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94回国会衆議院1981/04/23

交通安全対策特別委員会 第8号

発言数
119
登壇者
19
会派数
5
開催日
1981/04/23

会議録

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤委員長 これより会議を開きます。  自動車事故対策センター法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として自動車事故対策センター理事長山口真弘君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田委員 理事長の山口さんには、御多用の中おいでをいただきまして、厚く御礼を申し上げます。  最初に、参考人においでいただいておりますので、若干御質問を申し上げて、御回答いただきたいと思います。  いまあなたのセンターの経営状況というものはどういう状態になっていると御本人は受けとめておられますか。

山口真弘自動車事故対策センター理事長

○山口参考人 山口でございます。  本日は、自動車事故対策センター法の御審議に際しまして、私どもを参考人にお呼びくださいまして、いろいろとセンターの事情につきましてお答え申し上げる機会を与えていただきましたことを厚く御礼を申し上げます。  当センターは自動車事故の防止、被害者の救済を仕事といたしておりまして、このためには何としても、私ども大事な仕事でございますので、力の限りお役に立ってまいらなければならぬ、このように考えております。  ただいまお話のございました当センターの仕事の基本的な問題でございますが、これはセンター創設以来、私ども、関係の皆様方の御指導、御協力によりまして、業務も着実に伸びておりますし、社会的な評価も高まってきている、このように考えております。  私どもといたしましては、今後ますますその方面に努力をする覚悟でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 業務の第三十一条の第八号「前各号に掲げるもののほか、第一条の目的を達成するために必要な業務」、中身をちょっと言ってください。

山口真弘自動車事故対策センター理事長

○山口参考人 お答えいたします。  主なものとしては、自動車運送事業用自動車、事業の用に供する自動車以外の自動車、自家用等でございますが、そういうものに対する適性診断の実施だとか、あるいは重度意識障害者に対しまするところの介護料の支給、そういったような仕事をさせていただいております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 第三十一条の第一号は、結果的には自動車運送事業及び軽車両等運送事業の用に供する自動車の運行の安全を確保する事項を処理する者に対し、当該事項に関する指導及び講習、これがまず第一。第二には、第四号にありますように、生活の困窮の程度が運輸省令で定める基準に適合するものに対し、必要な資金の一部、全部貸し付けを行う、こういうこと。あとはその受け取るまでの間に生活が困窮してはいけないということで、その間の立てかえを行う、こういうことになっておりまして、その第八号に掲げる業務を行おうとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない、運輸大臣はその八号に対してどういう事項について許可を与えてあるのか、この許可証の中身をひとつ言ってください。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 先ほど理事長からお答え申し上げましたように、三つの業務について運輸大臣としては許可をいたしております。  一つは、事業用自動車以外の自動車の運転者、すなわち自家用自動車の運転者に対する適性診断でございます。それから二番目が、自動車事故により重度の後遺障害を残す被害者の子弟で零歳から中学卒業までのものに対して行う貸し付けでございます。それから三番目が、自動車事故により脳損傷を受け重度の後遺障害を残し、常時介護を要する者のうち一定の要件に該当する者に対する介護料の支給でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 いま適性診断は入ってなかったが、これは入っているからということなんでしょう。  そこで、センターの方ではいま四十八億ぐらいの借金をしておりますね。この借金の主なものは何なのか、お答えをいただきたい。四十四億の貸し付けは何なのか、これも簡単にお答えいただきたい。

山口真弘自動車事故対策センター理事長

○山口参考人 貸し付けにつきましては、国の自賠特会の方からの借り受けをいたしまして、そのお金を貸し付けをいたしております。  その主要な内容は、交通遺児等に対する貸し付けでございます。貸し付けの額といたしましては、五十五年度で約十五億の貸し付けをいたしております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 借り入れの四十八億は、いま言ったように自賠責特会から四十八億借りている、こういうことですね、いまさっきの答弁は。(山口参考人「そうでございます」と呼ぶ)いいです、頭を下げてもらえば。  そこで、四十八年からのセンターの経営状況を私なりに判断しますと、この適性診断というのはべらぼうにもうけているわけでありまして、五十四年度を例にとれば、一億の適性診断の支出に対して、これは人件費を除いた支出だと思うのでありますが、収入は実に三億であります。  給与は、これはものすごく、普通の会社だったら倒産してしまうのでありますが、現在十九億、政府の補助が二十六億ですね。こういうことで政府の補助はほとんどもう人件費に充当しているという状況で今日まで経営をしている実態にある。しかも現在、借金は総額六億六千万円、まさにお役所仕事というか、経営努力というかそういうものは何ら見受けられる状況にはなってない。人件費が、いい悪いは別としてともかく六〇%ぐらいになってきている。  しかも、政府の補助金を目当てに、四十八年の一億一千万から四十九年十億に上がって、五十年が十三億、五十一年が十七億、五十二年が十九億、五十三年が二十一億、五十四年が二十六億、実に百億以上の国の補助をもらって、言うならばその中身は適性診断と、ようやく五十四年になって重度の者に対して若干、三億程度出しておりますけれども、それで借り入れと貸し付けの差が四億も五億もある。これはどう考えてみたって、経常運営として借り入れの方が多くて貸し付けの方が少ない。では、その残りの金は何だ。利息はそれだけ入ってきているのかと言ったら、利息も入ってきてない、利息収入もきわめて少ない。どういう運用をしているのか。そうすると、その五億はどこへ行ったのか。こういうことの問題がこの五十四年度までの経営形態の中で生まれてくる。その五億、借入金額の上積みになった分は、結果的には六億六千万円の借金の穴埋めに使われているという状態で、今年度ようやく経常収支が一応ゼロになってきた。しかし、このゼロになってきたというのは全部政府の補助が、五十一年を例にとれば給与が十四億に対して十七億の補助をもらっていた。人件費とほぼ同じです。ところが、五十四年度になったならば、現在の人件費給与に対して二十六億の補助である、大幅にこの補助がふえた、だから、一応経常収支が償うようになってきた。言うならば補助団体であることには間違いないのだが、補助金で賄われている団体で、あえて言葉を悪く言えば寄生虫的なものだと私は言わなければならない。経営努力はどこにあるのかということを私は考える。それで、またこのセンター法が改正されて病院なんか持っていったと仮定すれば、とんでもない荷物をしょい込むことになるだろうと思う。  あなたの給与は大体幾らですか。ちょっと言ってください。

山口真弘自動車事故対策センター理事長

○山口参考人 お答えいたします。  給与につきましては、法律によりまして運輸大臣の承認を受け、そして運輸大臣はさらに大蔵大臣に協議をするというかっこうで決めていただいておるわけでございます。そういうことで、最近でも改定の要求をいたしておりますけれども、私のいまもらっておりまする俸給は七十九万五千円でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 借り入れの上積みの四億はどういうふうになっているのですか。

山口真弘自動車事故対策センター理事長

○山口参考人 借り入れのお金の使い方は、主として一般貸付金に充当をされておるわけでございまして、その借入金に対しまする利息収入等を含めまして、そういうものでもって業務を運営いたしております。それで、その利息収入等によりまして目的達成業務の貸付金等の運用もいたしておるという仕組みになっております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 私が言ったのは、五十三年で三十三億の貸し付けで三十八億の借り入れ、五十四年は四十四億の貸し付けで四十八億の借り入れ、そうすると、その借り入れた金利は幾ら、それから貸し付けた金利は幾らですか、ちょっと言ってください。

山口真弘自動車事故対策センター理事長

○山口参考人 貸し付けにつきましては、交通遺児等に対する貸し付けにつきましては無利子といたしております。また、重度後遺障害者の子弟等に対するものも同様でございますし、さらに保険金または保障金をもらえる人がまだもらわないでいるような場合に立てかえ貸し付けをいたしますが、そういう方々に対する利子も無利子といたしております。さらに、不履行判決貸し付けと申しまして、要するに債務名義を受けましたがまだ支払いを受けていないという者に対しまする貸し付けをいたしておりますが、この方に対する貸し付けは年三%でございます。それから、国からの借り入れでございますが、これにつきましては無利子でお借りをいたしております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 言うならば、こういうことですね。国から四十八億の借入金をもらって、その四十八億は原則的に無利子で、残りの五億は運用資金として回して、その金利をかせぐために政府は貸している、簡単に言えばそういうことになりますね。  しかも、適性診断その他では二億ぐらいもうけているのだけれども、だんだんこの歩合が適性診断の実費に対して収入は物すごく高い、手数料を物すごく引き上げているということになって、この手数料もこれまたいま言ったような分の補てんに使われている、こういうことになりますね。

山口真弘自動車事故対策センター理事長

○山口参考人 適性診断につきましては、ただいまお話がございましたように、収入といたしましてはたとえば五十五年度をとりますと三億の収入でございますし、それから費用といたしましては、適性診断業務費として一億七千万、この点につきましては黒が出ておるわけでございます。これは、実は適性診断にかかりまする費用というのは大部分が人件費でございます。各運転者に対しまして診断員が約十種類のテストを二時間かけていたしますが、これが何と申しましても非常に人手のかかる仕事でございまして、人件費が大部分でございます。その人件費を見ますればとても黒字ではないのでございまして、その点は交通事故の防止という観点から赤字でもその分をやっておる、こういうことになっております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 損益計算書を見ますと、いま言われた数字とはちょっと違うのですが、ここでこんなことをやっていてもしようがないのですが……。一応数字の間違いですから言っておきたいと思うのですが、適性診断の業務費としてかかっているのは一億六百七十五万。それで、収益の部で、適性診断の手数料で上げたのは、端数を切り捨てて二億九千百三十四万。いま一億七千万と言いましたけれども、どこを見ると一億七千万という数字になるのですか。

山口真弘自動車事故対策センター理事長

○山口参考人 それは「適性診断業務費」という項目がございまして、適性診断業務費が一億七千万ほどだということでございます。それで、かかる費用といたしましては、その他一般管理費の中にも当然そういう適性診断のための費用もかかっておりますし、それから先ほど申し上げました人件費等がまたかかっておる、こういうことでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 あなたの見ている数字と私のは違うようですが、そのことは問題外ですから、これがあなたの方の間違いない数字だとすればそういうことになる。  そこで運輸大臣、きのうまでの質問で、今度事故センターで、差別用語ではないが心身障害者の方のセンターをつくる、これは五十人入れるのだ、その金はとりあえず三十億か四十億かかる、これからもまた五十億かかるか六十億かかるかわからぬが、とにかくかかる。その金の出る場所は、言うならば自賠償の再保険の運用益の積立金の中から出してこれを賄うのだというのがきのう一日の質問を通じた今度の提案の中身だ、大ざっぱに言ってこういうふうに理解していいでしょうか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 大体そういうところであります。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それから、審議官が言われたのは、この問題が自動車の自賠償の金を運用をしていく——運用というか、間接的でありましょうが運用することは、原因が自動車にあるのだからその人たちを救ってやるのはあたりまえではないだろうか、あたりまえとまでは言わないけれども、そういうのが筋道じゃなかろうかというのが審議官のきのう一日を通じての答弁の結論だと思いますが、そう理解してよろしいですか。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 自賠責の運用益というのは、目的といたしましては自動車事故の防止とかその他被害者の救済とか、そういうものに使うのが至当であろうとお答えを申し上げたのはそのとおりであります。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そこで、自動車損害賠償保障法の、乗用車なり一般の自動車を含めて保険料を納めている人に、そういう人たちに対する給付義務というか保障義務というものが果たして法律的に存在するのかどうかという問題なのであります。  まず第一点は、この自動車損害賠償保障法からいきますと、あくまでも「被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資する」ということになっていますが、結果的には第三条にその責任というのがあります。問題は、責任がわれわれに及ぶのかどうか、事故を起こした以外の者に及ぶのかどうかというのが一つの問題点なんです。「自己及び運転者が自動者の運行に関し注意を怠らなかったこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があったこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったことを証明したときは、この限りでない。」とありますが、「他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。」これが第三条の主文なんですね。これはだれがだれにというと、「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。」これが法律ですね。原則はあくまでも個人対個人の問題としてうたわれているわけです。そして今度保障の問題は公共的に、その生活が困窮したりなんかした場合については——困窮しているかどうかは別の問題として、この保障によって、みんながお互いに出し合った金の中から次に定める基準に従って給付を行う。給付を行うという内容は、一級障害の場合でいけば千五百万円であるということですね。ここまでは間違いないでしょう。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 先生おっしゃいますように、自賠法の三条というので責任関係、法律の関係を明確にし、三章以下でそれに対する保険の関係の規定が一連あるわけでございます。  ただ、先生いま千五百万とおっしゃいましたが、後遺症の場合は二千万まででございます。その点以外はおっしゃるとおりでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それで、しかもこの請求権は二年で失われるということになっていますね。これは間違いないですね。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 さようでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そこで、今回改めてセンターができて、一般の保険加入者がこの費用を捻出をするということはどういう法律根拠になりますか。共同不法行為ということになるんですか。どういう法律的な根拠に基づいて、一般の保険者がそのセンターに出す金を認知をしなければならない義務があるのか。いまも言ったように、自動車損害賠償保障法によれば、いわゆる被害者と加害者というものがまず直接の関係である。そしていわゆる損害賠償の保険を掛けます。これはわれわれはぶったくられる、こう言っていますが、とにかくそれを掛けます。そして掛けた金の運用益をもって今度はセンターに金を出す、こういうことです。  そうすると、第一次的に見ますと、これで法律的な体系は終結をしている。言うならば二千万なら二千万の一級障害に対しては給付をした、そういうことですね。そして法律で定める水準はもうここで確保されたわけです。いわゆる保険のシステムの中においては、少なくとも法律的に国家的な社会的な責任は、義務はこれによって果たし終わったということだと思うのですね。それ以上、たとえば共同して金を出資するということは、国民に何らかの賠償義務、責任の発生がなければそのことは必要性のないことだ、こういうことになるんじゃないですか。いかがでしょう。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 先ほど先生おっしゃいましたように、自賠法は大きく言いまして二つの部分から成り立っておるわけでございまして、第二章、すなわち先生が引用されました第三条という条文がございますが、この条文で、自動車を運行の用に供する者とそれによって被害を受けた者との責任関係、これはもしこの法律がなければ一般的には民法七百九条の不法行為に該当するわけでございますけれども、それをこの法律で特に加重をいたしまして、いわゆる挙証責任を転換をいたしまして、加重をして責任関係を明確にした。その他の責任関係については四条にある民法原則に戻ります。こういうのが一つでございます。  もう一つは三章以下でございまして、自動車損害賠償責任保険に加入しなければ自動車を運行してはならない、以下、そういう義務を課しますから、その保険によって支払うべき中身の枠を明らかにしておる、こういう二つの部分から成り立っておる、先生おっしゃるとおりでございます。  そこで、二章の関係、すなわち三条関係というのは、先生おっしゃるような法律上の責任関係でございますが、三章以下は保険の理論に戻る、戻るといいますか、保険の理論で保険を掛けなければいけない。保険には保険の理屈がございまして、これは私ども専門ではございません、大蔵省が所管されておりますけれども、一般的に保険というもので賄われる相互の契約関係に戻るわけでございまして、その中におきまして、この自動車事故対策センターに出す金その他の金は、先ほど来先生も御指摘のございましたように、運用益によって賄われておるわけでございます。  一般に保険において、保険のいわゆる掛金を預かって、そして運用しますと運用益が出るわけでございますが、その運用益というのはその保険の目的に適合するような形で、たとえば損害が少なくなるように、ないしは損害が起こったときにそれをなるたけ治癒するようなものに一般的に使うということになっておるようでございます。それは一般の損害保険でもそういうような、たとえば消防自動車を買うとか、いろいろなものを買って寄付するとか、そういうことに使っておるわけでございまして、先生御指摘の自動車事故対策センターのために使っております支出というのは、そういう意味の運用益の中から支出をするわけでございまして、一般保険理論に戻っての一般的な運用益を目的的に使うという範囲の中に含まれているというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それで大体わかりました。  そこで、これは保岡さん来ておられるから政務次官に言うのですが、いわゆる自動車損害保険であろうと何であろうと、われわれの会議でも一事不再議がありますが、一たん給付をもって終結をした。じゃ、なぜわれわれが運用益をそこに使用をしなければならないという共同責任というものがあるかと言えば、これは民法で定められていく論拠でいけば不法共同行為、こういうことにならなければ出資をする原因はないわけですね、法律的には。だから、運用益を勝手に、勝手にと言っては恐縮ですが、いわゆる法律なりその他の問題なしにその使い道を決めるということは、これは言うならば、本来ならば保険加入者に還元をすべきものなんですね。保険加入者に還元をするべきものであって、その運用益があるんだからそれをいわゆる複合給付にしていくということは、法律体系として非常な問題を残すということになると私は思うのです。  そうすると、一たん二千万もらった人が、子供がまたけがした。そのことによって、おやじが二千万もらったんだけれども、とてもじゃないが食っていけなくなったから助けてくれという請求権を改めて発生させるやり方だと私は思う、言うならば。一たん二千万なら二千万で、五分の利息とすれば百万、それに看護手当、まあ一日三千円、月に九万円、これでその植物的な状態になっておられる人の看護料は賄っていきなさいよというのが、国民合意に基づく自動車損害賠償の限界であるわけなんですね。これを上げるかどうかは別ですよ。それを上げるというなら、これはそれなりに一次的な原則に立つんですから、私は筋が通ると思う。それで終結をしました、それで損害賠償の責任は国民的な合意のもとにおいて終了したということを宣言するわけですね。ところがそういうことで宣言をした後で、今回のように複合給付のような条件をつくり出すということは、法のらち外である。これは改めて別に国民の金を取るなり何らかのそういう方法をとって投資をするということであれば正常であろうと思うのですが、そうでなかったらば、この二千万を二千五百万にするとか、それは金額を上げることは、給付条件を改善することはあり得るのです。法律論体系として複合給付ということはあり得ない、私はそういうふうに思う。一たんもらったものを、足りないからまたくれと言ったって、どこと契約したって、あなたが二千万円で契約して、後になってみたら足りなかったからもう一回よこせと言ったって、通る世の中じゃないでしょう、民法上も。それをあえていま犯そうとしているということは、これは法律論体系として私はきわめてゆゆしい問題だと思っている。保岡先生においでをいただいたのは、いわゆる保険もそうなんですが、火災保険であろうと何の保険であろうと、それが終結した後、しかも二年間で時効であるという現在の法律体系の中に、改めてその金が何らかの形で、有形無形であるにかかわらず給付の対象になるということは法理論体系を崩している、こういうことになるんだろうと私は思うのでありまして、その点ひとつお伺いをいたしたい。

保岡興治自由民主党大蔵政務次官

○保岡政府委員 私、自賠責保険関係の専門的な知識を持ち合わせているわけではありませんけれども、いま運輸省の事務当局からお答えした話等を前提として考えますと、法によって強制された保険ではありますけれども、基本的には保険契約に基づいて、保険を掛ける者がこれを受認して、その給付したところの資金の運用を図っていくということであろうと思います。そういった意味で、もちろん民事上の、自動車事故による損害賠償請求権という私法上の不法行為に基づく請求権を保障する性質のものであろうと思いますが、それに加えて保険契約によって受認することができないかというと、私は法律の内容の決め方いかんによってはこれを加えてとれるべきものであろうと思いますが、細かいことは事務当局からお答えさせていただきたいと思います。

沢田広日本社会党

○沢田委員 運輸大臣、いままでの問題、もう時間がないのですが、だからこれは足らないのですが、この問題だけで終わったんじゃしようがないのですが、いわゆる一たん給付をしました、そして時効は二年です。それで本人は了承をしたかしないかは別として、法律的に民事訴訟を起こしたわけではない、あるいは行政不服審査法の請求をしたわけではない、そういう条件の中で、そしてさらに複合給付をするということは、果たして法理論体系として成り立つのかどうか。これは私は、今後きわめて問題を起こす根拠になる。保険部長も来ておりますけれども、それではもう社会の秩序なんというものは保てなくなってしまう。二千万円が泣き寝入りであろうとなかろうと、それでもらって、それでやむなしと合意に達しているわけですよね。不満ならば、二年間の時効の期間を切れないで本人は請求する権利を持っている。その権利を主張しなくて今日に至って、そして今度はまた、あなたには足らなかったから出しますよという複合給付、これはいわゆる自賠償保険の関係ではない、少なくとも社会政策だ。いわゆる制度的な政策として行う分野に属するものだ。保険業務の分野に属するものではないと私は思うのですが、大臣、いかがでしょうか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 沢田先生のはちょっと思い詰めて議論をしておられるような感じもするのです。理屈からいったら、そういう理屈は成り立つと思う。しかし、その療養給付を受ける人が請求権として言っておられるのではない。そうではないのです。したがいまして、これは、いわばそういう気の毒な方々に対してセンターとして精いっぱいのことをしたいという意向からやっておるわけです。一方、余剰金があって、それをどうしてセンターの方に回し、センターがそれを療養給付に使うかという、そのことにつきましては、これはやっぱり一つの政策決定だ。要するに余剰金があるとするならば、それを保険料の方で考えるか、あるいはそういう救済関係で使うかということは政策の問題であって、法律的な求償権に基づくものとしてやるというようなことではない、われわれはそのように思うておるわけでございまして、今回このセンター法の改正をお願いいたしておりますのは、そのようになかなか手の行き届かない気の毒な、自動車のためにそういう事態になった方々の、そのうちの何割かでもお救いできればという、いわばそういう政策判断をした上でとった措置であるということでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 まさにそのとおり。私も、自動車損害賠償のらち外である、それはあくまでも政策決定の、政策的なものである。そういうことになるので、損害賠償保障の金の運用からいけば、論理的に合わない。時効も過ぎた、しかも損害賠償金も支払われた、本人からの請求権はない、それによっていわゆる自動車損害賠償保障法に基づくすべての条件は満たしたのである。とすれば、その金を使ってもう一回給付をするという論理はない。もしそれが余っているとするなら国に納めて、厚生省なり運輸省で使うかどうかは別です。国に納めさせて、国の一般の財源として政策的に使うということでなければ論理が立っていかないということになるんだろうと思うのですね。もしこの中で損害賠償の範囲内におさめるとするならば、後遺障害の給付の水準を当面引き上げるという形によって行っていくことが筋道であって、それはこれから、いままでの人はだめですよ、法は遡及せずですから。だから当然これからの人は二千五百万なり三千万なり支給をしてやることによって賄っていく。余っていればそういう方法をとってやるのが筋道である。もしそういう使い方をしたくないんだったらば、競馬会からも電電からも吸い上げている今日、当然それじゃ余っている金を国に納付するか、あるいはわれわれ一般の国民に還元するか、これは別問題として政策決定をすべき性格の金である。だから二重給付という条件をつくるということは、仮にもこれは行ってはならない一つの歯どめであるというふうに私は思うのですよ。大臣がいみじくも、私が質問しようと思っていたことを、結果的にはこれは政策決定であると。政策決定であるとすれば運輸省独自の問題じゃない。いわゆる国全体の整合性というものの視点に立って判断をしなければならない。その中における優先順位、選択決定ということが求められてくるということになりますね。  そこで厚生省にお伺いしたいのでありますが、今日寝たきり老人それから肢体不自由児、心身障害者、精神障害者を含めて介護を、ここでは、介護を要する者ですね、常に介護を要する者が一級障害となっているのですが、一級障害となっている者は何人おられるのですか、お伺いいたします。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 身体障害者は在宅の障害者百九十七万七千人でございます。その中で一級の障害者と申しますのは二十九万四千人、一四%ほどであります。寝たきり老人は約三十五万人ほどと推計をされています。

沢田広日本社会党

○沢田委員 大臣も閣僚の一人であります。だからこの保険の金の扱いだけの視点、物の見方ではなくて、やはりいま言われた、全般的な国民の中で、今日いわゆる不遇に置かれている者、その全体的な分野においての中で選択をしていかなければならぬ。そういう視点に今日立つべきであろう、自動車のエゴだけで許されるものではないと私は思います。しかし、これはこれなりの意味はあるでしょう。あるけれども、考え方としては、いま言ったような三十五万、さらに加えるならばもっと多いでありましょう。実際には老齢化した人、脳卒中の人その他を加えていきますと、九十歳ぐらいになっている人もおりますから、そういう人たちを加えたらもっと多い。そういう全般的な国民の生活の中において、介護を要し、本当にもうたれ流しでいる生活の状態にいる人たちは、単に四百何十名かの人たちには限定されない。ですから、それをどうやって浮上させるかという全体的な政策の整合性というものを確保する必要があるんではないのか、ここで思いつきのようにやられていくことは、若干その意味においては問題があるという気がいたします。これは後でお答えいただきます。  厚生省の方にお伺いするのですが、一級障害でこれは一般的に植物人間と言われている人は、その病状が長期になり固定化をして回復率一%、こう言われている。きのうまでの質問でそういうことになっているのですが、そういう人たちが病院からはじき飛ばされるという傾向についてはどういうふうにごらんになっておられますか。そういうことはないと言えますか。それから、これはがんみたいなもので死にそうだから家に帰しちゃえということで、平均寿命二年ぐらいだとわれわれも言われているのですが、そういう状態ですか、いかがでしょう。

水田努厚生省医務局総務課長

○水田説明員 お答え申し上げます。  病院におきましては当然医学的な管理のもとに最善を尽くす、こういうことに相なっているわけでございまして、自宅に帰られるという場合、家族側の強い希望がある場合にはこれを強制的に入院させるという手段はございませんので、自宅に帰られるという場合には病院側と御家族の方の合意によって帰られるというのが実態ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それじゃ、追い出すということは指導もしてなければ強要もしてない、こういうふうに受けとめていいですね。

水田努厚生省医務局総務課長

○水田説明員 いやしくも追い出すということは病院はあってはならぬし、またそういうことのないように指導いたしておるつもりでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 なおもう一つは、自動車の障害者であるからといって特別扱いをするのですか、しないのですか。

水田努厚生省医務局総務課長

○水田説明員 こういう遷延性の高度意識障害になられる方は種々の原因によるということは、昨日もいろいろお答え申し上げたわけでありますが、それぞれの原因によってこういう重度の意識障害者になられた方については、それぞれの原因となった病気の治療との関連においてそれぞれ対処をいたしているところでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 原則的には、その原因別に治療するわけじゃないでしょう。その病状に対して対症療法をしていくというのが医療の原則ですね。原因が、遊んでいてやったからおまえは自業自得だ、おまえは公務だからもっと助けてやらなくちゃならない、そういう医療制度ではないですね。

水田努厚生省医務局総務課長

○水田説明員 おっしゃるとおりでございます。  私が申し上げております意味は、たとえば肝臓がんの末期においては解毒作用がなくなるものですから、一種の尿毒症的な要素を生じまして意識障害というものが生じ、結果的に植物人間的な症状を呈するわけですが、その場合にはやはりがんの治療と並行しながら植物的人間になった人の生命の維持ということが並行して行われる。また、ガス中毒による意識障害者については、ガス中毒による余病を発している点についての除去と植物人間的になった状態における生命の維持が並行して行われる、こういうことに相なろうかと思います。

沢田広日本社会党

○沢田委員 大臣、さっきの質問といままでの答弁と関連しまして、自動車による障害者だからといって差別はされない。また、もうおまえはこれでこの世は終わりだよということを言って、合意に達しない限り退院の命令も行わない。その上に加えて、このセンターが行わなければならない要件というものは果たして何なのだろうか。先ほどまでの説明を聞くと、家庭が大変だ。それは普通ならば看護料をふやせばいいわけですね。もし人を採用できるだけ金額をふやせばなお結構ですよ。そういうようなことで十分足りるわけですね。病院の方の、いわゆる厚生省側の受け入れ体制としては欠陥はないと私はいままでの答弁で言えると思います。どこに欠陥があるのですか、言ってください。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 欠陥があるから別に療養所をつくるんだ、そういう趣旨でわれわれやっているのではございませんで、自動車が原因でこういう不幸になられた方を少しでも救済ができればということでございまして、あえてそういう欠陥を指摘してわれわれで完璧なものをつくろう、そんなことを当初から考えたものじゃございません。大体こういう考え方は原因者別でということよりも、それぞれ相互扶助の精神からこういうふうにつくっていくという施設もあるのです。ただ単に自動車事故対策センターが今回考えておりますものだけではなくて、同じ自動車仲間でこうして起こった事故に対してお互い助け合おうじゃないかという、そういう精神が発露してきたのです。それは、たとえば大会社なんかでも自分で健康保険組合をおつくりになっている。公務員でも共済組合をつくって、それで療養施設をつくったりしております。これはやはり同じような考え方が根底にあるように思うのです。それは決していかぬとは言えるものじゃない。そういう施設が方々にできていいのではないかと思うのでございまして、われわれはそういう政策の選択をした、こういうことでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それはわれわれも考えたんです。  では共済ということでやるという考えとすれば、監査であるとか掛金であるとか運用であるとか、すべてそれは組合員が発言権を確保しなければいけない。相対的なものです。ただ片方は金を出すだけで、端株の株主じゃありませんけれども、端株を持っているだけで何もないということではない。たとえば今度の商法改正だって、端株だって議決権はなくても発言権はある。要するに共済という考え方でいくならば、それは出費をする人たちに対する発言権を確保するシステムが確立されなければいかぬ。天引き計算で余ったら適当に配るのだという論理は通用しないと思うのですね。保険会社だって総会を開かなければならぬ義務がつけられているわけです。法律体系としてそうならば、その金の使い道がどうであるか、あるいはその金はどうなんだということに対する、いわゆる自賠償の保険を掛けている者の発言を確保する場所がある、あるいはそのシステムが確立されなければならない。共済にはそういうものがあるのです。あなたのおっしゃっているのは一方の部分を言っているだけだ。だからあなたのおっしゃっていることでいけば、当然そういうことを制度の中に確立をしなければいかぬというふうに考えます。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 ちょっと言葉で共済が出たらそれでえらいこだわっておられるようですけれども、そのように社会にいろんな社会が組み込まれて一つの大きい社会ができておりますが、そのそれぞれの社会の中でお互いに助け合おうという精神はもともとあるのです。だからこそ、それじゃ共済は言いませんが、大企業がなぜ自分だけで健康保険組合をつくってりっぱな療養所をつくってやっておるか、こういうことになるのですね。私はあえてそういうことはいいとは言わないけれども、そういう施設があってもやはり開放されていくならばいいのじゃないかと思うのです。  そこで、今度の自賠責のこれで現在センターになっておりますのも、先ほどいみじくもおっしゃいましたように、共済ではちゃんと相談してやっているじゃないか、こうおっしゃるように、だからわれわれこういう政策決定をしたので、こういうことをやりたいと思いますので法律案として提出いたしますからひとつ御審議してください、これは最高の意思決定を求めておるわけでございますから、そこらはちゃんと私どもは手続は踏んでやっておる。ただ預貯金があるからこれをこっちへ使おう、そんなのでわれわれやっておるのじゃありません。公明正大に、こういうことをやりたいのです、どうぞお認め願いたいと言って法律案として出しておる。ここはひとつ御理解いただきたいと思うのです。

沢田広日本社会党

○沢田委員 たとえば大企業の話、一々揚げ足をとるつもりはありませんが、その企業が健康を保持するということは、いわゆる休業率といいますか、稼働率を引き上げるためには健康保持は企業の大前提なんですよ。三時の体操をやらせようという公務員も同じですが、病気になったならば企業のロスが大きいのですよ。ですから、企業としてはなるべく速やかに改善策をとって企業に復帰してもらわなければならぬ。日曜日に電気をつけて、暖房をつけて、あるいはいまなら冷房をつけてやっていることはないでしょう。それはエネルギーを消費するということなんです。土曜日を半日休むならば土曜日も休ませてしまってほかの日に残業をした方が同じエネルギーを使うならば得だという発想なんですよ。そういう発想で大企業などは健康保持関係はやっているわけです。公務員や何かが少しぬるま湯につかっているという状況だけであって、企業の方からいけばそういう計算勘定でやっているのです。これは保険金を、さっきわれわれはぶったくられたということを言っているのですが、皆さんはありがとう一つ言うわけじゃない、車検のときに取っていってしまう。そういう金の積み重ねなんです。だから片っ方から見れば不快感だけ残っている金なんです。皆さんの中で徴税員をつくって集めて歩いてみなさい。こういうことをやるんですがいかがでしょうかと聞けば、恐らくそれはノーだと言うに決まっている。それは国がもし税金を取るなら取ってやるべきだ。三十万、四十万人いるところの一部分の氷山みたいなかっこうをつくることが整合性のある政治体制だとは私はどう考えても言えないのですね。これはいまいいことはいいことだと言うだけでは済まされないものがある。さっき言った基本的なものは複合給付になることが一番問題だということを私は言いたいわけです。政府から金が出てくるなら別なんです。いわゆる保険の二重給付ということはどうやってみても今日の社会構造の中からいって混乱を起こす以外の何物でもない。これは物であれ、入れば月九万円取って、あとは無償でやるんでしょうから、やれば、恐らく。本人負担を取るなんということで了承されっこないですから。そうなると、結果的にはその施設費その他からは必ず不平等が起きる。その人たちは、いま言ったように政策的なものなんですから、基本は自賠償の関係ではないのです。そこを何か運輸大臣なり運輸省が——基本的には、天下りとかなんとかというえげつない言葉だけの問題でわれわれは言おうとしているのではない、法理論的にどうもそれはそぐわないというふうに思うのです。一たんその給付が終結をしている。その終結をしたものをさらに給付を与えていくという二重給付的な性格のものは法体系を非常に混乱に陥れる。その人たちに請求権が残っていたというなら別ですが、請求権はもう喪失している。政策的に厚生省と同じような物の見方で助けてやろうというならば、国の政策の一部分として見ていかなければいけない。この金は出してもいいですよ。それは国に納付して、国の一般会計予算の中に組んで、そして国の中の施策としてやっていくということにならないとどうしても納得しがたい面があるのです。いわゆる二重給付の問題がある。それは取られることについてわれわれ抵抗を感じますよ。国に納めるために自動車保険税を納めているのではない。特定財源を外すというだけでも抵抗があるくらいですからね。ですから、そういうことはいろいろありますけれども、これは厚生省の方に私は聞きたいのですが、そういう点についてはどういうふうに受けとめているのか。私の言っているのが杞憂なのか。そうじゃなくてそういう二重給付とすることが民法上の問題にしても、国でもやっているじゃないか、おまえ一回判こを押したんだけれどももう一回国でだってめんどうを見ているじゃないか、おれがめんどうを受ける権利はあるんだ、こういう前例をつくっていくということになりかねない。これは私の思い過ごしとかなんとかじゃなくて、どうも法律的に見ますと運用益であろうとなかろうとそういうものが二重に使われていくということは避けなければならぬ問題だと思います。運輸大臣、これはせっかく提案したんですが、ここでできれば再考をしていただきたいというのがいまの私の本当の気持ちです。中身としてどうこうということよりも、いわゆる保険システム、保険というものの限界。だから、もしそうだとすれば、今度改正しました中身を改善をする、そして現在寝たきりなりでいる人たちの条件は、厚生省が全般的に、その中の自動車だけ取り上げてもいいですが、それについては納付金で納めて国の一般会計予算の中で厚生の予算としてやっていく。それがいいか悪いかを国民が判断をすることは別の問題です。それならそれの一つの論拠というものがあると思うのです。ところが、保険の中でこのセンターがやっていくというつながりの中でいったんではどうしても複合給付、二重給付ということに結果的になる。  あとは、行政管理庁おいでいただいているんですが、行政管理庁として実はこういう二重給付的な性格のもの——途中で来たんですからわからないかもしれませんが、とにかく自動車事故対策センターというようなものは私から見ると余り大したものだと思えないし、いいかげんだと言うと少しおかしくなるかと思いますが、似たり寄ったりだなと思いますよ。そういうようなものが果たして今日の段階、こういう病院を持ってまた赤字を累積をして、そして山口さんはお医者さんではない、経営能力があるかと言ったら、お医者さんとしての経験がないんだから経営能力はないという状態の中へ押し込んでいくということがいいか。木に竹を接ぐという言葉がありますが、まさにそういう形態を十全会病院や富士見病院——あれはあれでもお医者さんですよね。山口さんはお医者さんじゃない。何が何だかわかりゃしない。だからそういうものに監督させていくシステムが果たして妥当かということになると、私は妥当だとは思えない。どうせ院長はだれか頼むんだろうけれども、労務管理それから運営管理その他については医者でなければわからないものがあるはずですよ。われわれが見たら暖房がむだだあるいは水がむだだと思うものがあっても、お医者さんから見れば違う見解がある。どうかそういうことでひとつお答えをいただきたい、こう思います。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 沢田さんのおっしゃることは私たちも十分に理解できまして、要するに自賠責でもし余剰金があって、その余剰金の使い方を、いろいろな政策選定、決定はあるだろうが、一つの方法としては還付したらどうだという考え方、これも理解できます。けれども、保険の責任は確かに終結いたしましたから二重給付とわれわれは全然思っておりませんが、一方においては保険の仲間の方々で不幸な方を少しでも救う道があれば自分らの力でやってみようというのも、しかもこれが保険の会計に大きいダメージを与えるものではなくして、いわば運用益から得てくるところのごく一部を割いてそういう相互扶助的な考え方から直接救済をやってみたら、これもやはり政策の選択の一つだろうと私は思うのであります。  これはどうとるかということはいろいろ考え方がありましょう。ですから、いまおっしゃいましたことをわれわれも十分参考にさせていただいて今後も検討させていただきたいと思う。ついては、これを一つのモデルとしてやってみようということでございますし、何さまおっしゃるように素人がやることでございますからいろいろと問題がございましょう。しかしその問題に一つ一つ真剣に取り組んでいってその結果を判断して、これからさらにこういう気の毒な方々に対する対策というものはどういうふうにするのがいいかということは、自賠責の側に立っての考え方と、また国全体に立っての考え方とそれぞれ複合いたしまして将来の展開をいたしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

沢田広日本社会党

○沢田委員 行管庁お忙しいようですから、ひとつこのセンターについて行管という立場から、第二臨調も出発して生きた血も流さなければならぬという状況の中で、一方で削れば一方でタケノコのように出てくる、こういう状況をどう判断されているのか、あなたも閣議の中でこの問題は討議をされたのだと思うのです。あるいは関係ないからいいやと言っていたかもしれませんが、とにかくこれを御検討いただけるかどうか、お伺いしておきます。

堀内光雄自由民主党行政管理政務次官

○堀内政府委員 沢田先生のいまの御質問は、業務範囲の問題と補助金の問題と二つにかかっていると思います。  業務範囲の問題につきましては、私ども行政管理庁の直接の審査対象になるものではなくて、これは認可法人でございますから私どもの直接の審査をした結果よろしいとかよろしくないとか言うことではございません。一応監督官庁の運輸省の指導、御検討のもとにでき上がったものでございますから、適正な判断のもとに行われているのではないかと考えております。  もう一つの補助金の方につきましては、これも運輸省において検討された上で必要最低限の額ということで出されたものだろうと思っておりますので、これについて私どもの方も後の運営その他についてしっかり監督してもらい、効果的なものにしてもらいたいと考えているところでございます。ただ、臨調その他でこれから厳しい結論や答申が出てくるかもしれません。そういう際にはその結論を待ちながら私どもとしては適正に対応してまいりたいと考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 御苦労さま、結構です、どうぞ。  私がいままで述べてきた論理なのでありますが、厚生省としてはいまお話しになったような政策である、政策であるとするならば、こういう縦割りだけでなくて全般的なお互いの窮状はそれぞれ違うものがあると思うのです。その中で自動車だけが救われていくというのじゃなくて、国民的な平等という条件から見れば、一番困っているものから、五十名であろうと十名であろうと五名であろうと、等しからざるを憂うるという基本が必要になってくると私は思うのです。厚生省はその立場に立ってどう対応なさろうとなさっているか、お伺いいたします。

水田努厚生省医務局総務課長

○水田説明員 お答え申し上げます。  私、先生の御質問全般にお答えする能力はないかと思いますが、医療の面に限定して申し上げますと、先ほどから申し上げておりますように、それぞれの原因によって疾病になり、その結果植物的な状態になった方については、その原因のいかんを問わず最善の医療が医療機関の中で行われるように努めてまいりたいと考えているわけでございます。  なお、蛇足になりますが、私ども、今回の運輸省が考えておられます構想はいわゆる金銭給付にかえて現物給付としてそういう方に特殊な専門病院を御用意なさるというふうに受けとめておりまして、それは一つの医療のあり方として評価をしてよろしいのではないかと考えている次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 保険部長、これではこういうやり方があっちでもこっちでもということになりかねないのですが、われわれ大蔵で保険をやってきた者の立場から見て、こういうことがもし行われるとすれば、保険料設定、保険契約、それから事によれば保険そのものの本質まで揺るがすことになる。この前は消防車その他についてしかったわけでありますが、それは是正していこう、こういうことになった。一生懸命国民なりその他が積んだ、それが関知せざるところにおいて処分されていく、どんどんほかのものに使われる、そうするとそのリスク計算そのものにわれわれはメスを入れていかなければならぬということにもなりかねない。たとえば半々に分けるとかいろいろあるだろうと思うのですが、そういうような形においてのこういう形が出てくるということは、何でもそこに金があるから寄ってたかってそこで使ったらいいやという論理になりがちですよ。この発想はそういうことにつながる。私は、保険を担当する保険部長として、これは単に自賠償の問題だけではない、本質的な問題に触れているのだと思うのですが、いかがでしょうか。

松尾直良大蔵省銀行局保険部長

○松尾説明員 当委員会で二月に沢田先生から自賠責の運用益の使用のあり方につきまして、私どもが関係しております、これは民間分についてお尋ねがあったときにお答えをいたしましたとおりでございまして、先生御指摘のように基本的にこれは保険者に還元されるべきものである。ただ、そういう中で当委員会におきましても過去からいろいろ御要望がございました事故防止対策であるとか救急医療というものにある程度のものを使っていくということを、すべて直ちにやめることもなかろう、つまり基本的にはそれは保険料負担者のものであるから将来の保険収支のバッファーにできるだけそれをリザーブしていくべきであるが、その中で若干のものを事故対策とか被害者救済に使っていくことも必要であろう、そういった総合判断の問題でありましょうというお答えを申し上げたわけでございまして、全く同じことを現在も考えておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 いま厚生省がいみじくも現物給付という言葉を使われましたね。要するに運輸大臣の答えもそういうことなのですね。いわゆる二重給付の問題について、いま私は保険の本質に触れる問題であるということを言っているわけであります。一たん時効も切れて、給付もされて、そして終了したものに対して改めて給付が行われるという形は保険システムの基本に触れる問題である、それについて保険を担当するあなたの見解はどうか、こういうことです。

松尾直良大蔵省銀行局保険部長

○松尾説明員 二重給付ということではないと私ども理解をしておりますが、先ほど運輸省からの御答弁にもございましたように、たとえば火災保険におきまして火災保険料の運用益と申しますかそうした余剰というものが、火災保険契約におきましての給付は終わっておるわけでございますが、そういったものの一部から火災予防あるいは消防自動車を地方公共団体へ寄付するというようなことが行われていることは事実でございまして、それは二重給付ということではなくて、将来全体として保険料負担を引き下げるという意味におきまして契約者、消費者保護にもつながる、こういうふうに理解をいたしております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 やはりそこも違う。消防車とかなんとかというのは、市なら市、不特定多数なのだ。これは同じ人間に給付される。一たん終結をし、時効も立った、その人に給付をされるのですから、いまの論理とは全然違うのですよ。これはこれ以上やっても仕方がないかもしれません。ここは何とかごまかそうということで一生懸命なのだろうけれども、結果的には、厚生省が言っているように現物給付であることには変わりない。だから、そういうことが法体系、保険システムの中で果たしていいかどうかということが基本的な問題点だ。運輸大臣は政策だと言う。政策だとするならば、それは国庫納付をして厚生省が一括的に国の予算の中で扱っていく、そういう手続がとられなければならぬだろうと言っているわけですよ。保険ならばそれは二重給付になりますよ、現物であろうとなかろうと一たん終結したものにまた給付をするのですから。そういうことは法の骨幹に触れる問題である。  それで、私は以上を申し上げて、とにかく問題がある、疑問がある。疑問があるということについては大臣といえども否定しないだろうと私は思う。何とかこの辺をすっきりしなければいかぬだろうという気持ちは持っておられるだろうと思うのですね。もし、そういうことであるとするならば、この支払い基準をさらに改定して、たとえば後遺障害の一級なら一級のものの部分について、たとえば農地のいわゆる補償方式、五%と見るかどうかわかりませんが、看護料が一万円かかるか一万五千円かかるかわからぬけれども、その必要な金額を一時金として支給をして、その家庭ではその金利をもって生涯を介護できるような条件をつくることにする。同じ金を使うなら、五十人を助けることよりも、その方がこれから起こり得べきであろう大ぜいの人を助けることにはプラスである。だから、たとえば五%で計算をしますと、二千万であれば百万になりますね。そういうような形で給付金額を上げて、その人の給与所得によって看護婦さんであるか何であるかわからぬが、そういう方を抱えても家庭には影響を及ぼさないような条件をつくるように改定するべきじゃないか。その方が同じ金がより生きていくのじゃないかというふうに思うのですが、その点はいかがでしょうか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 これは一つのモデルケースとしてとりあえずやらせていただいて、おっしゃる趣旨は私たちも十分わきまえておりますから、今後のいわばこういう自動車事故によって被害を受けられた方々の救済対策について多角的に検討してまいりたいと思うております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 時間が余りなくなりましたが、もしそういうことであれば医療費の百二十万も引き上げて、死亡の場合の方が二千万ですからね。死亡は後は金がかからないのだからいいやと、後遺症を持っている者の方が高いということもあり得るかもしれません。中には悪い運転手は、けがをさせるのだったら殺した方が得なんだなんていう無謀なる発言がときたま行われることもあるくらいであります。ですけれども、この二千万なり百二十万を今回も据え置いておくということは私は不合理だと思う。こういう金があるならこういうところを引き上げるのが筋じゃないかと思う。死亡一時金をもっとふやしたらどうですか。あなたの保険の方で管理しているところで、四億だ五億だと掛けておやじを殺しちゃうような人もいるぐらいじゃないですか。それをたった二千万で抑えておかないで、それならもっと三千万なり四千万なりに引き上げて、百二十万もほとんど見舞いでなくなってしまうのですね。そういう金があるならそれを引き上げてやったらどうですか。問題はそれとの選択ですよ。こっちも悪いとは言ってないですよね。悪いとは言ってないけれども、そういうところに当面の急務があるのじゃなかろうかと私は選択としては、順位としては考えるわけです。その点はいかがですか。お答えをいただいて、ついでにもう一問だけです。  これは厚生省ですが、いまのこういう植物人間と言われているような人は身体障害者とはならない理由はどこにあるのか、身体障害者になるのかならないのか、その点お答えいただきたいと思うのです。

松尾直良大蔵省銀行局保険部長

○松尾説明員 自賠責限度額の問題につきましては、先般も当委員会でお答えをいたしましたとおり、賠償水準、裁判事例、物価動向あるいは他の補償制度とのバランス、それから保険収支、こういうものを総合的に勘案しながら関係省と十分協議をしてまいりたい、かように考えております。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 身体障害者福祉法によります身体障害者というのは、法律で更生の可能性のある者ということが一つの前提になっています。そして、身体的な機能は一定の状態に達し、そしてその障害は永続化し固定しているということが要素になっておりますので、この遷延性高度意識障害と言われます方々は、いま申し上げました自立の更生の可能性がないという観点から一つとらえられますことと、医療その他の治療によってさらにその障害の状態というのは変化していくことが予測される、このような二つの面から、ただいま身体障害者福祉手帳の交付対象者とはならない、そのようになっております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これも第一級後遺障害の場合に、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」、こういうことで規定づけをされているわけであります。ですから、いまあなたのおっしゃっていることの永続と固定、きのうの質問でも一%の更生はあるんだ、こう言っている。一%の回復の可能があれば、更生の可能なしという判断は何%をもって可能がなしと判断されるのですか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 身体障害者の場合は原因のいかんを問いませんので、たとえばいま御指摘のように自立の可能性のあります方で、しかも四肢機能障害を重篤に持っていらっしゃいますし、永続、固定するならば身体障害者の範囲に入ります。ですから、遷延性高度意識障害の方々が包括的に対象者に入りませんという形ではございません。個別的な取り扱いがなされる。ですから、植物人間という定義もはっきりいたしませんが、このような人たちの中でも障害者の手帳交付の対象になっているものもまれではありませんけれどもございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 ではいま言われたことで、ケース・バイ・ケースということで、可能性が幾らかでもあればそれは身体障害者になる、こういうふうに確認していいですね。首を縦に振っているから、それはそのとおりだということで、あとは運輸大臣に意見を申し上げて終わります。  非常に体系的な問題として若干不整備なものがあるし、私は純粋的な物の考え方に過ぎるのかもしれませんけれども、保険行政として見ればこれは余り望ましいスタイルではない、もっとそれは適切な方法があるのではないかというふうな気がいたします。いろいろと議論は闘わしましたが、時間の関係で若干解明に至りませんでしたけれども、以上をもって終わりたいと思います。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤委員長 次に、草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 草川でございますが、きのう少し質問をした点で不十分な点がございますのでお伺いをします。  まず第一に、このセンターの運営について三名の医師というのが予定をされておるというきのうの内容の報告でございましたが、資料を拝見いたしますと、医療機器等の整備費が六億円程度予想されておるわけでございますが、この整備計画なり人員計画等でいきますと、いわゆる研究機関の性格を含むのかどうかお伺いをしたいと思います。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 昨日お断り申し上げましたように、医師を何名配置するとか、そういう話につきましては一応の心づもりでございますので、いずれ法律成立後もう少し正確に詰めてまいりたいというふうに考えております。その点を最初に御了解いただきたいと思います。  それで、御質問のこの三名の医師というものが配置される、ここに研究機関的な性格を持たせるのかということでございますが、基本的には療護施設でございますので、昨日来申し上げておりますように治療と養護ということが目的でございまして、研究機関的な性格は持っていないと解釈をいたしております。ただ、その治療と養護の過程におきまして、何しろ初めてのケースでございまして、一カ所に集めて治療、養護いたしました結果いろいろ新しいことが得られてくるものと思います。そういうものの結果が、結果的には医療のために将来の問題として役に立っていく、そういうことの結果が生じてくるということは十分あり得るというふうに考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 療後施設の選定要件の中に付近に提携病院が確保されること、あるいは地元のいろいろな要望があるということがございますが、千葉県が予定をされておるわけでございますが、千葉医大の方は協力体制があるかどうか、文部省にお伺いをしたいと思います。

川村恒明文部省大学局医学教育課長

○川村説明員 ただいまお尋ねの件につきまして、私どもとしても本件につきましてこれまで運輸省なりセンターの方からこのことについて協力体制をとるようにという正式の御要請は承っておりません。ただ、大学の中でかねてから非公式のレベルでございますけれども協力の要請がございまして、関係の教官がこれに協力できる範囲で協力をしましょうといろいろ御相談をしておられるというふうに承っておるわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 きのうもいろいろと、植物人間という言葉は別といたしまして重度の障害の方々の対応というのは非常にむずかしいものがあるだけに、つくるとするならば簡単な単なる養護施設にならないようにこれをしなければいけないという一面もあるわけです。そういう意味でいま千葉医大の関係についてお伺いをしたわけでございますが、問題は、医療面で一体回復する見込みがあるかないか、いまもお話があったわけでございますが、それよりもいわゆる看護要員というものがどういう状況になるかという点が非常に重要な問題になってくると思います。看護婦を十六名と看護助手を十九名予定をしておるということでございますけれども、この施設はいわゆる基準看護の申請を厚生省の方に請求というのですか、認可を求めるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 基準看護というような基準につきましては、若干専門外でございまして詳しいことを存じていないのでございますが、昨日も申し上げましたように、どういうふうな運営をするか、どういうことが最もふさわしいかということにつきましては、専門の皆様、学者さんとかそういう方にお集まりをいただきまして、センターに委員会のようなものをつくってそこでいろいろな御判断をいただいて決めていきたいというふうに考えております。もちろん予算の関係等もございますが、そこらも勘案しながら決めていかなければならないというふうに考えておりますので、いまの御指摘の線につきましてはそのようなところで検討してもらいまして、昨日の先生の単に隔離する施設というふうな性格を持たないような感じを持たなければいかぬという御指摘を十分踏まえまして、そのような委員会で検討させていきたいというふうに思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま私が聞いておるのは基本的なことでございまして、患者が全部自賠責対象のメンバーとは限らぬわけですね。たとえばオートバイならオートバイでぶつかって植物人間になってしまったけれども、そのオートバイに乗っておる人が無資格であったとか自賠責が切れておったとか、レアケースですけれどもいろいろございまして、たとえばその本人が加入をしておる健康保険でめんどうを見るという場合もあると思うのです。そういう場合に、これは厚生省にもお伺いをしなければなりませんけれども、基準看護の場合だと原則的にいわゆる付添婦というものが認められないわけですよね。その認められないのを運輸省の方の今度のセンターで認めるという形になるのか、非常に細かい点になってきますと重大な問題になると私は思うのです。これはまた後でトラブルになってもいけませんし、看護助手というものがどういう位置づけになるのか、看護助手というのは有資格者なのか、あるいは二十四時間患者に付き添うことができるのかどうか、その場合の費用分担はどうなるのか、非常に重要な問題が出てくるわけですからいまお伺いをしたわけです。  ところが、それはできてからいろいろな委員会をつくって検討されるということですが、実はその植物人間に対する対応というのは看護要員に一番問題があるということからスタートしておるわけですから、肝心の看護要員のあり方について、まだこれが煮詰まっていないということはちょっと問題ではないか、こう思うわけです。  厚生省の方にちょっとお伺いをいたしますが、これは基準看護の承認を得るとするならば、もちろん公費の扶助の対象にはならぬ、付添婦の対象にはならぬと思うのですが、その考えはどうでしょう。

仲村英一厚生省保険局医療課長

○仲村説明員 お尋ねの基準看護の問題でございますが、保険医療機関としての指定を受けまして、たとえば二・五人に一人という看護要員があるという条件が認められた場合には特二類の基準看護を私どもとしては承認をいたします。その際には、基準看護病院につきましては付添人を看護力の代替として病院側でつけるということにつきましては私どもは認めないということでやってまいっておるのが現状でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 そういう原則があるわけですから、五十人の患者に対して看護婦十六人ということになりますから、私はこれは付添婦が認められないと思うのですね。だけれども、別の財布でありますから、これはやっていただくことについては結構なんでございますが、看護助手の十九人というのは私どもが俗に言うところの付添婦のことを指すのですか。その点どうですか。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 一応考えておりますのは、資格を持たないけれども、その療護施設の職員として看護に当たる、こういうものを予定しております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 この方々が二十四時間患者のめんどうを見ていただいて、それこそ蓐瘡というのですか、床、ずれにならないように縦に向けたり横に向けたり、体を洗ったりする、そういう方々がこの看護助手の十九人と見ていいわけですか。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 まだ二年先のことでございますので、いろいろ細かい部分については検討いたしたいと思っておりますが、原則として、この療護施設を設けました趣旨は、いま病院に入っておられる方でも、たとえば付添人をつけなければいけないとか、家族が直接看護しなければいけないというようなところもあって、金銭的、精神的、肉体的に非常な負担になっておるということをやわらげたいという趣旨でございますので、そういう意味でこういう方に看護人というようなことでいま先生のおっしゃったようなことをすべてやってもらい、特に個人的な付添人をつけなくても済むようなことにしたいと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 そうすると、私が質問をしております、俗に言う付添婦的な役割りをこの方々が果たされると見ていいわけです。ところが、何回か申し上げますけれども、寝たきりの方を二十四時間めんどうを見るというのは実にこれは並み大抵のことではないわけでございまして、この方々がどういう資格で契約をされるのか私はわかりませんけれども、個人的だからこそ家族がめんどうを見るとか付添婦という形でめんどうを見られるわけですが、これは正規の公務員になるのか特殊法人の職員になるのかわかりませんけれども、言っては悪いのですが、一定のこれだけの国家に付属する機関の職員が二十四時間本当にめんどう見ていただけるかどうかについてはかなり疑問があります。現実に救急医療について自治体病院は協力しないのでしょう。実際に自治体病院というのは労働組合もあり、二十四時間体制というのはなかなかやらぬわけですよ。  そういうことから考えても、よほど看護助手の十九名の方々の、いまおっしゃったようにこれは先の話ですけれども、ここら辺を詰めておかないと、私は後ほどトラブルが起きるのではないか、せっかくつくったものについて、なおかつ問題があるということだけ指摘を申し上げておきたいというように思います。  きょうは最後になりますので、このセンターの問題については、いま私の持っております疑問だけを投げかけて、先行きのことでございますから、私どもの意見、質問が解決をするようにしていただきたいというように思います。  そこで、今度は大蔵省の方に保険の構成比の問題についてお伺いをしたいわけでございますけれども、現在損害保険の構成比の内容を見てみますと、四八・八%程度が、これは七九年の統計でございますが、自動車関係の自賠責あるいはまた任意の保険料の収入である。それで本来業務でありましたところの火災保険は二五・四%、海上運賃に関する保険は一〇・九%でございますから、明らかに業務内容が自動車に大きくウエートが変わっておるわけです。こういうことになってまいりますと、〇〇海上火災保険株式会社、業務内容を明示する会社の名前の変更をしなければいけないと思いますが、その点はどのように考えられますか。

松尾直良大蔵省銀行局保険部長

○松尾説明員 ちょっと最初に数字の点で、先生ただいまおっしゃいました数字の中で海上保険一〇・九%というのは、私どもの承知しておる限りでは九、九%でございますが。  お尋ねの商号の問題でございますが、御指摘のとおり、保険業法におきまして主要な保険の種類を商号に明示をしろという規定があるわけでございます。「主タル保険事業ノ種類」、これは生命保険の場合には生命保険というのが一つの保険の種類でございますが、損害保険につきましては海上保険であるとか火災保険であるとかいうのが保険の種類であるということになっておるわけでございます。  この場合の「主タル保険事業」というのはどういうことを言うのであろうか。御指摘のとおり収入保険料の規模というものも一つの大きな要素になるということはこれは全く否定し去ることはできないかと思うのでございます。あるいは収益の寄与度といったようなものも要素になるかもしれませんし、またその会社の歴史と申しますか、設立以来の経緯といったようなものも関係してくるのじゃないかと思っております。  新規に免許を与えるというようなときに、仮に今後損害保険事業を営みたいという会社があって、それが自動車保険が五割も六割も七割でもあるということでございましたならば、これは通常の判断からいけば自動車保険という商号が表示されるのが通常ではないかと思うのであります。  ただ、現在あります国内の損害保険会社二十社について見ますと、いずれも古い歴史を持っておって、それが海上保険なり火災保険を主体に長い歴史を持っており、そういった商号が長いこと定着をしておるわけでございます。  また、損害保険というのは非常に国際的な取引が多いわけでございますが、そういった国際的取引におきます信用度ということを考えますと、営業収入のウェートというのはときどきに変わってくるわけですが、その都度収入ウエートの多いものだけを表示するように直していくということは必ずしも適当じゃないのではなかろうか、あるいはまた、実際問題として大変な費用がかかる問題でありまして、そういうことが適当かどうか。要は、消費者と申しますか契約者一般に対してその会社がどういう会社であるかということの問題でございまして、〇〇火災保険会社というのがすでに自動車保険というものもやっておるということが十分認識されておるときに、あえて莫大な費用をかけて新しい商号に変更するということは必ずしも適当でない。また保険業法もそこまで要求をしておる趣旨ではないというふうに理解をいたしております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 実態の運営からいって、その保険業法の本来のあり方にもとるのではないかという意見があるわけです。私はいまの御答弁では大変不満なんでございますが、時間がございませんので、きょうはこれは終わります。  ただ、いま保険会社の過当競争ともいうべき事例が非常に多いわけであります。たくさんの商品があるわけでございますし、売り方にも問題があるわけですが、いわゆる代理店の示談の代行業務というものが、これは営業のセールスポイントにもなっておるわけでございますが、これは加害者のモラルの低下を招くのではないかという指摘が現実にあるわけです。もう一切任せた、加害者が被害者に対してお見舞いにも行かない、文句があるならあそこだというような風潮が、これはデメリット、メリットありますから一概に言えませんけれども、そのような風潮があるのではないか。  あるいはまた、警察庁にもお伺いをしたいわけでございますが、これは本当かどうかわかりませんけれども、保険会社の調査員が警察の調書を見ると、たとえば被害者、あなたにも過失があるじゃないかということを言いながら示談を進めるという例もなきにしもあらずだと言われておるわけです。交通事故の問題については、示談という問題をめぐりまして非常に深刻な問題になっておるわけでございますが、こういう点についてどのように対応をなされるか、それぞれお伺いをしたいと思います。

松尾直良大蔵省銀行局保険部長

○松尾説明員 示談代行が加害者のモラルを低下させているのではないかという御指摘でございますが、示談代行制度というのは、ここで申し上げるまでもなく先生御案内のとおり、適正妥当な賠償支払い額を早期に確定をさせるという必要から、専門的な知識を持つ者が契約者を助ける、そういう専門的知識を活用して契約者のために手続面において折衝等を行う、こういうことであるわけでございますが、こういうことがあるために加害者がその被害者に対して全く謝罪もしない、全然表へあらわれてこないということはこれは適当でないわけでございます。示談代行という制度は、そういった手続面での代行であって、加害者の道義的な責任、これは変わりようのない話でございまして、あくまでも本人が十分礼を尽くすことが必要である。そういった面で私どももそういう指導を従来からもいたしておるわけでございまして、「自動車保険のしおり」におきまして、被害者に対してできる限りの誠意を尽くしていただきたいというようなことは契約者に十分周知を願う、あるいは日本損害保険協会会長名で各保険会社に対しまして五十三年の十月に、「自家用自動車保険に係る処理要領について」というものが策定されまして、保険会社は保険契約締結に際しては、保険契約者は対人事故発生後、被害者に対する加害者の当然の道義的行為として通夜、葬儀への参列、被害者への見舞いなど、社会的儀礼を尽くしていただきたい旨を十分説明し、こういったことに契約者の十分な理解を得るように努めろ、こういった通達も出しておりますし、御指摘のとおり、そういう道義的な責任と申しますか、儀礼を十分尽くすように今後も指導してまいりたいと思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 これも時間がないのであれでございますが、現実にあるから私はそういうことを申し上げたわけでございますし、代理店の示談の代行は、保険募集に関する取締法の違反行為であるわけでございますから、ぜひ過当競争の中でこのような現実にならないようにしていただきたいことを強く要望しておきます。  それから最後に、これはついでにいまの質問にも警察庁の方からもお答えを願いたいわけでございますが、実は道路交通法に基づく救急救護というのですか、応急救護の教育について、これをぜひ義務化をすべきじゃないかということが以前の国会の請願にも出ておるわけでございます。私、過日国家公安委員長にも申し上げましたけれども、自動車運転免許取得の際あるいは更新の際にもっと大胆に時間をとってやるとか、あるいは一部のタクシー等には乗っておりますけれども、自家用車にも救急箱の設置を義務化するようなこともある程度考えていくことが必要ではないか。民間で安全救護協会等もあるわけでございますから、そういういろいろな民間団体とも協力して、この旨を処置されることを非常に要望をしたいと思うのですが、最後に警察庁の方から御意見を賜りたい。  以上でございます。

池田速雄警察庁交通局長

○池田政府委員 最初に御質問のございました保険会社の調査員に対しまして警察が調書等を見せることがあるのかということでございますけれども、警察といたしましては、交通事故が起きました場合には、交通事故相談という観点から差し支えのない範囲で所要の事項を口頭でお話しすることはございますけれども、捜査機関でもございますので、刑事訴訟法その他の制約がございまして、調書等をお見せするということはどなたに対してもいたしてないわけでございます。  それから第二の御質問の救急活動につきましての教養の問題でございますけれども、御指摘のございましたとおり、応急手当の適否というものがその後におきます被害者の方の人命に重大な影響があると考えておりますので、御案内のとおり、公安委員会で作成いたしております「交通の方法に関する教則普及版」の中におきましてはこれらの事項を盛り込んで、更新時講習でございますとかその他の講習の機会に教育をいたしておるところでございます。また、指定自動車教習所におきます初心者教育の教材としてもスライド等をつくることを指導いたしておるわけでございますが、御指摘のございます更新時講習等の場合に実技を含めての教養につきましては、その後も私ども専門のお医者さんを初め担当の方々と御相談いたしながら研究を進めておるわけでございますけれども、残念ながら現在の段階では、特に実技につきましては一般のドライバーの方を対象にいたしましてどの程度教えるのか、そういった確定したマニュアルというのがまだできていない段階ではないかといったような御指摘等もございまして、まだ検討の段階であるわけでございます。  私どもといたしましては、できる限り救急法が皆さん方に普及することが望ましいというふうに考えておりますので、でき得べくんば、一般の方々全部の方を対象としました更新時講習等の実技が無理でございますならば、安全運転管理者の制度等もございますので、できるだけプロの方から先にやっていただくことの方が効果があるのではないかというふうなことも考えておりまして、そういった方向で現在努力をしておるところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 ぜひ普及促進方を希望して終わりたいと思います。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤委員長 次に、玉置一弥君。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 今回の療護施設ですか、大変いろいろな問題点が含まれていることはいるわけでございますけれども、ただ、身障者の御家庭のことをいろいろ考えると、やらなければいけないということも十分わかるわけでございます。いろいろな面で十分慎重に対処していくことが必要だと思いますし、たとえば今回療護施設というものをつくるならば、むしろ今後救急医療というか医療体制の一環として、より前向きに深く突っ込んだそういう研究を、同時にそういう施設等でやっていくようなことを考えていかなければならない、そのように思うわけです。そういう観点から、今後のことに重点を置いていろいろお聞きをいたしたいと思います。  しかしその中で、先ほどの質問をお聞きしていますと、厚生省の方で心身障害者に対する定義が更生課長と水田さんの方と何かちょっと違っているような気がするのですけれども、その点はいかがですか。  昨日、心身障害者というか本日問題になっているような障害者については一応病気であると認定をするという結論を水田さんがおっしゃいましたけれども、きょうの厚生課長のお話では病気でない、病気でないというか、要するに回復の見込みのない、治療の見込みのないものとして判断をされているというお話でございまして、片方では病気。病気ということはいわゆる治療が必要である。片方はもう治療が要らないという判断をされておりますけれども、扱い部署によっては考え方はそれだけ違うのですか。

水田努厚生省医務局総務課長

○水田説明員 お答え申し上げます。  先にお断りいたしておきますが、私、身障法のことは明るくございませんので十分な御回答ができるかどうかやや自信がないわけでございますが、昨日の審議あるいは本日の審議を通じてお答え申し上げておりますのは、医療のケアが必要な方については病院で適切な措置が図られるべきであり、また福永騎手みたいに奇跡的に回復をなさっておられるケースもあるし、今後もそういう面で交通傷害その他に遭った方についての適切な早期治療を徹底していくことによって、こういう後遺症が残る方をできるだけ未然に防ぎたいという観点で申し上げたわけでございます。  なお、本日厚生課長がお答え申し上げていたのは、いわゆる遷延性の高度意識障害になられた方で、もともと身障法というのは自立更生の可能性のある人ということが法のたてまえになっているので、ケースによっては、そういうことに該当される方にはケース・バイ・ケースで身障手帳を渡すことも十分あり得ますということを沢田先生の御質問で確約を申し上げた、こういうことではないかと理解をいたしておる次第でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 もう片方の方がおられませんので逆にちょっと言いにくいのですけれども、先ほどの身障者の定義というものが非常にあいまいな感じがするわけです。というのは、たとえば片腕のない方とか、要するに肢体不自由というか、そういう方も一応身障者として扱われながら、回復をされることは絶対あり得ないということですから、そういう面でかなりきめつけた答弁であった、そのような感じがするわけです。  しかしそういうことは余り問題じゃなくて、むしろ厚生省としてひとつ考えていただきたい——運輸省も両方なんですけれども、たとえば今後のこういう事故対策のことを考えた場合に、今回たまたま五十人というメンバーを対象に施設をつくられますけれども、実際は今後そういう面でどこまで拡大するかということも必要でございますし、またそういう五十名を一応対象と言うけれども、これはあくまでも研究対象であるというような考え方です。そして今度はその他残りの方、あるいは自動車だけではなくて、日本全国に植物人間と言われる方が大変たくさんおられるわけでございますけれども、そういうメンバーに対してどういう処置を施すのか、どういう治療をするのかということを十分考えていけるような施設として活用していかないことには、これは平年度で大体五億弱の費用をかけるわけでございますけれども、それならばやめてしまってお金だけ出しておけばいいじゃないかという話になってくるわけです。そういうことを踏まえてやってほしいと私は考えているわけでございますけれども、運輸大臣はいかがでしょうか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 これはあくまでも一つのモデルケースでございまして、これからのそういう重度意識障害者の方に対する対策というものは多角的に考えていかなければならぬだろう。このモデルがうまく成功いたしました場合に、これは関係省庁との協議ではございますけれども、それを応用していくということは十分できると思うのでございます。また、医療とこういう保険業務としてやるのとの限界もいろいろございますし、そういう点は今後の課題として考えていきたい。また保険財政の問題もございますし、単にこれからどうするという展望ではなくして、とりあえず保険の中にひそんでおります相互扶助の精神を何らかの形で具現して、一つのモデルケースとしてやらしてもらいたい、こういうことが今回の趣旨でございますので、余り将来のことについてはどうという展望は持っておりません。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 多角的にいろいろ考えていくということは確かに必要でございますし、また各省庁と、特に厚生省なんですけれども、十分な連携ということが必要だと思うのですね。病院、病院というか看護、療護施設になりますと、設立された後は今度は逆に厚生省の管轄にもなるわけでございますから、そういう面で連携はとれると思いますが、たとえば、今回の施設の中に三人の医師を置くということを書いておられますけれども、五十人に対して三人ということで見ればまあまあ妥当な数字ではないかと思います。しかし、研究という面を考えた場合には、本当に三人でいいのかなというような感じがするわけですね。それが三人とも研究とかいろいろな面で考えているということであればわかりますけれども、逆に、単に病気のぐあいを診るとか体の進展ぐあいを診るという面を考えると、まず余り進行しない。そして余病の併発というか、それだけを診るということであれば今度は三人では多過ぎるということになってくるわけです。そういう面で、中身が非常に中途半端ではないかというふうに思う。だから、普通の病院で考えると規模としては三人ぐらいということで見ておられると思うのですけれども、相手はそんなに病気も進行しないということで厚生省管轄の病院から締め出された人が多いわけですから、こういうことを考えると非常に中途半端な、ただ普通の介護施設というだけの認識しかないのではないか、そういう感じがするわけです。  それで、先ほどからも行政改革のいまの動き方と逆行するのではないかというような話が出ておりますけれども、今後全国的に自動車だけの相手を考えても五百人近くおられますし、その一部分を今回対象とされますけれども、やはり全体として全国的にこういう施設をつくっていかなければならないということも事実必要なことだと思うのです。社会労働委員会の方といろいろお話をしていますと、厚生省の中にリハビリテーションとかそういう問題は非常にアピールしてよく浸透しているわけですけれども、こういう介護施設的な要素というものが非常に少ない、そして事実病院から締め出しを食らっている。先ほどは本人との調整で同意を得てという話ですけれども、われわれが実例として聞いているのは、無理やり追い出されているというのが非常に多いわけです。そういうことを考えますと、これから運輸省独自じゃなくて、やはり厚生省もかんで、というよりも、むしろ厚生省が主体になって運輸省が後押しをするというふうに、主客転倒をしてぜひ進めていかなければいけない、かように思うわけです。  だから、自動車ということで限定をせずに——自動車だけをとってみても、自賠責は今年度はまだ黒字ですけれども、これから、何年かたつと今度赤字に転落をしていきまして、いまの積立金を切崩していかなければならない、やはりそういう時代がやってくるわけですね。そういうことを考えると、運用益がいま出ているからということでむやみに使うことはできない。逆に言えば、いま余っているから一気に使ってもいい、どちらでもいいですけれどもね。本当はやるならやるで、そこまで徹底してほしかったわけです。一カ所ということじゃなくて、五百億かけて一気にやってしまうとか、そういうことでもいいと思うのですね。ことし運用益が出て来年も出る、まあ数年先までは見通せるわけですね。だったら、出ているうちに一気にやってしまうというのも一つの考え方ですし、同じやるなら、ぜひそこまで思い切ってやってほしかった。  それと、そこまでのやる気がないということであれば、むしろ、じゃ日ごろの、日ごろのというか今後の経常経費をいかに落としていくかということで、現在厚生省の管轄であります国立療養所あるいは国立病院、それぞれの敷地なり建物なり、あるいはその中に別むねでつくるとか、そういうことを考えていくべきであったんじゃないか、そのように考えるわけです。で、それ相応の負担というものを自賠責の中からする。そうすれば、厚生省がいまやりたいというふうに思っている部分で、大蔵省から予算がないということで削られている部分がまた生きてくるわけですね。ある程度穴埋めができるということになってくるわけなんですけれども、いろいろ申し上げましたけれども、その辺についてはいかがお考えですか。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 最初に、医師の過不足の問題でございますが、先ほど先生から研究機関としては不足であるというお話がございました。先ほど草川先生の御質問にもお答えいたしましたように、これを研究機関的なものとして考えるという考えは持っておりません。ただ、その結果が、新しい試みでございますから、何らか医学に役立てば幸せである、こういうふうに考えておるわけでございます。  そこで、一応三名医師を予定しておりますが、中身は、二名が脳神経外科の専門医を予定をしております。先生のおっしゃいました余病の問題は、一名の内科医ということで考えております。脳神経外科の方は、常に収容されている患者の方を監視すると申しますか、診断して何らかの処置が必要であるかどうか、ないしはごく軽い程度の脳の外科的治療ぐらいは担当する。それより、患者を診ていてもっと抜本的なことが必要であるという場合には、提携病院というようなところに依頼をして、必要な手術等を施していただく、そういう必要性があるかないか、そういうようなことを考えながら収容されている方を診る、そういうようなことに考えております。そういう意味で三名の医師ということでどうだろうかという、これは一応の心づもりでございますが、先ほど来申し上げておりますように、もう少し二年先の開設までかけて、専門家の意見等も十分聴取して検討させていきたい、こういうふうに思っております。  それから、全国的な体系の話でございますが、これにつきましては昨日来いろいろ申し上げておりますように、厚生省の方としては医療全般ということからいろいろな病院等のあり方というのを御検討になっておるわけでございます。運輸省が考えておりますのは、自動車の事故による重度意識障害者というのが若干特殊な性格を持っておる。年齢が若いとか、いろいろな意味で特殊な性格を持っておるというような意味で、自賠の運用益でこういうようなものをやっていきたいというふうに考えておるわけでございまして、若干そういう意味では性格的に異にするものでございまして、そういう点については、全国的な観点については厚生省の方でお考えをいただいておるというふうに考えております。  それから、最後に先生の御提案でございます厚生省の管轄の病院の中にこういうものをつくって、自賠からその部分を支出するというようなことはどうか、これは、そういう考え方は確かにあるわけでございまして、昨日お答え申し上げましたように、病室の中ということではございませんけれども、同じ病院の中にもう一つ特別な病棟をつくって、その部分を自賠特会の金で運用し、そこに自動車の事故による重度意識障害者だけに入っていただくというようなことも過去において計画し、予算要求したこともございます。ただその後、いろいろ専門の方等の御意見を伺いましたときに、そこに従事される医者とか看護婦さんとか、そういう方の労働条件とか、そういうものが、先ほど来お話のございますように二十四時間看護しなければならないような、こういう特殊な性格の人たちだけを集める病棟というものと、一般の病院との間に、果たして整合性がうまくいくのかどうか。うまくいくのかもしれないのでございますが、そこらのことについて、ひとつ自信がない。そういう意味でモデル的に行うということの場合には、一つ新しい独自のものをつくってみて、そこでいろいろやってみて、その結果を踏まえて次のステップを考える。その結果、先生のおっしゃるようなことがいいということになるかもわかりませんし、そこらは私どももわからないわけでございますけれども、一つモデル的なケースとしては独自のものを持つという考え方でやっていくということで考えていきたいというふうに考えたわけでございます。  それから、一挙に全国つくったらどうだというお話でございますが、これはもうくどいように申し上げておりますように、全国的につくるかどうかということも含めて、モデル的に検討したいということで、まず一カ所を設置しようというものでございまして、一挙に全国的なものをつくりまして、その結果がまずかった場合には非常に困るわけでございまして、そういう観点から一つつくってみたい。その成果を踏まえた上で次のステップを検討したい、かように考えておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 では厚生省にお伺いしますけれども、難病対策課長でも国立療養所課長でもどちらでもいいですが、いまのお話で、たとえば難病というか重度心身障害者の介護人というか看護人、それらの方がたとえば同じ施設の中におられるという場合に、医者とか看護婦とか、そういう方たちの労働条件とかあるいは環境、待遇ですね、そういうものが問題になるかどうか。いま審議官の話だと、事前に検討されたことがあって、問題になるだろうということでございますけれども、われわれとしては、ある程度自分たちの職務ということで割り切れば、そういうことはまず問題にならない。むしろ職場をいろいろ循環させることによって待遇面で改善ができるんではないか、そのように思うわけですね。昨日の質問の中にもありましたように、こういうふうに同じ、もういわゆる物もしゃべれない、歩けない、そういう人たちの間に毎日いた場合に、果たして長期的な勤務ができるかということも心配になりますし、そういう面でむしろ適宜職場をある程度循環した方がいいんではないかというような気がするわけです。そういう面でいかがでしょうか。

佐々木輝幸厚生省医務局国立療養所課長

○佐々木説明員 国立療養所におきましては、現在八千八十床の重症心身障害児の病床を持っているわけでございます。この運営につきましては、重症心身障害児の症状というものがいろんな程度、あるいは何といいますか各種の症状がございまして、中には意識障害の非常に高度なものもございます。そういう点はございますが、現在問題になっておりますようないわゆる重度の意識障害者とはいろんな点で異なる状況がございまして、障害児の能力の開発、そういう点で希望の持てる場合も多々あるわけでございます。そういう意味で若干状況は異なると思いますが、この重症心身障害児の病床の運営につきましては、やはり非常にむずかしい問題がございまして、一般の傷病の治療に比べると回復を望む度合いが非常に少ない、あるいは向上を望む希望も少ない。そういうことでは若干似通った状況があるかと思います。この運営に当たりまして、確かにそういう点で一般の病院と違いまして、患者の回復について喜びを感ずる場合が少ないというような、看護婦あるいは医師その他の従事者の方々にはそういう点でいろんな心理的な悩み等もございまして、この運営につきましては一般の病院に比べて非常に困難な状況がございます。そういう中で私ども苦心をしながら運営をしておるわけでございますが、先生のおっしゃるようにほかの傷病の治療も担当している中で看護婦等についてローテーションを考えるとかいうふうなことは、若干そういう状況の緩和に役立つわけでございますけれども、また勤務状況が非常に違うというような中でそういうローテーションを考えるということもむずかしい場合がございます。そういういろいろなむずかしい中で、われわれ苦心をしながら運営をしているという状況でございます。  以上でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 いまのお話を聞きますと、ローテーションの組み方次第ではいい方へ向かうというような感じがいたします。本当言いますと、何で運輸省がやらなければいけないかという中に、一つはやっぱり厚生省としてなかなか取り組みが進んでいかないという面もあると思うのです。しかし、いまのお話を聞いていますと、三人の医師というのは非常にもったいない感じがするわけですね。いわゆる介護施設であって、家庭におられる方を引き取るだけだということであれば、かかりつけの医者というか、契約してお医者さんを呼んでくればそれで済むわけですから。ところが、研究もしない、ただ診ているだけ、こんなばかな話ないですね。医者三人抱えるのも大変な費用がかかるわけですね。そういうことを考えると、考え方が非常に中途半端なような気がするわけです。  同じやるならば何でもっと徹底してやらないのか。ただ収容するだけだったら本当に収容するだけでいいわけですね。そこまでやっぱり徹底をしないと、じゃ一人でいいと。ある程度わかる、だから医者でなくてもいいわけです。どこかの国立病院のインターンの方を呼んできて、それで定期的にずっと巡回してもらうとか、そういうことでも済むわけですね。ところが実際は医者も三人もいながら脳外科を診るだけだ。診るだけではだめなんですね、いろいろやっていかないと。内科なんかこれは要らないのですよ。どこか近くにどうせあるんだから、あの辺は。あの辺はといったって、どこかわかりませんけれどもね。そういうことで本当に中途半端なんですよ。  だから、いま七百億円の運用益があるならばそれを一気に使ってしまうぐらいの大きいことを考えてほしいと思うのですよ、こればかりとは限らないけれども。だけれども、こんな二十億程度の費用じゃないわけですね。もっと思い切ってつぎ込んで逆にやる、そのかわり後は任してくれというぐあいにならないとだめなんです。これを見ると、後どんなになるかわからないのですね。またあっちこっちにちょこちょこっとつくって、それで収容しますということじゃなくて、まずこれだけつくるということは、全国の中で十分の一にしぼって収容しなければいけないということで、何か関東在住者というようなことを考えておられますけれども、まずその中で場合によっては入るための大変な競争が出てくるというようなこともありますし、同じやるならあくまでも研究機関であるというぐらいの観念でやらないと、それでやるときは全国一斉にやるんだということで考えてもらわないと、非常に中途半端だと思うのですよ。こういうことは政策を考える人がやるべきことじゃないと思うのですね。これだけ余ったからどこかへ使え、それじゃ使いましょうというので出てきた程度なんです。そういう意味で考えると、いまのこの中身というのは事前の検討が余りにもなされていないというような感じがいたします。  そういうことで、時間が来ましたので終わりますけれども、ぜひとも今後ということに重点を置いてやってほしい、このことだけをお願いして、質問を終わります。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤委員長 次に、中路雅弘君。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 法案について引き続いて一、二問最初にお聞きしたいのですが、今回の養護施設の設置計画を作成するに当たって、重度意識障害者の介護の状況や家族の生活状況等については家族に対する郵送調査などの形で実態調査が行われているわけですけれども、いまある医療機関の実態調査ですね、こうした人たちをいまめんどう見ている、あるいはこうした収容施設をつくることが最善の方法なのか、つくる場合にどういう施設にすべきなのか、こうしたことの調査は行われたのかどうか。あるいは、昨日も質問しましたが、家族や医療機関の側で最も関心のある一つである脱却の例なども含めて、治療やリハビリの実態について調査が行われたのかどうかという問題。また、こういう施設整備計画を作成するに当たって、事故センターなりが関係専門家の検討による意見等もお聞きになったのかどうか、最初にまとめて一言お尋ねしておきたいと思います。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 重度意識障害者の実態につきましては、先生御指摘のようにきちんと本になった調査書がございます。医療関係の機関のあり方、問題点、それからその他専門家の御意見というものにつきましては、特段本にまとめたというようなものはございませんが、運輸省、自動車事故対策センターともども、これは実は三年目の予算要求でございまして、その間に関係の病院等に伺ったり見学をさせていただいたり、医者の方や学者の方においでをいただいて、ないしは伺ってお話を承ったりということはやってきておるわけでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いまの問題と関連しますけれども、もう一問、五十四年の十月十一日付で当時の事故対策センターの理事長あてに、やはり当時の東京大学の佐野教授を委員長にした療護・リハビリテーション検討委員会から、自動車事故による重度後遺障害者の療護・リハビリテーションのあり方に関する中間報告が出されていますけれども、これは五十五年度予算のために作成されたようでございますが、この構想はいまの表題のとおり療護・リハビリテーション施設をつくるというもので、中身を見ますと、療護部門とリハビリテーション部門の二つの部門から成っておりまして、医師、理学療法士、作業療法士、言語療法士等リハビリテーション部門の要員が療護部門とともに連携して、たとえば療護部門に収容されている脱却した患者は直ちにリハビリテーション部門に移されて必要な訓練を受けることができるとか、あるいはリハビリテーション部門における収容者は責任保険の後遺障害等級の七級以上を対象にしておりますが、この収容者についても重度後遺障害者であることから、医者の監視のもとにリハビリテーションを行って脳損傷や脊損の多いことから、リハビリテーションを加えて言語機能や精神機能の回復のための治療を継続して行うという中身ですね。施設の規模が療護部門五十名、あとリハビリテーションを含めて百五十名ですけれども、今回の計画はいわばこの構想の療護部門だけを切り離してスタートをさせようというものだと思いますが、この検討委員会等にこうした問題は相談をされあるいはかけられた結論なんですか、いかがですか。

棚橋泰運輸大臣官房審議官

○棚橋説明員 先生御指摘のような報告書をセンターがいただいておるわけでございますが、それに基づきまして五十五年度に予算要求したのもそのとおりでございます。  そのときの考え方は、ただいま御提案を申し上げて御審議をいただいておりますこの重度意識障害者の収容施設と、もう一つ七級以上の後遺症のある方のリハビリということを考えたわけでございます。この二つを併設いたしましてやっていきたいという考え方だったわけでございます。ところが昨年、もう一度重度後遺症の方のいろいろな調査をいたしまして、先生御指摘のとおり報告書にまとまっておるわけでございますが、その調査の結果によりますと、七級以上の障害をお持ちの方でそういうところでリハビリを受けたいという方の希望が意外に少なかったわけでございます。一方、一般病院等におきますリハビリの体制ということを別途いろいろ、先ほど申し上げましたように病院の関係等を訪問したりいろいろな方法で調査をいたしましたところ、一般の病院におきましてそのような施設がかなり完備をしておりまして、なお若干ゆとりと申しますかそういうものもあるというふうな感じがいたしましたので、今回の構想ではそのリハビリ部門を切り離しまして重度意識障害者の療護というものを行う施設ということで考えたわけでございます。なお、その際に脱却者の方が出ましてリハビリを行う必要がある場合につきましては、昨日お答え申し上げたとおり遺漏のないようにやっていきたいというふうに考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 特に強く要望しておきたいのですが、専門家の意見も検討委員会に出されているわけですから、こうした重要な問題について一方的に事実上独走するような形じゃなくて、こうした計画作成の過程を見ましても、センターの施設の運営だとかそういう点で患者の人権、いわゆる植物状態の人たちの単なる収容施設になるというのではなくて、家族の立場から見てもいろいろ危惧はあるわけですから、特にことしは国際障害者年でもありますから、重度障害者の治療や介護の問題はやはり人間らしい生活を回復していく、保障していく、そういう面で昨日も幾つか要望しましたけれども、このセンターについては最大限の配慮をしていただきたいということをもう一度改めて強調しておきたいと思います。  昨日も同僚の議員からちょっと緊急の問題だということで御質問があったことで、大変時間が限られていますけれども私も一、二問お聞きをしておきたいと思いますのは海上交通、文字どおり海難事故の問題例の原潜の問題ですけれども、先日はきょうお見えの吉野救難部長だと思いますが、十四日の内閣委員会で海上保安庁の救難部長が、海上視界二キロというのは海難救助そのものができないような風や波の状況でなかった、救助できたはずだという海上保安庁の見解はお述べになりました。これは外務省を通じての米海軍の公式発表、霧と雨によって視界不良のため視界から消え去ったというように関連しての御答弁だったわけですけれども、その後外務省がアメリカ大使館を通じて入手した公式発表に付随した応答要領で見ますと、全くまた矛盾したことを言っているのですね。日昇丸が「遭難の様子もないまま航行し去るのを目撃した。」というふうに記述されているわけですが、こうした大変矛盾したでたらめな報告、無事航行し去ったというような、こういうことについて全く抗議もされないということは全くけしからぬことだと思います。こうしたでたらめな報告についていまどう究明しようとされておるのか、一言でいいのですが、お答え願いたいと思います。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○丹波説明員 お答え申し上げます。  まず第一点は、当時の救助の状況がどういうことであったのかという点はまさにアメリカ政府が現在全力を挙げて行っております調査の核心をなす問題でございまして、私たちといたしましてはこの調査が完全かつ迅速に行われることを現在期待しておるわけです。  第二点は応答要領の問題でございますが、まず海軍のスポークスマンの発表文の部分で確かに「当該商船は霧と雨による視界不良のため視界から消え去った。」とございますが、その次のセンテンスに御注目いただきたい。その次の文章では「当該潜水艦は、当該日本船が見えなくなる前に人的又は物的被害があったか否か確認することができなかった。」そういう状況で視界から消え去った、こう言っておるわけです。応答要領の文章は「当該潜水艦は、衝突後直ちに、視界不良という条件の下で、当該海域の捜索を行い、当該船舶が遭難の様子もないまま航行し去るのを目撃した。」もちろん表現は違いますから若干のニュアンスの差はあるかと私は思いますが、基本的に言っていることは同じである、こういうふうに考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いずれにしてもこれは大変でたらめな報告だと私は思うのです。きのうも新聞によりますと、米軍による乗組員の皆さんの事情聴取がすでに始まっています。いろいろ新聞報道によりますと、こういう報告は全くでたらめで、遭難はわかっていたはずだということを多くの人たちが述べています。いま海上保安庁が乗組員の供述を中心に相当膨大な資料を集めておられますが、一言でいいんですが、この資料の中で乗組員の供述から見ればこの潜水艦は遭難はわかっていたはずだということを繰り返し述べられていますが、海上保安庁の資料ではそういうことを裏づける供述、証言があると思いますが、いかがですか。

吉野穆彦海上保安庁警備救難部長

○吉野説明員 日昇丸が遭難していることをこの潜水艦がわかっていたかどうかという点につきまして直接乗組員の述べている記録というものはちょっとまだ見ておりませんけれども、衝突当時日昇丸の後ろの方にわりあい近い距離に潜水艦が浮上しているのを見た、しばらくして潜水していったというようなことを述べております記述がございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 この捜査結果はいつまとまるのですか、公表されるのですか、一言その点だけ。

吉野穆彦海上保安庁警備救難部長

○吉野説明員 これにつきましては、資料がかなり膨大なもので現在整理中でございまして、いろいろとさらに重ねて調査をしなければならないというようなこともございますので、いつまとまるかという点について日にちをはっきり申し上げることはちょっとできないのでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 もう一問お尋ねしますけれども、海上衝突予防法という法律がありますが、これは適用船舶はいわゆる水上にある船舶ということにされているわけですけれども、完全に海底にもぐったんでなくて、今回のように水上にある船舶と衝突する可能性のある深度にある潜水艦、あるいは浮上直前の場合、こういう場合はこの法律の適用対象になるわけですか。

吉野穆彦海上保安庁警備救難部長

○吉野説明員 ただいま先生がおっしゃいましたように、現在、海上における船舶の衝突の予防に関しましては国際条約に基づいてわが国では海上衝突予防法という規定がございます。国際条約は千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約というのがございますが、この条約では水上における船舶の衝突の予防を目的としておりまして、潜水している潜水艦と水上を航行している船舶の関係については規定しておりません。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いま聞いているのはそうじゃなくて、すみませんがもう一度引き続いて質問したいのですが、一般にもぐっているときでなくて、衝突の可能性のあるような深度にある潜水艦、あるいは浮上しかかる場合、今度の場合、一定の浅いところですね、こういう潜水航行はいまの適用対象になるのか。

吉野穆彦海上保安庁警備救難部長

○吉野説明員 適用にならないと思います。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いま適用にならないということをおっしゃいました。そうしますと今度の場合、こういう浮上しかかる場合や一定の浅い深度の潜水航行は事実上無法状態なわけですね、衝突がわからないわけですから。  そのことできょうはもう時間が限られておりますからまとめてお話ししますけれども、そうなると全く無法状態ですが、例でお話ししますけれども東京湾の浦賀水道を通る航路で、横須賀に原子力潜水艦が入ってきますけれども、これは直前で浮上して浅いところへ入ってくるわけです。片側が七百メートルという魔の航路、また潮の満ち引きによっては見え隠れする暗礁、海堡もある非常に危険な海域です。時間がないですからひとつまとめてお答え願いたいのですが、一つは、いまこの航路を航行する船舶が大型タンカーを含めて一日平均どのくらいあるのかということと、最近の衝突や乗り上げなんかの事故の発生件数が幾らあるのかということをまずお聞きしたいのと、これは外務省になると思いますが、原子力潜水艦が寄港以来今日まで、原子力艦船、潜水艦、原子力巡洋艦含めて合計して延べ何隻入港しているのか、まず簡単にこれをお答え願いたい。

吉野穆彦海上保安庁警備救難部長

○吉野説明員 浦賀水道の通航隻数につきましては一日平均にいたしまして昭和五十一年が七百二十隻、五十二年が七百六十二隻、五十三年が八百六十六隻、五十四年が七百二十隻、五十五年が六百五十四隻でございます。それから浦賀水道の救助を必要とするような海難の発生隻数でございますが、これにつきましては五十一年が十二隻、五十二年が八隻、五十三年が十三隻、五十四年が九隻、五十五年が七隻でございます。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○丹波説明員 お答え申し上げます。  日本に寄港しておりますところの原子力船、これはもちろん核を搭載していないわけでございますが、ここで申し上げますのは原子力を推進機関としておる艦船、こういう意味でございますが、二種類ございまして、御承知のとおり一つは潜水艦、一つは水上艦でございます。横須賀関係について見ますと、まず潜水艦が寄港し始めましたのは昭和四十一年、御承知のとおりでございまして、今日まで百十八回の寄港がある。原子力水上艦につきましては、昭和四十六年に寄港開始いたしまして今日までのところ十五回の寄港がある、こういう数字でございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 時間が限られていますからまとめて私の方からお話しいたしますが、多いときは一日八百隻近い船舶がひしめいている浦賀水道ですね。いま百十何隻と言われました、原子力潜水艦だけで。これはあの航路の関係と軍港の関係からいいまして、右側通航のために基地に入港する場合は全部反対側の航路を横切るという入り方をしますし、逆に基地から出る場合はこの航路帯に割り込んで出ていくという方法をとっているわけです。そして、これは領海ですから当然浮上航行を無害航行によって国際法上やらなければならないわけですが、先ほど海上保安庁が確認されましたように、衝突のおそれがある浮上しかかった場合や一定の深度までの潜水航行が衝突予防法の適用にならないということになりますと、ここのところが大変むずかしいわけです。しかも事故の発生件数も大変多い。もしここで事故が起これば放射能汚染の問題だけではなくて、大型タンカーも連日のように入っているわけですから、原油の海洋流出ということも考えますと二重のパニックを引き起こすわけです。そういう意味では、今度の事件の原因を徹底的に究明され、またこうした問題の再発防止の対策が必要であると思います。  いま、一つの穴みたいになっていますね。大臣もお聞きになったように、浮上しかかるところのものは水上じゃないから適用にならない。しかし、もぐっているわけじゃないから衝突の危険性はある。そういうところが法的に明確になっていないわけですから、こうした具体策が明確にならない限り原子力潜水艦の入港については一時中止をするあるいは検討するということを、この委員会は外交問題を扱うところじゃありませんから、外務省にすぐアメリカにどう言えということは言いませんけれども、船の安全航行という観点からこういう問題について外務省とも話していただいて研究もしていただきたい。私たちの要求は、それまで中止をしてほしいということをお願いしているわけですけれども、一度この問題について関係の大臣と検討していただけますか、いかがですか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 これがわが政府だけで検討いたしましてもいかんともしがたい問題もございますし、国際条約で大枠を決めて取り締まりの方法を考えてもらわなければならぬと思うております。ですから、そういう問題も含めまして、われわれは絶えず海上の交通安全につきまして非常な関心を持っておりますので、今後各方面とこの安全確保について協議をしたいと思うております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 これで終わりますが、いまお答えがあったように、海上衝突予防法というのは国際法的にも公海上も浮上した場合には適用されているわけですが、今回の事故の場合非常にむずかしいわけです。浮上しかかってぶつけた、衝突した。しかも、浦賀水道ではそういう危険が日々あるわけですから、この安全の確保の点で、いま私が要請しました点については、外務省も安保課長お見えになっていますから、別の機会にまた要請をしたいと思いますけれども、外務大臣に伝えていただいて、今度の問題の徹底的な究明と再発防止の対策が示されない限り横須賀への原子力艦船の入港は一時中止するということを強く要求しておきたいと思います。  時間が参りましたので、終わります。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時四分散会

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