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94回国会衆議院1981/03/24

社会労働委員会 第5号

発言数
28
登壇者
5
会派数
2
開催日
1981/03/24

会議録

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。森井忠良君。

森井忠良日本社会党

○森井委員 この際、確認をしておきたいことがございますので、幾つか御質問を申し上げます。  その第一は、今後の高齢化社会への移行及び低成長経済のもとでの雇用情勢に対応していくためには、各種給付金の見直しというだけでなくて、雇用対策全般についてそれを見直し、改善を図る必要があると考えるのでございますが、所見を承っておきたいと存じます。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 高齢化社会への移行等の社会経済情勢の変化の中で、雇用の安定を図ることは今後ますます重要となると考えております。そのため雇用対策全般をより適切なものとするための検討を常時行っていく必要があることは当然であり、今後ともそのための努力を払ってまいる所存であります。

森井忠良日本社会党

○森井委員 高年齢者あるいは心身障害者の雇用を促進する上で、これらの方々の就労を容易にするための施設設備の整備、これらの方々に適した職種の開発等により就労分野の拡大をより一層進めるべきであると考えるわけでございますが、今後の方針をお伺いしたいと存じます。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 高年齢者の就労分野の拡大を図るため、今回の改正においては、高年齢者が就労しやすくなるよう施設設備の改善を促進するための高年齢者職場改善資金融資制度を設けることといたしたところであります。  また、身体障害者のための施設設備の改善を促進するため、身体障害者雇用納付金制度に基づく助成金の改善を図ることといたしております。  さらに、高年齢者、身体障害者に適した職種の開発については、今後とも積極的に取り組むとともに、民間事業所に対する指導の徹底を図ってまいる方針であります。

森井忠良日本社会党

○森井委員 今後各種給付金の具体的な支給の対象、内容、要件等に関する基準を定める場合に、関係労使の意見を十分聞いた上、適切なものにすべきであると考えるわけでございますが、どのようにされる所存なのか、見解を承っておきたいと存じます。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 各種給付金の具体的な支給の対象、内容、要件等につきましては、今後改めて関係審議会にお諮りして定めることとなりますが、その際には、関係審議会を通じて関係労使の意見を十分聞いた上、適切な内容のものとする考えであります。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次は、定年延長奨励金の廃止の時期の問題でございます。  定年延長奨励金につきましては昭和六十年までということになっておるわけでございます。政策目的はわかるわけでございますが、六十歳定年がまだ十分普及していない段階にございますので、今後の状況を見ながら最終的に廃止の時期を決めるべきであると考えるわけでございますが、所見を承っておきたいと存じます。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 定年延長奨励金については、六十歳定年制の普及が見込まれる昭和六十年までのものとすることといたしておりますが、なお今後の定年延長の進展の状況を見きわめ、必要があれば定年延長奨励金の廃止の時期について改めて見直しを行うこととする所存であります。

森井忠良日本社会党

○森井委員 最後でございますが、今後労働者の職業生涯を通じて、そのニーズに的確に対応した体系的、段階的な職業能力の開発向上を図ることがきわめて重要であると考えるのでございますが、その実現に向けてどのように施策を進められるのか、所見を承りたいと存じます。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 今後の高齢化社会への移行等に対応し、労働者の職業生活の全期間を通じて職業生涯を見通した形での段階的、体系的な職業能力の開発向上を図っていくことが重要な課題であると考えております。このため、職業訓練関係の各種給付金につきましても、その方向に沿って一層の充実を図り、労働者のニーズに即応した教育訓練機会の確保に努めてまいる所存であります。

森井忠良日本社会党

○森井委員 終わります。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 この際、湯川宏君外六名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党、新自由クラブ及び社会民主連合七派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。田口一男君。

田口一男日本社会党

○田口委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党、一新自由クラブ及び社会民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。    雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。  一 労働者の雇用の安定を促進するため、定年延長、労働時間の短縮と週休二日制の実施をなお一層推進し、その早期実現を期すること。  二 高齢化社会への移行及び今後の雇用情勢に対応して、特に高年齢者、心身障害者等の雇用を促進し、確保するため、各種給付金制度の一層の充実を図るとともに、施設、設備の整備、改善、職種の開発等により、就労分野の拡大に努めること。  三 特定求職者雇用開発助成制度については、今後雇用情勢が極めて悪化した場合、その状況に応じて、対象労働者の範囲、助成内容等につき、さきの中高年齢者雇用開発給付金の実施などの経緯を踏まえ、迅速かつ適切に対応できるよう、緊急時における特例措置について万全を期すること。  四 各種給付金の支給の対象、内容、要件等に関する基準の設定に当たっては、関係審議会等を通じて関係労使の意見を十分聞いたうえ、給付金の目的に即して有効に活用できるものとなるよう措置すること。  五 各種給付金の整理統合に伴い、給付内容、支給要件等について関係者への周知徹底に努めるとともに、手続を簡素化し制度の積極的な活用を図ること。  六 職業生涯を通じて段階的かつ体系的な職業能力の向上が行われるよう、職業訓練関係の各種給付金についても、一層の充実を図るとともに、労働者のニーズに即応した教育訓練機会の確保に努めること。  七 日雇失業給付について、段階制の是正等その改善について所要の措置を講ずること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  湯川宏君外六名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付すことに決しました。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 お諮りいたします。  本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。藤尾労働大臣。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、これが実現に努力をいたす所存であります。      ————◇—————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 次に、内閣提出、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。藤尾労働大臣。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 ただいま議題となりました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  中小企業退職金共済制度につきましては、昭和三十四年に中小企業退職金共済法が制定され、中小企業の常用労働者を対象として、中小企業退職金共済事業団が運営する一般の退職金共済制度が設けられたところであります。その後、昭和三十九年の同法の改正により、労働大臣が指定する特定業種に期間を定めて雇用される労働者を対象として、業種ごとに設立される退職金共済組合が運営する特定業種退職金共済制度が創設され、同年に建設業退職金共済組合が、また、昭和四十二年に清酒製造業退職金共済組合が、それぞれ発足し、この制度を運営してきたところであります。  ところで、当面する厳しい社会経済情勢及び財政事情等にかんがみ、行政改革の実施が現下の緊要の課題となっており、政府は、昨年十二月の閣議において、特殊法人の整理合理化の一環として、建設業退職金共済組合と清酒製造業退職金共済組合とを統合することを決定したところであります。  また、今後、林業等を特定業種として追加した場合における当該特定業種に係る退職金共済制度の実施体制につきましても、その整備を図っておくことが必要となっております。  このため、ここに中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案の主たる改正内容は、特定業種ごとに設置される退職金共済組合において、それぞれの退職金共済事業を実施することといたしております現行制度を改め、特定業種に係る退職金共済事業のすべてを一個の特定業種退職金共済組合において実施することとしたことであります。  これに関連して、まず第一に、簡素、効率的な実施体制を整備し、役員の縮減等を図ることといたしております。  第二には、特定業種退職金共済制度の特殊性にかんがみ、新たに設置される特定業種退職金共済組合におきましては、特定業種ごとに、運営委員会を置くこと、区分経理を行うこと等により、特定業種ごとの事業が引き続き円滑かつ効果的に運営されるようにすることといたしております。  第三には、今後新たに特定業種が指定されるときにおきましては、当該特定業種の中小企業者等から成る準備委員会を置くこと等、所要の措置を講ずることにより、当該特定業種に係る業務を円滑に開始し得るようにいたしております。  この法律案による主たる改正内容は以上のとおりでありますが、この法律の附則におきまして、新たに設置される特定業種退職金共済組合の設立手続のほか、現在特定業種ごとに設けられている退職金共済組合の解散及びそれに伴う新組合への権利、義務の承継、その他所要の経過措置を規定いたしております。  以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。      ————◇—————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 次に、理事会の申し合わせにより、去る三月二十日本委員会に付託になりました森井忠良君外三名提出、労働基準法の一部を改正する法律案を議題とし、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。永井孝信君。

永井孝信日本社会党

○永井議員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました労働基準法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  いまや完全失業者は恒常的に百二十万人を超え、景気が回復してからもなお増加傾向にあります。  そればかりではありません。事実上の失業者、あるいは半失業者ともいうべき人々がこの何倍もおります。総理府の就業構造基本調査によると、十五歳以上の人口八千八百三十万人のうち、不就業者つまり無業者は、三千三百五十六万人おりますが、そのうち千三十五万人は就業を希望している人々であります。また、有業者であっても、きわめて不安定でしかも劣悪な労働条件にあるために、転職を希望する者が四百七十六万人もおります。この両者を加えた事実上の失業者総数は、こうして千五百万人を超えているわけであります。  現在の賃金労働人口四千三十八万人に対し、実に一千五百万人もの人々が、失業あるいは失業に近いきわめて不安定な状況に置かれているということを、私どもが看過してよいはずはありません。  しかも、有効求人倍率は、さして改善されそうになく、失業者の再就職はきわめて困難になっております。のみならず新卒者の就職も困難になっており、大学には留年が激増しております。  このような失業の増加と、雇用不安定の進行に対して、雇用を拡大し、安定化させるためには、従来の政府の施策では余りにも不十分であり、実効に欠けていることが明らかになっております。完全週休二日制を実施することによって、一人当たりの労働時間を短縮することが必要不可欠になっているのであります。時間外労働、休日労働等を、賃金割り増し率の引き上げによって減少させ、雇用拡大に転化させることも重要になっております。しかもそのためには、法改正抜きの行政指導のみでは限界に達していることも、すでに実証されているところであります。  日本は欧米諸国に比べても、合理化が高度に進められ、労働密度が非常に高くなっているにもかかわらず、長時間労働が続けられております。そのため労働災害や職業病が多発し、健康を奪われている労働者が大変多く、しかも近年増加傾向にあります。日本人は一年間に十三カ月働いていると労働省でさえ指摘しているところでありますが、年間総労働時間は日本が二千百四十六時間、アメリカ千九百三十四時間、西ドイツ千七百二十八時間となっています。このことがいまアメリカやEC諸国の日本製品輸入規制を中心とした非難の的となっているのです。このような事態を克服するためにも、労働時間の短縮、完全週休二日制の早期実現は不可欠になっておるのであります。  社会党は、このような状況にかんがみ、完全週休二日制の実現のために、労働基準法の改正を提案する次第であります。  次に、この改正法案の内容について御説明申し上げます。  第一は、週休二日制についてであります。  この改正法は、労働者に対して毎週少なくとも連続した二日の休日を与えなければならないものとすることといたしております。現行第三十五条は毎週少なくとも一回の休日を与えなければならないと定めておりますが、ここを連続した二日の休日と改めるのであります。  また、これに伴って、第三十二条の週労働時間は現行の四十八時間以内を四十時間以内に改めることにいたしております。  したがって、また、第六十条第二項の、満十五歳未満の年少者の週労働時間は、現行の四十二時間を三十五時間に改めるものといたしております。  第二に、時間外、休日労働等の賃金割り増し率の引き上げについてであります。  この改正法は、第三十七条の、時間外労働の賃金割り増し率を、現行の二五%から、五〇%に引き上げるものとすることといたしております。  休日労働の賃金割り増し率は、現行の二五%から、一〇〇%に引き上げることといたしております。  深夜労働の賃金割り増し率は、現行の二五%から一〇〇%に引き上げることといたしております。  第三に、労働時間及び休憩の特例の廃止についてであります。  すでに昭和五十六年二月二十六日労働基準局長通達により、第四十条に基づく特例のうち労働時間については基本的に廃止することとしていますが、休憩についてはそのまま残されております。これを全面的に削除することにより第三十二条の段の特例を廃止することといたしました。  最後に、この改正法は、中小企業における完全実施のための準備期間を配慮し、一年後の昭和五十七年四月一日から施行するものとすることといたしております。  以上、この法律案の提出理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。  この法律案は、労働団体のみならず、未組織の労働者を含む四千万全労働者とその家族の切なる立場に立つ重要な内容であることを十分に勘案され、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これにて両案の趣旨説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時五十三分散会

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