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94回国会衆議院1981/02/24

社会労働委員会 第1号

発言数
12
登壇者
5
会派数
1
開催日
1981/02/24

会議録

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  厚生関係の基本施策に関する事項  労働関係の基本施策に関する事項  社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項  労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。  つきましては一衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ――――◇―――――

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 厚生関係の基本施策に関する件並びに労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、厚生大臣から厚生関係の、また、労働大臣から労働関係の、それぞれの基本施策に関し所信を表明したいとの申し出がありますので、順次これを許します。園田厚生大臣。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 社会労働委員会の御審議に先立ち、厚生行政について所信の一端を申し述べます。  今日、わが国は、激動する国際社会の中でエネルギー問題、安全保障問題、財政問題等々内政外交全般にわたり試練の時期を迎えておりますが、こういう中にあって国政に携わる者として片時も忘れてはならないことは、恵まれない人々への温かい配慮であり、社会的公正の確保であると信じます。  社会保障は、こうした人間尊重の精神に裏づけられた国政の基盤であります。  わが国は、諸外国に例を見ないスピードで急速に本格的な高齢化社会を迎えようとしておりますが、それにふさわしい給付の実現と負担の公平を図るため、社会保障の計画的、体系的整備を急ぎ、来るべき高齢化社会において効果的に機能できるようにしていくことが最も緊要な課題となっております。  私は、今日のような困難な時期にこそ、長期的な視点を踏まえつつ国民の切実な願いにこたえて社会保障の充実を図っていくことが国の責務であり、国政に対する国民の信頼を確保するゆえんであると確信しております。  昭和五十六年度政府予算案の編成に当たりましては、障害者、老人、母子家庭等社会的経済的に恵まれない人々の生活の安定と福祉の充実に社会的公正の確保の見地から特に重点的に配慮するとともに、老人保健医療対策などについて長期的総合的な観点に立った施策の展開を図るべく最善の努力をいたしたところであります。  その結果、厚生省予算は八兆七千六百四十二億円、対前年度伸び率七・五%、六千百四十七億円の増を確保し、交付税を除く一般会計の予算額の伸びの約半分を厚生省予算の伸びで占めることとなり、活力ある福祉社会建設の主軸となる厚生省予算を守り得たと思います。  以下、昭和五十六年度における主要な施策について申し述べます。  第一に、障害者等の福祉の充実であります。  障害者、老人、母子家庭等社会的経済的に恵まれない人々がひとしく活力ある福祉社会の建設に参加していくことができるよう各般の施策の充実を図ることは、人間尊重の理念に立脚し、社会的公正の確保を目指す厚生行政にとって重要な課題であります。  特に本年は国際障害者年であり、そのテーマである「完全参加と平等」の実現を目指して関係諸施策の一層の充実が要請されているところであります。  このため、障害者が家庭や地域社会で自立して生活できる条件づくりとして、障害者福祉都市の拡充、障害者社会参加促進事業等の充実など各般の施策について拡充強化を図るとともに、国際障害者年記念全国身体障害者スポーツ大会の開催など各種記念事業を実施するほか、国内長期行動計画の策定については、中央心身障害者対策協議会及び関係審議会の審議を踏まえつつ、関係省庁と協力して策定してまいる所存であります。  次に、老人福祉対策につきましては、老人が住みなれた家庭や地域で生活できる基盤を整備することが緊要でありますので、家庭奉仕員派遣事業などを拡充するほか、新たに寝たきり老人や重度障害者が居宅のままで入浴、給食などのサービスを受けられる訪問サービス事業を創設することとしております。  また、近年、出生率の低下傾向が続いておりますが、このような中で、わが国が社会の活力を維持し、これまで以上に温かい思いやりのある社会を実現していくためには、長期的視点に立って児童の健全育成と資質の向上を図っていくことがきわめて重要であります。  このため、来年度におきましても、保育対策の充実、児童館の増設、児童扶養手当支給額の増額等の措置を講ずることとしております。  なお、児童手当制度の問題につきましては、昨年暮れの予算編成の際に大きな問題となったことは御承知のとおりでありますが、現行制度の枠組みの中で給付の重点化を図ることとし、所得制限基準額を若干引き下げることとした一方、給付の必要性の特に高い低所得者の方々について手当額の引き上げを図ることといたしました。  この制度の今後のあり方につきましては、昨年九月中央児童福祉審議会から、その基本的方向について、高齢化社会への対応策の柱として拡充を図っていくべきとの意見が出されているところであり、今後、制度の根本的な改革につきましてさらに検討を行ってまいりたいと考えております。  第二に、老人保健医療対策の確立であります。  老人保健医療制度につきましては、本格的な高齢化社会の到来を控えて、国民が健やかな老後を送ることができ、しかも、それに必要な費用は国民皆が公平に負担するという制度を確立することがきわめて重要なことであります。  このような観点から、昨年末の社会保障制度審議会の御意見も踏まえ、予防や健康づくりを含む総合的な老人保健制度を新たに創設することとし、そのための法案を今国会に提出するよう現在検討を進めております。  第三に、医療対策の推進であります。  医療対策につきましては、救急医療対策、僻地医療対策について年次計画に基づき体系的な整備の推進を図るとともに、がん、循環器病、腎不全などの特殊疾病についても専門医療施設の整備充実に努めることとしておりますが、さらに地域の実情に応じた包括的な医療供給体制の計画的な整備を図るため、所要の医療法改正法案を今国会に提出する予定としております。  また、医療従事者につきましては、特に看護婦、理学療法士などの養成確保及び資質の向上について施策を進めてまいります。  このほか、医療に対する信頼が回復され、今後、昨年のような事件が二度と起こらないよう、さらに効果的な対策を講じてまいりたいと考えております。  次に、医療保険制度について申し上げます。  医療保険制度につきましては、昨年、本委員会において、健康保険法等の一部改正法案を中心に御審議を煩わし、同法案の成立を見ることができたところであります。  今後は、御審議の経緯を十分踏まえ、保険外負担の解消を初め、医療保険の運営の一層の適正化を図り、国民医療の確保に努める所存でありますが、特に人口の高齢化、医療の高度化等により、引き続き医療費の増高が予測されることから、その効率化を図っていくことが医療保険制度における現下の最大の課題であると考え、指導、監督の強化、医療費審査の充実等の医療費適正化対策を強力に推進していく所存であります。  第四に、年金制度の改善であります。  本年は、昨年秋、本委員会において御審議いただきました厚生年金保険法等の改正の成果を踏まえ、厚生年金、船員保険及び拠出制国民年金については消費者物価等の動向に適切に対応し、七・〇%の引き上げを、厚生年金、船員保険については六月、拠出制国民年金については七月から行うこととしております。  また、福祉年金につきましては、社会経済情勢の変動に対応し、必要に応じた給付の改善を八月から行うこととしております。  なお、現在政府において加入を検討中の難民条約との関連において、国民年金等について必要な限度の改正を行う方向で努力してまいりたいと考えております。  さらに、本年は、原子爆弾被爆者対策について、原子爆弾被爆者対策基本問題懇談会の意見に沿って、医療特別手当の創設等所要の改善を行うこととしております。  また、戦傷病者戦没者遺族等援護対策につきましても、年金等の額を引き上げること、義勇隊開拓団員を新たに処遇対象とすること等その充実を図ることとしております。  なお、大都市圏における廃棄物最終処分場の確保を図るいわゆるフェニックス計画につきましては、新たに立法措置を講ずることとし、本年は、とりあえず近畿圏において事業主体の設立を図ることとしております。  このほか、厚生行政は、国民の健康づくり対策の推進、医薬品等の安全性の確保等々いずれも国民生活に直結した問題に対する施策ばかりであり、その積極的な推進を図ってまいる所存であります。  私は、皆様の御鞭撻を得ながら、以上の諸課題に全力を挙げて取り組む覚悟でありますので、何とぞ絶大なる御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 では、速記をつけて。  次に、厚生大臣の発言に関連し、昭和五十六年度厚生省関係予算の概要について説明を聴取することといたします。厚生省小林会計課長。

小林功典厚生大臣官房会計課長

○小林政府委員 昭和五十六年度厚生省所管予算の概要につきまして、お手元の資料に従いまして簡単に御説明申し上げます。  昭和五十六年度厚生省関係の予算額は、総額で八兆七千六百四十二億四千七百万円でございます。前年度に対しまして、額で六千百四十七億七千二百万円の増、率で七・五%の伸びを示しております。  次のページは、厚生省予算を経費別に掲げたものでございます。一番下の欄でごらんいただきますと、厚生省予算額の一般会計総予算に対する割合は一八・七%となっております。  以下、主な内容について御説明申し上げます。  目次のページを三枚飛ばしていただきまして、一ページをごらんいただきたいと存じます。  最初は、国際障害者年特別対策でございます。昭和五十六年が国際障害者年であることを考慮いたしまして特別の施策を行うこととし、所要の予算を計上しております。  まず一ページは、国際障害者年記念事業でございます。備考欄にありますように、各種の国際的セミナー、シンポジウム、それから記念スポーツ大会、さらに全国身障者総合福祉センターの建設等がその主な内容でございます。  次に、二ページと三ページは、従来から実施してきている事業でございますが、国際障害者年を契機に例年以上にその充実を図ることとしているものでございます。  主なものを申し上げますと、まず備考欄の一番上の障害者福祉都市でございますが、障害者の住みよい町づくりを進めるための施策でありまして、これについて新規四十七市を含め七十二市に大幅にその対象の拡大を図ることとしております。また、関係方面から非常に御要望の強い障害者社会参加促進事業につきまして、一県当たりの単価を増額いたしますとともに、メニュー事業の数を三事業ふやしまして二十事業に充実することといたしております。  三ページの中ほどでございますが、心身障害児(者)施設地域療育事業でございます。いわゆる施設オープン化対策でございますが、その実施延べ施設数を二百三十二から二百九十二施設に、また次の精神薄弱者通所援護事業費の対象施設を五十七カ所から八十七カ所にとそれぞれ大幅な個所数増を行うことといたしております。  四ページ以降は福祉関係でございます。  まず、在宅老人福祉対策でございますが、総額で九十二億七千万円を計上しております。特に、下に参りまして、家庭奉仕員につきましてその増員と処遇改善を図っているほか、五ページへ参りまして、中ほどにあります居宅サービス事業の経費を新たに計上しております。これはいわば訪問サービスとも言うべき施策でありまして、寝たきり老人等の家庭に出かけまして入浴、給食あるいは洗たく等のサービスを行う事業でございます。  在宅身体障害者対策につきましては、五百二十一億一千万円を計上しておりまして、すでに御説明したもののほか、七ページの中ほどにございますが、福祉手当につきまして手当月額を一万円に増額するとともに、本人所得制限を二人世帯で三百万円へと大幅に引き上げを行うこととしております。  在宅心身障害児(者)対策につきましては、九百四十二億一千五百万円を計上しております。  八ページの下の方をごらんいただきますと、特別児童扶養手当がございますが、その手当月額の引き上げと本人所得制限、これは六人世帯でありますが、五百六万から五百二十三万へと引き上げを図っております。  九ページはボランティア活動等の推進でございまして、十五億五千五百万円を計上しております。  新規といたしまして、心配ごと相談所のケース処理研究協議会費を新たに計上いたしましたほか、福祉活動専門員の増員を行うことといたしております。  十ページは家庭保健対策でございます。まず、心身障害研究費の増額、それから下段の方に参りまして小児慢性特定疾患治療研究費につきまして対象範囲を拡大をいたしております。  それから十二ページへ参りまして、児童の健全育成対策でございます。総額で五十四億八千五百万円を計上しております。児童館、児童センター、それぞれ七十カ所、計百四十カ所の新設を予定しております。それから一番下へ参りまして、国立総合児童センター(こどもの城)でございますが、この建設経費として十六億円余を計上いたしております。  十三ページは児童手当制度でございます。児童手当制度につきましては制度内で給付の重点化を図ることとしておりまして、所得制限を若干引き下げましたけれども、手当月額につきましては、給付の必要性の高い低所得層について六千五百円から七千円へと増額を図っております。  次に、母子・寡婦等福祉対策でございます。千八百二十八億八百万円を計上しております。母子福祉貸付金及び寡婦福祉貸付補助金につきましてそれぞれ貸付原資の追加を行うとともに、児童扶養手当につきまして手当月額の改善を図ることといたしております。   一番下は、低所得者援護の強化でございます。次のページにありますように、まず生活保護につきまして民間最終消費支出の動向等を勘案いたしまして、生活扶助基準の八・七%の引き上げを行うこととしております。また、世帯更生資金貸付.制度につきましては、貸付限度額の引き上げ等貸付枠の拡大を行うこととしております。  それから社会福祉施設の施設整備の関係でございますが、六百六十七億円を計上しております。前年と同額でございますが、備考欄にございますように障害者更生保養センター、これは仮称でございます、それから身体障害者通所ホームを新たにその対象に加え、また特別養護老人ホームの補助基準面積を改善する等の措置がこの中に盛り込まれております。  一番下でございますが、施設運営の改善、いわゆる措置費の改善でございます。これにつきましては職員の増員のほか、十五ページの上の方にございますが、四十四時間勤務体制の実質的確立のための初年度分の経費を新たに計上しているところでございます。また、次の十六ページでございますが、乳児保育につきましてその対象をD2階層からD4階層へ拡大する改善も行っております。  十七ページは健康づくり対策でございます。総額で百九十三億九千九百万円を計上しております。  主な内容といたしましては、備考欄の中ほどにございます婦人の健康診査費及び栄養改善地区組織活動費の対象地区の拡大。それから十八ページの下の方へ参りまして職場における健康づくりの中の政府管掌健康保険被保険者教育事業費の新規計上。それから次の、地域における健康つくりの中の市町村栄養改善事業費の対象市町村数の増等を行うことといたしております。  次に、地域医療の充実でございますが、プライマリーケア対策といたしまして六十一億五千四百万円を計上しておりまして、臨床研修の充実を図ることとしております。  救急医療対策につきましては百五十三億百万円を、それから次のページへ参りまして、僻地医療対策につきましては四十五億八千五百万円を計上しておりまして、それぞれ計画的な整備を進めることとしております。  二十一ページ、医療情報システム体制の整備でございます。これにつきましては、医療情報システムの開発、普及、導入の各部門におきまして特にその推進を図ることとしております。  二十二ページ以降に特殊疾病対策が列挙してございます。  まず小児医療対策でございますが、国立小児病院その他の施設整備が中心でございます。  それから循環器対策の中には、国立循環器病センターの増床分の経費あるいは循環器病研究委託費の増額等が含まれております。  それからがん対策でございますが、国立がんセンターの施設整備、二十三ページの一番上にございますがん研究助成金の増額がその中に入っております。  二十四ページは難病対策でございますが、特定疾患治療研究費の対象疾患を二十三疾患に拡充することとしております。  一番下段の脳卒中リハビリテーション対策につきましては、二十五ページの上にありますようにリハビリテーション施設及び老人慢性疾患専門医療施設の整備を計画的に進めることといたしまして、所要の経費を計上しております。  二十六ページは感染症対策でございまして、新たに感染症予防情報網の整備を図ることとしまして六千五百万円を新規に計上しております。  二十七ページの一番下でございますが、保健衛生施設の整備でございます。五十九億三千二百万と前年同額でございますが、事項といたしまして二十八ページの中ほどにあります原爆被爆者保健福祉施設を新たに追加しております。また画医療施設等の整備につきましては、これも七十三億六千九百万と前年同額でございますが、これにつきましても、事項といたしまして二十九ページにございます老人デーケア施設を追加することといたしております。  三十ページは年金制度でございます。  まず、厚生年金、船員保険及び拠出制国民年金につきまして、物価スライドによる給付改善を行うこととしております。すなわち、昭和五十五年度の消費者物価上昇率に応じまして年金額の改定を行うこととしております。実施時期は厚生年金、船員保険は五十六年六月、国民年金は五十六年七月といたしております。  次に、福祉年金でございますが、年金額の引き上げについて、老齢福祉年金の場合で申しますと、月額二万二千五百円から二万四千円に千五百円のアップを図っております。ただし、扶養義務者の収入に比較的余裕のある年収六百万以上の場合は、これは六人世帯でございますが、五百円増の二万三千円といたしております。  所得制限につきましては、本人所得制限で老齢の場合二人世帯二百十六万四千円から二百二十六万六千円に引き上げ、障害の場合で二人世帯二百十六万四千円から三百万円に大幅に引き上げ、母子の場合二人世帯三百六十一万円据え置きをそれぞれ予定しております。なお、扶養義務者所得制限は六人世帯で八百七十六万円、据え置きでございます。  なお、年金オンライン体制の整備につきましては、引き続いてその整備を進めることとしております。  三十二ページは医療保険制度でございます。  まず、政府管掌健康保険につきましては、備考欄に掲げますような制度改善をベースにいたしまして、五千二百七十八億円余の国庫負担を計上しております。  三十三ページは船員保険の疾病部門でございますが、これにつきましては国庫負担金を十五億円から二十億円に増額しております。  国民健康保険助成費につきましては、総額で二兆三千七十五億二千四百万円を計上しております。最も大きいのは一の療養給付費補助金でございますが、そのほかに財政調整交付金、臨時財政調整交付金等がこの中に含まれております。なお、助産費補助金につきましては、補助基準額を八万円から十万円に引き上げることといたしております。  三十五ページは老人医療費支給制度でございます。懸案の老人保健医療制度については五十七年度実施をめどに今国会に法案を提出する予定でおりますので、五十六年度予算は現行制度をベースにいたしまして編成しております。なお、所得制限につきましては、本人(夫婦二人)で二百十六万四千円から=百一、一十六万六千円に引き上げ、扶養義務者、これは六人世帯で八百七十六万円は据え置きといたしております。  次は医薬品副作用被害救済制度でございまして、重症スモン患者介護事業費の単価の引き上げを行うことといたしております。  三十七ページは医薬品の安全対策等でございまして、三億八千万円を計上しておりますが、この中には新規施策としまして、医薬品再評価調査費及び医療用具安全性調査費が入っております。  三十九ページへ参りまして、看護婦等医療従事者の養成確保でございます。  この中には看護婦等貸費生貸与金の貸与月額の引き上げ、看護研修研究センターにおける課程の増設、それから四十ページにございます国立病院・国立療養所の看護婦の夜間看護手当の増額等の経費が含まれております。  理学療法士等の養成につきましては、理学療法士の民間養成所につきまして初めて運営費の助成を行うこととしております。  四十一ページは保母等の養成確保でございまして、保母修学資金貸与費の貸与月額の増額を図ることとしております。  四十二ページは生活環境施設の整備、いわゆる公共事業費でございます。これにつきましては引き続いて施設整備を進めることとしておりまして、簡易水道の普及促進で二百七億八千四百万円、水道水源の確保と水道の広域化の推進につきましては七百十七億三千八百万円、廃棄物処理対策につきましては六百四十七億三千万円をそれぞれ計上しております。  二枚飛ばしていただきまして四十五ページでございますが、懸案となっておりました廃棄物の広域最終処分場の確保、いわゆるフェニックス計画につきましては、関係地方公共団体の共同出資による事業主体を設立してこれを推進することといたしまして、新たに広域廃棄物埋立処分場建設事業費を計上しております。  四十六ページは戦傷病者戦没者遺族等の援護対策でございまして、千四百七十二億一千四百万円を計上いたしております。遺骨収集、慰霊巡拝、慰霊碑建設のほか、中国孤児の援護対策に特に力を入れまして、受け入れ施設への委託費、それから肉親調査のための調査活動費を新たに計上しております。それから、義勇隊開拓団員を新たに援護法の処遇対象といたしております。また遺族年金につきましては、恩給の改善に準じた改善を行うことといたしております。  次に、環境衛生関係営業の振興でございまして、八十七億四千五百万円を計上しております。都道府県環境衛生営業指導センターを本年に引き続きまして十一カ所増設することとしております。  原爆被爆者対策の充実でございますが、これにつきましては原爆被爆者対策基本問題懇談会の御意見を踏まえまして、備考欄にございますような医療特別手当の創設、これは所得制限はございません。それから保健手当の加算制度の創設、さらに原爆小頭症患者手当の法制化等の内容改善を図ることとしております。  五十ページへ参りまして、研究費でございますが、研究費につきましてその主なものをここにまとめて掲げております。  なお、次の五十一ページ以降に各特別会計の歳入歳出予算等の一覧表をつけてございますが、説明は省略させていただきたいと思います。  以上でございます。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 次に、今後の労働行政について、労働大臣より所信の表明の申し出がありますので、これを許します。藤尾労働大臣。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 社会労働委員会の御審議に先立ち、今後の労働行政について所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を得たいと存じます。  わが国をめぐる内外の環境は、依然として厳しいものがあります。全世界が相互に密接に関連しつつ、きわめて複雑かつ多元的な様相を示す環境の中で、内には急速な高齢化社会の到来という大きな社会変化に直面しているいま、わが国は、いわばこれまでの繁栄を今後とも維持発展させていけるかどうかの岐路に立たされていると言うことができます。  最近における平均寿命の伸長、出生率の低下傾向等を背景とするわが国社会の高齢化は、諸外国においてもかつて経験したことのない速さで進むことが予想されており、高齢化社会への対応は、国を挙げて取り組まなければならない課題であります。  したがって労働行政がまず第一に取り組むべき課題は、この高齢化社会に対応する施策の推進であります。  まず、昭和六十年六十歳定年の一般化を目標に、行政指導を一層強めるとともに、高年齢者職場改善資金融資制度を創設するなど定年延長への動きをより確実なものとするために努力いたします。  また、今後、高齢化の波が六十歳台前半層に移っていくことから、これらの層の高齢者の意欲と能力を十分に生かした形での雇用就業が可能となるような環境の形成が重要であります。定年延長や再雇用、勤務延長による継続雇用の促進を図るとともに、シルバー人材センターの育成にさらに努力いたします。  高年齢者の増加、若年層の減少という労働力構成の変化に対応し、働く人々の職業生活の安定と充実を図りつつ、高度の産業技術に支えられた効率の高い産業社会を実現していくことが必要です。このため働く人々がその職業生活の全期間にわたり、必要とするときに適切な教育訓練を受けられる生涯訓練体制の整備を進めてまいります。  第二の課題は、心身障害者など特別の配慮を必要とする人々のための対策の充実であります。  本年は国際障害者年であります。国際障害者年のテーマは「完全参加と平等」であり、雇用機会の創出が目的の一つに掲げられています。心身障害者の雇用の促進を図るためには、もとより社会連帯の理念に立った事業主全体の理解と障害者自身の職業人としての自立努力が肝要でありますが、労働省としても心身障害者が働く場を得て、その持てる能力を十二分に発揮できる社会を実現するための施策を強力に展開してまいります。このため身体障害者雇用率達成指導の強化等雇用機会を確保するための対策や心身障害者の能力開発の促進、心身障害者を取り巻く雇用環境整備、労働災害被災者に対する社会復帰施策の充実等を積極的に推進してまいります。  また、本年秋には国際障害者年の記念行事として国際身体障害者技能競技大会いわゆる国際アビリンピックを世界で初めて開催することとしています。この大会が障害者への励ましとなり、また事業主を初め社会一般の理解と認識を高めさせるものとなるよう努力いたします。  国際障害者年はこれを一年だけのお祭りに終わらせてはなりません。これを契機に障害者の方々の働く場の確保のために長期的な視野に立って新たな第一歩を踏み出していかなければならないと考えています。  第三の課題は、産業構造の変化、経済の変動に即応する雇用対策の推進であります。  最近のわが国経済は、その拡大テンポは緩やかとなっており、雇用失業情勢もこのところ弱含みで推移しております。  このため、当面する雇用失業情勢に適切に対応した雇用対策を実施するとともに、今後における経済、産業の的確な見通しの上に立って、産業政策と緊密な連携を図りつつ、産業構造の転換や技術革新の進展に即した雇用対策を展開してまいりたいと考えています。  このような見地から、複雑多岐にわたる雇用訓練関係の各種給付金を見直し、経済社会の変化に対応した実効の上がるものとなるよう、各種給付金の整備充実を図ることとしており、今通常国会にそのための法律案を提出いたしておりますので、よろしくお願いいたします。  なお、失業対策事業については昨年十二月に提出された失業対策制度調査研究報告の趣旨を尊重して、今後、円滑にその具体化を図ってまいる所存であります。  第四の課題は、労働災害の防止とゆとりある職業生活の実現であります。  働く人々の生命と健康を守ることは、労働福祉の基本であり、労働災害は本来あってはならないもの、決して起こしてはならないものであります。  労働災害を絶滅することは私の願いであり、本年も労働災害防止対策を行政の最重点の一つとして推進していくこととしております。  また、勤労者の福祉の向上を図る一環として、わが国の労働時間を昭和六十年度までに欧米主要国並みの水準に近づけるという目標に向けて、昨年十二月に週休二日制等労働時間対策推進計画を策定したところであります。今後、本計画に基づき、労働時間の短縮についての行政指導を強力に進めていく所存であります。さらに、商業、サービス業を中心とした八時間労働制の特例を昭和六十年までに段階的に廃止することとしており、その円滑な施行に努めてまいります。  なお、中小企業退職金共済制度につきましては、行政改革の一環として建設業退職金共済組合と清酒製造業退職金共済組合を統合するとともに、統合後の組合において、新たに林業における期間雇用者の退職金共済事業を実施することとしており、そのための法律案を今通常国会に提出しておりますので、よろしくお願いいたします。  第五の課題は、労使の相互理解と信頼を強化するための環境づくりの推進であります。  社会経済の構造的な変化に適切に対応していくためには、労使が国民経済的な視野に立ち、相互理解と協力の精神を基調として、率直な話し合いにより問題の解決を図っていくことが従来にも増して重要なものとなってくると思われます。  このような見地から、産業労働懇話会等の労使の話し合いの機会を積極的に活用し、労使の不断の相互理解と信頼関係を一層強化し、労使関係の安定と社会的コンセンサスの形成を図っていくよう努めてまいる所存であります。  第六の課題は、男女平等の促進と婦人の労働環境の整備であります。  本年は、国連婦人の十年後半期の初年度に当たり、国内行動計画の後期重点目標の検討が進められております。労働省においては、雇用における男女の機会と待遇の平等の促進を図るため、行政指導を強化するとともに、法的整備を含む有効な諸対策の検討を進めることとし、あわせて、婦人の能力が有効に発揮されるようその労働環境の整備に努めてまいります。  第七の課題は、労働外交の推進であります。  近年における国際関係の変化、特にわが国の国際的地位の向上に対応して、労働行政の分野での対外施策を積極的に展開することが要請されております。  今後とも国際的視野に立って、ILO、OECD等の諸活動に参加協力するとともに、発展途上国への技術協力の充実等を通じて積極的に労働外交を展開し、国際化時代に機動的に対応してゆく所存であります。  以上、労働行政の推進について私の所信を申し述べました。委員各位の一層の御指導と御協力をお願い申し上げます。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 次に、労働大臣の発言に関連し、昭和五十六年度労働省関係予算の概要について説明を聴取することといたします。労働省高橋会計課長。

高橋伸治労働大臣官房会計課長

○高橋(伸)政府委員 お手元の資料に基づきまして、昭和五十六年度労働省所管予算案の概要について御説明申し上げます。  まず予算規模でございますが、一ページの中ほどの五十六年度予算額の欄にございますように、一般会計予算額は四千九百九十億九千八百万円で、前年度に比較して一・四%の伸びとなっております。  次に、労働保険特別会計は三兆四百二十五億円で、対前年度比九・一%の伸びでございます。  また、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計は百九十二億七千五百万円で、対前年度比五・七%の伸びとなっております。  以上、労働省所管予算額の合計は三兆五千六百八億七千三百万円で、対前年比八・〇%の伸びとなっております。  次に、二ページ以下におきまして主要事項について概要を御説明申し上げます。  主要事項は大きく分けて十本の柱から成っております。  その第一は、高齢化社会に対応する高年齢労働者対策の着実な推進でございます。  世界に類例を見ないほどの速度で進展しておりますわが国社会の高齢化に対応するため、まず昭和六十年までに六十歳定年が一般化することを目標に、定年延長に関する労使間の合意や社会的機運の醸成を一層促進するため、地域別定年延長研究会の拡充や高年齢者雇用率達成指導の強化等の行政指導を積極的に展開するとともに、高年齢者の作業を容易にするため、必要な作業施設等の改善を促進するための資金を融資する高年齢者職場改善資金融資制度を創設し、また今後高齢化の波が移っていく六十歳代前半層についても、高年齢者雇用確保助成金の新設等により、企業の実情に応じた六十歳以上への定年延長を含めた雇用の延長を促進し、シルバー人材センターを拡充するなどにより就業機会の増大を図ることといたしております。  そのほか三ページの上の方の事項の5にありますように、高齢化社会の到来に対応するための対策について総合的な調査研究を推進するとともに、中高年齢労働者の健康管理対策としてシルバー・ヘルス・プランを引き続き推進することといたしております。  第二の柱は、三ページの下の方にございますが、国際障害者年を契機とする心身障害者対策の積極的推進でございます。  まず、心身障害者の雇用機会を確保するための対策として、身体障害者雇用率達成のための行政指導の強化、心身障害者職業センター機能の充実による職業能力の評価体制の確立を図るほか、四ページに参りまして、心身障害者重点公共職業安定所を指定して求職情報を集中管理し、また身体障害者職業相談員を新設する等により、職業紹介体制の強化を図ることといたしております。  次に、身体障害者職業訓練校の拡充を行う等、心身障害者リハビリテーション体制の総合的推進を図るとともに、五ページに参りまして、通勤対策の充実等、心身障害者を取り巻く雇用環境の整備充実に努めることといたしております。  また、国際障害者年の記念行事として、国際アビリンピックを世界で初めて開催するほか、各種の行事を催し、啓発宣伝活動を積極的に展開することといたしております。  六ページをお開きいただきます。  第三の柱は、産業構造の変化等に即応する総合的な雇用対策の展開でございます。  当面する雇用・失業情勢に的確に対応するとともに、産業構造の転換や技術革新の進展に即した雇用対策を展開するため、まず複雑多岐にわたる雇用関係各種給付金を見直し、高齢化社会への移行等、雇用・失業情勢の変化に対応した実効の上がるものとなるよう、その統合と充実を図ることといたしております。  また七ページにございますように、雇用発展分野としての第三次産業対策の推進を図ることとし、今後の雇用発展職種についての研究開発を進める一方、パートタイマー等の雇用情報の提供、労働条件の明確化指導、労働基準監督機関における相談体制の整備等を行うこととしております。  次に八ページに参りまして、第四の柱は、社会経済の動向に即応した総合的な能力開発施策を推進するため、まず民間における能力開発の推進として、認定職業訓練に対する助成の充実、地域職業訓練センターの増設、有給教育訓練休暇制度の充実等を行うことといたしております。  また九ページに入りまして、公共職業訓練につきましては、離職者に対する職業訓練を機動的、弾力的に実施するとともに、産業技術の高度化に対応して、訓練内容の向上の促進、職業能力評価制度の改善等の措置を講ずることとしております。  十ページをお開きいただきます。  第五の柱は、ゆとりある職業生活と安全な労働環境の実現のための施策の推進でございます。  まず、労働時間対策を計画的に推進するため、週休二日制等労働時間対策推進計画に基づき、業種別会議の拡充等により行政指導を強力に進めていくこととしております。  次に、先ほど労働大臣から所信表明で申し上げましたように、労働災害防止対策を行政の最重点の一つとして推進していくこととしておりますが、特に建設業につきましては、災害発生件数が多く災害率が高いこと等にかんがみ、重点的な監督指導を実施するとともに、工事計画の安全性に関する事前審査体制の確立、建設業安全教育センターの設置等の安全確保対策を推進することとしております。  また、作業環境管理対策の推進、特定疾病防止対策の充実を図ってまいります。  次に、十一ページから十二ページにございますように、事故及び疾病の原因究明等の基礎的調査研究、労働基準監督機関による監督指導の強化、産業医学の国際化に向けての振興、被災労働者に対する適正迅速な補償等を行うこととしております。  また十二ページの半ばごろ、事項6の中小企業退職金共済制度につきましては、制度の積極的な普及促進に努めるとともに、その実施体制につきましては整理統合を図り、統合後の退職金共済組合において新たに林業従事者についての退職金共済事業を実施することといたしております。  このほか、最低賃金制度の推進、未払い賃金の立てかえ払い限度額の引き上げ等、労働条件に関する施策を推進するとともに、勤労青少年福祉対策の推進、それから十二ページから十三ページにございますような勤労者福祉施設の整備充実等を行うことといたしております。  十四ページに参りまして、第六の柱、特別の配慮を必要とする人々の職業と生活の安定を図るための対策といたしましては、まず家内労働者を保護するための最低工賃の普及と徹底、危険、有害業務に従事する家内労働者の安全衛生対策の強化等について一層の努力を払うとともに、寡婦、内職婦人等に対する就業援助対策の充実を図ることといたしております。  次に十五ページにまいりまして、建設業等の下請労働者につきまして、賃金不払い対策の推進、下請企業に重点を置いた労働災害防止対策の充実、建設雇用改善助成金制度の充実等の措置を講ずることといたしております。  このほか、十五ページから十七ページに記載してございますように、同和対策対象地域住民、インドシナ難民、季節出かせぎ労働者、沖繩失業者、それから十七ページに参りまして、駐留軍関係離職者、炭鉱離職者等のための雇用対策についてもそれぞれ充実することといたしております。  それから十七ページの下の方にございますように、失業対策事業につきましては、失業対策制度調査研究報告の趣旨に沿って、今後事業の改善運営を進めることとし、このための措置の一環として、高齢者や病弱者の失業対策事業からの自立、引退を勧奨する特例措置を講ずることといたしております。  なお、失対事業就労者の賃金は、五十五年度予算に比べて七・九%引き上げることといたしております。  十八ページの第七の柱、男女平等の促進と婦人の労働環境の整備といたしましては、まず雇用における男女の機会と待遇の平等促進と婦人の労働環境の整備を図ることを今後の基本方針といたしまして、男女の実質的平等についてのガイドライン策定と法的整備について検討を進める一方、男女別定年制等の解消、その他男女差別的雇用管理の改善のための指導の強化等、雇用における男女平等の促進のための対策を積極的に推進していくことといたしております。  また、勤労婦人の母性健康管理対策の推進、育児休業制度の普及促進に努めるとともに、就業を希望する婦人に対する就業援助対策を充実強化することといたしております。  十九ページに入りまして、第八の柱、八〇年代における労使の相互理解と信頼を強化するための環境づくりの推進につきましては、労使の不断の相互理解と信頼関係を一層強化し、労使関係の安定と社会的コンセンサスの形成を図るため、産業労働懇話会等の場を通じ、政労使間の理解を一層深めることに努めるとともに、八〇年代の労使関係に関する総合的な研究等を行うことといたしております。  第九の柱は、十九ページの中ごろにあります八〇年代に即応した労働外交の推進でございますが、ILO、OECD等の国際機関の諸活動に積極的に参加協力するとともに、アジア地域技能開発計画への協力等、発展途上国労働者の労働能力の開発、その他多角的な技術協力の推進を図ることといたしております。  以上のほか、二十ページにございますように、行政需要の増大、変化に対応して行政機能の整備充実を図ることといたしております。  昭和五十六年度労働省所管予算案の概要は以上のとおりでございます。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 以上で、厚生大臣、労働大臣の所信表明並びに両省の昭和五十六年度予算の概要についての説明は終わりました。次回は、三月三日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十九分散会

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