公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第6号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/02/25
会議録
○久野委員長 これより会議を開きます。 竹下登君外二名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行います。 本案についての質疑は、去る十八日終局いたしております。 本案に対し、自由民主党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ四派共同提案に係る塩崎潤君外三名提出の修正案並びに日本社会党提案に係る佐藤観樹君外一名提出の修正案が、それぞれ提出されております。 この際、両修正案について提出者より順次趣旨の説明を求めます。伏木和雄君。 ————————————— 公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○伏木委員 私は、自由民主党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブを代表して、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨につきまして御説明申し上げます。 本修正案は、選挙期間中における政党等の自動車による政策の普及宣伝活動等に資するため、確認団体が政策の普及宣伝及び演説の告知のために使用することができる自動車の台数を現行のおおむね二倍程度に増加しようとするものでありまして、その台数につきましては、衆議院議員の総選挙においては、六台以内、所属候補者が二十五人を超える場合には、五人を増すごとに一台をこれに加えた台数以内に、参議院議員の通常選挙においては、六台以内、所属候補者が十人を超える場合には、五人を増すごとに一台をこれに加えた台数以内に、都道府県及び指定都市の議会の議員の一般選挙においては、一台、所属候補者が三人を超える場合には、五人を増すごとに一台をこれに加えた台数以内にそれぞれ改めるものであります。 以上が修正案の概要であります。 何とぞ、御賛同の上、御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○久野委員長 次に、新村勝雄君。 ————————————— 公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○新村委員 私は、日本社会党を代表して、公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由を申し上げます。 私どもは、選挙の公正は確保しなければならないけれども、選挙中における政治活動は、基本的には自由であるべきであると考えます。 そこで、「政党その他の政治活動を行う団体の宣伝告知のための自動車及び拡声機に関する事項」についてであります。改正案中、「政党その他の政治活動を行う団体の宣伝告知のための自動車及び拡声機に関する改正」に係る部分を削除しようとするものであります。 改正案において禁止しようとしておる自動車及び拡声機は、「政党その他の政治活動を行う団体」が常時継続的に使用しているものであり、その目的は、その団体の機関紙誌の普及宣伝にあり、これが直ちに選挙活動であるとは考えられず、これを禁止しようとすることは、選挙の公正に名をかりて、政党等の通常の活動をも制限しようとするものであります。選挙の公正を害するおそれがあるとすれば、各政党等はこの点を特に留意して、政治活動の自由をみずから縮小することのないよう努力すべきであります。また、本案は選挙に直接関係のない国民の諸活動をも禁圧するおそれなしとしません。よって、自動車及び拡声機に関する部分を改正案から削除しようとするものであります。 何とぞ、御審議の上、御賛成くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○久野委員長 これにて両修正案の趣旨説明は終了いたしました。
○久野委員長 これより本案及びこれに対する両修正案を一括して討論に付します。 なお、討論時間は、理事会での申し合わせの範囲内でお願いいたします。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。山花貞夫君。
○山花委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につき、社会党提案の修正案につき賛成、自由民主党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ提出の修正案につき賛成、原案につき反対を表明し、討論をいたします。 まず初めに、修正部分を除く原案について反対の理由を述べます。 第一に、本公職選挙法の一部を改正する法律案原案は、今日の選挙制度に対する国民の強い関心と不満に何らこたえるものでないことを強く指摘しなければなりません。 今日、国民の最大の関心は、従来にも増して大きく広がりつつある衆議院及び参議院地方区における一票の格差、定数是正の問題にあり、同時に、過日引責辞職をした千葉県川上知事問題に象徴される金権政治に対する批判と憤りであり、さらには、政府みずからが繰り返しその改善を主張した参議院全国区制度改革の問題、そしてわが党がかねてから主張し続けてまいりました地方自治体選挙における公営化などの問題であります。ところが本改正案は、こうした国会が最優先で取り組まなければならない重要課題について何らの具体的な対策をも提示していないのであります。 とりわけ定数是正問題は緊急の課題であると言わなければなりません。自治省の調査によりましても、一票の格差はすでに衆議院が四・五四倍、参議院地方区は五・七三倍に広がっています。五十年国勢調査におきましては、衆議院が三・七二倍、参議院地方区は五・五〇倍であったわけでありますから、この五年間に、さらに格差がすさまじく拡大しているわけであります。もはやこれを放置することはできません。 昨年十二月、東京高等裁判所は、議員一人当たりの人口、有権者数が最も多い選挙区と最も少ない選挙区の間で、おおむね二倍を超える場合は違憲であるとの判断を示しました。この判決は、この違憲の状態を放置している国会の怠慢を強く批判したものであります。今日の選挙制度に対する国民の最大の関心が、この判決に対して国会がいかに速やかにこたえるかというところにかかっていると言っても過言ではないと思います。 定数是正問題を初め、さきに指摘いたしました今日の選挙制度をめぐる多くの問題について全く手を触れない本公職選挙法改正案は、きわめて妥当を欠くものと言わなければなりません。 第二番目に、この法律案は、最近の選挙の実情にかんがみて、当面の選挙制度の改善に資するためということで議員立法として提出されているのでありますが、その内容が、最近の選挙の実情に関して議論されてまいりました多くの問題点のごく一部についてだけ、かつ後に述べるような国民の政治活動の権利に対する大きな制約を伴う、きわめて問題の多い提案であることを指摘しなければならないのであります。 前例のない衆参両院同時選挙の終了した直後、鈴木総理は、選挙制度の改革の一環として公営選挙の拡大の検討などを当時の石破自治大臣に指示をいたしました。そして、これを受けて自治省は、地方選挙管理委員会を対象にして、選挙公営制度と選挙運動のあり方について詳細な調査を行ったはずであります。昨年の九月末までには全国四十七都道府県と九十四自治体からの意見が取りまとめられたと、この委員会においても報告されたわけであります。 今日、選挙制度の当面の改善を考えるならば、この全国的な調査結果を重視し、そこから出てきた問題点について各党派の討論を重ね、その中から選挙が選挙人の自由に表明せる意思によって公明かつ適正に行われることを確保するためのルールが提案さるべきであります。 しかしながら、今回の法改正は、わが党が従来から指摘してまいりました地方公共団体の議会の議員の選挙を含む選挙公営の改善、拡充といった面については全く手をつけるところがありません。ただ選挙運動の従来に増しての規制という観点でのみ、問題が取り上げられているのであります。 第三に、今回の改正案について具体的に提起されている各問題点について意見を申し上げます。 改正案中、選挙人名簿登録制度の改善につきましては、有権者の選挙権を守る観点から早期に手をつけなければならない問題であると考えます。 選挙事務所の移動制限についても、そこでは買収、供応と断定しかねない行為が伴っているのではないかと批判の声が上がっている移動事務所の実情からいたしまして妥当と考えます。 後援団体の立て札、看板などがはんらんして批判を招いている実情からして、立て札及び看板のたぐいについて総量規制を行うことも必要であると考えます。しかし、この点につきましては、政令で定められる総数について各政党の意見を十分聴取して決定さるべきであります。 しかしながら、その他の改正点については、きわめて強い疑念を抱かざるを得ないのであります。 まず、第一に強調しなければならないことは、われわれが修正案として提示いたしました「政党その他の政治活動を行う団体の宣伝告知のための自動車及び拡声機に関する事項」であります。改正案中、「政党その他の政治活動を行う団体の宣伝告知のための自動車及び拡声機に関する改正」に係る部分につきましては、われわれはさきに提出いたしましたとおり、修正案を提出いたしましたけれども、この修正案どおりに訂正しなければならない、そのことを強調いたします。 改正案中、特に政策の普及宣伝のための拡声機の使用規制につきましては、規制の対象として政党のみならず政治活動を行う団体も対象とされており、文化団体、経済団体、労働団体、民主団体、市民団体などが副次的に政治活動を行う場合にも、従来、法による「政治活動を行う団体」であると解釈されてまいりましたので、これら団体が自動車または拡声機を利用して政治活動を行うについて、これが全面的に禁止される道を開くおそれがあり、これら諸団体の政治活動に重大な障害をもたらすことになることにつきまして、十分留意されなければならないと思うのであります。 第二番目に、任意性ポスター掲示場に関する事項について意見を申し上げます。 わが党は、基本的には任意性ポスター掲示場制度が適用される選挙から、指定都市以外の市町村の議会の議員の選挙を除くものとすべきであると考えます。改正案によりますと、従来の任意性ポスター掲示場制度による場合のほか、都道府県または市町村が条例で定めるところにより、義務制ポスター掲示場の場合と同様に一投票区につき五カ所以上十カ所以内において算定した数のポスター掲示場を設けた場合には、選挙運動のためのポスターは当該掲示場ごとに公職の候補者一人につきそれぞれ一枚を限り掲示するほかは掲示することができないこととする制度が新設されようとしています。 現在、都道府県議会の議員、市議会の議員及び市長の選挙にありましては、公職の候補者一人について一千二百枚、指定都市の市長選挙は四千五百枚、町村の議会の議員及び長の選挙では五百枚のポスターが認められています。衆議院の選挙で認められているような、いわゆる法定ビラの制度がなく、また新聞広告、政見放送、経歴放送などが認められていない地方議会選挙において、これらポスターの掲示は選挙運動の最も中心的なものであると言わなければなりません。今回の改正案によりますと、この掲示できるポスターの数をおよそ十分の一以下に抑える結果となる可能性があるわけであります。 具体的に昨年の衆参両院ダブル選挙の際における東京地区のポスターの掲示場の設置について見ますと、都内二十三区におきましては平均三百二十九、三多摩地区の市部におきましては平均百四十六、郡部におきましては平均三十六、島部におきましては平均八というのが掲示場設置の数であります。すなわち、本来一千二百枚のポスターが張られるところが、都内二十三区と三多摩地区の市部におきましては平均百四十六枚から三百二十九枚しかポスターを掲示することができない。同様に郡部におきましては五百枚張れるところを、わずか三十六枚しか張ることができない。島部におきましては五百枚張れるところをわずか八枚しか張ることができない。こうなることの可能性があるわけであります。条例で決めるといいましても、現職がその採決をした場合には、こうした結果になります。結果は現職にとって有利、新人にとってきわめて不利な情勢になるのであります。 第三番目に連座制に関する事項について申し上げます。わが党は、公職の候補者と同居している父母、配偶者、子または兄弟姉妹が買収及び利害誘導罪の罪を犯し、禁錮以上の刑に処せられたときは、当該公職の候補者と意思を通じていないときにおきましても、当該当選人の当選は無効とするものとすることを従来から主張してまいりました。意思を通じているときは当然、刑法による共犯とされるのであって、連座制強化の観点からすれば、その必要はないものと考えます。 最後に、第四の街頭演説時間の規制に関する部分につきましても、訓示規定であるといたしましても内容が明確でないことを指摘いたします。 以上のとおり、本公職選挙法改正案は、公職選挙法第一条が目的として掲げる「日本国憲法の精神に則り、」民主政治の根本にある国民の思想、表現の自由、国民の知る権利を内容とする政治活動の権利を、一定のルールのもとで最大限尊重すべきものであるとする趣旨に反するものであると言わなければなりません。 最後に、自由民主党、公明党・国民会議、民社党一国民連合及び新自由クラブ提出の修正案につきましては、その限りではありますけれども、選挙期間中の政治活動を認めるものでありますか、ら、選挙期間中の政治活動は基本的には自由であるべきであるというわが党の立場から賛成をいたします。 以上をもちまして両修正案につき賛成、原案につき反対の討論といたします。(拍手)
○久野委員長 中島武敏君。
○中島(武)委員 私は、日本共産党を代表して、自民党提出の公職選挙法の一部を改正する法律案並びに自民、公明、民社、新自由クラブ四党提案の修正案について反対、社会党提案の修正案について賛成の討論を行うものであります。 本来、選挙は主権者である国民が政治に直接参加する最も重要な機会であります。選挙のときこそ国民の公正な選択が行使できるよう候補者や政党の政策、理念を明らかにする言論、政治活動の自由が、ふだん以上に保障される必要があります。また、国民が主体的に選挙、政治活動に参加する権利も十分に保障されなければならないのであります。 しかるに本案は、選挙期間中「政党その他の政治活動を行う団体」が拡声機を使って政策の普及宣伝をすることを、確認団体の政策カーなど、ごく限られた例外を除いて全面的に禁止しています。今日、拡声機はほとんどの集会、デモに使用されている事実からすれば、この条文をもとに、労働組合であれ、民主団体、住民団体、経済団体、文化団体であれ、いかなる性格の団体であっても、選挙中多少なりとも政治にかかわる要求や主張を掲げて屋内外の集会やデモ、街頭宣伝活動を行えば、警察が介入し、政治活動を行う団体として、その活動を禁止できる道を開いたものであります。政治活動を行う団体の認定は警察が行うのであり、警察は、その認定のためと称して、ふだんから、あらゆる団体に対する捜査活動を行い、さらに選挙期間中は、拡声機使用の有無や演説内容など情報収集のために内偵、尾行も公然と行うことになるのであります。これはまさに選挙に参加する国民の権利を抑圧し、沈黙を強いるなど、国民主権の否定であり、戦前の暗黒時代同様、警察監視下の暗やみ選挙の再現であり、断じて許すことができないものであります。これが反対の第一の理由であります。 反対の第二の理由は、本法案が憲法の保障する言論、表現の自由をじゅうりんし、とりわけ主権者である国民の知る権利を抑圧するものとなっていることであります。 機関紙誌の宣伝普及、販売のための機関紙誌カーの全面禁止を初め、候補者ポスター、街頭演説の規制は、国民にとって、それぞれの党及び候補者を知る重要な機会を剥奪されることにほかなりません。 また、後援会の看板、立て札の枚数制限、ステッカーの全面禁止は、国民が自発的に政治活動に参加する自由さえ抑圧するものであります。 先進資本主義国にほとんどその例を見ない自由抑圧法である現行公選法に、さらにこのような重大な改悪を持ち込むことは、民主主義の根本を破壊するものと言わなければなりません。 自民、公明、民社、新自由クラブ四党提案の修正案は、機関紙誌カー等を禁止する代替措置として出されたものであり、何ら本案の本質を変えるものではないのであります。 自民党は、本改悪案を合理化する口実として選挙の公正、金のかからない選挙を言い、また騒音公害論などの議論を持ち出しています。しかし、自民党の言う騒音公害論は、その根拠となる調査、統計資料さえ存在しないことが、本委員会の審議の中で明らかになりました。本来これは政党と国民の良識ある判断にゆだねるべき性格のものであり、法律で規制すべきものでは全くないのであります。 また、選挙の公正、金のかからない選挙を言うのならば、現在の議員定数不均衡こそ選挙における最大の不公正であり、企業ぐるみ選挙、官庁ぐるみ選挙、労働組合の締めつけ選挙こそ、選挙の公正をゆがめるものであり、いまなお後を絶たない金権買収選挙こそ、徹底的なメスを入れるべきであります。 なお、社会党提出の修正案は、本改悪案を全面的に削除するものではありませんが、本案の眼目である機関紙誌カー及び拡声機の使用禁止を削除するものでありますので、賛成であります。 最後に、前回の当委員会において発表された多くの疑点を持つ統一見解についても、わが党の強い反対にもかかわらず全く審議することなく質疑を打ち切るなど、審議は尽くされていません。本案の持つファッショ的危険な本質が国民の前に暴露されることを恐れたものと言わなければなりません。かかる不十分な審議のまま討論、採決を行うことを厳しく糾弾し、討論を終わります。(拍手)
○久野委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○久野委員長 これより採決に入ります。 竹下登君外二名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決いたします。 まず、佐藤観樹君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立少数。よって、佐藤観樹君外一名提出の修正案は否決されました。 次に、塩崎潤君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立多数。よって、塩崎潤君外三名提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立多数。よって、竹下登君二名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案は修正議決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま修正議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○久野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時三十七分散会 ————◇—————