建設委員会 第12号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1981/04/22
会議録
○稲村委員長 これより会議を開きます。 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として本州四国連絡橋公団理事山根孟君の御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 また、本日の連合審査会において、参考人として本州四国連絡橋公団理事山根孟君の御出席を願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○稲村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小野信一君。
○小野委員 最初に大臣の御所見をお伺いいたします。 四国四百万人の県民の希望は三ルート同時着工、同時完成であったろうと考えます。ところが、残念ながら種々の事情によって一ルート四架橋という工事の進捗状況になったわけですけれども、四国県民はやはり三ルートの完成を大きく望んでおることは間違いないと確信いたします。したがって、建設省では今後三ルートの完成についてどのような考え方を持ち、計画を持って進めようとしておるのか、大臣はまたそれをどのような形で実現させようとしておるのか、所見をお伺いいたします。
○斉藤国務大臣 御案内のように、本四架橋の問題は歴史的に見でも、また、四国の方々から見ればまさに有史以来といいますか、大変な念願であったろうと思います。将来を見越してのルート建設ではあろうと思いますけれども、やはりそこに住んでおられる方々の歴史的な経過を考えての上のそうした意味合いからも、このルートの決定については大きな期待が寄せられているわけで、私たちといたしましては、あくまでも当初見込まれたであろう三ルートの完成は、やはり長期的には完成しなければならない問題であろうと思います。これはもう四国と本土とがつながるというだけでなく、日本全体から見ても大きな問題として取り組まなければならないことであろうかと思います。 御案内のように、四十八年十月に工事認可がされて、すぐ十一月に総需要抑制ということで一応の凍結を見て、一ルート三橋という問題が五十年から進められているわけでありますが、これはあくまで一応の経済事情等々を考えての総需要抑制下におけるプロセスの一環であって、最終的にはやはり三ルートの完成を目指すということの計画については変更ないものと承知いたしております。したがいまして、一応凍結という形をとっておりますだけに、早い機会に凍結解除されて、当初の目的である三ルートの完成ということを念願に置いて、とにもかくにもあらゆる障害を乗り越えて決められた一ルート、生活関連橋である三橋、いまは四橋になりつつありますが、こうした問題について取り組んでいく、このような考え方で対処してまいる所存でございます。
○小野委員 要するに、いまの答弁から推察するには、具体的には十年後なり二十年後には必ず完成させてやる、こういう具体的なプログラムがあるわけじゃなくて、願望として建設省では三ルートを完成させる、こういう考え方と拝察しますけれども、どのような条件が具備したときに三ルートを完成させる、あるいは着工できると考えておるのか、その点をお伺いいたしますし、いま大臣がおっしゃいましたように、歳出削減あるいは大プロジェクトの抑制あるいは中止、これらが政治的にも大きな課題となっておりますし、これらの問題がここ二、三年あるいは四、五年で直ちに解消するとは考えられませんけれども、それらに対応して建設省では具体的にどのように進めようとしておるのか、再度答弁を求めます。
○斉藤国務大臣 計画の設定は、あくまで計画として進めるべき計画であるというように先ほど申し上げました。どういうような条件が具備されたならば三ルートの完成への足がかりができるかということでございますけれども、これは一番の柱はやはり財政事情であろうかと思います。それから三ルートの関連によって、四国、本州というもののつながりによって生活環境、これからの地域の振興の状況、それから地域のみならず日本全体から見た経済指向の問題、総合的に、考えられるようなありとあらゆる私たちの国土環境を考えながらこの問題は進めていくべきものと考えます。したがいまして、財政事情が好転してそのことが直ちに着工ということに相なりますかどうか、それが一番よろしいわけでありますけれども、やはりやるからには経済効果、生活環境効果、あるいは文化的な問題もありましょう、総合的に考えて進めていくという形になると思いますけれども、とにもかくにもいま考えられている一ルート三橋に計画を変更されたその原因、素因というものを考えて、そうしたことを一つ一つ排除した暁において三ルートへ進めていくということでよろしいんじゃないか、このように考えるものでございます。
○小野委員 経済的な効果あるいは社会的な変化、経済的な趨勢、障害物を一つ一つ排除した後に三ルートの完成あるいは着工に踏み切りたい、こういうことでありますけれども、それらについてはすべて条件は具備しておるのではないのか。要するに財政事情ただ一本が三ルートの着工を阻害しておる要件だと私は考えるのですけれども、もしそうであるとすれば財政再建のめどがついた時点、国債あるいは赤字財政が解消されないにしても、解消されるめどがついた時点でこれを着工するという方針を建設省は強力に推し進めるべきだと考えるのですけれども、いかがです。
○渡辺(修)政府委員 お答えいたします。 必ずしも財政事情のみとも限らないと思う理由があるわけでございますが、と申しますのも、たとえば明石海峡にかかります明石海峡大橋につきましては中央径間が千七百八十メートルという非常に大規模な橋梁でございまして、これがもしかけられますと世界で第一というような規模でございます。かつ、現状では鉄道併用橋という乙とになっておりますので、いろいろな技術的な問題がございます。特につり橋でございますから風に対する安定性、こういったこともいろいろ研究をいたしておるわけでございまして、その辺の技術的な問題、つまり工事の難易度等も考えながら、また、地域開発の効果等を考えながら着工の時期を判断してまいりたいと思うわけでございます。なお、たまたま道路整備五カ年計画は、ただいまの第八次が五十七年度まででございまして、五十八年度から第九次五カ年計画を発足させることになるわけでございます。またその時点で経済、社会の状況を十分判断いたしまして、さらにどうするか考えてまいりたいと思っておるわけでございます。
○稲村委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。井上普方君。
○井上(普)委員 ただいま三ルートにつきまして、経済的事情であるとかあるいはまた財政的事情等々が許すならば着工するというのが大臣の御答弁で、道路局長のお話でございますと、技術的な問題があってなかなかできないということで、現在では併用橋でいく、こういうお話でございますが、現在ではという言葉にはいろいろ問題があると思う。現在ではというのはどういう意味なんです。この点をお伺いしたい。
○渡辺(修)政府委員 ちょっと言葉が過ぎまして失礼を申し上げました。 現在明石海峡大橋につきましては、運輸、建設両大臣から併用橋としての工事実施計画の認可をいたしておるところでございます。
○井上(普)委員 両大臣が併用橋で実施をともかく命令しておる。とするならば、これはやるのが原則であって、財政上あるいはあらゆる状況がこれを妨げておるだけの話じゃございませんか。あなた方の答弁とてれこになっている。反対じゃございませんか。どうなんです。やらなければならないのだけれどもと言うが、やるのが原則なんです。われわれはその使命があります、しかしいろいろ国の財政状況などがありますので延ばさせていただいておるのでございますというのがあなたの立場じゃございませんか。どうです。
○渡辺(修)政府委員 先ほども申し上げましたように、国の経済状況、財政状況、これはもちろん一番の柱でございます。なお、明石海峡大橋につきましては、技術的な問題、それから前後の取りつけの道路の区間につきまして人家密集地帯を通るということもございまして、周辺の環境問題等の検討も必要かと思うわけでございます。そういった意味でまだ工事の着手というところには踏み切れないでおる状況でございます。
○井上(普)委員 おかしいじゃないですか。建設省は本四公団に対してこれを着工しろということを命令しているのでしょう。実施計画をつくって、これをやるべしという命令を下しておる。ところが、それを昭和四十九年でしたか五十年でしたか、ストップしただけの話じゃございませんか。そうじゃないのですか。五十年にストップした。そのときには建設省は技術的にも心配ございません。そのストップをかけられたときに、命令をかけられたときに、技術的にはむずかしゅうございます、あるいはまた人家密集地帯でございますということを言っておりますか。どうなんです。技術者の良心として言ってごらんなさい。あなた方はそのときは、われわれはやりますといって命令を受けている。素直に受け取ったのじゃございませんか。どうなんです。
○斉藤国務大臣 局長の答弁が舌足らずであったと思います。先生の御指摘のとおりなんです。計画はやるようになっているわけです。ただ、総需要抑制で五十年に一ルート三橋ということで決められて、いまお話しの橋については一応凍結された形になっておりますが、あくまでこれはやるということの方針には変わりございません。
○井上(普)委員 それではあなた、いままでの小野さんに対する答弁は全然違うじゃありませんか。建設省はこれをやるのだと一たん建設大臣が命令を下しておる。技術的なむずかしさというのはいまごろ言う必要はない。建設大臣が命令しているのですよ。技術屋がいまごろになって何を言っているのだと言うのです。そうじゃないですか。建設大臣が命令を下して、そのときは引き受けました、こう言っておる。にもかかわらず総需要抑制でストップした。これは全く総需要抑制という経済情勢のためストップした。その後、景気回復のために一ルート三橋ということで着工をいたしておる。 それでは、建設省としては総需要抑制がなくてもそのまま進めることはできなかったのですか。技術屋さんとしてはどうなんです。いまごろになって技術的な困難というのはどうも私ら納得できない。国民をごまかしておる。それはどうなんです。技術屋の良心にかけて言ってもらいたい。技術屋の良心というものは、できるものかできないものかそのときにはっきりすべきだ。そうじゃないですか。
○渡辺(修)政府委員 本州四国連絡橋公団から工事実施計画の申請がございまして、これをやってよろしいということで認可をしたわけでございますが、細部にわたりましての問題につきましてはいわゆる工事の段階と申しますか、工事の中で詰めながらやるという問題もそれはあるわけでございます。そういう意味合いにおきまして認可をいたしたわけでございまして、当時としてはもちろん自信はございます。ただ、現状は凍結中でございますから、さらにその精度を高めるべくいろいろの調査、検討を進めておる、こういう段階でございます。
○井上(普)委員 そうすると、あなたの御答弁というのは、最初に小野さんにお話しになったのとは全然違っている。これは、本四連絡橋公団の方から実施申請をした以上、本四公団は自信があったから出したと思う。そしてまたあなた方はそれを認可した。認可するには、いろいろの技術的な小さい問題等々はあったと思うが、しかし大筋においてこれは実施できるという自信があったからいったはずなんです。いまごろになって技術的にはむずかしゅうございます、あるいはまた人家が密集しておるのでむずかしゅうございます。それはその後人家が密集してきたでしょう。それはここでは言いわけにならないですよ。あなた方はあくまでも併用橋で、建設大臣は公団から申請があってこれを許可し命令しているのだ。やらなければならない責任がある。大臣はこれを取り消しましたか。まだ取り消していないでしょう。ただこれは政治的な理由によって、経済的な理由によってストップしておるだけにすぎない。いまだにその命令は生きているのですよ。財政事情などというのは大蔵省に任せておけばいいのです。これに対してなぜ建設省が言う必要がある。われわれは金さえくれたら直ちに橋をかけますというのがあなた方の使命じゃございませんか。あなた方がなぜ財政事情のことをやかましく言うのです。一番問題になるのは、あなた方を許せぬのは、あなた方がいまごろになって技術的な理由によってこれはできませんということは、絶対に技術者の良心として言えるわけはない。それであればあなた方は昭和五十年当時にうそを言っておったということになるのです。その点どうなんです。いまの後の答弁だったら先ほど小野さんに対してはうそをつきましたということになるのですよ。どうなんです。
○渡辺(修)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、いろいろの問題は十分その当時としても自信はあったわけでございます。さらに先ほど申しましたように精度を高めて、十二分にも自信を持って工事をやれるという意味の研究は引き続きやっておる、こういうことでございます。
○井上(普)委員 そうすると、この問題につきましては後ほど私も質問いたしたいと思います。
○小野委員 財政事情が許せば、あるいは条件さえそろえば直ちに三ルート完成のために着工していただくことをいつでも大蔵なり国の方に働きかけていくことをまず希望いたしておきます。 そこで、一ルート四架橋が着工いたしましたけれども、この四架橋の着工した順序といいますか、これはどういう条件がそろっておるために四つの橋がかかったのか、それだけではなくて今後橋が幾つかずつ毎年かかっていくんだろうと思いますけれども、それらはどのような条件がそろっておるところからかけていくつもりなのか、その順序、条件について、もし整っておるとすれば御発表願いたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 一番最初に着工いたしましたのは大三島橋でございまして、五十年十二月に着工いたしております。これは愛媛県の越智三島の一つでございます大三島に設けたものでございまして、この越智三島が一郡を形成しておるわけでございまして、地域の関連もきわめて密接であるというようなことから選択されたものかと存じます。 次に始めましたのが大鳴門橋でございまして、五十一年七月に着工いたしております。これは申すまでもなく徳島県と淡路島、この間の交流も非常に密接なものがございまして、また、非常に潮流が強いというようなことでございます。また、瀬戸内海特有のいろいろ海洋気象等の問題もございまして、ここに橋をかけることが重要である、こういうことかと存ずるわけであります。 次に因島大橋でございまして、五十二年一月に着工いたしております。これは、本土から尾道の沖の向島に対しまして道路公団で尾道大橋をすでに架橋いたしておりまして、これに続きまして因島にいろいろの造船所その他の産業もあり、また、人口も相当数住んでおられるというようなことで、地域開発橋としての必要性が高いという判断であろうかと思います。 なおルートとして完成を図りますものは、御承知のとおり児島−坂出ルートでございまして、五十三年十月に着工をいたしております。 なお、本年の三月、伯方・大島大橋を第四の橋として着工いたしました。これは先ほど申し上げました越智三島の一部でございまして、大島と伯方島を結んでおるわけでございますが、これも先ほどのような意味合いで、地域の一つの非常に密接な関連がある地域でございます。 今後の方針につきましては、ただいまのような状況でございましてまだはっきり申し上げるところまではまいっておりませんが、ただいま申し上げましたような地域の関連の問題、あるいはもろもろの安全を含むいろいろな効果、こういったものを勘案しながら判断することになろうかと思うわけでございます。
○小野委員 もろもろの条件を判断して着工順序を決める、こういうことになります際に心配なのは、政治的な圧力によって、あるいは力の強い、声の大きい人々によって決定されるということが非常に心配なんですけれども、この四架橋、次の五架橋目はどういう基準で決めなければならないと建設省の方では検討し、条件をそろえているのか。もし、すでに五つ目の橋が着工するとすれば、一番早い完成は因島大橋が五十七年か五十八年に完成するわけですから、その次の橋もすでに調査なり検討に入っていなければならないと考えます。したがって、建設省では内部の検討として五つ目の橋をどこにしようとしておるのか、まだ決定しておらないとすればどのような条件を具備したところに着工しようと考えておるのか、御意見を求めます。
○渡辺(修)政府委員 第五の橋につきましてはまだ具体的な検討はいたしておりません。と申しますのも、伯方・大島大橋に去る三月に着工いたしたばかりでございます。したがいまして、まだ全然検討していないわけでございます。今後第五の橋を考えるとすれば、ただいま申し上げましたような地域開発の効果、工事の難易度あるいは橋の架橋に伴うもろもろの経済効果、こういったことを考えて決定することになろうかと存じます。
○小野委員 声の大きいところから着工するなどというようなことのないように、いま局長が答弁したような科学的な分析の上に立って着工することを希望いたしておきます。 一ルート四橋の工事進捗状況をお尋ねしますけれども、確かに大鳴門橋は五十八年ないし五十九年に完成予定、因島大橋は五十七年から五十八年、児島−坂出は六十二年、伯方・大島は五十六年着工でいつできるかわかりませんけれども、これらにいたしましても、財政事情あるいは物価の高騰からして、果たして完成予定どおり完成するのかどうか、あるいは先ほど申し上げましたように技術的な問題があるとすれば、これまたおくれる要素となるだろうと考えますが、この報告されておる完成予定年月に必ず完成できるというような見通しになっておるのかどうか、あるいは現状はそれよりはおくれておる、こういう実態にあるのか、答弁を求めます。
○渡辺(修)政府委員 一ルート四橋のいまの進捗状況でございますが、これは事業費で申し上げますと、全体の事業費に対しまして約三〇%の進捗状況でございます。 個々の橋の完成年度はほぼ先生がただいまおただしがありましたとおりでございまして、児島−坂出ルートにつきましては昭和六十二年度、犬鳴門橋につきましては五十八年度ないし五十九年度、それから因島大橋が一番早いわけでございますが、これは大体昭和五十八年と考えております。伯方・大島大橋につきましては、三月に着工したばかりでございまして、これから準備工等を始める段階でございますので、まだ見通しは立っておりません。そういう状況でございます。
○小野委員 先ほどからルー上あるいは橋の効用について、経済効果あるいは社会の変化に対応することを十分期待しながら行うということになっておりますけれども、具体的に経済効果はどのようなことを期待しておるのか、数字としてまとめてあるとすれば、簡単でいいですから報告を求めます。
○渡辺(修)政府委員 一ルート四橋につきまして、架橋の効果を試算をいたしました結果でございますが、昭和六十五年におきまして計算をいたしておりまして、架橋がある場合とない場合の差を計算をいたしております。 関連地域、これは四国を含めまして近畿、中国でございますが、生産所得の増が、六十五年におきまして、橋があれば約二千八百億円増加するという見込みでございます。その二千八百億円のうち、四国地方につきまして特に効果が顕著でございまして、千六百億円の増という計算になっております。つまり、全体の五七%に相当いたしております。 産業別について見ますと、この千六百億円の四国分のうち、一次産業が十億円、二次産業が千十億円、三次産業が五百八十億円、そういうような内訳になるわけでございます。 なお、就業者数につきましても架橋がある場合はふえるわけでございまして、関連地域、三地域全体で三万八千人の増加、このうち四国地域は一万六千人、全体の四二%を占めるわけでございまして、雇用機会の創出効果があるであろうというふうに思います。 なお、一般的に輸送時間の短縮、それから生活圏の拡大というような副次的な効果があろうかと存じます。
○小野委員 県民の分配所得を見ますと、四国の場合に、昭和四十五年、全国構成比で三・一一、五十二年で三・〇五と減少いたしております。一人当たりの分配所得もまた、四十五年に全国平均の九〇・七%だったのが、五十二年度には八五・一四%に減少いたしております。要するに四国の経済は衰退の一途をたどっておるわけですけれども、この架橋によってもし千六百億円がプラスされるとすれば、県民の分配所得が全国平均に達するのは何年ごろと計算してありますか。
○渡辺(修)政府委員 ただいま先生おただしの問題につきましては、ちょっと手元に計算をいたした資料がございませんので、また後ほどお届けいたしたいと存じますが、千六百億円という四国の分は、一人当たりにいたしますと約四万円、こういうことになるわけでございますので、推定はできようと思いますので、後ほどお届けしたいと存じます。
○小野委員 千六百億円の生産所得の増を期待しておるとして、その中の大きなウエートを占めるのが第二次産業一千十億円、こういう報告になっておりますけれども、四国に第二次産業を開発し振興するとすれば、どのような産業を期待しておるのか、第二次産業を振興させるための四国にある資源というのはどのようなものを求めておるものなのか、もし調べてあればお答え願いたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 四国は非常に海に囲まれておるという特徴がございますし、また、山林資源が豊富であるというようなことから、こういった海浜をうまく利用できるもの、あるいは木材等を中心にした産業というふうに思われますが、ちょっと細かい資料を持ち合わせておりませんので、大ざっぱなことでお許しをいただきたいと存じます。
○小野委員 要するに、橋をかけることによって四国にプラスする面とマイナスする面がありまして、相殺することによってプラスになる、こういうことは当然予想をされるわけですけれども、私は四国は第二次産業を興す背景となるような資源がそれほど豊富な地域だとは考えておりません。したがって、第二次産業を千十億、生産高の全体の六割以上を占めるような分析があるいは生産計画が成り立つかどうかはなはだ疑問に感ずるわけですので、それらに対する十分な配慮、調査を今後検討しておいていただきたいと思います。 そのマイナス部分の中で最大のものは高松市の衰退ではないか。要するに四国の表玄関として、一年に約九百万台の自動車の大部分を運ぶフェリーボートであったわけですけれども、三ルートの完成によって、あるいは一ルート四橋の完成によってもまことに大きな被害を受けるはずです。私は、この被害こそが四国の今回の最大のマイナス要因になるのではないかと考えるのですけれども、それらに対する判断、それらに対する対策についてはどのようにお考えなのか、どのように立てておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 高松市を外れました坂出に一ルートがとりあえず完成をするということでございますから、先生のおただしのような影響が全くないとは言い切れないかと思います。しかしながら、これは当面完成するのは一ルートでございますから、これを利用いたしまして四国四県が交通的に一体として結ばれるようにということを考えますならばその心配も薄らぐものと思いまして、ただいま四国縦貫道あるいは横断道等を初め、高松周辺におきましても国道のバイパス等いろいろ計画をいたしておりまして、一体として機能し得るような、まず道路としての基盤づくりをやっておきたい、それによって何とか、そういうマイナスの影響が仮にあるといたしましても、これを少なくするようにいたしたいと考えております。
○小野委員 新幹線の着工、完成、四国縦貫、横断道路の完成、これらが整備されればされるほどルートの橋の重要度は増しますけれども、高松港を中心として栄えた高松市のホテル業を中心とした第三次産業は、急激に衰退していくことは間違いない事実だろうと思います。私は、都市が衰退するということは大変なことなんですから、この架橋によって起こる高松市の経済的な衰退に対しては十分な配慮をなさなければならない、こう考えるわけです。もし高松市のそれらに対する、特に第三次産業に対する配慮が全然行われないでおるとすれば、早急に建設省は高松市あるいは香川県と相談して対策を立てなければならないと考えますけれども、それらに対するお考えをお聞きいたします。
○渡辺(修)政府委員 香川県におきましても、架橋後の問題についてはいろいろと御検討をなさっておられるわけでございますので、私どもといたしましても、県あるいは関係の市町村と十分協議をいたしまして、お手伝いができることがあればこれを遅滞なくやるという姿勢で進めてまいりたいと存じます。
○小野委員 それでは、架橋によって四国の交通量はどのような変化を来すのか、どのような調査が行われておるのか、あるいはルートの完成によって何台ぐらいの自動車が走る計算になっておるのか、交通量の調査がしてあるとすればその報告を求めます。
○渡辺(修)政府委員 本四架橋に伴う交通条件の変化といたしましては、いわゆる風であるとか霧であるとか波浪とかの海洋気象条件に制約を受ける乙となく車が通れるということになりますので、常時円滑な輸送が期待されるということから、非常に交通量としてはふえてまいると思っております。 一例として申し上げますと、時間短縮の効果でございますが、児島−坂出ルートを代表いたしましてたとえば岡山の倉敷市から坂出市、この両市役所間を結ぶといたしますと、現在では道路とフェリーを使いまして二時間十分を要するわけでございますが、これが橋を通りますと約四十分で行けるということになるわけでございます。こういったことから、輸送量につきましては、昭和五十年度に対しまして六十五年度は、旅客、貨物ともほぼ二・三倍に増加するであろうというふうに考えております。 一日当たりの交通量でございますが、児島−坂出ルートで申し上げますと、六十五年度で一日当たり三万四千八百台、この程度を想定をいたしております。
○小野委員 次に、道路料金はプール制であると聞いておりますけれども、各橋ごとの料金はどのような基準で決めようとしておるのか、報告を求めます。
○渡辺(修)政府委員 料金につきましては二つの考え方がございます。第一は償還主義でございまして、かかりました建設費、それから維持管理費、それの利息、こういったものを償うことのできる料金であるという点が第一点。もう一つは便益主義でございまして、すなわち、この橋を通行することにより通行者の方々が通常受ける便益の範囲内である、こういうことから考えるわけでございます。 最初に申し上げました償還主義の方でございますが、これにつきましては、本州四国連絡橋の道路の役割り、それから計画の一体性、各いろいろなところを通られる利用者の負担の公平の問題、それから公団の経営の問題というようなことから、道路審議会の五十三年十一月の答申をいただきましてプール制を採用することにいたしているわけでございます。 そこで、それぞれの橋ごとの料金でございますが、いますでに大三島橋が供用しているわけでございます。大三島橋につきましては、すでにございましたフェリーの料金等を勘案いたしまして便益の範囲内で決定をするということで、ただいま普通乗用車につきまして七百円の料金ということにいたしておるわけでございます。他の区間につきましてもこういった償還主義、便益主義、それぞれを勘案いたしまして供用の開始時点に決めるということにいたしております。と申しますのも、その間のいろいろな物価の値上がりとか社会情勢の変化等もございますので、開放する時点に比較的近い時点で決定をする、こういうことにしておるわけでございます。
○小野委員 要するに三十年後に橋の償還が終わる、そして料金が無料になる、こういう計画なんですけれども、その三十年間に償却できるような料金制度にするという原則なんですか。
○渡辺(修)政府委員 一ルート四橋全体をプールいたしまして、それで三十年以内に償還をするということが償還主義でございます。これを堅持しつつ、かつ個々の橋につきましては便益の限度を考慮しながら料金を定めてまいりたいと思います。
○小野委員 要するに三十年で償還できるという料金を決めないで、他の要素が入るとすれば採算が合わないマイナスの部分が当然出てくるわけですけれども、そうなりますと三十年で償還できなくなるということにはなりませんか。その心配はありませんか。
○渡辺(修)政府委員 全体の工事費の、各年度に幾ら、次の年度に幾らとこう投資額がございますが、この投資重心を求めまして、それから三十年ということでございますので、大三島が五十四年度に開通をいたしましたが、これから三十年ということではございません。したがいまして、その辺はいろいろ計算しておりますが、もちろん採算に合わないというおそれがあることも全く考えられないわけではございません。たとえば資金コストがどう変わっていくかとかいろいろ不確定な要素もございますので、私どもは、三十年で何とか償還ができるように、もしその危険性があればそれに応ずる手当てをするということを考えたいというふうに思っております。
○小野委員 その手当てをするというのは具体的にどういうことを考えているのですか。
○渡辺(修)政府委員 いろいろの問題があるわけでございますけれども、一つの例として申し上げますならば、六%程度の資金コストを守っていくというのが一つの条件。ただし、金利の変動によりましては当該年度で借り入れます金利が高いという場合もございます。そういった場合のことをちょっと頭に思い浮かべまして六%程度を守っていくならば大丈夫である、そのための施策はもちろん講じてまいる必要がある、こういうことでございます。
○小野委員 最初の料金を、あるいは期間を延長したり高くしなくて済むような配慮を今後十分検討していただきたいことをお願いしておきます。 そこで、一口に三万四千八百台の車が通るとする、あるいは一年に九百万台の車が四国に往復しておったものが二・三倍になるとすれば、四国の道路は現状でいるとすればかなり混乱、渋滞を来すことは目に見えておるわけです。そこで、四国の縦貫道あるいは横断道の計画についていま建設省はどのような状況と判断しておるのか。少なくとも一ルートが完成する六十二年度までには四国内の道路が渋滞しないように対応できるような準備があるのかどうか、お尋ねいたします。
○渡辺(修)政府委員 四国の高速自動車国道といたしましては、徳島から大洲に至ります四国縦貫自動車道、それから高松から須崎に至ります四国横断自動車道の二本が計画され、また一部では工事に入っているわけでございます。このうち四国縦貫自動車道の徳島−大洲間につきましては全線すでに基本計画を策定済みでございまして、そのうち徳島と脇町の間四十キロメートル、それから川之江市−西条市間三十六キロメートルの整備計画を決定いたしております。このうち一部ですでに工事に入っておるわけでございまして、また、基本計画として残っております区間が脇町と川之江の間、それから西条と大洲の間がまだ残っておりますので、四国地方建設局におきまして整備計画決定のための諸調査をやっておるわけでございます。これを早期にまとめまして次の整備計画を考えてまいりたいと思うわけでございます。 横断自動車道の高松と須崎の間でございますが、全線百四十六キロメートルにつきまして基本計画を決めております。また、善通寺と南国の間八十七キロメートルにつきまして整備計画が決定しております。善通寺−川之江間と大豊−南国間につきましてはすでに路線発表を終えまして用地買収等に入っておるわけでございまして、大豊−南国間につきましてはすでに一部工事にも着手をいたしました。また、残っております区間につきましては、縦貫道と同じように地方建設局で次の段階の整備計画のための調査を行っておるところでございます。 児島−坂出ルートが六十二年に完成をいたしました場合に、ただいま申し上げました四国縦貫道、横断道が全部完成するところまでは残念ながら進まない見通してございますが、主要な区間につきましてはこれを使えるようにする、また、あわせて国道のパイパス等を利用いたしまして交通の処理に遺憾なきを期したい、非常に大きな渋滞が起こるとかそういうことのないように細かな配慮をもって処置をいたしたいと考えております。
○小野委員 要するに横断道あるいは縦貫道が、六十二年度までに坂出ルートが完成する時点で何%ぐらい供用開始していける予定になりますか。
○渡辺(修)政府委員 縦貫自動車道につきましては、いま工事をやっております川之江と土居の間につきましてはもうすでに設計協議、用地買収、工事をやっておりますので、この区間につきましては間に合うというふうに考えておりますが、この間は十三・九キロでございますので、全体にいたしますとまだ一〇%に満たないという状況でございます。しかしながら、今後なお一層努力いたしましてこのパーセンテージを上げてまいりたいと思うわけでございます。 横断自動車道につきましては、先ほど申し上げました大豊−南国はすでにトンネルの工事にも入っております。全体といたしまして供用開始される時点におきましては四〇%程度の進捗状況に持っていきたいというふうに考えております。
○小野委員 要するに四国を走る横断道路、縦貫道路は十文字に交差するだけであって、これが観光客を含めまして、坂出ルートを渡った人々がこの高速道路だけを通って四国を回るというような実態にはならない計画であります。しかも片方は十数%、片方は四十数%、よくても五〇%前後だとすれば、六十五年度に九百万台の自動車が二・三倍になるとすれば、四国の国道を中心とした道路網は大きな混乱を来すことは目に見えておるわけですけれども、大臣、これらに対する整備進捗促進方をどのように考えますか、所見を伺います。
○斉藤国務大臣 局長から具体的な問題でお答えいたしましたけれども、当然三ルート計画が出た時点で四国の道路網については、具体的な計画云々は別として、考えていくべきものであるわけであります。したがいまして、一ルート三橋、四橋ということで決定を進めていく段階で、四国内における道路網の整備については、やはりあわせて積極的な配慮と実施計画を進めていかなければならない問題ではなかろうかと思います。 若干、いま局長からお答えのようにルートの完成とのずれはあるようでございますけれども、こうした財政事情の折でございますので、あわせてすべて何でも満足にというわけにはいかないかもしれませんけれども、とにもかくにもせっかくできる本四架橋に伴う関連事業でありますだけに、よく関係省庁とも話し合って財源措置をし、せっかくできた橋によってかえって地元の方々に御迷惑をかけないように、道路行政につきましても前向きで対処する所存でございます。
○小野委員 児島−坂出ルート全通に伴う四国の道路混雑は目に余るものがあるだろう、こう予想されますので、それを全力を挙げて排除していただきたいと同時に、本州側の道路についてはいかがです。山陽自動車道路、二号バイパス、それから四国横断道、十一号バイパス、これらについての御意見を伺います。
○渡辺(修)政府委員 岡山県側でございますが、これはすでに岡山と倉敷間に岡山バイパスという国道二号線のバイパスが、暫定二車線または四車線で開通をいたしております。これの早島という地点におきましてこの本州四国連絡橋の道路がつながるわけでございます。この開通時点までにこの岡山バイパスの暫定的な断面を正規の断面に拡幅する、あるいは山陽自動車道との連絡を完成いたしたいと思っております。 ただ、山陽自動車道につきましては、この岡山バイパス——部分的には将来計画六車線でございます。これがございまして、現在鋭意やってはおりますが、用地の問題等がございまして、山陽自動車道の岡山−倉敷間はちょっと架橋には間に合わないかもしれませんけれども、十分岡山バイパスによって分散効果を発揮することができるというふうに考えております。
○小野委員 余りこれも期待できるような進捗状況にないようでありますので、一層の御配慮を望んでおきます。 児島−坂出ルート、鉄道の開通に伴う鉄道交通網について、四国あるいは本州側の整備計画はいかがです。
○深田説明員 お答えいたします。 本四備讃線の完成は現在のところ、先ほど来お話がありますように昭和六十二年度と考えられております。その時点での輸送需要の動向、地域の開発状況というふうなものを勘案しまして四国島内の輸送計画を立てることが必要であろうと考えております。 それにつきまして鉄道の整備計画でございますが、そういう全体輸送計画を定めましたもとに、国鉄の当面の財政状況等もございますので、そういうものを勘案しつつ、まだ若干の時間もございますので、今後慎重に検討してまいりたいと考えております。
○小野委員 児島−坂出ルートの鉄道で倉敷市南部、要するに木見以北の基本計画が未指定になっておりますけれども、今後これをどうするおつもりなのか。六十二年度の完成までに間に合うように処理できますか。
○深田説明員 先生御指摘のとおり、四国側は現在の予讃線の宇多津駅に取りつく基本計画及びそれに基づきます工事実施計画が定められておりますが、本州側は倉敷市南部、いわゆる木見地区におきましてとまっております。したがいまして、これは基本計画の変更でございますので、鉄道建設審議会に大臣から諮問いたしまして、答申を得た後に対処したいと考えておりまして、審議会を近く開催をしていただくべく現在検討しておる段階でございます。
○小野委員 これも進捗状況余りよくありませんので、六十二年度までに間に合うように全力を傾注していただきたいと思います。 それから児島−坂出ルートは当面在来線、将来は新幹線という計画をされておりますけれども、この構想については、進捗状況あるいはその見通しはいかがです。
○深田説明員 ただいま先生御指摘のとおり、本四架橋におきましては鉄道在来線と新幹線と併設し得るように設計なされております。それで当面は在来線での接続を考えておりまして、四国のここに入りますルートはいわゆる基本計画は定められておりまして、整備計画はまたいわゆる基本計画十二線の中に入っております一つでございますので、当面はその検討は直ちに進むことはないであろうと考えております。
○小野委員 最後に、航路の再編成問題についてお伺いいたします。 ルートが完成する以前に再編成が終了して、業者が心配のないように転換されなければならないことは言うまでもありませんけれども、編成基本方針はいつごろまでにこれをつくり、これを発表しようとしておるのか、第一点。実施計画の作成はいつごろ行われるのか、その見通し。三つ目は、実施計画の作成に際して行政上の調整を事前に行うことが必要であると思いますけれども、それらを行う意思があるかどうか、この三点をお伺いいたします。
○永井(浩)政府委員 再編成の基本方針につきましては、私どもの行政の基本的な考え方をあらわすものでもございますし、また、関係事業者の今後のあり方の指針ともなるものと考えております。したがいまして、法施行後なるべく早くこれを策定いたしたい、このように考えております。ただ、関係省庁との調整あるいは法案にございますように海運造船合理化審議会の意見を聞く、こういうことになっておりますので、事務的に現在考えておりますのは、法施行後数カ月の時間をいただきたい、このように考えております。 それから第二点の実施計画でございますが、これはやはりある程度架橋の間近にならないとその影響等がなかなか精度が高まりません。そういった意味で、御審議中の法案にもございますように、供用開始前六カ月から供用後二年までの間にこの実施計画を策定いたしまして承認の申請を出してもらう、こういうことでございまして、承認の申請が出てまいりますれば基本方針に照らしまして十分審議して、適正なものであればこれを認めたい、このように考えております。
○小野委員 数カ月ということですが、ちょっとくどいようですけれども、二カ月以上半年以内、こう考えてよろしゅうございますか。
○永井(浩)政府委員 事務的にはそのように考えております。
○稲村委員長 井上普方君。
○井上(普)委員 このたび初めてのケースだろうと思うのでございますけれども、ともかく補償に対する特別な処置を講ずるということでこの法案が出てきたわけでございますが、船舶業者あるいは船舶の乗組員に対しましてはある程度私どもも納得できるのでございます。しかしながら、この橋が完成することによって幾多の犠牲者が出ることは必至であります。したがいまして、その観点に立ちまして、二、三の点につきまして質問をいたしたいと存じます。 まず第一番に、昭和五十三年の十月六日に建設省と申しますよりは政府が、このルート着工に際しまして協定書を関係業界の方々と結んでおるのでございますが、この点につきまして大臣に、この協定が誠意を持って行われるかどうか、お伺いいたしておきたいと存ずるのです。いかがでございます。
○斉藤国務大臣 誠意を持って行う所存でございます。
○井上(普)委員 そこで、誠意を持って行うということにお話を承ったのでございますが、この協定の第一項に「本州四国連絡橋が港湾運送に及ぼす影響については、個々の港湾について現在のところ明らかでないので、個々の港湾に及ぼす影響について、今後、継続して調査を行うものとする。調査の結果、港湾労働者に対する本州四国連絡橋による影響が明らかに予測される場合には、国は港湾労働者としての雇用確保等について、必要な措置を講ずるものとする。」こういうことになっております。でございますので、第一番に、調査を継続されておると思うのでございますが、いかなる調査結果が出てきておるのか。第二点、影響があるということはもうすでに政府も認めておるところだろうと思いますが、その場合にどういうような処置をする所存であるのか。この二点についてお伺いいたしたい。
○渡辺(修)政府委員 先生御案内のとおり、港湾労働問題の調査につきましては、雇用対策中央協議会を設定いたしまして、その下に港湾労働調査委員会を設けまして調査を継続してまいったわけでございます。港湾労働調査委員会におきましては、四種類の調査をいままでに実施をいたしております。 第一が、現地調査でございまして、港湾労働調査委員会の委員の方々が現地に赴かれまして、関係者といろいろ意見交換を行ったものでございます。 二番目が政府調査でございまして、これは本州四国連絡橋公団において実施をいたしておりますが、いわゆる経済モデルを用いまして、港湾労働に従事しておる労働者の影響の度合いを経済計算によって求めているものでございます。 三番目が労使調査でございまして、労使で影響をまとめられたもの。 四番目が地方調査でございまして、各地方公共団体の御協力を得まして事業者等に対するアンケート調査を行ったものでございます。 その結果でございますが、まだその調査の内容におきましてはいろいろ差異もございます。経済計算によります政府調査でございますと、これは経済モデルを使いますので、どうしても全体の影響がまとまったものとして出てくるというような結果が出てまいりますので、全体の影響はやや低目に出ております。 それから労使調査、地方調査等におきましては、それぞれのアンケート調査等でございますので、どうしても非常に心配だというようなお考えが強く出てまいるわけでございまして、影響の度合いが少し大き目に出てくる、こういうようなことになっておるわけでございます。 そんなことで、先日この港湾労働調査委員会の方の中間報告がまとまったわけでございますが、これによりますと、「港湾ごとの個々の港運事業者の事業の実態によっては港湾労働に明らかな影響があると予測することができる。」こういう結論でございました。これを受けまして、上部機関でございます雇用対策中央協議会の第二回協議会を先日開催をいたしまして、この結果を踏まえ、対策等につきまして幹事レベルで詰めていこうということを決定をいたした次第でございます。
○井上(普)委員 まだ調査中であるというお話でございますが、なおこの点につきましてはよく調査をしていただきたい。このことをお願いいたしておきたいのです。 それから第二点といたしまして、対策については幹事レベルで煮詰めるんだ、こうおっしゃいますけれども、この第一項に「国は港湾労働者としての雇用確保等について、必要な措置を講ずるものとする。」こういうことが約束されておるわけです。具体的にどういうことが予測されますか、お伺いしたいのです。
○渡辺(修)政府委員 港湾労働の問題につきましては、先生おただしのとおり、雇用確保というのが最大の眼目として話題になっているわけでございます。 先ほど港湾労働調査委員会の中間報告にございましたように、個々の事業の実態によっては、と申しますのは、たとえば四国と本州の間の特定的な貨物を扱っておられるような場合、これはトラックに転換する可能性も多いと思いますので影響が出るであろう、こういうことでございます。しかしながら、港湾労働問題につきましては本州−四国間だけではございませんで、全国に対する貨物の動きもあるわけでございまして、その辺の全体の把握との絡みで影響の度合いがどのようになるかということでございますので、なお調査として足りない点等につきましては、御指摘のように、十分納得のいく数字をつかんでまいりたいと思っておるわけでございます。
○井上(普)委員 いや、つかんでいきたいというのは当然のことですけれども、私の聞いておるのは、調査の内容についで、ここには「国は港湾労働者としての雇用確保等について、必要な措置を講ずるものとする。」こうあるのですね。「港湾労働者としての雇用確保等について、必要な措置」、予測できるものは一体どういうものがあるか、こういうことを聞いているのです。
○渡辺(修)政府委員 この協定書を五十三年十月六日にまとめた際には、建設省のほかに関係各省ももちろん入っておられます。それから本州四国連絡橋公団も入っておるわけでございます。そういう意味合いで、各省それぞれの所管におきましての対策を考えてまいるということになろうかと存じます。
○井上(普)委員 しかし、各省がともかくこれを協定しておるのだから各省で考えてもらうのが本当だなどということになりますけれども、予測という言葉を使っているのですよ。具体的にどういうことが予測せられる必要な措置であろうか、このことをお伺いしているのです。あなたの方が約束しているのですよ。「国は港湾労働者としての雇用確保等について、必要な措置を講ずるものとする。」こう書いてある。だから、まだ具体的には考えられないと思いますけれども、予測としては考えられる処置があるのじゃございませんか。そうでなければこんな約束をするはずはない。どうなんです。
○渡辺(修)政府委員 処置といたしましては、同一港湾内においての吸収と申しますか、問題もあろうと思いますし、あるいは雇用確保でございますから、他の職種への転換ということも考えられる場合もあろうかと存じます。したがいまして、個々の実態に照らしまして幹事会の場で、このケースは何がいいか、この港についてはどういうことが考えられるか、細かく詰めていく必要があろうかと思うわけでございます。そういう意味でもちろん各省の御協力も賜りながらやってまいりたいと思うわけでございます。
○井上(普)委員 しかし、各省の中心になるのは建設でしょう。そうでなければ建設委員会にこの法案がかかるわけがない。まあ答弁されるのだから、中心になってこの協定を実行するのはあなたでしょうな。道路局長が中心になってやるのでしょうな。と私は思っているんだ。違いますか。恐らくそうだろうと思う。そうするならば、この具体的な処置が一体どういうようなことが予測されるだろうかということは考えなければならぬのじゃございませんか。あなたのいまのお話では、同一港湾で働く人もおるだろうし、あるいは他の職種に転業する人もおるだろうと言って、こんなまことに漠然たるものでこんな協定を結んだのですか。これは問題になりますよ。だから、いまわれわれが審議する途中において、一体これはどういう意味合いなんだろうか、具体的にはどういうような処置が考えられるのだろうかと、私は予測という言葉を使っているのです。ここであなた方に確約させようという気持ちはさらさらない。だから、どういうようなことが具体的に行われるだろうかということをお伺いしているのです。
○渡辺(修)政府委員 先ほど申し上げましたように、まだ調査が中間報告の段階でございまして、先ほど申し上げました四つの調査もその結果が必ずしも整合性のとれたものとなっていないという段階でございます。したがって、今後詰めていきます場合に、補足調査も場合によっては必要でございましょう。それとあわせてどういう処置をとるかということを詰めていくわけでございますので、まだ具体的にはっきり申し上げられる段階にはなっていないわけでございます。
○井上(普)委員 百歩譲ってそういたしましょう。そうしますと、その調査はいつまでにするのですか。
○渡辺(修)政府委員 必要があれば補足的な調査と申し上げましたが、これらを含めまして、先生のおただしで処置というお言葉がございましたが、ここ一年以内程度を目途にまとめてまいりたいというふうに考えております。
○井上(普)委員 一年以内を目途にとおっしゃいますが、組合との約束のときには本年中にという約束をしておりませんか。本年度中にいたしますというお約束をいたしておりませんか。
○渡辺(修)政府委員 本年中にというお約束はいたしていないようでございます。なお、調査も五十四年以来鋭意続けてきたわけでございますが、なかなかむずかしい問題がありまして、まだ中間報告ということでございます。しかしながら、これは先生おただしのように時間的な余裕が無限にあるものではございませんので、何とかここ一年以内を目途に最終段階まで到達をいたしたいというふうに考えております。
○井上(普)委員 ここ一年以内とおっしゃいますが、三月六日に組合との間に交渉を持たれた際に、影響があるという結論を出されましたね。港湾労働者に対して影響がある。その影響があるとおっしゃられたときに、それじゃ調査はいつまでするのだと言ったら、一年以内とおっしゃっているのです。すなわち昭和五十六年度以内には結論を出します、調査を完了させますと、そしてまた対策も講じます、こうおっしゃっているのじゃないですか。
○渡辺(修)政府委員 一年以内と申し上げましたのは、先生のおただしのとおりでございます。そういう意味で申し上げました。
○井上(普)委員 そうすると、五十六年度中にはその調査も終わり、対策も終わる、対策の具体的な方法も終わるということですね。
○渡辺(修)政府委員 五十六年度以内に終わることを目途としてやるということを申し上げたわけでございます。
○井上(普)委員 お互いにはっきりさせましょうや。目途というようなことでいつも話は、どうも、先ほど来の話をずっと承りましても、あなた技術屋さんでしょう。大体きっちりきっちり話を進めていくのが技術屋さんの特質なんですが、目途とか何とかかんとか言ってずるずる引っ張ってくるというような傾向があるんです。だから港湾労働者としても非常に不安に感じざるを得ない。ですから、もう五十六年度中にはいたしますということははっきり言ったらどうなんです。目途にと言ったって、目標はそこにあるんだなんということだったら、とにかく私は建設省に対してちょっと不信感をこのごろ持たざるを得ぬようなことになっている。どうなんです、そこらあたりは。はっきり五十六年度以内に調査も完了するし対策も講じます、方針を立てますということぐらいは言えるんじゃありませんか。
○渡辺(修)政府委員 雇用対策中央協議会は建設省が中心になって運営をいたしておりますので、その意味合いにおきまして、先生の御指摘のように私どもは最大限の努力をいたしたいと存じますが、これはまだ調査の補足がどうなるのか若干予測しがたい面がございますので、その意味で目途と申し上げたわけでございますが、先生のおただしのような趣旨で私ども最大限の努力をいたしたいと存じます。
○井上(普)委員 これ以上詰められぬでしょう。しかし、五十六年度以内にはきっちりしたものをつくることを私どもは強く要求いたしておきます。これはあなた方は約束しているんですからね。 第二点につきましては、この調査結果によっては必要な法的措置も講じなければならないことも起こり得ると思うのです。この点につきましては、関係者の間で協議が調い次第法的措置も含めて所要の措置を国会に提出するということはお約束できますか。
○渡辺(修)政府委員 第二回雇用対策協議会におきまして法的措置を含め対策について検討するということを決定をいたしておりますので、そのような必要があればもちろん国会に対しましてまた法案を提出するということも、結果によりましては当然のことながらあるわけでございます。
○井上(普)委員 なかなかむずかしい問題がある。したがって、このたびのフェリーボートの業者及び労働者に対しましてもこういうような特別の立法をしておるのです。このような立場からいたしますならば、港湾労働者に対しましても当然必要になってくるということが予測されるのじゃございませんか。でありますからあなた方は中央協議会におきましてこういう一項目を入れておるのじゃありませんか。必要がある、必要がないにこしたことはございませんけれども、必要があるのじゃございませんか。当然フェリーボートに働いておる方々と同列に扱うとするならば、法的措置が必要になってくると私どもには予測されるのですが、それらの予測もまだつきませんか。
○渡辺(修)政府委員 今回提案いたしております法律は、旅客船従業者に対しましては、むしろ雇用確保よりはいわゆる転業、あるいは別の方面に行かれる方の御援助というねらいが強いわけでございます。港湾労働の場合は雇用の促進ということでございます。したがいまして、雇用の促進といいますものは、あるいは通常のもろもろの法制度の中でできるものも多いのではないか。若干その辺が趣を異にするのではないかという点は感ずるわけでございます。そこで、法的措置を含め検討するということにいたしておりまして、もう少し時間をいただきましてその辺をまとめさせていただこうということでございます。
○井上(普)委員 だから私は、道路局長、先ほど来聞いているのですよ。港湾労働者の雇用の促進のためにもろもろの方法があるとおっしゃる。そのもろもろの方法とはどんなのだと聞いているのですよ、一番先に聞いたのは。それにつきましてはむにゃむにゃおっしゃる。だから私は先ほど来聞いているのです。ところが、それにつきましては確たる返事はない。もういいだろうと思って質問をよそへいたしますと、もとへ返ってきてもろもろの方法があるなんておっしゃられると、このことを具体的に聞かざるを得ぬじゃありませんか。どうなんです。もろもろの方法は、具体的に法的措置を講じなくてもできるのですかと聞いているのです。どうなんです。
○渡辺(修)政府委員 先日、五十六年三月五日に雇用対策中央協議会を開催いたしましたときに、労働側からいろいろの御要求を受けておりますが、つまりそれはただいま先生が御指摘になりました雇用の保障という問題でございます。したがいまして、たとえば港湾運送事業者に対しても指導育成等が必要であるとか、あるいは働く場を確保するために港湾運送事業の新規の免許等をしないでほしいとか、あるいは直荷役を行わせないようにしてほしい、そういう御要望がございます。したがいまして、その措置といたしましてはいろいろなことが考えられるわけでございまして、中には行政措置でできるものもあるであろう、それからいろいろ問題を詰めてまいりますと法的措置でなければいかぬというものもあるいはあるかということでありまして、もろもろの御要求に対しまして、これを一つずつ分析をいたしまして詰めてまいるということをお約束申し上げたいと思うわけでございます。
○井上(普)委員 もろもろのものを具体的に詰めていく。詰めていって行政措置でできるなら行政措置で結構です。しかし、それで解決できないというときには法的措置も、この法律と同じような措置を講じることはあり得ますな。どうなんですか。この法律と同じようにと申したらちょっと語弊がありますな。雇用促進のため、あるいは雇用確保のために法的措置が必要であるならば、あなた方は法律をつくって国会に提出すること、このことはお考えになっておられますな。この場で約束できますか。
○渡辺(修)政府委員 そのように考えております。
○井上(普)委員 それでは続いての問題を申しますと、この地方協議会、まあ調査につきまして、現地調査と公団の方でやっているのと労使調査と地方公共団体の調査とあります。四つでやっておるというお話でございますが、これは地方公共団体の方でも、地方公共団体によって熱心であるとか不熱心なところができてきているのじゃございませんか。どうなんです。この点は各県あるいは各市町村同列にやっていますか。
○渡辺(修)政府委員 先生御指摘のように、その取り組み方に若干差があったことは事実でございます。そこで私ども、これではいかぬというふうに考えまして、ちょっと時期をはっきり覚えておりませんが、二月であったかと思いますが、関係県にお集まりをいただきまして、いわば先進的にやっておられる県の実情の御紹介等を兼ね、これらの対策につきまして前向きに取り組んでいただくようにお願いをしたところでございます。
○井上(普)委員 そこで、地方協議会に国鉄が入っておらぬというようなケースがあるのです。これは香川県の地方協議会に国鉄代表が、オブザーバーなら参加するけれどもそれには参加できないなどという生意気なことを言っているらしいのだが、どうしてそういうことを言うのです。国鉄あるいは運輸省でもいいです。この係はだれです。 〔委員長退席、村岡委員長代理着席〕
○黒野説明員 お答えいたします。 国鉄問題につきましては、他の業種と若干事情を異にしていると申しましょうか、経営再建問題等いろいろ関係がございます。それから構内営業等につきましても、よって来るゆえんといいましょうか、問題の原因と結果というところが比較的単純と申しますと語弊がありますが、宇高連絡船の扱いによりましてどうなるかということが比較的想定しやすい業種でございまして、私ども第一次的にはまず国鉄で宇高連絡船のあり方も含めまして検討するということでしばらくやらせておりますが、その協定書にもございますとおり、将来問題が出ますればさらに積極的な指導をし、いま先生の御指摘のように、協議会の場において、また関係の方々の協力も得ながら、より広くお知恵を拝借して対策を講ずるということも必要ではないか、かように考えております。
○井上(普)委員 あなたは説明員だが責任を持って答弁できるな。どうなんです。そこらのところをはっきりさせておいて私は答弁を求めるのです。 いまあなたの答弁を聞いておると、経営再建の問題等々がこれあり、こう言う。この地方協議会と経営再建とは何の関係があるのです。そしてまた民間会社にしましても、会社によっては赤字で困っておるところもたくさんある。そういう見方からいたしますならば、何ら国鉄には特殊事情はないはずだ。国鉄の宇高連絡船というものは、その便数、回数を減らすかあるいは廃止になるかというような問題が当然起こってくる。そうすると、そこに働いておる国鉄の労働者並びに国鉄の内部において、たとえて言えば弁当会社のような会社が一体どうなるかということ、あるいはそこに働いておる中小企業の方々はどういうふうになるかというので雇用不安を感じておる。であるから、地方協議会という公の機関をいま国鉄も加わってつくっているのでしょう。それに参加しない理由は全然ない。国鉄は親方日の丸なんだというような考え方からこれに参加していないのじゃないですか。ここらあたり説明員でも答弁できるか。どうぞひとつ答弁してもらいたい。どういうような問題があるのだ。国鉄の問題はこの問題については単純だと言う。単純なだけに働いておる労働者は非常に不安を感じておる。ところが、これに対して国鉄の方は、これに参加する必要はなしといっていままで拒否し続けておるのかどうか知らぬが、現在はまだ参加していない。どういうわけなんです。これはあなたの言うような、国鉄再建というような問題がありますからということでは逃げられぬ問題ですよ。あなたの答弁は全然なっていない。
○黒野説明員 いま先生の御指摘の問題で、二つに大きく分かれようかと思います。一つは国鉄の労働者をどうするかという問題、それから二つ目は国鉄の宇高連絡船の扱いによりまして、宇高連絡船によって職を得ている労働者の方々をどうするかという問題、この二つがあろうかと思います。 特に前者の問題につきましては、まず国鉄の労使双方でお考えいただくのが第一次的な処理ではないかというふうに考えておりまして、その辺が先ほどの私の答弁で、至りませんでしたが国鉄の再建問題とも関係がある、かように申し上げたわけでございます。 それから二番目の問題につきましては、そもそも宇高連絡船をどうするかということが現実におきましてはまだ最終的に決まっておりません。それに応じまして構内営業者をどうするかということでございまして、私どもその協定書にもありますように、できるだけ本四備讃線等の構内営業に注視するように国鉄をすでに指導しておりまして、その枠内で解決されればそれが一番いい方法ではないかと考えております。それでは不十分であるということになりますれば、協議会の場においてさらに広く皆さんのお知恵もお借りして、よりいい対策を考える、かような措置が考えられるのではないかと考えております。
○井上(普)委員 これが国鉄が地方協議会に参加しない理由にはならないと私は思う。顧みて他を言うという言葉があるが、全くそのとおりなんだ。なぜ参加しないのか。宇高連絡船はこの橋ができたならば、廃止するかどうかは別にいたしましても、便数を減らさなければならない。そうでなかったら国鉄は二つのルートがあって、片一方は鉄道で橋の上を走っているのだ、片一方は船で、まだ国鉄が動かしている。だれが船に乗る人がおりますか。あるとしましてもこれはうんと減らさなければいかぬ。そうすると、そこに働いておる労働者というのは数が減ってくるのはあたりまえの話。再建問題とどこに関係があるか。ここらあたりを考えてもらわなければいかぬ。そこにいま働いておる労働者は一体どうなるかという不安を感じておる。船内においての弁当屋というのは、中止の方向に進みつつあるなんといって、早くから首を切ることを考えておる。この橋ができることによって、ともかく労働者の失業というものは極力減らさなければいかぬというのが政府の考え方なんでしょう。だからこういう協議会までつくっているんだ。その地方協議会に国鉄は参加しない。私はまことに不届きだと思う。 これは建設大臣、あなたはこの法律の主管大臣として来られておるのですね。私は、これは運輸大臣が主管大臣になるのだと思っておったんだ。ところがあなただけしか出てこない。運輸大臣は全然顔を出さない。不届きだと思っておるのだけれども、あなたもやはり国務大臣の一人なんだ。建設省、運輸省、労働省というのが参加してこういうような協定をつくっているんだ。だからあなたは国務大臣として、こういうようにいま宇高連絡船をどうするかという大きい問題がある。ところが、先ほど来道路局長が言っておるように、これの調査をするために四つの調査機関をつくっておる。その四つの調査機関の中に、地方公共団体を中心とする地方協議会というのをつくって調査しておるのです。それに国鉄が出てきていない。言えばいままでのようなともかくわけのわからぬ答弁をしておる。親方日の丸だ、わしは国が後ろについているんだというような考え方からこういうようなことになってきておるのだろうと思うんだ。あなたはいまこれの主管大臣として許せますか。あなたは国鉄をこれに参加さすような努力をしなければいかぬと思うのですが、どうですか。
○斉藤国務大臣 その点の経過につきまして、私も詳しく存じておりませんので、運輸大臣とよく相談して対処したいと思います。
○井上(普)委員 ともかく国鉄というのはいばっていますからな。こんな地方協議会に出とうないというような態度を示しておるらしいのだけれども、香川県の地方協議会というのができておるのです。これに参加さすように強く運輸大臣に要求すること、そして実現させるようにお願いいたしたいと思います。 それから、いろいろと他の問題についてございます。たちまちの問題として一つだけ申しておきましょう。 下津井鉄道というのがありますが、本四連絡橋ができて列車が走るようになったら下津井鉄道と並行して走ることになる、これについての処置は考えておるのですか、どうなんですか。
○黒野説明員 下津井鉄道につきましては、現在の国鉄の本四備讃線の駅の位置をどこにするかによって影響があるいはあるかもしれませんが、私どもいま考えておりますルートでは、直接下津井電鉄に影響はきわめて軽微ではないかというふうに考えております。と申しますのは、現在の本四備讃線で設置する駅とあるいはルートと、下津井電鉄のルート、駅とは必ずしも競合していないというのがわれわれのいまのところの調査でございますが、なおこれから十分調べてみたいと思っております。
○井上(普)委員 競合しないと言う。どこを押したら競合しないということが言えるのですか。鉄道は同じように並んで走っているんですよ。駅が違ったら構わぬなんというような、こういうような考え方で下津井鉄道というのを見ておる、これは、公団監理官というのかどなたか知らぬが、地図を知っておって言うのか。こういうことを後でまた調査してみたいなんと言う。大体国鉄が並行して走る場合には、田舎の場合には大体−東京と違いますよ。お江戸と違いますよ。それを影響がないだろうなんと言う、微々たるものだろうと言う神経を私は疑う。これほどまでまだ本四連絡橋による被害といいますか、影響というものについてお考えになっておらぬ国鉄の、あるいは運輸省の神経を疑っているのだ。地元では一緒に走らせたらあの会社はつぶれてしまうというのがもう常識になっている。岡山のあの付近で聞いてごらんなさい。どなたもそう言っている。買収するものだと思っておったら買収もせずに、ほとんど影響もないだろうと言う。こんなことを岡山県選出の国会議員に聞かせたらえらい怒るだろうと思いますよ。こんな神経でおるのですか。私は下津井鉄道とは何ら関係はない。ただ、乗ったことがありますが、こういうような神経で補償問題にかかられてはとてもたまったものじゃない。 大臣どうです。あなたもいまここで地図を広げてごらんなさい。これで影響があるかないか、あなたも民間の経済人として活躍せられた経験がある、どうも私にはいまの政府の態度というものは納得できない。このことは建設大臣としてもお調べになられることを強く要求しておきたいと思うのですが、どうですか。
○斉藤国務大臣 御指摘をまつまでもなく当然影響のある問題であろうと思います。よくその点につきましても精査するように進めてまいります。
○井上(普)委員 これは運輸省に聞いてもどうなんだろうな。 全国的な規模で運輸路線を持っておる大手の企業が、いまどんどんと四国あるいは周辺のところに集まっておるのであります。架橋によってトラックに転換する貨物をねらってこの四国に進出してきておる大企業がかなりあります。四国のトラック輸送体系というものは恐らく関西の集配圏に組み込まれてしまうのではなかろうか、地元の業者は非常に不安を感じておるのであります。片一方におきましては非常に大きな資本を持っておるのでございますから、資本対資本ではとても太刀打ちできないというので、ここで当然行政がこれらの弱い者に対しまして対策、措置というものを講じなければならないと思うのでございますが、運輸省はどのような考え方をもってこれに対処しようとするのか、この点お伺いしたいのです。
○浅井説明員 お答えいたします。 本四架橋の建設が陸上輸送に及ぼす影響につきましては、海上輸送から陸上への転移あるいは本四架橋の開通に伴いまして本州−四国間の交流が活発化するということによりまして需要の増加が十分予想されるところであります。 私どもといたしましては、従来、道路運送事業の免許に当たりましては聴聞会等を開催いたしまして、地元のトラック事業者あるいは関係者の意見を十分聞いた上で処理をいたしております。したがいまして、本四架橋の開通に伴いまして今後予想されますトラック事業の免許申請等につきましても、五十二年十月の協定書の趣旨を踏まえまして、地元のトラック事業者あるいは関係する労使の意見を十分尊重しながら対処してまいりたいというふうに考えております。
○井上(普)委員 ともかくこれから対処したいと言いますが、もうすでに大手の業者が入ってきているのですね。それは、資本というのは厳しいもので、もうけるところといったらとっとっと前々から資本投下をしておる。恐らく地元の業者は、運輸省も聴聞会なんというのをやっておりますから大丈夫です、ある程度チェックしていますなんて、そんななまやさしいものじゃない。したがって、今後免許を出す場合十分な措置を講ずると同時に、この橋ができることによって被害をこうむる業者、海運業者もたくさん出てきましょうし、そういうものを優先的に考えるという考え方でなければならないと思うのです。そうして、他の地域から入ってくる大手の免許取得につきましては極力防止していくという方策をお約束できますか。どうです。
○浅井説明員 本四架橋の開通に伴います新しい免許申請等につきましては、今後の本州−四国間の相互の物流の変化あるいは地元のトラック事業者に与える影響などを考慮しながら、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○井上(普)委員 役所は何でも適切にやってまいるというような言葉で全部過ごしておるのですけれども、特に、こういう被害をこうむることが予測されておるのですから、十分なる注意を持って対処していただきたい。強く要求いたしておきます。後ほどそういうような事例があらわれた場合にはわれわれは厳しく追及することを申し上げておきます。 先日もここで参考人の意見を聴取いたしました。その際に労働者側からたくさんいろんな不安を述べられたことはもう皆さんも御存じのとおりです。したがいまして、この労働者、勤労者を中心に今後の雇用対策をひとつお考え願いたいと存ずるのであります。このことはお約束できますな。道路局長、どうです。
○渡辺(修)政府委員 旅客船従業員の離職者対策につきましてはこの法案にも記載をいたしておるわけでございます。そのほかにも、先生のおただしのありましたようなもろもろの問題につきまして、今後とも積極的に、前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
○井上(普)委員 当面の責任者がそういうことでございますので、私もそれを信用するということで今後の推移を見守っていきたいと考えるものであります。 そこで、先日の、公明党の議員さんがお伺いしたことで一つお伺いするのですが、大臣、あなたは、明石架橋については道路橋にするということについては話は正式に聞いてないというような御発言がちょっとあったやに承るのでございますが、そこらあたりもう一度おっしゃっていただけませんか。
○斉藤国務大臣 明石海峡大橋につきまして、単独橋にするというような話があるが大臣は知っておるかというようなことでありましたけれども、間接的には聞いておりますが、直接私が単独橋にという要望につきましては聞いておらないという御返事を申し上げたわけであります。それを調べましたら、地元の方々が陳情書を持って知事さんと、それから議員連盟をつくられておりまして陳情書が省へ来ておりまして、私は直接それを受け取っておりませんでしたのでそう申し上げたわけでありまして、そうした運動といいますか、お申し出があったということを承知いたしました。私自身が直接あれはありませんでした。
○井上(普)委員 ここに国土庁の長官があればまことに都合がいいんだけれども、国土庁の長官きょうは来られておらぬ。国土庁長官にこの問題について私質問した。いやしくも法的措置によって明石海峡大橋は鉄道をあそこにつけるということを決めておる、これについて大臣は方々で放言されておるようだが、どういうようにするんだと言いますと、いや私はこれを再検討させますと、こうおっしゃった。これは二月の話だ。ところがそのときに、たしか国土庁の調整局長だろうと思うのですが、国土庁にはそんな権限があるのかと言いましたら、ございますと言うのです。やっておると思ったら、大臣に対しましてはまだ議員連盟、こんな議員連盟なんというのは公の団体じゃない。オーソライズされたものじゃない。それの陳情書あるいは知事の陳情書が来ておるぐらいである、こう言っておる。大臣は話は直接聞いておらぬ、こうお話しになった。しかし、いやしくも国務大臣で、われわれは権限があるんだ、こう胸を張った、国土庁の長官が。また、そんなことをやっておる間に建設大臣にもその相談をかけてない。奇々怪々だと思う。国民を惑わすにもほどがあると思うのです。きょうは国土庁来ておりませんが、このことを道路局長知っていますか。あなたが直接関係するんだと思うのですが、調整局長から国土庁の意思として単独橋に変えてほしい、再検討してほしいという申し出はありましたか。なければないでいいのです。お伺いしたい。
○渡辺(修)政府委員 先ほど大臣からお答えがございましたように、私も地元からの陳情は承知をいたしております。国土庁の方でこの問題についていろいろ御検討のようではございますが、まだ正式にいろいろ話しておるということではございません。
○井上(普)委員 国土庁では検討されておるようだがというのはどういうことなんです。具体的にどういうことなんです。
○渡辺(修)政府委員 こういう問題が生じたが建設省としてはどういう考えなのだ、こういうお尋ねがあったわけでございますが、まだこちらとしてはそういうことにお答えできる状態にないものですから、したがいまして、国土庁でもこの問題について御検討中であろうというふうに考えたわけでございます。 〔村岡委員長代理退席、委員長着席〕
○井上(普)委員 主管大臣なんでしょう。これは何ですか、お伺いするのだが、その当時は本四公団に対して計画実施をしろという命令を出しましたな。運輸大臣と建設大臣とが出したはずだ。その後国土庁という役所ができて、調整局なんというわけのわからぬ役所ができておるらしい。そこで国土庁の長官というのは、私が質問をしておったときに、いやわれわれにも権限がありますなんて言っておったが、そんな権限国土庁にあるのですか。これを変更させるような権限は国土庁にはあるのですか。国土庁といったら建設省の分家みたいなもので、ひとつお伺いするのだが、どうなんです。
○斉藤国務大臣 御案内のように併用橋につきましては建設大臣、運輸大臣連名で認可した、事業決定いたしております。国土庁長官も国務大臣でございますので、国務大臣として、権限の問題でなく、御意思を発言されるということも権限とは離れて自由という問題もあろうかと思います。地元で何とか早く橋をつくりたいという一心からそうした御発言、これは推測で恐縮でございますが、というようなことを考えますと、権限の問題よりも、どうでございましょうか、われわれは運輸大臣と連名で認可いたして事業決定いたしてある問題でございますので、それを云々ということになりますと、これはまた当然どこでそれを起こすのかは問題であろうと思いますが、それから先の問題については関係省庁で協議するとか方法はあると思いますが、まだそこまで私直接聞いておりませんので言及する立場にないわけで、とにもかくにも併用橋で決められた、運輸大臣と連名で認可したという事実関係の計画を進めているという以外はコメントできないと思います。
○井上(普)委員 大臣、地元へ行ったらそんな話じゃない。あなたもおられて、建設委員会で私の質問に対して片一方がしゃべったのです。それに対してあなたは黙っておるから、恐らくこれは協議されておるのだなと思っておるから私は終わったのだ。ところが、公には何ら話がない。これはおかしげなことで、権限という問題じゃなくて、国務大臣としてそれは話もあるでしょうけれども、建設大臣、そのときになんですよ、これは欠席裁判みたいになってまことに申しわけないのだけれども、えらい胸張りまして、そしてわれわれはその権限はある、調整の権限はあるのだということをやって、調整局長なるものもそういうようなことを言われた。そこで、そのときに時間がございませんでしたのでそのままになったわけでございます。私はあのとき国土庁の長官に十分しか質問しなかった。五十分はともかく建設大臣に質問したので、時間切れになって終わったのですが、この間の話を聞くと、当然話があるものだと思っておったらない。どうなんです。権限はあるのですか。
○渡辺(修)政府委員 国土庁設置法によりますと、「総合的な交通施設の体系の整備方針に関し、基本的な政策を企画し、立案し、及び推進し、並びに関係行政機関の事務を調整すること。」というのが国土庁の所掌事務に入っておりますので、いわゆる幹線交通体系の調整、それからこれがひいては、全国総合開発計画は国土庁が所管しておりますので、そういった意味での調整権限と解されるのではないかと思います。
○井上(普)委員 私これは欠席裁判になるからこれ以上はやめておきますけれども、そのときには、ともかく私らはこれは変えるのだ、調整するのだ、こう言ったのは二月の話。しかも大臣の方はそういうような話を聞いてないことはないわけでしょう、主務大臣ですからね。無責任なる内閣かくのごとくと申しても過言じゃございません。 もう時間が参りましたが、どうか大臣、ほかの大臣が建設大臣の所管について物を言うときには、あらかじめあなたの了解を得て物を言うようにぐらいのことははっきりおっしゃいなさいよ。こういうような放言をする、あるいは役所の機構がどうなっておるのかわからぬような大臣がたくさんおられたのでは国民は惑わされてしようがない。このことを強く要求いたしまして、私は質問を終わります。
○稲村委員長 山原健二郎君。
○山原委員 最初に本四公団の昭和五十五年度工事請負契約実績について質問をいたします。 夢のかけ橋ということでずいぶんバラ色の色彩をまいてきたわけですが、その実態がどうなのかという意味で申し上げるわけですが、資本金一億円以上の企業と一億円以下の企業の請負実績を見ますと、一億円以上の企業の場合に件数が十九件で金額が三百四十五億五百万、そして一億円以下が件数が五十七件で六億六千八百万、こういう構成になっております。そして構成を見ますと、一億円以上の企業の場合が二五%で何と九八%を受注している。一億円以下の場合が七五%の数でわずか二%の請負契約しかしていない。こういう結果が出ておりますが、これは大体件数的には合っていますでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 ただいま御指摘がございましたが、工事発注規模が一億円以上のものが十九件で二五%、これを金額にいたしますと九八%ということでございまして、工事発注規模一億円未満が五十七件、全体の件数では七五%、請負金額では全体の二%、こういうことになっております。
○山原委員 この数年来本四公団の発注率はこういう形でほとんど変わっていないという状態にあるように思います。これでわかりますように、何といってもいわゆる大企業奉仕ということですかね、そういう点が非常に明確に出ておるわけでございまして、こういう状態を今後とも維持していくのか、それとも改善をしていくのかという点について伺っておきたいのです。
○渡辺(修)政府委員 本州四国のこの架橋工事でございますが、世界的な長大橋を含む大変規模の大きな工事でございます。したがいまして、いま先生から御指摘ございましたように、地元の中小企業の方々の受注率と申しますのは必ずしも大きくないわけでございます。しかしながら、中小企業の保護というような政府の方針もございますので、工事の状況、つまり工事の難易度、工事の規模、そういったものを勘案をいたしまして、地元の方でできるものがあれば極力地元の方、中小企業の方にやっていただくというような配慮を行うよう公団を指導してまいりたいと思っておるわけでございます。 なお、地元の受注の状況がつい先ほど判明をいたしましたので御参考までに申し上げますと、五十五年度におきまして二十七社が受注をされております。その金額における構成比が五・三%というような状況になっておるようでございます。
○山原委員 確かに大きな工事であり、長期間を要する、あるいは技術の問題等もあると思います。しかし、この本四架橋問題が起こりましたときに、私どもは二十五年来本四架橋問題を聞いてきているわけでございますが、その中で、本当にこれは、たとえば私は四国の高知でございますけれども、四国などにおいてもこの工事のために相当な潤いがあると、これは当時の新聞ですが、七八年の十月十日の朝日新聞だろうと思いますけれども、児島−坂出を着工した日の記事ですね。四千六百社が契約を求めて殺到しているわけです。この記事によりますと八千四百億円、工期九年間、もう大変膨大な仕事なんだから、これに対して地元業者を含めまして殺到するのは当然だろう、しかし、その門はきわめて狭いのだということをこのときにも言っておるわけです。 それから今日までまいりますと、いま確かにお話がありましたけれども、現実に出ておる数字というのは、もう高知県なんかほとんど一件もないのです。きょう私はちょっと耳を疑いまして県庁へ電話してみたのですが、一件もないのですね。全く昔の夢はもうさめ果てたというような感じになっておるわけでございます。さらに、発注上位の十社を出していただきまして、それを見ますと、これはもう御承知だろうと思いますけれども、たとえば第一位が新日本製鉄、神戸製鋼所、これが二七・五%を占め、八十四億四千八百万。それから第二位が佐藤工業、三井建設、佐伯建設工業の共同体というようなことで、これが一九・九%の六十一億二千万円ですね。こういうふうにずっと見てみますと、何と三百四十七億七千三百万円の契約額の中で八八・四%に当たる三百七億四千七百万円を上位十社が契約をしておる、こういう結果になっておるわけでございます。これはもう全く私どもがかつて考えておったこととは違った、むしろ私どもは予想しておったわけでありますけれども、宣伝されたものとは全く違った状態になっておるということについてどういうふうにお考えになっておるか、伺っておきたいのです。
○渡辺(修)政府委員 先ほども申し上げましたように、海峡にかける橋梁でございますから非常に特殊でかつ大規模である、こういう状況があるわけでございまして、地元の方々、中小企業の方に入っていただく適切な工事がなかなかないという点を御理解いただきたいと思うわけでございます。 しかしながら、だんだん橋が完成をしてまいりますと、たとえば照明工事であるとかあるいは塗装であるとか、いろいろ地元の方にもやっていただけるものも出てまいりましょうし、その意味で、本四公団については十分私どもも指導してまいりたいと存ずることが第一点。それから関連いたします工事、たとえば四国におきます高速自動車国道の今後の整備あるいは国道のバイパス等の工事も、これから橋の工事を契機にいたしまして促進をするわけでございますので、そういう点につきまして、中小企業の方々にも十分仕事をやっていただくということは今後とも考えてまいりたいと思うわけでございます。
○山原委員 それが相当のことが予想されるかどうかという問題でございますが、その前に、いま私が挙げました、いただいた資料によりますところの上位十社に八八・四%が集中しておるということ。これを含めて特徴ですけれども、それは、共同企業体を組んだ大製鉄資本、それから大手土建資本が独占的に請け負っているということを示しております。今後の問題としていろいろな関連事業があるだろうというお話ですが、それはもう少し明確にしていただく必要があると思います。 もう一つの特徴は、先ほど直言いましたが、明治以来の国民の夢の実現ということを言ってきたわけですけれども、結局いままでのところ、大製鉄資本あるいは大手土建資本の長年の夢を、夢というかもうけを実現をしたにすぎないのではないか、こういう橋なのかということを考えざるを得ないわけです。地元は全く現在のところ入っていない。 それからもう一つは地元の雇用の問題です。これは御承知のように、四国のみならず瀬戸内海沿岸におきまして、たとえば造船企業が倒産をしております。そういう中でたくさんの失業者が出ているわけですね。こういった問題も解決できる橋なのではないかということが言われておったわけでございますけれども、ほとんどこの雇用関係を解決するような中身になっておりません。因島大橋の場合に、あれはあそこの職安の調査によりましてもわずか七名しか雇っていないという数字が出てくるわけですね。そういったことを考えましても、雇用問題もどうも地域住民を潤すような状態にはなっていない。そうすると、この本四架橋というのが地域の発展というようなものではなくて、全く違った方向に進んでいるのじゃないか。この法案を見ましても、本四架橋関連事業等に旅客船労働者の就職あっせんをする、こういう規定になっております。しかしいままでの経過から見ますと、そういうことを法案に書かれておっても、今日のような状態が継続しているようでは、国や公団が真剣にそういう就職のあっせんなどをするということを信用するわけにはいかないという声もあるわけでございますが、この点などについてはきちっとした対策をもってやるのかどうか、この点についての建設省の決意を伺っておきたいのです。 それと、先ほど局長が答弁されましたところの今後の関連事業というのはどういうものがあり、そしてどれだけ地域を潤すような発注ができるか、その見通しをできれば伺っておきたいのです。
○渡辺(修)政府委員 地元労働力の雇用状況も実はつい先ほどやっと調べがついたわけでございますのでちょっと御紹介申し上げたいと存じますが、五十四年度におきましては全体で四十四万三千三百名ほど雇用いたしておりますが、そのうち地元の方が二十四万九千百名、約五六%でございます。それから五十五年度では全体が四十二万二千百名に対して二十四万四百名、五七%というようなことになっておるようでございます。 なお、先生のおただしの本州四国連絡橋の関連事業ということでございますが、私が先ほど申し上げましたのは工事の方でございまして、工事の方でも、たとえば完成間際になりますと周辺の修景作業、つまり木を植えましたり芝を張ったりするような作業もございますし、もろもろの細かい仕事があるのではないかという点を申し上げたわけでございますが、なお、関係の方々の吸収という点につきましては、すでに完成をしております大三島橋におきまして、花栗渡船という機船が運航しておりましたが、ここの従業員と申しますか、これは家族営業でございましたが、この方々に料金徴収事務に携わっていただいておるというような実績もございまして、今後本州四国連絡橋が完成をいたしました場合の維持管理の問題等々含めまして、いろいろ細かく配慮すれば方法があるのではないかと思うわけでございます。この点につきましては、いま本州四国連絡橋公団におきましていろいろと検討をしていただいておる最中でございます。
○山原委員 それが非常にうまくいくようであれば、海員組合が二月二十五日にストライキまでやって団体交渉をしなければならぬという事態にまで発展するはずもないと思いますが、そういう意味で非常に深刻な事態を迎えまして、この関連事業その他に対する就職のあっせんその他、建設省に残された仕事は、単に本四架橋公団に任すだけでなくて、非常に大きなものがあると思うわけでございますが、その点については十分配慮をし、関係者の要求にこたえるべきであるということをまず申し上げたいと思います。 それからもう一つの問題は、本四架橋の建設計画についてでありますけれども、聞くところによりますと、本委員会で四月十五日に、建設大臣は本四架橋の建設計画について、計画どおり進めていくつもりだと御答弁をなさっておると聞くわけでございますが、計画どおり進めていくつもりだというこの計画というのは一体何を指しておるのか、伺いたいのであります。
○斉藤国務大臣 当初三ルート計画が、総需要抑制で一ルート三橋、四橋に計画変更されたわけであります。一ルートは六十二年を目途に計画設定をされておりますので、その計画にのっとって事業を進めてまいる、そういう意味合いでございます。
○山原委員 そうしますと、結局一ルート個橋のことを指して計画どおり進めていくつもりだと、こういうふうに受け取っていいわけですね。 建設省としては、いままで三ルートをやるということを変更したことがあるのでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 建設省といたしまして変更はいたしておりません。
○山原委員 私は建設委員会に来て久しぶりにこの質問をするわけですからちょっとわかりにくいのですが、建設大臣としては計画どおり進めるということは一ルート四橋であると、それからいまの局長の御答弁では、建設省としては三ルートを外したことはないとおっしゃる。これは矛盾してない御答弁ですか。
○渡辺(修)政府委員 四十八年の十一月に三ルート全体を、着工を凍結するということに相なったわけでございます。その原因は例の石油ショックでございます。その後経済情勢が何彼をいたしまして、五十年の八月に一ルート三橋の決定が行われまして、そのうちの大三島橋が五十個年に完成をいたしましたので、その後五十四年一月に伯方・大鳥大橋を追加をし、合わせて一ルート四橋と、こういうことになったわけでございまして、ほかの部分はまだ凍結状態である、こういうことでございます。したがいまして、大臣の申し上げましたことと私の申し上げましたこととは矛盾はいたしておりません。
○山原委員 この工事着工のベースで見てみますと、これは申し上げる必要もないと思いますが、児島−坂出ルートの場合は五十二年十月に着工、それからいまおっしゃった大三島が五十四年五月に完成をする、大鳴門橋が五十一年七月に着工しまして五十九年ごろ完成をする、因島が五十八年の秋、大島大橋が六十二年、こういうふうになっているわけでございます。いまおっしゃったことは、建設省としては三ルートという目標というのは持っているのだけれども、例のオイルショックその他によって凍結した。そして、いま計画的に進めていくのは一ルート四橋ということでやっていくのだと。では凍結というのは、これはどういうかっこうになるのですか。たとえば凍結を解く要素というのは何が要件になって解くのか、あるいは凍結はこれからも続けていくのかというようなことは検討されているのでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 現在着工しておりませんその他の橋梁につきましては、地域開発に及ぼす影響、工事の難易度、それからもとより経済、社会の変化の状況等を勘案いたしまして、この一ルート三橋を決めましたときと同様に関係省庁間でその情勢を把握しながら協議をして決定していく、こういう段取りをとることになろうかと思うわけでございます。したがいまして、まだ現状では次の橋ということにつきましては時期尚早というふうに思っておりまして、まだ動きはいたしておりません。 〔委員長退席、中村(靖)委員長代理着席〕
○山原委員 そうしますと、公団の基本計画及び工事実施計画ですね、これを指示する指示権は建設大臣にあると思うのですが、建設大臣としては三ルート建設というのは基本的な方針として持っておるのだけれども、しかし現在凍結しておるという状態の中で、いつこの実施計画の指示権を発動するといいますか、そういうお考えは、まだそこまで持つ時期ではない、三ルートは断念はしていないのだけれども、凍結状態の中でとりあえず当面の計画を進めていく、改めて確認をしておきたいのですが、そういう受け取り方でよろしいのですか。
○斉藤国務大臣 いま先生の御発言の受け取り方でよろしかろうと思います。五十年の八月十八日に関係省庁、国土庁、運輸省、建設省で決定事項をいたしております。「大三島橋は、着工の凍結を解除する。」ということで進めておるわけでありますが、「大鳴門橋については(従来の方針で)諸般の準備を進める」、「因島大橋については、引き続き、着工時期について検討する。」というような申し合わせがあるわけで、その他のことについてはなお今後の課題として関係省庁で協議の上決定するようになっておりまして、まだいま決められた橋以外のことにつきましては協議の段階でないというように考えておりますので、まだその計画を進める云々については協議をいたしておりません。
○山原委員 いままでのこの動きを見てみますと、非常にふくれたり縮んだり、ふやしてみたり滅してみたりというようなことが、いわば国の政策自体が右に左に大きく揺れてきたように思うのです。本四公団を設立した当時の四十五年の十二月には調査基本計画は三ルートでいこうということになっておったことはいまお話のあったとおりです。これはいわゆるA、D、Eルート、Aルートが明石−鳴門、Dルートが児島−坂出、Eが尾道−今治、それが四十八年の十月二十六日に三ルートでの工事実施計画を大臣の認可をしまして、その後三ルート計画はおろされておりません。それはいまお認めになったところです。そして目標を三ルートの完成に置きながら、進度調整上の措置として五十年八月十五月には一ルートをやろうということで建設、運輸、国土の三省庁で協議し、合意した、そしてすぐおっつけて三橋もやる、こういうふうになってくるわけですね。この時点、すなわちいま一ルートでやろうという五十年八月十五日の三省庁の協議とそれに三橋が加わっていくというこのときは、国の予算はまさに大変重大な、経済的にも底をついておるときですけれども、一ルート三橋を次々に着工していくわけです。そして五十四年一月十日に、いまお話がありましたように伯方−大島間の大島大橋の認可が行われる、そして五十六年三月に着工という進み方になってくるわけです。 この数年来の経過を見ますと、非常にふくれてみたり減らしてみたりしておる。国の経済状態はどうかというと、むしろそれとは逆な方向、困難な厳しい情勢があるにもかかわらず、ふくれてみるというようなことがあるわけですね。五十三年から五十四年にかけまして、この時期にはまさに大盤振る舞いの、大型プロジェクトを中心とした建設工事に着工していくという事態が起こっているわけです。そういう点を考えますと、本四架橋の計画及び建設というのが、四国あるいは中国住民あるいは本州と四国を結ぶという住民の立場に立った建設というよりも、むしろ大企業向けの景気対策として実施された感を私は非常に強く感じております。その点で政府は本四架橋の位置づけというものをどういうふうな立場で位置づけをされておるか、これをぜひ伺っておきたいわけであります。この点についてしかとした御答弁をいただきたいと思います。
○斉藤国務大臣 三ルートの問題について、架橋要因についての先生の御発言につきまして、そうした見方もあるかもしれませんけれども、私の方から言わせますと非常に残念だと思います。企業というものが出ることについてははなはだ残念でございまして、あくまでもこれは四国四百万住民の方々が本州との一体感を、何年ごろから人が住んだであろうかと思いますが、歴史的経緯から見てまさに執念とも言えるほど熱望をされておったわけてあります。瀬戸内海によって阻まれた四国の方々の心境、大変な熱望を持って今日の本四架橋という現実面に向かっての喜びを、私先ごろもあの伯方・大島の起工式に行ってまいりましたけれども、ずいぶんあちらこちら起工式に参りますけれども、あの雨の中を集まった方々の顔を見ますとちょっと異常なほど、どう言ったらいいんでしょうか、喜びといいますか、物すごいものがあるんです。それを考えたときに、これはやはりやってよかったんだなというようなことをつくづく考えるわけであります。もとより本州と四国との一体化、地域振興あるいは経済の問題等々もあろうかと思いますが、とにもかくにもこの狭い国土の中で四国の方々が本州との一体感を生まれたときから根強く言い伝えて、歴史的に掲げてきた願望というものを考えたときに、私はそうした面でひとつ御理解をいただいて、ぜひ御協力を頂いたいと思うわけであります。 これからの問題、いろいろと振幅があろうかと思いますが、経済事情が許しませんので一ルート三橋という形になったわけで、でき得れば長期的な観点からも基本的考え方としての三ルートの計画はして、早く四国の方々が本州と一体だという感じ方で、歴史的な問題にも、また住民の方々の熱望にもこたえることが政治をやる者の務めではないかとまで私は考えておるわけで、どうぞひとつ御理解をいただきたいと思います。
○山原委員 大臣のおっしゃることわからないわけではありません。私、後で私の県の実態、どれだけの負担金を出してきたかということと関連して申し上げたいと思うのですが、ずいぶん長い間政治の動向によってあるいは政治的に利用された形でふくらみ、縮まり、そして最初掲げておった夢のかけ橋というイメージもだんだん薄れていく。そしてメリットも余りないということから、この橋に対してもっと今日の時勢に合った、しかも早くつくる、あの三ルートが出たときはあっさり言えば世界の土木学界がびっくりしたわけですからね。そういう点で、むしろそれよりも本州と四国を結ぶこれに対して集中した力を出した方がいいのではないかという声もあったわけですけれども、事態もそういうふうになっておるわけで、いま大臣がおっしゃったように、大臣は依然として三ルート完成の希望というものを持っておられるわけです。今度の法案の中で縮小航路の発生というのは本四架橋の建設があるために行われるわけですが、それが現在一ルート四橋の計画で考えられておりますけれども、仮にいま大臣がおっしゃった。ように三ルートヘふくれ上がってきた場合、航路の全面廃止だってあり得るわけでございまして、それはまた中小旅客業者に限らず航路運送事業に携わる多くの労働者にも重大な影響を与えるわけでございます。そういうことを考えてみますと、本当に本四公団法が提出をされた以前からこういうことは予想されたわけでございまして、今回の法案に込められておりますような措置というのは、当然本四公団法に定めておくことが妥当だと私は考えておるわけでございますが、この点についてはどういうふうにお考えになっているでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 本州四国連絡架橋を行うに当たりまして、これは大変な影響が起こるということが言われ始めましたのは四十七年ごろからであったかと存ずるわけでございます。本州四国連絡橋公団法をつくるときにはここまで予想ができなかったということであろうかと思います。しかしながら、その後関係者の御意見等いろいろ伺っておりまして、特にこの旅客船問題につきましては輸送の公共性という問題もございまして、これは何らかの対策を必要とするということになりまして今回の法案を提出した次第でございますので、その間関係者がいろいろ努力してまいりました点をひとつ御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○山原委員 一面、この中小業者の方の廃業あるいは労働者の離職の補償問題、これは本当に真剣に考えますと、ずるずるといくのではなくして、建設計画そのものを場合によっては見直しをし、あるいは縮小していくということも考えられるのではないかと思いますが、その点についてはいまどんなお考えを持っておられますか。
○渡辺(修)政府委員 先ほど大臣から御答弁がありましたように、西日本地域の経済の成長であるとか、あるいは本州−四国間の交通需要への対応という点を考慮いたしますと、長期的にはやはり三ルートが必要であると考えておるわけでございます。しかしながら、当面はただいま決められております一ルート三橋、さらには一ルート四橋になっております、これを着実に進展をさせるということが肝要かと存じます。特に、いままですでにこの一ルート四橋で約三〇%の投資が行われておりまして、これを効果的に発揮して、また地元の皆様の御期待にこたえるということが必要かと思うわけでございます。したがいまして、当面縮小ではなくそのまま継続、しかしさらにこの次の問題等につきましては十分慎重に配慮をいたしたいというふうに思うわけでございます。
○山原委員 交付金の財源の問題について二つほどお聞きしておきます。 一つは、本四架橋の道路及び鉄道部分にはどれぐらいの出資金及び補助金が入っておりますか。 もう一つは、これは料金の決定の際、何%ぐらい料金を引き下げる要素となるでしょうか、伺っておきたいのです。
○渡辺(修)政府委員 まず、道路部分についてお答え申し上げます。 昭和五十六年度におきまして、道路部分の事業費が九百九十五億五千二百万円でございます。そのうち出資金は、政府分が八十一億四千百万円、地方公共団体分が四十億七千百万円でございまして、従来からこの政府分と地方公共団体分を二対一ということでやってまいったわけでございます。 この料金への反映でございますが、特に児島−坂出ルート等につきましてはまだそこを計算する段階まで至っておりませんので、明確に申し上げられないわけでございますが、この出資の比率を申し上げますならば、全体事業費に対して一三・三四%ということになっておるわけでございまして、当然ながらこの分は料金を低減する効果を持っておるということでございます。
○山原委員 その点わかりました。 次に、本四公団の料金ですが、料金決定の基準として「道路の通行又は利用により通常受ける利益の限度をこえないものでなければならない。」ということが道路整備特別措置法の十一条に出ております。このうち「通常受ける利益の限度」とは、具体的には航路旅客船の料金を超えないものと受けとめてよいのでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 その便益の程度でございますから、時間が非常に短縮されるという効果をどう判定するかというのが大変大きな要素になろうかと思うわけでございます。いろいろ有料道路をつくります場合、陸上におきましてもそういう時間短縮効果等を考えておりますが、この本州四国連絡架橋の場合には大変その時間短縮効果が大きい。しかしながら、先生御指摘のように、現状ではフェリーが運航しておりまして、その料金というものもございます。相なるべくはフェリーの料金以内に設定する方が望ましいとは思いますが、場合によりまして、その時間短縮効果等がきわめて大きい場合には、これを超える場合もあり得るというふうに思うわけでございます。
○山原委員 その点についてですけれども、私は一つの矛盾を感じるわけです。本四公団の場合は国の補助あるいは出資金をもらっていながら、一方、民間航路旅客船の料金というのは補助ももらっていない状態で決められて、努力をしながら料金が決定されているわけでして、その民間航路の料金を基準にするということ自体も問題を感じますし、同時に旅客船の料金がどんどん上がっていきますと、本四公団の料金も上がっていくというふうになる可能性もないとは言えません。それに対する一定の心配もあるわけでございまして、その点はどういう相関関係にあるか、これも伺っておきたいのです。
○渡辺(修)政府委員 料金の決め方につきましては、実は便益の範囲内という一つの考え方のほかに、償還主義というものがあるわけでございまして、つまりその橋を建設し、また維持、管理する費用を通行料で賄うという観点も考えなければならないわけでございます。したがいまして、その償還主義と便益主義の両者の兼ね合いということになるわけでございます。 それからなお、時間短縮効果はきわめて大きいわけではございますが、マイナスといたしましては、フェリーに乗っている場合車はガソリンを使わないでいいわけでございますけれども、橋を走れば走行経費がかかる、これは差し引かなければいかぬわけでございまして、必ずしもフェリーの料金と橋の料金が連動するものではなかろうと存じます。
○山原委員 その辺細かくなってまいりますと私もよくわかりかねますので、時間の関係もありますからこれ以上申し上げません。ただ、この料金を低廉に抑えていくということが国の方針としてなければならないということを私は申し上げておきたいと思います。 それから今回の法案の措置の原因をつくったのは本四公団の事業であり、これには補助金や出資金が出されて、他方廃業したりあるいは離職したりする方は、公団が国から受けた恩恵のいわば残りかすをもらうということになりかねないと思うわけでございますが、交付金の財源はなぜ国が受け持たなかったのか、こういう疑問が生じてまいります。この法案の二十四条に「国等の施策」というのがありまして、そこでは必要な資金の確保に努めるとございます。交付金の財源である料金収入が、いま局長がおっしゃったように一定の不安定さを持っておる場合、中小業者や離職者等に対する給付につきましては、その点で十分考えておかなければならない問題でございまして、絶対にこの給付に支障を来さないような万全の保障を国が行う必要があると思いますが、その御用意はございますでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 この法律によります交付金の支出を行います時点は、本州四国連絡橋が架設をされまして間もない時点、それから橋によりましては他の工事が行われている時点、たとえば因島大橋が完成をいたしました時点におきましては、まだ児島−坂出ルートは建設の最盛期、こういう状況でございます。したがいまして、全部建設等の資金が出尽くした後で行うというものでもございません。建設費の中で、適切な出資あるいは借入金等の中で、同時並行的にこの交付金の問題も処理しながら進んでいくものでございます。そういう点におきまして十分遺漏のないような手当てはできるということを申し上げたいと存じます。
○山原委員 次に、実際に私どもが関係した気持ちの経過をちょっと申し上げてみたいと思います。 私は高知県ですが、先ほどちょっと井上さんからの質問がありました。明石−鳴門併用橋、このことを強調してきたわけですね。当時私は県議会におりましたが、必ずしも私はそれには賛成する気持ちもなかったわけですが、ずいぶん激論も闘わされたわけです。しかし、それが一つの県是という形になってきたことは否めなかったと思います。むしろそういうことを県是とすることに対して私は批判的な立場をとっておったわけでございます。ところが、こういう形で県は県で中央に対する、政府に対する陳情を行います。このためにずいぶん巨額の金も使われておるわけでございます。そしてそれに対して政府側におきましても、一定のこれにこたえるような幻想的な発言もなされてまいりました。 ところが、これが変化してくるわけですね。一つは経済状況の問題、もう一つは国鉄の赤字問題、それからこの運動の中心として構成されておりました六団体、これは兵庫県であるとか徳島県であるとか高知県であるとかいう六つの団体が組織をしておったわけでございますが、こういう情勢の変化の中で立場の異なる意見も出てまいりました。そして五十五年の九月十八日に、忘れもしませんけれども、自民党の促進議員連盟で決議が行われまして、明石−鳴門橋は単独橋となるということがここで明らかになってきたわけであります。このときにはずいぶん大きな反響を呼びまして、その自民党の促進議員連盟の決議の四つをいま思い起こしてみますと、一つは、明石−鳴門は単独橋にし、そして鉄道についてはトンネル案というのが出てくるわけです。トンネルについては、それはどういうふうに発展するかわかりませんが、とにかく第一項はそれが出てまいります。第二項には、道路五カ年計画に位置づけをしてこの単独橋をつくっていく。第三番目が鉄道は上記五カ年計画にあわせてトンネル工法を実施の調査に着手されたし、要するにトンネル工法については、単独橋としてこの道路五カ年計画に組み込んだ場合にそれと並行してその調査を実施されたいということです。それから、これにつながる地方交通線の建設、整備の一層の促進を図られたしというのが出てくるわけですね。これがまた問題になってくるわけです。四番目に、これにより予想される自治体負担は国において特段の措置をされたし、これが先ほど申しました五十五年九月十八日に行われました自民党促進議員連盟の四項目の決議であります。 ところが、鉄道問題が出てくるわけですね。鉄道問題については、トンネルと書いておりますけれども、このトンネルをどこにつけるか、あるいはそのトンネルをつくった鉄道路線には新幹線が入るのか、在来線が入るのか、これも不明確、あいまいなままでこの決議はなされております。徳島県の方におかれてはこのトンネルの場所を紀淡海峡につくって在来線にする、そしてこれを阪和線につなぐ、こういうお考えが出てくる。兵庫県の場合は兵庫−淡路のトンネルを期待するということが出てまいりまして、これは新幹線を通すのかあるいは在来線を通すのかは不明な御意見が出てまいります。このように事態はきわめて流動的になってくるわけでございます。 一方新幹線は、基本計画に新幹線を導入するということが出ているわけです。二つ出ています。それは、一つは明石−鳴門を通りまして、愛媛県の八幡浜に行くところの新幹線、もう一つは児島−坂出を通って高知に向けて行くところの新幹線、こういうものが新幹線の基本方針の中には出ているわけです。こういう問題がまた一方であるわけですね。 そうして、それもありながらすべてが流動的に動いておりまして、いまやかいもくイメージもわかないという事態にまできているわけですね。長年にわたって政治的に県民をいわば利用して選挙の材料にしてきたこの本四架橋というものがいまやイメージもわかないような事態で、雲散霧消するとまでは言いませんけれども、どう説明していいかわからぬような状態にまできておるということは事実なんです。 この本四架橋、明石−鳴門をめぐりましてこれはこれから先どうなるのか。鳴門海峡の大橋はもう工事が進んでいます。淡路島へ行きましても、淡路島から先どこへ行くかわからない。ある人は、関西新空港ができたときにそこへトンネルをつけるというような話も出てくるわけですが、とにかくその辺になってくると、昔四国の住民に宣伝をしてきたようなことはもう全く見当がつかない、こういう事態になっているわけですね。これは政治家としては重大な問題なのです。まさにいまそういう点で、いまは全くわかりませんという無責任なことを言わざるを得ない状況に置かれているわけですが、建設省としましてはこれらについて御検討されておるでしょうか、また、これらについて何らかの計画といいますか、構想といいますか、そういうものを持っておられるのでございましょうか、これを伺っておきたいのです。
○渡辺(修)政府委員 いま工事をいたしております橋でございますが、鉄道に関するものといたしましては、まず大鳴門橋がございます。これは新幹線の規格の鉄道を乗せるということでございます。ただ、ちょっと技術的で非常に細かい問題になりまして恐縮でございますが、新幹線を単線で載荷するという状況で工事を進めております。それから中ほどの児島−坂出ルートでございますが、これは在来線の複線と新幹線の複線ということで工事を進めておるわけでございまして、そういった点におきましては従来の方針と変わっておるものではございません。 先生が九月十八日の要望決議の内容をお話しされたわけでございますが、私どももこれとかあるいはこれに関連をいたしました地方公共団体の御要望もいただいております。しかしながら明石海峡大橋につきましては、すでに運輸、建設両大臣名をもちまして併用橋の工事実施計画を認可しておるところでございますので、これを仮に単独橋にするということであれば、これは当然振り出しに戻ってまたやり直さなければいかぬわけでございます。私どもは、たまたま凍結中でございますので、この工事が実施できる日までの間にさらに詳細な調査設計を進めるべく努力をいたしておりますが、この点につきましては国土庁の方からも建設省はこの問題については一体どう考えるのかというおただしはございましたが、まだ具体的に御相談をするという段階ではございませんので、いまのところはちょっと建設省はこの点どう考えるかという点について明確なお答えができないと申しますか、私どもの立場といたしましてはいまのところは併用橋でそのまま進めるという立場であるというふうに申し上げる次第でございます。
○山原委員 これ以上申し上げませんけれども、今日の事態の中でどういうふうに考えていいのか、あるいは住民に対してどういうふうに説明をしていいのか、選挙等におきましてもずいぶん使ってきて、これが最大の争点になったわけですから、国政選挙はもちろんでありますけれども、県政の選挙におきましても知事選挙におきましても、全部これが利用されたというか、活用されたといいますか、そういう形で住民の気持ちをそそり立ててくる。そして一方では夢のかけ橋ということで、三ルートがそれぞれ宣伝合戦もやれば陳情合戦もやるということで大変な事態だったわけです。この霞が関周辺が騒然たる状態にまでなるようなことがずっと続いてきたわけですから、これは政治家としてやはりその辺の見通しといいますか、もっと現実的な今日の日本経済の実態の中でどういうふうにするかということは当然考えていかなければならない問題だと私は思いますので、きょうはあえてそのことを大臣のおる前で申し上げたわけでございますから、ぜひこの気持ちは了承していただきたいと思います。 たとえば高知県の場合どんなふうになっているかと言いますと、負担金は増大しています。鉄道は鉄道で、先ほどの自民党の促進議員連盟では単独橋ということで、鉄道は県是とまで言っておったものが今度外されてしまう。トンネルは見通しがない、それから関連地方交通線を促進するという最初の決議、また自民党の促進講員連盟の決議の中にありますけれども、今度の赤字ローカル線の廃止によって高知県の阿佐線というものは、実は高知から安芸市までは電車が通っておったのです。軌道があったのです。これをはいでしまったわけですね。それはなぜかというと、明石−鳴門橋ができれば四国循環鉄道ができるから、いまのうちにはいでしまって、これを国鉄が買収するということまでして、この犠牲というものは物すごいのです。バス代が高くなります。通学も通勤も全部犠牲を受けている。医者へ行くのにも大変な金が要る。それだけの犠牲を払った地方ローカル線は切り捨てだ、こう来るわけですね。全く踏んだりけったりで、そして本四架橋の工事が進んでも高知県は一件も発注を受けた企業がないのです。一人も雇用されていない。ずいぶんのんきに騒いできたものだなという感じもするわけでございますが、一方負担金を見ますと、四十八年の出資金が十二億円で縁故債が百三十六億円です。五十二年に御承知のように負担が変化しました。これは鉄道がのきまして道路橋になりましたから建設省によって負担金がふやされたわけですね。そうしますと、何と負担が、五十二年に変化しますと、出資金二十七億六千三百万円、縁故債が百八十六億六千八百万円と倍になる。全く踏んだりけったりという状態でございまして、ことしの予算を見ますと、毎年この金額は支出されるわけですが、出資金が千四百二十五万六千円、縁故債が九千二百八十万円ということを今度の県予算の中できちっと組まなければならない。こういうふうになってきますと、本当に夢のかけ橋ということで、フランク永井さんが「橋をつくろう」という歌まで歌って大騒ぎをした時期があるのですが、いまや橋は涙がため意かというような歌にまで変えざるを得ないようなこういう状態です。これは決してオーバーに言っているわけじゃなくて、実際そういうところもあるわけでして、こういうことに対して建設大臣、まだ時間はございますけれども、節約してこれ以上申し上げませんが、本当に私は県議会、国会を通じてながめてまいりました本四架橋の問題、明石−鳴門ルートの問題につきまして、私の気持ちを込めまして申し上げたわけでございます。ぜひこういうことに対して住民に対して偽りを言わないような、もっとしっかりした基礎で、しかも政治的に利用される状態の中で、四国と本州を橋で結ぶということが四国住民にとっていまや一番大事なことになっておると思いますが、そういう意味で住民に幻想を抱かして、非常な幻滅を覚えさせることがないようなしっかりとした基礎に立ってこの問題に対処してほしいということを切に期待をいたしたいわけでございますが、斉藤建設大臣の御所見を最後にお聞きいたしたいのであります。
○斉藤国務大臣 先生地元でありますだけに、皆さん方も同様でございますけれども、特に地元ということで、地域に与える影響等を考えての御意見につきまして胸が痛くなるほど十分承知をいたしました。こうした大きな期待にこたえ得る事業をやるにつきまして、私はそのことによって地域関係の方々に犠牲があってはならないという基本的な考え方を持つ者の一人でございます。先生の御提言につきまして十分配慮しながら、そうした悪い影響を与えないように、いい影響を与えこそすれ悪い影響を与えないように、地域の方々に本当に喜んでいただけるような事業を進めてまいる所存でございます。ありがとうございました。 〔中村(靖)委員長代理退席、委員長着席〕
○山原委員 終わります。
○稲村委員長 次回は、来る二十四日午前九時四十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十四分散会