社会労働委員会 第8号
- 発言数
- 271 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/04/14
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。園田厚生大臣。
○園田国務大臣 ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 所得保障の中心である年金制度を初め、児童、母子家庭、心身障害者に係る諸手当の制度については、従来より充実に努めてきたところであり、国家財政の再建が課題とされている最近の財政状況下にあっても、老人、障害者等に対しては適切な配慮がなされる必要があります。 今回の改正案は、このような趣旨にかんがみ、福祉年金及び諸手当について、昨今の社会経済情勢の動向に対応し、必要に応じた給付の改善を行うとともに、厚生年金等の拠出制年金について物価スライドの実施を繰り上げて年金額の引き上げを行うこととし、これらの制度の充実を図ろうとするものであります。 以下、改正案の内容について概略を御説明申し上げます。 第一に、福祉年金の額につきましては、昭和五十六年八月より老齢福祉年金を月額二万二千五百円から二万四千円に、障害福祉年金を一級障害について月額三万三千八百円から三万六千円に、二級障害については月額二万二千五百円から二万四千円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金を月額二万九千三百円から三万千二百円に、それぞれ引き上げることとしております。 この改善につきましては、必要に応じて重点的な給付の改善を行うという考え方のもとに、老齢福祉年金について、扶養義務者等の所得に比較的に余裕がある場合は、改善額の一部の支給を停止することとしております。 第二に、昭和五十六年度における物価スライドの実施時期を、厚生年金保険及び船員保険については昭和五十六年十一月から同年六月に、拠出制国民年金については昭和五十七年一月から昭和五十六年七月に、それぞれ繰り上げることとしております。 第三に、児童扶養手当等の額につきましては、福祉年金に準じて本年八月から児童扶養手当の額を児童一人の場合月額二万九千三百円から三万千二百円に、特別児童扶養手当の額を障害児一人につき月額二万二千五百円から二万四千円に、重度障害児一人につき月額三万三千八百円から三万六千円に、それぞれ引き上げるとともに、福祉手当についても月額九千二百五十円から一万円に引き上げることとしております。 また、児童手当の額につきましては、低所得者に支給する児童手当の額を本年十月より月額六千五百円から七千円に引き上げることとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○山下委員長 これにて趣旨説明は終わりました。 ————◇—————
○山下委員長 内閣提出、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池端清一君。
○池端委員 まず最初に、中小企業退職金制度の加入の状況、普及の実態についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。 中小企業退職金制度が創設されましたのは昭和三十四年でございます。すでに二十二年を経過しておるわけでありますが、今日その加入の状況がどのようになっておるのか、お伺いしたいと思います。 また、特定業種といたしまして、昭和三十九年に建設業が、また四十二年に清酒製造業において、それぞれ退職金制度が設けられたわけでありますが、これらの加入の実態についてもあわせてお尋ねをしたいと思います。
○寺園政府委員 中小企業退職金共済制度につきましては、先生御指摘のとおり、一般の中小企業の常用労働者を対象にいたします制度と、それから期間雇用者を対象といたします特定業種の退職金共済制度と、二通りございます。 一般の退職金共済制度の加入の状況でございますが、五十五年十一月現在において、加入事業主数は二十二万五千七百七、被共済者の数は百八十万三千四十八人となっております。 特定業種退職金共済制度のうち、建設業退職金共済制度について、五十五年十二月現在の数字を申し上げますと、加入事業主は九万九千百七十七、被共済者の数は百四十一万三千三十四人となっております。 もう一つの清酒製造業退職金共済制度、これも五十五年十二月現在の数字を申し上げますと、加入事業主は三千百二十、被共済者数は四万二千三百五十三人と相なっております。
○池端委員 いま加入の実態の御説明がございましたけれども、加入率という面からはどうでしょうか。特に一般の制度の従業員一人から四人ないしは五人から九人といったいわゆる零細企業における加入率はどのようになっているか、これが大きなポイントだと思いますので、あえてお尋ねをいたします。
○寺園政府委員 加入率を計算いたしますときの基礎になります対象となり得る事業所数を的確に把握する資料がございません。規模別に区分した企業数というものを統計上はっきり示したものがないわけでございますが、事業所センサスをもとに推計をいたしまして、それを母数といたします加入率を申し上げてみますと、一般の退職金共済制度につきましては、全体では一〇%弱でございます。内訳といたしまして、先生御指摘の小規模のところでございますが、一−四人規模につきましては加入率五・五%、五人から九人の規模におきましては一五・七彩と相なっております。また、特定業種につきましては、建設業退職金共済制度につきましては四〇%強、清酒製造業退職金共済制度につきましてはほぼ一〇〇%の加入状況ということに相なっております。
○池端委員 いまの御説明によりますと、中小企業退職金事業団に加入している事業は、全体の中小企業に対する割合で見ると一〇%弱、一割にも満たない状況であるということでございます。特に、中小企業の中でも圧倒的多数を占める従業員一名から四名の規模の企業が五・五%と、きわめて加入率が悪い、こういう状況でございます。もちろん独自の退職金制度を持っておられるところ、あるいは他の制度に加入しているところもございますので、この数字だけで一面的に論じられない、そういう面もあると思うのでありますが、しかし、やはり全体を通して見まするときわめて不十分である、こういう状況だと思うのであります。百年河清を待つという言葉がございますが、これでは一体いつになったらこの制度が広く行き渡って、中小企業に働く労働者の福祉の増進や労働条件の改善が行われるのか、非常にまあ暗然たる思いに駆られるわけでございます。 このように、すでに制度が発足して以来二十二年経過しておりながらこういう状況だ。事態が一向に進展しておらない。その要因は一体どこにあるのか、障害点は一体那辺にあるのか。この点についてどのようにお考えになっておるのか、その見解を承りたいと思います。
○吉本(実)政府委員 先生御指摘のような状況でございますが、本制度はもともと企業におきます独自の退職金制度を設けることが困難な中小企業を対象として設けられているわけでございます。 ちなみに、いわゆる民間での独自の退職金制度の普及状況を見ますと、本制度の発足当時の三十年代前半におきましては、中小企業、ここでは統計上三十人から九十九人の状況しか把握できませんが、そういった規模におきます一般の退職金制度の普及状況というものが大体五六%程度あったわけでございますが、現在では約九〇%に上昇をしているわけでございます。こういったように、一般の民間におきます退職金制度が独自にそういうように増加してきたということにつきましては、本制度が補完的な制度をとりながら、政府としてこういった退職金制度を設けたという一つのことから来ている役割りもあるのではないかというふうに考えているわけでございます。 しかしながら、先生御指摘のように、一般に退職金制度のおくれている分野、たとえば規模で見ますと、先生御指摘のような小零細企業、また産業別に見ますと小売とかサービス業、こういうところでございますけれども、こういうところは、やはり一般もそうでございますが、われわれの中小企業退職金制度そのものの普及も、御指摘のように十分とは言えない状況にあるわけでございます。 これについて、その理由についていろいろ検討しておるわけでございますが、いろいろございますが、一つは、やはり基本的にはこの制度は任意制度だということであることが基本にございます。それから、こういったおくれている分野におきます就労の実態あるいは各企業の負担割合、こういうこと等を考えますと、なかなか本制度への加入をむずかしくしているという面もあるわけでございますけれども、私どもの反省の主たるところは、やはり本制度がそういう末端のところまで十分に浸透しておらない、そういったところに大きな原因があるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○池端委員 いま御答弁ありましたが、この共済制度が任意のものであって強制力を持たないという点にも、私は制度上の大きな問題もあると思います。それから中小企業の経営基盤の不安定というようなものもあるかと思うのでありますが、しかしそれは中小零細企業に対する政府の施策の不十分さに起因するものであるというふうに言わざるを得ないと思うのであります。 しかしながら、わが国の労働者の圧倒的多数はこの中小企業に働く人たちでございます。この人たちの生活の安定なくして中小企業の伸展、安定もあり得ないし、ひいてはわが国経済の発展もあり得ない、こういうふうに思うわけであります。そういう意味から、この中小企業における退職金制度の確立、これはきわめて重要な役割りを持っているというふうに思うわけであります。 したがって、いまお話がありましたようなきわめて不十分な現状を打開するためには、今後政府としてはどのような姿勢でこれに対応されようとしているのか、その辺の具体的な方針をひとつ承りたいと思うのであります。
○吉本(実)政府委員 御指摘のように零細企業におきましては退職金制度そのものの普及が十分でない上に、本制度につきましても、先ほどの御指摘のように企業規模一−四人のところでは五・五%というような状況でございまして、中小企業全体の平均が約一〇%でございますが、それを下回るような状況にあるわけでございます。そこで今後本制度につきまして、こういった不十分な分野におきますところを最重点といたしまして、計画的な普及活動を行っていこう、こういうふうに考えているわけでございます。 従来からも毎年十月には加入促進月間を設けまして、集中的な加入促進運動あるいは加入促進につきまして功労のあった者に対する表彰を行ったり、あるいは中小企業退職金事業団、ここが実際の事務を取り扱っておりますが、ここを中心といたしまして、資料の提供なり加入の相談あるいは説明会等を催して、こういった普及に努めているところでございます。そのほかいわゆる普及活動といたしまして、テレビ、ラジオ、新聞等の報道活動あるいは地方公共団体に対しますいろいろな要請、また委託金融機関におきましてそれぞれ計画的な加入促進を図るようにいろいろ依頼をしているところでございますし、また事業主団体、たとえば商工会議所等に対しまして、いろいろ加入促進のための意向調査等を含めたいろいろな委託事業も行わしているところでございます。 こういったようなことで、私ども、いろいろ困難ではございますが、こういった方面の改革をしていこうというように考えておりますし、今後はさらにこういった普及を計画的に行うことといたしている次第でございます。
○池端委員 大臣、ここに去年の九十一回国会の会議録があるわけですけれども、ここでもこの法案が審議をされているわけであります。ここで言われていることと、いま局長が答弁されたことは全く同じなんですね。本当に同じことを言われている。もちろん同じ制度だから同じことを言うのはあたりまえだというふうにおっしゃるかもしれないけれども、しかし私は全然進歩がないんじゃないかと思うのであります。強力にPR、加入促進を図ってまいりたいということも言われている。もっと親切に、かつ強力に行政指導をしなくてはならない、こう考えている、こういうふうにもおっしゃっている。あるいは当時の藤波労働大臣は、仏つくって魂入れずでは困る、強力に加入促進に努めていくように最大限の努力をいたします、ということを政府は言い切っているわけであります。しかし、現実には昨年は加入率は九・五%です。ことしはいまお聞きしましたら一〇%未満。私の計算によりますと九・七%、わずかに〇・二%の増にとどまっている、こういう状況ですね。これを二十二年間今日まで繰り返しているわけであります。 したがって、私は大臣にお尋ねをしたいのですが、本当に熱意を持って事に当たっているのだろうか。これほどきわめて重要な問題、中小企業に働く人たちの労働条件としては不可欠の問題であります。こういう問題に熱意を持って対処しておられるのだろうかどうかということは疑問ありとせざるを得ないわけでありますが、ひとつ労働大臣の所信のほどを承っておきたいと思うのであります。
○藤尾国務大臣 先生から非常に厳しい御批判をちょうだいいたしたわけで、私が労働大臣になりましてからも、こういった大事な日本の国の産業を支えておりますような中小企業にお働きの皆様方の退職金制度が確立していない、本当に何をやっておるんだ、こういうことを言われればお答えのしようもない、ただ恐れ入るばかりでございますけれども、実際に考えてみまして、いま政府委員から申し上げましたとおり、ともかくもお働きの人数が一−四人というような非常に零細なところのお店の御主人は、こういった掛金も相当な負担であるという事実がそこにあろうと思います。こういった方々の基本的な経営基盤といいまするものをもっと強固にするという、基本的なこれとも関連を持つ大もとをしっかりさせなければ、こういった退職金制度といえどもこれだけが離れて進んでいくというわけにはいかぬのじゃないか、かように、決してその責任をどこかに持っていこうというのじゃなくて、本当にそのように私は感じます。 したがいまして、基本的には政府といたしましても、私どもはもとよりでございまするけれども、通産省中小企業庁というようなものが中心になりまして、いままでの中小企業対策と言われて推進をされておりまするものと並行いたしまして、あるいはそれ以上にこういった制度の拡充のための努力をしていかなければならぬ、私はかように思います。 少なくともこれは補完的な措置でございますから、これだけで退職金を確立をしようというわけじゃございませんから、一〇〇%というわけにはなかなかまいらぬだろうと思いますけれども、少なくとも私どもの努力によりまして、ここ二、三年あるいは四、五年の間には、一〇%というようなことでなくて、三〇%や三五%くらいのところにはやはりこれを進めていかなければならぬ、そのためにはただいま御指摘のとおりの、中小企業御経営の皆様方に徹底的にお勧めできるようなそういう広報を徹底する必要がある、私はかように思います。 政府は、総理府の中にこういった広報機関も持っておりますし、また広報の予算もかなり持っておるわけでございますから、そういった広報の中に、このように生活に密着をしそしてお働きの皆様方、つまり国民の将来の安定のために役立てなければならぬ、そういったことを、制度といいまするものがどこにそんなことがあったのかと言われるようなことではこれは話にも何もならぬわけでございますから、私からも誓って総理府総務長官等と総理大臣にも官房長官にも申し上げまして、そういった広報手段をできるだけ多用をいたしまして、どんな話の中にも、そういう制度があってそれに御加入願うことが非常に大事だということで、必ずその広報ができるように努めてまいります。 これを申し上げる以外に私どもといたしまして、これは任意の加入団体でございますから、どうしても入れと言って首になわつけて引っ張り込むというわけにもなかなかいかぬ面もございますから、これは今後とも御叱正をちょうだいいたしながらそのような努力を着実に続けていく以外にないのではないか、かように考えておるわけでございます。
○池端委員 いま大臣から言われましたように、中小企業経営、こういう大もとをしっかり固めるということがやはり重要でございますので、そのことと同時に、あわせて、いま大臣が言われたように、広報活動を初めとするあらゆる手段、あらゆる方法を駆使してぜひともこの加入の促進に一段と努めていただきたい、このことを強く要望申し上げておく次第でございます。 次に、この中退金制度、中小企業に働く労働者の福祉の増進、ひいては中小企業の振興に寄与するという観点から、私はその存在をきわめて積極的に評価することにはやぶさかではございません。しかしその反面、この制度はまた欠点、弱点も持っているわけでございます。たとえばこの退職金制度というのは労働条件でございます。賃金や労働時間と並んで労働条件の大きな柱でございますが、労働条件であるこの退職金制度というものに加入するかどうか、あるいは掛金を幾らにするかどうかということは、事実上事業主の一方的な判断にゆだねられている。労使対等での決定の原則というものがここでは無視をされているわけでございます。また、労働者に対する直接貸し付けを含めた労働者福祉も十分活用されておりませんし、資金運用について労働者の発言力も何らございません。そういう問題点を持っているわけであります。 したがって、こういう弱点を、欠陥を克服するためにも、この運営に当たっては受益者である労働者の意見が十分反映できるような方途というものがぜひ講ぜられなければならない、意見、意向が十分反映できるような配慮がなされなければならないと思いますが、この点について今日までどのように対処されておりましたか。その経過についてお尋ねをしたい、こう思うのであります。
○寺園政府委員 本制度は、事業主が掛金を掛けまして、それを運用し、従業員が退職したときに退職金を支給するという制度でございますから、本質的に労使が相対立するという制度ではないというふうに考えております。ただ、先生御指摘のように、退職金といいますのは、賃金、労働時間と並んで大変関心の高い労働条件の一つでございますから、この制度が労働者の意向も十分反映された形で制度として運用されることは必要なことであろうかと思っております。 この制度運用に当たって御審議いただきます中小企業退職金共済審議会の委員の任命に当たりましても、実質上、公労使三者構成にいたしまして、各側の意見が十分反映されるような形で制度の運営についての検討がなされておるところでございます。 また、中小企業退職金共済事業団の具体的な運営に当たりまして、労使の意見がより十分に反映されるようにという観点から、昭和五十年に参与制度というのを事業団に設けております。この参与制度は、労使各二名から構成される制度でございますが、審議会あるいは参与制度というものを通じて、受益者であります労働者の意向を十分吸収しながら、この制度の運営に当たっておるということでございます。
○池端委員 いまお話ありましたように、確かにこの制度は、全額事業主負担の制度でございます。しかしながら、やはり受益者である労働者の代表の意見というものが運営上十分反映されなければならないというふうに私は考えるわけであります。 そこで、従来この特定業種退職金共済組合に評議員会という制度がございました。この評議員会の構成を見ますると、建退共の方は全員で六十九名。その内訳は、各県の建設業協会の会長が四十四名、大手建設会社の社長ないし会長が九名、学識経験者として大学の先生を初めとする方が五名、それから一人親方というのですか、この一人親方の協会の代表の方が十名、純粋に労働者の代表と言えるのは、わずかに全建総連の方が一名名前を連ねているにすぎない。清酒製造業の方においても同じようなことが言えるわけでありまして、三十七名の評議員のうち、三十四名までが各都道府県の酒造組合の組合長、ほかに学識経験者が二名、受益者代表としては杜氏組合連合会の会長さんが一名加わっているという状況でございます。 そういうふうに見ますると、いま審議会その他でいろいろ労働者の意向が反映できるような道を講じているということを言われたわけでありますが、私は制度的にはきわめて不十分ではないか、こういうふうに思うわけであります。単に労働者の意見を聞きおくといったようなものではなしに、きちっとその意見が中身に反映されるような状況になっていなければならない、こういうふうに思うわけでありますが、改めてその点についてお尋ねをしたい、こう思うのであります。
○寺園政府委員 評議員会の構成は、先生おっしゃったような形で構成をいたしておりますが、先ほど申し上げました、受益者である労働者の意見を制度の運営、あるいは事業の運営に反映をさしていくということは、まさに先生がおっしゃいましたように、それらの方々の意向を十分受けとめて、そしてそれが事業の中に具体的に反映されるという形であって初めてその意向の反映ということに相なろうかと思います。審議会におきましても活発な議論の展開がなされておりますし、参与会におきましても、有益な意見の交換、開陳がなされておるというふうに承知をいたしておるところでございます。
○池端委員 法案の中身についてお尋ねをいたしますが、今度の改正案では、従来あった評議員会の制度が消えているように思うのであります。これは私の読み違いかどうか、ひとつお尋ねをしたいと思うのでありますが、この制度というものを外した理由は一体何なのかということが一つ。 それから、従来の理事会にかわって運営委員会というものを設けるようになっているようでありますが、この運営委員会の構成に、私がただいま申し上げたような受益者である労働者の代表を加える意思はないかどうか。 それから、従来参与制度みたいなものを設けておったようであります。これは理事長に対して直接意見具申をする機関であるということでございますが、今度新たにできますこの特定業種退職金共済組合についても、こういう参与というものをきちっと設ける意思があるのかどうか、その点についてもお尋ねを申し上げておきたいと思います。
○寺園政府委員 特定業種退職金共済制度は、いわば業界退職金制度でございます。業界の意向を十分くみながら、また業界の協力体制を確保しながら運営して初めて十全の運営がなされる制度でございます。そのような観点から、現行法におきましては、特定業種ごとに組合をつくり、業界の代表の方を非常勤理事に任命をし、また先ほど先生がおっしゃいましたように地方代表などを幅広く含めた評議員会を設け、意見を聞くというシステムをとっておるわけでございます。 ところで、今回の法案におきましては、そのような各業界の意向を十分反映する、また業界の協力体制を確立をするという必要性は、統合されました新しい団体においても必要な要件でございます。それを確保いたしますために、新しく運営委員会を設けております。この運営委員会は、いま申し上げましたように、関係業界の意向を十分くみ取るシステムとしてつくっておるわけでございます。そういう意味では、現行の理事会あるいは評議員会の機能をあわせ持つ機関として法律上は立てられるわけでございます。そういう意味から、現在ございます評議員会というものは、法律上の制度としては置かないということにいたしておるところでございます。 ところで、その運営委員会の構成の問題でございますが、いま申し上げましたように、運営委員会は各業種ごとに設けられ、各業種ごとの事業の実質上の意思決定機関として機能するものでございます。いわば現在の非常勤理事を含めて構成されております理事会に実質上はかわるものでございます。したがいまして、新しくできます運営委員会のメンバーといたしましては、現在の非常勤理事にお願いをして、委員になっていただきたいというふうに考えております。 さらに、この際業界の一層の協力体制を確立する必要があるとすれば、それらの関係業界の方にもこのメンバーに加わっていただく必要もあろうかというふうに考えておるところでございます。運営委員会が設けられました基本的な考え方あるいは性格からいたしまして、ここに労働者の代表の方を入れるのは必ずしも適当ではないんではないかというふうに考えておるところでございます。 ただ、先ほど来御議論がございますように、この制度の運用に当たりまして、受益者であります労働者の意向が十分反映されるようなシステムは必要であろうかと思います。したがいまして、この新しい組合が設立されましたのを機にいたしまして、先生御指摘のような参与制度というものが中退制度にございますので、そのようなものを参考にしながら、受益者である労働者の意向を反映するシステムというものを検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○池端委員 中退金の中には参与というものもあるようでありますので、ぜひともこの参与制度というものをきちっと位置づけていただいて、理事長に直接意見が具申できるような方途を講じていただきたいということを強く申し上げておく次第であります。 次に、今度新たに林業退職金共済制度創設の予定と聞いておりますけれども、これについての今後のスケジュールと実施時期等について、まず最初にお伺いをいたしたいと思います。
○寺園政府委員 林業に従事いたします期間雇用者の福祉の増進を図る観点から、かねてからこの中退制度の適用を目途といたしまして、各地方におきまして積み立て事業が行われております。林野庁におかれまして所要の補助をしながらその準備が進められてまいってきておるわけでございますが、私どもが拝見いたしますところ、準備も順調に進んでいるのではないか。そういう意味では、林業をこの制度に適用する条件は熟しているのではないかというふうに考えております。 したがいまして、新しい団体ができましたときには、その団体において林業の退職金共済事業を実施してまいりたいというふうに考えておるところでございますが、お尋ねのスケジュールといたしましては、この新しく統合されます団体の設立は、本年の十月を予定をいたしております。したがいまして、新しく組合ができました後、できるだけ早い時期に林業を特定業種としてまず指定をいたしたいというふうに思っております。そのための検討を早急に開始をいたしたいというふうに思っております。 林業を特定業種として指定いたしました後の林業の退職金共済事業が開始されますまでのスケジュールでございますけれども、まず準備委員会を設置をいたします。この準備委員会におきまして、定款の変更等所要の準備を重ね、また共済契約者の募集などを行っていきます。応募者が一定数に達しました段階で、林業に係る業務開始の認可を行いたいというふうに考えております。 具体的には、この林業について特定業種退職金共済事業が開始されますのは、五十七年の一月ごろというふうに考えておりますが、万全の準備を進めてまいりたいというふうに思っております。
○池端委員 いままで私どもがいろいろお聞きしたところでは、一月から、こういうふうにはっきり断定的におっしゃっておったのでありますが、いま部長は、一月ごろと、こういうふうに非常にぼやかしたあいまいな表現になっておるのですけれども、これははっきりしないのですか。 実はこれは、林業関係者の待望久しきものなのです。一日千秋の思いでこの制度発足を待ち望んでおるわけなので、この際、はっきりと明確に一月からやる、と。これは新しい団体で行うことでございますから、あるいはそういうことも考慮されていまの発言になっておるのかもしれませんけれども、ひとつもっと時期を明確にしていただきたい、こう思うのです。
○寺園政府委員 先ほど申し上げましたように、所要の準備を前提といたしますので、一月ごろという表現を申し上げましたけれども、私どもの現在の予定といたしましては、五十七年の一月から実施をするということにいたしております。
○池端委員 林野庁はこれまで三年間、いまお話がありましたように、積立金の四分の一を国が補助するという形で林業従事者中小企業退職金共済制度適用促進対策事業というのを進めてこられたわけでございます。着々準備は整っておるということでございますが、今日段階における加入の状況は一体どうなっておるのか。事業体数あるいは労働者数別にひとつこの実態を明らかにしていただきたい、こう思います。
○安橋説明員 ただいま先生からお話がございました林業従事者中小企業退職金共済制度適用促進対策、昭和五十三年度から三年間の予定で始めたものでございますが、昭和五十六年一月一日現在の加入状況を申し上げますと、事業体数で二千二百五十七事業体、対象となる林業従事者が三万七千六百八十二人でございます。 その内訳でございますが、二千二百五十七事業体のうち森林組合が八百四十九事業体でございます。それから会社が五百九十四、個人営の事業体が六百十七、その他百九十七で、合計が二千二百五十七事業体でございます。
○池端委員 いま言われた数字というのは、全事業体の何割に相当いたしますか。それからまた、この森林組合、会社、個人経営、いろいろ言われましたけれども、その比率は一体どうなっているでしょうか。各事業体ごとにひとつ比率を明らかにしていただきたいと思います。
○安橋説明員 二千二百五十七事業体が加入しているわけでございますが、その加入率が三六%でございます。それで、森林組合が八百四十九と申し上げましたが、森林組合の加入率が六一%、会社の加入率が一九%、個人営の事業体の加入率が四一%、その他の事業体の加入率が七六形でございます。
○池端委員 全体の加入率が三六%ですか。三年間国費を投入して準備されてきて、加入率が三六%というのは、必ずしも加入の状況がよいとは言えないのではないか、四分の一の国庫補助ですからね。 そういうことで、私は、この加入の状況というものは率直に言って悪いと思いますが、その理由は一体何だと思いますか。私は、わが国林業の前近代的な体質というものがこの数字にあらわれているような気がしてならないのであります。極言するならば、林野行政そのものに問題があるのではないかというふうに思うのですが、この点はいかがですか。
○安橋説明員 先ほどから労働省の方から御説明がございましたように、この制度自体が中小企業者の相互扶助の精神に基づいてできている制度であるということで、それが基盤となっております関係で、加入が事業体の任意になっているというのが基本的なところだと思います。しかし、いま林野庁といたしましては、林業従事者の労働条件の改善を図ることが非常に重要であるというふうに考えまして、加入率の向上ということで、ただいま先生からお話がございましたように、国庫補助をつけて制度確立のための準備事業を実施してきたわけでございます。今後、この制度が非常にいい制度であるということを事業体それから地方公共団体その他指導者に趣旨の徹底を図りまして、この事業に参加する方々が少しでも多くなるように努力を続けていきたいと思っているわけでございます。
○池端委員 加入の状況が必ずしもよいというようなことではございませんので、ひとつさらなる努力をお願いしたい、こう思うのであります。 そこで、あえて私はここで確認を求めたいと思うのでありますが、この林業における中小企業退職金制度、明年一月発足予定、この林退共の制度は、他の建設業や清酒製造業と同じく林業労働者の労働条件を改善するものであって、個々の事業体では中小零細であるために独自の退職金制度を持つことがむずかしい、したがって単独で設けることは困難であるけれども、全体が連帯をして全国で共同で実施する、そのことによって林業労働者の労働条件を改善するものである、そういう趣旨のものだということをあえて確認を求めたいと思うのでありますが、御異議ございませんか、どうですか。
○安橋説明員 先生のおっしゃるとおりだと考えております。
○池端委員 そうであるならば、これは制度は任意加入という性格のものでございますけれども、林業労働者の労働条件改善という観点に立つならば一〇〇%加入、これが望ましいのであります。言わずもがなのことでありますが。この一〇〇%加入を早急に達成すべきだ。したがって、林野庁もあるいは労働省もこの目標に向けて最大限の努力を払うべきだ、このように考えるわけでありますが、今後の加入促進の具体策をひとつお尋ねをしたい、こう思います。
○吉本(実)政府委員 先生御指摘のように、林業におきましてはここ数年間就業者数も雇用者数も一貫して減少の傾向にございます。また、若い新規の学卒者の就業者も減少を続けておるし、労働力構成は高齢化の一途をたどっておるというようなことでございますから、この林業界におきまして優秀な労働力を確保するためには、御指摘のような労働条件の改善、福祉制度の整備ということはきわめて重要な問題だと考えるわけでございます。 したがいまして、この新組合が林業におきます特定業種退職金共済制度を開始ということになりますれば、とにかくその事業が十分機能するように私ども最大限の努力を払ってまいりたいと思います。関係の業界団体、関係省庁との連絡はもちろん、個々の林業事業者あるいはその従業員につきましても、PRを促進する等の措置をとりながらできる限り十分な努力を払ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○池端委員 ただいま局長からも言われましたけれども、林業労働者の労働条件、きわめて劣悪でございます。 今国会に提出されました昭和五十五年度の林業の動向に関する年次報告、いわゆる林業白書によりますと、林業は他産業に比較して圧倒的に若年層が少ない、高齢化が進んでいる、このように指摘をしているわけであります。すなわち、昭和四十三年には十五歳以上二十九歳以下の労働者が一四%でございましたものが、昭和五十四年にはこれが六多に減少をいたしております。その反面、昭和四十三年に四十歳以上の労働者が五五%であったものが、昭和五十四年には何と八〇%を占めるに至っているわけであります。また、文部省の学校基本調査によりますと、高校の新規卒業者の林業への就業者は、昭和四十三年には千六十一人であったものが昭和五十四年には三百九十八人、約三分の一の水準に落ち込んでおります。 この数字というものは、林業というものがいかに労働条件が悪くて、若い人たちにとっては残念ながら魅力のない産業になっているか、魅力のない職場になっているかということを端的に物語っているものではないか、私はこういうふうに思うわけであります。現状を放置するならば、わが国林業は、労働力の面から衰退の一途をたどって、やがては破産崩壊をしてしまうということを率直に私は憂えざるを得ないわけであります。そういう意味で、労働条件の改善は急務である、そういうふうに思うわけであります。 これは単に林野行政だけの問題ではありません。ひとつ労働大臣としても、この林業労働者の労働条件の改善について、どのような御決意であるか、お尋ねをしたいと思います。
○藤尾国務大臣 これはもう先生御案内のとおり、ただいまのところ、林業という業種は、私どもの主管ではございませんで、農林水産省が管理をしておられるわけであります。でございますから、この問題は、共管の問題といたしまして、密接に連絡をとりながらやっていかなければならぬことでございますけれども、御案内のとおり、国内におきます住宅建設がいま非常に落ち込んでおるということ、その住宅の態様も漸次その高層化というようなものが進み、かつ非常に規格化ということが進んでおりまして、木材の使用が非常に減っておるということがございますし、特に間伐材でありますとか等々の使用ということにつきましては、本当によほどの対策を打ちませんとこれは売れないというような状況があるわけでございますから、この林業に携わられる方々の林業に対する魅力、それが非常に衰退をしていきつつある。これは私は、農林水産大臣とされましても非常に頭の痛いところであろう、かように御推察を申し上げるわけでございます。 こういった問題につきまして、私どもが、この林業といいまするものをいま一度魅力あるものに建てかえていく。高校進学者も、倍も三倍も、もとのように林業に御就職いただくということを可能にいたしますためには、そういった林業が置かれております立場をもとへ戻す、あるいはさらに希望の持てるものにしていく、そういう努力がありませんと、私は、これから先、林業従事者の福祉といいまするものがなかなか前進しがたい、かように思います。特に今度の豪雪のようなことで、せっかく長年育てられたものが一挙にして崩壊をしてしまうというような可能性があるわけでございますから、これはよほど国といたしましても、これに対する基本的な姿勢をもう一遍再検討をすべきではないかという感じがいたします。 この労働条件自体の変更は、そういった業態自体がまず立ち直っていくということが前提になりませんと、この労働条件だけを抜き出してこれをよくするということは、なかなか困難であろうと思います。 いずれにいたしましても、農林水産大臣の主管でございまするが、私どもも積極的に、お手伝いするということでなくて、積極的にそういったお働きの方々を守るという意味から、むしろ主体的な立場に立ちまして、農林水産大臣あるいは林野庁長官に働きかけまして、そしてそのためにどのような手段があるか、また可能なものはどのような実態的な措置をとっていくかということについて、私どもといたしましても、できることは全力を挙げて御協力をしなければならぬ、むしろ御協力というよりも私ども自体が切り開いていかなければならぬのではないかという気がいたします。全力を尽くします。
○池端委員 決意のほどはよくわかりましたので、ひとつそういう立場で今後とも推進をしていただきたい、このことをお願い申し上げておきます。 林業に関連をして二、三の具体的な問題について、時間もございませんのでお聞きをいたしておきます。 建設省が行う公共土木の請負工事におきましては、建退共に基づく事業主負担相当額については現場管理費の中に入れて算定しているということがさきの国会でも明らかになっておりますが、国有林においては請負なり立木の販売の予定価格を算定する際に、この退職金共済事業にかかる経費は算入されているかどうか、織り込み済みなのかどうか、その点についてお尋ねをいたします。
○田中説明員 国有林のそういう請負業務をいたしますのは、申すまでもなく民間の事業体でございますので、そういう民間の事業体の健全な発展といいますことは、単に国有林の業務の円滑な運営のみならず、地域の林業、日本の林業の発展のためにどうしても必要なことだと考えております。そのために、そういう事業体で立ちおくれの見られます労働安全衛生管理面でありますとかそういうところの整備にはこれまでも大変力を尽くしてきたところでありますけれども、今回のこういう林退共制度に伴いまして、それに先立つ準備促進の期間も入ってございますけれども、請負立木処分の予定価格の算定に当たりましては、その経費を諸経費の中に組み込んで算定をいたしております。
○池端委員 また建設省の関係を引用いたしますけれども、直轄工事では競争参加資格の審査の際に、建退共に加入している業者に対しては一定の点数を付与するという優遇措置を講じております。 〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕 また、指名に当たっても組合に入っているかどうかということを十分考慮している。かなり建設省がこの問題に強い態度で臨んでおるわけでありますが、林野庁にあっても、この制度に加入していない事業体については請負あるいは立木販売などは行わせない、こういうくらいの強い姿勢で臨むべきではないか。それがひいては林業労働者の労働条件の改善、さらにはそこの業界の発展にもつながるわけでありますから、このくらいの強い姿勢で臨むべきだと思うのでありますが、その点はいかがでしょうか。
○田中説明員 先ほど先生から、林業の前近代性とかいろいろ立ちおくれた面についてのお話がございましたが、やはり国有林の業務を請け負うことによりましてそういうことが改善されていくことが大変望ましいわけでございます。国有林野事業といたしましての民間事業体の育成、整備などに本格的に手をつけましたのは、率直に申し上げまして比較的最近でございまして、五十四年からこういう事業体の登録制度などを整備いたしまして資格の審査等をいたしておるわけでございますが、今回は、この林退共加盟ということがいろいろ登録制度の運用に当たりまして有効に機能するように、こういう制度に改善することはもちろん私ども積極的に進めておるところでございますので、この登録制度の運用を主にさらに推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○池端委員 ぜひ十分そういうことを配慮していただきたいと思うのであります。建設省その他農水省等でもそういうような措置がなされておるようでありますので、ぜひ林野庁についてもそういう立場で対処をしていただきたい、こう思います。 次に、労働災害による休業問題についてお尋ねをいたします。 林業における労働災害の発生状況は他の業種よりきわめて高い水準にございまして、労働省が発表いたしました労働者死傷年表によりますと、昭和五十四年の林業労働災害の発生状況は、死傷数は実に一万二千六百五十四人の多きを数えているわけであります。さらに、昭和五十五年三月末現在、振動病と呼ばれる振動障害、いわゆる白ろう病のため労災保険によって療養継続中の民間労働者は四千八百九人、あるいは国有林野事業で公務災害認定を受けている方は三千五百三十三人というふうに多きを数えているわけであります。 したがってこの労働災害絶滅、これが基本であります。これに全力を傾けることはもちろんでございますが、この災害の場合、最低本人の責めによらざる休業については、退職金算定の基礎となる日数として取り扱うべきだというふうに私は思うのでありますが、それについてはどのような見解をお持ちでしょうか。お尋ねをしたいと思います。
○寺園政府委員 特定業種退職金共済制度におきましては、加入した事業主は被共済者となった従業員に賃金を支払う都度、その賃金の支払いの対象となった労働日について掛金を納付するというのが原則になっております。先生御指摘の、労働者の責めに帰すべき理由以外の理由で労働災害を受け、休業をし、たとえば労災保険において休業補償を受けておるというような方につきましては、その人が雇用期間中であります限りにおきまして、しかも証紙の貼付がなされるということでありましたら、当然退職金算定の基礎になると思っております。
○池端委員 時間でございますので終わりますが、ただいまいろいろお尋ねをしてまいりましたけれども、率直に言って、この制度はまだまだ多くの問題点を内包いたしております。やはり加入率の低さというものがこの制度の意義を大きく減殺させているというふうにも言えますし、受益者である労働者の意見反映の機会もきわめて不十分であるというようなことも考えられますので、先ほど来御答弁のありましたことについて、単にかけ声やその場しのぎの発言で終わることなく、今後とも制度の充実改善のために一層の努力を傾注していただきたい、このことを心から要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○戸井田委員長代理 次に、佐藤誼君。
○佐藤(誼)委員 中小企業退職金制度をつくった趣旨は、あるいはそのねらいは何でしょうか。
○寺園政府委員 中小企業退職金共済制度を創設をいたしましたのは、一般的に申し上げまして、中小零細企業におきましては単独で共済制度を設けることはいろいろ困難な事情にあることにかんがみまして、事業主の相互共済の仕組みと国の援助によりまして中小企業に退職金制度を導入をする、そのことによって中小企業に働く従業員の福祉の増進と中小企業の振興に寄与するということを目的として創設したものでございます。
○佐藤(誼)委員 先ほど池端委員からの質問にもありましたが、加入状況。昨年も私、中退金の法改正について聞いたのでありますけれども、中退金制度の普及状況はどうか、特に規模別、産業別にその計数を聞きたい。
○寺園政府委員 中小企業退職金共済制度の加入状況でございますが、まず規模別に申し上げてみますと、一−四人規模におきましては、加入企業数八万三千三百八十二企業でございます。加入率につきましては、母数となります対象企業数を事業所センサスによって推計をしてはじいておりますけれども、加入率は五・五%でございます。五−九人につきましては、加入企業数約六万でございます。加入率一五・七%でございます。十人から二十九人規模におきましても、加入企業数約六万、加入率二二・三多でございます。三十人から九十九人規模、加入企業数約一万五千、加入率一八・二%、百人から二百九十九人規模、加入企業数約千四百、加入率九・九%でございます。計といたしまして、加入率九・七%ということでございます。 産業別に申し上げますと、製造業につきましては加入企業数十二万四千四百三十一、一四・一%、小売業、卸売業につきましては六万八千八百余でございます。加入率七・三%。サービス業、二万七千六百余企業でございます。加入率六・四%ということに相なっております。これは五十四年度末の数字でございます。
○佐藤(誼)委員 昨年の加入率と対比すると、トータルで〇・二%ですか、ふえていることはふえているわけですが、依然として平均しますと九・七ですから一割弱、しかも一から四人という最も小さい規模のところやあるいはこれから産業構造の関係でふえていくだろうサービス業、この辺あたりがきわめて低い。一ないし四のところが五・五%ですね。これなんかは特に私たちが注目しなければならぬ分野だと思うのです。先ほどもありましたが、この中退金制度ができた趣旨あるいはつくられた趣旨は、特にこういう小規模の恵まれないところの労働者の福祉の増進ということと中小企業の振興ということですから、これは若干〇・二伸びたといえどもきわめてまだ加入率が低い。とりわけ小規模のところは低い。これはきわめて問題なわけです。したがって、今日まで努力もされてきたと思いますが、特に小規模企業、それから伸びるであろうサービス業の加入、この辺あたりに特にどのような対策をとられてきたのか、その点をお聞きしたいと思います。
○吉本(実)政府委員 中小企業退職金制度の加入促進につきましては、先ほど来いろいろ御指摘を受けておるところでございますが、私どもこの制度を含めて一般の退職金制度の普及が比較的おくれております中小零細企業、御指摘のサービス業、こういったところに計画的な普及促進を強力に推進していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。 ただいまも御指摘のような昨年の実績でございますが、具体的な事務を推進しております中小企業退職金事業団におきましては、こういった考え方に基づきまして、五十五年度を初年度といたします加入促進五カ年計画を今般策定いたしておりまして、その実現に現在努めているところでございます。 この計画におきましては、従業員規模三十人未満の企業というところを中心にいたしまして、新たに被共済者を七十万人増加することを目標としているわけでございます。こういったおくれた部面のところの加入促進を強力に進めてまいりたいということ。それからもう一つは、すでに加入を見ております事業主につきまして追加加入の促進に努める。こういうことによりまして五年後の五十九年度末には、現在約百八十万人の被共済者でございますけれども、それの約三〇%増というようなことで、二百三十万人程度を目標として今後そういった普及促進を図っていこう、このように現在実施中でございます。
○佐藤(誼)委員 それなりに努力をしているわけでありますけれども、ただ、この制度が生まれてから二十数年たっているわけです。しかも対象事業所のうち約一割、こういう実態が紛れもない、いまの報告のとおりでありますね。先ほどから言いますように、これは相互共済としてやるわけですよ。国も金を出すわけですから、二十年以上かかって一割弱という状況は余りにも貧弱じゃないか。つまり言うなれば、制度から言えば仏つくって魂入れずといいますか、そういう状況がずうっと続いていると思うのです。 私が昨年質問したときも、藤波労働大臣はこの点非常に遺憾の意を表されて、そして今後通産省とも十分連携をとりながら努力したいという旨の発言をし、記録に残っているわけです。新しい労働大臣はこの点についてどのように考えられておるか、所信を聞きたいと思うのです。
○藤尾国務大臣 先ほども御答弁をいたしたわけでございますけれども、まことに成績が上がっていないということは申しわけのないことでございますし、私ども考えてみまして、日本の国の経済を支えていかれるものは中小企業でございますから、こういったことを考えますと、よほどこれは力を入れていかなければならぬということでございまして、藤波前労働大臣が全力を尽くしたいと言われた気持ち、それは私はよくわかります。 実際に考えてみますと、事業者負担でございますので、要するに、一−四人というような経営規模の非常に小さな零細企業におかれまして、中小企業自体の経営基盤がよほど強くなりませんと、その退職金のもとになります原資を出していくという余力がどうも自信がない。そういった方が二の足、三の足を踏んでおられるのじゃないかという気がいたします。 そこで、基本は何といいましてもこれは通産省にお願いをいたしまして、中小企業の基盤自体を強くしていく、そういうことにあることはもちろんでございますけれども、同時に、実はそういう制度があること自体をお知りになってなかったり、あるいは商工会活動といたしましても、徹底的にこの事業団の趣旨を体してこれを実践広報をしておるかということになりますと、私は非常に疑問があるのじゃないかという気がいたします。先ほども私どもの政府委員から、基準局長からも申し上げましたけれども、商工会議所を相手にしていたってこれは、だめなんです。そうじゃなくて、対象はもっともっと底辺のところにあるわけでございますから、私は町ごとの商工会にその運動自体を移していく、そういう努力をするということに欠けておる点があったのじゃないかという実は気がするわけでございまして、そういった点も大いに頭に置いて、私自体が中小企業庁長官、通産大臣とよく話し合いをいたしまして、これを前進させるために何をすべきか、その広報が一つの原因だというのなら、政府の広報機関を挙げましてそのような広報をしていく。そしてそういったことによってお働きの皆様方の福祉といいますものを、安定といいますものを増進をしていく、そういうことをやらねばならぬ、かように考えます。
○佐藤(誼)委員 次に、加入促進の方法というか、手だてといいますか、それに関連して質問をいたします。 先ほど局長は五十五年度から五カ年計画で加入促進実現の推進をしているという趣旨の話でありましたが、これは五十五年のいつ策定されたのですか。いつごろでも結構です。
○寺園政府委員 先般、前通常国会におきます中小企業退職金共済法の審議の中におきまして、先生から、普及促進に当たって計画を策定し、計画的に進めてはどうかという御指摘もございまして、そういう御意見を踏まえながら、中小企業退職金共済事業団におきまして計画を策定したわけでございますが、具体的に作成した時点は昨年の六月ごろであったと記憶いたしております。
○佐藤(誼)委員 確かに昨年私は、加入促進の一つの方法として年次目標をつくり、計画を策定して推進し、それを審議会に報告したらという建議をしたところが、労働大臣は前向きの答弁をされたわけでありまして、それを具体化されていることは非常に結構なことでございまして、これを実効あるものにしていただきたいということが一つです。 それから第二番目は、昨年私は推進方の一つの方法として、共済契約者あるいは被共済者も含めて、何らかの普及宣伝、加入促進のための協議会といいますか、そういうものをつくったらどうなのか、言うなれば、いま労働大臣も答弁された、底辺の部分から積み上げる方法をとったらどうなのかということも建議しているわけです。ただ、いま労働大臣は、通産省とも十分連携をとり、言うならば、その底辺部分から町ごとの商店街も含めてやってくるんだという考え方は私は大いに賛成なんでありまして、その辺の進め方について、ただ事業団が計画して上からどんとやればできるなんというしろものじゃないと思うんですよ。したがって、その辺は下の方からじわじわ積み上げてくるという一つの方策を御検討いただきたいと思うのです。 いまの以上二点は昨年の質問に関連してでありますが、さらに一、二の点でありますけれども、退職金の標準モデルを設定して労使ともにわかりやすくし、みんなにもPRできるような手だて、方途を講ずる必要があるのではないか。パンフを最後までずっとめくっていかないとわからぬという仕組みの中では、退職金制度が常に頭の中にあるわけじゃないんですから、そういう方法もひとつ考えてみてはどうか。 それからもう一つは、先ほどから言っているように小規模加入が非常に少ないわけです。したがってこの制度の中では、掛金を下げるとか、脱退する、解約をする場合ですが、これは従業員の意向を聞く、過半数の賛成でしたかということにもなっているわけですから、今度加入については、過半数以上が加入を求めた場合には、これを受けて、しかるべき機関が当該事業主に加入方を勧告するというようなことがあっていいのではないか。そうしないと、やはり中小企業は地力も弱いし、朝夕事業主と従業員が顔を突き合わせている中ではなかなか言いづらいとも思うんですよ。 したがって、その辺きめの細かい配慮が必要ではないのかと思いますが、後の二点について見解があったらお聞かせいただきたいと思います。
○吉本(実)政府委員 御指摘の第一点は先ほど大臣のおっしゃったとおりでございますが、私どもとしましても、五十六年度におきましてその底辺部分、つまり零細企業の多い地域を加入促進の重点地域として、ここを重点にPRを進めていこうという方針をとっているところでございます。 それから退職金の標準モデルを示して掛金等の目安にしながら加入促進を図れという御指摘の点でございますが、この点につきましても実は中小企業退職金事業団でパンフレットをつくりまして、先生の御指摘もございましたので、民間のモデル退職金等を示しながらその普及に努めようと考えているわけでございます。 それから最後の、いわゆる加入を希望する者が過半数あった場合にそういったことをいろいろ取り上げていく方向をとったらどうかという御指摘でございますが、一つの御提案でございますけれども、現在のこういった事業主相互扶助におきます制度のもとではなかなかむずかしいと思いますが、そういった点も考えながら検討していきたいと思います。
○佐藤(誼)委員 確かに最後の点は、事業主が負担するわけです、国がそれに補助するという仕組みになっているけれども。だけれども、それは従業員が希望したらすぐ入れなさいとかなんかでなくて、それをてこにして刺激していくといいますか、具体的に言えば、勧告とか、何かそういう刺激策が必要ではないかということを申し上げているので、その点はむずかしい事情はわかるんだけれども、知恵をしぼって考えていただきたい。何とか五・五%などという域は脱しなければならぬと思うのです。そういう点でひとつ申し上げておきます。 次に、従業員が他の企業に転出した場合その時点で切れて退職金をもらうというのではなくて、ある企業から他の企業にかわっていったときに通算の制度はできないかということです。確かにこの制度の中でも、自己都合によらざる、あるいは本人の責めによらざる都合で他の企業に転出した場合は二年以内でしたか、通算できるという仕組みはありますね。ただ自己都合の場合にはその点が不明確なんで、通常やむを得ざる自己都合によって他に転出していったような場合には通算の制度を考えていいのではないかと考えるので、その辺はどうですか。
○寺園政府委員 通常の企業におきます退職金制度は当該企業を退職したときに支給されるのが原則でございます。したがいまして、中退制度におきましてもその原則を採用いたしているところでございます。したがって自己都合退職を含めましてすべて通算を行うということは、民間の一般の退職金制度との比較の問題、あるいはこの制度が共済制度として予定脱退率あるいは予定運用利回りを組み合わせた形で仕組まれておりますので、その予定脱退率にも影響を来すということがございますので、すべて通算するということにつきましては、この制度の根幹にも触れる問題で、抜本的な検討が必要であり、なかなかむずかしい問題であろうかと思っております。 ただ中小企業におきましては現実に短期で離職をし、また新しく中小企業に勤める方が多いのも現実でございますし、またこの制度が中小企業者の連帯による共済制度ということで仕組まれておる、そういう特質も勘案いたしまして、労働者の責めに帰すべき事由あるいは一定のやむを得ない事由なく自己都合退職をした、そういう場合を除きましては、従来から、先生御指摘のように、二年を限度といたしまして前後の通算をするというシステムをつくって実際に運用いたしているところでございます。
○佐藤(誼)委員 やむを得ざる事情による自己都合退職の場合は通算というふうに理解していいですね。これはどうですか。
○寺園政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
○佐藤(誼)委員 そうすると、これは昨年の審議会でも議論されているようですが、「やむを得ない事情」というこの解釈を広義に解釈するというか、広めていくというか、この辺あたりが当面の検討の材料になっているのではないかというふうに私は思うのです。特に「やむを得ない」という範囲の拡大を審議会としても十分検討したらどうかということも言っていますから、この辺は、一律にいかないとすれば、当面の課題として十分検討してもらいたい点だと思うのです。 ただ、いまの労働市場を考えますと、非常に流動化しておりますし、終身雇用制というものが崩れてきているわけです。ですからそういうことから言えば、背景となる労働市場なり雇用形態が変わってきているわけですから、そういうことを背景にして、自己都合という形でやむを得ず移っていくという場合も、従来よりはあり得ると思うのです。これは十分配慮していかなければならぬのではないか。たとえば東京で勤めておったけれども、本人の意思にかかわらずどうしても家庭の事情で田舎に帰らなければならぬ、そういう事情があるのですよ。その辺のところは、いまの労働市場の流動化といいますか雇用構造の変化、社会事情の変わり方ということによって出てくるわけですから、この辺は、十分配慮する必要があるという理由の一つなんです。何といったって、長期継続すれば退職金が多くなるという仕組みになっておるわけですから、一年ぐらいでは金は出ないのですから、何とか長期にこれを引き継いでいくということは、労働者の福祉の点から考えていく必要があるわけです。 それからもう一つは、これは重要だと思うのだけれども、これは国の補助する事業団であって、幸いなるかな、個別の企業を超えた共済制度なんですね。ですから、ある一定の企業から移っていっても、それは一本化した制度になって事業団が受け持っているわけですから、そういう点ではやりやすい要素もこの制度の中に持っていると私は思うのです。したがって、先ほど申し上げたような意味で、この通算の問題については十分検討してもらいたいというふうに私は思いますが、どうですか。
○寺園政府委員 やむを得ない事由については、現在中退法の規則で書かれ、かつそれをもとにして通達で処理をいたしております。先生の御指摘のものに類似するものとして現在書かれておりますものは「被共済者が、別居している親族の扶養又は介護のため、やむを得ず住所又は居所を変更することによる退職」という場合で、このようなものは、やむを得ない事由として通算の対象にいたしておるところでございます。御指摘のような労働力の新しい形での流動の問題もございますので一その点は新しい事態も踏まえながら、やむを得ない事由の範囲については、今後引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。 〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕 また、後段で御指摘の通算の問題でございますが、確かに個々の企業がそれぞれやっておる退職金制度におきます場合には、これを通算するということは大変むずかしいと申しますか不可能に近い話のような気がいたしますが、国が相互共済の仕組みで一本で事業をやっておる。そういう意味では通算の可能性がより高いということは事実だろうと思います。そういう観点に立って、先ほど来議論のありますような退職については通算をしておるわけでございますが、すべての場合に通算を認めるということになりますと、先ほど申し上げましたように、この制度が事業主の掛金をもとにし、従業員の予定脱退と申しますか残存率というものを予定し、かつ予定運用利回りというのを考えながら全体の収支が相償うように設計されておる制度でございますので、すべての場合に通算をするということは、予定脱退率そのものの見直し、給付全体の見直しにかかわることでございますので、大変むずかしい問題であろうというふうに考えておるところでございます。
○佐藤(誼)委員 次に、この中退制度の見直しというか、改定というのは、五年ごとですか。
○吉本(実)政府委員 はい、五年ごとに見直すことにいたしております。
○佐藤(誼)委員 いまのように物価あるいは賃金の変動が激しいときに五年間据え置くというのは、この制度に限らずですけれども、ちょっと実情に合わないのではないか。たとえばことしの場合だって、御案内のとおり昭和五十五年度七・八%の物価上昇でしょう。これは累計して五年間だったら大体想定がつくだけの物価が上昇しているわけです。そういう点から言うならば、物価上昇あるいは賃金上昇に見合う形で見直す、制度の改定を図るということが中間年にあっていいのではないかと思うのですが、どうですか。
○吉本(実)政府委員 中小企業退職金制度における見直しは五年ということでございますが、掛金なり退職金の額を賃金水準の上昇に即応していろいろ検討していくためにそうしておるわけでございまして、先生御承知のように、昨年法改正をしてこれを引き上げたわけでございます。法制度として五年というふうなたてまえでございます。ただ、もう一つやれる方法といたしましては、賃金、物価の動向に合わせて退職金水準を確保するという形のものとしては、現行制度で掛金を引き上げるという方向があるわけでございます。現在、御承知のように千二百円から一万六千円の十九段階に区分されておりますので、各事業主の方々がそういったことを考慮しながら引き上げを図っていくということによりますれば、そういった点の補完にもなろうかと思います。
○佐藤(誼)委員 五年間改定されない、そして掛金も変えない、こうなれば、改定直後にもらう退職金と五年たって物価上昇した後にもらう退職金は同額ですから、見かけの金額として同じだとすれば、五年後にもらった方は大変目減りをしたものをもらっておるということになるわけです。これがまず一つ問題だと思うのです。 確かに、中退金ではなくて一般の民間の退職金であれば、物価が上がれば何がしかの賃金が上がりますから、賃金が上がれば自動的に退職金が上がる仕組みになっているのです。ところが、これは賃金が上がったって退職金は上がらぬ。あえてその制度内の枠の中で掛金を賃金にスライドして上げれば別だけれども、これはもう言うなれば使用者の恣意に属する問題で、制度上の問題ではないわけです。したがって、その辺を何とか考えていかないと一般とのふつり合いが非常に出てくるのではないか。それからもう一つは、いま言ったように余りにも使用者側の掛金に依存する恣意に属してしまうのじゃないかということがありますので、その辺は検討の余地ありと私は思うのです。 昨年の審議会の中でも、賃金、物価の上昇に伴ういまの退職金、いわゆる中退金のあり方といいますか、この辺については検討すべきだという意味の建議もなされているわけですから、この辺はどうなんですか。
○寺園政府委員 このような外部積立方式におきます退職金の支払い形態というのは、支払いが確保されるという意味では非常に確実な方法であろうと思うわけでございますけれども、物価に弱いと申しますか、物価が上がったときに目減りをしてしまうということは宿命的に抱えている問題であろうと思うわけでございます。それを回避いたしますためには、基本的には、物価の安定を全力を挙げて図っていくことが最大の基本であろうかと思いますが、具体的な対応としては、先ほど申し上げましたように、掛金を物価なり賃金の動向に合わせて高いところを選択をするというような態様で対応をしていくということに相なろうかと思います。 先生御指摘の物価スライド制の問題につきましては、先通常国会における中小企業退職金共済法の一部改正の御審議の際にもいろいろ御議論がございました。また、その法案のもとになりました審議会の建議におきましても大変議論になった点でございますが、結論といたしましては、制度の基本的な問題をも含む問題でありますので、今後慎重に検討するようにということでございますので、その建議の趣旨も踏まえながら現在検討を続けておるところでございます。
○佐藤(誼)委員 確かに制度のたてまえからいってむずかしい点は理解できるのですが、しかし不都合な点があることも事実なんですよ。したがって、ひとついい知恵を出し合って検討して、なるほどと思うような制度が生まれるように御検討を引き続いてお願いしたいと思います。 次に、この掛金の納付が長期にわたる場合に、現行の国庫補助率をもっと引き上げたらどうか、確かに現行ですと百二十カ月以上で千分の十でしたか、こんなふうになっているはずです。あとこれはずっとそのままですから。ですから、百二十カ月以上ずっと超えたある時点で、たとえば四百八十カ月になるのか何になるのか、それは時点の引き方ですけれども、その辺あたりになったらたとえば千分の十五にするとか何かそんなことが検討されていいのではないか。百二十カ月間から一律に千分の十がべた打ちであっては退職金の制度からいってちょっと不都合だというふうに思うのですが、どうですか。
○寺園政府委員 この制度におきましては、できるだけ退職金の給付を魅力あるものとするために、給付につきまして国庫補助をつけておるところでございます。三年以上につきましては五%、十年以上につきましては先生おっしゃるとおり一〇%の国庫補助をつけておるところでございます。その退職金をより高くし魅力あるものにするという観点からいきますと、特に長期勤続者についてより高い国庫補助をつけるということは御主張として十分理解できるところでございますけれども、このような退職金制度に国庫補助をつけるということ自身が大変異例な制度であるというふうに思っておりますし、また事務費も全額国庫で見ておるという制度でもございますので、長期勤続者により厚い国庫補助をつけるということは大変むずかしい問題であろうというふうに思っておるところでございます。
○佐藤(誼)委員 むずかしいという意味の答弁をなされましたが、これも昨年の審議会で議論がされて検討の項目になっているはずです、確かに。ですからこれは引き続いてひとつ御検討いただきたい。 それでは続きまして、この法律の中にある制度としての建退共制度について質問をいたします。 建設省おいでですか。これは労働省と建設省両方にまたがりますので、適宜そこは答弁をしていただきたいと思います。 第一番目は、建退共加入事業所及びその加入率は幾らであるか。
○寺園政府委員 建退共の加入事業所数は、五十五年十二月末現在におきまして九万九千余の事業所数でございます。加入従業員は百四十一万三千人余でございます。
○佐藤(誼)委員 建退共の加入ですよ。建退共入の実数とそれから建退共に加入すべき対象者との比率から見た場合に、どれだけの加入率かということです。
○寺園政府委員 五十五年十二月末現在におきます建退共の加入事業所数は、九万九千事業所数でございます。この制度の対象になります建設業の事業所数は約二十三万五千事業所というふうに推計をいたしておるところでございます。したがいまして、加入率にいたしまして四〇%強というところでございます。
○佐藤(誼)委員 加入率四〇%強と言うのですが、この建退共の制度が、証紙を貼付してそれを加入年数に換算するという仕組みですから、この加入率がどのくらいかというのは非常に重要な意味を持つと思うのです。確かにこれは中退金から見ると四〇%ですから高いようですけれども、しかしこれは一つの問題点なんです。 そこで、私はあえて聞きますが、加入事業所が九万九千というのは、これはある程度正確に押さえられるのだろうと思います。ただ、対象となる事業所になりますと、これはいろいろの母集団としての取り方があると思うのです。この母集団の取り方によってずいぶん加入率が違ってくるわけです。これはいろいろな建設業関係の取り方がありますが、参考にまず最初に申し上げますけれども、昭和五十三年の総理府統計の建設業というのは四十九万五千六百三の事業所があるのです。そのうち三百人以上の事業所が四百八十ありますから、三百人以上は対象にならぬとすれば、これは四十九万五千百二十三事業所になるのです。これを母集団にして計算すれば一九・四%しか加入率はならぬのです。 次に昭和五十五年の建設白書、これによると、建設業法で許可を受けている建設業者、これは四十八万四千あります。同じように三百人以上の四百八十を差し引きますと四十八万三千五百二十になるのです。これを母集団にすると加入率は一九・九%、つまり二〇%切れるのです。 次に昭和五十年の国勢調査、これは建設就業労働者階層別実数、つまり雇い人を持っている事業所、三十五万二百十八なんです。これを同じように三百人以上のを差し引きますと三十四万九千七百三十八事業所、これを母集団にして計算しますと二七・五%。 その次に、昭和五十三年度建設省計画局で出したところの建設工事の実績のある事業所、これを見ると二十五万七千三百四事業所、同じように三百人以上を四百八十として計算して差し引きますと二十五万六千八百二十四、これを母集団にすると三七・五%なんです。 四〇%にはどの数字を持っていったって届かないのですよ。特に私は、建設省計画局で出した建設工事の実績のある事業所の二十五万七千三百四という数字、これは最低の数字だと思うのです。建設業の許可を受けても仕事をやっていない事業所もあります。しかし、少なくとも許可を受けなくたってできる事業所もあるわけですね。ですから、先ほど言った建設業法で許可を受けている建設業者というのは一つの基準になる、そういうふうに四百八十というのを差し引いていきましてもね。しかし、幾ら少なく見積もったって、その年間に建設工事をやっておるのが統計的に明らかなんですから。これは先ほど言ったように、二十三万なんという数字よりはこれだって上なんですよ。だから、私から言えば四〇%の建退共加入というのはちょっと実情に合わないのではないかというふうに思う。ですから、そういう点から言えば、どんなに見積もっていっても少なくとも三〇%前後ではないのかなというふうに私は推計します。ただ、これは母集団になる数字がなかなかつかみづらいという点がありますが、しかし、少なくともあなたの方で出した四〇%というのは実情に合わないのではないかというふうに思うのですが、どうですか。
○寺園政府委員 先生から諸統計に基づきます数字をお教えいただいたわけでございますけれども、私が先ほど二十三万五千という事業所数を申し上げましたのは、事業所センサスをもとにして推計をしたものでございます。数字が違うわけでございますけれども、事業主数をどのような方法で把握すれば一番的確に把握できるのか、建設省のお知恵もかりながら私どもも勉強してまいりたいというふうに思っております。
○佐藤(誼)委員 その論争はちょっとおきます。 次の質問を続けますが、現在の制度では掛金納付月数二十四カ月未満の場合には建退共の場合には支給されませんね。どうですか。
○寺園政府委員 そのとおりでございます。
○佐藤(誼)委員 続いて、この建退共の脱退率ですが、一年目でどのぐらい、二年目の脱退数はどのぐらい、それから二年間トータルすると当初に比べてどのぐらい、その脱退率はどうですか。
○寺園政府委員 建設業退職金共済制度におきます被共済者の脱退率につきましては、加入後一年未満で脱退する者が二〇%、さらに残った者のうち一年以上二年未満で脱退する者が一八・四%と想定をいたしております。したがいまして、累計といたしましては三四・七%の方が二年以内に脱退をするという推計に立っておるところでございます。
○佐藤(誼)委員 続いてまた質問します。 建退共の仕組みは勤続年数ではなくて、言うなれば、一日働いて一枚の証紙、それを合計していって年数に換算する、こういう仕組みですね。これは二百五十二日、簡単に言うと二百五十二枚、これで一年の換算。二年では五百四枚の証紙で二年と換算する、こういう仕組みですね。そういう仕組みであるために、たとえばいま二年の基準をとりますと、五百四枚の証紙を集めて二年に換算するという場合に、二年間働いて果たして五百四枚の証紙を集めることができるかどうかというと、私はかなり困難ではないかと思うのです。 確かに三百六十五枚としていませんから、一年間二百五十二枚としておりますからそれは緩和しているんでしょう。しかし、その中でも働ける日と働けない日が建設業の場合かなりありますから、したがって、私は一年間にどのぐらい働いているのかちょっとわからぬけれども、簡単に言えば、二年間で二年分の証紙を集めることはかなり困難だろうし、それが二年半になるのか三年間で集められるのか、それは非常に困難な面があるだろうということは確かだと思うのです。これが一つですね。 それからもう一つは、先ほど建退共加入率の問題を議論いたしましたが、あなたの方は四割入っていると言うが私は少なくとも三〇%前後だろうと思う。はっきりしているのは、少なくとも半分以上入っていないということです。概数で言えば半分以上入ってない。そうすると、たとえばある事業所で働いたときには証紙をもらえるが、隣の事業所に行ったら入ってないから証紙をもらえない、隣へ行ったらもらえる。少なくとも半分以上は入ってないんですから、簡単に言えば半分以上張ってもらえないわけです。そうすれば二年のものが四年かかる。そうすると、これは実情から見ると二年間の証紙を集める、つまり五百四枚の証紙を集めるというのは大変な年数、二年以上かなりの年数がかかるのです。これはもう紛れもない事実だろうと私は思うのです。 ところが、そんなに苦労して二年間ためても、まあ二年間に換算されても、その時点で退職すれば退職金は出ないわけです、五年かかるか六年かかるかわからぬけれども。しかも先ほどの数字から言うと二年間で三五%の人が脱退しているんですから、そうすると、建退共の場合いまのような特殊事情にかんがみてこれは余りにもきついのではないか。したがって、その辺をどう扱ったらいいのか、一つ考えを聞かしていただきたい。
○寺園政府委員 建設業退職金共済制度におきましては、就労した日一日について証紙を一枚ずつ張っていくという証紙制度をとっておりまして、一月は二十一枚で一月というふうに評価をいたしております。したがいまして、一年分となりますと先生が御指摘のとおり二百五十二枚で一年と評価をされるということになるわけでございます。 ところで、いまの制度では二年以内の退職者につきましてはいわゆる掛け捨てという制度をとっておるところでございますが、したがって掛け捨ての対象になる人が非常に多いのではないかという御指摘かと思います。 建退共におきましてかつて調査したものがございまして、五十三年までに共済手帳の更新があったものにつきまして調査をいたしております。年間の就業が半年に満たない者、したがって一冊の手帳を張りますのに二年以上かかった者、これが約二割おりますけれども、それを除いて集計をいたしますと、一年分すなわち二百五十二枚の証紙を貼付するための平均的な期間は十四月となっております。したがいまして、二年分を貼付するためには、この例でいきますと二年四カ月たてば二年分の証紙が貼付をされ、それ以降については退職金の支給の対象になるということになるわけでございます。 ところで、二年の期間について掛け捨ての制度をとるのは非常にきつい制度ではないかという御指摘でございます。 御承知のように、この制度は共済の仕組みとし、かつ実際の一般の退職金の動向ともにらみ合わせながら給付のカーブを描いておりまして、一般の企業におきます退職金制度は短期間のところについては不支給あるいは非常に低い給付がなされておるわけでございます。そのような実態も踏まえまして、この制度におきましては二年以内に退職をした人たちに対しての給付はゼロといたしておりますが、それを原資といたしまして長期勤続者に厚い給付をする、そういうことによって長期勤続者を優遇し、また労働力の定着を図っていくという制度をとっておるところでございます。 また、この制度が業界退職金制度である、すなわち個々の企業をやめたときに退職と見るのではなくて、その業界から引退をするというときをもって退職とみなすという特殊事情も加味しながらこのような制度をとっておるというのが実情でございます。
○佐藤(誼)委員 先ほどから述べているように、いまの建退共制度は、被共済者から言うと大変きついと思うのです。これは紛れもない事実だと思うのですね。それを、被共済者、つまり従業員の福祉を増進するという立場で実効あらしめるためには——中退金の場合にもそうです。特に建退共の場合には、先ほど申し上げた、証紙を貼付するという制度からいっても、やはり建退共の加入率をいかにして高めるか、これに十分留意しなければならない。同じように働いても張ってもらえないのですから。このことが一つ。 それから、外で働く現場労働者が多いわけですから、貼付についての事務の簡素化、この辺あたり一考を要するのではないか。そういうことの啓蒙を通じてざらに証紙貼付を徹底するということが二番目。 それから、ただいま答弁ありましたけれども、確かに制度の仕組みからそれは理解できないわけじゃない。しかし、一般の中退金は一年はかけ捨てでしょうけれども、二年になれば満額でなくても一応でるわけです。ところがこの建退共は、業界から引退した場合といえばそうなんだけれども、働いて貼付した部分については同じなんですよ。それを、二年間も一生懸命になって働いて貼付していっても、先ほどあったように二年間じゃ貼付できないのですから。それを二年間貼付しても掛け捨てになるというのは、ちょっと私は問題があると思う。この辺をひとつ御検討いただきたいというふうに思います。 そこで次に、建退共のことに絡んでの公共工事関係を質問いたします。 公共工事を発注するに当たって、建退共に加入しているかどうかを、指名業者を選定する場合の資格要件か何かにしているのかどうか、まずその点を伺いたい。
○青木説明員 私、建設省の直轄工事の契約指導を担当しております立場で申し上げますが、建設省の直轄工事におきましては、特に資格要件というかっこうではとらえておりませんけれども、資格審査、競争参加資格の格づけのための審査を行っております。その際に、建設業退職金共済組合に加入しておられる方々を優遇する。勧奨するという趣旨で、そのような方に対しては一定の点数を付与するということで格づけをしている次第でございます。
○佐藤(誼)委員 そうすると、発注するに当たっては点数制で優遇している。それじゃ、その工事を請け負ったらどうなるのですか。請け負った後は加入することが義務づけられるのか、どうなんですか。
○青木説明員 私どもの場合、指名業者に対して現場説明というものをいたします。その際にも共済組合に加入するようにということも勧奨いたしておりまして、実際問題といたしまして、直轄工事の場合、すべての場合において共済組合に加入しておられる方が現実には指名されておると理解しております。
○佐藤(誼)委員 そこで続いて、公共工事の場合には、建退共制度に基づく事業主負担相当額、これを予定価格に積算して見る、そして入札に付する、そういうふうになっているというふうに聞いているけれども、その辺はどうですか。
○萩原説明員 お答えいたします。 御指摘の建設業退職金共済制度に基づく事業主負担相当額でございますが、請負工事費の中の現場管理費、その中に法定福利費という項がございます。その法定福利費に準じた扱いといたしまして組み入れているところでございます。 ただ、ちょっと迂遠な御説明になりますが、請負工事費の積算の際には、いわゆる積み上げ計算と申しまして数量とか金額を積み上げますやり方と、一々その積み上げをいたしませんで、いわゆる率計算によりまして金額を決めるものと二通りで構成されておるわけでございますが、この建退共掛金が含まれております現場管理費は、後者の率計算によりまして積算をいたしておるわけでございます。
○佐藤(誼)委員 いまの後半の方の率計算でいくと、工事予定価格の大体何%といいますか何割というか、おおよそどんな数字になっているのですか、そこは。概数で結構なんです。
○萩原説明員 御存じのように、この掛金額は現在のところ任意保険的な扱いになりますので、私どもは実態調査に基づきまして率を大体見当をつけておるわけでございます。 その実態調査でございますが、土木工事につきましては昭和五十年度に実施いたしまして、公共土木請負工事諸経費等調査、それから建築工事につきましては昭和五十四年度に実施をいたしまして、公共建築工事諸経費等実態調査、そういうものをやってございます。この実態調査によりまして、各工事ごとの負担実績を調べまして、それに基づいて率を決めることにしてございますが、その実態調査によります率は、私ども純工事費と申しておりますが、実際に工事にかかるお金に対しまして、大体千分の二・五から千分の三前後と考えております。
○佐藤(誼)委員 これは何年ごろからなんですか。五十年度からですか。
○萩原説明員 私どもの積算制度上大体十年間隔でそういう現場経費の見直しをいたしておりますが、ただいま申し上げましたように、土木工事につきましては、昭和五十年度の調査によりまして、昭和五十一年の七月以降新しい数字を使ってございます。それから公共建築工事につきましては、五十四年度中の調査によりまして、昨年、五十五年の十一月ごろから検討いたしました新しい諸経費率を使ってございます。
○佐藤(誼)委員 そうするとこれは、公共工事といえば非常に広いわけですね。建設省所管であっても、直轄もあれば、補助事業によるものもあれば、各省庁所管の公共工事もありますね。いまあなたが答弁しているのはどの範囲内のことを言っているのですか。
○萩原説明員 私が答弁しておりますのは、建設省所管事業の直轄事業の範囲になります。 ただ、直轄におきましてそういう率の改定をいたしました折には、他の省庁、それから都道府県に対しまして、建設省の直轄工事においてこのような措置をしたのでということを同時にお知らせをいたしております。
○佐藤(誼)委員 そうすると、いまの建設省の直轄工事、ここを軸にしていまのような率の積算をする。これを、建設省の補助事業をやる各出先、たとえば都道府県知事とか、あるいは文部省とか運輸省とか、各省庁がありますね。そういうところには、いまあなたが言われたような制度、率、こういうものをあなたの建設省から全部、協力要請事項として、文書が流れているのですか。そこはどうなっているのですか。
○萩原説明員 建設省としてこう決めたので、参考のため送付するという形で流しております。権限上、私どもの方に、それにならっていただくことをお願いするだけの権限がございませんので、そういう形をとらしていただいております。
○佐藤(誼)委員 いまのことは昭和四十五年の五月一日、これは官房長から出ていますね。それから、同じく昭和四十五年に建設省計画局長から出ていますね、文書通達。同じく昭和四十五年に建設省計画局建設振興課長名で出ていますね。四十五年にはこの三本出ているわけですね。そうするとこの通達は、いまのような趣旨に沿って出された通達、このように理解してよろしいですか。
○青木説明員 計画局は私どもの建設業の所管をいたしておりまして、建設業を所管する立場から、計画局の方で各発注者に、こういう制度ができておるので協力をしてくれという依頼をしたものでございます。私どもの方はその下の直轄でございますので、直轄工事についてはこういう扱いをしている、その際、いろいろ御参考にするために私どもの扱いを各発注者の方にも御連絡しているということで、それぞれどういうふうにお決めになるかは、各発注者、都道府県なり各省庁なりが個別にお決めになることでございまして、私どもはそこまで容喙することはできないので、御連絡だけ申し上げるということでございます。
○佐藤(誼)委員 どうも私は、その辺わからない点があるのですけれども、建設省直轄事業については、いまのような制度といいますか、やり方をもって、しかもそれなりにはっきりしてやっているようですけれども、他のところにはあなたの方から要請して、その行き先が、具体的にやっているものやらやっていないものやら、チェックの機能もなければどうなっているかわからぬ、ただ協力要請だけだ、と。これでは余りにも行政としては不均衡ではないかと思うんですよ。 したがって、私は労働省に聞くのだけれども、このような建設省の直轄の部分についてはわかったけれども、そのほかの部分がどういうふうになっているのか、この辺はどうなんですか。労働省としてはどう把握しているのですか。
○寺園政府委員 建設省の直轄工事につきましては、ただいま建設省から説明のあったところでございますが、その他の地方団体あるいは公社、公団等の発注における証紙分の積算上の取り扱いについて、私どもは詳細には承知はいたしておらないわけでございますが、いずれにいたしましても、建設業に期間雇用者として雇用された労働者のために証紙がちゃんと正確に張られるということは大変重要なことでございますので、証紙の貼付について一層の普及と申しますか、徹底を図ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○佐藤(誼)委員 私は、所管する労働省としてはちょっとやはりこのことは問題だと思うんですよ、詳細を把握していないと言うのだけれども。たとえば建設省の直轄事業で、建退共そのものの制度の趣旨に沿って、国の事業であるから、そこからやはり制度の実効を上げようということで積算されて、そしてその証紙を買ったものを出させて、それをチェックして発注するところまでやっておるわけでしょう。これは、やはり私はかなり建退共の普及、実効を上げることにプラスになっていると思うのです。ところが、建設省の直轄以外のことについて建設省がいろいろ口出しすることは、私は行政の筋から言って問題があろうと思うんですよ。しかし、そのことによって実効を上げられている、あるいは上げなければならぬ所管の労働省が、建設省の直轄のものをやっていることはわかっているけれども、ほかの方はどうなっているかわからぬというのでは、私はうまくないと思うんですよ。 そこは、少なくとも建設省の直轄でやっているようなことが、しかも通達まで出しているのですから、それがどのように効果を上げているかということをつぶさに調査をしながら、それが建設省の直轄と同じように実効を上げるように、たとえば閣議で決めるとか、あるいは他の省庁と連絡をするとか、そういうやはり実効の上がるような連絡、調整、指導をするということが、私はあってしかるべきだと思うけれども、私はその点が問題だと思うのですが、労働大臣どうですか。 〔委員長退席、湯川委員長代理着席〕
○寺園政府委員 先生御指摘の、実態がどうなっておるのかということの把握につきましては、建設省とも御相談しながら勉強をしてまいりたいというふうに思っておりますが、公共工事を含めまして、建設業におきます証紙の貼付状況のチェックのために、五十六年度からは共済契約者管理システムというのを新しく導入することにいたしております。コンピューターを利用いたしまして共済契約者の管理を的確にし、それを通じて証紙の貼付状況を把握し、その証紙の貼付の徹底というものに一層の努力をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○佐藤(誼)委員 私は、この建退共の加入促進も含めて、実効を上げる意味において、いまのことはきわめて重要なてこになる部分だ、つまり公共工事の発注の時点からそういうような実効の上がる制度に持っていくということが非常に重要だと思うんですよ。 ところが、先ほどから言っているように、建設省の直轄の方はそういうふうになっていることも把握できたし、わかる。ところが、他の方はなかなか実態が明らかでない。言うなれば実効が上がっているのかどうかということもわからない。この辺、重要な分野だと私は思うのですが、労働大臣、この辺はどうですかね。
○藤尾国務大臣 私も細かいことはよくわかりませんので、何とも的確な御返答になるかどうかわかりませんけれども、いずれにいたしましても、そういった建設業の指名入札、応札決定というようなことがありました際に、それだけのものは積算の中に入って業者の手元に入るわけでございますから、これは把握するのはあたりまえでございまして、先生のおっしゃられるとおり、直轄事業でなくとも、それぞれ県の補助事業であろうと、あるいは市の補助事業であろうと、場合によりましたらその他の事業にいたしましても、各省に連絡をとってその報告義務を負わせると申しますか、報告の責任をとってもらうように、関係省庁の間で話し合いをするというようなことはできることでございますから、できることをやるにやぶさかではございませんから、そのように進めさせていただいてよろしゅうございます。
○佐藤(誼)委員 いまの労働大臣の答弁は、私は、重要な意味を持つ答弁だと思うので、その点はいま大臣がいみじくも言われたので私も賛成なんで、実態をきちっと把握し、報告義務を含めて実効の上がるようにひとつぜひしていただきたいと思います。 なお、参考になのですけれども、私の方の調査したのによりますと、建設省の直轄工事も含めて、昭和五十四年の公共工事の総工事費というのが出ています。これは諸官庁ずっとありますが、トータルで言いますと、これは十兆七千五百六十二億三千二百万円という数字が出ています。これが仮に建設省の直轄のように相当額を予定価格の中に積算しているというふうにすれば、その数字を千分の三としますよ。そうしますと、十兆七千五百六十二億三千二百万円に千分の三を掛けますと、三百二十二億六千八百六十九万六千円になるのです。これだけのものが証紙を買って、被共済者に張られていって、これが具体的に福祉活動につながっていくわけなんですよ。私は、この部分がきわめて不十分になっている、こう思うわけです。 それから、同じ年の建退共証紙売上高、どれだけ証紙が売られているかというふうに見ますと、百七十三億六千五十六万一千円になっているのです。もちろん、この中には民間も入っていますから、これは全部公共事業の発注に伴うものだけではありません。もし民間がゼロだとして、この百七十三億六千五十六万一千円というものは公共工事関係だけで買ったものだ、と。そうしますと、先ほどの数字から差し引きますと、百四十九億八百十三万五千円、どの省庁もやったとすれば、これだけのものが加わって買われて、百四十九億に相当するものが買われて、そして被共済者の手帳に貼付されて、そして具体的に福祉向上につながっていくはずなのです。ところが、先ほど申し上げたように、一部にはその制度がありながら、具体的には建設省直轄でやっているけれども、他の省庁では、この行方が掌握もされていなければ、きわめてチェックもされていない、不十分なままこういうものが生かされていないという問題があるわけです。 私は先ほどから言っているように、建退共の加入率をふやさなければならぬし、むずかしい中で実効を上げようとするならば、確かに民間の工事に対して言うことも必要ですよ。しかし、まず隗から始めよで、公共工事の方からやっていくことによって、川上の方から川下の方に影響を及ぼしていくということが、私は非常に必要だと思うのです。これは先ほど労働大臣から答弁がありましたから、その趣旨はわかるのですけれども、所管の部局としても、これに対してどう考えるのか、私は重ねて御答弁いただきたいと思います。
○寺園政府委員 全体の公共工事をもとにして証紙の相当額を算出をされ、それと建退共の実際の売上高との比較をされたわけでございますけれども、確かに建退共の総売り上げの中には先生御指摘のように民間部分も入っておるわけでございます。民間部分を除いたとしてもかなりの差になる、そこが問題ではないかという御指摘でございますが、大変ごもっともな御指摘だというふうに思うわけでございますが、ただ公共工事の中には、その請負先が必ずしも中小企業でない場合、あるいは常用労働者については企業独自の退職金制度を持っておるというようなことで、中小企業退職金共済制度の対象にならない部分もあるわけでございます。その部分も考慮してもいいのではないかというふうに思うわけでございますが、いずれにいたしましてもそのような差が出てくる一つの大きな原因はやはり加入が必ずしも十分でない、あるいは証紙の貼付が必ずしも徹底をされておらないという問題があろうかと思いますので、これらの点につきましては公共工事を中心としながらより一層の徹底を図ってまいりたい、そのために五十六年度から新しくコンピューターを活用した共済契約者の管理チェックシステムというものも発足させながら、これを活用してより一層の徹底を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○佐藤(誼)委員 公共工事関係では先に私一、二要望を述べて終わりたいと思うのですが、いまいろいろ答弁ありましたから、来年はぜひその実効の上がった成果を私は聞きたいと思うのですが、そういう意味で、建設省の直轄以外のところでも公共工事についてはしかるべき予定価格の中に積算する、これを普及徹底するということがまず一つ。 それから二番目は、検討しなければならぬと思うのだけれども、公共工事を発注するに当たって、その指名の請負業者に入るためには少なくとも建退共に入っている、こういうことをチェックするか、加入の指名業者になる資格条件にするか、何かそういうものを考えていいのではないか。それは下請の関係についても何らかの方法で考えていいのではないか。特にそれに絡んで、先ほど質問しませんでしたけれども、元請が入っておっても下請が入っていなければこれは問題なわけです。この辺の問題を十分考えなければならないのではないか。 それから、それに証紙を張っても、証紙を買ってそれを発注者に提示をしても、それが果たして適正に消化されているのかどうか、果たして張られているのかどうか、この辺のチェックの問題もありますので、この辺のところは、時間もかなりたっていますから答弁は要りませんけれども、ぜひひとつ御検討をいただきたいというふうに思います。 なお、この機会でありますので、建設業にかかわって重要な問題の一つに労働災害があるのです。この労働災害を質問して私は終わりたいと思うのですが、建設業で労働災害が非常に多いというふうに聞いていますけれども、最近の労働災害の状況はどうですか。
○吉本(実)政府委員 建設業におきます労働災害につきましては、長期的には減少を見ているところでございますけれども、五十年以降増加の状態にありましたが、五十四年、五十五年ともに減少を見ているところでございます。 五十五年について見ますと、休業四日以上の死傷災害で、五十五年十二月末現在でございますが、九万三千二百十八人。それから死亡災害で千三百七十一人、これは五十六年の二月末でございます。という状況でございまして、同じ時期に比べますと、死傷災害につきましては二・二%の減、死亡災害につきましては二・四%の減になっております。 しかしながら、建設業におきます労働災害というものは、全産業に占める割合を見ますと、五十四年におきまして、死傷災害で約三分の一、死亡災害で約二分の一、こういった高率を示しておりますし、また、災害発生の頻度を示す度数率におきましても全産業平均の約二倍、また、災害の重篤度を示す強度率におきましても全産業平均の約四倍と、こういうような状況で、建設業におきます災害防止というものは一番重要な課題であるというふうに考えております。
○佐藤(誼)委員 いま数字をるる述べられましたが、確かに死傷者を含めた労働災害は全産業の三分の一、死傷者の場合に約半分、これはずうっと統計的に見ると、まあ当局側の御努力もあってそうでしょうけれども、労働災害そのものは確かに減りつつあります。しかし、その中における建設業の、いま申し上げたような比率は変わっていないのですね。しかも、御承知のとおり建設業の場合の災害の規模が大型なんです。しかも死亡者が多いということですね。したがって、御案内のとおり、昨年の六月の二日ですか、労働安全衛生法の改正をなされた。これも、中心は、この建設業の労働災害、大型災害をいかにしてなくすかということに焦点を当ててこの法律が改正されたことは御承知のとおりです。 そういう法律が制定された後に、皆さんが、この法の改正の趣旨に基づいて、建設業の労働災害撲滅に以後どのような施策を施してきたのか、また、これから具体的にどういう計画をもってその撲滅のために努力するつもりなのか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
○吉本(実)政府委員 建設業におきます災害防止対策は、先ほども申しましたように、きわめて重要な課題として考えておりますので、これに全力を注いでいるところでございますが、昨年労働安全衛生法の改正を行いまして、その一連の法改正を行ったところでございます。今後はその運用面での充実を図るということに重点を置いてまいりたいというふうに考えておりますし、本年度の行政運営の方針におきましても、建設業におきます総合的な労働災害防止対策ということでいろいろな施策を講じていこうというところでございます。 たとえば隧道等の建設工事に従事する労働者に対しましては、特別の安全衛生教育の実施、また法律に基づきます救護に関する事前の措置、また超大規模トンネル工事におきまして労働大臣への計画の届け出、こういった法改正の内容の周知、さらには非常に件数の多い木造家屋建築工事等の小規模工事におきまして、こういった面におきます安全対策検討委員会の設置、運営等を通じまして自主的な安全管理を進める、こういうようなことで総合的な労働災害対策を建設業を中心にやってまいるというようなことで対処しているところでございます。
○佐藤(誼)委員 昨年労災保険法の改正があったわけで、これは私、本会議でも、内閣総理大臣、労働大臣に質問しました。それに対して、いま述べられたように、その答弁で、依然として労働災害が多い、非常にこれは遺憾なことであって、労働政策はもちろんのこと、国政の重要な柱として労働災害の撲滅のために取り組みたいということを内閣総理大臣も労働大臣も答弁しているわけです。ですから、これはどの政策が重要でないなんていうことを言いませんけれども、事人命にかかわるし、これはできてからでは遅いわけです。これは肝に銘じてひとつやっていただきたいと思うのです。 私は先ほど、建設関係の工事というのは規模が非常に大型だ、こういうことを申し上げましたのですけれども、大型である上に類似の事故がずっと頻発して起こっているという特徴があるのですね。 たとえば山形県の最上川中流水利事業トンネル工事というのがある。これが昭和五十一年五月十日に死亡者九名の事故を起こした。ところが二年後に、同じ最上川中流水利事業のトンネル工事で、場所はちょっと違いますよ、これで二年後に同じ事故が起こっておる。ここでやはり九名死んでいる。それから上越新幹線のトンネル工事、これは五十二年の七月に湯沢トンネルでもって事故が起こった。ところが二年後の五十四年三月に、同じ上越新幹線の大清水トンネルで起こっておる。全部大型です、類似の事故が。何とかこれを防ぐことができないのかということなんです。 ですからこれは、確かにいま局長も答弁されて、しかるべき努力をしているし、こういう計画だということを言われましたけれども、私は労働大臣の最も重要な施策の一つだと思うのです。しかも、これは労働大臣の決意にかかる部分が非常に多いと思う。聞くところによると、藤尾労働大臣は労働災害撲滅の大号令をかけてがんばっておられるという話も内輪から聞いております。実際に当たってどのように進めておられるか、その辺を所信も含めてひとつお聞かせいただきたい。
○藤尾国務大臣 私は、先生御指摘のとおり、人命にかかわるような類似の事故をたびたび起こし、労働災害事故の中の三分の一を占めるというような不名誉な記録を建設業界が依然として改め切れないというようなことは、建設業界に携わっておられる方々の恥であるということを申し上げまして、実は労働災害事故をゼロにしろということでやかましく指導をいたしております。にもかかわりませず、その目的といいまするものが達成できませんで、やや事故が減ったとかなんとかというような程度で現在推移しておるということはまことにお恥ずかしい次第だ、かように考えております。 したがいまして、今後とも、いままでもそうでございますけれども、大型の労働災害事故を起こすなどというような管理体制であれば、それはよほど建設会社にその工事遂行能力に欠けるところがある、私どもはかように考えざるを得ないわけでございまして、そのようなことに対しましては厳しい制裁措置を加えなければならぬ、私はかように考える。このことは建設大臣その他にも御連絡を申し上げて、各建設業者の代表でありまする日建連の指導者の方々にはお伝えを申し上げて、そして厳しくそれを守ってもらうようにという指導はいたしておるわけでございます。 しかしながら、このことは一回私が物を申したからどうということではございませんから、これは機会あるたびにこれを集めまして、そうして災害事故に十二分に注意をして、仕事にかかる前に必ず一回会合をして安全の点検をし、かつ、安全に対しまするそれぞれの決意をお示しいただいて仕事にかかれ、昼間には、休む前にあるいは休み後に必ず会合をして、三分でも五分でもその会合をやって安全を点検するようにという指示をいたしておるわけでございます。 しかし、それでもなお起こっておるということは、よほど管理に手落ちがあるか、あるいは人間の悲しさでございますか、同じようなことが起こっておるにもかかわりませず、二度三度同じような仕事をしておりますと、お働きの方々の上にもなれがあらわれてまいりまして、そうして穴の中に入るなどということは、その穴の中のガス等々完全に点検をすれば何でもないことだと私は思いますけれども、ところがそれが怠られて災害につながっておる、事故を起こしておるということはまことに残念だと思います。 しかしながら、これは誓って皆様方に申し上げますけれども、私の在任中にこれだけ減ったかと言われるくらいの成績は必ずおさめるようにいたしますから、どうぞさように御承知おきを願います。
○佐藤(誼)委員 労働大臣の決意のほどはわかったわけでありますが、幸い昨年労働安全衛生法の改正の中で、いま労働大臣が決意を述べられたことを具体的な施策の中でということで、事前計画の提示とか、ずっと幾つか改正されておるわけです。こういうことをあわせながら、現大臣が在任中にこれだけ減った、しかもそれがかなり顕著に減ったという形で、ひとつ実効が上がるようにしてもらいたいと思うのです。 ただその中で、先ほど大臣は厳しい制裁措置ということを言われましたけれども、これは私はきわめて重要な部分だと思うのです。とかく私たちは業者をいろいろ責めると同時に、業者と深くつながっている発注者側、こちらの方も同時に両にらみしていかなければならぬのじゃないかと思うのです。 たとえばその発注の主体というのはたくさんありますから、それに対していま話のありましたような労働安全対策が不十分だ、それから事故が頻発しておる、こういうようなところには発注しないというような措置とか、その辺あたりを十分制裁措置として目に見える形でやる必要があるのじゃないかということが一つ。 それからもう一つは、発注するに当たっての配慮ですけれども、どうしても工期を短くしてしまうと焦りが出てくる。ですから、労働災害が起こらないような十分な工期の長さの配慮ということをあらかじめ発注側でしなければならぬのではないかということですね。 それからもう一つは、土木工事関係というのはほとんど下請に出されますから、元請から下請に出すときの下請単価の適正化、その辺の管理、そうしないとどうしても下請の方で無理が入りますから、その辺の一貫した規制措置と指導が必要じゃないかというふうに私は思うのですが、重ねてその辺はどうですか。
○吉本(実)政府委員 先生御指摘のように、建設業におきます災害防止を図ることにつきましては、特に発注者側に対するいろいろな措置が必要だろうというふうに考えておるわけでございます。 ただいま御指摘の第一点の、いわゆる災害事故を起こしたところにつきましては発注をしないということにつきましては、建設省との間でいろいろ連絡体制をとってございまして、そういった点についての情報を提供しながらそういった措置をとるようにお願いをしておるところでございます。 また一般的に、発注機関の問題につきまして、ただいま工期の問題あるいは工事費の問題等いろいろな諸点がございますが、建設省、運輸省、農林水産省、こういった本省並びにその各地方機関、それと並行いたしまして労働基準局、本省、また各地方の公共団体、こういったところとの連絡会議というのを設置してございまして、ただいま先生御指摘のような事柄についての情報交換をし、適切な工期、適切な工事費の積算、こういったようなことについていろいろ要請もお願いもし、連絡協議機関でそういった点についての配慮を行っておるというようなことを実施しているところでございます。
○佐藤(誼)委員 時間になりました。最後に要望だけして終わりますが、中退金の制度、建退共その他も含めて、大変制度としてすぐれた側面があるわけです。これはどなたも否定されないと思うのですね。このすぐれた面をどう生かしていくかということは、いかにして実効を上げるかということにあると思うのです。その中心は加入の問題だと思うのですが、そういう意味で、いい面をいかに伸ばし実効を上げるかということについて、ひとつ格段の努力をしていただきたいということが一つ。 それから建設業中心に労災の問題を出しましたけれども、これはできてしまってからでは遅いし、しかも事故に遭えば一生その傷を背負って生きなければならぬわけです。事人命にかかわる問題ですから、何も行政改革だけが政治生命をかけなければならぬものじゃないですから、労働大臣の政治生命をかけて労働災害撲滅のための決意を聞きましたから、ひとつ御奮闘をいただきたい。このことを最後に要望申し上げまして、私の質問を終わります。
○湯川委員長代理 午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ————◇————— 午後一時三十四分開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に対する質疑を続行いたします。田口一男君。
○田口委員 午前中の質問と多少ダブる点が出てくるかもしれないと思うのですが、現行の中退金の制度というものは、現在約三百二十数万、そういった多くの被共済者を抱えており、中小企業の問題の福祉対策ということについての大変重要な柱の一つである、こういう評価をされておると思うのですが、私も全くそのとおりであると思います。 そういった評価をされておる制度の中に、午前中もちょっと発言がありましたけれども、待望久しかった林業労働者が包含をされる、これは朗報と言っても言い過ぎでない。ただそれだけに、私の地元なんかも山林県と言われておりますので多くの林業労働者がおるのですが、一体こういう場合に入れてもらえるんだろうか、こういう状態の林業労働者は被共済者になるんだろうかといった、役所の方から見てわかり切ったようなことまでも心配をしておるわけですね。そういう点がございますので、でき得ればそういう素朴な質問に対してずばりと答えるという意味も含めて、ひとつお答えをいただきたいと思います。 第一は、午前中にもあった、相当多くの労働者がおるのですが、どの程度までを被共済者として包んでいくのか。 これはちょっと資料が古いのですが、昭和五十一年、五十二年の全林野労働組合が調べました「民間林業従事者の社会保障関係の適用状況」、ここのところを見ますと、各制度別に人数は全く符合をしていない。参考までに申し上げますと、労災保険、昭和五十二年度の数字だけ取り上げますと、作業班員、役職員とありますが、これは一応除いて、作業班員で五万六千六百十八人が労災保険の対象になっておる。ところが、失業保険の方にいきますと二万五千七百七十一人、そして中退金の方にもあるのですが、それを見ますと、わずか六千四百三十九名という数字、どれも似通ったところがないんですね。 それから社労の調査室で出してもらっております資料を見ますと、六十一ページに「林業就業者数の推移」というところがございますが、一番下の欄の雇用者の欄、常雇いでいま言った昭和五十二年度の欄を見た場合に十万人、臨時・日雇いの欄を見たところで五万人、ですから常用と臨時・日雇いで十五万。さらにまた林野庁がここ三年こういった制度を補助事業としてやっておるのですけれども、その適用者の一番新しい五十五年九月一日現在を見ましても三万五千五十三人。 こういうふうに、これは一たん号令をかけたら全部すぱっと入るものでありませんから、私は全部符合しなければならぬとまでは思いませんけれども、余りにも差があり過ぎる。 ですから、その林業労働者の形態から見てどの辺まで入っていくのか、どの程度の予想をしておるのか、そこのところをまずお聞かせいただきたいと思います。
○寺園政府委員 林業におきまして退職金共済事業を開始いたしましたときに、その事業の対象になる従業員と申しますか労働者は、林業に従事することを常態とする期間雇用者を対象といたすわけでございます。その数は、林業労働者の特別性からなかなか正確な数は把握しがたいのでございますけれども、私どもは約九万七千人が対象労働者になるであろうというふうに思っております。
○田口委員 林業を常態とする労働者というのですが、御存じだと思うのですが、林業労働の常として雇用形態にいろいろな形態があると思うのですね。私がさっき数字を挙げた中退金に六千四、五百名入ってみえるというのは、これは推定ですが製材工あたりが現行中退金の制度に入っておるのじゃないか。この製材を一番最後として考えた場合に、製材に持っていく土場で検尺人とかいろいろな林業労働者が働いておりますが、そこらのところまでは数が常時把握できるけれども、私が聞きますと、三重県なんかで年間ならしていきますと、雨があったり盆正月があったりいろいろなことがあって、月平均十五日から十八日ぐらいしか働いていない。あとは百姓やったり、それからときには親方の家の家事を手伝う、こういう林業労働者が大半を占めるのですね。 こういった状態の中で林業退職共済をつくる場合に、どういうくくり方をするのか。現行法でこの第二条の一項に定義がありますけれども、事業者というのは一体どういうふうになっているのか。それから従業者、その被共済者をどういうふうにくくっていくのか。また第三条に言っておりますように、共済契約を結ぶのにこの相手が特定できるのかどうか、こういった疑問も出てくる。さらに四条での掛金の問題は、現在林野庁の方で百五十円ですかそうなっておるらしいのですけれども、そういった掛金はどうするのか。 少なくともいま言った三項ぐらい、林業労働者をくくっていくくくり方を概括的にお答え願いたいと思います。
○寺園政府委員 先生御指摘のように、林業におきましてはその就労日数が天候等の気象条件等に左右されるというようなことから、平均的な就労日が一ケ月十五日程度になる就業者が多いようでございます。この中退制度を適用するに当たりまして、その対象となります労働者は、先ほど申し上げましたように林業に常態として従事する者、すなわち林業によって主たる生活の糧を得ている人を対象にするわけでございます。したがいまして、平均の就労日数が十五日あるいは十八日でありましても、そのような要件にはまっておれば当然この中退制度の適用の対象になるということでございます。
○田口委員 もう少しちょっと掘り下げて一つの例を申し上げたいのですが、渡りそまという、これは方言かもしれませんけれども、歌にある包丁一丁さらしに巻いて、ということを頭に置いてもらったらいいと思うのですが、そういう渡りそまと言われる林業労働者がいる。これは聞いてみると、この親方といいますか事業者は、一山買ってそこの木を伐採するのにその労働者を使うわけですね。それで、その一山終わってしまうと事業主との契約は切れる。その労働者は、また次にどこかの山を伐採するところに働きに行く。だから極端に言えば、三重県のある山におったけれども一カ月後には奈良県に行っておるとか和歌山県に行っておるとか、これを私どもは俗に渡りそまと言っているのですけれども、こういう渡りそまもこの対象に入るのかどうか。 ですから私の方で一応普通考える退職金というと、やかたの中で一年、二年、十年と働いて、もう年ですからやめていきます、じゃあ御苦労さんといって退職になる。ところが林業労働者は、Aという事業者に終身雇用というふうなあれはないわけですね、いまの渡りそまなんか。そうするとA、B、Cとどんどん変わっていくという場合に、その林業労働者のこういった制度というものが変わることによって御破算になってしまうのか、一つの事業主にしがみついておれということを言っておるのかというふうな質問も出るわけですが、そこらのところはどうなんですか。
○寺園政府委員 中小企業退職金共済制度におきまして、一般の退職金制度とは別に特定業種退職金共済制度というものを設けました趣旨は、まさに先生御指摘のように転々と雇用者をかえる労働者、その人たちの退職金について制度を確立したいということからこの制度を立てたわけでございます。通常の場合ですと、A会社に勤めてA会社をやめたときに退職金の支給を受けるということでございますけれども、この特定業種退職金共済制度におきましては、林業に従事するという観念をいたしまして、林業を営む事業主に期間雇用者として雇用されるという場合には、すべてこの対象になるわけでございます。 したがいまして、Aの事業所、林業者のところに雇用され、それからBのところに雇用される、そうするとA、Bの事業主がそれぞれ共済契約者であるという場合には、その間を歩いた、いまの先生の御指摘ですと渡りそまと言うのでございましょうか、その人は被共済契約者となり、証紙の貼付を受けてその前後を通算をして退職金の支給を受けるということになるわけでございます。
○田口委員 そうしますと、やや事務的な質問ですが、そういう場合の末端における実施主体というか窓口というか、いま林野庁でやっておるのはどこを窓口にしてやっておるのか、いわゆる森林組合などが主になるのか、その辺はどうですか。
○安橋説明員 いま林業の退職金共済組合の準備事業で三年間やっております事業につきましては、各県の積み立て事業実施主体を各県ごとに決めておるわけでございますが、大多数の県は県の森林組合連合会が積み立て事業の実施主体になっているわけでございます。それの事務というのが、末端では森林組合になっているということでございます。
○田口委員 今度、いまある林業共済なるものが発足をしますと、労働省はいまの形のままをやるのですか。証紙とかどうとかという、そういう問題ががらっと変わるのか、いまのままをすっぽりそのまま引き写すのかという点です。
○寺園政府委員 新しい組合におきまして林業の退職金共済事業を開始いたしましたときに、契約の対象となりますのは個々の事業主でございます。ただ、現在すでに森林組合連合会等で積み立て事業を実施されておるわけでございますので、それを新しい組合が引き継ぎをいたしましてそれなりの評価をして、前後の期間を通算をして退職金を支給するということになるわけでございます。
○田口委員 これで最後にしますが、そうなっていくと、私は一番初めに待望久しかったということを申し上げたのですけれども、いまの林業労働者の振動病なんかの状態から見て、さっき申し上げたように十万も常用労働者があるとか、入っていないのは三万程度だとかというふうにばらばらな原因は、PRという問題もあるのでしょうけれども、林業事業者の方にとって抱えておる労働者の福祉問題に対する関心が、こういう言い方はなんですが、ちょっと薄いのではないのか。それからいまの振動病なんかでよく言うのですけれども、チェーンソーを使う、そうすれば使いっ放しでは振動病になるのだからある程度規制をしなければならぬじゃないか、こう言ってもなかなかそれが守られない。ということは、木材価格、コストの問題にもなってくるわけですから、掛金が幾らになるか知りませんが、現行百五十円、余り功を急いで一人当たり五百円、千円というふうな掛金も、将来労働者の退職金の金額からすれば望ましいことかもしれませんけれども、それによってああ負担がかかり過ぎるな、だからちょっと加入するのは見合わせようかということになりかねない。したがって、この辺の掛金の押さえ方も十分勘考してほしいと思うのです。 林業事業者といわれる形態、たとえば請負業者、さっき私は親方と言いましたけれども、一山買ってまた次の山を買う、立木買い受け業者という名前もついておるのですが、そういった方がえてして一つの山が終わったら、はいそれまでよということになってしまうのです。となると、せっかくそこで仮に一年か一定の年数を働いても証紙なんかを張ってくれるのかということですね。実はそういう心配があるわけであります。 したがって、労働大臣、最後に御決意のほどを承って、後十分この制度の実効性を上げてほしいと思うのですけれども、とらえやすい業者といいますか、そういうところで安住をするのではなくて、できることなら出さずに済ませたいというのが人情ですから、そういった業者であっても、せっかくつくった、大方の歓迎を受けてできる制度ですから、予期した被共済者が入ってくるように指導徹底方をやってもらう必要があるんじゃないか。そういう点、地方でも期待をしておりますので、それに対するお考えのほどを承って、終わりたいと思います。
○藤尾国務大臣 私も山のことは詳しいわけではございませんので、何とも言えませんけれども、何といいましてもとにかく山のことでございますから、山持ちさんがおられるわけでありますから、この山持ちさんはわかるはずでございます。これは林野庁でお調べをいただけば、日本国中何県何郡何町にどれだけの山持ちがおられるかということはわかるわけでございますから、そこで責任を持ってお入りを願う。 強制力がございませんから、全部入れと言ったって、おれはいやだと言ってとことんまで反対をされればそれまでのことでございますけれども、普通の場合考えてみれば、熱心にその様態をお話を申し上げて、こういったお働きの方々に対してきちんとした先の対策ができます、だからお入りを願うのですということを、掛金は幾ら、それが何年たってどのようなことが起こった場合にどのようになっていくかというようなこともちゃんと微細にわたって丁寧に御説明を申し上げたような文書を森林組合を通じてどなたにもお渡しを申し上げて、大臣名であろうと何であろうとお入りを願いたいというようにお願いをすれば、その間を縫って落としていくというようなことは余りなくて済むのじゃないかという感じが私はするわけでございまして、いままで伺っておりましても、林野でその準備を三年間やられたわけですか、三年間おやりになられてなおかつ三五%とか五〇%とかいうようなことはそれなりに努力のほどが足りなかったのではないかという気が私はするわけで、林野もあわせてこういった一つの共済にお入りをいただくために、そういった機会でございますから、この際、私どもの担当者と林野庁でさらに一層の連絡をとりまして、もう一遍全部の方々に対しましてお入りを願うように御勧誘をいたさなければならぬ。 同時に、お働きの皆さん方に対しましても、このような制度がございますということをよく御存じいただかなければいかぬわけでございますから、その点も森林組合を通じて、お働きの皆様方、大体わかっておるわけでございますから、その旨のしおりのようなものを絵入りでも何でも結構ですからつくらせまして御発送を申し上げるというような徹底した広報活動をやっていくということをやらねばならぬのではないか、かように考えるわけでございます。
○田口委員 あと要望、意見ということにとどめおきますが、関係者がこういう心配をしておるのです。今度こういう制度をつくるらしい、ところが、普通ならば酒の杜氏の共済それから建退共、林業と三つになるわけですが、今度行革がらみでそれが一本になってしまう、となると、私は先ほど大臣の御決意を承る際に申し上げたように、安易にこの指とまれということでそれ以上の説得、PRがおざなりになってしまうのじゃないかという懸念がある。そういう懸念を払拭をするようなやり方をぜひともとっていただきたい、このことを申し上げて、終わります。
○山下委員長 次に、草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。 最近の中小企業の退職金共済事業団の動き、あるいはまたきょうここでかかっております建設業の退職金共済組合あるいは清酒製造業の退職金共済組合は、契約者の方も非常に増加をしておりますし、業務の取り扱い状況も非常に大きく伸びてきておるわけでして、建設業の退職金共済の例を見ましても、この資料では五十四年度の掛金の収納額というのは百七十三億になっておる。年度末でトータルの累積というのは九百五十九億を超えてきており、給付も十四万七千件に及んでおるということですから、本当に零細な一人親方等を含めて退職金という問題が勤労者の間に非常に大きな影響を及ぼしてきておるということもあるわけです。 そこで、一口に退職金といっても、きょうのこの議題になる方々の退職金というのは世間で言うところの退職金なのか一体何なのかという問題を一番初めにお伺いしたいわけです。退職金というのは終身雇用ということを前提にして、労働組合なんかよく賃金の後払いじゃないかということを言うわけですが、そういう性格を帯びる一時金なのか、あるいは企業サイドから言うならば長い間会社に勤めた御苦労賃というか功労金的な意味での退職金なのか。また後でも質問をいたしますが、企業年金等も含めまして退職金というものの性格は一体どういうものなのかということを、労働省の方にお伺いしたいと思います。
○寺園政府委員 退職金の性格につきましては、ただいま先生が御指摘のようにいろいろな議論がございます。賃金の後払いという考え方もございますし功労報賞であるという考え方もございます。また生活保障のための給付であるという考え方もあるわけでございますけれども、現在の退職金の性格は、それの一つで説明づけるというよりも全部の性格がその中に混在した形で性格づけられているのではないかと思っております。
○草川委員 一口でくくればそうなんでしょうが、そうすると、いま出ておる建設業関係の組合が最初にできたときの発想というのは、いままで建設業なんというのは実際は退職金はなかったのですね。ですけれども、世間で退職金という要素が非常に大きくなったので、雇用確保という面もあるでしょうし、あるいは親方が次の弟子を養成するためにも、なり手がないので退職金もあるから大工さんを継ぎなさい、左官屋さんを継ぎなさいということになったのか、とにかく発想のときに退職金というのはどんなことを考えて共済組合というのをつくったのでしょうか。世間の方で退職金というものが大きいものになってきたのだからやろうというのか、あるいは全く別に、いま言われたように、使用者側としては賃金の後払い的な性格あるいは功労的なものも含めていわゆる理論的な面から来たのか、社会的な影響があって中小企業の方にも来たのか、当初の出発はどういうところにあったのですか。
○寺園政府委員 先ほど申し上げましたように、いろいろな性格を持った退職金というものが一般の民間企業におきましてだんだん普及されてきたということを背景にしながら、建設業、特に期間雇用者につきましては就労形態の特殊性からなかなか退職金という制度ができにくい。そこで退職金という形で業界全体が相互共済、相互協力という形で退職金をつくっていこうということがこの制度発足の経過であろうと思います。 そのときに業界全体が退職金制度をつくって期間雇用者の福祉向上に資していこうという決意をされたそのもとの気持ちというのは、当時の労働力の需給の状況でありますとか他産業との比較の問題等々いろいろな要素があったのではないかと思うわけでございます。
○草川委員 私がいまなぜそういうことをわざわざ聞いたかというと、実はいま世間で言われる一般的な退職金の水準というのはかなり上がってきておるわけです。しかもそれが、いまから国あるいは地方自治体、民間と、ごうお伺いをしたいわけですけれども、かなり高水準になってくると、せっかく建退共という形で業界が期間労働者に考えられたのもちょっと時期的に合わないような気がするので、これは掛金の問題だとか国の助成の問題と関係がありますから一概に言えませんけれども、いまのような質問をしたわけです。 そこで、民間企業の退職金の水準をお聞きしたいわけですが、退職金というのも勤続年数の違いがあり、学歴の違いがあり、企業の大小の違いがありますから非常に比べにくいわけでございますけれども、労働省のつかんでいる調査で結構ですが、中小企業で百人から二百九十九人、三百人未満ということですが、中クラスの企業で勤続三十年、自己都合、会社都合、大卒、高卒、中卒と分けてこれで指定をして、どのような数字になるか、年度を含めて答弁をしていただきたい。
○寺園政府委員 五十三年の退職金制度調査によりますモデル退職金につきまして申し上げますと、百人から二百九十九人、三十年で中卒四百四十六万円、高卒五百五十三万円、大卒六百六十一万円、これはいずれも自己都合でございます。それから会社都合でございますが、中卒四百八十八万円、高卒六百十八万円、大卒七百四十一万円となっております。
○草川委員 それで結構です。 今度は自治省の方にお伺いをしますけれども、地方公務員の中で、これは一般職員と教育公務員というのがあるわけですが、これも普通退職とかいろいろな退職がありますから私の方から指定して、長期勤続後の退職、これは準則第四条に該当するわけですが、もう一つは整理退職いわゆる肩たたきですけれども、準則第五条に基づく肩たたきの一般職員の平均退職金額と教育公務員の退職金額をお聞きします。
○大塚説明員 地方公務員の一人当たりの平均退職手当の支給額の昭和五十五年四月一日現在における地方公務員給与実態調査によるもののうち、御指摘のまず準則四条の長期勤続の退職手当でございますけれども、これは通常二十年以上の勧奨退職等が該当するわけでございますが、全地方公共団体平均しまして千三百二十万一千円でございます。そのうち一般職員が千二百三万八千円でございます。教育公務員は千四百三十六万八千円でございます。 それから準則五条、いわゆる二十五年以上の勧奨退職等の場合でございますが、全地方公務員平均で申し上げますと二千百二十二万九千円でございます。一般職員は千九百八十五万七千円。それから教育公務員は二千二百四十五万五千円でございます。 以上でございます。
○草川委員 いま準則四条の方も言っていただいたですね。準則四条の方の一般職員が千二百三万八千円でございますね。 では今度は、恐れ入りますが、国家公務員の方は、地方自治体の職員と同じような条件で答えていただけばいいのですが、どうもそういうことでないようでございますので、国家公務員の場合は高卒の事務職ということにいたしまして、勤続年数二十五年、三十年、三十五年で指定をいたしますから、退職金はいかがなものか、お伺いしたいと思います。
○吉田説明員 お答えいたします。 高卒行(一)の二十五年、三十年、三十五年、これは勧奨退職ということになりますが、これで申し上げますと、二十五年は千四十七万円、三十年が千四百六十三万円、三十五年が千八百三十七万円でございます。これは五十二年度の数字でございます。
○草川委員 関係者の方、結構でございます。 そうしますと、これはまた改めて労働省の方にちょっとお伺いをしますが、いまもお話がございましたように、民間企業の場合は高卒ということで指定をしてもいいわけですけれども、会社都合なら六百万になる、あるいは自己都合でも五百五十三万になる、あるいは地方公務員の場合だと千二百万とか、肩たたきだと千九百八十五万になる、学校の先生ということになるともっと上がりまして千四百万とか二千二百万という退職金になるわけでございます。国家公務員も同じように一千万台に上がってくるわけでございまして、退職金というものの見方が勤める場所によってこれほど異なってまいりますと、一体退職金というのは何なのだろうか。 一番最初に戻りますけれども、賃金の後払いなのかあるいは本当に長い間勤めた御苦労金なのか。トータルを含めまして、何でもいいのですが、退職する場合に片や一千五百万とか二千万になる、片やその半分にも満たない。まして労働に貴賎はないわけでございまして、せっかくこの建退共なりあるいは中小企業退職金共済事業団で掛金があるわけでございますけれども、実績はほど遠いものがあるのですが、このような格差というものをどのように労働省としてはお考えになられるわけですか。
○寺園政府委員 先ほど民間の退職金について申し上げましたのは、自己都合退職あるいは会社都合退職でございます。いわゆる定年退職のモデルになりますと、民間におきましてももう少し上がるわけでございます。 そこで、民間と公務員の比較の話がただいま先生からあったわけでございますけれども、これについて私がどう思うかということにつきましては、どうも差し出がましい話のような気がするわけですけれども、そのような民間との退職金の状況比較というものを前提として法案が提出されているのではないかというふうに思っておるところでございます。
○草川委員 私はこういう格差をどういうように縮めていくかという具体的な方策なりプランということをお伺いしたいわけですし、とかく退職金というものの見方が、どちらかといえば、長い歴史があるわけですけれども、特に期間労働者というのですか一人親方的な一般的なところにはなじまない制度であったわけですが、それをとにかく雇用確保という面あるいは高齢化社会における老後の問題を含めてこのような制度ができたわけですから、制度をつくるならある程度は横にらみをしながら改善をすることが必要ではないか、こういう意味でお伺いをしておるわけです。 退職金といっても打ち出の小づちがあるわけではありませんので、いずれにしてもこのシールのように使用者側が毎月積み立てをしなければいかぬわけです。いま民間企業における労働者一人の一カ月の平均の現金給与、月給があるわけでございますけれども、企業としては現金給与以外の労働費用というのが当然あると思うのです。現金給与以外の労働費用で、一カ月退職金で幾らぐらい企業というものは積み立てておるのか。法定外福利費、法定内福利費とかいろいろなのがありますが、どっちにしても退職金は積み立てなければいかぬわけですし、コストにそれを計算しなければいかぬわけですが、民間企業の場合は一カ月どの程度の費用をコストに計算をしておるのかあるいは積み立てておるのか。その絶対金額がそのまま退職給与引当金の積み立てにはなっていないと思いますから、それは十分承知をした上で、コストという面で退職金等の費用を統計上つかんでおみえになるか、お伺いします。
○寺園政府委員 昭和五十四年に労働省で行いました労働者福祉施設制度調査によりますと、三十人以上規模の民間企業の労働者一人当たり一カ月平均の退職金等の費用は一万八百八十二円となっております。
○草川委員 だから、どちらにしましても、企業としては常用労働者一人について月に一万円を超す退職金の費用というものを考えなければ労働者を雇えぬわけです。だとするならば、もう一回こちらに戻りますけれども、中小企業なり期間労働者、季節労働者の場合でも退職金の共済事業団に対する掛金は少なくとも一万円ぐらいはある程度覚悟をさせることが基本的に必要ではないだろうか。それを実は林業の方にも、あるいはお酒の方にも、あるいはまた建設関係にも、あるいは最後にまた申し上げますけれども、実はこの特殊指定になっていないもろもろのその他の従業員というのはたくさんいるわけです。先週もここで私はたまたま人材派遣業の問題を取り上げまして、最近ではこの人材派遣業というのが非常にふえてきておる。こういうビルの窓ふきから掃除からいろいろな方がおみえになるわけですけれども、そういう方々にも、渡り鳥と言って場所を変わっていく人がいるわけですけれども、そういう方にも少なくとも月一万のコストというものは要るんだよということを使用者側に教えるとか、あるいは外部に委託をする場合にでも労働者一人雇えば少なくとも賃金以外に退職金は一万円だけは月に負担をしなければ、コスト計算の中に入れなければだめですよということを、基本的に積算をしなければいかぬと思うのですね。それで社会的な労働者の水準というのが一定に落ちつくわけですから、そういう意味で、いまたまたま国家公務員、地方公務員、民間企業という数字の中で一カ月一人一万はプラスアルファで考えなさいよ、そのほかにまだ法定福利費が大体二万円近くかかる、あるいは法定外福利費が八千円程度かかる、そのほか教育訓練の費用が要るとか現金の給与が要るとか、いろいろなことを考えて労働者というのを雇わなければいけませんよという常識なり理念ということを定着させていく必要があると思うのです。これはいわゆる賃上げのときにも意見が出ておったようでございますけれども、労働者を一人雇う場合の考え方は、これだけのコストが最低限要りますよ、電気を何ワット使うならば電気代についてはどういう企業であろうと一定のコストを負担しなければいけませんし、水道の水を使う場合に業種別によって水道の値段が違うわけではありません、もちろん大量に工業用水で使う場合は別でありますけれども。そういうような労働コストというものをはっきりさせること、特にこれを中小零細企業に当てはめることが大切だと思うわけです。そういう意味でこの問題を取り上げておるわけです。 そこで、いまもう一回念のために申し上げますけれども、酒の方とそれから林業の方と、これは林業はいま準備期間中でありますが、それから建退共は、この一カ月一万円にはとても及びませんけれども、一カ月の日数の稼働、どの程度平均して見ておられるのかわかりませんが、一日幾らのシールを張られておるのか、念のためにお伺いします。
○寺園政府委員 建設業につきましては、一日の証紙は百八十円でございます。二十一日、二十一枚で一カ月の計算をいたしております。清酒製造業につきましては、一日の証紙が二百円でございます。十五枚で一月という計算をいたしております。
○草川委員 ついでに林業を林野庁の方にお伺いします。
○安橋説明員 林業退職金の準備事業の方では、いま林業関係では日額百五十円で十五日をもって一月と計算しております。
○草川委員 そこでついでに、後先になるかもわかりませんがお伺いします。今度とりあえずこれを一本化することになるわけでして、これは行革の立場等もあって非常に結構なことでございますけれども、林業も新しくこれで、いま準備期間で将来は一本化されると思うのですけれども、区分経理というのですか、一本になってもそれぞれ財布が違うことになるわけです。どうせつくるならば、一体化するならば思い切って林業の場合も百八十円とか二百円とかという証紙は同じ一つところにそろえたらどうかと思うのですが、その点は林野庁はどのようにお考えになっていますか。
○安橋説明員 三年間の準備期間中百五十円ということで発足したわけでございまして、特例的な退職金共済制度の適用業種の実態でございますとか、あるいは就労の形態等々の問題がございますので、最終的にはそういった実態を踏まえて組合の定款で決められるべきものではないかというふうに考えておるわけでございます。
○草川委員 おっしゃるとおりでございますが、ぼくは、ここは労働省が少し将来展望を含めて調整をある程度図るということが将来にとっては必要だと思うのです。退職金という名前がつかなければいいですよ。しかし、退職金という名前がつけば、それは条件が違うと幾ら言っても、少なくとも片一方は二十五年とか三十年になれば一千万円近いものになる、何百万円というところになってくるわけですから、酒の場合も十五日稼働だから条件は違いますよ、それはわかりますけれども、少なくとも建退共の方も、酒の方が二百円のシールだったら二百円にするとか、あるいは林業の場合も準備期間で、これから先のことだ、こういう話でございますけれども、やる以上は二百円にしてみるとか、そしてやはりレベルというものを上の方へ上げていくという準備が私は大切ではないか、こう思うのですけれども、労働省の方はこの区分経理という問題も含めまして、それが将来果たしてうまくいくかどうか、三つの財布が、あるいは財政というものが永久に残るということになりますと、整合性ということから考えてもいかがなものか、こう思うのですが、どうでしょう。
○寺園政府委員 特定業種退職金共済制度はいわば業界退職金制度でございます。それぞれの業界の実情に即し、その期間雇用者の脱退、残存の状況に即し制度を立てるということになっておるわけでございます。 そういう観点から、現行の仕組みといたしましては、それぞれ別個の組合を設立をして事業の運営をやっておるわけでございますけれども、今回、行政改革の一環としてすべての特定業種退職金共済事業を取り扱う一個の組合を設立をするということにしたわけでございますけれども、この退職金制度が業界退職金制度であるという特殊性、それはこの統合によっても変わらないわけでございますので、そういうこの退職金制度の特殊性から、いわば独立的に事業をそれぞれ運営せざるを得ない、そのためには区分経理というものはやむを得ざる措置としてとらざるを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○草川委員 だから区分経理になるのはわかりますけれども、それをもう少し整合化するための努力をすべきではないかというのが私の意見なんです。そうしませんと、現状を追認をすることによって永久に労働力の格差というものが固定化をしてしまう、やがてそういうところに従事をする人が少なくなっていく可能性があるのではないだろうか。 現実に大工さん、左官屋さんというのはいなくなりつつあるわけです。優秀な職人というのは親の跡を継がなくなりつつあるわけですよ。だから、いかにりっぱな鉄骨とビルが建っても、中に張るところの左官屋さんだとか大工さんがいなくなる、そして優秀な建築をするという方々が現実に不足をしておるわけであります。いかに労働省が職業訓練をやっても、そういう希望者がないというのはこういうところにも問題があるのではないだろうか、私はこう思うので、トータル的な意味で整合化ということを進めるべきではないだろうか、こういう意見を私は持っておるわけです。 それから、余りこの問題を長く言っておっても切りがございませんので、今度は現在の運営についてお伺いをしたいと思うのです。 他の方も若干触れられておったようでございますが、いわゆる建退共、建設業退職金共済組合の運営が非常に伸びておるようでございますけれども、共済の契約者数というのをまずお伺いをします。建退共だけでいいです。
○寺園政府委員 五十五年十二月末現在におきまして共済契約者数は九万九千百七十七企業でございます。
○草川委員 いま九万九千の人たちが契約をした、こういうことですね。いわゆる被共済者は何人ぐらいになりますか。
○寺園政府委員 百四十一万三千人余でございます。
○草川委員 そうしますと、いろいろな国勢調査だとか総理府の事業所統計調査というのがあるのですけれども、いわゆる雇い人のある事業所は、五十年の国勢調査でも三十五万二百十八ということになるでしょうか。あるいはこれも昭和五十三年度の総理府の事業所統計調査によりますと、四十九万五千六百三ということになります。まだこれは全部が建設業じゃありませんから、一概にこの数字を並べて差があるということは言いませんけれども、私はまだまだこの共済の契約者数というのはPRが不足をしておるんじゃないかというように思います。あるいは被共済者の数ですね、いわゆる労働者側の数を見ましても、これも五十五年度十二月分の総理府建設業に就業するところの雇用労働者の数を見ますと、建設業の従業者が四百五十五万人になるわけです。ですから一口に言いまして、これは常用労働者もおりますしゼネコンの社員もおりますから、そういう分を引いても対象者は私どもは三百万人はいると思うのです。まだまだ不足をしておると思うのですが、私の言ったような数字が必ずしも基礎にはならぬと思いますけれども、労働省としては大体何%ぐらい加入しておると思っておみえになりますか。
○寺園政府委員 規模別に的確に企業数を出す統計がございませんので、事業所センサスをもとにして推計をいたしますと、中小企業の建設事業主の数は私どもは二十三万五千企業というふうに推計をいたしております。したがいまして、加入率は四〇%強ということになるわけでございます。
○草川委員 発足以来日にちもそんなに古くはありませんから、いま四〇%がいいかあるいは四〇%ではまだ非常に不十分だということを断定できるかどうか、むずかしい点があると思うのですけれども、実際どのような意味での加入促進を具体的にやっておみえになりますか。
○寺園政府委員 この制度が業界退職金制度でございますので、できるだけ多くの企業がこの制度に入るということが好ましいことであり、そのことによってこの制度の本来所期の効果を発揮するものだというふうに思っております。そういう意味で、かねてから建設業退職金共済組合への加入促進には努めておるところでございますけれども、一般的な広報あるいは加入促進月間を中心といたします加入促進の指導、あるいは建設省におきましては、公共事業の発注の際に建退共への加入を一つの点数に加算するというようなことなどをしていただいておりまして、総合的にこの建退共への加入の促進に努めておるということでございます。
○草川委員 問題はその証紙の配付状況ですけれども、証紙の配付状況はうまくいっておるとお思いになっておられますか。
○寺園政府委員 それぞれ働きました日に応じて証紙を貼付するということでございますけれども、五十三年に建設業退職金共済組合で調査をいたしました結果によりますと、一年間の証紙貼付二百五十二枚を張るのに二年以上かかる、そういう人たちを除きまして計算をいたしますと、一年分の証紙を張るのには大体十四月要るという結果が出ております。したがいまして、証紙の貼付が非常に行われなくて退職金の給付が受けられない、そういう例はそう多くはないのではないかというふうに思っておるところでございます。
○草川委員 ちょっとこれは私どもの試算ですけれども、五十四年度の掛金の収納額というのが百七十二億七千九百四十五万円です。ところが、五十四年の被共済者の数は、働く労働者の数は百二十七万九千八十七人。ですから、これを割りますと、一人当たり約一万三千五百十円ということになるわけです。これを一日その当時の百二十円ですか、それで割ると証紙が百十二日分ですね。百十二・五という証紙になるわけです。 五十四年の労働省の屋外労働者の職種別賃金のいろいろな調査をやりますと、屋外労働者は月平均二十二日稼働しております。これは同じ数字に必ずしもダブりませんけれども、似たような数字を引っ張ってくるとという意味になりますが、やはり屋外労働者は年間二百六十四日平均稼働になるわけです。百十二日分というのと年間二百六十四日というものを比べてみると四二・六%ぐらいです。ですからさっきちょっと言われましたように、二年かかるという数字がこのものに合うかどうかわかりませんけれども、ちょっと証紙の配付状況は余りよくないのではないか、率直に申し上げてこう思うのですね。もう少し証紙の張り方が高くてもいいのじゃないだろうか、こう思うのです。 ここでちょっと建設省にお伺いをしますけれども、お見えになりますね。 問題は、公共工事についてどういうように建設省が御指導をなすっておみえになるかということなんです。昭和五十四年度の公共工事費の評価額というのが大体十兆円を超すという数字がありますけれども、それにいわゆる掛金の総工事費に対する割合を千分の三という形で計算をしていきますと、これは掛金の相当額が三百二十二億という私の試算でありますが、掛金の収入額が百七十三億で、やはり未収がかなりあるじゃないかという、これも非常に大ざっぱな言い方ですから、建設省の方としてはいわゆる該当の工事単価と違うということを言われるかもわかりませんけれども、いずれにしても公共工事についてどのような指導をしておみえになるのか、これは建設省分に限ってということになると思うのですけれども、お伺いをします。
○青木説明員 私、建設省の地方厚生課長でございまして、建設省の直轄工事の契約を指導する立場にある者でございますが、私ども発注者の立場といたしまして、まず競争参加資格というものがございます。その審査の際に、まず組合にお入りになっている業者の方は優遇するということを、一定の点数を付加して格づけをして有利に扱っているということがございます。 それから実際に指名をいたしまして現場の状況を御説明するわけでございますが、その際に、建退共制度についてよく御説明いたしまして、証紙を購入しなさい、それから証紙を貼付しなさい、それから工事の請負契約の締結後一カ月以内に発注者掛金収納書を提出しなさいということをお願いして実行してもらっているわけでございます。
○草川委員 おっしゃるとおり、私も建設業のゼネコンの方にも聞きましたが、そのとおりやっているのですね。一カ月後に買って出しているのだが、問題は、その証紙がいわゆる現場のおじさん連中の手帳に張られていないわけですよ。だからどこかにとまっちゃうわけですね。ここが非常に問題なので、せっかくの今回のこの改正を契機に、次の促進月間なんかも労働省もやられると思うし、これは労働省だけではなくて建設省も含んで、本当にゼネコンの人たちが銀行なり信用組合で買った証紙を少なくともその期間中に、一カ月か二カ月か三カ月か知りませんけれども、現場で働くおじさんに、おい持っているかと言って、張るところまで一遍点検してもらいたいと思うのですよ。これが現実にやられていないのです。 それで、これも後で聞きますけれども、大工さんとか左官屋さんだとか足場工だとかいう連中に聞いてみると、本人は手帳を持っておらぬと言うのですよ。それはもう大体親方に預けてあると言うのですね。親方は、それで一つは労働者移動の足どめにもなると言うのです。これは、変な話ですが、職業選択の自由でけんかをするともうぱっとそれを捨てて行くわけですよね、手帳を捨てて行くわけです。これもいかがなものかという気がしますね。だから、本当に本人に持たした方がいいのか、あるいは預けた方がいいのか。めんどうくさいから、一々そんなことをやっておられないから任せたということになるのか、これは十分検討してみる必要があると私は思うのです。 どっちがいいかということよりも、現実にその工事で証紙を元請が買ったならば、少なくとも、サブコントラクターというのですか、あるいは名義人に点検をしてみるとか、あるいはこの名義人は少なくともいつも自分の下請の連中に注意をしてみるとか、実際現場で仕事をやるには四段階から五段階ですからね、現実に足場の上で工事をやっておる連中、大工さん、左官屋さんというのは。ですから大変なことになってしまいますので、その証紙が本当に下に流れるようにしないと、変な話ですけれども、たとえば一万工数なら一万工数かかるはずだと建設省の方は積算をしてその費用を上乗せしても、実際は五千工数分しか買っていないかもわからぬのです一と彼らは言うわけですよ。それは五〇%か四〇%か知りませんけれども、とにかく買ってくれることは事実だけれども、みんなのところに渡っていないというのが事実ですから、それを点検する方法を考えることがぜひ必要ではないかと思います。 建設省は通達を出しておりますが、建設省以外の各公団、それから事業団、それから都道府県、あるいは地方公営企業に実際労働省が通達を出したことがあるのかどうか。労働基準局長としては、昭和五十二年に都道府県知事に「建設業退職金共済制度に係る加入促進及び履行確保について」という通達が出ておるわけですが、いま言った各地方公営企業の工事まで、あるいは公団なり公社もあると思うのですけれども、そういうところまで通達を出されたことがあるのかないのか、お伺いをします。
○寺園政府委員 労働省名でそのような通達を出したことはございませんけれども、建設省にお願いをしてその趣旨の通達を出していただいておるというのが実態でございます。
○草川委員 それで建設省にきのう聞いたんですよね。そうしたら、建設省としては自分の所管ですからそれはやった、けれどもほかの、たとえばいま申し上げたように地下鉄の営団だとかあるいは電信電話公社だとか国鉄だとか、いろいろな事業団がありますけれども、他の事業団にまでわざわざあんたのところはいいかとは言っていないわけですし、言える筋合いはないわけです。 だから、そこは労働省の方から、それはやはりもとは労働省ですから、労働省として各地方公営企業にまで、証紙はいいかねとこういう呼びかけをぜひしてもらいたいと思うのですが、その点はどうですか。
○寺園政府委員 この制度が十全な形で履行されますためには、加入が促進され、また証紙が正確に貼付をされるということが制度の基礎になることでございますので、先生御指摘の点につきましては十分検討さしていただきたいというふうに思っております。
○草川委員 ぜひお願いをしたいと思うのです。 それから、いまもお話がございましたように、いわゆる掛金の収納というものの一つの点検で、いま四連符方式というんですか、前はこれは三つだったそうですけれども、最近一つふえて、契約者、それから自分が保管をするもの、それから組合、それからいわゆる発注者の方に回るようになり、銀行の方ですか、組合の方にも行くということになっているそうでございますが、これの集計結果というのはいま報告されていないというんですが、これは集計結果が毎年報告されるような制度というのをとられる考えはどうでしょう。
○青木説明員 建設省の直轄におきましては事務所に報告が来ておりますので、事務所段階では集計を出しております。
○草川委員 それじゃ、これも各省庁で、元請でなくて発注者のところで、私のところの工事についてはこれだけ証紙を買わせておりますよとか、あるいは工事についてはこのように上乗せをしてやっておりますよという、それがある程度報告できるようにぜひ取り扱いをしていただきたい。そのことによってまた一般の被雇用者というんですか、現場で働く人たちも関心を持つようになり、自分たちの手帳についての推移というのを把握することができるんじゃないか、こう思います。これは推進のためにもぜひお願いを申し上げたいわけです。 それから今度は融資の問題ですけれども、これは建退共の方も、それから中小企業退職金共済事業団の方も同じことになりますけれども、建退共の場合を見てみますと、五十四年度の融資経理というんですか、これの貸借対照表を見ますと、長期の貸付金が年間わずか二百八件しかないんですね。三十一億強でございます。だから、これは計画と実績という関係になると思うのですけれども、計画の方が多くて実績が非常に少ないためか、投資、有価証券というんですか、余裕金の方に回しておって、そちらの方が四十六億もふえておるわけです。実際の利用者に対する貸し付け件数が非常に少ない。これは建退共の場合です。 それからもう一つ、中小企業退職金共済の方を見ますと、これも実績と計画を見ますと五九%ですね。六十億に対して三十五億。これは五十五年の場合ですが、五十三年の場合は二三%、五十四年の場合は四〇%というように、計画と実績に非常に差があるわけですが、これはどのように反省をしておみえになるのですか、お考えになっておみえになるのですか、お伺いいたします。
○寺園政府委員 還元融資の件でございますけれども、還元融資は、当然のことながらその原資は共済契約者の掛金がもとになるわけでございます。したがいまして、その掛金は運用をし、その利回りと合わせて退職金の給付に回すということになるわけでございますので、その運用に当たりましては安全、効率性というのが強く要請されるところでございます。 そのような観点から、融資の金利につきましても、現在七・八%で融資をいたしておりますが、還元融資であるからといってそう金利を下げることもできないというのが一つございます。また、この融資の対象を労働者福祉施設に限って融資をいたしておるわけでございますけれども、各中小企業の現在の情勢ではなかなかそこまで手が回りかねるというような事情も左右しているのではないかというふうに思っておるところでございます。
○草川委員 もちろんそういう理由もありますけれども、ちょっとその融資の手続がめんどうだというのと、こういう制度があるということを知らない人が予想外にいるのです。それでまさしくこれに加盟をしておる雇用者の方は中小企業の方々が多いわけですから、中小というよりも零細企業の方が多いわけですから、自分たちの従業員のアパートくらいはつくってそこに住み込みをさせたいとか、それから定着をさせるために休憩室をつくるとかということが結構あるのですね。あるにもかかわらず、利用するというところまで至っていません。ですから、社会保険労務士だとか税理士だとかという方に聞いて、そういう制度があるならば借りようということになっているわけでございますし、それとさっきの証紙の取扱機関ですね。大銀行はほとんどですし、それから信用組合までも広がっておりますが、まだまだ足らぬ点があると思うのです。 たとえば在日外国人系の信用金庫というのがありますね。こういうところは対象から外されておるわけです。ところがそういうところに出入りする方々にこそ、たとえば朝銀なんというのがありますね。もう一つの韓国系あるいは北朝鮮系の銀行なんかがあるわけでございますけれども、信用組合があるわけですが、そういうところは取扱代行機関にもなっていないという点もございまして、逆にそういう面でも、去年の四月から永住権を持つ在日外国人も全部国民金融公庫、住宅金融公庫、中小企業金融公庫の適用になっているわけでありますし、それから銀行の代理業務もそれぞれ認められておるわけなんで、こういう点も配慮が必要でないか、私はこう思うのですが、そこら辺はどのようにお考えになられますか。
○寺園政府委員 退職金の支払いあるいは証紙の販売あるいは還元融資の窓口等々につきましては、金融機関等にお願いをしてそれの拡大に努めておるところでございます。たとえば融資の取扱金融機関は現在一万店を超す店数になっておりますが、利用者の便宜という観点からはその拡大について検討をしてみたいというふうに思っております。特に、いま先生御指摘の朝銀等につきましては、いま初めてお聞きする問題でございまして、その必要性あるいは実態等も十分調べまして対応してまいりたいというふうに思っております。
○草川委員 時間が来ましたのでこれで最後にしますが、実は融資手続についてはなるべくとにかくPRなりそれから簡便になるようにしてもらいたいということと、問題は、この資金運用が国債で八・二二七になるのですか、政府債で八・二八でございますが、この建退共の場合は平均してこれが六・二五で運営をしておるというお話でございますが、ちょっと低いんじゃないかと思うのです。それで大蔵省と郵政省の間で非常に問題になりました郵政省の個人年金ですね、これは八・八九で運営すると言ってえらい力んだわけですよ。八・八九の運営を余り強く言い過ぎたために大蔵省との間で若干問題があったわけでございますが、もう少し資金運用についても努力をしていただき、それから貸し出しの融資は、先ほど部長からお話がございましたように七・八でございますが、これももう少し合理化をして運営をしていただくならば、貸出融資もダウンをすることができるのではないだろうか。まあこれはなかなかむずかしいところですから、高く運営をし安く貸すということは逆ざやにもなるわけでございますからむずかしい点がありますけれども、一段の改良をひとつ要望をして私の質問を終わりたい、こう思います。 どうもありがとうございました。
○山下委員長 米沢隆君。
○米沢委員 まず最初に、本法案が提出されるに至りました経緯及び理由について簡単に説明をしてください。
○吉本(実)政府委員 現下の厳しい諸情勢にかんがみまして、公団とか事業団等の特殊法人の統廃合が行政改革の重点課題として取り上げられたわけでございます。一昨年の十一月二十七日の閣議でその方針が決められ、五十五年以降の行政改革計画につきましては一昨年の十二月二十八日に閣議決定がなされておりまして、それに基づいて中退関係の三法人を二法人に改組するという形で行われたということに従いまして、この法案を作成しお願いをしたところでございます。
○米沢委員 この法案は、いま御説明いただきましたように、行政改革の推進という立場から改正が提案をされておるというふうに私も理解をいたします。 そこで、これは一般論として大臣にお伺いしたいのでありますが、御案内のとおり、現在の社会経済情勢あるいは財政事情等を考えましたときに、内閣として行政改革に力を入れていかねばならぬのは当然のことでございます。そこで大臣、労働行政における行政改革の推進について大臣はどのように考えておられるのか所見を伺いたいことと、同時に、これから先の労働省の取り組み方針について伺っておきたいと思います。
○谷口(隆)政府委員 私の方から事務的に、行政改革に対します労働省の取り組み方、それから若干の考え方について申し上げたいと思います。 現在、わが国の置かれております厳しい財政状況と、一方、増加する行政需要に適切に対処するために逐次行政改革が進められてきておりますが、最近では五十四年末に行政改革に関します閣議決定が行われまして進められておるわけでございます。 労働省といたしましては、この閣議決定の線に沿いまして、一つは、ブロック機関の整理統合といたしまして、本年の四月一日から、公共企業体等労働委員会の信越調停委員会及び同事務局の信越支局を廃止いたしました。 それから二番目の問題といたしまして、出先機関の統廃合ということで、公共職業安定所の出張所等につきまして五十六年度も前年度に引き続いて六カ所整理することといたしております。 それから特殊法人の統合等が、建設業と清酒製造業の退職金共済組合の統合ということで現在審議をお願いいたしておるところでございます。 そのほか、定員削減等につきましては、現在第五次の定員削減を進めておりますけれども、第一次の定員削減からすでに二千四百名程度の純減になる定員削減を行っておるところでございます。 一方、労働行政に対します需要は、申し上げるまでもなく、行政の対象でございます労働者数とか事業所数がふえておるとか、あるいは質的にもたとえば高年齢者とか身障者の方々の雇用対策とかあるいは大規模、複雑な労働災害の発生とかいろいろ問題が起きてきておりますので、私どもとしては行政の実施なり業務の実施につきましてできるだけ効率化を図りながら行っていかなければならぬ、こういう考え方に基づきまして、たとえば労働保険につきましては御存じのとおり零細事業全部に適用になっておりますので、事務組合を設立して保険料納付等の事務を行ってもらうとか、あるいはボイラー、クレーン等の検査につきましては民間代行機関に移行するとかというような民間能力の活用とか、それから雇用保険、労災保険の保険料の徴収を一元化するとか、あるいはコンピューターを設置いたしまして出先に端末機を置いて保険の事務を機械的に処理するというような事務処理方式の改善とか、さらには安定所の再編整備等を通じてニーズに応じた行政を進めていく、こういうような効率化を図りながら進めておるところでございます。 〔委員長退席、今井委員長代理着席〕 今後につきましても増加する労働行政の需要に対応いたしまして、これに対する国民の方々のニーズにこたえるような効率化を図りつつ行政改革を着実に進めていかなければならない、そのために努力しなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○藤尾国務大臣 細かいことは私わかりませんけれども、政府といたしまして、今日第二次臨時行政調査会にお願いをいたしまして徹底的な行政改革をやっていこうということで諮問中でございますし、また補助金の削減につきましても五十七年度の予算編成に間に合わせたい、こういうことでやっておるわけでございますから、鈴木内閣が政治生命をかける、こう言っておるわけでございますから、その閣員の一名といたしまして総理大臣が政治生命をかけているものを私がかけないで逃げ出すわけにはいかないわけで、当然私といたしましてもできることは何でも御協力申し上げなければならぬという立場にあります。 そういうことを離れましても、ともかく行政機構といいますのはほうっておきますとぼかぼかふえていきますから、ある時点時点で締め上げてぜい肉を落としていくという努力は絶えず私はやっていかなければいかぬのじゃないかという感じでおります。細かいことはいま官房長が申し上げましたとおりでございまして、いままでやっておりますこと、これからやりたいこと、いろいろ考えておりましょうけれども、なおかつ足りないということであれば何でもやらせるということにさせなければならぬのが私の立場でございます。
○米沢委員 今回この法案によりまして、現在の建設業と清酒製造業に設けられております退職金共済組合を一つの組合に統合することは、いま御説明いただきましたように政府の特殊法人に関する行政改革の方針に沿うものでありますが、この際でき得るならばさらに中小企業退職金共済事業団を加えて、なぜ三つの法人を一つの法人に統合できなかったのかという問題でございます。逆に三法人を一つの法人にすることによってさらに総合的な事業が推進されて、行政の簡素化、合理的な運営に一層効果があるというのは素人目でも明瞭だと思うのでありますが、政府の見解を聞かしていただきたい。
○吉本(実)政府委員 中小企業退職金共済関係三法人の運営いたします退職共済事業は、いま先生仰せのように一般の退職金共済制度と特定業種退職金制度に分かれております。このうち一般退職金共済制度は、業種業態にかかわりませず中小企業に常用雇用される労働者の退職金制度をいわば共同実施するものでございます。片一方、特定業種の退職金共済制度は、御案内のように特定業種の事業に従事しております期間雇用者につきまして業界の事業主間の連帯協力を基礎にいたした、いわば業界の退職金制度でございます。したがって、この期間雇用者を中心とします特定業種退職金制度につきましては、関係事業主の参加する組合組織によって初めて円滑に実施される、こういうことでございますので、この特定業種退職金共済制度と一般の退職金制度とは、その性格なり共済契約者との関係も、また、その仕組みなり運用のあり方についても基本的に相違のあるところでございます。このために従来から別個の法人として設立をし、対象労働者の状況なり制度の性格に適応した運営を図ってきたわけでございまして、これらを一つの法人で統合実施するということは中小企業退職金制度全体の円滑かつ効率な運営を逆に困難にするという点も考えられますので、本案のようにそのグループに分けまして期間雇用者の関係につきまして一本にしたということでございます。
○米沢委員 ただいまの御答弁によりますと、たとえば常用労働者を対象とするものと特定業種の期間労働者を対象とするものとの相違があるとか、あるいは法人の組織の仕方、仕組み、運営のあり方が基本的に違う、そういういろいろな理由を述べられまして、一つの法人に統合することは逆に効果的な運営を困難にするというような言い方をされましたけれども、今回のこの特定業種の共済事業の統合の内容を見てみましても、統合して財政まで一元化しようというのではないわけです。ただ従来の建設業と清酒業の二つの共済事業を並列的に並べて管理を一本化するというだけにすぎないわけです。そういうことであれば中小企業の退職金共済事業もそれと同じように並列的に並べて管理を充実したり強化したりすれば、結構こんなのはやれるのじゃありませんか。
○吉本(実)政府委員 確かに先生のおっしゃるような要素もあるかと思いますが、特定業種の退職金制度につきましては、ただいま申しましたような基本的な性格が異なるということと同時に、発足の経緯と申しますか、いわば業界の退職金制度ということでこれが起きておりますので、それを一般の退職金制度としてやっております中小企業退職金事業団と一緒にすることにつきましては、いろいろと業界との関係、経緯の次第、その後の運営の状況等から考えまして、そういった点について一本にするのは困難ではないかというふうに考えたわけでございます。
○米沢委員 くどいようですけれども、発足の経緯等があって別々の法人があったということは私も認めます。しかし、この段階になって、会計を一緒にするならばそれは確かにいろいろな理屈が立つと思いますけれども、並列的に並べてそれを事業団なら事業団と称して管理体制だけを一本化するということはおっしゃるようにそんなに文句の出るものかなと思うのですが、再度答弁願いたい。
○吉本(実)政府委員 ただいま御説明申し上げたとおりでございますが、特定業種の退職金でございます建設業並びに酒造組合につきましても、それぞれの事業を今後とも実質的に運営していくというたてまえをとってまいりませんと、特定業種退職金共済制度そのものも運営がむずかしいというところから、この二つを分けたということでございます。
○米沢委員 今回実施されます特定業種共済事業の二つの法人の統合による行政効果というものはどういうものがあるんですか。
○寺園政府委員 今回の法案で両組合を統合することにいたしておりますが、両組合が現在行っております業界退職金としての性格、それは新しい組合においても引き続き維持する必要があろうかというふうに思っております。そういう形で組織、体制についての工夫をいたしておるわけでございますけれども、両組合を統合することによりまして、役員の減少でありますとか人事、会計等、共通事務の一括処理をするというような効果が出ておるわけでございます。 また、従来と申しますか現行法におきましては、新しく特定業種の退職金共済事業を開始します場合には、また一個の特殊法人を設置して運営をするという形になりますが、今後は新しい組合は、すべての特定業種退職金共済事業を行うこととなりますので、たとえば五十七年一月に予定をいたしております林業の退職金共済事業を開始するに当たりましても、この組合で実施をするというような点で、行政改革の効果というものは出ておるというふうに思っておるところでございます。
○米沢委員 いただきました資料を読みますと、合理化される人員数というのは、役員が五十五年の予算に比べて三人マイナス、職員数にしましてたった二人マイナスですね。五十七年の一月から実施される予定である林業労働者の退職金共済事業もこの人員でやるから新たにできるものにも対応できる、こういう御説明でございます。これはもともと二つの法人発足の経緯があったにせよ、二つの法人ぐらいは一緒になっていることがあたりまえの話であって、だから新しくできる林業については人員増をしなくてもいいから行政効果だというのは、ちょっと先取りに過ぎるのじゃないかという気も私はします。 そこで、いま御説明いただきましたように、今回のこの統合ができ上がった後に加入が決まりますこの林業退職金共済事業をこの法人でやられるわけでありますが、その際、職員増とか役員増は考えられていないわけですね。
○寺園政府委員 現在、法律におきまして、役員は常勤の役員六人といたしております。十月一日に両組合が統合した時点におきましては、役員は五人で発足する予定でございます。林業が来年の一月に開始されましたときには、林業担当理事というものを一名置くということで、六人で対処するということでございます。 それから、職員につきましては、新しく林業の退職金事業を開始することになりますので、所要の人員は必要であろうというふうに思っております。
○米沢委員 その所要の人員は、一つの法人をつくるよりも少ないであろうけれども、やはりふえることはふえるんだな。こんなのは、普通考えますと、たとえば支払いにかかわるいろいろな事務等は、事務量がふえれば人間もふえざるを得ませんけれども、総務関係みたいなものは、こんなのは二つになろうが三つになろうが、そんなに人間をふやす必要はないと私は思うんですがね。そういう意味で、余り憎まれ口を言うてもなんですから、でき得る限り、新しい林業が加入いたしました場合でも、できる最初が大事ですから、職員増の抑制等については極力努力をいただくようにお願いを申し上げたいと思うのでございます。 それで、今回、従来の評議員会にかえまして、運営委員会というのが設置されるようになっておりますが、業界は評議員会の存続を要望されて、当局もそれにこたえようという話のようでありますが、運営委員会と評議員会との関係はどういう兼ね合いになるのか御説明いただきたいことと、それぞれの業種ごとの事業の運営について関係者の意向を反映するための機関がこの運営委員会だと思いますから、その運営委員会の構成等についてどういう配慮がなされておるのか、その点、二つお伺いしたいと思います。
○寺園政府委員 この制度が業界退職金として、業界の相互扶助、業界の一体としての協力体制が必要なことから、現在はそれぞれの組合で事業を運営し、その運営に当たりましても、業界代表を非常勤理事とし、あるいは地方の代表者を評議員等にすることによってその意向を十分反映しつつ運営をいたしておるところでございます。 そのような必要性というのは、新しい組合におきましても同様にあるわけでございます。新しい組合におきましては、業種ごとに運営委員会を設けまして、関係業界の意向を事業の運営の中に十分反映をしていく、この運営委員会が実質上の決定機関として機能をするようにしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。 御指摘の、新しく設けます運営委員会と、現在ございます評議員会との性格の違いでございますけれども、新しく設けます運営委員会は、現在の制度になぞらえますと、いわば理事会と評議員会とを合わせたような機能を持つものとして設置をされるということになるわけでございます。そういう意味で、運営委員会を法律上に設置いたしますために、評議員会は法律からは落としておるところでございます。しかし、実際の運営に当たりましては、運営委員会の人数をそう多人数にするわけにもまいりません。したがいまして、法律上は「二十人以内」ということにいたしております。現行の評議員会は大変多くの人が評議員としてこの建退の事業運営に参画をしておられますので、そのような体制は、新しい組織におきましても何らか措置をしていく必要があるのではないかというふうに思っております。 それから運営委員会の構成でございますけれども、先ほど申し上げましたように、新しい運営委員会は実質上の決定機関、いわば実質的には現在の理事会にかわるべき性格を持っておりますので、現在の理事会を構成する非常勤理事をこの運営委員にお願いをしたいというふうに思っております。さらに、業界のより一層の協力体制を確立するに必要な関係の業界代表者も加えたいというふうに思っておるところでございます。
○米沢委員 いまの御説明でほぼ納得いたしますが、その措置によりまして、共済契約者の事業主の声というものはかなり反映されるような形式になるわけでありますが、従来から、社会労働委員会の附帯決議等でも、再々にわたり注文がついております労働者の意見反映は一体どう確保されるのであろうかという問題についてお答えいただきたいのでございます。 御承知のとおり加入率も低い。そういう意味では、加入していないところで働いている労働者は物が言えない。その分は行政の皆さんが指導という形で代弁していただいておると思うのでありますが、加入しておるところにおいても、それがまた物が言えない。結局、確かに金の方は共済の契約者が出すことでありますから文句を言うなということかもしれませんけれども、しかし先ほどから話が出ておりますように、給付状況等を考えましたときに、また運営のあり方等を考えましたときに、あるいは先ほど出ていました証紙の貼付状況等々、運営あるいは実態等をながめたときに、やはり申し上げねばならぬことは労働者の立場からたくさんあると思うのです。そういう意味で、この労働者の声というものを一体どう確保されるのか、詳しく説明してもらいたいと思います。
○吉本(実)政府委員 特定業種の退職金共済制度におきましても、ただいま御指摘のように受益者たる関係労働者の意向がその運営に十分反映されることが望ましいことでございますので、このたびの新しい組合の設立を機にいたしまして、従来中小企業退職金共済事業団に参与制度というものが設けられておりますが、そういった制度も参考にしながら、何らかの措置を検討してまいりたいと思います。
○米沢委員 検討の結論はいつごろ出るのかな。
○吉本(実)政府委員 この法案の成立して公布をいたします段階までにはそういった方向を考えてまいりたいというふうに思います。
○米沢委員 今度はこの二法人が一緒になった後、先ほどから話が出ておりますように林業の共済事業がこれに加入するようになっておるわけでありますが、その際、現在予定されておりますところの掛金だとか加入予定者とか、その加入を予定した場合の加入率ですね、あるいは支給内容等について、どういう設定がなされるのかを聞かしてもらいたいと思います。
○寺園政府委員 新しい組合ができました後、所用の手続を経て、五十七年の一月から林業につきまして特定業種退職金共済事業を開始いたしたいというふうに考えておるところでございますが、お尋ねの掛金日額につきましては、組合の定款で定めることになっております。すでに林業につきましては過去三年間積み立て事業を実施をしてきておられます。その積み立て事業の状況あるいは林業事業主の負担能力等々を勘案して、新しい組合において掛金日額を決定されることになろうかと思っておるところでございます。 それから、加入者でございますが、新しい事業を開始いたしました当初の加入事業主は、その大部分は現在林野庁等で実施しておられます林業従事者中小企業退職金共済制度適用促進対策による積み立て事業に参加をしておられる事業主であろうというふうに思います。このままでございますと、制度発足当初は約二千三百事業所、企業程度が参加されるのではないだろうかと思っておるところでございます。 なお、この制度の対象になります林業事業者の数は約六千程度であろうというふうに思っておるところでございます。したがいまして、制度発足当初の事業主の加入率は四〇%程度になろうかというふうに思っておるところでございます。 また、給付につきましては、林業労働者の就労実態、脱退残存の状況等を勘案をし、これから十分に検討をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○米沢委員 業界の退職金共済事業ですから、業界の意向が主たる柱になると思いますけれども、最終的には掛金等は定款で定めるということでありますが、この掛金と支給内容は、これはやはり連関するものでございまして、そういう意味では、先ほども話が出ておりましたように、労働省としてもかなり踏み込んだ御指導をいただかないと、ただつり合いが合いさえすればそこから発足するというのでは、ちょっと趣旨に反するのではないかと思うのですが、その点労働省はどういうような御見解ですか。
○寺園政府委員 掛金日額を定めますのは組合の定款で定めるわけでございますが、その定款を認可するのは労働大臣でございます。したがいまして、その認可に当たりまして、林業労働者の退職金事業としてふさわしい金額であるかどうかということを、現在行われております積み立て事業の実績あるいは加入状況、掛金の納付状況、林業事業者の掛金の負担能力等々を総合的に判断をし、また現在建設業あるいは清酒製造業ですでに行っております掛金というものも念頭に置きながら、掛金日額を定める定款の認可には当たりたいというふうに思っております。
○米沢委員 いままで林野庁では、林業従事者中小企業退職金共済制度適用促進対策というものを過去三カ年にわたってやってこられたわけでありますが、五十三年二月この対策を決定なされた中に、大体五十五年度は四万五千人ぐらいの加入者を予測する、それを一つの目標にして努力をされてきたわけでありますが、実際は、けさほどから説明がありますように、五十六年の一月現在で事業主で二千二百五十七、カバーする労働者が三万七千六百八十二人、まあこれだけ予定とちょっと狂っておるわけですね。 そこで心配しますのは、加入者が少ないと、掛金にしてもあるいは給付内容にしても、どうしても不利な方向に動かざるを得ない。いまのところ五十七年一月に実施するということを確約されておりますけれども、予定に比べて加入実績が少ないということが、ひょっとしたら共済設立に支障になるのではないかという心配も出てくるわけでございます。 したがって、現在の、この御説明いただきました二千三百ぐらいの事業主が参加しさえすれば五十七年の一月から発足するには十分であるというふうに考えてよろしいのかどうかですね。でき得ればやはり加入者をふやして、いろんな意味での、掛金をある程度安くするあるいは給付金を上げるという、そういう形での努力が、まあ今後もなされると思いますけれども、実績をそのまま当然のこととして前提いたしますと、掛金とか給付内容等々、内容等がやはりひっかかってくるのじゃないかと思いますので、その点をはっきりしてもらいたいと思います。
○寺園政府委員 この制度は、できるだけ多くの事業主がこの制度に加入をしていただくということによって所期の目的を達する制度でございます。したがいまして、先ほど見込みといたしまして制度発足時の加入事業者数を申し上げたわけでございますけれども、それよりももっと多くの事業主がこの制度に加入していただくことが望ましいことはもちろんでございますし、そのための努力は十分払ってまいりたいというふうに思っております。 現在の制度におきましては、対象事業主の三分の一以上が制度発足当初に加入をしておることが制度発足の要件になっております。そういう意味では五十七年一月時点においては十分その要件を満たしておるというふうに考えておるところでございますけれども、先ほども申し上げましたように、それまでの間にもできるだけ多くの事業主がこの制度に入っていただくように一層の努力をしてまいりたいというふうに思っております。 ちなみに、現在清酒製造業で退職金共済事業を実施いたしておりますけれども、五十五年十二月末現在の加入事業主数は三千二百余で事業を実施しておるところでございます。したがいまして、林業につきましても、現在見込んでおります事業主の方が、その程度の数が当初加入していただければ制度としては発足はし得るだろう、今後ますますその加入をふやしていきたいということでございます。
○米沢委員 林業関係の共済事業が始まりますことは、林業労働者にとって長年の懸案でありましたから、大変喜ばしいことだと思います。今後うまく運営が図られるように希望をいたします。 ところで、やはり最初の問題に返らねばならぬのは、この共済制度がみんな加入率が低いという問題、普及率がかなりおくれておるという問題を指摘せざるを得ません。特に零細企業の分野では大変大きな問題があると思うのです。そういう意味で、この零細企業分野に加入促進を普及される手だてみたいなものを何か新たに考える必要があるんじゃないかと思うのですが、その点、労働省としてどういう方針を持っておられるのか。 あわせて、そういう話を理解するために、現在のたとえば建設業退職金共済制度の加入状況の中で、特に零細企業がどれぐらいの加入率を占めておるのか、全体的な中でわかるようなパーセントをちょっと示してもらいたいと思います。
○吉本(実)政府委員 中小企業全般の加入促進につきましては、先ほど来各先生方、また、ただいま先生からも御指摘を受けているとおりでございまして、私どもやはりそういった広報活動を徹底していかなければならぬというふうに考えているわけでございます。 先ほども答弁申し上げましたが、これを取り扱っております中小企業退職金共済事業団におきまして、五十五年度からは五カ年計画を策定いたしまして、ともかく五カ年の間に三〇%増を目指して促進を図っていこう、こういうような形で現在方針をとって進めておるところでございます。 しかし、何と申しましても一番肝心なことは、ただいま御指摘のように超零細企業のところでございます。一番底辺のところをどういうふうにしてやっていくかということでございますので、来年度におきましては特にそういった小規模企業の多い地域を加入促進の重点地域というふうにいたしまして、関係の商工会等いろいろな関係機関も含めまして具体的な指導、それからPR等も行っていく方針にしているところでございます。 それからなお、建設業の加入状況につきまして、ただいま御指摘の超零細のところの加入率につきましては目下のところ材料がないということでございますので、御容赦を願いたいと思います。
○米沢委員 この問題と関連しまして、林業がいまから始まるわけでありますが、いま三年間の加入実績をながめまして、林業関係でも加入率は五十六年一月現在で三六%という数字が先ほど発表されましたけれども、残された部分ですね、どういう事情でいままで林野庁がやってこられたものに加入していないのか、そういう分析はなされておりますか。
○安橋説明員 準備事業で事業を実施しております中には八都道府県が入っていないわけでございます。入っていないと申しましても全く事業をやっていないわけではなくて、私どもの準備事業よりも以前から別途の任意の積み立て事業なりをやっているようなところもあるわけでございます。制度が発足しましたような暁におきましては、そのうちの一部、特に北海道というような大きなところが入ってまいりますので、五割近い線までふえるのではないかというふうにも考えているわけでございます。 この制度自体が相互扶助に基づきます制度でもありますし、任意事業でもあるというようなことで、事業主体にできるだけ理解をいただいて入っていただくように、私どもとしても林業労務改善事業というような事業を実施しておりますけれども、その中で関係団体に対しまして指導を強めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○米沢委員 たとえばこの建設業退職金共済制度につきましても、従来から言われておりますように、普及していくためには加入者をふやすということと、それから先ほど来問題が指摘されております証紙を確実に貼付させるという、この二点に力点を置いて行政指導が強化されねばならぬわけでありますが、ちょうど昨年の十月、御承知のとおり建退共の利用状況に関する実地調査を行っていただきましたけれども、特に建退の証紙の貼付調査結果というものが出ておるはずでございます。この調査結果から見まして何か今後の行政が力を入れねばならぬようなことがわかったのか、わかったならばそれに対してどういう対策をとろうとされるのか、この点を聞かせてもらいたいと思うのです。
○石岡説明員 証紙の貼付の履行状況等につきましては、その具体的な状況が必ずしも十分に把握されてないということもございましたので、昨年、建設業退職金共済組合におきまして各県の支部の協力を得て、約一千五百企業を対象としまして、通信調査方式ではございますが、実態調査を行いました。 この調査結果によりますと、共済契約者の共済手帳の交付率は、内勤作業員と現場作業員に分けまして結果が出ているのですが、特に建退制度に関係の深い現場作業員について見ますと、その交付率は約七〇%となっておりました。また、かかる手帳を持った人へ証紙がどのように張られているかという状況を見てみますと、手帳を交付した者には原則として全員証紙を貼付いたしますというものが約九五%で、わずか五%のものが一定の条件をつけてこの証紙を貼付するという結果が明らかになりました。 私どもといたしましては、この結果につきましては一応の実態がわかったものだということで今後の行政に参考にしてまいりたいと思っておりますが、いずれにしましても、証紙の貼付の履行というものは先生御指摘のとおり本制度の大きな基本となるものでございますので、今後引き続きその実施状況につきまして実態の把握に努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○米沢委員 公共工事につきましては、掛金がこの証紙の分だけ積算される。また、いろいろと対策が練られておるようでありますが、公共事業をやっておる業者が証紙を張らないというところがあるんですね。そういう実態はわかっておるのですか。
○石岡説明員 先ほど御紹介申し上げました調査結果によりますと、手帳の交付を受けた者のうちその一部にしか張られなかった場合を見ますと、たとえば常用労働者だけに貼付するというようなケースがかなりございます。そういった実態が確かにあるのではないかと考えております。
○米沢委員 せめて公共事業については積算の基礎にもなるような配慮をしながら、結局そこで働く連中に張らないなんというのはこれは言語道断の話でありまして、そういう基礎的な矛盾というか、基礎的な配慮のなさみたいなものに対しては、私は、ぜひ厳重に行政指導を強化されまして、次のこういう議論をするときまでには、胸を張ってゼロでございますというような話をしてもらいたいと思います。 それから、今回の法改正によりまして、先ほどから申しておりますように、林業労働者は、わずかではありますけれども将来に一縷の光明を得たような感じがするのじゃないかと思いますが、そういう意味では林業労働者、特に民間の林業労働者の労働条件の向上の一環として、大変われわれも評価しておるわけでございます。 同時に、特に林野庁の皆さんに申し上げたいことは、民間林業労働者のいろいろな話を聞く機会が山奥に入りますとよくあるのでございますが、いつも出てくる言葉は、国有林で働いておる皆さんが賃金がいいにもかかわらずわれわれよりも働かない、特に若手の方は友達が林野庁に入っておったりしておるわけで、横並びでいろいろ議論をすると、ばからしい、そんなのと、そういうことを訴える方が本当に多いんですね。このことがすべてではありませんけれども、林業労働者として将来にわたって定着をしようという気持ちをなくす原因の一端にもなっておる、私はそういう感じがしてならないわけでございます。 したがって、この際聞いておきたいことは、民間の林業労働者のいわゆる賃金あるいは休日のとり方等についてどういう御指導がなされて、少々はうまくいっているのかどうか、ちょっとその点説明してもらいたいと思うのです。
○八島説明員 労働省におきましては、毎年林業労働者職種別賃金調査を実施しております。これは民営事業所を対象といたします賃金の調査でございます。五十四年調査によりますれば、調査対象職種合計で一日当たり賃金は七千二百二十円、対前年上昇率は七・七%でございます。
○米沢委員 労働省として民間林業労働者の休日、時間、賃金等について労働条件を改善するための御指導がどういうかっこうでなされておるかと聞いておるのです。
○寺園政府委員 民間の林業労働者のみならず、一般に労働省としまして賃金についての具体的な指導というのはいたしておらないわけでございますけれども、たとえば休日、休暇あるいは労働時間等の問題につきましては、業種、業態に応じた形での行政指導を展開しているところでございます。
○米沢委員 すべてだとは申しませんけれども、一部には、民間林業労働者というのは労働基準法なんかないと言っても過言でないぐらいの条件で働いておる連中がたくさんおりますね。人手の問題もあることでございますから、微に入り細に入り御指導はできないかもしれませんけれども、昔から言われますように、前近代性を持つ部分が大変多い分野でありますから、私は一回調べてもらったらいいと思うのですね。休日のとり方、賃金に関するいろいろな苦情等については、私は前近代的というよりも労働基準法以前のものがたくさんあると思うのです。そのあたり、実態は本当に把握されておるのですか。
○吉本(実)政府委員 先生ただいま御指摘のように、民間の林業労働者の実態につきましてはなかなかむずかしい問題がございます。特に最近におきましては、いわゆる若い人の雇用確保というよりは、むしろそういった点がなくなって、高齢化していくような実態の中でございます。やはり何とか林業労働者についても一つの魅力ある中身にしていかなければならぬということは肝要かと思いますし、私どももそういった実態をさらによく踏まえまして、少なくともこういったおくれた分野についての労働条件の確保、対策を進めてまいりたいというふうに思います。
○藤尾国務大臣 いまの政府の、私どもの労働省の答弁を聞いておりましても、一向に勉強しておらぬようでございます。そこで私が命じまして、林野庁とともに改めて調査をさせまして、基礎的にどうだということをちゃんと把握させて、その上できちっとした御報告ができるようにいたします。
○米沢委員 最後に、もう時間がありませんので詳しく触れるわけにはいきませんが、民間の林業労働者と国有林の職員のいわゆる生産性の比較みたいなものはありませんか。なかったら、林野庁の各局ごとの直用労働生産性の比較みたいなものがあったらお示しいただきたいと思うのです。
○田中説明員 国有林の直用の労働者の労働生産性につきましては、民間あるいは請負と直ちに比較いたしますことは、全くの同じ場所でやっておるというケースもございませんので、いろいろ困難な点があるわけでございますけれども、いわゆる標準的な仕事のやり方を一〇〇といたしまして、それに対して国有林の直用の労働生産性は幾らであるか。一〇〇より下回ればそれだけ悪いということになるわけですけれども、そういう数字でちょっと御説明申し上げますと、過去において最高でありましたのが昭和四十七年の九三という数字になってございます。一〇〇まではいっておらなかったわけでございます。その後逐年残念ながら低下をいたしまして、五十年ごろは七九の最低の数字になっておりますけれども、これはいろいろ振動障害の多発でございますとか、それに対します対策のおくれとか、あるいは一部労使紛争もあったわけでございますけれども、その後五十三年ごろから、国会で御制定をいただきました国有林野事業改善の特別措置法に基づきまして、職員、作業員協力して現在直用事業の改善に取り組んでおります。五十四年、五十五年と非常に顕著な生産性の向上をいたしておりまして、五十四年には八六まで向上いたしまして、五十五年度は、決算途上でございますが、概略九〇までは上げ得たと考えております。もちろんこれで満足するものではございませんで、さらに向上には努力をいたしてまいりたいと思います。 各営林局ごとの数字につきましては、ここに手持ちがございませんので、後ほど御説明に参りたいと思います。
○米沢委員 時間がありませんので、この問題は、何か集中審議があるそうですからその場に譲りたいと思いますが、ぜひ一つだけ資料をつくっておいていただきたいことは、同じ山に林野庁の方と民間の請け負った皆さんと一緒に入ってやるという現場が過去にもたくさんあったはずです。そのときの労働生産性みたいなものをぜひ事業所に命じて二、三例をつくっておいていただきたい。お約束できますか。
○田中説明員 同じ事業所の中で直用事業と請負事業が並立してある場合は確かにございます。その林の状態とか、いろいろ立地条件等それぞれ異なっておりますので、直ちに比較した場合の意味合いはまたいろいろとりょうがあるかと思いますが、そういう資料はできますので、つくりたいと思います。
○米沢委員 終わります。
○今井委員長代理 次に、浦井洋君。
○浦井委員 中退金の審議、審査でありますが、私も、けさ方からずっと言われておりますように、この制度というのは中小企業に働く労働者に退職金を保障する、しかもそれに国が補助をするという点でそれなりに評価できる制度だと思っておるわけです。だから、けさ方から強調されておりますように、もっと普及をさせていく必要があると思うわけなんです。そういう点で、普及という点で一体どういう対策をとっておられるのか、簡潔にお答えを願いたいと思います。
○寺園政府委員 けさ万来御説明申し上げておりますように、一般的なPR、それから事業主団体等を対象といたします説明会、あるいは一つの節目といたしまして加入促進月間を設けまして集中的に加入促進を働きかける等々の事柄を実施しているところでございます。
○浦井委員 一応月並みな努力、月並みと言われると労働省怒られるかもわかりませんが、されておるようであります。しかし現実には、午前中にも言われておったように、事業者数で言えば中小企業の一〇%くらい、特に零細段階では五・五彩の加入であるということで、決して十分とは言えないと思うのであります。さらにここ一、二年の加入と脱退の状況を見てみますと、五十六年の一月までの数字がありますが、それで三月末までを推計して比べてみると、対前年度比で共済契約者数で約一〇多低下しておる。それから脱退者数は約二五%増加しておる。だから新規の契約者は低下をし、脱退者はふえておる。こういうような数字が出ておるわけなんですが、こういう事態を一体どう見ておられるのか、またどういう対策を考えてそれを実行されるのか、ちょっと聞いておきたいと思います。
○寺園政府委員 五十五年度の新規加入の状況と五十四年度との比較でございますが、五十五年度はまだ年度途中でございますので、最終的な数字は出ませんが、先生がおっしゃいますように、新規加入が一〇%も減るというようなことにはならないのではないか、ほぼ横ばいか、あるいは微減程度の数字ではないかという感じで見ております。 それから脱退者につきましては、最近の傾向として、五十四年に比べましてやや増加をいたしております。これはいろいろな理由が考えられるかと思いますけれども、五十五年度におきましては、従来整理していませんでした、たとえば従業員がいなくなった事業所、そういうような事業所につきまして整理を始めております。それが脱退者数として出てきているということも一つ影響しているのではないかと思っているところでございます。 対策につきましては、新規の加入につきましては各種の、先ほど申し上げましたいろいろな手段、方法を通じまして加入の促進を図っていきたいということでございますし、またすでに共済契約者として入っておりますところの追加加入も促進してまいりたいということで、五十五年度から五カ年計画を定めまして、計画的に特に普及率の低い零細企業を中心として普及促進に当たってまいりたいと思っているところでございます。
○浦井委員 微減だと言われたのですが、五十四年度の共済契約者数、加入が一万八千八百五でしょう。五十五年度が、五十六年一月までの数字で一万四千二百三十六、だから三月までということで推計したら一万七千八十三、対前年度比九〇・八、微減ではないわけですよ。一割。もちろん年度末に加入者が、契約者がぐっとふえるということは考えられますけれども。だから微減というような形でまあまあだというようなことではやはり努力不足であり、本朝来いろいろ言われておる、努力が足らぬのではないかということは、数字からいっても私ははっきり証明しておると思うわけです。 そこでそういうことで加入普及の努力をしてもらわなければいかぬと思うのですけれども、確かに、私なんかも神戸へ帰りまして、いろいろな業種の方と話をして、この間もトラック運送業の事業主といろいろ話をしたのですが、中退金があることは知っておるけれども、退職金を積み立てるだけの余裕がない。むしろ強制加入というかっこうにしてもらえば、荷主にその分を上乗せして請求できるんだけれどもというようなことも言われておるわけなんです。だからそういう点で事業主が魅力を感ずるような制度に変えていく努力をする必要があるのではないかと私は思えて仕方がないわけですが、どうですか。
○寺園政府委員 退職金制度が任意の制度でございますので、この制度についてだけ特に強制加入とするということはむずかしい問題であろうかと思います。しかし、せっかく国の補助もつけて、国がこのような制度を運営しているわけでございますので、独力で退職金制度をつくることのできない中小企業者につきましてはできるだけこの制度への加入を推進をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 この制度の魅力づけにつきましては、先通常国会において掛金の引き上げを行いますとともに、かねてから懸案でございました掛け捨て、掛け損の解消の問題でございますとか、あるいは過去勤務制度の導入の問題でありますとか、制度の改善をすることによって魅力づけをしたところでございます。私どもとしては、このような制度の趣旨を十分皆さんに理解をしていただいて、より多くの人たちがこの制度に入っていただくように、今後とも一層努力をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○浦井委員 大臣、朝から大体同じことをずっと聞いておられるわけなんですが、零細事業主にとって、この制度が本当に魅力があるのかということですね。私いま、強制加入にして元請の方に掛金を掛けたらどうかという提案をしてみたのですが、こんな話もあるのですよ。 これも神戸のある事業主のグループなんですけれども、中退金よりも商工会議所なんかがやっておる特定退職金制度の方が魅力があるし入りやすい、むしろこっちの方にたくさん入っておる。これは商工会議所や商工会、金融機関に勧められたということもあるでしょうし、さらに、短期間加入しておっても退職金が支払われるというようなことで、中退金よりもこっちの特定退職金制度の方が魅力があると、私もずばり言われたわけです。だから、この特定退職金制度と中退金と競合をしておるわけですよね。 労働省として、こういうことについて実態をつかんでおられるのか、あるいはまた競合する相手の制度のよいところを取り入れて、本当に競合して不合理であれば調整するとか、何か学ぶとかというようなことを努力されているのか、ちょっと疑問なんですがね。
○藤尾国務大臣 伺っておりましても、確かにさようなところが見られるわけで、一つには、お役人仕事というか勉強が足りぬ。これをやらなければ食っていけないということもありませんし、というようなことがございまして、努力が足りないところは多々あると思います。したがって、こういう機会でございますから、非常にありがたいことで、その種のあらゆるそれぞれの制度、そういったものも精査いたしまして、もっともっと勉強をいたして、商工会議所がおやりになっておられるにしましても、そんなにりっぱな魅力がつくわけはないわけでございますから、そんなに違うわけはない。でございますから、それに政府も出資をしてとにかく応援しようというのですから、それだけ、少なくとも責任だけは持てるということでもあると思います。 それから同時に、私はどうも考えてみまして、こういったものを運用している事業団自体の中に少しまともなところが足りないのじゃないかという気もいたします。ですから、もう少しこういったこともきちっと締めて一本当につるを張ったようなぴんとした形で、こういう仕事に生きがいを見つけて、それに打ち込んでおるというような姿が出てくるようにしなければいかぬのじゃないかという気もいたします。御趣旨のとおりでございますから、勉強させまして、比べて劣る点はどんどんと改善をさせるということをやらせることにいたしますから、どうぞお許しを願いたいと思います。
○浦井委員 どうですか、お役人の方は、特定退職金について。
○寺園政府委員 大臣の趣旨を体しまして、十分勉強してまいりたいと思っております。
○浦井委員 いや、私が尋ねたのは、特定退職金制度について実態をつかんでおるかという問題ですがね。
○寺園政府委員 手元にございます数字は若干古うございますが、五十三年十二月現在における特定退職金共済団体は、団体数として六百九十四あるというふうに承知いたしております。 その給付のあり方も、中小企業退職金共済事業団の行います共済事業は単一の制度でございますし、また二年未満の勤続者は給付なし、あるいは薄くして、長期のところに給付を厚くするという制度をとっております。それに対しまして、特定退職金共済団体でやられます共済制度は、当該地域あるいは業種の就労実態に応じて短期のところに給付を持ってくるという制度をとっておられるところが多いようでございます。そういう意味では、短期のところを比較いたしますと、当方の制度よりか有利な制度になっておりますけれども、中長期的な勤続者については国の制度の方が有利な場合が多いというふうに承知をいたしております。
○浦井委員 大臣、いま聞かれたようなことで、特定退職金制度もなかなかよい面もあるけれども、こっちもよい面があるのだということで、これから大臣、内部で指導されるのは大変だろうと思うのですけれども、ひとつ意識的にやっていただきたい。 それともう一つの問題、競合といいますか比較をする制度として、これは趣旨がちょっと違いますけれども、小規模事業主が退職をした場合の共済制度、小規模企業共済制度があるわけです。これと中退金と比べてみますと、五十六年度の予算は、中退金が三十八億九千万円、そして中退金には給付費に対して国庫補助がある。小規模企業共済制度は予算規模が三十九億二千万円、これは給付費に対する国庫補助なし。ところが、小規模企業共済制度というのはなかなか営業努力が盛んでありまして、手数料として、事務代行手数料に十九億一千三百四十六万円使う。それで新規加入目標十三万件という目標を設定して、県的にあるいは時期的に積極的に運動を展開しておる。中退金の方も、先ほどのお答えでは月間をつくったりいろいろなことをやっておられるようですが、そこに手数料がないということもあって、どうも物質的な刺激が足らぬのですね。その結果、加入しておる事業主というのは、中退金が特定業種も含めて三十二万八千人、これに対して小規模企業共済制度の方は九十五万七千人なんです。そういうことで、小規模企業共済の被共済者数、事業主数というのは九十五万七千人であるし、中退金の被共済者数は三百二十五万六千人という大きな数の違いがあるのに、予算では中退金の方が少ない、小規模企業共済制度の方が多いということになるわけです、ちょっと話がややこしいですけれども。 だから、こういう数字を比較してみても、やはり労働者に対する退職金共済にはもっと力を入れるべきではないかというふうに私は指摘をせざるを得ないわけであります。 そこで、その一つの方法として、いまもちょっと言いましたけれども、いまの小規模企業共済制度では手数料があるのだけれども、中退金ではこれを扱っても手数料がないから一銭にもならぬ、これがネックになっていることは確かであります。だからせめて小規模企業主共済くらいの手数料を出すような努力をすべきではないか、あるいはさっきから言っていますけれども、加入促進運動ももっと意識的にやるべきではないかというふうに思うわけなんですが、どうですか。
○藤尾国務大臣 そのとおりだと思いますよ。やらせます。
○浦井委員 さっき数字を申し上げましたけれども、小規模企業共済、事業主ではありますけれども、入っている人が九十五万七千人、それから中退金の加入事業者が三十二万八千人、事業主の数を比べてみてもこれだけの差が出てきておる。この数字を比べてみましても、やはり事業主の方は自分の問題だからというので倒産のときなんかに備えてどんどん小規模企業共済に入る、従業員の方はほったらかしになる、こういうことなんです。逆に言えば、そういう事業主を巻き込んで、たとえば小規模事業主共済制度のように意識的な努力をするならば、そうしたらやはり中退金もどんどんと加入者がふえてそれによって退職金をもらえる労働者もふえるという可能性も示しておると思うので、ひとつ努力をしていただきたいと思う。
○寺園政府委員 この制度は、独力では退職金制度は持ちにくい中小企業者を対象として相互共済の仕組みとして成り立っておるわけでございます。したがって、独自に退職金制度を持っている中小企業も当然あるわけでございますので、中小企業者全体を比較をして小規模共済と中退金との加入を直接に比較するということはいろいろ何か問題があるのではないかという感じがいたします。 しかしそれはさておきまして、できるだけこの制度を利用して退職金制度を持っていただくという観点に立っての普及促進には十分力を注いでまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○浦井委員 そこで次の問題ですが、去年この改正案がかかりまして、その中で過去勤務期間の通算制度ができた。これは趣旨はよいのですけれども、実際に利用する側にしてみると非常に制度が複雑になってなかなか手続が繁雑であるという声が強いわけです。これは大問題ではありますけれども、中退金の事業団には地方に支部がない、だから事業主が相談に行きたくてもなかなか行き先がないという状況があるわけなんです。中退金の方に聞いてみますと、相談員がおりますからとこうなるのですが、相談員というのは一体何人くらいおられるのですか。
○寺園政府委員 この制度におきましては、できるだけ事務経費を節減をいたしますために、各地方には支部は置かずに本部一本で仕事をいたしております。そのかわりいろんな仕事を金融機関等に委託をして事業を実施しておるわけでございますが、御指摘の相談員につきましては、十五人おりましたのを二名ふやしまして十七人にいたしたところでございます。
○浦井委員 さっきちょっと尋ねましたけれども、金融機関に依頼をしたりということですが、これは手数料はないのですね。
○寺園政府委員 特に手数料は支払っておりません。
○浦井委員 だから、それはもう奉仕なんですよ。実費は支払っているようですけれども、全くの実費なんです。たとえば地方の県の労政事務所なんかにちょっといろんなことを頼むということで事務費を渡すということになっておるそうですが、お調べいただいておると思いますが、私のおります兵庫県への事務の交付金は年間幾らですか。
○寺園政府委員 五十五年度におきまして十四万六千円でございます。
○浦井委員 大臣、聞かれましたですか。兵庫県というのは人口も多いしかなり大県です。一生懸命やっておられるだろうと思うのですが、だからそれを金ではかるのは僭越かもわかりませんが、十四万六千円、こういうことになるわけなんです。だからやはり相談員ももっとふやさなければならぬし、その地方の労政事務所であるとか、あるいは金融機関でも、中退金に入ってもらえるようなそういう相談ができる体制をつくる、それにはやはり国が責任を持って手数料などの世話をしてやらなければいかぬじゃないですかね、大臣。
○藤尾国務大臣 事務的にどういうことになっているか知りませんけれども、仰せのとおり、いまは金でもやらなければ人は働きやしませんから、そういったことは十二分に取り入れていかなければ仕事にならぬ、かように思います。
○浦井委員 それで次に建退共、これも朝方からかなり問題になっておるので同じ質問になるかとも思うのですけれども、数字を見ますと、建退共の共済契約者数は去年の半分になっておる。公共事業を請け負うときにはこの建退共に入るように指導されておると先ほども言われておったわけですけれども、公共事業費はどのくらいになるか、地方も入れますと十兆とも二十兆とも言われております。それの証紙購入の平均パーセントを仮に〇・三%ということにしますと、二十兆として六百億、十兆としたら三百億の証紙が購入されておらなければならぬ。ところがいただいた資料では、掛金の収納額が百七十億で、これは二分の一、六百億ということであれば三分の一弱である。実態は証紙を購入しても手帳に張られておらないとか、あるいは手帳はあるけれども二百五十日分の証紙が張られていないから何年間も手帳の更新はやられておらないとかいうようなことで、退職金に結びついておらない建設労働者が非常に多く存在することが明らかであるわけなんです。数字を見ましても、五十五年度の労働者、被共済者の脱退者が六万七千七百七十三人で、その中で退職金をもらった件数というのは二万一千四百八十件、だから三分の一にすぎないわけなんです。せいぜい多目に見ても二分の一弱ということになるわけで、だからやはり建退共がパンフレットの中に書かれて強調をしておられるのですが、それが実行されておらない、有効に作動しておらないのです。 先ほどから言われておりますけれども、元請責任の明確化であるとか、あるいは証紙の現物交付方式の徹底、これをぜひやらなければならぬ、これはどうですか。
○寺園政府委員 この制度が所期の目的を十分に果たしますためには、できるだけ多くの建設業者がこの制度に加入をする、そして期間雇用者がその事業所で働いたときにはちゃんと証紙を張っていただくということがこの制度の基本になろうかと思います。そういう意味で加入の促進あるいは証紙の貼付の履行について従来から力を注いでおるところでございますけれども、今後とも十分この点に留意しながら進めてまいりたいというふうに思っております。
○浦井委員 もう一点、それで受給要件が二十四月になっておるわけですね。これをやはり十二月ぐらいに、一年分ぐらいに短縮をする方が退職金に結びつくんではないかという専門的な立場の方の御意見もあるわけなんですよ。その点はどうですか。
○寺園政府委員 この制度におきましては、掛金を原資といたしまして、その掛金を運用しました運用利息を加え、かつ三年以上の勤労者については国庫補助をつけて退職金を給付するという仕組みにしておるわけでございますけれども、短期勤続者よりも長期勤続者の給付を厚くするという基本的な考え方に立っております。特に、特定業種退職金共済制度は個々の企業からの退職ということではなくて、業界からの引退ということを退職事由にいたしております。そういう観点でいわゆる掛け損の期間が一般の退職金制度よりも長くなっておりますが、その原資をもとにして長期の人たちの給付を厚くしておるということでございますので、それなりの意味のある制度であろうというふうに思っております。
○浦井委員 そうすると、十二月に短縮することはやらないということですか。
○寺園政府委員 現在のところ二十四月以上の掛金納付の方に退職金を給付するということで進めてまいりたいというふうに思っておりますけれども、建設労働者の就労実態あるいは収支の状況等を勘案しながら、先生御指摘の問題は検討課題として取り組ましていただきたいというふうに思います。
○浦井委員 大臣、どうですか、答弁を聞いておられて。朝から同じ問題が、元請責任であるとか証紙をきちっと渡して張ることとか何遍も言われております。同じ答えが返ってくるのですが、この辺でひとつ締めて大臣の答えを……。
○藤尾国務大臣 恐らく建設事業者の大手は事務機構がきちっとしておりますからわりあいにきちっとしたことをやっておると思いますけれども、下請、またその下請というようなことになりますと、事務機構が非常に乱れておりまして、恐らくそれだけ行き届いていないんじゃないかという感じの方が先に立ちます。いずれにいたしましても、さようなことがあってはならぬわけでございますから、この系列の下請、下請、下請に至りますまでやはり大手がかなりの責任を持って事務的な指導もするというようなことにしませんと、せっかく出しておりますものも半分どこへ行ったかわからぬというようなことでは話にならぬわけでございますから、そういう点は十二分に今後注意をいたしまして、私が日建連その他で機会ありましたらきつく申しつけます。
○浦井委員 次に、林業の問題ですが、特定業種の中に入るということは非常によいことだと思うのです。ところが、いままで三年間ですか、試みに行われてきた積立金制度、証紙代百五十円ですよね。それで建退共のレベルでいきますと、建退共で現在証紙代が百八十円でどれくらい退職金がもらえるかといいますと、十年で六十八万九千百三十八円、こういう数字が出ておるわけなんです。 林業で働いておられる方たちの要求をいろいろ聞きますと、せめて十年勤続で百万円の退職金が欲しい。これは当然の要求だろうと思う。ところが、掛金が建退共よりも三十円低い。これはいろいろいきさつがあるようでありますが、私が工夫をしてあげてほしいと思うのは、少なくとも十年勤続で百万円の退職金がとれるような制度を早くつくり上げなければならぬのではないかというふうに思うわけなんですが、これについてはどうですか。
○寺園政府委員 退職金の額は基本的には掛金の額に応ずることになります。その掛金を運用し、その運用利回りももちろん加えて給付をするということになるわけでありますけれども、基本的には掛金額に相応してくるという形になります。したがいまして、給付を厚くするためには掛金を高くしなくてはいけないということに当然のこととしてなるわけでございます。 林業の場合におきましては、現在の積み立て事業は百五十円で実施をされておるというふうに承知をいたしております。新しい組合におきまして林業が退職金共済事業を開始される場合の掛金につきましては、新組合の定款によって定められるということになるわけでございますけれども、その定款が定められるときには従来の掛金の額あるいはそれの収納状況あるいは林業事業者の経費の負担能力等々を勘案して決定をされるということに相なろうかと思います。
○浦井委員 それでは十年間掛けて百万円欲しいと労働者が要望しておるという私の質問に答えたことにならぬわけなんですよ。大臣、どうですか。
○藤尾国務大臣 いまの賃金の趨勢から考えましても百五十円と二百円とどれだけの違いがあるんだということになりますとそんなに大きな違いじゃない、私はかように思いますし、先刻のお話じゃございませんけれども、とりあえずそういった二つ並べたものを一緒にしたというような程度でございますから、いまのところはそれで発足をするとしまして、やはりそれを将来運営していく上では一応あなたのおっしゃっておられるような大体その金額あるいは条件というようなものを満たすような制度というものは当然のことであろう、私はかように考えますから、掛金が百五十円だからどうだとか百八十円だからどうだとかいうようなくだらない議論を余りしないで、それを一定のところに並べていくような努力を今後とも続けていかなければいかぬ。少なくともそういった志向を持たなければ、これは要するにそういったものが三つ並んでおりますじゃしようがありませんから、それぞれの運営委員会におきましてそのような議論ができますように少なくとも指導はしなければなるまい、かように考えます。
○浦井委員 時間が迫ってきたようなんで、最後に私、大臣に要望をしたいことがある。 それは、大臣も非常に神戸に縁の深い方でありますから神戸の問題でありますが、御承知のように神戸には地場産業としていまこの法改正で問題になっております清酒があります。これが東神戸。それから、御存じだろうと思うけれども、西神戸にはケミカルシューズ産業というのがある。第三のくつと言われておるわけなんです。このケミカルシューズの問題なんですが、ここへ行きましても、やはり先生そんなもの中退金に入るだけの魅力おまへんわ、こうなるわけですよ、この間行ってきたわけですけれども。やはり商工会議所なんかの特定退職金制度というところに、融資の関係もありますから皆そこへ行く。こういう状況。 そこから話をいろいろ聞いてきたんですけれども、この業界が年にくつを大体三千八百九十万足。ケミカルシューズですから、ゴムぐつでもないし普通の履物でもない。年商が多いときは二千億ほどあったんだけれども現在は六百億ぐらい。それで、業界の従事者が一万人で、非常にすそ野が広いんでずっとそのすそ野も全部入れると、関係者が大体二万五千人。これは長田区それから須磨区、こういうところです。これは大臣も御承知のように、明治以後まず神戸、大阪に人がずっと集まってまいりまして、そこでそういう安い労働力を利用してマッチ産業が起こる。これがまた外地のさらに安い労働力に食われて、ダンロップを初めとしたゴムぐつ産業、そして戦後ケミカルに発展していく。そういう同じ労働力を使っておる関係上、零細業者の集まりなんです。しかも、さっき言いましたように、下請のすそ野が広い。しかももう一つは、業者にもあるいは従業員にも在日朝鮮人が多いという特色がある。造船や鉄鋼と並んで、そういうような零細企業の集まりであるにもかかわらず、神戸の景気全体を左右するだけの力を持っておるわけですよね。この間のオイルショックでも非常に大きな打撃を受けたけれども、かなり素早く対応をして、輸出型をやめて国内需要型にするという形で、何とか業界としていま一生懸命一人前になるために努力をしておるわけなんです。 ここに至るまで、かなり零細業者が多くて、しかも在日朝鮮人という外国人の参入が多いということで、金融機関からも差別をされる、あるいは市民一般からも、当初はややともすれば余り高い評価は受けておらなかったわけであります。近促法であるとかあるいは産地振興法というものの適用を受けて、県や市もある程度援助もして業界の自覚も高まって、いまや清酒と並んで神戸の代表的な地場産業になってきておる。これは大臣もよく御承知だろうと思うわけなんです。 ところが、非常に大きな悩みがあるわけなんです。それは、この間行って聞いたのですけれども、たとえばことしの四月に新規の学卒者でその業界に入ってきた人がゼロだという。まずゼロ。数字として捕捉できないという状況で、こんなことが続いておれば後継者の育成がきわめて困難だというのが、協同組合の役員の皆さん方のいまの最大の悩みであるわけなんです。 そこで、この間県や市の役人も一緒に西ドイツやイタリア、イギリス、こういうところへ行って、くつ学校があるというので、そこへ見に行ってきた。非常に参考になったと言うて帰ってこられたわけなんですが、向こうの状況というのは、くつ学校でも全部国立になっておる、そして百年ぐらいの歴史を持っておる、こういうことなんですね。 そういえば、たとえば清酒なんかの場合は、御承知のように大阪大学に、あれは工学部の醗酵工学科ですか、これはやはり清酒業界の運動でつくられたということもありますし、日本全体で言えば、造船工学科なんというものもやはりそういう経緯でつくられたと言って言えぬことない。くつ学校が国立であっても不思議でないというふうに私も思ったわけなんです。こういう国立のくつ学校みたいなものがたとえばつくられるとしたら、これは非常に業界の評価が高まるのですよね。やはり神戸でケミカルシューズに働いておるんだということになると、まだちょっと後ろめたい感じが残っておりますが、そういう感じが一掃されるほどイメージアップにもつながる。それと、韓国、台湾、あるいはシンガポール、インドネシアというような東アジアの方の人たちの人材も、権威のあるくつ学校がつくられたら、非常にやってくるという気宇壮大な希望でもあるわけなんです。 そこで、中小企業庁来ておられますか。——それでは通産省に。このケミカル業界が近促法なり産地振興法なりの業種適用を受けて、かなりまじめに行政指導を受け入れて、いままで計画もつくり、努力もしてきたことはよく御承知だろうと思う。大体どこの計画でもそうですけれども、官庁の指導のとおりに新製品の開発であるとか新市場の開発というようなことと同時に、人材養成もうたってきておるわけなんです。これは通産省が指導されたんだろうと思う。だから、人材養成をうたう限りは、こういうケミカル業界に人材養成という点で何らかの援助の手を差し伸べるべきではないかと私は思うのですが、通産省の御意見をお聞きいたしたいと思います。
○水野説明員 御説明申し上げます。 先生おっしゃられましたケミカルシューズ、神戸が大産地でございますが、先生すでにお話ございましたように産地中小企業対策臨時措置法、この法律で私どもいち早く指定をいたしまして、現在この法律に基づきまして、日本ケミカルシューズ工業組合によりまして神戸地区のケミカルシューズ産地振興計画、こういうものが作成されております。先生御指摘のとおりでございます。この計画は、産地振興法というのがもともとそういう法律でございまして、基本的に人材養成とかあるいは将来の産地ビジョン、こういったものを実は検討する法律でございますが、この組合がつくりました計画の中で昨年度、五十五年度からくつ学校設立のための調査研究、こういうことをテーマとして取り上げまして、そこで組合が取り上げましたテーマを行いますに必要な経費の一部を、私ども中小企業庁と一緒になりまして補助をいたしております。 今後の問題でございますが、この組合事業の一環として、くつ学校の設置がいろいろな基礎調査を終了しまして図られる、こういった方向になってまいります場合には、これも私ども、中小企業庁で幾つかのいろいろな手段を持っております。たとえば高度化資金というのがございます。この高度化資金融資、こういったことを通じて、それらのくつ学校の設立といったことができるだろうから、全面的にバックアップをしてまいりたい。 そのほか私ども、実はケミカルシューズ工業というのは神戸の非常に重要な産業であるということを前々から認識しておりまして、その意味で当局の予算といたしましてもいろいろと、たとえば中堅技術者に対する技術指導といったことのために補助金も出しております。 そんな意味で、今後とも産地のこういった重要な産業にわれわれとしては全面的に御協力をしていきたい、こう思っております。
○浦井委員 大臣、通産省でも労働省でもそうですが、全面的にバックアップしていきたいと言っても、大体おわかりのように、そこそこなんですよね。 そこで労働大臣、神戸に縁の深い方でもあるし、ひとつ職訓校——職業訓練校がありますね。これが短期大学という方向を目指して意識的に努力をされておられるようです。業界の意見を聞きますと、デザインであるとか、くつ型——木型ですね、機械の操作で、イタリア物に比べるとファッション性という点での熾烈な競争になっておるわけですよね。そういう点で大臣、ひとつ在任中にこういう業界の意向を受けて、神戸に特別の短大みたいなものでも、労働省の力で何とかならぬですかね。
○森(英)政府委員 職業訓練校の新しい訓練科目の設定でありますとか、全体の職業訓練体系の調整につきましては、地域の産業構造の変化でありますとか企業立地の状況、また訓練校に対する新規学卒者あるいは離転職者の入校状況でございますとか、さらには地元の要望等実情を総合的に検討してこれまでも行っておりまして、そのために毎年二月から三月にかけまして全都道府県からヒヤリングを行って細目の調整をやってきておるところでございます。これまでもケミカルシューズ関係につきまして五十五年から兵庫県において委託訓練、三カ月の訓練でございまして、定員も二十名と小規模のものでございますけれども始めておりまして、本年度も同様の枠で計画しておるところでございます。 なお、ケミカルシューズ関係につきましてどういう訓練が行われるかということにつきましては、先生御承知のとおり現在兵庫県でケミカルシューズ技術開発研究委員会というのができまして、そこで地場産業の育成という立場からいろいろな養成訓練施設の取り扱いをどうするかということを含めて鋭意調査研究をなさっておるようでございます。近く中間報告が出るということも聞いておるわけでございますが、そういう調査結果を待ちまして、地域の問題でございますから地元、県とよく協議をいたしまして、その上で考えてまいりたいと思っております。 それから、特に訓練短期大学校というお話がございましたけれども、これは全国を十一のブロックに分けまして、関東、近畿だけは三校、二校と複数でございますが、全部で十五校を現在の総訓校から転換するという方針で考えておりまして、ブロック単位の機関というたてまえでやっておるわけでございます。その点で訓練短大というのは、ケミカルシューズだけについてはちょっとむずかしいと思うのでございますけれども、それ以外の訓練機関でございましたら今後十分検討してまいりたいと考えております。
○藤尾国務大臣 私は、いま訓練局長が言いましたような官製の職業訓練学校、そういったものの体系だけではこれから先業界あるいは働かれる方々の要求の多様性になかなか応じ切れないのじゃないかと思いまして、大臣就任以来、民間の施設を大いに活用しろということを言ってきたわけなのです。 そこで、ただいまのくつ学校だとかなんとかというようなお話も、くつ学校であろうが何学校であろうが、そういうものをどんどんおやりになっていただいて、そうして技術の習得と開発のためにあらゆる施設でその能力を伸ばしてもらいたい。私どもはそれに訓練学校に対すると同じような助成をするのにやぶさかではございませんから、金を出すのは何でもありませんので、どうということはないわけですけれども、問題はそれを教えるに足る人がいるのかどうかというようなこともありますから、民間でそれぞれおやりになっておられるところにまた役人の官製のものをつくりまして競争させるなんということは余り能率的な話じゃありませんから、それだけの努力をするならば、いま現実にある、あるいはこれからあろうとするそういったものに最大限の助成をして、そうしてその目的を達成するようにすることの方が筋ではないか、私はかように考えておりますので、これは相談をいたしましてできるだけのことはいたします。
○浦井委員 終わります。
○今井委員長代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○今井委員長代理 じゃ、速記を起こして。 ————◇—————
○今井委員長代理 この際、連合審査会開会申し入れに関する件についてお諮りいたします。 建設委員会において審査中の内閣提出、本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案について、同委員会に対し連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今井委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会を開きます場合の開会日時等につきましては、建設委員長と協議の上、追って公報をもってお知らせすることといたします。 次回は、明後十六日木曜日午前九時四十五分理事会、十時委員会を開会することといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十五分散会