五十六人、五十一年度が八面九十九人、五十二年度は千三百四十八人、五十三年度が千四百三十一人、五十四年度が千八十二人でございます。  また各年度末におきます療養継続者の数は、昭和五十年度が九百一人、昭和五十一年度が千四百四十八人、昭和五十二年度が二千七百五十七人、昭和五十三年度が三千九百六十九人、昭和五十四年度が四千八百九人でございます。  なお、各年度における療養継続者の数と新規受給者のうち治癒あるいは療養者が治療を受けられなくなったいわゆる治癒者等の推計は、五十二年度で三十九人、五十三年度で二百十九人、五十四年度で二百四十二人であります。しかし、これらの者がどういう状況になったか、どういう形で社会復帰されているか等については把握をいたしておりません。  以上でございます。

今井秀壽林野庁職員部福利厚生課長

○今井説明員 お答え申し上げます。  国有林における振動障害認定者の最近の傾向といたしましては、昭和五十一年度に新規認定が二百一名、五十二年度百九十五名、五十三年度八十七名、五十四年度七十三名であり、最近減少傾向をたどってきております。五十四年度末現在では三千五百三十三名の累計に達しております。このことはけさほどから申し上げておりますように予防健診対策の拡充、こういったことに努めてきた結果によるものと考えております。  そこで、継続療養者の数でございます。これは五十四年度末の時点の数字をお答え申し上げたいと思いますが、休業している者が百七十二名で約五%でございます。通院治療している者が二千六百九十四名、七九%。最近一年間治療を全く受けていないという人が五百五十六名、約一六%でございます。合計三千四百二十二名という数字になるわけでございます。  この三千四百二十二名のうちさらに二千八十三名の者について一年間の追跡調査をした結果を御紹介したいと思います。五十三年の秋と五十四年の秋二回健診をいたしまして、その間に症状がどの程度変化したかという結果でございますが、五十三年に健康診断をして症状のあった者が千八百八十名に対しまして、一年後には何らかの症状のあった者が千八百名。八十名減少している。また症状の消失した者は五十三年には二百三名であったものが二百八十三名と増加している。このような結果が出ております。このことば一年間の治療の効果があったもの、このように考えている次第でございます。  以上でございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 いまそれぞれの数字をお伺いいたしましたが、いわゆる国有林の方は徐々に新規認定者もあるいは療養継続者数も減少の傾向にありますけれども、労働省が管轄されております民有林の関係、民間の関係は依然として高水準な新規認定者がおるわけでございます。五十二年、五十三年、千三百台、千四百台、五十四年には千台に減っておりますけれども、今後もこれくらいの数字が続いていくのではないか。  そこで新規認定患者数が増加していく理由について、皆さんがやっておられる振動障害対策巡回指導事業の成果として新しい発掘者がどんどんふえているというふうに見るべきか、それとも症状はある程度持っておったけれども認定には至らなかった、そういう方が同じ仕事をされながら症状を悪化されて認定されるに至った者がふえているのか、あるいはまた一生懸命そちらの方で防止対策をやっているにもかかわらず効果がないと見るべきなのか、そのあたりの分析を、労働省から見解を聞きたいと思います。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 いま先生が御指摘されました民有林におきます新規認定患者の数字の動きをどのように分析するのかということになろうかと思うのでございますが、率直に申し上げまして、この数字の中の一番大きなウエートを占めているものは、民有林の方は、巡回健康診断というような方式でもって健診を四十八年以来行っておりますけれども、国有林に比べますと健康診断の徹底をなかなか期しがたいというような民有林の特殊の事情もあるということで、そういう意味での患者の新発見というものが相当おくれているという要素はあったのではないか。それが四十八年当時五千人台であったものが五十一年から一万人ベースになりまして、五十二年以後は一万四、五千人、そして現在では林野庁の一人親方対策の五千人を加えますと二万人というような形で巡回健診の規模自体がだんだん大きくなってきている。  そういうようなことがございますので、当然その中にはいろいろな事例が含まれていることとは思いますけれども、四十八年、四十九年当時に五百人に満たない毎年の新規認定者が五十二年には千三百人になり、五十三年には千四百人になった。今度は千人台ということになっておりますけれども、それはやはり巡回健診そのものがかなり行き渡ってきたということで、発掘という言葉がいいのかどうかわかりませんけれども、潜在している患者さんを発見することに巡回健診というものがかなり役に立っていった部分が大きいのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 将来こういう巡回事業が徹底されて潜在患者が発掘される、あるいはまた要診断といいましょうか、巡回事業の対象になる皆さん、毎年強化されていきますと、一〇〇%まではいきませんでしょうが、かなりの皆さんがそういう診断を受けられる。将来的にそういう意味で認定患者というのはどういう変化をたどっていくように見ておられるのですか。いつごろこの巡回指導が全般的に行き渡るというように、何年時点を一応の目途にされておるのか、その点をちょっと聞かしてもらいたい。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 何年ぐらいたったらどのぐらいになるかということを見込んでいるのか、単刀直入に申しますとそういう御指摘かと思うのでございますが、国有林の方で相当に健診を徹底してもかなりの期間がかかっているのは先ほど先生ごらんのとおりの数字の推移でございますから、現在五十四年度に若干数字が下回ったといっても、このピークを過ぎたかどうかということの確認がまだできませんので、私どもとしてはピークを過ぎて下降線をたどって、ピークの時点の何分の一というような数字が現実にあらわれてきて、しかも継続して減っていくということが五年なり十年の間にはっきりあらわれてくるようであれば、それはある程度新しい患者さんも掘り尽くされたということになりますし、予防も効果があったということになるのだろうと思いますが、現在の数字では、民有林の現状ではまだそこまではっきりと申し上げられるような数字ということはなかなか言えないのではないかと思います。     〔委員長退席、今井委員長代理着席〕

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 次に、労災補償にかかわる問題について触れてみたいと思うのであります。  まず第一に、療養の長期化というのがけさほどから議論になっております。先ほど御説明いただきましたように、労災保険でも療養継続者数というのは林業だけでも五十四年の時点で四千八百九人、その他のいわゆる建設作業場とかあるいは採石業等を入れましても七千六百六十四人の方が継続療養されておるわけですね。林野庁の把握されておる数でも三千四百二十二人、林業だけでも合わせますと八千二百人、その他の人をトータルしましても一万一千人という方が継続療養されておるという数字になるわけです。今後も新しい要治療療養患者というものがふえていくということになりますと、これはかなりの人間の数になってくるわけでありますが、現在林業にかかわる労災の補償費あるいは林野庁が国家公務員労働災害補償法に基づいて出しておる補償費、一体どれくらいの数字ですか。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 お答えします。  林業で出しております保険給付の費用は、昭和五十四年度で二百五十九億、五十五年度では約三百億の見込みでございます。

今井秀壽林野庁職員部福利厚生課長

○今井説明員 国有林の振動障害関係の休業療養補償費の昭和五十四年度実績の額は三十一億三千万円でございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 かなりの金が補償費として使われておるわけでありますが、そういう意味では患者の皆さんの一日でも早い回復と早期治癒のための格段の努力が政府としてもなされねばならない、そういうふうに思うわけでございます。  しかしながら、聞きますところ、御承知のとおりどうも治療方法が未確立であるとか、また治癒基準みたいなものが設定しがたい、そういういろいろな問題等難点が多いというふうに聞いておりまして、それが療養を長期化させる要因である、こういうふうに説明を聞いておるわけでありますが、労働省はこの療養の長期化の要因等についてどういう分析をなされて、それぞれどういう対策を立てようとなさっておられるのか、その点を聞かせてもらいたいと思います。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 お答えします。  振動障害の治療方法について非常に長期化が問題となっているということの御指摘でございますが、チェーンソー等の振動工具の使用によって発症いたします振動障害の治療につきましては、多くの専門家によって研究が行われ、相当の成果が上がっておりますが、実はこの基本となります疾病の発症機序の複雑性もあって未解明の部分が非常に少なくないわけでございます。労働省としては振動障害患者の治療の万全を期すために、治療方法につきまして現在一般に認められている治療方法を関係の医療機関に提供するため、臨床医を中心としました専門家の意見に基づきまして治療指針というものを定めまして、昭和五十一年の六月に全国の医療機関にお示しをしたところでございます。  なお、治療方法の研究開発は振動障害者の治癒、職場復帰の促進に役立つことになりますので、専門家の研究開発が進展するよう、日本災害医学会などに対しさらに強い働きかけをしていくとともに、現行の治療指針が医学の進歩におくれないよう、医学的情報の収集に努めてまいりたいと思っております。  なお、振動障害の補償対策としましては、その重点は振動障害患者の早期認定と適正給付、さらに速やかな健康回復であると考えております。業務上外の認定に当たりましては、その斉一性を確保するため専門家の意見に基づきまして認定基準をつくりまして、迅速な認定、適正な給付に努めているほか、振動障害の治療につきましても、先ほど申しましたような指針を作成して、全国の医療機関にその内容の徹底、それを通じての治療の向上に努めてきているところでございます。  さらに医療機関の健診、治療設備につきましては、健診、治療機器貸与制度、それから振動障害の治療を行える医療機関の整備充実^こうした点にも力を入れてまいっておるところでございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 たとえば五十一年に治療指針等をつくられてお医者さんに配られた。やはりトラブルのもとは治療指針で、こういう指針ではだめだというお医者さんがおるということ、それから認定基準が大変トラブルのもとになっておる。そのあたりはどういうふうに把握をされて解決なさろうとされておるのですか。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 いまの認定基準のことについてでございますが、先ほど申しましたように、認定基準を作成いたしまして全国斉一な認定に努めているところでございますが、先ほども問題が出ましたように、認定基準の認定に当たりますいろいろな検査の中には自訴が主体になるような問題もございまして、いろいろの問題をはらんでおるので、さらに認定基準につきましても十分研究をいたしまして、適正な認定がより簡単に正しくできるように研究をいたしておるところでございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 長期療養されておる方の中には、結局就労する場所がないとか職場に復帰しても一体どういう仕事になるのだろうか、そういう懸念からそのまま療養を継続したいという意思を持つ人がおる、こういうふうに聞いておるのですね。そういう意味では、この就労対策、職場復帰対策というものにもつと力を入れてもらわないと就労待ちの療養なんというのはおかしいのでございまして、そのあたり一体どういうふうに対策を立てられようとしておるのか。  聞きますところ、振動障害者就労対策協議会みたいなものをつくって振動障害の多発地域にこういう協議会を設置して何か対応をしたいという話も聞いておりますけれども、事実かどうか、やるとすればどういう形でやろうとするのか、その点具体的に明らかにしてもらいたい。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 先生ただいまおっしゃっているところの就労対策、大変重要なことでございます。特に振動障害の多発している地域におきまして、いま先生おっしゃっているような関係機関との連携で、森林組合等の事業主団体も含めました関係機関がいろいろ知恵を出し合って振動障害者の就労対策を協議する場を設けてまいりたい。その中で具体的な個々の事案を通じまして就労対策を進めることを計画しているところでございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 振動障害多発地域に設置しようとするこの協議会は幻のものですか、それとも実際やるのですか、やらないのですか。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 これは必ず実施してまいることにしております。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 その際、やはり働く場所、スムーズに職場復帰できる工夫、これは一般的に現在失業者が多発している段階におきまして雇用創出等の絡みもありまして大変むずかしい問題であろうと思いますが、そのあたり一体となって、特にこのあたりは気の毒なところでありますから、力を注いでもらいたい、注文をつけたいと思います。  それから療養されておる皆さん方に所管の官庁としてどういう指導がなされておるのかという問題でございます。先ほども労災保険の収支が悪化しておる、そのために締めつけが行われておるのではないかとかいろいろな議論が行われました。確かに労災保険の収支が悪いから、何とかそうである人もそうでないようにしようというのはけしからぬ話だ。しかしながら、労災の趣旨に照らしたやはり正確な、適正な執行をしてもらわねばならぬというのも、法治国家でありますからやってもらわなければならぬことでもあり、同時に、一日でも早く回復してもらうために格段の努力をしてもらうということも、これと並行して全力を挙げてもらわなければならぬ問題だ、そう思うのでございます。  したがって、療養の長期化の中でやはり本人そのものの療養意欲といいましょうか治癒意欲といいましょうか、そういうものが第一義的に求められてくるわけでありますが、その次にはやはりお医者さんの指導ですね。同時に所管官庁としても一日も早い回復を願ってそれなりの指導を持たないと、世上いろいろ言われるような問題が指摘されるに至ると私は思うのです。そういう意味でどういう指導方針を持っておられるのか、聞いておきたいと思うのです。  と申しますのは、この職業病はかわいそうと言えば本当にかわいそうで、仕事を通じて予期せぬ職業病をもらい、白ろう病なんというこんな重病を十字架に背負っていらっしゃるわけですから、これは大変お気の毒だと私は思うのでございます。大部分の方は懸命にそういう病魔と闘って早く治りたいと努力をされて療養に専念をされておることは承知をいたしております。そういう意味では、治療方法の研究にもっともっと力を入れてその成果が取り入れられるように祈念する気持ちは私も人後に落ちません。  しかしながら残念なことに、間違いであればいいのでしょうけれども、私がいろいろ仄聞しますところ、やはりおもしろくない話が聞かされることも事実です。私の家にも投書が来ます。これは誤解があるかもしれませんし一々申し上げかねますけれども、やはり先ほど申しましたように労災保険の趣旨に照らして厳正な執行をしてもらいたいというこのことは、本当に治療をしなければならない、もっともっと保護を与えねばならない、もっともっと救済の手を伸ばさなければならない、そういう人も含めて逆に白い目で見られたりおかしな議論になって、本当の治療対策がなされない、そういうことになりかねない重要な問題だと私は思うのです。その点を踏まえて労働省の見解を聞かせてもらいたい。     〔今井委員長代理退席、委員長着席〕

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 振動障害にかかられた方につきましては労災保険制度の中におきまして適正な給付を行うという制度になっておりまして、行政運営に当たりましては法に定められた手続に従いまして適正な給付を行っていることはもとよりのことでございます。また、療養を受けられる方につきましても所定の給付を受けつつ療養に専念をしていただきたいということで、具体的な医師の指示、指導のもとに療養をしていただくというふうに制度的にもなっておりますし、もちろん一般的にはそのような形で多くの方々が療養に専念し、軽快し、さらには職場に戻るというような道をたどるわけでございますが、そういう中で私ども医師の万々といろいろ御相談いたしまして、患者の方々の療養専念の意欲をより喚起する、さらには医師の方々から必要な療養期間等につきましての指導を十分していただくようにお医者さんにお願いをする、さらには監督機関におきましても個々の受給者の方々が療養に専念しておられるように具体的な事柄等につきまして指導申し上げているところでございます。  そういうことで、私どもはできるだけ早い機会に療養効果が上がって労災保険制度から再び職場に復帰するという形の行政指導をより徹底していきたいと思っております。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 でき得る限り、そうである人を排除する努力はしてもらわぬでも結構でありますが、そうでない人まで含まれるような、またそういう誤解が生まれるような法の執行というものには十分に注意をされて努力をしていただきたい、私は注文をさせていただきたいと思うのであります。  それから次に問題になりますのが認定の問題でございます。先ほどもちょっと触れましたけれども、いわゆる産業医学界の中で、たとえばこの振動病について局所障害であるかあるいは全身障害であるかということで争いがある。目下のところ政府の方は局所の障害だということで処理をされておると聞いておりますが、一体この問題についてどちらが本当で、全身障害についての議論を皆さんどういうふうに受けとめて処理されておるのか、この点が第一点。  第二点は、できればお医者さんの意見を尊重して、お医者さんがオーケーしたらみんな認定しろという議論もあるし、もっと厳格な診断をすべきだという議論もあるし、もっと厳格な診断をすべきだという議論もあるし、そこらから認定に関しての議論が、いわゆる行政不信みたいなものが起こっておることも事実ですね。その点はっきりと労働省としても権威のあるいわゆる手続論をつくってもらわないと、私はやはり問題が残るのではないかという気がします。  あるお医者さんのところへ行ったらみんな認定されるとか、こっちへ行ったら厳しいとか、そんなことがあってはならぬわけでございまして、そういう意味ではお医者さんの認定の仕方にも問題があるかもしれない。医学的にむずかしいからわからないのかもしれない。しかし、わからないことを前提にしてこれは認定患者、これは認定でないなんていって逆に差別されるのもおかしい話でありまして、そこらはどうも皆目わからぬのでございますが、はっきりしてもらいたいと思います。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 振動障害が局所障害か全身障害かという問題でございますが、振動暴露を受けるような業務についておりまして振動病が発症するわけでございますが、振動暴露を直接受けた部位、たとえば手の指、そういうようなところに症状が顕著にあらわれるのが一般的でございまして、発症の初期の段階から症状がある程度進行した段階におきましても、そのような振動暴露を受けた直接的な部位、手指なり前腕等に末梢循環障害なり末梢神経障害、または運動機能障害というような形であらわれるわけでございます。こういうことは医学経験上明らかとされているわけでございます。労働省におきましても、専門家の方々からの医学的知見に基づきまして、以上のような末梢循環障害等の障害ということで認定基準を定めているわけでございます。  ただ、直接振動に暴露されない部位についても障害が生じるんだという一部の説のあることも承知しておりますが、現時点におきましてはそれは仮説の段階であるというようなことでございまして、まだ医学的にコンセンサスを得たものではないわけでございます。したがいまして、労働省といたしましては現行の振動障害というのは局所障害であるという考え方を変えるつもりはございません。  二番目の、医療機関によってその取り扱いがばらばらである、非常に公正を害するということでございますが、私ども業務上外の認定に当たりましては、斉一性を確保するために専門家の意見に基づきまして認定基準を作成し、これによりまして適正、公正、迅速な認定が行えるようにしているところでございます。  また、具体的な認定に当たりましては、主治医から提出されました診断書なり意見書等の医証はもとよりのことでございますが、本人の作業歴、既往病歴あるいは作業環境等について、慎重に具体的に調査いたしまして、さらに必要に応じましては専門医の意見を徴するなど、具体的、客観的な資料を十分精査いたしまして業務上の判断をいたしているところでございます。  また、労働省といたしましては、医療機関によって不均衡が生じないように、労災保険制度の内容についてもいろいろ医療機関に対しまして御説明申し上げるとともに、先ほど申しましたように、専門家の意見に基づいて策定した認定基準や治療指針というものを医療機関にできるだけ周知を図ることによりまして、斉一的な取り扱いが確保できるよう今後とも努力してまいりたいと思っております。  またさらに、主治医の方々等からの具体的な医証等の内容、数値等につきまして、医学的になかなか納得が得られないような、非常に数値的なアンバラがあるような場合につきましては、所定の鑑別診断等も行いまして、その事実の解明、適正な給付の執行に当たっているわけでございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 けさの岡山大学の先生の話を聞いておりますと、健康診断をする際に検査の結果だけを問題にするから、潜在的な患者が発掘されない、その方がどういう仕事をし、どういう工具を使い、いわゆる就労状況等を勉強したらそういうのは発掘できるんだという話をされておりましたね。ぼくの聞き違いがなければそういうことだと思いますが、その意見に対して政府としてはどういう御所見ですか。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 職業病につきましては、従来の作業歴、職歴、それに携わっておりました職場環境等が重要な決定要因の一つでございます。したがいまして、職業病の認定に当たりましては、これらの職歴、経歴、作業環境等の把握は十分やる必要があると認識しております。要があると認識しております。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 次に、休業補償給付の関係でございますけれども、特にわれわれに投書が寄せられたり、山に登ったときに座談会等でいろいろうわさ話で聞かされるのが、この取り扱いですね。結局、休業補償受給者というものが、家にいて療養しなければならぬにもかかわらず、野良仕事をトラクターを使ってやっているとかアルバイトをやっているとか、あれはおかしいじゃないか、こういう理屈がよく言われますね。休業補償をもらっておる方が、仕事の種類にもよりましょうけれども、通常の仕事をしておるようなかっこうで仕事をされるということは、やはり療養の面からも問題があるだろうし、休業補償給付という意味からも問題がある。そこらをうまく指導されないと、いつまでたってもやっかみだとかうわさ話だとか誤解に基づく話だとかで何かおもしろくないという実態がそのまま続くのではないかと思うのですね。  そういう意味で聞かしてもらいたいことは、休業補償受給者が仕事をして金銭的な収入があった場合にはどういう調整をされるのか、あるいはどういう指導をなされるのか、これが第一点。  第二点は、問題になっております公職についたり組合の専従なんかやっておられる方にはいまどういう取り扱いをしておられるのか、今後どうされようとしておるのか。この二点をはっきり明示してもらいたい。

倉橋義定労働大臣官房審議官

○倉橋説明員 振動病の認定患者の方が就労する場合には、療養上必要なためにいろいろな業務につくという療養上必要な場合と、さらには療養は一定日だけ行えばいい、他は療養じゃなくて通常の作業が可能であるというような二つの場合があろうかと思います。  私ども休業補償の支給の要件といたしましては、先生御承知のように労災保険法十四条第一項によりまして、労働者が業務上の負傷または疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けられなかった日について支給されるということになっているわけでございます。したがいまして、医療機関に通院をする、または一定の日数について自宅療養をする、または入院をしているというような場合につきましては、療養のため働けない、賃金が得られないということでございますから、これは失業補償給付の支給対象になるわけでございますが、それ以外の日、一般の労働が可能な状態につきましては、労災保険法上の要件に該当しないわけでございます。したがいまして、これについては所定の支払いがなされないということになるわけでございます。  ただ、どういうような状態でどれだけ休養をすべきか、または就労が可能かどうかということは、医師の判断、指導ということが大きいウエートを占めているわけでございまして、私どもそういうようないま申しました趣旨に沿いまして、よく医療機関等の先生方の御意見を聞きながら、適正な日についての給付を行うということに努めてまいりたいと思うわけでございます。  なお、本来療養すべき日に療養専念をしないで働いたというような場合でございますが、これは療養のため休養しなかったわけでございますから、したがって法律的にはその給付は支給しないという制度になるわけでございます。しかしながら、私ども給付の制限よりもむしろ療養に専念をしていただくという御本人の意欲の喚起が必要ではないかということで、当省におきましては、御本人にそのような療養の期間中において就労は極力避けるようにという指導をいたしているところでございます。  この療養期間中に組合活動をするというようなことにつきましても、これは医師の指導というのは療養に専念をしていただくということでございますから、それが組合活動であろうがほかの業務であろうが、それは差をつけるべきものではございません。したがいまして、組合活動を否認するわけではございませんが、むしろやはり療養に専念をするという必要があろうかと思います。  もう病状が軽快いたしまして、すでにそのような療養が要らなくなったというような場合につきましては、これは御本人の自由な活動でございます。これについてとやかく言う筋合いではございませんが、そういう状態になった場合には労災保険法上の休業補償の支給要件には該当しないというようなことになるのではないかと思うわけでございます。  いずれにいたしましても、私ども、医師が指導いたしました療養を行うというのはやはり受給者としては謙虚に受けとめなければならないのではないかと思うわけでございます。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 労災保険の財政状況が大変悪化しておる、これはこれで大変私は大きな問題だと思います。御承知のとおり、五十五年と五十六年二回にわたりまして、財政赤字の解消、給付改善ということで保険料率を改定されましたけれども、この収支がもたないということで無制限に保険料を上げられるものでもなし、かといって多発していくこういう認定患者の皆さんに要する費用を、収支がおかしいから制限することにもならないし、私は大変深刻な事態になりかねない問題だとしてこの問題は受けとめておるわけでございますが、労働省として一体どういうかっこうでこの赤字の解消なり今後の給付改善原資としてこの収支を見るのか、対策を練っていくのか、その点をひとつ聞かしてもらいたいと思うのです。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 労災保険の運営の基本は、あくまでも労働災害の防止を図って、不幸にして災害に遭った被災者に対しましては適正な保護を図るということが基本でございます。御承知のように、労災保険は独立の保険事業でございますので、収支の均衡を図るということは、この制度の健全な運営のためには不可欠であるわけでございます。先ほど御指摘のように、この数年赤字でございましたのを、全体としまして保険料の引き上げを二回にわたり行って、今後の全体の収支といたしましては償っていくであろうというふうな期待を持っているところでございます。  しかしながら、林業関係におきましては、ただいま先生御指摘のように、収支の均衡どころではないところがあるわけでございます。そういう意味で、収入の確保ということだけでこれを図るわけにもいきませんし、また何といいましてもそういった災害が起きないというのが基本でございますから、やはり予防を重点にしてこれを処していく。さらにまた、こういった事態でございますのでいろいろな方面の御意見も聞きながら、これに対する考え方も今後検討してまいりたいというふうに思います。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 最後になりましたが、大臣から聞かしてもらいたいと思いますが、いまも話がありましたように、労災収支の赤字がどうだこうだという事後的な問題よりも、予防対策に全力を挙げてもらわねばなりません。そこで総括的に大臣から、振動障害対策の予防あるいは補償という面でどこに重点を置かれて今後努力をしていただくのか。特にお願いしたいことは、国有林に比べて民有林というのは非常におくれておる。先ほどからの議論の中でもこれは明らかにされました。そのあたりの失地回復、労災という意味でそんな官民格差があっちゃ困るのでございます。そういう意味で、民間林業労働者の振動病対策、このあたりのおくれを一体どういうかっこうで取り戻そうとするのか、決意を含めて所信をお伺いをし、質問を終わりたいと思います。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 お答えをいたします。  けさから申し上げておりますように、国有林でどんどん振動病の患者の発生が減っておるというときに民有林ではふえているというようなことは、私どもといたしましてまことに恥ずかしいことでございまして、そういった現状といいまするものを踏まえてみましたならば、私どもの今後の予防対策の重点といいますものは、当然民有林に志向をしていかなければならない、かように思いますし、そういった民有林に対する指導といいまするものが、いままでのように通り一遍の通達を送りっぱなしにすればそれでいいというような書類上の措置ということで事足れりというようなことを許しておくわけにはいきません。  そこで早速労働基準局長を派遣をいたしまして、労働基準局長がその地域地域でそういった関係の労働基準監督署長あるいは出張所長等々を通じてその管内におきます民有林の経営者に集まってもらいまして、そして直接、いかにすべきであるか、業務上、経営上の責任といいまするものがどこにあるか、結局その収支がどこにツケが回ってくるかというようなことをよく御説明させていただいて、御納得の上、その予防対策に遺憾なきを期すということをやってみたい、かように考えております。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 御健闘を祈って終わります。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 本会議散会後直ちに再開することにいたしまして、この際、休憩いたします。     午後四時二十分休憩      ————◇—————     午後五時十八分開議

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。小沢和秋君。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私は昨年から何回かにわたって、特に大企業の中での労働条件の改善の問題について質問をいたしてまいりました。この点については若干改善をされた点も確かに出てまいりましたのですが、全体としてまだ非常に不十分であるし、また何よりもこの問題についての対処のテンポが遅いということを私痛感するわけであります。そこで、いままで私が取り上げてきた問題で、この機会に改めて二、三点お尋ねをしておきたいと思うのです。  まず第一は、私が昨年取り上げました新日鉄の三交代職場での休憩時間の一斉付与の問題であります。これについては、いまも申し上げたように若干の改善が行われて、食事交代をしておったところで一斉休憩に戻したというところがあるのですけれども、肝心の申告をした当事者のおります第二ストリップ工場などというような生産部門につきましては、これは全く改善がなされておらない。そこで私が八幡の労働基準監督署に参りましたときに、大体申告者の工場についてはどうなんだというふうにお尋ねをしたら、これ以上新日鉄八幡にだけ要求するのは無理じゃないですか、企業競争も激しいですからね、こう言うわけです。  しかし、企業競争が激しいからとか激しくないからというようなことで行政がさじかげんをすべきものなのでしょうか。労働基準法の三十四条の一斉休憩の原則というのは強行法規であって、私が何回も言っているようにこの例外を認めるというのは、きわめて厳密に、どうしてもそうせざるを得ないような事情がある、この強行法規をなおかつ例外として認めなければならぬような特別の事情があるというとき以外には認めるべきでないという立場から行政処理すべきであって、企業競争が激しいときにここにだけそんなことをこれ以上言うべきでないとかあるとかいうのは邪道じゃないかと私は思うのです。この点について引き続いて、生産部門であってもメスを入れるべきだし、また、むしろそれを鉄鋼生産工場全体へ広げるべきではないかという点で一つはお尋ねしたいのです。  それから、東洋工業の問題については、私が三月三日に質問したのですが、もう二カ月以上もたっているのに、担当者が転勤したとかいうようなこともあるらしいのですけれども、どうも調査がほとんど進んでいないらしいというのですね。  それから安川電機のことについても、私、きのう八幡労働基準監督署に寄ってどうなっているかと伺ったのですが、そうしたらこれについても、四月十八日に労働者が申告をしているのですけれども、連休を間にはさんだとかいって全然進んでないわけです。安川電機の問題については、ついでながら一言言っておきますと、この前監督課長は私の質問に対して、昨年末の申告があったので調査をしたけれども法違反の事実がないというふうに答弁されたのですが、私はここで念のために言っておきますが、あなたの方の勘違いがある。  実はあのときはサービス残業をさせられているという問題を言いに行ったときにQCの問題にもちょっと触れたという範囲の話なのです。だから、そのことを主張するための資料も何も持っていっていない。だから、当然その程度の指摘ですから会社に対してもそんなにメスが入るはずがなかったわけですね。この点あなたの方の勘違いがあると思いますからここではっきり答弁を訂正し、また、いま申し上げた非常におくれているという点についてはっきりさせていただきたいのです。  申告の案件は優先処理という原則で処理していただくというふうに私は聞いているのですが、この点全体として非常に遅過ぎるのじゃないか、この優先処理という原則を改めて確認していただきたい。

岡部晃三労働省労働基準局監督課長

○岡部説明員 昨年来幾つかの企業につきまして先生から御指摘があり、これにつきまして私どもも調査し対処してまいったところでございますが、まず、新日鉄八幡工場の件でございます。  これは休憩時間の問題でありますが、これは先生御承知のとおり、休憩時間の取り扱いにつきまして、一斉休憩の除外認定が必ずしも必要ないと思われる部面を精査いたしまして、工場、部、課等六部局につきまして六百九十二名分につきまして一斉に休憩を付与するように改善を図ったところでございます。そして、その他の部局につきましても、各職場ごとに労働者の意見を聴取しながら具体的な休憩時間帯を定めることにしたところでございます。先生ただいま御指摘の第二ストリップ工場でございますが、この指導に基づきまして休憩時間の繰り下げを行ったというふうに具体的な是正内容の報告が出てきたというふうに私ども報告を受け取っているところでございます。  そういうふうなことで徐々に改善が進んでおるところでございますが、一勤務の中の休憩時間帯の決定ということにつきましては、原則に立ち返りまして、始業または終業時に時間帯を著しく近接するというものはその趣旨からして好ましくないということで指導を行っているわけでございます。会社におきましても、この指導の趣旨に沿いまして、各職場ごとに労働者の意見を聞きながら改善を図っていると聞いているわけでございます。いずれにいたしましても、今後さらに労使間の話し合いを重ねてこの問題の解決に当ってほしいと考えているところでございます。  それから、安川電機の問題でございます。  これはQC問題につきまして、私も、いわば旧QC運動の問題と、それから新たに本年から始まりました品質改善運動ということを勘違いいたしまして御答弁申し上げたのではないかと思いますが、旧QC活動につきましては前回お話し申し上げたわけでございますが、その後本年四月に新たに品質改善運動に関する申告が先生御承知のとおり所轄署になされたわけでございます。これにつきまして新たな事案といたしまして近く所轄署におきまして所要の調査を行うという実施予定にすでになっておりますので、その点を御報告申し上げる次第でございます。  それから東洋工業の問題でございますが、東洋工業の問題、先生三月三日の本委員会におきまして幾つか御指摘になったわけでございますが、その中で先生の御関心は東洋病院の男女差の問題等等ではなかろうかと思いますが、このような男女差の問題と申しますのは、御承知のとおり大変むずかしい、複雑な要件が絡むわけでございます。十分な検討日時を要するわけでございます。  申告については優先的に処理せよ、それはそのとおりでございますけれども、問題が非常にデリケートでありますだけに時間を要するものもあるということで御了解を賜りたいと存じます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 いま男女差が大変デリケートだというようなお話がありましたけれども、この前私はデリケートでないように、病院の臨床検査技師という、婦人が圧倒的に多くて、しかも婦人が指導的な立場にも立っているというような職場で問題を出しているのですよ。私はあれほど単純明快な話はないと思うのです。いまの答弁でもそういう意味で私、納得いきません。ですから、特に安川、東洋工業の問題などについては引き続いて、早急に結論が出せるように取り組んでいただきたいと思います。  きょう新たに御質問したいと思うのは、特に原子力発電所の問題であります。  きのう、すでに新聞などでも報道されておりますように、敦賀原子力発電所があります福井県民の方々四百十一人が敦賀原発の事故隠しについて原子炉等規制法あるいは電気事業法などに違反するとして告発なされているわけであります。ずいぶん幾つもの事故があったということが次々に暴露されているわけですけれども、まずお尋ねしたいのは、これらの事故について原発の方から労働省には報告があったかどうかということです。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 お答えをいたします。  いま先生の報告があったかということは、たとえば三月八日の大量に廃棄物を含んだ廃液が流出した事故について申しますと、実際にそういうふうな事故が起こったとき速やかに報告があったかどうかという意味では、報告はなかったわけでございますけれども、現実に事故が起こりましてその後は、私ども調査に入っている段階にはなっているというのが現状でございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 今回の場合、調査に入ったというお話がありましたから、それはそれで結構だと思うのです。やはり原発には多数の労働者の方が働いておられますし、その報告の有無などにかかわりなく、事故があるということをキャッチした場合には、労働者の安全を守る立場から、直ちに独自に調査をしていただくということが原則でなくちゃならぬと思うのです。今回のその調査を行ったというのは、私は、そういうあなた方の立場の反映だというふうに理解しておくけれども、それでいいかどうか、これが一つ。  それから、今回の告発の内容というのを新聞などで読んでみますと、給水加熱器のひび割れによる冷却水の漏れとか、フィルタースラッジの貯蔵タンクのオーバーフローとか、濃縮液貯蔵タンクからの廃液漏れとか、重大な事故がいろいろあっているわけですね。これは、いまのあなたの発言でも、労働省にもやはり報告もせずに隠しておったということになるわけです。そうすると、私は、単にこの告発者の方たちが言われたような原子炉等規制法だけではなくて、たとえば労安法の二十二条とか、電離則の四十二条あるいは四十三条ですか、こういうようなものにも違反するというような疑いが非常に強いのではないかと思うのです。  労働省は、今回の告発をそういう角度からも受けとめて独自に検討を進めるべきだというように考えますけれども、その見解をお示し願いたいと思います。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 御質問が二点あったように思いますが、初めの方は、事故が速やかに報告されなかったということについて、そういうようなことでよいのかということになるのかというふうに思うのですが、やはり事故というものは速やかに報告をしていただくということにもなっているわけでございますから、われわれとしては、事故が起こった場合には、できるだけ速やかに報告をいただくようにこれからも指導してまいりたいというふうに考えております。  それから二番目の、法令違反あるいは規則違反のようなものがあるかどうかという点につきましては、そういうような違反の事実があるかどうかという事実関係等につきまして、現在確認するという立場で調査に入っているということでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私が最初に言った点は、報告があるなしにかかわりなく、労働省としては働く人たちの安全を守る立場から、そういう事故などをキャッチした場合には直ちに飛んでいくという姿勢が大事だし、今回の場合、それをやったのは結構だけれども、そういう原則的な立場に立っておるのだなということを確認する意味でお尋ねしたんですよ。それはそうだろうと思うから、これ以上繰り返しません。  そこで、原発で働く労働者の安全の問題について私はもっと真剣な取り組みを、強くこの機会に望みたいと思っております。今回も下請労働者の方が放射性廃液をぞうきんやらバケツで処理したなんということが新聞にも載って、全国の人があきれたりするような事態があったわけですけれども、しかし原子力発電所の労働の実態、とりわけ下請労働者の人たちがどういう状態に置かれているかということを調べてみればみるほど、あの程度のことはあたりまえじゃないかという感じがするのです。特に、敦賀などは設備が非常に古く、汚染もひどい。私もいろいろな本を読んでみました。この「原発ジプシー」とか「原発死」とかいろいろこういう関係の本が出ていますから読んでみたのですけれども、やはり特に敦賀は、労働安全という点でも一番軽視、というよりも無視に近いような状態にあるのじゃないかということを痛感するわけであります。  私、たまたま地元の北九州市の隣に中間という町があるのですが、ここに早崎三男さんという方が住んでおられて、この方が仕事がないところに、楽でもうかるところがあるからと誘われて、この敦賀原発に五十四年五月から一カ月間行って、配管工としての仕事をしてきたということを聞いて、いろいろ手を回して話を聞かしていただいたのです。  この方が言うのには、自分もずいぶんひどいことをさせられた、と。御存じのように、この汚染の地域に入る場合には、ポケット線量計とかフィルムバッジとかアラームメーターとかいろいろなものを持って入るわけですけれども、炉心の作業をやって、もう十分かそこらもすればたちまち許容量を超えてピーピー音がし始めても、現場の監督から、他人のものを、はいっと言ってかわりに線量計なんかもらったりして、そしてさらに働かされたというようなことが、この早崎さん自身、この一カ月ぐらいの間に三回もあった。そして記入するときは、当然一日の許容量をはるかにオーーバーしているわけですけれども、百ミリを超えていても八十ミリ以下ということで書いておいてくれということで書いてしまった。自分自身は、そのときは別に痛いとかかゆいとかいうことは何にも起こらぬから、そしてまた、ほかの人もやっていたからやったけれども、いま考えてみると本当にぞっとする。特に一緒に行った人が、帰って鼻血がとまらぬというような状態で入院したこともあって、本当にぞっとする。以上のことについては、どこにでも出て私は証言する用意があるということまで言い切っていただいているわけです。  そこで、まずお尋ねしたいと思うのは、特にこの原子力発電所などの定期修理などをやるときには、ふだん二百人ぐらいのところが一遍に千二百人ぐらいにもふくれ上がるというようなことなのですが、そのために全国からこういうような下請の労働者の人たちを大量にかき集めてその仕事をやらせる。この人たちの実態について労働省としてどれだけつかんでいるか。数字だけじゃなしに、いま言ったようないいかげんな状態で作業をさせられているという実態があるという、現実にこういう証言もあるわけですけれども、どの程度こういう実態について調査をし、つかんでおられるか、あるいはまた指導しておられるかということをお尋ねしたいと思うのです。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 いま先生から御指摘があったような事実関係につきましては、私どもは、監督の際にチェックをするということになりますので、いま先生御指摘のような事実の一々について確認をするということは非常にむずかしい問題でございます。  しかしながら、原子力発電所で働いております労働者に関しましては、放射線の被曝管理ということがやはり最も重要な問題になりますので、その被曝管理の問題につきましては、立入検査のときなどにもいわゆる重点事項として、労働者に被曝管理がきちんと行われているかどうかということについてはかなり厳しく指導してきているということがございますので、その限りでは私どもは相当重点的にそういうことの徹底を図ってきている。  ただ、先生おっしゃいますように、いろいろと書かれている本などには、こういう実態がある、ああいう実態があるということが出てまいりますけれども、その個々につきましては、現実に私どもの監督という手法では、なかなかそういうような事実にぶつかるということはむずかしい問題がございます。ただ、そういう本に書かれているような事故隠しというようなものがもしあるのであれば、あるいは労災隠しというようなことも書かれておりますけれども、そういう事実があれば、そういう点については、私どもの方は、相当重点的に監督をする業種にもなっておりますので、そういうこととあわせて、そういう事実があれば厳しく対処してまいるというような姿勢で臨んできているわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 企業が電離則違反などで是正勧告や処罰などを受けたという事例はほとんどないというふうに聞いているのですが、実際にどの程度これまで件数があるか。そして、いまなかなかそういう実態をつかみにくいのだというふうに言われたのですが、私が申し上げたように、こういうふうに証言するというふうに言っておられる方もいるし、あるいはこういうような本ははっきり著者も自分の名前を名乗っているわけですね。こういうようなのも一つの端緒にしてぜひともそういうところにメスを入れて、一罰百戒と言いますけれども、こういうように別の人の線量計などをくれて、そしてもっと働けというようなことをやらせたような企業に対しては厳しく処罰をするというようなことが、こういうことをなくしていく上で非常に重要じゃないかと思うのですよ。こういうようなことを端緒にしてでもそれをやるというぐらいの姿勢も示していただく必要があるのじゃないかと思うのですが、その点も含めてどうです。

岡部晃三労働省労働基準局監督課長

○岡部説明員 原子力発電所につきましては、定期検査時等をとらえまして重点的に監督指導を実施しているところでございます。  その際の安全衛生関係あるいは労働基準法関係の法違反の状況ということを見ますると、たとえば昨年におきまして監督指導を実施した三百十三事業場のうち、安全衛生関係について見ますと、十九事業場において法違反が発見され、是正勧告を行ったところでございます。(小沢(和)委員「電離則のですか」と呼ぶ)これは安全衛生法全体でございます。(小沢(和)委員「こっちは電離則違反を聞いているのですよ」と呼ぶ)  電離則違反につきましては、たとえば昭和五十四年は三件、五十五年は四件の違反がございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 もう一つの、こういうようなことを端緒にしてでもメスを入れる決意があるかということについてはお答えになっていないのですが、もう一つ続けて質問をしたいと思うのです。  いま私の話の中で、一緒に行った人が鼻血が出てとまらぬようになってあわてて入院したという話をしましたが、この方は労災の裁判を起こそうとしたのですよ。そうしたら、日立の曽孫請ぐらいに当たる仕事をこの人たちはしていたわけなのですけれども、この下請の会社から治療とか生活など一切めんどうを見るからとにかくそういうような裁判なんかやらないでくれというようなことを言われて、結局和解をしてしまったというふうに聞いたのです。  それで、こういう放射線の障害などの関係で労災と認定をされるというケースもほとんどないというのが実態だということを聞くのです。いま言ったようなもみ消しをされているというふうに聞くのですけれども、放射線関係で労災と認定されたケース、これは原発というふうに限定しておきたいのですが、どれくらいあるかということもお尋ねします。

林茂喜労働省労働基準局補償課長

○林説明員 お答えします。  原子力発電関係におきましては、現在のところ労災の認定はございません。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 いま言われたとおり、ない。それから、前の電離則違反もきわめてわずかな件数。ところが、こういうようなもので書かれている実態というのは、もう違反だらけだというふうに言っていいのが現実だと思うのです。  これはどうしてもその実態に対してもっともっとメスを入れていただくということをこの機会に強く要求したいと思うのです。この点については大臣に一言決意を伺っておきたいと思うのですがね。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 原子力発電所でお働きになられる方の作業場の安全を守るということは非常に大切な問題でございまして、私ども今日のエネルギー事情というようなものを考えてみましても、これからかなり長い間原子力発電に頼らなければならぬ、こういう実情にあるわけでございますから、そういった大切な原子力発電所が危険な作業場であるというような印象を与えるということはとんでもない話でございまして、私どもは原子力発電所というところがきわめて安全の高い作業場であるということが言われるぐらいりっぱな作業場になってもらいたい、かような指導をしてまいります。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私が先ほど話を直接聞かせていただいた早崎さんという方の話なんですけれども、自分たちはいわゆる安全教育というのをほとんどやられないで作業につかせられた。だから何となく不安はあったけれども、やはり言われたとおりにやっていれば間違いないんだろうということでさっきのようなことも平気でやったと言う。だから、どうしても安全教育をきちっとやってもらわなくちゃいかぬ。そして、そのためには労働省が統一したマニュアルをつくって、それをきちっとやらせるというぐらいの責任のある態度を示すべきだというふうに私は考えるわけですが、この点はどうかということを一つお尋ねをします。  それからもう一つ引き続いてお尋ねしたいのは、この教育を受けた人だけが放射線従事者中央登録センターに登録され、手帳の交付を受けてそういう危険なところで仕事をすることができる。ちょうど自動車の運転をする場合のように運転免許を取るためにいろいろ実技やら学習やらをやって試験通ってというように、今度の場合は試験まで通せとは言いませんけれども、そういうようなことをやってきちっと登録をし手帳をもらったという人以外は、こういうところでは働かせないようにするということがどうしても必要になってきているんじゃないかと思うのです。  この点について、私は提案を含めて質問をするわけですが、どうでしょうか。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 いま先生御指摘の点につきましては、実態としては先生おっしゃるとおりに多分なっていると思います。と申しますのは、労働者を雇い入れましたときには、その雇い入れ時の教育というものをやらなければならない、これは安全衛生法の第五十九条にございますし、また教育の受講が確認されませんと、原子力発電所の方でも管理区域の中に実際に入れさせないというようなことになっているように私ども受けとめておりますので、現実に教育を受けないと管理区域の中での就労ができないという実態があるように思います。  それから、後段の特別教育を義務づけるべきではないかという先生のお話でございますが、放射線業務に従事をいたします労働者の被曝の低減を図るという意味で、画一的な教育というものを改めて義務づける必要があるかどうかという問題に恐らくなるのではないかと思うわけでございますが、いま申しましたように、雇い入れ時の教育というものが一応担保されませんと管理区域の中に入って作業ができないという実態。それから、事業場におきまして自発的に選任をされております放射線管理の責任者という者もいるわけでございますので、そういうものをあわせまして放射線管理の徹底を期するということで、実効上の担保は現実にされるということになるのではないかというふうに私ども理解をいたしておるというところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 いま実態としてはそうなっているというふうにあなた言われましたけれども、私は五十四年五月に現にそういう手帳も何にもなしでどんどん入って仕事をやってきたという人の事例を二人分、私の地元でそういう人がおるということを言ったのですよ。さっき言いました登録センターというのはもうそれよりも大分前から仕事を始めていたわけですから、もうこのころにはそういうような体制というのは、私は軌道に乗っていなければおかしい時期じゃないかと思うのですね。だからこの点については、いまあなたはそうなっているはずだと言われたけれども、そうなっていないのが現実なのだ。だから質問をしているわけなのですよ。その点については、もしまだ説明をする点があれば後でおっしゃっていただきたい。  それで、新しい質問を引き続いて申し上げたいと思うのですが、原発で働いている労働者の健康について調査と分析をぜひ労働省の責任で至急やってもらいたいということです。かつて国会で、この原発で働いている人たちの発がん率が異常に高いということが問題になったことがあります。それで、そのとき厚生省の佐分利公衆衛生局長も、がんの死亡率が一般には二〇%程度であるのに原発関係者は五〇%近い、脳や心臓などの、被曝と関連のある病気の死亡率も高いということを認めているわけであります。国際的に見ても、こういう点についてはいろいろな研究の報告がなされておることは御存じのとおりです。アメリカのマンクーゾ博士が、ハンフォード原子力施設で働いていた、たしか二万数千人の労働者についての三十三年間のデータを追跡したものがアメリカの下院で報告されておりますけれども、これを見ると、これらの労働者全体としては年間平均被曝量が三百ミリレム、平均集積線量は一・七レムぐらいなのですけれども、がんの死亡率は七ないし八%高いわけであります、いまの一般の人たちに比べて。そういうのから計算すると、年間五レムで一年間働いたときのがん発生率は、当初は二千分の一というように計算されておったものが百五十分の一ぐらいになる、けた違いにひどいというようなことがこの報告の中でも言われている。どうしても、こういうような危険度がいろいろ指摘をされている。  わが国でもこれだけ大量に原発が動き、そこで働いている人たちがたくさんおられるという実態から考えてみるならば、こういうような点について真剣な調査が、また分析がなされるべきではないかと思うのです。こういうような点について実際に調査をされているか、また調査をされていないとすれば、するべきではないかということを私は提案しますけれども、どうでしょうか。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 先生御指摘のように、アメリカのマンクーゾ報告あるいはゴーマンの研究といったようなことで、相当微量でも発がんの問題があるのではないか、そういう研究事実があるということは、私どもも承知をしているわけでございます。  ただ、私どもが現在法令で定めております被曝の限度というのは、これはもう先生よく御承知のように、国際放射線防護委員会において、各国の専門家から選ばれた委員が一つの勧告を出した、そのレベルで定めているということでございます。したがいまして、被曝の限度につきまして、非常に低いレベルでも問題があるのではないかという研究があること自体は、私は、それはそういうことがあるということは認めますけれども、そのような幾つかの研究と申しますか、ある分野の研究の結果のみで云々するということは非常にむずかしいのではないかと思います。  それから、がんの調査の問題につきましては、先ほど補償課長の方から御説明もありましたように、少なくとも業務に起因するというものが現在発見されてないという事実もございますので、いろいろな情報の蓄積を待った上で考えるということではいかがであろうかというふうに思っております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 いろんな情報をもっと集中してからということは、つまりいまはやる意思がないということに結局なると思うのですね。私は、もうこれだけ長期にわたって原発が動いて、たくさんの労働者がそれに関係している。しかも非常に危険な実態があるということが、いろいろそういう研究発表があるとすれば、日本でももっと緊急にこれはやらなければならない時期に来ているということを強く指摘し、また要求したいと思います。  そしてまた、私はもう一つ申し上げたいのは、許容線量の見直しです。  御存じのとおり、いまの電離則で定められている水準というのは、これは一九五八年に国際放射線防護委員会が勧告をした水準のものであります。ところが、この国際放射線防護委員会自身もその後考え方を改めて、年間五レムまでということで、翌年以後、ことし被曝量が比較的少なかったから来年はちょっと多くてもいいというような運用は一切してはならぬという考え方に立つようになっている。最近ではその五レムでも高過ぎるという議論も盛んになってきている。この防護委員会自身も、放射線はこれ以下なら安全という医学的な明確な根拠はない、要するに低くてもいかぬ、それはふえればもちろんますますいかぬので、まあ一定のところで線を引かなければいかぬから線を引いているという性質のものだというようなことも言っているというふうに私は承知をしているわけですけれども、そうであればなおさら、こういうように全体としていまどんどん、この被曝の許容量といいますか、それをいま引き下げてくるというような状況が国際的にもあるわけですから、ぜひわが国でも見直していくべきだというふうに考えるが、この点どうか。そしてまた、年間五レム、三カ月で三レムということだけが法律でうたわれているわけですけれども、これ以下の、一日にどうかというような基準になりますと、これは電力会社などの規則というものに任されている。ところが実際には一日百ミリレムというようなものが下請労働者などが被曝をする場合の基準になって、かなりひどい状態というのが生まれるわけです。だから、こういうようなものについても、私はぜひ法律などに積極的に盛り込んでいくということが必要ではないかというふうに考えるわけです。  この点、全体として見直してもらいたいということと同時に、こういう一日あるいは週幾らというようなものについても、再検討した上で電離則の中にはっきり盛り込んでいくべきだという点については、どうお考えになっているか、お尋ねをします。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○林部説明員 年間の被曝線量につきましては、先生が先ほどおっしゃいましたように、一応私ども電離則の中で五レムという限度を想定をしておるわけでございますし、むしろ、先ほど先生のお話にも出てきました、三カ月につき三レム以内ということの方を運用上は特に重視をいたしております。  それで、先ほど先生がおっしゃいました一日における被曝線量が百ミリ云々のくだりは、電離則の二十一条の定めがございまして、一日における被曝線量が百ミリレムを超えるおそれのあるものにつきましては、特にその確認についてやかましく規定をしているというようなことがございますので、現実に放射線業務に従事する場合には、相当局レベルの被曝線量が想定される場合でも、その百ミリの八割以内とかいうようなことで、計画的にできるだけ過大の線量をかぶらないように、ポケット線量計などにアラームがついているような場合には、そういうような低いところにセットをして作業するというような工夫が現場においては行われておるわけでございますし、私どもも、この三月三レムというような問題につきましても、それだけ浴びてもいいということではなくて、できるだけ作業の計画なり作業の方法によって被曝の線量を少なくするということで指導もいたしておるということでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 残念ながら時間がありませんから原発の関係はそれくらいにして、次に看護職員の妊娠中及び出産後の夜勤の免除の問題でお尋ねをしたいと思います。  深夜業に従事する看護職員や電話交換手には妊娠中や出産時に異常が非常に多いということについては、労働基準法研究会の報告の資料などを見ても歴然としておると思うのです。また、私がいただいている日赤病院関係などの調査結果もそのことを裏づけております。  そこでまずお尋ねしたいのは、労働省は夜間三交代労働に従事する看護婦さんなどのこのような実態について調査をしたことがあるかどうか。

高橋久子労働省婦人少年局長

○高橋(久)政府委員 お答えいたします。  対象は限られておりますけれども、労働省の婦人少年局は昭和四十七年十一月から四十八年三月にかけまして、東京都内を中心とした大都市及び近郊の産院で出産した勤労婦人につきましてこのような調査を実施しております。またその同じ時期に家庭婦人等について調査をしたものとの比較等も行いまして、その結果に基づいて、深夜業等に勤務するこれらの婦人につきましては、妊娠、出産等の異常が発生しないようにいろいろな対策を講じているところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 いや、私は調査したことがあれば異常が多いという結果が出ていることを確認をいただきたかったのですが、それは確認いただくまでもないと思いますから、先へ行きます。  七八年十一月に発表された、先ほど私もちょっと触れました労働基準法研究会の報告の方には、こういう資料などの実態も踏まえて「原則として妊娠中の深夜業は禁止すべきである。」というふうに述べ、また「産後の一定期間の深夜業の禁止は、母体の健康面だけでなく生まれた子の哺育の観点からも認めるべきであろう。」というふうに言っているわけです。  こういう指摘を踏まえて、労働省としては妊娠中及び出産後の看護婦の夜勤を免除させるような対策を具体的に講じているかどうか、これをひとつお尋ねしたい。  それからまた、労働基準法の六十五条三項には、「使用者は、妊娠中の女子が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。」ということを規定しているわけですけれども、実際にこういうような請求があった場合には、たとえば昼間の勤務あるいはまた材料室などへ配置がえをするとかというようなことを、これはもう当然講じなければならないのが労働基準法上の義務だというふうに理解するけれども、そのとおりかどうか。

高橋久子労働省婦人少年局長

○高橋(久)政府委員 労働基準法の六十五条第三項には、「使用者は、妊娠中の女子が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。」というふうに規定しております。したがって、妊娠中の女子が他の軽易な業務への転換を請求した場合には、使用者はこれに応じなければならないということでございますので、労働省といたしましては、この項目はもとより、労働基準法に定める母性保護規定が守られるようにということで、監督、指導等を行っているところでございます。  また、先生がおっしゃいました妊娠中の女子については深夜勤務を免除するということ等につきましては、労働基準法の規定のほかに勤労婦人福祉法によりまして母性の健康管理の充実を図っているところでございまして、指導基準を設けまして、その指導基準に従って指導を行っております。そのために各事業場に母性健康管理推進者の設置を勧奨するのと同時に、各婦人少年室には母性健康管理指導医を配置してこれらの指導基準が守られるように、これを事業主に対して指導しているところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 いまお話があったとおり転換させることは法的な義務としてうたわれているわけですが、実際の現場ではこの転換を要求しても人員不足などでできないというような状況などもあるということを私は聞いているわけです。  厚生省に、国立病院あるいは療養所などではどうなっているか、どの辺がネックなのかということについて、一言お尋ねをしておきたいと思います。

田中健次厚生省医務局管理課長

○田中(健)説明員 お尋ねの国立病院あるいは療養所におきます看護婦さんのまず産後の勤務でございますけれども、これにつきましては私どもはおおむね六カ月は夜勤を一律に免除することにしておりまして、このため産後の病棟勤務者につきましては外来部門あるいはまた中央材料室、手術室等の夜勤を必要としない部署に配置することにしておりまして、また妊娠中の者に対しましても産後の方と同様の勤務の軽減またはほかの軽易な業務につかせるように指導しております。またこのほか、出産後一年以内の女子職員につきまして請求があった場合には、これは人事院規則でございますけれども、その趣旨に基づきまして、その者の業務の軽減あるいはほかの業務につかせることにしておりまして、私ども、国立病院・療養所につきましてはこうしたことで母体の健康の維持はおおむね適正に図られているのではないかというふうに考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 どうも時間が来てしまったようですから、労働省の職安局の方にもお見えになっていただいているので、一問だけ障害者の共同作業所への助成のことをちょっとお尋ねして終わりたいと思うのです。  いままで私どもはこの共同作業所への助成については主に厚生省サイドで助成を強めてくれることを要求してきたわけですが、労働省のサイドでもこれをぜひ考えてほしいということを言ってきたわけです。実際障害者の人たちが自分たちでお金もつくったりして資材を買ったりとか、大変な苦労をしていることは私がいろいろ申し上げるまでもないと思うのです。そこで、労働省サイドで雇用の納付金などを活用できるような道を開いていく上では、一体どういうような要件をこの共同作業所が持つようになったらそういう道が開けるかという点について一言だけお尋ねをして終わりたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 先生のお話は、身体障害者雇用納付金制度の対象として共同作業所に助成ができないかということでございますが、先生も御案内のとおり納付金制度と申しますものは、雇用率未達成の事業主からその経済的負担の調整を図るために納付金を納めていただいて、雇用率以上に多数雇用している事業主に対する調整金とか、あるいは新たに身体障害者を雇い入れることを助成する、そのためのお金に使う、こういうふうに法的になっておりますので、雇用関係のないところに助成するということは法的に無理がございます。  いわゆる共同作業所というものは、その名前にこだわらずに、雇用関係というものがきちっとできておるというところについては助成ができるということで、すでに四件くらい、共同作業所というような名前のもとで発足いたしましたものについても、雇用関係がきちっとしておるものについては、私ども助成をいたしておるところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 終わります。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 次回は、明後十四日木曜日午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時十分散会

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